本発明の一実施形態を示す遊技機であるパチスロについて、図1〜図26を参照しながら説明する。はじめに、図1を参照して、遊技機の実施の形態に係る機能フローについて説明する。
本実施の形態のパチスロでは、遊技を行うための遊技媒体としてメダルを用いる。なお、遊技媒体としては、メダル以外にも、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を適用することもできる。
遊技者によりメダルが投入され、スタートレバーが操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
内部抽籤手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。この内部抽籤手段は、後述する主制御回路が担う。内部当籤役の決定により、後述の入賞判定ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
また、スタートレバーが操作されると、複数のリールの回転が行われる。その後、遊技者により所定のリールに対応するストップボタンが押されると、リール停止制御手段は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。このリール停止制御手段は、後述する主制御回路が担う。
パチスロでは、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec又は75msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施形態では、この規定時間内にリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼ぶ。規定時間が190msecである場合には、滑り駒数の最大数を図柄4コマ分に定め、規定時間が75msecである場合には、滑り駒数の最大数を図柄1コマ分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せ表示を許可する内部当籤役が決定されているときは、通常、190msec(図柄4コマ分)の規定時間内に、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。また、リール停止制御手段は、例えば、第2種特別役物であるチャレンジボーナス(CB)及びCBを連続して作動させるミドルボーナス(MB)の動作時には、1つ以上のリールに対して、規定時間75msec(図柄1コマ分)内に、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。さらに、リール停止制御手段は、遊技状態に対応する各種規定時間を利用して、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って表示されないようにリールの回転を停止させる。
こうして、複数のリールの回転がすべて停止されると、入賞判定手段は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。この入賞判定手段は、後述する主制御回路が担う。入賞判定手段により入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。パチスロでは、以上のような一連の流れが1回の遊技として行われる。
また、パチスロでは、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置などの表示装置により行う映像の表示、各種ランプにより行う光の出力、スピーカにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
スタートレバーが操作されると、上述した内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。この演出内容決定手段は、後述する副制御回路が担う。
演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時等の各契機に連動させて対応する演出を実行する。このように、パチスロでは、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る機会又は予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
<パチスロの構造>
次に、図2及び図3を参照して、本実施形態におけるパチスロの構造について説明する。
[外観構造]
図2は、パチスロ1の外部構造を示す斜視図である。
図2に示すように、パチスロ1は、外装体2を備えている。外装体2は、リールや回路基板等を収容するキャビネット2aと、キャビネット2aに対して開閉可能に取り付けられるフロントドア2bとを有している。
キャビネット2aの両側面には、把手7が設けられている(図2では一側面の把手7のみを示す)。この把手7は、パチスロ1を運搬するときに手をかける凹部である。
キャビネット2aの内部には、3つのリール3L,3C,3Rが横並びに設けられている。以下、各リール3L,3C,3Rを、それぞれ左リール3L、中リール3C、右リール3Rという。各リール3L,3C,3Rは、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のシート材を有している。シート材の表面には、複数(例えば21個)の図柄が周方向に沿って所定の間隔をあけて描かれている。
フロントドア2bは、ドア本体9と、フロントパネル10と、表示装置の一具体例を示す液晶表示装置11と、台座部12と、腰部パネル22と、を備えている。ドア本体9は、ヒンジ(不図示)を用いてキャビネット2aに開閉可能に取り付けられている。ヒンジは、パチスロ1の前方からドア本体9を見た場合に、ドア本体9における左側の端部に設けられている。
液晶表示装置11は、ドア本体9の上部に取り付けられており、映像の表示による演出を実行する。なお、液晶表示装置11をドア本体9に取り付ける詳細な構成については、後述する。この液晶表示装置11は、3つのリール3L,3C,3Rに描かれた図柄を表示する表示窓4を含む表示部(表示画面)11aを備える。本実施形態では、表示窓4を含む表示部11aの全体を使って、映像の表示が行われ、演出が実行される。
以下、表示窓4を、それぞれ左表示窓4L、中表示窓4C、右表示窓4Rという。
これら表示窓4L,4C,4Rは、正面(遊技者側)から見て、3つのリール3L,3C,3Rの配置領域と重畳する位置に設けられ、かつ、3つのリールより手前(遊技者側)に位置するように設けられる。したがって、遊技者は、表示窓4L,4C,4Rを介して、表示窓4の背後に設けられた3つのリール3L,3C,3Rを視認することができる。
本実施形態では、表示窓4L,4C,4Rは、その背後に設けられた対応するリールの回転が停止したとき、各リールに描かれた複数種類の図柄のうち、連続して配置された3つの図柄を表示できる大きさに設定されている。すなわち、表示窓4L,4C,4Rの枠内には、リール毎に上段、中段及び下段の各領域が設けられ、各領域に1個の図柄が表示される。そして、本実施形態では、左リール3Lの中段領域、中リール3Cの中段領域、及び、右リール3Rの中段領域を結ぶラインを、入賞か否かの判定を行う入賞判定ラインとして定義する。
フロントパネル10は、ドア本体9の上部に取り付けられており、液晶表示装置11を覆う大きさに設定されている。このフロントパネル10は、液晶表示装置11の表示部11a側に重畳して配置され、液晶表示装置11の表示部11aを露出させる2つのパネル開口201a,201bと、装飾部280を露出させるパネル開口201cを有する装飾枠201を有している。装飾枠201は、白色の樹脂によって形成され、表面には、ガラスビーズが混入されているコート剤によって、コーティングされている。
装飾枠201は、パネル開口201a,201b,201cを区画する上仕切り片212及び下仕切り片213を有している。3つのパネル開口201a,201b,201cは、上仕切り片212,下仕切り片213によって上下方向に並ぶように区画されている。装飾枠201のパネル開口201aは、液晶表示装置11の表示部11aを露出させる。また、装飾枠201のパネル開口201bは、液晶表示装置11の表示部11a及び3つのリール3L,3C,3Rを露出させる。また、装飾枠201のパネル開口201cは、装飾部280を露出させる。
装飾枠201には、LED(Light Emitting Diode)群21と、回転装飾ユニット221と、LED群21の一部を構成する発光装飾ユニット251及び装飾部280が設けられている。LED群21は、演出内容に対応するパターンで、点灯及び消灯する。なお、フロントパネル10の詳細な構成については、後述する。
ドア本体9の下部には、一体的に形成された台座部12と腰部パネル22が取り付けられている。台座部12には、遊技者の操作対象となる各種装置(メダル投入口13、MAXベットボタン14、1ベットボタン15、スタートレバー16、ストップボタン17L,17C,17R)が設けられている。台座部12の表面には、クロムメッキが施されている。また、クロムメッキの上からガラスビーズが混入されている白色の塗料が塗られている。
メダル投入口13は、遊技者によって外部からパチスロ1に投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口13から受け入れられたメダルは、予め設定された枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に使用され、予め設定された枚数を超えた分は、パチスロ1の内部に預けることができる(いわゆるクレジット機能)。
MAXベットボタン14及び1ベットボタン15は、パチスロ1の内部に預けられているメダルから1回の遊技に使用する枚数を決定するために設けられる。MAXベットボタン14は、本発明の遊技機に係る第1操作部の一具体例を示す。なお、図2には示さないが、台座部12には、精算ボタンが設けられる。この精算ボタンは、パチスロ1の内部に預けられているメダルを外部に引き出す(排出する)ために設けられる。
スタートレバー16は、全てのリール(3L,3C,3R)の回転を開始するために設けられる。このスタートレバー16は、本発明の遊技機に係る第2操作部の一具体例を示す。ストップボタン17L,17C,17Rは、それぞれ、左リール3L、中リール3C、右リール3Rに対応づけて設けられ、各ストップボタンは対応するリールの回転を停止するために設けられる。以下、ストップボタン17L,17C,17Rを、それぞれ左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rという。
また、台座部12には、7セグメントLED(Light Emitting Diode)からなる7セグ表示器28が設けられている。この7セグ表示器28は、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ1の内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報をデジタル表示する。
腰部パネル22は、台座部12の下方でドア本体9の下部を覆っている。また、腰部パネル22は、任意の画像が描かれた装飾パネル23を有している。腰部パネル22の表面には、クロムメッキが施されている。また、クロムメッキの上からガラスビーズが混入されている白色の塗料が塗られている。
ドア本体9における腰部パネル22の下方には、メダル払出口18、メダル受皿19、スピーカ20L,20R等が設けられている。メダル払出口18は、後述のメダル払出装置43の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル受皿19は、メダル払出口18から排出されたメダルを貯める。また、スピーカ20L,20Rは、演出内容に対応する効果音や楽曲等の音を出力する。
[内部構造]
次に、パチスロ1の内部構造を、図3を参照しながら説明する。
図3は、パチスロ1の内部構造を示す斜視図である。
キャビネット2aは、正面側の一面が開口された略直方体状に形成されている。このキャビネット2a内の上部には、主制御回路91を構成する主制御基板41が設けられている。主制御回路91は、内部当籤役の決定、各リールの回転及び停止、入賞の有無の判定等の、パチスロ1における遊技の主な動作及び該動作間の流れを制御する回路である。なお、主制御回路91の具体的な構成は後述する。
キャビネット2a内の中央部には、3つのリール(左リール3L、中リール3C及び右リール3R)が設けられている。なお、図3には示さないが、各リールは、所定の減速比を有する歯車を介して対応するステッピングモータに接続される。
キャビネット2a内の下部には、多量のメダルを収容可能であり、かつ、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有するメダル払出装置43(以下、ホッパー装置43という)が設けられている。キャビネット2a内における、ホッパー装置43の左側方(キャビネット2a内部を正面から見て左側)には、パチスロ1が有する各装置に対して必要な電力を供給する電源装置44が設けられている。
また、キャビネット2a内における、ホッパー装置43の右側方(キャビネット2a内部を正面から見て右側)には、メダル補助収納庫45が設けられている。このメダル補助収納庫45は、ホッパー装置43から溢れ出たメダルを収納する。メダル補助収納庫45は、キャビネット2aの底面に係合されており、キャビネット2aに対して着脱可能に構成されている。
フロントドア2bの裏面側(表示画面側とは反対側の部分)における上部には、後述の副制御回路101(図9参照)を構成する副制御基板42が設けられている。副制御回路101は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。なお、副制御回路101の具体的な構成は後述する。
さらに、フロントドア2bの裏面側における略中央部には、セレクタ46が設けられている。セレクタ46は、メダル投入口13を介して外部から投入されたメダルの材質や形状等が適正である否かを選別する装置であり、適正であると判定したメダルをホッパー装置43に案内する。また、図3には示さないが、セレクタ46内においてメダルが通過する経路上には、適正なメダルが通過したことを検出するメダルセンサが設けられている。
[表示装置の取り付け構造]
次に、液晶表示装置11におけるドア本体9への取り付け構造について、図4〜図6を参照しながら説明する。図4は、フロントパネル10をドア本体9から取り外した状態を示す斜視図である。図5及び図6は、液晶表示装置11及び後述する表示ホルダ301を示す斜視図である。
図4に示すように、液晶表示装置11は、表示ホルダ301に保持される。そして、液晶表示装置11は、右部保持フレーム401、左部保持フレーム402及び下部保持フレーム403を介して、ドア本体9の上部を構成する上部フレーム9aに固定されている。
図5に示すように、表示ホルダ301は、一面が開口した中空の容器状に形成されている。表示ホルダ301は、3つのリール3L,3C,3R(図3参照)が露出する露出窓301aが形成されている。また、液晶表示装置11を表示ホルダ301に収めた際(図6参照)に、露出窓301aは、液晶表示装置11の表示窓4L,4C,4Rと対向する。
図5及び図6に示すように、表示ホルダ301における開口する一面には、保護カバー351が配置される。保護カバー351は、横長の長方形に形成されており、例えばアクリル板等の透明な部材によって形成される。そして、保護カバー351は、液晶表示装置11における表示面側の前面を覆う。また、保護カバー351と液晶表示装置11の間には、液晶保護シート353が介在される。
また、図5に示すように、保護カバー351における液晶表示装置11と対向する面と反対側の面には、3つのクッションシート411、412、413が貼付されている。右クッションシート411は、保護カバー351の右端部に配置され、左クッションシート412は、保護カバー351の左端部に配置される。そして、下クッションシート413は、保護カバー351の下端部に配置される。
図6に示すように、保護カバー351の右端部には、右部保持フレーム401が配置され、保護カバー351の左端部には、左部保持フレーム402が配置される。また、保護カバー351の下端部には、下部保持フレーム403が配置される。そして、3つのクッションシート411、412、413は、それぞれ保護カバー351と右部保持フレーム401、左部保持フレーム402及び下部保持フレーム403に挟持される。このように、右部保持フレーム401、左部保持フレーム402及び下部保持フレーム403と保護カバー351の間に、3つのクッションシート411、412、413を介在させることで、保護カバー351が右部保持フレーム401、左部保持フレーム402及び下部保持フレーム403によって傷付くことを防ぐことができる。
そして、図4に示すように、液晶表示装置11は、保護カバー351と表示ホルダ301に挟持されて、右部保持フレーム401、左部保持フレーム402及び下部保持フレーム403を介して、ドア本体9の上部フレーム9aに固定される。このように、本実施形態のパチスロ1によれば、液晶表示装置11の上端部を除く3辺に保持フレーム401,402,403を配置して、ドア本体9に固定している。これにより、液晶表示装置11の上端部が保持フレーム401,402,403によって覆われないため、液晶表示装置11の表示可能な領域を広くすることができる。
[表示装置及びタッチセンサモジュール]
次に、液晶表示装置11の構成について、図7を参照しながら説明する。
図7は、液晶表示装置11の平面図である。
図7に示すように、液晶表示装置11は、表示部11aと、表示部11aを囲う枠部11bとを有している。表示部11aは、横長の長方形に形成されており、上述した表示窓4L,4C,4Rを有している。枠部11bは、表示部11aの4辺を囲う長方形の枠状に形成されている。
表示部11aにおける表示窓4Rの側方(表示窓4Cと反対側の側方)には、タッチセンサモジュール31が配置されている。すなわち、タッチセンサモジュール31は、表示部11aの右下の角部に配置されている。
図8は、タッチセンサモジュール31の平面図である。
図8に示すように、タッチセンサモジュール31は、表面型静電容量方式のタッチセンサであり、センサ部32と、フレキシブルプリント基板33と、タッチセンサIC(Integrated Circuit)34とを備えている。
センサ部32は、長方形の板状に形成されている。このセンサ部32は、長方形の透明基板35と、透明基板35の一方の表面35aに設けられた電極パターン36a,36b,36c及び透明導電膜と、保護カバー(不図示)を有している。透明基板35の材料としては、例えば、ガラスを挙げることができる。保護カバーは、透明の材料から形成されており、透明導電膜及び電極パターン36a,36b,36cを覆っている。
電極パターン36a,36b,36cは、透明基板35の外縁部に配置されており、透明導電膜は、電極パターン36a,36b,36cに囲まれる領域に成膜されている。そして、電極パターン36a,36b,36cは、透明導電膜に電気的に接続されている。
電極パターン36aは、I字状に形成されており、透明基板35の一方の長辺に沿って延びている。電極パターン36bは、L字状に形成されており、透明基板35の一方の短辺と一方の長辺に沿って延びている。また、電極パターン36cは、L字状に形成されており、透明基板35の他方の短辺と一方の長辺に沿って延びている。透明基板35の他方の長辺には、電極パターンが形成されていない。すなわち、センサ部32の一辺(他方の長辺)には、電極パターンが形成されていない。
フレキシブルプリント基板33は、透明基板35の一方の長辺に接続されており、コネクタ33aを有している。このコネクタ33aは、タッチセンサ中継基板73(図10参照)に接続される。フレキシブルプリント基板33には、電極パターン36a,36b,36cが電気的に接続されている。タッチセンサIC34は、フレキシブルプリント基板33に実装されている。
センサ部32における透明基板35の表面35aには、一様な電界が発生しており、指が透明基板35の表面35a(保護カバー)に触れると、表面35a上における電界の状態が変化する。これにより、電極パターン36a,36b,36cに微弱な電流が発生し、その電流値がタッチセンサIC34へ出力される。タッチセンサIC34は、電極パターン36a,36b,36cの電流値に基づいて指が触れた位置を検出する。
図7に示すように、タッチセンサモジュール31の電極パターン36b,36cにおける透明基板35の一方の長辺に沿う部分と電極パターン36aは、枠部11bの右側片に対向する。また、電極パターン36bにおける透明基板35の一方の短辺に沿う部分は、枠部11bの下側片に対向する。
図9は、フロントドア2bを正面からみた説明図である。
図9に示すように、液晶表示装置11の表示部11aは、装飾枠201のパネル開口201a,201bから露出している。そして、タッチセンサモジュール31は、表示部11aにおける表示窓4Rの側方に配置されている。これにより、表示部11aにおける表示窓4Rの側方には、タッチセンサモジュール31を用いたタッチ入力部31aが形成されている。
タッチセンサモジュール31のセンサ部32(図8参照)における一方の長辺及び一方の短辺に設けた電極パターン36a,36bは、枠部11bに対向しており、装飾枠201に覆われている。また、電極パターン36cは、枠部11bに対向してはいないが、装飾枠201の上仕切り片212に覆われている。そして、タッチセンサモジュール31におけるセンサ部32の他方の長辺には、電極パターンが形成されていない。
これにより、タッチ入力部31aが設けられた領域とタッチ入力部31aが設けられていない領域との境界にタッチセンサモジュール31の電極パターンが表れないようにすることができる。その結果、タッチ入力部31aが設けられた領域とタッチ入力部31aが設けられていない領域との境界を遊技者が視認できないようにすることができる。
<パチスロが備える制御系>
次に、パチスロ1が備える制御系について、図10を参照して説明する。
図10は、パチスロ1の制御系を示すブロック図である。
パチスロ1は、キャビネット2aに配設された主制御基板41と、フロントドア2bに配設された副制御基板42を有している。
主制御基板41には、リール中継端子板51と、設定用鍵型スイッチ52と、キャビネット側中継基板53と、ドア中継端子板54と、電源装置44の電源基板44bが電気的に接続されている。
リール中継端子板51は、各リール3L,3C,3Rのリール本体の内側に配設されている。このリール中継端子板51は、各リール3L,3C,3Rのステッピングモータ(不図示)に電気的に接続されており、主制御基板41からステッピングモータに出力される信号を中継する。設定用鍵型スイッチ52は、パチスロ1の設定を変更する際又はパチスロ1の設定を確認する際に使用する。
キャビネット側中継基板53には、外部集中端子板56と、ホッパー装置43と、メダル補助収納庫スイッチ57が電気的に接続されている。このキャビネット側中継基板53は、主制御基板41から外部集中端子板56、ホッパー装置43、メダル補助収納庫スイッチ57に出力される信号を中継する。つまり、外部集中端子板56、ホッパー装置43及びメダル補助収納庫スイッチ57は、キャビネット側中継基板53を介して主制御基板41に接続されている。
外部集中端子板56は、キャビネット2aに取り付けられており、メダル投入信号、メダル払出信号及びセキュリティー信号などの信号をパチスロ1の外部へ出力するために設けられている。なお、ホッパー装置43については、上述したため、説明を省略する。
メダル補助収納庫スイッチ57は、メダル補助収納庫45を貫通している。このメダル補助収納庫スイッチ57は、メダル補助収納庫45がメダルで満杯になっているか否かを検出する。
電源装置44の電源基板44bには、電源スイッチ44aが接続されている。この電源スイッチ44aは、パチスロ1に必要な電源を供給するときにONにする。
ドア中継端子板54には、メダルセンサ46S、ドア開閉監視スイッチ61、BETスイッチ62、精算スイッチ63、スタートスイッチ64、ストップスイッチ基板65、遊技動作表示基板66及び副中継基板67が接続されている。つまり、メダルセンサ46S、ドア開閉監視スイッチ61、BETスイッチ62、精算スイッチ63、スタートスイッチ64、ストップスイッチ基板65、遊技動作表示基板66及び副中継基板67は、ドア中継端子板54を介して主制御基板41に接続されている。
メダルセンサ46Sは、メダルが前述のセレクタ46内を通過したことを検出して、その検出結果を主制御基板41に出力する。ドア開閉監視スイッチ61は、フロントドア2bの開閉を報知するためのセキュリティー信号をパチスロ1の外部へ出力する。BETスイッチ62は、MAXベットボタン24及び1BETボタン25(図2参照)が遊技者により押されたことを検出して、その検出結果を主制御基板41に出力する。
精算スイッチ63は、精算ボタン(不図示)が遊技者により押されたことを検出して、その検出結果を主制御基板41に出力する。スタートスイッチ64は、スタートレバー26が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出して、その検出結果を主制御基板41に出力する。
ストップスイッチ基板65は、回転しているリールを停止させるための回路と、停止可能なリールをLEDなどにより表示するための回路を構成する基板である。このストップスイッチ基板65には、ストップスイッチが設けられている。ストップスイッチは、本発明に係る停止操作検出手段の一具体例であり、各ストップボタン27L,27C,27Rが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。
遊技動作表示基板66は、メダルの投入を受け付けるとき、3つのリール3L,3C,3Rが回動可能なとき及び再遊技を行うときに、投入されたメダルの枚数を7セグ表示器28に表示させるための基板である。この遊技動作表示基板66には、7セグ表示器28とLED69が接続されている。LED69は、例えば、遊技の開始を表示するマークや再遊技を行うマークなどを点灯させる。
副中継基板67は、副制御基板42と主制御基板41とを接続する配線を中継する。また、副中継基板67は、副制御基板42と副制御基板42の周辺に配設された複数の基板とを接続する配線を中継する。すなわち、副中継基板67には、副制御基板42と、サウンドI/O基板71と、LED基板72と、タッチセンサ中継基板73と、24hドア開閉監視ユニット74と、回転装飾ユニット駆動基板78が電気的に接続されている。
副制御基板42は、ドア中継端子板54と副中継基板67を介して主制御基板41に接続されている。また、副制御基板42は、副中継基板67を介して、サウンドI/O基板71と、LED基板72と、タッチセンサ中継基板73と、24hドア開閉監視ユニット74と、回転装飾ユニット駆動基板78に電気的に接続されている。
サウンドI/O基板71は、スピーカ20L,20Rへの音声の出力を行う。LED基板72は、副制御回路101(図12参照)の制御により実行される演出に応じて、LED群21における光源を発光させて、点滅パターンを表示する。
タッチセンサ中継基板73は、タッチセンサモジュール31から出力された入力情報を副制御回路101に送信する。このタッチセンサ中継基板73の回路構成については、後で図13を参照して説明する。
24hドア開閉監視ユニット74は、フロントドア2bの開閉の履歴を保存する。また、24hドア開閉監視ユニット74は、フロントドア2bを開放したときに、液晶表示装置11にエラー表示を行うための信号を副制御基板42(副制御回路101)に出力する。
回転装飾ユニット駆動基板78は、副制御回路101(図12参照)の制御により実行される演出に応じて、後述する回転装飾ユニット221を駆動させる。
副制御基板42には、ロムカートリッジ基板76と、液晶中継基板77が接続されている。ロムカートリッジ基板76は、演出用の画像(映像)、音声、光(LED群21)及び通信のデータを管理するための基板である。液晶中継基板77は、副制御基板42と液晶表示装置11とを接続する配線を中継する基板である。
<主制御回路>
次に、主制御基板41により構成される主制御回路91について、図11を参照して説明する。
図11は、パチスロ1の主制御回路91の構成例を示すブロック図である。
主制御回路91は、主制御基板41上に設置されたマイクロコンピュータ92を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ92は、メインCPU93、メインROM94及びメインRAM95により構成される。
メインROM94には、メインCPU93により実行される制御プログラム、データテーブル、副制御回路101に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM95には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU93には、クロックパルス発生回路96、分周器97、乱数発生器98及びサンプリング回路99が接続されている。クロックパルス発生回路96及び分周器97は、クロックパルスを発生する。メインCPU93は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器98は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路99は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
メインCPU93は、リールインデックスを検出してから各リール3L,3C,3Rのステッピングモータに対してパルスを出力した回数をカウントする。これにより、メインCPU93は、各リール3L,3C,3Rの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。
なお、リールインデックスとは、リールが一回転したことを示す情報である。このリールインデックスは、例えば、発光部及び受光部を有する光センサと、各リール3L,3C,3Rの所定の位置に設けられ、各リール3L,3C,3Rの回転により発光部と受光部との間に介在される検知片を備えたリール位置検出部(不図示)により検出する。
ここで、各リール3L,3C,3Rの回転角度の管理について、具体的に説明する。ステッピングモータに対して出力されたパルスの数は、メインRAM95に設けられたパルスカウンタによって計数される。そして、図柄1つ分の回転に必要な所定回数(例えば16回)のパルスの出力がパルスカウンタで計数される毎に、メインRAM95に設けられた図柄カウンタが1ずつ加算される。図柄カウンタは、各リール3L,3C,3Rに応じて設けられている。図柄カウンタの値は、リール位置検出部(不図示)によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
つまり、本実施の形態では、図柄カウンタを管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたのかを管理するようになっている。したがって、各リール3L,3C,3Rの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
本実施の形態では、基本的に滑り駒数の最大数を図柄4個分に定めている。したがって、左ストップボタン27Lが押されたときに表示窓4の中段にある左リール3Lの図柄と、その4個先の図柄までの範囲内にある各図柄が、表示窓4の中段に停止可能な図柄となる。
<副制御回路>
次に、副制御基板42により構成される副制御回路101について、図12を参照して説明する。
図12は、パチスロ1の副制御回路101の構成例を示すブロック図である。
副制御回路101は、主制御回路91と電気的に接続されており、主制御回路91から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路101は、基本的に、サブCPU102、サブRAM103、レンダリングプロセッサ104、描画用RAM105、ドライバ106を含んで構成されている。
サブCPU102は、主制御回路91から送信されたコマンドに応じて、ロムカートリッジ基板76に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。ロムカートリッジ基板76は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU102が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路91との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスクが含まれる。また、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置11(図2参照)による映像の表示を制御する描画制御タスク、LED群21等の光源による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ20L,20Rによる音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域が含まれている。また、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
サブRAM103は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路91から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。
サブCPU102、レンダリングプロセッサ104、描画用RAM(フレームバッファを含む)105及びドライバ106は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置11に表示させる。
また、サブCPU102は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGMなどの音をスピーカ20L,20Rにより出力させる。また、サブCPU102は、演出内容により指定されたランプデータに従ってLED群21における光源の点灯及び消灯を制御する。
<タッチセンサ中継回路>
次に、タッチセンサ中継基板73により構成されるタッチセンサ中継回路151について、図13を参照して説明する。
図13は、タッチセンサ中継回路151の構成例を示すブロック図である。
図13に示すように、タッチセンサ中継回路151は、副中継基板67及びタッチセンサモジュール31と電気的に接続されている。タッチセンサ中継回路151は、タッチセンサモジュール31から供給される操作XY座標データに基づいて、操作コマンド及びXY座標データを決定し、副中継基板67を介して副制御回路101に送信する。
タッチセンサ中継回路151は、基本的に、通信用LSI(Large Scale Integration
)152、コネクタ153,154、レギュレータ155,156、サブ制御受信バッファ157及びサブ制御送信バッファ158を含んで構成されている。
通信用LSI152には、コネクタ154、レギュレータ155、サブ制御受信バッファ157及びサブ制御送信バッファ158が接続されている。サブ制御受信バッファ157は、コネクタ153及びレギュレータ155に接続されており、サブ制御送信バッファ158は、コネクタ153及びレギュレータ156に接続されている。
コネクタ153は、副中継基板67に実装されたコネクタ131と電気的に接続されている。また、コネクタ154は、タッチセンサモジュール31の前述したコネクタ33aに電気的に接続されている。
レギュレータ155は、コネクタ153を介して供給されたDC(direct current)12Vの電源をDC3.3Vの電源に制御して、通信用LSI152、コネクタ154及びサブ制御受信バッファ157に出力する。また、レギュレータ156は、コネクタ153を介して供給されたDC12Vの電源をDC5Vの電源に制御して、サブ制御送信バッファ158に出力する。
サブ制御受信バッファ157は、副制御回路101から送信されてコネクタ153が受信した受信データ(RXD)を一時的に格納する。そして、格納した受信データを通信用LSI152に送信する。
通信用LSI152は、コネクタ154を介してタッチセンサモジュール31から供給されたタッチ入力情報に基づいて、タッチセンサモジュール31のタッチ入力部31a(図6参照)に対する操作の種類等を表す各種操作コマンドを決定する。なお、通信用LSI152の代わりに、CPUを用いてもよい。また、タッチセンサモジュール31から供給された操作XY座標データに基づいて、XY座標データを決定する。
サブ制御送信バッファ158は、通信用LSI152から出力された各種操作コマンドとXY座標データを格納する。そして、各種操作コマンドとXY座標データを送信データ(TXD)として、コネクタ153を介して副制御回路101に送信する。
本実施形態では、タッチセンサ中継回路がタッチセンサモジュールから出力されたタッチ入力情報に基づいて操作種別とXY座標を決定するため、副制御回路101により行うタッチセンサモジュール31に係る処理を削減することができる。その結果、タッチセンサモジュール31を搭載する場合における副制御回路101の負担を軽減することができる。
<フロントパネルの構成>
次に、フロントパネル10の詳細な構成について、図4、図9、図14を参照しながら説明する。
図14は、フロントパネル10を背面から見た平面図である。
図4に示すように、フロントパネル10は、液晶表示装置11の表示部11a側に配置され、ドア本体9に着脱可能に装着される。このとき、フロントパネル10の下端部は、ドア本体9の台座部12に載置される。図6に示すように、フロントパネル10は、装飾枠201と、装飾枠201に設けられた回転装飾ユニット221と、発光装飾ユニット251と、装飾部280と、を有している。
[装飾枠]
図9に示すように、装飾枠201は、フロントドア2b(図2参照)の前方に突出するように形成されている。装飾枠201は、上辺部202と、上辺部202と上下方向に対向する下辺部203と、2つの側辺部204、205と、上仕切り片212、下仕切り片213とを有している。上辺部202、下辺部203、上仕切り片212及び下仕切り片213は、水平方向に延在しており、上仕切り片212及び下仕切り片213は、上辺部202と下辺部203の上下方向の間に配置される。また、上仕切り片212は、下仕切り片213の上方に配置されている。
第1の側辺部204は、上辺部202、下辺部203、上仕切り片212及び下仕切り片213の水平方向の一端に配置されている。また、第2の側辺部205は、上辺部202、下辺部203、上仕切り片212及び下仕切り片213の水平方向の他端に配置されている。また、第1の側辺部204と第2の側辺部205は、上下方向に延在し、互いに水平方向に対向している。
そして、上辺部202、第1の側辺部204、第2の側辺部205及び上仕切り片212によって、パネル開口201aが形成される。また、上仕切り片212、第1の側辺部204、第2の側辺部205及び下仕切り片213によって、パネル開口201bが形成される。また、下仕切り片213、第1の側辺部204、第2の側辺部205及び下辺部203によって、パネル開口201cが形成される。また、
また、第1の側辺部204の上下方向の上部には、回転装飾ユニット221が設けられており、第2の側辺部205の上下方向の上部には、発光装飾ユニット251が設けられている。なお、回転装飾ユニット221及び発光装飾ユニット251は、本発明に係る電気で作動する装飾ユニットの一具体例を示す。
また、図14に示すように、装飾枠201における下辺部203には、2つのアース部材217,218が設けられている。2つのアース部材217,218は、それぞれ下辺部203における上下方向の下端に、接続ねじ214a,214bを介して下辺部203に固定される。また、2つのアース部材217,218は、下辺部203において水平方向に所定の間隔を開けて配置されている。第1のアース部材217は、水平方向の一端(第1の側辺部204側)にされ、第2のアース部材218は、水平方向の他端(第2の側辺部205側)に配置されている。なお、第1のアース部材217及び第2のアース部材218は、それぞれ同一の構成を有するため、ここでは第1のアース部材217について説明する。
図15に示すように、第1のアース部材217は、導電性を有する平板状の部材から形成されている。第1のアース部材217は、接触片217aと、接続ねじ214aが螺合する固定片217bとを有している。接触片217aは、U字状に屈曲することで弾性が付与された板ばねである。接触片217aの一端部は、下辺部203の下端から上下方向の下方に向けて膨出している。
また、接触片217aにおける他端部には、固定片217bが連続して形成されている。固定片217bには、2つの位置決め孔217c、217cが形成されている。2つの位置決め孔217c、217cは、下辺部203の下端部に設けた位置決め突起203aがそれぞれ貫通する。これにより、下辺部203における第1のアース部材217の位置決めを行うことができる。
図14に戻って示すように、第1のアース部材217には、第1のアース線215aの一端が接続ねじ214aを介して接続されており、第2のアース部材218には、第2のアース線215bの一端が接続ねじ214bを介して接続されている。第1のアース線215aは、装飾枠201における下辺部203から第1の側辺部204へ延在し、第1の側辺部204内を通って、回転装飾ユニット221まで延在している。そして、第1のアース線215aの他端は、回転装飾ユニット221に接続片216aを介して接続されている。
第2のアース線215bは、装飾枠201における下辺部203から第2の側辺部205へ延在し、第2の側辺部205内を通って、発光装飾ユニット251まで延在している。そして、第2のアース線215bの他端は、発光装飾ユニット251に接続片216bを介して接続されている。
また、図16に示すように、フロントパネル10をドア本体9に取り付けた際に、アース部材217の接触片217aは、台座部12に設けた下部フレーム9bに接触し、アース部材217と下部フレーム9bが電気的に導通する。このとき、接触片217aは、下部フレーム9bと装飾枠201の下辺部203によって挟持されて、下辺部203に接近する方向へ弾性変形する。これにより、フロントパネル10をドア本体9に取り付ける際に生じる衝撃力を、アース部材217の接触片217aによって吸収することができる。
また、接触片217aは、下辺部203の下端部から上下方向の下方に向けて膨出しているため、確実に接触片217aは下部フレーム9bに接触する。これにより、フロントパネル10に設けた電気で作動する回転装飾ユニット221及び発光装飾ユニット251の接地を確実に行うことができ、回転装飾ユニット221及び発光装飾ユニット251で発生する静電気などのノイズを適切にフロントパネル10からドア本体9へ逃がすことができる。
また、従来では、フロントパネル10をドア本体9に装着する前に、フロントパネル10に設けた電気で作動する装飾ユニットから延びるアース線を、ドア本体9のフレームに接続する作業が必要であった。しかしながら、本実施形態のパチスロ1によれば、フロントパネル10をドア本体9に装着すると同時にフロントパネル10に設けた回転装飾ユニット221及び発光装飾ユニット251の接地作業を行うことができる。これにより、各種の装飾ユニットの接地を容易に行うことができるだけでなく、接地にかかる作業時間を省略することができ、組み立て作業やメンテナンス時にかかる時間の短縮を図ることができる。
[回転装飾ユニット]
次に、回転装飾ユニット221の構成を図17〜図20を参照して説明する。
図17は、回転装飾ユニット221を示す斜視図、図18は、回転装飾ユニット221を正面から見た平面図、図19は、回転装飾ユニット221を背面から見た平面図、図20は、回転装飾ユニット221における要部を示す斜視図である。
図17及び図18に示すように、回転装飾ユニット221は、遊技に係るキャラクターの装備の形状をした中空の装飾本体222と、装飾本体222に重なり合うカバー部材223とを有している。装飾本体222は、半円状に形成され、正面部に開口部222aを有している。カバー部材223は、透明又は半透明の樹脂から形成されている。そして、カバー部材223は、装飾本体222の正面部に重なり合い、開口部222aを閉じる。なお、カバー部材223は、透明又は半透明の樹脂から形成されているため、カバー部材223を介して装飾本体222の内部が視認可能となっている。
また、装飾本体222の中には、第1の装飾回転部材226と、第2の装飾回転部材227と、第3の装飾回転部材228と、第4の装飾回転部材229が配置されている。第1の装飾回転部材226、第2の装飾回転部材227、第3の装飾回転部材228及び第4の装飾回転部材229は、装飾本体222の開口部222aから視認可能な位置に配置されている。
また、回転装飾ユニット221は、第1の装飾回転部材226、第2の装飾回転部材227、第3の装飾回転部材228及び第4の装飾回転部材229を回転させる回転機構224を有している。図18及び図19に示すように、回転機構224は、装飾本体222の背面側に配置されている。
図19に示すように、回転機構224は、ベース部材234と、ベース部材234に固定されたモータ(駆動部)240(図20参照)と、駆動歯車231と、第1歯車232と、第2歯車233と、第3歯車235と、第4歯車236とを有している。
図20に示すように、駆動歯車231は、モータ240の回転軸に固定されている。第1歯車232は、駆動歯車231に噛み合う。第2歯車233は、第1歯車232と噛み合い、第3歯車235は、第2歯車233に噛み合う。また、第4歯車236は、第3歯車235と噛み合う。
第1歯車232は、第1回転軸241を介して第1の装飾回転部材226に連結されており、第2歯車233は、第2回転軸242を介して第2の装飾回転部材227に連結されている。また、第3歯車235は、第3回転軸243を介して第3の装飾回転部材228に連結されており、第4歯車236は、第4回転軸244を介して第4の装飾回転部材229に連結されている。そして、第1回転軸241、第2回転軸242、第3回転軸243及び第4回転軸244は、ベース部材234(図19参照)に回転可能に支持されている。
モータ240が駆動すると、モータ240の回転力が、駆動歯車231から第1歯車232へ伝達される。そして、第1歯車232、第2歯車233、第3歯車235及び第4歯車236が連動して回転する。さらに、第1歯車232、第2歯車233、第3歯車235及び第4歯車236に連結された、第1の装飾回転部材226、第2の装飾回転部材227、第3の装飾回転部材228及び第4の装飾回転部材229も回転する。
また、図19に示すように、ベース部材234における第3歯車235の近傍には、センサ部238が設けられている。センサ部238は、例えば発光ダイオードと、フォトダイオードを有するフォトインタラプタである。発光ダイオードとフォトダイオードは、略U字状のブラケットに支持されて、互いに対向するように配置されている。発光ダイオードは、所定の光量の光を常に発光する。フォトダイオードが所定の光量以上の光を受光すると、フォトセンサは、ハイレベルの信号を出力する。一方、フォトダイオードが受光する光量が所定の光量に満たないと、フォトセンサは、ローレベルの信号を出力する。
さらに、第3歯車235には、扇状に形成された遮光片237が一体に形成されている。遮光片237は、第3歯車235と一体に回転し、センサ部238を構成するフォトダイオードと発光ダイオードの間を通過する。
また、本実施形態では、例えばモータ240が252ステップ駆動した際に、第3歯車235が一回転する。そのため、第3歯車235の駆動量は、1ステップで1.429°回転する。そして、サブCPU102及び回転装飾ユニット駆動基板78(図10参照)は、センサ部238が、遮光片237によって発光ダイオードからの光が遮光されてから、例えば21ステップ駆動した位置を第3歯車235の原点位置P1と規定している。
ここで、第3歯車235に連結されている第3の装飾回転部材228の直径は、第1の装飾回転部材226、第2の装飾回転部材227及び第4の装飾回転部材229の直径よりも大きく設定されている。すなわち、本実施形態では、一番大きい回転体の回転を基準に用いている。
また、サブCPU102及び回転装飾ユニット駆動基板78(図10参照)は、所定時間、モータ240を駆動した際に、遮光片237がセンサ部238を通過したか否か、すなわちセンサ部238の光が遮光されたか否を判別することで、回転装飾ユニット221が正しく駆動しているか判別する。
[発光装飾ユニット]
次に、発光装飾ユニット251の構成について図21〜図23を参照して説明する。
図21は、発光装飾ユニット251を示す分解斜視図、図22は、発光装飾ユニット251のリフレクタを取り付けた状態を示す分解斜視図、図23は、発光装飾ユニットにおける装飾カバー、第1の透光カバー及び第2の透光カバーを外した状態を示す正面図である。なお、発光装飾ユニット251は、本発明の発光ユニットの一具体例を示す。
図21に示すように、発光装飾ユニット251は、複数の光源259と、複数の光源259が搭載された光源基板258と、導光パネル257と、透光パネル256と、装飾カバー252と、リフレクタ255と、第1の透光カバー253と、第2の透光カバー254とを有している。光源259は、例えばフルカラーLED(Light Emitting Diode)や白色LED等で構成される。なお、光源259は、LEDに限定されず、例えば、白熱電球や蛍光ランプ等を用いてもよい。
光源基板258は、第2の側辺部205に形成した載置面205aに取り付けられている。また、光源基板258の上下方向の上部には、導光パネル257及び透光パネル256が重なり合う。導光パネル257及び透光パネル256は、平板状に形成されている。また、導光パネル257及び透光パネル256は、それぞれ透明又は半透明の樹脂から形成されており、透光性を有している。導光パネル257には、固定孔257aが設けられている。そして、導光パネル257の固定孔257aには、載置面205aに設けた固定ねじ263が貫通する。透光パネル256は、導光パネル257における載置面205aと対向する一面と反対側の面に重なり合う。
導光パネル257は、光源基板258の上部に設けた光源259から出射した光を透光パネル256まで導光する。そして、導光パネル257によって導光された光は、透光パネル256から装飾枠201の前方に向けて照射される。
リフレクタ255は、平板状の例えば白色等の光を反射し易い色で形成されている。リフレクタ255は、複数の挿通孔255aと、取付孔255bが形成されている。複数の挿通孔255aの位置は、光源基板258に搭載された複数の光源259の位置に対応している。図22に示すように、リフレクタ255は、導光パネル257及び光源基板258の前方に配置される。このとき、取付孔255bには、載置面205aに設けた固定ねじ261が貫通する。さらに、複数の挿通孔255aからは、それぞれ光源259が露出される。リフレクタ255を覆うように、リフレクタ255の前方には、第1の透光カバー253、第2の透光カバー254及び装飾カバー252が臨む。
第1の透光カバー253は、中空の略半球状に形成されている。第1の透光カバー253は、透明又は半透明の樹脂から形成されており、透光性を有している。また、第1の透光カバー253には、載置面205aに設けた固定ねじ262が貫通する貫通孔253aが形成されている。さらに、第1の透光カバー253におけるパチスロ1の前後方向の前方から露出する表面には、溝部253bが設けられている。
第2の透光カバー254は、第1の透光カバー253の表面と反対側の背面に配置され、第1の透光カバー253と重なり合う。第2の透光カバー254は、第1の透光カバー253と同様に、中空の略半球状に形成されている。第2の透光カバー254は、黒色の透光性を有する樹脂から形成されている。第2の透光カバー254は、透明度が低く、第1の透光カバー253と重なり合う表面側から背面側が視認不可能となっている。そのため、光源259が消灯しているとき、第2の透光カバー254の表面側からは第2の透光カバー254の背面側、すなわちリフレクタ255、光源基板258及び光源259は、視認不可能となっている。これに対し、光源259が発光しているとき、第2の透光カバー254は、光源259から出射された光を透光させる。第2の透光カバー254は、透光性を有する黒色の樹脂だけでなく、例えば、黒色の半透明の樹脂、あるいは透明の樹脂に黒色のフィルムを貼付することによって形成してもよい。第2の透光カバー254には、載置面205aに設けた固定ねじ262が貫通する貫通孔254aが形成されている。
装飾カバー252は、第1の透光カバー253の表面側に配置される。装飾カバー252におけるパチスロ1の前後方向の前方から露出する装飾面252aには、パチスロ1(図2参照)全体の意匠のテーマに沿った装飾が施される。また、装飾カバー252にける装飾面252aの反対側の背面には、第1の透光カバー253の溝部253bに嵌り込む不図示の突条部が設けられている。これにより、第1の透光カバー253に対する装飾カバー252の位置決めを行うことができる。
また、装飾カバー252の背面には、載置面205aに設けた固定ねじ261,262,263が螺合する固定部252bが設けられている。そして、装飾カバー252は、固定ねじ261,262、263によって装飾枠201に固定される。このとき、装飾カバー252と装飾枠201の載置面205aの間には、第1の透光カバー253、第2の透光カバー254及びリフレクタ255が配置される。
<発光装飾ユニットの発光及び消灯パターン>
次に、発光装飾ユニット251の発光及び消灯パターンの一例について図23を参照して説明する。
まず、通常時では、サブCPU102は、発光装飾ユニット251の全ての光源259を発光させる。そして、複数の光源259から出射された光は、第2の透光カバー254及び第1の透光カバー253を透光し、第1の透光カバー253からパチスロ1の前方に向けて出射される。そのため、発光装飾ユニット251は、例えば白色に発光する。これに対し、複数の光源259が消灯すると、第2の透光カバー254の黒色が、第1の透光カバー253から透過し、遊技者からは、発光装飾ユニット251は、黒色に視認される。
また、第2の透光カバー254は、第1の透光カバー253によって覆われているため、発光装飾ユニット251の内部が黒く光ったように演出することができる。
また、図23に示すように、サブCPU102(図12参照)は、複数の光源259を上下方向の下方から、所定の個数毎(本実施形態では、4個から6個毎)に第1のグループ271、第2のグループ272、第3のグループ273及び第4のグループ274に分割する。ここで、それぞれのグループ271,272,273,274を構成する光源259は、水平方向又は放射状に一列に整列しないように配置されている。
そして、特定の演出を行うことが決定されると、サブCPU102は、消灯及び発光させるグループ271,272,273,274を決定する。例えば、遊技状態が遊技者にとって不利な状態になる毎に、上下方向の下方に配置された第1のグループ271から上方のグループ272,273,274にかけて順番に消灯する。ここで、各グループ271,272,273,274を構成する光源259は、その左右方向又は放射状に一列に整列しないように配置され、所定の高さの範囲内で乱雑に配置されている。そのため、発光装飾ユニット251が上下方向の下方から次第に黒く濁ったように演出することができる。
また、本実施形態では、複数の光源259を消灯及び発光させることで、黒色を表現する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、複数の光源259の輝度の値を低下又は上昇させることで、発光装飾ユニット251が白色から黒色へ、又は黒色から白色へ変化することを表現してもよい。
なお、本実施形態では、上下方向の下方に配置された第1のグループ271から上方に向けて順番に消灯する例を説明したが、上下方向の上方に配置された第4のグループ274から下方に向けて順番に消灯するようにしてもよい。
なお、本実施形態では、複数の光源259を上下方向に4つのグループ271,272,273,274に分けた例を説明したが、これに限定されるものではなく、3つのグループ或いは5つ以上のグループに分けてもよい。複数の光源259を左右方向や同心円状に3つ以上のグループに分けてもよい。
[装飾部]
次に、装飾部280の構成について図24及び図25を参照して説明する。
図24は、装飾部280を示す分解斜視図である。図25は、背景部材を説明する図であり、Aは背景部材の第1の背景絵柄を示し、Bは背景部材の第2の背景絵柄を示す。
装飾部280は、パネル開口201cから露出され、ドア本体9に設けられた複数の光源としてのLED281(図10省略)が副制御回路101に制御されて点灯及び消灯することによって外観を変化し、遊技を演出する。なお、LED281は、例えばフルカラーLED(Light Emitting Diode)や白色LED等で構成されている。なお、装飾部280に光を照射する光源としては、LEDに限定されず、例えば、副制御回路101に制御されて点灯及び消灯する白熱電球や蛍光ランプ等を用いてもよい。
装飾部280は、リフレクタ部材282と、背景部材283と、ホログラム部材284と、フィルム部材285と、を有している。
リフレクタ部材282は、白色の樹脂からなる平板状の部材である。リフレクタ部材282は、LED281から照射された光を、背景部材283に向けて反射する。なお、リフレクタ部材282の表面にメッキ処理を施してもよい。
背景部材283は、透光性のある樹脂からなる平板状の部材である。背景部材283は、その前面及び後面が前後方向に略直交するように配置され、リフレクタ部材282の前面を覆っている。
背景部材283の前面には、透光性を有する有色インクによって前後方向に略直交する有色インク層が形成されている。有色インク層は、図25Aに示すように、例えば青色の背景に複数の黄色の円が配置されている第1の背景絵柄283aを有している。
また、背景部材283の前面には、有色インク層に重畳して、有色インクよりも透光性が高い偏光パールインクによって偏光パールインク層が形成されている。偏光パールインク層は、図25Bに示すように、例えば緑色の背景に複数の赤色の星が配置されている第2の背景絵柄283bを有している。
このため、LED281の消灯時は、第1の背景絵柄283aに比べて第2の背景絵柄283bの視認性が高く、第2の背景絵柄283bが背景部材283の前方から視認可能である。また、LED281の点灯時は、LED281から照射されてリフレクタ部材282で反射され、背景部材283の後面から前面へ透過する光が有色インク層及び偏光パールインク層を透過することで、第2の背景絵柄283bの視認性が低下し、且つ、第1の背景絵柄283aの視認性が高まり、第1の背景絵柄283aが背景部材283の前方から視認可能となる。
ホログラム部材284は、透光性のある樹脂からなる平板状の部材である。ホログラム部材284は、背景部材283の前面を覆っている。ホログラム部材284の前面には、透光性を有する透明ホログラムフィルム286が貼り付けられている。透明ホログラムフィルム286は例えば透明なテトロン系PETフィルムであり、前面にエンボス複製法又はレーザー光照射によって細かい凹凸構造のホログラムが形成されている。このホログラムは、環境光の輝度を超える輝度の光が透明ホログラムフィルム286の後方から前方へ透過すると、視認性が低下する。
また、透明ホログラムフィルム286の前面の略中央部には、有色インクで印刷された第1の前絵柄287、本実施形態では赤字ブロック体のアルファベットABCの文字列からなる絵柄が印刷されている。
ここで、LED281から照射される光の輝度は、LED281から照射された光がホログラム部材284の透明ホログラムフィルム286を後方から前方へ透過する際の輝度が環境光の輝度よりも高くなるような値に設定されている。
このため、LED281の消灯時においては、透明ホログラムフィルム286における第1の前絵柄287以外の部分、すなわち有色インクが重畳していない部分のホログラムが、環境光を乱反射してキラキラ輝く。また、LED281の点灯時は、LED281から照射され、リフレクタ部材282で反射された光が背景部材283及びホログラム部材284を透過することによって、LED281の消灯時に比べて透明ホログラムフィルム286のホログラムの輝きが目立たなくなり、相対的に第1の前絵柄287が目立つようになる。
フィルム部材285は、透明なフィルム状の部材である。フィルム部材285は、接着剤などによって、ホログラム部材284の前面を覆うように貼り付けられている。フィルム部材285の前面における略中央部には、ホログラム部材284における第1の前絵柄287の輪郭に重なる第2の前絵柄288が、有色インク、本実施形態では黄色のインクによって印刷されている。
このため、装飾部280の前面には、第2の前絵柄288が第1の前絵柄287の輪郭を縁取りしたような絵柄が表示されている。
リフレクタ部材282、背景部材283及びフィルム部材285が貼り付けられているホログラム部材284の左右方向の両端部付近には、前後方向に貫通するねじ孔が設けられている。リフレクタ部材282、背景部材283及びホログラム部材284は、このねじ孔を挿通するねじによって、ドア本体9に固定されている。
次に、このように構成された装飾部280の作用について図26を参照して説明する。図26は装飾部280の作用を説明する図である。なお、図26では、リフレクタ部材282の図示を省略している。
LED281の消灯時における装飾部280の前面の外観は、図26Aに示すように、第2の背景絵柄283b(図25B参照)を背景に、第1の前絵柄287及び第2の前絵柄288からなる絵柄、すなわち黄色で縁取りされた赤字ブロック体のアルファベットABCの文字列からなる絵柄が中央に表示され、この絵柄の周りは透明ホログラムフィルム286のホログラムによって環境光が乱反射してキラキラ輝いている態様となる。
一方、LED281の点灯時には、LED281の消灯時に比べて第2の背景絵柄283b(図25B参照)の視認性が低下し、第2の背景絵柄283bが目立たなくなる。また、LED281の消灯時に比べて第1の背景絵柄283a(図25A参照)の視認性が高まり、第1の背景絵柄283aが目立つようになる。また、ホログラムの視認性が低下する。このため、装飾部280の前面の外観は、図26Bに示すように、第1の背景絵柄283aに、第1の前絵柄287及び第2の前絵柄288からなる絵柄が中央に表示され、この絵柄の周りの透明ホログラムフィルム286のホログラムによる輝きが目立たない態様となる。
したがって、本実施形態の遊技機1では、LED281の点灯及び消灯による装飾部280の外観の変化が比較的大きいことから、効果的な演出を行うことができる。
また、LED281の消灯時に比べて、LED281の点灯時は、第1の前絵柄287及び第2の前絵柄288からなる絵柄の周りの透明ホログラムフィルム286のホログラムによる輝きが目立たなくなり、相対的に第1の前絵柄287及び第2の前絵柄288からなる絵柄が目立つようになる。したがって、LED281の点灯及び消灯によって外観が変化する背景部材283及びホログラム部材284と、LED281の点灯及び消灯によって外観が変化しない第1の前絵柄287と第2の前絵柄288からなる絵柄によって、効果的な演出を行うことができる。
また、フィルム部材285には、ホログラム部材284における第1の前絵柄287の輪郭に重なる第2の前絵柄288が、有色インクによって印刷されている。このため、第2の前絵柄288が第1の前絵柄287の輪郭に重なることによって、第1の前絵柄287の輪郭を際立たせることができる。このため、第1の前絵柄287及び第2の前絵柄288によって輪郭が明瞭な絵柄を形成することができる。
以上、本発明の一実施形態に係る遊技機について、その作用効果も含めて説明したが、本発明はここで説明した実施の形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限り、種々の実施の形態を含むことは言うまでもない。
例えば、本実施形態では、ホログラム部材284の前面に透明ホログラムフィルム286が貼り付けられている態様を説明したが、ホログラムフィルム286をホログラム部材284の裏面に貼り付けてもよい。また、ホログラム部材284の前面、裏面又は内部にホログラム加工を施すことで、透明ホログラムフィルム286の貼り付けを省略してもよい。
また、本実施形態では、第1の前絵柄287を透明ホログラムフィルム286に形成し、第2の前絵柄288をフィルム部材285に形成した。しかし、これに代えて、第1の前絵柄287及び第2の前絵柄288をフィルム部材285に形成してもよい。
また、本実施形態では、背景部材283の前面に、有色インク層と有色インク層に重畳する偏光パールインク層が形成されている態様を説明した。しかし、これに代えて、背景部材283の後面に、偏光パールインク層と偏光パールインク層に重畳する有色インク層を形成してもよい。
また、本実施形態では、背景部材283の前面に、第1の背景絵柄283aを有する有色インク層と、第2の背景絵柄283bを有する偏光パールインク層と、を形成する態様を説明した。しかし、これに代えて、背景部材283の前面に、透光性のある有色インク、例えば青色の有色インクでCHANCEという文字列を形成し、また、緑色の有色インクでWINという文字列を形成し、光源259としてマルチカラーLEDを用いてもよい。この場合、光源259の消灯時には、CHANCEという文字列及びWINという文字列が同様の視認性で背景部材283の前面に表示される。また、光源259が緑色に発光すると緑色のWINという文字列の視認性が低下し、WINという文字列が目立たなくなり、相対的に青色のCHANCEいう文字列が目立つように背景部材283の外観が変化する。また、光源259が青色に発光すると青色のCHANCEという文字列の視認性が低下し、CHANCEという文字列が目立たなくなり、相対的に緑色のWINいう文字列が目立つように背景部材283の外観が変化する。したがって、この場合、CHANCEという文字列及びWINという文字列からなる絵柄が第2の背景絵柄を構成し、光源259が緑色に発光するときは、CHANCEという文字列のみからなる絵柄が第1の背景絵柄を構成する。また、光源259が青色に発光するときは、WINという文字列のみからなる文字列が第1の背景絵柄を構成する。
また、背景部材283の前面に、3つの層を形成してもよい。この3つの層の第1の層は、透光性のある複数色のインクによって形成された第1層絵柄を有する。また、第2の層は、白色のインクによって形成され、第1層側から入光して第2層を透過する光を減光する。第3層は、透光性のある複数色のインクによって形成された第3層絵柄を有する。この場合、光源259の消灯時において、背景部材283の外観は、白色の背景に第3層絵柄が表示されている態様となる。また、光源259の点灯時において、背景部材283の外観は、第1層絵柄の視認性が高まることで、第1層絵柄と第3層絵柄とが表示されている態様となる。すなわち第1層絵柄の視認性が高まることで、背景部材283の外観が変化する。なお、この場合、第1層絵柄が第1の背景絵柄を構成し、第3層絵柄が第2の背景絵柄を構成する。
また、上述した実施の形態例では、遊技機としてパチスロ機を用いた例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、パチンコ機等、その他各種の遊技機であってもよい。