JP2024016678A - 遊技機 - Google Patents

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浩之 稲田
Hiroyuki Inada
和也 ▲高▼木
Kazuya Takagi
貴彬 酒井
Takaaki Sakai
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【課題】遊技者の期待を集めることが可能な演出図柄の変動表示を実行することができる遊技機を提供する。【解決手段】パチンコ遊技機1は、特図当たり判定が時短遊技状態を生起させる判定結果となった場合に、演出図柄の変動演出(演出図柄の変動表示)に関する演出制御用マイコン101の制御として、CZリーチによる変動演出を継続させる制御を実行可能であり、当該制御は、特図当たり判定における時短遊技状態を生起させることに対応する判定結果に基づく特別図柄の変動表示中に、演出表示装置7でリーチ図柄を表示した後、時短遊技状態において演出図柄の変動表示をリーチ図柄の表示状態で継続して、当該入球容易状態中における普図当たり判定の判定結果に基づく普通図柄の変動表示の終了に応じて、演出表示装置7にリーチ図柄を含んだ演出図柄による図柄組み合わせを停止表示する制御である。【選択図】図29

Description

本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関するものである。
遊技機としては例えば、遊技球を用いて遊技を行うパチンコ遊技機が知られている。このパチンコ遊技機は、機内部に配置されている遊技盤の前面側に遊技領域が形成されており、その遊技領域を機前方から視認できるように構成されている。遊技領域には複数種類の入球口が点在している。このため、遊技者のハンドル操作等によって遊技領域に打ち出された遊技球が当該遊技領域を流下する過程で、複数のうち何れかの入球口に入球したり、或いは入球せず遊技領域の下端まで流下してアウト口から排出されたりする。そして、遊技球が入球口に入球した場合、その入球口の種類に応じた賞球が遊技者に向けて付与される。すなわち、パチンコ遊技機で遊技を行う場合、遊技球が入球口に入球することに応じて利益を得ることができる(例えば、特許文献1)。
一般的なパチンコ遊技機では、遊技領域の入球口として、始動口や特別入賞口(大入賞口)、ゲート(作動口)等が設けられる。そして、始動口への遊技球の入球を契機として当たり判定を行い、この当たり判定の判定結果に基づいて、特別入賞口への入球が可能な大当たり遊技状態や小当たり状態とするか否かが決定される。この当たり判定を実行する主制御基板のCPUは、特別図柄表示器での特別図柄の変動表示を制御し、特図当たり判定の判定結果に対応する特別図柄を停止表示する。また、演出に関する制御を実行するサブ制御基板のCPUは、液晶表示装置等の演出表示手段を制御して演出図柄による変動演出を行う。この変動演出は、特別図柄表示器での特別図柄の変動表示の開始・終了タイミングに同期して開始・終了するように制御される。
特開2015-13042号公報
遊技者は基本的に、演出表示手段で行われる演出図柄の変動演出に注目し、その最終的な結果表示である演出図柄の組み合わせが導出されると、その図柄組み合わせの種類によって大当たり遊技状態や小当たり状態となるか否かを判別し、一喜一憂する。しかし、1回の当たり判定に対応して1回の変動演出が行われるので、演出図柄の変動を効果的に見せるために充分な変動時間を変動演出に確保することができず、遊技者の変動演出に対する期待感を向上し得ない。そもそも、変動演出の結果が事前に当たり判定で決定されていることで、各変動演出が長くなると遊技者がストレスを感じる虞がある。
本発明は、従来における問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、遊技者の期待を集めることが可能な演出図柄の変動表示を実行する遊技機を提供することにある。
前記目的を達成するため本発明に係る遊技機は、遊技領域を流下する遊技球が入球可能な作動口、始動口及び特別入賞口と、前記作動口への遊技球の入球を契機として、前記始動口の一種であって遊技球の入球可否が変化する形態の可変始動口を遊技球が入球可能な特定状態とするか否かを決定可能な作動入球判定を実行する作動判定手段と、前記作動入球判定の判定結果に基づいて普通図柄を変動表示した後に停止表示する普通図柄表示手段と、前記始動口への遊技球の入球を契機として、前記特別入賞口の入球可能期間を生起させるか否かを決定可能な始動入球判定を実行する始動判定手段と、前記始動入球判定の判定結果に基づいて特別図柄を変動表示した後に停止表示する特別図柄表示手段と、前記可変始動口の前記特定状態が通常遊技状態よりも生じ易い入球容易状態を生起可能な生起手段と、演出に関する制御を実行する演出制御手段と、前記演出制御手段の制御に基づいて演出を表示する演出表示手段とを備えている遊技機であって、前記演出制御手段は、前記始動入球判定が前記入球容易状態を生起させることに対応する判定結果となった場合に、前記演出表示手段での演出図柄の変動表示に関する制御として、特別変動制御を実行可能であり、前記特別変動制御は、前記入球容易状態を生起させることに対応する前記始動入球判定の判定結果に基づく前記特別図柄の変動表示中に、前記演出表示手段でリーチ図柄を表示した後、前記入球容易状態において前記演出図柄の変動表示を前記リーチ図柄の表示状態で継続して、当該入球容易状態中における前記作動入球判定の判定結果に基づく前記普通図柄の変動表示の終了に応じて、前記演出図柄による前記リーチ図柄を含んだ図柄組み合わせを前記演出表示手段に停止表示する制御であることを特徴とする。
これによれば、始動口への入球を契機とする始動入球判定の結果に基づいてリーチ図柄を表示し、そのリーチ図柄を用いた演出図柄の変動表示(リーチ)を入球容易状態で継続的に実行して、その入球容易状態中の普通図柄の変動表示の終了に応じて演出図柄の変動表示(リーチ)を終了する。このような新たな演出図柄の変動表示により、遊技の興趣を高め、演出図柄の変動表示に対して遊技者の期待を集めることができる。この場合のリーチは、結果が決まっていない状態で開始されるので、当該リーチの結果に対する不信感を招くことがなく、最後まで遊技者の興味を惹き付けることができる。
前記構成を有する本発明に係る遊技機によれば、遊技者の期待を集めることが可能な演出図柄の変動表示を実行することができる。
実施形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。 図1における遊技領域の要部拡大図である。 主制御基板及び周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。 サブ制御基板及び周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。 当否判定テーブルの説明図である。 (a)は、第1特図用の大当たり種別判定テーブルの説明図であり、(b)は、第2特図用の大当たり種別判定テーブルの説明図である。 小当たり種別判定テーブルの説明図である。 演出図柄第1停止判定テーブルの説明図である。 (a)は、第1特図用の特図変動パターン選択テーブルの説明図、(b)は、第2特図用の特図変動パターン選択テーブルの説明図である。 普通図柄当否判定テーブルの説明図である。 普図当たり種別判定テーブルの説明図である。 普図変動パターン選択テーブルの説明図である。 メイン側主制御処理のフローチャートである。 メイン側タイマ割込処理のフローチャートである。 図柄用センサ検出処理のフローチャートである。 普通動作処理のフローチャートである。 普図条件確認処理のフローチャートである。 特別図柄待機処理のフローチャートである。 特図大当たり判定処理のフローチャートである。 特図変動パターン選択処理のフローチャートである。 図18の続きのフローチャートである。 特別図柄関連処理のフローチャートである。 遊技状態管理処理のフローチャートである。 特別電動役物処理(1種大当たり、V当たり)のフローチャートである。 特別電動役物処理(小当たり)のフローチャートである。 サブ側主制御処理のフローチャートである。 1msタイマ割込処理のフローチャートである。 10msタイマ割込処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 変動演出制御処理のフローチャートである。 遊技状態及び演出モードに関する説明図である。 非時短遊技状態中かつ第1特図の変動表示中における演出表示装置及び集合表示部の表示態様の一例であって、(a)は、演出表示装置の表示画面において左右中の各演出図柄が変動し、かつ集合表示部において第1規則図柄が変動している状態、(b)は、(a)の後に、左演出図柄が7以外で停止し、第1規則図柄が変動を維持している状態、(c)は、(b)の後に、第1特図がハズレ図柄で変動終了するのに合わせて、全ての演出図柄がぞろ目以外となるハズレの組み合わせで停止し、第1規則図柄がハズレ図柄で停止した状態を、夫々示している。 非時短遊技状態中かつ第1特図の変動表示中における演出表示装置及び集合表示部の表示態様の一例であって、(a)は、演出表示装置の表示画面において変動を開始した左右中の各演出図柄のうち左演出図柄が7で停止し、かつ集合表示部において第1規則図柄が変動している状態、(b)は、(a)での左演出図柄の停止に応じて右演出図柄が低速変動に切り替えられ、第1規則図柄が変動を維持している状態、(c)は、(b)の後に、第1特図がハズレ図柄で変動終了するのに合わせて、全ての演出図柄がぞろ目以外となるハズレの組み合わせで停止し、第1規則図柄がハズレ図柄で停止した状態を、夫々示している。 非時短遊技状態中かつ第1特図の変動表示中における演出表示装置及び集合表示部の表示態様の一例であって、(a)は、演出表示装置の表示画面において変動を開始した左右中の各演出図柄のうち左演出図柄が7で停止し、かつ集合表示部において第1規則図柄が変動している状態、(b)は、(a)での左演出図柄の停止に応じて右演出図柄が低速変動に切り替えられ、第1規則図柄が変動を維持している状態、(c)は、(b)の後に、第1特図が大当たり図柄で変動終了するのに合わせて、全ての演出図柄が「7」のぞろ目となる大当たりの組み合わせで停止し、第1規則図柄が大当たり図柄で停止した状態を、夫々示している。 第1特図用の特図当たり判定に基づく大当たり遊技状態が開始された場合の演出表示装置及び集合表示部の表示態様の一例である。 時短遊技状態中における演出表示装置及び集合表示部の表示態様の一例であって、(a)は、演出表示装置の表示画面において行われるCZリーチ中に、普通図柄の変動表示に対応する演出が中演出図柄を使用して行われ、かつ集合表示部において第3規則図柄が変動している状態、(b)は、(a)の後、普通図柄のハズレ停止に応じて中演出図柄が7以外で停止し、第3規則図柄がハズレ図柄で停止した状態、(c)は、(b)の後、再び中演出図柄が高速変動を再開することでCZリーチを継続し、集合表示部では第1~第3規則図柄が停止している状態を、夫々示している。 時短遊技状態中における演出表示装置及び集合表示部の表示態様の一例であって、(a)は、演出表示装置の表示画面において行われるCZリーチ中に、普通図柄の変動表示に対応する演出が中演出図柄を使用して行われ、かつ集合表示部において第3規則図柄が変動している状態、(b)は、(a)の後、普通図柄の有利当たりの図柄での停止に応じて中演出図柄が7で停止し、第3規則図柄が有利当たりの図柄で停止した状態、(c)は、(b)の後、左右中の演出図柄を全て7とする図柄組み合わせで表示画面の中央に移動表示した状態を、夫々示している。 時短遊技状態中における演出表示装置及び集合表示部の表示態様の一例であって、(a)は、第2始動口の入球可能期間に対応する右打ち報知を表示画面で行っている状態、(b)は、(a)の期間中に生じた第2始動口への遊技球の入球を契機として移行するストックタイムの開始時の表示状態、(c)は、ストックタイム中の表示状態を、夫々示している。 他の実施形態における当否判定テーブルの説明図である。 他の実施形態における遊技状態及び演出モードに関する説明図である。
本発明の実施形態に係る遊技機について図を参照しつつ説明する。以下の説明では、本発明の実施形態に係る遊技機として、遊技球を用いて遊技を行うパチンコ遊技機を例に挙げる。なお、パチンコ遊技機の各部について方向や位置関係を説明する場合は、このパチンコ遊技機と対向して遊技を行う遊技者から見た状態での「左」「右」及び「上」「下」を基準とする。また、遊技者から見て近い側(手前側)を「前」とし、遠い側(奥側)を「後」とする。
[パチンコ遊技機1の主要構成]
実施形態のパチンコ遊技機1は、図1に示すように、遊技機枠を備える。遊技機枠は、後述する遊技盤2を保持する内枠16と、この内枠16の前面を覆う扉状の前面枠18とを少なくとも含むように構成され、矩形枠状の外枠Wを介して遊技店内の設置島(図示せず)に設置される。前面枠18は、左サイドランプ23aと、右サイドランプ23bと、トップランプ23cとを備え、これらで囲まれる内側に窓18aが形成されている。この窓18aは、遊技盤2の盤面(前面)に形成される遊技領域3を視認可能とする開口であり、この窓18aを塞ぐように透明なガラス板が設けられるが、図1では省略している。また、前面枠18の左右の上端部(トップランプ23cを挟む左右両側)に、音楽、効果音及び報知音等の音を演出内容に応じて出力する音出力手段としてのスピーカ8が夫々設けられている。
前面枠18は、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを構成する両側部が透光性を有し、その透光性を有する部分の内側には複数のLEDが配置されている。各LEDは、それぞれ複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯または点滅し、更に発光色を変化させる。
また、トップランプ23cは、内部(図示せず)にLEDおよび回転リフレクタを有する回転灯を構成している。LEDは、複数色を発光可能であり、演出内容や報知内容に応じて点灯または点滅し、更に発光色を変化させる。回転リフレクタは、可動体モータ23d(図4)の駆動に応じてLEDの周囲で回転し、LEDの光の反射方向を変化させる。
また、前面枠18の下部には、ハンドル4と、打球供給皿(上皿ともいう)24と、余剰球受皿(下皿ともいう)25とが設けられている。打球供給皿24は、貸球払出装置80(図3)及び賞球払出装置400(図3)から払出された遊技球を貯留する、又は発射装置90(図3)に供給する遊技球を貯留するためのものである。余剰球受皿(下皿ともいう)25は、前面枠18のうち打球供給皿24の下方に設けられている。余剰球受皿25は、打球供給皿24の貯留可能数を超えた遊技球を貯留する。
ハンドル4は、前面枠18のうち右下、つまり、パチンコ遊技機1と対向して遊技を行う遊技者が右手で握ることができる位置に設けられている。ハンドル4は、タッチスイッチ92(図3)と、発射レバー4aと、発射停止ボタン4bとを備えている。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力するものであり、ハンドル4を握った遊技者の右手が触れる部分に配置されている。発射レバー4aは、発射装置90(打撃槌)による遊技球の発射強度を調整するためのものであり、ハンドル4に回動可能に設けられている。発射停止ボタン4bは、遊技球が発射されているときに遊技球の発射を停止するためのものであり、ハンドル4を握った右手の親指により操作可能な位置に設けられている。
前面枠18のうち打球供給皿24の上面に、演出ボタン5が設けられている。この演出ボタン5は、パチンコ遊技機1と対向する遊技者が片手で押下操作可能であるが、当該遊技者が片手のみでハンドル4と同時に操作することが不可能な位置に設けられている。また、演出ボタン5は、遊技者が片手のみで後述する演出レバー6と同時に操作することが不可能な位置に設けられている。演出ボタン5にはバネ等の弾性部材(図示せず)が内蔵されており、演出ボタン5に対する押下操作状態が解除された際に、この弾性部材の復元力によって演出ボタン5が押下操作前の状態に復帰するようになっている。この演出ボタン5には、演出ボタン5に対する押下操作を検出する演出ボタン検出スイッチ5a(図4)と、演出ボタン5を振動させる演出ボタン振動モータ5b(図4)と、演出ボタン5を発光させる演出ボタンランプ5c(図4)とが内蔵されている。演出ボタン振動モータ5bは、例えば演出ボタン5の押下操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。本実施形態では、演出ボタン振動モータ5bの作動によって演出ボタン5を振動させたり、演出ボタンランプ5c(本実施形態ではLED)の発光によって透光性材料からなる演出ボタン5の表面を点灯または点滅させたりすることで、例えば演出ボタン5の操作が有効な期間であることを報知したり、大当たりの期待度を高めたりする演出が行われる。
演出ボタン5の押下操作が有効な期間に遊技者が演出ボタン5を押下操作すると、その操作が演出ボタン検出スイッチ5aによって検出され、これを契機として特定の演出が行われる。以下、演出ボタン5の操作を契機として行われる特定の演出のことをボタン演出という。
前面枠18のうち余剰球受皿25の左方(下側の左端寄り)に、演出レバー6が設けられている。この演出レバー6は、パチンコ遊技機1と対向する遊技者が片手で把持して操作可能であるが、当該遊技者が片手のみでハンドル4や演出ボタン5と同時に操作することが不可能な位置に設けられている。具体的には、演出レバー6は、把持した手で奥側へ押し込むように操作(押込操作)できる他、左右に回転させるように操作(回転操作)することも可能に構成されている。また、演出レバー6には、演出レバー6の押込操作を検出する演出レバー押込検出スイッチ6a(図4)と、演出レバー6の右回転操作や左回転操作を検出する演出レバー回転検出スイッチ6b(図4)と、演出レバー6を振動させる演出レバー振動モータ6c(図4)とが設けられている。本実施形態では、演出レバー振動モータ6cの作動によって演出レバー6を振動させることで、例えば演出レバー6の操作が有効な期間であることを報知したり、大当たりの期待度を高めたりする演出が行われる。演出レバー6の操作が有効な期間に遊技者が演出レバー6を押込操作または回転操作すると、その操作が演出レバー押込検出スイッチ6aや演出レバー回転検出スイッチ6bによって検出され、これを契機として特定の演出が行われる。以下、演出レバー6の操作を契機として行われる特定の演出のことをレバー演出という。
[遊技盤2の構成]
遊技盤2は、その盤面(前面)が遊技者の顔と略正対する位置となるように内枠16に保持されている。この遊技盤2は、前面枠18の前述したガラス板により前方から覆われているが、その盤面は、ガラス板(窓18a)を介して遊技者側(前方)から透視可能となっている。なお、図1では、遊技盤2の盤面の外周側(正面視で窓18aよりも外側にある範囲)が確認できないが、遊技球が流下(転動)する領域である遊技領域3を内周側に区画形成する環状の遊技領域形成手段(レール部材17等)が配置されている。なお、遊技盤2の盤面左側部ではレール部材17が左右2列となっており、その内側を発射装置90(図3)による発射球が上昇移動して遊技領域3に至るようになっている。この場合に発射球は、レール部材17の前述した左右2列の部分のうち図1で確認できない左側の部分に案内されて遊技領域3の上部領域に到達する。
また、図示省略するが、遊技盤2の盤面のうち遊技領域3の範囲には複数の遊技釘が打ち込まれている。このため、遊技領域3を流下する遊技球は遊技釘に接触してその挙動が変化する。遊技球は、遊技領域3を流下する過程で後述する入球口10a,11a,12a,14a,15aに入球するか、または入球せず遊技領域3を下端まで流下してアウト口19から遊技領域3外(内枠16側)へと排出される。アウト口19は遊技領域3に少なくとも一つ設けられており、複数ある場合はその一つが遊技領域3の下端に位置している。
ここで、遊技盤2の盤面の中央側に、大型のセンター装飾体20が配置されて、レール部材17等の遊技領域形成手段から内側に離間している。このセンター装飾体20は環状あるいは枠状であり、遊技盤2の略中央に形成されている大型の開口(図示せず)の縁に沿って取り付けられている。そして、遊技盤2の背後に位置する演出表示装置7(演出表示手段)の画面(前面、例えば液晶パネル)の略全体が、センター装飾体20の内側開口を通じて盤面前側に露出し、パチンコ遊技機1の正面視では、センター装飾体20が演出表示装置7の画面の周囲を装飾するように位置している。センター装飾体20は透光性を有し、その内側には、演出内容に応じて点灯・点滅する複数のLEDが設けられている。
なお、遊技盤2には、前述したセンター装飾体20内を含む複数箇所に発光手段(LED)が設けられており、その発光により遊技盤2を装飾するように構成されている。このように遊技盤2に設けられる装飾用の発光手段のことを、以下では「盤ランプ2a」と称することとする(図4)。盤ランプ2aを構成する各LEDは、複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯または点滅し、更に発光色を変化させる。
センター装飾体20は、遊技盤2の盤面より前側に環状(枠状)に突出しているので、遊技領域3を流下する遊技球がセンター装飾体20の内周側(画面の前方空間)に移動することが防止される。そしてこのセンター装飾体20により、遊技領域3がその上部で左右に分岐するように区画されている。すなわち、遊技領域3は、センター装飾体20の左側を流下する遊技球の経路である左遊技領域(第1の球流下領域)3Lと、センター装飾体20の右側を流下する遊技球の経路である右遊技領域(第2の球流下領域)3Rとを含む領域である。
センター装飾体20の上部に、2つの表示部が設けられている。以下の説明では、右側の表示部を「集合表示部20x」と称し、左側の表示部を「時間表示部20y」と称する。集合表示部20xは、複数種類の規則図柄(後述)等に関する情報を表示する表示部であり、時間表示部20yは、後述するストックタイムの時間(第2特図の変動時間)の経過を表示する表示部であるが、詳しくは後述する。
遊技盤2には、その厚み方向に貫通する装着口(図示せず)が複数形成されており、その各装着口に対応して、第1始動入賞装置10と、一般入賞部材11と、第2始動入賞装置12と、ゲート13と、第1大入賞装置14と、第2大入賞装置15とが配置されている。これらの構成は、遊技領域3を流下する遊技球が入球可能な入球口10a,11a,12a,13,14a,15aを有している。以下の説明では、遊技球の入球に対して賞球を付与可能な入球口として定められているものを「入賞口」と称することがある。なお、入賞口への遊技球の入球のことを「入賞」と表現してもよい。また、入球口(入賞口)の一種である「始動口」(または「契機口」)とは、遊技球の入球が後述する特別図柄の変動表示の契機となる入賞口のことである。この始動口への遊技球の入球のことを「始動入球(始動入賞)」と表現することができる。
第1始動入賞装置10は、センター装飾体20の下方領域の中央部に、遊技盤2の盤面から前側(ガラス板側)に突出するように設けられている。この第1始動入賞装置10は、第1始動口10a及び第1始動口センサ10bを有する入賞装置(入賞部)である。第1始動口10aは、遊技領域3内で上方に向けて開口している。第1始動口センサ10b(図3)は、第1始動口10aに入球(始動入球)した遊技球を検出するセンサ(検出手段)であり、第1始動口10aに入球した遊技球を遊技盤2の後面側に導く入賞球通路(図示せず)の途中に配置されている。第1始動入賞装置10は、第1始動口10aを常に入球可能な状態に維持するように構成されており、第1始動口10aへの入球し易さや開口寸法を変化させるような部材は備えていない。
一般入賞部材11は、センター装飾体20の下方領域のうち左寄りの位置に、遊技盤2の盤面から前側(ガラス板側)に突出するように設けられている。この一般入賞部材11は、一般入賞口11a及び一般入賞口センサ11bを有する入賞装置(入賞部)である。一般入賞口11aは、遊技領域3内で上方に向けて開口している。一般入賞口センサ11b(図3)は、一般入賞口11aに入球した遊技球を検出するセンサ(検出手段)であり、一般入賞口11aに入球した遊技球を遊技盤2の後面側に導く入賞球通路(図示せず)の途中に配置されている。一般入賞部材11は、一般入賞口11aを常に入球可能な状態に維持するように構成されており、一般入賞口11aへの入球し易さや開口寸法を変化させるような部材は備えていない。
図2には、遊技領域3の右下部(右遊技領域3Rの下半部)を拡大して示してある。
この図2に示すように、ゲート13(作動口)は、センター装飾体20の右方領域に、遊技盤2の盤面から前側(ガラス板側)に突出するように設けられている。このゲート13には、通過する遊技球を検出するゲートセンサ13a(図3)が配置されている。なお、ゲート13は、遊技球が上下方向(上から下)に通過(入球)可能に構成されており、遊技球を遊技領域3外(遊技盤2の後面側)に導くような通路構造を有していない。
第2始動入賞装置12は、図1及び図2に示すように、センター装飾体20の右下方に配置されている。この第2始動入賞装置12は、第2始動口12a、普通作動部材12b、第2始動口センサ12c(図2、図3)及び第2始動口ソレノイド12d(図3)を有する入賞装置(入賞部)であり、遊技盤2の盤面から前側(ガラス板側)に突出するように設けられている。第2始動口12aは、遊技領域3内で左上方に向けて開口している。第2始動口センサ12cは、第2始動口12aに入球(始動入球)した遊技球を検出するセンサ(検出手段)であり、第2始動口12aに続く入賞球通路(入球した遊技球を遊技盤2の後面側に導く球通路)の途中に配置されている。普通作動部材12bは、傾斜面状の上面を有する板状部材であり、後側の入球阻止姿勢(第1姿勢)と前側の入球許容姿勢(第2姿勢)との間で前後にスライド可能に構成されている。第2始動口ソレノイド12dは、普通作動部材12bと連結されており、消磁状態(非作動状態)において普通作動部材12bを入球阻止姿勢に維持すると共に、励磁状態(作動状態)において普通作動部材12bを入球許容状態に維持する。そして、入球阻止姿勢の普通作動部材12bは、遊技盤2の盤面よりも後側に位置して上方(ゲート13側)からの遊技球を受けることなく下方へ通過させることで第2始動口12aへの遊技球の入球(始動入球)を阻止する。一方で、入球許容姿勢の普通作動部材12bは、遊技盤2の盤面よりも前側に位置して上方(ゲート13側)からの遊技球を受け、上面を傾斜に沿って転動させる状態となることで第2始動口12aへの入球(始動入球)を許容する。すなわち、第2始動入賞装置12に設けられる第2始動口12aは、遊技球の入球し易さが姿勢に応じて変動する入賞口(可変入球口、可変始動口)である。
この第2始動口12aについて、実際には開口寸法が変化しているわけではないが、以下の説明では便宜上、普通作動部材12bが入球阻止姿勢となっていて遊技球が入球し得ない状態を「閉鎖状態」と表現し、当該閉鎖状態に変化することを「閉鎖する」と表現することがある。また、普通作動部材12bが入球許容姿勢となっていて遊技球が入球し得る状態を「開放状態」と表現し、当該開放状態に変化することを「開放する」と表現することがある。
第1大入賞装置14は、図1及び図2に示すように、センター装飾体20の右下方領域(第2始動入賞装置12に対して下方)に、遊技盤2の盤面から前側(ガラス板側)に突出するように設けられている。この第1大入賞装置14は、第1大入賞口14a(特別入賞口、特別入球口)、第1特別作動部材14b、第1大入賞口センサ14c(図3)及び第1大入賞口ソレノイド14d(図3)を有する入賞装置(入賞部)である。第1大入賞口14aは、遊技領域3内で上方に向けて開口している。第1大入賞口センサ14cは、第1大入賞口14aに入球した遊技球を検出するセンサ(検出手段)であり、第1大入賞口14aに入球した遊技球を遊技盤2の後面側に導く入賞球通路(図示せず)の途中に配置されている。第1特別作動部材14bは、傾斜面状の上面を有する板状部材であり、前側の入球阻止姿勢(第1姿勢)と後側の入球許容姿勢(第2姿勢)との間で前後にスライド可能に構成されている。第1大入賞口ソレノイド14dは、第1特別作動部材14bと連結されており、消磁状態(非作動状態)において第1特別作動部材14bを入球阻止姿勢に維持すると共に、励磁状態(作動状態)において第1特別作動部材14bを入球許容状態に維持する。そして、入球阻止姿勢の第1特別作動部材14bは、遊技盤2の盤面よりも前側に位置して第1大入賞口14aを閉鎖することで第1大入賞口14aへの遊技球の入球を阻止し、遊技球を傾斜上の上面によって下流側(左下方)へと流下させる。一方で、入球許容姿勢の第1特別作動部材14bは、遊技盤2の盤面よりも後側に位置して第1大入賞口14aを開放し、第1大入賞口14aへの遊技球の入球を許容する。すなわち、第1大入賞装置14に設けられる第1大入賞口14aは、その開口寸法が変動する(遊技球の入球し易さが姿勢に応じて変動する)入賞口(可変入球口)である。
この第1大入賞口14aについて、以下の説明では、第1特別作動部材14bが入球阻止姿勢となっていて遊技球が入球し得ない状態を「閉鎖状態」と表現し、当該閉鎖状態に変化することを「閉鎖する」と表現することがある。また、第1特別作動部材14bが入球許容姿勢となっていて遊技球が入球し得る状態を「開放状態」と表現し、当該開放状態に変化することを「開放する」と表現することがある。
第2大入賞装置15は、図1及び図2に示すように、センター装飾体20の右下方領域(第1大入賞装置14に対して左下方)に、センター装飾体20の下方領域のうち右寄りの位置に、遊技盤2の盤面から前側(ガラス板側)に突出するように設けられている。この第2大入賞装置15は、第2大入賞口15a(特別入賞口、特別入球口)、第2特別作動部材15b、第2大入賞口センサ15c(図2、図3)及び第2大入賞口ソレノイド15d(図3)を有する入賞装置(入賞部)である。第2大入賞口15aは、遊技領域3内で上方に向けて開口している。第2大入賞口センサ15cは、第2大入賞口15aに入球した遊技球を検出するセンサ(検出手段)であり、第2大入賞口15aに入球した遊技球を遊技盤2の後面側に導く入賞球通路(図示せず)の途中に配置されている。第2特別作動部材15bは、傾斜面状の上面を有する板状部材であり、前側の入球阻止姿勢(第1姿勢)と後側の入球許容姿勢(第2姿勢)との間で前後にスライド可能に構成されている。第2大入賞口ソレノイド15dは、第2特別作動部材15bと連結されており、消磁状態(非作動状態)において第2特別作動部材15bを入球阻止姿勢に維持すると共に、励磁状態(作動状態)において第2特別作動部材15bを入球許容状態に維持する。そして、入球阻止姿勢の第2特別作動部材15bは、遊技盤2の盤面よりも前側に位置して第2大入賞口15aを閉鎖することで第2大入賞口15aへの遊技球の入球を阻止し、遊技球を傾斜上の上面によって下流側(左下方)へと流下させる。一方で、入球許容姿勢の第2特別作動部材15bは、遊技盤2の盤面よりも後側に位置して第2大入賞口15aを開放し、第2大入賞口15aへの遊技球の入球を許容する。すなわち、第2大入賞装置15に設けられる第2大入賞口15aは、その開口寸法が変動する(遊技球の入球し易さが姿勢に応じて変動する)入賞口(可変入球口)である。
この第2大入賞口15aについて、以下の説明では、第2特別作動部材15bが入球阻止姿勢となっていて遊技球が入球し得ない状態を「閉鎖状態」と表現し、当該閉鎖状態に変化することを「閉鎖する」と表現することがある。また、第2特別作動部材15bが入球許容姿勢となっていて遊技球が入球し得る状態を「開放状態」と表現し、当該開放状態に変化することを「開放する」と表現することがある。
また、第2大入賞装置15の内部には、第2大入賞口15aに入球した遊技球が通過(入球)可能な特定領域及び非特定領域が形成されており、第2大入賞口15aに入球した遊技球は特定領域または非特定領域を介して遊技盤2の後面側に排出されるようになっている。そして、第2大入賞装置15には、特定領域を通過(入球)する遊技球を検出する特定領域センサ55a(図2、図3)と、非特定領域を通過(入球)する遊技球を検出する非特定領域センサ55b(図2、図3)とが設けられている。なお、第2大入賞装置15の内部の前述した入賞球通路は、特定領域センサ55aが配置された(特定領域を形成する)通路部分と、非特定領域センサ55bが配置された(非特定領域を形成する)通路部分とが下流側で接続され、その接続部分によって、特定領域を通過した遊技球と非特定領域を通過した遊技球とが合流する構成となっている。そして接続部分に、前述した第2大入賞口センサ15cが配置されている。
また、第2大入賞装置15の内部に振分部材56(図2)が設けられており、この振分部材56が振分部材ソレノイド55c(図3)のプランジャに連結されている。そして、振分部材ソレノイド55cの励磁・消磁の変化に応じて振分部材56が前後方向に進退するように構成されている。すなわち、振分部材56は、振分部材ソレノイド55cが消磁状態の時に前側の進出位置に位置して特定領域を塞ぐことで、第2大入賞口15aに入球した遊技球が非特定領域に誘導し、この非特定領域を通過する遊技球を非特定領域センサ55bによって検出するようになっている。また、振分部材56は、振分部材ソレノイド55cを励磁状態とすることで作動し、当該作動時に後側の退避位置に位置して特定領域を開放することで、第2大入賞口15aに入球した遊技球が特定領域を通過するのを許容し、この特定領域を通過する遊技球を特定領域センサ55aによって検出するようになっている。本実施形態では、後述の小当たり状態中の特定領域への遊技球の通過が、後述のV当たり状態への移行(後述の2種大当たり状態への発展)の契機となっている。
ところで、パチンコ遊技機1は、前述したハンドル4の操作に応じて遊技球の発射強度を調節することが可能であるので、発射強度の調節によって遊技球を左遊技領域3Lと右遊技領域3Rとに打ち分けることができる。本実施形態では、前述の盤面構成により、左遊技領域3Lに向かって発射(以下「左打ち」という)した遊技球が、左遊技領域3Lに設けられる入球口(第1始動口10a、一般入賞口11a)に入球する可能性がある。一方、右遊技領域3Rに向かって発射(以下「右打ち」という)した遊技球は、右遊技領域3Rに設けられる入球口(ゲート13、第2始動口12a、第1大入賞口14a、第2大入賞口15a)に入球する可能性がある。
[表示器類50の構成]
図1に示すように、遊技盤2の右下端部(遊技領域3の右下方)に、各種の遊技情報を表示する遊技情報表示手段である表示器類50が設けられている。この表示器類50は、図3に示すように、第1特別図柄(第1特図または特図1ともいう)を変動表示する第1特別図柄表示器51(特別図柄表示手段)と、第2特別図柄(第2特図または特図2ともいう)を変動表示する第2特別図柄表示器52(特別図柄表示手段)と、普通図柄(普図ともいう)を変動表示する普通図柄表示器53(普通図柄表示手段)とを備える。更に、表示器類50は、第1特別図柄表示器51での第1特図の作動保留の記憶数を表示する第1特図保留表示器51aと、第2特別図柄表示器52での第2特図の作動保留の記憶数を表示する第2特図保留表示器52aと、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を表示する普図保留表示器53aとを備える。以下、第1特図及び第2特図に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄または特図という。また、第1特別図柄表示器51及び第2特別図柄表示器52に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄表示器という。なお、本実施形態の説明で用いる各種図柄についての「停止表示」とは、図柄の変動表示を完全に終了する場合の図柄の停止状態を示す「確定表示」と、その確定表示の前段階の停止状態を示す「仮停止表示」とを含む概念である。
普通図柄表示器53は、例えば2個のLEDから構成されている。点灯したLED及び消灯したLEDが普通図柄を表しており、各LEDが交互に点灯する状態が普通図柄の変動表示を表している。また、遊技球がゲート13(ゲートセンサ13a)を通過すると、所定の入球口(本実施形態では第2始動口12a)を開放するか否かの判定(普図当たり判定)が実行され、普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示する。そして、普通図柄表示器53は、普通図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、普図当たり判定(作動入球判定とも称する)の結果に対応する普通図柄を停止表示(確定表示)する。普通図柄表示器53が停止表示(確定表示)した普通図柄が、当たりを示す普通図柄であった場合は、第2始動入賞装置12の普通作動部材12bが入球許容姿勢となることで、第2始動口12aが開放して普図当たり状態(後述する補助遊技)が発生する。なお、本実施形態では、普図当たり判定が当たりの場合の普通図柄として2種類(有利当たり図柄、不利当たり図柄)が設けられており、当たりの普通図柄の種類毎に、普通作動部材12bが入球許容姿勢となる時間として異なる時間が対応付けられている。
各特別図柄表示器51,52は、それぞれ複数のLEDにより構成されている。各特別図柄表示器51,52を構成する各LEDは、それぞれ所定の点灯パターンにて点灯し、点灯しているLED及び消灯しているLEDの組み合わせが特別図柄を表しており、点灯するLED及び消灯しているLEDの組み合わせが変化している状態が特別図柄の変動表示を表している。以下、特別図柄が変動表示を開始してから特別図柄が停止表示(確定表示)されるまでの特別図柄の変動パターンを特図変動パターンという。なお、特別図柄には、特図当たり判定(内部判定、大当たり判定、当否判定、始動入球判定等とも称する)が大当たりの判定結果となったことを示す大当たり図柄と、特図当たり判定(内部判定、小当たり判定、当否判定、始動入球判定等とも称する)が小当たりの判定結果となったことを示す小当たり図柄と、特図当たり判定がハズレの判定結果となったことを示すハズレ図柄とがある。なお、小当たりについては後述する。
遊技球が第1始動口10aに入球すると、特図当たり判定が実行され、第1特別図柄表示器51が第1特図を変動表示する。そして、第1特別図柄表示器51は、第1特図の変動表示を開始してから所定の変動時間の経過後に、特図当たり判定の結果に対応する第1特図を停止表示(確定表示)する。第1特別図柄表示器51での新たな第1特図の変動表示の開始が禁止されているとき(第1特別図柄表示器51が第1特図を変動表示しているときや、大当たり遊技状態が発生しているとき)に、遊技球が第1始動口10aに入球した場合は、その入球を契機とする第1特別図柄表示器51での第1特図の変動表示が保留(作動保留)され、その作動保留の数が第1特図保留表示器51aによって表示される。以下、第1特別図柄表示器51の作動保留数を第1特図保留数という。
また、遊技球が第2始動口12aに入球すると、特図当たり判定が実行され、第2特別図柄表示器52が第2特図を変動表示する。そして、第2特別図柄表示器52は、第2特図の変動表示を開始してから所定の変動時間の経過後に、特図当たり判定の結果に対応する第2特図を停止表示(確定表示)する。第2特別図柄表示器52での新たな第2特図の変動表示の開始が禁止されているとき(第2特別図柄表示器52が第2特図を変動表示しているときや、大当たり遊技状態が発生しているとき)に、遊技球が第2始動口12aに入球した場合は、その入球を契機とする第2特別図柄表示器52での第2特図の変動表示が保留(作動保留)され、その作動保留の数が第2特図保留表示器52aによって表示される。以下、第2特別図柄表示器52の作動保留数を第2特図保留数という。また、第1特図保留数及び第2特図保留数に共通の事項を説明する場合は、単に特図保留数という。
以下、特別図柄表示器が特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄を停止表示(確定表示)するまでを1回の特図変動(または特別図柄の1回の変動)という。また、特図変動の実行によって特図保留数が1個ずつ減少することを特図保留の消化という。パチンコ遊技機1では、特別図柄表示器の作動保留がその発生タイミングの時系列順に特別図柄の変動表示に用いられ、特図保留数が消化される。但し、第2特図保留数の消化が第1特図保留数の消化に優先して実行される(第2特図の変動表示が第1特図の変動表示よりも優先的に実行される)。なお、特別図柄表示器において特別図柄の変動表示が終了してから特図保留数の消化によって次の特別図柄の変動表示が開始されるまでの間に、所定の変動インターバル(特別図柄の停止時間)が設けられている。
[集合表示部20xの構成]
次に、前述したセンター装飾体20(図1)に設けられている集合表示部20xについて説明する。集合表示部20xは、複数種類の図柄等に関する情報を表示する表示部であり、例えば画像を表示可能な画像表示部として構成される(演出表示装置7の一部であってもよいし、別の表示装置によって構成されるものであってもよい)。この集合表示部20xは、複数の表示領域を有している(図30~図36参照)。具体的には、集合表示部20xは、第1規則図柄(後述)を表示する第1規則図柄表示領域211と、第2規則図柄(後述)を表示する第2規則図柄表示領域212と、第3規則図柄(後述)を表示する第3規則図柄表示領域213とを有している。また、集合表示部20xは、第1規則図柄の作動保留数を表示する第1規則保留表示領域211aと、第2規則図柄の作動保留数を表示する第2規則保留表示領域212aと、第3規則図柄の作動保留数を表示する第3規則保留表示領域213aとを有している。
第1規則図柄表示領域211は、前述した第1特別図柄表示器51と同様、第1始動口10aへの遊技球の入球を契機として実行される特図当たり判定(始動入球判定)の結果を表示する表示領域である。但し、第1特別図柄表示器51では停止表示(確定表示)する第1特図の種別に応じて特図当たり判定の判定結果(大当たり、ハズレ)を示すのに対し、第1規則図柄表示領域211では、第1特図よりも種類の多い図柄(以下「第1規則図柄」と称する)によって特図当たり判定の判定結果(大当たり、ハズレ)を示すようになっている。第1規則図柄表示領域211は、第1特別図柄表示器51での第1特図の変動表示の開始タイミング及び終了タイミングと同期させて第1規則図柄の変動表示を開始及び終了する。第1特図が大当たり図柄として停止表示(確定表示)する場合は、第1規則図柄も大当たりを示す図柄で停止表示(確定表示)する。また、第1特図がハズレ図柄として停止表示(確定表示)する場合は、第1規則図柄もハズレを示す図柄で停止表示(確定表示)する。但し、第1規則図柄は、第1特図よりも、ハズレを示す図柄の種類が多く設定されていると共に、大当たりを示す図柄の種類が少なく設定されている。具体的には、第1規則図柄として、「1」から「8」までの整数を示す図柄が設けられており、このうち「7」が大当たりを示す図柄となっていると共に、「7」以外(「1」~「6」及び「8」)がハズレを示す図柄となっている。従って遊技者は、第1規則図柄表示領域211に表示される第1規則図柄の種類により、第1特図が大当たり図柄及びハズレ図柄のどちらで表示されたかを知ることができる。
第1特別図柄表示器51での第1特図の変動表示に作動保留が生じた場合は、第1規則図柄表示領域211での第1規則図柄の変動表示の作動も保留される。すなわち、第1特図の変動表示の作動保留数(第1特図保留表示器51aに表示される第1特図保留数)と、第1規則図柄の作動保留数とは一致する。そしてこの第1規則図柄の作動保留数が、第1規則保留表示領域211aに表示される。なお、第1規則保留表示領域211aでは、画像表示によるランプによって第1規則図柄の作動保留数(0~4)を示すことができる。例えばこの場合、消灯、点灯、点滅の3態様で表示可能なランプを2つ表示するようにし、各ランプの態様の組み合わせによって0~4の5種類の作動保留数を表示することが可能である(図30~図36では、ランプの消灯を無色で示し、点灯を有色で示し、点滅を斜線付きで示している)。従って遊技者は、第1規則保留表示領域211aに表示される第1規則図柄の作動保留数により、第1特図保留数を知ることができる。
第2規則図柄表示領域212は、前述した第2特別図柄表示器52と同様、第2始動口12aへの遊技球の入球を契機として実行される特図当たり判定(始動入球判定)の結果を表示する表示領域である。但し、第2特別図柄表示器52では停止表示(確定表示)する第2特図の種別に応じて特図当たり判定の判定結果(大当たり、小当たり、ハズレ)を示すのに対し、第2規則図柄表示領域212では、第2特図よりも種類の多い図柄(以下「第2規則図柄」と称する)によって特図当たり判定の判定結果(大当たり、小当たり、ハズレ)を示すようになっている。第2規則図柄表示領域212は、第2特別図柄表示器52での第2特図の変動表示の開始タイミング及び終了タイミングと同期させて第2規則図柄の変動表示を開始及び終了する。第2特図が大当たり図柄として停止表示(確定表示)する場合は、第2規則図柄も大当たりを示す図柄で停止表示(確定表示)する。また、第2特図が小当たり図柄として停止表示(確定表示)する場合は、第2規則図柄も小当たりを示す図柄で停止表示(確定表示)する。更に、第2特図がハズレ図柄として停止表示(確定表示)する場合は、第2規則図柄もハズレを示す図柄で停止表示(確定表示)する。但し、第2規則図柄は、第2特図よりも、ハズレを示す図柄の種類が多く設定されていると共に、大当たりや小当たりを示す図柄の種類が少なく設定されている。具体的には、第2規則図柄として、「1」から「8」までの整数を示す図柄が設けられており、このうち「7」が大当たりを示す図柄となっていると共に、「8」が小当たりを示す図柄となっており、「7」及び「8」以外(「1」~「6」)がハズレを示す図柄となっている。従って遊技者は、第2規則図柄表示領域212に表示される第2規則図柄の種類により、第2特図が大当たり図柄及びハズレ図柄のどちらで表示されたかを知ることができる。
第2特別図柄表示器52での第2特図の変動表示に作動保留が生じた場合は、第2規則図柄表示領域212での第2規則図柄の変動表示の作動も保留される。すなわち、第2特図の変動表示の作動保留数(第2特図保留表示器52aに表示される第2特図保留数)と、第2規則図柄の作動保留数とは一致する。そしてこの第2規則図柄の作動保留数が、第2規則保留表示領域212aに表示される。なお、第2規則保留表示領域212aでは、画像表示によるランプによって第2規則図柄の作動保留数(0~4)を示すことができる。例えばこの場合、消灯、点灯、点滅の3態様で表示可能なランプを2つ表示するようにし、各ランプの態様の組み合わせによって0~4の5種類の作動保留数を表示することが可能である(図30~図36では、ランプの消灯を無色で示し、点灯を有色で示し、点滅を斜線付きで示している)。従って遊技者は、第2規則保留表示領域212aに表示される第2規則図柄の作動保留数により、第2特図保留数を知ることができる。
第3規則図柄表示領域213は、前述した普通図柄表示器53と同様、ゲート13への遊技球の通過(入球)を契機として実行される普図当たり判定(作動入球判定)の結果を表示する表示領域である。但し、普通図柄表示器53では停止表示する普通図柄の種別に応じて普図当たり判定の判定結果(当たり、ハズレ)を示すのに対し、第3規則図柄表示領域213では、普通図柄と異なる態様の図柄(以下「第3規則図柄」と称する)によって普図当たり判定の判定結果(当たり、ハズレ)を示すようになっている。第3規則図柄表示領域213は、普通図柄表示器53での普通図柄の変動表示の開始タイミング及び終了タイミングと同期させて第3規則図柄の変動表示を開始及び終了する。普通図柄が普図当たりに対応する図柄として停止表示する場合は、第3規則図柄も普図当たりを示す図柄で停止表示する。また、普通図柄がハズレを示す図柄として停止表示する場合は、第3規則図柄もハズレを示す図柄で停止表示する。なお、後述するが、普図当たり判定の当たりは、第2始動口12aへの入球が容易とならない遊技者にとって不利な当たりと、第2始動口12aへの入球が容易となる遊技者にとって有利な当たりとがある。ここで、具体的な第3規則図柄として、「0」から「2」までの整数を示す3種類の図柄が設けられており、このうち「0」がハズレを示す図柄となっていると共に、「1」が不利な当たりを示す図柄となっており、また「2」が有利な当たりを示す図柄となっている。従って遊技者は、第3規則図柄表示領域213に表示される第3規則図柄の種類により、普通図柄が有利な当たりを示す図柄で表示されたか否かを知ることができる。
普通図柄表示器53での普通図柄の変動表示に作動保留が生じた場合は、第3規則図柄表示領域213での第3規則図柄の変動表示の作動も保留される。すなわち、普通図柄の変動表示の作動保留数(普図保留表示器53aに表示される普図保留数)と、第3規則図柄の作動保留数とは一致する。そしてこの第3規則図柄の作動保留数が、第3規則保留表示領域213aに表示される。なお、第3規則保留表示領域213aでは、画像表示によるランプによって第3規則図柄の作動保留数(0~4)を示すことができる。例えばこの場合、消灯、点灯の2態様で表示可能なランプを4つ表示するようにし、点灯態様のランプの数に応じて0~4の5種類の作動保留数を表示することが可能である(図30~図36では、ランプの消灯を無色で示し、点灯を有色で示している)。従って遊技者は、第3規則保留表示領域213aに表示される第3規則図柄の作動保留数により、普図保留数を知ることができる。
[演出表示装置7の表示領域]
次に、演出表示装置7について説明する。演出表示装置7は、演出画像、メッセージ画像、デモンストレーション画像等の動画像及び静止画像を表示可能である。演出表示装置7は、演出画像として、演出(装飾)図柄を変動表示する。この演出図柄の変動表示のことを、以下の記載では「変動演出」と称して説明することがある。演出図柄は、算用数字(例えば、1~10)を表した図柄である。なお、演出図柄には、アルファベットや特別なキャラクタ等、数字以外を表した図柄を含めてもよいし、数字以外を表した図柄と組み合わせてもよい。演出表示装置7が演出図柄を変動表示する領域として、左から順に、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域、右演出図柄表示領域が設定されている。左演出図柄表示領域では左演出図柄7Lが、中演出図柄表示領域では中演出図柄7Cが、右演出図柄表示領域では右演出図柄7Rがそれぞれ変動表示される(図30~図36参照)。但し、本実施形態では、中演出表示領域において中演出図柄7Cが非表示とされる場合(通常の遊技状態中)と表示される場合(有利な遊技状態中)とがある。以下、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域及び右演出図柄表示領域に共通の事項を説明する場合は、単に演出図柄表示領域という。
各演出図柄の変動態様としては例えば、演出図柄が表す数字が昇順となるように画面の上から下に移動する態様、つまり、縦方向にスクロールする態様がある。なお、他の変動態様として、演出図柄が画面の左右の一方から他方へ移動する横スクロール方式、演出図柄が同じ表示位置にて数字の昇順に順番に表示される切替方式等を用いることもできる。また、演出表示装置7は、演出画像として各演出図柄の背景に背景画像を表示する。例えば、背景画像は、テレビドラマや映画等の動画像、その動画像をアニメ化した動画像、アニメーション、パチンコ遊技機メーカーオリジナルの動画像等である。演出表示装置7は、液晶表示装置である。なお、演出表示装置7として、有機EL表示装置、ドットマトリクスLEDを使った表示装置等を用いることもできる。
ここで、一般に、演出図柄の変動演出は、特別図柄表示器での特別図柄の変動表示に同期させて行われる。これに対し、本実施形態のパチンコ遊技機1では、通常の遊技状態(後述する非時短遊技状態)において第1特図用の特図当たり判定が大当たりの判定結果となった場合に、左演出図柄7Lと右演出図柄7Rとを同じ図柄「7」で停止表示(確定表示)するようにし(リーチ図柄を表示し)て中演出図柄7Cの表示を開始すると共に変動を開始させ、このリーチ状態(「7」のテンパイ状態)のまま遊技者に有利な遊技状態(後述する時短遊技状態)に移行して、中演出図柄7Cを普通図柄の変動表示に同期させて演出を行い、普通図柄の当たりに対応させて中演出図柄7Cを「7」で停止表示(確定表示)する(3つの「7」によるぞろ目を表示する)点に特徴がある。ここで、「リーチ」とは、複数の演出図柄7L,7C,7Rが変動する変動演出において最終的に停止する演出図柄(中演出図柄7C)を除いた複数の演出図柄(左演出図柄7L,右演出図柄7R)が同一図柄で停止表示した状態のことであり、「リーチ図柄」とは、大当たり等の遊技者に有利な結果を示す予め定めた図柄組み合わせの一部であって、互いに同一の複数の演出図柄(左演出図柄7L,右演出図柄7R)のことである。この「リーチ図柄」は、遊技者の期待感を高めるため、「期待図柄」や「当たり直前図柄」等と言い換えることもできる。
なお、第1特図用の特図当たり判定がハズレの判定結果となった場合には、少なくとも右演出図柄7Rが「7」とならない組み合わせで左演出図柄7Lと右演出図柄7Rとを停止表示(確定表示)し、中演出図柄7Cを表示しないまま変動演出を終了する。すなわち、演出表示装置7で行われる演出図柄の変動演出は、基本的には第1特図の変動表示に同期して行われるものの、通常は左演出図柄7Lと右演出図柄7Rとで変動演出を行う。通常の遊技状態での大当たり(初当たり)を示す演出図柄の態様は、2つの演出図柄(左演出図柄7L及び右演出図柄7R)が同じ図柄となる「リーチ図柄」であり、その後に続く有利な遊技状態では、中演出図柄7Cが高速変動を継続し、普図変動表示の期間には、中演出図柄7Cが低速変動を行う。このような変動演出の内容については後述する。
なお、本実施形態では、演出表示装置7の表示画面の下縁部に演出保留表示領域7Bが設けられている。この演出保留表示領域7Bは、通常の遊技状態(非時短遊技状態)には第1特図の作動保留数に応じた作動保留数が表示され、有利な遊技状態(時短遊技状態)には普通図柄の作動保留数に応じた作動保留数が表示される。
また、パチンコ遊技機1では、変動演出の結果(演出図柄の停止表示)による特図当たり判定の結果の報知に加えて、その変動演出の結果を示唆したりその結果表示までの過程を盛り上げたりする演出等を行う。このような演出は、演出表示装置7に表示される画像、スピーカ8から出力される音、遊技盤2や前面枠18のランプ(盤ランプ2a、左サイドランプ23a、右サイドランプ23b、トップランプ23c)の点灯等を複合的に用いて行われる。すなわち、パチンコ遊技機1に設けられる演出表示装置7、スピーカ8、ランプ2a,23a,23b,23cは、演出を実行する演出実行手段として機能する。
なお、演出表示装置7、スピーカ8、ランプ2a,23a,23b,23cは、パチンコ遊技機1に生じた異常状態を報知するための異常報知手段としても機能する。
[パチンコ遊技機1の主な電気的構成]
次に、図3及び図4を参照し、パチンコ遊技機1の主な電気的構成について説明する。
パチンコ遊技機1は、主制御基板60と、電源基板70と、払出制御基板73と、発射制御回路75と、音声制御基板78と、ランプ制御基板79と、貸球払出装置80と、発射装置90と、サブ制御基板100と、画像制御基板200とを備えている。
図3に示すように、主制御基板60には、遊技制御用ワンチップマイコン(以下、遊技制御用マイコンという)61が実装されている。遊技制御用マイコン61は、CPU62と、ROM63と、RAM64と、入出力回路65とを備えている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数、大当たり種別乱数、小当たり種別乱数、演出乱数、変動パターン乱数、普図当たり乱数、普図当たり種別乱数、普図変動パターン乱数等、各種の判定(抽選)にて使用する乱数を発生する。CPU62は、入球の検出、特図当たり判定(大当たり判定、小当たり判定、大当たり種別判定、小当たり種別判定等を含む)、普図当たり判定(図柄の種別判定を含む)、各種乱数の更新等を実行する(入球口への遊技球の入球を契機として判定を行う判定手段として機能する)。ROM63には、CPU62が実行するコンピュータプログラム、当否判定テーブルT1、大当たり種別判定テーブルT2,T3、小当たり種別判定テーブルT4、演出図柄第1停止判定テーブルT5、特図変動パターン選択テーブルT7,T8、普図当たり種別判定テーブルT10等の各種のテーブルが記憶されている。RAM64は、CPU62がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリ等として使用される。
また、RAM64には、第1特図保留記憶部64a(第1保留記憶手段)と、第2特図保留記憶部64b(第2保留記憶手段)と、普図保留記憶部64cとが設けられている。
第1特図保留記憶部64aは、第1乃至第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第1特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第1始動口10aに入球したことに起因して遊技制御用マイコン61(情報取得手段)が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、小当たり種別乱数、演出乱数及び変動パターン乱数等の値(始動入球情報または始動入賞情報と称する)が記憶される。例えば第1特別図柄表示器51が第1特図を変動表示しているときに遊技球が第1始動口10aに入球すると、その入球に基づく第1特図の変動表示の実行はその時点では待機状態とされる。この場合、当該入球を契機として取得された始動入球情報が第1特図保留記憶部64aに記憶され、その後に変動開始が可能となった時に、その始動入球情報に基づく第1特図の変動表示が開始される。すなわち、第1始動口10aへの入球を契機として始動入球情報が取得されたタイミングで特図変動表示を開始できない場合、その始動入球情報に基づく第1特図の変動表示の実行は、変動開始条件(始動条件)が成立するまで保留(作動保留)される。
第2特図保留記憶部64bは、第1乃至第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第2特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第2始動口12aに入球したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、小当たり種別乱数、演出乱数及び変動パターン乱数等の値(始動入球情報)が記憶される。例えば第2特別図柄表示器52が第2特図を変動表示しているときに遊技球が第2始動口12aに入球すると、その入球に基づく第2特図の変動表示の実行はその時点では待機状態とされる。この場合、当該入球を契機として取得された始動入球情報が第2特図保留記憶部64bに記憶され、その後に変動開始が可能となった時に、その始動入球情報に基づく第2特図の変動表示が開始される。すなわち、第2始動口12aへの入球を契機として始動入球情報が取得されたタイミングで特図変動表示を開始できない場合、その始動入球情報に基づく第2特図の変動表示の実行は、変動開始条件(始動条件)が成立するまで保留(作動保留)される。
大当たり乱数等の始動入球情報は、作動保留の発生順、つまり、遊技制御用マイコン61による取得順に第1特図保留記憶部64a及び第2特図保留記憶部64bの各第1記憶領域から順番に記憶される。このため例えば、第1特図保留記憶部64aにおいて始動入球情報が第1乃至第4記憶領域まで記憶されている場合は、第4記憶領域に記憶されている始動入球情報が時間的に最も新しい情報であり、第1記憶領域に記憶されている始動入球情報が時間的に最も古い情報である。また例えば、第2特図保留記憶部64bにおいて始動入球情報が第1乃至第4記憶領域まで記憶されている場合は、第4記憶領域に記憶されている始動入球情報が時間的に最も新しい情報であり、第1記憶領域に記憶されている始動入球情報が時間的に最も古い情報である。各記憶領域に記憶されている始動入球情報は、特別図柄の変動表示が1回終了する毎に、記憶の順番が古い方の記憶領域に1つずつシフトする。例えば、第2記憶領域に記憶されていた大当たり乱数等は第1記憶領域にシフトする。また、第1記憶領域に記憶されている始動入球情報に基づく特図当たり判定等の判定(抽選)は、特別図柄表示器による特別図柄の当該変動表示が終了し、次の変動表示の開始タイミングが到来した際(変動表示の始動条件が成立した際)に実行される。
なお、パチンコ遊技機1では、前述したように第2特図保留数の消化が第1特図保留数の消化に優先して実行される。つまり、第1特図保留数と第2特図保留数とが何れも複数存在する場合、先ず第2特図保留数が順に消化され、次に第1特図保留数が順に消化される。例えば、第1特図保留記憶部64aの第1記憶領域と、第2特図保留記憶部64bの第1記憶領域とに始動入球情報が記憶されている状態で、特図の変動表示の開始タイミングが到来した場合は、第2特図保留記憶部64bの第1記憶領域に記憶されている始動入球情報が実行エリア(実行対象領域)にシフトし、この始動入球情報に基づく特図当たり判定等の判定が実行される。一方でこの時、第1特図保留記憶部64aでは第1記憶領域の始動入球情報はシフトされず、その後に第2特図保留数が0の状態での特図の変動表示の開始タイミング到来時になると実行エリア(実行対象領域)にシフトして、この始動入球情報に基づく特図当たり判定等の判定が実行される。
普図保留記憶部64cは、遊技球がゲート13を通過したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した普通当たり乱数(普通図柄が当たりか否かを判定(抽選)するための乱数)等の作動入球情報が記憶される。普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示しているときに遊技球がゲート13を通過したときは、その通過に起因する普通図柄表示器53の作動は一旦保留(作動保留)され、その通過に起因して取得された普通当たり乱数は普図保留記憶部64cに記憶される。普通図柄の保留された変動表示は、現在行われている普通図柄の変動表示が終了した次に行われる。パチンコ遊技機1では、普図保留記憶部64cは、計4個の保留を行うための記憶領域を有し、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数は最大4個である。普通当たり乱数等の作動入球情報は、作動保留の発生順、つまり、遊技制御用マイコン61による取得順に普図保留記憶部64cの第1記憶領域から順番に記憶される。このため、作動入球情報が第1乃至第4記憶領域まで記憶されている場合は、第4記憶領域に記憶されている作動入球情報が時間的に最も新しい情報であり、第1記憶領域に記憶されている作動入球情報が時間的に最も古い情報である。以下、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を普図保留数という。
また、主制御基板60には、RAMクリアスイッチ66が搭載されている。すなわち、RAMクリアスイッチ66は、パチンコ遊技機1の後側から押下可能となっている。パチンコ遊技機1は、RAMクリアスイッチ66が押下された状態で起動すると、RAM64及びサブ制御基板100のRAM120を初期化する。
また、主制御基板60には、表示器類50が電気的に接続されている。更に、主制御基板60には、中継基板74を介して、第1始動口センサ10bと、一般入賞口センサ11bと、第2始動口センサ12cと、第1大入賞口センサ14cと、第2大入賞口センサ15cと、ゲートセンサ13aと、特定領域センサ55aと、非特定領域センサ55bとが電気的に接続されている。
第1始動口センサ10bは、第1始動口10aに入球した遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。一般入賞口センサ11bは、一般入賞口11aに入球した遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。第2始動口センサ12cは、第2始動口12aに入球した遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。第1大入賞口センサ14cは、第1大入賞口14aに入球した遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。第2大入賞口センサ15cは、第2大入賞口15aに入球した遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。ゲートセンサ13aは、ゲート13に入球した(通過している)遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。遊技球が前述の各センサ10b,11b,12c,14c,15c,13aのうちゲートセンサ13a以外のセンサによって検出されると、センサ毎に予め定めた個数の賞球の払出条件がそれぞれ成立する。
ここで、本実施形態では、第1始動口センサ10bによる1回の検出(第1始動口10aへの入球1個)に対する賞球が「3個」と定められており、第2始動口センサ12cによる1回の検出(第2始動口12aへの入球1個)に対する賞球が「1個」と定められており、第1大入賞口センサ14cによる1回の検出(第1大入賞口14aへの入球1個)に対する賞球が「10個」と定められており、第2大入賞口センサ15cによる1回の検出(第2大入賞口15aへの入球1個)に対する賞球が「1個」と定められており、一般入賞口センサ11bによる1回の検出(一般入賞口11aへの入球1個)に対する賞球が「10個」と定められている。
また、特定領域センサ55aは、第2大入賞装置15内部の特定領域を通過する遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。同様に、非特定領域センサ55bは、第2大入賞装置15内部の非特定領域を通過する遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。
また、主制御基板60には、中継基板74を介して、第2始動口ソレノイド12dと、第1大入賞口ソレノイド14dと、第2大入賞口ソレノイド15dと、振分部材ソレノイド55cとが電気的に接続されている。第2始動口ソレノイド12dは、主制御基板60の制御に基づいて励磁され、普通作動部材12bを入球阻止姿勢から入球許容姿勢へと変更する。第1大入賞口ソレノイド14dは、主制御基板60の制御に基づいて励磁され、第1特別作動部材14bを入球阻止姿勢から入球許容姿勢へと変更する。第2大入賞口ソレノイド15dは、主制御基板60の制御に基づいて励磁され、第2特別作動部材15bを入球阻止姿勢から入球許容姿勢へと変更する。振分部材ソレノイド55cは、主制御基板60の制御に基づいて第2入賞装置12の内部の振分部材56を駆動する。
主制御基板60には、払出制御基板73を介してカードユニット76と、貸球払出装置80と、賞球払出装置400(賞球付与手段)とが電気的に接続されている。カードユニット76は、パチンコ遊技機1に隣接して設けられており、プリペイドカードに対して残高の読取りや書き込み等を行う。貸球払出装置80は、球貸モータ81と、球貸センサ82とを備えている。球貸モータ81は、貸球としての遊技球を払出す部材を駆動し、球貸センサ82は、その部材によって遊技球が払出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、貸球払出装置80が払出した貸球数を計数する。カードユニット76に挿入されたプリペイドカードに、払出可能な最小残高以上の残高が記録されているときに、球貸ボタン(図示せず)が操作されると、貸球払出装置80が作動し、最小単位個数の貸球が打球供給皿24に払出される。
賞球払出装置400は、賞球モータ401と、賞球センサ402とを備えている。賞球モータ401は、賞球としての遊技球を払出す部材を駆動し、賞球センサ402は、その部材によって遊技球が払出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、賞球払出装置400が払出した賞球数を計数する。
また、主制御基板60には、発射制御回路75を介して発射装置90が電気的に接続されている。発射装置90は、発射モータ91と、タッチスイッチ92と、発射ボリューム93とを備えている。発射モータ91は、遊技球を打撃して発射する打撃槌(図示せず)を駆動する。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力する。発射ボリューム93は、発射レバー4aの回転量に応じて、打撃槌が遊技球を打撃する強度を調節する。
また、パチンコ遊技機1は、電源基板70を備えている。電源基板70は、主制御基板60及び払出制御基板73に電力を供給する。また、電源基板70は、払出制御基板73に電気的に接続された各装置に対して、払出制御基板73を介して電力を供給する。また、電源基板70は、中継基板74に電気的に接続された各センサ及びソレノイドに対して、主制御基板60から中継基板74を介して電力を供給する。また、電源基板70は、主制御基板60に電気的に接続された表示器類50に対して、主制御基板60を介して電力を供給する。
電源基板70には、バックアップ電源回路71が設けられている。バックアップ電源回路71は、パチンコ遊技機1に対して外部から電力が供給されていない場合に、主制御基板60のRAM64等に対して情報の保持に必要な電力を供給する。電源基板70には、電源基板70へ電力を供給する主電源をオンオフするための電源スイッチ72が電気的に接続されている。
主制御基板60は、サブ制御基板100(図4)に対して各種コマンドを送信する。主制御基板60は、コマンドをサブ制御基板100へ送信することはできるが、サブ制御基板100は、主制御基板60へコマンドを送信することができない。つまり、主制御基板60とサブ制御基板100との通信は、主制御基板60からサブ制御基板100へ送信することのみが可能な単方向通信となっている。
図4に示すように、サブ制御基板100には、演出制御用ワンチップマイコン(以下、演出制御用マイコンという)101が実装されている。演出制御用マイコン101(演出制御手段)は、CPU102と、ROM110と、RAM120と、入出力回路103とを備えている。CPU102は、遊技に伴って演出を制御する。ROM110には、CPU102が演出を制御するためのコンピュータプログラムの他、各種のテーブルが記憶されている。RAM120は、CPU102がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。また、RAM120には、第1特図保留演出記憶部121と、第2特図保留演出記憶部122と、当該変動用演出記憶部123と、普図保留演出記憶部125とが設けられている。
第1特図保留演出記憶部121は、第1乃至第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力(送信)される第1始動入賞コマンドが示す始動入球情報(乱数値等)を記憶する。第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口10aに入球したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した始動入球情報(大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数及び演出乱数等の値)を含むコマンドである。
一方、第2特図保留演出記憶部122は、第1乃至第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力(送信)される第2始動入賞コマンドが示す始動入球情報(乱数値等)を記憶する。第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口12aに入球したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した始動入球情報(大当たり乱数、大当たり種別乱数、小当たり種別乱数、変動パターン乱数及び演出乱数等の値)を含むコマンドである。
当該変動用演出記憶部123は、変動演出パターンの当該変動に用いる第1始動入賞コマンドまたは第2始動入賞コマンドが示す始動入球情報(乱数値等)を記憶する。入出力回路103は、サブ制御基板100に接続された各基板等との間でデータの送信または受信を行う。
普図保留演出記憶部125は、第1乃至第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力(送信)される作動入球コマンドが示す作動入球情報(乱数値等)を記憶する。作動入球コマンドは、遊技球がゲート13を通過(入球)したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した作動入球情報(普図当たり乱数、普図当たり種別乱数、普図変動パターン乱数等の値)を含むコマンドである。
また、サブ制御基板100には、リアルタイムクロック(RTC)124が実装されている。RTC124は、現在(現時点)の日時(日付及び時刻)を計測するものである。RTC124は、例えば、外部の電源装置からパチンコ遊技機1へ電力が供給されているときには、その電力によって動作し、外部の電源装置から電力が供給されていないときには、電源基板70が備えるバックアップ電源回路71から供給される電力によって動作する。このため、RTC124は、パチンコ遊技機1の電源が投入されていないときや、RAM120の記憶内容がクリアされたときでも、現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC124へ電力を供給するバックアップ電源回路をサブ制御基板100に設けてもよい。パチンコ遊技機1では、RTC124による計時の結果に基づいて特別な演出を実行することが可能となっている。
サブ制御基板100には、画像制御基板200が電気的に接続されている。画像制御基板200には、VDP201(Video Display Processor)と、画像制御用CPU202と、制御用ROM203と、制御用RAM204と、CGROM(Character Generator Read Only Memory)205と、VRAM(Video Random Access Memory)206とが実装されている。画像制御用CPU202は、変動演出パターン、ボタン演出画像、及び予告画像等の演出画像を表示するよう演出表示装置7を制御する。制御用ROM203には、画像制御用CPU202が演出表示装置7を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。制御用RAM204は、画像制御用CPU202がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。CGROM205には、演出表示装置7が演出画像を表示するための画像データが記憶されている。VDP201は、画像制御用CPU202によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM205から画像データを読み出し、その読み出した画像データをVRAM206内の展開領域に展開する。そして、VDP201は、VRAM206内に展開した画像データを合成し、その合成した画像データをVRAM206内のフレームバッファに記憶する。そして、VDP201は、VRAM206内のフレームバッファに記憶した画像データをRGB信号に変換して演出表示装置7に出力する。これにより、演出表示装置7は演出画像を表示する。
サブ制御基板100には、ランプ制御基板79を介して盤ランプ2a、演出ボタンランプ5c、左サイドランプ23a、右サイドランプ23b、トップランプ23cおよび可動体モータ23dが電気的に接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて各ランプの発光態様を決める発光パターンデータを作成し、その発光パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、ランプ制御基板79は、受信した発光パターンデータに従って各ランプの発光制御を行う。また、演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて、トップランプ23c内の回転リフレクタの動作態様を決める回転動作パターンデータを作成し、その回転動作パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、ランプ制御基板79は、受信した回転動作パターンデータに従って可動体モータ23dの駆動制御を行う。
サブ制御基板100には、音声制御基板78を介して各スピーカ8が電気的に接続されている。音声制御基板78には、音声制御用CPU(図示せず)と、音声データROM(図示せず)と、音声合成回路(図示せず)と、アンプ(図示せず)とが搭載されている。音声データROMには、各スピーカ8が音楽や効果音等の音を出力するための音声データが記憶されている。音声制御用CPUは、サブ制御基板100から受信したコマンドに基づいて音声データROMから音声データを読み出し、その読み出した音声データを音声合成回路に出力する。音声合成回路は、入力した音声データを合成するとともに、その合成した合成音声データをアナログの音声信号に変換してアンプに出力する。アンプは、入力した音声信号を増幅して各スピーカ8に出力する。そして、各スピーカ8は、入力した音声信号により示される音を出力する。
また、サブ制御基板100には、演出ボタン検出スイッチ5aと、演出レバー押込検出スイッチ6aと、演出レバー回転検出スイッチ6bと、演出ボタン振動モータ5bと、演出レバー振動モータ6cとが電気的に接続されている。
演出ボタン検出スイッチ5aは、演出ボタン5が押下操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。また、演出レバー押込検出スイッチ6aは、演出レバー6が押込操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。更に、演出レバー回転検出スイッチ6bは、演出レバー6が回転操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。これに対し、演出制御用マイコン101は、演出の一種であるボタン演出の期間中、演出ボタン検出スイッチ5aから入力した信号に基づいて、ボタン演出の演出内容に変化を付与する。また、演出制御用マイコン101は、演出の一種であるレバー演出(遊技者に押込操作や回転操作を促すレバー演出)の期間中、演出レバー押込検出スイッチ6aや演出レバー回転検出スイッチ6bから入力した信号に基づいて、レバー演出の演出内容に変化を付与する。
演出ボタン振動モータ5bは、演出ボタン5を振動させる部材であり、演出ボタン5の内部に収容されている。演出レバー振動モータ6cは、演出レバー6を振動させる部材であり、演出レバー6と接する部位または演出レバー6の内部に設けられている。ROM110には、演出ボタン振動モータ5bの動作パターンを決める動作パターンデータと、演出レバー振動モータ6cの動作パターンを決める動作パターンデータとが記憶されている。演出制御用マイコン101は、演出ボタン5を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読み出した動作パターンデータに基づいて演出ボタン振動モータ5bを駆動制御する。また、演出制御用マイコン101は、演出レバー6を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読出した動作パターンデータに基づいて演出レバー振動モータ6cを駆動制御する。
[遊技状態の説明]
次に、パチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。
(大当たり遊技状態、小当たり状態)
本実施形態のパチンコ遊技機1は、従来において1種パチンコ機および2種パチンコ機と呼ばれていた各遊技機の遊技性を組み合わせた、いわゆる1種2種混合機と呼ばれる機種である。ここで、1種パチンコ機の遊技性とは、始動口への入球を契機とする特図当たり判定の大当たり判定(大当たり抽選)で当選となった場合に大当たり遊技状態を生じさせるものであり、2種パチンコ機の遊技性は、始動口への入球を契機とする特図当たり判定の小当たり判定(小当たり抽選)で当選となった場合に大入賞口を開放し、その開放中に入球した遊技球が当該大入賞口内部の特定領域を通過したことを契機として大当たり遊技状態へと発展させるものである。1種2種混合機である本実施形態のパチンコ遊技機1では、始動口への入球を契機とする特図当たり判定において大当りに当選した場合に大当たり遊技状態(以下「1種大当たり状態」ということがある)を生じさせる。また、始動口への入球を契機とする特図当たり判定において、大当たり判定がハズレかつ小当たり判定が当たりの結果となった場合(小当たりに当選した場合)には、大入賞口を開放する小当たり状態を生じさせ、この小当たり状態中に大入賞口に入球した遊技球が特定領域に入球した場合に限り、大当たり遊技状態(以下「2種大当たり状態」ということがある)へと発展させる。なお、2種大当たり状態は、前述の如く小当たり状態から発展するものであるので、小当たり状態を1ラウンドとみなし、特定領域への入球後に生じる開放(V当たり状態)については2ラウンド以降のラウンドとして計数する。すなわち、小当たり状態とその後のV当たり状態とによって2種大当たり状態が構成される。これに対し、V当たり状態のみを大当り遊技状態と捉えることも可能である。
本実施形態では、特図当たり判定による大当たりの判定結果に基づく大当たり遊技状態(1種大当たり状態)の他、小当たり状態やV当たり状態(2種大当たり状態の2ラウンド以降)が生起する可能性がある。1種大当たり状態やV当たり状態では、第1大入賞口14aへの遊技球の入球を狙うことができる一方、小当たり状態では第2大入賞口15aの何れかへの遊技球の入球を狙うことができる。そして、小当たり状態中に第2大入賞口15aに入球した遊技球が特定領域を通過した場合に、第1大入賞口14aを開放するV当たり状態を生起させる(2種大当たり状態へと発展させる)ようになっている。
大当たり遊技状態は、オープニング期間、複数回のラウンド(遊技球の入球を狙うことのできる入球可能期間)が生じる連続作動期間、エンディング期間の順に状態が変化する。ラウンド中は、第1大入賞口ソレノイド14dを駆動することにより第1特別作動部材14bを作動させて、第1大入賞口14aを開放する。ここで、2種大当たり状態の1ラウンド(小当たり状態)を除いた大当たり遊技状態の各ラウンドは、第1大入賞口14aに入球した遊技球の個数が予め定めた上限個数(例えば10球)に達するか、所定の開放時間(例えば30秒)が経過するかの何れか早い方のラウンド終了条件が成立することに応じて終了する。なお、大当たり遊技状態では、ラウンドとラウンドの間にインターバル時間(ラウンドインターバル)が設定されており、少なくともこのインターバル時間には第1大入賞口14aが閉鎖状態を維持するように設定(第1大入賞口ソレノイド14dが非作動に制御)される。第1大入賞口14aへの入球1個に対する賞球が10個と定められているので、大当たり遊技状態(1種大当たり状態、V当たり状態)中、第1大入賞口14aへの入球に対する賞球によって遊技者の持ち球が大幅に増加する。
一方で、小当たり状態は、それ以外のラウンドよりも短い時間(例えば1.8秒)だけ第2大入賞口15aが開放する(入球可能期間とする)か、第2大入賞口15aに入球した遊技球の個数が予め定めた上限個数(10球以下の所定個数)に達するかの何れか早い方のラウンド終了条件(基本的には開放時間の経過)が成立することに応じて終了する。なお、第2大入賞口15aへの入球1個に対する賞球は1個と定められているので、小当たり状態中、第2大入賞口15aへの入球に対する賞球によって遊技者の持ち球が増加することはない。
ここで、本実施形態では、全ての小当たり状態を、振分部材56(振分部材ソレノイド55c)を作動する期間中に第2大入賞口15aが開放し、第2大入賞口15aに入球した遊技球が特定領域を通過できる小当たり状態(有利小当たり状態)として生起する。これに対し、遊技球が特定領域を通過する有利小当たり状態と非特定領域を通過する(特定領域を通過しない)不利小当たり状態とを生起可能としてもよい。この場合の不利小当たり状態は、振分部材56の作動期間と第2大入賞口15aの開放期間とを異ならせることで実現し得る。
(時短遊技状態、非時短遊技状態)
以下、一般的な時短遊技状態の各機能(特別図柄の変動時間短縮機能、普通図柄の変動短縮機能、第2始動口12aの開放時間延長機能、第2始動口12aの開放回数増加機能)について説明する。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機1は、以下に説明する機能のうち、特別図柄の変動時間短縮機能と、普通図柄の変動時間短縮機能と、第2始動口12aの開放時間延長機能とを有し、これらの機能を作動させることによって、非時短遊技状態(通常遊技状態、入球非容易状態)とは異なる時短遊技状態(入球容易状態)を生起させる。但し、後述するように、本実施形態では、非時短遊技状態から大当たり遊技状態に移行した後、再び非時短遊技状態に復帰するまでの間における時短遊技状態の生起回数(「連続生起回数」と称する)が予め定められた上限回数に達した場合に、大当たり遊技状態から時短遊技状態への移行を禁止して強制的に非時短遊技状態へと復帰させるようになっている(時短リミッタ機能を有する)。
普通図柄表示器53での表示(普通図柄)の確率変動機能が作動する遊技状態を時短遊技状態とし、当該機能が作動しない遊技状態を非時短遊技状態とすることができる。この普通図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して普図当たり判定の当たり確率が向上する。その結果、普通図柄の確率変動機能が作動する状態では、普通作動部材12bが作動して第2始動口12aが開放する頻度を高めることが可能である。
但し、本実施形態のパチンコ遊技機1(遊技制御用マイコン61)は、普通図柄の確率変動機能を有しない。これに対し、当該機能を有することとしてもよい。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1は、第1特別図柄表示器51及び第2特別図柄表示器52での各表示(特別図柄)についての確率変動機能(特図当たり判定の当たり確率を向上させる機能)も備わっておらず、通常(低確率状態)よりも大当たり確率が高い遊技状態(所謂「確変遊技状態」)は存在しない。これに対し、特別図柄の確率変動機能を作動させる確変遊技状態を生起可能としてもよい。なおこの場合、確変遊技状態は時短遊技状態と同時に生起させてもよい。
特別図柄の変動時間短縮機能が作動する遊技状態を時短遊技状態とし、当該機能が作動しない遊技状態を非時短遊技状態とすることができる。特別図柄の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して特別図柄の変動時間として短い変動時間が選択され易くなる。その結果、特別図柄の変動時間短縮機能が作動する状態では、例えば特図変動表示の結果が導出される頻度を高めることができ、大当たり遊技状態等が生起するまでの遊技時間を短縮することが可能である。また、特図保留の消化ペースが早いことで始動口への有効な入球(特図保留)が発生し易くなるため、スムーズな遊技進行を実現可能である。
また、普通図柄の変動時間短縮機能が作動する遊技状態を時短遊技状態とし、当該機能が作動しない遊技状態を非時短遊技状態とすることができる。普通図柄の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄の変動時間が短くなる。本実施形態のパチンコ遊技機1は当該機能を有しており、普通図柄の変動時間は、変動時間短縮機能が作動していない状態では30秒(30000ms)、変動時間短縮機能が作動している状態では0.1秒(100ms)となるように設定されている。これに対し、普通図柄の変動時間短縮機能を有しないようにしてもよい。
更に、第2始動口12aについての開放時間延長機能及び開放回数増加機能の少なくとも何れかが作動する遊技状態を時短遊技状態とし、当該機能が作動しない遊技状態を非時短遊技状態とすることができる。普通図柄が予め定めた普通図柄で停止表示(確定表示)された場合に、現在の遊技状態に応じた作動パターンにて第2始動口12aを開閉させる補助遊技が行われる。この補助遊技における第2始動口12aの開放時間が、開放時間延長機能によって非時短遊技状態の場合よりも長くなる。また、この補助遊技における第2始動口12aの開放回数が、開放回数増加機能によって非時短遊技状態の場合よりも多くなる。従って、開放時間延長機能や開放回数増加機能が作動する状況下では、第2始動口12aへの遊技球の入球頻度が高められる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合が高くなるため、遊技者は、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たり(又は小当たり)を狙うことができる。
このように、特別図柄や普通図柄についての変動時間短縮機能と、第2始動口12aについての開放時間延長機能及び開放回数増加機能とは、第2始動口12aへの遊技球の入球頻度を高めるためのサポート機能である。これらのうち特に、普通作動部材12bの動作(第2始動口ソレノイド12dの駆動)に関する開放時間延長機能及び開放回数増加機能について、その少なくとも1つの機能を作動させる制御のことを、「電サポ制御」ということがある。
本実施形態のパチンコ遊技機1(遊技制御用マイコン61)は、上記機能のうち、特別図柄の変動時間短縮機能と、普通図柄の変動時間短縮機能と、第2始動口12aの開放時間延長機能とを作動可能であり、遊技状態として、これら3つの機能が共に作動しない非時短遊技状態と、これら3つの機能が共に作動する時短遊技状態とを生起させ得るようになっている(複数種類の状態を生起させる生起手段として機能する)。但し、時短遊技状態は、少なくとも1つの機能を作動させる状態であればよく、例えば、上記3つの機能に加えてまたは少なくとも1つの機能に替えて、普通図柄の確率変動機能を作動する遊技状態としてもよい。
なお、本実施形態における「時短遊技状態」は、(開放時間延長機能による)電サポ制御がなされる状態であり、発射球数に対する賞球数の割合が高くなるため、「高ベース状態(有利遊技状態)」と言い換えることができる。一方で「非時短遊技状態」は、前述した高ベース状態に対して「低ベース状態(通常遊技状態)」と言い換えることができる。
ここで、パチンコ遊技機1における時短遊技状態の付与条件としては例えば、予め定められた大当たり図柄(特別図柄)を決定したことに基づく大当たり遊技状態(1種大当たり状態)が終了すること、予め定められた小当たり図柄(特別図柄)を決定した場合の小当たり状態で遊技球が特定領域を通過したことに基づく大当たり遊技状態(2種大当たり状態)が終了すること、予め定められた時短図柄(特別図柄)を決定した際の特図当たり判定の結果に基づく特図変動表示が終了すること、等を設定することができる。本実施形態では、大当たり図柄や小当たり状態の決定に基づく大当たり遊技状態(1種大当たり状態、2種大当たり状態)の終了後に時短遊技状態が付与されることがある他、時短図柄の決定に基づいて時短遊技状態が付与されることがある。
また、パチンコ遊技機1における時短遊技状態の終了条件としては例えば、予め定められた回数の特図変動表示が実行されること、予め定められた回数の普図変動表示が実行されること、予め定められた回数の特図変動表示(または予め定められた回数の普図変動表示)が実行されるまでの間に大当たりが決定されて対応する特図変動表示が終了(大当たり遊技状態が開始)すること、予め定められた回数の特図変動表示(または予め定められた回数の普図変動表示)が実行されるまでの間に予め定められた回数目の小当たりが決定されて対応する特図変動表示が終了(小当たり状態が開始)すること、予め定められた回数の特図変動表示(普図変動表示)が実行されるまでの間に予め定められた小当たり図柄(特別図柄)が決定されて対応する特図変動表示が終了(小当たり状態が開始)すること、等を設定することができる。本実施形態では、予め定められた回数の特図変動表示が実行されることに応じて時短遊技状態が終了することがある他、予め定められた回数の普図変動表示が実行されることに応じて時短遊技状態が終了することがある。
[主な判定テーブル]
次に、パチンコ遊技機1の遊技制御用マイコン61が参照する主な判定テーブルについて説明する。
(当否判定テーブルT1)
図5に示す当否判定テーブルT1は、遊技制御用マイコン61が特図当たり判定(大当たり判定、小当たり判定)を実行する際に参照するテーブルである。当否判定テーブルT1は、特図当たり判定の種類(第1特図・第2特図のどちらに対応するか)と、大当たり乱数値とを対応付けて構成されている。大当たり乱数値は、大当たり乱数カウンタが発生させる値である。大当たり乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、大当たり乱数カウンタが動作して大当たり乱数値が発生する。大当たり乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。パチンコ遊技機1の大当たり乱数カウンタは、0~65535の計65536個の値をカウントする。つまり、0~65535の計65536個の大当たり乱数値を発生させ得る。
当否判定テーブルT1には、第1特図の特図当たり判定用の大当たり乱数値(0~65535)が、大当たり・ハズレの各判定結果に割り振られている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数カウンタから取得した大当たり乱数値が0~327の範囲内の値であった場合は大当たりと判定し、0~65535のうち0~327以外(328~65535)であった場合は、大当たりではない、つまり、ハズレと判定する。
また、当否判定テーブルT1には、第2特図の特図当たり判定用の大当たり乱数値(0~65535)が、大当たり・小当たりの各判定結果に割り振られている。遊技制御用マイコン61は、取得した大当たり乱数値が0~327の範囲内の値であった場合は大当たりと判定し、0~65535のうち0~327以外(328~65535)であった場合は、小当たりと判定する。つまり、大当たりではない値(ハズレ)の全てが、小当たりに割り振られている。すなわち、第1特図の当たり判定と第2特図の当たり判定とでは、大当たりと判定される確率は変わらないが、大当たりではないと判定された場合、第2特図の判定では小当たりと判定されることがあり、その当選確率は大当たりに比べて高い。また、本実施形態では、第1特図の当たり判定で小当たりと判定されることがないため、第2特図の判定では、第1特図の当たり判定に比して小当たりと判定される確率が非常に高い。
(大当たり種別判定テーブルT2,T3)
図6(a)および図6(b)に示す大当たり種別判定テーブルT2,T3は、特図当たり判定において、大当たり判定で大当たりと判定され、その大当たりの種別判定を遊技制御用マイコン61が実行する際に参照するテーブルである。大当たり種別判定テーブルは、大当たり種別(大当たり図柄種別)毎に所定個数の大当たり種別乱数値を対応付けて構成されている。大当たり種別乱数値は、大当たり種別乱数カウンタが発生させる値である。大当たり種別乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、大当たり種別乱数カウンタが動作して大当たり種別乱数値が発生する。大当たり種別乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。本実施形態において大当たり種別乱数カウンタは、0~99の計100個の大当たり種別乱数をカウントする。つまり、0~99の計100個の大当たり種別乱数値を発生させ得る。
ここで、特別図柄のうち第1特図として、大当たりしたこと(大当たり遊技状態が生起すること)を示す2種類の大当たり図柄1-1,1-2と、大当たりや小当たりではないことを示す少なくとも1種類のハズレ図柄とが設定されている。なお、第1特図については、小当たりしたこと(小当たり状態が生起すること)を示す小当たり図柄は設定されていない。第1特図の特図当たり判定で大当たりと判定した場合は、図6(a)に示す大当たり種別判定テーブルT2に基づいて、大当たり図柄(大当たり種別)が決定され、この大当たり図柄の決定により、大当たり遊技状態の種類やその後の遊技状態の種類が決定される。なお、各大当たり遊技状態では、各ラウンドでの第1大入賞口14aの開放時間の上限が30秒に設定されている。
第1特図の特図当たり判定が大当たりの判定結果で、第1特図の大当たり種別を決定する際、大当たり種別乱数値が0~49の範囲内の値であれば(50パーセント)、大当たり図柄として「大当たり図柄1-1」が決定され、大当たり遊技状態の種類(ラウンド数)として、3ラウンド大当たりが決定され、大当たり遊技状態後の遊技状態を時短1とすることが決定される。この場合の時短遊技状態(時短1)は、大当たり遊技状態の生起が決定されるか、特図変動表示が10回実行されるか、または、普図変動表示が50回実行されることに応じて終了する。
一方で、第1特図の特図当たり判定が大当たりの判定結果で、第1特図の大当たり種別を決定する際、大当たり種別乱数値が50~99の範囲内の値であれば(50パーセント)、大当たり図柄として「大当たり図柄1-2」が決定され、大当たり遊技状態の種類(ラウンド数)として、3ラウンド大当たりが決定され、大当たり遊技状態後の遊技状態を時短2とすることが決定される。この場合の時短遊技状態(時短2)は、大当たり遊技状態の生起が決定されるか、特図変動表示が10回実行されるか、または、普図変動表示が100回実行されることに応じて終了する。
また、特別図柄のうち第2特図としては、大当たりしたこと(大当たり遊技状態が生起すること)を示す1種類の大当たり図柄2-1と、小当たりしたこと(小当たり状態が生起すること)を示す2種類の小当たり図柄a,bとが設定されている。なお、第2特図については、大当たりや小当たりではないハズレを示すハズレ図柄は設定されていない。すなわち、第2特図については第1特図と異なり、小当たり図柄が設定されていると共に、ハズレ図柄が設定されていない。
第2特図の特図当たり判定で大当たりと判定した場合は、図6(b)に示す大当たり種別判定テーブルT2に基づいて、大当たり図柄(大当たり種別)が決定され、この大当たり図柄の決定により、大当たり遊技状態の種類やその後の遊技状態の種類が決定される。なお、大当たり遊技状態では、各ラウンドでの第1大入賞口14aの開放時間の上限が30秒に設定されている。本実施形態では、第2特図の特図当たり判定が大当たりの判定結果である場合に、大当たり種別乱数値が0~99の範囲内のどの値でも(100パーセント)、大当たり図柄として「大当たり図柄2-1」が決定され、大当たり遊技状態の種類(ラウンド数)として、10ラウンド大当たりが決定され、大当たり遊技状態後の遊技状態を時短2とすることが決定される。この場合の時短遊技状態(時短2)は、前述の通り、大当たり遊技状態の生起が決定されるか、特図変動表示が10回実行されるか、または、普図変動表示が100回実行されることに応じて終了する。
(小当たり種別判定テーブル)
図7に示す小当たり種別判定テーブルT4は、第2特図用の特図当たり判定において、小当たり判定が小当たりと判定され、その小当たりの種別判定を遊技制御用マイコン61が実行する際に参照するテーブルである。小当たり種別判定テーブルT4は、小当たり種別(小当たり図柄種別)毎に所定個数の小当たり種別乱数値を対応付けて構成されている。小当たり種別乱数値は、小当たり種別乱数カウンタが発生する値である。小当たり種別乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、小当たり種別乱数カウンタが動作して小当たり種別乱数値を発生させる。小当たり種別乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。本実施形態において小当たり種別乱数カウンタは、0~99の計100個の値をカウントする。つまり、0~99の計100個の小当たり種別乱数値を発生させ得る。本実施形態では前述のように、小当たり図柄として「小当たり図柄a」及び「小当たり図柄b」の2種類が設定されている。
本実施形態では、遊技制御用マイコン61による小当たり種別(小当たり図柄)の決定により、小当たり状態で遊技球が特定領域を通過した場合に生起する大当たり遊技状態(2種大当たり状態)のラウンド数が異なっている。具体的には、時短遊技状態中の特図当たり判定(小当たり判定)で小当たりの判定結果となり、かつ特別図柄が小当たり図柄aに決定された場合には、大当たり遊技状態(2種大当たり状態)として3ラウンド大当たりが設定されている。一方で、時短遊技状態中の特図当たり判定(小当たり判定)で小当たりの判定結果となり、かつ特別図柄が小当たり図柄bに決定された場合には、大当たり遊技状態(2種大当たり状態)として10ラウンド大当たりが設定されている。
なお、小当たり状態では、小当たり図柄の種類に関わらず、第2大入賞口15aが所定時間(1.8秒)開放して、振分部材56が作動し、第2大入賞口15aに入球した遊技球が特定領域に誘導される。遊技球が特定領域を通過すると、これを契機に小当たり状態から2種大当たり状態(大当たり遊技状態)に発展(V当たり状態に移行)する。この2種大当たり状態の各ラウンド(2ラウンド以降のV当たり状態)では、第1大入賞口14aが開放する。この開放時間の上限は、1種大当たり状態と同様に30秒に設定されている。
遊技制御用マイコン61は、遊技状態が非時短遊技状態であるか時短遊技状態であるかに関わらず、第2特図の特図当たり判定において小当たりの判定結果が導出された場合、小当たり種別乱数値が0~49の範囲内であれば(50パーセント)、小当たり図柄として小当たり図柄aが決定される。また、小当たり種別乱数値が50~99の範囲内であれば(50パーセント)、小当たり図柄として小当たり図柄bが決定される。
小当たり状態から大当たり遊技状態(V当たり状態)へと発展(移行)した場合に、その大当たり遊技状態(V当たり状態)の終了後に時短2が生起するが、この時短2の終了条件は前述の通りである。すなわち、大当たり遊技状態の生起が決定されるか、特図変動表示が10回実行されるか、または、普図変動表示が100回実行されることに応じて終了する。
(演出図柄第1停止判定テーブル)
図8に示す演出図柄第1停止判定テーブルT5は、遊技制御用マイコン61による(非時短遊技状態での)第1特図の変動表示に対応するハズレの特図変動パターンの決定に関し、演出時間を長く確保する特図変動パターン(演出有ハズレ変動パターン)とするか否かを決定する際に参照するテーブルである。この演出有ハズレ変動パターンが決定された場合に演出表示装置7で行われる変動演出は、左演出図柄7Lを「7」で停止する演出内容(すなわち右演出図柄7Rの停止まで「7」のテンパイの可能性が残される演出内容)となる。本実施形態において演出乱数カウンタは、0~255の計256個の値をカウントする。すなわち、演出乱数カウンタは、0~255の計256個の演出乱数値を発生させ得る。演出乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、演出乱数カウンタが動作して演出乱数値を発生させる。そして、演出図柄第1停止判定テーブルT5には、演出乱数カウンタが発生させる演出乱数値が、左演出図柄7Lを「7」とする判定結果とそれ以外とする判定結果とに割り振られている。
そして、図8に示すように、第1特図の特図当たり判定が非時短遊技状態で行われてハズレの判定結果となった場合において、演出乱数値が0~27の範囲であれば、左演出図柄7Lを「7」として、左演出図柄7L及び右演出図柄7Rがテンパイとなるか否かの演出を行うことを決定し、それ以外であれば、左演出図柄7Lを「7」以外として、左演出図柄7L及び右演出図柄7Rがテンパイとなるか否かの演出を行わないことを決定する。これに対し、時短遊技状態では、普図変動表示に応じた中演出図柄7Cの変動が行われるため、第1特図の特図当たり判定が行われてハズレの判定結果となった場合に演出乱数値が0~255の範囲のどの値であっても、左演出図柄7L及び右演出図柄7Rがテンパイとなるか否かの演出は行わない。
(特図変動パターン選択テーブル)
図9(a)に示す特図変動パターン選択テーブルT7は、遊技制御用マイコン61が第1特図の変動表示に関する特図変動パターンを決定する際に参照するテーブルである。また、図9(b)に示す特図変動パターン選択テーブルT8は、遊技制御用マイコン61が第2特図の変動表示に関する特図変動パターンを決定する際に参照するテーブルである。特図変動パターン選択テーブルT7,T8には、大当たり乱数値、小当たり乱数値及び演出乱数値等の乱数値(大当たり判定、小当たり判定、演出判定の判定結果)と、変動パターン乱数値と、その特図当たり判定時の遊技状態や特図保留数と、の関係で、特図変動パターンの種類が振り分けられている。なお、特図変動パターンは、特図変動表示の変動時間や、変動演出の内容(変動演出パターン)等の情報を含んでいる。なお、特図変動パターン選択テーブルT7,T8に示す変動演出パターンは、特図変動パターンに対応して決定される変動演出の大まかな種類(演出内容)であり、参考のために記載してある。
変動パターン乱数値は、変動パターン乱数カウンタが発生する値である。変動パターン乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、変動パターン乱数カウンタが動作して変動パターン乱数値を発生させる。変動パターン乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。本実施形態において変動パターン乱数カウンタは、0~99の計100個の値をカウントする。つまり、0~99の計100個の変動パターン乱数値を発生させ得る。
図9(a)に示すように、第1特図の特図当たり判定が非時短遊技状態で行われ、大当たりの判定結果となった場合には、特図保留数に関係なく、変動パターン乱数値が0~94の範囲内であれば特図変動パターンP1が選択され、95~99の範囲内であれば特図変動パターンP2が選択される。特図変動パターンP1の変動時間は70秒(70,000ms)であり、特図変動パターンP2の変動時間は30秒(30,000ms)である。特図変動パターンP1に対応する変動演出パターンは、左演出図柄7Lを「7」で停止する演出内容(すなわち右演出図柄7Rの停止まで「7」のテンパイの可能性が残される演出内容)を含んだパターンのうち、演出が発展して比較的長時間行われるもの(発展演出パターン)である。これに対し、特図変動パターンP2に対応する変動演出パターンは、左演出図柄7Lを「7」で停止する演出内容(すなわち右演出図柄7Rの停止まで「7」のテンパイの可能性が残される演出内容)を含んだパターンのうち、演出が発展せず比較的短時間しか行われないもの(非発展演出パターン)である。
これに対し、第1特図の特図当たり判定が非時短遊技状態で行われてハズレの判定結果となった場合であり、かつ演出判定で演出有ハズレとなった場合には、変動パターン乱数値が0~4の範囲内であれば特図変動パターンP3が選択される一方、変動パターン乱数値が5~99の範囲内であれば特図変動パターンP4が選択される。特図変動パターンP3の変動時間は70秒(70,000ms)であり、特図変動パターンP4の変動時間は30秒(30,000ms)である。特図変動パターンP3に対応する変動演出パターンは、左演出図柄7Lを「7」で停止する演出内容(すなわち右演出図柄7Rの停止まで「7」のテンパイの可能性が残される演出内容)を含んだパターンのうち、演出が発展して比較的長時間行われるもの(発展演出パターン)である。これに対し、特図変動パターンP4に対応する変動演出パターンは、左演出図柄7Lを「7」で停止する演出内容(すなわち右演出図柄7Rの停止まで「7」のテンパイの可能性が残される演出内容)を含んだパターンのうち、演出が発展せず比較的短時間しか行われないもの(非発展演出パターン)である。
また、第1特図の特図当たり判定が非時短遊技状態で行われてハズレの判定結果となった場合であり、演出判定で演出無ハズレとなった場合には、左演出図柄7Lを「7」以外で停止する演出内容を含んだパターン(ハズレパターン)が選択される。この場合に、特図保留数が0~2個であれば、変動時間が10秒(10,000ms)の特図変動パターンP5が選択され、特図保留数が3,4個であれば、変動時間が5秒(5,000ms)の特図変動パターンP6が選択される。特図変動パターンP5に対応する変動演出パターンには、通常ハズレパターンの演出内容が対応付けられている。特図変動パターンP6に対応する変動演出パターンには、短縮ハズレパターンの演出内容が対応付けられている。
ここで、前述したように、本実施形態では、非時短遊技状態中に成立したリーチ状態を維持したまま、その後の時短遊技状態に移行し、その時短遊技状態中にはリーチ状態から、普図変動表示が行われる毎に中演出図柄7Cの変動を用いた演出を行う。このため、時短遊技状態で行われた第1特図の特図当たり判定については、特図変動パターンを決定するものの、演出表示装置7での変動演出には反映されない。なお、時短遊技状態で行われた第1特図の特図当たり判定が大当たりの判定結果となった場合には、特図保留数に関係なく、変動パターン乱数値が0~99の範囲内のどの値であっても、変動時間が0.1秒(100ms)の特図変動パターンP7が選択される。また、時短遊技状態で行われた第1特図の特図当たり判定がハズレの判定結果となった場合には、特図保留数に関係なく、変動パターン乱数値が0~99の範囲内のどの値であっても、変動時間が0.1秒(100ms)の特図変動パターンP8が選択される。
図9(b)に示すように、第2特図の特図当たり判定が非時短遊技状態で行われて、大当たりの判定結果となった場合には、特図保留数に関係なく、変動パターン乱数値が0~99の範囲内のどの値であっても、特図変動パターンP9が選択される。また、第2特図の特図当たり判定が非時短遊技状態で行われて、小当たりの判定結果となった場合には、特図保留数に関係なく、変動パターン乱数値が0~99の範囲内のどの値であっても、特図変動パターンP10が選択される。なお、本実施形態では、特図変動パターンP9及び特図変動パターンP10の各変動時間は、1.5秒(1500ms)に設定されている。但し、時短遊技状態の終了条件が成立した時点で第2特図保留が存在していることは基本的になく、特図変動パターンP9や特図変動パターンP10が選択される可能性は低い。
本実施形態では、時短遊技状態中に第2特図の特図当たり判定が行われる場合には必ず大当たりまたは小当たりの判定結果となる。すなわち、時短遊技状態中に普図当たり判定が当たりの判定結果となって第2始動口12aへの入球が可能となることが確定した時点で、遊技者の利益獲得が概ね確定する。従ってこの際に、演出表示装置7において中演出図柄7Cを「7」で停止表示し、3つの「7」によるぞろ目を表示して変動演出を終了させる。そして、第2始動口12aへの遊技球の入球が可能となる期間に、実際に第2始動口12aへの遊技球が生じた場合は、その入球を契機とする第2特図用の特図当たり判定に基づいて行われる特図変動表示の期間に、特別な変動演出として、ストックタイムの時間を確保するための演出を行うか、または短時間のみの演出(直当たり演出)を行う。なお、ストックタイムの場合は、遊技球をゲート13に通過させて更なる第2始動口12aへの入球(第2特図保留の発生)を狙うことが可能となる。
ここで、大当たりの判定結果であれば特図変動パターンP11~P13の何れかを選択し、小当たりの判定結果であれば特図変動パターンP14~P16の何れかを選択する。そして、第2特図保留数が「0」の場合には、変動パターン乱数値が0~74の範囲内であれば、直当たり演出に対応する特図変動パターンP11,P14を選択し、変動パターン乱数値が75~99の範囲内であれば、ストックタイムに対応する特図変動パターンP12,P15を選択する。これに対し、第2特図保留数が「1」~「4」の何れかの場合には、変動パターン乱数値が0~99の範囲内のどの値であっても、ストックタイムに対応する特図変動パターンP13,P16を選択する。
(普通図柄当否判定テーブル)
図10に示す普通図柄当否判定テーブルT9は、遊技制御用マイコン61が普図当たり判定を実行する際に参照するテーブルである。普通図柄当否判定テーブルT9は、普図当たり乱数値と普図当たり判定の判定結果とを対応付けて構成されている。普図当たり乱数値は、普図当たり乱数カウンタが発生させる値である。普図当たり乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、普図当たり乱数カウンタが動作して普図当たり乱数値が発生する。普図当たり乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。パチンコ遊技機1の普図当たり乱数カウンタは、0~65535の計65536個の値をカウントする。つまり、0~65535の計65536個の普図当たり乱数値を発生させ得る。
普通図柄当否判定テーブルT9には、普図当たり判定用の当たり乱数値として、0~891の値が設定されている。遊技制御用マイコン61は、普図当たり乱数カウンタから取得した普図当たり乱数値が0~891の範囲内の値であった場合は普図当たりと判定し、892~65535の範囲内の値であった場合は、普図当たりではない、つまり、ハズレと判定する。
(普図当たり種別判定テーブル)
図11Aに示す普図当たり種別判定テーブルT10は、遊技制御用マイコン61が普通作動部材12bの作動パターンを決定する際に参照するテーブルである。普図当たり種別判定テーブルT10には、普通図柄の当たり図柄毎に普図当たり種別乱数値が振り分けられ、各当たり図柄には、その判定時における遊技状態(非時短遊技状態、時短1、時短2)との関係で、普通作動部材12bの作動パターン(普図作動パターン)が対応付けられている。なお、普通作動部材12bの作動パターンは、第2始動口12aの開放時間(普通作動部材12bの作動時間)の情報を含んでいる。
普図当たり種別乱数値は、普図当たり種別乱数カウンタが発生する値である。普図当たり種別乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、普図当たり種別乱数カウンタが動作して普図当たり種別乱数値を発生させる。普図当たり種別乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。本実施形態において普図当たり種別乱数カウンタは、0~232の計233個の値をカウントする。つまり、0~232の計233個の普図当たり種別乱数値を発生させ得る。
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機1では、普通作動部材12bの作動パターンとして、第1作動パターンFS1及び第2作動パターンFS2の2種類が設定されている。このうち第1作動パターンFS1は、第2始動口ソレノイド12dを0.07秒(70ms)だけ励磁状態とする(普通作動部材12bを作動して第2始動口12aを開放する)作動パターンである。この場合に、入球許容姿勢となった普通作動部材12bの上に遊技球が乗ったとしても、直ちに入球阻止姿勢に復帰するため第2始動口12aには達しない。これに対し、第2作動パターンFS2は、第2始動口ソレノイド12dを2.7秒(2700ms)にわたって励磁状態とする作動パターンである。従って、入球許容姿勢となった普通作動部材12bの上に乗った遊技球が第2始動口12aまで転動して入球する可能性がある。
図11Aに示すように、普図当たり判定が当たりの判定結果となった場合に、普図当たり種別乱数値が0~154の範囲内の値であれば、普通図柄の当たり図柄として図柄hz1が決定され、普図当たり種別乱数値が155~232の範囲内の値であれば、普通図柄の当たり図柄として図柄hz2が決定される。その普図当たり判定が行われた時点の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、普通図柄の当たり図柄が図柄hz1及び図柄hz2の何れであっても、普通作動部材12bの作動パターンとして、第1作動パターンFS1が決定される。これに対し、普図当たり判定が行われた時点の遊技状態が時短1である場合には、普通図柄の当たり図柄が図柄hz1であれば普通作動部材12bの作動パターンとして第1作動パターンFS1が決定され、図柄hz2であれば普通作動部材12bの作動パターンとして第2作動パターンFS2が決定される。一方、普図当たり判定が行われた時点の遊技状態が時短2である場合には、普通図柄の当たり図柄が図柄hz1及び図柄hz2の何れであっても、普通作動部材12bの作動パターンとして、第2作動パターンFS2が決定される。
以上のように、遊技制御用マイコン61は、非時短遊技状態と時短1と時短2とで異なる決定確率により普通作動部材12bの複数種類の作動パターンを決定する。ここで、遊技制御用マイコン61が時短遊技状態(時短1及び時短2)において非時短遊技状態よりも高い確率で第2始動口12aの開放時間が長い作動パターン(第2作動パターンFS2)を決定するように制御することが、前述した(開放時間延長機能による)電サポ制御に相当する。
また、遊技制御用マイコン61は、時短2において時短1よりも高い確率で第2始動口12aの開放時間が長い作動パターン(第2作動パターンFS2)を決定する。
(普図変動パターン選択テーブルT11)
図11Bに示す普図変動パターン選択テーブルT11は、遊技制御用マイコン61が普通図柄の変動表示に関する変動パターン(普図変動パターン)を決定する際に参照するテーブルである。
ここで、前述したように、本実施形態では、時短遊技状態中に変動演出をリーチ状態に維持し、その状態で普図変動表示が行われる毎に中演出図柄7Cの変動を用いた演出を行う。このため、非時短遊技状態で行われた普図当たり判定については、普図変動パターンを決定するものの、演出表示装置7での変動演出には反映されない。これに対し、時短遊技状態で行われた普図当たり判定については、決定した普図変動パターンに基づいて変動演出(中演出図柄7Cによる演出)が実行される。
普図変動パターン乱数値は、普図変動パターン乱数カウンタが発生する値である。普図変動パターン乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、普図変動パターン乱数カウンタが動作して普図変動パターン乱数値を発生させる。普図変動パターン乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。本実施形態において普図変動パターン乱数カウンタは、0~99の計100個の値をカウントする。つまり、0~99の計100個の普図変動パターン乱数値を発生させ得る。
遊技制御用マイコン61は、非時短遊技状態中の普図当たり判定が当たりの判定結果となり、普図変動パターン乱数値が0~49の範囲内である場合には、変動時間が111秒(111000ms)の普図変動パターンFP1を決定し、50~99の範囲内である場合には、変動時間が92秒(92000ms)の普図変動パターンFP2を決定する。また、遊技制御用マイコン61は、非時短遊技状態中の普図当たり判定がハズレの判定結果となり、普図変動パターン乱数値が0~49の範囲内である場合には、変動時間が111秒(111000ms)の普図変動パターンFP3を決定し、50~99の範囲内である場合には、変動時間が92秒(92000ms)の普図変動パターンFP4を決定する。これに対し、遊技制御用マイコン61は、時短遊技状態中の普図当たり判定が当たりの判定結果となった場合は、普図変動パターン乱数値が0~99の何れの値であっても、変動時間が3秒(3000ms)の普図変動パターンFP5を決定する。また、時短遊技状態中の普図当たり判定がハズレの判定結果となった場合は、普図変動パターン乱数値が0~99の何れの値であっても、変動時間が3秒(3000ms)の普図変動パターンFP6を決定する。すなわち、非時短遊技状態中に選択され得る普図変動パターンは長時間となっており、時短遊技状態中に選択され得る普図変動パターンは短時間となっている。
[遊技制御用マイコン61の主な処理]
次に、遊技制御用マイコン61が実行する主な処理について図を参照しつつ説明する。
(メイン側主制御処理)
最初に、図12を参照し、メイン側主制御処理の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM63からメイン側主制御処理のコンピュータプログラムを読み出して実行する。遊技制御用マイコン61は、最初に初期設定を行う(ステップ(以下、Sと略す)1)。この初期設定では、例えば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU62の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等のリセット等を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、割込禁止を実行し(S2)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S3)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理では、前述した大当たり乱数値、大当たり種別乱数値、小当たり種別乱数値、演出乱数値、変動パターン乱数値、普図当たり乱数値、普図当たり種別乱数値及び普図変動パターン乱数値を発生する各乱数カウンタの初期値をそれぞれ「1」加算して更新する。各乱数カウンタのカウント値は上限値に達すると「0」に戻って再び「1」加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また、各乱数カウンタのカウント値にそれぞれ「2」以上の数値を加算して更新してもよい。また、各乱数は、カウンタIC等から成る公知の乱数生成回路を利用して生成される、いわゆるハードウェア乱数であってもよい。このハードウェア乱数を用いる場合は、ソフトウェアによる乱数の更新処理(S3)は必要ない。
続いて、遊技制御用マイコン61は、割込許可を実行する(S4)。割込許可中は、メイン側タイマ割込処理(S5)の実行が可能となる。メイン側タイマ割込処理(S5)は、例えば、4ms周期でCPU62に対して入力される割込パルスに基づいて実行される。つまり、4ms周期で実行される。そして、メイン側タイマ割込処理(S5)が終了してから、次にメイン側タイマ割込処理(S5)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)による各種カウンタの初期値更新処理が実行される。なお、割込禁止状態のときにCPU62に割込パルスが入力された場合は、メイン側タイマ割込処理(S5)は直ぐには開始されず、割込許可(S4)が実行されてから開始される。
(メイン側タイマ割込処理)
次に、図13を参照し、メイン側タイマ割込処理(S5)について説明する。
遊技制御用マイコン61は、出力処理を実行する(S10)。この出力処理では、以下に説明する各処理において主制御基板60のRAM64に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等をサブ制御基板100や払出制御基板73等に出力する。続いて、遊技制御用マイコン61は、入力処理を実行する(S11)。この入力処理では、主にパチンコ遊技機1に取付けられている各種センサ(第1始動口センサ10b、第2始動口センサ12c、ゲートセンサ13a、第1大入賞口センサ14c、第2大入賞口センサ15c、特定領域センサ55a、非特定領域センサ55b、一般入賞口センサ11b等)が検出した各検出信号を読み込む。続いて、遊技制御用マイコン61は、タイマ更新処理を実行する(S12)。このタイマ更新処理では、タイマとして作動している減算カウンタの更新(減算)を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、賞球制御処理を実行する(S13)。この賞球制御処理では、入力処理(S11)において読み込んだ各種センサの検出信号に基づいて、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払出コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。払出コマンドは、払出制御基板73に対して出力されるコマンドである。続いて、遊技制御用マイコン61は、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S14)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理は、図12のメイン側主制御処理で実行する普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同じである。つまり、各乱数カウンタの初期値の更新処理は、メイン側タイマ割込処理(S5)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割込処理(S5)の終了後、次のメイン側タイマ割込処理(S5)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
続いて、遊技制御用マイコン61は、後述するセンサ検出処理(S15)、普通動作処理(S16)、特別図柄待機処理(S17)、特別図柄関連処理(S18)を順に実行し、次にその他の処理(S19)を実行して、メイン側タイマ割込処理を終了する。その他の処理(S19)は、パチンコ遊技機1に異常状態が生じているかを判定する異常判定処理等である。例えば異常判定処理としては、不正入球を検出する不正入球検出処理、不正な磁気を検出する磁気検出処理、前面枠18や内枠の開放を検出する扉開放処理、不正な電波を検出する電波検出処理、衝撃(振動)を検出する衝撃検出処理等がある。また、その他の処理では、第1特図保留数に基づいて第1特図保留表示器51aをその数を示す表示態様に制御したり、第2特図保留数に基づいて第2特図保留表示器52aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU62に割込パルスが入力されるまではメイン側主制御処理のS2~S4の処理が繰り返し実行され、割込パルスが入力されると(約4ms後)、再びメイン側タイマ割込処理(S5)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)においては、前回のメイン側タイマ割込処理(S5)にてRAM64の出力バッファにセットされたコマンド等が所定の基板へ出力される。
(図柄用センサ検出処理)
次に、図14を参照し、図柄用センサ検出処理(S15)について説明する。
遊技制御用マイコン61は、遊技球がゲート13を通過したか否かを判定する(S30)。遊技球がゲート13を通過したことはゲートセンサ13aによって検出される。遊技球がゲート13を通過したと判定した場合(S30:Yes)、遊技制御用マイコン61は、ゲート通過処理を実行する(S31)。このゲート通過処理では、普図保留数が4以上であるか否か判定し、普図保留数が4以上でなければ、普図保留数に「1」を加算し、普通図柄の抽選を行うための普図当たり乱数を取得して記憶する処理を行う。
S31の終了後、又は遊技球がゲート13を通過していないと判定した場合(S30:No)、遊技制御用マイコン61は、遊技球が第2始動口12aに入球したか否かを判定する(S32)。遊技球が第2始動口12aに入球したことは第2始動口センサ12cによって検出される。遊技球が第2始動口12aに入球していない場合(S32:No)、S38に進むが、遊技球が第2始動口12aに入球したと判定した場合(S32:Yes)、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2が上限値である「4」に達しているか否か判定する(S33)。第2特図保留数U2が上限値である「4」に達している場合(S33:Yes)、S38に進むが、第2特図保留数U2が「4」に達していない場合(S33:No)、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2に1を加算する(S34)。これにより、第2特図の変動保留条件が成立する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図関係乱数取得処理を実行する(S35)。この第2特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数と、大当たり種別乱数と、小当たり種別乱数と、演出乱数と、変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第2特図保留記憶部64bのうち、現在の第2特図保留数に応じた記憶領域に格納する。例えば、現在の第2特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第2始動入賞コマンド作成処理を実行する(S36)。この第2始動入賞コマンド作成処理では、S35において取得した各乱数群に基づいて第2始動入賞コマンドを作成する。この第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口12aに入球したことを示すデータ、S35において取得した各乱数を示すデータ等により構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S36において作成した第2始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S37)。このセットされた第2始動入賞コマンドは、出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力され、演出制御用マイコン101が第2始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、遊技球が第1始動口10aに入球したか否かを判定する(S38)。遊技球が第1始動口10aに入球したことは第1始動口センサ10bによって検出される。遊技球が第1始動口10aに入球していない場合(S38:No)、センサ検出処理を終了するが、第1始動口10aに入球したと判定した場合(S38:Yes)、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1が上限値の「4」に達しているか否か判定する(S39)。第1特図保留数U1が「4」に達している場合(S39:Yes)、センサ検出処理を終了するが、第1特図保留数U1が「4」に達していない場合(S39:No)、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1に1を加算する(S40)。これにより、第1特図の変動保留条件が成立する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図関係乱数取得処理を実行する(S41)。この第1特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数と、大当たり種別乱数と、演出乱数と、変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第1特図保留記憶部64aのうち、現在の第1特図保留数に応じた記憶領域に格納する。例えば、現在の第1特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第1始動入賞コマンド作成処理を実行する(S42)。この第1始動入賞コマンド作成処理では、S41で第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数群に基づいて第1始動入賞コマンドを作成する。この第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口10aに入球したことを示すデータ、S41で第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数を示すデータ等により構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S42で作成した第1始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S43)。このセットされた第1始動入賞コマンドは、出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力され、演出制御用マイコン101が第1始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。
(普通動作処理)
次に、図15A及び図15Bを参照し、普通動作処理(S16)について説明する。
遊技制御用マイコン61は、補助遊技中(普通作動部材12bの作動中)であるか否かを判定し(S50)、補助遊技中ではないと判定した場合は(S50:No)普通図柄の停止表示(確定表示)中か否かを判定する(S51)。ここで、遊技制御用マイコン61は、普通図柄の停止表示中ではないと判定した場合は(S51:No)、普通図柄の変動表示中か否かを判定し(S52)、普通図柄の変動表示中ではないと判定した場合は(S52:No)、普通図柄の保留数Vが「0」であるか否かを判定する(S53)。ここで、遊技制御用マイコン61は、普通図柄の保留数Vが「0」であると判定した場合は(S53:Yes)、普通動作処理を終える。
また、遊技制御用マイコン61は、S53において普通図柄の保留数Vが「0」ではないと判定した場合は(S53:No)、普図当たり判定処理を行う(S54-1)。この普図当たり判定処理(S54-1)では、取得した普図当たり乱数値と普通図柄当否判定テーブルT9との関係に基づいて普図当たり判定を行い、普図当たりか否か判定する。そして、この普図当たり判定が当たりの判定結果の場合、普図当たり種別乱数値と普図当たり種別判定テーブルT10との関係に基づいて普図決定処理(普図当たり種別決定処理を含む)を行い、普図当たり判定の結果(決定した普通図柄)に応じた普図停止図柄データをRAM64の所定の記憶領域にセットする(S54-2)。つまり、普図決定処理(S54-2)では、「ハズレ」であれば「普通ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば、当たりの普通当たり図柄(普通図柄hz1または普通図柄hz2)を決定し、その決定した普通図柄に応じたデータをセットする。
続いて、遊技制御用マイコン61は、取得した普図変動パターン乱数値と普図変動パターン選択テーブルT11との関係に基づいて、普図変動時間(普図変動パターン)決定処理を行う(S54-3)。普図変動時間決定処理(S54-3)では、遊技状態が非時短遊技状態及び時短遊技状態のどちらであるかと、普図当たり判定が当たりの判定結果となったか否かと、普図変動パターン乱数値の値との関係により、普図変動時間(普通図柄変動パターン)を選択する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、普通図柄保留数Vを1減算し(S54-4)、普図保留記憶部64cにおける各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部64cにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S54-5)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン61は、S54-3において選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S54-6)。なお、これに伴い、サブ制御基板100に普通図柄の変動開始と、その変動表示の結果(停止表示する普通図柄の種類)とを知らせるため、普図変動開始コマンドをセットする。この普図変動開始コマンドには、S54-1、S54-2及びS54-3において決定した普図当たり判定の当否、停止図柄及び普図変動時間が含まれている。
また、遊技制御用マイコン61は、S52において、普通図柄の変動表示中であると判定した場合は(S52:Yes)、普通図柄の変動時間が終了したか否か判定し(S55-1)、終了していないと判定した場合は(S55-1:No)、普通動作処理を終える。一方、終了したと判定した場合は(S55-1:Yes)、普通図柄の変動表示を、普図当たり判定や普図当たり種別判定の結果に応じた表示結果(普通当たり図柄または普通ハズレ図柄)で停止させる(S55-2)。そして、サブ制御基板100に普通図柄の変動停止を知らせるための普図変動停止コマンド(普図用の変動停止コマンド)をセットするとともに(S55-3)、普通図柄の停止時間をセットし(S55-4)、普通動作処理を終える。
また、遊技制御用マイコン61は、S51において、普通図柄の停止表示中であると判定した場合は(S51:Yes)、S56において普通図柄の停止時間が終了したか否か判定し、終了していないと判定した場合は(S56:No)、普通動作処理を終える。一方、終了していると判定した場合は(S56:Yes)、普図条件確認処理を実行する(S57)。この普図条件確認処理は、時短遊技状態中における普図変動表示の終了タイミングで実行される処理であり、時短遊技状態中の普図変動表示の実行回数をカウントし、普図変動回数による時短遊技状態の終了条件が成立したか否かを確認する処理である。
ここで一旦、図15Bを参照し、普図条件確認処理(図15AのS57)について説明する。遊技制御用マイコン61は、先ず、時短フラグがONであるか否かを判定し(S57-1)、時短フラグがOFF、すなわち非時短遊技状態である場合は(S57-1:No)、普通条件確認処理を終了する。これに対し、時短フラグがON、すなわち時短遊技状態中である場合は(S57-1:Yes)、大当たり遊技状態の終了時の遊技状態管理処理(図21、後述)で設定された普図変動数カウンタの値を1減算する(S57-2)。続いて、遊技制御用マイコン61は、普図変動数カウンタの値が0になったか否か、すなわち普図変動回数による時短遊技状態の終了条件が成立したか否かを判定する(S57-3)。そして、普図変動数カウンタの値が0と判定した場合には(S57-3:Yes)、時短フラグをOFFとし(S57-4)、S57-5に移行する。これに対し、普図変動数カウンタの値が1以上と判定した場合は(S57-3:No)、時短フラグをONに維持したまま、S57-5に移行する。
そして、遊技制御用マイコン62は、S57-5において、現在の遊技状態(非時短遊技状態、時短1または時短2)の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、普図条件確認処理を終了する。
なお、本実施形態において、遊技状態指定コマンドは、遊技状態の情報として、非時短遊技状態、時短遊技状態、大当たり遊技状態(1種大当たり状態、V当たり状態)、小当たり状態、の何れかを含んでいる。S57-5(普通図柄の変動表示の終了時点から所定の停止時間が経過した時点)でセットされ得る遊技状態指定コマンドは基本的に、非時短遊技状態、時短1または時短2の何れかの遊技状態の情報を含むコマンドである。RAM64の出力バッファにセットされた遊技状態指定コマンドは、メイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力される。
図15Aに戻り、遊技制御用マイコン61は、普図条件確認処理(S57)の終了後、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否か、つまり、当たりか否かを判定し(S58-1)、当たりではないと判定した場合は(S58-1:No)、普通動作処理を終える。一方、当たりと判定した場合は(S58-1:Yes)、時短遊技状態であるか否かを判定し(S58-2)、時短遊技状態であると判定した場合は(S58-2:Yes)、普通作動パターン決定処理(時短)を実行する(S58-3)。これに対し、当たりと判定し(S58-1:Yes)かつ非時短遊技状態であると判定した場合は(S58-2:No)、普通作動パターン決定処理(非時短)を実行する(S58-4)。
ここで、S58-3の普通作動パターン決定処理(時短)では、遊技制御用マイコン61は、普通作動部材12bの普通作動パターンを、前述した普図当たり種別判定テーブルT10(図11A)における「時短1」及び「時短2」のうち現在の時短遊技状態に対応する側の項目に基づいて決定する。そして、続くS58-5において作動パターンをセットし、補助遊技(普通作動部材12bの作動)を開始させる。これにより、普図当たり判定が当たりの判定結果となった場合、時短1中であれば第2始動口12aが0.07秒(70ms)または2.7秒(2700ms)開放され、時短2中であれば第2始動口12aが2.7秒(2700ms)開放される。そして、普通動作処理を終了する。
これに対し、S58-4の普通作動パターン決定処理(非時短)では、普通作動部材12bの普通作動パターンを、前述した普図当たり種別判定テーブルT10(図11A)における「非時短」の項目に基づいて決定する。そして、続くS58-5において作動パターンをセットし、補助遊技(普通作動部材12bの作動)を開始させる。これにより、非時短遊技状態中に普図当たり判定が当たりの判定結果となった場合、第2始動口12aが0.07秒(70ms)開放される。そして、普通動作処理を終了する。
また、遊技制御用マイコン61は、前述したS50において補助遊技中(普通作動部材12bの作動中)であると判定した場合は(S50:Yes)、補助遊技の終了条件(普通作動部材12bの作動終了条件)が満足されたか否かを判定する(S59-1)。ここで、作動終了条件とは、S58-3またはS58-4においてセットされた作動パターン毎の作動時間が終了したという作動時間終了条件、あるいは、第2始動口12aへの入球数が規定の入球数に達したという規定入球数条件である。
遊技制御用マイコン61は、作動終了条件が満足されていないと判定した場合は(S59-1:No)、普通動作処理を終える。一方、満足されたと判定した場合は(S59-1:Yes)、補助遊技(普通作動部材12bの作動)を終了させ(S59-2)、普通動作処理を終了する。
(特別図柄待機処理)
次に、図16を参照し、特別図柄待機処理(S17)について説明する。
遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動時間および停止時間の何れかを計測中であるか否かを判定し(S60)、計測中であれば(S60:Yes)、特別図柄待機処理を終了する。一方で、特別図柄の変動時間および停止時間の何れも計測していなければ(S60:No)、S61に進む。遊技制御用マイコン61は、S61において、第2特図保留数U2が「0」であるか否かを判定する。そして、「0」ではないと判定した場合(S61:No)、すなわち、第2特図の変動表示についての始動条件が成立した場合に、遊技制御用マイコン61は、後述する第2特図当たり判定処理(S62)及び第2特図変動パターン選択処理(S63)を実行する。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2から「1」を減算し(S64)、第2特図保留記憶部64bの各記憶領域に記憶されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり読み出される側に1つずつシフトする(S65)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図変動開始処理を実行する(S66)。この第2特図変動開始処理では、特図変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、第2特別図柄表示器52において第2特図の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする特図変動開始コマンドには、後述する第2特図当たり判定処理(図17)においてセットされた特図停止図柄のデータや第2特図変動パターン選択処理(図18及び図19)においてセットされた第2特図変動パターンのデータが含まれている。S66の実行後、遊技制御用マイコン61は、特別図柄待機処理を終了する。
また、遊技制御用マイコン61は、前述したS61において、第2特図保留数U2が「0」であると判定した場合(S61:Yes)、第1特図保留数U1が「0」であるか否かを判定する(S67)。「0」ではないと判定した場合(S67:No)、すなわち、第1特図の変動表示についての始動条件が成立した場合に、遊技制御用マイコン61は、後述する第1特図当たり判定処理(S68)及び第1特図変動パターン選択処理(S69)を実行する。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U2から「1」を減算し(S70)、第1特図保留記憶部64aの各記憶領域に格納されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり、読み出される側に1つずつシフトする(S71)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図変動開始処理を実行する(S72)。この第1特図変動開始処理では、特図変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、第1特別図柄表示器51において第1特図の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする特図変動開始コマンドには、後述する第1特図当たり判定処理(図17)においてセットされた特図停止図柄のデータや第1特図変動パターン選択処理(図18及び図19)においてセットされた第1特図変動パターンのデータが含まれている。S72の実行後、遊技制御用マイコン61は、特別図柄待機処理を終了する。
一方、第1特図保留数U1が「0」であると判定した場合(S67:Yes)、遊技制御用マイコン61は、待機状態中か否かを判定する(S73)。待機状態は、大当たり遊技状態中でなく、特別図柄の変動中ではなく、かつ特図保留数が零である状態を指す。より詳しくは、待機状態は、前述の条件に加え、特別図柄(又は演出図柄)の停止表示(確定表示)後に、図柄が停止した状態が一定時間以上経過したことを契機に生起する状態である。ここで、待機状態中と判定した場合(S73:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特別図柄待機処理を終了する。一方、待機状態中ではないと判定した場合(S73:No)、遊技制御用マイコン61は、待機画面設定処理を実行する(S74)。この待機画面設定処理では、所定の待機時間を計測し、この待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。その後、遊技制御用マイコン61は特別図柄待機処理を終了する。
このように、本実施形態では、第1特図の変動表示は第2特図保留数U2が「0」の場合(S61:Yes)に限って行われる。つまり、第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。
(特図当たり判定処理)
次に、図17を参照し、第2特図当たり判定処理(S61)及び第1特図当たり判定処理(S67)について説明する。なお、第2特図当たり判定処理と第1特図当たり判定処理とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。
遊技制御用マイコン61は、RAM64の特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数を読み出し(S80)、当否判定テーブル(この例では当否判定テーブルT1)を参照する(S81)。続いて、遊技制御用マイコン61は、当否判定テーブルT1の大当たりに対応する乱数値(判定値)の範囲を参照し、S80で読み出した大当たり乱数値と同じ乱数値が存在するか否か、つまり、大当たりか否かの当否判定を行う(S82)。
大当たりと判定した場合(S82:Yes)、遊技制御用マイコン61は、大当たりと判定したことを示す大当たりフラグをONにする(S83)。その後、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている大当たり種別乱数を読み出し、複数の大当たりの種別が設定された大当たり種別判定テーブル(この例では大当たり種別判定テーブルT2,T3)を参照し、大当たりの種別を判定する(S84)。大当たりの種別によって、特図の大当たり図柄、特図の停止図柄、振分率、最大ラウンド数及び大当たり演出図柄等が異なる。また、大当たりの種類によって時短遊技状態中の特図変動表示の上限回数についても決定される。その後、遊技制御用マイコン61は、S84で判定した大当たりの種別に応じた特図の大当たり図柄を停止表示(確定表示)するための特図停止図柄データをRAM64に設けた特図バッファにセットし(S88)、本処理を終了する。
一方、大当たりと判定しなかった場合(S82:No)、遊技制御用マイコン61は、当否判定テーブルT1の小当たりに対応する乱数値の範囲を参照し、S80で読み出した大当たり乱数と同じ乱数があるか否か、すなわち小当たりか否かの判定を行う(S85)。前述したように、第1特図の抽選では小当たりに当選せず、第2特図の抽選で小当たりに当選する場合がある。小当たりと判定した場合(S85:Yes)、遊技制御用マイコン61は、小当たりと判定したことを示す小当たりフラグをONにする(S86)。その後、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている小当たり種別乱数を読み出し、複数の小当たりの種別が設定された小当たり種別判定テーブルT4を参照し、小当たりの種別を判定する(S87)。小当たりの種別によって、特図の小当たり図柄、特図の停止図柄、振分率、小当たり演出図柄等が異なる。また、小当たりの種類によって、特定領域の通過による大当たり遊技状態の有無、時短遊技状態の継続、時短遊技状態の終了等についても決定される。その後、遊技制御用マイコン61は、S87で判定した小当たりの種別に応じた特図の小当たり図柄を停止表示(確定表示)するための特図停止図柄データをRAM64に設けた特図バッファにセットし(S88)、本処理を終了する。
一方、小当たりと判定しなかった場合(S85:No)、すなわちハズレと判定した場合には、遊技制御用マイコン61は、特図のハズレ図柄を停止表示(確定表示)するための特図停止図柄データを特図バッファにセットし(S88)、本処理を終了する。
(特図変動パターン選択処理)
次に、図18及び図19を参照し、第2特図変動パターン選択処理(S62)及び第1特図変動パターン選択処理(S68)について説明する。なお、第2特図変動パターン選択処理と第1特図変動パターン選択処理とを共通の処理としてまとめて説明する。
遊技制御用マイコン61は、時短遊技状態であることを示す時短フラグがOFFであるか否かを判定する(S90)。時短フラグがOFFであると判定した場合(S90:Yes)、遊技制御用マイコン61は、S91に移行する。時短フラグがOFFではないと判定した場合(S90:No)、遊技制御用マイコン61は、S99に移行する。
S91,S99に移行した遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがONであるか否かを判定する。大当たりフラグがONであると判定した場合(S91,S99:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT7,T8のうち特別図柄の種類に応じたテーブルを参照して大当たり用の特図変動パターンを選択する(S92,S100)。例えば、非時短遊技状態である場合、特図変動パターン選択テーブルT7を参照して大当たり用の特図変動パターンを選択する(S92)。また、時短遊技状態である場合は、特図変動パターン選択テーブルT8を参照して大当たり用の特図変動パターンを選択する(S100)。特図変動パターンを選択した遊技制御用マイコン61は、その後、S98に移行する。
また、大当たりフラグがONではないと判定した場合(S91,S99:No)、遊技制御用マイコン61は、小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S93,S101)。小当たりフラグがONであると判定した場合(S93,S101:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT7,T8のうち特別図柄の種類に応じたテーブルを参照して特図変動パターンを選択する(S94,S102)。前述したように本実施形態では、第1特図の抽選で小当たりに当選せず、第2特図の抽選で小当たりに当選する場合がある。第2特図の抽選で小当たりに当選した場合、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT8を参照して、小当たり用の特図変動パターンを選択する。その後、遊技制御用マイコン61は、S98に移行する。
一方で、小当たりフラグがOFFであると判定した場合(S93,S101:No)、遊技制御用マイコン61は、S95,S103に移行する。ここで、時短遊技状態中の場合(S103)、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT7,T8のうち特別図柄の種類に応じたテーブルを参照して、ハズレの特図変動パターンを選択し、S98に移行する(S98)。
遊技制御用マイコン61は、S95において、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている演出図柄第1停止乱数値を取得し、その取得した演出図柄第1停止乱数値が「演出(左演出図柄として7を停止表示した場合の演出)有り」に対応する値であるか否かを判定する。遊技制御用マイコン61は、取得した演出図柄第1停止乱数が、演出図柄第1停止判定テーブルT5の「演出有り」に対応する値の中に存在するならば、特図変動パターン選択テーブルT7,T8のうち特別図柄の種類に応じたテーブルを参照して、「演出有ハズレ」の特図変動パターンを選択する(S96)。特図変動パターンを選択した遊技制御用マイコン61は、その後、S98に移行する。
一方、取得した演出図柄第1停止乱数が、演出図柄第1停止判定テーブルT5の「演出有」に対応しない値の中に存在する場合は、「演出無ハズレ」の特図変動パターンを選択する(S97)。そして、S98に移行する。
S92,S94,S96,S97,S100,S102,S103の終了後、S98に移行した遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64に設けた特図変動パターンバッファにセットし、特図変動パターン選択処理を終了する。S98で特図変動パターンバッファにセットした変動パターンデータは、前述した特別図柄待機処理のS66,S72でセットされる特図変動開始コマンドに含められ、メイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)により、サブ制御基板100へ出力される。
(特別図柄関連処理)
次に、図20を参照し、特別図柄関連処理(S18)について説明する。
遊技制御用マイコン61は先ず、特別図柄(第1特図、第2特図)の変動時間(S98でセットした特図変動パターンに応じた時間)の計測の終了タイミングであるか否かを判定する(S110)。そして、変動時間の終了タイミングであると判定した場合(S110:Yes)、遊技制御用マイコン61は、S88でセットした特図停止図柄データに応じた特別図柄の停止図柄を表示(特別図柄の変動表示を確定表示)する(S111-1)と共に、特図変動停止コマンド(特図用の変動停止コマンド)をRAM64に設けた出力バッファにセットする(S111-2)。また、特別図柄の停止時間の計測を開始する(S111-3)。そして、遊技制御用マイコン61は、S111-3の終了後、特別図柄関連処理を終了する。
一方で、遊技制御用マイコン61は、前述したS110において特別図柄の変動時間の終了タイミングではないと判定した場合(S110:No)、前述したS111-3において開始した特別図柄の停止時間の計測の終了タイミングであるか否かを判定する(S112)。停止時間の終了タイミングであると判定した場合(S112:Yes)、遊技制御用マイコン61は、後述する遊技状態管理処理を実行する(S113)。その後、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがONであるか否かを判定し(S114-1)、ONであると判定した場合(S114-1:Yes)、遊技状態リセット処理を実行する(S114-2)。この遊技状態リセット処理では、時短フラグがONであるか否かを判定し、ONになっていると判定した場合は、時短フラグをOFFにする。
遊技制御用マイコン61は、前述したS112において特別図柄の停止時間の終了タイミングではないと判定した場合(S112:No)、遊技状態が大当たり遊技状態(1種大当たり状態またはV当たり状態)であるか否かを判定する(S115-1)。なお、遊技制御用マイコン61は例えば、大当たりフラグがONであり、かつ特別図柄の変動時間および停止時間の何れも計測していない場合に、大当たり遊技状態であると判定する。そしてこのS115-1において大当たり遊技状態であると判定した場合には(S115-1:Yes)、1種大当たり状態またはV当たり状態(2種大当たり状態の2ラウンド以降)に関する特別電動役物処理(後述)を実行する(S115-2)。そして、S115-2の終了後、特別図柄関連処理を終了する。
一方で、遊技制御用マイコン61は、前述したS115-1において大当たり遊技状態ではないと判定した場合(S115-1:No)、前述したS115-2を経由することなくS116-1に進み、遊技状態が小当たり状態であるか否かを判定する。なお、遊技制御用マイコン61は例えば、小当たりフラグがONであり、かつ特別図柄の変動時間および停止時間の何れも計測していない場合に、小当たり状態であると判定する。そしてこのS116-1において小当たり状態であると判定した場合には(S116-1:Yes)、小当たり状態に関する特別電動役物処理(後述)を実行する(S116-2)。そして、S116-2の終了後、特別図柄関連処理を終了する。
(遊技状態管理処理)
次に、図21を参照し、遊技状態管理処理(S113)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、時短遊技状態であるか否かを判定すべく、時短フラグがONであるか否かを判定する(S113-1)。時短フラグがOFFであると判定した場合(S113-1:No)、遊技制御用マイコン61は、後述するS113-7へと移行する。一方、時短フラグがONであると判定した場合(S113-1:Yes)、遊技制御用マイコン61は、時短遊技状態中の特図変動表示(第1特図、第2特図)の変動回数を計数するための特図変動数カウンタの値を1減算する(S113-2)。その後、遊技制御用マイコン61は、1減算後の特図変動数カウンタの値が「0」になったか否かを判定する(S113-3)。そして、遊技制御用マイコン61は、1減算後の特図変動数カウンタの値が「0」になったと判定した場合(S113-3:Yes)に、時短フラグをOFFにし(S113-4)、現在の遊技状態(非時短遊技状態)の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットして(S113-5)、遊技状態管理処理を終了する。一方で、遊技制御用マイコン61は、前述したS113-3において1減算後の特図変動数カウンタの値が「0」ではないと判定した場合(S113-3:No)、時短フラグをOFFにすることなく、現在の遊技状態(時短1または時短2)の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットして(S113-5)、遊技状態管理処理を終了する。
なお、本実施形態において、遊技状態指定コマンドは、遊技状態の情報として、非時短遊技状態、時短遊技状態、大当たり遊技状態(1種大当たり状態、V当たり状態)、小当たり状態、の何れかを含んでいる。S113-5(特別図柄の変動表示の終了時点から所定の停止時間が経過した時点)でセットされ得る遊技状態指定コマンドは、非時短遊技状態、時短1、時短2、大当たり遊技状態(1種大当たり状態)、小当たり状態の何れかである。RAM64の出力バッファにセットされた遊技状態指定コマンドは、メイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力される。特図変動数カウンタの値は、特図変動が消化される度に1減算され、特図変動数カウンタの値が「0」になると、今回の図柄変動の終了を以て時短遊技状態が終了する。なお、本実施形態では、時短遊技状態の終了条件として、特図変動回数による終了条件の他に、普図変動回数による終了条件も設定されている。すなわち、時短遊技状態中、特図変動回数が終了条件となる回数(10回)に達するか、または普図変動回数が終了条件となる回数(50回または100回)に達した場合に、時短遊技状態が終了する。
(特別電動役物処理(1種大当たり状態、V当たり状態))
次に、図22を参照し、1種大当たり状態またはV当たり状態に関する特別電動役物処理(S115-2)の内容について説明する。遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動表示中および停止表示中の何れでもなく、かつ大当たりフラグがONとなっている期間に、図22に示す特別電動役物処理を実行する。
遊技制御用マイコン61は、特別電動役物処理(1種大当たり状態、V当たり状態)において、大当たりオープニング設定(S117-1)、大当たりラウンド設定(S117-2)、大当たりエンディング設定(S117-3)等を実行する。遊技制御用マイコン61は、大当たりオープニング設定(S117-1)において、大当たり遊技状態(1種大当たり状態)のオープニング期間(大当たりオープニング)の開始タイミングや終了タイミングを示すコマンド(オープニングコマンド(大当たり開始コマンド)、オープニング終了コマンド)を、RAM64の出力バッファにセットする処理等を行う。また、遊技制御用マイコン61は、大当たりラウンド設定(S117-2)において、大当たり遊技状態(1種大当たり状態、V当たり状態)のラウンド期間(ラウンド演出)の開始タイミングや終了タイミングを示すコマンド(ラウンド開始コマンド(開放コマンド)、ラウンド終了コマンド(閉鎖コマンド))を、RAM64の出力バッファにセットする処理等を行う。更に、遊技制御用マイコン61は、大当たりエンディング設定(S117-3)において、大当たり遊技状態(1種大当たり状態、V当たり状態)のエンディング期間(大当たりエンディング)の開始タイミングや終了タイミングを示すコマンド(エンディングコマンド、エンディング終了コマンド(大当たり終了コマンド))を、RAM64の出力バッファにセットする処理等を行う。
なお、遊技制御用マイコン61は、前述した大当たりオープニング設定や大当たりエンディング設定において、大当たりオープニングや大当たりエンディングの実行時間を所定のタイマにセットし、計測する。また、前述の大当たりラウンド設定において遊技制御用マイコン61は、大当たり遊技状態の種類に応じた作動パターンで第1大入賞口14aを開閉させる。そして、ラウンド遊技中、第1大入賞口14aに上限個数の遊技球が入球するか、あるいは所定時間が経過すると、遊技制御用マイコン61は第1大入賞口14aを閉状態としてラウンド遊技を終了する。遊技制御用マイコン61は、大当たり遊技状態の種別毎に定められたラウンド回数分、第1大入賞口14aを開閉する。また、遊技制御用マイコン61は、ラウンド遊技を開始させる度に特別電役作動有効カウンタの値を1減算し、特別電役作動有効カウンタの値が「0」となった場合のラウンド遊技の終了後に、大当たりエンディング設定においてエンディングコマンドをRAM64の出力バッファにセットし、出力する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり遊技状態の終了タイミング(大当たりエンディングの終了タイミング)であるか否かを判定する(S117-4)。そして、大当たり遊技状態の終了タイミングではないと判定した場合(S117-4:No)、特別電動役物処理(1種大当たり状態、V当たり状態)を終了する。一方で、遊技制御用マイコン61は、S117-4において大当たり遊技状態の終了タイミングであると判定した場合(S117-4:Yes)、S117-5~S117-8の処理を実行する。ここで、遊技制御用マイコン61は、S117-5において大当たりフラグをOFFにし、続くS117-6において時短フラグをONにして、更にS117-7において、時短遊技状態中の特図変動回数を計数するための特図変動数カウンタの値を10に設定すると共に、時短遊技状態中の普図変動回数を計数するための普図変動数カウンタの値を50回(時短1の場合)または100回(時短2の場合)にセットする。そしてS117-8において、遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、特別電動役物処理(1種大当たり状態、V当たり状態)を終了する。
そして、遊技制御用マイコン61は、特別電動役物処理(1種大当たり状態、V当たり状態)の終了により、特別図柄関連処理を終了する。
(特別電動役物処理(小当たり状態))
次に、図23を参照し、小当たり状態に関する特別電動役物処理(S116-2)について説明する。遊技制御用マイコン61は、小当たり当選に基づいて第2大入賞口15aを開放させるために、図23に示す特別電動役物処理(小当たり)を実行する。なお、本実施形態における特別電動役物処理(小当たり状態)は第2特図に関連して実行されるため、第2特図を前提として説明する。
遊技制御用マイコン61は、特別電動役物処理(小当たり状態)において、小当たりオープニング設定(S119-1)、小当たり開放設定(S119-2)、振分部材設定(S119-3)等を実行する。
遊技制御用マイコン61は、小当たりオープニング設定(S119-1)において、小当たり状態のオープニング期間(小当たりオープニング)の開始タイミングや終了タイミングを示すコマンド(オープニングコマンド(小当たり開始コマンド)、オープニング終了コマンド)を、RAM64の出力バッファにセットする処理等を行う。小当たりオープニングとは、小当たりの発生を祝う演出画像を演出表示装置7に表示したり、小当たりの発生を祝う楽曲を各スピーカ8から再生したりする演出のことである。小当たりオープニング設定では、小当たりオープニングの実行時間を所定のタイマにセットし、計測する。
また、遊技制御用マイコン61は、小当たり開放設定(S119-2)において、既に決定されている第2特別作動部材15bの作動開始タイミング(または小当たり状態の開始タイミング)や第2特別作動部材15bの作動終了タイミング(または小当たり状態の終了タイミング)に合わせて、第2大入賞口ソレノイド15dを駆動制御する。また、決定した作動開始タイミング・作動終了タイミングを示すコマンド(開放コマンド、閉鎖コマンド)を、RAM64の出力バッファにセットする処理等を行う。
更に、遊技制御用マイコン61は、振分部材設定(S119-3)において、振分部材56の作動開始タイミング・作動終了タイミングとして小当たり状態の種類に関わらず共通のタイミングを決定し(例えば、小当たり状態の開始時点を作動開始タイミングとして決定すると共に、その作動開始から1.8秒経過時点を作動終了タイミングと決定し)、その決定した作動開始タイミング・作動終了タイミングに合わせて第2大入賞口ソレノイド15dを駆動制御する。
その後、遊技制御用マイコン61は、遊技球が特定領域を通過したか否かを判定する(S119-4)。特定領域を遊技球が通過したことは、特定領域センサ55aによって検出される。遊技球が特定領域を通過したと判定した場合(S119-4:Yes)、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグをONにする(S119-5)。そして次に、遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドとして、V当たり状態とすることを示す情報を含む遊技状態指定コマンドを、RAM64の出力バッファにセットする(S119-6)。なお、この遊技状態指定コマンドは、メイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力される。これにより、パチンコ遊技機1では、第2大入賞口15aの開放中に遊技球が特定領域を通過した場合も、特図当たり判定で大当たりと判定された場合と同じように小当たり遊技状態を2種大当たり状態に発展させる(V当たり状態を開始させる)ための制御が実行可能となる。
S119-4が否定判定の場合(S119-4:No)またはS119-6の終了後、遊技制御用マイコン61は、S119-7に移行する。このS119-7において遊技制御用マイコン61は、小当たり当選に基づく第2大入賞口15aの閉鎖条件が成立しているか否かを判定する。小当たり当選に基づく第2大入賞口15aの閉鎖条件は、第2大入賞口15aが開状態となってから上限個数の遊技球が入賞するか、あるいは当選した小当たりに応じた開放パターンに定められた開放時間が経過することである。そして、第2大入賞口15aの閉鎖条件が成立したと判定した場合(S119-7:Yes)、遊技制御用マイコン61は、小当たりフラグをOFFにし(S119-8)、特別電動役物処理(小当たり遊技状態)を終了する。一方、第2大入賞口15aの閉鎖条件が成立していないと判定した場合は(S119-7:No)、S119-8を経由することなく、特別電動役物処理(小当たり遊技状態)を終了する。
以上のように、遊技制御用マイコン61は、第1始動口10aや第2始動口12aへの遊技球の入球を契機として、大当たり遊技状態や小当たり状態(第1大入賞口14aや第2大入賞口15aの入球可能期間)を生起させるか否かを決定可能な特図当たり判定(始動入球判定)を実行する「始動判定手段」として機能している。なお、遊技制御用マイコン61(始動判定手段)は、時短遊技状態(入球容易状態)中の第2始動口12a(可変始動口)への遊技球の入球を契機として実行する特図当たり判定が必ず大当たり遊技状態や小当たり状態(入球可能期間)を生起させる結果となるように設定されている。
また、遊技制御用マイコン61は、ゲート13(作動口)への遊技球の通過(入球)を契機として、始動口の一種であって遊技球の入球可否が変化する形態の第2始動口12a(可変始動口)を遊技球が入球可能な長時間(2.7秒)の開放状態(特定状態)とするか否かを決定可能な普図当たり判定(作動入球判定)を実行する「作動判定手段」として機能している。
また、遊技制御用マイコン61は、第2始動口12aにおける長時間(2.7秒)の開放状態(特定状態)が非時短遊技状態(通常遊技状態)よりも生じ易い時短遊技状態(入球容易状態)を生起する「生起手段」として機能している。なお、遊技制御用マイコン61(生起手段)は、時短遊技状態の終了条件としての普通図柄の変動表示回数が相違する複数種類の入球容易状態(時短1及び時短2)を生起可能である。また、遊技制御用マイコン61(生起手段)は、第2始動口12aにおける長時間(2.7秒)の開放状態(特定状態)が生起するように普通作動部材12bを作動させること(普通図柄の有利当たりへの当選)の決定確率が相違する複数種類の入球容易状態(時短1及び時短2)を生起可能である。
[演出制御用マイコン101の主な処理]
次に、演出制御用マイコン101(図4)が実行する主な処理について図を参照しつつ説明する。
(サブ側主制御処理)
先ず、図24を参照し、サブ側主制御処理について説明する。
最初に、演出制御用マイコン101は、初期設定を実行する(S160)。この初期設定では、例えば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU102の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等のリセット等を行う。続いて、演出制御用マイコン101は、電源断信号がONしており、かつ、RAM120の内容が正常であるか否かを判定し(S161)、否定判定した場合(S161:No)、RAM120を初期化し(S162)、S163に進む。また、S161において肯定判定した場合(S161:Yes)、演出制御用マイコン101は、RAM120を初期化しないでS163に進む。つまり、電源断信号がONになっていない場合、または、電源断信号がONになっていてもRAM120の内容が正常でない場合には(S161:No)、演出制御用マイコン101は、RAM120を初期化するが、停電等で電源断信号がONとなったがRAM120の内容が正常に保たれている場合には(S161:Yes)、RAM120を初期化しない。なお、RAM120を初期化すれば、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等の値はリセットされる。また、このS160~S162は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
続いて、演出制御用マイコン101は、割込禁止を行い(S163)、乱数更新処理を実行する(S164)。この乱数更新処理では、種々の演出決定用乱数カウンタの初期値を更新する。なお、演出決定用乱数には、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の遊技制御用マイコン61が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。続いて、演出制御用マイコン101は、コマンド送信処理を実行する(S165)。このコマンド送信処理では、演出制御用マイコン101のRAM120内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板200、音声制御基板78及びランプ制御基板79等に送信する。続いて、演出制御用マイコン101は割込許可を実行する(S166)。以降、S163~S166を繰り返し実行する。また、割込許可中においては、受信割込処理(S167)、1msタイマ割込処理(S168)及び10msタイマ割込処理(S169)の実行が可能となる。
(受信割込処理)
次に、受信割込処理(S167)について説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から、演出制御用マイコン101の外部INT(割込)入力部に与えられるストローブ信号(STB信号)の信号レベルが変化したか否か、つまり、コマンドを受信するタイミングであるか否かを判定する。例えば、ストローブ信号の信号レベルがハイレベルからローレベルに変化したか否かを判定する。そして、受信するタイミングではないと判定した場合、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。一方、受信するタイミングであると判定した場合、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から送信されてきた各種のコマンドを受信し、それら受信した各種のコマンドをRAM120の受信バッファに格納する。この受信割込処理は、他の割込処理(S168,S169)に優先して実行される処理である。
(1msタイマ割込処理)
次に、図25を参照し、1msタイマ割込処理(S168)について説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に1ms周期の割込パルスが入力される度に、この1msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、入力処理を実行する(S170)。この入力処理では、演出制御用マイコン101が、演出レバー押込検出スイッチ6a、演出レバー回転検出スイッチ6b、及び演出ボタン検出スイッチ5aからの検出信号に基づいて、スイッチがONしたことを示すスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、演出制御用マイコン101は、出力処理を実行する(S171)。この出力処理では、後述する変動演出制御処理においてRAM120の出力バッファにセットされる変動演出開始コマンドを画像制御基板200に出力する。また、演出表示装置7の表示に合わせて盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを発光させるために、後述する10msタイマ割込処理におけるランプ処理(S183)等で作成したランプデータをランプ制御基板79に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを所定の発光態様で発光させる。また、演出表示装置7の表示に合わせて可動体モータ23dを駆動させるために、駆動データ(可動体モータ23dを駆動するためのデータ)を作成し、その作成した駆動データを出力する。つまり、駆動データにしたがって可動体モータ23dを所定の動作パターンで駆動させる。また、演出表示装置7の表示に合わせてスピーカ8から音声を出力させるために、後述する10msタイマ割込処理における音声制御処理(S184)等で作成した音声データを音声制御基板78に出力する。つまり、音声データに従ってスピーカ8から音声を出力させる。
続いて、演出制御用マイコン101は、S171において変動演出開始コマンド(特図変動開始コマンドまたは普図変動開始コマンド)を出力したか否かを判定する(S172)。変動演出開始コマンドは、遊技制御用マイコン61から変動開始コマンドを入力した際に、画像制御基板200に向けて出力するコマンドである。なお、非時短遊技状態中は、特図変動開始コマンドの入力に伴って特図変動演出開始コマンドを画像制御基板200に向けて出力し、時短遊技状態中は、普図変動開始コマンドの入力に伴って普図変動演出開始コマンドを画像制御基板200に向けて出力する。ここで、演出制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドを出力したと判定した場合(S172:Yes)、変動演出パターンの変動時間の計測を開始する(S173)。続いて、演出制御用マイコン101は、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S174)。S174の終了後、又は変動演出開始コマンドを出力していないと判定した場合(S172:No)、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。
(10msタイマ割込処理)
次に、図26を参照し、10msタイマ割込処理(S169)について説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に10ms周期の割込パルスが入力される度に、この10msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、後述する受信コマンド解析処理(図27)を実行し(S180)、スイッチ状態取得処理を実行する(S181)。このスイッチ状態取得処理では、1msタイマ割込処理の入力処理(S170)において作成したスイッチデータを10msタイマ割込処理用のスイッチデータとしてRAM120に格納する。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて、演出表示装置7が表示するボタン演出等の表示内容を設定するスイッチ処理を実行する(S182)。続いて、演出制御用マイコン101は、ランプ処理を実行する(S183)。このランプ処理では、演出表示装置7の表示に合わせて各ランプ(盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23b等)の発光を制御するためのランプデータの作成や発光演出の時間管理等を行う。これにより、各ランプは、演出表示装置7の表示に合った発光演出を行う。
続いて、演出制御用マイコン101は、音声制御処理を実行する(S184)。この音声制御処理では、音声データ(各スピーカ8からの音声の出力を制御するためのデータ)の作成、その作成した音声データの音声制御基板78への出力、音声演出の時間管理等を行う。これにより、演出表示装置7の表示に合わせて音声が各スピーカ8から出力される。続いて、演出制御用マイコン101は、その他の処理を実行し(S185)、本処理を終了する。その他の処理(S185)では、変動演出パターン乱数、予告演出を決定するための予告演出乱数等を更新する等の処理を実行する。また、その他の処理(S185)では、遊技者に対して右打ちを促す右打ち演出を行うための右打ち演出処理や、遊技制御用マイコン61からの各種のコマンドの受信(S180)に応じて特定される遊技の状況に合わせて演出モード(後述)を設定するための演出モード設定処理等を実行する。
(受信コマンド解析処理)
次に、図27を参照し、受信コマンド解析処理(S330)について説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定し(S190-1)、受信したと判定した場合(S190-1:Yes)、サブ側遊技状態設定処理を実行する(S190-2)。遊技状態指定コマンドには、遊技状態(非時短遊技状態、時短遊技状態、1種大当たり状態、小当たり状態、V当たり状態の何れであるか)を示す情報などが含まれている。このサブ側遊技状態設定処理では、受信した遊技状態指定コマンドを解析し、遊技状態指定コマンドに含まれている情報に基づき、現時点で設定されている遊技状態を特定し、その遊技状態を示す遊技状態フラグを「1」にセットし、それ以外の遊技状態フラグを「0」にセットする。また、演出制御用マイコン101は、後述する変動演出終了処理(S196-2、特図変動停止コマンドの受信時)において計測を開始した(左中右の演出図柄7L,7C,7Rの)停止時間の計測を終了する。
演出制御用マイコン101は、S190-2の処理の終了後、または、S190-1において遊技状態指定コマンドを受信していないと判定した場合に(S190-1:No)、S191-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンドまたは第2始動入賞コマンド)を受信したか否かを判定し(S191-1)、受信したと判定した場合は(S191-1:Yes)、S191-2に進み、第1特図保留演出記憶部121または第2特図保留演出記憶部122に、S191-1で受信した始動入賞コマンドに含まれる始動入球情報を記憶する(記憶を更新する)。また、後述する集合表示部20xの表示(第1特図保留数または第2特図保留数に対応する保留数の表示)を更新する。
演出制御用マイコン101は、S191-2の処理の終了後、または、S191-1において始動入賞コマンドを受信していないと判定した場合に(S191-1:No)、S192-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から作動入球コマンド(普図当たり判定の判定結果道の情報)を受信したか否かを判定し(S192-1)、受信したと判定した場合は(S192-1:Yes)、S192-2に進み、普図保留演出記憶部125に、S192-1で受信した作動入球コマンドに含まれる作動入球情報を記憶する(記憶を更新する)。また、後述する集合表示部20xの表示(普図保留数に対応する保留数の表示)を更新する。
演出制御用マイコン101は、S192-2の処理の終了後、または、S192-1において作動入球コマンドを受信していないと判定した場合に(S192-1:No)、S193-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S193-1)、受信したと判定した場合は(S193-1:Yes)、オープニング演出選択処理を実行する(S193-2)。このオープニング演出選択処理では、オープニングコマンドを解析し、その解析結果に基づいて、大当たり遊技状態のオープニングで実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。詳しくは、オープニングコマンド毎にオープニング演出パターンが対応付けて設定されたオープニング演出パターン選択テーブル(図示せず)を参照し、受信したオープニングコマンドと対応付けられているオープニング演出パターンを選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
演出制御用マイコン101は、S193-2の処理の終了後、または、S193-1においてオープニングコマンドを受信していないと判定した場合に(S193-1:No)、S194-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60からラウンド指定コマンドを受信したか否かを判定する(S194-1)。この処理においてラウンド指定コマンドを受信したと判定した場合は(S194-1:Yes)、ラウンド演出選択処理を実行する(S194-2)。ラウンド演出選択処理では、大当たり遊技状態の各ラウンドにおいて実行するラウンド演出の種類を選択すると共に、選択したラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
演出制御用マイコン101は、S194-2の処理の終了後、または、S194-1においてラウンド指定コマンドを受信していないと判定した場合に(S194-1:No)、S195-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S195-1)、受信したと判定した場合は(S195-1:Yes)、エンディング演出選択処理を実行する(S195-2)。このエンディング演出選択処理では、エンディングコマンドを解析し、その解析結果に基づいて、大当たり遊技状態のエンディングで実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。詳しくは、エンディングコマンド毎にエンディング演出パターンが対応付けて設定されたエンディング演出パターン選択テーブル(図示せず)を参照し、受信したエンディングコマンドと対応付けられているエンディング演出パターンを選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
演出制御用マイコン101は、S195-2の処理の終了後、または、S195-1においてエンディングコマンドを受信していないと判定した場合に(S195-1:No)、S196-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から(特図)変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S196-1)、受信したと判定した場合は(S196-1:Yes)、S196-2に進み、第1特図保留演出記憶部121または第2特図保留演出記憶部122における記憶内容を当該変動用演出記憶部123にシフトするなどの処理を行うと共に、後述する集合表示部20xの表示(第1特図保留数または第2特図保留数に対応する保留数の表示や、第1特図または第2特図に対応する規則図柄の表示)を更新する。
演出制御用マイコン101は、S196-2の処理の終了後、または、S196-1において変動開始コマンドを受信していないと判定した場合に(S196-1:No)、S197-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から特図変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S197-1)、受信したと判定した場合は(S197-1:Yes)、S197-2に進み、後述する集合表示部20xの表示(第1特図または第2特図に対応する規則図柄の表示)を更新する。
演出制御用マイコン101は、S197-2の処理の終了後、または、S197-1において特図変動停止コマンドを受信していないと判定した場合に(S197-1:No)、S198-1へ進む。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から普図変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S198-1)、受信したと判定した場合は(S198-1:Yes)、S198-2に進み、普図保留演出記憶部125における記憶内容をシフトするなどの処理を行うと共に、後述する集合表示部20xの表示(普図保留数に対応する保留数の表示や、普図に対応する規則図柄の表示)を更新する。
演出制御用マイコン101は、S198-2の処理の終了後、または、S198-1において普図変動開始コマンドを受信していないと判定した場合に(S198-1:No)、S199へ進む。
ここで、演出制御用マイコン101は、S199において、演出表示装置7の表示画面で実行される変動演出に関する変動演出制御処理を実行する。この変動演出制御処理については後述する。そして、演出制御用マイコン101は、上記のコマンド以外のコマンドの受信に関する処理を行って(S197)、受信コマンド解析処理を終える。
(変動演出制御処理)
次に、図28を参照し、変動演出制御処理(S199)について説明する。
詳しくは後述するが、本実施形態のパチンコ遊技機1は、非時短遊技状態から大当たり遊技状態を介して時短遊技状態(時短1または時短2)に移行する場合に、演出表示装置7の表示画面で実行する変動演出(大当たり変動)で左右の演出図柄を7で停止表示してリーチ状態(テンパイ)としつつ中演出図柄の変動を開始し、その後の時短遊技状態中に中演出図柄を、ゲート13への遊技球の通過を契機とする(普図当たり判定の判定結果に基づく)普図変動表示に対応させて変動させる。このため、遊技制御用マイコン61は、変動演出制御処理において、先ず、時短フラグがOFFであるか否かを判定し(S211)、OFFの場合、すなわち非時短遊技状態であれば(S211:Yes)、前述した特図変動開始コマンドの受信に基づいて、RAM120の出力バッファに特図変動演出開始コマンドをセットする(S212)と共に、変動演出の制御を開始する(S213)。これに対し、時短フラグがONの場合、すなわち時短遊技状態であれば(S211:No)、前述した普図変動開始コマンドの受信に基づいて、RAM120の出力バッファに普図変動演出開始コマンドをセットする(S214)と共に、変動演出(中演出図柄の低速変動)の制御を開始する(S215)。
そして、演出制御用マイコン101は、S213またはS215の終了後、変動演出制御処理を終了する。
[遊技の流れと演出モード]
ここで、図29等を参照し、遊技内容(遊技状態)と演出内容(演出モード)との関係について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技制御用マイコン61からのコマンドに基づいて演出制御用マイコン101が遊技の状況(例えば遊技状態の変化等)を特定し、その状況の変化に合わせて複数種類の演出モードの何れかを設定するように演出制御用マイコン101が制御を行う。各演出モードは、互いに演出内容や演出の実行頻度が異なっており、その演出モードの違いを遊技者が識別することができる。そして、演出モードが遊技の状況の変化に応じて変化することにより、遊技者はその遊技の状況の変化(遊技者にとっての有利度の変化)を認識することができる。すなわち、演出モードを変化させることに応じて、遊技者の期待感にメリハリを設けたり、または遊技者による遊技内容の理解を補助したりすることができる。各演出モードでは例えば、演出表示装置7の画面上の表示情報(背景画像や演出図柄、文字によるメッセージ等)の表示態様や、スピーカ8から出力される音声(BGM)の態様や、盤ランプ2a等の発光手段の発光態様を、互いに異ならせている。
前述した演出モードとして、「通常モード」及び「CZ(チャンスゾーン)モード」の2種類が主に設けられている(大当たり遊技状態に対応して設定される演出モードについては説明を省略する)。「通常モード」は、非時短遊技状態に対応して設定される演出モードである。「CZモード」は、時短遊技状態に対応して設定される演出モードである。
遊技状態の種類について簡単に触れると、パチンコ遊技機1(遊技制御用マイコン61)は、図29に示すように、非時短遊技状態、時短遊技状態及び大当たり遊技状態を生起可能であり、このうち時短遊技状態は、非時短遊技状態よりも遊技球を第2始動口12aに入球させ易く、遊技者が右遊技領域3Rを狙って遊技球を発射することが遊技操作方法として適した遊技状態である一方、非時短遊技状態は、遊技者が左遊技領域3Lを狙って遊技球を発射することが遊技操作方法として適した遊技状態である。非時短遊技状態及び時短遊技状態の相互間での第2始動口12aに対する遊技球の入球させ易さは、各遊技状態で選択する普通作動部材12bの作動パターンの違いに応じて相違する(図11A)。なお、時短遊技状態として、選択する普通作動部材12bの作動パターンの違いに応じて2種類(時短1、時短2)が設けられている。本実施形態では、共通の演出モード「CZモード」とするが、各時短遊技状態では第2始動口12aに遊技球が入球する可能性が異なるので、時短2を時短1よりも遊技者に有利な演出モードに設定してもよい。
また、パチンコ遊技機1(遊技制御用マイコン61)は、大当たり遊技状態として、1種大当たり状態と2種大当たり状態とを生起可能である。これらの大当たり遊技状態は、第1大入賞装置14及び第2大入賞装置15が右遊技領域3Rに存在していることから、右遊技領域3Rを狙って遊技球を発射することが遊技操作方法として適した遊技状態である。1種大当たり状態は、特図当たり判定(大当たり判定)による大当たりの判定結果に対応して生起する大当たり遊技状態である。これに対し、2種大当たり状態は、特図当たり判定(小当たり判定)による小当たりの判定結果に対応して生起する小当たり状態と、この小当たり状態で遊技球が特定領域を通過した場合に生起するV当たり状態とからなる大当たり遊技状態である。本実施形態では、第2特図用の特図当たり判定でのみ、小当たりの判定結果が導出される。ここで、本実施形態では小当たり状態が、小当たりの判定結果が導出された場合に決定される小当たり図柄の種類に関わらず、特定領域への遊技球の通過が可能な状態で第2大入賞口15aを開放する状態として生起することとなる。
ところで、パチンコ遊技機1の電源投入に伴ってRAM64の初期化を行う場合には、遊技制御用マイコン61によって非時短遊技状態が設定される。また遊技者は基本的に、自身にとって不利な非時短遊技状態で遊技を終了し、次の遊技者が非時短遊技状態から遊技を開始することになる。従って、遊技者が遊技を開始する際の遊技状態は、基本的には非時短遊技状態となる。この非時短遊技状態では、演出制御用マイコン101によって「通常モード」が設定される。「通常モード」では、第2始動口12aへの入球が困難であり、また遊技者が左遊技領域3Lに遊技球を打ち込んで(左打ちで)遊技を行うため、左遊技領域3Lに設けられている第1始動口10aへの遊技球の入球を契機として第1特図用の特図当たり判定が実行される。一方、右遊技領域3Rに設けられている第2始動口12aへの入球は基本的に生じない。第1特図用の特図当たり判定では、大当たりの判定結果となる可能性がある一方で、小当たりの判定結果となることはない。従って「通常モード」中は、1種大当たり状態の発生を期待して遊技者が遊技を行うことになる。
遊技制御用マイコン61は、非時短遊技状態(「通常モード」)中に遊技球が第1始動口10aに入球したことを契機として、第1特図用の特図当たり判定を実行する。「通常モード」は、第1特図用の特図当たり判定の結果に基づく各特図変動表示に対応させて演出図柄の変動演出を実行する演出モードとなっている。図29に示すように、非時短遊技状態中の第1特図用の特図当たり判定(大当たり判定)が大当たりの判定結果(大当たり当選)になると、その大当たりの判定結果に対応する特図変動表示(大当たり変動)の終了後に、遊技制御用マイコン61が大当たり遊技状態(具体的には、1種大当たり状態、3ラウンド大当たり)を生起させ、その終了後に遊技状態を時短遊技状態に移行させる。ここで、演出制御用マイコン101は、「通常モード」中、表示画面に左演出図柄7Lと右演出図柄7Rとを表示しており、中演出図柄7Cは非表示とする。そして、第1特図用の特図当たり判定におけるハズレの判定結果に対応する特図変動表示に合わせて演出図柄の変動演出を行う場合は、左演出図柄7Lと右演出図柄7Rとが同じ図柄(リーチ状態、テンパイ)とならないような図柄組み合わせを停止表示する。これに対し、「通常モード」中、第1特図用の特図当たり判定における大当たりの判定結果(すなわち、時短遊技状態を生起させることに対応する判定結果)に対応する特図変動表示に合わせて演出図柄の変動演出を行う場合は、左演出図柄7Lと右演出図柄7Rとを「7」で停止表示(確定表示)してリーチ図柄(すなわち予め定めた大当たりの図柄組み合わせの一部)を表示し、それまで非表示であった中演出図柄7Cを表示して、更に変動状態とし、「CZモード」に移行させる。なお、「CZモード」への移行により、確定表示した左演出図柄7L及び右演出図柄7Rを仮停止表示に戻すようにしてもよい。この「CZモード」は、全体として1回の変動演出によるリーチ変動(以下「CZリーチ」と称する)を行っているかの如く見せる演出モードとなっている(図29のCZリーチ表示態様)。そして、「CZモード」では、「7」によるリーチ状態(CZリーチ)を維持するように制御しつつ、普図当たり判定の結果に基づく普図変動表示に対応させて中演出図柄7Cの変動による演出を実行する(以下、このような制御を「特別変動制御」と称することがある)。なお、普図変動表示がハズレまたは不利な当たり(第2始動口12aを短時間だけ入球可能とする当たり)となる場合は、中演出図柄7Cを「7」以外の図柄で一時的に停止表示した後に再び変動させることで、CZリーチを継続させる。一方、普図変動表示が有利な当たり(第2始動口12aを長時間入球可能とする当たり)となる場合は、中演出図柄7Cを「7」で停止表示して3つの「7」による図柄組み合わせ(ぞろ目)を形成することで、CZリーチの変動演出を終了させる。
このように、演出制御用マイコン101(演出制御手段)は、特図当たり判定(始動入球判定)が大当たりの判定結果(時短遊技状態を生起させることに対応する判定結果)となった場合に、演出表示装置7(演出表示手段)での変動演出(演出図柄の変動表示)に関する制御として、CZリーチの演出制御(特別変動制御)を実行可能である。なお、演出制御用マイコン101(演出制御手段)は、時短1及び時短2の何れにおいても、CZリーチの演出制御(特別変動制御)を実行可能である。
演出制御用マイコン101は、「CZモード」におけるCZリーチ中(特別変動制御の実行中)、基本的に中演出図柄7Cを高速変動状態とし、普通図柄の変動表示が生じると低速変動に切り替えて、その終了後に再び高速変更に復帰させるようにすることで、時短遊技状態中に中演出図柄7Cの低速変動(普通図柄の変動表示に応じた演出)を複数回(普図変動表示の度に)実行可能である。すなわち、CZリーチ中、普図変動表示が行われる毎に低速変動となって演出が行われる。そして、CZリーチの変動演出(特別変動制御)の終了時点は、普図変動表示の終了タイミング(有利当たりの普通図柄を停止表示するタイミング)に対応している。この場合に、遊技制御用マイコン61は、第2始動口ソレノイド12dを駆動して普通作動部材12bを入球許容姿勢とし、第2始動口12aを開放する。この際に遊技球が第2始動口12aに入球すると、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターンにより定められる1.5秒(1500ms)または150秒(150000ms)の変動時間の経過後に、第2特図の変動表示(大当たり変動または小当たり変動)を終了して、大当たり遊技状態(1種大当たり状態)または小当たり状態(2種大当たり状態)を生起させる。ここで、演出制御用マイコン101は、第2特図の変動表示(大当たり変動または小当たり変動)の変動時間が1.5秒の場合には、変動演出の結果を祝福するような演出(直当たり演出)を短時間で行う。一方、第2特図の変動表示(大当たり変動または小当たり変動)の変動時間が150秒の場合には、第2特図保留数の増加を狙って遊技を行うことができる期間(以下「ストックタイム」と称する)を報知する演出を制御する。このストックタイムでは、「7」のぞろ目による大当たり演出図柄を、第2特図保留数に応じた数だけ表示画面に表示させる。
演出制御用マイコン101は、前述した直当たり演出またはストックタイムの後、「CZモード」を終了して大当たり遊技状態に合わせた演出を行い、この大当たり遊技状態の終了後(時短1または時短2)に再び「CZモード」に復帰させる。この「CZモード」への復帰時には、新たな変動演出を開始して左演出図柄7L及び右演出図柄7Rを「7」のリーチ図柄として停止表示することで再びCZリーチの状態(特別変動制御の状態)とする(図29の変動開始表示態様)。
また、演出制御用マイコン101は、時短遊技状態において大当たり以外の終了条件が成立した場合、遊技状態が非時短遊技状態に移行するのに伴って演出モードを「通常モード」に復帰させる。なお、時短1の場合の大当たり以外の終了条件は、普通変動回数が50回に達すること及び特図変動回数が10回に達することであり、時短2の場合の大当たり以外の終了条件は、普通変動回数が100回に達すること及び特図変動回数が10回に達することである。
[規則図柄等の表示内容と、変動演出との関係]
次に、前述した集合表示部20xにおいて表示される規則図柄やその作動保留数についての表示内容と、変動演出の表示内容との関係について、図30~図36に示す一例を参照しながら説明する。なお、図30~図36では便宜上、表示画面における演出保留表示領域7Bでの表示を省略している。この演出保留表示領域7Bでは本来、非時短遊技状態(通常モード)中には第1特図の作動保留数(第1規則図柄の作動保留数)に応じた作動保留数が表示され、時短遊技状態(CZモード)中には普通図柄の作動保留数(第3規則図柄の作動保留数)に応じた作動保留数が表示される。
図30は、「通常モード(非時短遊技状態)」中に第1特別図柄表示器51で第1特図の変動表示が実行され、最終的にハズレの特別図柄が停止表示される場合であって、演出乱数値に基づいて「演出無ハズレ」が決定された場合についての、集合表示部20x及び演出表示装置7の表示内容の一例を示している。集合表示部20xでは、第1規則図柄表示領域211に表示される第1規則図柄が変動中の表示態様となっており、他の規則図柄表示領域212,213は変化していない。また、第1規則図柄の変動表示の途中(図30(a)の状態から図30(b)の状態となるまでの間)で、第2規則保留表示領域212aに表示される第1規則図柄の作動保留数が1個から3個に増加している。
図30(a)に示すように、左右の演出図柄7L,7Rが変動した状態から変動演出が開始され、その後、図30(b)に示すように、左演出図柄7Lが停止される。この場合に、左演出図柄7Lが「7」以外の図柄で停止すると、右演出図柄7Rとの組み合わせで「7」のリーチ図柄が形成される可能性がなくなる。このため、図30(c)に示すように、速やかに右演出図柄7Rを停止表示して、変動演出を終了する。なお、図30(c)に示すように、最終的に停止表示される第1規則図柄は「3」であり、変動演出の右演出図柄7Rと一致している。
図31は、「通常モード(非時短遊技状態)」中に第1特別図柄表示器51で第1特図の変動表示が実行され、最終的にハズレの特別図柄が停止表示される場合であって、演出乱数値に基づいて「演出有りハズレ」に決定された場合についての、集合表示部20x及び演出表示装置7の表示内容の一例を示している。集合表示部20xでは、第1規則図柄表示領域211に表示される第1規則図柄が変動中の表示態様となっており、他の規則図柄表示領域212,213は変化していない。また、第2規則保留表示領域212aに表示される第1規則図柄の作動保留数は2個となっている。
図31(a)に示すように、左右の演出図柄7L,7Rが変動した状態から変動演出が開始され、その後、図31(b)に示すように、左演出図柄7Lが停止される。この場合に、左演出図柄7Lが「7」で停止すると、右演出図柄7Rとの組み合わせで「7」のリーチ図柄が形成される可能性がある。このため、図31(b)に示すように、右演出図柄7Rを低速変動に切り替えて演出を行い、その後に、図31(c)のように右演出図柄7Rを停止表示する。この場合に、対応する第1特図用の特図当たり判定がハズレの判定結果であったことにより、右演出図柄7Rは「7」以外の図柄で停止させる。これにより、「7」のリーチ図柄が形成されることなく、変動演出を終了する。なお、図31(c)に示すように、最終的に停止表示される第1規則図柄は「8」であり、変動演出の右演出図柄7Rと一致している。
図32は、「通常モード(非時短遊技状態)」中に第1特別図柄表示器51で第1特図の変動表示が実行され、最終的に大当たりの特別図柄が停止表示される場合についての、集合表示部20x及び演出表示装置7の表示内容の一例を示している。集合表示部20xでは、第1規則図柄表示領域211に表示される第1規則図柄が変動中の表示態様となっており、他の規則図柄表示領域212,213は変化していない。また、第2規則保留表示領域212aに表示される第1規則図柄の作動保留数は1個となっている。
図32(a)に示すように、左右の演出図柄7L,7Rが変動した状態から変動演出が開始され、その後、図32(b)に示すように、左演出図柄7Lが停止される。この場合に、左演出図柄7Lが「7」で停止すると、右演出図柄7Rとの組み合わせで「7」のリーチ図柄が形成される可能性がある。このため、図32(b)に示すように、右演出図柄7Rを低速変動に切り替えて演出を行い、その後に、図32(c)のように右演出図柄7Rを停止表示する。この場合に、対応する第1特図用の特図当たり判定が大当たりの判定結果であったことにより、右演出図柄7Rは、左演出図柄7Lと同様、「7」で停止させる。これにより、2つの「7」によるリーチ図柄が形成される。このリーチ図柄は、第1特図による大当たり図柄に対応していると共に、第1規則図柄の大当たり図柄に対応している。なお、図32(c)に示すように、最終的に停止表示される第1規則図柄(大当たり図柄)は「7」であり、変動演出の右演出図柄7Rと一致している。そして、演出制御用マイコン101は、「7」のリーチ図柄を表示しつつ非表示であった中演出図柄7Cを表示して変動(高速変動)を開始させた状態(CZリーチ)で、演出モードを「CZモード」に移行させる。すなわちこの場合、変動演出は、リーチが生じた後(大当たり遊技状態、時短遊技状態)も継続する。
図33は、「通常モード(非時短遊技状態)」中に行われた第1特別図柄表示器51での第1特図の変動表示が最終的に大当たりの特別図柄となって停止表示された後の、集合表示部20x及び演出表示装置7の表示内容の一例を示している。演出表示装置7の表示画面では、CZリーチが継続されているものの、各演出図柄7L,7C,7Rの表示が表示画面の下縁側に移動しており、表示画面では遊技者の期待度を高めることが可能な演出等(図示省略)が行われる。また、遊技者に右打ちを開始させるための表示等を行う。これに対し、集合表示部20xでは、各表示領域の表示内容が変化していない。
図34は、「CZモード(時短遊技状態)」中に普通図柄表示器53で普通図柄の変動表示が実行され、最終的にハズレの普通図柄または不利当たり(第2始動口12aへの入球が可能とならない当たり)の普通図柄が停止表示される場合についての、集合表示部20x及び演出表示装置7の表示内容の一例を示している。集合表示部20xでは、図34(a)の状態において、第3規則図柄表示領域213に表示される第3規則図柄が変動中の表示態様となっており、他の規則図柄表示領域211,212は変化していない。この場合に、第3規則保留表示領域213aに表示される第3規則図柄の作動保留数は1個となっている。その後、図34(b)の状態になると、第3規則図柄表示領域213に表示される第3規則図柄が、ハズレの普通図柄に対応する「0」で停止表示される(なお、不利当たりの場合は「1」となる)。これに対し、演出表示装置7の表示画面では、普図変動表示の開始により、それまで高速変動していた中演出図柄7Cが低速変動に切り替えられて、各図柄の表示態様も変化させて演出が行われる。図34(a)は、普図変動表示に対応する期間における表示画面での演出例であり、中演出図柄7Cが描かれた四角形の板が表示画面の略中央で一列に並んでおり、この板を一枚ずつキャラクタが蹴散らして「7」が描かれた板に近づける演出が行われている。そしてその後、キャラクタの演出動作が失敗に終わり、図34(b)のように、中演出図柄7Cを一時的に「7」以外の図柄で停止させ、速やかに中演出図柄7Cを図34(c)のように再変動させる。すなわち、CZリーチによる変動演出を継続させるように演出する。なお、次に普図変動表示が開始されると、第3規則保留表示領域213aに表示される(第3規則図柄の)作動保留数が1減少すると共に第3規則図柄が変動し、再び図34(a)の状態へと変化させる。
図35は、「CZモード(時短遊技状態)」中に普通図柄表示器53で普通図柄の変動表示が実行され、最終的に有利当たり(第2始動口12aへの入球が可能となる当たり)の普通図柄が停止表示される場合についての、集合表示部20x及び演出表示装置7の表示内容の一例を示している。集合表示部20xでは、図35(a)の状態において、第3規則図柄表示領域213に表示される第3規則図柄が変動中の表示態様となっており、他の規則図柄表示領域211,212は変化していない。この場合に、第3規則保留表示領域213aに表示される第3規則図柄の作動保留数は1個となっている。その後、図35(b)の状態になると、第3規則図柄表示領域213に表示される第3規則図柄が、有利当たりの普通図柄に対応する「2」で停止表示される。これに対し、演出表示装置7の表示画面では、普図変動表示の開始により、それまで高速変動していた中演出図柄7Cが低速変動に切り替えられて、各図柄の表示態様も変化させて演出が行われる。図35(a)は、普図変動表示に対応する期間における表示画面での演出例であり、中演出図柄7Cが描かれた四角形の板が表示画面の略中央で一列に並んでおり、この板を一枚ずつキャラクタが蹴散らして「7」が描かれた板に近づける演出が行われている。そしてその後、キャラクタの演出動作が成功に終わり、図35(b)のように、中演出図柄7Cを「7」で停止させる。そしてその直後、図35(c)に示すように、左演出図柄7Lの「7」と、右演出図柄7Rの「7」と、中演出図柄7Cの「7」とを、表示画面の略中央に移動させて一列に表示する(大当たり演出図柄の表示)。これにより、CZリーチによる変動演出が終了する。
図36(a)は、前述のように大当たり演出図柄を表示してCZリーチによる変動演出を終了した直後における集合表示部20x及び演出表示装置7の表示内容の一例を示している。この図36(a)は、普図変動表示の結果として有利当たりの普通図柄が停止表示されたことに応じて、第2始動口12aへの入球が可能な期間となっている場合であり、表示画面において、遊技者に右打ちを促す報知が行われる。なおこの場合に、表示画面上に右遊技領域3Rの画像を表示して、遊技球を導く対象(第2始動口12a)を具体的に示すことができる。なお、この場合に集合表示部20xは、表示内容が変化していない。
図36(b)及び図36(c)は、ストックタイムに移行した場合の集合表示部20x及び演出表示装置7の表示内容の一例を示している。なお、ストックタイムは、前述した特図変動パターンP12,P13,P15,P16の何れかに基づく第2特図の変動表示(変動時間が150秒の変動表示)の実行期間に行われる演出である。遊技者は、ストックタイム中、ゲート13を狙って遊技球を打ち出し、普図当たり判定の結果として第2始動口12aへの遊技球の入球を狙うことができる。すなわち、第2特図保留数を増加させ得る、遊技者にとって有利な期間である。このストックタイム中、集合表示部20xの第2規則図柄表示領域212では、図36(c)に示すように、第2特図に対応する第2規則図柄を変動表示させる。
ストックタイムは、前述のように第2特図の変動表示に対応する期間であり、時間が一定(150秒)である。このため、図36(b)に示すように、ストックタイムの開始を報知するための「ストックタイム突入」との文字情報を表示画面に表示するのと同時に、センター装飾体20の時間表示部20yにタイマーを表示し、このタイマーで150秒を計測するように演出する。そして、時間表示部20yでのタイマーが150秒を計測している期間中、図36(c)に示すように、5つ(第2特図保留数の上限と同数)の分割画面を表示し、そのうち1つの分割画面には、3つの「7」によるぞろ目を表示して、少なくとも1回の大当たり遊技状態が確定していることを報知すると共に、残りの4つの分割画面には、2つの「7」によるリーチ図柄を夫々表示する。そして、ストックタイム中に第2特図保留数が増加する毎に、「7」のリーチ図柄を表示していた分割画面を「7」のぞろ目による表示に変更して、第2特図保留数の増加を報知する。
[実施形態の効果]
上述した実施形態のパチンコ遊技機1によれば、以下の作用効果を奏する。
(1-1)実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技領域を流下する遊技球が入球可能なゲート(作動口)13、第1始動口(始動口)10a、第2始動口(始動口)12a、第1大入賞口(特別入賞口)14a及び第2大入賞口(特別入賞口)15aと、ゲート13への遊技球の通過(入球)を契機として、始動口の一種であって遊技球の入球可否が変化する形態の可変始動口である第2始動口12aを遊技球が入球可能な長時間の開放状態(特定状態)とするか否かを決定可能な普図当たり判定(作動入球判定)を実行する機能(作動判定手段、遊技制御用マイコン61によるS54-1の処理)と、この普図当たり判定の判定結果に基づいて普通図柄を変動表示した後に停止表示する普通図柄表示器(普通図柄表示手段)53と、第1始動口10aや第2始動口12aへの遊技球の入球を契機として、第1大入賞口14aまたは第2大入賞口15aの入球可能期間(大当たり遊技状態または小当たり状態)を生起させるか否かを決定可能な特図当たり判定(始動入球判定)を実行する機能(始動判定手段、遊技制御用マイコン61によるS62,S68の処理)と、特図当たり判定の判定結果に基づいて特別図柄(第1特図、第2特図)を変動表示した後に停止表示する特別図柄表示器(特別図柄表示手段)51,52と、第2始動口12aの長時間の開放状態が非時短遊技状態(通常遊技状態)よりも生じ易い時短遊技状態(入球容易状態)を生起する機能(生起手段、遊技制御用マイコン61によるS117-6の処理)と、演出に関する制御を実行する演出制御用マイコン(演出制御手段)101と、この演出制御用マイコン101の制御に基づいて演出を表示する演出表示装置(演出表示手段)7とを備えている。そして、演出制御用マイコン101は、特図当たり判定が時短遊技状態を生起させることに対応する判定結果となった場合に、演出表示装置7での演出図柄の変動演出(演出図柄の変動表示)に関する制御として、演出モードを「CZモード」としてCZリーチによる変動演出を継続させる制御(特別変動制御)を実行可能であり、当該制御は、時短遊技状態を生起させることに対応する特図当たり判定の判定結果に基づく第1特別図柄表示器51での特別図柄の変動表示中に、演出表示装置7で「7」によるリーチ図柄を表示した後、時短遊技状態において演出図柄の変動演出を「7」によるリーチ図柄の表示状態で継続して、この時短遊技状態中における普図当たり判定の判定結果に基づく普通図柄の変動表示の終了に応じて、演出図柄(左演出図柄7L、中演出図柄7C、右演出図柄7R)による「7」のリーチ図柄を含んだ図柄組み合わせを演出表示装置7に停止表示する制御である。
このように、第1始動口10aへの入球を契機とする特図当たり判定の結果に基づいてリーチ図柄を表示し、そのリーチ図柄を用いた演出図柄の変動表示(CZリーチ)を時短遊技状態で継続的に実行して、その時短遊技状態中の普通図柄の変動表示の終了に応じて演出図柄の変動表示(CZリーチ)を終了する。このような新たな演出図柄の変動表示により、遊技の興趣を高め、演出図柄の変動表示に対して遊技者の期待を集めることができる。この場合のリーチ(CZリーチ)は、結果が決まっていない状態で開始されるので、当該CZリーチの結果に対する不信感を招くことがなく、最後まで遊技者の興味を惹き付けることができる。
(1-2)また、実施形態のパチンコ遊技機1は、演出制御用マイコン(演出制御手段)101が、時短遊技状態(入球容易状態)中かつCZリーチ中(特別変動制御の実行中)に、普図当たり判定を契機とする普図変動表示に対応して右演出図柄7Rを低速変動させる演出(作動入球判定を契機とする普通図柄の変動表示に応じた演出)を複数回実行可能であり、CZリーチ中(特別変動制御の実行中)において普図当たり判定が有利当たりの判定結果となった場合には、第2始動口12aへの遊技球の入球を契機とする(第2特図用の)特図当たり判定が、(必ず、)大当たり遊技状態または小当たり状態(特別入賞口の入球可能期間)を生起させる結果となるように設定されている。
すなわち、大当たり演出図柄(予め定めた図柄組み合わせ)を停止表示してCZリーチ(特別変動制御)を終了させる場合に、遊技者に確実に利益を付与することができ、遊技者の不信感を招くことがない。
(1-3)また、実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技制御用マイコン(生起手段)61が、時短遊技状態の終了条件としての普通図柄の変動表示回数が相違する複数種類の時短遊技状態としての時短1及び時短2を生起可能であり、演出制御用マイコン101は、複数種類の時短遊技状態のうち少なくとも2以上の時短遊技状態(時短1,時短2)の各々を生起させる場合にCZリーチ(特別変動制御)を開始可能である。
すなわち、時短遊技状態の終了条件としての普通図柄の変動表示回数が相違する複数種類の時短遊技状態のうち、2以上の時短遊技状態に対応して、CZリーチが実行されるので、CZリーチに対する期待感に変化を付与できる。
(1-4)また、実施形態のパチンコ遊技機1は、第2始動口(可変始動口)12aへの遊技球の入球を許容する入球許容姿勢及び阻止する入球阻止姿勢に変位可能な普通作動部材12bを備え、
な状態(特定状態)が生起するように普通作動部材12bを作動させるか否かを決定する機能(作動決定手段、遊技制御用マイコン61によるS58-3の処理)とを備え、遊技制御用マイコン(生起手段)61は、第2始動口12aに遊技球が入球可能時間にわたって普通作動部材12bを作動させることで、第2始動口12aへの遊技球の入球が可能な特定状態が生起可能であると共に、その特定状態を生起させることの決定確率が相違する複数種類の時短遊技状態(入球容易状態)としての時短1及び時短2を生起可能であり、演出制御用マイコン(演出制御手段)101は、複数種類の時短遊技状態のうち少なくとも2以上の時短遊技状態(時短1,時短2)の各々を生起させる場合にCZリーチ(特別変動制御)を開始可能である。
すなわち、第2始動口12aを遊技球が入球可能な状態とする普通作動部材12bの作動の決定確率が相違する複数種類の時短遊技状態のうち2以上の時短遊技状態に対応してCZリーチが実行されるので、CZリーチに対する期待感に変化を付与できる。
<他の実施形態>
・前述した実施形態では、始動入球判定(特図当たり判定)における入球容易状態(時短遊技状態)を生起させることに対応する判定結果としての、大当たり判定結果に基づいて、演出図柄の変動表示(変動演出)中に特別変動制御(CZリーチの演出制御)を実行可能とした。これに対し、図37に示す当否判定テーブルのように、始動入球判定における入球容易状態を生起させることに対応する判定結果として例えば、特定ハズレ結果(突然時短・c時短)を導出可能とし、通常遊技状態中の始動入球判定(第1特図用の特図当たり判定)による特定ハズレ結果に基づいて、図38に示すように、特別入賞口の入球可能期間を生起させることなく(大当たり遊技状態や小当たり状態を介さずに)入球容易状態を生起可能とすることで、特定ハズレ結果を契機として特別変動制御(CZリーチの演出制御)を実行可能としてもよい。この場合には、始動入球判定が特定ハズレ結果になると、特別入賞口の入球可能期間が生じることなく入球容易状態となるので、その入球容易状態の契機となった始動入球判定に基づく特図変動表示から入球容易状態に至るまでの間、違和感なく、特別変動制御による表示状態(CZリーチ、リーチ図柄の表示状態)を維持することが可能である。すなわち、遊技者をリーチ図柄の表示状態に注目させて予め定めた図柄組み合わせとなることに期待を集めることができる。
この他、始動入球判定(特図当たり判定)が小当たりの判定結果となった場合に、例えば小当たり状態中まで変動演出を行い、特定領域への遊技球の通過を契機としてリーチ図柄を表示することにより、特別変動制御(CZモードでのCZリーチ)を実行するようにしてもよい。
・前述した実施形態では、通常遊技状態中の始動入球判定において入球容易状態を生起させる判定結果が導出されるまでは、演出表示手段で左右の演出図柄のみを表示するようにし、この左右の演出図柄によりリーチ図柄を表示した後に中演出図柄を表示するようにしたが、常に左右中の演出図柄を表示するようにしてもよい。
・前述した実施形態では、入球容易状態を生起させることを決定する始動入球判定の判定結果に対応する特図変動表示中から特別変動制御(CZリーチの演出制御)を開始(リーチ図柄を表示)し、その後に入球容易状態となるまでの間、特別変動制御に関する表示(CZリーチ)を継続的に表示するようにしたが、途中で非表示とする期間を設けてもよい。例えば、始動入球判定が大当たり判定結果となった場合に、その大当たり判定結果に対応する特図変動表示中に演出表示手段(演出表示装置)でリーチ図柄を表示して特別変動制御を開始するものの、その後に大当たり遊技状態となる期間中にはリーチ図柄(変動演出)を非表示とし、入球容易状態の開始に伴ってリーチ図柄の表示を再開するようにすることができる。
・前述した実施形態では、入球容易状態(時短遊技状態)中に実行される始動入球判定(第1特図用の特図当たり判定)に応じた演出図柄の変動表示(変動演出)において左右の演出図柄が「7」となるリーチが成立し得る一方、「1」~「6」や「8」のリーチが成立し得ないようにしたが、成立し得るようにしてもよい。
・前述した実施形態では、入球容易状態(時短遊技状態)中に実行される始動入球判定(第1特図用の特図当たり判定)に応じた演出図柄の変動表示(変動演出)に対応して集合表示部の第1規則図柄表示領域に表示される第1規則図柄を、右演出図柄と同じ数字の図柄で停止表示することとしたが、規則図柄の種類を演出図柄の種類に対応させないようにしてもよい。例えば、第1規則図柄をランプ表示とし、その点灯色等に応じて複数種類設けるようにしてもよい。なお、第1規則図柄のハズレ図柄を1種類のみとしてもよい。
・前述した実施形態では、大当たり遊技状態で入球可能とする特別入賞口(第1大入賞口)と、小当たり状態で入球可能とする特別入賞口(第2大入賞口)とを異ならせたが、大当たり遊技状態と小当たり状態とで同じ特別入賞口を入球可能としてもよい。
・前述した実施形態では、第1特図の特図当たり判定において小当たりの判定結果が導出されないようにしたが、第1特図の特図当たり判定でも小当たりの判定結果が導出され得るようにしてもよい。この場合には、第1特図の特図当たり判定で小当たりの判定結果となる確率を第2特図の特図当たり判定における確率よりも低くするか、第1特図の特図当たり判定に基づく小当たり状態中に遊技球が特定領域を通過する確率を第2特図の特図当たり判定に基づく小当たり状態中よりも低くすることで、第1特図の特図当たり判定に基づく遊技よりも第2特図の特図当たり判定に基づく遊技の方が有利な遊技性とすることができる。また逆に、第2特図の特図当たり判定で小当たりの判定結果となる確率を第1特図の特図当たり判定における確率よりも低くするか、第2特図の特図当たり判定に基づく小当たり状態中に遊技球が特定領域を通過する確率を第1特図の特図当たり判定に基づく小当たり状態中よりも低くするようにしてもよく、この場合は、第2特図の特図当たり判定に基づく遊技よりも第1特図の特図当たり判定に基づく遊技の方が有利な遊技性とすることができる。
・前述した実施形態では、普図変動表示や補助遊技が行われている状態で作動口への遊技球の通過(入球)を契機として取得した作動入球情報を所定の上限数まで記憶可能な普図保留記憶部を設けるようにしたが、普図変動表示や補助遊技が行われていない状態で遊技球が作動口(ゲート)を通過した場合に限り、当該作動口への遊技球の通過を契機として制御手段(遊技制御用マイコン)が普図当たり判定を実行する(普通図柄の作動保留を記憶するための記憶部を設けない)ように構成してもよい。
1…パチンコ遊技機、3…遊技領域、7…演出表示装置(演出表示手段)、10a…第1始動口(始動口)、12a…第2始動口(始動口、可変始動口)、12b…普通作動部材、13…ゲート(作動口)、14a…第1大入賞口(特別入賞口)、15a…第2大入賞口(特別入賞口)、51…第1特別図柄表示器(特別図柄表示手段)、52…第2特別図柄表示器(特別図柄表示手段)、53…普通図柄表示器(普通図柄表示手段)、61…遊技制御用マイコン(始動判定手段、作動判定手段、生起手段)、101…演出制御用マイコン(演出制御手段)。

Claims (5)

  1. 遊技領域を流下する遊技球が入球可能な作動口、始動口及び特別入賞口と、前記作動口への遊技球の入球を契機として、前記始動口の一種であって遊技球の入球可否が変化する形態の可変始動口を遊技球が入球可能な特定状態とするか否かを決定可能な作動入球判定を実行する作動判定手段と、前記作動入球判定の判定結果に基づいて普通図柄を変動表示した後に停止表示する普通図柄表示手段と、前記始動口への遊技球の入球を契機として、前記特別入賞口の入球可能期間を生起させるか否かを決定可能な始動入球判定を実行する始動判定手段と、前記始動入球判定の判定結果に基づいて特別図柄を変動表示した後に停止表示する特別図柄表示手段と、前記可変始動口の前記特定状態が通常遊技状態よりも生じ易い入球容易状態を生起可能な生起手段と、演出に関する制御を実行する演出制御手段と、前記演出制御手段の制御に基づいて演出を表示する演出表示手段とを備えている遊技機であって、
    前記演出制御手段は、前記始動入球判定が前記入球容易状態を生起させることに対応する判定結果となった場合に、前記演出表示手段での演出図柄の変動表示に関する制御として、特別変動制御を実行可能であり、
    前記特別変動制御は、前記入球容易状態を生起させることに対応する前記始動入球判定の判定結果に基づく前記特別図柄の変動表示中に、前記演出表示手段でリーチ図柄を表示した後、前記入球容易状態において前記演出図柄の変動表示を前記リーチ図柄の表示状態で継続して、当該入球容易状態中における前記作動入球判定の判定結果に基づく前記普通図柄の変動表示の終了に応じて、前記演出図柄による前記リーチ図柄を含んだ図柄組み合わせを前記演出表示手段に停止表示する制御である
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記演出制御手段は、前記入球容易状態中かつ前記特別変動制御の実行中に、前記作動入球判定を契機とする前記普通図柄の変動表示に応じた演出を複数回実行可能であり、
    前記特別変動制御中において前記作動入球判定が当たりの判定結果となった場合には、前記可変始動口が前記特定状態とされる前に、前記演出制御手段が前記演出表示手段に前記リーチ図柄を含んだ当たりの図柄組み合わせを表示させ、
    前記可変始動口への遊技球の入球を契機とする前記始動入球判定が、前記特別入賞口の前記入球可能期間を生起させる結果となるように設定されている請求項1記載の遊技機。
  3. 前記生起手段は、前記始動入球判定が特定ハズレ結果となったことに応じて、前記特別入賞口の前記入球可能期間を生起させることなく前記入球容易状態を生起可能であり、
    前記演出制御手段は、前記特定ハズレ結果に対応する前記特別図柄の変動表示が実行される場合に前記特別変動制御を開始可能である請求項1記載の遊技機。
  4. 前記生起手段は、終了条件としての前記普通図柄の変動表示回数が相違する複数種類の前記入球容易状態を生起可能であり、
    前記演出制御手段は、2以上の前記入球容易状態の各々を生起させる場合に前記特別変動制御を開始可能である請求項1~3の何れか一項に記載の遊技機。
  5. 前記可変始動口への遊技球の入球を許容する入球許容姿勢及び阻止する入球阻止姿勢に変位可能な普通作動部材を備え、
    前記生起手段は、前記可変始動口に遊技球が入球可能な時間にわたって前記普通作動部材を作動させることで前記特定状態を生起可能であると共に、前記特定状態を生起させることを前記作動判定手段が決定する確率が相違する複数種類の前記入球容易状態を生起可能であり、
    前記演出制御手段は、2以上の前記入球容易状態の各々を生起させる場合に前記特別変動制御を開始可能である請求項1~3の何れか一項に記載の遊技機。
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