以下、本発明に係るぱちんこ遊技機の実施例について説明する。なお、ここでは先ず、本実施例のぱちんこ遊技機の基本構成について説明し、その後に、本実施例のぱちんこ遊技機における遊技手順、演出、及び、制御態様などについて説明する。
<ぱちんこ遊技機の基本構成>
図1は、本実施例に係るぱちんこ遊技機10の前面構成を示している。ぱちんこ遊技機10においては、後述する遊技機枠11に遊技盤50が装着されている。これらのうち、遊技盤50は、ぱちんこ遊技機10の機種に応じて付属機器や意匠等といった構成要素を異ならせているものである。さらに、遊技盤50は、遊技機枠11との電気的な接続関係や、構造的な接続関係を解除することにより、遊技機枠11から分離できるようになっている。
また、複数機種の遊技盤50について、遊技機枠11との構造的及び電気的な接続関係を共通化することにより、異機種間で遊技機枠11を共用する所謂機種変更が可能となっている。なお、以下では先ず、遊技機枠11について説明し、その後に遊技盤50の盤面構成について説明する。
上述の遊技機枠11は、外枠12、前枠13、及び、下部前板14を有している。さらに、前枠13には、ガラス扉15、及び、皿ユニット16が装着されている。これらのうち外枠12は、ぱちんこ遊技機10を、遊技場(遊技店舗)内の島設備における所定位置に固定するために用いられる矩形の枠体であり、図1中に示すように、ガラス扉15や皿ユニット16を有する前枠13と、上述の下部前板14とにより、前面側が閉じられる開口部分を有している。
前枠13は、外枠12の開口部分に整合する外形を備えた構造であり、図1中の左側に示すヒンジ機構15A、15Bを介して、外枠12に装着されている。そして、前枠13は、外枠12に対する閉鎖状態から、図1中の左側縁部を固定端とし、右側縁部を自由端として、前方へ揺動することで開放状態となる。
前枠13の外枠12への係止と、外枠12からの解放は、錠装置(図示略)を介して行われている。すなわち、図1中に示すように、前枠13の自由端側には、錠装置のシリンダ部17が配置されており、このシリンダ部17は、前枠13の下部を覆った前述の皿ユニット16を通して、鍵穴をぱちんこ遊技機10の前方へ向けている。そして、遊技場店員が、鍵をシリンダ17部の鍵穴に挿入し、この鍵を、例えば反時計回りに回すと、前枠13の自由端側が錠装置から解放され、前枠13が開放状態となる。
このような前枠13に対して、前述の下部前板14は、前枠13のような開閉のための構成は備えておらず、外枠12に、動くことないよう固定されている。そして、下部前板14は、外枠12の前面の下端部を常に塞いでいる。
前枠13の前部に配置されたガラス扉15と、皿ユニット16とは、ヒンジ機構(図示略)を介して、前枠13に装着されている。さらに、ガラス扉15と、皿ユニット16とは、何れも、図1中の左側縁部を固定端とし、右側縁部を自由端として、各々独立に揺動可能である。そして、ガラス扉15と、皿ユニット16とは、例えば遊技場店員が、前方に水平に揺動させることで開放状態となり、開放状態から後方へ水平に揺動させ、前枠13に係止させることにより閉鎖状態となる。
ガラス扉15の前枠13への係止と、前枠13からの解放は、前述の錠装置(図示略)を介して行われている。すなわち、遊技場店員が、鍵を前述のシリンダ17部の鍵穴に挿入し、この鍵を、例えば前枠13の開放時とは逆の時計回りに回すと、ガラス扉15の自由端側が錠装置から解放され、ガラス扉15が開放状態となる。
また、ガラス扉15を開放することで、皿ユニット16の係止機構(図示略)が現れて操作可能となり、この係止機構の操作部(図示略)を遊技場店員が、例えば下方向に押し込み操作することで、皿ユニット16が開放状態となる。
さらに、ガラス扉15は、例えば平行な2枚の透明板を脱着可能に保持しており、閉鎖状態にある場合に、これらの透明板を通して、ぱちんこ遊技機10の前方から遊技盤50を視認できるようにしている。透明板としては、ガラス板のほか、透明な樹脂板なども利用することができる。
皿ユニット16は、その前面に、上球皿18、下球皿19、及び、発射ハンドル20等を有している。これらのうち、上球皿18には、遊技球の貯留、発射ハンドル20を介して操作される発射装置43(図2及び図4参照)への遊技球の供給、下球皿19への遊技球の排出といった各種機能のための機構が備えられている。また、下球皿19には、遊技球の貯留、上球皿18から送られてきた遊技球の受入れ、ぱちんこ遊技機10の外部に置かれた玉箱(所謂ドル箱)への遊技球の排出といった各種機能のための機構が備えられている。
また、本実施例においては、ガラス扉15の上隅部や、下部前板14などといった部位に、各種のスピーカ21が設けられており、これらのスピーカ21を通して、遊技状態や演出パターンなどに応じたBGMや各種効果音などが出力されるようになっている。
さらに、上球皿18の、遊技者に向かう部分には、遊技者により押下操作が可能な操作ボタン22が設けられている(図1参照)。この操作ボタン22は、上球皿18の上部の外壁面に設けられており、上球皿18の左右方向の中央近傍に位置している。また、操作ボタン22は、内部に操作ボタン用発光体(図示略)を備えており、実行される演出パターンに応じて光出力を行うようになっている。
なお、操作ボタン22を、例えばモータやソレノイド等の駆動源を用いて、所定の場合に上方に突出ないし振動動作を実施するようにしてもよい。また、操作ボタン22のほかに十字キー(図示略)が備えられており、この十字キーを用いて遊技者による各種の環境設定や演出操作が可能となっている。そして、環境設定の内容としては、スピーカ21の音量調節、後述する演出表示の輝度調節や光量調節、或いは、後述する演出モードの変更などを例示できる。また、十字キーを用いた演出操作としては、変動表示中のミニゲームなどを例示できる。さらに、十字キー以外にも、例えば、レバー状の操作手段や、各種方式のタッチパネル等を用いることが可能である。
<ぱちんこ遊技機の背面構成>
次に、ぱちんこ遊技機10の背面側における基本的な構成を説明する。図2に示すように前枠13の背面には、遊技球を誘導又は回収するための遊技球通路等を備えたセット基盤31が取着されており、このセット基盤31の下方に、遊技機全体に電源を供給するための電源ユニット32、遊技機枠側の制御を行う払出CPU(後述する)等を搭載した払出制御基板103が取り付けられている。また、遊技盤50の背面側においては、遊技全体を統括制御するメインCPU(後述する)等を搭載したメイン基板(主制御基板)102や、メイン基板102からの制御コマンドに基づいて演出制御を実行するサブメインCPU(後述する)等を搭載したサブ基板104が、セット基盤31の開口に対応する位置関係で設けられている。
セット基盤31においては、上述の開口の上部に賞球タンク33が設けられている。この賞球タンク33は、島設備から供給されて賞球となる遊技球を貯留する。さらに、賞球タンク33の下方には、賞球通路34、払出ユニット35、賞球排出通路36が設けられている。
払出ユニット35は、賞球通路34と連絡し賞球タンク33内に貯留された球を1球単位で下方に排出可能である。さらに、賞球排出通路36は、払出ユニット35から流下された遊技球を賞球として球皿(上球皿18又は下球皿19)に案内する。
前述の電源ユニット32は、図2中に示すようにぱちんこ遊技機10を背面視した場合における、セット基盤31の左下の部位に設けられている。そして、電源ユニット32は、遊技機外部から供給される交流電源を、遊技機中において使用する各種の電圧に変換して、払出制御基板103、メイン基板102、サブ基板104等へ供給する。また、電源ユニット32には、傾倒スイッチである電源スイッチ40が設けられている。
前述の払出制御基板103は、図2中に示すようにぱちんこ遊技機10を背面視した場合における、セット基盤31の右下の部位に配置されている。そして、払出制御基板103は、メイン基板102からの払出に係る指令や外部からの貸出要求に応じて払出ユニット35を制御する払出制御機能を有している。また、払出制御基板103は、発射ハンドル20(図1参照)の操作量に応じた強度で遊技球を遊技領域に発射するよう、発射装置43を制御する発射制御機能も備えている。
前述のメイン基板102は、遊技盤50の背面側における中央下部に配置されており、主に、各種の抽選機能や、払出制御基板103及びサブ基板104に対する制御機能などのように、ぱちんこ遊技機10における中心的な処理機能を備えている。前述のサブ基板104は、遊技盤50の背面側における中央上部に配置されており、主に、後述する各種の演出を制御するための機能を備えている。
前述のサブ基板104については、演出制御の主体的な機能を担う主サブ基板(本実施例ではサブメイン基板301)と、画像作成などの特定の演出機能に特化した副サブ基板(本実施例ではサブサブ基板302)とに分かれているが、「サブ基板」の用語はこれらを包含したものである。また、セット基盤31の背面側における右上部には、メイン基板102や払出制御基板103等からの信号をぱちんこ遊技機10の外部の機器へ中継する外部中継端子基板46が設けられている。また、メイン基板102には、試験信号接続端子47が搭載されており、この試験信号接続端子47の端子接続口は、メイン基板102を収容した透明な密封かしめケース48から、周辺に隙間を生じないよう露出している。そして、図示は省略するが、試験信号接続端子47は、遊技機試験時に試験設備と接続され、遊技状態等に応じた情報を試験に使用するために出力できるようになっている。
<遊技盤の盤面構成>
次に、前述の遊技盤50や、遊技盤50の盤面に配置された部品(盤面部品)について説明する。本実施例においては、遊技盤50は、透明なアクリル樹脂やベニヤ材を用いて板状に形成されており、遊技球を遊技盤50の裏側に導く遊技球通路や、所定の空間などを有している。そして、遊技盤50は、各種の盤面部品が装着された板面を前方に向けた状態で、遊技機枠11の前枠13に装着されており、閉鎖状態にあるガラス扉15等により、その前方を覆われるようになっている。さらに、遊技盤50の前面側においては、湾曲した帯状に成形された内レールや外レールを組み合せて遊技領域52が区画形成されている。
図1中に示すように、遊技領域52には、第1始動入賞口62と第2始動入賞口63、大入賞口91、左作動口68aと右作動口68b、複数の一般入賞口72、及び、アウト口58等が備えられている。さらに、遊技領域52には、演出のための表示を行うことが可能な液晶表示装置からなる演出表示装置60や、この演出表示装置60の周辺を装飾するセンター飾り64等が備えられている。
また、遊技領域52には、図示しない多数の遊技釘や、風車などの機構が備えられている。さらに、遊技盤50の、遊技領域52の左下の外部には、主制御表示装置53が設けられている。なお、この主制御表示装置53の具体的な構成や機能については後述する。また、遊技盤50の上述のような盤面構成は、例えば、ぱちんこ遊技機10に採用されたゲーム性等に応じて種々に異なり得るものである。そして、盤面構成に係る他の実施例については後述する。
<盤面部品の機能>
続いて、上述した個々の盤面部品に係る具体的な機能や構成について説明する。先ず、前述の第1始動入賞口62は、第1遊技に係る始動入賞口であり、遊技球の入口を常時開き、且つ、遊技球の入口の大きさを変化させないタイプのものである。さらに、第1始動入賞口62は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を検出する第1始動入賞検出装置74(センサ)を有しており、このセンサの出力信号は、前述のメイン基板102に入力されている。
前述の第2始動入賞口63は、第2遊技に係る始動入賞口である。第2始動入賞口63は、普通電動役物(第2始動入賞口63の開放動作を制御するもの)に係る始動口(所謂「電動チューリップ」或いは「電チュー」)となっており、後述する普通図柄が当りの態様で停止表示された場合に、普通電動役物の作動に基づき、遊技球の第2始動入賞口63への入球が可能となる。
さらに、第2始動入賞口63は、図3中に示すように、第2始動入賞検出装置75(センサ)と、上述の開閉羽根を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76とを備えている。第2始動入賞検出装置75の出力信号は、メイン基板102に入力されている。
また、本実施例では、第2始動入賞口63を開放する態様として、複数種類が設けられている。そして、これらの開放態様には、比較的短時間(例えば0.2秒程度)の態様(「ショート開放」や「短開放」などと称する)や、比較的長時間(例えば5秒程度)の態様(「ロング開放」や「長開放」などと称する)などがある。また、ショート開放とロング開放の間の開放時間に設定されたミドル開放の態様を設けることも可能である。
前述の一般入賞口72は、図3中に示すように、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73(センサ)を備えている。一般入賞検出装置73は、の出力信号はメイン基板102に入力されている。
前述の大入賞口91は、横長の長方形状に形成された開口を有している。さらに、大入賞口91は、上述の開口を開閉するための開閉扉(図示略)を備えている。そして、大入賞口91は、遊技領域52の右側の部位に配置され、所定の当りが発生した場合に、所定の態様で開放動作を行う。
また、大入賞口91は、図3中に示すように、遊技球の入球を検出するための大入賞検出装置78や、上述の開閉扉を開閉駆動する大入賞口ソレノイド80を備えている。これらのうち、大入賞検出装置78は、大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサを有しており、その出力信号はメイン基板102に入力されている。
さらに、図示は省略するが、大入賞口91の開閉扉の内側には、左右方向に傾斜した遊技球転動領域が形成されており、遊技球転動領域の最下流部分と略中央部分の位置に、遊技球排出口が開口している。そして、遊技球排出口の内部には、大入賞検出装置78(78a、78b)が設けられている。ここで、図3中の大入賞検出装置78(78a、78b)は、大入賞検出装置78が、上流側大入賞検出装置78aと下流側大入賞検出装置78bの総称であることを表している。
なお、本実施例においては、大入賞口91の前方に装飾板91bが設けられている。この装飾板91bには一部に装飾が施されているが、第1開閉扉や大入賞口91を遊技者が視認できるように透明な材質が採用されている。
前述の左作動口68aは、図3中に示すように、左通過検出装置69aを備えており、右作動口68bは、右通過検出装置69bを備えている。さらに、これらの通過検出装置69a、69bは、対応する作動口68a、68bにおける遊技球の通過を検出するセンサを有している。そして、各通過検出装置69a、69bにおけるセンサの出力信号は、メイン基板102に入力されており、各通過検出装置69a、69bは、入球の有無に応じて、センサの出力信号を変化させる。なお、本実施例では、アウト口38に進入した遊技球の検出がアウト球検出スイッチによって行われるが、このアウト球検出スイッチの図示は省略する。
前述のセンター飾り64は、演出の機能等を有しており、センター飾り64の内部には、多数のチップ型LEDが実装されたLED基板が設けられ、光がセンター飾り64を透過し、光装飾を行うようになっている。
また、センター飾り64には、可動演出部材93、94等が設けられており、これらの可動演出部材93、94が、演出用のギミックを構成している。さらに、センター飾り64の、正面から見て右側の部位には遊技球通路部65が形成されており、センター飾り64は、上述のような演出機能のほかに、遊技球の流路の機能を有している。
また、センター飾り64には、導光板90が備えられている。この導光板90としては、図示は省略するが、例えば、板面を前後に向けて平行に並べられた2枚の透明板を備えたものを採用することが可能である。導光板90は、センター飾り64において、演出表示装置60の保護カバーとしても機能している。
この導光板90は、例えば左右の端面のうちの一方の端面に向い合うように、光源となる複数のLEDを、それぞれ帯状に並べて配置する。そして、通常時には、演出表示装置60の画面に他の像を重ねることなく、演出表示装置60の表示内容を、遊技者が視認できるように透明板の外側に透過させている。
導光板90を構成する各透明板の内部には、通常の環境の下では視認できない程度の細かな凹凸が形成され、所定の演出の実行時に、端面に面した上述の光源が駆動され、内部に向けて照射された光が透明板の凹凸により拡散し、拡散光により、所定のイラストなどが、遊技者に認識可能なように発色して浮かび上がる。
また、導光板90の2枚の透明板のうち、他方の透明板には、上述のイラスト等とは異なる像を形成するための凹凸が刻まれている。
前述の主制御表示装置53は、図6(a)に示すように、図柄表示基板(メイン図柄表示基板)256上に、7セグメント表示体やLED表示灯を多数配置したものである。この主制御表示装置53には、前述の普通図柄を表示する普通図柄表示部59、第1遊技に対応する第1特別図柄(後述する)を表示する第1特別図柄表示部70、第2遊技に対応する第2特別図柄(後述する)を表示する第2特別図柄表示部71、及び、その他の各種表示部が形成されている。なお、上述の普通図柄表示部59は普通図柄表示装置を構成している。また、第1特別図柄表示部70は第1特別図柄表示装置を構成しており、第2特別図柄表示部71は第2特別図柄表示装置を構成している。また、主制御表示装置53に形成された各表示部の詳細については後述する。
また、以下では、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「第1特図」や「特図1」、「特1」、「特別図柄1」、「図柄1」、第2特別図柄を「第2特図」や「特図2」、「特2」、「特別図柄2」、「図柄2」などと称する場合がある。
<基本的な遊技手順>
続いて、本実施例のぱちんこ遊技機10における遊技手順について説明する。先ず、前述の上球皿18に遊技球が供給された状況で、遊技者が、前述の発射ハンドル20を操作して回動させると、その回動角度に応じた強度で、上球皿18に貯留された遊技球が1球ずつ所定間隔で発射される。そして、遊技球は、前述の内レールと外レールにより案内され、遊技領域52の上部に達し、内レールと外レールとの間から遊技領域52へ放出される。
通常の遊技においては、遊技者は、遊技球が遊技領域52の左側で流下するように発射を行い、遊技領域52の下方中央部に位置する第1始動入賞口62を狙う。このような遊技領域52の左側を主に使用する発射の態様は、所謂左打ちと呼ばれる。また、遊技球の発射は、遊技者が発射ハンドル20を操作している間、前述の発射装置43により、所定の時間間隔(例えば1分間に100発を超えない程度の間隔)で繰り返される。そして、遊技領域52に連続して放出された遊技球は、複数の遊技釘や風車などに干渉しながら、その速度や入射角度(又は反射角度)等の要因に応じた方向へ落下する。
遊技球が、前述の一般入賞口72や第1始動入賞口62などの各種の入賞口へ落入すると、入球が検出され、遊技球の払出制御が行われる。そして、入球した入賞口の種類に応じて、所定数の遊技球が、前述の払出ユニット35を介し、賞球として上球皿18に払出される。また、上球皿18が多くの遊技球により満たされ、払出された後続の遊技球が上球皿18に進入できない場合には、これらの遊技球は、溢れ球として下球皿19に導かれる。
また、各種の入賞口に落入した遊技球はセーフ球となり、遊技盤50の表面側から裏面側に案内される。また、セーフ球とならなかった遊技球は、遊技領域52の下端部に達してアウト口58に落入し、遊技盤50の裏面側に案内される。そして、遊技盤50の裏面側に達した遊技球は、所定の案内樋やセット基盤31内の遊技球通路を通って下方に導かれ、ぱちんこ遊技機10から、前述の島設備の側へ向けて排出される。
前述の左作動口68aと右作動口68bは、上述のセーフ球を発生させる入賞口と異なり、遊技球が通過するゲートとなっている。なお、本実施例における「落入」、「入球」、「入賞」の用語は、ゲートに係る「通過」の意味を含むものとする。
遊技球が、作動口(ここでは左作動口68a又は右作動口68b)に入球した場合、後述するような所定の変動開始条件(普図変動開始条件)が成立していれば、主制御表示装置53において、普通図柄(後述する)が変動表示される。主制御表示装置53で表示される普通図柄は、作動口への入球に基づき実行される乱数抽選(普図抽選)の結果を示すものであり、所定の変動時間を経たのちに停止表示される。
遊技球が、始動口(ここでは第1始動入賞口62又は第2始動入賞口63)に入球した場合、後述するような所定の変動開始条件(特図変動開始条件)が成立していれば、主制御表示装置53において、特別図柄(後述する)が変動表示される。主制御表示装置53で表示される特別図柄は、始動口への入球に基づき実行される乱数抽選(大当り抽選)の結果を示すものであり、所定の変動時間を経たのちに停止表示される。
前述の演出表示装置60においては、特別図柄に係る演出表示が行われる。この演出表示は、特別図柄が変動表示中であるか、停止表示中であるか、といった違いや、特別図柄の停止表示態様が大当りのものであるか、はずれのものであるか、といった違いに関係して、予め定められた各種の態様の演出を行うものである。
特別遊技においては、大入賞口91が開放される単位遊技が所定回繰り返される。さらに、特別遊技には、単位遊技が最大回数に亘り繰り返されるものと、単位遊技が最大回数よりも少ない回数に亘り繰り返されるものとがある。
各単位遊技においては、大入賞口91において、所定数(例えば10個)の遊技球が検出された場合、又は、合計の開放時間が所定時間(例えば約30秒)に達した場合に、終了条件が成立して、対応する大入賞口が閉鎖される。単位遊技の終了条件として、合計の開放時間とするのは、1回の単位遊技中で複数回の大入賞口の開放を分割して行う場合であっても上限値を定めていることを示している。大入賞口の開放を単位遊技内で複数行うことにより、技術介入性を高めたり、1回の開放で行うことにより容易に出玉を獲得できるなど大当り中の遊技性(ゲーム性)に幅を持たせたりするため、大入賞口の開放態様は予め設定されているパターンの中から選択可能としている。
さらに、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、上述のように、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数(ここでは2つ)混在するゲーム性が採用されている。つまり、本実施例においては、上述の複数の遊技を、第1特別図柄(特図1)が使用される第1遊技と、第2特別図柄(特図2)が使用される第2遊技とに分けることができる。そして、第2遊技が第1遊技よりも優先されており、同時に遊技の開始条件を満たした状況においては、第2遊技を優先して実行させ、第1遊技を保留しておくことにより、第1遊技と第2遊技とが同時に実行されないようになっている。
また、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、前述の大当り抽選の結果に応じて、特別遊技の終了後に、特定遊技が実行される場合がある。この特定遊技は、前述の特別遊技とは別な態様で、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態となるものである。本実施例においては、特定遊技として、確率変動遊技(以下「確変」と称する)、変動時間短縮遊技(以下「時短」と称する)、及び、入球容易化遊技が設けられている。特定遊技として、確変、時短、入球容易化遊技の何れか1のみ実行する場合もあれば、複数の特定遊技を同時に行う場合もあり、それらの組み合わせによって多様な遊技性(ゲーム性)を創出することが可能である。
特定遊技が実行される場合や終了する場合には、演出表示装置60の画像や音声などによって推奨される遊技球の発射位置、発射タイミングに関する報知(例えば、右打ちを促す演出)が実行される。そして、遊技者が、発射ハンドル20の回動量を時計回りに増やして発射力を強め、遊技球を遊技領域52の右側の領域に向けて発射すると、センター飾り64の上方を通った遊技球が、センター飾り64の遊技球通路部65に進入し、センター飾り64の流下する右打ち遊技状態となる。
センター飾り64から放出された多数の遊技球のうちの一部は、右作動口68b(図1参照)を通過して右通過検出装置69b(図3参照)により検出される。そして、前述のように、右作動口68bを遊技球が通過すると、前述の普通図柄が主制御表示装置53(図6(a)参照)で変動表示され、普通図柄の変動表示が所定の当り態様にて停止すると、第2始動入賞口63の普通電動役物が当り態様に応じて所定時間拡開する。
本実施例においては、遊技領域52の右側に達した遊技球を、釘等によって、第2始動入賞口63や大入賞口91の周辺に導くことが容易となっている。さらに、本実施例では、特定遊技である時短には入球容易化遊技が付加されるようになっており、時短中は、入球容易化遊技により普通電動役物の開放延長、普通図柄の当り確率に係る確率変動、普通図柄変動の時短の組み合わせが行われ、前述の普通電動役物の作動頻度が上昇し、ロング開放が実行され易くなる。そして、時短中において、第2始動入賞口63の普通電動役物が1回拡開した際に、1個、または複数個の遊技球が第2始動入賞口63に入球し得るようになっている。
なお、大当りが発生して特別遊技が実行される際には、大入賞口91が開放するが、この特別遊技中に、遊技者に対して右打ちを行わせることが可能である。そして、この場合には、特別遊技の開始前に、演出表示装置60の画像や音声などによって、遊技者に右打ちを促す演出を実行することが考えられる。
<大当りの種類>
次に、上述の第1遊技及び第2遊技における大当りの種類について説明する。本実施例では、大当りとして、前述の単位遊技を16回繰り返す大当り(以下、適宜「16R(ラウンド)大当り」とも称する)や、単位遊技を4回繰り返す大当り(以下、適宜「4R大当り」とも称する)が設けられている。
大当りの1部の種類として大当り遊技後の特定遊技により分けることも可能である。確変にならないものを「通常」当り(例えば4R通常)と表現し、確変が付与されるものを確変当りや特別当り(例えば16R確変)と称する。また、例えば、16R大当りであっても、大入賞口91の開放期間が短く、実質的に4R大当りと同じ程度の出球しか獲得できないといったもの実質4R当りを設けたり、4R大当りであっても、出球の獲得がほとんどできないといったもの(4R出球無し)を設けたりすることが可能である。
また、本実施例では、前述の確変や時短等といった特定遊技状態は、全ての大当りについて発生するようになっている。このため、本実施例における16R大当りは、全てが、確変を伴う16R大当り(以下「16R確変」と称する)であり、4R大当りは、全てが、確変を伴う4R大当り(以下「4R確変」と称する)である。
しかし、大当りと、確変や時短等との組合せについては、本実施例のものに限定されず、種々の組合せを採用することが可能である。例えば、確変、時短、及び、入球容易化遊技といった特典機能のうち、少なくとも1部を付与しない大当りを設けることが可能である。より具体的には、確変のみが伴う大当りや、時短のみが伴う大当りを設けることが考えられる。さらに、確変の継続期間の相違や、時短の継続期間の相違によって、大当りの種類を異ならせることも可能である。また、時短中に電チューサポート(入球容易化状態)を併せて実行する場合は、「時短の継続期間」は、「電チューサポートの継続期間」と言い換えることができる。
<大当り以外の当り>
また、本実施例では、大当り以外の当りの種類として、小当りが設けられている。第1遊技(又は第2遊技)において、この小当りが発生した場合には、前述の単位遊技を1回行うようになっている。
<主制御表示装置>
<<主制御表示装置の構成>>
次に、前述の主制御表示装置53について、図6に基づき説明する。主制御表示装置53は、図柄表示基板256に、セグメント表示体や多数のLED表示灯を配置し、各種の表示体の前方に透明板を重ねて構成されている。さらに、図6(a)に示すように主制御表示装置53は、図柄表示基板256の、正面から見て左上の部位に、左から順に、第1状態表示灯231、第2状態表示灯232、主制御エラー表示灯233を有している。
第1状態表示灯231は、直線状の2つのLEDセグメントを、一列に並べて、数字の「1」の形態のデジットを構成するものである。第2状態表示灯232は、直線状の7つのLEDセグメントを組み合せて、数字の「8」の形態のデジットを構成するものである。さらに、主制御エラー表示灯233は、第2状態表示灯232の右下に付設された真円状の主制御エラー表示灯用ドットにより構成されるものである。
上述の第1状態表示灯231及び第2状態表示灯232は、各セグメントのLEDを選択的に点灯させることで、0〜19の数字、アルファベット文字、ハイフンやその他の記号などの表示が可能となっている。さらに、LEDを点滅させることや、点滅のパターンを異ならせることで、より多様な情報の表示が可能となっている。そして、第1状態表示灯231及び第2状態表示灯232は、例えば、前述の第1遊技又は第2遊技において大当りが発生し、特別遊技が実行される場合におけるラウンド数の表示などに用いられる。また、主制御エラー表示灯233は、例えば、エラーに係る表示などに用いることが可能となっている。
さらに、図6(a)中に示すように、図柄表示基板256には、上から順に2個、4個、10個、10個のLED表示灯が横に所定ピッチで並べられている。ここで、図6(a)では、説明の便宜上、合計26個のLED表示灯上にA〜Zの符号を記載している。そして、以下の説明では、図6(a)中に付されたA〜Zの符号によって、各LED表示灯を区別する場合がある。
これらのLED表示灯A〜Zも、点灯の有無や点滅パターンに応じて所定の情報の表示を行えるようになっている。図6(b)には、図6(a)に示すLED表示灯A〜Zと名称との関係を示している。これらのうち、LED表示灯A〜Cは、後述する普通図柄に係る普通図柄記憶表示用第1LED、普通図柄記憶表示用第2LED、普通図柄表示LEDである。また、LED表示灯D、Eは、第3状態表示灯、第4状態表示灯であり、LED表示灯Fは、前述の右打ちを行うべき場合に例えば点灯する右打ち指示灯である。これらのうち、第3状態表示灯(D)は、特別図柄に係る確率変動機能の作動状態の表示に用いられ、第4状態表示灯(E)は、普通図柄に係る確率変動機能の作動状態の表示に用いられる。
さらに、LED表示灯G〜Nの8個は、第1特別図柄表示部70を構成しており、LED表示灯O、Pは、それぞれ第1特別図柄記憶表示用第1LED、第1特別図柄記憶表示用第2LEDである。また、LED表示灯Q〜Xの8個は、第2特別図柄表示部71を構成しており、LED表示灯Y、Zは、それぞれ第2特別図柄記憶表示用第1LED、第2特別図柄記憶表示用第2LEDである。なお、図6(a)中においては、普通図柄表示部59、第1特別図柄表示部70、第2特別図柄表示部71に符号を付すため、それぞれのLED表示灯を波括弧の記号により括って示している。
上述の普通図柄表示部59は、1つのLED表示灯Cにより構成されており、このLED表示灯Cの動作態様により、普通図柄の変動表示及び停止表示を行うようになっている。なお、普通図柄表示部59は、点灯(当り図柄)状態または消灯(ハズレ図柄)状態にて図柄の停止状態を示し、点滅状態にて変動中であることを示す表示部である。
前述の第1特別図柄表示部70は、横方向に一列に並んだ8個のLED表示灯G〜Nの動作態様によって、第1遊技に係る第1特別図柄の変動表示及び停止表示が可能となっている。この第1特別図柄表示部70による第1特別図柄は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を契機として行われる第1抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに大当りが発生し特別遊技が実行される。なお、第1特別図柄表示部70は、第1特別図柄の停止表示の際には、各LED表示灯G〜Nの点灯と消灯との組み合せによって、最大で256(=2^8)種類の識別情報を表示可能である。
前述の第2特別図柄表示部71についても同様に、横方向に一列に並んだ8個のLED表示灯Q〜Xの動作態様によって、最大で256(=2^8)種類の識別情報を表示可能である。
また、LED表示灯A、Bである普通図柄記憶表示用第1LEDと普通図柄記憶表示用第2LEDは、2個で1組となっており、2つのLEDの消灯と点灯、点滅の組合せにより、普通図柄に係る保留球数(0〜4)の数値を表示できるようになっている。
普通図柄記憶表示用第1LED(A)及び普通図柄記憶表示用第2LED(B)による、0〜4の数値の表示は、例えば、保留数が0の場合(保留がない)場合は両方を消灯し、保留数が1の場合は何れか一方を点灯して他方を消灯するといった態様で行うことが可能である。また、保留数が2の場合は両方を点灯し、保留数が3の場合は何れか一方を点灯して他方を点滅させ、保留数が4の場合は両方を点滅させる、といった態様で保留数の表示を行うことが可能である。
第1特別図柄記憶表示用第1LED(O)及び第1特別図柄記憶表示用第2LED(P)、又は、第2特別図柄記憶表示用第1LED(Y)と第2特別図柄記憶表示用第2LED(Z)による、特別図柄に係る保留球数(0〜4)の数値の表示は、例えば、前述の普通図柄記憶表示用第1LED(A)と普通図柄記憶表示用第2LED(B)の場合と同様の態様で保留数の表示を行うことが可能である。
このような構成の主制御表示装置53は、図3中に示すように、前述のメイン基板102に電気的に接続されている。そして、主制御表示装置53における各種の表示部は、メイン基板102のCPU(後述する)によって制御される。なお、図3中では、主制御表示装置53における各種の表示部のうち、普通図柄表示部59、第1特別図柄表示部70、第2特別図柄表示部71のみを示している。
<演出表示装置の構成と基本的な表示内容>
続いて、前述の演出表示装置60の構成と、演出表示装置60の基本的な表示例について説明する。本実施例では、演出表示装置60として、液晶ディスプレイが用いられている。この演出表示装置60の表示領域194には、前述の主制御表示装置53で表示される第1特別図柄又は第2特別図柄についての遊技結果に関する演出表示や、ストーリー表示などといったその他の遊技結果が大当りとなる期待度を示唆する演出表示が行われる。なお、演出表示装置60においては多様な画像の表示が行われるが、ここでは、第1特別図柄又は第2特別図柄に直接的に関係する基本的な演出表示について説明する。
続いて、前述の演出表示装置60の構成と、演出表示装置60の基本的な表示例について説明する。本実施例では、演出表示装置60として、大型(例えば15インチ程度)な液晶ディスプレイが用いられている。この演出表示装置60の表示領域194には、前述の主制御表示装置53で表示される第1特別図柄又は第2特別図柄についての演出表示や、ストーリー表示などといったその他の演出表示が行われる。なお、演出表示装置60においては多様な画像の表示が行われるが、ここでは、第1特別図柄又は第2特別図柄に直接的に関係する基本的な演出表示について説明する。
前述のように、主制御表示装置53において第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が開始されると、演出表示装置60において、図7(a)、(b)に示すように、演出図柄190の変動表示を伴う変動演出が実行される。本実施例においては、演出図柄190は、左演出図柄190a、中演出図柄190b、右演出図柄190cにより構成されている。なお、以下では、左中右の演出図柄190a〜190cについて、状況に応じ、「演出図柄190」や「演出図柄190a〜190c」と記載する場合がある。
さらに、本実施例において演出図柄190は、数字の「1」から「9」の記号の意味を有する9種類の要素図柄(記号要素演出図柄)を有している。なお、上述の要素図柄の詳細については後述する。また、ここでは、説明が煩雑にならないよう、数字の「1」から「9」の記号の意味を有する9種類の要素図柄を用いて説明を行うが、要素図柄としては、例えば所定の単語などのように、数字以外の意味を持った図柄を採用することも可能である。さらに、要素図柄として、数字の意味を持ったものと、他の意味を持ったものとを併用することも可能である。また、特殊な演出(後述する擬似連続予告や特殊ゾーン演出)を実行させるために、ある変動時においてのみ出現(通常図柄に対して追加される、または差し替わることにより表示)する演出示唆を行うための特殊図柄も広義では演出図柄190の中に含まれるものである。
主制御表示装置53における第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示に伴い、演出表示装置60において、上述の演出図柄190が変動表示される(図7(a)参照)。演出図柄の変動表示は、本実施例においては、左演出図柄190aから右演出図柄190cを、個々に縦方向に移動(縦スクロール)させ、上述の要素図柄を順次表示領域194中に登場させることにより実行される。なお、本実施例においては、左演出図柄190aと右演出図柄190cが相対的に前方で大きく表示され、中演出図柄190bが相対的に後方で小さく表示される表示態様が、演出図柄190a〜190cに係る1つの表示態様として採用されている。また、演出図柄190a〜190cのスクロール方向としては、縦方向のほか、横方向や回転、或いは、旋回などといった種々の態様を採用することが可能であるが、スクロール表示の各種の態様については後述する。
また、演出図柄190は、変動表示の途中段階として、所謂「リーチ」の組合せを構成する場合がある。この「リーチ」においては、演出図柄190のうち、2つの演出図柄(ここでは左演出図柄190aと右演出図柄190c)が、例えば「7」と「7」などの同じ数字の図柄、同じ意味、或いは、所定の関係を持った図柄で組合せを構成する。さらに、この「リーチ」においては、リーチの組合せを構成した演出図柄190a、190c以外の、残りの1図柄(ここでは中演出図柄190b)が、他の演出図柄との組合せを構成できない変動中となっている。
なお、演出図柄190の表示態様としては、多種類の「リーチ」や、その他の種々のものを採用できるが、各種の表示態様の詳細については後述する。また、演出表示装置60においては、演出図柄190による演出以外にも種々の演出が行われるが、それらの詳細については後述する。
また、本実施例では、演出表示装置60は液晶ディスプレイを用いたものとなっているが、これに限らず、例えば、機械式のドラム体やLED表示体といった他の種類の表示体を用いたものであってもよい。さらに、演出表示装置60は、1つの表示体のみを備えたものに限らず、例えば付加的な表示体が追加されて複数の表示体の組合せにより構成されるものであってもよい。
さらに、このような付加的な表示体を可動演出部材として備え、付加的な表示体によるギミックを構成することも可能である。そして、通常は、付加的な表示体を、演出表示装置60の表示領域194の視認の障害とならないように、表示領域194の外側に避けて配置しておき、所定の演出パターンが実行される場合に、付加的な表示体が、表示領域194の前方に現れるようにすることが考えられる。なお、付加的な表示体を用いた演出の具体的な態様については後述する。
<ぱちんこ遊技機の電気的構成>
次に、本実施例のぱちんこ遊技機10における電気的構成について説明するが、ここでは電気的構成のうちの主要なものを抽出して説明する。先ず、ぱちんこ遊技機10には、図4に示すように、電源基板251、払出制御基板103、メイン基板102、及びサブメイン基板301等が備えられている。これらのうち電源基板251には、上述の払出制御基板103等が接続されており、払出制御基板103には、メイン基板102、発射装置43、及び、遊技球等貸出装置接続端子板(図示略)などが接続されている。また、メイン基板102には、前述の主制御表示装置53や、サブメイン基板301が接続されており、サブメイン基板301には、前述のサブサブ基板302が接続されている。
上述の各種構成のうちの電源基板251は、前述の電源ユニット32(図2参照)に備えられているものである。また、払出制御基板103には、図示を省略するが、エラーの種別の表示などに用いられる状態表示部や、球貸しに係る金銭処理や球貸処理を実行するカードユニットなども接続されている。さらに、上述の遊技球等貸出装置接続端子板(図示略)には、球貨操作に用いられる球貨操作基板等が接続される。また、上述の発射装置43には、発射ハンドル20(図1参照)に備えられたタッチスイッチ(図示略)や発射停止スイッチ(図示略)等が接続されている。
メイン基板102には、図示を省略した各種の遊技盤接続基板を介して、図3に示すように、主制御表示装置53、各通過検出装置69a、69b、普通電動役物ソレノイド76、第1始動入賞検出装置74、第2始動入賞検出装置75、一般入賞検出装置73、大入賞検出装置78、大入賞口ソレノイド80、及び、磁気センサや電波センサ(図示略)等が接続されている。
サブメイン基板301には、図示を省略した各種の中継基板を介して、演出用の各機器が接続されている。演出用の各機器としては、センター飾り64における各種電飾用のLED基板、可動演出部材93、94の各種の可動体モータ、遊技機枠11における電飾用のLED基板、遊技機枠11に備えられた演出用の枠モータ等を例示できる。ここで、遊技機枠11における電飾としては、前述のガラス扉15で行われるもののほか、皿ユニット16で行われるものや、操作ボタン22が備えられたボタン装置において行われるものなどを例示できる。また、上述の枠モータは、遊技機枠11に備えられた可動演出部材(図示略)の駆動に用いられるものである。
サブサブ基板302には、図4中に示すように、前述の演出表示装置60に備えられた液晶ユニット42や、各種スピーカ21などが接続されている。なお、各種スピーカ21を、上述のサブメイン基板301に接続するようにしてもよい。
続いて、メイン基板102、及び、払出制御基板103の構成について説明する。図4に示すように、メイン基板102には、CPU(メインCPU)501、ROM(メインROM)502、RWM503が搭載されている。これらのうち、CPU501としては、例えば樹脂パッケージングがされたCPU装置(CPUデバイス)内の中央処理装置を利用可能である。なお、本実施例で説明する「ROM」や「RWM」は、CPUデバイスに内蔵されたもの、及び、CPUデバイスに対して外付けされたものの両方を含む包括的な概念のものである。
さらに、図示は省略するが、メイン基板102に搭載されたCPUデバイス内には、CPU501のほかに、制御用クロック生成回路、乱数用クロック生成回路、16ビット乱数用の乱数回路、8ビットの乱数用の乱数回路等が備えられている。これらのうち16ビット乱数用の乱数回路、及び、8ビットの乱数用の乱数回路は、内蔵乱数であるハードウェア乱数を発生させるためのものである。
また、メイン基板102には、メイン基板102の外部の機器との間でデータの入出力を行う入出力ポート505が搭載されている。さらに、メイン基板102には、図示は省略するが、割込回路やタイマ回路などの各種回路部が形成されている。ここで、入出力ポート505は、入力ポートと出力ポートを包括的に示したものである。そして、入出力ポート505の入力ポートには、ハンドル操作信号、入賞口センサ、磁気センサ、ドアセンサ、電源断信号などの入力を受け付ける各種ポートが備えられている。
また、入出力ポート505の出力ポートには、情報出力に係るポートや遊技出力に係るポートがある。これらのうち情報出力に係るポートは、前述した外部中継端子基板46の各端子や、試験信号接続端子47を通じて、ホールコンピュータや試験設備に対して情報を出力する。また、遊技出力に係るポートは、各種の電動役物の駆動に係るソレノイドの駆動のための端子、サブメイン基板301に対して各種演出コマンドを出力するための端子、主制御表示装置53に対する点灯データを出力するための端子(セグメント出力ポート)などにより構成されている。
上述のROM502は、CPU501が遊技に係る処理を行うための遊技プログラムや、所定の制御データなどを記憶している。また、上述のRWM503は、CPU501による遊技プログラムの実行に際して、各種の処理に必要なデータや、処理中に発生したデータ等を書換え可能に記憶する。
続いて、払出制御基板103には、CPU(払出CPU)511、ROM(払出ROM)512、RWM513が搭載されている。これらのうち、CPU511としては、例えば樹脂パッケージングがされたCPU装置(CPUデバイス)内の中央処理装置を利用可能である。また、ROM512は、CPU511が払出しに係る処理を行うための払出用プログラムや、所定の制御データなどを記憶している。また、上述のRWM513は、CPU501による払出プログラムの実行に際して、各種の処理に必要なデータや、処理中に発生したデータ等を書換え可能に記憶する。
前述のサブメイン基板301は、CPU(サブメインCPU)521と、ROM(サブメインROM)522と、ワークRWM523と、入力ポート527と、出力ポート528、バスライン(図示略)などを備えている。そして、入力ポート527の入力側にはメイン基板102の出力側が接続され、入力ポート527の出力側には、CPU521、ROM522、ワークRWM523、及び、出力ポート528などが接続されている。
サブメイン基板301のCPU521は、メイン基板102から送信される図柄表示用の演出制御コマンド(指令)に基づいて演出表示装置60の表示を制御する。ROM522は、CPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRWM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
なお、前述のメイン基板102とサブメイン基板301の間におけるデータの送受信は、メイン基板102からサブメイン基板301への一方向通信(片方向通信)の態様で行われる。したがって、メイン基板102が保有する情報は、メイン基板102がサブメイン基板301へ送信しない限り、サブメイン基板301で参照することはできない。
前述のサブサブ基板302は、CPU531、ワークRWM532、プログラムROM533、サウンドROM534、キャラクタROM535、画像コントローラ(VDP)536、音制御回路537、入力ポート538、出力ポート539、及び、バスライン(図示略)などを備えている。さらに、画像コントローラ(VDP)536は、ビデオメモリ540を備えている。そして、入力ポート538の入力側にはサブメイン基板301の出力側が接続され、入力ポート538の出力側には、CPU531、ワークRWM532、プログラムROM533等の各機器が接続されている。
上述のビデオメモリ540は、演出表示装置60に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオメモリ540における画像データの内容を書き替えることにより、演出表示装置60の表示内容(フレーム画像)が変更される。キャラクタROM535は、演出表示装置60に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ536は、CPU531、ビデオメモリ540、出力ポート539のそれぞれの動作タイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオメモリ540に記憶される表示データを、キャラクタROM535から所定のタイミングで読み出し、更に予め優先順位を定めたレイヤの順に図柄を重ねて演出表示装置60に表示させる。なお、サブサブ基板302は、図4中に示すように、CPU531と画像コントローラ(VDP)536とが別体で備えられているもののほか、CPU531と画像コントローラ(VDP)536とをワンパッケージ化した画像コントローラ(VDP)が備えられているものであってもよい。
<電源供給とデータバックアップ>
前述の電源基板251は、ぱちんこ遊技機10の各部に電源を供給するための電源部541と、初期化スイッチ544を有する初期化スイッチ回路部543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、メイン基板102や払出制御基板103等に対して、各種スイッチ、モータ、ロジック回路等を駆動するための所定量の電圧を、メイン基板102や払出制御基板103、及び、その他の所定の機器に対して供給する。
初期化スイッチ回路部543は、電源投入時に初期化スイッチ544が押下された場合に、メイン基板102及び払出制御基板103へ、バックアップデータをクリアするための初期化信号を出力する回路を備えている。
上述のように、メイン基板102におけるRWM503は、ぱちんこ遊技機10の電源の遮断後においても、電源基板251からバックアップ電圧が供給されて、データを保持(バックアップ)できるようになっている。つまり、RWM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリア(図示略)の他に、バックアップエリア503aが設けられている。このバックアップエリア503aは、停電(瞬間的な電圧降下による停電である所謂瞬停を含む)などの発生により電源が遮断された場合(電断が生じた場合)において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。そして、通常の電源立ち上げや、停電の解消に伴い、メイン基板102等の状態が、バックアップエリア503aの情報に基づいて、電源遮断前の状態に戻される。
また、払出制御基板103におけるRWM513についても、メイン基板102のRWM503と同様に、ぱちんこ遊技機10の電源の遮断後において、電源基板251からバックアップ電圧が供給されて、データを保持(バックアップ)できるようになっている。
前述のメイン基板102には、上述のような停電等による電源遮断を監視する停電監視回路部506が設けられている。停電監視回路部506は、電源基板251の電源部541から出力される最大電圧である直流安定(例えば30ボルト)の電圧を監視し、この電圧が所定電圧未満になった場合に、停電(電源遮断)の発生を検知して、上述の電断信号を出力する。このような電断信号の入力に基づき、メイン基板102のCPU501、及び、払出制御基板103のCPU511は、所定の電源断処理を実行する。
次に、メイン基板102における基本的な機能について説明する。本実施例のメイン基板102は、前述した各構成(図4参照)の働きにより、例えば、入球判定、抽選、コマンド送信などの各種の機能を果たす。
図5中には、メイン基板102、サブメイン基板301、及び、サブサブ基板302の各々における代表的な機能的手段を示している。これらのうち、メイン基板102は、入球判定手段110、第1抽選手段111、第2抽選手段112、普図抽選手段113、保留制御手段114、メイン表示制御手段115、特別遊技制御手段116、特定遊技制御手段117、開閉制御手段118、事前情報通知手段119、メインコマンド送信手段120等を備えている。そして、メイン基板102は、これらの機能的手段により、以下に順に説明するように、特別図柄に関する抽選、普通図柄に関する抽選、保留制御、主制御表示、特別遊技、特定遊技、開閉制御、事前情報通知等を実行する。
上述の入球判定手段110は、各入賞口(各作動口、各種始動入賞口、大入賞口、一般入賞口など)への遊技球の入球を各入賞口に設けられたセンサ類から出力される信号をもとに判定する。
<<特別図柄に係る当否抽選機能>>
前述の第1抽選手段111は、第1始動入賞口62への入球に基づき第1抽選を実行する。第1抽選手段111は、第1抽選値取得手段121、第1当否判定手段122、第1図柄決定手段123、第1パターン決定手段124の機能を有している。第1抽選の結果は、前述の主制御表示装置53(図6(a)参照)の第1特別図柄表示部70において、停止表示された第1特別図柄により表される。
同様に、前述の第2抽選手段112は、第2始動入賞口63への入球に基づき第2の抽選を実行する。第2抽選手段112は、第2抽選値取得手段125、第2当否判定手段126、第2図柄決定手段127、第2パターン決定手段128の機能を有している。第2の抽選の結果は、前述の主制御表示装置53の第2特別図柄表示部71において、停止表示された第2特別図柄により表される。
前述の第1抽選手段111に備えられた第1抽選値取得手段121は、第1始動入賞口62への入球を契機に、第1抽選に係る大当り乱数の値を、第1当否抽選値として取得する。また、前述の第2抽選手段112に備えられた第2抽選値取得手段125は、第2始動入賞口63への入球を契機に、第2抽選に係る大当り乱数の値を、第2当否抽選値として取得する。
なお、本実施例では、第1当否抽選値として取得される大当り乱数、及び、第2当否抽選値として取得される大当り乱数は、ハードウェア乱数(ハード乱数)とソフトウェア乱数(ソフト乱数)とを用いた演算(加算)により生成されている。ハードウェア乱数としては、例えば16ビット用の乱数回路で生成される内蔵乱数を利用し、ソフトウェア乱数としては、ソフトウェアにおける乱数生成プログラムにより割込毎に更新される値を利用する。なお、ハードウェア乱数とソフトウェア乱数のうちのいずれか一方を使用するものであってもよい。
第1抽選手段111における第1当否判定手段122は、第1当否抽選値に基づいて当否判定を行い、第1当否抽選値が、当りとなる所定の値(当り値)に該当するか否かを判断する。同様に、第2抽選手段112における第2当否判定手段126は、上述の第2当否抽選値に基づいて当否判定を行い、第2当否抽選値が、当りとなる所定の値(当り値)に該当するか否かを判断する。第1当否判定手段122及び第2当否判定手段126による当否判定では、第1当否抽選値や第2当否抽選値と、大当り抽選の抽選結果との対応を定めた当否判定テーブル(図8(a)参照)が用いられる。ここで、図8(a)中に示す、通常時確変時大当りとは、常に大当りとなる乱数値範囲を示すものであり、確変時大当りとは、確変時のみ大当りとなる乱数値範囲であることを示している。
第1抽選手段111における第1図柄決定手段123や第2抽選手段112における第2図柄決定手段127は、第1特別図柄または第2特別図柄に係る大当り抽選でいずれかの大当りに当選した場合における、特別図柄の種類を、大当り図柄判定テーブル(図9参照)に基づき決定する。第1抽選用の大当り図柄判定テーブル(図9(a)参照)、第2抽選用の大当り図柄判定テーブル(図9(b)参照)、及び、小当り図柄判定テーブル(図9(c)参照)は、図柄決定に係る乱数値(図柄乱数)である図柄抽選値と、特別図柄の種類との関係を規定している。
ここで、図柄抽選値は、特別図柄に係る「特別図柄当り図柄乱数」や「図柄乱数」などとも称する場合がある。また、本実施例では、当たりの種類に小当りが含まれており、第1図柄決定手段123および第2図柄決定手段127は、特別図柄に係る大当り抽選で小当りに当選した場合における、特別図柄の種類を、小当り図柄判定テーブル(図9(c)参照)に基づき決定する。
図柄抽選値は、前述の当否抽選値と同様に、始動入賞口への入球を契機に取得されるものである。また、特別図柄の種類は、当りの種類に対応付けられており、取得された図柄抽選値に紐付いて、大当りの種類や小当りの種類が定まるようになっている。
第1抽選手段111における第1パターン決定手段124や第2抽選手段112における第2パターン決定手段128は、それぞれに対応する特別図柄表示部における特別図柄の変動パターンを、特図変動パターンテーブルに基づき決定する。特図変動パターンテーブルは、多数の特図変動パターンと、特別図柄の変動パターン決定(変動パターン抽選)に係る乱数値(変動パターン乱数)であるパターン抽選値との関係を規定している。
パターン抽選値は、前述の当否抽選値と同様に、始動入賞口への入球を契機に取得されるものである。さらに、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る変動パターンは、例えば、大当り時、はずれ時、リーチの有無、時短の有無、保留数、大当り後の変動回数などといった各種の遊技状況に応じて相違した複数の特図変動パターンテーブルが設けられている。
特別図柄に係る変動パターン(特図変動パターン)は、特別図柄の変動表示における、変動開始から停止までの時間(変動時間)を定めている。そして、特図変動パターンは、その種類によって、例えば数秒程度(これに限らず1秒以下などであってもよい)から数十秒度のように、長短様々な変動時間を規定している。すなわち、各特図変動パターンには、変動表示の終了条件として変動時間が定められており、前述の第1特別図柄表示部70又は第2特別図柄表示部71(図6(a)参照)においては、特別図柄の変動表示が開始されて、規定された変動時間が経過すると、特別図柄が停止表示される。
<<普通図柄に係る各種抽選機能>>
続いて、前述の普図抽選手段113について説明する。この普図抽選手段113は、普図抽選値取得手段129、普図当否判定手段130、普図図柄決定手段131、普図パターン決定手段132を有している。そして、普図抽選手段113は、前述の入球判定手段110により、各作動口68a、68bにおける遊技球の通過が検出されると、この検出結果に基づき、普通図柄に係る抽選(普図抽選)を実行する。
この普図抽選においては、普図抽選値取得手段129により、普通図柄に係る乱数(普図当否乱数、普図図柄乱数、普図変動パターン乱数などの普図抽選値)が取得される。そして、普通図柄の変動開始時に、普図図柄決定手段131により、普図判定テーブルが参照される。この普図判定テーブルには、普図抽選値と、当否、当り図柄の種類、及び、変動パターンとの対応関係が定められている。そして、普図当否判定手段130により、当否乱数が当りに該当するものであるか否かが判定され、当りに該当する場合には、当り図柄の種類に基づき当りの種類が判定される。
また、左作動口68a又は右作動口68bへの入球を契機に普図パターン抽選値(前述した普図変動パターン乱数)が取得され、取得した普図パターン抽選値を用いて普図パターン決定手段132により、普通図柄に係る変動パターン(普図変動パターン)が決定される。各普図変動パターンは、普図変動パターンに係る乱数(普図変動パターン乱数)である普図パターン抽選値と対応けられており、取得された普図パターン抽選値に紐付いて、遊技の状況に応じた普図変動パターンが定まるようになっている。
さらに、本実施例では、普通図柄に係る乱数である普図抽選値、及び、普図パターン抽選値は、ソフトウェア乱数のみを用いて作成されている。
<<特別図柄の保留に関する機能>>
続いて、前述の保留制御手段114について説明する。保留制御手段114は、第1保留手段133、第2保留手段134、普図保留手段135を有している。これらのうち第1保留手段133は、新たに第1始動入賞口62への入球があった場合に、第1特別図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された各種の乱数(第1当否抽選値、第1図柄抽選値など)に係る情報(第1特図保留記憶情報)を、一時的に保留記憶する。本実施例では、第1特別図柄に係る保留の上限値は4個に設定されており、この上限値を超えない範囲で、第1特別図柄に係る保留が可能となっている。
上述の入球があった際に実行されていた第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が終了し、更に、上述の入球よりも前に発生した第1特別図柄又は第2特別図柄に係る保留が存在しない場合には、第1特別図柄に係る変動開始条件が成立し、第1特別図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。
前述の第2保留手段134についても、新たに第2始動入賞口63への入球があった場合に、第2特別図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された各種の乱数(第2当否抽選値、第2図柄抽選値など)に係る情報を、一時的に保留記憶する。
上述の入球があった際に実行されていた第2特別図柄の変動表示が終了した場合には、第2特別図柄に係る変動開始条件が成立し、第2特別図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。なお、本実施例では、第2特別図柄に係る保留の上限値は、第1特別図柄と同様に4個に設定されている。
上述の第1特別図柄、および第2特別図柄は、特別遊技を開始する図柄が停止して特別遊技に制御された場合は、特別遊技が終了した後に変動開始条件を判定する。
<<普通図柄の保留に関する機能>>
続いて、前述の普図保留手段135について説明する。普図保留手段135は、作動口68a、68b(図1参照)における入球があった場合に、普通図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された乱数(普図抽選値など)に係る情報(普図保留記憶情報)を、一時的に保留記憶する。そして、変動開始条件が成立するまで、上述の入球に係る普通図柄の変動表示を許可しない。なお、本実施例では、普通図柄に係る保留の上限値は4個に設定されており、この上限値を超えない範囲で、普通図柄に係る保留が可能となっている。
上述の入球があった際に実行されていた普通図柄の変動表示が終了し、普通電動役物が作動していない場合に、普通図柄に係る変動開始条件が成立し、普通図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。
<<主制御表示に関する機能>>
続いて、前述のメイン表示制御手段115について説明する。メイン表示制御手段115は、第1特図制御手段136、第2特図制御手段137、普図制御手段138、保留表示制御手段139、及び、その他表示制御手段140を有している。これらのうち第1特図制御手段136は、第1抽選手段111により決定された第1特別図柄の変動パターンに従い、第1特別図柄表示部70(図6(a)参照)で、第1特別図柄の変動表示(例えば、LED表示灯M、Nを100msec毎に点滅させる点滅表示)を行う。そして、第1特別図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、第1特別図柄表示部70において、決定された図柄で停止表示する。
さらに、第2特図制御手段137は、前述の第2特別図柄に係る変動開始条件が成立していれば、第2抽選手段112により決定された変動パターンに従い、第2特別図柄表示部71(図6(a)参照)で、第2特別図柄の変動表示を行う。そして、第2特別図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、第2特別図柄表示部71において、決定された図柄で停止表示される。
また、普図制御手段138は、前述の普通図柄に係る変動開始条件が成立していれば、普図抽選手段113により決定された普通図柄の変動パターンに従い、普通図柄表示部59(図6(a)参照)で、普通図柄の変動表示を行う。さらに、そして、普通図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、普通図柄表示部59において、決定された図柄で停止表示される。
さらに、保留表示制御手段139は、前述の第1特別図柄、第2特別図柄、及び、普通図柄に係る保留数の表示を行う。そして、これらの保留数の表示は、図6(a)に示す主制御表示装置53の、第1特別図柄記憶表示部(LED表示灯O、P)、第2特別図柄記憶表示部(LED表示灯Y、Z)、及び、普通図柄記憶表示部(LED表示灯C、D)にて行われる。また、前述のその他表示制御手段140は、上述した第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄、及び、各種保留表示以外の、主制御表示装置53における表示を制御する。
<<特別遊技に関する機能>>
続いて、前述の特別遊技制御手段116について説明する。特別遊技制御手段116は、大当りに当せんした場合に、特別図柄が所定の大当り態様で停止されると、特別遊技作動条件が成立したと判定し、前述のように大当りの種類(停止した特別図柄の停止表示態様)に応じて所定の態様(予め定められた単位遊技の回数や単位遊技中の大入賞口の開放パターン)で開放させる特別遊技を実行する。
<<特定遊技に関する機能>>
続いて、前述の特定遊技制御手段117について説明する。特定遊技制御手段117は、前述の確変や時短等に係る制御を行う。特定遊技制御手段117は、大当りの種類に応じて、その特別遊技の終了後の遊技状態を、確変状態や時短状態等へ移行させる。本実施例においては、確変状態は、全ての種類の大当りに付帯しており、特別遊技後の合計の変動表示回数が所定数(例えば100回)に達するまで継続される。確変状態の間は、第1抽選手段111や第2抽選手段112による大当りの当せん確率が、非確変時である通常時よりも高い値のまま維持される。
また、本実施例において時短状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示回数の合計が、特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数(例えば100回など)に達するまで継続される。さらに、時短中は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示時間が、通常状態よりも概ね短くなるよう、第1パターン決定手段124や第2パターン決定手段128が、時短用の変動パターンを選択する。
さらに、本実施例においては、前述のように、特定遊技として時短が実行されるときに合わせて入球容易化遊技が実行され、普通電動役物の作動が容易になり、第2始動入賞口の入り口に配置された開閉羽根が開放しやすくなる。開閉羽根の開閉制御は、後述する開閉制御手段118により制御される。
<<開閉制御に関する機能>>
続いて、前述の開閉制御手段118について説明する。開閉制御手段118は、第2始動入賞口63の普通電動役物(開閉羽根)や、大入賞口91の開閉動作を制御する。開閉制御手段118は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、第2始動入賞口63の普通電動役物を開放させる。さらに、開閉制御手段118は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送るための制御を行い、大入賞口91を開放させる。
<<事前情報通知に関する機能>>
続いて、前述の事前情報通知手段119について説明する。事前情報通知手段119は、第1始動入賞口62又は第2始動入賞口63に入球があった際、その入球に対応する図柄変動表示が保留されるか否かにかかわらず、取得された各種の乱数値に係る情報を、事前通知情報として、サブ基板(ここではサブメイン基板301)へ送信するための処理を行う。
上述の事前通知情報としては、第1遊技ないし第2遊技の保留球数や、取得した前述の各当否抽選値(第1当否抽選値又は第2当否抽選値)、各図柄抽選値(第1図柄抽選値又は第2図柄抽選値)、各パターン抽選値(第1パターン抽選値又は第2パターン抽選値)が、どのような当否範囲、図柄範囲、パターン範囲に属するものであるのか判定テーブル(変動時に実際に当否判定や図柄判定、パターン判定に用いるテーブルまたは事前判定用テーブル)を用いて判定した結果や、各種抽選値自体といった情報を例示できる。
なお、このような事前通知情報の送信により、サブ基板104の側において、各種の先読み演出が可能となる。そして、先読み演出としては、保留予告や連続予告などを例示できるが、これらの詳細については後述する。
<<コマンド送信に関する機能>>
続いて、前述のメインコマンド送信手段120について説明する。メインコマンド送信手段120は、メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンド(メインコマンド)の送信を行う。メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンド送信は、始動入賞時、特別図柄の変動開始時、特別図柄の変動停止時、大当り発生時などの種々のタイミングで、種々の情報を送信コマンド記憶領域にセットし、割込み処理毎に一定単位のコマンドの送信が行われる。
<サブ基板の基本機能>
次に、前述のサブ基板104における基本的な機能について説明する。本実施例においてサブ基板104は、サブメイン基板301及びサブサブ基板302により構成されており、メイン基板102からのコマンド受信、演出パターン決定、演出表示制御、演出実行などの各種の機能を果たす。
図5中に示すように、サブメイン基板301は、メインコマンド受信手段141、演出パターン決定手段142、サブメインコマンド送信手段143等を有している。さらに、サブメイン基板301は、スピーカ出力等の制御を行うための音制御手段144や、遊技効果ランプ出力等の制御を行う光制御手段145などの機能的手段が備えられている。
演出パターン決定手段142により決定される演出パターン(変動演出のパターン)は、演出表示装置60に表示される表示演出や、必要に応じ表示演出と併せて行われる音演出及び光演出を指定する情報を含んでおり、演出図柄190の変動表示中に大当りの期待度の高さを示唆する演出を実行する。ここで、本実施例における「期待度」は、「信頼度」と言い換えることが可能なものである。以下「期待度」については、同種の予告演出のパターンのうち出現したときの変動で大当りとなる期待感を高める演出段階(通常パターン、チャンスアップパターン、確定パターン)について述べるものや、1の演出を発生させる当り変動パターン(当り変動における変動パターン)情報およびはずれ変動パターン情報(はずれ変動における変動パターン)について確認したときに、1の演出に対応する変動パターン中に当り変動パターンが含まれる確率について述べるものの記載それぞれについて使用する場合があり、総じて「期待度が高い演出」「信頼度が高い演出」とは、当該演出が発生した場合に大当りすることが多い演出のことをいう。
演出パターン決定手段142により演出パターンが決定されると、決定された演出パターンを示す演出パターン情報が、サブメインコマンド送信手段143を介し、サブメインコマンドとして、サブサブ基板302へ送信される。また、サブメイン基板301からサブサブ基板302へ送信されるコマンドには、サブサブ基板のROMから音データやランプデータ等を読み出すために、音情報なども含まれる。
サブサブ基板302には、図5中に示すように、サブメインコマンド受信手段146や演出実行制御手段147などが備えられている。そして、サブサブ基板302においては、演出実行制御手段147により、サブメイン基板301からのサブメインコマンドに基づき、必要な画像データを液晶ユニット42(図4参照)に順次出力し、アニメーション画像を構成して、演出表示装置60において演出用の動画を表示する。
<特定遊技に係る具体的態様>
次に、前述した特定遊技の具体的態様について説明する。本実施例においては、前述のように特定遊技として、特別図柄の確率変動機能(確変)、特別図柄の変動時間短縮機能(時短)、及び、入球容易化遊技(普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、普通電動役物の開放延長機能の複合)が設けられている。そして、本実施例では、これらの各種特定遊技のうちの少なくともいずれか1つが、大当り抽選の結果(特別図柄の停止表示図柄)や、大当り中の遊技結果に応じて実行される。
<<確率変動遊技>>
上述の確変は、大当り後の特別図柄に係る遊技の確率状態を、通常の確率状態と比べて大当りの発生確率が高くなるように変更するものである。本実施例においては、確変状態の継続期間(確変期間)は、特別図柄の変動回数に基づき決定されている。
特別図柄の変動回数は、特別図柄の変動表示から停止表示までが1回として定まるものである。そして、本実施例において確変期間は、特別遊技終了後の第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の変動回数が所定回数(例えば100回)に設定される。このように次回の大当りが発生する前に確変期間が終了し得るようにした機能は、例えばSTや回数切り確変などと称することが可能である。なお、確変期間を次回の大当りまでとすることも可能であり、その場合の具体的態様としては、例えば、特図1及び特図2の両方、特図1及び特図2の何れか一方、特図1及び特図2の一部の大当り、又は、特図1或いは特図2の一部の大当り、について確変期間を次回の大当りまでとすることなどを例示できる。
<<変動時間短縮遊技>>
上述の時短は、前述の主制御表示装置53における特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)の変動時間を、通常遊技の場合と比べて、概ね短縮するものである。ここで、「概ね短縮する」とは、全ての場合に通常遊技よりも短縮するとは限らず、一部には、特別図柄の変動時間が通常遊技と同等な場合や、通常遊技よりも長い場合を含み得る、という意味である。そして、この時短によれば、特別図柄の変動時間が短くなることから、連続して始動入賞口(第1始動入賞口62及び第2始動入賞口63)への入賞が発生しても、特別図柄の変動表示及び停止表示を短い間隔で円滑に進めることができ、大当り抽選の機会を多く確保することが可能となる。
さらに、本実施例においては、時短状態の継続期間(時短期間)は、確変状態と同様に、特別図柄の変動回数に基づき決定されている。そして、本実施例において時短状態は、特別遊技終了後の第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の変動回数が所定回数(例えば100回)に達するまで継続される。
なお、本実施例では、確変期間と時短期間を同じ期間に設定しているが、確変期間と時短期間を互いに異なる期間としてもよい。また、確変期間や時短期間は、いずれも一定であることに限定されない。例えば、確変期間や時短期間を、発生した大当りの種類に応じて4回、25回、100回などのいずれかとすることなどが可能である。
また、所謂転落抽選の機能を備えることが可能である。この転落抽選としては、以下のようなものを例示できる。例えば、確変や時短が、上述の最大変動回数(ここでは100回)よりも少ない所定の回数(例えば50回)に達した後には、最大変動回数に達するまで毎回の特別図柄の変動毎に、確変や時短を終了させるか否かの抽選(特定遊技終了抽選)が実行される。そして、この特定遊技終了抽選に当せんした場合には、確変及び時短を終了させ、次回の変動からの遊技状態が、確変や時短が伴わない通常状態に戻る。
<<入球容易化遊技>>
続いて、前述の入球容易化遊技について説明する。この入球容易化遊技は、普通電動役物に係る機能を遊技者に有利に設定し、第2始動入賞口63の開放態様が通常よりも遊技球を受け入れ易くなり得るようにする遊技状態である。入球容易化遊技が実行された場合には、普通図柄に係る時短、普通図柄に係る確率変動、普通電動役物に係る開放延長などの制御態様や、これらの制御態様の組合せにより、第2始動入賞口63への入球容易性が高められ、入球容易状態が形成される。
普通図柄における上述の各種の制御態様のうち、普通図柄に係る時短は、普通図柄の変動時間が通常状態よりも短縮される制御態様であり、普通図柄に係る確率変動は、普通図柄の当せん確率を通常状態よりも向上させる制御態様(普通図柄に係る確変)である。さらに、普通電動役物に係る開放延長は、第2始動入賞口63の開放時間を、通常時(非特定遊技時)の開放(ショート開放)よりも長く開放(ロング開放)を行う制御態様である。
上述のように、本実施例における特定遊技中の入球容易化遊技は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、普通電動役物の開放延長という3つの機能を用いて第2始動入賞口63への入球容易性を高める。しかし、これに限定されず、これら3つの機能のうち、1つ又は2つの機能を用いて第2始動入賞口63への入球容易性を高める構成としてもよい。また、3つの機能のうち少なくともいずれかを、実施する期間と実施しない期間との切り替えを、遊技状態に応じて行う構成としてもよい。
このような入球容易化遊技の継続期間は、特別図柄に係る時短期間に関連付けて決定することが可能である。例えば、特別図柄に係る時短中は入球容易化遊技を継続し、特別図柄に係る時短が終了すると入球容易化遊技が終了する、といった制御態様の採用が可能である。
<ぱちんこ遊技機における主な演出>
<<演出図柄の基本的表示態様>>
次に、メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンドに基づき、サブメイン基板301及びサブサブ基板302によって実行される各種の演出について、主要なものを説明する。そして、ここでは先ず、前述の演出図柄190(図7(a)、(b)参照)の基本的な表示態様について説明する。
演出図柄190は、主制御表示装置53において特別図柄が変動表示されることに伴って、演出表示装置60上において変動表示される(図7(a)参照)。さらに、演出図柄190は、主制御表示装置53において特別図柄が停止表示されることに伴って、演出表示装置60上において停止表示(図7(b)参照)される。
演出図柄190の停止に伴い表示される停止図柄は、左演出図柄190a、中演出図柄190b、右演出図柄190cの3つの図柄の組合せにより構成される。そして、メイン基板102における大当り抽選の結果が大当りとなった場合には、例えば「777」や「555」のように、3つの図柄が揃ったぞろ目の組合せが、大当りを表す停止図柄として表示される。また、大当り抽選の結果がはずれであった場合には、例えば「767」、「928」、「331」などのように、1部又は全ての演出図柄が他の演出図柄と異なる組合せで、演出図柄190が停止表示される。
ここで、本実施例における「停止図柄」や「図柄の停止」は、3つの演出図柄190が「確定停止」していることを意味している。すなわち、3つの演出図柄190a〜190cが、演出表示装置60の表示領域194において、例えば「767」や「928」などの組合せを保った状態で表示されていたとしても、それだけでは「確定停止」したことには該当しない。そして、このように演出図柄190が、組合せを保ちつつ「確定停止」に至っていない状態を、「仮停止」の状態と称することが可能である。
このような「仮停止」の表示態様としては、例えば、演出図柄190が小刻みに振動している(揺れている)状態を例示できる。そして、演出図柄190が組合せを維持したまま小刻みに揺れているような仮停止の態様を、「揺れ変動」の態様などと称することが可能である。この「仮停止」における演出図柄190の揺れの態様としては、縦又は横の直線移動や水平方向の回転移動などを例示でき、移動範囲としては数ミリ程度を例示できる。
また、上述の「確定停止」の表示態様としては、仮停止の状態を経て、全ての演出図柄190a〜190cが組合せを保ったまま停止した状態を例示できる。さらに、この「確定停止」の際に、確定停止されたことを示す演出を行うことが可能である。そして、確定表示されたことを示す演出としては、確定停止の状態を所定時間(例えば1秒程度)維持することや、確定停止された各演出図柄190a〜190cを、特殊効果が付加された状態で表示すること(図柄エフェクト)を例示できる。
ここで、図柄エフェクトとしては、各演出図柄190a〜190cを瞬間的(例えば0.5秒程度)に限り光らせる、各演出図柄190a〜190cの周りに輝点を1回或いは複数回周回させる、演出図柄190a〜190cを拡大又は縮小する、演出図柄190a〜190cを数ミリ程度移動させて元の位置に戻す、演出図柄190a〜190cの周りに漂う所定態様のオーラの動画を付加する、などといった種々の態様を採用することが可能である。なおエフェクト(効果)の種類によって、瞬間的な表示では適さない場合には、確定停止になる前から開始されるようにすることが好ましい。
また、前述の「リーチ」の表示態様において、リーチの組合せを保った演出図柄が、前述の「仮停止」の態様で表示される場合がある。そして、この「仮停止」によるリーチ表示の後に、変動表示されていた図柄(ここでは中演出図柄190b)が、はずれの組合せ(はずれリーチの組合せ)を構成して「仮停止」し、組合せを保ったまま「確定停止」が行われて変動表示が終了する、といった演出を例示することができる。また、3つの演出図柄190a〜190cが、はずれリーチの組合せによる「仮停止」を行っている状態から、中演出図柄190bが変動を再開してリーチ演出が高信頼度のもの(大当りに係る信頼度が相対的に高いもの)に発展する、といった演出(後半リーチ)も例示できる。
なお、演出図柄190のスクロール表示の態様としては、上述の縦スクロールに限定されるものではなく、種々の表示態様を採用することが可能である。そして、他の表示態様としては、例えば、横方向(右から左など)への横スクロール態様や、左演出図柄190aから右演出図柄190cを、個々に、鉛直軸まわりに回転(自転)させて、変動表示を行う回転態様を例示できる。また、例えば、左演出図柄190aから右演出図柄190cが、表示領域194中で、後方から前方、即ち画面の奥から手前に向って、直線軌道或いは曲線(旋回)軌道に沿って、拡大されながら順次繰り出される、といった表示態様も例示できる。さらに、後方から前方へ向う演出図柄が、上方から下方手前へ降りてくる、といったスクロール表示の態様を採用することも可能である。
また、スクロールの態様は、前述したような各種の態様のいずれか1つを採用することに限らず、例えば、所定の演出が実行される場合に、所定のスクロール態様から他のスクロール態様に切り替えることなども可能である。また、複数の演出モードについて、演出モード毎に、スクロール態様を異ならせることなども可能である。
また、図7(a)、(b)においては、演出図柄190の組合せが、表示領域194の上下方向の中段でのみ停止表示される表示態様が例示されており、有効ラインは、横方向(図7(b)の例では手前から奥を経て手前に至る横方向など)の1ラインのみとなっている。しかし、これに限定されるものではなく、例えば、有効ラインの数を、例えば平面的な2ラインや5ラインとすることなども可能である。
さらに、図7(b)においては、左演出図柄190aから右演出図柄190cを、所定の字体の数字のみにより簡略化して示しているが、演出図柄190は、数字などの所定の記号を意味する部分(前述の記号要素演出図柄である要素図柄)と、所定の記号以外を表す絵柄からなる部分(非記号要素演出図柄である要素図柄)との組合せにより構成することが可能である。そして、所定の記号以外を表す絵柄からなる部分としては、各種のデザイン画や人物画、及び、これらの組合せ等を例示でき、さらに、記号に組合される各種のデザイン画や人物画を、動画とすることも可能である。
<<演出パターンの例示>>
続いて、前述の演出パターンについて説明する。演出パターンは、メイン基板102で決定される変動パターンに関連付けられた状態で多数設けられている。さらに、演出パターンには、演出図柄190を含む演出の態様が規定されている。より具体的には、演出パターンには、選択された演出図柄190に対する変動開始から変動停止までの変動過程や、演出図柄190と組合せて表示される背景及びストーリー展開などといった演出過程が定義されている。そして、演出パターンには、前述の「リーチあり」や「リーチなし」に対応したものがある。
これらのうち、「リーチあり」の演出パターンが実行される場合は、あと1つの演出図柄(ここでは中演出図柄190b)が揃えば大当りとなるリーチ演出が、演出表示装置60において行われる。そして、特別図柄に係る当否抽選の結果が大当りである場合には、大当りの種類に応じた「777」や「333」などのぞろ目の表示が、確定停止した演出図柄190によって行われる。また、特別図柄に係る当否抽選の結果がはずれである場合には、例えば「767」や「515」などのはずれを示す組合せが、確定停止した演出図柄190によって行われる。
さらに、「リーチなし」の演出パターンが実行される場合は、例えば「928」や「331」などのように、左演出図柄190aと右演出図柄190cがリーチの組合せとならないリーチなしの組合せが、確定停止した演出図柄190によって行われる。
これらの演出パターンには、長短様々な変動時間をもつものがあり、特に、「リーチあり」の演出パターンには、変動時間が数分に及ぶようなものも含まれている。なお、本実施例では、前述した特別図柄に係る変動パターン(図10(a)〜(c)参照)における、「リーチなし(3秒〜10秒程度)」、「ノーマルリーチ(10秒〜20秒程度)」、「スーパーリーチ(大当り信頼度の高いリーチ)(30秒〜2分程度)」に対応した、リーチなしの演出パターン、ノーマルリーチの演出パターン、スーパーリーチの演出パターンが設けられている。そして、これらの演出パターンには、例えば、1つの変動パターンに対して複数の演出パターンが関連付けられており、演出パターン数は、前述の変動パターンよりも多岐に亘っている。さらに、「スーパーリーチ」は、「SP(スペシャル)リーチ」と言い換えることが可能なものである。
<<特別図柄に係る保留演出表示>>
次に、演出表示装置60において行われる特別図柄に係る保留表示(保留演出表示)について説明する。演出表示装置60の表示領域194の下部には、図7(a)、(b)中に示すように、保留数表示部197が表示される。この保留数表示部197は、第1遊技における当否抽選値の保留数を示す第1保留数表示部、又は、第2遊技における当否抽選値の保留数を示す第2保留数表示部として、いずれの遊技が実行されているかに応じ使用されるものである。
すなわち、保留数表示部197は、例えば初当り前などの通常の遊技状態においては、第1遊技に係る第1保留数表示部として使用され、前述した特定遊技中などには、第2遊技に係る第2保留数表示部として使用される。なお、ここでは説明や図示を簡略化するため、個々の保留表示を真円によって表しているが、保留表示を、その他の形状や色彩の組み合わせ、キャラクタ画像、アニメーション等により行ってもよい。
本実施例においては、第1遊技又は第2遊技に係る保留が発生すると、上述の保留数表示部197に所定の保留表示が行われる。さらに、保留数が増えると、保留表示が追加される。そして、保留数が上限に達すると、図7(a)に示すように、保留数表示部197において、4つの保留表示が行われる。
また、保留数表示部197における保留表示は、第1表示位置から第4表示位置にて行うことが可能である。つまり、保留数表示部197には、第1表示位置から第4表示位置が含まれており、保留数表示部197の、遊技者から見て左端の部位が、第1表示位置となっている。そして、右端へ向かって順に、第2表示位置、第3表示位置、第4表示位置が設けられている。さらに、以下では、第1表示位置から第4表示位置で行われる保留表示を、それぞれ「保1」、「保2」、「保3」、「保4」と称する。
例えば、演出表示装置60において、第1遊技又は第2遊技に係る演出図柄190の変動表示が行われている最中で、且つ、保留数表示部197に1つの保留表示も行われていない状況において、保留が発生すると、左端の第1表示位置(上述の「保1」の位置)に保留表示が行われる。そして、この際には未だ他の保留表示が行われておらず、「保2」〜「保4」は発生していないものとする。このように「保1」が発生している状況で、更に保留が発生すると、発生した保留に係る表示は、「保1」の右隣の「保2」の位置で行われる。そして、「保1」及び「保2」が表示され、「保3」や「保4」が表示されていない状況で、更に保留が発生すると、発生した保留数に応じて、「保3」や「保4」の表示が行われる。
そして、「保1」が発生した際に実行されていた変動表示が終了し、第1遊技に係る他の変動開始条件も成立していれば、上述の「保1」に係る保留記憶情報が消化される段階となり、「保1」の保留表示が、保留数表示部197の中の左側へ移動する。保留数表示部197の左側の部位には、当該変動情報表示部195が設けられている。この当該変動情報表示部195は、そのときに実行されている変動表示に係る情報(当該変動情報)を表示する領域である。つまり、「保1」の保留表示は、対応する保留記憶情報に係る変動表示が実行される際には、当該変動情報表示部195に移動して、当該変動情報表示198に変化する。
ここで、「保1」の保留表示を当該変動情報表示部195に移動させる際に、アイテムに係るサイズ、色彩、形態などといった表示要素の変更を行うようにしてもよい。図7(a)、(b)の例では、「保1」の保留表示を当該変動情報表示198に変化させる際に、サイズの拡大を行っている。
上述のように「保1」にあった保留表示が当該変動情報表示部195に移動すると、後続の保留表示の待機順位が繰り上り、「保2」は「保1」の位置にシフトする。さらに、「保3」や「保4」が存在した場合には、「保3」は「保2」の位置にシフトし、「保4」は「保3」の位置にシフトする。そして、このような状況で更に保留が発生した場合には、新たに「保4」が発生し、保留数が上限に達することとなる。また、新たな保留が発生しなければ、この次の変動表示の開始に伴い、保留表示のシフトが行われ、各保留の待機順位が繰り上がることとなる。
なお、「保1」〜「保4」における保留表示から、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198に変化した状態を含めて、広義に、保留演出と捉えることが可能であるが、これに限らず、「保1」〜「保4」における保留表示までを保留表示とし、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198に変化した状態は保留表示に含めない、といった取扱いを行うことも可能である。
また、演出図柄190に係る変動表示が行われておらず、保留数が0の状況で、第1始動入賞口62又は第2始動入賞口63に入球があると、「保1」の表示は行われず、当該変動情報表示部195に、直接的に、当該変動情報表示198が行われるようになっている。そして、このような場合に限って、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198を保留表示に含めない、といった取扱いを行うことも可能である。
また、保留表示については、種々の遊技状態に応じた態様で行うことが可能である。例えば、大当り抽選の確率が通常確率の場合と高確率の場合などで、異なる演出モードに制御される場合に互いの保留表示の態様を異ならせることなどを例示できる。
このような保留表示は、例えば演出上のストーリーを強調したいような場合などに、表示しないようにすることも可能である。さらに、保留数表示部197の表示態様は上述のものに限定されず、例えば、第1遊技及び第2遊技に係る保留表示を、各々4個ずつを上限として合計8個まで行えるようにすることも可能である。そして、この場合には、第1遊技に係る第1保留数表示部と、第2遊技に係る第2保留数表示部を、当該変動情報表示部195を左右から挟んでそれぞれ表示する、といったことも可能である。また、本実施例のように第2遊技を第1遊技に優先して実行するのではなく、第1遊技及び第2遊技に係る始動入賞の発生順に特別図柄や演出図柄190の変動表示を行うタイプのぱちんこ遊技機においては、当該変動情報表示部195の左側に8つの保留表示を並べる、といったことも可能である。
<<特別図柄に係る保留先読み演出>>
次に、特別図柄に係る予告演出(先読み演出)の1つである、保留先読み演出について説明する。この保留先読み演出は、前述の保留記憶情報(第1特図保留記憶情報又は第2保留記憶情報)に係る事前通知情報に基づき、実行される演出である。さらに、保留先読み演出は、前述の事前情報通知の機能を用いて、そのときに演出図柄190等を用いて行われている演出よりも後に消化が行われる保留に対して、リーチや大当りが発生することの期待を示唆する演出として実行される。
例えば、前述の保留数表示部197における「保3」の位置で発生した保留表示について、前述の基本の表示態様である表示(例えば青色)とは異なり、緑色の保留表示を行うことで、通常の青色の態様である場合に比べて、リーチが発生すること等の期待度が高いことが示される。そして、青や緑の彩色の他に、黄色、赤色、金色、虹色、所定柄などの表示態様を設け、緑色よりも、黄色、赤色、金色、虹色、所定柄の順で大当りの期待度が高いことを示す、といった演出が行われている。
ここで、上述の「所定柄」の表示態様としては、キリン等の動物模様や、所定のキャラクタ画像を含む表示態様などを例示できる。また、保留表示の彩色や柄のみでなく、真円形状以外のアイテムや人物画像、対象保留での変動内容(リーチ、擬似連)を示唆する文字列、演出ボタンの操作を促進する演出ボタンを模した画像等を採用することも可能である。さらに、上述の各種の表示態様に点滅や発光を行っている態様を組み合せて先読み演出を行うことも可能である。また、保留先読み演出を含む先読み演出に当せんした保留を、例えば「トリガ保留」などと称することが可能である。
以上説明したような保留に係る先読み演出は、第2遊技においても行われる場合がある。そして、第2遊技に関しては、基本色(オレンジ)のほかに、赤色、金色、虹色、所定柄などの表示態様を備えることが可能である。また、第2遊技に係る保留表示としても、真円形状以外のアイテムや人物画像等を採用することも可能である。
さらに、上述したような第1遊技及び第2遊技において保留表示を用いる先読み演出は、「保留変化」などと称することが可能である。そして、このような「保留変化」には、保留発生の当初から上述のように基本の表示態様と異なる表示態様を示すものや、保留発生の後のタイミングで表示態様の変化を示すものなどがある。
これらのうち、保留発生の後のタイミングで表示態様の変化を示すものとしては、例えば、保留が発生して保留表示が開始され、保留の消化が進み、保留表示が、例えば「保2」、「保1」と進む間に、保留表示が変化するようなものを例示できる。そして、例えば、保留発生時には「保3」の位置に青色(第2遊技の場合はオレンジ色)で保留表示が行われ、「保1」の位置に移動した際に、緑色等の他の色に変化する、といったことが行われる。
また、第1遊技及び第2遊技の何れについても、当該変動情報表示198となった場合に、保留表示が基本色から、赤色、金色、虹色、所定柄などの表示態様や、或いは、真円形状以外のアイテムや人物画像等の表示態様に変化して、大当りの期待度を表す場合もある。
さらに、上述のような保留変化に係る制御態様としては、以下のようなものを例示できる。例えば、保留発生時に、保留変化の演出パターン(保留変化パターン)を決定するための抽選(保留変化パターン抽選)を行う。この保留変化パターン抽選には、保留変化パターンテーブルが用いられ、この保留変化パターンテーブルには、保留変化の有無や、保留変化を実行する場合(保留変化ありの場合)には、どのようなタイミングでどのような表示態様を実行するか、といった演出パターンの決定に係る事項が規定されている。また、保留変化パターンとしては、第1遊技のためのものと、第2遊技のためのものとが定められている。
また、保留変化に当せんした保留が、「保1」から「保4」の中に複数存在する場合に、いずれか一方の保留先読み演出をキャンセルする、といったことが可能である。より具体的には、例えば、「保4」が発生した際に、「保4」に係る保留が、緑色に変化する保留変化パターンに当せんし、先に発生しているいずれかの保留が、虹色に変化する保留変化パターンに当せんしていれば、上述の「保4」に係る保留については、保留変化をキャンセルして実行しない、といったもの例示できる。
さらに、例えば、上述の例と同様に「保4」が発生した際に、「保4」に係る保留が、虹色まで変化する保留変化パターンに当せんし、先に発生している全ての保留が、虹色までは変化せず、緑色などまでしか保留変化しないものであれば、先に発生している保留については、保留変化をキャンセルして実行しない、といったもの例示できる。
また、これらのような先読み演出の内容を、先読み演出決定用のテーブル(先読みテーブル)を用いて決定することが可能である。そして、先読みテーブルとして、特図1用のもの(特図1先読みテーブル)と特図2用のもの(特図2先読みテーブル)とをそれぞれ備えることや、特図1及び特図2に共通の先読みテーブル(共通先読みテーブル)を備えることなどが可能である。
<<特別図柄に係る連続予告>>
次に、他の先読み演出のパターンとして、特別図柄に係る連続予告(連続演出)について説明する。この連続予告は、真正のものと擬似のものとがあり、これらのうちの真正の連続予告は、特別図柄に係る複数回の変動表示に亘り、連続性のある予告演出を行うものを意味している。また、擬似の連続予告は、特別図柄に係る1回の変動表示について、複数回の特別図柄の変動があったような断続的な予告演出(擬似連続予告)を行うものを意味している。
上述の「連続予告」としては、例えば、演出上のストーリーにおいて主人公となる登場人物が、特別図柄に係る1回の変動毎に、最終到達目的としている部屋を目指して、順次異なる部屋に移動するようなものなどを例示できる。また、その他の態様の「連続予告」としては、主人公となる登場人物が、特別図柄に係る1回の変動毎に、異なる敵と対戦して勝利し、最終目的となる敵を目指すようなものも例示できる。
さらに、前述した真正の連続予告(以下では単に「連続予告」と称する場合がある)は、メイン基板102からサブメイン基板301に送信される事前通知情報に基づいて行うことが可能である。より具体的には、例えば、「保3」の保留が発生した場合に受信した事前通知情報に基づいて、サブメイン基板301が、その次以降の特別図柄に係る変動表示に対応した演出パターンとして、3回の変動表示に亘る連続予告を含んだ内容のものを選択する、といったことが可能である。
そして、1回分の保留が消化され、上述の「保3」の保留が「保2」の位置にシフトされた際には、選択された連続予告に係る演出パターンのうち、最初の1回目の予告に係る演出パターンが実行される。さらに、保留が順次消化され、保留表示が、「保2」から「保1」に移動した際には、3回のうちの2回目の予告が実行され、「保1」から当該変動情報表示部195に移動した際には、最後となる3回目の予告が実行される。
なお、サブメイン基板301において、上述の「保3」の保留が発生した時点で実行されている変動表示に係る変動パターンや、それ以前に発生している「保2」又は「保1」に係る保留記憶情報を確認することも可能である。すなわち、上述の「保3」の保留が発生した際に、既に記憶されている各種の情報の中に、大当り信頼度の高い所定のリーチ演出が実行されることを表す情報や、大当りが発生することを表す情報が存在すれば、「保3」の保留が発生した際に選択した連続予告に係る演出パターンをキャンセルする、といったことが可能である。その他、「保3」に対する保留の期待度に応じて、次変動から即座に連続予告を行うものではなく、1変動待って「保1」の変動及び先読み態様となるトリガ保留の消化時の2変動に跨る連続予告とするケースも考えられる。
また、前述した擬似の連続予告(以下では「擬似連続予告」と称する場合がある)としては、特別図柄の1回の変動表示に係る演出パターンにおいて、リーチ表示が、複数回断続的に行われるようなものや、登場人物が複数回の行為を繰り返すようなもの、演出図柄190の仮停止と再変動を行うものなどを例示できる。
なお、以上説明したような連続予告の内容は、あくまでも例示であり、連続予告の内容としては、説明したもの以外にも種々のものを採用することが可能である。
<<普通図柄に係る演出図柄>>
次に、前述の普通図柄に係る演出について説明する。本実施例では、普通図柄に係る演出表示は行われていない。しかし、普通図柄に係る演出を、演出表示装置60における演出の一部として行うことが可能である。そして、このように普通図柄の演出表示を行う場合には、演出図柄としては、例えば、はずれと、当たりの種類とを識別できる程度の表示を行うことが考えられる。
また、前述のように、演出表示装置60を、複数の表示体の組合せにより構成した場合には、相対的に大型な表示体と、これに比べて小型な表示体(複数でもよい)を備えることが可能である。そして、大型な表示体を、例えば「メイン表示体」や「メイン液晶」などと称し、小型な表示体を、例えば「サブ表示体」や「サブ液晶」などと称することが可能である。さらに、上述のような相対的に小型な表示体を備えた場合には、普通図柄に係る演出図柄(199)を、例えば、小型な表示体に表示するようにしてもよい。また、前述のセンター飾り64の所定の部位に、例えば、2つを1組としたLED表示灯を設け、これを普通図柄に係る演出表示装置としてもよい。
また、普通図柄に係る演出図柄を用いた演出を行う場合は、普通図柄に係る保留演出表示を、演出表示装置60における演出の一部として行うことが可能である。また、前述のように、演出表示装置60を、大型な表示体及び小型な表示体のような複数の表示体により構成した場合には、普通図柄に係る演出保留表示を、例えば、小型な表示体に表示するようにしてもよい。また、前述のセンター飾り64の所定の部位に、例えば、2つを1組としたLED表示灯を設け、これにより「1」から「4」の普通図柄に係る保留数の演出表示を行ってもよい。
<<限定頻度パターンに係る演出>>
次に、限定頻度パターンに係る演出(以下では「限定頻度パターン演出」と称する)について説明する。限定頻度パターン演出は、前述の演出パターンの一部として備えられているものである。さらに、限定頻度演出パターン演出は、メイン基板のパターン決定手段にて特定の期間に決定される変動パターンに対応して、所定の遊技状態において出現し易くなるように設定された演出である。この限定頻度パターン演出の内容は、特定の傾向を示す演出内容となっており、限定頻度パターン演出の内容として、例えば、時短遊技中の特定の変動において、あらかじめ定められた変動パターンをメイン基板で決定し、演出として高信頼度のリーチを必ず発生させるようなものを例示できる。
また、限定頻度パターン演出が出現し易い遊技状況としては、遊技開始時、所定の演出パターンが実行された直後(例えば、小当り、出球なし当りの直後)、所定の演出モード中(確変、時短遊技モード中)、特別遊技の終了直後などを例示することができる。また、これらに加えて、限定頻度パターン演出が出現し易い遊技状況としては、第1遊技(又は第2遊技)に係る保留数が所定数(例えば4個)に達している場合や、保留が存在しない場合なども例示できる。さらに、限定頻度パターン演出が実行される状況においては、その時の状況に応じて予め設けられている限定頻度テーブルを用い、この限定頻度テーブルに定められた限定頻度パターンから、実行すべき演出パターンが選択されるようになっている。
<<操作ボタンを用いた演出>>
次に、前述の操作ボタン22(図1参照)を利用する演出(以下「ボタン演出」と称する)について説明する。操作ボタン22は、ボタン演出が実行された場合に、遊技者によって押下操作され、遊技者に対し、自分が遊技の演出や当否抽選に参加しているような感覚を与える機能を発揮するものである。ボタン演出としては、例えば演出図柄190(図7(a)、(b)参照)の変動表示過程で、演出表示装置60の表示領域194に、操作ボタン22の図柄とともに、「Push」、「連打せよ」、「長押しせよ」等といった文字や、或いは残り時間を示すインジケータの動画などの、操作を促すガイド表示を行うことを例示できる。
さらに、ボタン演出としては、遊技者が、上述のガイド表示に従って操作ボタン22を操作すると、登場人物がコメントを発するような演出や、味方キャラクタが敵キャラクタに対する攻撃を行うような演出を例示できる。また、操作ボタン22を操作すると、前述の可動演出部材93等が作動して、リーチとなることを報知するようなものも例示できる。さらに、リーチ演出中にボタン演出が行われることもあり、その場合には、操作ボタン22を操作すると、前述の可動演出部材93等が作動して大当りへの期待を煽るものなども例示できる。
また、上述の操作ボタン22に関して、通常時は操作ボタン22の操作が無効となっているが、ボタン演出中は操作ボタン22の操作が有効となるボタン操作有効期間となっている。ボタン操作有効期間は、予め設定された一定時間となっている。
なお、操作ボタン22に振動モータやソレノイド(図示略)を組み合わせて、操作ボタン22を振動させる振動演出や、例えばモータ等の駆動源を用いて操作ボタン22の動作範囲を拡大して、操作ボタン22を突没させるといった演出態様を採用することも可能である。さらに、操作ボタン22を突没させる場合は、突出量を比較的大きく(例えば5〜10cm程度)設定することも可能である。
また、操作ボタン22としては、外形寸法が小型(例えば数センチ程度)のものに限らず、十数センチ程度の半球体の形態のものなどを採用してもよい。さらに、操作ボタン22のような操作入力機器としては、その他にも種々の形態のものを採用可能であり、例えば、演出内容に関連した、自動車の操作ハンドル、航空機の操作レバー、登場人物の模型(フィギュア)にタッチセンサを付加したものなども採用が可能である。また、相対的に小型の操作ボタン22と、操作レバー等の形態を有するものを併設し、演出内容などの状況に応じて使い分ける、といったことも可能である。
本実施例では、操作ボタン22として、突没機構や振動機構を備え、上球皿18に対する突没動作や、上球皿18での振動動作が可能なものが採用されている。そして、操作ボタン22は、通常状態では、上球皿18に没入して曲面状のボタン部のみを露出させた状態となっている。しかし、所定のボタン演出が実行される場合には、操作ボタン22が、所定量の上昇動作を行って上球皿18から突出する。
さらに、操作ボタン22は、上球皿18から突出している際には、操作レバー(「ジョイスティック」や「操作スティック」などともいう)として機能することが可能となっている。そして、操作ボタン22が突出した状況では、レバー部の一部が、上球皿18から露出する。
さらに、前述のように操作ボタン22の近傍に十字キー(図示略)が設けられており、操作ボタン22は、環境設定などを行う状況で決定キー等として用いられる場合がある。そして、本実施例では、演出表示装置60で演出図柄190等の変動表示が行われている状況や、変動表示が行われていない状況で、操作ボタン22と十字キー(図示略)を用いた演出操作が行われる場合がある。
<<大当り発生時の演出>>
次に、大当りが発生した場合の演出について説明する。大当りが発生した場合の演出には、特別遊技開始時の演出(大当り開始デモ)、特別遊技中の演出(ラウンド演出)、最終ラウンド終了時の演出(大当り終了デモ)、特別遊技の終了時の演出(大当り終了デモ)などがある。
前述の演出図柄190が確定停止されると、ファンファーレなどの音に伴い、大当りが開始される旨の表示を行う。このような大当り開始報知演出では、開始される大当りの種類や出玉量の報知を実行することが例として挙げられる。また、大当り開始報知演出は、装飾図柄の確定停止(特別図柄の確定停止)後に限らず、装飾図柄がぞろ目など大当り図柄(大当り組合せ)で仮停止した後に行って、特別図柄の停止する前の期間で大当りを報知することも可能である。これは、特別図柄の停止表示によって、出玉報知演出による出玉量が先に遊技者に察知されることを防止するためである。さらに、大当り開始報知演出ないしそれに続く演出にて、特別遊技中の打ち方指示として右打ち案内演出を実行し、遊技者に対し、発射ハンドル20の回動量を増やして右打ちを行うよう案内する内容のものを例示できる。
前述の特別遊技中の演出としては、遊技者が大当りを獲得しなければ見ることができない内容の動画を例示できる。また、この際には所定の楽曲が、前述のスピーカ21(図1参照)から出力される。さらに、特別遊技中の動画としては、例えば、ぱちんこ遊技機10の演出に採用された劇画における所定の登場人物が、ライバルとなる敵と戦う様子を描いたものや、僥倖を享受する様子を描いたものなどを例示できる。
なお、特別遊技中のラウンドの切換わりを、例えば、表示領域194(図7(a)、(b)参照)の隅部(例えば右上隅部)における「1R」、「2R」、・・・、「15R」、「16R」といった表示により報知することが可能である。さらに、特別遊技中の演出の一部として、例えば、特定遊技中に大当りが発生して、大当りが連続した場合における大当りの発生回数(いわゆる連荘回数)や、通常遊技中に発生した大当りから現在の大当りまで累計して獲得した遊技球数を表示することも可能である。
また、本実施例では、全ての種類の大当りに確変や時短等の特典が伴っているが、これに限定されず、例えば、確変を伴わない大当りを設けることも可能である。そして、大当りの種類に、確変を伴わない大当りを含む場合には、特別遊技終了後に確変となるか否かの報知を、特別遊技中の特定のラウンド、或いは、特別遊技終了の際まで報知しないようにすることも可能である。
変形例として、大入賞口内に確率変動機能作動領域を有するぱちんこ遊技機において、特別遊技中の所定のタイミングで、遊技球が確率変動機能作動領域で検出された場合には確変となる、といった制御態様や、それに応じた演出を採用することも可能である。
この場合は、例えば、遊技球の検出領域を有する入球装置(ここでは「V入球装置」と称する)を、遊技領域52(図1参照)における大入賞口91の2つの遊技球排出口(及び大入賞検出装置78a、78b)のうち、いずれか一方の遊技球排出口(及び大入賞検出装置)をV入球検出用の排出口(及び大入賞口検出装置)として割り当ててもよい。この場合には、V入球として割り当てた側の遊技球排出口(及び大入賞検出装置)には、所定のタイミングでのみ開放して遊技球をV入球可能とするための可動片(シャッタ)を設ける構成としてもよい。さらに、特別遊技の所定のタイミングで、V入球装置を、遊技球を受入れ可能な状態(可動片が開放した状態など)とし、この状態においてV入球装置で遊技球が検出された場合に、その後の確率状態が、確変状態となるように制御するとともに、確変となる特典を入手した旨を遊技者へ報知する。
続いて、前述の特別遊技後の演出としては、特別遊技中の演出内容の結果に係るもの例示できる。より具体的には、登場人物同士の闘いの結果に応じて勝者が感情を表す内容などを例示できる。このような特別遊技後の演出は、エンディング演出と称することも可能である。
さらに、特別遊技後の演出としては、大当りの連続回数を追加して表示するものや、そのときの特別遊技により遊技者が獲得した賞球数を表示するものなどを例示できる。また、特定遊技中に大当りが発生して、大当りが連続した場合における大当りの発生回数を追加して表示することも可能である。また、大当りの連続に関しては、大当りの発生回数が所定回数(例えば20回)に達した場合に、それ以前には選択されることがない演出パターンを実行する、といったことも可能である。
<各種の具体的演出例>
<<複数の演出部材の重畳による演出>>
次に、本実施例のぱちんこ遊技機10において実施することが可能な各種の具体的な演出について例を挙げて説明する。先ず、演出表示装置60の表示と、前述した導光板90の表示、及び、可動演出部材(例えば符号93など)の重畳による演出を行うことが可能である。この種の演出は、演出表示装置60の前方に可動演出部材を位置させ、演出表示装置60の表示内容と、可動演出部材の光装飾や動きなどとを組み合わせることによる複合的な演出となる。
一例を挙げれば、可動演出部材の外側には演出表示装置60の表示領域194の少なくとも一部が見えており、例えば、演出表示装置60に炎が燃え盛る様子の映像を表示した場合には、炎の前方で可動演出部材が光装飾や動作を行う組合せの演出が実行されるようにする。さらに、導光板90において、例えば、炎の模様が点滅するような演出や、或いは、波紋状の模様を点滅させるような演出を行うことにより、導光板90と演出表示装置60の遠近の差による視覚効果を発揮することができる。
さらに、この状態において、導光板90と演出表示装置60との間で可動演出部材による演出を実行することにより、可動演出部材の様子や、演出表示装置60の映像を、導光板90の表示を部分的に障害としながら遊技者に視認させることができる。さらに、可動演出部材の前後の模様状の表示の変化の合成により、複雑な状況表示を可動演出部材に重畳でき、可動演出部材の置かれた環境を複雑な態様で表現することが可能となる。
そして、これらのことにより、導光板90、可動演出部材(例えば符号93など)、演出表示装置60といった限られた構成によって、より複雑な演出を行うことができ、演出を多様化することが可能となる。なお、導光板90を、例えば透過液晶表示体などに変更した場合であっても、透過液晶表示体の一部を、背後の可動演出部材(例えば符号93など)や、演出表示装置60の表示内容の一部を視認できる程度の透過状態とすることで、導光板90の場合と同様に重畳による演出を行うことが可能である。
<<演出の発展に係るタイマ表示>>
また、演出表示装置60での表示内容として、演出の発展に係るタイマ表示(タイマ演出)を行うことが可能である。より具体的には、例えば、演出図柄190の変動表示中(変動演出中)において、所定の場合に、タイマ表示領域が出現する。このタイマ表示領域の配置としては、演出表示装置60の表示領域194における右下の部位などを例示できる。
上述のタイマ表示領域には、例えば、「70:00」等の表示が行われる。この「70:00」等の表示は、70秒後に演出の発展があることを示唆するものであり、表示開始後、100分の1秒ごとのカウントダウン表示が継続される。そして、タイマ表示領域における表示が「00:00」となった場合に、変動演出が発展し、大当りの期待度が高まるよう、演出が進行する。
<<演出図柄を用いた演出>>
また、演出図柄190を用いた演出としても種々のものを例示することができる。例えば、左演出図柄190aと右演出図柄190cが仮停止中であり、中演出図柄190bが変動中の状況において、左演出図柄190aと右演出図柄190cを他の態様に変化させることが可能である。このときの左演出図柄190aと右演出図柄190cの変化後の態様としては、例えば、所定の括弧記号などを例示できる。そして、変動中の中演出図柄190bを「NEXT」「もう一回」「まだまだ!」等の単語に変化させ、単語の左右を所定の括弧で挟んだ文字画像を表示し、その後に演出を発展させる。
このように演出図柄190を、それまでとは異なる性質の表示態様に変化させる演出は、発展前の演出と、発展後の演出との間を繋ぐための演出として利用することが可能である。また、上述の「NEXT」等の単語を括弧で挟んだ文字画像として、発展や大当りの期待度が相対的に低いものと高いものとを設けること(例えばNEXTの文字列の色を白と赤、金色などで異ならせること)も可能である。
ここで、このように演出図柄190が他の性質の表示態様に変化する場合には、演出表示装置60において、小サイズ化された演出図柄(図示略)を所定の部位(右上隅或いは左端など)に表示しておくことが可能である。この小サイズ化された演出図柄を表示することで、特別図柄の変動表示中であることの報知機能を維持しつつ、演出表示装置60における演出表示の自由度を高めることが可能となる。なお、縮小されたサイズの演出図柄(190)と、縮小前の基本となるサイズの演出図柄190とを区別するため、例えば、縮小前の演出図柄を「第1演出図柄」などと称し、縮小後の演出図柄を「第2演出図柄」などと称することが可能である。
また、演出図柄190を用いた演出の他の態様として、同時に複数のリーチの組合せが表示されるダブルリーチやトリプルリーチなどの演出を採用することも可能である。さらに、1回の変動演出中に、ダブルリーチからトリプルリーチに発展するような演出を採用することも可能である。
また、演出図柄190を用いた演出の他の態様として、演出図柄190の変動表示を開始する際に、最後に停止する演出図柄(ここでは中演出図柄190b)を用いて演出の示唆を行うことが可能である。より具体的には、中演出図柄190bにおける人物画の部分(前述の非記号要素演出図柄である要素図柄)が台詞を発するアニメーション動作を行い、音出力として、変動開始時予告用の所定の台詞を発する、といったようなものを例示できる。
また、演出図柄190を用いた演出の他の態様として、遊技者が前述の操作ボタン22を連打した際に、左中右の演出図柄190a〜190cの少なくともいずれかを、連打に応じた態様で表示するものを採用可能である。そして、「連打に応じた態様」としては、例えば、左中右の演出図柄190a〜190cの少なくともいずれかが、震える(振動する)といったものを例示できる。
さらに、「連打に応じた態様」としては、操作ボタン22の1回の操作の検出ごとに演出図柄を1回動作させるもの(操作と動作の同期を図ったもの)を例示できる。また、操作ボタン22が連打されたことを検出した場合に、演出図柄が震える(振動する)内容のアニメーションを表示するものなどを例示できる。そして、操作ボタン22が連打されたことの検出は、例えば、所定時間(例えば1秒)内に所定回数(例えば2回等の複数回)以上の操作が検出されたか否かの判定を行うこと等により実行することが可能である。
<<保留表示を利用した演出>>
続いて、前述の保留表示を用いた演出としても種々のものを例示することができる。例えば、図7(a)、(b)中に示す当該変動情報表示部195の当該変動情報表示198を一旦消去し、当該変動情報表示部195に、例えば、「色変化?」のように期待度が高まることを示唆するような文字の情報(文字の状態遷移示唆情報)を表示する。そして、このような状態遷移示唆情報の表示の後、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198が、例えば赤色や虹色などといった高期待度を意味するものに変化する場合があるようにする。
また、上述の「色変化?」のような表示を、ルーレットの目の1つや、回転ドラム(リール)の1つの図柄として表示することも可能である。例えば、「変化なし」、「色変化?」、「赤」、「虹」のような情報表示をルーレットの目や、回転ドラムの図柄として採用し、当該変動情報表示部195において、ルーレットや回転ドラムのオブジェクトの表示を行う。そして、当該変動情報表示部195において、「変化なし」、「色変化?」、「赤」、「虹」の表示が順次変化し、停止した情報に対応した態様で、その後の当該変動情報表示198が行われるようにすることが考えられる。なお、当該変動情報表示198を消去せずに、ルーレットや回転ドラムのオブジェクトの表示を行うことも可能である。
また、保留表示を用いた演出の他の態様として、図7(a)、(b)中の保留数表示部197において保留変化が行われる場合に、保留変化したことや、保留変化が直後に発生することを、例えば、「保留変化」、「赤保留」、「虹保留」などといった保留変化情報を表示することで、積極的に報知することが考えられる。ここで、このような保留変化情報の表示を、演出表示装置60における表示領域194の中央で行ってもよく、或いは、保留数表示部197において、保留変化する保留表示の近傍で行ってもよい。
さらに、保留変化の直前に限らず、例えば保留変化が行われる前の1回又は複数回の変動前から、保留変化が行われるか否かを示唆する先読み演出を行うことも可能である。そして、保留変化が行われるか否かを示唆する先読み演出としては、保留表示の画像に他の画像(前述した「保留変化」、「赤保留」、「虹保留」等や所定のキャラクタ画像など)を組み合わせることが考えられる。
<<その他の演出>>
また、その他の演出として、操作ボタン22として、押下操作以外の操作が可能なものを採用することが可能である。そして、押下操作以外の操作としては、タッチパネルによるタッチ操作や、遊技者が掴んで回す捻り操作を例示することができる。また、これらの各種の操作態様のうちの複数を行うことが可能な操作ボタン装置を採用することが可能である。そして、複数の態様の操作を行うことが可能な操作ボタン装置を採用した場合には、前述したようなボタン操作に係るガイド表示として、遊技者が実行するべき操作態様を案内することが考えられる。
また、その他の演出として、変動演出中に、例えば二次元コードの表示を行うことが可能である。そして、この場合には、変動演出中に遊技者がスマートフォンなどの携帯端末を取り出し、携帯端末のカメラ機能を利用して二次元コードを読み取り、所定の外部サーバにアクセスし、遊技や機種などに係る各種の情報を取得できるようにすることが考えられる。
ここで、本実施例においては、前述したような先読み演出が、演出図柄190による演出、保留変化を伴う演出、可動演出部材(93、94等)を用いた演出、操作ボタン22を用いた演出などを複合して行われる場合がある。
<メイン基板からサブメイン基板へ送信される各種コマンド>
次に、メイン基板102からサブメイン基板301へ送信される各種コマンドについて説明する。コマンドの送信タイミングの例としては、初期画面表示中、客待ちデモ(待機デモ)中、特別図柄の図柄変動開始時、特別図柄の図柄確定時、特別図柄の図柄確定中、大当り開始デモ時、大当り中大入賞口開放時、大当り中大入賞口閉鎖時、当り終了デモ時、大当り終了デモ終了時などがある。このうち初期画面表示中は、ぱちんこ遊技機10の電源投入後、客待ちデモが開始されて定常状態に入るまでの期間である。また、始動入賞時、電断復帰時、及び、エラー検出時は、何れの場合であってもコマンド送信が行われる。さらに、RWMクリア時にもコマンド送信が実行される。
これらのうち、RWMクリア時のコマンドは、演出制御(サブメインCPU)初期化のためのコマンドであり、客待ちデモコマンドは、演出表示装置60や遊技効果ランプを客待ちデモ用に設定し、音声を消去するためのものである。
特別図柄の図柄変動開始時のコマンドとしては、図柄1記憶数、図柄2記憶数、通信検査1、通信検査2、演出回数A〜Z、演出選択状態0〜2、変動付加情報、図柄1(図柄2)演出パターン、図柄1(図柄2)キャラクタ演出のコマンドがある。図柄1記憶数および図柄2記憶数のコマンドは、第1特別図柄の保留球数および第2特別図柄の保留記憶数を示すものであり、1つのコマンドとして送信される。通信検査1コマンド及び通信検査2コマンドは、正常な通信がなされているか否かの確認のためのものである。演出回数A〜Zの各種コマンドは、前述の特定遊技状態における遊技回数(残り遊技回数でも可)や限定頻度テーブルにしたがった演出に係る回数を示すものであり、演出選択状態0〜2の各種コマンドは、特定遊技状態や限定頻度遊技において選択される変動パターンにしたがった演出を選択させるために変動パターンの決定に際して変動パターンテーブルの選択の基準となるデータの種類を示すものである。変動付加情報コマンドは、決定した変動パターンに所定の演出時間を追加して変動させる際、どのような演出パターンが追加されるかを示すものであり、大当り期待度の示唆等を行う要素(演出構成要素)を付加するための情報を示すものである。図柄1演出パターンコマンドは、第1特別図柄の変動パターンに対応したコマンドを送信するためのものであり、図柄2演出パターンコマンドは、第2特別図柄の変動パターンに対応したコマンドを送信するためのものである。図柄1キャラクタ演出コマンドは、第1特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものであり、図柄2キャラクタ演出コマンドは、第2特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものである。
特別図柄の図柄確定時のコマンドとしては、図柄1演出パターン停止、図柄2演出パターン停止のコマンドがある。図柄1演出パターン停止コマンド、及び、図柄2演出パターン停止コマンドは、それぞれ、第1特別図柄や第2特別図柄に基づく演出図柄190を停止させるためのものである。
特別図柄の図柄確定中のコマンドとしては、変動時間短縮回数0(低確率、非入球容易状態時)、変動時間短縮回数A〜Z(低確率、入球容易状態時)、変動時間短縮回数0(高確率、非入球容易状態時)、変動時間短縮回数A〜Z(高確率、入球容易状態時)、発射位置指定のコマンドがある。これらは、その時の遊技状態に関するコマンドを送信するためのものであり、演出モード表示や時短回数表示などに使用される。本実施例では、すべての大当りの後に100回の確率変動機能および入球容易状態を発生させる仕様であるため、確率変動機能の作動有無によって送信するコマンドを異ならせていないが、高確率遊技状態では、確変回数を送信し、低確率遊技状態では変動時間短縮回数を送信するようにしてもよい。
大当り開始デモ時のコマンドとしては、図柄1大当り開始デモ、図柄2大当り開始デモ、発射位置指定のコマンドがある。図柄1大当り開始デモコマンド、及び、図柄2大当り開始デモコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の大当り図柄に基づいた開始デモを表示させるためのものである。発射位置指定コマンドは、所謂左打ちや右打ちにより、遊技者に、センター飾り64の左右の何れか流路の間で遊技球の打ち分けを行わせる場合に発射位置を報知するためのものである。
大当り中大入賞口開放時のコマンドとしては、図柄1大当り中デモ1〜16、図柄2大当り中デモ1〜16、発射位置指定のコマンドがある。これらは、第1特別図柄や第2特別図柄の大当り図柄及びラウンド数に基づいた演出を表示させるためのものである。
大当り中大入賞口閉鎖時のコマンドとしては、大入賞口閉鎖演出コマンドがある。これは、大入賞口閉鎖演出を表示させるためのものである。
大当り終了デモ時のコマンドとしては、図柄1当り終了デモ、図柄2当り終了デモのコマンドがある。これらは、第1特別図柄や第2特別図柄の当り図柄に基づいた当り終了デモ演出を表示させるためのものである。
始動入賞時のコマンドとしては、当り予告(当り予告演出)、図柄予告(当り図柄予告演出)、変動予告(パターン予告演出)、図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドがある。当り予告、図柄予告、変動予告の各コマンドは、事前情報通知手段157による前述の先読み演出に係るコマンド(先読みコマンド)である。そして、当り予告コマンドは、当否乱数の乱数値範囲を送信するためものであり、抽選確率に応じた当否の情報などを含んでいる。図柄予告コマンドは、図柄乱数の乱数値範囲を送信するためのものであり、当りの種類に係る情報などを含んでいる。さらに、変動予告コマンドは、変動パターンの乱数範囲を送信するためのものであり、変動パターンのグループの種別(リーチなし、ノーマルリーチ、又は、スーパーリーチなど)の指定に利用可能である。図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の保留記憶数を伝えるためのものである。そして、本実施例では、当否抽選の結果、先読み演出の有無や期間などの情報は、当り予告、図柄予告、変動予告の各コマンドによって、サブメイン基板301に伝えられるようになっている。
電断復帰時のコマンドとしては、通信検査1、通信検査2、電断復帰用遊技状態A〜E、演出回数A〜Z、演出選択状態0〜2、図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出、電断復帰当り状態、電断復帰時特別図柄1状態、電断復帰時特別図柄2状態、発射位置指定、エラーa〜d、図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドがある。
通信検査1、通信検査2のコマンドは、正常な通信がなされているか否かの確認のためのものである。電断復帰用遊技状態A〜Eのコマンドは、電断時の遊技状態に応じて異なるコマンドを送信するためのものである。演出回数A〜Zのコマンドは、前述の限定頻度テーブルにしたがった演出に係る回数を示すものであり、演出選択状態0〜2のコマンドは、限定頻度テーブルにしたがった演出の種類を示すものである。図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出コマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものである。
電断復帰当り状態コマンドは、当り中か否かに応じて異なるコマンドを送信するためのものである。電断復帰時特別図柄1状態、電断復帰時特別図柄2状態のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の、待機中・変動中・当たり中などの状態に応じたコマンドを送信するためのものである。発射位置指定コマンドは、前述のように、状況に応じた適切な発射位置を指定するためのものである。エラーa〜dは、エラーの有無及び種類を送信するためのものである。図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の保留記憶数を伝えるためのものである。
<メイン基板の主要な制御処理>
次に、上述の構成のぱちんこ遊技機10のメイン基板102における主要な制御処理について、図11〜図14等に基づいて説明する。なお、説明に先立ち、以下で用いる「特別電動役物」、「条件装置」、「役物連続作動装置」の用語について説明する。これらは何れもぱちんこ遊技機10の制御処理における概念上の機器を表しており、これらのうち「特別電動役物」は、大入賞口91を作動させることとなる(大入賞口91の開放動作を制御する)ものである。また、「条件装置」は、特別図柄として特定の図柄組合せが停止表示された場合に作動するものであり、「役物連続作動装置」は、特別電動役物を連続して複数回作動させることができるものである。
また、ここで説明するぱちんこ遊技機10の主要な制御処理は、図11及び図12に示す制御開始処理、図13に示す遊技進行割込み処理、及び、図14に示す電源断処理であり、これらはメイン基板102において実行される。
<制御開始処理>
図11及び図12に示す制御開始処理は、ぱちんこ遊技機10の電源投入によりCPU501の製造コードを利用したセキュリティチェックが行われた後に開始される制御処理であり、この制御開始処理においては、後述する電源投入時に必要な設定(S1〜S4)を実行後、初期化スイッチ544の操作状態(S5)、電断時状況確認処理(S6〜S8)における電源断情報フラグ(電源断確認情報)の値、及びRWM領域の加算結果(チェックサムデータ)に対応して、電源断復帰時の処理(S9〜S17)、RWMの初期化時の処理(S24〜S26)、遊技進行割込み用の計時設定の処理(S27)、循環処理(S32(S28〜S31))等を実行する。
<<電源投入時に必要な設定>>
電源投入時に必要な設定として、スタックポインタの設定(S1)、割込みモードの設定(S2)、及びRWM503へのアクセス許可の設定(S3)が行われ、続いて内蔵レジスタの初期設定が行われる(S4)。
これらのうちスタックポインタの設定(S1)の処理においては、スタック領域を確保するため、スタックポインタにスタックポインタの初期値としてセットし、スタックポインタが特定の番地にセットされる。次に、割込みモードの設定(S2)においては、所定番号のモードを設定し、RWMのアクセス許可設定(S3)においては、RWMへのアクセスを許可するため、所定のレジスタにアクセス許可データをセットする。これにより、マスカブル割込みが特定の割込みモードに設定され、CPU内蔵RWMがアクセス許可にされる。さらに、内蔵レジスタの設定(S4)においては、内蔵レジスタ初期設定テーブルを用いて、遊技進行割込み使用設定値やクロック源選択値等といった対応する各種の設定値がセットされる。なお、メイン基板102における割込みについては後述する。
<<RWMクリアスイッチの操作状態の確認>>
初期化スイッチ544の操作状態の確認の処理(S5)においては、入力ポートを介して入力される初期化スイッチ544の出力信号の状態が確認される。RWMクリアスイッチが押されたか(オンされたか)否かが判定され、押されていなければ(S5:NO)、後述する電断時状況判定処理(S6〜S8)中の電源断情報フラグの値の判定処理(S6)へ進む。一方、初期化スイッチ544が押されていれば(S5:YES)、RWMの初期化時の処理(S24〜S26)の処理が行われる。
ここで、初期化スイッチ544は、対応する入力ポートのRWMクリアスイッチビットが5回連続でオンと判定された場合に操作されたと判断される。また、初期化スイッチ544が押されたか否かの情報の判定はこのとき1回だけ行われ、以降は判定が行われない。
<<電断時状況確認処理>>
初期化スイッチ544の操作がなかった場合の電断時状況確認処理(S6〜S8)においては、電源断情報フラグの値が読込まれ、読込まれた値が所定の電源断正常データに一致するか否かが判定される(S6)。電源断正常データは、電源がオフする電源断(電断)が生じた際に、電源断の処理が正常に行われた場合に保存されるものである。
電源断情報フラグの値が電源断正常データに一致した場合(S6:YES)には、チェックサムデータが算出される(S7)。このチェックサムデータの算出の処理においては、図示は省略するが、チェックサムデータとして初期値がセットされ、チェックサムデータに対して所定の演算が行われた後、演算後のチェックサムデータが0と異なるか否かの判定が実行される。
チェックサムデータが0でなかった場合(S8:NO)、即ち再開準備処理実行条件が成立していない場合には、相対アドレスの基準値の上位にRWM先頭上位がセットされ、この場合にもRWMの初期化時の処理(S24以降)へ移行する。一方、チェックサムデータが0であった場合(S8:YES)には、後述する電源断復帰時の処理(S9〜S17)へ移行する。
<<電源断復帰時の処理>>
電源断復帰時の処理においては、スタックポインタにスタックポインタバッファの値がセットされ、スタックポインタが電源断時に保存した値に戻される(S9)。さらに、メイン基板102とサブ基板104との通信線の検査を行うため、演出制御コマンドをサブ基板104へ送信する要求がされ(S10、S11)、装飾ランプ(遊技効果ランプ)及び効果音(音響演出)の演出を電源断発生前の状態に戻すまたはリセット処理させるための演出制御コマンドをサブ基板104へ送信する要求がされる(S10、S11)。また、特別図柄表示装置の作動保留球数に対応したコマンドの要求を行うため、図柄記憶数コマンド要求処理が実行される(S12)。
さらに、ソレノイドが電源断発生前の出力状態に戻される(S13)。具体的には、第2始動入賞口63、大入賞口91の開放/閉鎖状態を電源断前の状態に復帰させる。
この後、以降の特別図柄の設定の処理(S14)へ進み、特別図柄表示装置(70、71)の確率変動機能の作動状態の情報が設定される。次に、電源復帰の設定(S15)、及びデータ格納処理(S16)、払出制御基板との通信線異常の検出設定(S17)が実行される。
続いて、遊技進行割込み処理の起動の処理において、遊技進行割込みを起動させるため、PTC0カウンタ設定レジスタのアドレスがセットされ、所定の大きさ(ここでは約4msに相当)のカウント値がPTC0カウンタ設定レジスタにセットされる(S18)。これにより、遊技進行割込みが4ms毎に発生することとなる。
そして、フラグレジスタを除く各種レジスタの復帰の処理が実行され(S19)、電源断が発生したときの状態が割込み許可であったのか否かの判定の処理(S20)が実行される。そして、電源断時が割込み禁止の状態であった場合には(S20:NO)、フラグレジスタを復帰させ(S21)、スタックポインタにセットされている再開指標情報に基づき、制御処理を電源断の発生前の戻すべき番地の処理に戻す。一方、電源断時が割込み許可の状態であった場合には(S20:YES)、フラグレジスタを復帰させた後(S22)、割込み許可の設定(S23)を行ってから、スタックポインタにセットされている再開指標情報に基づき、制御処理を電源断の発生前の戻すべき処理に戻す。
ここで、フラグレジスタの復帰を他のレジスタとは別に行うのは、フラグレジスタには確変等の遊技状態の情報が記憶されており、これらの情報の復帰を可能な限り、制御処理を電源断の発生前に戻す直前で行うためである。
<<RWMの初期化時の処理>>
RWMの初期化時の処理(S24〜S28)においては、RWM領域をクリアした後(S24)、RWMの初期設定(S25)、演出表示器(演出表示装置60)の初期化(S26)、及び遊技進行割込み用の計時設定(S27)を行う。このうちRWM領域のクリア(S24)からRWMの初期設定(S25)の処理においては、RWM全領域にクリアデータ(00H)がセットされ、クリアデータが相対アドレスの基準値としてストアされ、この基準値が+1される。さらに、この基準値のビット7が検査され、検査結果の判定が実行される。検査結果の判定の処理において、検査結果が0であれば、前述のクリアデータを上記基準値にストアする処理に戻り、初期化データ設定テーブルのアドレスがセットされる。これにより、RWMの初期値が設定される。なお、RWM領域のクリアは、全領域に対して行うものに限定されず、例えば特定の情報が記憶された一部の領域のみや、未使用の領域を除いた領域のみをクリアするようにしてもよい。
なお、上述のクリアデータの値である「00H」のように、数値の末尾に記載した「H」は、その数値が16進数表記されていることを表している。また、本実施例では、16進数を表す数値には「H」の記号を付し、2進数を表す数値には「B」の記号を付し、これらのような表記法を示す記号が付されていない数値は10進数で表記されたものとする。
演出表示器の初期化(S26)においては、演出表示装置60の初期化(リセットとは異なり、遊技進行前の初期状態へ移行させるもの)、エラー状態及び不正賞球監視情報のコマンド送信要求を行うため、演出初期コマンド設定テーブルのアドレスを引数としてコマンド要求データ設定処理を実行する。
<<遊技進行割込み用の計時設定の処理>>
遊技進行割込み用の計時設定の処理(S27)においては、遊技進行割込みを起動させるため、対応するカウンタ設定レジスタに所定の大きさのカウント値をセットし、遊技進行割込みを例えば4ms毎に発生させる。
<<循環処理>>
遊技進行割込み用の計時設定(S27)の後には、割込み処理時間監視手段である所定のタイマの再帰(リスタート)準備や、各種乱数の初期値の生成に用いられる乱数関係値の更新を行う循環処理(S32(S28〜S31))が実行される。この循環処理(S32(S28〜S31))においては、遊技機の管理を行うため、先ず、割込みを禁止する(S28)。さらに、割込み処理時間監視手段を再帰させる準備のため、割込み処理時間監視手段クリアレジスタに第1再帰情報となる所定の値をセットする(S29)。この第1再帰情報は、予め定められた例えば55H等の値である。
そして、初期値乱数更新処理を実行し(S30)、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。この後、割込みを許可した後(S31)、再度割込み禁止(S28)の処理に戻り、それ以降の処理(S28〜S31)を順次繰り返して制御処理を循環させる。
割込み許可(S28)が実行される毎に前述の遊技進行割込みが可能となり、遊技進行割込み処理は、S27で設定された周期情報に基づいて、所定の周期(ここでは4ms周期)毎に繰返される。
<<初期値乱数更新処理>>
前述の初期値乱数更新処理(S30)においては、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新するため、初期値乱数更新テーブルから乱数の更新回数取得し、更新回数分、初期値乱数の更新を行う。
<遊技進行割込み処理>
次に、遊技進行割込み用の計時設定(S27)の処理において設定された周期情報に基づき4ms周期で繰返される遊技進行割込み処理について説明する。図13に示すように、遊技進行割込み処理においては、割込み動作条件の設定(S41、S42)、割込み処理時間監視手段の再帰(S43)、遊技機の管理(S45〜S70)、割込みの許可(S71)を順に行い、遊技進行割込みが発生する前の処理に復帰させる。
具体的には、割込み動作条件の設定の処理(S41、S42)においては、割込みフラグをクリアするため、割込み動作条件設定値が、遊技進行割込み制御レジスタに格納され(S41)、割込み動作条件設定値が、所定の入力端子に対応した制御レジスタにセットされる(S42)。この後、第2再帰情報がセットされ(S43)、更に第2再帰情報が割込み処理時間監視手段レジスタにセットされる(S44)。
遊技機の管理(S45〜S70)においては、遊技機の管理を行うため、以下の処理を順に実行する。
先ず、特定の信号の入力を監視するため、入力処理(S45)を実行する。ここで監視の対象となっているのは、入出力ポート505(図4参照)に対して入力される遊技盤面に取り付けられている各種スイッチ、受け皿満タンスイッチ、開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、ガラス未検出信号、及び断線短絡電源異常検知信号である。
続いて、各種乱数更新処理(S46)を実行し、普通図柄変動パターン乱数、及び変動パターン乱数を更新する。さらに、初期値更新型乱数更新処理(S47)を実行し、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。次に、初期値乱数更新処理(S48)を実行し、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。また、2バイトタイマの更新を行うため、タイマ減算処理(S49)を実行し、第2始動入賞口63の有効期間を設定するため、第2始動口の有効期間設定処理(S50)を実行する。
さらに、大入賞口91の有効期間に係る処理を行うため、大入賞口有効期間設定処理(S51)を実行する。また、入賞監視処理(S52)を実行し、賞球を払出す回数の記憶、盤用外部情報の出力要求の作成、及びサブ基板104に送信するコマンドの送信要求を行う。続いて、払出制御基板103を制御するため、賞球制御処理(S53)を実行する。
次に、遊技球が普通図柄作動ゲート(作動口68a、68b)を通過したとき、普通図柄に係る乱数を記憶するため、普通図柄作動ゲート監視処理(S54)を実行し、普通図柄表示装置又は普通図柄電動役物に係る処理を行うため、普通図柄制御処理(S55)を実行する。さらに、普通図柄の変動開始の監視を行うため、普通図柄変動開始監視処理(S56)を実行する。また、遊技球の第1始動入賞口62及び第2始動入賞口63の入賞の監視を行うため、始動口監視制御処理(S57)を実行し、第1特別図柄表示部70又は第2特別図柄表示部71に係る処理を行うため、特別図柄制御処理(S58)を実行する。続いて、特別電動役物に係る処理を行うため、特別電動役物制御処理(S59)を実行し、第1特別図柄、及び、第2特別図柄の変動開始の監視を行うため、特別図柄変動開始監視制御処理(S60)を実行する。
次に、磁気の監視、断線・短絡・電源の監視、電波の監視、ガラス枠セット・遊技盤の枠の開閉状態の監視、及びペアガラスの監視を行うため、異常検知処理(S61)を実行し、入球通過時間異常の検出を行うため、入球通過時間異常検出処理(S62)を実行する。さらに、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄表示装置の作動保留球数、及び特別図柄表示装置の作動保留球数の表示要求を行うため、遊技状態表示処理(S63)を実行し、発射ハンドル20のタッチ状態(操作量の状態を含む)の監視を行うため、ハンドル状態信号検査処理(S64)を実行する。また、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄表示装置(70、71)の作動保留球数の表示、普通図柄表示装置の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、及びエラーの表示を行うため、LED出力処理(S65)を実行する。
続いて、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、発射制御信号出力処理(S66)を実行し、入出力ポート505より試験装置(試験機器)に出力する信号を作成し出力するため、試験信号出力処理(S67)を実行する。さらに、普通電動役物ソレノイド、及び大入賞口開放ソレノイドの出力データの出力を行うため、ソレノイド出力処理(S68)を実行し、演出制御コマンドを送信するため、演出制御コマンド送信処理(S69)を実行し、入出力ポート505より外部端子(外部中継端子基板46(図2参照)の各種外部出力端子)に信号を出力するため、外部情報出力処理(S70)を実行する。
この後、割込み許可(S71)が実行され、制御処理がリターン(RET)に抜ける。そして、次回の遊技割込みが実行されるまでの残余時間を利用して、制御開始処理の前述の循環処理(S32(S28〜S31))が実行される。
<入力処理>
入力処理(S45)は、スイッチ入力に係る制御モジュールであり、この入力処理(S45)においては、遊技盤面に取り付けられている各スイッチ(盤面スイッチ)や、断線短絡電源異常検知信号、開放信号、電波検知信号、及び、タッチ状態信号の各種信号の入力を監視するため、入力情報テーブルから検査回数、入力ポートアドレス、レベルマスクデータ、レベルアドレス、立ち上りマスクデータを取得し、スイッチ入力を検査回数分行う。
検査回数、入力ポートアドレス、レベルマスクデータ、レベルアドレス、立ち上りマスクデータの取得においては、入力情報テーブルのアドレス(入力情報テーブル+0)が示す内容を検査回数とし、入力情報テーブル+1から入力ポートアドレス、レベルマスクデータ、レベルアドレス、立ち上りマスクデータを検査回数分取得する。ここで述べる検査回数とは、前述した入出力ポート505に入力される、遊技盤50に取り付けられた各スイッチの出力信号や、電波検知装置信号などのような、監視対象となる各種信号を出力するスイッチの個数である。
スイッチ入力においては、取得した入力ポートのレベルデータを作成した後、取得した立ち上がりマスクデータが0以外の場合、立ち上がりデータを作成する。レベルデータの作成においては、取得したレベルマスクデータが示すビットの状態を、取得した入力ポートから所定期間(例えば5μs)以上の間隔を開けて、所定回数(例えば5回)連続で読み込み、5回の読み込みが全て一致したビットを今回のレベルデータとして、取得したレベルアドレスに格納する。レベルデータの上位アドレス(レベル上位アドレス)はRWM先頭上位アドレス(0F0H)としている。また、5回の読み込みで1回も一致しなかったビットとしては、前回のレベルデータを格納する。
立ち上がりデータの作成においては、取得した立ち上がりマスクデータが示すビットの立ち上がりデータを作成するため、今回と前回のレベルデータの排他的論理和を演算し、排他的論理和の結果と今回のレベルデータの論理積を演算する。さらに、作成した立ち上がりデータと、取得した立ち上がりマスクデータの論理積を演算し、この論理積の結果を取得したレベルアドレスのアドレスに+1したアドレスの領域に格納する。
<各種乱数更新処理>
各種乱数更新処理(S46)においては、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数の更新においては、普通図柄変動パターン乱数を+1し、最大値(ここでは232)を超える場合は0にするため、普通図柄変動パターン乱数の下位アドレス及び普通図柄変動パターン乱数最大値+1(ここでは223)を引数としてRWM更新処理を実行する。変動パターン乱数の更新においては、変動パターン乱数を更新するため、変動パターン乱数の値から所定値(ここでは3511)を減算する。減算した結果が0未満の場合、減算した結果に変動パターン乱数最大値+1(ここでは50000)を加算する。演算した結果は、変動パターン乱数に格納する。本処理において更新される乱数については、プログラムの処理中で更新されることから、ソフト乱数と呼ばれる。
<初期値更新型乱数更新処理>
初期値更新型乱数更新処理(S47)においては、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新するため、初期値更新型乱数更新テーブルから更新する乱数の数、乱数の最大値、初期値更新型乱数のアドレス、初期値ワークのアドレスを取得し、初期値更新型乱数の更新を行う。
更新する乱数の数、乱数の最大値、初期値更新型乱数のアドレス、及び初期値ワークのアドレスの取得においては、初期値更新型乱数更新テーブルの左列1行目の欄のデータアドレス(0D30H)の示す内容(乱数個数)を更新する乱数個数とし、乱数個数の回数だけ初期値更新型乱数更新テーブルの左列2行目の欄以降から乱数の最大値、初期値更新型乱数のアドレス、及び初期値ワークのアドレスを順次繰り返し取得する。
初期値更新型乱数の更新においては、取得した初期値更新型乱数アドレス(下位)と所定のRWM作業領域のアドレス(上位)から求められるアドレスより更新する初期値乱数を取得し、初期値更新型乱数を+1し更新する。最大値を超える場合は0にするため、初期値更新型乱数更新テーブル内の初期値更新型乱数の最大値が記載されているアドレスを引数として、2バイトソフト乱数更新処理を実行する。実行の結果、更新した初期値更新型乱数の値が取得した初期値ワークの内容と一致した場合、初期値更新型乱数の初期値を更新するため、取得した初期値ワークのアドレスから2行下のアドレス(0D37H)、3行下のアドレス(0D38H)が示す初期値乱数の内容を新しい初期値とし、取得した初期値更新型乱数のアドレス及び取得した初期値ワークのアドレスに格納する。
<初期値乱数更新処理>
初期値乱数更新処理については、制御開始処理で実行される初期値乱数更新処理と同じプログラムモジュールが用いられているが、乱数関係値の更新の周期が遊技進行割込みの周期(ここでは4ms)となる点で、制御開始処理中に実行される場合とは異なっている。
<タイマ減算処理>
タイマ減算処理(S49)においては、2バイトタイマの更新を行うため、図15に示すように、基底アドレス(メインCPU501が処理で参照するRWMアドレス)として2バイトタイマ更新テーブルの先頭アドレス「102FH」をセットする(S101)。ここで、図40中には、上述の2バイトタイマ更新テーブルを示しており、この2バイトタイマ更新テーブルのアドレスは「102FH〜1039H」となっている。さらに、2バイトタイマ数として基底アドレスの内容をロードし(S102)、2バイトタイマ上位アドレスとしてRWM上位アドレス(0F0H)をセットする(S103)。
続いて、基底アドレスを+1し(S104)、2バイトタイマ下位アドレスとして基底アドレスの内容をロードする(S105)。さらに、2バイトタイマアドレスの内容を−1し、減算の結果が負の場合、0を2バイトタイマアドレスにストアし、減算の結果が正の場合、減算結果を2バイトタイマアドレスにストアする(S106)。そして、2バイトタイマ数を−1した結果が0であるか否かの判定を行い(S107)、0でない場合には(S107:YES)、上記S104の処理に戻る。また、上記S107で、2バイトタイマ数を−1した結果が0である場合には(S107:NO)、処理を終える。
このタイマ減算処理について、より機能的に説明すれば、該当するアドレス(ここでは「102FH」)のテーブル(ここでは2バイトタイマ更新テーブル)にある更新対象となるタイマに対応したRWM記憶領域のデータを更新(デクリメント)し、デクリメントの結果が0以下になったら、0を再セットする(S106)。上述の2バイトタイマ更新テーブルのデータ構造は、図40中に示すように、更新するタイマデータの個数(ここでは「2バイトタイマ数」の「0AH=10」個)、特定のタイマデータ(ここでは特図遊技タイマ、普通図柄タイマのアドレス、特電遊技タイマ、・・・など)のRWM下位アドレス、で構成されるものとなっている。そして、タイマ減算処理では、タイマデータの個数分だけ処理を繰り返す。
また、各タイマのRWM記憶領域上位アドレスは固定値(ここでは「F0H」となっている。例えば、特図遊技タイマを例に挙げれば、固定値「F0H」と下位アドレス「1DH」)を組み合わせて、「F01DH」が、更新される特図遊技タイマの値が格納されたRWM領域のアドレスとなる。
ここで、テーブル中の「総領域」の数値は、この2バイトタイマ更新テーブルを例に挙げれば、「総領域」の「11」は、データ個数データを格納した領域と、アドレスデータを格納した10個の領域の合計数に対応している。
<始動口2有効期間設定処理>
前述の始動口2有効期間設定処理(S50)は、始動口2(ここでは第2始動入賞口63)に係る有効期間の設定を行うための処理である。そして、始動口2有効期間設定処理(S50)においては、図16に示すように、第2始動入賞口63の有効期間を設定するため、判定データとして始動口2有効期間データ(1)をセットする(S111)。さらに、普通図柄ステイタスの値を所定のRWM領域にロードし(S112)、ロードした値が普通電動役物作動中ステイタス(3)に一致するか否かの判定を行う(S113)。
ここで、上述の普通図柄ステイタスは、普通図柄に係る管理のために定められている状態を意味している。この普通図柄ステイタスとしては、図39のアドレス「F011H」に示すように、普通図柄変動待機中の状態、普通図柄変動中の状態、普通図柄停止図柄表示中の状態、普通電動役物作動中の状態、普通電動役物作動終了デモ中の状態の5つのステイタスがある。そして、これらのステイタスには、制御上、所定のデータ(00H〜04H)が割り当てられている。
また、図39(a)では、普通電動役物開放準備中の状態(05H)が括弧書きで記載されているが、これは本実施例に係る変形例として、普通電動役物開放準備中の状態について、普通電動役物開放準備中ステイタスを別途設けた例を、本実施例に係る図39(a)を援用して示しているものである。普通電動役物開放準備中の状態や、変形例として設けられる普通電動役物開放準備中ステイタスについては後述する。また、図39(b)では、普通電動役物開放準備中ステイタス(05H)を設けた上述の変形例に対応して、普通図柄分岐処理テーブル(0326H)に「普通電動役物開放準備中処理のアドレス」が、図39(b)を援用して同様に括弧書きで示されている。
さらに、図39(b)において、普通図柄分岐処理テーブル(0326H)の総領域を上下2段に併記し、下段の数値を括弧書きで「(10)」としているのは、上述の変形例における総領域数を示すものである。そして、「普通電動役物開放準備中処理のアドレス」を追加することで総領域数が「8」から「(10)」に増えているのは、各アドレスが2バイト構成であることに基づいている。また、図39(b)では、変形例に係る「普通電動役物開放準備中処理のアドレス」のデータを、任意の数値を16進表記していることを表す「XXXXH」で示している。
なお、以下では、各普通図柄ステイタスを、割り当てられたデータの10進数表記と組み合わせて、普通図柄変動待機中ステイタス(0)、普通図柄変動中ステイタス(1)、普通図柄停止図柄表示中ステイタス(2)、普通電動役物作動中ステイタス(3)、普通電動役物作動終了デモ中ステイタス(4)と表記する場合がある。また、以下では、普通電動役物開放準備中の状態に対して、説明や図示の便宜上、普通電動役物開放準備中の状態(5)と表記する場合があり、普通電動役物開放準備中ステイタスを設けた変形例を説明する場合に、開放準備中のステイタスを、普通電動役物開放準備中ステイタス(05H)と表記する場合がある。
そして、図16に示すように、ロードした値が普通電動役物作動中ステイタス(3)に一致しなかった場合には(S113:NO)、始動口2有効延長タイマ(RWMアドレスF01BH)の値をロードし、始動口2内部に残留する遊技球を有効として扱うための延長有効期間の有無を確認するため、ロードした値が0以外であるか否かの判定を行う(S115)。上記S115で、ロードした値が0以外でなかった場合には(S115:NO)、判定データに始動口2無効期間データ(0)をセットし(S116)、判定データを始動口2有効期間フラグ(のRWM領域)にストアする(S117)。
また、上記S113で、ロードした値が普通電動役物作動中ステイタス(3)に一致した場合や(S113:YES)、上記S115で、ロードした値が0以外であった場合には(S115:YES)、間の処理を行わずに、上記S117の、判定データを始動口2有効期間フラグにストアする処理を行う。続いて、判定データを普通電動役物作動中フラグにストアし(S118)、処理を終える。
この始動口2有効期間設定処理(S50)について、より機能的に説明すれば、始動口2有効期間設定処理(S50)は、電チュー(前述した普通電動役物に係る始動口である第2始動入賞口63)の有効入賞の判定期間に関する処理である。そして、電チューの有効期間は、普通電動役物の作動中の期間に延長タイマの残り時間を足し合わせた期間となる。
また、この始動口2有効期間設定処理(S50)は、後述する試験信号の出力(図37)に関して、遊技機の状態が普通電動役物作動準備中である場合に試験信号をオフするための処理を含んでいない。これは、始動口2有効期間設定処理(S50)が、あくまでも有効期間の設定を行うものとなっているためである。なお、普通電動役物作動準備中の情報を用いた制御態様については後述する(図48(a)、(b))。
始動口2有効期間設定処理(S50)の処理内容としては、有効期間に係るフラグ(ここでは始動口2有効期間フラグ)としてRWMにセットする値を、先ず、有効値(ここでは始動口2有効期間データ(1))を用い、この値を判定(結果)データとしてレジスタにセットする(S111)。そして、有効期間としてセットする場合には(S113:YES、S115:YES)、そのまま判定(結果)データを、有効期間フラグ(ここでは始動口2有効期間フラグ)を格納するRWMにセットする(S117)。有効期間に該当しない場合には(S115:NO)、レジスタに保持している判定(結果)データを無効データに更新し(S116)、判定データを、RWMの有効期間フラグ格納領域にセットする(S117)。さらに、上記S118の、判定データを普通電動役物作動中フラグにストアする処理により、普通電動役物開放準備中の一部の場合を除き、試験信号の普電作動中信号(普通電動役物作動中信号)が出力される。
<大入賞口有効期間設定処理>
前述の大入賞口有効期間設定処理(S51)においては、図17に示すように、判定データとして大入賞口有効期間データ(1)をセットし(S121)、大入賞口有効延長タイマ(RWMアドレスF047H)の値をロードする(S122)。さらに、大当りの最後の単位遊技が終了した後における大入賞口内部の残留球を考慮した、有効期間の延長期間を管理する延長タイマの残り時間の有無を確認するため、ロードした値が0以外であるか否かの判定を行い(S123)、0以外でない場合(0である場合)には(S123:NO)、特電遊技ステイタスの値を所定のRWM領域にロードする(S124)。
ここで、上述の特電遊技ステイタスは、前述の特別電動役物に係る管理のために定められている状態を意味している。この特電遊技ステイタスとしては、図39の「F045H」に示すように、当り待ちの状態、大入賞口開放準備中の状態、特別電動役物作動中の状態、大入賞口閉鎖中の状態、大当り終了デモ中の状態、小当り開始デモ中の状態、小当り特電作動中の状態、小当り閉鎖中の状態、小当り終了デモ中の状態の9つのステイタスがある。そして、これらのステイタスには、制御上、所定のデータ(00H〜08H)が割り当てられている。
なお、以下では、各特電遊技ステイタスを、割り当てられたデータの10進数表記と組み合わせて、当り待ちステイタス(0)、大入賞口開放準備中ステイタス(1)、特別電動役物作動中ステイタス(2)、大入賞口閉鎖中ステイタス(3)、大当り終了デモ中ステイタス(4)、小当り開始デモ中ステイタス(5)、小当り特電作動中ステイタス(6)、小当り閉鎖中ステイタス(7)、小当り終了デモ中ステイタス(8)と表記する場合がある。
続いて、ロードした値が当り待ちステイタス(0)に一致しないか否かの判定を行い(S125)、一致する場合には(S125:NO)、判定データに大入賞口無効期間データ(0)をセットする(S126)。さらに、判定データを大入賞口有効期間フラグにストアし(S127)、処理を終える。
上記S123で、ロードした値が0以外である場合や(S123:YES)、上記S125で、ロードした値が当り待ちステイタス(0)に一致しない場合(大当り中である場合)には(S125:YES)、間の処理を行わずに、上記S127に移行し、判定データを大入賞口有効期間フラグにストアする。
この大入賞口有効期間設定処理について、より機能的に説明すれば、大入賞口有効期間設定処理は、大入賞口の有効期間フラグ(大入賞口への入賞を有効入賞とするか否かを判断するためのフラグ)をセットする処理である。また、この大入賞口有効期間設定処理は、後述する試験信号の出力に関して、大入賞口開放準備中ステイタス(後述する)の場合に試験信号をオフするための処理を含んでおらず、あくまで有効期間の設定を行うものとなっている。
さらに、処理内容としては、まず、フラグとして有効データ(1)を保持(セット)する(S121)。本実施例では、このセットは、レジスタに対して行うものとされており、RWM領域への記憶は、この段階では行わないものとなっている。次に、上記S122の後、延長タイマの値を確認し(S123)、0でなければ(S123:YES)、大入賞口の有効期間フラグを格納するRWM領域に上述のレジスタのデータ(有効データ)をストア(格納)する(S127)。
次に、上記S123で延長タイマの値が0の場合には(S123:NO)、特電遊技ステイタスの値が0(当り待ち)であるか否か、言い替えると、大当り中でないか否かを判定する(S125)。そして、大当り中の場合には(S125:YES)、大入賞口の有効期間フラグを格納するRWM領域に前述のレジスタのデータ(有効データ)をストアする(S127)。また、上記S125で、大当り中以外の場合には(S125:NO)、レジスタのデータを無効データ(0)に変更した後(S126)、当該データを大入賞口の有効期間フラグを格納するRWM領域にストアする(S127)。
<入賞監視処理>
前述の入賞監視処理(S52)においては、図18に示すように、基底アドレス1として入賞監視テーブル(図42)のアドレス(ここでは先頭アドレスである「1102H」)をセットし(S131)、検査回数として基底アドレス1の内容をロードする(S132)。さらに、検査回数を退避させ(S133)、基底アドレス1を+1する(S134)。また、スイッチ立ち上がりエッジ下位アドレスとして基底アドレス1の内容をロードし(S135)、基底アドレス1を+1する(S136)。
続いて、スイッチ立ち上がりエッジアドレスの内容をロードし(S137)、ロードした値と基底アドレス1の内容の論理積をとる(S138)。さらに、基底アドレス1を+1し、EVENTデータとして基底アドレス1の内容をロードし、基底アドレス1を+1し、MODEデータとして基底アドレス1の内容をロードする(S139)。また、基底アドレス1を+1し(S140)、RWM下位アドレス1として基底アドレス1の内容をロードする(S141)。
さらに、基底アドレス1を+1し(S142)、上記論理積の結果が0であるか否かの判定を行い(S143)、論理積の結果が0でない場合には(S143:NO)、基底アドレス1を退避させる(S144)。また、アドレス算出値として基底アドレス1の内容をロードし(S145)、アドレス算出値と無効期間なしデータ(00H)が一致するか否かの判定を行う(S146)。上記S146で、アドレス算出値と無効期間なしデータ(00H)が一致していなければ(S146:NO)、バイトデータ取得処理(S147)を実行する。
そして、1バイトデータの示すアドレスの内容をロードし(S148)、ロードした値と無効期間データ(00H)が一致しないか否かの判定を行う(S149)。このS149で、アドレス算出値と無効期間データ(00H)が一致していれば(S149:NO)、MODEデータを+1し(S150)、基底アドレス2を+1する(S151)。さらに、EVENTデータに基底アドレス2の内容をロードし(S152)、RWMアドレスとして異常センサ検知タイマのアドレスをセットし(S153)、信号出力要求処理(S154)を行う。
上記S146で、アドレス算出値と無効期間なしデータ(00H)が一致している場合や(S146:YES)、上記S149で、アドレス算出値と無効期間データ(00H)が一致している場合には(S149:YES)、間の処理を行わずに、図19に示すS155へ移行し、賞球判定データとしてRWM下位アドレス1をセットする。さらに、賞球判定データが0であるか否かの判定を行い(S156)、賞球判定データが0でない場合には(S156:NO)、賞球回数データとしてRWMアドレス1の内容をロードする(S157)。
そして、賞球回数データを+1し(S158)、加算結果が0であるか否かの判定を行い(S159)、加算結果が0でない場合には(S159:NO)、加算結果をRWMアドレス1にストアする(S160)。さらに、コマンド要求設定処理(S161)を行い、基底アドレス1を復帰させ(S162)、検査回数を復帰させる(S163)。上記S156で、賞球判定データが0であった場合や(S156:YES)、上記S159で、加算結果が0であった場合には(S159:YES)、間の処理を行わずに、上記S161のコマンド要求設定処理を行う。
上記S163に続いて、検査回数を−1した結果が0以外であるか否かの判定を行い(S164)、検査回数を−1した結果が0である場合(S164:NO)には処理を終え、0以外である場合には(S164:YES)、前述のS133(図18)に移行する。
図18中に示す上記S143で、論理積の結果が0である場合には(S143:YES)、間の処理を行わずに、上記S163へ移行する。また、図18に示す前述の信号出力要求処理(S154)の後には、上記S161(図19)へ移行し、コマンド要求設定処理や、それ以降(S162以降)の処理を行う。
この入賞監視処理について、より機能的に説明すれば、入賞監視処理は、前述の入賞監視テーブル(図42の「1102H〜1138H」)を使用し、遊技盤での入賞検出を行う各種の盤面スイッチについて、入力処理(S45)で取得した盤面スイッチにおける検出状態を用いて生成された立ち上がりデータから有効な入賞および通過があったことを判定して、各スイッチに対する入賞数ないし通過数の記憶および、サブメイン基板301に対して入賞があった旨を通知するコマンドデータのセットを行う処理である。
ここで、入賞監視テーブル(1102H〜)は、1の入賞スイッチ信号について、立ち上がりエッジ(立ち上がりデータ)の格納されている下位アドレス、当該アドレスのデータがオンであることを判定するためのデータ(判定値)、サブ送信用第二コマンドデータ(EVENT)、サブ送信用第一コマンドデータ(MODE)、該当スイッチの賞球回数カウンタアドレス(ただし、入賞スイッチ信号がゲートの場合は賞球なしデータのアドレス。)、無効期間ありなしデータ(ただし、大入賞口、電チューのスイッチのみ有効判定テーブルのアドレスのデータ。)が、スイッチの種類分だけ並んでいる構造となっている。
上述の立ち上がりデータは、いずれかの盤面スイッチの出力信号がオフからオンに切り替わったときに格納されるデータである。また、図42の入賞監視テーブルでは、盤面スイッチとして、アウト球カウントスイッチ、ゲート1スイッチ、大入賞口1スイッチ2、大入賞口1スイッチ1、始動口2スイッチ、始動口1スイッチ、普通図柄作動口1スイッチが挙げられている。
これらのうち、ゲート1スイッチは、普通図柄作動口1スイッチとしては、図3中に示す左通過検出装置69a、右通過検出装置69bを適用することが可能である。また、例えば、右作動口68b(図1、図3参照)を、所謂ゲートタイプ(通過型)とせず、遊技球を回収するタイプとすることもなども可能である。また、上述の大入賞口1スイッチ2、大入賞口1スイッチ1は、前述した下流側大入賞検出装置78b、上流側大入賞検出装置78aを適用することが可能である。また、1のスイッチに対し、複数の機能を持たせるために、入賞監視テーブル(図42)の異なるスイッチに対し、立ち上がりエッジアドレスの値とスイッチビットデータ(判定値)を共通とすることも考えられ、例えば、普通図柄作動口1と普通入賞口1の立ち上がりエッジとスイッチビットデータを同じデータとすることで、普通入賞口に普通電動役物の作動に係る普通図柄の変動開始機能を持たせることが可能となる。
さらに、図42の入賞監視テーブルにおける始動口2スイッチ、始動口1スイッチは、図1及び図3における、第2始動入賞検出装置75、第1始動入賞検出装置74となっている。また、同じく図42の入賞監視テーブルにおけるアウト球カウントスイッチは、図3では省略しているが、前述したように、アウト口58へ進入した遊技球の検出を行うものである。
さらに、前述の普通図柄作動口1スイッチとしては、異なる演出に関連付けられた2種類が備えられており、盤面スイッチの個数は、アウト球カウントスイッチ、ゲート1スイッチ、大入賞口1スイッチ2、大入賞口1スイッチ1、始動口2スイッチ、始動口1スイッチ、普通図柄作動口1スイッチ(2個)の合計8個(8種類)となっている。そして、前述の各種盤面スイッチに係る立ち上がりデータは、8箇所のスイッチに1ビットずつ割り当てられた8ビットにより表される1バイトデータとなっている。
そして、上述の立ち上がりデータと、個々の盤面スイッチの状態を示す8ビットデータとの論理積が、入賞監視テーブル(図42)に定められた順(上段から下段の順)に従って演算される(S138など)。個々の盤面スイッチの状態を示す8ビットデータは、該当するスイッチに対応したビット以外のビットの値が0で、該当するスイッチに対応したビットのみが1となり得る8ビットデータとなっている。
また、上記S139で、有効入賞であったとき(有効な入賞が検出されたとき)にサブメイン基板301に送信するコマンドを読みだし、レジスタにセットしておく(S139)。さらに、前述の論理積演算の結果が0であるか否かの判定を行い(S143)、演算結果が0のとき(S143:YES)は、入賞が発生していないときであるので、後々の処理でコマンドをサブへのコマンド送信としてセットする処理は行わず、該当するスイッチデータに係る入賞なしと判定して、図18及び図19中に示すように、次のスイッチの判定に移る(S163)。なお、最後の判定対象スイッチに係る処理の場合は、検査回数に係る判定(S164)を経て、処理を終了する。
また、前述の論理積演算の結果が0でないときは(S143:NO)、有効期間の入賞であるか否かを判定する(S146)。ここで、前述の一般入賞口72に係る一般入賞などのように、有効期間等の定めのないものについては、有効期間の判定が行われないため、無効期間なしデータ(00H)が、入賞監視テーブルに記憶され、この無効期間なしデータ(00H)が用いられるようになっている。
これに対し、大入賞口91や、電チュー(第2始動入賞口63)などについては、それぞれの有効期間判定テーブル(図43の「1139H」、「113BH」、「113DH」)を用いた有効期間判定処理を行うためのアドレス算出値が入賞監視テーブル(図42)に格納されており(検査回数3〜5における最下欄の「大入賞口1有効期間判定テーブルBのアドレス算出値」、「大入賞口1有効期間判定テーブルAのアドレス算出値」、「始動口2有効期間判定テーブルのアドレス算出値」)、各有効期間判定テーブルを使用して有効入賞判定を行う。
ここで、大入賞口などの有効期間判定テーブルでは、有効期間フラグを格納しているRWM下位アドレスがあり、該当するRWMアドレスの値が有効データ(1)である時、有効入賞であると判定される。また、有効期間判定テーブルには、無効入賞である場合にサブに送信する無効演出用データがセットされている。
さらに、外端信号の出力のセット(S154)、サブへのコマンド送信(S161)、払出しのためのカウンタ記憶領域の値の更新(S155〜S160)を行い、次の処理対象となるスイッチの判定を行う(S164)。なお、外端信号の出力のセット(S154)に係る外端信号は、無効期間に入賞を検出した際(S149:NO)の信号(セキュリティ信号)である。また、サブへのコマンド送信(S161)では、上記S139でレジスタに保持したコマンドのセットが行われる。
<賞球制御処理>
賞球制御処理(S53)は、大入賞口91、電チュー(第2始動入賞口63)、一般入賞口72などの有効期間中に入賞があった場合に、賞球の払出しを行うための処理であり、前述の入賞監視処理(S52)による入賞監視とは別に行われる、払出しのための処理である。そして、この賞球制御処理(S53)においては、払出制御基板103を制御するため、払出制御基板103からのデータ受信の監視、払出制御基板103へのコマンド送信要求、払出制御基板103へのコマンド送信及び払出制御基板103からの受信データ検査を順に行う。払出制御基板103からのデータ受信の監視においては、データ受信監視処理を実行する。払出制御基板103へのコマンド送信要求においては、払出コマンド要求処理を実行する。払出制御基板103へのコマンド送信及び払出制御基板103からの受信データ検査においては、払出コマンド制御処理を実行する。
<普通図柄作動ゲート監視処理>
普通図柄作動ゲート監視処理(S54)においては、遊技球の普通図柄作動ゲート(ここでは作動口68a、68b)通過を監視し、普通図柄作動ゲートを通過していると判断した場合には、普通図柄作動保留球数(普通図柄の保留数)の更新を行う。更新の結果、普通図柄作動保留球数の値が最大数である4未満のときに遊技球の通過を確認した場合、普通図柄に係る乱数の記憶を行う。
<普通図柄制御処理>
前述の普通図柄制御処理(S55)においては、図20に示すように、普通図柄ステイタスの値をロードし(S171)、ロードした値が普通図柄変動待機中ステイタス(0)に一致するか否かの判定を行う(S172)。そして、ロードした値が普通図柄変動待機中ステイタス(0)に一致した場合には(S172:YES)、処理を終え、一致しない場合には(S172:NO)、2バイトデータアドレスとして普通図柄タイマのアドレスをセットする(S173)。
さらに、普通図柄分岐処理テーブル(図39(b)の「0326H」)のアドレス−2をセットし(S174)、2バイトデータ選択処理を行い(S175)、2バイトデータ選択処理(S175)で選択した、普通図柄に係るステイタスの値に基づく処理を実行する(S176)。普通図柄に係るステイタスの値に基づく処理(サブモジュール)としては、後述するように、普通図柄変動中処理(図21)、普通図柄停止図柄表示中処理(図22)、普通電動役物作動中処理(図23)、普通電動役物作動終了デモ中処理(図24)がある。S174〜S176では、普通図柄ステイタスの値(例えば普通図柄変動中であれば「1」)を2倍した値を、S174でセットした値に加算し(普通図柄変動中であれば加算後は「0326H」)、加算後のアドレスと続くアドレスの各1バイトのデータを取得することで2バイトデータを選択データとして取得する(普通図柄変動中であれば、図39(b)の03Hと2EHが移行先の処理プログラムのアドレスとして取得される)。
すなわち、この普通図柄制御処理(S55)は、普通図柄の変動開始の後から、普電(普通電動役物)の作動終了までを管理する処理である。さらに、普通図柄制御処理(S55)は、普通図柄ステイタスが待機中(0)でない場合に(S172:NO)、ステイタスに合わせた処理に移行させる(S173〜S176、図21〜図24)。ここで、普通図柄制御処理(S55)で行わない変動開始の管理については、後述する普通図柄変動開始監視制御処理(S56)で行うようになっている。
さらに、普通図柄制御処理(S55)と、他の所定の処理との関係について説明すると、普通図柄制御処理(S55)については、特別図柄に関する制御処理(ここでは後述する特別図柄制御処理(S58))と異なり、図柄の変動制御と、電動役物の制御とが、当該制御モジュール(普通図柄制御処理(S55))と、当該制御モジュールにて呼び出される下層の制御モジュール(サブ制御モジュール以降の制御モジュール)とを含む制御モジュール群内にて処理されるようになっている。
これに対して、特別図柄に関する制御処理では、図柄の変動制御が特別図柄制御処理(S58)により行われ、電動役物の制御が、特別図柄制御処理(S58)と同一な階層の制御モジュールであり、特別図柄制御処理(S58)内で呼び出されることのない特別電動役物制御処理(S59)により行われるようになっている。これらの特別図柄制御処理(S58)や、特別電動役物制御処理(S59)については後述する。
また、前述した普通図柄作動ゲート監視処理(S54)は、普通図柄制御処理(S55)と同様に普通図柄の管理を行う制御モジュールであるが、普図の保留の生起に関する処理であり、この点で普通図柄作動ゲート監視処理(S54)と、普通図柄制御処理(S55)とは、その用途が異なっている。
<<普通図柄変動中処理>>
上述の普通図柄制御処理で選択され得る各種の処理(図20のS176、図21〜図24)のうち、普通図柄変動中処理(図21)では、普通図柄表示タイマの下位アドレスをセットし(S181)、表示番号切り替え処理を行う(S182)。さらに、2バイトデータ判定処理を行い(S183)、普通図柄タイマの値が0以外であるか否かの判定を行う(S184)。そして、このS184で、普通図柄タイマの値が0以外であった場合には(S184:YES)、処理を終え、0以外でなかった場合(0であった場合)には(S184:NO)、普図組合せデータとして普通図柄組合せ番号の値をロードする(S185)。
続いて、普図組合せデータが普通図柄「図柄1」番号データ(0)と一致するか否かの判定(すなわち今回の変動表示が「当り」であるか「はずれ」であるのかを判定)を行い(S186)、一致しなかった場合には(S186:NO)、「当り」図柄を表示させるためのデータとして普図組合せデータを+1し(S187)、普図組合せデータを普通図柄表示番号にストアする(S188)。上記S186で、普図組合せデータが普通図柄「図柄1」番号データ(0)と一致した場合には(S186:YES)、S187を行わずに、上記S188へ移行する。さらに、普通図柄停止図柄表示中状態設定テーブル(図41の「10CBH」)のアドレスをセットし(S189)、データ格納処理を行って(S190)、処理を終了する。
この普通図柄変動中処理について、より機能的に説明すれば、普通図柄変動中処理は、普通図柄の変動中、変動時間のタイマが0になるまで、及び、0になったときに係る各種の処理を行うものである。そして、変動表示を示すため、点滅等の表示の切り替えの処理を行い(S182)、変動時間が終了したかをタイマ(普通図柄タイマ)が0になったか否かの判定により行い(S184)、タイマが0でなければ(S184:YES)、処理を終える。また、タイマが0になった場合には(S184:NO)、停止図柄(当り又ははずれ)をセットし(S185〜S188)、普通図柄ステイタスのRWM領域に「普通図柄停止図柄表示中」を示す値「02H」をセットするとともに、普通図柄の固定表示時間を普通図柄タイマにセットする(S189、S190)。
<<普通図柄停止図柄表示中処理>>
前述の普通図柄制御処理で選択され得る各種の処理(図20のS176、図21〜図24)のうち、普通図柄停止図柄表示中処理(図22)では、普通図柄判定フラグの値をロードし(S201)、ロードした値が普通図柄当りデータ(55H)に一致するか否かの判定を行う(S202)。さらに、ロードした値が普通図柄当りデータ(55H)に一致しない場合には(S202:NO)、2バイトデータ判定処理を行い(S203)、普通図柄タイマの値が0以外であるか否かの判定を行う(S204)。
このS204で、普通図柄タイマの値が0以外である場合には(S204:YES)、処理を終え、0以外でない場合(0である場合)には(S204:NO)、普通図柄のはずれ図柄表示時間が経過したものと判断し、普通図柄判定フラグの内容を0クリアする(S205)。そして、普通図柄変動待機中ステイタス(0)を普通図柄ステイタスにストアし(S206)、処理を終える。
上記S202で、ロードした値が普通図柄当りデータ(55H)に一致した場合には(S202:YES)、2バイトデータ判定処理を行い(S207)、普通図柄タイマの値が0であるか否かの判定を行う(S208)。このS208で、普通図柄タイマの値が0でなかった場合には(S208:NO)、普通図柄タイマの値が3以上であるか否かの判定が行われる(S209)。
上記S209で、普通図柄タイマの値が3以上である場合には(S209:YES)、処理を終え、3以上でない場合には(S209:NO)、普通電動役物が連続的に作動する場合に、試験端子より各普通電動役物の作動を区別させるために、普通電動役物作動中信号を一旦オフ出力とするように、普通電動役物作動中フラグの内容を0クリアし(S210)、処理を終える。
上記S208で、普通図柄タイマの値が0であった場合には(S208:YES)、当り図柄の固定表示時間が終了したものと判断し、普通図柄判定フラグの内容を0クリアする(S211)。さらに、普通電動役物作動中ステイタス(3)を普通図柄ステイタスにストアし(S212)、普通電動役物ポインタの内容を0クリアする(S213)。そして、確率変動機能検査処理を行い(S214)、オフセットとして普図確変作動データを2倍した結果をセットし(S215)、オフセットに普通図柄組合せ番号の値を加算する(S216)。
続いて、オフセットを−1し(S217)、オフセットを普電作動内容バッファにストアする(S218)。さらに、普電作動データ設定制御処理を行い(S219)、普通電動役物1作動中データ(1)を普通電動役物作動中フラグにストアし(S220)、処理を終える。
この普通図柄停止図柄表示中処理について、より機能的に説明すれば、普通図柄停止図柄表示中処理は、停止図柄が当りかハズレかの判定を行い(S202)、はずれの場合には(S202:NO)、図柄固定時間経過の管理を行い(S204)、図柄固定時間経過後、普通図柄ステイタスを普通図柄変動待機中ステイタス(0)に更新する(S205、S206)。
また、この普通図柄停止図柄表示中処理では、当り図柄の停止表示中の残りタイマが2以下になったとき(S209:NO)、試験信号の普電作動中信号(普通電動役物作動中信号)をオフデータとして出力するためのデータをセットする(S210)。そして、このデータセットは、オフデータが0のため0クリアすることにより行っている。また、普通電動役物の連続作動時(普通電動役物に係る始動口(本例では第2始動入賞口63)の有効期間の延長期間に新たに普通電動役物が作動する場合)には、作動中信号オンデータ(1)がセットされているので、このデータセットにより、当該作動中信号オンデータ(1)がクリアされる。
また、当り図柄の停止表示中のタイマが0になったときには(S202:YESで、S208:YESのときには)、普電の作動中のステイタスに移行し(S211以降など)、変動に関するデータのRWMデータ(普通図柄判定フラグにより示される当否判定結果)をクリアする(S211)。
さらに、普通図柄ステイタス(RWM領域)に普通電動役物作動中ステイタス(3)をセットして(S212)、普通電動役物の作動パターンをセットするが(S219)、電サポ(前述の電チューサポート)状態であるか否かの判定は、確変の検査(S214の確率変動機能検査処理)で行っている。また、普通電動役物作動中データ(ここでは普通電動役物1作動中データ)を、オンを表す1にするが(S220)、この普通電動役物作動中データは、試験信号の「普電作動中信号」をオン出力するための判定データ(フラグデータ)となるものである。
なお、上記S208〜S220の処理は、前述の普通電動役物開放準備中の状態(5)の生起に係る処理となっている。そして、この普通電動役物開放準備中の状態(5)の生起に係る処理を別モジュール(別の制御モジュール)とし、当該モジュールに普通電動役物開放準備中処理などの名称を付してもよい。より具体的には、前述のように変形例として、普通電動役物開放準備中ステイタス(05H)を設け、普通図柄停止図柄表示中処理において普通図柄タイマが3未満となったタイミングで(S209:NO)、普通図柄ステイタスに「05H」を格納し、次回の割込み処理から、S208とS210〜S220で構成される内容の普通電動役物開放準備中処理を実行する態様としてもよい。
<<普通電動役物作動中処理>>
前述の普通図柄制御処理で選択され得る各種の処理(図20のS176、図21〜図24)のうち、普通電動役物作動中処理(図23)は、普通電動役物の作動中の処理である。そして、この普通電動役物作動中処理では、図23に示すように、最大入賞数データとして普通電動役物最大入賞数(ここでは9)をセットし、入賞カウンタ下位アドレスとして普通電動役物入賞カウンタの下位アドレスをセットする(S231)。
さらに、スイッチビットデータとして始動口2スイッチビットデータ(00001000B)をセットし、スイッチ立ち上がりエッジ下位アドレスとして盤面スイッチ立ち上がりエッジの下位アドレスをセットする(S231)。そして、入賞カウンタ更新処理(S233)を行った後、入賞数が最大入賞数以上であるか否かの判定を行う(S234)。
上記S234で、入賞数が最大入賞数以上でなかった場合には(S234:NO)、2バイトデータ判定処理を行う(S235)。さらに、普通図柄タイマの値が0以外であるか否かの判定を行い(S236)、普通図柄タイマの値が0以外でない場合(0である場合)には(S236:NO)、普通電動役物に係るデータ設定のための普電作動データ設定制御処理を行う(S237)。
続いて、設定データがあるか否かの判定を行い(S238)、設定データがなかった場合には(S238:NO)、普通電動役物作動終了デモ状態設定テーブル(図41の「10D2H」)のアドレスをセットし(S239)、データ格納処理(S240)を行う。そして、普通電動役物入賞カウンタの内容を0クリアし(S241)、処理を終える。上記S234で、入賞数が最大入賞数以上であった場合には(S234:YES)、間の処理を行わず、上記S239に移行する。
なお、上記S236で、普通図柄タイマの値が0以外である場合(S236:YES)や、上記S238で設定データがあった場合にも(S238:YES)、普通電動役物作動中処理を終えて、元の処理へ戻る。
この普通電動役物作動中処理をより機能的に説明すると、普通電動役物作動中処理では、普通電動役物の作動に係る終了条件の判定のための処理や、普通電動役物に係る作動終了デモ状態へ移行のための処理を行う。普通電動役物の作動に係る終了条件の判定のための処理としては、入賞数が規定数に達したか否かの判定や(S234)、開放時間が終了したか(タイマ=0となったか)否かの判定を行う(S236)。そして、普通図柄タイマの値が0ではなく、作動終了条件が成立していなければ(S236:NO)、処理を終える。
さらに、普通電動役物作動終了デモ状態設定テーブル(図41の「10D2H」)を使用して、普通電動役物の作動終了デモ状態(図24)へ移行する(S239〜S241)。その際、電チューソレノイドのオフデータのセット(1項目め)、終了デモ時間のタイマ(普通図柄タイマ)への時間データのセット(2項目め)、普通図柄ステイタスへの「普通電動役物作動終了ステイタス」を示す値のセット(3項目め)、電チュー有効期間延長タイマへの延長期間(約3000ms)のセット(4項目め)、の4項目のデータセットが行われる。
つまり、上記S239の普通電動役物作動終了デモ状態設定テーブル(10D2H)を使用して、上記S240のデータ格納処理を実行することで、上述の延長期間(約3000ms)のデータ(4項目めのデータ)が設定される。なお、上述の延長期間の値(約3000ms)は、4msの遊技進行割込み処理毎に1回のカウントを750回行うことで計数できる値である。
また、上述の延長期間のデータ(延長タイマデータ)のためのRWM領域は、上位データ格納領域と下位データ格納領域の2つの領域により構成されている。そして、それぞれの領域に1バイトデータがセットされて2バイトのデータが作成され、1バイトの最大値(255)と遊技進行割込み処理の周期(約4ms)との積により得られる最大約1020msよりも長い時間の計時が行えるようになっており、本例では普通電動役物(第2始動入賞口63)の残留球に対する有効判定の延長期間として十分な時間を確保するため3000msに対応する値を記憶させている。
上述のデータ格納処理(S240)は、テーブル(普通電動役物作動終了デモ状態設定テーブル(10D2H))の設定バイト数の数(06H)に応じた回数にわたり、設定先アドレス(データを設定するアドレス)を指定して、テーブルの次のデータ(設定データ)を、該当するアドレスに記憶させる処理を繰り返す。テーブルには、図41中に示すように、アドレス下位データが記憶されており、アドレス上位は固定値(ここでは「F0H」)となっている。
ここで、前述の4項目のデータの設定を行うために、テーブル(普通電動役物作動終了デモ状態設定テーブル(10D2H))には、「普通電動役物ソレノイド制御のアドレス(下位)」、「普通図柄タイマのアドレス+0(下位)」、「普通図柄タイマのアドレス+1(下位)」などの6つ(6種類)のデータが定められているが、これは、普通図柄タイマ(2項目め)と延長タイマ(4項目め)がそれぞれ2バイトを要するデータ(2バイトデータ)となるためである。そして、上記S241では、終了条件判定のための入賞カウンタをクリアする。
<<普通電動役物作動終了デモ中処理>>
前述の普通図柄制御処理で選択され得る各種の処理(図20のS176、図21〜図24)のうち、普通電動役物作動終了デモ中処理(図24)では、2バイトデータ判定処理を行い(S246)、普通図柄タイマの値が0以外であるか否かの判定を行う(S247)。このS247で、普通図柄タイマの値が0以外である場合(デモ時間が終了していない場合)には(S247:YES)、処理を終え、0以外でない場合(0でありデモ時間が終了している場合)には(S247:NO)、普通図柄変動待機中ステイタス(0)を普通図柄ステイタスにストアして(S248)、処理を終える。
<普通図柄変動開始監視処理>
普通図柄変動開始監視処理(図13のS56)においては、普通図柄ステイタスに、普通図柄変動表示中ステイタスを示す値(ここでは01H)をセットする。つまり、普通図柄変動開始監視処理(S56)では、図示は省略するが、普図が変動開始可能な状況であるか否かを判定して、変動開始可能である場合に、保留している普図にかかる乱数を使用して、当否や変動パターンを決定し、普通図柄ステイタスを「変動中」に変更する。ここで、普図が変動開始可能でない状況として、普図変動中である場合、普電作動中である場合、大当り中である場合などを例示できる。
<始動口監視制御処理>
始動口監視制御処理(S57)においては、遊技球の始動口1(第1始動入賞口62)入賞及び始動口2(第2始動入賞口63)入賞の監視を行う。この始動口監視制御処理(S57)では、賞球の払出しに関する入賞の監視とは別に、特別図柄に係る保留の生起を管理する処理であり、図示は省略するが、保留発生に係る処理や、先読みコマンドの送信に係る処理などを行うようになっている。なお、賞球の払出しに関する入賞の監視は、前述したように入賞監視処理(図18、図19)で行われる。
<特別図柄制御処理>
特別図柄制御処理(S58)においては、図25に示すように、特電遊技ステイタスの値をロードし(S251)、ロードした値が0以外、すなわち特別遊技(大当り、小当り)の実行中であるか否かの判定を行う(S252)。このS252で、ロードした値が0以外である場合(特別遊技中である場合)には(S252:YES)、処理を終え、0以外でない場合(特別遊技中でないことを示す0である場合)には(S252:NO)、特図1遊技ステイタスのアドレスをセットする(S253)。
続いて、特図1制御テーブルのアドレス(図43の「1167H」)をセットし(S254)、特図2遊技ステイタスの値をロードする(S255)。さらに、ロードした値が0であるか否か、すなわち特図2遊技の実行中であるか否かの判定を行い(S256)、0でない場合(特図2に係る遊技中である場合)には(S256:NO)、特図2遊技ステイタスのアドレスをセットする(S257)。そして、特図2制御テーブルのアドレス(図43の「1172H」)をセットし(S258)、特別図柄制御汎用処理を行って(S259)、処理を終える。この特別図柄制御汎用処理(S259)については後述する。
上記S257や上記S258での、特図2遊技ステイタスのアドレスや特図2制御テーブルのアドレスのセットは、上記S253や上記S254でのセット内容(特図1遊技ステイタスのアドレス、特図1制御テーブルのアドレス)に対し上書きすることにより行われる。また、上記S256で、ロードした値が0である場合(特図2に係る遊技中でない場合)には(S256:YES)、間の処理を行わず、今回処理すべき特別図柄が特図1であるとして、上記S259の特別図柄制御汎用処理へ移行する。
前述の特別図柄制御汎用処理(S259)では、図26に示すように、RWM基底アドレス+RWMオフセット0(0)の内容(特図1遊技ステイタスまたは特図2遊技ステイタスを格納するRWM記憶領域の値)をロードし(S271)、ロードした値が特別図柄変動待機中ステイタス(0)に一致するか否かの判定を行う(S272)。そして、ロードした値が特別図柄変動待機中ステイタス(0)に一致した場合には(S272:YES)、いずれの特別図柄に係る遊技も実施されていないと判断して処理を終え、一致しない場合には(S272:NO)、2バイトデータアドレスとして特図遊技タイマのアドレスをセットする(S273)。
さらに、特別図柄分岐処理テーブル(図39(b)の「0314H」)のアドレス−2をセットし(S274)、特別図柄ステイタスの2倍値をオフセット値として加算したアドレスおよび続くアドレスから2バイトのデータを取得する2バイトデータ選択処理を行い(S275)、2バイトデータ選択処理(S275)で選択した処理へ移行することで、特別図柄に係るステイタスの値に基づく処理を実行する(S276)。特別図柄に係るステイタスの値に基づく処理(サブモジュール)としては、後述するように、特別図柄変動開始処理(図27)、特別図柄変動中処理(図28)、特別図柄停止図柄表示中処理(図29)がある。
すなわち、この特別図柄制御汎用処理(S259)は、特1(特図1)及び特2(特図2)のいずれについても特図1(2)遊技ステイタスが特別図柄変動待機中である場合には、変動表示や停止図柄表示等の処理を行わずに処理を終えている。さらに、いずれかの特別図柄による遊技が実行されている場合には、特別図柄ステイタス(特図1遊技ステイタス又は特図2遊技ステイタス)の値に応じた処理へ移行を行う。特1、特2のいずれに移行させるかは、上位モジュールである前述の特別図柄制御処理(図25)ですでに決定されている。
<<特別図柄変動開始処理>>
前述の特別図柄制御汎用処理で選択され得る各種の処理(図26のS276、図27〜図29)のうち、特別図柄変動開始処理(図27)では、変動パターン選択状態のアドレスをセットし(S281)、当り判定データとして特別図柄判定フラグの値をロードする(S282)。さらに、当り判定データが特別図柄大当りデータ(55H)と一致しないか否かの判定を行い(S283)、一致しない場合(はずれの場合)には(S283:YES)、変動パターン選択状態の内容をロードする(S300)。
続いて、ロードした値を5倍し(S301)、オフセットに5倍した結果とRWM基底アドレス+RWMオフセット5(5)の内容の加算結果をセットする(S302)。さらに、テーブルデータアドレスとしてデータ基底アドレス+テーブルオフセット9(9)の内容をロードし(S303)、バイトデータ取得処理を行う(S304)。また、抽せんテーブルアドレスとして基底アドレスと1バイトデータの加算結果をセットし(S305)、乱数データとして変動パターン判定領域の値をロードする(S306)。
さらに、抽せんテーブル取得処理(S307)、選択番号取得処理(S308)、変動付加時間情報決定処理(S309)、変動時間決定処理(S310)を順に行う。また、テーブルデータアドレスとしてデータ基底アドレス+テーブルオフセット5(5)の内容をロードし(S311)、データ格納処理を行う(S312)。そして、変動パターン判定領域の内容を0クリアし(S313)、変動パターン2判定領域の内容を0クリアして(S314)、処理を終える。
上記S283で、当り判定データが特別図柄大当りデータ(55H)と一致した場合には(S283:NO)、変動パターン選択状態の内容をロードする(S284)。また、ロードした値と当り図柄オフセット数(7)を乗算し(S285)、オフセット加算値として乗算結果をセットする(S285)。
続いて、図柄オフセットテーブル1のアドレスをセットし(S287)、群判定番号の値をロードし(S288)、バイトデータ取得処理を行う(S289)。さらに、オフセットとして1バイトデータとオフセット加算値の加算結果をセットし(S290)、当り変動制御テーブルのアドレスをセットする(S291)。そして、上記S304へ移行し、バイトデータ取得処理の処理を行う。
この特別図柄変動開始処理について、より機能的に説明すれば、特別図柄変動開始処理では、変動パターン選択状態を把握する。この際、記憶領域のアドレスをレジスタにセットする。ここでいう「変動パターン選択状態」は、例えば、限定頻度中(前述の限定頻度パターン演出が実行されている間)や、時短中(時短フラグのオンオフ)、などに応じたデータに基づき判定できるものである。さらに、抽選に使用する変動パターンテーブルの選択が行われ(S307)、変動時間の決定が行われる。ここでの変動時間は、変動パターン抽選と変動付加(変動付加時間情報)の抽選により定まるものである(S309、S310)。
さらに、特図1(又は特図2)変動中状態設定テーブル(図44の「117DH」、「1184H」)を使用して、LED切替時間(点灯・点滅切替用)の初期値(ここでは25)をセットし、変動開始時の表示データを特図1(又は特図2)表示番号に関するRWM格納領域に記憶し、特図1(又は特図2)遊技ステイタスに「特別図柄変動中ステイタス」を示す値をセットする。ここで、LED切替時間に係る初期値のセットについて、より厳密には、「25−1」の演算が行われ、演算結果の「24」のデータが設定されるようになっている。
さらに、変動開始時の表示データを特図1(又は特図2)表示番号に関するRWM格納領域に記憶し、特図1(又は特図2)遊技ステイタスに「特別図柄変動中ステイタス」を示す値をセットする。そして、変動パターン抽選に使用した内容のデータをクリアする(S313、S314)。
<<特別図柄変動中処理>>
前述の特別図柄制御汎用処理で選択され得る各種の処理(図26のS276、図27〜図29)のうち、特別図柄変動中処理(図28)では、RWM下位アドレスとしてデータ基底アドレス+テーブルオフセット1(1)の内容(特別図柄表示タイマのアドレスに格納されている値)をロードし(S321)、表示番号切り替え処理を行う(S322)。さらに、2バイトデータ判定処理(S323)を行い、特図遊技タイマの値が0以外であるか否かの判定を行う(S324)。そして、このS324で、特別図柄タイマ(特別図柄表示タイマ)の値が0以外であった場合には(S324:YES)、処理を終え、0以外でなかった場合(0であった場合)には(S324:NO)、RWM基底アドレス+RWMオフセット1(1)の内容をロードする(S325)。
続いて、ロードした値を+1し(S326)、加算結果をRWM基底アドレス+RWMオフセット4(4)にストアする(S327)。さらに、テーブルアドレスとしてデータ基底アドレス+テーブルオフセット7(7)の内容をロードし(S328)、コマンド要求データ設定処理を行う(S329)。そして、特図停止図柄表示中状態設定テーブルのアドレス(図44中の「118BH」)をセットし(S330)、データ格納処理を行う(S331)。さらに、RWM基底アドレス+RWMオフセット0(0)の内容を+1し(S332)、処理を終える。
この特別図柄変動中処理について、より機能的に説明すれば、特別図柄変動開始処理では、上部分(S321〜323)で、特図遊技タイマのデータが0であるか否かの確認による変動終了の判定と(S324)、点滅(点灯)パターン切替制御(S322)を行っている。ここで、上述の特図遊技タイマは、前述の特別図柄制御処理時(図25)に取得したものである。
また、特別図柄変動中処理の下部分(特別遊技タイマが0となった場合に行われるS325〜S329)で、サブメイン基板301に図柄停止を示すコマンド送信のための処理を行う。さらに、特図停止図柄表示中状態設定テーブル(特1及び特2に共通なデータテーブル(共通データテーブル))の呼び出しを行い(S330)、特図遊技タイマに図柄固定時間をセットする。また、その他に、特図にかかるタイマ領域クリア(クリアデータのセット)を行う。そして、特図1(又は特図2)遊技ステイタスを「+1」して(S332)、「特図停止図柄表示中ステイタス」を示す値にする。なお、本例において、図柄固定時間として設定される時間は、特図停止図柄表示中状態設定テーブルの1項目め、および2項目めに設定される定数データ(C8H、00H)となっているが、別途遊技停止期間において演出を実行するための期間を設けるために、遊技状態や停止図柄により変動する値を設定するようにしてもよい。なお、固定時間を変数とする場合には、大当りになることが決定したタイミングや、特定遊技状態(確変遊技状態や時短遊技状態)が最終変動となる前の変動終了時などで、予め固定時間を管理する記憶領域にセットしておく必要がある。
<<特別図柄停止図柄表示中処理>>
前述の特別図柄制御汎用処理で選択され得る各種の処理(図26のS276、図27〜図29)のうち、特別図柄停止図柄表示中処理(図29)では、2バイトデータ判定処理を行い(S341)、特図遊技タイマの値が0以外であるか否か、すなわち図柄固定時間が経過したか否かの判定を行う(S342)。このS342で、特図遊技タイマの値が0以外である場合には(S342:YES)、処理を終え、0以外でない場合(0である場合)には(S342:NO)、当り判定データとして特別図柄判定フラグの値をロードする(S343)。
続いて、特別図柄判定フラグの内容を0クリアし(S344)、当り判定データが特別図柄大当りデータ(55H)と一致するか否かの判定を行う(S345)。このS345で、当り判定データが特別図柄大当りデータ(55H)と一致しない場合(はずれの場合)には(S345:NO)、時短回数減算処理(S346)、入賞容易状態回数減算処理(S347)、変動パターン選択状態更新処理(S348)、遊技状態コマンド送信処理(S349)を順に行う。
さらに、特別図柄変動待機中ステイタス(0)をRWM基底アドレス+RWMオフセット0(0)にストア(特図1遊技ステイタスまたは特図2遊技ステイタスに「00H」を記憶)し(S350)、MODEデータとしてMODE(発射位置)データ(9CH)と7FHを論理積した結果をセットし、EVENTデータとして打ち分け状態フラグの下位アドレスをセットする(S351)。そして、コマンド要求設定処理を行い(S352)、処理を終える。
上記S345で、当り判定データが特別図柄大当りデータ(55H)と一致した場合(大当りの場合)には(S345:YES)、特別図柄変動待機中ステイタス(0)をRWM基底アドレス+RWMオフセット0(0)にストアする。さらに、当りフラグデータとしてデータ基底アドレス+テーブルオフセット0(0)の内容をロードし(S354)、当りフラグデータを当りフラグにストアする(S355)。
続いて、外部情報出力要求制御テーブル(図45の「142EH」)のアドレスをセットし(S356)、遊技状態別テーブル取得処理を行う(S357)。さらに、群判定番号の値をロードし(S358)、バイトデータ取得処理を行う(S359)。そして、1バイトデータを当り情報フラグにストアし(S360)、RWMアドレスとして確率変動回数カウンタのアドレスをセットする(S361)。
さらに、クリアバイト数(10)をセットし(S362)、RWMクリア処理を行う(S363)。また、変動パターン選択状態0データ(0)を変動パターン選択状態にストアし、演出選択状態0−0データ(0)を演出状態にストアする(S364)。そして、変動パターン選択状態回数の内容を0クリアし(S365)、当り開始デモ設定処理を行う(S366)。
さらに、確率変動回数コマンドバッファ1の内容及び確率変動回数コマンドバッファ2の内容を0クリアし(S367)、入賞容易回数コマンドバッファ1の内容及び入賞容易回数コマンドバッファ2の内容を0クリアし(S368)、処理を終える。
この特別図柄停止図柄表示中処理について、より機能的に説明すれば、特別図柄停止図柄表示中処理では、図柄固定時間の終了を判断し(S342)、停止図柄が当りか否かを判断する(S345)。このS345に関して、判定データは、レジスタに記憶した後、クリアされる。そして、上記S345で、はずれ時には(S345:NO)、残り時短回数の更新を行い(S346)、電サポ回数の更新を行う(S347)。
さらに、変動パターン選択状態の更新を行い(S348)、サブメイン基板301に遊技状態(抽選確率、残り時短回数など)を把握させるためのコマンドを送信する(S349)。また、特図1(又は特図2)遊技ステイタスを記憶するRWM領域に「特別図柄変動待機中」ステイタスに示す値をセットし(S350)、遊技状態に合わせて「右打ち」「左打ち」の遊技状態を把握させるためのコマンドをサブに送信する(S352)。
上記S345で、当り時には(S345:YES)、特図1(又は特図2)遊技ステイタスに「特別図柄変動待機中ステイタス」を示す値をセットし(S353)、当りフラグをセットし(S354)、大当り変動時の遊技状態と、大当り図柄種別(群判定番号)に応じて当りの種類(1バイトデータ)を取得し(S359など)、当り情報フラグを格納する記憶領域に記憶する(S360)。さらに、確変回数カウンタのクリアや、電サポ回数のクリアを行い、大当り遊技の実行中は確率変動機能および電チューサポート機能をオフに設定し(S363)、S365に示すように、変動パターン選択状態の記憶領域をクリアし(0にし)、当り開始デモ設定処理へ移行する(S366)。
<<当り開始デモ設定処理>>
上述の当り開始デモ設定処理(図29のS366)では、図30に示すように、最終ラウンドデータとして大入賞口開放回数バッファの値をロードし(S381)、大入賞口開放回数バッファの内容を0クリアする(S382)。さらに、最終ラウンドデータを大入賞口最大開放回数にストアし(S383)、特電作動設定テーブルのアドレス(図44の「1192H」)をセットし(S384)、データ格納処理を行う(S385)。
続いて、開始デモ時間バッファ1の値をロードし(S386)、ロードした値を特電遊技タイマにストアする(S387)。さらに、クリアデータ(0000H)をセットし(S388)、クリアデータを開始デモ時間バッファ1にストアする(S389)。また、MODEデータとしてMODE(図柄1当り開始デモ)データ(81H)と7FHを論理積した結果をセットし、EVENTデータとしてデモイベントバッファの下位アドレスをセットする(S390)。
さらに、当りフラグの内容の特図1判定ビット(BIT0)が1であるか否かの判定を行い(S391)、1でない場合には(S391:NO)、MODEデータを+1する(S392)。また、コマンド要求設定処理を行い(S393)、MODEデータにMODE(発射位置)データ(9CH)と7FHを論理積した結果をセットし、EVENTデータに打ち分け状態フラグの下位アドレスをセットする(S394)。そして、コマンド要求設定処理を行い(S395)、処理を終える。上記S391で、当りフラグの内容の特図1判定ビット(BIT0)が1である場合には(S391:YES)、上記S392を行わずに、上記S393のコマンド要求設定処へ移行する。
この当り開始デモ設定処理(S366)について、より機能的に説明すれば、当り開始デモ設定処理では、発生した大当りの大入賞口開放回数(ラウンド数)をセットする(S381〜S383)。この際、前回データの削除が行われるようになっている(S382)。
さらに、特電作動設定テーブル(図44の「1192H」)を使用して、RWMの特電遊技ステイタスの記憶領域に「大入賞口閉鎖中ステイタス」を示す値(ここでは3)を格納する(S384)。また、このS384では、大入賞口開放カウンタ(ラウンド数を管理しているカウンタ)に初期値「0」を設定し、「右打ち」指定データを打ち分け状態フラグ(記憶領域)にセットする。本例では、特電作動設定テーブルに基づいて、大当り開始デモ期間の状態として、特電遊技ステイタスに対して、大当り中の単位遊技間(ラウンド間)と同じ大入賞口閉鎖中ステイタスを設定しているが、これには、大入賞口開放準備中の状態を経由して、特別電動役物の作動中の状態のステイタスに移行するときに特別電動役物の作動中信号(図46)を出力する設定が行われ、大入賞口開放準備中の状態へ移行する前のステイタスとして、大入賞口閉鎖中の他にステイタスを設けることによる処理の煩雑化を防ぐ目的がある。
さらに、特電遊技タイマに、大当り開始デモ時間をセットするが(S387)、この大当り開始デモ時間は、大当り図柄や大当りしたときの遊技状態に応じて異なり得るものである。そして、大当り開始デモを実施するためのコマンドをサブに送信する(S395)。
<特別電動役物制御処理>
特別電動役物制御処理(S59)では、図31に示すように、RWMから特電遊技ステイタスの値をロードし(S401)、ロードした値が当り待ちステイタス(0)に一致するか否かの判定を行う(S402)。そして、ロードした値が当り待ちステイタス(0)に一致した場合(小当たり中の場合)には(S402:YES)、処理を終え、一致しない場合(大当り中の場合)には(S402:NO)、2バイトデータアドレスとして特電遊技タイマのアドレスをセットする(S403)。
さらに、特別電動役物分岐処理テーブル(図39(b)の「0996H」)のアドレス−2をセットし(S404)、特電遊技ステイタスの値の2倍値をオフセット値として「0994H」に加算したアドレスと続くアドレスに格納されているデータに係る2バイトデータ選択処理を行うことで取得し(S405)、2バイトデータ選択処理(S405)で選択した、特別電動役物に係るステイタスの値に基づく処理を取得したアドレスへ移行することで実行する(S406)。特別電動役物に係るステイタスの値に基づく処理(サブモジュール)としては、後述するように、大入賞口開放準備中処理(図32)、特別電動役物作動中処理(図33)、大入賞口閉鎖中処理(図34)、当り終了デモ中処理(図36)、がある。
<<大入賞口開放準備中処理>>
上述の特別電動役物制御処理で選択され得る各種の処理(図31のS406、図32〜図34、図36)のうち、大入賞口開放準備中処理(図32)では、2バイトデータ判定処理を行い(S411)、特電遊技タイマの値が0以外であるか否かの判定を行う(S412)。このS412で、特電遊技タイマの値が0以外であった場合には(S412:YES)、処理を終了し、0以外でなかった場合(0であった場合)には(S412:NO)、特別電動役物作動中ステイタス(2)を特電遊技ステイタスにストアする(S413)。
続いて、特別電動役物ポインタの内容を0クリアし(S414)、特別電動役物入賞カウンタの内容を0クリアする(S415)。さらに、大入賞口開放時間フラグの値をロードし(S416)、特電作動内容設定制御テーブル(図44の「1267H」)のアドレス−1をセットする(S417)。そして、バイトデータ取得処理を行い(S418)、基底アドレス1に1バイトデータを加算する(S419)。
さらに、大入賞口開放カウンタの値をロードし(S420)、1バイト比較データ取得処理(S421)、バイトデータ取得処理(S422)を順に行う。また、1バイトデータを特電作動内容バッファにストアし(S423)、基底アドレス2を+1する(S424)。そして、基底アドレス2の内容をロードし(S425)、ロードした値を大入賞口閉鎖時間バッファにストアする(S426)。
続いて、特別電動役物1種別データ(01H)を大入賞口フラグにストアし(S427)、特電作動データ設定制御処理を行う(S428)。さらに、当りフラグの値をロードし(S429)、ロードした値を−1する(S430)。さらに、減算結果にMODE(図柄1当り中デモ)データ(85H)と7FHを論理積した結果を加算し(S431)、MODEデータとして加算結果をセットする(S432)。そして、EVENTデータとして大入賞口開放カウンタの下位アドレスをセットする(S433)。
さらに、コマンド要求設定処理を行い(S434)、MODEデータにMODE(発射位置)データ(9CH)と7FHを論理積した結果をセットし、EVENTデータに打ち分け状態フラグの下位アドレスをセットする(S435)。また、コマンド要求設定処理を行い(S436)、大入賞口フラグの値をロードする(S437)。そして、ロードした値を特別電動役物作動中フラグにストアし(S438)、処理を終える。
この大入賞口開放準備中処理について、より機能的に説明すれば、大入賞口開放準備中処理は、特電遊技ステイタスが「大入賞口開放準備中ステイタス」を示す値(ここでは1)である場合に移行する処理である。この大入賞口開放準備中処理では、図32に示すように、特電遊技タイマが0であるか否かを判定し(S412)、0でなければ(S412:YES)、処理を終える。そして、この大入賞口開放準備中処理は、2回の遊技進行割込み処理内(8msec内)において実行される。
大入賞口開放準備中処理が実行されている期間において、特別電動役物作動中である旨を試験端子より外部に報知する特別電動役物作動中信号がオフされる(大入賞口閉鎖中処理(図34)からの移行時にオフデータを設定され、特別電動役物作動中処理(図33)へ移行する設定の際にオンデータを設定する)ことにより、特別電動役物が連続作動する際の特別電動役物の作動回数が正確に識別可能(オンになる回数が実行する大当り遊技と一致する状態)になる。また、特別電動役物作動中信号が2割込み間という短期間のみオフ出力されることとなるため、大入賞口91の有効期間(有効入球があったと判定する期間中)であるにも関わらず特別電動役物が作動していないと判断される期間が限りなく少なくなるとともに、異なる外部装置に対して汎用的にオフ期間を識別可能となる(1割込み間のみオフとする場合には特別電動役物作動中信号の立ち下がり、立ち上がりが十分に識別されない場合がある)。なお、必要に応じて大入賞口開放準備中処理を行う期間を3割込み以上や1割込みに変更可能である。
上記S412で、タイマの値が0の場合には(S412:NO)、特電遊技ステイタスの記憶領域に「特別電動役物作動中ステイタス」を示す値(ここでは2)を記憶する(S413)。さらに、特電の作動に関する情報(入賞カウンタ等の終了条件など)をリセットし(S414、S415)、特別電動役物の作動パターン(大入賞口の開放態様)の設定のための処理を行う(S416〜S428)。
上述の特別電動役物の作動パターンの設定のための処理(S416〜S428)は、実行中の大当り遊技の今回ラウンドでの開放パターンを呼び出して設定している処理である。そして、特別電動役物の長開放の作動パターンとして、例えば、28秒の長開放、0.7秒の短開放(1球程度入球させることが可能な開放)、0.7秒開放・2秒閉鎖・25秒開放と続く短開放後長開放、及び、0.7秒開放が3回で各開放間は2秒閉鎖を行う短開放3回、といった各作動パターンを例示することができる。なお、ここに挙げた作動パターンや、各作動パターンの開放時間及び閉鎖時間は例示であり、これら以外にも種々の開放パターンを採用することが可能である。
続いて、次のラウンドが何ラウンド目かを示すコマンドをサブに送信し(S434)、右打ちを指定するためのコマンドをサブに送信する(S436)。さらに、大入賞口フラグ(RWM領域)の値を、特別電動役物作動中フラグにも記憶する(S438)。この特別電動役物作動中フラグに記憶した情報は、後述する試験信号出力処理(図37)において特別電動役物作動中信号のオン出力の設定に使用が可能である。
<<特別電動役物作動中処理>>
上述の特別電動役物制御処理で選択され得る各種の処理(図31のS406、図32〜図34、図36)のうち、特別電動役物作動中処理(図33)では、最大入賞数データとして特別電動役物1最大入賞数(10)をセットし、入賞カウンタ下位アドレスとして特別電動役物入賞カウンタの下位アドレスをセットする(S441)。さらに、スイッチビットデータとして大入賞口1スイッチ1ビットデータ(00000001B)をセットし、スイッチ立ち上がりエッジ下位アドレスとして盤面スイッチ2立ち上がりエッジの下位アドレスをセットする(S442)。
続いて、入賞カウンタ更新処理を行い(S443)、入賞数が最大入賞数以上であるか否かの判定を行う(S444)。このS444で、入賞数が最大入賞数以上でない場合には(S444:NO)、最大入賞数データに特別電動役物1最大入賞数(10)をセットし、入賞カウンタ下位アドレスに特別電動役物入賞カウンタの下位アドレスをセットする(S445)。さらに、スイッチビットデータに大入賞口1スイッチ2ビットデータ(00000100B)をセットし、スイッチ立ち上がりエッジ下位アドレスに盤面スイッチ2立ち上がりエッジの下位アドレスをセットする(S446)。ここで、本実施形態の大入賞口1については、内部の上流と下流に2か所のセンサを有しており、同一割込みで2か所の検出が行われる場合があるため、それぞれのスイッチセンサに分けて検出の有無を確認し入賞カウンタの更新を行っている。
さらに、入賞カウンタ更新処理を行い(S447)、入賞数が最大入賞数以上であるか否かの判定を行う(S448)。このS448で、入賞数が最大入賞数以上でない場合には(S448:NO)、2バイトデータ判定処理を行う(S449)。そして、特電遊技タイマの値が0以外であるか否かの判定を行い(S450)、0以外である場合には(S450:YES)、処理を終える。また、このS450で、特電遊技タイマの値が0以外でない場合(0である場合)には(S450:NO)、特電作動データ設定制御処理(1回の単位遊技で複数回の開放および閉鎖を行う場合に、各開放および閉鎖に関する設定)を行う(S451)。
続いて、設定データがあるか否か、すなわち1回の単位遊技についてすべての開放が終了したか否かの判定を行い(S452)、ある場合には(S452:YES)、処理を終える。また、このS452で、設定データがない場合には(S452:NO)、基底アドレスとして大入賞口1ソレノイド制御のアドレス−1をセットする(S453)。ここで、上記S444や上記S448で、入賞数が最大入賞数以上である場合には(S444:YES、S448:YES)、処理を終える。
さらに、フラグデータとして大入賞口フラグの値をロードし(S455)、ソレノイド未作動設定値(00H)を基底アドレス+フラグデータにストアする(S455)。また、大入賞口閉鎖時間バッファの値をロードし(S456)、ロードした値を特電遊技タイマにストアする(S457)。そして、大入賞口閉鎖中ステイタス(3)を特電遊技ステイタスにストアし(S458)、特別電動役物入賞カウンタの内容を0クリアする(S459)。
続いて、大入賞口閉鎖時間バッファの内容を0クリアし(S460)、MODEデータとしてMODE(大入賞口閉鎖演出)データ(BEH)と7FHを論理積した結果をセットし、EVENTデータとして大入賞口開放カウンタの下位アドレスをセットする(S461)。そして、コマンド要求設定処理を行い(S462)、処理を終える。
この特別電動役物作動中処理について、より機能的に説明すれば、特別電動役物作動中処理は、特電遊技ステイタスが、「特別電動役物作動中ステイタス」を示す値(ここでは2)である場合に移行する処理であり、所謂ラウンド(単位遊技)実行中の処理である。この特別電動役物作動中処理では、図33に示すように、図中の左側の処理において、ラウンド終了条件の判定が行われる。
つまり、大入賞口のスイッチを監視して入賞カウンタを更新し、最大入賞個数以上となったか否かを判定する(S441〜S447)。図33中に示すように、最大入賞個数以上となったか否かの判定を2回繰り返しているのは(S444、S448)、前述したように1つの大入賞口について2か所スイッチ(センサ)が設けられているためである。このように1つの大入賞口について2か所にセンサを設け、両方のセンサにより並行して入賞検出を行うことで、より早く入賞球を検出可能となっている。そして、開放時間が終了したか否か(特電遊技タイマの値が0となったかどうかの作動終了条件)を判定する(S450)。
さらに、上述の作動終了条件の成立後(S452:NO)、特別電動役物ソレノイドをオフするための設定を実行する。つまり、閉鎖時間(ラウンド間、最終ラウンド後)の時間を特電遊技タイマにセットし(S457)、特電遊技ステイタスに「大入賞口閉鎖中ステイタス(03H)」を記憶する(S458)。さらに、入賞カウンタクリア(S459)、閉鎖時間バッファのクリア(S450)を行う。ここで、上述の閉鎖時間バッファは、次に閉鎖時間としてセットする値を記憶している領域である。そして、ラウンド終了コマンドをサブに送信するための処理を行う(S462)。
<<大入賞口閉鎖中処理>>
上述の特別電動役物制御処理で選択され得る各種の処理(図31のS406、図32〜図34、図36)のうち、大入賞口閉鎖中処理(図34)では、大入賞口最大開放回数のアドレスをセットし(S471)、規定回数として大入賞口最大開放回数の内容をロードする(S472)。さらに、大入賞口開放カウンタのアドレスをセットし(S473)、大入賞口開放回数データとして大入賞口開放カウンタの内容をロードする(S474)。また、大入賞口開放回数データが今回の大当り遊技における特別電動役物の連続作動の終了判定値である規定回数よりも少ないか否かの判定を行い(S475)、少なくない場合(同じかそれ以上である場合)には(S475:NO)、2バイトデータ判定処理を行う(S476)。
さらに、特電遊技タイマの値が0以外であるか否かの判定を行い(S477)、0以外である場合には(S477:YES)、処理を終える。また、このS477で、特電遊技タイマの値が0以外でない場合(0である場合)には(S477:NO)、当り終了デモ設定処理を行う(S478)。そして、タイマデータとして大入賞口有効延長時間(1250≒5000ms)+1をセットし(S479)、タイマデータを大入賞口有効延長タイマにストアし(S480)、処理を終える。
上記S475で、大入賞口開放回数データが規定回数よりも少ない場合には(S475:YES)、2バイトデータ判定処理を行い(S481)、特電遊技タイマの値が3以上であるか否かの判定を行う(S482)。このS482で、特電遊技タイマの値が3以上である場合には(S482:YES)、処理を終え、3以上でない場合には(S482:NO)、大入賞口開放カウンタの内容を+1する(S483)。さらに、大入賞口開放準備中ステイタス(1)を特電遊技ステイタスにストアし(S484)、特別電動役物作動中フラグの内容を0クリアし(S485)、処理を終える。
この大入賞口閉鎖中処理について、より機能的に説明すれば、大入賞口閉鎖中処理は、最終ラウンド後の特電遊技ステイタスが「大入賞口閉鎖中ステイタス」状態であるかを確認し(S475)、最終ラウンド時には(S475:NO)、特電遊技タイマの値が0となったか(閉鎖時間が経過したか)を判定する(S477)。そして、経過時には(S477:NO)、当り終了デモの設定を行う(S478)。この当り終了デモの設定を行うための当たり終了デモ設定処理については後述する(図35)。
さらに、大入賞口延長タイマのデータ(1250≒5000ms)をRWMの有効延長時間の記憶領域にセットする(S479)。つまり、最終ラウンド以外のラウンド間においては(S475:YES、S477:NO)、特電遊技ステイタスが「大入賞口閉鎖中ステイタス」である場合の処理を行う(S480)。
また、上記S475で、大入賞口開放回数データが規定回数よりも少なく(S475:YES)、特電遊技タイマが3以上であった場合には(S482:YES)、処理を終える。さらに、上記S482で、特電遊技タイマが2以下であった場合には(S482:NO)、大入賞口開放カウンタのインクリメント(+1)を行い(S483)、実行ラウンド数の更新を行う。さらに、特電遊技ステイタスに「大入賞口開放準備中ステイタス」をセットし(S484)、試験信号をオフさせるために、試験信号出力設定に使用するデータである「特別電動役物作動中フラグ」を0クリアする(S485)。ここで、S482を「特電遊技タイマ≠0?」の判定を行うものとし、特電遊技タイマが0となったときに大入賞口開放準備中ステイタスに移行させるとともに、特電遊技タイマに「2」をセットする構成としてもよい。
<<当り終了デモ設定処理>>
上述の大入賞口閉鎖中処理で実行される当り終了デモ設定処理(図34のS478)では、図35に示すように、先ず、MODEデータとしてMODE(図柄1当り終了デモ)データ(89H)と7FHを論理積した結果をセットし、EVENTデータとして終了デモイベントバッファ1の下位アドレスをセットする(S491)。さらに、当りフラグの内容の特図1判定ビット(BIT0)が1であるか否か、すなわち今回の当り遊技が特図2の当り図柄停止によるものか否かの判定を行い(S492)、特図1による当り遊技の実行でない場合には(S492:NO)、特図2の当り遊技である旨をサブメイン基板に報知するため、MODEデータを+1する(S493)。
そして、EVENTデータを+1し(S494)、デモイベントバッファの値をロードする(S495)。上記S492で、当りフラグの内容の特図1判定ビット(BIT0)が1である場合には(S492:YES)、間の処理を行わずに、S495に移行する。
続いて、ロードした値をEVENTデータにストアし(S496)、デモイベントバッファの内容を0クリアする(S497)。さらに、コマンド要求設定処理を行い(S498)、終了デモ時間バッファ1の値をロードする(S499)。また、ロードした値を特電遊技タイマにストアし(S500)、クリアデータ(0000H)をセットする(S501)。そして、クリアデータを終了デモ時間バッファ1にストアし(S502)、当り終了デモ中ステイタス(4)を特電遊技ステイタスにストアし(S503)、処理を終える。
この当り終了デモ設定処理について、より機能的に説明すれば、当り終了デモ設定処理は、当り図柄(及び遊技状態)に応じた、大当たり後の大当り終了デモを実施するためのコマンドをサブに送信するための処理(S491〜S498)と、当り終了デモ時間の特電遊技タイマに対するセット処理(S500)および特電遊技ステイタスの当り終了デモ中ステイタスへの更新処理をおこなう。
<<当り終了デモ中処理>>
前述の特別電動役物制御処理で選択され得る各種の処理(図31のS406、図32〜図34、図36)のうち、当り終了デモ中処理(図36)では、2バイトデータ判定処理を行い(S511)、特電遊技タイマの値が0以外であるか否かの判定を行う(S512)。このS512で、特電遊技タイマの値が0以外である場合には(S512:YES)、処理を終え、0以外でない場合(0である場合)には(S512:NO)、当りフラグの値をロードする(S513)。
さらに、ロードした値が特図1大当りデータ(01H)と一致するか否かの判定を行い(S514)、一致しない場合には(S514:NO)、ロードした値が特図2大当りデータ(02H)と一致するか否かを判定する(S515)。このS515で、ロードした値が特図2大当りデータ(02H)と一致する場合には(S515:NO)、変動時間短縮機能設定処理(S516)、入賞容易状態設定処理(S517)を順に行う。上記S514で、ロードした値が特図1大当りデータ(01H)と一致した場合には(S514:YES)、上記S515の判定を行わず、上記S516以降の処理を行う。なお、S515にて特図2の大当りでもない場合として、小当りが該当する。
続いて、確率変動判定フラグの値をロードし(S518)、確率変動判定フラグの内容を0クリアする(S519)。さらに、ロードした値を特別図柄モードフラグにストアし(S520)、ロードした値が確率変動機能作動データ(01H)と一致するか否かの判定を行う(S521)。このS521で、ロードした値が確率変動機能作動データ(01H)と一致しない場合には(S521:NO)、確率変動機能作動回数データ(10000B)をセットし(S522)、確率変動機能作動回数データを確率変動回数カウンタにストアする(S523)。
さらに、選択状態パターン設定処理を行い(S524)、群判定番号の内容を0クリアする(S525)。上記S515で、ロードした値が特図2大当りデータ(02H)と一致した場合や(S515:YES)、上記S521で、ロードした値が確率変動機能作動データ(01H)と一致した場合には(S521:YES)、間の処理を行わず、上記S524へ移行する。
続いて、大入賞口開放時間フラグの内容を0クリアし(S526)、当りフラグの内容を0クリアし(S527)、特電作動内容バッファの内容を0クリアする(S528)。さらに、大入賞口フラグの内容を0クリアし(S529)、当り終了時変動待機状態設定テーブル(図45の「12AEH」)のアドレスをセットし(S530)、データ格納処理を行う(S531)。
また、大入賞口開放カウンタの内容及び大入賞口最大開放回数の内容を0クリアし(S532)、当り情報フラグの内容を0クリアし(S533)、特別電動役物作動中フラグの内容を0クリアする(S534)。さらに、終了デモ演出終了コマンド設定テーブルのアドレス(図40の「1092H」)をセットし(S535)、コマンド要求データ設定処理を行って(S536)、処理を終える。
この当り終了デモ中処理について、より機能的に説明すれば、当り終了デモ中処理は、特電遊技ステイタスが、「当り終了デモ中ステイタス」の場合に移行する処理である。ただし、小当りの時の終了デモによっても移行するので、当りフラグの値が特1、特2の大当り中以外である場合がある。
そして、当り終了デモ中処理では、終了デモ時間の経過を特電遊技タイマが0になったか否かで判断し(S512)、当りフラグの値に基づき、特1の大当り後か特2の大当り後か、小当りの後かを判定する(S514、S515)。また、大当り後の場合は、時短・電サポの設定、確変の作動有無の設定、変動パターン選択状態に関するデータを設定(限定頻度演出パターンへの遷移に関するデータの設定)を行う(S516〜S523)。なお、選択状態パターン設定処理は、小当りの場合においても実行し、大当りだけでなく、小当りの発生に基づいても変動時間の決定に関する傾向を変化させることができるようになっている。
さらに、大当り遊技実施に使用したRWMの各種データをクリアし(S525〜S529)、当たり終了時変動待機状態設定テーブル(図45の「12AEH」)に基づくデータ格納処理(S531)において、特電遊技ステイタスに「当り待ちステイタス(00H)」をセットする。また、当り終了デモの終了時にサブメイン基板301に送信するコマンドをセットする(S536)。
<特別図柄変動開始監視制御処理>
特別図柄変動開始監視制御処理(S60)においては、特別図柄1(第1特別図柄)及び特別図柄2(第2特別図柄)の変動開始の監視を行う。特別図柄1及び特別図柄2のいずれにおいても、特図遊技ステイタス(特図1遊技ステイタス又は特図2遊技ステイタス)のアドレス及び特図変動開始監視テーブル(図44の下段に示す特図1変動開始監視テーブル又は特図2変動開始監視テーブル)のアドレス(「12A6H」又は「12AAH」)を引数として特別図柄変動開始監視処理を実行する。
この特別図柄変動開始監視制御処理では、図示は省略するが、特図の変動開始条件を満たすか否かの判定を行い、変動開始時には、当否判定、当り図柄決定などを行う。また、変動パターン(変動時間)の決定は、前述した特別図柄制御処理(図13のS58、図25)で、特別図柄制御汎用処理(図26)を介して使用される制御モジュール(サブサブ制御モジュール)である特別図柄変動開始処理(図27)内で行っている。
また、この特別図柄変動開始監視制御処理のサブ制御モジュールである特別図柄変動開始監視処理(図示略)の中では、特図1(又は特図2)遊技ステイタスを変動開始中ステイタスに更新する処理を行っている。なお、図示を省略した特別図柄変動開始監視処理には、特図1(又は特図2)遊技ステイタスをインクリメントし、「特別図柄変動開始中ステイタス」に変更するための処理が行われる。ここで、上述の「特別図柄変動開始中ステイタス」は、次割り込みの「特別図柄制御処理」で「特別図柄変動開始処理」を実行させるためのステイタスである。
<異常検知処理>
異常検知処理(図13のS61)においては、磁気の監視、断線・短絡・電源の監視、電波の監視、ガラス枠セット・遊技盤の枠・裏セット(ここではセット基盤31)の開閉状態の監視等を行うため各種センサからの入力をもとにエラー判定値の作成を行う。その後、エラー状態の検査、エラー状態の記憶、及び、演出制御基板(ここではサブメイン基板301)への遊技機のエラー状態演出の表示要求を順に行う。なお、エラー状態の検査でエラー状態に変化無しと判断した場合、エラー状態の記憶、及び、演出制御基板への遊技機のエラー状態演出の表示要求は行わない。
エラー判定値の作成においては、エラー判定値を作成するため、磁気検知信号の検査、断線短絡電源異常検知信号の検査、電波検知信号の検査、及び、開放信号の検査を順に行う。ただし、これらの検査に使用する検査データは、受信信号レベルの値とエラーフラグの値を排他的論理和した結果に通信異常マスクデータで論理積した値としている。エラー状態の検査においては、エラー状態の検査を行うため、エラーフラグ比較値とエラーフラグの値を比較し、一致した場合、エラー状態に変化無しと判断する。なお、エラーフラグの比較値は、エラー判定値の作成で作成したエラー判定値のビット0に通信線異常判定の値のビット0を反映した値としている。エラー状態の記憶においては、エラー状態の検査で作成したエラーフラグ比較値をエラーフラグに格納する。演出制御基板への遊技機のエラー状態演出の表示要求においては、MODE(エラーA)データ、及び、エラー状態の検査で作成したエラーフラグ比較値を引数としてコマンド要求設定処理を実行する。
<入球通過時間異常検出処理>
入球通過時間異常検出処理(S62)においては、入球通過時間異常の検出を行うため、各スイッチ(各入賞検出装置)レベルの連続オン時間の監視を行い、監視の結果、前回から変化があったと判断した場合、入球通過時間異常の設定、コマンドの送信要求、外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成を順に行う。ただし、各スイッチレベルの連続オン時間の監視で、連続オン時間が異常ではないと判断した場合、外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成は行わない。
各スイッチレベルの連続オン時間の監視においては、各スイッチレベルの連続オン時間の監視を行うため、連続スイッチテーブルのアドレスの示す内容を検査回数とし、検査回数分、遊技盤上の入賞口や作動口に設けられたセンサのスイッチビットデータを順次取得する。取得した各スイッチビットデータに対応したタイマアドレスの取得、スイッチレベルのオン時間の計測を行い、連続オン時間が異常と判断した場合、演出制御基板にいずれのスイッチに異常があったかを識別できるよう各スイッチビットデータに対応したアドレスに記憶されたEVENTデータの取得を行う。連続オン時間が異常ではないと判断した場合、EVENT(エラーB0)データ(00H)を設定する。なお、取得したEVENTデータと入球通過時間異常フラグ(後述する)の値が異なる場合、前回から変化があったと判断する。入球通過時間異常の設定においては、EVENTデータを入球通過時間異常フラグに格納する。コマンドの送信要求においては、MODE(エラーB)データ(9EH)及びEVENTデータを引数としてコマンド要求設定処理を実行する。外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成においては、異常センサ検知タイマのアドレス+1を引数として信号出力要求処理を実行する。
<遊技状態表示処理>
遊技状態表示処理(S63)においては、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄表示装置の作動保留球数、及び、特別図柄表示装置の作動保留球数の表示要求を行うため、特別電動役物が連続して作動する回数の表示データ作成、エラー状態の表示データ作成、普通図柄表示装置の作動保留球数の表示データ作成、及び、特別図柄表示装置の作動保留球数の表示データ作成を行う。なお、ここでいう「表示データの作成」は、より具体的には、後述するLED出力処理(S65)で表示データの作成を行うためのテーブルオフセット値を各RWM作業領域に記憶する処理のことを表している。そして、この遊技状態表示処理(S63)において、所定のタイマの値を確認して点灯パターンを切り替える表示番号切り替え処理が実行される。より具体的には、この表示番号切り替え処理は、遊技状態表示処理(S63)のサブ制御モジュールとして実行され、例えば、100msec(25割込み)ごとに、メイン基板102で管理する表示灯(主制御表示装置53の各表示灯など)の点灯パターンの切り替え(点滅など)のため表示データを切り替える処理である。
<ハンドル状態信号検査処理>
ハンドル状態信号検査処理(S64)においては、発射ハンドル20のタッチ状態の監視を行うため、ハンドル状態の検査を行い、検査の結果、ハンドル状態に変化ありと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの減算、ハンドル状態の更新、ハンドル状態監視タイマの設定、及び、ハンドル状態演出のコマンド送信要求を行う。検査の結果、ハンドル状態に変化なしと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの設定を行う。なお、ハンドル状態監視タイマの減算において、ハンドルタイマ減算中と判断した場合、ハンドル状態に関する以降の処理は行わない。
ハンドル状態の検査においては、ハンドル状態の検査を行うため、受信信号レベルの値及びハンドル状態フラグの値を検査する。そして、受信信号レベルの値を示すビットが0で、ハンドル状態フラグの値が00Hの場合、ハンドル状態に変化なしと判断し、ハンドル状態フラグの値が01Hの場合、ハンドル状態に変化ありと判断する。また、受信信号レベルの値を示すビットが1で、ハンドル状態フラグの値が00Hの場合、ハンドル状態に変化ありと判断し、ハンドル状態フラグの値が01Hの場合、ハンドル状態に変化なしと判断する。
ハンドル状態監視タイマの減算においては、ハンドル状態監視タイマの減算を行うため、ハンドル状態監視タイマの内容を−1する。減算の結果、0以外の場合、タイマ減算中と判断する。ハンドル状態の更新においては、ハンドル状態の更新を行うため、ハンドル状態フラグの値に対応した値をハンドル状態フラグに格納する。ハンドル状態フラグの値が00Hの場合、ハンドル状態フラグに格納する値は01Hとなり、ハンドル状態フラグの値が01Hの場合、ハンドル状態フラグに格納する値は00Hとなる。
ハンドル状態監視タイマの設定においては、ハンドル状態監視タイマの設定を行うため、ハンドル状態監視タイマにハンドル状態監視時間を格納する。ハンドル状態演出のコマンド送信要求においては、ハンドル状態演出のコマンド送信要求を行うため、MODE(ハンドル状態情報)データと、所定の値である7FHを論理積した結果、及び、ハンドル状態フラグの下位アドレスを引数としてコマンド要求設定処理を実行する。
<LED出力処理>
LED出力処理(S65)においては、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄表示装置の作動保留球数の表示、普通図柄表示装置の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、役物連続作動装置未作動時の特別電動役物置の作動状態の表示、(右打ちや左打ちの)打ち分け表示、及び、エラー表示を行うため、表示の初期化、表示データの出力を順次行う。
このLED出力処理(S65)の内容を要約すると、上述の表示の初期化においては、表示を初期化するため、クリアデータをセグメント出力ポートへ出力する。また、上述の表示データの出力においては、表示データを出力するため、表示するデータに対応したデジットを出力した後、表示を行うLEDセグメントのデータを出力する。
<発射制御信号出力処理>
発射制御信号出力処理(S66)においては、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、払出制御基板103との通信状態及び断線短絡電源異常に対応した発射の禁止/許可の設定及び発射の禁止/許可の出力データの取得後、発射の禁止/許可の信号の出力を行う。払出制御基板103との通信状態及び断線短絡電源異常に対応した発射の禁止/許可の設定及び発射の禁止/許可の出力データの取得においては、ビット設定要求を反映したフラグを作成し、出力データを取得する。
ビット設定要求を反映したフラグの作成においては、エラーフラグの通信異常ビット又はエラーフラグの断線短絡電源異常ビットがオンの場合、ビットクリア要求ありとフラグに反映し、それ以外の場合、ビットセット要求ありとフラグに反映する。出力データの取得においては、ビット設定要求を反映したフラグ、デジット等バッファのアドレス、及び、発射許可信号ビットデータを引数としてビットデータ設定処理を実行する。実行の結果、取得したビットデータを出力データとする。発射の禁止/許可の信号の出力においては、発射の禁止/許可の信号を出力するため、取得した出力データをデジット等出力ポートへ出力する。
<試験信号出力処理>
試験信号出力処理(S67)においては、試験装置に出力する信号を作成し、対応した出力ポートに出力する。すなわち、試験信号出力処理(S67)においては、図37に示すように、試験信号データテーブル2のアドレス(図40の「10A6H」)をセットし(S541)、出力データ作成処理を行う(S542)。さらに、試験信号2データとして出力データを退避し(S543)、試験信号データテーブル1(図40の「1099H」)のアドレスをセットする(S544)。また、出力データ作成処理を行い(S545)、試験信号1データとして出力データを退避する(S546)。そして、試験信号データテーブル3(図41の「10B0H」)のアドレスをセットし(S547)、出力データ作成処理を行う(S548)。
さらに、エラー判定データとして試験端子エラー出力マスクデータ(00011111B)をセットし(S549)、エラー検査処理を行う(S550)。また、試験データ5として普通図柄組合せ番号の値をロードし(S551)、上記S550での検査の結果、エラー検出がないか否かの判定を行う(S552)。そして、上記S552で、エラー検出がある場合には(S552:NO)、試験データ5の遊技機エラー状態信号ビット(BIT5)をセットし(S553)、打ち分け状態フラグの値が0であるか否かの判定を行う(S554)。
上記S552で、エラー検出があった場合には(S552:YES)、上記S553の処理を行わずに、上記S554の、打ち分け状態フラグの判定を行う。さらに、上記S554で、打ち分け状態フラグの値が0でない場合には(S554:NO)、試験データ5の発射位置指定信号1ビット(BIT2)をセットし(S555)、試験データ5を試験信号出力ポート5(0ECH)へ出力する(S556)。上記S554で、打ち分け状態フラグの値が0である場合には(S554:YES)、上記S555の処理を行わずに、上記S556の、試験データ5の出力を行う。
続いて、試験信号1データを復帰させ(S557)、試験信号1データを試験信号出力ポート1(0E8H)へ出力する(S558)。さらに、試験信号2データを復帰させ(S559)、試験信号2データを試験信号出力ポート2(0E9H)へ出力する(S560)。また、試験信号3データとして出力データをセットし(S561)、試験信号3データを試験信号出力ポート3(0EAH)へ出力する(S562)。そして、試験信号6データとして特図1番号の値をロードし(S563)、試験信号6データを試験信号出力ポート6(0EDH)へ出力する。また、試験信号7データとして特図2番号の値をロードし(S566)、試験信号7データを試験信号出力ポート7(0EEH)へ出力し(S566)、処理を終える。
この試験信号出力処理について、より機能的に説明すれば、試験信号出力処理は、試験信号データテーブル1、2、3(図40の「1099H」、「10A6H」、図41の「10B0H」)を使用して、試験信号として出力するデータを作成して出力ポートに設定する処理である。そして、普通電動役物の作動中信号(第2始動入賞口63に付属する普通電動役物の開放遊技が実行されていることを示す信号)や特別電動役物の作動中信号(大入賞口の開放を伴う特別遊技が実行されていることを示す信号)に係る試験信号データテーブルは、試験信号データテーブル3(アドレス「10B0H」〜「10BFH」)である。
この試験信号データテーブル3は、テーブルの構造として、出力データを生成するための確認データの個数(検査回数)のデータ(ここでは「データ1」と称する)、検査対象データを格納するRWMアドレス(下位)のデータ(ここでは「データ2」と称する。このデータ2に組み合わされて使用されるのRWMアドレスの上位データは「F0」の固定値である)、データ2を下位データとするRWMアドレスに記憶されるデータに対する判定値(ここでは「データ3」と称する)、上述のデータ2がデータ3一致するときに、試験信号として出力するためのデータ(ここでは「データ4」と称する)を備えている。さらに、試験信号データテーブル3においては、上述のデータ2〜4が検査回数に対応する数だけ繰り返し配置されている。
そして、試験信号出力処理においては、検査回数の分だけ各判定対象データの出力有無を確認し、データ2とデータ3が一致する場合について、生成中の出力データとデータ4のデータを論理和演算し、最終的な出力データを生成して、試験信号出力ポートにセットする。
<<出力データ作成処理>>
上述の試験信号出力処理(図37)で実行される出力データ作成処理(S542、S545、S548)では、図38に示すように、出力データとして(0=00000000B)をセットし(S571)、検査回数をロードする(S572)。ここでは、試験信号データテーブル3(図41の「10B0H」)を例として説明するが、試験信号データテーブル3の場合、基底アドレスは「10B0H」であり、検査回数は5(=05H)となる。
さらに、規定アドレスを+1するが(S573)、規定アドレスは、「普通図柄ステイタスのアドレス(下位)」のアドレス(10B1H)となる。また、RWM下位アドレスとして基底アドレスの内容(「普通図柄ステイタスのアドレス(下位)」=11H)をロードし、基底アドレスを+1、判定データとして基底アドレスの内容(「普通図柄変動中ステイタス」=01H)をロードし、基底アドレスを+1する(S574)。
さらに、S574において、試験信号データテーブル3より「普通図柄変動中ステイタス」の値「01H」を判定値として呼び出し、基底アドレスを+1する。ここで、基底アドレスは、普通図柄1変動中信号ビットデータ(10B3H)の位置となっている。
さらに、RWMアドレスの内容(ここでは、S574でロードした、普通図柄ステイタスの下位アドレス「11H」と上位アドレスF0H(固定)、すなわち「F011H」に格納されているデータをロードする。)をロードし(S575)、ロードした値が判定データに一致するか否かの判定を行うが(576)、ここでは、RWMに記憶した普通図柄ステイタスと判定値を比較して一致しないか否かを判断する(S576)。そして、一致しているときには(S576:NO)、現在の規定アドレス(普通図柄1変動中信号ビットデータである「08H(=00001000B)」)のテーブルデータを、出力データに論理和する(S577)。ここで、出力データは、「00000000」+「00001000」の演算結果である「00001000B」となる。
続いて、検査回数を−1し(S578)、ここでは検査回数「5」から1を引いた「4」が得られる。さらに、減算結果が0でないか否かの判定を行い(S579)、減算結果が0でない場合には(S579:YES)、上記S573へ戻る。また、上記S579で、演算結果が0ある場合には(S579:YES)、処理を終える。上述の例では、減算結果が4であるので、上記S573へ戻り、基底アドレス+1の演算(S573)により、基底アドレスは「10B4H」(普通図柄ステイタスのアドレス下位)となる。
そして、このような処理が、上記S579で、演算結果が0となるまで繰り返される。また、上記S576で、RWMの記憶領域からロードした値がテーブルに記憶されている判定値と一致しない場合には(S576:YES)、上記S577の処理を行わず、上記S578へ移行する。
さらに、図41の試験信号データテーブル3(10B0H)に示した5個の判定対象について、RWMの記憶領域のデータとテーブルの判定値が一致しているものについて、テーブルのビットデータを出力データに論理和して加算して出力データが生成される(S577)。
出力されるビットデータは、図41の試験信号データテーブル3(10B0H)に示すように、普通図柄1変動中信号ビットデータは08H(=00001000B)、普通図柄1当たり信号ビットデータは04H(=00000100B)、普通図柄1当たり信号ビットデータは04H(=00000100B)、普通電動役物1作動中信号ビットデータは10H(=00010000B)、特別電動役物1作動中信号ビットデータは01H(=00000001B)となる。これらのうち、普通図柄1当たり信号ビットデータ(04H)と普通図柄1当たり信号ビットデータ(04H)は、制御上異なる遊技状態であるものの同一の信号を出力するために、判定値が異なるが同じ値を出力するものである。
<ソレノイド出力処理>
ソレノイド出力処理(S68)においては、普通電動役物ソレノイド及び大入賞口開放ソレノイドの出力データの出力(開閉出力)を行うため、普通電動役物ソレノイドの出力データの取得、大入賞口開放ソレノイドの出力データの取得、及び、出力データの出力を行う。普通電動役物ソレノイドの出力データの取得、及び、大入賞口開放ソレノイドの出力データの取得においては、それぞれ、ソレノイド作動フラグ及びソレノイド作動タイマの取得、出力データの取得、ソレノイド作動タイマの更新を順に行う。出力データの出力においては、取得した普通電動役物ソレノイドの出力データ、及び、大入賞口開放ソレノイドの出力データの論理和の結果をソレノイド出力ポートへ出力する。
<演出制御コマンド送信処理>
演出制御コマンド送信処理(S69)においては、演出制御基板へ送信するコマンドの送信要求を検査し、送信要求があると判断した場合、要求するコマンドデータを取得し、使用したコマンドバッファのクリアを行い、取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得、MODEデータの出力、MODEデータの保持、取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得、EVENTデータの出力を順次行う。コマンドデータの送出タイミングは、演出データストローブにより規定され、演出データストローブ信号のオン時間(ここでは2μs以上)の後の所定時間(ここでは46μs以上)が演出データ保持時間となっている。
コマンドの送信要求の検査においては、コマンド要求書き込み位置(領域)の値とコマンド要求読み込み位置(領域)の値を比較し、値が一致しない場合、コマンドの送信要求があると判断する。要求するコマンドデータの取得においては、コマンド要求読み込み位置に格納されたアドレス算出値と位置補正ビットデータの論理積の2倍値とコマンドバッファのアドレスを加算し、加算の結果、取得したアドレスの内容をコマンドデータとする。なお、コマンド要求読み込み位置に格納されたアドレス算出値の取得後、コマンドデータの読み込み位置の内容を更新するため、コマンド要求読み込み位置を+1する。コマンドバッファのクリアにおいては、コマンドバッファをクリアするため、取得したコマンドデータが格納されていたコマンドバッファを0でクリアする。
取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得においては、取得したコマンドデータ上位をMODEデータとする。MODEデータの出力においては、取得したMODEデータを演出コマンド出力ポートに出力した後、演出データストローブを出力するため、ストローブ出力処理を実行する。MODEデータの保持においては、MODEデータの保持のため、所定時間(ここでは46μs以上)ウェイトする。取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得においては、取得したコマンドデータ下位をEVENTデータとする。EVENTデータの出力においては、取得したEVENTデータを前述のものと同じ演出コマンド出力ポートに出力した後、演出データストローブを出力するため、ストローブ出力処理を実行する。
<外部情報出力処理>
外部情報出力処理(S70)においては、外部中継端子基板46の外部出力端子に出力する信号を作成し、作成した信号の出力を行う。外部情報出力ポートの構成には、外部情報1〜外部情報6、及び、セキュリティを含み、残りの一つのビットは未使用である。外部情報1、外部情報3〜外部情報6の作成においては、外部情報データテーブル(図41の「10F2H」)のアドレスを引数として出力データ作成処理(図38)を実行する。当りフラグの値が特図1小当りデータの場合、かつ、確率変動機能検査処理を実行し、実行の結果、普通図柄表示装置の確率変動機能が未作動の場合、外部情報3ビットのオンを作成する。
外部情報2の作成においては、外部情報2を作成するため、始動口情報タイマの所定のビットの検査を行い、検査の結果、始動口情報タイマの所定のビットのオン/オフに合わせて外部情報2のオン/オフを作成する。セキュリティの作成においては、外部情報エラー出力マスクデータを引数としてエラー検査処理を実行する。実行の結果、エラー検出あの場合、出力データのセキュリティビットのオンを作成する。それ以外の場合、出力データのセキュリティビットのオフを作成する。作成した信号の出力においては、作成した外部情報1〜外部情報6及びセキュリティを外部情報出力ポートに出力する。
<メイン基板におけるその他の個々の制御処理態様>
<<コマンド送信タイミングに係る制御態様>>
本実施例では、メイン基板102からサブメイン基板301に出力される演出制御コマンドは、送信の前に、コマンド要求により、コマンドバッファに一旦格納される。コマンドバッファは、複数のバッファをリングバッファとして機能させたものであり、コマンド送信のための制御処理(ここでは演出制御コマンド送信処理(S69))において、コマンドバッファに蓄積された順に、1回の遊技進行割込み処理で1コマンド(MODEデータとEVENTデータのセット)ずつ、コマンドバッファから取出されて送信される。なお、優先順位が高く設定されたコマンドから先に送信するような手法も採用可能である。また、各種の制御処理において、送信が必要となったコマンドが発生した場合に、随時コマンド送信を行うことも可能である。このような手法を採用した場合には、1回の遊技進行割込み処理中に、例えば演出制御コマンド送信処理(S69)のような一つの制御処理モジュール内で集約的に演出コマンドの送信が行われるのではなく、コマンド送信の必要が生じる都度、各制御処理モジュール内で、逐次的にコマンド送信が行われることになる。このため、コマンド送信が次回以降の遊技進行割込み処理に持ち越されるといった事態が生じ難い。そして、例えば始動入賞時のコマンドや、特別図柄の変動開始時のコマンド送信に遅れを生じることがなく、迅速なコマンド処理が可能となる。
<<電源断処理>>
次に、電源断が生じた場合に実行される電源断処理について説明する。図14に示すように、電源断処理においては、全使用レジスタのデータをRWMに退避し(S81)、電源断前の割込み許可/禁止の状態を保存する(S82)。さらに、RWMに電源投入正常の情報が保存されているか否かが判定され(S83)、保存されていない場合には(S83:NO)、電源断異常の情報をRWMに保存し(S84)、RWMアクセス禁止の処理(S88)へ移る。一方、保存されている場合には(S83:YES)、スタックポインタの値をスタックポインタバッファに保存し(S85)、電源断正常の情報をRWMに保存し(S86)、RWMのチェックサムを算出し、チェックサムデータを保存する(S87)。そして、RWMをアクセス禁止とし(S88)、制御処理をループさせながらCPU501のリセットを待つ。
<<変動パターンの抽選に係る制御態様>>
続いて、変動パターンの抽選に係る各種態様について説明する。ここで説明する変動パターンの決定の態様は、一のぱちんこ遊技機10において、何れかが選択されて適用されてもよく、或いは、適宜併用されていてもよい。そして、複数の態様を併用する場合には、例えば、当否結果等の要素に基づき、態様の使い分けを行うことが可能である。
本実施例では、変動パターンの決定には、前述のように、当否結果、保留球数、特別図柄(図柄群の場合もある)、及び、変動パターン選択状態が決定要素として用いられているが、これらの決定要素の組合せに対応した変動パターンが選択される。そして、変動パターンの決定に伴い、変動パターンと紐付けされ対になっている変動時間が決定される。変動パターンの決定に関し、決定された結果が、メイン基板102からサブメイン基板301へ送信される。
また、変動パターン及び変動時間の決定に際して、付加的な変動時間の決定を行うことが可能である(変動付加情報の決定)。特別図柄の図柄変動開始時のコマンドとして変動付加情報のコマンドを設定することにより、遊技状態や当り図柄といった要素に関係づけて先に決定した変動時間中に、後発的に予告等の演出を付加することができる。そして、この様な態様で、総合的な変動時間を決定する場合には、以下のように、予め設けられる変動パターンの数を少なく抑えつつ、多様な変動パターンを作成することが可能である。変動付加情報(変動付加パターン)を用いることにより、相対的に少ない数の基本の変動パターンに対し、例えば乱数抽選した変動付加情報を繋げて、事後的に変動パターンを形成することが可能である。そして、このことにより、変動パターンの組合せにより新たな変動パターンを形成できるので、演出の種類数に対して予め設けておく変動パターンの数を過大とすることなく、多様な変動パターン(変動時間)を作成できる。なお、変動付加情報に係る乱数値も、先読み演出用のコマンドとして、始動入賞発生時に、メイン基板102からサブメイン基板301に送信することが可能である。変動付加情報を用いる例を更に挙げれば、演出図柄190の組合せとして、一旦非確変図柄である「666」が表示された後、「777」に昇格させるか否かの結果が表示されるまでの演出(再抽選演出)や、はずれ図柄「787」が表示された後、中図柄を「8」から「7」へ変更して「777」を表示させる演出(逆転演出、復活演出)を、変動付加情報を設定した場合に行う、といったことがある。
また、本実施例では、変動パターンは、保留球数も要素として決定されており、保留球数が幾つであるかに応じて、参照される変動パターンテーブルが異なる場合を有する。変動パターンテーブルは、保留球数0〜4に対応して設けられている。保留数が多い場合は、リーチを形成しない変動時間が短いものを決定しやすく、より多くの新たな保留が生起可能なようになっており、対して保留数が少ない場合は、リーチ等を形成しやすく変動が停止してしまうことをなるべく防止できるようになっている。状態当否判定の結果が大当りである場合には、大当りまでの過程を演出的に盛り上げるため、保留数に関係なく変動時間を決定することも考えられる。
<<図柄の指定に係る制御態様>>
本実施例では、図柄乱数の数値範囲が「0〜999」(2バイトデータ)に設定されている。図柄の抽選にあたり、図柄乱数を示す符号の上位バイトの値に基づき使用する図柄判定テーブルを決定し、その後、図柄乱数の下位バイトの値に基づき、決定した図柄判定テーブルから図柄を決定することなども可能である。そして、このようにすることにより、テーブルの判定は1バイトのデータを比較するもので構成することができ、メモリやプログラムの容量を削減できる。図柄の抽選結果である当り図柄(図柄群であってもよい)は、その図柄情報に対して大当り時のラウンド数や大当り後の時短回数等の遊技状態の振分けられるようにしてもよい。さらに、メイン基板102からサブメイン基板301へ当り図柄等を伝えるコマンド(例えば、本実施例では、図柄1演出パターン、図柄2演出パターンの各コマンド)に、遊技状態を伝える情報(遊技状態指定情報)を付加することも可能である。
<大入賞口の作動状態と作動中信号との関係>
次に、大入賞口91(前述の特別電動役物1)に係る作動状態と作動中信号との関係について説明する。先ず、大入賞口91に係る作動中信号(大入賞口作動中信号)は、前述の試験信号出力処理(S67)により出力のための処理が行われ、試験信号として、ぱちんこ遊技機10から機外に出力される信号である。そして、この大入賞口作動中信号は、前述の特別電動役物1作動中信号ビットデータにより、そのオン・オフの状態が示されるものである。なお、以下では、大入賞口作動中信号を「特別電動役物1作動中信号」と称する。
図46(a)〜(d)には、本実施例における大入賞口91と特別電動役物1作動中信号との関係をタイムチャートによって示している。図46(a)〜(d)中、最上段に示す「特電」は、大当りや小当りが発生した場合の特別遊技の進行状況の変化を、左から順に時系列で示している。例えば、図46(a)における「特電」のチャートについて、左端に示す「当り待ち」は、大当りや小当りが発生する前の状況(当り待ちの状況)であることを表している。さらに、「当り待ち」の右側に示す「開始デモ」は、大当りや小当りが発生して、特別遊技に係る開始デモの演出が実行される状況であることを表している。
また、「開始デモ」の右側に示す「1R」は、大当り遊技における特別遊技として、最初の単位遊技となる1ラウンド目を示している。さらに、「1R」の後には「2R」〜「4R」が続くが、図46(a)、(b)では、「2R」〜「4R」の図示は、一部を除いて省略している。
さらに、図46(b)〜(d)において、「5R」は5ラウンド目の単位遊技が行われている状況であることを表しており、「7R」は7ラウンド目の単位遊技が行われている状況であることを表している。また、「最終R」は、大当りの種類に応じて定められている総ラウンド数のうち、最終のラウンド数目の単位遊技が行われている状況であることを表している。なお、図46においては、大当りした場合について示したものであるが、小当りの場合は「1R」が「最終R」として扱われる。
さらに、図46(d)において、「最終R」の右側に示す「終了デモ」は、大当りや小当たりの終了に伴い、特別遊技に係る終了デモの演出が実行される状況であることを表している。そして、図46(d)では、「終了デモ」の状況の後、再び前述の「当り待ち」の状況になることを示している。なお、図中のタイムチャートにおける時間間隔(横方向の長さ)の関係は、正確なものではなく、図示や説明を容易にするために便宜上定められたものである。
続いて、図46(a)〜(d)の次段(上から2段目)に示す「特電遊技ステイタス」は、最上段の「特電」の各状況に対応した特電遊技ステイタス(特電遊技ステイタス)の値を示している。つまり、最上段の「特電」の状況が、大当りの状況でない場合には、前述した特電遊技ステイタスの値は、前述した当り待ちステイタス(0)となっている。そして、図46(a)中の左端や、図46(d)中の右端の部位では、当り待ちステイタス(0)の状況であることを「当り待ち中(0)」と示している。
さらに、大当りが発生し、「特電」が「開始デモ」の状況となる際には、特電遊技ステイタスの値は、大入賞口閉鎖中ステイタス(3)となっている。そして、図46(a)〜(d)では、大入賞口閉鎖中ステイタス(3)の状況であることを「閉鎖中(3)」と示している。「最終R」を除く大入賞口閉鎖中ステイタスの後においては、特電遊技ステイタスの値は、大入賞口開放準備中ステイタス(1)となっている。そして、図46(a)〜(d)では、大入賞口開放準備中ステイタス(1)の状況であることを「準備中(1)」と示している。なお、図中では、文字表記のためのスペースが足りない箇所については、例えば、「準備中(1)」を(1)とするなどのように、特電遊技ステイタスの値を括弧付きの数字によって示している。
また、「特電」が「1R」が開始された際には、特電遊技ステイタスの値は特別電動役物作動中ステイタス(2)となっており、図46(a)では、特別電動役物作動中ステイタス(2)の状況であることを「作動中(2)」と示している。さらに、「1R」の終盤では、特電遊技ステイタスは「閉鎖中(3)」となり、その後、「2R」目の単位遊技の直前で、特電遊技ステイタスは「開放準備中(1)」となる。
この開放準備中(1)の期間は、遊技進行割込みの回数に基づき定まるものとなっている。そして、本実施例では、開放準備中(1)の期間は、前述したように、2回の遊技進行割込み処理の実行が判定されると終了するようになっている。このため、開放準備中(1)の期間は、遊技進行割込み処理(ここでは4ms)の2回分に相当する約8msとなる。
大当り遊技に係る「2R」目以降についても、図46(b)の「5R」目や、図46(c)の「7R」目に示すように、特電遊技ステイタスは、作動中(2)となった後、ラウンドの終盤に閉鎖中(3)を経て、開放準備中(1)となる。そして、「特電」の作動状態が「最終R」の場合には、特電遊技ステイタスは、図中に示すように、作動中(2)から閉鎖中(3)に変化するが、他のラウンドのような開放準備中(1)とはならない。ここで、「最終R」の場合に開放準備中へ移行しない理由は、図34に示した大入賞口閉鎖中処理において、「最終R」後であるか否かで処理を異ならせていることに起因している。
さらに、特電遊技ステイタスは、「特電」の作動状態が「終了デモ」となる際には、図46(d)に示すように終了デモ中(4)となっている。また、特電遊技ステイタスは、「特電」の作動状態が「当り待ち」に移行した際には、当り待ち中(0)となっている。
続いて、図46中の次段(上から3段目)に示す「大入賞口」は、前述の大入賞口91の開閉状態を、上述の「特電」や「特電遊技ステイタス」に関連付けて示している。この「大入賞口」のチャートにおいては、大入賞口91の開放状態をチャートの立ち上がりで示しており、閉鎖状態をチャートの立ち下がりで示している。
前述の「特電」に係る状況が「開始デモ」の終盤となる状況において、「特電遊技ステイタス」が開放準備中(1)から作動中(2)に変化し、大当り遊技の1R目が開始される際に、大入賞口91は開放する。また、「特電遊技ステイタス」が、1R目の終盤で閉鎖中(3)に変化すると、「大入賞口」の状態が、チャートの立ち下がりで示すように「閉鎖」中となる。
そして、1R目の終盤において、「特電遊技ステイタス」が閉鎖中(3)に変化してから、所定時間(ここでは3000ms)が経過するまでの間(具体的には特電遊技タイマの値が「2」となったとき)に、「特電遊技ステイタス」が開放準備中(1)に変化する。さらに、開放準備中(1)の期間(約8ms)が経過すると、「特電遊技ステイタス」が作動中(2)に変化し、大入賞口91が2R目の開放を開始する。
ここで、「特電遊技ステイタス」が閉鎖中(3)に変化してから、開放準備中(1)に変化し、開放準備中(1)が終了するまでの期間(1R目に関しては上述の3000msの期間)は、「大入賞口閉鎖中期間」等と称することが可能である。
また、図46(a)〜(d)に示す例では、大入賞口91は、1回のラウンド中に複数回連続して開放する場合がある。例えば、「5R」では、5R目の開始のタイミング(4R目の開放準備中(1)が終了したタイミング)で「大入賞口」が開放中となり、所定期間の開放の後、チャートの立ち下がりで示すように、一旦閉鎖中となる。そして、所定期間の閉鎖の後、再度「大入賞口」が開放中や閉鎖中となる。
この大入賞口91における複数回の開放(連続作動)が行われる間、「特電遊技ステイタス」は作動中(2)のままとなっている。そして、最後の「開放」(ここでは5R目における2回目の開放)が終了するか、終了条件となる入賞が発生したタイミングで、「特電遊技ステイタス」は閉鎖中(3)となっている。
また、図46(a)〜(d)に示す例では、特定のラウンドで「特電遊技ステイタス」が閉鎖中(3)となり、開放準備中(1)を経て、次回のラウンドに係る作動中(2)となるまでの期間(前述の大入賞口閉鎖中期間)は、一律ではなく、何ラウンド目の状況であるかに応じたものとなっている。
例えば、図46(a)に示す「1R」から「2R」へ移行する際の大入賞口閉鎖中期間は3000msとしているが、例えば、図46(b)に示す「5R」から「6R」へ移行する際の大入賞口閉鎖中期間は、図中に示すように、2500msとなっている。さらに、「7R」から「8R」に移行する際の大入賞口閉鎖中期間は、図中に示すように、600msとなっている。なお、本実施例における大入賞口閉鎖中期間の最小値は600msとしているが、これは、特別電動役物作動中(大入賞口91の開放中)に大入賞口内へ入球した遊技球が次のラウンドの有効球として扱われないよう、そのラウンドの有効球として検出されるまでの理論値(大入賞口91の構造による)が十分に収まる範囲で設定されている。
これらの大入賞口閉鎖中期間にメイン基板102のCPU501が行う処理には、そのときのラウンドに続くラウンド(次のラウンド)があるか否かの判定を行う処理が含まれている。このため、大入賞口閉鎖中期間は、例えば、「次ラウンド判定期間」、或いは、「ラウンド間大入賞口閉鎖期間」などとも称することが可能なものである。
また、図46(d)の例では、「最終R」において、「特電遊技ステイタス」が閉鎖中(3)となってから終了デモ中(4)となるまでの期間も、他のラウンドと同様に大入賞口閉鎖中期間としており、メイン基板102のCPU501が、次のラウンドがあるか否かの判定を行うようになっている(図34)。そして、この「最終R」における「大入賞口閉鎖中期間」は、図46(d)の例では600msとなっている。そして、この「最終R」については、大入賞口閉鎖中期間に、「特電遊技ステイタス」が開放準備中(1)となる期間は含まれないようになっている。
ここで、本実施例では、「最終R」における大入賞口閉鎖中期間を設けることで、次のラウンドがあるか否かの判定を行うための時間を担保しているが、図46(d)にも示すように、大入賞口閉鎖中ステイタス(3)から大当り終了デモ中ステイタス(4)へ移行する際に有効期間の延長期間(5000ms)が設定されるため、この「最終R」における大入賞口閉鎖中期間を設けず、省略することも可能である。なお、大入賞口閉鎖中期間を「省略する」とは、「最終R」後に大入賞口閉鎖中ステイタス(3)に移行する際に特電遊技タイマに「0」(または「1」)をセットすることで、大入賞口閉鎖中ステイタスに設定された後の次の割込み処理で、大当り終了デモ中ステイタス(4)へ移行することを意味しており、全く処理が存在しないということはない。
続いて、図46(a)〜(d)中の次段(上から4段目)に示す「大入賞口有効期間」は、大入賞口91の有効期間(大入賞口への入球に対して賞球を付与する期間)を示している。この大入賞口91の有効期間は、前述の大入賞口有効期間設定処理(S51)等で設定されるものである。大入賞口有効期間設定処理(S51)においては、(ア)特電遊技ステイタス≠0、または(イ)大入賞口有効延長タイマ>0のいずれかの条件を満たす場合に有効期間として設定される。図46(a)〜(d)においては、この「大入賞口有効期間」のチャートの立ち上がっている期間が、大入賞口91の有効期間となっており、チャートの立ち下がっている期間が、大入賞口91の非有効期間(「無効期間」と称することも可能である)となっている。
図46の例では、図46(a)に示すように「開始デモ」が開始されてから、図46(d)に示す「終了デモ」の開始以降まで、大入賞口91の有効期間が継続している。さらに、図46(d)の例では、「最終R」時には、準備中(1)のステイタスに移行することがなく、「特電遊技ステイタス」は、閉鎖中(3)に続いて終了デモ中(4)となる。
さらに、図46の例では、大入賞口91の有効期間は「終了デモ」の開始後に所定期間(前述した大入賞口有効延長時間の5000ms)が経過するまで、有効期間が継続している。そして、大入賞口91の有効延長期間は、「終了デモ」中に終了する場合もあるが、この場合には、「終了デモ」の終了後の「当り待ち」が開始とともに大入賞口の有効期間が終了する場合もあるようになっている。
つまり、上述の「終了デモ」は、大当り図柄の種類や遊技状態などの要因に応じ、サブメイン基板301で行うべき演出に応じて、予め定められた時間に亘り実行される。そして、前述した「特電遊技ステイタス」が終了デモ中(4)となっている時間は、「終了デモ」に要する時間に対応している。この「終了デモ」の時間は、一律ではなく複数種類あり、例えば、大当り図柄の種類に応じて、5秒(5000ms)以上のものや、5秒未満のものなどがある。
そして、「終了デモ」の開始以降における大入賞口の有効期間の管理には、2種類のタイマが用いられている。これらのうち1つ目は、「終了デモ」の時間の計時に用いられるタイマ(特電遊技ステイタス管理用のタイマ)である。また、2つ目は、上述の大入賞口91に係る有効延長期間(ここでは5000ms)を管理するためのタイマ(図34のS479やS480に示す大入賞口有効延長タイマ)である。
これらのタイマに係るRWM領域は、RWM上の異なるアドレスに分けて確保されている。そして、上述の特電遊技ステイタス管理用のタイマの値が、例えば0になると、「終了デモ」が終わって、「特電遊技ステイタス」が当り待ち(0)となる。また、大入賞口有効延長タイマの計時は、特電遊技ステイタス管理用タイマと同時に開始され並行して行われる。
さらに、特電遊技ステイタス管理用タイマが0となり、終了デモ中(4)の期間が終わると、「特電遊技ステイタス」は当り待ち(0)に制御される。そして、遊技状態が「終了デモ」から「当り待ち」となった場合に、メイン基板102では「終了デモ」を終え、大入賞口有効期間設定処理の有効期間設定条件(ア)が終了するが、5000msの大入賞口有効延長タイマの値が0でない場合は、「終了デモ」が終わっていても(「特電遊技ステイタス」が当り待ち(0)となっても)、大入賞口有効期間設定処理における有効期間設定条件(イ)を満たすため、入球検出に係る有効期間とされる。そして、「終了デモ」後に入賞(残留球の入賞)が検出されても、有効な入賞として扱う。
また、図示は省略するが、大入賞口有効延長タイマによる5000msの経過後であっても、特電遊技ステイタス管理用のタイマの値が0となっていなければ、特電遊技ステイタス管理用のタイマの値が0となるまでは、メイン基板102では「終了デモ」の状態としての制御が行われる。そして、このような状況においては、「特電遊技ステイタス」が当り待ち(0)ではないので、大入賞口91における大入賞検出装置78(78a、78b)は、大入賞口有効期間設定処理における有効期間設定条件(ア)を満たすため有効となっている。
つまり、「最終R」の実施後に大入賞口91における大入賞検出装置78(78a、78b)が有効となっているのは、大入賞口91に係る有効延長期間(ここでは5000ms)が経過するまでの期間であって、「特電遊技ステイタス」が終了デモ中(4)である場合、或いは、同じく大入賞口91に係る有効延長期間(ここでは5000ms)が経過するまでの期間であって、「特電遊技ステイタス」が当り待ち(0)である場合、となっている。
続いて、図46(a)〜(d)中の次段(上から5段目)に示す「特別電動役物1作動中信号」は、大入賞口91に係る特別電動役物の作動中信号の状態を示している。そして、「特別電動役物1作動中信号」のチャートの立ち上がっている期間が、特別電動役物が作動中であることを外部の装置(試験装置など)に報知する期間として示しており、チャートの立ち下がっている期間が、特別電動役物が作動中していない非作動中であることを示している。
図46(a)の例では、「開始デモ」中において、「特電遊技ステイタス」に係る開放準備中(1)の期間が終わり、「1R」が開始されるタイミングで、「特別電動役物1作動中信号」が立ち上がるようになっている。また、その後の「2R」から「最終R」の1つ手前のラウンドの期間についても、図46(a)〜(c)に示すように、「特電遊技ステイタス」に係る開放準備中(1)の期間が終わり、各ラウンドが開始されるタイミングで、「特別電動役物1作動中信号」が立ち上がるようになっている。ここで、「特別電動役物1作動中信号」は、図32に示した大入賞口開放準備中処理におけるS438の処理において、特別電動役物作動中フラグに格納したデータを基に、図37の試験信号出力処理でオンデータとして出力されるようになっている。
ここで、上述した「最終R」の1つ手前のラウンドは、例えば、最終ラウンドをN回目のラウンドを意味するNR(「N」は1以上の自然数)と表した場合に、(N−1)Rと表すことが可能である。また、「1R」から「最終R」の1つ手前のラウンド((N−1)R)について、「特電遊技ステイタス」が開放準備中(1)となるタイミングで、「特別電動役物1作動中信号」が立ち下がるようになっている。さらに、「最終R」以外の状況における、「特別電動役物1作動中信号」のオフのための設定は、図34の大入賞口閉鎖中処理におけるS485において、特別電動役物作動中フラグの内容のクリア処理が該当する。
つまり、「特別電動役物1作動中信号」は、「特電遊技ステイタス」の変更タイミングの処理によって状態が変化するものとなっている。そして、「特別電動役物1作動中信号」は、特別遊技の実行中において、「特電遊技ステイタス」が特別電動役物作動中ステイタス(2)に初めて変更されて以降、「特電遊技ステイタス」が開放準備中(1)となっていない場合に立ち上がっており、「特電遊技ステイタス」が開放準備中(1)となっている場合に立ち下がっている。このため、「特別電動役物1作動中信号」を状況やオン出力の回数を確認することで、「大入賞口」の状態が、ラウンド中であるのか否かや何ラウンド目の単位遊技が実行されているのかを判定することが可能となっている。
また、「最終R」については、前述のように「特電遊技ステイタス」が開放準備中(1)とならず、「特別電動役物1作動中信号」は、「最終R」の期間中、及び、「最終R」の終了後も、立ち上がった状態を維持する。しかし、「特電遊技ステイタス」が終了デモ中(4)となり、この終了デモ中(4)の期間が終わった場合に、「特別電動役物1作動中信号」はオフになる。そして、「最終R」後における「特別電動役物1作動中信号」のオフに係る設定は、図36に示す当り終了デモ中処理のS534において、特別電動役物作動中フラグをオフ(0クリア)することに基づいている。
<大入賞口に係る発明の作用効果>
以上説明したように大入賞口に係る処理を行うぱちんこ遊技機10によれば、大入賞口91に係る特別電動役物1作動中信号(図46(a)〜(d)参照)が、ぱちんこ遊技機10の機外へ外部出力され、この外部出力された特別電動役物1作動中信号を、ぱちんこ遊技機10の試験が行われる際に利用できるようになっている。
さらに、大入賞口91に係る開閉の管理は、特電遊技ステイタスの情報を利用して行われ、「1R」の開始に伴い、特電遊技ステイタスの情報が、大当り時における大入賞口91の開放状態を指定する特別電動役物作動中ステイタス(2)になると、特電遊技ステイタスの制御に伴って、大入賞口の開閉動作制御が実行される。一方、「大入賞口有効期間」は特電遊技ステイタスが0(当り待ち)でない場合に有効な状況となる。そして、この「大入賞口有効期間」は、「最終R」が終了し、「終了デモ」が終了されても有効延長期間に亘って継続する。このように、大入賞口の有効判定期間を、特別遊技の実行中および延長期間とすることで、ラウンド間毎に無効期間を設ける場合よりも、大入賞口内での球詰まりによる無効期間での入球スイッチの検知という遊技者に対して不利益な状況が発生するリスクを抑えることができる。
また、「1R」の開始に伴い、特電遊技ステイタスの情報が、大当り時における大入賞口91の開放状態を指定する特別電動役物作動中ステイタス(2)になると、特別電動役物1作動中信号をオンにして維持する。そして、特電遊技ステイタスの情報が、各ラウンドの終了直前に、大当り時における大入賞口91の開放準備状態を指定する大入賞口開放準備中ステイタス(1)になっている期間(8msなど)に限り、特別電動役物1作動中信号がオフになる。
したがって、大入賞口開放準備中ステイタス(1)となる期間の長さ次第で、特別電動役物1作動中信号がオンになっている期間を、最大限長大化することが可能である。そして、特別電動役物1作動中信号がオンになっている期間を可能な限り長期化することで、大入賞口91での入賞が検出された際に、特別電動役物1作動中信号がオフとなっているリスク、すなわち試験装置などの外部機器において、特別電動役物が作動していないにもかかわらず入賞が発生したと誤認識させたり、大入賞口の開閉動作が正常に行えていないと誤認識させたりすることを抑制できる。そして、特別電動役物1作動中信号を、大入賞口の開放直前の状態(ラウンド間の最後のタイミング)において実行することで、大入賞口内の遊技球の残留を検出するリスクを減らし、ぱちんこ遊技機10に外部接続された試験機器にて、大入賞口91での入賞が予期せず無効期間に入球したものとして取り扱われてしまうことを防止できる。
ここで、図47(a)〜(d)は、特電遊技ステイタスに、図46(a)〜(d)に示す実施例のような準備中(1)を設けない場合の、特別電動役物1作動中信号等を示している。そして、図47(a)〜(d)中の、「特電」、「特電遊技ステイタス」、「大入賞口」、「大入賞口有効期間」、「特別電動役物1作動中信号」の用語の意味は、図46(a)〜(d)と略同様であるが、図47における例の作動中(1)は、図46に示す実施例における特別電動役物作動中ステイタス(2)に相当し、閉鎖中(2)は、図46に示す実施例における大入賞口閉鎖中ステイタス(3)に相当している。
そして、図47の例では、「特電」について、「1R」から「終了デモ」となるまでの状況を示しており、各ラウンドにおける「特電遊技ステイタス」が、作動中(1)、閉鎖中(2)、作動中(1)、閉鎖中(2)、・・・と変化するようになっている。そして、「大入賞口」は、図47(a)の「1R」、同図(c)の「7R」、同図(d)「最終R」では、「特電遊技ステイタス」の作動中(1)に開放し、閉鎖中(2)に閉鎖している。また、「大入賞口」は、図47(b)の「5R」では、「特電遊技ステイタス」の作動中(1)に2回の開放を行い、閉鎖中(2)に閉鎖している。
具体的には、図47(a)の「1R」については、「特電遊技ステイタス」における作動中(1)の期間が、「大入賞口」に示すように2800msであり、閉鎖中(2)の期間が3000ms(=2992ms+8ms)となっている。このうち、閉鎖中(2)における最後の8msは、開放準備期間として設けられているものである。しかし、図47の例では、「特電遊技ステイタス」について、図46(a)〜(d)に示したような準備中(1)の「特電遊技ステイタス」は設けられておらず、「大入賞口」の閉鎖期間中における「特電遊技ステイタス」の変更は行われないようになっている。
また、図47(b)の「5R」については、「特電遊技ステイタス」が作動中(1)である期間(ここでは2604ms)中における「大入賞口」の開閉態様は、52msの極短い開放の間に2500msの閉鎖が介在するものとなっている。さらに、図47(c)の「7R」、及び、図47(d)の「最終R」については、「特電遊技ステイタス」が作動中(1)となっている期間と、「大入賞口」に係る開閉期間は、ここでは52msで一致している。
また、図47(a)〜(d)の例では、「大入賞口有効期間」は、何れのラウンドにおいても、「特電遊技ステイタス」が作動中(2)から閉鎖中(3)に変化した後に、大入賞口延長期間(ここでは592ms)が経過してから有効期間を終えようになっている。このように「特電遊技ステイタス」における作動中(1)の期間が終了した後も継続する「大入賞口」の有効延長期間(ここでは592ms)は、例えば、「ラウンド中有効延長期間」などと称することが可能である。
そして、このラウンド中有効延長期間が、各ラウンドで共通となっているのは、各ラウンドが1つの構造物である大入賞口91を用いて行われており、1つの構造物については、ラウンド中有効延長期間を、いずれのラウンドについても共通とする必要が、ぱちんこ遊技機10に係る認可を受けるために必要なためである。また、最も閉鎖中(3)に維持する期間が短いラウンド間(本例では「7R」と「8R」の間(600ms))を基準として、ラウンド中有効延長期間が定められており、最も短いラウンド間において、特別電動役物の作動中信号を一旦落とすために、最短ラウンド間時間から8ms分だけ短くラウンド中有効延長期間を定めている。
さらに、大当り遊技において、「大入賞口」の最短の開放となるのは、「5R」の2回目の開放や、「7R」及び「最終R」の開放の700msとなっているが、これらの開放の後のラウンド中有効延長期間が592msとなっていることから、「大入賞口」の開放期間が、例えば「1R」の2800msのように相対的に長く、あるいは他のラウンドのように短く設定されていても、ラウンド中有効延長期間は592msとなっている。
そして、図47(a)〜(d)に示すように、「特別電動役物1作動中信号」は、「大入賞口有効期間」が有効を示す状態となっている間に立ち上がり、「大入賞口有効期間」が有効を示す状態となっていない間に立ち下がるようになっている。このため、「特別電動役物1作動中信号」が立ち下がっている期間が、図46(a)〜(d)に示す実施例に比べて長くなり、大入賞口91に入賞したにも関わらず無効とされてしまう期間、および試験装置などの外部機器に無効期間において遊技球が検出されたと認識される(リスクとなり得る期間)も長くなる。
なお、上述のリスクとなり得る期間は、ラウンド中有効延長期間が一律であるため、閉鎖中(3)に維持される期間が長いほど長期間となり、「1R」の例では2408ms(2400ms+8ms)であり、「5R」の例では1908ms(1900ms+8ms)となっている。また、上述のリスクとなり得る期間は、「7R」の例では2408ms(2400ms+8ms)であり、「最終R」の例では1908ms(1900ms+8ms)となっている。
図47(a)〜(d)に示すように、「特電遊技ステイタス」に準備中(1)の値を設けずに「特別電動役物1作動中信号」を生成するための処理を行った場合には、「特別電動役物1作動中信号」の立ち下がりの期間が長くなり、大入賞口91への入賞が検出された場合に、「特別電動役物1作動中信号」がオフとなっている状況において大入賞口内のセンサで検出されることにより、遊技機が正常に動作していないと誤認識されるリスクが大となる。
しかし、図46(a)〜(d)に示すように、「特電遊技ステイタス」に準備中(1)の値を設け、この準備中(1)の「特電遊技ステイタス」に基づき「特別電動役物1作動中信号」を生成することで、「特別電動役物1作動中信号」の立ち下がりの期間を2割込み(8ms)の期間のみと、極力短くすることができる。そして、特別電動役物1作動中信号がオンになっている期間を可能な限り長期化でき、大入賞口91での入賞が検出された際に、特別電動役物1作動中信号がオフとなっているリスクを抑制できる。さらに、ぱちんこ遊技機10に外部接続された試験機器にて、大入賞口91での入賞が予期せず無効として取り扱われてしまうことを防止できる。
このような本実施例に係る発明の作用効果に加え、ぱちんこ遊技機10においては、「特電遊技ステイタス」が準備中(1)となる期間を、遊技進行割込み処理の2周期分に相当する期間である8(=4×2)msとなるようにしている。このため、「特別電動役物1作動中信号」がオフになっている期間の管理を、遊技進行割込み処理により容易に管理することができる。
さらに、「特別電動役物1作動中信号」がオフになっている期間を、遊技進行割込み処理の複数周期分としているので、例えば、当該オフの期間を単周期分である4msとした場合に比べて、多様な試験機器、外部機器に対する汎用性を持たせることができる。
つまり、ぱちんこ遊技機10に対する試験が複数の機関等により行われることも考えられるが、使用する試験機器の特性次第では、特別電動役物1作動中信号がオフとなっている期間の検出性能(分解能)が4msを超えている場合も想定し得る。そして、このような場合には、試験機器の側で「特別電動役物1作動中信号」の変化を識別できず、大当り遊技におけるラウンドの変化の区切りを検出できない場合もあり得る。
しかし、本実施例のように、特別電動役物1作動中信号をオフにする期間を、遊技進行割込み処理の複数周期分とすることで、当該オフとなっている期間を、極力短期間としつつも検出可能な期間とすることができ、対応可能な試験機器の幅を広げ、試験機器に対する汎用性を持たせることができる。
また、図46(a)〜(d)に例示する本実施例のぱちんこ遊技機10においては、「特電遊技ステイタス」が当り待ち(0)になっている期間以外の期間を、「大入賞口有効期間」に係る有効期間として処理を行っている。このため、当り待ち(0)を除いた他の期間をすべて、大入賞口91の入賞有効期間とすることができ、大入賞口91の入賞有効期間を可能な限り大として、大入賞口91での入賞の管理を行うことができる。
そして、大当り時の大入賞口91への入球を、逸失することなく有効な入球として扱うことができ、遊技者が大入賞口内での球詰まりによる無効期間での入賞検知に基づく不利益を受けるこがなく、また、大入賞口91への入球タイミングと、「特別電動役物1作動中信号」との関係によって、ぱちんこ遊技機10の試験結果に悪影響が及んでしまうことを防止可能である。
さらに、このようにすることで、大当りの「最終R」における大入賞口91の開放終了直後(閉鎖直後)の期間(図46(d)の例では5000msの有効延長期間)を含めて入賞有効期間とすることが可能となる。そして、大当りの最終Rが終了した後に、遊技球(残余球)の検出を行うことが可能となる。この結果、「終了デモ」の期間のみに左右されずに「大入賞口」に係る有効期間を確保でき、「終了デモ」が極端に短く設定される大当りであっても、「最終R」後における大入賞口91への入球検出を、逸失することなく有効な入球として扱うことが可能となる。
<大入賞口有効期間の長期化に伴う不正対策>
<<不正対策に係る第1態様>>
次に、前述のような大入賞口有効期間の長期化に伴う不正対策について説明する。本実施例では、図46(a)〜(d)に示すように「大入賞口有効期間」が有効状態となっている期間(入球検出可能期間)が、大当り遊技に係る「開始デモ」の開始時から(図46(a))、「最終R」後の「終了デモ」の終了時、又は、更にその後の「当り待ち」の状況まで継続する(図46(d))。このため、遊技球の検出を可能な限り漏れなく行うことが可能であるが、このような検出可能期間の長大化によって、不正を行える期間を拡大していると考えることもできないわけではない。
このため、何らかの不正対策を施すことが望ましいが、不正対策としては、以下に説明するように種々の態様を考えることができる。先ず、不正対策として、サブメイン基板301において、メイン基板102からのコマンドに基づき不正を検出し、サブメイン基板301の側での不正対応策を施すことが考えられる。
例えば、サブメイン基板301による不正対策の第1態様として、大入賞口への有効入球に係るコマンド(有効入球コマンド)をメイン基板102からサブメイン基板301へ送信する。さらに、サブメイン基板301で、受信した有効入球コマンドの受信に基づき、所定の演算を行って異常の有無を判定し、判定結果に伴い報知を行う。
具体的には、メイン基板102のCPU501が、大入賞口91に係る有効入球コマンドの送信を行うことに加え、前述の一般入賞口72への入賞を通知するコマンド(一般入賞通知コマンド)を、サブメイン基板301へ送信する。さらに、サブメイン基板301では、賞球払出数に係る所定の閾値を定めておく。
さらに、サブメイン基板301のCPU521が、大入賞口91に係る有効入球コマンドと、一般入賞口72に係る一般入賞通知コマンドに基づき、発生した特別遊技期間中に払出されるべき賞球数(有効払出数)の演算を行い、演算結果を上述の閾値と比較する。そして、求められた払出数>閾値の関係が満たされた場合には、異常と判定し、異常が発生した旨の報知を行う。ここで、上述の閾値を、例えば、「1R」から「最終R」を含む1回の大当り遊技で通常獲得できる賞球数を超えた個数に対応した値(例えば3000や3600など)とすることが可能である。ここで、上述の閾値は、当り図柄の種類(或いは大当りの種類や総ラウンド数)により異なるものであるということができる。
このような第1態様は、例えば、大入賞口91への1カウントの入賞に対する賞球払出数を15個とし、大入賞口91への総入賞数をxとし、一般入賞口72への1個の入賞(1カウントの入賞)に対する賞球払出数を3個とし、大当り遊技中の一般入賞口72への総入賞数をyとした場合に、上述の閾値を、15x+3yで表すことができるものであるといえる。また、大入賞口91での1カウントあたりの賞球払出数(上述の例では15個)や、一般入賞口72での1カウントあたりの賞球払出数(上述の例では3個)を、それぞれn1、n2などといった記号で表すことも可能である。
<<不正対策に係る第2態様>>
また、これ以外にも、大入賞口91に係る有効入球コマンドを、大当り遊技中の他の期間で使用する態様も考えることができる。例えば、第2態様として、サブメイン基板301のCPU521が、大当り中のラウンド間に受信した有効入球コマンドを用いて異常を判定するものを考えることができる。
より具体的には、サブメイン基板301で、大入賞口91が、所定のラウンドに係る開放を終えて閉鎖状態となってから、次回のラウンドに係る開放を行うまでの期間について、有効入球コマンドに基づく有効賞球数を算出する。そして、異常判定に係る所定の閾値を定めておき、求められた払出数>閾値の関係が成立した場合に、異常の判定及び報知を行う。この場合の閾値は、当り図柄の種類(或いは大当りの種類や総ラウンド数)によらないものということができる。なお、予め定める特定のラウンド間(例えば2Rの閉鎖時から3Rの開放時など)のみに限ってこのような判定を行う、といったことも可能である。なお、特定のラウンド間として指定するタイミングは特別遊技を発生させる契機となった図柄によって異なっていてもよい。
<<不正対策に係る第3態様>>
上述の第2態様においては、大入賞口91の閉鎖時に異常の有無の判定が行われるが、閉じている場合のみに限ってしまうと、大入賞口91の開放時のみに不正な入賞を発生させるような行為があると、異常の検出が難しくなる。このため、第3態様として、3つ以上のラウンドに跨る期間において異常の検出を行い、開放中又は閉鎖中に限らず異常を検出することが考えられる。
例えば、2R〜5Rにおいて、前述した第1態様の演算や第2態様の演算を行い、求められた払出数>閾値の関係が満たされた場合に異常の判定を行う、といったことが可能である。この場合の閾値は、当り図柄の種類(或いは大当りの種類や総ラウンド数)によるものということができる。なお、開始デモ時や終了デモ時を含む期間に対して、この第3態様を適用することも可能である。
<<不正対策に係る第4態様>>
さらに、前述した第1態様から第3態様では、メイン基板102からのコマンド受信が必要であるが、コマンドの送受信に使用される通信線に細工を行ったうえで不正を働くことも考えられる。このような不正行為を想定した第4態様として、例えば、サブメイン基板301のCPU521で、受信したコマンドに基づき、コマンドの受信順が正常であるか否かを判定し、順番が正常でないことを判定したときに異常と判断する、といったことが考えられる。
具体的には、大当り遊技中の開始時や終了時、或いはラウンド数などの情報を含んだコマンドを利用し、実際に受信したこれらのコマンドの送信順が、正常な本来の送信順に合致しているものであるか否かを判定し、合致しない場合に異常と判定する。これらのコマンドとしては、前述した大当り中大入賞口開放時のコマンドのうちの、図柄1(又は図柄2)大当り中デモ1〜16、発射位置指定のコマンド、大当り中大入賞口閉鎖時のコマンドである大入賞口閉鎖演出コマンド、大当り終了デモ時のコマンドである、図柄1当り終了デモ、図柄2当り終了デモのコマンドなどを挙げることができる。
なお、不正行為によるものではなく、通常起こり得る原因によってコマンドの受信順序が正常でなくなることも考えられるため、例えば、コマンド受信順序の異常を複数である所定回数(例えば2回以上など)に亘って検出した場合に異常と判定して報知してもよい。また、異常の検出回数に応じて報知態様を異ならせ、例えば異常の検出回数が増えると、段階的に、報知の音量を大きく変化させたり、報知の態様を強調した態様に変化させたりすることも可能である。
<<不正対策に係る第5態様>>
また、第5態様として、タイマ管理に基づく異常判定を行うことも可能である。例えば、大当り中大入賞口開放時のコマンドの受信後、予め定められた所定の有効期間(開放コマンド受信後有効期間)が経過しても入賞が検出された旨のコマンドを受信できない場合に異常と判定する。さらに、最終ラウンドを除くラウンドの終了時に、大当り中大入賞口閉鎖時のコマンドを受信してから所定の有効期間(閉鎖コマンド受信後有効期間)が経過しても入賞が検出された旨のコマンドを受信できない場合に異常と判定することも可能である。
なお、この第5態様において、上述の開放コマンド受信後有効期間と閉鎖コマンド受信後有効期間を同じ値としてもよい。また、開放コマンド受信後有効期間と閉鎖コマンド受信後有効期間を併用してもよい。
<<不正対策に係るその他の態様>>
さらに、不正ではなく、単に意図的に遊技球の発射がされない場合も想定でき、このような場合も、上述の各種の有効期間内にコマンドの受信ができないと考えられる。したがって、上述の各種の有効期間を段階的に定めておき、開放コマンド受信後や閉鎖コマンド受信後に有効期間が経過したか否かの検出を複数段階で行うことも可能である。そして、この場合には、有効期間の初期の段階では、右打ちや左打ちの打ち分けに係る注意喚起のための画像(打ち分け注意喚起画像)を行い、検出回数が所定数に達した場合に、異常と判定して報知を行うようにしてもよい。また、この場合に、1回の検出毎にタイマをクリアし、改めて有効期間の計時を始める、といったことも可能である。
<第2始動入賞口の作動状態と作動中信号との関係>
次に、第2始動入賞口63(前述の普通電動役物)に係る作動状態と作動中信号との関係について説明する。先ず、第2始動入賞口63に係る作動中信号(普通電動役物作動中信号)は、前述の試験信号出力処理(S67)により出力のための処理が行われ、試験信号として、ぱちんこ遊技機10から機外に出力される信号である。そして、この普通電動役物作動中信号は、前述の普通図柄停止図柄表示中処理(図22のS220)、および、普通電動役物作動終了デモ中処理(図24のS248)に、始動口2有効期間設定処理(図16のS118)よってRWM記憶領域の普通電動役物作動中フラグに記憶されているデータにより、そのオン・オフの状態が示されるものである。言い換えると、普通電動役物作動中信号は、普通電動役物の作動中および終了デモ中であるか、始動口2の有効延長期間中である場合に出力されるようになっている。
図48(a)には、本実施例における第2始動入賞口63と普通電動役物作動中信号との関係をタイムチャートによって示している。図48(a)中、最上段に示す「普通図柄ステイタス」は、普通図柄や普通電動役物の各状況に対応した普通図柄ステイタスの値を示している。
つまり、普通図柄が変動していない場合には、普通図柄ステイタスの値は、前述した普通図柄変動待機中ステイタス(0)となっている。また、普通図柄の変動中は、普通図柄ステイタスの値は、前述した普通図柄変動中ステイタス(1)となっており、普通図柄の停止中は、普通図柄停止図柄表示中ステイタス(2)となっている。
さらに、普通電動役物の作動中には、普通図柄ステイタスの値は、前述した普通電動役物作動中ステイタス(3)となっている。また、普通電動役物の作動終了デモ中には、普通図柄ステイタスの値は、普通電動役物作動終了デモ中ステイタス(4)となっており、普通電動役物の開放準備中の場合には、普通電動役物開放準備中(5)となっている。なお、前述した変形例のように、普通電動役物開放準備中ステイタス(05H)を設け、例えば、普通図柄停止図柄表示中処理(図22)のS210〜S220の処理移行を別モジュール(普通電動役物開放準備中処理など)として実行するようにしてもよい。
なお、以下では、普通図柄変動待機中ステイタス(0)、普通図柄変動中ステイタス(1)、普通図柄停止図柄表示中ステイタス(2)、普通電動役物作動中ステイタス(3)、普通電動役物作動終了デモ中ステイタス(4)、普通電動役物開放準備中(5)を、それぞれ待機中(0)、変動中(1)、停止中(2)、作動中(3)、終了デモ中(4)、準備中(5)と称する場合がある。前述のように、普通電動役物開放準備中(5)については、ステイタスに割り当てられた値を示すものではなく、便宜上「(5)」の符号を付して普通図柄ステイタスのタイムチャート上に示すものであり、他の表記である(0)〜(4)とは意味するところが異なっているが、変形例として準備中ステイタス(5=05H)を設けて、制御上、他のステイタス(0)〜(4)と同様に取り扱えるようにしてももよい。また、図中では、文字表記のためのスペースが足りない箇所については、例えば、「準備中(5)」を(5)とするなどのように、状態やステイタスの値を示す数値を括弧付きの数字によって示している。
続いて、図48(a)の次段(上から2段目)に示す「普通図柄」は、前述の普通図柄が変動している状況をチャートの立ち上がりで示しており、変動が停止している状況をチャートの立ち下がりで示している。さらに、図48(a)の次段(上から3段目)に示す「電チュー」は、第2始動入賞口63の普通電動役物が作動している状況をチャートの立ち上がりで示しており、作動していない(非作動の)状況をチャートの立ち下がりで示している。
また、図48(a)の次段(上から4段目)に示す「普通電動役物有効期間」は、普通電動役物(第2始動入賞口63)に対する入賞が有効となっている状況をチャートの立ち上がりで示しており、普通電動役物(第2始動入賞口63)に対する入賞が無効となっている状況をチャートの立ち下がりで示している。さらに、図48(a)の次段(上から5段目)に示す「普通電動役物作動中信号」は、前述の普通電動役物作動中信号がオンとなっている状況をチャートの立ち上がりで示しており、オフとなっている状況をチャートの立ち下がりで示している。
そして、図48(a)の例では、「普通図柄ステイタス」の値が、変動中(1)、停止中(2)、準備中(5)、作動中(3)、終了デモ中(4)、変動中(1)、停止中(2)、作動中(3)、終了デモ中(4)と変化している。そして、これに伴い、「普通図柄」は、520msの変動の後、500msに亘って停止している。この520msの変動や、500msの停止は、入球容易化状態となる特定遊技状態における変動時間及び停止時間を示している。そして、特定遊技状態中における殆どの場合の変動時間及び停止時間は、それぞれ520ms、500msに共通化されている。
上述の変動中(1)の期間(ここでは520ms)は、普通図柄に係る抽選(普図抽選)に当せんしているか否か、或いは、複数のうちのどの変動パターンが選択されたか、といった要因によって異なるものである。さらに、上述した停止中(2)の期間(ここでは500ms)の終盤には、制御上の状態が準備中(5)に変化している。
この普通電動役物の制御に関しても、準備中(5)の期間は、遊技進行割込みの回数に基づき定まるものとなっている。そして、本実施例では、準備中(5)の期間は、大入賞口91に係る大入賞口開放準備中ステイタス(1)の場合と同様に、遊技進行割込み処理(ここでは4ms)の2回分に相当する約8msとなっており、2回の遊技進行割込み処理の実行が判定されると終了するようになっている。なお、準備中(5)に制御する期間は、図22に示した普通図柄停止図柄表示中処理におけるS209の判定値に基づいて定められている。
さらに、普通図柄に係る抽選に当せんしている場合には、図48(a)に示すように「普通図柄ステイタス」が作動中(3)となり、「電チュー」が開放状態となる。これに伴い、普通電動役物は有効期間となり(「普通電動役物有効期間」参照)、「普通電動役物作動中信号」は、普通電動役物が有効期間となるのに連動してオンとなる。そして、当せんした開放パターンに基づく「電チュー」の開放期間が終了すると、「普通図柄ステイタス」は終了デモ(4)となる。ここで、図48(a)の例では、「電チュー」が、所定期間に亘る1回の開放動作を行う場合が示されている。
この作動中(3)の後の終了デモ(4)の期間は、「電チュー」のタイムチャート上に示すように100msとなっている。この100msの終了デモ期間は、特定遊技状態中において共通化されたものとなっている。また、図48(a)の例では、後続の遊技球に係る始動条件の成立が既にあり、終了デモ(4)の後には、停止中(2)の期間を介さずに、待機中(0)を経て、「普通図柄変ステイタス」が変動中(1)となっている。図48(a)の例では、このときの変動中(1)の期間も、前回と同じ520msとなっており、その後の停止中(2)の期間も500msとなっている。
また、このときの普図抽選の結果も当りとなっており、普通図柄に係る状態が準備中(5)となった後に、「普通図柄ステイタス」が作動中(3)となっている。その後、「普通図柄ステイタス」は、終了デモ中(4)となっている。
さらに、図48(a)中の「電チュー」は、前述したように「普通図柄ステイタス」が作動中(3)となると作動を開始し、その後は、作動中(3)の期間に亘って開放状態を維持するようになっている。さらに、「電チュー」は、作動中(3)の期間の終了(開放時間の終了や規定数の遊技球の入球)とともに閉鎖状態となり、作動中(3)以外の場合には非作動の状態を維持するようになっている。
さらに、図48(a)中の「普通電動役物有効期間」は、「普通図柄ステイタス」が作動中(3)になると有効な状況になり、この有効期間は、「普通図柄ステイタス」が終了デモ中(4)に変化してからも所定期間(ここでは3000ms)に亘って継続している。このように、「普通電動役物有効期間」における有効な期間を、作動中(3)の期間のほか、終了デモ中(4)となってからも延長し、その延長期間を3000msとしているのは、前述した大入賞口91における「最終R」の場合と同様に、第2始動入賞口63への入球を可能な限り長い期間に亘って検出できるようにするためである。
そして、このような延長期間を設け、延長期間の長さを、特定遊技状態において終了デモ(4)から変動中(1)、停止中(2)と続く期間の合計期間(1120ms=100ms+520ms+500ms)よりも長い期間(3000ms)としている。なお、詳述はしないが、特定遊技状態(普通図柄の時短機能の作動状態)でない場合においては、普通図柄の変動中(1)、停止中(2)の合計期間は延長期間(3000ms)よりも長くなる場合があるように設定されている。
さらに、図48(a)中の「普通電動役物作動中信号」は、前述したように「普通電動役物有効期間」の有効期間の開始に伴ってオンとなり、「普通電動役物有効期間」の有効期間の終了に伴ってオフとなっている。なお、特定遊技中には、先に作動した電動役物の有効期間が経過する前に、新たに電動役物が作動することとなり易いが、このような場合においては、新たに電動役物が作動する前の所定期間において、普通電動役物作動中信号をオフするように制御することが可能である。
続いて、第2始動入賞口63が、連続的に複数回作動する場合の処理態様について、図48(b)に基づき説明する。図48(b)に示す例では、「普通図柄ステイタス」が作動中(3)となった場合に、「電チュー」が3回連続して開放状態となっている。そして、この場合の「普通電動役物有効期間」は、「普通図柄ステイタス」が作動中(3)となると有効な状態となり、作動中(3)の期間が終了した後も、所定の延長期間(3000ms)に亘って有効な状態を維持している。
ここで、図48(b)では、「普通電動役物有効期間」を2つのタイムチャートに分け、「普通図柄ステイタス」が作動中(3)である場合の普通電動役物有効期間を、「普通電動役物有効期間(作動中)」として示し、延長期間中の場合の普通電動役物有効期間を、タイマ管理がされているという意味で、「普通電動役物有効期間(タイマ)」として示している。さらに、図48(b)の例では、「普通電動役物有効期間」の3000msの延長期間中に普通図柄に係る状態が準備中(5)となり、「普通図柄ステイタス」が作動中(3)となっている。
また、図48(b)の例では、「普通電動役物作動中信号」が、普通図柄に係る状態が準備中(5)となっている期間にオフとなり、直後に「普通図柄ステイタス」が作動中(3)になるとオンに変化している。さらに、このときには「電チュー」が、前回の作動中(3)の場合と同様に3回の連続開放を行うものとなっており、「普通図柄ステイタス」が作動中(3)となる直前に、普通図柄に係る状態が準備中(5)となっている。
さらに、「普通図柄ステイタス」が作動中(3)となり、その後に「普通図柄ステイタス」が、終了デモ中(4)、待機中(0)と変化している。そして、「普通図柄ステイタス」が待機中(0)となっている間に、「普通電動役物有効期間(タイマ)」の3000msが終了し、作動中(3)の期間の開始時からオン状態となっていた「普通電動役物作動中信号」がオフとなっている。
<第2始動入賞口に係る発明の作用効果>
以上説明したように第2始動入賞口に係る処理を行うぱちんこ遊技機10によれば、第2始動入賞口63に係る普通電動役物作動中信号(図48(a)参照)が、ぱちんこ遊技機10の機外へ外部出力され、この外部出力された普通電動役物作動中信号を、ぱちんこ遊技機10の試験が行われる際に利用できるようになっている。
さらに、第2始動入賞口63に係る開閉の管理は、普通図柄ステイタスの情報を利用して行われ、この普通図柄ステイタスの情報が、普通図柄に係る当り時における第2始動入賞口63の開放状態を指定する普通電動役物作動中ステイタス(3)になると、普通電動役物作動中信号をオンにして有効延長期間を含む第2始動入賞口63が有効である期間において維持する。また、普通図柄に係る状態が、普通図柄に係る当り時における第2始動入賞口63の開放準備状態(5)になっている期間は、第2始動入賞口63が有効である場合であっても普通電動役物作動中信号をオフにする。
したがって、普通電動役物開放準備中(5)の場合に指定される期間に普通電動役物作動中信号を短期間だけオフ出力することで、第2始動入賞口63を有効とする期間を次回の普通電動役物の作動開始に重なる期間まで延長した場合であっても、普通電動役物の作動が開始した回数を正確に外部機器に対して報知できるようになる。また、普通電動役物作動中信号がオンになっている期間を第2始動入賞口63が有効である期間において可能な限り長期化することで、第2始動入賞口63の有効期間での入賞が検出された際に、普通電動役物作動中信号がオフとなっているリスクを抑制できる。そして、ぱちんこ遊技機10に外部接続された試験機器にて、第2始動入賞口63での入賞が予期せず無効期間での遊技球検出された、あるいは第2始動入賞口63が正常に動作していない(例えば、第2始動入賞口の入り口が異常で開きっぱなしとなったため、普通電動役物の非作動期間に入賞が発生している)として取り扱われてしまうことを防止できる。
このような発明の作用効果は、図46(a)〜(d)に示す大入賞口91の場合と同様であるが、第2始動入賞口63には、大入賞口91と異なる事情がある。すなわち、大入賞口91の場合は、予め決められたラウンド数に基づき開閉が行われるが、第2始動入賞口63の場合は、後続の開閉の有無や開放タイミングが抽せん等により決まっている。このため、大入賞口91の場合には、図46(a)〜(d)に示す「大入賞口有効期間」の延長期間(5000ms)として、予め後続のラウンドの開始タイミングに重ならず、且つ、最大となる時間を決定することができる。
これに対して、第2始動入賞口63の場合には、後続の開放のタイミングを予め決めておくことができず、「普通電動役物有効期間」の延長期間(ここでは3000ms)中に、次回の開放が行われる場合も生じ得る(図48(a)、(b)参照)。特に、時短中や電サポ中など入球容易化が行われている特定遊技状態においては、第2始動入賞口63が、短い間隔で開放を繰り返すことになるため、「普通電動役物作動中信号」をオフするタイミングや、その後にオンするタイミングの決定が難しく、普通電動役物開放準備中ステイタス(5)を用いた「普通電動役物作動中信号」の制御が、一層有効なものとなる。
なお、普通電動役物開放準備中(5)の状態とせずに、「普通電動役物有効期間」の延長期間を設け、次の回の開放の前に確実に当該延長期間を終了させようとした場合には、普通電動役物の作動回数を特定させるために、当該延長期間は、前述した終了デモ(4)から変動中(1)、停止中(2)と続く期間の合計期間(例えば1120ms−普通電動役物作動中信号出力オフ期間)程度までしか長く設定することができないと考えられる。しかし、本実施例では、普通電動役物開放準備中(5)の期間を設けているので、当該延長期間を3000msといった長時間とし、「普通電動役物作動中信号」がオフになる時間を極力短くすることが可能となっている。
<大入賞口の作動状態と作動中信号に係る制御の第2実施例>
続いて、大入賞口の作動状態と作動中信号に係る制御の第2実施例について説明する。上述の実施例(図46(a)〜(d)など)では、大入賞口を1つのみ備えたタイプのぱちんこ遊技機10について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、大入賞口(特別電動役物)を複数(例えば2つ)備えたタイプのぱちんこ遊技機にも適用が可能である。
図49(a)〜(c)は、2つの大入賞口(大入賞口1、大入賞口2)を備えたぱちんこ遊技機における、大入賞口の作動状態と作動中信号との関係を示している。そして、図49(a)〜(c)に示すのは、1回の大当りに伴う特別遊技中に、2つの大入賞口を交互に使用するタイプの大入賞口装置を備えたぱちんこ遊技機に関するタイムチャートである。
ここで、このように1回の特別遊技で併用される2つの大入賞口を総称して「ダブルアタッカー」などという場合がある。また、このような2つの大入賞口の配置としては、遊技領域52の右側の領域を挙げることができる。
図49(a)〜(c)中、「特電」、「特電遊技ステイタス」の用語の意味は、第1実施例に係る図46(a)〜(d)と略同様である。また、大入賞口の開閉状態については、交互に開閉する2つの大入賞口の各々に対応して、「大入賞口1」、「大入賞口2」のタイムチャートが図中に示されている(各図の3段目と4段目)。また、大入賞口有効期間についても2つの大入賞口の各々に対応して、「大入賞口1有効期間」、「大入賞口2有効期間」のタイムチャートが示されている。
さらに、図49(a)〜(c)においては、特別電動役物作動中信号についても、「特別電動役物1作動中信号」、「特別電動役物2作動中信号」のタイムチャートが示されている。ここで、本実施例では、互いに異なる特別電動役物である特別電動役物1と特別電動役物2が作動するため、作動中信号も、各々の特別電動役物に対応して、「特別電動役物1作動中信号」と「特別電動役物2作動中信号」の2つが出力されるようになっている。
図49(a)の例においては、「1R」目の「特電遊技ステイタス」が作動中(2)となっている状況では、大入賞口1が開放を継続する。そして、「1R」の作動中(2)となっている期間(開放期間)は、ここでは28000msとなっており、当該開放期間が終了すると、「大入賞口1」は閉鎖状態となる。そして、閉鎖中(3)と準備中(1)の合計期間(ここでは3000ms)が経過すると、「特電遊技ステイタス」は作動中(2)となり、「2R」が開始される。
ここで、「2R」の直前の準備中(1)の期間は、大入賞口の作動状態と作動中信号に係る第1実施例(図46(a)〜(d)参照)と同様に、遊技進行割込み処理(ここでは4ms)の2回分に相当する約8msとなっている。そして、この準備中(1)の期間の長さは、他のラウンドについても共通である。
上述の「2R」では、大入賞口2が作動し、作動中(2)の期間に2回の開放(短開放)を行う。そして、その後の閉鎖中(3)の期間及び準備中(1)の期間の合計は、「大入賞口2」のタイムチャート上に示すように2500msとなっている。
図49(a)中に示すように、「大入賞口1有効期間」については、「1R」の開始に先立つ「開始デモ」が始まると、大入賞口1が有効な状態となる。また、「大入賞口2有効期間」についても、「開始デモ」が始まると、大入賞口2が有効な状態になる。そして、「大入賞口1有効期間」及び「大入賞口2有効期間」は、いずれも「1R」だけではなく、「2R」以降も有効な状態となっている。
また、「特別電動役物1作動中信号」と「特別電動役物2作動中信号」について、「特別電動役物1作動中信号」は、「1R」に係る作動中(2)の開始に伴ってオンとなり、「1R」に係る閉鎖中(3)の終了に伴ってオフとなる。そして、「大入賞口2」が作動状態となる「2R」においては、「特別電動役物1作動中信号」はオフの状態を継続し、「3R」の作動中(2)の開始に伴いオンとなる。
さらに、「特別電動役物2作動中信号」は、「1R」の間はオフとなっており、「2R」に係る作動中(2)の開始に伴ってオンとなる。さらに、「特別電動役物2作動中信号」は、「2R」に係る閉鎖中(3)の終了に伴ってオフとなり、「大入賞口1」が作動状態となる「3R」においては、オフの状態を継続している。
続いて、図49(b)に示すように、「7R」においては、「大入賞口1」が1回の短開放を行い、その後の閉鎖中(3)と準備中(1)の合計期間は、600msとなっている。この際、「大入賞口2」は非作動の状態にあるが、「大入賞口1有効期間」と「大入賞口2有効期間」は、いずれも有効な状態になっている。
そして、「特別電動役物1作動中信号」は、「7R」に係る作動中(2)の開始に伴ってオンとなり、「7R」に係る閉鎖中(3)の終了に伴ってオフとなっている。また、「特別電動役物2作動中信号」は、「6R」に係る閉鎖中(3)の終了に伴ってオフとなり、「8R」に係る作動中(2)の開始に伴ってオンとなっている。
続いて、図49(c)に示すように、「最終R」においては、「大入賞口2」が1回の短開放を行い、その後の閉鎖中(3)の期間は600msとなっている。この際、「大入賞口1」は非作動の状態にあり、「大入賞口1有効期間」と「大入賞口2有効期間」は、いずれも終了デモ(4)の開始から始まる所定の延長期間(ここでは5000ms)の終了まで継続する。
ここで、図49(c)では、「終了デモ」の終了のタイミングと、延長期間の終了タイミングを一致させているが、「大入賞口1有効期間」と「大入賞口2有効期間」は、「終了デモ」中に終了する場合もある。また、これとは異なり、「終了デモ」の終了後に「当り待ち」が開始されてから、「大入賞口1有効期間」と「大入賞口2有効期間」が終了する場合もある。このことは、前述した大入賞口の有効期間の管理に係る第1実施例(図46(a)〜(d))と同様である。
そして、この第2実施例においても、「終了デモ」に要する時間は一律ではないことから、第1実施例と同様に、「終了デモ」の時間の計時に用いられるタイマ(特電遊技ステイタス管理用のタイマ)と、大入賞口に係る有効延長期間(ここでは5000ms)を管理するためのタイマの、2つのタイマを用いた大入賞口の有効期間の管理が行われている。
ここで、この大入賞口の作動状態と作動中信号に係る第2実施例においては、「大入賞口1有効期間」と「大入賞口2有効期間」の各々について対応するタイマ(例えば大入賞口1有効延長タイマと大入賞口2有効延長タイマ)や、有効期間管理用のRWM領域を備えることが可能である。また、これに限らず、「大入賞口1有効期間」と「大入賞口2有効期間」について、タイマを共通化したり、RWM領域を共通化したりすることも可能である。つまり、図49(a)〜(c)の例では、「大入賞口1有効期間」と「大入賞口2有効期間」が一致するように処理を行っているため、タイマやRWM領域のうちの一方、或いは両方を共通化することが可能である。
さらに、図49(c)において、「特別電動役物1作動中信号」は、「最終R」の1つ前のラウンド(前述の(N−1)R)における準備中(1)の開始タイミングでオフとなる。また、「特別電動役物2作動中信号」は、「最終R」に係る作動中(2)の開始タイミングでオンとなり、終了デモが終わった場合にオフとなる。
このような大入賞口の作動状態と作動中信号に係る第2実施例によれば、複数の大入賞口を備えたぱちんこ遊技機において、大入賞口の有効期間(ここでは「大入賞口1有効期間」又は「大入賞口2有効期間」)が有効となっている期間を長大化することができる。さらに、「特別電動役物1作動中信号」又は「特別電動役物2作動中信号」がオンとなっている期間を長大化することができる。
そして、これらのことから、2つの大入賞口それぞれでの入賞が検出された際に、大入賞口の作動中信号がオフとなっているリスクを抑制できる。さらに、ぱちんこ遊技機10に外部接続された試験機器にて、大入賞口での入球が予期せず特別電動役物が非作動かつ無効として扱うべき期間に発生したと取り扱われてしまうことを防止できる。
なお、本発明は上述した各種の実施例に限定されるものではなく、種々に変形が可能なものである。例えば、前述の実施例(図46(a)〜(d))では、大入賞口91に関して「特電遊技ステイタス」に大入賞口開放準備中ステイタス(1)を設け、大入賞口開放準備中ステイタス(1)を利用して特別電動役物1作動中信号の管理を行っているが、これに限らず、タイマ管理により特別電動役物1作動中信号の管理を行うようにしてもよい。
より具体的には、閉鎖中(3)の管理のためのタイマによる計時が所定の値になると、大入賞口閉鎖中処理内において、特別電動役物1作動中信号をオフし、所定時間の経過後に、特別電動役物1作動中信号をオンに戻すとともに作動中(2)の状態に移行する際に必要な設定を行う、といったことが可能である。さらに、この場合、特別電動役物1作動中信号をオフにする期間は、例えば8ms(前述の所定の値が「2」であるとき)のように、複数回の遊技進行割込み処理の周期に相当する期間とすることが考えられる。このようにすることで、試験機器の特性に影響されず、特別電動役物1作動中信号に係るオン・オフの検出を可能とすることができる。
さらに、特別電動役物1作動中信号をオフする期間を、上述のように複数回の遊技進行割込み処理の周期に相当する期間とすることで、ノイズ等の影響により信号出力が正常にできなかった場合など、何らかの原因によりエラーが発生し、1回の遊技進行割込み処理では信号のオフ期間を検出できなくなるような場合であっても、より確実に信号のオン・オフを検出することができる。
なお、このようなタイマ管理による作動中信号の生成は、第2始動入賞口63に係る開閉管理(図48(a)、(b)参照)や、複数の大入賞口を開閉される可変入賞装置の開閉管理(図49(a)〜(c)参照)などのような他のタイプの可変入賞装置に係る開閉管理についても適用が可能である。
また、図48(a)、(b)に示した普通電動役物に係る例では、普通電動役物が作動する前に開始デモの演出を行うための開始デモ期間を設けていないが、特別電動役物と同様に開始デモ時間を設けるようにしてもよい。そして、例えば、前述した終了デモ(4)から変動中(1)、停止中(2)と続く期間の合計期間(前述の例では1120ms)を、開始デモを含めた合計期間(1120ms+α、或いは、開始デモを含めて1120ms)として開放期間の設定を行ってもよい。