JP6715459B2 - 弾球遊技機 - Google Patents

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Description

遊技球が発射される遊技領域を備えた弾球遊技機に関する。
従来、各種の弾球遊技機のうち、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機は、遊技盤の略中央に設けられた液晶ディスプレイなどの表示領域に複数の図柄を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。この遊技機は、複数列の図柄変動を停止させたときの図柄の組合せが特定の態様となった場合に、通常遊技より多くの賞球が得られる、いわゆる大当りと呼ばれる特別遊技へと移行するものとして知られている。表示領域における図柄の変動表示は、単に複数の図柄が変動表示されるだけでなく、いわゆるリーチ画面と呼ばれる状態のように、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態で変動表示の時間を通常よりも長くする等、遊技者の期待感を高めるための演出が図られている。また、図柄等の画像にキャラクタを用いて変動表示にストーリーを持たせる演出や、特別遊技への移行期待度の高さを予告的に示唆する予告演出によっても遊技者の期待感を高めている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−230714号公報 特開2007−322号公報 特開2011−78742号公報
近年、特別遊技終了後から所定の終期まで移行する図柄変動時間短縮状態(以下、「時短」ともいう)や確率変動状態(以下、「確変」ともいう)において、その終期到達までの所要時間をできる限り短縮するために、図柄変動および抽選の効率化が図られる場合がある。しかしながら、あまりに効率よく消化しすぎる場合、遊技状況や遊技機の仕様によってはかえって遊技者に不利益となることも考えられる。
本願発明は上記課題に鑑みたもので、遊技の効率化と遊技者の利益保護の両立を図る弾球遊技機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の遊技機は、
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が第1当否判定の契機となる第1入球口と、
前記遊技領域において前記第1入球口と異なる所定位置に設けられ、遊技球の入球が第1当否判定の契機となる第2入球口と、
前記第1入球口または前記第2入球口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための抽選値に基づいて第1当否判定を実行する第1当否判定手段と、
前記第1入球口または前記第2入球口への入球を契機として、第1の図柄変動が行われる第1の図柄表示手段と、
第3入球口への入球を契機として、第2の図柄変動が行われる第2の図柄表示手段と、
前記第3入球口への入球を契機として、前記第2入球口に設けられた開閉手段を開放するか否かの第2当否判定を実行する第2当否判定手段と、を備え、
前記第1当否判定手段の判定が肯定の場合に、特別遊技に移行し、前記第2当否判定手段の判定が肯定の場合に、前記第2入球口に設けられた開閉手段を開放させて当該第2入球口への入球を容易にするよう構成された遊技機において、
前記第1入球口へ新たな入球があったときに、所定個数を上限に前記新たな入球に対応
する抽選値を第1の保留情報としてその図柄変動の表示開始まで保留として記憶し得ると共に、前記第2入球口へ新たな入球があったときに、所定個数を上限に前記新たな入球に対応する抽選値を第2の保留情報としてその図柄変動の表示開始まで保留として記憶し得る保留制御手段と、
特別遊技終了後に前記第1当否判定手段が肯定となる確率が通常確率状態より高められる確率変動状態を付与する確変付与手段と、
前記第1当否判定手段が特定の特別遊技への移行を決定した場合に、非入賞向上状態と比べて前記第2の図柄変動の変動時間の短縮、前記第2当否判定手段の判定が肯定の判定結果となる確率を高確率に変動、及び前記第2当否判定手段の判定が肯定の判定結果となった場合に前記第2入球口に設けられた開閉手段を開放する開放時間の増加のいずれか1または複数を組み合わせた入賞率向上状態を、当該特定の特別遊技終了後に所定の付与期間付与する入賞率向上状態付与手段と、を備え、
前記保留制御手段が記憶する第1の保留情報及び第2の保留情報に基づいて前記第1当否判定手段が判定を行い、前記第1の図柄表示手段で第1の図柄変動が行われるよう構成されており、
前記保留制御手段が記憶する第1の保留情報及び第2の保留情報の記憶数に応じて、前記第1の図柄表示手段で行われる第1の図柄変動の変動時間を短縮し得るよう構成されており、
前記第1入球口への入球を契機として前記第1当否判定手段の判定が肯定となった場合と比べて、前記第2入球口への入球を契機として前記第1当否判定手段の判定が肯定となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技に移行しやすくなるよう構成されており、
前記第1入球口への入球を契機として非入賞率向上状態において前記第1当否判定手段が特定の特別遊技への移行を決定した場合には、前記保留制御手段が記憶する第1の保留情報及び第2の保留情報の記憶数に関わらず、当該特定の特別遊技の終了後に入賞率向上状態が付与される間、当該入賞率向上状態における前記第1の図柄表示手段で行われる第1の図柄変動の変動時間を、当該入賞率向上状態における前記第2の図柄表示手段で行われる第2の図柄変動の変動時間よりも長くなるよう設定されており、
ある第2の図柄変動が終了してから次回の第2の図柄変動が開始するまでには待機時間を有しており、
前記第2入球口に遊技球が入球した場合において、前記第2入球口への入球が正常であると判定する有効期間と、前記第2入球口への入球が正常であると判定しない無効期間とを有しており、
前記第2入球口に設けられた開閉手段を開放する開放時間が終了してから、前記有効期間が終了するまでの時間である判定猶予期間を有しており、
前記入賞率向上状態が付与される間、第2の図柄変動に係る第2当否判定の結果に関わらず、当該入賞率向上状態における第2の図柄表示手段で行われる当該第2の図柄変動終了後の待機時間と当該入賞率向上状態における前記第2の図柄表示手段で行われる第2の図柄変動の最短の変動時間との和が、当該入賞率向上状態における判定猶予期間よりも長くなるよう設定されており、当該第2の図柄変動終了後の待機時間は当該入賞率向上状態における判定猶予期間よりも短くなるよう設定されている
ことを特徴とする遊技機である。
また、上記課題を解決するために、本発明のある態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が第1の抽選の契機となる第1の始動入賞口と、遊技領域において第1の始動入賞口と異なる所定位置に設けられ、遊技球の入球が第2の抽選の契機となる第2の始動入賞口と、第1の始動入賞口または第2の始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、当否判定の結果を示すための特別図柄が変動表示される特別図柄表示装置と、特別図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、第1の始動入賞口または第2の始動入賞口へ新たな入球があったときにそれ以前の入球に対応する特別図柄変動が表示されている場合、所定個数を上限に新たな
入球に対応する抽選値をその図柄変動の表示開始まで保留として記憶する保留制御手段と、特別図柄の変動表示を制御するとともに、第1の抽選および第2の抽選のうち一方の図柄変動を表示するときは他方の図柄変動を待機させる一方、第2の抽選の図柄変動開始タイミングとなった場合は第1の抽選における抽選値が保留されていても第2の抽選の図柄変動を優先して実行する表示制御手段と、当否判定の結果が大当りであった場合に特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、特別遊技の終了後、所定の移行条件を満たした場合に、通常遊技においてあらたに大当りを獲得する容易性が通常状態より有利となる状態である特定遊技状態に移行させる特定遊技制御手段と、を備える。第2の始動入賞口は、特定遊技状態において通常状態より入球容易性が高められ、特定遊技制御手段は、特定遊技状態として、第1の抽選および第2の抽選が大当りとなる確率が通常確率状態より高められる確率変動状態へ移行し得るとともに、第2の抽選にて大当りとなった場合には第1の抽選にて大当りとなる場合より確率変動状態へ移行する確率が高く、変動パターン決定手段は、特定遊技状態においては、通常状態にて選択する通常変動パターンよりも変動時間が短縮された短縮変動パターンを選択する一方、第2の抽選に対応する図柄変動の変動パターンを選択するにあたり、保留制御手段による第2の抽選の抽選値保留がなくなる場合であって第1の抽選の抽選値保留がある場合には、特定遊技状態であっても短縮変動パターンの選択を規制する。
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明の弾球遊技機によれば、遊技の効率化と遊技者の利益保護の両立を図ることができる。
ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す図である。 メイン基板の構成を示すブロック図である。 当否判定テーブルを模式的に示す図である。 事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。 図柄判定テーブルを模式的に示す図である。 変動パターンテーブルを模式的に示す図である。 サブ基板の構成を示すブロック図である。 メイン基板およびサブ基板のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。 演出表示制御装置のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。 ぱちんこ遊技機におけるメイン基板の制御開始処理を示すフローチャートである。 図12におけるS120のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。 割込処理の詳細を示すフローチャートである。 ぱちんこ遊技機におけるサブ基板の制御開始処理を示すフローチャートである。 図15におけるS518のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。 メイン基板からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。 演出表示制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。 サブCPUが表示CPUからコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。 各種デバイス制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。 特別図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。 装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。 特別遊技の過程を示すフローチャートである。 小当り遊技の過程を示すフローチャートである。 遊技状態の遷移を示す図である。 時短状態における第1ランプと第2ランプの点灯状態と消灯状態のパターンを示す図である。 変形例として、1個のランプで普通図柄表示装置を構成する場合の時短状態におけるランプの点灯状態と消灯状態のパターンを示す図である。 時短状態における普通図柄の変動制御、普通電役ソレノイドの制御、および判定猶予期間の関係を示す図である。 時短状態において当否判定が外れの場合に主に参照する変動パターン選択テーブルの概要を示す図である。 時短状態において当否判定が外れの場合に主に参照する変動パターン選択テーブルをより詳細に示す図である。
<前提技術>
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないよう第2の遊技が優先的に実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプを備える。第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方がおおむね多くなるように設計される。例えば、第2の遊技の方が確変を伴う大当りとなる確率が高く、また、第2の遊技の方が特別遊技を構成する単位遊技数が多い(大入賞口の開放時間が長い長開放単位遊技と開放時間が短い短開放単位遊技とが一つの特別遊技中に混在し、同一単位遊技数であっても第2の遊技の方が第1の遊技よりも長開放単位遊技の数が多い場合を含む)など、第2の遊技の方が第1の遊技より相対的に利益が高くなる設計がされている。その上で、最初は第1の遊技にて初当りを狙い、第1の遊技における大当りで時短が付与された後は第2の遊技を繰り返し狙って多くの出玉を得る、という遊技性を実現する。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機100は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機100の遊技機枠は、外枠101、前枠102、透明板103、扉104、上球皿105、下球皿106、発射ハンドル107、スピーカ108、演出ボタン109、十字キー110、装飾ランプ111を含む。外枠101は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機100を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠102は、外枠101の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠101へ開閉可能に取り付けられる。前枠102は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板103は、ガラスなどにより形成され、扉104により支持される。扉104は、図示しないヒンジ機構により前枠102へ開閉可能に取り付けられる。上球皿105は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿106への遊技球の抜き取り等をする機構を有する。下球皿106は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。扉104の上部には左右にスピーカ108が設けられており、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた効果音や楽曲の音声を出力する。扉104の外観を構成する
樹脂部材の大部分が半透明であり、その透過する内部に装飾ランプ111が設けられる。装飾ランプ111は、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた様々な色で発光するLEDであり、点滅等することで演出の役割を果たす。
遊技盤80は、レール82により区画された遊技領域81上に、第1始動口11、第2始動口12、第1大入賞口21、作動口32、一般入賞口33、アウト口34、演出表示装置60、センター飾り64を含む。センター飾り64は、遊技領域81の略中央部とその上部および右部にわたって演出表示装置60の画面枠を形成するように設けられる装飾的な樹脂部材であり、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り64の下部には流入した遊技球が転動するステージ65が形成され、その転動の仕方によってステージ65からの落下方向は第1始動口11へ入球する方向と第1始動口11に入球しない側方の方向とに振り分けられる。センター飾り64の上部には、演出内容に沿って駆動されて演出的な動作をする可動役物66が設けられる。遊技領域81には、遊技球の流路を形成するための図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
第1始動口11は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動口12は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動口11と第2始動口12は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によって一方への入球を狙うことが可能となるように構成される。第1始動口11は、遊技領域81における略中央下部に設けられ、第2始動口12は、第1始動口11の直下に設けられる。左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って相対的に弱めに打球した場合は第1始動口11および第2始動口12に入球可能ないし入球容易である一方、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って相対的に強めに打球した場合は第2始動口12には入球可能ないし入球容易であるが第1始動口11には入球不能ないし入球困難となるように遊技釘の配置による流路が形成される。ただし、通常時には第2始動口12の開口部上方が第1始動口11に覆われて遊技球の流入が妨げられることから、第2始動口12の拡開機構が開放されない限り第2始動口12には入球不能ないし入球困難である。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、第1始動口11または第2始動口12へ入球があるたびに実行される。
なお、第1始動口11および第2始動口12は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられてもよい。第1始動口11と第2始動口12は、それぞれ遊技領域81の左側と右側に離して設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成としてもよい。たとえば、第1始動口11は、左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って比較的弱めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。第2始動口12は、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って比較的強めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。
第1始動口11は、第1始動入賞検出装置16を備える。第1始動入賞検出装置16は、第1始動口11への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動口12は、第2始動入賞検出装置17と、拡開機構である普通電動役物90(いわゆる電動チューリップ)と、普通電動役物90を開閉させるための普通電役ソレノイド91を備える。第2始動入賞検出装置17は、第2始動口12への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。
普通電役ソレノイド91の駆動力により普通電動役物90が拡開されると、第2始動口12への入球容易性が高まる。普通電動役物90の1回の開放時間は、短開放時は0.1
秒程度の短時間であるのに対し、長開放時は普通電動役物90の1回の開放時間が6秒程度と短開放時よりも長く設定されて遊技球が第2始動口12に入球しやすくなる。普通電動役物90の長開放は「開放延長」とも呼ばれる。なお、変形例として、普通電動役物90が拡開するときはその旨を事前に報知してもよく、普通図柄変動の保留を先読みして普通図柄の変動開始前に報知してもよいし、普通図柄の変動中に報知してもよい。
第2始動口12の普通電動役物90を長開放させるときの開放態様の変形例としては、短開放時より長い2秒開放を3回繰り返すことにより総開放時間を6秒程度にまで長くする態様としてもよい。また、開放時間と開放回数の組合せを複数通り用意し、いずれかを選択する構成としてもよい。例えば2秒開放を3回の場合、6秒開放を1回の場合と比較して総開放時間は同じであるが、インターバル期間も含めると前者は後者より長い。そのため、特に第2始動口12を右打ちの方向に配置する変形例の構成では、開放に気がついた遊技者がその時点から打球方向を第2始動口12に合わせたとして前者の方が入球チャンスが長いともいえる。また、普通図柄の当り種類が複数存在するように構成し、その当り種類に応じて拡開機構の開放態様が異なるようにしてもよい。例えば、普通図柄が第1の当りとなった場合、通常状態では0.1秒開放を1回、入球容易状態では1秒開放を3回とし、第2の当りとなった場合、通常状態では6秒開放を1回、入球容易状態では2秒開放を2回としてもよい。
3つの一般入賞口33は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置38をそれぞれ備える。一般入賞検出装置38は、一般入賞口33への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
第1大入賞口21は、遊技球の入球を検出するための第1大入賞検出装置26と、第1大入賞口21を開閉させるための第1大入賞口ソレノイド93を備える。第1大入賞検出装置26は、第1大入賞口21への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。第1大入賞口21は、第1特別図柄51または第2特別図柄52が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。第1大入賞口21はアウト口34の右上方の位置に設けられる。なお、変形例として大入賞口を遊技領域81の中央下部や第1大入賞口21の上方または下方にさらにもう一つ設け、複数の大入賞口が設けられる構成としてもよい。
遊技盤80における遊技領域81の外側左下位置に第1の遊技に対応する第1特別図柄表示装置41と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示装置42とが左右に並設され、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動が表示される。遊技領域81の略中央にはセンター飾り64により形成される画面枠から画面が露出するように演出表示装置60が設けられ、第1特別図柄51または第2特別図柄52に連動する装飾図柄61を含む演出画像の変動を表示する。以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という。
第1特別図柄51は、第1始動口11への遊技球の入球を契機として行われる第1当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄52は、第2始動口12への遊技球の入球を契機として行われる第2当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42は、例えば「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントの8個のセグメントからなる8セグメントLEDの表示装置である。8セグメントLEDでは、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。セグメントの組合せで表される第1特別図柄51および第2特別図柄52は、必ずしも文字や数字の体をなしておらず、各セ
グメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってよい。これらの記号が高速で次々に入れ替わって第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42へ表示されることにより、第1特別図柄51および第2特別図柄52の図柄変動表示が実現される。さらに、第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42を8セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の第1特別図柄51および第2特別図柄52を表現してもよい。
演出表示装置60は、第1特別図柄51または第2特別図柄52の変動表示と連動する形で装飾図柄61を変動表示する液晶ディスプレイで構成される表示装置である。装飾図柄61は、第1特別図柄51および第2特別図柄52で示される抽選の判定結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄61として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄を変動させる動画像を画面の中央領域に表示する。本実施例においては、「0」〜「9」の数字で構成される図柄を3列に表示して変動させ、最終的に停止表示される3個の図柄組合せによって当りまたは外れを示す。装飾図柄61を構成する複数図柄のそれぞれは、色彩や模様の装飾が施された数字、文字、または記号で構成されるが、これら数字、文字、記号に対して全図柄に共通する絵柄または図柄ごとに異なる絵柄を加えて一体化させる形で構成されてもよい。この絵柄は、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連するモチーフが描かれた絵柄であり、例えば人物や動物のキャラクターが描かれた絵柄であってもよい。装飾図柄61は、絵柄が一体的に含まれる図柄が変動表示される場合と、絵柄が分離して数字、文字、記号の部分のみが変動表示される場合とが、演出の展開に沿って切り替えられる構成であってもよい。装飾図柄61の変動表示の背景には、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連する演出的効果を有する動画像が図柄変動と連動して表示される。
なお、第1特別図柄51および第2特別図柄52は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では遊技領域81の左下方の第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42にて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を8セグメントLEDではなく液晶ディスプレイに表示させる構成としてもよい。
作動口32は、遊技領域81の右側方位置に設けられ、通過検出装置37を含む。通過検出装置37は、作動口32への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口32への遊技球の通過は普通電動役物90を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。作動口32を遊技球が通過すると、開放抽選の判定結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置45に変動表示される。したがって、開放抽選は「普通図柄抽選」とも呼ぶ。普通図柄表示装置45は遊技領域81の外側右下方に設けられ、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらのうちいずれのランプが点灯しているかによって普通図柄の表示状態が表現される。例えば、第1のランプの点灯が外れを示し、第2のランプが当りを示すとき、それらが交互に点灯と消灯を繰り返すことによって普通図柄の変動表示が表現され、最終的にいずれかの点灯状態にて停止されることで普通図柄の停止図柄が表現される。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、普通電動役物90が拡開される。
普通電動役物90の開放時間は、0.1秒間の短開放と6秒間の長開放の2通りがある。通常状態における開放抽選では、1/50の確率で普通図柄が当りとなって長開放が実行され、1/100の確率で普通図柄が当りとなって短開放が実行される。このように通常状態では長開放となる確率の方が短開放の確率より高いが、変形例では逆に短開放となる確率の方が長開放の確率より高い仕様としてもよいし、両者の確率を同じにする仕様と
してもよい。入球容易状態における開放抽選では、普通図柄の当り確率を99/100に高め、さらに開放時間を長開放のみとする。このように入球容易状態では普通図柄の当り確率の変動機能と開放時間の延長機能により、第2始動口12への入球容易性を高める。変形例における入球容易状態では、さらに普通図柄の変動時間の短縮機能を加えた3つの機能を用いて第2始動口12への入球容易性を高める構成としてもよい。その場合の普通図柄の変動時間は、例えば通常状態では10秒間であり、入球容易状態では2秒間である。
遊技領域81の外側左下位置において、第1特別図柄表示装置41の上方には第1の遊技に対応する第1特図保留ランプ71が設けられ、第2特別図柄表示装置42の上方には第2の遊技に対応する第2特図保留ランプ72が設けられる。第1特図保留ランプ71は2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第1の遊技における当否抽選値の保留数を表示する。第1特図保留ランプ71における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄51の変動中または特別遊技の実行中に第1始動口11へ入賞した抽選値の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留ランプ72も2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第2の遊技における当否抽選値の保留数を表示する。第2特図保留ランプ72における当否抽選値の保留数は、第2特別図柄52の変動中または特別遊技の実行中に第2始動口12へ入賞した抽選値の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。当否抽選値の保留数は、演出表示装置60の画面下部にも保留ランプ画像の点灯個数で表す形で表示される。
当否抽選の保留数が3個になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮変動」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮変動」ともいう)。
遊技領域81の外側右下位置において、普通図柄表示装置45の右側には普図保留ランプ75が設けられる。普図保留ランプ75もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口32を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
演出ボタン109は、遊技者が演出内容に応じて遊技機へ所定の指示を入力するために押下する操作入力手段であり、その押下態様に応じて演出内容等に変化が加えられる。演出ボタン109は、上球皿105近傍の外壁面に設けられる。十字キー110は、遊技者が遊技機へ方向指示を入力する操作入力手段であり、上球皿105の左方の外壁面に設けられる。
以上のような構成においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル107を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿105に貯留された遊技球が1球ずつレール82に案内されて遊技領域81へ発射される。遊技者が発射ハンドル107の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域81の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口33、第1始動口11、第2始動口12、第1大入賞口21の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿105または下球皿106に払い出される。一般入賞口33等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口34に落入した遊技球はアウト球として処理される。
第1始動口11または第2始動口12に入球すると、第1特別図柄表示装置41、第2
特別図柄表示装置42および演出表示装置60において第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が変動表示される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動表示は、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止される。第1特別図柄51および第2特別図柄52は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄61は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって第1特別図柄51および第2特別図柄52が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄61が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動が停止される。
装飾図柄61の変動表示としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。停止時の第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第1大入賞口21の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄61の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンは、それぞれ通常状態にて表示する通常のパターンと、時短状態において表示する時短用パターンとがある。ただし、通常状態であっても、第2始動口12への入球に対応する第2図柄変動であった場合は、大当りが確変を伴う確率や特別遊技の単位遊技数が多くなる確率が第1始動口11への入球に対応する第1変動より高いチャンス状態といえるため、相対的に有利な大当りが発生するチャンスであることを表示するチャンス演出用のパターンを用いてもよい。なお、実施例では時短状態において時短用のパターンを用いるが、確変状態では時短を伴うため、確変状態においても時短用パターンが用いられる。ただし、変形例では確変状態において時短用とは異なる確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。あるいは、時短用と確変用で共通のパターンを用いる仕様としてもよいし、時短用のパターンは特に用いずに確変状態において確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。
特別遊技には通常特別遊技と短縮特別遊技の2種類があり、それぞれ獲得賞球による利益に大きな差が生じる。通常特別遊技は、開始デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモ時間の画面表示後に第1大入賞口21が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような第1大入賞口21の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。第1大入賞口21の開閉ないし単位遊技が所定回数、例えば4回または16回繰り返された後、終了デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって通常特別遊技が終了される。通常特別遊技においては、1回の単位遊技あたり9球以上の入球が十分に期待でき、16回分の単位遊技によって十
分な賞球(これを「出玉」ともいう)を獲得でき、大きな利益が得られる。16回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「16R大当り」とも称し、4回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「4R大当り」とも称する。
一方、短縮特別遊技は、開始デモ時間および終了デモ時間もなく、1回の単位遊技で第1大入賞口21を0.2秒間だけ開放させる。この単位遊技を2回繰り返して短縮特別遊技が終了される。短縮特別遊技では、ごく短時間の第1大入賞口21の開放を2回繰り返すだけであるため、第1大入賞口21にはほとんど入球し得ず、実質的に出玉がほぼゼロに等しい特別遊技である。2回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「2R大当り」とも称する。
停止時の第1特別図柄51または第2特別図柄52および装飾図柄61が所定の小当り態様であった場合、1回の単位遊技で構成される小当り遊技に移行し、第1大入賞口21の開閉動作が実行される。小当り遊技を構成する1回の単位遊技においては、第1大入賞口21が約0.2秒間の開放を2回繰り返すので、外観上は2R大当りと同様の動作態様となる。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確変がさらに開始される。確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。なお、当否抽選の判定結果が特定大当り、すなわち確変を伴う大当りであったことは外観上明示せず、装飾図柄や演出内容として明示的に報知しない潜伏確変状態としてもよい。その場合、確変中であっても確変であるか非確変であるかが演出表示装置60には明示されない。
特別遊技が終了した後の通常遊技において特定遊技状態の一つである入球容易状態が開始される。入球容易状態では、開放抽選の当り確率を通常より高めるとともに、普通電動役物90の拡開時間を長開放とする開放延長を実行する。一定時間あたりの普通図柄の当り回数が増加し得る上、第2始動口12への入球容易性も増すため、第2始動口12への入球数が増加する可能性も高い。したがって、第2始動口12への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさないか、あるいは少しずつ持ち玉を増やしながら遊技し続けることが可能となる。
入球容易状態においては、特定遊技状態の一つとして、第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が通常状態よりも短縮される、いわゆる時短がさらに実行される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短もいったん終了する。時短において第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。変形例では、入球容易状態において特別図柄の時短を実施しない仕様としてもよい。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ150は、ぱちんこ遊技機100の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板200は、ぱちんこ遊技機100の全体動作を制御し、とくに第1始動口11、第2始動口12へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板300は、液晶ユニット151を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板200による判定結果に応じて演出的な表示内容を変動させる。裏セット機構152は、賞球タンク153や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット154等を含む。払出ユニット154は、各入
賞口への入賞に応じて賞球タンク153から供給される遊技球を上球皿105へ払い出す。払出制御基板155は、払出ユニット154による払出動作を制御する。発射装置156は、上球皿105の貯留球を遊技領域81へ1球ずつ発射する。発射制御基板157は、発射装置156の発射動作を制御する。電源ユニット158は、ぱちんこ遊技機100の各部へ電力を供給する。
図3は、ぱちんこ遊技機100の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機100は、遊技の基本動作や遊技の進行を制御する主制御装置としてのメイン基板200と、演出的な動作や処理を制御する副制御装置としてのサブ基板300とに機能を分担させた形態で構成される。メイン基板200は、第1始動口11、第2始動口12、第1大入賞口21、一般入賞口33、作動口32、第1特別図柄表示装置41、第2特別図柄表示装置42、普通図柄表示装置45と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。サブ基板300は、演出表示装置60、演出ボタン109、スピーカ108、装飾ランプ111と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。メイン基板200とサブ基板300の間におけるデータの送受信はメイン基板200からサブ基板300への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板200とサブ基板300に配置される。メイン基板200からサブ基板300へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板300に含まれる構成からメイン基板200に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板200で生成された情報は、メイン基板200がサブ基板300へ一方的に送信しない限りサブ基板300から参照することはできない。
なお、メイン基板200に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板200ではなくサブ基板300に搭載されてもよいし、サブ基板300に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板300ではなくメイン基板200に搭載されてもよい。
図4は、メイン基板200の構成を示すブロック図である。メイン基板200は、入球判定手段201、第1抽選手段211、第2抽選手段212、普図抽選手段213、保留制御手段240、メイン表示制御手段250、特別遊技制御手段260、小当り遊技制御手段265、特定遊技制御手段270、開閉制御手段275、特図調整手段276を備える。
入球判定手段201は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段201は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口11に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動口12に入賞したと判断する。入球判定手段201は、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第1大入賞口21に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口33に入賞したと判断する。入球判定手段201は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口32を通過したと判断する。
第1抽選手段211は、第1の遊技に係る第1の抽選を実行する機能として、第1抽選値取得手段216、第1当否判定手段221、第1図柄決定手段226、第1変動パターン決定手段231を含み、第1始動口11への入球に対応する当否抽選として第1当否抽選を実行する。第1当否抽選の判定結果は、第1特別図柄表示装置41において第1特別図柄51の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示の形で示される。第2抽選手段212は、第2抽選値取得手段217、第2当否判定手段222、第2図柄決定手段227、第2変動パターン決定手段232を含み、第2始動口12への入球に対応する当否抽選として第2当否抽選を実行する。第2当否抽選の判定結果は、第2特別図柄表示装置42において第2特別図柄52の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示の形で示される。第
1抽選手段211および第2抽選手段212は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の判定結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。
第1抽選手段211および第2抽選手段212は、第1始動口11または第2始動口12への入球時にも事前判定処理として抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行し、その判定結果を演出決定手段303へ送信する。事前判定処理の結果は送信バッファに一時保存された後、その抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず演出決定手段303へ送信され、送信バッファから消去または後に上書きされる。そのため、サブ基板300の側にとっては図柄変動開始の順番が巡ってくる前にあらかじめ当否結果を推測的に認識できる、いわゆる「先読み」と呼ばれる処理が実現される。
第1抽選値取得手段216は、第1始動口11への入球を契機に、第1当否抽選のために乱数の値を第1当否抽選値として取得する。第2抽選値取得手段217は、第2始動口12への入球を契機に、第2当否抽選のために乱数の値を第2当否抽選値として取得する。例えば、当否抽選のために第1当否抽選値および第2当否抽選値として取得する値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。第1当否抽選値、第2当否抽選値として取得する値は、保留制御手段240により一時的に保留される。ただし、所定の保留上限数を超えない範囲で当否抽選値が保留される。
第1当否判定手段221は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、第1当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。第2当否判定手段222は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、第2当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルと事前当否判定テーブルを保持する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する当否判定を、特に事前当否判定と区別するために、適宜「本判定としての当否判定」とも呼ぶ。
第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルを複数保持する。複数の当否判定テーブルには、大当りおよび外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、通常確率状態においては通常の当り確率による当否判定のための当否テーブルを参照し、確率変動状態においては通常確率より大当り確率が高くなる当否テーブルを参照する。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当りであるか否かを判定する。
図5は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、本判定として当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。第1当否判定手段221による第1当否抽選と第2当否判定手段222による第2当否抽選のいずれにおいても、通常時には当否抽選値が0〜299の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜299の範囲に該当する場合だけでなく、300〜2999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示した
が、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよいし、第1当否抽選用と第2当否抽選用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、第1当否判定手段221が取得する当否抽選値が56500〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなり、第2当否判定手段222が取得する当否抽選値が64000〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。すなわち、第2当否抽選よりも第1当否抽選の方が小当りに該当する範囲が広く、小当りが発生しやすい。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。
図6は、事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。第1当否判定手段221は図6(a)のテーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「3000〜56499」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「56500〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。第1当否判定手段221は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を第1当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。
第2当否判定手段222は図6(b)のテーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「3000〜63999」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「64000〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。第2当否判定手段222は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を第2当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。
図4に戻り、第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、別途取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定するとともに、図柄抽選値がいずれの図柄範囲に該当するかの事前図柄判定を実行する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルと事前図柄判定テーブルを保持する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、当否判定結果に応じて異なる図柄判定テーブルを参照する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する図柄判定を、特に事前図柄判定と区別するために、適宜「本判定としての図柄判定」とも呼ぶ。
図7は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図7(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図7(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図7(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、本判定として図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の番号と第1図柄抽選値または第2図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、「0」〜「4」が大当りに対応し、「5」〜「9」が小当り
に対応し、「10」が外れに対応する。各種類には複数の特別図柄、すなわちセグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号が複数割り当てられている。
図7(a)に示す通り、特別図柄の種類「0」〜「4」が大当りに対応付けられている。そのうち、種類「0」は特定大当りとして確変を伴う4R大当りまたは16R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「0〜99」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「0〜144」に対応付けられる。種類「1」は特定大当りとして確変を伴う2R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「100〜149」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「145〜149」に対応付けられる。種類「2」〜「4」は通常大当りとして確変を伴わない4R大当りまたは16R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150〜189」に種類「2」が対応付けられ、「190〜229」に種類「3」が対応付けられ、「230〜255」に種類「4」が対応付けられる。このように図柄抽選値の範囲の大きさによって大当り種類ごとの選択確率が定まる。
図7(b)に示す通り、種類「10」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。
図7(c)に示す通り、特別図柄の種類「5」〜「9」が小当りに対応付けられている。種類「5」は図柄抽選値の範囲「0〜49」に対応付けられ、種類「6」は図柄抽選値の範囲「50〜99」に対応付けられる。種類「7」は図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられ、種類「8」は図柄抽選値の範囲「150〜199」に対応付けられ、種類「9」は図柄抽選値の範囲「200〜255」に対応付けられる。
なお、事前図柄判定においても図7のテーブルが事前図柄判定テーブルとして参照される。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、事前図柄判定の結果として特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の値を第1当否抽選または第2当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。
図4に戻り、第1変動パターン決定手段231は、第1特別図柄表示装置41および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2変動パターン決定手段232は、第2特別図柄表示装置42および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。また、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、パターン抽選値がいずれの変動パターン範囲に該当するかの事前パターン判定を実行する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルと事前パターン判定テーブルをそれぞれ保持または共有する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する変動パターン判定を、特に事前パターン判定と区別するために、適宜「本判定としての変動パターン判定」とも呼ぶ。
図8は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、通常状態においては本図(a)のテーブルを参照し、時短状態においては本図(b)のテーブルを参照する。
図8(a)の通り、通常状態において当否判定結果が外れとなった場合、パターン抽選値が0〜4であればパターン範囲番号「0」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が5〜9であればパターン範囲番号「1」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が10〜19であればパターン範囲番号「2」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が20〜29であればパターン範囲番号「3」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。パターン抽選値が30〜255であればパターン範囲番号「4」の「リーチなし外れ」を選択する。「リーチなし外れ」としては、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0〜2のときは10秒の変動パターン、保留数が3のときは7秒の変動パターン、保留数が4のときは4秒の変動パターンがそれぞれ選択される。
本図では、変動時間別に主に5種類に分類した例を説明するが、サブ基板300においてそれらの変動パターンごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがそれぞれの分類の抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。
「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし外れ」に割り当てられたパターン抽選値の範囲もまた保留数に応じて異なる。保留数が0,1のときは本図(a)に示す通りであるが、保留数が増えるほど「ノーマル1」「ノーマル2」の抽選値範囲が狭くなり、「リーチなし外れ」の抽選値範囲が広くなる。保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンの抽選値範囲が広くされており、変動時間の長い変動パターンが選択される確率が高まる。そのため、保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなり、保留数が多いほど平均的な変動時間が短くなる。保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現できる。
通常状態において当否判定結果が4R大当りまたは16R大当りとなった場合、パターン抽選値が0〜123であればパターン範囲番号「5」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が124〜248であればパターン範囲番号「6」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が249〜252であればパターン範囲番号「7」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が253〜255であればパターン範囲番号「8」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。
通常状態において当否判定結果が2R大当りまたは小当りとなった場合、パターン抽選値が0〜122であればパターン範囲番号「9」のスーパーリーチである「スーパー3」を選択し、パターン抽選値が123〜255であればパターン範囲番号「10」のノーマルリーチである「ノーマル3」を選択する。
第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、いわゆる先読み結果として事前判定結果を演出決定手段303へ送信する場合は、パターン範囲番号の値(0〜10)を、第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値や保留の個数とともに送信する。
時短状態において参照する図8(b)の変動パターンテーブルは、すべて時短用の変動パターンにパターン抽選値が割り当てられている。ただし、パターン抽選値の範囲と変動時間の対応関係は、外れで選択される「リーチなし外れ短縮」以外はすべて図8(a)と同様である。「リーチなし外れ短縮」は、図8(a)における「リーチなし外れ」と同じ抽選値範囲とパターン範囲番号に対応付けられる、相対的に短い変動時間の変動パターン
である。「リーチなし外れ短縮」もまた、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0,1のときは10秒の変動パターン、保留数が2〜4のときは1秒の変動パターンがそれぞれ選択される。
図4に戻り、普図抽選手段213は、作動口32を遊技球が通過したときに抽選値を取得することにより抽選を実行する。普図抽選手段213による抽選の判定結果は、普通図柄表示装置45において普通図柄の形で変動表示される。普図抽選手段213は、普通図柄表示装置45に表示させる普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄判定テーブルを保持する。その図柄判定テーブルには抽選値と普通図柄の対応関係が定められており、普図抽選手段213は普通図柄の停止図柄を図柄判定テーブルを参照して決定する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段275が第2始動口12の普通電動役物90を拡開する。拡開時間は、短開放時が0.1秒で、長開放時で6秒である。普通図柄の抽選値は、保留制御手段240により一時的に保留される。ただし、保留制御手段240により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
保留制御手段240は、特図保留手段241、普図保留手段242を含む。特図保留手段241は、新たに第1当否抽選または第2当否抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第1当否抽選または第2当否抽選に対する図柄変動の開始を保留し、その当否抽選値を対応する図柄の変動表示開始まで記憶する。第1当否抽選について4個を上限に当否抽選値と事前判定結果としての当否範囲、図柄範囲、パターン範囲の設定を記憶し、第2当否抽選について4個を上限に当否抽選値と事前判定結果としての当否範囲、図柄範囲、パターン範囲の設定を記憶する。あるいは、当否抽選値とは別の領域に事前判定の結果を記憶してもよい。普図保留手段242は、普図抽選手段213により取得された普図抽選値を保留球として記憶する。これらの保留数がそれぞれ第1特図保留ランプ71、第2特図保留ランプ72、普図保留ランプ75の点灯数または点滅数により表される。特図保留手段241による保留の数は演出表示装置60にも表示される。
特図保留手段241に保留された第2当否抽選の抽選値は第1当否抽選の抽選値より優先的に消化されて図柄変動が表示される。そのため、第1当否抽選として大当りの抽選値が保留されていても第2当否抽選として抽選値の保留がある限りは第1当否抽選の大当り抽選値に対応する図柄変動は表示されない。したがって、第1当否抽選として大当りの保留があっても、さらに第2当否抽選として大当りの保留が入るまで打ち続けることで、複数回の連続的な大当りを獲得できる可能性がある。
メイン表示制御手段250は、第1特図制御手段251、第2特図制御手段252、普図制御手段254を含む。第1特図制御手段251は、第1抽選手段211による第1当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄51の変動を第1特別図柄表示装置41に表示させる。第1特図制御手段251は、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段252は、第2抽選手段212による第2当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄52の変動を第2特別図柄表示装置42に表示させる。第2特図制御手段252もまた、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1特図制御手段251は、特図保留手段241により第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。一方、第2
特図制御手段252は、特図保留手段241により第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方に抽選値が保留されていた場合、第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて図柄変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその図柄変動も開始しない。
第1特図制御手段251および第2特図制御手段252は、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出制御手段304へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出制御手段304へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出制御手段304へ送信する。これにより、メイン表示制御手段250および演出制御手段304による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段254は、普図抽選手段213による抽選の判定結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置45に表示させる。
特図調整手段276は、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。特図調整手段276は、第1始動口11および第2始動口12のうちいずれに遊技球が入球したかの順序に関係なく、第2始動口12への入球に基づく第2特別図柄52の変動表示を、第1始動口11への入球に基づく第1特別図柄51の変動表示より優先させる。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、つねに第2当否抽選値を優先的に消化させ、第2特別図柄52を連続的に変動表示させる。
なお、変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、第1始動口11および第2始動口12への入球順序にしたがって選択的に変動表示させてもよい。例えば、第1始動口11、第1始動口11、第2始動口12の順序で入球したときは、第1特別図柄51、第1特別図柄51、第2特別図柄52の順序で変動表示される。この場合、特図調整手段276は保留制御手段240を監視して当否抽選値の保留順序を記憶する。どちらの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順、すなわち保留制御手段240における当否抽選値の保留順序にしたがって決定されるので、遊技者は変動の順序を視覚的に把握しやすい。
別の変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、入球順序にかかわらず予め定められた消化順序にて表示させてもよい。例えば、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを交互に表示することを優先してもよい。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、第1特別図柄51と第2特別図柄52とが交互に変動表示される。いずれの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順に関係なく単純に交互に入れ替わるので、遊技者は変動の順序を感覚的に把握しやすい。
特図調整手段276は、また、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方が当り態様で停止されたときは他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。
特別遊技制御手段260は、第1抽選手段211による第1当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の大当り態様で停止されたときに特
別遊技作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口21を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段260は、第2抽選手段212による第2当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口21を開放させることにより特別遊技を実行する。
特別遊技は、第1大入賞口21の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を16回繰り返す16R大当りと、単位遊技を4回繰り返す4R大当りと、16R大当りおよび4R大当りより開放時間が短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りがある。16R大当りは第2当否抽選での大当りであり、4R大当りは第1当否抽選での大当りである。16R大当りおよび4R大当りにおいては、1回の単位遊技において第1大入賞口21を原則として約30秒間開放させる。2R大当りにおいては、1回の単位遊技において第1大入賞口21を約0.2秒間だけ開放させる。特別遊技制御手段260は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。なお、2R大当りとなった場合においても、所定の条件を満たした場合には、16R大当りおよび4R大当りと同様の開放態様で第1大入賞口21を開放させてもよい。
小当り遊技制御手段265は、第1抽選手段211による第1の抽選が小当りを示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に第1大入賞口21を開放させることにより小当り遊技を実行する。同様に、小当り遊技制御手段265は、第2抽選手段212による第2の抽選が小当りを示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に第1大入賞口21を開放させることにより小当り遊技を実行する。
小当り遊技においては、単位遊技が1回実行され、1回の単位遊技において第1大入賞口21を2回開閉する。小当り遊技制御手段265は、1回の開閉あたり第1大入賞口21を約0.2秒間だけ開放させ、小当り遊技全体としては約0.4秒間開放させた後、第1大入賞口21を閉鎖して小当り遊技を終了させる。
特定遊技制御手段270は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。特定遊技制御手段270は、特別図柄が確変への移行を伴う特定大当りの図柄であった場合に、特別遊技の終了後に遊技状態を確変状態、時短状態および入球容易状態へ移行させる。確変状態、時短状態および入球容易状態は、次の大当りが発生するまで継続される。時短状態においては、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、保留制御手段240による当否抽選値の保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、保留制御手段240による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。入球容易状態においては、普通図柄の確変および第2始動口12の開放延長の双方、または第2始動口12の開放延長のみが実施される。すなわち、特定遊技制御手段270は、特定大当りとなった場合に第2始動口12を開放延長状態にさせるとともに、その当否抽選が第2当否抽選であった場合に限りさらに開放抽選の当り確率を通常確率状態より高い確変状態へ移行させる。確変状態の間は第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。
開閉制御手段275は、第2始動口12の普通電動役物90や第1大入賞口21の開閉を制御する。開閉制御手段275は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電役ソレノイド91に開放指示を送り、第2始動口12の普通電動役物90を開放させる。開閉
制御手段275は、通常状態においては開放抽選の結果に応じて短開放または長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させ、入球容易状態においては長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させる。第2始動口12の入球容易性を高め、遊技者が持ち玉を減らさずに遊技を継続できるようにするものである。開閉制御手段275は、特別遊技において、第1大入賞口ソレノイド93に開放指示を送り、第1大入賞口21を開放させる。
図9は、サブ基板の構成を示すブロック図である。サブ基板300は、図柄態様決定手段301、パターン記憶手段302、演出決定手段303、演出制御手段304を備える。
パターン記憶手段302は、装飾図柄61の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄61の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
演出決定手段303は、第1抽選手段211から受け取る第1当否抽選の判定結果または第2抽選手段212から受け取る第2当否抽選の判定結果に応じて、演出制御手段304によって演出表示装置60へ表示し、スピーカ108に出力する演出内容を決定する。演出決定手段303は、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により決定された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンの中からいずれかを選択してパターン記憶手段302から読み出す。演出決定手段303は、読み出した変動演出パターンの情報を演出制御手段304へ送る。演出決定手段303は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段301は、装飾図柄61の停止図柄の組合せとその配置を、第1抽選手段211または第2抽選手段212による抽選の判定結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段301は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出制御手段304へ送信する。図柄態様決定手段301は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄61の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が4R大当りまたは16R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が4R大当りや16R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動演出パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当り図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
時短状態において、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により選択された変動パターンが時短用のパターンであった場合、演出決定手段303は時短用の演出内容が定められた変動演出パターンを選択する。時短用の演出内容は、時短または確変により遊技者に有利な状態であることを印象づける背景映像や音声が出力される演出である。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、役物を動作させる演出パターン、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄61の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターンと、装飾図柄61が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターンとがある。
演出決定手段303は、当否抽選の判定結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定して事前演出設定をするとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段303は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の判定結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の判定結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
演出制御手段304は、第1抽選手段211または第2抽選手段212による当否抽選の判定結果として、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄61を含む演出画像を変動表示させる。演出制御手段304は、装飾図柄61の変動開始コマンドを受け取ったことと、それ以前の第1当否抽選および第2当否抽選に対応する装飾図柄61の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。演出制御手段304は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段303により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置60へ表示させる。
演出制御手段304は、第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保し、第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方について抽選値が保留されていた場合は第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて装飾図柄の変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその装飾図柄の変動も開始しない。このように演出制御手段304は、装飾図柄61の変動表示を含む図柄変動演出を演出表示装置60に表示させる。
演出制御手段304は、装飾ランプ111の点灯および消灯や、可動役物66の動作をさらに制御する。演出制御手段304は、演出表示制御手段305および音声制御手段306を有する。演出表示制御手段305は、演出表示装置60への表示を制御し、音声制御手段306は、スピーカ108からの音声出力を制御する。
図10は、メイン基板200およびサブ基板300のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。メイン基板200は、メインCPU290、メインRAM291、メインROM292などの電子部品を含む。メインROM292には、遊技動作全般を制御するためのメイン制御プログラムおよびデータがあらかじめ格納される。メインROM292からメイン制御プログラムまたはデータがメインRAM291へ読み込まれ、メイン制御プログラムがメインCPU290によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。各入球口からの入球信号や払出制御基板155からの払出信号などは図示しない各種インタフェースを介してメインCPU290により取得される。メインCPU290は、図示しない各種駆動回路により各入賞口ソレノイドや第1特別図柄表示装置41、第2特別図柄表示装置42などの外部装置を駆動制御する。また、メインCPU290からサブ基板300へは、演出制御に必要な命令が当否抽選の結果や図柄の決定結果、変動パターンの決定結果などの情報とともに送信される。メイン基板200からサブ基板300へは、一方向通信で信号が送信される。
メイン基板200からサブ基板300へ送信する命令データは、いわゆるMODEデータと呼ばれる1バイトの命令種別データと、いわゆるEVENTデータと呼ばれる1バイトの命令内容データとの組合せによる2バイト構成である。メイン基板200は、命令種別データおよび命令内容データを対応付けてサブ基板300へ送信することで一命令を送ることができる。命令種別データは、命令の種別を示すビット列であり、あらかじめ命令の種別ごとに開発段階で一意の種別コードを割り当ててある。命令内容データは、命令の内容を示すビット列である。命令種別データおよび命令内容データの最上位ビットは命令種別データと命令内容データのいずれであるかを示す識別ビットであり、最上位ビットが1のときは命令種別データであることを示し、最上位ビットが0のときは命令内容データであることを示す。
メイン基板200からサブ基板300への通信は、1回のデータ送信につき1バイトのデータを送信する仕様のため、2バイトの命令データを送信するために1バイトずつ2回の送信が必要となる。1回目の通信で上位バイトであるMODEデータを送信し、2回目の通信で下位バイトであるEVENTデータを送信する。ノイズ等の影響による通信失敗の可能性を考慮し、メイン基板200は同じデータを連続で送信し、サブ基板300により同じデータが2連続で読み込まれた時点でそのデータの送受信の完了を確定する。2連続で読み込まれるまではメイン基板200は同じデータを繰り返し送信し、最大5回まで送信する。
サブ基板300は、サブCPU310、サブRAM311、サブROM312、演出表示制御装置313、音声制御装置314などの電子部品を含む。サブROM312は、演
出過程が定義された演出パターンデータや演出表示過程が定義された表示パターンデータなどを含むサブ制御プログラムを保持するデータ格納手段の一つである。サブROM312から演出パターンデータ、表示パターンデータ、音声パターンデータを含むサブ制御プログラムがサブRAM311へ読み込まれ、そのサブ制御プログラムによる演出制御がサブCPU310によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。演出ボタン109などの外部装置からの信号は図示しない各種インタフェースを介してサブCPU310により取得される。サブCPU310は、演出パターンデータにしたがって、演出表示制御装置313、音声制御装置314、図示しない各種駆動回路や制御回路により演出表示装置60、スピーカ108、装飾ランプ111、可動役物66などの外部装置を駆動して表示出力、音声出力、ランプ点灯、役物動作による演出を制御する。サブCPU310は、表示パターンデータを演出表示制御装置313へ送信し、音声パターンデータを音声制御装置314へ送信する。なお、本実施例ではサブ基板300が演出表示制御装置313および音声制御装置314を内包する例を説明するが、サブ基板300と演出表示制御装置313および音声制御装置314とは基板として一体化していることを要さず、分離して互いに接続された別個の基板として形成されてもよい。
図11は、演出表示制御装置313のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。演出表示制御装置313は、表示CPU320、表示RAM322、データROM324、表示制御回路326を含む。データROM324は、演出表示に用いられる演出画像データやモーションデータなどの素材データをデータ圧縮した状態で保持するデータ格納手段の一つである。演出画像データは、当否抽選の判定結果などを示す演出オブジェクトとして変動表示や演出表示に用いられる画像であり、例えば装飾図柄変動に用いる装飾図柄のスプライト画像、予告演出に用いるスプライト画像、各種演出に用いる動画といった素材画像である。モーションデータは、各種演出に用いる画像に所定タイミングで演出的な動作を加える場合のその動作が定義されたデータである。
サブCPU310から送られた表示パターンデータに基づいて、その表示パターンデータに指定された演出画像データやモーションデータがデータROM324から表示RAM322へ読み出され、その演出画像データやモーションデータを用いた演出表示が表示CPU320によって実行される。その結果、表示CPU320から表示制御回路326へ演出表示に関するコマンド、演出画像データ、モーションデータが送信され、表示制御回路326により表示制御がなされる。
表示制御回路326は、デコーダ332、描画メモリ334、描画回路336、フレームバッファ338、表示回路340を含み、それぞれがバス330を介して接続される。本図のバス330は、便宜上、システムバス、データバス、アドレスバスなどのバスを包括的に示したものである。
表示CPU320から送られた演出画像データやモーションデータは描画メモリ334に格納され、それらのデータのうち圧縮されたデータはデコーダ332によって復号される。描画メモリ334は、演出画像データやモーションデータをデコーダ332により復号する場合のワークエリアとして用いられたり、描画回路336による描画処理や画像処理を実行する場合のワークエリアとして用いられたりするVRAM(VideoRAM)である。
描画回路336は、描画メモリ334に格納されたデータを用い、表示CPU320から送られたコマンドを順に実行して表示用画像を生成し、その生成された表示用画像を動画像のフレームとしてフレームバッファ338に格納する。フレームバッファ338は、演出表示装置60へ出力すべき動画像のフレームを一時的に格納するバッファメモリとし
てのVRAMである。
表示回路340は、フレームバッファ338に格納された表示用画像を格納された順に映像信号の形で演出表示装置60へ出力する。フレームバッファ338は、例えば2フレーム分のメモリ領域を有し、表示回路340が1フレーム分のメモリ領域から表示用画像を出力する間に、描画回路336が次の表示用画像を生成して、もう1フレーム分のメモリ領域に格納する。
なお、データROM324には、表示制御回路326によりなされる表示制御過程が定義された「詳細表示パターンデータ」が保持されている。このとき、サブCPU310から送られる表示パターンデータは、演出表示過程の概要が定義される「概略表示パターンデータ」ということができる。例えば、概略表示パターンデータには、装飾図柄の変動開始および変動停止タイミングや、複数の動画像の再生順序や、再生開始および停止のタイミングなど、一連の演出表示過程の大まかな流れが定義される。一方、詳細表示パターンデータには、装飾図柄の変動表示を実現するためのスプライト画像の表示順序や、モーションデータに基づく動画像を表示するためのフレーム単位での表示処理順序など、細かな表示制御過程が定義される。
演出表示制御装置313は、サブCPU310から送られた「概略表示パターンデータ」に基づく表示制御をする場合、その処理に必要な「詳細表示パターンデータ」をデータROM324から読み出し、双方の表示パターンデータを用いて表示処理を実行する。したがって、演出表示制御装置313は、「概略表示パターンデータ」および「詳細表示パターンデータ」を含む表示パターデータに基づいて表示制御処理を実行するということができる。そこで、本明細書においては、明示的に言及しない限り、サブROM312に格納される「概略表示パターンデータ」とデータROM324に格納される「詳細表示パターンデータ」を区別せず、単に「表示パターンデータ」という。例えば、演出制御表示手段が、データ格納手段に保持される表示パターンデータに基づき特定の処理をするという場合、この表示パターンデータには、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」を含むものとする。なお、変形例においては、表示パターンデータが、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」とに分かれておらず、双方を兼ねる表示パターンデータがサブROM312またはデータROM324に保持されていてもよい。
本実施例では、演出表示制御装置313のハードウェア構成として、表示CPU320、表示RAM322、データROM324および表示制御回路326が含まれる構成を示している。変形例においては、表示CPU320、表示RAM322、データROM324および表示制御回路326が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、表示制御回路326によって実行されるとした処理が、表示CPU320、表示RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。例えば、演出表示制御装置313に含まれる表示CPU320が、表示制御回路326に含まれるデコーダ332、描画回路336、表示回路340により実行されるとした処理を実行してもよい。また、演出表示制御装置313に含まれる表示RAM322が描画メモリ334やフレームバッファ338の機能を兼ねてもよい。その他、演出表示制御装置313に表示制御回路326が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、表示制御回路326により実行されるとした処理が、表示CPU320、表示RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。
また、本実施例では、サブ基板300のハードウェア構成として、サブCPU310、サブRAM311およびサブROM312の他に、演出表示制御装置313が含まれる構成を示している。変形例においては、サブCPU310、サブRAM311、ROM31
2および演出表示制御装置313が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、演出表示制御装置313によって実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。例えば、サブCPU310が表示CPU320の処理を実行してもよいし、サブRAM311が表示RAM322の機能を兼ねてもよいし、サブROM312がデータROM324の機能を兼ねてもよい。その他、サブ基板300に演出表示制御装置313が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、演出表示制御装置313により実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。
図12は、ぱちんこ遊技機におけるメイン基板200の制御開始処理を示すフローチャートである。電源スイッチ150が投入されると、メインCPU290は、スタックポインタを設定し(S100)、メインRAM291へのアクセスを許可し(S102)、メインCPU290の内蔵レジスタの設定などのハードウェアに関する初期設定を実行する(S104)。
つづいて、RAMクリアスイッチの操作状態、電源断情報フラグの値、及びメインRAM291に格納されているデータの状態に応じて、電源断復帰処理又はメインRAM291の初期化処理を実行する。具体的には、RAMクリアスイッチがONされず、かつ、電源断情報フラグの値と、メインRAM291に格納されているデータとの双方が正常であった場合は、電源断復帰時の処理を実行する。それ以外の場合、すなわち、RAMクリアスイッチがONされた場合、又は、RAMクリアスイッチがONされなかった場合でも、電源断情報フラグと、メインRAM291に格納されているデータとのいずれかが正常でなかった場合は、メインRAM291の初期化処理を実行する。
メインCPU290は、RAMクリアスイッチの操作状態を確認し、RAMクリアスイッチがONされた場合(S106のY)、メインRAM291を初期化する(S116)。RAMクリアスイッチがONされなかった場合(S106のN)、メインCPU290は、電源断情報フラグの値を確認する(S108)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致しなければ(S108のN)、メインRAM291を初期化する(S116)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致すれば(S108のY)、メインRAM291に格納されているデータを検査する(S110)。後述するように、前回の電源断時に処理が正常に終了していれば、メインRAM291に格納されていたデータのチェックサムがメインRAM291に格納されているので、メインCPU290は、チェックサムを用いてメインRAM291のデータを検査する。メインRAM291に格納されているデータが正常でなければ(S112のN)、メインRAM291のデータを初期化する(S116)。メインRAMに格納されているデータが正常であれば(S112のY)、電源断前の状態に復帰するための処理を実行する(S114)。
電源断復帰処理(S114)において、電源投入が正常に行われたことを示す電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、各種エラーの初期設定及び払出制御基板155との通信初期設定を実行する。つづいて、電源断前の未送信分のコマンド要求をクリアし、遊技状態を示す各種情報のコマンド送信を要求する。つづいて、第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。つづいて、第2始動口12及び第1大入賞口21の開放/閉鎖状態を電源断前の状態に復帰させる。つづいて、特別図柄の確率変動機能の作動状態を報知するための処理を実行する。
RAM初期化処理(S116)において、電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、メインRAM291の全領域を0でクリアし、メインRAM291の初期設定及び演出表示器の初期化を実行する。
電源断復帰処理(S114)又はRAM初期化処理(S116)が終了すると、後述する割込処理を起動するためにカウント値をセットし、割込タイマの動作を開始させる(S118)。これにより、以降、所定の時間(例えば4ミリ秒)ごとにタイマ割込が発生し、後述する割込処理が実行される。つづいて、メインCPU290は、遊技機を管理するためのメイン処理を実行する(S120)。
図13は、図12におけるS120のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。メインCPU290は、タイマ割込をいったん禁止し(S200)、ウォッチドッグタイマの動作を開始させ(S202)、電源断を監視する(S204)。図示しない電源電圧監視回路において電源ユニット158から供給される電源電圧の低下が検出されると、電源電圧監視回路からメインCPU290に無条件割込要求信号が入力されることにより実行される電源断記憶処理において、電源断確認データが電源断確認フラグに格納される。したがって、メインCPU290は、電源断確認フラグの値を監視し(S204)、電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致する場合は(S206のY)、電源断のための処理を実行するために、S212に進む。電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致しない場合は(S206のN)、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新するため、初期値乱数更新処理を実行し(S208)、タイマ割込を許可して(S210)、S200に戻る。以降、S200〜S210が繰り返される。タイマ割込が禁止されている間(S202〜S208)にタイマ割込が発生した場合、S210においてタイマ割込が許可された後に、後述する割込処理を実行する。
S206において電源断が検知されると(S206のY)、メインCPU290は、ウォッチドッグタイマをリスタートさせ(S212)、電源断情報フラグの内容を確認する(S214)。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致しない場合は(S214のN)、電源投入時のデータが正常に保存されていないと判断し、電源断異常データを電源断情報フラグに格納して(S216)、S222に進む。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致する場合は(S214のY)、電源投入時のデータが正常に保存されていると判断し、電源断正常データを電源断情報フラグに格納する(S218)。つづいて、次回の電源投入時に、バックアップされたメインRAM291のデータを検査するために、メインRAM291に格納されているデータのチェックサムを算出してメインRAM291に格納する(S220)。つづいて、メインRAM291へのアクセスを禁止して(S222)、電源が落ちるまでループする。
図14は、割込処理の詳細を示すフローチャートである。メイン処理(S120)においてタイマ割込が発生すると、メインCPU290は割込処理を実行する。まず、割込動作条件を設定し(S300)、ウォッチドッグタイマをリスタートさせる(S302)。つづいて、遊技機を管理するため、入力処理(S304)、各種乱数更新処理(S306)、初期値更新型乱数更新処理(S308)、初期値乱数更新処理(S310)、タイマ減算処理(S312)、第2始動口有効期間設定処理(S314)、入賞監視処理(S316)、賞球制御処理(S318)、普通図柄作動ゲート監視処理(S320)、普通図柄制御処理(S322)、普通図柄変動開始監視処理(S324)、始動口監視制御処理(S326)、特別図柄制御処理(S328)、特別電動役物制御処理(S330)、大入賞口有効期間設定処理(S332)、特別図柄変動開始監視制御処理(S334)、異常検知処理(S336)、入球通過時間異常検出処理(S338)、遊技状態表示処理(S340)、ハンドル状態信号検査処理(S342)、LED出力処理(S344)、発射制御信号出力処理(S346)、試験信号出力処理(S348)、ソレノイド出力処理(S350)、演出制御コマンド送信処理(S352)、外部情報出力処理(S354)を順に実行し、次回のタイマ割込を許可して(S356)、リターンする。
入力処理(S304)において、遊技盤面に取り付けられているスイッチ、断線短絡電源異常検知信号、扉・枠の開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、及びタッチ状態信号の入力を監視し、入力状態を示すデータを作成してメインRAM291に格納する。
各種乱数更新処理(S306)において、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値が所定の最大値未満である場合は値をインクリメントして格納し、値が所定の最大値以上である場合は0を格納する。また、変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値から所定値を減算した結果が0以上である場合は減算結果を格納し、0未満である場合は所定の最大値を格納する。これにより、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新される。
初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。それぞれの乱数の値、最大値、及び初期値をメインRAM291から読み出し、乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、最大値を超えた場合は、乱数の値を0とする。また、インクリメントした結果が、初期値に一致した場合は、初期値乱数をメインRAM291から読み出し、初期値を更新する。これにより、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新され、乱数の値が初期値に戻ると、すなわち乱数の範囲を一巡すると、新たに初期値を設定し直して乱数が生成される。
初期値乱数更新処理(S310)において、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。メインRAM291の初期値乱数更新テーブルから初期値乱数を読み出し、初期値乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、上限値を超えていた場合は、初期値乱数の値を0とする。メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)においても、同様の処理が実行される。
タイマ減算処理(S312)において、2バイトタイマを更新する。タイマの値をメインRAM291から読み出し、タイマの値が0以外である場合、値をデクリメントして格納する。タイマの値が0である場合、タイマの更新は実行しない。
第2始動口有効期間設定処理(S314)において、第2始動口12の有効期間を設定する。第2始動口12には、遊技球の入球により賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行される有効期間と、遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行されない無効期間が設定される。後述するように、始動口監視制御処理(S326)において、第2始動口12の無効期間には、第2始動口入賞の監視処理を実行しないので、第2始動口12に遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選は実行されない。第1始動口11、第1大入賞口21、作動口30、一般入賞口33などに、有効期間及び無効期間が設定される場合についても同様である。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」である場合、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納する。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」でない場合、第2始動口有効延長タイマの値が0でなければ、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納し、第2始動口有効延長タイマの値が0であれば、第2始動口有効期間フラグに第2始動口が無効期間であることを示すデータを格納する。
入賞監視処理(S316)において、遊技球のスイッチ通過を検査し、遊技球がスイッチを通過したとき、そのスイッチに無効期間がない、又は、現在有効期間である場合で、
かつ、賞球払い出しがある場合、入賞カウンタを更新する。また、外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成及びコマンドの送信を要求する。
賞球制御処理(S318)において、払出制御基板155からのデータ受信の監視、払出制御基板155へのコマンド送信要求、払出制御基板155へのコマンド送信、及び払出制御基板155からの受信データの検査を、順に実行する。
普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球の作動口30の通過を監視し、遊技球が作動口30を通過したと判断したとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合は、普通図柄の保留数を更新し、普通図柄に係る乱数をメインRAM291に格納する。
普通図柄制御処理(S322)において、普通図柄の状態を監視し、普通図柄制御中と判断した場合、普通図柄表示装置45又は普通電動役物90に係る処理を実行する。普通図柄の状態が「普通図柄変動中」である場合、普通図柄変動中処理を実行し、「普通図柄停止図柄表示中」である場合、普通図柄停止図柄表示中処理を実行し、「普通電動役物作動中」である場合、普通電動役物作動中処理を実行し、「普通電動役物作動終了デモ中」である場合、普通電動役物作動終了デモ中処理を実行する。普通図柄変動中処理において、普通図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、普通図柄の変動時間終了と判断した場合、普通図柄の変動停止設定を行って、普通図柄の状態を「普通図柄停止図柄表示中」に設定する。普通図柄停止図柄表示中処理において、普通図柄の停止図柄表示時間を監視し、普通図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した普通図柄の作動終了設定を実行する。当りの場合は、普通図柄の状態を「普通電動役物作動中」に設定し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態を保存し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態に対応した普通電役ソレノイド91の作動設定を実行する。はずれの場合は、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。普通電動役物作動中処理において、遊技球の普通電動役物90に係る入賞口の入賞を監視し、普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達していないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の監視、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定を行い、一連の普通電動役物90の入口の開放が終了したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。なお、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の終了でないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定は実行しない。普通電動役物作動終了デモ中処理において、普通電動役物90の作動終了デモ時間の監視を行い、普通電動役物90の作動終了デモ時間終了と判断した場合、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。
普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の状態を監視し、「普通図柄変動待機中」であり、かつ、普通図柄作動保留球数の値が0以外である場合、普通図柄の変動を開始させると判断する。普通図柄の変動を開始させると判断した場合、普通図柄作動保留球数をデクリメントし、当り判定、停止図柄の決定、普通図柄の変動パターン番号の設定、及び普通図柄の変動時間の設定を実行する。その後、普通図柄の状態を「普通図柄変動中」に設定し、普通図柄の状態設定、当り判定、及び変動パターン決定に使用したメインRAM291の領域をクリアする。
始動口監視制御処理(S326)において、遊技球の第1始動口11入賞及び第2始動口12入賞を監視する。第1特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合は、内蔵乱数を取得し、取得した内蔵乱数に特別図柄当りソフト乱数の値
を加算した値を、大当り判定で使用する特別図柄当り乱数としてバッファに格納する。また、特別図柄に係る乱数として、図柄乱数及び変動パターン乱数を取得して記憶する。第2特別図柄の保留を第1特別図柄の保留に優先して消化する場合は、当該入賞に係る保留の更新のみを実行するが、特別図柄の保留の消化順序が入賞順である場合は、当該入賞に係る保留の更新のほか、合計保留数の更新及び入賞順序の記憶を実行する。つづいて、始動口入賞時に記憶する乱数に対応した予告演出コマンドを要求するため、遊技機の状態を確認し、コマンド送信期間と判断した場合、当り予告演出要求、当り図柄予告演出要求、パターン予告演出要求を順に実行する。ここで、(1)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第1特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(2)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合のいずれかに該当する場合に、コマンド送信期間であると判断する。つづいて、特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の作動保留球数が更新されたことが、サブ基板300に通知される。以上のように、先読みにおいては、当り、当り図柄、変動パターン、保留球数の4つがセットとしてサブ基板300に送信される。つづいて、第2始動口有効期間フラグの値を検査し、第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が有効期間であることを示すデータである場合、第1始動口入賞の場合と同様に、第2始動口入賞の監視処理を実行する。第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が無効期間であることを示すデータである場合、第2始動口入賞の監視処理は実行しない。なお、保留球数が0であったときに遊技球の入賞を確認した場合には、ここでいったん保留球数を0から1にした上で、後述する変動開始に係る制御処理が実行される。
特別図柄制御処理(S328)において、当り待ち状態の検査を行い、特別電動役物が作動中、すなわち、大当り中又は小当り中である場合、特別図柄制御処理を終了する。特別電動役物が未作動である場合、特別図柄の状態を検査し、「特別図柄変動待機中」であれば、特別図柄制御汎用処理を終了し、「変動開始」であれば、特別図柄変動開始処理を実行し、「特別図柄変動中」であれば、特別図柄変動中処理を実行し、「特別図柄停止図柄表示中」であれば、特別図柄停止図柄表示中処理を実行する。特別図柄変動開始処理において、変動パターン乱数に基づいて特別図柄変動パターンの選択番号を取得し、特別図柄変動パターン番号に対応した変動時間を決定し、サブ基板300に演出表示を開始させるため、変動付加図柄情報、変動パターン、及びキャラクタの情報のコマンドを要求し、特別図柄の状態を「特別図柄変動中」に設定し、特別図柄変動パターンの決定に使用した変動パターン判定領域を0でクリアする。特別図柄変動中処理において、特別図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、特別図柄の変動時間終了と判断した場合、特別図柄の変動停止設定を行って、特別図柄の状態を「特別図柄停止図柄表示中」に設定する。特別図柄停止図柄表示中処理において、特別図柄の停止図柄表示時間を監視し、特別図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した特別図柄の作動終了設定を実行する。当りの場合は、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、特別電動役物が連続して作動する回数の設定を行い、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、及び普通電動役物の開放延長機能を未作動にし、遊技機の状態を大入賞口開放準備中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。当り判定の結果が小当りである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、遊技機の状態を小当り開始デモ中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。当り判定の結果がはずれである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため
、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。
特別電動役物制御処理(S330)において、特別電動役物に係る処理を実行するため、条件装置及び特別電動役物の作動状態を検査し、条件装置が作動中又は特別電動役物が作動中と判断した場合、特別電動役物に係る処理を実行する。特別電動役物の作動状態に応じて、大入賞口開放準備中処理、特別電動役物作動中処理、大入賞口閉鎖中処理、大当り終了デモ中処理、小当り開始デモ中処理、小当り特電作動中処理、小当り大入賞口閉鎖中処理、小当り終了デモ中処理を実行する。
大入賞口有効期間設定処理(S332)において、第1大入賞口21の有効期間判定の結果を保存するため、大入賞口有効時間の値が0である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口無効期間データを格納し、0以外である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口有効期間データを格納する。
特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、特別図柄の作動状態を監視し、特別図柄が変動開始できる状態であるか否かを判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、第2特別図柄の優先消化である場合、(1)大当り中又は小当り中でないこと、(2)第1特別図柄が変動待機中であること、(3)第2特別図柄が変動待機中であること、(4)当該特別図柄の作動保留球数が0以外であること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、入賞順である場合、上記(1)〜(3)に加えて、(5)特別図柄の保留球数の合計が0以外であること、(6)当該判定が消化順序すなわち入賞順と一致すること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。
特別図柄が変動開始できる状態であると判定された場合、当該特別図柄の作動保留球数を減算し、第1特別図柄及び第2特別図柄の保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の保留球数が更新されたことがサブ基板300に通知される。
つづいて、特別図柄の当り判定を実行する。当り判定において、特別図柄当り乱数により、大当り、小当り、はずれのいずれであるかが判定され、判定結果が、特別図柄判定フラグに格納される。つづいて、図柄を決定する。図柄の決定において、当り判定が大当りであった場合、特別図柄当り図柄乱数に基づいて大当り図柄が決定され、小当りであった場合、小当り図柄が決定され、はずれであった場合、はずれ図柄が決定される。
当り判定の結果が大当りであった場合、図柄の決定処理において決定された当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて、特別図柄の確率変動機能の作動内容を判定し、特別図柄の変動時間短縮機能の作動内容や、普通図柄の入賞容易状態を設定など、大当り終了後の遊技状態を設定する。つづいて、特別電動役物が連続して作動する回数や、大入賞口の開放時間の内容など、大当り中の設定を実行する。つづいて、当り判定の結果と、普通図柄の確率変動機能の作動状態に基づいて、大当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定する。つづいて、遊技状態及び当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて選択されたテーブルを参照して、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定する。つづいて、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアし、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
当り判定の結果が小当りであった場合、小当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定し、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定し、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。当り判定の結果がはずれであった場合
、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
異常検知処理(S336)において、磁気検知信号、断線短絡電源異常検知信号、電波検知信号、扉・枠の開放信号を検査し、エラー状態に変化があった場合は、エラー状態を記憶して、サブ基板300に遊技機のエラー状態演出の表示を要求する。エラー状態に変化がなかった場合は、エラー状態の記憶及びエラー状態演出の表示要求は実行しない。
入球通過時間異常検出処理(S338)において、入球通過時間異常を検出するため、各スイッチレベルの連続オン時間の監視を行い、その結果、前回から変化があったと判断した場合、入球通過時間異常の設定、コマンドの送信要求、外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成を順に実行する。連続オン時間が異常ではないと判断した場合は、セキュリティの出力要求の作成は実行しない。
遊技状態表示処理(S340)において、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄の作動保留球数、及び特別図柄の作動保留球数の表示を要求するため、それぞれの表示データを作成する。
ハンドル状態信号検査処理(S342)において、ハンドルのタッチ状態を監視するため、ハンドル状態の検査を行い、検査の結果、ハンドル状態に変化ありと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの減算、ハンドル状態の更新、ハンドル状態監視タイマの設定、及びハンドル状態演出のコマンド送信要求を実行する。検査の結果、ハンドル状態に変化なしと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの設定を実行する。ハンドル状態監視タイマの値をデクリメントした結果が0以外の場合、タイマ減算中と判断して、以降の処理は実行しない。
LED出力処理(S344)において、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄の作動保留球数の表示、普通図柄の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、役物連続作動装置未作動時の特別電動役物の作動状態の表示、打ち分けの表示及びエラーの表示を実行するために、表示の初期化、表示データの取得及び出力を順に実行する。
発射制御信号出力処理(S346)において、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、払出制御基板155との通信状態及び断線短絡電源異常に対応した発射の禁止/許可の設定、及び発射の禁止/許可データの取得を行った後、発射の禁止/許可の信号の出力を実行する。
試験信号出力処理(S348)において、試験装置に出力する信号を作成し、対応した出力ポートに出力する。
ソレノイド出力処理(S350)において、普通電役ソレノイド91及び第1大入賞口ソレノイド93の出力データを出力するために、普通電役ソレノイド91の出力データの取得、第1大入賞口ソレノイド93の出力データの取得及び出力データの出力を実行する。それぞれのソレノイドの作動フラグ及び作動タイマを取得し、取得したソレノイド作動フラグ及びソレノイド作動タイマに対応した出力データを取得する。つづいて、ソレノイド作動タイマを更新し、出力データをソレノイド出力ポートへ出力する。
演出制御コマンド送信処理(S352)において、サブ基板300へ送信するコマンドの送信要求の有無を検査し、送信要求があると判断した場合、要求するコマンドデータを取得し、使用したコマンドバッファを0でクリアし、取得したコマンドデータに対応した
MODEデータの取得、MODEデータの出力、MODEデータの保持、取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得、EVENTデータの出力を順に実行する。
外部情報出力処理(S354)において、外部端子に出力する信号を作成し、作成した信号を外部情報出力ポートに出力する。
上述したメイン基板200の動作過程において使用される乱数について、より詳細に説明する。メイン基板200において使用される乱数には、主に、普通図柄に係る乱数として、普通図柄当り乱数、及び普通図柄変動パターン乱数があり、特別図柄に係る乱数として、特別図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数がある。また、初期更新値型乱数である、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数の初期値を与えるための乱数として、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数がある。
普通図柄当り乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が作動口30を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、当り判定及び停止図柄の決定のために使用される。
普通図柄変動パターン乱数は、例えば0〜232の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が作動口30を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、普通図柄の変動パターンの決定のために使用される。
特別図柄当り乱数は、割込処理の始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、内蔵乱数と特別図柄当りソフト乱数の値を取得し、両者を加算することにより生成され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、大当り判定及び小当り判定を実行するために使用される。
特別図柄当りソフト乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当りソフト乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、上述したように、特別図柄当り乱数を生成するために使用される。
特別図柄当り図柄乱数は、例えば0〜999の値をとり、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)におい
て、当り判定が大当りであった場合に、大当り図柄を決定するために用いられる。
変動パターン乱数は、例えば0〜49999の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。変動パターン乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。変動パターン乱数は、割込処理の特別図柄制御処理(S328)において、特別図柄変動パターンを決定するために用いられる。
普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、それぞれ、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数と同じ範囲の値をとり、メイン処理(S120)の初期値乱数更新処理(S208)及び割込処理の初期値乱数更新処理(S310)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新するときに、それぞれの乱数の初期値として用いられる。
割込処理は、タイマ割込により一定時間ごとに実行されるので、割込処理に含まれる各種乱数更新処理(S306)及び初期値更新型乱数更新処理(S308)も、一定時間ごとに実行される。すなわち、普通図柄当り乱数、普通図柄変動パターン乱数、特別図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数は、一定時間ごとに更新される。これに対して、メイン処理(S120)は、割込処理が終了してから次のタイマ割込が発生するまでの間、すなわち、タイマにより計測される一定時間から割込処理に要した時間を減じた時間だけ繰り返される。割込処理に要する時間は、遊技状態などに応じて異なるので、メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)は、各種乱数更新処理(S306)や初期値更新型乱数更新処理(S308)と異なり、一定時間ごとに実行されるわけではない。これにより、初期値更新型乱数更新処理(S308)において初期値を設定する際に取得される初期値乱数を毎回ランダムにすることができる。
図15は、ぱちんこ遊技機におけるサブ基板300の制御開始処理を示すフローチャートである。サブ基板300の制御を開始すると、サブCPU310はスタックポインタを設定し(S500)、各種の初期設定が完了するまですべての割込を禁止し(S502)、サブCPU310のレジスタ設定やポート初期化といったハードウェアに関する初期設定を実行する(S504)。サブROM312から制御プログラムを読み出してサブRAM311に配置するとともに、制御プログラムにおける各種の変数のうち、初期値のある変数については初期値を設定し、初期値のない変数についてはゼロクリアのデータを設定することにより、サブRAM311を初期化する(S506)。なお、サブ基板300における割込処理は、最優先で実行される割込処理として、電源立ち上げ時の処理と、ウォッチドッグ機能が有効な場合における各種異常発生時のリセット処理とがある。次に実行優先度の高い優先レベル7の割込処理として、メイン基板200から受信するコマンド処理があり、その次に優先度の高い優先レベル3の割込処理として、ウォッチドッグタイマによるCPU暴走検知時のリセット処理がある。次に優先される優先レベル2の割込処理として、表示CPU320との間で送受信されるコマンドに係る処理があり、最も優先度の低い優先レベル1の割込処理として、リアルタイムクロックとの通信処理やランプ、ソレノイド、モータ等の各種デバイス制御処理等がある。以上の各種処理に関する割込が仮に同時に発生した場合には、割込の種類ごとにあらかじめ設定された優先度の高いものから優先して実行される。なお、本図に示す処理は、最優先レベルの割込である電源立ち上
げ時の処理および各種異常発生時のリセット処理と、優先レベル3の割込であるCPU暴走検知時のリセット処理とを含む。
メイン基板200から受信するコマンド以外の割込(優先レベル7)を禁止し(S510)、あらかじめ記憶された全機種用のすべてのエラー情報から当該機種で使用する各種エラー情報を設定する(S512)。装飾ランプ111などのすべてのランプを消灯し(S514)、ウォッチドッグタイマの動作を開始し(S516)、メイン処理を実行する(S518)。通常はS518のメイン処理から本フローへ戻ることはないが、戻ったときはスリープ(小消費電力モード)へ移行する(S520)。
図16は、図15におけるS518のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。図15のS506においてサブRAM311に配置された制御プログラムが正確に配置されているかを本図のメイン処理内でチェックするためにそのチェックを開始する先頭アドレスを取得し(S530)、以降の処理においてすべての割込を許可し(S532)、モータやソレノイド等のデバイスの初期化動作を実行する(S534)。
ウォッチドッグタイマを使用する設定であればウォッチドッグタイマをクリアし(S536)、装飾図柄の外れの組合せがランダムの組合せになるように装飾図柄のカウンタを更新し(S540)、サブCPU310の入力ポートを監視する(S542)。なお、S540はカウンタを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式における処理であるため、外れ図柄となる全ての図柄組合せを組み込んだ抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式の場合にはS540の処理は実行しない。その抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する処理は、S552で後述する通りメイン基板200から特別図柄の停止図柄を示すコマンドを受信したときに実行する。エラー状態を監視して各種エラーを検知したときはそのエラーを報知し(S544)、演出ボタン109の入力状態に応じた処理を実行し(S546)、予告抽選を実行する(S548)。なお、S548における予告抽選は、特に図柄変動開始直後に出現させる予告演出のコマンドをできる限り早期に演出表示制御装置313へ送信するため、抽選処理を1回のループで処理するのではなく複数回のループに分け、図柄変動開始直後に出現させる予告演出を先のループで抽選する。リアルタイムクロック、ランプ、モータ、ソレノイド等のデバイスに対する動作要求があればその動作を実行し(S550)、コマンドバッファに保存されたコマンドを解析し(S552)、コマンド解析直後の場合はS536の処理へ戻り(S554のY)、コマンド解析直後でないときは(S554のN)、空き時間で行えばよい低優先度の処理として抽選用ソフト乱数を更新し(S556)、S536の処理に戻る。なお、S552において、解析するコマンドが特別図柄の変動パターンを示す場合は装飾図柄の変動演出パターンをこのS552の処理にて決定し、解析するコマンドが特別図柄の停止図柄を示す場合は抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式であれば装飾図柄の停止図柄をこのS552の処理にて決定する。
図17は、メイン基板200からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。メイン基板200から受信するメインコマンドは、リセット割込やエラー割込に次いで優先度の高い優先レベル7の割込命令である。メイン基板200から受信したデータを入力ポートへ読みに行き、2回連続で同じデータが読み込まれたときにそのデータを新たなコマンドとして確定し(S600のY)、その確定したコマンドが第1コマンド(MODEデータ)であれば(S602のY)、その第1コマンドを一時記憶領域に保存する(S604)。ハード乱数を後続の処理のために取得し(S606)、元のルーチンに戻る。このようにメイン基板200からメインコマンドの割込があるたびにハード乱数を取得しておくことにより、乱数の取得タイミングに周期性を生じさせず、値のランダム性を高める。S600において読み込まれたデータが2回連続で一致しなければ(最高5回まで読み込み可能)、S602をスキップして元のルーチンに戻る(S600のN)
S602において、確定したコマンドが第1コマンドではなく第2コマンドの場合は(S602のN)、第1コマンドがすでに適切に受信済みであることが確認できれば(S608のY)、コマンドバッファ(コマンドデータ用のリングバッファ)における読み取り位置であるコマンドライトポインタを取得し(S610)、第1コマンドと第2コマンドとをコマンドバッファに保存する(S612)。コマンドバッファに保存されたコマンドデータは、図16のS552において解析される。コマンドライトポインタを更新し(S614)、一時記憶領域に保存させていた第1コマンドをクリアして(S616)、元のルーチンに戻る。S608において第1コマンドが受信済みでないときはS610以降をスキップして(S608のN)、元のルーチンに戻る。
図18は、演出表示制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、サブCPU310から表示CPU320へ演出表示に関するコマンドを送信するための優先レベル2の割込であり、500μs周期で発生する。この割込では、バッファをチェックし(S620)、バッファに送信用のコマンドデータがあれば(S622のY)、そのコマンドデータを読み込み(S624)、表示CPU320へ送信する(S626)。なお、表示CPU320へのコマンドデータの送信は、表示CPU320側で正常受信された旨を示すコマンドをサブCPU310が表示CPU320から受信するまで所定時間間隔で最大3回まで送信を試みる。送信後、バッファの読み出しアドレスの設定を更新し(S628)、元のルーチンに戻る。バッファに送信用のデータがなければ(S622のN)、S624以降をスキップして元のルーチンに戻る。
図19は、サブCPU310が表示CPU320からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。この割込もまた優先レベル2の割込である。サブCPU310が表示CPU320から受信するコマンドは、主にサブCPU310から表示CPU320へ送信したコマンドが正常受信された旨を示すコマンドである。表示CPU320からコマンドを受信した場合、受信したコマンドデータを読み出し(S630)、コマンドを解析し(S632)、コマンドバッファに保存して(S634)、元のルーチンに戻る。
図20は、各種デバイス制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、装飾ランプ111などのランプ制御、可動役物66を駆動するソレノイドやモータの制御、各種タイマの管理制御のための割込であり、1ms周期で発生する。優先度が最も低い優先レベル1の割込であるため、優先レベル2以上の割込を許可し(S640)、演出ボタン109からの入力を示す信号、エラー検知を示す信号、電断を示す信号、モータやソレノイド等の制御対象デバイスへの駆動信号等を入出力するポートの入出力を処理する(S642)。このとき、電断を示す信号が入力された場合は直ちにバックアップ処理へ移行する。モータやソレノイド等のデバイスの制御パターンに基づくカウント処理やS642でポートにデータを書き込むためのバッファのオンオフ制御など、デバイス制御に係るデータを更新し(S644)、演出のタイミングを計るためのタイマを更新し(S646)、演出ボタン109の入力有効時間を管理するためのタイマを更新し(S648)、装飾ランプ111の点灯切換制御や表示CPU320の暴走監視制御等のためのタスク制御用カウンタを更新して16ms周期を作成する(S650)。
なお、装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位は16msである。画像表示制御の1フレームが16msまたは32msであり、その整数倍を装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位としておくことで、ランプ制御と画像表示制御を同期させやすくできる。
また、例えば30秒間のエラー報知といった、比較的長時間の期間をカウントする場合に、仮に1割込(1ms)周期のカウントを用いてしまうとカウント値が必要以上に長くなってしまうが、16ms周期のカウント値とすることによってカウント値を短くすることもできる。
タスク制御には処理0〜15までの16種類のタスクがあり、そのうち1つのタスクが装飾ランプ111の点灯切換制御であり、2つのタスクが表示CPU320の暴走監視制御である。装飾ランプ111の点灯切換制御は、タスク制御用カウンタのカウント値に応じて16割込に1回実行することで16ms周期での切換を実現する。表示CPU320の暴走監視制御は、例えば処理0と処理8に割り当て、タスク制御用カウンタのカウント値が0と8のとき、すなわち8割込に1回、表示CPU320からのトグル信号を監視(S652)することで、8ms周期での監視を実現する。
なお、表示CPU320からは1フレームごとにオンオフ反転するトグル信号が出力されており、このトグル信号が1600ms連続して同じ値のまま変化しない場合に表示CPU320が暴走していると判断し、サブCPU310から表示CPU320へリセット信号を送信し、リセット信号を受信した表示CPU320はリセットを実行する。表示CPU320からは1フレーム(16msまたは32ms)周期でトグル信号を受信するため、その周期より短い8ms周期で監視する。最後に、上述のような例えば30秒間のエラー報知といった比較的長時間のエラー報知期間を管理するタイマを減算し(S654)、そのタイムアウト時にエラー報知が終了する。
図21は、特別図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。第2当否抽選値の保留がなされている場合(S700のY)、第2当否判定手段222が第2当否抽選値を読み出して第2特別図柄52の当否を判定し(S702)、第2当否判定手段222が第2特別図柄52の停止図柄を決定し(S704)、第2変動パターン決定手段232が第2特別図柄52の変動パターンを決定し(S706)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第2特別図柄52の図柄変動を開始する(S716)。
第2当否抽選値の保留がなされていない場合であって(S700のN)、第1当否抽選値の保留がなされている場合(S708のY)、第1当否判定手段221が第1当否抽選値を読み出してあらためて第1特別図柄51の当否を判定し(S710)、第1当否判定手段221が第1特別図柄51の停止図柄を決定し(S712)、第1変動パターン決定手段231が第1特別図柄51の変動パターンを決定し(S714)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第1特別図柄51の図柄変動を開始する(S716)。第1当否抽選値の保留がなされていない場合はS710からS722までの処理をスキップする(S708のN)。
特別図柄の図柄変動表示を処理し(S718)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達するまでS718を繰り返し(S720のN)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S720のY)、変動停止コマンドをサブ基板300へ送信して表示中の図柄変動をあらかじめ決定された停止図柄にて停止し(S722)、特別図柄の変動表示を終了する。
図22は、装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。サブ基板300の演出決定手段303がメイン基板200から変動開始および演出表示内容を示すコマンドを受信し(S750)、受信した特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて装飾図柄の停止態様を決定し(S752)、変動パターンに対応する変動演出パターンを決定する(S754)。ここで、事前判定により前兆設定がオンになっている場合(S756のY)、すでに決定されている変動演出パターンが、予告演出との重畳表示を回避
すべき特定の演出内容が含まれたパターンでない場合であって(S758のN)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動でなければ(S760のN)、所定の予告演出を表示すべき設定を実行し(S764)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動である場合は(S760のY)、前兆設定をオフする(S762)。前兆設定がオンでない場合や(S756のN)、変動演出パターンに特定の演出内容が含まれる場合は(S758のY)、S760からS764の処理をスキップする。
その後、装飾図柄の変動演出表示を開始し(S766)、装飾図柄の変動演出表示処理と(S768)、予告演出の表示処理を実行し(S770)、メイン基板200から変動停止コマンドを受信するまでS768とS770を繰り返し(S772のN)、変動停止コマンドを受信したときに(S772のY)、S752で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止し(S774)、装飾図柄の変動演出を終了する(S776)。
図23は、特別遊技の過程を示すフローチャートである。まず、演出表示制御手段305が特別遊技の演出処理を開始し(S800)、開閉制御手段275が第1大入賞口21を開放する(S802)。所定の開放時間が経過せず(S804のN)、第1大入賞口21への入球数も9球以上に達していなければS804に戻り(S806のN)、所定の開放時間が経過したか(S804のY)、開放時間が経過していないものの(S804のN)、第1大入賞口21への入球数が9球以上に達した場合(S806のY)、開閉制御手段275が第1大入賞口21を閉鎖させる(S810)。
単位遊技が最終ラウンドに達していなければ(S810のN)、ラウンド数に1を加算してS802に戻り(S812)、単位遊技が最終ラウンドに達していた場合は(S810のY)、演出表示制御手段305は特別遊技の演出処理を終了させ(S814)、特別遊技制御手段260は特別遊技を終了させ(S816)、特定遊技、すなわち確変、時短、入球容易状態の実行を開始する(S818)。
図24は、小当り遊技の過程を示すフローチャートである。まず、第1大入賞口21を開放させ(S820)、所定の開放時間を経過するまで開放を継続させ(S822のN)、開放時間を経過した場合(S822のY)、第1大入賞口21を閉鎖し(S824)、設定回数分の開閉が終了していなければ(S826のN)、開閉回数に1を加算してS820に戻り(S828)、設定回数分の開閉が終了していれば(S826のY)、小当り遊技を終了する。
<実施例>
本実施例においては、上述の前提技術を基本構成とする他、種々の特徴的な構成を有する。以下、前提技術との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。
本実施例における弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、所定の入球口への入球を契機に抽選値を取得して当否を判定する当否判定手段と、判定の結果を示す図柄が変動表示される図柄表示装置と、図柄の変動表示を制御する表示制御手段と、判定の結果が当りとなって図柄として当り図柄を表示した場合に所定の開閉可能な機構を開放させる開閉制御手段と、を備える。表示制御手段は、図柄の変動停止から開閉可能な機構の開放または図柄の次の変動開始までの停止状態を維持する期間である停止維持期間として所定の長さの第1の期間を設けることを原則とする一方、図柄が当り図柄にて停止された場合には停止維持期間として設ける期間を第1の期間より短い第2の期間とし得る。
「開閉可能な機構」に対する入球有無を判定するためにその閉鎖タイミングから次の最短での開放タイミングまでの間に所定の判定猶予期間が確保されてもよい。「第1の期間
」は、図柄停止を外観上認識可能とするのに必要な時間であって、例えば500ミリ秒以上の期間が設定されてもよい。この「第1の期間」と図柄変動表示期間を足した期間を図柄変動の1回のサイクルとした場合、そのサイクルは、サイクルの開始直前に閉鎖された「開閉可能な機構」に対する判定猶予期間を包含し得る長さの期間であってもよい。
「第2の期間」は、限りなく短くすることが望ましいが、後続の処理ないし制御のために確保されるべき必要な時間を最低限包含してもよく、開閉可能な機構の開放要否を判定するための最小処理時間以上の時間であってもよい。CPUの1回の命令サイクルが4ミリ秒の場合、例えば2サイクル分の8ミリ秒を「第2の期間」として設定してもよい。
図柄が当り図柄にて停止された場合、その後に「開閉可能な機構」が開放されることとなるが、通常その開放期間中は次の図柄変動は開始されずに停止状態のまま待機することとなる。したがって、当り図柄にて停止する場合には、仮に「停止維持期間」をゼロまたは短くしたとしても開放期間における事実上の停止期間が加算されて結果として停止状態の期間も長くなり得る。そのため、当り図柄にて停止する場合には、開放期間の分だけ停止維持期間を短くしても、停止図柄を外観上認識可能にするという目的は果たせる。特に、開放期間が十分に長い場合には、停止維持期間を極端に短くすることが可能となる。
図柄が外れ図柄にて停止された場合には停止維持期間として第1の期間を設けるが、図柄が当り図柄にて停止された場合であっても遊技状態によっては停止維持期間として第2の期間ではなく第1の期間を設ける構成としてもよい。例えば以下の構成が考えられる。
所定の移行条件を満たした場合に、通常遊技においてあらたに大当りを獲得する容易性が通常状態より有利となる状態である特定遊技状態に移行させるとともに、特定遊技状態においては開閉可能な機構の開放時間を通常状態における開放時間より長くする特定遊技制御手段をさらに備えてもよい。表示制御手段は、特定遊技状態に限って図柄が当り図柄にて停止された場合に停止維持期間として第2の期間を設け、通常状態の場合および図柄が外れ図柄にて停止された場合には停止維持期間として第1の期間を設けてもよい。ただし、通常状態においても十分に1球または複数球の入球が高い確率で期待できる程度に開放時間が十分に長い時間に設定される仕様の場合には、特定遊技状態へ移行しているか否かにかかわらず、当り図柄にて停止されたときに一律に停止維持期間を第2の期間としてもよい。
本実施例における弾球遊技機は、別の観点から捉えた場合、以下のように表現することもできる。すなわち、表示制御手段は、図柄の変動停止から開閉可能な機構の開放または図柄の次の変動開始までの停止状態を維持する期間として所定時間の停止維持期間を設ける一方、停止維持期間を短縮させても図柄の変動停止状態を実質的に前記所定時間以上の時間が確保できる所定の状況においては停止維持期間を短縮させてもよい。表示制御手段は、図柄の変動停止状態を実質的に前記所定時間以上の時間が確保できる所定の状況においては、開閉可能な機構の開放要否を判定するための最小処理時間以上の時間まで停止維持期間を短縮させてもよい。
停止維持期間は、あくまで図柄の変動停止状態を表示するために確保すべき最低限の期間であって、遊技状況に応じて結果的に停止維持期間より長く図柄停止が表示されることを妨げず、停止維持期間より長く図柄の変動停止状態を維持し得る。例えば図柄停止直後に「開閉可能な機構」が開放される場合や、遊技球の入球や保留がなく次の図柄変動が直ちに開始されない場合などである。
本実施例においては、図柄変動の制御処理において、積極的に停止維持期間を確保しなくとも図柄停止状態の視認性に影響を及ぼさないと考えられる状況においては停止維持期間を短くすることにより、全体の処理の効率性を高め、より短時間での図柄変動の連続実
行を促進することができる。
上記の「図柄」および「開閉可能な機構」の組合せは、普通図柄と始動入賞口の拡開機構の組合せであってもよいし、特別図柄と大入賞口の組合せであってもよい。それらの場合、例えば以下のような構成であってもよい。
遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する契機となる始動入賞口と、その判定の結果を示すための特別図柄が表示される特別図柄表示装置と、「開閉可能な機構」として始動入賞口に設けられ、その開閉により始動入賞口への入球容易性を変化させる拡開機構と、「所定の入球口」として遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が拡開機構の開放有無を決定する開放抽選の契機となる作動口と、をさらに備えてもよい。「図柄表示装置」は、開放抽選の結果を示すための普通図柄が変動表示される普通図柄表示装置であってもよい。
「所定の入球口」として遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かの当否判定を実行する契機となる始動入賞口と、始動入賞口に設けられ、その開閉により始動入賞口への入球容易性を変化させる拡開機構と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が拡開機構の開放有無を決定する開放抽選の契機となる作動口と、開放抽選の結果を示すための普通図柄が変動表示される普通図柄表示装置と、「開閉可能な機構」として遊技領域の所定位置に設けられ、特別遊技において開放されて遊技球の入球が賞球付与の契機となる大入賞口と、をさらに備えてもよい。「図柄表示装置」は、当否判定の結果を示すための特別図柄が変動表示される特別図柄表示装置であってもよい。
「図柄」は、所定回数以上の点滅によって図柄変動を示すランプで構成されてもよい。「所定回数以上の点滅」は、その点滅によって図柄変動中であることが遊技者から十分に認識できるようにするための点灯と消灯の繰り返しであり、その繰り返しの最少回数である「所定回数」は例えば2回である。ただし、複数のランプで「図柄」を構成する場合など、点滅の繰り返し最少回数である「所定回数」を1回としてもよい。図柄の変動効率を極限まで高めて、より短時間での図柄変動の連続実行を図る場合、図柄の点滅回数や点灯と消灯の間隔を小さくすることも技術的には考えられる。しかし、これらを小さくする場合には図柄変動を外観上認識させることが困難となり得るため、点滅の最少回数や点灯と消灯の最小間隔は確保しておく必要がある。本実施例では、それら点滅の最少回数や点灯と消灯の最小間隔を必要以上に減らすことなく、所定条件の下で停止維持期間を短くするだけで図柄の変動効率を高めて、より短時間での図柄変動の連続実行を図ることができる。
本実施例の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が第1の抽選の契機となる第1の始動入賞口と、遊技領域において第1の始動入賞口と異なる所定位置に設けられ、遊技球の入球が第2の抽選の契機となる第2の始動入賞口と、第1の始動入賞口または第2の始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、当否判定の結果を示すための特別図柄が変動表示される特別図柄表示装置と、特別図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、第1の始動入賞口または第2の始動入賞口へ新たな入球があったときにそれ以前の入球に対応する特別図柄変動が表示されている場合、所定個数を上限に新たな入球に対応する抽選値をその図柄変動の表示開始まで保留として記憶する保留制御手段と、特別図柄の変動表示を制御するとともに、第1の抽選および第2の抽選のうち一方の図柄変動を表示するときは他方の図柄変動を待
機させる一方、第2の抽選の図柄変動開始タイミングとなった場合は第1の抽選における抽選値が保留されていても第2の抽選の図柄変動を優先して実行する表示制御手段と、当否判定の結果が大当りであった場合に特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、特別遊技の終了後、所定の移行条件を満たした場合に、通常遊技においてあらたに大当りを獲得する容易性が通常状態より有利となる状態である特定遊技状態に移行させる特定遊技制御手段と、を備えてもよい。第2の始動入賞口は、特定遊技状態において通常状態より入球容易性が高められ、特定遊技制御手段は、特定遊技状態として、第1の抽選および第2の抽選が大当りとなる確率が通常確率状態より高められる確率変動状態へ移行し得るとともに、第2の抽選にて大当りとなった場合には第1の抽選にて大当りとなる場合より確率変動状態へ移行する確率が高く、変動パターン決定手段は、特定遊技状態においては、通常状態にて選択する通常変動パターンよりも変動時間が短縮された短縮変動パターンを選択する一方、第2の抽選に対応する図柄変動の変動パターンを選択するにあたり、保留制御手段による第2の抽選の抽選値保留がなくなる場合であって第1の抽選の抽選値保留がある場合には、特定遊技状態であっても短縮変動パターンの選択を規制してもよい。
第1の抽選にて大当りとなる場合の確率変動状態へ移行する確率が例えば約50〜60%なのに対し、第2の抽選にて大当りとなる場合の確率変動状態へ移行する確率は例えば約100%であるなど、第1の抽選と第2の抽選とで遊技者の得られる利益が大きく異なる。このように第1の抽選と第2の抽選とで利益に大きな差が存在するため、第2の抽選がなされ得る状況では、より確実に第2の抽選が実行されるよう担保することで、誤って第1の抽選が実行されることを回避する必要がある。
「第2の抽選の抽選値保留がなくなる場合」とは、特定遊技状態への移行直後に第2の抽選に対応する図柄変動が開始される前の段階で「第2の抽選の抽選値保留」が「1」であり、図柄変動の開始とともに「第2の抽選の抽選値保留」が「0」になる場合をいう。このとき「第1の抽選の抽選値保留」がある場合、第2の抽選に対応する図柄の変動時間が短縮されてしまうと直ちに「第2の抽選の抽選値保留」が「0」になってしまい、続いて「第1の抽選の抽選値保留」に対応する図柄変動が開始されてしまうおそれがある。そのため、図柄変動の開始とともに「第2の抽選の抽選値保留」が「0」になってしまう場合には第2の抽選の変動時間を短縮せずに長い時間とする。一方、「第1の抽選の抽選値保留」がない場合、第2の抽選に対応する図柄変動が実行されてその抽選値保留がゼロになったとしても直ちに第1の抽選に対応する図柄変動は実行されないため、第2の抽選の変動時間を長くする必要がないことから、第2の抽選の短縮変動パターンを選択する。これにより、遊技状況に応じて適切に図柄の変動効率を高めて、より短時間での図柄変動の連続実行を図ることができる。
「短縮変動パターンの選択を規制」は、短縮変動パターンを100%選択しないことであってもよいし、100%ではないが短縮変動パターンはほぼ選択しないことであってもよい。
本実施例の弾球遊技機においては、変動パターン決定手段は、特定遊技状態においては、通常状態にて選択する通常変動パターンよりも変動時間が短縮された短縮変動パターンを選択する一方、通常状態のときに第1の抽選または第2の抽選が大当りとなった場合の特別遊技終了後の特定遊技状態においては、第2の抽選に対応する初回の図柄変動の変動パターンとして、第1の抽選の抽選値保留がある場合には短縮変動パターンの選択を規制してもよい。
より短時間での図柄変動の連続実行を実現する構成を備えてもよい。そのような構成は、例えば以下の通りである。
第2の始動入賞口に設けられ、その開閉により第2の始動入賞口への入球容易性を変化
させることで、通常状態においては第1の始動入賞口より入球困難にさせ、第1の始動入賞口より入球容易にさせる拡開機構と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が拡開機構の開放有無を決定する開放抽選の契機となる作動口と、開放抽選の結果を示すための普通図柄が変動表示される普通図柄表示装置と、をさらに備えてもよい。第2の始動入賞口への入球数とその入球に対する賞球数が同数に設定されており、第2の始動入賞口および拡開機構は、作動口を通過した遊技球が入球容易となる形の位置関係で設けられ、特定遊技制御手段は、特定遊技状態において、開放抽選の当り確率を通常状態における当り確率より高くし、普通図柄の変動時間を通常状態における変動時間より短縮し、拡開機構の開放時間を通常状態における開放時間より長くしてもよい。
遊技領域において作動口から第2の始動入賞口への経路にある所定位置に設けられ、開閉機構を有するとともに特別遊技において開放されてその入球が賞球の契機となる大入賞口として、閉鎖時には遊技球を第2の始動入賞口へ誘導する通路を形成する第1の大入賞口と、内部に設けられた特定領域への遊技球の入球をもって確率変動状態へ移行する旨の決定をする第2の大入賞口と、をさらに備えてもよい。第2の大入賞口は、第2の抽選にて大当りとなった場合には相対的に長い開放時間にて開放される確率が第1の抽選にて大当りとなる場合より高くてもよい。あるいは、第2の大入賞口は、第2の抽選にて大当りとなった場合には第1の抽選にて大当りとなる場合より高い確率または100%の確率で開放される一方で、第1の抽選にて大当りとなった場合には相対的に短い開放時間での開放しかされない仕様または開放されない場合がある仕様としてもよい。あるいは、第2の大入賞口は、第2の抽選にて大当りとなった場合には第1の抽選にて大当りとなる場合より高い確率または100%の確率で特定領域へ入球するように制御される一方で、第1の抽選にて大当りとなった場合には特定領域へ入球しないように制御される仕様または入球しない場合があるように制御される仕様としてもよい。第2の大入賞口の内部には、特定領域および通常領域のいずれに入球するかを振り分けるための振り分け機構が設けられてもよく、第2の抽選にて大当りとなった場合には第1の抽選にて大当りとなる場合より高い確率または100%の確率で特定領域へ入球するように振り分け機構が制御される一方で、第1の抽選にて大当りとなった場合には特定領域へ入球しないように制御される仕様または入球しない場合があるように第2の大入賞口または振り分け機構が制御される仕様としてもよい。これにより、第1の抽選で大当りとなった場合には確率変動状態へ移行する確率が相対的に低くなり、第2の抽選で大当りとなった場合には確率変動状態へ移行する確率が相対的に高くなるか、実質的に100%の確率で移行させることもできる。
遊技領域の右側へ発射した遊技球が入球可能な位置に第3の始動入賞口を設け、その第3の始動入賞口への入球は第2の始動入賞口への入球として処理され、第1の始動入賞口は、遊技領域の右側へ発射するより左側へ発射した方が入球容易となる位置に設けられ、第2の始動入賞口は、特定遊技状態において遊技領域の左側へ発射するより右側へ発射した方が入球容易となる位置に設けられ、第1の大入賞口および第2の大入賞口は、遊技領域の左側へ発射するより右側へ発射した方が入球容易となる位置に設けられ、作動口は、遊技領域の左側へ発射するより右側へ発射した方が入球容易となる位置に設けられてもよい。
第3の始動入賞口は、必ずしも入球容易ではない位置に設けられ、頻繁に入球することはないが、遊技領域の右側へ発射していれば一定の低い頻度にて入球することがある。大入賞口が遊技領域の右側へ発射した方が入球容易となる位置に設けられているため、特別遊技においては遊技者は遊技領域の右側へ向かって発射することとなるが、そのうちの1球ないし2球程度が特別遊技の間に第3の始動入賞口へ入球し得る程度の入球率となるように、第3の始動入賞口の配置が設計される。
(盤面構成)
図1にしたがって本実施例の盤面構成を説明する。本実施例における大入賞口は、第1大入賞口21および第2大入賞口22の組合せで構成される。第1大入賞口21および第2大入賞口22は、いずれも開閉可能な機構を有するが、第1大入賞口21ではスライド式の蓋が横方向に開閉するのに対し、第2大入賞口22では扉が前後方向に開閉する点で相違する。第1大入賞口21は、遊技領域の右側に設けられ、箱形状であってその正面の形状は右端部が左端部より高くなるように平行四辺形となっているため、箱形の第1大入賞口21の上面に遊技球が載ると右から左の方向へ重力で転動する。上面における左側(すなわち低い位置)にスライド式の蓋が設けられ、その蓋がスライドして開口部が露出すると、右から左へ流れる遊技球がほぼ確実にすべて開口部に落入し、第1大入賞口21への入球となる。逆にスライド式の蓋で開口部が閉鎖されている間はその蓋の上を遊技球が転動して通過し、第1大入賞口21の左方に位置する第2始動口12へ向かって遊技球が誘導される。第1大入賞口21と第2始動口12の間には第1大入賞口21から第2始動口12へ向けて図示しない複数の遊技釘が並んで設けられており、その遊技釘の間隔は遊技球が間をすり抜けない程度に短いため、第1大入賞口21の上面を流れた遊技球は第2始動口12との間に落ちることなくすべて第2始動口12へ誘導される。したがって、第1大入賞口21が閉鎖されている通常遊技中は、第2始動口12が開放されている間はほぼ確実にすべて第2始動口12へ入球することとなるが、第2始動口12が開放されていなければすべて第2始動口12へ入球せずにその横から落ちてアウト口34へ流れる。
第1大入賞口21は、作動口32を通過した遊技球が入球し得る位置、すなわち作動口32の下方や作動口32の下方かつ左側などの位置に設けられる。第1大入賞口21の右方にも図示しない複数の遊技釘が設けられ、作動口32を通過した遊技球に限らず、遊技領域の右側へ向けて発射された遊技球、いわゆる右打ちした遊技球のほぼすべてが第1大入賞口21の右方を通過してアウト口34へ直接向かうことがない。すなわち、第1大入賞口21の右方へ流れた遊技球は第1大入賞口21の右方に設けられた複数の遊技釘によって第1大入賞口21へ誘導され得るように設計されている。
第2大入賞口22は、第1大入賞口21の右端部上方、すなわち、作動口32を通過した遊技球や右打ちした遊技球が入球し易い位置に設けられる。第2大入賞口22は、遊技球の入球を検出するための第2大入賞検出装置27と、第2大入賞口22を開閉させるための第2大入賞口ソレノイド94を備える。第2大入賞口22の内部には、図示しない特定領域および通常領域が形成されるとともに、特定領域および通常領域のいずれかに遊技球を振り分ける、図示しない振り分け機構が設けられている。第2大入賞口22へ遊技球が入球してこれを第2大入賞検出装置27が検出すると、大入賞口への入賞として賞球付与がなされるだけでなく、さらに特定領域への入球を検出するとその特別遊技の終了後に確変へ移行する旨の決定がなされる。第2大入賞口22の特定領域への入球有無によって確変移行有無が決定されるため、いわゆる機械抽選としての役割を持つ。第1始動口11への入賞に起因する大当りによる特別遊技においては、第2大入賞口22が相対的に長い時間開放される確率は約50〜60%であるため、確変移行確率は約50〜60%となる。この場合の第2大入賞口22は、逆に約40〜50%の確率で一瞬開放しかされず、しかも一瞬開放の場合には振り分け機構によって特定領域へ入球しない制御がなされるため、事実上、確変移行しない。一方、第2始動口12への入賞に起因する大当りによる特別遊技においては、第2大入賞口22は相対的に長い時間(例えば入球があるまで)開放され、遊技球を右打ちする限りほぼ確実に1球以上入球し得る上に振り分け機構がほぼ100%特定領域へ誘導するため、実質的に入球確率および確変移行確率は100%となる。
通常状態においては第2始動口12はほとんど開放されないため、第1始動口11への入球を狙うことから、通常状態において発生する大当りにおいては、確変移行確率は約50〜60%となる。一方、確変状態ないし時短状態においては、第2始動口12が開放されるため第2始動口12への入球を狙うことから、確変状態ないし時短状態において発生
する大当り、例えば「連チャン」においては確変移行確率が実質的に100%となる。なお、第1始動口11および第2始動口12のどちらへの入球を契機とする大当りであるかを問わず、複数の単位遊技で構成される特別遊技において、いずれか1回または2回の単位遊技において第2大入賞口22が開放され、残りの単位遊技では第1大入賞口21が開放される。第2始動口12への入球を契機とする場合は、1回または2回の単位遊技にて100%の確率で相対的に長い開放時間での第2大入賞口22の開放が実行される。一方、第1始動口11への入球を契機とする場合は、1回または2回の単位遊技にて約50〜60%の確率でしか相対的に長い開放時間での第2大入賞口22の開放が実行されない。
通常遊技中、第1大入賞口21のスライド式の蓋が閉じられ、第2大入賞口22も開放されない。特に時短状態または確変状態において遊技者が右打ちする間は、右打ちした遊技球はほぼすべて第1大入賞口21の上面を転動して第2始動口12へ誘導される。通常状態においては、第2始動口12は開放抽選で当りとなっても一瞬(例えば約0.5秒間の1回)しか開放されないためほとんど入球は期待できないが、時短状態または確変状態においては第2始動口12は開放抽選で当りとなるたびに相対的に長い時間(例えば約6秒間)にわたって1回開放され、その間に10球程度の入球が期待できる。時短状態および確変状態における第2始動口12の開放時間は、右打ちした遊技球が10個程度入球するのに必要な時間を実験値に基づいて設計され、本実施例でも約6秒間の開放により10個以上の遊技球がほぼ確実に入球する。
第3始動口13は、遊技領域の右側において、作動口32から第2始動口12への経路からやや外れた位置であって必ずしも入球容易ではない位置に設けられる。したがって、頻繁に入球することはないが、右打ちしている限り一定の低頻度にて入球し得る。その頻度としては、特別遊技中にずっと右打ちを継続した場合に1〜2球程度が第3始動口13へ入球し得る程度の入球率となるように第3始動口13や遊技釘の配置が設計される。第3始動口13は第3始動入賞検出装置18を有する。第3始動入賞検出装置18は、第3始動口13への遊技球の入球を検出するセンサであるが、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。すなわち、第2始動口12への入球とみなされ、第3始動口13は第2始動口12と同様の役割を持ち、第2の抽選の契機となる。したがって、「第2の始動入賞口」は実質的に2つの始動入賞口の組合せで構成されているに等しい。その結果、特別遊技終了後の初回の図柄変動に際して、高い確率で第2の抽選の抽選値が1個程度は保留されている状態が形成され、その時点から第2の抽選の抽選値が1個も保留されていない状況は低くなる。これにより、初当りの直後に最初から第1特別図柄51の図柄変動が開始されてしまう事態を避けやすくなる。
第1始動口11および第3始動口13への入球に対して付与される賞球が3個であるのに対し、第2始動口12への入球に対して付与される賞球は1個である。すなわち、賞球数として考え得る最少球数であり、第2始動口12への入球数と賞球数が同数であることを意味する。これにより、いくら第2始動口12へ多数の入球をさせてもその賞球によって持ち玉を増やすことはできない一方、本実施例のように時短状態ないし確変状態において右打ちした遊技球がほぼすべて第2始動口12へ入球し得る状況においては持ち玉はほとんど減らすことがない。逆に、通常状態において第2始動口12への入球を狙って仮に右打ちした場合、滅多に賞球が得られない上に賞球が出ても1球しかないため、大幅に持ち玉を減らすこととなる。第3始動口13への入球を狙って右打ちした場合でも、滅多に入球しないため大幅に持ち玉を減らすこととなる。そのため、通常状態において第2始動口12や第3始動口13を狙う実益に乏しく、よって第1始動口11を狙うこととなる。同様に、不正行為によって第2始動口12への入球を試みたとしても、持ち玉はほとんど増えることはなく、得られる利益が乏しいため、不正行為の抑止にも繋がる。
(遊技状態の遷移)
図25は、遊技状態の遷移を示す。最初に、通常状態、すなわち確変へ移行しておらず、時短にも移行していない非確変非時短状態600で遊技が開始される。非確変非時短状態600において大当りとなった場合、その特別遊技において第2大入賞口22の特定領域に入球があれば特別遊技終了後に確変状態と時短状態へ移行するため確変時短状態602へ遷移するが(S900)、第2大入賞口22の特定領域に入球がなければ特別遊技終了後に確変状態へは移行しないため非確変時短状態604へ遷移する(S902)。非確変非時短状態600から大当りとなって確変時短状態602や非確変時短状態604へ遷移する場合のその大当りを「初当り」と呼ぶ。
確変時短状態602および非確変時短状態604においては、遊技者は右打ちをして第2始動口12や作動口32への入球を狙うこととなり、第2始動口12への入球に起因して大当りが発生すれば実質的に100%の確率で第2大入賞口22の特定領域へ入球して特別遊技終了後に確変へ移行することとなる。非確変時短状態604から時短終了までにそのような大当りが発生すれば確変時短状態602へ遷移し(S904)、確変時短状態602からそのような大当りが発生すれば再び確変時短状態602が維持される(S906)。これらの場合を「連チャン」と呼ぶ。一方、確変時短状態602において第1始動口11への入球に起因して大当りが発生した場合、第2大入賞口22の特定領域へ入球すれば再び確変時短状態602が維持されるが(S906)、第2大入賞口22の特定領域へ入球しなければ非確変時短状態604へ遷移する(S918)。また、非確変時短状態604において第1始動口11への入球に起因して大当りが発生した場合、第2大入賞口22の特定領域へ入球すれば確変時短状態602へ遷移するが(S904)、第2大入賞口22の特定領域へ入球しなければ再び非確変時短状態604が維持される(S922)。これら確変時短状態602や非確変時短状態604から第1始動口11への入球に起因して大当りが発生して確変時短状態602や非確変時短状態604へ遷移または維持される場合も「連チャン」である。
確変時短状態602からそのまま大当りが発生せずに時短終期回数に達して時短が終了した場合は確変非時短状態606へ遷移し(S908)、非確変時短状態604からそのまま大当りが発生せずに時短終期回数に達して時短が終了した場合は非確変非時短状態600へ戻る(S910)。確変非時短状態606および非確変非時短状態600では、第2始動口12への入球が再び困難となるため、左打ちして第1始動口11を狙うこととなる。確変非時短状態606において大当りとなった場合、第2大入賞口22に入球があれば特別遊技終了後に確変時短状態602へ遷移するが(S912)、第2大入賞口22に入球がなければ特別遊技終了後に非確変時短状態604へ遷移する(S914)。
なお、確変に終期回数が設定されている仕様の場合、確変終期回数と時短終期回数が同数であれば、確変時短状態602から確変の終了とともに時短も終了となって非確変非時短状態600へ戻る(S916)。確変終期回数が時短終期回数より少ない場合、確変時短状態602から確変終期回数に達して確変が終了すると非確変時短状態604へ遷移する(S918)。確変非時短状態606からは、確変が終了すると非確変非時短状態600へ戻る(S920)。
(普通図柄)
普通図柄表示装置45は、2つのランプのうち第1ランプ(例えば左側のランプ)が点灯したときに当りを示し、第2ランプ(例えば右側のランプ)が点灯したときに外れを示す。一方が点灯するときは他方が消灯し、それぞれ点灯と消灯を交互に繰り返すことで普通図柄の図柄変動を表現する。点灯期間と消灯期間はそれぞれ100ミリ秒ずつである。
図26は、時短状態における第1ランプと第2ランプの点灯状態と消灯状態のパターンを示す。上段が普通図柄の当りを示すための第1ランプの点灯状態/消灯状態であり、下
段が普通図柄の外れを示すための第2ランプの点灯状態/消灯状態である。上段と下段ともに、オンが点灯状態を示し、オフが消灯状態を示す。時間t1から時間t2までの第1の期間は外れの場合の図柄変動期間を示す。第1の期間において、第1ランプの点滅パターンはそれぞれ100ミリ秒の点灯、消灯、点灯、消灯、点灯を繰り返し、最後に20ミリ秒の消灯で停止図柄を確定させる。同じ第1の期間において、第2ランプの点滅パターンはそれぞれ100ミリ秒の消灯、点灯、消灯、点灯、消灯を繰り返し、最後に20ミリ秒の点灯で停止図柄を確定させる。このように第1の期間は合計で520ミリ秒となる。時間t2から時間t3までの第2の期間は外れ図柄の停止状態を維持する停止維持期間を示す。第2の期間は、直前に確定させた停止図柄の状態をそのまま500ミリ秒維持する。このような停止状態を維持する時間を確保することにより、図柄の停止状態を外観上視認でき、停止図柄の判別が可能となる。
時間t3から時間t4までの第3の期間は当りの場合の図柄変動期間を示す。第3の期間において、第1ランプの点滅パターンは外れの場合と同様にそれぞれ100ミリ秒の点灯、消灯、点灯、消灯、点灯を繰り返し、最後に20ミリ秒の点灯で停止図柄を確定させる。同じ第3の期間において、第2ランプの点滅パターンもまた外れの場合と同様にそれぞれ100ミリ秒の消灯、点灯、消灯、点灯、消灯を繰り返し、最後に20ミリ秒の消灯で停止図柄を確定させる。このように第3の期間もまた合計で520ミリ秒となる。時間t4から時間t5までの第4の期間は当り図柄の停止状態を維持する停止維持期間を示す。時短状態における第4の期間は、外れ図柄の停止状態を維持する第2の期間より時間的に短く、8ミリ秒である。時短状態でない場合の第4の期間は、外れの場合と同様に500ミリ秒である。第4の期間については、図28にて詳述する。なお、変形例として、1回の図柄変動における第1ランプの点滅パターンを点灯、消灯、点灯とし、第2ランプの点滅パターンを消灯、点灯、消灯とするように1回の点滅にて表現する仕様としてもよい。
図27は、変形例として、1個のランプで普通図柄表示装置を構成する場合の時短状態におけるランプの点灯状態と消灯状態のパターンを示す。この場合の普通図柄表示装置45は、1つのランプが点灯状態で停止したときに当りを示し、消灯状態で停止したときに外れを示す。ランプが点灯と消灯を交互に繰り返すことで普通図柄の図柄変動を表現し、点灯期間と消灯期間はそれぞれ100ミリ秒ずつである。
前図の上段と同様に、普通図柄ランプのオンが点灯状態を示し、オフが消灯状態を示す。時間t1から時間t2までの第1の期間は外れの場合の図柄変動期間を示し、100ミリ秒の点灯、消灯、点灯、消灯、点灯を繰り返し、最後に20ミリ秒の消灯で停止図柄を確定させ、第1の期間は合計で520ミリ秒となる。時間t2から時間t3までの第2の期間は外れ図柄の停止状態を維持する停止維持期間を示し、直前に確定させた停止図柄の状態をそのまま500ミリ秒維持する。時間t3から時間t4までの第3の期間は当りの場合の図柄変動期間を示し、100ミリ秒の点灯、消灯、点灯、消灯、点灯を繰り返し、最後に20ミリ秒の点灯で停止図柄を確定させ、第3の期間もまた合計で520ミリ秒となる。時間t4から時間t5までの第4の期間は当り図柄の停止状態を維持する停止維持期間を示す。時短状態における第4の期間は、外れ図柄の停止状態を維持する第2の期間より時間的に短く、8ミリ秒である。時短状態でない場合の第4の期間は、外れの場合と同様に500ミリ秒である。第4の期間については、次図にて詳述する。
図28は、時短状態における普通図柄の変動制御、普通電役ソレノイド91の制御、および判定猶予期間の関係を示す。本図の上段は普通図柄の変動制御を示し、中段は普通電役ソレノイド91の制御を示し、下段は第2始動口12への入球の判定猶予期間を示す。中段は、オンが普通電役ソレノイド91の作動状態、すなわち普通電動役物90の開放状態を示し、オフが普通電役ソレノイド91の作動停止状態、すなわち普通電動役物90の
閉鎖状態を示す。下段は、オンが第2始動口12への入球判定の猶予期間を示し、オフが判定猶予期間以外の期間を示す。普通電動役物90の開放中は第2始動口12への入球を第2始動入賞検出装置17が検出するが、普通電動役物90の閉鎖後であっても、その閉鎖間際に入球した遊技球が閉鎖後に第2始動入賞検出装置17のセンサ付近を通過することがある。そのため、普通電動役物90の閉鎖と同時に判定猶予期間を設け、その期間内は第2始動入賞検出装置17による検出を有効化しておく必要がある。
前図で説明した通り、普通図柄の変動期間は520ミリ秒であり、普通図柄の外れ時における停止維持期間は500ミリ秒、時短状態での当り時における停止維持期間は8ミリ秒である。本図の例では、1回目の図柄変動、外れ図柄での停止維持期間、2回目の図柄変動、当り図柄での停止維持期間、の順で進行した後、普通電役ソレノイド91がオンとなって普通電動役物90が5900ミリ秒にわたって開放される。続いて、普通電役ソレノイド91のオフ、すなわち普通電動役物90が閉鎖されると同時に、第2始動口12への入球判定の猶予期間として500ミリ秒にわたって入球の検出が有効化される。
従来は、普通図柄が当りか否かにかかわらず、停止状態を維持する期間として500ミリ秒など、一律な時間が確保されていた。ここで、より短時間にて連続図柄変動を実行する構成を導入する背景の通り、時短状態や確変状態を少しでも早く消化するための効率的で無駄のない高速な図柄変動の連続実行を実現して遊技の円滑化を図るべく、図柄変動表示に必要な時間をできる限り短縮したい。しかし、普通図柄表示装置45のランプ点灯時間と消灯時間をこれ以上短くするともはや点滅として認識されなくなるおそれがあるうえ、点滅回数としても少なくとも2回の点灯を含む2回の点滅は確保しておかないと点滅として認識されなくなるおそれがある。また、図柄変動期間と停止維持期間を合計したサイクルの時間が判定猶予期間より短くなると、判定猶予期間の終了を待たずに次の普通電動役物90の開放が始まってしまい、入球判定の区別が困難となるため無闇に変動時間を短縮することも難しい。一方、普通図柄の当り図柄での停止時は、後続の普通電動役物90の開放期間が長い場合、その間は図柄停止状態のまま待機することとなり、結果として停止状態が維持される。確変を含む時短状態における普通電動役物90の開放期間は約6秒であり、従来の停止維持期間より十分に長いため、理想的な設計として仮に停止維持期間をゼロにしたとしても結果的な停止状態の維持期間は確保できる。また、仮に普通電動役物90の開放期間を短縮してしまうと、第2始動口12への入球数が不十分となって特別図柄の連続的な変動を途切れさせてしまう原因となり得るため、普通電動役物90の開放期間を短縮することはかえって目的に反する。そこで、本実施例では時短状態において普通図柄が当り図柄で停止する場合に限り、停止維持期間を限りなくゼロに近い時間まで短縮することとしつつ、後続の処理のためにCPUの命令サイクルとして2サイクル分の時間をカバーできる8ミリ秒の停止維持期間を確保することとした。一方で、外れ図柄で停止する場合や時短状態でない場合は普通電動役物90の長い開放がなく、開放時間による結果的な停止状態の維持期間確保はできないため、停止維持期間は従来通りの500ミリ秒とする。
なお、遊技機の仕様によっては、時短状態でない場合であっても約6秒以上の長い時間にわたって普通電動役物90を開放させる場合や時短状態か否かを問わず一律に開放時間が長い場合もある。そのような仕様の場合には、遊技状態を問わず普通図柄が当り図柄で停止した場合に一律に停止維持期間を8ミリ秒に短縮してもよい。また、普通図柄を2個のランプで構成した場合に、図柄変動を表現するための点滅回数を1回に減らすことで図柄変動期間そのものをわずかに短縮する構成としてもよく、その場合、判定猶予期間の終了を待たずに次の図柄変動が開始されてしまうことを避けるために、判定猶予期間も同様に短縮するのが望ましい。判定猶予期間も短縮した場合には、そのような短縮があったとしても確実に入球を検出できるような第2始動口12および第2始動入賞検出装置17の設計が望ましい。
なお、本実施例では、普通図柄のランプ表示について停止維持期間を短縮する例を示したが、変形例としては第1特別図柄51および第2特別図柄52を変動表示させる場合のそれらの停止維持期間に適用してもよい。例えば、7セグメントや8セグメントの点灯パターンの違いによって表現される特別図柄は、点灯パターンを高速で切り替えることでその図柄変動を表現する。そのとき、切り替え間隔を短くするほど、その切替による点灯パターンの変化が速すぎて変化そのものが視覚的に認識できなくなるおそれがある。そのため、上述の普通図柄の変動表示と同様に、特別図柄の変動時間をこれ以上短くすることは現実的でない。一方、特別図柄が大当り図柄や小当り図柄にて停止した場合、特別遊技または小当り遊技が開始して終了するまでは再び特別図柄が変動することはない。そのため、1回以上の第1大入賞口21の開放期間を包含する特別遊技または小当り遊技の期間の分だけ特別図柄の停止維持期間を短縮できる。そこで、上述の普通図柄の場合と同様に、停止維持期間を例えば8ミリ秒などのゼロに近い時間値であって後続の処理のために最低限確保する命令処理時間だけを包含する時間値に設定する。これにより、特別図柄に適用した場合にも効率的な図柄変動の連続実行を図ることができる。
(時短における超短縮変動パターン)
本実施例では、上述の通り、時短状態における効率的で高速な図柄変動の消化を実現すべく、通常状態における「リーチなし通常外れ変動」が約7秒の変動パターンであるのに対し、時短状態における「リーチなし通常外れ短縮」は約0.7秒の超短縮変動パターンを選択する。すなわち、時短状態においては、リーチなしの外れ短縮として約0.7秒の超短縮変動パターンのみが選択されるように定められた変動パターン選択テーブルを原則として参照する。
図29は、時短状態において当否判定が外れの場合に主に参照する変動パターン選択テーブルの概要を示す。時短状態においては主に第2始動口12への入球を契機として第2特別図柄52の変動パターンが本図のような変動パターン選択テーブルを参照して選択される。このテーブルにおいては、原則として「超短縮」の変動パターンが選択されるが、第2特別図柄52の保留が「1」の場合であって第1特別図柄51の保留がある場合、例外的に変動時間が「長い」変動パターン、例えば約7秒のリーチなし通常外れ変動が選択される。すなわち、第2特別図柄52の図柄変動を実行してその変動表示が終わると第2特別図柄52の保留がゼロになってしまうと同時に第1特別図柄51の保留が存在するため第1特別図柄51の図柄変動が開始してしまうことが見込まれる状況である。第1特別図柄51の図柄変動が開始してしまうと、仮に第1特別図柄51の大当りが出てしまうと第2大入賞口22への入球は相対的に困難であり、第2特別図柄52での大当りと比べて確変へ移行できない可能性が高まる点で不利である。そこで、直ちに第2特別図柄52の図柄変動を引き延ばして終了してしまわないようにし、その引き延ばしの間に第2始動口12へ入球させることができるよう、第2特別図柄52の変動パターンとして超短縮パターンの選択を規制し、変動時間の長い変動パターンを選択させることとしている。
なお、第2特別図柄52の保留が「0」であって第1特別図柄51の保留がある場合、その時点で第1特別図柄51が変動開始されてしまい、第2特別図柄52の変動パターンが選択されることはないため「−」と表記している。
図30は、時短状態において当否判定が外れの場合に主に参照する変動パターン選択テーブルをより詳細に示す。ただし、本図に例示するテーブルはあくまで時短状態において当否判定が外れの場合に参照する部分を抜粋して例示したに過ぎず、実際の変動パターン選択テーブルは、他の状態において参照すべき部分をさらに含むものであってもよく、あるいは参照する個々の部分を個別のテーブルに分けて構成させてもよい。
本図(a)は、時短状態において当否判定が外れのときに原則として参照するテーブルであり、本図(b)は、初当り後の時短状態、すなわち非確変非時短状態600から大当りとなって確変時短状態602や非確変時短状態604へ遷移した場合において1回目の図柄変動で外れであった場合にのみ例外的に参照するテーブルである。なお、変形例においては、初当り後以外の場合や1回目の図柄変動以外の場合にも(b)を参照する仕様としてもよい。例えば、確変非時短状態606から大当りとなって確変時短状態602や非確変時短状態604へ遷移した場合において1回目の図柄変動で外れであった場合にも(b)を参照する仕様としてもよい。ただし、初当りではなく連チャン時の場合や1回目の図柄変動以外の場合には、すでに第2特別図柄52の保留が複数溜まっている可能性が高いため、本図(b)を参照する必要性は一般的に乏しいと言える。「連チャン」は、確変時短状態602や非確変時短状態604から大当りが発生して確変時短状態602または非確変時短状態604へ遷移した場合(図25のS904,S906,S918,S922)であり、本図(b)を参照せずに(a)を参照する。一方で、テーブルのデータ量を削減する観点や、初当り直後であるか否かおよび1回目の図柄変動であるか否かの判定を不要にする観点から、変形例においては本図(a)のテーブルをなくして(b)のテーブルのみで運用する仕様でもよい。
本図(a)(b)において、「変動パターン」の列には、変動パターンの種類として「通常外れ」「通常外れ超短縮A」「通常外れ超短縮B」「リーチ外れA」「リーチ外れB」「リーチ外れC」「リーチ外れD」「リーチ外れE」「リーチ外れF」「リーチ外れG」が例示されている。そのうち「通常外れ」の変動時間が「7s」(7秒)であり、「通常外れ超短縮A」と「B」の変動時間が「0.7s」(0.7秒)である。「リーチ外れA」〜「G」は、それぞれリーチ変動を伴う5〜11秒といった長い変動パターンである。本図(a)(b)の右側の欄には、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動パターンの選択基準として、各々の保留状態の組合せとパターン抽選値範囲との関係が示される。
本図(a)において第1特別図柄51の変動パターンが選択されるのは、第2特別図柄52の保留が0の場合に限られる。その上で、第1特別図柄51の保留が1〜4である場合および第1特別図柄51の保留が0であっても新たに第1始動口11へ入球があった場合である。このとき、パターン抽選値が0〜255、すなわち全範囲に対して7秒間の「通常外れ」の変動パターンが割り当てられている。このように、時短状態であるにもかかわらず第1特別図柄51の変動パターンとして短縮変動パターンではなく相対的に長い変動パターンが必ず選択されることにより、その図柄変動の間に第2始動口12へ入球させることで第2特別図柄52の変動および確変の獲得を促すことができる。
次に、第2特別図柄52の変動パターンを選択する場合、第2特別図柄52の保留数にかかわらず、0.7秒の超短縮変動パターンである「通常外れ超短縮A」または「通常外れ超短縮B」が高い確率で選択され、低い確率にて「リーチ外れ」のA〜Gが選択される。これにより、おおむね超短縮変動パターンが選択されて効率的で高速な図柄変動の連続実行がなされる。
本図(b)においては、第2特別図柄52の保留が1の場合であって第1特別図柄51の保留がある場合(すなわち、第1特別図柄51が保留1〜4の場合)の選択基準だけが本図(a)のテーブルと異なる。この保留状況においては、パターン抽選値を問わず、全範囲において7秒間の「通常外れ」が割り当てられている。これは、第2特別図柄52の保留が1つしかなく、しかも第1特別図柄51の保留も存在していて、第2特別図柄52の図柄変動が瞬時に終了してしまうと直ちに第1特別図柄51の図柄変動が開始されてしまう状況であり、特に初当り後の1回目の図柄変動において生じやすい。この状況において、短縮変動パターンではなく相対的に長い変動パターンが必ず選択されることにより、
その図柄変動の間に第2始動口12へ入球させることで第2特別図柄52の変動および確変の獲得を促すことができる。
なお、第1特別図柄51と第2特別図柄52の保留がともに0の状況から第2始動口12に入球して第2特別図柄52の図柄変動を実行する場合でも、「通常外れ」ではなく「通常外れ超短縮」を選択し得る。これは、例え瞬時に第2特別図柄52の図柄変動が終了してしまっても、0.7秒後であれば依然として第1特別図柄51の保留は0のままであると考えられ、直ちに第1特別図柄51の図柄変動が開始されてしまうとは考えにくいためである。また、7秒といった変動時間の長い変動パターンを選択する必要性も乏しく、効率的な図柄変動を優先すべき状況だからである。
なお、本図(b)において第1特別図柄51の保留があり、かつ、第2特別図柄52の保留が1の場合に、パターン抽選値の全範囲が「通常外れ」に割り当てられた例を挙げたが、変形例として、一部の抽選値範囲を「リーチ外れ」の変動パターンに割り当ててもよい。「リーチ外れ」のA〜Gもまた変動時間が相対的に長い変動パターンであり、その図柄変動の間に第2始動口12への入球を促すことができる点では「通常外れ」と同様のメリットが享受できるためである。同様の理由により、本図(a)および(b)において、第1特別図柄51の抽選値範囲についても、一部の抽選値範囲を「リーチ外れ」の変動パターンに割り当ててもよい。
本図のテーブルでは、一つのテーブルの中に第1特別図柄51の変動パターン選択テーブルと第2特別図柄52の変動パターン選択テーブルを混在させた例を示したが、実際には第1特別図柄51と第2特別図柄52とで個別のテーブルに分けてもよい。さらに、保留数によって参照するテーブルを分けてもよい。それらの場合、抽選値範囲と選択するテーブルの関係が共通する部分については、その共通部分を一つのテーブルで共用してもよい。複数のテーブルに分けて構成する場合には、特別図柄の種類や保留数、遊技状態などのパラメータごとに、どのテーブルを参照するかが定められた別のテーブルを用意して、そのテーブルを参照することで状況に応じた変動パターン選択テーブルを参照してもよい。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、変形例を挙げる。
上記の実施例においては、作動口32と第2始動口12が位置的に離れている構成を説明したが、変形例においては右打ちした遊技球がほぼすべて作動口32を通過するような位置または構造にて作動口32が設けられていることを前提に、作動口32の真下に第2始動口12が位置するような設計としてもよい。
本明細書または特許請求の範囲において、「入球」「入賞」「落入」は相互に同義としてもよい。また、各入賞口や各入球口は、遊技球が通過するタイプの「通過口」(「ゲート」や「スルーチャッカー」等とも呼ぶ)で構成される場合があってもよく、「入球」「入賞」「落入」と「通過」もまた相互に同義としてもよい。
本明細書または特許請求の範囲にいう「乱数」は、乱数生成回路で生成する物理乱数や数学的な意味での真正乱数でなくてもよく、16ビットカウンタを利用したハードウエア乱数や乱数生成アルゴリズムを利用したソフトウエア乱数などの疑似乱数でもよい。またはハードウェア乱数とソフトウェア乱数の組合せ、例えばカウンタが1周するたびに初期値を変更するプラス乱数方式でもよい。
本明細書または特許請求の範囲において「テーブル」や「選択基準」というときは、厳密に抽選値などの第1のパラメータと、選択肢を示す値などの第2のパラメータとの対応関係をテーブル構造で定めたデータを指すだけでなく、そのような対応関係として第1のパラメータから第2のパラメータを導出するプログラム構造で実現する場合も広く含むものとする。それらを含めて実質的に「テーブル」と同義の概念として適宜「選択基準」と称する。また、テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組合せで構成してもよいが、「複数種の選択基準」というときはその細分化されたテーブルの数ではなくテーブルの実質的な種類の数を示す。
演出表示装置は、高精細なドットマトリクス型表示装置である液晶ディスプレイで構成されるが、その表示領域の横幅は遊技領域の横幅の半分程度であってもよいし、半分を超える大型サイズであってもよい。大型サイズの場合、演出表示装置の右側の遊技球通路は遊技球1個が通過できる程度の通路幅にて形成され、遊技者はいわゆる「右打ち」として最大強度で打ち出せばほぼ確実に右側通路へ遊技球を通過させることができ、いわゆる「左打ち」との打ち分けができる。
演出表示装置は、単一の表示装置で構成される場合だけでなく、複数の表示装置の組合せで構成されてもよい。複数の場合、メイン液晶とサブ液晶の組合せといった大小異なる大きさのディスプレイを組み合わせてもよく、サブ液晶はメイン液晶に隣接する位置に配置されてもよいし、遊技盤以外の位置、例えば発射ハンドルの近傍に設置されてもよい。発射ハンドルの近傍に設置される場合、遊技者が操作入力可能なタッチパネルの形で構成されてもよい。
演出表示装置は、液晶ディスプレイに限らず、有機ELディスプレイなどの表示装置で構成されてもよいし、ドラム回転式などの機械的表示手段やLEDマトリクス式などの表示手段で構成されてもよい。なお、特別図柄は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、遊技盤上の7セグメントLEDにて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を7セグメントLEDではなく液晶ディスプレイに表示させる構成としてもよい。
11 第1始動口、 12 第2始動口、 13 第3始動口、 21 第1大入賞口、 22 第2大入賞口、 32 作動口、 40 特別図柄表示装置、 45 普通図柄表示装置、 50 特別図柄、 51 第1特別図柄、 52 第2特別図柄、 80
遊技盤、 81 遊技領域、 90 普通電動役物、 91 普通電役ソレノイド、 220 当否判定手段、 230 変動パターン決定手段、 240 保留制御手段、 260 特別遊技制御手段、 270 特定遊技制御手段。

Claims (1)

  1. 遊技領域が形成された遊技盤と、
    前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が第1当否判定の契機となる第1入球口と、
    前記遊技領域において前記第1入球口と異なる所定位置に設けられ、遊技球の入球が第1当否判定の契機となる第2入球口と、
    前記第1入球口または前記第2入球口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための抽選値に基づいて第1当否判定を実行する第1当否判定手段と、
    前記第1入球口または前記第2入球口への入球を契機として、第1の図柄変動が行われる第1の図柄表示手段と、
    第3入球口への入球を契機として、第2の図柄変動が行われる第2の図柄表示手段と、
    前記第3入球口への入球を契機として、前記第2入球口に設けられた開閉手段を開放するか否かの第2当否判定を実行する第2当否判定手段と、を備え、
    前記第1当否判定手段の判定が肯定の場合に、特別遊技に移行し、前記第2当否判定手段の判定が肯定の場合に、前記第2入球口に設けられた開閉手段を開放させて当該第2入球口への入球を容易にするよう構成された遊技機において、
    前記第1入球口へ新たな入球があったときに、所定個数を上限に前記新たな入球に対応する抽選値を第1の保留情報としてその図柄変動の表示開始まで保留として記憶し得ると共に、前記第2入球口へ新たな入球があったときに、所定個数を上限に前記新たな入球に対応する抽選値を第2の保留情報としてその図柄変動の表示開始まで保留として記憶し得る保留制御手段と、
    特別遊技終了後に前記第1当否判定手段が肯定となる確率が通常確率状態より高められる確率変動状態を付与する確変付与手段と、
    前記第1当否判定手段が特定の特別遊技への移行を決定した場合に、非入賞向上状態と比べて前記第2の図柄変動の変動時間の短縮、前記第2当否判定手段の判定が肯定の判定結果となる確率を高確率に変動、及び前記第2当否判定手段の判定が肯定の判定結果となった場合に前記第2入球口に設けられた開閉手段を開放する開放時間の増加のいずれか1または複数を組み合わせた入賞率向上状態を、当該特定の特別遊技終了後に所定の付与期間付与する入賞率向上状態付与手段と、を備え、
    前記保留制御手段が記憶する第1の保留情報及び第2の保留情報に基づいて前記第1当否判定手段が判定を行い、前記第1の図柄表示手段で第1の図柄変動が行われるよう構成されており、
    前記保留制御手段が記憶する第1の保留情報及び第2の保留情報の記憶数に応じて、前記第1の図柄表示手段で行われる第1の図柄変動の変動時間を短縮し得るよう構成されており、
    前記第1入球口への入球を契機として前記第1当否判定手段の判定が肯定となった場合と比べて、前記第2入球口への入球を契機として前記第1当否判定手段の判定が肯定となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技に移行しやすくなるよう構成されており、
    前記第1入球口への入球を契機として非入賞率向上状態において前記第1当否判定手段が特定の特別遊技への移行を決定した場合には、前記保留制御手段が記憶する第1の保留情報及び第2の保留情報の記憶数に関わらず、当該特定の特別遊技の終了後に入賞率向上状態が付与される間、当該入賞率向上状態における前記第1の図柄表示手段で行われる第1の図柄変動の変動時間を、当該入賞率向上状態における前記第2の図柄表示手段で行われる第2の図柄変動の変動時間よりも長くなるよう設定されており、
    ある第2の図柄変動が終了してから次回の第2の図柄変動が開始するまでには待機時間を有しており、
    前記第2入球口に遊技球が入球した場合において、前記第2入球口への入球が正常であると判定する有効期間と、前記第2入球口への入球が正常であると判定しない無効期間とを有しており、
    前記第2入球口に設けられた開閉手段を開放する開放時間が終了してから、前記有効期間が終了するまでの時間である判定猶予期間を有しており、
    前記入賞率向上状態が付与される間、第2の図柄変動に係る第2当否判定の結果に関わらず、当該入賞率向上状態における第2の図柄表示手段で行われる当該第2の図柄変動終了後の待機時間と当該入賞率向上状態における前記第2の図柄表示手段で行われる第2の図柄変動の最短の変動時間との和が、当該入賞率向上状態における判定猶予期間よりも長くなるよう設定されており、当該第2の図柄変動終了後の待機時間は当該入賞率向上状態における判定猶予期間よりも短くなるよう設定されている
    ことを特徴とする遊技機。
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