以下、本操作ボタン装置がスロットマシンのベットボタンとして搭載された実施形態について説明する。
まず、スロットマシンの全体構成について説明する。図1は、スロットマシンSMの外観構造を表した斜視図である。同図において、スロットマシンSMは、遊技者等に面するフロントドアFDと、フロントドアFDが開閉可能に取り付けられた箱形形状の筐体KTを備えて構成されている。
フロントドアFDには、硬質プラスチック等で形成されたいわゆる化粧板に相当する上部パネル部UPと中部パネル部MPと下部パネル部LPが設けられ、これらのパネル部UP、MP、LPによってフロントドアFDの前面が覆われている。
上部パネル部UPには、蛍光灯や高輝度発光ダイオード等で形成された上部ランプU1と、上部パネル部UPの背後に設置されている後述するスピーカSR、SLの鳴動音を出力させるスリット溝等が形成された放音部U2、U3と、放音部U2、U3との間に液晶表示ユニットSDUからなる副表示部U4が設けられている。
中部パネル部MPには、筐体KT内に取り付けられている3個のリールR1、R2、R3を視認可能とする表示窓WRが設けられている。すなわち、中部パネル部MPの略中央部分に透明な硬質プラスチック板等で形成された略長方形の表示窓WRが一体に取り付けられており、遊技者等は表示窓WRを介して、筐体KT内に取り付けられている3個のリールR1、R2、R3を視認することができ、更に、各リールR1、R2、R3に描かれている絵柄を視認することができるようになっている。
ここで、3個のリールR1、R2、R3は円筒形状を有しており、夫々が回転軸方向に並べられた状態で筐体KT内に設けられているリールユニットRUに回転可能に取り付けられている。各リールR1、R2、R3の外周面には複数種類の絵柄が描かれているため、遊技者等の指示操作に応じて各リールR1、R2、R3が回転及び停止の動作をすることにより、表示窓WRを介して表示されるリールの絵柄の種類が変更されるようになっている。
また、中部パネル部MPのパネル面には、スロットマシンSMの使用方法やゲーム内容の説明、入賞時に払出される遊技用メダル(以下、単に「メダル」という)の枚数等の説明が、視覚効果を高めた絵柄や文字、模様等によって描かれている。また、中部パネル部MPの側部には、蛍光灯や高輝度発光ダイオードで形成されたサイドランプM1、M2が設けられ、ゲームの進行状況等に応じてこれらのサイドランプM1、M2が点滅等することで、演出効果を高めるようになっている。
中部パネル部MPの下側には、略水平の水平面を有する操作卓MTが形成されている。操作卓MTの水平面の右側には、メダルを投入するためのメダル投入部M3が設けられ、水平面の左側には、押しボタンスイッチである3個のベットボタンM4、M5、M6が設けられている。
ベットボタンは、スロットマシンの1ゲームに賭けるメダルの枚数を提示するためのボタンスイッチである。すなわち、ベットボタンM4、M5、M6を押圧操作することで、夫々1枚、2枚、3枚のメダル数をスロットマシンに提示する。
操作卓MTの前面左側には、ゲーム開始を指示するためのスタートレバーM7が設けられ、ほぼ中央にゲーム終了の提示をするための押しボタンスイッチである3個のストップボタンM8、M9、M10が設けられている。また、操作卓MTの前面の左側端には、押しボタンスイッチで形成された精算ボタンM11が設けられている。
スタートレバーM7は、球形の操作ノブを備えた揺動可能な操作旱を備え、操作旱が傾倒操作されるとオン、操作旱から手が離されるとスプリングの付勢力によって自動的に元の傾きに戻ってオフ状態となるユニットで形成されている。
ストップボタンM8、M9、M10は、押圧操作することで回転中のリールR1、R2、R3をそれぞれ独立に停止させる。
すなわち、遊技者等がベットボタンM4、M5、M6の何れかをオン操作して1ゲーム当たりのメダル数を提示した後、スタートレバーM7をオン操作すると、ゲーム開始となり、リールR1、R2、R3が回転を開始する。引き続き、リールR1、R2、R3の回転中に遊技者等がストップボタンM8、M9、M10を任意の順番でオン操作すると、そのオン操作された順序に従ってストップボタンに対応しているリールが制動されて停止する。そして、3個のリールR1、R2、R3に描かれている絵柄が所定の組合せで揃うと入賞となり、入賞の種類に応じた枚数のメダルが遊技者等に対して払出される。
操作卓MT前面の右側には、フロントドアFDを施錠するための施錠部KYが設けられており、スロットマシンSMの管理者等が施錠部KYに所定の鍵を挿入して開錠操作すると、蝶番機構によって筐体KTに取り付けられているフロントドアFDを前方へ開くことができ、また、フロントドアFDを閉じると、施錠部KYが自動的にフロントドアFDと筐体KTとを施錠するようになっている。
下部パネル部LPには、スロットマシンSMのゲーム内容を紹介等するための表示領域L1と、表示領域L1の下側に設けられた受皿L2と、当該受皿L2にメダル等を排出するための排出口L3と、後述のスピーカSWの鳴動音を出力させる放音部L4が設けられている。
次に、図2を参照し、フロントドアFDの裏面構造と、筐体KTの内部構造を説明する。なお、図2は、フロントドアを開放した状態におけるスロットマシンSMの内部構造を表した平面図である。通常、フロントドアFDは、施錠部KYが筐体KTの側端に設けられている係合部材KYCと係合することで施錠されている。
図2において、フロントドアFDの裏面の上部には、上部ランプU1が取り付けられ、上部ランプU1の下方には、液晶表示部SDと映像表示コントローラSDCとがユニット化された液晶表示ユニットSDUが、液晶表示部SDの表示面を副表示部U4に向けて取り付けられている。液晶表示部SDは、たとえば小型のカラー液晶ディスプレイであり、映像データを記憶する映像表示コントローラSDCに表示制御されてゲームの案内映像や演出映像等の動画映像を表示する。
また、液晶表示ユニットSDUの両側には、スピーカSR、SLが放音部U2、U3に対応して設けられている。
液晶表示ユニットSDUの更に下側に、表示窓WRが中部パネル部MPに一体化されて設けられている。フロントドアFDが閉じられると、表示窓WRと筐体KT内に設けられているリールユニットRUとが対向し、リールユニットRUの3個のリールR1、R2、R3を、表示窓WRを介して視認することが可能となっている。また、表示窓WRの上端には、リールR1、R2、R3を照明する蛍光灯等の照明装置LMPが取り付けられている。
表示窓WRの下側には、ベットボタンM4、M5、M6を有するベットボタンユニットMU1と、スタートレバーM7を有するスタートレバーユニットMU2と、ストップボタンM8、M9、M10を有するストップボタンユニットMU3が設けられている。すなわち、各スイッチ類M4〜M10は、夫々の機能毎に着脱可能なユニット装置として構成されており、フロントドアFDの裏面側の所定箇所に、嵌着等によって取り付けられている。
更に、メダル投入部M3に対応する位置に、投入物を正規のメダルか異物かによって振り分けるメダル管理ユニットMU4が設けられ、メダル管理ユニットMU4の下方には、正規のメダルをホッパ装置HP側へ案内して貯留させる第1案内部材G1と、異物を排出口L4側に案内する第2案内部材G2が設けられている。また、メダル管理ユニットMU4の第1案内部材G1には、投入されたメダルを検出するメダル投入センサMS(図示略)が内蔵されている。
メダル投入部M3にメダルが投入されると、メダル管理ユニットMU4は投入されたメダルが正規のメダルかどうか判別し、正規のメダルであれば第1案内部材G1側に投入されたメダルを振り分ける。そして、メダルが第1案内部材G1に入るとメダル投入センサMSがこれを検出し、検出信号を筐体KT内に設けられている主制御ユニットMCUに供給する。
また、筐体KT内には、メダル貯留手段としてのホッパ装置HPが設けられており、フロントドアFDが筐体KT側に閉じられた状態では、第1案内部材G1がメダル管理ユニットMU4とホッパ装置HPとの間に介在し、投入された正規のメダルをホッパ装置HP側へ案内する。また、ホッパ装置HPから出力される払い出し用メダルを排出口L3側へ案内する第3の案内部材G3が、第2案内部材G2の下側に設けられている。
下部パネル部LPに形成されている放音部L4の裏面側には、たとえば重低音を出力するスピーカSWが設けられている。
筐体KT内の上部に、スロットマシンSM全体の動作を集中管理する主制御ユニットMCUが設けられている。
主制御ユニットMCUの下側であって筐体KTのほぼ中央に、リールユニットRUが設けられている。リールユニットRUは、ステッピングモータである駆動モータRM(図示略)等で駆動されるリールR1、R2、R3を備えている。また、リールユニットRUには、各リールR1、R2、R3の基準位置を検出する基準位置センサRS(図示略)を備えている。基準位置センサRSは、リールR1、R2、R3が所定の回転角度(基準位置)にあるときにオン動作する光学式センサであり、リールが1回転する毎に検出信号を主制御ユニットMCUへ供給する。
リールユニットRUの下側には、上述のホッパ装置HPが設けられている。ホッパ装置HPは、メダル管理ユニットMU4から第1の案内部材G1を介して送られてくる正規のメダルと、図示しないメダル供給システムから追加供給される正規のメダルとを受容する箱形形状のメダル貯留部HP1と、メダル貯留部HP1内に収納された複数のメダルを攪拌しつつ一枚ずつに整列させる整列機構HP2を備えて構成されている。更に、メダル貯留部HP1に近接して補助貯留部HP3が設けられており、メダル貯留部HP1でオーバーフローとなったメダルを補助貯留部HP3に蓄えておくようになっている。
また、ホッパ装置HPには、メダル貯留部HP1内に収納されたメダルを第3の案内部材G3側へ送り出して排出口L4から排出するためのホッパモータHM(図示略)、及びホッパモータHMによってメダルが第3の案内部材G3側へ送り出される毎にオン動作するメダル払出センサHS(図示略)が内蔵されている。
また、ホッパ装置HPの左側には、スロットマシンSM全体の動作電力を賄う電源装置PWUが設けられている。
次に、スロットマシンSMの動作を制御する制御システムを、図3を参照し説明する。図3は、スロットマシンSMの制御システム構成を表した回路ブロック図である。
スロットマシンSMの全体動作は主制御ユニットMCUによって制御される。主制御ユニットMCUは、マイクロプロセッサ(MPU)200と、マイクロプロセッサ200に制御を実行させるためのシステムプログラム等が予め記憶されたメモリ(ROM)201と、マイクロプロセッサ200の作業記憶領域としての記憶部(RAM)202を備えている。
また、主制御ユニットMCUは、周辺機器または周辺回路との制御信号等の入出力を行うための入出力ポート203を備えている。すなわち、マイクロプロセッサ200は、入出力ポート203を介して、ベットボタンM4、M5、M6、スタートレバーM7、ストップボタンM8、M9、M10、精算ボタンM11、メダル管理ユニットMU4に設けられているメダル投入センサMS、更に、ホッパ装置HPに設けられているメダル払出センサHS、及びホッパモータHMと接続されている。
つまり、マイクロプロセッサ200は入出力ポート203を介して、周辺に備えられたベットボタン等の操作スイッチの状態信号、及びメダル投入センサ等のセンサからの検出信号を入力し、またホッパモータHM等のアクチュエータに対して動作をさせるための制御信号、及びベットボタンM6に内蔵する後述の数値表示素子に数値を表示させるためのデータ信号を出力する。
また、主制御ユニットMCUは、リールユニットRUに設けられている駆動モータRMとしてのステッピングモータの回転動作を制御するモータコントローラ214を備えている。そして、リールユニットRUのリールを駆動するステッピングモータ(駆動モータ)RMがモータコントローラ214に接続されている。ステッピングモータRMは、モータコントローラ214からの駆動パルスの供給毎に所定の角度だけリールを回転させる。
また、リールR1、R2、R3の基準位置を検出する基準位置センサRSが主制御ユニットMCUに接続されている。
すなわち、スタートレバーM7が操作されて主制御ユニットMCUに回転開始の指示信号が入力されると、マイクロプロセッサ200は、モータコントローラ214を制御してリールR1、R2、R3が所定の回転数で回転するように駆動パルスを出力させる。このとき、基準位置センサRSは、リールR1、R2、R3が基準位置に達する毎に主制御ユニットMCUに検出信号を出力する。マイクロプロセッサ200は、基準位置センサRSからの検出信号を受けた後モータコントローラ214によって出力させた駆動パルスのパルス数をカウントすることで、回転リールの回転角度を求めることができる。
そして、ストップボタンが操作され主制御ユニットMCUに回転停止の指示信号が入力されると、マイクロプロセッサ200は、モータコントローラ214を制御し駆動パルスの周波数を低くしリールR1、R2、R3を制動しながら停止させる。このときもマイクロプロセッサ200は、基準位置センサRSからの検出信号と駆動パルスのパルス数から回転リールの回転角度を求め、各リールが停止した際に表示する絵柄を知ることができる。
また、主制御ユニットMCUは、上部ランプU1を点灯させるためのランプ駆動回路211、サイドランプM1、M2を点灯させるためのランプ駆動回路212、及び効果音を再生してスピーカSR、SL、SWを鳴動させる音響コントローラ213を備え、夫々入出力ポート203を介してマイクロプロセッサ200に接続されている。
更に、主制御ユニットMCUは、液晶表示ユニットSDUに設けられた映像表示コントローラSDCと接続されている。
すなわち、ゲームの進行に応じてマイクロプロセッサ200から指令される演出制御の内容に従って、ランプ駆動回路211、212は各ランプU1、M1、M2による照明演出の制御、音響コントローラ213はスピーカSL、SR、SWによる音響演出の制御、映像表示コントローラSDCは液晶表示部SDによる演出表示の制御を行う。
次に、上述のスロットマシンSMのベットボタンM6として搭載された本操作ボタン装置100を説明する。図4は、スロットマシンSMの操作卓MTの左側部分を表した平面図である。
図4において、本操作ボタン装置100は、遊技者等の指で押圧操作される操作面を有するボタン部材103を備え、また数値表示素子112を内蔵している。数値表示素子112は、2桁の数値を表示することができ、ボタン部材103を通して表示された数値が視認可能となっている。
図5は、図4で示す矢印V−V線に沿う操作ボタン装置100の構造を表す断面図である。図6は、図4で示す矢印VI−VI線に沿う操作ボタン装置100の断面図であり、ボタン部材103が押圧操作された状態を表している。
本操作ボタン装置100は、図5及び6に示すように、前述したボタン部材103と、該ボタン部材103の内側に取り付けられる保持部材102と、略円筒形状のケーシング部材101と、バネ105と、配線基板106とを備えている。
ボタン部材103は、光を透過させる性質を有するプラスチックからなり、円筒状の筒部103bと、該筒部103bの上端が前述の操作部103aによって塞がれるように一体形成されている。筒部103bには、下側へ向けて延び半径方向に弾性変形可能な帯板部103dが複数形成されている。そして、帯板部103dの先端には、楔状の突起部103eが形成されている。また、筒部103bの内壁には、保持部材102を係止させるための係止孔103cが複数形成されている。
保持部材102には、内側に後述の数値表示素子112が挿入される室部102aと、室部102aの天部に開口する窓部102bと、保持部材102の外周に沿って若干小さな外径を有する段差部102cが形成されている。窓部102bは、後述の数値表示素子112の表示面よりも大きいサイズで形成されており、窓部102b及び光透過性を有するボタン部材103を介して数値表示素子112が表示する数値表示を遊技者側から視認可能としている。
また、保持部材102の底部の一端(図5において右側)には、下方に延びる帯板状の遮光片102eが形成されている。更に、保持部材102の外周壁には、ボタン部材103の係止孔103cと係止するための楔状の突起部102dが対応する箇所に複数形成されている。このように、保持部材102は、室部102a、窓部102b、段差部102c、突起部102d、遮光片102eが硬質プラスチックで一体的に形成されている。
ここで、保持部材102とボタン部材103とは、ボタン部材103の筒部103b内に保持部材102が挿入され、保持部材102の突起部102dとボタン部材103の係止孔103cとが係止されて固着している。なお、保持部材102とボタン部材103は、同一材料で一体形成されたものでも良い。
ケーシング部材101は、略円筒形状を有しており、内側を貫通する孔の上部にはボタン部材103の筒部103bが挿入され、該筒部103bと摺接するガイド孔101aが形成されている。ケーシング部材101を貫通する孔の底端部は拡径されており、これにより段差部101bが形成されている。そして、ケーシング部材101の底端部で拡径された孔の複数箇所に、後述する止め部材107を係止させるための係止孔101cが形成されている。
また、ケーシング部材101を貫通する孔の深さ方向ほぼ中央に、当該孔から中心に向けて延びる片持部104が当該孔の周方向に沿って複数形成されている。そして、片持部104の上部基端側には、凹状のバネ受け溝部104aが形成されている。更に、ケーシング部材101を貫通する孔には、互いに隣接する片持部104で挟まれた位置から下側に向けて係合溝101dが複数形成されている。
なお、ケーシング部材101は、上述のガイド孔101a、段差部101b、係止孔101c、係合溝101d、及び片持部104を含めて硬質プラスチックで一体的に形成されている。
ボタン部材103の筒部103bがケーシング部材101のガイド孔101aに挿入され、筒部103bの外周面とガイド孔101aの内周面とが摺動することで、ボタン部材103がガイド孔101aに沿って(図5又は6においては上下方向に)往復移動が可能となっている。
すなわち、ボタン部材103の筒部103bに形成されている帯板部103dを内側に折り曲げるように変形させ、ケーシング部材101のガイド孔101aに帯板部103dの突起部103eを摺接させながら押し込むことでガイド孔101aの底部側に形成されている係合溝101dに突起部103eが嵌め込まれる。このとき、コイルバネであるバネ105は、圧縮状態で片持部104のバネ受け溝部104aに一端が当接され、保持部材102の段差部102cに他端が当接されて取り付けられる。これにより、ボタン部材103は、ケーシング部材101から外部に向けて(図5及び6においては上方に向けて)付勢されると共に、ボタン部材103の帯板部103dに形成された突起部103eの上側端とケーシング部材101の係合溝101dの上端壁とが当接するため、ボタン部材103は抜け止めされている。
ボタン部材103の操作部103aが押圧されると、ボタン部材103はガイド孔101aに沿ってバネ105の付勢力に対抗しながら下方に移動し、図6に示すように保持部材102の底部と片持部104の上部が当接することで、ボタン部材103の押し込み量が制限されている。
次に、配線基板106は、円板状の絶縁性樹脂基板に導電性の配線パターンが形成され、配線基板106の表面側に数値表示素子112と、光スイッチ111と、高輝度の発光ダイオードLED1、LED2、LED3、LED4が実装されている。また、配線基板106の裏面側には、スロットマシンSMの主制御ユニットMCUとハーネス(図示略)で電気的に接続するためのコネクタCN1、CN2が実装されている。
配線基板106は、ケーシング部材101の段差部101bとケーシング部材101の底部において係止された止め部材107とによって挟まれて装着されている。止め部材107の外周壁には楔形状の突起部107aが複数形成されており、止め部材107をケーシング部材101の底部で拡径する孔に挿入し該突起部107aがケーシング部材101の係止孔101cに係合することで、止め部材107は、ケーシング部材101に係止されている。
また、止め部材107には、コネクタCN1、CN2の位置及びサイズに対応して開口部107b、107cが形成されており、これらの開口部107b、107cを介してコネクタCN1、CN2とハーネス側のコネクタとが接続される。 配線基板106に実装される数値表示素子112は、ボタン部材103にできるだけ接近して設置されるように長めのリード線112aを有している。そして、支柱状のスペーサ113の中空部分にリード線112aを挿入しスペーサ113を介して数値表示素子112を配線基板106に装着することで、数値表示素子112が振動したり、振動によってリード線112aが配線基板106の配線パターンから剥離・断線したりする等の不具合を防止している。
図7は、配線基板106に実装されている電子部品等の配置を表す平面図、図8は、配線基板106に形成される電気回路の配線図である。
数値表示素子112は、発光ダイオードによる7個のセグメントが8の字状に配置され各セグメントを選択発光させることで0から9までの数字を発光表示させる自己発光型の表示素子(以下「7セグLED」という)が2個並べられて形成され、これにより2桁の10進数を表示することが可能となっている。
すなわち、図8(a)において、7セグLED1121は10の位の数値を表示し、7セグLED1122は1の位の数値を表示する。たとえばコネクタCN1の端子Ps1に所定の電圧値で電流を供給し、端子Pa、Pb、Pd、Pe、Pgをグランドに接続すると、7セグLED1121のセグメントSa、Sb、Sd、Se、Sgが発光し、そのため7セグLED1121は数字の「2」を表示することになる。同様に、コネクタCN1の端子Ps2に所定の電圧値で電流を供給し、端子Pb、Pc、Pf、Pgをグランドに接続すると、7セグLED1122のセグメントSb、Sc、Sf、Sgが発光するので、7セグLED1122は数字の「4」を表示することになる。端子Ps1と端子Ps2に供給する電流を高速で切り替え、これに同期させて端子Pa〜Pgのグランドへの接続も切り替えることで、2個の7セグLEDによる表示が高速で切り替わるため、たとえば上述の例においては、「24」の2桁の数値を表示することができる。
本操作ボタン装置100は、数値表示素子112が数値を発光表示すると、光透過性を有するボタン部材103の操作部103aを介して、数値表示素子112で表示された数値が遊技者側から視認できるようになっている。
なお、数値表示素子112は、上述した自己発光型の7セグLEDに限らず、たとえば各セグメントが印可電圧に応じて分子配向が変化し光を透過・遮断する性質を有する液晶層によって形成された7セグの液晶表示素子から構成されるものでもよい。
光スイッチ111は、センシング光を透過又は遮光することでオンオフ動作する光学式のスイッチ(フォトインタラプタ)である。図8(b)において、コネクタCN2の端子Ptpと端子Ptc間に所定の電圧を与えると、抵抗Rで制限された電流が光スイッチ111に内蔵されている発光素子に供給され、発光素子は受光素子に向けてセンシング光を照射する。受光素子はセンシング光を受けるとオン動作し、コネクタCN2の端子Ptoと端子Ptc間を導通(コレクタ出力)させる。センシング光が遮光片102e等により遮光されると、受光素子はオフ動作し、端子Ptoと端子Ptc間は電気的に絶縁された状態となる。
すなわち、遊技者等によりボタン部材103の操作部103aが押圧されると、ボタン部材103はガイド孔101aに沿ってバネ105の付勢力に対抗しながら下方に移動する。保持部材102に形成されている遮光片102eが光スイッチ111に到達しセンシング光が遮光されると光スイッチ111はオフ動作する。主制御ユニットMCUは、端子Ptoと端子Ptcとの間が絶縁状態にあることを検出すると、本操作ボタン装置100が押圧操作されていると認識する。
発光ダイオードLED1、LED2、LED3、LED4は、配線基板106の外縁部分に夫々実装されている。図8(b)において、コネクタCN2の端子Plpに所定量の電流を供給し、端子Pl1、Pl2、Pl3、Pl4をグランドに接続すると各発光ダイオードが発光する。これにより、保持部材102の窓部102bを通して操作部103aの背面側が照射され、遊技者側からはボタン部材103の操作部103aが明るく表示されて見える。
次に、本操作ボタン装置100がベットボタンとして搭載されたスロットマシンSMの動作を図9のフローチャートに基づいて説明する。
ここで、スロットマシンSMにおいては、メダル投入部M3から投入されたメダル、あるいはゲームの入賞により獲得したメダルをスロットマシンSM内に貯留することができ、貯留されたメダルは遊技者がゲームに対して賭け金を投下できる等任意に使用できるので、一般にクレジットと呼ばれている。
すなわち、ステップS1において、遊技者によってメダル投入部M3からメダルが投入されメダル投入センサMSからの検出信号が主制御ユニットMCUに出力されると、マイクロプロセッサ200はメダルが投入されたことを認識し、ステップS2に移行する。
ステップS2において、マイクロプロセッサ200は、RAM202で記憶しているクレジット枚数にメダル投入部M3から投入されたメダルの枚数を加算し、これにより更新された新たなクレジット枚数をRAM202に記憶させる。そして、ステップS3において、更新されたクレジット枚数をベットボタンM6である本操作ボタン装置100の数値表示素子112に表示させる。
また、ステップ4において、精算ボタンM11が押圧操作されマイクロプロセッサ200がこれを認識すると、ステップS5に移行する。ステップS5において、マイクロプロセッサ200はホッパモータHMを駆動させ、ホッパ装置HPのメダル貯留部HP1に収納されているメダルをクレジット枚数だけ排出口L4から排出させる。そして、ステップS6において、本操作ボタン装置100の数値表示素子112にクレジット枚数としてゼロを表示させた後、ゲームが再開できる状態に戻る。
ステップS4において精算ボタンM11の押圧操作が認識されない場合、ステップS7に移行し、ベットボタンM4、M5、M6が押圧操作されたか否か判定する。ベットボタンが押圧操作されないときはステップS1へ戻り、いずれかのベットボタンが押圧操作されたことを認識すると、ステップS8に移行する。マイクロプロセッサ200は、押圧操作されたベットボタンによって提示されたメダルの枚数を当該ゲームの賭けメダル数とし、ステップS8において、記憶しているクレジット枚数からベットボタンで提示されたメダルの枚数を減算し、新たなクレジット枚数をRAM202に記憶させる。そして、ステップS9において、更新されたクレジット枚数をベットボタンM6である本操作ボタン装置100の数値表示素子112に表示させる。
ステップS10では、遊技者の操作に従ってスロットマシンのゲームを実行する。ステップ11において当該ゲームがはずれであると判定すると、次のゲームを再開できる状態に戻る。
また、ステップ11において3個のリールに描かれた絵柄が揃い当該ゲームの入賞が確定するとステップS12に移行し、入賞により遊技者が獲得したメダルの枚数をRAM202で記憶しているクレジット枚数に加算してRAM202に記憶させる。そして、ステップS13において、更新されたクレジット枚数をベットボタンM6である本操作ボタン装置100の数値表示素子112に表示させ、次のゲームを再開できる状態に戻る。
なお、スロットマシンを例に基づいて本実施形態を説明したが、たとえばパチスロ、またはコンピュータシミュレーションでスロットマシンゲームを実行することができるゲーム機等、スロットマシンと同様のゲームが行える遊技機(スロットマシン遊技機)にも応用できる。
以上述べたように、本実施形態の操作ボタン装置100によれば、ベットボタンとしてスロットマシンSMに搭載され、スロットマシンSM内に貯留されているクレジット枚数を本操作ボタン装置100の操作部103aを介して遊技者等が視認可能になるように表示している。スロットマシンSMのゲームに投下可能な(賭けることができる)クレジットの枚数が当該ゲームにクレジットを投下する操作を行うベットボタン自体に表示されるため、ベットボタンの操作に関連するクレジット枚数を遊技者が容易に認識できる。
したがって、遊技者は、スロットマシンSMに貯留されているクレジット枚数が分からなくなったり、誤認したりすることなくゲームを続けることができ、スロットマシンSMの操作性が向上する。
また、たとえばスロットマシンSMの中部パネル部MP等に別途クレジット枚数を表示する表示手段を設ける必要がなくなる。