図1は、本発明の一実施例の遊技機1の外観を示す斜視図である。遊技機1は、いわゆるパチスロ機である。この遊技機1は、コイン、メダル、遊技球又はトークンなどの他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
前面ドア2の正面には、略垂直面としてのパネル表示部2a、液晶表示部2b及び固定表示部2cが形成されている。また、前面ドア2の背後には、複数種類の図柄が各々の外周面に描かれた3個のメインリール(回胴)3A,3B,3Cが、左のメインリール3C、中央のメインリール3A、右のメインリール3Bの順で回転自在に横一列に設けられている。また、右のメインリール3Bの略水平方向の右側には、左のメインリール3Cに対応するサブリール3C’が、回転自在に設けられている。3個のメインリール3A,3B,3C及びサブリール3C’は、それぞれ一定の速度で回転する(例えば、80回転/分)。
パネル表示部2a、液晶表示部2b及び固定表示部2cの下方には略水平面の台座部4が形成されている。台座部4の右側には、メダルを投入するためのメダル投入口10が設けられている。投入されたメダルは、クレジットされるか、ゲームに賭けられる。また、台座部4の左側には、押し操作により、クレジットされているメダルを賭けるための1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、及び最大BETスイッチ13が設けられている。
1−BETスイッチ11は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの1枚がゲームに賭けられ、2−BETスイッチ12は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの2枚がゲームに賭けられ、最大BETスイッチ13は、1回のゲームに賭けることが可能な最大枚数のメダルが賭けられる。
これらのBETスイッチ11〜13を操作することで、後述の表示ラインが有効化される。BETスイッチ11〜13の操作及びメダル投入口10にメダルを投入する操作(遊技を行うためにメダルを投入する操作)を、以下「BET操作」という。また、BETスイッチ11〜13の上方には、操作部17が設けられている。操作部17は、後述の図3に示す液晶表示装置131に遊技履歴などの情報を表示するために操作される。
台座部4の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押しボタン操作で切り換えるC/Pスイッチ14が設けられている。このC/Pスイッチ14の切り換えにより、正面下部のメダル払出口15からメダルが払出され、払出されたメダルはメダル受け部5に溜められる。メダル受け部5の上方の左右には、遊技の演出に関する効果音などを出音するスピーカ9L,9Rが設けられている。
台座部4の前面部中央には、遊技者の操作によりメインリール3A,3B,3Cを回転させ、これらのメインリール3A,3B,3Cに対応する図柄表示領域21A,21B,21C内での図柄の変動表示を開始するためのスタートレバー6が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。
スタートレバー6の右側で、メインリール3Aの下方には、メインリール3Aの回転を停止させるための停止ボタン7Aが設けられている。同様に、スタートレバー6の右側で、メインリール3Bの下方には、メインリール3Bの回転を停止させるための停止ボタン7Bが設けられている。これに対し、メインリール3Cの回転を停止させるための停止ボタン7Cは、メインリール3Cの下方ではなくサブリール3C’の下方に設けられている。なお、実施例では、一のゲーム(単位遊技)は、基本的に、スタートレバー6が操作されることにより開始し、全てのメインリール3A,3B,3Cが停止したときに終了する。なお、サブリール3C’は、遊技者によるスタートレバー6の操作に応じて回転し、停止ボタン7Cの操作に応じて停止する。
ここで、実施例では、全てのメインリールが回転しているときに行われるメインリールの停止操作(停止ボタンの操作)を第1停止操作、第1停止操作の次に行われる停止操作を第2停止操作、第2停止操作の次に行われる停止操作を第3停止操作という。また、各停止ボタン7A,7B,7Cの裏側には、後述の図5に示す停止スイッチ7AS,7BS,7CSが配置されている。これらの停止スイッチは、対応する停止ボタンの操作(停止操作)を検知する。
図2を参照して、パネル表示部2a、液晶表示部2b及び固定表示部2cについて説明する。
パネル表示部2aは、ボーナス遊技情報表示部16、BETランプ17a〜17c、払出表示部18、及びクレジット表示部19により構成される。ボーナス遊技情報表示部16は、7セグメントLEDから成り、ボーナス中の遊技情報を表示する。1−BETランプ17a、2−BETランプ17b及び最大BETランプ17cは、一のゲームを行うために賭けられたメダルの数(以下「BET数」という)に応じて点灯する。
1−BETランプ17aは、BET数が1〜3枚のときに点灯する。2−BETランプ17bは、BET数が2及び3枚のときに点灯する。最大BETランプ17cは、BET数が3枚のときに点灯する。払出表示部18及びクレジット表示部19は、それぞれ7セグメントLEDから成り、入賞が成立したときのメダルの払出枚数及びクレジットされているメダルの枚数を表示する。
液晶表示部2bには、4つの図柄表示領域21A、21B,21C,21C’が、左のメインリール3Cに対応する図柄表示領域21C、中央のメインリール3Aに対応する図柄表示領域21A、右のメインリール3Bに対応する図柄表示領域21B、サブリール3C’に対応する図柄表示領域21C’の順で横一列に設けられている。また、液晶表示部2bには、4つの窓枠表示領域22A、22B,22C,22C’が、左のメインリール3Cに対応する窓枠表示領域22C、中央のメインリール3Aに対応する窓枠表示領域22A、右のメインリール3Bに対応する窓枠表示領域22B、サブリール3C’に対応する窓枠表示領域22C’の順で横一列に設けられている。また、液晶表示部2bには、演出表示領域23が設けられている。この液晶表示部2bの表示内容は、メインリール3A,3B,3C及びサブリール3C’の回転及び停止態様、及び後述の液晶表示装置131(後述の図3参照)の動作により変化するようになっている。
図柄表示領域21Aは、中央のメインリール3A上に配置された図柄の表示や、種々の演出表示を行う。図柄表示領域21Bは、右のメインリール3B上に配置された図柄の表示や、種々の演出表示を行う。図柄表示領域21Cは、左のメインリール3C上に配置された図柄の表示や、種々の演出表示を行う。また、図柄表示領域21C’は、サブリール3C’上に配置された図柄の表示や、種々の演出表示を行う。
各図柄表示領域21A、21B,21C,21C’には、それぞれ縦方向(垂直方向)に3箇所(上段、中段、下段)の図柄停止位置が設けられている。各図柄表示領域21A、21B,21C,21C’における図柄の変動表示(移動表示)が停止した場合には、各図柄表示領域21A、21B,21C,21C’に設けられた図柄停止位置の各々に図柄が停止表示される。
図柄表示領域21A、21B,21C,21C’は、少なくとも、対応するメインリール3A,3B,3C及びサブリール3C’が回転中のとき、対応する停止ボタン7A,7B,7Cが押し操作可能なときには、遊技者がメインリール3A,3B,3C及びサブリール3C’上の図柄を視認できるように、透過状態となる。
また、図柄表示領域21A、21B,21C,21C’には、図柄停止位置を結ぶ表示ラインが設けられる。表示ラインは、遊技者が、BETスイッチ11〜13を押し操作すること、又はメダル投入口10にメダルを投入することにより、有効化される(以下、有効化された表示ラインを「有効ライン」と記載する)。表示ラインが有効化されたかは、BETランプ17a,17b,17cの点灯により表示される。
本実施例の遊技機1は、後述の遊技状態及びBET数に拘らず、所定の一の表示ラインである中段ライン8(左のリール3Cに対応する図柄表示領域21C、中央のリール3Aに対応する図柄表示領域21A、右のリール3Bに対応する図柄表示領域21B、及びサブリール3C’に対応する図柄表示領域21C’の中段の図柄停止位置を結ぶ表示ライン)のみが有効化される1ライン専用機である。すなわち、3枚掛け(BET数が3の場合)であっても有効ラインは1ラインである。このように、3枚掛けでも1ラインのみ(中段ライン8)を有効ラインとしているので、遊技者による目押し操作の重要性が高くなり、より技術介入性を高めることができるとともに、入賞率を容易に低下できる遊技機を提供できる場合がある。
窓枠表示領域22A,22B,22C,22C’は、各図柄表示領域21A、21B,21C,21C’を囲むように設けられ、メインリール3A,3B,3C及びサブリール3C’の前面に配置された図柄表示領域21A、21B,21C,21C’の窓枠を表したものである。
演出表示領域23は、液晶表示部2bの領域のうち、図柄表示領域21A、21B,21C,21C’及び窓枠表示領域22A,22B,22C,22C’以外の領域である。固定表示部2cは、予め定めた図、絵などが描かれる領域である。この固定表示部2cに描かれた図、絵などと、演出表示領域23に表示された画像を連接させることにより一つの静止画像又は動画像を表示できるようにしても良い。
図3は、液晶表示装置131の概略構成を示す斜視図である。はじめに、メインリール3A,3B,3C及びサブリール3C’の内部構造について説明する。メインリール3A,3B,3C及びサブリール3C’の内部には、メインリール3A,3B,3C及びサブリール3C’の回転が停止した場合に各図柄表示領域21A、21B,21C,21C’に現われる縦4列の図柄(合計12個の図柄)の裏側にLED収納用回路基板が設置されている。LED収納用回路基板は、それぞれ3個(即ち合計で12個)のLED収納部を有し、ここに複数のLEDランプが設けられている。
このLEDランプは、メインリール3A,3B,3C及びサブリール3C’の外周面に沿って装着されたリールシートの後面側を白色の光で照明する。より詳細には、図柄表示領域21A、21B,21C,21C’に対応する領域を照明する。このリールシートは、透光性を有して構成され、LEDランプにより射出された光は前面側へ透過するようになっている。
また、中央のメインリール3Aは、同形の2本の環状フレームを所定の間隔(例えば当該メインリールの幅)だけ離して複数本の連結部材で連結することで形成された円筒形のフレーム構造と、そのフレーム構造の中心部に設けられたステッピングモータ49Lの駆動力を環状フレームへ伝達する伝達部材とにより構成される。また、中央のメインリール3Aの外周面に沿ってリールシートが装着されている。
中央のメインリール3Aの内側に配置されたLED収納用回路基板は、それぞれ複数のLEDランプを収納する3つのLED収納部を備えている。LED収納用回路基板は、遊技者が図柄表示領域21Aを通して視認できる図柄(合計3個の図柄)の各々の裏側にLED収納部が位置するように設置されている。なお、右のメインリール3B、左のメインリール3C、及びサブリール3C’については中央のメインリール3Aと同様の構造を有し、各々の内部にLED収納用回路基板が設けられている。
次に、透過型の液晶表示装置131について説明する。液晶表示装置131は、保護ガラス132、表示板133、液晶パネル134、導光板135、反射フィルム136、白色光源(例えば全ての波長の光を人の目に特定の色彩が目立たない割合で含む)である蛍光ランプ137a,137b,138a,138b、ランプホルダ139a〜139h、液晶パネル駆動用のICを搭載したテーブルキャリアパッケージからなり液晶パネル134の端子部に接続したフレキシブル基板(図示せず)等により構成される。
この液晶表示装置131は、メインリール3A,3B,3C及びサブリール3C’の表示領域より正面から見て手前側(即ち表示面よりも手前側)に設けられている。また、このメインリール3A,3B,3C及びサブリール3C’と液晶表示装置131とは、別体で(例えば所定の間隔をあけて)設けられている。
保護ガラス132及び表示板133は、透光性部材で構成されている。保護ガラス132は、液晶パネル134を保護すること等を目的として設けられている。表示板133において、パネル表示部2a及び固定表示部2c(図2参照)に対応する領域には、図、絵などが描かれる。
ここで、図3では、パネル表示部2aに対応する表示板133の領域の裏側に配置される各種表示部(ボーナス遊技情報表示部16、払出表示部18、クレジット表示部19など)及びBETランプ17a〜17cを動作させる電気回路の図示を省略している。
液晶パネル134は、薄膜トランジスタ層が形成されたガラス板などの透明な基板と、これに対向する透明な基板との間隙部に液晶が封入されて形成されている。この液晶パネル134の表示モードは、ノーマリーホワイトに設定されている。ノーマリーホワイトとは、液晶を駆動していない状態(即ち液晶パネル134に電圧を印加していない状態)で白表示となる構成である。即ち、表示面側に光が行く、よって透過した光が外部から視認されることとなる。
よって、ノーマリーホワイトに構成された液晶パネル134を採用することにより、液晶を駆動できない事態が生じた場合であっても、図柄表示領域21A、21B,21C,21C’を透してメインリール3A,3B,3C及びサブリール3C’上に配列された図柄を視認することができ、ゲームを継続することができる。つまり、液晶を駆動できない事態が発生した場合にも、メインリール3A,3B,3C及びサブリール3C’の回転及びその停止を中心としたゲームを行うことができる。
導光板135は、蛍光ランプ137a,137bからの光を液晶パネル134へ導入する(液晶パネル134を照明する)ために液晶パネル134の裏側に設けられ、例えば2cm程度の厚さを有するアクリル系樹脂などの透光性部材(即ち導光機能を有する部材)で構成されている。
反射フィルム136は、例えば白色のポリエステルフィルムやアルミ薄膜に銀蒸着膜を形成したものが用いられ、導光板135に導入された光を正面側に向けて反射させる。これにより液晶パネル134を照明する。この反射フィルム136は、反射領域136A及び非反射領域(即ち透過領域)136BA,136BB,136BC,136BC’により構成されている。非反射領域136BA,136BB,136BC,136BC’は、透明な材料で形成され入射した光を反射することなく透過させる光透過部として形成されている。
また、非反射領域136BA,136BB,136BC,136BC’のうち、非反射領域136BCは、左のメインリール3Cの回転が停止した場合に表示させる図柄の各々の前方の位置に設けられている。また、非反射領域136BAは、中央のメインリール3Aの回転が停止した場合に表示させる図柄の各々の前方の位置に設けられ、非反射領域136BBは、右のメインリール3Bの回転が停止した場合に表示させる図柄の各々の前方の位置に設けられている。非反射領域136BC’は、サブリール3C’の回転が停止した場合に表示させる図柄の各々の前方の位置に設けられている。尚、非反射領域136BA,136BB,136BC,136BC’の大きさ及び位置は、図柄表示領域21A、21B,21C,21C’(図2参照)と一致するように形成されている。また、反射フィルム136では、非反射領域136BA,136BB,136BC,136BC’以外の領域を反射領域136Aとし、反射領域136Aにより導光板135に導入された光を正面側に向けて反射させる。
蛍光ランプ137a,137bは、導光板135の上端部及び下端部に沿って配置され、両端はランプホルダ139a,139b,139g,139hにより支持されている。この蛍光ランプ137a,137bは、導光板135に導入する光を発生する。
蛍光ランプ138a,138bは、反射フィルム136の裏側の上方位置及び下方位置に配置されている。この蛍光ランプ138a,138bから発せられた光は、メインリール3A,3B,3C及びサブリール3C’の表面で反射され、非反射領域136BA,136BB,136BC,136BC’へ入射する。そして、入射した光は、非反射領域136BA,136BB,136BC,136BC’を通過して液晶パネル134を照明する。
さらに、LEDランプ及び蛍光ランプ137a,137b,138a,138bの機能について説明する。
はじめに、図柄表示領域21A、21B,21C,21C’にある液晶を駆動しない場合(即ち、液晶パネル134の、図柄表示領域21A、21B,21C,21C’に対応する個所に電圧を印加しない場合)の各ランプの機能について説明する。
蛍光ランプ138a,138bから射出された光の一部は、リールシートにより反射される。また、LED収納用回路基板に設けられたLEDランプから射出された光の一部は、リールシートを透過する。これらの光は、非反射領域136BA,136BB,136BC,136BC’、液晶表示装置131を構成する導光板135及び液晶パネル134を透過するので、遊技者は、メインリール及びサブリール上に配置された図柄を視認することができる。
また、蛍光ランプ137a,137bから射出され、導光板135に向けて導入された光は、液晶パネル134を透過して遊技者の目に入る。つまり、蛍光ランプ137a,137bによって、窓枠表示領域22A,22B,22C,22C’及び演出表示領域23に対応する液晶パネル134の領域が照明される。
次に、図柄表示領域21A、21B,21C,21C’にある液晶を駆動する場合(即ち、液晶パネル134の、図柄表示領域21A、21B,21C,21C’に対応する個所に電圧を印加する場合)の各ランプの機能について説明する。
蛍光ランプ138a,138bから射出された光の一部は、リールシートにより反射される。また、LEDランプから射出された光の一部は、リールシートを透過する。液晶パネル134の領域のうち、液晶が駆動された領域では、これらの光の一部が反射或いは吸収されたり透過したりするので、遊技者は、図柄表示領域21A、21B,21C,21C’に表示された演出画像等を視認することができる。
図4は、各メインリール3A,3B,3Cに表わされた複数種類の図柄が21個配列された図柄列を示している。各図柄には“00”〜“20”のコードナンバーが付され、データテーブルとして後で説明するROM32(図5)に格納(記憶)されている。
メインリール3A,3B,3Cのうち、中央のメインリール3A及び右のメインリール3Bには、“赤7(図柄91)”、“BAR(図柄92)”、“チェリー(図柄93)”、“ベル(図柄94)”、“スイカ(図柄95)”、“プラム(図柄96)”、及び“リプレイ(図柄97)”の図柄で構成される図柄列が表わされている。これに対し、左のメインリール3Cには、星型の形状をした“ブランク1(図柄98)”、及び六角形型の形状をした“ブランク2(図柄99)”の図柄で構成される図柄列が表わされている。これら3つのメインリール3A,3B,3Cは、図柄列が図4の矢印方向に移動するように回転駆動される。
また、左のメインリール3C上の図柄は、中央のメインリール3A及び右のメインリール3B上の図柄に比べ、相対的に薄い彩色で構成されている。遊技者にとってみれば、図柄表示領域21Cを透してメインリール3C上に配列された図柄は、図柄表示領域21A,21Bを透してメインリール3A,3B上に配列された図柄に比べ、相対的に視認しづらい。
ここで、実施例の役には、BB1、BB2、チェリー、ベル、スイカ、プラム、及びリプレイが設けられている。また、BBは、第1種特別役物に係る役物連続作動装置である。また、以下では、BB1及びBB2をBBとし、BBのことを「ボーナス」という。また、チェリー、ベル、スイカ、プラム、及びリプレイを総称して、以下「小役」という。
役(役データ)は、基本的に、遊技者に付与される利益と図柄組合せとが予め対応付けられた制御情報であり、メインリール3A,3B,3Cの停止制御、遊技状態の切り換え(移行)、遊技価値の付与などに用いられる。表示される図柄組合せ(遊技者に付与される利益)は、遊技者による停止ボタン7A,7B,7Cの操作タイミングに応じて決定される。
また、実施例の遊技状態には、基本的に、一般遊技状態及びRB遊技状態がある。遊技状態は、基本的に、内部当籤役の決定に用いる内部抽籤テーブルの種類、メインリールの停止制御の態様(いわゆる「滑り駒数」の最大数など)により区別できる。具体的には、遊技状態は、内部当籤する可能性のある役の種類、内部当籤する確率、最大の滑り駒数などにより区別できる。
一般遊技状態は、持越役のない通常区間と、持越役のある持越区間とで構成される。持越区間では、ボーナスに内部当籤することがなく、通常区間では、ボーナスに内部当籤することがある。
したがって、通常区間と、持越区間とは、基本的に、互いに異なる遊技状態である。持越役は、対応する図柄組合せが有効ラインに沿って並ぶことが一又は複数のゲームにわたり許容(内部当籤役に応じて許容)される役である。持越役は、内部当籤役に含まれる。
持越区間であるか否かは、持越役の有無により判別できる。持越役が無い場合には、通常区間である。
RB遊技状態は、基本的に、「第1種特別役物」が作動しているゲームにより構成される遊技状態であり、一般遊技状態に比べ有利な遊技状態である。RB遊技状態は、RB作動中フラグのオン又はオフにより識別できる。RB作動中フラグは、遊技状態がRB遊技状態であるか否かを識別するための情報である。RB作動中フラグがオンに更新される条件は、後述のBB作動中フラグがオンであることである。
RB作動中フラグがオフに更新される条件は、遊技可能回数が0となること、入賞可能回数が0となること、又はBB作動中フラグがオフに更新されることである。遊技可能回数は、RB遊技状態において行うことが可能な単位遊技の回数である。入賞可能回数は、RB遊技状態において入賞できる回数である。
BB作動中フラグは、BBの成立により発生する有利な状態であるか否かを識別するための情報である。この有利な状態において遊技を行うために用いた単位遊技価値(例えば、一のゲームに賭けたメダル1枚)に対して遊技者に付与される遊技価値の期待値は、一般遊技状態の期待値よりも相対的に高い(有利さの度合いが相対的に高い)。BB作動中フラグがオンに更新される条件は、BBが成立することである。BB作動中フラグがオフに更新される条件は、払出されたメダルの枚数が払出可能枚数を超えること(ボーナス終了枚数カウンタが0になること)である。払出可能枚数は、BB作動中フラグがオンに更新されてからBB作動中フラグがオフに更新されるまでの遊技(ゲーム)において払出すことが可能なメダルの枚数である。BBが成立した場合には、ボーナス終了枚数カウンタの初期値として、350がセットされる。
ここで、BB作動中フラグがオンに更新されてからオフに更新されるまでのBB作動中フラグとRB作動中フラグとの関係について説明する。BBが成立した場合に、BB作動中フラグがオンに更新される。このBB作動中フラグがオンに更新されたことを契機にRB作動中フラグがオンに更新される。そして、遊技可能回数が0になるか、又は入賞可能回数が0になると、RB作動中フラグがオフに更新される。BB作動中フラグがオンであれば、再びRB作動中フラグがオンに更新される。
BB作動中フラグがオフに更新される条件を充足した場合に、BB作動中フラグがオフに更新されるが、このBB作動中フラグがオフに更新されたことを契機にRB作動中フラグがオフに更新される。したがって、BB作動中フラグがオンであるときは、RB作動中フラグがオンに更新される。すなわち、BB成立後は、BB作動中フラグがオフに更新されるまでRB遊技状態となる。
図5は、遊技機1における遊技処理動作を制御する主制御回路71と、主制御回路71に電気的に接続する周辺装置と、主制御回路71から送信される制御指令に基づいて液晶表示装置131、スピーカ9L,9R、LED類100a、ランプ類100b及びサブリール3C’を制御する副制御回路72とを含む回路構成を示す。
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、予め設定されたプログラム(後述の図21〜図29)に従って制御動作を行うCPU31と、記憶手段であるROM32及びRAM33を含む。
CPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34及び分周器35と、サンプリングされる乱数を発生する乱数発生器36及びサンプリング回路37とが接続されている。尚、乱数サンプリングのための手段として、マイクロコンピュータ30内で、即ちCPU31の動作プログラム上で、乱数サンプリングを実行するように構成してもよい。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であり、或いは、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
マイクロコンピュータ30のROM32には、スタートレバー6を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数サンプリングの判定に用いられる内部抽籤テーブルや内部当籤役決定テーブル、停止ボタンの操作に応じてメインリールの停止態様を決定するためのメインリール停止テーブル群などが格納されている。また、副制御回路72へ送信するための各種制御指令(コマンド)等が格納されている。副制御回路72が主制御回路71へコマンド、情報等を入力することはなく、主制御回路71から副制御回路72への一方向で通信が行われる。RAM33には、種々の情報が格納される。例えば、後述の、内部当籤役、持越役、現在の遊技状態などの情報等が格納される。
図5の回路において、マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要な周辺機器としては、BETランプ(1−BETランプ17a、2−BETランプ17b、最大BETランプ17c)と、ボーナス遊技情報表示部16、払出表示部18、クレジット表示部19などの表示部と、メダルを収納し、ホッパー駆動回路41の命令により所定枚数のメダルを払出すホッパー(払出しのための駆動部を含む)40と、メインリール3A,3B,3Cを回転駆動するメインステッピングモータ49A,49B,49Cと、がある。
更に、メインステッピングモータ49A,49B,49Cを駆動制御するメインモータ駆動回路39、ホッパー40を駆動制御するホッパー駆動回路41、BETランプ17a,17b,17cを駆動制御するランプ駆動回路45、及びボーナス遊技情報表示部16、払出表示部18、クレジット表示部19などの表示部を駆動制御する表示部駆動回路48がCPU31の出力部に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれCPU31から出力される駆動指令などの制御信号を受けて、各周辺装置の動作を制御する。
また、マイクロコンピュータ30が制御指令を発生するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、スタートスイッチ6S、停止スイッチ7AS,7BS,7CS、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13、C/Pスイッチ14、メダルセンサ10S、メインリール位置検出回路50、払出完了信号回路51がある。
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作を検出する。メダルセンサ10Sは、メダル投入口10に投入されたメダルを検出する。停止スイッチ7AS,7BS,7CSは、対応する停止ボタン7A,7B,7Cの操作に応じて停止信号を発生する。メインリール位置検出回路50は、メインリール回転センサからのパルス信号を受けて各メインリール3A,3B,3Cの位置を検出するための信号をCPU31へ供給する。払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sの計数値(ホッパー40から払出されたメダルの枚数)が指定された枚数データに達した時、メダル払出完了を検知するための信号を発生する。
図5の回路において、乱数発生器36は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路37は、スタートレバー6が操作された後の適宜のタイミングで1個の乱数をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数を使用することにより、例えばROM32内に格納されている内部抽籤テーブルなどに基づいて内部当籤役などが決定される。
メインリール3A,3B,3Cの回転が開始された後、メインステッピングモータ49A,49B,49Cの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値はRAM33の所定エリアに書き込まれる。メインリール3A,3B,3Cからは一回転毎にリセットパルスが得られ、これらのパルスはメインリール位置検出回路50を介してCPU31に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、RAM33で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。これにより、RAM33内には、各メインリール3A,3B,3Cについて一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
上記のようなメインリール3A,3B,3Cの回転位置とメインリールの外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、メインリール図柄配置テーブル(図7)が、ROM32内に格納されている。このメインリール図柄配置テーブルでは、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各メインリール3A,3B,3Cの一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバーと、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応づけられている。
更に、ROM32内には、図柄組合せテーブル(図示せず)が格納されている。この図柄組合せテーブルでは、役の成立(入賞など)となる図柄の組合せと、入賞のメダル配当枚数と、その入賞(成立)を表わす入賞判定コード(成立判定コード)とが対応づけられている。上記の図柄組合せテーブルは、中央のメインリール3A、右のメインリール3B、左のメインリール3Cの停止制御時、及び全メインリール3A,3B,3Cの停止後の入賞確認(表示役の確認)を行う場合に参照される。表示役(表示役データ)は、基本的に、有効ラインに沿って並ぶ図柄組合せに対応する役(成立役)である。遊技者には、表示役に対応する利益が付与される。
上記乱数サンプリングに基づく抽籤処理(内部抽籤処理など)により内部当籤役や停止用当籤役を決定した場合には、CPU31は、遊技者が停止ボタン7A,7B,7Cを操作したタイミングで停止スイッチ7AS,7BS,7CSから送られる操作信号、及び決定されたメインリール停止テーブルに基づいて、停止ボタン7A,7B,7Cに対応するメインリール3A,3B,3Cを停止制御する信号をメインモータ駆動回路39に送信する。また、後述するように、副制御回路72のサブリール制御マイコン121は、停止スイッチ7CSから送られる操作信号、及び決定されたサブリール停止テーブルに基づいて、停止ボタン7Cに対応するサブリール3C’を停止制御する信号をサブモータ駆動回路125に送信する。
ここで、当籤した役の入賞を示す停止態様(即ち入賞態様)となれば、CPU31は、払出指令信号をホッパー駆動回路41に供給してホッパー40から所定個数のメダルの払出を行う。その際、メダル検出部40Sは、ホッパー40から払出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達した時に、メダル払出完了信号がCPU31に入力される。これにより、CPU31は、ホッパー駆動回路41を介してホッパー40の駆動を停止し、メダル払出処理を終了する。
図6は、副制御回路72の構成を示すブロック図である。副制御回路72は、画像制御回路(gSub)72aと、音・ランプ制御回路(mSub)72bと、サブリール制御回路(sSub)72cとから構成されている。この画像制御回路(gSub)72a、音・ランプ制御回路(mSub)72b及びサブリール制御回路(sSub)72cは、主制御回路71を構成する回路基板とは各々別の回路基板上に構成されている。
主制御回路71と画像制御回路(gSub)72aとの間の通信は、主制御回路71から画像制御回路(gSub)72aへの一方向で行われ、画像制御回路(gSub)72aが主制御回路71へコマンド、情報等を入力することはない。また、画像制御回路(gSub)72aと音・ランプ制御回路(mSub)72bとの間の通信は、画像制御回路(gSub)72aから音・ランプ制御回路(mSub)72bへの一方向で行われ、音・ランプ制御回路(mSub)72bが画像制御回路(gSub)72aへコマンド、情報等を入力することはない。さらに、主制御回路71とサブリール制御回路(sSub)72cとの間の通信は、主制御回路71からサブリール制御回路(sSub)72cへの一方向で行われ、サブリール制御回路(sSub)72cが主制御回路71へコマンド、情報等を入力することはない。
画像制御回路(gSub)72aは、画像制御マイコン81、シリアルポート82、プログラムROM83、ワークRAM84、カレンダIC85、画像制御IC86、制御RAM87、画像ROM(CROM(キャラクタROM))88及びビデオRAM89で構成される。
画像制御マイコン81は、CPU、割込コントローラ、入出力ポート(シリアルポートは図示)を備えている。画像制御マイコン81に備えられたCPUは、主制御回路71から送信されたコマンドに基づき、プログラムROM83内に格納された制御プログラムに従って各種の処理を行う。尚、画像制御回路(gSub)72aは、クロックパルス発生回路、分周器、乱数発生器及びサンプリング回路を備えていないが、画像制御マイコン81の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成されている。
シリアルポート82は、主制御回路71から送信されるコマンド等を受信する。プログラムROM83は、画像制御マイコン81で実行する制御プログラムや後述の各種テーブル等を格納する。ワークRAM84は、画像制御マイコン81が前述した制御プログラムを実行する場合の、作業用の一時記憶手段として構成される。ワークRAM84には、液晶表示装置131で演出に必要な種々の情報が格納される。
カレンダIC85は、日付データを記憶する。画像制御マイコン81には、操作部17が接続されている。実施例では、この操作部17を遊技場の従業員等が操作することにより日付の設定等が行われるようになっている。画像制御マイコン81は、操作部17から送信される入力信号に基づいて設定された日付情報をカレンダIC85に記憶する。カレンダIC85に記憶された日付情報はバックアップされることとなる。
また、前述のワークRAM84とカレンダIC85は、バックアップ対象となっている。つまり、画像制御マイコン81に供給される電源が遮断された場合であっても、電源が供給され続け、記憶された情報等の消去が防止される。
画像制御IC86は、画像制御マイコン81により決定された演出内容に応じた画像を生成し、液晶表示装置131に出力する。
制御RAM87は、画像制御IC86の中に含まれている。画像制御マイコン81は、この制御RAM87に対して情報等の書き込みや読み出しを行う。また、制御RAM87には、画像制御IC86のレジスタと、スプライト属性テーブルと、カラーパレットテーブルと、が展開されている。画像制御マイコン81は、画像制御IC86のレジスタと、スプライト属性テーブルとを所定のタイミングごとに更新する。
画像制御IC86には、液晶表示装置131と、画像ROM88と、ビデオRAM89とが接続されている。尚、画像ROM88が画像制御マイコン81に接続された構成であってもよい。この場合、3次元画像データなど大量の画像データを処理する場合に有効な構成となる場合がある。画像ROM88は、画像を生成するための画像データ、ドットデータ等を格納する。ビデオRAM89は、画像制御IC86で画像を生成する場合の一時記憶手段として構成される。また、画像制御IC86は、ビデオRAM89のデータを液晶表示装置131に転送終了する毎に画像制御マイコン81に信号を送信する。
また、画像制御回路(gSub)72aでは、画像制御マイコン81が、音・ランプの演出の制御も行うこととなっている。画像制御マイコン81は、決定された演出に基づいて、音・ランプの種類及び出力タイミングを決定する。そして、画像制御マイコン81は、所定のタイミングごとに、音・ランプ制御回路(mSub)72bにシリアルポート82を介してコマンドを送信する。音・ランプ制御回路(mSub)72bでは、主に、画像制御回路(gSub)72aから送信されたコマンドに応じて、音・ランプの出力のみを行うこととなる(後述する音量調節制御を除く)。
音・ランプ制御回路(mSub)72bは、音・ランプ制御マイコン111、シリアルポート112、プログラムROM113、ワークRAM114、音源IC115、パワーアンプ116、音源ROM117で構成される。
音・ランプ制御マイコン111は、CPU、割込コントローラ、入出力ポート(シリアルポートは図示)を備えている。音・ランプ制御マイコン111に備えられたCPUは、画像制御回路(gSub)72aから送信されたコマンドに基づき、プログラムROM113内に格納された制御プログラムに従って音・ランプの出力処理を行う。また、音・ランプ制御マイコン111には、LED類101及びランプ類102が接続されている。音・ランプ制御マイコン111は、画像制御回路(gSub)72aから所定のタイミングで送信されるコマンドに応じて、このLED類101及びランプ類102に出力信号を送信する。これにより、LED類101及びランプ類102が演出に応じた所定の態様で発光することとなる。
シリアルポート112は、画像制御回路(gSub)72aから送信されるコマンド等を受信する。プログラムROM113は、音・ランプ制御マイコン111で実行する制御プログラム等を格納する。ワークRAM114は、音・ランプ制御マイコン111が前述した制御プログラムを実行する場合の、作業用の一時記憶手段として構成される。
音源IC115は、画像制御回路(gSub)72aから送信されたコマンドに基づいて音源を生成し、パワーアンプ116に出力する。パワーアンプ116は増幅器であり、このパワーアンプ116にはスピーカ9L,9Rが接続されている。パワーアンプ116は、音源IC115から出力された音源を増幅し、増幅した音源をスピーカ9L,9Rから出力させる。音源ROM117は、音源を生成するための音源データ(フレーズ等)等を格納する。
また、音・ランプ制御マイコン111には、音量調節部103が接続されている。音量調節部103は、遊技場の従業員等により操作可能となっており、スピーカ9L,9Rから出力される音量の調節が行われる。音・ランプ制御マイコン111は、音量調節部103から送信される入力信号に基づいて、スピーカ9L,9Rから出力される音を入力された音量に調節する音量調節制御を行う。
サブリール制御回路(sSub)72cは、サブリール制御マイコン121、シリアルポート122、プログラムROM123、ワークRAM124、サブモータ駆動回路125、サブリール位置検出回路126で構成される。
サブリール制御マイコン121は、CPU、入出力ポート(シリアルポートは図示)を備えている。サブリール制御マイコン121に備えられたCPUは、主制御回路71から送信されたコマンドに基づき、サブリール3C’の駆動処理を行う。サブリール制御マイコン121は、主制御回路71から所定のタイミングで送信されるコマンドに応じて、サブモータ駆動回路125に出力信号を送信する。これにより、サブリール3C’は、左のメインリール3Cと同期して停止制御されることとなる。
シリアルポート122は、主制御回路71から送信されるコマンド等を受信する。プログラムROM123は、サブリール制御マイコン121で実行する制御プログラム(後述の図30及び図31)や後述の各種テーブル(後述の図18〜図20)等を格納する。ワークRAM124は、サブリール制御マイコン121が制御プログラムを実行する場合の、作業用の一時記憶手段として構成される。ワークRAM124には、種々の情報が格納される。例えば、後述の図32のステップS131で決定されたサブリール停止テーブルなどの情報が格納される。サブリール位置検出回路126は、サブリール回転センサからのパルス信号を受けてサブリール3C’の位置を検出するための信号をサブリール制御マイコン121のCPUへ供給する。
サブリール3C’の回転が開始された後、サブステッピングモータ49C’(図5)に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値はサブリール制御マイコン121のCPUの所定エリアに書き込まれる。サブリール3C’からは一回転毎にリセットパルスが得られ、これらのパルスはサブリール位置検出回路126を介して当該CPUに入力される。こうして得られたリセットパルスにより、当該CPUで計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。これにより、当該CPU内には、サブリール3C’について一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
上記のようなサブリール3C’の回転位置とサブリールの外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、サブリール図柄配置テーブル(図18)が、サブリール制御マイコン121のCPU内に格納されている。このサブリール図柄テーブルでは、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、サブリール3C’の一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバーと、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応づけられている。
図7を参照して、メインリール図柄配置テーブルについて説明する。
メインリール図柄配置テーブルは、メインリール3A,3B,3Cの図柄位置(コードナンバー)に対応するメインリール外周面上に描かれた図柄の情報を備えている。図柄配置テーブルと、後述のメインリール図柄組合せテーブルとに基づいて、各有効ラインに沿って並ぶ図柄の組合せを把握することができる。
図7において、左のメインリール3Cの図柄位置のうち、“ブランク1”の図柄位置は、“01”〜“03”,“05”〜“07”,“09”〜“11”,“13”〜“15”,“18”〜“20”である。実施例では、いわゆる滑り駒数を最大“4コマ”としており、左のメインリール3Cでは、“ブランク1”が4コマ以内の間隔になるように配置されている。
また、図7において、左のメインリール3Cの図柄位置のうち、“ブランク2”の図柄位置は、“00”,“04”,“08”,“12”,“16”,“17”である。実施例では、いわゆる滑り駒数を最大“4コマ”としており、左のメインリール3Cでは、“ブランク2”が4コマ以内の間隔になるように配置されている。
以上のような図柄配置にし、後述のメインリール停止テーブルを適切な構成にすることで、遊技者が停止ボタン7A及び停止ボタン7Bを適切なタイミングで操作する場合には、左のメインリール3Cについては、遊技者による停止操作のタイミング(停止操作位置)に関わらず“ブランク1”、“ブランク2”を必ず停止表示させることができる。
図8を参照して、メインリール図柄組合せテーブルについて説明する。
メインリール図柄組合せテーブルは、一の有効ラインにより結ばれる左側から3つの図柄停止位置の各々に停止表示された図柄の組合せに対応する表示役と、表示役に対応する投入枚数(BET数のこと)毎の払出枚数の情報を備えている。このメインリール図柄組合せテーブルは、全てのメインリールが停止した後、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せに応じて払出枚数を決定する場合に参照される。
有効ラインに沿って“ANY−チェリー−ANY”が並ぶと表示役がチェリーになり、投入枚数が1又は2の場合には、15枚のメダルが払出され、投入枚数が3の場合には、4枚のメダルが払出される。“ANY”は、任意の図柄を示す。
有効ラインに沿って“ブランク1−ベル−ベル”が並ぶと表示役がベルになり、投入枚数に拘らず15枚のメダルが払出される。有効ラインに沿って“ブランク2−スイカ−スイカ”が並ぶと表示役がスイカになり、投入枚数に拘らず8枚のメダルが払出される。有効ラインに沿って“ブランク2−プラム−プラム”が並ぶと表示役がプラムになり、投入枚数に拘らず4枚のメダルが払出される。
有効ラインに沿って“ブランク1−リプレイ−リプレイ”が並ぶと表示役がリプレイになり、メダルが自動投入される。有効ラインに沿って“ブランク2−赤7−赤7”が並ぶと表示役がBB1になり、BB作動中フラグがオンになることにより遊技状態がRB遊技状態に移行する。有効ラインに沿って“ブランク2−BAR−BAR”が並ぶと表示役がBB2になり、BB作動中フラグがオンになることにより遊技状態がRB遊技状態に移行する。
ここで、中央のメインリール3A、右のメインリール3Bでは、表示役を構成する図柄として6種類が用いられている。実施例では、最大滑り駒数を“4コマ”としているので、これら6種類の図柄の全てを4コマ以内の間隔で配置することはできない。したがって、仮に内部当籤役としてBB1に当籤したとしても、遊技者は、適切なタイミングで“赤7”を停止表示させなければ、一般遊技状態に比べて相対的に有利なRB遊技状態を楽しむことができない。
これに対し、左のメインリール3Cでは、複数の内部当籤役に対応する図柄を設けることで、表示役を構成する図柄を2種類にしている。また、上述したメインリール図柄配置テーブル(図7)によれば、表示役を構成する図柄は、最大滑り駒数以内の間隔で配置されている。このように、複数の内部当籤役に対応する図柄を設け、当該図柄を最大滑り駒数以内の間隔で配置することで、遊技者は、停止ボタン7A及び停止ボタン7Bを適切なタイミングで操作すれば、左のメインリール3Cについては、遊技者による停止操作のタイミング(停止操作位置)に関わらず内部当籤役に対応する図柄組合せを構成する図柄を必ず停止表示させることができる。
図9を参照して、内部抽籤テーブル決定テーブルについて説明する。
内部抽籤テーブル決定テーブルは、遊技状態に対応する内部抽籤テーブル(後述の図10)及び抽籤回数の情報を備えている。
ここで、一般遊技状態の場合は、一般遊技状態用の内部抽籤テーブル(後述の図10の(1))が選択され、基本的に、抽籤回数として7が決定される(後述の図25のステップS51)。抽籤回数は、内部当籤役を決定するために必要な処理をする回数であり、具体的には、後述の乱数値R−下限値Lの計算及び乱数値R−上限値Uの計算をする回数(最大の回数)である。ただし、持越区間の場合には、7と決定された抽籤回数が5に更新される(後述の図25のステップS53)。また、RB遊技状態の場合は、RB遊技状態用の内部抽籤テーブル(後述の図10の(2))が選択され、抽籤回数として4が決定される(図25のステップS51)。
図10を参照して、内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、遊技状態毎に設けられ、投入枚数毎に当籤番号に対応する下限値及び上限値により示される数値範囲の情報を備えている。図10の(1)は、一般遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。図10の(2)は、RB遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。
内部抽籤テーブルに基づく当籤番号の決定(抽籤)では、遊技状態毎に定められた抽籤回数と同じ当籤番号から降順に、当籤番号が0になるまで、乱数値が当籤番号に対応する下限値及び上限値により示される数値範囲内にあるか否かを判断する。乱数値が下限値及び上限値により示される数値範囲内にある場合、対応する当籤番号に当籤となる。また、当籤番号に対応する下限値及び上限値により示される数値範囲内にあるか否かを判断する回数は、図9の内部抽籤テーブル決定テーブルで定められた抽籤回数と同じである。
なお、当籤番号が0になるまで乱数値が一度も下限値及び上限値により示される数値範囲内になかった場合、当籤番号は0(ハズレ)となる。内部当籤役のハズレは、内部抽籤で遊技者の利益と対応付けられた役に当籤しなかったことを示す。また、実施例におけるハズレは、遊技価値と対応付けられた役ではない。また、内部当籤役としてのハズレに対応する図柄組合せは、予め設けられた複数の役に対応する図柄組合せとは別の任意の図柄組合せであるとも考えることができるが、実施例では、ハズレに対応する図柄組合せは設けられていないものとする。
また、当籤番号から降順に、当籤番号が0になるまで当籤か否かを判断するとともに、複数の役の各々に対応する上限値及び下限値により規定される数値範囲が重複するように設定されていることから、内部当籤役として複数の役が決定されることがある。当籤した当籤番号、遊技状態、投入枚数、及び内部当籤役決定テーブル(後述の図11)に基づいて内部当籤役が決定される。
例えば、遊技状態が一般遊技状態の通常区間であり、投入枚数が3で、0〜65535の範囲から抽出した乱数値が16050である場合、初めに、当籤番号7について乱数値R(16050)−下限値L(16096)を計算する。この計算結果は0より小さくなる。したがって、乱数値が当籤番号に対応する下限値及び上限値により示される数値範囲内(L≦R≦U)にないので、抽出した乱数値が16050である場合、当籤番号7に不当籤となる。
次に、当籤番号6について乱数値R(16050)−下限値L(16000)を計算する。この計算結果は0以上になる。次に、乱数値R(16050)−上限値U(16095)を計算する。この計算結果は0以下になる。したがって、乱数値が当籤番号に対応する下限値及び上限値により示される数値範囲内(L≦R≦U)にあるので、抽出した乱数値が16050である場合、当籤番号6に当籤となる。当籤番号6に当籤となる場合には、後述の内部当籤役決定テーブルに基づいて、当籤番号6に対応するBB1が内部当籤役となる。
このようにして、乱数値R(16050)−下限値Lの計算及び乱数値R(16050)−上限値Uの計算を、当籤番号が0となるまで繰り返すことで、当籤番号5〜1の各々に当籤しているか否かを判断する。遊技状態が一般遊技状態の通常区間であり、投入枚数が3で、乱数値が16050である場合は、当籤番号1〜5については不当籤となる。したがって、この場合は、当籤番号6で当籤し、後述の内部当籤役決定テーブルに基づいて、内部当籤役としてBB1が決定される。
なお、持越区間では、抽籤回数が5に更新(後述の図25のステップS53)されるので、当籤番号6、7に決定される場合がない。したがって、持越区間では、後述の内部当籤役決定テーブルに基づいて、ボーナスが内部当籤役として決定される場合はない。また、実施例では、0〜65535のどの乱数値であっても、内部当籤役決定テーブルに基づいて、内部当籤役として2以上の役が同時に決定されることはないが、例えば、図10の(1)の投入枚数が3であって、当籤番号が3の場合に対応する下限値を16000、上限値を16511にすることで、内部当籤役としてスイカ及びBBの両方を決定させることができる。
図11を参照して、内部当籤役決定テーブルについて説明する。
内部当籤役決定テーブルは、当籤番号に対応する内部当籤役(フラグの情報)の情報(データ)を備えている。フラグは2進数で表されている。当籤番号に対応して示されている内部当籤役は、内部当籤役を識別するための情報であり、各々1バイトのデータである。
当籤番号が0で内部当籤役を示す情報が“00000000”の場合には、内部当籤役はハズレである。当籤番号が1で内部当籤役を示す情報が“00000001”の場合には、内部当籤役はチェリーである。当籤番号が2で内部当籤役を示す情報が“00000010”の場合には、内部当籤役はベルである。
当籤番号が3で内部当籤役を示す情報が“00000100”の場合には、内部当籤役はスイカである。当籤番号が4で内部当籤役を示す情報が“00001000”の場合には、内部当籤役はプラムである。
当籤番号が5で内部当籤役を示す情報が“00010000”の場合には、内部当籤役はリプレイである。当籤番号が6で内部当籤役を示す情報が“00100000”の場合には、内部当籤役はBB1である。当籤番号が7で内部当籤役を示す情報が“01000000”の場合には、内部当籤役はBB2である。
内部当籤役は、基本的に、停止制御の態様を識別したり、表示役となりうる役(表示役として許容されうる役)を識別したりするための情報である。内部当籤役は、その内部当籤役に対応する停止制御の態様(停止テーブル)などを介して、対応する図柄組合せと遊技者に付与される利益とが間接的に対応付けられているといえる。
図12を参照して、メインリール停止初期決定テーブルについて説明する。
メインリール停止初期決定テーブルは、ストップ用セレクトカウンタの値0〜7の各々に対応するメインリール停止テーブルの情報を備えている。ストップ用セレクトカウンタには、基本的に、当籤番号が格納される(図27のステップS74)。
停止テーブルは、メインリール3A,3B,3Cの停止制御の態様を規定する情報を備えている。具体的には、遊技者による停止ボタン7A,7B,7Cの操作タイミングに対応するメインリール3A,3B,3Cの停止態様の情報(例えば、図柄の停止位置の情報、滑り駒数の情報など)を備えている。各停止テーブルは、基本的に、対応する内部当籤役を成立可能に構成されている。
具体的には、停止テーブル(図示せず)は、所定の図柄組合せ(対応する役の図柄組合せ)を所定の表示ライン(有効ライン)に沿って並べることが可能に構成されている。ただし、ハズレに対応する停止テーブルは、役に対応する図柄組合せが所定の表示ラインに沿って並べることができないように構成されている。
停止テーブルには、各メインリール3A,3B,3Cの停止操作位置と停止制御位置とが示されている。停止操作位置は、各メインリール3A,3B,3Cに対応して設けられた停止ボタン7A,7B,7Cが操作された場合に、中段ライン8に位置していた図柄(具体的には、図柄の中心が中段ライン8の上方に位置し、その中心が中段ライン8の位置に最も近い図柄)のコードナンバーを表わす。停止制御位置は、停止操作が行われたリールが停止したとき、中段ライン8の位置に停止表示される図柄のコードナンバーを表わす。
実施例では、いわゆる滑り駒数を最大“4コマ”としている。例えば、右のメインリール3Bの回転中において、コードナンバー“08”の“リプレイ”が中段ライン8の位置に到達したときに、停止ボタン7Bが操作された場合、コードナンバー“12”の“スイカ”を中段ライン8の位置に停止表示するように右のメインリール3Bを停止制御することができる。
図13を参照して、内部当籤役がBB1である場合に使用するBB1用メインリール停止テーブルの例について説明する。
停止テーブルは、基本的に、所定の図柄組合せ(対応する役の図柄組合せ)を所定の表示ライン(有効ライン)に沿って並べることが可能に構成されている。ただし、ハズレに対応する停止テーブルは、役に対応する図柄組合せが所定の表示ラインに沿って並べることができないように構成されている。また、停止テーブルは、基本的に、役の各々について、中段ライン8に対応して設けられている。
停止テーブルには、各メインリール3A,3B,3Cの停止操作位置と停止制御位置とが示されている。停止操作位置は、各メインリール3A,3B,3Cに対応して設けられた停止ボタン7A,7B,7Cが操作された場合に、中段ライン8に位置していた図柄(具体的には、図柄の中心が中段ライン8の上方に位置し、その中心が中段ライン8の位置に最も近い図柄)のコードナンバーを表わす。停止制御位置は、停止操作が行われたリールが停止したとき、中段ライン8の位置に停止表示される図柄のコードナンバーを表わす。
実施例では、いわゆる滑り駒数を最大“4コマ”としている。例えば、中央のメインリール3Aの回転中において、コードナンバー“12”の“ベル”が中段ライン8の位置に到達したとき、停止ボタン7Cが操作された場合、コードナンバー“16”の“赤7”を中段ライン8の位置に停止表示するように中央のメインリール3Aを停止制御することができる。
図13において、中央のメインリール3Aの停止制御位置は、コードナンバー“03”,“08”,“12”,“16”,又は“20”のいずれかである。図4に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、“赤7”又は“ベル”である。したがって、図柄表示領域21A(図2)の中段の図柄停止位置に“赤7”又は“ベル”が停止表示される。
図13において、右のメインリール3Bの停止制御位置は、コードナンバー“04”,“08”,“13”,“16”,“17”,又は“20”のいずれかである。図4に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、“赤7”又は“リプレイ”である。したがって、図柄表示領域21B(図2)の中段の図柄停止位置に“赤7”又は“リプレイ”が停止表示される。
図13において、左のメインリール3Cの停止制御位置は、コードナンバー“00”,“04”,“08”,“12”,“16”,又は“17”のいずれかである。図4に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、“ブランク2”である。したがって、図柄表示領域21C(図2)の中段の図柄停止位置に“ブランク2”が停止表示される。
以上のように、内部当籤役がBB1である場合には、中央のメインリール3A及び右のメインリール3Bに対して適切なタイミングで停止操作を行うことにより(適切な中段ライン8上の図柄停止位置に“赤7”を停止させることにより)、左のメインリール3Cでは、停止操作のタイミング(停止操作位置)及び順序(例えば、順押し、変則押しなど)がどのような場合であっても、必ず、中段ライン8上に、BB1に対応する“ブランク2−赤7−赤7”の図柄組合せが停止表示される。
また、図示は省略するが、BB1用メインリール停止テーブルを除く他のメインリール停止テーブルであっても、中央のメインリール3A及び右のメインリール3Bに対して適切なタイミングで停止操作を行うことにより、左のメインリール3Cでは、停止操作のタイミング(停止操作位置)がどのような場合であっても、必ず、内部当籤役に対応する図柄組合せを構成する図柄が有効ライン上で表示されるように構成されている。
ここで、従来の遊技機では、内部当籤役としてBB1に当籤したとしても、遊技状態が一般遊技状態からRB遊技状態に移行するためには、遊技者は、BB1に対応する図柄組合せ(例えば、“赤7−赤7−赤7”など)を適切なタイミングで有効ライン上の3個の図柄停止位置に停止表示させる必要があった。特に1ライン専用機では、遊技者による目押し操作の重要性が高く、特に初心者では、内部当籤役としてBB1に当籤したとしても、RB遊技状態への移行という利益が得られない可能性があった。
そこで、実施例のようなメインリール停止テーブルを設けることで、遊技者は、中央の図柄表示領域21Aの中段の図柄停止位置及び右の図柄表示領域21Bの中段の図柄停止位置に、いずれかの内部当籤役に対応する図柄組合せを構成する図柄が停止表示されることで、左の図柄表示領域21Cの中段の図柄停止位置には、当該内部当籤役に対応する図柄組合せを構成する図柄が確実に表示されるので、初心者であっても安心して遊技を進めることができる。特に、内部当籤役としてBB1に当籤した場合、2つのメインリール3A,3Bについて適切なタイミングで目押し操作することで、確実に遊技状態がRB遊技状態に移行するので、3つのメインリール3A,3B,3Cについて適切なタイミングで目押し操作することが困難な遊技者であっても、一般遊技状態に比べて相対的に高い利益を得ることが可能なRB遊技状態を楽しむことができる。他方、目押し操作に慣れている上級者であっても、内部当籤役としてBB1が当籤されてからRB遊技状態に移行するまでの単位遊技の回数を減らすことができるので、遊技の興趣が向上する。
また、実施例では、当籤役がBB1である場合に限らず、どのような役(BB、小役)であっても、中央の図柄表示領域21Aの中段の図柄停止位置及び右の図柄表示領域21Bの中段の図柄停止位置に、内部当籤役に対応する図柄組合せを構成する図柄を停止表示させることができれば、遊技状態の切り換え(移行)、遊技価値の付与、遊技価値の自動投入などの利益を得ることができる。したがって、目押し操作に慣れていない初心者であっても様々な種類の当籤役に対応する利益を得ることができ、安心して遊技を楽しむことができる。他方、目押し操作に慣れている上級者であっても、内部当籤役として様々な種類の当籤役が決定されてから利益が付与されるまでの単位遊技の回数を減らすことができ、遊技の興趣が向上する。
また、上述したように、停止ボタン7Cは、左のメインリール3Cの下方ではなく、サブリール3C’の下方に設けられている。これにより、遊技者は、左のメインリール3Cで表示される図柄を見なくても遊技を進めることができるので、サブリール3C’の中段の図柄停止位置に“赤7”を最大滑り駒数である4コマ以内で停止表示することができない場合であっても、あたかも遊技者自身の技量で当該“赤7”を停止させたかのような感覚を得ることができ、遊技の興趣が向上する。
また、上述したように、左のメインリール3C上の図柄は、サブリール3C’上の図柄よりも薄い彩色で構成されているので、左のメインリール3C上の図柄によって遊技者の視界が遮られる可能性を低くすることができる。
図14を参照して、引込優先順位テーブルについて説明する。
引込優先順位テーブルは、役(内部当籤役)に対応する図柄組合せの引き込みの相対的な優先順位の情報を備えている。優先順位1は、リプレイである。優先順位2は、BB1,BB2である。優先順位3は、チェリー,ベル、スイカ、プラムである。
優先順位1をリプレイ、優先順位2をボーナスに設定しているのは、遊技者の射幸心をあおらないようにしつつ、ボーナスを優先して引き込むためである。ベルの優先順位をスイカよりも高く設定しているのは、ベルに対応する払出枚数がスイカのものより多いからである。複数の内部当籤役が決定された場合には、基本的に、優先順位が高い内部当籤役の引き込みが行われ、その引き込みができない場合には、次に優先順位が高い内部当籤役の引き込みが行われる。また、メインリールの停止制御に予めセットされた停止テーブルが用いられる場合もある。
一のゲームで内部当籤役が複数決定される場合、各内部当籤役の優先順位はそれぞれ異なる。例えば、持越区間においては、持ち越されたボーナスと乱数抽籤により決定された役(例えば、スイカ)の両方が内部当籤役になるが、持越区間においてボーナスに内部当籤することがない。したがって、持越区間では、各内部当籤役の優先順位が異なる。
「引き込み」は、基本的に、有効ラインが結ぶ図柄停止位置(以下「有効図柄停止位置」という)に、最大滑り駒数4の条件下で内部当籤役に対応する図柄組合せを構成する図柄(以下「引込み対象図柄」という)を表示するように、停止制御の対象であるメインリール(停止操作に対応するメインリール)を停止させることをいう。
第2停止操作の場合には、第1停止操作が行われたことにより、第2停止操作における引込み対象図柄とともに内部当籤役に対応する図柄組合せを構成する図柄が有効図柄停止位置に表示されている場合、その有効図柄停止位置を結ぶ有効ラインにより結ばれる第2停止操作に対応する図柄表示領域21A,21B,21C内の有効図柄停止位置に引込み対象図柄を表示することを、「引き込み」という。
第3停止操作の場合には、第1停止操作及び第2停止操作に対応する2つの図柄表示領域21A,21B,21C内において、引込み対象図柄がいずれかの有効ラインに沿って並んでいる場合(「テンパイ」の場合)、その有効ラインにより結ばれる有効図柄停止位置に引込み対象図柄を表示することを、「引き込み」という。
図15を参照して、ボーナス作動時テーブルについて説明する。
ボーナス作動時テーブルは、表示役毎に、オンに更新される作動中フラグ、ボーナス終了枚数カウンタにセットされる値、遊技可能回数、及び入賞可能回数の情報を備えている。このボーナス作動時テーブルは、後述の図23のステップS33の処理、図29のステップS104の処理において参照される。
作動中フラグは、作動している遊技状態(現在の遊技状態)を識別するための情報である。作動中フラグには、表示役に対応して、BB作動中フラグ及びRB作動中フラグがある。
ボーナス終了枚数カウンタは、BB作動中フラグがオンに更新されてからオフに更新されるまでの遊技において払出されたメダルの枚数を計数するカウンタである。
図16を参照して、内部当籤役、持越役、及び乱数値の格納領域(記憶領域)について説明する。
図16の(1)は、内部当籤役格納領域を示す。この内部当籤役格納領域では、内部当籤役の情報(データ)は、1バイトからなる内部当籤役格納領域に格納(記憶)されている。内部当籤役格納領域において、ビット0(第1ビット)は、チェリーに対応する格納領域であり、ビット1(第2ビット)は、ベルに対応する格納領域である。
ビット2(第3ビット)は、スイカに対応する格納領域であり、ビット3(第4ビット)は、プラムに対応する格納領域である。ビット4(第5ビット)は、リプレイに対応する格納領域であり、ビット5(第6ビット)は、BB1に対応する格納領域であり、ビット6(第7ビット)は、BB2に対応する格納領域である。ビット7(第8ビット)は、未使用の格納領域である。内部当籤役格納領域では、1であるビットに対応するもの(役)が内部当籤役となる。例えば、内部当籤役格納領域に“00000010”が格納されているとき(ビット1(第2ビット)が1のとき)は、内部当籤役はベルである。
図16の(2)は、持越役格納領域を示す。この持越役格納領域では、持越役の情報は、1バイトからなる持越役格納領域に格納されている。持越役格納領域において、ビット5(第6ビット)は、BB1に対応する格納領域(記憶領域)であり、ビット6(第7ビット)は、BB2に対応する格納領域(記憶領域)である。ビット0(第1ビット)〜ビット4(第5ビット)及びビット7(第8ビット)は、未使用の格納領域である。持越役がある場合(持越区間である場合)には、持越役格納領域のBB1又はBB2に対応するビット5(第6ビット)又はビット6(第7ビット)に1が格納される(持越役格納領域に“00100000”又は“01000000”が格納される)。
図16の(3)は、乱数値格納領域(記憶領域)を示す。この乱数値格納領域は、RAM33に設けられている。この乱数値格納領域には、後述の図21のステップS5で抽出する抽籤用の乱数に関する数値情報が格納されている。図21のステップS5では、抽籤用の乱数として0〜65535のうち、いずれか1つの数値情報が抽出され、抽出された数値情報が乱数値格納領域に格納される。
図17は、サブリール3C’に表わされた複数種類の図柄が21個配列された図柄列を示している。各図柄には“00”〜“20”のコードナンバーが付され、データテーブルとしてサブリール制御回路(sSub)のプログラムROM123(図6)に格納(記憶)されている。サブリール3C’上には、“赤7(図柄91)”、“BAR(図柄92)”、“チェリー(図柄93)”、“ベル(図柄94)”、“スイカ(図柄95)”、“プラム(図柄96)”、及び“リプレイ(図柄97)”の図柄が交互に配列される図柄列が表わされている。サブリール3C’は、図柄列が図17の矢印方向に移動するように回転駆動される。
また、サブリール3C’上の図柄は、中央のメインリール3A及び右のメインリール3B上の図柄と相対的に同じ濃さの彩色で構成されている。遊技者にとってみれば、図柄表示領域21C’を透してサブリール3C’上に配列された図柄は、図柄表示領域21A,21Bを透してメインリール3A,3B上に配列された図柄と同じ程度に視認しやすい。
図18は、サブリール3C’の図柄位置(コードナンバー)に対応するサブリール外周面上に描かれた図柄の情報を備えたサブリール図柄配置テーブルを示している。
図19を参照して、サブリール停止初期決定テーブルについて説明する。
サブリール停止初期決定テーブルは、ストップ用セレクトカウンタの値0〜8の各々に対応する停止テーブルの情報を備えている。ストップ用セレクトカウンタには、基本的に、当籤番号が格納される(図27のステップS74)。
サブリール停止テーブルは、サブリール3C’の停止制御の態様を規定する情報を備えている。具体的には、遊技者による停止ボタン7Cの操作タイミングに対応するサブリール3C’の停止態様の情報(例えば、図柄の停止位置の情報、滑り駒数の情報など)を備えている。
サブリール停止テーブル(図示せず)には、サブリール3C’の停止操作位置と停止制御位置とが示されている。停止操作位置は、サブリール3C’に対応して設けられた停止ボタン7Cが操作された場合に、中段ライン8に位置していた図柄(具体的には、図柄の中心が中段ライン8の上方に位置し、その中心が中段ライン8の位置に最も近い図柄)のコードナンバーを表わす。停止制御位置は、停止操作が行われたリールが停止したとき、中段ライン8の位置に停止表示される図柄のコードナンバーを表わす。
サブリール停止テーブルは、内部当籤役に対応する図柄組合せを構成する図柄であって、中央のメインリール3A及び右のメインリール3Bにおける図柄と同種の図柄が所定の表示ライン(有効ライン)に沿って並べられるように構成されている。具体的には、チェリー用サブリール停止テーブルでは、サブリール3C’の停止操作位置に関わらず“チェリー”が停止表示されるように構成されている。ベル用サブリール停止テーブルでは、サブリール3C’の停止操作位置に関わらず“ベル”が停止表示されるように構成されている。
スイカ用サブリール停止テーブルでは、サブリール3C’の停止操作位置に関わらず“スイカ”が停止表示されるように構成されている。プラム用サブリール停止テーブルでは、サブリール3C’の停止操作位置に関わらず“プラム”が停止表示されるように構成されている。
リプレイ用サブリール停止テーブルでは、サブリール3C’の停止操作位置に関わらず“リプレイ”が停止表示されるように構成されている。BB1用サブリール停止テーブルでは、サブリール3C’の停止操作位置に関わらず“赤7”が停止表示されるように構成されている。BB2用サブリール停止テーブルでは、サブリール3C’の停止操作位置に関わらず“BAR”が停止表示されるように構成されている。
なお、ハズレに対応するハズレ用サブリール停止テーブルでは、サブリール3C’の停止操作位置と停止制御位置とが同じになるように構成されている。
図20を参照して、内部当籤役がBB1である場合に使用するBB1用サブリール停止テーブルの例について説明する。
図20において、サブリール3C’の停止制御位置は、コードナンバー“06”,“13”,又は“20”のいずれかである。図17に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、“赤7”である。したがって、図柄表示領域21C’の中段の図柄停止位置に“赤7”が停止表示される。このように、実施例では、サブリール3C’の最大滑り駒数を“6コマ”としており、メインリールの最大滑り駒数に比べ多くなるように構成されている。
ここで、上述したように、左のメインリール3Cでは、複数の内部当籤役に対応する図柄を設けることで、表示役を構成する図柄を2種類にし、当該図柄は、最大滑り駒数以内の間隔で配置されるように構成されている。これにより、遊技者は、停止ボタン7A及び停止ボタン7Bを適切なタイミングで操作すれば、左のメインリール3Cについては、遊技者による停止操作のタイミング(停止操作位置)に関わらず内部当籤役に対応する図柄組合せを構成する図柄を必ず停止表示させることができる。
しかしながら、一般的に、有効ライン上に同種の図柄が停止表示されたときに表示役とされる場合が多い。したがって、実施例の場合では、有効ライン上に“ブランク2−赤7−赤7”が表示され、遊技状態がRB遊技状態に移行したとしても、“赤7−赤7−赤7”が表示されていないために、一般的なスロットマシンほどの達成感が得られない可能性がある。
そこで、実施例では、内部当籤役に対応する図柄組合せを構成する図柄であって、中央のメインリール3A及び右のメインリール3Bにおける図柄と同種の図柄をサブリール3C’上で表示させるようにすることで、有効ライン上に“赤7−赤7−赤7”が表示される達成感を得ることができる。また、上述したように、遊技者にとって、中央のメインリール3A、右のメインリール3B及びサブリール3B’が左のメインリール3Cよりも視認しやすいように構成されているので、有効ライン上に表示される“赤7−赤7−赤7”の図柄組合せを明瞭に認識することができる。
したがって、例えば、内部当籤役としてBB1に当籤した場合、中央のメインリール3A及び右のメインリール3Bの中段の図柄停止位置に“赤7”を停止表示させることができれば、一般遊技状態からRB遊技状態に移行するという利益が確実に得られることを維持しつつ、サブリール3B’の中段の図柄停止位置に“赤7”を適切なタイミングで停止操作するという楽しみを得ることができる。言い換えれば、サブリール3B’の中段の図柄停止位置に“赤7”を適切なタイミングで停止操作することができない場合でも、メインリール3Cの中段の図柄停止位置には、“ブランク2”が停止表示されているので、中央のメインリール3A及び右のメインリール3Bの中段の図柄停止位置に“赤7”を停止表示させることができれば、一般遊技状態からRB遊技状態に移行するという利益を確実に得ることができる。これにより、特に目押し操作に慣れていない初心者にとってみれば、安心して目押し操作を楽しむことができ、遊技の興趣が向上する。他方、目押し操作に慣れている上級者であっても、中段ライン8上に“赤7”が揃って並ぶので、中段ライン8上に同じ種類の図柄を揃える達成感を得ることができ、遊技の興趣が向上する。
また、例えば、内部当籤役としてBB1に当籤した場合、中央のメインリール3A及び右のメインリール3Bの中段の図柄停止位置に停止表示する図柄の種類に関わらず、サブリール3C’の図柄停止位置には、常に“赤7”が停止される。遊技者にとってみれば、中央のメインリール3A及び右のメインリール3Bの中段の図柄停止位置に“赤7”を適切なタイミングで停止操作することができない場合でも、BB1が当籤役として決定されていることを把握することができるので、BB1が当籤役として決定されてからRB遊技状態に移行するという利益を得るまでの単位遊技の回数を減らすことができ、遊技の興趣が向上する。
図21及び図22に示すメインフローチャートを参照して、主制御回路71の制御動作について説明する。
初めに、CPU31は、初期化を行う(ステップS1)。具体的には、RAM33の記憶内容の初期化、通信データの初期化等を行い、ステップS2に移る。ステップS2では、RAM33の所定の記憶内容を消去(クリア)する。具体的には、前回のゲームに使用されたRAM33の書き込み可能エリアのデータの消去、RAM33の書き込みエリアへの次のゲームに必要なパラメータの書き込み、次のゲームのシーケンスプログラムの開始アドレスの指定等を行う。
ステップS3では、後述の図23を参照して説明するボーナス作動監視処理を行い、ステップS4に移る。この処理では、BB作動中フラグがオンである場合には、RB遊技状態が終了しても続けてRB遊技状態となるようにRB作動中フラグをオンに更新する処理を行う。ステップS4では、メダル投入・スタートチェック処理を行い、ステップS5に移る。この処理では、スタートスイッチ6S、メダルセンサ10S、又はBETスイッチ11〜13からの入力に基づいて、BET数の更新などの処理を行う。また、BET数の情報は、例えば、RAM33(遊技価値情報格納手段)の所定の記憶領域に格納される。ここで、ステップS4では、前回のゲームにおいてリプレイが成立した場合は、前回のゲームでのBET数と同等のBET数が自動的に格納される。
ステップS5では、抽籤用の乱数値を抽出し、ステップS6に移る。この処理で抽出した乱数値は、後述の内部抽籤処理において使用される。ステップS6では、後述の図24を参照して説明する遊技状態監視処理を行い、ステップS7に移る。ステップS7では、後述の図25及び図26を参照して説明する内部抽籤処理を行い、ステップS8に移る。ステップS8では、後述の図27を参照して説明するメインリール停止初期設定処理を行い、ステップS9に移る。
ステップS9では、スタートコマンド送信を行い、ステップS10に移る。スタートコマンドは、遊技状態、内部当籤役などの情報を含み、副制御回路72に送信される。ステップS10では、前回のリール回転開始から4.1秒経過しているか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS12に移り、NOのときは、ステップS11に移る。ステップS11では、ゲーム開始待ち時間消化の処理(ウェイト)を行い、ステップS12に移る。具体的には、前回のゲームが開始してから所定時間(例えば、所定秒(4.1秒など))経過するまでの間、遊技者のゲームを開始する操作に基づく入力を無効にする処理を行う。
ステップS12では、ゲーム監視用タイマをCPU31のレジスタにセットし、ステップS13に移る。このゲーム監視用タイマには、遊技者の停止ボタン7A,7B,7Cの停止操作によらずに自動的にメインリール3A,3B,3Cを停止させるための自動停止タイマが含まれる。ステップS13では、全メインリールの回転開始を要求し、ステップS14に移る。ステップS14では、メインリール回転開始コマンドを副制御回路72に送信するメインリール回転開始コマンド送信を行い、ステップS15に移る。ステップS15では、メインリール停止許可コマンドをCPU31のレジスタにセットし、図22のステップS16に移る。
図22のステップS16では、ストップスイッチが“オン”か否か、すなわち、いずれかの停止ボタン7A,7B,7Cが操作されたかどうかを判別する。この判別がYESのときは、ステップS18に移り、NOのときは、ステップS17に移る。ステップS17では、自動停止タイマの値が“0”であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS18に移り、NOのときは、ステップS16に移る。
ステップS18では、メインリール滑り駒数決定処理を行い、ステップS19に移る。この処理では、停止操作順序(何番目の停止操作であるか)及び停止操作位置に基づいて、引込優先順位テーブル及び後述の図27のステップS76でRAM33に格納されたメインリール停止テーブルを参照して滑り駒数を決定し、CPU31のレジスタにセットする。ステップS19では、ステップS18で決定された滑り駒数分、停止操作された停止ボタン7A,7B,7Cに対応するメインリール3A,3B,3Cが回転するのを待ち、ステップS20に移る。
ステップS20では、操作されたいずれかの停止ボタン7A,7B,7Cに対応するいずれかのメインリール3A,3B,3Cの回転停止を要求するためのメインリール停止コマンドをメインモータ駆動回路39及び副制御回路72に送信し、ステップS21に移る。メインリール停止コマンドは、回転を停止するメインリールの種類に関する情報を含み、メインモータ駆動回路39は、当該情報に基づいて、対応するメインリール3A,3B,3Cを停止させる。ステップS21では、全てのメインリールが停止したか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS22に移り、NOのときは、ステップS16に移る。
ステップS22では、表示役検索処理を行い、ステップS23に移る。この処理では、図柄表示領域21C、21A,21Bの図柄の停止態様に基づいて表示役(成立役)を識別するためのフラグをCPU31のレジスタにセットする。
ステップS23では、メダル払出処理を行い、ステップS24に移る。この処理では、表示役検索処理でCPU31のレジスタにセットされたフラグに基づき、図柄組合せテーブを参照して、対応する払出枚数のメダルの貯留(クレジット)又は払い出しを行う。ステップS24では、当該払出枚数に基づいて、ボーナス終了枚数カウンタを更新し、ステップS25に移る。ここで、ボーナス終了枚数カウンタが1以上であれば、メダルの払出枚数に応じて当該カウンタを減算する。
ステップS25では、RB作動中フラグ又はBB作動中フラグがオンか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS26に移り、NOのときは、ステップS27に移る。ステップS26では、後述の図28を参照して説明するボーナス終了チェック処理を行い、ステップS27に移る。ステップS27では、後述の図29を参照して説明するボーナス作動チェック処理を行い、図21のステップS2に移る。
図23を参照して、ボーナス作動監視処理について説明する。
初めに、CPU31は、BB作動中フラグがオンか否かを判別する(ステップS31)。この判別がYESのときは、ステップS32に移り、NOのときは、図21のステップS4に移る。ステップS32では、RB作動中フラグがオンか否かを判別する。この判別がYESのときは、図21のステップS4に移り、NOのときは、ステップS33に移る。
ステップS33では、ボーナス作動時テーブル(図15)に基づいてRB作動時処理を行い、図21のステップS4に移る。具体的には、RB作動中フラグをオンに更新し、遊技可能回数及び入賞可能回数をRAM33に格納する。
図24を参照して、遊技状態監視処理について説明する。
初めに、CPU31は、RB作動中フラグがオンか否かを判別する(ステップS41)。この判別がYESのときは、ステップS42に移り、NOのときは、ステップS43に移る。ステップS42では、RB遊技状態の識別子を格納し、図21のステップS7に移る。ステップS43では、一般遊技状態の識別子を格納し、図21のステップS7に移る。このように、遊技状態監視処理では、作動中フラグ(RB作動中フラグ)に基づいて遊技状態を監視し、後述の図25のステップS51において、遊技状態に応じた内部抽籤テーブル決定テーブルの種別を選択するための情報をRAM33(遊技状態格納領域)に格納する。
図25及び図26を参照して、内部抽籤処理について説明する。
初めに、CPU31は、内部抽籤テーブル決定テーブル(図9)に基づいて、遊技状態に応じた内部抽籤テーブル(図10)の種別と抽籤回数を決定し(ステップS51)、ステップS52に移る。ステップS52では、持越役格納領域に格納されたデータ(情報)が0か否か(持越役の有無)を判別する。この判別がYESのときは、ステップS54に移り、NOのときは、ステップS53に移る。ここで、ステップS52の判別がNOとなる場合は、持越区間の場合である。ステップS53では、抽籤回数を5に変更し、ステップS54に移る。
ステップS54では、抽籤回数と同じ値を当籤番号としてCPU31のレジスタにセットし、ステップS55に移る。これにより、一般遊技状態のうち、通常区間の場合には“8”、RB遊技状態の場合には“5”、内部当籤状態(持越区間)の場合には“6”が当籤番号としてセットされることになる。ステップS55では、ステップS51で決定された内部抽籤テーブルを参照し、当籤番号と投入枚数とに基づいて下限値(L)を取得し、ステップS56に移る。ステップS56では、RAM33における乱数値格納領域に格納されている乱数値(R)から下限値(L)を減算し(R−L)、ステップS57に移る。
ステップS57では、桁かりが行われたか否かを判別する。具体的には、R−Lの計算結果が負であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、図26のステップS66に移り、NOのときは、ステップS58に移る。ここで、この判別がYESとなる場合は、下限値より乱数値の方が小さい場合であり(L>R)、NOとなる場合は、下限値より乱数値の方が大きいか又は下限値と乱数値が等しい場合である(L≦R)。
ステップS58では、ステップS51で決定された内部抽籤テーブルを参照し、当籤番号と投入枚数とに基づいて上限値(U)を取得し、ステップS59に移る。ステップS59では、RAM33における乱数値格納領域に格納されている乱数値(R)から上限値(U)を減算し(R−U)、ステップS60に移る。
ステップS60では、減算により得られた値、具体的にはR−Uの計算結果が“0”であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、図26のステップS62に移り、NOのときは、ステップS61に移る。ここで、この判別がYESとなる場合は、乱数値がと上限値が等しい場合であり(R=U)、NOとなる場合は、乱数値と上限値が等しくない場合である(R≠U)。
ステップS61では、桁かりが行われたか否かを判別する。具体的には、R−Uの計算結果が負であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、図26のステップS62に移り、NOのときは、図26のステップS66に移る。ここで、この判別がYESとなる場合は、乱数値が上限値を下回っている場合であり(R<U)、NOとなる場合は、乱数値が上限値を上回っている場合である(R>U)。
ステップS62では、当籤番号をRAM33の内部抽籤結果情報格納領域に格納し、ステップS63に移る。ステップS63では、内部当籤役決定テーブルを参照し、当籤番号に基づいて内部当籤役を決定し、ステップS64に移る。
ステップS64では、内部当籤役とボーナスチェックデータの論理積をとり、持越役格納領域との論理和を持越役格納領域に格納し、ステップS65に移る。これにより、決定されたBB1又はBB2が持越役格納領域に格納される。なお、ボーナスチェックデータは、“11000000”である。ステップS65では、内部当籤役と持越役格納領域の論理和を内部当籤役格納領域に格納し、ステップS66に移る。これにより、当籤した内部当籤役の種類に応じたデータが内部当籤役格納領域に格納される。
ステップS66では、抽籤回数を1減算し、ステップS67に移る。ステップS67では、抽籤回数が0か否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS68に移り、NOのときは、図25のステップS54に移る。ここで、この判別がYESとなる場合は、乱数値Rが上限値Uと下限値Lとにより規定された数値範囲に含まれるか否かの判別をした回数が、一般遊技状態のうち、通常区間では8回、RB遊技状態では5回、内部当籤状態(持越区間)では6回の場合である。これに対し、この判別がNOとなる場合は、上記判別をした回数が、通常区間では8回未満、RB遊技状態では5回未満、内部当籤状態(持越区間)では6回未満の場合である。
ステップS68では、内部当籤役決定テーブルを参照し、当籤番号に基づいて内部当籤役を決定し、ステップS69に移る。ステップS69では、内部当籤役とボーナスチェックデータの論理積をとり、持越役格納領域との論理和を持越役格納領域に格納し、ステップS70に移る。これにより、持越役が持越役格納領域に格納されることになる。ステップS70では、内部当籤役と持越役格納領域の論理和を内部当籤役格納領域に格納し、図21のステップS8に移る。これにより、乱数値Rが図10の内部抽籤テーブルのいずれの数値範囲にも属さず、ステップS62〜ステップS65が行われなかった場合には、ハズレ又は持越役が内部当籤役格納領域に格納されることになる。
図27を参照して、メインリール停止初期設定処理について説明する。
初めに、CPU31は、当籤番号が0か否かを判別する(ステップS71)。この判別がYESのときは、ステップS72に移り、NOのときは、ステップS74に移る。ステップS72では、内部当籤役格納領域のデータと作動役チェックデータ(“11000000”)の論理積をとり、ステップS73に移る。ステップS73では、その論理積が0か否かを判別する。この判別がYESのとき(持越役がないとき)は、ステップS74に移り、NOのとき(持越役があるとき)は、ステップS75に移る。
ステップS74では、当籤番号をストップ用セレクトカウンタに格納し、ステップS76に移る。ステップS75では、内部当籤役格納領域のデータを番号化し、ストップ用セレクトカウンタに格納し、ステップS76に移る。具体的には、内部当籤役格納領域のデータがBB1又はBB2を示す場合には、各々の場合において7、8をストップ用セレクトカウンタに格納する。ステップS76では、メインリール停止初期設定テーブルに基づいてメインリール停止テーブルを決定し、RAM33に格納し、図21のステップS9に移る。
図28を参照して、ボーナス終了チェック処理について説明する。
初めに、CPU31は、RB作動中フラグがオンか否かを判別する(ステップS81)。この判別がYESのときは、ステップS84に移り、NOのときは、ステップS82に移る。ステップS82では、ボーナス終了枚数カウンタの値が0であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS83に移り、NOのときは、図22のステップS27に移る。ステップS83では、ボーナス終了時処理を行い、図22のステップS27に移る。具体的には、BB作動中フラグのクリア、ボーナス終了枚数カウンタのクリアなどを行う。
ステップS84では、入賞が成立したか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS85に移り、NOのときは、ステップS90に移る。ステップS85では、ボーナス終了枚数カウンタが0であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS86に移り、NOのときは、ステップS88に移る。ステップS86では、RB終了時処理を行い、ステップS87に移る。具体的には、RB作動中フラグのクリア、入賞可能回数及び遊技可能回数のクリアなどを行う。ステップS87では、ボーナス終了時処理を行い、図22のステップS27に移る。
ステップS88では、入賞可能回数を1減算し、ステップS89に移る。ステップS89では、入賞可能回数が0か否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS92に移り、NOのときは、ステップS90に移る。ステップS90では、遊技可能回数を1減算し、ステップS91に移る。ステップS91では、遊技可能回数が0か否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS92に移り、NOのときは、図22のステップS27に移る。ステップS92では、RB終了時処理を行い、図22のステップS27に移る。
図29を参照して、ボーナス作動チェック処理について説明する。
初めに、CPU31は、表示役はリプレイであるか否かを判別する(ステップS101)。この判別がYESのときは、ステップS102に移り、NOのときは、ステップS103に移る。ステップS102では、投入枚数カウンタを自動投入カウンタに複写し、図21のステップS2に移る。具体的には、ステップS102では、今回のゲームのために投入された投入枚数と同数を自動投入カウンタにセット(自動投入)する。
ステップS103では、表示役がBB1又はBB2であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS104に移り、NOのときは、図21のステップS2に移る。ステップS104では、ボーナス作動時テーブルに基づいてBB作動時処理を行い、ステップS105に移る。BB作動時処理では、BB作動中フラグをオンに更新し、ボーナス終了枚数カウンタに350をセットする。ステップS105では、持越役をクリアし、図21のステップS2に移る。
図30及び図31に示すフローチャートを参照して、サブリール制御回路(sSub)72cの制御動作について説明する。
図30を参照して、sSub用リセット割込処理について説明する。
初めに電源が投入され、リセット端子に電圧が印加されることにより、サブリール制御マイコン121は、リセット割込を発生させ、その割込の発生に基づいて、プログラムROM123に記憶されたsSub用リセット割込処理を順次行うように構成されている。
初めに、サブリール制御マイコン121は、ワークRAM124などの初期化を行い(ステップS111)、ステップS112に移る。ステップS112では、コマンドバッファにデータがあるか否か、すなわちコマンドを受信したか否かを判別する。コマンドバッファは、主制御回路71から送信されたリール回転開始コマンド及び主制御回路71から送信され、停止スイッチ7CSに対応するメインリール停止コマンドを格納する記憶領域である。ステップS112の判別がYESのときは、ステップS113に移り、NOのときは、ステップS111に移る。
ステップS113では、ジャンプ先はOKであるか否かを判別する。具体的には、サブリール制御マイコン121がリール回転開始コマンドを受信した場合には、ジャンプ先であるサブリール回転開始処理(図31)の実行が可能であるか否かを判別する。また、サブリール制御マイコン121が停止スイッチ7CSに対応するメインリール停止コマンドを受信した場合には、ジャンプ先であるサブリール回転停止処理(図32)の実行が可能であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS114に移り、ノイズなどにより処理不可能なデータを受信した場合や、以前に受信したコマンドの履歴などから不正なデータと判定される場合は、この判別はNOとなり、ステップS111に移る。
ステップS114では、復帰アドレスをセットし、ステップS115に移る。ステップS114でセットされるアドレスは、基本的に後述のステップS115の処理に対応するアドレスである。ステップS115では、決定した処理にジャンプする。具体的には、ジャンプテーブル(図示せず)に基づいて、受信したコマンドの先頭データに対応するジャンプ先の処理を行い、ステップS116に移る。ジャンプ先の処理には、後で図31を参照して説明するサブリール回転開始処理、後で図32を参照して説明するサブリール回転停止処理などがある。ステップS116では、コマンドバッファをクリアし、ステップS111に移る。
図31を参照して、サブリール回転開始処理について説明する。サブリール回転開始処理は、サブリール制御マイコン121が主制御回路71からメインリール回転開始コマンドを受信したことを契機として実行され、サブリール制御マイコン121がサブリール3C’の回転開始を要求し(ステップS121)、図30のステップS116に移る。
図32を参照して、サブリール回転停止処理について説明する。サブリール回転停止処理は、サブリール制御マイコン121が主制御回路71から停止スイッチ7CSに対応するメインリール停止コマンドを受信したことを契機として実行される。
初めに、サブリール制御マイコン121は、サブリール停止初期決定テーブル(図19)に基づいてストップ用セレクトカウンタの値(主制御回路71からスタートコマンドを受信したときにあわせて受信した内部当籤役の情報)に対応するサブリール停止テーブル(図20など)を決定し、ワークRAM124に格納し(ステップS131)、ステップS132に移る。ステップS132では、サブリール滑り駒数決定処理を行い、ステップS133に移る。この処理では、停止操作位置に基づいてワークRAM124に格納されたサブリール停止テーブルを参照して滑り駒数を決定する。ステップS133では、ステップS132で決定された滑り駒数分、サブリール3C’が回転するのを待ち、ステップS134に移る。
ステップS134では、サブリール3A,3B,3Cの回転停止を要求するためのサブリール停止コマンドをサブモータ駆動回路125に送信し、図30のステップS116に移る。サブモータ駆動回路125は、サブリール制御マイコン121から送信されたサブリール停止コマンドに基づいて、サブリール3C’を停止させる。
以上、実施例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
実施例では、サブリール3C’は、メインリール3A,3B,3Cと同様に機械的な構成として設けられているが、これに限られるものではない。例えば、後述の図33のように図柄表示領域21Bの右側の液晶表示部2b上にサブリール表示領域24を設け、当該サブリール表示領域24で図柄表示領域201、窓枠表示領域202が画像として表示されるようにしてもよい。このとき、“プラム”の画像203、“赤7”の画像204、“BAR”の画像205などは、画像データとして予め画像制御回路(gSub)72aの画像ROM88に格納され、上段の図柄画像表示領域25、中段の図柄画像表示領域26、下段の図柄画像表示領域27で表示される。このように、サブリール3C’が画像として構成されている場合には、メインリール3A,3B,3Cのような機械的な構成として設ける場合に比べ、安価な遊技機1として提供することができる。また、メンテナンスなどにかかる負担も軽減することができる。他方、実施例のようにサブリール3C’を機械的な構成とする場合には、画像としての構成の場合に比べ、実際のメインリールで目押し操作をしているかのような感覚を得ることができる。
実施例では、内部当籤役としてBB1に当籤した場合、中央のメインリール3A及び右のメインリール3Bの中段の図柄停止位置に停止表示する図柄の種類に関わらず、サブリール3C’の図柄停止位置には、常に“赤7”が停止されるようにしているが、これに限られるものではない。例えば、遊技区間が持越区間であるか通常区間であるかによって異なる演出決定テーブルを設け、遊技区間が持越区間である場合には、遊技区間が通常区間である場合に比べ、サブリール3C’の図柄停止位置に第1図柄が停止される確率が相対的に高くなるようにしてもよい。これにより、サブリール3C’の演出態様が多様になるので、遊技の興趣が向上する。
また、内部当籤役としてBB1に当籤したとしても、中央のメインリール3A及び右のメインリール3Bの中段の図柄停止位置に“赤7”が停止しなければ、サブリール3C’の図柄停止位置に“赤7”が停止しないようにしてもよい。遊技者にとってみれば、有効ライン上に“赤7”を揃えたときの達成感を高めることができ、遊技の興趣が向上する。
実施例では、左のメインリール3C上の図柄は、中央のメインリール3A及び右のメインリール3B上の図柄に比べ、相対的に薄い彩色で構成されているが、これに限られるものではない。例えば、図柄表示領域21A,21B,21C’を透明な部材とし、図柄表示領域21Cのみを遮光性のある部材とすることで、相対的に薄い彩色で構成するのと同様の効果を得ることが可能である。
実施例では、左のメインリール3Cのみで最大滑り駒数以下の種類の図柄で構成されるようにしているが、これに限られるものではなく、複数のメインリールで最大滑り駒数以下の種類の図柄で構成されるようにしてもよい。
実施例では、サブリール回転停止処理について、ステップS132では、サブリール滑り駒数決定処理を行い、ステップS133では、ステップS132で決定された滑り駒数分、サブリール3C’が回転するのを待ち、ステップS134では、サブリール3A,3B,3Cの回転停止を要求するためのサブリール停止コマンドをサブモータ駆動回路125に送信するようにしているが、これに限られるものではない。例えば、副制御回路72が主制御回路71からスタートコマンドを受信したときに受信している内部当籤役の情報に基づいてサブリール3C’の停止制御位置を決定するようにしてもよい。
更に、本実施例のような遊技機1の他、パチンコ遊技機、パチロット等の他の遊技機にも本発明を適用できる。さらに、上述の遊技機1での動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。