まず、本実施形態の弾球遊技機の概要について説明する。
本実施形態の弾球遊技機は、遊技に関する情報を表示可能な表示手段と、遊技の進行に関する制御を行う制御手段とを備えた弾球遊技機であって、遊技の進行停止中に客待ち演出開始条件が成立した場合に客待ち演出を実行させ、該客待ち演出の実行中に客待ち演出終了条件が成立した場合に該客待ち演出を終了させる客待ち演出制御手段を備え、前記客待ち演出終了条件が成立した場合には、遊技の開始を示唆する遊技開始示唆演出が実行されることを特徴とする。
本実施形態の弾球遊技機は、図柄の変動が停止して所定時間が経過する等、客待ち演出開始条件が成立した場合に、客待ち演出制御手段が客待ち演出を実行させる。また、客待ち演出制御手段は、客待ち演出中に客待ち演出終了条件が成立した場合に、客待ち演出を終了させる。
客待ち演出の終了に併せて遊技の開始を示唆する遊技開始示唆演出が行われるので、遊技者は、その弾球遊技機で遊技する意欲が高まる。すなわち、遊技者の遊技の意思を察知して、直ちに遊技の準備を行うことが可能な弾球遊技機を実現することができる。
本実施形態の弾球遊技機において、所定の動作が可能な可動体と、前記可動体を動作させ、前記客待ち演出終了条件が成立した場合に該可動体を初期位置に移動させる可動体制御手段とを備え、前記可動体制御手段により、前記遊技開始示唆演出として前記可動体が動作する演出が実行されることが好ましい。
本実施形態では、例えば、客待ち演出の実行中に可動体が動作しても、客待ち演出終了条件が成立した場合に、可動体制御手段が可動体を初期位置に戻すように制御する。これにより、遊技者が遊技球を打ち出したとき予告演出と見間違えたり、可動体が遊技球の進路に影響を及ぼすことがない。また、可動体制御手段は、遊技開始示唆演出として可動体を動作させるので、遊技の開始時に遊技者の興味を引く演出を行うことができる。
また、本実施形態の弾球遊技機において、演出音を出力するスピーカを備え、前記スピーカにより、前記遊技開始示唆演出として前記表示手段に出現するキャラクタが発声する演出が実行されることが好ましい。
本実施形態は、演出音を出力するスピーカを備えるので、遊技開始示唆演出として表示手段に所定のキャラクタを登場させ、これが遊技開始の合図等を発声する演出が行える。これにより、興趣の高い弾球遊技機を実現することができる。
また、本実施形態の弾球遊技機において、遊技者が遊技球を借りる際に操作する球貸操作手段を備え、前記客待ち演出終了条件を、前記球貸操作手段が操作されることとすることが好ましい。
本実施形態では、客待ち演出終了条件を、遊技球を借りる際に操作する球貸操作手段(後述する球貸しボタン)の操作とするので、遊技者が球貸操作手段を操作したとき、客待ち演出が終了する。これにより、遊技球が遊技領域に入る前の段階で客待ち演出が終了するので、遊技者が遊技を開始する際に不満を抱くことがなくなる。
また、本実施形態の弾球遊技機において、遊技球を発射する発射手段と、遊技者による前記発射手段への接触を検出するタッチセンサとを備え、前記客待ち演出終了条件を、前記タッチセンサのオンとしてもよい。
本実施形態では、上記の客待ち演出終了条件に代えて又はこれに加えて、遊技者が発射手段(後述する発射ハンドル)に接触してタッチセンサがオンしたとき、客待ち演出が終了するようにする。これによっても、遊技球が遊技領域に入る前の比較的早い段階で客待ち演出が終了するので、遊技者が遊技を開始する際に不満を抱くことがなくなる。
また、本実施形態の弾球遊技機において、発射された遊技球が流入可能な遊技領域と、遊技球が前記遊技領域に入る前の位置に配設された特定地点通過検出センサとを備え、前記客待ち演出終了条件を、前記特定地点通過検出センサのオンとしてもよい。
本実施形態では、遊技球が遊技領域に入る前の位置に特定地点通過検出センサが配設されている。そして、上記の客待ち演出終了条件に代えて又はこれに加えて、遊技者が遊技球の打ち出しを開始して遊技球が遊技領域に入る以前に、該特定地点通過検出センサがオンして客待ち演出が終了するようにする。すなわち、少なくとも遊技球が始動入賞するより前のタイミングで客待ち演出が終了するので、遊技者が遊技を開始する際に不満を抱くことがなくなる。
次に、図1を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機1の構成について説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、矩形状の外枠2と、この外枠2に開閉可能に枢着された前面枠3および前扉5を備えている。前面枠3は、額縁状であり開口部に遊技盤4(図3参照)が取付け可能となっている。また、前扉5の中央部にはガラス板6が嵌め込まれており、外部より遊技盤4が視認可能となっている。
前扉5の上部左右両側にはスピーカ7が設けられている。スピーカ7は、遊技に伴う演出効果音を外部に出力する音響出力部である。また、前扉5の左右両側および上部には枠装飾LED8が設けられている。枠装飾LED8は、遊技の演出に連動してLEDが発光、点滅する装飾部である。
前扉5の下側には前面板9があり、その左端部は前面枠3に開放可能に枢着されている。前面板9には、発射機構を作動させるための発射ハンドル10、遊技球を貯留する上貯留皿11、下貯留皿12等が設けられている。なお、発射ハンドル10は、本発明の発射手段に相当し、その内部には遊技者の接触を検出するタッチセンサが設けられている。
また、上貯留皿11の表面部分には、内蔵ランプが点灯したとき操作が可能となる左演出ボタン13aと、中央演出ボタン13bが設けられている。演出ボタン13a、13bは、遊技中に操作の機会が与えられ、ボタンを押下することにより演出を変化させることができる。
さらに、上貯留皿11の表面部分には、方向キー部14、球貸ボタン15a及びカード排出ボタン15bが設けられている。方向キー部14は、上下左右の方向キーと中央の決定キーから構成され、主に遊技の各種設定を選択、決定するとき用いられる。
また、球貸ボタン15aは遊技者が遊技球を借りる際に操作するボタンであり、カード排出ボタン15bはプリペイドカードを返却する際に操作するボタンである。なお、球貸ボタン15aは、本発明の球貸操作手段に相当する。
図2は、本実施形態のパチンコ遊技機1の背面側の斜視図である。
図2に示すように、パチンコ遊技機1の背面には、遊技盤4を裏側から押さえる枠体状の裏機構盤16が取り付けられている。この裏機構盤16の上部には、パチンコホール側島設備の遊技球補給装置(図示省略)から供給される遊技球を貯留する遊技球貯留タンク17が設けられている。
また、遊技球貯留タンク17から球を導出するタンクレール18の傾斜下端には、遊技球を払い出すための遊技球払出装置19が設けられている。さらに、裏機構盤16の隅部には、パチンコホールにある全遊技機を統括的に管理するホールコンピュータ(図4参照)に電気的に接続するための外部端子基板21が、端子基板ケース22に収納され、設けられている。
また、裏機構盤16の略中央には、遊技盤4の裏側に装着された透明の裏カバー23が備えられており、この裏カバー23内に、演出制御基板25を収納した透明の演出制御基板ケース25aと、液晶制御基板26を収納した透明の液晶制御基板ケース26aとが設けられている。
演出制御基板25と液晶制御基板26の中間部には、ボリュームスイッチ31が設けられている。つまみ部分を回転させることで10段階の音量設定が可能である。
液晶制御基板ケース26aの下方には、主制御基板24を収納した透明な主制御基板ケース24aが設けられている。主制御基板24は、パチンコ遊技機1の動作を統括的に制御するものである。主制御基板24は、各種スイッチやセンサと接続されているため、これらの検出信号を受信して各種処理を行う。
また、主制御基板24には、RAMクリアスイッチ27が設けられている。RAMクリアスイッチ27を押下しながら、電源を投入することによりRAM領域の記憶内容は消去され、パチンコ遊技機1は初期状態となる。
演出制御基板25は、主制御基板24から送信される各種制御コマンドを受信し、その制御コマンドに基づいて、例えば、盤面装飾LED35或いは液晶表示装置36による演出を制御する。
主制御基板ケース24aの下方には、電源基板28を収めた透明な電源基板ケース28aと、払出制御基板29を収めた透明な払出制御基板ケース29aが配設されている。
さらに、発射ハンドル10に対応する位置には、遊技球を打撃する打撃槌やこれを駆動する発射モータを備えた遊技球発射装置(図示省略)の後側に発射制御基板30が設けられている。
次に、図3を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機1の遊技盤4について説明する。
図3に示すように遊技盤4は略正方形のパネルで形成され、その盤面上の遊技領域4aは、化粧板4bの前面にビス等で固定されるセンター飾り体34a、左部コーナー飾り体34b、右部コーナー飾り体34c等の部材によって区画形成されている。飾り体34a〜34cは、ポリカーボネート等の硬質樹脂材料を用いた射出成形によってそれぞれ一体成型で形成されている。
センター飾り体34aには、複数の盤面装飾LED35が配置されている。盤面装飾LED35は、各遊技における図柄の変動表示や予告表示に伴って発光色や発光態様を変化させ、演出を盛り上げる装飾部である。
遊技盤4の中央部には開口が形成され、この開口内に液晶表示装置36の表示画面が配置される。液晶表示装置36は、種々の数字、キャラクタ等が描かれた図柄や背景画像、リーチ等の各種演出を遊技に応じて表示する表示器である。液晶表示装置36は、本発明の表示手段に相当する。
センター飾り体34aの上部略中央には、演出用ゲート40aが配置されている。演出用ゲート40aは、遊技中の特定演出で用いられるゲートである。この特定演出の際、遊技者が演出用ゲート40aを狙って遊技球を入賞させると、さらに演出が発展し、遊技者に有利な状態となる。
また、後述する第2大入賞装置39bの右上方には、普通図柄用始動ゲート40bが配置されている。普通図柄用始動ゲート40bは、普通図柄の始動契機となる入賞装置である。遊技球が普通図柄用始動ゲート40bを通過することにより抽選が行われ、後述する普通図柄表示装置43bで普通図柄が変動する。
センター飾り体34aの上部には、上下方向に移動する可動体37aが配置されている。可動体37aは、通常、ほとんど視認できない位置にあるので、隠れている部分を破線で示した。また、センター飾り体34aの右側には竜の頭部の形状をした可動体37bが配置されている。
可動体37a、37bは、何れも遊技における演出や大当り期待度に応じて動作するものであり、本発明の可動体に相当する。なお、パチンコ遊技機1には、可動体37a、37b以外にも複数可動体が設けられているが、図面上省略している。
センター飾り体34aの下方は、ステージ部材33が配置されている。ここに誘導された遊技球は、ステージ中央部分を揺動した後に落下するが、中心にある溝を通過した遊技球は、後述する第1特別図柄始動口38aに入賞し易い構造となっている。
ステージ部材33の下方には、第1特別図柄始動口38a及び第2特別図柄始動口38bからなる始動入賞装置38が配置されている。遊技領域4aを流下する遊技球が第1特別図柄始動口38a又は第2特別図柄始動口38bに入賞することにより抽選が行われ、後述する特別図柄表示装置43aにて特別図柄の変動表示がなされる。さらに、液晶表示装置36でも、特別図柄に対応した装飾図柄の変動表示が行われる。
なお、以下では、第1特別図柄始動口38aへの入賞により変動表示を開始する特別図柄を特別図柄1(特図1)、第2特別図柄始動口38bへの入賞により変動表示を開始する特別図柄を特別図柄2(特図2)という。
第2特別図柄始動口38bは開閉部材を備えており、開閉部材が開放した場合に遊技球が入賞し易い状態となる。上記の開閉部材は、普通図柄の抽選に当選した場合に、所定回数、所定時間開放する。以下では、第2特別図柄始動口38bと開閉部材を合わせた装置を普通電動役物(電動チューリップ又は略称の「電チュー」)と称することがある。
始動入賞装置38の下方には、第1大入賞装置39aが配置されている。第1大入賞装置39aには、前側に倒れたとき遊技球が入球可能な開閉扉がある。また、詳細は後述するが、始動入賞装置38の右側には、第2大入賞装置39bが配置されている。
大入賞装置39a、39bは、共に特別図柄の抽選に当選したとき、すなわち大当りしたことにより発生する特別遊技で所定時間開放される入賞装置である。遊技球が大入賞装置39a、39bの内部にある大入賞口(図示省略)に入賞することにより、多くの賞球を獲得することが可能となる。
第2大入賞装置39bを含む入賞装置49は、確変移行判定部を含む。確変移行判定部は、遊技球が通過することにより特別遊技の終了後に確率変動(以下、確変ともいう)状態に移行させる特定領域(Vゾーン)と、遊技球が通過しても確率変動状態に移行させない非特定領域を有する。
本実施形態では、確変移行判定部の形状は視認できないようにシートで覆われているため、破線で示した。また、以下では、第1大入賞装置39aをアタッカ1、第2大入賞装置39bをアタッカ2と呼ぶことがある。
遊技領域4aの右側上方には、特別図柄表示装置43a及び普通図柄表示装置43bが配置されている。特別図柄表示装置43aは、2個の7セグメントLED(左及び中)から構成され、特別図柄始動口38a、38bへの入賞を契機として特別図柄を変動させ、抽選結果を表示する。なお、残り1個は(右)、特別図柄及び普通図柄の保留球数や、時短状態であることを表示する。
普通図柄表示装置43bは、複数のLEDからなる表示器であり、普通図柄用始動ゲート40bへの入賞を契機として普通図柄を始動させ、LEDの点灯により抽選結果を表示する。
遊技領域4aの左側には、遊技球の流下方向を変化させる風車41、多数の遊技釘(図示省略)が配置されている。また、遊技領域4aの下方には、複数の一般入賞口42が配置されている。遊技球が一般入賞口42に入賞すると所定数の賞球の払出しが行われる。
遊技領域4aの最も左側には、発射機構により発射された遊技球を遊技領域4aに案内するため略上下方向に延びたガイドレール44が配置されている。ガイドレール44は、金属製の帯状の外内2本のガイドレール44a、44bで構成されている。
これら外内2本のガイドレール44a、44bの間で上下方向に延びた空間が、前記発射機構から発射された遊技球が通過する発射通路45を形成している。内側ガイドレール44bの上端には、発射球の発射方向(遊技領域4a側)への通過を許可すると共に戻り方向(発射通路45側)への通過を阻止する戻り球防止片46が配設されている。
また、発射通路45の出口部分には、特定地点通過検出センサ47を配設している。これは、遊技領域4aへ打ち出される遊技球をその直前で検出する球検出センサである。最後に、内側ガイドレール44bの最下部にはアウト球回収口48と、アウト球回収口48にアウト球を導入する球寄せ部が形成されている。
図4は、パチンコ遊技機1の制御装置の構成を示すブロック図である。なお、図4では信号を中継する中継基板や、本発明に関係のない一部の部材の構成を省略した。
この制御装置は、パチンコ遊技機1の動作を統括的に制御する主制御基板24と、主制御基板24からコマンドを受けて演出の制御をする演出制御基板25を中心に構成される。電源基板28は、主制御基板24を初めとした各基板に接続され、外部電源から交流電圧24Vを受けて直流電圧に変換し、各基板に供給する。
主制御基板24は、その内部に、主制御基板側CPU241と、ROM242と、RAM243を備えている。主制御基板側CPU241は、いわゆるプロセッサ部であり、大当りを発生させるか否かの抽選処理、決定された変動パターンや停止図柄の情報から制御コマンドを作成し、演出制御基板25に送信する等の処理を行う。なお、CPU241は、本発明の制御手段に相当する。
ROM242は、一連の遊技機制御手順を記述した制御プログラムや制御データ等を格納した記憶部である。また、RAM243は、主制御基板側CPU241の処理で設定されたデータを一時記憶するワークエリアを備えた記憶部である。
主制御基板24には、始動入賞口センサ38c、大入賞口センサ39c、始動ゲート通過センサ40c、一般入賞口センサ42c、特定地点通過検出センサ47、磁気センサ50、電波センサ51、振動センサ52及び特定領域センサ56cが接続され、各センサの検出信号を受信可能となっている。
磁気センサ50は、パチンコ遊技機1に磁石等を近づけた場合に、磁気を検出するセンサである。また、電波センサ51は、パチンコ遊技機1に対し発せられた強い電波を検出するセンサであり、振動センサ52は、パチンコ遊技機1に対し与えられた強い振動を検出するセンサである。
また、主制御基板24には、特別図柄表示装置43a、普通図柄表示装置43bが接続され、主制御基板側CPU241が抽選処理により取得した乱数情報は、各図柄表示装置43a、43bに送信される。
さらに、主制御基板24には、パチンコ遊技機1の外部へ接続する端子を備えた外部端子基板21が接続されている。遊技における大当り、入賞数、ゲーム数等の各種情報は、主制御基板24から外部端子基板21を介してホールコンピュータに送信される。
さらに、主制御基板24には、払出制御基板29が接続されている。払出制御基板29には、下貯留皿満杯センサ12c及び前扉開放センサ20が接続されているため、これらのセンサが異常を検出すると、検出信号は払出制御基板29から主制御基板24に送信される。
払出制御基板29には、遊技球払出装置19と、発射制御基板30(さらに発射装置10aと接続)が接続している。発射装置10aのタッチセンサの検出情報は、主制御基板24に送信される。主制御基板24は、該検出情報から現在、遊技が行われているか否かを判定する。
次に、演出制御基板25は、その内部に、演出制御基板側CPU251と、ROM252と、RAM253を備えている。演出制御基板側CPU251は、いわゆるプロセッサ部であり、主制御基板24から送信された制御コマンドを受信し、その制御コマンドに基づいた各種演出を制御する処理を行う。なお、CPU251は、本発明の客待ち演出制御手段及び可動体制御手段に相当する。
ROM252は、一連の演出制御手順を記述した制御プログラムや演出データ等を格納した記憶部である。また、RAM253は、演出制御基板側CPU251の処理で設定されたデータを一時記憶するワークエリアを備えた記憶部である。
演出制御基板25には、スピーカ7、枠装飾LED8、異常報知LED32、盤面装飾LED35、位置検出センサ55c、左演出ボタン13a、中央演出ボタン13b及び方向キー部14が接続されている。これにより、演出制御基板25は、例えば、スピーカ7の効果音や各LED等の動作を制御し、演出効果を高めている。なお、異常報知LED32は、パチンコ遊技機1の背面(演出制御基板25)に設けられたLEDであり、特定の異常が発生したことを報知する。
位置検出センサ55cは、後述する確変移行判定部にある振分部の位置を検出するセンサである。また、演出ボタン13a、13bは、遊技者が有効期間にこれらを押下げることで、検出信号が演出制御基板25に送信され、液晶表示装置36に表示される演出が変化する。
演出制御基板25には、液晶制御基板26が接続されている。液晶制御基板26は、演出制御基板25からコマンドを受けて液晶表示装置36の表示制御を行うものである。
液晶制御基板26は、その内部に、液晶制御CPU261と、液晶制御ROM262と、液晶制御RAM263と、映像表示プロセッサVDP264と、画像データROM265と、VRAM266を備えている。
液晶制御CPU261は、いわゆるプロセッサ部であり、演出制御基板25から受信した液晶制御コマンドに基づいて表示制御を行うために必要な液晶制御データを生成する。また、そのデータを映像表示プロセッサVDP264に出力する。
液晶制御ROM262は、液晶制御CPU261の動作手順を記述したプログラムを格納した記憶部であり、液晶制御RAM263は、ワークエリアやバッファメモリとして機能する記憶部である。
映像表示プロセッサVDP264は、液晶表示装置36に表示する画像データの画像処理を行うプロセッサである。また、画像データROM265は、映像表示プロセッサVDP264が画像処理を行うために必要な画像データを格納した記憶部であり、VRAM266は、映像表示プロセッサVDP264が画像処理した画像データを一時記憶する記憶部である。
上記の構成により液晶制御基板26は、演出制御基板25から送信された液晶制御コマンドに基づき画像処理を行い、液晶表示装置36に演出画像や動画を表示している。
次に、図5A、5Bを参照して、パチンコ遊技機1の確変移行判定部を含む入賞装置49について説明する。確変移行判定部は、第2大入賞装置39bや普通図柄用始動ゲート40bを含む入賞装置49内にあり、確変移行の権利取得に関する判定を行う。
本実施形態では、特別遊技において、遊技者が右打ちを行う仕様となっている。従って、遊技球は入賞装置49の右上部分から流下してくる。そして、遊技球は普通図柄用始動ゲート40b付近を通って、第2大入賞装置39bに到達する。また、普通図柄用始動ゲート40bを通過した遊技球は、球誘導部53によって第2大入賞装置39bの方向に誘導される(図5B参照)。
第2大入賞装置39bには開閉扉があり、開閉扉が後方に退避しているとき遊技球が内部に入球可能となる。入球した遊技球は、大入賞口センサ39cで検出され、第2大入賞装置39bの入賞数としてカウントされる。遊技球は、その後、確変移行判定部54の方向に進む。なお、大入賞口センサは、第1大入賞装置39aの内部にもある。
一方、開閉扉が前方に突出しているとき、遊技球は第2大入賞装置39bの内部に入球することができない。この場合、開閉扉の上部を遊技球が通過できるようになっており、遊技球は第2特別図柄始動口38bの方向に誘導される。
確変移行判定部54は、初め1本の通路であるが、最終的に左側の特定領域56又は右側の非特定領域57に振分けられる。通路途中に設けられた振分部55は、左右方向に移動可能であり、位置検出センサ55cによって位置情報が演出制御基板25に送信される。なお、図5Bは、振分部55を省略している。
確変移行判定部54が確変移行の権利取得について判定するのは、特別遊技中の特別ラウンド(本実施形態では、第6ラウンド)である。詳細は後述するが、確変図柄当りに当選した場合には、その特別遊技の終了後に大当り確率が高く設定された確率変動モードに移行する。このため、特別ラウンドでは、遊技球が通過可能な程度の時間、特定領域56が開放状態となる。
特定領域56を開放状態とするときには、振分部55を右側に移動させ、閉鎖状態とするときには、左側に移動させる。本実施形態では、第6ラウンドで特定領域56を開放状態とし、確変移行の権利を取得できるようにしている。
一方、非確変図柄当りに当選した場合には、基本的に、その特別遊技の終了後に確率変動モードに移行することが許可されていない。しかし、振分部55は、確変図柄当りに当選した場合と同様の動作をするため、極めて短時間(0.08秒)、特定領域56が開放状態となる。
また、図5Bに示すように特定領域56、非特定領域57には、それぞれ球検出センサ56c、57cが配設され、遊技球が通過したとき、主制御基板24に球検出信号が送信されるようになっている。これらの球検出センサは、第2大入賞装置39bから排出された排出球の数をカウントする。
次に、図6Aを参照して、パチンコ遊技機1の大当り種別と特別遊技の内容について説明する。
パチンコ遊技機1には、確変図柄(例えば、「3」と「7」の図柄)による当りと、非確変図柄(例えば、「3」、「7」以外の図柄)による当りの2種類がある。確変図柄当りによる特別遊技は、全13ラウンドで構成される(図6A(a)参照)。また、その終了後、遊技状態が確率変動モードとなる。
確率変動モードは、次回の大当り発生まで継続するものが良く知られているが、本実施形態では回数が限定され、所定回数(100回)の遊技が行われると終了する。このとき、当選確率が高確率となるだけでなく、普通電動役物の開閉部材が頻繁に開放するようになるので(電チューサポート有り状態)、遊技球が始動入賞し易くなる。
確変図柄当りが発生すると、まず開始前インターバルが行われる。これは、6000ms(6.0秒)の大当り表示と6000msのアタッカ示唆表示とから構成される。アタッカ示唆表示とは、特別遊技で使用するアタッカを指示するものである。特に、盤面右側に配置されたアタッカ2(第2大入賞装置39b)を使用するラウンドがある等の理由から、遊技者に右打ちすることを指示する。
その後、第1ラウンドが開始する。第1ラウンドは、開閉扉の作動時間が29000ms(29.0秒)、使用するアタッカがアタッカ1(第1大入賞装置39a)である。このとき、ラウンド表示として、「Round01」が液晶表示装置36に表示される。また、映像として「バトル」演出が実行される。第1ラウンドでは、主人公と相手キャラクタとの対戦が開始する。この段階では勝敗はわからないが、例えば、強さの異なる複数のキャラクタから1つが選択される。なお、演出ボタン13a、13bを用いて先攻後攻を決定したり、一度敗北した主人公を復活させる演出等が準備されている。
開閉扉の作動時間(開放時間)が終了すると、1980msの残存球排出時間となる。これは、アタッカ1に入賞した遊技球の排出を確認する時間であり、この時間の経過時までの入賞数及び排出数が有効とみなされる。アタッカ1は、大入賞口センサ39cがあるだけなので、入賞数と排出数は必ず一致する。
その後、20msの第1ラウンドのインターバルを経て、第2ラウンドに進む。第2〜第5ラウンドまでは、ラウンド表示がラウンドの進行に応じて進んでいく以外、第1ラウンドと同じであるので、図面を一部省略した。
「バトル」演出は、ラウンドの進行に応じて発展し、第5ラウンドの終了時までに勝敗が決定する。確変図柄当りでは、この「バトル」演出で主人公が相手キャラクタを倒し、勝利するストーリーとなる。その後、残存球排出時間、第5ラウンドのインターバルを経て、第6ラウンドに進む。
第6ラウンドは、第1〜第5ラウンドとは異なり、開閉扉の作動時間が15000ms(15.0秒)となる。使用するアタッカは、アタッカ2(第2大入賞装置39b)となる。ここでは、上述の振分部55が動作して特定領域56を所定時間、開放状態とする。
ラウンド表示が進行する点は同じであるが、映像として「遊技指示演出」が実行される。これは、確変図柄当りの特別ラウンドの前半に行われる表示であり、具体的には、アタッカ2の場所を示して、「ここを狙え!」等の文字を表示する。すなわち、上述の「バトル」演出で主人公が勝利したことによって、特別遊技の終了後に確率変動モードに移行するという演出の流れになる。
遊技球が特定領域56を通過(以下、V入賞ともいう)すると、遊技者は、確率変動モードに移行する権利を取得することができる。確変図柄当りでは、特定領域56が開放状態となる時間が長いので、遊技者がアタッカ2を狙って遊技球を打ち出していれば、ほとんどの場合、権利の取得が可能である。
また、第6ラウンドの残存球排出時間は4980msであり、この時間の経過時までの入賞数と排出数が確認される。アタッカ1とは異なり、排出数は特定領域56と非特定領域57を通過した遊技球の合計となるので、残存球排出時間が長めに設定されている。
その後、20msの第6ラウンドのインターバルとなる。ここで、アタッカ2に入球した全ての遊技球の排出が確認されるまで第7ラウンドが開始しない。すなわち、第6ラウンドでは、残存球排出時間とインターバル時間の合計である5000ms(5.0秒)が経過することと、入賞数と排出数が一致することの両条件が成立した場合に、第7ラウンドに進む。
第7ラウンドでは、再びアタッカ1を使用する。開閉扉の作動時間は、29000ms(29.0秒)であり、第1〜第5ラウンドと同じである。ラウンド表示が進行する点も同じであるが、映像として、「楽曲ラウンド1」が行われる。これは、特定の楽曲が演奏される演出である。
その後、1980msの残存球排出時間、20msの第7ラウンドのインターバルを経て、第8ラウンドに進む。第8〜第10ラウンドまでは、ラウンド表示が進行する以外、第7ラウンドと同じであるので、図面を一部省略した。なお、第10ラウンドの終了時までに楽曲の演奏が終了する。
その後、第10ラウンドのインターバルを経て、第11ラウンドに進む。第11〜第13ラウンドの各ラウンドでもアタッカ1を使用する。開閉扉の作動時間、残存球排出時間は同じであり、ラウンド表示はラウンドの進行に応じて進行する。また、映像として、「エピソードラウンド」が行われる。これは、パチンコ遊技機1に登場するキャラクタのエピソードを紹介する等の演出であり、第13ラウンドの終了時まで継続する。
第13ラウンドは最終ラウンドであり、開閉扉の閉鎖後、特別遊技の終了を意味する20000ms(20.0秒)の終了インターバル(エンディング)が行われる。何れのアタッカも閉鎖しているが、液晶表示装置36では、エンディング表示及びエンディング映像が行われる。
エンディング表示とは、特別遊技が終了したことを示す「Fin」や「確率変動モード突入」等の文字表示である。また、エンディング映像は、攻略法の注意喚起や企業ロゴ表示等で構成される。終了インターバルの終了により、確変図柄当りによる一連の特別遊技が終了し、その後、確率変動モードの遊技が開始する。
次に、非確変図柄当りについて、確変図柄当りと異なる部分を中心に説明する。非確変図柄当りによる特別遊技も、全13ラウンドで構成される。また、その終了後には、遊技状態が時短モードとなる(図6A(b)参照)。
時短モードとは、大当り確率は低確率であるが、図柄の変動表示の時間を短縮した遊技状態である。通常遊技モードより普通電動役物の開閉部材が頻繁に開放され(電チューサポート有り状態)、遊技球が始動入賞し易い。また、本実施形態の時短モードは、所定回数(100回)の遊技が行われると終了する。
第1〜第5ラウンドの使用アタッカ、開閉扉の作動時間等は、確変図柄当りの場合と同じであるが、映像の内容が異なる。映像は「バトル」演出であるが、最終的に主人公が相手キャラクタに敗北するストーリーとなるため、例えば、手強いキャラクタが選択される。
ここでも、演出ボタン13a、13bを用いて、一度敗北した主人公を復活させる演出等が準備されているが、第5ラウンドの終了時までに主人公の敗北が決定し、残存球排出時間、第5ラウンドのインターバルを経て、第6ラウンドに進む。
第6ラウンドは、アタッカ2を使用するラウンドであるので、「特別ラウンド」であることに変わりはない。しかし、開閉扉の作動時間が80msと、確変図柄当りと比較して極めて短く設定されている。
ここでは、遊技者がアタッカ2を狙って遊技球を打出しても、ほとんどの場合、V入賞せず、確変移行の権利を取得することができない。すなわち、上述の「バトル」演出で主人公が敗北したことにより、確率変動モードは付与されないという演出の流れになる。
従って、確変図柄当りのようにアタッカ2を狙わせる映像は行われず、早くもエンディング映像が開始する。4980msの残存球排出時間と20msの第6ラウンドのインターバルを経て、第7ラウンドに進む。なお、第6〜第13ラウンドまで、ラウンド表示が行われない。
第7〜第13ラウンドでは、再びアタッカ1を使用する。しかし、開閉扉の作動時間が80msであるので、開閉扉が極めて短い開閉を繰り返している状態である。従って、遊技者が遊技球の打出しを継続していても、アタッカ1に入球することはほとんどない。
液晶表示装置36では、ラウンド表示が行われず、第6ラウンドに開始したエンディング映像が継続して行われる。その後、最終ラウンドである第13ラウンドの残存球排出時間を経て、終了インターバル(エンディング)に移行する。
終了インターバルの時間は6880ms(6.88秒)であるので、確変図柄当りの終了インターバルより短いが、確変図柄当りの場合と同じエンディング映像がちょうど終了するように設定されている。これで、非確変図柄当りによる一連の特別遊技が終了し、その後、時短モードの遊技が開始する。
最後に、特別遊技中の特殊な状況について説明する。確変図柄当りによる特別遊技では、第6ラウンドにおける開閉扉の作動時間が比較的長いが、遊技者が遊技球を打ち出さなければV入賞することはなく、確変移行の権利が取得できない。このような場合、確率変動モード以外の遊技状態に移行させる必要があるが、本実施形態では、電チューサポート有りの低確率状態となる。
このとき、演出に関しては制約がないため、液晶表示装置36に表示される背景等を確率変動モードと同じものとする。従って、遊技者は、外観では低確率状態となったことに気が付かない。
一方、非確変図柄当りによる特別遊技では、第6ラウンドにおける開閉扉の作動時間が極めて短いが、遊技球がアタッカ2に入球し、さらにV入賞する可能性も僅かにある。この場合、本実施形態では、電チューサポート有りの高確率状態となる。この場合も演出に関しては制約がないため、液晶表示装置36に表示される背景等は時短モードと同じものとする。従って、遊技者は、外観では高確率状態となったことに気が付かない。
これにより、特別遊技の終了後の演出は、常に大当り種別に応じたものとなる。また、遊技球がV入賞したか否かに関わらず、これ以降、予め定められたラウンド中演出(確変図柄当りであれば、「楽曲ラウンド1」等)及びエンディング演出(エンディング表示、エンディング演出)が実行されるので、例えば、「バトル」演出で勝利したにも関わらず、特別遊技の終了後に確率変動モードに移行しない等、演出の不一致、矛盾が起こらない。
次に、図6Bを参照して、アタッカと振分部の動作について説明する。
まず、通常ラウンド(第6ラウンド以外)のアタッカ動作を説明する。具体的には、アタッカ1(第1大入賞装置39a)の開閉扉の動作であり、信号が「ON」であるとき開放状態、「OFF」であるとき閉鎖状態を意味する。
上述の通り、通常ラウンドの開閉扉の作動時間は29.0秒であり、開閉扉の閉鎖後に1.98秒の残存球排出時間と0.02秒のラウンドインターバルを経て、次回ラウンドに進む。なお、通常ラウンドでは、振分部55は動作しない。
次に、確変図柄当りにおける特別ラウンド(第6ラウンド)のアタッカ動作を説明する。具体的には、アタッカ2(第2大入賞装置39b)の開閉扉の動作である。まず、図中の前半区間では、開閉扉が一瞬(0.08秒)作動するが、直ちに元に戻り閉鎖状態(5.32秒)となる。その後、開閉扉は再び作動して開放状態(9.60秒)となる。なお、合計の開放時間は9.68秒と長いので、遊技球がアタッカ2に入賞し易い開閉パターンである。
上記の閉鎖状態は、振分部55が特定領域56を閉鎖する位置(以下、閉鎖位置という)となる期間があることから設けられている。振分部55が閉鎖位置にあるときアタッカ2を開放していると、V入賞することなく最大入賞数に到達して、特別ラウンドが終了してしまう。従って、このような不利益が起こらないようにしている。
ここでは、5.32秒の間、開閉扉が閉鎖しているが、開放と閉鎖を繰り返す動作としてもよい。開閉動作を行っても遊技球がアタッカ2に入球することは殆どなく、特別ラウンドにおける開閉扉の開放が終了したと誤認されることもなくなる。
また、この閉鎖時間を利用して遊技指示演出が行われる。これにより、少なくとも開閉扉の2回目の開放時(主に後半区間)には、遊技者がアタッカ2を狙って遊技球を打ち出すようになり、V入賞し易くなる。開放時間(9.60秒)が経過すると、4.98秒の残存球排出時間と0.02秒のラウンドインターバルを経て、次回ラウンドに進む。
ここで、振分部55の動作について説明する。振分部55は、アタッカ2の開閉扉の最初の開放と同期して、0.02秒間、特定領域56が開放される位置(以下、開放位置という)に動く。その後、5.38秒間、閉鎖位置に戻り、開閉扉の2回目の開放と同期して、再度、開放位置に動く。振分部55は、その後、アタッカ2の2回目の開放時間と残存球排出時間を合せた14.58秒間、開放位置に保持され、再度、閉鎖位置に戻る。
振分部55は、非確変図柄当りの特別ラウンドでも同じ動作をする。すなわち、特別ラウンドにおけるV入賞のし易さは、アタッカ2の開閉扉の開閉パターンによって決まる。また、大当り種別に応じて振分部55の動作を切替える必要がないので、制御にかかる負担が小さくて済む。
次に、非確変図柄当りにおける特別ラウンドのアタッカ動作を説明する。上述の通り、非確変図柄当りでは、特別ラウンドの開閉扉の作動時間(開放時間)は0.08秒である。なお、開放時間は極めて短く、遊技球がアタッカ2に入賞し難い開閉パターンである。
この作動時間が経過すると、4.98秒の残存球排出時間と0.02秒のラウンドインターバルを経て、次回ラウンドに進む。残存球排出時間は、振分部55が閉鎖位置となる5.38秒の間に終了するので、その後に遊技球が特定領域56を通過しても、有効な入賞とはみなされない。従って、非確変図柄当りでは、遊技球がV入賞する可能性が極めて低い。
次に、図7A、7Bを参照してパチンコ遊技機1が通常状態から客待ち状態に移行する場合のタイミングチャートを説明する。
まず、図7Aを参照してタッチセンサ、主制御基板24、演出制御基板25、液晶制御基板26の間の制御コマンドの通信について説明する。主制御基板24は、図柄の変動が停止すると演出制御基板25に向けて「客待ちデモコマンド」を送信する。正確には、特別図柄の変動が停止した時点で、保留球がない状態である。従って、遊技者が遊技球の発射を継続(タッチセンサがオンの「遊技中」)していても、主制御基板24は「客待ちデモコマンド」を送信する。
このとき、主制御基板24及び演出制御基板25は通常状態であり、液晶表示装置36では「A:客待ち前表示(図柄停止表示)」が実行されている。「A:客待ち前表示」は、特別図柄(装飾図柄)が停止した状態の表示であり、遊技停止から60秒間継続する。
遊技停止から60秒が経過したとき、演出制御基板25は、液晶制御基板26に向けて「客待ちデモ表示コマンド」を送信する。これにより、液晶制御基板26は、液晶表示装置36で一連の客待ち演出を実行する。
詳細は後述するが、演出制御基板25で行われる処理の中で遊技停止から60秒を計測する(図16A、16B参照)。また、例えば、60秒が経過する前に、一度タッチセンサがオフし、同じ遊技者又は他の遊技者が発射ハンドル10に触れた(タッチセンサがオンした)場合には、このタイマをクリアし、再セットする。
最初に実行される「B:機種別デモ表示」とは、機種毎に異なる画像及び動画であって、例えば、その機種のタイトルや登場キャラクタを表示するものである。本実施形態では、「B:機種別デモ表示」が40秒間実行される。また、このとき、演出制御基板25が可動体37a、37bを、表示中の演出に合わせて動作させる。
続いて、「C:不正禁止表示」が実行される。これは、「ゴト行為は犯罪です!」や、「悪質な攻略法販売にご注意ください!」といった文字を含む画面が順番に表示される動画である(図7C(a)参照)。本実施形態では、「C:不正禁止表示」は、20秒間実行される。
次に、「D:企業ロゴ表示」が実行される。これは、企業ロゴが徐々に画面中央に現れてくる動画である(図7C(b)参照)。本実施形態では、「D:企業ロゴ表示」は、10秒間実行される。
続いて、「E:待機画面表示(図柄停止表示)」が実行される。これは、特別図柄(装飾図柄)が停止した状態を再度表示するものである。「E:待機画面表示」は、液晶制御基板26が新たな「客待ちデモ表示コマンド」を受信するまで継続される。
「B:機種別デモ表示」が開始してから所定の時間(この例では90秒)が経過したとき、演出制御基板25は、液晶制御基板26に向けて「客待ちデモ表示コマンド」を再度送信する。これにより、液晶表示装置36では、一連の客待ち演出が最初から実行される。
これ以降、90秒毎に客待ち演出、すなわち、「B:機種別デモ表示」、「C:不正禁止表示」、「D:企業ロゴ表示」及び「E:待機画面表示」の一連の表示態様が繰り返される。なお、図7Cでは図示していないが、客待ち演出を構成する各表示の期間には、画面下方に音量調整等の設定変更が可能である旨の報知(設定可能報知)が表示される。
その後、これから遊技を行おうとする者が発射ハンドル10に触れた場合には、タッチセンサがオンして、主制御基板24から演出制御基板25に向けて「客待ち終了コマンド」が送信される。さらに、これを受信した演出制御基板25が液晶制御基板26に向けて「通常画面表示コマンド」を送信するので、通常遊技の画面である「A:客待ち前表示」に復帰する。
通常遊技の画面に復帰する契機は、遊技者が球貸ボタン15aを操作したことや、遊技者が実際に遊技球を打ち出して、最初の遊技球が特定地点通過検出センサ47を通過したことであってもよい。これら通常遊技の画面に復帰する契機を複数備え、状況に応じて使い分けてもよい。
また、遊技球が始動入賞して特別図柄の変動が開始するまでの間や通常遊技の画面に復帰した後、所定期間は、設定可能報知を表示したままとする(図8A参照)。これにより、打出しを開始した直後は音量の調整やキャラクタの選択が行える。
次に、図7Bを参照して、パチンコ遊技機1が通常状態から客待ち状態に移行するもう1つの例を説明する。主制御基板24は、タッチセンサがオンの状態でも、図柄の変動が停止すると演出制御基板25に向けて「客待ちデモコマンド」を送信する点は上述の例と同じである。しかし、液晶表示装置36で客待ち演出が開始する60秒が経過しても、タッチセンサがオン(「遊技中」)の状態、すなわち、遊技者が遊技球の発射を継続している場合もある。
このような場合には、演出制御基板25は、遊技停止から60秒が経過しても「客待ちデモ表示コマンド」を送信しない。そして、演出制御基板25は、タッチセンサがオフとなってから所定時間(ここでは30秒)が経過した後、液晶制御基板26に向けて「客待ちデモ表示コマンド」を送信する。この間、液晶表示装置36では「A:客待ち前表示(図柄停止表示)」が実行される。
このような制御とすることで、少なくとも遊技者が遊技球の発射を継続している期間には客待ち状態に移行することがなくなり、遊技者が不満を感じることがなくなる。なお、設定可能報知は、遊技停止から60秒が経過した時点、又はもう少し早い時期から開始してもよい。
液晶制御基板26が「客待ちデモ表示コマンド」を受信すると、「B:機種別デモ表示」、「C:不正禁止表示」、「D:企業ロゴ表示」及び「E:待機画面表示(図柄停止表示)」を実行し、90秒毎にこれらの表示を繰り返す。
その後、これから遊技を行おうとする者が発射ハンドル10に触れた場合には、タッチセンサがオンして、主制御基板24から演出制御基板25に向けて「客待ち終了コマンド」が送信される。さらに、これを受信した演出制御基板25が液晶制御基板26に向けて「通常画面表示コマンド」を送信する。
「A:客待ち前表示」に戻る前に、遊技の開始を示唆する遊技開始示唆演出(図8B参照)を実行してもよい。例えば、タッチセンサがオンした時点で可動体37a、37bを初期位置にセットし、遊技球が遊技領域に到達したとき、遊技開始示唆演出を開始することができる。
次に、図8Aを参照して機種別デモ表示と遊技開始準備表示の例を説明する。
まず、図8A(a)に機種別デモ表示の例を示す。液晶表示装置36では、機種名である「CR XX物語」の文字表示や、ゲームに登場するキャラクタやストーリーを紹介する動画が実行される(一部、図示省略)。盤面装飾LED35が点灯・点滅したり、可動体37aが下降することもある。このように、機種別デモ表示では、各種演出と可動物の動作を組合せて、これから遊技を行おうとする者に対してこの機種の魅力をアピールする。
また、画面下方では設定可能報知が行われる。具体的には、演出ボタンマーク13a’が出現し、「CHANCEボタンを押すことで、設定画面に切替わる」旨が表示される。実際に、遊技者が左演出ボタン13aを押下すると、設定画面(図9B参照)の表示に切替わる。
機種別デモ表示において、これから遊技を行おうとする者が、例えば、発射ハンドル10に接触してタッチセンサがオンすると、機種別デモ表示が終了し、図8A(b)の遊技開始準備表示に切替わる。これは、図7Aの「A+設定可能報知」に相当し、装飾図柄が停止した状態である。
このとき、可動体37aは、直ちに上昇して初期位置にセットされる。画面中では、設定可能報知が引き続き行われるが、遊技球が始動入賞し、特別図柄の変動が開始したとき、消えるようになっている。
このように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、タッチセンサがオンする等、遊技者が遊技を開始しようとすると、客待ち演出(客待ち状態)が終了する。従って、遊技者が遊技球を打ち出しても客待ち状態が終了せず、遊技者が不満を抱くことがなくなる。さらに、可動体も全て初期位置にセットするので、始動入賞したとき遊技者が予告演出と見間違えたり、可動体が遊技球の落下の妨げとなることがない。
次に、図8Bを参照して、特に遊技開始示唆演出の例を説明する。
図8B(a)は、図8A(a)と同じ機種別デモ表示を示しており、液晶表示装置36では、機種名の「CR XX物語」の文字表示や設定可能報知が行われている。また、盤面装飾LED35が点灯・点滅し、可動体37aが下降している。
次に、これから遊技を行おうとする者が、例えば、発射ハンドル10に接触してタッチセンサがオンすると、機種別デモ表示が終了し、図8B(b)の表示に切替わる。今回、直ちに上述の遊技開始準備表示には移行せず、遊技の開始を示唆する遊技開始示唆演出が実行される。具体的には、可動体37bが動作し、これに合わせて炎を吐き出す演出表示が行われる。また、忍者のキャラクタ59が登場して、炎を避けてジャンプする演出が行われる。
このとき、キャラクタ59が「開始!」と発する表示をしたり、実際にスピーカ7からそのような音声を出力してもよい。この遊技開始示唆演出は、タッチセンサがオンした後、特別図柄の変動が開始する前に行われる演出であり、時間にしてわずか数秒で完結する。もちろん、遊技球が始動入賞するタイミングには、可動体37bは初期位置にセットされる。その後、上述の遊技開始準備表示に移行する。
次に、図9Aを参照して、図柄停止表示及び機種別デモ表示の詳細を説明する。
図9A(a)は、図柄停止表示の例を示している。液晶表示装置36では、背景画像が表示され、3つの装飾図柄58が停止した状態である。背景画像の一部が動いている場合もある。また、画面下方には、現在の遊技モード名である「○○の刻」と表示されている。
特別図柄の変動停止直後は、図9A(a)の表示となるが、例えば、変動が再開されずに20秒が経過したとき、図9A(b)の表示に移行する。図示するように、画面下方で設定可能報知が開始される。そして、遊技者が左演出ボタン13aを押下すると、設定画面(図9B参照)に切替わる。
なお、客待ち状態から復帰した直後も、液晶表示装置36では、図9A(b)の表示となる。客待ち状態(図7A、7BのB〜Eの表示中)では、常に設定可能報知が行われ、音量等の設定が可能である。また、客待ち状態から復帰して特別図柄の変動が開始するまでの期間も、設定可能報知を行って設定の変更を許可している。
次に、図9A(c)は、機種別デモ表示の詳細を示している。液晶表示装置36では、機種名である「CR XX物語」の文字表示が行われている。具体的には、上述したように、ゲームに登場するキャラクタやストーリーを紹介する動画が実行される。また、客待ち状態であるので、常に演出ボタンマーク13a’を含む設定可能報知が行われる。
次に、図9Bを参照して、設定画面と音量調整画面の例を説明する。
まず、設定可能報知の実行中に演出ボタンマーク13a’が表示され、遊技者が左演出ボタン13aを押下したとき、図9B(a)に示す各種設定画面に切替わる。画面上方には、ロゴマークやパチンコ遊技機1の機種名が表示される。
画面左側には、「キャラクタ選択」、「BGM選択」、「音量調整」及び「LED調整」の項目が列挙される。また、画面右側には、方向キーマーク14’が表示されるので、遊技者は方向キー部14を使用して、何れかの項目を選択できると認識する。
ここで、遊技者は、方向キー部14の上方向キー及び下方向キーを操作して、矢印60を上下方向に移動させることができる。また、中央の決定ボタンマークに「決定!」との説明があるので、遊技者は、方向キー部14の上方向キー及び下方向キーにより何れかの項目を選択し、決定ボタンで設定する項目を決定する。
例えば、遊技者が「音量調整」を選択、決定した場合、図9B(b)の音量調整画面に切替わる。音量調整画面では、画面上方にチェックマークの付いた「音量調整」の文字と、スピーカマーク61が表示される。また、左端を最小音量である「MIN」、右端を最大音量である「MAX」としたメータ62が表示され、現在の音量が認識できるようになっている。
今回、遊技者は、方向キー部14の左方向キー及び右方向キーを操作して、音量を調整することができる。ここでも、決定ボタンマークに「決定!」との説明があるので、遊技者は決定ボタンで音量を決定する。このように、画面中に方向キーマーク14’や説明が表示されるので、遊技者は容易に各種設定を行うことができる。
なお、「キャラクタ選択」は、遊技のストーリーに関連するキャラクタを選択するものであり、各キャラクタの画像を表示して1つを選択させる。これにより、予告やリーチ演出、大当り時の演出で選択したキャラクタが登場する演出が行われる。
「BGM選択」では、通常遊技状態におけるバックグランドミュージックを選択可能とする。また、「LED調整」では、LEDの発光が眩しすぎる場合等に、発光を抑えるような選択を可能とする。これ以外にも、「遊技履歴」や「遊技方法」を選択できるようにしてもよい。
次に、図10を参照して、主制御側で行われる遊技管理処理について説明する。以下で説明する遊技管理処理は、電源投入処理が正常に終了した場合に、主制御側のメインループに対して実行されるタイマ割込み処理である。
まず、主制御手段(主制御基板24)は、タイマ管理処理を行う(ステップS10)。パチンコ遊技機1には、後述する特別図柄役物動作タイマ等の複数のタイマが用意されており、それぞれ遊技に関する時間を計時している。
主制御手段は、処理状態に応じて各種タイマを更新(タイマを減算)していくことで、多数のタイマを管理する。その後、ステップS20に進み、主制御手段は、入力管理処理を行う。これは、パチンコ遊技機1の各種センサに入力された情報を入賞カウンタに格納する処理である。その後、ステップS30に進む。
ステップS30では、主制御手段は、賞球管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、第1特別図柄始動口38aや一般入賞口42に入賞した場合に行われる処理である。例えば、一般入賞口42の内部にある一般入賞口センサ42cが遊技球を検出し、球検出信号を主制御手段に送信する。
主制御手段は、上記信号を受信すると、払出制御基板29(さらには、遊技球払出装置19)に向けて所定個数の賞球の払出しを行うための制御信号を送信する。このとき、後述する大入賞口入賞無効フラグがオンしていれば、大入賞口への入賞による賞球払出しのための制御信号が送信されず、払出しは行われない。
その後、所定のタイミングで大入賞口入賞無効フラグをオフにセットする。なお、上記所定のタイミングとして、入賞数と排出数の一致が確認されたとき(電源断を含む)や特別遊技が終了したとき等を設定するのが好適である。
遊技球払出装置19は、上記制御信号を受信した場合に、上貯留皿11(上貯留皿11が満杯である場合には、下貯留皿12)に所定個数の賞球を払出す。その後、ステップS40に進む。
ステップS40では、主制御手段は、普通図柄管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、普通図柄用始動ゲート40bを通過した場合に行われる処理である。具体的には、普通図柄用始動ゲート40bの内部にある始動ゲート通過センサ40cがゲートを通過した遊技球を検出して、球検出信号を主制御手段に送信する。
主制御手段は、上記信号を受信すると、普通図柄の抽選用乱数を取得する。この抽選乱数は最大4個まで記憶可能であり、記憶した順に上記抽選用乱数の当否を抽選する。また、主制御手段は、普通図柄表示装置43bに制御信号を送信する。普通図柄表示装置43bでは、LEDの点滅による普通図柄の変動が行われ、普通図柄は、所定時間の経過後、抽選結果に応じて当り又は外れの態様を表示して停止する。その後、ステップS50に進む。
ステップS50では、主制御手段は、普通電動役物管理処理を行う。これは、普通図柄の抽選結果により普通電動役物の動作を制御する処理である。普通図柄管理処理(ステップS40)にて、普通図柄が当り態様で停止した場合には、主制御手段は、普通電動役物用ソレノイドに制御信号を送信し、所定時間、第2特別図柄始動口38bの開閉部材を開放する。
主制御手段は、上記所定時間が経過したとき、又は所定時間経過前に第2特別図柄始動口38bに予め定められた上限数の遊技球が入賞したとき、上記開閉部材を閉鎖するための制御信号を普通電動役物用ソレノイドに送信する。これにより、上記開閉部材は閉鎖する。
なお、普通図柄管理処理にて、普通図柄が外れ態様で停止した場合には、上記開閉部材を開放することはなく、主制御手段は、何もせず普通電動役物遊技処理を終了する。その後、ステップS60に進む。
ステップS60では、主制御手段は、特別図柄管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、第1特別図柄始動口38a又は第2特別図柄始動口38bに入賞した場合に行われる処理である。
詳細は後述するが、始動入賞口センサ38cが遊技球を検出すると、始動入賞口センサ38cは、球検出信号を主制御手段に送信し、主制御手段で特別図柄の抽選が行われる。
また、主制御手段は、特別図柄表示装置43aに制御信号を送信する。特別図柄表示装置43aでは、複数のLEDによる特別図柄の変動が行われ、特別図柄が所定時間の経過後に抽選結果に応じて当り又は外れの態様で停止する。さらに、特別図柄の変動は、液晶表示装置36においても遊技者に確実に認識可能な装飾図柄で表示される。その後、ステップS70に進む。
最後に、ステップS70では、主制御手段は、特別電動役物管理処理を行う。これは、特別図柄の抽選結果により特別電動役物(大入賞装置39)の動作を制御する処理である。
詳細は後述するが、特別図柄が当り態様で停止した場合には、いわゆる大当りとなり、遊技者に複数のラウンドからなる特別遊技が付与される。後述するが、特別図柄管理処理(ステップS60)にて、特別図柄が外れ態様で停止した場合には、直ちに特別電動役物管理処理が終了となる。そして、特別電動役物管理処理が終了すると、遊技管理処理も終了となる。
次に、図11を参照して、遊技管理処理の中で行われる特別図柄管理処理について説明する。特別図柄管理処理では、主制御手段は、後述する特別図柄動作ステータス(変動待機中、変動中、確認時間中)を判定し、それぞれの処理を管理する。
まず、主制御手段は、始動口チェック処理1を行う(ステップS61)。これは、第1特別図柄始動口38aへの遊技球の入賞を判断し、大当り判定用乱数等を保留記憶エリアに格納し、必要に応じて保留先読みコマンドの作成等を行うものである。その後、ステップS62に進む。
ステップS62では、主制御手段は、始動口チェック処理2を行う。ここでは、第2特別図柄始動口38bへの遊技球の入賞について、始動口チェック処理1と同様の処理を行う。その後、ステップS63に進む。
次に、主制御手段は、条件装置作動フラグがONか否かを判定する(ステップS63)。条件装置とは、大当り発生時に大当りを継続する条件が成立した場合に作動する装置である。
条件装置作動フラグがオンしている場合にはステップS68に進み、条件装置作動フラグがオンしていない場合にはステップS64に進む。すなわち、ステップS64〜S67は、大当りが発生していない通常遊技モードの場合の処理となる。
条件装置作動フラグがオンしていない場合(ステップS63でNO)、主制御手段は、特別図柄動作ステータス判定を行う(ステップS64)。特別図柄動作ステータス(以下、特図動作ステータスともいう)が「00H」、「01H」に設定されている場合は、特別図柄が「変動待機中」であるので、ステップS65に進む。
また、特図動作ステータスが「02H」に設定されている場合は、特別図柄が「変動中」であるので、ステップS66に進む。さらに、特図動作ステータスが「03H」に設定されている場合は、特別図柄の「確認時間中」であるので、ステップS67に進む。以下、特図動作ステータスの各処理ついて説明する。
まず、図12A、12Bを参照して、特別図柄管理処理の中で行われる特別図柄変動開始処理について説明する。
図12Aにおいて、主制御手段は、特図2保留球数が0であるか否かを判定する(ステップS81)。特図2の保留球数が0である場合にはステップS82に進み、特図2の保留球数が0でない場合にはステップS86に進む(図12B参照)。
特図2の保留球数が0である場合(ステップS81でYES)、主制御手段は、特図1保留球数が0であるか否かを判定する(ステップS82)。特図1の保留球数が0である場合にはステップS83に進み、特図1の保留球数が0でない場合にはステップS86に進む(図12B参照)。
特図1の保留球数が0である場合(ステップS82でYES)、主制御手段は、特図動作ステータスが00Hであるか否かを判定する(ステップS83)。なお、特別図柄確認時間中処理(図11:ステップS67)が実行された直後は、特図動作ステータスとして「01H」がセットされている。
特図動作ステータスが「00H」である場合には特別図柄変動開始処理を終了し、特図動作ステータスが「00H」でない場合(「01H」の場合)にはステップS84に進む。
特図動作ステータスが「00H」でない場合(ステップS83でNO)、主制御手段は、客待ちデモコマンドを送信する(ステップS84)。「客待ちデモコマンド」は、特図1、特図2の保留球数が共に0、かつ特図動作ステータスが「01H」の場合に、主制御手段(主制御基板24)から副制御手段(演出制御基板25)に向けて送信される。その後、ステップS85に進む。
ステップS85では、主制御手段は、特図動作ステータスに00Hをセットする。このセットにより特別図柄変動開始処理は終了となるが、これ以後、特別図柄変動開始処理では、保留情報が発生しない限り、ステップS83の判定で「YES」となる処理を繰り返す。
ステップS81、ステップS82の判定が「NO」である場合、主制御手段は、特図1又は特図2の保留球数を1減算する(図12B:ステップS86)。その後、ステップS87に進む。
ステップS87では、主制御手段は、保留減算コマンドを送信する。主制御手段は、副制御手段に向けて「保留減算コマンド」を送信するので、特別図柄表示装置43aの保留表示及び液晶表示装置36に表示された保留表示が1減算される。その後、ステップS88に進む。
ステップS88では、主制御手段は、特別図柄作動確認データをセットする。具体的には、特図1が変動を開始する場合は特別図柄作動確認データとして「00H」を、特図2が変動を開始する場合は「01H」をセットする。その後、ステップS89に進む。
ステップS89では、主制御手段は、保留記憶エリアをシフトする。最大保留数と同数ある保留記憶エリア1〜4は、保留球数の減算に伴い1だけシフトする。このとき、最新の保留情報が記憶される保留記憶エリア4については0をセットする。その後、ステップS90に進む。
ステップS90では、主制御手段は、特別電動役物作動判定用乱数判定処理を行う。これは、特図に対応した当り乱数判定用テーブルを決定して乱数判定処理を行う、いわゆる、特図の抽選処理である。また、大当り判定フラグをワークエリアへ格納する処理も行う。その後、ステップS91に進む。
ステップS91では、主制御手段は、特別停止図柄作成処理を行う。ここでは、特図に対応した図柄テーブル選択テーブルを選択し、図柄判定用乱数値、大当り判定フラグを取得して特図の停止図柄を作成する。その後、ステップS92に進む。
ステップS92では、主制御手段は、遊技状態移行準備処理を行う。ここでは、大当り判定フラグがオンの場合に、大当り種別に応じた遊技状態移行テーブルを選択し、これを参照して各種バッファに値を格納する。その後、ステップS93に進む。
ステップS93では、主制御手段は、特図変動パターン作成処理を行う。これは、変動パターン振分けテーブルを選択し、変動パターン用乱数に基づいて特図の変動パターンを作成する処理である。その後、ステップS94に進む。
ステップS94では、主制御手段は、特図1又は特図2の変動中フラグをONにセットする。具体的には、これから変動することになる一方の特図の変動中フラグをオンとする。その後、ステップS95に進む。
ステップS95では、主制御手段は、装飾図柄指定コマンドを送信する。装飾図柄とは、液晶表示装置36で変動表示する図柄のことである。主制御手段(主制御基板24)は、「装飾図柄指定コマンド」を作成し、副制御手段(演出制御基板25)に向けて送信する。その後、ステップS96に進む。
最後に、主制御手段は、変動開始時の各種設定を行う(ステップS96)。具体的には、乱数記憶エリア0に「00H」(消去)をセットする。また、特図動作ステータスを「02H」(変動中)にセットするので、次回の特別図柄管理処理では、特別図柄動作ステータス判定(図11:ステップS64)にて、後述する特別図柄変動中処理(図11:ステップS66)に分岐するようになる。その後、特別図柄変動開始処理を終了する。図11に戻り、その後、ステップS68に進む(後述する)。
主制御手段は、特別図柄動作ステータス判定(ステップS64)にて、特図動作ステータスが「02H」(変動中)と判断された場合、特別図柄変動中処理(ステップS66)を行う。
特別図柄変動中処理については簡潔に説明すると、主制御手段は、特図の変動時間に関するタイマである特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定し、このタイマが0となった場合に、「変動停止コマンド」を副制御手段に向けて送信する。
また、変動停止時の各種設定を行うが、特図動作ステータスを「03H」(確認時間中)にセットするので、次回の特別図柄管理処理では、特別図柄動作ステータス判定(ステップS64)にて、後述する特別図柄確認時間中処理(ステップS67)に分岐するようになる。その後、特別図柄変動中処理を終了する。その後、ステップS68に進む(後述する)。
主制御手段は、特別図柄動作ステータス判定(ステップS64)にて、特図動作ステータスが03H(確認時間中)と判断された場合、特別図柄確認時間中処理(ステップS67)を行う。
特別図柄確認時間中処理についても簡潔に説明するが、主制御手段は、特別図柄の変動が停止したときに、大当り時の設定、時短回数の減算、回数限定の確率変動であるST回数の減算等を行う。
特別図柄役物時間タイマが0となった場合、特図動作ステータスを01H(変動待機中)にセットするので、次回の特別図柄管理処理では、特別図柄動作ステータス判定(ステップS64)にて、特別図柄変動開始処理(ステップS65)に分岐するようになる。その後、ステップS68に進む。
最後に、ステップS68では、主制御手段は、特別図柄表示データを更新する。具体的には、特別図柄表示装置43aの特別図柄を更新する。その後、特別図柄管理処理を終了する。
次に、図13を参照して、遊技管理処理の中で行われる特別電動役物管理処理について説明する。特別電動役物管理処理において、主制御手段は、後述する特別電動役物動作ステータス(大当り開始処理、特別電動役物作動開始処理、特別電動役物作動中処理、特別電動役物作動継続判定処理、大当り終了処理)を判定し、それぞれの処理を管理する。
まず、主制御手段は、条件装置作動フラグがONか否かを判定する(ステップS71)。条件装置作動フラグがオンしている場合にはステップS72に進み、条件装置作動フラグがオンしていない場合には特別電動役物管理処理を終了する。すなわち、ステップS72以降は、大当りが発生した場合の処理となる。
条件装置作動フラグがオンである場合(ステップS71でYES)、主制御手段は、特別電動役物動作ステータス判定を行う(ステップS72)。特別電動役物動作ステータス(以下、特電動作ステータスともいう)が「00H」に設定されている場合は、「大当り開始」時であるので、ステップS73に進む。
ステップS73の大当り開始処理では、今回の特別遊技(大当り遊技)の総ラウンド数等を設定する大当り開始時の各種設定が行われる。この処理の中で、特別電動役物動作ステータスが「01H」に設定される。また、「大当り開始インターバルコマンド」が演出制御基板25に送信される。
また、特電動作ステータスが「01H」に設定されている場合は、「特電作動開始中」であるので、ステップS74に進む。ステップS74の特別電動役物作動開始処理では、大当りの開始時かラウンド間かが判定された後、「大入賞口開放コマンド」が演出制御基板25に送信される。また、開放動作開始時の各種設定が行われ、特別電動役物動作ステータスが「02H」に設定される。
また、特電動作ステータスが「02H」に設定されている場合は、「特電作動中」であるので、ステップS75に進む。ステップS75の特別電動役物作動中処理では、主に大入賞口の最大入賞数がチェックされ、最大入賞数に達した場合に、「ラウンド間インターバルコマンド」が演出制御基板25に送信される。
さらに、開放動作終了時の各種設定が行われ、特別電動役物動作ステータスが「03H」に設定される。また、特電動作ステータスが「03H」に設定されている場合は、「特電作動継続判定中」であるので、ステップS76に進む。ステップS76の特別電動役物作動継続判定処理では、今回の特別遊技が最大ラウンド数に達するまで、連続回数カウンタを加算することでラウンド数がカウントされる。
最大ラウンド数に達していない場合には、継続時の各種設定が行われ、特別電動役物動作ステータスが「01H」に設定される。また、最大ラウンド数に達した場合には、終了時の各種設定が行われ、特別電動役物動作ステータスが「04H」に設定される。このとき、「大当り終了インターバルコマンド」が演出制御基板25に送信される。
また、特電動作ステータスが「04H」に設定されている場合は、「大当り終了中」であるので、ステップS77に進む。ステップS77の大当り終了処理では、上述の条件装置作動フラグや連続回数カウンタをリセットする大当り終了時の各種設定が行われる。
この処理の中で、特別電動役物動作ステータスは「00H」に設定される。これらの処理が終了した後、主制御手段は、特別電動役物管理処理を終了する。
以下では、図14を参照して、副制御側で行われるメイン処理について説明する。このメイン処理には、副制御手段(演出制御基板25)の起動時に行われる初期化処理が含まれる。
まず、副制御手段は、初期化処理を行う(ステップS101)。これは、主に、副制御手段の各種初期設定を行うものであり、起動時に一度だけ行われる。その後、ステップS102に進む。
次に、副制御手段は、メインループ更新周期となったか否かを判定する(ステップS102)。メインループとは、後述するステップS104〜S109までの処理であるが、その更新周期は16msである。
ステップS102に進んだとき更新周期の16msが経過すると、ステップS104に進む。一方、16ms経過する前の状態では、更新周期となっていないので、「NO」の判定となる。この場合には、ステップS103に進む。
ステップS102の判定が「NO」である場合、副制御手段は、各種ソフト乱数の更新処理を行う(ステップS103)。その後、ステップS102の判定が「YES」となるまでステップS102、S103の処理を繰り返す。このループの期間に、1ms周期のタイマ割込み処理(図17参照)が実行されるが、副制御手段は、この割込み処理回数をカウントして、上記の16msが経過したか否かを判定する。
メインループ更新周期となった場合(ステップS102でYES)、副制御手段は、LEDデータ更新処理を行う(ステップS104)。上述の通り、ステップS104〜S109はメインループの処理となるが、ここでは、枠装飾LED8、盤面装飾LED35のデータを更新することで、装飾LEDの発光態様を変化させる。その後、ステップS105に進む。
ステップS105では、副制御手段は、受信コマンド解析処理を行う。詳細は後述するが(図15参照)、受信した制御コマンドの種別を解析し、制御コマンドに応じた各種処理を実行するものである。その後、ステップS106に進む。
ステップS106では、副制御手段は、メインシナリオ更新処理を行う。具体的には、制御コマンドに応じた演出の各種設定を行う処理であるが、これも詳細は後述する(図16A、16B参照)。その後、ステップS107に進む。
ステップS107では、副制御手段は、サウンド出力処理を行う。具体的には、シナリオに応じてスピーカ7からサウンドを出力させる。その後、ステップS108に進み、副制御手段は、ソレノイド更新処理を行う。具体的には、大入賞装置39等に用いられているソレノイドの詳細な動作を設定する。その後、ステップS109に進む。
ステップS109では、副制御手段は、ノイズ対策用処理を行う。具体的には、周辺LSIがノイズの影響を受けていないかチェックする。この処理が終了すると、ステップS102に戻り、以降の処理を継続して実行する。
次に、図15を参照して、副制御側メイン処理の中で行われる受信コマンド解析処理について説明する。
まず、副制御手段は、受信コマンドが正常であるか否かを判定する(ステップS111)。受信コマンドが正常である場合にはステップS112に進み、受信コマンドが正常でない場合には受信コマンド解析処理を終了する。
受信コマンドが正常である場合(ステップS111でYES)、副制御手段は、受信コマンドが客待ちデモコマンドであるか否かを判定する(ステップS112)。受信コマンドが客待ちデモコマンドである場合にはステップS113に進み、客待ちデモコマンドでない場合にはステップS114に進む。なお、「客待ちデモコマンド」は、遊技停止の際、主制御基板24から演出制御基板25に向けて送信される(図7A、7B参照)。
受信コマンドが客待ちデモコマンドであった場合(ステップS112でYES)、副制御手段は、客待ちデモ開始タイマに60sをセットする(ステップS113)。これにより、副制御手段が「客待ちデモコマンド」を受信してから60秒が経過した時点で客待ち演出が開始する。その後、受信コマンド解析処理を終了する。
一方、受信コマンドが客待ちデモコマンドでなかった場合(ステップS112でNO)、副制御手段は、その他の遊技コマンドに対応した情報をセットする(ステップS114)。例えば、「保留減算コマンド」を受信した場合には、液晶表示装置36等に表示されている保留表示が1個消えるような情報をセットする。その後、ステップS115に進む。
最後に、ステップS115では、副制御手段は、客待ちデモ開始タイマをゼロクリアする。すなわち、「客待ちデモコマンド」を受信した後にスタートしたタイマはリセットされる。その後、受信コマンド解析処理を終了する。
次に、図16A、16Bを参照して、副制御側メイン処理の中で行われるメインシナリオ更新処理について説明する。
まず、副制御手段は、シナリオ更新のタイミングであるか否かを判定する(ステップS121)。シナリオ更新のタイミングとなった場合にはステップS122に進み、未だシナリオ更新のタイミングとなっていない場合にはステップS123に進む。
シナリオ更新のタイミングとなった場合(ステップS121でYES)、副制御手段は、現在の状態に合わせた演出シナリオをセットする(ステップS122)。具体的には、受信した制御コマンドの演出シナリオに基づいて液晶制御コマンド、サウンド出力、LEDの出力設定等を行う。
また、「客待ち演出」の実行中に遊技者が発射ハンドル10に触れた場合には、副制御手段は、上記シナリオ更新のタイミングで「客待ち演出」を終了し、「客待ち前表示」に戻す。このとき、遊技開始示唆演出を実行してもよい。その後、ステップS123に進む。
次に、副制御手段は、客待ちデモ開始タイマが0となったか否かを判定する(ステップS123)。客待ちデモ開始タイマが0でとなった場合にはステップS127(図16B参照)に進み、未だ客待ちデモ開始タイマが0となっていない場合にはステップS124に進む。
客待ちデモ開始タイマが0となっていない場合(ステップS123でNO)、副制御手段は、客待ちデモ開始タイマを減算する(ステップS124)。その後、ステップS125に進む。
次に、副制御手段は、デモ表示シナリオを更新する(ステップS125)。すなわち、客待ち状態で実行される「客待ち演出」のシナリオ更新を行う。その後、ステップS126に進む。
ステップS126では、副制御手段は、客待ちデモ開始タイマに90sをセットする。「客待ち演出」が開始した後に、演出制御基板25は、90秒毎に液晶制御基板26に向けて「客待ちデモ表示コマンド」を送信するため、90秒のタイマセットが必要となる(図7A参照)。その後、ステップS127に進む。
次に、副制御手段は、エラーが発生したか否かを判定する(図16B:ステップS127)。例えば、パチンコ遊技機1に扉開放エラー等が発生した場合にはステップS128に進み、エラーが発生していない場合にはステップS129に進む。
パチンコ遊技機1にエラーが発生した場合(ステップS127でYES)、副制御手段は、エラー用の報知シナリオをセットする(ステップS128)。例えば、「機種別デモ表示」の実行中であっても、このシナリオとは別に液晶表示装置36にエラーメッセージを表示し、LEDや音声によるエラー報知のシナリオをセットする。その後、ステップS129に進む。
次に、副制御手段は、エラーが解除されたか否かを判定する(ステップS129)。エラーが解除された場合にはステップS130に進み、未だエラーが解除されていない場合にはステップS131に進む。
エラーが解除された場合(ステップS129でYES)、副制御手段は、エラー用の報知シナリオを解除する(ステップS130)。具体的には、エラーが解除された場合にエラー用の報知シナリオを中断する。その後、ステップS131に進む。
次に、副制御手段は、遊技開始条件がONしたか否かを判定する(ステップS131)。遊技開始条件がオンした場合にはステップS132に進み、未だ遊技開始条件がオンしていない場合にはメインシナリオ更新処理を終了する。
遊技開始条件がオンした場合(ステップS131でYES)、副制御手段は、客待ち前シナリオ設定待機画面表示コマンドをコマンド送信バッファにセットする(ステップS132)。客待ち前シナリオとは、図7Aの「客待ち前表示」についてのシナリオであり、「客待ち状態」において実行されていた「機種別デモ表示」等の客待ち演出を「客待ち前表示」に戻すための処理である。その後、ステップS133に進む。
最後に、副制御手段は、客待ちデモ開始タイマに60sをセットする(ステップS133)。図柄停止表示の通常遊技画面に戻った場合には、客待ちデモ開始タイマを再度、客待ち演出が開始するまでの時間である60秒にセットする。その後、メインシナリオ更新処理を終了する。
最後に、図17を参照して、タイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理は、演出制御側メイン処理(図14)に対して、1ms周期で実行される割込み処理である。
まず、副制御手段は、CPUレジスタの初期設定をする(ステップS201)。具体的には、ポートのリフレッシュ初期値の設定を行う。その後、ステップS202に進み、出力処理を行う。具体的には、可動体37a、37bに用いられているソレノイドやモータの出力処理を行う。その後、ステップS203に進む。
ステップS203では、副制御手段は、演出ボタン入力状態更新処理を行う。具体的には、演出ボタン13a、13bの操作がされた場合に、入力状態を更新する。その後、ステップS204に進む。
ステップS204では、副制御手段は、スイッチ入力状態更新処理を行う。具体的には、ボリュームスイッチ31等の入力情報を確認し、その情報に応じた処理を行う。その後、ステップS205に進む。
ステップS205では、副制御手段は、液晶制御コマンド送信処理を行う。演出制御基板25は、例えば、演出用カウンタによって選択された演出用コマンドを液晶制御基板26に向けて送信する。その後、ステップS206に進む。
ステップS206では、副制御手段は、モータ更新処理を行う。具体的には、可動体37a、37bに用いられているモータの詳細な動作設定をする。その後、ステップS207に進み、LEDデータ出力処理を行う。具体的には、必要なタイミングで枠装飾LED8、盤面装飾LED35を点灯、点滅させるLEDデータ出力を行う。その後、ステップS208に進む。
ステップS208では、副制御手段は、演出実行処理を行う。具体的には、図柄変動時の選択された演出や演出ボタン13a、13bの操作により開始又は変化する演出を実行する。その後、ステップS209に進む。
最後に、副制御手段は、メインループ更新周期用ワークを1インクリメントする(ステップS209)。これは、上述のメインループの処理(図14:ステップS104〜S109)の更新周期である16msをカウントするため、メインループ更新周期用ワークを1だけインクリメントする処理である。その後、タイマ割込処理を終了する。以上、本実施形態のパチンコ遊技機1の一連の動作を説明した。
上記のように、本実施形態では、客待ち演出開始条件が成立した場合に客待ち演出が行われ、客待ち演出終了条件が成立した場合に該客待ち演出が終了する。また、客待ち演出終了条件が成立した場合には、遊技開始示唆演出が行われる。これにより、遊技者の遊技の意思を察知して、直ちに遊技の準備を行うことが可能になる。
上記の実施形態は、本発明の一例であり、これ以外にも本発明を実施することができる種々の変形例が考えられる。
客待ち状態に移行するタイミングは、図柄の変動停止から所定時間が経過したときに限られない。例えば、図柄変動停止フラグを設け、該停止フラグのオンとタッチセンサの最後の検出から任意の時間mが経過したことの両条件が成立したとき、客待ち状態に移行するようにしてもよい。
また、図柄変動停止フラグのオンとタッチセンサの最後の検出から任意の時間mが経過したことに加えて、図柄変動の停止から任意の時間n(n≧m)が経過したことの3つの条件が成立したとき、客待ち状態に移行するようにしてもよい。
また、実施形態の説明では、主にタッチセンサのオンを客待ち演出の終了条件としたが、遊技者が球貸ボタン15aを操作したことを終了条件とすることもできる。これは、遊技者が選択したパチンコ遊技機の最初の接触機会であるので、非常に早いタイミングで客待ち演出を終了させることができる。なお、演出ボタン13a、13bや方向キー部14の操作を終了条件としてもよい。
特定地点通過検出センサ47のオン(球検出)を客待ち演出の終了条件とすることもできる。この条件でも、図柄の変動が開始する前には、客待ち演出が終了し、短期間の遊技開始示唆演出を実行することができる。図3では、特定地点通過検出センサ47をガイドレール44の終端付近としたが、発射通路45の何れかの地点であってもよい。なお、客待ち状態の終了条件を複数備え、状況に応じて使い分けてもよい。
以上、本実施形態としてパチンコ遊技機について説明したが、本発明は、これに限らず、雀球式遊技機、アレンジボール機、封入式遊技機等にも適用可能である。特に、遊技球を借りるためプリペイドカードや会員カードを挿入したり、現金を投入したことを認識可能な遊技機の場合、カードの挿入等を客待ち演出の終了条件とすることもできる。このように終了条件を定めても、非常に早いタイミングで客待ち演出を終了させることができる。