以下、本発明の一実施の形態例を、図面を参照して説明する。本実施の形態例では、メダルを用いた遊技機として説明しているが、メダル以外にも、コイン、遊技球又はトークン等の他、遊技者に与えられた、もしくは与えられる遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技を行う遊技機に適用することも可能である。
<遊技機の外観構成の説明>
まず、図1を参照して、本実施の形態例における遊技機の外観構成について説明する。本例の遊技機1は、いわゆるパチスロ機に適用した例であり、メダルを用いて遊技を行う遊技機である。
遊技機1の前面に備えた前面ドア2の正面には、ほぼ垂直面のパネル表示部2a、液晶表示部2b及び固定表示部2cが形成されている。また、前面ドア2の背後には、複数種類の図柄が各々の外周囲に描かれた3個のリール3L,3C,3Rが、回転自在に横一列に設けられている。各リール3L,3C,3Rは、一定の速度で回転する(例えば、80回転/分)。
パネル表示部2aには、ボーナスゲームに関する情報を表示するボーナス遊技情報表示部16と、メダルの投入枚数に応じて点灯するBETランプ17a〜17cと、メダルの払出枚数を表示する払出表示部18と、クレジットされているメダルの枚数を表示するクレジット表示部19とが配置されている。
また、本例の遊技機1は、固定表示部2cに、遊技者に対してボーナスゲームの当籤を告知するWINランプ10が備えられている。このWINランプ10は、後述するメダル受付・スタートチェック処理(図14参照)によって点灯要求があった場合にのみ点灯されるものである。
パネル表示部2a、液晶表示部2b及び固定表示部2cの下方には、ほぼ水平面の台座部4が形成されている。台座部4の右側には、メダルを投入するためのメダル投入口20が設けられている。投入されたメダルは、クレジットされる(即ち、貯留される)か、ゲームを行うために消費される。投入されたり、クレジットされたりしたメダルの枚数は、それぞれ不図示の投入枚数カウンタ又はクレジットカウンタで計数される。また、台座部4の左側には、押圧操作により、クレジットされているメダルのうち一のゲームを行うために消費されるメダルの枚数(以下、「投入枚数」と称する。)を選択するための1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、及び最大BETスイッチ13が設けられている。
1−BETスイッチ11は、1回の押圧操作により、投入枚数として「1」が選択される。2−BETスイッチ12は、1回の押圧操作により、投入枚数として「2」が選択される。最大BETスイッチ13は、1回の押圧操作により、投入枚数として「3」が選択される。
これらのBETスイッチ11〜13が押圧操作されることで、表示ラインが有効化される。このBETスイッチ11〜13の押圧操作とメダル投入口20にメダルを投入する操作を、以下「投入操作」と呼ぶことにする。また、BETスイッチ11〜13の左方には、操作部17を構成するボタンが設けられている。操作部17は、液晶表示装置131(後述の図3参照)にメニュー等の情報を表示するために選択、決定の操作を行うものであり、図1では2個の操作ボタンが設けられている。これら2個の操作ボタンのうち、一つはメニューの選択のボタンであり、他の一つはその決定のボタンである。
また、台座部4の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押圧操作により切り換えるC/P(Credit/Payout)スイッチ14が設けられている。このC/Pスイッチ14の切り換えにより、正面下部のメダル払出口15からメダルが払出され、払出されたメダルはメダル受け部5に貯められる。遊技機1の上方部分の左右には、遊技の演出に関する効果音等を放音するスピーカ9L,9Rが設けられている。
C/Pスイッチ14の右側には、遊技者の操作により上記リールを回転させ、後述する表示窓21L,21C,21R(後述する図2参照)内での図柄の変動を開始するためのスタートレバー6が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。図柄の変動を開始するために遊技者が行うスタートレバー6の操作を、以下、「開始操作」と呼ぶ。
また、台座部4の前面部中央のスタートレバー6の右側には、3個のリール3L,3C,3Rの回転をそれぞれ停止するための3個の停止ボタン7L,7C,7Rが設けられている。なお、本例の遊技機1では、一のゲーム(即ち、単位遊技)は、基本的に、開始操作が行われることにより開始し、全てのリール3L,3C,3Rが停止したときに終了する。
本例では、全てのリールが回転しているときに行われる最初のリールの停止操作(即ち、停止ボタンの押圧操作)を第1停止操作、第1停止操作の次に行われる次のリールの停止操作を第2停止操作、第2停止操作の次に行われる最後のリールの停止操作を第3停止操作という。また、各停止ボタン7L,7C,7Rの裏側には、後述する停止スイッチ7LS,7CS,7RS(図5参照)が配置されている。これらの停止スイッチにより、対応する停止ボタン7L、7C、7Rの押圧操作(即ち、停止操作)が検知される。
また、本例の遊技機1の内部には、図4に示されるように、設定値を決定するためのリセットスイッチ26と設定用鍵型スイッチ27が設けられている。リセットスイッチ26は、遊技者にとっての有利さの度合いを区別するための指標である設定値を設定するために用いられ、設定用鍵型スイッチ27は、設定値を決定する操作を開始及び終了するために用いられる。この設定値は、遊技店側で当籤の期待値を調整するための値であり、通常、設定値が“1”から“6”まで設けられている。つまり、設定1から設定6に上っていくにしたがって当籤確率が上昇していくようにそれぞれの機械ごとに遊技店が設定値を決定するのである。
次に、図2を参照して、遊技機1の前面ドア2に備えたパネル表示部2a、液晶表示部2b及び固定表示部2cについて説明する。
パネル表示部2aは、ボーナス遊技情報表示部16、BETランプ17a〜17c、払出表示部18、及びクレジット表示部19により構成される。ボーナス遊技情報表示部16は、7セグメントLED(Light Emitting Diode)で構成されており、ボーナスゲームに関する情報を表示する。1-BETランプ17a、2−BETランプ17b及び最大BETランプ17cは、メダルの投入枚数に応じて点灯するランプである。
1-BETランプ17aは、投入枚数が1枚の時に点灯する。2-BETランプ17bは、投入枚数が2枚の時に点灯する。最大BETランプ17cは、投入枚数が3枚の時に点灯する。また、払出表示部18及びクレジット表示部19は、いずれも7セグメントLEDで構成されており、それぞれ入賞が成立したときのメダルの払出枚数及びクレジットされるメダルの枚数を表示するものである。
液晶表示部2bは、表示窓21L,21C,21R、窓枠表示領域22L,22C,22R及び演出表示領域23から構成されている。この液晶表示部2bの表示内容は、リール3L,3C,3Rの回転及び停止態様(即ち、リール3L,3C,3Rの回転が停止した場合に、表示窓21L,21C,21Rに表示される図柄の組合せの態様)、及び液晶表示装置131(後述の図3参照)の動作により変化する。
表示窓21L,21C,21Rは、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられ、リール3L,3C,3R上に配置された図柄の表示や、演出のための種々の表示を行う。表示窓21L,21C,21Rには、表示ラインとして、水平方向にトップライン8b、センターライン8c及びボトムライン8d、並びに、斜め方向にクロスアップライン8a及びクロスダウンライン8eが設けられる。本例の遊技機1では、BETスイッチ11〜13を遊技者が押圧操作すること又はメダル投入口20に遊技者がメダルを投入することにより投入枚数が「1」又は「3」になることを条件に、5本の表示ライン8a〜8eが有効化される。この有効化された表示ラインを、以下「有効ライン」と呼ぶことにする。
ここで、各表示窓21L,21C,21Rには、それぞれ縦方向(即ち、垂直方向)に3箇所(即ち、上段、中段、下段)の図柄表示領域が設けられている。そして、各表示窓21L,21C,21Rにおける図柄の変動が停止した場合には、各表示窓21L,21C,21Rに設けられた図柄表示領域の各々に図柄が停止して表示される。各表示ライン8a〜8eは、図柄が停止したときに各表示窓21L,21C,21R内の図柄表示領域を直線状に結んだラインである。
表示窓21L,21C,21Rは、少なくとも、対応するリール3L,3C,3Rが回転中であって、対応する停止ボタン7L,7C,7Rの押圧操作が可能なとき、遊技者がリール3L,3C,3R上の図柄を視認できるように、透過状態となる。窓枠表示領域22L,22C,22Rは、各表示窓21L,21C,21Rを囲むように設けられ、リール3L,3C,3Rの前面に配置された表示窓21L,21C,21Rの窓枠を表したものである。
演出表示領域23は、液晶表示部2bの領域のうち、表示窓21L,21C,21R及び窓枠表示領域22L,22C,22R以外の領域である。この演出表示領域23には、内部当籤役としてボーナスが決定されたことを確定的に報知する画像、ゲームの興趣を増大させるための演出、遊技者がゲームを有利に進めるために必要な情報等が表示されるようになっている。
固定表示部2cは、予め定めた図、絵等が描かれる領域である。固定表示部2cに描かれた図、絵等と、演出表示領域23に表示された画像を連接させることにより一つの静止画像又は動画像を表示できるようにしてもよい。また、固定表示部2cには告知ランプ10を備え、内部当籤役の決定に従って、点灯する。告知ランプの点灯によって、内部当籤役(例えば、ボーナスゲーム)の決定を遊技者に通知する。
<液晶表示装置とリールの説明>
次に、図3を参照して、透過型の液晶表示装置131について説明する。この液晶表示装置131は図2の液晶表示部2bを構成する部分である。液晶表示装置131は、保護ガラス132、表示板133、液晶パネル134、導光板135、反射フィルム136、白色光源(例えば、人の目に特定の色彩が日立たない割合で全ての波長の光を含む光を発する手段)である蛍光ランプ137a,137b,138a,138b、ランプホルダ139a〜139h等により構成される。
この液晶表示装置131は、リール3L,3C,3Rより正面から見て手前側に設けられている。また、このリール3L,3C,3Rと液晶表示装置131とは、別体で(例えば、所定の間隔をあけて)配置されている。
保護ガラス132及び表示板133は、透光性を有する部材で構成されている。保護ガラス132は、液晶パネル134を保護すること等を目的として設けられている。表示板133において、前述のパネル表示部2a及び固定表示部2c(図2参照)に対応する領域には、図、絵などが描かれている。
図3では、ボーナス遊技情報表示部16、払出表示部18、クレジット表示部19、及びBETランプ17a〜17cなどの動作を制御するためにパネル表示部2aに対応する表示板133の領域の裏側に配置される電気回路の図示を省略している。
液晶パネル134は、薄膜トランジスタ層が形成されたガラス板などの透明な基板と、これに対向する透明な基板との間隙部に液晶が封入されて形成されている。この液晶パネル134の表示モードは、ノーマリーホワイトに設定されている。ノーマリーホワイトとは、液晶を駆動していない状態(即ち、液晶パネル134に電圧を印加していない状態)で白表示となる(即ち、液晶パネル134のリール3L,3C,3R側から進行してきた光が透過する)構成である。よって、透過した光が外部から視認されることとなる。
よって、ノーマリーホワイトに構成された液晶パネル134を採用することにより、液晶を駆動できない事態が生じた場合であっても、表示窓21L,21C,21Rを透してリール3L,3C,3R上に配列された図柄を視認することができ、ゲームを継続することができる。つまり、液晶を駆動できない事態が発生した場合にも、リール3L,3C,3Rの回転及びその停止を中心としたゲームを行うことができる。
導光板135は、蛍光ランプ137a,137bからの光を液晶パネル134へ導入する(即ち、液晶パネル134を照明する)ために液晶パネル134の裏側に設けられ、例えば2cm程度の厚さを有するアクリル系樹脂などの透光性部材(即ち、導光機能を有する部材)で構成されている。
反射フィルム136は、例えば、白色のポリエステルフィルムやアルミ薄膜に銀蒸着膜を形成したものが用いられ、導光板135に導入された光を正面側に向けて反射させる。これにより液晶パネル134を照明する。この反射フィルム136は、反射領域136A及び非反射領域(即ち、透過領域)136BL,136BC,136BRにより構成されている。非反射領域136BL,136BC,136BRは、透明な材料で形成され入射した光を反射することなく透過させる。
また、非反射領域136BL,136BC,136BRは、リール3L,3C,3Rの回転が停止した場合に表示される図柄の各々の前方の位置に設けられている。なお、非反射領域136BL,136BC,136BRの大きさ及び位置は、前述の表示窓21L,21C,21R(図2参照)と一致するように形成されている。また、反射フィルム136では、非反射領域136BL,136BC,136BR以外の領域を反射領域136Aとし、反射領域136Aにより導光板135に導入された光を正面側に向けて反射させる。
蛍光ランプ137a,137bは、導光板135の上端部及び下端部に沿って配置され、両端はランプホルダ139a,139b,139g,139hにより支持されている。この蛍光ランプ137a,137bは、導光板135に導入する光を発生する。
蛍光ランプ138a,138bは、反射フィルム136の裏側の上方位置及び下方位置に配置されている。この蛍光ランプ138a,138bから発せられた光は、リール3L,3C,3Rの表面で反射され、非反射領域136BL,136BC,136BRへ入射する。そして、入射した光は、非反射領域136BL,136BC,136BRを通過して液晶パネル134を照明する。
次に、蛍光ランプ137a,137b,138a,138bの機能について説明する。
始めに、表示窓21L,21C,21Rにある液晶を駆動しない場合(即ち、液晶パネル134の、表示窓21L,21C,21Rに対応する個所に電圧を印加しない場合)の各ランプの機能について説明する。
蛍光ランプ138a,138bから射出された光の一部は、リールシートにより反射される。また、不図示のLED収納用回路基板に設けられたLEDランプ(図4のLED類101参照)から射出された光の一部は、リールシートを透過する。これらの光は、非反射領域136BL,136BC,136BR、液晶表示装置131を構成する前述の導光板135及び液晶パネル134を透過するので、遊技者は、リール上に配置された図柄を視認することができる。
また、蛍光ランプ137a,137bから射出され、導光板135に向けて導入された光は、液晶パネル134を透過して遊技者の目に入る。つまり、蛍光ランプ137a,137bによって、前述の窓枠表示領域22L,22C,22R及び演出表示領域23に対応する液晶パネル134の領域が照明される。
次に、表示窓21L,21C,21Rにある液晶を駆動する場合(即ち、液晶パネル134の、表示窓21L,21C,21Rに対応する個所に電圧を印加する場合)の各ランプの機能について説明する。
蛍光ランプ138a,138bから射出された光の一部は、リールシートにより反射される。また、LEDランプ(図4参照)から射出された光の一部は、リールシートを透過する。液晶パネル134の領域のうち、液晶が駆動された領域では、これらの光の一部が反射或いは吸収されたり透過したりするので、遊技者は、表示窓21L,21C,21Rに演出のために表示された画像等を視認することができる。
<主制御回路の説明>
次に、図4を参照して、遊技機1の動作を制御する主制御回路71と、副制御回路72とを含む回路構成例について説明する。副制御回路72は、主制御回路71に電気的に接続する周辺装置(即ち、アクチュエータ)と、主制御回路71から送信される制御信号に基づいて液晶表示装置131、スピーカ9L,9R、LED類101及びランプ類102を制御する。
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数値の抽出を行うための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、CPU(Central Processing Unit)31、ROM32、及びRAM(Random Access Memory)33を含む。
CPU31は、ROM32に記憶されたプログラムを実行して、ゲームの進行に関する処理を行うと共に、各アクチュエータの動作を直接的又は間接的に制御する。CPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34及び分周器35と、乱数を発生するための乱数発生器36及び、発生した乱数から乱数値を抽出するためのサンプリング回路37とが接続されている。なお、CPU31により乱数の発生及び乱数値の抽出を実行するように構成してもよい。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であるが、予備的に使用するために残しておくことも可能である。
ROM32は、CPU31が実行するプログラム(例えば、後述の図13〜図19)や固定的なデータを記憶する。ROM32には、例えば、内部当籤役を決定するために、サンプリング回路37により抽出される乱数値が属する数値範囲を内部当籤役に応じて規定する内部抽籤テーブル等が記憶される。また、副制御回路72へ送信するための各種制御信号等が格納される。なお、副制御回路72から主制御回路71ヘコマンドや情報等が送信されることはなく、主制御回路71から副制御回路72への一方向で通信が行われる。
RAM33は、CPU31がプログラムを実行する際に一時的にデータを記憶するために使用される。RAM33には、例えば、内部当籤役、持越役、現在の遊技状態等の情報等が格納されている。
マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、WINランプ10と、BETランプ(1−BETランプ17a、2−BETランプ17b、最大BETランプ17c)と、表示部(ボーナス遊技情報表示部16、払出表示部18、クレジット表示部19等)と、メダルを収納し、ホッパー駆動回路41の命令により所定枚数のメダルを払出すホッパー40と、リール3L,3C,3Rを回転させるステッピングモータ49L,49C,49Rとがある。
更に、ステッピングモータ49L,49C,49Rへ駆動パルスを出力することによりステッピングモータ49L,49C,49Rの回転動作を制御するモータ駆動回路39、ホッパー40の動作を制御するホッパー駆動回路41、WINランプ10及びBETランプ17a,17b,17cの点灯及び消灯を制御するランプ駆動回路45、及び表示部(即ち、ボーナス遊技情報表示部16、払出表示部18、クレジット表示部19等)による表示を制御する表示部駆動回路48がCPU31に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれCPU31から出力される制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
また、スタートスイッチ6S、停止スイッチ7LS,7CS,7RSから構成されるリール停止信号回路7、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13、C/Pスイッチ14、メダルセンサ20S、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51は、マイクロコンピュータ30が制御信号を発生するために必要な入力信号を発生し、マイクロコンピュータ30に送信する。
すなわち、スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作を検出し、ゲームの開始を指令するための遊技開始指令信号を出力する。メダルセンサ20Sは、メダル投入口20に投入されたメダルを検出する。停止スイッチ7LS,7CS,7RSは、対応する停止ボタン7L,7C,7Rの操作に応じて図柄の変動の停止を指令するための停止指令信号を発生する。
リール位置検出回路50は、リール3L,3C,3Rに設けられたリール回転センサからのパルス信号を受けて各リール3L,3C,3Rの回転位置を検出するための信号をCPU31へ供給する。払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sにより計数された値(即ち、ホッパー40から払出されたメダルの枚数)が指定された値に達した時、メダルの払出完了を検知するための信号を発生する。
さらに、CPU31には、リセットスイッチ26からのリセット信号が入力される。また、CPU31は、設定用鍵型スイッチ27からの入力信号に基づいて、設定値を決定する処理を実行する。乱数発生器36は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路37は、スタートレバー6が操作された後の適宜のタイミングで、乱数発生器36が発生する乱数から1個の乱数値を抽出する。抽出された乱数値は、RAM33に設けられた乱数値格納領域に格納され、例えばROM32内に格納されている内部抽籤テーブル(後述の図7)等に基づいて内部当籤役等を決定するために参照される。
リール3L,3C,3Rは、ステッピングモータ49L,49C,49Rに駆動パルスが所定の回数(例えば、336回)出力されることによって1回転するように構成されている。このステッピングモータ49L,49C,49Rの各々に出力された駆動パルスの数は、駆動パルスの計数値としてRAM33の所定の領域に書き込まれる。
他方、リール3L,3C,3Rからは一回転毎にリセットパルスが得られる。このリセットパルスがリール位置検出回路50を介してCPU31に入力されると、RAM33に格納される駆動パルスの計数値が「0」に更新される。これにより、駆動パルスの計数値は、各リール3L,3C,3Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応したものとなる。
また、ROM32に格納されている図柄配置テーブル(図6参照)は、リール3L,3C,3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応付けるために用いられる。この図柄配置テーブルでは、リセットパルスが発生する回転位置を基準として、各リール3L,3C,3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバと、コードナンバの各々に対応する図柄を示す情報である図柄コードとが対応付けられている。
また、ROM32内には、図柄組合せテーブル(図10参照)が格納されている。この図柄組合せテーブルは、左のリール3L,中央のリール3C,右のリール3Rの回転を停止する制御を行う際に、全リール3L,3C,3Rの停止後の表示役と遊技者に付与される利益(例えば、メダルの払出枚数)の決定を行うために参照されるものである。
CPU31は、遊技者が停止ボタン7L,7C,7Rを操作したタイミングで停止スイッチ7LS,7CS,7RSから送られる入力信号、及び決定された停止テーブル(図示せず)に基づいて、リール3L,3C,3Rの回転を停止する制御を行うための信号をモータ駆動回路39に送る。
ここで、例えば図8に示される内部抽籤テーブルの上限値と下限値の間に、スタートレバー6の操作時に発生する乱数値が入っている場合、すなわち、抽出された乱数値から内部抽籤処理(乱数抽籤)により内部当籤役が決定された場合に入賞が成立する。このとき、CPU31は、払出指令信号をホッパー駆動回路41に供給してホッパー40から所定枚数のメダルの払出を行う。その際、メダル検出部40Sは、ホッパー40から払出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達した時に、メダル払出完了信号がCPU31に入力される。これにより、CPU31は、ホッパー駆動回路41を介してホッパー40の駆動を停止しメダル払出処理を終了する。
<副制御回路の説明>
次に、図5を参照して、遊技機1の副制御回路72の回路構成例とその動作について説明する。副制御回路72は、画像制御回路(gSub)72aと、音・ランプ制御回路(mSub)72bとから構成されている。この画像制御回路(gSub)72a又は音・ランプ制御回路(mSub)72bは、主制御回路71を構成する回路基板とは各々別の回路基板上に構成されている。
主制御回路71と画像制御回路(gSub)72aとの間の通信は、主制御回路71から画像制御回路(gSub)72aへの一方向で行われ、画像制御回路(gSub)72aから主制御回路71ヘコマンド、情報等が送信されることはない。また、画像制御回路(gSub)72aと音・ランプ制御回路(mSub)72bとの間の通信は、画像制御回路(gSub)72aから音・ランプ制御回路(mSub)72bへの一方向で行われ、音・ランプ制御回路(mSub)72bから画像制御回路(gSub)72aヘコマンド、情報等が送信されることはない。
画像制御回路(gSub)72aは、画像制御マイコン81、シリアルポート82、プログラムROM83、ワークRAM84、カレンダIC85、画像制御IC86、制御RAM87、画像ROM(CROM(キャラクタROM))88及びビデオRAM89から構成されている。
また、画像制御マイコン81は、CPU、割込コントローラ、入出力ポート(シリアルポートは図示)を備えている。画像制御マイコン81に備えられたCPUは、主制御回路71から送信されたコマンドに基づき、プログラムROM83内に格納されたプログラムに従って各種の処理を行う。なお、画像制御回路(gSub)72aは、クロックパルス発生回路、分周器、乱数発生器及びサンプリング回路を備えていないが、プログラムROM83に格納されたプログラムを画像制御マイコン81が実行することによって乱数値を抽出するように構成されている。
シリアルポート82は、主制御回路71から送信されるコマンド等を受信する。プログラムROM83には、画像制御マイコン81が実行する演出処理等のプログラムが格納されている。ワークRAM84は、画像制御マイコン81が上記プログラムを実行する場合に、一時的に情報を記憶するための手段として設けられる。そして、このワークRAM84には種々の情報が格納される。
カレンダIC85は、日付データを記憶するものである。画像制御マイコン81には、操作部17が接続されており、実施例では、この操作部17を遊技場の従業員等が操作することにより目付の設定等が行われるようになっている。画像制御マイコン81は、操作部17から送信される入力信号に基づいて設定された日付情報をカレンダIC85に記憶する。カレンダIC85に記憶された日付情報はバックアップされることとなる。
また、前述のワークRAM84とカレンダIC85は、バックアップ対象となっている。つまり、画像制御マイコン81に供給される電源が遮断された場合であっても、電源が供給され続け、記憶された情報等の消去が防止される。
画像制御IC86は、画像制御マイコン81により決定された演出内容(例えば、後述の演出データ)に応じた画像を生成し、液晶表示装置131に出力する。
この画像制御IC86には、制御RAM87が含まれている。画像制御マイコン81は、この制御RAM87に対しても情報等の書き込みや読み出しを行っている。また、制御RAM87には、画像制御IC86のレジスタ等が展開されている。画像制御マイコン81は、画像制御IC86のレジスタ等を所定のタイミングごとに更新する。
画像制御IC86には、液晶表示装置131と、画像ROM88と、ビデオRAM89とが接続されている。なお、画像ROM88が画像制御マイコン81に接続された構成であってもよい。この場合、3次元画像データなど大量の画像データを処理する場合に有効な構成となる場合がある。画像ROM88は、画像を生成するための画像データ等を格納する。ビデオRAM89は、画像制御IC86で画像を生成する場合に一時的に情報を記憶するための手段である。また、画像制御IC86は、ビデオRAM89のデータを液晶表示装置131へ転送終了する毎に画像制御マイコン81に信号を送信する。
また、画像制御回路(gSub)72aでは、画像制御マイコン81が、音・ランプの演出の制御も行っている。画像制御マイコン81は、決定された演出内容(例えば、後述の演出データ)に基づいて、音・ランプの種類及び出力タイミングを決定する。そして、画像制御マイコン81は、所定のタイミングごとに、音・ランプ制御回路(mSub)72bにシリアルポート82を介してコマンドを送信する。音・ランプ制御回路(mSub)72bでは、主に、画像制御回路(gSub)72aから送信されたコマンドに応じて、音・ランプの出力のみの制御を行うこととなる。
音・ランプ制御回路(mSub)72bは、音・ランプ制御マイコン111、シリアルポート112、プログラムROM113、ワークRAM114、音源IC115、パワーアンブ116、音源ROM117で構成される。
音・ランプ制御マイコン111は、CPU、割込コントローラ、入出力ポート(シリアルポートは図示)を備えている。音・ランプ制御マイコン111に備えられたCPUは、画像制御回路(gSub)72aから送信されたコマンドに基づき、プログラムROM113内に格納されたプログラムに従って音・ランプの出力を制御するための処理を行う。
また、音・ランプ制御マイコン111には、LED類101及びランプ類102が接続されている。音・ランプ制御マイコン111は、画像制御回路(gSub)72aから所定のタイミングで送信されるコマンドに応じて、このLED類101及びランプ類102に出力信号(即ち、コマンド)を送信する。これにより、LED類101及びランプ類102が演出に応じた所定の態様で発光することとなる。
シリアルポート112は、画像制御回路(gSub)72aから送信されるコマンド等を受信する。プログラムROM113は、音・ランプ制御マイコン111が実行するプログラム等を格納する。ワークRAM114は、音・ランプ制御マイコン111が前述したプログラムを実行する場合に一時的に情報を記憶するための手段である。
音源IC115は、画像制御回路(gSub)72aから送信されたコマンドに基づいて音源を生成し、パワーアンプ116に出力する。パワーアンプ116は増幅器であり、このパワーアンプ116にはスピーカ9L,9Rが接続されている。このパワーアンプ116は、音源IC115から出力された音源を増幅し、増幅した音源をスピーカ9L,9Rから出力させる。音源ROM117には、音源を生成するための音源データ等が格納されている。そして、音源ROM117に格納されている音源データが音源IC115に供給される。
また、音・ランプ制御マイコン111には、音量調節部103が接続されている。音量調節部103は、遊技場の従業員等により操作可能となっており、スピーカ9L,9Rから出力される音量の調節を行うための手段である。音・ランプ制御マイコン111は、音量調節部103が送信する入力信号に基づいて、スピーカ9L,9Rから出力される音の音量を調節する制御を行う。
<各テーブル構成の説明>
次に、本例の遊技機1で使用する各テーブルの構成例について、図6〜図12を参照して説明する。
まず、図6を参照して、各リール3L,3C,3Rの外周面上に表わされた複数種類の図柄が21個配列された図柄配置テーブルの例について説明する。各図柄には「00」〜「20」のコードナンバが付されており、各図柄と図柄位置(コードナンバ)との対応関係の情報は、図柄配置テーブルとして図4のROM32に格納されている。図柄位置(コードナンバ)は、リール3L,3C,3Rの外周面上における図柄の位置を識別するための情報である。各リール3L,3C,3R上には、「赤7」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「リプレイ」の図柄で構成される図柄列が表わされている。各リール3L,3C,3Rは、図柄列が図6の矢印方向に移動するように回転する。
本例の遊技機1では、内部当籤役として、チェリー、ベル、スイカ、リプレイ、RB及びハズレが設けられている。
本例の遊技機1で用いる遊技状態には、一般遊技状態と、ボーナスゲームであるレギュラーボーナス遊技状態(以下、「RB遊技状態」と略記する。)がある。これらの遊技状態は、内部当籤役を決定するための内部抽籤処理(図15参照)において決定される可能性のある内部当籤役の種類、内部抽籤処理において内部当籤役が決定される確率、最大の滑り駒数、及びボーナスゲームの作動が行われているか否か等により区別される。
一般遊技状態は、持越役がない通常区間と、持越役がある持越区間とで構成される。この持越役というのは、内部抽籤処理(図15)において決定された内部当籤役に対応する図柄の組合せが、有効ラインに沿って表示されることが―又は複数のゲームにわたり許容される場合に、当該図柄の組合せを識別するための情報である。持越区間では、RBが内部当籤役として決定されることがないが、通常区間では、RBが内部当籤役として決定されることがある。
RB遊技状態では、遊技を行うために用いた単位遊技価値(例えば、一のゲームを行うために消費されるメダル1枚)に対して遊技者に付与される遊技価値の期待値は、一般遊技状態(即ち、通常区間)の期待値よりも相対的に高くなる(即ち、有利さの度合いが相対的に高い)。つまり、ボーナスゲームは、RBに対応する図柄の組合せ(即ち、「赤7-赤7-赤7」)が有効ラインに沿って表示されることを条件に作動する。
ここで、RBに対応する図柄の組合せ(即ち、「赤7-赤7-赤7」)が有効ラインに沿って表示されると、一般遊技状態からRB遊技状態に移行する。そして、RB遊技状態において「12」回のゲームが行われること又は小役に対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示された回数が「8」回となることを条件にRB遊技状態が終了する。
次に、図7を参照して、内部抽籤テーブル及び抽籤回数を決定するための内部抽籤テーブル決定テーブルについて説明する。図7から分かるように、この内部抽籤テーブル決定テーブルは、遊技状態に対応する内部抽籤テーブル及び抽籤回数の情報を有している。一般遊技状態の場合は、一般遊技状態用の内部抽籤テーブル(図8(a)参照)が選択され、抽籤回数として「5」が決定される。また、内部抽籤テーブルRB遊技状態の場合は、RB遊技状態用の内部抽籤テーブル(図8(b)参照)が選択され、抽籤回数として「3」が決定される。
抽籤回数は、内部当籤役を決定するために必要な処理をする回数である。つまり、抽籤回数は、具体的には、乱数値が所定の範囲(後述の図8で説明する当籤番号に対応する下限値及び上限値により示される数値範囲)内か否かを判別する回数である。一般遊技状態の場合は、当籤番号1〜5に相当し、RB遊技状態の場合は、当籤番号1〜3に相当する。
次に、図8を参照して、内部当籤役を決定するための内部抽籤処理において用いられる内部抽籤テーブルの例について説明する。
この内部抽籤テーブルは、遊技状態毎に設けられ、投入枚数毎に当籤番号に対応する下限値及び上限値により示される数値範囲の情報を備えている。図8(a)は、一般遊技状態において用いられる一般遊技状態用内部抽籤テーブルを示し、図8(b)は、RB遊技状態において用いられるRB遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。
内部抽籤テーブルに基づく当籤番号の決定では、内部抽籤テーブル決定テーブル(図7)により決定された抽籤回数(一般遊技状態の場合は「5」)と同じ当籤番号から降順に、当籤番号が「1」になるまで、「0」〜「65535」の範囲の乱数から抽出された乱数値が当籤番号に対応する下限値及び上限値により示される数値範囲内にあるか否かを判断する。そして、抽籤の結果、乱数値が下限値及び上限値により示される数値範囲内にある場合に、対応する当籤番号に当籤している状態となる。そして、当籤した当籤番号、及び内部当籤役決定テーブル(図9参照)に基づいて内部当籤役が決定される。
なお、当籤番号「5」から「1」になるまで、乱数値が一度も下限値及び上限値により示される数値範囲内になかった場合、当籤番号は「0」となり、内部当籤役としてハズレが決定される。本例では、ハズレは、遊技者に付与される利益(例えば、メダルの払出し)と対応付けられた内部当籤役ではない。また、ハズレに対応する図柄の組合せは、予め設けられた内部当籤役に対応する図柄の組合せとは別の、任意の図柄の組合せであるとも考えることができるが、通常はハズレに対応する図柄の組合せは設けられていない。
また、図8(a)に示す一般遊技状態(ただし、持越区間を除く)において、投入枚数「3」の場合には、当籤番号「3」に対応する下限値及び上限値により示される数値範囲は「1785」〜「2184」であり、当籤番号「5」に対応する下限値及び上限値により示される数値範囲は「600」〜「801」である。この上限値と下限値の間に入っていることが内部当籤の条件であるから、上記数値範囲を見ると、RBの当たる確率(上限値と下限値の差は“201”)は低く、スイカの当たる確率(上限値と下限値の差は“399”)は高いことがわかる。つまり、スイカはRBに比べて2倍近い確率で当籤する可能性があるといえる。
次に、図9を参照して、当籤番号に基づいて内部当該役を決定するための内部当籤役決定テーブルの例について説明する。内部当籤役決定テーブルは、当籤番号とそれに対応する内部当籤役の情報とを備えている。内部当籤役の情報(即ち、フラグ)は、内部当籤役を識別するために内部当籤役のそれぞれに対応して設けられている。また、内部当籤役の情報は、8桁の2進数のデータにより構成される。
図9から分かるように、内部当籤役としては、当籤番号「5」、「4」、「3」、「2」、「1」に対応して、RB、リプレイ、スイカ、ベル、チェリーの5つの役が内部当籤役として設定されている。当籤番号「0」の場合は、内部当籤役は「ハズレ」となる。
そして、当籤番号が「0」(ハズレ)の場合には、内部当籤役として「00000000」が決定される。つまり8ビット全てが「0」にセットされる。当籤番号が「1」(チェリー)では、内部当籤役として「00000001」が決定され、当籤番号が「2」(ベル)の場合には、内部当籤役として「00000010」が決定される。
また、当籤番号が「3」(スイカ)の場合には、内部当籤役として「00000100」が決定される。同様に、当籤番号が「4」(リプレイ)の場合には、内部当籤役「00001000」が決定され、当籤番号が「5」(RB)の場合には、内部当籤役「00010000」が決定される。このように、8ビットのデータのいずれか一つのビットを「1」にすることによって、内部当籤役が決定されるように構成されている。
次に、図10を参照して、どのような図柄が組み合せられた時に上記図9に示した5つの表示役が決定されるかについて説明する。また、決定された表示役に対応する払出枚数の決定の例について説明する。
図10は、図柄の組合せと、表示役、払出枚数の関係を示した図柄組合せテーブルである。この図柄組合せテーブルは、投入枚数毎に、一の有効ラインにより結ばれる3つの図柄表示領域の各々に停止して表示された図柄の組合せの識別子である表示役に対応する払出枚数の情報を備えている。表示役は、基本的に、有効ラインに沿って表示される図柄の組合せを識別するための情報(即ち、データ)であり、所定の図柄の組合せ及び遊技者に付与される利益(例えば、メダルの払出し、遊技状態の作動)に対応して設けられる。ここで、表示役は、図9の内部当籤役に相当するもので、8桁の2進数のデータにより構成される。
有効ラインに沿って「チェリー−ANY−ANY」の図柄の組合せが表示されると、チェリー(即ち、データ「00000001」)が表示役になり、4枚のメダルが払出される。ここで、「ANY」は、任意の図柄を示す。有効ラインに沿って「ベル−ベル−ベル」の図柄の組合せが表示されると、ベル(即ち、データ「00000010」)が表示役になり、15枚のメダルが払出される。
有効ラインに沿って「スイカ−スイカ−スイカ」の図柄の組合せが表示されるとスイカ(即ち、データ「00000100」)が表示役になり、6枚のメダルが払出される。有効ラインに沿って「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄の組合せが表示されるとリプレイ(即ち、データ「00001000」)が表示役になり、メダルが自動投入される。有効ラインに沿って「赤7-赤7-赤7」の図柄の組合せが表示されると、RB(即ち、データ「00010000」)が表示役になり、メダルが払出されないが、この場合、次のゲームからレギュラーボーナスゲーム(RB)が作動する。つまり、一般遊技状態からRB遊技状態に環境が変化することになる。この結果、内部当籤する確率が増大する。なお、本例の図柄組合せテーブルで決定される払出枚数は、図柄の組合せに応じて決定されるが、投入したメダル枚数も考慮して払出枚数を変更することも可能である。
次に、図11を参照して、後述するボーナス作動チェック処理において参照されるボーナス作動時テーブルの例について説明する。
図11に示すボーナス作動時テーブルは、RB作動中フラグをオンに更新するためのデータと、遊技可能回数カウンタ値、及び入賞可能回数カウンタ値を格納する格納領域を備えている。RB作動中フラグは、作動している遊技状態(即ち、現在の遊技状態)を識別するための情報であり、RB遊技状態が作動しているか否かを識別するためのRB作動中フラグの有無を示している。RB遊技状態が作動している場合には、RB作動中フラグはオンであり、RB遊技状態が作動していない場合には、RB作動中フラグはオフである。
遊技可能回数カウンタは、RB遊技状態において行うことが可能な残りの単位遊技の回数(即ち、遊技可能回数)を識別するためのカウンタである。入賞可能回数カウンタは、RB遊技状態において小役に対応する図柄の組合わせが表示されることが可能な残りの単位遊技の回数(即ち、入賞可能回数)を識別するためのカウンタである。各カウンタは、ボーナス作動時テーブルに基づいて、遊技可能回数カウンタ及び入賞可能回数カウンタに初期値としてそれぞれ「12」及び「8」が格納される。
次に、図12を参照して、内部当籤役格納領域(表示役格納領域)、持越役格納領域、作動中フラグ格納領域の例について説明する。
図12(a)は、内部当籤役(表示役)の情報を格納するための内部当籤役格納領域の例を示す。8ビットからなる内部当籤役格納領域において、ビット0は、チェリーに対応する格納領域である。ビット1は、ベルに対応する格納領域である。ビット2はスイカに対応する格納領域である。ビット3はリプレイに対応する格納領域である。ビット4は、RBに対応する格納領域である。なお、ビット0〜4は、「0」又は「1」の値をとる。ビット5〜7は、未使用の格納領域であり、すべて「0」の値になる。
図12(b)は、持越役の情報を格納するための持越役格納領域の例を示す。8ビットからなる持越役格納領域において、ビット4は、RBに対応する格納領域である。ビット0〜3とビット5〜7は、未使用の格納領域である。ビット4は、「0」又は「1」の値をとる。例えば、持越役がある場合(即ち、持越区間である場合)には、持越役格納領域のRBに対応するビット4に「1」が格納される(即ち、持越役格納領域に「00010000」が格納される)。また、持越役がない場合(即ち、持越区間でない場合)には、持越役格納領域のRBに対応するビット4に「0」が格納される(即ち、持越役格納領域に「00000000」が格納される)。
図12(c)は、RB作動中フラグ格納領域の例を示す。8ビットからなる作動中フラグ格納領域において、ビット0は、RB作動中フラグに対応する格納領域である。ビット1はWINランプ点灯フラグに対応する格納領域である。ビット2はWINランプ点灯要求フラグに対応する格納領域である。ビット3〜7は、未使用の格納領域である。ビット0、ビット1及びビット2は、「0」又は「1」の値をとり、ビット3〜7はすべて「0」の値をとる。
ここで、作動中フラグ格納領域のRB作動中フラグに対応するビット0に「1」が格納されている場合(即ち、作動中フラグ格納領域に「00000001」が格納されている場合)には、RB作動中フラグがオンであることを意味する。また、作動中フラグ格納領域のWINランプ点灯中フラグに対応するビット1に「1」が格納されている場合(即ち、作動中フラグ格納領域に「00000010」が格納されている揚合)には、WINランプが点灯中であることを示している。さらに、作動中フラグ格納領域のWINランプ点灯要求フラグに対応するビット1に「1」が格納されている場合(即ち、作動中フラグ格納領域に「00000100」が格納されている揚合)には、WINランプの点灯要求を行っていることを示している。ビット0,ビット1及びビット2は、「0」又は「1」の値をとるが、ビット3〜7はすべて「0」の値になる。
<主制御回路の動作説明>
次に、図13のフローチャートを参照して、メインCPU(即ち、CPU31)の制御動作、すなわち主制御回路71の処理について説明する。
最初に、CPU31は、初期化処理を行う(ステップS1)。この初期化処理として、CPU31は、RAM33が正常か否かのチェックや入出力ポートの初期化等を行う。また、CPU31は、リセットスイッチ26及び設定用鍵型スイッチ27からの信号に基づいて、決定された設定値をRAM33の所定の領域に格納する処理を行う。初期化処理が終了すると、CPU31は、ゲーム終了時のRAM33の指定格納領域(例えば、内部当籤役格納領域の情報)を消去(即ち、クリア)する(ステップS2)。具体的には、CPU31は、前回のゲームに使用されたRAM33の所定の領域のデータの消去等を行う。
指定格納領域をクリアすると、続いて、CPU31は、後述するメダル受付・スタートチェック処理(図14参照)を行う(ステップS3)。そして、メダル受付・スタートチェック処理後に、CPU31は、乱数値を抽出し、RAM33の乱数値格納領域に抽出した乱数を格納する(ステップS4)。抽出された乱数値は、内部抽籤処理において使用される。
次に、CPU31は、遊技状態監視処理を行う(ステップS5)。この遊技状態監視処理では、CPU31は、RB作動中フラグがオンであれば、RB遊技状態を示す識別子(いわゆるフラグ)をRAM33に格納する。RB作動中フラグがオフであれば、一般遊技状態であるとみなされる。
遊技状態監視処理が終了すると、CPU31は、内部抽籤処理を行う(ステップS6)。この内部抽籤処理については図15のフローチャートに基づいて詳細に説明する。内部抽籤処理が終了すると、CPU31は、スタートコマンドを副制御回路72に送信する(ステップS7)。このスタートコマンドは、遊技状態、内部当籤役等の情報を含み、主制御回路71から副制御回路72に送信されるものである。そして、CPU31は、全リールの回転開始を要求する(ステップS8)。具体的には、CPU31は、停止ボタン7L,7C,7Rの各々に対応する後述する3つの有効停止ボタンフラグを全てオンに更新する。これにより、3個の停止ボタン7L,7C,7Rの押圧操作が有効になる。
そして、CPU31は、後述するリール停止制御処理を行う(ステップS9)。このリース停止制御処理については図16のフローチャートに基づいて詳細に説明する。リール停止制御処理が終了すると、CPU31は、表示窓21L,21C,21Rに表示された図柄の組合せと、図柄組合せテーブル(図10)とに基づいて表示役及びメダルの払出枚数を決定する(ステップS10)。なお、この際に、有効ラインカウンタの値も考慮されることは言うまでもない。
具体的には、CPU31は、決定された内部当籤役に対応する図柄の組合せが有効ラインカウンタの値に対応する有効ラインに沿って表示されているかを判別した後に、有効ラインカウンタの値を「1」減算する処理を行い、これを有効ラインカウンタの値が「0」になるまで繰り返す。有効ラインカウンタには、後述するメダル受付・スタートチェック処理により「5」が格納されているので、CPU31は、5本の有効ラインのそれぞれについて表示役及びメダルの払出枚数を決定することができる。なお、このメダル受付・スタートチェック処理については、図14のフローチャートに基づいて詳述する。
また、表示役としてリプレイが決定された場合には、CPU31は、自動投入カウンタの値に「3」を格納する。自動投入カウンタは、表示役としてリプレイが決定された場合に、次のゲームにおいて自動的に投入するメダルの枚数を計数するためのカウンタである。
表示役と払出枚数が決定されると、次に、CPU31は、表示役コマンドを副制御回路72に送信する処理を行う(ステップS11)。表示役コマンドは、ステップS10で決定された表示役及び払出枚数の情報を含む。続いて、CPU31は、決定されたメダルの払出枚数に基づいてメダルを払出すメダル払出処理を行う(ステップS12)とともに、RB作動中フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS13)。
この判断ステップS13で、RB作動中フラグがオンであると判断された場合には、CPU31は、図18に示すボーナス終了チェック処理を行う(ステップS14)。また、判断ステップS13においてRB作動中フラグがオフであると判断された場合、又はステップS14のボーナス終了チェック処理が行われた場合は、CPU31は、図19に示されるボーナス作動チェック処理を行い(ステップS15)、処理を再びステップS2に戻す。
次に、図14を参照して、遊技者による投入操作及び開始操作を検出するためのメダル受付・スタートチェック処理の例について説明する。
始めに、CPU31は、投入処理があったか否かを判別する(ステップS21)。具体的には、CPU31は、メダルセンサ20S又はBETスイッチ11,12,13からの入力のチェックを行い、メダルセンサ20S又はBETスイッチ11,12,13からの入力があるか否かを判別する。メダルセンサ20SやBETスイッチ11,12,13のいずれからも投入処理を検出しない場合には、CPU31は、処理をステップS31に移す。他方、メダルセンサ20Sがオンされた場合、あるいは、BETスイッチ11〜13のいずれかが押圧操作された場合は、その種別、投入枚数カウンタ及びクレジットに基づいて、投入枚数カウンタに加算する値を算出した上で、投入処理がされたと判定する。その後は、投入枚数カウンタが0になるまでスタートレバーの監視を行うことなく、ステップS21からステップS30までの処理を繰り返して行う。
判断ステップS21で投入処理がなされたと判定されると、CPU31は、WINランプ点灯要求フラグがオンであるかどうかを判別する(ステップS22)。WINランプ点灯要求フラグがオンである場合には、WINランプの点灯を要求する信号を出力し、WINランプを点灯させる(ステップS23)。そして、WINランプを点灯させると、CPU31は、WINランプ点灯要求フラグをクリアし、作動中フラグ格納領域(図12(c)参照)のビット1に「1」を格納してWINランプ点灯中フラグをオンとする(ステップS24)。
次に、判断ステップS22において、WINランプ点灯要求フラグがオフであると判断された場合、あるいはステップS24で作動中フラグ格納領域にWINランプ点灯中フラグを格納した場合、CPU31は、投入枚数カウンタ又はクレジットカウンタを更新する(ステップS25)。具体的には、ステップS21の処理でメダルセンサ20Sからの入力があった場合に、CPU31は、投入枚数カウンタの値に「1」を加算する。投入枚数カウンタは、投入されたメダルの枚数を計数するカウンタである。クレジットカウンタは、クレジットされたメダルの枚数を計数するためのカウンタである。
また、BETスイッチ11,12,13からの入力があった場合には、CPU31は、投入された値を投入枚数カウンタに加算する。また、前回のゲームでリプレイに対応する図柄の組合せが表示された場合には、自動投入カウンタの値に基づいて投入枚数カウンタの値を更新する。投入枚数カウンタの加算が禁止された場合には、投入枚数カウンタの代わりにクレジットカウンタの値を加算する。投入枚数カウンタ又はクレジットカウンタを更新すると、CPU31は、有効ラインカウンタに「5」を格納し(ステップS26)、ベットコマンド送信を行う(ステップS27)。
次に、CPU31は、作動中フラグ格納領域のRB作動中フラグがオンか否かを判別する(ステップS28)。
この判断ステップS28において、RB作動中フラグがオンであると判断された場合には、CPU31は、処理をステップS30に移す。他方、RB作動中フラグがオフであると判断された場合には、続いて、CPU31は、投入枚数カウンタの値が「3」であるか否かを判別する(ステップS29)。投入枚数カウンタの値が「3」ではない場合には、CPU31は、処理をステップS31に移す。
判断ステップS28においてRB作動中フラグがオンである場合、又はRB作動中フラグはオフであるが判断ステップS29において投入枚数カウンタが「3」であると判定された場合には、CPU31は、投入枚数カウンタへの加算を禁止する(ステップS30)。これは、一般遊技状態においては開始操作が有効となる最大の投入枚数「3」であり、RB遊技状態においては開始操作が有効となる最大の投入枚数が「1」であるからである。
ステップS30で投入枚数カウンタへの加算が禁止された場合、又は判断ステップS29において投入枚数カウンタが「3」ではないと判断された場合、又は判断ステップS21で投入処理がないと判断された場合には、次に、CPU31は、投入枚数カウンタの値が「1」以上であるか否かを判別する(ステップS31)。投入枚数カウンタの値が「1」未満の場合、つまり「0」のときには、CPU31は、処理をステップS21に移す。
他方、投入枚数カウンタの値が「1」以上である場合には、CPU31は、スタートスイッチ6Sがオンであるか否かを判別する(ステップS32)。具体的には、CPU31は、スタートレバー6の操作に基づくスタートスイッチ6Sからの入力があるか否かを判別する。スタートスイッチ6Sからの入力がある場合には、CPU31は、処理をメインフローに移す。他方、スタートスイッチ6Sからの入力がない場合には、CPU31は、処理を再びステップS21に移す。
次に、図15のフローチャートを参照して、遊技状態等に依存した内部当籤役を決定するための内部抽籤処理の例について説明する。
最初に、CPU31は、内部抽籤テーブル決定テーブル(図7)に基づいて、遊技状態に応じた内部抽籤テーブルの種別と抽籤回数を決定する(ステップS41)。即ち、一般遊技状態であれば抽籤回数を「5」に設定し、RB遊技状態であれば抽籤回数を「3」に設定する。次に、CPU31は、図12(b)の持越役格納領域にRBの識別子が格納されているか否か、すなわち、持越役格納領域のRBに対応するビット4に「1」が格納されているか(即ち、持越役の有無)を判別する(ステップS42)。
判断ステップS42において、持越役格納領域のビット4に「1」が格納されていると判定された場合には、CPU31は、抽籤回数を「4」に変更する(ステップS43)。ここで抽籤回数を「4」に変更するのは、持越役格納領域にRBの識別子が格納されている場合は、再度RBの抽籤をすることがないからである。つまり、抽籤回数は図9に示す内部当籤役決定テーブルの当籤番号1〜4までの4回だけになる。
また、判断ステップS42において、持越役格納領域のビット4に「1」が格納されていない場合には、CPU31は、抽籤回数を変更することなく、処理をステップS44に進める。続いて、CPU31は、ステップS41で決定された抽籤回数又はステップS43で変更された抽籤回数と同じ値を当籤番号としてセットする(ステップS44)。言い換えると、上記の4つの当籤番号1〜4について抽籤を行うことになる。
続いて、CPU31は、図示しない乱数値格納領域に格納されている乱数値と、投入枚数に応じた内部抽籤テーブル(図8参照)の下限値及び上限値とを比較する(ステップS45)。具体的には、CPU31は、ステップS41で決定された内部抽籤テーブルを参照し、当籤番号に基づいて、下限値(L)を取得し、RAM33における乱数値格納領域に格納されている乱数値(R)から下限値(L)を減算する(R−L)。また、CPU13は、ステップS41で決定された内部抽籤テーブルを参照し、当籤番号に基づいて、上限値(U)を取得し、RAM33における乱数値格納領域に格納されている乱数値(R)から上限値(U)を減算する(R−U)。
そして、このように算出された(R−L)と(R−U)に基づいて、CPU31は、乱数値が下限値以上かつ上限値以下であるか否かを判別する(ステップS46)。具体的には、求められた(R−L)が正の値であり、かつ(R−U)が負の値であるか否かによって判別する。この判断ステップS46において、乱数値が下限値以上かつ上限値以下でない場合には、つまり上限値と下限値の間にない場合は、CPU31は、処理をステップS51に移す。判断ステップS46において、乱数値が下限値以上かつ上限値以下であると判断された場合には、CPU31は、内部当籤役決定テーブル(図9)を参照し、当籤番号に基づいて内部当籤役決定テーブルより内部当籤役を決定する(ステップS47)。
このようにして内部当籤役が決定されると、次に、CPU31は、決定された内部当籤役がRBであるか否かを判別する(ステップS48)。そして、この判断ステップS48で内部当籤役がRBであると判別された場合には、CPU31は、持越役格納領域(図12(b)参照)にRBの識別子「00010000」を格納する(ステップS49)。他方、判断ステップS48で内部当籤役がRBではないと判別された場合には、CPU31は、処理をステップS50に移す。
そして、ステップS49で持越役格納領域にRBの識別子を格納した場合、又は判断ステップS48で内部当籤役がRBではないと判別された場合は、CPU31は、内部当籤役と持越役格納領域の論理和を内部当籤役格納領域に格納する(ステップS50)。そして、CPU31は、現在格納されている抽籤回数から「1」を減算する(ステップS51)。また、判断ステップS46で乱数値が下限値と上限値の間に収まっていないと判断された場合も、ステップS51において抽籤回数が「1」減算される。
次に、CPU31は、ステップS51で「1」減算した抽籤回数が「0」になったか否かを判別する(ステップS52)。抽籤回数が「0」である場合には、CPU31は、内部当籤役格納領域と持越役格納領域の論理和を内部当籤役格納領域に格納する(ステップS53)。当初、内部当籤役格納領域は「0」であり、このまま「0」であれば、いわゆるハズレとなる。他方、判断ステップS52で抽籤回数が「0」ではないと判断された場合には、CPU31は、処理を再びステップS44に移し、抽籤回数と同じ値を当籤番号としてセットする。
次に、図16のフローチャートを参照して、内部当籤役や遊技者による停止操作のタイミング等に基づいてリール3L,3C,3Rの回転を停止させるためのリール停止制御処理の例について説明する。
先ず、CPU31は、有効な停止ボタンが押圧操作されたか否か、すなわち、回転しているリール3L,3C,3Rに対応する停止ボタン7L,7C,7Rの押圧操作を停止スイッチ7LS,7CS,7RSが検出したか否かを判別する(ステップS61)。有効な停止ボタンが押圧操作されたと判定された場合は、CPU31は、押圧操作が行われた停止ボタン7L,7C,7Rに対応する有効停止ボタンフラグをオフに更新する(ステップS62)。他方、有効な停止ボタンがオンされていないと判定された場合は、CPU31は、再び処理をステップS61に移す。
ここで、有効停止ボタンフラグは、押圧操作された停止ボタン7L,7C,7Rに対応するリール3L,3C,3Rが回転しているか否かを識別するための情報であり、停止ボタン7L,7C,7Rの各々に対応して3つ設けられている。押圧操作された停止ボタン7L,7C,7Rに対応するリール3L,3C,3Rが回転している場合には、当該停止ボタン7L,7C,7Rに対応する有効停止ボタンフラグはオンである。押圧操作された停止ボタン7L,7C,7Rに対応するリール3L,3C,3Rが回転していない場合には、当該停止ボタン7L,7C,7Rに対応する有効停止ボタンフラグはオフである。
ここで、本例の遊技機では、図柄の組合せの引込みの相対的な優先順位の情報を備えた引込優先順位テーブル(図示せず)が設けられており、このテーブルに基づいて、リール3L,3C,3Rの停止制御が行われる。本例の引込優先順位テーブルは、リプレイに最も高い優先順位を付し、次いでボーナス、そして小役の順序となるような優先順位を規定している。
ここで、「引込み」とは、基本的に、有効ラインが結ぶ図柄表示領域(以下、「有効図柄表示領域」という。)に、最大の滑り駒数の範囲内で引込み対象役に対応する図柄の組合せを構成する図柄(以下、「引込み対象図柄」という。)を表示するように、停止操作が行われた停止ボタンに対応するリールを停止させることをいう。
ステップS62において、停止ボタンの押圧操作が無効化されると、CPU31は、内部当籤役及び図柄カウンタに基づいて、滑り駒数を決定する(ステップS63)。続いて、停止制御位置待ち処理を行う(ステップS64)。この処理は、ステップS63で設定した滑り駒数に基づいて、回転しているリール3L,3C,3Rが順次停止位置に停止するまでの時間を待つ処理であり、特段格別な処理を行うものではない。そして、CPU31は、図17で説明するWINランプ点灯要求制御処理を開始する(ステップS65)。ステップS65のサブルーチンプログラムであるWINランプ点灯要求制御処理が終了すると、次に、リール停止コマンドを送信する(ステップS66)。このリール停止コマンドは、ステップS63で決定された滑り駒数の情報等を含んでいる。
ステップS64でリール停止コマンドが送信されると、続いて、CPU31は、押圧操作が有効な停止ボタンがあるか否か、すなわち、3つの有効な停止ボタンフラグのうちいずれがオンであるか否かを判別する(ステップS67)。このとき、回転しているリール3L,3C,3Rの3個のリールがあるので、それに対応する3つの有効停止ボタンフラグのうち、一つでも有効な停止ボタンがあれば、CPU31は、処理を再びステップS61に移す。他方、全てのリール3L,3C,3Rの回転が停止し、3つの有効停止ボタンフラグが全てオフである場合には、CPU31は、処理をメインフロー(図11)に移す。
次に、図17を参照して、WINランプの点灯要求を制御する処理の例について説明する。
初めに、作動中フラグ格納領域のWINランプ点灯中フラグがオンになっているか、あるいはRB作動中フラグはオンになっているか否かを判別する(ステップS71)。この判別で、WINランプ点灯中フラグ又はRB作動中フラグのいずれかがオンである場合には、CPU31は、それ以降の処理を図16のステップS66以降のリール停止制御処理に移す。他方、判断ステップS71でWINランプ点灯中フラグ及びRB作動中フラグのいずれもオンでないと判別された場合は、次の段階として、CPU31は、WINランプ点灯要求フラグがオンになっているか否かを判別する(ステップS72)。
そして、判断ステップS72において、WINランプ点灯要求フラグがオンになっていると判定された場合には、CPU31は、それ以降の処理を図16のステップS66以降の処理、つまりリール停止制御処理に移す。他方、判断ステップS72において、WINランプ点灯要求フラグがオンでないと判定された場合は、続いて、CPU31は、持越役格納領域は「0」になっているか否かを判別する(ステップS73)。
そして、この判断ステップS72において、持越役格納領域が「0」になっていると判定された場合には、CPU31は、以後の処理を図16のステップS66以降の処理に移す。他方、判断ステップS72で持越役格納領域が「0」になっていないと判断された場合は、次の段階として、CPU31は、滑り駒数が「0」であるか否かを判別する(ステップS74)。
そして、この判断ステップS74で、滑り駒数が「0」であると判定された場合には、CPU31は、WINランプ点灯要求フラグをオンにして(ステップS75)、以後の処理を図16のステップS66以降のリール停止制御処理に移す。他方、判断ステップS74で、滑り駒数が「0」でないと判定された場合は、CPU31は、WINランプ点灯要求フラグをオンにすることなく、同様に、以後の処理を図16のリール停止制御処理に移す。
次に、図18を参照して、図13に示すステップS14のボーナス終了チェック処理について説明する。この処理は、ボーナスゲームの終了条件を満たした場合にボーナスゲームを終了するためのボーナス終了チェック処理の例である。
始めに、CPU31は、図柄組合せテーブル(図10参照)に示される表示役(内部当籤役)に該当する入賞が成立したか否かを判別する(ステップS81)。この判断ステップS81において、入賞が成立したと判定された場合には、CPU31は、入賞可能回数カウンタから「1」減算し(ステップS82)、続いて、入賞可能回数カウンタの値が「0」になったか否か(即ち、入賞可能回数は「0」であるか否か)を判別する(ステップS83)。判断ステップS81において、入賞が成立していないと判定された場合には、CPU31は、処理をステップS84に進める。
一方、判断ステップS83において、入賞可能回数カウンタの値が「0」であると判断された場合には、CPU31は、それ以降処理をステップS86のRB終了時処理に移す。他方、判断ステップS83において、入賞可能回数カウンタの値が「0」でないと判定された場合には、CPU31は、遊技可能回数カウンタの値から「1」減算し(ステップS84)、続いて、遊技可能回数カウンタの値が「0」であるか否か(即ち、遊技可能回数が「0」であるか否か)を判別する(ステップS85)。
そして、判断ステップS85において、遊技可能回数が「0」であると判定された場合には、CPU31は、作動中フラグ格納領域をクリアするRB終了時処理(ステップS86)を行い、それ以降の処理をメインフロー(図13)に移す。他方、判断ステップS85において、遊技可能回数カウンタが「0」ではないと判定された場合には、CPU31は、ステップS86のRB終了時処理を行うことなく、処理をメインフロー(図13)に移す。
次に、図19を参照して、図13のメインフローに示すステップS15のボーナス作動チェック処理について説明する。この処理は、決定された表示役の種別等に基づいてボーナスゲーム等を作動させるためのボーナス作動チェック処理の例である。
最初に、CPU31は、図10の図柄組合せテーブルにおいて表示役(内部当籤役)がRBであるか否かを判別する(ステップS91)。すなわち、図柄として「赤7−赤7−赤7」有効ライン上に揃ったか否かが判別される。そして、この判断ステップS91において、表示役がRBであると判定された場合には、CPU31は、ボーナス作動時テーブル(図11)に基づいてボーナス作動時処理を行う(ステップS92)。次に、ステップS92のボーナス作動時の処理が終了すると、CPU31は、持越役格納領域をクリアする。具体的には、CPU31は、例えば、表示役がRBである場合には、ボーナス作動時テーブル(図11)を参照して、表示役に対応する作動中フラグ(即ち、RB作動中フラグ)をオンに更新する。そして、CPU31は、持越役格納領域をクリアして(ステップS93)、処理をメインフロー(図13)に移す。
以上、図13から図19のフローチャートに基づいて、本発明の実施形態例の動作を説明したが、本実施の形態によれば、リールの停止操作の検出と、そのときの内部当籤役に基づいて決定された滑り駒数が特定の値(例えば、「0」)である場合に、WINランプ点灯要求フラグをオンにしている。そして、その直後、又は、次回の投入操作の検出に基づいて、WINランプの点灯を要求する信号を出力するようにしている。このため、決定された滑り駒数によっては、ボーナスにかかる内部当籤役が決定されているにもかかわらず、WINランプが点灯しないケースが生じ、WINランプが点灯していないときであっても、遊技者に期待感を抱かせつつ、制御系の負担を軽減することができるという効果がある。
また、内部当籤役の決定した特定の値が何かを予測することできて、かつ、所定のタイミングでリールの停止操作を容易に行うことができるような熟練遊技者であれば、ボーナスにかかる内部当籤役が決定されると、直ちにWINランプを点灯させることもできる。また、WINランプが点灯させるか否かの抽籤を行う必要がないので、遊技者の制御に係る負担を軽減することができる。
また、滑り駒数決定手段により決定された滑り駒数が「0」(所謂ビタ押し)のときに、WINランプを点灯させるようにしているので、熟練遊技者であれば、WINランプを直に点灯させることができ、自己の遊技に関する技量を衆目に見せることもできる。また、逆に会えてWINランプを点灯させないようにして、周囲から目立たないようにすることもできる。一方、非熟練遊技者であれば、例えばボーナスにかかる内部当籤役が決定されていたとしても、WINランプを意図通りに点灯させることができず、ボーナスにかかる内部当籤役が決定されたことに気づくことが遅れることとなる。このように、熟練遊技者と非熟練遊技者との間の技量の差を反映させることができ、非熟練遊技者はより一層遊技に熟練したいと思う気持ちが強くなる。
また、遊技者に対する報知は、WINランプ10,LEDランプ等の発光手段で行うことができ、遊技者は発光があったことを瞬時に認識することができるので、報知に際して疑義が生じることがない。また、当籤役毎にスピーカ9L,9Rから放音する音声と連動させて様々な画像を表示させるようにしてもよい。さらに、リールを振動させたり、液晶表示部2bに映像を表示させたりすることで、WINランプ10を点灯させるのと同様の機能、効果を得ることもできる。また、ランプの発光と、音声の放音と、振動と、映像とのうち、いずれか又はこれらの組み合わせにより遊技者に対して報知するようにしてもよい。このように画像表示部やスピーカを利用して遊技者への報知を多種多様に行うことができるのでより一層遊技の娯楽性を高めることが可能となる。
また、上述した実施の形態では、WINランプ点灯要求制御処理でWINランプを点灯させる場合に、滑り駒数は「0」であるか否かを判別するようにしたが、滑り駒数は「0」以外の数字、例えば「4」から「1」のいずれかの数字を用いるようにしてもよい。この構成によれば、熟練者には上述と同様な効果を奏することができる上、非熟練遊技者に対しても、ボーナスゲームに関係して報知が行われやすくなるので、遊技者各人の技量に合わせて、興趣の高い遊技が提供できる。
以上本発明の実施の形態例について、その作用効果も含めて説明したが、本発明はここで説明した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限り、種々の実施形態を含むものであることはいうまでもない。
1…遊技機、2…前面ドア、3L,3C,3R…リール、6…スタートレバー、7L,7C,7R…停止ボタン、30…マイクロコンピュータ、31…CPU、32…ROM、33…RAM、71…主制御回路、72…副制御回路