以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、縦長な方形状に枠組み形成される外枠2と、外枠2の一側に開閉自在に軸支されてパチンコ遊技機1の主要構成が集約して設けられる前面枠3とから構成されている。前面枠3の前面上部には、前面扉枠4が開閉自在に設けられ、前面枠3の前面下部には、上皿開閉枠11が開閉自在に設けられている。前面扉枠4や上皿開閉枠11の他にも、前面枠3には、遊技盤40、下皿27、灰皿ユニット29、操作ハンドル30などが設けられている。パチンコ遊技機1の側方には、遊技者に遊技球を貸し出す(球貸しする)ためのカードユニット装置128(図10)が付設されてもよい。
前面扉枠4には、遊技盤40の遊技領域41をほぼ透視できる遊技開口としての円形透視窓5が開設されている。前面扉枠4の前面側には、円形透視窓5の外周に沿って、上部に装飾部材としての上部装飾ユニット22が設けられ、左側方に被覆部材としての左装飾ユニット23が設けられ、右側方に被覆部材としての右装飾ユニット24が設けられ、下部に前面構成部材としての下部装飾ユニット25が設けられている。上部装飾ユニット22の内部には、前面扉枠4の前面側に臨むように、発光部材としての遊技効果LED(Light Emitting Diode)13、14a、14cと遊技効果ランプ14b、14dとが設けられている。左装飾ユニット23の内部には、前面扉枠4の前面側に臨むように、発光部材としての遊技効果ランプ16a、16bが設けられている。右装飾ユニット24の内部には、前面扉枠4の前面側に臨むように、発光部材としての遊技効果ランプ17a、17bが設けられている。遊技効果LED13、14a、14cや遊技効果ランプ14b、14d、16a、16b、17a、17bは、パチンコ遊技機1における遊技状態に応じて点灯または点滅される。
前面扉枠4の前面下部に設けられた上皿開閉枠11には、例えば複数の合成樹脂製部材を組み合わせた皿部材を固着することにより構成された上皿19が形成されている。上皿19の上流側には、賞球払出口20が形成されている。上皿19の下流側には、球抜き操作部21が設けられている。加えて、上皿19の上縁部や外縁部には、パチンコ遊技機1に隣接して設置されたカードユニット装置128を介して遊技球を借り受ける際に操作する球貸操作部や、カードユニット装置128に挿入されたカードの返却を指示する際に操作する返却操作部、カードユニット装置128に挿入されたカードの残高等を表示する残高表示部などが設けられていてもよい。球貸操作部や返却操作部、残高表示部は、残高表示基板104(図10)に実装されていればよい。上皿19には、賞球払出口20から払い出された遊技球が貯留される。上皿19に貯留された遊技球は、遊技領域41内への発射位置に供給される。また、球抜き操作部21が押圧操作された場合には、上皿19に貯留された遊技球が、所定の球抜き通路や球抜き穴を通じて下皿27に誘導される。上皿19の右側方には、シリンダー錠26が臨んでいる。
前面枠3の下部に設けられた下皿27には、上皿19から溢れた余剰球が貯留される。下皿27の下方には、球抜き操作レバー28がスライド可能に取り付けられている。下皿27の左側には灰皿ユニット29が設けられ、下皿27の右側には操作ハンドル30が設けられている。操作ハンドル30は、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調節するものである。操作ハンドル30には、打球発射装置130(図10)が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられている。
前面扉枠4における上部装飾ユニット22の左右には、遊技の進行に応じた効果音(音声を含む)などを発生するスピーカ12a、12bが設けられている。左装飾ユニット23の上部右側方には、賞球LED10が前面扉枠4の前面から視認可能に設けられ、右装飾ユニット24の上部左側方には、球切れLED9が前面扉枠4の前面から視認可能に設けられている。賞球LED10及び球切れLED9は、パチンコ遊技機1にて行われる遊技演出とは別に遊技に関する情報を報知するために発光する遊技関連情報発光部材であり、入賞球の発生に基づいて所定個数の賞球が払い出されたことを賞球LED10により報知し、払い出すべき賞球が不足したことを球切れLED9により報知する。また、下部装飾ユニット25の側方には、遊技盤40に貼付される証紙を視認するための透視窓18が設けられている。
遊技盤40は、ほぼ正方形状の合板により形成され、前面枠3の裏面側に一体的に形成された遊技盤収納枠部に収容固定される。遊技盤40の表面には、ステンレス鋼板を円弧状に形成した誘導レール42a、42bが取り付けられている。そして、打球発射装置130から発射された遊技球は、誘導レール42a、42bにより形成される円形状の遊技領域41内に導かれるように打ち込まれる。
遊技領域41には、第1特別可変入賞球装置66、第2特別可変入賞球装置48、可変始動入賞球装置58、普通図柄表示装置63などが設けられている。その他にも、遊技領域41には、遊技球を入賞あるいは通過させる各種の入賞口あるいは通過領域、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、遊技領域41の最下方には、いずれの入賞領域にも入賞しない遊技球が取り込まれるアウト口69が設けられている。
第1特別可変入賞球装置66の左側方には、ゲートスイッチ62を内蔵する通過ゲート61が設けられている。通過ゲート61の左側方には、普通図柄始動記憶LED64が設けられている。例えば、普通図柄始動記憶LED64は、4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート61を通過した有効通過球数としての保留記憶数(普通図保留記憶数)を表示する。
第1特別可変入賞球装置66の下方には、可変始動入賞球装置58が設けられている。可変始動入賞球装置58は、普通電動役物用ソレノイド58aによって開閉駆動される一対の可動翼片を有する電動チューリップ型の可変入賞球装置であり、始動領域としての第1始動口59を形成している。可変始動入賞球装置58は、第1始動口59に進入した遊技球を検出する第1始動口スイッチ59aを備えている。可変始動入賞球装置58では、可動翼片が垂直位置にあるときに第2始動口60を閉状態として、普通電動役物用ソレノイド58aによって可動翼片を傾動位置に移動させることで第2始動口60を開状態とする。可変始動入賞球装置58は、第2始動口60に進入した遊技球を検出する第2始動口スイッチ60aを備えている。なお、第2始動口60は、閉状態のときは遊技球が入賞しない構造になっている。
普通図柄始動記憶LED64の下方には、普通図柄表示装置63が設けられている。普通図柄表示装置63は、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、通過ゲート61を通過した遊技球がゲートスイッチ62によって検出されたことを実行条件とする普図ゲームにおいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報である特別図柄を変動可能に表示(可変表示)する。一例として、普通図柄表示装置63は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の普通図柄を可変表示する。所定時間が経過した後に表示結果を導出する。このとき、「−」が点灯した場合には、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果として「ハズレ」が導出されたことになる。これに対して、「7」が点灯した場合には、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果として「当り」が導出されたことになる。普通図柄表示装置63による普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が「当り」となった場合には、可変始動入賞球装置58にて普通電動役物用ソレノイド58aの駆動力によって第2始動口60が開状態とされ、所定時間が経過すると閉状態に戻される。
第1特別可変入賞球装置66の右側方には、第1特別図柄表示装置44aと、第2特別図柄表示装置44bと、第1特別図柄始動記憶LED46aと、第2特別図柄始動記憶LED46bと、を含んでいる。第1特別図柄表示装置44a及び第2特別図柄表示装置44bは、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、可変表示ゲームとしての特図ゲームにおいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報である特別図柄を変動可能に表示(可変表示)する。一例として、第1特別図柄表示装置44a及び第2特別図柄表示装置44bは、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。特図ゲームでは、例えば第1始動口59に遊技球が入賞することにより、第1特別図柄表示装置44aの特別図柄を可変表示するための実行条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームが終了したことや大当り遊技状態が終了したことといった、特別図柄を可変表示するための開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置44aによる特別図柄の可変表示が開始される。また、第2始動口60に遊技球が入賞することにより、第2特別図柄表示装置44bの特別図柄を可変表示するための実行条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームが終了したことや大当り遊技状態が終了したことといった、特別図柄を可変表示するための開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置44bによる特別図柄の可変表示が開始される。各特別図柄可変表示装置において可変表示される複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。例えば、「0」〜「9」を示す数値のそれぞれに対して、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号に対して、「10」の図柄番号が付されている。
第1特別図柄始動記憶LED46aは、第1始動口59に入賞した有効入賞球数としての保留記憶数(特図保留記憶数)を表示する。第2特別図柄始動記憶LED46bは、第2始動口60に入賞した有効入賞球数としての保留記憶数(特図保留記憶数)を表示する。例えば、第1特別図柄始動記憶LED46a及び第2特別図柄始動記憶LED46bは、4個のLEDを含んで構成されている。この実施の形態では、第1特別図柄表示装置44aと第2特別図柄表示装置44bとは、入賞した順番(保留記憶数が貯まった順番)に交互に変動を行う。しかし、これに限定されず、同時に変動を行うようにしてもよいし、どちらかの特別図柄表示装置を優先的に変動させるようにしてもよい。
図2(A)及び図2(B)は、第1特別可変入賞球装置66を拡大して示す正面図である。第1特別可変入賞球装置66の上方には、開閉片(開閉部材)81(詳しくは左開閉片81a及び右開閉片81b)と、大入賞口(第1大入賞口)となる開口部82とが設けられている。開閉片81は、開口部82を第1の状態である開放状態と第2の状態である閉鎖状態とで摺動変化可能なように、所定のリンク機構などを介して開閉片用ソレノイド105と連結されている。開口部82は、第1特別可変入賞球装置66の内部と外部とを連通させ、図2(A)に示すように開閉片81が開放状態であるときに、遊技球を第1特別可変入賞球装置66の内部に進入させることができる。
開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球は、振分穴106により左・中・右に振り分ける。図3は、振分穴106を拡大して示す斜視図である。図3に示すように左・中・右の振分穴106には、それぞれ第1カウントスイッチ(左)106aと、第1カウントスイッチ(中)106bと、第1カウントスイッチ(右)106cとが設けられる。それぞれの振分穴106に進入した遊技球はこれらの第1カウントスイッチによって検出される。第1カウントスイッチ(左)106aまたは第1カウントスイッチ(右)106cを通過した遊技球は、ノーマルルート誘導経路110aにより誘導される。また、第1カウントスイッチ(中)106bを通過した遊技球は、チャンスルート誘導経路110bにより誘導される。
図4(A)及び(B)は、第1特別可変入賞球装置66を拡大して示す斜視図である。図4(A)及び(B)に示すように、ノーマルルート進入球誘導通路110aの下流側には、左振分部材83aが設けられている。左振分部材83aは、所定のリンク機構などを介して左振分用ソレノイド108aと連結され、ノーマルルート進入球誘導通路110aにより誘導された遊技球の経路を振り分ける。
例えば、左振分部材83aの動作が停止しているときは、左振分部材83aのキャラクタの足部分が停止しており、ノーマルルート進入球誘導通路110aにより誘導されてきた遊技球は、回転体誘導部85のステージ124に振り分けられる。他方、左振分用ソレノイド108aが駆動することにより左振分部材83aが動作しているときは、左振分部材83aのキャラクタの足部分が上下に動作しており、ノーマルルート進入球誘導通路110aにより誘導されてきた遊技球は、第1排出誘導通路117に振り分けられる。このように、左振分部材83aは、ステージ124に遊技球を振り分ける第1の振分状態と、第1排出誘導通路117に遊技球を振り分ける第2の振分状態とに変化する。
図5(A)及び(B)は、第1特別可変入賞球装置66を拡大して示す斜視図である。図5(A)及び(B)に示すように、チャンスルート進入球誘導通路110bの下流側には、右振分部材83bが設けられている。右振分部材83bは、所定のリンク機構などを介して右振分用ソレノイド108bと連結され、チャンスルート進入球誘導通路110bにより誘導された遊技球の経路を振り分ける。
例えば、右振分部材83bの動作が停止しているときは、右振分部材83bのキャラクタの足部分が停止しており、チャンスルート進入球誘導通路110bにより誘導されてきた遊技球は、回転体誘導部85の山ステージ88に振り分けられる。他方、右振分用ソレノイド108bが駆動することにより右振分部材83bが動作しているときは、右振分部材83bのキャラクタの足部分が上下に動作しており、チャンスルート進入球誘導通路110bにより誘導されてきた遊技球は、第2排出誘導通路94に振り分けられる。このように、右振分部材83bは、山ステージ88に遊技球を振り分ける第1の振分状態と、第2排出誘導通路94に遊技球を振り分ける第2の振分状態とに変化する。以下、左振分部材83a及び右振分部材83bを振分部材83a,bと総称したり、左振分用ソレノイド108a及び右振分用ソレノイド108bを振分用ソレノイド108a,bと総称することがある。
図6(A)及び(B)は、回転体誘導部85を拡大して示す平面図である。回転体誘導部85のステージ124の下方及び山ステージ88の直下方には、可動部材となる回転体79が設けられている。この実施の形態では、回転体79は、パチンコ遊技機1に電源が投入されている間、モータ127(図10)の駆動力により、一定の速度で常時回転動作(回動)を行うことができる。例えば、回転体79は、反時計回りで1周3秒の周期で回転する。
図7は、回転体79を拡大して示す図である。回転体79には、円周方向に計8つの穴が形成されている。すなわち、それぞれ遊技球が入球可能な、1つのV穴79aと、7つのはずれ穴79bとが形成されている。V穴79aは、円周方向が開放されており、入球した遊技球を奥行き方向における手前側に誘導することができる。一方、はずれ穴79bは、円周方向も閉鎖されており、入球した遊技球は、回転体79の回転動作により排出口109に誘導される。
ステージ124を通過した遊技球は、V穴79aまたははずれ穴79bに誘導される。また、山ステージ88を通過した遊技球は、回転体79の穴の部分以外を通過し直接特定進入口89に入賞(V入賞)するか、V穴79aまたははずれ穴79bに誘導される。そして、V穴79aに誘導された遊技球は、特定進入口89に誘導、はずれ穴79bに誘導された遊技球は、排出口109に誘導される。このように、チャンスルート進入球誘導通路110bを通過し、山ステージ88を通過した遊技球の方が、直接特定進入口89に入賞する可能性があるため、有利である。なお、図6(A)及び(B)に遊技球は、回転体79の穴の部分以外を通過し直接特定進入口89に入賞(V入賞)する遊技球を示している。
図8(A)及び(B)は、特定進入口89に入賞する遊技球を説明するための図である。図8(A)及び(B)に示すように、山ステージ88を通過した遊技球や、ステージ124を通過して、回転体79のV穴79aに誘導された遊技球は、特定進入口89に入賞(V入賞)し、特定球検出器121により検出される。その後、排出球検出器122によって検出されたあとに、第1特別可変入賞球装置66の外部に排出される。
図9(A)及び(B)は、特定進入口89に入賞しないで排出される遊技球を説明するための図である。図9(A)及び(B)に示すように、第1排出誘導通路117を通過しステージ124上に設けられるステージ排出口123に誘導された遊技球や、第2排出誘導通路94を通過しステージ124上に設けられるステージ排出口123に誘導された遊技球や、回転体79のはずれ穴79bに入球して排出口109に誘導された遊技球は、排出球検出器122によって検出されたあとに、第1特別可変入賞球装置66の外部に排出される。即ち、第1特別可変入賞球装置66の外部に排出される全ての遊技球は排出球検出器122によって検出されることになる。なお、遊技球がステージ124から回転体誘導部85に進入したときに、回転体79の奥行き方向における手前側が穴以外の部分(回転体79の側壁)に当たるとき、遊技球はいずれかの穴に進入するまで回転体79の側壁部分に滞留する。すなわち、ステージ124から回転体誘導部85に進入した遊技球が直接特定進入口89に入賞する可能性はない。
第1特別可変入賞球装置66の内部において、演出表示装置44cが設けられている。演出表示装置44cは、例えば液晶表示器(LCD;Liquid Crystal Display)といった、多数の画素(ピクセル)を用いたドットマトリクス方式による画面表示を行うものであればよい。演出表示装置44cには、演出画像を表示する表示領域80が形成されている。表示領域80では、第1特別図柄表示装置44aまたは第2特別図柄表示装置44bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して、例えば2つに分割された飾り図柄可変表示部にて、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄を可変表示する。この飾り図柄の可変表示も、開始条件が成立したことに基づいて行われる可変表示ゲームに含まれる。
例えば、表示領域80には、「左」及び「右」の飾り図柄可変表示部が配置され、第1特別図柄表示装置44aまたは第2特別図柄表示装置44bにより特図ゲームが実行されることに対応して、各飾り図柄可変表示部にて飾り図柄が可変表示される。すなわち、第1特別図柄表示装置44aまたは第2特別図柄表示装置44bにおける特別図柄の可変表示が開始されるときには、表示領域80における「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部にて飾り図柄の可変表示(例えば切換表示やスクロール表示)を開始させ、その後、第1特別図柄表示装置44aまたは第2特別図柄表示装置44bによる特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、表示領域80における「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部にて飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が停止表示(導出表示)される。また、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部は、表示領域80内で移動可能とされ、飾り図柄を縮小あるいは拡大して表示することができるようにしてもよい。
表示領域80における「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部では、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字「一」〜「八」、英文字「A」〜「H」、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなど。なお、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す演出画像であればよい)が、飾り図柄として変動可能に表示される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字のそれぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されていればよい。
演出表示装置44cの表示領域80において飾り図柄の可変表示が開始されると、「左」及び「右」の各飾り図柄可変表示部では、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと切換表示やスクロール表示が行われ、図柄番号が最大の「8」である飾り図柄が表示されると、次に図柄番号が最小の「1」である飾り図柄が表示される。あるいは、図柄番号が大きいものから小さいものへと切換表示やスクロール表示を行って、図柄番号が最小の「1」である飾り図柄が表示されると、次に図柄番号が最大の「8」である飾り図柄が表示されてもよい。飾り図柄の可変表示中には、例えば可変表示結果が「大当り」となることを予告する大当り予告演出画像や、可変表示結果が「小当り」となることを予告する小当り予告演出画像などが、表示領域80において表示されるようにしてもよい。また、演出表示装置44cの表示領域80において飾り図柄の可変表示を行うものに限定されず、例えば、歩いているキャラクタを表示させて、「大当り」や「小当り」になったときに宝物を発見する画像を表示するといったストーリー形式の演出を行うようにしてもよく、キャラクタと敵を表示させて、「大当り」や「小当り」になったときに敵を倒す画像を表示させるといったバトル形式の演出を行うようにしてもよい。
また、演出表示装置44cの表示領域80には、第1始動口59や第2始動口60に入賞した有効入賞球数としての特図保留記憶数を表示する特別図柄始動記憶表示エリアが設けられていてもよい。具体的な一例として、特図保留記憶数が1加算されたときには、通常青色であった表示部位のうちの1つ(例えば青色となっている表示部位のうち左端の表示部位)を赤色表示に変化させる。これに対して、特図保留記憶数が1減算されたときには、赤色表示されている表示部位のうちの1つ(例えば赤色となっている表示部位のうち右端の表示部位)を青色表示に戻す。あるいは、特別図柄始動記憶表示エリアでは、特図保留記憶数を示す数字を表示することなどにより、特図保留記憶数を遊技者等が認識できるようにしてもよい。
可変始動入賞球装置58の下方には、第2特別可変入賞球装置48が設けられている。第2特別可変入賞球装置48は、第2大入賞口扉用ソレノイド65によって開閉駆動される開閉板49を有し、その開閉板49によって、大入賞口(第2大入賞口)となる開口部を第1の状態となる開放状態と第2の状態となる閉鎖状態とで変化させる。開放状態となった開口部82から第2特別可変入賞球装置48の内部に進入した遊技球は、第2カウントスイッチ52によって検出される。また、第2特別可変入賞球装置48の内部には、遊技球の検出(V入賞検出)に伴って大当りの継続権を成立させるための検出器である第3特定球検出器51が設けられている。第3特定球検出器51の上部には、一旦V入賞検出があると次に開閉板49を開放するまでは遊技球が第3特定球検出器51を通過しないようにするVシャッターが設けられている。Vシャッターは、所定のリンク機構などを介して第2Vシャッター用ソレノイド50と連結されている。なお、第2特別可変入賞球装置48の内部には、第3特定球検出器51やVシャッターなどを設けることなく、開閉板49により第2特別可変入賞球装置48の開口部を開放状態とする場合には、その開口部に遊技球が進入したか否かに関わりなく、大当りの継続権を成立させるようにしてもよい。
第1特別可変入賞球装置66の左下方には、入賞球検出器55aを内蔵した通常入賞口53aが設けられている。また、可変始動入賞球装置58及び第2特別可変入賞球装置48の右側には、入賞球検出器55bを内蔵した通常入賞口53bが設けられている。入賞球検出器55a、55bからの検出信号に基づいて、所定個数の賞球が払い出される。
普通図柄表示装置63による普図ゲームにて、普通図柄の可変表示を行った表示結果として「当り」が導出された場合には、可変始動入賞球装置58における第2始動口60が閉状態から開状態に変化し、その後に所定時間が経過すると閉状態に戻る。
第1特別図柄表示装置44aまたは第2特別図柄表示装置44bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後に所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特別表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「小当り」となり、大当り図柄及び小当り図柄以外の特別図柄(ハズレ図柄)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になると、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になると、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、具体的な一例として、「7」を示す特別図柄を大当り図柄とし、「1」、「5」示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」を示す特別図柄をハズレ図柄としている。
第1特別図柄表示装置44aまたは第2特別図柄表示装置44bによる特図ゲームでの確定特別図柄が大当り図柄「7」となる場合には、演出表示装置44cの表示領域80における飾り図柄の可変表示結果として、例えば「左」及び「右」の各可変表示部にて所定の大当り組合せを構成する確定飾り図柄が停止表示される。このような大当り組合せの確定飾り図柄は、大当り遊技状態に制御されることに対応した特別表示結果に含まれる。大当り遊技状態に制御される場合には、演出表示装置44cの表示領域80において、大当り発生時用の演出画像が表示される。その後、大当り遊技状態では、大当り中用の演出画像が表示される。大当り遊技状態が終了するときには、大当り終了時用の演出画像が表示される。
第1特別図柄表示装置44aまたは第2特別図柄表示装置44bによる特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄「1」、「5」のいずれかとなる場合には、演出表示装置44cの表示領域80における飾り図柄の可変表示結果として、例えば「左」及び「右」の各可変表示部にて所定の小当り組合せを構成する確定飾り図柄が停止表示される。このような小当り組合せの確定飾り図柄は、小当り遊技状態に制御されることに対応した特定表示結果に含まれる。小当り遊技状態に制御される場合には、演出表示装置44cの表示領域80において、小当り発生時用の演出画像が表示される。このときには、小当り種別に応じて異なる演出画像が表示されるようにしてもよい。
あるいは、第1特別図柄表示装置44aまたは第2特別図柄表示装置44bによる特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄のいずれかとなる場合に、演出表示装置44cの表示領域80では、飾り図柄の可変表示を行わずに、第1特別可変入賞球装置66において開閉片81(詳しくは左開閉片81a及び右開閉片81b)により開口部82を開放状態とする始動動作が行われることを報知する演出画像や、その始動動作にて開口部82を開放状態とする回数を報知する演出画像などを、表示するようにしてもよい。このときでも、第1特別図柄表示装置44aまたは第2特別図柄表示装置44bによる特図ゲームでの特別図柄の可変表示については、実行されるようにする。
特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄となった後には、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を摺動させて開口部82を、所定の始動態様で閉鎖状態から開放状態に変化させ、所定時間(例えば0.4秒)が経過した後に閉鎖状態に戻す。このような小当り遊技状態で行われる開口部82の開閉動作を始動動作という。例えば、小当り遊技状態では、開口部82を2回(複数回)開閉する始動動作を行い、第1特別可変入賞球装置66を遊技者にとって有利な第1の状態としての開放状態に変化させる。なお、小当り遊技状態では、第1特別可変入賞球装置66の開口部82を2回(複数回)開閉する始動動作に限らず、開口部82を1回開閉する始動動作をさせてもよい。このように、始動動作は、第1始動口59や第2始動口60といった始動領域に進入した遊技球が始動口スイッチ59a、60aによって検出されたことに基づき、特別図柄表示装置44a,bによる特図ゲームや演出表示装置44cの表示領域80における飾り図柄の可変表示結果が「小当り」となったことに応じて、第1特別可変入賞球装置66の開口部82を所定の始動態様で、遊技者にとって不利な第2の状態である閉鎖状態から遊技者にとって有利な第1の状態である開放状態とした後に再び第2の状態である閉鎖状態へと変化させる。
大当り遊技状態では、始動態様よりも遊技者にとって有利な特定態様で、第1特別可変入賞球装置66や第2特別可変入賞球装置48を第1の状態である開放状態とする。この実施の形態では、大当り遊技状態において、ラウンド遊技として予め定められた動作単位の遊技が実行可能となる。例えば、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81が、第1大入賞口となる開口部82を閉鎖状態から開放状態へと変化させることにより、第1特別可変入賞球装置66を第1の状態とした後、所定時間(例えば29秒)が経過したこと、あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生したことに応じて、開口部82を開放状態から閉鎖状態へと変化させるまでの動作単位が、1回のラウンド遊技として定められていればよい。また、第2特別可変入賞球装置48の開閉板49が、第2特別可変入賞球装置48における第2大入賞口となる開口部を閉鎖状態から開放状態へと変化させることにより、第2特別可変入賞球装置48を第1の状態とした後、所定時間(例えば29秒)が経過したこと、あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生したことに応じて、開口部を開放状態から閉鎖状態へと変化させるまでの動作単位が、1回のラウンド遊技として定められていればよい。大当り遊技状態では、複数回のラウンド遊技を実行可能であり、ラウンド遊技の実行回数に応じて、上記2つの動作単位のいずれかが、1回のラウンド遊技として定められていてもよい。1回のラウンド遊技として、上記2つの動作単位の両方が行われるようにしてもよい。
この実施の形態では、特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態において、ラウンド遊技が継続可能な最大継続回数(上限回数)を、「16ラウンド」に設定する。最大継続回数に達した最終のラウンド遊技以外の各ラウンド遊技では、特定球検出器121、あるいは、第3特定球検出器51によって遊技球が検出されたことを、次のラウンド遊技が実行可能となるための条件としてもよい。例えば、ラウンド遊技にて第1特別可変入賞球装置66における第1大入賞口(開口部82)が開放状態とされる場合には、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が特定進入口89に進入して特定球検出器121によって検出されることにより、次のラウンド遊技に移行するための継続権が成立してラウンド遊技を繰返し継続することができればよい。また、ラウンド遊技にて第2特別可変入賞球装置48における第2大入賞口となる開口部が開閉板49により開放状態とされる場合には、第2特別可変入賞球装置48の内部に進入した遊技球が第3特定球検出器51によって検出されることにより、次のラウンド遊技に移行するための継続権が成立してラウンド遊技を繰返し継続することができればよい。なお、第2特別可変入賞球装置48の開口部が開閉板49により開放状態とされるラウンド遊技では、第2特別可変入賞球装置48の内部に遊技球が進入したか否かに関わりなく、次のラウンド遊技に移行するための継続権が成立してラウンド遊技を繰返し継続することができるようにしてもよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図10に示すような主基板120や演出制御基板90、音声枠ランプ基板92、ランプドライバ基板93、電源基板97、払出制御基板98、残高表示基板104といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、周辺電源中継基板47、周辺コマンド中継基板57、図柄中継基板84及びスイッチ中継基板95といった中継基板、特別図柄基板850、普通図柄基板86及び普通図柄記憶基板87なども搭載されている。
主基板120には、遊技盤40に設けられた各検出器51、55a、55b、109、121、121b、122や各スイッチ52、62、l06からの信号が、スイッチ中継基板95を介して入力される。また、主基板120には、第1始動口スイッチ59aまたは第2始動口スイッチ60aからの信号も入力される。主基板120には、乱数発生回路60bが接続されており、第1始動口スイッチ59aまたは第2始動口スイッチ60aからの検出信号がオン状態になると、その時点におけるカウント値が主基板120に入力される。
主基板120からは、遊技盤40に設けられた各ソレノイド50、58a、65、105、108a、108b及びモータ127を駆動制御するための駆動制御信号が出力され、スイッチ中継基板95によって各部位へと中継される。また、主基板120からは、遊技状態に応じた電飾信号及び効果音信号等の情報信号が出力され、周辺コマンド中継基板57や演出制御基板90を介して音声枠ランプ基板92へと伝送される。さらに、主基板120からは、演出表示装置44cの表示状態を制御するための演出制御コマンドが出力され、周辺コマンド中継基板57を介して演出制御基板90へと伝送される。加えて、主基板120からは、第1特別図柄表示装置44a等の表示状態を制御するための表示制御信号が出力され、図柄中継基板84を介して特別図柄基板850や普通図柄基板86、普通図柄記憶基板87などへと伝送される。主基板120には盤用外部端子板96が接続され、各種の遊技情報が伝送される。
主基板120には、周辺コマンド中継基板57及び演出制御基板90や音声枠ランプ基板92及びランプドライバ基板93を介して、各種装飾LED・ランプ32が接続されている。遊技効果LED13、14a、14c、遊技効果ランプ14b、14c、16a、16b、17a、17bは、それぞれプリント配線基板等に実装され、スピーカ12a、12bとともに、周辺コマンド中継基板57及び演出制御基板90や音声枠ランプ基板92を介して、主基板120に接続されている。周辺コマンド中継基板57は、主基板120から演出制御基板90へと出力される情報信号を中継する。
主基板120には、電源基板97からの電力が供給され、各種遊技効果LED・ランプ13、14a〜14d、16a、16b、17a、17b、各種装飾LED・ランプ32及びスピーカ12a、12b等を駆動させるための電力を、周辺電源中継基板47を介して音声枠ランプ基板92に供給する。電源基板97は、一次電源となるAC24Vの交流電源を、電源コードを介して受け、二次電源としての電力を、主基板120と払出制御基板98とに供給する。電源基板97には、パチンコ遊技機1における全ての動作をクリアするためのクリアスイッチ97aも搭載されている。周辺電源中継基板47は、主基板120からの電力を音声枠ランプ基板92へと中継する。また、主基板120からは、各検出器51、55a、55bや各スイッチ52、59a、60a、106a〜106cからの検出信号に基づいて賞球個数信号が出力され、払出制御基板98へと伝送される。
主基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ99が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ99は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)100と、ワークメモリとして使用されるRAM(Random Access Memory)111と、プログラムに従って遊技の進行を制御するCPU(Central Processing Unit)112と、演出制御基板90等に制御信号となるコマンドを送信するI/O114とを含んでいる。遊技制御用マイクロコンピュータ99では、CPU112がROM100から読み出したプログラムを実行し、RAM111をワークエリアとして用いることで、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。
主基板120では、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために、各種の乱数値が用いられる。図11は、主基板120の側において用いられる乱数値の一例を示す説明図である。図11に示すように、この実施の形態では、主基板120の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1や小当り種別決定用の乱数値MR2、ラウンド数決定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4が用いられ、これらの乱数値を示す数値データがカウント可能となる制御や処理が行われる。なお、遊技効果を高めるために、主基板120の側でこれら以外の乱数値が用いられてもよい。これらの乱数値MR1〜MR4の全部または一部を示す数値データを示す数値データは、乱数発生回路60bから入力されるカウント値に基づいて生成される。また、乱数値MR1〜MR4の一部を示す数値データは、CPU112が乱数発生回路60bとは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよい。
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける可変表示結果を、「大当り」や「小当り」とするか「ハズレ」とするかの判定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「299」の範囲の値をとる。すなわち、特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける可変表示結果に基づきパチンコ遊技機1が大当り遊技状態や小当り遊技状態となるか否かの判定を行うために用いられる。具体的な一例として、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データは、乱数発生回路60bにより、遊技制御用マイクロコンピュータ99のクロック制御とは異なるクロック制御に基づいて加算更新される2バイトの数値データである。乱数発生回路60bでは、始動口スイッチ59a、60aからの入力信号がオン状態となったときに、内蔵カウンタにおけるカウント値が記憶バッファにラッチされ、このラッチされたカウント値が乱数値MR1を示す数値データとして主基板120の遊技制御用マイクロコンピュータ99に入力される。遊技制御用マイクロコンピュータ99では、乱数値MR1が所定の範囲内にあるか否かを、例えばCPU112によって判定することにより、可変表示結果を「大当り」とするか否かの判定や、「小当り」とするか否かの判定が行われる。
小当り種別決定用の乱数値MR3は、特図ゲームにおける可変表示結果を「小当り」とする場合に、複数種類ある小当り種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「99」の範囲の値をとる。この実施の形態では、複数種類の小当り種別として、第1〜第4小当りがある。第1小当り及び第2小当りは、第1特別図柄表示装置44aに対応する小当りであって、第3小当り及び第4小当りは、第2特別図柄表示装置44bに対応する小当りである。いずれの小当りであるかに応じて、小当り遊技状態における開閉片用ソレノイド105の駆動による開閉片81の動作と、振分用ソレノイド108a,bの駆動による振分部材の動作と、の相対タイミングなどを異ならせる。この実施の形態では、その相対タイミングは、第2特別図柄表示装置44bに対応する第3小当り及び第4小当りの方が、第1特別図柄表示装置44aに対応する第1小当り及び第2小当りよりも有利になっている(V入賞しやすい)。また、第1〜第4小当りとなったことに対応する大当り遊技状態終了後において、第2始動口60を開状態となりやすい有利状態に制御する場合がある。いずれ特別図柄表示装置の小当りであるかに応じて、有利状態となる確率(有利状態突入率)を異ならせる。この実施の形態では、第2特別図柄表示装置44bに対応する第3小当り及び第4小当りの方が、第1特別図柄表示装置44aに対応する第1小当り及び第2小当りよりも有利状態突入率が高い。従って、第1始動口59に入賞するより、第2始動口60に入賞した方が、遊技者にとって有利である。さらに、有利状態にて第1特別図柄表示装置44a及び第2特別図柄表示装置44bで実行可能な特図ゲームの回数を示す有利時特図変動回数についても、第2特別図柄表示装置44bに対応する第3小当り及び第4小当りの方が、第1特別図柄表示装置44aに対応する第1小当り及び第2小当りよりも多くしている。これにより、さらに第2始動口60を有利にしている。
ラウンド数決定用の乱数値MR3は、始動動作にて開閉片81により開放状態とされた開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が特定進入口89に進入した場合に、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技が継続可能となる最大継続回数(上限回数)を、複数種類のうちから決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「99」の範囲の値をとる。この実施の形態では、ラウンド数決定用の乱数値MR3を用いて、「2ラウンド」、「5ラウンド」及び「16ラウンド」のいずれかに決定する。また、この実施の形態では、第1〜第4小当りのいずれの小当りとなったことに対応する大当り遊技状態であるかに応じて、決定するラウンド数の割合が異ならせている。即ち、第3小当り及び第4小当り(第2特別図柄表示装置44b)の方が、第1小当り及び第2小当り(第1特別図柄表示装置44a)よりも、有利になっている(ラウンド数が多くなりやすい)。従って、第1始動口59に入賞するより、第2始動口60に入賞した方が、遊技者にとって有利である。
普図表示結果判定用の乱数値MR4は、普図ゲームにおける可変表示結果を、「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの判定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「99」の範囲の値をとる。すなわち、普図表示結果判定用の乱数値MR4は、普図ゲームにおける可変表示結果に基づき可変始動入賞球装置58にて第2始動口60を開状態とするか否かなどの判定を行うために用いられる。
図10に示す遊技制御用マイクロコンピュータ99が備えるROM100には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のテーブルデータなどが記憶されている。例えば、ROM100には、CPU112が各種の判定や決定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM100には、CPU112が主基板120から各種の制御信号を出力させるために用いられる複数の制御パターンテーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。
ROM100が記憶する判定テーブルには、例えば図12に示すような特図表示結果判定テーブル200と、図13(A)に示す通常時普図表示結果判定テーブル210Aと、図13(B)に示す有利時普図表示結果判定テーブル210Bとが含まれている。図12に示す特図表示結果判定テーブル200は、特図表示結果判定用の乱数値MR1を、大当り判定値データ、ハズレ判定値データ及び小当り判定値データのいずれかに対応付ける(割り当てる)設定データ(判定用データ)などから構成されている。
図13(A)に示す通常時普図表示結果判定テーブル210Aや図13(B)に示す有利時普図表示結果判定テーブル210Bは、普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどを判定するために参照されるテーブルである。例えば、通常時普図表示結果判定テーブル210Aと有利時普図表示結果判定テーブル210Bはそれぞれ、普図表示結果判定用の乱数値MR4を、表示結果種別や入賞可能時間などに対応付ける(割り当てる)設定データ(判定用データ)から構成されている。普図ゲームの開始条件が成立したことに基づき普通図柄の変動が開始されることに対応して、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるときには、図13(A)に示す通常時普図表示結果判定テーブル210Aが参照される一方で、パチンコ遊技機1における遊技状態が有利状態であるときには、図13(B)に示す有利時普図表示結果判定テーブル210Bが参照される。図13(A)に示す通常時普図表示結果判定テーブル210Aよりも図13(B)に示す有利時普図表示結果判定テーブル210Bの方が、表示結果種別を「普図当り」になりやすいように普図表示結果判定用の乱数値MR4が割り当てられており、また「普図当り」となったときの入賞可能時間も長い。そのため、パチンコ遊技機1における遊技状態が有利状態であるとき遊技者にとって有利になっている。
ROM100が記憶する決定テーブルには、例えば図14に示すような普図変動パターン決定テーブル210Cと、図15(A)に示すような小当り種別決定テーブル(第1特図)211と、図15(B)に示すような小当り種別決定テーブル(第2特図)212と、図16に示すようなラウンド数決定テーブル221〜224とが含まれている。
図14に示す普図変動パターン決定テーブル210Cは、普図ゲームにおいて普通図柄の可変表示が開始されてから確定普通図柄が停止表示されるまでの変動パターン(普図変動パターン)を決定するために参照されるテーブルである。例えば、普図変動パターン決定テーブル210Cは、普図変動パターンの種類や、普通図柄の可変表示が開始されてから確定普通図柄が停止表示されるまでの時間である普図変動時間を、普図ゲームにおける表示結果種別である普図表示結果が「普図当り」、「普図ハズレ」のいずれであるかや、有利状態フラグがオフであるかオンであるかに対応して、決定するための設定データ(決定用データ)などから構成されている。この実施の形態では、普図変動パターンとなる複数種類の変動パターンとして、普図当りA、普図当りB、普図ハズレA、普図ハズレBの変動パターンが用意されている。
図14に示すように、普図変動パターン決定テーブル210Cでは、有利状態フラグがオフであるかオンであるかに対応して、普図変動時間が異なるように設定されている。ここで、有利状態フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるときにオフとなる一方で、有利状態であるときにオンとなる。そのため、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるときと有利状態であるときとでは、普通図柄表示装置63により普通図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定普通図柄が導出表示されるまでの普図変動時間を、異ならせることができる。
図15(A)に示す小当り種別決定テーブル(第1特図)211は、第1特別図柄表示装置44aにおける特図ゲームの可変表示結果を「小当り」とする場合に、小当り種別を決定するために参照されるテーブルである。例えば、小当り種別決定テーブル(第1特図)211は、小当り種別決定用の乱数値MR2を、「第1小当り」や「第2小当り」といった小当り種別、「1」や「5」といった小当り図柄、V入賞時の有利状態突入率、さらには有利時特図変動回数と対応付ける設定データ(決定用データ)などから構成されている。
図15(B)に示す小当り種別決定テーブル(第2特図)212は、第2特別図柄表示装置44bにおける特図ゲームの可変表示結果を「小当り」とする場合に、小当り種別を決定するために参照されるテーブルである。例えば、小当り種別決定テーブル(第2特図)212は、小当り種別決定用の乱数値MR2を、「第3小当り」や「第4小当り」といった小当り種別、「1」や「5」といった小当り図柄、V入賞時の有利状態突入率、さらには有利時特図変動回数と対応付ける設定データ(決定用データ)などから構成されている。
図16に示すラウンド数決定テーブル221〜224は、始動動作により開放状態となった開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が特定進入口89に進入した(V入賞した)場合に、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技が継続可能となる最大継続回数(上限回数)を決定するために参照されるテーブルである。例えば、ラウンド数決定テーブル221〜224は、ラウンド数決定用の乱数値MR3を、「2」や「5」、「16」といったラウンド最大値と対応付ける設定データ(決定用データ)などから構成されている。ラウンド数決定テーブル221〜224は、小当り種別ごとに複数用意されている。即ち、図16(A)に示すラウンド数決定テーブル(第1小当り後)221は、第1小当りに対応するV入賞があった場合の、ラウンド最大値を決定するためのテーブルである。図16(B)に示すラウンド数決定テーブル(第2小当り後)222は、第2小当りに対応するV入賞があった場合の、ラウンド最大値を決定するためのテーブルである。図16(C)に示すラウンド数決定テーブル(第3小当り後)223は、第3小当りに対応するV入賞があった場合の、ラウンド最大値を決定するためのテーブルである。図16(D)に示すラウンド数決定テーブル(第4小当り後)224は、第4小当りに対応するV入賞があった場合の、ラウンド最大値を決定するためのテーブルである。
図15及び図16により示すように、第1特別図柄表示装置44aと第2特別図柄表示装置44bには小当り図柄として「1」及び「5」が用意されている。そして、どちらの図柄が停止表示されたかにより、その後にV入賞があった場合発生する大当り遊技のラウンド数の割合を異ならせている。このように、遊技価値の異なる複数の小当り図柄を用意しているので、遊技性の向上を図ることができる。また、第1特別図柄表示装置44aの小当りと第2特別図柄表示装置44bの小当りでは、第2特別図柄表示装置44bにて小当り遊技状態となったときの方が、ラウンド最大値が多くなりやすいようにラウンド数決定テーブルに設定データが割り振られている。これにより、第2始動口60への入賞の遊技価値を第1始動口59よりも高めている。また、有利状態にて第1特別図柄表示装置44a及び第2特別図柄表示装置44bで実行可能な特図ゲームの回数を示す有利時特図変動回数についても、第1特別図柄表示装置44aの小当りより第2特別図柄表示装置44bの小当りの方が多くなっている。これにより、第2始動口60への入賞の遊技価値をさらに高め、遊技性の向上を図っている。
ROM100が記憶する制御パターンテーブルには、例えば図17に示すような小当り制御パターンテーブル230が含まれている。この小当り制御パターンテーブル230には、パチンコ遊技機1における遊技状態が小当り遊技状態に制御されている期間における、CPU112による遊技制御用マイクロコンピュータ99での設定内容や、各ソレノイド50、58a、65、105、108a、108b及びモータ127による駆動動作の内容を示すデータが、複数種類の小当り種別に対応した小当り制御パターンとして複数種類格納されていればよい。例えば、小当り制御パターンテーブル230には、「第1小当り」〜「第4小当り」からなる4種類の小当り種別に対応して、4種類の小当り制御パターンKP1〜KP4が格納されている。小当り制御パターンテーブル230に格納される複数種類の小当り制御パターンはそれぞれ、例えば図18に示すように、各種の判定値と対応付けられた設定データや制御データから構成され、時系列的に、CPU112による遊技制御用マイクロコンピュータ99での設定内容や、各ソレノイド50、58a、65、105、108a、108b及びモータ127による駆動動作の内容といった、CPU112による設定や制御の内容と実行タイミング等が示されている。なお、小当り制御パターンは、CPU112による設定や制御の内容と実行タイミング等を、時系列的に示すものに限定されず、時系列に関わりなく列記したものであってもよい。例えば、小当り制御パターンは、ソレノイド50、58a、65、105、108a、108b及びモータ127のそれぞれについて、駆動制御信号を生成するタイミングを示すデータや、駆動制御信号の出力を停止するタイミングを示すデータと、駆動制御信号の生成パターンや停止指令を示す制御データとを、個別に対応付けたものであってもよい。
図18に示す小当り制御パターンに示された各判定値(例えば特定入賞有効判定値、大入賞口開放開始判定値、振分駆動判定値#1、振分停止判定値#1、大入賞口開放終了判定値など)は、CPU112によって、遊技制御用データ保持エリア250の遊技制御タイマ設定部163(図21)に設けられた遊技制御プロセスタイマにおけるタイマ値である遊技制御プロセスタイマ値と、比較される。このとき、判定値のいずれかと遊技制御プロセスタイマ値とが合致した場合には、その合致した判定値と対応付けられた設定データや制御データに応じた設定や制御が実行される。
また、ROM100が記憶する制御パターンテーブルには、例えば図19に示すようなラウンド制御パターンテーブル240も含まれている。このラウンド制御パターンテーブル240には、パチンコ遊技機1における遊技状態が大当り遊技状態に制御される期間における、CPU112による遊技制御用マイクロコンピュータ99での設定内容や、各ソレノイド50、58a、65、105、108a、108b及びモータ127による駆動動作の内容を示すデータが、ラウンド制御パターンとして複数種類格納されていればよい。例えば、ラウンド制御パターンテーブル240には、特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」(直当り)であるときの16ラウンド用のラウンド制御パターンRP1−1が格納されている。また、ラウンド制御パターンテーブル240には、特図ゲームにおける可変表示結果が「小当り」となった後、小当り遊技状態にて遊技球が特定進入口89に進入したことに基づいて制御される大当り遊技状態におけるラウンド制御パターンとして、2ラウンド用のラウンド制御パターンRP2−1と、5ラウンド用のラウンド制御パターンRP2−2と、16ラウンド用のラウンド制御パターンRP2−3とが格納されている。
ラウンド制御パターンテーブル240に格納される複数種類のラウンド制御パターンはそれぞれ、遊技制御用データ保持エリア250の遊技制御カウンタ設定部164に設けられたラウンド数カウンタにおけるカウント値であるラウンド数カウント値を、大入賞口の最大開放時間である大入賞口開放時間や、開放する大入賞口(第1及び第2大入賞口のいずれか)と対応付ける設定データや制御データなどから構成されている。また、各ラウンド制御パターンは、各種の判定値と対応付けられた設定データや制御データを含み、各ラウンド遊技における時系列に沿って、CPU112による遊技制御用マイクロコンピュータ99での設定内容や、各ソレノイド50、58a、65、105、108a、108b及びモータ127による駆動動作の内容といった、CPU112による設定や制御の内容と実行タイミング等を示していてもよい。あるいは、各ラウンド制御パターンは、CPU112による設定や制御の内容と実行タイミング等を、時系列に関わりなく列記したものであってもよい。例えば、ラウンド制御パターンは、ソレノイド50、58a、65、105、108a、108b及びモータ127のそれぞれについて、駆動制御信号を生成するタイミングを示すデータや、駆動制御信号の出力を停止するタイミングを示すデータと、駆動制御信号の生成パターンや停止指令を示す制御データとを、個別に対応付けたものであってもよい。
図20(A)は、特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」(直当り)となったことに対応して用いられるラウンド制御パターンRP1−1の概要を例示する説明図である。図20(B)は、小当り種別が「第1小当り」である場合に、小当り遊技状態にて遊技球が特定進入口89に進入したことに基づいて制御される大当り遊技状態におけるラウンド制御パターンRP2−1の概要を例示する説明図である。図20(C)は、小当り種別が「第1小当り」「第3当り」または「第4小当り」である場合に、小当り遊技状態にて遊技球が特定進入口89に進入したことに基づいて制御される大当り遊技状態におけるラウンド制御パターンRP2−2の概要を例示する説明図である。図20(D)は、小当り種別が「第2小当り」「第3小当り」または「第4小当り」である場合に、小当り遊技状態にて遊技球が特定進入口89に進入したことに基づいて制御される大当り遊技状態におけるラウンド制御パターンRP2−3の概要を例示する説明図である。図20(A)に示すラウンド制御パターンRP1−1では、各ラウンド遊技における大入賞口開放時間がいずれも「29秒」であり、開放する大入賞口が第2特別可変入賞球装置48に対応した第2大入賞口を示す「第2」となっている。図20(B)に示すラウンド制御パターンRP2−1では、各ラウンド遊技における大入賞口開放時間がいずれも「29秒」であり、開放する大入賞口が第1特別可変入賞球装置66に対応した第1大入賞口を示す「第1」となっている。図20(C)に示すラウンド制御パターンRP2−2では、各ラウンド遊技における大入賞口開放時間がいずれも「29秒」であり、開放する大入賞口が第1特別可変入賞球装置66に対応した第1大入賞口を示す「第1」となっている。図20(D)に示すラウンド制御パターンRP2−3では、各ラウンド遊技における大入賞口開放時間がいずれも「29秒」であり、開放する大入賞口が第1特別可変入賞球装置66に対応した第1大入賞口を示す「第1」となっている。
図10に示す遊技制御用マイクロコンピュータ99が備えるRAM111には、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図21に示すような遊技制御用データ保持エリア250が設けられている。図21に示す遊技制御用データ保持エリア250は、第1特図保留記憶部160Aと、第2特図保留記憶部160Bと、保留特定領域160Cと、普図保留記憶部161と、遊技制御フラグ設定部162と、遊技制御タイマ設定部163と、遊技制御カウンタ設定部164と、遊技制御バッファ設定部165とを備えている。
第1特図保留記憶部160Aは、第1始動口59に遊技球が進入して第1特別図柄表示装置44aによる特図ゲームを実行するための実行条件が成立したものの、従前の特図ゲームを実行中や小当り遊技状態であるなどの理由により可変表示を開始するための開始条件が成立していない特図ゲームに関する保留情報を記憶する。例えば、第1特図保留記憶部160Aは、第1始動口59への入賞順に保留番号と対応付けて、その入賞による実行条件の成立に基づいてCPU112により乱数発生回路60bからのカウント値などに基づき抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データや、小当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データなどを、保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
第2特図保留記憶部160Bは、第2始動口60に遊技球が進入して第2特別図柄表示装置44bによる特図ゲームを実行するための実行条件が成立したものの、従前の特図ゲームを実行中や小当り遊技状態であるなどの理由により可変表示を開始するための開始条件が成立していない特図ゲームに関する保留情報を記憶する。例えば、第2特図保留記憶部160Bは、第2始動口60への入賞順に保留番号と対応付けて、その入賞による実行条件の成立に基づいてCPU112により乱数発生回路60bからのカウント値などに基づき抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データや、小当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データなどを、保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
保留特定領域160Cは、第1始動口59または第2始動口60への入賞の順番を特定するための領域であって、第1始動口59または第2始動口60への入賞があるごとに保留番号と対応付けて、第1始動口59への入賞であることを示すデータ(「第1」)または第2始動口60への入賞であることを示すデータ(「第2」)を、その数が所定の上限値(例えば「8」)に達するまで記憶する。この実施の形態では、保留データを入賞があった順番に消化する。従って、第1特別図柄表示装置44aまたは第2特別図柄表示装置44bのどちらか一方で特図ゲームを実行するように構成されているが、同時変動を行うようにしてもよい。また、入賞順に保留データを消化するのではなく、どちらかの始動口の保留データを優先的に消化するようにしてもよい。
普図保留記憶部161は、通過ゲート61を遊技球が通過して普通図柄表示装置63による普図ゲームを実行するための条件が成立したものの、従前の普図ゲームを実行中であるなどの理由により可変表示が開始されていない普図ゲームに関する保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部161は、遊技球が通過ゲート61を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU112により乱数発生回路60bやランダムカウンタからのカウント値などに基づき抽出された普図表示結果判定用の乱数値MR4を示す数値データなどを、保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部162には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するためにセットあるいはクリアされる複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部162は、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータを記憶する。この実施の形態において、遊技制御フラグ設定部162には、特別図柄プロセスフラグ、普図プロセスフラグ、大当りフラグ、小当りフラグ、有利状態フラグ、有利状態突入フラグ、普図当りフラグ、特定球検出フラグ、大入賞口開放中フラグ、第1大入賞口開放後フラグ、第1及び第2エラー判定実行フラグが設けられている。
特別図柄プロセスフラグは、特別図柄表示装置44aにおける特図ゲームの進行等を制御するために実行される特別図柄プロセス処理(図23のステップS16及び図25)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。普図プロセスフラグは、普通図柄表示装置63における普図ゲームの進行等を制御するために実行される普通図柄プロセスフラグ(図23のステップS17及び図39)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。大当りフラグは、特図ゲームにおける可変表示結果を「大当り」とする判定結果に対応してオン状態にセットされる一方で、特図ゲームにおける可変表示結果として大当り図柄が導出表示されたことなどに対応してクリアされてオフ状態となる。小当りフラグは、特図ゲームにおける可変表示結果を「小当り」とする判定結果に対応してオン状態にセットされる一方で、特図ゲームにおける可変表示結果として小当り図柄が導出表示されたことなどに対応してクリアされてオフ状態となる。
有利状態フラグは、大当り遊技状態の終了後に有利状態に制御されることなどに対応してオン状態にセットされる一方で、有利状態が終了することなどに対応してクリアされてオフ状態となる。普図当りフラグは、普図ゲームでの可変表示結果である普図表示結果を「普図当り」とするかの判定結果を示す。
特定球検出フラグは、小当り遊技状態や大当り遊技状態にて開閉片81により開放状態とされた開口部82から特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が、特定進入口89に進入して特定球検出器121によって検出されたときに、オン状態にセットされる。なお、特定球検出フラグは、小当り遊技状態や大当り遊技状態とは異なる遊技状態であっても、特定球検出器121によって遊技球が検出されたことに対応して、オン状態にセットされてもよい。そして、小当り遊技状態や大当り遊技状態とは異なる遊技状態にて特定球検出フラグがオンであるか否かに対応して、エラーの有無を判定するようにしてもよい。
大入賞口開放中フラグは、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技で、第1特別可変入賞球装置66に対応した第1大入賞口(開口部82)と第2特別可変入賞球装置48に対応した第2大入賞口のいずれかが開放状態に制御されているときに、オン状態にセットされる。第1大入賞口開放後フラグは、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技で、第1特別可変入賞球装置66に対応した第1大入賞口(開口部82)を開放状態とした後に閉鎖状態とする制御が行われたことに対応して、オン状態にセットされる。
第1エラー判定実行フラグは、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が進入したことを第1カウントスイッチ106a〜106cにより検出したか否かに対応して異常の有無を判定する第1エラー判定処理を実行する場合に、オン状態にセットされる。その一方で、第1エラー判定処理を実行しない場合には、第1エラー判定実行フラグがクリアされてオフ状態となる。第2エラー判定実行フラグは、第2特別可変入賞球装置48の内部に遊技球が進入したことを第2カウントスイッチ52により検出したか否かに対応して異常の有無を判定する第2エラー判定処理を実行する場合に、オン状態にセットされる。その一方で、第2エラー判定処理を実行しない場合には、第2エラー判定実行フラグがクリアされてオフ状態となる。
遊技制御タイマ設定部163には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部163は、各タイマにおけるタイマ値を示すデータを記憶する。この実施の形態において、遊技制御タイマ設定部163には、遊技制御プロセスタイマなどが設けられている。
遊技制御プロセスタイマは、例えば特図ゲームの実行時間である特別図柄の可変表示時間といった特図ゲームの進行を制御するための時間や、大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態の進行を制御するための時間などを、主基板120の側にて計測するためのものである。例えば、遊技制御プロセスタイマは、特図ゲームの進行や大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態の進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、遊技制御プロセスタイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、遊技制御プロセスタイマは、特図ゲームや大当り遊技状態もしくは小当り遊技状態の開始時点といった、所定時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部164には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部164は、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータを記憶する。この実施の形態において、遊技制御カウンタ設定部164には、ラウンド数カウンタ、第1及び第2大入賞口カウンタ、残存球数カウンタ、特図保留記憶数カウンタが設けられている。
ラウンド数カウンタは、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数をカウントするためのものである。例えば、ラウンド数カウンタには、大当り遊技状態の開始時にカウント初期値「1」を示すデータが、ラウンド数カウント値として設定される。そして、1回のラウンド遊技が終了して次回のラウンド遊技が開始されるときに、ラウンド数カウント値が1加算されて更新される。
第1大入賞口カウンタは、第1特別可変入賞球装置66に対応した第1大入賞口(開口部82)に入賞した遊技球の個数をカウントするためのものである。例えば、第1大入賞口カウンタには、第1カウントスイッチ106a〜106cによって遊技球が検出されるごとに1加算されるデータが、第1大入賞口カウント値としてセットされる。そして、小当り遊技状態の終了時や、大当り遊技状態にて第1大入賞口を開放状態とした後に閉鎖状態とするラウンド遊技の終了時には、第1大入賞口カウント値がクリアされてカウント初期値「0」を示すデータがセットされる。
第2大入賞口カウンタは、第2特別可変入賞球装置48に対応した第2大入賞口に入賞した遊技球の個数をカウントするためのものである。例えば、第2大入賞口カウンタには、第2カウントスイッチ52によって遊技球が検出されるごとに1加算されるデータが、第2大入賞口カウント値としてセットされる。そして、大当り遊技状態にて第2大入賞口を開放状態とした後に閉鎖状態とするラウンド遊技の終了時には、第2大入賞口カウント値がクリアされてカウント初期値「0」を示すデータがセットされる。
残存球数カウンタは、第1特別可変入賞球装置66の内部に残存している遊技球の個数をカウントするためのものである。例えば、残存球数カウンタには、第1カウントスイッチ106a〜106cによって遊技球が検出されるごとに1加算されるデータが、残存球数カウント値としてセットされる。そして、排出球検出器122によって遊技球が検出されるごとに、残存球数カウント値が1減算されて更新される。
特図保留記憶数カウンタは、第1特図保留記憶部160A及び第2特図保留記憶部160Bにおける保留データの数である特図保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、特図保留記憶数カウンタには、特図保留記憶数に対応したカウント値データが、特図保留記憶数カウント値として記憶され、特図保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。
遊技制御バッファ設定部165には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。
図10に示す演出制御基板90は、主基板120とは独立したサブ側の制御基板であり、演出表示装置44cの表示動作を主基板120からの演出制御コマンドに応じて制御するとともに、音声枠ランプ基板92との情報信号のやり取りを行う。例えば、演出制御基板90には、図22に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ170と、表示制御部171とが搭載されている。
図22に示す演出制御用マイクロコンピュータ170は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、プログラムに従って制御動作を行うCPU181と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM182と、CPU181のワークエリアを提供するRAM183と、CPU181とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路184と、入出力ポート185とを備えている。演出制御用マイクロコンピュータ170では、CPU181がROM182から読み出したプログラムを実行し、RAM183をワークエリアとして用いることで、演出表示装置44cなどによる演出動作を制御するための処理が実行される。
ROM182には、CPU181による制御動作において各種の決定や判定、設定を行うために読出可能なデータとして、例えば複数種類の飾り図柄決定テーブルや演出実行決定テーブル、演出制御パターンテーブルといった、各種のテーブルを構成するデータが記憶されている。飾り図柄決定テーブルは、演出表示装置44cの表示領域80における飾り図柄の可変表示結果として導出表示される確定飾り図柄などを決定するために用いられるテーブルである。演出実行決定テーブルは、演出制御基板90の側において、所定の演出動作を実行するか否かや、実行する場合における演出動作の態様を示す演出パターンなどを決定するために用いられるテーブルである。演出制御パターンテーブルは、例えば演出表示装置44aの表示領域80における表示動作といった、各種の演出制御の内容を示すデータが、演出制御パターンとして複数種類格納されたテーブルである。各演出制御パターンは、各種の演出動作について設定や制御を行うための設定データや制御データから構成され、時系列的に各種の演出制御の内容や演出制御の切換タイミング等を示すものであればよい。
RAM183には、演出動作を制御するために用いられる各種のデータを保持する領域が設けられている。例えば、RAM183には、演出動作状態や演出制御コマンド等に応じて各々セットあるいはクリアされる複数種類のフラグを設定するためのデータが記憶される演出制御フラグ設定部や、演出制御に用いられる各種のタイマ値を示すデータが記憶される演出制御タイマ設定部、演出制御に用いられる各種のカウント値を示すデータが記憶される演出制御カウンタ設定部、演出制御に用いられる各種のデータが一時的に記憶される演出制御バッファ設定部といった、各種のデータ設定部となる領域が設けられていればよい。
乱数回路184は、演出制御基板90の側において用いられる各種の乱数値の全てまたは一部を生成する回路である。入出力ポート185は、演出制御用マイクロコンピュータ170に伝送された演出制御コマンド等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御用マイクロコンピュータ170の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、入出力ポート185の出力ポートからは、表示制御部171へと伝送される表示制御信号や、音声枠ランプ基板92へと伝送される情報信号などが出力される。
演出制御基板90に搭載された表示制御部171は、演出制御用マイクロコンピュータ170からの表示制御信号などに基づき、演出表示装置44cの表示領域80における表示動作の制御を行うためのものである。例えば、表示制御部171では、演出表示装置44cの表示領域80にて演出画像の切換表示を行わせることなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。表示制御部171には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。
音声枠ランプ基板92では、主基板120から入力される電飾信号に応じて、遊技効果LED13、14a、14cや遊技効果ランプ14b、14d、16a、16b、17a、17bの点灯制御が行われる。また、音声枠ランプ制御基板92では、主基板120から入力される効果音信号に応じて、スピーカ12a、12bによる音声出力動作の制御が行われる。さらに、音声枠ランプ制御基板92では、主基板120から入力される電飾信号に応じて、ランプドライバ基板93を介して各種装飾LED・ランプ32の点灯制御が行われる。ランプドライバ基板93は、音声枠ランプ基板92から各種装飾LED・ランプ32への接続を中継する。
払出制御基板98は、主基板120とは独立したサブ側の制御基板であり、遊技球の払出動作を主基板120からの賞球個数信号などに応じて制御するとともに、遊技球の発射動作や各種の表示動作を制御する。例えば、払出制御基板98では、満タンスイッチ158からの満タン信号に応じて払出停止信号を玉払出装置154に出力し、払出モータの駆動を停止させる制御が行われる。また、払出制御基板98は、主基板120からの賞球個数信号に応じて払出モータを駆動し、所定個数の賞球を払い出させる。このとき、払出制御基板98では、賞球個数信号に応じて賞球LED10を表示駆動する制御が行われる。
加えて、払出制御基板98では、球切れスイッチ157からの球切れスイッチ信号に応じて払出停止信号を玉払出装置154に出力し、払出モータの駆動を停止させる制御が行われる。このとき、払出制御基板98では、球切れLED9を表示駆動する制御も行われる。
払出制御基板98には、玉払出装置154に搭載されたモータ位置センサや払出個数カウントスイッチからの信号も入力される。払出制御基板98では、モータ位置センサからの入力信号に応じて、遊技球の払出動作における払出モータの停止位置を制御するとともに、玉払出部材が正常に動作しているか否かを検出する。また、払出制御基板98では、払出個数カウントスイッチからの入力信号に応じた払出モータの駆動制御により遊技球の払出制御が行われる。
払出制御基板98は、カードユニット装置128や残高表示基板104からの信号を中継する遊技球等貸出装置接続端子板103と接続されて、カードユニット装置128からの各種の情報や、残高表示基板104に搭載された球貸操作部や返却操作部からの信号が入力される。払出制御基板98では、カードユニット装置128からの球貸要求信号に応じた払出モータの駆動制御により遊技球の払出制御が行われる。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板120では、電源基板97からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ99が起動し、CPU112によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU112は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えば、電源基板97に搭載されたクリアスイッチ97aが押圧操作されたか否かの判定を行い、押圧操作された場合には、RAM111をクリアした後に所定の作業領域に初期値を設定するなどの初期設定処理が実行される。これに対して、クリアスイッチ97aが押圧操作されていない場合には、RAM111のバックアップ領域における記憶内容などに基づき、主基板120の内部状態をパチンコ遊技機1にて電源断が生じる前の状態に戻すための復旧処理が実行される。
また、遊技制御メイン処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ99に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU112へと送出され、CPU112は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定や復旧処理が終了すると、割込みを許可した後に、ループ処理に入る。こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU112は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図23のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
図23に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU112は、まず、所定の電源断処理を実行する(ステップS11)。この電源断処理では、所定の電源確認信号における信号状態をチェックして、電源断判定中以外であればバックアップ監視タイマをクリアする。これに対して、電源断判定中であればバックアップ監視タイマの更新や判定を行い、電源断が発生したか否かを判定する。このとき、電源断が発生すれば、チェックサムバッファの設定や、RAM111をアクセス禁止とする設定、電源確認信号の監視などといった、所定の設定や処理を実行する。
電源断処理に続いて、所定のスイッチ処理を実行する(ステップS12)。このスイッチ処理では、ゲートスイッチ62、第1始動口スイッチ59aまたは第2始動口スイッチ60a、第1カウントスイッチ106a〜106c及び第2カウントスイッチ52といった各スイッチや、入賞球検出器55a、55b、特定球検出器121、第3特定球検出器51及び排出球検出器122といった各検出器の状態を示す検出信号を取り込み、各スイッチや各検出器における検出状態の判定が行われる。例えば、スイッチ処理では、図24のフローチャートに示すような大入賞口エラー判定処理が実行される。
図24に示す大入賞口エラー判定処理を開始すると、CPU112は、まず、遊技制御フラグ設定部162に設けられた第1エラー判定実行フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS51)。このとき、第1エラー判定実行フラグがオンであれば(ステップS51;Yes)、第1エラー判定処理を実行する。ここでは、第1カウントスイッチ106a〜106cからの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS52)。
ステップS52にて第1カウントスイッチ106a〜106cからの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS52;No)、遊技制御フラグ設定部162に設けられた第2エラー判定実行フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS53)。このとき、第2エラー判定実行フラグがオンであれば(ステップS53;Yes)、第2エラー判定処理を実行する。ここでは、第2カウントスイッチ52からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS54)。ステップS54にて第2カウントスイッチ52からの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS54;No)、大入賞口エラー判定処理を終了する。
ステップS52にて第1カウントスイッチ106a〜106cからの検出信号がオン状態である場合には(ステップS52;Yes)、第1特別可変入賞球装置66に対応した第1大入賞口(開口部82)が閉鎖状態となってから所定の有効入賞検出期間が経過した後、不適切に第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が、第1カウントスイッチ106a〜106cによって検出されたことになる。また、ステップS54にて第2カウントスイッチ52からの検出信号がオン状態である場合には(ステップS54;Yes)、第2特別可変入賞球装置48に対応した第2大入賞口が閉鎖状態となってから所定の有効入賞検出期間が経過した後、不適切に第2特別可変入賞球装置48の内部に進入した遊技球が、第2カウントスイッチ52によって検出されたことになる。そこで、これらの場合には、所定の異常報知処理を実行するループ処理に入り(ステップS55)、以後の処理には進まないように制御を行う。これにより、遊技の進行を停止することができ、異常状態を発生させて行われる不正行為を防止することができる。ステップS55の異常報知処理では、上部装飾ユニット22を全て点灯させることや、演出表示装置44cの表示領域80に所定の報知画像を表示させること、スピーカ12a、12bから所定の警報音を出力させること、あるいは、これらを組み合わせることにより、異常を報知できるようにすればよい。
ステップS55にて実行される異常報知処理は、電源基板97からの電力供給停止時、すなわち電源断が行われるまで、繰返し行われるようにすればよい。この場合、電源断が行われたときには、電源の再投入時にクリアスイッチ97aの押圧操作が行われることにより、RAM111がクリアされた後に初期設定処理が実行されて、異常状態がクリア(解除)されればよい。これに対して、電源断が行われたときには、電源の再投入時にクリアスイッチ97aの押圧操作が行われなくても、異常の報知を終了させるようにしてもよい。これにより、異常状態をクリア(解除)するために特別な信号を主基板120に入力させる必要がないので、不正な信号が入力される可能性を低減することができる。
また、ステップS55にて実行される異常報知処理は、所定時間(例えば30秒)が経過するまで繰返し行われるようにして、その所定時間が経過した後には、自動的に異常状態から復旧できるようにしてもよい。これにより、異常状態が発生したことを遊技場の店員等に対して確実に報知することができる一方で、クリアスイッチ97aの押圧操作や電源の再投入などによりRAM111をクリアしなくても異常状態から復旧させられるので、ノイズ等の原因で異常状態と判定された場合などに、遊技者に与える不利益を軽減することができる。あるいは、ステップS55にて実行される異常報知処理では、例えば演出制御基板90に対してエラーコマンドとなる演出制御コマンドを送信してエラーの発生を報知させた後、ループ処理には入らずに大入賞口エラー判定処理を終了するようにしてもよい。この場合には、例えば図23に示すステップS20にて実行される賞球処理にて、払出制御基板98に対する賞球個数信号の出力を禁止し、賞球数の設定が行われないようにすればよい。
図23に示すステップS12にてスイッチ処理を実行した後には、表示制御処理が実行される(ステップS13)。この表示制御処理では、第1特別図柄表示装置44aや第2特別図柄表示装置44bや普通図柄表示装置63における表示動作を制御するための駆動信号、特別図柄始動記憶LED46や普通図柄始動記憶LED64における点灯動作を制御するための駆動信号などが、各表示装置やLEDへと出力される。表示制御処理が終了すると、乱数更新処理が実行される(ステップS14)。この乱数更新処理では、例えば大当り種別決定用の乱数値MR2や小当り種別決定用の乱数値MR3、ラウンド数決定用の乱数値MR4といった、各種の乱数値を生成するための数値データを、CPU112がソフトウェアにより更新する。
乱数更新処理の後には、初期値決定用乱数更新処理が実行される(ステップS15)。この初期値決定用乱数更新処理では、例えば大当り種別決定用の乱数値MR2や小当り種別決定用の乱数値MR3、ラウンド数決定用の乱数値MR4といった、各種の乱数値における初期値を決定するために用いられる乱数値を更新する。初期値決定用乱数更新処理が終了すると、特別図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。この特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部162に設けられた特別図柄プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置44aまたは第2特別図柄表示装置44bおける表示動作の制御や第1及び第2特別可変入賞球装置66、48における大入賞口開閉動作の設定などを所定の手順でおこなうために、各種の処理が選択されて実行される。特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS17)。この普通図柄プロセス処理では、普通図柄の可変表示を行うための表示制御や、可変始動入賞球装置58における可動翼片の位置制御などが行われる。
普通図柄プロセス処理が終了すると、表示コマンド制御処理が実行される(ステップS18)。この表示コマンド制御処理では、演出表示装置44cの表示領域80における演出画像の表示動作といった各種の演出動作を制御するために、演出制御コマンドが演出制御基板90に対して送信される。表示コマンド制御処理に続いて、情報出力処理が実行される(ステップS19)。この情報出力処理では、パチンコ遊技機1における各種の遊技情報が、盤用外部端子板96などを介して遊技場に設置されたホール用管理コンピュータへと出力される。情報出力処理の後には、賞球処理が実行される(ステップS20)。この賞球処理では、各スイッチからの検出信号に応じて賞球個数信号を払出制御基板98に対して出力することなどにより、賞球数の設定が行われる。例えば、ステップS20の賞球処理では、第1カウントスイッチ106a〜106cからの検出信号と第2カウントスイッチ52からの検出信号のいずれかがオン状態である場合に、賞球数を同一の「10」とする設定が行われればよい。あるいは、第1カウントスイッチ106a〜106cからの検出信号がオン状態である場合には賞球数を「5」とする設定が行われる一方で、第2カウントスイッチ52からの検出信号がオン状態である場合には、第1カウントスイッチ106a〜106cからの検出信号がオン状態である場合とは異なる賞球数
として「10」が設定されるようにしてもよい。
賞球処理に続いて、試験端子処理が実行される(ステップS21)。この試験端子処理では、例えば特別図柄可変表示中の設定や特別図柄当り、第1特別可変入賞球装置66の作動中設定、第2特別可変入賞球装置48の作動中設定、可変始動入賞球装置58の作動中設定、普通図柄可変表示中の設定といった、各種の信号が出力される。試験端子処理の後には、出力処理が実行される(ステップS22)。この出力処理では、各ソレノイドやモータを駆動あるいは停止させるために、駆動制御信号が出力したり停止したりする。出力処理が終了すると、記憶処理が実行される(ステップS23)。この記憶処理では、特別図柄始動記憶LED46や普通図柄始動記憶LED64における点灯動作を制御するための駆動信号が設定される。
記憶処理の後には、振分部材停止制御処理が実行される(ステップS24)。この振分部材停止制御処理では、小当り遊技状態や大当り遊技状態にて左振分用ソレノイド108aや右振分用ソレノイド108bを駆動して左振分部材83aや右振分部材83bを動作させた後、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないとの判定結果に基づき小当り遊技状態を終了するときや、大当り遊技状態を終了するときに、左振分部材83aや右振分部材83bの動作を停止させ初期位置に復帰させるための駆動信号が設定される。振分部材停止制御処理に続いて、特別図柄表示制御処理が実行される(ステップS25)。この特別図柄表示制御処理では、第1特別図柄表示装置44aまたは第2特別図柄表示装置44bにおける表示動作を制御するための駆動信号が設定される。特別図柄表示制御処理が終了すると、普通図柄表示制御処理が実行される(ステップS26)。この普通図柄表示制御処理では、普通図柄表示装置63における表示動作を制御するための駆動信号が設定される。普通図柄表示制御処理に続いて、状態表示灯制御処理が実行される(ステップS27)。この状態表示灯制御処理では、所定の状態表示灯における表示動作の制御が行われる。状態表示灯制御処理が終了すると、割込み許可状態に設定してから(ステップS28)、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図25は、特別図柄プロセス処理として、図23に示すステップS16にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図25に示す特別図柄プロセス処理を開始すると、CPU112は、まず、第1始動口スイッチ59aまたは第2始動口スイッチ60aからの検出信号がオン状態となったか否かをチェックすることにより、第1始動口59や第2始動口60といった始動領域のいずれかに遊技球が進入したか否かを判定する(ステップS101)。遊技球が始動領域に進入して第1始動口スイッチ59aまたは第2始動口スイッチ60aからの検出信号のいずれかがオン状態となった場合には(ステップS101;Yes)、始動入賞処理を実行する(ステップS102)。他方、第1始動口スイッチ59aまたは第2始動口スイッチ60aからの検出信号がいずれもオフ状態である場合には(ステップS101;No)、ステップS102の処理をスキップする。
ステップS102にて実行される始動入賞処理では、第1始動口スイッチ59aからの検出信号がオン状態なった場合、まず、第1特図保留記憶部160Aに記憶されている保留データの個数である特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、特図保留記憶数が上限値となっていれば、今回の始動検出は無効として、そのまま始動入賞処理を終了する。これに対して、特図保留記憶数が上限値未満であるときには、各種の乱数値を示す数値データを抽出する。例えば、CPU112は、乱数発生回路60bから入力されるカウント値に基づいて生成される特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データと、小当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを抽出する。そして、抽出した各乱数値を示す数値データを、第1特図保留記憶部160Aにおける空きエントリの先頭にセットする。さらに、保留特定領域160Cの空きエントリの先頭に「第1」を示すデータをセットする。また、第2始動口スイッチ60aからの検出信号がオン状態なった場合、第2特図保留記憶部160Bに記憶されている保留データの個数である特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、特図保留記憶数が上限値となっていれば、今回の始動検出は無効として、そのまま始動入賞処理を終了する。これに対して、特図保留記憶数が上限値未満であるときには、各種の乱数値を示す数値データを抽出する。例えば、CPU112は、乱数発生回路60bから入力されるカウント値に基づいて生成される特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データと、小当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを抽出する。そして、抽出した各乱数値を示す数値データを、第2特図保留記憶部160Bにおける空きエントリの先頭にセットする。さらに、保留特定領域160Cの空きエントリの先頭に「第2」を示すデータをセットする。このときには、例えば遊技制御カウンタ設定部164に設けられた特図保留記憶数カウンタにおけるカウント値である特図保留記憶数カウント値を1加算するように更新してもよい。また、演出制御基板90に対して特図保留記憶数通知コマンドとなる所定の演出制御コマンドを送信するための設定を行い、演出表示装置44cの表示領域80に設けられた特別図柄始動記憶表示エリアにて、特図保留記憶数を特定可能とする演出画像を表示させるようにしてもよい。
以上のような始動入賞処理を実行した後や、ステップS101にて第1始動口スイッチ59aまたは第2始動口スイッチ60aからの検出信号がいずれもオフ状態であると判定された後には、遊技制御フラグ設定部162に設けられた特別図柄プロセスフラグの値に応じて、図25に示すようなステップS110〜S117の各処理を実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部160A、第2特図保留記憶部160Bや保留特定領域160Cに格納された保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置44aまたは第2特別図柄表示装置44bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特図ゲームにおける可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かの判定が行われる。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置44aまたは第2特別図柄表示装置44bによる特図ゲームにおける停止図柄(大当り図柄、小当り図柄及びハズレ図柄のいずれか)が決定される。そして、特別図柄可通常処理では、第1特別図柄表示装置44aまたは第2特別図柄表示装置44bにて特別図柄の可変表示を開始することに対応して、可変表示の開始を指示する演出制御コマンドである可変表示開始コマンドを、演出制御基板90に対して送信するための設定が行われる。
ステップS111の特別図柄可変表示処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この特別図柄可変表示処理では、特別図柄の可変表示を開始してからの経過時間が計測され、その経過時間が特別図柄の可変表示時間に達したか否かの判定が行われる。そして、特別図柄の可変表示時間に達したときには、第1特別図柄表示装置44aまたは第2特別図柄表示装置44bにて確定特別図柄を停止表示させる制御を行う。このときには、第1特別図柄表示装置44aまたは第2特別図柄表示装置44bにて特別図柄の可変表示が終了することに対応して、可変表示の終了を指示する演出制御コマンドである可変表示終了コマンドを、演出制御基板90に対して送信するための設定を行うことにより、演出表示装置44cの表示領域80にて行われている飾り図柄の可変表示を停止させるようにしてもよい。あるいは、演出制御基板90の側では、可変表示開始コマンドに示された可変表示パターンなどに対応する可変表示時間を特定し、飾り図柄の可変表示を開始してからの経過時間が特定された可変表示時間に達したときに、主基板120からの演出制御コマンドを受信しなくても、確定飾り図柄を導出表示して飾り図柄の可変表示を停止させるようにしてもよい。このような制御が行われた後、特別図柄プロセスフラグの値を“2”に更新する。
ステップS112の特別図柄停止処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄停止処理では、遊技制御フラグ設定部162に設けられた大当りフラグや小当りフラグがオンとなっているか否かの判定が行われ、大当りフラグがオンである場合には特別図柄プロセスフラグの値を“4”に更新し、小当りフラグがオンである場合には特別図柄プロセスフラグの値を“3”に更新し、大当りフラグと小当りフラグがいずれもオフである場合には特別図柄プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS113の小当り開放時処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この小当り開放時処理では、特図ゲームにおける可変表示結果が「小当り」となったことに対応して、第1特別可変入賞球装置66に対応した第1大入賞口(開口部82)を所定の始動態様で開放状態とする始動動作を実行するための制御が行われる。また、小当り開放時処理では、小当り制御パターンに従って、各種の設定や制御が実行される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理では、特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となったことに対応して、大当り遊技状態におけるラウンド遊技を開始するための設定が行われる。
ステップS115の大当り開放中処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理では、大当り遊技状態におけるラウンド遊技で、第1特別可変入賞球装置66に対応した第1大入賞口(開口部82)と第2特別可変入賞球装置48に対応した第2大入賞口のいずれかを開放状態とするための制御が行われる。また、大当り開放中処理では、第1大入賞口と第2大入賞口のいずれかを開放状態としてからの経過時間が計測され、その経過時間が大入賞口開放終了判定値に対応した開放終了時間に達したか否かの判定が行われる。さらに、大当り開放中処理では、遊技制御カウンタ設定部164に設けられた第1大入賞口カウンタや第2大入賞口カウンタにおけるカウント値が開放終了判定値に達したか否かの判定なども行われる。
ステップS116の大当り開放後処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理では、大当り遊技状態にて次のラウンド遊技に移行するための継続権が成立したか否かの判定を行い、成立した場合には次のラウンド遊技に移行するための設定が行われる。また、大当り開放後処理では、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が最大継続回数に達した場合や、継続権が成立しなかった場合に、次のラウンド遊技には移行せずに、特別図柄プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理では、大当り遊技状態が終了した旨の報知動作を指示する演出制御コマンドである大当り終了コマンドを、演出制御基板90に対して送信するための設定が行われる。その他にも、大当り終了処理では、大当り遊技状態の終了時における各種の設定や制御が行われる。
図26は、図25のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す特別図柄通常処理において、CPU112は、まず、例えば遊技制御カウンタ設定部164における特図保留記憶数カウント値を読み取ることなどにより、特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、特図保留記憶数が「0」であれば(ステップS201;Yes)、そのまま特別図柄通常処理を終了する。
ステップS201にて特図保留記憶数が「0」以外である場合には(ステップS201;No)、保留特定領域160Cにて1番目のデータが「第1」を示しているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、保留特定領域160Cにて1番目のデータが「第1」を示していれば(ステップS202;Yes)、特別図柄ポインタに「第1」を示す値をセットする(ステップS203)。保留特定領域160Cにて1番目のデータが「第2」を示している場合(ステップS202;No)、特別図柄ポインタに「第2」を示す値をセットする(ステップS204)。
その後、特別図柄ポインタが示す特図保留記憶部(第1特図保留記憶部160Aまたは第2特図保留記憶部160B)にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データと、小当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データとを、それぞれ読み出す(ステップS205)。このときには、例えば特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、特図保留記憶数を1減少させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部160Aまたは第2特図保留記憶部160Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR2を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS206)。
ステップS206の処理に続いて、ステップS205にて読み出した特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが、図12に示す特図表示結果判定テーブル200にて設定された大当り判定値データと合致するか否かの判定を行う(ステップS207)。これにより、特図ゲームにおける可変表示結果を「大当り」とするか否かの判定が行われる。このとき、大当り判定値データと合致すれば(ステップS207;Yes)、遊技制御フラグ設定部162に設けられた大当りフラグをオン状態にセットするとともに(ステップS208)、大当り種別の決定を行う(ステップS209)。ステップS209の処理では、大当り種別を「大当り」(直当り:ラウンド制御パターンRP1−1)に決定する。このときには、大当り種別と対応して、大当り図柄「7」が特図ゲームにおける予定停止図柄となる確定特別図柄に決定される。
ステップS207にて大当り判定値データと合致しない場合には(ステップS207;No)、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが、図12に示す特図表示結果判定テーブル200にて設定された小当り判定値データと合致するか否かの判定を行う(ステップS210)。これにより、特図ゲームにおける可変表示結果を「小当り」とするか否かの判定が行われる。このとき、小当り判定値データと合致すれば(ステップS210;Yes)、遊技制御フラグ設定部162に設けられた小当りフラグをオン状態にセットするとともに(ステップS211)、小当り種別の決定を行う(ステップS212)。ステップS212の処理では、特別図柄ポインタの値およびステップS205にて読み出した小当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づき、図15(A)に示す小当り種別決定テーブル(第1特図)211または(B)に示す小当り種別決定テーブル(第2特図)212を参照することにより、小当り種別を「第1小当り」〜「第4小当り」のいずれかに決定する。このときには、小当り種別に対応して、複数種類の小当り図柄のいずれかが、特図ゲームにおける予定停止図柄となる確定特別図柄に決定される。また、このとき、小当り遊技状態にて遊技球が特定進入口89に進入したことに基づいて制御される大当り遊技状態の後に有利状態とするか否かが決定される。有利状態とすることが決定された場合、有利状態突入フラグをセットし、有利状態としないことが決定された場合、有利状態突入フラグをリセットする。小当り種別決定テーブル(第1特図)211の「第1小当り」の通常時の有利宇状態突入率は5%である。通常時に小当り種別を「第1小当り」に決定したときは、例えば、ステップS205にて読み出した小当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データが「0」〜「4」のときに有利状態突入フラグをセットし、「5」〜「74」のときに有利状態突入フラグをリセットするようにすればよい。また、有利状態突入判定用の新たな乱数値を抽出して有利状態とするか否かを決定するようにしてもよい。さらに、決定した小当り種別(特別図柄表示装置の種別)に応じて有利時特図変動回数をRAM111の所定領域にセットする。このように、ステップS212の処理では、ステップS210にて乱数値MR1を示す数値データが小当り判定値データと合致して可変表示結果を特定表示結果としての「小当り」とする旨の判定がなされたことに基づいて、その特定表示結果となる特図ゲームでの可変表示結果を、予め定められた複数種類の小当り図柄のうちから決定することができる。
ステップS210にて小当り判定値データと合致しない場合には(ステップS210;No)、ハズレ図柄「−」を、特図ゲームにおける予定停止図柄となる確定特別図柄に決定する(ステップS213)。ステップS209、S212、S213の処理のいずれかを実行した後には、可変表示パターンを決定する(ステップS214)。ここで、可変表示パターンは、特別図柄及び飾り図柄の可変表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの時間である可変表示時間や、特別図柄及び飾り図柄の可変表示中における演出動作の制御パターンなどを示すものである。例えば、ステップS214の処理において、CPU112が可変表示パターン決定用の乱数値を示す所定の数値データを抽出し、ROM100に格納された可変表示パターン決定テーブルを参照することにより、複数種類の可変表示パターンのいずれかに決定すればよい。このときには、特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」であるか「小当り」であるか「ハズレ」であるかに応じて異なる可変表示パターン決定テーブルを参照して、各可変表示結果に対応した可変表示パターンに決定できるようにしてもよい。
ステップS214の処理に続いて、例えばRAM111の所定領域に確定特別図柄を示すデータを記憶させることなどにより、予定停止図柄をセットする(ステップS215)。その後、主基板120から演出制御基板90に対して可変表示開始用の各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS216)。例えば、ステップS216の処理において、CPU112は、ROM100に記憶された可変表示開始用コマンドテーブルを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、RAM111の所定領域などに設けられた送信コマンドポインタにセットする。こうしてステップS216での設定を行った場合には、特別図柄通常処理が終了してから図23に示すステップS18の表示コマンド制御処理が実行されるごとに、主基板120から演出制御基板90に対して、可変表示開始コマンドや表示結果通知コマンド、特図保留記憶数通知コマンドなどが、順次に送信されることになる。なお、表示結果通知コマンドは、特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となるか「小当り」となるか「ハズレ」となるかを通知するための演出制御コマンドである。また、可変表示開始コマンドが、可変表示パターンとともに特図ゲームにおける可変表示結果を示すデータを含むように構成されてもよい。この場合には、主基板120から演出制御基板90に対して可変表示開始コマンドとは別に表示結果通知コマンドを送信する必要はなく、主基板120から演出制御基板90に対して送信する演出制御コマンドの数を削減して、主基板120における制御負担や記憶データの容量を低減することができる。
ステップS216の処理を実行した後には、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄可変表示処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS217)、特別図柄通常処理を終了する。
図27は、図25のステップS112にて実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図27に示す特別図柄停止処理において、CPU112は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS221)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS221;Yes)、大当り種別に対応したラウンド制御パターンをセットする(ステップS222)。ステップS222の処理では、図26に示すステップS206の処理にて決定された、ラウンド制御パターンRP1−1がセットされる。
ステップS222の処理に続いて、主基板120から演出制御基板90に対して大当り開始コマンドを送信するための設定が行われる(ステップS223)。例えば、ステップS223の処理において、CPU112は、ROM100に記憶された大当り開始コマンドテーブルを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、送信コマンドポインタにセットする。こうしてステップS223での設定を行った場合には、特別図柄停止処理が終了してから図23に示すステップS18の表示コマンド制御処理が実行されることにより、主基板120から演出制御基板90に対して大当り開始コマンドが送信されることになる。
ステップS223における設定に続いて、大当り遊技開始待ち時間の設定を行う(ステップS224)。例えば、ステップS224の処理ではCPU112が、大当り遊技開始待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値を、遊技制御タイマ設定部163に設けられた遊技制御プロセスタイマへセットする。あるいは、ステップS224の処理では、遊技制御プロセスタイマをリセットしてタイマ値を「0」に設定するとともに、大当り遊技開始待ち時間に対応して予め定められた大当り遊技開始基準値を、遊技制御プロセスタイマ値との比較対象としてセットしてもよい。このときセットされた大当り遊技開始基準値は、図25のステップS114にて実行される大当り開放前処理において、遊技制御プロセスタイマ値と比較されることになる。その後、大当りフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS225)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新する(ステップS226)。
また、ステップS221にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS221;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS227)。このとき、小当りフラグがオンであれば(ステップS227;Yes)、小当り種別に対応した小当り制御パターンをセットする(ステップS228)。ステップS228の処理では、図26に示すステップS212の処理にて、図15(A)に示す小当り種別決定テーブル(第1特図)211または図15(B)に示す小当り種別決定テーブル(第2特図)212を参照することにより決定された小当り種別に対応して、小当り制御パターンKP1〜KP4のいずれかがセットされる。これにより、特図ゲームにおける確定特別図柄が複数種類の小当り図柄のいずれに決定されたか対応して、小当り制御パターンKP1〜KP4のいずれかがセットされることになる。
ステップS228の処理に続いて、小当り遊技制御時間の設定を行う(ステップS229)。例えば、ステップS229の処理ではCPU112が、遊技制御プロセスタイマをリセットしてタイマ値を「0」に設定するとともに、小当り遊技制御時間に対応して予め定められた小当り遊技終了基準値を、遊技制御プロセスタイマ値との比較対象としてセットする。このときセットされた小当り遊技終了基準値は、図25のステップS113にて実行される小当り開放時処理において、遊技制御プロセスタイマ値と比較されることになる。例えば、小当り遊技終了基準値は、小当り遊技状態を開始してから、始動動作により開放状態となった開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第1カウントスイッチ106a〜106cにより検出されるまでに十分な時間に対応するタイマ基準値であればよい。すなわち、小当り遊技終了基準値は、小当り遊技状態において始動動作により開口部82を開放状態とした後に閉鎖状態としても第1カウントスイッチ106a〜106cによる遊技球の検出がない場合に、その小当り遊技状態を開始してから終了するまでの期間の上限を示している。加えて、ステップS229の処理では、遊技を停止させるまでの期間に対応した遊技停止判定値の初期設定を行うようにしてもよい。また、CPU112は、小当りフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS230)、第1エラー判定実行フラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS231)。その後、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放時処理に対応した値である“3”に更新する(ステップS232)。
ステップS227にて小当りフラグがオフである場合には(ステップS227;No)、特別図柄プロセスフラグの値を“0”に更新する(ステップS233)。
ステップS226、ステップS232またはステップS233の処理を終えると、CPU112は、有利状態フラグがオンであるか否かの判定を行う(ステップS234)。このとき、有利状態フラグがオフであれば(ステップS234;No)、特別図柄停止処理を終了する。これに対して、有利状態フラグがオンである場合には(ステップS234;Yes)、特別図柄の可変表示回数カウンタの値である可変表示回数カウント値を、1減算あるいは1加算するなどして更新する(ステップS235)。そして、ステップS235の処理での更新後における可変表示回数カウント値が有利状態終了判定値と合致するか否かを判定する(ステップS236)。
ステップS236にて可変表示回数カウント値が有利状態終了判定値と合致した場合には(ステップS236;Yes)、有利状態フラグをクリアしてオフ状態としてから(ステップS237)、特別図柄停止処理を終了する。他方、ステップS236にて可変表示回数カウント値が有利状態終了判定値と合致しない場合には(ステップS236;No)、ステップS237の処理を実行することなく、特別図柄停止処理を終了する。
図28及び図29は、図25のステップS113にて実行される小当り開放時処理の一例を示すフローチャートである。この小当り開放時処理において、CPU112は、まず、遊技制御プロセスタイマ値を、例えば1加算することなどにより更新する(図28のステップS241)。これにより、遊技制御プロセスタイマ値は、例えば図27のステップS229にて「0」に設定された後、ステップS241の処理が実行される毎に更新されることで、小当り遊技状態における経過時間に対応した値を示すことができる。
ステップS241の処理を実行した後には、更新後の遊技制御プロセスタイマ値に対応した各種の設定が行われる。このときには、図27のステップS228にてセットした小当り制御パターンに従って、各種設定の内容が決定されることになる。
例えば、CPU112は、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示される大入賞口開放開始判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS242)。大入賞口開放開始判定値は、第1特別図柄表示装置44aにて小当り図柄となったか、第2特別図柄表示装置44bにて小当り図柄となったか、によって異なる判定値が設定されている。即ち、特図ゲームにおいて小当り図柄が停止表示されてから、始動動作で開口部82が開放状態となるまでの時間(開放開始前時間)を異ならせている。この実施の形態では、振分部材83a,bの動作は、小当り図柄が停止表示されてから所定の時間経過後に動作を開始し、一定時間経過後に停止するものに固定されている。また、振分部材83a,bの動作中は、V入賞しにくくなっている(V入賞率が低い)。特別図柄表示装置によって、開放開始前時間を異ならせることにより、開口部82が開放と振分部材83a,bの動作との相対タイミングをずらすことができ、特別図柄表示装置によって、V入賞率を異ならせることができる。例えば、この実施の形態では第1特別図柄表示装置44aにて小当り図柄となったときのV入賞率を「1/20」程度とし、第2特別図柄表示装置44bにて小当り図柄となったときのV入賞率を「1/4」程度となるように大入賞口開放開始判定値が設定されている。ここで、小当り遊技状態にて開口部82を2回開閉する始動動作が行われる場合には、小当り制御パターンにて異なる2つの遊技制御プロセスタイマ値に対応した2つの大入賞口開放開始判定値が設定されている。この場合、ステップS242の処理では、小当り制御パターンに設定された2つの大入賞口開放開始判定値のいずれか1つに遊技制御プロセスタイマ値が合致すれば、大入賞口開放開始判定値と合致するとの判定がなされる。
ステップS242にて、大入賞口開放開始判定値と合致すれば(ステップS242;Yes)、第1特別可変入賞球装置66に対応した第1大入賞口(開口部82)を開閉片81により開閉させる動作の開始設定を行う(ステップS243)。ステップS243の処理では、小当り制御パターンに含まれる大入賞口開放開始制御データが示す駆動パターンで開閉片用ソレノイド105を駆動させることにより、開口部82を開放状態とする方向へ開閉片81を摺動させる動作を、例えば2回繰り返す始動動作を開始させるように、駆動制御信号の生成などが行われる。
ステップS243の処理を実行したときには、始動動作により第1大入賞口が開放状態となる旨を報知する演出動作の開始を指示する演出制御コマンドである第1演出開始コマンドを、演出制御基板90に対して送信するための設定が行われる(ステップS244)。例えば、ステップS244の処理において、CPU112は、ROM100に記憶された第1演出開始コマンドテーブルを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、送信コマンドポインタにセットする。こうしてステップS244での設定を行った場合には、小当り開放時処理が終了してから図23に示すステップS18の表示コマンド制御処理が実行されることにより、主基板120から演出制御基板90に対して第1演出開始コマンドが送信されることになる。
ステップS242にて遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放開始判定値と合致しない場合には(ステップS242;No)、ステップS243、S244の処理をスキップする。この後、CPU112は、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示される振分駆動判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS245)。上述のように、この実施の形態では振分部材83a,bの動作を固定するため、全ての小当り制御パターンにて振分駆動判定値は固定された値である。ここで、小当り遊技状態にて振分部材83a,bを第1の振分状態と第2の振分状態とに複数回変化させる場合には、小当り制御パターンにて異なる複数の遊技制御プロセスタイマ値に対応した複数の振分駆動判定値が設定するようにしてもよい。この場合、ステップS245の処理では、小当り制御パターンに設定された複数の振分駆動判定値のいずれか1つに遊技制御プロセスタイマ値が合致すれば、振分駆動判定値と合致するとの判定がなされる。
そして、振分駆動判定値と合致すれば(ステップS245;Yes)、振分部材83a,bを振分用ソレノイド108a,bの駆動力により動作させるための設定を行う(ステップS246)。ステップS246の処理では、小当り制御パターンに含まれる振分駆動制御データを読み出し、その読出データに応じた駆動制御信号の生成などを行うことにより、振分用ソレノイド108a,bを駆動させる。なお、この実施の形態では、左振分部材83aと右振分部材83bとを同時に動作させるが、別々に動作させるようにしてもよい。
ステップS245にて遊技制御プロセスタイマ値が振分駆動判定値と合致しない場合には(ステップS245;No)、ステップS246の処理をスキップする。この後、第1大入賞口進入時処理を実行することにより、第1大入賞口となる開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が進入した場合における各種の設定や制御が行われる(ステップS247)。
ステップS247にて第1大入賞口進入時処理を実行した後には、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示される振分停止判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS248)。上述のように、この実施の形態では振分部材83a,bの動作を固定するため、全ての小当り制御パターンにて振分停止判定値は固定された値である。ここで、小当り遊技状態にて振分部材82を第1の振分状態と第2の振分状態とに複数回変化させる場合には、小当り制御パターンにて異なる複数の遊技制御プロセスタイマ値に対応した複数の振分停止判定値が設定されている。この場合、ステップS248の処理では、小当り制御パターンに設定された複数の振分停止判定値のいずれか1つに遊技制御プロセスタイマ値が合致すれば、振分停止判定値と合致するとの判定がなされる。
そして、振分停止判定値と合致すれば(ステップS248;Yes)、振分用ソレノイド108a,bの駆動を停止させて振分部材83a,bを停止させるための設定を行う(ステップS249)。ステップS249の処理では、小当り制御パターンに含まれる振分停止制御データを読み出し、その読出データに応じて駆動制御信号の出力を停止させることなどにより、振分用ソレノイド108a,bの駆動を停止させる。
ステップS248にて遊技制御プロセスタイマ値が振分停止判定値と合致しない場合には(ステップS248;No)、ステップS249の処理をスキップする。この後、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示される大入賞口開放終了判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS250)。ここで、小当り遊技状態にて開口部82を2回開閉する始動動作が行われる場合には、小当り制御パターンにて異なる2つの遊技制御プロセスタイマ値に対応した2つの大入賞口開放終了判定値が設定されている。この場合、ステップS250の処理では、小当り制御パターンに設定された2つの大入賞口開放終了判定値のいずれか1つに遊技制御プロセスタイマ値が合致すれば、大入賞口開放終了判定値と合致するとの判定がなされる。例えば、小当り遊技状態にて開閉片用ソレノイド105を最初に駆動して開口部82を最初に開放状態とした後に開閉片用ソレノイド105の駆動を停止して開口部82を閉鎖状態に戻すための大入賞口開放終了判定値は、ステップS242にて最初に開口部82を開放状態とするための大入賞口開放開始判定値よりも大きな遊技制御プロセスタイマ値を示していればよい。また、小当り遊技状態にて開閉片用ソレノイド105を2回目に駆動して開口部82を2回目に開放状態とした後に開閉片用ソレノイド105の駆動を停止して開口部82を閉鎖状態に戻すための大入賞口開放終了判定値は、ステップS242にて2回目に開口部82を開放状態とするための大入賞口開放開始判定値よりも大きな遊技制御プロセスタイマ値を示していればよい。そして、大入賞口開放終了判定値と合致すれば(ステップS250;Yes)、開閉片用ソレノイド105の駆動を停止させて開閉片81による第1大入賞口の開閉動作としての始動動作を終了するための設定を行う(ステップS251)。ステップS251の処理では、小当り制御パターンに含まれる大入賞口開放終了制御データを読み出し、その読出データに応じて駆動制御信号の出力を停止させることなどにより、開閉片用ソレノイド105の駆動を停止させる。
ステップS250にて遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放終了判定値と合致しない場合には(ステップS250;No)、ステップS251の処理をスキップする。この後、遊技制御プロセスタイマ値を小当り遊技終了基準値と比較することにより、そのタイマ値が小当り遊技終了基準値に達したか否かを判定する(図29のステップS252)。このとき、遊技制御プロセスタイマ値が小当り遊技終了基準値に達していなければ(ステップS252;No)、小当り開放時処理を終了する。
これに対して、ステップS252にて遊技制御プロセスタイマ値が小当り遊技終了基準値に達している場合には(ステップS252;Yes)、残存球数カウント値が「0」であるか否かを判定する(ステップS253)。なお、残存球数カウント値は、図28に示すステップS247の第1大入賞口進入時処理にて、後述するステップS503、S508(図30)の処理が実行されることにより、更新される。
ステップS253にて残存球数カウント値が「0」である場合には(ステップS253;Yes)、特定入賞判定処理を実行することにより、特定進入口89に遊技球が進入したか否かの判定が行われる(ステップS254)。続いて、例えば駆動制御信号の出力を停止させることなどにより、振分用ソレノイド108a,bの駆動を停止させて振分部材83a,bを停止させ初期位置に復帰させるための設定を行う(ステップS255)。このように、ステップS253にて残存球数カウント値が「0」である場合にステップS255の処理を実行することにより、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないとの判定に対応して、振分部材83a,bの振分動作を停止させ初期位置に復帰させることができる。
ステップS255の処理に続いて、遊技制御プロセスタイマをリセットしてタイマ値をクリアするとともに(ステップS256)、第1大入賞口カウンタを初期化して第1大入賞口カウント値をクリアする(ステップS257)。その後、第1エラー判定実行フラグをオン状態にセットしてから(ステップS258)、小当り開放時処理を終了する。このように、ステップS253にて残存球数カウント値が「0」である場合にステップS258の処理を実行することにより、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないとの判定に対応して、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が不適切に検出されたか否かの判定(第1エラー判定処理の実行)を開始させることができる。
ステップS253にて残存球数カウント値が「0」ではない場合には(ステップS253;No)、遊技制御プロセスタイマ値が遊技停止判定値に達したか否かを判定する(ステップS259)。このとき、遊技停止判定値に達していなければ(ステップS259;No)、小当り開放時処理を終了する。これに対して、ステップS259にて遊技停止判定値に達している場合には(ステップS259;Yes)、異常状態である旨を報知する異常報知処理を繰返し実行する(ステップS260)。これにより、遊技の進行を停止することができ、異常状態を発生させて行われる不正行為を防止することができる。ステップS260の異常報知処理では、上部装飾ユニット22を全て点灯させることや、演出表示装置44cの表示領域80に所定の報知画像を表示させること、スピーカ12a、12bから所定の警報音を出力させること、あるいは、これらを組み合わせることにより、異常を報知できるようにすればよい。
ステップS260にて実行される異常報知処理は、電源基板97からの電力供給停止時、すなわち電源断が行われるまで、繰返し行われるようにすればよい。この場合、電源断が行われたときには、電源の再投入時にクリアスイッチ97aの押圧操作が行われることにより、RAM111がクリアされた後に初期設定処理が実行されて、異常状態がクリア(解除)されればよい。これに対して、電源断が行われたときには、電源の再投入時にクリアスイッチ97aの押圧操作が行われなくても、異常の報知を終了させるようにしてもよい。これにより、異常状態をクリア(解除)するために特別な信号を主基板120に入力させる必要がないので、不正な信号が入力される可能性を低減することができる。
また、ステップS260にて実行される異常報知処理は、所定時間(例えば30秒)が経過するまで繰返し行われるようにして、その所定時間が経過した後には、自動的に異常状態から復旧できるようにしてもよい。これにより、異常状態が発生したことを遊技場の店員等に対して確実に報知することができる一方で、クリアスイッチ97aの押圧操作や電源の再投入などによりRAM111をクリアしなくても異常状態から復旧させられるので、ノイズ等の原因で異常状態と判定された場合などに、遊技者に与える不利益を軽減することができる。
図30は、図28のステップS247にて実行される第1大入賞口進入時処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す第1大入賞口進入時処理において、CPU112は、まず、第1カウントスイッチ106a〜106cからの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS501)。このとき、第1カウントスイッチ106a〜106cからの検出信号がオン状態であれば(ステップS501;Yes)、第1大入賞口カウント値を1加算するとともに(ステップS502)、残存球数カウント値を1加算する(ステップS503)。また、遊技停止判定値の設定(更新)を行う(ステップS504)。
ステップS501にて第1カウントスイッチ106a〜106cからの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS501;No)、ステップS502〜S504の処理をスキップする。この後、特定球検出器121からの検出信号がオン状態であるか否かの判定を行う(ステップS505)。このとき、特定球検出器121からの検出信号がオン状態であれば(ステップS505;Yes)、特定球検出フラグをオン状態にセットする(ステップS506)。
ステップS505にて特定球検出器121からの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS505;No)、ステップS506の処理をスキップする。この後、排出球検出器122からの検出信号がオン状態であるか否かの判定を行う(ステップS507)。このとき、排出球検出器122からの検出信号がオフ状態であれば(ステップS507;No)、第1大入賞口進入時処理を終了する。これに対して、排出球検出器122からの検出信号がオン状態であれば(ステップS507;Yes)、残存球数カウント値を1減算してから(ステップS508)、第1大入賞口進入時処理を終了する。
図31は、図29のステップS254にて実行される特定入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。図31に示す特定入賞判定処理において、CPU112は、まず、特定球検出フラグがオンであるか否かを判定することにより、特定球検出器121によって特定進入口89に進入した遊技球が検出されたか否かの判定を行う(ステップS521)。このとき、特定球検出フラグがオンであれば(ステップS521;Yes)、特定球検出フラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS522)、ラウンド数決定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(ステップS523)。なお、図25に示すステップS102の始動入賞処理にて、乱数値MR1〜MR2とともに乱数値MR3を示す数値データを抽出して第1特図保留記憶部160Aまたは第2特図保留記憶部160Bに記憶させるようにしてもよい。この場合には、図26のステップS202にて乱数値MR1〜MR2とともに乱数値MR3を読み出して所定のバッファにセットしておき、ステップS523では、そのバッファから乱数値MR3を示す数値データを読み出すようにすればよい。ステップS523の処理を実行した後には、小当り種別に応じて図16(A)〜(D)に示すラウンド数決定テーブルを選択する(ステップS524)。その後、ステップS524にて選択したラウンド数決定テーブルと抽出された乱数値MR3とに基づき、図16に示すようなラウンド数決定テーブルを参照することなどにより、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の最大継続回数となるラウンド数を決定する(ステップS525)。ステップS525の処理に続いて、ラウンド数に対応したラウンド制御パターンをセットする(ステップS526)。ステップS526の処理では、ステップS525の処理にて決定されたラウンド数が「2ラウンド」であるか「5ラウンド」であるか「16ラウンド」であるかに対応して、ラウンド制御パターンRP2−1〜RP2−3のいずれかがセットされる。すなわち、ラウンド数が「2ラウンド」に決定されたことに対応してラウンド制御パターンRP2−1がセットされ、ラウンド数が「5ラウンド」に決定されたことに対応してラウンド制御パターンRP2−2がセットされ、ラウンド数が「16ラウンド」に決定されたことに対応してラウンド制御パターンRP2−3がセットされる。
ステップS526の処理を実行した後には、大当り遊技状態が開始される旨の報知動作を指示する演出制御コマンドである大当り開始コマンドを、演出制御基板90に対して送信するための設定が行われる(ステップS527)。例えば、ステップS529の処理において、CPU112は、ROM100に記憶された大当り開始コマンドテーブルを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、送信コマンドポインタにセットする。こうしてステップS527での設定を行った場合には、特定入賞判定処理や小当り開放時処理が終了してから図23に示すステップS18の表示コマンド制御処理が実行されることにより、主基板120から演出制御基板90に対して大当り開始コマンドが送信されることになる。
ステップS527の処理に続いて、大当り遊技開始待ち時間の設定を行う(ステップS528)。例えば、ステップS528の処理ではCPU112が、遊技制御プロセスタイマをリセットしてタイマ値を「0」に設定するとともに、大当り遊技開始待ち時間に対応して予め定められた大当り遊技開始基準値を、遊技制御プロセスタイマ値との比較対象としてセットする。このときセットされた大当り遊技開始基準値は、図25のステップS114にて実行される大当り開放前処理において、遊技制御プロセスタイマ値と比較されることになる。その後、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS529)、特定入賞判定処理を終了する。
また、ステップS521にて特定球検出フラグがオフである場合には(ステップS521;No)、小当り遊技状態が終了した旨の報知動作を指示する演出制御コマンドである小当り終了演出コマンドを、演出制御基板90に対して送信するための設定が行われる(ステップS530)。その後、特別図柄プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS531)、特定入賞判定処理を終了する。
図32は、図25のステップS114にて実行される大当り開放前処理の一例を示すフローチャートである。図32に示す大当り開放前処理において、CPU112は、まず、例えば遊技制御プロセスタイマ値を更新するとともに、更新後のタイマ値を図27に示すステップS224の処理や図31に示すステップS528の処理にてセットした大当り遊技開始基準値と比較することなどにより、大当り遊技開始待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS281)。このとき、大当り遊技開始待ち時間が経過していなければ(ステップS281;No)、そのまま大当り開放前処理を終了する。
ステップS281にて大当り遊技開始待ち時間が経過した場合には(ステップS281;Yes)、ラウンド数カウンタにカウント初期値となる「1」をセットした後(ステップS282)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放中処理に対応した値である“5”に更新してから(ステップS283)、大当り開放前処理を終了する。
図33は、図25のステップS115にて実行される大当り開放中処理の一例を示すフローチャートである。図33に示す大当り開放中処理において、CPU112は、まず、大入賞口開放中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。ここで、大入賞口開放中フラグは、後述するステップS301の処理が実行されたときにオン状態にセットされる。ステップS291にて大入賞口開放中フラグがオフである場合には(ステップS291;No)、図27に示すステップS222の処理や図31に示すステップS526の処理のいずれかにて設定したラウンド制御パターンと、ラウンド数カウント値とに基づいて、開放する大入賞口を特定する(ステップS292)。このときには、各ラウンド遊技で大入賞口を開放状態に制御可能な時間の上限である大入賞口開放時間も特定する(ステップS293)。ステップS293の処理では、特定された大入賞口開放時間に対応して、大入賞口開放終了判定値の設定などを行うようにしてもよい。
ステップS293の処理を実行した後には、ステップS292での処理結果に基づき第1大入賞口を開放するか否かの判定を行う(ステップS294)。このとき、第1大入賞口を開放するのであれば(ステップS294;Yes)、第1エラー判定実行フラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS295)、第1大入賞口を開放するための設定を行う(ステップS296)。ステップS296の処理では、例えばラウンド制御パターンなどに含まれる第1大入賞口開放制御データが示す駆動パターンで開閉片用ソレノイド105を駆動させることにより、開口部82を開放状態とする方向へ開閉片81を回動させる動作を始動動作よりも有利な特定態様で実行させるように、駆動制御信号の生成などが行われる。ステップS296の処理を実行したときには、ラウンド遊技にて第1大入賞口が開放される旨の報知動作を指示する演出制御コマンドである第1大入賞口開放演出コマンドを、演出制御基板90に対して送信するための設定が行われる(ステップS297)。
ステップS294にて第1大入賞口ではなく第2大入賞口を開放すると判定された場合には(ステップS294;No)、第2エラー判定実行フラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS298)、第2大入賞口を開放するための設定を行う(ステップS299)。ステップS299の処理では、例えばラウンド制御パターンなどに含まれる第2大入賞口開放制御データが示す駆動パターンで第2大入賞口扉用ソレノイド65を駆動させることにより、第2特別可変入賞球装置48の開口部を開放状態とする方向へ開閉板49を回動させる動作を特定態様で実行させるように、駆動制御信号の生成などが行われる。ステップS299の処理を実行したときには、ラウンド遊技にて第2大入賞口が開放される旨の報知動作を指示する演出制御コマンドである第2大入賞口開放演出コマンドを、演出制御基板90に対して送信するための設定が行われる(ステップS300)。
ステップS297、S300の処理のいずれかを実行した後には、大入賞口開放中フラグをオン状態にセットする(ステップS301)。ステップS291にて大入賞口開放中フラグがオンである場合や(ステップS291;Yes)、ステップS301の処理を実行した後には、遊技制御プロセスタイマ値を、例えば1加算することなどにより更新する(ステップS302)。続いて、第1大入賞口を開放中であるか否かの判定を行う(ステップS303)。このとき、第1大入賞口を開放中であれば(ステップS303;Yes)、第1大入賞口開放時処理を実行してから(ステップS304)、大当り開放中処理を終了する。これに対して、第2大入賞口を開放中であれば(ステップS303;No)、第2大入賞口開放時処理を実行してから(ステップS305)、大当り開放中処理を終了する。
図34は、図33のステップS304にて実行される第1大入賞口開放時処理の一例を示すフローチャートである。図34に示す第1大入賞口開放時処理において、CPU112は、まず、遊技制御プロセスタイマ値がラウンド制御パターンなどに示される振分駆動判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS541)。この判定処理は、例えばラウンド制御パターンにて設定された振分駆動判定値を用いて、図28に示すステップS245で実行される処理と同様の判定を行う処理であればよい。このとき、振分駆動判定値と合致すれば(ステップS541;Yes)、振分部材83a,bを振分用ソレノイド108a,bの駆動力により動作させるための設定を行う(ステップS542)。ステップS542の処理では、ラウンド制御パターンなどに含まれる振分駆動制御データを読み出し、その読出データに応じた駆動制御信号の生成などを行うことにより、振分用ソレノイド108a,bを駆動させる。
ステップS541にて遊技制御プロセスタイマ値が振分駆動判定値と合致しない場合には(ステップS541;No)、ステップS542の処理をスキップする。この後、図30のフローチャートに示すような第1大入賞口進入時処理を実行することにより、第1大入賞口となる開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が進入した場合における各種の設定や制御が行われる(ステップS543)。
ステップS543にて第1大入賞口進入時処理を実行した後には、遊技制御プロセスタイマ値がラウンド制御パターンなどに示される振分停止判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS544)。この判定処理は、例えばラウンド制御パターンにて設定された振分停止判定値を用いて、図28に示すステップS248で実行される処理と同様の判定を行う処理であればよい。このとき、振分停止判定値と合致すれば(ステップS544;Yes)、振分用ソレノイド108a,bの駆動を停止させて振分部材83a,bを停止させるための設定を行う(ステップS545)。ステップS545の処理では、ラウンド制御パターンなどに含まれる振分停止制御データを読み出し、その読出データに応じて駆動制御信号の出力を停止させることなどにより、振分用ソレノイド108a,bの駆動を停止させる。
ステップS544にて遊技制御プロセスタイマ値が振分停止判定値と合致しない場合には(ステップS544;No)、ステップS545の処理をスキップする。この後、第1大入賞口カウント値が所定の開放終了判定値(例えば「5」)に達したか否かの判定を行う(ステップS546)。そして、開放終了判定値に達していない場合には(ステップS546;No)、遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放終了判定値に達したか否かの判定が行われる(ステップS547)。このとき、大入賞口開放終了判定値に達していなければ(ステップS547;No)、第1大入賞口開放時処理を終了する。
ステップS546にて第1大入賞口カウント値が開放終了判定値に達している場合や(ステップS546;Yes)、ステップS547にて遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放終了判定値に達している場合には(ステップS547;Yes)、第1大入賞口の開放状態を終了して閉鎖状態とするための設定が行われる(ステップS548)。ステップS548の処理では、例えばラウンド制御パターンなどに含まれる第1大入賞口開放終了制御データを読み出し、その読出データに応じて駆動制御信号の出力を停止させることなどにより、開閉片用ソレノイド105の駆動を停止させることで、第1大入賞口を閉鎖状態に変化させる。続いて、例えば駆動制御信号の出力を停止させることなどにより、振分用ソレノイド108a,bの駆動を停止させて振分部材83a,bを停止させ初期位置に復帰させるための設定を行う(ステップS549)。
ステップS549の処理に続いて、大入賞口開放中フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS550)、大入賞口開放後待ち時間の設定を行う(ステップS551)。例えば、ステップS551の処理ではCPU112が、遊技制御プロセスタイマをリセットしてタイマ値を「0」に設定するとともに、大入賞口開放後待ち時間に対応して予め定められた大入賞口開放後基準値を、遊技制御プロセスタイマ値との比較対象としてセットする。このときセットされた大入賞口開放後基準値は、図25のステップS116にて実行される大当り開放後処理において、遊技制御プロセスタイマ値と比較されることになる。こうしてステップS551の処理にて設定される大入賞口開放後待ち時間は、大当り遊技状態におけるラウンド遊技にて開放状態となった開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が、第1特別可変入賞球装置66の外部へと誘導されるまでに十分な時間であればよい。すなわち、大入賞口開放後基準値は、大当り遊技状態においてラウンド遊技で開口部82を開放状態とした後に閉鎖状態としてから、第1特別可変入賞球装置66の内部に存在する全ての遊技球が第1特別可変入賞球装置66の外部へと排出されるまでの猶予期間を示している。その後、第1大入賞口開放後フラグをオン状態にセットするとともに(ステップS552)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放後処理に対応した値である“6”に更新してから(ステップS553)、第1大入賞口開放時処理を終了する。
図35は、図33のステップS305にて実行される第2大入賞口開放時処理の一例を示すフローチャートである。図35に示す第2大入賞口開放時処理において、CPU112は、まず、第2カウントスイッチ52からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS571)。このとき、第2カウントスイッチ52からの検出信号がオン状態であれば(ステップS571;Yes)、第2大入賞口カウント値を1加算する(ステップS572)。
ステップS571にて第2カウントスイッチ52からの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS571;No)、ステップS572の処理をスキップする。この後、第2大入賞口カウント値が所定の開放終了判定値(例えば「10」)に達したか否かの判定を行う(ステップS573)。そして、開放終了判定値に達していない場合には(ステップS573;No)、遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放終了判定値に達したか否かの判定が行われる(ステップS574)。このとき、大入賞口開放終了判定値に達していなければ(ステップS574;No)、第2大入賞口開放時処理を終了する。
ステップS573にて第2大入賞口カウント値が開放終了判定値に達している場合や(ステップS573;Yes)、ステップS574にて遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放終了判定値に達している場合には(ステップS574;Yes)、第2大入賞口の開放状態を終了して閉鎖状態とするための設定が行われる(ステップS575)。ステップS575の処理では、例えばラウンド制御パターンなどに含まれる第2大入賞口開放終了制御データを読み出し、その制御データに応じて駆動制御信号の出力を停止させることなどにより、第2大入賞口扉用ソレノイド65の駆動を停止させることで、第2大入賞口を閉鎖状態に変化させる。続いて、大入賞口開放中フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS576)、大入賞口開放後待ち時間の設定を行う(ステップS577)。その後、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放後処理に対応した値である“6”に更新してから(ステップS578)、第2大入賞口開放時処理を終了する。
図36は、図25のステップS116にて実行される大当り開放後処理の一例を示すフローチャートである。図36に示す大当り開放後処理において、CPU112は、まず、例えば遊技制御プロセスタイマ値を更新するとともに、更新後のタイマ値を図34に示すステップS551の処理や図35に示すステップS577の処理等にてセットした大入賞口開放後基準値と比較することなどにより、大入賞口開放後待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS591)。このとき、大入賞口開放後待ち時間が経過していなければ(ステップS591;No)、そのまま大当り開放後処理を終了する。
ステップS591にて大入賞口開放後待ち時間が経過した場合には(ステップS591;Yes)、第1大入賞口開放後フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS592)。このとき、第1大入賞口開放後フラグがオンであれば(ステップS592;Yes)、第1エラー判定実行フラグをオン状態にセットする(ステップS593)。これに対して、第1大入賞口開放後フラグがオフである場合には(ステップS592;No)、第2エラー判定実行フラグをオン状態にセットする。これにより、ラウンド遊技にて第1大入賞口を開放状態とした後に閉鎖状態とした場合には大入賞口開放後待ち時間の経過後に第1エラー判定処理の実行を開始させることができ、ラウンド遊技にて第2大入賞口を開放状態とした後に閉鎖状態とした場合には大入賞口開放後待ち時間の経過後に第2エラー判定処理の実行を開始させることができる。
ステップS593、S594の処理のいずれかを実行した後には、ラウンド数カウント値がラウンド遊技の最大継続回数に対応したラウンド最大値に達しているか否かの判定を行う(ステップS595)。このとき、ラウンド最大値に達していない場合には(ステップS595;No)、ラウンド継続条件判定処理を実行してから(ステップS596)、大当り開放後処理を終了する。
ステップS595にてラウンド最大値に達している場合には(ステップS595;Yes)、第1大入賞口開放後フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS597)。このとき、第1大入賞口開放後フラグがオンであれば(ステップS597;Yes)、第1大入賞口開放後フラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS598)、第1大入賞口カウント値をクリアする(ステップS599)。ステップS597にて第1大入賞口開放後フラグがオフである場合には(ステップS597;No)、第2大入賞口カウント値をクリアする(ステップS602)。
ステップS599、S602の処理のいずれかを実行した後には、ラウンド数カウンタを初期化してラウンド数カウント値をクリアするとともに(ステップS603)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理に対応した値である“7”に更新してから(ステップS604)、大当り開放後処理を終了する。
図37は、図36のステップS596にて実行されるラウンド継続条件判定処理の一例を示すフローチャートである。図37に示すラウンド継続条件判定処理において、CPU112は、まず、第1大入賞口開放後フラグがオンであるか否かの判定を行う(ステップS611)。このとき、第1大入賞口開放後フラグがオンであれば(ステップS611;Yes)、第1大入賞口開放後フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS612)、第1大入賞口カウンタを初期化して第1大入賞口カウント値をクリアする(ステップS613)。
ステップS613の処理に続いて、特定球検出フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS614)。このとき、ステップS614にて特定球検出フラグがオンである場合や(ステップS614;Yes)、特定球検出フラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS616)、ラウンド数カウント値を1加算するとともに(ステップS617)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放中処理に対応した値である“5”に更新してから(ステップS618)、ラウンド継続条件判定処理を終了する。これにより、第1大入賞口に進入した遊技球があった場合には、次のラウンド遊技に移行することができる。
ステップS611にて第1大入賞口開放後フラグがオフである場合には(ステップS611;No)、第2大入賞口カウント値が「0」より大きな値となっているか否かを判定する(ステップS619)。このとき、第2大入賞口カウント値が「0」より大きな値であれば(ステップS619;Yes)、第2大入賞口に進入した遊技球があったと判断して、第2大入賞口カウンタを初期化して第2大入賞口カウント値をクリアした後(ステップS620)、ステップS617の処理に進むことで、次のラウンド遊技に移行できるようにする。なお、ステップS619の処理では、第3特定球検出器51による遊技球の検出があったか否かを判定することにより、第2大入賞口に進入した遊技球があったか否かを判断するようにしてもよい。
ステップS614にて特定球検出フラグがオフである場合には(ステップS614;No)、第1大入賞口となる開口部82を開放状態とするラウンド遊技にて特定領域となる特定進入口89に進入した遊技球がなかったと判断して、次のラウンドには移行せずに、大当り遊技状態を終了させる。
ステップS619にて第2大入賞口カウント値が「0」である場合には(ステップS619;No)、第2大入賞口となる第2特別可変入賞球装置48の開口部を開放状態とするラウンド遊技にて開放状態となった第2大入賞口に進入した遊技球がなかったと判断して、次のラウンドには移行させずに、大当り遊技状態を終了させる。すなわち、ラウンド数カウンタを初期化してラウンド数カウント値をクリアするとともに(ステップS623)、特別図柄プロセスフラグを大当り終了処理に対応した値である“7”に更新してから(ステップS624)、ラウンド継続条件判定処理を終了する。
図38は、図25のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。この大当り終了処理において、CPU112は、まず、所定の大当り終了待ち時間が経過したか否かの判定を行う(ステップS311)。このとき、大当り終了待ち時間が経過していなければ(ステップS311;No)、そのまま大当り終了処理を終了させる。
ステップS311にて大当り終了待ち時間が経過した場合には(ステップS311;Yes)、有利状態突入フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS312)。ステップS312にて有利状態突入フラグがセットされている場合(ステップS312;Yes)、有利状態突入フラグをクリアして(ステップS313)、遊技制御フラグ設定部162に設けられた有利状態フラグをオン状態にセットするとともに(ステップS314)、有利状態終了条件の設定を行う(ステップS315)。一例として、ステップS315の処理では、CPU112が、有利状態にて実行可能な特図ゲームの回数として図26のステップS212にて定められた有利時特図変動回数(例えば「100」)を、遊技制御カウンタ設定部164に設けられた可変表示回数カウンタにセットする。この場合には、例えば有利状態終了判定値を「0」に設定する。そして、図27に示すステップS112の特別図柄停止処理が実行されるごとに、例えば可変表示回数カウンタの値を1減算するように更新し、更新後の値が有利状態終了判定値としての「0」に達したときに、有利状態を終了して通常遊技状態に移行する制御が行われればよい。あるいは、ステップS315の処理では、可変表示回数カウンタをクリアすることによりカウント初期値として「0」をセットするとともに、有利時特図変動回数に対応する有利状態終了判定値(例えば「100」)を設定するようにしてもよい。この場合には、図27に示すステップS112の特別図柄停止処理が実行されるごとに、例えば可変表示回数カウンタの値を1加算するように更新し、更新後の値が有利状態終了判定値に達したときに、有利状態を終了して通常遊技状態に移行する制御が行われればよい。
ステップS312にて有利状態突入フラグがセットされていない場合(ステップS312;No)、またはステップS315にて有利状態終了条件を設定した後には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS316f)、大当り終了処理を終了する。
図39は、図23のステップS17にて実行される普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄プロセス処理において、CPU112は、まず、通過ゲート61に設けられたゲートスイッチ62からの検出信号がオン状態であるか否かをチェックすることにより、通過ゲート61を遊技球が通過したか否かの判定を行う(ステップS131)。遊技球が通過ゲート61を通過してゲートスイッチ62からの検出信号がオン状態となった場合には(ステップS131;Yes)、ゲート通過時処理を実行する(ステップS132)。他方、ゲートスイッチ62からの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS131;No)、ステップS132の処理をスキップする。
ステップS132にて実行されるゲート通過時処理では、まず、普図保留記憶部161に記憶されている保留データの個数である普図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、普図保留記憶数が上限値となっていれば、今回の遊技球検出は無効として、そのままゲート通過時処理を終了する。これに対して、普図保留記憶数が上限値未満であるときには、普図表示結果判定用の乱数値MR4を示す数値データを抽出する。例えば、CPU112は、乱数発生回路60bとは別個に遊技制御用マイクロコンピュータ99に内蔵されたランダムカウンタにて生成される数値データを、乱数値MR4を示す数値データとして抽出する。そして、抽出した乱数値MR4を示す数値データを、普図保留記憶部161における空きエントリの先頭にセットする。このときには、例えば遊技制御カウンタ設定部164に設けられた普図保留記憶数カウンタにおけるカウント値である普図保留記憶数カウント値を1加算するように更新してもよい。また、演出制御基板90に対して普図保留記憶数通知コマンドとなる所定の演出制御コマンドを送信するための設定を行い、演出表示装置44cの表示領域80に設けられた普通図柄始動記憶表示エリアにて、普図保留記憶数を特定可能とする演出画像を表示させるようにしてもよい。
以上のようなゲート通過時処理を実行した後や、ステップS131にてゲートスイッチ62からの検出信号がオフ状態であると判定された後には、普図プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS140〜S144の各処理を実行する。
ステップS140の普通図柄通常処理は、普図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この普通図柄通常処理では、例えば特図プロセスフラグの値が“0”であるか否かの判定を行い、“0”以外の値である場合には、そのまま普通図柄通常処理を終了する。これにより、特別図柄の変動が開始されてから確定特別図柄が導出表示されるまでの期間や、小当り遊技状態あるいは大当り遊技状態に制御されている期間では、普図ゲームにおける普通図柄の変動が開始されないようにして、演出表示装置44cの表示領域80における演出画像の表示などによる各種演出が競合しないように制御することができる。特に、大当り遊技状態では普図ゲームにおける普通図柄の変動が開始されないようにすれば、普通図柄の変動状態(例えば大当り遊技状態中における普図ゲームの実行回数や、大当り遊技状態の終了直前に新たな普図ゲームの実行が開始されたか否かなど)により有利状態にて実行可能な普図ゲームの回数に差異が生じてしまうといった、有利状態における遊技内容に有利なものと不利なものとが出現することを防止できる。普通図柄通常処理を実行したときに特図プロセスフラグの値が“0”である場合には、普図保留記憶部161に格納された保留データの有無などに基づいて、普通図柄表示装置63による普図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。このとき、例えば普図保留記憶部161に格納された保留データがある場合には、普図プロセスフラグの値を“1”に更新する。
ステップS141の普通図柄判定処理は、普図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この普通図柄判定処理では、普図表示結果判定用の乱数値MR4を示す数値データに基づき、普図ゲームにおける可変表示結果としての普図表示結果を、「普図当り」あるいは「普図ハズレ」とする判定などが行われる。また、普通図柄判定処理では、普図表示結果に対応する普図変動パターンの決定も行われる。そして、普通図柄判定処理では、普通図柄表示装置63にて普通図柄の変動が開始されることに対応した演出制御コマンドとして、普図変動開始コマンドを演出制御基板90に対して送信するための設定が行われる。
ステップS142の普通図柄変動処理は、普図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄が変動を開始してからの経過時間が計測され、その経過時間が普図変動パターンに対応して定められた普図変動時間に達したか否かの判定が行われる。そして、普図変動時間に達したときには、普通図柄表示装置63にて普通図柄の変動が終了することに対応した演出制御コマンドとして、普図変動終了コマンドを演出制御基板90に対して送信するための設定を行うようにしてもよい。この場合、演出制御基板90の側では、普図変動終了コマンドを受信したことに基づき、普通図柄の可変表示に対応して実行される演出(例えば飾り図柄の可変表示など)を終了するための設定が行われればよい。あるいは、主基板120から演出制御基板90に対する普図変動終了コマンドの送信は行われないようにしてもよい。この場合、演出制御基板90の側では、普図変動開始コマンドに示された普図変動パターンなどに対応する普図変動時間を特定し、普図変動開始コマンドを受信してからの経過時間が特定された普図変動時間に達したときに、主基板120からの演出制御コマンドを受信しなくても、普通図柄の可変表示に対応して実行される演出を終了するための設定が行われるようにすればよい。このような各種設定が行われた後には、普図プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS143の普通図柄停止処理は、普図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普図表示結果が「普図当り」である場合に、可変始動入賞球装置58に設けられた普通電動役物用ソレノイド58aを駆動するための設定が行われ、普図プロセスフラグの値が“5”に更新される。他方、普図表示結果が「普図ハズレ」である場合には、普図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS144の普通電動役物作動処理は、普図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、可変始動入賞球装置58に形成された第2始動口60に遊技球を誘導可能とするための制御が行われる。例えば、普通電動役物作動処理では、ステップS143の普通図柄停止処理にてセットされた普電作動パターンの設定に応じて、可変始動入賞球装置58に設けられた普通電動役物用ソレノイド58aを駆動するための駆動制御信号の生成が行われるようにすればよい。また、普通電動役物作動処理では、普通電動役物用ソレノイド58aを駆動して第2始動口60を開状態としてとしてからの経過時間が計測され、その経過時間が進出終了判定値に対応した誘導終了時間に達したか否かの判定が行われる。そして、経過時間が誘導終了時間に達した場合には、普通電動役物用ソレノイド58aの駆動を停止して第2始動口60に遊技球が進入不能な閉状態となるための設定を行う。ここで、経過時間が誘導終了時間に達した場合には、予め定められた有効誘導時間が経過したことに対応して、普図プロセスフラグの値を“0”に更新する。他方、第2始動口スイッチ60aにより遊技球が検出された場合には、その時点で普図プロセスフラグの値を“0”に更新してもよいし、所定の誘導終了待ち時間が経過したことに対応して、普図プロセスフラグの値を“0”に更新してもよい。
図40は、図39のステップS141にて実行される普通図柄判定処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄判定処理において、CPU112は、まず、普図保留記憶部161にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、普図表示結果判定用の乱数値MR4を示す数値データを読み出す(ステップS351)。このときには、例えば普図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、普図保留記憶数を1減少させるように更新するとともに、普図保留記憶部161にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR4を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS352)。
ステップS352の処理に続いて、有利状態フラグがオンであるか否かの判定を行う(ステップS353)。このとき、有利状態フラグがオフであれば(ステップS353;No)、普図ゲームにおける可変表示結果としての普図表示結果につき判定を行うためのテーブルとして、図13(A)に示す通常時普図表示結果判定テーブル210Aを設定する(ステップS354)。これに対して、有利状態フラグがオンであれば(ステップS353;Yes)、普図ゲームにおける可変表示結果としての普図表示結果につき判定を行うためのテーブルとして、図13(B)に示す有利時普図表示結果判定テーブル210Bを設定する(ステップS355)。
ステップS354、S355の処理のいずれかを実行した後には、各処理で設定した普図表示結果判定テーブルを参照することで、普図表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかの判定を行う(ステップS356)。このとき、普図表示結果を「普図当り」とする旨の判定が行われた場合には、普図ゲームにおける確定普通図柄として「7」を示す普通図柄が決定されるようにすればよい。また、普図表示結果を「普図ハズレ」とする旨の判定が行われた場合には、普図ゲームにおける確定普通図柄として「−」を示す普通図柄が決定されるようにすればよい。
ステップS356にて普図表示結果の判定を行った後には、普図表示結果を「普図当り」とすると決定されたか否かを判定する(ステップS357)。ステップS357にて「普図当り」とすると決定されたと判定した場合(ステップS357;Yes)、遊技制御フラグ設定部162に設けられた普図当りフラグをセットする(ステップS358)。
ステップS358にて普図当りフラグをセットした後、または。ステップS357にて「普図ハズレ」とすると決定されたと判定した場合(ステップS357;No)、図14に示す普図変動パターン決定テーブル210Cを参照することにより、普図表示結果に対応する普図変動パターンを決定する(ステップS359)。続いて、ステップS359にて決定した普図変動パターンに対応する普図変動時間の設定を行う(ステップS360)。一例として、ステップS360の処理では、CPU112が、普図変動パターンに対応した普図変動時間を、図14に示すような普図変動パターン決定テーブル210Cを参照することなどにより特定し、特定された普図変動時間に対応するタイマ初期値を、遊技制御タイマ設定部162に設けられた普図変動タイマにセットする。この場合には、図39に示すステップS142の普通図柄変動処理が実行されるごとに、例えば普図変動タイマの値を1減算するように更新し、その値が「0」になったときに、普通図柄の変動を開始してからの経過時間が普図変動時間に達した旨の判定を行うようにすればよい。あるいは、ステップS359の処理では、普図変動タイマをクリアすることによりタイマ初期値として「0」をセットするとともに、普図変動時間に対応する普図変動終了判定値を設定するようにしてもよい。この場合には、図39に示すステップS142の普通図柄変動処理が実行されるごとに、例えば普図変動タイマの値を1加算するように更新し、その値が普図変動終了判定値に達したときに、普通図柄の変動を開始してからの経過時間が普図変動時間に達した旨の判定を行うようにすればよい。
ステップS360にて普図変動時間を設定した後には、主基板120から演出制御基板90に対して普図変動開始コマンドを送信するための設定を行う(ステップS361)。ここで、普図変動開始コマンドは、ステップS356の処理にて判定された普図表示結果や、ステップS359の処理にて決定された普図変動パターン、ステップS360の処理にて設定された普図変動時間などを示す演出制御コマンドであればよい。例えば、ステップS361の処理において、CPU112は、ROM100に記憶された普図変動開始コマンドテーブルを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、RAM111の所定領域などに設けられた送信コマンドポインタにセットする。こうしてステップS361での設定を行った場合には、普通図柄判定処理が終了してから図23に示すステップS18の表示コマンド制御処理が実行されることにより、主基板120から演出制御基板90に対して普図変動開始コマンドが送信されることになる。なお、普図変動開始コマンドとは別に、普図表示結果を示す演出制御コマンドを、主基板120から演出制御基板90に対して送信するようにしてもよい。ただし、普図変動開始コマンドにより普図表示結果が示されることで、別個に普図表示結果を示す演出制御コマンドを送信する必要がなくなることから、主基板120から演出制御基板90に対して送信する演出制御コマンドの数を削減して、主基板120における制御負担や記憶データの容量を低減することができる。
ステップS361にて普図変動開始コマンドの送信設定を行った後には、普図プロセスフラグの値を普通図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS362)、普通図柄判定処理を終了する。
図41は、図39のステップS143にて実行される普通図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄停止処理において、CPU112は、まず、普図当りフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS371)。このとき、普図表示結果フラグがセットされていれば(ステップS371;Yes)、普図表示結果が「普図当り」であることに対応した普電作動パターンをセットする(ステップS372)。例えば、ステップS372の処理において、CPU112は、有利状態フラグがオンであるか否かの判定を行う。そして、有利状態フラグがオフである場合には、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるときに普図表示結果を「普図当り」とする決定に対応した変動時間「10.5秒」をセットする。これに対して、有利状態フラグがオンである場合には、パチンコ遊技機1における遊技状態が有利状態であるときに普図表示結果を「普図当り」とする決定に対応した変動時間「2.5秒」をセットする。
ステップS372の処理を実行した後には、主基板120から演出制御基板90に対して普電作動開始コマンドを送信するための設定を行う(ステップS373)。普電作動開始コマンドは、可変始動入賞球装置58において普通電動役物用ソレノイド58aが駆動されて第2始動口60に遊技球が進入可能となることを通知する演出制御コマンドである。例えばステップS373の処理において、CPU112は、ROM100に記憶された普電作動開始コマンドテーブルを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、RAM111の所定領域などに設けられた送信コマンドポインタにセットする。こうしてステップS373での設定を行った場合には、普通図柄停止処理が終了してから図23に示すステップS18の表示コマンド制御処理が実行されることにより、主基板120から演出制御基板90に対して普電作動開始コマンドが送信されることになる。
ステップS373の処理を実行した後には、普図プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理に対応した値である“4”に更新する(ステップS374)。また、ステップS371にて普図当りフラグがセットされていない場合には(ステップS371;No)、普図プロセスフラグの値を“0”に更新する(ステップS375)。その後、普通図柄停止処理を終了する。
次に、演出制御基板90における動作を説明する。演出制御基板90では、電源基板97等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用マイクロコンピュータ170が起動し、CPU181が図42のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図42に示す演出制御メイン処理を開始すると、CPU181は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS401)、RAM183のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板90に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。
その後、乱数更新処理が実行され(ステップS402)、演出制御に用いる各種の乱数値を示す数値データの更新が行われる。続いて、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS403)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過する毎にオン状態にセットされる。ステップS403にてタイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS403;No)、ステップS402の処理に戻る。他方、ステップS403にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS403;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS404)、コマンド解析処理を実行する(ステップS405)。ステップS405にて実行されるコマンド解析処理では、主基板120の遊技制御用マイクロコンピュータ99から送信された各種の演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS405にてコマンド解析処理を実行した後には、表示制御プロセス処理を実行する(ステップS406)。この表示制御プロセス処理では、演出表示装置44cの表示領域における演出画像の表示動作について、主基板120から送信された演出制御コマンド等に応じた設定や制御が行われる。例えば、可変表示開始コマンドを受信したときには、飾り図柄の可変表示に対応した演出画像を表示領域80に表示させるための設定や制御が行われる。また、大当り開始コマンドを受信したときには、大当り遊技状態が開始される旨の報知情報を示す演出画像を表示領域80に表示させるための設定や制御が行われる。
ステップS406にて表示制御プロセス処理を実行した後には、音・ランプ制御コマンド処理を実行してから(ステップS407)、ステップS402の処理に戻る。ステップS407にて実行される音・ランプ制御コマンド処理では、主基板120の演出制御用マイクロコンピュータ99から送信された各種の演出制御コマンドなどに対応して、スピーカ12a、12bによる音声の出力動作を制御する音声制御データ、あるいは各種遊技効果LED・ランプ13、14a〜14d、16a、16b、17a、17bや各種装飾LED・ランプ32の点灯動作を制御する点灯制御データといった、各種の演出動作を制御する制御データとなる制御コマンドの設定が行われる。
次に、小当り遊技状態における開閉片用ソレノイド105及び振分用ソレノイド108a,bの具体的な駆動制御例について説明する。図43(A)〜(D)は、小当り種別が「第1小当り」及び「第2小当り」のそれぞれに決定された場合における小当り遊技状態での開閉片用ソレノイド105及び振分用ソレノイド108a,bの制御タイミングを示すタイミングチャートである。図43(A)〜(D)では、横軸が時間の経過を示している。
パチンコ遊技機1では、始動領域となる第1始動口59に遊技球が進入して図43(A)に示すように第1始動口スイッチ59aにより出力される検出信号がオン状態となったことに基づいて、図43(B)に示すように第1特別図柄表示装置44aによる特図ゲームが開始され、特別図柄の可変表示が行われる。その後、特図ゲームにおける可変表示結果が第1小当りに対応した小当り図柄「1」または第2小当りに対応した小当り図柄「5」となった場合には、図43(C)に示すように、その確定特別図柄が導出表示されて特図ゲームにおける可変表示が停止してから所定の待機時間(開放開始前時間)T3が経過したときに、開閉片用ソレノイド105の駆動が開始され、第1大入賞口となる開口部82を閉鎖状態から開放状態に変化させる始動動作が行われる。その後、開閉片用ソレノイド105は開放時間T1の間駆動された後停止し、閉鎖時間T2経過後、再び開放時間T1の間駆動される。このように、開口部82は、開放時間T1で2回開放される。また、図43(D)に示すように、特図ゲームにおける可変表示が停止してから所定の待機時間T6が経過したときに、振分用ソレノイド108a,bが駆動される。振分用ソレノイド108a,bはその後、駆動時間T10の間駆動され続けてから停止する。図43(C)及び図43(D)に示すように、開口部82が開放状態であるときのほとんどの期間、振分用ソレノイド108a,bは駆動されている。振分用ソレノイド108a,bが駆動されている間(振分部材83a,bが動作してる間)、遊技球は特定進入口89に入賞(V入賞)しにくいため、第1小当りまたは第2小当りにおけるV入賞率は低くなっている。例えば、第1小当りまたは第2小当りにおけるV入賞率は「1/20」程度となっている。
図43(E)〜(H)は、小当り種別が「第3小当り」及び「第4小当り」のそれぞれに決定された場合における小当り遊技状態での開閉片用ソレノイド105及び振分用ソレノイド108a,bの制御タイミングを示すタイミングチャートである。図43(E)〜(H)では、横軸が時間の経過を示している。
パチンコ遊技機1では、始動領域となる第2始動口60に遊技球が進入して図43(E)に示すように第2始動口スイッチ60aにより出力される検出信号がオン状態となったことに基づいて、図43(F)に示すように第2特別図柄表示装置44Fによる特図ゲームが開始され、特別図柄の可変表示が行われる。その後、特図ゲームにおける可変表示結果が第3小当りに対応した小当り図柄「1」または第4小当りに対応した小当り図柄「5」となった場合には、図43(G)に示すように、その確定特別図柄が導出表示されて特図ゲームにおける可変表示が停止してから所定の待機時間(開放開始前時間)T4が経過したときに、開閉片用ソレノイド105の駆動が開始され、第1大入賞口となる開口部82を閉鎖状態から開放状態に変化させる始動動作が行われる。その後、開閉片用ソレノイド105は開放時間T1の間駆動された後停止し、閉鎖時間T2経過後、再び開放時間T1の間駆動される。このように、開口部82は、開放時間T1で2回開放される。なお、図43(H)に示すように、振分用ソレノイド108a,bの駆動は図43の例と同一である。図43(G)及び図43(H)に示すように、開口部82が2回目の開放状態であるとき、振分用ソレノイド108a,bは駆動されていない。振分用ソレノイド108a,bが駆動されていない間(振分部材83E,Fが停止してる間)、遊技球は特定進入口89に入賞(V入賞)しやすいため、第3小当りまたは第4小当りにおけるV入賞率は、第1小当りまたは第2小当りよりも高くなっている。例えば、第3小当りまたは第4小当りにおけるV入賞率は「1/4」程度となっている。
このように、開口部82の開放開始前時間を、第1小当りまたは第2小当りのときと(T3)第3小当りまたは第4小当りのとき(T4)とで異ならせることで、V入賞率を異ならせることができ、第1始動口59への入賞(第1特別図柄表装置44aによる特図ゲーム)と第2始動口60への入賞(第2特別図柄表装置44bによる特図ゲーム)との遊技価値を異ならせることができる。これにより、遊技者は第2始動口60へ入賞したときに期待感をもつようになり、遊技性が向上する。
なお、上記実施の形態では、振分部材83a,bの動作態様を一定とした上で、第1特別図柄表装置44aによる小当りと第2特別図柄表装置44bによる小当りとで、開口部82の開放開始前時間を異ならせることで、V入賞率を異ならせていたが、これに限定されない。振分用ソレノイド108a,bの制御タイミングを第1特別図柄表装置44aによる小当りと第2特別図柄表装置44bによる小当りとで異ならせて、振分部材83a,bの動作態様を異ならせるようにしてもよい。この場合、例えば、開口部82の開放開始前時間を一定として、第2特別図柄表装置44bによる小当りのときに、第1特別図柄表装置44aによる小当りのときより、有利となるように振分用ソレノイド108a,bを制御すればよい。また、モータ127を制御することで回転体79の動作態様を異ならせるようにしてもよい。例えば、第2特別図柄表装置44bによる小当りのときに、回転体79のV穴79aを奥行き方向における手前側の状態にて回転体79を所定時間停止させることによって、V入賞率を高めることができる。また、上述したように、開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球は、振分穴106により左・中・右に振り分けられるが、左または右を通過した遊技球はノーマルルート誘導経路110aにより誘導され、中を通過した遊技球はノーマルルート誘導経路110aより有利なチャンスルート誘導経路110bにより誘導される。例えば、開口部82に開閉部材を設けて、第2特別図柄表装置44bによる小当りのときに、振分穴106の中に誘導されやすいように開閉部材を制御するようにしてもよい。また、ノーマルルート誘導経路110a(開口部82の右・左)とチャンスルート誘導経路110b(開口部82の中)とへの遊技球の進入を振り分ける可動振分部材を開口部82の手前側に設け、この可動振分部材の動作と開口部82の開放との相対タイミングをずらすようにしてもよい。さらに、これらを組み合わせるようにしてもよい。
以上説明したように、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、図43に示すように開口部82の開放開始前時間を、第1特別図柄表装置44aによる小当り(第1小当りまたは第2小当り)のときと(T3)第2特別図柄表装置44bによる小当り(第3小当りまたは第4小当り)のとき(T4)とで異ならせることで、振分部材83a,bと開口部82の開放の相対タイミングを異ならせ、V入賞率を異ならせることができる。これにより、第1始動口59への入賞(第1特別図柄表装置44aによる特図ゲーム)と第2始動口60への入賞(第2特別図柄表装置44bによる特図ゲーム)との遊技価値を異ならせることができる。従って、遊技者は第2始動口60へ入賞したときに期待感をもつようになり、遊技性が向上する。
また、振分部材83a,bの動作態様を一定とした上で、第1特別図柄表装置44aによる小当りと第2特別図柄表装置44bによる小当りとで、開口部82の開放開始前時間を異ならせることで、振分部材83a,bと開口部82の開放の相対タイミングを異ならせることができる。
また、図15及び図16により示すように、第1特別図柄表示装置44aの小当りと第2特別図柄表示装置44bの小当りでは、第2特別図柄表示装置44bにて小当り遊技状態となったときの方が、ラウンド最大値が多くなりやすいようにラウンド数決定テーブルに設定データが割り振られている。これにより、第2始動口60への入賞の遊技価値を第1始動口59よりも高め、遊技性を向上させることができる。
また、第1特別図柄表示装置44aと第2特別図柄表示装置44bには小当り図柄として「1」及び「5」が用意されている。そして、どちらの図柄が停止表示されたかにより、その後にV入賞があった場合発生する大当り遊技のラウンド数の割合を異ならせている。このように、遊技価値の異なる複数の小当り図柄を用意しているので、遊技性の向上を図ることができる。
また、図21に示すように、遊技制御用データ保持エリア250に第1特図保留記憶部160Aと、第2特図保留記憶部160Bとを設け、第1始動口59及び第2始動口60への入賞を保留して記憶することができる。これにより、より遊技性を向上させることができる。
また、図38に示す大当り終了処理のステップS312〜ステップS315の処理を実行することで、一部の大当り遊技状態終了後に、遊技状態を有利状態に制御可能である。これにより、第2始動口60へ入賞しやくすなり、遊技性を向上させることができる。
また、図15(A)及び図15(B)に示すように、第1特別図柄表示装置44aによる小当り遊技状態にて遊技球が特定進入口89に進入したことに基づいて制御される大当り遊技状態の終了後と、第2特別図柄表示装置44bによる小当り遊技状態にて遊技球が特定進入口89に進入したことに基づいて制御される大当り遊技状態の終了後とで、有利時特図変動回数を異ならせている。これにより、第2特別図柄表示装置44bによる小当りの価値を高め、より遊技性を向上させることができる。
また、遊技球が特定進入口89に進入しなくても、第1特別図柄表示装置44aまたは第2特別図柄表示装置44bに大当り図柄「7」が表示されることで、大当り遊技状態(直当り)となることがあるので、より遊技性を向上させることができる。
始動動作により第1大入賞口となる開口部82を開放状態とした後には、図29のステップS253にて残存球数カウント値が「0」であるとの判定に対応する第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないとの判定に基づいて、ステップS258にて第1エラー判定実行フラグをオン状態にセットする。そして、第1エラー判定実行フラグがオンであるときには、図24に示すステップS52の第1エラー判定処理が実行されることになる。これにより、始動動作により開放状態となった大入賞口に遊技球が入賞した場合でも、異常の有無を適切に判定することができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、上記実施の形態では、小当り種別が「第1小当り」〜「第4小当り」のいずれかに決定されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、少なくとも、第1特別図柄表示装置44a及び第2特別図柄表示装置44bにひとつずつ小当りに決定できるものであればよい。また、上記実施の形態では、一部の大当り遊技状態の後に、遊技状態を有利状態に制御していたが、有利状態に制御ないパチンコ遊技機であってもよい。また、第1特別図柄表示装置44a及び第2特別図柄表示装置44bに1種類の大当り図柄を設けていたが、大当り図柄を複数設けてもよいし、大当り図柄を設けなくてもよい。
上記実施の形態では、図26に示すステップS212にて小当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて小当り種別を決定し、また有利状態に突入するか否かを決定するものとして説明した。また、図31に示すステップS525にてラウンド数決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の最大継続回数となるラウンド数を決定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば小当り種別の決定とラウンド数の決定とが同時に行われるものであってもよい。具体的な一例として、有利状態に突入するか否かやラウンド数のごとに小当り種別を用意して、図26に示すステップS212にて乱数値MR2に基づいて小当り種別を決定するようにすればよい。例えば、図44(A)に示すような小当り種別決定テーブル(第1特図)211Aと、図44(B)に示すような小当り種別決定テーブル(第2特図)212Aとに基づいて小当り種別を決定すればよい。小当り種別決定テーブル(第1特図)211Aは、小当り種別決定用の乱数値MR2を、「第1小当りA」「第1小当りB」「第1小当りC」「第1小当りD」「第2小当り」といった小当り種別、「1」「2」「3」「4」「5」といった小当り図柄、V入賞時の有利状態突入フラグの設定値、それぞれの小当り遊技状態にて遊技球が特定進入口89に進入したことに基づいて制御される大当り遊技状態におけるラウンド遊技の最大継続回数となるラウンド数、さらには有利時特図変動回数と対応付ける設定データ(決定用データ)などから構成されている。小当り種別決定テーブル(第2特図)211Bは、小当り種別決定用の乱数値MR2を、「第3小当りA」「第3小当りB」「第4小当りA」「第4小当りB」といった小当り種別、「1」「2」「5」「6」といった小当り図柄、V入賞時の有利状態突入フラグの設定値、それぞれの小当り遊技状態にて遊技球が特定進入口89に進入したことに基づいて制御される大当り遊技状態におけるラウンド遊技の最大継続回数となるラウンド数、さらには有利時特図変動回数と対応付ける設定データ(決定用データ)などから構成されている。この場合、図26のステップS212では、さらに、決定したラウンド最大値をRAM111の所定領域にセットし、図31のステップS523及びステップS524の処理をスキップし、ステップS525ではステップS212にてセットされたラウンド最大数を読み出すようにすればよい。
上記実施の形態では、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を摺動させて第1大入賞口となる開口部82を所定の始動態様で開放状態とする始動動作を行い、また、大当り遊技状態にて行われるラウンド遊技では、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を摺動させて第1大入賞口となる開口部82を始動態様よりも遊技者に有利な特定態様で開放状態としたり、第2特別可変入賞球装置48の開閉板49により第2大入賞口となる開口部を遊技者に有利な特定態様で開放状態としたりするものとして説明した。すなわち、遊技領域41に遊技球を打ち込むことにより遊技が行われ、遊技球を受け入れやすく遊技者にとって有利な第1の状態である開放状態と遊技球を受け入れにくく遊技者にとって不利な第2の状態である閉鎖状態とに変化する第1特別可変入賞球装置66と第2特別可変入賞球装置48を備え、遊技領域41に設けられた始動領域となる第1始動口59や第2始動口60に遊技球が進入したことに基づいて、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を摺動させて開口部82を所定の始動態様で開放状態とする制御を行い、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が特定領域となる特定進入口89に進入したことに基づいて、遊技者に有利な大当り遊技状態におけるラウンド遊技では第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を摺動させて第1大入賞口となる開口部82を始動態様よりも遊技者に有利な特定態様で開放状態としたり、第2特別可変入賞球装置48の開閉板49により第2大入賞口となる開口部を遊技者に有利な特定態様で開放状態としたりするパチンコ遊技機1について説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、2つの大入賞口を開放状態とすることが可能に構成されていなくても、1つの大入賞口を始動態様や特定態様で開放状態とすることが可能に構成されたものであってもよい。
例えば、遊技領域41に遊技球を打ち込むことにより遊技が行われ、遊技球を受け入れやすく遊技者にとって有利な第1の状態である開放状態と遊技球を受け入れにくく遊技者にとって不利な第2の状態である閉鎖状態とに変化する第1特別可変入賞球装置66を備え、遊技領域41に設けられた始動領域となる第1始動口59や第2始動口60に遊技球が進入したことに基づいて、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を摺動させて開口部82を所定の始動態様で開放状態とする始動動作の制御を行い、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が特定領域となる特定進入口89に進入したことに基づく大当り遊技状態では、最大継続回数に達するまで継続可能となる複数回のラウンド遊技のいずれにおいても、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を摺動させて第1大入賞口となる開口部82を始動態様よりも遊技者に有利な特定態様で開放状態とし、最大継続回数に達するまでは、ラウンド遊技中に第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が特定進入口89に進入したことに基づいて、次のラウンド遊技に移行可能とする遊技機であってもよい。この場合、始動態様として開口部82を第1の時間にわたり開放状態とする制御を第1の回数に達するまで行う一方で、特定態様として開口部82を第1の時間よりも長い第2の時間にわたり開放状態とする制御を行うものでもよく、また、特定態様として開口部82を第1の回数よりも多い第2の回数に達するまで開放状態とする制御を行うものでもよく、さらに、この両者を組み合わせた態様で大入賞口となる開口部82を開放状態に制御するものであってもよい。
このような制御が行われる遊技機では、特別図柄表示装置44bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示を行わずに、始動領域となる第1始動口59や第2始動口60に遊技球が進入したことに対応して、第1特別可変入賞球装置66の開口部82を始動態様で開放状態とする始動動作が行われるようにしてもよい。あるいは、特別図柄表示装置44bによる特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」となったことに対応して始動動作を行う一方で、「大当り」となったことに対応して大当り遊技状態となり、特定進入口89に遊技球が進入したか否かに関わりなく、第1特別可変入賞球装置66の開口部82を特定態様で開放状態とするラウンド遊技が行われるようにしてもよい。さらには、始動領域となる第1始動口59や第2始動口60に遊技球が進入したことに基づいて、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」となったか否かに関わりなく、第1特別可変入賞球装置66の開口部82を始動態様で開放状態とする始動動作が行われるようにしてもよい。
あるいは、大当り遊技状態にて行われるラウンド遊技にて、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を摺動させて第1大入賞口となる開口部82を開放状態とするか、第2特別可変入賞球装置の開閉板49により第2大入賞口となる開口部を開放状態とするかを、大当り遊技状態が発生するまでの過程に応じて、異ならせるようにしてもよい。例えば、特図ゲームにおける可変表示結果が特別表示結果としての「大当り」となったことに基づく大当り遊技状態では、最大継続回数に達するまで継続可能となる複数回のラウンド遊技のいずれにおいても、第2特別可変入賞球装置48の開閉板49により第2大入賞口となる開口部を特定態様で開放状態とする制御を行うようにしてもよい。このときには、第2大入賞口となる開口部に遊技球が進入したか否かに関わりなく、最大継続回数に達するまで次のラウンド遊技に移行できるようにしてもよい。あるいは、ラウンド遊技中に第3特定球検出器51や第2カウントスイッチ52が遊技球を検出したことに基づいて、次のラウンド遊技に移行することができるようにしてもよい。これに対して、特図ゲームにおける可変表示結果が特定表示結果としての「小当り」となった後、始動動作で開放状態となった開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が特定領域となる特定進入口89に進入したことに基づく大当り遊技状態では、最大継続回数に達するまで継続可能となる複数回のラウンド遊技のいずれにおいても、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を摺動させて開口部82を特定態様で開放状態とする制御を行うようにしてもよい。このときには、最大継続回数に達するまでの各ラウンド遊技中にて第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が特定進入口89を含めた特定領域に進入したことに基づき、次のラウンド遊技に移行することができればよい。
また、上記実施の形態では、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」となったことに対応して、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を摺動させて開口部82を所定の始動態様で開放状態とする始動動作を行うものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、遊技領域41に設けられた始動領域となる第1始動口59や第2始動口60に遊技球が進入したことに基づいて、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」となったか否かに関わりなく、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を摺動させて開口部82を所定の始動態様で開放状態とする始動動作を行うものであってもよい。この場合には、特別図柄表示装置44bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示そのものを、行わないようにしてもよい。
上記実施の形態では、図26に示すステップS207にて乱数値MR1を示す数値データが大当り判定値データと合致して可変表示結果を特別表示結果としての「大当り」とする旨の判定がなされたことに基づいて、ステップS209にて複数種類の大当り図柄のうちから特別表示結果を決定するものとして説明した。また、図26に示すステップS210にて乱数値MR1を示す数値データが小当り判定値データと合致して可変表示結果を特定表示結果としての「小当り」とする旨の判定がなされたことに基づいて、ステップS212にて複数種類の小当り図柄のうちから特定表示結果を決定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かの判定と、特別表示結果や特定表示結果の決定とが、同時に行われるものであってもよい。具体的な一例として、「第1大当り」や「第2大当り」といった各大当り種別とともに、「第1小当り」〜「第4小当り」といった各小当り種別に対しても、1種類の乱数値(表示結果決定用の乱数値)を割り当てた設定データ(決定用データ)などから構成される表示結果決定テーブルを用意する。そして、図25に示すステップS102の始動入賞処理では、表示結果決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、第1特図保留記憶部160Aや第2特図保留記憶部160Bに記憶させる。この場合、図26のステップS205では、第1特図保留記憶部160Aまたは第2特図保留記憶部160Bから表示結果決定用の乱数値を示す数値データを読み出し、ステップS207〜S212の処理に代えて、表示結果決定テーブルを参照することで、特図ゲームでの可変表示結果を複数種類の大当り図柄と小当り図柄のいずれかに決定することができる。
上記実施の形態では、大当り遊技状態における各ラウンド遊技が終了するときに、図37に示すステップS614にて特定球検出フラグがオンであること、あるいは、ステップS619にて第2大入賞口カウント値が「0」より大きな値であることを条件に、ステップS617、S618の処理を実行して、次のラウンド遊技に移行できるものとして説明した。すなわち、大当り遊技状態では、ラウンド遊技の実行回数に関わりなく、ラウンド遊技にて第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が特定進入口89に進入したこと、あるいは、第2特別可変入賞球装置48の開口部に遊技球が進入したことを条件に、次のラウンド遊技に移行することができる。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば大当り遊技状態における1回目のラウンド遊技では、特定進入口89に遊技球が進入したか否か、あるいは、第2特別可変入賞球装置48の開口部に遊技球が進入したか否かに関わりなく、次のラウンド遊技に移行することができるようにしてもよい。これに対して、大当り遊技状態における2回目以降のラウンド遊技では、特定進入口89に遊技球が進入したこと、あるいは、第2特別可変入賞球装置48の開口部に遊技球が進入したことを条件に、次のラウンド遊技に移行することができるようにしてもよい。このように、大当り遊技状態では、ラウンド遊技の実行回数に応じて、次のラウンド遊技に移行できる条件を異ならせるようにしてもよい。この場合、特定球検出器121あるいは、第3特定球検出器51などによる遊技球の検出は、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数に応じて、無効または有効に切り換えられることになる。
上記実施の形態では、第1エラー判定実行フラグと第2エラー判定実行フラグを設け、図24に示すステップS51にて第1エラー判定実行フラグがオンである場合には、第1エラー判定処理としてステップS52の処理を実行し、ステップS53にて第2エラー判定実行フラグがオンである場合には、第2エラー判定処理としてステップS54の処理を実行するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば特別図柄プロセスフラグの値に基づいて遊技状態が小当り遊技状態や大当り遊技状態となっているか否かを判定し、小当り遊技状態や大当り遊技状態以外の遊技状態であるときには、第1カウントスイッチ106a〜106cや第2カウントスイッチ52によって遊技球が検出されたか否かに対応してエラーの有無を判定するようにしてもよい。この場合、例えば図24のステップS51の処理に代えて、特別図柄プロセスフラグの値が“3”以上となっているか否かを判定する。このとき、特別図柄プロセスフラグの値が“3”未満であれば、ステップS52の処理に進み、第1カウントスイッチ106a〜106cからの検出信号がオン状態となっているか否かの判定を行う。そして、ステップS52にて第1カウントスイッチ106a〜106cからの検出信号がオフ状態であれば、ステップS54の処理に進み、第2カウントスイッチ52からの検出信号がオン状態となっているか否かの判定を行うようにすればよい。
このような処理を実行すれば、例えば第1エラー判定実行フラグや第2エラー判定実行フラグといった、エラー判定処理を実行するための特別なフラグなどを設ける必要がなくなり、遊技制御用マイクロコンピュータ99における記憶データの容量を削減することや、判定処理の負担を軽減することができる。これに対して、上記実施の形態のように第1エラー判定実行フラグや第2エラー判定実行フラグに基づいて第1エラー判定処理や第2エラー判定処理を実行すれば、小当り遊技状態や大当り遊技状態にて第1大入賞口と第2大入賞口のいずれか一方が開放状態に制御される場合でも、閉鎖状態に保持される他方の大入賞口に対応して、第1エラー判定処理と第2エラー判定処理のいずれかが実行されることになる。これにより、第1大入賞口と第2大入賞口のいずれか一方を開放状態としている期間中に、閉鎖状態としている他方の大入賞口に遊技球を進入させることにより賞球を獲得するという不正行為を、確実に防止することができる。
上記実施の形態では、第1大入賞口カウンタと第2大入賞口カウンタを別個に設け、第1カウントスイッチ106a〜106cによって検出された遊技球の個数を第1大入賞口カウンタによりカウントする一方で、第2カウントスイッチ52によって検出された遊技球の個数を第2大入賞口カウンタによりカウントするものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1カウントスイッチ106a〜106cによって検出された遊技球の個数と、第2カウントスイッチ52によって検出された遊技球の個数を、共通の大入賞口カウンタによりカウントするようにしてもよい。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ99における記憶データの容量を削減することができる。
上記実施の形態では、残存球数カウンタにより第1特別可変入賞球装置66の内部に残存している遊技球の個数をカウントするものとして説明した。この残存球数カウンタに代えて、排出球検出器122によって検出された遊技球の個数をカウントする排出球カウンタを設け、第1大入賞口に進入した遊技球の個数との差分が「0」となったか否かにより、第1特別可変入賞球装置66の内部に残存している遊技球の有無を判定するようにしてもよい。この場合、例えば図30に示すステップS503の処理は実行せず、ステップS507にて排出球検出器122からの検出信号がオン状態である場合に、ステップS508の処理に代えて、排出球カウンタにおけるカウント値である排出球カウント値を1加算する。そして、図29に示すステップS253の処理に代えて、第1大入賞口カウント値と排出球カウント値との差分が「0」となったか否かの判定を行う。このとき、差分が「0」であればステップS254の処理に進み、差分が「0」以外であれば、ステップS259の処理に進めばよい。そして、図29に示すステップS256の処理を実行したときや、図37に示すステップS613の処理を実行したときには、排出球カウンタを初期化して排出球カウント値をクリアするとよい。
また、小当り遊技状態では、残存球数カウント値の更新を行う一方で、第1大入賞口カウント値の更新は行わないようにしてもよい。例えば、図28に示すステップS247にて実行される第1大入賞口進入時処理では、図30に示すステップS502の処理を実行しないようにするとともに、図29に示すステップS256の処理も実行しないようにしてもよい。これにより、小当り遊技状態にて遊技制御用マイクロコンピュータ99のCPU112が実行する処理の負担を軽減することができる。
さらに、大当り遊技状態では、第1大入賞口カウント値の更新を行う一方で、残存球数カウント値の更新は行わないようにしてもよい。例えば、図34に示すステップS543にて実行される第1大入賞口進入時処理では、図30に示すステップS503、S507及びS508の処理を実行しないようにしてもよい。これにより、大当り遊技状態にて遊技制御用マイクロコンピュータ99のCPU112が実行する処理の負担を軽減することができる。
あるいは、第1大入賞口カウンタと第2大入賞口カウンタ、残存球数カウンタに代えて、共通の遊技球カウンタを設けるようにしてもよい。この場合、例えば小当り遊技状態であるときに図28に示すステップS247にて実行される第1大入賞口進入時処理では、図30に示すステップS502、S503の処理に代えて、遊技球カウンタにおけるカウント値である遊技球カウント値を1加算する処理が実行される。また、図30に示すステップS508の処理に代えて、遊技球カウンタにおけるカウント値を1減算する処理が実行される。そして、図29に示すステップS253の処理に代えて、遊技球カウント値が「0」であるか否かを判定する処理が実行され、遊技球カウント値が「0」であればステップS254の処理に進み、「0」以外であればステップS270の処理に進む。加えて、図34に示すステップS543にて実行される第1大入賞口進入時処理でも、図30に示すステップS502、S503の処理に代えて、遊技球カウント値を1加算する処理が実行される。このときには、ステップS507、S508の処理を実行しないようにすればよい。そして、図34に示すステップS546の処理に代えて、遊技球カウント値が開放終了判定値に達したか否かを判定する処理が実行され、開放終了判定値に達していなければステップS547の処理に進み、達していればステップS548の処理に進む。さらに、図35に示すステップS572の処理に代えて、遊技球カウント値を1加算する処理が実行されるとともに、ステップS573の処理に代えて、遊技球カウント値が開放終了判定値に達したか否かを判定する処理が実行される。このとき、開放終了判定値に達していなければステップS574の処理に進み、達していればステップS575の処理に進むようにすればよい。このように、第1大入賞口カウンタや第2大入賞口カウンタ、残存球数カウンタといった3つのカウンタに代えて、共通する1つのカウンタを用いることで、遊技制御用マイクロコンピュータ99における記憶データの容量を削減することができるとともに、小当り遊技状態や大当り遊技状態にて遊技制御用マイクロコンピュータ99のCPU112が実行する処理の負担を軽減することができる。
上記実施の形態では、大当り遊技状態において、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81が第1大入賞口となる開口部82を閉鎖状態から開放状態とした後に再び閉鎖状態へと変化させるまでの動作単位や、第2特別可変入賞球装置48の開閉板49が第2大入賞口となる開口部を閉鎖状態から開放状態とした後に再び閉鎖状態へと変化させるまでの動作単位を、1回のラウンド遊技として、図32に示すステップS282にてカウント初期値「1」にセットされたラウンド数カウント値を、図37に示すステップS617の処理が実行されるごとに1ずつ加算するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、小当り遊技状態において第1特別可変入賞球装置66の開閉片81が第1大入賞口となる開口部82を開放状態とする始動動作が実行されることに対応して、ラウンド数カウント値が1加算されるようにしてもよい。例えば、図27に示すステップS227にて小当りフラグがオンである場合には、ラウンド数カウンタにカウント初期値「1」をセットした後、図31に示すステップS521にて特定球検出フラグがオンであることに対応して、ラウンド数カウント値を1加算すればよい。こうして小当り遊技状態となった後に遊技球が特定領域に進入したことに基づいて大当り遊技状態に制御されるときには、図32に示すステップS282の処理は実行しないようにすればよい。そして、小当り遊技状態となった後に大当り遊技状態に制御される場合には、上記実施の形態での大当り遊技状態におけるラウンド遊技の最大継続回数(上限回数)に1加算したものが、実際の制御におけるラウンド遊技の最大継続回数として取り扱われることになる。
このように、小当り遊技状態において始動動作が行われることに対応してラウンド数カウント値が1加算されるために、大当り遊技状態にて継続可能となるラウンド遊技の実行回数は、最大継続回数として決定された回数よりも1回少なくなる。例えば、最大継続回数が「16ラウンド」に決定された場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が「15回」に達したことに対応して、ラウンド数カウント値が「16」となることから、15回目のラウンド遊技が終了したときに、図36に示すステップS595の処理にてラウンド数カウント値がラウンド最大値に達したとの判定がなされ、次のラウンド遊技には移行できずに大当り遊技状態が終了することになる。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、演出表示装置44cの表示領域80における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。