図1は、本発明の一実施例の遊技機1の外観を示す斜視図である。遊技機1は、所謂「パチスロ機」である。この遊技機1は、コイン、メダル、遊技球、又はトークンなどの他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカードなどの遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下では、メダルを用いるものとして説明する。
遊技機1の全体を形成している筐体4は、箱状のキャビネット60と、このキャビネット60を開閉する前面ドア2と、を備える。
前面ドア2の正面には、略垂直面としての液晶表示部5a、パネル表示部5b、及び固定表示部5cが形成されている(後述の図2参照)。また、前面ドア2の背後には、複数種類の図柄が夫々の外周面に描かれた3個のリール3L,3C,3Rが、回転自在に横一列に設けられている。各リール3L,3C,3Rの図柄は、液晶表示部5aの図柄表示領域21L,21C,21Rに設けられた縦長矩形の表示窓4L,4C,4Rを通して、遊技機1の外部から視認できるようになっている。また、各リール3L,3C,3Rは、一定の速度(本実施例では、80回転/分)で回転し、図柄を変動表示する。
液晶表示部5a、パネル表示部5b、及び固定表示部5cの下方には、略水平面の台座部10が形成されている。この台座部10の水平面内のうち右側には、メダルを投入するためのメダル投入口22が設けられている。メダル投入口に投入されたメダルは、クレジットされるか、ゲームに賭けられる。一方、台座部10の水平面内のうち左側には、押下操作によりクレジットされているメダルを賭けるための1−BETスイッチ11a、2−BETスイッチ11b、及び最大BETスイッチ11cが設けられている。
1−BETスイッチ11aが押下操作されると、クレジットされているメダルのうちの1枚がゲームに賭けられ、2−BETスイッチ11bが押下操作されると、クレジットされているメダルのうちの2枚がゲームに賭けられ、最大BETスイッチ11cが押下操作されると、1回のゲームに賭けることが可能な最大枚数(本実施例では、3枚)のメダルが賭けられる。そして、賭けられたメダルの枚数に応じて、後述の表示ラインが有効化される。BETスイッチ11a,11b,11cの押下操作と、メダル投入口22にメダルを投入する操作(遊技を行うためにメダルを投入する操作)とを、以下「BET操作」という。
また、台座部10の水平面内のうち左側であって、BETスイッチ11a,11b,11cの奥側(BETスイッチ11a,11b,11cよりパネル表示部5b寄り)には、操作部12が設けられている。操作部12は、液晶表示部5aに遊技履歴などの情報の表示を操作するために設けられている。
台座部10の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押下操作で切り換えるC/Pスイッチ14が設けられている。このC/Pスイッチ14による切り換えにより、正面下部のメダル払出口15からメダルが払出され、払出されたメダルは、メダル受け部16に溜められる。
C/Pスイッチ14の右側には、遊技者の回動操作によりリール3L,3C,3Rを回転させ、表示窓4L,4C,4R内での図柄の変動表示を開始するためのスタートレバー6が、所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。
台座部10の前面部の略中央には、遊技者の押下操作によりリール3L,3C,3Rの回転を夫々停止させるための停止ボタン7L,7C,7Rが設けられている。なお、本実施例では、一のゲーム(単位遊技)は、基本的に、スタートレバー6が操作されることにより開始され、全てのリール3L,3C,3Rが停止したときに終了する。
また、本実施例では、全てのリール3L,3C,3Rが回転しているときに行われるリールの停止操作(停止ボタンの操作)を「第1停止操作」、「第1停止操作」の次に行われる停止操作を「第2停止操作」、「第2停止操作」の次に行われる停止操作を「第3停止操作」という。
前面ドア2下部の正面には、メダルが払出される上述のメダル払出口15と、この払出されたメダルを貯留するメダル受け部16と、が設けられている。メダル受け部16の上方の左右には、効果音や音声などの音による演出を行うためのスピーカ9L,9Rが設けられている。また、前面ドア2下部の正面のうち、停止ボタン7L,7C,7Rとメダル受け部16とに上下を挟まれた面には、機種のモチーフに対応したデザインがあしらわれた腰部パネル20が取り付けられている。
図2を参照して、液晶表示部5a、パネル表示部5b、及び固定表示部5cについて説明する。
液晶表示部5aは、図柄表示領域21L,21C,21R及び演出表示領域23により構成される。図柄表示領域21L,21C,21Rには、上述のように、表示窓4L,4C,4Rが設けられており、これら表示窓4L,4C,4Rを通して遊技機1の外部からリール3L,3C,3Rの図柄を視認できるようになっている。
これら図柄表示領域21L,21C,21Rには、表示ラインとして、水平方向にトップライン8b、センターライン8c、及びボトムライン8d、並びに、斜め方向にクロスアップライン8a及びクロスダウンライン8eが設けられる。これらの表示ラインは、BETスイッチ11a,11b,11cが押下操作されること、又はメダル投入口22にメダルが投入されることにより、有効化される(以下、有効化された表示ラインを「有効ライン」と記載する)。表示ラインが有効化されたことは、BETランプ9a,9b,9cの点灯で表示される。
ここで、各図柄表示領域21L,21C,21Rには、夫々縦方向(垂直方向)に3箇所(上段、中段、下段)の図柄停止位置が設けられている。各リール3L,3C,3Rにおける図柄の変動表示(移動表示)が停止した場合には、各図柄表示領域21L,21C,21Rに設けられた図柄停止位置の夫々に図柄が停止表示される。各表示ラインは、各図柄表示領域21L,21C,21R内の図柄停止位置を結んでおり、役の成否に関わる。具体的には、所定の役に対応する図柄組合せを構成する図柄がいずれかの有効ラインに対応する所定の位置に並んで停止表示されることにより、所定の役が成立することとなる。
図柄表示領域21L,21C,21Rは、少なくとも、対応するリール3L,3C,3Rが回転中の場合と、対応する停止ボタン7L,7C,7Rが押下操作可能な場合とには、遊技者がリール3L,3C,3Rの図柄を視認できるように、透過状態となる。
演出表示領域23は、液晶表示部5aのうち図柄表示領域21L,21C,21Rを除く領域である。この演出表示領域23では、演出画像が表示される。
パネル表示部5bは、1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、最大BETランプ9c、払出表示部13、クレジット表示部18、及びボーナス遊技情報表示部19より構成される。1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、及び最大BETランプ9cは、一のゲームを行うために賭けられたメダルの数(以下「BET数」という)に応じて点灯する。具体的には、1−BETランプ9aは、BET数が1枚のときに点灯する。2−BETランプ9bは、BET数が2枚のときに点灯する。最大BETランプ9cは、BET数が3枚のときに点灯する。
払出表示部13及びクレジット表示部18は、夫々7セグメントLEDからなり、入賞が成立したときのメダルの払出枚数及びクレジットされているメダルの枚数を表示する。ボーナス遊技情報表示部19は、7セグメントLEDからなり、ボーナス中の遊技情報を表示する。
固定表示部5cは、予め定めた図、絵などが描かれる領域である。この固定表示部5cに描かれた図、絵などと、演出表示領域23に表示された画像を連接させることにより、1つの静止画像又は動画像を表示できるようにしてもよい。
図3及び図4を参照して、リール3L,3C,3Rの内方に設けられたLEDランプ155について説明する。このLEDランプ155は、リール3L,3C,3R上に配置された図柄の照明手段、及び後述の液晶パネル134の領域のうち主として表示窓4L,4C,4Rに対応する領域の照明手段の1つとしてこれらを共通的に照明する。また、LEDランプ155は、リール3L,3C,3Rの内方から(すなわち、リール3L,3C,3Rの外周面に沿って装着されているリールシート156の裏側から)、リールシート156に配置されている図柄を照明する。
図3に示すように、リール3L,3C,3Rの内方には、リール3L,3C,3Rの回転が停止した場合に各表示窓4L,4C,4Rに現われる縦3列の図柄(合計9個の図柄)の裏側にLED収納用回路基板150L,150C,150Rが設置されている。LED収納用回路基板150L,150C,150Rは、夫々3つ(すなわち合計で9つ)のLED収納部Z1〜Z9を有し、ここに複数のLEDランプ155が設けられている。LEDランプ155は、リール3L,3C,3Rの外周面に沿って装着されたリールシート156の後面側を白色の光で照明する。より詳細には、上述の表示窓4L,4C,4Rに対応する領域を照明する。このリールシート156は、透光性を有して構成され、LEDランプ155により出射された光は前面側へ透過するようになっている。
図4は、左リール3Lと、その内側に設けられたLED収納用回路基板150Lを示す。左リール3Lは、同形の2本の環状フレーム151及び152を所定の間隔(例えばリール幅)だけ離して複数本の連結部材153で連結することで形成された円筒形のフレーム構造と、そのフレーム構造の中心部に設けられたステッピングモータ49Lの駆動力を環状フレーム151,152へ伝達する伝達部材154と、により構成される。また、左リール3Lの外周面に沿ってリールシート156が装着されている。
リール3Lの内側に配置されたLED収納用回路基板150Lは、夫々複数のLEDランプ155を収納する3つのLED収納部Z1,Z2,Z3を備えている。LED収納用回路基板150Lは、遊技者が表示窓4Lを通して視認できる図柄(合計3個の図柄)の各々の裏側にLED収納部Z1,Z2,Z3が位置するように設置されている。なお、中央リール3C,右リール3Rについては図示しないが、図示した左リール3Lと同様の構造を有し、各々のリール3C、3Rの内方にLED収納用回路基板150C,150Rが設けられている。
図5及び図6を参照して、透過型の液晶表示装置131について説明する。図5は、液晶表示装置131の概略構成を示す斜視図である。図6は、液晶表示装置131の一部の構成の展開図である。
液晶表示装置131は、保護ガラス132、表示板133、液晶パネル134、導光板135、反射フィルム136、白色光源(例えば全ての波長の光を人の目に特定の色彩が目立たない割合で含む)である蛍光ランプ137a,137b,138a,138b、ランプホルダ139a〜139h、液晶パネル駆動用のICを搭載したテーブルキャリアパッケージからなり液晶パネル134の端子部に接続したフレキシブル基板(図示せず)などにより構成される。この液晶表示装置131は、リール3L,3C,3Rの表示領域より正面から見て手前側(すなわち表示面よりも手前側)に設けられている。また、このリール3L,3C,3Rと液晶表示装置131とは、別体で(例えば所定の間隔をあけて)設けられている。
保護ガラス132及び表示板133は、透光性部材で構成されている。保護ガラス132は、液晶パネル134を保護することなどを目的として設けられている。表示板133において、上述のパネル表示部5b及び固定表示部5c(図2参照)に対応する領域には、図、絵などが描かれる。ここで、図5及び図6では、表示板133の裏面のうちパネル表示部5bに対応する領域の裏側に配置される上述の各種表示部(払出表示部13、クレジット表示部18、及びボーナス遊技情報表示部19)及びBETランプ9a〜9cを駆動する各種電気回路の図示を省略している。
液晶パネル134は、薄膜トランジスタ層が形成されたガラス板などの透明な基板と、これに対向する透明な基板と、の間隙部に液晶が封入されて形成されている。この液晶パネル134の表示モードは、ノーマリーホワイトに設定されている。ノーマリーホワイトとは、液晶を駆動していない状態(すなわち液晶パネル134に電圧を印加していない状態)で白表示となる構成である。すなわち、表示面側に光が行く、よって透過した光が外部から視認されることとなる。
ノーマリーホワイトに構成された液晶パネル134を採用することにより、液晶を駆動できない事態が生じた場合であっても、表示窓4L,4C,4Rを透してリール3L,3C,3Rの夫々の外周面に描かれた図柄を視認することができ、ゲームを継続することができる。つまり、液晶を駆動できない事態が発生した場合にも、リール3L,3C,3Rの回転及びその停止を中心としたゲームを行うことができる。
導光板135は、蛍光ランプ137a,137bからの光を液晶パネル134へ導入する(液晶パネル134を照明する)ために液晶パネル134の裏側に設けられ、例えば2cm程度の厚さを有するアクリル系樹脂などの透光性部材(すなわち導光機能を有する部材)で構成されている。
反射フィルム136は、反射領域136A及び非反射領域(すなわち透過領域)136BL,136BC,136BRにより構成されており、液晶パネル134を照明する。
非反射領域136BL,136BC,136BRは、透明な材料で形成され、入射した光を反射することなく透過させる光透過部として形成されている。これら非反射領域136BL,136BC,136BRは、リール3L,3C,3Rの回転が停止した場合に表示させる図柄の各々の前方の位置に設けられている。なお、非反射領域136BL,136BC,136BRの大きさ及び位置は、上述の表示窓4L,4C,4R(図2参照)と一致するように形成されている。
一方、反射フィルム136は、例えば白色のポリエステルフィルムやアルミ薄膜に銀蒸着膜を形成したもので形成され、導光板135に導入された光を正面側に向けて反射させる光反射部として形成されている。
蛍光ランプ137a,137bは、導光板135の上端部及び下端部に沿って配置され、夫々の両端は、ランプホルダ139a,139b,139c,139dにより支持されている。これら蛍光ランプ137a,137bは、導光板135に導入する光を出射する。
蛍光ランプ138a,138bは、反射フィルム136の裏側の上方位置及び下方位置に配置されている。これら蛍光ランプ138a,138bから出射された光は、リール3L,3C,3Rの表面で反射され、非反射領域136BL,136BC,136BRへ入射する。そして、入射した光は、非反射領域136BL,136BC,136BRを通過して液晶パネル134を照明する。したがって、蛍光ランプ138a,138bは、リール3L,3C,3Rの夫々の外周面に描かれた図柄の照明手段、及び液晶パネル134の表示領域のうち主として表示窓4L,4C,4Rに対応する領域の照明手段の1つとして、これらを共通的に照明する。また、蛍光ランプ138a,138bは、リール3L,3C,3Rの外方から、リール3L,3C,3Rの夫々の外周面に描かれた図柄を照明する。
調光パネル200は、反射フィルム136の背面側、すなわち液晶パネル134とリール3L,3C,3Rとの間に配置される。この調光パネル200は、所定間隔を空けて対向配置された2枚のガラス基板と、これら2枚のガラス基板の間に封入された液晶と、を備える。2枚のガラス基板の互いに対向する面には、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)といった透明導電材料からなる透明電極が形成されている。これら透明電極に電圧を印可すると、液晶の配向や秩序が変化して、2枚のガラス基板のうち一方のガラス基板側から入射した光が他方のガラス基板側に透過する透過率が変化する。このため、調光パネル200は、透明電極のうち電圧を印可する領域を制御することで、任意の領域で光の透過率を変化させることができる。なお、本実施例の調光パネル200では、透明電極に電圧を印可するに従って、透過率が低下するものとする。
図7を参照して、LEDランプ155及び蛍光ランプ137a,137b,138a,138bと、調光パネル200と、の機能について説明する。図7では、ランプの出射光の移動方向を矢印で示している。
図7(1)は、表示窓4L,4C,4Rにある液晶を駆動しない場合(すなわち、液晶パネル134の、表示窓4L,4C,4Rに対応する個所に電圧を印加しない場合)の各ランプの機能を示す。
蛍光ランプ138a,138bから出射された光の一部は、リールシート156により反射される。また、LED収納用回路基板150L,150C,150Rに設けられた上述のLEDランプ155から出射された光の一部は、リールシート156を透過する。これらの光は、非反射領域136BL,136BC,136BR、液晶表示装置131を構成する上述の導光板135及び液晶パネル134を透過するので、遊技者は、リール上に配置された図柄を視認することができる。したがって、表示窓4L,4C,4Rにある液晶を駆動しない場合には、LEDランプ155及び蛍光ランプ138a,138bは、リール3L,3C,3R上に配置された図柄を照明することができる。
これに対し、蛍光ランプ137a,137bから出射され、導光板135に向けて導入された光は、液晶パネル134を透過して遊技者の目に入る。つまり、蛍光ランプ137a,137bによって、上述の図柄表示領域21L,21C,21R及び演出表示領域23に対応する液晶パネル134の領域を照明することができる。
図7(2)は、表示窓4L,4C,4Rにある液晶を駆動する場合(すなわち、液晶パネル134の、表示窓4L,4C,4Rに対応する個所に電圧を印加する場合)の各ランプの機能を示す。
蛍光ランプ138a,138bから出射された光の一部は、リールシート156により反射される。また、LEDランプ155から出射された光の一部は、リールシート156を透過する。液晶パネル134の領域のうち、液晶が駆動された領域では、これらの光の一部が反射或いは吸収されたり透過したりするので、遊技者は、表示窓4L,4C,4Rに表示された演出画像などを視認することができる。したがって、表示窓4L,4C,4Rにある液晶を駆動する場合には、LEDランプ155及び蛍光ランプ138a,138bは、液晶パネル134の領域のうち、表示窓4L,4C,4Rに対応する領域を照明することができる。
ここで、液晶パネル134の領域のうち、表示窓4L,4C,4Rに対応する領域の一部の液晶を駆動する場合には、LEDランプ155及び蛍光ランプ138a,138bは、リール3L,3C,3R上に配置された図柄の照明手段及び液晶パネル134の領域のうち表示窓4L,4C,4Rの駆動していない液晶に対応する領域を照明することができる。
ここで、演出表示領域23には、主に、蛍光ランプ137a,137bから出射された光が入射する。これに対して、図柄表示領域21L,21C,21Rには、主に、蛍光ランプ137a,137bから出射された光に加えて、蛍光ランプ138a,138bから出射された光のうちリールシート156により反射されたものと、LEDランプ155から出射された光と、が入射する。このため、図柄表示領域21L,21C,21Rと演出表示領域23とでは、入射する光量が異なる場合がある。
そこで、調光パネル200により、これらに入射する光量を調整する。具体的には、図柄表示領域21L,21C,21Rに入射する光量が、演出表示領域23に入射する光量に比べて多い場合、調光パネル200のうち図柄表示領域21L,21C,21Rに対向する領域において、透明電極に電圧を印可する。これによれば、図柄表示領域21L,21C,21Rに照射される光の一部が調光パネル200で遮光され、図柄表示領域21L,21C,21Rに入射する光量を、演出表示領域23に入射する光量に略等しい値まで低下させることができる。
一方、演出表示領域23に入射する光量が、図柄表示領域21L,21C,21Rに入射する光量に比べて多い場合、調光パネル200のうち演出表示領域23に対向する領域において、透明電極に電圧を印可する。これによれば、演出表示領域23に照射される光の一部が調光パネル200で遮光され、演出表示領域23に入射する光量を、図柄表示領域21L,21C,21Rに入射する光量に略等しい値まで低下させることができる。
図8は、各リール3L,3C,3Rに表わされた複数種類の図柄が21個配列された図柄列を示している。各図柄には“0”〜“20”のコードナンバーが付され、データテーブルとして後述のメインROM32(後述の図9参照)に格納(記憶)されている。各リール3L,3C,3R上には、“赤7(図柄111)”、“BAR(図柄112)”、“スイカ(図柄113)”、“ベル(図柄114)”、“青チェリー(図柄115)”、“赤チェリー(図柄116)”、“黄チェリー(図柄117)”、“リプレイ(図柄118)”、及び“ブランク(図柄119)”の図柄で構成される図柄列が表わされている。各リール3L,3C,3Rは、図柄列が図8の矢印方向に移動するように回転駆動される。
図9は、遊技機1における遊技処理動作を制御する主制御回路71と、主制御回路71に電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)と、主制御回路71から送信される制御指令に基づいて、液晶表示部5a、スピーカ9L,9R、LED類101、及びランプ類102を制御する副制御回路72と、を含む回路構成を示す。
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、予め設定されたプログラム(後述の図11及び図12参照)に従って制御動作を行うメインCPU31と、記憶手段であるメインROM32及びメインRAM33と、を含む。
メインCPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34及び分周器35と、サンプリングされる乱数を発生する乱数発生器36及びサンプリング回路37と、が接続されている。なお、乱数サンプリングのための手段として、マイクロコンピュータ30内で、すなわちメインCPU31の動作プログラム上で、乱数サンプリングを実行するように構成してもよい。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であり、或いは、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
マイクロコンピュータ30のメインROM32には、スタートレバー6を操作(スタート操作)するごとに行われる乱数サンプリングの判定に用いられる内部抽籤テーブル、停止ボタン7L,7C,7Rの操作に応じてリール3L,3C,3Rの停止態様を決定するための停止テーブル群などが格納されている。また、副制御回路72へ送信するための各種制御指令(コマンド)などが格納されている。副制御回路72が主制御回路71へコマンド、情報などを入力することはなく、主制御回路71から副制御回路72への一方向で通信が行われる。メインRAM33には、種々の格納領域などが設けられており、例えば、内部当籤役、持越役などの情報などが格納される。
図9の回路において、マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、BETランプ9と、メダルを収納し、ホッパー駆動回路41の命令により所定枚数のメダルを払出すホッパー(払出しのための駆動部を含む)40と、リール3L,3C,3Rを回転駆動するステッピングモータ49L,49C,49Rと、がある。
さらに、ステッピングモータ49L,49C,49Rを駆動制御するモータ駆動回路39と、ホッパー40を駆動制御するホッパー駆動回路41と、BETランプ9を駆動制御するランプ駆動回路45とが、メインCPU31の出力部に接続されている。これらの駆動回路は、夫々メインCPU31から出力される駆動指令などの制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
また、マイクロコンピュータ30が制御指令を発生するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、スタートスイッチ6S、停止スイッチ7LS,7CS,7RS、BETスイッチ11、C/Pスイッチ14、メダルセンサ22S、リール位置検出回路50、及び払出完了信号回路51がある。
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作を検出し、遊技開始指令信号(ゲームの開始を指令する信号)を出力する。メダルセンサ22Sは、メダル投入口22に投入されたメダルを検出する。停止スイッチ7LS,7CS,7RSは、対応する停止ボタン7L,7C,7Rの操作に応じて停止指令信号(図柄の変動の停止を指令する信号)を発生する。リール位置検出回路50は、リール回転センサからのパルス信号を受けて各リール3L,3C,3Rの位置を検出するための信号をメインCPU31へ供給する。払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sの計数値(ホッパー40から払出されたメダルの枚数)が指定された枚数データに達したとき、メダル払出完了を検知するための信号を発生する。
図9の回路において、乱数発生器36は、一定の数値範囲(乱数範囲)に属する乱数を発生し、サンプリング回路37は、スタートレバー6が操作された後の適宜のタイミングで1個の乱数をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数は、メインRAM33の所定領域に設けられた乱数値格納領域に格納される。乱数値格納領域に格納された乱数は、例えば、内部当籤役を決定する場合(後述の図11のステップS6参照)に用いられる。
具体的には、上述の乱数を用いることにより、メインROM32内に格納されている内部抽籤テーブルに基づいて、内部当籤役が決定される。内部当籤役(内部当籤役データ)には、その内部当籤役に対応する停止制御の態様、或いは表示役などを介して、対応する図柄組合せと遊技者に付与される利益とが間接的に対応付けられているといえる。
リール3L,3C,3Rの回転が開始された後、ステッピングモータ49L,49C,49Rの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値は、メインRAM33の所定領域に書き込まれる。リール3L,3C,3Rからは、一回転ごとにリセットパルスが得られ、これらのパルスは、リール位置検出回路50を介してメインCPU31に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、メインRAM33で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。これにより、メインRAM33内には、各リール3L,3C,3Rについて、一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
上述のようなリール3L,3C,3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応付けるために、図柄テーブル(図示せず)が、メインROM32内に格納されている。この図柄テーブルでは、上述のリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各リール3L,3C,3Rの一定の回転ピッチごとに順次付与されるコードナンバーと、夫々のコードナンバーごとに対応して設けられた図柄を示す図柄コードと、が対応付けられている。
さらに、メインROM32内には、図柄組合せテーブルが格納されている。図柄組合せテーブルでは、一の有効ラインにより結ばれる3つの図柄停止位置の各々に停止表示された図柄の組合せに対応する表示役と、表示役に対応する払出枚数の情報と、が対応付けられている。この図柄組合せテーブルに基づいて、遊技者には、表示役に対応する利益が付与される。
上述の乱数サンプリングに基づく抽籤処理(内部抽籤処理など)により内部当籤役や停止用当籤役を決定した場合には、メインCPU31は、リール3L,3C,3Rを回転開始制御する信号をモータ駆動回路39に送る。そして、遊技者が停止ボタン7L,7C,7Rを操作したタイミングで停止スイッチ7LS,7CS,7RSから送られる操作信号と、後述の停止テーブルと、に基づいて、リール3L,3C,3Rを停止制御する信号をモータ駆動回路39に送る。
当籤した役の入賞を示す停止態様(すなわち入賞態様)となれば、メインCPU31は、払出指令信号をホッパー駆動回路41に供給して、ホッパー40から所定枚数のメダルの払出しを行う。その際、メダル検出部40Sは、ホッパー40から払出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達したときに、メダル払出完了信号をメインCPU31に入力する。これにより、メインCPU31は、ホッパー駆動回路41を介してホッパー40の駆動を停止し、メダル払出処理を終了する。
図10に示す副制御回路72のブロック図を参照して、副制御回路72の構成について説明する。
副制御回路72は、映像、音、光、或いはこれらを組合せた遊技に関する演出の制御を行うものであり、内部当籤役の決定やリールの制御など一連の遊技の進行を制御する主制御回路71とは各々別の回路基板上に構成されている。
主制御回路71と副制御回路72とは、ハーネスなどにより電気的に接続されており、副制御回路72は、主制御回路71から送信された各種コマンド(後述のスタートコマンドなど)に基づいて、演出内容の決定や実行などの各種処理を行う。このように、主制御回路71と副制御回路72との間の通信は、主制御回路71から副制御回路72への一方向で行われ、副制御回路72が主制御回路71へコマンド、情報などを入力することはない。
副制御回路72は、サブCPU81、サブROM82、サブRAM83、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85(フレームバッファ86を含む)、ドライバ87、DSP88、オーディオRAM89、D/A変換器90、及びアンプ91を含んで構成される。
サブCPU81は、主制御回路71から送信された各種コマンドに基づいて、サブROM82内に記憶された制御用プログラムなどに従い、映像、音、光の出力を制御する。なお、副制御回路72は、クロックパルス発生回路、分周器、乱数発生器及びサンプリング回路を備えていないが、サブCPU81の制御用プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成されている。こうしてサンプリングされた乱数は、サブRAM83の所定領域に設けられたサブ乱数値格納領域に格納される。
サブROM82は、基本的に、プログラム記憶領域及びデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU制御プログラムが記憶される。具体的には、オペレーティングシステム、デバイスドライバ、主制御回路71との通信を制御するための主基板通信タスク、LED類101やランプ類102による光の出力を制御するためのランプ制御タスク、スピーカ9L,9Rによる音の出力を制御するためのサウンド制御タスク、液晶表示部5aでの映像の表示を制御するための描画タスクなどが含まれている。
データ記憶領域には、主制御回路71から送信されるコマンドに応じて行う処理の情報を備えるジャンプテーブルなどの各種テーブルが記憶されるテーブル記憶領域、キャラクタオブジェクトデータといったアニメーションデータなどが記憶される描画制御データ記憶領域、アニメーションデータに基づく映像サウンドやスタートレバー6などの操作音といった音データなどが記憶される音声制御データ記憶領域、光の点灯パターンなどが記憶されるLED・ランプ制御データ記憶領域などによって構成される。
また、サブRAM83は、サブCPU81が制御用プログラムを実行する場合の、作業用の一時記憶手段として構成され、副制御回路72でも、内部当籤役、表示役、持越役、作動中フラグなどを判別できるようになっている。
レンダリングプロセッサ84は、サブCPU81と接続されており、サブCPU81により出力されるコマンドに基づき、サブCPU81によって決定された演出内容に応じた映像を生成する。レンダリングプロセッサ84が行うタスクに必要なデータは、起動時に描画用RAM85に展開される。生成された映像は、ドライバ87を介して液晶表示部5aによって表示される。
DSP88は、サブCPU81と接続されており、サブCPU81により出力されるコマンドに基づいて、スピーカ9L,9Rから音を出力するためのサウンドデータを決定する。ここで決定したサウンドデータは、オーディオRAM89に設けられたサウンド格納領域に格納される。
D/A変換器90は、DSP88と接続されており、デジタルデータとしてサウンド格納領域に格納されているサウンドデータをアナログとしての音声に変換する。アンプ91は増幅器であり、D/A変換器90によってアナログに変換された音声を増幅し、増幅した音声をスピーカ9L,9Rなどから出力させる。
また、サブCPU81には、LED類101及びランプ類102が接続されており、サブCPU81により送信される出力信号に基づいて光が出力される。
また、サブCPU81には、操作部17が接続されている。本実施例では、操作部17が操作されることに応じて、液晶表示部5aに遊技履歴などの情報が表示されるようになっている。
図11及び図12に示すメインフローチャートを参照して、主制御回路71の制御動作について説明する。
初めに、メインCPU31は、ゲーム開始時(遊技開始時)の初期化を行う(ステップS1)。この処理では、メインRAM33の記憶内容の初期化、通信データの初期化などを行う。続いてゲーム終了時のメインRAM33の所定の記憶内容を消去し(ステップS2)、ステップS3に移る。この処理では、前回のゲームに使用されたメインRAM33の書き込み可能領域のデータの消去、メインRAM33の書き込み領域への次のゲームに必要なパラメータの書き込み、次のゲームのシーケンスプログラムの開始アドレスの指定などを行う。
ステップS3では、メダル投入・スタートチェック処理を行い、ステップS4に移る。この処理では、スタートスイッチ6S、メダルセンサ22S、又はBETスイッチ11からの入力に基づいて、BET数の更新などの処理を行う。
ステップS4では、遊技メダル投入コマンドを副制御回路72に送信し、ステップS5に移る。ステップS5では、内部抽籤用の乱数を抽出し、抽出した乱数をメインRAM33の所定領域に設けられた乱数値格納領域に格納し、ステップS6に移る。この処理で抽出した乱数は、後述の内部抽籤処理において使用される。
ステップS6では、内部抽籤処理を行い、ステップS7に移る。この処理では、乱数値格納領域に格納される乱数を用いて、内部当籤役が決定される。ステップS7では、遊技開始コマンドを副制御回路72に送信し、ステップS8に移る。この遊技開始コマンドには、遊技状態、内部当籤役などの情報が含まれる。ステップS8では、内部当籤役に応じた停止テーブルを設定するためのリール停止初期設定処理を行い、ステップS9に移る。
ステップS9では、前回のゲームにおいてリール3L,3C,3Rのうち少なくとも1つが回転開始してから4.1秒経過しているか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS11に移り、NOのときは、ステップS10に移る。ステップS10では、ゲーム開始の待ち時間消化の処理(ウェイト処理)を行い、ステップS11に移る。この処理では、前回のゲームにおいてリール3L,3C,3Rが回転開始してから4.1秒が経過するまでの間、遊技者のゲームを開始する操作に基づく入力を無効にする処理を行う。
ステップS11では、ゲーム監視用タイマをセットし、ステップS12に移る。このゲーム監視用タイマには、遊技者の停止ボタン7L,7C,7Rの停止操作によらずに、自動的にリール3L,3C,3Rを停止させるための自動停止タイマが含まれる。ステップS12では、全リールの回転開始を要求し、ステップS13に移る。
ステップS13では、リール停止許可コマンドを副制御回路72に送信し、ステップS14に移る。ステップS14では、押下操作が行われた停止ボタンに対応するリールを停止するための停止制御処理を行い、図12のステップS15に移る。
図12のステップS15では、表示役検索処理を行い、ステップS16に移る。この処理では、表示窓4L,4C,4Rの図柄の停止態様に基づいて、表示役(成立役)を識別するためのフラグをセットする処理を行う。ステップS16では、エラーチェック処理を行い、ステップS17に移る。ステップS17では、表示役成立コマンドを副制御回路72に送信し、ステップS18に移る。この表示役成立コマンドには、成立した表示役の情報が含まれる。
ステップS18では、メダル払出処理を行い、ステップS19に移る。この処理では、表示役検索処理でセットされたフラグに基づいて、表示役に対応する払出枚数のメダルの貯留(クレジット)又は払出しを行う。ステップS19では、払出終了コマンドを副制御回路72に送信し、図11のステップS2に移る。
以上、遊技機1によれば、任意の領域で光の透過率を変化させることができる調光パネル200を備える。このため、調光パネル200のうち図柄表示領域21L,21C,21Rに対向する領域において、透明電極に電圧を印可することで、図柄表示領域21L,21C,21Rに入射する光量を低下させることができる。また、調光パネル200のうち演出表示領域23に対向する領域において、透明電極に電圧を印可することで、演出表示領域23に入射する光量を低下させることができる。以上によれば、調光パネル200により、図柄表示領域21L,21C,21Rと演出表示領域23とで、入射する光量を略均一にすることができる。このため、これら領域で画像の色合いに際が生じるのを抑制して、これら領域の境界近傍で画像に違和感が生じるのを抑制できる。
以上、実施例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
上述の実施例では、調光パネル200として、2枚のガラス基板及び液晶を備えるものを用いたが、これに限らず、光の透過率を制御できるものであればよい。
また、上述の実施例において、図柄表示領域21L,21C,21Rや演出表示領域23における照度を検知する照度検知手段として光りセンサが設けられることが好ましい。これによれば、図柄表示領域21L,21C,21Rに入射する光量や、演出表示領域23に入射する光量を検知でき、これら領域に入射する光量の差を判別できる。このため、これら領域で画像の色合いに際が生じるのをさらに抑制して、これら領域の境界近傍で画像に違和感が生じるのをさらに抑制できる。
また、上述の実施例では、役に対応する数値範囲を連続した値とする内部抽籤テーブルを設けているが、これに限られるものではない。例えば、役に対応する数値範囲を連続しない複数の値を含むものとする内部抽籤テーブルを設けるようにしてもよい。
また、上述の実施例では、遊技機1は、第1種特別役物(RB)が設定されるとしたが、第2種特別役物及びこの第2種特別役物を連続して作動させる役物連続作動装置を備えることもできる。第2種特別役物とは、内部抽籤の結果に関わらず入賞に係る条件装置を作動させることとなる役物で、予め定められた場合に作動し、1回の遊技の結果が得られた場合に作動を終了するものをいう。この第2種特別役物には、所謂チャレンジゲーム(CG)及び/又はシングルチャレンジゲーム(SCG)を挙げることができる。また、第2種特別役物を連続して作動させる役物連続作動装置には、所謂チャレンジボーナス(CB)を挙げることができる。
また、上述の実施例のような遊技機1の他、パロットなどの他の遊技機にも本発明を適用できる。さらに、上述の遊技機1での動作を家庭用ゲーム機用や携帯端末用(携帯電話機用、携帯型ゲーム機用など)として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、DVD−ROM、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。