JP2023160616A - 遊技機 - Google Patents

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哲平 加藤
Teppei Kato
勇輝 平
Yuki Taira
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Abstract

【課題】異常状態に関する情報を適切に通知することができる遊技機を提供する。【解決手段】パチンコ遊技機1は、サブ制御基板100の演出制御用マイコン101が、コマンドの受信に基づいて制御を実行可能であると共に、受信するコマンドに関する通信エラーが発生しているか否かの判定を行い、かつ、その判定が、通信エラーの発生状態を示す結果になったことに基づいて、通信エラー報知を制御する。演出制御用マイコン101は、通信エラーが発生しているか否かの判定において通信エラーの発生状態を示す結果となった回数が、基準時間中に基準回数よりも多い場合に、通信エラー報知の制御を禁止可能である。【選択図】図35

Description

本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関するものである。
遊技機としては例えば、遊技球(パチンコ球)を用いて遊技を行うパチンコ遊技機が知られている。パチンコ遊技機は、機内部に収容される遊技盤の前面側に遊技領域が形成されており、この遊技領域を機前面の窓(透明なガラス板)を通じて視認できるように構成されている。遊技領域には複数種類の入球口が点在しているため、遊技者がハンドル操作を行って遊技球を遊技領域に打ち出すと、その遊技球が遊技領域を流下する過程で入球口に入球したり、或いは入球口に入球せず遊技領域の下端まで流下してアウト口から排出されたりする。そして、遊技球が入球口に入球した場合、その入球口の種類に応じた賞球が遊技者に付与されたり、他の入球口を開放するか否かの抽選が行われたりする。このように、パチンコ遊技機で遊技を行うと、遊技球が入球口に入球することに応じて利益を得ることができる。
パチンコ遊技機では、制御手段の制御により異常状態が発生しているか否かを判定し、異常状態が発生した場合には異常報知等を行って、遊技店員等への早期の対処を促すことがある(例えば、特許文献1)。
特開2007-135714号公報
パチンコ遊技機に生じ得る異常状態として例えば、コマンドの送受信に関する異常状態がある(以下「通信エラー」と称する)。通信エラーは、制御基板間で送受信されるコマンドに欠落(または内容の不整合)等が生じる異常状態であり、配線の破損や不具合等によって生じ得るが、その他にも、静電ノイズ等の影響により発生することがある。ここで、パチンコ遊技機が静電ノイズ等の発生し易い環境下にある場合、通信エラーの発生が頻繁に判定されることになり、異常報知が何度も繰り返し開始されることになる。すなわち、制御上は遊技を継続できる状態であっても頻繁に通信エラーの報知が行われるので、遊技の妨げとなって遊技店の営業に支障をきたす虞がある。
本発明は、従来における問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、異常状態に関する情報を適切に通知することができる遊技機を提供することにある。
前記目的を達成するため本発明に係る遊技機は、信号の入力に基づいて制御を実行可能な制御手段と、前記制御手段に入力される信号に関する異常判定を行う異常判定手段と、前記異常判定が異常ありの判定結果になったことに基づいて異常状態に関する通知を制御する通知制御手段とを備えた遊技機であって、所定期間中に前記異常判定が異常ありの判定結果になった回数が基準数よりも多い場合に、前記通知制御手段による通知の制御を禁止可能に構成されていることを特徴とする。
これによれば、制御手段に入力される信号に関する異常判定が異常ありの判定結果になった回数が基準数よりも多い場合、すなわち異常ありの判定結果が頻発する場合に、通知
制御手段による通知の制御を禁止可能とすることにより、無駄に通知が行われず、異常状態に関する通知を適切なタイミングで行い得る。
前記構成を有する本発明に係る遊技機によれば、異常状態に関する情報を適切に通知することができる。
パチンコ遊技機の正面図である。 遊技領域の要部拡大図である。 主制御基板及び周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。 サブ制御基板及び周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。 大当たり判定テーブルの説明図である。 (a)は第1特図用の大当たり種別判定テーブルの説明図、(b)は第2特図用の大当たり種別判定テーブルの説明図である。 非時短状態で参照される小当たり種別判定テーブルの説明図である。 (a)は最終変動を除く第1ラッシュ期間で参照される小当たり種別判定テーブルの説明図、(b)は第1ラッシュ期間の最終変動で参照される小当たり種別判定テーブルの説明図である。 第2ラッシュ期間で参照される小当たり種別判定テーブルの説明図である。 リーチ判定テーブルの説明図である。 特図変動パターン選択テーブルの説明図である。 メイン側主制御処理のフローチャートである。 メイン側タイマ割込処理のフローチャートである。 図柄用センサ検出処理のフローチャートである。 普通動作処理のフローチャートである。 特別図柄待機処理のフローチャートである。 特図大当たり判定処理のフローチャートである。 特図変動パターン選択処理のフローチャートである。 図18の続きのフローチャートである。 特別図柄関連処理のフローチャートである。 遊技状態管理処理のフローチャートである。 特別電動役物処理(1種大当たり、V当たり)のフローチャートである。 特別電動役物処理(小当たり)のフローチャートである。 サブ側主制御処理のフローチャートである。 1msタイマ割込処理のフローチャートである。 10msタイマ割込処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 変動演出開始処理のフローチャートである。 変動演出に関するコマンドの送受信タイミング等に関する説明図である。 サブ制御基板が有する通信エラーに関する構成の説明図である。 FRAMの異常履歴記憶部に記憶される内容についての説明図である。 (a)は、設定操作モード中に第1の設定項目で「許容」が選択されている場合の設定画面の表示態様であり、(b)は、設定操作モード中に第1の設定項目で「禁止」が選択されている場合の設定画面の表示態様である。 通信エラー報知の報知強度毎に定められている報知態様および報知終了条件を示している。 通信エラー判定処理のフローチャートである。 報知設定処理のフローチャートである。
本発明の実施形態に係る遊技機について図を参照しつつ説明する。以下の説明では、本発明の実施形態に係る遊技機として、遊技球を用いて遊技を行うパチンコ遊技機を例に挙げる。なお、パチンコ遊技機の各部について方向や位置関係を説明する場合は、このパチンコ遊技機と対向して遊技を行う遊技者から見た状態での「左」「右」及び「上」「下」を基準とする。また、遊技者から見て近い側(手前側)を「前」とし、遠い側(奥側)を「後」とする。
[パチンコ遊技機1の主要構成]
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技機枠を備える。遊技機枠は、後述する遊技盤2を保持する内枠16と、この内枠16の前面を覆う扉状の前面枠18とを少なくとも含むように構成され、矩形枠状の外枠Wを介して遊技店内の設置島(図示せず)に設置される。前面枠18は、左サイドランプ23aと、右サイドランプ23bと、トップランプ23cとを備え、これらで囲まれる内側に窓18aが形成されている。この窓18aは、遊技盤2の盤面(前面)に形成される遊技領域3を視認可能とする開口であり、この窓18aを塞ぐように透明なガラス板が設けられるが、図1では省略している。また、前面枠18の左右の上端部(トップランプ23cを挟む左右両側)に、音楽、効果音及び報知音等の音を演出内容に応じて出力する音出力手段としてのスピーカ8が夫々設けられている。
前面枠18は、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを構成する両側部が透光性を有し、その透光性を有する部分の内側には複数のLEDが配置されている。各LEDは、それぞれ複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯または点滅し、更に発光色を変化させる。
また、トップランプ23cは、内部(図示せず)にLEDおよび回転リフレクタを有する回転灯を構成している。LEDは、複数色を発光可能であり、演出内容や報知内容に応じて点灯または点滅し、更に発光色を変化させる。回転リフレクタは、可動体モータ23d(図4)の駆動に応じてLEDの周囲で回転し、LEDの光の反射方向を変化させる。
また、前面枠18の下部には、ハンドル4と、打球供給皿(上皿ともいう)24と、余剰球受皿(下皿ともいう)25とが設けられている。打球供給皿24は、貸球払出装置80(図3)及び賞球払出装置400(図3)から払出された遊技球を貯留する、又は発射装置90(図3)に供給する遊技球を貯留するためのものである。余剰球受皿(下皿ともいう)25は、前面枠18のうち打球供給皿24の下方に設けられている。余剰球受皿25は、打球供給皿24の貯留可能数を超えた遊技球を貯留する。
ハンドル4は、前面枠18のうち右下、つまり、パチンコ遊技機1と対向して遊技を行う遊技者が右手で握ることができる位置に設けられている。ハンドル4は、タッチスイッチ92(図3)と、発射レバー4aと、発射停止ボタン4bとを備えている。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力するものであり、ハンドル4を握った遊技者の右手が触れる部分に配置されている。発射レバー4aは、発射装置90(打撃槌)による遊技球の発射強度を調整するためのものであり、ハンドル4に回動可能に設けられている。発射停止ボタン4bは、遊技球が発射されているときに遊技球の発射を停止するためのものであり、ハンドル4を握った右手の親指により操作可能な位置に設けられている。
前面枠18のうち打球供給皿24の上面に、演出ボタン5が設けられている。この演出ボタン5は、パチンコ遊技機1と対向する遊技者が片手で押下操作可能であるが、当該遊技者が片手のみでハンドル4と同時に操作することが不可能な位置に設けられている。また、演出ボタン5は、遊技者が片手のみで後述する演出レバー6と同時に操作することが
不可能な位置に設けられている。演出ボタン5にはバネ等の弾性部材(図示せず)が内蔵されており、演出ボタン5に対する押下操作状態が解除された際に、この弾性部材の復元力によって演出ボタン5が押下操作前の状態に復帰するようになっている。この演出ボタン5には、演出ボタン5に対する押下操作を検出する演出ボタン検出スイッチ5a(図4)と、演出ボタン5を振動させる演出ボタン振動モータ5b(図4)と、演出ボタン5を発光させる演出ボタンランプ5c(図4)とが内蔵されている。演出ボタン振動モータ5bは、例えば演出ボタン5の押下操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。本実施形態では、演出ボタン振動モータ5bの作動によって演出ボタン5を振動させたり、演出ボタンランプ5c(本実施形態ではLED)の発光によって透光性材料からなる演出ボタン5の表面を点灯または点滅させたりすることで、例えば演出ボタン5の操作が有効な期間であることを報知したり、大当たりの期待度を高めたりする演出が行われる。演出ボタン5の押下操作が有効な期間に遊技者が演出ボタン5を押下操作すると、その操作が演出ボタン検出スイッチ5aによって検出され、これを契機として特定の演出が行われる。以下、演出ボタン5の操作を契機として行われる特定の演出のことをボタン演出という。
前面枠18のうち余剰球受皿25の左方(下側の左端寄り)に、演出レバー6が設けられている。この演出レバー6は、パチンコ遊技機1と対向する遊技者が片手で把持して操作可能であるが、当該遊技者が片手のみでハンドル4や演出ボタン5と同時に操作することが不可能な位置に設けられている。具体的には、演出レバー6は、把持した手で奥側へ押し込むように操作(押込操作)できる他、左右に回転させるように操作(回転操作)することも可能に構成されている。また、演出レバー6には、演出レバー6の押込操作を検出する演出レバー押込検出スイッチ6a(図4)と、演出レバー6の右回転操作や左回転操作を検出する演出レバー回転検出スイッチ6b(図4)と、演出レバー6を振動させる演出レバー振動モータ6c(図4)とが設けられている。本実施形態では、演出レバー振動モータ6cの作動によって演出レバー6を振動させることで、例えば演出レバー6の操作が有効な期間であることを報知したり、大当たりの期待度を高めたりする演出が行われる。演出レバー6の操作が有効な期間に遊技者が演出レバー6を押込操作または回転操作すると、その操作が演出レバー押込検出スイッチ6aや演出レバー回転検出スイッチ6bによって検出され、これを契機として特定の演出が行われる。以下、演出レバー6の操作を契機として行われる特定の演出のことをレバー演出という。
[遊技盤2の構成]
遊技盤2は、その盤面(前面)が遊技者の顔と略正対する位置となるように内枠16に保持されている。この遊技盤2は、前面枠18の前述したガラス板により前方から覆われているが、その盤面は、ガラス板(窓18a)を介して遊技者側(前方)から透視可能となっている。なお、図1では、遊技盤2の盤面の外周側(正面視で窓18aよりも外側にある範囲)が確認できないが、遊技球が流下(転動)する領域である遊技領域3を内周側に区画形成する環状の遊技領域形成手段(レール部材17等)が配置されている。なお、遊技盤2の盤面左側部ではレール部材17が左右2列となっており、その内側を発射装置90(図3)による発射球が上昇移動して遊技領域3に至るようになっている。この場合に発射球は、レール部材17の前述した左右2列の部分のうち図1で確認できない左側の部分に案内されて遊技領域3の上部領域に到達する。
また、図示省略するが、遊技盤2の盤面のうち遊技領域3の範囲には複数の遊技釘が打ち込まれている。このため、遊技領域3を流下する遊技球は遊技釘に接触してその挙動が変化する。遊技球は、遊技領域3を流下する過程で後述する入球口10a,11a,12a,14a,15aに入球するか、または入球せず遊技領域3を下端まで流下してアウト口19から遊技領域3外(内枠16側)へと排出される。なお、アウト口19は、遊技領域3に一つまたは複数設けられており、そのうち少なくとも一つが遊技領域3の下端に位置し
ている。
ここで、遊技盤2の盤面の中央側に、大型のセンター装飾体20が配置されて、レール部材17等の遊技領域形成手段から内側に離間している。このセンター装飾体20は環状あるいは枠状であり、遊技盤2の略中央に形成されている大型の開口(図示せず)の縁に沿って取り付けられている。そして、遊技盤2の背後に位置する演出表示装置7(液晶パネル等)の画面(前面)の略全体が、センター装飾体20の内側開口を通じて盤面前側に露出し、パチンコ遊技機1の正面視では、センター装飾体20が演出表示装置7の画面の周囲を装飾するように位置している。センター装飾体20は透光性を有し、その内側には、演出内容に応じて点灯・点滅する複数のLEDが設けられている。
なお、遊技盤2には、前述したセンター装飾体20内を含む複数箇所に発光手段(LED)が設けられており、その発光により遊技盤2を装飾するように構成されている。このように遊技盤2に設けられる装飾用の発光手段のことを、以下では「盤ランプ2a」と称することとする(図4)。盤ランプ2aを構成する各LEDは、複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯または点滅し、更に発光色を変化させる。
センター装飾体20は、遊技盤2の盤面より前側に環状(枠状)に突出しているので、遊技領域3を流下する遊技球がセンター装飾体20の内周側(画面の前方空間)に移動することが防止される。そしてこのセンター装飾体20により、遊技領域3がその上部で左右に分岐するように区画されている。すなわち、遊技領域3は、センター装飾体20の左側を流下する遊技球の経路である左遊技領域(第1の球流下領域)3Lと、センター装飾体20の右側を流下する遊技球の経路である右遊技領域(第2の球流下領域)3Rとを含む領域である。
遊技盤2は、遊技領域3の内側に、第1入賞装置10と、一般入賞部材11と、第2入賞装置(普通電動役物)12と、ゲート13と、第1大入賞装置(特別電動役物)14と、第2大入賞装置(特別電動役物)15とが設けられ、これらは、遊技球が入球可能な入球口10a,11a,12a,13,14a,15aを有している。なお、盤面のうち遊技領
域3の外側(右下方)に、遊技に関する各種の情報を表示するための表示器類50が設けられているが、この表示器類50については後述する。
前述したようにパチンコ遊技機1は、ハンドル4の操作に応じて遊技球の発射強度を調節することが可能であるので、発射強度の調節によって遊技球を左遊技領域3Lと右遊技領域3Rとに打ち分けることができる。左遊技領域3Lに向かって遊技球を発射(以下「左打ち」という)したときには、遊技球は、左遊技領域3Lに設けられる入球口(後述する第1始動口10a、一般入賞口11a)に入球し得る。一方、右遊技領域3Rに向かって遊技球を発射(以下「右打ち」という)したときには、遊技球は、右遊技領域3Rに設けられる入球口(後述する第2始動口12a、第1大入賞口14a、第2大入賞口15a、ゲート13)に入球し得る。
なお、以下の説明では、遊技領域3を移動する遊技球が入球可能な入球口のうち、遊技球の入球に対して賞球を付与するものを「入賞口」と称し、入賞口への遊技球の入球のことを「入賞」と表現する場合がある。また、入賞口のうち、遊技球の入球(入賞)が後述する特別図柄の変動表示の契機となるものを「始動口」(または「契機口」)と称し、始動口への遊技球の入球(入賞)のことを「始動入賞」と表現する場合がある。
遊技領域3には、センター装飾体20の下側に第1入賞装置10が設けられており、その左方に離間して一般入賞部材11が設けられている。ここで、遊技領域3は、遊技釘の配置等により、センター装飾体20の左側を流下した遊技球(左打ちした遊技球)が第1入賞装置10および一般入賞部材11に設けられる入賞口10a,11aに入賞可能に構
成されている。すなわち、第1入賞装置10および一般入賞部材11は、遊技領域3のう
ち左遊技領域3Lに設けられている。
遊技領域3には、センター装飾体20の右下方に、ゲート13、第2入賞装置12、第1大入賞装置14が設けられており、センター装飾体20の右下部に第2大入賞装置15が設けられている。ここで、遊技領域3は、遊技釘の配置等により、センター装飾体20の右側を流下した遊技球(右打ちした遊技球)が第2入賞装置12、第1大入賞装置14および第2大入賞装置15に設けられる入賞口12a,14a,15aに入賞可能に構成されていると共に、センター装飾体20の右側を流下した遊技球(右打ちした遊技球)がゲート13を通過(ゲート13に入球)可能に構成されている。すなわち、ゲート13、第2入賞装置12、第1大入賞装置14および第2大入賞装置15は、遊技領域3のうち右遊技領域3Rに設けられている。
第1入賞装置10は、遊技盤2の盤面より前側に突出するように設けられ、左遊技領域3Lを流下する遊技球が入賞可能な第1始動口10aが上端部に形成されていると共に、第1始動口10aに入賞した遊技球を遊技盤2の後面側に排出する排出通路(図示せず)が形成されている。第1始動口10aは、その開口寸法が変動しない(常に遊技球が入賞可能な)入賞口である。この第1入賞装置10の排出通路には、第1始動口10aに入賞した遊技球を検出する第1始動口センサ10b(図3)が配置されている。
一般入賞部材11は、遊技盤2の盤面より前側に突出するように設けられ、その上端部に、左遊技領域3Lを流下する遊技球が入賞可能な一般入賞口11aが形成されていると共に、一般入賞口11aに入賞した遊技球を遊技盤2の後面側に排出する排出通路(図示せず)が形成されている。一般入賞口11aは、その開口寸法が変動しない(常に遊技球が入賞可能な)入賞口である。この一般入賞部材11の排出通路には、一般入賞口11aに入賞した遊技球を検出する一般入賞口センサ11b(図3)が配置されている。
ゲート13は、遊技盤2の盤面より前側に突出するように設けられ、右遊技領域3Rを流下する遊技球が上下方向(上から下)に通過(入球)可能に構成されている。このゲート13には、通過する遊技球を検出するゲートセンサ13a(図3)が配置されている。
第2入賞装置12は、図2に示すように、右遊技領域3Rのうちゲート13を通過した遊技球の流下先側に配置されている。第2入賞装置12は、遊技盤2の盤面より前側に突出するように設けられており、上面が緩やかに左方へと下り傾斜している。そしてこの第2入賞装置12の上面に、右遊技領域3Rを流下する遊技球が入賞可能な第2始動口12aが形成されている。すなわち、第2始動口12aは、遊技領域3において上方に向けて開口するように形成されている。この第2入賞装置12の内部空間は、第2始動口12aに入賞した遊技球を受け容れ可能に形成されており、この内部空間を介して第2始動口12aが、遊技球を遊技盤2の後面側に排出する排出通路(図示せず)と連通している。ここで、第2入賞装置12は、その上面に沿う傾斜姿勢で第2始動口12aを塞ぐ板状の普通開閉部材12bと、第2始動口12aに入賞した遊技球を検出する第2始動口センサ12c(図3)と、普通開閉部材12bの後端部に接続された第2始動口ソレノイド12d(図3)とを備えている。そして、普通開閉部材12bを第2始動口ソレノイド12dの作動により後方へ向けてスライド(開作動)させることで、第2始動口12aが開放し、遊技球が第2始動口12aに入賞可能(入賞容易)な状態になる。また、普通開閉部材12bを第2始動口ソレノイド12dの作動終了により前方にスライド(閉作動)させることで、第2始動口12aが閉鎖し、遊技球が第2始動口12aに入賞不可能(入賞困難)な状態になる。すなわち、第2始動口12aは、その開口寸法が変動する(開閉可能な)入賞口(可変入球口、可変入賞口、可変契機口)である。なお、第2始動口12aの閉鎖状態では、第2入賞装置12の上面(普通開閉部材12bの上面)に乗った遊技球が、その傾斜に沿って左方へと流下する。
第1大入賞装置14は、右遊技領域3Rのうち第2入賞装置12の上面を転動する遊技球の流下先側(図1)であって、遊技球がその前方(窓18aのガラス板との間)を通過できる程度にガラス板から後方に離間して設けられている。第1大入賞装置14は、右遊技領域3Rを流下する遊技球が入賞可能な第1大入賞口14aが、前方を向いて開口するように形成されていると共に、第1大入賞口14aを開閉する第1特別開閉部材14bと、第1大入賞口14aに入賞した遊技球を検出する第1大入賞口センサ14c(図3)と、第1特別開閉部材14bの下縁部に接続された第1大入賞口ソレノイド14d(図3)とを備えている。第1大入賞口14aは、左右に幅広で、複数の遊技球が同時に入賞可能な大きさに形成されている。第1特別開閉部材14bは、第1大入賞口14aに対応して左右方向に長い板状に形成され、かつ下縁を回動軸にして、起立姿勢と前側への傾倒姿勢との間で前後に回動(揺動)可能に構成されている。そして、第1大入賞口ソレノイド14dの作動により第1特別開閉部材14bを前側に回動(開作動)させることで、第1大入賞口14aが開放し、第1特別開閉部材14bで受け止めた遊技球を第1大入賞口14aに入賞させることが可能な状態になる。また、第1大入賞口ソレノイド14dの作動終了により第1特別開閉部材14bを後側に回動(閉作動)させることで、第1大入賞口14aが閉鎖し、遊技球が第1大入賞口14aに入賞不可能な状態になる。すなわち、第1大入賞口14aは、その開口寸法が変動する(開閉可能な)入賞口(可変入球口、可変入賞口)である。
第2大入賞装置15は、本実施形態ではセンター装飾体20の右側部に設けられ、右遊技領域3Rの中間領域に位置している。第2大入賞装置15は、右遊技領域3Rを流下する遊技球が入賞可能な第2大入賞口15aが形成されていると共に、第2大入賞口15aを開閉する第2特別開閉部材15bと、第2大入賞口15aに入賞した遊技球を検出する第2大入賞口センサ15c(図3)と、第2特別開閉部材15bの下縁部に接続された第2大入賞口ソレノイド15d(図3)とを備えている。第2特別開閉部材15bは、下縁を回動軸にして、起立姿勢と右側への傾倒姿勢との間で左右に回動(揺動)可能に構成されている。そして、第2大入賞口ソレノイド15dの作動により第2特別開閉部材15bを右側に回動(開作動)させることで、第2大入賞口15aが開放し、遊技球が第2大入賞口15aに入賞可能な状態になる。また、第2大入賞口ソレノイド15dの作動終了により第2特別開閉部材15bを左側に回動(閉作動)させることで、第2大入賞口15aが閉鎖し、遊技球が第2大入賞口15aに入賞不可能な状態になる。すなわち、第2大入賞口15aは、その開口寸法が変動する(開閉可能な)入賞口(可変入球口、可変入賞口)である。
第2大入賞装置15の内部には、第2大入賞口15aに入賞した遊技球が通過(入球)可能な特定領域及び非特定領域が形成されていると共に、第2大入賞口15aに入賞した遊技球を特定領域又は非特定領域に振り分ける振分部材56と、この振分部材56を駆動する振分部材ソレノイド55c(図3)と、特定領域における遊技球の通過(入球)を検出する特定領域センサ55a(図3)と、非特定領域における遊技球の通過(入球)を検出する非特定領域センサ55b(図3)が設けられている。尚、本実施形態のパチンコ遊技機1では、後述の小当たり遊技状態中の特定領域への遊技球の通過が後述のV当たり状態への移行(後述の2種大当たり状態への発展)の契機となっている。
[表示器類50の構成]
図3に示すように、表示器類50は、第1特別図柄(第1特図または特図1ともいう)を変動表示する第1特別図柄表示器51と、第2特別図柄(第2特図または特図2ともいう)を変動表示する第2特別図柄表示器52と、普通図柄(普図ともいう)を変動表示する普通図柄表示器53とを備える。更に、表示器類50は、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を表示する第1特図保留表示器51aと、第2特別図柄表示器52の作動
保留の記憶数を表示する第2特図保留表示器52aと、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を表示する普図保留表示器53aとを備える。以下、第1特図及び第2特図に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄または特図という。また、第1特別図柄表示器51及び第2特別図柄表示器52に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄表示器という。
普通図柄表示器53は、2個のLEDから構成されている。点灯したLED及び消灯したLEDが普通図柄を表しており、各LEDが交互に点灯する状態が普通図柄の変動表示を表している。また、遊技球がゲート13(ゲートセンサ13a)を通過すると、所定の入球口(本実施形態では第2始動口12a)を開放するか否かの判定(普図当たり判定)が実行され、普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示する。そして、普通図柄表示器53は、普通図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、普図当たり判定の結果に対応する普通図柄を確定表示する。普通図柄表示器53が確定表示した普通図柄が、当たりを示す普通図柄であった場合は、第2入賞装置12が作動して普通開閉部材12b(第2始動口12a)が開閉し、普図当たり状態(後述する補助遊技)が発生する。
各特別図柄表示器51,52は、それぞれ複数のLEDにより構成されている。各特別図柄表示器51,52を構成する各LEDは、それぞれ所定の点灯パターンにて点灯し、点灯しているLED及び消灯しているLEDの組み合わせが特別図柄を表しており、点灯するLED及び消灯しているLEDの組み合わせが変化している状態が特別図柄の変動表示を表している。以下、特別図柄が変動表示を開始してから特別図柄が確定表示されるまでの特別図柄の変動パターンを特図変動パターンという。
遊技球が第1始動口10aに入賞すると、当たり(大当たり)か否かを判定する特図当たり判定(大当たり判定、又は第1特図当たり判定ともいう)が実行され、第1特別図柄表示器51が第1特図を変動表示する。そして、第1特別図柄表示器51は、第1特図の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第1特図を確定表示する。ここで、確定表示された第1特図が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たり遊技状態が発生する。第1特別図柄表示器51での新たな第1特図の変動表示の開始が禁止されているとき(第1特別図柄表示器51が第1特図を変動表示しているときや、大当たり遊技状態が発生しているとき)に、遊技球が第1始動口10aに入賞した場合は、その入賞を契機とする第1特別図柄表示器51の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第1特図保留表示器51aによって表示される。以下、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を第1特図保留数という。
また、遊技球が第2始動口12aに入賞すると、当たり(大当たり)か否かを判定する特図当たり判定(大当たり判定、又は第2特図当たり判定ともいう)が実行され、第2特別図柄表示器52が第2特図を変動表示する。そして、第2特別図柄表示器52は、第2特図の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第2特図を確定表示する。ここで、確定表示された第2特図が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たり遊技状態が発生する。第2特別図柄表示器52での新たな第2特図の変動表示の開始が禁止されているとき(第2特別図柄表示器52が第2特図を変動表示しているときや、大当たり遊技状態が発生しているとき)に、遊技球が第2始動口12aに入賞した場合は、その入賞を契機とする第2特別図柄表示器52の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第2特図保留表示器52aによって表示される。以下、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を第2特図保留数という。また、第1特図保留数及び第2特図保留数に共通の事項を説明する場合は、単に特図保留数という。
以下、特別図柄表示器が特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄を確定表示するまでを1回の特図変動(または特別図柄の1回の変動)という。また、特別図柄が1回変動
される毎に特図保留数が1個ずつ減少することを特図保留数の消化という。パチンコ遊技機1では、特別図柄表示器の作動保留がその発生タイミングの時系列順に特別図柄の変動表示に用いられ、特図保留数が消化される。但し、第2特図保留数の消化が第1特図保留数の消化に優先して実行される(第2特図の変動表示が第1特図の変動表示よりも優先的に実行される)。なお、特別図柄表示器において特別図柄の変動表示が終了してから特図保留数の消化によって次の特別図柄の変動表示が開始されるまでの間に、所定の変動インターバル(特別図柄の停止時間)が設けられている。
[演出表示装置7の表示領域]
次に、演出表示装置7について説明する。演出表示装置7は、演出画像、メッセージ画像、デモンストレーション画像等の動画像及び静止画像を表示する。遊技者は、パチンコ遊技機1の前方からそれらの画像を見ながら遊技を行う。演出表示装置7は、演出画像として、演出(装飾)図柄を特別図柄の変動表示と同期させて変動表示する。演出図柄は、算用数字(例えば、1~10)を表した図柄である。なお、演出図柄には、アルファベットや特別なキャラクタ等、数字以外を表した図柄を含めてもよいし、数字以外を表した図柄と組み合わせてもよい。演出表示装置7が演出図柄を変動表示する領域として、左から順に、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域、右演出図柄表示領域が設定されている。左演出図柄表示領域では左演出図柄7Lが、中演出図柄表示領域では中演出図柄7Cが、右演出図柄表示領域では右演出図柄7Rがそれぞれ変動表示される(図1)。以下、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域及び右演出図柄表示領域に共通の事項を説明する場合は、単に演出図柄表示領域という。
各演出図柄の変動態様としては例えば、演出図柄が表す数字が昇順となるように画面の上から下に移動する態様、つまり、縦方向にスクロールする態様がある。なお、他の変動態様として、演出図柄が画面の左右の一方から他方へ移動する横スクロール方式、演出図柄が同じ表示位置にて数字の昇順に順番に表示される切替方式等を用いることもできる。また、演出表示装置7は、演出画像として各演出図柄の背景に背景画像を表示する。例えば、背景画像は、テレビドラマや映画等の動画像、その動画像をアニメ化した動画像、アニメーション、パチンコ遊技機メーカーオリジナルの動画像等である。演出表示装置7は、液晶表示装置である。なお、演出表示装置7として、有機EL表示装置、ドットマトリクスLEDを使った表示装置等を用いることもできる。
演出表示装置7は、前述した特別図柄表示器51,52での特別図柄の変動表示と同期
させて各演出図柄を変動表示し、特別図柄が確定表示されると同時に各演出図柄を確定表示し、特図当たり判定の結果を演出的に表示する。ここで、左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rは、同じ演出図柄が上下や左右に揺れながら停止位置に存在する表示状態(仮停止表示)となった後に、完全に停止した表示状態(確定表示)となってその変動表示が終了する。なお、全ての演出図柄7L,7C,7Rが同時に確定表示される。
以下、特図当たり判定(大当たり判定)の結果が大当たりであったことを表す組み合わせの演出図柄を大当たり演出図柄といい、特図当たり判定(小当たり判定)の結果が小当たりであったことを表す組み合わせの演出図柄を小当たり演出図柄といい、特図当たり判定の結果がハズレ(小当たり以外)であったことを表す組み合わせの演出図柄をハズレ演出図柄という。大当たり演出図柄は、各演出図柄が同じ数字を表す演出図柄で揃った状態、いわゆる、ぞろ目の状態である。例えば、図1に示すように、確定表示された左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rがそれぞれ「7」で揃った状態である。これに対し、小当たり演出図柄は、大当たり演出図柄(そろ目)以外の特定の組み合わせであり、例えば、左右の演出図柄の同じ数字を表す演出図柄で揃い、かつ中演出図柄がチャンス図柄となった状態等である。また、ハズレ演出図柄は、大当たり演出図柄・小当たり演出図柄以外の演出図柄の組み合わせである。以下、演出表示装置7が特別図柄表示器での
特別図柄の変動表示(特図変動)と同期させて行う演出図柄の変動表示を「変動演出」という。また、変動演出での演出図柄の背後に表示される画像を「背景画像」という。なお、変動演出以外の演出や報知等についても、演出表示装置7に表示する主たる表示画像に対してその背後に表示する画像のことを「背景画像」ということがある。背景画像は、静止画像または動画像である。
演出図柄の変動演出は、特図の変動表示と同期して行われ、特別図柄表示器の作動保留が発生した場合は、演出表示装置7の作動も保留される。つまり、特別図柄表示器の作動保留数と、演出表示装置7の作動保留数とは一致する。なお、特図保留数に対応する演出表示装置7の作動保留数は、図1に示すように、保留画像によって演出表示装置7の予め定められた表示領域(以下「演出保留表示領域7Ba,7Bb」という)に表示される。
従って、遊技者は、演出表示装置7(演出保留表示領域7Ba,7Bb)に表示される保
留画像の数を数えることにより、特別図柄の変動表示の作動保留数(第1特図保留数や第2特図保留数)を知ることができる。本実施形態では、遊技状態毎に、入賞が生じ易い側の始動口(第1始動口10aまたは第2始動口12a)に対応する一方の特別図柄(第1特図または第2特図)の作動保留数を、左側のメイン演出保留表示領域7Baで表示し、他方の特別図柄の作動保留数を、右側のサブ演出保留表示領域7Bbで表示する。また、演出表示装置7の画面において、演出保留表示領域7Ba,7Bbの左側に、実行中の変
動演出の存在を示すための当該変動用表示領域7Bcが設けられている。なお、演出保留表示領域7Ba,7Bbや当該変動用表示領域7Bcは、演出表示装置7の画面に設けら
れる必要はなく、別の表示装置の画面上に設けるようにしてもよいし、LED等を用いたランプ(発光手段)により構成するようにしてもよい。
また、パチンコ遊技機1では、変動演出の結果(演出図柄の停止表示)による特図当たり判定の結果の報知に加えて、その変動演出の結果を示唆したりその結果表示までの過程を盛り上げたりする演出等を行う。このような演出は、演出表示装置7に表示される画像、スピーカ8から出力される音、遊技盤2や前面枠18のランプ(盤ランプ2a、左サイドランプ23a、右サイドランプ23b、トップランプ23c)の点灯等を複合的に用いて行われる。すなわち、パチンコ遊技機1に設けられる演出表示装置7、スピーカ8、ランプ2a,23a,23b,23cは、演出を実行する演出実行手段として機能する。
なお、演出表示装置7、スピーカ8、ランプ2a,23a,23b,23cは、パチンコ
遊技機1に生じた異常状態を報知するための異常報知手段としても機能する。
[パチンコ遊技機1の主な電気的構成]
次に、図3及び図4に従って、パチンコ遊技機1の主な電気的構成について説明する。
パチンコ遊技機1は、主制御基板60と、電源基板70と、払出制御基板73と、発射制御回路75と、音声制御基板78と、ランプ制御基板79と、貸球払出装置80と、発射装置90と、サブ制御基板100と、画像制御基板200とを備えている。
図3に示すように、主制御基板60には、遊技制御用ワンチップマイコン(以下、遊技制御用マイコンという)61が実装されている。遊技制御用マイコン61は、CPU62と、ROM63と、RAM64と、入出力回路65とを備えている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数、大当たり種別乱数、小当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数等、各種の判定(抽選)にて使用する乱数を発生する。CPU62は、入賞の検出、特図当たり判定、各種乱数の更新等を実行する。ROM63には、CPU62が実行するコンピュータプログラム、大当たり判定テーブルT1、大当たり種別判定テーブルT2,T3、小当たり種別判定テーブルT4,T5,T6,T7、リーチ判定テーブルT8、特図変動パターン選択テーブルT9等の各種のテーブルが記憶されている。RAM64は、CPU62がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリ等として使用される。
また、RAM64には、第1特図保留記憶部64aと、第2特図保留記憶部64bと、普図保留記憶部64cとが設けられている。
第1特図保留記憶部64aは、第1乃至第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第1特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第1始動口10aに入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、小当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数等の値(始動入賞情報)が記憶される。例えば第1特別図柄表示器51が第1特図を変動表示しているときに遊技球が第1始動口10aに入賞すると、その入賞に起因する第1特図の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数等は第1特図保留記憶部64aに記憶される。
第2特図保留記憶部64bは、第1乃至第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第2特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第2始動口12aに入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、小当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数等の値(始動入賞情報)が記憶される。例えば第2特別図柄表示器52が第2特図を変動表示しているときに遊技球が第2始動口12aに入賞すると、その入賞に起因する第2特図の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数等は第2特図保留記憶部64bに記憶される。
大当たり乱数等の始動入賞情報は、作動保留の発生順、つまり、遊技制御用マイコン61による取得順に第1特図保留記憶部64a及び第2特図保留記憶部64bの各第1記憶領域から順番に記憶される。このため、始動入賞情報が第1乃至第4記憶領域まで記憶されている場合は、第4記憶領域に記憶されている始動入賞情報が時間的に最も新しい情報であり、第1記憶領域に記憶されている始動入賞情報が時間的に最も古い情報である。各記憶領域に記憶されている始動入賞情報は、特別図柄の変動表示が1回終了する毎に、記憶の順番が古い方の記憶領域に1つずつシフトする。例えば、第2記憶領域に記憶されていた大当たり乱数等は第1記憶領域にシフトする。また、第1記憶領域に記憶されている始動入賞情報に基づく特図当たり判定等の判定(抽選)は、特別図柄表示器による特別図柄の当該変動表示が終了し、次の変動表示の開始タイミングが到来した際(変動表示の始動条件が成立した際)に実行される。
なお、パチンコ遊技機1では、前述したように第2特図保留数の消化が第1特図保留数の消化に優先して実行される。つまり、第1特図保留数と第2特図保留数とが何れも複数存在する場合、先ず第2特図保留数が順に消化され、次に第1特図保留数が順に消化される。例えば、第1特図保留記憶部64aの第1記憶領域と、第2特図保留記憶部64bの第1記憶領域とに始動入賞情報が記憶されている状態で、特図の変動表示の開始タイミングが到来した場合は、第2特図保留記憶部64bの第1記憶領域に記憶されている始動入賞情報が実行エリア(実行対象領域)にシフトし、この始動入賞情報に基づく特図当たり判定等の判定が実行される。一方でこの時、第2特図保留記憶部64bでは第1記憶領域の始動入賞情報はシフトされず、その後に第2特図保留数が0の状態での特図の変動表示の開始タイミング到来時になると実行エリア(実行対象領域)にシフトして、この始動入賞情報に基づく特図当たり判定等の判定が実行される。
普図保留記憶部64cは、遊技球がゲート13を通過したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した普通当たり乱数(普通図柄が当たりか否かを判定(抽選)するための乱数)等の作動入球情報が記憶される。普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示しているときに遊技球がゲート13を通過したときは、その通過に起因する普通図柄表示器53の作動は一旦保留(作動保留)され、その通過に起因して取得された普通当たり乱数は普図保留記憶部64cに記憶される。普通図柄の保留された変動表示は、現在行われてい
る普通図柄の変動表示が終了した次に行われる。パチンコ遊技機1では、普図保留記憶部64cは、計4個の保留を行うための記憶領域を有し、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数は最大4個である。普通当たり乱数等の作動入球情報は、作動保留の発生順、つまり、遊技制御用マイコン61による取得順に普図保留記憶部64cの第1記憶領域から順番に記憶される。このため、作動入球情報が第1乃至第4記憶領域まで記憶されている場合は、第4記憶領域に記憶されている作動入球情報が時間的に最も新しい情報であり、第1記憶領域に記憶されている作動入球情報が時間的に最も古い情報である。以下、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を普図保留数という。
また、主制御基板60には、RAMクリアスイッチ66が搭載されている。すなわち、RAMクリアスイッチ66は、パチンコ遊技機1の後側から押下可能となっている。パチンコ遊技機1は、RAMクリアスイッチ66が押下された状態で起動すると、RAM64及びサブ制御基板100のRAM120を初期化する。
また、主制御基板60には、表示器類50が電気的に接続されている。更に、主制御基板60には、中継基板74を介して、第1始動口センサ10bと、一般入賞口センサ11bと、第2始動口センサ12cと、第1大入賞口センサ14cと、第2大入賞口センサ15cと、ゲートセンサ13aと、特定領域センサ55aと、非特定領域センサ55bと、が電気的に接続されている。
第1始動口センサ10bは、第1始動口10aに入賞した遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。一般入賞口センサ11bは、一般入賞口11aに入賞した遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。第2始動口センサ12cは、第2始動口12aに入賞した遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。第1大入賞口センサ14cは、第1大入賞口14aに入賞した遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。第2大入賞口センサ15cは、第2大入賞口15aに入賞した遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。ゲートセンサ13aは、ゲート13に入球した(通過している)遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。遊技球が前述の各センサ10b,11b,12c,14c,15c,13aのうちゲートセン
サ13a以外のセンサによって検出されると、センサ毎に予め定めた個数の賞球の払出条件がそれぞれ成立する。
また、特定領域センサ55aは、第2大入賞装置15内部の特定領域を通過する(特定領域に入球する)遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。更に、非特定領域センサ55bは、第2大入賞装置15内部の非特定領域を通過する(非特定領域に入球する)遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。
この他、主制御基板60には、磁気センサ67、電波センサ68、衝撃センサ69が電気的に接続されている(図3)。なお、磁気センサ67、電波センサ68、衝撃センサ69は、パチンコ遊技機1の異常状態(何れも、不正行為によって生じ得る異常状態)を検出するセンサである。すなわち、磁気センサ67、電波センサ68、衝撃センサ69は何れも、異常検出手段および不正検出手段として機能する。
また、主制御基板60には、中継基板74を介して、第2始動口ソレノイド12dと、第1大入賞口ソレノイド14dと、第2大入賞口ソレノイド15dと、振分部材ソレノイド55cとが電気的に接続されている。第2始動口ソレノイド12dは、主制御基板60の制御に基づいて第2入賞装置12の普通開閉部材12bを開閉駆動する。第1大入賞口ソレノイド14dは、主制御基板60の制御に基づいて第1大入賞装置14の第1特別開閉部材14bを開閉駆動する。第2大入賞口ソレノイド15dは、主制御基板60の制御に基づいて第2大入賞装置15の第2特別開閉部材15bを開閉駆動する。振分部材ソレ
ノイド55cは、主制御基板60の制御に基づいて第2入賞装置12の内部の振分部材56を駆動する。
主制御基板60には、払出制御基板73を介してカードユニット76と、貸球払出装置80と、賞球払出装置400とが電気的に接続されている。カードユニット76は、パチンコ遊技機1に隣接して設けられており、プリペイドカードに対して残高の読取りや書き込み等を行う。貸球払出装置80は、球貸モータ81と、球貸センサ82とを備えている。球貸モータ81は、貸球としての遊技球を払出す部材を駆動し、球貸センサ82は、その部材によって遊技球が払出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、貸球払出装置80が払出した貸球数を計数する。カードユニット76に挿入されたプリペイドカードに、払出可能な最小残高以上の残高が記録されているときに、球貸ボタン(図示せず)が操作されると、貸球払出装置80が作動し、最小単位個数の貸球が打球供給皿24に払出される。
賞球払出装置400は、賞球モータ401と、賞球センサ402とを備えている。賞球モータ401は、賞球としての遊技球を払出す部材を駆動し、賞球センサ402は、その部材によって遊技球が払出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、賞球払出装置400が払出した賞球数を計数する。
また、主制御基板60には、発射制御回路75を介して発射装置90が電気的に接続されている。発射装置90は、発射モータ91と、タッチスイッチ92と、発射ボリューム93とを備えている。発射モータ91は、遊技球を打撃して発射する打撃槌(図示せず)を駆動する。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力する。発射ボリューム93は、発射レバー4aの回転量に応じて、打撃槌が遊技球を打撃する強度を調節する。
また、パチンコ遊技機1には、機外(ホールコンピュータやデータ表示盤)と電気的に接続するための外部端子板85が配置されている(図3参照)。外部端子板85には複数の端子が設けられており、パチンコ遊技機1の状況を示す信号が各端子を通じて機外に出力されるようになっている。すなわち、外部端子板85は、パチンコ遊技機1の制御基板(主制御基板60や払出制御基板73)から機外(ホールコンピュータやデータ表示盤)に向けた信号(外部出力信号)の出力を中継する信号中継手段として機能するものである。ここで、外部端子板85を介してホールコンピュータに出力される外部出力信号の種類としては例えば、図柄確定信号、始動入賞信号、大当たり中信号、時短中信号、賞球払出信号、セキュリティ信号がある。これらの信号のうち図柄確定信号は、主制御基板60の制御に基づいて特図変動表示が終了(特別図柄が確定表示)する毎に、当該主制御基板60からホールコンピュータに向けて出力される。また、始動口信号は、主制御基板60に対して第1始動口センサ10aや第2始動口センサ12cによる検出信号が入力される毎に、当該主制御基板60からホールコンピュータに向けて出力される。また、大当たり信号は、主制御基板60の制御に基づいて大当たり遊技状態が生起される期間に、当該主制御基板60からホールコンピュータに向けて出力される。また、時短中信号は、主制御基板60の制御に基づいて時短状態が生起される期間に、当該主制御基板60からホールコンピュータに向けて出力される。賞球払出信号は、主制御基板60が払い出すことを決定した賞球数が所定数に達する毎に、当該主制御基板60からホールコンピュータに向けて出力される。更に、セキュリティ信号は、主制御基板60の制御に基づいてパチンコ遊技機1の異常状態(例えば、不正行為が行われた可能性のある状態)の発生が判定されたことを契機として、主制御基板60からホールコンピュータに向けて出力される。
更に、パチンコ遊技機1は、電源基板70を備えている。電源基板70は、主制御基板60及び払出制御基板73に電力を供給する。また、電源基板70は、払出制御基板73に電気的に接続された各装置に対して、払出制御基板73を介して電力を供給する。また、電源基板70は、中継基板74に電気的に接続された各センサ及びソレノイドに対して、主制御基板60から中継基板74を介して電力を供給する。また、電源基板70は、主制御基板60に電気的に接続された表示器類50に対して、主制御基板60を介して電力を供給する。
電源基板70には、バックアップ電源回路71が設けられている。バックアップ電源回路71は、パチンコ遊技機1に対して外部から電力が供給されていない場合に、主制御基板60のRAM64等に対して情報の保持に必要な電力を供給する。電源基板70には、電源基板70へ電力を供給する主電源をオンオフするための電源スイッチ72が電気的に接続されている。
主制御基板60は、サブ制御基板100(図4)に対して各種コマンドを送信する。主制御基板60は、コマンドをサブ制御基板100へ送信することはできるが、サブ制御基板100は、主制御基板60へコマンドを送信することができない。つまり、主制御基板60とサブ制御基板100との通信は、主制御基板60からサブ制御基板100へ送信することのみが可能な単方向通信となっている。
図4に示すように、サブ制御基板100には、演出制御用ワンチップマイコン(以下、演出制御用マイコンという)101が実装されている。演出制御用マイコン101は、CPU102と、ROM110と、RAM120と、入出力回路103とを備えている。CPU102は、遊技に伴って演出を制御する。ROM110には、CPU102が演出を制御するためのコンピュータプログラムの他、各種のテーブルが記憶されている。RAM120は、CPU102がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。また、RAM120には、第1特図保留演出記憶部121と、第2特図保留演出記憶部122と、当該変動用演出記憶部123とが設けられている。この他、本実施形態では、後述するコマンド履歴記憶部127がRAM120に設けられている。
第1特図保留演出記憶部121は、第1乃至第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力(送信)される第1始動入賞コマンドが示す始動入賞情報(乱数値等)を記憶する。第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口10aに入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数を含むコマンドである。
一方、第2特図保留演出記憶部122は、第1乃至第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力(送信)される第2始動入賞コマンドが示す始動入賞情報(乱数値等)を記憶する。第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口12aに入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数を含むコマンドである。
当該変動用演出記憶部123は、変動演出パターンの当該変動に用いる第1始動入賞コマンドまたは第2始動入賞コマンドが示す始動入賞情報(乱数値等)を記憶する。入出力回路103は、サブ制御基板100に接続された各基板等との間でデータの送信または受信を行う。
また、サブ制御基板100には、リアルタイムクロック(RTC)124が実装されている。RTC124は、現在(現時点)の日時(日付及び時刻)を計測するものである。RTC124は、例えば、外部の電源装置からパチンコ遊技機1へ電力が供給されている
ときには、その電力によって動作し、外部の電源装置から電力が供給されていないときには、電源基板70が備えるバックアップ電源回路71から供給される電力によって動作する。このため、RTC124は、パチンコ遊技機1の電源が投入されていないときや、RAM120の記憶内容がクリアされたときでも、現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC124へ電力を供給するバックアップ電源回路をサブ制御基板100に設けてもよい。パチンコ遊技機1では、RTC124による計時の結果に基づいて特別な演出を実行することが可能となっている。
更に、サブ制御基板100には、非通電時にも記憶内容を保持可能な不揮発性メモリの一種であるFRAM(ferroelectric random access memory、登録商標)125が実装されている。FRAM125は、キャパシタ膜として強誘電体を用いることで電源遮断時にもキャパシタの電荷を失わず、リフレッシュ(電荷補充)動作も不要である。従って、電源遮断時にもデータを消失せず、かつ書き込み処理をスムーズに実行できて消費電力も少なくて済む。本実施形態においてFRAM125は、パチンコ遊技機1に所定の異常状態(後述する通信エラー)が生じているか否かの判定に関する設定内容やその判定結果の履歴等を記憶しておくために用いられている。
この他、サブ制御基板100には、パチンコ遊技機1に生じ得る異常状態(後述する通信エラー)に関する設定操作の有効・無効を切り替えるための切替スイッチ126が設けられている。なお、異常状態に関する設定操作については後述する。
サブ制御基板100には、画像制御基板200が電気的に接続されている。画像制御基板200には、VDP201(Video Display Processor)と、画像制御用CPU202と、制御用ROM203と、制御用RAM204と、CGROM(Character Generator Read Only Memory)205と、VRAM(Video Random Access Memory)206とが実装されている。画像制御用CPU202は、変動演出パターン、ボタン演出画像、及び予告画像等の演出画像を表示するよう演出表示装置7を制御する。制御用ROM203には、画像制御用CPU202が演出表示装置7を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。制御用RAM204は、画像制御用CPU202がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。CGROM205には、演出表示装置7が演出画像を表示するための画像データが記憶されている。VDP201は、画像制御用CPU202によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM205から画像データを読み出し、その読み出した画像データをVRAM206内の展開領域に展開する。そして、VDP201は、VRAM206内に展開した画像データを合成し、その合成した画像データをVRAM206内のフレームバッファに記憶する。そして、VDP201は、VRAM206内のフレームバッファに記憶した画像データをRGB信号に変換して演出表示装置7に出力する。これにより、演出表示装置7は演出画像を表示する。
サブ制御基板100には、ランプ制御基板79を介して盤ランプ2a、演出ボタンランプ5c、左サイドランプ23a、右サイドランプ23b、トップランプ23cおよび可動体モータ23dが電気的に接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて各ランプの発光態様を決める発光パターンデータを作成し、その発光パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、ランプ制御基板79は、受信した発光パターンデータに従って各ランプの発光制御を行う。また、演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて、トップランプ23c内の回転リフレクタの動作態様を決める回転動作パターンデータを作成し、その回転動作パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、ランプ制御基板79は、受信した回転動作パターンデータに従って可動体モータ23dの駆動制御を行う。
サブ制御基板100には、音声制御基板78を介して各スピーカ8が電気的に接続され
ている。音声制御基板78には、音声制御用CPU(図示せず)と、音声データROM(図示せず)と、音声合成回路(図示せず)と、アンプ(図示せず)とが搭載されている。音声データROMには、各スピーカ8が音楽や効果音等の音を出力するための音声データが記憶されている。音声制御用CPUは、サブ制御基板100から受信したコマンドに基づいて音声データROMから音声データを読み出し、その読み出した音声データを音声合成回路に出力する。音声合成回路は、入力した音声データを合成するとともに、その合成した合成音声データをアナログの音声信号に変換してアンプに出力する。アンプは、入力した音声信号を増幅して各スピーカ8に出力する。そして、各スピーカ8は、入力した音声信号により示される音を出力する。
また、サブ制御基板100には、演出ボタン検出スイッチ5aと、演出レバー押込検出スイッチ6aと、演出レバー回転検出スイッチ6bと、演出ボタン振動モータ5bと、演出レバー振動モータ6cとが電気的に接続されている。
演出ボタン検出スイッチ5aは、演出ボタン5が押下操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出ボタン検出スイッチ5aから入力した信号に基づいて、ボタン演出を実行する。演出レバー押込検出スイッチ6aは、演出レバー6が押込操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出レバー押込検出スイッチ6aから入力した信号に基づいて、演出レバー6が押込操作されたときに行うレバー演出を実行する。演出レバー回転検出スイッチ6bは、演出レバー6が回転操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出レバー回転検出スイッチ6bから入力した信号に基づいて、演出レバー6が回転操作されたときに行うレバー演出を実行する。
演出ボタン振動モータ5bは、演出ボタン5を振動させる部材であり、演出ボタン5の内部に収容されている。演出レバー振動モータ6cは、演出レバー6を振動させる部材であり、演出レバー6と接する部位または演出レバー6の内部に設けられている。ROM110には、演出ボタン振動モータ5bの動作パターンを決める動作パターンデータと、演出レバー振動モータ6cの動作パターンを決める動作パターンデータとが記憶されている。演出制御用マイコン101は、演出ボタン5を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読み出した動作パターンデータに基づいて演出ボタン振動モータ5bを駆動制御する。また、演出制御用マイコン101は、演出レバー6を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読出した動作パターンデータに基づいて演出レバー振動モータ6cを駆動制御する。
[遊技状態の説明]
次に、パチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。
(大当たり遊技状態、小当たり遊技状態)
本実施形態のパチンコ遊技機1は、従来において1種パチンコ機および2種パチンコ機と呼ばれていた各遊技機の遊技性を組み合わせた、いわゆる1種2種混合機と呼ばれる機種である。ここで、1種パチンコ機の遊技性とは、始動口への入賞を契機とする特図当たり判定(大当たり抽選)で当選となった場合に大当たり遊技状態を生じさせるものであり、2種パチンコ機の遊技性は、始動口への入賞を契機とする特図当たり判定の小当たり判定(小当たり抽選)で当選となった場合に大入賞口を開放し、その開放中に入賞した遊技球が当該大入賞口内部の特定領域を通過したことを契機として大当たり遊技状態へと発展させるものである。1種2種混合機である本実施形態のパチンコ遊技機1では、始動口への入賞を契機とする特図当たり判定において大当りに当選した場合に大当たり遊技状態(以下「1種大当たり状態」ということがある)を生じさせる。また、始動口への入賞を契
機とする特図当たり判定(大当たり判定)がハズレとなり、かつ小当たり判定において当選した場合には、第2大入賞口15aを開放する小当たり遊技状態を生じさせ、この小当たり遊技状態中に第2大入賞口15aに入賞した遊技球が特定領域に入球した場合に限り、大当たり遊技状態(以下「2種大当たり状態」ということがある)へと発展させる。なお、2種大当たり状態は、前述の如く小当たり遊技状態から発展するものであるので、小当たり遊技状態を1ラウンドとみなし、特定領域への入球後に生じる開放(V当たり状態)については2ラウンド以降のラウンドとして計数する。すなわち、小当たり遊技状態とその後のV当たり状態とによって2種大当たり状態が構成される。これに対し、V当たり状態のみを大当り遊技状態と捉えることも可能である。
なお、大当たり遊技状態は、大入賞口への遊技球の入賞を狙うことのできる遊技期間(ラウンド)を含む遊技状態であり、本実施形態においては、オープニング期間、複数回のラウンドが生じる連続作動期間、エンディング期間の順に状態が変化する。ラウンド中は、第1大入賞口ソレノイド14dまたは第2大入賞口ソレノイド15dを駆動することにより第1特別開閉部材14bまたは第2特別開閉部材15bを作動させて、第1大入賞口14aまたは第2大入賞口15aを少なくとも1回開放する。ここで、2種大当たり状態の1ラウンド(小当たり遊技状態)を除いた大当たり遊技状態の各ラウンドは、第1大入賞口14aまたは第2大入賞口15aに入賞した遊技球の個数が予め定めた上限個数(例えば10球)に達するか、所定の開放時間(例えば30秒)が経過するかの何れか早い方のラウンド終了条件が成立することに応じて終了する。一方で、2種大当たり状態の1ラウンド(小当たり遊技状態)は、それ以外のラウンドよりも短い開放時間(例えば1.8秒)が経過するか、第2大入賞口15aに入賞した遊技球の個数が予め定めた上限個数(10球以下の所定個数)に達するかの何れか早い方のラウンド終了条件(基本的には開放時間の経過)が成立することに応じて終了する。なお、ラウンドとラウンドの間にインターバル時間(ラウンドインターバル)が設定されており、少なくともこのインターバル時間には大入賞口が閉鎖状態を維持するように設定(第1大入賞口ソレノイド14dまたは第2大入賞口ソレノイド15dが非作動に制御)される。
(時短状態、非時短状態)
本実施形態のパチンコ遊技機1には、普通図柄表示器53での表示(普通図柄の表示)について、確率変動機能(普図当たり判定の当たり確率を向上させる機能)と変動時間短縮機能とが備わっている一方で、特別図柄表示器での表示(特別図柄や普通図柄の表示)については変動時間短縮機能のみが備わっており、確率変動機能(特図当たり判定の大当たり確率を向上させる機能)は備わっていない。すなわち、パチンコ遊技機1では、特図当たり判定において大当たりと判定される確率(以下、大当たり確率という)は固定であり、大当たり確率が通常よりも高い状態となる高確率状態は本機種では存在しない。
特別図柄の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して特別図柄の変動時間として短い変動時間が選択され易くなる。その結果、特別図柄の変動時間短縮機能が作動する状態では、特図保留の消化ペースを早め、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生し易くなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たり当選を狙うことができる。
普通図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器53に確定表示する普通図柄が、普通当たり図柄(普通図柄の抽選において当たりと判定されたことを示す普通図柄)となる確率が高くなる。また、普通図柄の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄の変動時間が短くなる。例えば、普通図柄の変動時間は、変動時間短縮機能が作動していない状態では10秒であるが、変動時間短縮機能が作動している状態では1秒である。またこの普通図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能は、前述した特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するように
なっている。つまり、特別図柄の変動時間短縮機能が作動する遊技状態では、普通図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能も作動するようになっている。
更に、普通図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能に同期して、第2入賞装置12の開放時間延長機能及び開放回数増加機能が作動する。ここで、普通図柄が予め定めた特定の普通図柄で確定表示された場合に、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口12aを開閉させる補助遊技が行われる。この補助遊技における第2入賞装置12(第2始動口12a)の開放時間が、第2入賞装置12の開放時間延長機能によって長くなる。また、この補助遊技における第2入賞装置12(第2始動口12a)の開放回数が、第2入賞装置12の開放回数増加機能によって多くなる。従って、開放時間延長機能及び開放回数増加機能が作動する状況下では、第2始動口12aへの遊技球の入賞頻度が高められる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合が高くなるため、遊技者は、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たり(又は小当たり)を狙うことができる。このように、普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能と、第2入賞装置12についての開放時間延長機能及び開放回数増加機能とは、第2始動口12aへの遊技球の入賞頻度を高めるためのサポート機能である。このため、これらのうち少なくとも1つの機能を作動させる制御のことを電サポ制御ということがある。
すなわち、本実施形態のパチンコ遊技機1における遊技状態として、特別図柄の変動時間短縮機能、普通図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能、第2入賞装置12の開放時間延長機能及び開放回数増加機能、の全機能が作動しない第1の遊技状態と、全機能が作動する第2の遊技状態とが生じ得るようになっている。以下の説明では、前述した第1の遊技状態を「非時短状態」と称し、前述した第2の遊技状態を「時短状態」と称する。但し「時短状態」は、前述した機能の全てを作動させる必要はなく、少なくとも1つの機能を作動する遊技状態であればよい。
なお、本実施形態における「時短状態」は、電サポ制御がなされる状態であり、発射球数に対する賞球数の割合が高くなるため、「高ベース状態(有利遊技状態)」と言い換えることができる。一方で「非時短状態」は、前述した高ベース状態に対して「低ベース状態(通常遊技状態)」と言い換えることができる。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技が終了した後の遊技状態は時短状態である。本実施形態における時短状態の終了条件は、特別図柄の変動表示が予め定められた回数実行されるか、その予め定められた所定回数以内の特別図柄の変動表示の結果として大当たり遊技状態(1種大当たり状態または2種大当たり状態)が実行されるか、あるいは、特定の小当たり種別に所定回数当選することにより終了する。
[主な判定テーブル]
次に、パチンコ遊技機1の遊技制御用マイコン61が参照する主な判定テーブルについて説明する。
(大当たり判定テーブルT1)
図5に示す大当たり判定テーブルT1は、遊技制御用マイコン61が特図当たり判定(大当たり判定、小当たり判定)を実行する際に参照するテーブルである。大当たり判定テーブルは、抽選の種類(第1特図・第2特図のどちらに対応する特図当たり判定であるか)と、大当たり乱数値(大当たり判定値)とを対応付けて構成されている。大当たり乱数値(大当たり判定値)は、大当たり乱数カウンタが発生する大当たり乱数の中から所定の乱数を選択したものである。大当たり乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、大当たり乱数カウンタが動作して大当たり乱数が発生する。大当たり
乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。パチンコ遊技機1の大当たり乱数カウンタは、0~65535の計65536個の大当たり乱数をカウントする。つまり、0~65535の計65536個の大当たり乱数を発生する。
大当たり判定テーブルT1には、第1特図の当たり判定用の大当たり乱数値として、0~364の計365個の大当たり乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数カウンタから取得した大当たり乱数が0~364の範囲内の値であった場合は大当たりと判定し、0~65535のうち0~364以外であった場合は「ハズレ」と判定する。
また、大当たり判定テーブルT1には、第2特図の当たり判定用の大当たり乱数値として、0~364の計365個の大当たり乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、取得した大当たり乱数が0~364の範囲内の値であった場合は大当たりと判定し、0~65535のうち0~364以外であった場合は、大当たりではない、つまり、ハズレと判定する。また、第2特図の当たり判定でハズレと判定される場合であって、特に取得した大当たり乱数が365~6364の範囲内の値であった場合は、小当たりと判定される。すなわち、第1特図の当たり判定と第2特図の当たり判定とでは、大当たりと判定される確率は変わらないが、大当たりではないと判定された場合、第2特図の判定では小当たりと判定されることがあり、その当選確率は大当たりに比べて非常に高い。また、本実施形態では、第1特図の当たり判定で小当たりと判定されることがないため、第2特図の判定では、第1特図の当たり判定に比して小当たりと判定される確率が非常に高い。
ちなみに、第1特図の当たり判定でも小当たりを設定してもよいが、その確率は第2特図の判定における小当たり確率よりも低くすることが望ましい。さらに、第1特図の抽選で小当たりを設定する場合、特定領域(V入賞領域)への遊技球の通過が実質的に不可能な開放パターンで、第2大入賞装置15や振分部材56を作動させることが望ましい。また、大当たり乱数とは別に小当たり乱数を設け、大当たりに当選しなかった場合に小当たり判定を行うようにしてもよい。また、取得した大当たり乱数が「大当たり」とは判定されないが「小当たり」と判定される範囲内の値であった場合には、「ハズレ」と判定されることなく、「小当たり」と判定されてもよい。また、第2特図の当たり判定において、小当たりの当選確率を1/1や1/2等、遊技性に応じて適宜変更してもよい。また、第1特図の当たり判定と第2特図の当たり判定で小当たりの当選確率を同一確率としてもよいが、第1特図の判定で小当たりに当選した場合には、特定領域への遊技球の通過が実質的に不可能な開放パターンで第2大入賞装置15や振分部材56を作動させることが望ましい。
(大当たり種別判定テーブルT2, T3)
図6(a)および図6(b)に示す大当たり種別判定テーブルT2, T3は、特図当たり判定において大当たりと判定された場合に遊技制御用マイコン61が大当たりの種別判定を実行する際に参照するテーブルである。大当たり種別判定テーブルは、大当たり種別(大当たり図柄種別)毎に所定個数の大当たり種別乱数値(大当たり種別判定値)を対応付けて構成されている。大当たり種別乱数値は、大当たり種別乱数カウンタが発生する大当たり種別乱数の中から所定の乱数を選択したものである。大当たり種別乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、大当たり種別乱数カウンタが動作して大当たり種別乱数が発生する。大当たり種別乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。本実施形態において大当たり種別乱数カウンタは、0~99の計100個の大当たり種別乱数をカウントする。つまり、0~99の計100個の大当たり種別乱数を発生する。
パチンコ遊技機1では、大当たり図柄として「大当たり図柄A」及び「大当たり図柄B」が設定されている。「大当たり図柄A」で特定される大当たり種別は、「7R(ラウンド)大当たり(時短7回)」である。「大当たり図柄B」で特定される大当たり種別は、「7R大当たり(時短20回)」である。また、大当たり種別「7R大当たり(時短7回)」には、時短状態の上限回数として「7回」が対応付けられている。大当たり種別「7R大当たり(時短20回)」には、時短状態の上限回数として「20回」が対応付けられている。時短状態の上限回数は、時短状態で実行する図柄変動の上限回数であって、大当たり遊技状態の終了後に時短状態が維持される上限を示す。なお、大当たり図柄A又は大当たり図柄Bに基づく大当たり遊技状態では、前述したラウンド遊技の終了条件の成立により、各ラウンド遊技が終了する。詳しくは、第1大入賞口14aに入賞した遊技球の個数が予め定めた上限個数(例えば10球)に達するか、所定の開放時間(例えば30秒)が経過するか、いずれか早い方の終了条件が成立することである。また、本実施形態では、大当たり(V入賞に基づく大当たりを含む)に当選してから再び通常遊技状態に戻るまでの期間中、時短状態に制御されることとなる(大当たり遊技状態中を除く)が、その遊技期間を「ラッシュ期間」と示す場合がある。より詳細には、上限回数「7回」とする時短状態に制御されている期間を「第1ラッシュ期間」と示し、上限回数「20回」とする時短状態に制御されている期間を「第2ラッシュ期間」と示す場合がある。
図6(a)に示す大当たり種別判定テーブルT2は、遊技状態にかかわらず、第1特図の抽選で大当たりに当選したときに参照されるテーブルである。
第1特図の抽選では、大当たりに当選したときの遊技状態が非時短状態であったか時短状態であったかを問わず、また取得した大当たり種別乱数の値にかかわらず「大当たり図柄A」に当選したと判定される。
図6(b)に示す大当たり種別判定テーブルT3は、遊技状態にかかわらず、第2特図の抽選で大当たりに当選したときに参照されるテーブルである。
第2特図の抽選では、大当たりに当選したときの遊技状態が非時短状態であったか時短状態であったかを問わず、また取得した大当たり種別乱数の値にかかわらず「大当たり図柄B」に当選したと判定される。
このように、大当たり抽選で大当たりに当選した場合、第1特図の抽選よりも第2特図の抽選において大当たりに当選した場合の方が、大当たり遊技状態の終了後に生起される時短状態の上限回数が多い大当たり種別に当選し易い。時短状態の上限回数が多いということは、手持ちの遊技球を過剰に減らすことなく大当たり抽選を受けることができるため、遊技者にとって有利である。
(小当たり種別判定テーブル)
図7~図9に示す小当たり種別判定テーブルT4~T7は、小当たりと判定された場合に遊技制御用マイコン61が小当たりの種別判定を実行する際に参照するテーブルである。小当たり種別判定テーブルT4~T7は、小当たり種別(小当たり図柄種別)毎に所定個数の小当たり種別乱数値(小当たり種別判定値)を対応付けて構成されている。小当たり種別乱数値は、小当たり種別乱数カウンタが発生する小当たり種別乱数の中から所定の乱数を選択したものである。小当たり種別乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、小当たり種別乱数カウンタが動作して小当たり種別乱数が発生する。小当たり種別乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。本実施形態において小当たり種別乱数カウンタは、0~99の計100個の小当たり種別乱数をカウントする。つまり、0~99の計100個の小当たり種別乱数を発生する。本実施形態では、小当たり図柄として「小当たり図柄a」及び「小当たり図柄b」が設定されている。
「小当たり図柄a」で特定される小当たり種別では、特定領域を遊技球が通過可能とされており、2種大当たり状態(V当たり状態)終了後に時短状態を生起させるものである。なお、詳細は後述するが、2種大当たり状態(V当たり状態)終了後に生起される時短状態の上限回数は、小当たり抽選で小当たりに当選したときの遊技状態及び特定領域を遊技球が通過(V入賞)したときの遊技状態に応じて異なる。
「小当たり図柄b」で特定される小当たり種別では、特定領域を遊技球が通過不能とされており、小当たり当選に基づく第2大入賞口15aの開放終了後にV当たり状態を実行させないものである。なお、詳細は後述するが、小当たりに当選したときのラッシュ期間の違い(第1ラッシュ期間又は第2ラッシュ期間)により、時短状態を維持するか否かが決定されるようになっている。
なお、小当たり図柄a又は小当たり図柄bに当選した場合、第2大入賞口15aが開放されるが、その開放時間は大当たり遊技状態における第1大入賞口14aの開放時間(30秒)よりも短い(1.8秒)。ただし、第2大入賞口15aの開放中に遊技球が特定領域を通過した場合には、1種大当たりと同じラウンドの終了条件で第2大入賞口15aを開放する大当たり遊技状態(V当たり状態)が行われる。また、図7~図9に示す「開放時間」は、何れも最大開放時間を示す。
図7に示す小当たり種別判定テーブルT4は、非時短状態における第2特図の抽選で小当たりに当選したときに参照されるテーブルである。前述したように、非時短状態中は第2始動口12aが開放し難いため、左打ちを行って第1始動口10aを狙った方がスムーズに遊技が進行し易い。なお、第2特図保留が残存している状態で時短状態が終了した場合には、非時短状態において第2特図の抽選が実行される。パチンコ遊技機1では、第2特図保留の消化が第1特図保留の消化に優先して実行されるため、非時短状態への移行直後においては、時短終了時に残っていた第2特図保留(第2特図の残保留)の消化が第1特図保留の消化に先立って行われる。ここで、非時短状態において第2特図の残保留に基づく大当たり抽選で小当たりに当選した場合は、取得した小当たり種別乱数の値にかかわらず、「小当たり図柄a」に当選したと判定される。非時短状態において「小当たり図柄a」に当選した場合、第2大入賞口15aの開放中に遊技球が特定領域を通過可能となるよう、振分部材56を作動させ、遊技球が特定領域を通過したときには、ラウンド遊技数を「7」とするとともに、時短状態の上限回数を「7回」とする2種大当たり状態を生起させることが対応付けられている。
図8(a)に示す小当たり種別判定テーブルT5、図8(b)に示す小当たり種別判定テーブルT6、図9に示す小当たり種別判定テーブルT7は、それぞれ時短状態における第2特図の抽選で小当たりに当選したときに参照されるテーブルである。本実施形態では、小当たり当選時に設定されていたラッシュ期間の違いに応じて、異なる小当たり種別判定テーブルを設定している。小当たり種別判定テーブルT5,T6は、第1ラッシュ期間(上限回数7回)中に参照されるテーブルである。一方、小当たり種別判定テーブルT7は、第2ラッシュ期間(上限回数20回)中に参照されるテーブルである。ここで、小当たり種別判定テーブルT5,T6のうち、小当たり種別判定テーブルT5は、第1ラッシュ期間中における1回~6回目までの変動で参照され、小当たり種別判定テーブルT6は、第2ラッシュ期間における7回目(最終変動)の変動で参照される。
図8(a)に示すように、小当たり種別判定テーブルT5において、取得した小当たり種別乱数が0~98の範囲内の値であれば、「小当たり図柄a」に当選したと判定される。取得した小当たり種別乱数の値が99であれば、「小当たり図柄b」に当選したと判定される。つまり、第1ラッシュ期間(最終変動を除く)においては、「小当たり図柄b」
よりも「小当たり図柄a」に当選する確率が高い。そし、最終変動を除く第1ラッシュ期間において「小当たり図柄a」に当選した場合には、第2大入賞口15aの開放中に遊技球が特定領域を通過可能となるよう、振分部材56を作動させ、遊技球が特定領域を通過したときには、ラウンド遊技数を「7」とするとともに、時短状態の上限回数を「7回」とする2種大当たり状態(V当たり状態)を生起させることが対応付けられている。つまり、最終変動を除く第1ラッシュ期間中の大当たり抽選で小当たりに当選した場合、高い確率で「小当たり図柄a」に当選することになり、対応する小当たり遊技状態中に遊技球がほぼ確実に特定領域に入球して2種大当たり状態(V当たり状態)が実行された後、上限回数を「7回」とする時短状態に制御される。
一方、最終変動を除く第1ラッシュ期間において「小当たり図柄b」に当選した場合には、第2大入賞口15aの開放中に遊技球が特定領域を通過することがないよう、振分部材56を作動させることが対応付けられている。つまり、2種大当たり状態(V当たり状態)が生じない。但し、最終変動を除く第1ラッシュ期間において「小当たり図柄b」に当選したとしても、第1特定条件が成立するまでは時短状態が維持されるようになっている。第1特定条件は、上限回数を「7回」とする第1ラッシュ期間における「小当たり図柄b」の当選回数が所定回数(この例では7回)に到達することである。「小当たり図柄b」の当選回数が所定回数に到達すると、時短状態が終了し、非時短状態に制御されるようになっている。前述したように、第2特図の抽選では、第1特図の抽選に比して小当たり抽選に当選し易い(この例では1/10)。また、第1ラッシュ期間の上限回数「7回」は、この小当たり当選確率(1/10)の分母に近しい値である。これにより、7回の時短状態中、1回は小当たりに当選する可能性がないとは言い切れない。ただし、小当たり抽選に当選したとしても、前述したように、「小当たり図柄b」に当選する確率(この例では1/100)よりも「小当たり図柄a」に当選する確率(この例では99/100)が高い。このため、第1特定条件の成立により第1ラッシュ期間が終了する確率は低く、小当たり抽選の当選により「小当たり図柄a」に当選し、大当たり遊技状態の終了後、時短状態に制御される可能性が高い。
図8(b)に示す小当たり種別判定テーブルT6において、第1ラッシュ期間の最終変動では、取得した小当たり種別乱数の値にかかわらず、「小当たり図柄a」に当選したと判定される。そして、第1ラッシュ期間の最終変動で「小当たりa」に当選した場合には、第2大入賞口15aの開放中に遊技球が特定領域を通過可能となるよう、振分部材56を作動させ、遊技球が特定領域を通過したときには、ラウンド遊技数を「7」とする2種大当たり状態を生起させるとともに、その後の時短状態の上限回数を「20回」とすることが対応付けられている。つまり、第1ラッシュ期間の最終変動で小当たりに当選した場合、小当たり図柄が「小当たり図柄a」であるので、小当たり遊技状態中に遊技球がほぼ確実に特定領域に入球して2種大当たり状態(V当たり状態)が実行される。そしてその後に、上限回数を「20回」とする時短状態に制御される。
なお、図8(b)に示す小当たり種別判定テーブルT6における小当たり種別の選択肢として、「小当たり図柄a」に加え「小当たり図柄b」も設定してもよい。但し、この実施形態においては、第1ラッシュ期間の滞在可能期間を「7回」としているため、「小当たり図柄b」の当選回数が、第1特定条件を成立させる回数(この例では7回)に到達しなくても、第1ラッシュ期間中の変動回数が7回に到達すると、第1ラッシュ期間(時短状態)が終了することになる。このような理由により、本実施形態では、第1ラッシュ期間の最終変動で選択され得る小当たり種別として「小当たり図柄b」を設定していない。
図9に示す小当たり種別判定テーブルT7では、第2ラッシュ期間中、取得した小当たり種別乱数が0~98の範囲内の値であれば、「小当たり図柄a」に当選したと判定される。取得した小当たり種別乱数の値が99であれば、「小当たり図柄b」に当選したと判
定される。つまり、第2ラッシュ期間においては、「小当たり図柄b」よりも「小当たり図柄a」に当選する確率が高い。そして、第2ラッシュ期間において「小当たりa」に当選した場合には、第2大入賞口15aの開放中に遊技球が特定領域を通過可能となるよう振分部材56を作動させ、遊技球が特定領域を通過したときには、ラウンド遊技数を「7」とする2種大当たり状態を生起させるとともに、その後の時短状態の上限回数を「20回」とすることが対応付けられている。つまり、第2ラッシュ期間中の大当たり抽選で小当たりに当選した場合、高い確率で「小当たり図柄a」に当選することになり、対応する小当たり遊技状態中に遊技球がほぼ確実に特定領域に入球して2種大当たり状態(V当たり状態)が実行された後、上限回数を「20回」とする時短状態に制御される。
一方、第2ラッシュ期間において「小当たりb」に当選した場合には、第2大入賞口15aの開放中に遊技球が特定領域を通過することがないよう、振分部材56を作動させることが対応付けられている。つまり、2種大当たり状態(V当たり状態)が生じない。但し、第2ラッシュ期間において「小当たり図柄b」に当選したとしても、第2特定条件が成立するまでは時短状態が維持されるようになっている。第2特定条件は、上限回数を「20回」とする第2ラッシュ期間における「小当たり図柄b」の当選回数が所定回数(この例では1回)に到達することである。「小当たり図柄b」の当選回数が所定回数に到達すると、第2ラッシュ期間における変動回数が、第2ラッシュ期間の滞在可能期間「20回」に到達していなくても時短状態が終了し、非時短状態に制御されるようになっている。
なお、小当たり種別判定テーブルT6,T7において、「小当たり図柄b」の当選確率を遊技性等に応じて適宜変更してもよい。
(リーチ判定テーブル)
図10に示すリーチ判定テーブルT8は、遊技制御用マイコン61が特図当たり判定の結果がハズレ(小当たりを除く)であった場合に、リーチが出現する特図変動パターンを選択するか否かを判定する際に参照するテーブルである。ここで、リーチとは、演出表示装置7の複数の表示領域においてそれぞれ変動表示されている演出図柄のうち、変動表示されている演出図柄が残り1つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの演出図柄で確定表示されるか次第で大当たり演出図柄の組み合わせとなる状態のことである。
例えば、大当たり演出図柄の組み合わせの1つが「777」である場合に、左演出図柄表示領域において左演出図柄7Lとして「7」が停止表示(仮停止表示、停留表示)されていると共に、右演出図柄表示領域において右演出図柄7Rとして「7」が停止表示(仮停止表示、停留表示)されており、中演出図柄表示領域において中演出図柄7Cが変動表示されている状態のことである。なお、前述した「停止表示(仮停止表示、停留表示)」の概念には、演出図柄がスクロールしている状態の他、揺れている状態、拡大と縮小を繰り返す状態等が含まれる。
リーチ乱数は、特図当たり判定の結果がハズレ(小当たりを除く)であった場合に、リーチが出現する特図変動パターンを選択するか否かを判定するための乱数である。リーチ判定テーブルT8は、遊技状態とリーチ乱数値(リーチ判定値)とを対応付けて構成されている。リーチ乱数値(リーチ判定値)は、リーチ乱数カウンタが発生するリーチ乱数の中から所定の乱数を選択したものである。本実施形態では、リーチ乱数カウンタは、0~255の計256個のリーチ乱数をカウントする。つまり、0~256の計256個のリーチ乱数を発生する。リーチ乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、リーチ乱数カウンタが動作してリーチ乱数が発生する。本実施形態では、遊技状態が非時短状態のときのリーチ乱数値として、0~27の計28個のリーチ乱数が設定
されている。遊技制御用マイコン61は、遊技状態が非時短状態のときにリーチ乱数カウンタから取得したリーチ乱数が0~27の範囲内の値であった場合は、リーチ判定においてリーチ有りと判定し、0~255のうち0~27以外であった場合は、リーチ無しと判定する。
また、本実施形態では、遊技状態が時短状態のときのリーチ乱数値として、0~11の計12個のリーチ乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、遊技状態が時短状態のときにリーチ乱数カウンタから取得したリーチ乱数が0~11の範囲内の値であった場合は、リーチ判定においてリーチ有りと判定し、0~255のうち0~11以外であった場合は、リーチ無しと判定する。
リーチ有りと判定されるリーチ乱数は、非時短状態よりも時短状態の方が少なく設定されている。これにより、時短状態ではリーチ有りと判定される確率が非時短状態よりも低くなる。つまり、リーチ無しと判定される確率が高くなるため、その分、特図変動パターンを選択する際に、リーチ無しの特図変動パターンを選択する確率が高くなる。このため、時短状態では、特図保留数の消化のペースが速くなる。なお、図10のテーブルは、基本的に第1特図に対応するリーチ判定テーブルを示す。第2特図に対応するリーチ判定テーブルは、第1特図のテーブルと同一内容にしてもよいし、異なるテーブルとしてもよい。
(特図変動パターン選択テーブル)
図11に示す特図変動パターン選択テーブルT9は、遊技制御用マイコン61が特図変動パターンを抽選により決定する際に参照するテーブルである。特図変動パターン選択テーブルT9は、始動口への入賞を契機とする判定の結果およびその判定時の遊技状態や特図保留数と、変動パターン乱数値との関係から、特図変動パターンを決定するためのテーブルである。ここで、判定の結果とは、大当たり判定、小当たり判定及びリーチ判定の結果(大当たり、小当たり、リーチ有りハズレ、リーチ無しハズレ)のことである。また、特図変動パターンは、特図変動表示の変動時間や、変動演出の内容(変動演出パターン)等の情報を含んでいる。なお、大当たり種別について対応付けてもよい。また、特図変動パターン選択テーブルT9に示す変動演出パターンは、選択された特図変動パターンに対応して演出表示装置7で行われる演出内容を特定する変動演出パターンを指しており、参考のために記載してある。変動パターン乱数値は、変動パターン乱数カウンタが発生する変動パターン乱数の中から所定の乱数を選択したものである。パチンコ遊技機1の変動パターン乱数カウンタは、0~99の計100個の変動パターン乱数をカウントする。つまり、0~99の計100個の変動パターン乱数を発生する。変動パターン乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、変動パターン乱数カウンタが動作して変動パターン乱数が発生する。
非時短状態における特図当たり判定で大当たりと判定され、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~94の範囲内の値であった場合は、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP1が選択される。また、変動パターン乱数が95~99の範囲内の値であった場合は、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP2が選択される。特図変動パターンP1の変動時間は70,000msであり、特図変動パターンP2の変動時間は30,000msである。特図変動パターンP1に対応する変動演出パターンには、リーチ状態から発展したSP(スーパー)リーチを表示させる内容が対応付けられている。特図変動パターンP2に対応する変動演出パターンには、ノーマルリーチを表示させる内容が対応付けられている。
非時短状態における特図当たり判定でハズレと判定され、かつ小当たり判定で小当たり
と判定された場合、特図変動パターンP3が選択される。特図変動パターンP3の変動時間は70,000msである。特図変動パターンP3に対応する変動演出パターンには、小当たり当選時の専用演出を表示させる内容が対応付けられている。
非時短状態における特図当たり判定でハズレと判定され、かつリーチ判定でリーチ有りと判定された場合、取得した変動パターン乱数が0~4の範囲内の値であるならば、特図保留数に関係なく特図変動パターンP4が選択される。取得した変動パターン乱数が5~99の範囲内の値であるならば、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP5が選択される。特図変動パターンP4の変動時間は70,000msであり、特図変動パターンP5の変動時間は30,000msである。特図変動パターンP4に対応する変動演出パターンには、SPリーチを表示させる内容が対応付けられている。特図変動パターンP5に対応する変動演出パターンには、ノーマルリーチを表示させる内容が対応付けられている。
非時短状態における特図当たり判定でハズレと判定され、かつ、リーチ判定でリーチ無しと判定された場合、特図保留数が0~2個であるならば、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP6が選択される。また、特図保留数が3~4個であるならば、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP7が選択される。特図変動パターンP6の変動時間は10,000msであり、特図変動パターンP7の変動時間は5,000msである。特図変動パターンP6,P7に対応する変動演出パターンには、通常
変動を表示させる内容が対応付けられている。
時短状態における特図当たり判定で大当たりと判定された場合、取得した変動パターン乱数の値及び特図保留数に関係なく、特図変動パターンP8が選択される。特図変動パターンP8の変動時間は50,000msである。特図変動パターンP8に対応する変動演出パターンには、SPリーチを表示させる内容が対応付けられている。
時短状態における特図当たり判定でハズレと判定され、かつ小当たり判定で小当たりと判定された場合、特図変動パターンP9が選択される。特図変動パターンP9の変動時間は50,000msである。特図変動パターンP9に対応する変動演出パターンには、小当たり当選時の専用演出を表示させる内容が対応付けられている。
時短状態における特図当たり判定でハズレと判定され、かつリーチ判定でリーチ有りと判定された場合、取得した変動パターン乱数の値及び特図保留数に関係なく、特図変動パターンP10が選択される。特図変動パターンP10の変動時間は50,000msである。特図変動パターンP10に対応する変動演出パターンには、SPリーチを表示させる内容が対応付けられている。
時短状態における特図当たり判定でハズレと判定され、かつ、リーチ判定でリーチ無しと判定された場合、特図保留数が0~1個であるならば、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP11が選択される。また、特図保留数が2~4個であるならば、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP12が選択される。特図変動パターンP11の変動時間は5,000msであり、特図変動パターンP12の変
動時間は2,500msである。特図変動パターンP11,P12に対応する変動演出パターン
には、通常変動を表示させる内容が対応付けられている。
なお、この特図変動パターン選択テーブルは、第1特図及び第2特図で共通としているが、第1特図と第2特図で分けて設定してもよい。また、時短状態の上限回数の違いに合わせて異なる遊技演出が実行可能となるよう、大当たり遊技状態の終了後に制御される時短状態の上限回数の違いに合わせてテーブルを設定してもよい。
[遊技制御用マイコン61の主な処理]
次に、遊技制御用マイコン61が実行する主な処理について図を参照しつつ説明する。
(メイン側主制御処理)
最初に、図12に従って、メイン側主制御処理の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM63からメイン側主制御処理のコンピュータプログラムを読み出して実行する。遊技制御用マイコン61は、最初に初期設定を行う(ステップ(以下、Sと略す)1)。この初期設定では、例えば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU62の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等のリセ
ット等を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、割込禁止を実行し(S2)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S3)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理では、前述した大当たり乱数、大当たり種別乱数、小当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数を発生する各乱数カウンタの初期値をそれぞれ「1」加算して更新する。各乱数カウンタのカウント値は上限値に達すると「0」に戻って再び「1」加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また、各乱数カウンタのカウント値にそれぞれ「2」以上の数値を加算して更新してもよい。また、各乱数は、カウンタIC等から成る公知の乱数生成回路を利用して生成される、いわゆるハードウェア乱数であってもよい。このハードウェア乱数を用いる場合は、ソフトウェアによる乱数の更新処理(S3)は必要ない。
続いて、遊技制御用マイコン61は、割込許可を実行する(S4)。割込許可中は、メイン側タイマ割込処理(S5)の実行が可能となる。メイン側タイマ割込処理(S5)は、例えば、4msec周期でCPU62に対して入力される割込パルスに基づいて実行される。つまり、4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割込処理(S5)が終了してから、次にメイン側タイマ割込処理(S5)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)による各種カウンタの初期値更新処理が実行される。なお、割込禁止状態のときにCPU62に割込パルスが入力された場合は、メイン側タイマ割込処理(S5)は直ぐには開始されず、割込許可(S4)が実行されてから開始される。
(メイン側タイマ割込処理)
次に、図13に従って、メイン側タイマ割込処理(S5)について説明する。
遊技制御用マイコン61は、出力処理を実行する(S10)。この出力処理では、以下に説明する各処理において主制御基板60のRAM64に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等をサブ制御基板100や払出制御基板73等に出力する。遊技制御用マイコン61は、普通図柄が変動を開始した場合に普通図柄が変動を開始したことを示す普図変動開始コマンド(普図用の変動開始コマンド)、及び特別図柄が変動を開始した場合に特別図柄が変動を開始したことを示す特図変動開始コマンド(特図用の変動開始コマンド)についても出力する。なお、S10の出力処理において、遊技制御用マイコン61は、外部端子板85を介してホールコンピュータに出力する信号(図柄確定信号、始動入賞信号、大当たり中信号、時短中信号、賞球払出信号、セキュリティ信号)のON・OFFを、各信号に定められている条件の成立に応じて切り替えるように制御する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、入力処理を実行する(S11)。この入力処理では、主にパチンコ遊技機1に取付けられている各種センサ(第1始動口センサ10b、第2始動口センサ12c、ゲートセンサ13a、第1大入賞口センサ14c、第2大入賞口センサ15c、特定領域センサ55a、非特定領域センサ55b、一般入賞口センサ11b等)が検出した各検出信号を読み込む。続いて、遊技制御用マイコン61は、タイマ更
新処理を実行する(S12)。このタイマ更新処理では、タイマとして作動している減算カウンタの更新(減算)を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、賞球制御処理を実行する(S13)。この賞球制御処理では、入力処理(S11)において読み込んだ各種センサの検出信号に基づいて、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払出コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。払出コマンドは、払出制御基板73に対して出力されるコマンドである。続いて、遊技制御用マイコン61は、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S14)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理は、図12のメイン側主制御処理で実行する普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同じである。つまり、各乱数カウンタの初期値の更新処理は、メイン側タイマ割込処理(S5)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割込処理(S5)の終了後、次のメイン側タイマ割込処理(S5)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
続いて、遊技制御用マイコン61は、後述するセンサ検出処理(S15)、普通動作処理(S16)、特別図柄待機処理(S17)、特別図柄関連処理(S18)を順に実行し、次にその他の処理(S19)を実行して、メイン側タイマ割込処理を終了する。
その他の処理(S19)では、第1特図保留数に基づく第1特図保留表示器51aの表示制御や、第2特図保留数に基づく第2特図保留表示器52aの表示制御を実行する他、パチンコ遊技機1に異常状態が生じているかを判定する異常判定処理等を実行する。この異常判定処理としては例えば、不正入賞を検出する不正入賞検出処理、不正な磁気を検出する磁気検出処理、前面枠18や内枠の開放を検出する扉開放処理、不正な電波を検出する電波検出処理、衝撃(振動)を検出する衝撃検出処理等がある。
そして、次にCPU62に割込パルスが入力されるまではメイン側主制御処理のS2~S4の処理が繰り返し実行され、割込パルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割込処理(S5)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)においては、前回のメイン側タイマ割込処理(S5)にてRAM64の出力バッファにセットされたコマンド等が所定の基板へ出力される。
(図柄用センサ検出処理)
次に、図14に従って、図柄用センサ検出処理(S15)について説明する。
遊技制御用マイコン61は、遊技球がゲート13を通過したか否かを判定する(S30)。遊技球がゲート13を通過したことはゲートセンサ13aによって検出される。遊技球がゲート13を通過したと判定した場合(S30:Yes)、遊技制御用マイコン61は、ゲート通過処理を実行する(S31)。このゲート通過処理では、普図保留数が4以上であるか否か判定し、普図保留数が4以上でなければ、普図保留数に「1」を加算し、普通図柄の抽選を行うための普図当たり乱数を取得して記憶する処理を行う。
S31の終了後、又は遊技球がゲート13を通過していないと判定した場合(S30:No)、遊技制御用マイコン61は、遊技球が第2始動口12aに入賞したか否かを判定する(S32)。遊技球が第2始動口12aに入賞したことは第2始動口センサ12cによって検出される。遊技球が第2始動口12aに入賞していない場合(S32:No)、S38に進むが、遊技球が第2始動口12aに入賞したと判定した場合(S32:Yes)、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2が上限値である「4」に達しているか否か判定する(S33)。第2特図保留数U2が上限値である「4」に達している場合(S33:Yes)、S38に進むが、第2特図保留数U2が「4」に達していない場合(S33:No)、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2に1を加算する(S34)。これにより、第2特図の変動保留条件が成立する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図関係乱数取得処理を実行する(S35)
。この第2特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数と、大当たり種別乱数と、小当たり種別乱数と、リーチ乱数と、変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第2特図保留記憶部64bのうち、現在の第2特図保留数に応じた記憶領域に格納する。例えば、現在の第2特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第2始動入賞コマンド作成処理を実行する(S36)。この第2始動入賞コマンド作成処理では、S35において取得した各乱数群に基づいて第2始動入賞コマンドを作成する。この第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口12aに入賞したことを示すデータ、S35において取得した各乱数を示すデータ等により構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S36において作成した第2始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S37)。このセットされた第2始動入賞コマンドは、出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力され、演出制御用マイコン101が第2始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、遊技球が第1始動口10aに入賞したか否かを判定する(S38)。遊技球が第1始動口10aに入賞したことは第1始動口センサ10bによって検出される。遊技球が第1始動口10aに入賞していない場合(S38:No)、センサ検出処理を終了するが、第1始動口10aに入賞したと判定した場合(S38:Yes)、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1が上限値の「4」に達しているか否か判定する(S39)。第1特図保留数U1が「4」に達している場合(S39:Yes)、センサ検出処理を終了するが、第1特図保留数U1が「4」に達していない場合(S39:No)、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1に1を加算する(S40)。これにより、第1特図の変動保留条件が成立する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図関係乱数取得処理を実行する(S41)。この第1特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数と、大当たり種別乱数と、リーチ乱数と、変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第1特図保留記憶部64aのうち、現在の第1特図保留数に応じた記憶領域に格納する。例えば、現在の第1特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第1始動入賞コマンド作成処理を実行する(S42)。この第1始動入賞コマンド作成処理では、S41で第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数群に基づいて第1始動入賞コマンドを作成する。この第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口10aに入賞したことを示すデータ、S41で第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数を示すデータ等により構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S42で作成した第1始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S43)。このセットされた第1始動入賞コマンドは、出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力され、演出制御用マイコン101が第1始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。
(普通動作処理)
次に、図15に従って、普通動作処理(S16)について説明する。
遊技制御用マイコン61は、補助遊技中(第2入賞装置12の作動中、普通開閉部材12bの開放中)であるか否かを判定し(S50)、作動中ではないと判定した場合は(S50:No)普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S51)。ここで、遊技制御用マイコン61は、普通図柄の停止表示中ではないと判定した場合は(S51:No)、普通図柄の変動表示中か否かを判定し(S52)、普通図柄の変動表示中ではないと判定した場合は(S52:No)、普通図柄の保留数Vが「0」であるか否かを判定する(S53)。ここで、遊技制御用マイコン61は、普通図柄の保留数Vが「0」であると判定した
場合は(S53:Yes)、普通動作処理を終える。
また、遊技制御用マイコン61は、S53において普通図柄の保留数Vが「0」ではないと判定した場合は(S53:No)、普図当たり判定処理を行う(S54-1)。この普図当たり判定処理(S54-1)では、普図保留記憶部64c(図3)に格納されている普通当たり乱数値を読み出し、普通図柄当たり判定テーブルに基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データをRAM64の所定の記憶領域にセットする普図決定処理を行う(S54-2)。つまり、普図決定処理(S54-2)では、「ハズレ」であれば「普通ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
続いて、遊技制御用マイコン61は、普図変動時間決定処理を行う(S54-3)。普図変動時間決定処理(S54-3)では、普通図柄変動パターン選択テーブル(図示せず)を参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒であって普通図柄の停止時間が0.5秒である普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が10.0秒であって普通図柄の停止時間が0.5秒である普通図柄変動パターンを選択する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、普通図柄保留数Vを1減算し(S54-4)、普図保留記憶部64cにおける各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部64cにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S54-5)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン61は、S54-3において選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S54-6)。なお、これに伴い、サブ制御基板100に普通図柄の変動開始を知らせるため、普図変動開始コマンドをセットする。この普図変動開始コマンドには、S54-1における普図当たり判定の結果およびS54-3において決定した普図変動時間が含まれている。
また、遊技制御用マイコン61は、S52において、普通図柄の変動表示中であると判定した場合は(S52:Yes)、普通図柄の変動時間が終了したか否か判定し(S55-1)、終了していないと判定した場合は(S55-1:No)、普通動作処理を終える。一方、終了したと判定した場合は(S55-1:Yes)、普通図柄の変動表示を、普通当たり乱数値の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄または普通ハズレ図柄)で停止させる(S55-2)。そして、サブ制御基板100に普通図柄の変動停止を知らせるための普図変動停止コマンドをセットするとともに(S55-3)、普通図柄の停止時間をセットし(S55-4)、普通動作処理を終える。
また、遊技制御用マイコン61は、S51において、普通図柄の停止表示中であると判定した場合は(S51:Yes)、S56-1において普通図柄の停止時間が終了したか否か判定し、終了していないと判定した場合は(S56-1:No)、普通動作処理を終える。一方、終了していると判定した場合は(S56-1:Yes)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否か、つまり、当たりか否かを判定し(S56-2)、当たりではないと判定した場合は(S56-2:No)、普通動作処理を終える。一方、当たりと判定した場合は(S56-2:Yes)、時短状態であるか否かを判定し(S56-3)、時短状態であると判定した場合は(S56-3:Yes)、普通開閉部材12bの開放パターンOP1をセットし(S57-1)、補助遊技を開始させる(S57-3)。これにより、普通開閉部材12bは、3秒間の開放動作を3回行う。
また、遊技制御用マイコン61は、S56-3において、時短状態ではない(非時短状
態である)と判定した場合は(S56-3:No)、普通開閉部材12bの開放パターンOP2をセットし(S57-2)、普通開閉部材12bの開放作動を開始させる(S57-3)。これにより、普通開閉部材12bは、1.0秒間の開放動作を1回行う。
また、遊技制御用マイコン61は、S50において、補助遊技中であると判定した場合は(S50:Yes)、普通開閉部材12bの作動終了条件が満足されたか否かを判定する(S58)。ここで、作動終了条件とは、S57-1またはS57-2においてセットされた開放パターン毎の開放時間が終了したという開放時間終了条件、あるいは、第2始動口12aへの入賞数が規定の入賞数に達したという規定入賞数条件である。また、規定入賞数条件は、第2始動口12aへの入賞数が10個と定められている。
遊技制御用マイコン61は、作動終了条件が満足されていないと判定した場合は(S58:No)、普通動作処理を終える。一方、満足されたと判定した場合は(S58:Yes)、普通開閉部材12bの作動を終了させる(S59)。
(特別図柄待機処理)
次に、図16に従って、特別図柄待機処理(S17)について説明する。
遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動時間および停止時間の何れかを計測中であるか否かを判定し(S60)、計測中であれば(S60:Yes)、特別図柄待機処理を終了する。一方で、特別図柄の変動時間および停止時間の何れも計測していなければ(S60:No)、S61に進む。遊技制御用マイコン61は、S61において、第2特図保留数U2が「0」であるか否かを判定する。そして、「0」ではないと判定した場合(S61:No)、すなわち、第2特図の変動表示についての始動条件が成立した場合に、遊技制御用マイコン61は、後述する第2特図当たり判定処理(S62)及び第2特図変動パターン選択処理(S63)を実行する。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2から「1」を減算し(S64)、第2特図保留記憶部64bの各記憶領域に記憶されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり読み出される側に1つずつシフトする(S65)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図変動開始処理を実行する(S66)。この第2特図変動開始処理では、特図変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、第2特別図柄表示器52において第2特図の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする特図変動開始コマンドには、後述する第2特図大当たり判定処理(図17)においてセットされた特図停止図柄のデータや第2特図変動パターン選択処理(図18及び図19)においてセットされた第2特図変動パターンのデータが含まれている。S66の実行後、遊技制御用マイコン61は、特別図柄待機処理を終了する。
また、遊技制御用マイコン61は、前述したS61において、第2特図保留数U2が「0」であると判定した場合(S61:Yes)、第1特図保留数U1が「0」であるか否かを判定する(S67)。「0」ではないと判定した場合(S67:No)、すなわち、第1特図の変動表示についての始動条件が成立した場合に、遊技制御用マイコン61は、後述する第1特図当たり判定処理(S68)及び第1特図変動パターン選択処理(S69)を実行する。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U2から「1」を減算し(S70)、第1特図保留記憶部64aの各記憶領域に格納されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり、読み出される側に1つずつシフトする(S71)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図変動開始処理を実行する(S72)。この第1特図変動開始処理では、特図変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、第1特別図柄表示器51において第1特図の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする特図変動開始コマンドには、後述する第1特図当たり判定処理(図17)においてセットされた特図停止図柄のデータや第1特図変動パターン選択処理(図18及び図19)においてセットされた第1特図変動パターンのデータが含まれている。S72の実行後、遊技制御用マイコン61は、特別図柄待機処理を終了する。
一方、第1特図保留数U1が「0」であると判定した場合(S67:Yes)、遊技制御用マイコン61は、待機状態中か否かを判定する(S73)。待機状態は、大当たり遊技状態中でなく、特別図柄の変動中ではなく、かつ特図保留数が零である状態を指す。より詳しくは、待機状態は、前述の条件に加え、特別図柄(又は演出図柄)の確定表示後に、図柄が停止した状態が一定時間以上経過したことを契機に生起される状態である。ここで、待機状態中と判定した場合(S73:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特別図柄待機処理を終了する。一方、待機状態中ではないと判定した場合(S73:No)、遊技制御用マイコン61は、待機画面設定処理を実行する(S74)。この待機画面設定処理では、所定の待機時間を計測し、この待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。その後、遊技制御用マイコン61は特別図柄待機処理を終了する。
このように、本実施形態では、第1特図の変動表示は第2特図保留数U2が「0」の場合(S61:Yesの場合)に限って行われる。つまり、第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。
(第2特図当たり判定処理(第1特図当たり判定処理))
次に、図17に従って、第2特図当たり判定処理(S61)及び第1特図当たり判定処理(S67)について説明する。なお、第2特図当たり判定処理と第1特図当たり判定処理とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。
遊技制御用マイコン61は、RAM64の特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数を読み出し(S80)、大当たり判定テーブル(この例では大当たり判定テーブルT1)を参照する(S81)。続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定テーブルの大当たりに対応する乱数値の範囲を参照し、S80で読み出した大当たり乱数と同じ乱数が存在するか否か、つまり、大当たりか否かの当否判定を行う(S82)。
大当たりと判定した場合(S82:Yes)、遊技制御用マイコン61は、大当たりと判定したことを示す大当たりフラグをONにする(S83)。その後、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている大当たり種別乱数を読み出し、複数の大当たりの種別が設定された大当たり種別判定テーブル(この例では大当たり種別判定テーブルT2,T3)を参照し、大当たりの種別を判定する(S84)。大当たりの種別によって、特図の大当たり図柄、特図の停止図柄、振分率、最大ラウンド数及び大当たり演出図柄等が異なる。また、大当たりの種類によって時短状態の上限回数についても決定される。その後、遊技制御用マイコン61は、S84で判定した大当たりの種別に応じた特図の大当たり図柄を確定表示するための特図停止図柄データをRAM64に設けた特図バッファにセットし(S88)、本処理を終了する。
一方、大当たりと判定しなかった場合(S82:No)、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定テーブルの小当たりに対応する乱数値の範囲を参照し、S80で読み出した大当たり乱数と同じ乱数があるか否か、すなわち小当たりか否かの判定を行う(S85)。前述したように、第1特図の抽選では小当たりに当選せず、第2特図の抽選で小当たりに当選する場合がある。小当たりと判定した場合(S85:Yes)、遊技制御用マイコン61は、小当たりと判定したことを示す小当たりフラグをONにする(S86)。その後、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている小当たり種別乱数を読み出し、複数の小当たりの種別が設定された小当たり種別判定テーブル(この例では小当たり種別判定テーブルT4~T7)を参照し、小当たりの種別を判定する(S87)。小当たりの種別によって、特図の小当たり図柄、特図の停止図柄、振分率、小当たり演出図柄等が異なる。また、小当たりの種類によって、特定領域の通過による大
当たり遊技状態の有無、時短状態の継続、時短状態の終了等についても決定される。その後、遊技制御用マイコン61は、S87で判定した小当たりの種別に応じた特図の小当たり図柄を確定表示するための特図停止図柄データをRAM64に設けた特図バッファにセットし(S88)、本処理を終了する。
一方、小当たりと判定しなかった場合(S85:No)、すなわちハズレと判定した場合、遊技制御用マイコン61は、特図のハズレ図柄を確定表示するための特図停止図柄データを特図バッファにセットし(S88)、本処理を終了する。
第1特図当たり判定処理におけるS82の処理が本発明の第1特図の当たり判定の一例である。第2特図当たり判定処理におけるS82及びS85の処理が本発明の第2特図の当たり判定の一例である。第1特図当たり判定処理においてS82の処理を行う遊技制御用マイコン61は、本発明の当たり判定手段の一例である。同様に、第2特図当たり判定処理においてS82及びS85の処理を行う遊技制御用マイコン61は、本発明の当たり判定手段の一例である。また、第2特図大当たり判定処理においてS87の処理を行う遊技制御用マイコン61は、本発明の当たり種別決定手段の一例である。また、小当たり種別を決定する際に参照される小当たり種別判定テーブルも、本発明の当たり種別決定手段の一例ということができる。
(第2特図変動パターン選択処理(第1特図変動パターン選択処理))
次に、図18及び図19に従って、第2特図変動パターン選択処理(S62)及び第1特図変動パターン選択処理(S68)について説明する。なお、第2特図変動パターン選択処理と第1特図変動パターン選択処理とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。
遊技制御用マイコン61は、時短状態であることを示す時短フラグがOFFであるか否かを判定する(S90)。時短フラグがOFFであると判定した場合(S90:Yes)、遊技制御用マイコン61は、S91に移行する。時短フラグがOFFではないと判定した場合(S90:No)、遊技制御用マイコン61は、S99に移行する。
S91,S99に移行した遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがONであるか否かを判定する。大当たりフラグがONであると判定した場合(S91,S99:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルを参照して大当たり用の特図変動パターンを選択する(S92,S100)。例えば、非時短状態である場合、第1特図保留記憶部64aの第1記憶領域から取得した変動パターン乱数が「50」であるとすると、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT9を参照し、特図変動パターンP1を選択する(S92)。時短状態である場合、第2特図保留記憶部64bの第1記憶領域から取得した変動パターン乱数が「50」であるとすると、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT9を参照し、特図変動パターンP8を選択する(S100)。特図変動パターンを選択した遊技制御用マイコン61は、その後、S98に移行する。
また、大当たりフラグがONではないと判定した場合(S91,S99:No)、遊技制御用マイコン61は、小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S93,S101)。前述したように、第1特図の抽選では小当たりに当選せず、第2特図の抽選で小当たりに当選する場合がある。小当たりフラグがONであると判定した場合(S93,S101:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルを参照して特図変動パターンを選択する(S94,S102)。具体的には、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT9を参照し、非時短状態であれば特図変動パターンP3を選択し(S94)、時短状態であれば特図変動パターンP9を選択する(S10
2)。その後、遊技制御用マイコン61は、S98に移行する。
一方、小当たりフラグがOFFであると判定した場合(S93,S101:No)、遊技制御用マイコン61は、ハズレと判定したことになる。この場合、遊技制御用マイコン61は、S95,S103に移行する。そして、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されているリーチ乱数を取得し、その取得したリーチ乱数がリーチ成立乱数であるか否かを判定する(S95,S103)。非時短状態である場合、取得したリーチ乱数が、リーチ判定テーブルT8のうち非時短状態用のリーチ乱数の中に存在するならば、遊技制御用マイコン61は、リーチ成立乱数であると判定する(S95:Yes)。同様に、時短状態である場合、取得したリーチ乱数が、リーチ判定テーブルT8のうち時短状態用のリーチ乱数の中に存在するならば、遊技制御用マイコン61は、リーチ成立乱数であると判定する(S103:Yes)。
その後、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルを参照して、リーチ有りハズレ用の特図変動パターンを選択する(S96,S104)。例えば、非時短状態である場合、第1特図保留記憶部64aの第1記憶領域から取得した変動パターン乱数が「30」であるとすると、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT9を参照し、特図変動パターンP5を選択する(S96)。時短状態である場合、第2特図保留記憶部64bの第1記憶領域から取得した変動パターン乱数が「30」であるとすると、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT9を参照し、特図変動パターンP10を選択する(S104)。特図変動パターンを選択した遊技制御用マイコン61は、その後、S98に移行する。
一方、取得したリーチ乱数がリーチ成立乱数ではないと判定した場合(S95,S103:No)、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルを参照して、リーチ無しハズレ用の特図変動パターンを選択する(S97,S105)。例えば、非時短状態である場合、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT9を参照し、特図保留数が0~2の場合は特図変動パターンP6を選択し、特図保留数が3~4の場合は特図変動パターンP7を選択する(S97)。特図変動パターンP7の変動時間は特図変動パターンP6よりも短くなっており、特図保留数が3~4の場合には、特図の変動が早く終了し、特図保留の消化ペースが速くなるようになっている。また、時短状態である場合、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT9を参照し、特図保留数が0~1の場合は特図変動パターンP11を選択し、特図保留数が2~4の場合は特図変動パターンP12を選択する(S105)。特図変動パターンP12の変動時間は特図変動パターンP11よりも短くなっており、特図保留数が2~4の場合には、特図の変動が早く終了し、特図保留の消化ペースが速くなるようになっている。特図変動パターンを選択した遊技制御用マイコン61は、その後、S98に移行する。
S92,S94,S96,S97,S100,S102,S104,S105の終了後、S98に移行した遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64に設けた特図変動パターンバッファにセットし、特図変動パターン選択処理を終了する。S98で特図変動パターンバッファにセットした変動パターンデータは、前述した特別図柄待機処理のS65,S71でセットされる特図変動開始コマンドに含められ、メイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)により、サブ制御基板100へ出力される。
(特別図柄関連処理)
次に、図20に従って、特別図柄関連処理(S18)について説明する。
遊技制御用マイコン61は先ず、特別図柄(第1特図、第2特図)の変動時間(S98でセットした特図変動パターンに応じた時間)の計測の終了タイミングであるか否かを判
定する(S110)。そして、変動時間の終了タイミングであると判定した場合(S110:Yes)、遊技制御用マイコン61は、S88でセットした特図停止図柄データに応じた特別図柄の停止図柄を表示(特別図柄の変動表示を確定表示)する(S111-1)と共に、特図変動停止コマンドをRAM64に設けた出力バッファにセットする(S111-2)。また、特別図柄の停止時間の計測を開始する(S111-3)。そして、遊技制御用マイコン61は、S111-3の終了後、特別図柄関連処理を終了する。
一方で、遊技制御用マイコン61は、前述したS110において特別図柄の変動時間の終了タイミングではないと判定した場合(S110:No)、前述したS111-3において開始した特別図柄の停止時間の計測の終了タイミングであるか否かを判定する(S112)。停止時間の終了タイミングであると判定した場合(S112:Yes)、遊技制御用マイコン61は、後述する遊技状態管理処理を実行する(S113)。その後、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがONであるか否かを判定し(S114-1)、ONであると判定した場合(S114-1:Yes)、遊技状態リセット処理を実行する(S114-2)。この遊技状態リセット処理では、時短フラグがONであるか否かを判定し、ONになっていると判定した場合は、時短フラグをOFFにする。つまり、大当たり遊技状態の実行中は非時短状態に制御される。
遊技制御用マイコン61は、前述したS112において特別図柄の停止時間の終了タイミングではないと判定した場合(S112:No)、遊技状態が大当たり遊技状態(1種大当たり状態またはV当たり状態)であるか否かを判定する(S115-1)。なお、遊技制御用マイコン61は例えば、大当たりフラグがONであり、かつ特別図柄の変動時間および停止時間の何れも計測していない場合に、大当たり遊技状態であると判定する。そしてこのS115-1において大当たり遊技状態であると判定した場合には(S115-1:Yes)、1種大当たり状態またはV当たり状態(2種大当たり状態の2ラウンド以降)に関する特別電動役物処理(後述)を実行する(S115-2)。そして、S115-2の終了後、特別図柄関連処理を終了する。
一方で、遊技制御用マイコン61は、前述したS115-1において大当たり遊技状態ではないと判定した場合(S115-1:No)、前述したS115-2を経由することなくS116-1に進み、遊技状態が小当たり遊技状態であるか否かを判定する。なお、遊技制御用マイコン61は例えば、小当たりフラグがONであり、かつ特別図柄の変動時間および停止時間の何れも計測していない場合に、小当たり遊技状態であると判定する。そしてこのS116-1において小当たり遊技状態であると判定した場合には(S116-1:Yes)、小当たり遊技状態に関する特別電動役物処理(後述)を実行する(S116-2)。そして、S116-2の終了後、特別図柄関連処理を終了する。
(遊技状態管理処理)
次に、図21に従って、遊技状態管理処理(S113)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、時短状態であるか否かを判定すべく、時短フラグがONであるか否かを判定する(S113-1)。時短フラグがOFFであると判定した場合(S113-1:No)、遊技制御用マイコン61は、後述するS113-7に移行する。一方、時短フラグがONであると判定した場合(S113-1:Yes)、遊技制御用マイコン61は、時短カウンタの値を1減算する(S113-2)。その後、遊技制御用マイコン61は、1減算後の時短カウンタの値が「0」になったか否かを判定する(S113-3)。そして、1減算後の時短カウンタの値が「0」になったと判定した場合(S113-3:Yes)に、時短フラグをOFFにし(S113-5)、S113-6に移行する。
一方で、遊技制御用マイコン61は、前述したS113-3において1減算後の時短カ
ウンタの値が「0」ではないと判定した場合(S113-3:No)、遊技制御用マイコン61は、時短状態の終了条件のうち、当該時短状態中の小当たり回数に応じた終了条件の成立時であるか否かを判定する(S113-4)。具体的には、遊技制御用マイコン61は、S113-4において、第1ラッシュ期間中における小当たり図柄bに基づく7回目の小当たり遊技状態の終了タイミングである場合と、第2ラッシュ期間中における小当たり図柄bに基づく1回目の小当たり遊技状態の終了タイミングである場合とに、時短状態中の小当たり回数に応じた終了条件が成立したと判定し(S113-4:Yes)、それ以外では、時短状態中の小当たり回数に応じた終了条件が成立していないと判定する(S113-4:No)。そして、時短状態中の小当たり回数に応じた終了条件の成立時であると判定した場合(S113-4:Yes)、時短フラグをOFFにし(S113-5)、S113-6に移行する。これに対し、時短状態中の小当たり回数に応じた終了条件の成立時ではない判定した場合は(S113-4:No)、S113-5を経由することなく(時短フラグをOFFにせず)、S113-6に移行する。
S113-6において遊技制御用マイコン61は、現在の遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、その後、遊技状態管理処理を終了する。なお、本実施形態において、遊技状態指定コマンドは、遊技状態の情報として、非時短状態、時短状態、大当たり遊技状態(1種大当たり状態、V当たり状態)、小当たり遊技状態、の何れかを含んでいる。S113-6(特別図柄の変動表示の終了時点から所定の停止時間が経過した時点)でセットされ得る遊技状態指定コマンドは、非時短状態、時短状態、大当たり遊技状態(1種大当たり状態)、小当たり遊技状態の何れかである。RAM64の出力バッファにセットされた遊技状態指定コマンドは、メイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力される。時短カウンタの値は、特図変動が消化される度に1減算され、時短カウンタの値が「0」になると、今回の図柄変動の終了を以て時短状態が終了し、非通常状態に移行する。
(特別電動役物処理(1種大当たり状態、V当たり状態))
次に、図22に従って、1種大当たり状態またはV当たり状態に関する特別電動役物処理(S117)の内容について説明する。遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動表示中および停止表示中の何れでもなく、かつ大当たりフラグがONとなっている期間に、図22に示す特別電動役物処理を実行する。
遊技制御用マイコン61は、特別電動役物処理(1種大当たり状態、V当たり状態)において、大当たりオープニング設定(S117-1)、大当たりラウンド設定(S117-2)、大当たりエンディング設定(S117-3)等を実行する。遊技制御用マイコン61は、大当たりオープニング設定(S117-1)において、大当たり遊技状態(1種大当たり状態)のオープニング期間(大当たりオープニング)の開始タイミングや終了タイミングを示すコマンド(オープニングコマンド(大当たり開始コマンド)、オープニング終了コマンド)を、RAM64の出力バッファにセットする処理等を行う。また、遊技制御用マイコン61は、大当たりラウンド設定(S117-2)において、大当たり遊技状態(1種大当たり状態、V当たり状態)のラウンド期間(ラウンド演出)の開始タイミングや終了タイミングを示すコマンド(ラウンド開始コマンド(開放コマンド)、ラウンド終了コマンド(閉鎖コマンド))を、RAM64の出力バッファにセットする処理等を行う。更に、遊技制御用マイコン61は、大当たりエンディング設定(S117-3)において、大当たり遊技状態(1種大当たり状態、V当たり状態)のエンディング期間(大当たりエンディング)の開始タイミングや終了タイミングを示すコマンド(エンディングコマンド、エンディング終了コマンド(大当たり終了コマンド))を、RAM64の出力バッファにセットする処理等を行う。
なお、遊技制御用マイコン61は、前述した大当たりオープニング設定や大当たりエン
ディング設定において、大当たりオープニングや大当たりエンディングの実行時間を所定のタイマにセットし、計測する。また、前述の大当たりラウンド設定において遊技制御用マイコン61は、大当たり遊技状態の種類に応じた開放パターンで第1大入賞口14aまたは第2大入賞口15aを開閉させる。そして、ラウンド遊技中、第1大入賞口14aまたは第2大入賞口15aが開状態となってから上限個数の遊技球が入賞するか、あるいは所定の開放時間が経過すると、遊技制御用マイコン61は第1大入賞口14aまたは第2大入賞口15aを閉状態としてラウンド遊技を終了する。遊技制御用マイコン61は、大当たり遊技状態の種別毎に定められたラウンド回数分、第1大入賞口14aまたは第2大入賞口15aの開閉動作を行う。また、遊技制御用マイコン61は、ラウンド遊技を開始させる度に特別電役作動有効カウンタの値を1減算し、特別電役作動有効カウンタの値が「0」となった場合のラウンド遊技の終了後に、大当たりエンディング設定においてエンディングコマンドをRAM64の出力バッファにセットし、出力する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり遊技状態の終了タイミング(大当たりエンディングの終了タイミング)であるか否かを判定する(S117-4)。そして、大当たり遊技状態の終了タイミングではないと判定した場合(S117-4:No)、特別電動役物処理(1種大当たり状態、V当たり状態)を終了する。一方で、遊技制御用マイコン61は、S117-4において大当たり遊技状態の終了タイミングであると判定した場合(S117-4:Yes)、S117-5~S117-8の処理を実行する。ここで、遊技制御用マイコン61は、S117-5において大当たりフラグをOFFにし、続くS117-6において時短フラグをONにして、更にS117-7において時短カウンタをセットする。そしてS117-8において、遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、特別電動役物処理(1種大当たり状態、V当たり状態)を終了する。遊技制御用マイコン61は、この特別電動役物処理(1種大当たり状態、V当たり状態)の終了後、特別図柄関連処理を終了する。
(特別電動役物処理(小当たり遊技状態))
次に、図23に従って、小当たり遊技状態に関する特別電動役物処理(S121)について説明する。遊技制御用マイコン61は、小当たり当選に基づいて第2大入賞口15aを開放させるために、図23に示す特別電動役物処理(小当たり)を実行する。なお、本実施形態における特別電動役物処理(小当たり遊技状態)は第2特図に関連して実行されるため、第2特図を前提として説明する。
遊技制御用マイコン61は、特別電動役物処理(小当たり遊技状態)において、小当たりオープニング設定(S119-1)、小当たり開放設定(S119-2)、振分部材作動フラグ設定(S119-3)等を実行する。遊技制御用マイコン61は、小当たりオープニング設定(S119-1)において、小当たり遊技状態のオープニング期間(小当たりオープニング)の開始タイミングや終了タイミングを示すコマンド(オープニングコマンド(小当たり開始コマンド)、オープニング終了コマンド)を、RAM64の出力バッファにセットする処理等を行う。小当たりオープニングとは、小当たりの発生を祝う演出画像を演出表示装置7に表示したり、小当たりの発生を祝う楽曲を各スピーカ8から再生したりする演出のことである。小当たりオープニング設定では、小当たりオープニングの実行時間を所定のタイマにセットし、計測する。
また、遊技制御用マイコン61は、小当たり開放設定(S119-2)において、小当たり遊技状態における第2大入賞口15aの開放期間の開始タイミングや終了タイミングを示すコマンド(開放コマンド、閉鎖コマンド)を、RAM64の出力バッファにセットする処理等を行う。更に、遊技制御用マイコン61は、振分部材作動フラグ設定(S119-3)において、当選した小当たりの種別に従って振分部材作動フラグを設定する。振分部材作動フラグは、振分部材56を作動させる期間であることを示すフラグである。具
体的に説明すると、本実施形態において遊技制御用マイコン61は、小当たり図柄aを決定した場合に振分部材作動フラグをONにし、小当たり図柄bを決定した場合には振分部材作動フラグをOFFにする。遊技制御用マイコン61は、振分部材作動フラグがONになっている期間中、振分部材ソレノイド55cを通電状態とし、特定領域が開状態となるよう振分部材56を制御する。なお、振分部材作動フラグがONになっている期間中、常に特定領域が開状態となるように振分部材56を制御する必要はなく、振分部材ソレノイド55cがOFFにされる時間帯があってもよい。
その後、遊技制御用マイコン61は、遊技球が特定領域を通過したか否かを判定する(S119-4)。特定領域を遊技球が通過したことは、特定領域センサ55aによって検出される。遊技球が特定領域を通過したと判定した場合(S119-4:Yes)、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグをONにする(S119-5)。そして次に、遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドとして、V当たり状態とすることを示す情報を含む遊技状態指定コマンドを、RAM64の出力バッファにセットする(S119-6)。なお、この遊技状態指定コマンドは、メイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力される。これにより、パチンコ遊技機1では、第2大入賞口15aの開放中に遊技球が特定領域を通過した場合も、特図当たり判定で大当たりと判定された場合と同じように小当たり遊技状態を2種大当たり状態に発展させる(V当たり状態を開始させる)ための制御が実行可能となる。ただし、本実施形態において、特図当たり判定で大当たりと判定されたことによって実行される大当たり遊技状態である1種大当たり状態は、第1大入賞装置14で実行される一方、特定領域の通過によって実行される大当たり遊技状態である2種大当たり状態は、第2大入賞装置15で実行される。
S119-4が否定判定の場合(S119-4:No)またはS119-6の終了後、遊技制御用マイコン61は、S119-7に移行する。このS119-7において遊技制御用マイコン61は、振分部材56の作動終了条件が成立したか否かを判定する。そして、振分部材56の作動終了条件が成立したと判定した場合には(S119-7:Yes)、振分部材作動フラグをOFFすることで振分部材56の作動を終了させ(S119-8)、その後にS119-9に移行する。一方、振分部材56の作動終了条件が成立していないと判定した場合は(S119-7:No)、S119-8を経由することなく、S119-9に移行する。
S119-7が否定判定の場合またはS119-8の終了後、遊技制御用マイコン61は、S119-9に移行する。このS119-9において遊技制御用マイコン61は、小当たり当選に基づく第2大入賞口15aの閉鎖条件が成立しているか否かを判定する。小当たり当選に基づく第2大入賞口15aの閉鎖条件は、第2大入賞口15aが開状態となってから上限個数の遊技球が入賞するか、あるいは当選した小当たりに応じた開放パターンに定められた開放時間が経過することである。そして、第2大入賞口15aの閉鎖条件が成立したと判定した場合(S119-9:Yes)、遊技制御用マイコン61は、小当たりフラグをOFFにし(S119-10)、特別電動役物処理(小当たり遊技状態)を終了する。一方、第2大入賞口15aの閉鎖条件が成立していないと判定した場合は(S119-9:No)、S119-10を経由することなく、特別電動役物処理(小当たり遊技状態)を終了する。
[演出制御用マイコン101の主な処理]
次に、演出制御用マイコン101(図4)が実行する主な処理について図を参照しつつ説明する。
(サブ側主制御処理)
先ず、図24に従って、サブ側主制御処理について説明する。
最初に、演出制御用マイコン101は、初期設定を実行する(S160)。この初期設定では、例えば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU102の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer
Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ
等のリセット等を行う。続いて、演出制御用マイコン101は、電源断信号がONしており、かつ、RAM120の内容が正常であるか否かを判定し(S161)、否定判定した場合(S161:No)、RAM120を初期化し(S162)、S163に進む。また、S161において肯定判定した場合(S161:Yes)、演出制御用マイコン101は、RAM120を初期化しないでS163に進む。つまり、電源断信号がONになっていない場合、または、電源断信号がONになっていてもRAM120の内容が正常でない場合には(S161:No)、演出制御用マイコン101は、RAM120を初期化するが、停電等で電源断信号がONとなったがRAM120の内容が正常に保たれている場合には(S161:Yes)、RAM120を初期化しない。なお、RAM120を初期化すれば、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等の値はリセットされる。また、このS160~S162は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
続いて、演出制御用マイコン101は、割込禁止を行い(S163)、乱数更新処理を実行する(S164)。この乱数更新処理では、種々の演出決定用乱数カウンタの初期値を更新する。なお、演出決定用乱数には、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の遊技制御用マイコン61が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。続いて、演出制御用マイコン101は、コマンド送信処理を実行する(S165)。このコマンド送信処理では、演出制御用マイコン101のRAM120内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板200、音声制御基板78及びランプ制御基板79等に送信する。続いて、演出制御用マイコン101は割込許可を実行する(S166)。以降、S163~S166を繰り返し実行する。また、割込許可中においては、受信割込処理(S167)、1msタイマ割込処理(S168)及び10msタイマ割込処理(S169)の実行が可能となる。
(受信割込処理)
次に、受信割込処理(S167)について説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から、演出制御用マイコン101の外部INT(割込)入力部に与えられるストローブ信号(STB信号)の信号レベルが変化したか否か、つまり、コマンドを受信するタイミングであるか否かを判定する。例えば、ストローブ信号の信号レベルがハイレベルからローレベルに変化したか否かを判定する。そして、受信するタイミングではないと判定した場合、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。一方、受信するタイミングであると判定した場合、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から送信されてきた各種のコマンドを受信し、それら受信した各種のコマンドをRAM120の受信バッファに格納する。この受信割込処理は、他の割込処理(S168,S169)に優先して実行される処理である。
(1msタイマ割込処理)
次に、図25に従って、1msタイマ割込処理(S168)について説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に1msec周期の割込パルスが入力される度に、この1msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、入力処理を実行する(S170)。この入力処理では、演出制御用マイコン101が、演出レバー押込検出スイッチ6a、演出レバー回転検出スイッチ6b、及び演出ボタン検出スイッチ5aからの検出信号に基づいて、スイッチがONしたことを示すスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、演出制御用マイコン101は、出力処理を実行する(S171)。この出力処理では、後述する変動演出開始処理においてRAM120の出力バッファにセットされる変動演出開始コマンドを画像制御基板200に出力する。また、演出表示装置7の表示に合わせて盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを発光させるために、後述する10msタイマ割込処理におけるランプ処理(S183)等で作成したランプデータをランプ制御基板79に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを所定の発光態様で発光させる。また、演出表示装置7の表示に合わせて可動体モータ23dを駆動させるために、駆動データ(可動体モータ23dを駆動するためのデータ)を作成し、その作成した駆動データを出力する。つまり、駆動データにしたがって可動体モータ23dを所定の動作パターンで駆動させる。また、演出表示装置7の表示に合わせてスピーカ8から音声を出力させるために、後述する10msタイマ割込処理における音声制御処理(S184)等で作成した音声データを音声制御基板78に出力する。つまり、音声データに従ってスピーカ8から音声を出力させる。
続いて、演出制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドを出力したか否かを判定する(S172)。変動演出開始コマンドは、後述する変動演出開始処理においてRAM120の出力バッファにセットされ、S171において画像制御基板200に出力される。ここで、演出制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドを出力したと判定した場合(S172:Yes)、変動演出パターンの変動時間の計測を開始する(S173)。続いて、演出制御用マイコン101は、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S174)。S174の終了後、又は変動演出開始コマンドを出力していないと判定した場合(S172:No)、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。
(10msタイマ割込処理)
次に、図26に従って、10msタイマ割込処理(S169)について説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に10msec周期の割込パルスが入力される度に、この10msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、後述する受信コマンド解析処理(図27)を実行し(S180)、スイッチ状態取得処理を実行する(S181)。このスイッチ状態取得処理では、1msタイマ割込処理の入力処理(S170)において作成したスイッチデータを10msタイマ割込処理用のスイッチデータとしてRAM120に格納する。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて、演出表示装置7が表示するボタン演出等の表示内容を設定するスイッチ処理を実行する(S182)。続いて、演出制御用マイコン101は、ランプ処理を実行する(S183)。このランプ処理では、演出表示装置7の表示に合わせて各ランプ(盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23b等)の発光を制御するためのランプデータの作成や発光演出の時間管理等を行う。これにより、各ランプは、演出表示装置7の表示に合った発光演出を行う。
続いて、演出制御用マイコン101は、音声制御処理を実行する(S184)。この音声制御処理では、音声データ(各スピーカ8からの音声の出力を制御するためのデータ)の作成、その作成した音声データの音声制御基板78への出力、音声演出の時間管理等を行う。これにより、演出表示装置7の表示に合わせて音声が各スピーカ8から出力される。続いて、演出制御用マイコン101は、その他の処理を実行し(S185)、本処理を終了する。その他の処理(S185)では、変動演出パターン乱数、予告演出を決定するための予告演出乱数等を更新する等の処理を実行する。また、その他の処理(S185)では、遊技者に対して右打ちを促す右打ち演出を行うための右打ち演出処理等を実行する。
(受信コマンド解析処理)
次に、図27に従って、受信コマンド解析処理(S330)について説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定し(S190-1)、受信したと判定した場合(S190-1:Yes)、サブ側遊技状態設定処理を実行する(S190-2)。遊技状態指定コマンドには、遊技状態(非時短状態、時短状態、1種大当たり状態、小当たり状態、V当たり状態の何れであるか)を示す情報などが含まれている。このサブ側遊技状態設定処理では、受信した遊技状態指定コマンドを解析し、遊技状態指定コマンドに含まれている情報に基づき、現時点で設定されている遊技状態を特定し、その遊技状態を示す遊技状態フラグを「1」にセットし、それ以外の遊技状態フラグを「0」にセットする。また、演出制御用マイコン101は、後述する変動演出終了処理(S196-2、特図変動停止コマンドの受信時)において計測を開始した(左中右の演出図柄7L,7C,7Rの)停止時間の計測を終了する。
演出制御用マイコン101は、S190-2の処理の終了後、または、S190-1において遊技状態指定コマンドを受信していないと判定した場合に(S190-1:No)、S191-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンドまたは第2始動入賞コマンド)を受信したか否かを判定し(S191-1)、受信したと判定した場合は(S191-1:Yes)、先読み演出判定処理を実行する(S191-2)。先読み演出判定処理(S191-2)では、第1特図保留演出記憶部121(または第2特図保留演出記憶部122)に記憶した始動入賞コマンドに含まれている始動入賞情報(大当たり乱数値、大当たり種別乱数値、リーチ乱数値等)を判定する。つまり、遊技制御用マイコン61が特別図柄の変動表示を開始する時点よりも前(始動入賞時)に、特図当たり判定や大当たり種別判定やリーチ判定を行う(事前判定)。そして、事前判定の結果に応じた抽選により、示唆演出を行うか否かを決定する。
演出制御用マイコン101は、S191-2の処理の終了後、または、S191-1において始動入賞コマンドを受信していないと判定した場合に(S191-1:No)、S192-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S192-1)、受信したと判定した場合は(S192-1:Yes)、オープニング演出選択処理を実行する(S192-2)。このオープニング演出選択処理では、オープニングコマンドを解析し、その解析結果に基づいて、大当たり遊技状態のオープニングで実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。詳しくは、オープニングコマンド毎にオープニング演出パターンが対応付けて設定されたオープニング演出パターン選択テーブル(図示せず)を参照し、受信したオープニングコマンドと対応付けられているオープニング演出パターンを選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
演出制御用マイコン101は、S192-2の処理の終了後、または、S192-1においてオープニングコマンドを受信していないと判定した場合に(S192-1:No)、S193-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60からラウンド指定コマンドを受信したか否かを判定する(S193-1)。この処理においてラウンド指定コマンドを受信したと判定した場合は(S193-1:Yes)、ラウンド演出選択処理を実行する(S193-2)。ラウンド演出選択処理では、大当たり遊技状態の各ラウンドにおいて実行するラウンド演出の種類を選択すると共に、選択したラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
演出制御用マイコン101は、S193-2の処理の終了後、または、S193-1に
おいてラウンド指定コマンドを受信していないと判定した場合に(S193-1:No)、S194-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S194-1)、受信したと判定した場合は(S194-1:Yes)、エンディング演出選択処理を実行する(S194-2)。このエンディング演出選択処理では、エンディングコマンドを解析し、その解析結果に基づいて、大当たり遊技状態のエンディングで実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。詳しくは、エンディングコマンド毎にエンディング演出パターンが対応付けて設定されたエンディング演出パターン選択テーブル(図示せず)を参照し、受信したエンディングコマンドと対応付けられているエンディング演出パターンを選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
演出制御用マイコン101は、S194-2の処理の終了後、または、S194-1においてエンディングコマンドを受信していないと判定した場合に(S194-1:No)、S195-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から特図変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S195-1)、受信したと判定した場合は(S195-1:Yes)、後述する変動演出開始処理(図28)を実行する(195-2)。この変動演出開始処理では、主制御基板60から受信した特図変動開始コマンドに応じて、変動演出のより具体的な演出内容(変動演出パターン)を決定し、その変動演出の実行を指示するコマンドをRAM120の出力バッファにセットする。また、演出制御用マイコン101は、変動演出開始処理(S195-2)において、受信した特図変動開始コマンドに含まれる特図変動パターンに応じて特図変動表示の変動時間を特定し、特定した変動時間を変動演出の実行時間(左中右の演出図柄7L,7C,7Rの変動時間)としてその計測を開始する。
この変動演出開始処理(S195-2)の実行後、演出制御用マイコン101は、後述する示唆演出選択処理を実行する(S195-3)。示唆演出選択処理では、変動演出中に示唆演出を実行するか否かおよび実行する示唆演出の種類を決定する。そして、示唆演出を実行することを決定した場合には、その示唆演出の実行を指示するコマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
演出制御用マイコン101は、S195-3の処理の終了後、または、S195-1において変動開始コマンドを受信していないと判定した場合に(S195-1:No)、S196-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から特図変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S196-1)、受信したと判定した場合は(S196-1:Yes)、変動演出終了処理を実行する(S196-2)。この変動演出終了処理では、演出制御用マイコン101は、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(図25のS165)によって画像制御基板200に送信されると、画像制御基板200は、演出表示装置7において仮停止状態(滞留状態)となっている左演出図柄7L、中演出図柄7Cおよび右演出図柄7Rを確定表示する。また、演出制御用マイコン101は、変動演出終了処理(S196-2)において、前述した変動演出開始処理(S195-2)で計測開始した変動時間の計測を終了し、変動演出後の演出図柄7L,7C,7Rの停止時間(特図変動表示の停止時間と同じ時間)の計測を開始する。
演出制御用マイコン101は、S196-2の処理の終了後、または、S196-1において変動停止コマンドを受信していないと判定した場合に(S196-1:No)、S197へ進む。
続いて、演出制御用マイコン101は、上記のコマンド以外のコマンドの受信に関する処理を行って(S197)、後述する通信エラー関連処理(図34)を実行する(S198)と共に、後述する報知設定処理(図35)を実行する(S199)。そして、受信コマンド解析処理を終える。
(変動演出開始処理)
次に、図28に従って、変動演出開始処理(S195-2)について説明する。
演出制御用マイコン101は、受信した特図変動開始コマンドを解析する(S210)。特図変動開始コマンドには、第2特図変動パターン選択処理(第1特図変動パターン選択処理)でセットされた第2特図変動パターン(第1特図変動パターン)の情報、特図停止図柄(大当たり種別判定結果)等が含まれている。続いて、演出制御用マイコン101は、S210において解析した特図変動開始コマンドが第1特図変動開始コマンドである場合は、第1特図保留数と同期するよう、第1特図保留演出カウンタの値を「1」減算し、第2特図変動開始コマンドである場合は、第2特図保留数と同期するよう、第2特図保留演出カウンタの値を「1」減算する(S211)。第1特図保留演出カウンタは、第1始動入賞コマンドの受信に基づいて第1特図保留数に対応する数をカウントするカウンタであり、第2特図保留演出カウンタは、第2始動入賞コマンドの受信に基づいて第2特図保留数に対応する数をカウントするカウンタである。続いて、演出制御用マイコン101は、特図保留演出記憶部に記憶されている始動入賞コマンド等の各データを古い記憶領域の方にシフトする(S212)。次に、演出制御用マイコン101は、演出表示装置7が変動演出パターンを表示する際に最終的に確定表示する左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rの組み合わせを、演出図柄選択テーブル(図示せず)を参照して選択する(S213)。
続いて、演出制御用マイコン101は、演出内容選択処理を実行する(S214)。演出制御用マイコン101は、演出内容選択処理として、指示された特図変動パターンに基づいて、変動演出パターン選択テーブル(図示せず)の中から、演出図柄の変動に伴って行われる演出内容(変動演出パターン)を選択する。続いて、演出制御用マイコン101は、S214において選択した演出内容(変動演出パターン)の表示を演出表示装置7に開始させるための変動演出開始コマンドをRAM120の出力バッファにセットする(S215)。変動演出開始コマンドには、演出内容(変動演出パターン)の他、演出図柄を演出表示装置7に表示させるための演出画像データが含まれている。そして、その演出画像データを含む変動演出開始コマンドが、RAM120の出力バッファにセットされることで、1msタイマ割込処理の出力処理(S171)において演出画像データが画像制御基板200に出力される。これにより、演出画像データに基づく演出図柄や演出画像が演出表示装置7に表示される。その後、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。
[通信エラーに関する制御]
ここで、パチンコ遊技機1の異常状態の一種である通信エラーに関する判定について説明する。以下では、主制御基板60(遊技制御用マイコン61)からの変動演出に関するコマンドの受信に関して、該コマンドを受信するサブ制御基板100(演出制御用マイコン101)で通信エラーの判定を行う場合を例に挙げる。但し一例に過ぎず、サブ制御基板100(演出制御用マイコン101)が変動演出に関するコマンド以外のコマンド(例えば、大当たり遊技状態に関する一連のコマンド等)の受信について通信エラーの判定を行うようにしてもよい。また、サブ制御基板100以外の制御基板(例えば画像制御基板200等)が通信エラーの判定を行うようにしてもよい。
(変動演出に関するコマンドについて)
本実施形態では、変動演出に関するコマンド(遊技制御用マイコン61が変動演出毎に
送信するコマンド)として、特図変動開始コマンド、特図変動停止コマンドおよび遊技状態指定コマンドの3種類がある。パチンコ遊技機1では通常、特別図柄表示器51,52
での特図変動表示に同期して演出表示装置7での変動演出が行われるが、特図変動開始コマンドや特図変動停止コマンドを演出制御用マイコン101が正常に受信できないと、変動演出を特図変動表示に同期させることはできない。また、演出制御用マイコン101側で遊技状態指定コマンドを正常に受信できないと、その後のコマンド受信の一部を異常と判定することになったり、遊技状態に合わない演出が導出されたりする虞がある。そこで、パチンコ遊技機1では、前述した変動演出に関するコマンドの受信に不具合が生じた状態(異常状態)を、通信エラーとして特定可能に構成されている。この場合、前述した3種類のコマンドが演出制御用マイコン101側で予め定めた順序通りに受信されない場合等(コマンドの欠落)を、通信エラーが発生した状態として(異常ありと)判定する。
先ず、図29等を参照し、遊技制御用マイコン61からの変動演出に関するコマンドの送信タイミング等について説明する。
特図変動開始コマンドは、遊技制御用マイコン61で決定された特図変動パターンを演出制御用マイコン101に伝達するコマンド(指令情報)であり、遊技制御用マイコン61が特図変動表示の開始タイミング(変動時間の計測開始タイミング)に合わせてセットし(図16のS71)、送信する。また、特図変動停止コマンドは、特別図柄の変動表示の終了(特別図柄の確定表示)を演出制御用マイコン101に伝達するコマンド(指令情報)であり、遊技制御用マイコン61が特図変動表示の終了タイミング(変動時間の計測終了タイミング)に合わせてセットし(図20のS111-3)、送信する。遊技状態指定コマンドは、特図変動表示が行われた後の遊技状態(非時短状態、時短状態、1種大当たり状態、小当たり遊技状態の何れか)を演出制御用マイコン101に伝達するコマンド(指令情報)であり、本実施形態では遊技制御用マイコン61が特図変動表示の終了後の停止時間の経過時点毎にセットし(図22のS113-6)、送信する。すなわち、特図変動表示の開始時に、特図変動開始コマンドが送信され、その送信時点からの経過時間(すなわち変動時間)に応じて、特図変動停止コマンドおよび遊技状態指定コマンドの送信タイミングが送信される。
次に、前述した変動演出に関する3種類のコマンドを受信した際の演出制御用マイコン101の制御内容について説明する。
図29に示すように、演出制御用マイコン101は、特図変動開始コマンドを受信することに応じて変動演出を開始する。この特図変動開始コマンドに含まれる特図変動パターンは、特図変動表示の変動時間や変動演出の大まかな内容等を含んでおり、この特図変動パターンに基づいて演出制御用マイコン101が、変動演出のより具体的な演出内容(変動演出パターン)や左中右の演出図柄7L,7C,7Rの停止タイミング(仮停止表示するタイミング)等を決定して、その決定内容に応じた変動演出を開始する(図27のS195-2)。この場合に演出制御用マイコン101は、(左中右の演出図柄7L,7C,7Rの)変動時間の計測を開始する。
また、演出制御用マイコン101は、特図変動停止コマンドを受信することに応じて変動演出を終了する(図27のS196-2)。具体的には、仮停止状態の左中右の演出図柄7L,7C,7Rを確定表示状態に変更(変動演出を終了)する。このタイミングは、演出制御用マイコン101による変動時間の計測終了時点に対応する。そして、演出制御用マイコン101は、変動時間の計測を終了することに応じて、(左中右の演出図柄7L,
7C,7Rの)停止時間の計測を開始する。
更に、演出制御用マイコン101は、遊技状態指定コマンドの受信に応じて以後の遊技状態を特定し、その遊技状態に対応する遊技状態フラグを設定する(図27のS190-2)。このタイミングは、演出制御用マイコン101による停止時間の計測終了時点に対応する。このため例えば、大当たり遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの受信直後に大当たり開始コマンドを受信することを正常(通信エラーではない)と判定することができ
、小当たり遊技状態を示す遊技状態指定コマンドの受信直後に小当たり開始コマンドを受信することを正常(通信エラーではない)と判定することができる。なお、大当たり遊技状態や小当たり遊技状態に関しても通信エラーの判定を行うが、詳細な説明を省略する。
(コマンド履歴記憶部127について)
ここで、図4に示すように、サブ制御基板100は、通信エラーに関する情報を記憶する記憶手段として、コマンド履歴記憶部127と、FRAM125(後述)とを備えている。コマンド履歴記憶部127は、演出制御用マイコン101のRAM120に設けられて、前回コマンド記憶エリア127aと、今回コマンド記憶エリア127bとを有し、通信エラーが発生しているか否かの判定に用いられるコマンドの受信履歴を記憶する。
演出制御用マイコン101(CPU102)は、遊技制御用マイコン61からの変動演出に関するコマンド(特図変動開始コマンド、特図変動停止コマンドおよび遊技状態指定コマンドの3種類の何れか)を受信すると、その受信したコマンドの種類に関する情報を今回コマンド記憶エリア127bに記憶する。なお、今回コマンド記憶エリア127bは最も新しく受信した変動演出に関するコマンドを記憶する記憶領域であり、前回コマンド記憶エリア127aはその1つ前に受信した変動演出に関するコマンドを記憶する記憶領域である。従って、演出制御用マイコン101が変動演出に関するコマンドを受信した際には、その受信したコマンドの種類に関する情報を今回コマンド記憶エリア127bに記憶し、1つ前に受信したコマンドの種類に関する情報(それまで今回コマンド記憶エリア127bに記憶していた情報)を前回コマンド記憶エリア127aに記憶する。これらのコマンド記憶エリアには、変動演出に関する前述した3種類のコマンド以外のコマンド(例えば始動入賞コマンド等)については情報を記憶しない。
そして、演出制御用マイコン101(CPU102)は、前回コマンド記憶エリア127aおよび今回コマンド記憶エリア127bの両方にコマンドの情報が記憶されている場合、両コマンドの関係が正しい受信順序(特図変動開始コマンド、特図変動停止コマンド、遊技状態指定コマンド、特図変動開始コマンド・・・の繰り返しとなる受信順序)に沿う関係であるか否かを判定する。
なお、本実施形態では遊技状態指定コマンドを、変動演出の終了時以外のタイミング(1種大当たり状態の終了時や、V当たり状態の開始・終了時)にも送受信するようになっている。これに対し、本実施形態におけるコマンド履歴記憶部127(コマンド記憶エリア)は、変動演出に関するコマンドの通信エラーの判定や報知に用いられる記憶部のみを指すものとし、遊技状態指定コマンドについては変動演出の終了毎に受信する遊技状態指定コマンドのみが記憶されるようになっている。
(通信エラーの判定について)
ここで、演出制御用マイコン101(CPU102)は、例えば、前回コマンド記憶エリア127aに遊技状態指定コマンドの情報が記憶されており、今回コマンド記憶エリア127bに特図変動停止コマンドの情報が記憶されている場合に、変動演出に関するコマンドを1つ欠落しており、その欠落したコマンドが特図変動開始コマンドであることを特定する。また、演出制御用マイコン101(CPU102)は、例えば、前回コマンド記憶エリア127aに特図変動開始コマンドの情報が記憶されており、今回コマンド記憶エリア127bに遊技状態指定コマンドの情報が記憶されている場合に、変動演出に関するコマンドを1つ欠落しており、その欠落したコマンドが特図変動停止コマンドであることを特定する。更に、演出制御用マイコン101(CPU102)は、例えば、前回コマンド記憶エリア127aに特図変動停止コマンドの情報が記憶されており、今回コマンド記憶エリア127bに特図変動開始コマンドの情報が記憶されている場合に、変動演出に関するコマンドを1つ欠落しており、その欠落したコマンドが遊技状態指定コマンドであることを特定する。以上のように、変動演出に関するコマンドを1つ欠落していると判定す
ることが、通信エラー1回が発生したと判定することに相当する。
また、演出制御用マイコン101(CPU102)は、前回コマンド記憶エリア127aと今回コマンド記憶エリア127bとで共通のコマンドの情報が記憶されている場合に、変動演出に関するコマンドを2つ欠落していることを特定する。この場合に、両コマンド記憶エリアに共通して記憶されている情報に対応するコマンドが、特図変動開始コマンドであれば、特図変動停止コマンドおよび遊技状態指定コマンドの2つを欠落しており、特図変動停止コマンドであれば、遊技状態指定コマンドおよび特図変動開始コマンドの2つを欠落しており、遊技状態指定コマンドであれば、特図変動開始コマンドおよび特図変動停止コマンドの2つを欠落していることを特定する。以上のように、変動演出に関するコマンドを2つ欠落していると判定することが、通信エラー2回が発生したと判定することに相当する。
なお、特図変動表示の終了後(変動演出の終了後)に大当たり遊技状態や小当たり遊技状態が生起される場合がある。このような場合、演出制御用マイコン101(CPU102)は、大当たり開始コマンドや小当たり開始コマンドを受信したタイミングで、今回コマンド記憶エリア127bの記憶内容を確認する。この場合、今回コマンド記憶エリア127bに遊技状態指定コマンドの情報が記憶されていれば正常であるが、特図変動開始コマンドまたは特図変動停止コマンドの情報が記憶されていれば、遊技状態指定コマンドを欠落しているか、または大当たり開始コマンドや小当たり開始コマンドが誤って受信されたかの何れかである。本実施形態ではこのような場合、遊技状態指定コマンドを欠落していると判定すると共に、前回コマンド記憶エリア127aおよび今回コマンド記憶エリア127bの記憶内容をクリアするようになっている。すなわち、大当たり開始コマンドや小当たり開始コマンドを受信したタイミングで、今回コマンド記憶エリア127bに特図変動停止コマンドの情報が記憶されていれば、変動演出に関するコマンドを1つ(遊技状態指定コマンド)欠落していることを特定し、通信エラー1回が発生したと判定する。また、当該タイミングで、今回コマンド記憶エリア127bに特図変動開始コマンドの情報が記憶されていれば、変動演出に関するコマンドを2つ(特図変動停止コマンド、遊技状態指定コマンド)欠落していることを特定し、通信エラー2回が発生したと判定する。このようにすることで、大当たり遊技状態や小当たり遊技状態の終了後まで待つことなく通信エラーの発生を判定することができる。
(通信エラー時の応急表示について)
演出制御用マイコン101は、特図変動開始コマンドのみを欠落した場合、特図停止コマンドの受信時(特別図柄の確定表示タイミング)において前回の変動演出の結果(演出図柄の組み合わせ)が確定表示された状態となっている。このため、演出制御用マイコン101は、その表示状態を維持するようにして、変動時間の計測を終了すると共に停止時間の計測を開始する。これにより、演出制御用マイコン101は、以降、受信コマンドに応じた制御を問題なく行うことができる。また、特図変動停止コマンドのみを欠落した場合、遊技状態指定コマンドの受信時において変動演出の結果(演出図柄の組み合わせ)が仮停止状態となっている。これに対し、演出制御用マイコン101は、その仮停止状態を維持し、停止時間の計測も行わない。すなわち、演出図柄の仮停止状態がその後も継続され得る。しかしながら、遊技状態指定コマンドの受信によって遊技状態フラグの設定は正常に行われるので、演出制御用マイコン101は、以降、受信コマンドに応じた制御を問題なく行うことができる。
なお、特図変動開始コマンドおよび特図変動停止コマンドを欠落した場合、遊技状態指定コマンドの受信時において前回の変動演出の結果(演出図柄の組み合わせ)が確定表示されたままの状態となっている。これに対し、演出制御用マイコン101は、その確定表示状態を維持する。すなわち、前回の演出図柄の確定表示状態がその後も継続され得る。しかしながら、遊技状態指定コマンドの受信によって遊技状態フラグの設定は正常に行わ
れるので、演出制御用マイコン101は、以降、受信コマンドに応じた制御を問題なく行うことができる。
演出制御用マイコン101は、遊技状態指定コマンドのみを欠落した場合、変動演出の結果(演出図柄の組み合わせ)が確定表示されているものの、その後の遊技状態を正確に把握していない状態(実際の遊技状態と遊技状態フラグの設定との間で不一致が生じている可能性のある状態)となっている。これに対し、演出制御用マイコン101は、特図変動開始コマンド、大当たり開始コマンド、小当たり開始コマンドの何れかを受信した際に、そのコマンドが示す遊技状態に対応する遊技状態フラグを「1」に設定して、その遊技状態に応じた演出制御を開始する。このため、演出制御用マイコン101は、以降、受信コマンドに応じた制御を問題なく行うことができる。
なお、特図変動停止コマンドおよび遊技状態指定コマンドを欠落した場合、変動演出の結果(演出図柄の組み合わせ)が仮停止状態となっており、かつその後の遊技状態を正確に把握していない状態(実際の遊技状態と遊技状態フラグの設定との間で不一致が生じている可能性のある状態)となっている。これに対し、演出制御用マイコン101は、その仮停止状態を維持して停止時間の計測を行わず、特図変動開始コマンド、大当たり開始コマンド、小当たり開始コマンドの何れかを受信した際に、そのコマンドが示す遊技状態に対応する遊技状態フラグを「1」に設定して、その遊技状態に応じた演出制御を開始する。このため、演出制御用マイコン101は、以降、受信コマンドに応じた制御を問題なく行うことができる。
(通信エラー報知について)
パチンコ遊技機1は、例えば前述した変動演出に関するコマンドについての通信エラーの発生を判定した場合に、当該通信エラーの発生に関する異常報知である通信エラー報知を、予め定めた報知態様で、予め定めた終了条件が成立するまで実行することができる。具体的には、通信エラーの発生を演出制御用マイコン101が判定した場合、例えば、演出表示装置7の画面でのエラー表示による通信エラー報知を開始させるためのコマンドを画像制御基板200に向けて送信し、トップランプ23cの発光による通信エラー報知を開始させるためのコマンドをランプ制御基板79に向けて送信すると共に、スピーカ8のエラー音による通信エラー報知を開始させるためのコマンドを音声制御基板78に向けて出力する。また、通信エラー報知の終了条件が成立すると、通信エラー報知を終了させるためのコマンドを各制御基板200,79,78に向けて送信する。
ここで、本実施形態では、通信エラー報知を、演出表示装置7の画面表示、トップランプ23cの発光およびスピーカ8の音出力の3種類で行い、報知開始から30秒が経過することで終了条件が成立するように設定されている。
但し、本実施形態では、後述するように、通信エラーが頻発する状況下で通信エラー報知の実行を禁止したり、または通信エラーが頻発する状況下で通信エラー報知を目立たない報知態様で実行したりするように、設定を変更する操作が可能となっている。
(通信エラーの発生に関する履歴情報の記憶について)
図30に示すように、サブ制御基板100は、FRAM125を備えている。FRAM125は、前述の如く不揮発性メモリであり、異常履歴記憶部125aと、設定記憶部125bとが設けられている。異常履歴記憶部125aは、通信エラーの詳細な履歴を記憶する手段として用いられ、例えば、欠落したコマンドの種類とその欠落の発生日時を記憶するようになっている。演出制御用マイコン101は、前述のように通信エラーの発生を判定した時点で、欠落したコマンドの種類を特定すると共に、RTC124により計測されている日時情報を取得し、その欠落したコマンドの種類と日時情報とを関連付けて、通信エラーの履歴として異常履歴記憶部125aに記憶する。ここで、前述のように2つのコマンドの欠落を判定した場合は、2種類のコマンドが同じ発生時刻に対応付けられる。従って、異常履歴記憶部125aに記憶される内容は、例えば図31に示すような内容に
なる。図31に示す異常履歴記憶部125aの記憶内容は、ある年の3月1日において、特図変動停止コマンドの欠落による通信エラーの発生を19時55分に判定したこと、特図変動開始コマンドの欠落による通信エラーの発生を20時27分に判定したこと、遊技状態指定コマンドの欠落による通信エラーの発生を20時51分に判定したこと、等を示している。なお、翌日の3月2日については、例えば11時16分に、特図変動開始コマンドおよび特図変動停止コマンドの2つの欠落が判定されたことが分かる。
また、FRAM125の設定記憶部125bには、通信エラー報知に関する設定操作による設定内容が記憶されるようになっている。以下、通信エラー報知に関する設定操作について説明する。
(通信エラー報知に関する設定操作について)
パチンコ遊技機1において通信エラーが頻発する場合には、パチンコ遊技機1が静電ノイズ等の発生し易い環境下にある等、パチンコ遊技機1の周囲環境が要因となって通信エラーが発生している可能性が高い。環境的要因から通信エラーが発生し易い状況では、頻繁に通信エラー報知が行われることになり、遊技者による遊技の妨げになる。しかも、このような状況で通信エラー報知を行っても、環境的要因による通信エラーの発生を防止する有効な処置を速やかに施すことが困難な場合が殆どである。
そこで、本実施形態のパチンコ遊技機1は、通信エラーが発生した(異常あり)との判定が頻発する状況(以下「通信エラー頻発中」という)において通信エラー報知を行うか否か(実行可否)を、遊技店員等の操作によって設定可能に構成されている。すなわち、通信エラー頻発中に通信エラー報知の実行を禁止する設定としておけば、その設定に応じた演出制御用マイコン101の制御によって通信エラー報知の実行が制限されるので、通信エラーの発生毎にいちいち通信エラー報知が行われるような事態を防ぐことができる。一方、通信エラー頻発中に通信エラー報知の実行が可能な設定としておけば、その設定に応じた演出制御用マイコン101の制御によって、通信エラーが環境的要因から頻発する状況においても通信エラー報知の実行が許容されるので、常に通信エラーの発生を把握することが可能である。
ここで、パチンコ遊技機1は、通信エラー頻発中における通信エラー報知の実行可否を設定する操作の対象となる設定操作手段(操作手段)と、その設定内容(通信エラー頻発中における通信エラー報知の実行可否)を表示するための設定表示手段とを備えている。具体的には、設定操作手段として、前述した演出レバー6を用いると共に、設定表示手段として、前述した演出表示装置7を用いる。すなわち、パチンコ遊技機1の前面側に設けられている演出用の操作手段や表示手段を兼用することで、コストの上昇を抑えている。但し、演出レバー6の操作による通信エラー報知の設定操作を常に自由に行えるようにすると、遊技者等が勝手に設定変更できることになり問題がある。このため、サブ制御基板100上に切替スイッチ126が設けられており、この切替スイッチ126のON操作によって、遊技用の期間(一般モード)から設定用の期間(設定操作モード)に移行させるように構成している。設定操作モードでは、演出レバー6の操作による通信エラー報知に関する設定が可能となり、演出表示装置7において演出が中止されて設定画面130(図32)が表示される。
パチンコ遊技機1について、通信エラー報知に関する設定操作を行う遊技店員は、外枠Wに対して内枠16を開放し、これによって操作可能に露出するサブ制御基板100上の切替スイッチ126をOFFからONに切り替えることで、一般モードから設定操作モードに移行させる。そして、内枠16を一旦閉じ、演出表示装置7に表示される設定画面130の表示内容を確認しつつ演出レバー6を操作して通信エラー報知の実行可否を設定した後に、再び内枠16を開放して切替スイッチ126をOFF操作することで一般モードに復帰させればよい。すなわち、パチンコ遊技機1における通信エラー報知に関する設定
操作は、電源投入操作とセットで行う必要がない(電源をOFFして再起動する必要がない)ので、遊技店の営業中に通信エラー報知に関する設定を行うこともでき、便利である。
切替スイッチ126をON操作して設定操作モードに切り替えた時点では、演出表示装置7には、図32(a)および図32(b)の2種類の表示内容のうち何れか一方が設定画面130として表示される。図32(a)の設定画面130は、メイン設定用表示領域131(第1~第3の設定項目)と、サブ設定用表示領域132(第4の設定項目)とを有しており、図32(b)の設定画面130は、メイン設定用表示領域131(第1~第3の設定項目)のみを有している。ここで、メイン設定用表示領域131は、第1の設定項目である「通信エラー頻発中の通信エラー報知の実行可否」に関する情報と、第2の設定項目である「通信エラーが頻発中であるか否かを判定する基準となる単位時間(基準時間)」に関する情報と、第3の設定項目である「通信エラーが頻発中であるか否かを判定する基準となる通信エラーとの判定回数(基準回数)」に関する情報とを表示している。また、サブ設定用表示領域132は、第4の設定項目である「通信エラー頻発中の報知の態様(報知強度)」に関する情報を表示している。なお、図32(a)および図32(b)の表示内容の切り替えは、後述するように第1の設定項目についての選択肢の選択に応じて行われる。
そして、図32(a)の設定画面130の表示状態では、演出レバー6を押込操作する毎(演出レバー押込検出スイッチ6aの検出毎)に、第1の設定項目、第2の設定項目、第3の設定項目、第4の設定項目、第1の設定項目・・・、というように、選択対象が4種類で順番に切り替わるようになっている。一方、図32(b)の設定画面130の表示状態では、演出レバー6を押込操作する毎(演出レバー押込検出スイッチ6aの検出毎)に、第1の設定項目、第2の設定項目、第3の設定項目、第1の設定項目・・・、というように、選択対象が3種類で順番に切り替わるようになっている。
設定画面130のメイン設定用表示領域131では、第1の設定項目について、「許容」および「禁止」の2つの選択肢が表示される。前述した演出レバー6の押込操作で第1の設定項目を選択した状態において、演出レバー6を回転操作することにより、その回転操作が演出レバー回転検出スイッチ6bに検出されて、2つの選択肢(「許容」および「禁止」)の間で選択状態が交互に切り替わる。そして、演出制御用マイコン101は、「許容」を選択した状態で切替スイッチ126をOFF操作して一般モードに復帰させると、通信エラー頻発中にも通信エラー報知を実行するように制御する。一方で、「禁止」を選択した状態で切替スイッチ126をOFF操作して一般モードに復帰させると、通信エラー頻発中に通信エラー報知を実行しないように制御する。
なお、設定操作モード中、設定画面130上で第1の設定項目について「禁止」の選択肢が選択されている場合には、サブ設定用表示領域132(第4の設定項目)が非表示となる(図32(b))一方、「許容」の選択肢が選択されている場合には、サブ設定用表示領域132(第4の設定項目)が表示される(図32(a)ように設定されている。
設定画面130のサブ設定用表示領域132では、第4の設定項目について、「Lv.
1」、「Lv.2」および「Lv.3」の3つの選択肢が表示される。前述した演出レバー6の押込操作で第1の設定項目を選択した状態において、演出レバー6を回転操作することにより、その回転操作が演出レバー回転検出スイッチ6bに検出されて、前述した3つの選択肢の間で選択状態(色付きの選択肢)が交互に切り替わる。
そして、演出制御用マイコン101は、「Lv.3」を選択した状態で切替スイッチ1
26をOFF操作して一般モードに復帰させると、通信エラー頻発中に実行する通信エラー報知を、3段階のうちで最も目立つ態様(最も報知強度が高い態様)で長い時間(30
秒経過まで)実行するように制御する。具体的には、図33に示すように、演出表示装置7の画面の表示、トップランプ23cの発光およびスピーカ8の音出力の3種類による(通信エラーが頻発していない状況で行う場合と同じ報知態様での)通信エラー報知を制御する。
また、演出制御用マイコン101は、「Lv.2」を選択した状態で切替スイッチ12
6をOFF操作して一般モードに復帰させると、通信エラー頻発中に実行する通信エラー報知を、3段階のうちで2番目に目立つ態様(2番目に報知強度が高い態様)で短い時間(10秒経過まで)実行するように制御する。具体的には、図33に示すように、演出表示装置7の画面表示(但し、Lv.3の場合よりも小さいエラー表示)およびトップラン
プ23cの発光の2種類のみによる(通信エラーが頻発していない状況で行う場合よりも目立たない報知態様での)通信エラー報知を制御する。
更に、演出制御用マイコン101は、「Lv.1」を選択した状態で切替スイッチ12
6をOFF操作して一般モードに復帰させると、通信エラー頻発中に実行する通信エラー報知を、3段階のうちで最も目立たない態様(最も報知強度が低い態様)で短い時間(10秒経過まで)実行するように制御する。具体的には、図33に示すように、トップランプ23cの発光のみ(1種類)による(通信エラーが頻発していない状況で行う場合よりも目立たない報知態様での)通信エラー報知を制御する。
すなわち、パチンコ遊技機1では、通信エラー頻発中の通信エラー報知について、実行しない設定とすることができる他に、目立たない報知態様で実行する設定とすることもできるように構成されている。
設定画面130のメイン設定用表示領域131では、第2の設定項目について「基準時間」の設定値が表示され、第3の設定項目について「基準回数」の設定値が表示される。これら「基準時間」および「基準回数」の設定項目は、どの程度の期間(単位時間)中に通信エラーがどの程度発生することを「通信エラーの頻発」とするかを決定するものである。
前述した演出レバー6の押込操作で第2の設定項目を選択した状態において、演出レバー6を回転操作することにより、その回転操作が演出レバー回転検出スイッチ6bに検出されて、「基準時間」の設定値が「1(分)」から「9999(分)」までの範囲で順に変化するように切り替わる。また、演出レバー6の押込操作で第3の設定項目を選択した状態において、演出レバー6を回転操作することにより、その回転操作が演出レバー回転検出スイッチ6bに検出されて、「基準回数」の設定値が「1(回)」から「999(回)」までの範囲で順に変化するように切り替わる。ここで、演出制御用マイコン101は、「基準時間」(第2の設定項目)および「基準回数」(第3の設定項目)の各値を設定した状態で切替スイッチ126をOFF操作して一般モードに復帰させると、その「基準時間」の間に発生した通信エラーの判定回数が「基準回数」に達した場合に、通信エラーの頻発中であると判定する。そして、通信エラー報知の実行を禁止したり(第1の設定項目について「禁止」を選択している場合)、または、通信エラー報知を目立たない態様で実行したり(第1の設定項目について「許容」を選択し、かつ第4の設定項目について「Lv.1」か「Lv.2」を選択している場合)する制御を実行する。
なお、第1の設定項目について「許容」の選択肢が選択され、かつ、第4の設定項目について「Lv.3」が選択されている状態では、通信エラー頻発中にも通信エラー報知の
実行可否および報知態様が変化しない設定となる。このような場合には、第2の設定項目および第3の設定項目を設定不可能としてもよい。
(通信エラー報知に関する設定内容の記憶について)
前述したように、サブ制御基板100は、不揮発性メモリであるFRAM125を備えており、このFRAM125には、前述した異常履歴記憶部125aの他に、設定記憶部125bが設けられている。設定記憶部125bには、通信エラー報知に関する情報として、前述した第1~第4の設定項目についての選択状態の選択肢や設定値が記憶されてい
る。具体的には、第1の設定項目について、通信エラー頻発中に通信エラー報知の実行を許容するか禁止するかを示す情報が記憶されている。また、第2の設定項目について、通信エラーが頻発中であるか否かを判定する基準となる単位時間である「基準時間」の設定値(1分から9999分までの何れか)を示す情報が記憶されている。更に、第3の設定項目について、通信エラーが頻発中であるか否かを判定する基準となる(単位時間当たりの)通信エラーの発生回数である「基準回数」の設定値(1回から999回までの何れか)を示す情報が記憶されている。更にまた、第4の設定項目について、通信エラー頻発中の報知の態様(報知強度を示すLv.1~3の何れか)を示す情報が記憶されている。
すなわち、パチンコ遊技機1は、通信エラー頻発中における通信エラー報知の実行可否や報知態様等に関する設定内容を不揮発性メモリであるFRAM125(設定記憶部125b)に記憶することで、パチンコ遊技機1の電源投入毎に設定操作をし直す手間を省くことができるように構成されている。
(通信エラー関連処理)
次に、図34に従って、通信エラー判定処理(S198)について説明する。演出制御用マイコン101は先ず、変動演出に関するコマンド(特図変動開始コマンド、特図変動停止コマンド、変動演出終了後の遊技状態指定コマンド、の何れか)を受信したか否かを判定し(S220)、受信していないと判定した場合は(S220:No)、通信エラー判定処理を終了する。一方、受信していると判定した場合には(S220:Yes)、その時点まで今回コマンド記憶エリア127bに記憶していたコマンドの情報を前回コマンド記憶エリア127aに記憶すると共に、新たに受信したコマンドの情報を今回コマンド記憶エリア127bに記憶する(S221)。続くS222において、演出制御用マイコン101は、前回コマンド記憶エリア127aおよび今回コマンド記憶エリア127bの各コマンド情報を比較して、通信エラーが発生しているか否かの判定を実行する。そして、欠落なしと判定した場合には(S222:No)、通信エラー判定処理を終了する。一方、欠落ありと判定した場合には(S222:Yes)、S223に進み、その時点を示す日時情報をRTC124から取得し、その日時情報と、欠落したコマンドの種類とを関連付けた通信エラーの履歴を、FRAM125の異常履歴記憶部125aに追加する。
続くS224において、演出制御用マイコン101は、通信エラーが発生したとの判定が頻発している状態であるか否かを判定する。この場合に演出制御用マイコン101は、FRAM125の設定記憶部125bの記憶内容から、「基準時間」および「基準回数」の各設定値を特定する。そして、異常履歴記憶部125aにおける最も新たな履歴情報(すなわち、直前のS223で記憶した情報)から遡って「基準回数」分の履歴情報が、「基準時間」内に記憶されたかを判定し、「基準時間」内に「基準回数」分の履歴情報が記憶された場合を、通信エラー頻発中と判定し、「基準時間」内に「基準回数」分の履歴情報が記憶されていない場合を、通信エラー頻発中ではないと判定する。そして、S224において通信エラー頻発中ではないと判定した場合(S224:No)はS225に移行し、S224において通信エラー頻発中と判定した場合(S224:Yes)はS226に移行する。
演出制御用マイコン101は、S224が否定判定でS225に移行した場合、通信エラー頻発中ではないので、通信エラー報知を通常通りの報知強度(Lv.3の報知態様)
で実行するように制御する。そして、通信エラー判定処理を終了する。
演出制御用マイコン101は、S224が肯定判定でS226に移行した場合、通信エラー頻発中であるので、FRAM125の設定記憶部125bの記憶内容から、通信エラー頻発中の通信エラー報知の実行可否に関する設定内容(「許容」または「禁止」)を特定する。そして、「禁止」(通信エラー頻発中に通信エラー報知を実行しない)が設定されている場合には(S226:No)、通信エラー報知を開始することなく通信エラー判
定処理を終了する。一方、「許容」(通信エラー頻発中に通信エラー報知を実行する)が設定されている場合には(S226:Yes)、S227に進み、FRAM125の設定記憶部125bの記憶内容から、通信エラー頻発中に実行する通信エラー報知の報知強度(報知態様)を特定し、その特定した報知強度に対応する通信エラー報知を開始させる。そして、通信エラー判定処理を終了する。
(報知設定処理)
次に、図35に従って、報知設定処理(S199)について説明する。演出制御用マイコン101は先ず、遊技用の一般モードであるか、設定操作用の設定操作モードであるかを判定する(S230)。そして、一般モードであれば(S230:Yes)、S231に進み、設定操作モードであれば(S230:No)、S238に進む。
演出制御用マイコン101は、S230が肯定判定でS231に移行した場合、S231において、サブ制御基板100に設けられている切替スイッチ126がOFFからONに切り替えられたか否かを判定する。そして、切替スイッチ126がOFFのままである場合には(S231:No)、報知設定処理を終了する。一方、切替スイッチ126がOFFからONに切り替えられた場合には(S231:Yes)、演出制御用マイコン101は、一般モードから設定操作モードに移行させる(S232)。
続くS233からS237までの処理は、設定操作モード中の処理である。演出制御用マイコン101は、S233において、演出レバー押込検出スイッチ6aの検出があったか否か、すなわち演出レバー6に対する押込操作が行われたか否かを判定する。そして、押込み操作が行われたと判定した場合には(S233:Yes)、設定可能な設定項目(第1の設定項目~第4の設定項目)を切り替える(S234)。一方、S233において押込み操作が行われなかったと判定した場合(S233:No)およびS234の処理を終了した場合には、S235に進む。このS235において、演出制御用マイコン101は、演出レバー回転検出スイッチ6bの検出があったか否か、すなわち演出レバー6に対する回転操作が行われたか否かを判定する。そして、回転操作が行われたと判定した場合には(S235:Yes)、設定可能とされている設定項目(第1の設定項目~第4の設定項目の何れか)についての、選択対象(選択肢)や設定値を変更する(S236)。一方、S235において回転操作が行われなかったと判定した場合(S235:No)およびS236の処理を終了した場合には、S237に進む。演出制御用マイコン101は、S237において、演出レバー6の操作に応じて設定画面130の表示内容を更新し、報知設定処理を終了する。
演出制御用マイコン101は、前述したS230が否定判定であった場合(設定操作モードである場合)、S238に移行し、切替スイッチ126がONからOFFに切り替えられたか否かを判定する。そして、切替スイッチ126がONのままである場合には(S238:No)、前述したS233へと進み、以降、設定操作モードの処理(S233からS237までの処理)を実行する。一方、切替スイッチ126がONからOFFに切り替えられた場合には(S238:Yes)、演出制御用マイコン101はS239に進み、設定操作モード中の設定内容をFRAM125の設定記憶部125bに記憶して、設定操作モードから一般モードに復帰させる(S240)。そして、S240の終了後、報知設定処理を終了する。
[実施形態の効果]
上述した実施形態のパチンコ遊技機1によれば、以下の作用効果を奏する。
(1)パチンコ遊技機1は、サブ制御基板100の演出制御用マイコン101が、コマンドの受信(信号の入力)に基づいて制御を実行(制御手段)可能であると共に、受信するコマンド(入力される信号)に関する通信エラーが発生しているか否かの判定(異常判定
)を行い(異常判定手段)、かつ、その判定が、通信エラーの発生状態を示す結果(異常ありの判定結果)になったことに基づいて、通信エラー報知(異常状態に関する通知)を制御する(通知制御手段)。演出制御用マイコン101は、通信エラーが発生しているか否かの判定において通信エラーの発生状態を示す結果となった回数が、基準時間中に基準回数(基準数)よりも多い場合に、通信エラー報知(通知)の制御を禁止可能である。すなわち、パチンコ遊技機1では例えば、環境的要因等で通信エラー(信号入力に関する異常状態)が頻繁に生じることがあり、通信エラーの頻発はこのような環境的要因による可能性が高いため、通信エラー報知(通知)の禁止制御を行うことで無駄な通信エラーの実行を防ぐことができる。
(2)また、パチンコ遊技機1は、遊技店員が操作可能な切替スイッチ126および演出レバー6(所定の操作手段)を備えており、通信エラーが発生しているか否かの判定(異常判定)が、通信エラーの発生状態を示す結果(異常ありの判定結果)になった回数が基準回数(基準数)よりも多くなった場合における通信エラー報知(通知)の制御の実行可否を、(切替スイッチ126をONにした状態での)演出レバー6の操作に基づいて設定可能である。従って、パチンコ遊技機1の周囲環境に応じて、通信エラーの頻発する場合の通信エラー報知の実行可否を操作により設定することができる。
(3)また、パチンコ遊技機1は、遊技店員が操作可能な切替スイッチ126および演出レバー6(所定の操作手段)を備えており、基準時間および基準数(基準回数)のうち少なくとも何れかを、(切替スイッチ126をONにした状態での)演出レバー6の操作に基づいて設定可能である。すなわち、通信エラーが頻発中であるか否かの判定基準となる時間や回数を設定可能とすることで、適切に通信エラー報知(異常通知)の禁止制御を行うことができる。
(4)また、パチンコ遊技機1は、遊技店員が操作可能な切替スイッチ126および演出レバー6(所定の操作手段)を備えており、通信エラー報知の報知態様(報知強度、通知の態様)を、(切替スイッチ126をONにした状態での)演出レバー6の操作に基づいて設定可能である。従って、通信エラーの頻発中に通信エラー報知の態様が目立たない態様となるように設定することが可能となり、通信エラー報知が遊技者の遊技の妨げになるのを防止し得る。
(5)なお、演出制御用マイコン101(制御手段)は、遊技制御用マイコン61(他の制御手段)からの指令情報を含むコマンドの欠落を、通信エラーの発生状態(異常あり)と判定する。コマンドの欠落は、環境的要因等によって静電ノイズが発生し易い場合等に頻発し得る。このような場合に通信エラー報知(異常通知)の禁止制御を行うことで、他の制御(演出制御等)の妨げになるのを防止し得る。
(6)また、演出制御用マイコン101(制御手段)は、起動(電源投入)操作とは別に電源ON中(通電中)に行われた切替スイッチ126の操作を有効な操作と判断可能である。すなわち、パチンコ遊技機1の再起動を必要とせずに設定操作モードに移行させることができ、通信エラー報知に関する設定操作を行うことができる。
(7)また、(切替スイッチ126をONにした状態での)演出レバー6の操作に基づく(通信エラー報知に関する)設定内容を記憶する設定記憶部125b(設定記憶手段)を備え、この設定記憶部125bを不揮発性メモリであるFRAM125に備えることにより、設定記憶部125bが当該パチンコ遊技機1の電源OFF中(非通電中)も設定内容を記憶保持可能である。従って、通信エラー報知に関する設定操作をパチンコ遊技機1の起動毎にやり直す必要がなく、手間を省くことができる。
<他の実施形態>
・前述した実施形態では、主制御基板からサブ制御基板に入力される信号に関する異常判定を演出制御用マイコン(CPU)が実行すると共に、異常状態に関する通知を演出制御用マイコン(CPU)が制御し、基準時間中に異常判定が異常ありの判定結果になった回数が基準数よりも多い場合に、演出制御用マイコン(CPU)が異常に関する通知の制御を禁止可能に構成した。これに対し、サブ制御基板以外の制御基板(例えば、主制御基板
、画像制御基板、ランプ制御基板、音声制御基板、払出制御基板、の何れか)に入力される信号に関する異常判定による異常ありの判定結果が基準数よりも多い場合に、異常に関する通知の制御を禁止可能に構成してもよい。
・前述した実施形態では、制御手段が受信するコマンドに関する異常状態である通信エラーが発生したか否かの判定を実行すると共に、通信エラーに関する通知を制御し、基準時間中に通信エラーの発生が基準数よりも多い回数判定された場合に、通信エラーに関する通知の制御を禁止可能に構成した。これに対し、通信エラー以外の異常状態が発生したか否かの判定を実行すると共に、当該異常状態に関する通知を制御し、基準時間中に当該異常状態の発生が基準数よりも多い回数判定された場合に、当該異常に関する通知の制御を禁止可能に構成してもよい。
なおこの場合、通信エラー以外の異常状態としては例えば、磁気センサによる検出信号の入力に基づいて遊技制御用マイコンが判定する磁気センサエラーの発生状態や、電波センサによる検出信号の入力に基づいて遊技制御用マイコンが判定する電波センサエラーの発生状態や、衝撃センサ(振動センサ)による検出信号の入力に基づいて遊技制御用マイコンが判定する衝撃センサエラー(振動センサエラー)の発生状態等がある。
・前述した実施形態では、制御基板に入力される信号に関する異常判定を実行すると共に、異常状態に関する通知を制御し、基準時間中に異常判定が異常ありの判定結果になった回数が基準数よりも多い場合に、異常に関する通知の制御を禁止可能に構成した。これに対し、基準時間中に異常判定が異常ありの判定結果になった回数が基準数よりも多い場合に限らず、例えば電源ON状態において常に、異常に関する通知の制御を禁止可能に構成してもよい。
・前述した実施形態では、基準時間中に異常判定が異常ありの判定結果になった回数が基準数よりも多い場合に、異常に関する通知の制御としての、異常報知(通信エラー報知)の制御を禁止可能に構成した。これに対し、基準時間中に異常判定(例えば通信エラーが発生したか否かの判定)が異常あり(通信エラー発生)の判定結果になった回数が基準数よりも多い場合に、異常に関する通知の制御としての、異常(例えば通信エラー)の発生を示すセキュリティ信号の外部出力の制御を禁止可能に構成してもよい。
・前述した実施形態では、基準時間中に異常判定が異常ありの判定結果になった回数が基準数よりも多い場合における異常に関する通知の実行可否を、操作手段の操作に基づいて設定可能に構成した。これに対し、基準時間中に異常判定が異常ありの判定結果になった回数が基準数よりも多い場合に、異常に関する通知の実行が必ず禁止され、当該通知を許容する設定に変更する操作が不可能な構成としてもよい。
・ 前述した実施形態では、基準時間中に異常判定が異常ありの判定結果になった回数が基準数よりも多い場合における異常に関する通知の態様を、操作手段の操作に基づいて設定可能に構成した。これに対し、基準時間中に異常判定が異常ありの判定結果になった回数が基準数よりも多い場合に、異常に関する通知の態様が必ず目立たない態様に変更され、当該通知の態様を変更する設定操作が不可能な構成としてもよい。
・前述した実施形態では、異常判定が異常ありの判定結果になる毎に、異常判定が異常ありの判定結果になった回数が基準時間中に基準数よりも多いか否か(異常が頻発中か否か)を確認し、その確認毎に、その異常ありの判定結果に対する通知の実行を許容するか禁止するかを決定するようにした。これに対し、異常判定が異常ありの判定結果になった回数が基準時間中に基準数よりも多い状況が一度確認されて以降は、電源OFFとなるまで当該通知の制御を禁止するように構成してもよい。
1…パチンコ遊技機、6…演出レバー(操作手段)、61…遊技制御用マイコン(他の制御手段)、101…演出制御用マイコン(制御手段,異常判定手段,通知制御手段)、125b…設定記憶部(設定記憶手段)、126…切替スイッチ(操作手段)。

Claims (7)

  1. 信号の入力に基づいて制御を実行可能な制御手段と、前記制御手段に入力される信号に関する異常判定を行う異常判定手段と、前記異常判定が異常ありの判定結果になったことに基づいて異常状態に関する通知を制御する通知制御手段とを備えた遊技機であって、
    基準時間中に前記異常判定が異常ありの判定結果になった回数が基準数よりも多い場合に、前記通知制御手段による通知の制御を禁止可能に構成されている
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 遊技店員が操作可能な所定の操作手段を備え、
    前記異常判定が異常ありの判定結果になった回数が基準数よりも多くなった場合における前記通知の制御の実行可否を、前記操作手段の操作に基づいて設定可能に構成されている請求項1に記載の遊技機。
  3. 遊技店員が操作可能な所定の操作手段を備え、
    前記基準時間および前記基準数のうち少なくとも何れかを、前記操作手段の操作に基づいて設定可能に構成されている請求項1または2に記載の遊技機。
  4. 遊技店員が操作可能な所定の操作手段を備え、
    前記通知の態様を、前記操作手段の操作に基づいて設定可能に構成されている請求項1または2に記載の遊技機。
  5. 前記信号は、他の制御手段からの指令情報を含むコマンドであり、
    前記異常判定手段は、前記異常判定において、前記コマンドの欠落を異常ありと判定する請求項1または2に記載の遊技機。
  6. 前記制御手段は、当該遊技機の電源投入操作とは別に通電中に行われた前記操作手段の操作を有効な操作と判断可能に構成されている請求項2に記載の遊技機。
  7. 前記操作手段の操作による設定内容を記憶する設定記憶手段を備え、
    当該遊技機の非通電中も前記設定記憶手段が設定内容を記憶保持可能に構成されている請求項2に記載の遊技機。
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