(1) 遊技球の入賞口(第2大入賞口である開口部304)に開閉板(開閉板49,490)を設けてなる可変入賞装置(第2特別可変入賞球装置48,480)を備え、前記開閉板は遊技球が入賞しやすい開放状態(開放位置)と遊技球が入賞しないまたは入賞しにくい閉止状態(閉止位置)との間で変化(開閉)が可能であり、所定条件が成立したとき(第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が特定領域としての第1特定進入口89と第2特定進入口91とのいずれかに進入したとき)に前記開閉板を前記開放状態とする遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記可変入賞装置は、
前記開閉板を開閉するためのプランジャ(プランジャ65a)を有する電気的駆動部(ソレノイド65)と、
前記プランジャに連係して駆動力を前記開閉板に伝達する伝達部材(伝達部材320,3200)と、
前記開閉板、前記電気的駆動部、および前記伝達部材を支持する支持部材(台板300、支持枠部材303,3030)と、
前記伝達部材を、前記開閉板を開放状態とする開放姿勢と前記開閉板を閉止状態とする閉止姿勢との間で前記支持部材に対して回動可能に支持するための回動軸(回動軸324,3240)と、
前記伝達部材を回動可能に支持する回動位置(後端)と前記伝達部材の回動が規制される規制位置(前端)との間で、前記回動軸を前記プランジャの動作方向(前後方向)に対して相対移動可能に支持する軸受部(軸受長孔313)とを備え、
前記電気的駆動部の第1の動作に基づく前記プランジャの動作(後退位置から突出位置への移動)に応じて、前記回動位置に位置する前記回動軸を中心として、前記伝達部材が第1の方向(連係アーム321a,321b,321の先端が下方に移動する方向(たとえば図44(a)中反時計回り、図52(a)中反時計回り)に回動して前記開放姿勢から前記閉止姿勢となるとともに、該閉止姿勢の状態で前記回動軸が前記回動位置から前記規制位置まで移動し(図46(b)、図45(a)、図54(b)、図53(a))、
前記電気的駆動部の第2の動作に基づく前記プランジャの動作(突出位置から後退位置への移動)に応じて、前記回動軸が前記規制位置から前記回動位置まで移動し、該回動位置の前記回動軸を中心として、前記伝達部材が第2の方向(連係アーム321a,321b,321)の先端が上方に移動する方向(たとえば図44(a)中時計回り、図52(a)中時計回り)に回動して前記閉止姿勢から前記開放姿勢となるように構成され(図45(b)、図46(a)、図53(b)、図54(a))
前記支持部材には、前記回動軸が前記規制位置に位置した状態において、前記伝達部材に当接して該伝達部材の前記第2の方向への回動を規制する回動規制部(直線溝部316、上直線面316a)が設けられている(図40、図45、図48、図53)。
このような構成によれば、プランジャの第1の動作および第2の動作が伝達部材の回動力に変換されるとともに、伝達部材の回動力が開閉板の回動力に変換され、開閉板が開放状態と閉止状態との間で回動される。伝達部材は、プランジャの第2の動作に応じて回動軸が移動して回動位置に位置することで回動規制部による規制が解除され、第2の方向に回動して閉止姿勢から開放姿勢となることで、開閉板が開放状態となる。また、プランジャの第1の動作に応じて、第1の方向に回動して開放姿勢から閉止姿勢となった後、回動軸が移動して規制位置に位置することで第2の方向への回動が回動規制部により当接規制され、開閉板を強制的に回動させて開放状態とすることができなくなるため、針金等の不正部材により開閉板を不正に開放して遊技球を入賞させるといった不正行為等を極力防止することができる。さらに、開閉板が閉止状態に位置している状態において、伝達部材の第2の方向への回動が、開閉板、電気的駆動部、伝達部材を支持する構造的に強固な支持部材に形成された回動規制部で規制される。これにより、開閉板に加わる負荷が伝達部材を介してプランジャに直接伝達されることがなく、これにより電気的駆動部が保護されるので故障しにくくなる。
このような構成によれば、支持部材が有するガイド溝が、回動軸が規制位置に位置している状態における伝達部材の第1の方向への回動をガイド軸との当接により規制する回動規制部としての規制面を有する。このように、支持部材において、回動規制部としての規制面を有するようにガイド溝を構成すればよいので、ガイド溝を形成するときに規制面も形成することができるため、規制面を形成することを容易化することができる。
このような構成によれば、支持部材が有するガイド溝が、回動軸が回動位置に位置している状態においてガイド軸が摺接して伝達部材を第1の方向に回動させる円弧状の湾曲面を有する。このように、支持部材において、伝達部材を第1の方向に回動させる円弧状の湾曲面を有するようにガイド溝を構成すればよいので、ガイド溝を形成するときに、当該円弧状の湾曲面も形成することができるため、伝達部材を第1の方向に回動させる円弧状の湾曲面を形成することを容易化することができる。
(5) 前記伝達部材は、前記開閉板に連係する開閉板連係アーム(連係アーム321a,321b)と、該開閉板連係アームに架設されたプランジャ連係軸(連結アーム322)とを有しており、
前記プランジャ(プランジャ65a)は、当該プランジャを中心とした両側位置に等間隔で形成された一対の連係部(前係止片332a,後係止片332b)を介して前記プランジャ連係軸に連係(係止)されている(図42)。
このような構成によれば、プランジャが、当該プランジャを中心とした両側位置に等間隔で形成された一対の連係部を介して連結アームに連係されているので、プランジャにより伝達部材を円滑に動作させることができる。
(6) 遊技球が入賞可能な開放状態と遊技球が入賞不可能な閉止状態との間で変化が可能であり、所定条件が成立したときに前記開放状態とする開閉羽根(開閉羽根301a,301b)が遊技球の入賞口に設けられた開閉羽根入賞装置(普通可変入賞球装置58)と、
該開閉羽根入賞装置に遊技球が入賞したことに基づいて、または遊技球が入賞したことに基づく抽選の結果に基づいて遊技球が進入しにくいまたは進入しない閉止状態から遊技球が進入しやすい開放状態となる始動動作を行なう特別入賞装置(第1特別可変入賞球装置66)と、
該特別入賞装置に設けられている特別領域(第1特定進入口89,第2特定進入口91)に遊技球が入賞したことに基づいて、前記可変入賞装置の前記開閉板を開放状態に制御するとともに、遊技の進行を制御する遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ99)と、
前記開閉羽根入賞装置に入賞した遊技球を検出して検出信号を出力する開閉羽根入賞検出手段(始動口スイッチ60)と、
前記開閉羽根入賞装置における前記開閉羽根の開閉状態を判定する羽根開閉判定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ99におけるS1560)と、
該羽根開閉判定手段によって前記開閉羽根入賞装置における前記開閉羽根が閉状態であると判定されているとき(S1560のN)に、前記開閉羽根入賞検出手段によって遊技球の入賞が検出されたことに基づいて(S1563のN)、異常報知を実行する開閉羽根入賞異常報知手段(遊技制御用マイクロコンピュータ99におけるS1564)とをさらに備えた。
羽根開閉判定手段により開閉羽根入賞装置の開閉状態が判定され、羽根開閉判定手段によって開閉羽根入賞装置が閉状態であると判定されているときに、開閉羽根入賞検出手段によって遊技球の入賞が検出されたことに基づいて、開閉羽根入賞異常報知手段により異常報知が実行される。これにより、開閉羽根入賞装置に対する不正行為によって入賞異常が生じたことを報知することができ、その結果、開閉羽根入賞装置に対する不正行為を確実に防止することができる。
(7) 遊技球が入賞しやすい開放状態と遊技球が入賞しないまたは入賞しにくい閉止状態との間で変化が可能であり、所定条件が成立したときに前記開放状態とする開閉羽根(301a,301b)が遊技球の入賞口に設けられた開閉羽根入賞装置(普通可変入賞球装置58)と、
該開閉羽根入賞装置に遊技球が入賞したことに基づいて、または遊技球が入賞したことに基づく抽選の結果に基づいて遊技球が進入しにくいまたは進入しない閉止状態から遊技球が進入しやすい開放状態となる始動動作を行なう特別入賞装置(第1特別可変入賞球装置66)と、
該特別入賞装置に設けられている特別領域(第1特定進入口89,第2特定進入口91)に遊技球が入賞したことに基づいて、前記可変入賞装置の前記開閉板を開放状態に制御するとともに、遊技の進行を制御する遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ99)と、
前記可変入賞装置に入賞した遊技球を検出して検出信号を出力する開閉板入賞検出手段(第2カウントスイッチ52)と、
前記可変入賞装置における前記開閉板の開閉状態を判定する開閉板入賞開閉判定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ99におけるS1565)と、
該開閉板入賞開閉判定手段によって前記可変入賞装置における前記開閉板が閉状態であると判定されているとき(S1565のN)に、前記開閉板入賞検出手段によって遊技球の入賞が検出されたことに基づいて(S1568のN)、異常報知を実行する開閉板入賞異常報知手段(遊技制御用マイクロコンピュータ99におけるS1569)とをさらに備えた。
開閉板入賞開閉判定手段により、可変入賞装置における開閉板の開閉状態が判定され、開閉板入賞開閉判定手段によって可変入賞装置が閉状態であると判定されているときに、開閉板入賞検出手段によって遊技球の入賞が検出されたことに基づいて、開閉板入賞異常報知手段により、異常報知が実行される。これにより、可変入賞装置に対する不正行為によって入賞異常が生じたことを報知することができ、その結果、可変入賞装置に対する不正行為を確実に防止することができる。
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、遊技球の入賞口に開閉板を設けてなる可変入賞装置を備え、前記開閉板は遊技球が入賞しやすい開放状態と遊技球が入賞しないまたは入賞しにくい閉止状態との間で変化が可能である遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
〔第1実施形態〕
図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。なお、以下の説明において、図1の左右方向がパチンコ遊技機1の左右方向であり、図1の上下方向がパチンコ遊技機1の上下方向であり、図1の手前側がパチンコ遊技機1の前側、図1の奥側がパチンコ遊技機1の後側として説明する。
パチンコ遊技機1は、大別して、縦長な方形状に枠組み形成される外枠2と、外枠2の一側に開閉自在に軸支されてパチンコ遊技機1の主要構成が集約して設けられる前面枠3とから構成されている。前面枠3の前面上部には、前面扉枠4が開閉自在に設けられ、前面枠3の前面下部には、上皿開閉枠11が開閉自在に設けられている。前面扉枠4や上皿開閉枠11の他にも、前面枠3には、遊技盤40、下皿27、操作ハンドル30等が設けられている。パチンコ遊技機1の側方には、遊技者に遊技球を貸し出す(球貸しする)ためのカードユニット装置128(図5)が付設されてもよい。
前面扉枠4には、遊技盤40の遊技領域41をほぼ透視できる遊技開口としての円形透視窓5が開設されている。前面扉枠4の前面側には、円形透視窓5の外周に沿って、上部に装飾部材としての上部装飾ユニット22が設けられている。前面扉枠4の左側方には、被覆部材としての左装飾ユニット23が設けられている。前面扉枠4の右側方には、被覆部材としての右装飾ユニット24が設けられている。前面扉枠4の下部には、前面構成部材としての下部装飾ユニット25が設けられている。上部装飾ユニット22の内部には、前面扉枠4の前面側に臨むように、発光部材としての遊技効果LED(Light Emitting Diode)13、14a、14cと遊技効果ランプ14b、14dとが設けられている。左装飾ユニット23の内部には、前面扉枠4の前面側に臨むように、発光部材としての遊技効果ランプ16a、16bが設けられている。右装飾ユニット24の内部には、前面扉枠4の前面側に臨むように、発光部材としての遊技効果ランプ17a、17bが設けられている。遊技効果LED13、14a、14cや遊技効果ランプ14b、14d、16a、16b、17a、17bは、パチンコ遊技機1における遊技状態に応じて点灯または点滅される。
前面扉枠4の前面下部に設けられた上皿開閉枠11には、たとえば複数の合成樹脂製部材を組合せた皿部材を固着することにより構成された上皿19が形成されている。上皿19の上流側には、賞球払出口20が形成されている。上皿19の下流側には、球抜き操作部21が設けられている。加えて、上皿19の上縁部や外縁部には、パチンコ遊技機1に隣接して設置されたカードユニット装置128を介して遊技球を借り受ける際に操作する球貸操作部や、カードユニット装置128に挿入されたカードの返却を指示する際に操作する返却操作部、カードユニット装置128に挿入されたカードの残高等を表示する残高表示部等が設けられていてもよい。球貸操作部や返却操作部、残高表示部は、残高表示基板104(図5)に実装されていればよい。上皿19には、賞球払出口20から払出された遊技球が貯留される。上皿19に貯留された遊技球は、遊技領域41内への発射位置に供給される。また、球抜き操作部21が押圧操作された場合には、上皿19に貯留された遊技球が、所定の球抜き通路や球抜き穴を通じて下皿27に誘導される。上皿19の右側方には、シリンダー錠26が臨んでいる。
前面枠3の下部に設けられた下皿27には、上皿19から溢れた余剰球が貯留される。下皿27の下方には、球抜き操作レバー28がスライド可能に取付けられている。下皿27の右側には操作ハンドル30が設けられている。操作ハンドル30は、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調節するものである。操作ハンドル30には、打球発射装置130(図5)が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられている。
前面扉枠4における上部装飾ユニット22の左右には、遊技の進行に応じた効果音(音声を含む)等を発生するスピーカ12a,12bが設けられている。左装飾ユニット23の上部右側方には、賞球LED10が前面扉枠4の前面から視認可能に設けられている。右装飾ユニット24の上部左側方には、球切れLED9が前面扉枠4の前面から視認可能に設けられている。賞球LED10および球切れLED9は、パチンコ遊技機1で行なわれる遊技演出とは別に遊技に関する情報を報知するために発光する遊技関連情報発光部材である。入賞球の発生に基づいて所定個数の賞球が払出されたことが賞球LED10により報知される。払出すべき賞球が不足したことが、球切れLED9により報知される。
遊技盤40は、ほぼ正方形状の合板により形成され、前面枠3の裏面側に一体的に形成された遊技盤収納枠部に収容固定される。遊技盤40の表面には、ステンレス鋼板を円弧状に形成した誘導レール42a,42bが取付けられている。そして、打球発射装置130から発射された遊技球は、誘導レール42a,42bにより形成される円形状の遊技領域41内に導かれるように打込まれる。
遊技領域41には、第1特別可変入賞球装置66、第2特別可変入賞球装置48、普通可変入賞球装置58、始動入賞装置58b、普通図柄表示装置63等が設けられている。その他にも、遊技領域41には、遊技球を入賞あるいは通過させる各種の入賞口あるいは通過領域、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車および多数の障害釘が設けられている。また、遊技領域41の最下方には、いずれの入賞領域にも入賞しない遊技球が取込まれるアウト口69が設けられている。
第1特別可変入賞球装置66の左側方には、ゲートスイッチ62を内蔵する通過ゲート61が設けられている。第2特別可変入賞球装置48の左側方には、普通図柄始動記憶LED64が設けられている。たとえば、普通図柄始動記憶LED64は、4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート61を通過した有効通過球数としての保留記憶数(普通図保留記憶数)を表示する。
第1特別可変入賞球装置66の下方には、普通可変入賞球装置58と、始動入賞装置58bとが設けられている。普通可変入賞球装置58は、普通電動役物用ソレノイド59によって開閉駆動される一対の開閉羽根301a,301bを有する電動チューリップ型の可変入賞球装置であり、始動領域としての始動口58aを形成している。普通可変入賞球装置58は、始動口58aに進入した遊技球を検出する始動口スイッチ60を備えている。普通可変入賞球装置58では、開閉羽根301a,301bが垂直位置にあるときに始動口58aを閉止状態にして、普通電動役物用ソレノイド59によって開閉羽根301a,301bを傾動位置に移動させることで始動口58aを開放する。始動口58aは、閉止位置されているときでも遊技球を受入れることができる構造になっている。なお、始動口58aは、閉鎖状態において遊技球を受入れない構造であってもよい。
始動入賞装置58bは、たとえば所定の球受部材によって構成され、常に一定の開放状態に保たれて遊技球を受入れることができる構造になっている。始動入賞装置58bに進入した遊技球は、始動口スイッチ56によって検出される。
第2特別可変入賞球装置48の右側方には、普通図柄表示装置63が設けられている。普通図柄表示装置63は、たとえば2個のLEDを含んで構成される。普通図柄表示装置63は、通過ゲート61を通過した遊技球がゲートスイッチ62によって検出されたことを実行条件とする普通図ゲームにおいて、点灯、点滅、発色等が制御される。具体的な一例として、普通図柄表示装置63は、普通図ゲームにおいて、上下2カ所で「○」と「×」を交互に点灯させることにより普通図柄を変動表示(可変表示、更新表示ともいう)させ、所定時間が経過した後に上下2カ所でそれぞれ「○」と「×」のいずれか一方を点灯させることにより表示結果を導出する。このとき、「×」が点灯した場合には、普通図ゲームにおける普通図柄の変動表示結果として「ハズレ」が導出されたことになる。これに対して、「○」が点灯した場合には、普通図ゲームにおける普通図柄の変動表示結果として「当り」が導出されたことになる。普通図柄表示装置63による普通図ゲームにおける普通図柄の変動表示結果が「当り」となった場合には、普通可変入賞球装置58で普通電動役物用ソレノイド59の駆動力によって始動口58aが開放され、所定時間が経過すると閉止位置に戻される。
第1特別可変入賞球装置66は、特別図柄表示装置44aと、特別図柄始動記憶LED46とを含んでいる。特別図柄表示装置44aは、たとえば7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、変動表示ゲームとしての特図ゲームにおいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報である特別図柄を変動可能に表示する変動表示(可変表示、更新表示ともいう)を行なう。一例として、特別図柄表示装置44aは、「00」〜「99」を示す数字や「−−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。特図ゲームでは、たとえば始動口58aや始動入賞装置58bといった、始動領域のいずれかに遊技球が入賞することにより、特別図柄を変動表示するための実行条件が成立した後に、たとえば前回の特図ゲームが終了したことや大当り遊技状態が終了したことといった、特別図柄を変動表示するための開始条件が成立したことに基づいて、特別図柄表示装置44aによる特別図柄の変動表示が開始される。この実施の形態では、特別図柄表示装置44aが「左」および「右」の特別図柄変動表示部を備え、各特別図柄変動表示部において、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される特別図柄の変動表示を行なう。各特別図柄変動表示部において変動表示される複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。たとえば、「0」〜「9」を示す数値のそれぞれに対して、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号に対して、「10」の図柄番号が付されている。
特別図柄始動記憶LED46は、始動口58aと始動入賞装置58bとのいずれかに入賞した有効入賞球数としての保留記憶数(特図保留記憶数)を表示する。たとえば、特別図柄始動記憶LED46は、4個のLEDを含んで構成されている。
図2(A)および図4は、第1特別可変入賞球装置66を拡大して示す斜視図である。第1特別可変入賞球装置66の左方には、開閉片(開閉部材)81と、大入賞口(第1大入賞口)となる開口部82とが設けられている。開閉片81は、開口部82を第1の状態である開放状態と第2の状態である閉止状態とで変化させるように、回動可能に軸支され、所定のリンク機構等を介して開閉片用ソレノイド105と連結されている。開口部82は、第1特別可変入賞球装置66の内部と外部とを連通させ、開閉片81が開放状態であるときに、遊技球を第1可変入賞球装置66の内部に進入させることができる。
開口部82から第1可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球は、第1カウントスイッチ106によって検出される。第1カウントスイッチ106を通過した遊技球は、進入球誘導通路110により誘導される。進入球誘導通路110の下流側には、振分部材83が設けられている。振分部材83は、所定のリンク機構等を介して振分用ソレノイド108と連結され、進入球誘導通路110により誘導された遊技球の経路を振分ける。
たとえば、振分用ソレノイド108の駆動が停止しているときには、振分部材83がパチンコ遊技機1の奥行き方向における手前側に移動する。このとき、進入球誘導通路110により誘導されてきた遊技球は、第1誘導通路124を通じて第1領域85に振分けられる。他方、振分用ソレノイド108が駆動したときには、振分部材83がパチンコ遊技機1の奥行き方向における奥側に移動する。このとき、進入球誘導通路110により誘導されてきた遊技球は、第2誘導通路117を通じて第2領域88に振分けられる。第2誘導通路117を通過する遊技球は、進入球検出器109によって検出される。このように、振分部材83は、第1領域85に遊技球を振分ける第1の振分状態と、第2領域88に遊技球を振分ける第2の振分状態とに変化する。
第1領域85には、遊技球が転動する転動板上で遊技球の転道方向を変化させる部材が設けられている。この転動板上をパチンコ遊技機1の奥行き方向における手前側に転動した遊技球は、転動板上から落下して、第1特定進入口89、第1通常入賞口94a、94bのいずれかに進入する。たとえば、第1領域85に振分けられた遊技球は、1/10の確率で特定領域としての第1特定進入口89に進入する。
図2(B)および(C)は、第1特定進入口89、第1通常入賞口94a、94bの付近における第1領域85を拡大して示す図である。図2(B)および(C)に示すように、第1特定進入口89の上部には、遊技球を貯留するための貯留板118bが進退可能に設けられている。貯留板118bは、貯留駆動部材118aといった所定のリンク機構等を介して貯留用ソレノイド118に連結されている。
たとえば、貯留用ソレノイド118が駆動したときには、図2(B)に示すように、パチンコ遊技機1の奥行き方向における手前側に貯留板118bが移動(進出)して貯留状態となる。このとき、転動板上から第1特定進入口89へと落下した遊技球は、貯留板118bによって貯留される。他方、貯留用ソレノイド118の駆動が停止しているときには、図2(C)に示すように、パチンコ遊技機1の奥行き方向における奥側に貯留板118bが移動(退避)して貯留解除状態となる。このとき、転動板上から第1特定進入口89へと落下した遊技球は、第1特定進入口89に進入する。このように、貯留板118bは、貯留状態と、貯留解除状態とに変化する。
第1特定進入口89に進入した遊技球は、第1特定球検出器121aによって検出される。第1特定球検出器121aを通過した遊技球は、排出誘導領域123を通じて第1特別可変入賞球装置66の外部へと誘導される。第1通常入賞口94a、94bに進入した遊技球は、第1特定球検出器121aによって検出されずに、排出誘導領域123を通じて第1特別可変入賞球装置66の外部へと誘導される。
第2領域88には、可動部材となる回転体79が設けられている。この実施の形態では、所定の動作態様として回転動作が可能となるように、回転体79が形成されている。図3は、第2領域88を拡大して示す図である。第2誘導通路117を通じて第2領域88に誘導された遊技球は、たとえば図3に示す矢印A11、A12のように回転体79の周囲を円運動するように転動することができる。回転体79には、遊技球が進入可能な可動進入口79aが形成されている。そして、回転体79は、モータ127(図5)の駆動力により、所定の初期位置から回転動作(回動)を行なうことができる。たとえば、図3に示す基準線L1上に可動進入口79aの中心が来る位置を初期位置として、順方向または逆方向のいずれかに回転動作を行なうことができる。また、回転動作中において、回転体79の回転方向を、順方向と逆方向とで切換えることができる。回転体79は、モータ127の駆動を停止しても、回動後における任意の回転位置から初期位置に戻ることはできない。回転体79の周囲に形成された転動板上には、たとえば矢印A15により示す位置で可動進入口79aに遊技球が進入しやすくなるように、リブや溝等が形成されていればよい。
また、回転体79には、たとえば可動進入口79aの回転位置といった、回転体79の回転量を特定可能にする検出器等が設けられていてもよい。たとえば、回転体79の回転軸にロータリーエンコーダを取付けることにより、回転体79の回転量を特定することができればよい。あるいは、モータ127の回転速度(たとえばrpm[rounds per minute]等)や、モータ127を順方向および逆方向に駆動した時間等に基づき、所定の演算処理を実行することにより、回転体79の回転量を特定することができるようにしてもよい。あるいは、回転体79の回転軸には、回転体79の回転位置に応じて抵抗値が変化する可変抵抗を取付けることにより、回転体79の回転量を特定することができるようにしてもよい。
可動進入口79aに進入した遊技球は、可動進入口79aの内部に保持されたまま、たとえば回転体79の下部に設けられた底板上を回転体79の回転に伴って転動した後に、第2特定進入口91、第2通常入賞口94cのいずれかに振分けられる。たとえば、第2領域88に誘導された遊技球は、1/2の確率で特定領域としての第2特定進入口91に振分けられる。ここで、遊技球は矢印A15により示す位置で可動進入口79aに進入しやすくなっていることから、回転体79が順方向に回動しているときには、逆方向に回動しているときに比べて高い確率で、遊技球が第2特定進入口91に進入する。たとえば、第2領域88に誘導された遊技球は、回転体79が順方向に回動しているときに3/4の確率で第2特定進入口91に進入する一方で、回転体79が逆方向に回動しているときには1/4の確率で第2特定進入口91に進入する。
第2特定進入口91に進入した遊技球は、第2特定球検出器121bによって検出される。第2特定球検出器121bを通過した遊技球は、排出誘導領域123を通じて第1特別可変入賞球装置66の外部へと誘導される。第2通常入賞口94cに進入した遊技球は、第2特定球検出器121bによって検出されずに、排出誘導領域123を通じて第1特別可変入賞球装置66の外部へと誘導される。図4に示すように、排出誘導領域123により誘導される遊技球は、すべて排出球検出器122によって検出された後に、第1特別可変入賞球装置66の外部に排出される。
第1特別可変入賞球装置66の内部において、第2誘導通路117の右上方には、演出表示装置44bが設けられている。演出表示装置44bは、たとえば液晶表示器(LCD;Liquid Crystal Display)といった、多数の画素(ピクセル)を用いたドットマトリクス方式による画面表示を行なうものであればよい。演出表示装置44bには、演出画像を表示する表示領域80が形成されている。表示領域80では、特別図柄表示装置44aによる特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して、たとえば2つに分割された飾り図柄変動表示部で、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄を変動表示(可変表示、更新表示ともいう)する。この飾り図柄の変動表示も、開始条件が成立したことに基づいて行なわれる変動表示ゲームに含まれる。
たとえば、表示領域80には、「左」および「右」の飾り図柄変動表示部が配置され、特別図柄表示装置44aにより特図ゲームが実行されることに対応して、各飾り図柄変動表示部で飾り図柄が変動表示される。すなわち、特別図柄表示装置44aにおける特別図柄の変動表示が開始されるときには、表示領域80における「左」および「右」の各飾り図柄変動表示部で飾り図柄の変動表示(たとえば切換表示やスクロール表示)を開始させ、その後、特別図柄表示装置44aによる特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、表示領域80における「左」および「右」の各飾り図柄変動表示部で飾り図柄の変動表示結果となる確定飾り図柄が停止表示(導出表示)される。また、「左」および「右」の各飾り図柄変動表示部は、表示領域80内で移動可能とされ、飾り図柄を縮小あるいは拡大して表示することができるようにしてもよい。
表示領域80における「左」および「右」の各飾り図柄変動表示部では、たとえば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字「一」〜「八」、英文字「A」〜「H」、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せ等。なお、キャラクタ画像は、たとえば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字等の記号、あるいは、その他の任意の図形を示す演出画像であればよい)が、飾り図柄として変動可能に表示される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。たとえば、「1」〜「8」を示す英数字のそれぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されていればよい。
演出表示装置44bの表示領域80において飾り図柄の変動表示が開始されると、「左」および「右」の各飾り図柄変動表示部では、たとえば図柄番号が小さいものから大きいものへと切換表示やスクロール表示が行なわれ、図柄番号が最大の「8」である飾り図柄が表示されると、次に図柄番号が最小の「1」である飾り図柄が表示される。あるいは、図柄番号が大きいものから小さいものへと切換表示やスクロール表示を行なって、図柄番号が最小の「1」である飾り図柄が表示されると、次に図柄番号が最大の「8」である飾り図柄が表示されてもよい。飾り図柄の変動表示中には、たとえば変動表示結果が「大当り」となることを予告する大当り予告演出画像や、変動表示結果が「小当り」となることを予告する小当り予告演出画像等が、表示領域80において表示されるようにしてもよい。
また、演出表示装置44bの表示領域80には、始動口58a、58cや始動入賞装置58bに入賞した有効入賞球数としての特図保留記憶数を表示する特別図柄始動記憶表示エリアが設けられていてもよい。具体的な一例として、特図保留記憶数が1加算されたときには、通常青色であった表示部位のうちの1つ(たとえば青色となっている表示部位のうち左端の表示部位)を赤色表示に変化させる。これに対して、特図保留記憶数が1減算されたときには、赤色表示されている表示部位のうちの1つ(たとえば赤色となっている表示部位のうち右端の表示部位)を青色表示に戻す。あるいは、特別図柄始動記憶表示エリアでは、特図保留記憶数を示す数字を表示すること等により、特図保留記憶数を遊技者等が認識できるようにしてもよい。
第1特別可変入賞球装置66の上端から右側端にわたる部分には、演出表示装置44bの設置位置に遊技球が進入することを防止する規制フランジ部75が延設されている。規制フランジ部75と遊技領域41の右上端から右側端を区画形成する誘導レール42aとの間には、誘導通路76が形成されている。遊技領域41の右上部分には、たとえばゴム等を用いて構成された緩衝部材70が設けられている。
普通可変入賞球装置58の下方には、第2特別可変入賞球装置48が設けられている。第2特別可変入賞球装置48は、第2大入賞口扉用ソレノイド65によって開閉駆動される開閉板49を有し、その開閉板49によって、大入賞口(第2大入賞口)となる開口部(より具体的には図39に示す開口部304)を第1の状態となる開放状態(開放位置)と第2の状態となる閉止状態(開止位置)との間で変化させる。開放状態となった開口部から第2特別可変入賞球装置48の内部に進入した遊技球は、第2カウントスイッチ52によって検出される。また、第2特別可変入賞球装置48の内部には、遊技球の検出(V入賞検出)に伴って大当りの継続権を成立させるための検出器である第3特定球検出器51が設けられている。第3特定球検出器51の上部には、一旦V入賞検出があると次に開閉板49を開放するまでは遊技球が第3特定球検出器51を通過しないようにするVシャッターが設けられている。Vシャッターは、所定のリンク機構等を介して第2Vシャッター用ソレノイド50と連結されている。なお、第2特別可変入賞球装置48の内部には、第3特定球検出器51やVシャッター等を設けることなく、開閉板49により第2特別可変入賞球装置48の開口部を開放状態とする場合には、その開口部に遊技球が進入したか否かに関わりなく、大当りの継続権を成立させるようにしてもよい。
第2特別可変入賞球装置48は、第2の状態となる閉止状態において遊技球が第2大入賞口に入賞しないように構成されている。なお、第2特別可変入賞球装置48は、第2の状態となる閉止状態において、第1の状態となる開放状態よりも球が入賞しにくい状態とされていれば、閉止状態で遊技球が入賞するようにしてもよい。
第1特別可変入賞球装置66の左下方には、入賞球検出器55aを内蔵した通常入賞口53aが設けられている。また、普通可変入賞球装置58および第2特別可変入賞球装置48の右側には、入賞球検出器55bを内蔵した通常入賞口53bが設けられている。入賞球検出器55a,55bからの検出信号に基づいて、所定個数の賞球が払出される。
普通図柄表示装置63による普通図ゲームで、普通図柄の変動表示を行なった表示結果として「当り」が導出された場合には、普通可変入賞球装置58における始動口58aが閉止位置から開放位置に変化し、その後に所定時間が経過すると閉止位置に戻る。
特別図柄表示装置44aによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後に所定時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となり、大当り図柄および小当り図柄以外の特別図柄(ハズレ図柄)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になると、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特図ゲームでの変動表示結果が「小当り」になると、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、具体的な一例として、「33」と「77」を示す特別図柄を大当り図柄とし、「11」、「55」、「32」、「76」を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−−」を示す特別図柄をハズレ図柄としている。
特別図柄表示装置44aによる特図ゲームでの確定特別図柄が大当り図柄「33」あるいは「77」となる場合には、演出表示装置44bの表示領域80における飾り図柄の変動表示結果として、たとえば「左」および「右」の各変動表示部で所定の大当り組合せを構成する確定飾り図柄が停止表示される。このような大当り組合せの確定飾り図柄は、大当り遊技状態に制御されることに対応した特定表示結果に含まれる。大当り遊技状態に制御される場合には、演出表示装置44bの表示領域80において、大当り発生時用の演出画像が表示される。その後、大当り遊技状態では、大当り中用の演出画像が表示される。大当り遊技状態が終了するときには、大当り終了時用の演出画像が表示される。
特別図柄表示装置44aによる特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄「11」、「55」、「32」、「76」のいずれかとなる場合には、演出表示装置44bの表示領域80における飾り図柄の変動表示結果として、たとえば「左」および「右」の各変動表示部で所定の小当り組合せを構成する確定飾り図柄が停止表示される。このような小当り組合せの確定飾り図柄は、小当り遊技状態に制御されることに対応した所定表示結果に含まれる。小当り遊技状態に制御される場合には、演出表示装置44bの表示領域80において、小当り発生時用の演出画像が表示される。このときには、小当り種別に応じて異なる演出画像が表示されるようにしてもよい。さらに、小当り遊技状態で進入球検出器109によって遊技球が検出されたときには、遊技球が第2領域88へと誘導されたことを報知する演出画像が表示されるようにしてもよい。
あるいは、特別図柄表示装置44aによる特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄のいずれかとなる場合に、演出表示装置44bの表示領域80では、飾り図柄の変動表示を行なわずに、第1特別可変入賞球装置66において開閉片81により開口部82を開放状態とする始動動作が行なわれることを報知する演出画像や、その始動動作で開口部82を開放状態とする回数を報知する演出画像等を、表示するようにしてもよい。このときでも、特別図柄表示装置44aによる特図ゲームでの特別図柄の変動表示については、実行されるようにする。
特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄となった後には、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を回動させて開口部82を、所定の始動態様で閉止状態から開放状態に変化させ、所定時間(たとえば0.4秒)が経過した後に閉止状態に戻す。このような小当り遊技状態で行なわれる開口部82の開閉動作を始動動作という。たとえば、小当り遊技状態では、開口部82を2回(複数回)開閉する始動動作を行ない、第1特別可変入賞球装置66を遊技者にとって有利な第1の状態としての開放状態に変化させる。なお、小当り遊技状態では、第1特別可変入賞球装置66の開口部82を2回(複数回)開閉する始動動作に限らず、開口部82を1回開閉する始動動作をさせてもよい。このように、始動動作は、始動口58aや始動入賞装置58bといった始動領域に進入した遊技球が始動口スイッチ56,60によって検出されたことに基づき、特別図柄表示装置44aによる特図ゲームや演出表示装置44bの表示領域80における飾り図柄の変動表示結果が「小当り」となったことに応じて、第1特別可変入賞球装置66の開口部82を所定の始動態様で、遊技者にとって不利な第2の状態である閉止状態から遊技者にとって有利な第1の状態である開放状態とした後に再び第2の状態である閉止状態へと変化させる。
始動動作で開放状態となった開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が特定領域としての第1特定進入口89と第2特定進入口91のいずれかに進入した場合には、大当り遊技状態となる。ここで、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が振分部材83によって第1領域85に振分けられた場合には、1/10の確率で第1特定進入口89に進入して第1特定球検出器121aによって検出される。これに対して、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が振分部材83によって第2領域88に振分けられた場合には、1/2の確率で第2特定進入口91に進入して第2特定球検出器121bによって検出される。この点において、第1領域85に比べて、第2領域88の方が、小当り遊技状態となった後に大当り遊技状態となる確率が高く、遊技者にとって有利な領域である。また、振分部材83の振分状態は、第1領域85に遊技球を振分ける第1の振分状態に比べて、第2領域88に遊技球を振分ける第2の振分状態の方が、遊技者にとって有利な状態となる。
大当り遊技状態では、始動態様よりも遊技者にとって有利な特定態様で、第1特別可変入賞球装置66や第2特別可変入賞球装置48を第1の状態である開放状態とする。この実施の形態では、大当り遊技状態において、ラウンド遊技として予め定められた動作単位の遊技が実行可能となる。たとえば、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81が、第1大入賞口となる開口部82を閉止状態から開放状態へと変化させることにより、第1特別可変入賞球装置66を第1の状態とした後、所定時間(たとえば1.5秒や5秒)が経過したこと、あるいは所定個数(たとえば5個)の入賞球が発生したことに応じて、開口部82を開放状態から閉止状態へと変化させるまでの動作単位が、1回のラウンド遊技として定められていればよい。また、第2特別可変入賞球装置48の開閉板49が、第2特別可変入賞球装置48における第2大入賞口となる開口部を閉止状態から開放状態へと変化させることにより、第2特別可変入賞球装置48を第1の状態とした後、所定時間(たとえば29秒)が経過したこと、あるいは所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したことに応じて、開口部を開放状態から閉止状態へと変化させるまでの動作単位が、1回のラウンド遊技として定められていればよい。大当り遊技状態では、複数回のラウンド遊技を実行可能であり、ラウンド遊技の実行回数に応じて、上記2つの動作単位のいずれかが、1回のラウンド遊技として定められていてもよい。1回のラウンド遊技として、上記2つの動作単位の両方が行なわれるようにしてもよい。
この実施の形態では、特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態において、ラウンド遊技が継続可能な最大継続回数(上限回数)を、「10ラウンド」に設定する。最大継続回数に達した最終のラウンド遊技以外の各ラウンド遊技では、第1特定球検出器121aや第2特定球検出器121bによって遊技球が検出されたこと、あるいは、第3特定球検出器51によって遊技球が検出されたことを、次のラウンド遊技が実行可能となるための条件としてもよい。たとえば、ラウンド遊技で第1特別可変入賞球装置66における第1大入賞口(開口部82)が開放状態とされる場合には、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第1特定進入口89と第2特定進入口91のいずれかに進入して第1特定球検出器121aや第2特定球検出器121bによって検出されることにより、次のラウンド遊技に移行するための継続権が成立してラウンド遊技を繰返し継続することができればよい。また、ラウンド遊技で第2特別可変入賞球装置48における第2大入賞口となる開口部が開閉板49により開放状態とされる場合には、第2特別可変入賞球装置48の内部に進入した遊技球が第3特定球検出器51によって検出されることにより、次のラウンド遊技に移行するための継続権が成立してラウンド遊技を繰返し継続することができればよい。なお、第2特別可変入賞球装置48の開口部が開閉板49により開放状態とされるラウンド遊技では、第2特別可変入賞球装置48の内部に遊技球が進入したか否かに関わりなく、次のラウンド遊技に移行するための継続権が成立してラウンド遊技を繰返し継続することができるようにしてもよい。
パチンコ遊技機1には、たとえば図5に示すような主基板120や演出制御基板90、音声枠ランプ基板92、ランプドライバ基板93、電源基板97、払出制御基板98、および、残高表示基板104のような各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、周辺電源中継基板47、周辺コマンド中継基板57、図柄中継基板84およびスイッチ中継基板95のような中継基板、特別図柄基板850、普通図柄基板86および普通図柄記憶基板87等の制御基板以外の基板も搭載されている。
主基板120には、遊技盤40に設けられた各検出器51,55a,55b,109,121a,121b,122や各スイッチ52、62、l06からの信号が、スイッチ中継基板95を介して入力される。また、主基板120には、始動口スイッチ56,60からの信号も入力される。主基板120には、乱数発生回路60aが接続されており、始動口スイッチ56,60からの検出信号がオン状態になると、その時点におけるカウント値が主基板120に入力される。
主基板120からは、遊技盤40に設けられた各ソレノイド50,59,65,105,108,118およびモータ127を駆動制御するための駆動制御信号が出力され、スイッチ中継基板95によって各部位へと中継される。また、主基板120からは、遊技状態に応じた電飾信号および効果音信号等の情報信号が出力され、周辺コマンド中継基板57や演出制御基板90を介して音声枠ランプ基板92へと伝送される。さらに、主基板120からは、演出表示装置44bの表示状態を制御するための演出制御コマンドが出力され、周辺コマンド中継基板57を介して演出制御基板90へと伝送される。加えて、主基板120からは、特別図柄表示装置44a等の表示状態を制御するための表示制御信号が出力され、図柄中継基板84を介して特別図柄基板850や普通図柄基板86、普通図柄記憶基板87等へと伝送される。主基板120には盤用外部端子板96が接続され、各種の遊技情報が伝送される。
主基板120には、周辺コマンド中継基板57および演出制御基板90や音声枠ランプ基板92およびランプドライバ基板93を介して、各種装飾LED・ランプ32が接続されている。遊技効果LED13,14a,14c、遊技効果ランプ14b,14c,16a,16b,17a,17bは、それぞれプリント配線基板等に実装され、スピーカ12a,12bとともに、周辺コマンド中継基板57および演出制御基板90や音声枠ランプ基板92を介して、主基板120に接続されている。周辺コマンド中継基板57は、主基板120から演出制御基板90へと出力される情報信号を中継する。
主基板120には、電源基板97からの電力が供給され、各種遊技効果LED・ランプ13,14a〜14d,16a,16b,17a,17b、各種装飾LED・ランプ32およびスピーカ12a,12b等を駆動させるための電力を、周辺電源中継基板47を介して音声枠ランプ基板92に供給する。電源基板97は、一次電源となるAC24Vの交流電源を、電源コードを介して受け、二次電源としての電力を、主基板120と払出制御基板98とに供給する。電源基板97には、パチンコ遊技機1における全ての動作をクリアするためのクリアスイッチ97aも搭載されている。周辺電源中継基板47は、主基板120からの電力を音声枠ランプ基板92へと中継する。また、主基板120からは、各検出器51,55a,55bや各スイッチ52,56,60,106からの検出信号に基づいて賞球個数信号が出力され、払出制御基板98へと伝送される。
主基板120には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ99が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ99は、たとえば1チップマイクロコンピュータであり、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)100と、ワークメモリとして使用されるRAM(Random Access Memory)111と、プログラムにしたがって遊技の進行を制御するCPU(Central Processing Unit)112と、演出制御基板90等に制御信号となるコマンドを送信するI/O114とを含んでいる。遊技制御用マイクロコンピュータ99では、CPU112がROM100から読出したプログラムを実行し、RAM111をワークエリアとして用いることで、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。
主基板120では、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために、各種の乱数値が用いられる。図6は、主基板120の側において用いられる乱数値の一例を示す説明図である。図6に示すように、この実施の形態では、主基板120の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、小当り種別決定用の乱数値MR3、ラウンド数決定用の乱数値MR4が用いられ、これらの乱数値を示す数値データがカウント可能となる制御や処理が行なわれる。なお、遊技効果を高めるために、主基板120の側でこれら以外の乱数値が用いられてもよい。これらの乱数値MR1〜MR4の全部または一部を示す数値データを示す数値データは、乱数発生回路60aから入力されるカウント値に基づいて生成される。また、乱数値MR1〜MR4の一部を示す数値データは、CPU112が乱数発生回路60aとは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよい。
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける変動表示結果を、「大当り」や「小当り」とするか「ハズレ」とするかの判定を行なうために用いられる乱数値であり、たとえば「0」〜「299」の範囲の値をとる。すなわち、特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける変動表示結果に基づきパチンコ遊技機1が大当り遊技状態や小当り遊技状態となるか否かの判定を行なうために用いられる。具体的な一例として、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データは、乱数発生回路60aにより、遊技制御用マイクロコンピュータ99のクロック制御とは異なるクロック制御に基づいて加算更新される2バイトの数値データである。乱数発生回路60aでは、始動口スイッチ56,60からの入力信号がオン状態となったときに、内蔵カウンタにおけるカウント値が記憶バッファにラッチされ、このラッチされたカウント値が乱数値MR1を示す数値データとして主基板120の遊技制御用マイクロコンピュータ99に入力される。遊技制御用マイクロコンピュータ99では、乱数値MR1が所定の範囲内にあるか否かを、たとえばCPU112によって判定することにより、変動表示結果を「大当り」とするか否かの判定や、「小当り」とするか否かの判定が行なわれる。
大当り種別決定用の乱数値MR2は、特図ゲームにおける変動表示結果を「大当り」とする場合に、複数種類ある大当り種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、たとえば「0」〜「99」の範囲の値をとる。この実施の形態では、複数種類の大当り種別として、第1大当りと第2大当りとがあり、いずれの大当りであるかに応じて、大当り遊技状態において最大継続回数に達するまでの少なくとも1回のラウンド遊技について、大入賞口を開放状態に制御可能な時間の上限を異ならせる。
小当り種別決定用の乱数値MR3は、特図ゲームにおける変動表示結果を「小当り」とする場合に、複数種類ある小当り種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、たとえば「0」〜「99」の範囲の値をとる。この実施の形態では、複数種類の小当り種別として、第1〜第4小当りがあり、いずれの小当りであるかに応じて、小当り遊技状態におけるモータ127の駆動による回転体79の動作態様や開閉片用ソレノイド105の駆動による開閉片81の動作態様、振分用ソレノイド108の駆動による振分部材の動作態様等を異ならせる。また、この実施の形態では、第1〜第4小当りのいずれであるかに応じて、大当り遊技状態において最大継続回数に達するまでの少なくとも1回のラウンド遊技について、大入賞口を開放状態に制御可能な時間の上限を異ならせる。
ラウンド数決定用の乱数値MR4は、始動動作で開閉片81により開放状態とされた開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第1特定進入口89に進入した場合に、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技が継続可能となる最大継続回数(上限回数)を、複数種類のうちから決定するために用いられる乱数値であり、たとえば「0」〜「199」の範囲の値をとる。この実施の形態では、始動動作で第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第1特定進入口89に進入して第1特定球検出器121aによって検出された場合に、ラウンド数決定用の乱数値MR4を用いて、「1ラウンド」、「3ラウンド」および「5ラウンド」のいずれかに決定する。これに対して、始動動作で第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第2特定進入口91に進入して第2特定球検出器121bによって検出された場合には、ラウンド数決定用の乱数値MR4に関わりなく、「10ラウンド」に決定する。この点において、振分部材83の振分状態は、第1領域85に遊技球を振分ける第1の振分状態に比べて、第2領域88に遊技球を振分ける第2の振分状態の方が、遊技者にとって有利な状態となる。また、第1領域85に比べて、第2領域88の方が、遊技者にとって有利な領域である。
図5に示す遊技制御用マイクロコンピュータ99が備えるROM100には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のテーブルデータ等が記憶されている。たとえば、ROM100には、CPU112が各種の判定や決定を行なうために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM100には、CPU112が主基板120から各種の制御信号を出力させるために用いられる複数の制御パターンテーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。
ROM100が記憶する判定テーブルには、特図ゲームにおける変動表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かを判定するために参照されるテーブルとして、たとえば図7に示すような特図表示結果判定テーブル200が含まれている。図7に示す特図表示結果判定テーブル200は、特図表示結果判定用の乱数値MR1を、大当り判定値データ、ハズレ判定値データおよび小当り判定値データのいずれかに対応付ける(割当てる)設定データ(判定用データ)等から構成されている。
ROM100が記憶する決定テーブルには、たとえば図8(A)に示すような大当り種別決定テーブル210と、図8(B)に示すような小当り種別決定テーブル211と、図9に示すようなラウンド数決定テーブル220とが含まれている。
図8(A)に示す大当り種別決定テーブル210は、特図ゲームにおける変動表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を決定するために参照されるテーブルである。たとえば、大当り種別決定テーブル210は、大当り種別決定用の乱数値MR2を、「第1大当り」や「第2大当り」といった大当り種別、「77」や「33」といった大当り図柄、さらにはラウンド制御パターンの種類と対応付ける設定データ(決定用データ)等から構成されている。
図8(B)に示す小当り種別決定テーブル211は、特図ゲームにおける変動表示結果を「小当り」とする場合に、小当り種別を決定するために参照されるテーブルである。たとえば、小当り種別決定テーブル211は、小当り種別決定用の乱数値MR3を、「第1小当り」〜「第4小当り」といった小当り種別、「11」、「55」、「32」、「76」といった小当り図柄、さらには第2特定進入口91への進入時におけるラウンド制御パターンの種類と対応付ける設定データ(決定用データ)等から構成されている。
図9に示すラウンド数決定テーブル220は、始動動作により開放状態となった開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第1特定進入口89に進入した場合に、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技が継続可能となる最大継続回数(上限回数)を決定するために参照されるテーブルである。たとえば、ラウンド数決定テーブル220は、ラウンド数決定用の乱数値MR4を、「1」、「3」、「5」といったラウンド最大値や、ラウンド制御パターンの種類と対応付ける設定データ(決定用データ)等から構成されている。
ROM100が記憶する制御パターンテーブルには、たとえば図10に示すような小当り制御パターンテーブル230が含まれている。この小当り制御パターンテーブル230には、パチンコ遊技機1における遊技状態が小当り遊技状態に制御されている期間における、CPU112による遊技制御用マイクロコンピュータ99での設定内容や、各ソレノイド50,59,65,105,108,118およびモータ127による駆動動作の内容を示すデータが、複数種類の小当り種別に対応した小当り制御パターンとして複数種類格納されていればよい。たとえば、小当り制御パターンテーブル230には、「第1小当り」〜「第4小当り」からなる4種類の小当り種別に対応して、4種類の小当り制御パターンKP1〜KP4が格納されている。
小当り制御パターンテーブル230に格納される複数種類の小当り制御パターンはそれぞれ、たとえば図11に示すように、各種の判定値と対応付けられた設定データや制御データから構成され、時系列的に、CPU112による遊技制御用マイクロコンピュータ99での設定内容や、各ソレノイド50,59,65,105,108,118およびモータ127による駆動動作の内容といった、CPU112による設定や制御の内容と実行タイミング等が示されている。なお、小当り制御パターンは、CPU112による設定や制御の内容と実行タイミング等を、時系列的に示すものに限定されず、時系列に関わりなく列記したものであってもよい。たとえば、小当り制御パターンは、ソレノイド50,59,65,105,108,118およびモータ127のそれぞれについて、駆動制御信号を生成するタイミングを示すデータや、駆動制御信号の出力を停止するタイミングを示すデータと、駆動制御信号の生成パターンや停止指令を示す制御データとを、個別に対応付けたものであってもよい。
図11に示す小当り制御パターンに示された各判定値(たとえば特定入賞有効判定値、大入賞口開放開始判定値、振分駆動判定値#1、モータ駆動開始判定値、貯留駆動開始判定値、振分停止判定値#1、大入賞口開放終了判定値、モータ駆動切換判定値、貯留開放判定値等)は、CPU112によって、遊技制御用データ保持エリア250の遊技制御タイマ設定部163(図15)に設けられた遊技制御プロセスタイマにおけるタイマ値である遊技制御プロセスタイマ値と、比較される。このとき、判定値のいずれかと遊技制御プロセスタイマ値とが合致した場合には、その合致した判定値と対応付けられた設定データや制御データに応じた設定や制御が実行される。
ここで、小当り制御パターンに示された大入賞口開放開始判定値は、始動領域となる始動口58aや始動入賞装置58bに進入した遊技球が始動口スイッチ56,60によって検出されてから、始動動作により第1特別可変入賞球装置66の開口部82を開放状態とするまで最短の待機時間が、回転体79を回動後における任意の回転位置から初期位置に戻すまでに必要となる最長の所要時間に比べて、長くなるように設定されている。たとえば、可動進入口79aの中心が図3に示す基準線L1の反対側に来た状態から、初期位置となる基準線L1上に戻すまでの所要時間は、回転体79を初期位置に戻すまでに必要な最長時間となる。一例として、この最長の所要時間が「5秒」であり、特図ゲームにおける変動表示結果が「小当り」となる場合には特別図柄の変動表示時間が最短でも「4秒」であるとする。この場合、大入賞口開放開始判定値として、たとえば特図ゲームでの変動表示結果として小当り図柄が導出表示されたことに基づく小当り遊技状態の開始時点からの経過時間が「1.5秒」に対応する遊技制御プロセスタイマ値を示すものに設定しておく。そうすると、始動口スイッチ56,60によって遊技球が検出されてから、第1大入賞口となる開口部82が開放状態となるまでには、最短でも「5.5秒」が経過することになり、回転体79を初期位置に戻すまでに必要となる最長の所要時間である「5秒」よりも長くすることができる。このように、小当り制御パターンに示された大入賞口開放開始判定値は、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間を含めて、始動領域に遊技球が進入してから始動動作で第1大入賞口となる開口部82が開放状態となるまでの時間を、小当り遊技状態や大当り遊技状態で回転体79を順方向や逆方向へ回転させた後、回転体79を初期位置に戻すための所要時間よりも長い時間とするように設定されていればよい。
また、ROM100が記憶する制御パターンテーブルには、たとえば図12に示すようなラウンド制御パターンテーブル240も含まれている。このラウンド制御パターンテーブル240には、パチンコ遊技機1における遊技状態が大当り遊技状態に制御される期間における、CPU112による遊技制御用マイクロコンピュータ99での設定内容や、各ソレノイド50,59,65,105,108,118およびモータ127による駆動動作の内容を示すデータが、ラウンド制御パターンとして複数種類格納されていればよい。たとえば、ラウンド制御パターンテーブル240には、特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」である場合に決定可能となる「第1大当り」と「第2大当り」のそれぞれに対応して、10ラウンド用のラウンド制御パターンRP1−1、RP1−2が格納されている。また、ラウンド制御パターンテーブル240には、特図ゲームにおける変動表示結果が「小当り」となった後、小当り遊技状態で遊技球が第2特定進入口91に進入したことに基づいて制御される大当り遊技状態におけるラウンド制御パターンとして、10ラウンド用のラウンド制御パターンRP2−1、RP2−2が格納されている。さらに、ラウンド制御パターンテーブル240には、特図ゲームにおける変動表示結果が「小当り」となった後、小当り遊技状態で遊技球が第1特定進入口89に進入したことに基づいて制御される大当り遊技状態におけるラウンド制御パターンとして、1ラウンド用のラウンド制御パターンRP3−1と、3ラウンド用のラウンド制御パターンRP3−2と、5ラウンド用のラウンド制御パターンRP3−3とが格納されている。
ラウンド制御パターンテーブル240に格納される複数種類のラウンド制御パターンは、それぞれ、遊技制御用データ保持エリア250の遊技制御カウンタ設定部164に設けられたラウンド数カウンタにおけるカウント値であるラウンド数カウント値を、大入賞口の最大開放時間である大入賞口開放時間、開放する大入賞口(第1および第2大入賞口のいずれか)と対応付ける設定データおよび制御データ等から構成されている。また、各ラウンド制御パターンは、各種の判定値と対応付けられた設定データや制御データを含み、各ラウンド遊技における時系列に沿って、CPU112による遊技制御用マイクロコンピュータ99での設定内容や、各ソレノイド50,59,65,105,108,118およびモータ127による駆動動作の内容といった、CPU112による設定や制御の内容と実行タイミング等を示していてもよい。あるいは、各ラウンド制御パターンは、CPU112による設定や制御の内容と実行タイミング等を、時系列に関わりなく列記したものであってもよい。たとえば、ラウンド制御パターンは、ソレノイド50,59,65,105,108,118およびモータ127のそれぞれについて、駆動制御信号を生成するタイミングを示すデータや、駆動制御信号の出力を停止するタイミングを示すデータと、駆動制御信号の生成パターンや停止指令を示す制御データとを、個別に対応付けたものであってもよい。
図13(A)は、大当り種別が「第1大当り」となったことに対応して用いられるラウンド制御パターンRP1−1の概要を例示する説明図である。図13(B)は、大当り種別が「第2大当り」となったことに対応して用いられるラウンド制御パターンRP1−2の概要を例示する説明図である。図13(A)に示すラウンド制御パターンRP1−1では、各ラウンド遊技における大入賞口開放時間がいずれも「29秒」であり、開放する大入賞口が第2特別可変入賞球装置48に対応した第2大入賞口を示す「第2」となっている。これに対して、図13(B)に示すラウンド制御パターンRP1−2では、4ラウンド目と8ラウンド目を示すラウンド数カウント値「4」と「8」のときには、大入賞口開放時間が「5秒」であり、開放する大入賞口が第1特別可変入賞球装置66に対応した第1大入賞口(開口部82)を示す「第1」となっている。このように、ラウンド制御パターンRP1−1とラウンド制御パターンRP1−2とでは、大当り図柄に対応した大当り種別が「第1大当り」であるか「第2大当り」であるかに応じて、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行回数が最大継続回数(上限回数)である「10ラウンド」に達するまでに実行される少なくとも1回のラウンド遊技について、大入賞口を開放状態に制御可能な時間の上限を、異ならせている。また、大入賞口開放時間が長い「29秒」のラウンド遊技では、開放する大入賞口を第2特別可変入賞球装置48に対応した「第2」すなわち第2大入賞口とする一方で、大入賞口開放時間が短い「5秒」のラウンド遊技では、開放する大入賞口を第1特別可変入賞球装置66に対応した「第1」すなわち第1大入賞口としている。
図14(A)は、小当り種別が「第1小当り」または「第4小当り」である場合に、小当り遊技状態で遊技球が第2特定進入口91に進入したことに基づいて制御される大当り遊技状態におけるラウンド制御パターンRP2−1の概要を例示する説明図である。図14(B)は、小当り種別が「第2小当り」または「第3小当り」である場合に、小当り遊技状態で遊技球が第2特定進入口91に進入したことに基づいて制御される大当り遊技状態におけるラウンド制御パターンRP2−2の概要を例示する説明図である。図14(A)に示すラウンド制御パターンRP2−1では、1ラウンド目を示すラウンド数カウント値「1」のときには、大入賞口開放時間が「1.5秒」であり、開放する大入賞口が第1特別可変入賞球装置66に対応した第1大入賞口を示す「第1」となっている。その他の各ラウンド遊技における大入賞口開放時間はいずれも「29秒」であり、開放する大入賞口が第2特別可変入賞球装置48に対応した第2大入賞口を示す「第2」となっている。これに対して、図14(B)に示すラウンド制御パターンRP2−2では、5ラウンド目と9ラウンド目を示すラウンド数カウント値「5」と「9」のときには、大入賞口開放時間が「5秒」であり、開放する大入賞口が第1特別可変入賞球装置66に対応した第1大入賞口を示す「第1」となっている。このように、ラウンド制御パターンRP2−1とラウンド制御パターンRP2−2とでは、小当り図柄に対応した小当り種別に応じて、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行回数が最大継続回数「10ラウンド」に達するまでに実行される少なくとも1回のラウンド遊技を実行可能な時間の上限を、異ならせている。また、大入賞口開放時間が長い「29秒」のラウンド遊技では、開放する大入賞口を第2特別可変入賞球装置48に対応した「第2」とする一方で、大入賞口開放時間が短い「1.5秒」や「5秒」のラウンド遊技では、開放する大入賞口を第1特別可変入賞球装置66に対応した「第1」としている。
図5に示す遊技制御用マイクロコンピュータ99が備えるRAM111には、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、たとえば図15に示すような遊技制御用データ保持エリア250が設けられている。図15に示す遊技制御用データ保持エリア250は、特図保留記憶部161と、遊技制御フラグ設定部162と、遊技制御タイマ設定部163と、遊技制御カウンタ設定部164と、遊技制御バッファ設定部165とを備えている。
特図保留記憶部161は、始動口58aや始動入賞装置58bといった始動領域のいずれかに遊技球が進入して特別図柄表示装置44aによる特図ゲームを実行するための実行条件が成立したものの、従前の特図ゲームを実行中である等の理由により変動表示を開始するための開始条件が成立していない特図ゲームに関する保留情報を記憶する。たとえば、特図保留記憶部161は、始動口58aや始動入賞装置58bへの入賞順に保留番号と対応付けて、その入賞による実行条件の成立に基づいてCPU112により乱数発生回路60aからのカウント値等に基づき抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データや、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データ、小当り種別決定用の乱数値MR3を示す数値データ等を、保留データとして、その数が所定の上限値(たとえば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部162には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するためにセットあるいはクリアされる複数種類のフラグが設けられている。たとえば、遊技制御フラグ設定部162は、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータを記憶する。この実施の形態において、遊技制御フラグ設定部162には、特別図柄プロセスフラグ、大当りフラグ、小当りフラグ、第1および第2特定球検出フラグ、大入賞口開放中フラグ、第1大入賞口開放後フラグ、第1および第2エラー判定実行フラグが設けられている。
特別図柄プロセスフラグは、特別図柄表示装置44aにおける特図ゲームの進行等を制御するために実行される特別図柄プロセス処理(図17のS16および図19)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。大当りフラグは、特図ゲームにおける変動表示結果を「大当り」とする判定結果に対応してオン状態にセットされる一方で、特図ゲームにおける変動表示結果として大当り図柄が導出表示されたこと等に対応してクリアされてオフ状態となる。小当りフラグは、特図ゲームにおける変動表示結果を「小当り」とする判定結果に対応してオン状態にセットされる一方で、特図ゲームにおける変動表示結果として小当り図柄が導出表示されたこと等に対応してクリアされてオフ状態となる。
第1特定球検出フラグは、小当り遊技状態や大当り遊技状態で開閉片81により開放状態とされた開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が、第1特定進入口89に進入して第1特定球検出器121aによって検出されたときに、オン状態にセットされる。第2特定球検出フラグは、小当り遊技状態や大当り遊技状態で開閉片81により開放状態とされた開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が、第2特定進入口91に進入して第2特定球検出器121bによって検出されたときに、オン状態にセットされる。なお、第1特定球検出フラグや第2特定球検出フラグは、小当り遊技状態や大当り遊技状態とは異なる遊技状態であっても、第1特定球検出器121aや第2特定球検出器121bによって遊技球が検出されたことに対応して、オン状態にセットされてもよい。そして、小当り遊技状態や大当り遊技状態とは異なる遊技状態で第1特定球検出フラグや第2特定球検出フラグがオンであるか否かに対応して、エラーの有無を判定するようにしてもよい。
大入賞口開放中フラグは、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技で、第1特別可変入賞球装置66に対応した第1大入賞口(開口部82)と第2特別可変入賞球装置48に対応した第2大入賞口とのいずれかが開放状態に制御されているときに、オン状態にセットされる。第1大入賞口開放後フラグは、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技で、第1特別可変入賞球装置66に対応した第1大入賞口(開口部82)を開放状態とした後に閉止状態とする制御が行なわれたことに対応して、オン状態にセットされる。
第1エラー判定実行フラグは、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が進入したことを第1カウントスイッチ106により検出したか否かに対応して異常の有無を判定する第1エラー判定処理を実行する場合に、オン状態にセットされる。その一方で、第1エラー判定処理を実行しない場合には、第1エラー判定実行フラグがクリアされてオフ状態となる。第2エラー判定実行フラグは、第2特別可変入賞球装置48の内部に遊技球が進入したことを第2カウントスイッチ52により検出したか否かに対応して異常の有無を判定する第2エラー判定処理を実行する場合に、オン状態にセットされる。その一方で、第2エラー判定処理を実行しない場合には、第2エラー判定実行フラグがクリアされてオフ状態となる。
遊技制御タイマ設定部163には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。たとえば、遊技制御タイマ設定部163は、各タイマにおけるタイマ値を示すデータを記憶する。この実施の形態において、遊技制御タイマ設定部163には、遊技制御プロセスタイマやモータ復帰制御タイマが設けられている。
遊技制御プロセスタイマは、たとえば特図ゲームの実行時間である特別図柄の変動表示時間といった特図ゲームの進行を制御するための時間や、大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態の進行を制御するための時間等を、主基板120の側で計測するためのものである。たとえば、遊技制御プロセスタイマは、特図ゲームの進行や大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態の進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、遊技制御プロセスタイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、遊技制御プロセスタイマは、特図ゲームや大当り遊技状態もしくは小当り遊技状態の開始時点といった、所定時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
モータ復帰制御タイマは、たとえば小当り遊技状態や大当り遊技状態でモータ127を駆動させることにより回転体79を回転動作させた後、回転体79を回動後における任意の回転位置から初期位置まで戻すためにモータ127を駆動する時間等を計測するためのものである。たとえば、モータ復帰制御タイマには、小当り遊技状態で回転体79を回転させた後、小当り遊技状態への制御時間が経過して第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないと判定されたときや、大当り遊技状態が終了するときに、回転体79の回転量に対応したモータ127の駆動時間となるタイマ値を示すデータがセットされる。その後、モータ復帰制御タイマにおけるタイマ値であるモータ復帰制御タイマ値は、回転体79が初期位置に戻るまで、定期的に1減算される等してカウントダウンする。
遊技制御カウンタ設定部164には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。たとえば、遊技制御カウンタ設定部164は、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータを記憶する。この実施の形態において、遊技制御カウンタ設定部164には、ラウンド数カウンタ、第1および第2大入賞口カウンタ、残存球数カウンタ、および、特図保留記憶数カウンタが設けられている。
ラウンド数カウンタは、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数をカウントするためのものである。たとえば、ラウンド数カウンタには、大当り遊技状態の開始時にカウント初期値「1」を示すデータが、ラウンド数カウント値として設定される。そして、1回のラウンド遊技が終了して次回のラウンド遊技が開始されるときに、ラウンド数カウント値が1加算されて更新される。
第1大入賞口カウンタは、第1特別可変入賞球装置66に対応した第1大入賞口(開口部82)に入賞した遊技球の個数をカウントするためのものである。たとえば、第1大入賞口カウンタには、第1カウントスイッチ106によって遊技球が検出されるごとに1加算されるデータが、第1大入賞口カウント値としてセットされる。そして、小当り遊技状態の終了時や、大当り遊技状態で第1大入賞口を開放状態とした後に閉止状態とするラウンド遊技の終了時には、第1大入賞口カウント値がクリアされてカウント初期値「0」を示すデータがセットされる。
第2大入賞口カウンタは、第2特別可変入賞球装置48に対応した第2大入賞口に入賞した遊技球の個数をカウントするためのものである。たとえば、第2大入賞口カウンタには、第2カウントスイッチ52によって遊技球が検出されるごとに1加算されるデータが、第2大入賞口カウント値としてセットされる。そして、大当り遊技状態で第2大入賞口を開放状態とした後に閉止状態とするラウンド遊技の終了時には、第2大入賞口カウント値がクリアされてカウント初期値「0」を示すデータがセットされる。
残存球数カウンタは、第1特別可変入賞球装置66の内部に残存している遊技球の個数をカウントするためのものである。たとえば、残存球数カウンタには、第1カウントスイッチ106によって遊技球が検出されるごとに1加算されるデータが、残存球数カウント値としてセットされる。そして、排出球検出器122によって遊技球が検出されるごとに、残存球数カウント値が1減算されて更新される。
特図保留記憶数カウンタは、特図保留記憶部161における保留データの数である特図保留記憶数をカウントするためのものである。たとえば、特図保留記憶数カウンタには、特図保留記憶数に対応したカウント値データが、特図保留記憶数カウント値として記憶され、特図保留記憶数の増減に対応して更新(たとえば1加算あるいは1減算)される。
遊技制御バッファ設定部165には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。
図5に示す演出制御基板90は、主基板120とは独立したサブ側の制御基板であり、演出表示装置44bの表示動作を主基板120からの演出制御コマンドに応じて制御するとともに、音声枠ランプ基板92との情報信号のやり取りを行なう。たとえば、演出制御基板90には、図16に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ170と、表示制御部171とが搭載されている。
図16に示す演出制御用マイクロコンピュータ170は、たとえば1チップマイクロコンピュータであり、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU181と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM182と、CPU181のワークエリアを提供するRAM183と、CPU181とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行なう乱数回路184と、入出力ポート185とを備えている。演出制御用マイクロコンピュータ170では、CPU181がROM182から読出したプログラムを実行し、RAM183をワークエリアとして用いることで、演出表示装置44b等による演出動作を制御するための処理が実行される。
ROM182には、CPU181による制御動作において各種の決定や判定、設定を行なうために読出可能なデータとして、たとえば複数種類の飾り図柄決定テーブルや演出実行決定テーブル、演出制御パターンテーブルといった、各種のテーブルを構成するデータが記憶されている。飾り図柄決定テーブルは、演出表示装置44bの表示領域80における飾り図柄の変動表示結果として導出表示される確定飾り図柄等を決定するために用いられるテーブルである。演出実行決定テーブルは、演出制御基板90の側において、所定の演出動作を実行するか否か、実行する場合における演出動作の態様を示す演出パターン等を決定するために用いられるテーブルである。演出制御パターンテーブルは、たとえば演出表示装置44bの表示領域80における表示動作といった、各種の演出制御の内容を示すデータが、演出制御パターンとして複数種類格納されたテーブルである。各演出制御パターンは、各種の演出動作について設定や制御を行なうための設定データや制御データから構成され、時系列的に各種の演出制御の内容や演出制御の切換タイミング等を示すものであればよい。
RAM183には、演出動作を制御するために用いられる各種のデータを保持する領域が設けられている。たとえば、RAM183には、演出動作状態や演出制御コマンド等に応じて各々セットあるいはクリアされる複数種類のフラグを設定するためのデータが記憶される演出制御フラグ設定部や、演出制御に用いられる各種のタイマ値を示すデータが記憶される演出制御タイマ設定部、演出制御に用いられる各種のカウント値を示すデータが記憶される演出制御カウンタ設定部、演出制御に用いられる各種のデータが一時的に記憶される演出制御バッファ設定部といった、各種のデータ設定部となる領域が設けられていればよい。
乱数回路184は、演出制御基板90の側において用いられる各種の乱数値の全てまたは一部を生成する回路である。入出力ポート185は、演出制御用マイクロコンピュータ170に伝送された演出制御コマンド等の各種信号を取込むための入力ポートと、演出制御用マイクロコンピュータ170の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。たとえば、入出力ポート185の出力ポートからは、表示制御部171へと伝送される表示制御信号や、音声枠ランプ基板92へと伝送される情報信号等が出力される。
演出制御基板90に搭載された表示制御部171は、演出制御用マイクロコンピュータ170からの表示制御信号等に基づき、演出表示装置44bの表示領域80における表示動作の制御を行なうためのものである。たとえば、表示制御部171では、演出表示装置44bの表示領域80で演出画像の切換表示を行なわせること等により、飾り図柄の変動表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行なう。表示制御部171には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路等が搭載されていればよい。
音声枠ランプ基板92では、主基板120から入力される電飾信号に応じて、遊技効果LED13、14a、14cや遊技効果ランプ14b、14d、16a、16b、17a、17bの点灯制御が行なわれる。また、音声枠ランプ基板92では、主基板120から入力される効果音信号に応じて、スピーカ12a,12bによる音声出力動作の制御が行なわれる。さらに、音声枠ランプ基板92では、主基板120から入力される電飾信号に応じて、ランプドライバ基板93を介して各種装飾LED・ランプ32の点灯制御が行なわれる。ランプドライバ基板93は、音声枠ランプ基板92から各種装飾LED・ランプ32への接続を中継する。
払出制御基板98は、主基板120とは独立したサブ側の制御基板であり、遊技球の払出動作を主基板120からの賞球個数信号等に応じて制御するとともに、遊技球の発射動作や各種の表示動作を制御する。たとえば、払出制御基板98では、満タンスイッチ158からの満タン信号に応じて払出停止信号を玉払出装置154に出力し、払出モータの駆動を停止させる制御が行なわれる。また、払出制御基板98は、主基板120からの賞球個数信号に応じて払出モータを駆動し、所定個数の賞球を払出させる。このとき、払出制御基板98では、賞球個数信号に応じて賞球LED10を表示駆動する制御が行なわれる。
加えて、払出制御基板98では、球切れスイッチ157からの球切れスイッチ信号に応じて払出停止信号を玉払出装置154に出力し、払出モータの駆動を停止させる制御が行なわれる。このとき、払出制御基板98では、球切れLED9を表示駆動する制御も行なわれる。
払出制御基板98には、玉払出装置154に搭載されたモータ位置センサや払出個数カウントスイッチからの信号も入力される。払出制御基板98では、モータ位置センサからの入力信号に応じて、遊技球の払出動作における払出モータの停止位置を制御するとともに、玉払出部材が正常に動作しているか否かを検出する。また、払出制御基板98では、払出個数カウントスイッチからの入力信号に応じた払出モータの駆動制御により遊技球の払出制御が行なわれる。
払出制御基板98は、カードユニット装置128や残高表示基板104からの信号を中継する遊技球等貸出装置接続端子板103と接続されて、カードユニット装置128からの各種の情報や、残高表示基板104に搭載された球貸操作部や返却操作部からの信号が入力される。払出制御基板98では、カードユニット装置128からの球貸要求信号に応じた払出モータの駆動制御により遊技球の払出制御が行なわれる。
次に、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板120では、電源基板97からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ99が起動し、CPU112によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU112は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行なう。この初期設定では、たとえば、電源基板97に搭載されたクリアスイッチ97aが押圧操作されたか否かの判定を行ない、押圧操作された場合には、RAM111をクリアした後に所定の作業領域に初期値を設定する等の初期設定処理が実行される。これに対して、クリアスイッチ97aが押圧操作されていない場合には、RAM111のバックアップ領域における記憶内容等に基づき、主基板120の内部状態をパチンコ遊技機1で電源断が生じる前の状態に戻すための復旧処理が実行される。
また、遊技制御メイン処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ99に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行なう。これにより、以後、所定時間(たとえば2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU112へと送出され、CPU112は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定や復旧処理が終了すると、割込みを許可した後に、ループ処理に入る。こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU112は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受付けると、図17のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
図17に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU112は、まず、所定の電源断処理を実行する(ステップS(以下、単にSという)11)。この電源断処理では、所定の電源確認信号における信号状態をチェックして、電源断判定中以外であればバックアップ監視タイマをクリアする。これに対して、電源断判定中であればバックアップ監視タイマの更新や判定を行ない、電源断が発生したか否かを判定する。このとき、電源断が発生すれば、チェックサムバッファの設定や、RAM111をアクセス禁止とする設定、電源確認信号の監視等といった、所定の設定や処理を実行する。
電源断処理に続いて、所定のスイッチ処理を実行する(S12)。このスイッチ処理では、ゲートスイッチ62、始動口スイッチ56,60、第1カウントスイッチ106および第2カウントスイッチ52といった各スイッチや、入賞球検出器55a,55b、第1特定球検出器121a、第2特定球検出器121b、第3特定球検出器51、進入球検出器109および排出球検出器122といった各検出器の状態を示す検出信号を取込み、各スイッチや各検出器における検出状態の判定が行なわれる。たとえば、スイッチ処理では、図18のフローチャートに示すような大入賞口エラー判定処理が実行される。
図18に示す大入賞口エラー判定処理を開始すると、CPU112は、まず、遊技制御フラグ設定部162に設けられた第1エラー判定実行フラグがオンであるか否かを判定する(S51)。このとき、第1エラー判定実行フラグがオンであれば(S51;Yes)、第1エラー判定処理を実行する。ここでは、第1カウントスイッチ106からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(S52)。
S52で第1カウントスイッチ106からの検出信号がオフ状態である場合には(S52;No)、遊技制御フラグ設定部162に設けられた第2エラー判定実行フラグがオンであるか否かを判定する(S53)。このとき、第2エラー判定実行フラグがオンであれば(S53;Yes)、第2エラー判定処理を実行する。ここでは、第2カウントスイッチ52からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(S54)。S54で第2カウントスイッチ52からの検出信号がオフ状態である場合には(S54;No)、大入賞口エラー判定処理を終了する。
S52で第1カウントスイッチ106からの検出信号がオン状態である場合には(S52;Yes)、第1特別可変入賞球装置66に対応した第1大入賞口(開口部82)が閉止状態となってから所定の有効入賞検出期間が経過した後、不適切に第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が、第1カウントスイッチ106によって検出されたことになる。また、S54で第2カウントスイッチ52からの検出信号がオン状態である場合には(S54;Yes)、第2特別可変入賞球装置48に対応した第2大入賞口が閉止状態となってから所定の有効入賞検出期間が経過した後、不適切に第2特別可変入賞球装置48の内部に進入した遊技球が、第2カウントスイッチ52によって検出されたことになる。そこで、これらの場合には、所定の異常報知処理を実行するループ処理に入り(S55)、以後の処理には進まないように制御を行なう。これにより、遊技の進行を停止することができ、異常状態を発生させて行なわれる不正行為を防止することができる。S55の異常報知処理では、上部装飾ユニット22を全て点灯させることや、演出表示装置44bの表示領域80に所定の報知画像を表示させること、スピーカ12a,12bから所定の警報音を出力させること、あるいは、これらを組合せることにより、異常を報知できるようにすればよい。
S55で実行される異常報知処理は、電源基板97からの電力供給停止時、すなわち電源断が行なわれるまで、繰返し行なわれるようにすればよい。この場合、電源断が行なわれたときには、電源の再投入時にクリアスイッチ97aの押圧操作が行なわれることにより、RAM111がクリアされた後に初期設定処理が実行されて、異常状態がクリア(解除)されればよい。これに対して、電源断が行なわれたときには、電源の再投入時にクリアスイッチ97aの押圧操作が行なわれなくても、異常の報知を終了させるようにしてもよい。これにより、異常状態をクリア(解除)するために特別な信号を主基板120に入力させる必要がないので、不正な信号が入力される可能性を低減することができる。
また、S55で実行される異常報知処理は、所定時間(たとえば30秒)が経過するまで繰返し行なわれるようにして、その所定時間が経過した後には、自動的に異常状態から復旧できるようにしてもよい。これにより、異常状態が発生したことを遊技場の店員等に対して確実に報知することができる一方で、クリアスイッチ97aの押圧操作や電源の再投入等によりRAM111をクリアしなくても異常状態から復旧させられるので、ノイズ等の原因で異常状態と判定された場合等に、遊技者に与える不利益を軽減することができる。あるいは、S55で実行される異常報知処理では、たとえば演出制御基板90に対してエラーコマンドとなる演出制御コマンドを送信してエラーの発生を報知させた後、ループ処理には入らずに大入賞口エラー判定処理を終了するようにしてもよい。この場合には、たとえば図17に示すS20で実行される賞球処理で、払出制御基板98に対する賞球個数信号の出力を禁止し、賞球数の設定が行なわれないようにすればよい。
図17に示すS12でスイッチ処理を実行した後には、表示制御処理が実行される(S13)。この表示制御処理では、特別図柄表示装置44aや普通図柄表示装置63における表示動作を制御するための駆動信号、特別図柄始動記憶LED46や普通図柄始動記憶LED64における点灯動作を制御するための駆動信号等が、各表示装置やLEDへと出力される。表示制御処理が終了すると、正規の時期以外の時期において大入賞口(開口部82、第2特別可変入賞球装置48の開口部)に遊技球が入賞したことを検出した場合や、正規の時期以外の時期において始動口58aに遊技球が入賞したことを検出した場合に、異常入賞の報知を行なわせるための処理を行なう(S14)。
異常入賞報知処理が終了すると、乱数更新処理が実行される(S15)。この乱数更新処理では、たとえば大当り種別決定用の乱数値MR2や小当り種別決定用の乱数値MR3、ラウンド数決定用の乱数値MR4といった、各種の乱数値を生成するための数値データを、CPU112がソフトウェアにより更新する。
乱数更新処理の後には、初期値決定用乱数更新処理が実行される(S16)。この初期値決定用乱数更新処理では、たとえば大当り種別決定用の乱数値MR2や小当り種別決定用の乱数値MR3、ラウンド数決定用の乱数値MR4といった、各種の乱数値における初期値を決定するために用いられる乱数値を更新する。初期値決定用乱数更新処理が終了すると、特別図柄プロセス処理が実行される(S17)。この特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部162に設けられた特別図柄プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置44aにおける表示動作の制御や第1および第2特別可変入賞球装置66、48における大入賞口開閉動作の設定等を所定の手順でおこなうために、各種の処理が選択されて実行される。特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(S18)。この普通図柄プロセス処理では、普通図柄の変動表示を行なうための表示制御や、普通可変入賞球装置58における可動翼片の位置制御等が行なわれる。
普通図柄プロセス処理が終了すると、表示コマンド制御処理が実行される(S19)。この表示コマンド制御処理では、演出表示装置44bの表示領域80における演出画像の表示動作といった各種の演出動作を制御するために、演出制御コマンドが演出制御基板90に対して送信される。表示コマンド制御処理に続いて、情報出力処理が実行される(S20)。この情報出力処理では、パチンコ遊技機1における各種の遊技情報が、盤用外部端子板96等を介して遊技場に設置されたホール用管理コンピュータへと出力される。情報出力処理の後には、賞球処理が実行される(S21)。この賞球処理では、各スイッチからの検出信号に応じて賞球個数信号を払出制御基板98に対して出力すること等により、賞球数の設定が行なわれる。たとえば、S20の賞球処理では、第1カウントスイッチ106からの検出信号と第2カウントスイッチ52からの検出信号のいずれかがオン状態である場合に、賞球数を同一の「10」とする設定が行なわれればよい。あるいは、第1カウントスイッチ106からの検出信号がオン状態である場合には賞球数を「5」とする設定が行なわれる一方で、第2カウントスイッチ52からの検出信号がオン状態である場合には、第1カウントスイッチ106からの検出信号がオン状態である場合とは異なる賞球数として「10」が設定されるようにしてもよい。
賞球処理に続いて、試験端子処理が実行される(S22)。この試験端子処理では、たとえば特別図柄変動表示中の設定や特別図柄当り、第1特別可変入賞球装置66の作動中設定、第2特別可変入賞球装置48の作動中設定、普通可変入賞球装置58の作動中設定、普通図柄変動表示中の設定といった、各種の信号が出力される。試験端子処理の後には、出力処理が実行される(S23)。この出力処理では、各ソレノイドやモータを駆動あるいは停止させるために、たとえば後述するS243、S246、S248、S250、S258(以上、図22)、S542、S544、S546、S552(以上、図28)およびS134(図32)での設定に基づき駆動制御信号が出力される一方で、S254、S256、S260(以上、図22)、S264(図23)、S550、S554、S558(以上、図28)およびS135(図32)での設定に基づき駆動制御信号の出力が停止される。出力処理が終了すると、記憶処理が実行される(S24)。この記憶処理では、特別図柄始動記憶LED46や普通図柄始動記憶LED64における点灯動作を制御するための駆動信号が設定される。
記憶処理の後には、モータ初期位置復帰制御処理が実行される(S25)。このモータ初期位置復帰制御処理では、小当り遊技状態や大当り遊技状態でモータ127を駆動して回転体79を回転させた後、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないとの判定結果に基づき小当り遊技状態を終了するときや、大当り遊技状態を終了するときに、回転体79が初期位置に戻るまでモータ127を駆動するための駆動信号が設定される。モータ初期位置復帰制御処理に続いて、特別図柄表示制御処理が実行される(S26)。この特別図柄表示制御処理では、特別図柄表示装置44aにおける表示動作を制御するための駆動信号が設定される。特別図柄表示制御処理が終了すると、普通図柄表示制御処理が実行される(S27)。この普通図柄表示制御処理では、普通図柄表示装置63における表示動作を制御するための駆動信号が設定される。普通図柄表示制御処理に続いて、状態表示灯制御処理が実行される(S28)。この状態表示灯制御処理では、所定の状態表示灯における表示動作の制御が行なわれる。状態表示灯制御処理が終了すると、割込み許可状態に設定してから(S29)、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図19は、特別図柄プロセス処理として、図17に示すS17で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す特別図柄プロセス処理を開始すると、CPU112は、まず、始動口スイッチ56,60からの検出信号がオン状態となったか否かをチェックすることにより、始動口58aや始動入賞装置58bといった始動領域のいずれかに遊技球が進入したか否かを判定する(S101)。遊技球が始動領域に進入して始動口スイッチ56,60からの検出信号のいずれかがオン状態となった場合には(S101;Yes)、始動入賞処理を実行する(S102)。他方、始動口スイッチ56,60からの検出信号がいずれもオフ状態である場合には(S101;No)、S102の処理をスキップする。
S102で実行される始動入賞処理では、まず、特図保留記憶部161に記憶されている保留データの個数である特図保留記憶数が、所定の上限値(たとえば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、特図保留記憶数が上限値となっていれば、今回の始動検出は無効として、そのまま始動入賞処理を終了する。これに対して、特図保留記憶数が上限値未満であるときには、各種の乱数値を示す数値データを抽出する。たとえば、CPU112は、乱数発生回路60aから入力されるカウント値に基づいて生成される特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データ、小当り種別判定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する。そして、抽出した各乱数値を示す数値データを、特図保留記憶部161における空きエントリの先頭にセットする。このときには、たとえば遊技制御カウンタ設定部164に設けられた特図保留記憶数カウンタにおけるカウント値である特図保留記憶数カウント値を1加算するように更新してもよい。また、演出制御基板90に対して特図保留記憶数通知コマンドとなる所定の演出制御コマンドを送信するための設定を行ない、演出表示装置44bの表示領域80に設けられた特別図柄始動記憶表示エリアで、特図保留記憶数を特定可能とする演出画像を表示させるようにしてもよい。
以上のような始動入賞処理を実行した後や、S101で始動口スイッチ56,60からの検出信号がいずれもオフ状態であると判定された後には、遊技制御フラグ設定部162に設けられた特別図柄プロセスフラグの値に応じて、図19に示すようなS110〜S117の各処理を実行する。
S110の特別図柄通常処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、特図保留記憶部161に格納された保留データの有無等に基づいて、特別図柄表示装置44aによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行なわれる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特図ゲームにおける変動表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かの判定が行なわれる。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける変動表示結果に対応して、特別図柄表示装置44aによる特図ゲームにおける停止図柄(大当り図柄、小当り図柄およびハズレ図柄のいずれか)が決定される。そして、特別図柄可通常処理では、特別図柄表示装置44aで特別図柄の変動表示を開始することに対応して、変動表示の開始を指示する演出制御コマンドである変動表示開始コマンドを、演出制御基板90に対して送信するための設定が行なわれる。
S111の特別図柄変動表示処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この特別図柄変動表示処理では、特別図柄の変動表示を開始してからの経過時間が計測され、その経過時間が特別図柄の変動表示時間に達したか否かの判定が行なわれる。そして、特別図柄の変動表示時間に達したときには、特別図柄表示装置44aで確定特別図柄を停止表示させる制御を行なう。このときには、特別図柄表示装置44aで特別図柄の変動表示が終了することに対応して、変動表示の終了を指示する演出制御コマンドである変動表示終了コマンドを、演出制御基板90に対して送信するための設定を行なうことにより、演出表示装置44bの表示領域80で行なわれている飾り図柄の変動表示を停止させるようにしてもよい。あるいは、演出制御基板90の側では、変動表示開始コマンドに示された変動表示パターン等に対応する変動表示時間を特定し、飾り図柄の変動表示を開始してからの経過時間が特定された変動表示時間に達したときに、主基板120からの演出制御コマンドを受信しなくても、確定飾り図柄を導出表示して飾り図柄の変動表示を停止させるようにしてもよい。このような制御が行なわれた後、特別図柄プロセスフラグの値を“2”に更新する。
S112の特別図柄停止処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄停止処理では、遊技制御フラグ設定部162に設けられた大当りフラグや小当りフラグがオンとなっているか否かの判定が行なわれ、大当りフラグがオンである場合には特別図柄プロセスフラグの値を“4”に更新し、小当りフラグがオンである場合には特別図柄プロセスフラグの値を“3”に更新し、大当りフラグと小当りフラグとがいずれもオフである場合には特別図柄プロセスフラグの値を“0”に更新する。
S113の小当り開放時処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この小当り開放時処理では、特図ゲームにおける変動表示結果が「小当り」となったことに対応して、第1特別可変入賞球装置66に対応した第1大入賞口(開口部82)を所定の始動態様で開放状態とする始動動作を実行するための制御が行なわれる。また、小当り開放時処理では、小当り制御パターンにしたがって、各種の設定や制御が実行される。
S114の大当り開放前処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理では、特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となったことに対応して、大当り遊技状態におけるラウンド遊技を開始するための設定が行なわれる。
S115の大当り開放中処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理では、大当り遊技状態におけるラウンド遊技で、第1特別可変入賞球装置66に対応した第1大入賞口(開口部82)と第2特別可変入賞球装置48に対応した第2大入賞口のいずれかを開放状態とするための制御が行なわれる。また、大当り開放中処理では、第1大入賞口と第2大入賞口のいずれかを開放状態としてからの経過時間が計測され、その経過時間が大入賞口開放終了判定値に対応した開放終了時間に達したか否かの判定が行なわれる。さらに、大当り開放中処理では、遊技制御カウンタ設定部164に設けられた第1大入賞口カウンタや第2大入賞口カウンタにおけるカウント値が開放終了判定値に達したか否かの判定等も行なわれる。
S116の大当り開放後処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理では、大当り遊技状態で次のラウンド遊技に移行するための継続権が成立したか否かの判定を行ない、成立した場合には次のラウンド遊技に移行するための設定が行なわれる。また、大当り開放後処理では、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が最大継続回数に達した場合や、継続権が成立しなかった場合に、次のラウンド遊技には移行せずに、特別図柄プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S117の大当り終了処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理では、大当り遊技状態が終了した旨の報知動作を指示する演出制御コマンドである大当り終了コマンドを、演出制御基板90に対して送信するための設定が行なわれる。その他にも、大当り終了処理では、大当り遊技状態の終了時における各種の設定や制御が行なわれる。
図20は、図19のS110で実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す特別図柄通常処理において、CPU112は、まず、たとえば遊技制御カウンタ設定部164における特図保留記憶数カウント値を読み取ること等により、特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S201)。このとき、特図保留記憶数が「0」であれば(S201;Yes)、そのまま特別図柄通常処理を終了する。
S201で特図保留記憶数が「0」以外である場合には(S201;No)、特図保留記憶部161で保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データと、小当り種別決定用の乱数値MR3を示す数値データとを、それぞれ読出す(S202)。このときには、たとえば特図保留記憶数カウント値を1減算して更新すること等により、特図保留記憶数を1減少させるように更新するとともに、特図保留記憶部161で保留番号「1」より下位のエントリ(たとえば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S203)。
S203の処理に続いて、S202で読出した特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが、図7に示す特図表示結果判定テーブル200で設定された大当り判定値データと合致するか否かの判定を行なう(S204)。これにより、特図ゲームにおける変動表示結果を「大当り」とするか否かの判定が行なわれる。このとき、大当り判定値データと合致すれば(S204;Yes)、遊技制御フラグ設定部162に設けられた大当りフラグをオン状態にセットするとともに(S205)、大当り種別の決定を行なう(S206)。S206の処理では、S202で読出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づき、図8(A)に示す大当り種別決定テーブル210を参照することにより、大当り種別を「第1大当り」と「第2大当り」のいずれかに決定する。このときには、大当り種別と対応して、大当り図柄「77」と「33」のいずれかが、特図ゲームにおける予定停止図柄となる確定特別図柄に決定される。すなわち、図8(A)に示すように、大当り種別が「第1大当り」である場合には大当り図柄「77」が確定特別図柄に決定される一方で、大当り種別が「第2大当り」である場合には大当り図柄「33」が確定特別図柄に決定される。このように、S206の処理では、S204で乱数値MR1を示す数値データが大当り判定値データと合致して変動表示結果を特定表示結果としての「大当り」とする旨の判定がなされたことに基づいて、その特定表示結果となる特図ゲームでの変動表示結果を、予め定められた複数種類の大当り図柄のうちから決定することができる。
S204で大当り判定値データと合致しない場合には(S204;No)、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが、図7に示す特図表示結果判定テーブル200で設定された小当り判定値データと合致するか否かの判定を行なう(S207)。これにより、特図ゲームにおける変動表示結果を「小当り」とするか否かの判定が行なわれる。このとき、小当り判定値データと合致すれば(S207;Yes)、遊技制御フラグ設定部162に設けられた小当りフラグをオン状態にセットするとともに(S208)、小当り種別の決定を行なう(S209)。S209の処理では、S202で読出した小当り種別決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づき、図8(B)に示す小当り種別決定テーブル211を参照することにより、小当り種別を「第1小当り」〜「第4小当り」のいずれかに決定する。このときには、小当り種別に対応して、複数種類の小当り図柄のいずれかが、特図ゲームにおける予定停止図柄となる確定特別図柄に決定される。このように、S209の処理では、S207で乱数値MR1を示す数値データが小当り判定値データと合致して変動表示結果を所定表示結果としての「小当り」とする旨の判定がなされたことに基づいて、その所定表示結果となる特図ゲームでの変動表示結果を、予め定められた複数種類の小当り図柄のうちから決定することができる。
S207で小当り判定値データと合致しない場合には(S207;No)、ハズレ図柄「−−」を、特図ゲームにおける予定停止図柄となる確定特別図柄に決定する(S210)。S206、S209、S210の処理のいずれかを実行した後には、変動表示パターンを決定する(S211)。ここで、変動表示パターンは、特別図柄および飾り図柄の変動表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの時間である変動表示時間や、特別図柄および飾り図柄の変動表示中における演出動作の制御パターン等を示すものである。たとえば、S211の処理において、CPU112が変動表示パターン決定用の乱数値を示す所定の数値データを抽出し、ROM100に格納された変動表示パターン決定テーブルを参照することにより、複数種類の変動表示パターンのいずれかに決定すればよい。このときには、特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」であるか「小当り」であるか「ハズレ」であるかに応じて異なる変動表示パターン決定テーブルを参照して、各変動表示結果に対応した変動表示パターンに決定できるようにしてもよい。
S211の処理に続いて、たとえばRAM111の所定領域に確定特別図柄を示すデータを記憶させること等により、予定停止図柄をセットする(S212)。その後、主基板120から演出制御基板90に対して変動表示開始用の各種コマンドを送信するための設定を行なう(S213)。たとえば、S213の処理において、CPU112は、ROM100に記憶された変動表示開始用コマンドテーブルを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、RAM111の所定領域等に設けられた送信コマンドポインタにセットする。こうしてS213での設定を行なった場合には、特別図柄通常処理が終了してから図17に示すS18の表示コマンド制御処理が実行されるごとに、主基板120から演出制御基板90に対して、変動表示開始コマンドや表示結果通知コマンド、特図保留記憶数通知コマンド等が、順次に送信されることになる。なお、表示結果通知コマンドは、特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となるか「小当り」となるか「ハズレ」となるかを通知するための演出制御コマンドである。また、変動表示開始コマンドが、変動表示パターンとともに特図ゲームにおける変動表示結果を示すデータを含むように構成されてもよい。この場合には、主基板120から演出制御基板90に対して変動表示開始コマンドとは別に表示結果通知コマンドを送信する必要はなく、主基板120から演出制御基板90に対して送信する演出制御コマンドの数を削減して、主基板120における制御負担や記憶データの容量を低減することができる。
S213の処理を実行した後には、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動表示処理に対応した値である“1”に更新してから(S214)、特別図柄通常処理を終了する。
図21は、図19のS112で実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す特別図柄停止処理において、CPU112は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(S221)。このとき、大当りフラグがオンであれば(S221;Yes)、大当り種別に対応したラウンド制御パターンをセットする(S222)。S222の処理では、図20に示すS206の処理で図8(A)に示す大当り種別決定テーブル210を参照することにより決定された大当り種別に対応して、ラウンド制御パターンRP1−1、RP1−2のいずれかがセットされる。これにより、特図ゲームにおける確定特別図柄が大当り図柄「77」に決定されたことに対応してラウンド制御パターンRP1−1がセットされる一方で、特図ゲームにおける確定特別図柄が大当り図柄「33」に決定されたことに対応してラウンド制御パターンRP1−2がセットされることになる。
S222の処理に続いて、主基板120から演出制御基板90に対して大当り開始コマンドを送信するための設定が行なわれる(S223)。たとえば、S223の処理において、CPU112は、ROM100に記憶された大当り開始コマンドテーブルを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、送信コマンドポインタにセットする。こうしてS223での設定を行なった場合には、特別図柄停止処理が終了してから図17に示すS18の表示コマンド制御処理が実行されることにより、主基板120から演出制御基板90に対して大当り開始コマンドが送信されることになる。
S223における設定に続いて、大当り遊技開始待ち時間の設定を行なう(S224)。たとえば、S224の処理ではCPU112が、大当り遊技開始待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値を、遊技制御タイマ設定部163に設けられた遊技制御プロセスタイマへセットする。あるいは、S224の処理では、遊技制御プロセスタイマをリセットしてタイマ値を「0」に設定するとともに、大当り遊技開始待ち時間に対応して予め定められた大当り遊技開始基準値を、遊技制御プロセスタイマ値との比較対象としてセットしてもよい。このときセットされた大当り遊技開始基準値は、図19のS114で実行される大当り開放前処理において、遊技制御プロセスタイマ値と比較されることになる。こうしてS224で設定される大当り遊技開始待ち時間は、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間を含めて、始動領域に遊技球が進入してから特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」となったことに基づく大当り遊技状態における1回目のラウンド遊技で第1大入賞口となる開口部82が開放状態となるまでの時間が、回転体79を回動後における任意の回転位置から初期位置に戻すための所要時間よりも長い時間となるものであればよい。その後、大当りフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(S225)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(S226)、特別図柄停止処理を終了する。
また、S221で大当りフラグがオフである場合には(S221;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(S227)。このとき、小当りフラグがオンであれば(S227;Yes)、小当り種別に対応した小当り制御パターンをセットする(S228)。S228の処理では、図20に示すS209の処理で図8(B)に示す小当り種別決定テーブル211を参照することにより決定された小当り種別に対応して、小当り制御パターンKP1〜KP4のいずれかがセットされる。これにより、特図ゲームにおける確定特別図柄が複数種類の小当り図柄のいずれに決定されたか対応して、小当り制御パターンKP1〜KP4のいずれかがセットされることになる。
S228の処理に続いて、小当り遊技制御時間の設定を行なう(S229)。たとえば、S229の処理ではCPU112が、遊技制御プロセスタイマをリセットしてタイマ値を「0」に設定するとともに、小当り遊技制御時間に対応して予め定められた小当り遊技終了基準値を、遊技制御プロセスタイマ値との比較対象としてセットする。このときセットされた小当り遊技終了基準値は、図19のS113で実行される小当り開放時処理において、遊技制御プロセスタイマ値と比較されることになる。たとえば、小当り遊技終了基準値は、小当り遊技状態を開始してから、始動動作により開放状態となった開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第1カウントスイッチ106により検出されるまでに十分な時間に対応するタイマ基準値であればよい。すなわち、小当り遊技終了基準値は、小当り遊技状態において始動動作により開口部82を開放状態とした後に閉止状態としても第1カウントスイッチ106による遊技球の検出がない場合に、その小当り遊技状態を開始してから終了するまでの期間の上限を示している。加えて、S229の処理では、遊技を停止させるまでの期間に対応した遊技停止判定値の初期設定を行なうようにしてもよい。また、CPU112は、小当りフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(S230)、第1エラー判定実行フラグをクリアしてオフ状態にする(S231)。その後、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放時処理に対応した値である“3”に更新してから(S232)、特別図柄停止処理を終了する。
S227で小当りフラグがオフである場合には(S227;No)、特別図柄プロセスフラグの値を“0”に更新してから(S233)、特別図柄停止処理を終了する。
図22および図23は、図19のS113で実行される小当り開放時処理の一例を示すフローチャートである。この小当り開放時処理において、CPU112は、まず、遊技制御プロセスタイマ値を、たとえば1加算すること等により更新する(図22のS241)。これにより、遊技制御プロセスタイマ値は、たとえば図21のS229で「0」に設定された後、S241の処理が実行される毎に更新されることで、小当り遊技状態における経過時間に対応した値を示すことができる。
S241の処理を実行した後には、更新後の遊技制御プロセスタイマ値に対応した各種の設定が行なわれる。このときには、図21のS228でセットした小当り制御パターンにしたがって、各種設定の内容が決定されることになる。
たとえば、CPU112は、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示される大入賞口開放開始判定値と合致するか否かの判定を行なう(S242)。大入賞口開放開始判定値は、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間を含めて、始動領域に遊技球が進入してから始動動作で開口部82が開放状態となるまでの時間を、小当り遊技状態や大当り遊技状態の終了後に回転体79が初期位置に戻るための所要時間よりも長い時間とするように設定されている。一例として、回転体79を回動後における任意の回転位置から初期位置に戻すまでに必要な最長の所要時間が「5秒」であり、特図ゲームにおける変動表示結果が「小当り」となる場合における最短の変動表示時間が「4秒」である場合には、大入賞口開放開始判定値として、小当り遊技状態の開始時点からの経過時間が「1.5秒」に対応する遊技制御プロセスタイマ値を示す判定値が設定されていればよい。ここで、小当り遊技状態で開口部82を2回開閉する始動動作が行なわれる場合には、小当り制御パターンで異なる2つの遊技制御プロセスタイマ値に対応した2つの大入賞口開放開始判定値が設定されている。この場合、S242の処理では、小当り制御パターンに設定された2つの大入賞口開放開始判定値のいずれか1つに遊技制御プロセスタイマ値が合致すれば、大入賞口開放開始判定値と合致するとの判定がなされる。そして、大入賞口開放開始判定値と合致すれば(S242;Yes)、第1特別可変入賞球装置66に対応した第1大入賞口(開口部82)を開閉片81により開閉させる動作の開始設定を行なう(S243)。S243の処理では、小当り制御パターンに含まれる大入賞口開放開始制御データが示す駆動パターンで開閉片用ソレノイド105を駆動させることにより、開口部82を開放状態とする方向へ開閉片81を回動させる動作を2回繰返す始動動作を開始させるように、駆動制御信号の生成等が行なわれる。
S243の処理を実行したときには、始動動作により第1大入賞口が開放状態となる旨を報知する演出動作の開始を指示する演出制御コマンドである第1演出開始コマンドを、演出制御基板90に対して送信するための設定が行なわれる(S244)。たとえば、S244の処理において、CPU112は、ROM100に記憶された第1演出開始コマンドテーブルを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、送信コマンドポインタにセットする。こうしてS244での設定を行なった場合には、小当り開放時処理が終了してから図17に示すS18の表示コマンド制御処理が実行されることにより、主基板120から演出制御基板90に対して第1演出開始コマンドが送信されることになる。
S242で遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放開始判定値と合致しない場合には(S242;No)、S243、S244の処理をスキップする。この後、CPU112は、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示される振分駆動判定値と合致するか否かの判定を行なう(S245)。ここで、小当り遊技状態で振分部材83を第1の振分状態と第2の振分状態とに複数回変化させる場合には、小当り制御パターンで異なる複数の遊技制御プロセスタイマ値に対応した複数の振分駆動判定値が設定されている。この場合、S245の処理では、小当り制御パターンに設定された複数の振分駆動判定値のいずれか1つに遊技制御プロセスタイマ値が合致すれば、振分駆動判定値と合致するとの判定がなされる。たとえば、小当り遊技状態で振分用ソレノイド108を最初に駆動して振分部材83を最初に第2の振分状態とするための振分駆動判定値は、S242で最初に開口部82を開放状態とするための大入賞口開放開始判定値と同じ遊技制御プロセスタイマ値を示していてもよい。この場合には、小当り遊技状態における始動動作で開口部82を開放状態とするタイミングで、振分用ソレノイド108の駆動を開始して第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球を第2領域88へと振分けることができる。あるいは、小当り遊技状態で振分用ソレノイド108を最初に駆動して振分部材83を最初に第2の振分状態とするための振分駆動判定値は、S242で最初に開口部82を開放状態とするための大入賞口開放開始判定値よりも大きな遊技制御プロセスタイマ値を示していてもよい。この場合には、小当り遊技状態における始動動作で開口部82を開放状態とするタイミングよりも後のタイミングで、振分用ソレノイド108の駆動を開始する。これにより、小当り遊技状態での始動動作により開口部82が開放状態となった後であっても、回転体79が初期位置に戻るまでは、振分用ソレノイド108の駆動を停止させて振分部材83を第1の振分状態とし、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球を第1領域85へと振分けることで、第2領域88には遊技球が振分けられないように制御を行ない、回転体79が初期位置に戻った後に、振分用ソレノイド108の駆動を開始させて振分部材83を第2の振分状態とし、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球を第2領域88へと振分けることができるようにしてもよい。そして、振分駆動判定値と合致すれば(S245;Yes)、振分部材83を振分用ソレノイド108の駆動力によりパチンコ遊技機1の奥行き方向における奥側に移動させるための設定を行なう(S246)。S246の処理では、小当り制御パターンに含まれる振分駆動制御データを読出し、その読出データに応じた駆動制御信号の生成等を行なうことにより、振分用ソレノイド108を駆動させる。
S245で遊技制御プロセスタイマ値が振分駆動判定値と合致しない場合には(S245;No)、S246の処理をスキップする。この後、CPU112は、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示されるモータ駆動開始判定値と合致するか否かの判定を行なう(S247)。たとえば、モータ駆動開始判定値は、S242で最初に開口部82を開放状態とするための大入賞口開放開始判定値と同じ遊技制御プロセスタイマ値を示していてもよい。この場合には、小当り遊技状態における始動動作で開口部82を開放状態とするタイミングで、モータ127の駆動による回転体79の回動を開始することができる。あるいは、モータ駆動開始判定値は、S242で最初に開口部82を開放状態とするための大入賞口開放開始判定値よりも大きな遊技制御プロセスタイマ値を示していてもよい。この場合には、小当り遊技状態における始動動作で開口部82を開放状態とするタイミングよりも後のタイミングで、モータ127の駆動による回転体79の回動を開始する。これにより、小当り遊技状態での始動動作により開口部82が開放状態となった後であっても、回転体79が初期位置に戻るまでは、遊技制御プロセスタイマ値がモータ駆動開始判定値と合致しないようにして、回転体79を初期位置に戻すための駆動制御を行ない、回転体79が初期位置に戻った後に、小当り遊技状態におけるモータ127の駆動による回転体79の回動を開始させることができるようにしてもよい。モータ駆動開始判定値と合致すれば(S247;Yes)、回転体79をモータ127の駆動力により回動させる動作の開始設定を行なう(S248)。S248の処理では、小当り制御パターンに含まれるモータ駆動開始制御データが示す駆動パターンでモータ127を駆動して、回転体79を順方向あるいは逆方向に回動させるように、駆動制御信号の生成等が行なわれる。
S247で遊技制御プロセスタイマ値がモータ駆動開始判定値と合致しない場合には(S247;No)、S248の処理をスキップする。この後、CPU112は、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示される貯留駆動開始判定値と合致するか否かの判定を行なう(S249)。たとえば、貯留駆動開始判定値は、S242で最初に開口部82を開放状態とするための大入賞口開放開始判定値と同じ遊技制御プロセスタイマ値を示していてもよい。この場合には、小当り遊技状態における始動動作で開口部82を開放状態とするタイミングで、貯留用ソレノイド118の駆動を開始して貯留板118bを貯留状態とすることができる。あるいは、貯留駆動開始判定値は、S242で最初に開口部82を開放状態とするための大入賞口開放開始判定値よりも大きな遊技制御プロセスタイマ値を示すものであっても、始動動作で開放状態となった開口部82に進入した遊技球が貯留板118bの設置位置に到達するまでに要する最短の所要時間よりも短い時間に対応した遊技制御プロセスタイマ値を示すものであればよい。このとき、貯留駆動開始判定値と合致すれば(S249;Yes)、貯留板118bを貯留用ソレノイド118の駆動力によりパチンコ遊技機1の奥行き方向における手前側に移動(進出)させて貯留状態とするための設定を行なう(S250)。S250の処理では、小当り制御パターンに含まれる貯留駆動開始制御データを読出し、その読出データに応じた駆動制御信号の生成等を行なうことにより、貯留用ソレノイド118を駆動させる。
S250の処理を実行したときには、貯留用ソレノイド118を駆動させてから停止させるまでの駆動時間が経過したか否かを判定するために用いる貯留解除判定値をセットする(S251)。たとえば、このときセットされる貯留解除判定値としては、現在の遊技制御プロセスタイマ値に基づき、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が振分部材83により第2領域88に振分けられるとした場合に、進入球誘導通路110や振分部材83、第2誘導通路117を通過して進入球検出器109により検出されるまでに十分な時間に対応するタイマ判定値が設定されればよい。そして、S251で設定された貯留解除判定値は、進入球検出器109が遊技球を検出したことに基づいて、後述するS507(図24)の処理が実行されたときに、再び設定(更新)される。これにより、特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に複数の遊技球が進入したときには最初に進入した遊技球に対応してラウンド制御パターンが決定される場合に、第1特定進入口89に比べて遊技者にとって有利な第2特定進入口91に遊技球が進入したことに対応するラウンド制御パターンを、優先的に決定することができる。S251での設定を行なった後に遊技制御プロセスタイマ値の更新が進み、S251でセットされた貯留解除判定値と遊技制御プロセスタイマ値とが合致することになれば、たとえ第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が進入したとしても、その遊技球は振分部材83により第2領域88の側には振分けられなかったと判断することができる。なお、S251の処理による貯留解除判定値のセットは行なわずに、小当り制御パターンに示される貯留解除判定値を用いるようにしてもよい。
S249で遊技制御プロセスタイマ値が貯留駆動開始判定値と合致しない場合には(S249;No)、S250、S251の処理をスキップする。この後、第1大入賞口進入時処理を実行することにより、第1大入賞口となる開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が進入した場合における各種の設定や制御が行なわれる(S252)。
S252で第1大入賞口進入時処理を実行した後には、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示される振分停止判定値と合致するか否かの判定を行なう(S253)。ここで、小当り遊技状態で振分部材83を第1の振分状態と第2の振分状態とに複数回変化させる場合には、小当り制御パターンで異なる複数の遊技制御プロセスタイマ値に対応した複数の振分停止判定値が設定されている。この場合、S253の処理では、小当り制御パターンに設定された複数の振分停止判定値のいずれか1つに遊技制御プロセスタイマ値が合致すれば、振分停止判定値と合致するとの判定がなされる。たとえば、小当り遊技状態で振分用ソレノイド108を駆動して振分部材83を第2の振分状態とした後に振分用ソレノイド108の駆動を停止して振分部材83を第1の振分状態に戻すための振分停止判定値は、S245の処理で振分部材83を第2の振分状態とするための振分駆動判定値よりも大きな遊技制御プロセスタイマ値を示していればよい。この場合、振分停止判定値は、S242で最初に開口部82を開放状態とするための大入賞口開放開始判定値よりも大きな遊技制御プロセスタイマ値を示すことになる。そして、振分停止判定値と合致すれば(S253;Yes)、振分用ソレノイド108の駆動を停止させて振分部材83をパチンコ遊技機1の奥行き方向における手前側に移動させるための設定を行なう(S254)。S254の処理では、小当り制御パターンに含まれる振分停止制御データを読出し、その読出データに応じて駆動制御信号の出力を停止させること等により、振分用ソレノイド108の駆動を停止させる。
S253で遊技制御プロセスタイマ値が振分停止判定値と合致しない場合には(S253;No)、S254の処理をスキップする。この後、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示される大入賞口開放終了判定値と合致するか否かの判定を行なう(S255)。ここで、小当り遊技状態で開口部82を2回開閉する始動動作が行なわれる場合には、小当り制御パターンで異なる2つの遊技制御プロセスタイマ値に対応した2つの大入賞口開放終了判定値が設定されている。この場合、S255の処理では、小当り制御パターンに設定された2つの大入賞口開放終了判定値のいずれか1つに遊技制御プロセスタイマ値が合致すれば、大入賞口開放終了判定値と合致するとの判定がなされる。たとえば、小当り遊技状態で開閉片用ソレノイド105を最初に駆動して開口部82を最初に開放状態とした後に開閉片用ソレノイド105の駆動を停止して開口部82を閉止状態に戻すための大入賞口開放終了判定値は、S242で最初に開口部82を開放状態とするための大入賞口開放開始判定値よりも大きな遊技制御プロセスタイマ値を示していればよい。また、小当り遊技状態で開閉片用ソレノイド105を2回目に駆動して開口部82を2回目に開放状態とした後に開閉片用ソレノイド105の駆動を停止して開口部82を閉止状態に戻すための大入賞口開放終了判定値は、S242で2回目に開口部82を開放状態とするための大入賞口開放開始判定値よりも大きな遊技制御プロセスタイマ値を示していればよい。そして、大入賞口開放終了判定値と合致すれば(S255;Yes)、開閉片用ソレノイド105の駆動を停止させて開閉片81による第1大入賞口の開閉動作としての始動動作を終了するための設定を行なう(S256)。S256の処理では、小当り制御パターンに含まれる大入賞口開放終了制御データを読出し、その読出データに応じて駆動制御信号の出力を停止させること等により、開閉片用ソレノイド105の駆動を停止させる。
S255で遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放終了判定値と合致しない場合には(S255;No)、S256の処理をスキップする。この後、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示されるモータ駆動切換判定値と合致するか否かの判定を行なう(S257)。ここで、小当り遊技状態で回転体79の回動方向を順方向と逆方向とに複数回切換える場合には、小当り制御パターンで異なる複数の遊技制御プロセスタイマ値に対応した複数のモータ駆動切換判定値が設定されている。この場合、S257の処理では、小当り制御パターンに設定された複数のモータ駆動切換判定値のいずれか1つに遊技制御プロセスタイマ値が合致すれば、モータ駆動切換判定値と合致するとの判定がなされる。これに対して、小当り遊技状態では回転体79の回動方向を切換えずに順方向あるいは逆方向のいずれか1方向に継続して回動させる場合には、小当り制御パターンでモータ駆動切換判定値が設定されておらず、S257の処理でモータ駆動切換判定値と合致するとの判定がなされない。たとえば、モータ駆動切換判定値は、S247でモータ127の駆動により回転体79の回動を開始するためのモータ駆動開始判定値よりも大きな遊技制御プロセスタイマ値を示していればよい。この場合、モータ駆動切換判定値は、S242で最初に開口部82を開放状態とするための大入賞口開放開始判定値よりも大きな遊技制御プロセスタイマ値を示すことになる。そして、モータ駆動切換判定値と合致すれば(S257;Yes)、回転体79をモータ127の駆動力により駆動させる動作の切換設定を行なう(S258)。S258の処理では、小当り制御パターンに含まれるモータ駆動切換制御データが示す駆動パターンでモータ127を駆動することにより、順方向に回動していた回転体79を逆方向に回動させるように、あるいは、逆方向に回動していた回転体79を順方向に回動させるように、たとえば切換設定前の励磁パターンとは逆の励磁パターンを示す制御データを所定の出力ポートにセットすることによる駆動制御信号の生成等が行なわれる。
S257で遊技制御プロセスタイマ値がモータ駆動切換判定値と合致しない場合には(S257;No)、S258の処理をスキップする。この後、遊技制御プロセスタイマ値が貯留解除判定値と合致するか否かの判定を行なう(S259)。このとき用いられる貯留解除判定値は、小当り制御パターンに示されるものであってもよいし、S251の処理あるいは後述するS507の処理により設定されるものであってもよい。どの貯留解除判定値を用いるかについて、小当り制御パターンで指定するようにしてもよい。いずれの貯留解除判定値を用いる場合であっても、その貯留解除判定値は、S242で最初に開口部82を開放状態とするための大入賞口開放開始判定値よりも大きな遊技制御プロセスタイマ値を示していればよい。そして、貯留解除判定値と合致すれば(S259;Yes)、貯留用ソレノイド118の駆動を停止させて貯留板118bをパチンコ遊技機1の奥行き方向における奥側に移動(退避)させて貯留解除状態とするための設定を行なう(S260)。S260の処理では、小当り制御パターンに含まれる貯留解除制御データを読出し、その読出データに応じて駆動制御信号の出力を停止させること等により、貯留用ソレノイド118の駆動を停止させる。
S259で遊技制御プロセスタイマ値が貯留解除判定値と合致しない場合には(S259;No)、S260の処理をスキップする。この後、遊技制御プロセスタイマ値を小当り遊技終了基準値と比較することにより、そのタイマ値が小当り遊技終了基準値に達したか否かを判定する(図23のS261)。このとき、遊技制御プロセスタイマ値が小当り遊技終了基準値に達していなければ(S261;No)、小当り開放時処理を終了する。
これに対して、S261で遊技制御プロセスタイマ値が小当り遊技終了基準値に達している場合には(S261;Yes)、残存球数カウント値が「0」であるか否かを判定する(S262)。なお、残存球数カウント値は、図22に示すS252の第1大入賞口進入時処理で、後述するS503、S513(図24)の処理が実行されることにより、更新される。
S262で残存球数カウント値が「0」である場合には(S262;Yes)、特定入賞判定処理を実行することにより、第1特定進入口89や第2特定進入口91に遊技球が進入したか否かの判定が行なわれる(S263)。続いて、たとえば駆動制御信号の出力を停止させること等により、振分用ソレノイド108の駆動を停止させて振分部材83をパチンコ遊技機1の奥行き方向における手前側に移動させるための設定を行なう(S264)。このように、S262で残存球数カウント値が「0」である場合にS264の処理を実行することにより、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないとの判定に対応して、振分部材83の振分動作を停止させることができる。また、モータ127の駆動動作に基づく回転体79の回転量を特定する(S265)。たとえば、モータ127により回転体79を順方向や逆方向に回転させている期間では、回転体79の回転軸に取付けられたロータリーエンコーダからの出力信号におけるパルス数をカウントしておく。そして、S265の処理では、そのパルス数から順方向と逆方向への移動量を求め、各移動量の差分から回転体79の回転量を特定すればよい。あるいは、モータ127が予め定められた一定の回転速度を有している場合には、モータ127により回転体79を順方向や逆方向に回転させている期間を計測する。そして、S265の処理では、各回転期間と回転速度との乗算を行なって順方向と逆方向への移動量を求め、各移動量の差分から回転体79の回転量を特定すればよい。あるいは、S265の処理では、回転体79の回転軸に取付けられた可変抵抗における抵抗値から、回転体79の回転量を特定してもよい。
続いて、S265で特定された回転量に対応して、モータ復帰制御タイマにおけるタイマ初期値や、モータ127の駆動により回転体79を初期位置に戻すためのモータ回転方向パターン等の設定を行なう(S266)。具体的な一例として、S265の処理で特定された回転量として、可動進入口79aの中心が図3に示す基準線L1から順方向に60度回転していたとする。この場合、S266の処理では、モータ127の駆動により回転体79を逆方向に60度回転させるための所要時間に対応したモータ復帰制御タイマ値と、モータ127を逆方向に回転駆動するためのモータ回転方向パターンとを設定する。
S266の処理に続いて、遊技制御プロセスタイマをリセットしてタイマ値をクリアするとともに(S267)、第1大入賞口カウンタを初期化して第1大入賞口カウント値をクリアする(S268)。その後、第1エラー判定実行フラグをオン状態にセットしてから(S269)、小当り開放時処理を終了する。このように、S262で残存球数カウント値が「0」である場合にS269の処理を実行することにより、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないとの判定に対応して、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が不適切に検出されたか否かの判定(第1エラー判定処理の実行)を開始させることができる。
S262で残存球数カウント値が「0」ではない場合には(S262;No)、遊技制御プロセスタイマ値が遊技停止判定値に達したか否かを判定する(S270)。このとき、遊技停止判定値に達していなければ(S270;No)、小当り開放時処理を終了する。これに対して、S270で遊技停止判定値に達している場合には(S270;Yes)、異常状態である旨を報知する異常報知処理を繰返し実行する(S271)。これにより、遊技の進行を停止することができ、異常状態を発生させて行なわれる不正行為を防止することができる。S271の異常報知処理では、上部装飾ユニット22を全て点灯させることや、演出表示装置44bの表示領域80に所定の報知画像を表示させること、スピーカ12a,12bから所定の警報音を出力させること、あるいは、これらを組合せることにより、異常を報知できるようにすればよい。
S271で実行される異常報知処理は、電源基板97からの電力供給停止時、すなわち電源断が行なわれるまで、繰返し行なわれるようにすればよい。この場合、電源断が行なわれたときには、電源の再投入時にクリアスイッチ97aの押圧操作が行なわれることにより、RAM111がクリアされた後に初期設定処理が実行されて、異常状態がクリア(解除)されればよい。これに対して、電源断が行なわれたときには、電源の再投入時にクリアスイッチ97aの押圧操作が行なわれなくても、異常の報知を終了させるようにしてもよい。これにより、異常状態をクリア(解除)するために特別な信号を主基板120に入力させる必要がないので、不正な信号が入力される可能性を低減することができる。
また、S271で実行される異常報知処理は、所定時間(たとえば30秒)が経過するまで繰返し行なわれるようにして、その所定時間が経過した後には、自動的に異常状態から復旧できるようにしてもよい。これにより、異常状態が発生したことを遊技場の店員等に対して確実に報知することができる一方で、クリアスイッチ97aの押圧操作や電源の再投入等によりRAM111をクリアしなくても異常状態から復旧させられるので、ノイズ等の原因で異常状態と判定された場合等に、遊技者に与える不利益を軽減することができる。
図24は、図22のS252で実行される第1大入賞口進入時処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す第1大入賞口進入時処理において、CPU112は、まず、第1カウントスイッチ106からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(S501)。このとき、第1カウントスイッチ106からの検出信号がオン状態であれば(S501;Yes)、第1大入賞口カウント値を1加算するとともに(S502)、残存球数カウント値を1加算する(S503)。また、遊技停止判定値の設定(更新)を行なう(S504)。
S501で第1カウントスイッチ106からの検出信号がオフ状態である場合には(S501;No)、S502〜S504の処理をスキップする。この後、進入球検出器109からの検出信号がオン状態となっているか否かの判定を行なう(S505)。このとき、進入球検出器109からの検出信号がオン状態であれば(S505;Yes)、遊技球が第2領域88に誘導された旨を報知する演出動作の開始を指示する演出制御コマンドである第2演出開始コマンドを、演出制御基板90に対して送信するための設定が行なわれる(S506)。たとえば、S506の処理において、CPU112は、ROM100に記憶された第2演出開始コマンドテーブルを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、送信コマンドポインタにセットする。こうしてS506での設定を行なった場合には、第1大入賞口進入時処理や小当り開放時処理が終了してから図17に示すS18の表示コマンド制御処理が実行されることにより、主基板120から演出制御基板90に対して第2演出開始コマンドが送信されることになる。S506の処理を実行したときには、貯留解除判定値の設定(更新)を行なう(S507)。たとえば、S507の処理では、遊技制御プロセスタイマ値に基づき、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が進入球検出器109により検出されてから、第2領域88に設けられている第2特定進入口91に進入し第2特定球検出器121bにより検出されるまでに十分な時間に対応するタイマ判定値を設定する。これにより、進入球検出器109により検出された遊技球が第2特定進入口91に進入したか否かを判断できるタイミングまでは貯留用ソレノイド118を駆動させて貯留状態を維持し、遊技者にとって有利な第2領域88に設けられた第2特定進入口91に遊技球が進入するタイミングよりも後に貯留板118bを貯留開放状態に制御することで、第1特定進入口89と第2特定進入口91に遊技球が同時に進入することを防止できるとともに、第2特定進入口91に進入した遊技球の検出を第1特定進入口89に進入した遊技球の検出よりも優先的に行なわせることができ、特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に複数の遊技球が進入したときには最初に進入した遊技球に対応してラウンド制御パターンが決定される場合に、第1特定進入口89に比べて遊技者にとって有利な第2特定進入口91に遊技球が進入したことに対応するラウンド制御パターンを、優先的に決定することができる。
S505で進入球検出器109からの検出信号がオフ状態である場合には(S505;No)、S506、S507の処理をスキップする。この後、第1特定球検出器121aからの検出信号がオン状態であるか否かの判定を行なう(S508)。このとき、第1特定球検出器121aからの検出信号がオン状態であれば(S508;Yes)、第1特定球検出フラグをオン状態にセットする(S509)。
S508で第1特定球検出器121aからの検出信号がオフ状態である場合には(S508;No)、S509の処理をスキップする。この後、第2特定球検出器121bからの検出信号がオン状態となっているか否かの判定を行なう(S510)。このとき、第2特定球検出器121bからの検出信号がオン状態であれば(S510;Yes)、第2特定球検出フラグをオン状態にセットする(S511)。
S510で第2特定球検出器121bからの検出信号がオフ状態である場合には(S510;No)、S511の処理をスキップする。この後、排出球検出器122からの検出信号がオン状態であるか否かの判定を行なう(S512)。このとき、排出球検出器122からの検出信号がオフ状態であれば(S512;No)、第1大入賞口進入時処理を終了する。これに対して、排出球検出器122からの検出信号がオン状態であれば(S512;Yes)、残存球数カウント値を1減算してから(S513)、第1大入賞口進入時処理を終了する。
図25は、図23のS263で実行される特定入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。図25に示す特定入賞判定処理において、CPU112は、まず、第1特定球検出フラグがオンであるか否かを判定することにより、第1特定球検出器121aによって第1特定進入口89に進入した遊技球が検出されたか否かの判定を行なう(S521)。このとき、第1特定球検出フラグがオンであれば(S521;Yes)、第1特定球検出フラグをクリアしてオフ状態とした後(S522)、ラウンド数決定用の乱数値MR4を示す数値データを抽出する(S523)。なお、図19に示すS102の始動入賞処理で、乱数値MR1〜MR3とともに乱数値MR4を示す数値データを抽出して特図保留記憶部161に記憶させるようにしてもよい。この場合には、図20のS202で乱数値MR1〜MR3とともに乱数値MR4を読出して所定のバッファにセットしておき、S523では、そのバッファから乱数値MR4を示す数値データを読出すようにすればよい。S523の処理を実行した後には、抽出された乱数値MR4に基づき、図9に示すようなラウンド数決定テーブル220を参照すること等により、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の最大継続回数となるラウンド数を決定する(S524)。S524の処理に続いて、ラウンド数に対応したラウンド制御パターンをセットする(S525)。S525の処理では、S524の処理で決定されたラウンド数が「1ラウンド」であるか「3ラウンド」であるか「5ラウンド」であるかに対応して、ラウンド制御パターンRP3−1〜RP3−3のいずれかがセットされる。すなわち、ラウンド数が「1ラウンド」に決定されたことに対応してラウンド制御パターンRP3−1がセットされ、ラウンド数が「3ラウンド」に決定されたことに対応してラウンド制御パターンRP3−2がセットされ、ラウンド数が「5ラウンド」に決定されたことに対応してラウンド制御パターンRP3−3がセットされる。
また、S521で第1特定球検出フラグがオフである場合には(S521;No)、第2特定球検出フラグがオンであるか否かを判定することにより、第2特定球検出器121bによって第2特定進入口91に進入した遊技球が検出されたか否かの判定を行なう(S526)。このとき、第2特定球検出フラグがオンであれば(S526;Yes)、第2特定球検出フラグをクリアしてオフ状態とした後(S527)、小当り種別に対応するラウンド制御パターンをセットする(S528)。S528の処理では、図20に示すS209の処理で図8(B)に示す小当り種別決定テーブル211を参照することにより決定された小当り種別に対応して、ラウンド制御パターンRP2−1、RP2−1のいずれかがセットされる。これにより、特図ゲームにおける確定特別図柄が複数種類の小当り図柄のいずれに決定されたかに対応して、ラウンド制御パターンRP2−1、RP2−2のいずれかがセットされることになる。
S525、S528の処理のいずれかを実行した後には、大当り遊技状態が開始される旨の報知動作を指示する演出制御コマンドである大当り開始コマンドを、演出制御基板90に対して送信するための設定が行なわれる(S529)。たとえば、S529の処理において、CPU112は、ROM100に記憶された大当り開始コマンドテーブルを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、送信コマンドポインタにセットする。こうしてS529での設定を行なった場合には、特定入賞判定処理や小当り開放時処理が終了してから図17に示すS18の表示コマンド制御処理が実行されることにより、主基板120から演出制御基板90に対して大当り開始コマンドが送信されることになる。
S529の処理に続いて、大当り遊技開始待ち時間の設定を行なう(S530)。たとえば、S530の処理ではCPU112が、遊技制御プロセスタイマをリセットしてタイマ値を「0」に設定するとともに、大当り遊技開始待ち時間に対応して予め定められた大当り遊技開始基準値を、遊技制御プロセスタイマ値との比較対象としてセットする。このときセットされた大当り遊技開始基準値は、図19のS114で実行される大当り開放前処理において、遊技制御プロセスタイマ値と比較されることになる。小当り遊技状態が終了してから大当り遊技状態における1回目のラウンド遊技で第1大入賞口となる開口部82を開放状態とする場合には、S530の処理で設定される大当り遊技開始待ち時間を、小当り遊技状態の終了後に回転体79を初期位置に戻すための所要時間よりも長い時間とすればよい。たとえば、CPU112は、S525、S528の処理のいずれかでセットしたラウンド制御パターンでラウンド数カウント値が「1」のときに開放する大入賞口を特定し、特定された大入賞口が「第1」である場合には、S530の処理で、回転体79が初期位置に戻るための所要時間よりも長い時間を、大当り遊技開始待ち時間として設定する。その後、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(S531)、特定入賞判定処理を終了する。
S526で第2特定球検出フラグがオフである場合には(S526;No)、小当り遊技状態が終了した旨の報知動作を指示する演出制御コマンドである小当り終了演出コマンドを、演出制御基板90に対して送信するための設定が行なわれる(S532)。その後、特別図柄プロセスフラグの値を“0”に更新してから(S533)、特定入賞判定処理を終了する。
図26は、図19のS114で実行される大当り開放前処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す大当り開放前処理において、CPU112は、まず、たとえば遊技制御プロセスタイマ値を更新するとともに、更新後のタイマ値を図21に示すS224の処理や図25に示すS530の処理でセットした大当り遊技開始基準値と比較すること等により、大当り遊技開始待ち時間が経過したか否かを判定する(S281)。このとき、大当り遊技開始待ち時間が経過していなければ(S281;No)、そのまま大当り開放前処理を終了する。
S281で大当り遊技開始待ち時間が経過した場合には(S281;Yes)、ラウンド数カウンタにカウント初期値となる「1」をセットした後(S282)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放中処理に対応した値である“5”に更新してから(S283)、大当り開放前処理を終了する。
図27は、図19のS115で実行される大当り開放中処理の一例を示すフローチャートである。図27に示す大当り開放中処理において、CPU112は、まず、大入賞口開放中フラグがオンであるか否かを判定する(S291)。ここで、大入賞口開放中フラグは、後述するS301の処理が実行されたときにオン状態にセットされる。S291で大入賞口開放中フラグがオフである場合には(S291;No)、図21に示すS222の処理や図25に示すS525又はS528の処理のいずれかで設定したラウンド制御パターンと、ラウンド数カウント値とに基づいて、開放する大入賞口を特定する(S292)。このときには、各ラウンド遊技で大入賞口を開放状態に制御可能な時間の上限である大入賞口開放時間も特定する(S293)。S293の処理では、特定された大入賞口開放時間に対応して、大入賞口開放終了判定値の設定等を行なうようにしてもよい。
S293の処理を実行した後には、S292での処理結果に基づき第1大入賞口を開放するか否かの判定を行なう(S294)。このとき、第1大入賞口を開放するのであれば(S294;Yes)、第1エラー判定実行フラグをクリアしてオフ状態とした後(S295)、第1大入賞口を開放するための設定を行なう(S296)。S296の処理では、たとえばラウンド制御パターン等に含まれる第1大入賞口開放制御データが示す駆動パターンで開閉片用ソレノイド105を駆動させることにより、開口部82を開放状態とする方向へ開閉片81を回動させる動作を始動動作よりも有利な特定態様で実行させるように、駆動制御信号の生成等が行なわれる。S296の処理を実行したときには、ラウンド遊技で第1大入賞口が開放される旨の報知動作を指示する演出制御コマンドである第1大入賞口開放演出コマンドを、演出制御基板90に対して送信するための設定が行なわれる(S297)。
S294で第1大入賞口ではなく第2大入賞口を開放すると判定された場合には(S294;No)、第2エラー判定実行フラグをクリアしてオフ状態とした後(S298)、第2大入賞口を開放するための設定を行なう(S299)。S299の処理では、たとえばラウンド制御パターン等に含まれる第2大入賞口開放制御データが示す駆動パターンで第2大入賞口扉用ソレノイド65を駆動させることにより、第2特別可変入賞球装置48の開口部を開放状態とする方向へ開閉板49を回動させる動作を特定態様で実行させるように、駆動制御信号の生成等が行なわれる。S299の処理を実行したときには、ラウンド遊技で第2大入賞口が開放される旨の報知動作を指示する演出制御コマンドである第2大入賞口開放演出コマンドを、演出制御基板90に対して送信するための設定が行なわれる(S300)。
S297、S300の処理のいずれかを実行した後には、大入賞口開放中フラグをオン状態にセットする(S301)。S291で大入賞口開放中フラグがオンである場合や(S291;Yes)、S301の処理を実行した後には、遊技制御プロセスタイマ値を、たとえば1加算すること等により更新する(S302)。続いて、第1大入賞口を開放中であるか否かの判定を行なう(S303)。このとき、第1大入賞口を開放中であれば(S303;Yes)、第1大入賞口開放時処理を実行してから(S304)、大当り開放中処理を終了する。これに対して、第2大入賞口を開放中であれば(S303;No)、第2大入賞口開放時処理を実行してから(S305)、大当り開放中処理を終了する。
図28は、図27のS304で実行される第1大入賞口開放時処理の一例を示すフローチャートである。図28に示す第1大入賞口開放時処理において、CPU112は、まず、遊技制御プロセスタイマ値がラウンド制御パターン等に示される振分駆動判定値と合致するか否かの判定を行なう(S541)。この判定処理は、たとえばラウンド制御パターンで設定された振分駆動判定値を用いて、図22に示すS245で実行される処理と同様の判定を行なう処理であればよい。このとき、振分駆動判定値と合致すれば(S541;Yes)、振分部材83を振分用ソレノイド108の駆動力によりパチンコ遊技機1の奥行き方向における奥側に移動させるための設定を行なう(S542)。S542の処理では、ラウンド制御パターン等に含まれる振分駆動制御データを読出し、その読出データに応じた駆動制御信号の生成等を行なうことにより、振分用ソレノイド108を駆動させる。
S541で遊技制御プロセスタイマ値が振分駆動判定値と合致しない場合には(S541;No)、S542の処理をスキップする。この後、CPU112は、遊技制御プロセスタイマ値がラウンド制御パターン等に示されるモータ駆動開始判定値と合致するか否かの判定を行なう(S543)。このとき、モータ駆動開始判定値と合致すれば(S543;Yes)、回転体79をモータ127の駆動力により回動させる動作の開始設定を行なう(S544)。S544の処理では、ラウンド制御パターン等に含まれるモータ駆動開始制御データが示す駆動パターンでモータ127を駆動して、回転体79を順方向あるいは逆方向に回動させるように、駆動制御信号の生成等が行なわれる。
S543で遊技制御プロセスタイマ値がモータ駆動開始判定値と合致しない場合には(S543;No)、S544の処理をスキップする。この後、CPU112は、遊技制御プロセスタイマ値がラウンド制御パターン等に示される貯留駆動開始判定値と合致するか否かの判定を行なう(S545)。このとき、貯留駆動開始判定値と合致すれば(S545;Yes)、貯留板118bを貯留用ソレノイド118の駆動力によりパチンコ遊技機1の奥行き方向における手前側に移動(進出)させて貯留状態とするための設定を行なう(S546)。S546の処理では、ラウンド制御パターン等に含まれる貯留駆動開始制御データを読出し、その読出データに応じた駆動制御信号の生成等を行なうことにより、貯留用ソレノイド118を駆動させる。
S546の処理を実行したときには、貯留用ソレノイド118を駆動させてから停止させるまでの駆動時間が経過したか否かを判定するために用いる貯留解除判定値をセットする(S547)。なお、S547の処理による貯留解除判定値のセットは行なわずに、ラウンド制御パターン等に示される貯留解除判定値を用いるようにしてもよい。
S545で遊技制御プロセスタイマ値が貯留駆動開始判定値と合致しない場合には(S545;No)、S546、S547の処理をスキップする。この後、図24のフローチャートに示すような第1大入賞口進入時処理を実行することにより、第1大入賞口となる開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が進入した場合における各種の設定や制御が行なわれる(S548)。
S548で第1大入賞口進入時処理を実行した後には、遊技制御プロセスタイマ値がラウンド制御パターン等に示される振分停止判定値と合致するか否かの判定を行なう(S549)。この判定処理は、たとえばラウンド制御パターンで設定された振分停止判定値を用いて、図22に示すS253で実行される処理と同様の判定を行なう処理であればよい。このとき、振分停止判定値と合致すれば(S549;Yes)、振分用ソレノイド108の駆動を停止させて振分部材83をパチンコ遊技機1の奥行き方向における手前側に移動させるための設定を行なう(S550)。S550の処理では、ラウンド制御パターン等に含まれる振分停止制御データを読出し、その読出データに応じて駆動制御信号の出力を停止させること等により、振分用ソレノイド108の駆動を停止させる。
S549で遊技制御プロセスタイマ値が振分停止判定値と合致しない場合には(S549;No)、S550の処理をスキップする。この後、遊技制御プロセスタイマ値がラウンド制御パターン等に示されるモータ駆動切換判定値と合致するか否かの判定を行なう(S551)。この判定処理は、たとえばラウンド制御パターンで設定されたモータ駆動切換判定値を用いて、図22に示すS257で実行される処理と同様の判定を行なう処理であればよい。このとき、モータ駆動切換判定値と合致すれば(S551;Yes)、回転体79をモータ127の駆動力により駆動させる動作の切換設定を行なう(S552)。S552の処理では、ラウンド制御パターン等に含まれるモータ駆動切換制御データが示す駆動パターンでモータ127を駆動することにより、順方向に回動していた回転体79を逆方向に回動させるように、あるいは、逆方向に回動していた回転体79を順方向に回動させるように、駆動制御信号の生成等が行なわれる。
S551で遊技制御プロセスタイマ値がモータ駆動切換判定値と合致しない場合には(S551;No)、S552の処理をスキップする。この後、遊技制御プロセスタイマ値が貯留解除判定値と合致するか否かの判定を行なう(S553)。このとき用いられる貯留解除判定値は、ラウンド制御パターン等に示されるものであってもよいし、S547の処理あるいは図24に示すS507の処理により設定されるものであってもよい。どの貯留解除判定値を用いるかについて、小当り制御パターンで指定するようにしてもよい。そして、貯留解除判定値と合致すれば(S553;Yes)、貯留用ソレノイド118の駆動を停止させて貯留板118bをパチンコ遊技機1の奥行き方向における奥側に移動(退避)させて貯留解除状態とするための設定を行なう(S554)。S554の処理では、ラウンド制御パターン等に含まれる貯留解除制御データを読出し、その読出データに応じて駆動制御信号の出力を停止させること等により、貯留用ソレノイド118の駆動を停止させる。
S553で遊技制御プロセスタイマ値が貯留解除判定値と合致しない場合には(S553;No)、S554の処理をスキップする。この後、第1大入賞口カウント値が所定の開放終了判定値(たとえば「5」)に達したか否かの判定を行なう(S555)。そして、開放終了判定値に達していない場合には(S555;No)、遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放終了判定値に達したか否かの判定が行なわれる(S556)。このとき、大入賞口開放終了判定値に達していなければ(S556;No)、第1大入賞口開放時処理を終了する。
S555で第1大入賞口カウント値が開放終了判定値に達している場合や(S555;Yes)、S556で遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放終了判定値に達している場合には(S556;Yes)、第1大入賞口の開放状態を終了して閉止状態とするための設定が行なわれる(S557)。S557の処理では、たとえばラウンド制御パターン等に含まれる第1大入賞口開放終了制御データを読出し、その読出データに応じて駆動制御信号の出力を停止させること等により、開閉片用ソレノイド105の駆動を停止させることで、第1大入賞口を閉止状態に変化させる。続いて、たとえば駆動制御信号の出力を停止させること等により、振分用ソレノイド108の駆動を停止させて振分部材83をパチンコ遊技機1の奥行き方向における手前側に移動させるための設定を行なう(S558)。
S558の処理に続いて、大入賞口開放中フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(S559)、大入賞口開放後待ち時間の設定を行なう(S560)。たとえば、S560の処理ではCPU112が、遊技制御プロセスタイマをリセットしてタイマ値を「0」に設定するとともに、大入賞口開放後待ち時間に対応して予め定められた大入賞口開放後基準値を、遊技制御プロセスタイマ値との比較対象としてセットする。このときセットされた大入賞口開放後基準値は、図19のS116で実行される大当り開放後処理において、遊技制御プロセスタイマ値と比較されることになる。こうしてS560の処理で設定される大入賞口開放後待ち時間は、大当り遊技状態におけるラウンド遊技で開放状態となった開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が、排出誘導領域123を通じて第1特別可変入賞球装置66の外部へと誘導されるまでに十分な時間であればよい。すなわち、大入賞口開放後基準値は、大当り遊技状態においてラウンド遊技で開口部82を開放状態とした後に閉止状態としてから、第1特別可変入賞球装置66の内部に存在する全ての遊技球が第1特別可変入賞球装置66の外部へと排出されるまでの猶予期間を示している。その後、第1大入賞口開放後フラグをオン状態にセットするとともに(S561)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放後処理に対応した値である“6”に更新してから(S562)、第1大入賞口開放時処理を終了する。
図29は、図27のS305で実行される第2大入賞口開放時処理の一例を示すフローチャートである。図29に示す第2大入賞口開放時処理において、CPU112は、まず、第2カウントスイッチ52からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(S571)。このとき、第2カウントスイッチ52からの検出信号がオン状態であれば(S571;Yes)、第2大入賞口カウント値を1加算する(S572)。
S571で第2カウントスイッチ52からの検出信号がオフ状態である場合には(S571;No)、S572の処理をスキップする。この後、第2大入賞口カウント値が所定の開放終了判定値(たとえば「10」)に達したか否かの判定を行なう(S573)。そして、開放終了判定値に達していない場合には(S573;No)、遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放終了判定値に達したか否かの判定が行なわれる(S574)。このとき、大入賞口開放終了判定値に達していなければ(S574;No)、第2大入賞口開放時処理を終了する。
S573で第2大入賞口カウント値が開放終了判定値に達している場合や(S573;Yes)、S574で遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放終了判定値に達している場合には(S574;Yes)、第2大入賞口の開放状態を終了して閉止状態とするための設定が行なわれる(S575)。S575の処理では、たとえばラウンド制御パターン等に含まれる第2大入賞口開放終了制御データを読出し、その制御データに応じて駆動制御信号の出力を停止させること等により、第2大入賞口扉用ソレノイド65の駆動を停止させることで、第2大入賞口を閉止状態に変化させる。続いて、大入賞口開放中フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(S576)、大入賞口開放後待ち時間の設定を行なう(S577)。その後、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放後処理に対応した値である“6”に更新してから(S578)、第2大入賞口開放時処理を終了する。
図30は、図19のS116で実行される大当り開放後処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す大当り開放後処理において、CPU112は、まず、たとえば遊技制御プロセスタイマ値を更新するとともに、更新後のタイマ値を図28に示すS560の処理や図29に示すS577の処理等でセットした大入賞口開放後基準値と比較すること等により、大入賞口開放後待ち時間が経過したか否かを判定する(S591)。このとき、大入賞口開放後待ち時間が経過していなければ(S591;No)、そのまま大当り開放後処理を終了する。
S591で大入賞口開放後待ち時間が経過した場合には(S591;Yes)、第1大入賞口開放後フラグがオンであるか否かを判定する(S592)。このとき、第1大入賞口開放後フラグがオンであれば(S592;Yes)、第1エラー判定実行フラグをオン状態にセットする(S593)。これに対して、第1大入賞口開放後フラグがオフである場合には(S592;No)、第2エラー判定実行フラグをオン状態にセットする。これにより、ラウンド遊技で第1大入賞口を開放状態とした後に閉止状態とした場合には大入賞口開放後待ち時間の経過後に第1エラー判定処理の実行を開始させることができ、ラウンド遊技で第2大入賞口を開放状態とした後に閉止状態とした場合には大入賞口開放後待ち時間の経過後に第2エラー判定処理の実行を開始させることができる。
S593、S594の処理のいずれかを実行した後には、ラウンド数カウント値がラウンド遊技の最大継続回数に対応したラウンド最大値に達しているか否かの判定を行なう(S595)。このとき、ラウンド最大値に達していない場合には(S595;No)、ラウンド継続条件判定処理を実行してから(S596)、大当り開放後処理を終了する。
S595でラウンド最大値に達している場合には(S595;Yes)、第1大入賞口開放後フラグがオンであるか否かを判定する(S597)。このとき、第1大入賞口開放後フラグがオンであれば(S597;Yes)、第1大入賞口開放後フラグをクリアしてオフ状態とした後(S598)、第1大入賞口カウント値をクリアする(S599)。そして、大当り遊技状態におけるモータ127の駆動動作に基づく回転体79の回転量を特定する(S600)。S600の処理では、図23に示すS265の処理と同様にして、回転体79の回転量を特定できればよい。続いて、S600で特定された回転量に対応して、モータ復帰制御タイマにおけるタイマ初期値や、モータ127の駆動により回転体79を初期位置に戻すためのモータ回転方向パターン等の設定を行なう(S601)。S601の処理では、図23に示すS266の処理と同様にして、モータ復帰制御タイマ初期値やモータ回転方向パターン等を設定できればよい。S597で第1大入賞口開放後フラグがオフである場合には(S597;No)、第2大入賞口カウント値をクリアする(S602)。
S601、S602の処理のいずれかを実行した後には、ラウンド数カウンタを初期化してラウンド数カウント値をクリアするとともに(S603)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理に対応した値である“7”に更新してから(S604)、大当り開放後処理を終了する。
図31は、図30のS596で実行されるラウンド継続条件判定処理の一例を示すフローチャートである。図31に示すラウンド継続条件判定処理において、CPU112は、まず、第1大入賞口開放後フラグがオンであるか否かの判定を行なう(S611)。このとき、第1大入賞口開放後フラグがオンであれば(S611;Yes)、第1大入賞口開放後フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(S612)、第1大入賞口カウンタを初期化して第1大入賞口カウント値をクリアする(S613)。
S613の処理に続いて、第1特定球検出フラグがオンであるか否かを判定する(S614)。このとき、第1特定球検出フラグがオフであれば(S614;No)、第2特定球検出フラグがオンであるか否かを判定する(S615)。そして、S614で第1特定球検出フラグがオンである場合や(S614;Yes)、S615で第2特定球検出フラグがオンである場合には(S615;Yes)、第1および第2特定球検出フラグをクリアしてオフ状態とした後(S616)、ラウンド数カウント値を1加算するとともに(S617)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放中処理に対応した値である“5”に更新してから(S618)、ラウンド継続条件判定処理を終了する。これにより、第1大入賞口に進入した遊技球があった場合には、次のラウンド遊技に移行することができる。
S611で第1大入賞口開放後フラグがオフである場合には(S611;No)、第2大入賞口カウント値が「0」より大きな値となっているか否かを判定する(S619)。このとき、第2大入賞口カウント値が「0」より大きな値であれば(S619;Yes)、第2大入賞口に進入した遊技球があったと判断して、第2大入賞口カウンタを初期化して第2大入賞口カウント値をクリアした後(S620)、S617の処理に進むことで、次のラウンド遊技に移行できるようにする。なお、S619の処理では、第3特定球検出器51による遊技球の検出があったか否かを判定することにより、第2大入賞口に進入した遊技球があったか否かを判断するようにしてもよい。
S615で第2特定球検出フラグがオフである場合には(S615;No)、第1大入賞口となる開口部82を開放状態とするラウンド遊技で特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に進入した遊技球がなかったと判断して、次のラウンドには移行せずに、大当り遊技状態を終了させる。このときには、大当り遊技状態におけるモータ127の駆動動作に基づく回転体79の回転量を特定し(S621)、特定された回転量に対応して、モータ復帰制御タイマにおけるタイマ初期値や、モータ127の駆動により回転体79を初期位置に戻すためのモータ回転方向パターン等の設定を行なう(S622)。S621の処理では、図23に示すS265の処理や図30に示すS600の処理と同様にして、回転体79の回転量を特定できればよい。S622の処理では、図23に示すS266の処理や図30に示すS601の処理と同様にして、モータ復帰制御タイマ初期値やモータ回転方向パターン等を設定できればよい。
S619で第2大入賞口カウント値が「0」である場合には(S619;No)、第2大入賞口となる第2特別可変入賞球装置48の開口部を開放状態とするラウンド遊技で開放状態となった第2大入賞口に進入した遊技球がなかったと判断して、次のラウンドには移行させずに、大当り遊技状態を終了させる。すなわち、ラウンド数カウンタを初期化してラウンド数カウント値をクリアするとともに(S623)、特別図柄プロセスフラグを大当り終了処理に対応した値である“7”に更新してから(S624)、ラウンド継続条件判定処理を終了する。なお、S622の処理を実行した後にも、S623の処理に進む。
図32は、モータ初期位置復帰制御処理として、図17に示すS25で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図32に示すモータ初期位置復帰制御処理を開始すると、CPU112は、まず、モータ復帰制御タイマ値が「0」となっているか否かを判定する(S131)。このとき、モータ復帰制御タイマ値が「0」であれば(S131;Yes)、モータ127を駆動することにより回転体79を初期位置に戻すための制御が不要であると判断して、そのままモータ初期位置復帰制御処理を終了する。
S131でモータ復帰制御タイマ値が「0」以外である場合には(S131;No)、モータ復帰制御タイマ値を、たとえば1減算すること等により更新する(S132)。そして、S132の処理による更新後のモータ復帰制御タイマ値が「0」となったか否かの判定を行なう(S133)。このとき、モータ復帰制御タイマ値が「0」以外であれば(S133;No)、図23に示すS266の処理や図30に示すS601の処理あるいは図31に示すS622の処理で設定したモータ回転方向パターンにしたがってモータ127の駆動力により回転体79を回動させる動作の設定を行なう(S134)。S134の処理では、モータ回転方向パターンにしたがってモータ127を駆動して、回転体79を順方向あるいは逆方向に回動させるように、駆動制御信号の生成等が行なわれる。
S133でモータ復帰制御タイマ値が「0」である場合には(S133;Yes)、たとえばモータ127に対する駆動制御信号の出力を停止させること等により、回転体79をモータ127の駆動力により回動させる動作の停止設定を行なう(S135)。こうして、小当り遊技状態や大当り遊技状態が終了した後でも、モータ復帰制御タイマ値が「0」となるまでモータ回転方向パターンにしたがってモータ127を駆動することにより、回転体79が初期位置に戻るまで回動させることができる。そして、回転体79が初期位置に復帰した後には、その回転動作を停止させることができる。
図33および図34は、S14の異常入賞報知処理を示すフローチャートである。異常入賞報知処理において、CPU112は、異常報知禁止フラグがセットされているか否かを確認する(S1551)。異常報知禁止フラグは、遊技機への電力供給が開始されたときに実行されるメイン処理でセットされている。異常報知禁止フラグがセットされていない場合には、S555に移行する。異常報知禁止フラグがセットされている場合には、S45で設定された禁止期間タイマの値を−1する(S1552)。そして、禁止期間タイマの値が0になったら、すなわち禁止期間タイマがタイムアウトしたら、異常報知禁止フラグをリセットする(S1553,S1554)。
次いで、特別図柄プロセスフラグの値が5〜7(5以上で7以下)であるか否かを確認する(S1555)。特別図柄プロセスフラグの値が5〜7である状態は、第1大当り遊技中である状態である。そのような状態であれば、第1大入賞口(開口部82)に遊技球が入賞する可能性があるので、第1大入賞口への異常入賞が生じたことの確認を行なわない。すなわち、特別図柄プロセスフラグの値が5〜7であれば、S1556〜S1559の処理を実行することなく、S1560に移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が5未満または8以上(第1大当り遊技が行なわれていない状態)であれば、CPU112は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(S1556)。そして、ロードしたスイッチオンバッファの内容とカウントスイッチ入力ビット判定値との論理積をとる(S1557)。スイッチオンバッファの内容が02(H)であったとき、すなわち第2カウントスイッチ52がオンしているときには、論理積の演算結果は02(H)になる。第2カウントスイッチ52がオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には、第1大入賞口への異常入賞が生じたと判定し、演出制御基板90に、第1異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行なう(S1558,S1559)。論理積の演算結果が0である場合には、S1560に移行する。
S1560では、CPU112は、普通図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認する(S1560)。普通図柄プロセスフラグの値が3である状態は、普通電動役物(可変入賞球装置58)が開閉動作している状態である。そのような状態であれば、始動入賞口58aに遊技球が入賞する可能性があるので、始動入賞口58aへの異常入賞が生じたことの確認を行なわない。すなわち、普通図柄プロセスフラグの値が3であれば、S1561〜S1564の処理を実行することなく、S1565に移行する。
普通図柄プロセスフラグの値が3以外の値(普通電動役物が開閉動作していない状態)であれば、CPU112は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(S1561)。そして、ロードしたスイッチオンバッファの内容と始動口スイッチ入力ビット判定値との論理積をとる(S1562)。スイッチオンバッファの内容が08(H)であったとき、すなわち始動口スイッチ60がオンしているときには、論理積の演算結果は08(H)になる。始動口スイッチ60がオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には、始動入賞口58aへの異常入賞が生じたと判定し、演出制御基板90に、第2異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行なう(S1563,S1564)。論理積の演算結果が0である場合には、S1565に移行する。
S1565では、CPU112は、役物開放中フラグがセットされているか否かを確認する(S1565)。役物開放中フラグがセットされている場合には、処理を終了する。
不正行為を受けたりスイッチからの検出信号にノイズが乗ったりしない限り、役物開放中フラグがセットされていないときに第2大入賞口に入賞したことを示す検出信号が第1カウントスイッチ106から出力されることはない。そこで、CPU112は、役物開放中フラグがセットされていない場合に第1カウントスイッチ106から検出信号が出力されたと判定すると第2大入賞口について異常入賞が発生したと見なす。
具体的には、CPU112は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(S1566)。そして、ロードしたスイッチオンバッファの内容と第2大入賞口入賞スイッチ入力ビット判定値との論理積をとり(S1567)、論理積の演算結果が0でない場合には、第2大入賞口について異常入賞が生じたと判定し、演出制御基板90に、第3異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行なう(S1568,S1569)。
以上のような処理によって、第1大当り遊技が行なわれていない状態において第2カウントスイッチ52がオンした場合には、第1異常入賞報知指定コマンドが送信される。また、普通電動役物(普通可変入賞球装置58)の開閉動作が行なわれていない状態において始動口スイッチ60がオンした場合には、第2異常入賞報知指定コマンドが送信される。さらに、第2大当り遊技および小当り遊技が行なわれていない状態において第1カウントスイッチ106がオンした場合には、第3異常入賞報知指定コマンドが送信される。さらに、S1551〜S1553の処理によって、演出制御用マイクロコンピュータ170(演出制御用CPU181)が初期化報知を行なっているときに、異常報知が開始されることが禁止される。なお、演出制御用マイクロコンピュータ170は、異常報知を開始してから禁止期間に相当する期間が経過するまで、初期化報知を継続して実行している。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、役物開放中フラグに基づいて異常入賞を検出している。また、上述したように、役物開放中フラグは、小当り遊技(始動動作を含む。)および第2大当り遊技における最終ラウンドで第2大入賞口が閉鎖された後、第2大入賞口内の遊技球が全て第2大入賞口から排出されたときにリセットされる。役物開放中フラグがリセットされた状態において異常入賞を検出しているので、第2大入賞口(役物)が第2の状態(たとえば、開放状態)に変化したときに、第2大入賞口(役物)に進入した遊技球が第2大入賞口(役物)から排出されたことが判定されたことを条件に異常入賞の検出が実行されていることになる。なお、小当り遊技(始動動作を含む。)および第2大当り遊技が全く実行されていないときにも、異常入賞の検出が実行されることになる。
なお、S1565では、役物開放中フラグがセットされているかどうかによって、第2大当り遊技および小当り遊技が行なわれている状態であるかどうかを判定するようにしていたが、たとえば、特別図柄プロセスフラグの値が8〜14であるかどうか(役物開放制御通常処理から第2大当り終了処理までの処理の実行中であるかどうか)で判定するようにしてもよい。
なお、S1555の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ99(CPU112)が、特別図柄プロセスフラグの値に基づいて第1大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するようにしているので、1つのデータに基づいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理を簡素化することができる。また、上述したように、第2特別可変入賞球装置48が閉鎖した後に第1大当り終了処理が所定時間実行されるので、第2特別可変入賞球装置48が閉鎖する直前に第1大入賞口に入賞した遊技球が、特別図柄プロセスフラグの値が0に戻った後に第2カウントスイッチ52で検出されてしまうということが防止され、正規の入賞であるにもかかわらずエラーが報知されてしまうようなことはない。
また、S1560の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ99(CPU112)が、普通図柄プロセスフラグの値に基づいて始動入賞口58aへの異常入賞が生じたか否か判定するようにしているので、1つのデ ータに基づいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理を簡素化することができる。また、上述したように、異常入賞を判定するタイミングを普通可変入賞球装置58を閉鎖するタイミングよりも遅らせる方法として、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わる所定時間前に普通可変入賞球装置58を閉鎖し、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わった時点で異常入賞の判定を行なうようにしているので、普通可変入賞球装置58が閉鎖する直前に始動入賞口58aに入賞した遊技球が、普通図柄プロセスフラグの値が0に戻った後に始動口スイッチ60で検出されてしまうということが防止され、正規の入賞であるにもかかわらずエラーが報知されてしまうようなことはない。
また、S1565の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ99(CPU112)が、役物開放中フラグに基づいて第2大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するようにしているので、1つのデータに基づいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理を簡素化することができる。また、上述したように、第2大入賞口が閉鎖した後に第2大当り終了処理が所定時間実行されるので、第2大入賞口が閉鎖する直前に第2大入賞口に入賞した遊技球が、役物開放中フラグがリセットされた後に第2カウントスイッチ52で検出されてしまうということが防止され、正規の入賞であるにもかかわらずエラーが報知されてしまうようなことはない。
なお、上述したように、普通可変入賞球装置58を閉鎖すると同時に普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替え、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わってから所定時間経過後に異常入賞の判定を行なうようにしてもよい。また、大入賞口(第1大入賞口、第2大入賞口)への異常入賞の判定においても、同様の方法により異常入賞を判定するタイミングを大入賞口を閉鎖するタイミングよりも遅らせるようにしてもよい。
次に、演出制御基板90における動作を説明する。演出制御基板90では、電源基板97等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用マイクロコンピュータ170が起動し、CPU181が図35のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図35に示す演出制御メイン処理を開始すると、CPU181は、まず、所定の初期化処理を実行して(S401)、RAM183のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板90に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行なう。
その後、乱数更新処理が実行され(S402)、演出制御に用いる各種の乱数値を示す数値データの更新が行なわれる。続いて、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行なう(S403)。タイマ割込みフラグは、たとえばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(たとえば2ミリ秒)が経過する毎にオン状態にセットされる。S403でタイマ割込みフラグがオフであれば(S403;No)、S402の処理に戻る。他方、S403でタイマ割込みフラグがオンである場合には(S403;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(S404)、コマンド解析処理を実行する(S405)。S405で実行されるコマンド解析処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ99から送信されてきた各種コマンドを受信して、受信したコマンドがどのようなコマンドであるかを解析する処理が行なわれる。たとえば、第1〜第3異常入賞報知指定コマンドを受信したときには、受信した異常入賞報知指定コマンドを特定する第1〜第3異常入賞報知フラグをセットする処理が行なわれる。
S405でコマンド解析処理を実行した後には、表示制御プロセス処理を実行する(S406)。この表示制御プロセス処理では、演出表示装置44bの表示領域における演出画像の表示動作について、主基板120から送信された演出制御コマンド等に応じた設定や制御が行なわれる。たとえば、変動表示開始コマンドを受信したときには、飾り図柄の変動表示に対応した演出画像を表示領域80に表示させるための設定や制御が行なわれる。また、大当り開始コマンドを受信したときには、大当り遊技状態が開始される旨の報知情報を示す演出画像を表示領域80に表示させるための設定や制御が行なわれる。
S406で表示制御プロセス処理を実行した後には、音・ランプ制御コマンド処理を実行してから(S407)、S402の処理に戻る。S407で実行される音・ランプ制御コマンド処理では、主基板120の遊技制御用マイクロコンピュータ99から送信された各種の演出制御コマンド等に対応して、スピーカ12a,12bによる音声の出力動作を制御する音声制御データ、あるいは各種遊技効果LED・ランプ13、14a〜14d、16a、16b、17a、17bや各種装飾LED・ランプ32の点灯動作を制御する点灯制御データといった、各種の演出動作を制御する制御データとなる制御コマンドの設定が行なわれる。
さらに、演出表示装置44b等の演出装置を用いて報知を行なう報知制御処理を実行する(S408)。その後、S402に移行する。具体的には、前述した第1〜第3異常入賞報知フラグがセットされているときには、ONから異常入賞が生じた旨を報知するために予め定められた報知音を発生させることにより異常入賞報知を行なうための制御が行なわれる。より具体的に、第1異常入賞報知フラグがセットされているときには、第1異常入賞報知として、第1大入賞口への異常入賞が生じた旨を報知する第1の異常入賞報知音を発生させるための制御を行なう。また、第2異常入賞報知フラグがセットされているときには、第2異常入賞報知として、始動入賞口58aへの異常入賞が生じた旨を報知する第2の異常入賞報知音を発生させるための制御を行なう。第3異常入賞報知フラグがセットされているときには、第3異常入賞報知として、第2大入賞口への異常入賞が生じた旨を報知する第3の異常入賞報知音を発生させるための制御を行なう。第1〜第3異常入賞報知音のそれぞれは、異なる種類の報知音であり、この報知音を聴き分けることにより、どのような異常入賞が生じたかを判断することができる。なお、このような異常入賞報知は、音による報知だけでなく、演出表示装置44bにおいて異常が生じた旨を報知する画像を表示すること、または、所定のランプを所定のパターンで発光させることにより行なうようにしてもよい。また、このような異常報知は、音による報知、画像による報知、および、ランプによる報知のうちのいずれかを組合せて行なうようにしてもよい。
以上に説明したように、この実施の形態では、初期化報知が異常報知(たとえば、異常入賞の報知)に対して優先されるので、初期化報知が認識しにくくなるような事態が生ずることが防止される。すなわち、目立つように初期化報知が行なわれる。遊技制御用マイクロコンピュータ99は、遊技機に対する電力供給が開始されたとき以外でも、プログラムを先頭番地(たとえば、0000番地)から実行開始させるユーザリセットが発生したときには、初期化指定コマンドを送信する。ユーザリセットが発生する原因として、たとえば、ウォッチドッグタイマを使用するように構成されている場合において、プログラムの円滑な進行を妨げるような不正行為によってウォッチドッグタイマがタイムアウトしたような場合がある。そのような不正行為は、特に、大当り判定用乱数に基づいて大当り遊技状態に制御するように構成されている場合に生じやすい。つまり、遊技制御用マイクロコンピュータ99を初期化して大当り判定用乱数を生成するためのカウンタを初期化させ、そのカウンタのカウント値を把握しやすくするような不正行為を受けやすい。この実施の形態のように、初期化報知を目立つようにすることによって、遊技制御用マイクロコンピュータ99が初期化されたことを遊技機の外部から容易に把握できるので、不正行為がなされた可能性があることが容易に認識される。
また、上記の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ170は、所定期間が経過すると初期化報知を終了させたが、他のタイミングで初期化報知を終了させるようにしてもよい。たとえば、初期化報知が開始されてから最初に飾り図柄の変動表示が開始されるときに初期化報知を終了させたり、飾り図柄の変動表示が開始される前に異常入賞報知指定コマンドを受信したときに初期化報知を終了させたりしてもよい。また、客待ちデモ指定コマンドを受信したり、初期化報知が開始されてから客待ちデモ指定コマンド以外の最初の演出制御コマンドを受信したときに初期化報知を終了させてもよい。つまり、遊技店員等が、初期化報知を認識することができるのに十分な期間だけ、初期化報知が継続されることが好ましい。
また、上記の実施の形態では、第2大入賞口内の特定領域となる第1特定領域73および第2特定領域74と、第2大入賞口内の入賞領域とを兼用したが、それらを別にしてもよい。
なお、上記の実施の形態では、異常入賞の発生タイミング(特別図柄プロセスフラグの値が4以下または8以上、普通図柄プロセスフラグの値が3以外、役物開放中フラグのリセット)のときに1個の遊技球が大入賞口(第1大入賞口、第2大入賞口)または始動入賞口58aに入賞すれば、異常入賞が発生したと判定していたが、このような構成に限られず、異常入賞の発生タイミングのときに所定個数の遊技球が大入賞口または始動入賞口58aに入賞した場合に、異常入賞が発生したと判定するようにしてもよい。たとえば、第1大当り遊技中以外のときに累積して5個の遊技球が大入賞口に入賞したと判定された場合に異常入賞が発生したと判定する。また、第2大当り遊技中以外のときに累積して5個の遊技球が大入賞口に入賞したと判定された場合に異常入賞が発生したと判定する。また、普通可変入賞球装置58の開閉動作中以外のときに累積して2個の遊技球が始動入賞口58aに入賞したと判定された場合に異常入賞が発生したと判定する。
また、異常入賞の種類に応じて異常入賞が発生したことを報知する報知音を変化させてもよい。たとえば、大入賞口への異常入賞が発生した場合と始動入賞口58aへの異常入賞が発生した場合とで異なる報知音を鳴らすようにしてもよく、また、大入賞口への異常入賞が発生した場合の方が始動入賞口58aへの異常入賞が発生した場合よりも大きな音で異常報知を行なうようにしてもよい。このように入賞異常の報知がなされているときも遊技を継続することが可能であるので、誤動作で報知がなされた場合でも遊技者が不利益を被ることはない。
次に、小当り遊技状態における開閉片用ソレノイド105およびモータ127の具体的な駆動制御例について説明する。図36は、小当り種別が「第1小当り」および「第2小当り」のそれぞれに決定された場合における小当り遊技状態での開閉片用ソレノイド105および振分用ソレノイド108の制御タイミングを示すタイミングチャートである。図36(A)〜(E)では、横軸が時間の経過を示している。
パチンコ遊技機1では、始動領域となる始動口58aや始動入賞装置58bに遊技球が進入して図36(A)に示すように始動口スイッチ56,60のいずれかにより出力される検出信号がオン状態となったことに基づいて、図36(B)に示すように特別図柄表示装置44aによる特図ゲームが開始され、特別図柄の変動表示が行なわれる。その後、特図ゲームにおける変動表示結果が第1小当りに対応した小当り図柄「11」となった場合には、その確定特別図柄が導出表示されて特図ゲームにおける変動表示が停止してから所定の待機時間が経過したときに、開閉片用ソレノイド105の駆動が開始され、第1大入賞口となる開口部82を閉止状態から開放状態に変化させる始動動作が行なわれる。このときには、始動口スイッチ56,60のいずれかにより遊技球が検出されてから開口部82を閉止状態から開放状態に変化させる始動動作が開始されるまでの動作待機時間T3が、モータ127の駆動力により回転体79を回動させて任意の回転位置から初期位置(図3に示す基準線L1に可動進入口79aの中心が来る位置)に戻すための所要時間よりも長くなるように、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間や、特図ゲームにおける変動表示が停止してからの待機時間(小当り制御パターンKP1における大入賞口開放開始判定値)が設定されている。たとえば、回転体79を任意の回転位置から初期位置に戻す際における最長の所要時間が「5秒」であり、特図ゲームにおける変動表示結果が「小当り」となる場合における特別図柄の変動表示時間が最短で「4秒」である場合には、特図ゲームにおける変動表示が停止してからの待機時間を「1.5秒」に設定すれば、始動口スイッチ56,60のいずれかにより遊技球が検出されてから始動動作で開口部82を開放状態とするまでの動作待機時間T3は、最短でも「5.5秒」となり、回転体79を初期位置に戻すために必要となる最長の所要時間である「5秒」よりも長くすることができる。
そして、第1小当り時用の小当り制御パターンKP1で定められた駆動パターンにしたがって開閉片用ソレノイド105が駆動されることにより、開閉片81が開口部82を2回開放状態とする回動動作を行なう。この駆動パターンでは、所定の開放時間T1(たとえば0.8秒)にわたり開閉片用ソレノイド105を駆動して開口部82を開放状態とする駆動動作が、所定のインターバル時間T2(たとえば1.6秒)にわたり開閉片用ソレノイド105の駆動を停止して開口部82を閉止状態とする期間を挟んで、2回繰返される。また、特図ゲームにおける変動表示結果が第2小当りに対応した小当り図柄「55」となった場合にも、第1小当りの場合と同様の駆動パターンにより、第1大入賞口となる開口部82を閉止状態から開放状態に変化させる始動動作が行なわれる。このように、第1小当りと第2小当りの場合には、互いに同一の開閉動作態様で第1大入賞口となる開口部82を閉止状態と開放状態とに変化させる始動動作が行なわれるとよい。
特図ゲームにおける変動表示結果が、第1小当りに対応した小当り図柄「11」となった場合と、第2小当りに対応した小当り図柄「55」となった場合には、開閉片用ソレノイド105の駆動を開始して開口部82が開放状態となることに対応して、所定の振分動作パターンによる振分用ソレノイド108の駆動が開始される。この振分動作パターンでは、たとえば所定の第1振分時間(たとえば0.5秒)にわたり振分用ソレノイド108の駆動を停止して遊技球を第1領域85へと振分けるようにした後、所定の第2振分時間(たとえば0.2秒)にわたり振分用ソレノイド108を駆動して遊技球を第2領域88へと振分けるという駆動動作が、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないとの判定、すなわち図23に示すS262の処理で残存球数カウント値が「0」の判定がなされるまで、繰返されるようにすればよい。
第1小当りと第2小当りに対応する小当り遊技状態ではいずれも、図36(D)や図36(E)に示すように、開閉片用ソレノイド105の駆動を開始して開口部82が開放状態となることに対応して、モータ127が回転体79を順方向に回動させるような第1の回動パターンによる駆動動作が開始される。この第1の回動パターンでは、モータ127が回転体79を順方向に回動させるという駆動動作が、所定期間が経過するまで継続的に行なわれる。ここで、第1小当りに対応した小当り遊技状態では、所定期間として時間T10(たとえば4.0秒)が経過するまでの期間において、第1の回動パターンによる駆動動作が行なわれる。これに対して、第2小当りに対応した小当り遊技状態では、所定期間として時間T20(たとえば2.0秒間)が経過するまでの期間において、第1の回動パターンによる駆動動作が行なわれる。
第1の回動パターンによる駆動動作が行なわれる所定期間が経過した後には、モータ127が回転体79を回動させる駆動動作を、第1の回動パターンから第2の回動パターンに切換える。すなわち、CPU112は、所定期間の経過に対応して図22に示すS257で遊技制御プロセスタイマ値がモータ駆動切換判定値と合致したことにより、S258の処理を実行することで第1の回動パターンから第2の回動パターンへの切換えを行なう。この第2の回動パターンでは、モータ127が回転体79を逆方向に回動させるという駆動動作が、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないとの判定、すなわち図23のS262で残存球数カウント値が「0」の判定がなされるまで、繰返される。モータ127が回転体79を順方向に回動させているときには、第2領域88に振分けられた遊技球が3/4の確率で第2特定進入口91に進入する。これに対して、モータ127が回転体79を逆方向に回動させているときには、第2領域88に振分けられた遊技球が1/4の確率で第2特定進入口91に進入する。このように、回転体79を順方向に回動させる第1の回動パターンでモータ127の駆動動作が行なわれる場合には、回転体79を逆方向に回動させる第2の回動パターンでモータ127の駆動動作が行なわれる場合に比べて、第2領域88に振分けられた遊技球が第2特定進入口91に進入しやすくなる。振分用ソレノイド108は、図23に示すS262の処理で残存球数カウント値が「0」の判定がなされるまで、一定の振分動作パターンにより駆動されることから、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第1領域85と第2領域88のそれぞれに振分けられる割合は変化しない。また、第1領域85に振分けられた遊技球は、一定の1/10の確率で第1特定進入口89に進入する。したがって、回転体79を順方向に回動させる第1の回動パターンでモータ127の駆動動作が行なわれる所定期間では、その所定期間が経過した後に回転体79を逆方向に回動させる第2の回動パターンでモータ127の駆動動作が行なわれる期間に比べて、第1特定進入口89と第2特定進入口91を含めた特定領域に遊技球が進入しやすくなって大当り遊技状態となる確率が高められる。
また、第1特定進入口89に遊技球が進入した場合には、図25に示すS523、S524の処理が実行されることにより、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の最大継続回数が、「1ラウンド」、「3ラウンド」および「5ラウンド」のいずれかに決定される。これに対して、第2特定進入口89に遊技球が進入した場合には、図25に示すS528で小当り種別に対応するラウンド制御パターンRP2−1、RP2−2のいずれかがセットされ、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の最大継続回数は「10ラウンド」に設定される。そのため、第2特定進入口91に遊技球が進入した場合の方が、第1特定進入口89に遊技球が進入した場合に比べて、遊技者にとってより有利な遊技状態になる。すなわち、回転体79を順方向に回動させる第1の回動パターンでモータ127の駆動動作が行なわれる所定期間では、その所定期間が経過した後に回転体79を逆方向に回動させる第2の回動パターンでモータ127の駆動動作が行なわれる期間に比べて、第1特定進入口89よりも遊技者にとって有利な第2特定進入口91に遊技球が進入しやすくなる。第1小当りに対応した小当り遊技状態と、第2小当りに対応した小当り遊技状態とでは、特図ゲームでの変動表示結果が小当り図柄「11」に決定されたか小当り図柄「55」に決定されたかに対応して、第1の回動パターンによる駆動動作が行なわれる所定期間を異ならせている。
図23に示すS262の処理で残存球数カウント値が「0」であることに対応して、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないと判定されたときには、S264の処理を実行することにより振分用ソレノイド108の駆動動作を停止させるとともに、S265の処理を実行することにより小当り遊技状態でモータ127の駆動動作で回動させた回転体79の回転量を特定する。このとき特定された回転量に基づき、S266の処理を実行することにより、モータ復帰制御タイマ値とモータ回転方向パターンの設定を行なう。こうした設定が行なわれた後には、図32に示すS133でモータ復帰制御タイマ値が「0」となるまでS134の処理が実行されることにより、モータ127を駆動して回転体79を順方向または逆方向に回動させて、その回転位置を初期位置まで戻す。
図37(F)は、第1小当りに対応した小当り遊技状態に制御される場合におけるモータ127の駆動動作の一例を示している。図37(A)に示す始動口スイッチ56,60のいずれかにより遊技球が検出されたことに対応するタイミングTi01から動作待機時間T3が経過したタイミングTi02で、図37(C)に示すように開閉片用ソレノイド105の駆動を開始して開口部82を開放状態にするとともに、図37(F)に示すようにモータ127が回転体79を順方向に回動させるような駆動動作を開始する。そして、たとえばタイミングTi03で第1カウントスイッチ106からの検出信号がオン状態となることにより第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が検出された後、タイミングTi04でタイミングTi02からの経過時間が時間T10に達したことに対応して、モータ127が回転体79を逆方向に回動させるような駆動動作に切換える。続いて、図37(E)に示すような排出球検出器122による遊技球の検出に基づいて第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないと判定されるまで、すなわち図23のS262で残存球数カウント値が「0」であると判定されるタイミングTi05まで、モータ127が回転体79を逆方向に回動させるように駆動される。
図37に示す駆動動作例では、タイミングTi05に達すると、図23に示すS265の処理を実行することにより特定された回転体79の回転量に基づき、S266の処理を実行することにより、回転体79を初期位置に戻すための所要時間T12に対応したモータ復帰制御タイマ初期値や、回転体79を逆方向に回動させるためのモータ回転方向パターンが設定される。このような設定により、タイミングTi05から所要時間T12が経過するタイミングTi06に達するまで、モータ127が回転体79を逆方向に回動させるような駆動動作が行なわれ、回転体79が初期位置に戻される。そして、タイミングTi06に達すると、図32に示すS133でモータ復帰制御タイマ値が「0」であると判定されることに対応して、S135の処理を実行することにより、モータ127の駆動動作を停止させることができる。
ここで、動作待機時間T3は、回転体79を初期位置に戻すための所要時間T12よりも長くなるように設定されている。そのため、たとえば図37(E)に示す排出球検出器122による遊技球の検出に基づいて小当り遊技状態を終了するタイミングTi05に対応して、図37(A)に示すような始動口スイッチ56,60のいずれかによる遊技球の検出に基づく特別図柄表示装置44aによる特図ゲームが開始され、その変動表示結果が「小当り」となったことに対応した始動動作が行なわれる場合でも、始動動作の開始時に回転体79を常に初期位置から回動させることができる。なお、タイミングTi05より以前に始動口スイッチ56,60のいずれかにより遊技球が検出された場合には、図19に示すS102の始動入賞処理が実行されて特図保留記憶部161に乱数値MR1〜MR3を示す数値データ等が保留データとして格納される一方で、特別図柄プロセスフラグの値は小当り開放時処理に対応した値である“3”となっていることから、図23のS262で残存球数カウント値が「0」であるとの判定に基づき小当り遊技状態が終了するタイミングTi05に達するまでは、特別図柄表示装置44aによる次の特図ゲームが開始されないことになる。したがって、小当り遊技状態が終了してから次の特図ゲームにおける変動表示結果が「小当り」となったことに基づく始動動作で開口部82を開放状態とするまでの時間として、小当り遊技状態の終了後に回転体79を初期位置に戻すための所要時間T12よりも長い動作待機時間T3を確保することができる。
また、小当り種別に応じて、開閉片用ソレノイド105や振分用ソレノイド108の制御タイミングを異ならせることにより、回転体79以外の可動部材である開閉片81や振分部材83の動作態様を異ならせるようにしてもよい。一例として、図38は、小当り種別が「第3小当り」および「第4小当り」のそれぞれに決定された場合における小当り遊技状態での開閉片用ソレノイド105および振分用ソレノイド108の制御タイミングを示すタイミングチャートである。なお、特図ゲームにおける変動表示結果が、第3小当りに対応した小当り図柄「32」となった場合と、第4小当りに対応した小当り図柄「76」となった場合にはいずれも、図23のS262で残存球数カウント値が「0」と判定されるまでは、モータ127が回転体79を順方向に回動させるように駆動し、残存球数カウント値が「0」と判定されたことに対応して、回転体79を初期位置に戻してからモータ127の駆動を停止すればよい。
第3小当りに対応する小当り遊技状態では、第3小当りに対応した小当り図柄「32」が確定特別図柄として導出表示されて特図ゲームにおける変動表示が停止してから所定の第1始動待機時間T4(たとえば1.8秒)が経過したときに、所定の駆動パターンによる開閉片用ソレノイド105の駆動が開始され、第1大入賞口となる開口部82を閉止状態から開放状態に変化させる始動動作が行なわれる。これに対して、第4小当りに対応する小当り遊技状態では、第4小当りに対応した小当り図柄「76」が確定特別図柄として導出表示されて特図ゲームにおける変動表示が停止してから所定の第2始動待機時間T5(たとえば4.0秒)が経過したときに、所定の駆動パターンによる開閉片用ソレノイド105の駆動が開始され、第1大入賞口となる開口部82を閉止状態から開放状態に変化させる始動動作が行なわれる。第4小当りに対応した小当り遊技状態で開閉片用ソレノイド105の駆動動作を行なう駆動パターンは、第3小当りの場合と同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。
第3小当りと第4小当りとに対応する小当り遊技状態ではいずれも、図38(E)に示すように、特図ゲームにおける変動表示が停止してから所定の振分待機期間T6(たとえば2.0秒)が経過したときに、振分用ソレノイド108の駆動を開始して遊技球を第2領域88へと振分ける。この場合には、たとえば所定の第2振分時間(たとえば0.2秒)にわたり振分用ソレノイド108を駆動した後、その駆動を停止して遊技球を第1領域85へと振分ける状態に戻す。
第3小当りと第4小当りとに対応する小当り遊技状態では、振分用ソレノイド108が駆動される期間、すなわち、振分部材83が遊技球を第2領域88へと振分ける状態に制御される期間が同一である。そして、第3小当りに対応する小当り遊技状態では、開口部82を1回目に開放状態とする期間内で振分用ソレノイド108が駆動される。そのため、第3小当りに対応する小当り遊技状態では、開口部82が1回目に開放状態となったときに第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球を、第2領域88へと振分けることができる。これに対して、第4小当りに対応する小当り遊技状態では、開口部82を2回にわたり開放状態とするいずれの期間内でも振分用ソレノイド108が駆動されることはない。そのため、第4小当りに対応する小当り遊技状態では、開口部82が開放状態となったときに第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球を、第2領域88へと振分けることができない。なお、第4小当りに対応する小当り遊技状態で遊技球を第2領域88へと振分けることが完全に不可能となる(0%となる)ものに限定されず、第4小当りに対応する小当り遊技状態では、第3小当りに対応する小当り遊技状態に比べて、遊技球が第2領域88へと振分けられにくくなるものであればよい。これにより、第3小当りに対応する小当り遊技状態と、第4小当りに対応する小当り遊技状態とでは、遊技球が第1特定進入口89と第2特定進入口91を含めた特定領域に進入する確率や、第1特定進入口89に比べて遊技者にとって有利な第2特定進入口91に遊技球が進入する確率を、異ならせることができる。なお、第3小当りや第4小当りに対応する小当り遊技状態となる場合でも、始動口スイッチ56,60のいずれかにより遊技球が検出されてから開口部82を閉止状態から開放状態に変化させる始動動作が開始されるまでの動作待機時間が、モータ127の駆動力により回転体79を回動させて任意の回転位置から初期位置に戻すための所要時間よりも長くなるように、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間や、特図ゲームにおける変動表示が停止してからの待機時間等が設定されればよい。これにより、始動動作の開始時に回転体79を常に初期位置から回動させることができる。
その他にも、振分用ソレノイド108の制御タイミングを小当り種別に応じて異ならせて、振分部材83の動作態様を異ならせるようにしてもよい。たとえば、第3小当りに対応する小当り遊技状態と、第4小当りに対応する小当り遊技状態では、開閉片用ソレノイド105の駆動を開始して開口部82が開放状態となることに対応して、第1の振分動作パターンによる振分用ソレノイド108の駆動が開始されるようにしてもよい。この第1の振分動作パターンでは、所定の第3振分時間(たとえば0.2秒)にわたり振分用ソレノイド108の駆動を停止して遊技球を第1領域85へと振分けるようにした後、所定の第2振分時間(たとえば0.2秒)にわたり振分用ソレノイド108を駆動して遊技球を第2領域88へと振分けるという駆動動作が、所定期間が経過するまで繰返されればよい。ここで、第3小当りに対応する小当り遊技状態では、所定時間として時間T10(たとえば4.0秒)が経過するまでの期間において、第1の振分動作パターンによる振分用ソレノイド108の駆動動作が行なわれる。これに対して、第4小当りに対応する小当り遊技状態では、所定期間として時間T20(たとえば2.0秒)が経過するまでの期間において、第1の振分動作パターンによる駆動動作が行なわれる。このように、第3小当りに対応する小当り遊技状態と、第4小当りに対応する小当り遊技状態とでは、特図ゲームでの変動表示結果が小当り図柄「32」に決定されたか小当り図柄「76」に決定されたかに対応して、第1の振分動作パターンによる駆動動作が行なわれる所定期間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第3小当りに対応する小当り遊技状態と、第4小当りに対応する小当り遊技状態では、たとえば同一の開放タイミングで開口部82を2回繰返し開放状態とする始動動作を行なうといった、互いに同一の開閉動作態様で第1大入賞口となる開口部82を閉止状態と開放状態とに変化させる始動動作が行なわれてもよい。また、小当り遊技状態における始動動作により開口部82が開放状態とされることに対応して、モータ127が回転体79を順方向に回動させる駆動動作を開始した後、図23に示すS262で残存球数カウント値が「0」と判定されると、回転体79を初期位置に戻してからモータ127の駆動を停止すればよい。そのため、第2領域88に振分けられた遊技球は、3/4の確率で第2特定進入口91に進入することになる。これに対して、第1領域85に振分けられた遊技球は1/10の確率で第1特定進入口89に進入する。
第1の振分動作パターンによる駆動動作が行なわれる所定期間が経過した後には、振分用ソレノイド108の駆動動作が、第1の振分動作パターンから第2の振分動作パターンに切換えられる。この第2の振分動作パターンでは、第1振分時間(たとえば0.5秒)にわたり振分用ソレノイド108の駆動を停止して遊技球を第1領域85へと振分けるようにした後、第2振分時間(たとえば0.2秒)にわたり振分用ソレノイド108を駆動して遊技球を第2領域88へと振分けるという駆動動作が、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないとの判定、すなわち図23のS262の処理で残存球数カウント値が「0」の判定がなされるまで、繰返される。
第1の振分動作パターンでは、振分用ソレノイド108の駆動を停止して遊技球を第1領域85へと振分ける第3振分時間(たとえば0.2秒)が、第2の振分動作パターンで遊技球を第1領域85へと振分ける第1振分時間(たとえば0.5秒)に比べて短くなっていることから、振分部材83によって遊技球が第2領域88に振分けられる割合が高められる。そして、第3小当りに対応する小当り遊技状態では、第1の振分動作パターンで振分用ソレノイド108の駆動動作が行なわれる時間T10(たとえば4.0秒)が、第4小当りに対応する小当り遊技状態で第1の振分動作パターンで振分用ソレノイド108の駆動動作が行なわれる時間T20(たとえば2.0秒)に比べて長くなっている。したがって、第3小当りに対応する小当り遊技状態では、第4小当りに対応する小当り遊技状態に比べて、遊技球が第1特定進入口89や第2特定進入口91を含めた特定領域に進入する確率や、第1特定進入口89に比べて遊技者にとって有利な第2特定進入口91に遊技球が進入する確率が高くなる。このように、小当り種別に対応する小当り図柄に応じて、振分用ソレノイド108の制御タイミングおよび振分部材83の動作態様を異ならせて、遊技球が第1特定進入口89や第2特定進入口91を含めた特定領域に進入する確率や、第1特定進入口89に比べて遊技者にとって有利な第2特定進入口91に遊技球が進入する確率を、異ならせてもよい。
あるいは、第3小当りに対応する小当り遊技状態と、第4小当りに対応する小当り遊技状態とでは、始動動作での開閉片用ソレノイド105の駆動により開口部82が1回目の開放状態となるタイミングから振分用ソレノイド108の駆動を開始して遊技球を第2領域88へと振分けるまでの期間や、振分用ソレノイド108の駆動を継続して遊技球を第2領域88へと振分ける期間等を、異ならせるようにしてもよい。
たとえば、第3小当りに対応する小当り遊技状態では、開閉片用ソレノイド105の駆動により開口部82が1回目の開放状態となるタイミングから第1振分駆動待機時間T30(たとえば1.0秒)が経過するまでの期間で、振分用ソレノイド108の駆動を停止して遊技球を第1領域85へと振分ける。そして、第1振分駆動待機時間T30が経過すると、第1振分継続時間T31(たとえば2.0秒)が経過するまでの期間で、振分用ソレノイド108を駆動して遊技球を第2領域88へと振分ける。その後、第1振分継続時間T31が経過すると、振分用ソレノイド108の駆動を再び停止して遊技球を第1領域85へと振分ける。
これに対して、第4小当りに対応する小当り遊技状態では、開閉片用ソレノイド105の駆動により開口部82が1回目に開放状態となるタイミングから第2振分駆動待機時間T40(たとえば3.0秒)が経過する間での期間で、振分用ソレノイド108の駆動を停止して遊技球を第1領域85へと振分ける。そして、第2振分駆動待機時間T40が経過すると、第2振分継続時間T41(たとえば1.0秒)が経過するまでの期間で、振分用ソレノイド108を駆動して遊技球を第2領域88へと振分ける。その後、第2振分継続時間T41が経過すると、振分用ソレノイド108の駆動を再び停止して遊技球を第1領域85へと振分ける。
この場合、第3小当りに対応する小当り遊技状態と、第4小当りに対応する小当り遊技状態では、たとえば同一の開放タイミングで開口部82を2回繰返し開放状態とする始動動作を行なうといった、互いに同一の開閉動作態様で第1大入賞口となる開口部82を閉止状態と開放状態とに変化させる始動動作が行なわれてもよい。また、小当り遊技状態における始動動作により開口部82が開放状態とされることに対応して、モータ127が回転体79を順方向に回動させる駆動動作を開始した後、図23に示すS262で残存球数カウント値が「0」と判定されると、回転体79を初期位置に戻してからモータ127の駆動を停止すればよい。そのため、第2領域88に振分けられた遊技球は、3/4の確率で第2特定進入口91に進入することになる。これに対して、第1領域85に振分けられた遊技球は1/10の確率で第1特定進入口89に進入する。このような振分用ソレノイド108等の駆動制御によっても、第3小当りに対応する小当り遊技状態では、第4小当りに対応する小当り遊技状態に比べて、遊技球が第1特定進入口89や第2特定進入口91を含めた特定領域に進入する確率や、第1特定進入口89に比べて遊技者にとって有利な第2特定進入口91に遊技球が進入する確率が高くなる。
大当り遊技状態で実行されるラウンド遊技では、開放する大入賞口が第1特別可変入賞球装置66に対応した第1大入賞口を示す「第1」である場合に、小当り種別が「第1小当り」〜「第4小当り」のいずれかである場合のように、たとえば大当り種別やラウンド遊技の実行回数に対応して、振分用ソレノイド108やモータ127の駆動動作態様を異ならせるようにしてもよい。具体的な一例として、第2大当りに対応する大当り遊技状態でラウンド数カウント値が「4」のときに実行されるラウンド遊技では、第1小当り時用の小当り制御パターンKP1と同様にして、時間T10が経過するまでの期間において第1の回動パターンによるモータ127の駆動動作を行ない、その後に第1の回動パターンから第2の回動パターンに切換えるようにする。これに対して、第2大当りに対応する大当り遊技状態でラウンド数カウント値が「8」のときに実行されるラウンド遊技では、第2小当り時用の小当り制御パターンKP2と同様にして、時間T20が経過するまでの期間において第1の回動パターンによるモータ127の駆動動作を行ない、その後に第1の回動パターンから第2の回動パターンに切換えるようにする。こうした大当り種別やラウンド遊技の実行回数等に対応した振分用ソレノイド108やモータ127の駆動動作態様は、図13(A)および(B)に示すラウンド制御パターンRP1−1、RP1−2や、図14(A)および(B)に示すラウンド制御パターンRP2−1、RP2−2で予め設定された各種の判定値や設定データ、制御データ等に基づいて決定すればよい。あるいは、各ラウンド遊技における振分用ソレノイド108やモータ127の駆動動作態様は、そのラウンド遊技が開始されるときに、動作態様決定用の乱数値を抽出し、抽出された乱数値に基づいて動作態様決定テーブルを参照することにより決定してもよい。このように、各ラウンド遊技における振分用ソレノイド108やモータ127の駆動動作態様を変化させることにより、大当り遊技状態においても、第1特定進入口89や第2特定進入口91を含む特定領域に遊技球が進入しやすい期間と、進入しにくい期間とを設けることができ、さらに、複数回のラウンド遊技のうちに遊技球が特定領域に進入しやすく次のラウンド遊技に移行しやすいラウンド遊技と、遊技球が特定領域に進入しにくく次のラウンド遊技に移行しにくいラウンド遊技とを設けることができ、遊技に変化を持たせて遊技の興趣を向上させることができる。
以上説明したように、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、第1特別可変入賞球装置66に、遊技球が進入すると大当り遊技状態となる特定領域としての第1特定進入口89と第2特定進入口91が設けられている。ここで、第1特定進入口89は第1領域85に設けられており、第2特定進入口91は第1領域85よりも遊技者にとって有利な大当り遊技状態となりやすい第2領域88に設けられている。第1特別可変入賞球装置66では、特別図柄表示装置44aによる特図ゲームにおける変動表示結果が小当り図柄となった場合に、開口部82が開放状態に制御されることにより、特別図柄表示装置44aでの変動表示結果に基づいて遊技球の受入れやすさが変化する。また、第1特別可変入賞球装置66の内部では、振分用ソレノイド108によって駆動される振分部材83により、遊技球が第1領域85と第2領域88のいずれかに振分けられる。これにより、表示図柄の変動表示による遊技を行ないながらも、第1特別可変入賞球装置66の内部における遊技球の挙動に基づいた遊技の面白みを実現することができる。
ここで、小当り遊技状態で行なわれる始動動作で開口部82を開放状態とする場合には、始動口スイッチ56,60のいずれかにより遊技球が検出されてから開口部82を閉止状態から開放状態に変化させる始動動作が開始されるまでの動作待機時間T3が、モータ127の駆動力により回転体79を回動させて任意の回転位置から初期位置に戻すための所要時間よりも長くなるように、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間や、特図ゲームにおける変動表示が停止した後に遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放開始判定値に合致するまでの待機時間が設定されている。これにより、特図ゲームにおける変動表示結果が「小当り」となったことに基づいて開口部82を開放状態とする始動動作の開始時に、回転体79を常に初期位置から回動させることができ、始動動作における遊技の公平性を保つことができる。
また、図23に示すS262の処理で残存球数カウント値が「0」であることに対応して第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないと判定されたことに基づき、S265の処理によりモータ127や回転体79の回転量を特定し、S266の処理で特定された回転量に対応するモータ復帰制御タイマ初期値やモータ回転方向パターンの設定を行なう。その後、図32に示すS133でモータ復帰制御タイマ値が「0」であると判定されるまで、S134の処理でモータ回転方向パターンにしたがったモータ127の駆動設定を行なうことにより、回転体79を任意の回転位置から初期位置に戻すことができる。そして、回転体79が初期位置に戻ったことに対応してS133でモータ復帰制御タイマ値が「0」であると判定されると、S135の処理を実行することによりモータ127の駆動や回転体79の回転動作を停止させることができる。これにより、常にモータ127を駆動して回転体79を回動させる場合に比べて、消費電力を低減することができる。また、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないときに回転体79を初期位置に戻すための制御を実行することで、回転体79を初期位置に戻すための動作中に遊技球が可動進入口79aに進入して第2特定進入口91へと誘導されることがなく、回転体79を初期位置に戻す動作によって遊技の進行に影響がおよぶことを防止できる。
図21に示すS228の処理では、小当り種別が「第1小当り」〜「第4小当り」のいずれかであることに対応して、CPU112が小当り制御パターンKP1〜KP4をセットする。このときセットされた小当り制御パターンKP1〜KP4に基づき、図22に示すS245〜S248の処理や、S253、S254の処理、S257、S258の処理を実行することにより、振分用ソレノイド108やモータ127の駆動制御を行なう。小当り種別が「第1小当り」〜「第4小当り」のいずれかであることに対応してセットされる小当り制御パターンKP1〜KP4では、所定時間が経過するまで、振分用ソレノイド108やモータ127を、たとえば第1の振分動作パターンや第1の回動パターンといった第1の動作パターンで駆動させる。所定期間が経過した後には、第1の動作パターンを、たとえば第2の振分動作パターンや第2の回動パターンといった第2の動作パターンに切換える。第1の動作パターンと第2の動作パターンでは、遊技球が特定領域となる第1特定進入口89と第2特定進入口91のいずれかに進入する確率や、第1特定進入口89よりも有利な第2特定進入口91に遊技球が進入する確率を異ならせている。
これにより、変動表示結果が「小当り」となったことに基づき第1大入賞口を開放状態とする始動動作が行なわれる場合でも、遊技球が特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に進入しやすい期間と、進入しにくい期間を設けることができ、遊技に変化を持たせて遊技の興趣を向上させることができる。
可動部材としての回転体79は、モータ127の駆動力により回動可能に構成されている。そして、第1の回動パターンではモータ127が回転体79を順方向に回動させ、第2の回動パターンではモータ127が回転体79を逆方向に回動させる。これにより、第2領域88に振分けられた遊技球が第2特定進入口91に進入しやすい動作パターンであるか、進入しにくい動作パターンであるかを、遊技者が容易に認識することができ、遊技球が特定領域となる第2特定進入口91に進入して大当り遊技状態となることに対する遊技者の期待感を高め、遊技の興趣を向上させることができる。
また、回転体79以外の可動部材としての振分部材83は、振分用ソレノイド108によって駆動される。このようにソレノイドを用いて可動部材を駆動する場合には、モータを用いて駆動する場合に比べて、可動部材を短時間で初期位置に戻すことができ、遊技の公平性を保つことができる。
小当り種別が「第1小当り」と「第2小当り」のいずれであるかに応じて、第1の回動パターンによる駆動動作が行なわれる所定期間を異ならせている。また、小当り種別が「第3小当り」と「第4小当り」のいずれであるかに応じて、開閉片用ソレノイド105の駆動により開口部82を閉止状態から開放状態とするタイミングや、第1の振分動作パターンによる駆動動作が行なわれる所定期間、振分用ソレノイド108を駆動して遊技球を第2領域88へと振分ける期間の開始タイミングや長さ等を、異ならせている。これにより、特図ゲームにおける変動表示結果が「第1小当り」〜「第4小当り」のいずれであるかに応じて、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が進入可能となるタイミングや、第1特定進入口89および第2特定進入口91を含めた特定領域に遊技球が進入する確率、第1特定進入口89に比べて遊技者にとって有利な第2特定進入口91に遊技球が進入する確率等を、異ならせることができ、第1特別可変入賞球装置66による始動動作が行なわれた場合における遊技を多様化させて単調になることを防止し、遊技の興趣を向上させることができる。
図21に示すS222の処理では、大当り種別が大当り図柄「77」に対応した「第1大当り」と大当り図柄「33」に対応した「第2大当り」のいずれであるかに応じて、異なるラウンド制御パターンRP1−1、RP1−2のいずれかをセットしている。そして、図13(A)に示すラウンド制御パターンRP1−1と図13(B)に示すラウンド制御パターンRP1−2とでは、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行回数が最大継続回数に達するまでに実行される少なくとも1回のラウンド遊技について、大入賞口を開放状態に制御可能な時間の上限を、異ならせている。これにより、大当り遊技状態で実行されるラウンド遊技を多様化させて、遊技の興趣を向上させることができる。
図25に示すS528の処理では、小当り種別が「第1小当り」〜「第4小当り」のいずれであるかに応じて、ラウンド制御パターンRP2−1、RP2−2のいずれかをセットしている。ここで、図8(B)に示すように、各小当り種別では互いに異なる小当り図柄「11」、「55」、「32」、「76」に決定される。そして、図14(A)に示すラウンド制御パターンRP2−1と図14(B)に示すラウンド制御パターンRP2−2とでは、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行回数が最大継続回数に達するまでに実行される少なくとも1回のラウンド遊技について、大入賞口を開放状態に制御可能な時間の上限を、異ならせている。これにより、大当り遊技状態で実行されるラウンド遊技を多様化させて、遊技の興趣を向上させることができる。
図13(A)および(B)や図14(A)および(B)に示すように、大入賞口開放時間が「29秒」といった大入賞口を開放状態に制御する時間の上限が長いラウンド遊技では、開放する大入賞口を「第2」として第2特別可変入賞球装置48の開閉板49により開口部を開放状態とする。これに対して、大入賞口開放時間が「1.5秒」や「5秒」といった大入賞口を開放状態に制御する時間の上限が短いラウンド遊技では、開放する大入賞口を「第1」として第1特別可変入賞球装置66の開閉片81により開口部82を開放状態とする。これにより、大当り遊技状態で実行されるラウンド遊技に変化をつけて、遊技の興趣を向上させることができる。
始動動作により第1大入賞口となる開口部82を開放状態とした後には、図23のS262で残存球数カウント値が「0」であるとの判定に対応する第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないとの判定に基づいて、S269で第1エラー判定実行フラグをオン状態にセットする。そして、第1エラー判定実行フラグがオンであるときには、図18に示すS52の第1エラー判定処理が実行されることになる。これにより、始動動作により開放状態となった大入賞口に遊技球が入賞した場合でも、異常の有無を適切に判定することができる。
図23に示すS262で残存球数カウント値が「0」とならずに所定時間が経過し、S270で遊技制御プロセスタイマ値が遊技停止判定値に達した場合には、S271の異常報知処理が繰返し実行されることにより、遊技の進行を停止させる。これにより、異常な状態を発生させて行なわれる不正行為を防止することができる。また、図23に示すS262で残存球数カウント値が「0」となって第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないと判定されるまでは、S263の特定入賞判定処理が実行されず、図25に示すS531、S533で特別図柄プロセスフラグの値が更新されることがない。これによっても、異常な状態を発生させて行なわれる不正行為を防止することができる。図20に示すS204、S207では、図7に示すような特図表示結果判定テーブル200を参照して、乱数値MR1を示す数値データが大当り判定値データや小当り判定値データと合致するか否かの判定が行なわれる。これにより、小当り遊技状態となる割合よりも低い割合で、特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に遊技球が進入したか否かに関わらず大当り遊技状態として、遊技に意外性を持たせて遊技の興趣を向上させることができる。
小当り遊技状態で行なわれる始動動作で開放状態となった開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第1特定進入口89や第2特定進入口91を含めた特定領域に進入して第1特定球検出器121aや第2特定球検出器121bによって検出されたことに基づいて大当り遊技状態となる場合には、大当り遊技状態における1回目のラウンド遊技で第1大入賞口となる開口部82を開放状態とするのであれば、図25に示すS530の処理で、大当り遊技開始待ち時間として、小当り遊技状態の終了後に回転体79を初期位置に戻すための所要時間よりも長い時間を設定する。これにより、始動動作で開放状態となった開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が特定領域に進入した場合には、回転体79が初期位置に戻るための所要時間よりも長い動作待機時間が経過した後に、大当り遊技状態における1回目のラウンド遊技で第1大入賞口となる開口部82を開放状態とすることができる。こうして、小当り遊技状態で特定領域に遊技球が進入したことに基づく大当り遊技状態における1回目のラウンド遊技で第1大入賞口が開放状態となって第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が進入可能となる時点で、回転体79を所定の初期位置から動作させることができ、大当り遊技状態で行なわれるラウンド遊技における公平性を保つことができる。
また、普通可変入賞球装置58の状態にかかわらず異常報知を実行可能であることで、入賞異常の報知がなされているときも遊技を継続することが可能であるので、誤動作で報知がなされた場合でも遊技者が不利益を被ることはない。
次に、第2特別可変入賞球装置48の詳細な構造について、図39〜図46に基づいて説明する。図39は、第2特別可変入賞球装置48を示す斜視図である。図40は、(a)が支持枠部材303を示す斜視図であり、(b)が(a)の右側面図である。図41は、伝達機構を示す正面図である。図42は、伝達機構の内部構造を示す分解斜視図である。図43は、(a)が開放状態における第2特別可変入賞球装置48を示す縦断面図であり、(b)が(a)のA−A断面図である。図44は、(a)が閉止状態における第2特別可変入賞球装置48を示す縦断面図であり、(b)が(a)のA’−A’断面図である。図45は、ソレノイド65と開閉板49と伝達部材320との連動状態および作用を示す図であって、(a)がソレノイドOFF状態、(b)がソレノイドON初期状態を示す概略図である。図46は、同じくソレノイド65と開閉板49と伝達部材320との連動状態および作用を示す図であって、(a)がソレノイドON状態、(b)がソレノイドOFF初期状態を示す概略図である。
第2特別可変入賞球装置48は、図39に示されるように、遊技盤40の遊技領域41の前面側に配設される台板300と、台板300の前面側に回動自在に設けられる長方形の板状の開閉板49と、台板300の後側(背面側)に配設され、第2特別可変入賞球装置48の本体の一部を構成する支持枠部材303と、支持枠部材303の後面上方位置に配設される電気的駆動部としての第2大入賞口扉用ソレノイド65(以下、ソレノイド65と略称する)とから主に構成される。
台板300は、横長の板状の部材であり、中央部に、第2大入賞口として用いられる横長の長方形状の開口部304が形成されている。台板300においては、開閉板49が開口部304を開閉可能な態様で設けられている。具体的に、開閉板49は、開口部304と同一形状の平板状の部材である長方形状の板状部材49aを含み、後述するように、長手方向の両端部下側に回動軸が設けられている。そして、開閉板49は、その回動軸が、台板300に設けられた枢支部材により回動可能に枢支される態様で台板300に取付けられている。第2特別可変入賞球装置48は、開閉板49の板状部材49aが開口部304を塞いだ状態(閉鎖状態)で遊技球を受入れ不可能な閉状態となり、開閉板49の板状部材49aが開口部304を塞いでいない状態(開放状態)で遊技球を受入れ可能な開状態となる。台板300および支持枠部材303は、第2特別可変入賞球装置48の本体を構成する部材であるとともに、開閉板49、ソレノイド65、および、後述する伝達部材320を支持する支持部材を構成している。第2特別可変入賞球装置48は、台板300に複数形成された取付ネジ穴302から取付ネジ(図示省略)を螺入することにより、遊技盤40の前面側での遊技領域41に取付けられる。
図42に示すように、開閉板49は、横方向を長手方向とする長方形状の板状部材49aを含み、板状部材49aの左右の両端部のそれぞれにおいて、後面側(パチンコ遊技機1の内部に向かう方向)に向けて、扇形の板状の側壁部49bが設けられている。具体的に、扇形の側壁部49bは、開閉板49が閉じた状態で板状部材49aにおける2つの長辺のうち上辺側の両端部から、側壁部49bにおける扇形の弧の部分がパチンコ遊技機1の内部に向けて連設されるような態様(扇形の中心部は後述する回動軸305の近傍に位置するような態様)で開閉板49に形成されている。このような側壁部49bが設けられていることにより、開閉板49が開放状態となったときに、遊技球を受入れる領域として、板状部材49aと、2つの側壁部49b,49bとでポケット状(上方が開口した箱状)の領域が形成される。
また、開閉板49の基部、つまり、図43(a)に示す板状部材49aにおける上下2つの長辺のうち下辺側の両端部のそれぞれからは、左右横方向(板状部材49aの長手方向)を向く態様で回動軸305が突設されている。回動軸305は、台板300に設けられた枢支部材(図示省略)により枢支されている。そして、開閉板49は、パチンコ遊技機1の底面に対して垂直方向を向いて第2大入賞口(開口部304)を閉塞する位置、つまり遊技球が進入しない閉止位置(閉止状態、図44(a)参照)と、その閉止位置から、板状部材49aの下辺側に設けられた回動軸305を中心として、外向き(前方側)に傾動して第2大入賞口(開口部304)を開放する位置、つまり遊技球が進入しやすい開放位置(開放状態、図43(a)参照)との間で回動自在となる態様で、第2特別可変入賞球装置48に設けられている。
また、図42〜図44に示されるように、開閉板49の後面側における長手方向の両端部(左右両端部)であって、2つの長辺のうち、回動軸305に近い長辺の近傍(開閉板49が閉止位置であるときの下部)には、2つの連係ピン306a,306bが後向きに突設されている。別の観点から説明すると、連係ピン306a,306bのそれぞれは、開閉板49の板状部材49aの板面に対して、長手方向が垂直方向となる態様で設けられている。
連係ピン306aはパチンコ遊技機1の正面から見て左側に設けられ、連係ピン306bはパチンコ遊技機1の正面から見て右側に設けられている。連係ピン306a,306bのそれぞれは、先端部306cが、屈曲した態様で設けられている。具体的に、連係ピン306a,306bのそれぞれは、開閉板49が閉止位置であるときに、先端部306cが、斜め下方向に屈曲した形状となるように形成されている。連係ピン306a,306bのそれぞれは、上部に凹部306dが形成されている。凹部306dは、後述する連係アーム321a,321bのそれぞれにおける上係止片325aが上方から連係ピン306a,306bを確実に押さえることができるようにするために形成されており、上係止片325aの面積よりも広い領域として形成されている。凹部306dは、周りよりも窪んでいるので、上係止片325aが上部に乗せられると、上係止片325aの先端部と凹部306dの壁部とが当接することにより、連係ピン係止部325が連係ピン306a,306bを、確実に押さえて固定することが可能となる。
連係ピン306a,306bのそれぞれは、先端部306cが支持枠部材303内まで延在されている。支持枠部材303内において、該先端部306cは、後述する伝達部材320に連係されている。このような連係により、第2特別可変入賞球装置48は、伝達部材320の回動に連動して開閉板49が開閉するように構成されている。
支持枠部材303は、図40および図41に示されるように、伝達部材320を内部に収容した状態で回動自在に支持する。また、支持枠部材303は、ソレノイド65のプランジャ65aを収容するとともに、第2大入賞口に進入してきた遊技球を、パチンコ遊技機1の内部へ誘導可能な大きさをも有する筒状に形成されている。
支持枠部材303は、内部を透視可能な透明な合成樹脂材により筒状に形成されている。支持枠部材303は、底面を形成する底壁303a、左右両側面を形成する側壁303b,303c、上面を形成する上壁303d、および、上壁303dの中央部においてさらに上方へ横長の長方形状で突出した突出壁303eにより囲まれた筒状体よりなる。
また、支持枠部材303は、その前端面、つまり台板300の背面との当接面の下部左右側に、台板300に形成された嵌合穴(図示省略)に嵌合される位置決め用凸部309が突設されている。また、支持枠部材303は、底壁303aの下面左右側に、取付孔310aを有する取付片310が形成されている。支持枠部材303は、位置決め用凸部309を台板300に形成された嵌合穴(図示省略)に嵌合して位置決めした状態で、取付孔310aに取付けた取付ネジ(図示省略)を台板300の背面下部左右側から後向きに突設された取付ボス(図示省略)の後端面に螺入することで、台板300の背面に固定される。
支持枠部材303において、左右に配置される側壁303b,303cには、後述する伝達部材320の回動軸324を回動自在に、かつ、前後方向(プランジャ65aの進退方向)に移動自在に支持するための軸受長孔313が形成されている。そして、側壁303b,303cにおいて、軸受長孔313の上方には、後述する伝達部材320の案内ピン326の移動を案内する移動案内部を構成する案内溝314が形成されている。具体的に、図40(b)に示すように、案内溝314は、軸受長孔313を中心とした円弧状に形成される円弧溝部315(第1の案内部)と、該円弧溝部315の前端から前方に向けて連設される直線状の直線溝部316(第2の案内部)とから構成されている。
円弧溝部315は、支持枠部材303の後端面から前方に向けて切欠形成されている。より詳しくは、次の通りである。該円弧溝部315の上円弧面315a(湾曲面)は、支持枠部材303を側面視すると、回動軸324が軸受長孔313の後端、つまりソレノイド65側(図45(b)に示される位置)に位置しているときの案内ピン326を中心とした円周の約1/4をなす円弧状に形成されている。また、下円弧面315b(湾曲面)は、支持枠部材303を側面視した状態で、後述する下直線面316bから案内ピン326を乗り上げ可能な緩やかな上向き湾曲面をなすとともに、後側に向かうにしたがい上円弧面315aとの離間幅が漸次広がるように形成されている。
直線溝部316は、上円弧面315aの前端から連設され、前方に向けて略水平(プランジャ65aの軸心方向)に延在されている。そして、直線溝部316は、上直線面316a(規制面)と、下直線面316bと、前端面316cとから構成されている。上直線面316aは、支持枠部材303を側面視すると直線的に延在された面であり、案内ピン326の上方への移動を規制する規制面である。下直線面316bは、支持枠部材303を側面視した状態で直線的に延在された面であり、下円弧面315bの前端から連設され、前方に向けて略水平(プランジャ65aの軸心方向)に延びる面である。前端面316cは、下直線面316bと、上直線面316とを連結するように円弧状に形成され、案内ピン326の前方への移動を規制する面である。
直線溝部316は、回動軸324が軸受長孔313の前端(規制位置)に位置しているときに、案内ピン326を収容して上直線面316aにより回転方向への移動を当接により規制可能に形成されるとともに(図45(a)参照)、回動軸324が軸受長孔313の後端(回動位置)に位置しているときに、上直線面316aによる当接規制が解除されて回転方向への移動が許容される程度の長さに形成されている(図45(b)参照)。
このように伝達部材320は、回動軸324が軸受長孔313の後端(回動位置)に位置しているときに、開閉板49を閉止位置(閉止状態)とする閉止姿勢(図44(a)参照)と、開閉板49を開放位置(開放状態)とする開放姿勢(図43(a)参照)との間で回動自在に軸支されている。つまり、伝達部材320は、回動軸324が軸受長孔313の後端(回動位置)に位置しているときに、開閉板49を開放位置から閉止位置に向けて回動させる第1の方向と、開閉板49を閉止位置から開放位置に向けて回動させる第2の方向とに回動自在に軸支されている。また、伝達部材320は、回動軸324が軸受長孔313の前端(規制位置)、つまり、回動軸324が開閉板49側(図45(a)に示される位置)に位置しているときに、前記第1の方向および第2の方向への回転が案内ピン326と上直線面316aおよび下直線面316bとにより規制され、前後方向(プランジャ65aの進退方向)へのみ移動可能に支持される。
このように直線溝部316は、軸受長孔313と平行をなすように形成されている。また、側壁303b,303cの内面における軸受長孔313の後端からは、支持枠部材303の後端面にかけて凹溝317が後向きに凹設されており、回動軸324を支持枠部材303の背面側から押し込んで軸受長孔313内に枢支できるように構成されている。
伝達部材320は、合成樹脂材で形成される。図42に示されるように、伝達部材320は、開閉板49に連係する左側の連係アーム321aと、該連係アーム321aから離間して配置され、開閉板49に連係する右側の連係アーム321bと、これら左右の両連係アーム321a,321bの上部間を連結する連結部材としての連結アーム322とを含む。
左右の連係アーム321a,321bは、所定長さに形成されたアーム部323と、アーム部323の基端側の外面から外向きに突設される回動軸324と、アーム部323の先端に連設され、連係ピン306a,306bの先端部306cに係止する側面視略C字形の連係ピン係止部325とから構成されている。回動軸324は、左連係アーム321aと右連係アーム321bとを連結する態様で、左連係アーム321aと右連係アーム321bとの間に延在されており、かつ、連係アーム321a,321b間に延在されている。この回動軸324は、左連係アーム321aおよび右連係アーム321bのそれぞれと一体形成されている。なお、回動軸324は、左連係アーム321aおよび右連係アーム321bのそれぞれと別体の棒状部材で形成されてもよい。その場合、回動軸324は、両端部が左連係アーム321aおよび右連係アーム321bをそれぞれ貫通する態様で、左連係アーム321aおよび右連係アーム321bに取付けられるようにする。また、回動軸324は、左連係アーム321a、右連係アーム321b間を連結する部分を設けず、左連係アーム321aおよび右連係アーム321bのそれぞれから外側に突設させる部分のみを設けるようにしてもよい。
連係ピン係止部325は、図41および図42に示されるように、C字形の部材のうちの上部の部材に相当する上係止片325aと、C字形の部材のうちの下部の部材に相当する下係止片325bとを含む。そして、連係ピン係止部325は、上係止片325aと下係止片325bとの間に連係ピン306a,306bを遊挿可能に形成されているとともに、回動軸305を中心として回動する開閉板49に連動して、回動軸305を中心とした円弧に沿って昇降する際における連係ピン306a,306bの左右方向の移動を許容可能な左右幅寸法を有している。この連係ピン係止部325は、開閉板連係部を構成している。
連結アーム322は、左右の連係アーム321a,321b間に架設される左右方向(プランジャ65aの軸心方向に対して直交する方向)を向く棒状部材で構成されている。左連係アーム321aおよび右連係アーム321b間において、連結アーム322は、回動軸324と平行に設けられている。連結アーム322の両端は、左右の連係アーム321a,321bにおけるアーム部323の前後方向の中央位置上部、つまり連係ピン係止部325と回動軸324との間の上部に連結されている。
また、連結アーム322の左右両端には、前述した案内溝314内に摺動自在に嵌合される案内ピン326が外向きに突設されている。案内ピン326は、伝達部材320の回動中心となる回動軸324から偏心した偏心位置に配置されており、アーム部323の先端の連係ピン係止部325の移動の案内を行なうように構成されている。
また、この連結アーム322には、その上方に配設されるソレノイド65のプランジャ65aの先端に取付けられる下向き二股状に形成されるアーム係止部材330が係止、つまり連係される。連結アーム322は、ソレノイド連係部を構成している。
アーム係止部材330は、プランジャ65aの先端に取付けられる取付部331と、該取付部331の下部左右側からそれぞれ下方に垂設される左右一対の係止部332とから構成されている。
左右の係止部332は、それぞれ所定長さを有する上下方向を向く前係止片332aおよび後係止片332bと、これら前係止片332aと後係止片332bとの間に連結アーム322を遊嵌可能な前後幅を有するとともに、連結アーム322の昇降を許容可能な上下幅を有する係止凹部322cとから構成されている。
このように前後の前係止片332aと後係止片332bとの間に形成される係止凹部322c内に連結アーム322が遊嵌されることにより、プランジャ65aの前後移動に応じて、回動軸324を中心として回動する連結アーム322が前後移動および昇降自在に係止される。
ソレノイド65は、本体部と、該本体部に対して出退自在に嵌合されたプランジャ65aと、ソレノイド65の非励磁状態(OFF状態)において、プランジャ65aを突出位置(図44(a)参照)に付勢するコイルバネ65bとから構成され、ソレノイド65の励磁状態(ON状態)において、プランジャ65aがコイルバネ65bの付勢力に抗して後退位置(図43(a)参照)に移動されるように構成されている。
ソレノイド65の本体部は、台板300の背面から後向きに突設された取付ボス(図示省略)に取付ネジ(図示省略)を介して取付けられている。このように台板300に取付けられた状態において、プランジャ65aは、図41に示されるように、支持枠部材303の内部において、開閉板49の長手方向の中間位置のうちの上方、具体的には突出壁303e内に配設されている。さらに具体的に説明すると、プランジャ65aは、開閉板49に対して進退自在に、つまり前後移動自在に略水平方向(パチンコ遊技機1の底面に対して水平方向)に向けて配設されている。
ここで、上述した開閉板49、伝達部材320、および、ソレノイド65からなる伝達機構の組み付け状態を説明すると、次の通りである。図42に示されるように、開閉板49とソレノイド65とは、伝達部材320を介して連動するように構成されている。具体的に説明すると、開閉板49と伝達部材320とは、開閉板49の連係ピン306a,306bが連係ピン係止部325の上下の係止部525a,525b間に遊嵌されることにより連係されている。また、伝達部材320とソレノイド65とは、伝達部材320の連結アーム322が、プランジャ65aの先端に取付けられたアーム係止部材330の前後の係止片332a,332b間に形成された係止凹部322c内に遊嵌されることにより連係されている。
したがって、ソレノイド65が励磁および励磁が解除されることでプランジャ65aが前後方向に移動すること、つまり開閉板49に対して進退移動することで、その進退移動力がアーム係止部材330から連結アーム322を介して伝達部材320に伝達され、伝達部材320がプランジャ65aの進退方向に対して略直交する方向を向く回動軸324を中心として、回動軸324の軸長方向と直交する面(パチンコ遊技機1の底面に対する垂直面の面)に沿って回動する。
そして、この伝達部材320の回動力が、連係ピン係止部325から連係ピン306a,306bを介して開閉板49に伝達され、その伝達された回動力により、開閉板49が、プランジャ65aの進退方向と直角をなす左右方向を向く回動軸305周りに回動する。
また、本実施の形態の伝達部材320では、開閉板49に連係する左右一対の連係アーム321a,321bが支持枠部材303の内部における左右側に離間配置されている。これら左右一対の連係アーム321a,321bは、上部間に連結アーム322を架設することにより連結アーム322を介して連結されて連動するように構成されている。さらに、連係アーム321a,321bの上部間に架設された連結アーム322がプランジャ65aに係止(連係)されていることにより、1本のプランジャ65aの進退移動力を左右の連係アーム321a,321bを介して開閉板49の左右端部に同様に伝達し、開閉板49を回動させる。これにより、プランジャにより伝達部材を円滑に動作させることができる。
また、伝達部材320およびソレノイド65が、筒状に形成された支持枠部材303の内部に収容されていることで、伝達部材320やプランジャ65a等を外部から強制的に可動させること等が困難な構成とされているため、不正行為が効果的に防止される。
さらに、支持枠部材303が透明な合成樹脂材で構成され、内部に収容された伝達部材320およびソレノイド65が装置の側方から視認可能とされている。このため、各部材の組み付け作業時において伝達部材320と連係ピン306a,306bやプランジャ65aとの連係等の状況を外部から目視により確認しながら行なうことができるばかりか、伝達部材320と連係ピン306a,306bやプランジャ65aとの連係や、球詰まり等の不具合を、遊技盤40に取付けられている状態でも容易に確認することができる。
次に、図45および図46に基づいて、ソレノイド65と開閉板49と伝達部材320との連動状態およびその作用について説明する。なお、図45および図46においては、コイルバネ65b等の一部の部材の図示を省略している。
まず、図45(a)に示されるように、ソレノイド65が非励磁状態(OFF状態)であるときは、プランジャ65aがコイルバネ65b(図44(a)参照)の付勢力によって突出位置に位置している。このとき、伝達部材320は、開閉板49を閉止位置(閉止状態)とする閉止姿勢をなしており、かつ、連結アーム322の後端が後係止片332bの前面により前方の開閉板49に向けて付勢され、回動が規制される位置である前方の規制位置に配置される。そのとき、回動軸324は軸受長孔313の前端(規制位置)に位置し、案内ピン326は直線溝部316における前端面316cに当接する前方位置に位置する。
このような状態において、連係アーム321a,321bのそれぞれの連係ピン係止部325は、前端部が、回動時における上下方向の動作範囲における下限位置に位置している。これにより、連係ピン係止部325は、上係止片325aが連係ピン306a,306bのそれぞれの上部に設けられた凹部306dを押さえ、かつ、下係止片325bが連係ピン306a,306bのそれぞれの先端部306cを係止した態様(より具体的には上係止片325aと下係止片325bとで連係ピン306a,306bを挟み込んだ態様)で、連係ピン306a,306bを保持する。凹部306dは、周りよりも窪んでいるので、上係止片325aが上部に乗せられると、上係止片325aの先端部と凹部306dの壁部とが当接することにより、連係ピン係止部325が連係ピン306a,306bを、確実に押さえて固定することが可能となる。このような状態においては、連係ピン306a,306bが、パチンコ遊技機1の底面に対して水平となった態様で、連係ピン係止部325により保持され、連係ピン係止部325が開閉板49の板状部材49aに対して垂直な方向に設けられていることにより、開閉板49がパチンコ遊技機1の底面に対して垂直となり、第2特別可変入賞球装置48が閉止状態となる。
このように、連係ピン306a,306bは下限位置に位置すると、開閉板49は閉止位置に位置している。そして、連係ピン306a,306bは、下限位置において連係ピン係止部325の上係止片325aと下係止片325bとにより上下動が係止されることにより、上下動が制限される。
このようなソレノイド65が非励磁状態(OFF状態)である状態において、は、たとえば開閉板49を強制的に開放させようとする応力が開閉板49に加えられた場合、連係ピン306a,306bが下限位置から上昇して上係止片325aに係止され、連係アーム321a,321bが回動軸324を中心として上方(図46(a)中白矢印で示される方向)に回動しようとする。
しかし、案内ピン326が直線溝部316内前方に位置していることで、該案内ピン326の上方移動が上直線面316aにより当接規制される。すなわち、伝達部材320の上方への回動(第2の方向への回動)が案内ピン326と上直線面316aとの当接により規制されることで、上係止片325aに係止された連係ピン306a,306bの上方移動が上係止片325aにより当接規制される。
したがって、開閉板49を強制的に開放位置に向けて回転させようとする応力が加えられても、回動が規制されている伝達部材320により連係ピン306a,306bの上昇が規制されることで閉止位置に維持され、強制的に開放されることが防止される。
また、開閉板49に強制的に加えられた応力が連係ピン306a,306bから連係ピン係止部325に伝達されても、伝達部材320の案内ピン326が、装置本体の一部を構成する支持枠部材303の側壁303b,303cに形成された直線溝部316の上直線面316aに当接して回動規制されることで、アーム係止部材330を介してプランジャ65aに直接伝達されることがないため、ソレノイド65が保護されて故障しにくくなる。
つまり、開閉板49を強制的に開放させようとすると、案内ピン326が上直線面316aに当接することで伝達部材320の回転が規制され、これにより開閉板49に強制的に加えられた応力による負荷が、伝達部材320を支持するのに必要な強度を有する強固な支持枠部材303に加わるだけで済み、プランジャ65aに加わることを回避できる。
さらに、案内ピン326の移動規制が、プランジャ65aと伝達部材320との連係部とは別個箇所で行なわれるため、プランジャ65aと伝達部材320との連係に支障をきたすおそれがない。
次に、ソレノイド65が非励磁状態(OFF状態)から励磁状態(ON状態)となると、プランジャ65aがコイルバネ65b(図44(a)参照)の付勢力に抗して本体部側、つまり後方に向けて移動する。このプランジャ65aの後方移動、つまり励磁動作(第2の動作)が開始されると、前係止片332aの背面が連結アーム322の前端に当接して連結アーム322を後方に向けて付勢する。このとき、伝達部材320は、案内ピン326が直線溝部316の上下直線面316a,316bにより後方に向けて案内され、また、回動軸324が軸受長孔313の後端(回動位置)に向けて案内されることで、プランジャ65aとともに後方に向けて水平にスライド移動する。つまり、伝達部材320は閉止姿勢のまま回転しないまま後方に移動するので、開閉板49は閉止位置で維持されている。
そして、プランジャ65aの後方移動が開始されてから所定距離Lだけ後方移動した段階、つまり励磁初期動作が完了した段階で、図45(b)に示されるように、回動軸324は軸受長孔313の後端に位置するとともに、案内ピン326は直線溝部316における後方位置、つまり円弧溝部315の下端位置に位置し、上直線面316aによる当接規制が解除されるため、上方に向けて回動可能な状態となる。
さらにプランジャ65aが後方に向けて移動し、回動軸324が軸受長孔313の後端(回動位置)に位置して後方への移動が規制されたときに、軸受長孔313と直線溝部316とが互いに平行に、かつ、直線溝部316が軸受長孔313よりも上方に形成されていることで、直線溝部316により案内される案内ピン326は、上後方に向けて回転する。さらにこのとき、案内ピン326が下円弧面315bの前端に当接して下円弧面315b上に乗り上がる、つまり、下円弧面315bが案内ピン326を上後方に向けて確実に案内する。そして、下円弧面315bは、案内ピン326を介して、軸受長孔313の後端に位置した回動軸324を中心として連係アーム321a,321bを上方に向けて移動の案内をするとともに、連結アーム322が前係止片332aの背面により後方に向けて付勢されることで、伝達部材320が上方、つまり第2の方向(図45中時計回り)に向けて回転する。
そして、図46(a)に示されるように、この伝達部材320の回転により、連係ピン係止部325の下係止片325bが連係ピン306a,306bを下方から係止して連係ピン306a,306bを押し上げる。これにより開閉板49が、回動軸305を中心にして前向きに回動(前へ傾動)して開放位置に位置する。プランジャ65aが後退位置(図46(a)の状態)まで移動し、ソレノイド65が励磁状態(ON状態)に維持されると、伝達部材320は、次のような状態となる。連係アーム321a,321bは、連係ピン係止部325が前端部が上向きとなる傾倒姿勢となり、回動時における上下方向の動作範囲における上限位置に位置する。これにより、連係ピン306a,306bが回動時における上下方向の動作範囲における上限位置となる開放姿勢で維持されるため、開閉板49は、開放位置に維持される。
次に、ソレノイド65が励磁状態(ON状態)から非励磁状態(OFF状態)となると、図46(b)に示されるように、プランジャ65aがコイルバネ65b(図44(a)参照)の付勢力によって突出位置に向けて前方に移動、つまり励磁解除動作(第1の動作)が開始されると、これにより連結アーム322の後端が後係止片332bの前面により前方の開閉板49に向けて付勢される。
この連結アーム322の前方移動に伴い、案内ピン326が前方に向けて付勢される。そして、案内ピン326が上円弧面315aにより、前方、かつ下方に向けて摺接案内されることで、軸受長孔313の後端(回動位置)に回動軸324が保持された状態で該回動軸324を中心として連係アーム321a,321bを下方に向けて回動させるとともに、連結アーム322が後係止片332bの前面により前方に向けて付勢されることで、伝達部材320が下方、つまり第1の方向(図46中反時計回り)に向けて回転する。
そして、この伝達部材320が開放姿勢から閉止姿勢となる第1の方向への回転により、連係ピン係止部325の上係止片325aが連係ピン306a,306bを上方から係止して連係ピン306a,306bを下降させるため、開閉板49が回動軸305を中心に回転して閉止位置に位置する。
そしてプランジャ65aが後退位置(図45(a)の状態)まで移動し、ソレノイド65が非励磁状態(OFF状態)に維持されていると、伝達部材320は、連係アーム321a,321bが、連係ピン係止部325の前端部がやや下向きとなる水平姿勢となって連係ピン306a,306bが下限位置となる閉止姿勢に維持されるため、開閉板49が閉止位置に維持される。
以上説明してきたように、第2特別可変入賞球装置48にあっては、ソレノイド65のプランジャ65aが開閉板49に対して進退移動(前後移動)することで、プランジャ65aの直線的な進退移動力がプランジャ連係部としての連結アーム322を介して伝達部材320の回動力に変換されるとともに、該伝達部材320の回動力が開閉板連係部としての連係ピン係止部325を介して開閉板49の回動力に変換され、該開閉板49が開放位置と閉止位置との間で回動することになる。
また、伝達部材320は、プランジャ65aの進退移動、つまりソレノイド65の励磁に基づく励磁動作(第2の動作)である後退移動およびソレノイド65の励磁解除に基づく励磁解除動作(第1の動作)である前進移動に連動して回動する。具体的には、プランジャ65aの励磁動作に応じて、回動軸324が軸受長孔313の前端(規制位置)から後端(回動位置)に移動することで、回動規制部である上直線面316aによる案内ピン326の第2の方向への回動規制が解除され、伝達部材320が第2の方向に回動して閉止姿勢から開放姿勢となることで、開閉板49が開放状態となる。
また、伝達部材320は、プランジャの励磁解除動作に応じて、軸受長孔313の後端(回動位置)に位置する回動軸324を中心として第1の方向に回動し、開放姿勢から閉止姿勢となった後、閉止姿勢のまま回動軸324が軸受長孔313の後端(回動位置)から前端(規制位置)に移動する。これにより、案内ピン326が回動規制部である上直線面316aに当接して伝達部材320の第2の方向への回動が規制されることで、開閉板49を閉止位置から開放位置に強制的に回動させることができないため、針金等の不正部材により開閉板49を不正に回動させて遊技球を入賞させるといった不正行為等を極力防止することができる。
また、開閉板49が閉止位置に位置している状態において、伝達部材320の回動が装置本体を構成する支持枠部材303の側壁303b,303cに形成された直線溝部316で案内規制されることで、開閉板49に加わる負荷が伝達部材320を介してプランジャ65aに直接伝達されることがなく、これによりソレノイド65が保護されるので故障しにくくなる。
また、回動軸324が、伝達部材320が回動自在となる軸受長孔313の後端(回動位置)と、伝達部材320の回動が規制される軸受長孔313の前端(規制位置)との間で移動可能に支持されている。そして、プランジャ65aの前進(励磁解除動作)または後退(励磁動作)に応じて伝達部材320を支持枠部材303に対して前進または後退させるだけで、該伝達部材320の回動規制および回動規制の解除が行なわれるように構成されている。これにより、伝達部材320の第2の方向への回転を規制する回動規制部を、プランジャ65aの励磁動作や励磁解除動作に応じて規制位置と規制解除位置とに移動させる必要がないため、構造を簡素化できる。
また、伝達部材320が案内ピン326を介して案内溝314により移動の案内をされていることで、伝達部材320の回動規制および回動規制の解除が、プランジャ65aの突出位置と後退位置との間での進退移動、つまり励磁動作または励磁解除動作の間でスムーズに行なわれるようにすることができる。
さらに、伝達部材320の移動が回動軸324のみならず案内溝314によっても安定的に支持され、かつ、プランジャ65aが突出位置と後退位置との間で進退移動する際において常に連結アーム322とプランジャ65aとの連係が解除されることがないので、安定性が高まる。
また、第2特別可変入賞球装置48の本体の一部は、伝達部材320を内部に収容した状態で支持する筒状の支持枠部材303を有することで、伝達部材320が筒状の支持枠部材303により覆われ、伝達部材320やプランジャ65a等を外部から強制的に可動させること等が困難な構成とされているため、伝達部材320が針金等の不正部材により直接回動されるといった不正行為を防止できる。
また、移動案内部としての案内溝314は、伝達部材320に突設された案内凸部としての案内ピン326を摺接案内する円弧状の湾曲面である上円弧面315aおよび下円弧面315bと、直線状の平坦面である上直線面316aおよび下直線面316bとからなる移動案内面で構成される。これにより、これら移動案内面315a,315b,316a,316bに対して案内ピン326を当接させることにより伝達部材320の移動を容易に案内することができるため、移動案内部を簡単に構成することができる。
また、回動軸324は、直線溝部316に対して平行に配設された軸受長孔313に枢支されていることにより、伝達部材320の案内ピン326が直線溝部316で前後の移動が案内されるときに、回動軸324は軸受長孔313によって直線溝部316に対して平行に移動が案内されることで、連結アーム322とアーム係止部材330の係止部332との位置関係が変わることがないため、プランジャ65aと伝達部材320との連係が解除することがない。
また、伝達部材320は、開閉板49に連係する左右一対の連係アーム321a,321bと、その連係アーム321a,321b同士を連結するように架設された連結部材としての連結アーム322とを有する。これにより、1つのプランジャ65aの進退移動が、連結アーム322を介して左右一対の連係アーム321a,321bそれぞれに伝達されて開閉板49を連動させることができるため、構造が簡素化される。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を説明する。第1実施形態では一対の連係アーム321を用いて開閉板490を開閉する例を示した。この第2実施形態では、第2特別可変入賞球装置48のその他の例として、1つの連係アーム321を用いて開閉板490を開閉する第2特別可変入賞球装置480を説明する。
次に、第2実施形態による第2特別可変入賞球装置480の構造について、図47〜図54に基づいて説明する。図47は、第2実施形態による第2特別可変入賞球装置480を示す斜視図である。図48は、(a)が第2実施形態による支持枠部材3030を示す斜視図であり、(b)が(a)の右側面図である。図49は、第2実施形態による伝達機構を示す側面図である。図50は、第2実施形態による伝達機構の内部構造を示す分解斜視図である。図51は、(a)が開状態における第2特別可変入賞球装置480を示す縦断面図であり、(b)が(a)のA−A断面図である。図52は、(a)が閉状態における第2特別可変入賞球装置480を示す縦断面図であり、(b)が(a)のA’−A’断面図である。図53は、ソレノイド65と開閉板490と伝達部材3200との連動状態および作用を示す図であって、(a)がソレノイドOFF状態、(b)がソレノイドON初期状態を示す概略図である。図54は、同じくソレノイド65と開閉板490と伝達部材3200との連動状態および作用を示す図であって、(a)がソレノイドON状態、(b)がソレノイドOFF初期状態を示す概略図である。
図47〜図52については、第1実施形態による第2特別可変入賞球装置48と機能的に同様な部位および構成等は、同一の符号を付し、重複した説明を繰返さない。
第2実施形態による第2特別可変入賞球装置480は、図47に示されるように、遊技盤40の遊技領域41の前面側に配設される台板300と、台板300の前面側に回動自在に設けられる長方形の板状の開閉板490と、台板300の後側(背面側)に配設され、第2特別可変入賞球装置480の本体の一部を構成する支持枠部材3030と、支持枠部材3030の後面上方位置に配設される電気的駆動部としての第2大入賞口扉用ソレノイド65(以下、ソレノイド65と略称する)とから主に構成される。
台板300においては、開閉板490が開口部304を開閉可能な態様で設けられている。具体的に、開閉板490は、開口部304と同一形状の平板状の部材である長方形状の板状部材490aを含み、後述するように、長手方向の両端部下側に回動軸が設けられている。そして、開閉板49は、その回動軸が、台板300に設けられた枢支部材により回動可能に枢支される態様で台板300に取付けられている。第2特別可変入賞球装置48は、開閉板490の板状部材490aが開口部304を塞いだ状態(閉鎖状態)で遊技球を受入れ不可能な閉状態となり、開閉板490の板状部材490aが開口部304を塞いでいない状態(開放状態)で遊技球を受入れ可能な開状態となる。台板300および支持枠部材3030は、第2特別可変入賞球装置480の本体を構成する部材であるとともに、開閉板490、ソレノイド65、および、後述する伝達部材3200を支持する支持部材を構成している。
図47および図50に示すように、開閉板490は、横方向を長手方向とする長方形状の板状部材490aを含み、板状部材490aの左右の両端部のそれぞれにおいて、後面側(パチンコ遊技機1の内部に向かう方向)に向けて、扇状の側壁部490bが設けられている。具体的に、扇形の側壁部490bは、開閉板49が閉じた状態で板状部材49aにおける2つの長辺のうち上辺側の両端部から、側壁部490bにおける扇形の弧の部分がパチンコ遊技機1の内部に向けて連設されるような態様(扇形の中心部は後述する回動軸3050の近傍に位置するような態様)で開閉板490に形成されている。このような側壁部49bが設けられていることにより、開閉板490が開放状態となったときに、遊技球を受入れる領域として、板状部材490aと、2つの側壁部490b,490bとでポケット状(上方が開口した箱状)の領域が形成される。
また、開閉板490の基部、つまり図50に示す板状部材490aにおける上下2つの長辺のうち下辺側の両端部のそれぞれからは、左右横方向(板状部材490aの長手方向)を向く態様で回動軸3050が突設されている。回動軸3050は、台板300に設けられた枢支部材(図示省略)により枢支されている。そして、開閉板490は、パチンコ遊技機1の底面に対して垂直方向を向いて第2大入賞口を閉塞する位置、つまり遊技球が進入しない閉止位置(閉止状態、図52(a),(b)参照)と、その閉止位置から板状部材490aの下辺側に設けられた回動軸3050を中心として、外向き(前方側)に傾動して第2大入賞口(開口部304)を開放する位置、つまり遊技球が進入しやすい開放位置(開放状態、図51(a),(b)参照)との間で回動自在となる態様で、第2特別可変入賞球装置480に設けられている。
また、図50〜図52に示されるように、支持枠部材3030は、台板300の裏側(後面)において、パチンコ遊技機1の正面から見て開閉板490の左側に設けられ、支持枠部材3030よりも左側にソレノイド65が設けられている。
図50〜図52に示されるように、開閉板490においては、第1実施形態で示した一対の連係ピン306a,306bは設けられておらず、その代わりに、1つの連係ピン490dが設けられている。この連係ピン490dは、開閉板490において、パチンコ遊技機1の正面から見て左側の側壁部490bの下部に山形の板状の連係基部490cが連設され、その連係基部490cから回動軸3050の軸長方向と平行な方向に外側(パチンコ遊技機1の正面から見て左方向)に形成された棒状の部材である。このような連係基部490cおよび連係ピン490dは、第2特別可変入賞球装置480において板状部材490aと一体形成されている。別の観点から説明すると、連係ピン490dは、開閉板490の板状部材490aの板面に対して、長手方向が水平方向となる態様で設けられている。
連係ピン490dは、先端部490eが支持枠部材3030内まで延在されている。支持枠部材3030内において、該先端部490eは、後述する伝達部材3200に連係されている。このような連係により、第2特別可変入賞球装置480は、伝達部材3200の回動に連動して開閉板490が開閉するように構成されている。
支持枠部材3030は、図48および図49に示されるように、伝達部材3200を内部に収容した状態で回動自在に支持する。また、支持枠部材3030は、ソレノイド65のプランジャ65aをも収容する大きさを有する筒状に形成されている。
支持枠部材3030は、内部を透視可能な透明な合成樹脂材により筒状に形成されている。支持枠部材3030は、底面を形成する底壁3030a、左右両側面を形成する側壁3030b,3030c、上面を形成する上壁3030d、および、上壁3030dの中央部においてさらに上方へ横長の長方形状で突出した突出壁3030eにより囲まれた筒状体よりなる。このような支持枠部材3030は、筒状体の開口側を開閉板490の板状部材490aの長手方向に向けた態様で台板300に取付けられている。
図示を省略するが、台板300の裏面側(パチンコ遊技機1の正面から見て開閉板490を設ける位置の左側)には、支持枠部材3030およびソレノイド65を取付けるための枠を形成した取付領域が設けられている。支持枠部材3030の側壁、および、ソレノイド65の本体の側壁には、ネジ穴(図示省略)が形成されている。そして、台板300の背面側の取付領域に配置した支持枠部材3030およびソレノイド65について、前述のネジ穴に、台板300の前面側から台板300を貫通する態様で取付ネジ(図示省略)を螺入することにより、支持枠部材3030およびソレノイド65が台板300の裏面側に取付けられている。
支持枠部材3030において、左右に配置される側壁3030b,3030cには、後述する伝達部材3200の回動軸3240を回動自在に、かつ、前後方向(プランジャ65aの進退方向)に移動自在に支持するための軸受長孔313が形成されている。そして、側壁3030b,3030cにおいて、軸受長孔313の上方には、後述する伝達部材3200の案内ピン3260の移動を案内する移動案内部を構成する案内溝314が形成されている。軸受長孔313の構成および案内溝314の構成は、第1実施形態のものと同様であるので、ここでは重複した説明を繰返さない。
伝達部材3200は、回動軸3240が軸受長孔313の後端(回動位置)に位置しているときに、開閉板490を閉止位置(閉止状態)とする閉止姿勢(図52(a)参照)と、開閉板490を開放位置(開放状態)とする開放姿勢(図51(a)参照)との間で回動自在に軸支されている。つまり、伝達部材3200は、回動軸324が軸受長孔313の後端(回動位置)に位置しているときに、開閉板490を開放位置から閉止位置に向けて回動させる第1の方向と、開閉板490を閉止位置から開放位置に向けて回動させる第2の方向とに回動自在に軸支されている。また、伝達部材3200は、回動軸3240が軸受長孔313の前端(規制位置)、つまり、回動軸3240が開閉板490側(図53(a)に示される位置)に位置しているときに、前記第1の方向および第2の方向への回動が案内ピン326と上直線面316aおよび下直線面316bとにより規制され、前後方向(プランジャ65aの進退方向)へのみ移動可能に支持される。
このように直線溝部316は、軸受長孔313と平行をなすように形成されている。また、側壁3030b,3030cの内面における軸受長孔313の後端からは、支持枠部材3030の後端面にかけて凹溝317が後向きに凹設されており、回動軸324を支持枠部材3030の背面側から押し込んで軸受長孔313内に枢支できるように構成されている。
伝達部材3200は、合成樹脂材で形成される。図50に示されるように、伝達部材3200は、開閉板490に連係する連係アーム321を含む。と、連係アーム321の上部に設けられ、連係アーム321の左右両側面において外向きに同軸的に突設される回動軸3240と、連係アーム321の左右両側面において外向きに同軸的に突設される案内ピン3260とを含む。
連係アーム321は、所定長さに形成されたアーム部3230と、アーム部3230における基端側の左右両側面において外向きに同軸的に突設される回動軸3240と、アーム部3230における基端と先端との中間部での上部の左右両側面において外向きに同軸的に突設される案内ピン3260と、アーム部3230の先端に連設され、連係ピン490dの先端490eに係止する側面視略C字形の連係ピン係止部3250とから構成されている。回動軸3240および案内ピン3260のそれぞれは、アーム部3230と一体形成されている。なお、回動軸3240および案内ピン3260のそれぞれは、アーム部3230と別体の棒状部材で形成されてもよい。その場合、回動軸3240は、アーム部3230を貫通する態様で、アーム部3230に取付けられるようにする。
連係ピン係止部3250は、図49および図50に示されるように、C字形の部材のうち上部の部材に相当する上係止片3250aと、C字形の部材のうち下部の部材に相当する下係止片3250bとを含む。そして、連係ピン係止部3250は、上係止片3250aと下係止片3250bとの間に連係ピン490dを遊挿可能に形成されているとともに、回動軸3050を中心として回動する開閉板490に連動して、回動軸3050を中心とした円弧に沿って昇降する際における連係ピン490dの左右方向の移動を許容可能な左右幅寸法を有している。この連係ピン係止部3250は、開閉板連係部を構成している。
また、前述した案内ピン3260は、伝達部材3200の回動中心となる回動軸3240から偏心した偏心位置に配置されており、アーム部3230の先端の連係ピン係止部3250の移動の案内を行なうように構成されている。
また、この案内ピン3260は、その上方に配設されるソレノイド65のプランジャ65aの先端に取付けられる下向き二股状に形成されるアーム係止部材330が係止、つまり連係される。案内ピン3260は、ソレノイド連係部を構成している。
アーム係止部材330の構成は、第1実施形態と同様であるので、ここでは重複した説明は繰返さない。
左右の係止部332では、係止凹部322cが、案内ピン3260を遊嵌可能な前後幅を有するとともに、案内ピン3260の昇降を許容可能な上下幅を有する。アーム係止部材330では、係止凹部322c内に案内ピン3260が遊嵌されることにより、プランジャ65aの前後移動に応じて、回動軸324を中心として回動する案内ピン3260が前後移動および昇降自在に係止される。
ソレノイド65自体の構成は、第1実施形態と同様であるので、ここでは重複した説明は繰返さない。ソレノイド65が台板300に取付けられた状態において、プランジャ65aは、図49に示されるように、支持枠部材3030の内部において、突出壁3030e内に配設されている。さらに具体的に説明すると、プランジャ65aは、開閉板490に対して進退自在に、つまり前後移動自在に略水平方向(パチンコ遊技機1の底面に対して水平方向)に向けて配設されている。
ここで、上述した開閉板490、伝達部材3200、および、ソレノイド65からなる伝達機構の組付け状態を説明すると、次の通りである。図50に示されるように、開閉板490とソレノイド65とは、伝達部材3200を介して連動するように構成されている。具体的に説明すると、開閉板490と伝達部材3200とは、開閉板490の連係ピン490eが連係ピン係止部325の上下の係止部5250a,5250b間に遊嵌されることにより連係されている。また、伝達部材3200とソレノイド65とは、伝達部材3200の案内ピン3260が、プランジャ65aの先端に取付けられたアーム係止部材330の前後の係止片332a,332b間に形成された係止凹部322c内に遊嵌されることにより連係されている。
したがって、ソレノイド65が励磁および励磁が解除されることでプランジャ65aが前後方向に移動すること、つまり開閉板490の板部材490aに対して平行に進退移動することで、その進退移動力がアーム係止部材330から案内ピン3260を介して伝達部材3200に伝達され、伝達部材3200がプランジャ65aの進退方向に対して略直交する方向を向く回動軸3240を中心として、回動軸3240の軸長方向と直交する面(パチンコ遊技機1の底面に対する垂直面)に沿って回動する。
そして、この伝達部材3200の回動力が、連係ピン係止部325から連係ピン490eを介して開閉板490に伝達され、その伝達された回動力により、開閉板490が、プランジャ65aの進退方向と同一方向をなす左右方向を向く回動軸3050周りに回動する。
また、伝達部材3200およびソレノイド65が、筒状に形成された支持枠部材3030の内部に収容されていることで、伝達部材3200やプランジャ65a等を外部から強制的に可動させること等が困難な構成とされているため、不正行為が効果的に防止される。
さらに、支持枠部材3030が透明な合成樹脂材で構成され、内部に収容された伝達部材3200およびソレノイド65が装置の側方から視認可能とされている。このため、各部材の組付け作業時において伝達部材3200と連係ピン490eやプランジャ65aとの連係等の状況を外部から目視により確認しながら行なうことができるばかりか、伝達部材3200と連係ピン490eやプランジャ65aとの連係や、球詰まり等の不具合を、遊技盤40に取付けられている状態でも容易に確認することができる。
次に、図53および図54に基づいて、ソレノイド65と開閉板490と伝達部材3200との連動状態およびその作用について説明する。なお、図53および図54においては、コイルバネ65b等の一部の部材の図示を省略している。
まず、図53(a)に示されるように、ソレノイド65が非励磁状態(OFF状態)であるときは、プランジャ65aがコイルバネ65b(図52(a)参照)の付勢力によって突出位置に位置している。このとき、伝達部材3200は、開閉板490を閉止位置(閉止状態)とする閉止姿勢をなしており、かつ、案内ピン3260の後端が後係止片332bの前面により前方の開閉板490に向けて付勢され、回動が規制される位置である前方の規制位置に配置される。そのとき、回動軸324は軸受長孔313の前端(規制位置)に位置し、案内ピン3260は直線溝部316における前端面316cに当接する前方位置に位置する。
このような状態において、連係アーム321の連係ピン係止部325は、前端部が、回動時における上下方向の動作範囲における下限位置に位置している。これにより、連係ピン係止部325は、上係止片325aと下係止片325bとの間に配置され、上下動によりいずれかに係止(連係)可能な状態とされている。このような状態においては、連係ピン490dが、上下方向の動作範囲における下限位置に位置した状態で、開閉板490がパチンコ遊技機1の底面に対して垂直となり、第2特別可変入賞球装置480が閉止状態となる。
このように、連係ピン490dは下限位置に位置すると、開閉板490は閉止位置に位置している。そして、連係ピン490dは、下限位置において連係ピン係止部325の上係止片325aと下係止片325bとにより上下動が係止されることにより、上下動が制限される。
このようなソレノイド65が非励磁状態(OFF状態)である状態において、は、たとえば開閉板490を強制的に開放させようとする応力が開閉板490に加えられた場合、連係ピン490dが下限位置から上昇して上係止片325aに係止され、連係アーム321が回動軸3240を中心として上方(図54(a)中白矢印で示される方向)に回動しようとする。
しかし、案内ピン3260が直線溝部316内前方に位置していることで、該案内ピン326の上方移動が上直線面316aにより当接規制される。すなわち、伝達部材3200の上方への回動(第2の方向への回動)が案内ピン3260と上直線面316aとの当接により規制されることで、上係止片3250aに係止された連係ピン490dの上方移動が上係止片3250aにより当接規制される。
したがって、開閉板490を強制的に開放位置に向けて回動させようとする応力が加えられても、回動が規制されている伝達部材3200により連係ピン490dの上昇が規制されることで閉止位置に維持され、強制的に開放されることが防止される。
また、開閉板490に強制的に加えられた応力が連係ピン490dから連係ピン係止部325に伝達されても、伝達部材3200の案内ピン3260が、装置本体の一部を構成する支持枠部材3030の側壁3030b,3030cに形成された直線溝部316の上直線面316aに当接して回動規制されることで、アーム係止部材330を介してプランジャ65aに直接伝達されることがないため、ソレノイド65が保護されて故障しにくくなる。
つまり、開閉板490を強制的に開放させようとすると、案内ピン3260が上直線面316aに当接することで伝達部材3200の回動が規制され、これにより開閉板490に強制的に加えられた応力による負荷が、伝達部材3200を支持するのに必要な強度を有する強固な支持枠部材3030に加わるだけで済み、プランジャ65aに加わることを回避できる。
さらに、案内ピン326の移動規制が、プランジャ65aと伝達部材3200との連係部とは別個箇所で行なわれるため、プランジャ65aと伝達部材3200との連係に支障をきたすおそれがない。
次に、ソレノイド65が非励磁状態(OFF状態)から励磁状態(ON状態)となると、プランジャ65aがコイルバネ65b(図52(a)参照)の付勢力に抗して本体部側、つまり後方に向けて移動する。このプランジャ65aの後方移動、つまり励磁動作(第2の動作)が開始されると、前係止片332aの背面が案内ピン3260の前端に当接して案内ピン3260を後方に向けて付勢する。このとき、伝達部材3200は、案内ピン326が直線溝部316の上下直線面316a,316bにより後方に向けて案内され、また、回動軸3240が軸受長孔313の後端(回動位置)に向けて案内されることで、プランジャ65aとともに後方に向けて水平にスライド移動する。つまり、伝達部材3200は閉止姿勢のまま回動しないまま後方に移動するので、開閉板490は閉止位置で維持されている。
そして、プランジャ65aの後方移動が開始されてから所定距離Lだけ後方移動した段階、つまり励磁初期動作が完了した段階で、図53(b)に示されるように、回動軸324は軸受長孔313の後端に位置するとともに、案内ピン326は直線溝部316における後方位置、つまり円弧溝部315の下端位置に位置し、上直線面316aによる当接規制が解除されるため、上方に向けて回動可能な状態となる。
さらにプランジャ65aが後方に向けて移動し、回動軸3240が軸受長孔313の後端(回動位置)に位置して後方への移動が規制されたときに、軸受長孔313と直線溝部316とが互いに平行に、かつ、直線溝部316が軸受長孔313よりも上方に形成されていることで、直線溝部316により案内される案内ピン326は、上後方に向けて回動する。さらにこのとき、案内ピン3260が下円弧面315bの前端に当接して下円弧面315b上に乗り上がる、つまり、下円弧面315bが案内ピン326を上後方に向けて確実に案内する。そして、下円弧面315bは、案内ピン326を介して、軸受長孔313の後端に位置した回動軸3240を中心として連係アーム321を上方に向けて移動の案内をするとともに、案内ピン3260が前係止片332aの背面により後方に向けて付勢されることで、伝達部材3200が上方、つまり第2の方向(図53中時計回り)に向けて回動する。
そして、図54(a)に示されるように、この伝達部材3200の回動により、連係ピン係止部325の下係止片325bが連係ピン490dを下方から係止して連係ピン490dを押し上げる。これにより開閉板490が、回動軸3050を中心にして前向きに回動(前へ傾動)して開放位置に位置する。プランジャ65aが後退位置(図54(a)の状態)まで移動し、ソレノイド65が励磁状態(ON状態)に維持されると、伝達部材3200は、次のような状態となる。連係アーム321は、連係ピン係止部325が前端部が上向きとなる傾倒姿勢となり、回動時における上下方向の動作範囲における上限位置に位置する。これにより、連係ピン490dが回動時における上下方向の動作範囲における上限位置となる開放姿勢で維持されるため、開閉板490は、開放位置に維持される。
次に、ソレノイド65が励磁状態(ON状態)から非励磁状態(OFF状態)となると、図54(b)に示されるように、プランジャ65aがコイルバネ65b(図52(a)参照)の付勢力によって突出位置に向けて前方に移動、つまり励磁解除動作(第1の動作)が開始されると、これにより案内ピン3260の後端が後係止片332bの前面により前方の開閉板490に向けて付勢される。
この案内ピン3260の前方移動に伴い、案内ピン3260が前方に向けて付勢される。そして、案内ピン3260が上円弧面315aにより、前方、かつ下方に向けて摺接案内されることで、軸受長孔313の後端(回動位置)に回動軸324が保持された状態で該回動軸3240を中心として連係アーム321を下方に向けて回動させるとともに、案内ピン3260が後係止片332bの前面により前方に向けて付勢されることで、伝達部材3200が下方、つまり第1の方向(図54中反時計回り)に向けて回動する。
そして、この伝達部材3200が開放姿勢から閉止姿勢となる第1の方向への回動により、連係ピン係止部3250の上係止片3250aが連係ピン490dを上方から係止して連係ピン490dを下降させるため、開閉板490が回動軸3050を中心に回動して閉止位置に位置する。
そしてプランジャ65aが後退位置(図53(a)の状態)まで移動し、ソレノイド65が非励磁状態(OFF状態)に維持されていると、伝達部材3200は、連係アーム321が、連係ピン係止部3250の前端部がやや下向きとなる水平姿勢となって連係ピン490dが下限位置となる閉止姿勢に維持されるため、開閉板490が閉止位置に維持される。
以上説明してきたように、第2特別可変入賞球装置480にあっては、ソレノイド65のプランジャ65aが開閉板490に対して進退移動(前後移動)することで、プランジャ65aの直線的な進退移動力がプランジャ連係部としての案内ピン3260を介して伝達部材3200の回動力に変換されるとともに、該伝達部材3200の回動力が開閉板連係部としての連係ピン係止部3250を介して開閉板490の回動力に変換され、該開閉板490が開放位置と閉止位置との間で回動することになる。
また、伝達部材3200は、プランジャ65aの進退移動、つまりソレノイド65の励磁に基づく励磁動作(第2の動作)である後退移動およびソレノイド65の励磁解除に基づく励磁解除動作(第1の動作)である前進移動に連動して回動する。具体的には、プランジャ65aの励磁動作に応じて、回動軸324が軸受長孔313の前端(規制位置)から後端(回動位置)に移動することで、回動規制部である上直線面316aによる案内ピン3260の第2の方向への回動規制が解除され、伝達部材3200が第2の方向に回動して閉止姿勢から開放姿勢となることで、開閉板490が開放状態となる。
また、伝達部材3200は、プランジャの励磁解除動作に応じて、軸受長孔313の後端(回動位置)に位置する回動軸3240を中心として第1の方向に回動し、開放姿勢から閉止姿勢となった後、閉止姿勢のまま回動軸3240が軸受長孔313の後端(回動位置)から前端(規制位置)に移動する。これにより、案内ピン3260が回動規制部である上直線面316aに当接して伝達部材3200の第2の方向への回動が規制されることで、開閉板490を閉止位置から開放位置に強制的に回動させることができないため、針金等の不正部材により開閉板490を不正に回動させて遊技球を入賞させるといった不正行為等を極力防止することができる。
また、開閉板490が閉止位置に位置している状態において、伝達部材3200の回動が装置本体を構成する支持枠部材3030の側壁3030b,3030cに形成された直線溝部316で案内規制されることで、開閉板490に加わる負荷が伝達部材3200を介してプランジャ65aに直接伝達されることがなく、これによりソレノイド65が保護されるので故障しにくくなる。
また、回動軸3240が、伝達部材3200が回動自在となる軸受長孔313の後端(回動位置)と、伝達部材3200の回動が規制される軸受長孔313の前端(規制位置)との間で移動可能に支持されている。そして、プランジャ65aの前進(励磁解除動作)または後退(励磁動作)に応じて伝達部材3200を支持枠部材3030に対して前進または後退させるだけで、該伝達部材3200の回動規制および回動規制の解除が行なわれるように構成されている。これにより、伝達部材3200の第2の方向への回動を規制する回動規制部を、プランジャ65aの励磁動作や励磁解除動作に応じて規制位置と規制解除位置とに移動させる必要がないため、構造を簡素化できる。
また、伝達部材3200が案内ピン3260を介して案内溝314により移動の案内をされていることで、伝達部材3200の回動規制および回動規制の解除が、プランジャ65aの突出位置と後退位置との間での進退移動、つまり励磁動作または励磁解除動作の間でスムーズに行なわれるようにすることができる。
さらに、伝達部材3200の移動が回動軸3240のみならず案内溝314によっても安定的に支持され、かつ、プランジャ65aが突出位置と後退位置との間で進退移動する際において常に案内ピン3260とプランジャ65aとの連係が解除されることがないので、安定性が高まる。
また、第2特別可変入賞球装置480の本体の一部は、伝達部材3200を内部に収容した状態で支持する筒状の支持枠部材3030を有することで、伝達部材3200が筒状の支持枠部材3030により覆われ、伝達部材3200やプランジャ65a等を外部から強制的に可動させること等が困難な構成とされているため、伝達部材3200が針金等の不正部材により直接回動されるといった不正行為を防止できる。
また、移動案内部としての案内溝314は、伝達部材3200に突設された案内凸部としての案内ピン3260を摺接案内する円弧状の湾曲面である上円弧面315aおよび下円弧面315bと、直線状の平坦面である上直線面316aおよび下直線面316bとからなる移動案内面で構成される。これにより、これら移動案内面315a,315b,316a,316bに対して案内ピン3260を当接させることにより伝達部材3200の移動を容易に案内することができるため、移動案内部を簡単に構成することができる。
また、回動軸3240は、直線溝部316に対して平行に配設された軸受長孔313に枢支されていることにより、伝達部材3200の案内ピン326が直線溝部316で前後の移動が案内されるときに、回動軸3240は軸受長孔313によって直線溝部316に対して平行に移動が案内されることで、案内ピン3260とアーム係止部材330の係止部332との位置関係が変わることがないため、プランジャ65aと伝達部材3200との連係が解除することがない。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態を説明する。第3実施形態では、第1実施形態に示した第2特別可変入賞球装置48の変形例として、開閉板49の開放位置および閉止位置と、プランジャ65aの突出位置および後退位置との関係が異なる第2特別可変入賞球装置481を説明する。
図55は、第3実施形態による第2特別可変入賞球装置481を示す概略図である。図55において、(a)は開閉板が開放位置に位置している状態を示す図であり、(b)は開閉板が開放位置に位置している状態を示す図である。図55については、第1実施形態による第2特別可変入賞球装置48と機能的に同様な部位および構成等は、同一の符号を付し、重複した説明を繰返さない。
まず、第1実施形態による第2特別可変入賞球装置48との大きな相違点として、ソレノイド65は、非励磁状態(OFF状態)において、プランジャ65aの後端側に設けられたコイルバネ65bの付勢力により、該プランジャ65aが開閉板49に対して後退した後退位置に位置し、励磁状態(ON状態)においては、コイルバネ65bの付勢力に抗してプランジャ65aが開閉板49に対して近接する突出位置に位置するようになっている。ソレノイド65およびアーム係止部材330は、第1実施形態の場合と比べて上下を反転した態様で支持枠部材303の下部に設けられている。
また、連結アーム322および案内ピン326は、連係アーム321a,321bにおける回動軸324よりも後方の後端部に設けられている。連係アーム321a,321bは、側面視く字形状に屈曲した形状であり、案内ピン326が後端部に設けられ、回動軸324が屈曲部(中央部)に設けられている。連係アーム321a,321b間に設けられた連結アーム322は、下方側からアーム係止部材330の前後の係止片332a,332b間に形成された係止凹部322c内に遊嵌されている。円弧溝部315および直線溝部316からなる案内溝314は、軸受長孔313よりも後側に上下左右反転した状態で形成されている。つまり、案内溝314および軸受長孔313は、第1実施形態の配置を上下左右に反転した態様で設けられている。
図55(a)に示されるように、ソレノイド65の非励磁状態(OFF状態)においては、コイルバネ65bの付勢力によりプランジャ65aが後退位置に位置していることで、伝達部材320の回動軸324は軸受長孔313の後方位置に位置し、案内ピン326は直線溝部316の後端位置に位置する。これにより、連係アーム321a,321bのそれぞれの連係ピン係止部325は、前端部が、回動時における上下方向の動作範囲における下限位置に位置する。そのときは、上係止片325aが連係ピン306a,306bのそれぞれの上部に設けられた凹部306dを押さえ、かつ、下係止片325bが連係ピン306a,306bのそれぞれの先端部306cを係止した態様(より具体的には上係止片325aと下係止片325bとで連係ピン306a,306bを挟み込んだ態様)で、連係ピン306a,306bを保持する。このような状態においては、連係ピン306a,306bが、パチンコ遊技機1の底面に対して水平となった態様で、連係ピン係止部325により保持され、連係ピン係止部325が開閉板49の板状部材49aに対して垂直な方向に設けられていることにより、開閉板49がパチンコ遊技機1の底面に対して垂直となり、第2特別可変入賞球装置48が閉止状態となる。
このとき、案内ピン326は直線溝部316の後端位置に位置することにより、案内ピン326の上方への移動が規制され、伝達部材320の回動が規制される。このように、伝達部材320の回動が規制されることにより、開閉板49は閉止位置で維持される。したがって、開閉板49を強制的に開放位置に向けて回動させようとする応力が加えられても、回動規制されている伝達部材320により連係ピン306a,306bの上昇が規制されることで閉止位置に維持され、強制的に開放されることが防止される。
そして、図55(b)に示されるように、ソレノイド65が非励磁状態(OFF状態)から励磁状態(ON状態)になると、プランジャ65aがコイルバネ65bの付勢力に抗して前方に移動、つまり励磁動作が開始されると、その前方への移動が開始されてから所定距離だけ移動した段階、つまり励磁初期動作が完了した段階で、伝達部材320の回動軸324は軸受長孔313の前方位置に位置し、案内ピン326は直線溝部316の前端位置に位置するまで移動する。
さらにプランジャ65aが前方に移動すると、伝達部材320が下方(図55中反時計回り)に向けて回動し、連係ピン係止部325の下係止片325bが連係ピン306a,306bを下方から係止して連係ピン306a,306bを押し上げる。これにより開閉板49が、回動軸305を中心にして前向きに回動(前へ傾動)して開放位置に位置する。プランジャ65aが後退位置まで移動し、ソレノイド65が励磁状態(ON状態)に維持されると、伝達部材320は、次のような状態となる。連係アーム321a,321bは、連係ピン係止部325が前端部が横向きとなる傾倒姿勢となり、回動時における上下方向の動作範囲における上限位置に位置する。これにより、連係ピン306a,306bが回動時における上下方向の動作範囲における上限位置となる開放姿勢で維持されるため、開閉板49は、開放位置に維持される。
このように、開閉板49の開放位置および閉止位置とプランジャ65aの突出位置および後退位置との関係は、第1実施形態に示したものでも、第3実施形態に示したものでもよく、種々に変更可能であり、このようにした場合においても、第1実施形態と同様の作用・効果が得られることになる。
〔第4実施形態〕
次に、第4実施形態を説明する。第4実施形態では、第2実施形態に示した第2特別可変入賞球装置480の変形例として、開閉板49の開放位置および閉止位置と、プランジャ65aの突出位置および後退位置との関係が異なる第2特別可変入賞球装置482を説明する。
図56は、第4実施形態による第2特別可変入賞球装置482を示す概略図である。図56において、(a)は開閉板が開放位置に位置している状態を示す図であり、(b)は開閉板が開放位置に位置している状態を示す図である。図56については、第2実施形態による第2特別可変入賞球装置480と機能的に同様な部位および構成等は、同一の符号を付し、重複した説明を繰返さない。
まず、第2実施形態による第2特別可変入賞球装置480との大きな相違点として、ソレノイド65は、非励磁状態(OFF状態)において、プランジャ65aの後端側に設けられたコイルバネ65bの付勢力により、該プランジャ65aが開閉板490に対して後退した後退位置に位置し、励磁状態(ON状態)においては、コイルバネ65bの付勢力に抗してプランジャ65aが開閉板490に対して近接する突出位置に位置するようになっている。ソレノイド65およびアーム係止部材330は、第1実施形態の場合と比べて上下を反転した態様で支持枠部材303の下部に設けられている。
また、連係アーム321における案内ピン3260は、連係アーム321における回動軸324よりも後方の後端部に設けられている。連係アーム321は、側面視く字形状に屈曲した形状であり、案内ピン3260が後端部に設けられ、回動軸324が屈曲部(中央部)に設けられている。連係アーム321間に設けられた連結アーム322は、下方側からアーム係止部材330の前後の係止片332a,332b間に形成された係止凹部322c内に遊嵌されている。円弧溝部315および直線溝部316からなる案内溝314は、軸受長孔313よりも後側に上下左右反転した状態で形成されている。つまり、案内溝314および軸受長孔313は、第2実施形態の配置を上下左右に反転した態様で設けられている。
図56(a)に示されるように、ソレノイド65の非励磁状態(OFF状態)においては、コイルバネ65bの付勢力によりプランジャ65aが後退位置に位置していることで、伝達部材3200の回動軸3240は軸受長孔313の後方位置に位置し、案内ピン3260は直線溝部316の後端位置に位置する。これにより、連係アーム321のそれぞれの連係ピン係止部3250は、前端部が、回動時における上下方向の動作範囲における下限位置に位置する。そのときは、連係ピン係止部3250の上係止片3250aが連係ピン490dを上方から係止して連係ピン490dを下降させるため、開閉板490が回動軸305を中心に回動して閉止位置に位置する。このような状態において、連係アーム321の連係ピン係止部3250は、前端部が、回動時における上下方向の動作範囲における下限位置に位置している。これにより、連係ピン係止部3250は、上係止片3250aと下係止片3250bとの間に配置され、上下動によりいずれかに係止(連係)可能な状態とされている。このような状態においては、連係ピン490dが、上下方向の動作範囲における下限位置に位置した状態で、開閉板490がパチンコ遊技機1の底面に対して垂直となり、第2特別可変入賞球装置482が閉止状態となる。
このとき、案内ピン3260は直線溝部316の後端位置に位置することにより、案内ピン3260の上方への移動が規制され、伝達部材3200の回動が規制される。このように、伝達部材3200の回動が規制されることにより、開閉板490は閉止位置で維持される。したがって、開閉板490を強制的に開放位置に向けて回動させようとする応力が加えられても、回動規制されている伝達部材3200により連係ピン490dの上昇が規制されることで閉止位置に維持され、強制的に開放されることが防止される。
そして、図56(b)に示されるように、ソレノイド65が非励磁状態(OFF状態)から励磁状態(ON状態)になると、プランジャ65aがコイルバネ65bの付勢力に抗して前方に移動、つまり励磁動作が開始されると、その前方への移動が開始されてから所定距離だけ移動した段階、つまり励磁初期動作が完了した段階で、伝達部材3200の回動軸3240は軸受長孔313の前方位置に位置し、案内ピン3260は直線溝部316の前端位置に位置するまで移動する。
さらにプランジャ65aが前方に移動すると、伝達部材3200が上方に向けて回動し、連係ピン係止部3250の下係止片3250bが連係ピン490dを下方から係止して連係ピン490dを押し上げる。これにより開閉板490が、回動軸3050を中心にして前向きに回動(前へ傾動)して開放位置に位置する。プランジャ65aが後退位置まで移動し、ソレノイド65が励磁状態(ON状態)に維持されると、伝達部材320は、次のような状態となる。連係アーム321は、連係ピン係止部3250が前端部が横向きとなる傾倒姿勢となり、回動時における上下方向の動作範囲における上限位置に位置する。これにより、連係ピン490dが回動時における上下方向の動作範囲における上限位置となる開放姿勢で維持されるため、開閉板490は、開放位置に維持される。
このように、開閉板490の開放位置および閉止位置とプランジャ65aの突出位置および後退位置との関係は、第2実施形態に示したものでも、第4実施形態に示したものでもよく、種々に変更可能であり、このようにした場合においても、第1実施形態と同様の作用・効果が得られることになる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 第1実施形態においては、図42〜図46に示すように、プランジャ65aが後退位置から突出位置へ移動する第1の動作およびプランジャ65aが突出位置から後退位置へ移動する第2の動作が、伝達部材320の回動力に変換されるとともに、伝達部材320の回動力が開閉板49の回動力に変換され、開閉板49が開放状態と閉止状態との間で回動される。伝達部材320は、プランジャ65aの第2の動作に応じて、支持枠部材303において、軸受長孔313で回動軸324が後端(回動位置)に移動して回動位置に位置することにより、案内ピン326の上方移動を規制する回動規制部としての上直線面316aによる規制が解除される。そして、伝達部材320の連係アーム321a,321bの先端が上方に移動する方向である第2の方向に回動して閉止姿勢から開放姿勢となることで、開閉板49が開放状態となる。また、プランジャ65aの第1の動作に応じて、連係アーム321a,321bの先端が下方に移動する方向である第1の方向に回動して伝達部材320が開放姿勢から閉止姿勢となった後、支持枠部材303において、軸受長孔313で回動軸324が前端に移動して規制位置に位置することにより、連係アーム321a,321bの先端が上方に移動する方向への回動が上直線面316aにより規制される。これにより、開閉板49を強制的に回動させて開放状態とすることができなくなるため、針金等の不正部材により開閉板49を不正に開放して遊技球を入賞させるといった不正行為等を極力防止することができる。さらに、開閉板49が閉止状態に位置している状態において、伝達部材320の第2の方向への回動が、開閉板49、ソレノイド65、伝達部材320を支持する構造的に強固な支持枠部材303に形成された回動規制部としての上直線面316aで規制される。これにより、開閉板49に加わる負荷が伝達部材320を介してプランジャ65aに直接伝達されることがなく、これによりソレノイド65が保護されるので故障しにくくなる。また、第2実施形態〜第4実施形態においても、第1実施形態と同様の機能を有する構成を含むため、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(2) 第1実施形態においては、図40および図41に示すように、伝達部材320が筒状の支持枠部材303により覆われるため、伝達部材320が針金等の不正部材により強制的に回動されるといった不正行為を防止できる。また、第2実施形態〜第4実施形態においても、第1実施形態と同様の機能を有する構成を含むため、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(3) 第1実施形態においては、図40および図45に示すように、支持枠部材303が有する案内溝314が、軸受長孔313で回動軸324が規制位置に位置している状態における伝達部材320の第1の方向への回転を案内ピン326との当接により規制する回動規制部としての規制面である上直線面316aを有する。このように、支持枠部材303において、回動規制部としての規制面を有するように案内溝314を構成すればよいので、案内溝314を形成するときに規制面である上直線面316aも形成することができるため、規制面を形成することを容易化することができる。また、第2実施形態〜第4実施形態においても、第1実施形態と同様の機能を有する構成を含むため、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(4) 第1実施形態においては、図40および図46に示すように、支持枠部材303が有する案内溝314が、軸受長孔313で回動軸324が回動位置に位置している状態において案内ピン326が摺接して伝達部材320を第1の方向(連係アーム321a,321bの先端が下方に移動する方向)に回動させる円弧状の湾曲面である上円弧面315aを有する。このように、支持枠部材303において、伝達部材320を第1の方向に回動させる円弧状の湾曲面を有するように案内溝314を構成すればよいので、案内溝314を形成するときに、当該円弧状の湾曲面も形成することができるため、伝達部材320を第1の方向に回動させる円弧状の湾曲面を形成することを容易化することができる。また、第2実施形態〜第4実施形態においても、第1実施形態と同様の機能を有する構成を含むため、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(5) 第1実施形態においては、プランジャ65aが、当該プランジャを中心とした両側位置に等間隔で形成された一対の連係部である前係止片332a,後係止片332bを介して一対の連結アーム322に連係されているので、プランジャ65aにより伝達部材320を円滑に動作させることができる(図42)。また、第2実施形態〜第4実施形態においても、第1実施形態と同様の機能を有する構成を含むため、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(6) 第1実施形態においては、図33に示されるように、遊技制御用マイクロコンピュータ99により実行される異常入賞報知処理により、S1560によって可変入賞球装置58が閉状態であると判定されているときに、S1563によって遊技球の入賞が検出されたことに基づいて、S1564によって第2異常入賞報知指定コマンドが送信される。そして、第2異常入賞報知指定コマンドに応じて、演出制御用マイクロコンピュータ170により、図35のS408によって第2異常入賞報知が実行される。これにより、第2特別可変入賞球装置48に対する不正行為によって入賞異常が生じたことを報知することができ、その結果、第2特別可変入賞球装置48に対する不正行為を確実に防止することができる。また、第2実施形態〜第4実施形態においても、第1実施形態と同様の機能を有する構成を含むため、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(7) 第1実施形態においては、図34に示されるように、遊技制御用マイクロコンピュータ99により実行される異常入賞報知処理により、S1565によって第2特別可変入賞球装置48が閉状態であると判定されているときに、S1568によって遊技球の入賞が検出されたことに基づいて、S1569によって第3異常入賞報知指定コマンドが送信される。そして、第3異常入賞報知指定コマンドに応じて、演出制御用マイクロコンピュータ170により、図35のS408によって第3異常入賞報知が実行される。これにより、第2特別可変入賞球装置48に対する不正行為によって入賞異常が生じたことを報知することができ、その結果、第2特別可変入賞球装置48に対する不正行為を確実に防止することができる。また、第2実施形態〜第4実施形態においても、第1実施形態と同様の機能を有する構成を含むため、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前記実施の形態では、第2可変入賞球装置48,480は、開閉板として、横長形状の長方形の開閉板を含むものであったが、たとえば前述した第1特別可変入賞球装置66の左方に設けられる1つの開閉片(開閉板)81を採用してもよい。
(2) 前記実施の形態では、案内ピン326は連結アーム322の左右端部、つまり、アーム部323の長手方向の略中央位置に形成されていたが、連係アーム321a,321bの先端を回動軸324周りに回動案内し得るもの、つまり回動軸324に対して偏心した偏心位置に形成されていれば、たとえば連係ピン係止部325等に形成されていてもよい。
(3) 前記実施の形態では、案内ピン326,3260の移動を案内する移動案内部が、側壁303b,303cを貫通する案内溝314で構成されていたが、移動を案内できるものであれば必ずしも貫通溝や凹溝等である必要はない。具体的には、たとえば側壁303b,303cの内面に、移動案内方向に延設される移動案内凸部等を内向きに立設し、伝達部材320,3200側に該移動案内凸部が摺動自在に嵌合される溝部等を形成してもよい。
(4) 前記実施の形態では、回動軸324が伝達部材320に形成され、該回動軸324を受支する軸受長孔313が支持枠部材303に形成されていたが、回動軸324が支持枠部材303に形成され、該回動軸324を受支する軸受長孔313が伝達部材320に形成されていてもよい。同様に、回動軸3240が伝達部材3200に形成され、該回動軸3240を受支する軸受長孔313が支持枠部材303に形成されていたが、回動軸3240が支持枠部材3030に形成され、該回動軸3240を受支する軸受長孔313が伝達部材3200に形成されていてもよい。
(5) 案内溝314の形状は、前記実施の形態や変形例に記載の形状に限定されるものではなく、種々に変形可能であり、たとえば前記実施の形態では、第2の案内部としての直線溝部316(上直線面316a)は、直線状に形成されていたが、案内ピン326の上方への回転を規制し得る形状であれば、必ずしも直線状のものに限定されるものではなく、たとえば湾曲状のものであってもよい。
(6) 直線溝部316の長さ、つまり回動軸324の前後移動幅寸法の設定は任意であり、プランジャ65aのストローク長さや開閉板49,490の回動範囲等に応じて種々に変更可能である。
(7) 前記実施の形態では、直線溝部316は、軸受長孔313に対して平行に設けられていたが、平行としてなくてもよいし、あるいは、上円弧面315aの一端から、該上円弧面315aの接線に対して垂直に交わる方向、つまり軸受長孔313の後端(回動位置)に位置する回動軸324,3240の中心を通過する直線に沿って延設するようにしてもよい。
(8) 前記実施の形態では、プランジャ65aの励磁動作、つまり後方移動に伴って回動軸324が軸受長孔313の前端(規制位置)から後端(回動位置)まで移動したときに、案内ピン326,3260を上後方に向けて案内する下円弧面315bが形成されていたが、前述したように軸受長孔313と直線溝部316とが互いに平行に、かつ、案内ピン326を案内する直線溝部316が軸受長孔313よりも上方に形成されていれば、必ずしもこのような下円弧面315bが形成されていなくてもよい。
(9) 前記(8)とは逆に、下円弧面315bが形成されていれば、案内ピン326を案内する直線溝部316が軸受長孔313よりも上方に形成されていなくても、たとえば直線溝部316が軸受長孔313と同じ高さ位置、つまり直線溝部316と軸受長孔313とが一直線上に形成されていてもよい。
(10) 案内溝314は、軸受長孔313とは別個に形成されていたが、回動軸324を受支する軸受部自体が、回動軸324の回動および前後移動を案内する移動案内部として機能するようになっていてもよく、この場合、案内溝314等を軸受部と別に設けなくて済む。
(11) 前記実施の形態では、電気的駆動部の一例としてソレノイド65が適用されていたが、開閉板を開閉するためのプランジャを有するものであれば、プランジャをソレノイドの励磁動作(第2の動作)、励磁解除動作(第1の動作)により動作(進退移動)させるものに限定されるものではなく、たとえば電気的駆動部としてモータを適用し、該モータの駆動軸の回転力をギヤ等を介してプランジャに伝達されるようにし、該駆動軸を正逆回転(第1の動作、第2の動作)させることにより、プランジャを動作(進退移動)させるようにしてもよい。
(12) プランジャ連係部や開閉板連係部の連係形状や連係形態等は前記実施の形態に記載のものに限定されるものではなく、ソレノイド65のプランジャ65aの進退移動力を伝達部材320(伝達部材3200も同様)を介して開閉板49(開閉板490も同様)の回動力に変換して伝達し得るものであれば種々に変更可能である。
(13) 前記実施の形態では、開閉板49,490が閉止位置に位置している閉止状態において遊技球が入賞しないように構成されていたが、開閉板49,490が開放位置に位置している開放状態よりも球が入賞しにくい状態とされていれば、閉止状態において遊技球が入賞するようにしてもよい。
(14) 前記実施の形態では、第2特別可変入賞球装置48の開閉板49、および、第2特別可変入賞球装置480の開閉板490は、通過ゲート61を通過した球がゲートスイッチ62により検出されたことに基づいて実行される普通図ゲームにおける普通図柄の変動表示結果が「当り」となることで所定条件が成立し、普通電動役物用ソレノイド59が駆動して開放位置まで回転し、所定時間が経過すると閉止位置まで戻るようになっていたが、前記所定条件としては、単に普通図ゲームにおける普通図柄の変動表示結果が導出されることや、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果が「当り」となることや、単に特図ゲームにおける普通図柄の変動表示結果が導出されること等により成立するものであってもよい。また、単に始動入賞口への入賞により成立するものであってもよい。
(15) 前記実施の形態では、普通可変入賞球装置58の開閉羽根301a,301bの開放により始動口58aや始動入賞装置58b,58cといった始動領域に進入した球が始動口スイッチ56,60によって検出されたことに基づき、賞球や、特別図柄表示装置44aによる特図ゲームや演出表示装置44bの表示領域80における飾り図柄の変動表示が所定の遊技価値として付与されるようになっていたが、第1特別可変入賞球装置66の開口部82の開放や、大当り遊技状態等が遊技価値として付与されるようになっていてもよい。
(16) 前記実施の形態では、小当り種別が「第1小当り」〜「第4小当り」のいずれかに決定されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、少なくとも、「第1小当り」と「第2小当り」との組合せに含まれる小当り種別に決定できるものであればよい。
(17) 前記実施の形態では、第1特定球検出器121aによる遊技球の検出でラウンドを決定していたが、これに限らず、小当りの種類によりラウンドを決定するようにしてもよい。
(18) 前記実施の形態では、第1特別可変入賞球装置66内に特定進入口が2つある場合、一方を小当りの種類で決定し、他方を特定球検出器51によって検出してもよい。
(19) 前記実施の形態では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間と、特図ゲームにおける変動表示が停止した後に遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放開始判定値に合致するまでの待機時間の設定により、始動口スイッチ56,60のいずれかが遊技球を検出してから開口部82を閉止状態から開放状態に変化させる始動動作が開始されるまでの動作待機時間T3を、モータ127の駆動力により回転体79を回動させて任意の回転位置から初期位置に戻すための所要時間よりも長くするものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、たとえば特図ゲームにおいて変動表示結果が「小当り」や「大当り」となる場合における特別図柄の変動表示時間のうちで最短のものが、回転体を初期位置に戻すための所要時間よりも長くなるように設定してもよい。
(20) 図23に示すS266の処理を実行した後には、回転体79が初期位置に戻ってから、図19に示すS110の特別図柄通常処理が実行されるようにしてもよい。この場合、たとえば図19に示すS110〜S117の処理に加えて、特別図柄プロセスフラグの値が“8”のときに実行される処理として、初期位置復帰待ち処理を設けておく。そして、図25に示すS533の処理に代えて、特別図柄プロセスフラグの値を“8”に更新する処理を実行する。初期位置復帰待ち処理では、たとえばモータ復帰制御タイマ値が「0」となったか否かの判定を行ない、「0」以外の値であればそのまま初期位置復帰待ち処理を終了する。他方、モータ復帰制御タイマ値が「0」となった場合には、特別図柄プロセスフラグの値を“0”に更新して、図19に示すS110の特別図柄通常処理を実行できるようにすればよい。
(21) 前記実施の形態では、図23に示すS266の処理や、図30に示すS601の処理、図31に示すS622の処理で、モータ復帰制御タイマ初期値の設定を行なった後、図32に示すS133の処理でモータ復帰制御タイマ値が「0」であると判定されるまでS134の処理を実行することにより、モータ127を駆動して回転体79を初期位置に戻すものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、モータ127や回転体79の回転量から、回転体79が初期位置に戻ったことを検出できるまで、モータ127を駆動して回転体79を初期位置に戻すようにしてもよい。この場合、図23に示すS266の処理や、図30に示すS601の処理、図31に示すS622の処理では、S265,S600,S621の処理で特定されたモータ127や回転体79の回転量に基づき、モータ回転方向パターンの設定を行なうとともに、たとえば遊技制御フラグ設定部162に設けられた初期位置復帰中フラグをオン状態にセットする。そして、図17に示すS24で実行されるモータ初期位置復帰制御処理では、図32のフローチャートに示す処理に代えて、たとえば以下のような処理を実行する。
すなわち、モータ初期位置復帰制御処理を開始すると、CPU112は、まず、初期位置復帰中フラグがオンであるか否かを判定する。このとき、初期位置復帰中フラグがオフであれば、そのままモータ初期位置復帰制御処理を終了する。これに対して、初期位置復帰中フラグがオンである場合には、たとえば図23に示すS265の処理や、図30に示すS600の処理、図31に示すS621の処理と同様にして、モータ127や回転体79の回転量を特定する。そして、特定された回転量から、回転体79が初期位置に戻ったか否かの判定を行なう。あるいは、回転体79の詳細な回転量とは異なり、回転体79が初期位置にあることのみを検出可能な検出器からの検出信号に基づいて、回転体79が初期位置に戻ったか否かの判定を行なうようにしてもよい。この判定処理で回転体79が初期位置に戻っていない場合には、設定されたモータ回転方向パターンにしたがってモータ127の駆動設定を行なってから、モータ初期位置復帰制御処理を終了する。他方、回転体79が初期位置に戻ったと判定された場合には、モータ127の駆動を停止させるための設定を行なうとともに、初期位置復帰中フラグをクリアしてから、モータ初期位置復帰制御処理を終了すればよい。これにより、回転体79を正確に初期位置へと戻してから、モータ127の駆動を停止させることができる。ここで、図23に示すS266の処理や、図30に示すS601の処理、図31に示すS622の処理を実行してから、モータ初期位置復帰制御処理で初期位置復帰中フラグがオンであると繰返し判定される期間における経過時間を計測し、その経過時間が予め定められた一定時間に達した場合には、回転体79を初期位置に戻すことができないとしてエラーの発生を報知したり、遊技の進行を停止させるようにしてもよい。これにより、たとえば可動進入口79aに進入した遊技球が全て第2特定進入口91に進入する位置で回転体79が長時間にわたり動かなくなったこと等を検出して報知することも可能になり、回転体79の回転動作を停止させて不正に遊技球を特定領域となる第2特定進入口91に進入させる行為等を、防止することができる。
(22) 前記実施の形態では、図23に示すS266の処理や、図30に示すS601の処理、図31に示すS622の処理で、モータ127の駆動動作に基づく回転体79の回転量に対応して、モータ回転方向パターンを決定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、回転体79を初期位置に戻すためのモータ回転方向パターンとしては、回転体79の回転量に関わりなく、モータ127を一定方向(たとえば順方向のみ)に回転させて回転体79を初期位置に戻すための励磁パターンが設定されるようにしてもよい。そして、モータ初期位置復帰制御処理では、たとえば図23に示すS265の処理や、図30に示すS600の処理、図31に示すS621の処理と同様にして、モータ127や回転体79の回転量を特定して回転体79が初期位置に戻ったか否かの判定を行なう。あるいは、回転体79の詳細な回転量とは異なり、回転体79が初期位置にあることのみを検出可能な検出器からの検出信号に基づいて、回転体79が初期位置に戻ったか否かの判定を行なうようにしてもよい。このとき、回転体79が初期位置に戻っていない場合には、モータ127を一定方向に継続して回転させるための駆動設定を行なう一方で、回転体79が初期位置に戻った場合には、モータ127の駆動を停止させるための設定を行なうようにすればよい。これにより、回転体79を初期位置に戻すためのモータ127における駆動設定が簡単になり、回転体79を初期位置に戻すための制御負担を軽減することができる。加えて、回転体79が初期位置にあることのみを検出可能な検出器を用いることにすれば、回転体79の詳細な回転量を特定する場合に比べて、検出器の構成が簡単なものとなり、CPU112における処理負担を軽減することもできる。
(23) 大当り遊技状態で行なわれるラウンド遊技で第1大入賞口となる開口部82を開放状態にするとともに回転体79を順方向や逆方向に回動させた場合には、回転体79を初期位置に戻してから停止させるようにモータ127の駆動制御を行ない、回転体79が初期位置に戻るための所要時間よりも長い動作待機時間が経過した後に、次のラウンド遊技に移行して第1大入賞口となる開口部82を開放状態とするようにしてもよい。この場合、たとえば図28に示すS555の処理で第1大入賞口カウント値が開放終了判定値に達していると判定されたことや、S556の処理で遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放終了判定値に達していると判定されたことに対応して、図23に示すS265の処理や図30に示すS600の処理、図31に示すS621の処理と同様に、回転体79の回転量を特定する。また、このとき特定された回転量に対応して、図23に示すS266の処理や図30に示すS601の処理、図31に示すS622の処理と同様に、モータ復帰制御タイマ初期値やモータ回転方向パターン等を設定する。
そして、S560の処理では、大入賞口開放後待ち時間として、回転体79が任意の回転位置から初期位置に戻るための所要時間よりも長い時間を設定すればよい。あるいは、図31に示すS614の処理で第1特定球検出フラグがオンである場合や、S615の処理で第2特定球検出フラグがオンである場合のように、特定領域に遊技球が進入して大当り遊技状態で次のラウンド遊技に移行するための継続権が成立した場合に、回転体79が任意の回転位置から初期位置に戻るための所要時間よりも長い時間が経過するまで待機してから、図31に示すS618の処理に進むこと等により特別図柄プロセスフラグの値を更新し、大当り開放中処理を実行して次のラウンド遊技に移行できるようにしてもよい。
このように、大当り遊技状態で実行されるラウンド遊技において第1大入賞口となる開口部82を開口状態にするとともに回転体79を順方向や逆方向に回動させた場合には、回転体79が初期位置に戻るための所要時間よりも長い動作待機時間が経過した後に次のラウンド遊技に移行することで、大当り遊技状態で連続して実行される複数回のラウンド遊技でいずれも第1大入賞口が開放状態となる場合に、前回のラウンド遊技が終了した後に今回のラウンド遊技で第1大入賞口が開放状態となって第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が進入可能となる時点で、回転体79を所定の初期位置から動作させることができ、大当り遊技状態で複数回実行されるラウンド遊技のそれぞれにおける公平性を保つことができる。
(24) 前記実施の形態では、図28に示すS555で第1大入賞口カウント値が開放終了判定値に達した場合や、S556で遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放終了判定値と合致した場合に、S557で第1大入賞口を開放状態とする制御を終了して閉止状態とするための設定を行なった後、図30に示す大入賞口開放後待ち時間が経過したと判定されたことに基づいて、S600およびS601の処理や、図32に示すS621およびS622の処理を実行可能とすることにより、回転体79を初期位置に戻すためにモータ127の駆動動作を設定するものとして説明した。そして、図28に示すS560で設定される大入賞口開放後待ち時間は、大当り遊技状態におけるラウンド遊技で開放状態となった開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が、排出誘導領域123を通じて第1特別可変入賞球装置66の外部へと誘導されるまでに十分な時間であるため、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しなくなってから、回転体79を初期位置に戻すための制御を実行することができる。しかしながら、この発明はこれに限定されず、たとえば図28に示すS557で第1大入賞口を開放状態とする制御を終了して閉止状態とするための設定を行なった後、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在するか否かの判定を行ない、存在しないと判定されたことに基づいて、回転体79を初期位置に戻すための設定を行なうようにしてもよい。
この場合、たとえば図28に示すS557の処理を実行した後には、残存球数カウント値が「0」であるか否かの判定を行ない、「0」以外の値であれば、S558〜S562の処理を実行せずに、第1大入賞口開放時処理を終了する。なお、S556の処理では、遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放終了判定値と合致するか否かの判定と、遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放終了判定値を超えているか否かの判定とを行ない、大入賞口開放終了判定値と合致した場合にはS557の処理に進む一方で、大入賞口開放終了判定値とは合致せずに大入賞口開放終了判定値を超えている場合には、残存球数カウント値が「0」であるか否かを判定する処理に進めばよい。また、大入賞口開放終了判定値とは合致せずに大入賞口開放終了判定値を超えていない場合には、遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放終了判定値に達していないことから、第1大入賞口開放時処理を終了すればよい。このような処理において、残存球数カウント値が「0」であると判定された場合には、第1特別可変入賞球装置66の内部には遊技球が存在しないとの判断に基づき、S558〜S562の処理を実行して、S600およびS601の処理や、図32に示すS621およびS622の処理を実行可能とすることにより、回転体79を初期位置に戻すためにモータ127の駆動動作を設定できるようにすればよい。これにより、大当り遊技状態において行なわれるラウンド遊技で第1大入賞口となる開口部82を開放状態とすることに対応してモータ127を駆動して回転体79を回動させた後でも、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないと判定されたことに基づいて、回転体79を初期位置に戻すための制御を実行することができる。
(25) 上記実施の形態では、小当り種別が「第1小当り」〜「第4小当り」のいずれかであることに対応して、小当り遊技状態では所定期間が経過するまで、第1特定進入口89と第2特定進入口91を含めた特定領域に遊技球が進入しやすくなるとともに、遊技者にとって有利な第2特定進入口91に遊技球が進入しやすくなる第1の振分動作パターンや第1の回動パターンにより、振分用ソレノイド108やモータ127の駆動動作を行ない、所定期間が経過した後には、第1の振分動作パターンや第1の回動パターンを第2の振分動作パターンや第2の回動パターンに切換えるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、小当り遊技状態では所定期間が経過するまで、特定領域となる第1特定進入口89と第2特定進入口91のいずれかに遊技球が進入しにくくなるとともに、遊技者にとって有利な第2特定進入口91に遊技球が進入しにくくなる第2の振分動作パターンや第2の回動パターンにより、振分用ソレノイド108やモータ127の駆動動作を行ない、所定期間が経過した後には、第2の振分動作パターンや第2の回動パターンを第1の振分動作パターンや第1の回動パターンに切換えるようにしてもよい。
具体的な一例として、第1小当りと第2小当りに対応する小当り制御パターン1、KP2に示される各種の判定値や設定データ、制御データに基づき、第1小当りと第2小当りに対応する小当り遊技状態ではいずれも、開閉片用ソレノイド105の駆動を開始して開口部82が開放状態となることに対応して、モータ127が回転体79を逆方向に回動させるような第2の回動パターンによる駆動動作が開始される。そして、第1小当りに対応した小当り遊技状態では、所定期間として時間T10(たとえば4.0秒)が経過するまでの期間において、第2の回動パターンによる駆動動作が行なわれる。これに対して、第2小当りに対応した小当り遊技状態では、所定期間として時間T20(たとえば2.0秒)が経過する間での期間において、第2の回動パターンによる駆動動作が行なわれる。こうして第2の回動パターンによる駆動動作が行なわれる所定期間が経過した後には、モータ127が回転体79を回動させる駆動動作を、第2の回動パターンから第1の回動パターンに切換える。すなわち、CPU112は、所定期間の経過に対応して図22に示すS257で遊技制御プロセスタイマ値がモータ駆動切換判定値と合致したことにより、S258の処理を実行することで第2の回動パターンから第1の回動パターンへの切換えを行なう。この第1の回動パターンでは、モータ127が回転体79を順方向に回動させるという駆動動作が、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないとの判定、すなわち図23のS262で残存球数カウント値が「0」の判定がなされるまで、繰返される。回転体79を逆方向に回動させる第2の回動パターンでモータ127の駆動動作が行なわれる所定期間では、その所定期間が経過した後に回転体79を順方向に回動させる第1の回動パターンでモータ127の駆動動作が行なわれる期間に比べて、第1特定進入口89と第2特定進入口91を含めた特定領域に遊技球が進入しにくくなり、大当り遊技状態となる確率や、第1特定進入口89よりも有利な第2特定進入口91に遊技球が進入する確率が低下する。
(26) 第3小当りと第4小当りに対応する小当り制御パターンKP3、KP4に示される各種の判定値や設定データ、制御データに基づき、第3小当りと第4小当りに対応する小当り遊技状態ではいずれも、開閉片用ソレノイド105の駆動を開始して開口部82が開放状態となることに対応して、第2の振分動作モードによる振分用ソレノイド108の駆動が開始されるようにしてもよい。この第2の振分動作パターンでは、所定の第1振分時間(たとえば0.5秒)にわたり振分用ソレノイド108の駆動を停止して遊技球を第1領域85へと振分けるようにした後、第2振分時間(たとえば0.2秒)にわたり振分用ソレノイド108を駆動して遊技球を第2領域88へと振分けるという駆動動作が繰返される。そして、第3小当りに対応した小当り遊技状態では、所定期間としてT10(たとえば4.0秒)が経過するまでの期間において、第2の振分動作パターンによる駆動動作が行なわれる。これに対して、第4小当りに対応した小当り遊技状態では、所定期間としてT20(たとえば2.0秒)が経過するまでの期間において、第2の振分動作パターンによる駆動動作が行なわれる。こうして第2の振分動作パターンによる駆動動作が行なわれる所定期間が経過した後には、振分用ソレノイド108の駆動動作が、第2の振分動作パターンから第1の振分動作パターンに切換えられる。この第1の振分動作パターンでは、所定の第3振分時間(たとえば0.2秒)にわたり振分用ソレノイド108の駆動を停止して遊技球を第1領域85へと振分けるようにした後、第2振分時間(たとえば0.2秒)にわたり振分用ソレノイド108を駆動して遊技球を第2領域88へと振分けるという駆動動作が、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないとの判定、すなわち図23のS262で残存球数カウント値が「0」の判定がなされるまで、繰返される。第2の振分動作パターンでは、振分用ソレノイド108の駆動を停止して遊技球を第1領域85へと振分ける第1振分時間(たとえば0.5秒)が、第1の振分動作パターンで遊技球を第1領域85へと振分ける第3振分時間(たとえば0.2秒)に比べて長くなっていることから、振分部材83によって遊技球が第2領域88へと振分けられる割合が低下し、第1特定進入口89と第2特定進入口91を含めた特定領域に遊技球が進入しにくくなり、大当り遊技状態となる確率や、第1特定進入口89よりも有利な第2特定進入口91に遊技球が進入する確率が低下する。
このようにしても、変動表示結果が「小当り」となったことに基づき第1大入賞口を開放状態とする始動動作が行なわれる場合でも、遊技球が特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に進入しやすい期間と、進入しにくい期間を設けることができ、遊技に変化を持たせて遊技の興趣を向上させることができる。
(27) 第1の振分動作パターンや第2の振分動作パターンは、第1の振分動作パターンの方が第2の振分動作パターンに比べて第1特定進入口89や第2特定進入口91を含めた特定領域に遊技球が入賞しやすい任意の動作パターンであればよい。たとえば、上記実施の形態では、特図ゲームにおける変動表示結果が第3小当りに対応した小当り図柄「32」となった場合や、第4小当りに対応した小当り図柄「76」となった場合には、第1の振分動作パターンとして、所定の第3振分時間(たとえば0.2秒)にわたり振分用ソレノイド108の駆動を停止して遊技球を第1領域85へと振分けるようにした後、所定の第2振分時間(たとえば0.2秒)にわたり振分用ソレノイド108を駆動して遊技球を第2領域88へと振分けるという駆動動作が、所定時間が経過するまで繰返されるものとして説明した。これに対して、第1の振分動作パターンとして、たとえば所定時間として時間T10(たとえば4.0秒)や時間T20(たとえば2.0秒)が経過するまで、振分用ソレノイド108を駆動して、その所定時間内では遊技球を全て第2領域88へと振分けるようにしてもよい。
(28) 前記実施の形態では、第1の振分動作パターンから切換えられる第2振分動作パターンとして、所定の第1振分時間(たとえば0.5秒)にわたり振分用ソレノイド108の駆動を停止して遊技球を第1領域85へと振分けるようにした後、第2振分時間(たとえば0.2秒間)にわたり振分用ソレノイド108を駆動して遊技球を第2領域88へと振分けるものとして説明した。これに対して、第2の振分動作パターンとして、振分用ソレノイド108の駆動を常に停止させて、遊技球を全て第1領域85へと振分けるようにしてもよい。
(29) 前記実施の形態では、第1特定進入口89に遊技球が進入した場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の最大継続回数を「1ラウンド」、「3ラウンド」および「5ラウンド」のいずれかに決定するのに対して、第2特定進入口91に遊技球が進入した場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の最大継続回数を「10ラウンド」として、第1特定進入口89に比べて第2特定進入口91の方が遊技者にとってより有利な大当り遊技状態となりやすいものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1特定進入口89に遊技球が進入した場合でも、第2特定進入口91に遊技球が進入した場合と同じラウンド遊技の最大継続回数に決定できるものとしてもよい。また、第2特定進入口91に遊技球が進入した場合にも、ラウンド遊技の最大継続回数を複数種類のうちから決定するようにしてもよい。この場合、遊技球が第1特定進入口89に進入した場合と第2特定進入口91に進入した場合とで、決定されるラウンド遊技の最大継続回数を異ならせるようにしてもよいし、決定可能なラウンド遊技の最大継続回数は同じとして、各最大継続回数に決定される割合を異ならせるようにしてもよい。
たとえば、遊技球が第1特定進入口89に進入した場合には、ラウンド数決定用の乱数値MR4を示す数値データに基づき、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の最大継続回数を「2ラウンド」、「5ラウンド」および「8ラウンド」のいずれかに決定するのに対して、遊技球が第2特定進入口89に進入した場合には、ラウンド数決定用の乱数値MR4を示す数値データあるいは乱数値MR4とは異なる乱数値を示す数値データに基づき、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の最大継続回数を「8ラウンド」および「14ラウンド」のいずれかに決定するようにしてもよい。この場合、遊技球が第1特定進入口89に進入した場合に比べて、第2特定進入口91に進入した場合の方が、遊技者にとって有利なラウンド遊技の最大継続回数となる割合が高くなる。
(30) 前記実施の形態では、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を回動させて第1大入賞口となる開口部82を所定の始動態様で開放状態とする始動動作を行ない、また、大当り遊技状態で行なわれるラウンド遊技では、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を回動させて第1大入賞口となる開口部82を始動態様よりも遊技者に有利な特定態様で開放状態としたり、第2特別可変入賞球装置48の開閉板49により第2大入賞口となる開口部を遊技者に有利な特定態様で開放状態としたりするものとして説明した。すなわち、遊技領域41に遊技球を打込むことにより遊技が行なわれ、遊技球を受入れやすく遊技者にとって有利な第1の状態である開放状態と遊技球を受入れにくく遊技者にとって不利な第2の状態である閉止状態とに変化する第1特別可変入賞球装置66と第2特別可変入賞球装置48を備え、遊技領域41に設けられた始動領域となる始動口58aや始動入賞装置58bに遊技球が進入したことに基づいて、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を回動させて開口部82を所定の始動態様で開放状態とする制御を行ない、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に進入したことに基づいて、遊技者に有利な大当り遊技状態におけるラウンド遊技では第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を回動させて第1大入賞口となる開口部82を始動態様よりも遊技者に有利な特定態様で開放状態としたり、第2特別可変入賞球装置48の開閉板49により第2大入賞口となる開口部を遊技者に有利な特定態様で開放状態としたりするパチンコ遊技機1について説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、2つの大入賞口を開放状態とすることが可能に構成されていなくても、1つの大入賞口を始動態様や特定態様で開放状態とすることが可能に構成されたものであってもよい。
たとえば、遊技領域41に遊技球を打込むことにより遊技が行なわれ、遊技球を受入れやすく遊技者にとって有利な第1の状態である開放状態と遊技球を受入れにくく遊技者にとって不利な第2の状態である閉止状態とに変化する第1特別可変入賞球装置66を備え、遊技領域41に設けられた始動領域となる始動口58aや始動入賞装置58bに遊技球が進入したことに基づいて、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を回動させて開口部82を所定の始動態様で開放状態とする始動動作の制御を行ない、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に進入したことに基づく大当り遊技状態では、最大継続回数に達するまで継続可能となる複数回のラウンド遊技のいずれにおいても、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を回動させて第1大入賞口となる開口部82を始動態様よりも遊技者に有利な特定態様で開放状態とし、最大継続回数に達するまでは、ラウンド遊技中に第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第1特定進入口89や第2特定進入口91を含めた特定領域に進入したことに基づいて、次のラウンド遊技に移行可能とする遊技機であってもよい。この場合、始動態様として開口部82を第1の時間にわたり開放状態とする制御を第1の回数に達するまで行なう一方で、特定態様として開口部82を第1の時間よりも長い第2の時間にわたり開放状態とする制御を行なうものでもよく、また、特定態様として開口部82を第1の回数よりも多い第2の回数に達するまで開放状態とする制御を行なうものでもよく、さらに、この両者を組合せた態様で大入賞口となる開口部82を開放状態に制御するものであってもよい。
このような制御が行なわれる遊技機では、特別図柄表示装置44aによる特図ゲームにおける特別図柄の変動表示を行なわずに、始動領域となる始動口58aや始動入賞装置58bに遊技球が進入したことに対応して、第1特別可変入賞球装置66の開口部82を始動態様で開放状態とする始動動作が行なわれるようにしてもよい。あるいは、特別図柄表示装置44aによる特図ゲームでの変動表示結果が「小当り」となったことに対応して始動動作を行なう一方で、「大当り」となったことに対応して大当り遊技状態となり、第1特定進入口89や第2特定進入口91を含めた特定領域に遊技球が進入したか否かに関わりなく、第1特別可変入賞球装置66の開口部82を特定態様で開放状態とするラウンド遊技が行なわれるようにしてもよい。さらには、始動領域となる始動口58aや始動入賞装置58bに遊技球が進入したことに基づいて、特図ゲームでの変動表示結果が「小当り」となったか否かに関わりなく、第1特別可変入賞球装置66の開口部82を始動態様で開放状態とする始動動作が行なわれるようにしてもよい。
そして、始動動作の制御を行なう際には、たとえば始動領域となる始動口58aや始動入賞装置58bに進入した遊技球が始動口スイッチ56,60のいずれかにより検出されてからの経過時間を計測し、その経過時間が、回転体79を初期位置に戻すための所要時間よりも長い所定の動作待機時間に達してから、第1特別可変入賞球装置66の開口部82を始動態様で開放状態とする始動動作が行なわれるようにすればよい。これにより、始動動作が開始される時点で、常に回転体79を初期位置から回動させ、始動動作における遊技の公平性を保つことができる。加えて、たとえば上記実施の形態における小当り種別決定用の乱数値MR3と同様の乱数値を示す数値データを抽出し、抽出された乱数値に基づいて上記実施の形態における小当り種別決定テーブル211と同様の決定テーブルを参照すること等により、上記実施の形態における小当り制御パターンKP1〜KP4と同様の制御パターンを決定する処理を実行し、決定された制御パターンに応じて振分用ソレノイド108やモータ127の駆動動作を行なうようにしてもよい。これにより、始動領域となる始動口58aや始動入賞装置58bに遊技球が進入したことに基づいて第1特別可変入賞球装置66の開口部82を始動態様で開放状態とする始動動作が行なわれることに対応して、第1特定進入口89や第2特定進入口91を含めた特定領域に遊技球が進入しやすい期間と、進入しにくい期間を設けることができ、遊技に変化を持たせて遊技の興趣を向上させることができる。また、排出球検出器122による遊技球の検出に基づいて第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないと判定されたときには、振分用ソレノイド108の駆動動作を停止させる一方で、回転体79が初期位置に戻るまでモータ127の駆動動作を継続させ、回転体79が初期位置に戻ったことに対応してモータ127の駆動動作を停止させればよい。これにより、常に振分用ソレノイド108やモータ127を駆動させる場合に比べて、消費電力を低減させることができる。
(31) さらに、大当り遊技状態でラウンド遊技を実行する際には、大当り遊技開始待ち時間として、回転体79を任意の回転位置から初期位置に戻すための所要時間よりも長い時間を設定し、その大当り遊技開始待ち時間が経過してから、第1特別可変入賞球装置66の開口部82を特定態様で開放状態とするラウンド遊技を開始すればよい。これにより、始動動作で開放状態となった開口部82から第1可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が特定領域に進入した場合でも、回転体79が初期位置に戻るための所要時間よりも長い大当り開始待ち時間が経過した後に、大当り遊技状態における1回目のラウンド遊技で第1大入賞口となる開口部82を開放状態として、回転体79を初期位置から回動させることができ、大当り遊技状態で行なわれるラウンド遊技における公平性を保つことができる。加えて、たとえば所定の乱数値を示す数値データを抽出し、抽出された乱数値に基づいて所定のラウンド制御決定テーブルを参照すること等により、大当り遊技状態で実行される複数回のラウンド遊技のうち、少なくとも1回のラウンド遊技を実行可能な時間の上限を、複数種類のいずれかに決定することで、大当り遊技状態で実行されるラウンド遊技に変化をつけて、遊技の興趣を向上させることができるようにしてもよい。また、大当り遊技状態で実行される各ラウンド遊技では、たとえば大当り種別やラウンド遊技の実行回数、あるいは所定の乱数値を示す数値データ等に対応して、上記実施の形態における小当り制御パターンKP1〜KP4と同様の複数種類の制御パターンのうちからいずれかを選定し、選定された制御パターンに応じて振分用ソレノイド108やモータ127の駆動動作態様を変化させること等により、大当り遊技状態においても、第1特定進入口89や第2特定進入口91を含む特定領域に遊技球が進入しやすい期間と、進入しにくい期間とを設け、あるいは、複数回のラウンド遊技のうちに遊技球が特定領域に進入しやすく次のラウンド遊技に移行しやすいラウンド遊技と、遊技球が特定領域に進入しにくく次のラウンド遊技に移行しにくいラウンド遊技とを設けることで、遊技に変化を持たせて遊技の興趣を向上させることができるようにしてもよい。
(32) あるいは、大当り遊技状態で行なわれるラウンド遊技で、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を回動させて第1大入賞口となる開口部82を開放状態とするか、第2特別可変入賞球装置の開閉板49により第2大入賞口となる開口部を開放状態とするかを、大当り遊技状態が発生するまでの過程に応じて、異ならせるようにしてもよい。たとえば、特図ゲームにおける変動表示結果が特定表示結果としての「大当り」となったことに基づく大当り遊技状態では、最大継続回数に達するまで継続可能となる複数回のラウンド遊技のいずれにおいても、第2特別可変入賞球装置48の開閉板49により第2大入賞口となる開口部を特定態様で開放状態とする制御を行なうようにしてもよい。このときには、第2大入賞口となる開口部に遊技球が進入したか否かに関わりなく、最大継続回数に達するまで次のラウンド遊技に移行できるようにしてもよい。あるいは、ラウンド遊技中に第3特定球検出器51や第2カウントスイッチ52が遊技球を検出したことに基づいて、次のラウンド遊技に移行することができるようにしてもよい。これに対して、特図ゲームにおける変動表示結果が所定表示結果としての「小当り」となった後、始動動作で開放状態となった開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に進入したことに基づく大当り遊技状態では、最大継続回数に達するまで継続可能となる複数回のラウンド遊技のいずれにおいても、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を回動させて開口部82を特定態様で開放状態とする制御を行なうようにしてもよい。このときには、最大継続回数に達するまでの各ラウンド遊技中で第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第1特定進入口89や第2特定進入口91を含めた特定領域に進入したことに基づき、次のラウンド遊技に移行することができればよい。
そして、特図ゲームにおける変動表示結果が「小当り」となったことに基づく始動動作が行なわれる際には、たとえば始動領域となる始動口58aや始動入賞装置58bに進入した遊技球が始動口スイッチ56,60のいずれかにより検出されてから、第1特別可変入賞球装置66の開口部82を始動態様で開放状態とする始動動作が開始されるまでの動作待機時間が回転体79を初期位置に戻すための所要時間よりも長くなるように、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間や、特図ゲームにおける変動表示が停止した後に遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放開始判定値に合致するまでの待機期間等の設定が行なわれていればよい。これにより、始動動作が開始される時点で、常に回転体79を初期位置から回動させ、始動動作における遊技の公平性を保つことができる。加えて、たとえば上記実施の形態における小当り種別決定用の乱数値MR3と同様の乱数値を示す数値データを抽出し、抽出された乱数値に基づいて上記実施の形態における小当り種別決定テーブル211と同様の決定テーブルを参照すること等により、上記実施の形態における小当り制御パターンKP1〜KP4と同様の制御パターンを決定する処理を実行し、決定された制御パターンに応じて振分用ソレノイド108やモータ127の駆動動作を行なうようにしてもよい。これにより、特図ゲームにおける変動表示結果が「小当り」となったことに基づいて第1特別可変入賞球装置66の開口部を始動態様で開放状態とする始動動作が行なわれることに対応して、第1特定進入口89や第2特定進入口91を含めた特定領域に遊技球が進入しやすい期間と、進入しにくい期間を設けることができ、遊技に変化を持たせて遊技の興趣を向上させることができる。また、排出球検出器122による遊技球の検出に基づいて第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないと判定されたときには、振分用ソレノイド108の駆動動作を停止させる一方で、回転体79が初期位置に戻るまでモータ127の駆動動作を継続させ、回転体79が初期位置に戻ったことに対応してモータ127の駆動動作を停止させればよい。これにより、常に振分用ソレノイド108やモータ127を駆動させる場合に比べて、消費電力を低減させることができる。
(33) さらに、遊技球が特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に進入したことに基づく大当り遊技状態でラウンド遊技を実行する際には、大当り開始待ち時間として、回転体79を任意の回転位置から初期位置に戻すための所要時間よりも長い時間を設定し、その大当り開始待ち時間が経過してから、第1特別可変入賞球装置66の開口部82を特定態様で開放状態とするラウンド遊技を開始すればよい。これにより、遊技球が特定領域に進入したことに基づく大当り遊技状態において、回転体79が初期位置に戻るための所要時間よりも長い大当り開始待ち時間が経過した後に、1回目のラウンド遊技で第1大入賞口となる開口部82を開放状態として、回転体79を初期位置から回動させることができ、大当り遊技状態で行なわれるラウンド遊技における公平性を保つことができる。加えて、遊技球が特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に進入したこと、あるいは、特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となったことに基づく大当り遊技状態でラウンド遊技を実行する際には、たとえば所定の乱数値を示す数値データを抽出し、抽出された乱数値に基づいて所定のラウンド制御決定テーブルを参照すること等により、大当り遊技状態で実行される複数回のラウンド遊技のうち、少なくとも1回のラウンド遊技を実行可能な時間の上限を、複数種類のいずれかに決定することで、大当り遊技状態で実行されるラウンド遊技に変化をつけて、遊技の興趣を向上させることができるようにしてもよい。また、遊技球が特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に進入したことに基づく大当り遊技状態で実行される各ラウンド遊技では、たとえば大当り種別やラウンド遊技の実行回数、あるいは所定の乱数値を示す数値データ等に対応して、上記実施の形態における小当り制御パターンKP1〜KP4と同様の複数種類の制御パターンのうちからいずれかを選定し、選定された制御パターンに応じて振分用ソレノイド108やモータ127の駆動動作態様を変化させること等により、大当り遊技状態においても、第1特定進入口89や第2特定進入口91を含む特定領域に遊技球が進入しやすい期間と、進入しにくい期間とを設け、あるいは、複数回のラウンド遊技のうちに遊技球が特定領域に進入しやすく次のラウンド遊技に移行しやすいラウンド遊技と、遊技球が特定領域に進入しにくく次のラウンド遊技に移行しにくいラウンド遊技とを設けることで、遊技に変化を持たせて遊技の興趣を向上させることができるようにしてもよい。
(34) 前記実施の形態では、特図ゲームでの変動表示結果が「小当り」となったことに対応して、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を回動させて開口部82を所定の始動態様で開放状態とする始動動作を行なうものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、遊技領域41に設けられた始動領域となる始動口58aや始動入賞装置58bに遊技球が進入したことに基づいて、特図ゲームでの変動表示結果が「小当り」となったか否かに関わりなく、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を回動させて開口部82を所定の始動態様で開放状態とする始動動作を行なうものであってもよい。この場合には、特別図柄表示装置44aによる特図ゲームにおける特別図柄の変動表示そのものを、行なわないようにしてもよい。
(35) 前記実施の形態では、図20に示すS204で乱数値MR1を示す数値データが大当り判定値データと合致して変動表示結果を特定表示結果としての「大当り」とする旨の判定がなされたことに基づいて、S206で複数種類の大当り図柄のうちから特定表示結果を決定するものとして説明した。また、図20に示すS207で乱数値MR1を示す数値データが小当り判定値データと合致して変動表示結果を所定表示結果としての「小当り」とする旨の判定がなされたことに基づいて、S209で複数種類の小当り図柄のうちから所定表示結果を決定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、たとえば変動表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かの判定と、特定表示結果や所定表示結果の決定とが、同時に行なわれるものであってもよい。具体的な一例として、「第1大当り」や「第2大当り」といった各大当り種別とともに、「第1小当り」〜「第4小当り」といった各小当り種別に対しても、1種類の乱数値(表示結果決定用の乱数値)を割当てた設定データ(決定用データ)等から構成される表示結果決定テーブルを用意する。そして、図19に示すS102の始動入賞処理では、表示結果決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、特図保留記憶部161に記憶させる。この場合、図20のS202では、特図保留記憶部161から表示結果決定用の乱数値を示す数値データを読出し、S204〜S209の処理に代えて、表示結果決定テーブルを参照することで、特図ゲームでの変動表示結果を複数種類の大当り図柄と小当り図柄のいずれかに決定することができる。
(36) 前記実施の形態では、大当り遊技状態における各ラウンド遊技が終了するときに、図31に示すS614で第1特定球検出フラグがオンであること、または、S615で第2特定球検出フラグがオンであること、あるいは、S619で第2大入賞口カウント値が「0」より大きな値であることを条件に、S617、S618の処理を実行して、次のラウンド遊技に移行できるものとして説明した。すなわち、大当り遊技状態では、ラウンド遊技の実行回数に関わりなく、ラウンド遊技で第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第1特定進入口89や第2特定進入口91に進入したこと、あるいは、第2特別可変入賞球装置48の開口部に遊技球が進入したことを条件に、次のラウンド遊技に移行することができる。しかしながら、この発明はこれに限定されず、たとえば大当り遊技状態における1回目のラウンド遊技では、第1特定進入口89や第2特定進入口91に遊技球が進入したか否か、あるいは、第2特別可変入賞球装置48の開口部に遊技球が進入したか否かに関わりなく、次のラウンド遊技に移行することができるようにしてもよい。これに対して、大当り遊技状態における2回目以降のラウンド遊技では、第1特定進入口89や第2特定進入口91に遊技球が進入したこと、あるいは、第2特別可変入賞球装置48の開口部に遊技球が進入したことを条件に、次のラウンド遊技に移行することができるようにしてもよい。このように、大当り遊技状態では、ラウンド遊技の実行回数に応じて、次のラウンド遊技に移行できる条件を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1特定球検出器121aや第2特定球検出器121b、あるいは、第3特定球検出器51等による遊技球の検出は、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数に応じて、無効または有効に切換えられることになる。
(37) 前記実施の形態では、第1エラー判定実行フラグと第2エラー判定実行フラグとを設け、図18に示すS51で第1エラー判定実行フラグがオンである場合には、第1エラー判定処理としてS52の処理を実行し、S53で第2エラー判定実行フラグがオンである場合には、第2エラー判定処理としてS54の処理を実行するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、たとえば特別図柄プロセスフラグの値に基づいて遊技状態が小当り遊技状態や大当り遊技状態となっているか否かを判定し、小当り遊技状態や大当り遊技状態以外の遊技状態であるときには、第1カウントスイッチ106や第2カウントスイッチ52によって遊技球が検出されたか否かに対応してエラーの有無を判定するようにしてもよい。この場合、たとえば図18のS51の処理に代えて、特別図柄プロセスフラグの値が“3”以上となっているか否かを判定する。このとき、特別図柄プロセスフラグの値が“3”未満であれば、S52の処理に進み、第1カウントスイッチ106からの検出信号がオン状態となっているか否かの判定を行なう。そして、S52で第1カウントスイッチ106からの検出信号がオフ状態であれば、S54の処理に進み、第2カウントスイッチ52からの検出信号がオン状態となっているか否かの判定を行なうようにすればよい。
このような処理を実行すれば、たとえば第1エラー判定実行フラグや第2エラー判定実行フラグといった、エラー判定処理を実行するための特別なフラグ等を設ける必要がなくなり、遊技制御用マイクロコンピュータ99における記憶データの容量を削減することや、判定処理の負担を軽減することができる。これに対して、上記実施の形態のように第1エラー判定実行フラグや第2エラー判定実行フラグに基づいて第1エラー判定処理や第2エラー判定処理を実行すれば、小当り遊技状態や大当り遊技状態で第1大入賞口と第2大入賞口のいずれか一方が開放状態に制御される場合でも、閉止状態に保持される他方の大入賞口に対応して、第1エラー判定処理と第2エラー判定処理のいずれかが実行されることになる。これにより、第1大入賞口と第2大入賞口のいずれか一方を開放状態としている期間中に、閉止状態としている他方の大入賞口に遊技球を進入させることにより賞球を獲得するという不正行為を、確実に防止することができる。
(38) 前記実施の形態では、第1大入賞口カウンタと第2大入賞口カウンタを別個に設け、第1カウントスイッチ106によって検出された遊技球の個数を第1大入賞口カウンタによりカウントする一方で、第2カウントスイッチ52によって検出された遊技球の個数を第2大入賞口カウンタによりカウントするものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1カウントスイッチ106によって検出された遊技球の個数と、第2カウントスイッチ52によって検出された遊技球の個数を、共通の大入賞口カウンタによりカウントするようにしてもよい。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ99における記憶データの容量を削減することができる。
(39) 前記実施の形態では、残存球数カウンタにより第1特別可変入賞球装置66の内部に残存している遊技球の個数をカウントするものとして説明した。この残存球数カウンタに代えて、排出球検出器122によって検出された遊技球の個数をカウントする排出球カウンタを設け、第1大入賞口に進入した遊技球の個数との差分が「0」となったか否かにより、第1特別可変入賞球装置66の内部に残存している遊技球の有無を判定するようにしてもよい。この場合、たとえば図24に示すS503の処理は実行せず、S512で排出球検出器122からの検出信号がオン状態である場合に、S513の処理に代えて、排出球カウンタにおけるカウント値である排出球カウント値を1加算する。そして、図23に示すS262の処理に代えて、第1大入賞口カウント値と排出球カウント値との差分が「0」となったか否かの判定を行なう。このとき、差分が「0」であればS263の処理に進み、差分が「0」以外であれば、S269の処理に進めばよい。そして、図23に示すS267の処理を実行したときや、図30に示すS600の処理を実行したとき、あるいは、図31に示すS613の処理を実行したときには、排出球カウンタを初期化して排出球カウント値をクリアするとよい。
(40) また、小当り遊技状態では、残存球数カウント値の更新を行なう一方で、第1大入賞口カウント値の更新は行なわないようにしてもよい。たとえば、図22に示すS252で実行される第1大入賞口進入時処理では、図24に示すS502の処理を実行しないようにするとともに、図23に示すS267の処理も実行しないようにしてもよい。これにより、小当り遊技状態で遊技制御用マイクロコンピュータ99のCPU112が実行する処理の負担を軽減することができる。
さらに、大当り遊技状態では、第1大入賞口カウント値の更新を行なう一方で、残存球数カウント値の更新は行なわないようにしてもよい。たとえば、図28に示すS548で実行される第1大入賞口進入時処理では、図24に示すS503、S512およびS513の処理を実行しないようにしてもよい。これにより、大当り遊技状態で遊技制御用マイクロコンピュータ99のCPU112が実行する処理の負担を軽減することができる。
あるいは、第1大入賞口カウンタと第2大入賞口カウンタ、残存球数カウンタに代えて、共通の遊技球カウンタを設けるようにしてもよい。この場合、たとえば小当り遊技状態であるときに図22に示すS252で実行される第1大入賞口進入時処理では、図24に示すS502、S503の処理に代えて、遊技球カウンタにおけるカウント値である遊技球カウント値を1加算する処理が実行される。また、図24に示すS513の処理に代えて、遊技球カウンタにおけるカウント値を1減算する処理が実行される。そして、図23に示すS262の処理に代えて、遊技球カウント値が「0」であるか否かを判定する処理が実行され、遊技球カウント値が「0」であればS263の処理に進み、「0」以外であればS270の処理に進む。加えて、図28に示すS548で実行される第1大入賞口進入時処理でも、図24に示すS502、S503の処理に代えて、遊技球カウント値を1加算する処理が実行される。このときには、S512、S513の処理を実行しないようにすればよい。そして、図28に示すS555の処理に代えて、遊技球カウント値が開放終了判定値に達したか否かを判定する処理が実行され、開放終了判定値に達していなければS556の処理に進み、達していればS557の処理に進む。さらに、図29に示すS572の処理に代えて、遊技球カウント値を1加算する処理が実行されるとともに、S573の処理に代えて、遊技球カウント値が開放終了判定値に達したか否かを判定する処理が実行される。このとき、開放終了判定値に達していなければS574の処理に進み、達していればS575の処理に進むようにすればよい。このように、第1大入賞口カウンタや第2大入賞口カウンタ、残存球数カウンタといった3つのカウンタに代えて、共通する1つのカウンタを用いることで、遊技制御用マイクロコンピュータ99における記憶データの容量を削減することができるとともに、小当り遊技状態や大当り遊技状態で遊技制御用マイクロコンピュータ99のCPU112が実行する処理の負担を軽減することができる。
(41) 前記実施の形態では、大入賞口開放時間が「29秒」といった大入賞口を開放状態に制御する時間の上限が長いラウンド遊技において開放する大入賞口を「第2」として第2特別可変入賞球装置48の開閉板49により開口部を開放状態とする一方で、大入賞口開放時間が「1.5秒」や「5秒」といった大入賞口を開放状態に制御する時間の上限が短いラウンド遊技において開放する大入賞口を「第1」として第1特別可変入賞球装置66の開閉片81により開口部82を開放状態とするものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、大入賞口を開放状態に制御する時間の上限が長いラウンド遊技でも開放する大入賞口を「第1」として第1特別可変入賞球装置66の開閉片81により第1大入賞口となる開口部82を開放状態とするラウンド遊技を設けるようにしてもよい。このように大入賞口を開放状態に制御する時間の上限が長いラウンド遊技で第1大入賞口を開放状態に制御する場合には、そのラウンド遊技が終了するまで第1大入賞口を継続的に開放状態とするようにしてもよいし、そのラウンド遊技が終了するまでは所定時間(たとえば2.0秒)が経過するごとに第1大入賞口を開放状態と閉止状態とに交互に変化させるようにしてもよい。
(42) 前記実施の形態では、大当り遊技状態において、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81が第1大入賞口となる開口部82を閉止状態から開放状態とした後に再び閉止状態へと変化させるまでの動作単位や、第2特別可変入賞球装置48の開閉板49が第2大入賞口となる開口部を閉止状態から開放状態とした後に再び閉止状態へと変化させるまでの動作単位を、1回のラウンド遊技として、図26に示すS282でカウント初期値「1」にセットされたラウンド数カウント値を、図31に示すS617の処理が実行されるごとに1ずつ加算するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、小当り遊技状態において第1特別可変入賞球装置66の開閉片81が第1大入賞口となる開口部82を開放状態とする始動動作が実行されることに対応して、ラウンド数カウント値が1加算されるようにしてもよい。たとえば、図21に示すS227で小当りフラグがオンである場合には、ラウンド数カウンタにカウント初期値「1」をセットした後、図25に示すS521で第1特定球検出フラグがオンであることや、S526で第2特定球検出フラグがオンであることに対応して、ラウンド数カウント値を1加算すればよい。こうして小当り遊技状態となった後に遊技球が特定領域に進入したことに基づいて大当り遊技状態に制御されるときには、図26に示すS282の処理は実行しないようにすればよい。そして、小当り遊技状態となった後に大当り遊技状態に制御される場合には、上記実施の形態での大当り遊技状態におけるラウンド遊技の最大継続回数(上限回数)に1加算したものが、実際の制御におけるラウンド遊技の最大継続回数として取り扱われることになる。
このように、小当り遊技状態において始動動作が行なわれることに対応してラウンド数カウント値が1加算されるために、大当り遊技状態で継続可能となるラウンド遊技の実行回数は、最大継続回数として決定された回数よりも1回少なくなる。たとえば、最大継続回数が「10ラウンド」に決定された場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が「9回」に達したことに対応して、ラウンド数カウント値が「10」となることから、9回目のラウンド遊技が終了したときに、図30に示すS655の処理でラウンド数カウント値がラウンド最大値に達したとの判定がなされ、次のラウンド遊技には移行できずに大当り遊技状態が終了することになる。
(43) 前記実施の形態では、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球を第2特定進入口91に誘導可能な可動部材として、モータ127の駆動力により回転動作を行なう回転体79を用いるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、モータの駆動力により直線動作や曲線動作を行なう任意の可動部材を用いるようにしてもよい。たとえば、この可動部材には大入賞口に進入した遊技球を特定領域へと誘導する誘導口や誘導通路が設けられており、ギヤやシャフトといった所定のリンク機構を介してモータの駆動力を受け、ガイドやレール等に沿って直線動作や曲線動作といった所定動作を行なうものであればよい。そして、モータの駆動力を停止させただけでは初期位置に戻らないものであればよい。この場合、たとえば図23に示すS265の処理や、図30に示すS600の処理、図31に示すS621の処理のように、モータの回転量を特定すること等により、可動部材の位置を特定できればよい。あるいは、可動部材に取付けられた位置センサ等により、可動部材の位置を直接検出できるようにしてもよい。また、図23に示すS266の処理や、図30に示すS601の処理、図31に示すS622の処理では、特定された可動部材の位置に応じてモータ復帰制御タイマ初期値やモータ回転方向パターンの設定を行ない、その後、図32に示すS133の処理でモータ復帰制御タイマ値が「0」であると判定されるまでS134の処理を実行することにより、モータを駆動して可動部材を所定の初期位置に戻すようにすればよい。
この場合にも、始動領域となる始動口58aや始動入賞装置58bに進入した遊技球が始動口スイッチ56,60のいずれかにより検出されてから、第1特別可変入賞球装置66の開口部82を始動態様で開放状態とする始動動作が開始されるまでの動作待機時間が可動部材を任意の動作位置から初期位置に戻すための所要時間よりも長くなるように、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間や、特図ゲームにおける変動表示が停止した後に遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放開始判定値に合致するまでの待機期間等の設定が行なわれていればよい。これにより、始動動作が開始される時点で、常に可動部材を所定の初期位置から動作させて、始動動作における遊技の公平性を保つことができる。加えて、大当り遊技状態でラウンド遊技を実行する際には、大当り開始待ち時間として、可動部材を任意の動作位置から初期位置に戻すための所要時間よりも長い時間を設定し、その大当り開始待ち時間が経過してから、第1特別可変入賞球装置66の開口部82を特定態様で開放状態とするラウンド遊技を開始すればよい。これにより、大当り遊技状態において、可動部材が任意の動作位置から初期位置に戻るための所要時間よりも長い大当り開始待ち時間が経過した後に、1回目のラウンド遊技で第1大入賞口となる開口部82を開放状態として、可動部材を所定の初期位置から動作させることができ、大当り遊技状態で行なわれるラウンド遊技における公平性を保つことができる。
(44) また、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球を第2特定進入口91に誘導可能な可動部材は、振分用ソレノイド108の駆動制御により第1の振分状態と第2の振分状態とに切換可能な振分部材83であってもよい。この場合、たとえば図23に示すS264の処理や図28に示すS558の処理で振分用ソレノイド108の駆動を停止させて振分部材83をパチンコ遊技機1の奥行き方向における手前側に移動させるための設定を行なうことが、小当り遊技状態や大当り遊技状態で振分部材83を動作させた後に振分部材83を初期位置に戻すことになる。ここで、振分用ソレノイド108の駆動力により動作する振分部材83は、振分用ソレノイド108の駆動が停止することにより短時間で初期位置に戻ることができる。そのため、たとえば図23に示すS264の処理や図28に示すS558の処理を実行した後、次の特図ゲームにおける変動表示結果が「小当り」となったことに対応して始動動作を開始するまでの動作待機時間は、モータ127の駆動力により回転動作を行なう回転体79が可動部材として用いられる場合よりも十分に短い時間としても、振分部材83が初期位置に戻るための所要時間よりは長くすることができる。これにより、特図ゲームにおける変動表示結果が「小当り」となったことに基づいて開口部82を開放状態とする始動動作の開始時に、振分部材83を常に初期位置から動作させることができ、始動動作における遊技の公平性を保つことができる。加えて、図23に示すS262の処理で残存球数カウント値が「0」であることに対応して第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないと判定されたことに基づき、S264の処理により振分用ソレノイド108の駆動を停止させる。これにより、常に振分用ソレノイド108の駆動制御を行なって振分部材83を動作させる場合に比べて、CPU112における制御負担や消費電力を低減することができる。
(45) 前記実施の形態では、図25に示すS521の処理で第1特定球検出フラグがオフである場合に、S526の処理で第2特定球検出フラグがオンであるか否かの判定を行なうものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第2特定球検出フラグがオンであるか否かの判定を先に行なって、第2特定球検出フラグがオフである場合には第1特定球検出フラグがオンであるか否かの判定を行なうようにしてもよい。この場合には、第1特定球検出フラグがオンであっても、第2特定球検出フラグがオンであれば、遊技球が第2特定進入口91に進入したことに対応するラウンド制御パターンを設定して大当り遊技状態に制御することができ、第1特定進入口89に比べて遊技者にとって有利な第2特定進入口91に遊技球が進入したことに対応するラウンド制御パターンを、第1特定進入口89に遊技球が進入したことに対応するラウンド制御パターンよりも優先的に設定することができる。
(46) 前記実施の形態では、図23に示すS262の処理で残存球数カウント値が「0」であると判定された後に、S263で特定入賞判定処理を実行することにより、特定領域となる第1特定進入口89と第2特定進入口91のいずれかに遊技球が進入した場合に大当り遊技状態に制御することができるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、小当り遊技状態で特定領域に進入した遊技球が検出された時点で、大当り遊技状態に制御することができるようにしてもよい。たとえば、図23に示すS263の処理に代えて、図22に示すS265で遊技制御プロセスタイマ値が貯留解除判定値と合致しない場合や、S260の処理を実行した後に、特定入賞判定処理を実行するようにしてもよい。この場合、たとえば図25に示すS531の処理を実行した後に、図23に示すS264〜S269の処理や、S260と同様の貯留用ソレノイド118の駆動を停止させる処理を実行すればよい。
(47) その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、演出表示装置44bの表示領域80における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作等は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
(48) 本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(49) 上記の実施の形態のパチンコ遊技機は、主として、始動入賞に基づいて変動表示部に変動表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄になると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機であったが、始動入賞に基づいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機や、始動入賞に基づいて変動表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組合せになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続するパチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。さらに、遊技メダルを投入して賭け数を設定し遊技を行なうスロット機や、遊技メダルではなく遊技球を投入して賭け数を設定し遊技を行なう遊技機等にも本発明を適用できる。
(50) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
49,490 開閉板、48,480 第2特別可変入賞球装置、66 第1特別可変入賞球装置、89 第1特定進入口、91 第2特定進入口、65a プランジャ、65 ソレノイド、320,3200 伝達部材、300 台板、303,3030 支持枠部材、324,3240 回動軸、313 軸受長孔、321a,321b,321 連係アーム、326 案内ピン、314 案内溝、316a 上直線面、326,3260 案内ピン、315a 上円弧面、322 連結アーム、332a 前係止片、332b 後係止片、301a,301b 開閉羽根、58 普通可変入賞球装置、89 第1特定進入口、91 第2特定進入口、99 遊技制御用マイクロコンピュータ、60 始動口スイッチ。