図1は、本発明の一実施例の遊技機1の外観を示す斜視図である。遊技機1は、いわゆるパチスロ機である。この遊技機1は、コイン、メダル、遊技球又はトークンなどの他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
前面ドア2の正面には、略垂直面としてのパネル表示部2a、液晶表示部2b及び固定表示部2cが形成されている。また、前面ドア2の背後には、複数種類の図柄が各々の外周面に描かれた3個のリール3L,3C,3Rが、回転自在に横一列に設けられている。各リール3L,3C,3Rは、一定の速度で回転する(例えば、80回転/分)。
パネル表示部2a、液晶表示部2b及び固定表示部2cの下方には略水平面の台座部4が形成されている。台座部4の右側には、メダルを投入するためのメダル投入口10が設けられている。投入されたメダルは、クレジットされるか、ゲームに賭けられる。また、台座部4の左側には、一のゲームの用に供されるメダルの枚数(以下「投入枚数」という)を押下操作により選択するための1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、及び最大BETスイッチ13が設けられている。
これらのBETスイッチ11〜13を操作することで、後述の表示ラインが有効化される。BETスイッチ11〜13の操作及びメダル投入口10にメダルを投入する操作(遊技を行うためにメダルを投入する操作)を、以下「BET操作」という。また、BETスイッチ11〜13の上方には、操作部17が設けられている。操作部17は、後述の図3に示す液晶表示装置131に遊技履歴などの情報を表示するために操作される。
台座部4の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押下操作で切り換えるC/Pスイッチ14が設けられている。このC/Pスイッチ14の切り換えにより、正面下部のメダル払出口15からメダルが払出され、払出されたメダルはメダル受け部5に溜められる。メダル受け部5の上方の左右には、遊技の演出に関する効果音などを出音するスピーカ9L,9Rが設けられている。
C/Pスイッチ14の右側には、遊技者の操作により上記リールを回転させ、図柄表示領域21L,21C,21R内での図柄の変動表示を開始するためのスタートレバー6が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。
台座部4の前面部中央で、スタートレバー6の右側には、3個のリール3L,3C,3Rの回転を夫々停止させるための3個の停止ボタン7L,7C,7Rが設けられている。なお、実施例では、一のゲーム(単位遊技)は、基本的に、スタートレバー6が操作されることにより開始し、全てのリール3L,3C,3Rが停止したときに終了する。
ここで、実施例では、全てのリールが回転しているときに行われるリールの停止操作(停止ボタンの操作)を第1停止操作、第1停止操作の次に行われる停止操作を第2停止操作、第2停止操作の次に行われる停止操作を第3停止操作という。また、各停止ボタン7L,7C,7Rの裏側には、後述の図5に示す停止スイッチ7LS,7CS,7RSが配置されている。これらの停止スイッチは、対応する停止ボタンの操作(停止操作)を検知する。
図2を参照して、パネル表示部2a、液晶表示部2b及び固定表示部2cについて説明する。
パネル表示部2aは、ボーナス遊技情報表示部16、BETランプ17a〜17c、払出表示部18、及びクレジット表示部19により構成される。ボーナス遊技情報表示部16は、7セグメントLEDから成り、ボーナス中の遊技情報を表示する。1−BETランプ17a、2−BETランプ17b及び最大BETランプ17cは、一のゲームを行うために賭けられたメダルの数(以下「BET数」という)に応じて点灯する。
1−BETランプ17aは、BET数が1枚のときに点灯する。2−BETランプ17bは、BET数が2枚のときに点灯する。最大BETランプ17cは、BET数が3枚のときに点灯する。払出表示部18及びクレジット表示部19は、夫々7セグメントLEDから成り、入賞が成立したときのメダルの払出枚数及びクレジットされているメダルの枚数を表示する。
液晶表示部2bは、図柄表示領域21L,21C,21R、窓枠表示領域22L,22C,22R及び演出表示領域23により構成される。この液晶表示部2bの表示内容は、リール3L,3C,3Rの回転及び停止態様、及び後述の液晶表示装置131(後述の図3参照)の動作により変化するようになっている。
図柄表示領域21L,21C,21Rは、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられ、リール3L,3C,3R上に配置された図柄の表示や、種々の演出表示を行う。
図柄表示領域21L,21C,21Rには、表示ラインとして、水平方向にトップライン8b、センターライン8c及びボトムライン8d、並びに、斜め方向にクロスアップライン8a及びクロスダウンライン8eが設けられる。これら5本の表示ラインは、遊技者が、BETスイッチ11〜13を押下操作すること、又はメダル投入口10にメダルを投入することにより、全てが有効化される(以下、有効化された表示ラインを「有効ライン」と記載する)。表示ラインが有効化されたかは、BETランプ17a,17b,17cの点灯で表示される。表示ライン8a〜8eは、入賞の成否に関わる。
ここで、各図柄表示領域21L,21C,21Rには、夫々縦方向(垂直方向)に3箇所(上段、中段、下段)の図柄停止位置が設けられている。各図柄表示領域21L,21C,21Rにおける図柄の変動表示(移動表示)が停止した場合には、各図柄表示領域21L,21C,21Rに設けられた図柄停止位置の各々に図柄が停止表示される。各表示ラインは、各図柄表示領域21L,21C,21R内の図柄停止位置を結んでいる。
図柄表示領域21L,21C,21Rは、少なくとも、対応するリール3L,3C,3Rが回転中のとき、及び対応する停止ボタン7L,7C,7Rが押下操作可能なとき、遊技者がリール3L,3C,3R上の図柄を視認できるように、透過状態となる。
窓枠表示領域22L,22C,22Rは、各図柄表示領域21L,21C,21Rを囲むように設けられ、リール3L,3C,3Rの前面に配置された図柄表示領域21L,21C,21Rの窓枠を表したものである。
演出表示領域23は、液晶表示部2bの領域のうち、図柄表示領域21L,21C,21R及び窓枠表示領域22L,22C,22R以外の領域である。固定表示部2cは、予め定めた図、絵などが描かれる領域である。この固定表示部2cに描かれた図、絵などと、演出表示領域23に表示された画像を連接させることにより一つの静止画像又は動画像を表示できるようにしてもよい。
図3は、液晶表示装置131の概略構成を示す斜視図である。初めに、リール3L,3C,3Rの内部構造について説明する。リール3L,3C,3Rの内部には、リール3L,3C,3Rの回転が停止した場合に各図柄表示領域21L,21C,21Rに現われる縦3列の図柄(合計9個の図柄)の裏側にLED収納用回路基板が設置されている。LED収納用回路基板は、夫々3つ(すなわち合計で9つ)のLED収納部を有し、ここに複数のLEDランプが設けられている。
このLEDランプは、リール3L,3C,3Rの外周面に沿って装着されたリールシートの後面側を白色の光で照明する。より詳細には、図柄表示領域21L,21C,21Rに対応する領域を照明する。このリールシートは、透光性を有して構成され、LEDランプにより射出された光は前面側へ透過するようになっている。
また、左リール3Lは、同形の2本の環状フレームを所定の間隔(例えばリール幅)だけ離して複数本の連結部材で連結することで形成された円筒形のフレーム構造と、そのフレーム構造の中心部に設けられたステッピングモータ49Lの駆動力を環状フレームへ伝達する伝達部材とにより構成される。また、左リール3Lの外周面に沿ってリールシートが装着されている。
リール3Lの内側に配置されたLED収納用回路基板は、夫々複数のLEDランプを収納する3つのLED収納部を備えている。LED収納用回路基板は、遊技者が図柄表示領域21Lを透して視認できる図柄(合計3個の図柄)の各々の裏側にLED収納部が位置するように設置されている。なお、中央リール3C,右リール3Rについては図示しないが、図示した左リール3Lと同様の構造を有し、各々の内部にLED収納用回路基板が設けられている。
次に、透過型の液晶表示装置131について説明する。液晶表示装置131は、保護ガラス132、表示板133、液晶パネル134、導光板135、反射フィルム136、白色光源(例えば全ての波長の光を人の目に特定の色彩が目立たない割合で含む)である蛍光ランプ137a,137b,138a,138b、ランプホルダ139a〜139h、液晶パネル駆動用のICを搭載したテーブルキャリアパッケージからなり液晶パネル134の端子部に接続したフレキシブル基板(図示せず)等により構成される。
この液晶表示装置131は、リール3L,3C,3Rの表示領域より正面から見て手前側(すなわち表示面よりも手前側)に設けられている。また、このリール3L,3C,3Rと液晶表示装置131とは、別体で(例えば所定の間隔をあけて)設けられている。
保護ガラス132及び表示板133は、透光性部材で構成されている。保護ガラス132は、液晶パネル134を保護すること等を目的として設けられている。表示板133において、パネル表示部2a及び固定表示部2c(図2参照)に対応する領域には、図、絵などが描かれる。
ここで、図3では、パネル表示部2aに対応する表示板133の領域の裏側に配置される各種表示部(ボーナス遊技情報表示部16、払出表示部18、クレジット表示部19など)及びBETランプ17a〜17cを動作させる電気回路の図示を省略している。
液晶パネル134は、薄膜トランジスタ層が形成されたガラス板などの透明な基板と、これに対向する透明な基板との間隙部に液晶が封入されて形成されている。この液晶パネル134の表示モードは、ノーマリーホワイトに設定されている。ノーマリーホワイトとは、液晶を駆動していない状態(すなわち液晶パネル134に電圧を印加していない状態)で白表示となる構成である。すなわち、表示面側に光が行く、よって透過した光が外部から視認されることとなる。
よって、ノーマリーホワイトに構成された液晶パネル134を採用することにより、液晶を駆動できない事態が生じた場合であっても、図柄表示領域21L,21C,21Rを透してリール3L,3C,3R上に配列された図柄を視認することができ、ゲームを継続することができる。つまり、液晶を駆動できない事態が発生した場合にも、リール3L,3C,3Rの回転及びその停止を中心としたゲームを行うことができる。
導光板135は、蛍光ランプ137a,137bからの光を液晶パネル134へ導入する(液晶パネル134を照明する)ために液晶パネル134の裏側に設けられ、例えば2cm程度の厚さを有するアクリル系樹脂などの透光性部材(すなわち導光機能を有する部材)で構成されている。
反射フィルム136は、例えば白色のポリエステルフィルムやアルミ薄膜に銀蒸着膜を形成したものが用いられ、導光板135に導入された光を正面側に向けて反射させる。これにより液晶パネル134を照明する。この反射フィルム136は、反射領域136A及び非反射領域(すなわち透過領域)136BL,136BC,136BRにより構成されている。非反射領域136BL,136BC,136BRは、透明な材料で形成され入射した光を反射することなく透過させる光透過部として形成されている。
また、非反射領域136BL,136BC,136BRは、リール3L,3C,3Rの回転が停止した場合に表示させる図柄の各々の前方の位置に設けられている。なお、非反射領域136BL,136BC,136BRの大きさ及び位置は、図柄表示領域21L,21C,21R(図2参照)と一致するように形成されている。また、反射フィルム136では、非反射領域136BL,136BC,136BR以外の領域を反射領域136Aとし、反射領域136Aにより導光板135に導入された光を正面側に向けて反射させる。
蛍光ランプ137a,137bは、導光板135の上端部及び下端部に沿って配置され、両端はランプホルダ139a,139b,139g,139hにより支持されている。この蛍光ランプ137a,137bは、導光板135に導入する光を発生する。
蛍光ランプ138a,138bは、反射フィルム136の裏側の上方位置及び下方位置に配置されている。この蛍光ランプ138a,138bから発せられた光は、リール3L,3C,3Rの表面で反射され、非反射領域136BL,136BC,136BRへ入射する。そして、入射した光は、非反射領域136BL,136BC,136BRを通過して液晶パネル134を照明する。
さらに、LEDランプ及び蛍光ランプ137a,137b,138a,138bの機能について説明する。
初めに、図柄表示領域21L,21C,21Rにある液晶を駆動しない場合(すなわち、液晶パネル134の、図柄表示領域21L,21C,21Rに対応する個所に電圧を印加しない場合)の各ランプの機能について説明する。
蛍光ランプ138a,138bから射出された光の一部は、リールシートにより反射される。また、LED収納用回路基板に設けられたLEDランプから射出された光の一部は、リールシートを透過する。これらの光は、非反射領域136BL,136BC,136BR、液晶表示装置131を構成する導光板135及び液晶パネル134を透過するので、遊技者は、リール上に配置された図柄を視認することができる。
また、蛍光ランプ137a,137bから射出され、導光板135に向けて導入された光は、液晶パネル134を透過して遊技者の目に入る。つまり、蛍光ランプ137a,137bによって、窓枠表示領域22L,22C,22R及び演出表示領域23に対応する液晶パネル134の領域が照明される。
次に、図柄表示領域21L,21C,21Rにある液晶を駆動する場合(すなわち、液晶パネル134の、図柄表示領域21L,21C,21Rに対応する個所に電圧を印加する場合)の各ランプの機能について説明する。
蛍光ランプ138a,138bから射出された光の一部は、リールシートにより反射される。また、LEDランプから射出された光の一部は、リールシートを透過する。液晶パネル134の領域のうち、液晶が駆動された領域では、これらの光の一部が反射或いは吸収されたり透過したりするので、遊技者は、図柄表示領域21L,21C,21Rに表示された演出画像等を視認することができる。
図4は、各リール3L,3C,3Rに表された複数種類の図柄が21個配列された図柄列を示している。各図柄には“00”〜“20”のコードナンバーが付され、データテーブルとして後に説明するROM32(図5)に格納(記憶)されている。各リール3L,3C,3R上には、“赤7(図柄91)”、“青7(図柄92)”、“BAR(図柄93)”、“チェリー(図柄94)”、“ベル(図柄95)”、“スイカ(図柄96)”、及び“リプレイ(図柄97)”の図柄で構成される図柄列が表されている。各リール3L,3C,3Rは、図柄列が図4の矢印方向に移動するように回転駆動される。
ここで、実施例の役には、RB(レギュラーボーナス)、BB1(ビッグボーナス1)、BB2(ビッグボーナス2)、SB(シングルボーナス)、チェリー、ベル、スイカ、及びリプレイが設けられている。RBは第1種特別役物であり、BB1及びBB2は第1種特別役物に係る役物連続作動装置である。また、SBは普通役物である。
「第1種特別役物」とは、規定数ごとの入賞に係る図柄の組合せの数を増加させ、又は規定数ごとの入賞に係る条件装置が作動する確率を上昇させる役物で、予め定められた場合に作動し12回を超えない回数の遊技の結果が得られるまで作動を継続することができるものをいう。
「第1種特別役物に係る役物連続作動装置」とは、第一種特別役物を連続して作動させることができる装置で、特定の図柄の組合せが表示された場合に作動し予め定められた場合に作動を終了するものをいう。
「普通役物」とは、規定数ごとの入賞に係る図柄の組合せの数を増加させ、又は規定数ごとの入賞に係る条件装置が作動する確率を上昇させる役物で、特定の図柄の組合せが表示された場合に作動し1回の遊技の結果が得られた場合に作動を終了することとされているものをいう。
なお、以下では、BB1及びBB2を総称して「BB」といい、チェリー、ベル、スイカを総称して小役という。
役(役データ)は、基本的に、遊技者に付与される利益と図柄組合せとが対応付けられた制御情報であり、リール3L,3C,3Rの停止制御、遊技状態の切り換え(移行)、遊技価値の付与などに用いられる。
また、実施例の遊技状態には、基本的に、一般遊技状態、BB遊技状態、RB遊技状態、及びSB遊技状態がある。遊技状態は、基本的に、内部当籤役の決定に用いる内部抽籤テーブルの種類により区別できる。具体的には、遊技状態は、内部当籤する可能性のある役の種類、内部当籤する確率などにより区別できる。
一般遊技状態は、BBを持越役とする持越区間と、持越役としない非持越区間とで構成される。持越役とは、対応する図柄組合せが有効ラインに沿って並ぶことが一又は複数のゲームにわたり許容される役をいい、一般遊技状態での持越区間では、BBに対応する図柄組合せが有効ラインに沿って並ぶことが一又は複数のゲームにわたり許容される。また、持越区間では、BBに内部当籤することがなく、非持越区間では、BBに内部当籤することがあるため、同じ一般遊技状態であっても、持越区間と非持越区間とは夫々異なる遊技状態であるといえる。
BB遊技状態は、第1種特別役物に係る役物連続作動装置が作動しているゲームにより構成される遊技状態である。
BB遊技状態は、BB作動中フラグのオン又はオフにより識別できる。BB作動中フラグは、遊技状態がBB遊技状態であるか否かを識別するための情報である。BB作動中フラグがオンに更新される条件は、一般遊技状態でBBが成立することである。
これに対し、BB作動中フラグがオフに更新される条件は、払出されたメダルの枚数が払出可能枚数を超えることである。払出可能枚数とは、BB作動中フラグがオンに更新されてからBB作動中フラグがオフに更新されるまでの遊技(ゲーム)において払出すことが可能なメダルの枚数をいい、実施例では465枚と規定されている。BB作動中フラグがオフに更新されると、遊技状態は一般遊技状態に移行する。
また、BB遊技状態は、RBを持越役とする持越区間と、持越役としない非持越区間とで構成される。BB遊技状態での持越区間では、RBに対応する図柄組合せが有効ラインに沿って並ぶことが一又は複数のゲームにわたり許容される。また、持越区間では、RBに内部当籤することがなく、非持越区間では、RBに内部当籤することがある。
RB遊技状態は、第1種特別役物が作動しているゲームにより構成される遊技状態である。
RB遊技状態は、RB作動中フラグのオン又はオフにより識別できる。RB作動中フラグは、遊技状態がRB遊技状態であるか否かを識別するための情報である。RB作動中フラグがオンに更新される条件は、BB遊技状態でRBが成立することである。
これに対し、RB作動中フラグがオフに更新される条件は、RB遊技可能回数カウンタが0となること、RB入賞可能回数カウンタが0となること、又はBB作動中フラグがオフに更新されることである。RB遊技可能回数カウンタとは、RB遊技状態において行うことが可能な単位遊技の回数をいい、実施例では12回と規定されている。RB入賞可能回数カウンタとは、RB遊技状態において入賞可能な回数をいい、実施例では8回と規定されている。RB作動中フラグがオフに更新されると、遊技状態は、BB遊技状態又は一般遊技状態のいずれかに移行する。より詳しくは、RB作動中フラグがオフに更新されたときにBB作動中フラグがオンである場合には、遊技状態はBB遊技状態に移行する。これに対し、RB作動中フラグがオフに更新されるとともにBB作動中フラグもオフに更新される場合には、遊技状態は一般遊技状態に移行する。
SB遊技状態は、普通役物が作動しているゲームにより構成される遊技状態である。
SB遊技状態は、SB作動中フラグのオン又はオフにより識別できる。SB作動中フラグは、遊技状態がSB遊技状態であるか否かを識別するための情報である。SB作動中フラグがオンに更新される条件は、一般遊技状態でSBが成立することである。これに対し、SB作動中フラグがオフに更新される条件は、1回の単位遊技の終了である。SB作動中フラグがオフに更新されると、遊技状態は、一般遊技状態に移行する。
図5は、遊技機1における遊技処理動作を制御する主制御回路71と、主制御回路71に電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)と、主制御回路71から送信される制御指令に基づいて液晶表示装置131、スピーカ9L,9R、LED類101及びランプ類102を制御する副制御回路72とを含む回路構成を示す。なお、スピーカ9L,9Rの音量は、音量調節部103の操作で調整できる。
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、予め設定されたプログラム(後述の図15〜図21)にしたがって制御動作を行うCPU31と、記憶手段であるROM32及びRAM33を含む。
CPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34及び分周器35と、サンプリングされる乱数を発生する乱数発生器36及びサンプリング回路37とが接続されている。なお、乱数サンプリングのための手段として、マイクロコンピュータ30内で、すなわちCPU31の動作プログラム上で、乱数サンプリングを実行するように構成してもよい。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であり、或いは、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
マイクロコンピュータ30のROM32には、スタートレバー6を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数サンプリングの判定に用いられる内部抽籤テーブル(後述の図7〜図10)、停止ボタンの操作に応じてリールの停止態様を決定するための停止テーブル群などが格納されている。また、副制御回路72へ送信するための各種制御指令(コマンド)等が格納されている。副制御回路72が主制御回路71へコマンド、情報等を入力することはなく、主制御回路71から副制御回路72への一方向で通信が行われる。RAM33には、例えば後述の図14に示すような種々の格納領域が設けられている。これらの格納領域には、例えば、内部当籤役、後述の持越役などの情報等が格納される。
図5の回路において、マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、BETランプ(1−BETランプ17a、2−BETランプ17b、最大BETランプ17c)と、ボーナス遊技情報表示部16、払出表示部18、クレジット表示部19などの表示部と、メダルを収納し、ホッパー駆動回路41の命令により所定枚数のメダルを払出すホッパー(払出しのための駆動部を含む)40と、リール3L,3C,3Rを回転駆動するステッピングモータ49L,49C,49Rとがある。
さらに、ステッピングモータ49L,49C,49Rを駆動制御するモータ駆動回路39、ホッパー40を駆動制御するホッパー駆動回路41、BETランプ17a,17b,17cを駆動制御するランプ駆動回路45、及びボーナス遊技情報表示部16、払出表示部18、クレジット表示部19などの表示部を駆動制御する表示部駆動回路48がCPU31の出力部に接続されている。これらの駆動回路は、夫々CPU31から出力される駆動指令などの制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
また、マイクロコンピュータ30が制御指令を発生するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、スタートスイッチ6S、停止スイッチ7LS,7CS,7RS、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13、C/Pスイッチ14、メダルセンサ10S、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51がある。
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作を検出し、遊技開始指令信号(ゲームの開始を指令する信号)を出力する。メダルセンサ10Sは、メダル投入口10に投入されたメダルを検出する。停止スイッチ7LS,7CS,7RSは、対応する停止ボタン7L,7C,7Rの操作に応じて停止指令信号(図柄の変動の停止を指令する信号)を発生する。リール位置検出回路50は、リール回転センサからのパルス信号を受けて各リール3L,3C,3Rの位置を検出するための信号をCPU31へ供給する。払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sの計数値(ホッパー40から払出されたメダルの枚数)が指定された枚数データに達したとき、メダル払出完了を検知するための信号を発生する。
図5の回路において、乱数発生器36は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路37は、スタートレバー6が操作された後の適宜のタイミングで1個の乱数をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数を使用することにより、例えばROM32内に格納されている内部抽籤テーブル(後述の図7〜図11)などに基づいて内部当籤役などが決定される。内部当籤役(内部当籤役データ)は、その内部当籤役に対応する停止制御の態様などを介して、対応する図柄組合せと遊技者に付与される利益とが間接的に対応付けられているといえる。
リール3L,3C,3Rの回転が開始された後、ステッピングモータ49L,49C,49Rの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値はRAM33の所定エリアに書き込まれる。リール3L,3C,3Rからは一回転毎にリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検出回路50を介してCPU31に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、RAM33で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。これにより、RAM33内には、各リール3L,3C,3Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
上記のようなリール3L,3C,3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応付けるために、図柄テーブル(図示せず)が、ROM32内に格納されている。この図柄テーブルでは、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各リール3L,3C,3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバーと、夫々のコードナンバー毎に対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応付けられている。
さらに、ROM32内には、図柄組合せテーブル(後述の図12)が格納されている。この図柄組合せテーブルでは、役の成立(入賞など)となる図柄の組合せ(後述の表示役に対応する図柄の組合せ)と、後述の表示役に対応するメダル払出枚数と、その入賞(成立)を表す図示しない入賞判定コード(成立判定コード)とが対応付けられている。上記の図柄組合せテーブルは、左リール3L,中央リール3C,右リール3Rの停止制御時、及び全リール3L,3C,3Rの停止後の入賞確認(表示役の確認)及び払出枚数の決定を行う場合に参照される。表示役(表示役データ)は、基本的に、有効ラインに沿って並ぶ図柄組合せに対応する役(成立役)である。遊技者には、表示役に対応する利益が付与される。
上記乱数サンプリングに基づく抽籤処理(内部抽籤処理など)により内部当籤役を決定した場合には、CPU31は、遊技者が停止ボタン7L,7C,7Rを操作したタイミングで停止スイッチ7LS,7CS,7RSから送られる操作信号、及び決定された停止テーブルに基づいて、リール3L,3C,3Rを停止制御する信号をモータ駆動回路39に送る。
当籤した役の入賞を示す停止態様(すなわち入賞態様)となれば、CPU31は、払出指令信号をホッパー駆動回路41に供給してホッパー40から所定個数のメダルの払出を行う。その際、メダル検出部40Sは、ホッパー40から払出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達したときに、メダル払出完了信号がCPU31に入力される。これにより、CPU31は、ホッパー駆動回路41を介してホッパー40の駆動を停止し、メダル払出処理を終了する。
図6を参照して、内部抽籤テーブル決定テーブルについて説明する。
内部抽籤テーブル決定テーブルは、遊技状態に対応する内部抽籤テーブル(後述の図7〜図11)の種別の情報及び抽籤回数の情報を備えている。遊技状態が一般遊技状態である場合には、一般遊技状態用内部抽籤テーブル(後述の図7)が選択され、抽籤回数として7が決定される(後述の図18のステップS41)。抽籤回数は、内部当籤役を決定するために必要な処理をする回数である。ただし、遊技状態が一般遊技状態であっても、持越区間である場合には、7と決定された抽籤回数が3に更新される(後述の図18のステップS43)。
また、遊技状態がBB遊技状態である場合には、BB遊技状態用内部抽籤テーブル(後述の図8)が選択され、抽籤回数として5が決定される(後述の図18のステップS41)。ただし、遊技状態がBB遊技状態であっても、持越区間である場合には、5と決定された抽籤回数が3に更新される(後述の図18のステップS43)。
遊技状態がRB遊技状態である場合には、RB遊技状態用内部抽籤テーブル(後述の図9)が選択され、抽籤回数として2が決定される(後述の図18のステップS41)。遊技状態がSB遊技状態である場合には、SB遊技状態用内部抽籤テーブル(後述の図10)が選択され、抽籤回数として2が決定される(後述の図18のステップS41)。
図7〜図10を参照して、内部抽籤テーブルについて説明する。
内部抽籤テーブルは、基本的に遊技状態毎に設けられ、当籤番号に対応する数値範囲の下限値及び上限値の情報を備えている。後に図11を参照して説明するように、この当籤番号は役に対応しているので、内部抽籤テーブルは、予め定めた複数の役の各々に対応する数値範囲の上限値及び下限値の情報を有する。
図7は、一般遊技状態用内部抽籤テーブルを示し、図8は、BB遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。図9は、RB遊技状態用内部抽籤テーブルを示し、図10は、SB遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。
内部抽籤テーブルに基づく当籤番号の決定(抽籤)では、遊技状態毎に定められた抽籤回数と同じ当籤番号から降順に、当籤番号が0になるまで、乱数値が当籤番号に対応する下限値及び上限値により示される範囲内にあるか否かを判断する。乱数値が下限値及び上限値により示される範囲内にある場合、対応する当籤番号に当籤となる。また、当籤番号に対応する下限値及び上限値により示される範囲内にあるか否かを判断する回数は、図6の内部抽籤テーブル決定テーブルで定められた抽籤回数と同じである。
なお、当籤番号が0になるまで乱数値が一度も下限値及び上限値により示される範囲内になかった場合、当籤番号は0(ハズレ)となる。内部当籤役のハズレは、内部抽籤で遊技者の利益と対応付けられた役に当籤しなかったことを示す。また、実施例におけるハズレは、遊技価値と対応付けられた役ではない。また、内部当籤役としてのハズレに対応する図柄組合せは、予め設けられた複数の役に対応する図柄組合せとは別の任意の図柄組合せであるとも考えることができるが、実施例では、ハズレに対応する図柄組合せは設けられていないものとする。
また、実施例に示す内部抽籤テーブルでは、複数の役の各々に対応する上限値及び下限値により規定される数値範囲が重複するように設定されていることから、内部当籤役として複数の役が決定されることがある。この内部当籤役は、当籤した当籤番号、遊技状態、投入枚数、及び内部当籤役決定テーブル(後述の図11)に基づいて決定される。
例えば、図7に示す一般遊技状態用内部抽籤テーブルを参照する場合について説明する。一般遊技状態であって、0〜65535の範囲から抽出した乱数値が35000である場合、当籤番号7に対応する数値範囲の情報は、下限値が“32769”で上限値が“65535”であるという数値範囲の情報なので、初めに、当籤番号7について乱数値R(35000)−下限値L(32769)を計算する。この計算結果は0以上になる。次に、乱数値R(35000)−上限値U(65535)を計算する。この計算結果は0以下になる。したがって、乱数値が当籤番号に対応する数値範囲内(L≦R≦U)にあるので、一般遊技状態で抽出した乱数値が35000である場合、当籤番号7に当籤となる。実施例では、一般遊技状態であり、当籤番号が7である場合、例外として、この当籤番号7に1が加算される(後述の図18のステップS47〜S49)。したがって、後述の内部当籤役決定テーブル(後述の図11)を参照すると、当籤番号8に対応するSBが内部当籤役となる。
続いて、当籤番号6に対応する数値範囲の情報に基づいて、乱数値R(35000)−下限値Lの計算及び乱数値R(35000)−上限値Uの計算を行う。すると、当籤番号6では、乱数値が当籤番号に対応する数値範囲内(L≦R≦U)にないので、一般遊技状態で抽出した乱数値が35000である場合、当籤番号6に不当籤となる。
このように、乱数値R(35000)−下限値Lの計算及び乱数値R(35000)−上限値Uの計算を、当籤番号が0となるまで繰り返すと、当籤番号3では当籤となり、他の当籤番号では不当籤となる。したがって、一般遊技状態で抽出した乱数値が35000である場合は、2つの当籤番号で当籤し、後述の内部当籤役決定テーブル(後述の図11)を参照すると、スイカ及びSBが内部当籤役となる。
実施例では、当籤番号3に対応する数値範囲と、当籤番号7に対応する数値範囲とが共通する。すなわち、一般遊技状態用内部抽籤テーブルは、SB又はスイカのいずれか一方の役が当籤役として決定される場合、他方の役も必ず当籤役として決定されるように構成されている。
なお、持越区間の場合には、抽籤回数が3に変更(後述の図18のステップS43)される。したがって、一の当籤役決定情報として設けられた一般遊技状態用内部抽籤テーブルは、非持越区間で参照される第1当籤役決定情報と、持越区間で参照される第2当籤役決定情報と、を含み、第1当籤役決定情報は、当籤番号1〜7に対応する数値範囲の情報(7種類の役に対応する数値範囲の情報)を有し、第2当籤役決定情報は、当籤番号1〜3に対応する数値範囲の情報(BBやSBなどを除く3種類の役に対応する数値範囲の情報)を有するといえる。したがって、持越区間では、BB又はSBが内部当籤役として決定される場合はない。また、持越区間であるか非持越区間であるかに関わらず、一般遊技状態では、RBが内部当籤役として決定される場合はない。
また、図8に示すBB遊技状態用内部抽籤テーブルを参照すると、このテーブルは、SBを除く役が当籤役として決定されるように構成されている。また、図9に示すRB遊技状態用内部抽籤テーブルを参照すると、このテーブルは、他の内部抽籤テーブルに比べ、当籤番号1及び2に対応する数値範囲が広くなるように構成されている。言い換えると、RB遊技状態用内部抽籤テーブルは、他の内部抽籤テーブルに比べ、チェリー及びベルが高い確率で当籤役として決定されるように構成されている。
また、図10に示すSB遊技状態用内部抽籤テーブルを参照すると、当籤番号1に対応する数値範囲は、一般遊技状態用内部抽籤テーブルとほぼ同じである。ただし、当籤番号2に対応する数値範囲が、一般遊技状態用内部抽籤テーブルの場合に比べ、1/65536だけ高い。また、SB遊技状態用内部抽籤テーブルでは、一般遊技状態用内部抽籤テーブルでの当籤番号4〜7に対応する当籤番号が設けられていない。そのため、SB遊技状態では、一般遊技状態での当籤番号5、6に対応するBB1、BB2が当籤役として決定されることがない。
図11を参照して、内部当籤役決定テーブルについて説明する。
内部当籤役決定テーブルは、当籤番号に対応した内部当籤役のデータを備えている。内部当籤役のデータは、1バイト(8ビット)からなるデータであり、内部当籤役を識別するために内部当籤役の夫々に対応して設けられている。
例えば、当籤番号が「0」の場合には、内部当籤役のデータとして「00000000」が決定される。このデータに対応する内部当籤役は、ハズレである。当籤番号が「1」の場合には、内部当籤役のデータとして「00000001」が決定される。このデータに対応する内部当籤役は、チェリーである。当籤番号が「2」〜「8」の場合についても同様である。
ここで、前述の図6を参照すると、遊技状態が一般遊技状態である場合の抽籤回数は、7である。したがって、遊技状態が一般遊技状態である場合には(内部抽籤テーブルが一般遊技状態用内部抽籤テーブルに切り換えられている場合には)、当籤番号5又は6に対応するBBが内部当籤役として決定される場合がある。他方、遊技状態がSB遊技状態である場合の抽籤回数は、2である。そのため、遊技状態がSB遊技状態である場合には、当籤番号5又は6に対応するBBが内部当籤役として決定される場合がない。したがって、BBが内部当籤役として決定される場合がないという点で、SB遊技状態は、一般遊技状態よりも不利な遊技状態である。このSB遊技状態は、一般遊技状態よりも不利な遊技状態ではあるが、1回の単位遊技で終了するように設定されているため、SB遊技状態が作動したことにより遊技をすぐに止めてしまうという状況の発生を防止し、遊技機の稼動率を高めることができる。
以上より、遊技者にとってみれば、遊技状態が一般遊技状態であるかSB遊技状態であるかによって、BB(BB1又はBB2)が当籤役として決定され、遊技状態がRB遊技状態に移行するという期待感を変えながら遊技を楽しむことができるので、BBが当籤役として決定され、遊技状態がRB遊技状態に移行する可能性があるか否かを予想できる機会が増える。その結果、遊技が単調とならず、緊張感を持って遊技を進めることができる。
他方、遊技店側にとってみれば、BBが当籤役として決定されることがないという、遊技者にとって不利なSB遊技状態を設けることにより、メダルの払出しを抑えることができるので、結果として遊技店の利益を高めることができる。また、前述した通り、SB遊技状態は、1回の単位遊技が行われることで終了するので、SB遊技状態が開始されたことにより遊技をすぐに止めてしまうという状況の発生を防止することができ、結果として遊技機の稼動率を高めることができる。
そして、遊技機の開発者は、遊技に関する画像表示を行う液晶表示装置131と、この液晶表示装置131で画像表示を行うための画像データを遊技状態毎に格納する副制御回路72と、をさらに備え、副制御回路72が、遊技状態に応じて、格納した画像データに基づいて液晶表示装置131を制御することで、BBが当籤役として決定され、遊技状態がBB遊技状態やRB遊技状態に移行するという期待感を画像演出によっても変化させることができる。これにより、画像演出自体に魅力があり、かつ初心者でも安心して楽しむことができる遊技機を提供することができる。
図12を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。
図柄組合せテーブルは、一の有効ラインにより結ばれる3つの図柄停止位置の各々に停止表示された図柄の組合せに対応する表示役と、表示役に対応する投入枚数毎の払出枚数の情報を備えている。この図柄組合せテーブルは、全リール3L,3C,3Rが停止した後、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せに応じて払出枚数を決定する場合に参照される。
前述の当籤番号が1(チェリー)の場合、表示役がチェリーとなる場合がある。表示役がチェリーとなる場合には、5本の有効ラインのうち、センターライン8cに沿って“チェリー(中)−ANY−ANY”が並ぶ中チェリーと、センターラインを除く有効ラインに沿って“チェリー(角)−ANY−ANY”が並ぶ角チェリーとがある。“チェリー(中)”は、左の図柄表示領域21Lの中段に停止表示された“チェリー”を示し、“チェリー(角)”は、左の図柄表示領域21Lの上段又は下段に停止表示された“チェリー”を示す。“ANY”は、任意の図柄を示す。中チェリーである場合には、図柄組合せテーブルにしたがい、2枚のメダルが払出される。他方、角チェリーである場合には、2本の有効ライン(トップライン8bとクロスダウンライン8e、又はボトムライン8dとクロスアップライン8a)で“チェリー(角)−ANY−ANY”の図柄組合せが成立しているので、図柄組合せテーブルにしたがい、2枚の2倍である4枚のメダルが払出される。
ここで、中チェリーになるか角チェリーになるかは、基本的に遊技者が左の停止ボタン7Lを操作するときのタイミングによる。内部当籤役に対応する“チェリー”の図柄が左の図柄表示領域21Lの中段の位置にあるタイミングで遊技者が左の停止ボタン7Lを操作した場合には、中チェリーになる。このようなタイミングのことを「ビタ押し」という。他方、「ビタ押し」ではないタイミングであるが、内部当籤役に対応する“チェリー”の図柄が最大滑りコマ数以下の位置にあるタイミングで遊技者が左の停止ボタン7Lを操作した場合には、角チェリーになる。「滑りコマ数」とは、停止ボタン7L,7C,7Rが操作された後、対応するリール3L,3C,3Rが停止するまでの間に移動した図柄の数をいう。また、「最大滑りコマ数」とは、停止ボタン7L,7C,7Rが操作された後、対応するリール3L,3C,3Rが停止するまでの間に移動可能な図柄の数をいう。実施例では、最大滑りコマ数を4と定めている。
有効ラインに沿って“ベル−ベル−ベル”が並ぶと表示役がベルになり、15枚のメダルが払出される。有効ラインに沿って“スイカ−スイカ−スイカ”が並ぶと表示役がスイカになり、1枚のメダルが払出される。有効ラインに沿って“リプレイ−リプレイ−リプレイ”が並ぶと表示役がリプレイになり、メダルが自動投入される。
有効ラインに沿って“赤7−赤7−赤7”が並ぶと表示役がBB1になり、BB作動中フラグがオンになることにより遊技状態がBB遊技状態(通常区間)に移行する。有効ラインに沿って“青7−青7−青7”が並ぶと表示役がBB2になり、BB作動中フラグがオンになることにより遊技状態がBB遊技状態(通常区間)に移行する。
有効ラインに沿って“BAR−BAR−BAR”が並ぶと表示役がRBになり、RB作動中フラグがオンになることにより遊技状態がRB遊技状態に移行する。有効ラインに沿って“ベル−ベル−リプレイ”が並ぶと表示役がSBになり、SB作動中フラグがオンになることにより遊技状態がSB遊技状態に移行する。
図13を参照して、引込優先順位テーブルについて説明する。
引込優先順位テーブルは、役(内部当籤役)に対応する図柄組合せの引き込みの相対的な優先順位の情報を備えている。優先順位1は、リプレイである。優先順位2は、BB1、BB2、RB、SBである。優先順位3は、チェリー、ベル、スイカである。
優先順位1をリプレイ、優先順位2をボーナスに設定しているのは、遊技者の射幸心を煽らないようにしつつ、ボーナスを優先して引き込むためである。複数の内部当籤役が決定された場合には、基本的に、優先順位が高い内部当籤役の引き込みが行われ、その引き込みができない場合には、次に優先順位が高い内部当籤役の引き込みが行われる。また、予めセットされた停止テーブルがリールの停止制御に用いられる場合もある。
一のゲームで内部当籤役が複数決定される場合、各内部当籤役の優先順位は夫々異なる。例えば、SB(優先順位2)とスイカ(優先順位3)とが重複して内部当籤役として決定される場合があるが、優先順位は各々異なる。また、持越区間においては、持ち越されたボーナスと乱数抽籤により決定された役とが重複して内部当籤役として決定されるが、この場合においても、優先順位は各々異なる。
「引き込み」とは、基本的に、有効ラインにより結ばれる図柄停止位置(以下、「有効図柄停止位置」という)に、最大滑りコマ数4の条件下で内部当籤役に対応する図柄組合せを構成する図柄(以下「引き込み対象図柄」という)を表示するように、停止制御の対象であるリール(停止操作に対応するリール)を停止させることをいう。
特に、第2停止操作の場合には、第1停止操作が行われたことにより、内部当籤役に対応する図柄組合せを構成する図柄が第1停止操作に対応する図柄表示領域21L,21C,21R内の有効図柄停止位置に表示されている場合、その有効図柄停止位置を結ぶ有効ラインにより結ばれる図柄停止位置に引き込み対象図柄を表示することを、「引き込み」という。
また、第3停止操作の場合には、第1停止操作及び第2停止操作に対応する2つの図柄表示領域21L,21C,21R内において、引き込み対象図柄がいずれかの有効ラインに沿って並んでいる場合(「テンパイ」の場合)、その有効ラインにより結ばれる有効図柄停止位置に引き込み対象図柄を表示することを、「引き込み」という。
ここで、図7に戻ると、一般遊技状態用内部抽籤テーブルは、SB及びスイカが重複して当籤役として決定される確率が50%になるように構成されている。しかしながら、図13の引込優先順位テーブルでは、SBがスイカよりも高い優先順位となるように構成されている。また、図4によれば、SBに対応する図柄組合せである“ベル−ベル−リプレイ”を構成する図柄は、最大滑りコマ数である4コマ以下の間隔で配置されている。したがって、一般遊技状態では、50%の確率でスイカが当籤役として決定されるものの、有効ライン上にはスイカに対応する図柄組合せではなく、SBに対応する図柄組合せが停止表示される。このSBに対応する図柄組合せが停止表示される場合、前述したようにSB遊技状態に移行する。
また、図8を参照すると、BB遊技状態用内部抽籤テーブルは、スイカが単独で当籤役として決定される確率が一般遊技状態用内部抽籤テーブル(図7)を参照したときにSB及びスイカが重複して当籤役として決定される確率と同じになるように構成されている。したがって、BB遊技状態では、50%の確率でスイカが当籤役として決定され、遊技者が適切なタイミングで停止ボタン7L,7C,7Rを操作することで、有効ライン上にはスイカに対応する図柄組合せが停止表示される。
以上より、一般遊技状態では、SBに対応する図柄組合せが集中して停止表示され、BB遊技状態では、一般遊技状態で停止表示されることのないスイカに対応する図柄組合せが集中して停止表示される。一般遊技状態用内部抽籤テーブルでのSB及びスイカに対応する数値範囲及びBB遊技状態用内部抽籤テーブルでのスイカに対応する数値範囲は、集中して停止表示させる頻度を決定するものである。実施例では、この頻度が50%になるように設定されているが、これに限られるものではなく、「所定の数値以上の予め定めた確率」であればよい。
ここで、「所定の数値以上の予め定めた確率」について検討する。「所定の数値」を低く規定すると、BB遊技状態では、スイカに対応する図柄組合せを停止表示させる頻度を高めようとしているにも関わらず、実際には、スイカに対応する図柄組合せが停止表示されない可能性が予測される。そのため、「所定の数値以上の予め定めた確率」は、少なくとも30%以上の予め定めた確率であることが好ましい。
ただし、「所定の数値以上の予め定めた確率」が高すぎると、BB遊技状態でスイカに対応する図柄組合せを停止表示させる頻度を高めることができる一方で、一般遊技状態でSB遊技状態に移行する頻度を高めることにもなる。このSB遊技状態では、前述したように、BB1、BB2が当籤役として決定されることがないため、「所定の数値以上の予め定めた確率」が高すぎることが好ましいとはいえない。したがって、「所定の数値以上の予め定めた確率」は、「所定の数値以上特定の数値以下の予め定めた確率」であることがより好ましく、実際には、30%以上70%以下の予め定めた確率であることが好ましい。そして、この確率は、40%以上60%以下の予め定めた確率であることがより好ましく、45%以上55%以下の予め定めた確率であることがさらに好ましい。そして、実施例のように50%と定めることが最も好ましい。
図14を参照して、内部当籤役、持越役及び遊技状態の格納領域(記憶領域)について説明する。
図14の(1)は、内部当籤役格納領域を示す。ビット0は、チェリーに対応する格納領域である。ビット1は、ベルに対応する格納領域である。ビット2は、スイカに対応する格納領域である。ビット3は、リプレイに対応する格納領域である。ビット4は、BB1に対応する格納領域である。ビット5は、BB2に対応する格納領域である。ビット6は、RBに対応する格納領域である。ビット7は、SBに対応する格納領域である。
なお、表示役のデータが格納される表示役格納領域についての図示は省略するが、内部当籤役格納領域と同様のデータ構造を有している。
図14の(2)は、持越役格納領域を示す。ビット4は、BB1に対応する格納領域である。ビット5は、BB2に対応する格納領域である。ビット6は、RBに対応する格納領域である。ビット0〜ビット3及びビット7は、未使用の格納領域である。
図14の(3)は、遊技状態格納領域を示す。ビット0は、一般遊技状態に対応する格納領域である。ビット1は、BB遊技状態に対応する格納領域である。ビット2は、RB遊技状態に対応する格納領域である。ビット3は、SB遊技状態に対応する格納領域である。ビット4〜ビット7は、未使用の格納領域である。
以上のような構成(特に図4〜図14に示す構成)を備えることにより、次のような作用効果を得ることができる。
まず、主制御回路71は、遊技状態情報格納領域のビット0に「1」が格納され(遊技状態格納領域に一般遊技状態の情報が格納され)、一般遊技状態用内部抽籤テーブルを参照したときに4と8とが重複して当籤番号として決定された場合には(スイカとSBとが重複して当籤役として決定された場合には)、SBに対応する図柄組合せがスイカに対応する図柄組合せよりも優先して停止表示するようにリール3L,3C,3Rによる図柄の変動表示を停止する。また、主制御回路71は、遊技状態情報格納領域のビット0に「1」が格納され(遊技状態格納領域に一般遊技状態の情報が格納され)、有効ライン上にSBに対応する図柄組合せである“ベル−ベル−リプレイ”が停止表示されることを条件に、遊技状態を一般遊技状態からSB遊技状態に切り換え、このSB遊技状態において特定の条件を充足することで一般遊技状態に切り換える。特定の条件は、SB遊技状態で1回の単位遊技が行われることである。したがって、遊技状態が一般遊技状態である場合、たとえスイカが当籤役として決定されたとしても、SBに対応する図柄組合せが優先して停止表示され、一般遊技状態からSB遊技状態に切り換えられる。
また、主制御回路71は、遊技状態情報格納領域のビット1に「1」が格納され(遊技状態格納領域にBB遊技状態の情報が格納され)、有効ライン上にRBに対応する図柄組合せである“BAR−BAR−BAR”が停止表示されることを条件に、遊技状態をBB遊技状態からRB遊技状態に切り換え、このRB遊技状態において所定の条件を充足することで遊技状態をRB遊技状態からBB遊技状態に切り換える。所定の条件は、RB遊技状態で12回の単位遊技が行われること、RB遊技状態で8回の入賞が行われること、BB遊技状態及びRB遊技状態で465枚を超えるメダルの払出しを受けることのいずれかである。また、BB遊技状態用内部抽籤テーブルは、スイカが単独で当籤役として決定される確率が32768/65535(50%)となるように構成されている。したがって、役物連続作動装置の作動前には、スイカが当籤役として決定されたとしても、SBに対応する図柄組合せが優先して停止表示されていたが、役物連続作動装置の作動後には、作動前ではSBと重複して当籤役として決定される場合であってもスイカが単独で当籤役として決定されるようになる。特に、実施例のように、一般遊技状態用内部抽籤テーブルが、SBに対応する数値範囲とスイカに対応する数値範囲とが完全に重複するように構成されている場合には、役物連続作動装置の作動前には単独で当籤役として決定されることのなかったスイカが、この装置の作動後には単独で当籤役として決定されるようになる。他方で、一般遊技状態用内部抽籤テーブルの構成は実施例の態様に限られるものではなく、SBに対応する数値範囲の一部のみがスイカに対応する数値範囲の全部又は一部と重複するように構成されている場合には、役物連続作動装置の作動後には、スイカが単独で当籤役として決定される場合と、ハズレが当籤役として決定される場合とが起こるようになる。
以上のような構成を備えることにより、役物連続作動装置の作動前には停止表示されることの少なかったスイカに対応する図柄組合せが表面化するようになり、一般的にメダルの付与の集中が期待できる役物(RB)の作動時以外でもメダルの付与の集中が期待できる区間が現れる。したがって、役物連続作動装置による作動の終了条件が所定枚数のメダルの払出しである機種(いわゆる5号機)に求められる、役物連続作動装置の1回の作動あたりの単位遊技回数を減らし、結果として1日あたりの役物連続作動装置の作動回数を増やすという課題を克服することができる。
また、実施例の遊技機では、遊技状態がSB遊技状態である場合は、このSB遊技状態からBB遊技状態やRB遊技状態に移行することがないため、1日あたりに払出すメダルの枚数を抑えることができ、結果として遊技店側の利益を確保できる。
以上より、遊技店側の利益を確保しつつ、メダルの払出しを期待できる遊技状態の1日あたりの発生回数を増やすことで遊技の興趣を高めることが可能な遊技機を提供することができる。
また、図4によれば、SBに対応する図柄組合せである“ベル−ベル−リプレイ”を構成する図柄は、最大滑りコマ数である4コマ以下の間隔で配置されているため、主制御回路71は、SBとスイカとが重複して当籤役として決定される場合には、SBに対応する図柄組合せを確実に停止表示する。これにより、一般遊技状態である場合に、スイカに対応する図柄組合せが停止表示されることを回避できるので、一般遊技状態で誤って多くの枚数のメダルを払出す事態を回避することができる。したがって、遊技者には多くの枚数のメダルを払出す期待感を与えつつ、遊技店側には誤って多くの枚数のメダルが遊技者に払出される危険がないという安心感を与えられる遊技機を提供することができる。
また、実施例では、主制御回路71によるBBの持ち越しが行われていない場合には、50%の確率でSBとスイカとが重複して当籤役として決定される。これに対し、主制御回路71によるBBの持ち越しが行われている場合には、50%の確率でスイカが単独で当籤役として決定される。また、主制御回路71は、SBとスイカとが重複して当籤役として決定される場合には、SBに対応する図柄組合せがスイカに対応する図柄組合せよりも優先して停止表示されるようにリール3L,3C,3Rによる図柄の変動表示を停止する。そして、主制御回路71は、SBに対応する図柄組合せが有効ライン上で停止表示されることを条件に、SB遊技状態の作動を行う。
これにより、BBの持ち越しが行われていない場合、たとえスイカが当籤役として決定されたとしても、SBに対応する図柄組合せが優先して停止表示され、SB遊技状態の作動が行われる。これに対し、BBの持ち越しが行われると、スイカが当籤役として決定された場合には、スイカに対応する図柄組合せが停止表示されうる。このように、スイカに対応する図柄組合せが停止表示されることで、BBの持ち越しが行われていることへの期待感を高めることができる。特に、スイカが単独で当籤役として決定される確率が所定の数値以上の予め定めた確率とすることで、BBの持ち越しが行われたときには、スイカに対応する図柄組合せが集中して停止表示されるようにしている。以上より、BBの持ち越しが行われていることへの期待感を複数の単位遊技にわたって維持し続けることが可能な遊技機を提供することができる。
また、実施例では、BBは複数設けられ、複数の図柄表示領域21L,21C,21Rは夫々複数の図柄停止位置を有する。より詳しくは、BBは、BB1とBB2との2種類が設けられ、複数の図柄表示領域21L,21C,21Rは、上段、中段、下段の3箇所の図柄停止位置を有する。
そして、主制御回路71は、複数の図柄停止位置の夫々で図柄が停止表示するように図柄の変動表示を停止するが、前述の図4を参照すると、BB1に対応する図柄組合せである“赤7−赤7−赤7”を構成する“赤7”とスイカに対応する図柄組合せである“スイカ−スイカ−スイカ”を構成する“スイカ”との間には、これら“赤7”及び“スイカ”とは別の図柄が図柄停止位置の数(実施例では、3)から1を減じた数(実施例では、2)以上配置されている。BB2に対応する図柄組合せである“青7−青7−青7”を構成する“青7”とスイカに対応する図柄組合せである“スイカ−スイカ−スイカ”を構成する“スイカ”との間についても同様に、これら“青7”及び“スイカ”とは別の図柄が図柄停止位置の数から1を減じた数以上配置されている。
このような構成にすることで、BB1又はBB2の持ち越しが行われ、スイカに対応する図柄組合せが停止表示されたとき、BB1又はBB2に対応する図柄組合せを構成する図柄が図柄停止位置に停止表示されることはない。これにより、スイカに対応する図柄組合せが停止表示されたときに、複数設けられたBBのうち、どのBBが持ち越されているのかが分からないので、スイカに対応する図柄組合せを長い期間集中して停止表示させることができる。したがって、BBの持ち越しが行われていることへの期待感をより長い時間維持し続けることが可能な遊技機を提供することができる。
また、図12によれば、スイカに対応する図柄組合せが有効ライン上で停止表示したときの払出枚数は、BET数以下の数量となるように定められている。このように定めることで、主制御回路71によるBBの持ち越しが行われ、スイカに対応する図柄組合せの停止表示が連続して行われる場合であっても、払出枚数の総数を投入枚数の総数で除した値(いわゆる出玉率)が100%を超えることを回避できる。したがって、遊技店側の利益を確保しつつ、メダルの払出しを行い続けることでBBの持ち越しが行われていることへの期待感を複数の単位遊技にわたって維持し続けることが可能な遊技機を提供することができる。
また、前述したように、SBに対応する図柄組合せである“ベル−ベル−リプレイ”を構成する図柄は、最大滑りコマ数である4コマ以下の間隔で配置されているため、主制御回路71は、SBとスイカとが重複して当籤役として決定される場合には、SBに対応する図柄組合せを確実に停止表示する。これにより、主制御回路71によるBBの持ち越しが行われていない場合に、スイカに対応する図柄組合せが停止表示されることを回避することができる。したがって、実際にはBBの持ち越しが行われていないにも関わらず、誤ってBBの持ち越しが行われていると誤解してしまう事態を回避することができるので、遊技者にとって安心して遊技を楽しむことができる。また、BBの持ち越しが行われていない場合に誤ってスイカに対応する枚数のメダルの払出しが起こる事態を回避することができるので、遊技店にとっても安心できる遊技機を提供することができる。
図15及び図16に示すメインフローチャートを参照して、主制御回路71の制御動作について説明する。
初めに、CPU31は、遊技開始時の初期化を行う(ステップS1)。具体的には、RAM33の記憶内容の初期化、通信データの初期化などを行う。続いてゲーム終了時のRAM33の所定の記憶内容(所定の記憶領域(例えば、内部当籤役を記憶する領域)の情報)を消去し(ステップS2)、ステップS3に移る。具体的には、前回のゲームに使用されたRAM33の書き込み可能エリアのデータの消去、RAM33の書き込みエリアへの次のゲームに必要なパラメータの書き込み、次のゲームのシーケンスプログラムの開始アドレスの指定などを行う。
ステップS3では、メダル投入・スタートチェック処理を行い、ステップS4に移る。この処理では、スタートスイッチ6S、メダルセンサ10S、又はBETスイッチ11〜13からの入力に基づいて、BET数の更新などの処理を行う。また、BET数の情報は、例えば、RAM33(遊技価値情報格納手段)の所定の記憶領域に格納される。このとき、ステップS3では、前回のゲームにおいてリプレイが成立した場合は、前回のゲームでのBET数と同等のBET数が自動的に格納される。
ステップS4では、抽籤用の乱数を抽出し、ステップS5に移る。この処理で抽出した乱数は、RAM33の乱数値格納領域に格納され、後述の内部抽籤処理において使用される。ステップS5では、後に図17を参照して説明する遊技状態監視処理を行い、ステップS6に移る。ステップS6では、後に図18及び図19を参照して説明する内部抽籤処理を行い、ステップS7に移る。
ステップS7では、前回のリール回転開始から“4.1秒”経過しているか否か、言い換えると、前回のゲーム開始から“4.1秒”経過しているか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS9に移り、NOのときは、ステップS8に移る。ステップS8では、ゲーム開始待ち時間消化の処理(ウェイト処理)を行い、ステップS9に移る。具体的には、前回のゲームが開始してから所定時間(例えば、所定秒(“4.1秒”など))経過するまでの間、遊技者のゲームを開始する操作に基づく入力を無効にする処理を行う。
ステップS9では、ゲーム監視用タイマをセットし、ステップS10に移る。このゲーム監視用タイマには、遊技者の停止ボタン7L,7C,7Rの停止操作によらずに自動的にリール3L,3C,3Rを停止させるための自動停止タイマが含まれる。ステップS10では、全リールの回転開始を要求し、ステップS11に移る。
ステップS11では、ストップスイッチ(停止スイッチ)が“オン”か否か、すなわちいずれかの停止ボタン7L,7C,7Rが操作されたかどうかを判別する。この判別がYESのときは、ステップS13に移り、NOのときは、ステップS12に移る。ステップS12では、自動停止タイマの値が“0”であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS13に移り、NOのときは、ステップS11に移る。
ステップS13では、滑りコマ数決定処理を行い、ステップS14に移る。この処理では、停止操作順序及び停止操作位置に基づいて引込優先順位テーブル(図13)を参照して滑りコマ数を決定し、セットする。停止操作順序とは、何番目の停止操作であるかをいい、停止操作位置とは、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられた停止ボタン7L,7C,7Rが操作された場合に、この操作に対応する図柄表示領域21L,21C,21Rの中段の図柄停止位置にある図柄(より詳しくは、中段の図柄停止位置の上方にあり、かつ中心が中段の図柄停止位置に最も近い図柄)のコードナンバーをいう。
ステップS14では、ステップS13で決定された滑りコマ数分、停止操作された停止ボタン7L,7C,7Rに対応するリール3L,3C,3Rが回転するのを待ち、ステップS15に移る。ステップS15では、リールの回転停止を要求し、ステップS16に移る。ステップS16では、全てのリールが停止したか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS17に移り、NOのときは、ステップS11に移る。
ステップS17では、表示役検索処理を行い、ステップS18に移る。表示役検索処理とは、図柄表示領域21L,21C,21Rでの図柄の停止態様に基づいて表示役(成立役)を識別するためのフラグをセットする処理をいう。ステップS18では、メダル払出処理を行い、ステップS19に移る。この処理では、表示役検索処理でセットされたフラグに基づき、図柄組合せテーブル(図12)を参照して、対応する払出枚数のメダルの貯留(クレジット)又は払出しを行う。ステップS19では、払出枚数に基づいて、ボーナス終了枚数カウンタを更新し、図16のステップS20に移る。この処理では、ボーナス終了枚数カウンタが1以上である場合には、メダルの払出枚数に応じて当該カウンタを減算する処理を行う。
図16のステップS20では、RB作動中フラグ、BB作動中フラグ又はSB作動中フラグのいずれかがオンか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS21に移り、NOのときは、ステップS22に移る。ステップS21では、後に図20を参照して説明するボーナス終了チェック処理を行い、ステップS22に移る。ステップS22では、後に図21を参照して説明するボーナス作動チェック処理を行い、図15のステップS2に移る。
図17を参照して、遊技状態監視処理について説明する。
初めに、CPU31は、SB作動中フラグがオンか否かを判別する(ステップS31)。この判別がYESのときは、ステップS32に移り、NOのときは、ステップS33に移る。ステップS32では、遊技状態格納領域にSB遊技状態の識別データを格納し、図15のステップS6に移る。このステップS32では、前述した遊技状態格納領域(図14の(4))のビット3に「1」を格納する処理を行う。
ステップS33では、RB作動中フラグはオンか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS34に移り、NOのときは、ステップS35に移る。ステップS34では、遊技状態格納領域にRB遊技状態の識別データを格納し、図15のステップS6に移る。このステップS34では、前述した遊技状態格納領域のビット2に「1」を格納する処理を行う。
ステップS35では、BB作動中フラグはオンか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS36に移り、NOのときは、ステップS37に移る。ステップS36では、遊技状態格納領域にBB遊技状態の識別データを格納し、図15のステップS6に移る。このステップS36では、前述した遊技状態格納領域のビット1に「1」を格納する処理を行う。
ステップS37では、遊技状態格納領域に一般遊技状態の識別データを格納し、図15のステップS6に移る。このステップS37では、前述した遊技状態格納領域のビット0に「1」を格納する処理を行う。
図18及び図19を参照して、内部抽籤処理について説明する。
初めに、CPU31は、内部抽籤テーブル決定テーブル(図6)に基づいて、遊技状態に応じた抽籤回数を決定し(ステップS41)、ステップS42に移る。ステップS42では、持越役格納領域に格納されたデータ(情報)が「0」か否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS44に移り、NOのときは、ステップS43に移る。このステップS42の処理により、持越役の有無を判別することができる。より詳しくは、ステップS42の処理でYESと判別される場合には、持越役がないと判別でき、NOと判別される場合には、持越役があると判別できる。ステップS43では、CPU31は、抽籤回数を「3」に変更(更新)し、ステップS44に移る。
ステップS44では、抽籤回数と同じ値を当籤番号としてセットし、ステップS45に移る。これにより、一般遊技状態での非持越区間の場合には「7」、BB遊技状態での非持越区間の場合には「5」、RB遊技状態の場合には「3」、SB遊技状態の場合には「3」がセットされることになる。また、一般遊技状態での持越区間(BB内部当籤状態)の場合には「4」、BB遊技状態での持越区間(RB内部当籤状態)の場合には「4」が当籤番号としてセットされることになる。
ステップS45では、ステップS41で決定された遊技状態に対応する内部抽籤テーブルを参照し、乱数値格納領域に格納されている乱数値(R)と、投入枚数に応じた下限値(L)及び上限値(U)とを比較し、ステップS46に移る。ステップS46では、乱数値が下限値以上であり、かつ上限値以下であるか否か、すなわちL≦R≦Uであるか否かを判別する。この判別がYESの場合には、ステップS47に移り、NOの場合には、ステップS54に移る。
ステップS47では、一般遊技状態であるか否かを判別する。この判別がYESの場合には、ステップS48に移り、NOの場合には、ステップS50に移る。ステップS48では、当籤番号が7であるか否かを判別する。この判別がYESの場合には、ステップS49に移り、NOの場合には、ステップS50に移る。ステップS49では、当籤番号に1を加算し、ステップS50に移る。これらの処理により、一般遊技状態であり、当籤番号が7である場合には、この当籤番号7に1を加算した8が当籤番号として決定される。
ステップS50では、当籤番号をRAM33の内部抽籤結果情報格納領域に格納し、ステップS51に移る。ステップS51では、内部当籤役決定テーブル(図11)を参照し、当籤番号に基づいて内部当籤役を決定し、ステップS52に移る。ステップS52では、内部当籤役とボーナスチェックデータの論理積をとり、持越役格納領域との論理和を持越役格納領域に格納し、ステップS53に移る。このステップS52の処理を行うことで、当籤したボーナスの情報を持越役格納領域に格納することができる。なお、ボーナスチェックデータは、「01110000」である。
ステップS53では、内部当籤役と持越役格納領域の論理和を内部当籤役格納領域に格納し、ステップS54に移る。ステップS54では、抽籤回数を「1」減算し、ステップS55に移る。ステップS55では、抽籤回数が「0」であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、図19のステップS56に移り、NOのときは、ステップS44に移る。
図19のステップS56では、内部当籤役決定テーブル(図11)を参照し、当籤番号に基づいて内部当籤役を決定し、ステップS57に移る。ステップS57では、内部当籤役とボーナスチェックデータの論理積をとり、持越役格納領域との論理和を持越役格納領域に格納し、ステップS58に移る。このステップS57の処理を行うことで、当籤したボーナスの情報を持越役格納領域に格納することができる。
ステップS58では、内部当籤役と持越役格納領域の論理和を内部当籤役格納領域に格納し、図15のステップS7に移る。このステップS58の処理を行うことで、乱数値Rが内部抽籤テーブルに規定されたいずれの数値範囲にも属さず、図18のステップS51〜ステップS53の処理が行われなかった場合には、ハズレに対応する情報又は持越役に対応する情報を内部当籤役格納領域に格納することができる。
図20を参照して、ボーナス終了チェック処理について説明する。
初めに、CPU31は、SB作動中フラグがオンか否かを判別する(ステップS61)。この判別がYESのときは、ステップS62に移り、NOのときは、ステップS63に移る。ステップS62では、SB作動中フラグをオフに更新し、図16のステップS22に移る。
ステップS63では、入賞が成立したか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS64に移り、NOのときは、ステップS70に移る。ステップS64では、BB作動中フラグがオンか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS65に移り、NOのときは、ステップS68に移る。ステップS65では、BB終了枚数カウンタが0であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS66に移り、NOのときは、ステップS68に移る。
ステップS66では、RB終了時処理を行い、ステップS67に移る。このRB終了時処理では、RB作動中フラグをオフに更新し、RB入賞可能回数カウンタ及びRB遊技可能回数カウンタを0に更新する処理などを行う。ステップS67では、BB終了時処理を行い、図16のステップS22に移る。このBB終了時処理では、BB作動中フラグをオフに更新し、BB終了枚数カウンタを0に更新する処理などを行う。
ステップS68では、RB入賞可能回数カウンタを1減算し、ステップS69に移る。ステップS69では、RB入賞可能回数カウンタが0であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS72に移り、NOのときは、ステップS70に移る。ステップS70では、RB遊技可能回数カウンタを1減算し、ステップS71に移る。ステップS71では、RB遊技可能回数カウンタが0であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS72に移り、NOのときは、図16のステップS22に移る。ステップS72では、RB終了時処理を行い、図16のステップS22に移る。
図21を参照して、ボーナス作動チェック処理について説明する。
初めに、CPU31は、表示役がBB1又はBB2であるか否かを判別する(ステップS81)。この判別がYESのときは、ステップS82に移り、NOのときは、ステップS85に移る。ステップS82では、BB作動中フラグをオンに更新し、ステップS83に移る。ステップS83では、BB終了枚数カウンタを465にセットし、ステップS84に移る。ステップS84では、持越役格納領域をクリアする処理、すなわち、持越役格納領域に格納されているデータを0に更新する処理を行い、図15のステップS2に移る。
ステップS85では、表示役がRBであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS86に移り、NOのときは、ステップS90に移る。ステップS86では、RB作動中フラグをオンに更新し、ステップS87に移る。ステップS87では、RB遊技可能回数カウンタを12にセットし、ステップS88に移る。ステップS88では、RB入賞回数カウンタを8にセットし、ステップS89に移る。ステップS89では、持越役格納領域をクリアする処理を行い、図15のステップS2に移る。
ステップS90では、表示役がSBであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS91に移り、NOのときは、ステップS92に移る。ステップS91では、SB作動中フラグをオンに更新し、図15のステップS2に移る。
ステップS92では、表示役がリプレイであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS93に移り、NOのときは、図15のステップS2に移る。ステップS93では、投入枚数カウンタを自動投入カウンタに複写する処理、すなわち、今回のゲームのために投入された投入枚数と同じ数値を自動投入カウンタにセットする処理を行い、図15のステップS2に移る。
以上、実施例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
実施例では、一般遊技状態用内部抽籤テーブル(図7)での当籤番号3に対応する数値範囲(スイカに対応する数値範囲)と当籤番号7に対応する数値範囲(SBに対応する数値範囲)とが完全に一致するように構成されているが、これに限られるものではない。例えば、当籤番号7に対応する数値範囲が当籤番号3に対応する数値範囲の一部又は全部を含むようにしてもよい。また、当籤番号3に対応する数値範囲が当籤番号7に対応する数値範囲よりも広くなるようにしてもよいし、反対に、また、当籤番号7に対応する数値範囲が当籤番号3に対応する数値範囲よりも広くなるようにしてもよい。
ただし、当籤番号3に対応する数値範囲と当籤番号7に対応する数値範囲で重複しない数値範囲を設ける場合、一般遊技状態であってもスイカに対応する図柄組合せが有効ライン上に停止表示されうる。スイカに対応する図柄組合せの停止表示が役物連続作動装置の作動中(より詳しくは、BB遊技状態中)に集中して行われるという効果を失わないようにするため、一般遊技状態でスイカが単独で当籤役として決定される確率が一定確率以下(好ましくは、5%以下)であるように数値範囲を設定すべきである。
実施例では、BB遊技状態用内部抽籤テーブル(図8)を参照したときにスイカが単独で当籤役として決定される確率は、一般遊技状態用内部抽籤テーブル(図7)を参照したときにSB及びスイカが重複して当籤役として決定される確率と同じになるように構成されているが、これに限られるものではなく、夫々異なるようにしてもよい。
ただし、BB遊技状態用内部抽籤テーブル(図8)を参照したときにスイカが単独で当籤役として決定される確率は、前述した「所定の数値以上の予め定めた確率」であることが好ましい点に留意すべきである。また、一般遊技状態用内部抽籤テーブル(図7)を参照したときにSB及びスイカが重複して当籤役として決定される確率は、前述した「特定の数値以下の予め定めた確率」であることが好ましい点に留意すべきである。
また、実施例では、スイカに対応する図柄組合せが有効ライン上で停止表示したときの払出枚数がBET数以下の数量となるように定められているが、これに限られるものではなく、BET数を超える数量(例えば、15枚)となるように定めてもよい。
また、実施例では、主制御回路71がRB遊技状態からBB遊技状態に切り換える条件を、RB遊技状態で12回の単位遊技が行われること、RB遊技状態で8回の入賞が行われること、BB遊技状態及びRB遊技状態で465枚を超えるメダルの払出しを受けることのいずれかとしているが、これに限られるものではない。例えば、RB遊技状態で所定回数以下の予め定めた回数の単位遊技が行われること、RB遊技状態で特定回数以下の予め定めた回数の入賞(メダルの払出し)が行われること、BB遊技状態及びRB遊技状態で465枚を超えるメダルの払出しを受けることのいずれかとしてもよい。このようにすることで、いったん役物連続作動装置の作動が行われると、スイカの当籤による遊技価値の付与の集中が期待できるBB遊技状態と一般的に遊技価値の付与の集中が期待できるRB遊技状態とが繰り返されることになる。これにより、遊技全体としてのメダルの払出しのうちBB遊技状態によるもの(小役によるもの)の割合を高めることができる。したがって、獲得するメダルの数のうちRBの作動によるものの割合を6割以下にすることで、遊技者の射幸心を著しく煽ることのないようにする機種(いわゆる5号機)に求められる、役物連続作動装置が作動しているときの遊技の魅力を、遊技全体としてのメダルの払出しのうちRBの作動によるものの割合が6割を超える機種に近づけるという課題を克服することができる。また、前述したように、実施例の遊技機では、遊技状態が一般遊技状態である場合、たとえスイカが当籤役として決定されたとしても、SBに対応する図柄組合せが優先して停止表示され、一般遊技状態から、BB遊技状態やRB遊技状態に直接移行することのないSB遊技状態に切り換えられる。したがって、1日あたりに払出すメダルの枚数を抑えることができ、遊技店側の利益を確保できるとともに、遊技者の射幸心を著しく煽るおそれを回避できる。以上より、主制御回路71がRB遊技状態からBB遊技状態に切り換える条件を、RB遊技状態で所定回数以下の予め定めた回数の単位遊技が行われること、RB遊技状態で特定回数以下の予め定めた回数の入賞(メダルの払出し)が行われること、BB遊技状態及びRB遊技状態で465枚を超えるメダルの払出しを受けることのいずれかとすることで、遊技店側の利益を確保し、遊技者の射幸心を著しく煽ることのないようにしつつ、役物連続作動装置が作動しているときの魅力を高めることが可能な遊技機を提供することができる。
なお、「所定回数以下の予め定めた回数」及び「特定回数以下の予め定めた回数」は、「5回以下の予め定めた回数」に設定することが好ましい。しかしながら、数値を低くしすぎると、獲得するメダルの数のうちRBの作動によるものの割合が6割よりも大幅に下回ってしまい、役物連続作動装置が作動しているときの遊技の魅力を下げることにつながる。したがって、「所定回数以下の予め定めた回数」及び「特定回数以下の予め定めた回数」は、「所定回数以下の予め定めた回数」を「第1の回数以上第2の回数以下の予め定めた回数」とし、「特定回数以下の予め定めた回数」を「第3の回数以上第4の回数以下の予め定めた回数」とすることがより好ましい。そして、「第1の回数以上第2の回数以下の予め定めた回数」及び「第3の回数以上第4の回数以下の予め定めた回数」は、「3回以上5回以下の予め定めた回数」に設定することがより好ましく、4回に設定することが最も好ましい。また、「所定回数以下の予め定めた回数」と「特定回数以下の予め定めた回数」とを(又は、「第1の回数以上第2の回数以下の予め定めた回数」と「第3の回数以上第4の回数以下の予め定めた回数」とを)同じ回数に設定する必要はなく、夫々別の回数に設定してもよい。
実施例では、役に対応する数値範囲を連続した値とする内部抽籤テーブルを設けているが、これに限られるものではない。例えば、役に対応する数値範囲を連続しない複数の値を含むものとする内部抽籤テーブルを設けるようにしてもよい。
実施例では、遊技機1は、第1種特別役物(RB)が設定されるとしたが、第2種特別役物及びこの第2種特別役物を連続して作動させる役物連続作動装置を備えることもできる。第2種特別役物とは、内部抽籤の結果に関わらず入賞に係る条件装置を作動させることとなる役物で、予め定められた場合に作動し、1回の遊技の結果が得られた場合に作動を終了するものをいう。この第2種特別役物には、いわゆるチャレンジゲーム(CG)及び/又はシングルチャレンジゲーム(SCG)を挙げることができる。また、第2種特別役物を連続して作動させる役物連続作動装置には、いわゆるチャレンジボーナス(CB)を挙げることができる。
また、本実施例のような遊技機1の他、パチンコ遊技機、パロット等の他の遊技機にも本発明を適用できる。さらに、前述の遊技機1での動作を家庭用ゲーム機用や携帯端末用(携帯電話機用、携帯型ゲーム機用など)として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、DVD−ROM、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。