以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、縦長な方形状に枠組み形成される外枠2と、外枠2の一側に開閉自在に軸支されてパチンコ遊技機1の主要構成が集約して設けられる前面枠3とから構成されている。前面枠3の前面上部には、前面扉枠4が開閉自在に設けられ、前面枠3の前面下部には、上皿開閉枠11が開閉自在に設けられている。前面扉枠4や上皿開閉枠11の他にも、前面枠3には、遊技盤40、下皿27、灰皿ユニット29、操作ハンドル30などが設けられている。パチンコ遊技機1の側方には、遊技者に遊技球を貸し出す(球貸しする)ためのカードユニット装置128(図6)が付設されてもよい。
前面扉枠4には、遊技盤40の遊技領域41をほぼ透視できる遊技開口としての円形透視窓5が開設されている。前面扉枠4の前面側には、円形透視窓5の外周に沿って、上部に装飾部材としての上部装飾ユニット22が設けられ、左側方に被覆部材としての左装飾ユニット23が設けられ、右側方に被覆部材としての右装飾ユニット24が設けられ、下部に前面構成部材としての下部装飾ユニット25が設けられている。上部装飾ユニット22の内部には、前面扉枠4の前面側に臨むように、発光部材としての遊技効果LED(Light Emitting Diode)13、14a、14cと遊技効果ランプ14b、14dとが設けられている。左装飾ユニット23の内部には、前面扉枠4の前面側に臨むように、発光部材としての遊技効果ランプ16a、16bが設けられている。右装飾ユニット24の内部には、前面扉枠4の前面側に臨むように、発光部材としての遊技効果ランプ17a、17bが設けられている。遊技効果LED13、14a、14cや遊技効果ランプ14b、14d、16a、16b、17a、17bは、パチンコ遊技機1における遊技状態に応じて点灯または点滅される。
前面扉枠4の前面下部に設けられた上皿開閉枠11には、例えば複数の合成樹脂製部材を組み合わせた皿部材を固着することにより構成された上皿19が形成されている。上皿19の上流側には、賞球払出口20が形成されている。上皿19の下流側には、球抜き操作部21が設けられている。加えて、上皿19の上縁部や外縁部には、パチンコ遊技機1に隣接して設置されたカードユニット装置128を介して遊技球を借り受ける際に操作する球貸操作部や、カードユニット装置128に挿入されたカードの返却を指示する際に操作する返却操作部、カードユニット装置128に挿入されたカードの残高等を表示する残高表示部などが設けられていてもよい。球貸操作部や返却操作部、残高表示部は、残高表示基板104(図6)に実装されていればよい。上皿19には、賞球払出口20から払い出された遊技球が貯留される。上皿19に貯留された遊技球は、遊技領域41内への発射位置に供給される。また、球抜き操作部21が押圧操作された場合には、上皿19に貯留された遊技球が、所定の球抜き通路や球抜き穴を通じて下皿27に誘導される。上皿19の右側方には、シリンダー錠26が臨んでいる。
前面枠3の下部に設けられた下皿27には、上皿19から溢れた余剰球が貯留される。下皿27の下方には、球抜き操作レバー28がスライド可能に取り付けられている。下皿27の左側には灰皿ユニット29が設けられ、下皿27の右側には操作ハンドル30が設けられている。操作ハンドル30は、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調節するものである。操作ハンドル30には、打球発射装置130(図6)が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられている。
前面扉枠4における上部装飾ユニット22の左右には、遊技の進行に応じた効果音(音声を含む)などを発生するスピーカ12a、12bが設けられている。左装飾ユニット23の上部右側方には、賞球LED10が前面扉枠4の前面から視認可能に設けられ、右装飾ユニット24の上部左側方には、球切れLED9が前面扉枠4の前面から視認可能に設けられている。賞球LED10及び球切れLED9は、パチンコ遊技機1にて行われる遊技演出とは別に遊技に関する情報を報知するために発光する遊技関連情報発光部材であり、入賞球の発生に基づいて所定個数の賞球が払い出されたことを賞球LED10により報知し、払い出すべき賞球が不足したことを球切れLED9により報知する。また、下部装飾ユニット25の側方には、遊技盤40に貼付される証紙を視認するための透視窓18が設けられている。
遊技盤40は、ほぼ正方形状の合板により形成され、前面枠3の裏面側に一体的に形成された遊技盤収納枠部に収容固定される。遊技盤40の表面には、ステンレス鋼板を円弧状に形成した誘導レール42a、42bが取り付けられている。そして、打球発射装置130から発射された遊技球は、誘導レール42a、42bにより形成される円形状の遊技領域41内に導かれるように打ち込まれる。
遊技領域41には、第1特別可変入賞球装置66、第2特別可変入賞球装置47、普通可変入賞球装置61、普通図柄表示装置63などが設けられている。その他にも、遊技領域41には、例えば通常入賞口53a〜53cといった、遊技球を入賞させる各種の入賞口、あるいは、例えば通過ゲート58といった、遊技球を通過させる通過領域、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、遊技領域41の最下方には、いずれの入賞領域にも入賞しない遊技球が取り込まれるアウト口69が設けられている。
第1特別可変入賞球装置66の左側方には、普通可変入賞球装置61が設けられている。図2(A)及び(B)は、図1に示すα−β間における普通可変入賞球装置61の断面図であり、普通可変入賞球装置61の内部構造を拡大して示している。普通可変入賞球装置61は、遊技領域41にて遊技球が進入可能な通路に設けられ、始動領域56、始動口スイッチ60、板状の可変誘導部材61aを含んで形成されている。可変誘導部材61aは、普通電動役物用ソレノイド59の駆動力によって進出と退避とが切り替わり、進出したときには遊技球を始動領域56へと誘導可能にする。例えば、普通電動役物用ソレノイド59が駆動されず可変誘導部材61aがパチンコ遊技機1の奥行き方向における奥側に退避しているときには、図2(A)に示すように、普通可変入賞球装置61に進入した遊技球を始動領域56に誘導することが困難(不可能)になり、始動領域56に進入しなかった遊技球は、遊技領域41へと戻るように誘導される。これに対して、普通電動役物用ソレノイド59が駆動されて可変誘導部材61aがパチンコ遊技機1の奥行き方向における手前側に進出しているときには、図2(B)に示すように、普通可変入賞球装置61に進入した遊技球を始動領域56に誘導することが容易(可能)になる。始動領域56に進入した遊技球は、始動口スイッチ60によって検出される。
第2特別可変入賞球装置47の左側方には、普通図柄始動記憶LED64が設けられている。例えば、普通図柄始動記憶LED64は、4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート58を通過した有効通過球数としての保留記憶数(普図保留記憶数)を表示する。第1特別可変入賞球装置66の下方には、ゲートスイッチ58aを内蔵する通過ゲート58が設けられている。第2特別可変入賞球装置47の右側方には、普通図柄表示装置63が設けられている。
普通図柄表示装置63は、普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。普通図柄表示装置63には、例えば2個のLEDが設けられ、通過ゲート58を通過した遊技球がゲートスイッチ58aによって検出されたことを開始条件とする可変表示ゲームとしての普図ゲームにおいて、点灯、点滅、発色などが制御される。具体的な一例として、普通図柄表示装置63は、普図ゲームにおいて、上下2カ所で「○」と「×」を交互に点灯させることにより普通図柄を変動させ、所定時間が経過した後に上下2カ所でそれぞれ「○」と「×」のいずれか一方を点灯させることにより表示結果を導出する。このとき、「×」が点灯した場合には、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果として「普図ハズレ」が導出されたことになる。これに対して、「○」が点灯した場合には、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果として「普図当り」が導出されたことになる。普通図柄表示装置63による普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となった場合には、普通可変入賞球装置61にて普通電動役物用ソレノイド59の駆動力によって可変誘導部材61aが進出することで、普通可変入賞球装置61に進入した遊技球が始動領域56に進入可能となり、所定時間が経過すると普通電動役物用ソレノイド59の駆動が停止されて可変誘導部材61aが退避することで、普通可変入賞球装置61に進入した遊技球が始動領域56に進入することはできなくなる。
第1特別可変入賞球装置66には、特別図柄表示装置44aや各種装飾LED・ランプ32などが設けられている。特別図柄表示装置44aは、特別図柄(「特図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。特別図柄表示装置44aには、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED等が設けられ、可変表示ゲームとしての特図ゲームにおいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報である特別図柄を変動可能に表示(可変表示)する。特別図柄表示装置44aにより可変表示される特別図柄は、普通図柄表示装置63により可変表示される普通図柄とは異なる表示図柄である。一例として、特別図柄表示装置44aは、「00」〜「99」を示す数字や「−−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。特図ゲームでは、普通可変入賞球装置61に形成された始動領域56に進入した遊技球が始動口スイッチ60により検出されたことに基づいて、特別図柄表示装置44aによる特別図柄の可変表示が開始される。この実施の形態では、特別図柄表示装置44aが「左」及び「右」の特別図柄可変表示部を備え、各特別図柄可変表示部において、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される特別図柄の可変表示を行う。各特別図柄可変表示部において可変表示される複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。例えば、「0」〜「9」を示す数値のそれぞれに対して、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号に対して、「10」の図柄番号が付されている。
図3(A)及び図5は、第1特別可変入賞球装置66を拡大して示す斜視図である。第1特別可変入賞球装置66の左方には、開閉片(開閉部材)81と、大入賞口(第1大入賞口)となる開口部82とが設けられている。開閉片81は、開口部82を第1の状態である開放状態と第2の状態である閉鎖状態とで変化させるように、回動可能に軸支され、所定のリンク機構などを介して開閉片用ソレノイド105と連結されている。開口部82は、第1特別可変入賞球装置66の内部と外部とを連通させ、開閉片81が開放状態であるときに、遊技球を第1特別可変入賞球装置66の内部に進入させることができる。
開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球は、第1カウントスイッチ106によって検出される。第1カウントスイッチ106を通過した遊技球は、進入球誘導通路110により誘導される。進入球誘導通路110の下流側には、振分部材83が設けられている。振分部材83は、所定のリンク機構などを介して振分用ソレノイド108と連結され、進入球誘導通路110により誘導された遊技球の経路を振り分ける。
例えば、振分用ソレノイド108の駆動が停止されているときには、振分部材83がパチンコ遊技機1の奥行き方向における手前側に移動する。このとき、進入球誘導通路110により誘導されてきた遊技球は、第1誘導通路124を通じて第1領域85に振り分けられる。他方、振分用ソレノイド108が駆動されたときには、振分部材83がパチンコ遊技機1の奥行き方向における奥側に移動する。このとき、進入球誘導通路110により誘導されてきた遊技球は、第2誘導通路117を通じて第2領域88に振り分けられる。第2誘導通路117を通過する遊技球は、進入球検出器109によって検出される。このように、振分部材83は、第1領域85に遊技球を振り分ける第1の振分状態と、第2領域88に遊技球を振り分ける第2の振分状態とに変化する。
第1領域85には、遊技球が転動する転動板上にて遊技球の転道方向を変化させる部材が設けられている。この転動板上をパチンコ遊技機1の奥行き方向における手前側に転動した遊技球は、転動板上から落下して、第1特定進入口89、第1通常入賞口94a、94bのいずれかに進入する。例えば、第1領域85に振り分けられた遊技球は、1/10の確率で特定領域としての第1特定進入口89に進入する。
図3(B)及び(C)は、第1特定進入口89、第1通常入賞口94a、94bの付近における第1領域85を拡大して示す図である。図3(B)及び(C)に示すように、第1特定進入口89の上部には、遊技球を貯留するための貯留板118bが進退可能に設けられている。貯留板118bは、貯留駆動部材118aといった所定のリンク機構などを介して貯留用ソレノイド118に連結されている。
例えば、貯留用ソレノイド118が駆動されたときには、図3(B)に示すように、パチンコ遊技機1の奥行き方向における手前側に貯留板118bが移動(進出)して貯留状態となる。このとき、転動板上から第1特定進入口89へと落下した遊技球は、貯留板118bによって貯留される。他方、貯留用ソレノイド118の駆動が停止されているときには、図2(C)に示すように、パチンコ遊技機1の奥行き方向における奥側に貯留板118bが移動(退避)して貯留解除状態となる。このとき、転動板上から第1特定進入口89へと落下した遊技球は、第1特定進入口89に進入する。このように、貯留板118bは、貯留状態と、貯留解除状態とに変化する。
第1特定進入口89に進入した遊技球は、第1特定球検出器121aによって検出される。第1特定球検出器121aを通過した遊技球は、排出誘導領域123を通じて第1特別可変入賞球装置66の外部へと誘導される。第1通常入賞口94a、94bに進入した遊技球は、第1特定球検出器121aによって検出されずに、排出誘導領域123を通じて第1特別可変入賞球装置66の外部へと誘導される。
第2領域88には、回動可能に形成された回転体79が設けられている。図4は、第2領域88を拡大して示す図である。回転体79は、モータ127(図6)の駆動力により、順方向または逆方向のいずれかに回転方向を切換可能として回転することができる。第2誘導通路117を通じて第2領域88に誘導された遊技球は、例えば図4に示す矢印A11、A12のように回転体79の周囲を円運動するように転動することができる。回転体79には、遊技球が進入可能な可動進入口79aが形成されている。そして、回転体79の周囲に形成された転動板上には、例えば矢印A15で示す位置にて可動進入口79aに遊技球が進入しやすくなるように、リブや溝などが形成されていればよい。
可動進入口79aに進入した遊技球は、例えば可動進入口79aの内部に保持されたまま、回転体79の下部に設けられた底板上を回転体79の回転に伴って転動した後に、第2特定進入口91、第2通常入賞口94cのいずれかに振り分けられる。例えば、第2領域88に誘導された遊技球は、1/2の確率で特定領域としての第2特定進入口91に振り分けられる。ここで、遊技球は矢印A15で示す位置にて可動進入口79aに進入しやすくなっていることから、回転体79が順方向に回動しているときには、逆方向に回動しているときに比べて高い確率で、遊技球が第2特定進入口91に進入する。例えば、第2領域88に誘導された遊技球は、回転体79が順方向に回動しているときに3/4の確率で第2特定進入口91に進入する一方で、回転体79が逆方向に回動しているときには1/4の確率で第2特定進入口91に進入する。
第2特定進入口91に進入した遊技球は、第2特定球検出器121bによって検出される。第2特定球検出器121bを通過した遊技球は、排出誘導領域123を通じて第1特別可変入賞球装置66の外部へと誘導される。第2通常入賞口94cに進入した遊技球は、第2特定球検出器121bによって検出されずに、排出誘導領域123を通じて第1特別可変入賞球装置66の外部へと誘導される。図5に示すように、排出誘導領域123により誘導される遊技球は、すべて排出球検出器122によって検出された後に、第1特別可変入賞球装置66の外部に排出される。
第1特別可変入賞球装置66の内部において、第2誘導通路117の右上方には、演出表示装置44bが設けられている。演出表示装置44bは、例えば液晶表示器(LCD;Liquid Crystal Display)といった、多数の画素(ピクセル)を用いたドットマトリクス方式による画面表示を行うものであればよい。演出表示装置44bには、演出画像を表示する表示領域80が形成されている。表示領域80では、普通図柄表示装置63による普図ゲームにおける普通図柄の可変表示に対応して、例えば3つに分割された飾り図柄可変表示部にて、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄を可変表示する。この飾り図柄の可変表示も、開始条件が成立したことに基づいて行われる可変表示ゲームに含まれる。
例えば、表示領域80には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄可変表示部が配置され、普通図柄表示装置63により普図ゲームが実行されることに対応して、各飾り図柄可変表示部にて飾り図柄が可変表示される。すなわち、普通図柄表示装置63における普通図柄の可変表示が開始されるときには、表示領域80における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部にて飾り図柄の可変表示(例えば切換表示やスクロール表示)を開始させ、その後、普通図柄表示装置63による普図ゲームにおける可変表示結果として確定普通図柄が停止表示されるときに、表示領域80における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部にて飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が停止表示(導出表示)される。また、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部は、表示領域80内で移動可能とされ、飾り図柄を縮小あるいは拡大して表示することができるようにしてもよい。
表示領域80における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部では、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字「一」〜「八」、英文字「A」〜「H」、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなど。なお、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す演出画像であればよい)が、飾り図柄として変動可能に表示される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字のそれぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されていればよい。
演出表示装置44bの表示領域80において飾り図柄の可変表示が開始されると、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部では、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと切換表示やスクロール表示が行われ、図柄番号が最大の「8」である飾り図柄が表示されると、次に図柄番号が最小の「1」である飾り図柄が表示される。あるいは、図柄番号が大きいものから小さいものへと切換表示やスクロール表示を行って、図柄番号が最小の「1」である飾り図柄が表示されると、次に図柄番号が最大の「8」である飾り図柄が表示されてもよい。飾り図柄の可変表示中には、例えば可変表示結果が「当り」となることを予告する当り予告演出画像といった、各種の演出表示を行うための画像が、表示領域80において表示されるようにしてもよい。 また、演出表示装置44bの表示領域80には、通過ゲート58を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する普通図柄始動記憶表示エリアが設けられていてもよい。具体的な一例として、普図保留記憶数が1加算されたときには、通常青色であった表示部位のうちの1つ(例えば青色となっている表示部位のうち左端の表示部位)を赤色表示に変化させる。これに対して、普図保留記憶数が1減算されたときには、赤色表示されている表示部位のうちの1つ(例えば赤色となっている表示部位のうち右端の表示部位)を青色表示に戻す。あるいは、普通図柄始動記憶表示エリアでは、普図保留記憶数を示す数字を表示することなどにより、普図保留記憶数を遊技者等が認識できるようにしてもよい。
加えて、演出表示装置44bの表示領域80には、普通図柄表示装置63により実行される普図ゲームにて可変表示される普通図柄を、飾り図柄とは別個に特定可能として表示する普通図柄可変表示エリアが設けられていてもよい。具体的な一例として、普通図柄表示装置63による普図ゲームにて普通図柄の可変表示が開始されたことに対応して、普通図柄可変表示エリアにて普通図柄の可変表示に対応した「○」や「×」などを示す演出画像の変動が開始される。その後、特図ゲームにおける普通図柄の可変表示が終了して確定普通図柄が停止表示されることに対応して、普通図柄可変表示エリアにて確定普通図柄を示す「○」あるいは「×」などの演出画像の停止表示を行うようにすればよい。
第1特別可変入賞球装置66の上端から右側端にわたる部分には、演出表示装置44bの設置位置に遊技球が進入することを防止する規制フランジ部75が延設されている。規制フランジ部75と遊技領域41の右上端から右側端を区画形成する誘導レール42aとの間には、誘導通路76が形成されている。遊技領域41の右上部分には、例えばゴム等を用いて構成された緩衝部材70が設けられている。
通過ゲート58の下方には、第2特別可変入賞球装置47が設けられている。第2特別可変入賞球装置47は、第2大入賞口扉用ソレノイド65によって開閉駆動される開閉板49を有し、その開閉板49によって、大入賞口(第2大入賞口)となる開口部48を、第1の状態となる開放状態と第2の状態となる閉鎖状態とで変化させる。開放状態となった開口部48から第2特別可変入賞球装置47の内部に進入した遊技球は、第2カウントスイッチ52によって検出される。また、第2特別可変入賞球装置47の内部には、遊技球の検出(V入賞検出)に伴って大当りの継続権を成立させるための検出器である第3特定球検出器51が設けられている。第3特定球検出器51の上部には、一旦V入賞検出があると次に開口部48を閉鎖状態としてから開放状態とするまでは遊技球が第3特定球検出器51を通過しないようにするVシャッターが設けられている。Vシャッターは、所定のリンク機構などを介してVシャッター用ソレノイド50と連結されている。
第1特別可変入賞球装置66の左下方には、通常入賞球検出器55aを内蔵した通常入賞口53aが設けられている。また、通過ゲート58及び第2可変入賞球装置47の左側には、通常入賞球検出器55bを内蔵した通常入賞口53bが設けられている。通過ゲート58及び第2特別可変入賞球装置47の右側には、通常入賞球検出器55cを内蔵した通常入賞口53cが設けられている。通常入賞球検出器55a〜55cのいずれかにより遊技球が検出された場合には、所定個数の賞球が払い出される。
普通図柄表示装置63による普図ゲームにて、普通図柄の可変表示を行った表示結果となる確定普通図柄として、例えば「普図当り」に対応する「○」を示す普通図柄が導出された場合には、普通可変入賞球装置61において、図2(B)に示すように、可変誘導部材61aがパチンコ遊技機1における奥行き方向の手前側に進出することで始動領域56に遊技球が進入可能となり、その後に所定時間が経過すると可変誘導部材61aが退避することで始動領域56に遊技球が進入することは困難になる。
演出表示装置44bの表示領域80では、普通図柄表示装置63による普図ゲームにて普通図柄の可変表示が行われることに対応して、飾り図柄の可変表示が行われる。普図ゲームでの確定普通図柄が「○」となる場合には、飾り図柄の可変表示結果として、例えば「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて所定の当り組合せを構成する確定飾り図柄が停止表示される。このような当り組合せの確定飾り図柄には、第1表示結果として、例えば「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて同一の飾り図柄が揃って導出表示されるものや、第2表示結果として、第1表示結果とは異なる所定の飾り図柄の組合せが導出表示されるものが含まれている。普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となったことに対応して、演出表示装置44bの表示領域80には、普図当り発生時用の演出画像が表示されるようにしてもよい。
特別図柄表示装置44aによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後に所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。なお、特図ゲームでは、確定特別図柄として、大当り図柄及び小当り図柄以外の特別図柄(ハズレ図柄)が停止表示されてもよいし、大当り図柄及び小当り図柄のいずれかのみが停止表示されてもよい。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になると、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になると、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、具体的な一例として、「77」を示す特別図柄を大当り図柄とし、「22」、「44」、「66」、「88」を示す特別図柄を小当り図柄としている。
演出表示装置44bの表示領域80では、特別図柄表示装置44aによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が行われることに対応して、所定の演出画像が表示されてもよい。その後、特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」となったか「小当り」となったかに対応して、互いに異なる演出画像が表示されるようにしてもよい。大当り遊技状態では、大当り中用の演出画像が表示される。大当り遊技状態が終了するときには、大当り終了時用の演出画像が表示される。小当り遊技状態では、小当り中用の演出画像が表示される。小当り遊技状態を終了するときには、小当り終了時用の演出画像が表示される。さらに、小当り遊技状態にて進入球検出器109によって遊技球が検出されたときには、遊技球が第2領域88へと誘導されたことを報知する演出画像が表示されるようにしてもよい。
特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄となったことに基づく小当り遊技状態では、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81を回動させて、開口部82を所定の始動態様で閉鎖状態から開放状態に変化させ、所定時間が経過した後に閉鎖状態に戻す。このような小当り遊技状態で行われる開口部82の開閉動作を始動動作という。例えば、小当り遊技状態では、開口部82を開閉する始動動作が、1回、あるいは3回といった複数回行われ、各始動動作において、第1特別可変入賞球装置66を遊技者にとって有利な第1の状態としての開放状態に変化させる。このように、始動動作は、始動領域56に進入した遊技球が始動口スイッチ60によって検出されたことに基づき、特別図柄表示装置44aによる特図ゲームの可変表示結果が「小当り」となったことに応じて、第1特別可変入賞球装置66の開口部82を、遊技者にとって不利な第2の状態である閉鎖状態から遊技者にとって有利な第1の状態である開放状態とした後に再び第2の状態である閉鎖状態へと変化させる。
始動動作にて開放状態となった開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が特定領域としての第1特定進入口89と第2特定進入口91のいずれかに進入した場合には、大当り遊技状態となる。ここで、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が振分部材83によって第1領域85に振り分けられた場合には、1/10の確率で第1特定進入口89に進入して第1特定球検出器121aによって検出される。これに対して、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が振分部材83によって第2領域88に振り分けられた場合、回転体79が順方向に回動しているときには3/4の確率で第2特定進入口91に進入して第2特定球検出器121bによって検出され、回転体79が逆方向に回動しているときでも1/4の確率で第2特定進入口91に進入して第2特定球検出器121bによって検出される。この点において、第1領域85に比べて、第2領域88の方が、小当り遊技状態となった後に大当り遊技状態となる確率が高く、遊技者にとって有利な領域である。また、振分部材83の振分状態は、第1領域85に遊技球を振り分ける第1の振分状態に比べて、第2領域88に遊技球を振り分ける第2の振分状態の方が、遊技者にとって有利な状態となる。
このように、特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄となった場合には、始動動作にて開放状態となった開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第1特定球検出器121aや第2特定球検出器121bによって検出されたことに対応して、大当り遊技状態とする制御が行われる。他方、特図ゲームでの確定特別図柄が大当り図柄となった場合には、特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に遊技球が進入したか否かに関わりなく、大当り遊技状態とする制御が行われる。この場合、第1特別可変入賞球装置66に設けられた開口部82を開放することなく、第2特別可変入賞球装置47に設けられた開口部48を開放する動作が開始されることになる。
大当り遊技状態では、ラウンド遊技として予め定められた動作単位の遊技が実行可能となり、第2特別可変入賞球装置47が第2の状態としての閉鎖状態から第1の状態としての開放状態となる。この実施の形態では、一例として、第2特別可変入賞球装置47の開閉板49が、第2特別可変入賞球装置47における第2大入賞口となる開口部48を閉鎖状態から開放状態へと変化させることにより、第2特別可変入賞球装置47を第2の状態から第1の状態とした後、所定時間(例えば29秒)が経過したこと、あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生したことに応じて、開口部48を開放状態から閉鎖状態へと変化させることにより、第2特別可変入賞球装置47を第1の状態から第2の状態とするまでの動作単位が、1回のラウンド遊技として定められている。
特図ゲームでの確定特別図柄が大当り図柄となったことに基づく大当り遊技状態では、ラウンド遊技を繰り返し実行可能(継続可能)な最大継続回数(ラウンド最大値)が、「15」に設定される。最大継続回数に達した最終のラウンド遊技以外の各ラウンド遊技の終了後には、次のラウンド遊技が実行可能となる。このときには、第2カウントスイッチ52や第3特定球検出器51によって遊技球が検出されたことを、次のラウンド遊技が実行可能となるための条件(ラウンド継続条件)としてもよい。
特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄となったことに基づく始動動作にて第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が、第2特定進入口91に進入して第2特定球検出器121bによって検出されたことにより制御される大当り遊技状態でも、ラウンド遊技の最大継続回数が「15」に設定される。他方、始動動作にて第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が、第1特定進入口89に進入して第1特定球検出器121aによって検出されたことにより制御される大当り遊技状態では、ラウンド遊技の最大継続回数が「1」、「3」、「5」のいずれかに設定される。この点において、第1領域85に比べて、第2領域88の方が、遊技者にとって有利な領域である。また、振分部材83の振分状態は、第1領域85に遊技球を振り分ける第1の振分状態に比べて、第2領域88に遊技球を振り分ける第2の振分状態の方が、遊技者にとって有利な状態となる。
大当り遊技状態が終了した後には、通常遊技状態や大当り遊技状態とは異なり、通常遊技状態に比べて遊技者にとって有利な特別遊技状態(有利状態)に制御される。この特別遊技状態では、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率が、通常遊技状態よりも向上する。なお、通常遊技状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や特別遊技状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御されている。この実施の形態では、特別遊技状態となった後に、大当り遊技状態に制御されることなく、所定回数(例えば10回)の普図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態が終了する。
また、特別遊技状態では、普通図柄表示装置63による普図ゲームにて普通図柄の変動が開始されてから確定普通図柄が停止表示されるまでの時間である普通図柄の可変表示時間が短くなることや、普通可変入賞球装置61において可変誘導部材61aが進出して始動領域56に遊技球が誘導される時間が長くなることがある。
パチンコ遊技機1には、例えば磁石センサや電波センサ、振動センサといった、不正行為や不正動作を感知する各種のセンサが、所定位置に設けられてもよい。一例として、遊技領域41の内部における所定位置に対応した遊技盤40の裏面には、磁石センサや電波センサが設けられ、磁石や電波を用いた不正行為を感知できるようにしてもよい。磁石センサは、例えば第1特別可変入賞球装置66に設けられた特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に磁力で遊技球を誘導すること、あるいは、普通可変入賞球装置61に設けられた始動領域56に磁力で遊技球を誘導することといった、不正行為に用いられる磁石を検出する。電波センサは、例えば始動口スイッチ60や第1特定球検出器121a、第2特定球検出器121bなどの各種スイッチや検出器から出力される検出信号を電波によりオン状態とすることといった、不正行為に用いられる電波を検出する。また、前面枠3や前面扉枠4の裏面における所定位置には、振動センサが設けられ、パチンコ遊技機1を振動させることによる不正行為を感知できるようにしてもよい。振動センサは、例えば第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が進入したときに前面枠3や前面扉枠4を叩いて遊技球の動きに変化を与えて特定領域となる第1特定進入口89や第2特定入賞口91に進入させるといった、不正行為により生じる振動を検出する。
加えて、開閉片81や開閉板49の開放位置、可変誘導部材61aの進出位置などには、動作監視用のセンサが設けられていてもよい。一例として、開閉片81における動作監視用のセンサは、開閉片81により第1大入賞口としての開口部82が開放状態となっているか閉鎖状態となっているかを検出可能とする。そして、開閉片用ソレノイド105の駆動が停止されているにもかかわらず、開閉片81が開放位置にあることが検出された場合には、第1大入賞口となる開口部82が不正に開放状態とされたものとして、エラー判定を行うことができるようにすればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図6に示すような主基板120や演出制御基板90、音声枠ランプ基板92、ランプドライバ基板93、電源基板97、払出制御基板98、残高表示基板104といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、周辺電源中継基板147、周辺コマンド中継基板57、図柄中継基板84及びスイッチ中継基板95といった中継基板、特別図柄基板850、普通図柄基板86及び普通図柄記憶基板87なども搭載されている。
主基板120には、遊技盤40に設けられた各検出器51、55a〜55c、109、121a、121b、122や各スイッチ52、58a、l06からの信号が、スイッチ中継基板95を介して入力される。また、主基板120には、始動口スイッチ60からの信号も入力される。主基板120には、乱数発生回路60aが接続されており、始動口スイッチ60からの検出信号がオン状態になると、その時点におけるカウント値が主基板120に入力される。
主基板120からは、遊技盤40に設けられた各ソレノイド50、59、65、105、108、118及びモータ127を駆動制御するための駆動制御信号が出力され、スイッチ中継基板95によって各部位へと中継される。また、主基板120からは、遊技状態に応じた電飾信号及び効果音信号等の情報信号が出力され、周辺コマンド中継基板57や演出制御基板90を介して音声枠ランプ基板92へと伝送される。さらに、主基板120からは、演出表示装置44bの表示状態を制御するための演出制御コマンドが出力され、周辺コマンド中継基板57を介して演出制御基板90へと伝送される。加えて、主基板120からは、特別図柄表示装置44a等の表示状態を制御するための表示制御信号が出力され、図柄中継基板84を介して特別図柄基板850や普通図柄基板86、普通図柄記憶基板87などへと伝送される。主基板120には盤用外部端子板96が接続され、各種の遊技情報が伝送される。
主基板120には、周辺コマンド中継基板57及び演出制御基板90や音声枠ランプ基板92及びランプドライバ基板93を介して、各種装飾LED・ランプ32が接続されている。遊技効果LED13、14a、14c、遊技効果ランプ14b、14d、16a、16b、17a、17bは、それぞれプリント配線基板等に実装され、スピーカ12a、12bとともに、周辺コマンド中継基板57及び演出制御基板90や音声枠ランプ基板92を介して、主基板120に接続されている。周辺コマンド中継基板57は、主基板120から演出制御基板90へと出力される情報信号を中継する。
主基板120には、電源基板97からの電力が供給され、各種遊技効果LED・ランプ13、14a〜14d、16a、16b、17a、17b、各種装飾LED・ランプ32及びスピーカ12a、12b等を駆動させるための電力を、周辺電源中継基板147を介して音声枠ランプ基板92に供給する。電源基板97は、一次電源となるAC24Vの交流電源を、電源コードを介して受け、二次電源としての電力を、主基板120と払出制御基板98とに供給する。電源基板97には、パチンコ遊技機1における全ての動作をクリアするためのクリアスイッチ97aも搭載されている。周辺電源中継基板147は、主基板120からの電力を音声枠ランプ基板92へと中継する。また、主基板120からは、各検出器51、55a〜55cや各スイッチ52、60、106からの検出信号に基づいて賞球個数信号が出力され、払出制御基板98へと伝送される。
主基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ99が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ99は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)100と、ワークメモリとして使用されるRAM(Random Access Memory)111と、プログラムに従って遊技の進行を制御するCPU(Central Processing Unit)112と、演出制御基板90等に制御信号となるコマンドを送信するI/O114とを含んでいる。遊技制御用マイクロコンピュータ99では、CPU112がROM100から読み出したプログラムを実行し、RAM111をワークエリアとして用いることで、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。
主基板120では、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために、各種の乱数値が用いられる。図7は、主基板120の側において用いられる乱数値の一例を示す説明図である。図7に示すように、この実施の形態では、主基板120の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1や普図表示結果判定用の乱数値MR2、ラウンド数決定用の乱数値MR3が用いられ、これらの乱数値を示す数値データがカウント可能となる制御や処理が行われる。なお、遊技効果を高めるために、主基板120の側でこれら以外の乱数値が用いられてもよい。これらの乱数値MR1〜MR3の全部または一部を示す数値データを示す数値データは、乱数発生回路60aから入力されるカウント値に基づいて生成される。また、乱数値MR1〜MR3の一部を示す数値データは、CPU112が乱数発生回路60aとは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよい。
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける可変表示結果を、「大当り」とするか「小当り」とするかなどの判定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「65535」の範囲の値をとる。すなわち、特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける可変表示結果に基づきパチンコ遊技機1が大当り遊技状態となるか小当り遊技状態となるかなどの判定を行うために用いられる。具体的な一例として、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データは、乱数発生回路60aにより、遊技制御用マイクロコンピュータ99のクロック制御とは異なるクロック制御に基づいて加算更新される2バイトの数値データである。乱数発生回路60aでは、始動口スイッチ60からの入力信号がオン状態となったときに、内蔵カウンタにおけるカウント値が記憶バッファにラッチされ、このラッチされたカウント値が乱数値MR1を示す数値データとして主基板120の遊技制御用マイクロコンピュータ99に入力される。遊技制御用マイクロコンピュータ99では、乱数値MR1が所定の範囲内にあるか否かを、例えばCPU112によって判定することにより、可変表示結果を「大当り」とするか否かの判定や、「小当り」とするか否かの判定が行われる。 普図表示結果判定用の乱数値MR2は、普図ゲームにおける可変表示結果を、「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの判定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「149」の範囲の値をとる。すなわち、普図表示結果判定用の乱数値MR2は、普図ゲームにおける可変表示結果に基づき普通可変入賞球装置61にて始動領域56へと遊技球を誘導するか否かなどの判定を行うために用いられる。
ラウンド数決定用の乱数値MR3は、始動動作にて開閉片81により開放状態とされた開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第1特定進入口89に進入した場合に、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技が継続可能となる最大継続回数(上限回数)を、複数種類のうちから決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「199」の範囲の値をとる。
図6に示す遊技制御用マイクロコンピュータ99が備えるROM100には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のテーブルデータなどが記憶されている。例えば、ROM100には、CPU112が各種の判定や決定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM100には、CPU112が主基板120から各種の制御信号を出力させるために用いられる複数の制御パターンテーブルを構成するテーブルデータや、特別図柄や普通図柄、飾り図柄などの可変表示における各図柄の変動態様となる変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルなどが記憶されている。
ROM100が記憶する判定テーブルには、例えば図8に示す特図表示結果判定テーブル200や、図9(A)に示す通常時普図表示結果判定テーブル210A、図9(B)に示す有利時普図表示結果判定テーブル210Bなどが含まれている。
図8に示す特図表示結果判定テーブル200は、特図ゲームにおける可変表示結果を「大当り」とするか「小当り」とするかなどを判定するために参照されるテーブルである。例えば、特図表示結果判定テーブル200は、特図表示結果判定用の乱数値MR1を、表示結果種別や確定特別図柄、ラウンド制御パターンなどに対応付ける(割り当てる)設定データ(判定用データ)から構成されている。この特図表示結果判定テーブル200を参照することにより、表示結果種別が「大当り」である場合には確定特別図柄が大当り図柄としての「77」に決定される。また、特図ゲームにおける可変表示結果を「小当り」とする表示結果種別には、「第1小当り」から「第4小当り」といった複数種類の小当り種別が含まれており、各小当り種別に対応して、互いに異なる確定特別図柄が定められていればよい。具体的な一例として、表示結果種別が「第1小当り」である場合には確定特別図柄が小当り図柄に含まれる「22」に決定され、表示結果種別が「第2小当り」である場合には確定特別図柄が小当り図柄に含まれる「44」に決定され、表示結果種別が「第3小当り」である場合には確定特別図柄が小当り図柄に含まれる「66」に決定され、表示結果種別が「第4小当り」である場合には確定特別図柄が小当り図柄に含まれる「88」に決定される。
図9(A)に示す通常時普図表示結果判定テーブル210Aや図9(B)に示す有利時普図表示結果判定テーブル210Bは、普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどを判定するために参照されるテーブルである。例えば、通常時普図表示結果判定テーブル210Aと有利時普図表示結果判定テーブル210Bはそれぞれ、普図表示結果判定用の乱数値MR2を、表示結果種別や普電作動パターンなどに対応付ける(割り当てる)設定データ(判定用データ)から構成されている。普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とする表示結果種別には、「第1普図当り」と「第2普図当り」といった複数種類の普図当り種別が含まれている。
普図ゲームの開始条件が成立したことに基づき普通図柄の変動が開始されることに対応して、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるときには、図9(A)に示す通常時普図表示結果判定テーブル210Aが参照される一方で、パチンコ遊技機1における遊技状態が特別遊技状態であるときには、図9(B)に示す有利時普図表示結果判定テーブル210Bが参照される。図9(A)に示す通常時普図表示結果判定テーブル210Aと図9(B)に示す有利時普図表示結果判定テーブル210Bとでは、表示結果種別を「第1普図当り」と「第2普図当り」のそれぞれに対する普図表示結果判定用の乱数値MR2の割り当てが異なっている。そのため、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるときと特別遊技状態であるときとでは、表示結果種別が「第1普図当り」と「第2普図当り」のそれぞれに決定される割合が異なる。また、図9(A)に示す通常時普図表示結果判定テーブル210Aと図9(B)に示す有利時普図表示結果判定テーブル210Bとでは、「第1普図当り」と「第2普図当り」のそれぞれに対応付けられた普電作動パターンが異なっている。そのため、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるときと特別遊技状態であるときとでは、表示結果種別が「第1普図当り」と「第2普図当り」のいずれが決定されたかに応じて、普通可変入賞球装置61にて普通電動役物用ソレノイド59を駆動して可変誘導部材61aを進出させることにより遊技球を始動領域56へと誘導する期間を、異ならせることができる。
ROM100が記憶する決定テーブルには、例えば図10に示す特図変動パターン決定テーブル220や、図11に示す普図変動パターン決定テーブル221、図12に示すラウンド数決定テーブル230などが含まれていればよい。
図10に示す特図変動パターン決定テーブル220は、特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されてから確定特別図柄が停止表示されるまでの変動パターン(特図変動パターン)を決定するために参照されるテーブルである。例えば、特図変動パターン決定テーブル220は、特図変動パターンの種類や、特別図柄の可変表示が開始されてから確定特別図柄が停止表示されるまでの時間である特図変動時間を、特図ゲームにおける表示結果種別である特図表示結果が「大当り」あるいは「第1小当り」から「第4小当り」のいずれであるかに対応して決定するための設定データ(決定用データ)などから構成されている。この実施の形態では、特図変動パターンとなる複数種類の変動パターンとして、大当り、小当りAから小当りDの変動パターンが用意されている。
図11に示す普図変動パターン決定テーブル221は、普図ゲームにおいて普通図柄の可変表示が開始されてから確定普通図柄が停止表示されるまでの変動パターン(普図変動パターン)を決定するために参照されるテーブルである。例えば、普図変動パターン決定テーブル221は、普図変動パターンの種類や、普通図柄の可変表示が開始されてから確定普通図柄が停止表示されるまでの時間である普図変動時間を、普図ゲームにおける表示結果種別である普図表示結果が「第1普図大当り」、「第2普図大当り」、「普図ハズレ」のいずれであるかや、有利状態フラグがオフであるかオンであるかに対応して、決定するための設定データ(決定用データ)などから構成されている。この実施の形態では、普図変動パターンとなる複数種類の変動パターンとして、第1普図当りA、第1普図当りB、第2普図当りA、第2普図当りB、普図ハズレA、普図ハズレBの変動パターンが用意されている。
図11に示すように、普図変動パターン決定テーブル221では、有利状態フラグがオフであるかオンであるかに対応して、普図表示結果が「第1普図当り」と「第2普図当り」のそれぞれが決定された場合における普図変動時間が、異なるように設定されている。ここで、有利状態フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるときにオフとなる一方で、特別遊技状態であるときにオンとなる。そのため、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるときと特別遊技状態であるときとでは、普図表示結果が「第1普図当り」と「第2普図当り」のいずれが決定されたかに応じて、普通図柄表示装置63により普通図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定普通図柄が導出表示されるまでの普図変動時間を、異ならせることができる。
図12に示すラウンド数決定テーブル230は、始動動作により開放状態となった第1大入賞口としての開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第1特定進入口89に進入した場合に、大当り遊技状態にて実行されるラウンド遊技の最大継続回数を決定するために参照されるテーブルである。例えば、ラウンド数決定テーブル230は、ラウンド数決定用の乱数値MR3を、「1」、「3」、「5」といった最大継続回数となるラウンド最大値や、ラウンド制御パターンなどに対応付ける(割り当てる)設定データ(決定用データ)から構成されている。
ROM100が記憶する制御パターンテーブルには、例えば図13(A)に示す普電作動パターンテーブル240Aや、図13(B)に示す小当り制御パターンテーブル240B、図13(C)に示すラウンド制御パターンテーブル240Cなどが含まれている。
図13(A)に示す普電作動パターンテーブル240Aには、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となったことに基づき、普通可変入賞球装置61に設けられた普通電動役物用ソレノイド59における駆動動作の内容を示すデータが、普電作動パターンとして複数種類格納されていればよい。例えば、普電作動パターンテーブル240Aには、4種類の普電作動パターンFA1−1、FA1−2、FA2−1、FA2−2が格納されている。普電作動パターンFA1−1と普電作動パターンFA1−2はそれぞれ、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるときに普図表示結果が「第1普図当り」と「第2普図当り」のそれぞれに決定された場合に対応して選択されるパターンである。普電作動パターンFA2−1と普電作動パターンFA2−2はそれぞれ、パチンコ遊技機1における遊技状態が特別遊技状態であるときに普図表示結果が「第1普図当り」と「第2普図当り」のそれぞれに決定された場合に対応して選択されるパターンである。
例えば、普電作動パターンFA1−1では、図14に示すように、入賞可能時間が「5秒」に設定される。ここで、入賞可能時間は、普通可変入賞球装置61にて普通電動役物用ソレノイド59を駆動することにより可変誘導部材61aを進出させて遊技球を始動領域56へと誘導して始動入賞が可能となる時間の長さを示している。普電作動パターンFA1−2では、入賞可能時間が普電作動パターンFA1−1とは異なる「0.1秒」に設定される。そのため、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるときには、普図表示結果が「第1普図当り」と「第2普図当り」のいずれに決定されたかに応じて、遊技球を始動領域56に誘導可能とする期間が異なる。
普電作動パターンFA2−1では、入賞可能時間が普電作動パターンFA1−1と同じ「5秒」に設定される。他方、普電作動パターンFA2−2では、入賞可能時間が普電作動パターンFA1−2とは異なる「5秒」に設定される。そのため、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるときと特別遊技状態であるときとでは、普図表示結果が「第1普図当り」となった場合において遊技球を始動領域56に誘導可能とする期間は変化しない一方で、普図表示結果が「第2普図当り」となった場合において遊技球を始動領域56に誘導可能とする期間は異なるものとなる。
図13(B)に示す小当り制御パターンテーブル240Bには、パチンコ遊技機1における遊技状態が小当り遊技状態に制御されている期間における、CPU112による遊技制御用マイクロコンピュータ99での設定内容や、各ソレノイド105、108、118及びモータ127における駆動動作の内容を示すデータが、小当り制御パターンとして複数種類格納されていればよい。例えば、小当り制御パターンテーブル240Bには、4種類の小当り制御パターンKP1〜KP4が格納されている。各小当り制御パターンKP1〜KP4は、特図表示結果が「第1小当り」から「第4小当り」のそれぞれに決定された場合に対応して選択されるパターンである。
小当り制御パターンテーブル240Bに格納される複数種類の小当り制御パターンはそれぞれ、例えば図15に示すように、各種の判定値と対応付けられた設定データや制御データから構成され、時系列的に、CPU112による遊技制御用マイクロコンピュータ99での設定内容や、第1特別可変入賞球装置66に設けられた各ソレノイド105、108、118及びモータ127における駆動動作の内容といった、始動動作に対応した各種の設定や制御の内容、実行タイミング等を示している。なお、小当り制御パターンは、CPU112による設定や制御の内容と実行タイミング等を、時系列的に示すものに限定されず、時系列に関わりなく列記したものであってもよい。例えば、小当り制御パターンは、ソレノイド105、108、118及びモータ127のそれぞれについて、駆動制御信号を生成するタイミングを示すデータや、駆動制御信号の出力を停止するタイミングを示すデータと、駆動制御信号の生成パターンや停止指令を示す制御データとを、個別に対応付けたものであってもよい。
図15に示す小当り制御パターンに示された各判定値(例えば特定入賞有効判定値、大入賞口開放開始判定値、振分駆動判定値#1、モータ駆動開始判定値、貯留駆動開始判定値、振分停止判定値#1、大入賞口開放終了判定値、モータ駆動切換判定値、貯留解除判定値など)は、CPU112によって、遊技制御用データ保持エリア250の遊技制御タイマ設定部163(図18)に設けられた遊技制御プロセスタイマにおけるタイマ値である遊技制御プロセスタイマ値と、比較される。このとき、判定値のいずれかと遊技制御プロセスタイマ値とが合致した場合には、その合致した判定値と対応付けられた設定データや制御データに応じた設定や制御が実行される。
こうした小当り制御パターンKP1〜KP4の設定に基づき、小当り遊技状態では、第1大入賞口となる開口部82を始動動作で開放状態とする回数(始動開放回数)や開放時間が、特図ゲームにて確定特別図柄として停止表示された小当り図柄などに応じて異なるものとなる。例えば図16に示すように、小当り制御パターンKP1では、開口部82を開放状態とする始動動作の実行回数である始動開放回数が「1」に設定され、開放時間が「1秒」に設定される。小当り制御パターンKP2では、始動開放回数が「1」に設定され、開放時間が「2秒」に設定される。小当り制御パターンKP3では、始動開放回数が「3」に設定され、開放時間が「1秒」に設定される。小当り制御パターンKP4では、始動開放回数が「3」に設定され、開放時間が「2秒」に設定される。
図13(C)に示すラウンド制御パターンテーブル240Cには、パチンコ遊技機1における遊技状態が大当り遊技状態に制御される期間にて、CPU112による遊技制御用マイクロコンピュータ99での設定内容や、第2特別可変入賞球装置47に設けられた各ソレノイド50、65における駆動動作の内容を示すデータが、ラウンド制御パターンとして複数種類格納されていればよい。例えば、ラウンド制御パターンテーブル240Cには、15ラウンド用のラウンド制御パターンRP1−1、RP2−1や、1ラウンド用のラウンド制御パターンRP3−1、3ラウンド用のラウンド制御パターンRP3−2、5ラウンド用のラウンド制御パターンRP3−3などが格納されていればよい。ラウンド制御パターンRP1−1は、特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」に決定された場合に対応して選択されるパターンである。ラウンド制御パターンRP2−1は、特図ゲームにおける可変表示結果が「小当り」となった後の小当り遊技状態にて遊技球が第2特定進入口91に進入した場合に対応して選択されるパターンである。ラウンド制御パターンRP3−1〜RP3−3は、特図ゲームにおける可変表示結果が「小当り」となった後の小当り遊技状態にて遊技球が第1特定進入口89に進入した場合に、ラウンド遊技の最大継続回数(ラウンド最大値)の決定結果に対応して選択されるパターンである。
ラウンド制御パターンテーブル240Cに格納される複数種類のラウンド制御パターンはそれぞれ、遊技制御用データ保持エリア250の遊技制御カウンタ設定部164(図18)に設けられたラウンド数カウンタにおけるカウント値であるラウンド数カウント値を、大入賞口の最大開放時間である大入賞口開放時間や、開放する大入賞口と対応付ける設定データや制御データなどから構成されている。例えば、各ラウンド制御パターンでは、大入賞口開放時間が「29秒」に設定され、開放する大入賞口が第2大入賞口(第2特別可変入賞球装置47が備える開口部48)に対応した「第2」に設定される。
図6に示す遊技制御用マイクロコンピュータ99が備えるRAM111には、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図18に示すような遊技制御用データ保持エリア250が設けられている。図18に示す遊技制御用データ保持エリア250は、普図保留記憶部161と、遊技制御フラグ設定部162と、遊技制御タイマ設定部163と、遊技制御カウンタ設定部164と、遊技制御バッファ設定部165とを備えている。
普図保留記憶部161は、通過ゲート58を遊技球が通過して普通図柄表示装置63による普図ゲームを実行するための条件が成立したものの、従前の普図ゲームを実行中であるなどの理由により可変表示が開始されていない普図ゲームに関する保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部161は、遊技球が通過ゲート58を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU112により乱数発生回路60aやランダムカウンタからのカウント値などに基づき抽出された普図表示結果判定用の乱数値MR2を示す数値データなどを、保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部162には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するためにセットあるいはクリアされる複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部162は、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータを記憶する。この実施の形態において、遊技制御フラグ設定部162には、特図プロセスフラグ、普図プロセスフラグ、大当りフラグ、小当りフラグ、有利状態フラグ、普図表示結果フラグ、第1及び第2特定球検出フラグが設けられている。
特図プロセスフラグは、特別図柄表示装置44aにおける特図ゲームの進行等を制御するために実行される特別図柄プロセス処理(図21のステップS16及び図24)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。普図プロセスフラグは、普通図柄表示装置63における普図ゲームの進行等を制御するために実行される普通図柄プロセスフラグ(図21のステップS17及び図32)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。
大当りフラグは、特図ゲームでの可変表示結果である特図表示結果を「大当り」とする判定結果に対応してオン状態にセットされる一方で、特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が導出表示されたことなどに対応してクリアされてオフ状態となる。小当りフラグは、特図表示結果を「第1小当り」から「第4小当り」のいずれかとする判定結果に対応してオン状態にセットされる一方で、特図ゲームにおける確定特別図柄として小当り図柄が導出表示されたことなどに対応してクリアされてオフ状態となる。
有利状態フラグは、大当り遊技状態の終了後に特別遊技状態に制御されることなどに対応してオン状態にセットされる一方で、特別遊技状態が終了することなどに対応してクリアされてオフ状態となる。普図表示結果フラグは、普図ゲームでの可変表示結果である普図表示結果を「第1普図当り」、「第2普図当り」、「普図ハズレ」のいずれとするかの判定結果を示す。
第1特定球検出フラグは、小当り遊技状態にて開閉片81により開放状態となった開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が、第1特定進入口89に進入して第1特定球検出器121aによって検出されたときに、オン状態にセットされる。第2特定球検出フラグは、小当り遊技状態にて開閉片81により開放状態となった開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が、第2特定進入口91に進入して第2特定球検出器121bによって検出されたときに、オン状態にセットされる。なお、第1特定球検出フラグや第2特定球検出フラグは、小当り遊技状態とは異なる遊技状態であっても、第1特定球検出器121aや第2特定球検出器121bによって遊技球が検出されたことに対応して、オン状態にセットされてもよい。そして、小当り遊技状態とは異なる遊技状態にて第1特定球検出フラグや第2特定球検出フラグがオンであるか否かに対応して、エラーの有無を判定してもよい。
遊技制御タイマ設定部163には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部163は、各タイマにおけるタイマ値を示すデータを記憶する。この実施の形態において、遊技制御タイマ設定部163には、遊技制御プロセスタイマ、特図変動タイマ、普図変動タイマが設けられている。
遊技制御プロセスタイマは、例えば大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態の進行を制御するための時間などを、主基板120の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、遊技制御プロセスタイマは、大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態の進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、遊技制御プロセスタイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、遊技制御プロセスタイマは、大当り遊技状態もしくは小当り遊技状態の開始時点といった、所定時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
特図変動タイマは、特図ゲームの実行時間である特図変動時間といった特図ゲームの進行を制御するための時間を、主基板120の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、特図変動タイマは、特図ゲームの進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、特図変動タイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、特図変動タイマは、特図ゲームの開始時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
普図変動タイマは、普図ゲームの実行時間である普図変動時間といった普図ゲームの進行を制御するための時間を、主基板120の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、普図変動タイマは、普図ゲームの進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、普図変動タイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、普図変動タイマは、普図ゲームの開始時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部164には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部164は、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータを記憶する。この実施の形態において、遊技制御カウンタ設定部164には、ラウンド数カウンタ、可変表示回数カウンタ、第1及び第2大入賞口カウンタ、残存球数カウンタ、普図保留記憶数カウンタが設けられている。
ラウンド数カウンタは、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数をカウントするためのものである。例えば、ラウンド数カウンタには、大当り遊技状態の開始時にカウント初期値「1」を示すデータが、ラウンド数カウント値として設定される。そして、1回のラウンド遊技が終了して次回のラウンド遊技が開始されるときに、ラウンド数カウント値が1加算されて更新される。
可変表示回数カウンタは、特別遊技状態にて実行可能な普図ゲームの残り回数、あるいは、特別遊技状態にて実行された普図ゲームの回数を、特定可能にカウントするためのものである。例えば、可変表示回数カウンタには、大当り遊技状態の終了時に予め定められた普図ゲームの実行回数(例えば「10」)を示すデータが、カウント初期値として設定されればよい。この場合には、特別遊技状態にて普図ゲームが実行されるごとに可変表示回数カウンタの値を1減算することで、特別遊技状態にて実行可能な普図ゲームの残り回数を特定可能にカウントすることができる。他方、可変表示回数カウンタは、大当り遊技状態の終了時に初期化されることにより、カウント初期値として「0」が設定されてもよい。この場合には、特別遊技状態にて普図ゲームが実行されるごとに可変表示回数カウンタの値を1加算することで、特別遊技状態にて実行された普図ゲームの回数を特定可能にカウントすることができる。そして、特別遊技状態において可変表示回数カウンタの値が所定の有利状態終了判定値(例えば「0」あるいは「10」)に達したことに対応して、特別遊技状態が終了する。
第1大入賞口カウンタは、第1特別可変入賞球装置66に設けられた第1大入賞口としての開口部82に入賞した遊技球の個数をカウントするためのものである。例えば、第1大入賞口カウンタには、第1カウントスイッチ106によって遊技球が検出されるごとに1加算されるデータが、第1大入賞口カウント値としてセットされる。そして、小当り遊技状態の終了時には、第1大入賞口カウント値がクリアされてカウント初期値「0」を示すデータがセットされる。
第2大入賞口カウンタは、第2特別可変入賞球装置47に設けられた第2大入賞口としての開口部48に入賞した遊技球の個数をカウントするためのものである。例えば、第2大入賞口カウンタには、第2カウントスイッチ52によって遊技球が検出されるごとに1加算されるデータが、第2大入賞口カウント値としてセットされる。そして、大当り遊技状態にて第2大入賞口を開放状態とした後に閉鎖状態とするラウンド遊技の終了時には、第2大入賞口カウント値がクリアされてカウント初期値「0」を示すデータがセットされる。
残存球数カウンタは、第1特別可変入賞球装置66の内部に残存している遊技球の個数をカウントするためのものである。例えば、残存球数カウンタには、第1カウントスイッチ106によって遊技球が検出されるごとに1加算されるデータが、残存球数カウント値としてセットされる。そして、排出球検出器122によって遊技球が検出されるごとに、残存球数カウント値が1減算されて更新される。
普図保留記憶数カウンタは、普図保留記憶部161における保留データの数である普図保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、普図保留記憶数カウンタには、普図保留記憶数に対応したカウント値データが、普図保留記憶数カウント値として記憶され、普図保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。
遊技制御バッファ設定部165には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている
図6に示す演出制御基板90は、主基板120とは独立したサブ側の制御基板であり、演出表示装置44bの表示動作を主基板120からの演出制御コマンドに応じて制御するとともに、音声枠ランプ基板92との情報信号のやり取りを行う。例えば、演出制御基板90には、図19に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ170と、表示制御部171とが搭載されている。
図19に示す演出制御用マイクロコンピュータ170は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、プログラムに従って制御動作を行うCPU181と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM182と、CPU181のワークエリアを提供するRAM183と、CPU181とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路184と、入出力ポート185とを備えている。演出制御用マイクロコンピュータ170では、CPU181がROM182から読み出したプログラムを実行し、RAM183をワークエリアとして用いることで、演出表示装置44bなどによる演出動作を制御するための処理が実行される。
演出制御用マイクロコンピュータ170のROM182には、CPU181による制御動作において各種の決定や判定、設定を行うために読出可能なデータとして、例えば複数種類の飾り図柄決定テーブルや演出実行決定テーブル、演出制御パターンテーブルといった、各種のテーブルを構成するデータが記憶されている。飾り図柄決定テーブルは、演出表示装置44bの表示領域80における飾り図柄の可変表示結果として導出表示される確定飾り図柄などを決定するために用いられるテーブルである。演出実行決定テーブルは、演出制御基板90の側において、所定の演出動作を実行するか否かや、実行する場合における演出動作の態様を示す演出パターンなどを決定するために用いられるテーブルである。演出制御パターンテーブルは、例えば演出表示装置44bの表示領域80における表示動作といった、各種の演出制御の内容を示すデータが、演出制御パターンとして複数種類格納されたテーブルである。各演出制御パターンは、各種の演出動作について設定や制御を行うための設定データや制御データから構成され、時系列的に各種の演出制御の内容や演出制御の切換タイミング等を示すものであればよい。
ROM182が記憶する演出制御パターンテーブルの一例として、この実施の形態では、図20に示すような演出制御パターンテーブル300が用意されている。例えば、演出制御パターンテーブル300には、飾り図柄の可変表示が開始されてから表示結果となる確定飾り図柄が停止表示されるまでの期間における、CPU181による演出制御用マイクロコンピュータ170での設定内容、表示制御部171に対して送信する表示制御指令、スピーカ12a、12b等の音声出力制御の内容、遊技効果LED13、14a、14cや遊技効果ランプ14b、14d、16a、16b、17a、17b等による演出内容といった、各種の演出制御の内容を示すデータが、演出制御パターンとして複数種類格納されていればよい。また、演出制御パターンテーブル300には、特別図柄表示装置44aにおいて特別図柄の可変表示が開始されてから表示結果となる確定特別図柄が停止表示されるまでの期間や、普通可変入賞球装置61において遊技球が始動領域56へと誘導可能となる期間、小当り遊技状態あるいは大当り遊技状態に制御されている期間における、各種の演出制御の内容を示すデータが、演出制御パターンとして格納されていてもよい。
各演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、終了コードといった、演出動作を制御するための各種データから構成され、時系列的に、表示制御部171に対して送信する表示制御指令や、スピーカ12a、12bからの音声出力内容、遊技効果LED13、14a、14cや遊技効果ランプ14b、14d、16a、16b、17a、17bによる演出内容といった、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されている。
この実施の形態では、普図表示結果が「普図ハズレ」、「第1普図当り」、「第2普図当り」のそれぞれに決定されたことに対応して、互いに異なる演出制御パターンが用意されている。これにより、「第1普図当り」と「第2普図当り」のいずれが決定されたかに応じて異なる演出態様で、普通図柄表示装置63における普通図柄の可変表示に対応した演出を実行することができる。
図19に示す演出制御用マイクロコンピュータ170のRAM183には、演出動作を制御するために用いられる各種のデータを保持する領域が設けられている。例えば、RAM183には、演出動作状態や演出制御コマンド等に応じて各々セットあるいはクリアされる複数種類のフラグを設定するためのデータが記憶される演出制御フラグ設定部や、演出制御に用いられる各種のタイマ値を示すデータが記憶される演出制御タイマ設定部、演出制御に用いられる各種のカウント値を示すデータが記憶される演出制御カウンタ設定部、演出制御に用いられる各種のデータが一時的に記憶される演出制御バッファ設定部といった、各種のデータ設定部となる領域が設けられていればよい。
乱数回路184は、演出制御基板90の側において用いられる各種の乱数値の全てまたは一部を生成する回路である。なお、演出制御基板90の側において用いられる各種の乱数値の全てまたは一部は、CPU181が乱数回路184とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントされるようにしてもよい。CPU181により乱数値のカウントを行うことにより、例えば乱数回路184といったハードウェア回路に故障が発生した場合でも、ソフトウェアによる更新によって乱数値のカウントを継続できることから、各種の演出動作が固定的なものになるのを防止できる。そして、CPU181自体に故障が発生した場合には、パチンコ遊技機1における演出動作自体の進行が制御不能となるため、直ちにその故障発生を認識することが可能になる。入出力ポート185は、演出制御用マイクロコンピュータ170に伝送された演出制御コマンド等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御用マイクロコンピュータ170の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、入出力ポート185の出力ポートからは、表示制御部171へと伝送される表示制御信号や、音声枠ランプ基板92へと伝送される情報信号などが出力される。
演出制御基板90に搭載された表示制御部171は、演出制御用マイクロコンピュータ170からの表示制御信号などに基づき、演出表示装置44bの表示領域80における表示動作の制御を行うためのものである。例えば、表示制御部171では、演出表示装置44bの表示領域80にて演出画像の切換表示を行わせることなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。表示制御部171には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。
音声枠ランプ基板92では、主基板120や演出制御基板90から入力される電飾信号に応じて、遊技効果LED13、14a、14cや遊技効果ランプ14b、14d、16a、16b、17a、17bの点灯制御が行われる。また、音声枠ランプ基板92では、主基板120や演出制御基板90から入力される効果音信号に応じて、スピーカ12a、12bによる音声出力動作の制御が行われる。さらに、音声枠ランプ基板92では、主基板120や演出制御基板90から入力される電飾信号に応じて、ランプドライバ基板93を介して各種装飾LED・ランプ32の点灯制御が行われる。ランプドライバ基板93は、音声枠ランプ基板92から各種装飾LED・ランプ32への接続を中継する。
払出制御基板98は、主基板120とは独立したサブ側の制御基板であり、遊技球の払出動作を主基板120からの賞球個数信号などに応じて制御するとともに、遊技球の発射動作や各種の表示動作を制御する。例えば、払出制御基板98では、満タンスイッチ158からの満タン信号に応じて払出停止信号を玉払出装置154に出力し、払出モータの駆動を停止させる制御が行われる。また、払出制御基板98は、主基板120からの賞球個数信号に応じて払出モータを駆動し、所定個数の賞球を払い出させる。このとき、払出制御基板98では、賞球個数信号に応じて賞球LED10を表示駆動する制御が行われる。
加えて、払出制御基板98では、球切れスイッチ157からの球切れスイッチ信号に応じて払出停止信号を玉払出装置154に出力し、払出モータの駆動を停止させる制御が行われる。このとき、払出制御基板98では、球切れLED9を表示駆動する制御も行われる。
払出制御基板98には、玉払出装置154に搭載されたモータ位置センサや払出個数カウントスイッチからの信号も入力される。払出制御基板98では、モータ位置センサからの入力信号に応じて、遊技球の払出動作における払出モータの停止位置を制御するとともに、玉払出部材が正常に動作しているか否かを検出する。また、払出制御基板98では、払出個数カウントスイッチからの入力信号に応じた払出モータの駆動制御により遊技球の払出制御が行われる。
払出制御基板98は、カードユニット装置128や残高表示基板104からの信号を中継する遊技球等貸出装置接続端子板103と接続されて、カードユニット装置128からの各種の情報や、残高表示基板104に搭載された球貸操作部や返却操作部からの信号が入力される。払出制御基板98では、カードユニット装置128からの球貸要求信号に応じた払出モータの駆動制御により遊技球の払出制御が行われる。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板120では、電源基板97からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ99が起動し、CPU112によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU112は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えば、電源基板97に搭載されたクリアスイッチ97aが押圧操作されたか否かの判定を行い、押圧操作された場合には、RAM111をクリアした後に所定の作業領域に初期値を設定するなどの初期設定処理が実行される。これに対して、クリアスイッチ97aが押圧操作されていない場合には、RAM111のバックアップ領域における記憶内容などに基づき、チェックサムを算出した結果とチェックサムバッファの内容とが一致した場合などに、主基板120の内部状態をパチンコ遊技機1にて電源断が生じる前の状態に戻すための復旧処理が実行される。
また、遊技制御メイン処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ99に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU112へと送出され、CPU112は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定や復旧処理が終了すると、割込みを許可した後に、ループ処理に入る。こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU112は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図21のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
図21に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU112は、まず、所定の電源断処理を実行する(ステップS11)。この電源断処理では、所定の電源確認信号における信号状態をチェックして、電源断判定中以外であればバックアップ監視タイマをクリアする。これに対して、電源断判定中であればバックアップ監視タイマの更新や判定を行い、電源断が発生したか否かを判定する。このとき、電源断が発生すれば、チェックサムバッファの設定や、RAM111をアクセス禁止とする設定、電源確認信号の監視などといった、所定の設定や処理を実行する。
電源断処理に続いて、所定のスイッチ処理を実行する(ステップS12)。このスイッチ処理では、ゲートスイッチ58a、始動口スイッチ60、第1カウントスイッチ106及び第2カウントスイッチ52といった各スイッチや、第1特定球検出器121a、第2特定球検出器121b、第3特定球検出器51、通常入賞球検出器55a〜55c、進入球検出器109及び排出球検出器122といった各検出器の状態を示す検出信号を取り込み、各スイッチや各検出器における検出状態の判定が行われる。例えば、スイッチ処理では、図22のフローチャートに示すような入賞エラー判定処理が実行される。
図22に示す入賞エラー判定処理を開始すると、CPU112は、まず、遊技制御フラグ設定部162に設けられた特図プロセスフラグの値が“3”となっているか否かを判定する(ステップS51)。ここで、特図プロセスフラグの値が“3”であるときには、後述する特別図柄プロセス処理において、小当り遊技状態での各種制御を行うための小当り開放時処理が実行される(図24のステップS113)。小当り遊技状態では、第1特別可変入賞球装置66に設けられた第1大入賞口となる開口部82が開閉片81により開放状態となる始動動作が行われ、第1特別可変入賞球装置66の内部に正常な遊技に基づく遊技球が進入可能となる。これに対して、小当り遊技状態以外の遊技状態では、開口部82が開閉片81により開放状態となる制御は行われないことから、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が検出された場合には、異常が発生した旨のエラー判定を行うことが望ましい。
そこで、ステップS51にて特図プロセスフラグの値が“3”以外の値であれば(ステップS51;No)、第1特別可変入賞球装置66に進入した遊技球を異常な入賞球として検出するための第1エラー判定処理を実行する。すなわち、CPU112は、第1カウントスイッチ106からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定し(ステップS52)、オフ状態であれば(ステップS52;No)、第1及び第2特定球検出器121a、121bからの検出信号のうちいずれかがオン状態となっているか否かを判定する(ステップS53、S54)。
ステップS52にて第1カウントスイッチ106からの検出信号がオン状態である場合や(ステップS52;Yes)、ステップS53にて第1特定球検出器121aからの検出信号がオン状態である場合(ステップS53;Yes)、あるいはステップS54にて第2特定球検出器121bからの検出信号がオン状態である場合には(ステップS54;Yes)、第1特別可変入賞球装置66に形成された第1大入賞口としての開口部82が閉鎖状態となってから所定の有効入賞検出期間が経過した後、不適切に第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が検出されたことになる。そこで、これらの場合には、賞球の払出しを禁止するための設定を行う(ステップS55)。例えば、ステップS55の処理において、CPU112は、I/O114に含まれる出力ポートのうち払出制御基板98に対して賞球個数信号を送信するための出力ポートをクリアすることにより、賞球個数信号の送信を停止させる。また、CPU112は、遊技制御バッファ設定部165に設けられた賞球個数設定バッファや、I/O114にて賞球個数信号を送信するための出力ポートにつき、制御データの書込みを禁止することにより、賞球数の設定が行われないようにする。さらに、CPU112は、払出制御基板98に対して所定の異常報知信号を送信することにより、不適切に検出された遊技球に対する賞球の払出しを停止させるようにしてもよい。
ステップS55の処理を実行した後には、所定の第1異常報知処理を実行するループ処理に入り(ステップS56)、以後の処理には進まないように制御を行う。これにより、遊技の進行を停止することができ、異常状態を発生させて行われる不正行為を防止することができる。ステップS56の第1異常報知処理では、例えば図23(A)に示すような第1異常報知画面といった所定の報知画面を演出表示装置44bに表示させることや、上部装飾ユニット22を全て点灯させること、スピーカ12a、12bから所定の警報音を出力させること、あるいは、これらを組み合わせることにより、異常を報知できるようにすればよい。
また、ステップS51にて特図プロセスフラグの値が“3”以外の値であるときには、排出球検出器122からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定し、オン状態である場合にはステップS55、S56の処理に進むようにしてもよい。これにより、小当り遊技状態以外の遊技状態では、第1特別可変入賞球装置66の外部へと排出された遊技球を排出球検出器122により検出した場合に、異常が発生した旨のエラー判定を行うことができる。
ステップS51にて特図プロセスフラグの値が“3”である場合や、ステップS54にて第2特定球検出器121bからの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS54;No)、特図プロセスフラグの値が“4”以上の値となっているか否かの判定を行う(ステップS57)。ここで、特図プロセスフラグの値が“4”以上であるときには、後述する特別図柄プロセス処理において、大当り遊技状態での各種制御を行うための処理が実行される(図24のステップS114〜S117)。大当り遊技状態では、第2特別可変入賞球装置47に設けられた第2大入賞口となる開口部48が開閉板49により開放状態となるラウンド遊技が行われ、第2特別可変入賞球装置47の内部に正常な遊技に基づく遊技球が進入可能となる。これに対して、大当り遊技状態以外の遊技状態では、開口部48が開閉板49により開放状態となる制御は行われないことから、第2特別可変入賞球装置47の内部に進入した遊技球が検出された場合には、異常が発生した旨のエラー判定を行うことが望ましい。
そこで、ステップS57にて特図プロセスフラグの値が“4”未満であれば(ステップS57;No)、第2特別可変入賞球装置47に進入した遊技球を異常な入賞球として検出するための第2エラー判定処理を実行する。すなわち、CPU112は、第2カウントスイッチ52からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS58)。
ステップS58にて第2カウントスイッチ52からの検出信号がオン状態である場合には(ステップS58;Yes)、第2特別可変入賞球装置47に形成された第2大入賞口としての開口部48が閉鎖状態となった後、不適切に第2特別可変入賞球装置47の内部に進入した遊技球が検出されたことになる。そこで、この場合には、ステップS55の処理と同様にして、賞球の払出しを禁止するための設定を行う(ステップS59)。続いて、所定の第2異常報知処理を実行するループ処理に入り(ステップS60)、以後の処理には進まないように制御を行う。これにより、遊技の進行を停止することができ、異常状態を発生させて行われる不正行為を防止することができる。ステップS60の第2異常報知処理では、例えば図23(B)に示すような第2異常報知画面といった所定の報知画面を演出表示装置44bに表示させることや、上部装飾ユニット22を全て点灯させること、スピーカ12a、12bから所定の警報音を出力させること、あるいは、これらを組み合わせることにより、異常を報知できるようにすればよい。
ステップS57にて特図プロセスフラグの値が“4”以上である場合や(ステップS57;Yes)、ステップS58にて第2カウントスイッチ52からの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS58;No)、遊技制御フラグ設定部162に設けられた普図プロセスフラグの値が“4”となっているか否かの判定を行う(ステップS61)。ここで、普図プロセスフラグの値が“4”であるときには、後述する普通図柄プロセス処理において、普通可変入賞球装置61に設けられた普通電動役物用ソレノイド59を駆動して可変誘導部材61aを進出されることで、始動領域56に遊技球が進入可能となる。これに対して、普図プロセスフラグの値が“4”以外の値である期間では、始動領域56に遊技球を進入可能とする制御は行われないことから、始動領域56に進入した遊技球が検出された場合には、異常が発生した旨のエラー判定を行うことが望ましい。
そこで、ステップS61にて普図プロセスフラグの値が“4”以外の値であれば(ステップS61;No)、始動領域56に進入した遊技球を異常な入賞球として検出するための第3エラー判定処理を実行する。すなわち、CPU112は、始動口スイッチ60からの検出信号がオン状態となっているか否かの判定を行う(ステップS62)。これに対して、ステップS61いて普図プロセスフラグの値が“4”であれば(ステップS61;Yes)、入賞エラー判定処理を終了する。
ステップS62にて始動口スイッチ60からの検出信号がオン状態である場合には(ステップS62;Yes)、始動領域56に遊技球が進入できない期間にて、不適切に始動領域56に進入した遊技球が検出されたことになる。そこで、この場合には、ステップS55やステップS59の処理と同様にして、賞球の払出しを禁止するための設定を行う(ステップS63)。続いて、所定の第3異常報知処理を実行するループ処理に入り(ステップS64)、以後の処理には進まないように制御を行う。これにより、遊技の進行を停止することができ、異常状態を発生させて行われる不正行為を防止することができる。ステップS64の第3異常報知処理では、例えば図23(C)に示すような第3異常報知画面といった所定の報知画面を演出表示装置44bに表示させることや、上部装飾ユニット22を全て点灯させること、スピーカ12a、12bから所定の警報音を出力させること、あるいは、これらを組み合わせることにより、異常を報知できるようにすればよい。
ステップS56にて実行される第1異常報知処理やステップS60にて実行される第2異常報知処理、ステップS64にて実行される第3異常報知処理は、電源基板97からの電力供給停止時、すなわち電源断が行われるまで、繰返し行われるようにすればよい。この場合、電源断が行われたときには、電源の再投入時にクリアスイッチ97aの押圧操作が行われることにより、RAM111がクリアされた後に初期設定処理が実行されて、異常状態がクリア(解除)されればよい。これに対して、電源断が行われたときには、電源の再投入時にクリアスイッチ97aの押圧操作が行われなくても、異常の報知を終了させるようにしてもよい。これにより、異常状態をクリア(解除)するために特別な信号を主基板120に入力させる必要がないので、不正な信号が入力される可能性を低減することができる。
また、ステップS56にて実行される第1異常報知処理やステップS60にて実行される第2異常報知処理、ステップS64にて実行される第3異常報知処理は、所定時間(例えば30秒)が経過するまで繰返し行われるようにして、その所定時間が経過した後には、自動的に異常状態から復旧できるようにしてもよい。これにより、異常状態が発生したことを遊技場の店員等に対して確実に報知することができる一方で、クリアスイッチ97aの押圧操作や電源の再投入などによりRAM111をクリアしなくても異常状態から復旧させられるので、ノイズ等の原因で異常状態と判定された場合などに、遊技者に与える不利益を軽減することができる。あるいは、ステップS56にて実行される第1異常報知処理やステップS60にて実行される第2異常報知処理、ステップS64にて実行される第3異常報知処理では、例えば演出制御基板90に対してエラーコマンドとなる演出制御コマンドを送信してエラーの発生を報知させた後、ループ処理には入らずに入賞エラー判定処理を終了するようにしてもよい。
ステップS51の処理では、開閉片81における動作監視用のセンサによる検出結果に基づき、開閉片81により開口部82が開放状態となっているか否かを判定するようにしてもよい。この場合には、開口部82が開放状態であると判定されたことに対応してステップS57の処理に進む一方で、開口部82が閉鎖状態であると判定されたことに対応してステップS52の処理に進めばよい。また、ステップS57の処理では、開閉板49における動作監視用のセンサによる検出結果に基づき、開閉板49により開口部48が開放状態となっているか否かを判定するようにしてもよい。この場合には、開口部48が開放状態であると判定されたことに対応してステップS61の処理に進む一方で、開口部48が閉鎖状態であると判定されたことに対応してステップS58の処理に進めばよい。さらに、ステップS61の処理では、可変誘導部材61aにおける動作監視用のセンサによる検出結果に基づき、可変誘導部材61aが進出して始動領域56に遊技球が進入可能となっているか否かを判定するようにしてもよい。この場合には、可変誘導部材61aが進出していると判定されたことに対応して入賞エラー判定処理を終了する一方で、可変誘導部材61aが退避していると判定されたことに対応してステップS62の処理に進めばよい。
加えて、ステップS12のスイッチ処理では、パチンコ遊技機1に設けられた磁石センサや電波センサ、振動センサといった各種センサのいずれかが不正行為や不正動作を感知したか否かの判定を行い、感知した旨の判定がなされた場合には、ステップS56の第1異常報知処理やステップS60の第2異常報知処理あるいはステップS64の第3異常報知処理と同様に、異常を報知するための処理が実行されるようにしてもよい。また、開閉片用ソレノイド105の駆動が停止されている期間にて開閉片81における動作監視用のセンサにより開口部82が開放状態となっていることが検出された場合や、第2大入賞口扉用ソレノイド65の駆動が停止されている期間にて開閉板49における動作監視用のセンサにより開口部48が開放状態となっていることが検出された場合、あるいは、普通電動役物用ソレノイド59の駆動が停止されている期間にて可変誘導部材61aにおける動作監視用のセンサにより可変誘導部材61aが進出位置にあることが検出された場合などにも、ステップS56の第1異常報知処理やステップS60の第2異常報知処理あるいはステップS64の第3異常報知処理と同様に、異常を報知するための処理が実行されるようにしてもよい。
図21に示すステップS12にてスイッチ処理を実行した後には、表示制御処理が実行される(ステップS13)。この表示制御処理では、特別図柄表示装置44aや普通図柄表示装置63における表示動作を制御するための駆動信号、普通図柄始動記憶LED64における点灯動作を制御するための駆動信号などが、各表示装置やLEDへと出力される。表示制御処理が終了すると、乱数更新処理が実行される(ステップS14)。この乱数更新処理では、各種の乱数値を生成するための数値データを、CPU112がソフトウェアにより更新する。
乱数更新処理の後には、初期値決定用乱数更新処理が実行される(ステップS15)。この初期値決定用乱数更新処理では、各種の乱数値における初期値を決定するために用いられる乱数値を更新する。初期値決定用乱数更新処理が終了すると、特別図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。この特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部162に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、その特図プロセスフラグの値に対応して、特別図柄表示装置44aにより特別図柄の可変表示を行うための各種設定や、第1及び第2特別可変入賞球装置66、47における大入賞口開閉動作を制御するための各種設定などが行われる。特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS17)。この普通図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部162に設けられた普図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、その普図プロセスフラグの値に対応して、普通図柄表示装置63により普通図柄の可変表示を行うための各種設定や、普通可変入賞球装置61に設けられた普通電動役物用ソレノイド59を駆動するための各種設定などが行われる。
普通図柄プロセス処理が終了すると、表示コマンド制御処理が実行される(ステップS18)。この表示コマンド制御処理では、演出表示装置44bの表示領域80における演出画像の表示動作といった各種の演出動作を制御するために、演出制御コマンドが演出制御基板90に対して送信される。表示コマンド制御処理に続いて、情報出力処理が実行される(ステップS19)。この情報出力処理では、パチンコ遊技機1における各種の遊技情報が、盤用外部端子板96などを介して遊技場に設置されたホール用管理コンピュータへと出力される。情報出力処理の後には、賞球処理が実行される(ステップS20)。この賞球処理では、各スイッチや各検出器からの検出信号に応じて賞球個数信号を払出制御基板98に対して出力することなどにより、賞球数の設定が行われる。具体的な一例として、ステップS20の賞球処理では、第1カウントスイッチ106からの検出信号がオン状態である場合には賞球数を「4」とする設定が行われる一方で、第2カウントスイッチ52からの検出信号がオン状態である場合には賞球数を「15」とする設定が行われる。また、始動口スイッチ60からの検出信号がオン状態である場合には賞球数を「12」とする設定が行われ、通常入賞球検出器55a〜55cからの検出信号のいずれかがオン状態である場合には賞球数を「10」とする設定が行われる。
賞球処理に続いて、試験端子処理が実行される(ステップS21)。この試験端子処理では、例えば普通図柄可変表示中や特別図柄可変表示中における設定、「普図当り」や「大当り」や「小当り」の発生に対応する設定、第1特別可変入賞球装置66での始動動作中における設定、第2特別可変入賞球装置47でのラウンド遊技中における設定、普通可変入賞球装置61での普通電動役物用ソレノイド59を駆動中における設定といった各種の設定を示す信号が、例えば盤用外部端子板96に設けられた試験端子などから出力される。試験端子処理の後には、出力処理が実行される(ステップS22)。この出力処理では、各ソレノイド50、59、65、105、108、118やモータ127を駆動あるいは停止させるために、例えば後述するステップS243、S246、S248、S250、S258(以上、図27)及びS144(図32)での設定に基づき駆動制御信号が出力される一方で、ステップS254、S256、S260(以上、図27)及びS144(図32)での設定に基づき駆動制御信号の出力が停止される。出力処理が終了すると、記憶処理が実行される(ステップS23)。この記憶処理では、例えば普通図柄始動記憶LED64における点灯動作を制御するための駆動信号が設定される。
記憶処理の後には、特別図柄表示制御処理が実行される(ステップS24)。この特別図柄表示制御処理では、特別図柄表示装置44aにおける表示動作を制御するための駆動信号が設定される。特別図柄表示制御処理が終了すると、普通図柄表示制御処理が実行される(ステップS25)。この普通図柄表示制御処理では、普通図柄表示装置63における表示動作を制御するための駆動信号が設定される。普通図柄表示制御処理に続いて、状態表示灯制御処理が実行される(ステップS26)。この状態表示灯制御処理では、所定の状態表示灯における表示動作の制御が行われる。状態表示灯制御処理が終了すると、割込み許可状態に設定してから(ステップS27)、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図24は、特別図柄プロセス処理として、図21に示すステップS16にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU112は、特図プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS110〜S117の各処理を実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、普通可変入賞球装置61に設けられた始動口スイッチ60により始動領域56に進入した遊技球が検出されたことなどに基づき、特別図柄表示装置44aによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特図ゲームにおける可変表示結果としての特図表示結果を、「大当り」とする判定や「第1小当り」から「第4小当り」のいずれかとする判定などが行われる。さらに、特別図柄通常処理では、特図表示結果に対応して特別図柄表示装置44aによる特図ゲームにおける停止図柄(確定特別図柄)が決定される。そして、特別図柄可通常処理では、特別図柄表示装置44aにて特別図柄の変動が開始されることに対応した演出制御コマンドとして、特図変動開始コマンドを演出制御基板90に対して送信するための設定が行われる。演出制御基板90の側では、特図変動開始コマンドを受信したことに基づき、特別図柄の可変表示に対応して実行される特図変動時演出(例えば「大当り」や「ハネ開放!」といったメッセージを示す演出画像を、演出表示装置44bの表示領域80に表示させる演出動作など)を開始するための設定が行われればよい。
ステップS111の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この特別図柄変動処理では、特別図柄表示装置44aにおいて特別図柄を変動させるための設定が行われるとともに、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間が計測される。また、こうして計測された経過時間が特図変動パターンに対応して定められた特図変動時間に達したか否かの判定が行われる。そして、特図変動時間に達したときには、特別図柄表示装置44aにて確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う。このときには、特別図柄表示装置44aにて特別図柄の変動が終了することに対応した演出制御コマンドとして、特図変動終了コマンドを演出制御基板90に対して送信するための設定を行うようにしてもよい。この場合、演出制御基板90の側では、特図変動終了コマンドを受信したことに基づき、特図変動時演出を終了するための設定が行われればよい。あるいは、主基板120から演出制御基板90に対する特図変動終了コマンドの送信は行われないようにしてもよい。この場合、演出制御基板90の側では、特図変動開始コマンドに示された特図変動パターンなどに対応する特図変動時間を特定し、特図変動開始コマンドを受信してからの経過時間が特定された特図変動時間に達したときに、主基板120からの演出制御コマンドを受信しなくても、特別図柄の可変表示に対応して実行される演出を終了するための設定が行われるようにすればよい。このような各種設定が行われた後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新する。
ステップS112の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄停止処理では、遊技制御フラグ設定部162に設けられた大当りフラグと小当りフラグのいずれがオンとなっているかの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値を“4”に更新し、小当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値を“3”に更新する。なお、特図表示結果として、「大当り」や「第1小当り」から「第4小当り」以外に「特図ハズレ」がある場合には、大当りフラグと小当りフラグがいずれもオフであることに対応して、特図プロセスフラグの値を“0”に更新すればよい。
ステップS113の小当り開放時処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この小当り開放時処理では、特図ゲームにおける可変表示結果が「小当り」となったことに対応して、第1特別可変入賞球装置66に設けられた第1大入賞口としての開口部82を、始動動作により開放状態とするための制御が行われる。また、小当り開放時処理では、小当り制御パターンに従って、各種の設定や制御が実行される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理では、特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となったことや、始動動作により開放状態となった開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が特定領域としての第1特定進入口89や第2特定進入口91に進入したことに基づき、大当り遊技状態におけるラウンド遊技を開始するための設定が行われる。例えば、ステップS114の大当り開放前処理では、所定の大当り遊技開始待ち時間が経過するまで待機した後に、遊技制御カウンタ設定部164に設けられたラウンド数カウンタにおけるカウント初期値として、大当り遊技状態において最初のラウンド遊技が実行されることに対応した「1」を設定するとともに、特図プロセスフラグの値を“5”に更新する処理などが実行される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理では、大当り遊技状態にて実行されるラウンド遊技で、第2特別可変入賞球装置47に設けられた第2大入賞口としての開口部48を開閉板49により開放状態とするための設定が行われる。また、大当り開放中処理では、開口部48を開放状態としてからの経過時間が計測され、その経過時間が大入賞口開放終了判定値に対応した開放終了時間に達したか否かの判定が行われる。さらに、大当り開放中処理では、遊技制御カウンタ設定部164に設けられた第2大入賞口カウンタにおけるカウント値である第2大入賞口カウント値が開放終了判定値に達したか否かの判定なども行われる。そして、経過時間が開放終了時間に達した場合や、第2大入賞口カウント値が開放終了判定値に達した場合には、第2大入賞口としての開口部48を開閉板49により閉鎖状態とするための設定を行うとともに、特図プロセスフラグの値を“6”に更新する処理などが実行される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理では、大当り遊技状態にて次のラウンド遊技に移行するか否かの判定を行い、移行する場合には次のラウンド遊技を開始するための設定が行われる。例えば、大当り開放後処理では、ラウンド数カウンタにおけるカウント値であるラウンド数カウント値が、最大継続回数としてのラウンド最大値に達しているか否かの判定を行い、達していない場合には、ラウンド数カウント値を1加算するなどして更新するとともに、特図プロセスフラグの値を“5”に更新する処理などが実行される。この場合には、第2大入賞口カウント値が「1」以上であることや、第3特定球検出器51により遊技球が検出されたことを、次のラウンド遊技に移行するための条件としてもよい。あるいは、第2大入賞口カウント値や第3特定球検出器51により遊技球が検出されたか否かに関わりなく、ラウンド数カウント値がラウンド最大値に達するまでは、次のラウンド遊技に移行できるようにしてもよい。また、ラウンド数カウント値がラウンド最大値に達している場合には、ラウンド数カウンタをクリアして初期化するとともに、演出制御基板90に対して大当り遊技状態の終了に対応した演出制御コマンドとして大当り終了コマンドを送信するための設定や、特図プロセスフラグを“7”に更新する処理などが実行される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理では、大当り遊技状態の終了時における各種の設定や制御が行われた後に、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
図25は、図24のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図25に示す特別図柄通常処理において、CPU112は、まず、始動口スイッチ60からの検出信号がオン状態であるか否かを判定することにより、始動領域56に遊技球が進入したか否かの判定を行う(ステップS201)。このとき、始動口スイッチ60からの検出信号がオフ状態であれば(ステップS201;No)、そのまま特別図柄通常処理を終了する。
ステップS201にて始動口スイッチ60からの検出信号がオン状態である場合には(ステップS201;Yes)、例えば乱数発生回路60aにて更新可能にカウントされる数値データを抽出することなどにより、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データを取得する(ステップS202)。続いて、ステップS202にて取得した乱数値MR1に基づき、図8に示すような特図表示結果判定テーブル200を参照することにより、特図ゲームにおける可変表示結果となる特図表示結果の判定を行う(ステップS203)。このとき、特図表示結果を「大当り」とする旨の判定がなされた場合には、遊技制御フラグ設定部162に設けられた大当りフラグをオン状態にセットすればよい。他方、特図表示結果を「第1小当り」から「第4小当り」のいずれかとする旨の判定がなされた場合には、遊技制御フラグ設定部162に設けられた小当りフラグをオン状態にセットすればよい。
ステップS203にて特図表示結果の判定を行った後には、図10に示す特図変動パターン決定テーブル220を参照することにより、特図表示結果に対応する特図変動パターンを決定する(ステップS204)。続いて、ステップS203の処理にて判定された特図表示結果に対応する確定特別図柄を、開始条件が成立した特図ゲームにおける予定停止図柄としてセットする(ステップS205)。一例として、ステップS205の処理では、CPU112が、特図表示結果に対応した確定特別図柄を、図8に示すような特図表示結果判定テーブル200を参照することなどにより特定し、特定された確定特別図柄を示すデータを、例えば遊技制御バッファ設定部165の確定特別図柄バッファといった、RAM111の所定領域に記憶させることで、予定停止図柄をセットする。
ステップS205にて予定停止図柄をセットした後には、ステップS204の処理にて決定した特図変動パターンに対応する特図変動時間の設定を行う(ステップS206)。一例として、ステップS206の処理では、CPU112が、特図変動パターンに対応した特図変動時間を、図10に示すような特図変動パターン決定テーブル220を参照することなどにより特定し、特定された特図変動時間に対応するタイマ初期値を、遊技制御タイマ設定部163に設けられた特図変動タイマにセットする。この場合には、図24に示すステップS111の特別図柄変動処理が実行されるごとに、例えば特図変動タイマの値を1減算するように更新し、その値が「0」になったときに、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達した旨の判定を行うようにすればよい。あるいは、ステップS206の処理では、特図変動タイマをクリアすることによりタイマ初期値として「0」をセットするとともに、特図変動時間に対応する特図変動終了判定値を設定するようにしてもよい。この場合には、図24に示すステップS111の特別図柄変動処理が実行されるごとに、例えば特図変動タイマの値を1加算するように更新し、その値が特図変動終了判定値に達したときに、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達した旨の判定を行うようにすればよい。
ステップS206にて特図変動時間を設定した後には、主基板120から演出制御基板90に対して特図変動開始コマンドを送信するための設定を行う(ステップS207)。ここで、特図変動開始コマンドは、ステップS203の処理にて判定された特図表示結果や、ステップS204の処理にて決定された特図変動パターン、ステップS206の処理にて設定された特図変動時間などを示す演出制御コマンドであればよい。例えば、ステップS207の処理において、CPU112は、ROM100に記憶された特図変動開始コマンドテーブルを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、RAM111の所定領域などに設けられた送信コマンドポインタにセットする。こうしてステップS207での設定を行った場合には、特別図柄通常処理が終了してから図21に示すステップS18の表示コマンド制御処理が実行されることにより、主基板120から演出制御基板90に対して特図変動開始コマンドが送信されることになる。なお、特図変動開始コマンドとは別に、特図表示結果を示す演出制御コマンドを、主基板120から演出制御基板90に対して送信するようにしてもよい。ただし、特図変動開始コマンドにより特図表示結果が示されることで、別個に特図表示結果を示す演出制御コマンドを送信する必要がなくなることから、主基板120から演出制御基板90に対して送信する演出制御コマンドの数を削減して、主基板120における制御負担や記憶データの容量を低減することができる。こうして主基板120から演出制御基板90に対して送信された特図変動開始コマンドなどに基づき、特図変動時演出となる所定の演出動作が開始されればよい。ステップS207の処理で送信設定が行われる特図変動開始コマンドは、例えば普図表示結果が「第1普図当り」と「第2普図当り」のいずれであるかといった、普図ゲームにおける可変表示結果の種類がいずれのときに始動領域56に進入した遊技球が始動口スイッチ60により検出されたかに応じて、異なるものであってもよい。この場合、演出制御基板90の側では、普図ゲームにおける可変表示結果の種類がいずれのときに始動領域56に遊技球が進入したかに応じて、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して実行される演出(特図変動時演出)を、異ならせるようにしてもよい。例えば、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるときに、特図変動開始コマンドで示された普図表示結果が「第2普図当り」である場合には、第1特別可変入賞球装置66に設けられた開口部82が突然開放されるような演出動作を行うようにしてもよい。
ステップS207にて特図変動開始コマンドの送信設定を行った後には、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS208)、特別図柄通常処理を終了する。
図26は、図24のステップS112にて実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す特別図柄停止処理において、CPU112は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS221)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS221;Yes)、特図表示結果が「大当り」であることに対応したラウンド制御パターンRP1−1をセットする(ステップS222)。これにより、特図ゲームにおける確定特別図柄が大当り図柄「77」に決定されたことに対応して、15ラウンド用のラウンド制御パターンRP1−1がセットされることになる。
ステップS222の処理に続き、主基板120から演出制御基板90に対して大当り開始コマンドを送信するための設定が行われる(ステップS223)。例えば、ステップS223の処理において、CPU112は、ROM100に記憶された大当り開始コマンドテーブルを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、送信コマンドポインタにセットする。こうしてステップS223での設定を行った場合には、特別図柄停止処理が終了してから図21に示すステップS18の表示コマンド制御処理が実行されることにより、主基板120から演出制御基板90に対して大当り開始コマンドが送信されることになる。
ステップS223における設定に続いて、大当り遊技開始待ち時間の設定を行う(ステップS224)。例えば、ステップS224の処理ではCPU112が、大当り遊技開始待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値を、遊技制御タイマ設定部163に設けられた遊技制御プロセスタイマへセットする。この場合には、図24に示すステップS114の大当り開放前処理が実行されるごとに、例えば遊技制御プロセスタイマの値を1減算するように更新し、その値が「0」になったときに、大当り遊技状態にて最初のラウンド遊技を開始するための設定や制御を行ってから、特図プロセスフラグの値を大当り開放中処理に対応した値である“5”に更新すればよい。あるいは、ステップS224の処理では、遊技制御プロセスタイマをリセットしてタイマ値を「0」に設定するとともに、大当り遊技開始待ち時間に対応して予め定められた大当り遊技開始基準値を、遊技制御プロセスタイマ値との比較対象としてセットしてもよい。この場合には、図24に示すステップS114の大当り開放前処理が実行されるごとに、例えば遊技制御プロセスタイマの値を1加算するように更新し、その値が大当り遊技開始基準値に達したときに、大当り遊技状態にて最初のラウンド遊技を開始するための設定や制御を行ってから、特図プロセスフラグの値を大当り開放中処理に対応した値である“5”に更新すればよい。
ステップS224にて大当り遊技開始待ち時間を設定した後には、大当りフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS225)、特図プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS226)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS221にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS221;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS227)。このとき、小当りフラグがオンであれば(ステップS227;Yes)、小当り種別に対応した小当り制御パターンをセットする(ステップS228)。ステップS228の処理では、図25に示すステップS203の処理にて図8に示す特図表示結果判定テーブル200を参照することにより特図表示結果を「第1小当り」から「第4小当り」のいずれかとする旨の判定がなされた場合に、特図表示結果となる小当り種別に対応して、小当り制御パターンKP1〜KP4のいずれかがセットされる。
ステップS228の処理に続き、主基板120から演出制御基板90に対して小当り開始コマンドを送信するための設定が行われる(ステップS229)。例えば、ステップS229の処理において、CPU112は、ROM100に記憶された小当り開始コマンドテーブルを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、送信コマンドポインタにセットする。こうしてステップS229での設定を行った場合には、特別図柄停止処理が終了してから図21に示すステップS18の表示コマンド制御処理が実行されることにより、主基板120から演出制御基板90に対して小当り開始コマンドが送信されることになる。
ステップS229における設定に続いて、小当り遊技制御時間の設定を行う(ステップS230)。例えば、ステップS230の処理では、CPU112が、遊技制御プロセスタイマをリセットしてタイマ値を「0」に設定するとともに、小当り遊技制御時間に対応して予め定められた小当り遊技終了基準値を、遊技制御プロセスタイマ値との比較対象としてセットする。このときセットされた小当り遊技終了基準値は、図24のステップS113にて実行される小当り開放時処理において、遊技制御プロセスタイマ値と比較されることになる。例えば、小当り遊技終了基準値は、小当り遊技状態を開始してから、始動動作により開放状態となった開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第1カウントスイッチ106により検出されるまでに十分な時間に対応するタイマ基準値であればよい。すなわち、小当り遊技終了基準値は、小当り遊技状態において始動動作により開口部82を開放状態とした後に閉鎖状態としても第1カウントスイッチ106による遊技球の検出がない場合に、その小当り遊技状態を開始してから終了するまでの期間の上限を示している。加えて、ステップS229の処理では、小当り遊技状態で第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が外部に排出されない場合に遊技の進行を停止させるまでの期間に対応した遊技停止判定値の初期設定を行うようにしてもよい。この遊技停止判定値は、後述する図29に示すステップS504の処理にて更新可能であり、図28に示すステップS268の処理にて遊技制御プロセスタイマ値と比較されることになる。
ステップS230にて小当り遊技制御時間を設定した後には、小当りフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS231)、特図プロセスフラグの値を小当り開放時処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS232)、特別図柄停止処理を終了する。ステップS227にて小当りフラグがオフである場合には(ステップS227;No)、特図プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS233)、特別図柄停止処理を終了する。なお、この実施の形態では、特図表示結果が「大当り」と「第1小当り」から「第4小当り」とのうちいずれかに決定されることから、ステップS221にて大当りフラグがオフである場合に、ステップS227の処理を実行することなく、ステップS228の処理に進むようにしてもよい。あるいは、ステップS227にて小当りフラグがオフであると判定された場合には、大当りフラグと小当りフラグの設定が不適切であると判断して、所定のエラー処理を実行するようにしてもよい。
図27及び図28は、図24のステップS113にて実行される小当り開放時処理の一例を示すフローチャートである。この小当り開放時処理において、CPU112は、まず、遊技制御プロセスタイマ値を、例えば1加算することなどにより更新する(図27のステップS241)。遊技制御プロセスタイマ値は、例えば図26のステップS230にて「0」に設定された後、ステップS241の処理が実行される毎に更新されることで、小当り遊技状態における経過時間に対応した値を示すことができる。
ステップS241の処理を実行した後には、更新後の遊技制御プロセスタイマ値に対応した各種の設定や制御が行われる。このときには、図26のステップS228にてセットした小当り制御パターンに従って、各種設定や制御の内容が決定されることになる。
例えば、CPU112は、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示される大入賞口開放開始判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS242)。ここで、小当り遊技状態にて開口部82を開放状態とする始動動作が複数回実行される場合には、小当り制御パターンにて互いに異なる複数の遊技制御プロセスタイマ値に対応した複数の大入賞口開放開始判定値が設定されている。この場合、ステップS242の処理では、小当り制御パターンに設定された複数の大入賞口開放開始判定値のいずれか1つに遊技制御プロセスタイマ値が合致すれば、大入賞口開放開始判定値と合致するとの判定がなされる。そして、大入賞口開放開始判定値と合致すれば(ステップS242;Yes)、第1特別可変入賞球装置66に設けられた第1大入賞口となる開口部82を開閉片81により開閉させる動作の開始設定を行う(ステップS243)。ステップS243の処理では、小当り制御パターンに含まれる大入賞口開放開始制御データが示す駆動パターンで開閉片用ソレノイド105を駆動させることにより、開口部82を開放状態とする方向へ開閉片81を回動させる始動動作を開始させるように、駆動制御信号の生成などが行われる。
ステップS243の処理を実行したときには、始動動作により第1大入賞口が開放状態となる旨を報知する演出動作の開始を指示する演出制御コマンドである第1演出開始コマンドを、演出制御基板90に対して送信するための設定が行われる(ステップS244)。例えば、ステップS244の処理において、CPU112は、ROM100に記憶された第1演出開始コマンドテーブルを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、送信コマンドポインタにセットする。こうしてステップS244での設定を行った場合には、小当り開放時処理が終了してから図21に示すステップS18の表示コマンド制御処理が実行されることにより、主基板120から演出制御基板90に対して第1演出開始コマンドが送信されることになる。
ステップS242にて遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放開始判定値と合致しない場合には(ステップS242;No)、ステップS243、S244の処理をスキップする。この後、CPU112は、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示される振分駆動判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS245)。ここで、小当り遊技状態にて振分部材83を第1の振分状態と第2の振分状態とに複数回変化させる場合には、小当り制御パターンにて異なる複数の遊技制御プロセスタイマ値に対応した複数の振分駆動判定値が設定されている。この場合、ステップS245の処理では、小当り制御パターンに設定された複数の振分駆動判定値のいずれか1つに遊技制御プロセスタイマ値が合致すれば、振分駆動判定値と合致するとの判定がなされる。例えば、小当り遊技状態にて振分用ソレノイド108を最初に駆動して振分部材83を最初に第2の振分状態とするための振分駆動判定値は、ステップS242にて最初に開口部82を開放状態とするための大入賞口開放開始判定値と同じ遊技制御プロセスタイマ値を示していてもよい。この場合には、小当り遊技状態における始動動作で開口部82を開放状態とするタイミングにて、振分用ソレノイド108の駆動を開始して第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球を第2領域88へと振り分けることができる。あるいは、小当り遊技状態にて振分用ソレノイド108を最初に駆動して振分部材83を最初に第2の振分状態とするための振分駆動判定値は、ステップS242にて最初に開口部82を開放状態とするための大入賞口開放開始判定値よりも大きな遊技制御プロセスタイマ値を示していてもよい。この場合には、小当り遊技状態における始動動作で開口部82を開放状態とするタイミングよりも後のタイミングにて、振分用ソレノイド108の駆動を開始する。そして、振分駆動判定値と合致すれば(ステップS245;Yes)、振分部材83を振分用ソレノイド108の駆動力によりパチンコ遊技機1の奥行き方向における奥側に移動させるための設定を行う(ステップS246)。ステップS246の処理では、小当り制御パターンに含まれる振分駆動制御データを読み出し、その読出データに応じた駆動制御信号の生成などを行うことにより、振分用ソレノイド108を駆動させる。
ステップS245にて遊技制御プロセスタイマ値が振分駆動判定値と合致しない場合には(ステップS245;No)、ステップS246の処理をスキップする。この後、CPU112は、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示されるモータ駆動開始判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS247)。例えば、モータ駆動開始判定値は、ステップS242にて最初に開口部82を開放状態とするための大入賞口開放開始判定値と同じ遊技制御プロセスタイマ値を示していてもよい。この場合には、小当り遊技状態における始動動作で開口部82を開放状態とするタイミングにて、モータ127の駆動による回転体79の回動を開始することができる。あるいは、モータ駆動開始判定値は、ステップS242にて最初に開口部82を開放状態とするための大入賞口開放開始判定値よりも大きな遊技制御プロセスタイマ値を示していてもよい。この場合には、小当り遊技状態における最初の始動動作で開口部82を開放状態とするタイミングよりも後のタイミングにて、モータ127の駆動による回転体79の回動を開始する。モータ駆動開始判定値と合致すれば(ステップS247;Yes)、回転体79をモータ127の駆動力により回動させる動作の開始設定を行う(ステップS248)。ステップS248の処理では、小当り制御パターンに含まれるモータ駆動開始制御データが示す駆動パターンでモータ127を駆動して、回転体79を順方向あるいは逆方向に回動させるように、駆動制御信号の生成などが行われる。
ステップS247にて遊技制御プロセスタイマ値がモータ駆動開始判定値と合致しない場合には(ステップS247;No)、ステップS248の処理をスキップする。この後、CPU112は、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示される貯留駆動開始判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS249)。例えば、貯留駆動開始判定値は、ステップS242にて最初に開口部82を開放状態とするための大入賞口開放開始判定値と同じ遊技制御プロセスタイマ値を示していてもよい。この場合には、小当り遊技状態における始動動作で開口部82を開放状態とするタイミングにて、貯留用ソレノイド118の駆動を開始して貯留板118bを貯留状態とすることができる。あるいは、貯留駆動開始判定値は、ステップS242にて最初に開口部82を開放状態とするための大入賞口開放開始判定値よりも大きな遊技制御プロセスタイマ値を示すものであっても、始動動作で開放状態となった開口部82に進入した遊技球が貯留板118bの設置位置に到達するまでに要する最短の所要時間よりも短い時間に対応した遊技制御プロセスタイマ値を示すものであればよい。このとき、貯留駆動開始判定値と合致すれば(ステップS249;Yes)、貯留板118bを貯留用ソレノイド118の駆動力によりパチンコ遊技機1の奥行き方向における手前側に移動(進出)させて貯留状態とするための設定を行う(ステップS250)。ステップS250の処理では、小当り制御パターンに含まれる貯留駆動開始制御データを読み出し、その読出データに応じた駆動制御信号の生成などを行うことにより、貯留用ソレノイド118を駆動させる。
ステップS250の処理を実行したときには、貯留用ソレノイド118を駆動させてから停止させるまでの駆動時間が経過したか否かを判定するために用いる貯留解除判定値をセットする(ステップS251)。例えば、このときセットされる貯留解除判定値としては、現在の遊技制御プロセスタイマ値に基づき、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が振分部材83により第2領域88に振り分けられるとした場合に、進入球誘導通路110や振分部材83、第2誘導通路117を通過して進入球検出器109により検出されるまでに十分な時間に対応するタイマ判定値が設定されればよい。そして、ステップS251にて設定された貯留解除判定値は、進入球検出器109が遊技球を検出したことに基づいて、後述するステップS507(図29)の処理が実行されたときに、再び設定(更新)される。これにより、特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に複数の遊技球が進入したときには最初に進入した遊技球に対応してラウンド制御パターンが決定される場合に、第1特定進入口89に比べて遊技者にとって有利な第2特定進入口91に遊技球が進入したことに対応するラウンド制御パターンを、優先的に決定することができる。ステップS251での設定を行った後に遊技制御プロセスタイマ値の更新が進み、ステップS251にてセットされた貯留解除判定値と遊技制御プロセスタイマ値とが合致することになれば、たとえ第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が進入したとしても、その遊技球は振分部材83により第2領域88の側には振り分けられなかったと判断することができる。なお、ステップS251の処理による貯留解除判定値のセットは行わずに、小当り制御パターンに示される貯留解除判定値を用いるようにしてもよい。
ステップS249にて遊技制御プロセスタイマ値が貯留駆動開始判定値と合致しない場合には(ステップS249;No)、ステップS250、S251の処理をスキップする。この後、第1大入賞口進入時処理を実行することにより、第1大入賞口となる開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が進入した場合における各種の設定や制御が行われる(ステップS252)。
ステップS252にて第1大入賞口進入時処理を実行した後には、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示される振分停止判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS253)。ここで、小当り遊技状態にて振分部材82を第1の振分状態と第2の振分状態とに複数回変化させる場合には、小当り制御パターンにて異なる複数の遊技制御プロセスタイマ値に対応した複数の振分停止判定値が設定されている。この場合、ステップS253の処理では、小当り制御パターンに設定された複数の振分停止判定値のいずれか1つに遊技制御プロセスタイマ値が合致すれば、振分停止判定値と合致するとの判定がなされる。例えば、小当り遊技状態にて振分用ソレノイド108を駆動して振分部材83を第2の振分状態とした後に振分用ソレノイド108の駆動を停止して振分部材83を第1の振分状態に戻すための振分停止判定値は、ステップS245の処理にて振分部材83を第2の振分状態とするための振分駆動判定値よりも大きな遊技制御プロセスタイマ値を示していればよい。この場合、振分停止判定値は、ステップS242にて最初に開口部82を開放状態とするための大入賞口開放開始判定値よりも大きな遊技制御プロセスタイマ値を示すことになる。そして、振分停止判定値と合致すれば(ステップS253;Yes)、振分用ソレノイド108の駆動を停止させて振分部材83をパチンコ遊技機1の奥行き方向における手前側に移動させるための設定を行う(ステップS254)。ステップS254の処理では、小当り制御パターンに含まれる振分停止制御データを読み出し、その読出データに応じて駆動制御信号の出力を停止させることなどにより、振分用ソレノイド108の駆動を停止させる。
ステップS253にて遊技制御プロセスタイマ値が振分停止判定値と合致しない場合には(ステップS253;No)、ステップS254の処理をスキップする。この後、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示される大入賞口開放終了判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS255)。ここで、小当り遊技状態にて開口部82を開閉する始動動作が複数回行われる場合には、小当り制御パターンにて互いに異なる複数の遊技制御プロセスタイマ値に対応した複数の大入賞口開放終了判定値が設定されている。この場合、ステップS255の処理では、小当り制御パターンに設定された複数の大入賞口開放終了判定値のいずれか1つに遊技制御プロセスタイマ値が合致すれば、大入賞口開放終了判定値と合致するとの判定がなされる。例えば、小当り遊技状態にて開閉片用ソレノイド105を最初に駆動して開口部82を最初に開放状態とした後に開閉片用ソレノイド105の駆動を停止して開口部82を閉鎖状態に戻すための大入賞口開放終了判定値は、ステップS242にて最初に開口部82を開放状態とするための大入賞口開放開始判定値よりも大きな遊技制御プロセスタイマ値を示していればよい。また、小当り遊技状態にて開閉片用ソレノイド105を2回目に駆動して開口部82を2回目に開放状態とした後に開閉片用ソレノイド105の駆動を停止して開口部82を閉鎖状態に戻すための大入賞口開放終了判定値は、ステップS242にて2回目に開口部82を開放状態とするための大入賞口開放開始判定値よりも大きな遊技制御プロセスタイマ値を示していればよい。そして、大入賞口開放終了判定値と合致すれば(ステップS255;Yes)、開閉片用ソレノイド105の駆動を停止させて開閉片81による第1大入賞口の開閉動作としての始動動作を終了するための設定を行う(ステップS256)。ステップS256の処理では、小当り制御パターンに含まれる大入賞口開放終了制御データを読み出し、その読出データに応じて駆動制御信号の出力を停止させることなどにより、開閉片用ソレノイド105の駆動を停止させる。
ステップS255にて遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放終了判定値と合致しない場合には(ステップS255;No)、ステップS256の処理をスキップする。この後、遊技制御プロセスタイマ値が小当り制御パターンに示されるモータ駆動切換判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS257)。ここで、小当り遊技状態にて回転体79の回動方向を順方向と逆方向とに複数回切り換える場合には、小当り制御パターンにて異なる複数の遊技制御プロセスタイマ値に対応した複数のモータ駆動切換判定値が設定されている。この場合、ステップS257の処理では、小当り制御パターンに設定された複数のモータ駆動切換判定値のいずれか1つに遊技制御プロセスタイマ値が合致すれば、モータ駆動切換判定値と合致するとの判定がなされる。これに対して、小当り遊技状態では回転体79の回動方向を切り換えずに順方向あるいは逆方向のいずれか1方向に継続して回動させる場合には、小当り制御パターンにてモータ駆動切換判定値が設定されておらず、ステップS257の処理でモータ駆動切換判定値と合致するとの判定がなされない。例えば、モータ駆動切換判定値は、ステップS247にてモータ127の駆動により回転体79の回動を開始するためのモータ駆動開始判定値よりも大きな遊技制御プロセスタイマ値を示していればよい。この場合、モータ駆動切換判定値は、ステップS242にて最初に開口部82を開放状態とするための大入賞口開放開始判定値よりも大きな遊技制御プロセスタイマ値を示すことになる。そして、モータ駆動切換判定値と合致すれば(ステップS257;Yes)、回転体79をモータ127の駆動力により回動させる動作の切換設定を行う(ステップS258)。ステップS258の処理では、小当り制御パターンに含まれるモータ駆動切換制御データが示す駆動パターンでモータ127を駆動することにより、順方向に回動していた回転体79を逆方向に回動させるように、あるいは、逆方向に回動していた回転体79を順方向に回動させるように、例えば切換設定前の励磁パターンとは逆の励磁パターンを示す制御データを所定の出力ポートにセットすることによる駆動制御信号の生成などが行われる。
ステップS257にて遊技制御プロセスタイマ値がモータ駆動切換判定値と合致しない場合には(ステップS257;No)、ステップS258の処理をスキップする。この後、遊技制御プロセスタイマ値が貯留解除判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS259)。このとき用いられる貯留解除判定値は、小当り制御パターンに示されるものであってもよいし、ステップS251の処理あるいは後述するステップS507の処理により設定されるものであってもよい。どの貯留解除判定値を用いるかについて、小当り制御パターンにて指定するようにしてもよい。いずれの貯留解除判定値を用いる場合であっても、その貯留解除判定値は、ステップS242にて最初に開口部82を開放状態とするための大入賞口開放開始判定値よりも大きな遊技制御プロセスタイマ値を示していればよい。そして、貯留解除判定値と合致すれば(ステップS259;Yes)、貯留用ソレノイド118の駆動を停止させて貯留板118bをパチンコ遊技機1の奥行き方向における奥側に移動(退避)させて貯留解除状態とするための設定を行う(ステップS260)。ステップS260の処理では、小当り制御パターンに含まれる貯留解除制御データを読み出し、その読出データに応じて駆動制御信号の出力を停止させることなどにより、貯留用ソレノイド118の駆動を停止させる。
ステップS259にて遊技制御プロセスタイマ値が貯留解除判定値と合致しない場合には(ステップS259;No)、ステップS260の処理をスキップする。この後、遊技制御プロセスタイマ値を小当り遊技終了基準値と比較することにより、そのタイマ値が小当り遊技終了基準値に達したか否かを判定する(図28のステップS261)。このとき、遊技制御プロセスタイマ値が小当り遊技終了基準値に達していなければ(ステップS261;No)、小当り開放時処理を終了する。
これに対して、ステップS261にて遊技制御プロセスタイマ値が小当り遊技終了基準値に達している場合には(ステップS261;Yes)、残存球数カウント値が「0」であるか否かを判定する(ステップS262)。なお、残存球数カウント値は、図27に示すステップS252の第1大入賞口進入時処理にて、後述するステップS503、S513(図29)の処理が実行されることにより、更新される。
ステップS262にて残存球数カウント値が「0」である場合には(ステップS262;Yes)、特定入賞判定処理を実行することにより、第1特定進入口89や第2特定進入口91に遊技球が進入したか否かの判定が行われる(ステップS263)。続いて、例えば駆動制御信号の出力を停止させることなどにより、振分用ソレノイド108の駆動を停止させて振分部材83をパチンコ遊技機1の奥行き方向における手前側に移動させるための設定と(ステップS264)、回転体79をモータ127の駆動力により回動させる動作の停止設定とを行う(ステップS265)。このように、ステップS262にて残存球数カウント値が「0」である場合にステップS264、S265の処理を実行することにより、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないとの判定に対応して、振分部材83の振分動作や回転体79の回転動作といった、可動部材の動作を停止させることができる。
ステップS265の処理に続いて、遊技制御プロセスタイマをリセットしてタイマ値をクリアするとともに(ステップS266)、第1大入賞口カウンタを初期化して第1大入賞口カウント値をクリアしてから(ステップS267)、小当り開放時処理を終了する。
ステップS262にて残存球数カウント値が「0」ではない場合には(ステップS262;No)、遊技制御プロセスタイマ値が遊技停止判定値に達したか否かを判定する(ステップS268)。このとき、遊技停止判定値に達していなければ(ステップS268;No)、小当り開放時処理を終了する。これに対して、ステップS268にて遊技停止判定値に達している場合には(ステップS268;Yes)、異常状態である旨を報知する異常報知処理を繰返し実行する(ステップS269)。これにより、遊技の進行を停止することができ、異常状態を発生させて行われる不正行為を防止することができる。ステップS269の異常報知処理では、上部装飾ユニット22を全て点灯させることや、演出表示装置44bの表示領域80に所定の報知画像を表示させること、スピーカ12a、12bから所定の警報音を出力させること、あるいは、これらを組み合わせることにより、異常を報知できるようにすればよい。
ステップS269にて実行される異常報知処理は、電源基板97からの電力供給停止時、すなわち電源断が行われるまで、繰返し行われるようにすればよい。この場合、電源断が行われたときには、電源の再投入時にクリアスイッチ97aの押圧操作が行われることにより、RAM111がクリアされた後に初期設定処理が実行されて、異常状態がクリア(解除)されればよい。これに対して、電源断が行われたときには、電源の再投入時にクリアスイッチ97aの押圧操作が行われなくても、異常の報知を終了させるようにしてもよい。これにより、異常状態をクリア(解除)するために特別な信号を主基板120に入力させる必要がないので、不正な信号が入力される可能性を低減することができる。
また、ステップS269にて実行される異常報知処理は、所定時間(例えば30秒)が経過するまで繰返し行われるようにして、その所定時間が経過した後には、自動的に異常状態から復旧できるようにしてもよい。これにより、異常状態が発生したことを遊技場の店員等に対して確実に報知することができる一方で、クリアスイッチ97aの押圧操作や電源の再投入などによりRAM111をクリアしなくても異常状態から復旧させられるので、ノイズ等の原因で異常状態と判定された場合などに、遊技者に与える不利益を軽減することができる。あるいは、ステップS269の異常報知処理では、例えば演出制御基板90に対してエラーコマンドとなる演出制御コマンドを送信してエラーの発生を報知させた後、ループ処理には入らずに小当り開放時処理を終了するようにしてもよい。
図29は、図27のステップS252にて実行される第1大入賞口進入時処理の一例を示すフローチャートである。図29に示す第1大入賞口進入時処理において、CPU112は、まず、第1カウントスイッチ106からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS501)。このとき、第1カウントスイッチ106からの検出信号がオン状態であれば(ステップS501;Yes)、第1大入賞口カウント値を1加算するとともに(ステップS502)、残存球数カウント値を1加算する(ステップS503)。また、遊技停止判定値の設定(更新)を行う(ステップS504)。
ステップS501にて第1カウントスイッチ106からの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS501;No)、ステップS502〜S504の処理をスキップする。この後、進入球検出器109からの検出信号がオン状態となっているか否かの判定を行う(ステップS505)。このとき、進入球検出器109からの検出信号がオン状態であれば(ステップS505;Yes)、遊技球が第2領域88に誘導された旨を報知する演出動作の開始を指示する演出制御コマンドである第2演出開始コマンドを、演出制御基板90に対して送信するための設定が行われる(ステップS506)。例えば、ステップS506の処理において、CPU112は、ROM100に記憶された第2演出開始コマンドテーブルを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、送信コマンドポインタにセットする。こうしてステップS506での設定を行った場合には、第1大入賞口進入時処理や小当り開放時処理が終了してから図21に示すステップS18の表示コマンド制御処理が実行されることにより、主基板120から演出制御基板90に対して第2演出開始コマンドが送信されることになる。ステップS506の処理を実行したときには、貯留解除判定値の設定(更新)を行う(ステップS507)。例えば、ステップS507の処理では、遊技制御プロセスタイマ値に基づき、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が進入球検出器109により検出されてから、第2領域88に設けられている第2特定進入口91に進入し第2特定球検出器121bにより検出されるまでに十分な時間に対応するタイマ判定値を設定する。これにより、進入球検出器109により検出された遊技球が第2特定進入口91に進入したか否かを判断できるタイミングまでは貯留用ソレノイド118を駆動させて貯留状態を維持し、遊技者にとって有利な第2領域88に設けられた第2特定進入口91に遊技球が進入するタイミングよりも後に貯留板118bを貯留開放状態に制御することで、第1特定進入口89と第2特定進入口91に遊技球が同時に進入することを防止できるとともに、第2特定進入口91に進入した遊技球の検出を第1特定進入口89に進入した遊技球の検出よりも優先的に行わせることができ、特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に複数の遊技球が進入したときには最初に進入した遊技球に対応してラウンド制御パターンが決定される場合に、第1特定進入口89に比べて遊技者にとって有利な第2特定進入口91に遊技球が進入したことに対応するラウンド制御パターンを、優先的に決定することができる。
ステップS505にて進入球検出器109からの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS505;No)、ステップS506、S507の処理をスキップする。この後、第1特定球検出器121aからの検出信号がオン状態であるか否かの判定を行う(ステップS508)。このとき、第1特定球検出器121aからの検出信号がオン状態であれば(ステップS508;Yes)、第1特定球検出フラグをオン状態にセットする(ステップS509)。
ステップS508にて第1特定球検出器121aからの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS508;No)、ステップS509の処理をスキップする。この後、第2特定球検出器121bからの検出信号がオン状態となっているか否かの判定を行う(ステップS510)。このとき、第2特定球検出器121bからの検出信号がオン状態であれば(ステップS510;Yes)、第2特定球検出フラグをオン状態にセットする(ステップS511)。
ステップS510にて第2特定球検出器121bからの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS510;No)、ステップS511の処理をスキップする。この後、排出球検出器122からの検出信号がオン状態であるか否かの判定を行う(ステップS512)。このとき、排出球検出器122からの検出信号がオフ状態であれば(ステップS512;No)、第1大入賞口進入時処理を終了する。これに対して、排出球検出器122からの検出信号がオン状態であれば(ステップS512;Yes)、残存球数カウント値を1減算してから(ステップS513)、第1大入賞口進入時処理を終了する。
図30は、図28のステップS263にて実行される特定入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す特定入賞判定処理において、CPU112は、まず、第1特定球検出フラグがオンであるか否かを判定することにより、第1特定球検出器121aによって第1特定進入口89に進入した遊技球が検出されたか否かの判定を行う(ステップS521)。このとき、第1特定球検出フラグがオンであれば(ステップS521;Yes)、第1特定球検出フラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS522)、ラウンド数決定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(ステップS523)。なお、図25に示すステップS202の処理にて、乱数値MR1とともに乱数値MR3を示す数値データを抽出してもよい。この場合には、ステップS202の処理にて抽出した乱数値MR3を所定のバッファにセットしておき、ステップS523では、そのバッファから乱数値MR3を示す数値データを読み出すようにすればよい。ステップS523の処理を実行した後には、抽出された乱数値MR3に基づき、図12に示すようなラウンド数決定テーブル230を参照することなどにより、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の最大継続回数となるラウンド最大値を決定する(ステップS524)。ステップS524の処理に続いて、ラウンド最大値に対応したラウンド制御パターンをセットする(ステップS525)。ステップS525の処理では、ステップS524の処理にて決定されたラウンド最大値が「1」であるか「3」であるか「5」であるかに対応して、ラウンド制御パターンRP3−1〜RP3−3のいずれかがセットされる。すなわち、ラウンド最大値が「1」に決定されたことに対応して1ラウンド用のラウンド制御パターンRP3−1がセットされ、ラウンド最大値が「3」に決定されたことに対応して3ラウンド用のラウンド制御パターンRP3−2がセットされ、ラウンド最大値が「5」に決定されたことに対応して5ラウンド用のラウンド制御パターンRP3−3がセットされる。
また、ステップS521にて第1特定球検出フラグがオフである場合には(ステップS521;No)、第2特定球検出フラグがオンであるか否かを判定することにより、第2特定球検出器121bによって第2特定進入口91に進入した遊技球が検出されたか否かの判定を行う(ステップS526)。このとき、第2特定球検出フラグがオンであれば(ステップS526;Yes)、第2特定球検出フラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS527)、15ラウンド用のラウンド制御パターンRP2−1をセットする(ステップS528)。
ステップS525、S528の処理のいずれかを実行した後には、大当り開始コマンドを演出制御基板90に対して送信するための設定が行われる(ステップS529)。例えば、ステップS529の処理において、CPU112は、図26に示すステップS223の処理と同様にして、ROM100に記憶された大当り開始コマンドテーブルを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、送信コマンドポインタにセットする。こうしてステップS529での設定を行った場合には、特定入賞判定処理や小当り開放時処理が終了してから図21に示すステップS18の表示コマンド制御処理が実行されることにより、主基板120から演出制御基板90に対して大当り開始コマンドが送信されることになる。ステップS529の処理に続き、例えば図26に示すステップS224の処理と同様にして、大当り遊技開始待ち時間の設定を行う(ステップS530)。その後、特図プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS531)、特定入賞判定処理を終了する。
ステップS526にて第2特定球検出フラグがオフである場合には(ステップS526;No)、小当り遊技状態が終了した旨の報知動作を指示する演出制御コマンドである小当り終了演出コマンドを、演出制御基板90に対して送信するための設定が行われる(ステップS532)。その後、特図プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS533)、特定入賞判定処理を終了する。
このように、特定入賞判定処理は、図28に示すステップS262の処理にて残存球数カウント値が「0」であると判定されたことに対応して実行される。そして、特定入賞判定処理では、例えばステップS531の処理が実行されることにより特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方で、ステップS533の処理が実行されることにより特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。こうして特定入賞判定処理にて特図プロセスフラグの値が更新されることにより、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないとの判定に対応して、図22に示すステップS52〜S56の処理が実行可能となり、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が不適切に検出されたか否かの判定(第1エラー判定処理の実行)を開始させることができる。
図31は、図24のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。この大当り終了処理において、CPU112は、まず、所定の大当り終了待ち時間が経過したか否かの判定を行う(ステップS311)。このとき、大当り終了待ち時間が経過していなければ(ステップS311;No)、そのまま大当り終了処理を終了させる。
ステップS311にて大当り終了待ち時間が経過した場合には(ステップS311;Yes)、遊技制御フラグ設定部162に設けられた有利状態フラグをオン状態にセットするとともに(ステップS312)、有利状態終了条件の設定を行う(ステップS313)。一例として、ステップS313の処理では、CPU112が、特別遊技状態にて実行可能な普図ゲームの回数として予め定められた特別時普図変動回数(例えば「10」)を、遊技制御カウンタ設定部164に設けられた可変表示回数カウンタにセットする。この場合には、例えば有利状態終了判定値を「0」に設定する。そして、後述する図32に示すステップS143の普通図柄停止処理が実行されるごとに、例えば可変表示回数カウンタの値を1減算するように更新し、更新後の値が有利状態終了判定値としての「0」に達したときに、特別遊技状態を終了して通常遊技状態に移行する制御が行われればよい。あるいは、ステップS313の処理では、可変表示回数カウンタをクリアすることによりカウント初期値として「0」をセットするとともに、特別時普図変動回数に対応する有利状態終了判定値(例えば「10」)を設定するようにしてもよい。この場合には、後述する図32に示すステップS143の普通図柄停止処理が実行されるごとに、例えば可変表示回数カウンタの値を1加算するように更新し、更新後の値が有利状態終了判定値に達したときに、特別遊技状態を終了して通常遊技状態に移行する制御が行われればよい。
ステップS313にて有利状態終了条件を設定した後には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS314)、大当り終了処理を終了する。
図32は、図21のステップS17にて実行される普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄プロセス処理において、CPU112は、まず、通過ゲート58に設けられたゲートスイッチ58aからの検出信号がオン状態であるか否かをチェックすることにより、通過ゲート58を遊技球が通過したか否かの判定を行う(ステップS131)。遊技球が通過ゲート58を通過してゲートスイッチ58aからの検出信号がオン状態となった場合には(ステップS131;Yes)、ゲート通過時処理を実行する(ステップS132)。他方、ゲートスイッチ58aからの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS131;No)、ステップS132の処理をスキップする。
ステップS132にて実行されるゲート通過時処理では、まず、普図保留記憶部161に記憶されている保留データの個数である普図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、普図保留記憶数が上限値となっていれば、今回の遊技球検出は無効として、そのままゲート通過時処理を終了する。これに対して、普図保留記憶数が上限値未満であるときには、普図表示結果判定用の乱数値MR2を示す数値データを抽出する。例えば、CPU112は、乱数発生回路60aとは別個に遊技制御用マイクロコンピュータ99に内蔵されたランダムカウンタにて生成される数値データを、乱数値MR2を示す数値データとして抽出する。そして、抽出した乱数値MR2を示す数値データを、普図保留記憶部161における空きエントリの先頭にセットする。このときには、例えば遊技制御カウンタ設定部164に設けられた普図保留記憶数カウンタにおけるカウント値である普図保留記憶数カウント値を1加算するように更新してもよい。また、演出制御基板90に対して普図保留記憶数通知コマンドとなる所定の演出制御コマンドを送信するための設定を行い、演出表示装置44bの表示領域80に設けられた普通図柄始動記憶表示エリアにて、普図保留記憶数を特定可能とする演出画像を表示させるようにしてもよい。
以上のようなゲート通過時処理を実行した後や、ステップS131にてゲートスイッチ58aからの検出信号がオフ状態であると判定された後には、普図プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS140〜S144の各処理を実行する。
ステップS140の普通図柄通常処理は、普図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この普通図柄通常処理では、例えば特図プロセスフラグの値が“0”であるか否かの判定を行い、“0”以外の値である場合には、そのまま普通図柄通常処理を終了する。これにより、特別図柄の変動が開始されてから確定特別図柄が導出表示されるまでの期間や、小当り遊技状態あるいは大当り遊技状態に制御されている期間では、普図ゲームにおける普通図柄の変動が開始されないようにして、演出表示装置44bの表示領域80における演出画像の表示などによる各種演出が競合しないように制御することができる。特に、大当り遊技状態では普図ゲームにおける普通図柄の変動が開始されないようにすれば、普通図柄の変動状態(例えば大当り遊技状態中における普図ゲームの実行回数や、大当り遊技状態の終了直前に新たな普図ゲームの実行が開始されたか否かなど)により特別遊技状態にて実行可能な普図ゲームの回数に差異が生じてしまうといった、特別遊技状態における遊技内容に有利なものと不利なものとが出現することを防止できる。普通図柄通常処理を実行したときに特図プロセスフラグの値が“0”である場合には、普図保留記憶部161に格納された保留データの有無などに基づいて、普通図柄表示装置63による普図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。このとき、例えば普図保留記憶部161に格納された保留データがある場合には、普図プロセスフラグの値を“1”に更新する。
ステップS141の普通図柄判定処理は、普図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この普通図柄判定処理では、普図表示結果判定用の乱数値MR2を示す数値データに基づき、普図ゲームにおける可変表示結果としての普図表示結果を、「第1普図当り」あるいは「第2普図当り」とする判定や「普図ハズレ」とする判定などが行われる。また、普通図柄判定処理では、普図表示結果に対応する普図変動パターンの決定も行われる。そして、普通図柄判定処理では、普通図柄表示装置63にて普通図柄の変動が開始されることに対応した演出制御コマンドとして、普図変動開始コマンドを演出制御基板90に対して送信するための設定が行われる。
ステップS142の普通図柄変動処理は、普図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄が変動を開始してからの経過時間が計測され、その経過時間が普図変動パターンに対応して定められた普図変動時間に達したか否かの判定が行われる。そして、普図変動時間に達したときには、普通図柄表示装置63にて普通図柄の変動が終了することに対応した演出制御コマンドとして、普図変動終了コマンドを演出制御基板90に対して送信するための設定を行うようにしてもよい。この場合、演出制御基板90の側では、普図変動終了コマンドを受信したことに基づき、普通図柄の可変表示に対応して実行される演出(例えば飾り図柄の可変表示など)を終了するための設定が行われればよい。あるいは、主基板120から演出制御基板90に対する普図変動終了コマンドの送信は行われないようにしてもよい。この場合、演出制御基板90の側では、普図変動開始コマンドに示された普図変動パターンなどに対応する普図変動時間を特定し、普図変動開始コマンドを受信してからの経過時間が特定された普図変動時間に達したときに、主基板120からの演出制御コマンドを受信しなくても、普通図柄の可変表示に対応して実行される演出を終了するための設定が行われるようにすればよい。このような各種設定が行われた後には、普図プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS143の普通図柄停止処理は、普図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普図表示結果が「第1普図当り」や「第2普図当り」である場合に、普通可変入賞球装置61に設けられた普通電動役物用ソレノイド59を駆動するための設定が行われ、普図プロセスフラグの値が“5”に更新される。他方、普図表示結果が「普図ハズレ」である場合には、普図プロセスフラグの値が“0”に更新される。また、普通図柄停止処理では、特別遊技状態における普図ゲームの実行回数に基づき、特別遊技状態を終了して通常遊技状態に移行するための設定などが行われる。
ステップS144の普通電動役物作動処理は、普図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置61に形成された始動領域56に遊技球を誘導可能とするための制御が行われる。例えば、普通電動役物作動処理では、ステップS143の普通図柄停止処理にてセットされた普電作動パターンの設定に応じて、普通可変入賞球装置61に設けられた普通電動役物用ソレノイド59を駆動するための駆動制御信号の生成が行われるようにすればよい。また、普通電動役物作動処理では、普通電動役物用ソレノイド59を駆動して可変誘導部材61aを進出させることにより始動領域56に遊技球を誘導可能としてからの経過時間が計測され、その経過時間が進出終了判定値に対応した誘導終了時間に達したか否かの判定が行われる。さらに、普通電動役物作動処理では、始動口スイッチ60により始動領域56に進入した遊技球が検出されたか否かの判定なども行われる。そして、経過時間が誘導終了時間に達した場合や、始動口スイッチ60により遊技球が検出された場合には、普通電動役物用ソレノイド59の駆動を停止して始動領域56に遊技球が進入不能となるための設定を行う。ここで、経過時間が誘導終了時間に達した場合には、予め定められた有効誘導時間が経過したことに対応して、普図プロセスフラグの値を“0”に更新する。有効誘導時間は、経過時間が誘導終了時間に達するまでの期間に、普通電動役物用ソレノイド59の駆動を停止して可変誘導部材61aを退避状態としてから遊技球が始動領域56にて始動口スイッチ60により検出されるまでに十分な期間を加えた時間であればよい。他方、始動口スイッチ60により遊技球が検出された場合には、その時点で普図プロセスフラグの値を“0”に更新してもよいし、所定の誘導終了待ち時間が経過したことに対応して、普図プロセスフラグの値を“0”に更新してもよい。
図33(A)は、図32のステップS141にて実行される普通図柄判定処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄判定処理において、CPU112は、まず、普図保留記憶部161にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、普図表示結果判定用の乱数値MR2を示す数値データを読み出す(ステップS351)。このときには、例えば普図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、普図保留記憶数を1減少させるように更新するとともに、普図保留記憶部161にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR2を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS352)。
ステップS352の処理に続いて、有利状態フラグがオンであるか否かの判定を行う(ステップS353)。このとき、有利状態フラグがオフであれば(ステップS353;No)、普図ゲームにおける可変表示結果としての普図表示結果につき判定を行うためのテーブルとして、図9(A)に示す通常時普図表示結果判定テーブル210Aを設定する(ステップS354)。これに対して、有利状態フラグがオンであれば(ステップS353;Yes)、普図ゲームにおける可変表示結果としての普図表示結果につき判定を行うためのテーブルとして、図9(B)に示す有利時普図表示結果判定テーブル210Bを設定する(ステップS355)。
ステップS354、S355の処理のいずれかを実行した後には、各処理で設定した普図表示結果判定テーブルを参照することで、普図表示結果を「第1普図当り」あるいは「第2普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかの判定を行う(ステップS356)。このとき、普図表示結果を「第1普図当り」あるいは「第2普図当り」とする旨の判定が行われた場合には、普図ゲームにおける確定普通図柄として「○」を示す普通図柄が決定されるようにすればよい。また、普図表示結果を「普図ハズレ」とする旨の判定が行われた場合には、普図ゲームにおける確定普通図柄として「×」を示す普通図柄が決定されるようにすればよい。
ステップS356にて普図表示結果の判定を行った後には、遊技制御フラグ設定部162に設けられた普図表示結果フラグの値を設定する(ステップS357)。例えば、ステップS357の処理では、図33(B)に示すように、ステップS356の処理にて普図表示結果を「第1普図当り」とする旨の判定がなされたことに対応して、普図表示結果フラグの値を“1”に設定する。また、ステップS356の処理にて普図表示結果を「第2普図当り」とする旨の判定がなされた場合には、普図表示結果フラグの値が“2”に設定される。ステップS356の処理にて普図表示結果を「普図ハズレ」とする旨の判定がなされた場合には、普図表示結果フラグの値が“3”に設定される。
ステップS357にて普図表示結果フラグの値を設定した後には、図11に示す普図変動パターン決定テーブル221を参照することにより、普図表示結果に対応する普図変動パターンを決定する(ステップS358)。続いて、ステップS358にて決定した普図変動パターンに対応する普図変動時間の設定を行う(ステップS359)。一例として、ステップS359の処理では、CPU112が、普図変動パターンに対応した普図変動時間を、図11に示すような普図変動パターン決定テーブル221を参照することなどにより特定し、特定された普図変動時間に対応するタイマ初期値を、遊技制御タイマ設定部162に設けられた普図変動タイマにセットする。この場合には、図32に示すステップS142の普通図柄変動処理が実行されるごとに、例えば普図変動タイマの値を1減算するように更新し、その値が「0」になったときに、普通図柄の変動を開始してからの経過時間が普図変動時間に達した旨の判定を行うようにすればよい。あるいは、ステップS359の処理では、普図変動タイマをクリアすることによりタイマ初期値として「0」をセットするとともに、普図変動時間に対応する普図変動終了判定値を設定するようにしてもよい。この場合には、図32に示すステップS142の普通図柄変動処理が実行されるごとに、例えば普図変動タイマの値を1加算するように更新し、その値が普図変動終了判定値に達したときに、普通図柄の変動を開始してからの経過時間が普図変動時間に達した旨の判定を行うようにすればよい。
ステップS359にて普図変動時間を設定した後には、主基板120から演出制御基板90に対して普図変動開始コマンドを送信するための設定を行う(ステップS360)。ここで、普図変動開始コマンドは、ステップS356の処理にて判定された普図表示結果や、ステップS358の処理にて決定された普図変動パターン、ステップS359の処理にて設定された普図変動時間などを示す演出制御コマンドであればよい。例えば、ステップS360の処理において、CPU112は、ROM100に記憶された普図変動開始コマンドテーブルを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、RAM111の所定領域などに設けられた送信コマンドポインタにセットする。こうしてステップS360での設定を行った場合には、普通図柄判定処理が終了してから図21に示すステップS18の表示コマンド制御処理が実行されることにより、主基板120から演出制御基板90に対して普図変動開始コマンドが送信されることになる。なお、普図変動開始コマンドとは別に、普図表示結果を示す演出制御コマンドを、主基板120から演出制御基板90に対して送信するようにしてもよい。ただし、普図変動開始コマンドにより普図表示結果が示されることで、別個に普図表示結果を示す演出制御コマンドを送信する必要がなくなることから、主基板120から演出制御基板90に対して送信する演出制御コマンドの数を削減して、主基板120における制御負担や記憶データの容量を低減することができる。
ステップS360にて普図変動開始コマンドの送信設定を行った後には、普図プロセスフラグの値を普通図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS361)、普通図柄判定処理を終了する。
図34は、図32のステップS143にて実行される普通図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄停止処理において、CPU112は、まず、普図表示結果フラグの値が「第1普図当り」に対応した“1”であるか否かを判定する(ステップS371)。このとき、普図表示結果フラグの値が“1”であれば(ステップS371;Yes)、普図表示結果が「第1普図当り」であることに対応した普電作動パターンをセットする(ステップS372)。例えば、ステップS372の処理において、CPU112は、有利状態フラグがオンであるか否かの判定を行う。そして、有利状態フラグがオフである場合には、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるときに普図表示結果を「第1普図当り」とする決定に対応した普電作動パターンFA1−1をセットする。これに対して、有利状態フラグがオンである場合には、パチンコ遊技機1における遊技状態が特別遊技状態であるときに普図表示結果を「第1普図当り」とする決定に対応した普電作動パターンFA2−1をセットする。
ステップS371にて普図表示結果フラグの値が“1”ではない場合には(ステップS371;No)、その値が「第2普図当り」に対応した“2”であるか否かを判定する(ステップS373)。このとき、普図表示結果フラグの値が“2”であれば(ステップS372;Yes)、普図表示結果が「第2普図当り」であることに対応した普電作動パターンをセットする(ステップS374)。例えば、ステップS374の処理において、CPU112は、有利状態フラグがオンであるか否かの判定を行う。そして、有利状態フラグがオフである場合には、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるときに普図表示結果を「第2普図当り」とする決定に対応した普電作動パターンFA1−2をセットする。これに対して、有利状態フラグがオンである場合には、パチンコ遊技機1における遊技状態が特別遊技状態であるときに普図表示結果を「第2普図当り」とする決定に対応した普電作動パターンFA2−2をセットする。
こうして、ステップS372、S374の処理では、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるか特別遊技状態であるか、及び、普図表示結果が「第1普図当り」であるか「第2普図当り」であるかに応じて、異なる普電作動パターンを設定することができる。これにより、普通可変入賞球装置61において普通電動役物用ソレノイド59を駆動することにより始動領域56に遊技球が進入可能となる可変誘導部材61aの動作態様を、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるか特別遊技状態であるかや、普図表示結果が「第1普図当り」であるか「第2普図当り」であるかに応じて、異ならせることができる。
例えば、ステップS372、S374の処理においてセットした普電作動パターンに対応して、普通可変入賞球装置61に設けられた普通電動役物用ソレノイド59を駆動して可変誘導部材61aを進出させることで始動領域56に遊技球が進入可能となる入賞可能時間が設定される。すなわち、例えば図14に示すように、ステップS372の処理において普電作動パターンFA1−1がセットされた場合や、ステップS374の処理において普電作動パターンFA2−1あるいは普電作動パターンFA2−2がセットされた場合には、入賞可能時間が「5秒」に設定される。これに対して、ステップS372の処理において普電作動パターンFA1−2がセットされた場合には、入賞可能時間が「0.1秒」にセットされる。これにより、普図表示結果が「第1普図当り」となる場合には、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるか特別遊技状態であるかに関わりなく、普通可変入賞球装置61において、5秒間にわたり始動領域56に遊技球が進入可能となる。他方、普図表示結果が「第2普図当り」となる場合には、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるときには0.1秒間にわたり始動領域56に遊技球が進入可能となる一方で、特別遊技状態であるときには5秒間にわたり始動領域56に遊技球が進入可能となる。
言い換えると、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるときには、普図表示結果が「第1普図当り」となることに対応して5秒間にわたり始動領域56に遊技球が進入可能となる一方で、普図表示結果が「第2普図当り」となることに対応して0.1秒間にわたり始動領域56に遊技球が進入可能となる。他方、パチンコ遊技機1における遊技状態が特別遊技状態であるときには、普図表示結果が「第1普図当り」となるか「第2普図当り」となるかに関わりなく、普図ゲームでの可変表示結果が「普図当り」となることに対応して、5秒間にわたり始動領域56に遊技球が進入可能となる。そして、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるときに、普図表示結果が「第1普図当り」となる場合には、普図表示結果が「第2普図当り」となることに対応した0.1秒間よりも長い5秒間にわたり始動領域56に遊技球が進入可能となることから、普図表示結果が「第2普図当り」となる場合に比べて、遊技者にとって有利な第1誘導動作が行われることになる。他方、普図表示結果が「第2普図当り」となる場合には、普図表示結果が「第1普図当り」となる場合に行われる第1誘導動作に比べて、遊技者にとって不利な第2誘導動作が行われることになる。
ステップS372、S374の処理のいずれかを実行した後には、主基板120から演出制御基板90に対して普電作動開始コマンドを送信するための設定を行う(ステップS375)。普電作動開始コマンドは、普通可変入賞球装置61において普通電動役物用ソレノイド59が駆動されて可変誘導部材61aが進出することにより始動領域56に遊技球が進入可能となることを通知する演出制御コマンドである。例えばステップS375の処理において、CPU112は、ROM100に記憶された普電作動開始コマンドテーブルを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、RAM111の所定領域などに設けられた送信コマンドポインタにセットする。こうしてステップS375での設定を行った場合には、普通図柄停止処理が終了してから図21に示すステップS18の表示コマンド制御処理が実行されることにより、主基板120から演出制御基板90に対して普電作動開始コマンドが送信されることになる。
ステップS375の処理を実行した後には、普図プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理に対応した値である“4”に更新する(ステップS376)。また、ステップS373にて普図表示結果フラグの値が“2”ではない場合には(ステップS373;No)、普図プロセスフラグの値を“0”に更新する(ステップS377)。
続いて、CPU112は、有利状態フラグがオンであるか否かの判定を行う(ステップS378)。このとき、有利状態フラグがオフであれば(ステップS378;No)、普通図柄停止処理を終了する。これに対して、有利状態フラグがオンである場合には(ステップS378;Yes)、可変表示回数カウンタの値である可変表示回数カウント値を、1減算あるいは1加算するなどして更新する(ステップS379)。そして、ステップS379の処理での更新後における可変表示回数カウント値が有利状態終了判定値と合致するか否かを判定する(ステップS380)。
ステップS380にて可変表示回数カウント値が有利状態終了判定値と合致した場合には(ステップS380;Yes)、有利状態フラグをクリアしてオフ状態としてから(ステップS381)、普通図柄停止処理を終了する。他方、ステップS380にて可変表示回数カウント値が有利状態終了判定値と合致しない場合には(ステップS380;No)、ステップS381の処理を実行することなく、普通図柄停止処理を終了する。
次に、演出制御基板90における動作を説明する。演出制御基板90では、電源基板97等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用マイクロコンピュータ170が起動し、CPU181が図35のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図35に示す演出制御メイン処理を開始すると、CPU181は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS401)、RAM183のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板90に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。
その後、乱数更新処理が実行され(ステップS402)、演出制御に用いる各種の乱数値を示す数値データの更新が行われる。続いて、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS403)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過する毎にオン状態にセットされる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ170では、所定時間が経過する毎に発生するタイマ割込みとは別に、主基板120から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板120からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、CPU181は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。CPU181は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、演出制御用マイクロコンピュータ170が備える入出力ポート185に含まれる入力ポートのうちで、周辺コマンド中継基板57を介して主基板120から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートから、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM183の演出制御バッファ設定部に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、CPU181は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS403にてタイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS403;No)、ステップS402の処理に戻る。他方、ステップS403にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS403;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS404)、コマンド解析処理を実行する(ステップS405)。ステップS405にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板120の遊技制御用マイクロコンピュータ99から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS405にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS406)。この演出制御プロセス処理では、例えば演出表示装置44bの表示領域80における演出画像の表示動作、スピーカ12a、12bからの音声出力動作、各種遊技効果LED・ランプ13、14a〜14d、16a、16b、17a、17bや各種装飾LED・ランプ32における点灯動作について、主基板120から送信された演出制御コマンド等に応じた設定や制御が行われる。ステップS406にて演出制御プロセス処理を実行した後には、音・ランプ制御コマンド処理を実行してから(ステップS407)、ステップS402の処理に戻る。ステップS407にて実行される音・ランプ制御コマンド処理では、ステップS406の演出制御プロセス処理における設定や制御の内容に基づき、スピーカ12a、12bによる音声の出力動作を制御する音声出力制御データ、あるいは各種遊技効果LED・ランプ13、14a〜14d、16a、16b、17a、17bや各種装飾LED・ランプ32の点灯動作を制御する点灯制御データといった、各種の演出動作を制御する制御データとなる制御コマンドの設定が行われる。
図36は、図35のステップS406にて実行される演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この演出制御プロセス処理において、CPU181は、例えばRAM183の演出制御フラグ設定部に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS160〜S170の各処理を実行する。
ステップS160の普図変動開始コマンド受信待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この普図変動開始コマンド受信待ち処理は、主基板120からの普図変動開始コマンドを受信したか否かに基づいて演出表示装置44bの表示領域80における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理を含んでいる。
ステップS161の飾り図柄可変表示設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この飾り図柄可変表示設定処理は、普図ゲームにおける普通図柄の変動開始に対応して演出表示装置44bの表示領域80における飾り図柄の可変表示を含めた各種の演出動作を行うために、普図変動パターンなどに応じた演出制御パターンを選択する処理などを含んでいる。
ステップS162の飾り図柄可変表示中処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この飾り図柄可変表示中処理において、CPU181は、例えばRAM183の演出制御タイマ設定部に設けられた演出制御プロセスタイマの値に対応して、演出制御パターンから表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データといった各種の演出制御データを読み出す。このとき読み出された演出制御データに従って、例えば表示制御部171に対して送信する表示制御指令の決定や、音声出力制御データあるいは点灯制御データの生成などといった、飾り図柄の可変表示中における各種の設定や制御が行われる。そして、主基板120から普図変動終了コマンドを受信したことや、演出制御基板90の側にて普図変動時間が経過した旨の判定がなされたことなどに応じて、所定の表示制御指令を表示制御部171に対して送信することにより、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄を表示させる。
一例として、演出制御パターンから所定の終了コードが読み出されたときに、演出表示装置44bの表示領域80における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部にて、確定飾り図柄となる飾り図柄が確定しない状態で揺れている揺れ変動状態とする仮停止表示を行い、主基板120から普図変動終了コマンドを受信したことに応じて、確定飾り図柄の表示を確定させてもよい。また、他の一例として、演出制御パターンから終了コードが読み出されたときには、主基板120から普図変動終了コマンドなどの演出制御コマンドを受信しなくても、演出表示装置44bの表示領域80における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部にて、確定飾り図柄の表示を確定させてもよい。この場合には、普図変動開始コマンドに示された普図変動パターンなどに対応する普図変動時間が経過したときに、主基板120からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板90の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示させることができる。
ステップS163の普電作動開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この普電作動開始待ち処理において、CPU181は、主基板120から送信された普電作動開始コマンドの受信があったか否かの判定を行う。そして、普電作動開始コマンドを受信したときには、普図表示結果が「第1普図当り」や「第2普図当り」になったこと、すなわち、飾り図柄の可変表示結果が第1当り組合せの確定飾り図柄(例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部で同一の英数字「7」を示す飾り図柄など)や第2当り組合せの確定飾り図柄(例えば「左」、「中」、「右」の飾り図柄可変表示それぞれで英数字「1」、「2」、「3」を示す飾り図柄など)になったことに基づき、普通電動役物用ソレノイド59が駆動されると判断して、演出プロセスフラグの値を普電作動中演出処理に対応した値である“4”に更新する。これに対して、普電作動開始コマンドを受信せずに、所定の普電作動開始待ち時間が経過したときには、普図表示結果が「普図ハズレ」であると判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS164の普電作動中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この普電作動中演出処理において、CPU181は、例えば図20に示す演出制御パターンテーブル300に格納された普電作動演出制御パターンから、各種の演出制御データを読み出し、読み出された演出制御データに従った設定や制御を行う。これにより、普通可変入賞球装置61において始動領域56に遊技球が進入可能となったことに対応した演出動作を実行可能とする。また、普電作動中演出処理では、主基板120から送信された特図変動開始コマンドの受信があったか否かの判定を行う。そして、特図変動開始コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値を特図変動時演出設定処理に対応した値である“5”に更新する。これに対して、特図変動開始コマンドを受信せずに、所定の特図変動開始待ち時間が経過したときには、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS165の特図変動時演出設定処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この特図変動時演出設定処理は、特図ゲームにおける特別図柄の変動開始に対応して演出表示装置44bの表示領域80における演出画像の表示を含めた各種の演出動作を行うために、特図変動パターンなどに応じた演出制御パターンを選択する処理などを含んでいる。
ステップS166の特図変動中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この特図変動中演出処理において、CPU181は、例えばRAM183の演出制御タイマ設定部に設けられた演出制御プロセスタイマの値に対応して、演出制御パターンから表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データといった各種の演出制御データを読み出す。このとき読み出された演出制御データに従って、例えば表示制御部171に対して送信する表示制御指令の決定や、音声出力制御データあるいは点灯制御データの生成などといった、飾り図柄の可変表示中における各種の設定や制御が行われる。そして、主基板120から特図変動終了コマンドを受信したことや、演出制御基板90の側にて特図変動時間が経過した旨の判定がなされたことなどに応じて、所定の表示制御指令を表示制御部171に対して送信することや、音声出力制御データあるいは点灯制御データを音声枠ランプ基板92に対して送信することなどにより、特別図柄の可変表示に対応した演出動作を終了させる。
ステップS167の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この特図当り待ち処理において、CPU181は、主基板120から送信される大当り開始コマンドと小当り開始コマンドのいずれかを受信したか否かの判定を行う。そして、大当り開始コマンドを受信したときには、特図表示結果が「大当り」になったと判断して、例えば大当り遊技状態用の演出制御パターンをセットするなどといった所定の設定を行った後、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“9”に更新する。これに対して、小当り開始コマンドを受信したときには、特図表示結果が「第1小当り」から「第4小当り」のいずれかになったと判断して、例えば小当り遊技状態用の演出制御パターンをセットするなどといった所定の設定を行った後、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“8”に更新する。
ステップS168の小当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り中演出処理において、CPU181は、例えば表示制御部171に対する表示制御指令の送信により小当り遊技状態に応じた所定の演出画像を演出表示装置44bの表示領域80に表示させたり、音声枠ランプ基板92に対する音声出力制御データや点灯制御データの送信により小当り遊技状態に応じた音声出力やランプ等の点灯動作をさせたりするといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を行う。そして、主基板120から送信される大当り開始コマンドを受信したときには、遊技球が特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に進入したことによる大当りが発生したと判断して、例えば大当り遊技状態用の演出制御パターンをセットするなどといった所定の設定を行った後、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“9”に更新する。他方、主基板120から送信される小当り終了コマンドを受信したときには、遊技球が第1特定進入口89や第2特定進入口91に進入することなく小当り遊技状態が終了したと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS169の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この大当り中演出処理において、CPU181は、例えば表示制御部171に対する表示制御指令の送信により大当り遊技状態に応じた所定の演出画像を演出表示装置44bの表示領域80に表示させたり、音声枠ランプ基板92に対する音声出力制御データや点灯制御データの送信により大当り遊技状態に応じた音声出力やランプ等の点灯動作をさせたりするといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を行う。そして、例えば主基板120から送信される大当り終了コマンドを受信したことなどに応じて、大当り遊技状態における演出動作を終了させるとともに、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“10”に更新する。
ステップS170のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。このエンディング演出処理は、例えば表示制御部171に対して表示制御指令を送信して演出表示装置44bの表示領域80に所定の演出画像を表示させたり、スピーカ12a、12bから音声を出力させたり、各種遊技効果LED・ランプ13、14a〜14d、16a、16b、17a、17bや各種装飾LED・ランプ32を点灯させたりすることにより、大当り遊技状態の終了を報知するための演出動作を制御する処理を含んでいる。
図37は、図36のステップS161にて実行される飾り図柄可変表示設定処理の一例を示すフローチャートである。この飾り図柄可変表示設定処理において、CPU181は、まず、普図表示結果が「第1普図当り」であるか否かの判定を行う(ステップS701)。例えば、ステップS701の処理において、CPU181は、主基板120から送信された普図変動開始コマンドに示された普図表示結果や普図変動パターンなどから、普図表示結果が「第1普図当り」であるか否かの判定を行えばよい。
ステップS701にて普図表示結果が「第1普図当り」である場合には(ステップS701;Yes)、第1当り組合せの確定飾り図柄を決定する(ステップS702)。例えば、ステップS702の処理において、CPU181は、乱数回路184といったハードウェアにより、あるいはCPU181が実行するソフトウェアにより更新される、当り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM182などに予め記憶された第1当り組合せ図柄決定テーブルを参照することなどにより、複数種類の第1当り組合せとなる確定飾り図柄のいずれかを、今回の飾り図柄の可変表示における表示結果として決定する。第1当り組合せ図柄決定テーブルは、当り図柄決定用の乱数値を、演出表示装置44bの表示領域80における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部にて揃って表示させる同一の飾り図柄(例えば「左」、「中」、「右」で同一の英数字「7」を示す飾り図柄など)と対応付ける設定データ(決定用データ)などから構成されていればよい。
ステップS702にて第1当り組合せの確定飾り図柄を決定した後には、普図表示結果が「第1普図当り」であることに対応した演出制御パターンの決定を行う(ステップS703)。例えば、ステップS703の処理において、CPU181は、乱数回路184といったハードウェアにより、あるいはCPU181が実行するソフトウェアにより更新される、パターン決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM182などに予め記憶された第1普図当り演出制御パターン決定テーブルを参照することなどにより、普図表示結果が「第1普図当り」であることに対応して予め用意された複数種類の演出制御パターンのいずれかを、今回の飾り図柄の可変表示における演出制御パターンとして決定する。このとき、CPU181は、例えば主基板120から送信される演出制御コマンドに基づいてパチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるか特別遊技状態であるかを判定し、判定結果に応じて異なる演出制御パターンを決定するようにしてもよい。例えば、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるときには、図20に示す演出制御パターンテーブル300に格納された第1普図当りA−1、A−2などの演出制御パターンから、今回の飾り図柄の可変表示における演出制御パターンを選択して決定すればよい。また、パチンコ遊技機1における遊技状態が特別遊技状態であるときには、図20に示す演出制御パターンテーブル300に格納された第1普図当りB−1、B−2などの演出制御パターンから、今回の飾り図柄の可変表示における演出制御パターンを選択して決定すればよい。
ステップS701にて普図表示結果が「第1普図当り」ではない場合には(ステップS701;No)、その普図表示結果は「第2普図当り」であるか否かの判定を行う(ステップS704)。このとき、普図表示結果が「第2普図当り」であれば(ステップS704;Yes)、第2当り組合せの確定飾り図柄を決定する(ステップS705)。例えば、ステップS705の処理において、CPU181は、乱数回路184といったハードウェアにより、あるいはCPU181が実行するソフトウェアにより更新される、当り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM182などに予め記憶された第1当り組合せ図柄決定テーブルとは異なる第2当り組合せ図柄決定テーブルを参照することなどにより、第1当り組合せとは異なる複数種類の第2当り組合せとなる確定飾り図柄のいずれかを、今回の飾り図柄の可変表示における表示結果として決定する。第2当り組合せ図柄決定テーブルは、当り図柄決定用の乱数値を、演出表示装置44bの表示領域80における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部にて表示させる飾り図柄(例えば「左」、「中」、「右」で英数字「1」、「2」、「3」を示す飾り図柄など)と対応付ける設定データ(決定用データ)などから構成されていればよい。ここで、第2当り組合せとなる確定飾り図柄は、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部にて同一の飾り図柄が揃わない組合せの飾り図柄であればよく、リーチが成立するものを含んでいてもよいし、リーチが成立しないもののみが含まれていてもよい。また、パチンコ遊技機1における遊技状態が特別遊技状態であるときには、第2当り組合せとなる確定飾り図柄を、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部にて同一の飾り図柄が揃った組合せの飾り図柄としてもよい。これにより、特別遊技状態で普図表示結果が「第2普図当り」となることに基づく普電作動パターンFA2−2の設定により入賞可能時間が「0.1秒」よりも長い「5秒」となる場合に、始動領域56に遊技球が入賞可能となったことを容易に認識可能として、遊技者に違和感を与えないようにすることができる。
ここで、リーチとは、予め定められた有効ライン上の一部の飾り図柄可変表示部に同一の飾り図柄が揃って停止表示(仮停止表示)しているときに未だ停止表示していない有効ライン上の飾り図柄可変表示部において変動表示が行われている表示態様(例えば、演出表示装置44bの表示領域80に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部のうち「左」、「右」の飾り図柄可変表示部には同一の飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されている状態で「中」の飾り図柄可変表示部は未だ変動表示が行われている表示態様)、あるいは、有効ライン上の飾り図柄可変表示部の全て又は一部の飾り図柄が同一で揃った状態を構成しながら同期して変動表示している表示態様(例えば、演出表示装置44bの表示領域80に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄可変表示部の全てで変動表示が行われてどの状態が表示されても同一の飾り図柄が揃っている態様で変動表示が行われている表示態様)である。
ステップS705にて第2当り組合せの確定飾り図柄を決定した後には、普図表示結果が「第2普図当り」であることに対応した演出制御パターンの決定を行う(ステップS706)。例えば、ステップS706の処理において、CPU181は、乱数回路184といったハードウェアにより、あるいはCPU181が実行するソフトウェアにより更新される、パターン決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM182などに予め記憶された第2普図当り演出制御パターン決定テーブルを参照することなどにより、普図表示結果が「第2普図当り」であることに対応して予め用意された複数種類の演出制御パターンのいずれかを、今回の飾り図柄の可変表示における演出制御パターンとして決定する。このとき、CPU181は、例えば主基板120から送信される演出制御コマンドに基づいてパチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるか特別遊技状態であるかを判定し、判定結果に応じて異なる演出制御パターンを決定するようにしてもよい。例えば、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるときには、図20に示す演出制御パターンテーブル300に格納された第2普図当りA−1、A−2などの演出制御パターンから、今回の飾り図柄の可変表示における演出制御パターンを選択して決定すればよい。また、パチンコ遊技機1における遊技状態が特別遊技状態であるときには、図20に示す演出制御パターンテーブル300に格納された第2普図当りB−1、B−2などの演出制御パターンから、今回の飾り図柄の可変表示における演出制御パターンを選択して決定すればよい。
ステップS704にて普図表示結果が「第2普図当り」ではない場合には(ステップS704;No)、ハズレ組合せの確定飾り図柄を決定する(ステップS707)。例えば、ステップS707の処理において、CPU181は、乱数回路184といったハードウェアにより、あるいはCPU181が実行するソフトウェアにより更新される、ハズレ図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM182などに予め記憶されたハズレ組合せ図柄決定テーブルを参照することなどにより、第1当り組合せや第2当り組合せとは異なる複数種類のハズレ組合せとなる確定飾り図柄のいずれかを、今回の飾り図柄の可変表示における表示結果として決定する。
ステップS707にてハズレ組合せの確定飾り図柄を決定した後には、普図表示結果が「普図ハズレ」であることに対応した演出制御パターンの決定を行う(ステップS708)。例えば、ステップS708の処理において、CPU181は、乱数回路184といったハードウェアにより、あるいはCPU181が実行するソフトウェアにより更新される、パターン決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM182などに予め記憶された普図ハズレ演出制御パターン決定テーブルを参照することなどにより、普図表示結果が「普図ハズレ」であることに対応して予め用意された複数種類の演出制御パターンのいずれかを、今回の飾り図柄の可変表示における演出制御パターンとして決定する。このとき、CPU181は、例えば主基板120から送信される演出制御コマンドに基づいてパチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるか特別遊技状態であるかを判定し、判定結果に応じて異なる演出制御パターンを決定するようにしてもよい。例えば、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるときには、図20に示す演出制御パターンテーブル300に格納された普図ハズレA−1、A−2などの演出制御パターンから、今回の飾り図柄の可変表示における演出制御パターンを選択して決定すればよい。また、パチンコ遊技機1における遊技状態が特別遊技状態であるときには、図20に示す演出制御パターンテーブル300に格納された普図ハズレB−1、B−2などの演出制御パターンから、今回の飾り図柄の可変表示における演出制御パターンを選択して決定すればよい。
ステップS703、S706、S708の処理のいずれかを実行した後には、飾り図柄の可変表示を開始してから確定飾り図柄を導出表示して可変表示を終了するまでの演出期間に対応した、演出制御プロセスタイマ初期値の設定を行う(ステップS709)。例えば、ステップS709の処理において、CPU181は、普図変動開始コマンドに示された普図変動パターンに対応した普図変動時間を特定する。そして、特定された普図変動時間に対応した飾り図柄の可変表示時間を設定する処理の1つとして、演出制御プロセスタイマ初期値の設定を行う。一例として、CPU181は、特定された普図変動時間に対応するタイマ初期値を、演出制御プロセスタイマにセットする。あるいは、CPU181は、ステップS703、S706、S708の処理のいずれかにて決定した演出制御パターンから読み出した演出制御プロセスタイマ設定値を、演出制御プロセスタイマにセットするようにしてもよい。これらの場合には、図36に示すステップS162の飾り図柄可変表示中処理が実行されるごとに、例えば演出制御プロセスタイマの値を1減算するように更新し、その値が「0」になったときに、飾り図柄の可変表示を開始してからの経過時間が可変表示時間に達した旨の判定を行うようにすればよい。他の一例として、CPU181は、演出制御プロセスタイマをクリアすることによりタイマ初期値として「0」をセットするとともに、飾り図柄の可変表示時間に対応する可変表示終了判定値を設定するようにしてもよい。この場合には、図36に示すステップS162の飾り図柄可変表示中処理が実行されるごとに、例えば演出制御プロセスタイマの値を1加算するように更新し、その値が可変表示終了判定値に達したときに、飾り図柄の可変表示を開始してからの経過時間が可変表示時間に達した旨の判定を行うようにすればよい。
ステップS709にて演出制御プロセスタイマ初期値の設定を行った後には、例えば演出制御パターンに含まれる表示制御データに対応した表示制御指令を入出力ポート185に含まれる出力ポートから表示制御部171に対して送信することなどにより、演出表示装置44bの表示領域80における飾り図柄の可変表示を開始させるための設定を行う(ステップS710)。そして、演出プロセスフラグの値を飾り図柄可変表示中処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS711)、飾り図柄可変表示設定処理を終了する。
図38は、図36のステップS163にて実行される普電作動開始待ち処理の一例を示すフローチャートである。この普電作動開始待ち処理において、CPU181は、まず、所定の普電作動開始待ち時間が経過したか否かの判定を行う(ステップS721)。一例として、図36に示すステップS162の飾り図柄可変表示中処理では、飾り図柄の可変表示が終了したときに、普電作動開始待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が演出制御プロセスタイマにセットされる。そして、ステップS721の処理では、演出制御プロセスタイマの値を、例えば1減算するなどして更新し、更新後のタイマ値が所定の普電不作動判定値(例えば「0」など)と合致すれば、普電作動開始待ち時間が経過した旨の判定が行われる。
ステップS721にて普電作動開始待ち時間が経過していない場合には(ステップS721;No)、主基板120から送信される普電作動開始コマンドの受信があったか否かの判定を行う(ステップS722)。このとき、普電作動開始コマンドの受信がなければ(ステップS722;No)、普電作動開始待ち処理を終了する。
ステップS722にて普電作動開始コマンドの受信があった場合には(ステップS722;Yes)、図20に示す演出制御パターンテーブル300に格納された普電作動演出制御パターンをセットする(ステップS723)。その後、例えばステップS723にてセットした普電作動演出制御パターンに含まれる表示制御データに対応した表示制御指令を入出力ポート185に含まれる出力ポートから表示制御部171に対して送信することなどにより、普通可変入賞球装置61にて普通電動役物用ソレノイド59が駆動されて始動領域56に遊技球が進入可能となることに対応した普電作動演出を開始するための設定を行う(ステップS724)。こうした設定に基づき、例えば演出表示装置44bの表示領域80には「左を狙え!」といった報知メッセージを示す演出画像を表示させるとともに、スピーカ12a、12bからは始動領域56に遊技球が進入可能であることに対応した報知メッセージとなる音声を出力させるといった、普電作動演出の実行を開始することができる。なお、普電作動演出は、例えばパチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるか特別遊技状態であるかや、普図ゲームにおける可変表示結果などに応じて、異ならせるようにしてもよい。この場合、普電作動開始コマンドとして、パチンコ遊技機1における遊技状態や普図ゲームにおける可変表示結果を示す演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。あるいは、普電作動開始コマンドとは別個に、パチンコ遊技機1における遊技状態や普図ゲームにおける可変表示結果を示す演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。また、演出制御基板90の側において、例えば普図変動開始コマンドに示された普図変動パターンや、飾り図柄の可変表示の実行結果などから、パチンコ遊技機1における遊技状態や普図ゲームにおける可変表示結果を特定可能に記憶しておいてもよい。一例として、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるときに普図表示結果が「第2普図当り」となったことに基づき普通可変入賞球装置61にて普通電動役物用ソレノイド59が駆動される場合には、普電作動開始コマンドの受信があっても飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄の停止表示を継続するようにしてもよい。これに対して、普図表示結果が「第1普図当り」である場合や、特別遊技状態にて普図表示結果が「第2普図当り」である場合には、「左を狙え!」といった報知メッセージを示す演出画像を表示させるなどの演出動作が、普電作動演出として行われるようにすればよい。
ステップS724にて普電作動演出の開始設定を行った後には、演出プロセスフラグの値を普電作動中演出処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS725)、普電作動開始待ち処理を終了する。また、ステップS721にて普電作動開始待ち時間が経過した場合には(ステップS721;Yes)、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新してから(ステップS726)、普電作動開始待ち処理を終了する。
図39は、図36のステップS165にて実行される特図変動時演出設定処理の一例を示すフローチャートである。この特図変動時演出設定処理において、CPU181は、まず、特図表示結果が「大当り」であるか否かの判定を行う(ステップS741)。例えば、ステップS741の処理において、CPU181は、主基板120から送信された特図変動開始コマンドに示された特図表示結果や特図変動パターンなどから、特図表示結果が「大当り」であるか否かの判定を行えばよい。
ステップS741にて特図表示結果が「大当り」である場合には(ステップS741;Yes)、図20に示す演出制御パターンテーブル300に格納された大当り演出制御パターンをセットする(ステップS742)。
ステップS741にて特図表示結果が「大当り」ではない場合には(ステップS741;No)、例えば主基板120から送信された特図変動開始コマンドに示された特図表示結果や特図変動パターンなどから、特図表示結果が「第1小当り」から「第4小当り」のうちいずれであるかという、小当り種別を特定する(ステップS743)。続いて、図20に示す演出制御パターンテーブル300に格納された第1〜第4小当り演出制御パターンのうち、ステップS743にて特定された小当り種別に対応した小当り演出制御パターンをセットする(ステップS744)。
ステップS742、S744の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の変動が開始されてから確定特別図柄が導出表示されて特図ゲームが終了するまでの演出期間に対応した、演出制御プロセスタイマ初期値の設定を行う(ステップS745)。例えば、ステップS745の処理において、CPU181は、特図変動開始コマンドに示された特図変動パターンに対応した特図変動時間を特定する。そして、特定された特図変動時間に対応した演出時間を設定する処理の1つとして、演出制御プロセスタイマ初期値の設定を行う。一例として、CPU181は、特定された特図変動時間に対応するタイマ初期値を、演出制御プロセスタイマにセットする。あるいは、CPU181は、ステップS742、S744の処理のいずれかにてセットした演出制御パターンから読み出した演出制御プロセスタイマ設定値を、演出制御プロセスタイマにセットするようにしてもよい。これらの場合には、図36に示すステップS166の特図変動中演出処理が実行されるごとに、例えば演出制御プロセスタイマの値を1減算するように更新し、その値が「0」になったときに、特別図柄の変動が開始されてからの経過時間が特図変動時間に達した旨の判定を行うようにすればよい。他の一例として、CPU181は、演出制御プロセスタイマをクリアすることによりタイマ初期値として「0」をセットするとともに、特図変動時間に対応する特図変動時演出終了判定値を設定するようにしてもよい。この場合には、図36に示すステップS166の特図変動中演出処理が実行されるごとに、例えば演出制御プロセスタイマの値を1加算するように更新し、その値が特図変動時演出終了判定値に達したときに、特別図柄の変動が開始されてからの経過時間が特図変動時間に達した旨の判定を行うようにすればよい。
ステップS745にて演出制御プロセスタイマ初期値の設定を行った後には、例えば演出制御パターンに含まれる表示制御データに対応した表示制御指令を入出力ポート185に含まれる出力ポートから表示制御部171に対して送信することなどにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応した特図変動時演出を開始するための設定を行う(ステップS746)。特図変動時演出としては、例えばステップS742の処理で大当り演出制御パターンをセットした場合に、演出表示装置44bの表示領域80に「大当り」といったメッセージを示す演出画像を表示させることなどにより、第2特別可変入賞球装置47に設けられた開口部48が開放されることを報知する演出が行われる一方で、例えばステップS744の処理で第1〜第4小当り演出制御パターンをセットした場合に、演出表示装置44bの表示領域80に「ハネ開放!」といったメッセージを示す演出画像を表示させることなどにより、第1特別可変入賞球装置66に設けられた開口部82が開放されることを報知する演出が行われればよい。ステップS746の処理を実行した後には、演出制御プロセスタイマの値を特図変動中演出処理に対応した値である“6”に更新してから(ステップS747)、特図変動時演出設定処理を終了する。
以下、パチンコ遊技機1における具体的な制御の一例について説明する。ここではまず、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「第1小当り」から「第4小当り」のいずれかとなることに対応して小当り遊技状態に制御される場合における制御例について説明する。図40は、特図表示結果が「第1小当り」となる場合において、始動口スイッチ60の動作タイミングや、特別図柄表示装置44a、開閉片用ソレノイド105、振分用ソレノイド108及びモータ127の制御タイミングの一例を示すタイミングチャートである。図40(A)〜(E)では、横軸が時間の経過を示している。
パチンコ遊技機1では、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果である普図表示結果が「第1普図当り」あるいは「第2普図当り」となったことに基づき、普通可変入賞球装置61にて普通電動役物用ソレノイド59が駆動されて可変誘導部材61aが進出することで、始動領域56に遊技球が進入可能となる。このとき、始動領域56に進入した遊技球が始動口スイッチ60により検出され、図40(A)に示すように、始動口スイッチ60から出力される検出信号がオン状態となったことに基づいて、特別図柄表示装置44aによる特図ゲームが開始され、特別図柄の可変表示が行われる。このとき、例えば図25に示すステップS202の処理にて取得した特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、ステップS203にて図8に示す特図表示結果判定テーブル200を参照することで、特図表示結果となる表示結果種別を「第1小当り」とする判定がなされたとする。この場合、ステップS204の処理では、図10に示す特図変動パターン決定テーブル220を参照することにより、「第1小当り」に対応する特図変動パターンとして「小当りA」の特図変動パターンが決定される。この「小当りA」の特図変動パターンが決定された場合には、特図ゲームにて特別図柄の変動を開始してから確定特別図柄を導出表示して特図ゲームを終了するまでの特図変動時間が「1.2秒」となる。
これらの判定結果や決定結果に基づき、特別図柄表示装置44aでは、例えば図40(B)に示すように、特別図柄の変動を開始してから1.2秒が経過したときに、可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示して特図ゲームを終了する。このときには、特図ゲームにおける可変表示結果が「第1小当り」に対応した小当り図柄「22」となる。こうして特図表示結果が「第1小当り」となる特図ゲームが終了すると、第1小当り時用の小当り制御パターンKP1で定められた駆動パターンに従って、各ソレノイド105、108、118及びモータ127の駆動制御が開始される。第1小当り時用の小当り制御パターンKP1は、図26に示すステップS228の処理にて、特図表示結果(小当り種別)が「第1小当り」であることに対応して決定される。
第1小当り時用の小当り制御パターンKP1による設定に基づき、開閉片用ソレノイド105は第1の開閉駆動パターンで駆動される。この第1の開閉駆動パターンでは、例えば図27に示すステップS242の処理で遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放開始判定値と合致したことに対応して(ステップS242;Yes)、図40(C)に示すように、特図ゲームが終了してから特図表示結果を示す確定特別図柄を停止表示しておく時間などに対応する所定の待機時間(例えば0.5秒)が経過した後に、始動動作回数が「1」で開放時間が「1秒」となるように、開閉片用ソレノイド105の駆動制御が開始される(ステップS243)。こうして、第1特別可変入賞球装置66に設けられた第1大入賞口となる開口部82は、始動開放回数が「1」で開放時間が「1秒」となる始動動作パターンで、閉鎖状態から開放状態に変化した後、図27に示すステップS255の処理で遊技制御プロセスタイマ値が大入賞口開放終了判定値と合致したことに対応して(ステップS255;Yes)、閉鎖状態に戻る(ステップS256)。また、振分用ソレノイド108は第1の振分駆動パターンで駆動される。この第1の振分駆動パターンでは、例えば図40(D)に示すように、開閉片用ソレノイド105の駆動が開始されて開口部82が開放状態となるタイミングから1秒が経過するまでは振分用ソレノイド108の駆動を停止して遊技球を第1領域85へと振り分けるようにする。その後、例えば図27に示すステップS245の処理で遊技制御プロセスタイマ値が振分駆動判定値と合致したことに対応して(ステップS245;Yes)、1秒間にわたり振分用ソレノイド108を駆動させて遊技球を第2領域88へと振り分けるようにする(ステップS246)。続いて、例えば図27に示すステップS253の処理で遊技制御プロセスタイマ値が振分停止判定値と合致したことに対応して(ステップS253;Yes)、再び振分用ソレノイド108の駆動を停止して遊技球を第1領域85へと振り分けるようにする(ステップS254)。第1領域85に振り分けられた遊技球は、1/10の確率で第1特定進入口89に進入することになる。さらに、モータ127は第1の回転駆動パターンで駆動される。この第1の回転駆動パターンでは、例えば図27に示すステップS247の処理で遊技制御プロセスタイマ値がモータ駆動開始判定値と合致したことに対応して(ステップS247;Yes)、図40(E)に示すように、開閉片用ソレノイド105の駆動が開始されて開口部82が開放状態となるタイミングから2秒が経過するまでは、モータ127が回転体79を順方向に回転させるように駆動される(ステップS248)。このとき、第2領域88に振り分けられた遊技球は、3/4の確率で第2特定進入口91に進入することになる。その後、例えば図27に示すステップS257の処理で遊技制御プロセスタイマ値がモータ駆動切換判定値と合致したことに対応して(ステップS257;Yes)、モータ127の回転駆動方向を切り換えて、回転体79を逆方向に回転させるように駆動する(ステップS258)。このとき、第2領域88に振り分けられた遊技球は、1/4の確率で第2特定進入口91に進入することになる。貯留用ソレノイド118は、例えば図27に示すステップS249の処理で遊技制御プロセスタイマ値が貯留駆動開始判定値と合致したことに対応して(ステップS249;Yes)、駆動が開始される(ステップS250)。これにより、第1特定進入口89の上部にて貯留板118bが進出することで、転動板上から落下した遊技球を貯留する貯留状態となる。その後、例えば図27に示すステップS259の処理で遊技制御プロセスタイマ値が貯留解除判定値と合致したことに対応して(ステップS259;Yes)、貯留用ソレノイド118の駆動を停止することで、貯留板118bが退避する(ステップS260)。このとき、貯留板118bによって貯留されていた遊技球は、第1特定進入口89に進入することになる。
図41は、特図表示結果が「第2小当り」となる場合において、始動口スイッチ60の動作タイミングや、特別図柄表示装置44a、開閉片用ソレノイド105、振分用ソレノイド108及びモータ127の制御タイミングの一例を示すタイミングチャートである。図41(A)〜(E)でも、横軸が時間の経過を示している。
この例では、図41(A)に示すように、始動口スイッチ60から出力される検出信号がオン状態となったことに基づき、図25に示すステップS203の処理において、特図表示結果となる表示結果種別を「第2小当り」とする判定がなされる。そして、ステップS204の処理において、「第2小当り」に対応する特図変動パターンとして「小当りB」の特図変動パターンが、図10に示す特図変動パターン決定テーブル220を参照することなどにより決定される。この「小当りB」の特図変動パターンが決定された場合には、特図ゲームにて特別図柄の変動を開始してから確定特別図柄を導出表示して特図ゲームを終了するまでの特図変動時間が「4.1秒」となる。
これらの判定結果や決定結果に基づき、特別図柄表示装置44aでは、例えば図41(B)に示すように、特別図柄の変動を開始してから4.1秒が経過したときに、可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示して特図ゲームを終了する。このときには、特図ゲームにおける可変表示結果が「第2小当り」に対応した小当り図柄「44」となる。こうして特図表示結果が「第2小当り」となる特図ゲームが終了すると、第2小当り時用の小当り制御パターンKP2で定められた駆動パターンに従って、各ソレノイド105、108、118及びモータ127の駆動制御が開始される。第2小当り時用の小当り制御パターンKP2は、図26に示すステップS228の処理にて、特図表示結果(小当り種別)が「第2小当り」であることに対応して決定される。
第2小当り時用の小当り制御パターンKP2による設定に基づき、開閉片用ソレノイド105は第2の開閉駆動パターンで駆動される。この第2の開閉駆動パターンでは、例えば図41(C)に示すように、特図ゲームが終了してから所定の待機時間(例えば0.5秒)が経過した後に、始動動作回数が「1」で開放時間が「2秒」となるように、開閉片用ソレノイド105の駆動制御が行われる。こうして、第1特別可変入賞球装置66に設けられた第1大入賞口となる開口部82は、始動開放回数が「1」で開放時間が「2秒」となる始動動作パターンで、閉鎖状態から開放状態に変化した後、閉鎖状態に戻る。また、振分用ソレノイド108は第2の振分駆動パターンで駆動される。この第2の振分駆動パターンでは、例えば図41(D)に示すように、開閉片用ソレノイド105の駆動が開始されて開口部82が開放状態となるタイミングから1秒が経過するまでは振分用ソレノイド108の駆動を停止して遊技球を第1領域85へと振り分けるようにした後、第1の振分駆動パターンにおける1秒間よりも長い5秒間にわたり振分用ソレノイド108を駆動させて遊技球を第2領域88へと振り分けるようにする。その後には、再び振分用ソレノイド108の駆動を停止して遊技球を第1領域85へと振り分けるようにする。さらに、モータ127は第2の回転駆動パターンで駆動される。この第2の回転駆動パターンでは、例えば図41(E)に示すように、開閉片用ソレノイド105の駆動が開始されて開口部82が開放状態となるタイミングから、第1の回転駆動パターンにおける2秒よりも長い10秒が経過するまでは、モータ127が回転体79を順方向に回転させるように駆動される。その後、モータ127の回転駆動方向を切り換えて、回転体79を逆方向に回転させるように駆動する。
このように、特図表示結果が「第2小当り」となったことに基づく小当り遊技状態では、特図表示結果が「第1小当り」となったことに基づく小当り遊技状態に比べて、第1大入賞口となる開口部82の開放時間や、遊技球が第2領域88へと振り分けられる時間、回転体79が順方向に回転する時間が、いずれも長くなる。そのため、特図表示結果が「第2小当り」となったことに基づく小当り遊技状態では、特図表示結果が「第1小当り」となったことに基づく小当り遊技状態に比べて、第1大入賞口となる開口部82に遊技球が入賞しやすくなり、また、特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91のいずれかに遊技球が進入しやすくなることから、遊技者が獲得する賞球が増加するとともに大当りが発生しやすくなるなど、遊技者にとって有利な小当り遊技状態となる。
図42は、特図表示結果が「第3小当り」となる場合において、始動口スイッチ60の動作タイミングや、特別図柄表示装置44a、開閉片用ソレノイド105、振分用ソレノイド108及びモータ127の制御タイミングの一例を示すタイミングチャートである。図42(A)〜(E)でも、横軸が時間の経過を示している。
この例では、図42(A)に示すように、始動口スイッチ60から出力される検出信号がオン状態となったことに基づき、図25に示すステップS203の処理において、特図表示結果となる表示結果種別を「第3小当り」とする判定がなされる。そして、ステップS204の処理において、「第3小当り」に対応する特図変動パターンとして「小当りC」の特図変動パターンが、図10に示す特図変動パターン決定テーブル220を参照することなどにより決定される。この「小当りC」の特図変動パターンが決定された場合には、特図ゲームにて特別図柄の変動を開始してから確定特別図柄を導出表示して特図ゲームを終了するまでの特図変動時間が「5.5秒」となる。
これらの判定結果や決定結果に基づき、特別図柄表示装置44aでは、例えば図42(B)に示すように、特別図柄の変動を開始してから5.5秒が経過したときに、可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示して特図ゲームを終了する。このときには、特図ゲームにおける可変表示結果が「第3小当り」に対応した小当り図柄「66」となる。こうして特図表示結果が「第3小当り」となる特図ゲームが終了すると、第3小当り時用の小当り制御パターンKP3で定められた駆動パターンに従って、各ソレノイド105、108、118及びモータ127の駆動制御が開始される。第3小当り時用の小当り制御パターンKP3は、図26に示すステップS228の処理にて、特図表示結果(小当り種別)が「第3小当り」であることに対応して決定される。
第3小当り時用の小当り制御パターンKP3による設定に基づき、開閉片用ソレノイド105は第3の開閉駆動パターンで駆動される。この第3の開閉駆動パターンでは、例えば図42(C)に示すように、特図ゲームが終了してから所定の待機時間(例えば0.5秒)が経過した後に、始動動作回数が「3」で開放時間が「1秒」となるように、開閉片用ソレノイド105の駆動制御が行われる。こうして、第1特別可変入賞球装置66に設けられた第1大入賞口となる開口部82は、始動開放回数が「3」で開放時間が「1秒」となる始動動作パターンで、閉鎖状態から開放状態に変化した後、閉鎖状態に戻る。また、振分用ソレノイド108は第1の振分駆動パターンで駆動される。さらに、モータ127は第1の回転駆動パターンで駆動される。
図43は、特図表示結果が「第4小当り」となる場合において、始動口スイッチ60の動作タイミングや、特別図柄表示装置44a、開閉片用ソレノイド105、振分用ソレノイド108及びモータ127の制御タイミングの一例を示すタイミングチャートである。図43(A)〜(E)でも、横軸が時間の経過を示している。
この例では、図43(A)に示すように、始動口スイッチ60から出力される検出信号がオン状態となったことに基づき、図25に示すステップS203の処理において、特図表示結果となる表示結果種別を「第4小当り」とする判定がなされる。そして、ステップS204の処理において、「第4小当り」に対応する特図変動パターンとして「小当りD」の特図変動パターンが、図10に示す特図変動パターン決定テーブル220を参照することなどにより決定される。この「小当りD」の特図変動パターンが決定された場合には、特図ゲームにて特別図柄の変動を開始してから確定特別図柄を導出表示して特図ゲームを終了するまでの特図変動時間が「11.5秒」となる。
これらの判定結果や決定結果に基づき、特別図柄表示装置44aでは、例えば図43(B)に示すように、特別図柄の変動を開始してから11.5秒が経過したときに、可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示して特図ゲームを終了する。このときには、特図ゲームにおける可変表示結果が「第4小当り」に対応した小当り図柄「88」となる。こうして特図表示結果が「第4小当り」となる特図ゲームが終了すると、第4小当り時用の小当り制御パターンKP4で定められた駆動パターンに従って、各ソレノイド105、108、118及びモータ127の駆動制御が開始される。第4小当り時用の小当り制御パターンKP4は、図26に示すステップS228の処理にて、特図表示結果(小当り種別)が「第4小当り」であることに対応して決定される。
第4小当り時用の小当り制御パターンKP4による設定に基づき、開閉片用ソレノイド105は第4の開閉駆動パターンで駆動される。この第4の開閉駆動パターンでは、例えば図43(C)に示すように、特図ゲームが終了してから所定の待機時間(例えば0.5秒)が経過した後に、始動動作回数が「3」で開放時間が「2秒」となるように、開閉片用ソレノイド105の駆動制御が行われる。こうして、第1特別可変入賞球装置66に設けられた第1大入賞口となる開口部82は、始動開放回数が「3」で開放時間が「2秒」となる始動動作パターンで、閉鎖状態から開放状態に変化した後、閉鎖状態に戻る。また、振分用ソレノイド108は第2の振分駆動パターンで駆動される。さらに、モータ127は第2の回転駆動パターンで駆動される。
このように、特図表示結果が「第4小当り」となったことに基づく小当り遊技状態では、特図表示結果が「第3小当り」となったことに基づく小当り遊技状態に比べて、第1大入賞口となる開口部82の開放時間や、遊技球が第2領域88へと振り分けられる時間、回転体79が順方向に回転する時間が、いずれも長くなる。そのため、特図表示結果が「第4小当り」となったことに基づく小当り遊技状態では、特図表示結果が「第3小当り」となったことに基づく小当り遊技状態に比べて、第1大入賞口となる開口部82に遊技球が入賞しやすくなり、また、特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91のいずれかに遊技球が進入しやすくなることから、遊技者が獲得する賞球が増加するとともに大当りが発生しやすくなるなど、遊技者にとって有利な小当り遊技状態となる。
小当り遊技状態にて始動動作が行われる際の始動開放回数や開放時間は、特図表示結果が「第1小当り」から「第4小当り」のいずれであるかに応じて、異なるものとなる。また、始動領域56に進入した遊技球が始動口スイッチ60によって検出されてから始動動作により第1大入賞口となる開口部82が開放状態に変化するまでの時間も、特図表示結果が「第1小当り」から「第4小当り」のいずれであるかに応じて、異なるものとなる。さらに、小当り遊技状態にて振分用ソレノイド108の駆動制御を行う際の振分駆動パターンや、モータ127の駆動制御を行う際の回転駆動パターンは、特図表示結果が「第1小当り」あるいは「第3小当り」である場合と、特図表示結果が「第2小当り」あるいは「第4小当り」である場合とで、互いに異なるものとなる。これにより、始動領域56に進入した遊技球が始動口スイッチ60によって検出されたことに基づいて小当り遊技状態に制御される場合には、始動口スイッチ60により遊技球が検出されてから始動動作が開始されるまでの時間や、小当り遊技状態において開閉片81により開口部82を閉鎖状態と開放状態とで変化させる開閉動作パターン、振分部材83や回転体79といった可動部材により遊技球を誘導する誘導動作パターンなどを、特図表示結果が「第1小当り」から「第4小当り」のいずれとなるかに応じて、異ならせることができる。
パチンコ遊技機1が小当り遊技状態となるときには、図26に示すステップS232の処理にて、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。例えば、図44(A)に示すように、始動口スイッチ60が遊技球を検出したことに対応するタイミングTi01にて、図25に示すステップS203の処理における特図表示結果を「第1小当り」とする判定や、ステップS204の処理における特図変動パターンを「小当りA」の特図変動パターンとする決定などに基づき、図44(B)に示すように特別図柄表示装置44aにて特別図柄の変動が開始される。その後、タイミングTi01から「小当りA」の特図変動パターンに対応した特図変動時間である「1.2秒」が経過したタイミングTi02にて、可変表示結果となる確定特別図柄としての小当り図柄「22」が停止表示されて特図ゲームが終了する。このとき、図26に示すステップS232の処理が実行されることで、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
こうして特図プロセスフラグの値を“3”とすることで、図22に示すステップS52〜S56の処理が実行されないことになり(ステップS51;Yes)、小当り遊技状態における始動動作で開放状態となった第1大入賞口としての開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入する遊技球は、異常な入賞球として検出されなくなる。これに対して、特図プロセスフラグの値は“4”未満であることから、図22に示すステップS58〜S60の処理は実行可能である。したがって、第2特別可変入賞球装置47の内部に進入した遊技球が第2カウントスイッチ52により検出されたときには(ステップS58;Yes)、賞球の払出しが禁止されるとともに(ステップS59)、例えば図23(B)に示すような第2異常報知画面を演出表示装置44bに表示させることといった、異常な入賞球が発生した旨の報知が行われる。
図44(C)に示すように、タイミングTi02から特図表示結果を示す確定特別図柄を停止表示しておく時間などに対応する所定の待機時間(例えば0.5秒)が経過したタイミングTi03(タイミングTi01からは1.7秒が経過したタイミング)では、特図表示結果が「第1小当り」であることに対応した第1小当り時用の小当り制御パターンKP1における設定に基づき、開閉片用ソレノイド105の駆動が開始されることにより、第1大入賞口となる開口部82が閉鎖状態から開放状態へと変化し、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が進入可能となる。そして、図44(E)に示すように、タイミングTi04にて第1カウントスイッチ106により第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が検出されるときには、特図プロセスフラグの値が“3”であることから、図22に示すステップS52の処理が行われないので、この遊技球を異常な入賞球とするエラー判定が行われることはない。
その後、例えば図44(F)に示すように、排出球検出器122により遊技球が検出されたことに対応するタイミングTi05では、図29に示すステップS513の処理にて更新された残存球数カウント値が、図28に示すステップS262の処理にて「0」であると判定されたことに対応して、ステップS263の特定入賞判定処理が実行される。この特定入賞判定処理が実行された場合には、図30に示すステップS531の処理により特図プロセスフラグの値を“4”に更新することと、ステップS533の処理により特図プロセスフラグの値を“0”に更新することの、いずれかが行われる。一例として、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91のいずれにも進入せず、第1通常進入口94a、94bや第2通常進入口94cのいずれかに進入して第1特別可変入賞球装置66の外部へと排出された場合には、ステップS533の処理が実行されることにより特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。こうして、始動動作にて開放状態となった開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第1カウントスイッチ106によって検出された後には、第1カウントスイッチ106や排出球検出器122による遊技球の検出に応じて更新される残存球数カウント値が「0」となったときに特図プロセスフラグの値を“3”以外の値に更新することで、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないと判定されてから、図22に示すステップS52〜S56の処理を実行可能とし(ステップS51;Yes)、その後は第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球を異常な入賞球とするエラー判定が行われる。
例えばタイミングTi05より後に第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第1カウントスイッチ106により検出されたときには(図22のステップS52;Yes)、賞球の払出しが禁止されるとともに(ステップS55)、例えば図23(A)に示すような第1異常報知画面を演出表示装置44bに表示させることといった、異常な入賞球が発生した旨の報知が行われる(ステップS56)。また、タイミングTi05より後に特定領域となる第1特定進入口89あるいは第2特定進入口91に進入した遊技球が第1特定球検出器121aあるいは第2特定球検出器121bにより検出されたときにも(図22のステップS53;YesまたはステップS54;Yes)、賞球の払出しを禁止して、例えば図23(A)に示すような第1異常報知画面を表示させるといった、異常な入賞球が発生した旨の報知が行われる。
加えて、図44(F)に示すような排出球検出器122による遊技球の検出に基づいて図28に示すステップS262の処理にて残存球数カウント値が「0」であると判定され(ステップS262;Yes)、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないと判定されたことに基づいて、ステップS264、S265の処理を実行することにより、振分用ソレノイド108とモータ127の駆動動作を停止させることができる。
次に、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となることに対応して大当り遊技状態に制御される場合における制御例について説明する。図45は、特図表示結果が「大当り」となる場合において、始動口スイッチ60の動作タイミングや、特別図柄表示装置44a、第2大入賞口扉用ソレノイド65の制御タイミングの一例を示すタイミングチャートである。図45(A)〜(C)では、横軸が時間の経過を示している。
この例では、図45(A)に示すように、始動口スイッチ60から出力される検出信号がオン状態となったことに対応するタイミングTi11にて、図25に示すステップS203の処理における特図表示結果を「大当り」とする判定や、ステップS204の処理における特図変動パターンを「大当り」の特図変動パターンとする決定などに基づき、図45(B)に示すように特別図柄表示装置44aにて特別図柄の変動が開始される。ここで、「大当り」の特図変動パターンは、図25に示すステップS204の処理にて図10に示す特図変動パターン決定テーブル220を参照することなどにより決定され、この「大当り」の特図変動パターンが決定された場合には、特図ゲームにて特別図柄の変動を開始してから確定特別図柄を導出表示して特図ゲームを終了するまでの特図変動時間が「9.6秒」となる。
その後、タイミングTi11から「大当り」の特図変動パターンに対応した特図変動時間である「9.6秒」が経過したタイミングTi12にて、可変表示結果となる確定特別図柄としての大当り図柄「77」が停止表示されて特図ゲームが終了する。こうして特図表示結果が「大当り」となる特図ゲームが終了すると、小当り遊技状態とする制御は行われず、特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に進入した遊技球が第1特定球検出器121aや第2特定球検出器121bにより検出されたか否かに関わりなく、大当り遊技状態とする制御が開始される。すなわち、図26に示すステップS222の処理にてラウンド制御パターンRP1−1をセットした後、ステップS226の処理にて特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。そして、大当り遊技状態では、ステップS222の処理にてセットされたラウンド制御パターンRP1−1で定められた駆動パターンに従って第2大入賞口扉用ソレノイド65の駆動制御を行うことで、第2特別可変入賞球装置47に設けられた第2大入賞口としての開口部48を、開閉板49により閉鎖状態から開放状態とした後、所定時間の経過などにより再び閉鎖状態に戻すラウンド遊技が行われる。
こうして特図プロセスフラグの値を“4”とすることで、図22に示すステップS58〜S60の処理が実行されないことになり(ステップS57;Yes)、大当り遊技状態におけるラウンド遊技で開放状態となった第2大入賞口としての開口部48から第2特別可変入賞球装置47の内部に進入する遊技球は、異常な入賞球として検出されなくなる。これに対して、特図プロセスフラグの値は“3”以外の値であることから、図22に示すステップS52〜S56の処理は実行可能である。したがって、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第1カウントスイッチ106により検出されたときや(ステップS52;Yes)、第1特定進入口89に進入した遊技球が第1特定球検出器121aにより検出されたとき(ステップS53;Yes)、あるいは、第2特定進入口91に進入した遊技球が第2特定球検出器121bにより検出されたときには(ステップS54;Yes)、賞球の払出しが禁止されるとともに(ステップS55)、例えば図23(A)に示すような第1異常報知画面を演出表示装置44bに表示させることといった、異常な入賞球が発生した旨の報知が行われる。
大当り遊技状態においてラウンド遊技が繰り返し実行されて、ラウンド数カウント値が最大継続回数に対応したラウンド最大値「15」に達し、大当り終了待ち時間が経過すると(図31のステップS311;Yes)、ステップS314の処理により特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。これにより、例えば図45(B)に示すように、タイミングTi14にて特図プロセスフラグの値が“0”となる。こうして、大当り遊技状態が終了するときには、特図プロセスフラグの値が“4”未満の値となることで、図22に示すステップS58〜S60の処理を実行可能とし(ステップS57;Yes)、その後は第2特別可変入賞球装置47の内部に進入した遊技球を異常な入賞球とするエラー判定が行われる。
例えばタイミングTi14より後に第2特別可変入賞球装置47の内部に進入した遊技球が第2カウントスイッチ52により検出されたときには(図22のステップS58;Yes)、賞球の払出しが禁止されるとともに(ステップS59)、例えば図23(B)に示すような第2異常報知画面を演出表示装置44bに表示させることといった、異常な入賞球が発生した旨の報知が行われる(ステップS60)。
次に、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果である普図表示結果が「第1普図当り」や「第2普図当り」となることに対応して始動領域56に遊技球が進入可能となる場合における制御例について説明する。図46は、普図表示結果が「第1普図当り」となる場合において、ゲートスイッチ58aの動作タイミングや、普通図柄表示装置63、普通電動役物用ソレノイド59の制御タイミングの一例を示すタイミングチャートである。図46(A)〜(C)では、横軸が時間の経過を示している。
パチンコ遊技機1では、通過ゲート58を通過した遊技球がゲートスイッチ58aにより検出され、図46(A)に示すように、ゲートスイッチ58aから出力される検出信号がオン状態となったことに対応するタイミングTi21にて、普通図柄表示装置63による普図ゲームが開始され、普通図柄の可変表示が行われる。このときには、例えば図33(A)に示すステップS351の処理にて普図保留記憶部161から読み出した普図表示結果判定用の乱数値MR2を示す数値データに基づき、有利状態フラグがオフであるかオンであるかに応じて、すなわち、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるか特別遊技状態であるかに応じて、ステップS354の処理にて設定した通常時普図表示結果判定テーブル210AあるいはステップS355の処理にて設定した有利時普図表示結果判定テーブル210Bを参照することで、普図表示結果となる表示結果種別を「第1普図当り」、「第2普図当り」、「普図ハズレ」のいずれとするかの判定が行われる(ステップS356)。そして、ステップS358の処理では、図11に示す普図変動パターン決定テーブル221を参照することにより、普図表示結果を「第1普図当り」、「第2普図当り」、「普図ハズレ」のいずれとするかの判定結果や、有利状態フラグがオフであるかオンであるかに応じて、異なる普図変動パターンが決定される。例えば、有利状態フラグがオフであるとき、すなわち、パチンコ遊技機1が通常遊技状態であるときに、普図表示結果を「第1普図当り」とする判定がなされた場合には、「第1普図当りA」の普図変動パターンに決定される。この「第1普図当りA」の普図変動パターンが決定された場合には、普図ゲームにて普通図柄の変動を開始してから確定普通図柄を導出表示して普図ゲームが終了するまでの普図変動時間が「10.5秒」となる。
これらの判定結果や決定結果に基づき、普通図柄表示装置63では、例えば図46(B)に示すように、普通図柄の変動を開始してから10.5秒が経過したタイミングTi22にて、可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示して、普図ゲームを終了する。また、演出表示装置44bの表示領域80では、普図ゲームにおける普通図柄の変動が開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部にて飾り図柄の変動が開始され、普通図柄表示装置63に確定普通図柄が停止表示されて普図ゲームが終了することに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部にて確定飾り図柄が停止表示される。例えば、普図表示結果が「第1普図当り」となる場合には、図37に示すステップS702の処理において第1当り組合せとなる確定飾り図柄が決定されるとともに、ステップS703の処理において第1普図当り演出制御パターンが決定される。これに対して、普図表示結果が「第2普図当り」となる場合には、ステップS705の処理において第1当り組合せとは異なる第2当り組合せとなる確定飾り図柄が決定されるとともに、ステップS706の処理において第2普図当り演出制御パターンが決定される。これにより、飾り図柄の可変表示中においては、演出表示装置44bの表示領域80における飾り図柄の可変表示態様や、飾り図柄以外の演出画像の表示態様、スピーカ12a、12bからの音声出力態様、各種遊技効果LED・ランプ13、14a〜14d、16a、16b、17a、17bや各種装飾LED・ランプ32における点灯動作態様といった、各種の演出動作態様を、普図表示結果が「第1普図当り」であるか「第2普図当り」であるかに応じて、異ならせることができる。
図46(B)に示すように、タイミングTi22にて普図ゲームが終了したときには、普図表示結果が「第1普図当り」であることに対応して図34に示すステップS376の処理が実行されることにより、普図プロセスフラグの値が“4”に更新される。また、普図表示結果が「第2普図当り」であるときにも、ステップS376の処理が実行されて普図プロセスフラグの値は“4”に更新される。こうして普図プロセスフラグの値を“4”とすることで、図22に示すステップS62〜S64の処理が実行されないことになり(ステップS61;Yes)、普通可変入賞球装置61に形成された始動領域56に進入した遊技球は、異常な入賞球として検出されなくなる。
図46(C)に示すように、タイミングTi22から所定の待機時間(例えば0.5秒)が経過したタイミングTi23(タイミングTi21からは11秒が経過したタイミング)では、通常遊技状態において普図表示結果が「第1普図当り」であることに対応した普電作動パターンFA1−1における設定に基づき、普通電動役物用ソレノイド59の駆動が開始されることにより、例えば図2(B)に示すように可変誘導部材61aが進出することで、始動領域56に遊技球が進入可能となる。また、普図表示結果が「第2普図当り」である場合にも、普電作動パターンFA1−2における設定に基づき、普通電動役物用ソレノイド59の駆動が開始されることにより可変誘導部材61aが進出することで、始動領域56に遊技球が可能となる。こうして普通電動役物用ソレノイド59を駆動して始動領域56に遊技球が進入可能としたときには、始動口スイッチ60により遊技球が検出された場合でも、普図プロセスフラグの値が“4”であることから、図22に示すステップS62〜S64の処理が実行されないので、この遊技球を異常な入賞球とするエラー判定が行われることはない。
その後、例えば始動口スイッチ60により遊技球が検出されない場合には、図46(C)に示すように、普通電動役物用ソレノイド59の駆動を開始したタイミングTi23からの経過時間が、通常遊技状態において普図表示結果を「第1普図当り」としたことに対応する入賞可能時間としての「5秒」に達したタイミングTi24にて、普通電動役物用ソレノイド59の駆動を停止して始動領域56に遊技球が進入不能となる設定が行われる。また、普図表示結果が「第2普図当り」であることに対応して普通電動役物用ソレノイド59の駆動を開始した後には、その開始タイミングからの経過時間が通常遊技状態において普図表示結果を「第2普図当り」としたことに対応する入賞可能時間としての「0.1秒」に達したタイミングにて、普通電動役物用ソレノイド59の駆動を停止して始動領域56に遊技球が進入不能となる設定が行われる。このように、通常遊技状態において普図表示結果が「第1普図当り」となった場合には、通常遊技状態において普図表示結果が「第2普図当り」となった場合に比べて遊技者にとって有利な動作態様で、可変誘導部材61aを進出させて始動領域56に遊技球が進入可能となる誘導動作が行われることになる。
図46に示す制御例では、タイミングTi24から所定の有効誘導時間(例えば0.5秒)が経過したタイミングTi25にて、普図プロセスフラグの値が“0”に更新される。こうして、普通電動役物用ソレノイド59の駆動を停止するときに普図プロセスフラグの値を“4”以外の値に更新することで、図22に示すステップS62〜S64の処理を実行可能とし(ステップS61;Yes)、その後は始動領域56に進入した遊技球を異常な入賞球とするエラー判定が行われる。
例えば、タイミングTi25より後に始動領域56に進入した遊技球が始動口スイッチ60により検出されたときには(図22のステップS62;Yes)、賞球の払出しが禁止されるとともに(ステップS63)、例えば図23(C)に示すような第3異常報知画面を演出表示装置44bに表示させることといった、異常な入賞球が発生した旨の報知が行われる(ステップS64)。
以上説明したように、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、小当り遊技状態への制御が開始されるときに、図26に示すステップS232の処理にて、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、その小当り遊技状態が終了するときには、図30に示すステップS531の処理により特図プロセスフラグの値を“4”に更新することと、ステップS533の処理により特図プロセスフラグの値を“0”に更新することの、いずれかが行われる。そして、特図プロセスフラグの値が“3”以外の値であるときには、図22に示すステップS52〜S56の処理を実行可能とすることで、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球を異常な入賞球とするエラー判定を行うことができる。こうして異常な入賞球によるエラー判定が行われた場合には、ステップS56の処理により、例えば図23(A)に示すような第1異常報知画面を演出表示装置44bに表示させることといった、異常な入賞球が発生した旨の報知が行われる。これにより、第1特別可変入賞球装置66への異常な遊技球の進入による不正行為を防止することができる。
また、大当り遊技状態への制御が開始されるときには、図26に示すステップS226の処理や、図30に示すステップS531の処理にて、特図プロセスフラグの値が“4”に更新され、その大当り遊技状態が終了するときには、図31に示すステップS314の処理により特図プロセスフラグの値が“0”に更新されるまでは、特図プロセスフラグの値が“4”以上の値となる。そして、特図プロセスフラグの値が“4”未満の値であるときには、図22に示すステップS58〜S60の処理を実行可能とすることで、第2特別可変入賞球装置47の内部に進入した遊技球を異常な入賞球とするエラー判定を行うことができる。こうして異常な入賞球とするエラー判定が行われた場合には、ステップS60の処理により、例えば図23(B)に示すような第2異常報知画面を演出表示装置44bに表示させることといった、異常な入賞球が発生した旨の報知が行われる。これにより、第2特別可変入賞球装置47への異常な遊技球の進入による不正行為を防止することができる。
さらに、普通電動役物用ソレノイド59の駆動を開始して可変誘導部材61aを進出させることにより始動領域56に遊技球が進入可能となるときには、図34に示すステップS376の処理にて、普図プロセスフラグの値が“4”に更新され、図32に示すステップS144の普通電動役物作動処理にて始動領域56に遊技球が進入不能とした後には、普図プロセスフラグの値が“0”に更新される。そして、普図プロセスフラグの値が“4”以外の値であるときには、図22に示すステップS62〜S64の処理を実行可能とすることで、始動領域56に進入した遊技球を異常な入賞球とするエラー判定を行うことができる。こうして異常な入賞球とするエラー判定が行われた場合には、ステップS64の処理により、例えば図23(C)に示すような第3異常報知画面を演出表示装置44bに表示させることといった、異常な入賞球が発生した旨の報知が行われる。これにより、始動領域56への異常な遊技球の進入による不正行為を防止することができる。
パチンコ遊技機1では、始動口スイッチ60により始動領域56に進入した遊技球が検出されたことに基づいて開始される特図ゲームにおいて、特図表示結果が「第1小当り」から「第4小当り」のいずれかとなることに対応して、第1特別可変入賞球装置66に設けられた第1大入賞口としての開口部82を開閉片81により閉鎖状態から開放状態とした後に閉鎖状態とする始動動作が実行される。そして、この始動動作において開口部82から第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が、第1特定進入口89や第2特定進入口91に進入して第1特定球検出器121aや第2特定球検出器121bにより検出されたことに対応して、大当り遊技状態への制御が開始される。その一方で、特図表示結果が「大当り」となる場合には、第1特定進入口89や第2特定進入口91に遊技球が進入したか否かに関わりなく、大当り遊技状態への制御が開始される。ここで、通常遊技状態において普図表示結果が「第1普図当り」となる場合には、遊技者にとって有利な第1誘導動作で遊技球が始動領域56に進入可能となるように、普電作動パターンFA1−1における設定に従った普通電動役物用ソレノイド59の駆動制御が行われる。他方、通常遊技状態において普図表示結果が「第2普図当り」となる場合には、第1誘導動作に比べて遊技者にとって不利な第2誘導動作で遊技球が始動領域56に進入可能となるように、普電作動パターンFA1−2における設定に従った普通電動役物用ソレノイド59の駆動制御が行われる。また、普図表示結果が「第1普図当り」となる場合には、図37に示すステップS702の処理において第1当り組合せとなる確定飾り図柄が決定されるとともに、ステップS703の処理において第1普図当り演出制御パターンが決定される。これに対して、普図表示結果が「第2普図当り」となる場合には、ステップS705の処理において第1当り組合せとは異なる第2当り組合せとなる確定飾り図柄が決定されるとともに、ステップS706の処理において第2普図当り演出制御パターンが決定される。こうして、飾り図柄の可変表示中においては、演出表示装置44bの表示領域80における飾り図柄の可変表示態様や、飾り図柄以外の演出画像の表示態様、スピーカ12a、12bからの音声出力態様、各種遊技効果LED・ランプ13、14a〜14d、16a、16b、17a、17bや各種装飾LED・ランプ32における点灯動作態様といった、各種の演出動作態様を、普図表示結果が「第1普図当り」であるか「第2普図当り」であるかに応じて異ならせる。また、大当り遊技状態では、第2特別可変入賞球装置47に設けられた第2大入賞口としての開口部48を開閉板49により閉鎖状態から開放状態とした後に閉鎖状態とするラウンド遊技が、例えば「15」といった最大継続回数に達するまで、繰り返し継続させることができる。これにより、様々な遊技経過で大当り遊技状態への制御を可能にするとともに、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示に対応して実行される飾り図柄の可変表示中における各種の演出動作態様に応じて、遊技者にとって第2誘導動作よりも有利な第1誘導動作が行われることに対する遊技者の期待感を高め、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、小当り遊技状態では、始動動作に対応して、例えば1秒間や5秒間といった所定時間が経過するまで振分用ソレノイド108を駆動して遊技球を第2領域88へと振り分けることや、例えば2秒間や10秒間といった所定時間が経過するまでモータ127が回転体79を順方向に回転させるように駆動することにより、遊技球が特定領域に含まれる第2特定進入口91に進入しやすくなるように動作させ、これらの所定時間が経過した後には、振分用ソレノイド108の駆動を停止して遊技球を第1領域85へと振り分けることや、モータ127が回転体79を逆方向に回転させるように駆動することにより、遊技球が第1特定進入口89や第2特定進入口91といった特定領域に進入しにくくなるように動作させる。これにより、始動動作で第1特別可変入賞球装置66に設けられた第1大入賞口としての開口部82が開放状態に変化する場合でも、遊技球が特定領域に進入しやすい期間と進入しにくい期間とを設けることができ、第1特別可変入賞球装置66による遊技に変化を持たせて、遊技の興趣を向上させることができる。
また、排出球検出器122による遊技球の検出に基づいて図28に示すステップS262の処理にて残存球数カウント値が「0」であると判定され、第1特別可変入賞球装置66の内部に遊技球が存在しないと判定されたことに基づいて、ステップS264、S265の処理を実行することにより、振分用ソレノイド108とモータ127の駆動動作を停止させる。これにより、振分用ソレノイド108やモータ127を常に駆動して振分部材83や回転体79を常に動作させる場合に比べて、消費電力を低減させることができる。
可動部材に含まれる振分部材83は、振分用ソレノイド108によって駆動される。このようにソレノイドを用いて可動部材を駆動する場合には、モータを用いて駆動する場合に比べて、可動部材を短時間で初期位置に戻すことができ、遊技の公平性を保つことができる。
可動部材に含まれる回転体79は、モータ127の駆動力により回動可能に構成されている。そして、モータ127が回転体79を順方向に回転させる場合には第2領域88へと誘導された遊技球が3/4の確率で第2特定進入口91に進入する一方で、モータ127が回転体79を逆方向に回転させる場合には第2領域88へと誘導された遊技球が1/4の確率で第2特定進入口91に進入する。これにより、第2領域88に誘導された遊技球が第2特定進入口91に進入しやすい動作であるか、進入しにくい動作であるかを、遊技者が容易に認識することができ、遊技球が特定領域となる第2特定進入口91に進入して大当り遊技状態となることに対する遊技者の期待感を高め、遊技の興趣を向上させることができる。
図33(A)に示すステップS359の処理では、図11に示すような普図変動パターン決定テーブル221を参照することなどにより、パチンコ遊技機1が通常遊技状態であるときに、普図表示結果を「第1普図当り」とする判定が行われた場合には普図変動時間が「10.5秒」に設定され、普図表示結果を「第2普図当り」とする判定が行われた場合には普図変動時間が「15.5秒」に設定される。また、パチンコ遊技機1が特別遊技状態であるときに、普図表示結果を「第1普図当り」とする判定が行われた場合には普図変動時間が「2.5秒」に設定され、普図表示結果を「第2普図当り」とする判定が行われた場合には普図変動時間が「3.5秒」に設定される。こうした設定により、特別遊技状態では、普図表示結果として「第1普図当り」と「第2普図当り」のいずれかが決定されたときの、普図ゲームにて普通図柄の変動が開始されてから確定普通図柄が導出表示されるまでの普図変動時間を、通常遊技状態に比べて変化させる。
また、特別遊技状態であるときには、有利状態フラグがオンであることに対応して図33(A)に示すステップS355にて設定した有利時普図表示結果判定テーブル210Bを参照してステップS356の処理で普図表示結果の判定を行う一方で、通常遊技状態であるときには、有利状態フラグがオフであることに対応してステップS354にて設定した通常時普図表示結果判定テーブル210Aを参照してステップS356の処理で普図表示結果の判定を行う。こうした設定に基づく普図表示結果の判定により、特別遊技状態では、普図表示結果として「第1普図当り」と「第2普図当り」のいずれかが決定されるときの確率を、通常遊技状態に比べて変化させることができる。
さらに、図34に示すステップS372の処理では、有利状態フラグがオフである場合に普図表示結果を「第1普図当り」とする決定に対応した普電作動パターンFA1−1をセットする一方で、有利状態フラグがオンである場合に普図表示結果を「第1普図当り」とする決定に対応した普電作動パターンFA2−1をセットする。他方、ステップS374の処理では、有利状態フラグがオフである場合に普図表示結果を「第2普図当り」とする決定に対応した普電作動パターンFA1−2をセットする一方で、有利状態フラグがオンである場合に普図表示結果を「第2普図当り」とする決定に対応した普電作動パターンFA2−2をセットする。こうした普電作動パターンの設定に基づき図32に示すステップS144の普通電動役物作動処理が実行されることにより、特別遊技状態では、普図表示結果として「第2普図当り」が決定されたときの、普通電動役物用ソレノイド59を駆動して遊技球が始動領域56に進入可能となる入賞可能時間を、通常遊技状態に比べて変化させることができる。
こうして、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるか特別遊技状態であるかに応じて、普図表示結果が「第1普図当り」と「第2普図当り」のいずれかに決定されるときの、普図変動時間や各普図表示結果の決定確率、入賞可能時間などを変化させることで、遊技内容に変化を持たせ、例えば特別遊技状態では始動領域56に遊技球が進入しやすくして通常遊技状態に比べて遊技者にとって有利な遊技状態とすることができ、パチンコ遊技機1における遊技状態に応じた遊技の興趣を向上させることができる。
図31に示すステップS313の処理にて有利状態終了条件を設定した後には、有利状態フラグがオンであることに対応して、普図ゲームにおける普通図柄の変動が停止して図34に示すステップS379の処理が実行されるごとに可変表示回数カウント値を更新し、ステップS380にて可変表示回数カウント値が有利状態終了判定値に合致したときには、ステップS381の処理により有利状態フラグをクリアすることで、特別遊技状態を終了して通常遊技状態へと移行させる。これにより、遊技球が始動領域56に進入しやすい特別遊技状態において、普図表示結果に基づき始動領域56に遊技球が進入可能となったにもかかわらず、遊技球が特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に進入しやすいタイミングで第1特別可変入賞球装置66に設けられた開口部82が開放状態となるまでは始動領域56に遊技球を進入させないようにすることで、不当に高い確率で大当りを発生可能とする行為を、防止することができる。ここで、特別遊技状態において遊技球が特定領域に進入しやすいタイミングとしては、例えばモータ127により回転体79を常時回転させ、回転体79の回転数が所定の切換回転数に達するごとに、回転体79の回転速度を比較的遅いものと比較的速いものとに切り換える場合に、回転体79の回転速度が比較的遅いものとなるタイミングなどがある。すなわち、回転体79の回転速度が比較的遅いときの方が速いときに比べて、第2特定進入口91に進入させる遊技球の発射タイミングを狙いやすくなり、回転体79の回転速度に関わりなく遊技球を発射させる場合に比べて、不当に高い確率で大当りを発生させることが可能になる。
遊技領域41にて遊技球が進入可能な通路に設けられた普通可変入賞球装置61に含まれる可変誘導部材61aは、図2(B)に示すようにパチンコ遊技機1の奥行き方向における手前側に進出することで遊技球が始動領域56に進入可能となる一方で、図2(A)に示すようにパチンコ遊技機1の奥行き方向における奥側に退避することで遊技球が始動領域56に進入不能となるように構成されている。これにより、普電作動パターンの設定に従って普通電動役物用ソレノイド59を駆動して可変誘導部材61aを進出させるまでは、普通可変入賞球装置61が通常の通路として使用可能となり、遊技領域41の設計自由度を高めて遊技効果を向上させることができる。
小当り遊技状態にて始動動作が行われる際の始動開放回数や開放時間は、特図表示結果が「第1小当り」から「第4小当り」のいずれであるかに応じて、異なるものとなる。また、始動領域56に進入した遊技球が始動口スイッチ60によって検出されてから始動動作により第1大入賞口となる開口部82が開放状態に変化するまでの時間も、特図表示結果が「第1小当り」から「第4小当り」のいずれであるかに応じて、異なるものとなる。さらに、小当り遊技状態にて振分用ソレノイド108の駆動制御を行う際の振分駆動パターンや、モータ127の駆動制御を行う際の回転駆動パターンは、特図表示結果が「第1小当り」あるいは「第3小当り」である場合と、特図表示結果が「第2小当り」あるいは「第4小当り」である場合とで、互いに異なるものとなる。こうして、例えば特図ゲームにおける可変表示結果が「小当り」となる場合における特図表示結果に応じて、始動動作で第1大入賞口となる開口部82が開放状態となる動作態様を異ならせることなどにより、遊技の興趣を向上させることができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、上記実施の形態における第1の振分駆動パターンでは、開閉片用ソレノイド105の駆動が開始されて開口部82が開放状態となるタイミングから1秒が経過するまでは振分用ソレノイド108の駆動を停止して遊技球を第1領域85へと振り分けるようにした後、1秒間にわたり振分用ソレノイド108を駆動させて遊技球を第2領域88へと振り分けるようにしてから、再び振分用ソレノイド108の駆動を停止して遊技球を第1領域85へと振り分けるようにするものとして説明した。また、上記実施の形態における第2の振分駆動パターンでは、開閉片用ソレノイド105の駆動が開始されて開口部82が開放状態となるタイミングから1秒が経過するまでは振分用ソレノイド108の駆動を停止して遊技球を第1領域85へと振り分けるようにした後、5秒間にわたり振分用ソレノイド108を駆動させて遊技球を第2領域88へと振り分けるようにしてから、再び振分用ソレノイド108の駆動を停止して遊技球を第1領域85へと振り分けるようにするものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、特図表示結果が「第1小当り」から「第4小当り」のいずれに決定されたかに応じて、遊技球が特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に進入する確率を異ならせるように、振分用ソレノイド108における振分駆動パターンが決定されるものであればよい。
一例として、特図表示結果が「第1小当り」から「第4小当り」のいずれかとなったことに基づく小当り遊技状態では、始動動作で最初に開口部82が開放状態となる始動動作開始タイミングから、所定の第1周期パターンによる振分用ソレノイド108の駆動を開始する。この第1周期パターンでは、例えば0.2秒間といった所定の第1振分期間において振分用ソレノイド108の駆動を停止して遊技球を第1領域85に振り分ける第1の振分状態とした後、例えば0.2秒間といった所定の第2振分期間において振分用ソレノイド108を駆動して遊技球を第2領域88に振り分ける第2の振分状態とする駆動動作が、所定期間が経過するまで繰り返し行われる。ここで、特図表示結果が「第1小当り」となる場合と「第3小当り」となる場合には、その特図表示結果に基づく小当り遊技状態において、例えば図47(A)に示すように、所定期間として2.5秒が経過するまでの期間において、第1周期パターンによる駆動動作が行われる。これに対して、特図表示結果が「第2小当り」となる場合と「第4小当り」となる場合には、その特図表示結果に基づく小当り遊技状態において、例えば図47(B)に示すように、所定期間として5秒が経過するまでの期間において、第1周期パターンによる駆動動作が行われる。
第1周期パターンによる駆動動作が行われる所定期間が経過した後には、振分用ソレノイド108の駆動動作が、第1周期パターンから第2周期パターンに切り替えられればよい。この第2周期パターンでは、例えば0.5秒間といった所定の第3振分期間において振分用ソレノイド108の駆動を停止して遊技球を第1領域85に振り分ける第1の振分状態とした後、例えば0.2秒間といった第2振分期間と同一の第4振分期間において振分用ソレノイド108を駆動して遊技球を第2領域88に振り分ける第2の振分状態とする駆動動作が、小当り遊技状態の終了タイミングまで繰り返されればよい。
このように、第1周期パターンは第2周期パターンに比べて、第1の振分状態となる期間が短いことから、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第2領域88に振り分けられる確率が高い。そして、「第2小当り」や「第4小当り」に基づく小当り遊技状態では、「第1小当り」や「第3小当り」に基づく小当り遊技状態に比べて、第1周期パターンによる駆動動作が行われる所定期間が長いことから、第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球が第2領域88に振り分けられる確率が高くなる。こうして、「第2小当り」や「第4小当り」に基づく小当り遊技状態では、「第1小当り」や「第3小当り」に基づく小当り遊技状態に比べて、遊技球が第2領域88に振り分けられやすくすることで、遊技球が特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に進入する確率を高めることができる。
他の一例として、特図表示結果が「第1小当り」や「第3小当り」に決定された場合には、例えば図47(C)に示すように、始動動作で最初に開口部82が開放状態となる始動動作開始タイミングよりも前に、振分用ソレノイド108の駆動を開始して第2の振分状態としてから振分用ソレノイド108の駆動を停止して第1の振分状態に戻る。そして、開口部82が開放状態となる始動動作開始タイミングよりも後には、振分用ソレノイド108が駆動されることはない。そのため、開口部82が開放状態となったときに第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球を、第2領域88に振り分けることができない。
これに対して、特図表示結果が「第2小当り」や「第4小当り」に決定された場合には、例えば図47(D)に示すように、始動動作で最初に開口部82が開放状態となる始動動作開始タイミングから2秒が経過したタイミングといった、始動動作開始タイミングよりも後のタイミングで振分用ソレノイド108の駆動を開始して第2の振分状態となることができるようにする。そのため、開口部82が開放状態となったときに第1特別可変入賞球装置66の内部に進入した遊技球を、第2領域88に振り分けることもできる。こうして、「第2小当り」や「第4小当り」に基づく小当り遊技状態では、遊技球が第2領域88にも振分可能となることで、「第1小当り」や「第3小当り」に基づく小当り遊技状態に比べて、遊技球が特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に進入する確率を高めることができる。
また、上記実施の形態における第1の回転駆動パターンでは、開閉片用ソレノイド105の駆動が開始されて開口部82が開放状態となるタイミングから2秒が経過するまでは、モータ127が回転体79を順方向に回転させるように駆動され、その後にモータ127の回転駆動方向を切り換えて、回転体79を逆方向に回転させるように駆動するものとして説明した。他方、上記実施の形態における第2の回転駆動パターンでは、開閉片用ソレノイド105の駆動が開始されて開口部82が開放状態となるタイミングから10秒が経過するまでは、モータ127が回転体79を順方向に回転させるように駆動され、その後にモータ127の回転駆動方向を切り換えて、回転体79を逆方向に回転させるように駆動するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、特図表示結果が「第1小当り」から「第4小当り」のいずれに決定されたかに応じて、遊技球が特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に進入する確率を異ならせるように、モータ127における回転駆動パターンが決定されるものであればよい。
一例として、特図表示結果が「第1小当り」になる場合と「第3小当り」になる場合には、小当り遊技状態において回転体79を常時逆方向に回転させるようにモータ127を駆動する。これに対して、特図表示結果が「第2小当り」となる場合と「第4小当り」となる場合には、小当り遊技状態において回転体79を常時順方向に回転させるようにモータ127を駆動するようにしてもよい。
上記実施の形態では、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技として、その実行回数に関わりなく、第2特別可変入賞球装置47に設けられた第2大入賞口としての開口部48を開閉板49により閉鎖状態から開放状態とした後に閉鎖状態とする動作が行われるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば特図表示結果が「大当り」となったことに基づく大当り遊技状態において最初(1回目)に実行されるラウンド遊技として、第1特別可変入賞球装置66に設けられた第1大入賞口としての開口部82を開閉片81により閉鎖状態から開放状態とした後に閉鎖状態とする動作が行われるようにしてもよい。
具体的な一例として、特図表示結果が「大当り」となる場合には、特図表示結果が「第1大当り」となる場合と、特図表示結果が「第2大当り」となる場合とが含まれるように、図8に示す特図表示結果判定テーブル200のテーブルデータを構成する。ここで、特図表示結果が「第1大当り」となる場合には、上記実施の形態にて特図表示結果が「大当り」となる場合と同様の制御を行う。これに対して、特図表示結果が「第2大当り」となる場合に対応して、以下のような設定や制御を行うようにする。
すなわち、図13(C)に示すラウンド制御パターンテーブル240Cには、特図表示結果が「第2大当り」となる場合に用いられるラウンド制御パターンとして、図48に示すようなラウンド制御パターンRP1−2を格納しておく。また、特図変動パターンや特図変動時間の設定として、特図表示結果が「第2大当り」となった場合に対応したものを用意しておく。そして、図25に示すステップS207の処理にて送信設定が行われる特図変動開始コマンドを、特図表示結果が「第1大当り」であるか「第2大当り」であるかを示す演出制御コマンドとしてもよい。あるいは、特図変動開始コマンドとは別個の演出制御コマンドとして、特図表示結果が「第1大当り」であるか「第2大当り」であるかを示す演出制御コマンドを、主基板120から演出制御基板90に対して送信するようにしてもよい。さらに、図26に示すステップS223の処理にて送信設定が行われる大当り開始コマンドでも、特図表示結果が「第1大当り」であるか「第2大当り」であるかを示すようにしてもよい。
また、図26に示すステップS222の処理では、特図表示結果が「第1大当り」であるか「第2大当り」であるかの判定を行い、「第1大当り」である場合にはラウンド制御パターンRP1−1をセットする一方で、「第2大当り」である場合にはラウンド制御パターンRP1−2をセットする。そして、図24に示すステップS115の大当り開放中処理では、ラウンド数カウント値に基づいてラウンド制御パターンを参照することで、開放する大入賞口が第1大入賞口としての開口部82であるか第2大入賞口としての開口部48であるかの判定を行う。このとき、第1大入賞口を開放する旨の判定がなされれば、開閉片用ソレノイド105の駆動を開始して、第1特別可変入賞球装置66に設けられた第1大入賞口としての開口部82を開閉板81により閉鎖状態から開放状態とした後に閉鎖状態とする駆動制御を行う。加えて、ラウンド遊技として第1大入賞口を開放状態とする場合には、例えばラウンド制御パターンRP1−2の設定に従って各ソレノイド105、108、118及びモータ127の駆動制御を行うようにしてもよい。さらに、図27に示すステップS252にて実行される第1大入賞口進入時処理と同様の処理が実行されてもよい。
ステップS115の大当り開放中処理では、開口部82を開放状態としてからの経過時間が計測され、その経過時間が大入賞口開放終了判定値に対応した開放終了時間に達したか否かの判定が行われる。また、大当り開放中処理では、第1大入賞口カウント値が開放終了判定値に達したか否かの判定なども行われる。そして、経過時間が開放終了時間に達した場合や、第1大入賞口カウント値が開放終了判定値に達した場合には、第1大入賞口としての開口部82を開閉片81により閉鎖状態とするための設定を行う。このときには、第1特定球検出フラグと第2特定球検出フラグのいずれかがオンとなっているか否かを判定することで、特定領域に遊技球が進入したか否かの判定を行うようにしてもよい。そして、特定領域に遊技球が進入したか否かに応じて、主基板120から演出制御基板90に対して異なる演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。あるいは、主基板120から演出制御基板90に対しては、特定領域に遊技球が進入したか否かにかかわりなく、同一の演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。その一方で、例えば第1特定球検出器121aや第2特定球検出器121bからの検出信号を演出制御基板90に入力することなどにより、演出制御基板90の側では特定領域に遊技球が進入したか否かを判断可能とし、判断結果に応じて異なる演出を実行するようにしてもよい。また、例えば図29に示すステップS508の処理にて第1特定球検出器121aからの検出信号がオン状態であると判定された時点や、ステップS510の処理にて第2特定球検出器121bからの検出信号がオン状態であると判定された時点で、主基板120から演出制御基板90に対して特定領域に遊技球が進入したことを示す演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
演出制御基板90の側では、例えば特図変動開始コマンドや大当り開始コマンドに示された特図表示結果が「第2大当り」である場合に、特図ゲームにおける特別図柄の変動が終了して大当り遊技状態への制御が開始される時点では、大当り遊技状態への制御が開始される旨を報知しないような演出を実行させる。一例として、特図表示結果が「第1大当り」となる場合には、大当り遊技状態への制御が開始される時点で、演出表示装置44bの表示領域80には図49(A)に示すような大当りが発生したことを報知する演出画像を表示させる。これに対して、特図表示結果が「第2大当り」となる場合には、大当り遊技状態への制御が開始される時点で、図49(A)に示すような演出画像の表示は行うことなく、例えば図36に示すステップS169の大当り中演出処理にて大当り遊技状態における最初(1回目)のラウンド遊技が実行中であると判定した場合に、図49(B)に示すような演出画像を演出表示装置44bの表示領域80に表示させる。図49(B)に示す演出画像は、図36に示すステップS168の小当り中演出処理にて演出表示装置44bの表示領域80に表示させるものと同一の演出画像であればよい。また、スピーカ12a、12bからの音声出力態様、各種遊技効果LED・ランプ13、14a〜14d、16a、16b、17a、17bや各種装飾LED・ランプ32における点灯動作態様といった、各種の演出動作態様も、小当り遊技状態のときと同一態様とすればよい。こうして、特図表示結果が「第2大当り」となる場合には、特図表示結果が「第1小当り」から「第4小当り」のいずれかとなる場合と共通の演出態様で、第1特別可変入賞球装置66に設けられた第1大入賞口としての開口部82が閉鎖状態から開放状態に変化することに対応した演出を実行する。
その後、特図表示結果が「第2大当り」となったことに基づく大当り遊技状態にて最初のラウンド遊技が終了するときには、例えば2回目のラウンド遊技が開始される以前の所定期間にて、特定領域に遊技球が進入したか否かに応じて異なる演出を実行する。一例として、特定領域に遊技球が進入した場合には、図50(A)に示すような画像を演出表示装置44bの表示領域80に表示させてから、図50(B)に示すような画像を表示させるV入賞成功演出を実行する。これに対して、特定領域に遊技球が進入しなかった場合には、図50(C)に示すような画像を演出表示装置44bの表示領域80に表示させてから、図50(D)に示すような画像を表示させるV入賞失敗演出を実行する。
特図表示結果が「第2大当り」となったことに基づく大当り遊技状態にて最初のラウンド遊技が終了した後には、そのラウンド遊技中に特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91のいずれかに遊技球が進入したか否かに関わりなく、次のラウンド遊技に移行するようにしてもよい。これにより、特図表示結果が「第2大当り」となったことに基づく大当り遊技状態でも始動動作と同様に第1特別可変入賞球装置66に設けられた第1大入賞口としての開口部48が開放状態に変化する一方で、特定領域に遊技球が進入しなくても大当り遊技状態が継続して次のラウンド遊技を行うことが可能になり、遊技の意外性を高めて遊技興趣を向上させることができる。また、この場合に図49(B)に示すような演出画像が演出表示装置44bの表示領域80に表示された後、2回目のラウンド遊技が開始される以前の所定期間にて図50(C)及び(D)に示すようなV入賞失敗演出が実行されることで、特定領域に遊技球が進入しないにもかかわらず小当り遊技状態における始動動作の後に大当りが発生したかのような印象を遊技者に抱かせて遊技の意外性を高め、また、特定領域に遊技球が進入することに対する期待感とともに、第1大入賞口としての開口部82が開放状態から閉鎖状態となった後に大当り遊技状態へと制御されることに対する期待感を持続させて、遊技興趣を向上させることができる。
なお、特図表示結果が「第2大当り」となったことに基づく大当り遊技状態にて最初のラウンド遊技が終了するときに、そのラウンド遊技中に第1特定進入口89と第2特定進入口91のいずれにも遊技球が進入しなかった場合には、大当り遊技状態を終了させるようにしてもよい。
上記実施の形態では、図16に示すように、特図表示結果が「第1小当り」や「第3小当り」となる場合に用いられる小当り制御パターンKP1や小当り制御パターンKP3では開放時間が「1秒」に設定される一方で、特図表示結果が「第2小当り」や「第4小当り」となる場合に用いられる小当り制御パターンKP2や小当り制御パターンKP4では開放時間が「2秒」に設定されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、特図表示結果が「第1小当り」から「第4小当り」のいずれであるかに応じて、始動動作で第1大入賞口としての開口部82を開放状態とする動作態様を異ならせることができるものであればよい。例えば、特図表示結果が「第1小当り」や「第3小当り」となる場合に用いられる小当り制御パターンKP1や小当り制御パターンKP3では開放時間が「5秒」に設定される一方で、特図表示結果が「第2小当り」や「第4小当り」となる場合に用いられる小当り制御パターンKP2や小当り制御パターンKP4では開放時間が「10秒」に設定される場合、あるいは、小当り制御パターンKP1や小当り制御パターンKP3では開放時間が「3秒」に設定される一方で、小当り制御パターンKP2や小当り制御パターンKP4では開放時間が「5秒」に設定される場合のように、上記実施の形態に比べてより長い時間にわたり第1大入賞口としての開口部82が開放状態となるようにしてもよい。
普通可変入賞球装置61に設けられた可変誘導部材61aは、図2(A)及び(B)に示したような構成のものに限定されず、遊技球が始動領域56に進入しやすい状態と進入しにくい状態とを切り換えることができるものであればよく、例えば図51(A)及び(B)に示すような構成のものであってもよい。このような構成であれば、例えば図51(A)に示すように可変誘導部材61aが退避したときには、始動領域56に遊技球が進入することを確実に防止することができ、また、始動領域56となる誘導経路の経路長を短くして遊技盤40の裏面における構成を簡素化することができる。
上記実施の形態では、図22に示す入賞エラー判定処理において、ステップS52の処理で第1カウントスイッチ106からの検出信号がオンであると判定されたときや、ステップS53の処理で第1特定球検出器121aからの検出信号がオンであると判定されたとき、あるいは、ステップS54の処理で第2特定球検出器121bからの検出信号がオンであると判定されたときに、直ちにステップS55やステップS56の処理が実行されて、賞球の払出を禁止する設定や、異常が発生したことの報知が行われるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えばステップS52〜S54の処理において、各々のスイッチ106や検出器121a、121bにより複数個の遊技球が検出されたときに、ステップS55やステップS56の処理を実行するようにしてもよい。また、ステップS58の処理でも、第2カウントスイッチ52により複数個の遊技球が検出されたときに、ステップS59やステップS60の処理に進むようにしてもよい。さらに、ステップS62の処理でも、始動口スイッチ60により複数個の遊技球が検出されたときに、ステップS63やステップS64の処理を実行するようにしてもよい。これにより、各入賞口や進入口に偶然遊技球が進入した場合には異常な入賞球が検出されたとのエラー判定は行わない一方で、多数の遊技球を各入賞口や進入口に進入させて不当に賞球を獲得しようとする不正行為を確実に防止することができる。
上記実施の形態では、図5に示すように、第1特定進入口89、第1通常入賞口94a、94b、第2特定進入口91、第2通常入賞口94cに進入した遊技球はいずれも、排出誘導領域123により誘導されて排出球検出器122で検出された後、第1特別可変入賞球装置66の外部へと排出されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1特定進入口89や第2特定進入口91に進入した遊技球は、排出球検出器122によって検出されずに、第1特別可変入賞球装置66の外部へと排出されるようにしてもよい。
この場合、例えば排出誘導領域123とは別個に、第1特定進入口89に進入して第1特定球検出器121aにより検出された遊技球を第1特別可変入賞球装置66の外部へと排出する排出誘導領域や、第2特定進入口91に進入して第2特定球検出器121bにより検出された遊技球を第1特別可変入賞球装置66の外部へと排出する排出誘導領域を、設けるように構成する。そして、例えば図29に示すステップS509の処理を実行した後や、ステップS511の処理を実行した後には、残存球数カウント値を1減算するようにして、第1特定球検出器121aや第2特定球検出器121bが遊技球を検出したことに対応して、残存球数カウント値を更新できるようにすればよい。このとき、第1特定進入口89に進入した遊技球を検出する第1特定球検出器121aや、第2特定進入口91に進入した遊技球を検出する第2特定球検出器121bは、特定領域に進入した遊技球を検出するとともに、第1特別可変入賞球装置66から排出される遊技球を検出することになる。
上記実施の形態では、第1大入賞口カウンタと第2大入賞口カウンタを別個に設け、第1カウントスイッチ106によって検出された遊技球の個数を第1大入賞口カウンタによりカウントする一方で、第2カウントスイッチ52によって検出された遊技球の個数を第2大入賞口カウンタによりカウントするものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1カウントスイッチ106によって検出された遊技球の個数と、第2カウントスイッチ52によって検出された遊技球の個数を、共通の大入賞口カウンタによりカウントするようにしてもよい。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ99における記憶データの容量を削減することができる。
上記実施の形態では、残存球数カウンタにより第1特別可変入賞球装置66の内部に残存している遊技球の個数をカウントするものとして説明した。この残存球数カウンタに代えて、排出球検出器122によって検出された遊技球の個数をカウントする排出球カウンタを設け、第1大入賞口に進入した遊技球の個数との差分が「0」となったか否かにより、第1特別可変入賞球装置66の内部に残存している遊技球の有無を判定するようにしてもよい。この場合、例えば図29に示すステップS503の処理は実行せず、ステップS512にて排出球検出器122からの検出信号がオン状態である場合に、ステップS513の処理に代えて、排出球カウンタにおけるカウント値である排出球カウント値を1加算する。そして、図28に示すステップS262の処理に代えて、第1大入賞口カウント値と排出球カウント値との差分が「0」となったか否かの判定を行う。このとき、差分が「0」であればステップS263の処理に進み、差分が「0」以外であれば、ステップS268の処理に進めばよい。そして、図28に示すステップS267の処理を実行したときなどには、排出球カウンタを初期化して排出球カウント値をクリアするとよい。
また、小当り遊技状態では、残存球数カウント値の更新を行う一方で、第1大入賞口カウント値の更新は行わないようにしてもよい。例えば、図27に示すステップS252にて実行される第1大入賞口進入時処理では、図29に示すステップS502の処理を実行しないようにするとともに、図28に示すステップS267の処理も実行しないようにしてもよい。これにより、小当り遊技状態にて遊技制御用マイクロコンピュータ99のCPU112が実行する処理の負担を軽減することができる。他方、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技として第1特別可変入賞球装置66に設けられた開口部82を開閉片81により開放状態とする動作が行われる場合には、第1大入賞口カウント値の更新を行う一方で、残存球数カウント値の更新は行わないようにしてもよい。これにより、大当り遊技状態でも残存球数カウント値の更新を行うようにした場合に比べて、遊技制御用マイクロコンピュータ99のCPU112が実行する処理の負担を軽減することができる。
あるいは、第1大入賞口カウンタと第2大入賞口カウンタ、残存球数カウンタに代えて、共通の遊技球カウンタを設けるようにしてもよい。この場合、例えば小当り遊技状態であるときに図27に示すステップS252にて実行される第1大入賞口進入時処理では、図29に示すステップS502、S503の処理に代えて、遊技球カウンタにおけるカウント値である遊技球カウント値を1加算する処理が実行される。また、図29に示すステップS513の処理に代えて、遊技球カウンタにおけるカウント値を1減算する処理が実行される。そして、図28に示すステップS262の処理に代えて、遊技球カウント値が「0」であるか否かを判定する処理が実行され、遊技球カウント値が「0」であればステップS263の処理に進み、「0」以外であればステップS268の処理に進めばよい。また、図24に示すステップS115の大当り開放中処理では、第1カウントスイッチ106や第2カウントスイッチ52からの検出信号がオン状態となるごとに、遊技球カウント値を1加算することで、第1大入賞口や第2大入賞口における入賞球数をカウントすればよい。このように、第1大入賞口カウンタや第2大入賞口カウンタ、残存球数カウンタといった3つのカウンタに代えて、共通する1つのカウンタを用いることで、遊技制御用マイクロコンピュータ99における記憶データの容量を削減することができるとともに、小当り遊技状態や大当り遊技状態にて遊技制御用マイクロコンピュータ99のCPU112が実行する処理の負担を軽減することができる。
上記実施の形態において、普通図柄表示装置63は、上下2カ所で「○」と「×」を交互に点灯させることにより普通図柄を変動させて普図ゲームを行い、「○」と「×」のいずれかを点灯させることにより表示結果を導出するものとして説明した。これに対して、普通図柄表示装置63としては、例えば「左」、「中」、「右」の3つのLEDを用いて構成し、各LEDを所定順序で点灯させることにより普通図柄を変動させて普図ゲームを行うものであってもよい。そして、例えば普図表示結果が「普図ハズレ」の場合には「左」と「中」のLEDを点灯させること、普図表示結果が「第1普図当り」の場合には「左」と「右」のLEDを点灯させること、普図表示結果が「第2普図当り」の場合には「中」と「右」のLEDを点灯させることにより、表示結果を導出するようにしてもよい。
上記実施の形態では、図32に示すステップS140の普通図柄通常処理で特図プロセスフラグの値が“0”以外の値である場合には、普図ゲームにおける普通図柄の変動が開始されないように制御するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、特別図柄の変動が開始されてから確定特別図柄が導出表示されるまでの期間や、小当り遊技状態あるいは大当り遊技状態に制御されている期間であっても、普図ゲームにおける普通図柄の変動が開始されるようにしてもよい。この場合、演出表示装置44bの表示領域80における演出画像の表示などによる各種演出については、特別図柄の変動に対応した特図変動時演出や、小当り遊技状態あるいは大当り遊技状態における演出を、飾り図柄の可変表示といった普通図柄の変動に対応した演出よりも、優先的に実行すればよい。
一例として、図36に示すステップS160〜S170の処理のうちで、ステップS165〜S170の処理は、ステップS160〜S164の処理からなるプロセス処理とは異なる別個のプロセス処理として構成する。そして、ステップS160〜S164の処理は、例えば飾り図柄プロセスフラグの値に対応するいずれかの処理が選択されて実行される一方で、ステップS165〜S170の処理は、飾り図柄プロセスフラグとは異なる演出制御プロセスフラグの値に対応して、いずれかの処理が選択されて実行される場合と、いずれの処理も選択されない場合とがあるようにすればよい。ステップS164の普電作動中演出処理では、特図変動開始コマンドの受信があった旨の判定が行われたときに、演出制御プロセスフラグの値を、ステップS165の特図変動時演出設定処理に対応した値に更新する。ステップS162の飾り図柄可変表示中処理やステップS164の普電作動中演出処理では、例えば演出制御プロセスフラグの値に基づきステップS165〜S170の処理のいずれかが選択されて実行される場合であるか否かの判定を行い、実行される場合であれば、演出動作を制御するための各種設定などは行うことなく、飾り図柄可変表示中処理や普電作動中演出処理を終了する。このとき、飾り図柄の可変表示を行うための演出画像といった普通図柄の変動に対応した演出画像を演出表示装置44bの表示領域80に表示するための表示用データや、始動領域56に遊技球が進入可能となっていることに対応した演出画像を演出表示装置44bの表示領域80に表示するための表示用データは、ステップS165〜S170の処理のいずれかが選択されて実行される場合(すなわち、特別図柄の変動に対応した特図変動時演出や、小当り遊技状態あるいは大当り遊技状態における演出が実行中である場合)でも、表示制御部171にてVDPによりVRAMの所定領域に展開して記憶させるようにしてもよい。ただし、ステップS165〜S170の処理のいずれかが選択されて実行されている期間では、飾り図柄可変表示中処理や普電作動中演出処理に対応してVRAMに展開された表示用データがLCD駆動回路などにより読み出されて演出表示装置44bに供給されることはない。また、飾り図柄可変表示中処理や普電作動中演出処理において、小当り遊技状態の終了後に大当り遊技状態には移行しないことや、大当り遊技状態が終了したことなどが検出された場合には、例えば演出制御パターンテーブル300に予め格納された所定の演出制御パターンなどに基づき、普通図柄の変動に対応した演出動作や始動領域56に遊技球が進入可能となっていることに対応した演出動作に切り換えるための設定が行われるようにしてもよい。例えば、普図表示結果が「第1普図当り」であることを示す普図変動開始コマンドの受信に基づきステップS162の飾り図柄可変表示中処理が実行されている場合には、普通図柄の変動開始からの経過時間などから、小当り遊技状態の終了後に大当り遊技状態には移行しないことや、大当り遊技状態が終了したことなどの検出タイミングは、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなるタイミングよりも前であるか否かの判定を行う。このとき、リーチとなるタイミングよりも前である場合には、例えば演出表示装置44bの表示領域80にて小当り遊技状態や大当り遊技状態における演出画像をフェードアウト表示してから、例えば表示制御部171にてVRAMの所定領域に展開記憶されている表示用データなどを用いて、飾り図柄の可変表示中における演出画像をフェードイン表示することなどにより、普通図柄の変動に対応した演出動作に切り換える。これに対して、リーチとなるタイミング以後である場合には、例えば演出表示装置44bの表示領域80にて小当り遊技状態や大当り遊技状態における演出画像の表示が終了した後、表示領域80をフラッシュさせる演出画像や煙幕を示す演出画像などを表示してから、例えば表示制御部171にてVRAMの所定領域に展開記憶されている表示用データなどを用いて、飾り図柄の可変表示中における演出画像を表示することなどにより、普通図柄の変動に対応した演出動作に切り換える。このようにして演出動作を切り換えるようにすれば、普通図柄の変動に対応した演出動作などが途中から行われる場合でも、遊技者に違和感を与えない。なお、小当り遊技状態の終了後に大当り遊技状態には移行しないことや、大当り遊技状態が終了したことなどの検出タイミングが、リーチとなるタイミングよりも前であるか否かに関わりなく、演出動作を突然切り換えるようにしてもよい。
上記実施の形態では、普図表示結果が「第1普図当り」となった場合において遊技球を始動領域56に誘導可能とする期間は変化しないものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えばパチンコ遊技機1における遊技状態が通常遊技状態であるか特別遊技状態であるかに応じて、普図表示結果が「第1普図当り」となった場合において遊技球を始動領域56に誘導可能とする期間を変化させるようにしてもよい。具体的な一例として、普電作動パターンFA1−1では入賞可能時間が「5秒」に設定される一方で、普電作動パターンFA2−1では入賞可能時間が「15秒」に設定されるようにすればよい。
上記実施の形態では、図25に示すステップS201の処理にて始動口スイッチ60からの検出信号がオン状態であると判定されたことに対応してステップS202以降の処理が実行され、特図ゲームに関する保留情報は記憶されないものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、特図ゲームに関する保留情報も記憶可能に構成してもよい。この場合、例えば遊技制御用データ保持エリア250には、特図保留記憶部を設ける。この特図保留記憶部は、遊技球が始動領域56に進入した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の進入に基づいてCPU112により乱数発生回路60aやランダムカウンタからのカウント値などに基づき抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データなどを、保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。一例として、図21に示すステップS16の特別図柄プロセス処理では、図24に示すステップS110〜S117の各処理が実行される以前に、始動口スイッチ60からの検出信号がオン状態であるか否かの判定を行う。このとき、始動口スイッチ60からの検出信号がオフ状態であれば、ステップS110〜S117の各処理に進む。これに対して、始動口スイッチ60からの検出信号がオン状態である場合には、特図保留記憶部に記憶されている保留データの数である特図保留記憶数が上限値となっているか否かを判定する。そして、特図保留記憶数が上限値となっていれば、今回の遊技球検出は無効として、ステップS110〜S117の各処理に進む。他方、特図保留記憶数が上限値未満であるときには、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データを抽出して、特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットする。このときには、例えば遊技制御カウンタ設定部164に設けられた特図保留記憶数カウンタにおけるカウント値である特図保留記憶数カウント値を1加算するように更新してもよい。また、演出制御基板90に対して特図保留記憶数通知コマンドとなる所定の演出制御コマンドを送信するための設定を行い、演出表示装置44bの表示領域80に設けられた特別図柄始動記憶表示エリアなどにて、特図保留記憶数を特定可能とする演出画像を表示させるようにしてもよい。
上記実施の形態では、図25に示すステップS202の処理で取得した特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づき、ステップS203にて図8に示すような特図表示結果判定テーブル200を参照することにより、特図表示結果を「第1小当り」から「第4小当り」のいずれかとする旨の判定ができるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、特図表示結果判定用の乱数値MR1とは異なる小当り種別決定用の乱数値を用いて、特図ゲームにおける可変表示結果を「小当り」とする場合に、特図表示結果を「第1小当り」から「第4小当り」のいずれとするかを決定するようにしてもよい。一例として、ステップS203の処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づき、特図ゲームにおける可変表示結果を「大当り」と「小当り」のいずれとするかの判定を行う。このとき、「小当り」とする旨の判定がなされた場合には、小当り種別決定用の乱数値に基づき、ROM100などに予め格納された小当り種別決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を「第1小当り」から「第4小当り」のいずれとするかの決定を行えばよい。
また、上記実施の形態では、図33(A)に示すステップS351の処理で普図保留記憶部161から読み出した普図表示結果判定用の乱数値MR2に基づき、ステップS356にて図9(A)に示す通常時普図表示結果判定テーブル210Aまたは図9(B)に示す有利時普図表示結果判定テーブル210Bを参照することにより、普図表示結果を「第1普図当り」と「第2普図当り」のいずれかとする旨の判定ができるものとして説明した。これに対して、普図表示結果判定用の乱数値MR2とは異なる普図当り種別決定用の乱数値を用いて、普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とする場合に、普図表示結果を「第1普図当り」と「第2普図当り」のいずれとするかを決定するようにしてもよい。一例として、ステップS351の処理では、普図表示結果判定用の乱数値MR2に基づき、普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」と「普図ハズレ」のいずれとするかの判定を行う。このとき、「普図当り」とする旨の判定がなされた場合には、普図当り種別決定用の乱数値に基づき、ROM100などに予め格納された普図当り種別決定テーブルを参照することにより、普図表示結果を「第1普図当り」と「第2普図当り」のいずれとするかの決定を行えばよい。
上記実施の形態では、特別遊技状態となった後に、大当り遊技状態に制御されることなく、所定回数(例えば10回)の普図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態が終了するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば特別遊技状態となった後に、大当り遊技状態に制御されることなく、所定回数の特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態が終了するようにしてもよい。この場合、例えば図34に示すステップS378〜S381の処理を、図26に示すステップS232、S233の処理のいずれかが実行された後に実行するようにすればよい。
上記実施の形態では、大当り遊技状態において、第1特別可変入賞球装置66の開閉片81が第1大入賞口となる開口部82を閉鎖状態から開放状態とした後に再び閉鎖状態へと変化させるまでの動作単位や、第2特別可変入賞球装置47の開閉板49が第2大入賞口となる開口部48を閉鎖状態から開放状態とした後に再び閉鎖状態へと変化させるまでの動作単位が、1回のラウンド遊技であるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、小当り遊技状態において第1特別可変入賞球装置66の開閉片81が第1大入賞口となる開口部82を開放状態とする始動動作も、1回のラウンド遊技であるものとしてもよい。例えば、図26に示すステップS227にて小当りフラグがオンである場合には、ラウンド数カウンタにカウント初期値「1」をセットした後、図30に示すステップS521にて第1特定球検出フラグがオンであることや、ステップS526にて第2特定球検出フラグがオンであることに対応して、ラウンド数カウント値を1加算すればよい。
このように、小当り遊技状態において始動動作が行われることに対応してラウンド数カウント値が1加算されるために、特定領域となる第1特定進入口89や第2特定進入口91に進入した遊技球が第1特定球検出器121aや第2特定球検出器121bにより検出されたことに基づく大当り遊技状態にて継続可能となるラウンド遊技の実行回数は、最大継続回数として決定された回数よりも1回少なくなる。例えば、最大継続回数が「15」に決定された場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が「14」に達したことに対応して、ラウンド数カウント値が「15」となることから、14回目のラウンド遊技が終了したときにラウンド数カウント値がラウンド最大値に達したとの判定がなされ、次のラウンド遊技には移行できずに大当り遊技状態が終了することになる。
また、上記実施の形態では、図28に示すステップS262の処理にて残存球数カウント値が「0」であると判定された後に、ステップS263にて特定入賞判定処理を実行することにより、特定領域となる第1特定進入口89と第2特定進入口91のいずれかに遊技球が進入した場合に大当り遊技状態に制御することができるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、小当り遊技状態にて特定領域に進入した遊技球が検出された時点で、大当り遊技状態に制御することができるようにしてもよい。例えば、図28に示すステップS263の処理に代えて、図27に示すステップS259にて遊技制御プロセスタイマ値が貯留解除判定値と合致しない場合や、ステップS260の処理を実行した後に、特定入賞判定処理を実行するようにしてもよい。この場合、例えば図30に示すステップS531の処理を実行した後に、図28に示すステップS264〜S267の処理を実行すればよい。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、演出表示装置44bの表示領域80における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。