JP2019205497A - 遊技機 - Google Patents

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Toshio Ogura
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Abstract

【課題】表示手段において複数種類の表示を好適に行うことが可能な遊技機を提供する。【解決手段】遊技者が操作可能な操作手段(プッシュボタン31Bや十字キー31C)と、複数の発光手段(7セグメントLED)により所定の表示を行うことが可能な表示手段(セグメント演出表示器510A)とを備え、表示手段には、遊技の進行に応じて変化する数値情報に関する数値系表示と、操作手段の操作に関する操作系表示とを表示可能であり、操作系表示を数値系表示よりも優先して表示可能である。【選択図】図34

Description

本発明は、パチンコ遊技機等の遊技を実行可能な遊技機に関する。
パチンコ遊技機等の遊技機において、複数桁の7セグLEDを用いて演出を実行する技術が提案されている(例えば特許文献1)。
特開2011−10871号公報
上記特許文献1に記載の技術によると、一つの表示手段(7セグLED)において複数種類の表示を行う際には有効な表示ができないおそれがあった。
この発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、表示手段において複数種類の表示を好適に行うことが可能な遊技機の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、手段1に係る遊技機は、
遊技を実行可能な遊技機であって、
遊技者が操作可能な操作手段(例えば、プッシュボタン31B、十字キー31C)と、
複数の発光手段(例えば、7セグメントのLED)により所定の表示を行うことが可能な表示手段(例えば、セグメント演出表示器510A)と、
前記表示手段の表示を表示制御可能な表示制御手段(例えば、演出制御用CPU120が、図33に示すセグメント表示処理を実行する部分)と、を備え、
前記表示制御手段は、
前記表示手段において、遊技の進行に応じて変化する数値情報に関する第1表示(例えば、数値系表示)と、前記操作手段に対する操作に関する第2表示(例えば、操作系表示)とを表示可能であり、
前記第2表示を前記第1表示よりも優先して表示可能である(例えば、図34、35参照)、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、操作に関する表示が優先されるので、表示手段における複数種類の表示を好適に行うことが可能となる。
また、手段2の遊技機は、手段1の遊技機であって、
前記操作手段は複数(例えば、プッシュボタン31Bと十字キー31Cの2つ)あり、
前記表示制御手段は、
前記表示手段における前記第2表示として、複数の前記操作手段のうちいずれの操作に関する表示も表示可能である(例えば、図34に示すように操作系予告のセグ表示を行うことも、図35に示すようにシステム表示のセグ表示を行うことも可能である)、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、複数の操作手段に対する操作が可能であるときに、いずれの操作手段に対する操作に関する表示も実行可能であるので、表示手段における複数種類の表示を好適に行うことが可能となる。
また、手段3の遊技機は、手段1または2の遊技機であって、
前記表示制御手段は、
前記表示手段における前記第1表示として、複数種類の異なる数値情報に関する表示(例えば、図37に示す非操作系予告のセグ表示、図37に示すラウンド回数のセグ表示、図37に示す時短残回数のセグ表示)を表示可能であり、
遊技状態(例えば、通常状態、大当り遊技状態、時短状態)に応じて、いずれかの数値情報に関する表示を表示可能である、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、遊技状態に応じた好適な数値情報に関する表示を行うことができるので、表示手段における複数種類の表示を好適に行うことが可能となる。
また、手段4の遊技機は、手段1〜3のいずれかの遊技機であって、
前記操作手段は、遊技者が同時に操作可能な第1操作手段(例えば、プッシュボタン31B)と第2操作手段(例えば、十字キー31C)とを含み、
前記表示制御手段は、
前記表示手段における前記第2表示として、前記第1操作手段に対する操作に関する表示(例えば、図36に示す操作系予告のセグ表示)と、前記第2操作手段に対する操作に関する表示(例えば、図36に示すシステム表示のセグ表示)とを異なる優先順位で表示する、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、複数の操作手段が同時に操作されても優先順位に基づいて好適にいずれかの操作手段の操作に関する表示が行われるので、表示手段における複数種類の表示を好適に行うことが可能となる。
また、手段5の遊技機は、手段1〜4のいずれかの遊技機であって、
前記操作手段に対する操作の受付を制御する操作受付手段を備え、
前記操作受付手段は、
遊技機に関するエラーが発生したときには、前記操作手段に対する操作の受付を禁止し(例えば、操作を無効化し)、
前記表示制御手段は、
遊技機に関するエラーが発生したときには、前記表示手段において、遊技機のエラー情報に関する第3表示(例えば、図38に示すエラー表示のセグ表示)を優先して表示可能である、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、遊技機に関するエラーが発生したときには、操作手段に対する操作の受付が禁止されるとともに、表示手段において優先してエラー情報に関する表示が行われるので、遊技機を適正に制御できるとともに表示手段における複数種類の表示を好適に行うことが可能となる。
また、手段6の遊技機は、手段1〜5のいずれかの遊技機であって、
前記表示制御手段は、
遊技の進行に応じて数値情報が変化するタイミングでは、前記表示手段において前記第2表示(例えば、図39に示すシステム表示のセグ表示)の表示を制限する、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、数値情報が変化するタイミングでは操作手段に対する操作に関する表示が制限されることにより、数値情報に関する表示の視認性を妨げることが防止されるので、表示手段における複数種類の表示を好適に行うことが可能となる。
第1の実施形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。 パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。 図1中の“III”部に着目した可変入賞装置上部の斜視図である。 図3に示した可変入賞装置上部の分解斜視図である。 開閉蓋が上部大入賞口を閉鎖した状態の時の遊技球の流れを説明するための説明図である。 開閉蓋が上部大入賞口を開放した状態の時の遊技球の流れを説明するための説明図である。 可変入賞装置における遊技球の流れを説明するための説明図である。 可変入賞装置のベース板の後方の構成を示した図である。 回動表示装置が設けられた可変入賞装置の中央部に着目した斜視図である。 中リールユニットの斜視図である。 中リールユニットにおけるリール装置の分解斜視図である。 入賞装置に進入する遊技球の流れを説明するための図である。 振分部位置と進入期間を示す説明図である。 遊技制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。 遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御コマンドの一例を示す説明図である。 特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 変動パターンの一例を示す説明図である。 演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。 サブ側エラー処理の一例を示すフローチャートである。 残留球監視処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御の実行例を示すタイミング図である。 可変表示や各種演出の実行期間などを示す図である。 特定進入確定の有無を判定する場合の制御例などを示すタイミング図である。 可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。 当り可変表示演出の決定例を示す図である。 当り可変表示演出の決定例を示す図である。 変形例における開閉蓋を示す図である。 変形例における主要部材の配置を示す正面図である。 第2の実施形態におけるセグメント演出表示器510Aの複数種類の表示例を示す図である。 制御用データ領域のレイヤの一例を示す図である。 セグメント表示処理の一例を示すフローチャートである。 遊技の進行に応じたセグメント演出表示器510Aの表示例を示す図である。 遊技の進行に応じたセグメント演出表示器510Aの表示例を示す図である。 遊技の進行に応じたセグメント演出表示器510Aの表示例を示す図である。 遊技の進行に応じたセグメント演出表示器510Aの表示例を示す図である。 遊技の進行に応じたセグメント演出表示器510Aの表示例を示す図である。 遊技の進行に応じたセグメント演出表示器510Aの表示例を示す図である。 表示結果判定テーブルを示す説明図である。 大当り種別判定テーブルを示す説明図である。 ハズレ変動パターン判定テーブルを示す説明図である。 非リーチハズレ変動パターン判定テーブルを示す説明図である。 第3の実施形態における遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。 第3の実施形態における遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。 設定確認処理および設定変更処理を示すフローチャートである。 電源投入時に実行される処理を示す説明図である。 設定変更処理における表示モニタの表示態様を示す説明図である。 設定変更処理における表示モニタの表示態様の変形例を示す説明図である。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しつつ、本発明の第1の実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態に係る遊技機の主要部材の配置レイアウトを示す正面図である。図2は、本実施の形態に係る遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の前面とは、パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
(パチンコ遊技機1の構成等)
パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の下方位置には、第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bが設けられている。第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bは、それぞれ、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う。第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bは、それぞれ、7セグメントのLEDなどを用いて構成される。特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである。以下、他の図柄の「可変表示」についても同様に、複数種類の図柄を変動可能に表示することである。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄の回動表示や回転表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大または縮小などがある。特別図柄や普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄が回動表示や回転表示される。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示ともいう)される。他の図柄の可変表示についても同様に、表示結果として所定の図柄が停止表示される。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。第1特別図柄表示器4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には回動表示装置300が設けられている。回動表示装置300は、特図ゲームにおける特図の可変表示に対応して、3つのリールユニット400、500、600がそれぞれ動作することにより、各々を識別可能な複数種類の識別情報である飾り図柄(例えば、「1」〜「8」を示す数字などを表す図柄)を遊技者に対して変動可能に表示(可変表示)する。具体的には、リールユニット400、500、600それぞれは、回転するリール(回転ドラム)を備え、リールの外周面には複数種類の飾り図柄が配置されている。遊技者は、各リールユニット400、500、600の各リールのうちの遊技者側に向く面の飾り図柄を視認することができる。各リールユニット400、500、600の各リールが回動することで、視認される飾り図柄が順次変化していく。このとき、遊技者は、1つの飾り図柄が上から下へ移動して見え、複数種類の飾り図柄が順次上から下へ移動していくように見える。視認される飾り図柄が順次変化する回動表示により、飾り図柄が可変表示される。回動する各リールユニット400、500、600の各リールは、特図の可変表示の終了に対応して全て停止する。各リールの停止タイミングはそれぞれでずれてもよいし、同じであってもよい。全リールの停止により、飾り図柄の可変表示は終了し、可変表示結果としての飾り図柄が導出表示される。導出表示される飾り図柄は、可変表示の終了時に停止した各リールにおいて視認可能になっている飾り図柄である。可変表示の終了時に導出表示される飾り図柄は、確定飾り図柄ともいう。3つのリールユニット400、500、600は、左から順に、左リールユニット、中リールユニット、右リールユニットともいう。
回動表示装置300の周囲を取り囲むように、可変入賞装置200が設けられている。可変入賞装置200の中央には、回動表示装置300を視認可能とする開口が形成されている。可変入賞装置200の上部には、図5などに示すような上部大入賞口260が設けられ、可変入賞装置200の内部へと遊技球が進入可能である。上部大入賞口260に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。上部大入賞口260から進入した遊技球のうちで1個の遊技球は、図5に示すような左側のワープ流路251を通って正面のステージ上に移動する。その他の遊技球は、図5に示すような右側の排出路252を通って可変入賞装置200から排出される。可変入賞装置200には、実行が保留されている可変表示の数をLEDの点灯個数と点滅個数とによって表示する保留記憶数表示器5Uが設けられている。実行が保留されている可変表示は、遊技球が始動入賞口に進入したことに基づいて実行可能となった可変表示のうちで、未だ開始されていない可変表示である。始動入賞口は、入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口と可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口とを含む。実行が保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数あるいは第1特図保留記憶数ともいい、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数あるいは第2特図保留記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられ、第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって第1保留記憶数を表示し、第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって第2保留記憶数を表示する。
可変入賞装置200の下方には入賞球装置6Aが設けられている。また、可変入賞装置200の左方には可変入賞球装置6Bが設けられている。入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームを実行するための条件である第1始動条件が成立可能となる。
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、図2に示された普通電動役物用ソレノイド81によって遊技球が進入しやすい状態と進入しにくい状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば、流下する遊技球を受け止めて第2始動入賞口に導く玉受片を有している。普通電動役物用ソレノイド81がオフ状態の場合、玉受片は引っ込んだ状態にあり、遊技球を受け止めることなくそのまま流下させる。その一方で、普通電動役物用ソレノイド81がオン状態の場合、玉受片は突出した状態にあり、遊技球を受け止めて第2始動入賞口に導く。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームを実行するための条件である第2始動条件が成立可能となる。なお、可変入賞球装置6Bは、いわゆる電動チューリップ型役物を備えるものであってもよい。可変入賞球装置6Bには、図2に示すゲートスイッチ21が設けられている。ゲートスイッチ21は、通過する遊技球を検出する。
遊技盤2の所定位置には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。図1に示す例では、遊技領域の左下領域に3箇所と右上領域に1箇所など、複数の一般入賞口10が設けられている。遊技球が一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、第1始動入賞口や第2始動入賞口といった始動口への入賞は、始動入賞ともいう。
入賞球装置6Aの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示された大入賞口用ソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備える。特別可変入賞球装置7が有する大入賞口は、大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する。一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)の大入賞口用ソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口用ソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口及び一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。特別可変入賞球装置7の大入賞口は、遊技球が進入すれば多くの賞球が払い出されるという点で、遊技者に有利な特典となる遊技価値を付与可能な特別領域となる。
回動表示装置300の右下方には、セグメント演出表示器510が設けられている。セグメント演出表示器510は、例えば5桁分に対応する7セグメントのLEDあるいはLCDなどを用いて構成され、複数の文字や数字といった記号を表示することによる演出その他の報知を実行可能にする。例えばセグメント演出表示器510では、特図ゲームにおける可変表示の実行中に、文字列などの記号列を表示することで、可変表示の表示結果が「当り」となる可能性を予告する予告演出を実行できればよい。また、セグメント演出表示器510では、特図ゲームにおける可変表示の表示結果が「当り」となる場合に、表示結果の導出表示に対応して、文字列などの記号列を表示することで、「当り」であることを報知する報知演出を実行できればよい。あるいは、セグメント演出表示器510では、パチンコ遊技機1にエラーが発生した場合に、文字列などの記号列を表示することで、エラーの種類などを認識可能に報知するエラー報知を実行できればよい。
遊技盤2の下方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどを用いて構成され、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。普通図柄表示器20の右方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数をLEDの点灯個数により表示する。実行が保留されている普図ゲームは、遊技球がゲートスイッチ21を通過したことに基づいて実行可能となった普図ゲームのうちで、未だ開始されていない普図ゲームである。実行が保留されている普図ゲームの数は、普図保留記憶数ともいう。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方と右方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口69a、69bが設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿90(打球供給皿)が設けられている。上皿90の下方には、上皿90の満タン時に賞球が払い出される下皿91(賞球貯留皿)が設けられている。遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(図2参照)により検出される。
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が可変入賞球装置6Bに設けられたゲートスイッチ21を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球がゲートスイッチ21を通過した場合(遊技球がゲートスイッチ21を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示された場合に、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示された場合に、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」の場合には、可変入賞球装置6Bに遊技球が進入しやすい状態とする制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームは、入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入したことに基づいて実行可能となる。第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームは、可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入したことに基づいて実行可能となる。第1特図ゲームや第2特図ゲームといった、特図ゲームを直ちに実行できる期間では、遊技球が進入した第1始動入賞口または第2始動入賞口に対応して、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームの実行が開始される。特図ゲームの実行中の期間、あるいは、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間など、特図ゲームを直ちに実行できない期間では、遊技球が始動入賞口に進入した場合に、新たな特図ゲームの実行を直ちには開始できないので、所定の上限数(例えば4)に達するまで、特図ゲームの実行が保留される。
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として当り図柄が停止表示された場合に、可変表示の表示結果が「当り」となる。当り図柄は、例えば「7」を示す特別図柄など、特定の特別図柄として予め定められている。特図ゲームによる可変表示の表示結果が「当り」となった後には、小当り遊技状態に制御される。小当り遊技状態では、図3や図4などに示す可変入賞装置200に形成された上部大入賞口260の開放状態と閉鎖状態とが繰り返される。例えば、小当り遊技状態では、0.15秒の開放状態と1.0秒の閉鎖状態とが繰り返される。上部大入賞口260の開放状態と閉鎖状態とが繰り返される動作は、上部大入賞口開閉ともいう。上部大入賞口開閉は、0.15秒の開放状態が10回まで繰り返されるか、上部大入賞口260に遊技球が10個入賞するかのうちで、いずれかの条件が成立することにより終了する。上部大入賞口260に入賞した遊技球のうち、1個の遊技球は、図5に示すような可変入賞装置200の左側に形成されたワープ流路251を通り、図9に示すような回動表示装置300の前方まで移動してくる。回動表示装置300の前方まで移動した遊技球は、中リールユニット500の上部に運ばれ、図12に示すような通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれかに進入する。通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれかに遊技球が進入したことに基づいて、大当り遊技状態に制御される。小当り遊技状態は、開放状態の上部大入賞口260に遊技球が進入すれば賞球が払い出されるという点で、遊技者にとって有利な有利状態に含まれ、特典となる遊技価値を付与可能である。小当り遊技状態にて開放状態の上部大入賞口260に遊技球が進入しなかった場合には、通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれにも遊技球が進入しないので、大当り遊技状態に制御されることなく、小当り遊技状態が終了する。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の態様で開放状態となる。特別可変入賞球装置7にて大入賞口が開放状態となる遊技は、ラウンド遊技ともいう。例えば、ラウンド遊技は、29秒が経過するか、大入賞口に遊技球が9個入賞するかのうちで、いずれかの条件が成立することにより1回のラウンド遊技が終了する。例えば29秒とった、1回のラウンド遊技において大入賞口が開放状態となる上限時間は、開放上限時間ともいう。大当り遊技状態では、例えば3回または16回など、所定の上限回数に達するまで、ラウンド遊技を繰り返し実行することができる。大当り遊技状態にて実行可能なラウンド遊技の上限回数は、小当り遊技状態であるときに、通常領域進入口811、813のいずれかに遊技球が進入した場合と、特定領域進入口812に遊技球が進入した場合とに応じて、異なる回数が設定される。例えば、小当り遊技状態であるときに通常領域進入口811、813のいずれかに遊技球が進入した場合には、大当り遊技状態において実行可能なラウンド遊技の上限回数が3回に設定される。小当り遊技状態であるときに特定領域進入口812に遊技球が進入した場合には、大当り遊技状態において実行可能なラウンド遊技の上限回数が16回に設定される。特定領域進入口812は、遊技球が進入すれば大当り遊技状態で多くのラウンド遊技が実行できるという点で、遊技者に有利な特典となる遊技価値を付与可能な特定領域となる。通常領域進入口811、813は、特定領域よりも遊技者の有利度は低くなるが、遊技球が進入すれば大当り遊技状態となりラウンド遊技が実行できるという点で、遊技者に有利な特典となる遊技価値を付与可能である。大当り遊技状態は、ラウンド遊技にて開放状態の大入賞口に遊技球が進入すれば賞球が払い出されるという点で、遊技者にとって有利な有利状態に含まれ、特典となる遊技価値を付与可能である。
大当り遊技状態が終了した後には、時短状態や確変状態に制御されてもよい。時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させ、あるいは普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、可変表示の表示結果が「当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことや、次回の大当り遊技状態が開始されたことなど、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となる確変状態や時短状態は、回数切り確変や回数切り時短、あるいは、これらを含めた回数切りともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態などの有利状態、時短状態、確変状態などの特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率や特図ゲームにおける可変表示の表示結果が「当り」となる確率などが、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態ともいい、確変状態は高確高ベース状態ともいい、通常状態は低確低ベース状態ともいう。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
小当り遊技状態が終了した後に、大当り遊技状態に制御されない場合には、遊技状態が変更されず、特図ゲームにおける可変表示の表示結果が「当り」となる以前の遊技状態が継続するように制御される。ただし、可変表示の表示結果が「当り」となった特図ゲームが、回数切りにおける所定回数に達した特図ゲームである場合には、時短状態や確変状態が終了するなど、遊技状態が変更される。
(パチンコ遊技機1の回路構成について)
次に、パチンコ遊技機1の回路構成について説明する。パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、表示制御基板50といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホール(遊技店)の管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯制御や消灯制御を行い第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯制御や消灯制御や発色制御などを行い普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。また、主基板11は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、スイッチ/センサ回路110、ソレノイド回路111、モータ回路112などが搭載されている。主基板11には、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11に搭載されたスイッチ/センサ回路110は、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、下部カウントスイッチ23、上部カウントスイッチ250、排出カウントスイッチ256、一般入賞口スイッチ689、アウトスイッチ690、通常領域スイッチ811a、特定領域スイッチ812a、通常領域スイッチ813a、振分部原点センサ820a、外リール原点位置センサ821aからの検出信号を伝送する配線と接続されている。このように、スイッチ/センサ回路110には、各種スイッチと振分部原点センサ820a、外リール原点センサ821aからの検出信号を伝送する配線が接続されている。ゲートスイッチ21は、可変入賞球装置6Bを通過した遊技球を検出する。第1始動口スイッチ22Aは、入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球を検出する。第2始動口スイッチ22Bは、可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球を検出する。下部カウントスイッチ23は、特別可変入賞球装置7に設けられた大入賞口に進入した遊技球を検出する。上部カウントスイッチ250は、可変入賞装置200に形成された上部大入賞口260に進入した遊技球を検出する。排出カウントスイッチ256は、図5に示すような上部大入賞口260に進入した後に排出路252を通って排出される遊技球を検出する。一般入賞口スイッチ689は、一般入賞口10に進入した遊技球を検出する。アウトスイッチ690は、アウト口69a、69bを通って排出される遊技球を検出する。通常領域スイッチ811aは、図9および図12に示すような中リールユニット500の上部に運ばれた後に通常領域進入口811に進入した遊技球を検出する。特定領域スイッチ812aは、図9および図12に示すような中リールユニット500の上部に運ばれた後に特定領域進入口812に進入した遊技球を検出する。通常領域スイッチ813aは、図9および図12に示すような中リールユニット500の上部に運ばれた後に通常領域進入口813に進入した遊技球を検出する。振分部原点センサ820aは、図10および図12に示すような振分部820が予め定められた振分部原点位置を通過したことを検出する。外リール原点センサ821aは、図9〜図11に示すような外リール791が予め定められた外リール原点位置を通過したことを検出する。
振分部原点センサ820aから出力される検出信号は、例えば振分部820が振分部原点位置を左から右に向かって通過するといった、単一方向に沿った振分部820の通過動作を検出したときに、所定パルス幅のオン状態となるようにしてもよい。なお、単一方向に沿った振分部820の通過動作を検出可能なものに限定されず、振分部820の通過方向にかかわらず、振分部820が振分部原点位置を通過したときに、振分部原点センサ820aから出力される検出信号がオン状態となるようにしてもよい。外リール原点センサ821aから出力される検出信号は、例えば図11に示すような外リール791に取り付けられた磁性体792の位置といった、外リール基準位置が外リール原点位置を矢印Y1の方向に沿って通過するといった、単一方向に沿った外リール791の通過動作を検出したときに、所定パルス幅のオン状態となるようにしてもよい。なお、単一方向に沿った外リール791の通過動作を検出可能なものに限定されず、外リール791の通過方向にかかわらず、外リール基準位置が外リール原点位置を通過したときに、外リール原点センサ821aから出力される検出信号がオン状態となるようにしてもよい。
主基板11に搭載されたソレノイド回路111には、普通電動役物用ソレノイド81、大入賞口用ソレノイド82、開閉蓋用ソレノイド261、及びステージ供給用ソレノイド255の動作制御をおこなうための指令信号を伝送する配線が接続されている。主基板11に搭載されたモータ回路112には、外リール用モータ793及び振分部用モータ830の動作制御をおこなうための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄となる飾り図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンド等が含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101(Read Only Memory101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102(Random Access Memory102)と、遊技制御用のプログラムを実行して遊技に関する制御処理を実行するCPU103(Central Processing Unit103)と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105(Input/Output port105)と、を備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、回動表示装置300、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9、及び演出用LED10といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、回動表示装置300における表示動作や表示演出や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯や消灯の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させる機能を備えている。演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。演出制御用CPU120は、演出制御用のプログラムを実行して演出に関する制御処理を実行する。ROM121は、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶する。RAM122は、演出制御用のワークエリアを提供する。乱数回路124は、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う。演出制御基板12では、主基板11からの演出制御コマンドなどに含まれる情報に基づいて、演出制御用CPU120がROM121から読み出したプログラムを実行し、各種の制御信号や駆動信号を出力することにより、パチンコ遊技機1における演出を実行可能にする。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの信号に基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。表示制御基板50は、演出制御基板12とは別個に設けられた、回動表示装置300の制御用の制御基板である。表示制御基板50は、演出制御基板12からの信号に基づき、飾り図柄の可変表示など、回動表示装置300における表示動作を行うためのドライバ回路などが搭載されており、リールモータ401、リールモータ771、リールモータ601を制御する。表示制御基板50には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などが搭載されている。表示制御基板50は、演出制御基板12とは別個に設けられるものに限定されず、表示制御基板50と同様の機能を有する画像処理プロセッサなどが演出制御基板12に搭載されてもよい。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯駆動や消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。また、ランプ制御基板14は、演出制御基板12からの信号に基づき、セグメント演出表示器510による表示を制御する。
(可変入賞装置200の詳細)
次に、可変入賞装置200の詳細を図を参照しながら説明する。図3は、図1中の“III”部に着目した可変入賞装置上部の斜視図である。図4は、図3に示した可変入賞装置200上部の分解斜視図である。図5は、開閉蓋が上部大入賞口を閉鎖した状態の時の遊技球の流れを説明するための説明図である。また、図6は、開閉蓋が上部大入賞口を開放した状態の時の遊技球の流れを説明するための説明図である。図7は、可変入賞装置における遊技球の流れを説明するための図であり、図7(a)は図5中の矢視VIIa‐VIIaから見た場合を示し、図7(b)は図6中の矢視VIIb−VIIbから見た場合を示している。なお、図4において、第1前面板210及び第2前面板220は、後方の構造が理解できるように反転させた状態で図示している。
可変入賞装置200は、遊技盤2の中央に設けられており、図3に示すように、遊技盤2に取り付けられたベース板230と、ベース板230に前方から取り付けられる第1前面板210及び第2前面板220と、ベース板230に設けられ可変入賞装置200の外観を概略構成する本体部240と、上部大入賞口260を開放状態と閉鎖状態とに変化させる開閉部材としての開閉蓋270とを備えている。ベース板230と、第1前面板210及び第2前面板220との間には、遊技球が流下する流路が形成されている。
第1前面板210は、図4に示すように、平板部211と、平板部211から突出し上方から移動してくる遊技球を左右に振り分ける振分部212と、中央に向けて下方に傾斜した傾斜面213a、214aを有する突出部213、214と、突出部213、214の上方に形成された突起部215、216と、突出部213、214の下方に形成された突起部217、218とを有している。可変入賞装置200に上方から流下してきて傾斜面213a、214aに到達した遊技球は、第1前面板210とベース板230との間で傾斜面213a、214a上を中央に向けて転動する。第1前面板210はベース板230にねじ止めされている。
第2前面板220は、図4に示すように、平板部221と、平板部221から突出した突出部222とを有している。突出部222は、中央に向けて下方に傾斜した3つの傾斜面222a、222b、222cと、中央に向けて転がった遊技球が落下する凹部223と、上部カウントスイッチ250を保持する保持部224とを有している。保持部224に差し込まれた上部カウントスイッチ250は、凹部223に落下した遊技球を検出する。また、第2前面板220には、平板部221と凹部223とを接続し、凹部223に落下した遊技球を後方へと誘導する湾曲した誘導片225が形成されている。第2前面板220はベース板230にねじ止めされる。
本体部240は、図1に示すように概ね円形状をなしており、その外縁は内側に遊技球が進入しないように遊技盤2から立設した壁面を形成している。本体部240の上部には、図4に示すように、中央に向けて下方に傾斜した傾斜面241a、241bと、外側に向けて下方に傾斜した傾斜面242a、242bとが形成されている。傾斜面241aと傾斜面242aとの接続箇所には段差243aが形成されている。また、傾斜面241bと傾斜面242bとの接続箇所には段差243bが形成されている。このような構成のため、段差243a、243bをよりも外側に形成された傾斜面242a、242bに到達した球技球は、外側に向けて転がる。一方、段差243a、243bよりも内側に形成された傾斜面241a、241bに到達した遊技球は、中央に向けて転がるため可変入賞装置200に進入する。本実施形態では、段差243aと段差243bとによって挟まれた領域は、可変入賞装置200に進入するための開口である上部大入賞口260に設定されている。
ベース板230には、ねじ止めされた第1前面板210の突出部213、214の上方に配置される突起部231、232と、開閉蓋270の上方に配置される複数の突起部233、234と、開閉蓋270を通すための開閉蓋用開口230aと、上部大入賞口260に進入した遊技球をベース板230の後方へと通過させるための通過口230bとが形成されている。突起部231、232と、第1前面板210に形成された突起部215、216とは、図5に示すように、傾斜面213a、214aを転がる遊技球の経路上に互いに異なる位置に配置される。また、突起部233、234と、第1前面板210に形成された突起部217、218とは、図5に示すように、開閉蓋270を転がる遊技球の経路上に沿って交互に配置される。
開閉蓋270は、図4に示すように、端部から中央に向けて上方に向かう山形状をなしている。開閉蓋270には、図4および図5に示すように、外側に向けて下方に傾斜した第1傾斜面271a、271bと、第1傾斜面271a、271bよりも中央に位置するとともに傾斜角度が大きい第2傾斜面272a、272bと、第2傾斜面272aと第2傾斜面272bとを接続し開閉蓋270の頂部を構成する曲面状の凸部面273とを有している。また、開閉蓋270には、両端部に下方に屈曲した屈曲部274が形成されているとともに、下面には図5に示すような断面が半円状の2つの突起部270aが形成されている。このように屈曲部274が形成されていることにより、開閉蓋270と傾斜面242a、242bとの隙間が小さくなっている。また、開閉蓋270は、ベース板230に形成された開閉蓋用開口230aに挿通されているが、開閉蓋270は、屈曲部274と突起部270aとで開閉蓋用開口230aと接触している。このように、開閉蓋270を複数箇所で開閉蓋用開口230aと接触させていることで、開閉蓋270が安定した状態で支持され、遊技球の衝突によるがたつきなどを抑制することができる。また、屈曲部274及び突起部270aの開閉蓋用開口230aと接触する部位であり下方に突出した部位の断面を半円状としている。これにより、開閉蓋270と開閉蓋用開口230aとの接触面積を小さくすることができ、開閉蓋270の移動をスムーズに実行することができる。
また、開閉蓋270は、図7(a)に示すように、屈曲部274近傍の幅がその他の部分の幅よりも広く形成されている。具体的には、開閉蓋270が上部大入賞口260を閉鎖する閉鎖位置にある場合、開閉蓋270の屈曲部274のベース板230からの突出量L2は遊技球の直径よりも大きい。一方、開閉蓋270の屈曲部274近傍以外の部分のベース板230からの突出量L1は、遊技球の半径以上直径未満である。このような形状に形成された開閉蓋270は、図2に示す開閉蓋用ソレノイド261のプランジャに接続されており、開閉蓋用ソレノイド261のオン状態とオフ状態とを切り替えることにより、前後方向に移動する。前方へと移動した開閉蓋270は、図7(a)に示すように、ベース板230から大きく突出した状態にあり、上部大入賞口260の上方を覆う。このとき、上部大入賞口260は閉鎖状態にある。一方、後方へと移動した開閉蓋270は、図7(b)に示すように、ベース板230から小さく突出した状態にあり、上部大入賞口260の上方を開放する。このとき、上部大入賞口260は開放状態にある。
開閉蓋270が前方に大きく突出して上部大入賞口260を閉鎖している状態にある場合に、可変入賞装置200に向かった遊技球の流れを図5を参照しながら説明する。なお、図5に示す遊技球の流れは一例であり、実際の遊技球の流れは様々である。可変入賞装置200に向かって突出部214の傾斜面214aに到達した遊技球P1は、傾斜面214aを中央に向けて転がり、やがて開閉蓋270へ落下する。開閉蓋270は上部大入賞口260を閉鎖しているために、遊技球P1は、上部大入賞口260に進入することができず、開閉蓋270の凸部面273に衝突して左右のいずれかの方向に振り分けられる。また、突出部213の傾斜面213aに到達した遊技球P2も同様に、傾斜面213aを中央に向けて転がり、やがて開閉蓋270へ落下する。その後、遊技球P2は、開閉蓋の凸部面273に衝突して左右のいずれかの方向に振り分けられる。左方向に振り分けられた遊技球P1、P2は、第1傾斜面271a上を左方へと転がり、本体部240の傾斜面242aに落下する。一方、右方向に振り分けられた遊技球P1、P2は、第1傾斜面271bを右方へと転がり、本体部240の傾斜面242bに落下する。このように、傾斜面242a、242bに落下した遊技球P1、P2は、遊技盤2に設けられた遊技領域を流下する。このように、開閉蓋270が上部大入賞口260を閉鎖している状態にある場合、可変入賞装置200に向かった遊技球は、上部大入賞口260に進入することなく遊技領域を流下していく。
開閉蓋270の第1傾斜面271aを流下する遊技球P1、P2は、図7(a)に示すように、流路に向けて交互に突出した突起部218と突起部233との隙間を縫いながら蛇行する。開閉蓋270の第1傾斜面271bを流下する遊技球P1、P2も同様に、突起部217と突起部234との隙間を縫いながら蛇行する。これにより、開閉蓋270上を流下する遊技球P1、P2の速度を遅くすることができる。なお、図5や図6に示す突出部214に形成された傾斜面214aを転がる遊技球P1も突起部216と突起部232との隙間を縫いながら蛇行する。同様に、突出部213に形成された傾斜面213aを転がる遊技球P2も、突起部215と突起部231との隙間を縫いながら蛇行する。
一方、開閉蓋270が上部大入賞口260を開放した状態にある場合に、可変入賞装置200に向かった遊技球の流れを図6を参照しながら説明する。なお、図6に示す遊技球の流れは一例である。可変入賞装置200に向かって突出部214の傾斜面214aに到達した遊技球P3は、傾斜面214aを中央に向けて転がり、やがて下方へと落下する。同様に、突出部213の傾斜面213aに到達した遊技球P4は、傾斜面213aを中央に向けて転がり、やがて下方へと落下する。なお、開閉蓋270は上部大入賞口260を開放した状態にあるため、落下した遊技球P3、P4は、上部大入賞口260に進入し、第2前面板220に形成された突出部222に落下する。突出部222に落下した遊技球P3、P4は、傾斜面222a、222b、222c上を中央に向けて転がり凹部223へと落下する。このように凹部223に落下する際に、遊技球P3、P4は上部カウントスイッチ250によって検出される。凹部223へと落下した遊技球P3、P4は、図4に示す誘導片225により後方へと導かれ、図7(b)に示すように、ベース板230に形成された通過口230bを通過する。
通過口230bの後方には、図6に示すように、左下方に向けて延びるワープ流路251と、右下方に向けて延びる排出路252とが設けられている。図8は、可変入賞装置のベース板の後方の構成を示した図であり、図6中の矢視VIII−VIIIから見た場合を示している。可変入賞装置200は、図8に示すように、略くの字状の回動片253と、オン状態とオフ状態とを切り替えることでプランジャ255aを左右方向に移動させるステージ供給用ソレノイド255とを有している。回動片253は、プランジャ255aに連結された連結突起253bを有し、ステージ供給用ソレノイド255のオン状態とオフ状態とを切り替えることにより回動軸253aを中心に回動する。
図8(a)に示すように、ステージ供給用ソレノイド255がオン状態の場合、回動片253の屈曲面253cは前方を向く。また、ワープ流路251の下面は、排出路252の下面よりも低い位置にある。そのため、通過口230bを最初に通過した遊技球P5は、図8(a)に示すように、ワープ流路251に落ちるとともに、回動片253の屈曲面253cによってその移動が制限される。これにより、遊技球P5は、回動片253により保持される。遊技球P5に続いて通過口230bを通過した遊技球P6は、図8(b)に示すように、遊技球P5のためにワープ流路251に進入することができず右側に進行方向を変える。遊技球P6は、そのまま排出路252を流下する。なお、排出路252には、排出カウントスイッチ256が設けられており、排出路252を通った遊技球は排出カウントスイッチ256により検出される。排出路252を通った遊技球は、可変入賞装置200の外部へと排出される。回動片253が遊技球5を保持した状態で、ステージ供給用ソレノイド255をオン状態からオフ状態とすると、図8(b)から図8(c)に示すように、プランジャ255aがステージ供給用ソレノイド255本体から飛び出す。これにより、回動片253が回動軸253aを中心に回動し、遊技球P5をワープ流路251に向けてはじく。ワープ流路251を流下した遊技球P5は、図9に示す回動表示装置300の前方に形成されたステージ通路280を通って、中リールユニット500に設けられた遊技球待機部797aまで移動する。
(回動表示装置300の構成)
次に、回動表示装置300の詳細を図9〜図12を参照しながら説明する。回動表示装置300は、図9に示すように、左リールユニット400と、中リールユニット500と、右リールユニット600とを備えている。回動表示装置300は、可変入賞装置200の中央部に遊技者から視認できるように配置されている。図10は、中リールユニットの斜視図である。図11は、中リールユニットにおけるリール装置の分解斜視図である。また、図12は、入賞装置800に進入する遊技球の流れを説明するための図であり、図12(a)は特定領域進入口に遊技球が進入する場合を示し、図12(b)および図12(c)は通常領域進入口に遊技球が進入する場合を示している。中リールユニット500は、図10に示すように、リール装置700と、リール装置700の上部に設けられた入賞装置800とを備えている。
リール装置700は、図11に示すように、中リール本体710と遊技球搬送装置790とを有している。リール装置700では、3本の間隔保持材795、796、797が、中リール本体710のベースプレート720を、遊技球搬送装置790のベースプレート794と接続することで、中リール本体710が遊技球搬送装置790と一体化される。これによりリール装置700の骨組みが構築される。なお、間隔保持材797には、ワープ流路251を流下してきた遊技球が待機する遊技球待機部797aが設けられている。遊技球搬送装置790は、透明な材料から構成された円筒状の外リール791と、外リール791の内壁の中央に取り付けられた磁性体792と、外リール791に回転駆動を与える外リール用モータ793と、遊技球を検出する非接触式の近接センサ750とを備えている。遊技球搬送装置790は、外リール用モータ793が駆動することにより矢印Y1に示す方向に外リール791を回転させる。これにより、図9に示すように、磁性体792が遊技球待機部797aで待機する遊技球P5を吸着して、外リール791の中央部で周方向に沿って遊技球P5を搬送することができる。遊技球待機部797aの下面には近接センサ750が設けられている。近接センサ750は、図9の拡大図で示すように、遊技球待機部797aの網掛け部で示した検出範囲750aの範囲内にある遊技球を検出する。なお、中リール本体710と遊技球搬送装置790とが組み合わされた状態においては、内リール770は外リール791の内部に収容されている。外リール791は透明な材料から構成されているので、外リール791を通して内リール770を視認することが可能である。また、中リール本体710には、図2に示すリールモータ771が設けられ、内リール770を回転させることができる。
入賞装置800は、リール装置700の上方に設けられている。入賞装置800は、図10に示すように、入賞装置本体810と、入賞装置本体810に設けられた振分部820と、振分部820を駆動して左右方向に沿って往復移動させる振分部用モータ830とを有している。入賞装置本体810には、図12に示すように、通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813が左右方向に沿って配列されている。通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813は、いずれも外リール791と接する位置に設けられ、遊技球が進入可能な大きさを有する。入賞装置本体810には、通常領域進入口811から延びる第1排出路が形成され、通常領域進入口811から進入した遊技球は、第1排出路を通って入賞装置800から排出される。第1排出路には、図2に示す通常領域スイッチ811aが設けられ、通常領域進入口811に進入した遊技球を検出可能に構成されている。入賞装置本体810には、特定領域進入口812から延びる第2排出路が形成され、特定領域進入口812から進入した遊技球は、第2排出路を通って入賞装置800から排出される。第2排出路には、図2に示す特定領域スイッチ812aが設けられ、特定領域進入口812に進入した遊技球を検出可能に構成されている。入賞装置本体810には、通常領域進入口813から延びる第3排出路が形成され、通常領域進入口813から進入した遊技球は、第3排出路を通って入賞装置800から排出される。第3排出路には、図2に示す通常領域スイッチ813aが設けられ、通常領域進入口813に進入した遊技球を検出可能に構成されている。
振分部820は、通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813の前方に配置されている。振分部820には、右斜め前方を向いた右側傾斜面820aと、左斜め前方を向いた左側傾斜面820bと、遊技球が通過可能な通過口820cとが形成されている。振分部820は、振分部用モータ830により駆動され、図12(b)に示す右側に寄った右端位置と、図12(c)に示す左側に寄った左端位置との間で往復移動する。振分部820が、図12(a)に示すような入賞装置800の中央に位置する場合、外リール791の中央に吸着されて上方に搬送されてきた遊技球P7は、振分部820に形成された通過口820cを通過して特定領域進入口812に進入する。特定領域進入口812に進入した遊技球は、図2に示す特定領域スイッチ812aにより検出され、入賞装置800の外部へ排出される。振分部820が、図12(b)に示すような入賞装置800の右側に寄った右端位置にある場合、外リール791の中央に吸着されて上方に搬送されてきた遊技球P8は、振分部820に形成された左側傾斜面820bにぶつかり、傾斜方向に沿って左側に移動して、入賞装置800の左側に形成された通常領域進入口811に進入する。通常領域進入口811に進入した遊技球P8は、図2に示す通常領域スイッチ811aにより検出され、入賞装置800の外部へ排出される。振分部820が、図12(c)に示すように入賞装置800の左側に寄った左端位置にある場合、外リール791の中央に吸着されて上方に搬送されてきた遊技球P9は、振分部820に形成された右側傾斜面820aにぶつかり、傾斜方向に沿って右側に移動して、入賞装置800の右側に形成された通常領域進入口813に進入する。通常領域進入口813に進入した遊技球P9は、図2に示す通常領域スイッチ813aに検出され、入賞装置800の外部へ排出される。
図13は、経過時間に応じた振分部位置と進入期間を示している。図13(A)は、振分部820の位置である振分部位置を示している。図13(B)は、遊技球が進入する領域に応じた進入期間を示している。図13(A)に示す振分部位置では、振分部820が図12(a)に示す中央の位置P0から右側の方向へと移動し、図12(b)に示す右端の位置P3に達するまで、一定の速度で振分部位置が変化する。中央の位置P0から右端の位置P3に達するまでの所要時間は、中右移動時間(例えば480ミリ秒)として予め定められていればよい。右端の位置P3に達した振分部820は、その位置P3にて右端待機時間(例えば140ミリ秒)が経過するまで停止する。続いて、振分部820は、右端の位置P3から左側の方向へと移動し、中央の位置P0の位置に達するまで、一定の速度で振分部位置が変化する。右端の位置P3から中央の位置P0に達するまでの所要時間は、右中移動時間(例えば480ミリ秒)として予め定められていればよい。中央の位置P0に達した振分部820は、その位置P0にて中央待機時間(例えば100ミリ秒)が経過するまで停止する。次に、振分部820は、中央の位置P0から左側の方向へと移動し、左端の位置P6に達するまで、一定の速度で振分部位置が変化する。中央の位置P0から左側の位置P6に達するまでの所要時間は、中左移動時間(例えば480ミリ秒)として予め定められていればよい。左端の位置P6に達した振分部820は、その位置P6にて左端待機時間(例えば140ミリ秒)が経過するまで停止する。その後、振分部820は、左端の位置P6から右側の方向へと移動し、中央の位置P0の位置に達するまで、一定の速度で振分部位置が変化する。左端の位置P6から中央の位置P0に達するまでの所要時間は、左中移動時間(例えば480ミリ秒)として予め定められていればよい。中央の位置P0に達した振分部820は、その位置P0にて中央待機時間が経過するまで停止し、再び右側の方向へと移動する動作を繰り返す。振分部820が中央の位置P0から右側の方向へと移動する場合には、その移動を開始したときに、振分部原点センサ820aにより、振分部820が振分部原点位置に達したことが検出される。この例では、振分部820が2400ミリ秒すなわち2.4秒の周期で、位置P0〜P6の区間を往復移動する。
このような振分部820の移動による位置の変化に応じて、通常領域進入口811、特定領域812、通常領域813のいずれに遊技球が進入するかも変化する。例えば振分部820が中央の位置P0から右端の位置P3に達するまで、右側の方向へと移動する場合に、中央の位置P0から右側の位置P1に達するまでの期間では、遊技球が特定領域進入口812に進入することが確定する特定進入確定期間SK1となる。位置P1よりも右側の位置P2に達するまでの期間では、遊技球が特定領域進入口812に進入するか通常領域進入口811、813に進入するかが確定しない進入口不確定期間SK3となる。位置P2から右端の位置P3に達するまでの期間では、遊技球が通常領域進入口811、813に進入することが確定する通常進入確定期間SK2となる。振分部820が右端の位置P3に停止している期間も、通常進入確定期間SK2となる。振分部820が右端の位置P3から中央の位置P0の位置に達するまで、左側の方向へと移動する場合に、右端の位置P3から位置P2に達するまでの期間では、通常進入確定期間SK2となる。位置P2から位置P1に達するまでの期間では、進入口不確定期間SK3となる。位置P1から中央の位置P0に達するまでの期間では、特定進入確定期間SK1となる。振分部820が中央の位置P0と左端の位置P6との間で移動する場合も同様に、中央の位置P0から左側の位置P4に達するまでの期間では特定進入確定期間SK1となり、位置P4よりも左側の位置P5に達するまでの期間では進入口不確定期間SK3となり、位置P5から右端の位置P6に達して停止した後で位置P5に戻るまでの期間では通常進入確定期間SK2となり、位置P5から位置P4に達するまでの期間では進入口不確定期間SK3となり、位置P4から中央の位置P0に達するまでの期間では特定進入確定期間SK1となる。
小当り遊技状態であるときに通常領域進入口811、813のいずれかに遊技球が進入した場合には、大当り遊技状態において実行可能なラウンド遊技の上限回数が3回に設定される。これに対し、小当り遊技状態であるときに特定領域進入口812に遊技球が進入した場合には、大当り遊技状態において実行可能なラウンド遊技の上限回数が16回に設定されるので、通常領域進入口811、813のいずれかに遊技球が進入した場合よりも、遊技者にとって有利な特典を付与可能となる。小当り遊技状態であるときに、通常領域進入口811、813のいずれかに遊技球が進入した場合と、特定領域進入口812に遊技球が進入した場合とでは、大当り遊技状態において実行可能なラウンド遊技の上限回数が異なるので、大当り遊技状態における遊技者にとっての有利度が異なる。振分部810の動作状態は、特定進入確定期間SK1のように遊技球が特定領域進入口812に進入することが確定する状態と、進入口不確定期間SK2のように遊技球が進入する進入口を確定できない状態と、通常進入確定期間SK3のように遊技球が通常領域進入口811、813に進入することが確定する状態とに、分けることができる。ここで、特定進入確定期間SK1では遊技球が特定領域進入口812に進入する割合は最も高くなり、進入口不確定期間SK2では遊技球が特定領域進入口812に進入する割合は特定進入確定期間SK1よりも低くなり、通常進入確定期間SK3では遊技球が特定領域進入口812に進入する割合は最も低くなる。このように、振分部820の動作状態は、遊技球が特定領域進入口812に進入する割合の異なる複数の状態に制御可能であればよい。例えば、特定進入確定期間SK1における振分部820は遊技球が特定領域進入口812に進入する割合が高い第1状態であり、進入口不確定期間SK2や通常進入確定期間SK3における振分部820は遊技球が特定領域進入口812に進入する割合が低い第2状態であればよい。
(主基板11の主要な動作)
主基板11における主要な動作を説明する。主基板11では、パチンコ遊技機1の電源投入により所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。このときには、ROM101に記憶されたユーザプログラムを構成する制御コードの先頭から遊技制御の実行が開始される。ユーザプログラムの実行が開始される前に、所定のセキュリティチェックプログラムに基づくセキュリティチェック処理が実行されてもよい。なお、主基板11における各処理は、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103により実行される。CPU103による処理の実行に応じて、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御することができる。
図14は、遊技制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、電源投入時設定を行う(ステップS11)。電源投入時設定には、割込みモードの設定、スタックポインタの設定、内蔵レジスタの初期設定などが含まれていればよい。ステップS11の後には、RAM102に対するアクセスを許可する(ステップS12)。
ステップS12に続いて、復旧条件が成立したか否かを判定する(ステップS13)。復旧条件は、前回の電力供給停止時における状態に戻すための条件として、予め定められていればよい。例えば、ステップS13では、RAMクリア信号がオフであること、RAM102のチェックサムを算出した結果が正常であること、バックアップフラグがオンであることという、3つの条件がすべて満たされた場合に、復旧条件が成立したと判定すればよい。RAMクリア信号は、RAMクリアスイッチから伝送され、ホール(遊技店)の従業員などによる操作に応じてオン状態となる。RAM102のチェックサムは、特定領域における記憶データを用いて算出し、記憶されているチェックサムと比較することにより、正常か異常かを判定可能であればよい。バックアップフラグは、前回の電力供給停止時にバックアップが正常に行われた場合ことに対応して、オン状態であることを示す設定情報が記憶される。
復旧条件が成立した場合には(ステップS13;Yes)、復旧設定処理が実行される(ステップS14)。復旧設定処理を実行することにより、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部状態などを、前回の電力供給停止時における状態に戻すことができる。復旧設定処理では、停電復旧指定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定が行われてもよい。復旧条件が成立しなかった場合には(ステップS13;No)、初期化設定処理が実行される(ステップS15)。初期化設定処理を実行することにより、RAM102の初期化(クリア)や作業領域に対する初期設定などが行われる。初期化設定処理は、例えばRAM102における作業領域の先頭から、ブロック転送により作業領域全体にわたってクリアデータをセットする処理を含んでいればよい。初期化設定処理では、初期化指定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定が行われてもよい。初期化設定処理では、例えば外リール791や振分部820といった、主基板11の側において動作を制御する可動部材について、初期動作を実行する制御が行われてもよい。これに対し、ステップS14の復旧設定処理では、初期動作を実行する制御が行われないようにしてもよい。
その後、遊技制御開始設定が行われる(ステップS16)。遊技制御開始設定として、タイマ割込みの発生間隔を指定する内部設定や乱数回路104による乱数値の生成を開始させる設定、シリアル通信回路の初期設定、割込み処理に関する初期設定(例えば優先度)などが行われてもよい。遊技制御開始設定は、振分部用モータ830の駆動を開始させる制御を行うための振分動作開始設定を含んでいる。例えば、振分動作開始設定では、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたことに基づいて、振分部用モータ830の駆動制御パターンを使用パターンに設定し、モータ回路112に対して、振分部用モータ830に応じた指令信号(モータ駆動信号)を出力可能にする。その後、割込み許可とし(ステップS17)、遊技用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行するループ処理に移行する。遊技用乱数更新処理では、例えばRAM102の遊技制御カウンタ設定部に設けられた遊技用ランダムカウンタなどを用いて、ソフトウェアにより遊技用乱数の一部または全部を更新する。
図15は、遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば割込みコントローラがタイマ回路からの割込み要求を受け付けたことなどに基づき、CPU103による遊技制御用タイマ割込み処理が実行される。遊技制御用タイマ割込み処理では、スイッチ/センサ処理(ステップS31)、メイン側エラー処理(ステップS32)、情報出力処理(ステップS33)、遊技用乱数更新処理(ステップS34)、特別図柄プロセス処理(ステップS35)、普通図柄プロセス処理(ステップS36)、モータ制御処理(ステップS37)、賞球処理(ステップS38)、メイン側通信制御処理(ステップS39)が、順次に実行される。
ステップS31のスイッチ/センサ処理では、遊技球検出用の各スイッチから入力される検出信号(入賞検出信号)、あるいは、操作検出用の各スイッチから入力される検出信号(操作検出信号)、各種検出用のセンサから入力される検出信号(センサ検出信号)など、それぞれの検出信号における状態を判定し、判定結果に応じた設定を行う。スイッチ/センサ処理では、振分部原点センサ820aからの検出信号に基づいて、振分部原点検出指定コマンドを演出制御基板12に対して送信可能とする設定が行われる。例えば、スイッチ/センサ処理は、振分部820の動作状態を検出可能な振分部原点センサ820aからの検出信号がオン状態であるか否かを判定する処理を含んでいる。スイッチ/センサ処理では、振分部原点センサ820aからの検出信号がオン状態であると判定された場合に、振分部原点検出フラグをオン状態にセットする。ステップS39のメイン側通信制御処理は、振分部原点検出フラグがオンである場合に対応して、演出制御基板12に対し振分部原点検出指定コマンドを送信する制御が行われる処理を含んでいればよい。また、スイッチ/センサ処理では、外リール原点センサ821aからの検出信号に基づいて、外リール原点検出指定コマンドを演出制御基板12に対して送信可能とする設定が行われる。例えば、スイッチ/センサ処理は、外リール原点センサ821aからの検出信号がオン状態であるか否かを判定する処理を含んでいる。スイッチ/センサ処理では、外リール原点センサ821aからの検出信号がオン状態であると判定された場合に、外リール原点検出フラグをオン状態にセットする。ステップS39のメイン側通信制御処理は、外リール原点検出フラグがオン状態である場合に対応して、演出制御基板12に対し外リール原点検出指定コマンドを送信する制御が行われる処理を含んでいればよい。スイッチ/センサ処理では、通常領域スイッチ811a、特定領域スイッチ812a、通常領域スイッチ813aからの検出信号に基づいて、進入口通過指定コマンドを演出制御基板12に対して送信可能とする設定が行われる。例えば、スイッチ/センサ処理は、通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813を通過した遊技球を検出可能な通常領域スイッチ811a、特定領域スイッチ812a、通常領域スイッチ813aからの検出信号がオン状態であるか否かを判定する処理を含んでいる。スイッチ/センサ処理では、通常領域スイッチ811a、特定領域スイッチ812a、通常領域スイッチ813aからの検出信号のうちで、いずれかの検出信号がオン状態であると判定された場合に、オン状態の検出信号に応じた進入口通過フラグをオン状態にセットする。ステップS39のメイン側通信制御処理は、オン状態である進入口通過フラグに応じて、演出制御基板12に対し進入口通過指定コマンドを送信する制御が行われる処理を含んでいればよい。
ステップS32のメイン側エラー処理では、異常動作が発生したか否かを判定し、異常動作の発生を報知する設定を行う。例えば、メイン側エラー処理は、払出エラー、異常検知エラー、不正検知エラーといった、異常が発生したか否かを判定する処理を含んでいる。払出エラーは、遊技球の払出しに関するエラーであり、賞球エラー、満タンエラー、球切れエラー、払出個数異常エラーを含んでいればよい。賞球エラーは、賞球払出動作が正常に行えない異常状態となるエラーである。満タンエラーは、下皿91が満タンであることによるエラーである。球切れエラーは、払出用の遊技球が不足することによるエラーである。払出個数異常エラーは、遊技球の払出数における個数異常によるエラーである。異常検知エラーは、各種スイッチやセンサによる検出結果に関するエラーであり、不正入賞エラー、始動入賞異常エラー、モータ異常エラーを含んでいればよい。不正入賞エラーは、特定の入賞口に進入した遊技球の異常な検出結果によるエラーである。始動入賞異常エラーは、始動入賞口に進入した遊技球の異常な検出結果によるエラーである。モータ異常エラーは、モータ回路112により駆動される各種モータの異常な検出結果によるエラーである。例えば振分部820の原点通過を検出する振分部原点センサ820aからの検出信号や、外リール791の原点通過を検出する外リール原点センサ821aからの検出信号に基づいて、振分部用モータ830や外リール用モータ793の異常動作が検出されてもよい。不正検知エラーは、不正行為の検出結果によるエラーであり、振動エラー、スイッチ短絡エラー、磁石エラー、フォトセンサエラー、電波エラーを含んでいればよい。振動エラーは、パチンコ遊技機1の振動量の異常な検出結果によるエラーである。スイッチ短絡エラーは、スイッチがオン状態となる期間の異常な検出結果によるエラーである。磁石エラーは、磁気の異常な検出結果によるエラーである。フォトセンサエラーは、異常光の検出結果によるエラーである。電波エラーは、電波の異常な検出結果によるエラーである。メイン側エラー処理では、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給されるエラー情報のデータを出力するための設定が行われてもよい。エラー情報のデータは、セキュリティ信号として予め定められた外部出力信号を、所定期間が経過するまでオン状態とすることにより、ホール管理用コンピュータが検出可能に出力されてもよい。メイン側エラー処理では、発生したエラーに応じて、パチンコ遊技機1における遊技の実行を停止させる制御が行われてもよい。例えば、不正検知エラーが発生した場合には、遊技の実行を停止させる制御を行うようにしてもよい。
ステップS33の情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報、エラー情報などのデータを出力するための処理である。ステップS34の遊技用乱数更新処理は、遊技制御メイン処理のステップS18と同様に、遊技用乱数をソフトウェアによって更新する処理である。ステップS35の特別図柄プロセス処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御、可変入賞装置200における上部大入賞口260の開閉動作制御、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作制御など、特図ゲームに基づく遊技の進行を所定の手順で制御するための処理である。ステップS36の普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作の制御、可変入賞球装置6Bにおける玉受片の状態制御など、普図ゲームに基づく遊技の進行を所定の手順で制御するための処理である。
ステップS37のモータ制御処理は、モータ回路112により駆動される各種モータの動作を制御するための処理である。例えば、モータ制御処理では、振分部用モータ830の駆動制御パターンから制御データを読み出し、モータ回路112に対して、振分部用モータ830に応じた指令信号(モータ駆動信号)を出力可能にすればよい。これにより、振分部820は、図13(A)に示すような位置P0〜P6の区間を、2400ミリ秒すなわち2.4秒といった特定周期で往復移動するように制御される。また、モータ制御処理では、小当り遊技状態であるときに、外リール用モータ793の駆動制御パターンから制御データを読み出し、モータ回路112に対して、外リール用モータ793に応じた指令信号(モータ駆動信号)を出力可能にすればよい。これにより、外リール791は、小当り遊技状態であるときに、1回転することによる遊技球の搬送や演出などを実行可能に制御される。ステップS38の賞球処理は、入賞検出信号の入力に応じて賞球個数の設定などを行うための処理である。ステップS39のメイン側通信制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に向けて制御コマンドを送信するための通信制御などを行う処理である。
図16は、主基板11から演出制御基板12に対して送信される演出制御コマンドの一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ100においては、遊技の進行状況や各種制御の実行状況に応じて、各種の演出制御コマンドが演出制御基板12に向けて送信される。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はコマンドの分類を示すMODEデータであり、2バイト目はコマンドの種類を表すEXTデータである。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、演出制御コマンドその他の制御コマンドは、2バイト構成であるものに限定されず、1バイトで構成されてもよいし、3バイト以上の複数バイトで構成されてもよい。演出制御コマンドは1バイト(8ビット)のコマンドデータであるMODEデータまたはEXTデータを単位とし、演出制御INT信号に同期して出力されてもよい。あるいは、演出制御コマンドはシリアル信号形式で、主基板11から中継基板15を介して、演出制御基板12へと伝送されてもよい。
コマンド80XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動開始に対応して、特図ゲームにおける特別図柄や回動表示装置300における飾り図柄の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。変動パターン指定コマンドは、可変表示における変動開始を指定するための演出制御コマンドでもある。添字Hは、16進数表示であることを示している。XXHは、不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指定内容や通知内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。変動パターン指定コマンドにより指定される変動パターンに応じて、特図ゲームで特別図柄の変動(可変表示)を開始してから表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの特図変動時間も指定される。
コマンド8CXXHは、特図ゲームにおける特別図柄や回動表示装置300における飾り図柄の可変表示における表示結果を指定する表示結果指定コマンドである。表示結果指定コマンドでは、指定する表示結果などに応じて、異なるEXTデータが設定される。例えば、コマンド8C00Hは可変表示の表示結果が「ハズレ」であることを指定する第1表示結果指定コマンドであり、コマンド8C01Hは可変表示の表示結果が「当り」であることを指定する第2表示結果指定コマンドであればい。コマンド8F00Hは、特図ゲームにおける特別図柄や回動表示装置300における飾り図柄の可変表示を終了して、表示結果となる特別図柄や飾り図柄の停止表示による確定を指定する図柄確定指定コマンドである。
コマンド9000Hは、パチンコ遊技機1の電源投入に伴う電力供給の開始に対応して、遊技制御メイン処理のステップS15にて初期化設定処理が実行されたことを指定する初期化指定コマンドである。コマンド9200Hは、パチンコ遊技機1の電源投入に伴う電力供給の開始に対応して、遊技制御メイン処理のステップS14にて復旧設定処理が実行されたことを指定する復旧指定コマンドである。コマンド9F00Hは、客待ちデモンストレーション表示を指定する客待ちデモ指定コマンドである。
コマンドA000Hは、大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンドである。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態における各回のラウンド遊技が開始される場合に対応して、特別可変入賞球装置7の大入賞口が開放開始となることを指定する大当り開放開始指定コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態における各回のラウンド遊技が終了する場合に対応して、特別可変入賞球装置7の大入賞口が開放終了となることを指定する大当り開放終了指定コマンドである。大当り開放開始指定コマンドや大当り開放終了指定コマンドでは、ラウンド遊技の実行回数に応じて、異なるEXTデータが設定される。コマンドA300Hは、大当り遊技状態の終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA600Hは、小当り遊技状態において可変入賞装置200の上部大入賞口260が開閉される動作の開始を指定する小当り開閉開始指定コマンドである。コマンドA700Hは、小当り遊技状態において可変入賞装置200の上部大入賞口260が開閉される動作の終了を指定する小当り開閉終了指定コマンドである。コマンドAC00Hは、振分部820の原点通過検出を指定する振分部原点検出指定コマンドである。例えば、振分部820は2400ミリ秒すなわち2.4秒の周期で、位置P0〜P6の区間を往復移動する。この場合、2.4秒といった特定周期で、振分部原点センサ820aにより振分部820の原点通過が検出され、主基板11から演出制御基板12に対して振分部原点検出指定コマンドが送信される。コマンドAD00Hは、外リール791の原点通過検出を指定する外リール原点検出指定コマンドである。コマンドAEXXHは、通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813の各進入口における遊技球の通過検出を指定する進入口通過指定コマンドである。進入口通過指定コマンドでは、いずれの進入口を遊技球が通過したかに応じて、異なるEXTデータが設定される。例えば、コマンドAE01Hは通常領域進入口811における遊技球の通過検出を指定する第1進入口通過指定コマンドであり、コマンドAE02Hは特定領域進入口812における遊技球の通過検出を指定する第2進入口通過指定コマンドであり、コマンドAE03Hは通常領域進入口813における遊技球の通過検出を指定する第3進入口通過指定コマンドである。
コマンドB100Hは、遊技球が第1始動入賞口に進入したことによる第1始動入賞となる始動入賞を指定する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、遊技球が第2始動入賞口に進入したことによる第2始動入賞となる始動入賞を指定する第2始動口入賞指定コマンドである。コマンドC1XXHは、第1特図保留記憶数としての保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2特図保留記憶数としての保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドでは、それぞれの保留記憶数に応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンドC700Hは、大当り遊技状態において開放状態となった特別可変入賞球装置7の大入賞口に遊技球が進入したことによる入賞を指定する大入賞口入賞指定コマンドである。コマンドFFXXHは、各種エラーの発生に対応したエラー報知、またはエラー解除を指定するエラー報知/解除指定コマンドである。エラー報知/解除指定コマンドでは、エラー報知やエラー解除の内容などに応じて、異なるEXTデータが設定される。
図17は、特別図柄プロセス処理として、遊技制御用タイマ割込み処理のステップS35にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。始動入賞判定処理では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かが判定される。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば、入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて、特図ゲームの保留記憶数である特図保留記憶数を更新するための始動入賞処理が行われる。一方、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば、可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて、始動入賞処理が行われる。始動入賞処理では、特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、特図保留記憶数が上限値に達していれば、始動入賞処理を終了する。一方、特図保留記憶数が上限値未満であれば、ROM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられた特図保留記憶数カウンタの格納値である特図保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、特図保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して特図ゲームの始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。その後、始動入賞の発生に対応した所定の遊技用乱数を抽出して、RAM102の所定領域(例えば特図保留記憶部)に保留データとして記憶させる。ステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)などに設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、特図保留記憶部といったRAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、特別図柄表示装置による特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示における表示結果を「当り」とするか否かを、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、表示結果が「当り」に決定されたことに対応して、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた当りフラグをオン状態にセットする。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の表示結果に対応して、特別図柄表示装置4による特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄とハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの特図変動時間といった、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。さらに、変動パターン設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われる。当りフラグがオンである場合には、可変表示の表示結果が「当り」であることに基づく小当り遊技状態の開始を指定する演出制御コマンドとして、小当り開閉開始指定コマンドの送信設定を行うとともに、特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS114の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「当り」となったことなどに基づき、小当り遊技状態の開始に対応して、ステージ供給用ソレノイド255をオフ状態からオン状態に切り替えるための設定を行う処理が含まれていればよい。また、小当り開放前処理には、小当り遊技状態において可変入賞装置200の上部大入賞口260を開放状態と閉鎖状態とに繰り返し制御する上部大入賞口開閉を実行するための設定を行う処理などが含まれている。さらに、小当り開放前処理には、小当り遊技状態への制御が開始されることに基づいて、外リール用モータ793の駆動制御パターンを使用パターンに設定する処理が含まれていればよい。このとき設定された駆動制御パターンに基づいて、遊技制御用タイマ割込み処理のステップS37にてモータ制御処理が実行されることにより、モータ回路112に対して、外リール用モータ793に応じた指令信号(モータ駆動信号)を出力可能になる。こうして、例えば上部大入賞口開閉を実行する前に、外リール791を1回転させるように、外リール用モータ793が駆動される。小当り開放前処理では、小当り報知待機時間が設定され、この小当り報知待機時間が経過するまで待機した後に、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。
ステップS115の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この小当り開放中処理には、小当り開放前処理での設定に基づいて、可変入賞装置200の上部大入賞口開閉を実行する処理などが含まれている。また、小当り開放中処理には、上部大入賞口開閉の終了に対応して、ステージ供給用ソレノイド255をオン状態からオフ状態に切り替えるための設定を行う処理が含まれていればよい。加えて、小当り開放中処理には、遊技球が遊技球待機部797aに到達可能な到達待機時間が経過するまで待機した後、外リール791を1回転させるように、外リール用モータ793の駆動制御パターンを設定する処理が含まれていればよい。このとき設定された駆動制御パターンに基づいて、遊技制御用タイマ割込み処理のステップS37にてモータ制御処理が実行されることにより、モータ回路112に対して、外リール用モータ793に応じた指令信号(モータ駆動信号)を出力可能になる。こうして、例えば遊技球が遊技球待機部797aに到達した後に、外リール791を1回転させるように、外リール用モータ793が駆動される。小当り開放中処理では、遊技球が通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれかを通過するまでの待機時間である遊技球進入待機時間が設定され、この遊技球進入待機時間が経過するまで待機した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態にて遊技球が通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれかに進入したか否かに応じて、大当り遊技状態となるための特定遊技条件が成立したか否かを判定する処理が含まれている。そして、特定遊技条件が成立して大当り遊技状態となる場合には、進入報知待機時間が経過するまで待機した後、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。一方、特定遊技条件が成立せずに小当り遊技状態を終了する場合には、特図プロセスフラグが“0”に更新される。
ステップS117の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り開放前処理には、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して特別可変入賞球装置7の大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。ラウンド遊技の実行を開始するために、小当り遊技状態で遊技球が通常領域進入口811、813のいずれかに進入した場合と特定領域進入口812に進入した場合とに応じて、異なるラウンド遊技の上限回数が設定される。小当り遊技状態で遊技球が通常領域進入口811、813のいずれかに進入した場合には、ラウンド遊技の上限回数が3回に設定される。小当り遊技状態で遊技状態が特定領域進入口812に進入した場合には、ラウンド遊技の上限回数が16回に設定される。このように、小当り遊技状態にて遊技球が特定領域進入口812を通過した場合には、通常領域進入口811、813のいずれかを通過した場合よりも、ラウンド遊技の上限回数に応じた実行回数が多くなる。ラウンド遊技の実行回数が多い大当り遊技状態では、ラウンド遊技の実行回数が少ない大当り遊技状態よりも、遊技者が多くの賞球を獲得できる可能性が高くなる。したがって、小当り遊技状態にて遊技球が特定領域進入口812を通過した場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が多くなることで、小当り遊技状態にて遊技球が通常領域進入口811、813のいずれかを通過した場合よりも、遊技者にとって有利な特典を付与することができる。大当り開放前処理では、大当り報知待機時間が設定され、この大当り報知待機時間が経過するまで待機した後、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。
ステップS118の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この大当り開放中処理には、特別可変入賞球装置7の大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間や下部カウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
ステップS119の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この大当り開放後処理には、特別可変入賞球装置7の大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理などが含まれている。そして、次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新される。
ステップS120の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応したエンディング演出待機時間を設定し、このエンディング演出待機時間が経過するまで待機する処理が含まれていればよい。また、大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を設定する処理が含まれてもよい。大当り遊技状態の終了後には、確変状態や時短状態といった、特別遊技状態に制御することができればよい。いずれの特別遊技状態に制御するか、または特別遊技状態に制御しないかは、大当り遊技状態を予め用意された複数種類のいずれとするかの決定結果に対応して決定されてもよい。あるいは、大当り遊技状態の種類にかかわらず、いずれの特別遊技状態に制御するか、または特別遊技状態に制御しないかが、所定割合で決定されてもよい。遊技状態を確変状態とする場合には、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた確変フラグをオン状態にセットする。また、遊技状態を時短状態とする場合には、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた時短フラグをオン状態にセットするとともに、RAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられた時短回数カウンタに、時短中変動上限回数と対応して予め定められたカウント初期値(例えば「50」など)をセットすればよい。こうした大当り遊技状態の終了後における遊技状態の設定とともに、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図18は、変動パターンの一例を示す説明図である。この実施の形態では、可変表示の表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にはならない「非リーチ」である場合とリーチ状態になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示の表示結果が「当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。可変表示内容が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターンあるいは非リーチハズレ変動パターンともいう。可変表示内容が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターンあるいはリーチハズレ変動パターンともいう。非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示の表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示の表示結果が「当り」である場合に対応した変動パターンは、当り変動パターンともいう。当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチにおけるリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチにおけるリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。
当り変動パターンのうち、ノーマルリーチにおけるリーチ演出が実行されてスーパーリーチにおけるリーチ演出が実行されないノーマルリーチ変動パターンには、変動パターンPA3−1−1〜PA3−1−5が含まれている。変動パターンPA3−1−1は、特図変動時間が17600ミリ秒に設定されている。変動パターンPA3−1−2は、特図変動時間が18200ミリ秒に設定されている。変動パターンPA3−1−3は、特図変動時間が18800ミリ秒に設定されている。変動パターンPA3−1−4は、特図変動時間が19400ミリ秒に設定されている。変動パターンPA3−1−5は、特図変動時間が20000ミリ秒すなわち20秒に設定されている。当り変動パターンのうち、ノーマルリーチにおけるリーチ演出が実行された後にスーパーリーチにおけるリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンには、変動パターンPA3−2−1〜PA3−2−5が含まれている。変動パターンPA3−2−1は、特図変動時間が57600ミリ秒に設定されている。変動パターンPA3−2−2は、特図変動時間が58200ミリ秒に設定されている。変動パターンPA3−2−3は、特図変動時間が58800ミリ秒に設定されている。変動パターンPA3−2−4は、特図変動時間が59400ミリ秒に設定されている。変動パターンPA3−2−5は、特図変動時間が60000ミリ秒に設定されている。
このように、変動パターンPA3−1−1〜PA3−1−5は、特図変動時間が17600ミリ秒から20000ミリ秒までの2400ミリ秒すなわち2.4秒の範囲に含まれるように設定されている。変動パターンPA3−2−1〜PA3−2−5は、特図変動時間が57600ミリ秒から60000ミリ秒までの2400ミリ秒すなわち2.4秒の範囲に含まれるように設定されている。2400ミリ秒すなわち2.4秒は、振分部820が位置P0〜P6の区間を往復移動する周期と等しい。振分部820が往復移動する周期よりも短い間隔で特図変動時間が相違する複数の変動パターンを用意することにより、小当り遊技状態にて遊技球が通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれかに進入する割合が偏る可能性を低減して、公平な遊技を確保することができればよい。なお、変動パターンの決定割合により、小当り遊技状態にて遊技球が通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれに進入するかの割合を異ならせるようにしてもよい。
特別図柄プロセス処理のステップS111にて実行される変動パターン設定処理では、変動パターン決定用の乱数値を、変動パターン決定テーブルにおいて予め設定されている判定値と比較することにより、使用パターンとなる変動パターンが決定される。変動パターン決定テーブルは、可変表示の表示結果が「当り」となる場合に用いられる当り変動パターン決定テーブルと、可変表示の表示結果が「ハズレ」となる場合に用いられるハズレ変動パターン決定テーブルとを含んでいる。変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値と比較される判定値が、単一または複数の変動パターンに割り当てられていればよい。CPU103は、変動パターン決定用の乱数値を判定値と比較し、いずれの判定値の範囲に乱数値が含まれるかの判定結果に応じて、使用パターンとなる変動パターンを決定すればよい。
(演出制御基板12の主要な動作)
演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、パチンコ遊技機1の電源投入により所定の電源基板からの電力供給が開始されると、演出制御用CPU120が起動し、演出制御メイン処理となる所定の処理が実行される。演出制御基板12における各処理は、演出制御用CPU120により実行される。演出制御用CPU120による処理の実行に応じて、パチンコ遊技機1における演出の進行を制御することができる。
図19は、演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、初期化処理を実行する(ステップS51)。ステップS51の初期化処理では、例えばRAM122における記憶領域のクリアや各種初期値の設定、演出制御用のタイマ割込みを発生させるCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定などが行われる。初期化処理を実行した後には、タイマ割込みフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS52)。タイマ割込みフラグは、演出制御用のタイマ割込みが発生するとオン状態にセットされる。タイマ割込みフラグがオンであると判定された場合には(ステップS52;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS53)、コマンド解析処理(ステップS54)、サブ側エラー処理(ステップS55)、演出制御プロセス処理(ステップS56)、演出用乱数更新処理(ステップS57)とを順次に実行してから、ステップS52に戻る。ステップS54〜S57にて実行される各処理は、演出制御用のタイマ割込み処理に含まれる。タイマ割込みフラグがオフであると判定された場合には(ステップS52;No)、ステップS53〜S57の処理を実行せずに、ステップS52に戻って待機する。演出制御用CPU120は、演出制御用のタイマ割込み処理の他に、コマンド受信用の割込み処理を実行可能であり、主基板11から中継基板15を介して伝送される演出制御コマンドを、I/O125の入力ポートから取得できればよい。このとき取得した演出制御コマンドは、例えばRAM122の所定領域などに設けられた受信コマンドバッファに一時記憶させればよい。ステップS54のコマンド解析処理では、演出制御コマンドの受信があったか否かの判定が行われ、受信があった場合には受信コマンドに対応した設定や制御などが行われる。ステップS51の初期化処理では、例えば回動表示装置300の左リールユニット400、中リールユニット500、右リールユニット600といった、演出制御基板12の側において動作を制御する可動部材について、初期動作を実行する演出用初期動作制御が行われてもよい。演出用初期動作制御は、主基板11からの初期化指定コマンドと復旧指定コマンドのいずれを受信したかにかかわらず、ステップS51の初期化処理にて実行されるようにすればよい。なお、演出制御基板12のRAM122がバックアップ電源によりバックアップされる場合には、主基板11からの初期化指定コマンドを受信した場合には演出用初期動作制御を実行する一方で、主基板11からの復旧指定コマンドを受信した場合には演出用初期動作制御を実行しなくてもよい。
図20は、サブ側エラー処理として、演出制御メイン処理のステップS55にて実行可能な処理の一例を示すフローチャートである。サブ側エラー処理では、振分部原点検出の有無を判定する(ステップS201)。ステップS201では、主基板11からの演出制御コマンドとして、振分部原点検出指定コマンドの受信があった場合に「振分部原点検出あり」と判定し、受信がない場合には「振分部原点検出なし」と判定すればよい。「振分部原点検出あり」と判定された場合には(ステップS201;Yes)、原点検出タイマによる計測値である原点検出タイマ値が、予め定められた正常範囲の範囲内であるか否かを判定する(ステップS202)。例えば、振分部820は2400ミリ秒すなわち2.4秒の周期で、位置P0〜P6の区間を往復移動する。この場合、2.4秒といった特定周期で、振分部原点センサ820aにより振分部820の原点通過が検出され、主基板11から演出制御基板12に対して振分部原点検出指定コマンドが送信される。そこで、例えば2.3秒から2.5秒までに対応する原点検出タイマ値の範囲などを、正常範囲として予め設定しておく。ステップS202では、原点検出タイマ値がこのような正常範囲の範囲内である場合に「正常範囲内」と判定し、正常範囲の範囲外である場合に「正常範囲外」と判定すればよい。サブ側エラー処理にて「振分部原点検出なし」と判定された場合には(ステップS201;No)、原点検出タイマのタイムアウトが発生したか否かを判定する(ステップS204)。例えば、ステップS204では、原点検出タイマ値が2.5秒に対応するタイムアウト判定値に達した場合に「タイムアウト発生あり」と判定し、タイムアウト判定値に達していない場合に「タイムアウト発生なし」と判定すればよい。
ステップS202にて「正常範囲内」と判定された場合には(ステップS202;Yes)、原点検出タイマ再スタート設定を行う(ステップS203)。原点検出タイマ再スタート設定は、原点検出タイマをクリアしてタイマ初期値とし、原点検出タイマによる経過時間の計測を再び開始させる設定であればよい。ステップS202にて「正常範囲外」と判定された場合や(ステップS202;No)、ステップS204にて「タイムアウト発生あり」と判定された場合には(ステップS204;Yes)、原点検出エラー設定を行う(ステップS205)。ステップS205の原点検出エラー設定は、振分部原点検出エラーフラグをオン状態とする設定を含んでいればよい。振分部原点検出エラーフラグは、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)などに設けられ、振分部820の原点通過が正常に検出できなかったことを、演出制御基板12の側において特定可能に示すものであればよい。また、原点検出エラー設定は、遊技効果ランプ9の全点灯または全点滅を行うための設定、原点検出エラーに対応するエラーコードを示す文字や数字その他の記号、または、これらの組合せを含む文字列や記号列を、セグメント演出表示器510の表示により報知するための設定、スピーカ8L、8Rから警報音を出力するための設定のうち、一部または全部の設定を含んでいてもよい。
ステップS203、S205のいずれかにて設定を行った後や、ステップS204にて「タイムアウト発生なし」と判定された場合には(ステップS204;No)、進入口通過の有無を判定する(ステップS206)。ステップS206では、主基板11からの演出制御コマンドとして、進入口通過指定コマンドの受信があった場合に「進入口通過あり」と判定し、受信がない場合には「進入口通過なし」と判定すればよい。「進入口通過あり」と判定された場合には(ステップS206;Yes)、進入口通過指定コマンドの受信タイミングに基づいて、予め定められた正常通過の範囲内であるか否かを判定する(ステップS207)。例えば、可変入賞装置200において、遊技球が通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれかを通過可能になるのは、小当り遊技状態のときである。ステップS207では、小当り遊技状態である場合に「正常通過」と判定し、小当り遊技状態ではない場合に「異常通過」と判定すればよい。あるいは、小当り遊技状態のうちでも、遊技球が通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれかを通過可能になる期間を、正常通過期間として予め設定してもよい。この場合、ステップS207では、正常通過期間である場合に「正常通過」と判定し、正常通過期間ではない場合に「異常通過」と判定すればよい。
ステップS206にて「進入口通過なし」と判定された場合には(ステップS206;No)、小当り時通過エラー条件成立の有無を判定する(ステップS208)。ステップS208では、小当り遊技状態にて上部大入賞口260に進入した遊技球が検出された後に、遊技球が通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれも通過することなく小当り遊技状態が終了するときに「小当り時通過エラー条件成立あり」と判定すればよい。ステップS207にて「異常通過」と判定された場合や(ステップS207;No)、ステップS208にて「小当り時通過エラー条件成立あり」と判定された場合には(ステップS208;Yes)、進入口通過エラー設定を行う(ステップS209)。ステップS209の進入口通過エラー設定は、進入口通過エラーフラグをオン状態とする設定を含んでいればよい。進入口通過エラーフラグは、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)などに設けられ、通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれかにて遊技球の異常通過が検出されたことを、演出制御基板12の側において特定可能に示すものであればよい。また、進入口通過エラー設定は、遊技効果ランプ9の全点灯または全点滅を行うための設定、進入口通過エラーに対応するエラーコードを示す文字や数字その他の記号、または、これらの組合せを含む文字列や記号列を、セグメント演出表示器510の表示により報知するための設定、スピーカ8L、8Rから警報音を出力するための設定のうち、一部または全部の設定を含んでいてもよい。
ステップS207にて「正常通過」と判定された場合や(ステップS207;Yes)、ステップS208にて「小当り時通過エラー条件成立なし」と判定された場合(ステップS208;No)、あるいは、ステップS209にて設定を行った後には、残留球監視処理を実行する(ステップS210)。また、その他のサブ側エラー判定と設定を行う(ステップS211)。サブ側エラー判定は、主基板11から送信されたエラー報知/解除指定コマンドに基づいて、各種エラーの有無やエラー内容などを判定できればよい。サブ側エラー設定は、発生したエラーに対応するエラーコードの表示による報知や、遊技効果ランプ9の点灯または点滅による報知、スピーカ8L、8Rによる警報音の出力による報知、あるいは、これらの一部または全部の組合せにより、発生したエラーを認識可能に報知するための設定を含んでいればよい。
ステップS211にて判定や設定を行った後には、エラー解除条件成立の有無を判定する(ステップS212)。ステップS212では、例えば発生したエラーの解除を指定するエラー報知/解除指定コマンドを受信した場合に、「エラー解除条件成立あり」と判定すればよい。あるいは、パチンコ遊技機1の電源遮断により電力供給が停止された後、再度の電源投入である電源再投入により電力供給が開始されたときに、主基板11から初期化指定コマンドを受信した場合に、「エラー解除条件成立あり」と判定してもよい。「エラー解除条件成立なし」と判定された場合には(ステップS212;No)、サブ側エラー処理を終了する。「エラー解除条件成立あり」と判定された場合には(ステップS212;Yes)、エラー解除設定を行ってから(ステップS213)、サブ側エラー処理を終了する。ステップS213のエラー解除設定は、エラー報知/解除指定コマンドにより解除が指定されたエラーに対応するエラーフラグをクリアして、オフ状態とする設定を含んでいればよい。また、エラー解除設定は、解除が指定されたエラーに対応するエラー報知を終了するための設定を含んでいてもよい。なお、演出制御基板12のRAM122がバックアップ電源によりバックアップされない場合には、パチンコ遊技機1の電源再投入によりRAM122の記憶内容が消去されることで、主基板11から送信された演出制御コマンドにかかわらず、エラー状態が解除されてもよい。原点検出エラーと進入口通過エラーの一方または双方は、パチンコ遊技機1への電力供給が停止した後に電力供給が再開され、遊技制御メイン処理にてステップS15の初期化設定処理が実行されず、主基板11から送信される初期化指定コマンドを受信しなかった場合に、エラー状態が解除されてもよい。あるいは、原点検出エラーと進入口通過エラーの一方または双方は、パチンコ遊技機1への電力供給が停止した後に電力供給が再開され、遊技制御メイン処理にてステップS15の初期化設定処理が実行されたことに対応して、主基板11から送信された初期化指定コマンドを受信した場合に、エラー状態が解除されてもよい。原点検出エラーのエラー状態が解除された場合には、振分部原点検出エラーフラグをクリアしてオフ状態とすればよい。進入口通過エラーのエラー状態が解除された場合には、進入口通過エラーフラグをクリアしてオフ状態とすればよい。
図21は、残留球監視処理として、サブ側エラー処理のステップS210にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。残留球監視処理は、可変入賞装置200の内部に残っているはずのない遊技球である残留球を検出しエラーを報知するための処理である。演出制御基板12では、残留球を監視するための残留球監視モードと、残留球を監視しない残留球非監視モードとのうち、いずれかに設定される。残留球監視モードでは、近接センサ750により遊技球が検出された場合に、残留球エラーが発生する。残留球非監視モードでは、近接センサ750により遊技球が検出されても、残留球エラーが発生しない。
残留球監視処理では、現在の設定が残留球監視モードであるか否かを判定する(ステップS301)。ステップS301では、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)などに設けられた監視モードフラグに応じて、残留球監視モードであるか残留球非監視モードであるかを判定すればよい。残留球監視モードではなく残留球非監視モードと判定された場合には(ステップS301;No)、近接センサ750によって遊技球待機部797aで待機する遊技球を検出したか否かを判定する(ステップS302)。この残留球非監視モードである場合には、近接センサ750が遊技球を検出したか(ステップS302;Yes)、あるいは近接センサ750が遊技球を検出しなかったかにかかわらず(ステップS302;No)、残留球監視開始条件成立の有無を判定する(ステップS303)。残留球監視開始条件は、主基板11から送信された特定の演出制御コマンドに基づいて、成立可能であればよい。例えば、客待ちデモ指定コマンドを受信した場合に、残留球監視開始条件が成立すればよい。あるいは、大当り開始指定コマンドを受信した場合に、残留球監視開始条件が成立すればよい。あるいは、変動パターン指定コマンドを受信した場合に、残留球監視開始条件が成立すればよい。こうして、小当り遊技状態の終了に対応して、残留球監視開始条件が成立することにより、残留球監視モードを開始できればよい。なお、残留球監視モードの開始を指定する専用の演出制御コマンドを用いて、残留球監視開始条件を成立可能にしてもよい。残留球監視開始条件の成立がない場合には(ステップS303;No)、残留球監視処理を終了する。これに対し、残留球監視開始条件の成立があった場合には(ステップS303;Yes)、残留球監視モード開始設定を行い(ステップS304)、残留球監視処理を終了する。ステップS304の残留球監視モード開始設定は、監視モードフラグの値を、残留球監視モードに対応する値に更新する設定を含んでいればよい。
ステップS301にて残留球監視モードであると判定された場合には(ステップS301;Yes)、近接センサ750によって遊技球待機部797aで待機する遊技球を検出したか否かを判定する(ステップS305)。残留球監視モードであるときに、近接センサ750が遊技球を検出したと判定された場合には(ステップS305;Yes)、残留球エラー設定が行われる(ステップS306)。ステップS306の残留球エラー設定は、残留球エラーフラグをオン状態とする設定を含んでいればよい。残留球エラーフラグは、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)などに設けられ、近接センサ750による遊技球の異常検出があったことを、演出制御基板12の側において特定可能に示すものであればよい。また、残留球エラー設定は、遊技効果ランプ9の全点灯または全点滅を行うための設定、残留球エラーに対応するエラーコードを示す文字や数字その他の記号、または、これらの組合せを含む文字列や記号列を、セグメント演出表示器510の表示により報知するための設定、スピーカ8L、8Rから警報音を出力するための設定のうち、一部または全部の設定を含んでいてもよい。さらに、残留球エラー設定は、パチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給されるエラー情報のデータを出力するための設定を含んでいてもよい。
ステップS305にて近接センサ750が遊技球を検出しなかったと判定された場合や(ステップS305;No)、ステップS306にて設定を行った後には、残留球監視終了条件成立の有無を判定する(ステップS307)。残留球監視終了条件は、主基板11から送信された特定の演出制御コマンドに基づいて、成立可能であればよい。例えば、小当り開閉終了指定コマンドを受信した場合に、残留球監視終了条件が成立すればよい。このように、小当り遊技状態にて上部大入賞口260の開閉動作である上部大入賞口開閉が開始されることに対応して、残留球監視終了条件が成立することにより、残留球監視モードを終了して残留球非監視モードを開始できればよい。なお、残留球監視モードの終了を指定する専用の演出制御コマンドを用いて、残留球監視終了条件を成立可能にしてもよい。残留球監視終了条件の成立がない場合には(ステップS307;No)、残留球監視処理を終了する。これに対し、残留球監視終了条件の成立があった場合には(ステップS307;Yes)、残留球非監視モード開始設定を行い(ステップS308)、残留球監視処理を終了する。ステップS308の残留球非監視モード開始設定は、監視モードフラグの値を、残留球非監視モードに対応する値に更新する設定を含んでいればよい。
図22は、演出制御プロセス処理として、演出制御メイン処理のステップS56にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。演出制御メイン処理では、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)などに設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、ステップS170〜S178の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。可変表示開始待ち処理は、主基板11から送信される変動パターン指定コマンドなどを受信したか否かに基づき、回動表示装置300における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理を含んでいればよい。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。可変表示開始設定処理は、特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、回動表示装置300における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、変動パターンや表示結果に応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理を含んでいればよい。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。可変表示中演出処理は、RAM122の所定領域(例えば演出制御タイマ設定部)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理を含んでいればよい。また、可変表示中演出処理には、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させる処理が含まれていればよい。なお、所定の演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して、確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させるようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。こうした演出制御などを行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。特図当り待ち処理は、表示結果通知コマンドにより通知された可変表示の表示結果やなどに基づいて、小当り遊技状態に制御されるか否かを判定する処理を含んでいればよい。そして、可変表示の表示結果が「当り」に対応して小当り遊技状態に制御される場合には、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される一方で、可変表示の表示結果が「ハズレ」に対応して小当り遊技状態に制御されない場合には、演出プロセスフラグがクリアされ、その値が“0”に初期化される。
ステップS174の小当り報知演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。小当り報知演出処理は、小当り遊技状態の開始時における各種の演出制御を行うための処理を含んでいればよい。例えば、小当り遊技状態の開始時における演出内容に対応した演出制御パターンを設定し、その演出制御パターンから読み出した各種の制御データに基づいて、表示制御基板50に対する指令(セグメント表示信号)の出力によりセグメント演出表示器510の表示を更新させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9を点灯または消灯または点滅させることなどにより、小当り報知演出の演出制御を実行可能にすればよい。小当り報知演出の演出制御を行った後に、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS175の小当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。小当り中演出処理は、小当り遊技状態の制御中における各種の演出制御を行うための処理を含んでいればよい。例えば、小当り遊技状態の制御中における演出内容に対応した演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、小当り中演出の演出制御を実行可能にすればよい。そして、主基板11から送信される大当り開始指定コマンドに対応して大当り遊技状態に制御される場合には、演出プロセスフラグの値が“6”に更新される一方で、大当り開始指定コマンドを受信せずに小当り遊技状態が終了する場合には、演出プロセスフラグがクリアされ、その値が“0”に初期化される。
ステップS176の大当り報知演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。大当り報知演出処理は、大当り遊技状態の開始時における各種の演出制御を行うための処理を含んでいればよい。例えば、大当り遊技状態の開始時における演出内容に対応した演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、大当り報知演出の演出制御を実行可能にすればよい。大当り報知演出の演出制御を行った後に、演出プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS177の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。大当り中演出処理は、大当り遊技状態の制御中における各種の演出制御を行うための処理を含んでいればよい。例えば、大当り遊技状態の制御中における演出内容に対応した演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、大当り中演出の演出制御を実行可能にすればよい。そして、主基板11から送信される大当り終了指定コマンドに対応して大当り遊技状態が終了する場合には、演出プロセスフラグの値が“8”に更新される。
ステップS178のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“8”のときに実行される処理である。エンディング演出処理は、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を行うための処理を含んでいればよい。例えば、大当り遊技状態の終了時における演出内容に対応した演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、大当り終了演出となるエンディング演出の演出制御を実行可能にすればよい。エンディング演出の演出制御を行った後には、演出プロセスフラグがクリアされ、その値が“0”に初期化される。
図23は、可変表示の表示結果が「当り」となった場合に、小当り遊技状態の制御に対応した演出制御の実行例を示すタイミング図である。特別図柄の可変表示が停止し、時刻t1で可変表示の表示結果が「当り」に対応する当り表示結果が表示されると、演出制御プロセス処理にてステップS174の小当り報知演出処理が実行され、時刻t1からt2までの期間Iで小当り報知演出における小当り用ファンファーレを実行する。小当り用ファンファーレでは、例えば、小当りしたことをスピーカ8L、8Rで報知したり、打ち出す遊技球の狙い位置を可変入賞装置200の上部とすべきであることをスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9等で知らせる。ステージ供給用ソレノイド255は、時刻t1でオフ状態からオン状態へと変化する。これにより、回動片253は、屈曲面253cで1個の遊技球を保持できる方向に向けられ、上部大入賞口260に進入した1個の遊技球を保持可能となる。小当り報知演出の実行中には、外リール用モータ793をオフ状態からオン状態へと変化させる。期間Iでは通常、可変入賞装置200の内部に遊技球は存在しない。しかしながら、何らかの理由で遊技球が残っている場合に備えて、開閉蓋270が開閉し始める時刻t2になる前までに、外リール791を1回転させればよい。また、外リール791の外周面には小当り報知用の絵柄が描かれていてもよい。外リール791が1回転することで、遊技者は小当り報知用の絵柄を視認できればよい。このように、小当り報知演出の実行中に外リール791を1回転させることで、可変入賞装置200の内部に残留する遊技球を除去可能にするとともに、小当り報知演出に含まれる絵柄の回転演出を実行できればよい。小当り報知演出の実行中における外リール791の回転動作は、可変入賞装置200の内部に残った遊技球を排除するための動作なので、この期間に遊技球が通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれかに進入したとしても大当り遊技状態に移行することはない。
小当り報知演出の終了に対応して、時刻t2から時刻t3までの期間IIでは、可変入賞装置200に形成された上部大入賞口260を開放状態と閉鎖状態とに繰り返し変化させる上部大入賞口開閉が実行される。具体的には、開閉蓋用ソレノイド261のオン状態とオフ状態とを交互に繰り返すことで、開閉蓋270が大きく突出した閉鎖位置と、開閉蓋270を引っ込めた開放位置との間で移動させる。例えば、小当り遊技状態では、0.15秒の開放状態と1.0秒の閉鎖状態とが繰り返される。この繰り返しは、0.15秒の開放状態が10回実現されるか、上部大入賞口260に遊技球が10個入賞するかのうち、いずれか早いタイミングまで継続される。なお、上部大入賞口260に入賞した遊技球の個数は、上部カウントスイッチ250からの検出信号に基づいてカウントすることができる。上部大入賞口260の1回当たりの開放時間は0.15秒間という短期間である。しかしながら、このような短期間の開放時間であっても、上部大入賞口260に遊技球を進入させる構成を可変入賞装置200は有している。可変入賞装置200にて開閉蓋270上を転がる遊技球は、ベース板230に形成された突起部233、234と、第1前面板210に形成された突起部217、218との隙間を縫いながら蛇行する。そのため、遊技球が開閉蓋270上から転がり落ちるまでに多くの時間を要し、開閉蓋270を開放する際により多くの遊技球を開閉蓋270上に留まらせておくことができる。また、閉鎖位置にある開閉蓋270の突出量L1を遊技球の直径未満としている。これにより、開閉蓋270を閉鎖位置から開放位置まで移動させる際の移動量を小さくすることができ、素早く上部大入賞口260を開放状態とすることができる。したがって、上部大入賞口260の開放時間が短かったとしても、遊技球を上部大入賞口260へ進入させやすい。
上部大入賞口開閉の終了に対応して、時刻t3からt4までの期間IIIでは、遊技球進入待ちの状態となる。遊技球進入待ちの状態は、上部大入賞口260から可変入賞装置200の内部へと進入した遊技球が、通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれかに進入することを待機する状態である。期間IIIが開始される時刻t3では、上部大入賞口開閉の終了に対応して、ステージ供給用ソレノイド255がオン状態からオフ状態に移行する。その後、外リール用モータ793がオフ状態からオン状態に移行する。ステージ供給用ソレノイド255がオフ状態となることにより、回動片253が回動軸253aを中心に回動し、屈曲面253cで保持していた1個の遊技球がワープ流路251へと誘導される。ワープ流路251を流下した遊技球は、遊技球待機部797aに到達することで、近接センサ750がオン状態になる。こうして、小当り遊技状態にて開放状態となった上部大入賞口260に進入した1個の遊技球を、遊技球待機部797aへと誘導することができる。例えば、残留球監視処理のステップS307では、小当り開閉終了指定コマンドを受信した場合に、残留球監視終了条件が成立したと判定する。この場合には、期間IIIの開始に対応する時刻t3にて、残留球監視モードを終了してオン状態からオフ状態へと移行させ、残留球非監視モードを開始させる。これにより、小当り遊技状態における上部大入賞口開閉にて開放状態となった上部大入賞口260に進入した遊技球が遊技球待機部797aへと誘導された場合に、近接センサ750が正常な遊技球を検出したことに対応して、残留球エラーが発生しないように制御できる。残留球監視モードのオフ状態に対応する残留球非監視モードは、小当り遊技状態が終了するまで継続すればよい。
期間IIIでは、ステージ供給用ソレノイド255をオフ状態からオフ状態へと移行させた後、予め定められたリール駆動待機時間が経過するまで待機してから、外リール用モータ793を駆動してオフ状態からオン状態に移行させればよい。これにより、ワープ流路251を流下した遊技球が確実に遊技球待機部797aへと到達してから、外リール791を回転させ、磁性体792の吸着により、外リール791の周方向に沿って上方に搬送することができる。遊技球が遊技球待機部797aから上方へと搬送されることにより、近接センサ750との距離が離れて、近接センサ750はオフ状態となる。時刻t4では、外リール791により搬送された遊技球が、通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれかに進入して、通常領域スイッチ811a、特定領域スイッチ812a、通常領域スイッチ813aのいずれかで検出される進入検出となる。外リール791は、1回転して外リール原点センサ821aにより原点通過が検出されるまでオン状態となり、1回転するとオン状態からオフ状態に移行させればよい。時刻t4での進入検出に対応して、時刻t5までの期間IVでは、小当り中演出における進入報知を実行する。進入報知では、例えば、いずれかの進入口を遊技球が通過したことをセグメント演出表示器510やスピーカ8L、8Rで報知したり、遊技効果ランプ9の一部または全部を点灯させたり点滅させたりすればよい。時刻t5において、進入報知の終了とともに小当り中演出が終了し、大当り遊技状態への移行に対応して、大当り報知演出などが開始される。
可変入賞装置200から遊技球が排出されたか否かの判断は、次のようにして行われる。可変入賞装置200に進入した遊技球の個数は、上部カウントスイッチ250によってカウントされる。そして、可変入賞装置200に進入した遊技球のうち、回動片253によって保持された1個の遊技球を除いた全ての遊技球は、右側の排出路252を流下し排出カウントスイッチ256によりカウントされる。すなわち、排出カウントスイッチ256でカウントされる遊技球の数は、上部カウントスイッチ250でカウントされた遊技球の数よりも1少ない。このため、排出カウントスイッチ256が、上部カウントスイッチ250での遊技球のカウント数よりも1少ない数の遊技球をカウントしたことが、可変入賞装置200から遊技球が排出されたことの1つの条件になる。さらに、回動片253で保持された遊技球は、ワープ流路251を通り、やがて外リール791の周方向に沿って上方へと搬送される。このように上方へと搬送された遊技球は、通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれかに進入して検出スイッチにて検出される。このように、入賞装置800に入賞したことが検出されることが、可変入賞装置200から遊技球が排出されたことのもう1つの条件になる。これら2つの条件を満たすことにより、可変入賞装置200からの遊技球の排出が完了したと判断する。
図24は、可変表示の表示結果が「当り」となる場合に、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始される変動開始から、小当り遊技状態が終了するまでの期間にて、可変表示や各種演出の実行期間などを示している。スーパーリーチにおけるリーチ演出を伴う変動パターンに対応して、時刻t0では、特別図柄や飾り図柄の可変表示(全図柄変動)が開始され、その後、リーチ成立により飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる。続いて、ノーマルリーチにおけるリーチ演出が実行されてから、スーパーリーチにおけるリーチ演出が実行され、時刻t1では、特別図柄や飾り図柄の可変表示における表示結果が導出表示され、変動終了となる。時刻t1にて可変表示の表示結果が「当り」となり、図23で示したように、期間I〜期間IVでは、小当り遊技状態の制御に対応した演出制御が実行される。変動終了の時刻t1から進入検出の時刻t4までの期間TI10は、小当り遊技状態における制御に伴い、特図変動時間や可変表示の表示結果にかかわらず、一定の時間に対応している。変動開始の時刻t0から変動終了の時刻t1までの期間TI11は、変動パターンに応じた特図変動時間に対応している。
進入検出の時刻t4は、特定進入確定期間SK1、通常進入確定期間SK2、進入口不確定期間SK3のいずれに含まれるかに応じて、遊技球が特定領域進入口812に進入する割合が異なる。遊技球が特定領域進入口812に進入した場合には、大当り遊技状態において実行可能なラウンド遊技の上限回数が16回に設定される。これに対し、遊技球が通常領域進入口811、813のいずれかに進入した場合には、大当り遊技状態において実行可能なラウンドの上限回数が3回に設定される。したがって、遊技球が特定領域進入口812を通過した場合には、遊技球が通常領域進入口811、813のいずれかを通過した場合よりも、大当り遊技状態における遊技者にとっての有利度が高くなる。期間TI10は一定の時間に対応しているので、変動開始の時刻t0では、振分部原点検出指定コマンドを受信してからの経過時間と、変動パターンに対応する特図変動時間とにより、進入検出の時刻t4が特定進入確定期間SK1に含まれるか否かを判定することができる。例えば、演出制御用CPU120は、変動パターンに対応した特図変動時間により、変動開始の時刻t0から変動終了の時刻t1までの期間TI11を特定する。この期間T11に、変動終了の時刻t1から進入検出の時刻t4までの一定の期間TI10を加算することで、変動開始の時刻t0から進入検出の時刻t4までの期間TI20を特定する。期間TI20を特定できれば、振分部原点検出指定コマンドの受信タイミングからの経過時間に応じて、進入検出の時刻t4が特定進入確定期間SK1に含まれるか否かを判定することができる。ただし、演出制御コマンドの送受信にタイミングの誤差が生じることなどにより、実際に特定進入期間SK1となる期間と、演出制御基板12において特定進入確定期間SK1になると推測される期間とが相違する場合がある。そこで、演出制御基板12では、演出制御用CPU120が演出制御プロセス処理のステップS171にて可変表示開始設定処理を実行したときに、主基板11から送信された振分部原点検出指定コマンドの受信タイミングからの経過時間に応じて、タイミングの誤差も考慮しつつ、時刻t4が特定進入確定期間SK1に含まれるか否かに対応して、特定進入確定の有無が判定されればよい。例えば、演出制御用CPU120は、実際の特定進入確定期間SK1よりも短い期間として予め定められた特定進入判定期間にて、特定進入確定ありと判定すればよい。
図25は、変動パターンPA3−2−1〜PA3−2−5に対応して、特定進入確定の有無を判定する場合の制御例などを示すタイミング図である。この制御例において、変動開始の時刻t0は、変動パターンPA3−2−1〜PA3−2−5のいずれに対しても同一の時刻となる。図18に示したように、変動パターンPA3−2−1〜PA3−2−5は、特図変動時間が600ミリ秒ずつ相違するように設定されている。振分部820は、2400ミリ秒すなわち2.4秒の周期で、位置P0〜P6の区間を往復移動する。したがって、振分部原点検出指定コマンドは、およそ2400ミリ秒すなわち2.4秒の周期で、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPA3−2−1〜PA3−2−5のいずれかが指定された場合に、指定された変動パターンに対応する特図変動時間に応じて、変動開始の時刻t0から変動終了の時刻t1までの期間TI11と、変動終了の時刻t1から進入検出の時刻t4までの期間TI10とを含めて、時刻t0から時刻t4までの期間TI20を特定する。また、振分部原点検出コマンドの受信タイミングからの経過時間に応じて、時刻t4が特定進入判定期間に含まれるか否かを判定する。この制御例では、変動パターンPA3−2−1に対応して時刻t41が進入検出の時刻t4となり、変動パターンPA3−2−2に対応して時刻t42が進入検出の時刻t4となり、変動パターンPA3−2−3に対応して時刻t43が進入検出の時刻t4となり、変動パターンPA3−2−4に対応して時刻t44が進入検出の時刻t4となり、変動パターンPA3−2−5に対応して実行t45が進入検出の時刻t4となる。
図25(B1)に示す変動パターンPA3−2−1に対応した時刻t41、図25(B3)に示す変動パターンPA3−2−3に対応した時刻t43、図25(B5)に示す変動パターンPA3−2−5に対応した時刻t45は、特定進入判定期間に含まれない。したがって、これらの場合には、特定進入確定なしと判定される。図25(B2)に示す変動パターンPA3−2−2に対応した時刻t42、図25(B4)に示す変動パターンPA3−2−4に対応した時刻t44は、特定進入判定期間に含まれる。したがって、これらの場合には、特定進入判定ありと判定される。このように、変動パターンに対応する特図変動時間と、振分部原点検出指定コマンドを受信したタイミングからの経過時間とに応じて、特定進入確定の有無を判定すればよい。飾り図柄の可変表示が開始されるときには、特定進入確定の有無を判定した結果に基づいて、リーチ演出内容や確定飾り図柄などを決定することができる。
図26は、可変表示開始設定処理として、演出制御プロセス処理のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。可変表示開始設定処理では、可変表示の表示結果が「当り」であるか否かを判定する(ステップS231)。ステップS231では、主基板11から送信された表示結果指定コマンドに基づいて、可変表示の表示結果が「当り」か「ハズレ」かを判定すればよい。可変表示の表示結果が「ハズレ」であり「当り」ではないと判定された場合には(ステップS231;No)、ハズレ可変表示演出を決定する(ステップS232)。ステップS232では、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに応じて、可変表示中の演出内容や確定飾り図柄を決定すればよい。
可変表示の表示結果が「当り」であると判定された場合には(ステップS231;Yes)、原点検出エラーの有無を判定する(ステップS233)。ステップS233では、振分部原点検出エラーフラグの状態に応じて、原点検出エラーの有無を判定すればよい。例えば、振分部原点検出エラーフラグがオンである場合には原点検出エラーありと判定し、振分部原点検出エラーフラグがオフである場合には原点検出エラーなしと判定すればよい。原点検出エラーなしと判定された場合には(ステップS233;No)、進入口通過エラーの有無を判定する(ステップS234)。ステップS234では、進入口通過エラーフラグの状態に応じて、進入口通過エラーの有無を判定すればよい。例えば、進入口通過エラーフラグがオンである場合には進入口通過エラーありと判定し、進入口通過エラーフラグがオフである場合には進入口通過エラーなしと判定すればよい。進入口通過エラーなしと判定された場合には(ステップS234;No)、特定進入確定の有無を判定し(ステップS235)、正常時の当り可変表示演出を決定する(ステップS236)。ステップS235にて特定進入確定の有無を判定する場合には、図24および図25に示したように、変動パターンに対応した特図変動時間や、振分部原点検出指定コマンドの受信タイミングなどに応じて、進入検出の時刻t4が特定進入確定期間SK1に含まれるか否かを判定すればよい。なお、進入検出の時刻t4が特定進入確定期間SK1と同一の期間に含まれる場合に、特定進入確定ありと判定してもよい。あるいは、各種コマンドの受信タイミングなどによる誤差を考慮して、特定進入確定期間SK1よりも短い特定進入判定期間を予め設定しておき、進入検出の時刻t4が特定進入判定期間に含まれる場合に、特定進入確定ありと判定してもよい。原点検出エラーありと判定された場合や(ステップS233;Yes)、進入口通過エラーありと判定された場合には(ステップS234;Yes)、エラー時の当り可変表示演出を決定する(ステップS237)。ステップS236、S237では、当り可変表示演出として、リーチ演出内容や確定飾り図柄を決定すればよい。
ステップS232、S236、S237のいずれかによる演出決定に続いて、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS238)。例えば、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、複数用意された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとして設定する。また、演出制御用CPU120は、ステップS232、S236、S237にて決定された可変表示演出の内容となる演出態様に対応して、複数用意された演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとして設定してもよい。なお、特図変動時演出制御パターンとは別個の演出制御パターンを決定するものに限定されず、各演出の実行設定の組合せに対応した1の演出制御パターンを決定するものであってもよい。
ステップS238により演出制御パターンが決定されると、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(例えば演出制御タイマ設定部)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS239)。そして、回動表示装置300における3つのリールユニット400、500、600を回転させることにより、飾り図柄の変動となる可変表示を開始させるための設定を行う(ステップS240)。このときには、例えばステップS238にて決定された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)に含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御基板50のVDPに対して伝送させることなどにより、回動表示装置300のリールモータ401、リールモータ771、リールモータ601をオフ状態からオン状態へと変化させ、飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS241)、可変表示開始設定処理を終了する。
回動表示装置300では、飾り図柄の可変表示において表示結果が停止表示される有効ラインとして、いわゆる「5ライン」となる5つの有効ラインが設けられている。例えば、第1有効ラインは、左リールユニット400、中リールユニット500、右リールユニット600における中段のみからなる水平方向の有効ラインである。第2有効ラインは、左リールユニット400、中リールユニット500、右リールユニット600における上段のみからなる水平方向の有効ラインである。第3有効ラインは、左リールユニット400、中リールユニット500、右リールユニット600における下段のみからなる水平方向の有効ラインである。第4有効ラインは、左リールユニット400における下段と、中リールユニット500における中段と、右リールユニット600における上段とからなる斜め方向の有効ラインである。第5有効ラインは、左リールユニット400における上段と、中リールユニット500における中段と、右リールユニット600における下段とからなる斜め方向の有効ラインである。
可変表示の表示結果が「当り」となる場合に対応して表示可能な確定飾り図柄は、青7シングル、青7ダブル、赤7シングル、赤7ダブル、赤7オールを含んでいればよい。青7シングルは、1つの有効ライン上に、青色の数字「7」を示す飾り図柄が揃って停止表示される場合の確定飾り図柄である。青7ダブルは、2つの有効ライン上に、青色の数字「7」を示す飾り図柄が揃って停止表示される場合の確定飾り図柄である。赤7シングルは、1つの有効ライン上に、赤色の数字「7」を示す飾り図柄が揃って停止表示される場合の確定飾り図柄である。赤7ダブルは、2つの有効ライン上に、赤色の数字「7」を示す飾り図柄が揃って停止表示される場合の確定飾り図柄である。赤7オールは、5つの有効ライン上すべてに、赤色の数字「7」を示す飾り図柄が揃って停止表示される場合の確定飾り図柄である。
図27は、可変表示開始設定処理のステップS236にて正常時の当り可変表示演出を決定する場合の決定例を示している。図27(A)は、当り可変表示演出のうち、リーチ演出内容を決定する場合の決定割合を示している。図27(B)は、当り可変表示演出のうち、確定飾り図柄を決定する場合の決定割合を示している。
リーチ演出内容は、変動パターン内容や特定進入確定の有無に応じて、リーチ演出決定テーブルのテーブルデータなどで設定された決定割合により決定される。変動パターン内容は、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに応じて、「ノーマルのみ」と「スーパー含む」とがあればよい。変動パターン内容が「ノーマルのみ」の場合は、ノーマルリーチにおけるリーチ演出が実行されてスーパーリーチにおけるリーチ演出が実行されない。変動パターン内容が「スーパー含む」の場合は、ノーマルリーチにおけるリーチ演出が実行された後にスーパーリーチにおけるリーチ演出が実行される。変動パターン内容が「ノーマルのみ」である場合には、特定進入確定の有無にかかわらず、リーチ演出内容が「ノーマル」に決定される。変動パターン内容が「スーパー含む」である場合には、特定進入確定の有無に応じて異なる割合により、リーチ演出内容が「スーパーA」、「スーパーB」、「スーパーC」のいずれかに決定される。リーチ演出決定テーブルでは、リーチ演出決定用の乱数値と比較される判定値が、変動パターン内容および特定進入確定の有無に応じて、リーチ演出内容の決定結果に割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、リーチ演出決定用の乱数値を抽出して判定値と比較し、いずれの判定値の範囲に乱数値が含まれるかの判定結果に応じて、リーチ演出内容を決定すればよい。
図27(A)に示す決定例において、変動パターン内容が「スーパー含む」で特定進入確定なしの場合には、「スーパーA」の決定割合が最も高くなり、「スーパーB」、「スーパーC」の順に決定割合が低くなる。変動パターン内容が「スーパー含む」で特定進入確定ありの場合には、「スーパーC」の決定割合が最も高くなり、「スーパーB」、「スーパーC」の順に決定割合が低くなる。このような決定割合の設定により、リーチ演出内容が「スーパーC」となるリーチ演出が実行された場合には、遊技球が特定領域進入口812に進入する割合が最も高くなる。リーチ演出内容が「スーパーB」となるリーチ演出が実行された場合には、遊技球が特定領域進入口812に進入する割合が「スーパーC」の場合よりも低くなる。リーチ演出内容が「スーパーA」となるリーチ演出が実行された場合には、遊技球が特定領域進入口812に進入する割合が最も低くなる。このように、リーチ演出内容に応じて、遊技球が特定領域進入口812に進入する割合を異ならせることにより、遊技者にとって有利な特典が付与される期待感を異ならせることができる。
確定飾り図柄は、特定進入確定の有無に応じて、確定図柄決定テーブルのテーブルデータなどで設定された決定割合により決定される。確定図柄決定テーブルでは、確定図柄決定用の乱数値と比較される判定値が、特定進入確定の有無に応じて、確定飾り図柄の決定結果に割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、確定図柄決定用の乱数値を抽出して判定値と比較し、いずれの判定値の範囲に乱数値が含まれるかの判定結果に応じて、確定飾り図柄を決定すればよい。
図27(B)に示す決定例において、特定進入確定なしの場合には、青7シングルや赤7シングルの決定割合が、青7ダブルや赤7ダブルの決定割合よりも高くなる。また、特定進入確定なしの場合には、赤7オールの決定割合が0であり、赤7オールには決定されない。特定進入確定ありの場合には、青7ダブルや赤7ダブルの決定割合が、青7シングルや赤7シングルの決定割合よりも高くなる。また、特定進入確定ありの場合には、赤7オールの決定割合が20/100であり、赤7オールに決定可能となる。このような決定割合の設定により、確定飾り図柄が青7ダブルや赤7ダブルとなった場合には、確定飾り図柄が青7シングルや赤7シングルとなった場合よりも、遊技球が特定領域進入口812に進入する割合が高くなる。また、確定飾り図柄が赤7オールとなった場合には、遊技球が特定領域進入口812に進入することが確定する。このように、確定飾り図柄に応じて、遊技球が特定領域進入口812に進入する割合を異ならせることにより、遊技者にとって有利な特典が付与される期待感を異ならせることができる。
回動表示装置300による飾り図柄の可変表示において、確定飾り図柄として赤7オールが導出表示された場合には、特定進入確定ありに対応して、進入検出の時刻t4が特定進入確定期間SK1に含まれる。このように、回動表示装置300において、確定飾り図柄として赤7オールが導出表示される飾り図柄の可変表示は、小当り遊技状態において開放状態となった上部大入賞口260から可変入賞装置200の内部に進入した1個の遊技球が特定領域進入口812を通過することを報知する報知演出となる。回動表示装置300による飾り図柄の可変表示において、確定飾り図柄として青7ダブルや赤7ダブルが導出表示された場合には、青7シングルや赤7シングルが導出表示された場合よりも高い割合で、特定進入確定ありとなって、進入検出の時刻t4が特定進入確定期間SK1に含まれる。この場合に、回動表示装置300において、確定飾り図柄として青7ダブルや赤7ダブルが導出表示される飾り図柄の可変表示は、確定飾り図柄として青7ダブルや赤7ダブルが導出表示される飾り図柄の可変表示よりも、小当り遊技状態において遊技球が特定領域進入口812を通過する可能性が高いことを示唆する示唆演出となる。また、回動表示装置300による飾り図柄の可変表示において、「スーパーC」のリーチ演出内容となるスーパーリーチにおけるリーチ演出が実行された場合には、「スーパーB」や「スーパーA」のリーチ演出内容となるスーパーリーチにおけるリーチ演出が実行された場合よりも高い割合で、特定進入確定ありとなって、進入検出の時刻t4が特定進入確定期間SK1に含まれる。したがって、回動表示装置300において、「スーパーC」のリーチ演出内容となるスーパーリーチにおけるリーチ演出を伴う飾り図柄の可変表示は、「スーパーB」や「スーパーA」のリーチ演出内容となるスーパーリーチにおけるリーチ演出を伴う飾り図柄の可変表示よりも、小当り遊技状態において遊技球が特定領域進入口812を通過する可能性が高いことを示唆する示唆演出となる。報知演出が実行される場合を除いて、示唆演出が実行された場合には、示唆演出が実行されない場合よりも、遊技球が特定領域進入口812を通過する割合が高い。
特定進入確定の有無は、可変表示開始設定処理のステップS235にて、変動パターンに対応する特図変動時間と、振分部原点検出指定コマンドを受信したタイミングからの経過時間とに応じて、判定することができる。これに対し、可変表示開始設定処理のステップS233にて原点検出エラーありと判定された場合には、振分部原点検出指定コマンドの受信に異常が発生しているので、特定進入確定の有無を正確に判定することができない。そのため、ステップS233にて原点検出エラーありと判定された場合には、ステップS235による特定進入確定の有無を判定することなく、ステップS237に進み、エラー時の当り可変表示演出が決定される。また、可変表示開始設定処理のステップS234にて進入口通過エラーありと判定された場合にも、通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813を含めた入賞装置本体810や振分部820といった、入賞装置800の一部または全部に異常が発生している可能性が高いので、たとえ振分部原点検出指定コマンドは正常に受信できていたとしても、特定進入確定の有無を正確に判定できないおそれがある。そこで、ステップS234にて進入口通過エラーありと判定された場合にも、ステップS235による特定進入確定の有無を判定することなく、ステップS237に進み、エラー時の当り可変表示演出が決定される。
図28は、可変表示開始設定処理のステップS237にてエラー時の当り可変表示演出を決定する場合の決定例を示している。図28(A)は、当り可変表示演出のうち、リーチ演出内容を決定する場合の決定割合を示している。図28(B)は、当り可変表示演出のうち、確定飾り図柄を決定する場合の決定割合を示している。
図28(A)に示す決定例において、変動パターン内容が「スーパー含む」の場合には、特定進入確定の有無にかかわらず、図27(A)に示す決定例で特定進入確定なしの場合と同様の割合により、リーチ演出内容が「スーパーA」、「スーパーB」、「スーパーC」のいずれかに決定される。例えば、可変表示開始設定処理のステップS233にて原点検出エラーありと判定された場合には、振分部820の原点検出に異常が発生しているので、振分部820が原点位置を通過するタイミングは正確に特定することができない。この場合、小当り遊技状態にて開放状態となった上部大入賞口260から可変入賞装置200の内部に進入した遊技球は、特定領域進入口812に進入するか否かを、可変表示の開始時には正確に判定することが不可能あるいは困難になる。また、可変表示開始設定処理のステップS234にて進入口通過エラーありと判定された場合には、入賞装置800の一部または全部に異常が発生しているおそれがあるので、小当り遊技状態にて遊技球が特定領域進入口812を通過するか否かを、可変表示の開始時には正確に判定することが不可能あるいは困難になる。そこで、可変表示開始設定処理のステップS237では、リーチ演出内容の決定割合を図28(A)に示すような決定割合とすることにより、遊技球が特定領域進入口812に進入することに対する遊技者の期待感が不適切に高められてしまうことを防止する。
図28(B)に示す決定例において、確定飾り図柄は、赤7オールや赤7ダブルに決定されないように、決定割合が設定されている。確定飾り図柄として赤7オールが導出表示される飾り図柄の可変表示は、小当り遊技状態において遊技球が特定領域進入口812を通過することを報知する報知演出である。原点検出エラーや進入口通過エラーが発生した場合には、小当り遊技状態にて遊技球が特定領域進入口812を通過するか否かを、可変表示の開始時には正確に判定することが不可能あるいは困難になる。そこで、可変表示開始設定処理のステップS237では、確定飾り図柄が赤7オールや赤7ダブルに決定されないような決定割合とすることにより、遊技球が特定領域進入口812に進入することに対する遊技者の期待感が不適切に高められてしまうことを防止する。確定飾り図柄として赤7オールが導出表示される飾り図柄の可変表示は、原点検出エラーや進入口通過エラーが発生していない場合に、特定進入確定ありの判定結果に基づいて、図27(B)に示された20/100の割合で決定可能となる。その一方で、確定飾り図柄として赤7オールが導出表示される飾り図柄の可変表示は、原点検出エラーや進入口通過エラーが発生した場合という範囲や限界を定めて、決定割合が0となることで、実行されないように制限が設けられている。確定飾り図柄として赤7ダブルが導出表示される飾り図柄の可変表示は、原点検出エラーや進入口通過エラーが発生していない場合に、図27(B)に示された特定進入確定なしの判定結果に基づいて5/100の割合で決定可能となり、特定進入確定ありの判定結果に基づいて35/100の割合で決定可能となる。他方において、確定飾り図柄として赤7ダブルが導出表示される飾り図柄の可変表示は、原点検出エラーや進入口通過エラーが発生した場合という範囲や限界を定めて、決定割合が0となることで、実行されないように制限が設けられている。
確定飾り図柄として赤7オールが導出表示される飾り図柄の可変表示は、小当り遊技状態において遊技球が特定領域進入口812を通過することを報知する報知演出となる。図28(B)に示すような決定割合でエラー時の当り可変表示演出に含まれる確定飾り図柄が決定されることにより、原点検出エラーや進入口通過エラーが発生した場合という範囲や限界を定めて、報知演出が実行されないという制限を設けることができる。確定飾り図柄として赤7ダブルが導出表示される飾り図柄の可変表示は、確定飾り図柄として青7ダブルが導出表示される飾り図柄の可変表示とともに、小当り遊技状態において遊技球が特定領域進入口812を通過する割合が、青7シングルや赤7シングルの確定飾り図柄となる場合よりも高いことを示唆する示唆演出に含まれる。図28(B)に示すような決定割合でエラー時の当り可変表示演出に含まれる確定飾り図柄が決定されることにより、原点検出エラーや進入口通過エラーが発生した場合という範囲や限界を定めて、示唆演出の一部が実行されないという制限を設けることができる。
演出制御メイン処理のステップS55にて実行されるサブ側エラー処理では、ステップS212にてエラー解除条件が成立したと判定された場合に、ステップS213によるエラー解除設定が行われる。演出制御基板12のRAM122がバックアップ電源によりバックアップされない場合には、パチンコ遊技機1の電源再投入によりRAM122の記憶内容が消去されることで、エラー状態が解除されてもよい。原点検出エラーと進入口通過エラーの一方または双方は、パチンコ遊技機1への電力供給が停止した後に電力供給が再開され、遊技制御メイン処理にてステップS15の初期化設定処理が実行されず、主基板11から送信される初期化指定コマンドを受信しなかった場合に、エラー状態が解除されてもよい。この場合には、原点検出エラーや進入口通過エラーが発生すると、例えば一旦はパチンコ遊技機1の電源を遮断した後に、入賞装置本体810や振分部820といった入賞装置800の内部で、異物の除去などにより異常の原因を解消してから、再びパチンコ遊技機1の電源を投入すれば、原点検出エラーや進入口通過エラーを解除できる。原点検出エラーや進入口通過エラーを解除すれば、可変表示開始設定処理のステップS236にて正常時の当り可変表示演出を決定でき、報知演出を実行しないようにした制限も解除することができる。こうして、異常の原因が解消された場合には、報知演出の制限を確実に解除可能にして、報知演出の実行による遊技興趣を向上させることができる。
あるいは、原点検出エラーと進入口通過エラーの一方または双方は、パチンコ遊技機1への電力供給が停止した後に電力供給が再開され、遊技制御メイン処理にてステップS15の初期化設定処理が実行されたことに対応して、主基板11から送信された初期化指定コマンドを受信した場合に、エラー状態が解除されてもよい。原点検出エラーに対応する振分部820の動作異常や、進入口通過エラーに対応する外リール791の動作異常などは、振分部用モータ830や外リール用モータ793といったモータの動作異常や、入賞装置800を含めた可変入賞装置200や回動表示装置300の配置誤差といった、パチンコ遊技機1の構成が原因となって発生する場合がある。このような場合には、パチンコ遊技機1の電源再投入だけでは、異常の原因が解消されない状況となることもある。そこで、遊技制御メイン処理にてステップS15の初期化設定処理が実行されたことを条件に、原点検出エラーや進入口通過エラーを解除可能とする。こうして、異常の原因が確実に解消されるまでは、報知演出の実行を制限して、不適切な報知演出の実行による遊技興趣の低下を防止することができる。
(効果等について)
以上説明したように、パチンコ遊技機1では、可変表示開始設定処理のステップS233にて原点検出エラーありと判定された場合に、ステップS237にてエラー時の当り可変表示演出を決定することで、確定飾り図柄として赤7オールが導出表示される飾り図柄の可変表示といった、報知演出の実行を制限する。これにより、遊技球が特定領域進入口812を通過することが確定する特定進入確定の有無を判定できない場合に、報知演出が不適切に実行されてしまわないように制限されるので、適切な演出を実行することで遊技興趣を向上させることができる。
また、パチンコ遊技機1では、可変表示開始設定処理のステップS234にて進入口通過エラーありと判定された場合に、ステップS237にてエラー時の当り可変表示演出を決定することで、確定飾り図柄として赤7オールが導出表示される飾り図柄の可変表示といった、報知演出の実行を制限する。これにより、遊技球が特定領域進入口812を通過することが確定する特定進入確定の有無を判定することが不可能または困難な場合に、報知演出が不適切に実行されてしまわないように制限されるので、適切な演出を実行することで遊技興趣を向上させることができる。
原点検出エラーや進入口通過エラーは、パチンコ遊技機1への電力供給が停止した後に電力供給が再開され、遊技制御メイン処理にてステップS15の初期化設定処理が実行されず、主基板11から送信される初期化指定コマンドを受信しなかった場合に、エラー状態が解除されてもよい。このような電源遮断からの復旧により原点検出エラーや進入口通過エラーが解除されることで、可変表示開始設定処理のステップS236にて正常時の当り可変表示演出を決定して報知演出を実行可能とするための復帰条件が成立する。報知演出の実行を制限しているときにパチンコ遊技機1への電力供給が停止した後に電力供給が再開され、少なくとも初期化設定処理が実行されなかった場合に復帰条件が成立するので、異常の原因を解消すれば確実に制限を解除して、報知演出を適切に実行でき、報知演出の実行による遊技興趣を向上させることができる。
あるいは、原点検出エラーや進入口通過エラーは、パチンコ遊技機1への電力供給が停止した後に電力供給が再開され、遊技制御メイン処理にてステップS15の初期化設定処理が実行されたことに対応して、主基板11から送信された初期化指定コマンドを受信した場合に、エラー状態が解除されてもよい。このような初期化設定処理の実行に基づいて原点検出エラーや進入口通過エラーが解除されることで、可変表示開始設定処理のステップS236にて正常時の当り可変表示演出を決定して報知演出を実行可能とするための復帰条件が成立する。報知演出の実行を制限しているときにパチンコ遊技機1への電力供給が停止した後に電力供給が再開され、初期化設定処理が実行された場合に復帰条件が成立するので、異常の原因が確実に解消されてから、報知演出を適切に実行でき、報知演出の実行による遊技興趣を向上させることができる。
パチンコ遊技機1では、例えば外リール791と振分部820といった、複数の可動部材の動作状態を制御可能であり、サブ側エラー処理のステップS205では、振分部820に異常が発生したことに基づいて原点検出エラー設定が行われる。その後、可変表示開始設定処理のステップS233にて原点検出エラーありと判定された場合に、ステップS237にてエラー時の当り可変表示演出を決定することで、報知演出の実行を制限する。これにより、複数の可動部材のうちでも、特に報知演出の実行と関連性が高い振分部820の異常が発生した場合に、報知演出の実行を制限するので、報知演出が不適切に実行されることを防止して、適切な演出を実行することで遊技興趣を向上させることができる。
パチンコ遊技機1では、例えば回動表示装置300といった、可動演出装置の動作により報知演出を実行可能である。これにより、報知演出を適切に実行でき、報知演出の実行による遊技興趣を向上させることができる。
(変形および応用等について)
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変更および応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
上記実施の形態では、小当り遊技状態であるときに、通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813のいずれかに遊技球が進入したことに基づいて、大当り遊技状態に制御されるものとして説明した。これに対し、特定領域進入口812に遊技球が進入した場合には大当り遊技状態に制御可能となる一方で、通常領域進入口811、813のいずれかに遊技球が進入した場合には、大当り遊技状態に制御されずに、小当り遊技状態が終了してもよい。この場合、遊技球が特定領域進入口812を通過した場合には、大当り遊技状態に制御されてラウンド遊技が実行可能になることで、遊技者にとって有利な特典が付与される。また、遊技球が通常領域進入口811、813を通過した場合には大当り遊技状態に制御されずに小当り遊技状態が終了するのに対し、特定領域進入口812を通過した場合には大当り遊技状態に制御されるので、遊技者にとっての有利度が高くなる。
可変表示の表示結果が「当り」となる場合には、表示結果が「大当り」になる場合と、表示結果が「小当り」になる場合とが含まれてもよい。可変表示の表示結果が「大当り」となった場合には、上記実施の形態における大当り遊技状態に制御されるのに対し、可変表示の表示結果が「小当り」となった場合には、上記実施の形態における小当り遊技状態に制御されてもよい。この場合に、遊技盤2の裏面に設けられた設定キーと設定切替スイッチを用いて、パチンコ遊技機1における大当りの当選確率(出玉率)に関する設定値を切替可能にしてもよい。例えば、設定値は1〜3の3段階からなり、1が最も出玉率が低く、1、2、3の順に値が大きくなるに従って出玉率が高くなる。このような出玉率の相違により、設定値として1が設定されている場合には遊技者にとって最も有利度が低く、2、3の順に値が大きくなるに従って有利度が段階的に高くなる。設定値が1である場合に対応する表示結果判定テーブルを用いるときには、設定値が2、3である場合よりも低い確率(非確変時は1/320、確変時は1/32)で大当りに当選する。設定値が2である場合に対応する表示結果判定テーブルを用いるときには、設定値が1である場合よりも高く設定値が3である場合よりも低い確率(非確変時は1/300、確変時は1/30)で大当りに当選する。設定値が3である場合に対応する表示結果判定テーブルを用いるときには、設定値が1、2である場合よりも高い確率(非確変時は1/280、確変時は1/28)で大当りに当選する。あるいは、確変状態に制御された後、可変表示の実行回数が確変終了回数に達するまで確変状態に制御されるパチンコ遊技機1の場合に、同じ確変終了回数であれば、設定値が1の場合に最も確変継続率(連チャン率)が低く、1、2、3の順に値が大きくなるに従って確変継続率(連チャン率)が高くなるものであってもよい。
あるいは、遊技盤2の裏面に設けられた設定キーと設定切替スイッチを用いて、上記実施の形態における可変表示の表示結果が「当り」となる当選確率に関する設定値を切替可能にしてもよい。この場合に、設定値が1であれば可変表示の表示結果が「当り」となる当選確率が最も低く、1、2、3の順に値が大きくなるに従って当選確率が高くなるものであってもよい。設定値に応じて、上部大入賞口開閉における開閉パターンの有利度が異なるものであってもよい。設定値に応じて、可変入賞装置200の内部に設けられた可動部材(例えば外リール791、振分部820など)による動作パターンの有利度が異なるものであってもよい。設定値に応じて、例えば確定飾り図柄として赤7オールが導出表示される飾り図柄の可変表示といった、遊技球が特定領域進入口812を通過することを報知する報知演出の実行割合が異なるものであってもよい。設定値が1である場合には、大当りに当選する確率が最も低くなる一方で報知演出の実行割合が最も高くなり、1、2、3の順に設定値が大きくなるに従って、大当りに当選する確率が高くなる一方で報知演出の実行割合が低くなるようにしてもよい。遊技者にとっての有利度を変更可能な複数の遊技要素や演出要素がある場合に、設定値に応じた有利度の相違は、複数の遊技要素や演出要素に応じて任意の組合せとなるものであればよい。
原点検出エラーは振分部原点検出指定コマンドを正常に受信できなかった場合に発生するものに限定されず、外リール原点検出指定コマンドを正常に受信できなかった場合にも発生するものとしてもよい。その他、例えば開閉蓋270あるいは回動片253といった、可変入賞装置200の内部または外部に設けられた任意の可動部材について原点位置の通過検出を可能とし、対応する原点検出指定コマンドを正常に受信できなかった場合に、原点検出エラーが発生するものとしてもよい。このように、原点検出エラーを発生させる可動部材は、振分部820や外リール791に限定されず、回動片253その他の可変入賞装置200の内部に設けられて遊技球の誘導や搬送、振分などを可能にする任意の可動部材であればよい。振分部820は位置P0〜P6の区間を往復移動するものに限定されず、例えば回転や回動の動作により遊技球の振分を可能にするものであってもよい。
上記実施の形態では、確定飾り図柄として赤7オールが導出表示される飾り図柄の可変表示は、遊技球が特定領域進入口812を通過することを報知する報知演出となるものとして説明した。これに対し、報知演出は、飾り図柄の可変表示により実行されるものに限定されず、例えばセグメント演出表示器510による表示、スピーカ8L、8Rによる音声、遊技効果ランプ9の点灯、演出用可動部材の動作、あるいは、これらの一部または全部の組合せにより、各種の演出装置を用いて実行可能な演出であってもよい。
遊技効果ランプ9は、回動表示装置300の周囲に配置された演出用報知ランプを含んでいてもよい。演出用報知ランプは、例えば遊技球待機部797aで待機する遊技球が近接センサ750により検出されたときに、特定進入確定の有無に応じた割合で決定された発光色で、点灯するものであればよい。演出用報知ランプの発光色は、例えば図27(B)や図28(B)に示した確定飾り図柄の場合と同様に、特定進入確定の有無に応じて異なる割合で決定すればよい。より具体的に、図27(B)や図28(B)に示す青7シングルを白色の発光色に置換し、青7ダブルを青色の発光色に置換し、赤7シングルを緑色の発光色に置換し、赤7ダブルを黄色の発光色に置換し、赤7オールを赤色の発光色に置換した発光色決定テーブルを用意すればよい。可変表示開始設定処理のステップS236、S237では、当り可変表示演出として、あるいは、当り可変表示演出とは異なる演出として、演出用報知ランプの発光色を決定すればよい。なお、可変表示開始設定処理のステップS236、S237にて演出用報知ランプの発光色を決定するものに限定されず、例えば演出制御プロセス処理のステップS175にて実行される小当り中演出処理は、特定進入確定の有無などに応じて演出用報知ランプの発光色を決定する処理を含んでいてもよい。このような演出用報知ランプの発光色が赤色となる演出は、小当り遊技状態において遊技球が特定領域進入口812を通過することを報知する報知演出となる。この場合にも、原点検出エラーや進入口通過エラーが発生した場合という範囲や限界を定めて、演出用報知ランプの発光色が赤色となる報知演出が実行されないという制限を設けることができる。演出用報知ランプの発光色が黄色となる演出は、演出用報知ランプの発光色が緑色となる演出とともに、小当り遊技状態において遊技球が特定領域進入口812を通過する割合が、演出用報知ランプを白色や青色で発光させる場合よりも高いことを示唆する示唆演出に含まれる。この場合にも、原点検出エラーや進入口通過エラーが発生したことにより、演出用報知ランプの発光色が黄色となる演出の決定割合を0とすることで、原点検出エラーや進入口通過エラーが発生した場合という範囲や限界を定めて、示唆演出の一部が実行されないという制限を設けることができる。
回動表示装置300に代えて、あるいは、回動表示装置300とともに、演出用可動部材の動作により、大当り遊技状態に制御されることを報知可能にしてもよい。演出用可動部材は、例えば遊技球待機部797aで待機する遊技球が近接センサ750により検出されたときに、特定進入確定の有無に応じた割合で決定された動作パターンに従って、動作するものであればよい。演出用可動部材の動作パターンは、例えば図27(B)や図28(B)に示した確定飾り図柄の場合と同様に、特定進入確定の有無に応じて異なる割合で決定すればよい。このような演出用可動部材の動作パターンは、小当り遊技状態において遊技球が特定領域進入口812を通過することを報知する報知演出に対応した特定動作パターンを含んでいてもよい。この場合にも、原点検出エラーや進入口通過エラーが発生した場合という範囲や限界を定めて、演出用可動部材が特定動作パターンに従って動作する報知演出が実行されないという制限を設けることができればよい。また、演出用可動部材の動作パターンは、第1動作パターンや第2動作パターンとなる場合に、小当り遊技状態において遊技球が特定領域進入口812を通過する割合が、第3動作パターンや第4動作パターンとなる場合よりも高いことを示唆する示唆演出に対応した動作パターンを含んでいてもよい。この場合にも、原点検出エラーや進入口通過エラーが発生したことにより、第1動作パターンの決定割合を0とすることで、原点検出エラーや進入口通過エラーが発生した場合という範囲や限界を定めて、示唆演出の一部が実行されないという制限を設けることができればよい。
上記実施の形態では、図20に示されたサブ側エラー処理において、ステップS201〜S205により原点検出エラーを設定可能とし、ステップS206〜S209により進入口通過エラーを設定可能にするものとして説明した。これに対し、ステップS201〜S205により原点検出エラーを設定可能とする処理や、ステップS206〜S209により進入口通過エラーを設定可能とする処理は、一方または双方が、図15に示された遊技制御用タイマ割込み処理のステップS32にて実行されるメイン側エラー処理に含まれてもよい。例えば、ステップS201〜S205により原点検出エラーを設定可能とする処理がメイン側エラー処理に含まれる場合に、ステップS205の原点検出エラー設定は、主基板11から演出制御基板12に対して、原点検出エラーに対応したエラー報知/解除指定コマンドを送信するためのコマンド送信設定を含んでいればよい。また、ステップS206〜S209により進入口通過エラーを設定可能とする処理がメイン側エラー処理に含まれる場合に、ステップS209の進入口通過エラー設定は、主基板11から演出制御基板12に対して、進入口通過エラーに対応したエラー報知/解除指定コマンドを送信するためのコマンド送信設定を含んでいればよい。演出制御基板12の側では、原点検出エラーに対応したエラー報知/解除指定コマンドを受信した場合に、原点検出エラーフラグをオン状態に設定するといった、原点検出エラーの発生に対応した設定ができればよい。また、演出制御基板12の側では、進入口通過エラーに対応したエラー報知/解除指定コマンドを受信した場合に、進入口通過エラーフラグをオン状態に設定するといった、進入口通過エラーの発生に対応した設定ができればよい。
原点検出エラーや進入口検出エラーの解除により報知演出を実行可能にする復帰条件について、原点検出エラーや進入口検出エラーが発生した後には、いかなる場合にも復帰条件を成立させず、報知演出の実行を制限した状態が継続されてもよい。あるいは、演出リセット用のスイッチを設け、この演出リセット用のスイッチが操作された場合に、復帰条件が成立して、報知演出を実行可能となるようにしてもよい。複数の可動部材に応じて、異なる復帰条件が設定されてもよい。例えば原点検出エラーが発生した後には、パチンコ遊技機1の電源再投入によりエラー状態が解除されて、復帰条件が成立可能であるのに対し、進入口検出エラーが発生した後には、演出リセット用スイッチの操作によりエラー状態が解除されて、復帰条件が成立可能であってもよい。
上記実施の形態では、原点検出エラーや進入口通過エラーが発生した場合に、報知演出を実行しない制限を設けたり、示唆演出の一部を実行しない制限を設けるものとして説明した。これに対し、報知演出や示唆演出の制限は、原点検出エラーや進入口通過エラーが発生した場合という範囲や限界に対応して、任意の制限が設けられるものであってもよい。例えば、原点検出エラーや進入口通過エラーが発生した場合には、これらのエラーが発生していない場合よりも、報知演出や示唆演出の実行割合が低くなる制限を設けてもよい。あるいは、原点検出エラーや進入口通過エラーが発生した場合には、これらのエラーが発生していない場合よりも、報知演出や示唆演出を認識困難になる制限を設けてもよい。具体的な一例として、原点検出エラーや進入口通過エラーが発生した場合には、回動表示装置300の内部に設けられたリールランプを消灯したり、リールランプの点灯量(輝度)を低下させたりすることで、飾り図柄の可変表示において導出表示される確定飾り図柄を視認しにくくする制限が設けられてもよい。その他、スピーカ8L、8Rから出力される音声の音量を低下させること、遊技効果ランプ9の点灯量(輝度)を低下させること、演出用可動部材の動作量を低下させること、あるいは、これらの一部または全部の組合せにより、報知演出や示唆演出を認識困難になる制限を設けてもよい。
上記実施の形態では、凸部面273を開閉蓋270の中央に設けていた。しかしながら、凸部面273の開閉蓋における位置は、任意とすることができる。凸部面の形成位置が開閉蓋の中央に位置しない遊技機について、図29を参照しながら説明する。なお、本実施形態に係る遊技機の構成の大部分は、上記実施の形態の遊技機の構成と同様である。そのため、両実施形態で異なる構成を中心に説明するものとし、同一の構成あるいは自明の構成については説明を省略する。図29は、凸部面の形成位置が開閉蓋を示し、図29(a)は正面図、図29(b)は上方からみた図である。
この構成例において、遊技機の開閉蓋370は、図29(a)に示すように、凸部面373の形成位置が開閉蓋370の中央ではなく右側に寄っている。そのため、第1傾斜面371aは、第1傾斜面371bより長い。また、開閉蓋370は、傾斜角度が大きい第2傾斜面372a、372bと、第2傾斜面372aと第2傾斜面372bとを接続し開閉蓋370の頂部を構成する曲面状の凸部面373とを有している。
図29(b)に示すように、凸部面373によって左側に振り分けられた遊技球P10は、流路に向けて交互に突出したベース板330に形成された突起部333と第1前面板310に形成された突起部318との隙間を縫いながら蛇行する。また、右側に振り分けられた遊技球P10も、流路に向けて交互に突出したベース板330に形成された突起部334と第1前面板310に形成された突起部317との隙間を縫いながら蛇行する。なお、第1傾斜面371aは第1傾斜面371bよりも長いため、対応する突起部もより多く配置されている。
このような可変入賞装置は、例えば、遊技盤2の右側に配置し、左側に振り分けられて遊技盤の中央に戻る遊技球は入賞口に進入する可能性を残させ、右側に振り分けられた遊技球はアウト口に進入するように構成してもよい。これにより、可変入賞装置で左右どちらに遊技球が振り分けられるかについて遊技者に注目させることができる。
上記実施の形態では、上部大入賞口260を有する可変入賞装置200を遊技領域の上部中央に設ける場合について説明した。しかしながら、可変入賞装置200は任意の位置に配置することができる。例えば図30に示すように、可変入賞装置900を、入賞球装置6Aの下方に設け、大入賞口を有する特別可変入賞球装置として用いている。可変入賞装置900は、大当り遊技状態で図示しない開閉蓋を開放位置にして大入賞口を開放状態とする。開放状態は、所定期間(例えば29秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続する。可変入賞装置900は、大当たり遊技状態以外では、開閉蓋を閉鎖位置にして大入賞口を閉鎖状態とする。なお可変入賞装置900においては、図4に示す通過口230a以降のワープ流路251、排出路252の構成は不要であり、通過口を通過した遊技球をそのまま回収するようにすればよい。また、開放状態の期間は、例えば29秒間と上記実施の形態よりも長いため、開閉蓋上に多くの遊技球を留めておくための突起部217、218、233、234は設けなくてもよい。
また、可変入賞装置は、遊技球が所定のゲートを通過したことにより開閉蓋を開放する入賞球装置として遊技盤に配置してもよい。このような可変入賞装置を遊技領域の下部に設けることで、何れの入賞口に進入せずにアウト口に取り込まれてしまうと思われた遊技球が、突然開放状態となった可変入賞装置に進入させることができる。これにより、最後まで遊技領域を流下する遊技球の動きに注目させることができる。
開閉蓋270は、傾斜角度の小さな第1傾斜面271a、271bと、傾斜角度の大きな第2傾斜面272a、272bとを有し、傾斜角度の異なる傾斜面271a、271b、272a、272bを隣接させていた。しかしながら、開閉蓋の傾斜面を中央に向けて徐々に傾斜角度が大きくなるように構成して、遊技球の逆流を防止するようにしてもよい。開閉蓋270の両端部に形成された屈曲部274の下方に突出した部位の断面形状は半円状であるとしたが、開閉蓋用開口230aとの接触範囲を小さくできるのであれば、その断面形状は限定されない。例えば、三角形状として、その頂点で開閉蓋用開口230aと接触するようにしてもよい。開閉蓋270の頂部を構成する凸部面273は曲面状であるとしたが、遊技球が衝突することにより局所的に高い力が作用しない形状であればよく、例えば平面状であってもよい。開閉蓋270の両端に屈曲部274を形成することで、開閉蓋270端部の補強と、可変入賞装置200に対する不正の抑制とを実現していたが、その他の方法で実現するようにしてもよい。例えば、両端に向かうにつれて開閉蓋270の厚みを厚くするようにして、開閉蓋270端部の補強と、可変入賞装置200に対する不正の抑制とを実現してもよい。
上記した実施の形態では、遊技者にとって有利な特典が付与される有利状態として、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が3回よりも多い16回になるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、大当り遊技状態などの特定遊技状態に制御されることで特典が付与される有利状態となってもよいし、確変状態などの特別遊技状態に制御されることで特典が付与される有利状態となってもよい。あるいは、複数の時短状態のうちで実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となる時短状態に制御されることで特典が付与される有利状態となってもよいし、複数の確変状態のうち大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となる確変状態に制御されることで特典が付与される有利状態となってもよい。その他、遊技者にとって有利な任意の遊技状態に制御されることで特典が付与される有利状態となるものであればよい。
特別図柄や飾り図柄は、複数種類の識別情報として可変表示されるものに限定されない。例えば第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bは、複数のLEDを用いて構成され、特別図柄の可変表示中には、複数のLEDのうちで特定(単一)のLEDのみが点灯と消灯とを繰り返し、他のLEDは消灯された状態を維持する。そして、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、点灯と消灯とを繰り返したLEDが所定の発光色で発光(点灯)した状態を維持すること、あるいは消灯した状態を維持することで、特別図柄を停止表示する。このとき、他のLEDは消灯された状態を維持する。これに対し、可変表示結果が「大当り」となる場合には、複数のLEDのうちで一部または全部のLEDが点灯する所定の点灯パターンとなることで、特別図柄を停止表示する。このように、特別図柄や飾り図柄の可変表示中には、特定(単一)の図柄が表示と非表示とに切り替えられる一方、他の図柄は非表示の状態が維持されるようにしてもよい。そして、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄(確定特別図柄や確定飾り図柄)として、複数種類の図柄のいずれかが導出表示(停止表示)されるものであってもよい。また、例えば第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bは、7セグメントLEDを用いて構成され、特別図柄の可変表示中には、「−」を示す記号の表示(点灯)と非表示(消灯)とを繰り返し、他の数字や記号は表示されないようにしてもよい。そして、特別図柄の可変表示結果としては、「−」を示す記号が停止表示されることはなく、「1」〜「9」を示す数字や、その他の記号などを含む所定の点灯パターンとなることで、特別図柄を停止表示する。すなわち、特別図柄や飾り図柄の可変表示中には、可変表示結果としては停止表示されない図柄が表示と非表示とに切り替えられる一方、他の図柄は非表示の状態が維持されるようにしてもよい。その他にも、本願発明は、任意の可変表示を行う遊技機にも適用することができる。
パチンコ遊技機1としては、特別図柄や飾り図柄の可変表示を行わないものであってもよい。一例として、遊技領域に設けられた始動入賞口を通過(進入)した遊技球が検出されたことに基づいて、遊技領域に設けられた可変入賞装置を閉鎖状態(第2状態)から開放状態(第1状態)へと変化させ、可変入賞装置の内部に進入した遊技球が複数の領域のうちの特定領域(V入賞口)に進入したときに、遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御されるように構成されたものであってもよい。このような構成において、振分部820と同様の可動部材を移動可能とし、可動部材の動作異常と判定された場合に、復帰条件が成立するまで報知演出の実行を制限してもよい。
本発明は、パチンコ遊技機1に限らずスロットマシンなどにも適用できる。スロットマシンは、例えば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示といった所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機であり、より具体的に、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば複数のリールなど)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(例えばチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など)が発生可能とされた遊技機である。このようなスロットマシンにおいて、スロットマシンの前面側に設けられた演出可動機構を含めたハードウェア資源と、所定の処理を行うソフトウェアとが協働することにより、上記実施の形態で示されたパチンコ遊技機1が有する特徴の全部または一部を備えるように構成されていればよい。例えば、内部抽選により所定の役に内部当選したことに基づく可変表示が、内部当選していない場合の可変表示よりも遊技者にとって有利度の高い有利遊技となるものにおいて、内部当選に関連する可動部材の動作異常と判定された場合に、復帰条件が成立するまで報知演出の実行を制限してもよい。
あるいは、複数種類の特別役のうちに、入賞の発生に基づいて移行した遊技状態を終了させる条件の1つとなる遊技媒体(例えばメダルなど)の付与数量が第1数量(例えば「200」)となる第1特別役(例えば青7が揃うことによるビッグボーナス)と、第1数量よりも多い第2数量(例えば「300」)となる第2特別役(例えば赤7が揃うことによるビッグボーナス)とがあり、第2特別役に内部当選してから入賞が発生するまでの可変表示が、第1特別役に内部当選してから入賞が発生するまでの可変表示よりも遊技者にとって有利度の高い有利遊技となるものにおいて、第2特別役の内部当選に関連する可動部材の動作異常と判定された場合に、復帰条件が成立するまで報知演出の実行を制限してもよい。
あるいは、可変表示を実行可能な上限回数が第1回数(例えば「50」)となる第1ARTと、その上限回数が第1回数よりも多い第2回数(例えば「150」)となる第2ARTのいずれかに制御可能とし、第2ARTに制御すると決定されたことに基づく可変表示が、第1ARTに制御すると決定されたことに基づく可変表示よりも遊技者にとって有利度の高い有利遊技となるものにおいて、第2ARTへの制御に関連する可動部材の動作異常と判定された場合に、復帰条件が成立するまで報知演出の実行を制限してもよい。
あるいは、ART中における所定当選役(例えば再遊技役)などに基づく継続抽選確率が第1確率(例えば50%)となる第1ARTと、その継続抽選確率が第1確率よりも高い第2確率(例えば80%)となる第2ARTのいずれかに制御可能とし、第2ARTに制御すると決定されたことに基づく可変表示が、第1ARTに制御すると決定されたことに基づく可変表示よりも遊技者にとって有利度の高い有利遊技となるものにおいて、第2ARTへの制御に関連する可動部材の動作異常と判定された場合に、復帰条件が成立するまで報知演出の実行を制限してもよい。
あるいは、ART中において情報報知が可能になる可変表示のセット数(例えば1セットは50ゲームや150ゲームなどから抽選)を示す貯留数(ストック数)が第1貯留数(例えば「5」)である場合と、第1貯留数よりも多い第2貯留数(例えば「10」)である場合とがあり、第2貯留数に決定されたことに基づく可変表示が、第1貯留数に決定されたことに基づく可変表示よりも遊技者にとって有利度の高い有利遊技となるものにおいて、第2貯留数の決定に関連する可動部材の動作異常と判定された場合に、復帰条件が成立するまで報知演出の実行を制限してもよい。
(第2の実施形態)
第2の実施形態のパチンコ遊技機1は、第1の実施形態のパチンコ遊技機1と同様に回動表示装置300を備え、第1の実施形態における5桁分のセグメント演出表示器510に代え、4桁分のセグメント演出表示器510Aが用いられる。また、プッシュボタン31Bに加えて、遊技者が演出調整(演出の輝度レベルや音量レベルの調整)を行うために操作可能な十字キー31Cを備える。また、第2の実施形態では、遊技の進行に伴ってセグメント演出表示器510Aにおいて複数種類の情報が表示される。
ところで、第2の実施形態のパチンコ遊技機1は、第1の実施形態で説明したように、特図ゲームにおける特図の可変表示に対応して、回動表示装置300の3つのリールユニット400、500、600が動作する遊技機(以下、ドラム機ということがある)である。そして、このようなドラム機では、遊技領域の中央における回動表示装置300に対する注目を高めるため、各種の演出画像を表示することができる演出能力の高い画像表示装置(例えば、液晶表示装置や有機EL表示装置)を備えていない。このため、このようなドラム機においては、遊技の進行に伴って各種情報を表示するために、セグメント演出表示器510Aが用いられる。なお、以下の説明では、セグメント演出表示器510Aによる各種情報の表示のことを「セグ表示」ということがある。
(各種セグ表示)
まず、図31を参照して、第2の実施形態における各種セグ表示について説明する。図31(A)に示すように、セグメント演出表示器510Aは、4桁分の表示に対応するように、4つのセグメント表示器S1、S2、S3、S4から構成され、各セグメント表示器S1、S2、S3、S4は、7セグメントのLEDあるいはLCDを用いて構成される。
セグメント演出表示器510Aでは、各種セグ表示として、エラー表示、システム表示、操作系予告、非操作系予告、背景対応表示を表示可能である。以下に、これらの各種セグ表示について説明する。
(エラー表示)
エラー表示は、遊技機においてエラー(例えば、払出エラー)が発生したときに、当該エラーが発生したことを報知するセグ表示である。具体的には、図31(B1)に示すように、セグメント演出表示器510Aでは、4つのセグメント表示器を用いて、エラーの種類(例えば、払出エラー)を特定可能に、例えば「E−01」というセグ表示が行われる。なお、エラー表示としてのセグ表示は、エラーの種類が認識可能となるように複数種類のエラー(例えば、払出エラー、異常検知エラー、不正検知エラー等)のそれぞれに対応した表示態様が設定されていればよく、その表示態様は、図31(B1)に示すものに限られない。
(システム表示)
システム表示は、遊技機において設定されている音量レベルや輝度レベルを報知するセグ表示である。なお、輝度レベルとは、回動表示装置300の内部に設定されたリールランプ等のパチンコ遊技機1を構成するランプの複数段階の輝度を示し、音量レベルとは、スピーカ8L、8Rから出力される音声の複数段階の音量を示す。具体的には、図31(B2)に示すように、セグメント演出表示器510Aでは、4つのセグメント表示器を用いて、輝度レベル(例えば、レベル2)を特定可能に、例えば「LEd2」というセグ表示が行われる。なお、システム表示として、音量レベル(例えば、レベル2)を特定可能に表示される場合には、例えば「Vоl2」というセグ表示が行われる。なお、この輝度レベルや音量レベルは、遊技者が十字キー31Cを押下することで表示され、さらに遊技者が十字キー31Cを押下することで輝度レベルや音量レベルを調整可能となる。この点において、システム表示は、演出調整表示ということもできる。
なお、上記したシステム表示は、輝度レベルの表示や音量レベルの表示(演出調整表示)に限らず、チェックサムの表示やデバック表示を含むものとしてもよい。また、例えば、チェックサムの表示として6桁の表示が行われるときには、4桁のセグメント演出表示器510Aにおいて、6桁分のチェックサムの表示のうちの4桁分の表示を1桁ずつ順次左から右へスクロール表示させてループ表示させるものとすればよい。また、システム表示のセグ表示は、システム表示の種類が認識可能となるように複数種類のシステム表示に対応した表示態様が設定されていればよく、その表示態様は、図31(B2)に示すものに限られない。
(操作系予告)
操作系予告は、遊技者に対してプッシュボタン31Bに対する操作を行うことを促すセグ表示である。具体的には、図31(B3)に示すように、セグメント演出表示器510Aでは、4つのセグメント表示器を用いて、プッシュボタン31Bに対する操作が有効となる操作有効期間の残り時間(例えば、5秒)を特定可能に、例えば「0500」というセグ表示が行われる。この操作系予告のセグ表示は、時間の経過に応じて減算表示され、セグ表示が「0000」(つまり、残り時間が0秒)となると、操作有効期間が終了する。これにより、遊技者は、プッシュボタン31Bに対する操作を行うべきタイミングを認識可能となり、当該操作を促される。なお、この操作系予告のセグ表示が行われているとき(つまり、操作有効期間中に)遊技者がプッシュボタン31Bに対する操作を行うと、回動表示装置300において、操作に応じた操作対応演出(例えば、回動表示装置300の内部に設定されたリールランプが期待度を示唆する態様で発光する演出)が実行される。
なお、上記した操作系予告のセグ表示は、プッシュボタン31Bに対する操作を促すことができればよく、その表示態様は、図31(B3)に示す操作有効期間の残り時間を表示する態様に限らない。例えば、操作有効期間中においては「PUSH」というセグ表示が継続される(あるいは、強調するために点滅表示される)ものとしてもよい。また、操作系予告により操作が促される操作対象は、プッシュボタン31Bに限らず、他の操作手段(例えば、操作レバー)であってもよい。また、操作が促される操作対象の操作手段に応じて異なる表示態様で、操作系予告のセグ表示が行われるものとしてもよい。また、同じ操作手段に対する操作を促す操作系予告であっても、遊技者にとって有利な状態(例えば、大当り)となる期待度に応じてセグ表示の表示態様を異ならせるものとしてもよい。
(非操作系予告)
非操作系予告は、遊技者の操作を伴わない予告演出として実行されるセグ表示である。この予告演出としては、種々の演出が挙げられるが、第2の実施形態では、タイマー予告演出が実行される。ここで、タイマー予告演出とは、タイマー値が予め定められた初期値(例えば、30秒)から、時間の経過とともに減算され、タイマー値が「0」になると、特定の演出が実行されることを予告する演出である。この特定の演出としては、例えば、変動中の回動表示装置300の3つのリールユニットが示す飾り図柄がリーチ状態となるリーチ演出や、変動中の回動表示装置300の3つのリールユニットが示す飾り図柄が同一図柄で停止する大当り演出や、回動表示装置300の内部に設定されたリールランプが遊技者にとって有利な状態(例えば、大当り)となる期待度を示唆する態様で発光する演出や、遊技者の操作を促す操作促進演出等が挙げられる。なお、このタイマー予告演出におけるタイマー値の初期値が大きいほど、期待度が高いものとしてもよい。
タイマー予告演出が実行されると、図31(B4)に示すように、セグメント演出表示器510Aでは、4つのセグメント表示器のうち、左の2つのセグメント表示器S1、S2を用いて、特定の演出が実行されるまでの時間(例えば、28秒)を特定可能に、例えば「28」というセグ表示が行われ、右の2つのセグメント表示器S3、S4では、タイマー表示であることを強調するために、ランダムな点灯表示が行われる。この非操作系予告(タイマー予告演出)のセグ表示は、時間の経過に応じて減算表示され、左の2つのセグ表示が「00」(つまり、タイマー値が0)となると、上記した特定の演出が実行される。これにより、遊技者は、特定の演出が実行されるまでの時間を認識可能となり、特定の演出が実行されるまでの期待感を維持することが可能となる。
なお、タイマー予告演出のセグ表示は、特定の演出が実行されるまでの時間が認識可能となるような表示態様であればよく、図31(B4)に示すものに限られない。また、上記した非操作系予告のセグ表示は、タイマー予告演出のセグ表示に限るものではない。例えば、いわゆる2種スペックの遊技機において、時短最終変動において「第2特図の保留を上限値まで貯める」ことを促すために残変動時間(すなわち、時短最終変動の残りの変動時間)を報知するセグ表示であってもよい。具体的には、時短最終変動において、第2特図の保留数が上限値(例えば4)に達していない場合には、セグメント演出表示器510Aでは、時短最終変動の残変動時間(例えば、10秒)を特定可能に、例えば「1000」というセグ表示が行われる。このセグ表示は、時間の経過に応じて減算表示され、セグ表示が「0000」(つまり、残り時間が0秒)となると、時短最終変動が終了して、もはや第2特図の保留を貯められないことが示唆される。これにより、遊技者は、時短最終変動が終了するまでに第2特図の保留を上限値まで貯めることが促される。なお、時短最終変動が終了するまでに第2特図の保留が上限値まで貯まった場合には、セグメント演出表示器510Aでは、時短最終変動の残変動時間の表示を終了し、第2特図の保留が上限値まで貯まったことを特定可能に、例えば「good」というセグ表示が行われるものとしてもよい。
(背景対応表示)
背景対応表示は、遊技の進行に応じて変化する数値情報のうち、残りの時短回数(時短残回数)やラウンド回数を報知するセグ表示である。具体的には、図31(B5)に示すように、セグメント演出表示器510Aでは、4つのセグメント表示器のうち、左の2つのセグメント表示器S1、S2を用いて、時短残回数(例えば、15回)を特定可能に、例えば「15」というセグ表示が行われる。この背景対応表示(時短残回数)のセグ表示は、時短状態における可変表示が終了されるごとに減算表示され、セグ表示が「00」(つまり、時短残回数が0)となると、時短状態が終了する。これにより、遊技者は、遊技状態が時短状態から通常状態に戻ることを認識可能となる。なお、セグメント演出表示器510Aにおいて、時短残回数に代えて、時短回数がセグ表示されるものとしてもよい。この場合には、時短状態における可変表示が終了されるごとに時短回数が加算表示される。
なお、背景対応表示として、ラウンド回数(例えば、第1ラウンド)を特定可能に表示される場合には、セグメント演出表示器510Aでは、左のセグメント表示器S1を除く3つのセグメント表示器を用いて、例えば「R01」というセグ表示が行われる。この背景対応表示(ラウンド回数)のセグ表示は、ラウンドが進行するごとに加算表示される。これにより、遊技者は、大当り遊技状態における現在のラウンド数を認識可能となる。なお、セグメント演出表示器510Aにおいて、ラウンド回数に代えて、ラウンド残回数がセグ表示されるものとしてもよい。この場合には、ラウンドが進行するごとにセグ表示は減算表示される。
なお、背景対応表示は、時短残回数やラウンド回数に限られるものではなく、例えば、背景対応表示として、1回のラウンドにおいて特別可変入賞球装置7に入賞した遊技球の数(入賞数)が表示されるものとしてもよい。また、背景対応表示のセグ表示は、背景対応表示の種類や数値情報が認識可能となるような表示態様であればよく、図31(B5)に示すものに限られない。
以上のように、第2の実施形態においては、セグメント演出表示器510Aによるセグ表示として各種情報が表示されるが、エラー表示を除くと、遊技の進行に応じて変化する数値情報に関する「数値系表示」と、操作手段(プッシュボタン31Bや十字キー31C)に対する操作に関する「操作系表示」とに分類することができる。具体的には、システム表示(演出調整表示)は、十字キー31Cの押下に基づいて表示されるため「操作系表示」に分類され、操作系予告は、プッシュボタン31Bに対する操作の操作有効期間を表示するものであるため「操作系表示」に分類される。また、非操作系予告は、特定の演出が実行されるまでの時間(変化する数値情報)を表示するものであるため「数値系表示」に分類され、背景対応表示は、時短残回数やラウンド数のように遊技の進行に応じて変化する数値情報を表示するものであるため「数値系表示」に分類される。
(セグ表示の表示制御)
次に、セグメント演出表示器510Aによるセグ表示の表示制御について説明する。上述したようにセグメント演出表示器510Aは、遊技の進行に応じて変化する数値情報に関する数値系表示(非操作系予告、背景対応表示)や、操作手段に対する操作に関する操作系表示(システム表示、操作系予告)等の表示を行うことが可能となっている。演出制御用CPU120は、RAM122に設けられた制御用データ領域に制御用データが設定されている場合に、セグメント演出表示器510Aを所定の表示内容で表示する(LED等を所定の発光パターンにて発光させる)ことにより、各種情報が表示される。
また、制御用データ領域に設定される制御用データは、ランプ制御基板14が発光制御を行うためのデータである。演出制御用CPU120は、制御用データ領域に制御用データが設定されている場合には、この制御用データを読み取り、ランプ制御基板14に出力する。ランプ制御基板14は、制御用データに対応した表示内容を示す発光パターンで発光するようにランプドライバ回路など制御することで、セグメント演出表示器510Aが所定の表示内容で表示制御される。一方、制御用データ領域がNULLの場合は、当該制御用データ領域に制御用データは設定されていないと判定する。
(制御用データ領域の優先順位)
図32は、制御用データ領域の一例を示す図である。図32に示すように、制御用データ領域は、5つのレイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5で構成される。そして、各レイヤは、セグメント演出表示器510Aによるセグ表示の表示種別(情報の種類)に対応している。具体的には、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5は、それぞれ、背景対応表示、非操作系予告、操作系予告、システム表示、エラー表示に対応している。
また、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5には、優先順位が設定されており、優先順位が低い順に、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5となっている。ここで、「優先順位が設定されている」とは、具体的に、演出制御用CPU120がセグメント演出表示器510Aを表示制御する場合には、レイヤ5、レイヤ4、レイヤ3、レイヤ2、レイヤ1の順に制御用データが設定されているか否かを判定し、設定されていると判定された制御用データ領域(レイヤ)に設定されている制御用データをランプ制御基板14に出力するという制御を行うため、レイヤ5、レイヤ4、レイヤ3、レイヤ2、レイヤ1の順に優先されることを示している。なお、優先順位の設定を実現する例は、これに限るものではなく、例えば、各レイヤに優先順位を示す値を割り当てるようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は、まず制御用データが設定されている全てのレイヤに割り当てられた値を参照し、その中で優先順位が最も高い値(例えば最大値)が割り当てられているレイヤに設定された制御用データをランプ制御基板14に出力することとなる。
このように、レイヤには優先順位が設定されているため、セグメント演出表示器510Aでは1つのレイヤに対応した表示種別のセグ表示のみが行われ、複数の表示種別のセグ表示が同時に行われることはない。具体的には、レイヤ2とレイヤ4に制御用データが設定されている場合には、優先順位の高いレイヤ4の制御用データが読み取られることにより、レイヤ4に対応したシステム表示のセグ表示が行われることになる。
なお、図32に示される各制御用データ領域(レイヤ)に制御用データが設定されるタイミングは、制御用データにより制御を開始するタイミング(例えば、各種セグ演出を開始するタイミング)であり、設定された制御用データがリセットされるタイミングは、当該制御用データによる制御が終了するタイミング(例えば、各種セグ演出に定められた所定の演出時間が経過したタイミングや、所定条件(可変表示の終了やラウンドの終了等)が成立するタイミング)である。
(セグメント表示処理)
次に、図33を参照して、制御用データ領域に設定された制御用データを用いてセグメント演出表示器510Aの表示制御を行う場合の処理の一例について説明する。図33は、第2の実施形態における演出制御メイン処理のうち、セグメント演出表示器510Aにおける表示制御処理(セグメント表示処理)を抽出したフローチャートである。
セグメント表示処理において、演出制御用CPU120は、各種セグ表示の実行タイミングであるか否かを判定する(ステップ318SS1)。具体的には、演出制御用CPU120は、エラーが発生したときのエラー表示を行うタイミングであるか、遊技者が十字キー31Cを押下したことによるシステム表示(演出調整表示)を行うタイミングであるか、プッシュボタン31Bの操作を促すための操作系予告(操作有効期間の報知)を行うタイミングであるか、非操作系予告(タイマー予告演出)を行うタイミングであるか、または、背景対応表示(時短残回数やラウンド回数の表示)を行うタイミングであるか等を判定する。
各種セグ表示の実行タイミングであると判定された場合には、演出制御用CPU120は、各種セグ表示の表示種別(情報の種類)に対応した内容の制御用データを、当該表示種別に対応したレイヤに設定する(ステップ318SS2)。具体的には、演出制御用CPU120は、エラー表示の実行タイミングのときには、エラー表示の内容を示す制御用データをレイヤ5に設定し、システム表示の実行タイミングのときには、システム表示の内容を示す制御用データをレイヤ4に設定し、操作系予告の実行タイミングのときには、操作系予告の内容を示す制御用データをレイヤ3に設定し、非操作系予告の実行タイミングのときには、非操作系予告の内容を示す制御用データをレイヤ2に設定し、背景対応表示の実行タイミングのときには、背景対応表示の内容を示す制御用データをレイヤ1に設定する。
各種セグ表示の実行タイミングではなかったとき、またはレイヤに制御用データを設定した後には、演出制御用CPU120は、制御用データ領域のいずれかのレイヤに制御用データが設定されているか否かを判定する(ステップ318SS3)。制御用データ領域のいずれのレイヤにも制御用データが設定されていない場合には、演出制御用CPU120は、セグメント表示処理を終了する。
制御用データ領域のいずれかのレイヤに制御用データが設定されている場合には、演出制御用CPU120は、複数のレイヤに制御用データが設定されているか否かを判定する(ステップ318SS4)。
複数のレイヤに制御用データが設定されている場合には、演出制御用CPU120は、制御用データが設定されているレイヤのうち、優先順位の高いレイヤに設定された制御用データに基づいてセグ表示を実行する(ステップ318SS5)。具体的には、演出制御用CPU120は、優先順位の高いレイヤに設定された制御用データをランプ制御基板14に出力することにより、セグメント演出表示器510Aに所定の表示種別のセグ表示を行う。例えば、制御用データ領域のうち、レイヤ1とレイヤ3に制御用データが設定されている場合には、演出制御用CPU120は、優先順位の高いレイヤ3の制御用データをランプ制御基板14に出力する。これにより、セグメント演出表示器510Aでは、レイヤ1に対応した背景対応表示のセグ表示ではなく、レイヤ3に対応した操作系予告のセグ表示が行われることになる。
複数のレイヤに制御用データが設定されていない場合(つまり、1つのレイヤに制御用データが設定されている場合)には、演出制御用CPU120は、設定された制御用データに基づいてセグ表示を実行する(ステップ318SS6)。
(遊技の進行に応じたセグ表示)
次に、図34−図39を参照して、遊技の進行に応じたセグメント演出表示器510Aによるセグ表示の一例について説明する。なお、図34−図39の各図面において(1A)等の「A」が付記された図は、各種セグ表示の表示例を示し、(1B)等の「B」が付記された図は、左に列記される「A」が付記された各種セグ演出を実現するときに、制御用データ領域において設定されている制御用データを示す。なお、制御用データ領域の複数のレイヤのうち、制御用データが設定されているレイヤには〇印が付記されている。
なお、以下では、遊技の進行の一例として、通常状態において大当りして、大当り遊技状態を経て、その後、時短状態で制御されるものとする。なお、通常状態から大当り遊技状態への移行は、第1の実施形態で示したような、小当り遊技状態において特定の進入口(通常領域進入口811、特定領域進入口812、通常領域進入口813)に遊技球が進入したことに基づいて、大当り遊技状態に制御されるものに限らない。具体的には、通常状態において特別図柄が大当りを示す図柄で停止することで小当り遊技状態を経ることなく大当り遊技状態に制御されるものであってもよい。
(セグ表示の第1の例:背景対応表示中に操作系予告が行われるとき)
まず、図34を参照して、遊技の進行に応じたセグ表示の第1の例について説明する。第1の例では、時短状態において操作系予告が行われるときのセグ表示の例について説明する。
図34(1A)に示すように、時短状態においては、セグメント演出表示器510Aによるセグ表示として、背景対応表示(時短残回数表示)が表示される。具体的には、このとき、図34(1B)に示すように、制御用データ領域のうちレイヤ1に背景対応表示(時短残回数表示)の内容を示す制御用データが設定されている。これにより、レイヤ1に設定された背景対応表示の内容を示す制御用データに基づいて、セグメント演出表示器510Aにおいて、現在の時短残回数(例えば、15回)を示すセグ表示(例えば、「15」)が表示される(図34(1A)参照)。
次に、図34(2A)に示すように、回動表示装置300において3つのリールユニット400、500、600のうち、2つのリールユニット400、600が同じ飾り図柄(例えば、「7」)で停止するリーチ状態となることを契機に、操作系予告が開始されるものとする。このとき、図34(2B)に示すように、制御用データ領域には、背景対応表示(時短残回数表示)を表示するために設定されたレイヤ1の制御用データに加えて、操作系予告の内容を示す制御用データがレイヤ3に設定される。これにより、レイヤ1とレイヤ3の両方に制御用データが設定されることになるが、優先順位の高いレイヤ3の制御用データが読み取られてランプ制御基板14に出力される。そのため、レイヤ3に設定された操作系予告の内容を示す制御用データに基づいて、セグメント演出表示器510Aにおいて、操作系予告として操作有効期間の残り時間(例えば、5秒)を示すセグ表示(例えば、「0500」)が表示される(図34(2A)参照)。
次に、図34(3A)に示すように、操作系予告(操作有効期間の残り時間)のセグ表示が減算表示されて、例えば残り時間2秒を示すセグ表示(例えば、「0200」)が表示される。なお、このとき、図34(3B)に示すように、制御用データ領域に設定される制御用データは、図34(2B)と同様である。ここで、操作有効期間の残り時間が2秒のときに(つまり、操作有効期間内において)、遊技者がプッシュボタン31Bを押下するものとする。すると、遊技者の操作に応じて操作対応演出が実行される。具体的には、操作対応演出として、回動表示装置300の内部に設定されたリールランプが期待度を示唆する態様で発光する演出が行われる。なお、操作対応演出はこれに限られるものではなく、例えば、回動表示装置300の前面において導光板を備える場合には、当該導光板を発光させる演出を行うものとしてもよい。
次に、図34(4A)に示すように、遊技者がプッシュボタン31Bを押下したことにより(あるいは、プッシュボタン31Bを押下しないで操作有効期間が経過することにより)、操作有効期間が終了すると、セグメント演出表示器510Aにおいて操作系予告のセグ表示は終了し、時短残回数のセグ表示(例えば、「15」)に復帰する。具体的には、図34(4B)に示すように、制御用データ領域において、操作有効期間の終了に伴い、レイヤ3に設定されていた操作系予告の内容を示す制御用データがリセットされる。これにより、制御用データ領域には、背景対応表示(時短残回数表示)の内容を示す制御用データがレイヤ1に設定されている状態となる。このため、レイヤ1に設定された背景対応表示の内容を示す制御用データに基づいて、セグメント演出表示器510Aにおいて、現在の時短残回数を示すセグ表示が復帰表示される(図34(4A)参照)。
以上のように、第1の例によれば、セグメント演出表示器510Aによるセグ表示では、背景対応表示が表示されていても、操作系予告が表示されるタイミングにおいては、操作系予告が優先して表示される。このため、ドラム機においても遊技者に適切に操作を促すことが可能となり、セグメント演出表示器510Aにおいて、複数種類のセグ表示を好適に行うことが可能となる。
なお、上記した第1の例では、操作系予告は、リーチ状態となることを契機に実行されるものとしたが、操作系予告の実行契機はこれに限られるものではない。例えば、回動表示装置300において3つのリールユニット400、500、600が示す飾り図柄が異なる図柄(ハズレ図柄)で揺動しているときに操作系予告が実行され、遊技者の操作に応じた操作対応演出として、当り図柄に変更される(リールユニットが当り図柄まで回転して停止する)演出が行われるものとしてもよい。
また、上記した第1の例では、時短状態において操作系予告が行われるものとしたが、大当り遊技状態において操作系予告が行われるものとしてもよい。このときには、セグメント演出表示器510Aにおいて、背景対応表示のセグ表示として、第1の例の時短残回数を示すセグ表示に代え、ラウンド回数(例えば、第4ラウンド)を示すセグ表示(例えば、「R04」)が行われる。そして、大当り遊技中において操作系予告が行われると、セグメント演出表示器510Aによるセグ表示は、ラウンド回数のセグ表示から操作系予告(操作有効期間の残り時間)のセグ表示(例えば、「0500」)に切り替わり、遊技者が操作有効期間中にプッシュボタン31Bを押下することにより操作対応演出(例えば、回動表示装置300の内部に設定されたリールランプが発光することでラウンド数が増加することを示唆する演出)が実行される。そして、操作有効期間の終了に伴って操作系予告のセグ表示は終了し、ラウンド回数のセグ表示(例えば、「R04」)に復帰する。
(セグ表示の第2の例:背景対応表示中にシステム表示が行われるとき)
次に、図35を参照して、遊技の進行に応じたセグ表示の第2の例について説明する。第2の例では、時短状態においてシステム表示(輝度レベルの表示)が行われるときのセグ表示の例について説明する。
図35(1A)に示すように、時短状態においては、セグメント演出表示器510Aによるセグ表示として、背景対応表示(時短残回数表示)が表示される。具体的には、このとき、図35(1B)に示すように、制御用データ領域のうちレイヤ1に背景対応表示(時短残回数表示)の内容を示す制御用データが設定されている。これにより、レイヤ1に設定された背景対応表示の内容を示す制御用データに基づいて、セグメント演出表示器510Aにおいて、現在の時短残回数(例えば、18回)を示すセグ表示(例えば、「18」)が表示される(図35(1A)参照)。
次に、図35(2A)に示すように、遊技者が十字キー31Cのうち左右キーのいずれかを押下してシステム表示(本例では、輝度レベルの表示)を行うものとする。すると、遊技者の十字キー31Cの操作を契機に、システム表示のセグ表示が開始される。このとき、図35(2B)に示すように、制御用データ領域には、背景対応表示(時短残回数表示)を表示するために設定されたレイヤ1の制御用データに加えて、システム表示(輝度レベルの表示)の内容を示す制御用データがレイヤ4に設定される。これにより、レイヤ1とレイヤ4の両方に制御用データが設定されることになるが、優先順位の高いレイヤ4に設定されたシステム表示(輝度レベルの表示)の内容を示す制御用データに基づいて、セグメント演出表示器510Aにおいて、システム表示として現在の輝度レベル(例えば、レベル2)を示すセグ表示(例えば、「LEd2」)が表示される(図35(2A)参照)。なお、このシステム表示(輝度レベルの表示)のセグ表示は、遊技者が十字キー31Cを最後に操作してから所定時間(例えば2秒間)継続される。これにより、遊技者は現在の演出の調整レベル(輝度レベル)を確認することができる。また、この輝度レベルが表示されている所定時間において、遊技者が十字キー31Cの左右キーのいずれかをさらに操作することで、操作に応じて演出の調整レベル(輝度レベル)を調整することができる。
次に、図35(3A)に示すように、遊技者が十字キー31Cを最後に操作してから所定時間(例えば2秒間)が経過すると、セグメント演出表示器510Aにおいてシステム表示(輝度レベルの表示)のセグ表示は終了し、時短残回数のセグ表示(例えば、「18」)に復帰する。具体的には、図35(3B)に示すように、制御用データ領域においては、システム表示の終了に伴い、レイヤ4に設定されていたシステム表示の内容を示す制御用データがリセットされる。これにより、制御用データ領域には、背景対応表示(時短残回数表示)の内容を示す制御用データがレイヤ1に設定されている状態となる。このため、レイヤ1に設定された背景対応表示の内容を示す制御用データに基づいて、セグメント演出表示器510Aにおいて、現在の時短残回数を示すセグ表示が復帰表示される(図35(3A)参照)。
以上のように、第2の例によれば、セグメント演出表示器510Aによるセグ表示では、背景対応表示が表示されていても、システム表示(輝度レベルや音量レベルの表示)が表示されるタイミングにおいては、システム表示が優先して表示される。このため、ドラム機においても遊技者は好適に演出調整を行うことが可能となり、セグメント演出表示器510Aにおいて、複数種類のセグ表示を好適に行うことが可能となる。
また、第2の例によれば、システム表示は、セグメント演出表示器510Aにおいて実行されるので、時短状態のような可変表示の実行中や大当り遊技のようなラウンド遊技の実行中であっても表示可能となる。このため、遊技者は、いつでも演出調整を行うことが可能となる。
また、第1の例と第2の例とによれば、セグメント演出表示器510Aによるセグ表示では、操作系表示(操作系予告及びシステム表示)は、数値系表示(背景対応表示)よりも優先して表示される。このため、ドラム機においても、遊技者の操作に関する情報を適切に報知することが可能となり、セグメント演出表示器510Aにおいて、複数種類のセグ表示を好適に行うことが可能となる。
また、第1の例と第2の例とによれば、遊技者が操作可能な操作手段は、プッシュボタン31Bと十字キー31Cの複数あり、いずれの操作に関するセグ表示も行われる。具体的には、第1の例のように、プッシュボタン31Bに対する操作を促す操作系予告のセグ表示が行われるときもあれば、第2の例のように、十字キー31Cを操作することによりシステム表示のセグ表示が行われるときもある。また、これらのセグ表示はそれぞれ異なる表示態様で行われるので、ドラム機においても、複数の操作手段に関するセグ表示を好適に実行することができ、セグメント演出表示器510Aにおいて、複数種類のセグ表示を好適に行うことが可能となる。
なお、上記した第2の例では、十字キー31Cの左右キーの最初の操作により、現在設定されているシステム表示(輝度レベルの表示)がセグ表示され、現在の輝度レベルがセグ表示されているときに、さらに十字キー31Cの左右キーが操作されることで、操作に応じて輝度レベルを調整可能としたが、これに限られるものではない。例えば、十字キー31Cの左右キーを最初に操作した時点で、現在設定されている輝度レベルから操作に応じた輝度レベルに調整し、調整後の輝度レベルがセグ表示されるものとしてもよい。
また、上記した第2の例では、システム表示として、輝度レベルが表示されるものとしたが、同様に音量レベルも表示可能である。具体的には、十字キーのうち左右キーを押下したときには、輝度レベルが表示(あるいは調整)されるが、十字キーのうち上下キーを押下したときには、音量レベルが表示(あるいは調整)される。また、輝度レベルや音量レベルの表示(あるいは調整)は、十字キー31Cによる操作に限らず、他の操作手段(例えば、操作レバー)によって行われるものとしてもよい。
また、上記した第2の例では、時短状態においてシステム表示が行われるものとしたが、大当り遊技状態においてシステム表示が行われるものとしてもよい。このときには、セグメント演出表示器510Aにおいて、背景対応表示のセグ表示として、第2の例の時短残回数を示すセグ表示に代え、ラウンド回数(例えば、第4ラウンド)を示すセグ表示(例えば、「R04」)が行われる。そして、大当り遊技中において十字キー31Cが操作されると、セグメント演出表示器510Aによるセグ表示は、ラウンド回数のセグ表示からシステム表示のセグ表示(例えば、「LEd2」)に切り替わり、遊技者が最後に十字キー31Cを操作してから所定時間(例えば、2秒間)が経過するとシステム表示のセグ表示は終了し、ラウンド回数のセグ表示(例えば、「R04」)に復帰する。
(セグ表示の第3の例:操作系予告とシステム表示とが重複されるとき)
次に、図36を参照して、遊技の進行に応じたセグ表示の第3の例について説明する。第3の例では、時短状態において操作系予告とシステム表示が重複して行われるときのセグ表示の例について説明する。
図36(1A)に示すように、時短状態においては、セグメント演出表示器510Aによるセグ表示として、背景対応表示(時短残回数表示)が表示される。具体的には、このとき、図36(1B)に示すように、制御用データ領域のうちレイヤ1に背景対応表示(時短残回数表示)の内容を示す制御用データが設定されている。これにより、レイヤ1に設定された背景対応表示の内容を示す制御用データに基づいて、セグメント演出表示器510Aにおいて、現在の時短残回数(例えば、15回)を示すセグ表示(例えば、「15」)が表示される(図36(1A)参照)。
次に、図36(2A)に示すように、回動表示装置300において3つのリールユニット400、500、600のうち、2つのリールユニット400、600が同じ飾り図柄(例えば、「7」)で停止するリーチ状態となることを契機に、操作系予告が開始されるものとする。このとき、図36(2B)に示すように、制御用データ領域には、背景対応表示(時短残回数表示)を表示するために設定されたレイヤ1の制御用データに加えて、操作系予告の内容を示す制御用データがレイヤ3に設定される。これにより、レイヤ1とレイヤ3の両方に制御用データが設定されることになるが、優先順位の高いレイヤ3に設定された操作系予告の内容を示す制御用データに基づいて、セグメント演出表示器510Aにおいて、操作系予告として操作有効期間の残り時間(例えば、5秒)を示すセグ表示(例えば、「0500」)が表示される(図36(2A)参照)。
次に、図36(3A)に示すように、セグメント演出表示器510Aにおいて操作系予告のセグ表示が行われているとき(例えば、操作系予告が開始されてから1秒後)に、遊技者が、操作系予告によって操作が促されたプッシュボタン31Bではなく、十字キー31Cを操作すると、セグメント演出表示器510Aにおいて、十字キー31Cの操作に基づくシステム表示(例えば、輝度レベルの表示)のセグ表示が行われる。このとき、図36(3B)に示すように、制御用データ領域には、背景対応表示(時短残回数表示)を表示するために設定されたレイヤ1の制御用データと、操作系予告(操作有効期間の残り時間)を表示するために設定されたレイヤ3の制御データに加えて、システム表示の内容を示す制御用データがレイヤ4に設定される。これにより、レイヤ1とレイヤ3とレイヤ4に制御用データが設定されることになるが、優先順位の高いレイヤ4に設定されたシステム表示(輝度レベルの表示)の内容を示す制御用データに基づいて、セグメント演出表示器510Aにおいて、システム表示として現在の輝度レベル(例えば、レベル2)を示すセグ表示(例えば、「LEd2」)が表示される(図36(3A)参照)。
次に、図36(4A)に示すように、遊技者が十字キー31Cを最後に操作してから所定時間(2秒間)経過する(操作系予告が開始されてから1秒+2秒=3秒間経過する)と、セグメント演出表示器510Aにおいてシステム表示(輝度レベルの表示)のセグ表示は終了し、操作系予告のセグ表示(例えば、「0200」)に復帰する。具体的には、図36(4B)に示すように、制御用データ領域においては、システム表示の終了に伴い、レイヤ4に設定されていたシステム表示の内容を示す制御用データがリセットされる。これにより、制御用データ領域には、背景対応表示(時短残回数表示)の内容を示す制御用データがレイヤ1に設定され、操作系予告(操作有効期間の残り時間)の内容を示す制御用データがレイヤ3に設定されている状態となる。このため、優先順位の高いレイヤ3に設定された操作系予告の内容を示す制御用データに基づいて、セグメント演出表示器510Aにおいて、操作系予告を示すセグ表示が復帰表示される。なお、このとき、操作有効期間の残り時間は、時間の経過(3秒経過)に応じて減算表示されている(5秒−3秒=2秒)。このため、操作系予告を示すセグ表示として、例えば「0200」が表示される(図36(4A)参照)。つまり、システム表示は、操作系予告が行われている間非表示となるが、操作有効期間の残り時間は減算処理されており、操作系予告の終了に伴って復帰表示されるときには、減算処理後の表示が行われる。このように、システム表示と操作系予告が重複して実行されるときには、優先順位の高いシステム表示が優先して表示されるが、操作系予告はその表示が制限されるものの、数値情報(操作有効期間の残り時間)は更新されている。このため、操作系予告のセグ表示を実行しているときに、操作系予告よりも優先順位の高いセグ表示が割込み表示されても、操作系予告のセグ表示が復帰表示されたときには、適切な情報を表示可能となる。
以上のように、第3の例によれば、同時に操作可能な複数の操作手段(本例では、プッシュボタン31Bと十字キー31C)があり、いずれの操作手段に対する操作に関する操作系表示(本例では、システム表示と操作系予告)も実行可能であるときに、それぞれの操作系表示に異なる優先順位が設定されている。このため、ドラム機においても遊技者は複数の操作手段に対する操作を好適に行うことが可能となり、セグメント演出表示器510Aにおいて、複数種類のセグ表示を好適に行うことが可能となる。
また、第3の例によれば、セグメント演出表示器510Aによるセグ表示では、操作系予告が表示されていても、システム表示が表示されるタイミングにおいては、システム表示が優先して表示される。このため、操作系予告が実行されているときでも、遊技者は、十字キー31Cを操作することでシステム表示(例えば、輝度レベルの表示)を行うことができるので、遊技者は、いつでも演出調整を行うことが可能となる。
なお、上記した第3の例では、システム表示が操作系予告よりも優先して実行されるものとしたが、この優先順位は反対であってもよい。なお、操作系予告がシステム表示よりも優先されるときには、操作系予告に対して遊技者の注目を集めることが可能となる。また、この場合には、操作系予告が実行されているときにはシステム表示は行われないが、輝度レベルや音量レベルの調整は実行可能(すなわち、システム表示のセグ表示は行われないが、輝度レベルや音量レベルは遊技者の操作に応じて変更可能)であるものとしてもよい。
(セグ表示の第4の例:遊技状態が変化するとき)
次に、図37を参照して、遊技の進行に応じたセグ表示の第4の例について説明する。第4の例では、同じ数値系表示のセグ表示であっても遊技状態に応じて対象となる表示種別が異なる例について説明する。なお、数値系表示とは、前述したように、遊技の進行に応じて変化する数値情報に関するセグ表示であり、本例では、非操作系予告及び背景対応表示に相当する。また、第4の例では、遊技の進行の一例として、通常状態において大当りして、大当り遊技状態を経て、その後、時短状態に制御されるものとする。
図37(1A)に示すように、通常状態においては、セグメント演出表示器510Aによる数値系表示として、非操作系予告(タイマー予告演出)のセグ表示を実行可能である。具体的には、回動表示装置300において3つのリールユニット400、500、600のうち、2つのリールユニット400、600が同じ飾り図柄(例えば、「7」)で停止するリーチ状態となることを契機に、非操作系予告(タイマー予告演出)のセグ表示が開始される。このとき、図37(1B)に示すように、制御用データ領域のうちレイヤ2に非操作系予告(タイマー予告演出)の内容を示す制御用データが設定されている。これにより、レイヤ2に設定された非操作系予告の内容を示す制御用データに基づいて、セグメント演出表示器510Aにおいて、タイマー予告演出(例えば、タイマー値28秒)を示すセグ表示(例えば、「28」+ランダム点灯表示)が表示される(図37(1A)参照)。
なお、通常状態においては、上記したように所定条件を満たしたとき(例えば、リーチ状態となったとき)に、非操作系予告(タイマー予告演出)のセグ表示が行われるが、このような所定条件を満たしていないときには、セグメント演出表示器510Aにおいてセグ表示は行われない(消灯表示されている)。
次に、図37(2A)に示すように、タイマー予告演出を示すセグ表示が減算表示されて、例えばタイマー値が0を示すセグ表示(例えば、「0000」)が表示される。なお、このとき、図37(2B)に示すように、制御用データ領域に設定される制御用データは、図37(1B)と同様である。そして、タイマー値が0になることにより、タイマー予告演出により予告された特定の演出として、例えば大当り演出が実行される。具体的には、変動中の回動表示装置300の3つのリールユニットが示す飾り図柄が同一図柄(例えば、「7」)で停止する。これにより、タイマー予告演出が大当り演出を予告していたことが理解される。
次に、図37(3A)に示すように、大当り遊技状態に移行することでラウンド遊技が開始される。ラウンド遊技においては、セグメント演出表示器510Aによる数値系表示として、背景対応表示(ラウンド回数の表示)のセグ表示が行われる。このとき、図37(3B)に示すように、制御用データ領域のうちレイヤ1に背景対応表示(ラウンド回数の表示)の内容を示す制御用データが設定されている。これにより、レイヤ1に設定された背景対応表示の内容を示す制御用データに基づいて、セグメント演出表示器510Aにおいて、ラウンド回数(例えば、第1ラウンド)を示すセグ表示(例えば、「R01」)が表示される(図37(3A)参照)。
次に、図37(4A)に示すように、大当り遊技状態が終了することで時短状態に移行する。時短状態においては、セグメント演出表示器510Aによる数値系表示として、背景対応表示(時短残回数の表示)のセグ表示が行われる。このとき、図37(4B)に示すように、制御用データ領域のうちレイヤ1に背景対応表示(時短残回数の表示)の内容を示す制御用データが設定されている。これにより、レイヤ1に設定された背景対応表示の内容を示す制御用データに基づいて、セグメント演出表示器510Aにおいて、時短残回数(例えば、99回)を示すセグ表示(例えば、「99」)が表示される(図37(4A)参照)。
以上のように、第4の例によれば、セグメント演出表示器510Aにおいては、各種数値情報を示すセグ表示が行われるが、遊技状態に応じて対象となる数値情報が適切に変化される。具体的には、通常状態においては、基本的にはセグ表示は行われないが、予告演出(非操作系予告)が行われるときには当該非操作系予告を示すセグ表示が行われ、大当り遊技状態においては、常時、背景対応表示(ラウンド回数)のセグ表示が行われ、時短遊技状態においては、常時、背景対応表示(時短残回数)のセグ表示が行われる。このため、ドラム機においても遊技状態に応じて好適な数値情報を遊技者に報知することが可能となり、セグメント演出表示器510Aにおいて、複数種類のセグ表示を好適に行うことが可能となる。
なお、上記した第4の例では、非操作系予告(タイマー予告演出)は、リーチ状態となることを契機に実行されるものとしたが、非操作系予告の実行契機はこれに限られるものではない。例えば、回動表示装置300において3つのリールユニット400、500、600の変動が開始されたことを契機に非操作系予告が実行されるものとしてもよい。また、この場合には、タイマー予告演出によってリーチ状態となることが予告されるものとしてもよい。
また、上記した第4の例において、1回のラウンドにおいて特別可変入賞球装置7に入賞した遊技球の数(入賞数)がセグ表示されるものとしてもよい。なお、この場合には、入賞数のセグ表示がラウンド回数のセグ表示よりも優先して表示されるものとすればよい。このようにすると、1回のラウンドが開始されると、セグメント演出表示器510Aにおいて、まずはラウンド回数を示すセグ表示が行われ、その後、特別可変入賞球装置7に遊技球が入賞する毎に、入賞した遊技球の数に応じて入賞数を示すセグ表示が行われ、特別可変入賞球装置7が閉鎖されると、再びラウンド回数を示すセグ表示が行われるようにすることができる。
また、上記した第4の例では、タイマー予告演出は、大当りを予告するものとしたが、これに限られるものではなく、例えば、タイマー予告演出は、プッシュボタン31Bを用いたボタン演出(例えば、決めボタン演出)が実行されることを予告するものとしてもよい。具体的には、リーチ状態においてタイマー予告演出が実行され、タイマー値が0になると、操作系予告のセグ表示(操作有効期間の残り時間「5000」の表示、あるいは「PUSH」の表示)が行われ、操作有効期間中に遊技者がプッシュボタン31Bを操作することで、大当りか否かが報知されるものとしてもよい。
また、上記した第4の例では、非操作系予告(タイマー予告演出)は、通常状態において実行されるものとし、大当り遊技状態や時短状態においては行われないものとしている。これにより、大当り遊技状態や時短状態においては、背景対応表示のセグ表示を常時行うことが可能となる。しかし、大当り遊技状態や時短状態においても非操作系予告が実行されるものとしてもよい。この場合には、非操作系予告は、背景対応表示よりも優先順位が高いので、非操作系予告のセグ表示が実行されるときには、背景対応表示(ラウンド回数や時短残回数の表示)が非表示となり、非操作系予告のセグ表示が優先して表示される。
また、上記した第4の例では、客待ち状態におけるセグ表示について言及していないが、客待ち状態においては、背景対応表示として機種名や遊技機の制作会社の名前がセグ表示される(例えば、アルファベット表示される)ものとしてもよい。なお、客待ち状態において機種名等のセグ表示がおこなわれているときに、遊技者が十字キー31Cを押下すると、システム表示の方が背景対応表示よりも優先順位が高いので、セグ表示はシステム表示(例えば、輝度レベルの表示)に切り替わる。
(セグ表示の第5の例:エラーが発生したとき)
次に、図38を参照して、遊技の進行に応じたセグ表示の第5の例について説明する。第5の例では、エラーが発生したときのセグ表示の例について説明する。なお、第5の例では、大当り遊技状態において払出エラーが発生する例について説明する。
図38(1A)に示すように、大当り遊技状態のラウンド遊技においては、セグメント演出表示器510Aによるセグ表示として、背景対応表示(ラウンド回数の表示)が表示される。このとき、図38(1B)に示すように、制御用データ領域のうちレイヤ1に背景対応表示(ラウンド回数の表示)の内容を示す制御用データが設定されている。これにより、レイヤ1に設定された背景対応表示の内容を示す制御用データに基づいて、セグメント演出表示器510Aにおいて、ラウンド回数(例えば、第5ラウンド)を示すセグ表示(例えば、「R05」)が表示される(図38(1A)参照)。
次に、図38(2A)に示すように、ラウンド遊技中において払出エラーが発生したものとする。このとき、図38(2B)に示すように、制御用データ領域には、背景対応表示(ラウンド回数の表示)を表示するために設定されたレイヤ1の制御用データに加えて、エラー表示の内容を示す制御用データがレイヤ5に設定される。これにより、レイヤ1とレイヤ5の両方に制御用データが設定されることになるが、優先順位の高いレイヤ5に設定された操作系予告の内容を示す制御用データに基づいて、セグメント演出表示器510Aにおいて、エラー表示(例えば、払出エラー)を示すセグ表示(例えば、「E−01)が表示される(図38(2A)参照)。
次に、図38(3A)に示すように、払出エラーが発生してエラー表示を示すセグ表示が行われているときに、遊技者が十字キー31Cを操作したものとする。しかし、エラーが発生しているときにおける操作手段(十字キー31C)に対する操作は無効化される。具体的には、図38(3B)に示すように、遊技者が十字キー31Cを操作しても、制御用データ領域には、システム表示の内容を示す制御用データがレイヤ4に設定されない。このため、制御用データ領域に設定される制御用データは、図38(2B)と同様である。したがって、セグメント演出表示器510Aにおいて、エラー表示を示すセグ表示(例えば、「E−01」)が継続される(図38(3A)参照)。なお、このとき、操作手段(十字キー31C)に対する操作は無効化されているので、システム表示のセグ表示が行われないだけではなく、輝度レベルや音量レベルの演出調整(変更)が行われることもない。
次に、図38(4A)に示すように、エラーが解除されると、セグメント演出表示器510Aにおいてエラー表示のセグ表示は終了し、ラウンド回数のセグ表示(例えば、「R06」)が復帰表示される。具体的には、図38(4B)に示すように、制御用データ領域においては、エラー表示の終了に伴い、レイヤ5に設定されていたエラー表示の内容を示す制御用データがリセットされる。これにより、制御用データ領域には、背景対応表示(ラウンド回数表示)の内容を示す制御用データがレイヤ1に設定されている状態となる。このため、レイヤ1に設定された背景対応表示の内容を示す制御用データに基づいて、セグメント演出表示器510Aにおいて、現在のラウンド回数を示すセグ表示が復帰表示される(図38(4A)参照)。
以上のように、第5の例によれば、パチンコ遊技機にエラーが発生すると、セグメント演出表示器510Aにおいて、どの種類の情報よりも優先してエラー表示のセグ表示が行われる。このため、ドラム機においても、遊技機のエラーを好適に報知することが可能となり、セグメント演出表示器510Aにおいて、複数種類のセグ表示を好適に行うことが可能となる。また、遊技機にエラーが発生しているときには、操作手段に対する操作が無効化されるので、遊技機を適正に制御することができる。
なお、上記した第5の例では、エラーが発生したときには、輝度レベルや音量レベルを変更するための操作そのものが無効化される(このため、当然にシステム表示に対応するレイヤ4にも制御用データが設定されない)ため、エラー発生前に、例えば輝度レベルのセグ表示として、例えば「LEd2」が表示されていたときには、エラー発生中にどれだけ十字キー31Cを操作しても輝度レベルは変化せず、エラー解除後に初めて十字キー31Cを操作すると、エラー発生前の輝度レベル(「LEd2」)のセグ表示が表示されることになる。
また、上記した第5の例では、エラー表示のエラー内容として払出エラーを例に挙げたが、エラー内容は他のエラーであってもよく、エラーの種類に応じて異なる態様のセグ表示が行われるものとすればよい。また、上記では払出エラーを例に挙げたため、エラー表示中でも遊技を実行可能としているが、エラーの種類によっては遊技を停止するものとしてもよい。具体的には、不正検知エラーが発生したときには、エラー表示のセグ表示が行われるとともに遊技を停止するものとしてもよく、さらにこのときのセグ表示は、他の種類のエラーのセグ表示よりも強調した態様(例えば、点滅表示や、ループ表示等)で表示されるものとしてもよい。また、このようなエラーの発生に伴って遊技を停止する場合には、制御用データ領域のうちレイヤ5以外のレイヤ(レイヤ1〜4)に設定された制御用データをクリアするものとしてもよい。このようにすると、エラーが解除され、遊技が再開されたときに不自然なセグ表示が行われることを防止することができる。
また、上記した第5の例において、エラーが発生したときには、セグメント演出表示器510Aによるエラー表示のセグ表示だけでなく、パチンコ遊技機が備える他の装飾用LED(例えば、遊技効果ランプ9や、演出用LED10)がエラーを報知するように点灯表示されるものとしてもよい。例えば、エラーが発生したときには、これらの装飾用LEDを全て白色で点灯表示させるものとしてもよいし、全て赤白点滅表示させるものとしてもよい。このようにすることで、パチンコ遊技機にエラーが発生していることを、より好適に報知することができる。
(セグ表示の第6の例:背景対応表示の数値情報が更新されるとき)
次に、図39を参照して、遊技の進行に応じたセグ表示の第6の例について説明する。第6の例では、背景対応表示の数値情報が更新されるときのセグ表示の例について説明する。
図39(1A)に示すように、時短状態において、時短残回数が15回のときの可変表示が終了するものとする。このときには、回動表示装置300において3つのリールユニット400、500、600が示す飾り図柄が異なる図柄(ハズレ図柄)で停止する。なお、このときには、図39(1B)に示すように、制御用データ領域のうちレイヤ1に背景対応表示(時短残回数表示)の内容を示す制御用データが設定されている。これにより、レイヤ1に設定された背景対応表示の内容を示す制御用データに基づいて、セグメント演出表示器510Aにおいて、可変表示終了時の時短残回数(例えば、15回)を示すセグ表示(例えば、「15」)が表示される(図39(1A)参照)。
次に、図39(2A)に示すように、時短状態において、次の可変表示が開始されることにより、回動表示装置300の3つのリールユニットが変動開始する。このとき、図39(2B)に示すように、制御用データ領域に設定される制御用データは、図39(1B)と同様であり、レイヤ1に設定された背景対応表示の内容を示す制御用データに基づいて、セグメント演出表示器510Aにおいて、可変表示開始時の時短残回数(例えば、14回)を示すセグ表示(例えば、「14」)が表示される(図39(2A)参照)。これにより、セグメント演出表示器510Aにおいて、時短残回数のセグ表示が「15」から「14」に更新表示される。
そして、第6の例においては、このように、背景対応表示(時短残回数)の数値情報が更新されることに伴ってセグ表示が更新表示される期間(つまり、変動開始タイミングを含む所定期間;以下、更新期間という)においては、例外的に、システム表示のセグ表示が禁止される。
図39(2A)に示すように、上記した更新期間においては、十字キー31Cが操作されても、セグメント演出表示器510Aにおいてシステム表示のセグ表示が行われることはなく、背景対応表示のセグ表示が継続される。具体的には、この更新期間においては、図39(2B)に示すように、遊技者が十字キー31Cを操作しても、制御用データ領域には、システム表示の内容を示す制御用データがレイヤ4に設定されない。したがって、セグメント演出表示器510Aにおいて、背景対応表示(時短残回数)を示すセグ表示(例えば、「14」)が継続される(図39(2A)参照)。
なお、更新期間においては、操作手段(十字キー31C)に対する操作は有効であり、システム表示のセグ表示が行われないだけで、輝度レベルや音量レベルの演出調整を実行可能(変更可能)であるとしてもよい。例えば、更新期間の開始前に、システム表示(輝度レベルの表示)のセグ表示として例えば「LEd2」が表示されていた場合において、更新期間において十字キー31Cを操作することにより輝度レベルが一段階上げられたものとする。この場合に、更新期間経過後の可変表示の変動中において、遊技者が十字キー31Cを操作すると、図39(3B)に示すように、制御用データ領域には、背景対応表示(時短残回数表示)を表示するために設定されたレイヤ1の制御用データに加えて、システム表示(輝度レベルの表示)の内容を示す制御用データがレイヤ4に設定される。これにより、レイヤ1とレイヤ4の両方に制御用データが設定されることになるが、優先順位の高いレイヤ4に設定されたシステム表示(輝度レベルの表示)の内容を示す制御用データに基づいて、セグメント演出表示器510Aにおいて、更新されている現在の輝度レベル(例えば、レベル3)を示すセグ表示(例えば、「LEd3」)が表示されることになる(図39(3A)参照)。
以上のように、第6の例によれば、数値系表示(背景対応表示)の数値情報が遊技の進行に応じて更新されることに伴って、セグ表示が更新表示される更新期間においては、操作手段(十字キー31C)に対する操作に伴うセグ表示(システム表示)が行われることが禁止される。これにより、セグ表示の数値情報が更新表示されたのか、他の種別のセグ表示に切り替わったのか誤認することを防止することができるので、ドラム機においても、数値情報の更新に伴うセグ表示を適切に報知することが可能となり、セグメント演出表示器510Aにおいて、複数種類のセグ表示を好適に行うことが可能となる。
なお、上記した第6の例では、更新期間においては、遊技者が十字キー31Cを操作しても、制御用データ領域には、システム表示の内容を示す制御用データをレイヤ4に設定しないという制御を行うことにより、更新期間においては背景対応表示を優先表示するものとした。しかし、更新期間における制御はこれに限らず、例えば、更新期間においては、例外的に、背景対応表示の優先順位を上げる(少なくともシステム表示の優先順位よりも上げる)制御を行うものとしてもよい。このようにしても、更新期間において背景対応表示を優先的に表示することが可能となり、遊技者の誤認を防止することができる。
また、上記した第6の例では、数値情報が変化する背景対応表示の例として、時短残回数を例に説明したが、数値情報が変化する背景対応表示はラウンド回数であってもよい。この場合には、ラウンド回数が更新表示される更新期間においては、操作手段(十字キー31C)に対する操作に伴うセグ表示(システム表示)が行われることが禁止されることにより、ラウンド回数の表示が優先される。これにより、ラウンド回数が更新表示されるときにも、時短回数が更新表示されるときと同様に、遊技者の誤認を防止することが可能となる。
また、上記した第6の例では、更新期間においては、システム表示のセグ表示が禁止される一方で、操作手段(十字キー31C)に対する操作は有効であり、輝度レベルや音量レベルの演出調整を実行可能(変更可能)であるとした。しかし、これに代え、操作手段に対する操作そのものを無効化するものとしてもよい。このようにしても、更新期間において操作手段が操作されても、当該操作が無効であるため、当該操作に基づくシステム表示のセグ表示が行われることもなく、背景対応表示のセグ表示が継続されるので更新期間における遊技者の誤認を防止することができる。
(第2の実施形態の効果等について)
以上説明したように、第2の実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて変化する数値情報に関する数値系表示(背景対応表示)と、プッシュボタン31Bや十字キー31Cに対する操作に関する操作系表示(システム表示、操作系予告)とを、セグメント演出表示器510Aにおいて表示可能であり、図34、図35を参照して説明したように、操作系表示を数値系表示よりも優先して表示可能である。このため、ドラム機においても遊技者の操作に関する情報を適切に報知することが可能となり、セグメント演出表示器510Aにおいて、複数種類のセグ表示を好適に行うことが可能となる。
また、図37を参照して説明したように、遊技の進行に応じて変化する数値情報に関する数値系表示としては、複数種類の異なる数値情報に関する表示(非操作系予告のセグ表示、ラウンド回数のセグ表示、時短残回数のセグ表示)があり、遊技状態(通常状態、大当り遊技状態、時短状態)に応じて、いずれかの数値情報に関する表示が行われる。このため、ドラム機においても遊技状態に応じて好適な数値情報を遊技者に報知することが可能となり、セグメント演出表示器510Aにおいて、複数種類のセグ表示を好適に行うことが可能となる。
また、図36を参照して説明したように、操作手段には、遊技者が同時に操作可能なプッシュボタン31Bと十字キー31Cとがあり、操作に関する操作系表示として、プッシュボタン31Bに対する操作に関する操作系予告のセグ表示と、十字キー31Cに対する操作に関するシステム表示のセグ表示とを異なる優先順位で表示する。このため、ドラム機においても遊技者は複数の操作手段に対する操作を好適に行うことが可能となり、セグメント演出表示器510Aにおいて、複数種類のセグ表示を好適に行うことが可能となる。
また、図38を参照して説明したように、遊技機に関するエラーが発生したときには、操作手段に対する操作を無効化し、遊技機のエラー情報に関するエラー表示のセグ表示を優先して表示可能である。このため、ドラム機においても、エラー発生時に、遊技機を適正に制御するとともにエラーを好適に報知することが可能となり、セグメント演出表示器510Aにおいて、複数種類のセグ表示を好適に行うことが可能となる。
また、操作手段は、プッシュボタン31Bと十字キー31Cの2つ(複数)あり、操作に関する操作系表示として、図34を参照して説明したように操作系予告のセグ表示を行うことや、図35を参照して説明したようにシステム表示のセグ表示を行うことが可能であり、複数の操作手段のいずれの操作に関するセグ表示も行うことができる。このため、ドラム機においても、複数の操作手段に関するセグ表示を好適に実行することができ、セグメント演出表示器510Aにおいて、複数種類のセグ表示を好適に行うことが可能となる。
また、図39を参照して説明したように、遊技の進行に応じて数値情報が変化するタイミングでは、操作に関する操作系表示(システム表示のセグ表示)を制限する。これにより、セグ表示の数値情報が更新表示されたのか、他の種別のセグ表示に切り替わったのか誤認することを防止することができるので、ドラム機においても、数値情報の更新に伴うセグ表示を適切に報知することが可能となり、セグメント演出表示器510Aにおいて、複数種類のセグ表示を好適に行うことが可能となる。
(変形例)
なお、第2の実施形態では、セグメント演出表示器510Aによるセグ表示の表示制御は、複数のレイヤからなる制御用データ領域に制御用データが設定され、優先順位の高いレイヤの制御用データが読み出されることにより、複数の表示種別のセグ表示のうち優先順位の高い表示種別のセグ表示が優先して表示されるものとした。しかし、単数のレイヤからなる制御用データ領域に制御用データを上書きすることで、複数の表示種別のセグ表示のうち優先順位の高い表示種別のセグ表示が優先して表示されるものとしてもよい。このようにする場合には、現在表示されている表示種別のセグ表示(つまり、制御用データ領域に現在設定されている制御用データに基づくセグ表示)と、次に表示すべき表示種別のセグ表示との優先順位を比較し、次に表示すべき表示種別のセグ表示の優先順位が低い場合には、制御用データ領域を上書きしないことにより現在のセグ表示が継続され、次に表示すべき表示種別のセグ表示の優先順位が高い場合には、制御用データ領域を上書きすることにより次に表示すべき表示種別のセグ表示に切替表示されるものとすればよい。
また、第2の実施形態では、セグメント演出表示器510Aを構成する4つのセグメント表示器S1〜S4は、それぞれ7セグメントのLED等で構成されるものとしたが、複数の発光手段により所定の内容を表示可能なものであれば、これに限られるものではない。例えば、少なくとも一部のセグメント表示器は7セグメントよりも多いセグメントのLED等で構成されるものとしてもよい。このように、セグメント表示器を7セグメントよりも多いセグメントにすることで、数字に限らず、アルファベットの文字等をより認識し易く表示することができる。
また、第2の実施形態では、遊技者が十字キー31Cを用いて演出の輝度レベルを調整することにより、パチンコ遊技機1を構成するランプ(リールランプや、遊技効果ランプ9等)の複数段階の輝度レベルが調整されるものとしたが、このとき、セグメント演出表示器510Aの輝度レベルは変化しないものとしてもよい。また、セグメント演出表示器510Aにおいて、特定のレイヤ(例えば、レイヤ4、5)に対応する表示種別(例えば、システム表示、エラー表示)のセグ表示の輝度レベルは変化しないものとしてもよい。このようにすることで、遊技者が輝度レベルを調整したとしても、セグ表示が認識しづらくなることを防止することができる。具体的には、システム表示(レイヤ4)のセグ表示の輝度レベルを変化させないことにより、遊技者が輝度レベルを調整した後の輝度レベルの表示(システム表示)を認識しづらくなることを防止することができる。また、エラー表示(レイヤ5)のセグ表示の輝度レベルを一定にすることにより、遊技者の輝度レベルの調整にかかわらず、適切にエラー表示を視認させることが可能となる。さらに、第4図柄や右打ちを指示する指示表示をセグメント演出表示器510Aにおいてセグ表示するときには、これらの表示をシステム表示のレイヤに対応させる(システム表示のレイヤで制御する)ことで、セグ表示の輝度を遊技者の調整にかかわらず一定とすることが可能となり、遊技者がこれらのセグ表示を誤認する虞を低減することが可能となる。
また、第2の実施形態では、操作系予告(操作有効期間の残り時間)のセグ表示は、レイヤ3に対応する(レイヤ3で制御される)ものとしたが、システム表示と同じレイヤ(レイヤ4)で制御されるものとし、システム表示のレイヤ(レイヤ4)のセグ表示は、遊技者の輝度レベルの調整にかかわらず一定の輝度レベルで表示されるものとしてもよい。このようにすることで、操作有効期間の残り時間を遊技者が誤認する虞を低減することができる。また、第2の実施形態では、制御用データ領域は5層のレイヤで構成される例について説明したが、これに限らず、例えば、システム表示のレイヤが2層構成されるものとしてもよい。
また、第2の実施形態では、セグメント演出表示器510Aにおいて、所定の内容を表示する各種セグ表示について説明したが、セグ表示による表示内容は、第2の実施形態で説明したものに限らない。以下に種々の内容を表示するセグ表示の変形例について説明する。
例えば、通常状態において、特図の保留数を示すセグ表示(例えば、「3」)が表示されるものとしてもよい。なお、保留数を示すセグ表示の優先順位を低く設定することにより、通常状態において非操作系予告のセグ表示も好適に表示することが可能となる。
また、大当り遊技状態において、遊技球をいずれの遊技領域に向けて発射すべきか(例えば、右打ち)の指示報知を示すセグ表示(例えば、「→→→→」)が表示されるものとしてもよい。なお、指示報知を示すセグ表示の優先順位を高く設定することにより、ドラム機であっても好適に遊技者に指示報知を行うことができ、遊技者に不利益を与えることを防止することができる。
また、通常遊技状態や時短遊技状態において、大当り期待度(%)を示すセグ表示(例えば、「45」)が表示されるものとしてもよい。このように、数字を好適に表示可能なセグメント演出表示器510Aの特性を利用して、大当り期待度を数字でセグ表示することで、例えば、液晶表示装置等において色等の表示態様により大当り期待度を示唆するよりも、遊技者に対してより信憑性が高い印象を与えることができる。
また、回動表示装置300の3つのリールユニットの停止図柄を示すセグ表示(例えば、「535」)が表示されるものとしてもよい。なお、この停止図柄を示すセグ表示は、回動表示装置300の3つのリールユニットの停止図柄が停止されるタイミングよりも早く表示されるものとしてもよい。このようにすると、セグ表示によってリールユニットの停止図柄を予告することができる。また、3つのリールユニットの停止図柄が仮停止した後(揺動した状態となった後)に、停止図柄を示すセグ表示が行われるものとしてもよい。そして、セグ表示の停止図柄が、リールユニットの停止図柄と異なる場合には、リールユニットが再変動されることを示唆するものとしてもよい。この再変動には、リールユニットの停止図柄がハズレ図柄から大当り図柄に変化する復活当り演出や、リールユニット全体が再変動される擬似連演出が含まれる。また、この停止図柄を示すセグ表示は、リールユニットが再変動されるときにのみ表示されるものとしてもよいし、再変動されるときと、再変動されないときとで、異なる割合で表示されるものとしてもよい。また、停止図柄を示すセグ表示が大当りを示唆する態様(例えば、「777」)のときには、リールユニットが仮停止したときの停止図柄がハズレを示唆する態様であっても大当りとなる(リールユニットが再変動して復活当りとなる)ものとしてもよい。以上のようにすることで、ドラム機における回動表示装置300とセグメント演出表示器510Aとを好適に連動させることが可能となるとともにセグメント演出表示器510Aのセグ表示に注目させることができる。なお、この停止図柄を示すセグ表示は、可変表示の終了間近のタイミング(例えば、非操作系予告が行われた後)で行われるため、例えば、通常状態のときに実行することで、他の種別のセグ表示と重複実行される可能性を低減することができる。
また、上記した種々のセグ表示は、複数の異なるタイミングで表示可能であるものとし、表示タイミングに応じて大当り期待度が異なるものとしてもよい。このようにすることで、セグメント演出表示器510Aのセグ表示の表示タイミングにも注目させることが可能となる。
(第3の実施形態に関する説明)
第3の実施形態では、設定値を設定可能なパチンコ遊技機1について説明する。第3の実施形態では、主基板11には、後述する設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キー(不図示)と、設定変更状態において後述する大当りの当選確率(出玉率)等の設定値を変更するための設定スイッチとして機能する設定切替スイッチ(不図示)と、パチンコ遊技機1を初期化する(初期化処理を行う)ためのクリアスイッチ(不図示)と、遊技機用枠3が開放されたことを検知するための扉開放センサ(不図示)が設けられている。
これら設定キー及び設定切替スイッチといった遊技者が操作可能な操作部が設けられた設定切替本体部は、主基板11とともに基板ケース(不図示)内に収容されており、設定キー及び設定切替スイッチは、基板ケースを開放しなくても操作可能となるように基板ケースの背面右部に形成された開口を介して背面側に露出している。
設定キー及び設定切替スイッチを有する基板ケースは、パチンコ遊技機1の背面に設けられているため、遊技機用枠3を閉鎖した状態ではパチンコ遊技機1の正面側からの操作が不可能であり、所定の扉キーを用いて遊技機用枠3を開放することで操作が可能となる。なお、遊技機用枠3が開放されたことは、扉開放センサからの出力信号がONとなることで検知される。また、設定キーは、遊技場の店員等が所有する設定キーの操作を要することから、設定キーを所持する店員のみ操作が可能とされている。また、設定キーは、後述するONとOFFの切替操作を実行可能なスイッチでもある。尚、この第3の実施形態では、扉キーと設定キーとが別個のキーである形態を例示したが、一のキーにて兼用されていてもよい。
また、基板ケースには、表示モニタ(不図示)と、該表示モニタの表示を切り替えるための表示切替スイッチ(不図示)が配置されている。これら表示モニタ及び表示切替スイッチは、主基板11に接続されているとともに、基板ケースの左上部に配置されている。つまり、表示モニタ及び表示切替スイッチは、基板ケースにおける主基板11を視認する際の正面に配置されている。主基板11は、遊技機用枠3を開放していない状態では視認できないので、主基板11を視認する際の正面とは、遊技機用枠3を開放した状態における遊技盤2の裏面側を視認する際の正面であり、パチンコ遊技機1の正面とは異なる。ただし、主基板11を視認する際の正面とパチンコ遊技機1の正面とが共通するようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行し、RAM102をワークエリアとして用いることで、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種の処理が実行される。また、CPU103は、乱数生成プログラムを実行することで、主基板11の側において用いられる各種の乱数の全てを生成可能とされている。
第3の実施形態では、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1の他、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4、MR4の初期値決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。これらの乱数値MR1〜MR5は、CPU103にて、異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよいし、乱数回路104によって更新されてもよい。乱数回路104は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のテーブルデータなどが記憶されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定を行うために用意された、図40及び図41などに示す複数の判定テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御信号を出力させるために用いられる複数の制御パターンテーブルを構成するテーブルデータや、特別図柄や普通図柄などの変動表示における各図柄の変動態様となる変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルなどが記憶されている。
ROM101が記憶する判定テーブルには、例えば図40(A)に示す表示結果判定テーブル(設定値1)、図40(B)に示す表示結果判定テーブル(設定値2)、図40(C)に示す表示結果判定テーブル(設定値3)、図41(A)に示す大当り種別判定テーブルの他、大当り変動パターン判定テーブル(図示略)、小当り変動パターン判定テーブル(図示略)、図42に示すハズレ変動パターン判定テーブル、普図表示結果判定テーブル(図示略)、普図変動パターン判定テーブル(図示略)などが含まれている。
第3の実施形態におけるパチンコ遊技機1は、設定値に応じて大当りの当選確率(出玉率)が変わる構成とされている。具体的には、特別図柄プロセス処理の特別図柄通常処理において、設定値に応じた表示結果判定テーブル(当選確率)を用いることにより、大当りの当選確率(出玉率)が変わるようになっている。設定値は1〜3の3段階からなり、1が最も出玉率が低く、1、2、3の順に値が大きくなるほど出玉率が高くなる。すなわち、設定値として1が設定されている場合には遊技者にとって最も有利度が低く、2、3の順に値が大きくなるほど有利度が段階的に高くなる。なお、第3の実施形態では、小当りの当選確率については、設定値に関係なく同じである。
(表示結果判定テーブル)
図40(A)〜(C)は、各設定値に対応する表示結果判定テーブルを示す説明図である。表示結果判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、MR1と比較される当り判定値が設定されているテーブルである。各表示結果判定テーブルは、変動特図指定バッファが1(第1)である、つまり、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と、変動特図指定バッファが2(第2)である、つまり、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合のそれぞれについて、大当りとする判定値と、小当りとする判定値が設定されている。
図40(A)に示すように、設定値1に対応する表示結果判定テーブルを用いるときに、変動特図指定バッファが第1である場合、つまり、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合には、設定値が「2」、「3」である場合よりも低い確率(非確変時は1/320、確変時は1/32)で大当りに当選する。一方、これら判定値のうちの一部が小当りに対応する判定値として設定されており、設定値が「2」、「3」である場合と同じ確率(1/99)で小当りに当選するようになっている。また、変動特図指定バッファが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率(非確変時は1/320、確変時は1/32)で大当りに当選する。一方、これら判定値のうちの半数が小当りに対応する判定値として設定されていることで、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合よりも高い確率(1/2)で小当りに当選するようになっている。
また、図40(B)に示すように、設定値2に対応する表示結果判定テーブルを用いるときに、変動特図指定バッファが第1である場合には、設定値が「1」である場合よりも高い確率(非確変時は1/300、確変時は1/30)で大当りに当選する。一方、これら判定値のうちの一部が小当りに対応する判定値として設定されており、設定値が「1」、「3」である場合と同じ確率(1/99)で小当りに当選するようになっている。また、変動特図指定バッファが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率(非確変時は1/300、確変時は1/30)で大当りに当選する。一方、これら判定値のうちの半数が小当りに対応する判定値として設定されていることで、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合よりも高い確率であり、かつ、設定値が「1」、「3」である場合と同じ確率(1/2)で小当りに当選するようになっている。
また、図40(C)に示すように、設定値3に対応する表示結果判定テーブルを用いるときに、変動特図指定バッファが第1である場合には、設定値が「1」、「2」である場合よりも高い確率(非確変時は1/280、確変時は1/28)で大当りに当選する。一方、これら判定値のうちの一部が小当りに対応する判定値として設定されており、設定値が「1」、「2」である場合と同じ確率(1/99)で小当りに当選するようになっている。また、変動特図指定バッファが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率(非確変時は1/280、確変時は1/28)で大当りに当選する。一方、これら判定値のうちの半数が小当りに対応する判定値として設定されていることで、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合よりも高い確率であり、かつ、設定値が「1」、「2」である場合と同じ確率(1/2)で小当りに当選するようになっている。
つまり、CPU103は、その時点で設定されている設定値に対応する表示結果判定テーブルを参照して、MR1の値が図40(A)〜(C)に示す大当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(大当り種別A〜大当り種別C)とすることを決定する。また、MR1が図40(A)〜(C)に示す小当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることを決定する。すなわち、設定値に応じた確率で大当り及び小当りの当選を決定する。尚、図40(A)〜(C)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)並びに小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、本例では、図40に示すように、設定値に関係なく、小当りの当選確率が同じである場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、大当りの当選確率と同様に、1、2、3の順に設定値の値が大きくなるほど小当りの当選確率が高くなるように構成してもよい。また、この場合、小当りの当選確率の設定差が大当りの当選確率の設定差と同じ比率となるようにしてもよい。具体的には、設定値「1」における小当りの当選確率を1/100とするのであれば、設定値「2」における小当りの当選確率が1/93.75となるように設計し、設定値「3」における小当りの当選確率が1/87.5となるように設定してもよい。
また、小当りを設けない遊技機において、第3の実施形態で示した構成を適用するように構成してもよい。
また、第3の実施形態では、CPU103は、図40(A)〜(C)に示す表示結果判定テーブルを用いて大当りまたは小当りとするか否かを判定するようになっているが、大当り判定テーブルと小当り判定テーブルとを別個に設け、大当りの判定は、変動特図指定バッファによらず第1特別図柄の変動表示である場合と第2特別図柄の変動表示である場合とで共通のテーブルを用いて行うようにし、小当りの判定は、変動特図指定バッファが第1である場合と第2である場合とで別個のテーブルを用いて行うようにしてもよい。
また、第3の実施形態では、設定値「1」<設定値「2」<設定値「3」の順に有利度が高くなる場合を示しているが、例えば、遊技状態に応じて有利度の順位が変化するように構成してもよい。例えば、高確率/高ベース状態に制御され、次回の大当りが発生するまで高確率/高ベース状態が維持され、且つ小当り遊技である程度の賞球が得られるように構成された遊技機に適用した場合に、本例では、図40に示すように、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には1/2の高い確率で小当りが発生し賞球が得られやすい期間となりうるので、特定の遊技状態(この例では、高確率/高ベース状態)では、他の遊技状態とは異なり、逆に大当りが発生しにくい(高確率/高ベース状態が継続しやすい)設定値「1」が最も有利度が高い設定となるようにしてもよい。
また、例えば、確変状態(高確率状態)に制御された後、所定回数(確変終了回数)の変動表示が実行されたことにもとづいて確変状態が終了する遊技機に適用した場合に、同じ確変終了回数であれば、設定値「1」<設定値「2」<設定値「3」の順に確変継続率(連荘率)が高くなるように構成してもよい。
尚、第3の実施形態では、パチンコ遊技機1に設定可能な設定値として1〜3の計3個の設定値を設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1に設定可能な設定値は、2個または4個以上であってもよい。
(大当り種別判定テーブル)
図41(A)は、ROM101に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。なお、第3の実施形態では、遊技球が第1始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合と、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合とで、共通の大当り種別判定テーブルを用いるように構成されているが、異なるテーブルを設けて、いずれの大当り種別に決定されるかの割合が異なるようにしてもよい。
大当り種別判定テーブルは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(MR2)に基づいて、大当りの種別を大当り種別A〜大当り種別Cのうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図41(A)に示す大当り種別判定テーブルにおいては、設定値ごとに大当り種別判定用の乱数(MR2)に対応する判定値が割り当てられているが、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。つまり、設定値ごとに大当り種別A〜大当り種別Cのいずれに判定されるかの割合が示されている。なお、後述する図42に示すハズレ変動パターン判定テーブルや、図43に示す非リーチハズレ変動パターン判定テーブル等についても、実際には乱数に対応する判定値が割り当てられているが、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。
図41(A)に示すように、大当り種別判定テーブルにおいては、設定値が「1」である場合、大当り種別Cに決定される割合が高く、設定値が「2」である場合、大当り種別Bに決定される割合が高く、設定値が「3」である場合、大当り種別Aに決定される割合が高くなるように判定値が割り当てられている。
ここで、第3の実施形態における大当り種別について、図41(B)を用いて説明すると、第3の実施形態では、大当り種別毎に、大当り遊技におけるファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間がそれぞれ定められている。
ファンファーレ期間とは、例えば、主基板11側において、大当り開放前処理が実行される期間であり、演出制御基板12側において、大当り図柄が停止表示された後に、大当り遊技状態の開始を報知する演出動作としてのファンファーレ演出が実行される期間である。
インターバル期間とは、例えば、主基板11側において、大当り開放後処理が実行される期間であり、演出制御基板12側において、大入賞口を開放状態とするラウンドが終了した後に、次のラウンドの開始を報知する演出動作としてのインターバル演出が実行される期間である。
エンディング期間とは、例えば、主基板11側において、大当り終了処理が実行される期間であり、演出制御基板12側において、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間である。
図41(B)に示すように、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間は、大当り種別Aの場合に最も長くなり、次に大当り種別Bの場合に長くなり、大当り種別Cの場合に最も短くなるように設定されている。
上述のように、第3の実施形態では、設定値が「1」である場合には、大当り種別Cと判定される割合が高いため、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間が比較的短くなりやすい。一方、設定値が「3」である場合には、大当り種別Aと判定される割合が高いため、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間が比較的長くなりやすい。よって、設定値が「1」<「2」<「3」の順に、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間の平均期間は長くなる。
第3の実施形態では、設定値が「1」<「2」<「3」の順に、大当りの当選確率(出玉率)が高くなるように構成されているが、同時に、設定値が「1」<「2」<「3」の順に、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間の平均期間は長くなるようにも構成されている。このような構成により、大当りの当選確率(出玉率)が高い設定であるときには、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間の平均期間を長くすること、すなわち遊技の進行を遅らせることができ、射幸性が高くなり過ぎてしまうことを防止することができる。
なお、大当り遊技中に、設定値を示唆する大当り中示唆演出を実行可能に構成してもよい。そのような構成により、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間の興趣を高めることができる。また、遊技者の関心を大当り中示唆演出に向けることにより、各期間の長短に気付かれにくくすることができる。
なお、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間においては、設定される期間の長さに関わらず、共通の演出を実行するようにしてもよい。この場合には、遊技者が期間の長短に気付きにくい演出(例えば、静止画像の表示等)が共通して実行されることが望ましい。
また、第3の実施形態では、大当り種別ごとにファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間が設定され、設定値ごとにいずれの大当り種別と判定されるかの割合が異なるように構成することにより、大当りの当選確率(出玉率)が高い設定であるときには、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間の平均期間を長くする、すなわち遊技の進行を遅らせるようにしているが、このような構成に限らず、設定値ごとにファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間が固定的に設定されているようにしてもよい。また、例えば、予め定められた期間が異なる複数種類のファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間からいずれかを抽選によって決定するようにしてもよい。この場合には、大当り種別A<B<Cの順に、比較的長い期間が設定されたファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間が選択される割合が高くなるように判定値が設定されたテーブルを用いることで、設定値が「1」<「2」<「3」の順に、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間の平均期間が長くなるようにすることができる。
第3の実施形態では、大当り種別A〜大当り種別Cのいずれの場合にも、大当り遊技状態の終了後において実行される時短制御および確変制御は、所定回数(第3の実施形態では100回)の特図ゲームが実行されること、或いは該所定回数の特図ゲームが実行される前に大当り遊技状態となることにより終了するが、例えば、大当り種別ごとに時短制御および確変制御の回数が異なるようにしてもよいし、特定の大当り種別の場合には、大当り遊技状態の終了後において実行される高確制御および時短制御が、該大当り遊技状態の終了後において再度大当りが発生するまで継続して実行されるようにしてもよい。このような特定の大当り種別となる場合には、大当り遊技状態が通常状態を介することなく連続的に発生する、いわゆる連荘状態となる。第3の実施形態では、パチンコ遊技機1に設定される設定値毎に大当りとなる割合が異なるように構成されているが、このような構成に加えて、または代えて、設定値毎に確変継続率(連荘率)が異なるようにしてもよい。
また、第3の実施形態では、大当り種別A〜大当り種別Cに有利度(例えば、大当り遊技中のラウンド数や、時短制御および確変制御の有無、制御回数など)の違いはなく、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間の平均期間が異なるように構成されているが、例えば、大当り種別ごとに、大当り遊技中のラウンド数や、時短制御および確変制御の有無、制御回数を異ならせ、有利度が異なるようにしてもよい。この場合には、ラウンド中の演出は、大当り種別ごとに異なるようにしてもよいし、大当り種別に関わらず同じようにしてもよい。
尚、第3の実施形態では、設定されている設定値に応じて、変動表示結果が大当りとなる場合の大当り種別を大当り種別A、大当り種別B、大当り種別Cから異なる割合で決定する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、設定されている設定値によっては、大当り種別A、大当り種別B、大当り種別Cのうち、決定され得ない大当り種別が1つまたは複数あってもよい。つまり、設定されている設定値に応じて大当り種別の決定割合が異なることには、いずれかの大当り種別を決定しないこと(決定割合が0%である)や、特定の大当り種別を100%の割合で決定すること含まれている。
また、第3の実施形態では、大当り種別に応じてファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間が異なる場合を示したが、そのような態様にかぎらず、大当り種別によらずにファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間を異ならせるように構成してもよい。例えば、設定値「1」〜「3」のいずれであるかに応じて、その設定値に応じたファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間を一律に決定するように構成してもよい。また、例えば、設定値「1」〜「3」のいずれであるかに応じて、その設定値に応じた選択確率による抽選処理を行い、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間を決定するように構成してもよい。
このように、第3の実施形態では、設定されている設定値に応じて変動表示結果が大当りとなった場合の大当り種別の決定割合が異なっているので、遊技興趣を向上できるようになっている。
尚、第3の実施形態では、大当り種別を大当り種別判定用の乱数値であるMR2を用いて決定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、大当り種別は、特図表示結果判定用の乱数値であるMR1を用いて決定してもよい。
また、第3の実施形態では、パチンコ遊技機1に設定される設定値が大きいほど遊技者にとって有利となる(大当り確率や小当り確率が高まることや、大当り種別としての大当り種別Cが決定されやすくなること等)形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1に設定される設定値が小さいほど遊技者にとって有利となるようにしてもよい。
また、第3の実施形態では、パチンコ遊技機1に設定される設定値に応じて大当り確率が変化する一方で、遊技性自体は変化しない形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1に設定される設定値に応じて遊技性が変化するようにしてもよい。
例えば、パチンコ遊技機1に設定される設定値が1である場合は、通常状態での大当り確率が1/320、確変状態が65%の割合でループする遊技性(所謂確変ループタイプ)とし、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が2である場合は、通常状態での大当り確率が1/200、大当り遊技中の特定のラウンドにおいて遊技球が特別可変入賞球装置7内に設けられた所定のカウントスイッチを通過することに基づいて大当り遊技終了後の遊技状態を確変状態に制御する一方で、大当り種別に応じて大当り遊技中に遊技球が該カウントスイッチを通過する割合が異なる遊技性(所謂V確変タイプ)とし、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が3である場合は、大当り確率が1/320且つ小当り確率が1/50であり、高ベース中(時短制御中)に遊技球が特別可変入賞球装置7内に設けられた所定のカウントスイッチを通過することに基づいて大当り遊技状態に制御する遊技性(所謂1種2種混合タイプ)としてもよい。更に、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が1〜3と遊技性が同一であるが、これら設定値が1〜3のいずれかである場合よりも大当り確率や小当り確率が高い一方で大当り遊技中に獲得可能な賞球数が少ない設定(例えば、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が4である場合)を設けてもよい。
更に、このように、設定値に応じて遊技性を変化させる場合は、共通のスイッチを異なる用途に使用してもよい。具体的には、上述の例であれば、設定値が1や4の場合は、特別可変入賞球装置7内に設けられた所定のカウントスイッチを演出用スイッチ(遊技球が該カウントスイッチを通過する毎に所定の演出を実行するためのスイッチ)として使用し、設定値が2や3の場合は、特別可変入賞球装置7内に設けられた所定のカウントスイッチを遊技用スイッチ(遊技球が該カウントスイッチを通過したことに基づいて遊技状態を確変状態や大当り遊技状態に制御するためのスイッチ)として使用してもよい。
(小当り種別判定テーブル)
図41(C)は、ROM101に記憶されている小当り種別判定テーブルを示す説明図である。図41(C)に示すように、第3の実施形態では、小当り種別として小当り種別A〜Cが設けられている。図41(C)に示すように、第3の実施形態では、設定値「1」〜「3」のいずれであるかに関係なく、小当り種別A〜Cの決定割合は同じである。
また、第3の実施形態では、小当り種別A〜Cのいずれであるかに関係なく、小当り遊技中の大入賞口の開放期間や開放回数は同じであり、遊技における有利度合いは同じである。
(変動パターン判定テーブル)
また、ROM101には、変動パターン判定用の乱数値MR3に基づいて変動パターンを決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されており、変動パターンを、事前決定結果に応じて前述した複数種類のうちのいずれかの変動パターンに決定する。
具体的には、変動パターン判定テーブルとしては、変動表示結果を「大当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り変動パターン判定テーブルと、変動表示結果を「小当り」にすることが事前決定されたときに使用される小当り変動パターン判定テーブルと、変動表示結果を「ハズレ」にすることが事前決定されたときに使用されるハズレ変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。
(ハズレ変動パターン判定テーブル)
図42は、ハズレ変動パターン判定テーブルを示す説明図である。第3の実施形態では、電源投入時に設定変更が行われた時点から変動表示が所定回(本例では30回)実行されるまでの期間(以下、特別期間ともいう)と、それ以外の期間(以下、非特別期間ともいう)とで、異なるハズレ変動パターン判定テーブルを用いるように構成されている。
具体的には、特別期間においては、図42(A)に示す第1ハズレ変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンを判定し、非特別期間においては、図42(B)に示す第2ハズレ変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンを判定する。なお、第3の実施形態では、電源投入時に設定変更が行われた時点から変動表示が所定回(本例では30回)実行されるまでの期間を特別期間としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、電源投入時に設定変更が行われたか否かに関わらず、変動表示が所定回(本例では30回)実行されるまでの期間を特別期間としてもよい。また、リアルタイムクロック等を用いて、所定の時間帯(例えば、午前9時から午前11時まで)であれば特別期間としてもよい。また、初回の大当りが発生するまでの期間を特別期間としてもよい。
図42(A),(B)に示す第1,第2ハズレ変動パターン判定テーブルは、いずれも設定値「1」<「2」<「3」の順に、ノーマルリーチハズレやスーパーリーチハズレとなる割合が高く、非リーチハズレとなる割合が低くなるように判定値が割り当てられている。このような構成により、設定値に応じてノーマルリーチやスーパーリーチの実行割合が異なるため、ノーマルリーチやスーパーリーチが実行される頻度によって設定値が示唆されることになる。
また、図42(A)に示す第1ハズレ変動パターン判定テーブルは、図42(B)に示す第2ハズレ変動パターン判定テーブルよりも、ノーマルリーチハズレとなる割合が高く、さらに設定値間のノーマルリーチハズレとなる割合の差が大きくなるように判定値が割り当てられている。このような構成により、特別期間においては、非特別期間よりもノーマルリーチが実行される頻度の違いが認識しやすくなる(すなわち設定値の示唆を認識しやすくなる)ため、特別期間に遊技を行う動機を与えることができ、遊技興趣を高めることができる。
なお、例えば、スーパーリーチを伴う変動パターン(またはそのうちの特定の変動パターン)については、設定値の違いに関わらず(または特別期間と非特別期間との違いに関わらず)、同じ割合で決定されるようにしてもよい。このようにすることにより、設定値に応じて、特定の変動パターン(本例ではノーマルリーチハズレ)のみ実行割合が異なることになり、特定の変動パターンが実行される頻度によって設定値が示唆されることになる。なお、逆に、設定値に応じてスーパーリーチハズレとなる変動パターンの選択割合も異ならせてもよい。
また、図42(A),(B)に示す第1,第2ハズレ変動パターン判定テーブルは、設定値に応じて、非リーチハズレ以外のときに、ノーマルリーチハズレとスーパーリーチハズレとのいずれとなるかの割合(すなわち、ノーマルリーチハズレ:スーパーリーチハズレのバランス)が異なるように判定値が割り当てられている。具体的には、図42(A)に示す第1ハズレ変動パターン判定テーブルは、設定値「1」<「2」<「3」の順に、ノーマルリーチハズレの比率が著しく高くなり(本例では、5%ずつ高くなる)、具体的には、図42(B)に示す第2ハズレ変動パターン判定テーブルは、設定値「1」<「2」<「3」の順に、ノーマルリーチハズレの比率が僅かに高くなる(本例では、0.2%ずつ高くなる)ように構成されている。このような構成により、ノーマルリーチハズレとスーパーリーチハズレとの選択傾向によって設定値が示唆されることになる。また、特別期間と非特別期間とで選択傾向の違いを大きくすることができる。
第3の実施形態では、設定値に応じて、異なる割合で設定示唆演出を実行可能であるが、これは、設定値に応じてノーマルリーチハズレおよびスーパーリーチハズレ全体の実行割合が異なること、設定値に応じてノーマルリーチハズレおよびスーパーリーチハズレの実行比率が異なること、設定値に応じてノーマルリーチハズレのみ実行割合が異なることを含む概念である。
第3の実施形態では、図42(A),(B)に示す第1,第2ハズレ変動パターン判定テーブルのいずれが用いられたときにも、画像表示装置5において共通の背景画像を表示して、飾り図柄の変動表示を行う。また、設定値が1〜3のいずれに設定されているときにも、画像表示装置5において共通の背景画像を表示して、飾り図柄の変動表示を行う。なお、特別期間や電源投入時から変動表示が所定回(本例では30回)実行されるまでの期間のみ、専用の背景画像が表示されるようにしてもよい。このような構成により、特別期間や電源投入時から変動表示が所定回(本例では30回)実行されるまでの期間の遊技興趣を高めることができる。
なお、第3の実施形態の例に限らず、例えば、設定値を示唆する特殊変動パターン(例えば、飾り図柄の変動表示の態様が通常とは異なる変動パターンであって、設定値1または2の場合にのみ選択される)を設け、特別期間においてのみ特殊変動パターンが選択され得るようにしてもよい。このような構成によっても、特別期間に遊技を行う動機を与えることができ、遊技興趣を高めることができる。
(非リーチハズレ変動パターン判定テーブル)
図43は、非リーチハズレ変動パターン判定テーブルを示す説明図である。第3の実施形態では、変動時間が異なる複数種類の非リーチハズレ変動パターンが設けられており、変動パターンが非リーチハズレに決定されたときに、さらに非リーチハズレA〜Cのいずれにするかに決定するように構成されている。なお、このような構成に限らず、例えば、図42に示すハズレ変動パターン判定テーブルに、非リーチハズレA〜Cが含まれるようにして、非リーチハズレA〜C、ノーマルリーチハズレ、スーパーリーチハズレのいずれかに決定するように構成してもよい。
図43に示すように、非リーチハズレ変動パターン判定テーブルにおいては、設定値が「1」である場合、非リーチハズレC(変動時間7秒)に決定される割合が高く、設定値が「2」である場合、非リーチハズレB(変動時間8秒)に決定される割合が高く、設定値が「3」である場合、非リーチハズレA(変動時間9秒)に決定される割合が高くなるように判定値が割り当てられている。
第3の実施形態では、設定値が「1」である場合には、非リーチハズレCと判定される割合が高いため、非リーチハズレ時の変動時間が比較的短くなりやすい。一方、設定値が「3」である場合には、非リーチハズレAと判定される割合が高いため、非リーチハズレ時の変動時間が比較的長くなりやすい。よって、設定値が「1」<「2」<「3」の順に、平均変動時間が長くなる。
第3の実施形態では、設定値が「1」<「2」<「3」の順に、大当りの当選確率(出玉率)が高くなるように構成されているが、同時に、設定値が「1」<「2」<「3」の順に、平均変動時間が長くなるようにも構成されている。このような構成により、大当りの当選確率(出玉率)が高い設定であるときには、平均変動時間を長くすること、すなわち遊技の進行を遅らせることができ、射幸性が高くなり過ぎてしまうことを防止することができる。
第3の実施形態では、設定値に応じて、変動時間が異なる非リーチハズレA〜Cのいずれとなるかの割合を異ならせることにより、平均変動時間が異なるように構成されているが、例えば、非リーチハズレ以外の変動パターン(例えば、ノーマルリーチハズレやスーパーリーチハズレ等)も、変動時間が異なるように複数種類設け、設定値に応じて、選択される割合が異なるようにしてもよい。なお、変動パターン(例えば、ノーマルリーチハズレやスーパーリーチハズレ等)を変動時間が異なるように複数種類設ける場合には、飾り図柄の揺れ表示や高速変動表示の時間等を異ならせるようにして、演出等の見え方には違いがないようにすることが望ましい。
また、第3の実施形態では、設定値に応じて、平均変動時間が異なるように構成されているが、このような構成に代えて、または加えて、設定値に応じて、確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される期間が異なるようにしてもよい。このような構成により、大当りの当選確率(出玉率)が高い設定であるときには、確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される期間を長くすること、すなわち遊技の進行を遅らせることができ、射幸性が高くなり過ぎてしまうことを防止することができる。
また、第3の実施形態では、非リーチハズレA〜Cにそれぞれ変動時間が設定され、設定値ごとに非リーチハズレA〜Cのいずれに決定するかの割合が異なるように構成することにより、大当りの当選確率(出玉率)が高い設定であるときには、平均変動時間を長くする、すなわち遊技の進行を遅らせるようにしているが、このような構成に限らず、設定値ごとに各変動パターンの変動時間が固定的に設定され、大当りの当選確率(出玉率)が高い設定の方が、変動時間が長くなるようにしてもよい。
なお、第3の実施形態では、他の変動パターンに比べて変動時間が短い短縮用の変動パターンが設けられている。例えば、非リーチハズレA(変動時間9秒)よりも変動時間が短い短縮非リーチハズレ(変動時間1.5秒)の変動パターンが設けられている。そして、この短縮用の変動パターンは、例えば、保留記憶数が所定数(例えば3)以上であるときに、用いられるように構成されている。このような構成は、保留記憶数が上限に達している状態、または上限に近い状態であるときに、この状態を解消して、効率的に変動表示を行う(すなわち効率的に遊技を進行する)ことを目的とするものである。ゆえに、保留記憶数が所定数以上であるときに、遊技の進行を遅らせることは不適当であるともいえる。そのため、第3の実施形態では、保留記憶数が所定数以上であるときに用いられる短縮用の変動パターンについては、設定値に関わらず、共通の変動時間となっている。なお、第3の実施形態の構成に関わらず、保留記憶数が所定数以上であるときに用いられる短縮用の変動パターンについても、設定値に応じて変動時間を異ならせるようにしてもよい。
(設定変更処理)
次に、第3の実施形態におけるパチンコ遊技機1の設定値の変更について説明する。図44および図45は、第3の実施形態における遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
CPU103は、まず、割込禁止に設定し(ステップ121IWS001)、続いて、必要な初期設定を行う(ステップ121IWS002)。初期設定を行うと、CPU103は、遊技機への電源供給を開始したときに演出制御手段(具体的には、演出制御用CPU120)が起動するまでの時間を計測するための演出制御手段起動待ちタイマをセットする(ステップ121IWS003)。この場合、演出制御手段起動待ちタイマには、遊技機への電源供給を開始してから演出制御用CPU120が起動するまでに十分な時間がセットされる。次いで、CPU103は、演出制御手段起動待ちタイマの値を1減算し(ステップ121IWS004)、減算後の演出制御手段起動待ちタイマの値が0となっているか否かを確認する(ステップ121IWS005)。演出制御手段起動待ちタイマの値が0となっていなければ、ステップ121IWS004に戻り、ステップ121IWS004〜S005の処理を繰り返し実行する。演出制御手段起動待ちタイマの値が0となっていれば、ステップ121IWS006に移行する。
ステップ121IWS003〜S005の処理が実行されることによって、演出制御用CPU120が起動するまで待ってからステップ121IWS006以降の処理が実行され、設定値の変更や確認、RAMの初期化や復旧処理などが実行される。そのため、後述する設定値コマンドや初期化指定コマンド、復旧時のコマンドなど各種のコマンド類が演出制御用CPU120が起動する前に送信されてしまうような事態を防止することができ、コマンドの取りこぼしが発生することを防止することができる。
次いで、CPU103は、例えば、RAM102に工場出荷時の設定のままであることを示す工場出荷時設定フラグ(例えば、このフラグは、後述するRAMクリア処理1,2や復旧処理が実行されてもクリアされないようにし、後述する設定変更処理が実行されたときにクリアされる)がセットされるようにしておき、ステップ121IWS006では、この工場出荷時設定フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。なお、そのような態様にかぎらず、例えば、設定値として工場出荷時のままであることを示す値(例えば、「0」や「−」)をセットするようにし、ステップ121IWS006で設定値の値が工場出荷時の値のままであるか否かを確認するようにしてもよい。工場出荷時の設定のままであれば(ステップ121IWS006;No)、ステップIWS010に移行する。
工場出荷時の設定でなければ(ステップ121IWS006;Yes)、すなわち少なくとも既に1回は設定値の変更が行われていれば、CPU103は、RAM102(バックアップRAM)にバックアップデータが保存されているか否かを判定する(ステップ121IWS007)。具体的には、ステップ121IWS007では、CPU103は、バックアップフラグがオンであるか否かを判定する。バックアップフラグがオフでRAM102にバックアップデータが記憶されていない場合(ステップ121IWS007;No)、ステップIWS010に移行する。
RAM102にバックアップデータが記憶されている場合(ステップ121IWS007;Yes)、CPU103は、バックアップしたデータのデータチェックを行い(誤り検出符号を用いて行われる)、データが正常か否かを判定する(ステップ121IWS008)。ステップ121IWS008では、例えば、パリティビットやチェックサムにより、RAM102のデータが、電力供給停止時のデータと一致するか否かを判定する。これらが一致すると判定された場合、RAM102のデータが正常であると判定する。RAM102のデータが正常でないと判定された場合(ステップ121IWS008;No)、ステップIWS010に移行する。
RAM102のデータが正常であると判定された場合(ステップ121IWS008;Yes)、CPU103は、現在設定値の変更中であることを示す設定変更中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップ121IWS009)。設定変更中フラグがセットされていれば(ステップ121IWS009;No)、すなわち設定値の変更中に電断などが発生して遊技機への電源供給が再開された場合、ステップIWS010に移行する。
ステップ121IWS010では、CPU103は、RAM異常エラー報知コマンドを演出制御用CPU120に対して送信する制御を行う(ステップ121IWS010)。なお、CPU103は、表示モニタにおいてRAM異常エラーであることを示す表示(例えば、「E」の表示)を表示する制御を行うようにしてもよい。
次いで、CPU103は、扉開放センサからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWS011)。扉開放センサからの出力信号がオンであれば、CPU103は、設定キーがオンであるか否かを判定する(ステップ121IWS012)。設定キーがオンであれば、CPU103は、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWS013)。クリアスイッチからの出力信号がオンであれば、CPU103は、RAMクリア1処理を実行する(ステップ121IWS014)。RAMクリア1処理では、CPU103は、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。ただし、RAMクリア1処理では、RAM102の記憶領域のうち連比や役比、ベースなどの性能表示用の情報を記憶する領域以外の領域がクリアされ、連比や役比、ベースなどの性能表示用の情報はクリアされず保持される。また、RAMクリア1処理では、RAM102に記憶される設定値の値もクリアされる。そして、ステップ121IWS027に移行する。
一方、扉開放センサからの出力信号がオフである場合や(ステップ121IWS011のN)、設定キーがオフである場合(ステップ121IWS012のN)、クリアスイッチからの出力信号がオフである場合(ステップ121IWS013のN)には、ステップ121IWS014には移行せず、ループ処理に移行する。
ステップ121IWS006〜S014の処理が実行されることによって、第3の実施形態では、バックアップRAMが正常でない場合や(ステップ121IWS007,S008のN)、工場出荷時用の設定のままとなっている場合(ステップ121IWS006のY)、設定変更中に電断などが発生した場合(ステップ121IWS009のY)には、遊技機用枠3が開放された状態で設定キーがオン操作され且つクリアスイッチがオン操作されたことを条件にRAMクリアされてステップ121IWS027以降の設定値の変更が可能となる。一方で、遊技機用枠3が開放され、設定キーおよびクリアスイッチがオン操作されないかぎり、ループ処理が実行され、設定値の変更を行えず、遊技制御も進行しない。
設定変更中フラグがセットされていなければ(ステップ121IWS009;No)、CPU103は、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWS015)。
クリアスイッチからの出力信号がオンでなければ、CPU103は、扉開放センサからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWS016)。扉開放センサからの出力信号がオンであれば、CPU103は、設定キーがオンであるか否かを判定する(ステップ121IWS017)。設定キーがオンであれば、CPU103は、設定確認処理を開始することを示す設定確認処理開始コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップ121IWS018)。
演出制御基板12側では、設定確認処理開始コマンドを受信すると、設定確認中である旨を報知する制御を行う(例えば、画像表示装置5において所定の画像を表示したり、スピーカ8L、8Rから所定の音を出力したり、装飾用LEDといった装飾発光体を所定の態様により発光させたりする)。なお、この場合、演出制御基板12側において、プッシュボタン31Bなど演出用の操作ボタンが押下されることによって、「メンテナンスモード」などと表示してメンテナンスモードに移行するように構成してもよい。「メンテナンスモード」とは、例えば、リアルタイムクロックの日時設定や、各種エラーの発生履歴(いつどのようなエラーが発生したかの記録)、設定変更履歴(いつ設定値を変更したかや変更後の設定値の記録)を確認できるモードである。なお、設定キーがオフとなり設定確認処理や設定変更処理が終了すると、メンテナンスモードも終了する。
次いで、CPU103は、設定確認処理(ステップ121IWS019)を実行する。
設定確認処理を終了すると、CPU103は、主基板11の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップ121IWS020)を行う。復旧処理では、CPU103は、RAM102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。次いで、CPU103は、設定確認処理が終了したことを示す設定確認処理終了コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップ121IWS021)。そして、ステップ121IWS034に移行する。
一方、扉開放センサからの出力信号がオンでなかった場合(ステップ121IWS016のN)や設定キーがオンでなかった場合(ステップ121IWS017のN)には、CPU103は、主基板11の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップ121IWS022)を行う。復旧処理では、CPU103は、RAM102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。また、CPU103は、電断からの復旧を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップ121IWS023)。そして、ステップ121IWS034に移行する。
クリアスイッチからの出力信号がオンであれば、CPU103は、RAMクリア2処理を実行する(ステップ121IWS024)。RAMクリア2処理では、CPU103は、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。ただし、RAMクリア2処理では、RAM102の記憶領域のうち連比や役比、ベースなどの性能表示用の情報を記憶する領域、および設定値を記憶する領域以外の領域がクリアされ、連比や役比、ベースなどの性能表示用の情報、および設定値の情報はクリアされず保持される。
次いで、CPU103は、扉開放センサからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWS025)。扉開放センサからの出力信号がオンであれば、CPU103は、設定キーがオンであるか否かを判定する(ステップ121IWS026)。設定キーがオンであれば、CPU103は、設定変更中フラグをセットする(ステップ121IWS027)。
次いで、CPU103は、設定変更処理を開始することを示す設定変更処理開始コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップ121IWS028)。演出制御基板12側では、設定変更処理開始コマンドを受信すると、設定変更中である旨を報知する制御を行う(例えば、画像表示装置5において所定の画像を表示したり、スピーカ8L、8Rから所定の音を出力したり、装飾用LEDといった装飾発光体を所定の態様により発光させたりする)。
次いで、CPU103は、設定変更処理(ステップ121IWS029)を実行する。
設定変更処理を終了すると、CPU103は、設定変更中フラグをリセットする(ステップ121IWS030)。また、CPU103は、設定された設定値を示す設定値コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップ121IWS031)。また、設定変更処理が終了したことを示す設定変更処理終了コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップ121IWS032)。そして、ステップ121IWS034に移行する。
一方、扉開放センサからの出力信号がオンでなかった場合(ステップ121IWS025のN)や設定キーがオンでなかった場合(ステップ121IWS026のN)には、CPU103は、初期化を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップ121IWS033)。そして、ステップ121IWS034に移行する。
CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップ121IWS034)。そして、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップ121IWS035)、割込みを許可する(ステップ121IWS036)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
次に、設定確認処理(ステップ121IWS019)について説明する。図46(A)は、設定確認処理(ステップ121IWS019)を示すフローチャートである。
設定確認処理では、CPU103は、先ず、RAM102のバックアップ領域に格納されている設定値を特定し、特定した設定値を表示モニタに表示する(ステップ121IWSA01)。
次いで、CPU103は、設定キーからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWSA02)。設定キーがオンであれば、CPU103は、扉開放センサからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWSA03)。扉開放センサからの出力信号がオンであれば、ステップ121IWSA02に移行し、ステップ121IWSA02〜SA03の処理を繰り返し実行する。すなわち、遊技機用枠3が開放状態であり且つ設定キーがオンの間は設定値を表示モニタに表示する。
扉開放センサからの出力信号がオンでなければ、CPU103は、設定確認エラー処理を実行する(ステップ121IWSA04)。そして、その後、ループ処理に移行する。なお、ステップ121IWSA04では、例えば、CPU103は、設定確認エラーである旨を示すコマンドを送信して、演出制御用CPU120側でコマンドを受信したことにもとづいて設定確認エラー報知を実行するようにしてもよい。また、例えば、CPU103は、遊技機が搭載する基板のエラー用LEDを点灯などさせることによってエラー報知を行うようにしてもよい。また、本例では、設定確認エラー処理を実行すると、ループ処理に移行することによって、その後、電源を再投入するまでエラー状態を継続し、処理を進行させないようにしている。
設定キーがオンでなければ、CPU103は、設定確認処理を終了する。
次に、設定変更処理(ステップ121IWS029)について説明する。図46(B)は、設定変更処理(ステップ121IWS029)を示すフローチャートである。
設定変更処理では、CPU103は、先ず、RAM102のバックアップ領域に格納されている設定値を特定し、特定した設定値を表示モニタに表示する(ステップ121IWSB01)。
次いで、CPU103は、設定切替スイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWSB02)。設定切替スイッチからの出力信号がオンでなければ、ステップ121IWSB05に移行する。設定切替スイッチからの出力信号がオンとであれば(ステップ121IWSB02のY)、CPU103は、表示モニタに表示されている設定値を更新表示する(ステップ121IWSB03)。例えば、表示モニタに設定値として「1」が表示されている場合は、表示モニタの表示を「2」に更新表示し、表示モニタに設定値として「2」が表示されている場合は、表示モニタの表示を「3」に更新表示し、表示モニタに設定値として「3」が表示されている場合は、表示モニタの表示を「1」に更新表示すればよい。また、CPU103は、表示モニタに表示されている設定値(更新後の設定値)をRAM102のバックアップ領域に記憶(既に記憶されている設定値に対して更新記憶)させる(ステップ121IWSB04)。
次いで、CPU103は、設定キーからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWSB05)。設定キーがオンであれば、CPU103は、扉開放センサからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWSB06)。扉開放センサからの出力信号がオンであれば、ステップ121IWSB02に移行し、ステップ121IWSB02〜SB06の処理を繰り返し実行する。すなわち、遊技機用枠3が開放状態であり且つ設定キーがオンの間はステップ121IWSB02〜SB06の処理が繰り返し実行される。
扉開放センサからの出力信号がオンでなければ、CPU103は、設定変更エラー処理を実行する(ステップ121IWSB07)。そして、その後、ループ処理に移行する。なお、ステップ121IWSB07では、例えば、CPU103は、設定変更エラーである旨を示すコマンドを送信して、演出制御用CPU120側でコマンドを受信したことにもとづいて設定変更エラー報知を実行するようにしてもよい。また、例えば、CPU103は、遊技機が搭載する基板のエラー用LEDを点灯などさせることによってエラー報知を行うようにしてもよい。また、本例では、設定変更エラー処理を実行すると、ループ処理に移行することによって、その後、電源を再投入するまでエラー状態を継続し、処理を進行させないようにしている。なお、この場合、ステップ121IWS027で設定変更中フラグがセットされたままとなっていることから、電源が再投入された後、RAMクリア1処理が実行されて(ステップ121IWS009のY、121IWS014参照)、エラー状態が解除されることになる。
設定キーがオンでなければ、CPU103は、設定変更処理を終了する。
図47は、電源投入時に実行される処理を示す説明図である。第3の実施形態では、図47に示すように、電源投入時に設定キーがオンである場合(さらに、扉開放センサからの出力信号がオンである場合)には、クリアスイッチがオンであれば、設定変更処理が実行され、クリアスイッチがオフであれば、設定確認処理が実行される。また、電源投入時に設定キーがオフである場合には、クリアスイッチがオンであれば、初期化処理が実行され、クリアスイッチがオフであれば、復旧処理が実行される。
次に、設定変更処理における表示モニタの表示態様について説明する。先ず、図48(A)及び図48(B)に示すように、遊技場の店員等の操作によって電源がOFFとなる(電断させる)と、パチンコ遊技機1への電力の供給が停止することによって表示モニタでの表示が終了する。尚、電源をOFFとするタイミングにおいて大当り遊技中や小当り遊技中等の大入賞口の開放中である場合は、ソレノイド82への電力の供給が停止することによって大入賞口が閉鎖される。
次に、図48(C)に示すように、遊技場の店員等がクリアスイッチを操作しつつ電源を投入すると(遊技制御メイン処理のステップS3でYesの場合)、設定キーがONとなっていることを条件にCPU103によって設定変更処理が実行され、表示モニタにおいてRAM102のバックアップ領域に格納されている設定値が表示される。
このように表示モニタにて設定値が表示されている状態において、図48(D)に示すように、CPU103は、遊技場の店員等による設定切替スイッチの操作を検出する毎に表示モニタに表示している数値を順次更新(例えば、設定切替スイッチが操作される毎に1→2→3→1→・・・のように更新)表示していく。また、表示モニタに表示されている設定値をRAM102のバックアップ領域に格納(更新記憶)する。
次いで、図48(E)に示すように、CPU103は、設定キーが遊技場の店員等の操作によってOFFとなったことに基づいて、表示モニタでの表示を終了することによって、遊技場の店員等に新たな設定値がRAM102のバックアップ領域に格納されたことを報知する。
また、RAM102のバックアップ領域に保留記憶が記憶されている場合は、該保留記憶がクリアされる。また、図48(A)のタイミング(パチンコ遊技機1の電源がOFFとなったタイミング)にて大入賞口が閉鎖された場合には、設定変更が行われるとRAMクリア処理が実行されて大当りに関する記憶が消去されるため、大入賞口は閉鎖されたままとなる。その後、CPU103は、設定変更処理を終了し、図48(F)に示すように、表示モニタでの表示(図48(A)と同様に遊技中であることを示す態様の表示)を再開し、遊技が可能な状態、つまり、変動表示結果や大当り種別、変動パターンの決定抽選や、賞球の払出等が実行可能な状態となる。
尚、第3の実施形態における設定変更処理では、表示モニタに表示する初期表示として、RAM102のバックアップ領域に格納されている設定値を表示する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、設定変更処理において表示モニタに表示する初期表示としては、遊技者にとって最も不利な設定値(第3の実施形態であれば「1」)、或いは、遊技者にとって最も有利な設定値(第3の実施形態であれば「3」)を表示するようにしてもよい。
また、設定変更処理における表示モニタの表示態様は、図48に示される表示態様に限るものではなく、図49に示す表示態様であってもよい。図49(A)−(D)は、図48(A)−(D)と同様であり、図49(E)に示すように、CPU103は、設定キーが遊技場の店員等の操作によってOFFとなったことに基づいて、表示モニタを点滅表示させることによって、遊技場の店員等に新たな設定値がRAM102のバックアップ領域に格納されたことを報知する。以降、CPU103は、設定変更処理を終了し、遊技が可能な状態、つまり、変動表示結果や大当り種別、変動パターンの決定抽選や、賞球の払出等が実行可能な状態となる。
また、図48、図49に示す例では、設定値の確認時や変更時に表示モニタの4桁の表示のうち1つ目の表示を用いて設定値を表示する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、表示モニタの2つ目以降の表示を用いて設定値を表示するように構成してもよい。また、例えば、表示モニタにおいて専用の4桁表示を行うことによって設定値を表示するように構成してもよい。この場合、例えば、設定値「1」であれば表示モニタにおいて「−S−1」の4桁の表示を行ったり、設定値「2」であれば表示モニタにおいて「−S−2」の4桁の表示を行ったり、設定値「3」であれば表示モニタにおいて「−S−3」の4桁の表示を行ったりしてもよい。また、例えば、例えば、表示モニタの4桁の全ての表示に設定値を表示するように構成してもよい。例えば、設定値「1」であれば表示モニタにおいて「1111」の4桁の表示を行ったり、設定値「2」であれば表示モニタにおいて「2222」の4桁の表示を行ったりしてもよい。
なお、上記した第3の実施形態は、第2の実施形態に適用することもできる。具体的には、現在設定されている設定値を示唆する示唆演出が、セグメント演出表示器510Aによるセグ表示として実行されるものとしてもよい。例えば、設定値が「1」のときには、示唆演出として、セグ表示「1123」やセグ表示「1221」等のように、「1」の個数が多いセグ表示が表示され易く、設定値が「2」のときには、示唆演出として、セグ表示「3221」や、セグ表示「2123」等のように、「2」の個数が多いセグ表示が表示され易く、設定値が「3」のときには、示唆演出として、セグ表示「3321」や、セグ表示「3123」等のように、「3」の個数が多いセグ表示が表示され易いものとすればよい。なお、設定値を示唆する示唆演出が実行される所定のタイミングとしては、可変表示の実行回数が所定値を超えたときや、連荘回数が所定値を超えたときや、獲得された賞球の総数が所定値を超えたとき等が挙げられる。
また、第3の実施形態で説明した表示モニタは、第2の実施形態で説明したセグメント演出表示器510Aによって代用されるものとしてもよい。このようにすることで、遊技機のコストを低減させることが可能となる。
(その他の変形例)
上記実施の形態において、各種の決定が行われる「割合」や「確率」は、例えば70:30といった、各決定結果となる可能性が0%(決定されることがない)や100%(必ず決定される)にはならないように設定されてもよいし、少なくともいずれかの決定結果となる可能性が0%(決定されることがない)や100%(必ず決定される)となるように設定されてもよい。例えば、各種の決定を行う場合において、複数の決定結果のうちいずれか1の決定結果とする割合が、他の決定結果とする割合よりも高くなることには、1の決定結果とする割合が100%となることが含まれてもよいし、他の決定結果とする割合が0%となることが含まれてもよい。1の決定結果とする割合が100%となるときには、他の決定結果とする割合が0%となる。また、他の決定結果とする割合が0%となるときには、1の決定結果とする割合が100%以外でも0%でない所定割合であれば、1の決定結果とする割合が、他の決定結果とする割合よりも高くなる。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプおよび装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明は、パチンコ遊技機1に限らずスロットマシンなどにも適用できる。スロットマシンは、例えば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示といった所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機であり、より具体的に、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば複数のリールなど)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(例えばチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など)が発生可能とされた遊技機である。このようなスロットマシンにおいて、スロットマシンの前面側に設けられた演出可動機構を含めたハードウェア資源と、所定の処理を行うソフトウェアとが協働することにより、上記実施の形態で示されたパチンコ遊技機1が有する特徴の全部または一部を備えるように構成されていればよい。
スロットマシンは、遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるものに限定されず、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、例えば賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。パチンコ遊技機1やスロットマシンは、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちのいずれか一種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えばメダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。例えばスロットマシンは、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るものであってもよい。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、例えばパチンコ遊技機1やスロットマシンといった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(第1の実施形態の課題解決手段等について)
遊技を実行可能な、例えばパチンコ遊技機1などの遊技機であって、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100など、遊技の進行を制御する遊技制御手段と、例えば演出制御用CPU120など、遊技制御手段からの情報に基づいて演出を実行可能な演出制御手段とを備え、遊技制御手段は、遊技媒体が例えば特定領域進入口812などの特定領域を通過したことに基づいて、遊技者にとって有利な特典を付与可能な、例えば特別図柄プロセス処理のステップS117〜S120を実行する遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103などの特典付与手段と、例えば振分部820などの可動部材の動作状態として、遊技媒体が特定領域を通過する割合の異なる第1状態と第2状態とに制御可能な、例えば遊技制御用タイマ割込み処理のステップS37にてモータ制御処理を実行するCPU103などの可動部材制御手段と、例えば振分部原点センサ820aなど、可動部材の動作状態を検出可能な検出手段と、検出手段の検出結果に基づく検出情報を送信する、例えば遊技制御用タイマ割込み処理のステップS31にてスイッチ/センサ処理を実行しステップS39にてメイン側通信制御処理を実行するCPU103などの送信手段とを含み、演出制御手段は、検出情報に基づいて、遊技媒体が特定領域を通過することを報知する報知演出を実行可能な、例えば演出制御プロセス処理のステップS172にて可変表示中演出処理を実行する演出制御用CPU120などの報知演出手段と、検出情報に基づいて、可動部材の動作異常を判定可能な、例えばサブ側エラー処理のステップS202、S204を実行する演出制御用CPU120などの異常判定手段と、異常判定手段により動作異常と判定された場合に、復帰条件が成立するまで報知演出の実行を制限する、例えば可変表示開始設定処理のステップS233に続いてステップS237を実行する演出制御用CPU120などの演出制限手段とを含む。これにより、適切な演出を実行することで遊技興趣を向上させることができる。
遊技を実行可能な、例えばパチンコ遊技機1などの遊技機であって、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100など、遊技の進行を制御する遊技制御手段と、例えば演出制御用CPU120など、遊技制御手段からの情報に基づいて演出を実行可能な演出制御手段とを備え、遊技制御手段は、遊技媒体が例えば通常領域進入口811、813、特定領域進入口812などの特定領域を通過したことに基づいて、遊技者にとって有利な特典を付与可能な、例えば特別図柄プロセス処理のステップS117〜S120を実行する遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103などの特典付与手段と、例えば振分部820などの可動部材の動作状態として、遊技媒体が特定領域を通過する割合の異なる第1状態と第2状態とに制御可能な、例えば遊技制御用タイマ割込み処理のステップS37にてモータ制御処理を実行するCPU103などの可動部材制御手段と、例えば振分部原点センサ820aなど、可動部材の動作状態を検出可能な第1検出手段と、例えば通常領域スイッチ811a、813a、特定領域スイッチ812aなど、遊技媒体が特定領域を通過したことを検出可能な第2検出手段と、第1検出手段の検出結果に基づく第1検出情報と、第2検出手段の検出結果に基づく第2検出情報とを送信する、例えば遊技制御用タイマ割込み処理のステップS31にてスイッチ/センサ処理を実行しステップS39にてメイン側通信制御処理を実行するCPU103などの送信手段とを含み、演出制御手段は、第1検出情報に基づいて、遊技媒体が特定領域を通過することを報知する報知演出を実行可能な、例えば演出制御プロセス処理のステップS172にて可変表示中演出処理を実行する演出制御用CPU120などの演出実行手段と、第2検出情報に基づいて、特定領域の通過異常を判定可能な、例えばサブ側エラー処理のステップS207、S208を実行する演出制御用CPU120などの異常判定手段と、異常判定手段により通過異常と判定された場合に、復帰条件が成立するまで報知演出の実行を制限する、例えば可変表示開始設定処理のステップS234に続いてステップS237を実行する演出制御用CPU120などの演出制限手段とを含む。これにより、適切な演出を実行することで遊技興趣を向上させることができる。
遊技制御手段は、遊技機への電力供給が開始されたときに、所定条件の成立に基づいて初期化処理を実行する、例えば遊技制御メイン処理のステップS15にて初期化設定処理を実行するCPU103などの初期化手段を含み、例えばサブ側エラー処理のステップS213を実行した後に可変表示開始設定処理のステップS236を実行することなど、報知演出の実行を制限しているときに遊技機への電力供給が停止した後に電力供給が再開され、少なくとも初期化手段によって初期化処理が実行されなかった場合には、復帰条件が成立してもよい。これにより、報知演出を適切に実行することができる。
遊技制御手段は、遊技機への電力供給が開始されたときに、所定条件の成立に基づいて初期化処理を実行する、例えば遊技制御メイン処理のステップS15にて初期化設定処理を実行するCPU103などの初期化手段を含み、例えばサブ側エラー処理のステップS213を実行した後に可変表示開始設定処理のステップS236を実行することなど、報知演出の実行を制限しているときに遊技機への電力供給が停止した後に電力供給が再開され、初期化手段によって初期化処理が実行された場合には、復帰条件が成立してもよい。これにより、報知演出を適切に実行することができる。
可動部材制御手段は、例えば外リール791と振分部820など、複数の可動部材の動作状態を制御可能であり、演出制限手段は、例えばサブ側エラー処理のステップS205を実行した後に可変表示開始設定処理のステップS237を実行することなど、複数の可動部材のうち少なくとも1の可動部材に動作異常が発生した場合に、報知演出の実行を制限してもよい。これにより、適切な演出を実行することで遊技興趣を向上させることができる。
演出実行手段は、例えば回動表示装置300など、可動演出装置の動作により前記報知演出を実行可能であってもよい。これにより、報知演出を適切に実行することができる。
(第2の実施形態の課題解決手段等について)
遊技を実行可能な遊技機であって、遊技者が操作可能な操作手段(例えば、プッシュボタン31B、十字キー31C)と、複数の発光手段(例えば、7セグメントのLED)により所定の表示を行うことが可能な表示手段(例えば、セグメント演出表示器510A)と、表示手段の表示を表示制御可能な表示制御手段(例えば、演出制御用CPU120が、図33に示すセグメント表示処理を実行する部分)と、を備え、表示制御手段は、表示手段において、遊技の進行に応じて変化する数値情報に関する第1表示(例えば、数値系表示)と、操作手段に対する操作に関する第2表示(例えば、操作系表示)とを表示可能であり、第2表示を第1表示よりも優先して表示可能である(例えば、図34、35参照)、ことを特徴とする。このような構成によれば、操作に関する表示が優先されるので、表示手段における複数種類の表示を好適に行うことが可能となる。
また、操作手段は複数(例えば、プッシュボタン31Bと十字キー31Cの2つ)あり、表示制御手段は、表示手段における第2表示として、複数の操作手段のうちいずれの操作に関する表示も表示可能である(例えば、図34に示すように操作系予告のセグ表示を行うことも、図35に示すようにシステム表示のセグ表示を行うことも可能である)、ものとしてもよい。このような構成によれば、複数の操作手段に対する操作が可能であるときに、いずれの操作手段に対する操作に関する表示も実行可能であるので、表示手段における複数種類の表示を好適に行うことが可能となる。
また、表示制御手段は、表示手段における第1表示として、複数種類の異なる数値情報に関する表示(例えば、図37に示す非操作系予告のセグ表示、図37に示すラウンド回数のセグ表示、図37に示す時短残回数のセグ表示)を表示可能であり、遊技状態(例えば、通常状態、大当り遊技状態、時短状態)に応じて、いずれかの数値情報に関する表示を表示可能である、ものとしてもよい。このような構成によれば、遊技状態に応じた好適な数値情報に関する表示を行うことができるので、表示手段における複数種類の表示を好適に行うことが可能となる。
また、操作手段は、遊技者が同時に操作可能な第1操作手段(例えば、プッシュボタン31B)と第2操作手段(例えば、十字キー31C)とを含み、表示制御手段は、表示手段における第2表示として、第1操作手段に対する操作に関する表示(例えば、図36に示す操作系予告のセグ表示)と、第2操作手段に対する操作に関する表示(例えば、図36に示すシステム表示のセグ表示)とを異なる優先順位で表示する、ものとしてもよい。このような構成によれば、複数の操作手段が同時に操作されても優先順位に基づいて好適にいずれかの操作手段の操作に関する表示が行われるので、表示手段における複数種類の表示を好適に行うことが可能となる。
また、操作手段に対する操作の受付を制御する操作受付手段を備え、操作受付手段は、遊技機に関するエラーが発生したときには、操作手段に対する操作の受付を禁止し(例えば、操作を無効化し)、表示制御手段は、遊技機に関するエラーが発生したときには、表示手段において、遊技機のエラー情報に関する第3表示(例えば、図38に示すエラー表示のセグ表示)を優先して表示可能である、ものとしてもよい。このような構成によれば、遊技機に関するエラーが発生したときには、操作手段に対する操作の受付が禁止されるとともに、表示手段において優先してエラー情報に関する表示が行われるので、遊技機を適正に制御できるとともに表示手段における複数種類の表示を好適に行うことが可能となる。
また、表示制御手段は、遊技の進行に応じて数値情報が変化するタイミングでは、表示手段において第2表示(例えば、図39に示すシステム表示のセグ表示)の表示を制限する、ものとしてもよい。このような構成によれば、数値情報が変化するタイミングでは操作手段に対する操作に関する表示が制限されることにより、数値情報に関する表示の視認性を妨げることが防止されるので、表示手段における複数種類の表示を好適に行うことが可能となる。
(第3の実施形態の課題解決手段等について)
遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態など)に制御可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、複数の設定値(例えば、設定値1〜設定値3)のうちのいずれかの設定値に設定可能な設定手段(例えば、CPU103が設定変更処理を実行する部分など)と、設定されている設定値にもとづいて前記有利状態の制御を実行可能な遊技制御手段(例えば、CPU103がプロセス制御処理を実行する部分など)とを備え、前記有利状態における所定の制御期間(例えば、大当り遊技中のファンファーレ期間やインターバル期間、エンディング期間など)は、設定されている設定値に応じて異なる(例えば、図41参照)ことを特徴とする。この特徴によれば、射幸性が高くなりすぎてしまうことを防止することができる。
なお、有利状態におけるファンファーレ制御期間は、設定されている設定値に応じて異なる(例えば、図41(B)参照)ようにしてもよい。このような構成によれば、射幸性が高くなりすぎてしまうことを防止することができる。
また、有利状態におけるインターバル制御期間は、設定されている設定値に応じて異なる(例えば、図41(B)参照)ようにしてもよい。このような構成によれば、射幸性が高くなりすぎてしまうことを防止することができる。
また、有利状態におけるエンディング制御期間は、設定されている設定値に応じて異なる(例えば、図41(B)参照)ようにしてもよい。このような構成によれば、射幸性が高くなりすぎてしまうことを防止することができる。
また、遊技価値を用いた遊技が可能な遊技機であって、特定条件が成立したことにもとづいて遊技価値を付与する遊技価値付与手段と、設定手段は、第1設定値(例えば、設定値3)と、該第1設定値よりも前記遊技価値付与手段によって付与される遊技価値の大きさが遊技に使用された遊技価値の大きさに占める割合が高くなる第2設定値(例えば、設定値1)とに設定可能であり、有利状態における所定の制御期間は、第2設定値に設定されているときの方が、第1設定値に設定されているときよりも長い(例えば、図41(A),(B)参照)ようにしてもよい。このような構成によれば、射幸性が高くなりすぎてしまうことを防止することができる。
また、有利状態における所定の制御期間において、設定されている設定値を示唆する示唆演出(例えば、大当り中示唆演出)を実行可能な示唆演出実行手段を備えたようにしてもよい。このような構成によれば、有利状態における所定の制御期間の興趣を高めることができる。
また、演出を実行可能な演出実行手段を備え、前記演出実行手段は、有利状態における所定の制御期間において、設定されている設定値に関わらず、共通の演出(例えば、共通のファンファーレ演出やインターバル演出、エンディング演出など)を実行可能であるようにしてもよい。このような構成によれば、有利状態における所定の制御期間の興趣を高めることができる。
また、有利状態における所定の制御期間は、設定されている設定値に応じて予め定められているようにしてもよい。このような構成によれば、射幸性が高くなりすぎてしまうことを防止することができる。
また、複数種類の有利状態に制御可能な遊技機であって、遊技制御手段は、設定されている設定値にもとづいて異なる割合により複数種類の前記有利状態(例えば、大当り種別A〜C)のいずれかに制御可能であり、前記有利状態における所定の制御期間は、前記有利状態の種類に応じて異なる(例えば、図41(B)参照)ようにしてもよい。このような構成によれば、射幸性が高くなりすぎてしまうことを防止することができる。
また、遊技媒体(例えば、遊技球)を用いた遊技が可能な遊技機であって、遊技媒体が所定領域(例えば、一般入賞口50A〜一般入賞口50D、第1始動入賞口、第2始動入賞口、第1大入賞口、第2大入賞口712)に進入することにもとづいて遊技価値を付与する遊技価値付与手段(例えば、CPU103がS12の賞球処理を実行する部分)と、前記遊技価値付与手段によって付与される遊技価値に関する情報を表示可能な情報表示手段(例えば、表示モニタ)とを備え、前記情報表示手段は、設定されている設定値を表示可能である(例えば、表示モニタにおいて連比、役比、ベースを表示可能な部分)ようにしてもよい。このような構成によれば、製造コストの増加を抑えることができる。
また、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態など)に制御可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、複数の設定値(例えば、設定値1〜設定値3)のうちのいずれかの設定値に設定可能な設定手段(例えば、CPU103が設定変更処理を実行する部分など)と、設定されている設定値にもとづいて前記有利状態の制御を実行可能な遊技制御手段(例えば、CPU103が図5に示すプロセス制御処理を実行する部分など)とを備え、可変表示に関する所定の制御期間(例えば、変動時間)は、設定されている設定値に応じて異なる(例えば、図43参照)ことを特徴とする。この特徴によれば、射幸性が高くなりすぎてしまうことを防止することができる。
また、可変表示期間は、設定されている設定値に応じて異なる(例えば、図43参照)ようにしてもよい。このような構成によれば、射幸性が高くなりすぎてしまうことを防止することができる。
また、可変表示の表示結果が表示される期間は、設定されている設定値に応じて異なるようにしてもよい。このような構成によれば、射幸性が高くなりすぎてしまうことを防止することができる。
また、遊技価値を用いた遊技が可能な遊技機であって、特定条件が成立したことにもとづいて遊技価値を付与する遊技価値付与手段と、設定手段は、第1設定値(例えば、設定値3)と、該第1設定値よりも前記遊技価値付与手段によって付与される遊技価値の大きさが遊技に使用された遊技価値の大きさに占める割合が高くなる第2設定値(例えば、設定値1)とに設定可能であり、可変表示に関する所定の制御期間は、第2設定値に設定されているときの方が、第1設定値に設定されているときよりも長い(例えば、図43参照)ようにしてもよい。このような構成によれば、射幸性が高くなりすぎてしまうことを防止することができる。
また、可変表示に関する所定の制御期間は、設定されている設定値に応じて予め定められているようにしてもよいことが記載されており、このような構成によれば、射幸性が高くなりすぎてしまうことを防止することができる。
また、可変表示パターンを決定する可変表示パターン決定手段と、前記可変表示パターン決定手段により決定された可変表示パターンにもとづいて、可変表示を実行する可変表示実行手段とを備え、前記可変表示パターン決定手段は、設定されている設定値に応じて異なる割合により可変表示期間が異なる複数の可変表示パターンのいずれかに決定する(例えば、図43参照)ようにしてもよい。このような構成によれば、射幸性が高くなりすぎてしまうことを防止することができる。
また、遊技媒体(例えば、遊技球)を用いた遊技が可能な遊技機であって、遊技媒体が所定領域(例えば、一般入賞口50A〜一般入賞口50D、第1始動入賞口、第2始動入賞口、第1大入賞口、第2大入賞口712)に進入することにもとづいて遊技価値を付与する遊技価値付与手段(例えば、CPU103がS12の賞球処理を実行する部分)と、前記遊技価値付与手段によって付与される遊技価値に関する情報を表示可能な情報表示手段(例えば、表示モニタ)とを備え、前記情報表示手段は、設定されている設定値を表示可能である(例えば、表示モニタにおいて連比、役比、ベースを表示可能な部分)ようにしてもよい。このような構成によれば、製造コストの増加を抑えることができる。
1 パチンコ遊技機
2 遊技盤
11 主基板
12 演出制御基板
100 遊技制御用マイクロコンピュータ
103 CPU
120 演出制御用CPU
200 可変入賞装置
260 上部大入賞口
300 回動表示装置
510、510A セグメント演出表示器
791 外リール
793 外リール用モータ
811、813 通常領域進入口
812 特定領域進入口
811a、813a 通常領域スイッチ
812a 特定領域スイッチ
820 振分部
820 振分部原点センサ
830 振分部用モータ

Claims (1)

  1. 遊技を実行可能な遊技機であって、
    遊技者が操作可能な操作手段と、
    複数の発光手段により所定の表示を行うことが可能な表示手段と、
    前記表示手段の表示を表示制御可能な表示制御手段と、を備え、
    前記表示制御手段は、
    前記表示手段において、遊技の進行に応じて変化する数値情報に関する第1表示と、前記操作手段に対する操作に関する第2表示とを表示可能であり、
    前記第2表示を前記第1表示よりも優先して表示可能である、
    ことを特徴とする遊技機。
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