<ぱちんこ遊技機の基本構成>
以下、本発明に係るぱちんこ遊技機の実施例について説明する。図1は、本実施例に係るぱちんこ遊技機10の前面構成を示している。ぱちんこ遊技機10においては、後述する遊技機枠11に遊技盤50が装着されている。これらのうち、遊技盤50は、ぱちんこ遊技機10の機種に応じて付属機器や意匠等といった構成要素を異ならせているものである。さらに、遊技盤50は、遊技機枠11との電気的な接続関係や、構造的な接続関係を解除することにより、遊技機枠11から分離できるようになっている。
また、複数機種の遊技盤50について、遊技機枠11との構造的及び電気的な接続関係を共通化することにより、異機種間で遊技機枠11を共用する所謂機種変更が可能となっている。なお、以下では先ず、遊技機枠11について説明し、その後に遊技盤50の盤面構成について説明する。
上述の遊技機枠11は、外枠12、前枠(「内枠」や「本体枠」などともいう)13、及び、下部前板(「幕板」などともいう)14を有している。さらに、前枠13には、ガラス扉15、及び、皿ユニット16が装着されている。これらのうち外枠12は、ぱちんこ遊技機10を、遊技場(遊技店舗)内の島設備における所定位置に固定するために用いられる矩形の枠体であり、図1中に示すように、ガラス扉15や皿ユニット16を有する前枠13と、上述の下部前板14とにより、前面側が閉じられる開口部分を有している。
また、外枠12を島設備に設置するための工法として、釘打ちが行われるのが一般的である。そして、外枠12の、少なくとも、島設備への固定のための部位の材質として、木材が用いられている。なお、木材に代えて、例えば釘打ちが可能なプラスチック材を採用することが可能である。また、外枠12を島設備に設置するための工法として、釘打ち以外の工法を採用することも可能である。
前枠13は、外枠12の開口部分に整合する外形を備えた構造であり、図1中の左側に示すヒンジ機構15A、15Bを介して、外枠12に装着されている。そして、前枠13は、外枠12に対する閉鎖状態から、図1中の左側縁部を固定端とし、右側縁部を自由端として、前方へ揺動することで開放状態となる。さらに、前枠13は、開放状態から後方へ揺動し、外枠12内に入り込んで係止することにより、再び閉鎖状態となる。そして、前枠13は、閉鎖時に、外枠12の上短部から、上述の下部前板14までの間の部位を塞ぐようになっている。
前枠13の外枠12への係止と、外枠12からの解放は、錠装置(図示略)を介して行われている。すなわち、図1中に示すように、前枠13の自由端側の下方の部位には、錠装置のシリンダ部17が配置されており、このシリンダ部17は、前枠13の下部を覆った前述の皿ユニット16を通して、鍵穴をぱちんこ遊技機10の前方へ向けている。そして、遊技場店員が、鍵をシリンダ17部の鍵穴に挿入し、この鍵を、例えば反時計回りに回すと、前枠13の自由端側が錠装置から解放され、前枠13が開放状態となる。
このような前枠13に対して、前述の下部前板14は、前枠13のような開閉のための構成は備えておらず、外枠12に、動くことないよう固定されている。そして、下部前板14は、外枠12の前面の下端部を常に塞いでいる。
前枠13の前部に配置されたガラス扉15と、皿ユニット16とは、ヒンジ機構(図示略)を介して、前枠13に装着されている。さらに、ガラス扉15と、皿ユニット16とは、いずれも、図1中の左側縁部を固定端とし、右側縁部を自由端として、各々独立に揺動可能である。そして、ガラス扉15と、皿ユニット16とは、例えば遊技場店員が、前方に水平に揺動させることで開放状態となり、開放状態から後方へ水平に揺動させ、前枠13に係止させることにより閉鎖状態となる。
ガラス扉15の前枠13への係止と、前枠13からの解放は、前述の錠装置(図示略)を介して行われている。すなわち、遊技場店員が、鍵を前述のシリンダ17部の鍵穴に挿入し、この鍵を、例えば前枠13の開放時とは逆の時計回りに回すと、ガラス扉15の自由端側が錠装置から解放され、ガラス扉15が開放状態となる。そして、開放状態にあるガラス扉15を、前枠13に重なるように押し戻し、ガラス扉15が前枠13と平行になるように押し込むことで、錠装置が作動して、ガラス扉15が再び前枠13に係止する。
また、ガラス扉15を開放することで、皿ユニット16の係止機構(図示略)が現れて操作可能となり、この係止機構の操作部(図示略)を遊技場店員が、例えば下方向に押し込み操作することで、皿ユニット16が開放状態となる。さらに、開放状態にある皿ユニット16を、前枠13に重なるように押し戻し、皿ユニット16が前枠13と平行になるように押し込むことで、係止機構が作動して、皿ユニット16が再び前枠13に係止する。
さらに、ガラス扉15は、例えば平行な2枚の透明板を脱着可能に保持しており、閉鎖状態にある場合に、これらの透明板を通して、ぱちんこ遊技機10の前方から遊技盤50を視認できるようにしている。透明板としては、ガラス板のほか、透明な樹脂板なども利用することができる。また、ガラス扉15を開放することで、遊技盤保持機構(図示略)により前枠13に保持された遊技盤50の前面が露出するようになっている。さらに、図示は省略するが、前枠13は、遊技媒体である遊技球を誘導や回収するための遊技球通路等を有している。
皿ユニット16は、その前面に、上球皿18、下球皿19、及び、発射ハンドル20等を有している。これらのうち、上球皿18には、遊技球の貯留、発射ハンドル20を介して操作される発射装置43(図2及び図4参照)への遊技球の供給、下球皿19への遊技球の排出といった各種機能のための機構が備えられている。また、下球皿19には、遊技球の貯留、上球皿18から送られてきた遊技球の受入れ、ぱちんこ遊技機10の外部に置かれた玉箱(所謂ドル箱)への遊技球の排出といった各種機能のための機構が備えられている。なお、玉箱が、島設備に一体的に備えられている場合もある。
また、本実施例においては、ガラス扉15の上隅部や、下部前板14などといった部位に、各種のスピーカ21が設けられており、これらのスピーカ21を通して、遊技状態や演出パターンなどに応じたBGMや各種効果音などが出力されるようになっている。
さらに、上球皿18の、遊技者に向かう部分には、遊技者により操作が可能な操作ボタン22が設けられている。この操作ボタン22は、上球皿18の上部の外壁面に設けられており、上球皿18の左右方向の中央近傍に位置している。さらに、操作ボタン22は、内部に操作ボタン用発光体(図示略)を備えており、実行される演出パターンに応じて光出力を行うようになっている。
なお、操作ボタン22を、例えばモータ等の駆動源を用いて、所定の場合に上方に突出するようにしてもよい。本実施例における操作ボタン22は、詳細は図示しないが昇降モータの駆動により操作ボタン22の先端が上方へ突出する態様に変位し、傾倒による入力を実施可能な操作レバー入力部を形成することが可能であり、操作レバーの駆動系に振動を発生するための半月状の偏心カムを有している。
また、図18に示すように、操作ボタン22のほかに十字キー96が備えられており、この十字キー96を用いて遊技者による各種の環境設定が可能となっている。そして、環境設定の内容としては、スピーカ21の音量調節、後述する演出表示の輝度調節や光量調節、或いは、演出モードの変更などを例示できる。また、遊技機枠11の、例えば前枠13等に、遊技に係る演出や、上述の環境設定に係る表示を行うことが可能な表示器を設けることが可能である。
さらに、十字キー以外にも、例えば、レバー状の操作手段や、各種方式のタッチパネル等を用いることが可能である。また、図18中に符号97で示すのは玉貸ボタンであり、符号98で示すのは返却ボタンである。さらに、図18中に符号98で示すのは上球皿18用の球抜ボタンである。
<ぱちんこ遊技機の背面構成>
次に、ぱちんこ遊技機10の背面側における基本的な構成を説明する。図2に示すように前枠13の背面には、遊技球を誘導又は回収するための遊技球通路等を備え、賞球路形成機構となるセット基盤(「裏セット盤」などともいう)31が取着されており、このセット基盤31の下方に、遊技機全体に電源を供給するための電源ユニット32、遊技機枠側の制御を行う払出制御(「賞球制御」などともいう)基板103が、それぞれ専用の透明ケースに収められた状態で取り付けられている。また、遊技盤50の背面側においては、遊技全体を統括制御するメイン基板(主制御基板)102や、メイン基板102からの制御コマンドに基づいて演出制御を実行するサブ基板104が、それぞれ専用の透明ケースに収められ、セット基盤31の開口に対応する位置関係で設けられている。さらに、セット基盤31には、発射装置43や、発射装置43を制御する発射制御基板105も備えている。
セット基盤31においては、上述の開口の上部に賞球タンク33が設けられている。この賞球タンク33は、島設備から供給されて賞球となる遊技球を貯留する。さらに、賞球タンク33の下方には、賞球通路34、払出ユニット35、賞球排出通路36が設けられている。そして、これらの賞球通路34、払出ユニット35、賞球排出通路36は、図2中に示すようにぱちんこ遊技機10を背面視した場合における、遊技盤50の上方から右側部に沿って配置されている。
上述の賞球通路34は、賞球タンク33に貯留された遊技球を下流側へ整流案内するものである。また、上述の払出ユニット35は、賞球通路34と連絡し賞球タンク33内に貯留された球を1球単位で下方に排出可能である。さらに、賞球排出通路36は、払出ユニット35から流下された遊技球を賞球として球皿(上球皿18又は下球皿19)に案内する。
前述の電源ユニット32は、図2中に示すようにぱちんこ遊技機10を背面視した場合における、セット基盤31の左下の部位に設けられている。そして、電源ユニット32は、遊技機外部から供給される交流電源を、遊技機中において使用する各種の電圧に変換して、払出制御基板103、メイン基板102、サブ基板104等へ供給する。また、電源ユニット32を作動させるための電源スイッチ40は、図中右下の部位に隠れ線(破線)で示すように、他の機器の背後に配置されている。この電源スイッチ40は、落下した遊技球が直撃してもオフにならないように、電源スイッチ40の中央より下が押されて下側に傾倒したときにオンとなるよう設置されている。
前述の払出制御基板103は、図2中に示すようにぱちんこ遊技機10を背面視した場合における、セット基盤31の右下の部位に配置されている。そして、払出制御基板103は、メイン基板102からの払出に係る指令や外部からの貸出要求に応じて払出ユニット35を制御する払出制御機能を有している。また、前述の発射制御基板105は、発射ハンドル20(図1参照)の操作量に応じた強度で遊技球(打球)を遊技領域に発射するよう、発射装置43を制御する発射制御機能を備えている。さらに、遊技球の発射は、1分間に連続して100個程度行えるようになっている。
前述のメイン基板102は、遊技盤50の背面側における中央下部に配置されており、主に、各種の抽選機能や設定変更機能、払出制御基板103及びサブ基板104に対する制御機能などのように、ぱちんこ遊技機10における中心的な処理機能を備えている。前述のサブ基板104は、遊技盤50の背面側における中央上部に配置されており、主に、後述する各種の演出を制御するための機能を備えている。
サブ基板104については、演出制御の主体的な機能を担う主サブ基板(本実施例ではサブメイン基板301)と、画像作成などの特定の演出機能に特化した副サブ基板(本実施例ではサブサブ基板302)とに分かれているが、「サブ基板」の用語はこれらを包含したものである。また、セット基盤31の背面側における右下部には、メイン基板102や払出制御基板103等からの信号をぱちんこ遊技機10の外部の機器へ中継する外部中継端子基板(「枠中継端子板」などともいう)46が設けられている。
前述のメイン基板102における設定変更の機能は、理論上の当り易さ(遊技者の有利度合い)を規定する設定値を変更できる機能である。本実施例では、設定値として、整数値である「1」~「6」の6種類が設けられており、これらの設定値毎に、理論上の大当りや小当りに係る確率値、及び、出玉率が異なるようになっている。このような設定値の変更等については後述する。
<遊技盤の盤面構成>
次に、前述の遊技盤50や、遊技盤50の盤面に配置された部品(盤面部品)について説明する。本実施例においては、遊技盤50は、透明な樹脂材質(例えば透明アクリル樹脂など)や木材(ベニヤ板)からなる複数の部品により構成されている。また、遊技盤50は、板状に形成されており、遊技球を遊技盤50の裏側に導く遊技球通路や、所定の空間などを有している。そして、遊技盤50は、各種の盤面部品が装着された板面を前方に向けた状態で、遊技機枠11の前枠13に装着されており、閉鎖状態にあるガラス扉15等により、その前方を覆われるようになっている。さらに、遊技盤50の前面側においては、湾曲した帯状に成形された内レールや外レールを組み合せて遊技領域52が区画形成されている。
図54及び図55に示すように、遊技領域52には、正面から見て中央下段に位置する第1始動口ユニット61、右側中段の取付け穴に嵌め込まれた右側入賞装置ユニット95などが設けられている。この右側入賞装置ユニット95には、作動口(通過ゲート)68、普通入賞口装置63、2つの第2種非電動役物54A、54B、及び、大入賞口92などが設けられているが、右側入賞装置ユニット95の構成については後述する。
また、遊技領域52の最下部にはアウト口58Aが備えられている。さらに、遊技領域52には、演出のための表示を行うことが可能な液晶表示装置からなる演出表示装置60や、この演出表示装置60の周辺を装飾するセンター飾り64等が備えられている。
さらに、遊技領域52には、複数(ここでは3つ)の一般入賞口72や、図示しない多数の遊技釘、及び、風車などの機構が備えられている。なお、風車を設けないようにすることも可能である。さらに、遊技盤50の、遊技領域52の左下の外部には、主制御表示装置53が設けられている。なお、この主制御表示装置53の具体的な構成や機能については後述する。また、遊技盤50の上述のような盤面構成は、例えば、ぱちんこ遊技機10に採用されたゲーム性等に応じて種々に異ならせ得るものである。
<盤面部品の機能>
続いて、上述した個々の盤面部品に係る具体的な機能や構成について説明する。先ず、前述の第1始動口ユニット61には、第1始動入賞口62が設けられている。第1始動入賞口62は、第1遊技に係る始動入賞口であり、遊技球の入口を常時開き、且つ、遊技球の入口の大きさを変化させないタイプのものである。さらに、第1始動入賞口62は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を検出する第1始動入賞検出装置74(センサ)を有しており(図3)、このセンサの出力信号は、前述のメイン基板102に入力されている。
前述の右側入賞装置ユニット95には、図3、図54~図57に示すように、作動口(通過ゲート)68、普通入賞口装置63、2つの第2種非電動役物54A、54B、大入賞口92、及び、アウト口58Bなどが設けられている。これらのうち、作動口68は、右側入賞装置ユニット95の最上部に配置されている。
さらに、作動口68は、図3中に示すように、通過検出装置69を備えており、この通過検出装置69は、作動口68における遊技球の通過を検出するセンサを有している。通過検出装置69におけるセンサの出力信号は、メイン基板102に入力されており、通過検出装置69は、入球の有無に応じて、センサの出力信号を変化させる。そして、この作動口68は、後述する普通図柄の変動開始の契機、及び、後述する大当り遊技の開始の契機(特別図柄の大当り図柄停止表示により成立した条件装置に基づく役物連続作動装置の作動を開始する契機)として用いられるようになっている。
続いて、普通入賞口装置63は、作動口68の直ぐ下の部位に配置されている。普通入賞口装置63は、普通電動役物(所謂「電動チューリップ」や「電チュー」)に係る入賞口となっており、遊技盤50の前後方向にスライド変位可能な電チュー用シャッタ67を有している(図56など)。普通入賞口装置63においては、後述する普通図柄が当りの態様で停止表示された場合に、電チュー用シャッタ67が遊技盤50の後方向へ水平にスライドし、開放動作が行われて、普通入賞口装置63に対して入球容易となる。
さらに、普通入賞口装置63は、図3中に示すように、電チュー入賞検出装置75(センサ)と、上述の電チュー用シャッタ67を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76とを備えている。電チュー入賞検出装置75の出力信号は、メイン基板102に入力されている。
また、本実施例では、普通入賞口装置63を開放する態様として、複数種類が設けられている。そして、これらの開放態様には、比較的短時間(例えば0.2秒程度)の態様(「ショート開放」や「短開放」などと称する)や、比較的長時間(例えば5秒程度)の態様(「ロング開放」や「長開放」などと称する)などがある。また、ショート開放とロング開放の間の開放時間に設定されたミドル開放の態様を設けることも可能である。そして、普通入賞口装置63が、普通電動役物の作動に基づき、所定時間に亘り開放することにより、遊技球の普通入賞口装置63への入球が可能となる。
図56に示すように、普通入賞口装置63には、振り分け部材98が組み合わされている。振り分け部材98は、図中に実線で示すような起立状態と、図中左側への倒伏状態(二点鎖線で概略的に示す状態)との間で変化させることが可能である。そして、振り分け部材98は、実線で示すような起立状態では、普通入賞口装置63に進入した遊技球を、図中左側の排出口99Aに導くようになっている。また、振り分け部材98は、倒伏状態では、普通入賞口装置63に進入した遊技球を、図中右側の排出口99Bに導くようになっている。
つまり、振り分け部材98は、普通入賞口装置63に進入した遊技球を、下方に設けられた排出口99A、99Bのいずれかへ振り分けることができるようになっている。以下では、排出口99A、99Bを、それぞれ、排出口1(99A)、排出口2(99B)と称して区別する。また、振り分け部材98には、図3中に示すように、振り分け部材ソレノイド77が連結されている。
続いて、前述の2つの第2種非電動役物54A、54Bは、いずれもソレノイド等の電気的な駆動源を用いずに開閉動作することが可能な構成を有するもの(非電動役物)である。これらの第2種非電動役物54A、54Bは、例えば、電動役物以外の役物のうち、前述の大入賞口92以外の入賞口の入口を開き、又は拡大するもので、遊技球が当該入賞口以外の特定の入賞口に入賞し、又は特定のゲートを通過した場合に作動するものとすることが可能である。
本実施例では、これらの第2種非電動役物54A、54Bを、第2種非電動役物1(54A)、第2種非電動役物2(54B)と称して両者を区別する。そして、本実施例では、前述の普通入賞口装置63への入賞があり、振り分け部材98により遊技球が、排出口1(99A)に振り分けられた場合に、当該遊技球の重みを利用して第2種非電動役物1(54A)が作動するようになっている。また、振り分け部材98により遊技球が、排出口2(99B)に振り分けられた場合に、当該遊技球の重みを利用して第2種非電動役物2(54B)が作動するようになっている。
さらに、第2種非電動役物54A、54Bは、それぞれの最大入賞数がおおむね所定個数(例えば2個)であるものとすることができる。さらに、第2種非電動役物54A、54Bは、両方の最大入賞数の合計が、おおむね所定個数(例えば4個)であるものとすることができる。また、第2種非電動役物54A、54Bは、後述する大入賞口への遊技球の入賞により作動するものでないものとすることができる。
さらに、第2種非電動役物54A、54Bは、第2遊技に係る始動入賞口として機能するようになっている。そして、普通入賞口装置63に入賞した遊技球が、第2種非電動役物1(54A)及び第2種非電動役物2(54B)のいずれに振り分けられるかによって、異なる内容の第2遊技が実行されるようになっている。第2種非電動役物1(54A)及び第2種非電動役物2(54B)に係る第2遊技の内容については後述する。
第2種非電動役物1(54A)は、遊技球の重みや動きを利用して開閉羽根66を開放状態とする。第2種非電動役物1(54A)が開放状態となると、第2種非電動役物1(54A)への遊技球の受入れが可能となる。ここで、図54や図55では、開閉羽根66の図示略を省略している。また、図56では、第2種非電動役物1(54A)の上部に、3つの円により3本の釘(所謂「三角釘」)を示している。
また、普通入賞口装置63に進入した後続の遊技球が、排出口1(99A)に導かれ、第2種非電動役物1(54A)に到達すると、第2種非電動役物1(54A)は、当該遊技球の重みや動きを利用して開閉羽根66を閉鎖状態とする。このような第2種非電動役物1(54A)は、所謂メカチューリップなどと呼ばれるタイプのものであり、第2種非電動役物1(54A)としては一般的な構成の種々のものを採用できる。このため、ここでは第2種非電動役物1(54A)のより具体的な構成については説明を省略する。
一方、第2種非電動役物2(54B)は、第2種非電動役物1(54A)と同様に、遊技球の重みや動きを利用して開放動作や閉鎖動作を行うものである。しかし、第2種非電動役物2(54B)は、開閉の動作をさせる対象が倒伏扉94である点や、開閉の動作のための機構の点などにおいて、上述の第2種非電動役物1(54A)とは異なっている。この第2種非電動役物2(54B)のより具体的な構成については後述する。
さらに、第2種非電動役物1(54A)は、図3に示すように、第2種非電動役物1(54A)への遊技球の入球を検出する第2-1始動入賞検出装置75A(センサ)を有しており、このセンサの出力信号は、前述のメイン基板102に入力されている。また、第2種非電動役物2(54B)は、第2種非電動役物2(54B)への遊技球の入球を検出する第2-2始動入賞検出装置75B(センサ)を有しており、このセンサの出力信号は、前述のメイン基板102に入力されている。
続いて、前述の大入賞口装置90は、透明な合成樹脂製の部品を組み合わせてケース状に形成されており、その内側に、遊技者から視認可能な大入賞口92を備えている。大入賞口92は、横長に形成された開口を有しており、この開口を開閉するための開閉扉である大入賞口シャッタ91(図56)を内部に備えている。そして、大入賞口92は大当りや小当りが発生した場合に、所定の態様で大入賞口シャッタ91の開放動作を行う。ここで、本実施例では、大入賞口92は正面向きに開口しており、大入賞口シャッタ91は遊技盤50の前後方向へのスライドが可能となっている。そして、大入賞口シャッタ91が開放動作を行っている場合には、大入賞口92が開放され、大入賞口92への入球が可能となる。
また、大入賞口装置90は、図3中に示すように、大入賞口92への遊技球の入球を検出するための大入賞検出装置78や、上述の大入賞口シャッタ91を開閉駆動する大入賞口(開放)ソレノイド80を備えている。これらのうち、大入賞検出装置78は、大入賞口92への遊技球の入球を検出するセンサを有しており、その出力信号はメイン基板102に入力されている。
なお、大入賞口92としては種々のものを採用可能である。例えば、大入賞口92として、上向きに開口したものなども採用することが可能である。また、大入賞口92として、大入賞口シャッタ91に係る動作パターン(開閉パターン)を複数種類備え、大当りの発生時に実行される大当り遊技や、小当りの発生時に実行される小当り遊技において、予め定められた所定の動作パターンで大入賞口シャッタ91を動作させるものなどを採用することが可能である。
前述の複数(ここでは3つ)のうち、最も右側に位置する1つの一般入賞口72は、第1始動口ユニット61に設けられている。また、その他の2つの一般入賞口72は、第1始動口ユニット61の左側に配置されている。一般入賞口72は、図3中に示すように、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73(センサ)を備えている。一般入賞検出装置73は、の出力信号はメイン基板102に入力されている。
そして、一般入賞検出装置73は、各一般入賞口72毎に個別に備えてもよく、或いは、3つの一般入賞口72で共用してもよい。そして、一般入賞検出装置73を複数の一般入賞口72で共用する場合には、複数の一般入賞口72入球した遊技球を、一般入賞検出装置73が配置された箇所に集合させて、検出することが可能である。また、複数の一般入賞口72について、位置関係毎に、または賞球個数毎にグループ化(一般入賞検出装置73の共用)することも可能である。
遊技領域52の最下部に設けられた前述のアウト口58Aは、図3中に示すように、アウト球検出装置(アウト口センサ)82を備えている。このアウト口センサ82は、遊技領域52で入賞球(セーフ球)とならずアウト口58に入った遊技球(アウト球)の検出を行うようになっている。そして、アウト口センサ82の検出結果は、アウト球の計数や、後述する性能表示部(後述する図5(a)の入球状態表示器808)での表示(ベース表示)に利用されるようになっている。
前述したように、右側入賞装置ユニット95にもアウト口(右アウト口)58Bが設けられている(図56、図57)。このアウト口58Bは、右側入賞装置ユニット95の最下部に開口しており、主には、右側入賞装置ユニット95における普通入賞口装置63、第2種非電動役物1(54A)、第2種非電動役物2(54B)、及び、大入賞口92などに入球しなかった遊技球を、遊技盤50の背面側に取り込めるようになっている。
ここで、本実施例では、アウト球検出装置(アウト口センサ)82が、両方のアウト口58A、58Bに共用されている。そして、右側入賞装置ユニット95のアウト口58Bの取り込まれた遊技球数も、アウト球の計数や、後述する性能表示部(後述する図5(a)の入球状態表示器808)での表示(ベース表示)に利用されるようになっている。
なお、例えば、右側入賞装置ユニット95のアウト口(右アウト口)58Bについても、他方のアウト口(中央アウト口)58Aとは別個にアウト球検出装置(アウト口センサ)82を備えることが可能である。そして、この場合には、別個に取得されるアウト球検出装置(アウト口センサ)82の検出結果を、アウト球の計数や、後述する性能表示部(後述する図5(a)の入球状態表示器808)での表示(ベース表示)に利用することが可能であるし、アウト口58A、58Bを通過した遊技球の他に、一般入賞口、始動口、大入賞口などへ入球したセーフ球も含めた遊技済み球を前枠13の遊技盤50の下部において集約した位置にて一括で計数できるようにアウト球(遊技済み球)検出センサを設けるように構成することも可能である。
前述のセンター飾り64(図54、図55)は、演出の機能等を有しており、センター飾り64の内部には、多数のチップ型LEDが実装されたLED基板が設けられている。そして、センター飾り64のLEDを駆動することで、LEDの光がセンター飾り64を透過し、センター飾り64が光装飾(光演出)を行うようになっている。
また、センター飾り64の背面(内側)には、複数の可動演出部材が設けられており、これらの可動演出部材が、演出用のギミックを構成している。これらの可動演出部材は、通常は図54や図55に示すようにセンター飾り64の内側に隠れている。しかし、所定の演出が行われる場合には、図示は省略するが、これらの可動演出部材が演出表示装置60の前に出現する。また、本実施例においては、可動演出部材においても光装飾(光演出)が行われるようになっている。
さらに、センター飾り64の、正面から見て右側の部位には遊技球通路部65が形成されており、センター飾り64は、上述のような演出機能のほかに、遊技球の流路の機能を有している。
また、センター飾り64には、導光板88が備えられている。この導光板88としては、図示は省略するが、例えば、板面を前後に向けて平行に並べられた2枚の透明板を備えたものを採用することが可能である。さらに、導光板88は、センター飾り64に装着されており、演出表示装置60の前方において、センター飾り64の外側と内側との間を遮蔽している。そして、導光板88は、センター飾り64において、演出表示装置60の保護カバーとしても機能している。
この導光板88は、例えば、以下のように構成することが可能である。すなわち、センター飾り64内部において、透明板の、例えば左右の端面のうちの一方の端面に向い合うように、光源となる複数のLEDを、それぞれ帯状に並べて配置する。そして、通常時には、演出表示装置60の画面に他の像を重ねることなく、演出表示装置60の表示内容を、遊技者が視認できるように透明板の外側に透過させている。
しかし、導光板を構成する各透明板の内部には、通常の環境の下では視認できない程度の細かな凹凸が形成されている。そして、所定の演出の実行時に、例えば、いずれか一方の透明板の端面に面した上述の光源が駆動され、当該透明板の端面から、光源の光が、透明板の内部に向けて照射される。さらに、光を照射された透明板の凹凸により光が拡散し、拡散光により、所定のイラストや文字などが、遊技者に認識可能なように発色して浮かび上がる。
また、センター飾り64に備えられた導光板88の2枚の透明板のうち、他方の透明板には、上述のイラスト等とは異なる像を形成するための凹凸が刻まれている。そして、所定の演出時に、端面に面した光源を駆動することにより、上述のものとは異なるイラストなどが、遊技者に認識可能なように浮かび上がる。
ここで、透明板の左右のうちの一方の端面だけではなく、上下のうちの一方の端面にも光源を向い合せ、この光源の光により、他のイラスト等を映し出すことも可能である。このようにすることで、1枚の透明板につき2種類の画像を表示することが可能となる。また、センター飾り64の導光板88における透明板の数は、1枚であっても、3枚以上であってもよい。また、センター飾り64に関しては、導光板88に代えて、或いは併せて、透過液晶表示体や立体表示レンズ(3Dレンズ)などを用いることも可能である。
前述の主制御表示装置53は、図7に示すように、LED表示灯を多数配置した図柄表示基板(メイン図柄表示基板)256を備えるものである。図柄表示基板256には、前述の普通図柄を表示する普通図柄表示部59、第1遊技に対応する第1特別図柄(後述する)を表示する第1特別図柄表示部70、第2遊技に対応する第2特別図柄(後述する)を表示する第2特別図柄表示部71、及び、その他の各種表示部が遊技機正面から遊技者に視認可能に形成されている。なお、上述の普通図柄表示部59は普通図柄表示装置を構成している。また、第1特別図柄表示部70は第1特別図柄表示装置を構成しており、第2特別図柄表示部71は第2特別図柄表示装置を構成している。
なお、以下では、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「第1特図」や「特図1」、「特1」、第2特別図柄を「第2特図」や「特図2」、「特2」、などと称する場合がある。さらに、第1特別図柄については「特別図柄1」や「図柄1」などと称し、第2特別図柄については「特別図柄2」や「図柄2」などと称する場合がある。
また、上述の主制御表示装置53は、遊技盤50に備えられたものを意味しているが、後述するようにメイン基板102に設けられた設定表示部(後述する図5(a)の設定表示器807)や性能表示部(後述する図5(a)の入球状態表示器808)などを含めて、主制御表示装置とすることも可能である。そして、その場合は、メイン基板102に設けられた設定表示部や性能表示部を、例えば「メイン基板側主制御表示装置」などと称することも可能である。
<基本的な遊技手順>
続いて、本実施例のぱちんこ遊技機10における遊技手順について説明する。先ず、前述の上球皿18に遊技球が供給された状況で、遊技者が、前述の発射ハンドル20を操作して回動させると、その回動角度に応じた強度で、上球皿18に貯留された遊技球が1球ずつ所定間隔で発射される。そして、遊技球は、前述の内レールと外レールにより案内され、遊技領域52の上部に達し、内レールと外レールとの間から遊技領域52へ放出される。
通常の遊技においては、遊技者は、遊技球が遊技領域52の左側で流下するように発射を行い、遊技領域52の下方中央部に位置する第1始動入賞口62を狙う。このような遊技領域52の左側を主に使用する発射の態様は、所謂左打ちと呼ばれる。また、遊技球の発射は、遊技者が発射ハンドル20を操作している間、前述の発射装置43により、所定の時間間隔(例えば1分間に100発を超えない程度の間隔)で繰り返される。そして、遊技領域52に連続して放出された遊技球は、複数の遊技釘や風車などに干渉しながら、その速度や入射角度(又は反射角度)等の要因に応じた方向へ落下する。
遊技球が、前述の一般入賞口72や第1始動入賞口62などの各種の入賞口へ落入すると、入球が検出され、遊技球の払出制御が行われる。そして、入球した入賞口の種類に応じて、所定数の遊技球が、前述の払出ユニット35を介し、賞球として上球皿18に払出される。また、上球皿18が多くの遊技球により満たされ、払出された後続の遊技球が上球皿18に進入できない場合には、これらの遊技球は、溢れ球として下球皿19に導かれる。
また、各種の入賞口に落入した遊技球はセーフ球となり、遊技盤50の表面側から裏面側に案内される。また、セーフ球とならなかった遊技球は、遊技領域52の下端部に達してアウト口(58A等)に落入し、遊技盤50の裏面側に案内される。そして、遊技盤50の裏面側に達した遊技球は、所定の案内樋やセット基盤31内の遊技球通路を通って下方に導かれ、ぱちんこ遊技機10から、前述の島設備の側へ向けて排出される。
前述の作動口68は、上述のセーフ球を発生させる入賞口と異なり、遊技球が通過するゲートとなっている。なお、以下では作動口68を含めて「入賞口」とし、本実施例における「落入」、「入球」、「入賞」の用語は、特に説明がない場合には、ゲートに係る「通過」の意味を含むものとする。
大当りに当せんした状況ではない遊技状況において、遊技球が、作動口68に入球して検出された場合、後述するような所定の変動開始条件(普図変動開始条件)が成立していれば、主制御表示装置53において、普通図柄(後述する)が変動表示される。主制御表示装置53で表示される普通図柄は、作動口68への入球に基づき実行される乱数抽選(普図抽選)の結果を示すものであり、所定の変動時間を経たのちに停止表示される。
遊技球が、始動口(ここでは第1始動入賞口62、又は、第2種非電動役物(54A、54B))に入球した場合、後述するような所定の変動開始条件(特図変動開始条件)が成立していれば、主制御表示装置53において、特別図柄(後述する)が変動表示される。主制御表示装置53で表示される特別図柄は、始動口への入球に基づき実行される乱数抽選(大当り抽選)の結果を示すものであり、所定の変動時間を経たのちに停止表示される。
前述の演出表示装置60においては、特別図柄に係る演出表示が行われる。この演出表示は、特別図柄が変動表示中であるか、停止表示中であるか、といった違いや、特別図柄の停止表示態様が大当りのものであるか、はずれのものであるか、といった違いに関係して、予め定められた各種の態様の演出を行うものである。
大当りが発生した場合には、遊技者は遊技領域52の右側の領域を狙って遊技球を発射する。そして、遊技球が普通入賞口装置63の上部に設けられた作動口68を通過すると、大当り遊技が可能な状態に移行する。つまり、大当りの発生時には、作動口68が、遊技球が検出されるまでは所謂役連作動口(役物連続作動装置の入球口)として機能する。そして、遊技者は右打ちを継続し、遊技球を遊技領域52の右側の領域で流下させる。
特別遊技が実行される上述の大当り遊技においては、大入賞口装置90が作動し大入賞口(図示略)が開放される単位遊技が複数回繰り返される。さらに、特別遊技には、単位遊技が最大回数に亘り繰り返されるものと、単位遊技が最大回数よりも少ない回数に亘り繰り返されるものとがある。最大回数としては、10回(10R(ラウンド))などを例示でき、最大回数よりも少ない回数としては、6回(6R)や2回(2R)などを例示できる。なお、大入賞口装置90を作動させる遊技として他にも小当り遊技があるが、この小当り遊技については後述する。
各単位遊技においては、対応する大入賞口において、所定数(例えば10個)の遊技球が検出された場合、又は、合計の開放時間が所定時間(例えば約30秒)に達した場合に、終了条件が成立して、大入賞口が閉鎖される。単位遊技の終了条件として、合計の開放時間とするのは、1回の単位遊技中で複数回の大入賞口の開放を分割して行う場合であっても上限値を定めていることを示している。大入賞口の開放を単位遊技内で複数行うことにより、技術介入性を高めたり、1回の開放で行うことにより容易に出玉を獲得できるなど大当り中の遊技性に幅を持たせるため、大入賞口の開放態様は予め設定されているパターンの中から選択可能としている。
さらに、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、上述のように、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数(ここでは2つ)混在するゲーム性が採用されている。つまり、本実施例においては、上述の複数の遊技を、第1始動入賞口62が使用される第1遊技と、第2種非電動役物(54A、54B)が始動入賞口として使用される第2遊技とに分けることができる。そして、本実施例では、第1遊技と第2遊技とは、それぞれ後述する第1特別図柄を変動表示させる遊技と第2特別図柄を変動表示させる遊技であり、それらの間に優先順位を設けず、第1遊技と第2遊技すなわち第1特別図柄と第2特別図柄の変動表示が並列に実行されるようになっている。このため、第1遊技と第2遊技とが(第1特別図柄と第2特別図柄の変動表示が)同時に実行される状況も生じ得る。なお、仕様によっては、2つの第2種非電動役物(54A、54B)をそれぞれ第1遊技、第2遊技に設計する(用いる)ことも可能である。
また、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、前述の大当り抽選の結果に応じて、特別遊技の終了後に、特定遊技が実行される場合がある。この特定遊技は、前述の特別遊技とは別な態様で、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態となるものである。本実施例においては、特定遊技として、確率変動遊技(以下「確変」と称する)、変動時間短縮遊技(以下「時短」と称する)、及び、入球容易化遊技が設けられている。特定遊技として、確変、時短、入球容易化遊技の何れか1のみ実行するものもあれば、複数の特定遊技を同時に行うものもあり、それらの組み合わせによって異なる遊技性を創出するものである。
特定遊技が実行される場合には、演出表示装置60の画像や音声などによって推奨される遊技球の発射位置、発射タイミングに関する報知(例えば、右打ちを促す右打ち演出)が実行される。そして、遊技者が、発射ハンドル20の回動量を時計回りに増やして発射力を強め、遊技球を遊技領域52の右側の領域に向けて発射すると、センター飾り64の上方を通った遊技球が、センター飾り64の遊技球通路部65に進入し、センター飾り64を流下する。さらに、センター飾り64から放出された遊技球は、複数の遊技釘や他の構造物に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。
センター飾り64から放出された多数の遊技球のうちの一部は、作動口68(図54、図55等参照)を通過して通過検出装置69(図3参照)により検出される。そして、前述のように、作動口68を遊技球が通過すると、前述の普通図柄が主制御表示装置53(図7参照)で変動表示され、普通図柄の変動表示が所定の当り態様にて停止すると、普通入賞口装置63の普通電動役物が当り態様に応じて所定時間開放作動する。
本実施例においては、遊技領域52の右側に達した遊技球を、釘等によって、右側入賞装置ユニット95の、作動口68、普通入賞口装置63、大入賞口92等の各種の入賞機器の周辺に導くことが可能となっている。さらに、本実施例では、特定遊技である時短には入球容易化遊技が付加されるようになっており、時短中は、入球容易化遊技により普通電動役物の開放延長、普通電動役物の確率変動、普通電動役物の時短が単独又は所定の組合せで実行される。そして、時短中において、普通入賞口装置63の普通電動役物が1回開放した際に、1個、または複数個の遊技球が普通入賞口装置63に入球し得るようになっている。
右打ちを行った場合には、上述のように作動口68を通過する遊技球や、通過しない遊技球が発生する。図56は、作動口68や普通入賞口装置63が設けられた前述の右側入賞装置ユニット95を拡大して示している。右側入賞装置ユニット95において、普通入賞口装置63に進入した遊技球は、前述の振り分け部材98により、排出口1(99A)及び排出口2(99B)のいずれかに導かれる。
遊技球が排出口1(99A)に導かれた場合には、右側入賞装置ユニット95の背面側に形成された遊技球通路(図示略)により、遊技球が前述の第2種非電動役物1(54A)を開放動作させるために遊技盤(50)裏に設けられた開放作動用流路(後述する)に導かれる。遊技球が排出口2(99B)に導かれた場合には、右側入賞装置ユニット95の背面側に形成された遊技球通路(図示略)により、遊技球が前述の第2種非電動役物2(54B)を開放動作させるために遊技盤(50)裏に設けられた開放作動用流路に導かれる。
遊技球が前述の開放用作動用流路において第2種非電動役物1(54A)に到達すると、不図示の第2種非電動役物1(54A)の開放動作のための機構(開放動作機構)が動作し、第2種非電動役物1(54A)が開放して入賞可能となる。そして、遊技盤前面の遊技領域52を流下してきた第2種非電動役物1(54A)に遊技球が進入すると、第2種非電動役物1(54A)への入賞が発生するとともに、第2種非電動役物1(54A)が入賞した遊技球の重みで閉鎖状態となる。また、同様に遊技球が作動用流路において第2種非電動役物2(54B)に到達すると、第2種非電動役物2(54B)の開放動作のための機構(開放動作機構)が動作し、第2種非電動役物2(54B)が開放する。そして、遊技領域52を流下した遊技球が第2種非電動役物2(54B)に進入すると、第2種非電動役物2(54B)への入賞が発生するとともに、第2種非電動役物2(54B)が入賞した遊技球の重みで閉鎖状態となる。
<当りの種類の概要>
次に、上述の第1遊技及び第2遊技における大当りの種類について説明する。先ず、大当りとして、前述の単位遊技を10回繰り返す大当り(以下、適宜「10R大当り」とも称する)や、単位遊技を6回繰り返す大当り(以下、適宜「6R大当り」とも称する)が設けられている。
上述の単位遊技は、特別遊技において、大入賞口装置90における大入賞口の開放に伴って開始され、所定時間(例えば約30秒)が経過した場合や、大入賞口に所定個数(例えば10個以上)の遊技球が落入した場合に終了し、大入賞口を閉鎖する。このような単位遊技を繰り返す特別遊技は、遊技者に遊技球を獲得させることを目的とする所謂出球(出玉と記載する場合もある)あり当りに伴う遊技を基本としている。さらに、各種の大当りのうち、10R大当りや6R大当りなどは、遊技者に相対的に多くの遊技球を獲得させようとするものである。
しかし、これに限定されず、大当りの一部の種類として、例えば10R大当りや10R大当りの一部に、確変にならないもの(10R通常や6R通常)を設けることが可能である。また、例えば、10R大当りであっても、大入賞口の開放期間が短く、実質的に6R大当りと同じ程度の出球しか獲得できないといったもの(10R確変(実6R))を設けたり、6R大当りであっても、出球の獲得がほとんどできない(例えば各Rにおいて最小限度程度(例えば1球)しか大入賞口92に入球しない)といったものを設けたりすることが可能である。
また、本実施例では、前述の確変や時短等といった特定遊技状態は、予め定められた特定の大当りについて大当り遊技が終了する際に発生するようになっている。このような特定遊技状態の発生態様として、例えば、確変、時短、及び、入球容易化遊技といった特典機能のうち、少なくとも一部を付与しない大当りを設けることが可能である。より具体的には、確変のみが伴う大当りや、時短のみが伴う大当りを設けることが考えられる。さらに、時短の継続期間の相違によって、大当りの種類を異ならせることも可能である。また、時短中に電チューサポートを併せて実行する場合は、「時短の継続期間」は、「電チューサポートの継続期間」と言い換えることができる。さらに、時短と電チューサポートのうち、電チューサポートのみを実行する、反対に時短と電チューサポートのうち、時短のみを実行するといったことも考えられる。また、時短について、特別図柄の変動時間短縮機能と普通図柄の変動時間短縮機能(電チューサポートに含まれる機能である)があるが、特別図柄に係る時短について、第1遊技、第2遊技の一方のみ、時短が実行されていない状態に比して変動時間が短縮するものとし、他方は時短が実行されていない場合と同等か変動時間が長くなるものとしてもよい。
しかし、大当りと、確変や時短等との組合せについては、本実施例のものに限定されず、種々の組合せを採用することが可能である。例えば、確変が全ての大当りについて発生するようにしてもよい。この場合、本実施例における10R大当りは、全てが、確変を伴う10R大当り(10R確変)となり、6R大当りは、全てが、確変を伴う6R大当り(6R確変)となる。なお、本実施例では、上述したような各種の大当り、特定遊技状態、及び、後述する小当りの間の状態遷移によって種々のゲーム性が実現されるようになっているが、このような状態遷移の詳細については後述する。
<大当り以外の当り>
また、本実施例では、大当り以外の当りの種類として、小当りが設けられている。特別図柄の変動表示(第1遊技又は第2遊技)において、この小当りが発生した場合には、1回の特別電動役物の作動を行うものであって、大入賞口装置90における大入賞口92の開放を所定回数に亘り行う小当り遊技が実行されるようになっている。本実施例においては、第2遊技の小当たりの発生する確率(期待値)が各種の大当り(ここでは確変状態中を含むすべての種類の大当り)に比べて大きくなっているが、小当りの抽選態様や小当り遊技の制御態様については後述する。
<主制御表示装置>
<<主制御表示装置の構成>>
次に、前述の主制御表示装置53(遊技盤側主制御表示装置)について、図7に基づき説明する。遊技盤側の主制御表示装置53は、図7に示すように、図柄表示基板256上に多数(ここでは32個)のLED表示灯を2行(上段及び下段)に分けて配置することにより構成されている。本実施例において、上段及び下段におけるLED表示灯の個数は18個となっており、各段のLED表示灯は水平方向に等間隔で配置されている。また、上下の位置関係にあるLED表示灯の間隔も、16個すべてについて一定となっている。
主制御表示装置53において、正面から見て上段における右端の10個のLED表示灯は、特図1に係る情報表示に用いられ、下段における右端の10個のLED表示灯は、特図2に係る情報表示に用いられるようになっている。そして、上段及び下段において、右端の2個のLED表示灯は保留記憶数を示す第1特別図柄記憶表示部83、第2特別図柄記憶表示部84を構成している。第1特別図柄記憶表示部83の左に並んだ8個のLED表示灯は、前述した第1特別図柄表示部70を構成しており、第2特別図柄記憶表示部84の左に並んだ8個のLED表示灯は、前述した第2特別図柄表示部71を構成している。
第1特別図柄表示部70は、横方向に一列に並んだ8個のLED表示灯の動作態様によって、第1遊技に係る第1特別図柄の変動表示及び停止表示が可能となっている。この第1特別図柄表示部70による第1特別図柄は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を契機として行われる第1抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに大当りが発生し特別遊技が実行される。なお、第1特別図柄表示部70は、第1特別図柄の停止表示の際には、各LED表示灯の点灯と消灯との組み合せによって、すべて消灯する場合を除く最大で255(=2^8-1)種類の識別情報を表示可能である。
前述の第2特別図柄表示部71についても同様に、横方向に一列に並んだ8個のLED表示灯の動作態様によって、第2特別図柄の停止表示の際には、最大で255(=2^8-1)種類の識別情報を表示可能である。
さらに、上段において、第1特別図柄表示部70の左に並んだ4個のLED表示灯は普通図柄(普図)に係る情報表示に用いられるようになっている。そして、上述の第1特別図柄表示部70の左に並んだ2個のLED表示灯は、普通図柄の保留記憶数を表示するための普通図柄記憶表示部85を構成しており、その左側に並んだ2個のLED表示灯は、普通図柄表示部59を構成している。
普通図柄表示部59は、2つのLED表示灯の動作態様により、普通図柄の変動表示及び停止表示を行うようになっている。そして、普通図柄表示部59は、停止表示の際には、最大で3(=2^2-1)種類の識別情報を表示可能である。
また、上段において普通図柄表示部59の左側に並んだ2個と、その下に位置する下段左端の2個の4個のLED表示灯により、ラウンド数表示部86が構成されている。さらに下段における、ラウンド数表示部86と第2特別図柄表示部71との間の4個のLED表示灯は、左から順に第1状態表示部(状態表示灯1)87a、第2状態表示部(状態表示灯2)87b、第3状態表示部(状態表示灯3)87c、第4状態表示部(状態表示灯4)87dとなっている。
上述の第1状態表示部87aは、特図に係る確率変動機能作動時に点灯するようになっており、第2状態表示部87bは、普図に係る確率変動機能作動時に点灯するようになっている。また、第2状態表示部87bは、所謂電サポ(電チューサポート)状態時である開放延長時にも点灯するようになっている。さらに、第3状態表示部87cは、打ち分け(右打ち)状態指示灯として用いられている。また、第4状態表示部87dは、エラー表示灯として用いられている。
ここで、上述の第3状態表示部87c(打ち分け状態指示灯)は、電サポ状態中のほか、大当り中などにも点灯するようになっている。なお、大当り中は、連荘中であったとしても、電サポ状態とするためのフラグ(電サポフラグ)等はオフとなっている。また、第3状態表示部87cは、これら以外の状態(通常時)の普通電動役物に係るロング開放時などにも点灯させることが可能である。
また、上述の第3状態表示部87c(打ち分け状態指示灯)に関しては、後述するように小当りラッシュ中に非電サポ状態で右打ちするゲーム性を採用している場合に、特別図柄の時短機能作動時(「時短機能作動中」と称することもできる)、又は、特別電動役物作動中に、点灯させることが可能である。ここで、本実施例では、上述の「特別図柄の時短機能作動時」は、小当りラッシュ中や、電サポ有りの時短遊技中などに発生する遊技状態となっている。また、上述の「特別電動役物作動中」は、大当り遊技中や、小当り中に発生する遊技状態となっている。
このような構成の主制御表示装置53(遊技盤側主制御表示装置)は、図3中に示すように、前述のメイン基板102に電気的に接続されている。そして、主制御表示装置53における各種の表示部は、メイン基板102によって制御される。なお、図3中では、主制御表示装置53における各種の表示部のうち、普通図柄表示部59、第1特別図柄表示部70、第2特別図柄表示部71のみを示している。
<<主制御表示装置の機能>>
前述の作動口68を遊技球が通過すると、普通図柄表示部59が点滅し、普通図柄の変動表示が実行される。そして、普通図柄の変動表示が開始されてから所定の変動時間(普図変動時間)が経過すると、普通図柄が停止表示される。そして、普通図柄が、はずれの態様(はずれ態様)で表示された場合には、所定の停止時間(普図停止固定時間)の経過の後、後続の作動口への入球があれば、普通図柄に係る次の変動表示が開始される。また、普通図柄が、所定の当りの態様(当り態様)で停止表示された場合には、はずれの場合と同様に次回の変動表示へ移行する一方で、先に停止表示された普通図柄の当り態様に応じて、普通入賞口装置63が所定時間の開放動作を行う。
この普図抽選に係る保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動表示がまだ実行されていない普図柄抽選の回数を示している。すなわち、普通図柄記憶表示部85において先に行われている図柄変動が終了していない場合には変動開始条件が成立していないこととなり、当該図柄変動が終了すると変動開始条件が成立し、保留記憶されていた抽選結果(保留抽選結果)に基づき、新たな図柄変動が開始されることとなる。そして、保留数の上限は4個であり、保留記憶は4個を超えて行われることがないようになっている。
普通図柄記憶表示部85による、4種類の数値の表示は、例えば、保留数が0の場合(保留がない)場合は両方を消灯し、保留数が1の場合は何れか一方を点灯して他方を消灯するといった態様で行うことが可能である。また、保留数が2の場合は両方を点灯し、保留数が3の場合は何れか一方を点灯して他方を点滅させ、保留数が4の場合は両方を点滅させる、といった態様で保留数の表示を行うことが可能である。
前述の第1特別図柄記憶表示部83による第1特別図柄の保留数の表示については、2個のLED表示灯を1組として、4種類の情報を表示することにより行われる。前述の第2特別図柄記憶表示部84による第2特別図柄の保留数の表示についても、2個のLED表示灯を1組として、4種類の情報を表示することにより行われる。
なお、前述の右打ちを行うべき遊技状況となった場合には、主制御表示装置53(図7参照)の第3状態表示部86cを用いた所定態様での表示が行われる。本実施例では、第3状態表示部86cは、左打ちすべき遊技状況である左打ち時には消灯し、右打ちすべき遊技状況である右打ち時には点灯するよう設定されている。
<設定変更機能に係る構成>
次に、前述した設定変更に係る構成や、設定変更の方法について説明する。図5(a)は、メイン基板102が透明な基板ケース801に収容された状態を一部拡大して示しており、図5(b)は、図5(a)中のA-A断面を拡大して概略的に示している。図5(a)において、基板ケース801は、無色透明なプラスチック材料により分割構造(例えば2分割の構造)の箱状に形成されている。
基板ケース801の分割構造としては、例えば、メイン基板102を保持する基板保持体にカバー体を組み合わせ、分離の際に痕跡を残すかしめ構造を介して基板保持体とカバー体とを結合するものを採用することができる。基板ケース801においては、サブメイン基板301等のような他の機器との接続に用いられるコネクタ802(一部のみ符号を付して示す)、可能な限り隙間を生じない程度の大きさで形成された開口から露出している。
メイン基板102は、透明な基板ケース801を通して視認可能となっているが、図5(a)では、CPU(メインCPU)501、試験端子搭載領域806、前述の設定表示器807、同じく前述の入球状態表示器808を破線で示し、その他の機器については図示を省略している。これらのうち試験端子搭載領域806は、製品試験段階で出玉試験等を実施する際にのみ試験端子が実装される領域であり、量産段階のメイン基板102においては、試験端子の実装は行われていない。
上述の設定表示器807は、設定変更時や設定確認時に限り、選択された設定値を表示するものである。そして、設定表示器807は、役物連続作動装置の作動確率(特別電動役物を連続的に作動させる装置の作動確率であり、いわゆる大当り確率)を異ならせるための設定値に関して、現在の設定値を表示可能である。さらに、設定表示器807には1桁分の7セグ表示器が用いられている。ここで、本実施例では、図示は省略するが、設定表示器807における7セグ表示器の右下隅部にドット表示部が設けられている。
設定表示器807の近傍には、設定キーシリンダ(「設定キースイッチ」などともいう)809や設定変更ボタン(「設定変更スイッチ」などともいう)810が配置されており、設定キーシリンダ809や設定変更ボタン810等により設定変更用操作部811が構成されている。この設定変更用操作部811は、図5(b)に示すように、基板ケース801の設定変更用開閉蓋(以下「開閉蓋」と称する)812を開放することで、図5(a)に示すように露出するようになっている。
開閉蓋812は、例えば、基板ケース801に樹脂ヒンジを介して一体に成形され、突出したツマミ部813を手指により引っ張って、弾性力に抗しながら、矢印Bで示すように開放させるようなものを例示できる。また、開閉蓋812を閉じる場合には、図5(b)の状態から倒伏させ(図示略)、自由端側を基板ケース801に係止させる。
前述の入球状態表示器808は、ぱちんこ遊技機10の性能表示部として用いられており、遊技状態別のベース(発射数あたりの賞球数の値)を表示可能となっている。本実施例では、図5(a)の右下の部位に拡大して実線で示すように、入球状態表示器808には4桁分の7セグ表示器が用いられている。また、入球状態表示器808の各桁の7セグ表示器の右下隅にドット表示部(符号省略)が設けられている。
本実施例においては上述のようにCPU501、試験端子搭載領域806、入球状態表示器808、設定変更用操作部811、並びに、設定表示器807が、平面視(遊技機の背面視)においてラップしないよう(重ならないよう)に配置されている。また、表示の誤認を抑止できるように、入球状態表示器808と設定表示器807とが所定距離以上(例えば30mm以上)の間隔を介して配置されている。
なお、本実施例においては図5(b)における左側が遊技機枠11を開放する際の自由端となっており、設定変更用操作部811並びに設定表示器807を自由端側近傍に配置することにより、設定値の変更作業等を容易にできるように配慮する一方で、入球状態表示器808については、遊技機枠11を開放する際の回転軸(固定端)側に配置することで、遊技機枠を開放した際に、表示情報を意図せず遊技者に視認されることを抑止するように配慮している。無論、設定値の変更等に際して不正防止を優先する場合には、設定変更用操作部811並びに設定表示器807を、メイン基板102の正面視右側(遊技機枠11の回転軸側)に形成すればよい。
ここで、本実施例においては、上述した点を考慮し、安易に設定変更用操作部811にアクセスできないように、設定変更用操作部811に対応する部分に開閉蓋812を設け、設定値の変更作業や設定情報の確認作業等の場合を除き、設定変更用操作部811が露出しないように構成されている。以下では、設定変更用操作部811並びに設定表示器807に関して図5(b)も参照しつつ説明する。
まず、設定変更用操作部811に対応する位置関係にある基板ケース801の上面部分は、設定キーシリンダ809の設定キー差込口(符号省略)に設定キー(鍵)が挿入可能となるように、また、設定変更ボタン810の操作が可能となるように所定の大きさの開口部816が形成されている。但し、当該開口部816からメイン基板102の上面に向かって側壁等の区画壁か形成されることにより、開口部816を介してメイン基板102の他の電子部品(例えばCPU501)にアクセスできないようになっている。また、この開口部816に対応して設定キー差込口(符号省略)が形成された設定キーシリンダ809と、プッシュ式の設定変更ボタン810とが、ぱちんこ遊技機10の背面から見て上下に配設され、更に、開口部816の大きさに対応した開閉蓋812が開口部816を常に閉鎖する方向に付勢された状態で、開閉可能に基板ケース801に設けられている。
次に、設定変更等の操作方法と設定変更・設定表示の作用の概要について簡単に説明する。設定値の確認を行う際には、まず、電源スイッチ40(図2参照)を操作して電源をオフにし、その後、開閉蓋812を付勢力に抗して所定角度開放し、設定キーシリンダ809の設定キー差込口に設定キー(鍵)を挿入してキーを右方向に回転させる。そして、初期化スイッチ544を押すことなく再度電源スイッチ40(図2参照)を操作して電源をオンにする。この操作により、7セグメントLEDで形成された設定表示器807に、現在の設定値(例えば設定値の範囲が「1」~「6」であれば該当する数値)が表示され、設定表示モードであることを示すために一部のセグメント(ここではドット部分)が点灯駆動される。なお、本実施例においては、遊技機が起動している際(例えば、始動入賞口の入賞検出等、遊技の進行に係る入力に基づく制御が実行可能な状態)には、設定値の変更処理はできないように構成されている。
一方、設定値の変更を行う際には、まず、電源スイッチ40(図2参照)を操作して電源をオフにし、その後、開閉蓋812を付勢力に抗して所定角度開放し、設定キーシリンダ809の設定キー差込口に設定キー(鍵)を挿入してキーを右方向に回転させる。そして、初期化スイッチ544を押しながら再度電源スイッチ40(図2参照)を操作して電源をオンにする。この操作により、7セグメントLEDで形成された設定表示器807に、現在の設定値が点滅表示され、設定変更モードであることを示すために一部のセグメント(ここではドット部分)が消灯(消灯表示)される。
この状態で、設定変更ボタン810を押圧操作するごとに、現在の設定値に+1ずつされた新たな設定値が一時記憶され、記憶された設定値が設定表示器807に表示される。遊技場における管理者は、任意の(目的の)設定値となるように設定変更ボタン810を操作する。なお、本実施例では、電源投入時の設定値が「1」であれば、設定変更ボタン810を1回押圧操作する毎に「1」「2」・・・「5」「6」「1」のように変更される。
そして、設定変更ボタンの操作により、任意の設定値に変更(設定表示器807に任意の設定値が表示)した状態で設定キーシリンダ809に挿入されているキーを左方向に回転させると、設定変更処理が完了し、所定時間(例えば1000ms)に亘り、設定表示器807に、現在の設定値が点灯表示されるとともに一部のセグメント(ここではドット部分)が点灯表示された後、設定値及びドットの双方が消灯される。
<演出表示装置の構成と基本的な表示内容>
続いて、前述の演出表示装置60の構成と、演出表示装置60の基本的な表示例について説明する。本実施例では、演出表示装置60として、大型(例えば15インチ程度)な液晶ディスプレイが用いられている。この演出表示装置60の表示領域194には、前述の主制御表示装置53で表示される第1特別図柄又は第2特別図柄についての演出表示や、ストーリー表示などといったその他の演出表示が行われる。なお、演出表示装置60においては多様な画像の表示が行われるが、ここでは、第1特別図柄又は第2特別図柄に直接的に関係する基本的な演出表示について説明する。
前述のように、主制御表示装置53において第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が開始されると、演出表示装置60において、図8(a)、(b)に示すように、演出図柄(装飾図柄などともいう)190の変動表示を伴う変動演出が実行される。本実施例においては、演出図柄190は、左演出図柄190a、中演出図柄190b、右演出図柄190cにより構成されている。なお、以下では、左中右の演出図柄190a~190cについて、状況に応じ、「演出図柄190」や「演出図柄190a~190c」と記載する場合がある。
さらに、本実施例において演出図柄190は、数字の「1」から「7」の記号の意味を有する7種類の要素図柄(記号要素演出図柄)を有している。また、ここでは、説明が煩雑にならないよう、数字の「1」から「7」の記号の意味を有する7種類の要素図柄を用いて説明を行うが、要素図柄としては、例えば所定の単語などのように、数字以外の意味を持った図柄を採用することも可能である。さらに、要素図柄として、数字の意味を持ったものと、他の意味を持ったものとを併用することも可能である。また、特殊な演出(後述する疑似連続予告や特定ゾーン予告)を実行させるために、或る変動時においてのみ出現する特殊図柄も、広義では演出図柄190の中に含まれるものである。ここで、特殊図柄として、通常は図柄に対して追加されたり、差し替わったりすることにより表示される特殊図柄も、広義では演出図柄190の中に含まれるものである。
主制御表示装置53における第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示に伴い、演出表示装置60において、上述の演出図柄190が変動表示される(図8(a)参照)。演出図柄の変動表示は、本実施例においては、左演出図柄190aから右演出図柄190cを、個々に縦方向に移動(縦スクロール)させ、上述の要素図柄を順次表示領域194中に登場させることにより実行される。なお、演出図柄190a~190cのスクロール方向としては、縦方向のほか、横方向や回転、或いは、旋回などといった種々の態様を採用することが可能である。
また、演出図柄190は、変動表示の途中段階として、所謂「リーチ」の組合せを構成する場合がある。この「リーチ」においては、演出図柄190のうち、2つの演出図柄(ここでは左演出図柄190aと右演出図柄190c)が、例えば「7」と「7」などの同じ数字の図柄、同じ意味、或いは、所定の関係を持った図柄で組合せを構成する。さらに、この「リーチ」においては、リーチの組合せを構成した演出図柄190a、190c以外の、残りの1図柄(ここでは中演出図柄190b)が、他の演出図柄との組合せを構成できない変動中となっている。
なお、演出図柄190の表示態様としては、多種類の「リーチ」や、その他の種々のものを採用できる。また、演出表示装置60においては、演出図柄190による演出以外にも種々の演出が行われる。例えば、図8(a)、(b)の例では、第1保留数表示部196、第2保留数表示部197、縮小演出図柄表示領域361が画面の下部に現れているが、これらの詳細については後述する。
また、本実施例では、演出表示装置60は液晶ディスプレイを用いたものとなっているが、これに限らず、例えば、機械式のドラム体やLED表示体といった他の種類の表示体を用いたものであってもよい。さらに、演出表示装置60は、1つの表示体のみを備えたものに限らず、例えば付加的な表示体が追加されて複数の表示体の組合せにより構成されるものであってもよい。
さらに、このような付加的な表示体を可動演出部材として備え、付加的な表示体によるギミックを構成することも可能である。そして、通常は、付加的な表示体を、演出表示装置60の表示領域194の視認の障害とならないように、表示領域194の外側に避けて配置しておき、所定の演出パターンが実行される場合に、付加的な表示体が、表示領域194の前方に現れるようにすることが考えられる。
<ぱちんこ遊技機の電気的構成>
次に、本実施例のぱちんこ遊技機10における電気的構成について説明するが、ここでは電気的構成のうちの主要なものを抽出して説明する。先ず、ぱちんこ遊技機10には、図4に示すように、電源基板251、払出制御基板103、メイン基板102、及びサブメイン基板301等が備えられている。これらのうち電源基板251には、上述の払出制御基板103、遊技球等貸出装置接続端子板106、発射制御基板107等が接続されている。また、払出制御基板103には、枠中継端子板108を介してメイン基板102が接続されている。また、メイン基板102には、前述の主制御表示装置53を構成するメイン図柄表示基板(「図柄表示基板」ともいう)256や、サブメイン基板301が接続されており、サブメイン基板301には、前述のサブサブ基板302が接続されている。
上述の各種構成のうちの電源基板251は、前述の電源ユニット32(図2参照)に備えられているものである。この電源基板251には、枠演出接続基板300や、遊技球等貸出装置接続端子板(図示略)が接続され、これらのうちの遊技球等貸出装置接続端子板(図示略)には、球貨操作に用いられる球貨操作基板等が接続される。
前述の発射制御基板105には、発射ハンドル20(図1参照)に備えられたタッチスイッチ310が接続されている。このタッチスイッチ310には、図示は省略するが、発射タッチレバーや、アース用の錠金具が接続されている。タッチスイッチ(「タッチセンサ」ともいう)310は、遊技者や遊技場店員等が発射ハンドル20に手指を触れた場合に、この接触を検出して出力信号の態様を変化させる。
さらに、発射制御基板105には、発射強度ボリューム311、発射停止スイッチ312、前述の発射装置43が接続されている。これらのうちの発射強度ボリューム1311は、発射ハンドル20の回転操作量に応じ遊技球の発射強度を変化させるために用いられる。発射停止スイッチ312は、発射ハンドル20を把持した手指の一部(親指など)での操作を検出して発射を停止させるために用いられる。
メイン基板102には、電源基板251からの電力が、払出制御基板103や枠中継端子板を経由して供給されるようになっている。さらに、メイン基板102には、図示を省略した遊技盤接続基板や遊技盤中継端子板を介して、図3に示すように、主制御表示装置53、通過検出装置69、普通電動役物ソレノイド76、第1始動入賞検出装置74、第2-1始動入賞検出装置75A、第2-2始動入賞検出装置75B、一般入賞検出装置73、大入賞検出装置78、大入賞口(開放)ソレノイド80、及び、磁気センサや電波センサ(図示略)等が接続されている。ここで、本実施例では、第1始動入賞検出装置74、第2-1始動入賞検出装置75A、及び、第2-2始動入賞検出装置75Bのメイン基板102への接続に関しては、遊技盤接続基板や遊技盤中継端子板を介さずに直接行われている。
サブメイン基板301には、電源基板251からの電力が、枠演出接続基板300、枠接続基板303を経由して供給されるようになっている。さらに、サブメイン基板301には、上述の枠接続基板303、枠演出接続基板300のほか、ガラス枠演出接続中継基板305、ガラス枠演出接続基板306を介して、遊技機枠11における演出用の各機器が接続されている。
ぱちんこ遊技機10における演出用の各機器としては、枠電飾L2基板317、枠電飾R2基板318、(左)スピーカ21(L)、(右)スピーカ21(R)などがある。また、本実施例では、十字キー(十字ボタン)基板、演出ボタン基板、昇降モータ、演出ボタン(操作ボタン)モータ、ボタン位置センサ、なども備えられているが、図4ではこれらの図示も省略している。
また、サブメイン基板301には、遊技盤用の機器、画像表示用の機器、音声制御用の機器なども接続されている。これらのうち遊技盤用の機器としては、盤面電飾接続基板331がある。この盤面電飾接続基板331は、前述の枠接続基板303、演出インターフェース基板304を介してサブメイン基板301に接続されている。そして、盤面電飾接続基板331には、センター飾り64の電飾用に用いられるセンター電飾基板332が接続されている。また、盤面電飾接続基板331には、図示は省略するが、演出センサ基板、その他の電飾基板、演出用モータなども接続されている。ここで、演出インターフェース基板304には、図示は省略するが、各種の電飾基板や演出モータが接続されている。
サブメイン基板301に接続された前述の画像表示用の機器としては、サブサブ基板(画像制御基板)302があり、サブサブ基板302には、画像表示接続A基板336を介して液晶ユニット(液晶モジュールともいう)42が接続されている。ここで、本実施例では、図示は省略するが、画像表示接続B基板を介して演出インターフェース基板304に接続された他の液晶ユニットも備えられている。また、サブメイン基板301に接続された前述の音声制御用の機器としては、音声制御基板(音声基板)339や、音声ロム(ROM)基板340がある。
続いて、メイン基板102や払出制御基板103等の構成について説明する。図4に示すように、メイン基板102には、CPU(メインCPU)501、ROM(メインROM)502、RWM503が搭載されている。これらのうち、CPU501としては、例えば樹脂パッケージングがされたCPU装置(CPUデバイス)内の中央処理装置を利用可能である。なお、本実施例で説明する「ROM」や「RWM」は、CPUデバイスに内蔵されたもの、及び、CPUデバイスに対して外付けされたものの両方を含む包括的な概念のものである。
さらに、図示は省略するが、メイン基板102に搭載されたCPUデバイス内には、CPU501のほかに、制御用クロック生成回路、乱数用クロック生成回路、16ビット乱数用の乱数回路、8ビットの乱数用の乱数回路等が備えられている。これらのうち16ビット乱数用の乱数回路、及び、8ビットの乱数用の乱数回路は、内蔵乱数であるハードウェア乱数を発生させるためのものである。
また、メイン基板102には、メイン基板102の外部の機器との間でデータの入出力を行う入出力ポート505が搭載されている。さらに、メイン基板102には、図示は省略するが、割込回路やタイマ回路などの各種回路部が形成されている。
上述のROM502は、CPU501が遊技に係る処理を行うための遊技プログラムや、所定の制御データなどを記憶している。また、上述のRWM503は、CPU501による遊技プログラムの実行に際して、各種の処理に必要なデータや、処理中に発生したデータ等を書換え可能に記憶する。
続いて、払出制御基板103には、CPU(払出CPU)511、ROM(払出ROM)512、RWM513が搭載されている。これらのうち、CPU511としては、例えば樹脂パッケージングがされたCPU装置(CPUデバイス)内の中央処理装置を利用可能である。また、ROM512は、CPU511が払出しに係る処理を行うための払出用プログラムや、所定の制御データなどを記憶している。また、上述のRWM513は、CPU501による払出プログラムの実行に際して、各種の処理に必要なデータや、処理中に発生したデータ等を書換え可能に記憶する。
前述のサブメイン基板301は、CPU(サブメインCPU)521と、ROM(サブメインROM)522と、ワークRWM523と、入力ポート527と、出力ポート528、バスライン(図示略)などを備えている。そして、入力ポート527の入力側にはメイン基板102の出力側が接続され、入力ポート527の出力側には、CPU521、ROM522、ワークRWM523、及び、出力ポート528などが接続されている。
サブメイン基板301のCPU521は、メイン基板102から送信される図柄表示用の演出制御コマンド(指令)に基づいて演出表示装置60の表示を制御する。ROM522は、CPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRWM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
なお、前述のメイン基板102とサブメイン基板301の間におけるデータの送受信は、メイン基板102からサブメイン基板301への一方向通信(片方向通信)の態様で行われる。そして、メイン基板102とサブメイン基板301との間で、通信の一方向性が確保されているため、サブメイン基板301からメイン基板102へは、データの送信を行うことができない。したがって、メイン基板102が保有する情報は、メイン基板102がサブメイン基板301へ送信しない限り、サブメイン基板301で参照することはできない。なお、このような一方向での通信を可能とするために、例えば、メイン基板102に通信規制手段(バッファ回路など)を搭載し、サブメイン基板301へのデータ出力を、この通信規制手段を介して行うことが可能である。
前述のサブサブ基板302は、CPU531、ワークRWM532、プログラムROM533、キャラクタROM535、画像コントローラ(VDP)536、入力ポート538、出力ポート539、及び、バスライン(図示略)などを備えている。さらに、画像コントローラ(VDP)536は、ビデオメモリ540を備えている。そして、入力ポート538の入力側にはサブメイン基板301の出力側が接続され、入力ポート538の出力側には、CPU531、ワークRWM532、プログラムROM533等の各機器が接続されている。
上述のビデオメモリ540は、演出表示装置60に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオメモリ540における画像データの内容を書き替えることにより、演出表示装置60の表示内容(フレーム画像)が変更される。キャラクタROM535は、演出表示装置60に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ536は、CPU531、ビデオメモリ540、出力ポート539のそれぞれの動作タイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオメモリ540に記憶される表示データを、キャラクタROM535から所定のタイミングで読み出し、更に予め優先順位を定めたレイヤの順に図柄を重ねて演出表示装置60に表示させる。
<電源供給とデータバックアップ>
前述の電源基板251は、ぱちんこ遊技機10の各部に電源を供給するための電源部541と、初期化スイッチ544を有する初期化スイッチ回路部543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、メイン基板102や払出制御基板103等に対して、各々に必要な動作電圧を供給する。より具体的には、電源部541は、外部より供給される所定の電圧を取り込み、各種スイッチ、モータ、ロジック回路等を駆動するための所定量の電圧を、メイン基板102や払出制御基板103、及び、その他の所定の機器に対して供給する。
初期化スイッチ回路部543は、電源投入時に、例えば遊技店舗の管理者によって初期化スイッチ544が押下された場合に、メイン基板102及び払出制御基板103へ、バックアップデータをクリアするための初期化信号を出力する回路を備えている。メイン基板102及び払出制御基板103においては、後述するように、電源基板への電源供給が断たれている状況においても、記憶したデータを保持(バックアップ)することが可能となっている。そして、ぱちんこ遊技機10の電源投入時に、メイン基板102及び払出制御基板103に上述の初期化信号が入力されると、メイン基板102や払出制御基板103でバックアップされていたデータ(バックアップデータ)がクリアされる。ここで、本実施形態においては、前述したとおり、電源投入時の初期化スイッチ544の入力状況と設定キーの入力状況に応じて設定変更状態に遷移するようになっているため、メイン基板は、初期化スイッチ回路部543からの信号と設定キーに係る入力信号とに応じて初期化の有無、初期化の範囲等を決定可能に構成されている。
なお、初期化スイッチ544を、メイン基板102用のものと、払出制御基板103用のものとに分け、バックアップされていたデータのクリアを、メイン基板102と払出制御基板103とで別々に行うようにしてもよい。また、例えば、電源立ち上げの際に、初期化スイッチ544を操作すると、メイン基板102用のバックアップデータと、払出制御基板103の一部のバックアップデータとがクリアされ、払出制御基板103に付加された払出用の初期化スイッチ(図示略)を更に操作すると、払出制御基板103の残りのバックアップデータがクリアされる、といった構成も採用することが可能である。
上述のように、メイン基板102におけるRWM503は、ぱちんこ遊技機10の電源の遮断後においても、電源基板251からバックアップ電圧が供給されて、データを保持(バックアップ)できるようになっている。つまり、RWM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリア(図示略)の他に、バックアップエリア503aが設けられている。このバックアップエリア503aは、停電(瞬間的な電圧降下による停電である所謂瞬停を含む)などの発生により電源が遮断された場合(電断が生じた場合)において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。そして、通常の電源立ち上げや、停電の解消に伴い、メイン基板102等の状態が、バックアップエリア503aの情報に基づいて、電源遮断前の状態に戻される。
バックアップエリア503aへの書き込みは、電源断処理(後述する)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時の電源投入時処理(後述する)において実行される。バックアップエリア503aとしては、CPU501に対して外付けされ、バックアップ電源の接続がされたRWM(外部RWM)を利用することが可能である。
また、払出制御基板103におけるRWM513についても、メイン基板102のRWM503と同様に、ぱちんこ遊技機10の電源の遮断後において、電源基板251からバックアップ電圧が供給されて、データを保持(バックアップ)できるようになっている。つまり、払出制御基板103のRWM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリア(図示略)の他に、バックアップエリア513aが設けられている。このバックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が遮断された場合(電断が生じた場合)において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。そして、通常の電源立ち上げや、停電の解消に伴い、払出制御基板103の状態が、バックアップエリア513aの情報に基づいて、電源遮断前の状態に戻される。
バックアップエリア513aへの書き込みは、払出制御基板103における電源断処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時の、払出制御基板103における電源投入時処理(制御開始処理)において実行される。バックアップエリア513aとしては、メイン基板102の場合と同様に、CPU511に対して外付けされ、バックアップ電源の接続がされたRWM(外部RWM)を利用することが可能である。
前述のメイン基板102には、上述のような停電等による電源遮断を監視する停電監視回路部506が設けられている。この停電監視回路部506は、停電等の発生による電源遮断時に、メイン基板102のCPU501や、払出制御基板103のCPU511に、停電信号(電断信号)を出力する。より具体的には、停電監視回路部506は、電源基板251の電源部541から出力される最大電圧である直流安定(例えば30ボルト)の電圧を監視し、この電圧が所定電圧未満になった場合に、停電(電源遮断)の発生を検知して、上述の電断信号を出力する。このような電断信号の入力に基づき、メイン基板102のCPU501、及び、払出制御基板103のCPU511は、所定の電源断処理を実行する。
なお、メイン基板102等における電気的特性は、直流安定電圧が、電断信号の出力が行われる所定電圧未満になった後においても、電源断処理などの所定の処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力が正常値に維持されるよう構成されている。
また、本実施例においては図4中に示すように、電源基板の出力が、払出制御基板103を介して、メイン基板102に供給されるようになっている。しかし、これに限らず、例えば、電源基板の出力が、メイン基板102を介して払出制御基板103に供給されるようにしたり、メイン基板102と払出制御基板103とに別系統で個別に供給されるようにしてもよい。
また、前述の停電監視回路部506は、メイン基板102以外の部位に配置することも可能である。例えば、電源基板251上に停電監視回路部506を形成して、電源基板251上において停電監視回路部506から各基板へ電断信号を入力してもよい。また、メイン基板102から払出制御基板103への電断信号の入力を省略することも可能である。さらに、電源基板251の機能を、メイン基板102が発揮できるようにしてもよい。この場合、電源部541をメイン基板102上に形成することなどが考えられる。
さらに、停電監視回路部506を払出制御基板103に設け、払出制御基板103とメイン基板102の各々で、電断信号の出力と、電断信号に基づく電源断処理を行うようにしてもよい。また、メイン基板102と払出制御基板103のうち、払出制御基板103のみに停電監視回路部506を設け、電断信号を、払出制御基板103からメイン基板102へ送信するようにしてもよい。
ここで、前述のメインCPU501や払出CPU511などには、NMI(ノンマスカブル割込み)端子が備えられている。また、前述の電源断処理の実行の契機としては、メインCPUのNMI端子に電圧低下を示す電源断信号が入力されたことに基づきノンマスカブル割込み(NMI)を発生させるハードウェア的なものと、タイマ設定に基づく周期的な割込処理で、電圧低下が検知された際に立てた電源断フラグを確認して行うソフトウェア的なものなどがある。
本実施例においては、NMIによるハードウェア的な契機に基づき電源断処理が行われるようになっている。そして、NMI端子への信号入力は、例えば、停電監視回路部506からの電断信号をNMI端子に入力することにより行うことが可能である。ここで、NMI端子への信号入力は、停電監視回路部506から電断信号が出力された場合のほか、NMI端子に繋がる信号線へのノイズの混入などによっても生じ得るものである。なお、電源断処理への移行は、ソフトウェア的な手法に基づき行うことも可能である。また、NMI端子に入力される電源断信号に基づき、電源断フラグを設定し、電源断処理の実行契機とすることも可能である。なお、ここではメイン基板102と払出制御基板103でデータバックアップを行っているが、これに限らず、例えばサブメイン基板301で記憶エリアのデータバックアップが行われるようにし、サブメイン基板301において、メイン基板102又は払出制御基板103と同様にデータバックアップを行うようにすることも可能である。
次に、メイン基板102における基本的な機能について説明する。本実施例のメイン基板102は、前述した各構成(図4参照)の働きにより、例えば、入球判定、抽選、コマンド送信などの各種の機能を果たす。
図6中には、メイン基板102、サブメイン基板301、及び、サブサブ基板302の各々における代表的な機能的手段を示している。これらのうち、メイン基板102は、入球判定手段110、第1抽選手段111、第2抽選手段112、普図抽選手段113、保留制御手段114、メイン表示制御手段115、特別遊技制御手段116、特定遊技制御手段117、開閉制御手段118、事前情報通知手段119、メインコマンド送信手段120等を備えている。そして、メイン基板102は、これらの機能的手段により、以下に順に説明するように、特別図柄に関する抽選、普通図柄に関する抽選、保留制御、主制御表示、特別遊技、特定遊技、開閉制御、事前情報通知等を実行する。
上述の入球判定手段110は、各入賞口(作動口、各種始動入賞口、大入賞口、一般入賞口、アウト口など)への遊技球の入球を各入賞口に設けられたセンサ類から出力される信号をもとに判定する。
<<特別図柄に係る当否抽選機能>>
前述の第1抽選手段111は、第1始動入賞口62への入球に基づき第1抽選を実行する。第1抽選手段111は、第1抽選値取得手段121、第1当否判定手段122、第1図柄決定手段123、第1パターン決定手段124の機能を有している。第1抽選の結果は、前述の主制御表示装置53(図7参照)の第1特別図柄表示部70において、停止表示された第1特別図柄により表される。
同様に、前述の第2抽選手段112は、第2種非電動役物1(54A)や第2種非電動役物2(54B)への入球に基づき第2の抽選を実行する。第2抽選手段112は、第2抽選値取得手段125、第2当否判定手段126、第2図柄決定手段127、第2パターン決定手段128の機能を有している。第2の抽選の結果は、前述の主制御表示装置53の第2特別図柄表示部71において、停止表示された第2特別図柄により表される。
前述の第1抽選手段111に備えられた第1抽選値取得手段121は、第1始動入賞口62への入球を契機に、第1抽選に係る大当り乱数の値を、第1当否抽選値として取得する。また、前述の第2抽選手段112に備えられた第2抽選値取得手段125は、第2種非電動役物1(54A)や第2種非電動役物2(54B)への入球を契機に、第2抽選に係る大当り乱数の値を、第2当否抽選値として取得する。
なお、本実施例では、第1当否抽選値として取得される大当り乱数、及び、第2当否抽選値として取得される大当り乱数は、ハードウェア乱数(ハード乱数)とソフトウェア乱数(ソフト乱数)とを用いた演算(加算)により生成されている。ハードウェア乱数としては、例えば16ビット用の乱数回路で生成される内蔵乱数を利用し、ソフトウェア乱数としては、ソフトウェアにおける乱数生成プログラムにより割込毎に更新される値を利用する。なお、ハードウェア乱数とソフトウェア乱数のうちのいずれか一方を使用するものであってもよい。
第1抽選手段111における第1当否判定手段122は、第1当否抽選値に基づいて当否判定を行い、第1当否抽選値が、当りとなる所定の値(当り値)に該当するか否かを判断する。同様に、第2抽選手段112における第2当否判定手段126は、上述の第2当否抽選値に基づいて当否判定を行い、第2当否抽選値が、当りとなる所定の値(当り値)に該当するか否かを判断する。第1当否判定手段122及び第2当否判定手段126による当否判定では、第1当否抽選値や第2当否抽選値と、大当り抽選の抽選結果との対応を定めた当否判定テーブル(例えば図9(a))が用いられる。
ここで、図9(a)には、当否判定テーブルの構成を概要的に示している。図9(a)中に示す、通常時確変時大当りとは、常に大当りとなる乱数値範囲を示すものであり、確変時大当りとは、確変時のみ大当りとなる乱数値範囲であることを示すものである。また、図9(a)は、設定値毎に設けられた当否判定テーブルのうち、一部の設定値(ここでは設定1)に係る当否判定テーブルのみを概要的に示しており、乱数の個数や置数(数値の割り当て)などは、説明が煩雑にならないよう簡略化して例示している。なお、本実施例では、図9に示す設定「1」における通常時大当りの置数範囲が「0」~「204」となっている。そして、これに対し、設定値が「2」~「6」に増加するごとに置数範囲の上限が「205」~「209」へ「1」ずつ変化する(図示略)。
第1抽選手段111における第1図柄決定手段123や第2抽選手段112における第2図柄決定手段127は、第1特別図柄または第2特別図柄に係る大当り抽選でいずれかの大当りに当選した場合における、特別図柄の種類を、大当り図柄判定テーブル(図10(a)、(b)参照)に基づき決定する。これらの大当り図柄判定テーブルは、図柄決定に係る乱数値(図柄乱数)である図柄抽選値と、特別図柄の種類との関係を規定している。
なお、図10(a)、(b)に示す大当り図柄判定テーブルも、乱数値範囲、及び、大当りの種類が関連付けられていることを、説明が煩雑にならないよう簡略化して例示している。そして、本実施例では、電サポの有無の違いによって大当り図柄判定テーブルが分けられているが、電サポの有無に応じた大当りの選択割合の例については後述する。
ここで、図柄抽選値は、特別図柄に係る「特別図柄当り図柄乱数」や「図柄乱数」などとも称する場合がある。また、本実施例では、当たりの種類に小当りが含まれており、第1図柄決定手段123および第2図柄決定手段127は、特別図柄に係る大当り抽選で小当りに当選した場合における、特別図柄の種類を、小当り図柄判定テーブル(図示略)に基づき決定する。
図柄抽選値は、前述の当否抽選値と同様に、始動入賞口への入球を契機に取得されるものである。また、特別図柄の種類は、当りの種類に対応付けられており、取得された図柄抽選値に紐付いて、大当りの種類や小当りの有無が定まるようになっている。
第1抽選手段111における第1パターン決定手段124や第2抽選手段112における第2パターン決定手段128は、それぞれに対応する特別図柄表示部における特別図柄の変動パターンを、特図変動パターンテーブル(一例として図9(b)を参照)に基づき決定する。特図変動パターンテーブルは、多数の特図変動パターンと、特別図柄の変動パターン決定に係る乱数値(変動パターン乱数)であるパターン抽選値との関係を規定している。
パターン抽選値は、前述の当否抽選値と同様に、始動入賞口への入球を契機に取得されるものである。さらに、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る変動パターンは、例えば、当否抽選の結果が大当り時、はずれ時、特別図柄の停止表示態様、時短の有無、保留数、大当り後の変動回数などといった各種の遊技状況に応じて相違した複数の特図変動パターンテーブルが設けられている。
特別図柄に係る変動パターン(特図変動パターン)は、特別図柄の変動表示における、変動開始から停止までの時間(変動時間)を定めている。そして、特図変動パターンは、その種類によって、例えば1秒以下から数十秒度のように、長短様々な変動時間を規定している。すなわち、各特図変動パターンには、変動表示の終了条件として変動時間が定められており、前述の第1特別図柄表示部70又は第2特別図柄表示部71(図7参照)においては、特別図柄の変動表示が開始されて、規定された変動時間が経過すると、特別図柄が停止表示される。
時短時に選択対象となる特図変動パターンの多くについては、非時短時に選択対象となる特図変動パターンよりも、相対的に変動時間が短く設定されているものであって、言い換えると、時短時に選択される変動時間の1変動当りの平均値が、非時短時に選択される変動時間の1変動当りの平均値よりも短いものであるといえる。また、時短(時短遊技)については、特別図柄の変動効率が高い遊技状態(1変動に係る時間が短い状態)であるといえる。しかし、非時短時で、且つ、保留数が4個の場合に選択対象となり得る特図変動パターンには、時短時の特定の特図変動パターンに比べて、変動時間の短いものが含まれている。
<<普通図柄に係る各種抽選機能>>
続いて、前述の普図抽選手段113について説明する。この普図抽選手段113は、普図抽選値取得手段129、普図当否判定手段130、普図図柄決定手段131、普図パターン決定手段132を有している。そして、普図抽選手段113は、前述の入球判定手段110により、作動口68における遊技球の通過が検出されると、この検出結果に基づき、普通図柄に係る抽選(普図抽選)を実行する。
この普図抽選においては、普図抽選値取得手段129により、普通図柄に係る乱数(普図図柄乱数)である普図抽選値が取得され、普図図柄決定手段131により、普図判定テーブルが参照される。この普図判定テーブルには、普図抽選値と、普通図柄の種類との対応関係が定められている。そして、普図当否判定手段130により、普図抽選値に紐付けられた普通図柄が、当りに該当するものであるか否かが判定され、当りに該当する場合には、当たりの種類が判定される。
また、作動口68への入球を契機に普図パターン抽選値が取得され、取得した普図パターン抽選値を用いて普図パターン決定手段132により、普通図柄に係る変動パターン(普図変動パターン)が決定される。各普図変動パターンは、普図変動パターンに係る乱数(普図変動パターン乱数)である普図パターン抽選値と対応付けられており、取得された普図パターン抽選値に紐付いて、遊技の状況に応じた普図変動パターンが定まるようになっている。
さらに、本実施例では、普通図柄に係る乱数である普図抽選値、及び、普図パターン抽選値は、ソフトウェア乱数のみを用いて作成されている。
<<特別図柄の保留に関する機能>>
続いて、前述の保留制御手段114について説明する。保留制御手段114は、第1保留手段133、第2保留手段134、普図保留手段135を有している。これらのうち第1保留手段133は、新たに第1始動入賞口62への入球があった場合に、第1特別図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された各種の乱数(第1当否抽選値、第1図柄抽選値など)に係る情報(第1特図保留記憶情報)を、一時的に保留記憶する。本実施例では、第1特別図柄に係る保留の上限値は4個に設定されており、この上限値を超えない範囲で、第1特別図柄に係る保留が可能となっている。
上述の入球があった際に実行されていた第1特別図柄の変動表示が終了し、更に、上述の入球により第1特別図柄に係る保留が存在する場合には、第1特別図柄に係る変動開始条件が成立し、第1特別図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。
前述の第2保留手段134についても、新たに第2種非電動役物(54A、54B)への入球があった場合に、第2特別図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された各種の乱数(第2当否抽選値、第2図柄抽選値など)に係る情報を、一時的に保留記憶する。
上述の入球があった際に実行されていた第2特別図柄の変動表示が終了した場合であって、第2特別図柄にかある保留が存在する場合には、第2特別図柄に係る変動開始条件が成立し、第2特別図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。なお、本実施例では、第2特別図柄に係る保留の上限値は、第1特別図柄と同様に4個に設定されている。
上述の第1特別図柄、および第2特別図柄は、いずれか一方の特別図柄表示装置において特別遊技(大当り遊技)を開始する図柄が停止して特別遊技に制御された場合は、他方の特別図柄表示装置は、変動中の図柄をはずれ図柄で停止表示させ、特別遊技が終了した後に変動開始条件を判定する。なお、第1特別図柄、および第2特別図柄において一方に特別遊技のうち、小当り遊技を開始することとなる特別図柄が停止表示された際には、他方の図柄は変動表示を一旦中断(残り変動時間の減算処理を停止するものであって、変動中であることを示す特別図柄表示装置のLED表示灯の点灯パターン切り替えは継続してもよい)し、特別遊技(小当り)が終了した後に、図柄が停止表示した際に変動開始条件を満たしうる状態となるよう設定される。
<<普通図柄の保留に関する機能>>
続いて、前述の普図保留手段135について説明する。普図保留手段135は、作動口68(図54、図55等参照)における入球があった場合に、普通図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された乱数(普図抽選値など)に係る情報(普図保留記憶情報)を、一時的に保留記憶する。そして、変動開始条件が成立するまで、上述の入球に係る普通図柄の変動表示を許可しない。なお、本実施例では、普通図柄に係る保留の上限値は4個に設定されており、この上限値を超えない範囲で、普通図柄に係る保留が可能となっている。
上述の入球があった際に実行されていた普通図柄の変動表示が終了し、普通電動役物が作動していない場合に、普通図柄に係る変動開始条件が成立し、普通図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。
<<主制御表示に関する機能>>
続いて、前述のメイン表示制御手段115について説明する。メイン表示制御手段115は、第1特図制御手段136、第2特図制御手段137、普図制御手段138、保留表示制御手段139、及び、その他表示制御手段140を有している。これらのうち第1特図制御手段136は、第1抽選手段111により決定された第1特別図柄の変動パターンに従い、第1特別図柄表示部70(図7参照)で、第1特別図柄の変動表示(例えば、所定の一部のLED表示灯を100msec毎に点滅させる点滅表示)を行う。そして、第1特別図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、第1特別図柄表示部70において、決定された図柄で停止表示する。
さらに、第2特図制御手段137は、前述の第2特別図柄に係る変動開始条件が成立していれば、第2抽選手段112により決定された変動パターンに従い、第2特別図柄表示部71(図7参照)で、第2特別図柄の変動表示を行う。そして、第2特別図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、第2特別図柄表示部71において、決定された図柄で停止表示される。
また、普図制御手段138は、前述の普通図柄に係る変動開始条件が成立していれば、普図抽選手段113により決定された普通図柄の変動パターンに従い、普通図柄表示部59(図7参照)で、普通図柄の変動表示を行う。さらに、そして、普通図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、普通図柄表示部59において、決定された図柄で停止表示される。
さらに、保留表示制御手段139は、前述の第1特別図柄、第2特別図柄、及び、普通図柄に係る保留数の表示を行う。そして、これらの保留数の表示は、図7に示す主制御表示装置53の、第1特別図柄記憶表示部83、第2特別図柄記憶表示部84、及び、普通図柄記憶表示部85にて行われる。また、前述のその他表示制御手段140は、上述した第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄、及び、各種保留表示以外の、主制御表示装置53における表示を制御する。
<<特別遊技に関する機能>>
続いて、前述の特別遊技制御手段116について説明する。特別遊技制御手段116は、大当りに当せんした場合に、特別図柄が所定の大当り態様で停止されると、特別遊技作動条件が成立したと判定し、前述のように大当りの種類に応じた所定の態様(予め定められた単位遊技の回数や単位遊技中の大入賞口の開放パターン)で開放させる特別遊技を実行する。
<<特定遊技に関する機能>>
続いて、前述の特定遊技制御手段117について説明する。特定遊技制御手段117は、前述の確変や時短等に係る制御を行う。特定遊技制御手段117は、大当りの種類に応じて、その特別遊技の終了後の遊技状態を、確変状態や時短状態等へ移行させる確変状態の間は、第1抽選手段111や第2抽選手段112による大当りの当せん確率が、非確変時である通常時よりも高い値のまま維持される。
また、時短状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示回数の合計が、特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数(例えば100回、確変状態に制御される間など)に達するまで継続される。さらに、時短中は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示時間が、通常状態よりも概ね短くなるよう、第1パターン決定手段124や第2パターン決定手段128が、時短用の変動パターンを選択する。
確率変動機能の作動する特定遊技中においては、確変状態に合わせて特別図柄の時短および電チューサポート機能(入球容易化遊技)が同時に実行されることが一般的である。特定遊技としての電チューサポート機能(入球容易化遊技)は、特別図柄の時短が実行されるときに合わせて実行され、普通電動役物の作動が容易になり、普通入賞口装置63の入り口に配置された電チュー用シャッタ67が開放しやすくなる。スライドシャッタである電チュー用シャッタ67の開閉制御は、後述する開閉制御手段118により制御される。なお、特定遊技に係る具体的態様例については後述する。
本実施例では、一部の確変大当りには、電チューサポート機能(入球容易化遊技)が付帯されないものがある。より具体的には、前述の一部の確変大当りでは、普通図柄に関しては、時短機能は作動しないようになっている。また、特別図柄については、第1特別図柄では時短機能が作動せず、第2特別図柄は時短機能が作動するようになっている。ここで、第1特別図柄についても時短機能を作動させてもよい。
さらに、上述のように普通図柄や第1特別図柄について時短機能を作動させず、第2特別図柄についてのみ時短機能を作動させる制御を、特別図柄の時短機能を作動させることを示すフラグ(時短フラグ)をオンとしつつ行うことも可能である。
<<開閉制御に関する機能>>
続いて、前述の開閉制御手段118について説明する。開閉制御手段118は、普通入賞口装置63の普通電動役物(電チュー用シャッタ67)や、大入賞口92の開閉動作を制御する。開閉制御手段118は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、普通入賞口装置63の普通電動役物を開放させる。さらに、開閉制御手段118は、特別遊技において、大入賞口(開放)ソレノイド80に開放指示を送るための制御を行い、大入賞口装置90の大入賞口92を開放させる。
<<事前情報通知に関する機能>>
続いて、前述の事前情報通知手段119について説明する。事前情報通知手段119は、第1始動入賞口62、又は、第2種非電動役物(54A、54B)に入球があった際、その入球に対応する図柄変動表示が保留されるか否かにかかわらず、取得された各種の乱数値に係る情報を、事前通知情報として、サブ基板(ここではサブメイン基板301)へ送信するための処理を行う。
上述の事前通知情報としては、取得した前述の各当否抽選値(第1当否抽選値又は第2当否抽選値)、各図柄抽選値(第1図柄抽選値又は第2図柄抽選値)、各パターン抽選値(第1パターン抽選値又は第2パターン抽選値)が、どのような当否範囲、図柄範囲、パターン範囲に属するものであるのか、といった情報を例示できる。
なお、このような事前通知情報の送信により、サブ基板104の側において、各種の先読み演出が可能となる。そして、先読み演出としては、保留予告や連続予告などを例示できるが、これらの詳細については後述する。
<<コマンド送信に関する機能>>
続いて、前述のメインコマンド送信手段120について説明する。メインコマンド送信手段120は、メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンド(メインコマンド)の送信を行う。メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンド送信は、始動入賞時、特別図柄の変動開始時、特別図柄の変動停止時、大当り発生時などの種々のタイミングで、種々の情報を含んで行われる。
<サブ基板の基本機能>
次に、前述のサブ基板104における基本的な機能について説明する。本実施例においてサブ基板104は、サブメイン基板301及びサブサブ基板302により構成されており、メイン基板102からのコマンド受信、演出パターン決定、演出表示制御、演出実行などの各種の機能を果たす。
図6中に示すように、サブメイン基板301は、メインコマンド受信手段141、演出パターン決定手段142、サブメインコマンド送信手段143等を有している。さらに、サブメイン基板301は、スピーカ出力等の制御を行うための音制御手段144や、遊技効果ランプ出力等の制御を行う光制御手段145などの機能的手段が備えられている。
演出パターン決定手段142により決定される演出パターンは、演出表示装置60に表示される表示演出や、必要に応じ表示演出と併せて行われる音演出及び光演出を指定(特定)する情報を含んでおり、演出図柄190の変動表示中に大当りの期待度の高さを示唆する演出を実行する。ここで、本実施例における「期待度」は、「信頼度」と言い換えることが可能なものである。以下「期待度」については、同種の予告演出のパターンのうち出現したときの変動で大当りとなる期待感を高める演出段階(通常パターン、チャンスアップパターン、確定パターン)について述べるものや、1の演出を発生させる当り変動パターン(当り変動における変動パターン)情報およびはずれ変動パターン情報(はずれ変動における変動パターン)について確認したときに、1の演出に対応する変動パターン中に当り変動パターンが含まれる確率について述べるものの記載それぞれについて使用する場合があり、総じて「期待度が高い演出」とは、当該演出が発生した場合に大当りすることが多い演出のことをいう。また、演出の「期待度」や「信頼度」は、大当りに関してのみ用いられるものでなく、当該演出の出現により「確変状態」に移行する場合や、当該演出の出現により特定遊技状態(確変や時短)が終了することなく継続して実行される場合など、演出の出現により遊技者にとって有利な事象が生じる場合の頻度に関して使用されることがある。
演出パターン決定手段142により演出パターンが決定されると、決定された演出パターンを示す演出パターン情報が、サブメインコマンド送信手段143を介し、サブメインコマンドとして、サブサブ基板302へ送信される。また、サブメイン基板301からサブサブ基板302へ送信されるコマンドには、サブサブ基板のROMから音データやランプデータ等を読み出すために、音情報なども含まれる。
サブサブ基板302には、図6中に示すように、サブメインコマンド受信手段146や演出実行制御手段147などが備えられている。そして、サブサブ基板302においては、演出実行制御手段147により、サブメイン基板301からのサブメインコマンドに基づき、必要な画像データを液晶ユニット42(図4参照)に順次出力し、アニメーション画像を構成して、演出表示装置60において演出用の動画を表示する。
<特定遊技に係る具体的態様例>
次に、前述した特定遊技の具体的態様について説明する。前述のように特定遊技として、特別図柄の確率変動機能(確変)、特別図柄の変動時間短縮機能(時短)、及び、入球容易化遊技(普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、普通電動役物の開放延長機能の複合)が設けられている。そして、これらの各種特定遊技のうちの少なくともいずれか1つが、大当り抽選の結果(特別図柄の停止表示図柄)や、大当り中の遊技結果に応じて実行される。
<<確率変動遊技>>
上述の確変は、大当り後の特別図柄に係る遊技の確率状態を、通常の確率状態と比べて大当りの発生確率が高くなるように変更するものである。本実施例では、確変状態の継続期間(確変期間)は、次回の大当りまでとなっている。なお、これに限らず、確変期間を特別図柄の変動回数に基づき決定することも可能である。
特別図柄の変動回数は、特別図柄の変動表示から停止表示までが1回として定まるものである。そして、確変期間を変動回数に基づき決定した場合は、特別遊技終了後の第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の変動回数が所定回数(例えば100回)に設定される。このように次回の大当りが発生する前に確変期間が終了し得るようにした機能は回数切り確変やSTなどと称することが可能である。
<<変動時間短縮遊技>>
上述の時短は、前述の主制御表示装置53における特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)の変動時間を、通常遊技の場合と比べて、概ね短縮するものである。ここで、「概ね短縮する」とは、全ての場合に通常遊技よりも短縮するとは限らず、一部には、特別図柄の変動時間が通常遊技と同等な場合や、通常遊技よりも長い場合を含み得る、という意味である。そして、この時短によれば、特別図柄の変動時間が短くなることから、連続して始動入賞口(第1始動入賞口62、第2種非電動役物(54A、54B))への入賞が発生しても、特別図柄の変動表示及び停止表示を短い間隔で円滑に進めることができ、単位時間当りの大当り抽選の機会を多く確保することが可能となる。
さらに、時短状態の継続期間(時短期間)は、特別図柄の変動回数に基づき決定されている。そして、本実施例において時短状態は、特別遊技終了後の第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の変動回数が所定回数(例えば100回)に達するまで継続される。
なお、上述した例では、確変期間と時短期間を同じ期間に設定しているが、確変期間と時短期間を互いに異なる期間としてもよい。例えば、確変期間を104回とし、時短期間を100回とすることなどが可能である。また、時短期間は、いずれも一定であることに限定されない。例えば、時短期間を、発生した大当りの種類に応じて、25回、50回、75回、100回などのいずれかとすることなどが可能である。
また、所謂転落抽選の機能を備えることが可能である。この転落抽選としては、以下のようなものを例示できる。例えば、確変や時短が、上述の最大変動回数(ここでは100回)よりも少ない所定の回数(例えば50回)に達した後には、最大変動回数に達するまで毎回の特別図柄の変動毎に、確変や時短を終了させるか否かの抽選(特定遊技終了抽選)が実行される。そして、この特定遊技終了抽選に当せんした場合には、確変及び時短を終了させ、次回の変動からの遊技状態が、確変や時短が伴わない通常状態に戻る。
さらに、確変と時短の両方を実行することに限らず、特定遊技において、いずれか一方のみを実行することも可能である。例えば、当せんした大当りの種類によっては、時短のみが付与され、確変は付与されないようにすることや、時短が付与されず、確変のみが付与されるようにすることなどが可能である。
<<入球容易化遊技>>
続いて、前述の入球容易化遊技について説明する。この入球容易化遊技は、普通電動役物に係る機能を遊技者に有利に設定し、普通入賞口装置63の開放態様が通常よりも遊技球を受け入れ易くなり得るようにする遊技状態である。入球容易化遊技が実行された場合には、普通図柄に係る時短、普通図柄に係る確率変動、普通電動役物に係る開放延長などの制御態様や、これらの制御態様の組合せにより、普通入賞口装置63への入球容易性が高められ、入球容易状態が形成される。この「入球容易化遊技」や前述の「ベース」、「電サポ」等に関係して、「高ベース」、「高ベース状態」、「低ベース」、「低ベース状態」、「非電サポ」等の用語を用いることが可能である。以下において、「低ベース状態」は「非電サポ状態」に対応しており、「高ベース状態」は「電サポ状態」に対応している。また、後述するような単位時間あたりに多くの小当りが発生し易い状態での遊技(小当り期待遊技)の状態は、上記定義上は「低ベース状態」ではあるものの、遊技球の発射数に対し多くの賞球が期待できる(「ベース」が高くなる)ことから「特殊状態」、「特殊ベース状態」として表現する場合もある。
普通図柄における上述の各種の制御態様のうち、普通図柄に係る時短は、普通図柄の変動時間が通常状態よりも短縮される制御態様であり、普通図柄に係る確率変動は、普通図柄の当せん確率を通常状態よりも向上させる制御態様(普通図柄に係る確変)である。さらに、普通電動役物に係る開放延長は、同一の普通図柄の当り図柄が停止表示された場合であっても、普通入賞口装置63の開放時間を、通常時(非特定遊技時)の開放(ショート開放)よりも長く開放(ロング開放)を行う制御態様である。
上述のように、特定遊技中の入球容易化遊技は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、普通電動役物の開放延長という3つの機能を用いて普通入賞口装置63への入球容易性を高める。しかし、これに限定されず、これら3つの機能のうち、1つ又は2つの機能を用いて普通入賞口装置63への入球容易性を高める構成としてもよい。また、3つの機能のうち少なくともいずれかについて、実施する期間と実施しない期間との切り替えを、遊技状態に応じて行う構成としてもよい。
このような入球容易化遊技の継続期間は、特別図柄に係る時短期間に基づいて決定することが可能である。例えば、特別図柄に係る時短中は入球容易化遊技を継続し、特別図柄に係る時短が終了すると入球容易化遊技が終了する、といった制御態様の採用が可能である。そして、このようにした場合は、特別図柄の時短が終了した以降に図柄変動が開始される普通図柄の変動パターン(普図変動パターン)は、通常時(非特定遊技時)のために設けられた変動パターンの中から決定されるようにすることが可能である。
また、入球容易化遊技の継続期間は、特別図柄に係る時短期間と連動させずに、大当り遊技を実行する契機となった大当り図柄に基づいて、大当り遊技後に大当り図柄に応じて定められた回数の継続期間(25回、50回、75回、100回など)の特別図柄の変動表示が行われるまで維持されるものであってもよい。
<ぱちんこ遊技機における主な演出>
<<演出図柄の基本的表示態様>>
次に、メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンドに基づき、サブメイン基板301及びサブサブ基板302によって実行される各種の演出について、主要なものを説明する。そして、ここでは先ず、前述の演出図柄190(図8(a)、(b)参照)の基本的な表示態様について説明する。
演出図柄190は、主制御表示装置53において特別図柄が変動表示されることに伴って、演出表示装置60上において変動表示される(図8(a)参照)。さらに、演出図柄190は、主制御表示装置53において特別図柄が停止表示されることに伴って、演出表示装置60上において停止表示(図8(b)参照)される。
演出図柄190の停止に伴い表示される停止図柄は、左演出図柄190a、中演出図柄190b、右演出図柄190cの3つの図柄の組合せにより構成される。そして、メイン基板102における大当り抽選の結果が大当りとなった場合には、例えば「777」や「555」のように、3つの図柄が揃ったぞろ目の組合せが、大当りを表す停止図柄として表示される。また、大当り抽選の結果がはずれであった場合には、例えば「767」、「928」、「331」などのように、一部又は全ての演出図柄が他の演出図柄と異なる組合せで、演出図柄190が停止表示される。
ここで、本実施例における「停止図柄」や「図柄の停止」は、3つの演出図柄190が「確定停止」していることを意味している。すなわち、3つの演出図柄190a~190cが、演出表示装置60の表示領域194において、例えば「767」や「928」などの組合せを保った状態で表示されていたとしても、それだけでは「確定停止」したことには該当しない。そして、このように演出図柄190が、組合せを保ちつつ「確定停止」に至っていない状態を、「仮停止」の状態と称することが可能である。
このような「仮停止」の表示態様としては、例えば、演出図柄190が小刻みに振動している(揺れている)状態を例示できる。そして、演出図柄190が組合せを維持したまま小刻みに揺れているような仮停止の態様を、「揺れ変動」の態様などと称することが可能である。この「仮停止」における演出図柄190の揺れの態様としては、縦又は横の直線移動や水平方向の回転移動などを例示でき、移動範囲としては数ミリ程度を例示できる。
また、上述の「確定停止」の表示態様としては、仮停止の状態を経て、全ての演出図柄190a~190cが組合せを保ったまま停止した状態を例示できる。さらに、この「確定停止」の際に、確定停止されたことを示す演出を行うことが可能である。そして、確定表示されたことを示す演出としては、確定停止の状態を所定時間(例えば1秒程度)維持することや、確定停止された各演出図柄190a~190cを、特殊効果が付加された状態で表示すること(図柄エフェクト)やセンター飾り64に設けられたLED(ランプ)を点灯させる等を例示できる。
ここで、図柄エフェクトとしては、各演出図柄190a~190cを瞬間的に所定時間(例えば0.5秒程度)に限り光らせる、各演出図柄190a~190cの周りに輝点を1回或いは複数回周回させる、演出図柄190a~190cを拡大又は縮小する、演出図柄190a~190cを数ミリ程度移動させて元の位置に戻す、などといった種々の態様を採用することが可能である。
また、前述の「リーチ」の表示態様において、リーチの組合せを保った演出図柄が、前述の「仮停止」の態様で表示される場合がある。そして、この「仮停止」によるリーチ表示の後に、変動表示されていた図柄(ここでは中演出図柄190b)が、はずれの組合せ(はずれリーチの組合せ)を構成して「仮停止」し、組合せを保ったまま「確定停止」が行われて変動表示が終了する、といった演出を例示することができる。また、3つの演出図柄190a~190cが、はずれリーチの組合せによる「仮停止」を行っている状態から、中演出図柄190bが変動を再開してリーチ演出が高信頼度のもの(大当りに係る信頼度が相対的に高いもの)に発展する、といった演出(後半リーチ)も例示できる。
なお、演出図柄190のスクロール表示の態様としては、上述の縦スクロールに限定されるものではなく、種々の表示態様を採用することが可能である。そして、他の表示態様としては、例えば、横方向(右から左など)への横スクロール態様や、左演出図柄190aから右演出図柄190cを、個々に、鉛直軸まわりに回転(自転)させて、変動表示を行う回転態様を例示できる。また、例えば、左演出図柄190aから右演出図柄190cが、表示領域194中で、後方から前方、即ち画面の奥から手前に向って、直線軌道或いは曲線(旋回)軌道に沿って、拡大されながら順次繰り出される、といった表示態様も例示できる。さらに、後方から前方へ向う演出図柄が、上方から下方手前へ降りてくる、といったスクロール表示の態様を採用することも可能である。
また、スクロールの態様は、前述したような各種の態様のいずれか1つを採用することに限らず、例えば、所定の演出が実行される場合に、所定のスクロール態様から他のスクロール態様に切り替えることなども可能である。また、複数の演出モードについて、演出モード毎に、スクロール態様を異ならせることなども可能である。
また、図8(a)、(b)においては、演出図柄190の組合せが、表示領域194の上下方向の中段でのみ停止表示される表示態様が例示されており、有効ラインは、横方向の1ラインのみとなっている。しかし、これに限定されるものではなく、例えば、有効ラインの数を2ラインや5ラインとすることなども可能である。
さらに、演出図柄190は、図8(b)に例示するように、数字などの所定の記号を意味する部分(前述の記号要素演出図柄である要素図柄)と、所定の記号以外を表す絵柄からなる部分(非記号要素演出図柄である要素図柄)との組合せにより構成することが可能である。そして、所定の記号以外を表す絵柄からなる部分としては、各種のデザイン画や人物画、及び、これらの組合せ等を例示でき、さらに、記号に組合される各種のデザイン画や人物画を、動画とすることも可能である。図8(b)の例では、所定の記号以外を表す絵柄としてハートの絵柄が採用されている。
さらに、図8(a)、(b)に示す例では、前述した縮小演出図柄表示領域361が画面中に重畳されている。この縮小演出図柄表示領域361は、各演出図柄190a~190bに対応する演出用の図柄(「ミニ演出図柄」や「ミニ図柄」などとも称する)を、各演出図柄190a~190よりも小さいサイズで示すことができるものである。縮小演出図柄表示領域361にミニ図柄を表示することで、各演出図柄190a~190が変動中であるか否かの状況や、停止時の状況(仮停止時の状況を含んでいてもよい)を、各演出図柄190a~190bとは別に目立たないよう示すことができる。
また、縮小演出図柄表示領域361の表示を行うことで、演出図柄190a~190bに係る演出パターンとして透明度が上がり遊技者に視認できなくなるようなものを設けて演出を多様化したとしても、演出図柄190a~190bの状況を遊技者に示すことが可能である。
さらに、このような縮小演出図柄表示領域361に加えて、各演出図柄190a~190bが変動中であるか否かや、特図1及び特図2のうちのどちらの表示を行っているかを、例えば小型な1桁の数字の違いによって示す図柄の表示を、目立たないように行うことも可能である。このような図柄は、「保証図柄」等と称することが可能なものである。この保証図柄の表示位置は、可動演出部材が単数又は複数で演出表示装置60の前に出現した際でも隠れないような位置とすることが可能である。さらに、保証図柄の表示は、いずれの可動演出部材が登場しても隠れない位置を設けてその位置に行うことや、登場する可動演出部材に合せて変更することなどが可能である。
<<演出パターンの例示>>
続いて、前述の演出パターンについて説明する。演出パターンは、メイン基板102で決定される変動パターンに関連付けられた状態で多数設けられている。さらに、演出パターンには、演出図柄190を含む演出の態様が規定されている。より具体的には、演出パターンには、選択された演出図柄190に対する変動開始から変動停止までの変動過程や、演出図柄190と組合せて表示される背景及びストーリー展開などといった演出過程が定義されている。そして、演出パターンには、前述の「リーチ」に関する表示態様を含む「リーチあり」や、「リーチ」に関する表示態様を含まない「リーチなし」に対応したものがある。
これらのうち、「リーチあり」の演出パターンが実行される場合は、あと1つの演出図柄(ここでは中演出図柄190b)が揃えば大当りとなるリーチ演出が、演出表示装置60において行われる。そして、特別図柄に係る当否抽選の結果が大当りである場合には、大当りの種類に応じた「777」や「333」などのぞろ目の表示が、確定停止した演出図柄190によって行われる。また、特別図柄に係る当否抽選の結果がはずれである場合には、例えば「767」や「515」などのはずれを示す組合せが、確定停止した演出図柄190によって行われる。
さらに、「リーチなし」の演出パターンが実行される場合は、例えば「928」や「331」などのように、左演出図柄190aと右演出図柄190cがリーチの組合せとならないリーチなしの組合せが、確定停止した演出図柄190によって行われる。
これらの演出パターンには、長短様々な変動時間をもつものがあり、特に、「リーチあり」の変動パターンには、変動時間が数分に及ぶようなものも含まれている。なお、本実施例では、前述した特別図柄に係る変動パターン(図11(a)~(c)参照)における、「リーチなし(3秒~10秒程度)」、「ノーマルリーチ(10秒~20秒程度)」、「スーパーリーチ(大当り信頼度の高いリーチ)(30秒~2分程度)」に対応した、リーチなしの演出パターン、ノーマルリーチの演出パターン、スーパーリーチの演出パターンが設けられている。そして、これらの演出パターンには、例えば、1つの変動パターンに対して複数の演出パターンが関連付けられており、演出パターン数は、前述の変動パターンよりも多岐に亘っている。さらに、「スーパーリーチ」は、「SP(スペシャル)リーチ」と言い換えることが可能なものである。
<<特別図柄に係る保留演出表示>>
次に、演出表示装置60において行われる特別図柄に係る保留表示(保留演出表示)について説明する。演出表示装置60の表示領域194の下部には、図8(a)、(b)中に示すように、第1遊技における当否抽選値の保留数を示す第1保留数表示部196と、第2遊技における当否抽選値の保留数を示す第2保留数表示部197とが表示される。なお、ここでは説明や図示を簡略化するため、個々の保留表示を真円によって表しているが、保留表示を、その他の形状や色彩の組み合わせ、キャラクタ画像、アニメーション等により行ってもよい。
本実施例においては、第1遊技に係る保留が発生すると、上述の第1保留数表示部196に所定の保留表示が行われる。さらに、保留数が増えると、保留表示が追加される。そして、保留数が上限に達すると、図8(a)に示すように、第1保留数表示部196において、4つの保留表示が行われる。
また、第1保留数表示部196における保留表示は、第1表示位置から第4表示位置にて行うことが可能である。つまり、第1保留数表示部196には、第1表示位置から第4表示位置が含まれており、第1保留数表示部196の、遊技者から見て右端の部位が、第1表示位置となっている。そして、左端へ向かって順に、第2表示位置、第3表示位置、第4表示位置が設けられている。さらに、以下では、第1表示位置から第4表示位置で行われる保留表示を、それぞれ「保1」、「保2」、「保3」、「保4」と称する。
例えば、演出表示装置60において、第1遊技に係る演出図柄190が行われている最中で、且つ、第1保留数表示部196に1つの保留表示も行われていない状況において、保留が発生すると、右端の第1表示位置(上述の「保1」の位置)に保留表示が行われる。そして、この際には未だ他の保留表示が行われておらず、「保2」~「保4」は発生していないものとする。このように「保1」が発生している状況で、更に保留が発生すると、発生した保留に係る表示は、「保1」の左隣の「保2」の位置で行われる。そして、「保1」及び「保2」が表示され、「保3」や「保4」が表示されていない状況で、更に保留が発生すると、発生した保留数に応じて、「保3」や「保4」の表示が行われる。
そして、「保1」が発生した際に実行されていた変動表示が終了し、第1遊技に係る他の変動開始条件も成立していれば、上述の「保1」に係る保留記憶情報が消化される段階となり、「保1」の保留表示が、第1保留数表示部196の右側へ移動する。第1保留数表示部196の右側の部位には、当該変動情報表示部195が設けられている。この当該変動情報表示部195は、そのときに実行されている変動表示に係る情報(当該変動情報)を表示する領域である。つまり、「保1」の保留表示は、対応する保留記憶情報に係る変動表示が実行される際には、当該変動情報表示部195に移動して、当該変動情報表示198に変化する。
ここで、「保1」の保留表示を当該変動情報表示部195に移動させる際に、アイテムに係るサイズ、色彩、形態などといった表示要素の変更を行うようにしてもよい。図8(a)、(b)の例では、「保1」の保留表示を当該変動情報表示198に変化させる際に、サイズの拡大を行っている。
上述のように「保1」にあった保留表示が当該変動情報表示部195に移動すると、後続の保留表示の待機順位が繰り上り、「保2」は「保1」の位置にシフトする。さらに、「保3」や「保4」が存在した場合には、「保3」は「保2」の位置にシフトし、「保4」は「保3」の位置にシフトする。そして、このような状況で更に保留が発生した場合には、新たに「保4」が発生し、保留数が上限に達することとなる。また、新たな保留が発生しなければ、この次の変動表示の開始に伴い、保留表示のシフトが行われ、各保留の待機順位が繰り上がることとなる。
なお、「保1」~「保4」における保留表示から、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198に変化した状態を含めて、広義に、保留演出と捉えることが可能であるが、これに限らず、「保1」~「保4」における保留表示までを保留表示とし、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198に変化した状態は保留表示に含めない、といった取扱いを行うことも可能である。
また、演出図柄190に係る変動表示が行われておらず、保留数が0の状況で、第1始動入賞口62に入球があると、「保1」の表示は行われず、当該変動情報表示部195に、直接的に、当該変動情報表示198が行われるようになっている。そして、このような場合に限って、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198を保留表示に含めない、といった取扱いを行うことも可能である。また、第1始動入賞口62に入球があると、「保1」の保留表示が一瞬の間行われ、その後直ぐに当該変動情報表示部195での当該変動情報表示198に移行させる、といったことも可能である。
続いて、前述の第2保留数表示部197について説明するが、第1保留数表示部196と同様な点については、説明を省略する。本実施例では、第2保留数表示部197は、図中に示すように、上述の当該変動情報表示部195を挟んで、第1保留数表示部196の反対側(遊技者から見て右側)に、第1保留の画像と異なる色彩にて、「保1」~「保4」の関係が対称となるよう配置されている。
また、保留表示については、種々の遊技状態に応じた態様で行うことが可能である。例えば、大当り抽選の確率が通常確率の場合と高確率の場合などで、異なる演出モードに制御される場合に互いの保留表示の態様を異ならせることなどを例示できる。
さらに、第1保留数表示部196、第2保留数表示部197、及び、当該変動情報表示部195の位置関係は、上述のものに限定されず、例えば、当該変動情報表示部195の左側又は右側において8つの保留表示を並べ、第1遊技及び第2遊技に係る保留表示を、各々最大4個まで表示することなども可能である。
<<特別図柄に係る保留先読み演出>>
次に、特別図柄に係る予告演出(先読み演出)の1つである、保留先読み演出について説明する。この保留先読み演出は、前述の保留記憶情報(第1特図保留記憶情報又は第2保留記憶情報)に基づき、実行される演出である。さらに、保留先読み演出は、前述の事前情報通知の機能を用いて、そのときに演出図柄190等を用いて行われている演出よりも後に消化が行われる保留に対して、リーチや大当りが発生することの期待を示唆する演出として実行される。
例えば、前述の第1保留数表示部196における「保3」の位置で発生した保留表示について、保留変化がされていない基本の表示態様である表示(例えば青色)とは異なり、緑色の保留表示を行うことで、通常の青色の態様である場合に比べて、リーチが発生すること等の期待度が高いことが示される。そして、青や緑の彩色の他に、黄色、赤色、金色、虹色、所定柄などの表示態様を設け、緑色よりも、黄色、赤色、金色、虹色、所定柄の順で大当りの期待度が高いことを示す、といった演出が行われている。
ここで、上述の「所定柄」の表示態様としては、キリン等の動物模様や、所定のキャラクタ画像を含む表示態様などを例示できる。また、保留表示の彩色や柄のみでなく、真円形状以外のアイテムや人物画像等を採用することも可能である。さらに、上述の各種の表示態様に点滅や発光を行っている態様を組み合せて先読み演出を行うことも可能である。また、保留先読み演出を含む先読み演出に当せんした保留を、例えば「トリガ保留」などと称することが可能である。
以上説明したような保留に係る先読み演出は、第2遊技においても行われる場合がある。そして、第2遊技に関しては、基本色(オレンジ)のほかに、赤色、金色、虹色、所定柄などの表示態様を備えることが可能である。また、第2遊技に係る保留表示としても、真円形状以外のアイテムや人物画像等を採用することも可能である。
さらに、上述したような第1遊技及び第2遊技において保留表示を用いる先読み演出は、「保留変化」などと称することが可能である。そして、このような「保留変化」には、保留発生の当初から上述のように基本の表示態様と異なる表示態様を示すものや、保留発生の後のタイミングで表示態様の変化を示すものなどがある。
これらのうち、保留発生の後のタイミングで表示態様の変化を示すものとしては、例えば、保留が発生して保留表示が開始され、保留の消化が進み、保留表示が、例えば「保2」、「保1」と進む間に、保留表示が変化するようなものを例示できる。そして、例えば、保留発生時には「保3」の位置に青色(第2遊技の場合はオレンジ色)で保留表示が行われ、「保1」の位置に移動した際に、緑色等の他の色に変化する、といったことが行われる。
また、第1遊技及び第2遊技の何れについても、当該変動情報表示198となった場合に、保留表示が基本色から、赤色、金色、虹色、所定柄などの表示態様や、或いは、真円形状以外のアイテムや人物画像等の表示態様に変化して、大当りの期待度を表す場合もある。
さらに、上述のような保留変化に係る制御態様としては、以下のようなものを例示できる。例えば、保留発生時に、保留変化の演出パターン(保留変化パターン)を決定するための抽選(保留変化パターン抽選)を行う。この保留変化パターン抽選には、保留変化パターンテーブルが用いられ、この保留変化パターンテーブルには、保留変化の有無や、保留変化を実行する場合(保留変化ありの場合)には、どのようなタイミングでどのような表示態様を実行するか、といった演出パターンの決定に係る事項が規定されている。また、保留変化パターンとしては、第1遊技のためのものと、第2遊技のためのものとが定められている。
また、保留変化に当せんした保留が、「保1」から「保4」の中に複数存在する場合に、いずれか一方の保留先読み演出をキャンセルする、といったことが可能である。より具体的には、例えば、「保4」が発生した際に、「保4」に係る保留が、緑色に変化する保留変化パターンに当せんし、先に発生しているいずれかの保留が、虹色に変化する保留変化パターンに当せんしていれば、上述の「保4」に係る保留については、保留変化をキャンセルして実行しない、といったもの例示できる。
さらに、例えば、上述の例と同様に「保4」が発生した際に、「保4」に係る保留が、虹色まで変化する保留変化パターンに当せんし、先に発生している全ての保留が、虹色までは変化せず、緑色などまでしか保留変化しないものであれば、先に発生している保留については、保留変化をキャンセルして実行しない、といったもの例示できる。なお、保留変化を行う際に、保留変化が行われることを示唆する演出(「保留変化示唆演出」と称する場合もある)を実行することも可能であり、この点については別途後述する。
<<特別図柄に係る連続予告>>
次に、他の先読み演出のパターンとして、特別図柄に係る連続予告(連続演出)について説明する。この連続予告は、真正のものと疑似のものとがあり、これらのうちの真正の連続予告は、特別図柄に係る複数回の変動表示に亘り、連続性のある予告演出を行うものを意味している。また、疑似の連続予告は、特別図柄に係る1回の変動表示について、複数回の特別図柄の変動があったような断続的な予告演出(疑似連続予告)を行うものを意味している。
上述の「連続予告」としては、例えば、演出上のストーリーにおいて主人公となる登場人物が、特別図柄に係る1回の変動毎に、最終到達目的としている部屋を目指して、順次異なる部屋に移動するようなものなどを例示できる。また、その他の態様の「連続予告」としては、主人公となる登場人物が、特別図柄に係る1回の変動毎に、異なる敵と対戦して勝利し、最終目的となる敵を目指すようなものも例示できる。
さらに、前述した真正の連続予告(以下では単に「連続予告」と称する場合がある)は、メイン基板102からサブメイン基板301に送信される事前通知情報に基づいて行うことが可能である。より具体的には、例えば、「保3」の保留が発生した場合に受信した事前通知情報に基づいて、サブメイン基板301が、その次以降の特別図柄に係る変動表示に対応した演出パターンとして、3回の変動表示に亘る連続予告を含んだ内容のものを選択する、といったことが可能である。
そして、1回分の保留が消化され、上述の「保3」の保留が「保2」の位置にシフトされた際には、選択された連続予告に係る演出パターンのうち、最初の1回目の予告に係る演出パターンが実行される。さらに、保留が順次消化され、保留表示が、「保2」から「保1」に移動した際には、3回のうちの2回目の予告が実行され、「保1」から当該変動情報表示部195に移動した際には、最後となる3回目の予告が実行される。
なお、サブメイン基板301において、上述の「保3」の保留が発生した時点で実行されている変動表示に係る変動パターンや、それ以前に発生している「保2」又は「保1」に係る保留記憶情報を確認することも可能である。すなわち、上述の「保3」の保留が発生した際に、既に記憶されている各種の情報の中に、大当り信頼度の高い所定のリーチ演出が実行されることを表す情報や、大当りが発生することを表す情報が存在すれば、「保3」の保留が発生した際に選択した連続予告に係る演出パターンをキャンセルする、といったことが可能である。その他、「保3」に対する保留の期待度に応じて、次変動から即座に連続予告を行うものではなく、1変動待って「保1」の変動及び先読み態様となるトリガ保留の消化時の2変動に跨る連続予告とするケースも考えられる。
また、前述した疑似の連続予告(以下では「疑似連続予告」や「疑似連」などと称する場合がある)としては、特別図柄の1回の変動表示に係る演出パターンにおいて、リーチ表示が、複数回断続的に行われるようなものや、登場人物が複数回の行為を繰り返すようなもの、演出図柄190の仮停止と再変動を繰り返すものなどを例示できる。
なお、以上説明したような連続予告の内容は、あくまでも例示であり、連続予告の内容としては、説明したもの以外にも種々のものを採用することが可能である。
<<普通図柄に係る演出図柄>>
次に、前述の普通図柄に係る演出について説明する。本実施例では、普通図柄に係る演出表示は行われていない。しかし、普通図柄に係る演出を、演出表示装置60における演出の一部として行うことが可能である。そして、このように普通図柄の演出表示を行う場合には、演出図柄としては、例えば、はずれと、当たりの種類とを識別できる程度の表示を行うことが考えられる。
また、前述のように、演出表示装置60を、複数の表示体の組合せにより構成した場合には、相対的に大型な表示体と、これに比べて小型な表示体(複数でもよい)を備えることが可能である。そして、大型な表示体を、例えば「メイン表示体」や「メイン液晶」などと称し、小型な表示体を、例えば「サブ表示体」や「サブ液晶」などと称することが可能である。さらに、上述のような相対的に小型な表示体を備えた場合には、普通図柄に係る演出図柄(199)を、例えば、小型な表示体に表示するようにしてもよい。また、前述のセンター飾り64の所定の部位に、例えば、2つを1組としたLED表示灯を設け、これを普通図柄に係る演出表示装置としてもよい。
また、普通図柄に係る演出図柄を用いた演出を行う場合は、普通図柄に係る保留演出表示を、演出表示装置60における演出の一部として行うことが可能である。また、前述のように、演出表示装置60を、大型な表示体及び小型な表示体のような複数の表示体により構成した場合には、普通図柄に係る演出保留表示を、例えば、小型な表示体に表示するようにしてもよい。また、前述のセンター飾り64の所定の部位に、例えば、2つを1組としたLED表示灯を設け、これにより「1」から「4」の普通図柄に係る保留数の演出表示を行ってもよい。
<<限定頻度パターンに係る演出>>
次に、限定頻度パターンに係る演出(以下では「限定頻度パターン演出」と称する)について説明する。限定頻度パターン演出は、前述の演出パターンの一部として備えられているものである。さらに、限定頻度パターン演出は、メイン基板のパターン決定手段にて特定の期間に決定される変動パターンに対応して、所定の遊技状態において出現し易くなるように設定された演出である。この限定頻度パターン演出の内容は、特定の傾向を示す演出内容となっており、限定頻度パターン演出の内容として、例えば、時短遊技中の特定の変動において、あらかじめ定められた変動パターンをメイン基板で決定し、演出として高信頼度のリーチを必ず発生させるようなものを例示できる。
また、限定頻度パターン演出が出現し易い遊技状況としては、遊技開始時、所定の演出パターンが実行された直後(例えば、小当り、出玉無大当りの直後)、所定の演出モード中(確変、時短遊技モード中)、特別遊技の終了直後などを例示することができる。また、これらに加えて、限定頻度パターン演出が出現し易い遊技状況としては、第1遊技(又は第2遊技)に係る保留数が所定数(例えば4個)に達している場合や、保留が存在しない場合なども例示できる。さらに、限定頻度パターン演出が実行される状況においては、その時の状況に応じて予め設けられている限定頻度テーブルを用い、この限定頻度テーブルに定められた限定頻度パターンから、実行すべき演出パターンが選択されるようになっている。
<<操作ボタンを用いた演出>>
次に、前述の操作ボタン22(図1参照)を利用する演出(以下「ボタン演出」と称する)について説明する。操作ボタン22は、ボタン演出が実行された場合に、遊技者によって押下操作され、遊技者に対し、自分が遊技の演出や当否抽選に参加しているような感覚を与える機能を発揮するものである。ボタン演出としては、例えば演出図柄190(図8(a)、(b)参照)の変動表示過程で、演出表示装置60の表示領域194に、操作ボタン22の図柄とともに、「Push」、「連打せよ」、「長押しせよ」等といった文字や、或いは残り時間を示すインジケータの動画などの、操作を促すガイド表示を行うことを例示できる。
さらに、ボタン演出としては、遊技者が、上述のガイド表示に従って操作ボタン22を操作すると、登場人物がコメントを発するような演出や、味方キャラクタが敵キャラクタに対する攻撃を行うような演出を例示できる。また、操作ボタン22を操作すると、前述の可動演出部材が作動して、リーチとなることを報知するようなものも例示できる。さらに、リーチ演出中にボタン演出が行われることもあり、その場合には、操作ボタン22を操作すると、前述の可動演出部材が作動して大当りへの期待を煽るものなども例示できる。
また、上述の操作ボタン22に関して、通常時は操作ボタン22の操作が無効となっているが、ボタン演出中は操作ボタン22の操作が有効となるボタン操作有効期間となっている。ボタン操作有効期間は、予め設定された一定時間となっている。
なお、操作ボタン22のような操作入力機器としては、その他にも種々の形態のものを採用可能であり、例えば、演出内容に関連した、自動車の操作ハンドル、航空機の操作レバー、登場人物の模型(フィギュア)にタッチセンサを付加したものなども採用が可能である。また、操作ボタンと、操作レバー等の形態を有するものを併設し、演出内容などの状況に応じて使い分ける、といったことも可能である。
さらに、前述のように操作ボタン22の近傍に十字キー96(図18)が設けられており、操作ボタン22は、環境設定などを行う状況で決定キー等として用いられる場合がある。
<<大当り発生時の演出>>
次に、大当りが発生した場合の演出について説明する。大当りが発生した場合の演出には、特別遊技開始時の演出(大当り開始デモ)、特別遊技中の演出(ラウンド演出)、最終ラウンド終了時の演出(当り終了デモ)、特別遊技の終了時の演出(大当り終了デモ)などがある。ここで、上述の大当り開始デモの演出は、大当り遊技(特別遊技)の実行開始から初回のラウンド(単位遊技)の実行開始までのアタッカー(大入賞口)の閉鎖が維持されている期間の演出であり、上述の大当り終了デモの演出は、最終回のラウンド(単位遊技)の実行終了から大当り遊技(特別遊技)の実行終了までのアタッカー(大入賞口)の閉鎖が維持されている期間の演出であるということができる。
前述の演出図柄190が確定停止されると、ファンファーレなどの音に伴い、大当りが開始される旨の表示を行う。この大当りが開始される旨の表示としては、大当り開始デモ画面の表示を例示することができる。さらに、特別遊技中の打ち方指示として右打ち案内演出(右打ち演出)を実行し、遊技者に対し、発射ハンドル20の回動量を増やして右打ちを行うよう案内する内容のものを例示できる。また、右打ちを行うよう案内する内容の表示としては、右打ち案内表示領域(図示略)を出現させ、この右打ち案内表示領域に、「ハンドルを右に回してね」や「右打ち」などのメッセージ表示等を行うことが可能である。
ここで、初当り(低ベースでの大当り)と連荘(高ベースでの大当り)とで、大当り開始時の演出内容が異なっていても良い。具体的には、初当りの際には「大当りスタート!」などの表示を行い、連荘の当りの際には「大当り連続!」などの表示を行うようにとしても良い。また、右打ちの案内については、初当りでは「ハンドルを右に回してね」のメッセージ表示を行うが、連荘ではそのようなメッセージ表示を行わないかそれとは異なる表示(単に「右打ち」の大きな文字が短時間表示されるなど)を行うなどのようにしても良い。このように、初当り時の大当り開始デモ演出よりも連荘時の大当り開始デモ演出の方が短くなるようにして良く、その場合は当然ながら、大当り開始デモ時間については、初当り時よりも連荘時のほうが短くなる。同様に、大当り終了デモ演出(大当り開始デモ時間)の時間値も、初当り時よりも連荘時のほうが短くなるようにしても良い。
前述の特別遊技中の演出としては、遊技者が大当りを獲得しなければ見ることができない内容の動画を例示できる。また、この際には所定の楽曲が、前述のスピーカ21(図1参照)から出力される。さらに、特別遊技中の動画としては、例えば、ぱちんこ遊技機10の演出に採用された劇画における所定の登場人物が、ライバルとなる敵と戦う様子を描いたものや、僥倖を享受する様子を描いたものなどを例示できる。
なお、特別遊技中のラウンドの切換わりを、例えば、画面中の例えば下部における「1R」、「2R」、・・・、「10R」や、「1ラウンド」、「2ラウンド」、・・・といった表示により報知することが可能である。さらに、特別遊技中の演出の一部として、例えば、特定遊技中に大当りが発生して、大当りが連続した場合における大当りの発生回数を表示することも可能である。
また、図示は省略するが、特図1及び特図2の保留数を区別して示す保留数表示領域を表示したり、ラウンド数表示領域やカウント数表示領域を表示したりすることが可能である。さらに、例えば「確変2回目」や「獲得数:3600個」のような表示により、複数回の大当り遊技に係る連荘回数や、連荘中の獲得賞球数の表示を行うようにしてもよい。
ここで、大入賞口(92)の近傍に一般入賞口(72)の一部を配置したような場合には、ラウンド中の遊技による(大入賞口(92)への入球による)賞球のみを獲得賞球数の表示対象とするのではなく、一般入賞口(72)への入球に基づく賞球も、獲得賞球数の表示対象としても良い。また、超過分の入賞である所謂オーバー入賞(大入賞口に対する1のラウンドにおける規定カウント数を超過した入球)が発生した場合は、該発生を示唆又は報知する演出(例としては、「やったね!」といった音出力や、演出表示における「ナイス!」などの表示)を行っても良い。
また、特別遊技中の演出として、特定の演出(当り中の特定の演出)を行うことが可能である。この当り中の特定の演出は、ストーリー展開に変化を与える契機として表示したり、大当り遊技中にラウンド数の報知や確変への昇格演出が行われる場合に、演出の分岐点として挿入したり、といった用途で用いることが可能なものである。
続いて、前述の特別遊技後の演出としては、特別遊技中の演出内容の結果に係るもの例示できる。より具体的には、登場人物同士の闘いの結果に応じて勝者が感情を表す内容などを例示できる。このような特別遊技後の演出は、例えば、大当り遊技に係る「エンディング演出」や「リザルト演出」などと称することも可能である。
さらに、特別遊技後の演出としては、大当りの連続回数を追加して表示するものや、そのときの特別遊技により遊技者が獲得した賞球数を表示するものなどを例示できる。また、特定遊技中に大当りが発生して、大当りが連続した場合における大当りの発生回数を追加して表示することも可能である。また、大当りの連続に関しては、大当りの発生回数が所定回数(例えば20回)に達した場合に、それ以前には選択されることがない演出パターンを実行する、といったことも可能である。
また、本実施例の変形例として、特定遊技状態の制御に関し、大当り遊技中の遊技結果、すなわち大当り遊技中に大入賞口に設けられた特定領域(「V領域」、「確率変動機能作動領域」と称する場合もある)を通過した場合に、特別遊技終了後に確変となる制御を採用する場合には、確変となるか否かの報知を、特別遊技中、或いは、特別遊技終了の際まで報知しないようにすることも可能である。
例えば、合計で10ラウンドの特別遊技が行われる場合に、8ラウンド目の終了の際までは確変に当せんしているか否かを遊技者に知らせる演出を行わず、8ラウンド目の終了後に、確変に当せんしている場合にはその旨の演出(当り中特定演出)を1又は複数のラウンドに亘って行う、といった演出や制御態様を採用することが可能である。
また、上述の変形例に係るぱちんこ遊技機(特定領域を有するぱちんこ遊技機)において、特別遊技開始前、特別遊技中、或いは、特別遊技終了の際などの所定のタイミングで、遊技球が所定の領域で検出された場合には確変となる、といった演出や制御態様を採用することも可能である。
この場合は、例えば、「特定領域」として遊技球の検出領域を有する入球装置(ここでは「V入球装置」と称する)を、遊技領域52(図54参照)における大入賞口の下方の部位などに追加して設ける。さらに、特別遊技終了の際など所定のタイミングで、V入球装置を、遊技球を受入れ可能な状態とし、この状態においてV入球装置で遊技球が検出された場合に、その後の確率状態が、所定期間に亘り確変状態となるように制御する。そして、V入球装置に遊技球が進入しなかった場合や、V入球装置内で遊技球が所定の領域に進入しなかった場合には、その後の確率状態が確変状態とならないように制御する、といったことが考えられる。
また、このような入球による確変の付与は、演出としてのみ行うことも可能である。すなわち、大当り抽選で確変ありの大当りに当せんしている場合に、所定のタイミングでV入球装置を、遊技球の受入れが可能な状態とする。そして、V入球装置内に振分け機構を設けておき、事前に確変ありの大当りに当せんしている場合には、V入球装置に進入した遊技球を確変の領域に導き、遊技者が確変を獲得した旨の演出を実行する。また、事前に確変なしの大当りに当せんしている場合には、遊技球を非確変(通常)の領域に導き、遊技者が確変を獲得した旨の演出を実行する、といったことが考えられる。
さらに、小当りが発生した場合に、小当りの発生を報知する演出を行わないことや、小当り発生後の遊技中に、通常時と同様であり、確変中であるのか否かを区別できない内容の演出を行うことが考えられる。
<各種の具体的演出例>
<<複数の演出部材の重畳による演出>>
次に、本実施例のぱちんこ遊技機10において実施することが可能な各種の具体的な演出について例を挙げて説明する。先ず、演出表示装置60の表示と、前述した導光板88の表示、及び、可動演出部材の重畳による演出を行うことが可能である。この種の演出は、演出表示装置60の前方に可動演出部材を位置させ、演出表示装置60の表示内容と、可動演出部材の光装飾や動きなどとを組み合わせることによる複合的な演出となる。
一例を挙げれば、いずれかの可動演出部材が演出表示装置60の表示領域194の前に飛び出した状態において、可動演出部材の外側には演出表示装置60の表示領域194の少なくとも一部が見えており、例えば、演出表示装置60に炎が燃え盛る様子の映像を表示した場合には、炎の前方で可動演出部材が光装飾や動作を行う組合せの演出が実行されるようにする。さらに、導光板88において、例えば、炎の模様が点滅するような演出や、或いは、波紋状の模様を点滅させるような演出を行うことにより、導光板88と演出表示装置60の遠近の差による視覚効果を発揮することができる。
さらに、この状態において、導光板88と演出表示装置60との間で可動演出部材による演出を実行することにより、可動演出部材の様子や、演出表示装置60の映像を、導光板88の表示を部分的に障害としながら遊技者に視認させることができる。さらに、可動演出部材の前後の模様状の表示の変化の合成により、複雑な状況表示を可動演出部材に重畳でき、可動演出部材の置かれた環境を複雑な態様で表現することが可能となる。
そして、これらのことにより、導光板88、可動演出部材、演出表示装置60といった限られた構成によって、より複雑な演出を行うことができ、演出を多様化することが可能となる。なお、導光板88を、例えば透過液晶表示体などに変更した場合であっても、透過液晶表示体の一部を、背後の可動演出部材や、演出表示装置60の表示内容の一部を視認できる程度の透過状態とすることで、導光板88の場合と同様に重畳による演出を行うことが可能である。
また、導光板88や透過液晶表示体など(ここでは導光板88等と称する)の利用の態様として、導光板88等を強調する態様と、演出表示装置60との組合せによる態様とを採用することが可能である。上述の「導光板88等を強調する態様」は、導光板88等の表示面の大部分を利用して所定の像を浮かび上がらせる発色表示を行い、背後にある演出表示装置60の表示内容に遊技者の意識が可能な限り向かないようにする表示態様である。
これに対し、上述の「演出表示装置60との組合せによる態様」は、導光板88等における発色表示が行われる部分の面積の割合を所定の程度に抑え、背後にある演出表示装置60の表示内容に遊技者の意識が向かうようにし、導光板88等の表示と、演出表示装置60の表示とを組み合わせた演出を遊技者に対して示す表示態様である。そして、所定の場合には、「導光板88等を強調する態様」での演出を実行し、他の所定の場合には、「演出表示装置60との組合せによる態様」での演出を実行する、といったことが可能である。
<<保留表示を利用した演出>>
続いて、前述の保留表示を用いた演出としても種々のものを例示することができる。例えば、保留変化が行われることを示唆する保留変化示唆演出が例示され、図8(a)、(b)中に示す当該変動情報表示部195の当該変動情報表示198を一旦消去し、当該変動情報表示部195に、例えば、「色変化?」のように保留色が変化して期待度が高まることを示唆するような文字の情報(文字の状態遷移示唆情報)を表示する。そして、このような状態遷移示唆情報の表示の後、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198が、例えば赤色や虹色などといった高期待度を意味するものに変化する場合があるようにする。
また、上述の「色変化?」のような表示を、ルーレットの目の1つや、回転ドラム(リール)の1つの図柄として表示することも可能である。例えば、「変化なし」、「色変化?」、「赤」、「虹」のような情報表示をルーレットの目や、回転ドラムの図柄として採用し、当該変動情報表示部195において、ルーレットや回転ドラムのオブジェクトの表示を行う。そして、当該変動情報表示部195において、「変化なし」、「色変化?」、「赤」、「虹」の表示が順次変化し、停止した情報に対応した態様で、その後の当該変動情報表示198が行われるようにすることが考えられる。なお、当該変動情報表示198を消去せずに、ルーレットや回転ドラムのオブジェクトの表示を行うことも可能である。
また、保留表示を用いた演出の他の態様として、図8(a)、(b)中の第1保留数表示部196や第2保留数表示部197において保留変化が行われる場合に、保留変化したことや、保留変化が直後に発生することを、例えば、「保留変化」、「赤保留」、「虹保留」などといった保留変化情報を表示することで、積極的に報知することが考えられる。ここで、このような保留変化情報の表示を、演出表示装置60における表示領域194の中央で行ってもよく、或いは、第1保留数表示部196や第2保留数表示部197において、保留変化する保留表示の近傍で行ってもよい。
なお、上述のように、保留変化が行われることを示唆する保留変化示唆演出を1又は複数種類設けておき、保留変化示唆演出の実行有無、種類により保留変化がなされる割合や保留変化がなされたときの変化度合い(例えば保留色が青から赤に変化する割合が種類Aと種類Bとで異なる等)が異なるようにすることも好適である。また、複数の保留表示があり、複数の保留表示に対して保留変化が行われ得る場合には、保留変化示唆演出の開始時点では、いずれの保留の変化が行われるかがわからない状態とすることもでき、このように構成すれば、先に変化した保留が更に変化するのか、変化していない保留が変化するのかという視点での興趣向上を図ることができる。
また、保留変化示唆演出を実行する場合、保留変化のタイミングは、図柄変動中の様々なタイミングとすることができる。例えば、保留変化示唆演出を、保留変化示唆専用の領域や画像オブジェクトを用いたものとした場合には、装飾図柄(演出図柄)の確定停止の期間と重ならない任意のタイミングで複数の開始・終了タイミングを設定することができる。
一方、保留変化示唆演出を保留変化示唆専用のものとせず、装飾図柄の変動演出と連動して行う場合には、例えば、装飾図柄の表示領域を用いて保留変化を示唆する疑似的な装飾図柄(例えば「保留変化図柄」)を表示する保留変化示唆演出を実行することができる。そして、この場合には、1又は複数列の図柄が仮停止時するタイミングや停止図柄を予告するタイミングを設定することができる。
なお、ここで説明した各種の保留変化タイミングに加え、保留表示の開始時やシフト時に保留色を変化させることもできる。
<メイン基板からサブメイン基板へ送信される各種コマンド>
次に、メイン基板102からサブメイン基板301へ送信される各種コマンドについて主要なコマンドについて説明する。先ず、コマンドの送信タイミングとしては、初期画面表示中、客待ちデモ(待機デモ)中、特別図柄の図柄変動開始時、特別図柄の図柄確定時、特別図柄の図柄確定中、大当り開始デモ時、大当り中大入賞口開放時、大当り中大入賞口閉鎖時、当り終了デモ時、大当り終了デモ終了時などがある。このうち初期画面表示中は、ぱちんこ遊技機10の電源投入後、客待ちデモが開始されて定常状態に入るまでの期間である。また、始動入賞時、電断復帰時、及び、エラー検出時は、何れの場合であってもコマンド送信が行われる。さらに、RWMクリア時にもコマンド送信が実行される。
これらのうち、RWMクリア時のコマンドとしては、演出表示器初期化、演出LED初期化、各種エラーのコマンドがある。演出表示器初期化コマンドは、演出表示装置60に所定の演出図柄を表示するためのものである。演出LED初期化コマンドは、通信が正常である場合に遊技効果ランプの一部を点灯させるものである。各種エラーコマンドは、エラーの状態に合わせた演出表示等を行うためのものである。
客待ちデモのコマンドとしては、客待ちデモコマンドがある。この客待ちデモコマンドは、演出表示装置60や遊技効果ランプを客待ちデモ用に設定し、音声を消去するためのものである。
特別図柄の図柄変動開始時のコマンドとしては、図柄1記憶数、図柄2記憶数、通信検査1、通信検査2、演出回数A~Z、演出選択状態0~2、変動付加情報、図柄1演出パターン、図柄2演出パターン、図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出のコマンドがある。図柄1記憶数コマンドは、第1特別図柄の保留記憶数を示すものであり、図柄2記憶数コマンドは、第2特別図柄の保留記憶数を示すものである。通信検査1コマンド及び通信検査2コマンドは、正常な通信がなされているか否かの確認のためのものである。演出回数A~Zの各種コマンドは、前述の限定頻度テーブルにしたがった演出に係る回数を示すものであり、演出選択状態0~2の各種コマンドは、限定頻度テーブルにしたがった演出の種類を示すものである。変動付加情報コマンドは、変動時間が決められた変動パターンに更に付加される変動時間(付加時間)の情報や、演出パターン中に例えば大当り期待度の示唆等を行う要素(演出構成要素)を付加するための情報などを示すものである。図柄1演出パターンコマンドは、第1特別図柄の変動パターンに対応したコマンドを送信するためのものであり、図柄2演出パターンコマンドは、第2特別図柄の変動パターンに対応したコマンドを送信するためのものである。図柄1キャラクタ演出コマンドは、第1特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものであり、図柄2キャラクタ演出コマンドは、第2特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものである。
特別図柄の図柄確定時のコマンドとしては、図柄1演出パターン停止、図柄2演出パターン停止のコマンドがある。図柄1演出パターン停止コマンド、及び、図柄2演出パターン停止コマンドは、それぞれ、第1特別図柄や第2特別図柄に基づく演出図柄190を停止させるためのものである。
特別図柄の図柄確定中のコマンドとしては、変動時間短縮回数0(低確率時)、変動時間短縮回数A~Z(低確率時)、変動時間短縮回数0(高確率時)、確率変動中(所定変動回数まで)のコマンドがある。これらは、その時の遊技状態に関するコマンドを送信するためのものであり、演出モード表示や時短回数表示などに使用される。
大当り開始デモ時のコマンドとしては、図柄1大当り開始デモ、図柄2大当り開始デモ、発射位置指定のコマンドがある。図柄1大当り開始デモコマンド、及び、図柄2大当り開始デモコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の大当り図柄に基づいた開始デモを表示させるためのものである。発射位置指定コマンドは、所謂左打ちや右打ちにより、遊技者に、遊技球の打ち分けを行わせる場合に発射位置を報知するためのものである。
大当り中大入賞口開放時のコマンドとしては、図柄1大当り中デモ1~10、図柄2大当り中デモ1~10のコマンドがある。これらは、第1特別図柄や第2特別図柄の大当り図柄及びラウンド数に基づいた演出を表示させるためのものである。
大当り中大入賞口閉鎖時のコマンドとしては、大入賞口閉鎖演出コマンドがある。これは、大入賞口閉鎖演出を表示させるためのものである。
大当り終了デモ時のコマンドとしては、図柄1当り終了デモ、図柄2当り終了デモのコマンドがある。これらは、第1特別図柄や第2特別図柄の当り図柄に基づいた当り終了デモ演出を表示させるためのものである。
始動入賞時のコマンドとしては、当り予告(当り予告演出)、図柄予告(当り図柄予告演出)、変動予告(パターン予告演出)、図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドがある。当り予告、図柄予告、変動予告の各コマンドは、事前情報通知手段157による前述の先読み演出に係るコマンド(先読みコマンド)である。そして、当り予告コマンドは、当否乱数の乱数値範囲を送信するためものであり、抽選確率に応じた当否の情報などを含んでいる。図柄予告コマンドは、図柄乱数の乱数値範囲を送信するためのものであり、当りの種類に係る情報などを含んでいる。さらに、変動予告コマンドは、変動パターンの乱数範囲を送信するためのものであり、変動パターンのグループの種別(リーチなし、ノーマルリーチ、又は、スーパーリーチなど)の指定に利用可能である。図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の保留記憶数を伝えるためのものである。そして、本実施例では、当否抽選の結果、先読み演出の有無や期間などの情報は、当り予告、図柄予告、変動予告の各コマンドによって、サブメイン基板301に伝えられるようになっている。
電断復帰時のコマンドとしては、通信検査1、通信検査2、電断復帰用遊技状態A~E、演出回数A~Z、演出選択状態0~2、図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出、電断復帰当り状態、電断復帰時特別図柄1状態、電断復帰時特別図柄2状態、発射位置指定、エラーa~d、図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドがある。
通信検査1、通信検査2のコマンドは、正常な通信がなされているか否かの確認のためのものである。電断復帰用遊技状態A~Eのコマンドは、電断時の遊技状態に応じて異なるコマンドを送信するためのものである。演出回数A~Zのコマンドは、前述の限定頻度テーブルにしたがった演出に係る回数を示すものであり、演出選択状態0~2のコマンドは、限定頻度テーブルにしたがった演出の種類を示すものである。図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出コマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものである。
電断復帰当り状態コマンドは、当り中か否かに応じて異なるコマンドを送信するためのものである。電断復帰時特別図柄1状態、電断復帰時特別図柄2状態のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の、待機中・変動中・当たり中などの状態に応じたコマンドを送信するためのものである。発射位置指定コマンドは、前述のように、状況に応じた適切な発射位置を指定するためのものである。エラーa~dは、エラーの有無及び種類を送信するためのものである。図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の保留記憶数を伝えるためのものである。
<メイン基板の主要な制御処理>
次に、上述の構成のぱちんこ遊技機10のメイン基板102における主要な制御処理について、図12~図17等に基づいて説明する。なお、説明に先立ち、以下で用いる「特別電動役物」、「条件装置」、「役物連続作動装置」の用語について説明する。これらは何れもぱちんこ遊技機10の制御処理における概念上の機器を表しており、これらのうち「特別電動役物」は、大入賞口装置90の大入賞口を作動(開放)させることとなるものである。また、「条件装置」は、特別図柄として特定の図柄組合せが停止表示された場合に作動するものであり、「役物連続作動装置」は、特別電動役物を連続して複数回作動させることができるものである。
また、ここで説明するぱちんこ遊技機10の主要な制御処理は、図12に示す電源投入時処理(メイン基板における「制御開始処理」などともいう)、図13に示す初期設定処理、図14に示す設定変更処理、図15に示す遊技進行割込み処理、図16に示す(当否)抽選判定処理、及び、図17に示す電源断処理であり、これらはメイン基板102において実行される。
<電源投入時処理>
図12に概略的に示す電源投入時処理は、ぱちんこ遊技機10の電源投入によりCPU501の製造コードを利用したセキュリティチェックが行われた後に開始される制御処理である。この電源投入時処理においては、図中に示すように初期設定処理(S101)が実行される。初期設定処理(S101)では、設定値に関する処理などが実行されるが、初期設定処理(S101)の内容については後述する。
初期設定処理(S101)の後、RWMクリアボタン(RWMクリアスイッチ(544))が操作されたか否かの判定(S102)が実行される。このS102において、RWMクリアボタンの操作が行われていた場合には(S102:YES)、RWMクリアの処理(S103)が実行され、RWMクリア情報がサブ側(サブメイン基板301の側)へ送信される(S4)。さらに、電源投入が正常に行われたことを表す情報(電源投入正常の情報)をRWMに保存し(S105)、タイマ割込みの許可を行う(S106)。このタイマ割込みの許可(S106)により、所定周期(ここでは4ms)での遊技進行割込み処理(タイマ割込み処理)が可能となる。さらに、各種の乱数が、ループ処理(循環処理)が繰り返される毎に更新される(S107)。
ここで、乱数更新の処理(S107)で更新される乱数としては、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数の各種の初期値乱数を挙げることができる。また、各種の乱数の更新にあたっては、共通の制御モジュールとして、2バイトソフト乱数更新処理を用いることが可能である。また、乱数更新の処理(S107)で更新される乱数は、前述したソフトウェア乱数であり、乱数の種類によっては、乱数更新の処理(S107)で更新されるソフトウェア乱数と、前述のハードウェア乱数との演算により乱数値を生成することも可能である。
上記S102で、RWMクリアボタンが操作されていなかった場合には(S102:NO)、電源断正常の情報がRWMに保存されているか否かの判定が行われる(S111)。そして、電源断正常の情報がRWMに保存されていた場合には(S111:YES)、RWMチェックが行われ(S112)、RWM内のデータ(所定範囲のデータ)が正常か否かの判定が行われる(S113)。このS113で、RWM内のデータが正常でなかった場合には(S113:YES)、RWMクリアの処理(S103)へ移行する。
上記S111で、電源断正常の情報がRWMに保存されていた場合(S111:NO)、及び、上記S113でRWM内のデータが正常であった場合には(S113:NO)、RWMから電源断時の各種の情報コマンドのデータを取得する(S116)。さらに、取得した各種情報コマンドのデータをサブメイン基板301の側へ送信し(S117)、ソレノイドの復帰設定を行って(S118)、前述のS105(電源投入正常の情報をRWMに保存する処理)へ移行する。
<初期設定処理>
次に、前述の初期設定処理(図12のS101)について、図13に基づき説明する。この初期設定処理では、各ポート・レジスタの設定処理が実行され(S121)、設定キーの挿入操作があったか否かの判定が行われる(S122)。設定キーの挿入があった場合には(S22:YES)、設定値変更処理(S126)が行われるが、この設定値変更処理(S126)については後述する。
上記S122で、設定キーの挿入がなかった場合には(S122:NO)、設定値情報の読み込み(リード)が行われ(S123)、設定値が異常か否かの判定が行われる(S124)。設定値が異常でなかった場合には(S124:NO)、初期設定処理を終えるが、正常に電源断がなされず、設定値のバックアップデータが通常設定可能な値でない場合などのように、設定値が異常であった場合には(S124:YES)、設定値異常の報知を行う(S128)。そして、設定値異常情報をサブメイン基板301の側へ送信し(S129)、その後はループ状態となる。
<設定値変更処理>
次に、前述の設定値変更処理(図13のS126)について、図14に基づき説明する。この設定値変更処理では、設定値保存領域のRWMをチェックし(S131)、設定値情報が異常であるか否かの判定を行う(S132)。設定値情報に異常がなければ(S132:NO)、RWMクリアスイッチの入力があったか否かの判定を行い(S133)、RWMクリアスイッチの入力があった場合には(S133:YES)、設定値情報に応じた設定値を表示する(S134)。
上記S132で設定値情報に異常があれば(S132:YES)、設定値の強制設定を行い、設定値情報にデフォルト値(ここでは「1」)をセットする(S141)。そして、設定値強制設定情報をサブメイン基板301に送信してから(S142)、設定値の表示を行う(S133)。
上記S134の後、設定値の変更操作があったか否かの判定を行い(S135)、変更操作があれば(S135:YES)、そのときの設定値情報を+1する(S136)。さらに、設定値情報が設定上限値(ここでは「6」)に達したか否かを判定し(S137)、上限値に達していれば(S137:YES)、そのときの設定値情報を「1」にセットする(S138)。そして、設定変更が完了したか否か(設定キーが抜き取られたか否か)を判定し(S139)、完了していれば(S139:YES)、設定値の表示を止め(S140で表示を消去し)、設定値変更処理を終了する。
上記S135で、変更設定がなかった場合には(S135:NO)、設定値情報の加算の処理(S136)から設定下限値(ここでは「1」)のセットの処理(S138)を行わずに、設定変更が完了したか否かのを判定処理(S139)に移行する。また、上記S137で、設定値情報が上限値に達していない場合は(S137:NO)、上記S137の設定下限値のセット処理(S138)を行わずに、設定変更が完了したか否かのを判定処理(S139)に移行する。さらに、上記S139で設定変更が完了していなければ(S139:NO)、上記S134の設定値表示の処理に戻る。
上記S133において、RWMクリアスイッチの入力がなかった場合には(S133:NO)、上記S134と同様に、設定値情報に応じた設定値を表示する(S146)。さらに、上記S139と同様に、設定変更が完了したか否か(設定キーが抜き取られたか否か)を判定し(S147)、完了していれば(S147:YES)、上記S139へ移行し、設定値の表示を止め(S140で表示を消去し)、設定値変更処理を終了する。上記S147で設定変更が完了していなければ(S147:NO)、上記S136の設定値表示の処理に戻る。
つまり、上記S133において、RWMクリアスイッチの入力があった場合には(S133:YES)、設定値の表示が行われ(S134)、設定値の変更のための処理(上記S135~S138等)が可能となる。しかし、上記S133において、RWMクリアスイッチの入力がなかった場合には(S133:NO)、設定値の表示(S146)が行われるものの、上記S135~S138のような設定値の変更のための処理は可能とならない状態で、設定値表示が行われる(この状態を設定表示モードと称する場合もある)。
<遊技進行割込み処理>
次に、所定周期のタイマ割込み毎に繰り返される遊技進行割込み処理(図15)について説明する。この遊技進行割込み処理(「タイマ割込み処理」などともいう)は、前述の説明では省略したが、電源投入時処理(図12)において設定された周期情報に基づき所定周期(ここでは4ms周期)で繰返される。図15に示すように、遊技進行割込み処理においては、割込み動作条件の設定(S41、S42)、割込み処理時間監視手段の再帰(S43)、遊技機の管理(S45~S70)、割込みの許可(S71)を順に行い、遊技進行割込みが発生する前の処理に復帰させる。
具体的には、割込み動作条件の設定の処理(S41、S42)においては、割込みフラグをクリアするため、割込み動作条件設定値が、遊技進行割込み制御レジスタに格納され(S41)、割込み動作条件設定値が、所定の入力端子に対応した制御レジスタにセットされる(S42)。この後、第2再帰情報がセットされ(S43)、更に第2再帰情報が割込み処理時間監視手段レジスタにセットされる(S44)。第2再帰情報は、後述するように、先にセットされた第1再帰情報とともに、割込み処理時間監視手段の監視用計時を再帰させてリスタートさせるための条件となるものである。
遊技機の管理(S45~S70)においては、遊技機の管理を行うため、以下の処理を順に実行する。先ず、特定の信号の入力を監視するため、入力処理(S45)を実行する。ここで監視の対象となっているのは、遊技盤面に取り付けられている各種スイッチ、受け皿満タンスイッチ、開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、ガラス未検出信号、及び断線短絡電源異常検知信号である。
続いて、各種乱数更新処理(S46)を実行し、普通図柄変動パターン乱数、及び変動パターン乱数を更新する。さらに、初期値更新型乱数更新処理(S47)を実行し、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。次に、初期値乱数更新処理(S48)を実行し、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。また、2バイトタイマの更新を行うため、タイマ減算処理(S49)を実行し、第2-1始動入賞口63Aの有効期間を設定するため、普電入賞口の有効期間設定処理(S50)を実行する。
さらに、入賞監視処理(S51)が実行され、賞球を払出す回数の記憶、盤用外部情報の出力要求の作成、及びサブ基板104に送信するコマンドの送信要求が行われる。続いて、払出制御基板103を制御するため、賞球制御処理(S52)を実行する。
次に、遊技球が普通図柄作動ゲート(作動口68)を通過したとき、普通図柄に係る乱数を記憶するため、普通図柄作動ゲート監視処理(S53)を実行し、普通図柄表示装置又は普通図柄電動役物に係る処理を行うため、普通図柄制御処理(S54)を実行する。さらに、普通図柄の変動開始の監視を行うため、普通図柄変動開始監視処理(S55)を実行する。また、遊技球の第1始動入賞口62、及び、第2種非電動役物(54A、54B)の入賞の監視を行うため、始動口監視制御処理(S56)を実行し、第1特別図柄表示部70又は第2特別図柄表示部71に係る処理を行うため、特別図柄制御処理(S57)を実行する。続いて、特別電動役物に係る処理を行うため、特別電動役物制御処理(S58)を実行し、大入賞口の有効期間に係る処理を行うため、大入賞口有効期間設定処理(S59)を実行し、第1特別図柄、及び、第2特別図柄の変動開始の監視を行うため、特別図柄変動開始監視制御処理(S60)を実行する。
次に、磁気の監視、断線・短絡・電源の監視、電波の監視、ガラス枠セット・遊技盤の枠の開閉状態の監視、及びペアガラスの監視を行うため、異常検知処理(S61)を実行し、入球通過時間異常の検出を行うため、入球通過時間異常検出処理(S62)を実行する。さらに、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄表示装置の作動保留球数、及び特別図柄表示装置の作動保留球数の表示要求を行うため、遊技状態表示処理(S63)を実行し、発射ハンドル20のタッチ状態(操作量の状態を含む)の監視を行うため、ハンドル状態信号検査処理(S64)を実行する。また、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄表示装置(70、71)の作動保留球数の表示、普通図柄表示装置の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、及びエラーの表示を行うため、LED出力処理(S65)を実行する。
続いて、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、発射制御信号出力処理(S66)を実行し、試験装置に出力する信号を作成し出力するため、試験信号出力処理(S67)を実行する。さらに、普通電動役物ソレノイド、及び、大入賞口(開放)ソレノイドの出力データの出力を行うため、ソレノイド出力処理(S68)を実行し、演出制御コマンドを送信するため、演出制御コマンド送信処理(S69)を実行し、外部端子(外部中継端子基板46(図2参照)の各種外部出力端子)に信号を出力するため、外部情報出力処理(S70)を実行する。
この後、割込み許可(S71)が実行され、制御処理がリターン(RET)に抜ける。そして、次回の遊技割込みが実行されるまでの残余時間を利用して、電源投入時処理(図12)の前述の循環処理(S7の乱数更新処理を含めて繰り返される循環処理)が実行される。
<普電入賞口有効期間設定処理>
前述の普電入賞口有効期間設定処理(S50)は、普通電動役物に係る入賞口(本例では普通入賞口装置63であるが、一般に始動口に対して普通電動役物が取り付けられることもあるため、本例では普通電動役物の対象とする入賞口を広義に「普電入賞口」と称する場合を有する)に係る有効期間の設定を行うための処理である。そして、普電入賞口有効期間設定処理(S50)においては、図19に示すように、普通入賞口装置63の有効期間を設定するため、判定データとして普電入賞口有効期間データ(1)をセットする(S111)。さらに、普通図柄ステイタスの値を所定のRWM領域にロードし(S112)、ロードした値が普通電動役物作動中ステイタス(3)に一致するか否かの判定を行う(S113)。
ここで、上述の普通図柄ステイタスは、普通図柄に係る管理のために定められている状態を意味している。この普通図柄ステイタスとしては、図43のアドレス「F011H」に示すように、普通図柄変動待機中の状態、普通図柄変動中の状態、普通図柄停止図柄表示中の状態、普通電動役物作動中の状態、普通電動役物作動終了デモ中の状態の5つのステイタスがある。そして、これらのステイタスには、制御上、所定のデータ(00H~04H)が割り当てられている。
また、図43(a)では、普通電動役物開放準備中の状態(05H)が括弧書きで記載されているが、これは本実施例に係る変形例として、普通電動役物開放準備中の状態について、普通電動役物開放準備中ステイタスを別途設けた例を、本実施例に係る図43(a)を援用して示しているものである。普通電動役物開放準備中の状態や、変形例として設けられる普通電動役物開放準備中ステイタスについては後述する。また、図43(b)では、普通電動役物開放準備中ステイタス(05H)を設けた上述の変形例に対応して、普通図柄分岐処理テーブル(0326H)に「普通電動役物開放準備中処理のアドレス」が、図43(b)を援用して同様に括弧書きで示されている。
さらに、図43(b)において、普通図柄分岐処理テーブル(0326H)の総領域を上下2段に併記し、下段の数値を括弧書きで「(10)」としているのは、上述の変形例における総領域数を示すものである。そして、「普通電動役物開放準備中処理のアドレス」を追加することで総領域数が「8」から「(10)」に増えているのは、各アドレスが2バイト構成であることに基づいている。また、図43(b)では、変形例に係る「普通電動役物開放準備中処理のアドレス」のデータを、任意の数値を16進表記していることを表す「XXXXH」で示している。
なお、以下では、各普通図柄ステイタスを、割り当てられたデータの10進数表記と組み合わせて、普通図柄変動待機中ステイタス(0)、普通図柄変動中ステイタス(1)、普通図柄停止図柄表示中ステイタス(2)、普通電動役物作動中ステイタス(3)、普通電動役物作動終了デモ中ステイタス(4)と表記する場合がある。また、以下では、普通電動役物開放準備中の状態に対して、説明や図示の便宜上、普通電動役物開放準備中の状態(5)と表記する場合があり、普通電動役物開放準備中ステイタスを設けた変形例を説明する場合に、開放準備中のステイタスを、普通電動役物開放準備中ステイタス(05H)と表記する場合がある。
そして、図19に示すように、ロードした値が普通電動役物作動中ステイタス(3)に一致しなかった場合には(S113:NO)、普電入賞口有効延長タイマ(RWMアドレスF01BH)の値をロードし、普電入賞口内部に残留する遊技球を有効として扱うための延長有効期間の有無を確認するため、ロードした値が0以外であるか否かの判定を行う(S115)。上記S115で、ロードした値が0以外でなかった場合には(S115:NO)、判定データに普電入賞口無効期間データ(0)をセットし(S116)、判定データを普電入賞口有効期間フラグ(のRWM領域)にストアする(S117)。
また、上記S113で、ロードした値が普通電動役物作動中ステイタス(3)に一致した場合や(S113:YES)、上記S115で、ロードした値が0以外であった場合には(S115:YES)、間の処理を行わずに、上記S117の、判定データを普電入賞口有効期間フラグにストアする処理を行う。続いて、判定データを普通電動役物作動中フラグにストアし(S118)、処理を終える。
この普電入賞口有効期間設定処理(S50)について、より機能的に説明すれば、普電入賞口有効期間設定処理(S50)は、電チュー(前述した普通電動役物に係る入賞口である普通入賞口装置63)の有効入賞の判定期間に関する処理である。そして、電チューの有効期間は、普通電動役物の作動中の期間に延長タイマの残り時間を足し合わせた期間となる。
また、この普電入賞口有効期間設定処理(S50)は、後述する試験信号の出力(図41)に関して、遊技機の状態が普通電動役物作動準備中である場合に試験信号をオフするための処理を含んでいない。これは、普電入賞口有効期間設定処理(S50)が、あくまでも有効期間の設定を行うものとなっているためである。なお、普通電動役物作動準備中の情報を用いた制御態様については後述する(図52(a)、(b))。
普電入賞口有効期間設定処理(S50)の処理内容としては、有効期間に係るフラグ(ここでは普電入賞口有効期間フラグ)としてRWMにセットする値を、先ず、有効値(ここでは普電入賞口有効期間データ(1))を用い、この値を判定(結果)データとしてレジスタにセットする(S111)。そして、有効期間としてセットする場合には(S113:YES、S115:YES)、そのまま判定(結果)データを、有効期間フラグ(ここでは普電入賞口有効期間フラグ)を格納するRWMにセットする(S117)。有効期間に該当しない場合には(S115:NO)、レジスタに保持している判定(結果)データを無効データに更新し(S116)、判定データを、RWMの有効期間フラグ格納領域にセットする(S117)。さらに、上記S118の、判定データを普通電動役物作動中フラグにストアする処理により、普通電動役物開放準備中の一部の場合を除き、試験信号の普電作動中信号(普通電動役物作動中信号)が出力される。
<大入賞口有効期間設定処理>
前述の大入賞口有効期間設定処理(S59)においては、図20に示すように、判定データとして大入賞口有効期間データ(1)をセットし(S121)、大入賞口有効延長タイマ(RWMアドレスF047H)の値をロードする(S122)。さらに、大当りの最後の単位遊技が終了した後における大入賞口内部の残留球を考慮した、有効期間の延長期間を管理する延長タイマの残り時間の有無を確認するため、ロードした値が0以外であるか否かの判定を行い(S123)、0以外でない場合(0である場合)には(S123:NO)、特電遊技ステイタスの値を所定のRWM領域にロードする(S124)。
ここで、上述の特電遊技ステイタスは、前述の特別電動役物に係る管理のために定められている状態を意味している。この特電遊技ステイタスとしては、図43の「F045H」に示すように、当り待ちの状態、大入賞口開放準備中の状態、特別電動役物作動中の状態、大入賞口閉鎖中の状態、大当り終了デモ中の状態、小当り開始デモ中の状態、小当り特電作動中の状態、小当り閉鎖中の状態、小当り終了デモ中の状態の9つのステイタスがある。そして、これらのステイタスには、制御上、所定のデータ(00H~08H)が割り当てられている。
なお、以下では、各特電遊技ステイタスを、割り当てられたデータの10進数表記と組み合わせて、当り待ちステイタス(0)、大入賞口開放準備中ステイタス(1)、特別電動役物作動中ステイタス(2)、大入賞口閉鎖中ステイタス(3)、大当り終了デモ中ステイタス(4)、小当り開始デモ中ステイタス(5)、小当り特電作動中ステイタス(6)、小当り閉鎖中ステイタス(7)、小当り終了デモ中ステイタス(8)と表記する場合がある。
続いて、ロードした値が当り待ちステイタス(0)に一致しないか否かの判定を行い(S125)、一致する場合には(S125:NO)、判定データに大入賞口無効期間データ(0)をセットする(S126)。さらに、判定データを大入賞口有効期間フラグにストアし(S127)、処理を終える。
上記S123で、ロードした値が0以外である場合や(S123:YES)、上記S125で、ロードした値が当り待ちステイタス(0)に一致しない場合(大当り中である場合)には(S125:YES)、間の処理を行わずに、上記S127に移行し、判定データを大入賞口有効期間フラグにストアする。
この大入賞口有効期間設定処理について、より機能的に説明すれば、大入賞口有効期間設定処理は、大入賞口の有効期間フラグ(大入賞口への入賞を有効入賞とするか否かを判断するためのフラグ)をセットする処理である。また、この大入賞口有効期間設定処理は、後述する試験信号の出力に関して、大入賞口開放準備中ステイタス(後述する)の場合に試験信号をオフするための処理を含んでおらず、あくまで有効期間の設定を行うものとなっている。
さらに、処理内容としては、まず、フラグとして有効データ(1)を保持(セット)する(S121)。本実施例では、このセットは、レジスタに対して行うものとされており、RWM領域への記憶は、この段階では行わないものとなっている。次に、上記S122の後、延長タイマの値を確認し(S123)、0でなければ(S123:YES)、大入賞口の有効期間フラグを格納するRWM領域に上述のレジスタのデータ(有効データ)をストア(格納)する(S127)。
次に、上記S123で延長タイマの値が0の場合には(S123:NO)、特電遊技ステイタスの値が0(当り待ち)であるか否か、言い替えると、大当り中でないか否かを判定する(S125)。そして、大当り中の場合には(S125:YES)、大入賞口の有効期間フラグを格納するRWM領域に前述のレジスタのデータ(有効データ)をストアする(S127)。また、上記S125で、大当り中以外の場合には(S125:NO)、レジスタのデータを無効データ(0)に変更した後(S126)、当該データを大入賞口の有効期間フラグを格納するRWM領域にストアする(S127)。
<入賞監視処理>
前述の入賞監視処理(S51)においては、図21に示すように、基底アドレス1として入賞監視テーブル(図46)のアドレス(ここでは先頭アドレスである「1102H」)をセットし(S131)、検査回数として基底アドレス1の内容をロードする(S132)。さらに、検査回数を退避させ(S133)、基底アドレス1を+1する(S134)。また、スイッチ立ち上がりエッジ下位アドレスとして基底アドレス1の内容をロードし(S135)、基底アドレス1を+1する(S136)。
続いて、スイッチ立ち上がりエッジアドレスの内容をロードし(S137)、ロードした値と基底アドレス1の内容の論理積をとる(S138)。さらに、基底アドレス1を+1し、EVENTデータとして基底アドレス1の内容をロードし、基底アドレス1を+1し、MODEデータとして基底アドレス1の内容をロードする(S139)。また、基底アドレス1を+1し(S140)、RWM下位アドレス1として基底アドレス1の内容をロードする(S141)。
さらに、基底アドレス1を+1し(S142)、上記論理積の結果が0であるか否かの判定を行い(S143)、論理積の結果が0でない場合には(S143:NO)、基底アドレス1を退避させる(S144)。また、アドレス算出値として基底アドレス1の内容をロードし(S145)、アドレス算出値と無効期間なしデータ(00H)が一致するか否かの判定を行う(S146)。上記S146で、アドレス算出値と無効期間なしデータ(00H)が一致していなければ(S146:NO)、バイトデータ取得処理(S147)を実行する。
そして、1バイトデータの示すアドレスの内容をロードし(S148)、ロードした値と無効期間データ(00H)が一致しないか否かの判定を行う(S149)。このS149で、アドレス算出値と無効期間データ(00H)が一致していれば(S149:NO)、MODEデータを+1し(S150)、基底アドレス2を+1する(S151)。さらに、EVENTデータに基底アドレス2の内容をロードし(S152)、RWMアドレスとして異常センサ検知タイマのアドレスをセットし(S153)、信号出力要求処理(S154)を行う。
上記S146で、アドレス算出値と無効期間なしデータ(00H)が一致している場合や(S146:YES)、上記S149で、アドレス算出値と無効期間データ(00H)が一致している場合には(S149:YES)、間の処理を行わずに、図22に示すS155へ移行し、賞球判定データとしてRWM下位アドレス1をセットする。さらに、賞球判定データが0であるか否かの判定を行い(S156)、賞球判定データが0でない場合には(S156:NO)、賞球回数データとしてRWMアドレス1の内容をロードする(S157)。
そして、賞球回数データを+1し(S158)、加算結果が0であるか否かの判定を行い(S159)、加算結果が0でない場合には(S159:NO)、加算結果をRWMアドレス1にストアする(S160)。さらに、コマンド要求設定処理(S161)を行い、基底アドレス1を復帰させ(S162)、検査回数を復帰させる(S163)。上記S156で、賞球判定データが0であった場合や(S156:YES)、上記S159で、加算結果が0であった場合には(S159:YES)、間の処理を行わずに、上記S161のコマンド要求設定処理を行う。
上記S163に続いて、検査回数を-1した結果が0以外であるか否かの判定を行い(S164)、検査回数を-1した結果が0である場合(S164:NO)には処理を終え、0以外である場合には(S164:YES)、前述のS133(図21)に移行する。
図21中に示す上記S143で、論理積の結果が0である場合には(S143:YES)、間の処理を行わずに、上記S163へ移行する。また、図21に示す前述の信号出力要求処理(S154)の後には、上記S161(図21)へ移行し、コマンド要求設定処理や、それ以降(S162以降)の処理を行う。
この入賞監視処理について、より機能的に説明すれば、入賞監視処理は、前述の入賞監視テーブル(図46の「1102H~1138H」)を使用し、遊技盤での入賞検出を行う各種の盤面スイッチについて、入力処理(S45)で取得した盤面スイッチにおける検出状態を用いて生成された立ち上がりデータから有効な入賞および通過があったことを判定して、各スイッチに対する入賞数ないし通過数の記憶および、サブメイン基板301に対して入賞があった旨を通知するコマンドデータのセットを行う処理である。
ここで、入賞監視テーブル(1102H~)は、1の入賞スイッチ信号について、立ち上がりエッジ(立ち上がりデータ)の格納されている下位アドレス、当該アドレスのデータがオンであることを判定するためのデータ(判定値)、サブ送信用第二コマンドデータ(EVENT)、サブ送信用第一コマンドデータ(MODE)、該当スイッチの賞球回数カウンタアドレス(ただし、入賞スイッチ信号がゲートの場合は賞球なしデータのアドレス。)、無効期間ありなしデータ(ただし、大入賞口、電チューのスイッチのみ有効判定テーブルのアドレスのデータ。)が、スイッチの種類分だけ並んでいる構造となっている。
上述の立ち上がりデータは、いずれかの盤面スイッチの出力信号がオフからオンに切り替わったときに格納されるデータである。また、図46の入賞監視テーブルでは、盤面スイッチとして、アウト球カウントスイッチ、ゲート1スイッチ、大入賞口1スイッチ2、大入賞口1スイッチ1、普電入賞口スイッチ、始動口1スイッチ、第2種非電動役物1スイッチ、第2種非電動役物2スイッチが挙げられている。
これらのうち、ゲート1スイッチは、所謂ゲートタイプ(通過型)とせず、遊技球を回収するタイプとすることもなども可能である。また、上述の大入賞口1スイッチ2、大入賞口1スイッチ1は、大入賞口92の内部に2つの検出部を備えるように設けられたものであって、下流側大入賞検出装置78b、上流側大入賞検出装置78aのように適用することが可能である。また、1のスイッチに対し、複数の機能を持たせるために、入賞監視テーブル(図46)の異なるスイッチに対し、立ち上がりエッジアドレスの値とスイッチビットデータ(判定値)を共通とすることも考えられ、例えば、普通図柄作動口と普通入賞口の立ち上がりエッジとスイッチビットデータを同じデータとすることで、普通入賞口に普通電動役物の作動に係る普通図柄の変動開始機能を持たせることが可能となる。
さらに、図46の入賞監視テーブルにおける第2種非電動役物1スイッチ、第2種非電動役物2スイッチ、始動口1スイッチは、図1及び図3における、第2-1始動入賞検出装置75A、第2-2始動入賞検出装置75B、第1始動入賞検出装置74となっている。また、同じく図46の入賞監視テーブルにおけるアウト球カウントスイッチはアウト口58A、58Bへ進入した遊技球の検出を行うものである。
さらに、前述の普通図柄作動口1スイッチとしては、異なる演出に関連付けられた2種類が備えられており、盤面スイッチの個数は、アウト球カウントスイッチ、ゲート1スイッチ、大入賞口1スイッチ2、大入賞口1スイッチ1、普電入賞口スイッチ、始動口1スイッチ、第2種非電動役物1スイッチ、第2種非電動役物2スイッチ、普通入賞口(一般入賞口)スイッチの合計8個(8種類)となっている。そして、前述の各種盤面スイッチに係る立ち上がりデータは、8箇所のスイッチに1ビットずつ割り当てられた8ビットにより表される1バイトデータとなっている。
そして、上述の立ち上がりデータと、個々の盤面スイッチの状態を示す8ビットデータとの論理積が、入賞監視テーブル(図46)に定められた順(上段から下段の順)に従って演算される(S138など)。個々の盤面スイッチの状態を示す8ビットデータは、該当するスイッチに対応したビット以外のビットの値が0で、該当するスイッチに対応したビットのみが1となり得る8ビットデータとなっている。
また、上記S139で、有効入賞であったとき(有効な入賞が検出されたとき)にサブメイン基板301に送信するコマンドを読みだし、レジスタにセットしておく(S139)。さらに、前述の論理積演算の結果が0であるか否かの判定を行い(S143)、演算結果が0のとき(S143:YES)は、入賞が発生していないときであるので、後々の処理でコマンドをサブへのコマンド送信としてセットする処理は行わず、該当するスイッチデータに係る入賞なしと判定して、図21及び図22中に示すように、次のスイッチの判定に移る(S163)。なお、最後の判定対象スイッチに係る処理の場合は、検査回数に係る判定(S164)を経て、処理を終了する。
また、前述の論理積演算の結果が0でないときは(S143:NO)、有効期間の入賞であるか否かを判定する(S146)。ここで、前述の一般入賞口72に係る一般入賞などのように、有効期間等の定めのないものについては、有効期間の判定が行われないため、無効期間なしデータ(00H)が、入賞監視テーブルに記憶され、この無効期間なしデータ(00H)が用いられるようになっている。
これに対し、大入賞口92や、電チュー(普通入賞口装置63)などについては、それぞれの有効期間判定テーブル(図47の「1139H」、「113BH」、「113DH」)を用いた有効期間判定処理を行うためのアドレス算出値が入賞監視テーブル(図46)に格納されており(検査回数3~5における最下欄の「大入賞口有効期間判定テーブルBのアドレス算出値」、「大入賞口有効期間判定テーブルAのアドレス算出値」、「普電入賞口有効期間判定テーブルのアドレス算出値」)、各有効期間判定テーブルを使用して有効入賞判定を行う。
ここで、大入賞口などの有効期間判定テーブルでは、有効期間フラグを格納しているRWM下位アドレスがあり、該当するRWMアドレスの値が有効データ(1)である時、有効入賞であると判定される。また、有効期間判定テーブルには、無効入賞である場合にサブに送信する無効演出用データがセットされている。
さらに、外端信号の出力のセット(S154)、サブへのコマンド送信(S161)、払出しのためのカウンタ記憶領域の値の更新(S155~S160)を行い、次の処理対象となるスイッチの判定を行う(S164)。なお、外端信号の出力のセット(S154)に係る外端信号は、無効期間に入賞を検出した際(S149:NO)の信号(セキュリティ信号)である。また、サブへのコマンド送信(S161)では、上記S139でレジスタに保持したコマンドのセットが行われる。
<賞球制御処理>
賞球制御処理(S52)は、大入賞口92、電チュー(普通入賞口装置63)、一般入賞口72などの有効期間中に入賞があった場合に、賞球の払出しを行うための処理であり、前述の入賞監視処理(S51)による入賞監視とは別に行われる、払出しのための処理である。そして、この賞球制御処理(S52)においては、払出制御基板103を制御するため、払出制御基板103からのデータ受信の監視、払出制御基板103へのコマンド送信要求、払出制御基板103へのコマンド送信及び払出制御基板103からの受信データ検査を順に行う。払出制御基板103からのデータ受信の監視においては、データ受信監視処理を実行する。払出制御基板103へのコマンド送信要求においては、払出コマンド要求処理を実行する。払出制御基板103へのコマンド送信及び払出制御基板103からの受信データ検査においては、払出コマンド制御処理を実行する。
<普通図柄作動ゲート監視処理>
普通図柄作動ゲート監視処理(S53)においては、遊技球の普通図柄作動ゲート(ここでは作動口68)通過を監視し、普通図柄作動ゲートを通過していると判断した場合には、普通図柄作動保留球数(普通図柄の保留数)の更新を行う。更新の結果、普通図柄作動保留球数の値が最大数である4未満のときに遊技球の通過を確認した場合、普通図柄に係る乱数の記憶を行う。
<普通図柄制御処理>
前述の普通図柄制御処理(S54)においては、図23に示すように、普通図柄ステイタスの値をロードし(S171)、ロードした値が普通図柄変動待機中ステイタス(0)に一致するか否かの判定を行う(S172)。そして、ロードした値が普通図柄変動待機中ステイタス(0)に一致した場合には(S172:YES)、処理を終え、一致しない場合には(S172:NO)、2バイトデータアドレスとして普通図柄タイマのアドレスをセットする(S173)。
さらに、普通図柄分岐処理テーブル(図43(b)の「0326H」)のアドレス-2をセットし(S174)、2バイトデータ選択処理を行い(S175)、2バイトデータ選択処理(S175)で選択した、普通図柄に係るステイタスの値に基づく処理を実行する(S176)。普通図柄に係るステイタスの値に基づく処理(サブモジュール)としては、後述するように、普通図柄変動中処理(図24)、普通図柄停止図柄表示中処理(図25)、普通電動役物作動中処理(図26)、普通電動役物作動終了デモ中処理(図27)がある。S174~S176では、普通図柄ステイタスの値(例えば普通図柄変動中であれば「1」)を2倍した値を、S174でセットした値に加算し(普通図柄変動中であれば加算後は「0326H」)、加算後のアドレスと続くアドレスの各1バイトのデータを取得することで2バイトデータを選択データとして取得する(普通図柄変動中であれば、図43(b)の03Hと2EHが移行先の処理プログラムのアドレスとして取得される)。
すなわち、この普通図柄制御処理(S54)は、普通図柄の変動開始の後から、普電(普通電動役物)の作動終了までを管理する処理である。さらに、普通図柄制御処理(S54)は、普通図柄ステイタスが待機中(0)でない場合に(S172:NO)、ステイタスに合わせた処理に移行させる(S173~S176、図24~図27)。ここで、普通図柄制御処理(S54)で行わない変動開始の管理については、後述する普通図柄変動開始監視制御処理(S56)で行うようになっている。
さらに、普通図柄制御処理(S54)と、他の所定の処理との関係について説明すると、普通図柄制御処理(S54)については、特別図柄に関する制御処理(ここでは後述する特別図柄制御処理(S57))と異なり、図柄の変動制御と、電動役物の制御とが、当該制御モジュール(普通図柄制御処理(S54))と、当該制御モジュールにて呼び出される下層の制御モジュール(サブ制御モジュール以降の制御モジュール)とを含む制御モジュール群内にて処理されるようになっている。
これに対して、特別図柄に関する制御処理では、図柄の変動制御が特別図柄制御処理(S57)により行われ、電動役物の制御が、特別図柄制御処理(S57)と同一な階層の制御モジュールであり、特別図柄制御処理(S57)内で呼び出されることのない特別電動役物制御処理(S58)により行われるようになっている。これらの特別図柄制御処理(S57)や、特別電動役物制御処理(S58)については後述する。
また、前述した普通図柄作動ゲート監視処理(S53)は、普通図柄制御処理(S54)と同様に普通図柄の管理を行う制御モジュールであるが、普図の保留の生起に関する処理であり、この点で普通図柄作動ゲート監視処理(S53)と、普通図柄制御処理(S54)とは、その用途が異なっている。
<<普通図柄変動中処理>>
上述の普通図柄制御処理で選択され得る各種の処理(図23のS176、図24~図27)のうち、普通図柄変動中処理(図24)では、普通図柄表示タイマの下位アドレスをセットし(S181)、表示番号切り替え処理を行う(S182)。さらに、2バイトデータ判定処理を行い(S183)、普通図柄タイマの値が0以外であるか否かの判定を行う(S184)。そして、このS184で、普通図柄タイマの値が0以外であった場合には(S184:YES)、処理を終え、0以外でなかった場合(0であった場合)には(S184:NO)、普図組合せデータとして普通図柄組合せ番号の値をロードする(S185)。
続いて、普図組合せデータが普通図柄「図柄1」番号データ(0)と一致するか否かの判定(すなわち今回の変動表示が「当り」であるか「はずれ」であるのかを判定)を行い(S186)、一致しなかった場合には(S186:NO)、「当り」図柄を表示させるためのデータとして普図組合せデータを+1し(S187)、普図組合せデータを普通図柄表示番号にストアする(S188)。上記S186で、普図組合せデータが普通図柄「図柄1」番号データ(0)と一致した場合には(S186:YES)、S187を行わずに、上記S188へ移行する。さらに、普通図柄停止図柄表示中状態設定テーブル(図45の「10CBH」)のアドレスをセットし(S189)、データ格納処理を行って(S190)、処理を終了する。なお、上記説明では、普通図柄の当り図柄が1種類であるため、S187で当り図柄をセットする際に+1する処理で、1の当り図柄データを呼び出すように普図組み合わせデータを設定しているが、普通図柄が複数種類ある場合には、当選した図柄の種類に応じて普図組合せデータ(セットされる普通図柄表示番号に相当)に加算する値を切り替えるようにすればよい。
この普通図柄変動中処理について、より機能的に説明すれば、普通図柄変動中処理は、普通図柄の変動中、変動時間のタイマが0になるまで、及び、0になったときに係る各種の処理を行うものである。そして、変動表示を示すため、点滅等の表示の切り替えの処理を行い(S182)、変動時間が終了したかをタイマ(普通図柄タイマ)が0になったか否かの判定により行い(S184)、タイマが0でなければ(S184:YES)、処理を終える。また、タイマが0になった場合には(S184:NO)、停止図柄(当り又ははずれ)をセットし(S185~S188)、普通図柄ステイタスのRWM領域に「普通図柄停止図柄表示中」を示す値「02H」をセットするとともに、普通図柄の固定表示時間を普通図柄タイマにセットする(S189、S190)。
<<普通図柄停止図柄表示中処理>>
前述の普通図柄制御処理で選択され得る各種の処理(図23のS176、図24~図27)のうち、普通図柄停止図柄表示中処理(図25)では、普通図柄判定フラグの値をロードし(S201)、ロードした値が普通図柄当りデータ(55H)に一致するか否かの判定を行う(S202)。さらに、ロードした値が普通図柄当りデータ(55H)に一致しない場合には(S202:NO)、2バイトデータ判定処理を行い(S203)、普通図柄タイマの値が0以外であるか否かの判定を行う(S204)。
このS204で、普通図柄タイマの値が0以外である場合には(S204:YES)、処理を終え、0以外でない場合(0である場合)には(S204:NO)、普通図柄のはずれ図柄表示時間が経過したものと判断し、普通図柄判定フラグの内容を0クリアする(S205)。そして、普通図柄変動待機中ステイタス(0)を普通図柄ステイタスにストアし(S206)、処理を終える。
上記S202で、ロードした値が普通図柄当りデータ(55H)に一致した場合には(S202:YES)、2バイトデータ判定処理を行い(S207)、普通図柄タイマの値が0であるか否かの判定を行う(S208)。このS208で、普通図柄タイマの値が0でなかった場合には(S208:NO)、普通図柄タイマの値が3以上であるか否かの判定が行われる(S209)。
上記S209で、普通図柄タイマの値が3以上である場合には(S209:YES)、処理を終え、3以上でない場合には(S209:NO)、普通電動役物が連続的に作動する場合に、試験端子より各普通電動役物の作動を区別させるために、普通電動役物作動中信号を一旦オフ出力とするように、普通電動役物作動中フラグの内容を0クリアし(S210)、処理を終える。
上記S208で、普通図柄タイマの値が0であった場合には(S208:YES)、当り図柄の固定表示時間が終了したものと判断し、普通図柄判定フラグの内容を0クリアする(S211)。さらに、普通電動役物作動中ステイタス(3)を普通図柄ステイタスにストアし(S212)、普通電動役物ポインタの内容を0クリアする(S213)。そして、確率変動機能検査処理を行い(S214)、オフセットとして普図確変作動データを2倍した結果をセットし(S215)、オフセットに普通図柄組合せ番号の値を加算する(S216)。
続いて、オフセットを-1し(S217)、オフセットを普電作動内容バッファにストアする(S218)。さらに、普電作動データ設定制御処理を行い(S219)、普通電動役物1作動中データ(1)を普通電動役物作動中フラグにストアし(S220)、処理を終える。
この普通図柄停止図柄表示中処理について、より機能的に説明すれば、普通図柄停止図柄表示中処理は、停止図柄が当りかハズレかの判定を行い(S202)、はずれの場合には(S202:NO)、図柄固定時間経過の管理を行い(S204)、図柄固定時間経過後、普通図柄ステイタスを普通図柄変動待機中ステイタス(0)に更新する(S205、S206)。
また、この普通図柄停止図柄表示中処理では、当り図柄の停止表示中の残りタイマが2以下になったとき(S209:NO)、試験信号の普電作動中信号(普通電動役物作動中信号)をオフデータとして出力するためのデータをセットする(S210)。そして、このデータセットは、オフデータが0のため0クリアすることにより行っている。また、普通電動役物の連続作動時(普通電動役物に係る入賞口の有効期間の延長期間に新たに普通電動役物が作動する場合)には、作動中信号オンデータ(1)がセットされているので、このデータセットにより、当該作動中信号オンデータ(1)がクリアされる。
また、当り図柄の停止表示中のタイマが0になったときには(S202:YESで、S208:YESのときには)、普電の作動中のステイタスに移行し(S211以降など)、変動に関するデータのRWMデータ(普通図柄判定フラグにより示される当否判定結果)をクリアする(S211)。
さらに、普通図柄ステイタス(RWM領域)に普通電動役物作動中ステイタス(3)をセットして(S212)、普通電動役物の作動パターンをセットするが(S219)、電サポ(前述の電チューサポート)状態であるか否かの判定は、確変の検査(S214の確率変動機能検査処理)で行っている。また、普通電動役物作動中データ(ここでは普通電動役物1作動中データ)を、オンを表す1にするが(S220)、この普通電動役物作動中データは、試験信号の「普電作動中信号」をオン出力するための判定データ(フラグデータ)となるものである。
なお、上記S208~S220の処理は、前述の普通電動役物開放準備中の状態(5)の生起に係る処理となっている。そして、この普通電動役物開放準備中の状態(5)の生起に係る処理を別モジュール(別の制御モジュール)とし、当該モジュールに普通電動役物開放準備中処理などの名称を付してもよい。より具体的には、前述のように変形例として、普通電動役物開放準備中ステイタス(05H)を設け、普通図柄停止図柄表示中処理において普通図柄タイマが3未満となったタイミングで(S209:NO)、普通図柄ステイタスに「05H」を格納し、次回の割込み処理から、S208とS210~S220で構成される内容の普通電動役物開放準備中処理を実行する態様としてもよい。
また、上記S214の処理では、電サポ(電チューサポート)状態であるか否かを、確率変動機能を検査することで行っているが、確率変動機能が作動している場合であって電サポ状態にならない遊技状態(後述の小当りラッシュ状態)を有する場合、確率変動機能の作動を検査することに変えて、電チューサポート機能の一部(特に普通電動役物の開放延長機能)の作動の有無を確認する手法に変更することや、それらを複合して確認することで、普電入賞口の普通電動役物の開閉パターンを開放延長用に切り替えるようにすることも可能である。
なお、本例においては、普通入賞口装置63の内部に振り分け部材98を有しているが、振り分け部材98の動作パターンについても、S214の確率変動機能検査に加えて、普通電動役物の開放延長機能を複合的に確認することで設定される動作パターンを切り替え可能であり、ステップ219の普電作動データ設定制御処理の処理内で、振り分け部材ソレノイド77に対する駆動パターンもセットされることになる。
<<普通電動役物作動中処理>>
前述の普通図柄制御処理で選択され得る各種の処理(図23のS176、図24~図27)のうち、普通電動役物作動中処理(図26)は、普通電動役物の作動中の処理である。そして、この普通電動役物作動中処理では、図26に示すように、最大入賞数データとして普通電動役物最大入賞数(ここでは9)をセットし、入賞カウンタ下位アドレスとして普通電動役物入賞カウンタの下位アドレスをセットする(S231)。
さらに、スイッチビットデータとして普電入賞口スイッチビットデータ(00001000B)をセットし、スイッチ立ち上がりエッジ下位アドレスとして盤面スイッチ立ち上がりエッジの下位アドレスをセットする(S231)。そして、入賞カウンタ更新処理(S233)を行った後、入賞数が最大入賞数以上であるか否かの判定を行う(S234)。
上記S234で、入賞数が最大入賞数以上でなかった場合には(S234:NO)、2バイトデータ判定処理を行う(S235)。さらに、普通図柄タイマの値が0以外であるか否かの判定を行い(S236)、普通図柄タイマの値が0以外でない場合(0である場合)には(S236:NO)、普通電動役物に係るデータ設定のための普電作動データ設定制御処理を行う(S237)。
続いて、設定データがあるか否かの判定を行い(S238)、設定データがなかった場合には(S238:NO)、普通電動役物作動終了デモ状態設定テーブル(図45の「10D2H」)のアドレスをセットし(S239)、データ格納処理(S240)を行う。そして、普通電動役物入賞カウンタの内容を0クリアし(S241)、処理を終える。上記S234で、入賞数が最大入賞数以上であった場合には(S234:YES)、間の処理を行わず、上記S239に移行する。
なお、上記S236で、普通図柄タイマの値が0以外である場合(S236:YES)や、上記S238で設定データがあった場合にも(S238:YES)、普通電動役物作動中処理を終えて、元の処理へ戻る。
この普通電動役物作動中処理をより機能的に説明すると、普通電動役物作動中処理では、普通電動役物の作動に係る終了条件の判定のための処理や、普通電動役物に係る作動終了デモ状態へ移行のための処理を行う。普通電動役物の作動に係る終了条件の判定のための処理としては、入賞数が規定数に達したか否かの判定や(S234)、開放時間が終了したか(タイマ=0となったか)否かの判定を行う(S236)。そして、普通図柄タイマの値が0ではなく、作動終了条件が成立していなければ(S236:NO)、処理を終える。
さらに、普通電動役物作動終了デモ状態設定テーブル(図45の「10D2H」)を使用して、普通電動役物の作動終了デモ状態(図27)へ移行する(S239~S241)。その際、電チューソレノイドのオフデータのセット(1項目め)、終了デモ時間のタイマ(普通図柄タイマ)への時間データのセット(2項目め)、普通図柄ステイタスへの「普通電動役物作動終了ステイタス」を示す値のセット(3項目め)、電チュー有効期間延長タイマへの延長期間(約3000ms)のセット(4項目め)、の4項目のデータセットが行われる。
つまり、上記S239の普通電動役物作動終了デモ状態設定テーブル(10D2H)を使用して、上記S240のデータ格納処理を実行することで、上述の延長期間(約3000ms)のデータ(4項目めのデータ)が設定される。なお、上述の延長期間の値(約3000ms)は、4msの遊技進行割込み処理毎に1回のカウントを750回行うことで計数できる値である。
また、上述の延長期間のデータ(延長タイマデータ)のためのRWM領域は、上位データ格納領域と下位データ格納領域の2つの領域により構成されている。そして、それぞれの領域に1バイトデータがセットされて2バイトのデータが作成され、1バイトの最大値(255)と遊技進行割込み処理の周期(約4ms)との積により得られる最大約1020msよりも長い時間の計時が行えるようになっており、本例では普通電動役物(普通入賞口装置63)の残留球に対する有効判定の延長期間として十分な時間を確保するため3000msに対応する値を記憶させている。
上述のデータ格納処理(S240)は、テーブル(普通電動役物作動終了デモ状態設定テーブル(10D2H))の設定バイト数の数(06H)に応じた回数にわたり、設定先アドレス(データを設定するアドレス)を指定して、テーブルの次のデータ(設定データ)を、該当するアドレスに記憶させる処理を繰り返す。テーブルには、図45中に示すように、アドレス下位データが記憶されており、アドレス上位は固定値(ここでは「F0H」)となっている。
ここで、前述の4項目のデータの設定を行うために、テーブル(普通電動役物作動終了デモ状態設定テーブル(10D2H))には、「普通電動役物ソレノイド制御のアドレス(下位)」、「普通図柄タイマのアドレス+0(下位)」、「普通図柄タイマのアドレス+1(下位)」などの6つ(6種類)のデータが定められているが、これは、普通図柄タイマ(2項目め)と延長タイマ(4項目め)がそれぞれ2バイトを要するデータ(2バイトデータ)となるためである。そして、上記S241では、終了条件判定のための入賞カウンタをクリアする。
<<普通電動役物作動終了デモ中処理>>
前述の普通図柄制御処理で選択され得る各種の処理(図23のS176、図24~図27)のうち、普通電動役物作動終了デモ中処理(図27)では、2バイトデータ判定処理を行い(S246)、普通図柄タイマの値が0以外であるか否かの判定を行う(S247)。このS247で、普通図柄タイマの値が0以外である場合(デモ時間が終了していない場合)には(S247:YES)、処理を終え、0以外でない場合(0でありデモ時間が終了している場合)には(S247:NO)、普通図柄変動待機中ステイタス(0)を普通図柄ステイタスにストアして(S248)、処理を終える。
<普通図柄変動開始監視処理>
普通図柄変動開始監視処理(図15のS55)においては、普通図柄ステイタスに、普通図柄変動表示中ステイタスを示す値(ここでは01H)をセットする。つまり、普通図柄変動開始監視処理(S55)では、図示は省略するが、普図が変動開始可能な状況であるか否かを判定して、変動開始可能である場合に、保留している普図にかかる乱数を使用して、当否や変動パターンを決定し、普通図柄ステイタスを「変動中」に変更する。ここで、普図が変動開始可能でない状況として、普図変動中である場合、普電作動中である場合、大当り中である場合などを例示できる。
<始動口監視制御処理>
始動口監視制御処理(S56)においては、遊技球の始動口1(第1始動入賞口62)入賞及び始動口2(第2種非電動役物1(54A)、第2種非電動役物2(54B))入賞の監視を行う。この始動口監視制御処理(S56)では、賞球の払出しに関する入賞の監視とは別に、特別図柄に係る保留の生起を管理する処理であり、図示は省略するが、保留発生に係る処理や、先読みコマンドの送信に係る処理などを行うようになっている。なお、賞球の払出しに関する入賞の監視は、前述したように入賞監視処理(図21、図22)で行われる。
<特別図柄制御処理>
特別図柄制御処理(S57)においては、図28に示すように、特電遊技ステイタスの値をロードし(S251)、ロードした値が0以外、すなわち特別遊技(大当り、小当り)の実行中であるか否かの判定を行う(S252)。このS252で、ロードした値が0以外である場合(特別遊技中である場合)には(S252:YES)、処理を終え、0以外でない場合(特別遊技中でないことを示す0である場合)には(S252:NO)、特図1遊技ステイタスのアドレスをセットする(S253)。
続いて、特図1制御テーブルのアドレス(図47の「1167H」)をセットし(S254)、特別図柄制御汎用処理を行って(S255)、特図1の処理を終える、本例は、特図1、特図2の並列制御を採用するため、その後に特図2の制御へ移行する。特図2の制御では、先ず、特図2遊技ステイタスのアドレスをセットする(S256)。そして、特図2制御テーブルのアドレス(図47の「1172H」)をセットし(S257)、特別図柄制御汎用処理を行って(S258)、特図2の制御処理を終える。この特別図柄制御汎用処理(S258)については後述する。
上記S256や上記S257での、特図2遊技ステイタスのアドレスや特図2制御テーブルのアドレスのセットは、上記S253や上記S254でのセット内容(特図1遊技ステイタスのアドレス、特図1制御テーブルのアドレス)に対し上書きすることにより行われる。
前述の特別図柄制御汎用処理(S255、S258)では、図29に示すように、RWM基底アドレス+RWMオフセット0(0)の内容(特図1遊技ステイタスまたは特図2遊技ステイタスを格納するRWM記憶領域の値)をロードし(S271)、ロードした値が特別図柄変動待機中ステイタス(0)に一致するか否かの判定を行う(S272)。そして、ロードした値が特別図柄変動待機中ステイタス(0)に一致した場合には(S272:YES)、いずれの特別図柄に係る遊技も実施されていないと判断して処理を終え、一致しない場合には(S272:NO)、2バイトデータアドレスとして特図遊技タイマのアドレスをセットする(S273)。
さらに、特別図柄分岐処理テーブル(図43(b)の「0314H」)のアドレス-2をセットし(S274)、特別図柄ステイタスの2倍値をオフセット値として加算したアドレスおよび続くアドレスから2バイトのデータを取得する2バイトデータ選択処理を行い(S275)、2バイトデータ選択処理(S275)で選択した処理へ移行することで、特別図柄に係るステイタスの値に基づく処理を実行する(S276)。特別図柄に係るステイタスの値に基づく処理(サブモジュール)としては、後述するように、特別図柄変動開始処理(図30、図31)、特別図柄変動中処理(図32)、特別図柄停止図柄表示中処理(図33)がある。
すなわち、この特別図柄制御汎用処理(S255、S258)は、特1(特図1)及び特2(特図2)のいずれについても特図1(2)遊技ステイタスが特別図柄変動待機中である場合には、変動表示や停止図柄表示等の処理を行わずに処理を終えている。さらに、いずれかの特別図柄による遊技が実行されている場合には、特別図柄ステイタス(特図1遊技ステイタス又は特図2遊技ステイタス)の値に応じた処理へ移行を行う。特1、特2のいずれに移行させるかは、上位モジュールである前述の特別図柄制御処理(図28)ですでに決定されている。
<<特別図柄変動開始処理>>
前述の特別図柄制御汎用処理で選択され得る各種の処理(図29のS276、図30~図33)のうち、特別図柄変動開始処理(図30、図31)では、変動パターン選択状態のアドレスをセットし(S281)、当り判定データとして特別図柄判定フラグの値をロードする(S282)。さらに、当り判定データが特別図柄大当りデータ(55H)と一致しないか否かの判定を行い(S283)、一致しない場合(はずれの場合)には(S283:YES)、変動パターン選択状態の内容をロードする(S300)。
続いて、ロードした値を5倍し(S301)、オフセットに5倍した結果とRWM基底アドレス+RWMオフセット5(5)の内容の加算結果をセットする(S302)。さらに、テーブルデータアドレスとしてデータ基底アドレス+テーブルオフセット9(9)の内容をロードし(S303)、バイトデータ取得処理を行う(S304)。また、抽せんテーブルアドレスとして基底アドレスと1バイトデータの加算結果をセットし(S305)、乱数データとして変動パターン判定領域の値をロードする(S306)。
さらに、抽せんテーブル取得処理(S307)、選択番号取得処理(S308)、変動付加時間情報決定処理(S309)、変動時間決定処理(S310)を順に行う。また、テーブルデータアドレスとしてデータ基底アドレス+テーブルオフセット5(5)の内容をロードし(S311)、データ格納処理を行う(S312)。そして、変動パターン判定領域の内容を0クリアし(S313)、変動パターン2判定領域の内容を0クリアする(S314)。
また、図31に示すように、確変回数減算処理(S315A)、時短回数減算処理(S315B)、入賞容易状態回数減算処理(S316)、変動パターン選択状態更新処理(S317)、遊技状態コマンド送信処理(S318)を順に行う。さらに、特別図柄変動待機中ステイタス(0)をRWM基底アドレス+RWMオフセット0(0)にストア(特図1遊技ステイタスまたは特図2遊技ステイタスに「00H」を記憶)し(S319)、MODEデータとしてMODE(発射位置)データ(9CH)と7FHを論理積した結果をセットし、EVENTデータとして打ち分け状態フラグの下位アドレスをセットし(S320)、処理を終える。
上記S283で、当り判定データが特別図柄大当りデータ(55H)と一致した場合には(S283:NO)、変動パターン選択状態の内容をロードする(S284)。また、ロードした値と当り図柄オフセット数(7)を乗算し(S285)、オフセット加算値として乗算結果をセットする(S285)。
続いて、図柄オフセットテーブル1のアドレスをセットし(S287)、群判定番号の値をロードし(S288)、バイトデータ取得処理を行う(S289)。さらに、オフセットとして1バイトデータとオフセット加算値の加算結果をセットし(S290)、当り変動制御テーブルのアドレスをセットする(S291)。そして、上記S304へ移行し、バイトデータ取得処理の処理を行う。
この特別図柄変動開始処理について、より機能的に説明すれば、特別図柄変動開始処理では、変動パターン選択状態を把握する。この際、記憶領域のアドレスをレジスタにセットする。ここでいう「変動パターン選択状態」は、例えば、限定頻度中(前述の限定頻度パターン演出が実行されている間)や、時短中(時短フラグのオンオフ)、などに応じたデータに基づき判定できるものである。さらに、抽選に使用する変動パターンテーブルの選択が行われ(S307)、変動時間の決定が行われる。ここでの変動時間は、変動パターン抽選と変動付加(変動付加時間情報)の抽選により定まるものである(S309、S310)。
さらに、特図1(又は特図2)変動中状態設定テーブル(図48の「117DH」、「1184H」)を使用して、LED切替時間(点灯・点滅切替用)の初期値(ここでは25)をセットし、変動開始時の表示データを特図1(又は特図2)表示番号に関するRWM格納領域に記憶し、特図1(又は特図2)遊技ステイタスに「特別図柄変動中ステイタス」を示す値をセットする。ここで、LED切替時間に係る初期値のセットについて、より厳密には、「25-1」の演算が行われ、演算結果の「24」のデータが設定されるようになっている。
さらに、変動開始時の表示データを特図1(又は特図2)表示番号に関するRWM格納領域に記憶し、特図1(又は特図2)遊技ステイタスに「特別図柄変動中ステイタス」を示す値をセットする。そして、変動パターン抽選に使用した内容のデータをクリアする(S313、S314)。
また、図31に示すように、残り確変回数の更新(S315A)、残り時短回数の更新を行い(S315B)、電サポ回数の更新を行う(S316)。さらに、変動パターン選択状態の更新を行い(S317)、サブメイン基板301に遊技状態(抽選確率、残り時短回数など)を把握させるためのコマンドを送信する(S318)。また、特図1(又は特図2)遊技ステイタスを記憶するRWM領域に「特別図柄変動待機中」ステイタスに示す値をセットする(S319)。
<<特別図柄変動中処理>>
前述の特別図柄制御汎用処理で選択され得る各種の処理(図29のS276、図30~図33)のうち、特別図柄変動中処理(図32)では、RWM下位アドレスとしてデータ基底アドレス+テーブルオフセット1(1)の内容(特別図柄表示タイマのアドレスに格納されている値)をロードし(S321)、表示番号切り替え処理を行う(S322)。さらに、2バイトデータ判定処理(S323)を行い、特図遊技タイマの値が0以外であるか否かの判定を行う(S324)。そして、このS324で、特別図柄タイマ(特別図柄表示タイマ)の値が0以外であった場合には(S324:YES)、処理を終え、0以外でなかった場合(0であった場合)には(S324:NO)、RWM基底アドレス+RWMオフセット1(1)の内容をロードする(S325)。
続いて、ロードした値を+1し(S326)、加算結果をRWM基底アドレス+RWMオフセット4(4)にストアする(S327)。さらに、テーブルアドレスとしてデータ基底アドレス+テーブルオフセット7(7)の内容をロードし(S328)、コマンド要求データ設定処理を行う(S329)。そして、特図停止図柄表示中状態設定テーブルのアドレス(図48中の「118BH」)をセットし(S330)、データ格納処理を行う(S331)。さらに、RWM基底アドレス+RWMオフセット0(0)の内容を+1し(S332)、処理を終える。
この特別図柄変動中処理について、より機能的に説明すれば、特別図柄変動開始処理では、上部分(S321~323)で、特図遊技タイマのデータが0であるか否かの確認による変動終了の判定と(S324)、点滅(点灯)パターン切替制御(S322)を行っている。ここで、上述の特図遊技タイマは、前述の特別図柄制御処理時(図28)に取得したものである。
また、特別図柄変動中処理の下部分(特別遊技タイマが0となった場合に行われるS325~S329)で、サブメイン基板301に図柄停止を示すコマンド送信のための処理を行う。さらに、特図停止図柄表示中状態設定テーブル(特1及び特2に共通なデータテーブル(共通データテーブル))の呼び出しを行い(S330)、特図遊技タイマに図柄固定時間をセットする。また、その他に、特図にかかるタイマ領域クリア(クリアデータのセット)を行う。そして、特図1(又は特図2)遊技ステイタスを「+1」して(S332)、「特図停止図柄表示中ステイタス」を示す値にする。なお、本例において、図柄固定時間として設定される時間は800msecであり、特図停止図柄表示中状態設定テーブルの1項目め(2バイトの特別図柄タイマの下位桁に設定する値)、および2項目め(2バイトの特別図柄タイマの上位桁目に設定する値)に設定される定数データ(C8H、00H)となっているが、別途遊技停止期間において演出を実行するための期間を設けるために、遊技状態や停止図柄により変動する値を設定するようにしてもよい。なお、固定時間を変数とする場合には、大当りになることが決定したタイミングや、特定遊技状態(確変遊技状態や時短遊技状態)が最終変動となる前の変動終了時などで、予め固定時間を管理する記憶領域にセットしておく必要がある。
<<特別図柄停止図柄表示中処理>>
前述の特別図柄制御汎用処理で選択され得る各種の処理(図29のS276、図30~図33)のうち、特別図柄停止図柄表示中処理(図33)では、2バイトデータ判定処理を行い(S341)、特図遊技タイマの値が0以外であるか否か、すなわち図柄固定時間が経過したか否かの判定を行う(S342)。このS342で、特図遊技タイマの値が0以外である場合には(S342:YES)、処理を終え、0以外でない場合(0である場合)には(S342:NO)、当り判定データとして特別図柄判定フラグの値をロードする(S343)。
続いて、特別図柄判定フラグの内容を0クリアし(S344)、当り判定データが特別図柄大当りデータ(55H)と一致するか否かの判定を行う(S345)。このS345で、当り判定データが特別図柄大当りデータ(55H)と一致しない場合(はずれの場合)には(S345:NO)、コマンド要求設定処理を行い(S352)、処理を終える。
上記S345で、当り判定データが特別図柄大当りデータ(55H)と一致した場合(大当りの場合)には(S345:YES)、特別図柄変動待機中ステイタス(0)をRWM基底アドレス+RWMオフセット0(0)にストアする。さらに、当りフラグデータとしてデータ基底アドレス+テーブルオフセット0(0)の内容をロードし(S354)、当りフラグデータを当りフラグにストアする(S355)。
続いて、外部情報出力要求制御テーブル(図49の「142EH」)のアドレスをセットし(S356)、遊技状態別テーブル取得処理を行う(S357)。さらに、群判定番号の値をロードし(S358)、バイトデータ取得処理を行う(S359)。そして、1バイトデータを当り情報フラグにストアし(S360)、RWMアドレスとして確率変動回数カウンタのアドレスをセットする(S361)。
さらに、クリアバイト数(10)をセットし(S362)、RWMクリア処理を行う(S363)。また、変動パターン選択状態0データ(0)を変動パターン選択状態にストアし、演出選択状態0-0データ(0)を演出状態にストアする(S364)。そして、変動パターン選択状態回数の内容を0クリアし(S365)、当り開始デモ設定処理を行う(S366)。
さらに、確率変動回数コマンドバッファ1の内容及び確率変動回数コマンドバッファ2の内容を0クリアし(S367)、入賞容易回数コマンドバッファ1の内容及び入賞容易回数コマンドバッファ2の内容を0クリアし(S368)、処理を終える。
この特別図柄停止図柄表示中処理について、より機能的に説明すれば、特別図柄停止図柄表示中処理では、図柄固定時間の終了を判断し(S342)、停止図柄が当りか否かを判断する(S345)。このS345に関して、判定データは、レジスタに記憶した後、クリアされる。そして、上記S345で、はずれ時には(S345:NO)、遊技状態に合わせて「右打ち」「左打ち」の遊技状態を把握させるためのコマンドをサブに送信する(S352)。
上記S345で、当り時には(S345:YES)、特図1(又は特図2)遊技ステイタスに「特別図柄変動待機中ステイタス」を示す値をセットし(S353)、当りフラグをセットし(S354)、大当り変動時の遊技状態と、大当り図柄種別(群判定番号)に応じて当りの種類(1バイトデータ)を取得し(S359など)、当り情報フラグを格納する記憶領域に記憶する(S360)。さらに、確変回数カウンタのクリアや、電サポ回数のクリアを行い、大当り遊技の実行中は確率変動機能および電チューサポート機能をオフに設定し(S363)、S365に示すように、変動パターン選択状態の記憶領域をクリアし(0にし)、当り開始デモ設定処理へ移行する(S366)。
<<当り開始デモ設定処理>>
上述の当り開始デモ設定処理(図33のS366)では、図34に示すように、最終ラウンドデータとして大入賞口開放回数バッファの値をロードし(S381)、大入賞口開放回数バッファの内容を0クリアする(S382)。さらに、最終ラウンドデータを大入賞口最大開放回数にストアし(S383)、特電作動設定テーブルのアドレス(図48の「1192H」)をセットし(S384)、データ格納処理を行う(S385)。
続いて、開始デモ時間バッファ1の値をロードし(S386)、ロードした値を特電遊技タイマにストアする(S387)。さらに、クリアデータ(0000H)をセットし(S388)、クリアデータを開始デモ時間バッファ1にストアする(S389)。また、MODEデータとしてMODE(図柄1当り開始デモ)データ(81H)と7FHを論理積した結果をセットし、EVENTデータとしてデモイベントバッファの下位アドレスをセットする(S390)。
さらに、当りフラグの内容の特図1判定ビット(BIT0)が1であるか否かの判定を行い(S391)、1でない場合には(S391:NO)、MODEデータを+1する(S392)。また、コマンド要求設定処理を行い(S393)、MODEデータにMODE(発射位置)データ(9CH)と7FHを論理積した結果をセットし、EVENTデータに打ち分け状態フラグの下位アドレスをセットする(S394)。そして、コマンド要求設定処理を行い(S395)、処理を終える。上記S391で、当りフラグの内容の特図1判定ビット(BIT0)が1である場合には(S391:YES)、上記S392を行わずに、上記S393のコマンド要求設定処へ移行する。
この当り開始デモ設定処理(S366)について、より機能的に説明すれば、当り開始デモ設定処理では、発生した大当り(又は小当り)の大入賞口開放回数(ラウンド数)をセットする(S381~S383)。この際、前回データの削除が行われるようになっている(S382)。
さらに、特電作動設定テーブル(図48の「1192H」)を使用して、RWMの特電遊技ステイタスの記憶領域に「大入賞口閉鎖中ステイタス」を示す値(ここでは3)を格納する(S384)。また、このS384では、大入賞口開放カウンタ(ラウンド数を管理しているカウンタ)に初期値「0」を設定し、「右打ち」指定データを打ち分け状態フラグ(記憶領域)にセットする。本例では、特電作動設定テーブルに基づいて、大当り(小当り)開始デモ期間の状態として、特電遊技ステイタスに対して、大当り(小当り)中の単位遊技間(ラウンド間)と同じ大入賞口閉鎖中ステイタスを設定しているが、これには、大入賞口開放準備中の状態を経由して、特別電動役物の作動中の状態のステイタスに移行するときに特別電動役物の作動中信号(図50)を出力する設定が行われ、大入賞口開放準備中の状態へ移行する前のステイタスとして、大入賞口閉鎖中の他にステイタスを設けることによる処理の煩雑化を防ぐ目的がある。
さらに、特電遊技タイマに、大当り(小当り)開始デモ時間をセットするが(S387)、この大当り開始デモ時間は、大当り(小当り)図柄や大当り(小当り)したときの遊技状態に応じて異なり得るものである。そして、大当り(小当り)開始デモを実施するためのコマンドをサブに送信する(S395)。
<特別電動役物制御処理>
特別電動役物制御処理(S58)では、図35に示すように、RWMから特電遊技ステイタスの値をロードし(S401)、ロードした値が当り待ちステイタス(0)に一致するか否かの判定を行う(S402)。そして、ロードした値が当り待ちステイタス(0)に一致した場合(小当たり中の場合)には(S402:YES)、処理を終え、一致しない場合(大当り中の場合)には(S402:NO)、2バイトデータアドレスとして特電遊技タイマのアドレスをセットする(S403)。
さらに、特別電動役物分岐処理テーブル(図43(b)の「0996H」)のアドレス-2をセットし(S404)、特電遊技ステイタスの値の2倍値をオフセット値として「0994H」に加算したアドレスと続くアドレスに格納されているデータに係る2バイトデータ選択処理を行うことで取得し(S405)、2バイトデータ選択処理(S405)で選択した、特別電動役物に係るステイタスの値に基づく処理を取得したアドレスへ移行することで実行する(S406)。特別電動役物に係るステイタスの値に基づく処理(サブモジュール)としては、後述するように、大入賞口開放準備中処理(図36)、特別電動役物作動中処理(図37)、大入賞口閉鎖中処理(図38)、当り終了デモ中処理(図40)、がある。
<<大入賞口開放準備中処理>>
上述の特別電動役物制御処理で選択され得る各種の処理(図35のS406、図36~図38、図40)のうち、大入賞口開放準備中処理(図36)では、2バイトデータ判定処理を行い(S411)、特電遊技タイマの値が0以外であるか否かの判定を行う(S412)。このS412で、特電遊技タイマの値が0以外であった場合には(S412:YES)、処理を終了し、0以外でなかった場合(0であった場合)には(S412:NO)、特別電動役物作動中ステイタス(2)を特電遊技ステイタスにストアする(S413)。
続いて、特別電動役物ポインタの内容を0クリアし(S414)、特別電動役物入賞カウンタの内容を0クリアする(S415)。さらに、大入賞口開放時間フラグの値をロードし(S416)、特電作動内容設定制御テーブル(図48の「1267H」)のアドレス-1をセットする(S417)。そして、バイトデータ取得処理を行い(S418)、基底アドレス1に1バイトデータを加算する(S419)。
さらに、大入賞口開放カウンタの値をロードし(S420)、1バイト比較データ取得処理(S421)、バイトデータ取得処理(S422)を順に行う。また、1バイトデータを特電作動内容バッファにストアし(S423)、基底アドレス2を+1する(S424)。そして、基底アドレス2の内容をロードし(S425)、ロードした値を大入賞口閉鎖時間バッファにストアする(S426)。
続いて、特別電動役物1種別データ(01H)を大入賞口フラグにストアし(S427)、特電作動データ設定制御処理を行う(S428)。さらに、当りフラグの値をロードし(S429)、ロードした値を-1する(S430)。さらに、減算結果にMODE(図柄1当り中デモ)データ(85H)と7FHを論理積した結果を加算し(S431)、MODEデータとして加算結果をセットする(S432)。そして、EVENTデータとして大入賞口開放カウンタの下位アドレスをセットする(S433)。
さらに、コマンド要求設定処理を行い(S434)、MODEデータにMODE(発射位置)データ(9CH)と7FHを論理積した結果をセットし、EVENTデータに打ち分け状態フラグの下位アドレスをセットする(S435)。また、コマンド要求設定処理を行い(S436)、大入賞口フラグの値をロードする(S437)。そして、ロードした値を特別電動役物作動中フラグにストアし(S438)、処理を終える。
この大入賞口開放準備中処理について、より機能的に説明すれば、大入賞口開放準備中処理は、特電遊技ステイタスが「大入賞口開放準備中ステイタス」を示す値(ここでは1)である場合に移行する処理である。この大入賞口開放準備中処理では、図36に示すように、特電遊技タイマが0であるか否かを判定し(S412)、0でなければ(S412:YES)、処理を終える。そして、この大入賞口開放準備中処理は、2回の遊技進行割込み処理内(8msec内)において実行される。
大入賞口開放準備中処理が実行されている期間において、特別電動役物作動中である旨を試験端子より外部に報知する特別電動役物作動中信号がオフされる(大入賞口閉鎖中処理(図38)からの移行時にオフデータを設定され、特別電動役物作動中処理(図37)へ移行する設定の際にオンデータを設定する)ことにより、特別電動役物が連続作動する際の特別電動役物の作動回数が正確に識別可能(オンになる回数が実行する大当り遊技と一致する状態)になる。また、特別電動役物作動中信号が2割込み間という短期間のみオフ出力されることとなるため、大入賞口92の有効期間(有効入球があったと判定する期間中)であるにも関わらず特別電動役物が作動していないと判断される期間が限りなく少なくなるとともに、異なる外部装置に対して汎用的にオフ期間を識別可能となる(1割込み間のみオフとする場合には特別電動役物作動中信号の立ち下がり、立ち上がりが十分に識別されない場合がある)。なお、必要に応じて大入賞口開放準備中処理を行う期間を3割込み以上や1割込みに変更可能である。
上記S412で、タイマの値が0の場合には(S412:NO)、特電遊技ステイタスの記憶領域に「特別電動役物作動中ステイタス」を示す値(ここでは2)を記憶する(S413)。さらに、特電の作動に関する情報(入賞カウンタ等の終了条件など)をリセットし(S414、S415)、特別電動役物の作動パターン(大入賞口の開放態様)の設定のための処理を行う(S416~S428)。
上述の特別電動役物の作動パターンの設定のための処理(S416~S428)は、実行中の大当り遊技の今回ラウンドでの開放パターンを呼び出して設定している処理である。そして、特別電動役物の長開放の作動パターンとして、例えば、28秒の長開放、0.7秒の短開放(1球程度入球させることが可能な開放)、0.7秒開放・2秒閉鎖・25秒開放と続く短開放後長開放、及び、0.7秒開放が3回で各開放間は2秒閉鎖を行う短開放3回、といった各作動パターンを例示することができる。なお、ここに挙げた作動パターンや、各作動パターンの開放時間及び閉鎖時間は例示であり、これら以外にも種々の開放パターンを採用することが可能である。
続いて、次のラウンドが何ラウンド目かを示すコマンドをサブに送信し(S434)、右打ちを指定するためのコマンドをサブに送信する(S436)。さらに、大入賞口フラグ(RWM領域)の値を、特別電動役物作動中フラグにも記憶する(S438)。この特別電動役物作動中フラグに記憶した情報は、後述する試験信号出力処理(図41)において特別電動役物作動中信号のオン出力の設定に使用が可能である。
<<特別電動役物作動中処理>>
上述の特別電動役物制御処理で選択され得る各種の処理(図35のS406、図36~図38、図40)のうち、特別電動役物作動中処理(図37)では、最大入賞数データとして特別電動役物1最大入賞数(10)をセットし、入賞カウンタ下位アドレスとして特別電動役物入賞カウンタの下位アドレスをセットする(S441)。さらに、スイッチビットデータとして大入賞口1スイッチ1ビットデータ(00000001B)をセットし、スイッチ立ち上がりエッジ下位アドレスとして盤面スイッチ2立ち上がりエッジの下位アドレスをセットする(S442)。
続いて、入賞カウンタ更新処理を行い(S443)、入賞数が最大入賞数以上であるか否かの判定を行う(S444)。このS444で、入賞数が最大入賞数以上でない場合には(S444:NO)、最大入賞数データに特別電動役物1最大入賞数(10)をセットし、入賞カウンタ下位アドレスに特別電動役物入賞カウンタの下位アドレスをセットする(S445)。さらに、スイッチビットデータに大入賞口1スイッチ2ビットデータ(00000100B)をセットし、スイッチ立ち上がりエッジ下位アドレスに盤面スイッチ2立ち上がりエッジの下位アドレスをセットする(S446)。ここで、本実施形態の大入賞口1については、内部の上流と下流に2か所のセンサを有しており、同一割込みで2か所の検出が行われる場合があるため、それぞれのスイッチセンサに分けて検出の有無を確認し入賞カウンタの更新を行っている。
さらに、入賞カウンタ更新処理を行い(S447)、入賞数が最大入賞数以上であるか否かの判定を行う(S448)。このS448で、入賞数が最大入賞数以上でない場合には(S448:NO)、2バイトデータ判定処理を行う(S449)。そして、特電遊技タイマの値が0以外であるか否かの判定を行い(S450)、0以外である場合には(S450:YES)、処理を終える。また、このS450で、特電遊技タイマの値が0以外でない場合(0である場合)には(S450:NO)、特電作動データ設定制御処理(1回の単位遊技で複数回の開放および閉鎖を行う場合に、各開放および閉鎖に関する設定)を行う(S451)。
続いて、設定データがあるか否か、すなわち1回の単位遊技についてすべての開放が終了したか否かの判定を行い(S452)、ある場合には(S452:YES)、処理を終える。また、このS452で、設定データがない場合には(S452:NO)、基底アドレスとして大入賞口1ソレノイド制御のアドレス-1をセットする(S453)。ここで、上記S444や上記S448で、入賞数が最大入賞数以上である場合には(S444:YES、S448:YES)、処理を終える。
さらに、フラグデータとして大入賞口フラグの値をロードし(S455)、ソレノイド未作動設定値(00H)を基底アドレス+フラグデータにストアする(S455)。また、大入賞口閉鎖時間バッファの値をロードし(S456)、ロードした値を特電遊技タイマにストアする(S457)。そして、大入賞口閉鎖中ステイタス(3)を特電遊技ステイタスにストアし(S458)、特別電動役物入賞カウンタの内容を0クリアする(S459)。
続いて、大入賞口閉鎖時間バッファの内容を0クリアし(S460)、MODEデータとしてMODE(大入賞口閉鎖演出)データ(BEH)と7FHを論理積した結果をセットし、EVENTデータとして大入賞口開放カウンタの下位アドレスをセットする(S461)。そして、コマンド要求設定処理を行い(S462)、処理を終える。
この特別電動役物作動中処理について、より機能的に説明すれば、特別電動役物作動中処理は、特電遊技ステイタスが、「特別電動役物作動中ステイタス」を示す値(ここでは2)である場合に移行する処理であり、所謂ラウンド(単位遊技)実行中の処理である。この特別電動役物作動中処理では、図37に示すように、図中の左側の処理において、ラウンド終了条件の判定が行われる。
つまり、大入賞口のスイッチを監視して入賞カウンタを更新し、最大入賞個数以上となったか否かを判定する(S441~S447)。図37中に示すように、最大入賞個数以上となったか否かの判定を2回繰り返しているのは(S444、S448)、前述したように1つの大入賞口について2か所スイッチ(センサ)が設けられているためである。このように1つの大入賞口について2か所にセンサを設け、両方のセンサにより並行して入賞検出を行うことで、より早く入賞球を検出可能となっている。そして、開放時間が終了したか否か(特電遊技タイマの値が0となったかどうかの作動終了条件)を判定する(S450)。
さらに、上述の作動終了条件の成立後(S452:NO)、特別電動役物ソレノイドをオフするための設定を実行する。つまり、閉鎖時間(ラウンド間、最終ラウンド後)の時間を特電遊技タイマにセットし(S457)、特電遊技ステイタスに「大入賞口閉鎖中ステイタス(03H)」を記憶する(S458)。さらに、入賞カウンタクリア(S459)、閉鎖時間バッファのクリア(S450)を行う。ここで、上述の閉鎖時間バッファは、次に閉鎖時間としてセットする値を記憶している領域である。そして、ラウンド終了コマンドをサブに送信するための処理を行う(S462)。
なお、本例では、大入賞口92(特別電動役物)を1つとしているが、2つの大入賞口を有する遊技機の場合には、例えば、S441、S442の処理において、対象とする特別電動役物1ないし特別電動役物2について個別の管理データや、スイッチビットデータをセットするようにすることで、複数の大入賞口(特別電動役物)を備える遊技機への適用を実施することが可能となる。
<<大入賞口閉鎖中処理>>
上述の特別電動役物制御処理で選択され得る各種の処理(図35のS406、図36~図38、図40)のうち、大入賞口閉鎖中処理(図38)では、大入賞口最大開放回数のアドレスをセットし(S471)、規定回数として大入賞口最大開放回数の内容をロードする(S472)。さらに、大入賞口開放カウンタのアドレスをセットし(S473)、大入賞口開放回数データとして大入賞口開放カウンタの内容をロードする(S474)。また、大入賞口開放回数データが今回の大当り遊技における特別電動役物の連続作動の終了判定値である規定回数よりも少ないか否かの判定を行い(S475)、少なくない場合(同じかそれ以上である場合)には(S475:NO)、2バイトデータ判定処理を行う(S476)。
さらに、特電遊技タイマの値が0以外であるか否かの判定を行い(S477)、0以外である場合には(S477:YES)、処理を終える。また、このS477で、特電遊技タイマの値が0以外でない場合(0である場合)には(S477:NO)、当り終了デモ設定処理を行う(S478)。そして、タイマデータとして大入賞口有効延長時間(1250≒5000ms)+1をセットし(S479)、タイマデータを大入賞口有効延長タイマにストアし(S480)、処理を終える。
上記S475で、大入賞口開放回数データが規定回数よりも少ない場合には(S475:YES)、2バイトデータ判定処理を行い(S481)、特電遊技タイマの値が3以上であるか否かの判定を行う(S482)。このS482で、特電遊技タイマの値が3以上である場合には(S482:YES)、処理を終え、3以上でない場合には(S482:NO)、大入賞口開放カウンタの内容を+1する(S483)。さらに、大入賞口開放準備中ステイタス(1)を特電遊技ステイタスにストアし(S484)、特別電動役物作動中フラグの内容を0クリアし(S485)、処理を終える。
この大入賞口閉鎖中処理について、より機能的に説明すれば、大入賞口閉鎖中処理は、最終ラウンド後の特電遊技ステイタスが「大入賞口閉鎖中ステイタス」状態であるかを確認し(S475)、最終ラウンド時には(S475:NO)、特電遊技タイマの値が0となったか(閉鎖時間が経過したか)を判定する(S477)。そして、経過時には(S477:NO)、当り終了デモの設定を行う(S478)。この当り終了デモの設定を行うための当たり終了デモ設定処理については後述する(図39)。
さらに、大入賞口延長タイマのデータ(1250≒5000ms)をRWMの有効延長時間の記憶領域にセットする(S479)。つまり、最終ラウンド以外のラウンド間においては(S475:YES、S477:NO)、特電遊技ステイタスが「大入賞口閉鎖中ステイタス」である場合の処理を行う(S480)。
また、上記S475で、大入賞口開放回数データが規定回数よりも少なく(S475:YES)、特電遊技タイマが3以上であった場合には(S482:YES)、処理を終える。さらに、上記S482で、特電遊技タイマが2以下であった場合には(S482:NO)、大入賞口開放カウンタのインクリメント(+1)を行い(S483)、実行ラウンド数の更新を行う。さらに、特電遊技ステイタスに「大入賞口開放準備中ステイタス」をセットし(S484)、試験信号をオフさせるために、試験信号出力設定に使用するデータである「特別電動役物作動中フラグ」を0クリアする(S485)。ここで、S482を「特電遊技タイマ≠0?」の判定を行うものとし、特電遊技タイマが0となったときに大入賞口開放準備中ステイタスに移行させるとともに、特電遊技タイマに「2」をセットする構成としてもよい。
<<当り終了デモ設定処理>>
上述の大入賞口閉鎖中処理で実行される当り終了デモ設定処理(図38のS478)では、図39に示すように、先ず、MODEデータとしてMODE(図柄1当り終了デモ)データ(89H)と7FHを論理積した結果をセットし、EVENTデータとして終了デモイベントバッファ1の下位アドレスをセットする(S491)。さらに、当りフラグの内容の特図1判定ビット(BIT0)が1であるか否か、すなわち今回の当り遊技が特図2の当り図柄停止によるものか否かの判定を行い(S492)、特図1による当り遊技の実行でない場合には(S492:NO)、特図2の当り遊技である旨をサブメイン基板に報知するため、MODEデータを+1する(S493)。
そして、EVENTデータを+1し(S494)、デモイベントバッファの値をロードする(S495)。上記S492で、当りフラグの内容の特図1判定ビット(BIT0)が1である場合には(S492:YES)、間の処理を行わずに、S495に移行する。
続いて、ロードした値をEVENTデータにストアし(S496)、デモイベントバッファの内容を0クリアする(S497)。さらに、コマンド要求設定処理を行い(S498)、終了デモ時間バッファ1の値をロードする(S499)。また、ロードした値を特電遊技タイマにストアし(S500)、クリアデータ(0000H)をセットする(S501)。そして、クリアデータを終了デモ時間バッファ1にストアし(S502)、当り終了デモ中ステイタス(4)を特電遊技ステイタスにストアし(S503)、処理を終える。
この当り終了デモ設定処理について、より機能的に説明すれば、当り終了デモ設定処理は、当り図柄(及び遊技状態)に応じた、大当たり後の大当り終了デモを実施するためのコマンドをサブに送信するための処理(S491~S498)と、当り終了デモ時間の特電遊技タイマに対するセット処理(S500)および特電遊技ステイタスの当り終了デモ中ステイタスへの更新処理をおこなう。
<<当り終了デモ中処理>>
前述の特別電動役物制御処理で選択され得る各種の処理(図35のS406、図36~図38、図40)のうち、当り終了デモ中処理(図40)では、2バイトデータ判定処理を行い(S511)、特電遊技タイマの値が0以外であるか否かの判定を行う(S512)。このS512で、特電遊技タイマの値が0以外である場合には(S512:YES)、処理を終え、0以外でない場合(0である場合)には(S512:NO)、当りフラグの値をロードする(S513)。
さらに、ロードした値が特図1大当りデータ(01H)と一致するか否かの判定を行い(S514)、一致しない場合には(S514:NO)、ロードした値が特図2大当りデータ(02H)と一致するか否かを判定する(S515)。このS515で、ロードした値が特図2大当りデータ(02H)と一致する場合には(S515:NO)、変動時間短縮機能設定処理(S516)、入賞容易状態設定処理(S517)を順に行う。上記S514で、ロードした値が特図1大当りデータ(01H)と一致した場合には(S514:YES)、上記S515の判定を行わず、上記S516以降の処理を行う。なお、S515にて特図2の大当りでもない場合として、小当りが該当する。
続いて、確率変動判定フラグの値をロードし(S518)、確率変動判定フラグの内容を0クリアする(S519)。さらに、ロードした値を特別図柄モードフラグにストアし(S520)、ロードした値が確率変動機能作動データ(01H)と一致するか否かの判定を行う(S521)。このS521で、ロードした値が確率変動機能作動データ(01H)と一致しない場合には(S521:NO)、確率変動機能作動回数データ(100回=64H)をセットし(S522)、確率変動機能作動回数データを確率変動回数カウンタにストアする(S523)。
さらに、選択状態パターン設定処理を行い(S524)、群判定番号の内容を0クリアする(S525)。上記S515で、ロードした値が特図2大当りデータ(02H)と一致した場合や(S515:YES)、上記S521で、ロードした値が確率変動機能作動データ(01H)と一致した場合には(S521:YES)、間の処理を行わず、上記S524へ移行する。
続いて、大入賞口開放時間フラグの内容を0クリアし(S526)、当りフラグの内容を0クリアし(S527)、特電作動内容バッファの内容を0クリアする(S528)。さらに、大入賞口フラグの内容を0クリアし(S529)、当り終了時変動待機状態設定テーブル(図49の「12AEH」)のアドレスをセットし(S530)、データ格納処理を行う(S531)。
また、大入賞口開放カウンタの内容及び大入賞口最大開放回数の内容を0クリアし(S532)、当り情報フラグの内容を0クリアし(S533)、特別電動役物作動中フラグの内容を0クリアする(S534)。さらに、終了デモ演出終了コマンド設定テーブルのアドレス(図44の「1092H」)をセットし(S535)、コマンド要求データ設定処理を行って(S536)、処理を終える。
この当り終了デモ中処理について、より機能的に説明すれば、当り終了デモ中処理は、特電遊技ステイタスが、「当り終了デモ中ステイタス」の場合に移行する処理である。ただし、小当りの時の終了デモによっても移行するので、当りフラグの値が特1、特2の大当り中以外である場合がある。
そして、当り終了デモ中処理では、終了デモ時間の経過を特電遊技タイマが0になったか否かで判断し(S512)、当りフラグの値に基づき、特1の大当り後か特2の大当り後か、小当りの後かを判定する(S514、S515)。また、大当り後の場合は、時短・電サポの設定、確変の作動有無の設定、変動パターン選択状態に関するデータを設定(限定頻度演出パターンへの遷移に関するデータの設定)を行う(S516~S523)。なお、選択状態パターン設定処理は、小当りの場合においても実行し、大当りだけでなく、小当りの発生に基づいても変動時間の決定に関する傾向を変化させることができるようになっている。
さらに、大当り遊技実施に使用したRWMの各種データをクリアし(S525~S529)、当たり終了時変動待機状態設定テーブル(図49の「12AEH」)に基づくデータ格納処理(S531)において、特電遊技ステイタスに「当り待ちステイタス(00H)」をセットする。また、当り終了デモの終了時にサブメイン基板301に送信するコマンドをセットする(S536)。
<特別図柄変動開始監視制御処理>
特別図柄変動開始監視制御処理(S60)においては、特別図柄1(第1特別図柄)及び特別図柄2(第2特別図柄)の変動開始の監視を行う。特別図柄1及び特別図柄2のいずれにおいても、特図遊技ステイタス(特図1遊技ステイタス又は特図2遊技ステイタス)のアドレス及び特図変動開始監視テーブル(図48の下段に示す特図1変動開始監視テーブル又は特図2変動開始監視テーブル)のアドレス(「12A6H」又は「12AAH」)を引数として特別図柄変動開始監視処理を実行する。
この特別図柄変動開始監視制御処理では、図示は省略するが、特図の変動開始条件を満たすか否かの判定を行い、変動開始時には、当否判定、当り図柄決定などを行う。また、変動パターン(変動時間)の決定は、前述した特別図柄制御処理(図15のS57、図28)で、特別図柄制御汎用処理(図29)を介して使用される制御モジュール(サブサブ制御モジュール)である特別図柄変動開始処理()内で行っている。
また、この特別図柄変動開始監視制御処理のサブ制御モジュールである特別図柄変動開始監視処理(図示略)の中では、特図1(又は特図2)遊技ステイタスを変動開始中ステイタスに更新する処理を行っている。なお、図示を省略した特別図柄変動開始監視処理には、特図1(又は特図2)遊技ステイタスをインクリメントし、「特別図柄変動開始中ステイタス」に変更するための処理が行われる。ここで、上述の「特別図柄変動開始中ステイタス」は、次割り込みの「特別図柄制御処理」で「特別図柄変動開始処理」を実行させるためのステイタスである。
<異常検知処理>
異常検知処理(図15のS61)においては、磁気の監視、断線・短絡・電源の監視、電波の監視、ガラス枠セット・遊技盤の枠・裏セット(ここではセット基盤31)の開閉状態の監視等を行うため各種センサからの入力をもとにエラー判定値の作成を行う。その後、エラー状態の検査、エラー状態の記憶、及び、演出制御基板(ここではサブメイン基板301)への遊技機のエラー状態演出の表示要求を順に行う。なお、エラー状態の検査でエラー状態に変化無しと判断した場合、エラー状態の記憶、及び、演出制御基板への遊技機のエラー状態演出の表示要求は行わない。
エラー判定値の作成においては、エラー判定値を作成するため、磁気検知信号の検査、断線短絡電源異常検知信号の検査、電波検知信号の検査、及び、開放信号の検査を順に行う。ただし、これらの検査に使用する検査データは、受信信号レベルの値とエラーフラグの値を排他的論理和した結果に通信異常マスクデータで論理積した値としている。エラー状態の検査においては、エラー状態の検査を行うため、エラーフラグ比較値とエラーフラグの値を比較し、一致した場合、エラー状態に変化無しと判断する。なお、エラーフラグの比較値は、エラー判定値の作成で作成したエラー判定値のビット0に通信線異常判定の値のビット0を反映した値としている。エラー状態の記憶においては、エラー状態の検査で作成したエラーフラグ比較値をエラーフラグに格納する。演出制御基板への遊技機のエラー状態演出の表示要求においては、MODE(エラーA)データ、及び、エラー状態の検査で作成したエラーフラグ比較値を引数としてコマンド要求設定処理を実行する。
<入球通過時間異常検出処理>
入球通過時間異常検出処理(S62)においては、入球通過時間異常の検出を行うため、各スイッチ(各入賞検出装置)レベルの連続オン時間の監視を行い、監視の結果、前回から変化があったと判断した場合、入球通過時間異常の設定、コマンドの送信要求、外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成を順に行う。ただし、各スイッチレベルの連続オン時間の監視で、連続オン時間が異常ではないと判断した場合、外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成は行わない。
各スイッチレベルの連続オン時間の監視においては、各スイッチレベルの連続オン時間の監視を行うため、連続スイッチテーブルのアドレスの示す内容を検査回数とし、検査回数分、遊技盤上の入賞口や作動口に設けられたセンサのスイッチビットデータを順次取得する。取得した各スイッチビットデータに対応したタイマアドレスの取得、スイッチレベルのオン時間の計測を行い、連続オン時間が異常と判断した場合、演出制御基板にいずれのスイッチに異常があったかを識別できるよう各スイッチビットデータに対応したアドレスに記憶されたEVENTデータの取得を行う。連続オン時間が異常ではないと判断した場合、EVENT(エラーB0)データ(00H)を設定する。なお、取得したEVENTデータと入球通過時間異常フラグ(後述する)の値が異なる場合、前回から変化があったと判断する。入球通過時間異常の設定においては、EVENTデータを入球通過時間異常フラグに格納する。コマンドの送信要求においては、MODE(エラーB)データ(9EH)及びEVENTデータを引数としてコマンド要求設定処理を実行する。外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成においては、異常センサ検知タイマのアドレス+1を引数として信号出力要求処理を実行する。
<遊技状態表示処理>
遊技状態表示処理(S63)においては、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄表示装置の作動保留球数、及び、特別図柄表示装置の作動保留球数の表示要求を行うため、特別電動役物が連続して作動する回数の表示データ作成、エラー状態の表示データ作成、普通図柄表示装置の作動保留球数の表示データ作成、及び、特別図柄表示装置の作動保留球数の表示データ作成を行う。なお、ここでいう「表示データの作成」は、より具体的には、後述するLED出力処理(S65)で表示データの作成を行うためのテーブルオフセット値を各RWM作業領域に記憶する処理のことを表している。そして、この遊技状態表示処理(S63)において、所定のタイマの値を確認して点灯パターンを切り替える表示番号切り替え処理が実行される。より具体的には、この表示番号切り替え処理は、遊技状態表示処理(S63)のサブ制御モジュールとして実行され、例えば、100msec(25割込み)ごとに、メイン基板102で管理する表示灯(主制御表示装置53の各表示灯など)の点灯パターンの切り替え(点滅など)のため表示データを切り替える処理である。
<ハンドル状態信号検査処理>
ハンドル状態信号検査処理(S64)においては、発射ハンドル20のタッチ状態の監視を行うため、ハンドル状態の検査を行い、検査の結果、ハンドル状態に変化ありと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの減算、ハンドル状態の更新、ハンドル状態監視タイマの設定、及び、ハンドル状態演出のコマンド送信要求を行う。検査の結果、ハンドル状態に変化なしと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの設定を行う。なお、ハンドル状態監視タイマの減算において、ハンドルタイマ減算中と判断した場合、ハンドル状態に関する以降の処理は行わない。
ハンドル状態の検査においては、ハンドル状態の検査を行うため、受信信号レベルの値及びハンドル状態フラグの値を検査する。そして、受信信号レベルの値を示すビットが0で、ハンドル状態フラグの値が00Hの場合、ハンドル状態に変化なしと判断し、ハンドル状態フラグの値が01Hの場合、ハンドル状態に変化ありと判断する。また、受信信号レベルの値を示すビットが1で、ハンドル状態フラグの値が00Hの場合、ハンドル状態に変化ありと判断し、ハンドル状態フラグの値が01Hの場合、ハンドル状態に変化なしと判断する。
ハンドル状態監視タイマの減算においては、ハンドル状態監視タイマの減算を行うため、ハンドル状態監視タイマの内容を-1する。減算の結果、0以外の場合、タイマ減算中と判断する。ハンドル状態の更新においては、ハンドル状態の更新を行うため、ハンドル状態フラグの値に対応した値をハンドル状態フラグに格納する。ハンドル状態フラグの値が00Hの場合、ハンドル状態フラグに格納する値は01Hとなり、ハンドル状態フラグの値が01Hの場合、ハンドル状態フラグに格納する値は00Hとなる。
ハンドル状態監視タイマの設定においては、ハンドル状態監視タイマの設定を行うため、ハンドル状態監視タイマにハンドル状態監視時間を格納する。ハンドル状態演出のコマンド送信要求においては、ハンドル状態演出のコマンド送信要求を行うため、MODE(ハンドル状態情報)データと、所定の値である7FHを論理積した結果、及び、ハンドル状態フラグの下位アドレスを引数としてコマンド要求設定処理を実行する。
<LED出力処理>
LED出力処理(S65)においては、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄表示装置の作動保留球数の表示、普通図柄表示装置の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、役物連続作動装置未作動時の特別電動役物置の作動状態の表示、(右打ちや左打ちの)打ち分け表示、及び、エラー表示を行うため、表示の初期化、表示データの出力を順次行う。
このLED出力処理(S65)の内容を要約すると、上述の表示の初期化においては、表示を初期化するため、クリアデータをセグメント出力ポートへ出力する。また、上述の表示データの出力においては、表示データを出力するため、表示するデータに対応したデジットを出力した後、表示を行うLEDセグメントのデータを出力する。
<発射制御信号出力処理>
発射制御信号出力処理(S66)においては、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、払出制御基板103との通信状態及び断線短絡電源異常に対応した発射の禁止/許可の設定及び発射の禁止/許可の出力データの取得後、発射の禁止/許可の信号の出力を行う。払出制御基板103との通信状態及び断線短絡電源異常に対応した発射の禁止/許可の設定及び発射の禁止/許可の出力データの取得においては、ビット設定要求を反映したフラグを作成し、出力データを取得する。
ビット設定要求を反映したフラグの作成においては、エラーフラグの通信異常ビット又はエラーフラグの断線短絡電源異常ビットがオンの場合、ビットクリア要求ありとフラグに反映し、それ以外の場合、ビットセット要求ありとフラグに反映する。出力データの取得においては、ビット設定要求を反映したフラグ、デジット等バッファのアドレス、及び、発射許可信号ビットデータを引数としてビットデータ設定処理を実行する。実行の結果、取得したビットデータを出力データとする。発射の禁止/許可の信号の出力においては、発射の禁止/許可の信号を出力するため、取得した出力データをデジット等出力ポートへ出力する。
<試験信号出力処理>
試験信号出力処理(S67)においては、試験装置に出力する信号を作成し、対応した出力ポートに出力する。すなわち、試験信号出力処理(S67)においては、図41に示すように、試験信号データテーブル2のアドレス(図44の「10A6H」)をセットし(S541)、出力データ作成処理を行う(S542)。さらに、試験信号2データとして出力データを退避し(S543)、試験信号データテーブル1(図44の「1099H」)のアドレスをセットする(S544)。また、出力データ作成処理を行い(S545)、試験信号1データとして出力データを退避する(S546)。そして、試験信号データテーブル3(図45の「10B0H」)のアドレスをセットし(S547)、出力データ作成処理を行う(S548)。
さらに、エラー判定データとして試験端子エラー出力マスクデータ(00011111B)をセットし(S549)、エラー検査処理を行う(S550)。また、試験データ5として普通図柄組合せ番号の値をロードし(S551)、上記S550での検査の結果、エラー検出がないか否かの判定を行う(S552)。そして、上記S552で、エラー検出がある場合には(S552:NO)、試験データ5の遊技機エラー状態信号ビット(BIT5)をセットし(S553)、打ち分け状態フラグの値が0であるか否かの判定を行う(S554)。
上記S552で、エラー検出があった場合には(S552:YES)、上記S553の処理を行わずに、上記S554の、打ち分け状態フラグの判定を行う。さらに、上記S554で、打ち分け状態フラグの値が0でない場合には(S554:NO)、試験データ5の発射位置指定信号1ビット(BIT2)をセットし(S555)、試験データ5を試験信号出力ポート5(0ECH)へ出力する(S556)。上記S554で、打ち分け状態フラグの値が0である場合には(S554:YES)、上記S555の処理を行わずに、上記S556の、試験データ5の出力を行う。
続いて、試験信号1データを復帰させ(S557)、試験信号1データを試験信号出力ポート1(0E8H)へ出力する(S558)。さらに、試験信号2データを復帰させ(S559)、試験信号2データを試験信号出力ポート2(0E9H)へ出力する(S560)。また、試験信号3データとして出力データをセットし(S561)、試験信号3データを試験信号出力ポート3(0EAH)へ出力する(S562)。そして、試験信号6データとして特図1番号の値をロードし(S563)、試験信号6データを試験信号出力ポート6(0EDH)へ出力する。また、試験信号7データとして特図2番号の値をロードし(S566)、試験信号7データを試験信号出力ポート7(0EEH)へ出力し(S566)、処理を終える。
この試験信号出力処理について、より機能的に説明すれば、試験信号出力処理は、試験信号データテーブル1、2、3(図44の「1099H」、「10A6H」、図45の「10B0H」)を使用して、試験信号として出力するデータを作成して出力ポートに設定する処理である。そして、普通電動役物の作動中信号(普通入賞口装置63に付属する普通電動役物の開放遊技が実行されていることを示す信号)や特別電動役物の作動中信号(大入賞口92の開放を伴う特別遊技が実行されていることを示す信号)に係る試験信号データテーブルは、試験信号データテーブル3(アドレス「10B0H」~「10BFH」)である。
この試験信号データテーブル3は、テーブルの構造として、出力データを生成するための確認データの個数(検査回数)のデータ(ここでは「データ1」と称する)、検査対象データを格納するRWMアドレス(下位)のデータ(ここでは「データ2」と称する。このデータ2に組み合わされて使用されるのRWMアドレスの上位データは「F0」の固定値である)、データ2を下位データとするRWMアドレスに記憶されるデータに対する判定値(ここでは「データ3」と称する)、上述のデータ2がデータ3一致するときに、試験信号として出力するためのデータ(ここでは「データ4」と称する)を備えている。さらに、試験信号データテーブル3においては、上述のデータ2~4が検査回数に対応する数だけ繰り返し配置されている。
そして、試験信号出力処理においては、検査回数の分だけ各判定対象データの出力有無を確認し、データ2とデータ3が一致する場合について、生成中の出力データとデータ4のデータを論理和演算し、最終的な出力データを生成して、試験信号出力ポートにセットする。
<<出力データ作成処理>>
上述の試験信号出力処理(図41)で実行される出力データ作成処理(S542、S545、S548)では、図42に示すように、出力データとして(0=00000000B)をセットし(S571)、検査回数をロードする(S572)。ここでは、試験信号データテーブル3(図45の「10B0H」)を例として説明するが、試験信号データテーブル3の場合、基底アドレスは「10B0H」であり、検査回数は5(=05H)となる。
さらに、基底アドレスを+1するが(S573)、基底アドレスは、「普通図柄ステイタスのアドレス(下位)」のアドレス(10B1H)となる。また、RWM下位アドレスとして基底アドレスの内容(「普通図柄ステイタスのアドレス(下位)」=11H)をロードし、基底アドレスを+1、判定データとして基底アドレスの内容(「普通図柄変動中ステイタス」=01H)をロードし、基底アドレスを+1する(S574)。
さらに、S574において、試験信号データテーブル3より「普通図柄変動中ステイタス」の値「01H」を判定値として呼び出し、基底アドレスを+1する。ここで、基底アドレスは、普通図柄1変動中信号ビットデータ(10B3H)の位置となっている。
さらに、RWMアドレスの内容(ここでは、S574でロードした、普通図柄ステイタスの下位アドレス「11H」と上位アドレスF0H(固定)、すなわち「F011H」に格納されているデータをロードする。)をロードし(S575)、ロードした値が判定データに一致するか否かの判定を行うが(576)、ここでは、RWMに記憶した普通図柄ステイタスと判定値を比較して一致しないか否かを判断する(S576)。そして、一致しているときには(S576:NO)、現在の基底アドレス(普通図柄1変動中信号ビットデータである「08H(=00001000B)」)のテーブルデータを、出力データに論理和する(S577)。ここで、出力データは、「00000000」+「00001000」の演算結果である「00001000B」となる。
続いて、検査回数を-1し(S578)、ここでは検査回数「5」から1を引いた「4」が得られる。さらに、減算結果が0でないか否かの判定を行い(S579)、減算結果が0でない場合には(S579:YES)、上記S573へ戻る。また、上記S579で、演算結果が0ある場合には(S579:YES)、処理を終える。上述の例では、減算結果が4であるので、上記S573へ戻り、基底アドレス+1の演算(S573)により、基底アドレスは「10B4H」(普通図柄ステイタスのアドレス下位)となる。
そして、このような処理が、上記S579で、演算結果が0となるまで繰り返される。また、上記S576で、RWMの記憶領域からロードした値がテーブルに記憶されている判定値と一致しない場合には(S576:YES)、上記S577の処理を行わず、上記S578へ移行する。
さらに、図45の試験信号データテーブル3(10B0H)に示した5個の判定対象について、RWMの記憶領域のデータとテーブルの判定値が一致しているものについて、テーブルのビットデータを出力データに論理和して加算して出力データが生成される(S577)。
出力されるビットデータは、図45の試験信号データテーブル3(10B0H)に示すように、普通図柄1変動中信号ビットデータは08H(=00001000B)、普通図柄1当たり信号ビットデータは04H(=00000100B)、普通図柄1当たり信号ビットデータは04H(=00000100B)、普通電動役物1作動中信号ビットデータは10H(=00010000B)、特別電動役物1作動中信号ビットデータは01H(=00000001B)となる。これらのうち、普通図柄1当たり信号ビットデータ(04H)と普通図柄1当たり信号ビットデータ(04H)は、制御上異なる遊技状態であるものの同一の信号を出力するために、判定値が異なるが同じ値を出力するものである。
<ソレノイド出力処理>
ソレノイド出力処理(S68)においては、普通電動役物ソレノイド及び大入賞口開放ソレノイドの出力データの出力(開閉出力)を行うため、普通電動役物ソレノイドの出力データの取得、大入賞口開放ソレノイドの出力データの取得、及び、出力データの出力を行う。普通電動役物ソレノイドの出力データの取得、及び、大入賞口開放ソレノイドの出力データの取得においては、それぞれ、ソレノイド作動フラグ及びソレノイド作動タイマの取得、出力データの取得、ソレノイド作動タイマの更新を順に行う。出力データの出力においては、取得した普通電動役物ソレノイドの出力データ、及び、大入賞口開放ソレノイドの出力データの論理和の結果をソレノイド出力ポートへ出力する。
<演出制御コマンド送信処理>
演出制御コマンド送信処理(S69)においては、演出制御基板へ送信するコマンドの送信要求を検査し、送信要求があると判断した場合、要求するコマンドデータを取得し、使用したコマンドバッファのクリアを行い、取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得、MODEデータの出力、MODEデータの保持、取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得、EVENTデータの出力を順次行う。コマンドデータの送出タイミングは、演出データストローブにより規定され、演出データストローブ信号のオン時間(ここでは2μs以上)の後の所定時間(ここでは46μs以上)が演出データ保持時間となっている。
コマンドの送信要求の検査においては、コマンド要求書き込み位置(領域)の値とコマンド要求読み込み位置(領域)の値を比較し、値が一致しない場合、コマンドの送信要求があると判断する。要求するコマンドデータの取得においては、コマンド要求読み込み位置に格納されたアドレス算出値と位置補正ビットデータの論理積の2倍値とコマンドバッファのアドレスを加算し、加算の結果、取得したアドレスの内容をコマンドデータとする。なお、コマンド要求読み込み位置に格納されたアドレス算出値の取得後、コマンドデータの読み込み位置の内容を更新するため、コマンド要求読み込み位置を+1する。コマンドバッファのクリアにおいては、コマンドバッファをクリアするため、取得したコマンドデータが格納されていたコマンドバッファを0でクリアする。
取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得においては、取得したコマンドデータ上位をMODEデータとする。MODEデータの出力においては、取得したMODEデータを演出コマンド出力ポートに出力した後、演出データストローブを出力するため、ストローブ出力処理を実行する。MODEデータの保持においては、MODEデータの保持のため、所定時間(ここでは46μs以上)ウェイトする。取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得においては、取得したコマンドデータ下位をEVENTデータとする。EVENTデータの出力においては、取得したEVENTデータを前述のものと同じ演出コマンド出力ポートに出力した後、演出データストローブを出力するため、ストローブ出力処理を実行する。
<外部情報出力処理>
外部情報出力処理(S70)においては、外部中継端子基板46の外部出力端子に出力する信号を作成し、作成した信号の出力を行う。外部情報出力ポートの構成には、外部情報1~外部情報6、及び、セキュリティを含み、残りの一つのビットは未使用である。外部情報1、外部情報3~外部情報6の作成においては、外部情報データテーブル(図45の「10F2H」)のアドレスを引数として出力データ作成処理(図42)を実行する。作成した信号の出力においては、作成した外部情報1~外部情報6及びセキュリティを外部情報出力ポートに出力する。
<メイン基板におけるその他の個々の制御処理態様>
<抽選判定処理>
次に、前述の抽選判定処理について説明する。この抽選判定処理は、確率データを用いて当選か否かを判定(大当り抽選判定を行う処理)する処理である。また、抽選判定処理は、前述の遊技進行割込み処理(図15)における、例えば特別図柄変動開始監視制御処理(S60)で行うようにすることが可能である。
図16は、当否に係る抽選判定処理の一例を示すフローチャートである。この抽選判定処理においては、まず、ステップS1022に進むと、メインCPU501は、当選番号データとして所定のレジスタ(例えばCレジスタ)に1をセットして、次のステップS1024に進む。ステップS1024に進むと、メインCPU501は、繰返し回数データとして2をセットして、次のステップS1025に進む。当選番号データは、「1」が大当りを示し、「2」が小当りを示すものとなっている。
ステップS1025に進むと、メインCPU501は、抽選テーブルから確率データを取得する。具体的には、メインCPU501は、遊技状態(確率変動状態か、通常確率状態か)、及び設定値に応じた確率データのアドレスを指定し、指定したアドレスに対応する確率データを抽選テーブルから取得して、レジスタに記憶する。そして、次のステップS1026に進む。ここで抽選テーブルは、1の当否抽選の結果として、異なる抽選結果毎に定められた、確率データ(乱数値範囲)が連続して格納されたRWMの記憶領域である。なお、連続して格納するとは、抽選に用いる乱数値の大きさが2バイト必要な場合は、1の抽選結果に対応する乱数値の大きさを保存したデータを2バイトずつのRWM記憶領域を使って連続させることを意味する。そして、ステップS1025では、後述するステップS1030の結果がNOとなり実行される場合には、次の抽選結果に対応する確率データを取得するため、確率データのアドレスの指定を次のアドレスとなるように更新し、更新後のアドレスに格納されている確率データを取得して次のステップS1026に進む。
ステップS1026に進むと、メインCPU501は、当否判定を行う。ここで、メインCPU501は、まず、始動口に入賞した際に取得した当否判定用のために乱数値を、抽選時用の比較レジスタに記憶し、次に、ステップS1025で取得した確率データに記憶された値を比較レジスタの値から減算し、新たな比較レジスタの値とする。このようにして、比較レジスタの値を更新する。
次のステップS1027では、メインCPU501は、当選したか否かを判断する。ここで、比較レジスタの値から確率データ(同一の抽選結果となる置数範囲、乱数値の大きさのことであり、図9に例示される当否乱数の幅の値)を減算することにより、取得した乱数値から確率データの置数範囲を減算した値が「0」より小さくなると(桁下がりが発生すると)、フラグレジスタのキャリーフラグに「1」がセットされる。そして、ステップS1027では、メインCPU501は、キャリーフラグに「1」がセットされているか否かを判断することにより、当選したか否かを判断する。
ここで、キャリーフラグに「1」がセットされていないとき、すなわち当否抽選の際に、ある抽選結果の範囲に乱数値が属しないと判断したときは、メインCPU501は、当選しなかった(S1027:NO)と判断し、次のステップS1028に進む。これに対し、キャリーフラグに「1」がセットされているときは、メインCPU501は、今回判定した抽選結果に当選した(S1027:YES)と判断し、ステップS1028~S1033をスキップして、本フローチャートによる処理を終了する。ここで、ステップS1027で「YES」のときにセットされている当選番号データが抽選判定で決定された当選番号(例えば、当選番号1であれば大当り、当選番号2であれば小当り)を示すこととなる。
次のステップS1028では、メインCPU501は、次回の抽選(キャリーが発生しなかった、減算後の乱数値から、次の抽選に用いる乱数値範囲の確率データで抽選処理をすること)の結果に対応するように当選番号データを更新する。具体的には、メインCPU501は、当選番号データの値に「1」を加算して、新たな当選番号データの値とする。すなわち、当選番号データの値を更新する。このようにすることで、例えば当選番号1である大当りの抽選が終わった後に、次の抽選テーブルに存在する乱数値範囲での抽選結果(例えば当選番号2の小当り)に当選した際の結果として取得される情報を更新する。そして、次のステップS1029に進む。
ステップS1029に進むと、メインCPU501は、繰返し回数データを更新する。具体的には、メインCPU501は、繰返し回数データの値から「1」を減算して、新たな繰返し回数データの値とする。この「繰り返しデータ」は、取得した乱数値から、確率データを有する抽選テーブルの乱数値範囲を用いて何回抽選処理を行うか(最大で何回取得した乱数値または抽選処理による減算後の乱数値から新たな確率データである乱数値範囲を用いて抽選処理を行うか)を示すデータであり、抽選テーブルの抽選結果の種類より1だけ少ない数に設定される(最後の確率データまでキャリーが発生しなかった場合は、最終データの抽選結果となることが確定的なため)。そして、ステップS1029が完了すると次のステップS1030に進む。
ステップS1030に進むと、メインCPU501は、繰返し回数が終了したか否か(最後の確率データに対応する抽選結果となるかが確定的となったか)を判断する。具体的には、メインCPU501は、繰返し回数データの値が「0」か否かを判断する。ここで、繰返し回数データの値が「0」であるときは、繰返し回数が終了したことを示し、繰返し回数データが「0」でない(「0」より大きい)ときは、繰返し回数が終了していないことを示す。そして、ステップS1030では、メインCPU501は、繰返し回数データの値が「0」かを判断することにより、繰返し回数が終了したか否かを判断する。
ここで、メインCPU501は、繰返し回数が終了した(S1030:YES)と判断したときは、次のステップS1033に進む。これに対し、Bレジスタの値が「0」でないときは、メインCPU501は、繰返し回数が終了していない(S1030:NO)と判断し、ステップS1025に戻る。
また、ステップS1030で「NO」のときは、前回と異なる抽選結果の確率データを用いて、再度、ステップS1026の当否判定が行われることとなる。次のステップS1033では、メインCPU501は、当選番号データの値に非当選データである「00(H)」をセットして、本フローチャートによる処理を終了する。(本実施例では、最終の抽選処理を終えても当選しなかった場合にセットされる値が、はずれに対応するものであるため、非当選データ「00(H)」をステップS1033にてセットするように構成するが、抽選処理の結果当選しなかった場合に、大当り、小当りとすることも可能である。)
以上のように構成することにより、ステップS1028で記載したように、当選番号データを更新する処理が抽選判定処理内にあるため、当選番号データを抽選テーブルに記憶しておく必要がない。また、繰返し回数及び抽選テーブルの記憶される抽選結果毎の確率データを順番に用いて当選番号を決定することにより、乱数値ごとに抽選結果を定めるように抽選テーブルを定める必要がなくなるため、抽選テーブルによるROMの使用量を削減することができる。また、本例においては抽選判定を、特別図柄の当否判定を例に説明しているものであるが、同一の処理モジュールを用いて、変動パターンの決定や、特別図柄の停止表示図柄の決定、その他、普通図柄に係る抽選を実行することも可能である(ただし、判定する乱数の大きさが1バイトであるか、2バイトによっては、当否判定を行う際に減算する処理が異なるため別モジュールで構成される場合がある)。
なお、本例においては、小当りと大当りに対応する当選番号を1ずつ設け、当り時には別途取得する図柄乱数によって大当りや小当りの種別を決定したが、本処理によってこれらの種別を決定することも可能である(当選番号1は10R確変大当り、当選番号2は6R確変大当り、当選番号3は6R通常大当りとする、など)。その場合には、ステップS1024の繰返し回数データの値を種別の数に応じて変更し、当選番号毎の確率データ(当選番号毎に対応する範囲値)を設定すれば同一の判定ルーチンで対応することも可能である。また、「はずれ」に対応した当選番号を有するように構成し、適宜に大当りや小当りとなる当選番号の前後に配置するように構成することも可能である。
<<コマンド送信タイミングに係る制御態様>>
本実施例では、メイン基板102からサブメイン基板301に出力される演出制御コマンドは、送信の前に、コマンド要求により、コマンドバッファに一旦格納される。コマンドバッファは、複数のバッファをリングバッファとして機能させたものであり、コマンド送信のための制御処理(ここでは演出制御コマンド送信処理(S69))において、コマンドバッファに蓄積された順に、1回の遊技進行割込み処理で1コマンド(MODEデータとEVENTデータのセット)ずつ、コマンドバッファから取出されて送信される。なお、優先順位が高く設定されたコマンドから先に送信するような手法も採用可能である。また、各種の制御処理において、送信が必要となったコマンドが発生した場合に、随時コマンド送信を行うことも可能である。このような手法を採用した場合には、1回の遊技進行割込み処理中に、例えば演出制御コマンド送信処理(S69)のような一つの制御処理モジュール内で集約的に演出コマンドの送信が行われるのではなく、コマンド送信の必要が生じる都度、各制御処理モジュール内で、逐次的にコマンド送信が行われることになる。このため、コマンド送信が次回以降の遊技進行割込み処理に持ち越されるといった事態が生じ難い。そして、例えば始動入賞時のコマンドや、特別図柄の変動開始時のコマンド送信に遅れを生じることがなく、迅速なコマンド処理が可能となる。
<<電源断処理>>
次に、電源断が生じた場合に実行される電源断処理について説明する。図17に示すように、電源断処理においては、全使用レジスタのデータをRWMに退避し(S81)、電源断前の割込み許可/禁止の状態を保存する(S82)。さらに、RWMに電源投入正常の情報が保存されているか否かが判定され(S83)、保存されていない場合には(S83:NO)、電源断異常の情報をRWMに保存し(S84)、RWMアクセス禁止の処理(S88)へ移る。一方、保存されている場合には(S83:YES)、スタックポインタの値をスタックポインタバッファに保存し(S85)、電源断正常の情報をRWMに保存し(S86)、RWMのチェックサムを算出し、チェックサムデータを保存する(S87)。そして、RWMをアクセス禁止とし(S88)、制御処理をループさせながらCPU501のリセットを待つ。
また、この電源断処理においては、前述した第1再帰情報及び第2再帰情報の双方の設定が済んでいなかったとしても、CPU501が強制再帰手段として機能し、第1再帰情報及び第2再帰情報の設定が行われ、割込み処理時間監視手段の監視用計時が強制的に初期化され、計時が再帰させられる。さらに、この強制的な第1再帰情報及び第2再帰情報の設定は、本実施例では、電断処理開始直後であって、全使用レジスタの退避の処理(S81)よりも前のタイミングで行われている。そして、電力供給が再開された場合には、監視用計時が再帰した状態で、制御処理が開始される。つまり、電源断発生時に監視用計時を強制的に再帰させておくことにより、電力供給を再開した直後の制御処理において、監視用計時が再帰しないまま、制御処理が進行することを防止できるようになっている。
<<保留記憶の更新に係る制御態様>>
本実施例では、前述のように、第1遊技と第2遊技との間に優先順位を設けない構成が採用されており、さらに一方の遊技が実行中に他方の遊技を実行可能とする並列遊技を採用しており、それぞれの遊技が始動入賞が発生した順に保留記憶が消化される。そして、消化に応じた保留記憶情報の更新、複数の遊技の合計保留数の更新、及び、入賞順序の記憶を行うことにより、全体として、保留記憶された情報の更新を行う。しかし、これに限定されず、例えば、第1遊技を優先する構成や、第2遊技を優先する構成を採用することも可能である。
また、本実施例では、保留記憶が更新されたことをサブメイン基板301に伝えるため、前述のように図柄記憶数コマンド(図柄1記憶数コマンドや図柄2記憶数コマンド)の要求が行われるが、1つのコマンドに図柄1記憶数コマンド、及び、図柄2記憶数コマンドの双方を含めることにより、必要なプログラムやメモリの容量を削減できる。
<<変動パターンの抽選に係る制御態様>>
続いて、変動パターンの抽選に係る各種態様について説明する。ここで説明する変動パターンの決定の態様は、一のぱちんこ遊技機10において、いずれかが選択されて適用されてもよく、或いは、適宜併用されていてもよい。そして、複数の態様を併用する場合には、例えば、当否結果等の要素に基づき、態様の使い分けを行うことが可能である。
本実施例では、変動パターンの決定には、前述のように、当否結果、保留球数、特別図柄(図柄群の場合もある)、及び、変動パターン選択状態(特別図柄のステイタス情報)が決定要素として用いられているが、これらの決定要素の組合せに対応した変動パターンテーブルが選択される。そして、変動パターンテーブルの決定に伴い、変動パターン乱数を使用して変動パターンと紐付けされ対になっている変動時間が決定される。さらに、本実施例では、変動パターンの決定に関し、当否抽選の結果が大当りの場合と、はずれの場合とで、変動パターンテーブルを異ならせることが行われている。すなわち、大当りの場合には、保留球数などの特別図柄のステイタス情報、特別図柄(群)、当否乱数を基に、これらに紐付けされた中から変動パターンテーブルが選択される。一方、はずれの場合には、遊技状態、特別図柄、保留球数、当否乱数を基に、これらに紐付けされた中から変動パターンテーブルが選択される。このうち、大当りの場合で、演出上の再抽選の時間が付与される変動パターンについては、演出状態(特定の演出の有無など)と、特別図柄群とに基づき、再抽選の時間の付与の有無が決定され、決定された結果が、メイン基板102からサブメイン基板301へ送信される。
また、変動パターン及び変動時間の決定に際して、決定された変動パターン番号に応じた変動付加情報を決定し、変動付加情報により、後続的な変動時間の決定を行うことが可能である。例えば、選択された変動パターンが、限定頻度パターン演出に対応したものである場合に、それに応じた変動時間の延長分を事後的に決定するといったことが考えられる。
また、前述のように特別図柄の図柄変動開始時のコマンドとして変動付加情報のコマンドを設定することにより、サブメイン基板301にて、遊技状態や当り図柄といった要素に関係づけて先に決定した変動時間に、後発的に付加時間を加算する演出が行うことができる。そして、この様な態様で、総合的な演出図柄の変動時間を決定する場合には、以下のように、予め設けられる変動パターンの数を少なく抑えつつ、多様な変動パターンを作成することが可能である。すなわち、前述の疑似連続予告(所謂「疑似連」)を行う場合について考えれば、疑似連の変動パターンを単に個別に設定した場合には、演出の種類数と同じ数の変動パターンを予め設けておく必要がある。そして、このように全て個別にメイン基板102にて決定する変動パターンに対してサブメイン基板301での演出図柄等の演出パターンを用意した場合には、メイン基板102における変動パターンの合計数が大となって、例えば256個を超えるほどの数に達することも考えられる。このため、多数の変動パターンに対して識別可能な符号を与えるためには、従来よりも符号を表すためのビット数やバイト数を増やす必要が生じてしまう。
しかし、変動付加情報(変動付加パターン)を用いることにより、相対的に少ない数の基本の変動パターンに対し、例えば乱数抽選した変動付加情報を繋げて、事後的に変動パターンを形成することが可能である。そして、このことにより、変動パターンの組合せにより新たな変動パターンを形成できるので、予め設けておく変動パターンの数を過大とすることなく、多様な変動パターンを作成できる。なお、変動付加情報に係る乱数値も、先読み演出用のコマンドとして、始動入賞発生時に、メイン基板102からサブメイン基板301に送信することが可能である。また、限定頻度パターン演出が実行される場合に変動付加情報の付加が行われ易くなるよう、変動付加パターンの出現確率を設定しておくことなども可能である。なお、変動付加情報を用いる例を更に挙げれば、演出図柄190の組合せとして最初から確変図柄である「777」が表示された場合には変動付加情報の設定は行わず、演出図柄190の組合せとして、一旦非確変図柄である「666」が表示された場合には、「777」に昇格させるか否かの結果が表示されるまでの演出(例えば、揺れ変動の演出や、変動態様の展開を表す演出など)を、変動付加情報を設定して行う、といったことがある。
また、本実施例では、変動パターンは、保留球数を要素として決定されており、保留球数が幾つであるかに応じて、参照される変動パターンテーブルが異なる。変動パターンテーブルは、保留球数0~4に対応して設けられている。保留0~3の4つだけではなく、保留4に対応する変動パターンテーブルが設けられているのは、以下の理由による。例えば、保留球数が4つの状況から新たな変動表示が開始され、保留球数が3となった場合を考える。その時点で実行されている遊技進行割込み処理中の、未だ制御処理が、後の遊技進行割込み処理中の処理である変動パターンの決定に至らない段階において、保留球数が3となっている状態から新たな始動入賞が発生すると、変動パターンの決定時には、保留球数が加算されて4となっている。したがって、このような状況も変動パターンの決定の要素とし得るよう、保留球数0~4に対応して変動パターンテーブルが設けられているのである。
ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、変動パターンテーブルは、保留球数0~3に対応して設けるようにしてもよい。この場合、制御処理上、保留球数3の状態から変動パターンの決定までの間の始動入賞が加算されない構成とすることが可能である。なお、いずれの態様についても、4個以外の最大保留数(例えば8)が設定されたタイプのぱちんこ遊技機にも適用が可能である。
また、変動パターン乱数の取得タイミングとしては、変動パターン抽選時とすることが可能である。すなわち、変動パターン乱数は、特別電動役物等の役物作動に係る乱数ではないので、適正な遊技を行うための要素としては、当否乱数などに比べて、例えば公正な遊技を目指すうえでの制約を設ける必要性が低くなる。したがって、始動入賞時には敢えて変動パターン乱数の取得はせず、例えば、別途設けられたタイミングとして変動パターン抽選時に、変動パターン乱数を取得し、記憶することが考えられる。このようにすることにより、始動入賞時に記憶すべき情報の数を減らすことができ、プログラムやメモリの容量削減が可能となる。
なお、本実施例では、疑似連に係る変動付加情報が定められており、疑似連の演出が、基本となる変動パターンに係る変動時間に、変動付加情報の変動時間を付加して行われる場合がある。さらに、疑似連に係る変動付加情報は、疑似連の演出が行われる場合以外にも流用することが可能である。
<<図柄の指定に係る制御態様>>
図柄の抽選にあたり、図柄乱数(数値範囲が0~999)を示す2バイトデータの上位バイト(「0」~「3」)の値に基づき使用する図柄判定テーブルを決定し、その後、図柄乱数の下位バイトの値に基づき、決定した図柄判定テーブルから図柄を決定することなども可能である。そして、このようにすることにより、当否抽選の方法とは異なり、図柄乱数の下位バイト(1バイトデータ)との比較で抽選処理を行うことができ、図柄判定テーブルのデータを1バイトデータの連続したRWM記憶領域で構成できるため、メモリやプログラムの容量を削減できる。また、当り図柄(図柄群であってもよい)に対してラウンド数や時短回数等の遊技状態の振分けを行い、当り図柄に応じて、その後のラウンド数や時短回数、大入賞口の開放時間や開放パターン等が決定されるようにしてもよい。このようにすることにより、遊技状態の固有のデータの記憶や制御処理を行う必要がなく、メモリやプログラムの容量を削減できる。さらに、メイン基板102からサブメイン基板301へ当り図柄等を伝えるコマンド(例えば、本実施例では、図柄1演出パターン、図柄2演出パターンの各コマンド)を送信する。
このように、メイン基板102は、サブメイン基板301に対し、第1遊技および第2遊技の開始時(特別図柄の変動開始時)に、当否抽選の結果、変動パターン抽選の結果、図柄抽選の結果を含むコマンド群を送信するものである。コマンド群には、遊技状態を伝える情報(遊技状態指定情報)を付加することも可能であり、サブメイン基板301の側で、何らかの事象(瞬間的な電断、ウォッチドッグタイマ監視異常など)によりリセットが行われ、演出を実行するために記憶していた遊技状態情報が無くなってしまった場合でも、新たな特別図柄の変動開始時に、表示すべき遊技状態を識別可能となる。これらのコマンドは、作成されてから直ぐにサブメイン基板301へ送信されるものではなく、作成されて一時記憶され、所定のタイミングを待ってからサブメイン基板301へ送信されるものである。
<<特別図柄と演出図柄の変動時間の関係>>
前述のように、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)と、これに対応した演出図柄190とは、互いに同期して変動開始及び変動停止するよう制御されるものであるが、状況によっては、演出図柄190の変動時間が、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動時間に対してある程度短くなり得るものである。
すなわち、特別図柄の変動や変動パターンの決定がされ、特別図柄の変動が開始される際に、メイン基板102からサブメイン基板301に対し演出図柄の変動開始コマンド(変動開始時のコマンド)が送信されるが、所定のコマンド(例えば変動開始時のコマンドの最初のコマンド)の送信及び受信に要する時間や、コマンドバッファ(本実施例ではリングバッファタイプが用いられている)にセットされ待機しているコマンド(先入れのコマンド)が全て送出されるまでの時間などの影響を受け、その分、演出図柄の変動開始が特別図柄の変動開始よりも遅延することが考えられる。さらに、特別図柄の変動停止時には、変動停止コマンド(特別図柄の図柄確定時のコマンド)がサブメイン基板301に送信されるが、所定のコマンド(例えば図柄確定時変動開始時のコマンドの最初のコマンド)の送信及び受信に要する時間や、コマンドバッファの混み具合(送信待機中のコマンドの数の程度)により、演出図柄の変動停止が遅延することも考えられる。
このように、演出図柄の変動時間は、変動開始時に送信されたコマンドに基づき特別図柄の変動時間に対してある程度のタイムラグを考慮して設定するようにし、揺れ変動を行うことによって、特別図柄が次の変動を開始した後に最後の図柄が停止表示されるといった事態を避けるようにしている。なお、変動終了時にメイン基板102からサブメイン基板301へ送信されるコマンドの数により処理が遅延するが、変動終了時は変動開始時に比べてサブメイン基板301に対して送信されるコマンドが少なく設定されているため、遅延量が抑えるとともに、特別図柄の表示固定時間中(0.5秒程度)に演出図柄をほぼ確実に固定できるようになっている。
<<当否抽選結果の事前判定>>
先ず、本実施例においては、図9(a)に示すように、第1抽選及び第2抽選における当否乱数値範囲は「0~65535」であり、この当否乱数値範囲「0~65535」を、図示は省略するが、複数の乱数値範囲(例えばA~Nなど)に区分けすることができる。
例えば、当否乱数値範囲は「0~65535」のうち、「0~204」は先読みコードAの分類に属し、「205」は先読みコードBの分類に属し、当否乱数値「206」~「209」は、それぞれ先読みコードC~Fの分類に属する、等といったように割り当てを行うことが可能である。なお、ここでの説明は、前述したように、設定「1」における通常時大当りの置数範囲が「0」~「204」であるのに対し(図9(a))、設定値が「2」~「6」に増加するごとに置数範囲の上限が「205」~「209」へ「1」ずつ変化するように設定されていることを前提としている。
そして、先読みコードAは設定値に関わらず、全設定で当り(大当り)となるものとし、先読みコードBは、設定値が「2」以上である場合に、通常時であっても確変時であっても当りとなるものとする、といったことが可能である。この場合、先読みコードBは、設定値「2」以上であれば通常確率時でも高確率時でも当りを示すこととなるが、設定値が「1」の場合ははずれを示すものとなる。さらに、先読みコードC~Fは、設定値が「3」以上~「6」であれば、確率状態に関わらず、通常時及び高確率時の両方で当りとなる、といったようにすることが可能である。
このように分類されグループ化された先読みコードを用いて、例えばメイン基板102で、取得した乱数値が属する先読みコードを判定し、判定した先読みコードに対応する情報(コマンド)を前述の事前通知情報としてサブメイン基板301へ送信することが可能である。そして、サブメイン基板301の側では、保留の消化を待つことなく、先読み演出として当り予告演出を、当否判定結果に関連して行うことが可能となっている。
また、本実施例においては、特別図柄の種類の事前判定や、特別図柄に係る変動パターンの種類の事前判定にも、上述した当否抽選の結果の場合と同様に、乱数値範囲に基づく判定が行われるようになっている。そして、特別図柄の種類や、特別図柄に係る変動パターンの種類は、当否抽選の結果の種類に比べて多数設けられており、先読みコード数(グループ数)も、当否抽選の場合に比べて多くなっている。しかし、乱数値範囲に基づく事前判定の手法としては、乱数値範囲や、グループ化される抽選結果の種類は異なるものの、前述したような当否判定に係る事前判定と同様に行うことが可能である。したがって、ここでは、図柄予告演出やパターン予告演出についての、乱数値範囲に基づく事前判定についての詳細な説明は省略する。
このような乱数値範囲に基づく事前判定を行うことにより、情報のまるめが可能となり、少ない情報量で、事前判定に係るコマンドを作成することが可能となっている。つまり、乱数値の個数が256個を超える場合には、乱数値を表記するために必要なバイト数が1バイトを超えてしまう。このため、事前判定のために、乱数値の情報をそのまま(生情報として)サブメイン基板301に送信したとすると、どの乱数を送信したかを識別するための情報をMODEで送信し、乱数をEVENTに格納して送信するために2バイト構成のコマンド(MODE、EVENT)を、乱数値を通知するために2回に分けて送信しなければならない場合が生じる。
しかし、本実施例のように、取得した乱数値が属する範囲を示す情報に変換してサブメイン基板301に送信することにより、送信する情報量を乱数値の個数よりも減らすことができ、乱数値の個数が256個(1バイト)を超える場合であっても、1バイトの情報量で、取得した乱数値の属性をコマンド化することが可能となる。なお、メイン基板102の側において、先読み情報を送信したくない状況が生じる場合に備え、その旨(例えば不定であることや、未判定であること)を示すコードを設けておき、当該コードを示すコマンドをサブメイン基板301の側へ送信することも可能である。
また、上記では事前判定結果として、抽選結果が推定できる情報を送信する実施例を示したが、メイン基板102では取得した乱数値に対し何ら判定することなく、保留として格納する乱数値をサブメイン基板301へ送信し、サブメイン基板301において先読み演出を行うか否かの事前判定を行う仕様であってもよいし(事前判定に係る変形例1)、上記のように事前判定用のテーブルを設けず、変動開始時に抽選に用いる抽選テーブル自体(当否抽選テーブル、変動パターンテーブルなど)か、それと同等のテーブルを用いて抽選処理した結果をサブメイン基板301に対して事前判定結果として通知するものであってもよい(事前判定に係る変形例2)。
<大入賞口の作動状態と作動中信号との関係>
次に、大入賞口92(前述の特別電動役物)に係る作動状態と作動中信号との関係について説明する。先ず、大入賞口92に係る作動中信号(大入賞口作動中信号)は、前述の試験信号出力処理(S67)により出力のための処理が行われ、試験信号として、ぱちんこ遊技機10から機外に出力される信号である。そして、この大入賞口作動中信号は、前述の特別電動役物1作動中信号ビットデータにより、そのオン・オフの状態が示されるものである。なお、以下では、大入賞口作動中信号を「特別電動役物1作動中信号」と称する。
図50(a)~(d)には、本実施例における大入賞口92と特別電動役物1作動中信号との関係をタイムチャートによって示している。図50(a)~(d)中、最上段に示す「特電」は、大当りや小当りが発生した場合の特別遊技の進行状況の変化を、左から順に時系列で示している。例えば、図50(a)における「特電」のチャートについて、左端に示す「当り待ち」は、大当りや小当りが発生する前の状況(当り待ちの状況)であることを表している。さらに、「当り待ち」の右側に示す「開始デモ」は、大当りや小当りが発生して、特別遊技に係る開始デモの演出が実行される状況であることを表している。
また、「開始デモ」の右側に示す「1R」は、大当り遊技における特別遊技として、最初の単位遊技となる1ラウンド目を示している。さらに、「1R」の後には「2R」~「4R」が続くが、図50(a)、(b)では、「2R」~「4R」の図示は、一部を除いて省略している。
さらに、図50(b)~(d)において、「5R」は5ラウンド目の単位遊技が行われている状況であることを表しており、「7R」は7ラウンド目の単位遊技が行われている状況であることを表している。また、「最終R」は、大当りの種類に応じて定められている総ラウンド数のうち、最終のラウンド数目の単位遊技が行われている状況であることを表している。なお、図50においては、大当りした場合について示したものであるが、小当りの場合は「1R」が「最終R」として扱われる。
さらに、図50(d)において、「最終R」の右側に示す「終了デモ」は、大当りや小当たりの終了に伴い、特別遊技に係る終了デモの演出が実行される状況であることを表している。そして、図50(d)では、「終了デモ」の状況の後、再び前述の「当り待ち」の状況になることを示している。なお、図中のタイムチャートにおける時間間隔(横方向の長さ)の関係は、正確なものではなく、図示や説明を容易にするために便宜上定められたものである。
続いて、図50(a)~(d)の次段(上から2段目)に示す「特電遊技ステイタス」は、最上段の「特電」の各状況に対応した特電遊技ステイタス(特電遊技ステイタス)の値を示している。つまり、最上段の「特電」の状況が、大当りの状況でない場合には、前述した特電遊技ステイタスの値は、前述した当り待ちステイタス(0)となっている。そして、図50(a)中の左端や、図50(d)中の右端の部位では、当り待ちステイタス(0)の状況であることを「当り待ち中(0)」と示している。
さらに、大当りが発生し、「特電」が「開始デモ」の状況となる際には、特電遊技ステイタスの値は、大入賞口閉鎖中ステイタス(3)となっている。そして、図50(a)~(d)では、大入賞口閉鎖中ステイタス(3)の状況であることを「閉鎖中(3)」と示している。「最終R」を除く大入賞口閉鎖中ステイタスの後においては、特電遊技ステイタスの値は、大入賞口開放準備中ステイタス(1)となっている。そして、図50(a)~(d)では、大入賞口開放準備中ステイタス(1)の状況であることを「準備中(1)」と示している。なお、図中では、文字表記のためのスペースが足りない箇所については、例えば、「準備中(1)」を(1)とするなどのように、特電遊技ステイタスの値を括弧付きの数字によって示している。
また、「特電」が「1R」が開始された際には、特電遊技ステイタスの値は特別電動役物作動中ステイタス(2)となっており、図50(a)では、特別電動役物作動中ステイタス(2)の状況であることを「作動中(2)」と示している。さらに、「1R」の終盤では、特電遊技ステイタスは「閉鎖中(3)」となり、その後、「2R」目の単位遊技の直前で、特電遊技ステイタスは「開放準備中(1)」となる。
この開放準備中(1)の期間は、遊技進行割込みの回数に基づき定まるものとなっている。そして、本実施例では、開放準備中(1)の期間は、前述したように、2回の遊技進行割込み処理の実行が判定されると終了するようになっている。このため、開放準備中(1)の期間は、遊技進行割込み処理(ここでは4ms)の2回分に相当する約8msとなる。
大当り遊技に係る「2R」目以降についても、図50(b)の「5R」目や、図50(c)の「7R」目に示すように、特電遊技ステイタスは、作動中(2)となった後、ラウンドの終盤に閉鎖中(3)を経て、開放準備中(1)となる。そして、「特電」の作動状態が「最終R」の場合には、特電遊技ステイタスは、図中に示すように、作動中(2)から閉鎖中(3)に変化するが、他のラウンドのような開放準備中(1)とはならない。ここで、「最終R」の場合に開放準備中へ移行しない理由は、図38に示した大入賞口閉鎖中処理において、「最終R」後であるか否かで処理を異ならせていることに起因している。
さらに、特電遊技ステイタスは、「特電」の作動状態が「終了デモ」となる際には、図50(d)に示すように終了デモ中(4)となっている。また、特電遊技ステイタスは、「特電」の作動状態が「当り待ち」に移行した際には、当り待ち中(0)となっている。
続いて、図50中の次段(上から3段目)に示す「大入賞口」は、前述の大入賞口92の開閉状態を、上述の「特電」や「特電遊技ステイタス」に関連付けて示している。この「大入賞口」のチャートにおいては、大入賞口92の開放状態をチャートの立ち上がりで示しており、閉鎖状態をチャートの立ち下がりで示している。
前述の「特電」に係る状況が「開始デモ」の終盤となる状況において、「特電遊技ステイタス」が開放準備中(1)から作動中(2)に変化し、大当り遊技の1R目が開始される際に、大入賞口92は開放する。また、「特電遊技ステイタス」が、1R目の終盤で閉鎖中(3)に変化すると、「大入賞口」の状態が、チャートの立ち下がりで示すように「閉鎖」中となる。
そして、1R目の終盤において、「特電遊技ステイタス」が閉鎖中(3)に変化してから、所定時間(ここでは3000ms)が経過するまでの間(具体的には特電遊技タイマの値が「2」となったとき)に、「特電遊技ステイタス」が開放準備中(1)に変化する。さらに、開放準備中(1)の期間(約8ms)が経過すると、「特電遊技ステイタス」が作動中(2)に変化し、大入賞口92が2R目の開放を開始する。
ここで、「特電遊技ステイタス」が閉鎖中(3)に変化してから、開放準備中(1)に変化し、開放準備中(1)が終了するまでの期間(1R目に関しては上述の3000msの期間)は、「大入賞口閉鎖中期間」等と称することが可能である。
また、図50(a)~(d)に示す例では、大入賞口92は、1回のラウンド中に複数回連続して開放する場合がある。例えば、「5R」では、5R目の開始のタイミング(4R目の開放準備中(1)が終了したタイミング)で「大入賞口」が開放中となり、所定期間の開放の後、チャートの立ち下がりで示すように、一旦閉鎖中となる。そして、所定期間の閉鎖の後、再度「大入賞口」が開放中や閉鎖中となる。
この大入賞口92における複数回の開放(連続作動)が行われる間、「特電遊技ステイタス」は作動中(2)のままとなっている。そして、最後の「開放」(ここでは5R目における2回目の開放)が終了するか、終了条件となる入賞が発生したタイミングで、「特電遊技ステイタス」は閉鎖中(3)となっている。
また、図50(a)~(d)に示す例では、特定のラウンドで「特電遊技ステイタス」が閉鎖中(3)となり、開放準備中(1)を経て、次回のラウンドに係る作動中(2)となるまでの期間(前述の大入賞口閉鎖中期間)は、一律ではなく、何ラウンド目の状況であるかに応じたものとなっている。
例えば、図50(a)に示す「1R」から「2R」へ移行する際の大入賞口閉鎖中期間は3000msとしているが、例えば、図50(b)に示す「5R」から「6R」へ移行する際の大入賞口閉鎖中期間は、図中に示すように、2500msとなっている。さらに、「7R」から「8R」に移行する際の大入賞口閉鎖中期間は、図中に示すように、600msとなっている。なお、本実施例における大入賞口閉鎖中期間の最小値は600msとしているが、これは、特別電動役物作動中(大入賞口92の開放中)に大入賞口内へ入球した遊技球が次のラウンドの有効球として扱われないよう、そのラウンドの有効球として検出されるまでの理論値(大入賞口92の構造による)が十分に収まる範囲で設定されている。
これらの大入賞口閉鎖中期間にメイン基板102のCPU501が行う処理には、そのときのラウンドに続くラウンド(次のラウンド)があるか否かの判定を行う処理が含まれている。このため、大入賞口閉鎖中期間は、例えば、「次ラウンド判定期間」、或いは、「ラウンド間大入賞口閉鎖期間」などとも称することが可能なものである。
また、図50(d)の例では、「最終R」において、「特電遊技ステイタス」が閉鎖中(3)となってから終了デモ中(4)となるまでの期間も、他のラウンドと同様に大入賞口閉鎖中期間としており、メイン基板102のCPU501が、次のラウンドがあるか否かの判定を行うようになっている(図38)。そして、この「最終R」における「大入賞口閉鎖中期間」は、図50(d)の例では600msとなっている。そして、この「最終R」については、大入賞口閉鎖中期間に、「特電遊技ステイタス」が開放準備中(1)となる期間は含まれないようになっている。
ここで、本実施例では、「最終R」における大入賞口閉鎖中期間を設けることで、次のラウンドがあるか否かの判定を行うための時間を担保しているが、図50(d)にも示すように、大入賞口閉鎖中ステイタス(3)から大当り終了デモ中ステイタス(4)へ移行する際に有効期間の延長期間(5000ms)が設定されるため、この「最終R」における大入賞口閉鎖中期間を設けず、省略することも可能である。なお、大入賞口閉鎖中期間を「省略する」とは、「最終R」後に大入賞口閉鎖中ステイタス(3)に移行する際に特電遊技タイマに「0」(または「1」)をセットすることで、大入賞口閉鎖中ステイタスに設定された後の次の割込み処理で、大当り終了デモ中ステイタス(4)へ移行することを意味しており、全く処理が存在しないということはない。
続いて、図50(a)~(d)中の次段(上から4段目)に示す「大入賞口有効期間」は、大入賞口92の有効期間(大入賞口への入球に対して賞球を付与する期間)を示している。この大入賞口92の有効期間は、前述の大入賞口有効期間設定処理(S59)等で設定されるものである。大入賞口有効期間設定処理(S59)においては、(ア)特電遊技ステイタス≠0、または(イ)大入賞口有効延長タイマ>0のいずれかの条件を満たす場合に有効期間として設定される。図50(a)~(d)においては、この「大入賞口有効期間」のチャートの立ち上がっている期間が、大入賞口92の有効期間となっており、チャートの立ち下がっている期間が、大入賞口92の非有効期間(「無効期間」と称することも可能である)となっている。
図50の例では、図50(a)に示すように「開始デモ」が開始されてから、図50(d)に示す「終了デモ」の開始以降まで、大入賞口92の有効期間が継続している。さらに、図50(d)の例では、「最終R」時には、準備中(1)のステイタスに移行することがなく、「特電遊技ステイタス」は、閉鎖中(3)に続いて終了デモ中(4)となる。
さらに、図50の例では、大入賞口92の有効期間は「終了デモ」の開始後に所定期間(前述した大入賞口有効延長時間の5000ms)が経過するまで、有効期間が継続している。そして、大入賞口92の有効延長期間は、「終了デモ」中に終了する場合もあるが、この場合には、「終了デモ」の終了後の「当り待ち」が開始とともに大入賞口の有効期間が終了する場合もあるようになっている。
つまり、上述の「終了デモ」は、大当り図柄の種類や遊技状態などの要因に応じ、サブメイン基板301で行うべき演出に応じて、予め定められた時間に亘り実行される。そして、前述した「特電遊技ステイタス」が終了デモ中(4)となっている時間は、「終了デモ」に要する時間に対応している。この「終了デモ」の時間は、一律ではなく複数種類あり、例えば、大当り図柄の種類に応じて、5秒(5000ms)以上のものや、5秒未満のものなどがある。
そして、「終了デモ」の開始以降における大入賞口の有効期間の管理には、2種類のタイマが用いられている。これらのうち1つ目は、「終了デモ」の時間の計時に用いられるタイマ(特電遊技ステイタス管理用のタイマ)である。また、2つ目は、上述の大入賞口92に係る有効延長期間(ここでは5000ms)を管理するためのタイマ(図38のS479やS480に示す大入賞口有効延長タイマ)である。
これらのタイマに係るRWM領域は、RWM上の異なるアドレスに分けて確保されている。そして、上述の特電遊技ステイタス管理用のタイマの値が、例えば0になると、「終了デモ」が終わって、「特電遊技ステイタス」が当り待ち(0)となる。また、大入賞口有効延長タイマの計時は、特電遊技ステイタス管理用タイマと同時に開始され並行して行われる。
さらに、特電遊技ステイタス管理用タイマが0となり、終了デモ中(4)の期間が終わると、「特電遊技ステイタス」は当り待ち(0)に制御される。そして、遊技状態が「終了デモ」から「当り待ち」となった場合に、メイン基板102では「終了デモ」を終え、大入賞口有効期間設定処理の有効期間設定条件(ア)が終了するが、5000msの大入賞口有効延長タイマの値が0でない場合は、「終了デモ」が終わっていても(「特電遊技ステイタス」が当り待ち(0)となっても)、大入賞口有効期間設定処理における有効期間設定条件(イ)を満たすため、入球検出に係る有効期間とされる。そして、「終了デモ」後に入賞(残留球の入賞)が検出されても、有効な入賞として扱う。
また、図示は省略するが、大入賞口有効延長タイマによる5000msの経過後であっても、特電遊技ステイタス管理用のタイマの値が0となっていなければ、特電遊技ステイタス管理用のタイマの値が0となるまでは、メイン基板102では「終了デモ」の状態としての制御が行われる。そして、このような状況においては、「特電遊技ステイタス」が当り待ち(0)ではないので、大入賞口92における大入賞検出装置78は、大入賞口有効期間設定処理における有効期間設定条件(ア)を満たすため有効となっている。
つまり、「最終R」の実施後に大入賞口92における大入賞検出装置78が有効となっているのは、大入賞口92に係る有効延長期間(ここでは5000ms)が経過するまでの期間であって、「特電遊技ステイタス」が終了デモ中(4)である場合、或いは、同じく大入賞口92に係る有効延長期間(ここでは5000ms)が経過するまでの期間であって、「特電遊技ステイタス」が当り待ち(0)である場合、となっている。
続いて、図50(a)~(d)中の次段(上から5段目)に示す「特別電動役物1作動中信号」は、大入賞口92に係る特別電動役物の作動中信号の状態を示している。そして、「特別電動役物1作動中信号」のチャートの立ち上がっている期間が、特別電動役物が作動中であることを外部の装置(試験装置など)に報知する期間として示しており、チャートの立ち下がっている期間が、特別電動役物が作動中していない非作動中であることを示している。
図50(a)の例では、「開始デモ」中において、「特電遊技ステイタス」に係る開放準備中(1)の期間が終わり、「1R」が開始されるタイミングで、「特別電動役物1作動中信号」が立ち上がるようになっている。また、その後の「2R」から「最終R」の1つ手前のラウンドの期間についても、図50(a)~(c)に示すように、「特電遊技ステイタス」に係る開放準備中(1)の期間が終わり、各ラウンドが開始されるタイミングで、「特別電動役物1作動中信号」が立ち上がるようになっている。ここで、「特別電動役物1作動中信号」は、図36に示した大入賞口開放準備中処理におけるS438の処理において、特別電動役物作動中フラグに格納したデータを基に、図41の試験信号出力処理でオンデータとして出力されるようになっている。
ここで、上述した「最終R」の1つ手前のラウンドは、例えば、最終ラウンドをN回目のラウンドを意味するNR(「N」は1以上の自然数)と表した場合に、(N-1)Rと表すことが可能である。また、「1R」から「最終R」の1つ手前のラウンド((N-1)R)について、「特電遊技ステイタス」が開放準備中(1)となるタイミングで、「特別電動役物1作動中信号」が立ち下がるようになっている。さらに、「最終R」以外の状況における、「特別電動役物1作動中信号」のオフのための設定は、図38の大入賞口閉鎖中処理におけるS485において、特別電動役物作動中フラグの内容のクリア処理が該当する。
つまり、「特別電動役物1作動中信号」は、「特電遊技ステイタス」の変更タイミングの処理によって状態が変化するものとなっている。そして、「特別電動役物1作動中信号」は、特別遊技の実行中において、「特電遊技ステイタス」が特別電動役物作動中ステイタス(2)に初めて変更されて以降、「特電遊技ステイタス」が開放準備中(1)となっていない場合に立ち上がっており、「特電遊技ステイタス」が開放準備中(1)となっている場合に立ち下がっている。このため、「特別電動役物1作動中信号」を状況やオン出力の回数を確認することで、「大入賞口」の状態が、ラウンド中であるのか否かや何ラウンド目の単位遊技が実行されているのかを判定することが可能となっている。
また、「最終R」については、前述のように「特電遊技ステイタス」が開放準備中(1)とならず、「特別電動役物1作動中信号」は、「最終R」の期間中、及び、「最終R」の終了後も、立ち上がった状態を維持する。しかし、「特電遊技ステイタス」が終了デモ中(4)となり、この終了デモ中(4)の期間が終わった場合に、「特別電動役物1作動中信号」はオフになる。そして、「最終R」後における「特別電動役物1作動中信号」のオフに係る設定は、図40に示す当り終了デモ中処理のS534において、特別電動役物作動中フラグをオフ(0クリア)することに基づいている。
<大入賞口に係る発明の作用効果>
以上説明したように大入賞口に係る処理を行うぱちんこ遊技機10によれば、大入賞口92に係る特別電動役物1作動中信号(図50(a)~(d)参照)が、ぱちんこ遊技機10の機外へ外部出力され、この外部出力された特別電動役物1作動中信号を、ぱちんこ遊技機10の試験が行われる際に利用できるようになっている。
さらに、大入賞口92に係る開閉の管理は、特電遊技ステイタスの情報を利用して行われ、「1R」の開始に伴い、特電遊技ステイタスの情報が、大当り時における大入賞口92の開放状態を指定する特別電動役物作動中ステイタス(2)になると、特電遊技ステイタスの制御に伴って、大入賞口の開閉動作制御が実行される。一方、「大入賞口有効期間」は特電遊技ステイタスが0(当り待ち)でない場合に有効な状況となる。そして、この「大入賞口有効期間」は、「最終R」が終了し、「終了デモ」が終了されても有効延長期間に亘って継続する。このように、大入賞口の有効判定期間を、特別遊技の実行中および延長期間とすることで、ラウンド間毎に無効期間を設ける場合よりも、大入賞口内での球詰まりによる無効期間での入球スイッチの検知という遊技者に対して不利益な状況が発生するリスクを抑えることができる。
また、「1R」の開始に伴い、特電遊技ステイタスの情報が、大当り時における大入賞口92の開放状態を指定する特別電動役物作動中ステイタス(2)になると、特別電動役物1作動中信号をオンにして維持する。そして、特電遊技ステイタスの情報が、各ラウンドの終了直前に、大当り時における大入賞口92の開放準備状態を指定する大入賞口開放準備中ステイタス(1)になっている期間(8msなど)に限り、特別電動役物1作動中信号がオフになる。
したがって、大入賞口開放準備中ステイタス(1)となる期間の長さ次第で、特別電動役物1作動中信号がオンになっている期間を、最大限長大化することが可能である。そして、特別電動役物1作動中信号がオンになっている期間を可能な限り長期化することで、大入賞口92での入賞が検出された際に、特別電動役物1作動中信号がオフとなっているリスク、すなわち試験装置などの外部機器において、特別電動役物が作動していないにもかかわらず入賞が発生したと誤認識させたり、大入賞口の開閉動作が正常に行えていないと誤認識させたりすることを抑制できる。そして、特別電動役物1作動中信号を、大入賞口の開放直前の状態(ラウンド間の最後のタイミング)において実行することで、大入賞口内の遊技球の残留を検出するリスクを減らし、ぱちんこ遊技機10に外部接続された試験機器にて、大入賞口92での入賞が予期せず無効期間に入球したものとして取り扱われてしまうことを防止できる。
ここで、図51(a)~(d)は、特電遊技ステイタスに、図50(a)~(d)に示す実施例のような準備中(1)を設けない場合の、特別電動役物1作動中信号等を示している。そして、図51(a)~(d)中の、「特電」、「特電遊技ステイタス」、「大入賞口」、「大入賞口有効期間」、「特別電動役物1作動中信号」の用語の意味は、図50(a)~(d)と略同様であるが、図51における例の作動中(1)は、図50に示す実施例における特別電動役物作動中ステイタス(2)に相当し、閉鎖中(2)は、図50に示す実施例における大入賞口閉鎖中ステイタス(3)に相当している。
そして、図51の例では、「特電」について、「1R」から「終了デモ」となるまでの状況を示しており、各ラウンドにおける「特電遊技ステイタス」が、作動中(1)、閉鎖中(2)、作動中(1)、閉鎖中(2)、・・・と変化するようになっている。そして、「大入賞口」は、図51(a)の「1R」、同図(c)の「7R」、同図(d)「最終R」では、「特電遊技ステイタス」の作動中(1)に開放し、閉鎖中(2)に閉鎖している。また、「大入賞口」は、図51(b)の「5R」では、「特電遊技ステイタス」の作動中(1)に2回の開放を行い、閉鎖中(2)に閉鎖している。
具体的には、図51(a)の「1R」については、「特電遊技ステイタス」における作動中(1)の期間が、「大入賞口」に示すように2800msであり、閉鎖中(2)の期間が3000ms(=2992ms+8ms)となっている。このうち、閉鎖中(2)における最後の8msは、開放準備期間として設けられているものである。しかし、図51の例では、「特電遊技ステイタス」について、図50(a)~(d)に示したような準備中(1)の「特電遊技ステイタス」は設けられておらず、「大入賞口」の閉鎖期間中における「特電遊技ステイタス」の変更は行われないようになっている。
また、図51(b)の「5R」については、「特電遊技ステイタス」が作動中(1)である期間(ここでは2604ms)中における「大入賞口」の開閉態様は、52msの極短い開放の間に2500msの閉鎖が介在するものとなっている。さらに、図51(c)の「7R」、及び、図51(d)の「最終R」については、「特電遊技ステイタス」が作動中(1)となっている期間と、「大入賞口」に係る開閉期間は、ここでは52msで一致している。
また、図51(a)~(d)の例では、「大入賞口有効期間」は、何れのラウンドにおいても、「特電遊技ステイタス」が作動中(2)から閉鎖中(3)に変化した後に、大入賞口延長期間(ここでは592ms)が経過してから有効期間を終えようになっている。このように「特電遊技ステイタス」における作動中(1)の期間が終了した後も継続する「大入賞口」の有効延長期間(ここでは592ms)は、例えば、「ラウンド中有効延長期間」などと称することが可能である。
そして、このラウンド中有効延長期間が、各ラウンドで共通となっているのは、各ラウンドが1つの構造物である大入賞口92を用いて行われており、1つの構造物については、ラウンド中有効延長期間を、いずれのラウンドについても共通とする必要が、ぱちんこ遊技機10に係る認可を受けるために必要なためである。また、最も閉鎖中(3)に維持する期間が短いラウンド間(本例では「7R」と「8R」の間(600ms))を基準として、ラウンド中有効延長期間が定められており、最も短いラウンド間において、特別電動役物の作動中信号を一旦落とすために、最短ラウンド間時間から8ms分だけ短くラウンド中有効延長期間を定めている。
さらに、大当り遊技において、「大入賞口」の最短の開放となるのは、「5R」の2回目の開放や、「7R」及び「最終R」の開放の700msとなっているが、これらの開放の後のラウンド中有効延長期間が592msとなっていることから、「大入賞口」の開放期間が、例えば「1R」の2800msのように相対的に長く、あるいは他のラウンドのように短く設定されていても、ラウンド中有効延長期間は592msとなっている。
そして、図51(a)~(d)に示すように、「特別電動役物1作動中信号」は、「大入賞口有効期間」が有効を示す状態となっている間に立ち上がり、「大入賞口有効期間」が有効を示す状態となっていない間に立ち下がるようになっている。このため、「特別電動役物1作動中信号」が立ち下がっている期間が、図50(a)~(d)に示す実施例に比べて長くなり、大入賞口92に入賞したにも関わらず無効とされてしまう期間、および試験装置などの外部機器に無効期間において遊技球が検出されたと認識される(リスクとなり得る期間)も長くなる。
なお、上述のリスクとなり得る期間は、ラウンド中有効延長期間が一律であるため、閉鎖中(3)に維持される期間が長いほど長期間となり、「1R」の例では2408ms(2400ms+8ms)であり、「5R」の例では1908ms(1900ms+8ms)となっている。また、上述のリスクとなり得る期間は、「7R」の例では2408ms(2400ms+8ms)であり、「最終R」の例では1908ms(1900ms+8ms)となっている。
図51(a)~(d)に示すように、「特電遊技ステイタス」に準備中(1)の値を設けずに「特別電動役物1作動中信号」を生成するための処理を行った場合には、「特別電動役物1作動中信号」の立ち下がりの期間が長くなり、大入賞口92への入賞が検出された場合に、「特別電動役物1作動中信号」がオフとなっている状況において大入賞口内のセンサで検出されることにより、遊技機が正常に動作していないと誤認識されるリスクが大となる。
しかし、図50(a)~(d)に示すように、「特電遊技ステイタス」に準備中(1)の値を設け、この準備中(1)の「特電遊技ステイタス」に基づき「特別電動役物1作動中信号」を生成することで、「特別電動役物1作動中信号」の立ち下がりの期間を2割込み(8ms)の期間のみと、極力短くすることができる。そして、特別電動役物1作動中信号がオンになっている期間を可能な限り長期化でき、大入賞口92での入賞が検出された際に、特別電動役物1作動中信号がオフとなっているリスクを抑制できる。さらに、ぱちんこ遊技機10に外部接続された試験機器にて、大入賞口92での入賞が予期せず無効として取り扱われてしまうことを防止できる。
このような本実施例に係る発明の作用効果に加え、ぱちんこ遊技機10においては、「特電遊技ステイタス」が準備中(1)となる期間を、遊技進行割込み処理の2周期分に相当する期間である8(=4×2)msとなるようにしている。このため、「特別電動役物1作動中信号」がオフになっている期間の管理を、遊技進行割込み処理により容易に管理することができる。
さらに、「特別電動役物1作動中信号」がオフになっている期間を、遊技進行割込み処理の複数周期分としているので、例えば、当該オフの期間を単周期分である4msとした場合に比べて、多様な試験機器、外部機器に対する汎用性を持たせることができる。
つまり、ぱちんこ遊技機10に対する試験が複数の機関等により行われることも考えられるが、使用する試験機器の特性次第では、特別電動役物1作動中信号がオフとなっている期間の検出性能(分解能)が4msを超えている場合も想定し得る。そして、このような場合には、試験機器の側で「特別電動役物1作動中信号」の変化を識別できず、大当り遊技におけるラウンドの変化の区切りを検出できない場合もあり得る。
しかし、本実施例のように、特別電動役物1作動中信号をオフにする期間を、遊技進行割込み処理の複数周期分とすることで、当該オフとなっている期間を、極力短期間としつつも検出可能な期間とすることができ、対応可能な試験機器の幅を広げ、試験機器に対する汎用性を持たせることができる。
また、図50(a)~(d)に例示する本実施例のぱちんこ遊技機10においては、「特電遊技ステイタス」が当り待ち(0)になっている期間以外の期間を、「大入賞口有効期間」に係る有効期間として処理を行っている。このため、当り待ち(0)を除いた他の期間をすべて、大入賞口92の入賞有効期間とすることができ、大入賞口92の入賞有効期間を可能な限り大として、大入賞口92での入賞の管理を行うことができる。
そして、大当り時の大入賞口92への入球を、逸失することなく有効な入球として扱うことができ、遊技者が大入賞口内での球詰まりによる無効期間での入賞検知に基づく不利益を受けるこがなく、また、大入賞口92への入球タイミングと、「特別電動役物1作動中信号」との関係によって、ぱちんこ遊技機10の試験結果に悪影響が及んでしまうことを防止可能である。
さらに、このようにすることで、大当りの「最終R」における大入賞口92の開放終了直後(閉鎖直後)の期間(図50(d)の例では5000msの有効延長期間)を含めて入賞有効期間とすることが可能となる。そして、大当りの最終Rが終了した後に、遊技球(残余球)の検出を行うことが可能となる。この結果、「終了デモ」の期間のみに左右されずに「大入賞口」に係る有効期間を確保でき、「終了デモ」が極端に短く設定される大当りであっても、「最終R」後における大入賞口92への入球検出を、逸失することなく有効な入球として扱うことが可能となる。
<大入賞口有効期間の長期化に伴う不正対策>
<<不正対策に係る第1態様>>
次に、前述のような大入賞口有効期間の長期化に伴う不正対策について説明する。本実施例では、図50(a)~(d)に示すように「大入賞口有効期間」が有効状態となっている期間(入球検出可能期間)が、大当り遊技に係る「開始デモ」の開始時から(図50(a))、「最終R」後の「終了デモ」の終了時、又は、更にその後の「当り待ち」の状況まで継続する(図50(d))。このため、遊技球の検出を可能な限り漏れなく行うことが可能であるが、このような検出可能期間の長大化によって、不正を行える期間を拡大していると考えることもできないわけではない。
このため、何らかの不正対策を施すことが望ましいが、不正対策としては、以下に説明するように種々の態様を考えることができる。先ず、不正対策として、サブメイン基板301において、メイン基板102からのコマンドに基づき不正を検出し、サブメイン基板301の側での不正対応策を施すことが考えられる。
例えば、サブメイン基板301による不正対策の第1態様として、大入賞口への有効入球に係るコマンド(有効入球コマンド)をメイン基板102からサブメイン基板301へ送信する。さらに、サブメイン基板301で、受信した有効入球コマンドの受信に基づき、所定の演算を行って異常の有無を判定し、判定結果に伴い報知を行う。
具体的には、メイン基板102のCPU501が、大入賞口92に係る有効入球コマンドの送信を行うことに加え、前述の一般入賞口72への入賞を通知するコマンド(一般入賞通知コマンド)を、サブメイン基板301へ送信する。さらに、サブメイン基板301では、賞球払出数に係る所定の閾値を定めておく。
さらに、サブメイン基板301のCPU521が、大入賞口92に係る有効入球コマンドと、一般入賞口72に係る一般入賞通知コマンドに基づき、発生した特別遊技期間中に払出されるべき賞球数(有効払出数)の演算を行い、演算結果を上述の閾値と比較する。そして、求められた払出数>閾値の関係が満たされた場合には、異常と判定し、異常が発生した旨の報知を行う。ここで、上述の閾値を、例えば、「1R」から「最終R」を含む1回の大当り遊技で通常獲得できる賞球数を超えた個数に対応した値(例えば2000や2400など)とすることが可能である。ここで、上述の閾値は、当り図柄の種類(或いは大当りの種類や総ラウンド数)により異なるものであるということができる。
このような第1態様は、例えば、大入賞口92への1カウントの入賞に対する賞球払出数を15個とし、大入賞口92への総入賞数をxとし、一般入賞口72への1個の入賞(1カウントの入賞)に対する賞球払出数を3個とし、大当り遊技中の一般入賞口72への総入賞数をyとした場合に、上述の閾値を、15x+3yで表すことができるものであるといえる。また、大入賞口92での1カウントあたりの賞球払出数(上述の例では15個)や、一般入賞口72での1カウントあたりの賞球払出数(上述の例では3個)を、それぞれn1、n2などといった記号で表すことも可能である。
<<不正対策に係る第2態様>>
また、これ以外にも、大入賞口92に係る有効入球コマンドを、大当り遊技中の他の期間で使用する態様も考えることができる。例えば、第2態様として、サブメイン基板301のCPU521が、大当り中のラウンド間に受信した有効入球コマンドを用いて異常を判定するものを考えることができる。
より具体的には、サブメイン基板301で、大入賞口92が、所定のラウンドに係る開放を終えて閉鎖状態となってから、次回のラウンドに係る開放を行うまでの期間について、有効入球コマンドに基づく有効賞球数を算出する。そして、異常判定に係る所定の閾値を定めておき、求められた払出数>閾値の関係が成立した場合に、異常の判定及び報知を行う。この場合の閾値は、当り図柄の種類(或いは大当りの種類や総ラウンド数)によらないものということができる。なお、予め定める特定のラウンド間(例えば2Rの閉鎖時から3Rの開放時など)のみに限ってこのような判定を行う、といったことも可能である。なお、特定のラウンド間として指定するタイミングは特別遊技を発生させる契機となった図柄によって異なっていてもよい。
<<不正対策に係る第3態様>>
上述の第2態様においては、大入賞口92の閉鎖時に異常の有無の判定が行われるが、閉じている場合のみに限ってしまうと、大入賞口92の開放時のみに不正な入賞を発生させるような行為があると、異常の検出が難しくなる。このため、第3態様として、3つ以上のラウンドに跨る期間において異常の検出を行い、開放中又は閉鎖中に限らず異常を検出することが考えられる。
例えば、2R~5Rにおいて、前述した第1態様の演算や第2態様の演算を行い、求められた払出数>閾値の関係が満たされた場合に異常の判定を行う、といったことが可能である。この場合の閾値は、当り図柄の種類(或いは大当りの種類や総ラウンド数)によるものということができる。なお、開始デモ時や終了デモ時を含む期間に対して、この第3態様を適用することも可能である。
<<不正対策に係る第4態様>>
さらに、前述した第1態様から第3態様では、メイン基板102からのコマンド受信が必要であるが、コマンドの送受信に使用される通信線に細工を行ったうえで不正を働くことも考えられる。このような不正行為を想定した第4態様として、例えば、サブメイン基板301のCPU521で、受信したコマンドに基づき、コマンドの受信順が正常であるか否かを判定し、順番が正常でないことを判定したときに異常と判断する、といったことが考えられる。
具体的には、大当り遊技中の開始時や終了時、或いはラウンド数などの情報を含んだコマンドを利用し、実際に受信したこれらのコマンドの送信順が、正常な本来の送信順に合致しているものであるか否かを判定し、合致しない場合に異常と判定する。これらのコマンドとしては、前述した大当り中大入賞口開放時のコマンドのうちの、図柄1(又は図柄2)大当り中デモ1~10、発射位置指定のコマンド、大当り中大入賞口閉鎖時のコマンドである大入賞口閉鎖演出コマンド、大当り終了デモ時のコマンドである、図柄1当り終了デモ、図柄2当り終了デモのコマンドなどを挙げることができる。
なお、不正行為によるものではなく、通常起こり得る原因によってコマンドの受信順序が正常でなくなることも考えられるため、例えば、コマンド受信順序の異常を複数である所定回数(例えば2回以上など)に亘って検出した場合に異常と判定して報知してもよい。また、異常の検出回数に応じて報知態様を異ならせ、例えば異常の検出回数が増えると、段階的に、報知の音量を大きく変化させたり、報知の態様を強調した態様に変化させたりすることも可能である。
<<不正対策に係る第5態様>>
また、第5態様として、タイマ管理に基づく異常判定を行うことも可能である。例えば、大当り中大入賞口開放時のコマンドの受信後、予め定められた所定の有効期間(開放コマンド受信後有効期間)が経過しても入賞が検出された旨のコマンドを受信できない場合に異常と判定する。さらに、最終ラウンドを除くラウンドの終了時に、大当り中大入賞口閉鎖時のコマンドを受信してから所定の有効期間(閉鎖コマンド受信後有効期間)が経過しても入賞が検出された旨のコマンドを受信できない場合に異常と判定することも可能である。
なお、この第5態様において、上述の開放コマンド受信後有効期間と閉鎖コマンド受信後有効期間を同じ値としてもよい。また、開放コマンド受信後有効期間と閉鎖コマンド受信後有効期間を併用してもよい。
<<不正対策に係るその他の態様>>
さらに、不正ではなく、単に意図的に遊技球の発射がされない場合も想定でき、このような場合も、上述の各種の有効期間内にコマンドの受信ができないと考えられる。したがって、上述の各種の有効期間を段階的に定めておき、開放コマンド受信後や閉鎖コマンド受信後に有効期間が経過したか否かの検出を複数段階で行うことも可能である。そして、この場合には、有効期間の初期の段階では、右打ちや左打ちの打ち分けに係る注意喚起のための画像(打ち分け注意喚起画像)を行い、検出回数が所定数に達した場合に、異常と判定して報知を行うようにしてもよい。また、この場合に、1回の検出毎にタイマをクリアし、改めて有効期間の計時を始める、といったことも可能である。
<普電入賞口の作動状態と作動中信号との関係>
次に、普通入賞口装置63(前述の普通電動役物)に係る作動状態と作動中信号との関係について説明する。先ず、普通入賞口装置63に係る作動中信号(普通電動役物作動中信号)は、前述の試験信号出力処理(S67)により出力のための処理が行われ、試験信号として、ぱちんこ遊技機10から機外に出力される信号である。そして、この普通電動役物作動中信号は、前述の普通図柄停止図柄表示中処理(図25のS220)、および、普通電動役物作動終了デモ中処理(図27のS248)に、普電入賞口有効期間設定処理(図19のS118)よってRWM記憶領域の普通電動役物作動中フラグに記憶されているデータにより、そのオン・オフの状態が示されるものである。言い換えると、普通電動役物作動中信号は、普通電動役物の作動中および終了デモ中であるか、普電入賞口の有効延長期間中である場合に出力されるようになっている。
図52(a)には、本実施例における普通入賞口装置63と普通電動役物作動中信号との関係をタイムチャートによって示している。図52(a)中、最上段に示す「普通図柄ステイタス」は、普通図柄や普通電動役物の各状況に対応した普通図柄ステイタスの値を示している。
つまり、普通図柄が変動していない場合には、普通図柄ステイタスの値は、前述した普通図柄変動待機中ステイタス(0)となっている。また、普通図柄の変動中は、普通図柄ステイタスの値は、前述した普通図柄変動中ステイタス(1)となっており、普通図柄の停止中は、普通図柄停止図柄表示中ステイタス(2)となっている。
さらに、普通電動役物の作動中には、普通図柄ステイタスの値は、前述した普通電動役物作動中ステイタス(3)となっている。また、普通電動役物の作動終了デモ中には、普通図柄ステイタスの値は、普通電動役物作動終了デモ中ステイタス(4)となっており、普通電動役物の開放準備中の場合には、普通電動役物開放準備中(5)となっている。なお、前述した変形例のように、普通電動役物開放準備中ステイタス(05H)を設け、例えば、普通図柄停止図柄表示中処理(図25)のS208~S220の処理を別モジュール(普通電動役物開放準備中処理など)として実行するようにしてもよい。
なお、以下では、普通図柄変動待機中ステイタス(0)、普通図柄変動中ステイタス(1)、普通図柄停止図柄表示中ステイタス(2)、普通電動役物作動中ステイタス(3)、普通電動役物作動終了デモ中ステイタス(4)、普通電動役物開放準備中(5)を、それぞれ待機中(0)、変動中(1)、停止中(2)、作動中(3)、終了デモ中(4)、準備中(5)と称する場合がある。前述のように、普通電動役物開放準備中(5)については、ステイタスに割り当てられた値を示すものではなく、便宜上「(5)」の符号を付して普通図柄ステイタスのタイムチャート上に示すものであり、他の表記である(0)~(4)とは意味するところが異なっているが、変形例として準備中ステイタス(5=05H)を設けて、制御上、他のステイタス(0)~(4)と同様に取り扱えるようにしてもよい。また、図中では、文字表記のためのスペースが足りない箇所については、例えば、「準備中(5)」を(5)とするなどのように、状態やステイタスの値を示す数値を括弧付きの数字によって示している。
続いて、図52(a)の次段(上から2段目)に示す「普通図柄」は、前述の普通図柄が変動している状況をチャートの立ち上がりで示しており、変動が停止している状況をチャートの立ち下がりで示している。さらに、図52(a)の次段(上から3段目)に示す「電チュー」は、普通入賞口装置63の普通電動役物が作動している状況をチャートの立ち上がりで示しており、作動していない(非作動の)状況をチャートの立ち下がりで示している。
また、図52(a)の次段(上から4段目)に示す「普通電動役物有効期間」は、普通電動役物(普通入賞口装置63)に対する入賞が有効となっている状況をチャートの立ち上がりで示しており、普通電動役物(普通入賞口装置63)に対する入賞が無効となっている状況をチャートの立ち下がりで示している。さらに、図52(a)の次段(上から5段目)に示す「普通電動役物作動中信号」は、前述の普通電動役物作動中信号がオンとなっている状況をチャートの立ち上がりで示しており、オフとなっている状況をチャートの立ち下がりで示している。
そして、図52(a)の例では、「普通図柄ステイタス」の値が、変動中(1)、停止中(2)、準備中(5)、作動中(3)、終了デモ中(4)、変動中(1)、停止中(2)、作動中(3)、終了デモ中(4)と変化している。そして、これに伴い、「普通図柄」は、520msの変動の後、500msに亘って停止している。この520msの変動や、500msの停止は、入球容易化状態となる特定遊技状態における変動時間及び停止時間を示している。そして、特定遊技状態中における殆どの場合の変動時間及び停止時間は、それぞれ520ms、500msに共通化されている。
上述の変動中(1)の期間(ここでは520ms)は、普通図柄に係る抽選(普図抽選)に当せんしているか否か、或いは、複数のうちのどの変動パターンが選択されたか、といった要因によって異なるものである。さらに、上述した停止中(2)の期間(ここでは500ms)の終盤には、制御上の状態が準備中(5)に変化している。
この普通電動役物の制御に関しても、準備中(5)の期間は、遊技進行割込みの回数に基づき定まるものとなっている。そして、本実施例では、準備中(5)の期間は、大入賞口92に係る大入賞口開放準備中ステイタス(1)の場合と同様に、遊技進行割込み処理(ここでは4ms)の2回分に相当する約8msとなっており、2回の遊技進行割込み処理の実行が判定されると終了するようになっている。なお、準備中(5)に制御する期間は、図25に示した普通図柄停止図柄表示中処理におけるS209の判定値に基づいて定められている。
さらに、普通図柄に係る抽選に当せんしている場合には、図52(a)に示すように「普通図柄ステイタス」が作動中(3)となり、「電チュー」が開放状態となる。これに伴い、普通電動役物は有効期間となり(「普通電動役物有効期間」参照)、「普通電動役物作動中信号」は、普通電動役物が有効期間となるのに連動してオンとなる。そして、当せんした開放パターンに基づく「電チュー」の開放期間が終了すると、「普通図柄ステイタス」は終了デモ(4)となる。ここで、図52(a)の例では、「電チュー」が、所定期間に亘る1回の開放動作を行う場合が示されている。
この作動中(3)の後の終了デモ(4)の期間は、「電チュー」のタイムチャート上に示すように100msとなっている。この100msの終了デモ期間は、特定遊技状態中において共通化されたものとなっている。また、図52(a)の例では、後続の遊技球に係る始動条件の成立が既にあり、終了デモ(4)の後には、停止中(2)の期間を介さずに、待機中(0)を経て、「普通図柄変ステイタス」が変動中(1)となっている。図52(a)の例では、このときの変動中(1)の期間も、前回と同じ520msとなっており、その後の停止中(2)の期間も500msとなっている。
また、このときの普図抽選の結果も当りとなっており、普通図柄に係る状態が準備中(5)となった後に、「普通図柄ステイタス」が作動中(3)となっている。その後、「普通図柄ステイタス」は、終了デモ中(4)となっている。
さらに、図52(a)中の「電チュー」は、前述したように「普通図柄ステイタス」が作動中(3)となると作動を開始し、その後は、作動中(3)の期間に亘って開放状態を維持するようになっている。さらに、「電チュー」は、作動中(3)の期間の終了(開放時間の終了や規定数の遊技球の入球)とともに閉鎖状態となり、作動中(3)以外の場合には非作動の状態を維持するようになっている。
さらに、図52(a)中の「普通電動役物有効期間」は、「普通図柄ステイタス」が作動中(3)になると有効な状況になり、この有効期間は、「普通図柄ステイタス」が終了デモ中(4)に変化してからも所定期間(ここでは3000ms)に亘って継続している。このように、「普通電動役物有効期間」における有効な期間を、作動中(3)の期間のほか、終了デモ中(4)となってからも延長し、その延長期間を3000msとしているのは、前述した大入賞口92における「最終R」の場合と同様に、普通入賞口装置63への入球を可能な限り長い期間に亘って検出できるようにするためである。
そして、このような延長期間を設け、延長期間の長さを、特定遊技状態において終了デモ(4)から変動中(1)、停止中(2)と続く期間の合計期間(1120ms=100ms+520ms+500ms)よりも長い期間(3000ms)としている。なお、詳述はしないが、特定遊技状態(普通図柄の時短機能の作動状態)でない場合においては、普通図柄の変動中(1)、停止中(2)の合計期間は延長期間(3000ms)よりも長くなる場合があるように設定されている。
さらに、図52(a)中の「普通電動役物作動中信号」は、前述したように「普通電動役物有効期間」の有効期間の開始に伴ってオンとなり、「普通電動役物有効期間」の有効期間の終了に伴ってオフとなっている。なお、特定遊技中には、先に作動した電動役物の有効期間が経過する前に、新たに電動役物が作動することとなり易いが、このような場合においては、新たに電動役物が作動する前の所定期間において、普通電動役物作動中信号をオフするように制御することが可能である。
続いて、普通入賞口装置63が、連続的に複数回作動する場合の処理態様について、図52(b)に基づき説明する。図52(b)に示す例では、「普通図柄ステイタス」が作動中(3)となった場合に、「電チュー」が3回連続して開放状態となっている。そして、この場合の「普通電動役物有効期間」は、「普通図柄ステイタス」が作動中(3)となると有効な状態となり、作動中(3)の期間が終了した後も、所定の延長期間(3000ms)に亘って有効な状態を維持している。
ここで、図52(b)では、「普通電動役物有効期間」を2つのタイムチャートに分け、「普通図柄ステイタス」が作動中(3)である場合の普通電動役物有効期間を、「普通電動役物有効期間(作動中)」として示し、延長期間中の場合の普通電動役物有効期間を、タイマ管理がされているという意味で、「普通電動役物有効期間(タイマ)」として示している。さらに、図52(b)の例では、「普通電動役物有効期間」の3000msの延長期間中に普通図柄に係る状態が準備中(5)となり、「普通図柄ステイタス」が作動中(3)となっている。
また、図52(b)の例では、「普通電動役物作動中信号」が、普通図柄に係る状態が準備中(5)となっている期間にオフとなり、直後に「普通図柄ステイタス」が作動中(3)になるとオンに変化している。さらに、このときには「電チュー」が、前回の作動中(3)の場合と同様に3回の連続開放を行うものとなっており、「普通図柄ステイタス」が作動中(3)となる直前に、普通図柄に係る状態が準備中(5)となっている。
さらに、「普通図柄ステイタス」が作動中(3)となり、その後に「普通図柄ステイタス」が、終了デモ中(4)、待機中(0)と変化している。そして、「普通図柄ステイタス」が待機中(0)となっている間に、「普通電動役物有効期間(タイマ)」の3000msが終了し、作動中(3)の期間の開始時からオン状態となっていた「普通電動役物作動中信号」がオフとなっている。
<普電入賞口に係る発明の作用効果>
以上説明したように普電入賞口に係る処理を行うぱちんこ遊技機10によれば、普通入賞口装置63に係る普通電動役物作動中信号(図52(a)参照)が、ぱちんこ遊技機10の機外へ外部出力され、この外部出力された普通電動役物作動中信号を、ぱちんこ遊技機10の試験が行われる際に利用できるようになっている。
さらに、普通入賞口装置63に係る開閉の管理は、普通図柄ステイタスの情報を利用して行われ、この普通図柄ステイタスの情報が、普通図柄に係る当り時における普通入賞口装置63の開放状態を指定する普通電動役物作動中ステイタス(3)になると、普通電動役物作動中信号をオンにして有効延長期間を含む普通入賞口装置63が有効である期間において維持する。また、普通図柄に係る状態が、普通図柄に係る当り時における普通入賞口装置63の開放準備状態(5)になっている期間は、普通入賞口装置63が有効である場合であっても普通電動役物作動中信号をオフにする。
したがって、普通電動役物開放準備中(5)の場合に指定される期間に普通電動役物作動中信号を短期間だけオフ出力することで、普通入賞口装置63を有効とする期間を次回の普通電動役物の作動開始に重なる期間まで延長した場合であっても、普通電動役物の作動が開始した回数を正確に外部機器に対して報知できるようになる。また、普通電動役物作動中信号がオンになっている期間を普通入賞口装置63が有効である期間において可能な限り長期化することで、普通入賞口装置63の有効期間での入賞が検出された際に、普通電動役物作動中信号がオフとなっているリスクを抑制できる。そして、ぱちんこ遊技機10に外部接続された試験機器にて、普通入賞口装置63での入賞が予期せず無効期間での遊技球検出された、あるいは普通入賞口装置63が正常に動作していない(例えば、普電入賞口の入り口が異常で開きっぱなしとなったため、普通電動役物の非作動期間に入賞が発生している)として取り扱われてしまうことを防止できる。
このような発明の作用効果は、図50(a)~(d)に示す大入賞口92の場合と同様であるが、普通入賞口装置63には、大入賞口92と異なる事情がある。すなわち、大入賞口92の場合は、予め決められたラウンド数に基づき開閉が行われるが、普通入賞口装置63の場合は、後続の開閉の有無や開放タイミングが抽せん等により決まっている。このため、大入賞口92の場合には、図50(a)~(d)に示す「大入賞口有効期間」の延長期間(5000ms)として、予め後続のラウンドの開始タイミングに重ならず、且つ、最大となる時間を決定することができる。
これに対して、普通入賞口装置63の場合には、後続の開放のタイミングを予め決めておくことができず、「普通電動役物有効期間」の延長期間(ここでは3000ms)中に、次回の開放が行われる場合も生じ得る(図52(a)、(b)参照)。特に、時短中や電サポ中など入球容易化が行われている特定遊技状態においては、普通入賞口装置63が、短い間隔で開放を繰り返すことになるため、「普通電動役物作動中信号」をオフするタイミングや、その後にオンするタイミングの決定が難しく、普通電動役物開放準備中ステイタス(5)を用いた「普通電動役物作動中信号」の制御が、一層有効なものとなる。
なお、普通電動役物開放準備中(5)の状態とせずに、「普通電動役物有効期間」の延長期間を設け、次の回の開放の前に確実に当該延長期間を終了させようとした場合には、普通電動役物の作動回数を特定させるために、当該延長期間は、前述した終了デモ(4)から変動中(1)、停止中(2)と続く期間の合計期間(例えば1120ms-普通電動役物作動中信号出力オフ期間)程度までしか長く設定することができないと考えられる。しかし、本実施例では、普通電動役物開放準備中(5)の期間を設けているので、当該延長期間を3000msといった長時間とし、「普通電動役物作動中信号」がオフになる時間を極力短くすることが可能となっている。
<大入賞口の作動状態と作動中信号に係る制御の第2実施例>
続いて、大入賞口の作動状態と作動中信号に係る制御の第2実施例について説明する。上述の実施例(図50(a)~(d)など)では、大入賞口を1つのみ備えたタイプのぱちんこ遊技機10について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、大入賞口(特別電動役物)を複数(例えば2つ)備えたタイプのぱちんこ遊技機にも適用が可能である。
図53(a)~(c)は、2つの大入賞口(大入賞口1、大入賞口2)を備えたぱちんこ遊技機における、大入賞口の作動状態と作動中信号との関係を示している。そして、図53(a)~(c)に示すのは、1回の大当りに伴う特別遊技中に、2つの大入賞口を交互に使用するタイプの大入賞口装置を備えたぱちんこ遊技機に関するタイムチャートである。
ここで、このように1回の特別遊技で併用される2つの大入賞口を総称して「ダブルアタッカー」などという場合がある。また、このような2つの大入賞口の配置としては、遊技領域52の右側の領域を挙げることができる。
図53(a)~(c)中、「特電」、「特電遊技ステイタス」の用語の意味は、第1実施例に係る図50(a)~(d)と略同様である。また、大入賞口の開閉状態については、交互に開閉する2つの大入賞口の各々に対応して、「大入賞口1」、「大入賞口2」のタイムチャートが図中に示されている(各図の3段目と4段目)。また、大入賞口有効期間についても2つの大入賞口の各々に対応して、「大入賞口1有効期間」、「大入賞口2有効期間」のタイムチャートが示されている。
さらに、図53(a)~(c)においては、特別電動役物作動中信号についても、「特別電動役物1作動中信号」、「特別電動役物2作動中信号」のタイムチャートが示されている。ここで、本実施例では、互いに異なる特別電動役物である特別電動役物1と特別電動役物2が作動するため、作動中信号も、各々の特別電動役物に対応して、「特別電動役物1作動中信号」と「特別電動役物2作動中信号」の2つが出力されるようになっている。
図53(a)の例においては、「1R」目の「特電遊技ステイタス」が作動中(2)となっている状況では、大入賞口1が開放を継続する。そして、「1R」の作動中(2)となっている期間(開放期間)は、ここでは28000msとなっており、当該開放期間が終了すると、「大入賞口1」は閉鎖状態となる。そして、閉鎖中(3)と準備中(1)の合計期間(ここでは3000ms)が経過すると、「特電遊技ステイタス」は作動中(2)となり、「2R」が開始される。
ここで、「2R」の直前の準備中(1)の期間は、大入賞口の作動状態と作動中信号に係る第1実施例(図50(a)~(d)参照)と同様に、遊技進行割込み処理(ここでは4ms)の2回分に相当する約8msとなっている。そして、この準備中(1)の期間の長さは、他のラウンドについても共通である。
上述の「2R」では、大入賞口2が作動し、作動中(2)の期間に2回の開放(短開放)を行う。そして、その後の閉鎖中(3)の期間及び準備中(1)の期間の合計は、「大入賞口2」のタイムチャート上に示すように2500msとなっている。
図53(a)中に示すように、「大入賞口1有効期間」については、「1R」の開始に先立つ「開始デモ」が始まると、大入賞口1が有効な状態となる。また、「大入賞口2有効期間」についても、「開始デモ」が始まると、大入賞口2が有効な状態になる。そして、「大入賞口1有効期間」及び「大入賞口2有効期間」は、いずれも「1R」だけではなく、「2R」以降も有効な状態となっている。
また、「特別電動役物1作動中信号」と「特別電動役物2作動中信号」について、「特別電動役物1作動中信号」は、「1R」に係る作動中(2)の開始に伴ってオンとなり、「1R」に係る閉鎖中(3)の終了に伴ってオフとなる。そして、「大入賞口2」が作動状態となる「2R」においては、「特別電動役物1作動中信号」はオフの状態を継続し、「3R」の作動中(2)の開始に伴いオンとなる。
さらに、「特別電動役物2作動中信号」は、「1R」の間はオフとなっており、「2R」に係る作動中(2)の開始に伴ってオンとなる。さらに、「特別電動役物2作動中信号」は、「2R」に係る閉鎖中(3)の終了に伴ってオフとなり、「大入賞口1」が作動状態となる「3R」においては、オフの状態を継続している。
続いて、図53(b)に示すように、「7R」においては、「大入賞口1」が1回の短開放を行い、その後の閉鎖中(3)と準備中(1)の合計期間は、600msとなっている。この際、「大入賞口2」は非作動の状態にあるが、「大入賞口1有効期間」と「大入賞口2有効期間」は、いずれも有効な状態になっている。
そして、「特別電動役物1作動中信号」は、「7R」に係る作動中(2)の開始に伴ってオンとなり、「7R」に係る閉鎖中(3)の終了に伴ってオフとなっている。また、「特別電動役物2作動中信号」は、「6R」に係る閉鎖中(3)の終了に伴ってオフとなり、「8R」に係る作動中(2)の開始に伴ってオンとなっている。
続いて、図53(c)に示すように、「最終R」においては、「大入賞口2」が1回の短開放を行い、その後の閉鎖中(3)の期間は600msとなっている。この際、「大入賞口1」は非作動の状態にあり、「大入賞口1有効期間」と「大入賞口2有効期間」は、いずれも終了デモ(4)の開始から始まる所定の延長期間(ここでは5000ms)の終了まで継続する。
ここで、図53(c)では、「終了デモ」の終了のタイミングと、延長期間の終了タイミングを一致させているが、「大入賞口1有効期間」と「大入賞口2有効期間」は、「終了デモ」中に終了する場合もある。また、これとは異なり、「終了デモ」の終了後に「当り待ち」が開始されてから、「大入賞口1有効期間」と「大入賞口2有効期間」が終了する場合もある。このことは、前述した大入賞口の有効期間の管理に係る第1実施例(図50(a)~(d))と同様である。
そして、この第2実施例においても、「終了デモ」に要する時間は一律ではないことから、第1実施例と同様に、「終了デモ」の時間の計時に用いられるタイマ(特電遊技ステイタス管理用のタイマ)と、大入賞口に係る有効延長期間(ここでは5000ms)を管理するためのタイマの、2つのタイマを用いた大入賞口の有効期間の管理が行われている。
ここで、この大入賞口の作動状態と作動中信号に係る第2実施例においては、「大入賞口1有効期間」と「大入賞口2有効期間」の各々について対応するタイマ(例えば大入賞口1有効延長タイマと大入賞口2有効延長タイマ)や、有効期間管理用のRWM領域を備えることが可能である。また、これに限らず、「大入賞口1有効期間」と「大入賞口2有効期間」について、タイマを共通化したり、RWM領域を共通化したりすることも可能である。つまり、図53(a)~(c)の例では、「大入賞口1有効期間」と「大入賞口2有効期間」が一致するように処理を行っているため、タイマやRWM領域のうちの一方、或いは両方を共通化することが可能である。
さらに、図53(c)において、「特別電動役物1作動中信号」は、「最終R」の1つ前のラウンド(前述の(N-1)R)における準備中(1)の開始タイミングでオフとなる。また、「特別電動役物2作動中信号」は、「最終R」に係る作動中(2)の開始タイミングでオンとなり、終了デモが終わった場合にオフとなる。
このような大入賞口の作動状態と作動中信号に係る第2実施例によれば、複数の大入賞口を備えたぱちんこ遊技機において、大入賞口の有効期間(ここでは「大入賞口1有効期間」又は「大入賞口2有効期間」)が有効となっている期間を長大化することができる。さらに、「特別電動役物1作動中信号」又は「特別電動役物2作動中信号」がオンとなっている期間を長大化することができる。
そして、これらのことから、2つの大入賞口それぞれでの入賞が検出された際に、大入賞口の作動中信号がオフとなっているリスクを抑制できる。さらに、ぱちんこ遊技機10に外部接続された試験機器にて、大入賞口での入球が予期せず特別電動役物が非作動かつ無効として扱うべき期間に発生したと取り扱われてしまうことを防止できる。
なお、本発明は上述した各種の実施例に限定されるものではなく、種々に変形が可能なものである。例えば、前述の実施例(図50(a)~(d))では、大入賞口92に関して「特電遊技ステイタス」に大入賞口開放準備中ステイタス(1)を設け、大入賞口開放準備中ステイタス(1)を利用して特別電動役物1作動中信号の管理を行っているが、これに限らず、タイマ管理により特別電動役物1作動中信号の管理を行うようにしてもよい。
より具体的には、閉鎖中(3)の管理のためのタイマによる計時が所定の値になると、大入賞口閉鎖中処理内において、特別電動役物1作動中信号をオフし、所定時間の経過後に、特別電動役物1作動中信号をオンに戻すとともに作動中(2)の状態に移行する際に必要な設定を行う、といったことが可能である。さらに、この場合、特別電動役物1作動中信号をオフにする期間は、例えば8ms(前述の所定の値が「2」であるとき)のように、複数回の遊技進行割込み処理の周期に相当する期間とすることが考えられる。このようにすることで、試験機器の特性に影響されず、特別電動役物1作動中信号に係るオン・オフの検出を可能とすることができる。
さらに、特別電動役物1作動中信号をオフする期間を、上述のように複数回の遊技進行割込み処理の周期に相当する期間とすることで、ノイズ等の影響により信号出力が正常にできなかった場合など、何らかの原因によりエラーが発生し、1回の遊技進行割込み処理では信号のオフ期間を検出できなくなるような場合であっても、より確実に信号のオン・オフを検出することができる。
なお、このようなタイマ管理による作動中信号の生成は、普通入賞口装置63に係る開閉管理(図52(a)、(b)参照)や、複数の大入賞口を開閉される可変入賞装置の開閉管理(図53(a)~(c)参照)などのような他のタイプの可変入賞装置に係る開閉管理についても適用が可能である。
また、図52(a)、(b)に示した普通電動役物に係る例では、普通電動役物が作動する前に開始デモの演出を行うための開始デモ期間を設けていないが、特別電動役物と同様に開始デモ時間を設けるようにしてもよい。そして、例えば、前述した終了デモ(4)から変動中(1)、停止中(2)と続く期間の合計期間(前述の例では1120ms)を、開始デモを含めた合計期間(1120ms+α、或いは、開始デモを含めて1120ms)として開放期間の設定を行ってもよい。
上記のように図50~図53を用いて、特別電動役物および普通電動役物の作動中信号の出力制御および有効期間の制御に係る制御態様を説明したが、説明中に記載されている特別電動役物の作動時間、普通電動役物の作動時間、特別図柄(普通図柄)の変動時間や固定時間等は、例示に過ぎず、適宜遊技機の設計やゲーム性等に応じて変更可能である。
<第2種非電動役物を活用したゲーム性(ゲーム性に係る第1実施例)>
これまで本実施例のぱちんこ遊技機10に係る基本的事項について説明したが、続いて、前述の第2種非電動役物1(54A)、第2種非電動役物2(54B)を活用したゲーム性について説明する。先ず、図65(a)は、大当り前の状態から大当り(所謂初当り)を経て、その後に移行し得る遊技状態を概略的に示している。さらに、図65(a)は、特別図柄及び普通図柄のいずれについても当選確率が低確率である通常の状態(「特図低」且つ「普図低」の状態)で特図1の大当りが発生する場合(基本の場合)の状態遷移を示している。
図65に概略的に示すように、通常の状態での遊技(通常遊技時)において、特図1の大当りが発生すると、特別遊技が実行され、その後に特定遊技状態へ移行する。この特定遊技状態には、普通入賞口装置63に関して、2種類の開放延長状態が含まれている。これらのうち、一方の種類の開放延長状態は時短の遊技状態となっており、他方の開放延長状態は、変動回数制限付き確変・時短(確変及び時短)が実行される遊技状態(ST)となっている。以下では、これらのうち、時短の開放延長状態を「開放延長状態1」と称し、STの開放延長状態を「開放延長状態2」と称する。
また、特図1の通常遊技時において、各開放延長状態を伴う種類の大当りの発生割合は、開放延長状態1が概ね25%、開放延長状態2が概ね60%となっている。さらに、特図1の通常遊技時において発生し得る大当りの種類には、開放延長状態1、2のいずれでもない遊技状態となるものが概ね15%含まれている。
開放延長状態1(時短)においては、普通入賞口装置63が第1開放パターン(後述する)で開放制御され、振り分け部材98の駆動パターンとの組み合わせにより、遊技球が、排出口1(99A)に導かれ易くなっている。そして、遊技球が、排出口1(99A)に導かれると、第2種非電動役物1(54A)が開放し、遊技球を受け入れできる状態となる。さらに、遊技球が第2種非電動役物1(54A)に入賞すると、第2種非電動役物1(54A)を第2始動入賞口とした第2遊技が進行する。
なお、図示は省略しているが、第2種非電動役物1(54A)を第2始動入賞口とした大当り抽選では、概ね75%の割合で、STである開放延長状態2を伴った大当りに当せんするようになっている。また、概ね25%の割合で、時短である開放延長状態1を伴った大当りに当せんするようになっている。
開放延長状態2(ST)においては、普通入賞口装置63が第2開放パターン(後述する)で開放制御され、振り分け部材98の駆動パターンとの組み合わせにより、遊技球が、排出口2(99B)に導かれ易くなっている。そして、遊技球が、排出口2(99B)に導かれると、第2種非電動役物2(54B)が開放し、遊技球を受け入れできる状態となる。さらに、遊技球が第2種非電動役物2(54B)に入賞すると、第2種非電動役物2(54B)を第2始動入賞口とした第2遊技が進行する。
第2種非電動役物2(54B)を第2始動入賞口とした大当り抽選では、大当りの種類の振り分けは、前述の第2種非電動役物1(54A)を第2始動入賞口とした大当り抽選の場合と同様に、概ね75%の割合で、STである開放延長状態2を伴った大当りに当せんするようになっている。また、概ね25%の割合で、時短である開放延長状態1を伴った大当りに当せんするようになっている。ここで、図65(a)には低確率な通常状態から特図1に係る遊技で大当りが発生した場合を示しているが、通常状態から特図2に係る大当りが発生する場合があってもよい。
また、第2種非電動役物2(54B)に入賞が発生した場合の賞球数は、第2種非電動役物1(54A)に入賞が発生した場合に比べて多くなっている。本実施例においては、第2種非電動役物2(54B)に係る賞球数が5個となっており、第2種非電動役物1(54A)に係る賞球数が1個となっている。なお、普通入賞口装置63は、第2種非電動役物(54A又は54B)を開口させるために使用することを主目的とし、遊技球を増加させることを主の目的としていないため、賞球数が1個に設定されている。
図65(b)は、普通入賞口装置63に係る前述の第1開放パターン(普通開放態様1)、及び、第2開放パターン(普通開放態様2)と、振り分け部材98の動作パターン(振り分けパターン)との関係を示している。図中の最下段に示すのは、振り分け部材98の動作パターンであるそして、図中では、振り分け部材98が、第2種非電動役物1(54A)へ遊技球を導く状態(非電1の状態)を継続し、その後、波形の立ち上がりで示すように、第2種非電動役物2(54B)へ遊技球を導く状態(非電2の状態)に切替わることを示している。さらに、振り分け部材98は、普通入賞口装置63の開放開始のタイミングT1を起点として同じパターン(タイミングT2)で切り替え動作を行うようになっている。
また、図65(b)中の最上段及び中段に示すのは、普通入賞口装置63の開放パターンである。そして、図中における最上段の波形は、前述の開放延長状態1(時短)の場合における普通入賞口装置63の開放パターン(普通開放態様1)を示しており、中段の波形は、前述の開放延長状態2(ST)の場合における普通入賞口装置63の開放パターン(普通開放態様2)を示している。
図65(b)の最上段に示すように、開放延長状態1(時短)の場合における普通入賞口装置63は、波形の立ち上がりで示すよう相対的に長い時間の開放を継続し、その後、相対的に短い時間の開放を2回行っている。以下では、普通入賞口装置63の最初の開放(ここでは相対的に長い時間の開放である長開放)を第1開放と称し、その後の開放(相対的に短い時間の開放である短開放)を、それぞれ第2開放、第3開放と称する。
開放延長状態1(時短)の場合における普通入賞口装置63は、振り分け部材98が、低いままの波形で示すように、賞球数の少ない第2種非電動役物1(54A)へ遊技球を導く状態にある間に、第1開放(ここでは長開放)のための開放を開始して終了している。さらに、普通入賞口装置63は、同じく振り分け部材98が第2種非電動役物1(54A)へ遊技球を導く状態にある間に、その後の第2開放(短開放)を行って一旦閉鎖する。そして、図65(b)の例では、振り分け部材98が、第2種非電動役物2(54B)へ遊技球を導く状態に切り替わる際に、普通入賞口装置63が、その後の第3開放(短開放)を行って閉鎖する。
このように、開放延長状態1(時短)の場合には、普通入賞口装置63の開放の大部分は、振り分け部材98が、賞球数の少ない第2種非電動役物1(54A)へ遊技球を導く状態にある間に行われる。このため、開放延長状態1(時短)の場合には、普通入賞口装置63に進入した遊技球は、第2種非電動役物1(54A)へ導かれ易い。なお、程度によるが、第3開放の開放時間は、第3開放において普通入賞口装置63への入球がほぼ期待できない程度(例えば1000球発射していて1球入るかどうか程度)の時間値に設定され、開放延長状態1(時短)に係る遊技を実行している際には、第2種非電動役物2がほとんど開かないように設計される。
一方、開放延長状態2(ST)の場合における普通入賞口装置63は、波形の立ち上がりで示すように、相対的に短い時間の開放(ここでは第1開放、第2開放)を行い、その後、相対的に長い時間の開放(ここでは第3開放)を行っている。また、普通入賞口装置63は、振り分け部材98が、低いままの波形で示すように、賞球数の少ない第2種非電動役物1(54A)へ遊技球を導く状態にある間に、短開放である第1開放と第2開放を行っている。さらに、普通入賞口装置63は、波形の立ち上りで示すように、振り分け部材98が第2種非電動役物2(54B)へ遊技球を導く状態に切り替わっている期間に同期して、長開放である第3開放を行っている。
このように開放延長状態2(ST)の場合には、普通入賞口装置63の開放の大部分は、振り分け部材98が、賞球数の多い第2種非電動役物2(54B)へ遊技球を導く状態にある間に行われる。このため、開放延長状態2(ST)の場合には、普通入賞口装置63に進入した遊技球は、第2種非電動役物2(54B)へ導かれ易い。そして、第2種非電動役物1(54A)へ導かれ易い開放延長状態1(時短)の場合に比べて、開放延長状態2(ST)の場合には、第2種非電動役物2(54B)への入球により賞球数が多くなる。
本実施例では、このようなゲーム性を採用していることから、第2種非電動役物1(54A)、及び、第2種非電動役物2(54B)や、普通入賞口装置63、振り分け部材98を活用して、趣向性の高い遊技を行うことが可能である。なお、このようなゲーム性は、同じ遊技状態(例えば通常遊技の状態)から、大当り遊技後に、異なる電サポ状態(開放延長状態1及び開放延長状態2)のいずれかに移行するものであるということができる。
また、上述の実施例では、説明や図示が煩雑にならないよう、普通入賞口装置63の開放パターンを、第1開放~第3開放により構成されるものとしているが、普通入賞口装置63の開放パターンはこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更することが可能である。
さらに、普通入賞口装置63の開放パターンについて、開放延長状態1(時短)の場合の第1開放と、開放延長状態2(ST)の場合の第3開放の開放期間とを同程度とし、開放延長状態1(時短)の場合の第2開放及び第3開放と、開放延長状態2(ST)の場合の第1開放及び第2開放の開放期間とを同程度としているが、これらについても、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更することが可能である。さらに、開放延長状態1(時短)の場合の第2開放と、第3開放(或いは開放延長状態2(ST)の場合の第1開放と第2開放の開放期間)とを同程度としているが、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、これらを互いに異なるものとしてもよい。
また、開放延長状態1(時短)と開放延長状態2(ST)とに係る普通入賞口装置63の開放パターンに関して、開放パターンを異ならせつつ、合計の開放時間は互いに同じになるようにすることが可能である。さらに、これとは異なり、合計の開放時間を互いに異ならせることも可能である。
また、普図の種類と普通入賞口装置63の開放パターンとの関係を1:1とし、当りの場合の普図の種類が決まれば、普通入賞口装置63の開放パターンが自ずと決まるようにすることが可能である。このようにすることで、当りの場合の普図の種類が同じであれば、当り時の遊技状態(時短や確変などの遊技状態)が異なっていても、開放パターンを同じとすることができる。また、これに限らず、当りの場合の普図の種類が同じであっても、当り時の遊技状態が異なる場合に開放パターンが異なるようにしてもよい。
なお、図示はしていないが、通常時(低ベース状態、非電サポ状態)における普図当り時の普通入賞口装置63の開放態様は、開放延長状態2の第2開放までとし、万が一通常状態において普通入賞口装置63に入賞しても第2種非電動役物2(54B)が開放しないように設計する例が挙げられる。
<第2種非電動役物2(54B)の具体的構成>
次に、前述の第2種非電動役物2(54B)の具体的構成について説明する。図56~図64は、第2種非電動役物2(54B)を示している。これらのうち図56は、右側入賞装置ユニット95の正面側を示しており、図57は、右側入賞装置ユニット95の背面側を示している。図56(及び図57)に示すように、第2種非電動役物2(54B)は、最下部に位置するアウト口58Bの上方に配置されている。さらに、第2種非電動役物2(54B)は、右側入賞装置ユニット95にビス止めされる意匠ベース401、意匠ベース401の前面に組み付けられた前飾り402、及び、図57に示すように意匠ベース401の背面側に組み付けられた背面部403などを備えている。
ここで、図56や図57では、実際には隠れて見えない部位の線も破線ではなく実線で描かれているが、図58~図62では、各図の状態において隠れて見えない部位は隠され、見える部位のみが示されている。
図58(a)は、第2種非電動役物2(54B)の、ぱちんこ遊技機10の前方から見える正面側の部位を拡大して示している。図58(b)は、第2種非電動役物2(54B)の背面側の部位を拡大して示している。さらに、図59(a)は、第2種非電動役物2(54B)を真上から見た状態を示しており、図59(b)は、第2種非電動役物2(54B)を真下から見た状態を示している。
また、図60(a)は、第2種非電動役物2(54B)を前方の斜め上から見た状態を示しており、図60(b)は、第2種非電動役物2(54B)の一部を取り出して斜め下方から見た状態を示している。図61は、第2種非電動役物2(54B)を分解して前方の斜め上から見た状態を示しており、図62は、第2種非電動役物2(54B)を同じく分解して後方の斜め上から見た状態を示している。
第2種非電動役物2(54B)は、図61に示すように、前述の意匠ベース401、前飾り402、及び、背面部403等を備えている。これらのうち、意匠ベース401は、右側入賞装置ユニット95を介して遊技盤50の遊技領域52中の所定位置に配置されるように固定される。さらに、意匠ベース401と前飾り402は、遊技領域52におけるゲージ構成や意匠の一部を担うようになっている。また、前飾り402は、上下方向に開口する門型に形成されており、意匠ベース401に取付けられて、その内側を遊技球が落下できるようになっている。
前述の背面部403は、図61や図62に示すように、ステージ軸受部411、ステージ部412、ステージ裏カバー部413、ロックアーム軸受部414、ロックアーム415、遊技球検出装置である第2-2始動入賞検出装置75B、軸受部カバー417、機構カバー418、樋部材419等を、ビス止めや係合により組み合わせて構成されている。
なお、本実施例では、これらの各部品の素材として合成樹脂が採用されている。また、ステージ軸受部411、ステージ裏カバー部413、ロックアーム軸受部414、軸受部カバー417、機構カバー418、樋部材419の素材としては、無色或いは有色の透明な合成樹脂が採用されている。また、この他の部品(ステージ部412やロックアーム415など)についても、必要に応じ無色或いは有色の透明な合成樹脂素材や、耐摩耗性に優れた合成樹脂素材を採用することが可能である。さらに、図中において、一部に符号420を付しているのは、部品の結合に用いられているビス420である。
背面部403を構成するこれらの部品のうち、ステージ軸受部411は、意匠ベース401の背面側に固定され、ステージ部412を自在に回転できるよう支持している。ステージ部412は、横長の矩形板状に形成されたステージ本体部421と、ステージ本体部421の長手方向である左右方向の各端部に三角板状に形成された支持部422a、422bとを有している。
さらに、各支持部422a、422bには、外側に略垂直に突出した円柱状の回転軸423が設けられている。また、一方の(正面から見て右に位置する方の)支持部422aには、円柱状の被拘束軸424が、回転軸423とほぼ平行に突出するよう形成されている。
ステージ部412の支持は、ステージ軸受部411とステージ裏カバー部413を組み合わせることで行われている。ステージ裏カバー部413は、ステージ軸受部411に後方から組み合わされており、ステージ軸受部411との間に、ステージ部412の両回転軸423を、自在に回転できる状態で拘束できるよう挟み込んでいる。ここで、ステージ軸受部411とステージ裏カバー部413のうちのいずれか一方(例えばステージ軸受部411)のみによって、ステージ部412の重量を支えることができるようになっていてもよい。
ステージ部412は、後述する機構により、起立した姿勢と、前方に倒れた姿勢とに状態変化することが可能である。さらに、ステージ部412におけるステージ本体部421の前面425は、ステージ部412が起立姿勢に在る場合に、意匠ベース401の前面とほぼ同一な平面上に位置するようになっている(図60(a))。そして、ステージ本体部421の前面425は、ステージ部412が起立姿勢に在る場合(閉鎖状態にある場合)には、遊技者から見え、遊技領域52の意匠の一部を担うようになっている。
ステージ裏カバー部413には、後述するように、ステージ部412が倒伏状態(閉鎖状態)にある場合に、進入した遊技球を通過させる遊技球流路426が形成されている。さらに、ステージ軸受部411とステージ裏カバー部413の下方には、前述のロックアーム軸受部414が組み付けられており、ロックアーム軸受部414は、ステージ軸受部411の背面に結合されている。このロックアーム軸受部414には、前述の第2-2始動入賞検出装置75Bが収容されており、遊技球流路426を流下した遊技球が通過可能となっている。さらに、ロックアーム軸受部414の上部には、軸受部カバー417が結合されている。
ここで、詳細については後述するが、ステージ裏カバー部413に進入した遊技球は、遊技球流路426や、遊技球検出装置416を通過し、ロックアーム軸受部414に形成された球排出口427(図61、図62)を通って、遊技盤50の背面側で流下する。
ロックアーム軸受部414には、ロックアーム415が搭載されている。ロックアーム415は、合成樹脂を一体成型して構成されている単一の部品である。さらに、ロックアーム415は、本体部428から、第1爪部429、第2爪部430、円柱状の2つの回転軸431、及び、作動凸部432を突出させている。ロックアーム415は、回転軸431を、ロックアーム軸受部414に形成された凹部に係止させ、ロックアーム軸受部414によって支持されている。回転軸431は、ロックアーム軸受部414と軸受部カバー417の間に、自在に回転できるよう差し込まれている。
ロックアーム415は、第1爪部429と第2爪部430を、ステージ部412が位置する側(前側)に向け、作動凸部432を後側に向けている。そして、ロックアーム415は、後述するように流下する遊技球に接触して押され、回転軸431を中心として上下方向に回動するが、ロックアーム415が遊技球に押されていない平静な状態(通常状態、或いは、閉鎖状態などともいう)においては、第1爪部429は、図61に示すように本体部428から斜め上方に向かって延びている。また、第2爪部430は、上述のような平静な状態においては、本体部428から前方へ向かって略水平に延びている。
さらに、第1爪部429と第2爪部430は、遊技盤50の正面側から見て左右方向に所定量離間している。第1爪部429と第2爪部430の突出方向は、所定角度(本実施例では60°程度)異なっている。また、第1爪部429には、後述するように状態検出に用いられる板状の被検出片433が、横方向(本実施例では遊技盤50の正面側から見て右方向)に突出している。
前述のステージ裏カバー部413、ロックアーム軸受部414、及び、軸受部カバー417の背後には、機構カバー418や樋部材419が組み付けられている。これらのうち機構カバー418には、ロックアームセンサ434が収容されている。ロックアームセンサ434は、軸受部カバー417に固定されており、ロックアーム415の第1爪部429に形成された被検出片433の有無(すなわち、ステージ部412の姿勢であり、第2種非電動役物2(54B)の開放・閉鎖状態)を検出できるようになっている。
樋部材419は、機構カバー418の背面に固定されている。樋部材419は、上下に開口し内側に開放作動用流路(以下では「作動用流路」と称する)435を形成している。作動用流路435は、上下に開口し、遊技球を流下させることができるようになっている。また、樋部材419の背面壁436は、平坦ではなく、所定の形状で湾曲しており、作動用流路435は、所定の形態で前後方向に湾曲し、蛇行する形態の空間となっている。作動用流路435は、図57や図58(b)に示すように、側方(各図中の左側)にも凹凸する形状を有しており、横方向にも蛇行する形態の空間となっている。
ここで、詳細は後述するが、機構カバー418の背面壁437も前後に凹凸を有する形状となっており、機構カバー418の背面壁437に係る凹凸も、樋部材419の作動用流路435の形態を規定する役割を担っている。また、ロックアーム415の、前述した作動凸部432が、作動用流路435内に突出している。
図60(b)は、ステージ部412を起立状態としている場合におけるロックアーム415の様子を、樋部材419とともに斜め下方から示している。ステージ部412を起立状態としている状況では、ロックアーム415は、前述した平静な状態(通常状態又は閉鎖状態)となっている。そして、ロックアーム415の第2爪部430は、上述のような平静な状態においては、本体部428から前方へ向かって略水平に延びている。
また、ロックアーム415の第1爪部429は、斜め上の前方に向かって伸び、前述したステージ部412の被拘束軸424に、上方から鉤部441を引っ掛けるようにして係止している。図示は省略するが、ロックアーム415の形状や重量配分は、その重心が回転軸431よりも前方に位置するよう決められている。そして、ロックアーム415は、特段の外力が作用ない前述の平静な状態においては、ステージ部412を、例えばその自重や振動などの要因によって前方に倒伏することがないよう拘束している。
ここで、ステージ部412の閉鎖時におけるロック力(ロックの保持力)を確保するためには、ロックアーム415の重心バランスが重要である。そして、ロックの保持力を高める為に、第1爪部429をステージ部412(の被拘束軸424)に、常に押し当てることが必要であるといえる。さらに、第1爪部429をステージ部412に押し当てるために、ステージ部412やロックアーム415の重量配分を、保持力が大となるよう決定している。
そして、これに限らず、例えば、ステージ部412の回転軸423や、ロックアーム415の回転軸431にトーションバネを装着することや、回転軸(423、431)から離れた位置に板バネ、引っ張りバネ、圧縮バネを設けたりして、各種の弾性部材における弾性復元力を利用することが可能である。また、第1爪部429における、被拘束軸424に接触する傾斜面の傾斜角度を最適化して、保持力を大とすることも可能である。さらに、閉鎖時におけるステージ部412の重心を、ロックアーム415の側に近付けて、閉鎖側(意匠ベース401よりも後方側など)に配置することが可能である。
図63(b)は、平静な状態にあるロックアーム415と、起立状態にあるステージ部412との関係を、周囲の部品を含めて部分的に切断した様子を示している。ステージ部412が起立状態にある状況では、ステージ部412が閉鎖状態となっており、意匠ベース401に形成された横長で略矩形な入賞口442が、ステージ部412によって閉じられている。ここで、図63(b)では、ロックアーム415の第1爪部429と、ステージ部412の被拘束軸424との関係が理解し易くなるよう、ステージ部412における支持部422aの図示を省略している。
図64(a)は、振り分け部材98(図56)から第2種非電動役物2(54B)を作動させる作動用流路435へ遊技球が導かれた場合の様子を機能的に示している。遊技球が第2種非電動役物2(54B)の作動用流路435に導かれた場合、遊技球443(2点鎖線で示す)が、樋部材419の内側に形成された作動用流路435に上方から進入する。さらに、遊技球443は作動用流路435内を流下し、機構カバー418の背面壁437における突出した部分の傾斜面に干渉して後方に跳ねる。そして、遊技球443は、作動用流路435内に突出したロックアーム415の作動凸部432に干渉し、その重量をロックアーム415に作用させる。
図64(a)に示すように、ロックアーム415は、回転軸431(1つのみ図示)を中心として、矢印Cで示すように、作動凸部432の側が下がるよう回転する。これに伴い、ロックアーム415の第1爪部429が、ステージ部412の被拘束軸424から離脱し、ステージ部412が第1爪部429による拘束から解放される。
ロックアーム415が遊技球443からの力を受けて回動すると、ロックアーム415の第2爪部430も、第1爪部429と一体に上方に変位する。そして、第2爪部430は、ステージ部412の下面444に到達した後も変位を続け、ステージ部412の下面444を押し上げる。第2爪部430と、ステージ部412の下面444との接触箇所は、ステージ部412の回転軸423よりも後方に位置している。このため、ステージ部412は、前方に倒れ、図64(a)に示すように、意匠ベース401の入賞口442を開放する。
ここで、ステージ部412の下面444においては、図64(a)や図60(b)に示すように、曲面を有し前後方向に線状に延びる当接リブ445(接触凸部)が突出している。この当接リブ445の形状は、ロックアーム415の第2爪部430との接触や、ステージ部412の可動範囲を考慮して決められている。そして、ロックアーム415の第2爪部430は、ステージ部412を押し上げる際には、この当接リブ445に対し接触して滑りながら、上方に変位するようになっている。
また、本実施例ではステージ部412の重心位置は、ロックアーム415の第1爪部429から解放されただけで自重で倒伏するように設定されているが、自重では前方へ倒伏せず、ロックアーム415の第2爪部430により押し上げられることでステージ部412が開放されるよう設定してもよい。
ここで、ステージ部412の開放時にステージ部412の重心が開放側(意匠ベース401よりも前方側など)になるよう、ステージ部412の形状や重量配分を決めることが可能である。さらに、ステージ部412の設計にあたっては、決められた範囲における最後(最大)まで確実に開放するように、ステージ部412とロックアーム415の接触位置を決めることが重要である。また、ステージ部412を、ロックアーム415の第2爪部430により、最後まで確実に押し上げることが重要である。
続いて、図64(a)に実線で示すように、流下する遊技球443がロックアーム415から離れると、ロックアーム415は、遊技球443による押下から解放され、前方に戻るよう変位する。さらに、ロックアーム415の第1爪部429が、未だ倒伏状態にあるステージ部412に到達し、図64(b)に示すように、鉤部441をステージ部412の後端部446に引っ掛ける。
そして、ロックアーム415はステージ部412を拘束し、遊技機自身の演出装置等に基づく振動や遊技機外部から与えられる外力に基づく振動により、ステージ部が起立位置(閉鎖状態)とならないように、ステージ部412は開放状態を維持する。このように、ロックアーム415は、状態維持機構の主体となる部品としても機能している。また、図64(b)では隠れているが、ステージ部412の後端部446において、ロックアーム415の鉤部441が引っ掛かる部位は、鉤部441との係止に適した形状に成型されている。
ここで、状態維持機構は、ステージ部412が倒伏位置にあるときにはステージ部412が閉鎖する方向へ働く力を打ち消す方向に規制モーメントを発生させる機能を有するものであり、ステージ部412が起立状態にあるときは、ステージ部が自重や振動で開放状態(倒伏位置)にならないように規制モーメントを発生させる機能を有するものである。そして、状態維持機構は、ロックアーム415のほか、ロックアーム軸受部414や軸受部カバー417等の部品により構成されている。
また、ロックアーム415及びステージ部412の大きさ、形状、重量配分等の特性は、上述のような状態維持のための動作をより確実に行えるよう定めることが望ましい。そして、ロックアーム415及びステージ部412の特性に係る設計を、遊技球が443を通り過ぎてロックアーム415が素早く前方に戻り、前方へ倒れたあと、反動で戻ろうとするステージ部412が鉤部441によって受け止められるよう決めることが可能である。
さらに、ステージ部412における重量配分の適正のために、ステージ部412に樹脂製や金属製などの錘を追加することも可能である。また、ロックアーム415の第1爪部429における、被拘束軸424に接触する傾斜面(符号省略)の傾斜角度を最適化して、状態維持する機能を最適化することも可能である。さらに、前述したように、ステージ部412の回転軸423や、ロックアーム415の回転軸431にトーションバネを装着したり、回転軸(423、431)から離れた位置に板バネ等の各種の弾性部材を設けたりして、ステージ部412やロックアーム415の動作を最適化することが可能である。
ここで、上述のような状態維持は、ロックアーム415がステージ部412に作用させるモーメント(ここでは「付加モーメント」と称する)と、ステージ部412が自身の重心まわりに発生させている自重によるモーメント(ここでは「重量モーメント」と称する)とが合算されて、バランスが保たれる(均衡している)ことにより行われているものであるともいえる。
続いて、上述の図64(b)には、開放された入賞口442に遊技球447が進入する様子を示している。入賞口442に進入した遊技球447は、ステージ部412の背面側で流下しながら、ステージ部412にその重みや勢いを伝える。遊技球447からステージ部412に力が伝わることにより、モーメント(付加モーメントや重力モーメント)のバランスが崩れ、重力モーメントが付加モーメントよりも大となって、ステージ部412が閉鎖状態に戻ろうとする力(モーメント)が増す。具体的には、ステージ部412自体の重力モーメントは不変であるが、遊技球がステージ部412へ入球することにより、遊技球の重みがステージ部412に作用して、ステージ部の回転軸423に与えられる起立位置へ復帰させる回転方向の重力モーメントが増加し、ロックアーム415から与えられる付加モーメントよりも大となる。
さらに、遊技球のステージ部412への入球により、ステージ部412の回転軸423に与えられる重力モーメントが大となることで、ステージ部412の被拘束軸424がロックアーム415の鉤部441を図64(a)のC方向に押し戻すことにより、ロックアーム415の第1爪部429における鉤部441が、ステージ部412から離れ、ロックアーム415とステージ部412との係合が外れて、ステージ部412がロックアーム415から解放される。さらに、ステージ部412が、遊技球447の重みや勢いを受けながら後方へ回動し、閉鎖状態(起立姿勢)に戻る。この時、ステージ部が起立姿勢に戻ると同時にロックアーム415は、矢印Dで示すように前方へ回動し、ステージ部412とともに、図63(b)に示したような元の状態に戻る。
また、図示は省略するが、第2種非電動役物2(54B)に入賞した遊技球447は、前述のステージ裏カバー部413内に流下し、第2-2始動入賞検出装置75B(図61、図62)により検出されて、遊技盤50の裏側に回収される。
ここで、図64(b)には、後続の遊技球448が第2種非電動役物2(54B)に導かれた様子を示している。図中に示すようにステージ部412が開放状態にある状況では、ロックアーム軸受部414における作動凸部432の先端(後端)と、樋部材419の背面壁436における内壁面との間隔(斜め間隔H1及び水平間隔H2)は、遊技球448が通過できるよう、遊技球の直径(例えば11mm)よりも幾分大きくなっている。
この間隔(H1又はH2のうち少なくとも一方)は、ステージ部412が起立姿勢(閉鎖状態)にある場合には、遊技球の直径よりも小さくなるものである。このような間隔(H1、H2)を確保することにより、ステージ部412が開放状態にあり、第2種非電動役物2(54B)に対する遊技球447の入賞と、後続の遊技球448の作動用流路435への流下が同時に発生した場合であっても、第2種非電動役物2(54b)のステージ部412やロックアーム415の動作がロックすることがなく、遊技球448を、作動凸部432の傍らを円滑に通過するよう流下させることができる。
以上説明したような第2種非電動役物2(54B)によれば、ステージ部412の閉鎖時に係るロック(閉鎖時の状態維持)、開放(開放動作の補助)、開放時に係る状態維持を、単一の部品であるロックアーム415により行うことができる。そして、ロックアーム415を、複数の部品を組み合わせて構成し、例えばロックアーム415がそれ自身で可動リンク機構を形成するようなものと比べて、部品点数や可動部分を少なくすることができる。さらに、部品点数が少ないことから、部品コストの削減が可能である。また、可動部分が少ないことから、動作の安定化や、故障の発生防止、省スペース化が可能となる。
また、図64(b)に示すように、樋部材419において作動用流路435が、直線状ではなく、蛇行することで回避用の間隔(H1、H2)ように形成されている。このため、ステージ部412やロックアーム415が生じさせるモーメントが釣り合っている状況においても、樋部材419において遊技球の動きを確保し易く、遊技球が停止してしまうのを防止できる。
さらに、開放時や閉鎖時には、ロックアーム415がステージ部412を解放するようにしていることから、開放してから再び係止するまでの間は、ステージ部412とロックアーム415を、一定の時間差をもって個別に動作させることができる。この結果、開放時や閉鎖時に、ステージ部412とロックアーム415とが噛み合ったまま動作して、動作不良が生じるのを防止できる。
また、本実施例では、図64(a)、(b)に示すように、機構カバー418の背面壁437にも凹凸を形成している。このため、遊技球448と背面壁437との干渉により、遊技球がロックアーム415の作動凸部432に接触する前段階で、遊技球を減速すること(衝突前の減速処理を行うこと)ができる。つまり、機構カバー418の背面壁437を減速部として利用できる。この結果、遊技球の速度を安定させることができるとともに、遊技球とロックアーム415との接触時の衝撃を緩和させることが可能となる。
なお、減速部は、樋部材419の内側に適宜の突出量のリブを設けることなどによっても、形成することが可能なものである。また、減速部は、機構カバー418の背面壁437にリブを突設することによっても形成することが可能なものである。そして、これらの減速部は、適宜の組合せで、或いは単独で形成することが可能である。
さらに、ステージ部412の閉鎖も遊技球448の流下の勢いを利用して行われるため、例えば、バネ機構を用いたソレノイドの復帰力によってステージ部412を閉鎖状態(初期位置)に戻す場合に比べて、ステージ部412を素早く閉鎖させることができる。
なお、本実施例のぱちんこ遊技機10で用いることが可能な第2種非電動役物2(54B)は、上述のようなものに限定されない。例えば、作動用流路435や、ロックアーム415の作動凸部432を後方に配置したものに限らず、機構カバー418の側方(遊技盤50の正面側から見て右側或いは左側)に配置してもよい。
また、普通入賞口装置63の開閉は、スライドシャッタによるタイプのものに限らず、開閉羽根によるものなどであってもよい。さらに、右側入賞装置ユニット95の全体構成に関しても、一体的なものに限定されず、例えば、第2種非電動役物1(54A)と大入賞口装置90の間で上下に分離されたユニットとすることなども可能である。
<第2種非電動役物と小当りラッシュとの組合せ>
また、第2種非電動役物を用いたゲーム性として、所謂小当りラッシュを利用したものを考えることが可能である。小当りラッシュのゲーム性としては、小当りラッシュ中に第2種非電動役物を用いて遊技者の獲得出玉を増やせるようにするものを考えることができる。具体的に例を挙げれば、図54や図55に示す右側入賞装置ユニット95に、小当りラッシュ中のみに入球を容易にした第2始動入賞口を設ける。
この第2始動入賞口としては、各種の構造の非電動役物を採用することが可能である。さらに、この非電動役物への入賞による当否抽選の結果が大当り等の当りであった場合に開放する小当りラッシュ用の大入賞口装置(スライド式アタッカなど)を備える。この小当りラッシュ用のアタッカは、図54や図55に示す右側入賞装置ユニット95に追加することも可能である。
そして、小当りラッシュ中に右打ちをすることで、普通図柄の作動ゲート(作動口68)遊技球を通過させて普通図柄の当否抽選を行い、当せんした場合に第2始動入賞口を各種のパターンで開放させる。さらに、第2始動入賞口への入賞により実行される特図2の当否抽選に当せんすると、小当りラッシュ用の大入賞口装置が開放する。そして、小当りラッシュ中には、第2始動入賞口への入賞による賞球と、小当りラッシュ用の大入賞口装置への入賞による賞球とで、獲得出玉が増えるようにする。
このように第2種非電動役物を小当りラッシュと併用すると、大入賞口(92)の開放が特別図柄の制御および特別電動役物の制御に紐づいて時間で状態遷移するのに対し、第2種非電動役物に係る入賞口は、機械的に遊技球の作用によって開閉動作するため、特別図柄の変動表示中にも追加で開放する入賞口を設けることができ、特別図柄の変動表示中に無駄に発射されるアウト球をセーフ球に変更し得るとともに、変動中においても大きな賞球を期待できる遊技機が提供可能となる。
また、小当りラッシュは、本実施例では、確変状態かつ非入球容易化状態(非電サポ)で実行される遊技であり、前述した2つの開放延長状態を有する場合の振り分け態様とは異なる態様での制御が必要となる。そこで、小当りラッシュでは、普通電動役物の開放延長機能が作動した状態ではないために、図65(b)に示した開放延長状態2の内、開放1,2を有しない態様で開放制御されるように非開放延長状態における普通電動役物の開放態様を設定することで、開放延長状態1の状態に比して普通入賞口装置63の開放時間が短く、入賞が容易でない状態でありながら、賞球の多い第2種非電動役物2(54B)を開放できるよう制御可能とする例があげられる。
このとき、小当りラッシュと通常遊技とで同様の第2種非電動役物の開放をしてしまうことから、第2種非電動役物2(54B)の賞球数を低くする(例えば3球など)か、アウト球とならずに第2種非電動役物2(54B)へ到達する遊技球の割合を減らすことで、通常時に右打ちしても遊技球が増加しないように設計されることが望ましい。このように設計しても、小当りラッシュ遊技が実行されている際には、通常時に比して特別図柄の変動時間が短縮されているので、単位時間あたりに大入賞口で遊技球を獲得できる数が多くなっており、通常時では特別図柄(特図2、第2の遊技)の変動時間が長時間で大入賞口の小当りに基づく開放を狙うことが困難なため、右打ちのみを繰り返す攻略効果は著しく低くなっている。
なお、非電動役物を小当りラッシュと組み合わせた場合のゲーム性や制御態様としては、これまでに説明したものの他にも種々のものが考えられるが、これらのゲーム性や制御態様については後述する。また、ここで非電動役物を小当りラッシュと組み合わせたのはあくまでも一例を示すためであり、変形例において非電動役物に組み合わせる対象は、小当りラッシュに限られるものではない。
<第2種非電動役物に係る第2実施例>
また、第2種非電動役物2としては、上述のタイプのものに限らず、種々のタイプのものを採用することが可能である。以下では、他のタイプの第2種非電動役物2について説明するが、図58~図64に示した実施例を第1実施例とし、ここで説明する実施例を第2実施例とする。また、第2実施例について、第1実施例と同様の部分については同一符号を付し、その説明は適宜省略する。
図66~図75は、第2種非電動役物2(454B)の第2実施例を示している。これらのうち図66(a)は、第2実施例に係る第2種非電動役物2(454B)を、ぱちんこ遊技機10の前方から見えた状態を拡大して示している。また、図66(b)は、第2種非電動役物2(454B)の背面側を示している。さらに、図67(a)は、第2種非電動役物2(454B)を上方(真上)から見た状態を示しており、図67(b)は第2種非電動役物2(454B)を下方(真下)から見た状態を示している。
また、図68(a)は、第2種非電動役物2(454B)の、正面から見て左側方の部位を見た状態を示しており、図68(b)は、第2種非電動役物2(454B)の、正面から見て右側方の部位を見た状態を示している。さらに、図69(a)は、第2種非電動役物2(454B)を前方の斜め上から見た状態を示しており、図69(b)は、第2種非電動役物2(454B)を後方の斜め下方から見た状態を示している。
また、図70(a)は、第2種非電動役物2(454B)を後方の斜め上方から見た状態を示しており、図70(b)は、第2種非電動役物2(454B)の一部を取り出して斜め下方から見た状態を示している。さらに、図71は、第2種非電動役物2(454B)を分解して前方の斜め上から見た状態を示しており、図72は、第2種非電動役物2(454B)を同じく分解して後方の斜め下から見た状態を示している。
第2種非電動役物2(454B)は、図71に示すように、意匠ベース601、前飾り602、及び、背面部603等を備えている。これらのうち、意匠ベース601と前飾り602は、遊技領域52におけるゲージ構成や意匠の一部を担うようになっている。また、前飾り602は、上下方向に開口する門型に形成されており、意匠ベース601に取付けられて、その内側を遊技球が落下できるようになっている。
前述の背面部603は、図71や図72に示すように、軸保持ベース611、ステージ部612、背面カバー部613、軸押さえ部材614、開閉軸部材615、遊技球検出装置である第2-2始動入賞検出装置75B、保持部材617、押上げ部材618等を、ビス止めや係合により組み合わせて構成されている。
なお、本実施例では、これらの各部品の素材として合成樹脂が採用されている。また、軸保持ベース611、背面カバー部613、軸押さえ部材614の素材としては、無色或いは有色の透明な合成樹脂が採用されている。さらに、この他の部品(ステージ部612、開閉軸部材615、保持部材617、押上げ部材618など)についても、必要に応じ無色或いは有色の透明な合成樹脂素材や、耐摩耗性に優れた合成樹脂素材を採用することが可能である。
背面部603を構成するこれらの部品のうち、軸保持ベース611は、意匠ベース601の背面側に配置され、ステージ部612を自在に回転できるよう支持している。ステージ部612は、横長の矩形板状に形成されたステージ本体部621と、ステージ本体部621の長手方向である左右方向の各端部に形成された支持部622a、622bとを有している。
さらに、各支持部622a、622bには、外側に略垂直に突出した円柱状の回転軸623が設けられている。また、各支持部622a、622bには、円柱状の錘部624が、回転軸623の斜め前方の部位で、回転軸623とほぼ平行に突出するよう形成されている。さらに、図70(b)及び図72に示すように、一方の支持部622bには、被規制軸626が、回転軸623や錘部624とほぼ平行に突出するよう形成されている。
ステージ部612の支持は、軸保持ベース611と軸押さえ部材614を組み合わせることで行われている。軸押さえ部材614は、軸保持ベース611に上方から組み合わされており、軸保持ベース611との間に、ステージ部612の両回転軸623を、自在に回転できる状態で拘束できるよう挟み込んでいる。ここで、軸保持ベース611と軸押さえ部材614のうちのいずれか一方(例えば軸保持ベース611)のみによって、ステージ部612の重量を支えることができるようになっていてもよい。
ステージ部612は、後述する機構により、起立した姿勢と、前方に倒れた姿勢とに状態変化することが可能である。さらに、ステージ部612におけるステージ本体部621の前面625は、ステージ部612が起立姿勢に在る場合に、意匠ベース601の前面とほぼ同一な平面上に位置するようになっている(図69(a))。そして、ステージ本体部621の前面625は、ステージ部612が起立姿勢に在る場合(閉鎖状態にある場合)には、遊技者から見え、遊技領域52の意匠の一部を担うようになっている。
図71に示すように、前述の軸押さえ部材614に対して、上方から背面カバー部613が組み合わされている。そして、背面カバー部613は、軸保持ベース611に連結されており、背面カバー部613と軸保持ベース611の間に、軸押さえ部材614が挟まれている。さらに、背面カバー部613、軸押さえ部材614、及び、軸保持ベース611には、それぞれ流路構成部627、628、629が形成されており、これらを繋げることで開放作動用流路(以下では「作動用流路」と称する)630が形成されている。作動用流路630は、上方から進入した遊技球を後方から前方に案内しながら流下させ、下方に排出するようになっているが、詳細については後述する。
軸保持ベース611には、第2-2始動入賞検出装置75Bが収容されている。第2-2始動入賞検出装置75Bは、ステージ部612が倒伏して開放状態となった際に、遊技球の流下が可能となる遊技球流下路619の途中に位置するようになっている。そして、ステージ部612の開放時に遊技球流下路619に進入した遊技球は、前述の開閉軸部材615を回動変位させ、遊技盤50の背面側に排出される。遊技球によって開閉軸部材615を回動変位させるための機構については後述する。
軸保持ベース611には、前述の開閉軸部材615や、保持部材617、及び、押上げ部材618が収容されている。これらの開閉軸部材615、保持部材617、及び、押上げ部材618は、いずれも合成樹脂により構成されている部品である。
さらに、開閉軸部材615は、円筒状の外装部631に、軸芯部632を一体的に差し込んで形成されている。外装部631と軸芯部632の結合は、軸芯部632の、外装部631への圧入などによって行うことが可能である。外装部631には、開作動用凸部633やステージ規制用凸部634が一体に形成されている。外装部631には、図70(b)や図72に示すように、保持用凸部635や、閉作動用凸部636が一体に形成されている。
ここで、外装部631と軸芯部632とを一体成型により形成することや、外装部631と軸芯部632の間に係止部や係合部を形成することにより、外装部631と軸芯部632を一体とすることも可能である。
図70(b)や図72に示す状態(ステージ部612が閉鎖している状態)においては、開閉軸部材615の開作動用凸部633やステージ規制用凸部634は、前方(ステージ部612が位置する側)を向いて突出している。また、開閉軸部材615の保持用凸部635や閉作動用凸部636は、後方(ステージ部612が位置する側に対して逆側)を向いて突出している。
さらに、前述の保持部材617、及び、押上げ部材618は、互いに同様な形態に成型されており、図70(b)に示すように、曲面641を有する本体部642や、第1係止凸部643、及び、第2係止凸部644により構成されている。これらのうち本体部642は矩形の断面を有し、曲面641が本体部642の先端部に位置している。また、第1係止凸部643は、I(アルファベットにおける大文字の「I」)字状の断面を有するよう形成されており、第2係止凸部644は、十字状の断面を有するよう形成されている。
断面がI字状の第1係止凸部643、及び、断面が十字状の第2係止凸部644は、本体部642の曲面641とは異なる向きに突出している。また、第1係止凸部643、及び、第2係止凸部644は、本体部642から、互いに90度異なる向きへ突出している。
保持部材617は、図71に示すように、第1係止凸部643を軸保持ベース611の保持部材用スリット646に差し込んだ状態で、軸保持ベース611に装着されている。また、押上げ部材618は、第1係止凸部643を軸保持ベース611の押上げ部材用スリット647に差し込んだ状態で、軸保持ベース611に装着されている。そして、図70(b)に示すように、保持部材617は、本体部642の曲面641を前方に向けており、押上げ部材618は、本体部642の曲面641を上方に向けている。
さらに、図示は省略するが、保持部材617及び押上げ部材618における第2係止凸部644の外周には、弾性部材(例えばコイルばね)が装着されている。そして、保持部材617及び押上げ部材618は、第2係止凸部644に装着された上述の弾性部材(図示略)を圧縮して反発力(弾性力)を発生させながら、軸保持ベース611と軸押さえ部材614の間に装着されている。保持部材617の反発力は水平方向に発生しており、押上げ部材618の反発力は上下方向に発生している。
さらに、保持部材617は、図70(b)に示す通常時(ここではステージ部612の閉鎖時)には、曲面641を、開閉軸部材615の保持用凸部635に弾性的に接している。保持用凸部635の形状は、ステージ部612の閉鎖時には、保持部材617に押されることで、下向きの力を発生させるものとなっている。一方、押上げ部材618は、同じく通常時には、曲面641をステージ部612の下面に弾性的に接している。
図73(a)~(c)は、ステージ部612の閉鎖時の状態を示している。そして、図73(a)は、図7(a)のE-Eで示す部位に対応した断面であり、図73(b)は、図67(a)のF-Fで示す部位に対応した断面である。また、図73(c)は、図67(a)のG-Gで示す部位に対応した断面である。
図73(a)に示すように、保持用凸部635は、ステージ部612の閉鎖時には、開閉軸部材615から後方の斜め下向きに突出するよう形成されている。開閉軸部材615の後方に位置する保持部材617は、開閉軸部材615の軸心(ここでは軸芯部632の軸心)の位置よりも下の位置で、保持用凸部635に接している。そして、保持部材617が、保持用凸部635を水平方向の前方へ押圧し、開閉軸部材615を下向き(図73(a)中の反時計回りの向き)に回転させようとする力が発生している。
さらに、ステージ部612の閉鎖時には、開閉軸部材615のステージ規制用凸部634が、ステージ部612に形成された被規制軸626に、後部斜め上方から接している(図70(b)、図73(b))。つまり、開閉軸部材615のステージ規制用凸部634は、ステージ部612の閉鎖時には、開閉軸部材615から前方の斜め上向きに突出するよう形成されている。
また、ステージ部612の支持は、前述のように回転軸623を中心として回転自在となるように行われているが、ステージ部612には錘部624が設けられている。このため、ステージ部612には、錘部624が位置する側に回転しようとするモーメントが作用している。
錘部624の位置は、ステージ部612の状態(姿勢)に応じて変化する。そして、通常時(ここではステージ部612の閉鎖時)には、錘部624は、回転軸623よりも前方に位置し、ステージ部612を前方(開放する方向)へ回動変位させるようとするモーメントを発生させている。そして、ステージ部612は、被規制軸626を、開閉軸部材615のステージ規制用凸部634に、前部斜め下方から接している。
開閉軸部材615は、前述のように、保持用凸部635を介して保持部材617により押圧されている。そして、保持部材617が発生させる押圧力は、ステージ部612の前方へ回動して開こうとする力を上回っている。このため、開閉軸部材615は、ステージ部612の形状や寸法により定まる重量バランスや、錘部624を加えた重量バランスなどによっては回転せず、静止してステージ部612の姿勢を規制し、ステージ部612が開放するのを阻止している。
なお、本実施例では、ステージ部612の閉鎖持には、前述したように押上げ部材618が、曲面641をステージ部612の下面に弾性的に接している(図73(c))。このため、閉鎖状態にあるステージ部612は、押上げ部材618による押圧力(押し上げ力)も受けている。
そして、ステージ部612について、押上げ部材618が接する位置は、図70(b)に示すように、回転軸623よりも後方にある。したがって、ステージ部612の閉鎖持には、押上げ部材618によりステージ部612を開放させようとするモーメントが発生している。しかし、押上げ部材618の押し上げ力が加わっても、ステージ部612の閉鎖状態を維持できるよう、押上げ部材618の押し上げ力が定められている。
開閉軸部材615に形成された前述の開作動用凸部633は、遊技球が流下する作動用流路630内に、所定量突出するよう形成されている。そして、図74(a)に示すように、遊技球443が第2種非電動役物2(454B)に導かれて作動用流路630に進入すると、一点鎖線の矢印Hで示すように、軸押さえ部材614の前方へ低く突出した傾斜面651に干渉して前方に流下する。遊技球443は、傾斜面651に当って流下方向を変化させ、減速される。また、作動用流路630内に、遊技球443が干渉可能なリブを突出させて、遊技球443の減速を行うことも可能である。
そして、遊技球443は、作動用流路630内に突出した開閉軸部材615の開作動用凸部633に干渉し、その重量を開閉軸部材615に作用させる。開作動用凸部633が遊技球443からの力を受けると、開閉軸部材615を回転させようとする力が発生する(図70(b)の矢印J)。そして、遊技球443の干渉により発生した力は、保持部材617の押圧力に打ち勝ち、開閉軸部材615を回転させる(図74(a))。
さらに、開閉軸部材615の保持用凸部635が、保持部材617を押し返す力を発生させながら変位することで、保持部材617から離脱する。また、開閉軸部材615のステージ規制用凸部634が、ステージ部612の被規制軸626から離脱する(図74(b))。そして、ステージ部612が、開閉軸部材615による拘束から解放され、錘部624の重みと押上げ部材618の押し上げ力を利用して前方に倒伏し、意匠ベース401の入賞口652(図71、図72)を開放する。
ここで、図74(a)は、図73(a)と同様に、図67(a)のE-Eで示す部位に対応した断面であり、図74(b)は、図73(b)と同様に、図67(a)のF-Fで示す部位に対応した断面である。
また、保持用凸部635の、保持部材617と接触する部分の形状や寸法は、遊技球443からの力により、保持部材617に対して、上方へ滑りながら乗り越えることができるように定められている。さらに、ステージ規制用凸部634の、被規制軸626と接触する部分の形状や寸法も、遊技球443からの力により、被規制軸626に対して、下方へ滑りながら乗り越えることができるように定められている。
続いて、ステージ部612が開放状態となっている際には、開作動用凸部633の向きが下向きになっている。そして、作動用流路630を流下する後続の遊技球(第1実施例に係る図64(b)の遊技球448に相当)が発生した場合には、この遊技球が開作動用凸部633に干渉せず、第1実施例と同様に、開作動用凸部633を通過可能である。
ステージ部612が、入賞口652を開放する開放状態となる際には、押上げ部材618の押し上げ力により、ステージ部612の動作に勢いが付加される(付勢される)。そして、ステージ部612の、錘部624を含めた重量バランスのみによって、ステージ部612を開放動作させる場合に比べて、ステージ部612を素早く確実に開放することができる。
ここで、ステージ部612の重量バランスのみによって、ステージ部612に十分な動作を行わせることができる場合には、押上げ部材618を省略して構成を簡素化することも可能である。
続いて、図75(a)~(c)に基づき、ステージ部412の開放時に、遊技球447が第2種非電動役物2(454B)に入賞した場合の動作について説明する。先ず 図75(a)は、図67(a)のE-Eで示す部位に対応した断面であり、図75(b)は、図67(a)のF-Fで示す部位に対応した断面である。また、図75(c)は、図67(a)のG-Gで示す部位に対応した断面である。
本実施例では、ステージ部612が開放状態となった場合には、図75(c)に示すように、ステージ部612の支持部622a、622b(一方のみ図示している)の上端(先端)部分が、前飾り602の内側面に当接し、ステージ部612が停止するようになっている。
さらに、本実施例では、ステージ部612が開放して停止した状態では、図75(c)に示すように、押上げ部材618がステージ部612の下面に接触しないよう、押上げ部材618の変位量(押し上げ変位量)が定められている。しかし、これに限定されず、例えば、押上げ部材618が、開放して停止したステージ部612に当接して、ステージ部612の姿勢の維持に寄与するようにすることも可能である。
図75(a)~(c)においては、遊技球447(一部のみ図示)が、前飾り602の内側に進入し、開放したステージ部612に遊技球447が受け止められている。そして、遊技球447は、断面がL字状であるステージ部612の内側面(背面)を伝ったり、或は、内側面で跳ねたりして入賞口652に進入する。
入賞口652に進入した遊技球447は、ステージ部412の背面側で流下しながら、ステージ部612にその重みや勢いを伝える。そして、遊技球447は、入賞口652の後方に繋がっている遊技球流下路619内を流下する。
開閉軸部材615に形成された前述の閉作動用凸部636は、ステージ部412が開放した場合に、遊技球流下路619内に所定量突出するよう形成されている(図75(c))。そして、遊技球447が遊技球流下路619を流下する途中で、突出した閉作動用凸部636に干渉し、その重量を開閉軸部材615に作用させる。
閉作動用凸部636が遊技球447からの力を受けると、開閉軸部材615を回転させようとする力が発生する。そして、遊技球447の干渉により発生した力は、開閉軸部材615を、開放時とは逆方向(図70(b)において矢印Jで示す方向とは反対の方向)に回転させる。
この回転により、開閉軸部材615のステージ規制用凸部634や保持用凸部635が、閉鎖時の位置に戻る。そして、図70(b)や図73(a)~(c)に示したように、開閉軸部材615のステージ規制用凸部634が被規制軸626に当接し、保持部材617が保持用凸部635に当接する。そして、開閉軸部材615及びステージ部612が、開閉軸部材615や保持部材617によって拘束された状態となる。
この際、ステージ部412は、押上げ部材618を押し下げながら、閉鎖状態(起立姿勢)に戻る。また、図示は省略するが、第2種非電動役物2(454B)に入賞し、遊技球流下路619を流下した遊技球447は、第2-2始動入賞検出装置75Bにより検出されて、遊技盤50の裏側に回収される。
ここで、図70(a)や図75(c)等に示すように、背面カバー部613には、円弧状に突出した突出部653が形成されている。そして、ステージ部612の開放時に進入した遊技球447が、突出部653の内側を通る際に、突出部653が逃げ部となって、遊技球447が円滑に流下するようになっている。
以上説明したような第2実施例の第2種非電動役物2(454B)によれば、前述の第1実施例と同様の部分については同様な発明の作用効果を奏することが可能である。また、第2実施例の第2種非電動役物2(454B)においては、棒状の開閉軸部材615の外周に、開作動用凸部633、ステージ規制用凸部634、及び、閉作動用凸部636が配置されている。このため、ステージ部612を開かせる(開作動させる)機能を有する部分、ステージ部612の姿勢を維持させる機能を有する部分、及び、ステージ部612を閉じる(閉作動させる)機能を有する部分を、開閉軸部材615の周囲に集約させて配置することができる。
さらに、これらの部分を、開閉軸部材615の軸方向に分散させて配置することができる。そして、これらのことから、開閉軸部材615の寸法次第で、開閉軸部材615の周囲の狭い領域内に、ステージ部612を開閉するための機能を有する各種の部分を収めることができる。そして、第2種非電動役物2(454B)の小型化や省スペース化が可能である。
また、保持部材617によりステージ部612を閉状態に保っていることから、ステージ部612の閉状態をより確実に維持することができる。そして、例えば、ステージ部612に外力が加えられたとしても、ステージ部が容易に開いてしまうことを防止できる。さらに、押上げ部材618により、ステージ部612の開放動作を補助していることから、ステージ部612を迅速かつ確実に開放させることができる。
さらに、ステージ部612の開放中にも、保持部材617の押圧力によって開閉軸部材615の状態が維持されるとともに、ステージ規制用凸部634が被規制軸626に斜め下方から当接する。(図74(b))したがって、開放中のステージ部612に対して外力が加わっても、遊技球447が遊技球流下路619を通じて開閉軸部材615の閉作動用凸部636に対して作用しない限り、開閉軸部材615の状態が閉鎖時の状態に復帰することがないため、ステージ部612が閉じてしまうことを防止できる。
このようなステージ部612の開閉の態様は、開閉軸部材615が、遊技球が作用した場合においてのみ揺動するものであるといえる。さらに、遊技球443が開作動用凸部633に作用して、一旦ステージ部612の開動作を行った後は、閉作動用凸部636に遊技球447が作用してステージ部612を閉状態としない限り、ステージ部612が閉じ位置で保持されることがないものであるといえる。
なお、第1実施例の第2種非電動役物2(54B)や、第2実施例の第2種非電動役物2(454B)に関して、「ステージ部」や「ステージ」の用語は、それぞれ「シャッタ部」、「シャッタ」等と置き換えることが可能である。
また、本実施例では、閉作動用凸部636を設けてステージ部612の閉鎖を行うようにしているが、例えば、ステージ部612の開放時にステージ部612に作用する遊技球447の重みのみによってステージ部612が閉鎖状態となるようにして、閉作動用凸部636を省略することも可能である。
<第2種非電動役物を活用したゲーム性(ゲーム性に係る第2実施例)>
次に、第2種非電動役物を活用したゲーム性に係る第2実施例について説明する。ここで説明するゲーム性に係る第2実施例は、前述した第2種非電動役物2(54B)の各実施例(第1実施例が主に図56~図64、第2実施例が図66~図75)の適用が可能なものである。また、以下では、ゲーム性に係る第2実施例に関して、入賞装置等の各種遊技用機器の配置や機能等を概略的に説明するが、ゲーム性に係る第1実施例(主に図54)と同様な遊技用機器については同一符号を付し、その詳細については説明を適宜省略する。
図76は、ゲーム性に係る第2実施例における盤面構成を概略的に示している。本実施例では、第1実施例(主に図54)と同様に、演出表示装置60、第1始動入賞口62、作動口(通過ゲート)68、普通入賞口装置63、2つの第2種非電動役物(54A、54B)などが設けられている。また、本実施例では、第1大入賞口(大入賞口)92、第2大入賞口(小当りアタッカ)93、及び、上アウト口58Cなどが設けられている。
これらのうち、演出表示装置60、及び、第1始動入賞口62は、第1実施例(主に図54)と同様の機能を有しており、これらの配置も、第1実施例(主に図54)とほぼ同様となっている。そして、演出表示装置60では各種の演出表示が行われ、第1始動入賞口62は特図1(第1特別図柄)に係る始動口として機能する。
作動口(通過ゲート)68、及び、普通入賞口装置63についても、機能や配置の点において、第1実施例(主に図54)とほぼ同様となっている。そして、普通電動役物に係る作動口(通過ゲート)68は、前述したように普通図柄の変動開始等の契機として用いられる。
普通入賞口装置63は、普通電動役物(普電役物)として機能することが可能な入賞機器であり、前述したようにスライドシャッタを備えた電チュー(スライド型電チュー)となっている。普通入賞口装置63のスライドシャッタが開放状態にある場合には、上方の作動口(通過ゲート)68を通過した遊技球が、普通入賞口装置63に入球できるようになっている。また、普通入賞口装置63について、以下では、普通電動役物(普通入賞口装置63)と記載する場合がある。
ここで、普通入賞口装置63と作動口(通過ゲート)68の位置関係を、例えば、普通入賞口装置63の開放中は、作動口(通過ゲート)68を通過した遊技球の略全て(或いは全て)が、普通入賞口装置63に入球するようなものとすることが可能である。また、作動口(通過ゲート)68の配置や周辺構造は、右打ちされた遊技球の大部分(例えば95%以上)が作動口(通過ゲート)68を通過するように決められている。
普通入賞口装置63には、本実施例においても振り分け部材98が組み合わされている。振り分け部材98は、後述するように所定の場合に状態を変化させる。そして、普通入賞口装置63は、進入した遊技球を、振り分け部材98の状態に応じて第2種非電動役物1(54A)に繋がる例えば樋状の第1遊技球流路(図示略)、及び、第2種非電動役物2(54B)に繋がる例えば樋状の第2遊技球流路(図示略)のいずれかに導くようになっている。
前述の第2種非電動役物1(54A)と第2種非電動役物2(54B)は、入球した遊技球の検出が可能であり、前述したゲーム性に係る第1実施例(主に図54)と同様に、特図2に係る始動口として用いられている。さらに、第2種非電動役物1(54A)と第2種非電動役物2(54B)は、遊技領域52の右側の領域において、第2種非電動役物1(54A)が上方に位置し、第2種非電動役物2(54B)が下方に位置するよう配置されている。ここで、図76では、第2種非電動役物(54A、54B)が、いずれも開閉羽根付のタイプのものとして3本の釘(三角釘)とともに示されている。
これらの第2種非電動役物(54A、54B)は、いずれも、非作動時には遊技球が入球できない状態(遊技球を受け入れない入球不可能状態)となっている。遊技球が入球できない状態(入球不可能状態)としては、入球を許容するような隙間がないように閉じた状態や、遊技球が入球できる程度の隙間はあるが三角釘等の周辺の部材によって入球ができない状態などを例示することができる。図76には、第2種非電動役物1(54A)、及び、第2種非電動役物2(54B)のいずれについても、三角釘によって開閉羽根の隙間に入球ができないようにしたタイプのものが例示されている。
第2種非電動役物(54A、54B)は、非作動時(通常の状態にあるとき)には、上述したような入球不可能状態となっている。しかし、第2種非電動役物(54A、54B)は、流下する遊技球との接触により作動する拡開機構(図示略)を有している。そして、普通入賞口装置63が開放されて入球があり、振り分け部材98によって遊技球が導かれると、遊技球が、該当する第2種非電動役物(54A又は54B)の拡開機構(図示略)に接触する。
この拡開機構としては、図58~図64等に示した第2種非電動役物2(54B)に係る実施例の、ロックアーム415等を用いた機構や、図66~図75に示した実施例の、開閉軸部材615等を用いた機構と同様のものを採用することが可能である。
遊技球が導かれた第2種非電動役物(54A又は54B)は、遊技球の重みや勢いにより拡開動作を行い、遊技球が入球できる状態(入球可能状態)となる。つまり、第2種非電動役物(54A又は54B)が拡開するのは、作動口(通過ゲート)68での遊技球の検出に基づき普通図柄が変動し、普通図柄の停止図柄に応じて普通入賞口装置63が開放し、普通入賞口装置63への入球があり、更に振り分け部材98の状態に応じて遊技球が導かれてきた場合である。
上述のように第2種非電動役物(54A又は54B)が拡開状態になると、遊技領域52を流下する遊技球が、拡開した第2種非電動役物(54A又は54B)へ入球できるようになる。さらに、このような入球可能状態において、拡開した第2種非電動役物(54A又は54B)へ所定数(ここでは2個)の入球があると、当該第2種非電動役物(54A又は54B)は閉鎖動作を行い、遊技球が入球できない状態に戻る。
第2種非電動役物(54A、54B)を、2個の入球によって閉鎖動作を行うようにするための機構(開閉動作機構)としては、例えば、前述の拡開機構(図示略)と、遊技球を1球ずつ交互に異なる方向に振り分ける交互振り分け機構(図示略)を組み合わせたものを例示できる。これらのうち、交互振り分け機構としては一般的な種々のものを採用できるが、具体的には、交互振り分け機構として、ソレノイドやモータ等の電動機器に依らず、1個の入球毎に遊技球の重さを利用して状態を変化させ、遊技球の案内方向を第1樋又は第2樋に切り替えるものを例示できる。
さらに、上述の拡開機構を、第1樋又は第2樋の内のいずれか一方(例えば第2樋)中に一部が突出するよう配置する。さらに、拡開後の第2種非電動役物(54A又は54B)に流入した1球目の遊技球を、交互振り分け機構を介して、閉鎖機構が設けられていない樋(ここでは第1樋)に導き、遊技盤50の裏側に排出する。
続いて入球した2個目の遊技球に対しては、交互振り分け機構が、閉鎖機構が設けられている側の樋(ここでは第2樋)への振り分けを行う。そして、この2個目の遊技球が閉鎖機構に干渉して閉鎖機構を作動させ、2個目の入球があった第2種非電動役物(54A又は54B)が閉鎖操作を行う。
また、2個の入球によって作動する閉鎖機構としては、ここで例示したようなタイプのものに限らず、1球目の遊技球が閉鎖機構に到達するまでの時間がある程度(2秒程度など)となるように1球目の遊技球の経路を設計し、1球目の遊技球が閉鎖機構を作動させるまでの間に、他の遊技球の受け入れが可能となる時間を確保するようにしたタイプのものなども例示できる。また、ラチェット機構を用いて、1球毎の完結動作を行えるようにすることも可能である。
次に、前述した第1大入賞口92、及び、第2大入賞口(小当りアタッカ)93のうち、第1大入賞口92は、遊技領域52の右側の領域において、下方の部位に配置されている。本実施例では、第1大入賞口92として、前方に倒れて上方や左右を開放する倒伏式の大入賞口装置が採用されている。第1大入賞口92は、特図1及び特図2に係る大当り遊技中に開放するようになっている。
なお、本実施例の変形例として、第1大入賞口92を、前述のような特定領域(「V領域」、「確率変動機能作動領域」と称する場合もある)を備えたものとすることが可能である。 この場合は、例えば、前述したようなV入球装置を、第1大入賞口92内の部位や、第1大入賞口92の近傍の部位などに設ける。そして、前述したのと同様に、V入球装置に遊技球が進入すれば大当り遊技後に確変状態となり、V入球装置に遊技球が進入しなければ確変状態等にならないようにする、といったことが考えられる。
一方、第2大入賞口(小当りアタッカ)93は、上下方向に関して、2つの第2種非電動役物(54A、54B)の間の部位に配置されている。第2大入賞口93は、小当りに当せんした場合の小当り遊技でのみ開放する小当りアタッカとなっている。第2大入賞口(小当りアタッカ)93として、後方に水平移動して退避し遊技球の進入を可能とするスライド式の大入賞口装置が採用されている。ここで、本実施例では、小当りは特図2に係る当否抽選でのみで発生し得るようになっている。
上述のように、第2大入賞口93は、2つの第2種非電動役物(54A、54B)の間の部位に配置されている。しかし、第2大入賞口93は、第2種非電動役物1(54A)の下方に位置していることから、第2種非電動役物1(54A)の拡開の影響を受ける。そして、本実施例では、第2大入賞口93と第2種非電動役物1(54A)の寸法、構造、及び、位置関係等の諸要素は、第2種非電動役物1(54A)の拡開中に、周囲に到達した遊技球の多くは第2種非電動役物1(54A)に入球し、第2大入賞口93に到達する遊技球が相対的に少なくなる(或いは全くなくなる)よう決められている。
続いて、本実施例において、各入賞口に入球があった場合に払出される賞球数は、普通入賞口装置63については、1個の入球につき1個となっている。さらに、第2種非電動役物1(54A)については、1個の入球につき1個となっており、第2種非電動役物2(54B)については15個となっている。また、第1大入賞口92、及び、第2大入賞口93の賞球数は、いずれも1個の入球につき15個となっている。さらに、第1始動入賞口62については、1個の入球につき4個となっている。
また、第2種非電動役物(54A、54B)の開放中に入球可能な遊技球数(カウント数)は、前述のように、いずれも2個(概ね2個)となっている。また、第1大入賞口92、及び、第2大入賞口93の開放中に入球可能な遊技球数(カウント数)は、いずれも10個(概ね10個)となっている。
さらに、第1始動入賞口62、第2種非電動役物(54A、54B)は、前述のようにいずれも特別図柄に係る始動口であり、第1始動入賞口62が第1の遊技(第1特別図柄)に対応し、第2種非電動役物(54A、54B)は第2の遊技(第2特別図柄)に対応し、それぞれの特別図柄の最大保留数(最大限保留可能な数)は、いずれも4個となっている。また、前述の作動口(通過ゲート)68は、普通図柄に係る始動口であり、その最大保留数は4個となっている。
次に、図76に示すような盤面構成を用いて行われる遊技に関して、想定されている基本的な遊技進行を説明する。先ず、本実施例においては、第2種非電動役物(54A、54B)と小当りラッシュを組み合わせたゲーム性が採用されている。ただし、本実施例に係る各種の発明は、第2種非電動役物と小当りラッシュとの組合せに限定されるものではなく、小当りラッシュの遊技状態にならないようにすることも可能である。
本実施例において、特図1及び特図2の制御上の関係については、ゲーム性に係る第1実施例と同様に、第1遊技と第2遊技との間に優先順位を設けず、第1遊技と第2遊技が並列に実行される並列制御(並列遊技)が採用されている。また、普通図柄の保留については、前述のように作動口(通過ゲート)68の通過によって発生する。
先ず、本実施例では、通常時(低確率状態、且つ、非電サポ状態ある通常遊技状態時)に、遊技球の発射が、第1始動入賞口62を狙う左打ちによって行われることが、基本のゲーム性となっている。そして、通常遊技状態時に、特図1に係る大当りが発生し、大当り遊技(特別遊技)が実行される。この大当り遊技が終了すると、特定遊技状態となり、発生した特図1に係る大当りの種類が時短を伴うものであれば、時短状態での遊技が行われる。
また、ここでの時短は、大当りの種類に応じて、当否抽選の確率が低確率状態で行われる場合と、高確率状態で行われる場合がある。この場合の高確率状態は、変動回数制限付きで行われるSTとなっている。さらに、STに係る変動回数は、特図1及び特図2の合計の変動回数で計数されるようになっている。また、ここでの時短中には電サポが実行され、普通電動役物(普通入賞口装置63)における開放延長機能が作動する。
ここで、第1始動入賞口62を狙って遊戯した際に特図1で当選し得る大当りの種類として、大当り後の遊技状態別に、次の大当り種別が例示できる。
(1)特図1大当りA(大当り後に高確率、非電サポ状態すなわち小当りラッシュ状態となる)、
(2)特図1大当りB(大当り後に高確率、電サポ状態となる)、
(3)特図1大当りC(大当り後に低確率、電サポ状態となる)、
本実施例においては大入賞口にV領域(確率変動機能作動領域)を有する仕様で構成していることから、上記の例示は、正常に遊戯した場合に想定される仕様であり、正常に遊技しない場合は、上記大当りA、大当りBについて、特定のラウンド(Vラウンド)でV入賞しない場合には大当りCと同等になり、大当りCについてV入賞してしまった場合には大当りBと同等に遊技状態移行が制御される。
上述のように特図1に係る大当りB、Cが発生した後の電サポ状態においては、普通入賞口装置63の振り分け部材98が、賞球数が少ない(ここでは1個の)第2種非電動役物1(54A)へ遊技球を導く状態になっている。このため、右打ちにより普通入賞口装置63に入球があると、入球した遊技球が、閉時の状態にある拡開機構に作用して、第2種非電動役物1(54A)を拡開させる。
第2種非電動役物1(54A)は、特図2(第2特別図柄)に係る始動入賞口となっている。さらに、第2種非電動役物1(54A)は、前述のように2個の入球(始動入賞)により閉鎖状態となり、普通入賞口装置63を経てその後に到達した遊技球により再び拡開する。そして、第2種非電動役物1(54A)への2個の入球がある毎に、このような第2種非電動役物1(54A)の閉鎖と拡開の動作が繰り返される。
また、第2種非電動役物1(54A)の賞球数は、前述のように1個となっており、特図1の大当りに係る時短中に第2種非電動役物1(54A)が開放し、第2種非電動役物1(54A)に入球があったとしても、遊技者が獲得し得る賞球は、1回の開放につき2球程度と少なくなっている。そして、この時短中に大当り確率が高確率となっている場合は、回数制限付きであるSTの期間(ST期間)内に大当りに当せんしなければ、遊技状態は、高確率状態から通常状態に戻る。ここで、第2種非電動役物1(54A)への始動入賞により小当りが発生し易くなっているが、本実施例の小当りを使用した遊技性については後述する。
続いて、上述の時短中に特図2に係る大当りが発生し、当該大当りに係る大当り遊技が終了すると、特定遊技状態となる。ここでの特定遊技状態は、高確率状態であり、且つ、電サポが実行されない状態(非電サポ状態)となっている。このため、ここでは普通入賞口装置63における開放延長機能が作動せず、電サポが実行されない。また、この場合の高確率状態(及び、非電サポ状態)は、変動回数制限付きで行われるSTとなっている。さらに、STに係る変動回数は、前述のように、特図1及び特図2の合計の変動回数となっている。
この遊技状態においては、普通入賞口装置63の振り分け部材98が、賞球数が多い(ここでは15個の)第2種非電動役物2(54B)へ遊技球を導く状態になっている。このため、右打ちにより普通入賞口装置63に入球があると、入球した遊技球が第2種非電動役物2(54B)を開放させ、第2種非電動役物2(54B)が拡開した状態となる。
第2種非電動役物2(54B)は、第2種非電動役物1(54A)と同様に、特図2(第2特別図柄)に係る始動入賞口となっている。さらに、第2種非電動役物2(54B)は、前述のように2個の入球により閉鎖状態となり、その後に到達した遊技球によって再び拡開する。そして、2個の入球がある毎に、このような動作が繰り返される。ここで、このような特図2に係る大当り遊技後の特定遊技状態は、本実施例では、前述の小当りラッシュ状態に該当する遊技状態となっているが、小当りラッシュ中の遊技の詳細については後述する。
<<小当り及び小当りラッシュ>>
続いて、上述のゲーム性において実行される場合がある小当り、及び、小当りラッシュについて説明する。前述のように、第2種非電動役物(54A、54B)は、特図2に係る始動入賞口となっている。そして、拡開した第2種非電動役物(54A、54B)への入球に基づき、特図2に係る当否抽選が行われる。
第2種非電動役物(54A、54B)を用いた特図2に係る当否抽選においては、小当りが相対的に頻繁に発生するように当否乱数の置数範囲が定められている。特図2に係る小当りの発生割合は、例えば30%~99%などとすることが考えられる。さらに、小当りラッシュ状態(高確率、非電サポ状態)においては、一般的なぱちんこ遊技機における時短状態に該当する電サポ状態ではないが、通常遊技には設定されない時短機能と確率変動機能が小当りラッシュについては非電サポ状態であっても設定されるようになっている。このため、右打ち中には小当りが、連続して、或いは、短い時間で頻繁に発生し得るようになっている。
小当りが発生した場合には、第2大入賞口93を開放する小当り遊技の遊技状態へ移行する。しかし、小当り遊技は、第2特別図柄表示装置に停止表示された小当り図柄に応じて、前述のように第2大入賞口93が相対的に短い時間(少なくとも1個の遊技球を入球させることができる程度の時間)の開放を1回ないし2回程度行う遊技となっている。
前述の特図1に係る大当り遊技(特図1大当りB、C)後の電サポ状態中には、普通電動役物の開放延長機能が作動し、普通入賞口装置63での電サポにより、右打ちされた遊技球が、比較的多く普通入賞口装置63に入球する。さらに、当該電サポ状態中には、普通入賞口装置63の振り分け部材98により遊技球が、前述したように賞球数の少ない第2種非電動役物1(54A)へ第1遊技球流路(図示略)を介して導かれ、第2種非電動役物1(54A)が開放する。
第2種非電動役物1(54A)の開放により、普通入賞口装置63に入球しなかった遊技球も、小当りアタッカ93に到達する前に、第2種非電動役物1(54A)に比較的多く入球する。したがって、電サポ状態中に小当りが発生しても、小当りアタッカ93に到達する遊技球は相対的に少なく、小当りアタッカ93への入球が困難なものとなっている。また、小当りアタッカ93の1回の開放時間を、スライド式の大入賞口である小当りアタッカ93の上部を転動中である遊技球がようやく入球する程度の時間(例えば0.5秒など)となっており、このことによっても、電サポ状態においては、小当りアタッカ93への入球は困難なものとなっている。
特図2に係る当否抽選で大当りが発生した場合には、前述のように、大当り遊技の後の特定遊技状態は、小当りラッシュとなる。この小当りラッシュは、高確率、且つ、非電サポの状態である。さらに、小当りラッシュは、変動回数制限付きであるSTの形態で行うことが可能なものである。以下では、小当りラッシュについても、「ST」の用語を用いて説明を行う。なお、本実施例においては、前述したようにV領域を有するぱちんこ遊技機の仕様であることから、特図2に係る当否抽選で大当りした場合であっても、大当り遊技中に確率変動機能作動領域であるV領域を通過しない場合は、低確率に制御せざるを得なくなるため、前述の特図1大当りCと同等の遊技状態の移行制御が実行されることとなる。
また、前述したように、小当りラッシュ中には、作動口68での遊技球の通過、普通図柄の抽選、普通入賞口装置63の開放、普通入賞口装置63への入球等を経て、第2種非電動役物2(54B)が主として拡開する。また、小当りラッシュ中には、小当りが高い割合で発生し得るようになっている。そして、第2種非電動役物2(54B)は、所定数(ここでは2個)の入球があるまで閉鎖動作を行わないため、第2種非電動役物2(54B)が拡開すると、遊技者は略確実に賞球を獲得することができる。
第2種非電動役物2(54B)の賞球数は、1個の入球につき15個となっているため、高い確実性をもって、相対的に多数の賞球を期待できる。また、第2種非電動役物2(54B)の1回の開放につき2個(概ね2個)の入球が発生するようにすることで、遊技者は、より多く(ここでは30個)の賞球を期待できるようになる。
そして、小当りラッシュと、第2種非電動役物2(54B)の拡開との組み合わせにより、小当りラッシュ中に、小当りアタッカ93と第2種非電動役物2(54B)の両方で、遊技者が賞球を獲得できるようになっている。そして、小当りで遊技球を増加させながら、第2種非電動役物2(54B)への始動入賞による特図2の大当り(状態継続)を狙うといったゲーム性(遊技性)が実現されている。
また、ST中に特図2の大当りが継続しなかった場合や、継続が終了した場合、すなわち低確率かつ非電サポ状態に移行した場合には、普通入賞口装置63の振り分け部材98が、賞球数が少ない(ここでは1個の)第2種非電動役物1(54A)へ遊技球を導く状態に復帰する。ここで、ST(小当りラッシュ)と通常遊技状態とでは、ともに非電サポ状態であることから、普通電動役物の作動態様に係る遊技状態の遷移は存在せず、普通電動役物に対する入球比率に変化を与えず、拡開する第2種非電動役物(54A、54B)を切り替える必要があるが、本制御に関する詳細は後述する。
ここで、本実施例においては、前述したように、特図1に係る大当りAを獲得するか特図1に係る大当りB,Cの大当り遊技後の電サポ中に大当りが発生しなければ、小当りラッシュへは移行しない。このため、特図1大当りB、C後の特定遊技状態である当該電サポ状態は、小当りラッシュへ移行できるか否かの分岐点になっているといえる。このような意味において、当該電サポ状態に伴う時短は、例えば「突破型時短」などと称することが可能である。そして、この突破型時短に係る演出は、例えば戦い勝利する、或いは、何らかの条件をクリアする等といった内容を経て、特図2に係る大当りに移行するものとすることが考えられる。
なお、特図1にも小当りラッシュへ移行する大当りAがあるが、通常時の遊技状態から直接的に、小当りラッシュを伴う大当りに当せんするものであり、「直撃大当り(ルート)」などと称する。この場合は、例えば、特図1の大当り図柄について、小当りラッシュ(高確率、非電サポ)の遊技状態へ移行する図柄の割合(図柄比率)を極少ない程度(1%など)としておくことが考えられる。
また、基本のゲーム性における時短中に、例えば遊技者が意図していない操作量の低下などの理由で、発射強度が弱まって左打ちが行われ、第1始動入賞口62への入賞により特図1の大当りが発生する場合も生じ得る。このような場合に、小当りラッシュへ移行できるよう、上述のように特図1の大当り図柄に小当りラッシュへ移行するものを設けることが可能である。或いは、小当りラッシュへ移行する図柄は設けず、特図1に係る大当り遊技後に再び時短(突破型時短)に戻るようにすることも可能である。
また、ここでは、特図1及び特図2に係る各種の大当りのうちの一部の大当り(特図2に係る大当り)が小当りラッシュを伴うものとなっているが、これに限らず、例えば特図2に係る大当りの一部が小当りラッシュを伴うものとなっていてもよい。
<非電サポ状態における普通電動役物内部の振り分け先を切り替えるための制御詳細例>
<<詳細例1:普通電動役物に係る開始デモ時間の変更>>
次に、上述したようなゲーム性のぱちんこ遊技機に関して考え得る、より詳細な実施例(以下では「詳細例」と称する)を説明する。なお、以下では、各種の詳細例を区別するため、大きくは詳細例1、詳細例2、・・・のように、詳細例に番号と項目名を付けて区別する。また、以下では、各詳細例について更に細部を検討することで到達できた発明についても適宜説明する。
なお、以下に説明する各詳細例は、ゲーム性や技術上の制約などによって併存させることができない場合を除き、1つのぱちんこ遊技機10において、複数を組み合わせて実施し得るものである。また、各種の詳細例は、ゲーム性や技術上の制約などによって妨げられない限り、第2種非電動役物を活用したゲーム性に係る第1実施例、及び、第2実施例のいずれにも適用が可能なものである。
前述した各種のゲーム性(ゲーム性に係る第1実施例や第2実施例)は、2つの第2種非電動役物(54A、54B)のいずれを作動(拡開)させるかが、遊技状態によって決まるものであるということができる。そして、このような第2種非電動役物(54A、54B)の作動を、更に普通電動役物(普通入賞口装置63)における開放開始のデモ時間(開始デモの時間)に関連付けたものとして考えることができる。
ここで、普通電動役物の開始デモ時間は、制御上、普通図柄が所定の図柄で停止して普通電動役物が制御上作動してから、普通入賞口装置63の電チュー用シャッタが機械的(又は物理的)に開放するまでの状態(ステイタス)にある時間として説明できるものである。つまり、ここでの普通電動役物の作動中の期間(作動期間)は、普通入賞口装置63の電チュー用シャッタの機械的(又は物理的)な作動時間(開放時間)と、その前後の開放デモ時間、終了デモ時間を含んだ期間となっている。この開始デモの時間の管理に係る制御態様については、後述する。
開始デモ時間については、当該開始デモ時間中に、遊技者が視認できるような演出を行う制御態様や、演出を行わない制御態様を採用することが可能である。また、普通電動役物の状態としては、開放後のデモ(上述の終了デモ)の時間も設けられているが、この終了デモについても、遊技者が視認できるような演出を行う制御態様や、行わない制御態様を採用することが可能である。
先ず、本詳細例1は、高確率(特別図柄に係る当せん確率が高確率)且つ低ベース(電サポなし)の遊技状態(高確率且つ低ベースの遊技状態)で、電サポなしの実行されるものとすることができる。このため、詳細例1は、前述の小当りラッシュ(潜伏確変)の遊技状態への適用が可能なものである。
図77には、普通電動役物の作動、普通入賞口装置63の開放、及び、振り分け部材98の作動との関係を示している。図77の最上段には、(a)として、普通電動役物の作動状態を波形によって示している。普通電動役物に係る波形が立ち上がるタイミングT11で、普通電動役物は、未作動状態から作動状態に切り替わる。図77(a)の例では、図中の左側で普通電動役物が作動状態となり、その後は普通電動役物の作動状態が継続している。
図77の次段には、(A)の枠内の(b1)として、普通図柄ステイタスを示している。ここで、図52(a)、(b)の例にも示したように、普通図柄ステイタスには、待機中(0)変動中(1)、停止中(2)、作動中(3)、終了デモ中(4)などがある。図77(b1)の例では、左から、変動中(1)、停止中(2)、作動中(3)、終了デモ中(4)、待機中(0)の順で普通図柄ステイタスが変化している。
図77(b1)に示すステイタスのうち、変動中(1)は、普通図柄変動中ステイタスであり、停止中(2)は、普通図柄停止図柄表示中ステイタスである。また、作動中(3)は普通電動役物作動中ステイタスであり、終了デモ中(4)は、普通電動役物作動終了デモ中ステイタスである。
ここで、作動中(3)は、前述したように、普通電動役物作動中ステイタスであり、普通入賞口装置63の電チュー用シャッタの機械的(又は物理的)な開放中の状態に対応していると考えることができるものである。また、終了デモ中(4)は、制御上は、前述の普通電動役物の作動中の期間(作動期間)に含まれるものである。そして、終了デモ中(4)は、普通入賞口装置63の電チュー用シャッタの機械的(又は物理的)な開放が行われた後の状態に対応するものであるといえる。
さらに、待機中(0)は、普通図柄変動待機中ステイタスである。なお、図77(b1)では、文字表記のためのスペースが足りない箇所については、(普通図柄)ステイタスの文字表記を省略し、値のみを括弧付きの数字によって示している。
前述した図52(a)、(b)の例は、普通電動役物が作動する前に開始デモの演出を行うための開始デモ期間(開始デモ時間)を設けていない例であり、図52(a)、(b)の例に係る変形例として開始デモ期間を設けることが可能である。そして、図77に示す本詳細例1は、開始デモ(「開放前デモ」ともいう)の時間を設けた例の一態様である。
さらに、前述した図25、図43(a)、(b)、図52(a)、(b)の例は、普通図柄に係る状態が準備中(5)となる期間が生じるようにして、当該期間に普通電動役物作動中信号を短期間だけオフ出力するようにしたものである。そして、本詳細例1では、開始デモの時間と、準備中(5)の期間(時間)との関係について、幾つかの点を検討することができるが、これらの関係の詳細については後述する。
続いて、図77の(c1)は、普通電動役物に係る開始デモ(普電開始デモ)の状態を波形により示している。開始デモは、波形の立ち上がりで示すように、普通電動役物が作動するタイミングT11で開始される。この開始デモの波形が立ち上がっている期間S1は、開始デモ時間を表わしている。
さらに、同じ(A)の枠内の(d1)は、普通電動役物に係る普通入賞口装置63の開閉状態(普電開放状態)を示している。図77(d1)の例では、波形の立ち上がりで示すように、開始デモが終了すると(T12)、普通入賞口装置63が開放する。この状態は、普通図柄ステイタスが作動中(3)となっている状態である。さらに、普通入賞口装置63は、所定の開放時間(機械的又は物理的な開放時間)S2を経て閉鎖している(T15)。
上述した(b1)、(c1)、(d1)のチャートは、小当りラッシュ以外の遊技状態(小当りラッシュの遊技状態時ではない非小当りラッシュ時)における、開始デモ時間S3と、普通電動役物の開放との関係を示している。これに対して、次段の(B)の枠内には、小当りラッシュの遊技状態時(小当りラッシュ時)における、普通図柄ステイタス(b2)、開始デモ時間(c2)、及び、普通電動役物の開放(d2)のチャートを示している。
小当りラッシュ時における開始デモ時間S3も、普通電動役物が作動するタイミングT11で開始される。さらに、小当りラッシュ時における開始デモ時間S3は、非小当りラッシュ時における開始デモ時間S1よりも長くなっている。つまり、各々の開始デモ時間S1、S3の間にはS1<S3の関係が成立している。そして、小当りラッシュ時には、非小当りラッシュ時に比べて、開始デモ時間がS1からS3へ長く変更される。
小当りラッシュ時においても、開始デモ時間S3が経過すると、(b2)に示す普通図柄ステイタスが作動中(3)となり、普通電動役物(普通入賞口装置63)が開放状態となる。このため、小当りラッシュ時には、非小当りラッシュ時と比べて、普通電動役物の開放タイミング(T13)が、開始デモ時間の差(S3-S1)の分だけ遅くなる。また、普通電動役物の開放開始のタイミングの差は、T13-T12によって表すことができる。
普通電動役物(普通入賞口装置63)の機械的(又は物理的な)な開放時間(開放期間)S2、S4については、遊技状態に応じて、同じである場合や異なる場合がある。つまり、前述のように小当りラッシュ時は、普通電動役物に係る開放延長機能が作動しない非電サポ時であるが、非小当りラッシュ時には、普通電動役物に係る開放延長機能が作動する電サポ時(時短時)が含まれる。このため、非小当りラッシュ時における普通電動役物(普通入賞口装置63)の開放時間S2は、一律ではなく、変化する場合があるが、小当りラッシュ時において振り分け部材が第2種非電動役物2(54B)を拡開させる流路に導きやすいという前提が崩れない程度での変化に収まる(例えば1割込み分の4msだけ電サポ状態の方が普通電動役物の開放期間S2が長い、など)。
ここで、非小当りラッシュ時の非電サポ時における開放時間S2は、小当りラッシュ時の開放時間S4と一致することになる。また、普通電動役物の作動状態を示す(a)に関しては、小当りラッシュ時のチャートの一部は二点鎖線で示されている。
図77において、最下段に示す(e)のチャートは、振り分け部材98の状態を示している。図中の「非電1」は第2種電動役物1(54A)を示しており、「非電2」は第2種電動役物2(54B)を示している。図中に波形の立ち上がりで示すように、振り分け部材98は、第2種非電動役物1(54A)へ第1遊技球流路(図示略)を介して遊技球を導く状態から、第2種非電動役物1(54A)へ第2遊技球流路(図示略)を介して遊技球を導く状態へ変化している。
この振り分け部材98に係る状態変化のタイミングT14は、(a)に示す普通電動役物の作動タイミングT11から常に一定の時間間隔(切替待機時間であるS5)を経て到来するようになっている。つまり、この(e)における振り分け部材98の作動タイミングT14と、(a)における普通電動役物の作動タイミングT11との関係は、非小当りラッシュ時であるのか、小当りラッシュ時であるのかといった要素によらず、一定である。
ここで、振り分け部材98に関して、賞球数が1個である第2種非電動役物1(54A)を開放させるために遊技球を導くことが可能な状態を「不利状態」などと称し、賞球数が15個である第2種非電動役物2(54B)を開放させるために遊技球を導くことが可能な状態を「有利状態」などと称することができる。
また、(e)に示す振り分け部材98の作動タイミングT14は、枠(B)中の(d2)に示す、小当りラッシュ時の普通電動役物に係る開放開始のタイミングT13よりも後であり、枠(A)中の(d1)に示す非小当りラッシュ時の普通電動役物に係る開放終了のタイミングT15よりも前となっている。そして、タイミングT13とタイミングT15の間の期間は、非小当りラッシュ時であるか小当りラッシュ時であるかに関わらず、普通電動役物に係る開放が行われている期間となっている。
図中の枠(B)に示す小当りラッシュ時において、普通電動役物に係る開放終了のタイミングT16が到来すると、振り分け部材98の状態も、図中に波形の立ち下がりで示すように、第2種非電動役物1(54A)へ遊技球を導く状態に戻る。さらに、この小当りラッシュ時において、普通電動役物(普通入賞口装置63)が開放しており、且つ、振り分け部材98が有利状態(遊技者に有利な非電2へ遊技球を導く状態)となっている期間(非電2誘導期間)は、タイミングT14からタイミングT16までの期間(第2種特別電動役物2振り分け期間)S6である。
つまり、小当りラッシュ時における非電2誘導期間S6は、振り分け部材98に係る有利状態の開始タイミング(ここでは不利状態の終了タイミングと同じ意味)T14、普通電動役物に係る開放終了タイミングT16によって定まっている。普通電動役物に係る開放終了タイミングT16は、ここでは、振り分け部材98に係る有利状態の終了タイミングと同じ意味である。
これに対し、図中の枠(A)に示す非小当りラッシュ時において、(c1)の普通電動役物(普通入賞口装置63)が開放しており、且つ、(e)において振り分け部材98が有利状態(非電2へ遊技球を導く状態)となっている期間(非電2誘導期間)は、タイミングT14からタイミングT15までの期間S7である。そして、非小当りラッシュ時における非電2誘導期間S7は、有利状態の開始タイミングT14、及び、普通電動役物に係る開放終了タイミングT15によって定まっている。
なお、制御タイミングが増えて処理が多少煩雑になるが、振り分け部材98の立ち下がりタイミングを、タイミングT16である普通電動役物の作動よりも若干遅らせ、普通入賞口装置63に対して閉鎖直前に入球した遊技球を第2種非電動役物2(54B)を拡開させる流路へ導くように構成してもよい。
以上説明したように、詳細例1によれば、(a)の普通電動役物の作動に係る開始タイミングT11を起点として、振り分け部材98が有利状態となる作動タイミングT14までの時間(切替待機時間)S5は一定である。しかし、開始デモの終了タイミングT12、T13に関しては、非小当りラッシュ時と小当りラッシュ時とで異なり、枠(B)の小当りラッシュ時(T13)のほうが遅くなっている。
このため、(d1)の非小当りラッシュ時における普通電動役物(普通入賞口装置63)の開放時間S2と、(d2)の小当りラッシュ時における普通電動役物(普通入賞口装置63)の開放時間S4との間に、タイミングチャート上で重なる期間(担保期間)S8を設けることができる。そして、この担保期間S8中に、(e)の振り分け部材98に係る作動タイミングT14を位置させることで、小当りラッシュ時の非電2誘導期間S6を、非小当りラッシュ時の非電2誘導期間S7よりも大きく確保できる。
この結果、別系統のゲームである普通電動役物(普通入賞口装置63)の開放と、振り分け部材98の状態変化との組み合わせにより、小当りラッシュ時に、第2種非電動役物2(54B)をより確実に開放さておくことが可能となる。また、非小当りラッシュ時の非電2誘導期間S7を確保しているので、非小当りラッシュ時であっても、第2種非電動役物2(54B)へ遊技球を導く可能性はゼロにはならない。
そして、これらのことから、開始デモ時間の相違により振り分け部材98の機能や作用を異ならせることができる。さらに、非小当りラッシュ時(通常状態である左打ち推奨遊技状態を含む)と小当りラッシュ時のいずれにも第2種非電動役物2(54B)が拡開する可能性を与えつつ、第2種非電動役物2(54B)への遊技球の導き易さに変化を与えることができる。そして、小当りラッシュ時に、第2種非電動役物2(54B)へ遊技球が導かれ易く、出玉の獲得が容易なゲーム性を実現することが可能となる。
<開始デモと準備中(5)との関係>
これまでに説明した普通図柄に係る開始デモは、例えば演出表示装置60等で行われる演出に使用されてはいないが、例えば、普通入賞口装置63の開放を遊技者に報知する演出を行うような場合には、開始デモの時間(開始デモ時間)を利用して演出を行うことも可能である。さらに、開始デモ時間は、普通図柄ステイタスが作動中(3)となっている期間内に含まれる期間として設けることが可能である。また、開始デモ時間は、例えば、新たに開始デモのステイタスを設け、普通図柄ステイタスの停止中(2)の後に移行するようにして制御を行うことが可能である。
なお、普通電動役物の開始デモ時間は、例えば、前述した普通図柄変動開始監視処理(図15のS55)に、必要な処理を追加することで確保することが可能である。さらに、追加する処理の具体的な内容としては、例えば、開始デモのステイタスを設ける場合には、普通図柄停止図柄表示中処理(図25)でのステイタスの設定に係る処理(S219)に代替する処理として、開始デモのステイタスを設定して開始デモの制御状態へ移行させ、開始デモ時間である時間値を指定する値をタイマ記憶領域にセットする処理を行うものとし、開始デモのステイタス中においての処理では、開始デモ時間が経過(タイマ値=0)の場合に、先のS219と同様の処理を実施することにより行うことが考えられる。なお、S220に関する処理は、前述の説明のように、開始デモ時間を普通電動役物の作動中期間として扱うため、図25のS219に代替する処理として行われる開始デモ中の制御へ移行させるためのデータを設定した後でも、実行を要する処理である。
一方、準備中(5)は、前述のように、普通電動役物作動中信号を短期間(遊技進行割込み処理の2周期分の期間など)だけオフ出力できるようにして、普通電動役物の作動が開始した回数を正確に外部機器に対して報知することを可能にしている。そして、開始デモ時間と、準備中(5)との関係としては、種々の態様を採用することが可能であるが、例えば、準備中(5)の後に開始デモ時間に移行するようにすることが可能である。
<<詳細例2:普通電動役物に係る開始デモ時間と終了デモ時間の入れ替え>>
次に、詳細例2について説明する。なお、詳細例1と同様の事項については適宜説明を省略する。ここで説明する詳細例2は、詳細例1で説明した開始デモ時間に加え、終了デモ時間にも着目したものである。図78(a)は、詳細例2の普通電動役物の開始デモ時間、終了デモ時間の関係を示している。図78(a)の図表における左端の表側には、「通常時」、「特別状態時」、「電サポ」の項目が示されている。さらに、図表の上部の表頭には、「開始デモ時間」、「開放時間」、「開放後デモ時間」、「普電作動時間」の項目が示されている。
これらのうち、「通常時」は、小当りラッシュの遊技状態でない状態時(非小当りラッシュ時)のうち、時短時(電サポ時)でない遊技状態を意味している。また、「特別状態時」は、小当りラッシュの遊技状態時を意味しており、前述の詳細例1における小当りラッシュ時と同じ意味で用いられている。さらに、「電サポ」は、非小当りラッシュ時であって、且つ、普通電動役物の開放延長機能が作動している電サポ時(ここでは時短時と同じ)である遊技状態を意味している。
図78(a)の「開放前デモ時間」は、普通電動役物の開放(普通入賞口装置63の開放)前におけるデモ時間であり、詳細例1の「開放デモ時間」と同じ意味で用いられている。また、「開放時間」は、普通電動役物の機械的(又は物理的)な開放時間であり、詳細例1の開放時間S2や開放時間S4に対応するものである。さらに、「開放後デモ時間」は、普通電動役物の開放(普通入賞口装置63の開放)後におけるデモ時間であり、図52の例の「普通図柄ステイタス」が、「終了デモ中ステイタス(4)」となっている時間に対応するものである。そして、「開放後デモ時間」は、「終了デモ時間」に相当するものである。
また、「普電作動時間」は、普通電動役物作動時間を一部省略して表記しているものである。そして、「普電作動時間」は、「開始デモ時間」、「開放時間」、及び、「開放後デモ時間」を合計した時間を表している。
この詳細例2では、通常時における開放前デモ時間(開始デモ時間)は100msとなっており、開放時間は2000msとなっている。また、通常時における開放後デモ時間(終了デモ時間)は1500msとなっており、普電作動時間は、3600ms(=100ms+2000ms+1500ms)となっている。
また、特別状態時における開放前デモ時間(開始デモ時間)は、通常時よりも長い1500msとなっており、特別状態時には、通常時と比べて、開放前デモ時間が長くなるように変更されている。また、特別状態時(小当りラッシュ時)は、前述の詳細例1等で説明したように、普通電動役物の開放延長機能が作動せず、電サポがない状態である。このため、普通電動役物の開放時間は通常時と同じ2000msとなっている。
また、特別状態時における開放後デモ時間(終了デモ時間)は、通常時よりも短い100msとなっており、特別状態時には、通常時と比べて、開放後デモ時間(終了デモ時間)が短くなるように変更されている。さらに、普電作動時間は、通常時と同じ3600ms(=1500ms+2000ms+100ms)となっている。
開放後デモ時間が経過すると、図52(a)の例と同様に普通電動役物(普通入賞口装置63)が1回の作動を行った場合は、待機中(0)のステイタスへ移行する。また、図52(b)の例と同様に普通電動役物(普通入賞口装置63)が連続して作動する場合は、変動中(1)のステイタスへ移行する。
この詳細例2では、通常時と特別状態時とで、開放前デモ時間と開放後デモ時間の入れ替えが行われている。つまり、通常時には、開放前デモ時間と開放後デモ時間は、それぞれ100ms、1500msとなっているが、特別状態時には、開放前デモ時間と開放後デモ時間は、それぞれ1500ms、100msとなっている。
別な言い方をすれば、通常時における開放前デモ時間の100msは、特別状態時における開放後デモ時間と同じであり、通常時における開放御デモ時間の1500msは、特別状態時における開放前デモ時間と同じである。そして、開放時間の2000msは通常時と特別状態時で同じ値であり、通常時と特別状態時とで、開放前デモ時間同士や、開放後デモ時間同士が異なっていても、普電作動時間は同じ3600msとなっている。
したがって、開放前デモ時間が開始され、開放時間を経て、開放後デモ時間が終了するまでの期間を普通電動役物の作動に係る1周期(作動周期)とすれば、通常時と特別状態時で、普通電動役物の作動周期は変化せず、一定(ここでは3600ms)に保たれる。このようにすることで、単位時間あたりにおける普通電動役物の作動回数が変わらず、普通電動役物に係る賞球数は一定となり、適度な射幸性を保つことが容易になる。
この詳細例2については、以下のようにも説明することができる。例えば、特別状態時(小当りラッシュ時)は、前述のように普通電動役物の開放延長機能が作動しないことから、普通電動役物の開放時間は通常時と変わらない。そして、詳細例1と同様に、小当りラッシュ期間中(特別状態中)における開放デモ時間(開放前デモ時間)のみの変更を行い、開放後デモ時間を変更しなかった場合には、開放デモ時間の違いに応じて、上述した普通電動役物の作動周期が変化し、単位時間あたりにおける普通電動役物の作動回数も変化する。
そして、このようにした場合には、通常時と特別状態時とで、普通入賞口装置63への入球の傾向が変化する可能性がある。さらに、第2種非電動役物(54A、54B)の拡開や、小当り発生、及び、小当りアタッカ93への入球などに関する傾向が変化する可能性がある。この結果、遊技領域52中の右側の領域に配置された各種の遊技用機器に関して、通常時と特別状態時とで、入球容易性が変化することが考えられる。さらに、出球の設計が複雑になり、出玉の管理が容易ではなくなる。
しかし、詳細例2のように、開放前デモ時間と開放後デモ時間の入れ替えを行うことで、通常時及び特別状態時において、普通電動役物の作動周期を一定に保つことができる。そして、単位時間あたりにおける普通電動役物の作動回数も一定となり、第2種非電動役物(54A、54B)や、小当りアタッカ93などに係る入球容易性が変化してしまうのを防止できる。さらに、出玉の設計や、出玉の管理が容易になる。
なお、詳細例2について電サポ時(時短時)について検討してみると、例えば、電サポ時における普通電動役物の開放前デモ時間を、括弧付きで図示した100msから1500ms(図示略)に変更し、開放後デモ時間を、図示した1500msから100ms(図示略)に変更したとする。電サポ時には、普通電動役物の開放延長機能が作動するため、ここでは開放時間を、括弧付きで図示したように5800msとする。
また、電サポ状態においては、第2種非電動役物2(54B)をなるべく拡開させたくないため、開放時間5800msとしている時間について、特別状態時に振り分け部材が第2種非電動役物2を拡開させるように動作している時間の大部分には、開放時間中であっても一時閉鎖するパターンを含むように構成する。ここで、一時閉鎖パターンを含むと、この間に普通電動役物の下流側へ向けて遊技球が転動してしまい、小当りアタッカ93への入球可能性が生じてしまうため、電サポ状態においては、普通図柄の変動時間を極端に短くして(例えば100ms)普通電動役物が作動していない間の小当りアタッカ93側への転動を抑制するように構成することが好ましい。
<<詳細例3:普通図柄に係る図柄固定時間の変更>>
次に、詳細例3について説明する。なお、これまでに説明した詳細例と同様の事項については適宜説明を省略する。先ず、詳細例1や詳細例2と異なる点として、普通電動役物(普通入賞口装置63)の内部に設けられた振り分け部材98の作動開始タイミングを、普通図柄の変動時間終了時(変動終了時)としている点がある。さらに、前述した普通図柄の固定時間(図柄固定時間)を、小当りラッシュ中(特別状態中)においてのみ変更し、延長している。
図78(b1)、(b2)は、遊技状態の違いに応じた固定時間の変化を示している。普通図柄の固定時間は、詳細例1(図77(b1)、(b2))における停止中(2)のステイタスにある時間に相当している。さらに、図78(b1)、(b2)の例では、普通図柄の変動がある場合には、普通図柄の固定時間の後に、開始デモ時間に移行している。
本詳細例3においては、図78(b1)に示す非小当りラッシュ時、及び、図78(b2)に示す小当りラッシュ時で、開始デモ時間は同じ(ここではS1)になっている。また、非電サポ中の開放時間S2は、詳細例1に示したものと同様、小当りラッシュ中と同様に制御し、総じて普通電動役物の作動時間であるS1からS4(S2)および不図示の終了デモ時間は共通の時間となり、普通電動役物内部の振り分け部材98の動作を除く普通電動役物の作動上の処理は共通である。そのため、普通電動役物の作動に係る遊技球の入賞容易性は、非電サポ中において、小当りラッシュ状態、通常遊技状態ともに同等であるといえる。
この詳細例3によれば、非小当りラッシュ時、及び、小当りラッシュ時のデモ時間は、前述のように一致しているが、小当りラッシュ時の固定時間S12は、非小当りラッシュ時の固定時間S11よりも長くなっている。このため、詳細例1と同様に(図77(d1)、(d2)、(e)参照)、非小当りラッシュ時における普通電動役物(普通入賞口装置63)の開放開始のタイミングに対して、小当りラッシュ時における普通電動役物(普通入賞口装置63)の開放開始のタイミングを遅らせることができる。
そして、詳細例1と同様に、開放開始タイミングと振り分け部材98の有利状態への切り替えタイミング(動作タイミング)との関係に変化を与え、小当りラッシュ時に、第2種非電動役物2(54B)へ遊技球が導かれ易く、出玉の獲得が容易なゲーム性を実現することが可能となる。ここで、この詳細例3においても、普通図柄の変動停止から振り分け部材98の動作タイミングまでの期間は、詳細例1の切替待機時間(S5)と同様に、常に一定となっている。
なお、前述した詳細例1や詳細例2では、記載が煩雑にならないよう図柄固定時間についての説明は省略したが、詳細例1や詳細例2でも、図柄固定時間が設けられ、この図柄固定時間は、前述のように、停止中(2)のステイタスにある時間に相当している。そして、詳細例1や詳細例2では、非小当りラッシュと小当りラッシュとで図柄固定時間が同じである点で、詳細例3と異なっている。
<<詳細例1~3に係る総括的事項>>
続いて、これまでに説明した詳細例1~3に関して、総括的に考えられる事項について説明する。先ず、詳細例1~3については、広義に、普通電動役物の変動終了から、普通電動役物が拡開するまでの期間の一部が、小当りラッシュの遊技状態(特別状態)でのみ延長されるものである、ということができる。この点は、時短時(電サポ時)であっても同様である。また、開始デモと終了デモの時間の入れ替えを行うようにした詳細例2についても同様である。そして、これらのことは、普通電動役物の変動終了から、普通入賞口装置63の電チュー用シャッタの機械的な開放開始のタイミングを変更することで、普通入賞口装置63の電チュー用シャッタの機械的な開放開始のタイミングと、振り分け部材98の切り替わりのタイミングとの関係を、変化させるものであるということができる。
また、小当りラッシュ以外の遊技状態(ここでは通常時や電サポ時等の非小当りラッシュ時の状態)について、通常時と電サポの際の普通電動役物の作動制御は、ともに第2種非電動役物1(54A)を主として拡開させるようにするためのものであり、詳細例1~3のいずれについても同様である。
さらに、電サポ時、普通図柄高確率時、普通図柄変動時間短縮機能作動時、普通電動役物開放延長機能作動時などといった、普通図柄に係る特殊な遊技状態については、以下のようなことがいえる。すなわち、これまでに説明したような小当りラッシュのゲーム性を採用した場合、普通図柄の当選確率は、電サポ時やそれ以外の場合(通常時等の非電サポ時)のいずれにおいても、相当程度に頻繁に、高確率で当りとなるものであることが望ましい。
しかし、電サポ時と非電サポ時とでは、電サポ時の当選確率のほうが高くなければ、電サポ時に当選確率が向上している、すなわち普通図柄の確率変動機能が作動していると客観的に認識することは難しい。このため、電サポ時と非電サポ時とにおける電サポ時の当選確率は、置数を最小限(例えば10以下、好ましくは1程度)異ならせて、当選確率の差を確保する、といったことが考えられる。例えば、普通図柄の抽選に用いる乱数値の範囲が100である場合、電サポ時の当選確率を99/100とし、通常時の当選確率を98/100とする、等といったことが考えられる。
また、詳細例1~3では、普通図柄の変動時間についても、電サポ時は、非電サポ時である通常時(及び小当りラッシュ時)と比べてかなり短くなっている。例えば、通常時(及び小当りラッシュ時)の変動時間を2~3秒程度とし、電サポ時の変動時間を0.8秒程度とすることなどが考えられる。このようにすることで、普通入賞口装置63が閉鎖している時間を短くし、普通入賞口装置63に入球しなかった場合でも、第2種非電装役物1(54A)で遊技球を可能な限り多く回収して、大入賞口(ここでは小当りアタッカ93)へ遊技球を向かわせないようにしている。
さらに、普通電動役物の開放延長機能に関しては、開放延長機能非作動時と比べて開放時間が長くなっていることを客観的に明らかにするとともに、遊技者にはその差が明確に把握できないようにすることが考えられる。そして、開放延長機能が作動する電サポ時には、非電サポ時に比べて最小限(例えば遊技進行割込み処理の数周期分、好ましくは1周期分など)の時間のみ、開放時間を長くする(ほぼ同じにする)、といったことが考えられる。
また、小当りラッシュ時や電サポ時以外に遊技者が右打ちを行っても、利益を獲得するのに相当の時間を要するようにして、イレギュラーな状況での右打ちを防止できるようにすることが可能である。例えば、特図1での遊技が推奨される状況である通常遊技状態で右打ちが行われ、第2種非電動役物1(54A)への入球により特図2の始動入賞が発生することにより変動パターンが選択される場合に、10分などの比較的長時間のものが選択されるようにし、単位時間当たりの変動回数である変動効率が高まりにくいようにすることが考えられる。なお、小当りラッシュ中は、非電サポ状態中ではあるが、特図2の変動について特別図柄の時短機能を発生させている。
また、遊技領域52における遊技機器の作動口68、普通入賞口装置63、第2種非電動役物(54A、54B)、小当りアタッカ93等の配置に関しては以下のようなことがいえる。例えば、第2種非電動役物2(54B)は、小当りラッシュの遊技状態において出玉を増やし得るものであり、第2種非電動役物2(54B)は、遊技球の流下に関して、第2大入賞口93よりも下流に配置されている。
これは、第2種非電動役物2(54B)を小当りアタッカ93よりも上流に配置すると、遊技球が小当りアタッカ93に到達する前に第2種非電動役物2(54B)に入球して(拾われて)しまい、小当りでの小当りアタッカ93の開放による出玉の増加を阻害する可能性があるが、下流に配置することにより、小当りでの出玉の増加が阻害されるのを防止できるからである。
また、第2種非電動役物2(54B)の開閉は、小当りアタッカ93とは異なり、特図に係る当否抽選(大当り抽選)と切り離されて行われるようになっている。このため、小当りアタッカ93の閉鎖後に流下してきた遊技球を第2種非電動役物2(54B)で拾うことが可能になり、この場合のアウト球数を減少させることができる。
これとは反対に、第2種非電動役物1(54A)を小当りアタッカ93の上流に配置した場合には、小当りが発生して小当りアタッカ93が開いている際にも、小当りアタッカ93に向かう遊技球を、第2種非電動役物1(54A)で拾うことができる。そして、第2種非電動役物2(54B)が使用される小当りラッシュ以外の遊技状態において、小当りアタッカ93での賞球の獲得を抑制することができる。
また、第2種非電動役物2(54B)は、2個の入球があると閉鎖するようになっているが、普通入賞口装置63への1個の入球によって開放するものである。このため、第2種非電動役物2(54B)の1回開放で2個の保留を発生させることが可能である。そして、開放した際に1個の入球で閉じるようにした場合に比べて、特別図柄(特図2)の変動効率を高くすることができる。
なお、第2種非電動役物2(54B)を閉じるための入球個数は、2個に限らず、例えば3球や4球などとしてもよい。そして、第2種非電動役物2(54B)を閉じるための入球個数と、特別図柄(特図2)の変動時間との関係を考慮して、上記入球個数や変動時間、賞球数を定めることが望ましい。なお、第2種非電動役物1(54A)も、2個の入球があると閉鎖するようになっているため、第2種非電動役物1(54A)についても第2種非電動役物2(54B)と同様のことがいえる。
<<代替制御態様1>>
また、これまでに説明した制御態様において、小当りラッシュは、普通電動役物の開放延長機能を作動させない遊技となっている。しかし、小当りラッシュ時に開放デモ時間や図柄固定時間などの変更を行って、普通電動役物の作動と、振り分け部材98の状態との関係を変化させた場合には、論理的には、普通電動役物に係る入球を容易にしている、等といった技術上の解釈がされる可能性が皆無とはいえない。
このため、非小当りラッシュ時(開放延長機能作動時である電サポ時を除く)と小当りラッシュにおいて、普通図柄が当りのときに、普通電動役物(普通入賞口装置63)を少なくとも2回以上開放し、且つ、総開放時間(合計の開放時間)を同一にしつつも別の開放パターンで普通電動役物を駆動する、といったことが考えられる。そして、上述のような技術上の解釈の余地を解消しつつ、非小当りラッシュ時(開放延長機能作動時を除く)と小当りラッシュにおける、普通電動役物の作動と、振り分け部材98の状態との関係を変化させることが考えられる。
具体的には、図79における(A)の枠内の(a1)に示すように、普通電動役物(普通入賞口装置63)については、通常時(開放延長機能作動時を除く)の開放パターンを、1200msの開放、1100msの閉鎖、100msの開放が続くパターンとする。これに対し、小当りラッシュ時のm開放パターンを、同図(a2)に示すように、100msの開放、1100msの閉鎖、1200msの開放と続くパターンとする。そして、振り分け部材98を、同図(a3)に示すように、普通電動役物(普通入賞口装置63)の最初の開放の開始から1600msが経過した以降に非電2である第2種非電装役物2(54B)の側へ遊技球を導く状態とする。
このような例では、(a1)の通常時における2回目の開放(100msの開放)や、(a2)の小当りラッシュ時における1回目の開放(同じく100msの開放)の期間が、ゲーム性の主体とならない遊技に係る第2種非電動役物(54A、54B)を拡開させる期間(ここでの担保期間)となっている。
つまり、(a1)の通常時には、ゲーム性の主体となるのは特図1の遊技であり、主体とならないのは特図2の遊技である。そして、(a1)の通常時には、2回目の開放(100msの開放)が、振り分け部材98が非電2の側(非主体側)に遊技球を導く状態にある場合に実行される。
また、(a2)の小当りラッシュ時には、ゲーム性の主体となるのは特図2の遊技であり、主体とならないのは特図1の遊技である。そして、(a2)の小当りラッシュ時には、1回目の開放(100msの開放)が、振り分け部材98が非電1の側(非主体側)に遊技球を導く状態にある場合に実行される。
なお、(a2)の小当りラッシュ時には、2回目の開放(1200msの開放)の序盤も、振り分け部材98が非電1の側に遊技球を導く状態にある場合に実行される。そして、2回目の開放(1200msの開放)の中盤から終盤に亘る期間(ここでは800ms(=2400ms-1600ms))が、振り分け部材98が非電2の側(主体側)に遊技球を導く状態にある場合に実行される。
なお、普通電動役物(普通入賞口装置63)の開放パターンに対して、1対1の関係で普通図柄を設ける必要がある場合、通常時と小当りラッシュ時とで異なる種類の普通図柄が必要となる。そして、通常時と小当りラッシュ時のいずれも電サポなしとすることで、普通電動役物に関し同じ遊技状態に複数種類の普通図柄を割り当てることが更に必要となる。
<<代替制御態様2>>
また、上述の制御態様とは別に、振り分け部材98の作動開始(非電2への切り替え開始)を、普通図柄の変動開始時を起点として行い、普通図柄の変動時間の長さを変化させることで、普通電動役物(普通入賞口装置63)の開放タイミングと、振り分け部材98の作動開始タイミングとの関係を変化させ、第2種非電動役物2(54B)を実質的に長時間使用できるようにすることも考えられる。
また、普通図柄変動に、小当りラッシュに係る遊技状態の突入時(開始時)から始まる限定頻度パターン演出の期間を設けることも可能である。この制御態様では、例えば、上述の例と同様に、普通図柄の変動開始時を基準(起点)として計時を行い、所定時間経過後に振り分け部材98を作動させる。
さらに、この例では、普通図柄に係るの限定頻度パターン演出の期間を所定期間(例えば300回の変動期間)とし、この限定頻度パターン演出を、小当りラッシュに伴って開始する。ここで、普通図柄に係る限定頻度パターン演出の期間を300回と例示しているのは、特別図柄に係る特定遊技状態の期間(ここではSTの期間)が、数十回~100回などとされていることが多いためである。
つまり、小当りラッシュ中における普通図柄の変動期間が相対的に短くなることを考慮し、特別図柄に係る特定遊技状態の期間が終了する頃、或は、終了した後に、普通図柄に係る限定頻度パターン演出の期間が終了するようにするためである。そして、特別図柄の確変終了(ST終了)の頃に、普通図柄の限定頻度パターン演出の遊技状態の情報がクリアされ、当該遊技状態が終了する。
<<代替制御態様3>>
また、以下のような制御態様も検討することができる。例えば、通常時(ここでは、電サポ時を含まない)と、電サポ時には、振り分け部材98の作動終了直前(有利状態の終了直前)に普通電動役物(普通入賞口装置63)を開放させる。この開放は、開放時間が短く、入球が困難なものとする。
具体的には、図80(a1)に示すように、小当りラッシュ時には、普通図柄の変動時間を極短いものとする(例えば0.3秒程度)。通常時には、同図(b1)に示すように、普通図柄の変動時間を小当りラッシュ時よりも長くする(例えば1.004秒程度)。また、電サポ時にも、同図(c1)に示すように、普通図柄の変動時間を小当りラッシュ時よりも長くするが、通常時とは僅かに短く異ならせる(例えば1.000秒程度)。さらに、同図(d)に示すように、振り分け部材98の作動終了タイミング(有利状態から不利状態への切り替えタイミング)を、通常時や電サポ時の変動時間が経過した直後とする(変動開始から例えば1.056秒程度)とする。
そして、図80(a2)、(b2)に示すように、小当りラッシュ時や通常時の普通図柄に係る終了デモ時間を長くする(例えば2.0秒など)。この終了デモ時間は、普通電動役物の作動時間には含まれるが、普通入賞口装置63の開閉部材(電チュー用シャッタ)の開放時間(機械的又は物理的な開放時間)には含まれない時間である。このような普通図柄の変動時間や、終了デモ時間の関係を構築することで、終了デモ時間中に遊技球を普通電動役物(普通入賞口装置63)に入球させず、普通電動役物(普通入賞口装置63)の下方へ流下させる。
一方、電サポ時には、図80(c2)に示すように、普通図柄に係る終了デモ時間を相対的に短くする(例えば0.2秒など)。これにより普通電動役物(普通入賞口装置63)が早期に開放するとともに、長時間開放し、遊技球が普通電動役物(普通入賞口装置63)の下方に流下し難くなる。
<<詳細例4:特別図柄の変動時間と第2種非電動役物2の開放との関係>>
次に、詳細例4について説明する。なお、これ以降の詳細例(詳細例4以降)は、詳細例1、詳細例2、又は、詳細例3のいずれかの発明、或いは、代替制御態様1~3への組合せが可能なものである。また、これ以降の詳細例(詳細例4以降)の説明にあたり、これまでにの詳細例と同様の事項については適宜説明を省略する。
この詳細例4は、特別図柄の変動時間と第2種非電動役物2(54B)の開放との関係についての最適化を考慮したものであり、小当りラッシュの期間(小当りラッシュ期間)中における特別図柄の変動時間と、遊技者にとっての有利性についての検討を行っている。そして、この詳細例4においては、第2種非電動役物2(54B)の開放を示唆する演出(非電開放チャンス示唆演出)を行うことを想定している。
先ず、小当りラッシュ期間中においては、前述のように、小当り用のアタッカ(小当りアタッカ93)の作動に加えて、多くの賞球が期待できる第2種非電動役物2(54B)が開放するようになっている。小当りアタッカ93は、特別図柄(ここでは特図2)に係る当否抽選での小当り当選を契機として作動する。また、第2種非電動役物2(54B)は、普通図柄の停止図柄に係る条件と、普通入賞口装置63への入球の条件が共に成立すれば作動する(遊技球が案内される)。
このように、小当りアタッカ93の作動契機と、第2種非電動役物2(54B)の作動契機は、遊技上、別系統で発生する。このため、特別図柄の変動時間が相対的に長い場合に、第2種非電動役物2(54B)が複数回作動する期待が持てることとなる。そこで、特別図柄に関して、当否抽選の結果がはずれの場合の変動パターンに基づく変動が、例えば前述のSPリーチ等のように相対的に長時間のものである際(長時間のはずれ変動の際)に、第2種非電動役物2(54B)の開放チャンス期間中である旨を報知する演出を行うことが考えられる。
また、先読み演出として、複数回の特図変動に係る合計変動時間を算出し、算出結果を参照して、複数回の変動に跨って第2種非電動役物2(54B)が開放チャンス期間中である旨を報知する演出を実行することも考えられる。
演出の具体的な例としては、以下のようなものを挙げることができる。例えば、長時間のはずれ変動としては、例えば、10秒、20秒、30秒、40秒、・・・、といった変動時間のものを挙げることができる。さらに、開放チャンス期間中である旨を報知する演出としては、例えば、第2種非電動役物2(54B)を使用して遊技球を増やせる状態が長時間続くことを示唆する演出を例示できる。
より具体的には、例えば、残り時間タイマの演出のように、時間が徐々に減っていく状況である旨を報知できる演出を実行する。続いて、最大が所定回数(4回など)である演出上の関門の突破が続き、最後の関門の突破を果たすと、より多くの遊技球を獲得できている、といったゲーム性を考えることができる。さらに、1回の関門突破毎に1回の第2種非電動役物2(54B)の拡開が狙える程度の変動時間を考えることができる。すなわち、前述の10秒刻みのはずれ変動時間に関し、10秒を1サイクル(普通電動役物の作動および第2種非電動役物2の拡開から、第2種非電動役物2入球による閉鎖まで)として設計するものである。なお、演出上の1サイクルを10秒としている理由は説明を容易にするためのものであって、詳細例1~3等に示した技術によっては、1サイクルの時間は適宜調整されるものである。
例えば、前述の40秒の変動時間を有する変動パターンが選択された場合に、1つの関門(1ステップ)に10秒程度を使用し、40秒間で4回の関門突破の演出と、4回の第2種非電動役物2(54B)の拡開が期待できるようにする。この場合、4回目の関門の演出において、突破に失敗する、といったことも可能である。
また、30秒の変動パターンの場合は、2回は突破に成功し、3回目には失敗するようにする。さらに、20秒の変動パターンの場合は、1回目の突破に成功し、2回目には失敗するようにする。また、10秒の変動パターンの場合は、最初から突破に失敗する、といったことが考えられる。
このようなステップアップ式のゲーム性を採用することにより、例えば、はずれ変動である場合に、演出が継続するか否か(関門を突破してステップアップするか否か)の期待を煽り、継続した場合には複数回の幸運を獲得できた、といった気持ちを遊技者に抱かせ得るようになる。
また、このようなゲーム性や演出に関し、最大回数の関門突破に対応した変動パターンが選択された場合には、演出の序盤に突然、或は演出の中盤に、最終ステップまでの継続が確定している旨の報知を行う、といったことも可能である。
また、他の演出例として、第2種非電動役物2(54B)の開放を検出して実行するものも考えることができる。例えば、前述したように、第2種非電動役物2(54B)に、開放有無を検知するセンサ(図61や図62の例のロックアームセンサ434のように機能するもの)を備え、第2種非電動役物2(54B)の開放が検出された場合に、所定の演出を実行する。
この演出例においては、例えば、図79における(B)の枠内に示すように、変動時間が30秒であるはずれ変動のときに(b1)、所定のキャラクタが扉を開放する期待を煽る演出を実行する。さらに、演出中に第2種非電動役物2(54B)の開放を検出すれば(b2)、扉を開放させる演出(成功演出)を実行し、続けて、再び扉を開放する期待を煽る演出(開放煽り演出)を行う(b3)。そして、このような一連の演出を、変動時間が終了するまで繰り返す。
また、前述した先読み演出に係る演出例としては、以下のようなものを例示できる。先ず、複数回の変動に係る各回の変動パターンを先読みして、変動時間の合計を算出する。ここで、3回の変動について各回の変動時間を、A秒、B秒、C秒とした場合、A秒+B秒+C秒の演算により、D秒の合計時間が得られる。これらの変動時間のうち、少なくともA秒とB秒は、はずれ変動のものであるとする。また、この場合のはずれ変動は、小当りを含んでいてもよく、そのような意味で「非大当り変動」と称することができる。なお、小当り変動を含む場合は、小当りアタッカ93が開放している間は特別図柄の変動表示が一時停止(特図2)及び中断(特図1)するため、合計時間Dを算出するに際しては、時間A、B、Cについて小当り遊技の時間を含めてはずれの変動時間として演算するようにしてもよい。
そして、合計時間であるD秒程度の間は、第2種非電動役物2(54B)を使用して遊技球を増加できる旨を報知する演出を実行する。この合計時間に基づき継続される変動は、「まとめ変動」等と称することが可能である。さらに、この際、図8(a)、(b)に示した縮小演出図柄表示領域361のミニ図柄は、特別図柄の各変動毎に停止する。ここで、合計時間Dの算出に小当り遊技を含む場合は、合計時間D秒を当該演出期間中視認可能にカウントダウン表示する一方、合計時間Dに小当り遊技時間を含まずに算出する場合は、合計時間Dのカウントダウン表示中に小当り遊技が発生した場合に、カウントダウン表示を一時中断するホールド表示(一時固定表示)演出を実行する。
また、第2種非電動役物を用いて遊技球の増加を狙える仕様については、特別図柄の変動時間に関し保留数との関係についても次のように検討することができる。例えば、保留数が0~2個(或いは3個)のように相対的に少ない状況で、相対的に長時間の変動パターンが選択され易いよう、保留数に依存して変動パターンの選択割合が決められている場合には、保留数を少なく維持することで、1回の特図変動中に第2種非電動役物2(54B)を多く開放させることができる、といった考えを遊技者に抱かせてしまう可能性がある。
このため、小当りラッシュ中には、保留数に依存した変動パターンテーブルを使用せず、保留数に依存しない内容の変動パターンテーブル(保留数非依存テーブル)に切り替えて、変動パターン抽選を行うことが考えられる。このようにすることで、小当りラッシュ中に所謂止め打ちにより、保留数を少なく保ちながら遊技を行い第2種非電動役物2(54B)により遊技球の増加を狙う、といったこと(所謂攻略)を防止できるようになる。
また、小当りラッシュ中の特別図柄(ここでは特図2)の変動時間を短いものとすることで、保留数が貯まり難くなることも想定でき。このような観点からも、小当りラッシュ中には保留数に依存した変動パターンテーブルを使用しないようにするのが有効であると考えることができる。
<<詳細例5:小当りラッシュと限定頻度パターン演出との特定の関係>>
次に、詳細例5について説明する。なお、これまでに説明した詳細例と同様の事項については適宜説明を省略する。この詳細例5は、小当りラッシュと限定頻度パターン演出との関係についての最適化を考慮したものであり、小当りラッシュを回数制限の下で行う場合における演出の最適化を図ろうとするものである。
前述のゲーム性に係る第1実施例においては、第2種非電動役物2(54B)への入賞率を拡大する開放延長状態2の遊技を、変動回数制限の下で(STの形態で)行うようになっていた。さらに、前述のゲーム性に係る第1実施例に関しては、第2種非電動役物2(54B)を小当りラッシュに用いる例(第2種非電動役物と小当りラッシュとの組合せ)を説明していた。また、前述のゲーム性に係る第2実施例においては、小当りラッシュをSTの形態で行えるものとしていた。
そして、この詳細例5では、小当りラッシュをSTの形態で行うようにした場合に、第1遊技と第2遊技が並列に実行される並列制御(並列遊技)が採用されていることを考慮し、限定頻度演出パターンを最適な態様で実行することを想定している。
具体的には、先ず1つ目の制御態様として、大当り遊技直後の変動(1回目~数回目の変動など)で、相対的に長時間の変動パターンが選択されるよう決められた限定頻度テーブルを用いることが考えられる。前述のように、小当りラッシュでは、長時間の変動が選ばれると、1回の特図(ここでは特図2)変動で第2種非電動役物2(54B)を2回以上作動し、遊技者に有利となり得る。このため、特定の期間に長時間変動の限定頻度パターン演出を用いて、遊技者に実質的に有利な期間を設けることが考えられる。本制御態様に基づけば、特別電動役物の作動(大当り遊技、小当り遊技)を契機として限定頻度期間を特別遊技を実行することとなった特別図柄に応じて設定可能とするため、特別な大当りを獲得した際に、第2種非電動役物2(54B)を用いて遊技球の増加を狙える状態に限定頻度テーブルが参照される所定期間、有利な状態に遷移させることが可能となる。
続いて、2つ目の制御態様として、ST中における最終回(ここでは100回目)の変動に係る遊技が終了した後、ST後となる101回目以降の遊技において、特定の限定頻度テーブルを用いることが考えられる。この限定頻度テーブルには、はずれ用の限定頻度パターン演出として、ST期間終了までの連荘中に遊技者が獲得できた総獲得出球数の表示を行う。このような表示は、前述した「エンディング演出」や「リザルト演出」の内容とともに行うことが可能である。また、総獲得出球数は、理論値及び実測値のいずれであってもよい。
限定頻度テーブルの参照期間は、101回目及び102回目の期間とし、102回目の変動を予備期間として確保する。これは、第1遊技(特図1の遊技)と第2遊技(特図2の遊技)が並列に実行される並列制御(並列遊技)が採用されていることから、101回目の特図変動が、特図2のものとは限らないため、より確実に特図2に係る変動演出としてここでの限定頻度パターン演出を実行し得るようにするためである。また、限定頻度テーブルは、特図1及び特図2の区別を行わずに構成し、特図1及び特図2のいずれについても同じ限定頻度テーブルを使用することが考えられる。
上述のST終了後、演出制御手段(サブメインCPU)は、前述の特図2の変動表示に係る演出である「エンディング演出」や「リザルト演出」、大当り変動に係る演出を除き、特図1の変動表示を主体的に表示する演出状態へ移行する。101変動目として特2(特図2)の変動が開始され、リザルト演出が表示された場合は、制御上リザルト表示実行済みフラグを立てておき、102変動目で特2が変動開始しても、大当りでない限りは変動演出を実行しないようにすることが可能である。また、101変動目が特図1の変動表示であり、リザルト表示実行済みフラグが成立していない状況下では、102変動目の特図2変動の実行に伴い「リザルト演出」の表示を行う。
また、限定頻度テーブルにおいて、特1(特図1)に係るはずれの変動パターンは例えば7秒とし、ST終了時に特2の保留がなく、特1で変動した場合は、特1の変動にて、例えば5秒間のリザルト演出を行う。そして、残り2秒(7秒-5秒)で演出図柄(190a~190c)の停止表示制御(装図停止表示制御)を行う。この装図停止表示制御としては、前述の仮停止のように揺れ変動等の表示制御を採用することができる。
また、ST終了時に、特1及び特2(特図2)の双方の保留が無いことを判定した場合には、100回目の変動終了の後に、例えば5秒間のリザルト演出を行う。そして、この間に特図1の変動が開始された場合は、画面上のレイヤ配置により、リザルト演出よりも優先表示される前述のミニ図柄の変動表示を行い、変動中である旨を表示する。その後、リザルト演出をフェードアウトさせることで、縮小演出図柄表示領域361(図8(a)、(b))以外の表示領域を使用した通常の変動演出(ここでは特図1)を画面上に表示し、リザルト演出から復帰する。
この2つ目の制御態様のように、ST終了後のみに限定頻度テーブルを使用することで、小当りラッシュ中には、変動パターンが限定頻度テーブルによって決定されないようにすることができる。そして、第2種非電動役物2(54B)の拡開に関する有利度合いを、小当りラッシュの遊技中に変化させないことが可能になる。
また、限定頻度テーブルによって選択するのがリザルト演出であれば、リザルト演出はある程度の長さの変動時間が確保されるのが一般的である。しかし、ST終了後のみに限定頻度テーブルを利用してリザルト演出を行うのであれば、小当りラッシュ中に固定的に、ある程度の変動時間が保証される期間が生じてしまうのを防止できる。
なお、例えば、限定頻度パターン演出の変動時間を10秒程度としたとすると、上述ののように限定頻度テーブルの使用をST終了後に限っても、例えば最終変動で変動パターンがSPリーチ等のように変動時間の長いものであった場合は、ST中に、変動時間が長く遊技者にとって有利な状況が発生し得る。このような点を考慮して、限定頻度パターン演出の変動時間や、参照タイミング、およびその他の変動パターンに係る変動時間を決定することが望ましい。
また、101回目及び102回目の変動のための限定頻度パターン演出の変動時間を1種類のみとしてしまうと、小当りが発生して小当りアタッカ93が開放するまでの時間が、遊技者にとって推定し易く、小当りの賞球が獲得し易いものとなり得る。このため、限定頻度パターン演出の変動時間を、例えば、10秒、20秒、30秒等の複数種類(ここでは3種類)以上とし、どの変動パターンでもリザルト演出を5秒程度等の共通の時間で終わらせるようにすることが考えられる。このようにすることで、リザルト演出の終了タイミングが、意図的にタイミングをはかって遊技球を発射する場合のタイミングの目安になることを防止できる。
また、本例のように、限定頻度パターンテーブル参照時の変動時間を複数種類とする場合には、変動パターン乱数に基づく抽選で限定頻度パターンテーブル(特殊変動パターン抽選テーブル)を用いて決定される変動パターン(変動時間)が複数あるものでもよいし、変動パターン乱数に基づく抽選で決定される変動パターンは固定で、変動付加時間を複数のものから別途抽選して追加する仕様であってもよい。変動付加とする場合には、限定頻度テーブル参照時に決定される変動パターンを大当り変動と同等に扱い、大当り変動に対する変動付加抽選(例えば、はずれのように見せた後に逆転的に当りに見せる演出を行うための付加変動や、大当り図柄を非確変図柄から確変図柄等の遊技者に有利な図柄に変更させるための再抽選演出を行うための付加変動が決定される抽選)と同じ抽選テーブルを共用するなど、他の状況で参照し得る変動付加抽選と共通化することによって、テーブルデータの記憶領域を削減することなどの手法も考えられる。
また、この場合、リザルト演出後は、通常状態の演出画面で特図1の変動演出を優先して表示することが考えられる。さらに、そのときの変動が大当りとなるものである場合は、リザルト演出後に、通常時(左打ち時)に特図2の大当りが発生した場合に実行される演出(イレギュラー特2当り時の演出)と同じ(或いは類似した)内容の演出を使用することが考えられる。
続いて、3つ目の制御態様として、限定頻度テーブルの管理を、特図1用の管理と、特図2用の管理に分けることが考えられる。この場合、特図1用の限定頻度テーブルと、特図2用の限定頻度テーブルを備える。そして、特図1と特図2のそれぞれの限定頻度パターン演出が実行される状態が、それぞれの変動に基づいて(別々に)遷移していくよう演出制御を行う。
例えば、特図1については、特段の制約を設けず、任意に変動パターンを決めることができるものとする。より具体的には、特図1については、100回の変動の全てを同じ変動時間で行うことなどが考えられる。これに対し、特図2については、ある程度の制約を設け、100回の変動の間、保留数に依存しない保留数非依存テーブルを用い、101回目の変動については、リザルト演出用の限定頻度テーブルを用いる、などといったことが考えられる。
このように特図1用の管理と、特図2用の管理とを別々に行うようにした場合は、特図1の変動があっても、特図2の限定頻度パターン演出に影響が及ばない。このため、特図1と特図2の合計で100回の変動が終わり、制御上(内部的に)、STが終了しても、特図2の小当り発生時における変動を、通常状態における長時間変動に変更する必要がなくなる。そして、特図1、特図2の並列制御を採用しても、100回の特図2に係る変動を、特図2について定められた一貫性のある演出パターンで実行することが可能となる。
また、特1が変動していることにより合計の変動回数が100回に達し、制御上(内部的に)、STが終了し、大当り確率が通常確率に戻っていても、小当り確率は変わらず、更に特図2に係る100回の変動についての変動時間の選択傾向を継続させることができる。このようにすることで、特図1の変動に影響されず、小当りラッシュが特図2によって確実に100回続いているように演出を行うことができる。
さらに、ST終了時に、特図1の限定頻度テーブルを使用するための条件はクリアし、通常状態の制御に戻すことが可能である。この際、特図2の限定頻度テーブルを使用するための条件はクリアしない。これにより、ST終了に合わせて特図1の演出が、ST中でない場合と同様に通常通り行われるようになる。この場合、各種の制御態様のいずれかにより、第2種非電動役物2(54B)は拡開し難い(遊技球が導かれ難い)状態とすることが考えられる。
<<詳細例6:打ち分け報知と第2種非電動役物2との関係>>
次に、詳細例6について説明する。なお、これまでに説明した詳細例と同様の事項については適宜説明を省略する。この詳細例6は、サブメイン基板301による打ち分け報知(推奨発射位置報知)と、第2種非電動役物2(54B)との関係についての最適化を考慮したものであり、所定の場合には、遊技者に対する打ち分け報知を行わないようにしたものである。ここで、打ち分け報知(推奨発射位置報知)とは、遊技状態に応じて、遊技者に遊技球を発射すべき方向を指示するため、右打ち(盤面右側領域への発射)や左打ち(盤面左側領域への発射)の打ち分けに係る注意喚起のための画像(打ち分け注意喚起画像)を表示するものや、遊技盤及び枠の演出ランプの点灯表示、ないし音声出力を行うものなどがある。
第2種非電動役物2(54B)は、前述したように、特別図柄の変動表示とは切り離してメカ的(機械的)に開閉する入賞口であるため、左打ちが推奨される通常の遊技状態(左打ち推奨遊技状態)においても、ST終了直後などには特に拡開状態となり得るものである。さらに、第2種非電動役物2(54B)の賞球数(ここでは15個)は、第1始動入賞口62の賞球数(ここでは4個)よりも多い。このため、左打ち推奨遊技状態において、第2種非電動役物2(54B)が拡開していると、遊技者は、第2種非電動役物2(54B)を狙って発射させたくなると考えられる。
しかし、通常の遊技状態で右打ちを遊技者が実行すると、遊技状態が左打ちを推奨する状態であるため、左打ちへ戻すことを推奨する「左打ちしてください」等の打ち分け報知(注意喚起報知)を行うことが一般的であるが、上述のような状況(通常状態において第2種非電動役物2が拡開している状況)で、打ち分け報知(注意喚起報知)が行われると、遊技者の意思に反した報知を行うことになり、遊技者に混乱や消極的な印象を与えてしまう可能性がある。
このような点を考慮し、本詳細例6では、第2種非電動役物2(54B)の拡開が検知される。第2種非電動役物2(54B)の拡開の検知は、第2種非電動役物2(54B)に開放有無を検知するセンサ(図61や図62の例のロックアームセンサ434のように機能するもの)を備えることで行うことが可能である。そして、第2種非電動役物2(54B)が拡開しているときには、第2種非電動役物2(54B)を優先し、右打ちされていることが検出されても、左打ちへ戻すことを推奨する注意喚起報知を実施しない。
このような制御のためには、メイン基板102あるいはサブメイン基板301で、第2種非電動役物2(54B)の拡開の検知を行うセンサの出力に基づき拡開していることを判定し、センサの出力が第2種非電動役物2(54B)の拡開状態を示す場合には、注意喚起報知を実行しないようにすることが考えられる。
ここで、サブメイン基板301が演出制御として打ち分け報知の実行を決定する処理に関して説明する。メイン基板102では、打ち分け状態指示灯(第3状態表示部(図7の符号87c))の制御が行われている。そして、打ち分け状態指示灯87cの制御には、前述のように打ち分け状態フラグを利用することが可能である。そして、打ち分け状態フラグが、右打ちを指定している場合に、サブメイン基板301に対し、推奨発射位置を通知するためのコマンドを打ち分け状態フラグのデータを内容の一部として生成したデータで送信し、別途各種入賞口、作動口などを通過した際に発射位置(遊技者の現在遊技を実行している領域)を特定可能な情報としてコマンドで送信する。サブメイン基板301は、推奨発射位置を特定するコマンドの情報を記憶しており、当該情報と不適切な位置での遊技を検知(不適当な領域の入賞口等のセンサ検出情報のコマンドを受信)した場合に、打ち分け報知(注意喚起報知)の実行を行う。なお、前述したように特定の場合(ここでは第2種非電動役物2(54B)が拡開している場合)に注意喚起報知を行わないようにすることが可能である。
さらに、第2種非電動役物2(54B)の拡開の検知を行うセンサの出力をサブメイン基板301にも入力し、サブメイン基板301で、開放の判定を行った場合には注意喚起報知を行わないようにすることも可能である。
ここで、第2種非電動役物2(54B)が拡開していないときには、左打ちすべき状況であるに関わらず右打ちされていることが検出されれば、左打ちへ戻すことを推奨する注意喚起報知を実施する。
また、第2種非電動役物1(54A)についても、上述した第2種非電動役物2(54B)と同様の制御を行うことが可能である。しかし、第2種非電動役物1(54A)の賞球数は相対的に少なく(ここでは1個)、通常時に入球があっても出球数の増加は見込めない。このため、第2種非電動役物1(54A)については、拡開していても、拡開していないときと同様に左打ちの注意喚起報知を行うことが可能である。
なお、注意喚起報知を行う場合は、作動口(通過ゲート)68での遊技球の検出を契機に行うことができる。この場合、作動口(通過ゲート)68で1球の通過を検知してから所定時間(数秒程度)以内に更に1球の通過を検出したことを、注意喚起報知を行う条件とすることができる。また、作動口(通過ゲート)68で所定時間以内の累計で所定球数の通過(N球通過)があった場合に、注意喚起報知を行うようにすることも可能である。
そして、前述のように、右打ちされた遊技球の大部分(例えば95%以上)が作動口(通過ゲート)68を通過するようになっている場合には、より高精度で注意喚起報知を行うことが可能である。また、作動口(通過ゲート)68における検出個数が所定の累計個数に達したことを条件に注意喚起報知を行う場合には、注意喚起報知の出力回数(更新回数)を減らすことができる。
<<詳細例7:メイン制御における右打ち表示灯制御とゲーム性との関係>>
次に、詳細例7について説明する。なお、これまでに説明した詳細例と同様の事項については適宜説明を省略する。この詳細例7は、メイン制御における右打ち表示灯(打ち分け状態指示灯である第3状態表示部(図7の符号87c))とゲーム性との関係についての最適化を考慮したものである。
第2種非電動役物2(54A)を利用したゲーム性の制御にあたり、メイン基板102における右打ち表示灯(第3状態表示部(図7の符号87c)である打ち分け状態指示灯)の制御は以下のように行うことが可能である。例えば、右打ち表示灯の点灯制御には、前述のように打ち分け状態フラグを利用することが可能である。この打ち分け状態フラグは、特別電動役物の作動中、又は、時短機能の作動中における管理に用いられる。
メイン制御による右打ち表示灯(打ち分け状態指示灯)は、RWMの所定の作業領域(「打ち分け状態フラグ」の作業領域)の情報が「1」(オンデータ)となっているときに点灯する。この「打ち分け状態フラグ」の作業領域には、特別電動役物が作動することとなるとき、前述の大当り開始デモ中や、小当り開始デモ中のタイミングでオンデータがセットされる。
そして、「打ち分け状態フラグ」の作業領域には、特別電動役物の作動終了時における移行先の遊技状態に応じた値がセットされる。例えば、移行先が通常遊技状態であればオフデータがセットされ、小当りラッシュや電サポの遊技状態であればオンデータがセットされる。このような「打ち分け状態フラグ」の機能は、概ね特別図柄の変動時間短縮機能フラグに連動したものとなる。このことは、前述した当り終了デモ中処理(図40)におけるS535の、終了デモ演出終了コマンド設定テーブルのアドレス(図44の「1092H」)をセットする処理等に対応している。
上述の「打ち分け状態フラグ」は、特別図柄が変動する期間(大当りや小当りが発生していない期間)においては、特別図柄の時短機能が作動しているか否かの状態に応じて右打ち表示灯を制御する情報となる。つまり、特別図柄に係る時短フラグがオンの場合に、右打ち表示灯が点灯する。このことは、前述した特別図柄変動開始処理(図31)におけるS315A~S320の、時短回数や入賞容易化状態回数に基づいて打ち分け状態フラグの下位アドレスをセットする処理等に対応している。
そして、これまでに説明しているように小当りラッシュの機能を備えている場合には、小当りラッシュに関して、低確率遊技状態且つ非電サポ状態の状況でも、打ち分け状態フラグをセットして右打ち表示灯を点灯させることが望ましい。したがって、本詳細例7では、電サポに係る普通電動役物の開放延長機能に係るフラグではなく、特別図柄(特図2)に係る時短フラグによっても、右打ち表示灯を点灯させるようになっている。
このようにすることで、小当りラッシュに関しても、右打ち表示灯の制御を適正に行うことが可能である。さらに、特別図柄(特図2)に係る時短フラグによって、小当りラッシュと電サポ期間とを一括して管理することが可能である。
ここで、特別図柄の確変状態を示すフラグ(特図確変フラグ)と、普通図柄のモード(電サポモード)を示すフラグ(普通図柄モードフラグ)の双方を確認し、いずれかがオンの場合に右打ち表示灯を点灯させるという制御態様も採用が可能である。ただし、この場合には、2つのデータ(フラグ)を参照しなければならず、処理が複雑で負担の大きいものとなる。また、参照するテーブルの項目データも多くなり、データ量がその分大となる。したがって、特別図柄(特図2)に係る時短フラグによって、右打ち表示灯を制御したほうが処理量や情報量を簡素化できる。
また、右打ち表示灯の制御に用いられる「打ち分け状態フラグ」については、前述した試験信号に「打ち分け状態フラグ」の情報が含まれるようにすることができる。そして、このようにした場合には、ぱちんこ遊技機10に外部接続された試験機器に自動的に右打ちをさせるための情報の生成が可能である。
続いて、本詳細例7に係る各種の変形例について説明する。先ず、これまでに説明したように、第1遊技と第2遊技が並列に実行される並列制御(並列遊技)を採用し、且つ、電サポや確率状態などに変動回数制限が設けられている場合には、遊技状態が電サポや高確率の状態から通常の遊技状態へ移行するタイミングを、最終回の変動開始時とすることが考えられる。このようにすることで、最終回の変動(最終変動)中に発生し得る始動入賞に対して、遊技状態を電サポや高確率の状態としたまま遊技が行われ、実質的に電サポや高確率状態が制限回数を超えることになるのを防止できる。
さらに、上述のように変動開始時に遊技状態の移行制御を行う場合には、時短フラグもオフとなるため、右打ち表示灯(第3状態表示部)は左打ちを推奨する表示態様となるため、少なくとも最終変動中には、メイン基板の制御に基づく表示では左打ちを推奨する報知を行うこととなる。しかし、最終変動が小当り(又は大当り)となるものであった場合、遊技者に一旦左打ちをさせてしまうと、回数制限直後の小当り(又は大当り)で、右打ちへの変更が遅れる場合がある。そして、小当りアタッカ93に入球させることができなかったり、余計な発射を行わせたりすることが生じ、獲得出球数に影響が出ることも考えられる。
また、最終変動が大当りとなるものであった場合に、最終変動中の左打ちにより特図1に保留が生起することもある。そして、大当り遊技を終えた後に、再度回数制限がある遊技状態に入った場合には、左打ちにより発生した保留数分の当否抽選が、特図1の条件で行われてしまう事象が生じうる。
この結果、遊技者が本来できたはずの特図2の遊技(小当りラッシュなど)が、ST最終変動開始(大当り変動)後の内部的な左打ち推奨遊技状態にて左打ちした場合に発生した特図1保留により行えなくなる。また、試験機器による試験結果において、特図2の遊技(小当りラッシュなど)の継続率が、本来の数値よりも低くなったり、ばらついたり(一律にならなかったり)する可能性がある。したがって、最終変動の開始のタイミングで遊技状態が通常状態に移行するようになっていても、最終変動での演出中に右打ちを推奨する演出を含めることが考えられる。
また、最終変動中において演出上で右打ちを継続する表示をする他、より好ましくはメイン基板102による右打ち表示灯(打ち分け状態指示灯)の表示を維持し、外部接続された試験機器に対して、最終変動中に右打ちの情報を送信することが考えられる。このようにすることで、試験段階において、ゲーム性により合致した出球の試験結果が得られることとなる。
メイン基板102による右打ち表示灯(打ち分け状態指示灯)の表示を維持する方法として、最終変動が小当り(又は大当り)となる際、すなわち確変回数または時短回数の残り回数カウンタが0となる際の変動開始時の遊技状態移行制御によって打ち分け状態フラグ(特別図柄(特図2)の時短フラグ)がオフされた場合であっても、再度強制的にオンデータをセットする処理を行うようにしてもよい。この打ち分け状態フラグを用いた報知制御を行うことにより、最終変動時に、右打ちを推奨する演出を行うことが可能となる。また、このように再度強制的にオンデータをセットすることで、打ち分け状態フラグのオン状態を延長したのと同様の結果をもたらすことができる。なお、最終変動で強制的にオンデータをセットした場合であっても、小当り遊技ないし大当り遊技の終了時に、再度移行先の遊技状態に応じた打ち分け状態フラグデータ(遊技状態に応じた特図2の時短フラグ)がセットされるので次変動が開始される際の遊技状態に齟齬は生じない。また、強制的に右打ちを継続させたい状態としては、小当りラッシュ状態であり、電サポ状態については小当り出玉獲得を想定していないので打ち分け状態フラグを強制的にオンする処理を行う必要がないため、強制的な打ち分け状態フラグの設定については、確変回数の残り回数カウンタが0となった際に通過する処理に設けることが最適である。
これに対して、最終変動がはずれの場合には、遊技者に右打ちをさせると、無駄玉を生じることとなるので、上述のような強制的なオンデータのセットは行わないようにすることが好ましい。このように無駄玉を防ぐことは、適正な試験結果を得ることにも繋がるものである。
また、最終変動での当りが小当りの場合は、小当りアタッカ93や第2種非電動役物2(54B)への入賞による賞球の可能性が減少するため、右打ちが継続されることで、却って無駄玉を生じてしまうと考えることもできる。したがって、小当りの場合は、上述のはずれの場合と同様に、打ち分け状態フラグのオンデータの強制的なセットを行わないようにしてもよい。このようにすることで、遊技者に不利な方向へ遊技球を発射させることがなく、より適正な遊技を行うことが可能となる。
これらのことに関係して、低確率且つ低ベースの遊技状態時を例に挙げれば、イレギュラーに特図2の小当りが発生した状況で右打ちがされると、特図2に係る保留が生起することがある。この特図2の保留は、低確率且つ低ベースの遊技状態時における基本のゲーム性(特図1での遊技)とは異なる状況で生起した保留である。このため、意図したゲーム性での遊技が行われないこととなるとともに、試験機器による試験時には、試験結果に予期していない影響が及ぶことも考えられる。
したがって、前述のように、小当り時に右打ち案内演出(右打ち演出)を行わないようにすることで、遊技者に不利な遊技や、基本のゲーム性から反れた遊技が行われるのを防止できる。そして、試験時においても、適正な試験結果が得られることとなる。
ここで、最終変動で小当りが発生した場合に、小当り遊技中に特別電動役物作動中となっても、その他の点においては、制御上、小当り発生時の(直前の)遊技状態での制御を継続させること(小当り遊技時において小当り開始デモ期間に打ち分け状態フラグを設定する処理を設けないようにすること)が考えられる。このようにした場合には、例えば、小当りラッシュ中や、電サポ中に小当りが発生しても、小当りラッシュ中や、電サポ中に引き続き、打ち分け状態フラグを「1(オン)」としたままにして、右打ち表示灯(打ち分け状態指示灯)を点灯させ続けることができる。
また、最終変動時から小当り遊技中にかけて、打ち分け状態フラグを「1(オン)」として右打ち表示灯を点灯させながらも、遊技状態としては小当りアタッカ93や第2種非電動役物2(54B)への入賞による賞球の可能性が減少する状態であるため、サブメイン基板301では、小当りの情報を示すコマンドに基づいて、小当り遊技時の右打ち案内演出(右打ち演出)を行わないようにすることも考えられる。特に、最終変動で長時間の変動が選択された場合には、第2種非電動役物2(54B)が拡開する状態ではなくなっているので、サブメイン基板301で制御される演出上の右打ち案内表示は実行しない方が遊技者に対して有用な手法であるといえる。
また、最終変動時に小当り(又は大当り)となる際に、再度強制的にオンデータをセットする処理を行う場合には、強制的にオンされた打ち分け状態フラグをオフするタイミングが問題となる。つまり、強制的にオンされた打ち分け状態フラグをオフするタイミングとしては、最終変動の次の変動の開始時などを考えることができる。このようにしても、最終変動の次の変動に係る遊技状態に備えることは可能である。
しかし、最終変動の次の変動は、最終変動が終了して直ぐに開始されるとは限らず、保留がない場合や、始動入賞が直ぐに発生しない場合などには、最終変動と次の変動との間の期間が長くなり得るものである。このため、打ち分け状態フラグをオフするタイミングを、小当り遊技、大当り遊技の終了時などのように、次の変動の開始よりも前に行うことで、遊技状態の管理をより適正に行うことが可能となる。
また、最終変動での小当り時に、再度強制的に打ち分け状態フラグを(オンに)セットする制御態様に関して、小当り図柄を1種類のみとすると、小当り遊技のゲーム性が制約される。つまり、小当り遊技は、例えば小当りラッシュ中のように右打ちが行われている状態で発生し、右打ちが継続されている中で、小当りアタッカ93へ1~2個の入球が期待できる程度のものとなっている。
しかし、小当り遊技を、このようなゲーム内容のみのものとすると、例えば、低確率且つ低ベースの通常時(特図1での遊技時)に、発射操作の加減で意図せず数発の右打ちが行われて特図2の小当りが発生したようなイレギュラーな場合に、小当り遊技の発生に基づいて右打ちに移行していたのでは、入球が間に合わない。このように小当り遊技の発生後に右打ちに移行しても小当りアタッカ93への入球が間に合わないように設計する意図としては、少数の遊技球を発射して特図2のみを変動表示させ、小当りでの遊技球の増加および大当りを狙うという攻略を避ける目的がある。しかし、このような状況で右打ち演出を行ったのでは、遊技者に不利な案内を行っているとの誤解を生じたり、適正な試験結果が得られなかったりする可能性がある。
このため、小当り図柄を複数種類設け、上述のような小当り遊技(第1小当り遊技)は維持しつつも、小当りアタッカ93の開放時間が相対的に長い小当り遊技を設けて、遊技者に相対的に有利な小当り遊技(第2小当り遊技)を行い得るようにすることが考えられる。この小当り遊技(第2小当り遊技)の開放時間としては、左打ちしていた遊技者が、右打ち演出が開始されてから右打ちを行って遊技球を小当りアタッカ93に入球させることができる程度の時間を例示できる。
また、この場合には、遊技者にとって相対的に不利な第1小当り遊技が、相対的に有利な第2小当り遊技よりも十分に高い割合(例えば第1小当り遊技が99%、第2小当り遊技が1%)で発生し得るように、小当り図柄の選択比率を定めることが考えられる。このようにすることで、全体としては小当りが遊技者にとって不利になっているが、必ずしも不利なばかりではなく有利となる小当りも含んでいる、といった内容の遊技制御が可能となるため、小当り遊技の発生時に右打ちすることが必ずしも不利な報知とならない仕様として設計できる。
さらに、最終変動が小当り(又は大当り)となる場合に関して、変動中は、特別図柄に係る当否抽選の確率状態は、低確率且つ低ベースの状態(通常状態)となっている。このため、右打ち演出を行うと、メイン基板102における制御状態と、サブメイン基板301における制御状態とが不一致で、齟齬が生じている、と解釈することができないわけではない。
このようなことを考慮し、最終変動が小当り(又は大当り)のときは、特別図柄の変動時間に関係なく演出図柄190a~190cを変動開始から相対的に短い所定時間(例えば2秒など)後に、小当り態様(又ははずれ態様)で即座に停止させることが考えられる。そして、小当り態様(又ははずれ態様)での演出を一旦行ってから、大当りの期待が持てる内容の演出(復活演出)を行って、残りの特別図柄の変動時間に応じて大当り時は大当りの演出を実行する、といったことが考えられる。
このようにすることで、最終変動中に、「ハンドルを右に回してね」や「右打ち」などの右打ち演出に代えて、遊技者に、小当りアタッカ93(又は第1大入賞口92)への入球を促すことができる。そして、メイン基板102における制御状態と、サブメイン基板301における制御状態とが不一致となるのを極力防止することができる。なお、 最終変動の開始以降、演出図柄が小当り図柄で停止した場合等は、その後の特別図柄の残り変動時間中に小当りアタッカ93や第1大入賞口92が開放するまでの時間に係る所定の説明を行う演出(例えば「小当りアタッカ93が開くまで○秒」表示、「ボタンを押して△△を復活させ、小当りを大当りに昇格させろ!」といった表示)を実行する、といったことも考えられる。
また、最終変動の変動開始時に、右打ち演出を遊技者が視認できないよう消去して、上述のように最終変動時に右打ち演出を行わないようにしても、その直後(ここでは上記所定時間である2秒程度後)に、演出図柄190a~190cが停止するようにしている。このため、遊技者の意識を演出図柄190a~190cに向けて、右打ち演出の消去に気付き難くすることができる。なお、最終変動の当否抽選の結果がはずれの場合は、右打ちを促すための演出制御は行わなくてもよい。
ここで、前述したような大当りの期待が持てる内容の演出(復活演出)や、最終変動の開始以降、小当りアタッカ93や第1大入賞口92が開放するまでの所定の説明の演出などは、広義には右打ち演出に含まれると考えることもできる。このため、「ハンドルを右に回してね」や「右打ち」などような右打ち演出を、例えば「直接的な右打ち演出」と称し、復活演出や説明のような演出を、例えば「関節的な右打ち演出」と称することなども可能である。
また、最終変動が小当り変動では選ばれないまたは選ばれにくい相対的に長時間変動(大当り、はずれ)となる場合には、変動の当初に右打ち演出が実行されると、指示通り右打ちしたにも関わらず第1大入賞口92がなかなか開放されない、小当り遊技までのカウントダウン表示が一時停止していつ発射したらよいかわからない、といった違和感を遊技者に与え得る。しかし、敢えてこのような長時間の変動を利用して、違和感を与えることを想定して演出を行うということも考えられる。本演出は、大当り、はずれ変動で多く実行されることを想定しており、大当りとなる期待度(信頼度)の高い演出であり、大当り変動のみで実行するようにして、いわゆるプレミア演出として扱ってもよい。
ここで、ST中の長時間の変動は、所定のST中(小当りラッシュ中など)に限定頻度パターン演出を行わないようにした場合などに実行され得るものである。さらに、このような長時間変動が行われる場合として、最終変動が大当りや、SPリーチでのはずれであった場合などを例示できる。そして、これらの場合に、前述の復活演出のような演出を変動途中で行うことが考えられる。
<<詳細例8:小当りアタッカと第2種非電装役物2の同時期入球演出>>
次に、詳細例8について説明する。なお、これまでに説明した詳細例と同様の事項については適宜説明を省略する。この詳細例8は、小当りラッシュ中の獲得出球数に係る演出についてのものである。
前述のように、小当りアタッカ93と第2種非電動役物2(54B)を用いて遊技(ここでは小当りラッシュ)を行う場合には、それぞれへの入賞検知に基づき演出を行うことが考えられる。そして、小当りアタッカ93や第2種非電動役物2(54B)への入賞検知に基づく演出(同時期入球演出)としては、賞球数の表示を行うことが考えられる。
また、獲得出球数の表示を伴うリザルト演出(「エンディング演出」などともいう)を行う場合には、リザルト演出において、小当りアタッカ93と第2種非電動役物2(54B)へのそれぞれの入賞による賞球数を演算し、演算結果を表示することが考えられる。或いは、リザルト演出において、小当りアタッカ93と第2種非電動役物2(54B)のそれぞれによる賞球数を、別個に表示することなども考えられる。また、リザルト演出に表示する獲得出玉数については、大当り中の大入賞口92による獲得分も含んで表示してもよい。
さらに、単に小当りアタッカ93や第2種非電動役物2(54B)への入賞検知に基づく演出を行うのみでなく、より高度な演出を行うことも考えられる。例えば、小当りアタッカ93や第2種非電動役物2(54B)への入賞タイミングに着目し、双方の入賞が同期していた場合には、同時期入球に係る演出として特殊な演出を行う、といったことも考えられる。
より具体的には、小当りアタッカ93での入賞検知に基づいて「+○球」等の表示を行う。ここで、「+○球」の表示は、小当りアタッカ93への入球により加算される賞球数を表している。そして、「+○球」の表示のうちの「○」は、小当りアタッカ93に係る加算数を、具体的な数値の表記に代えて「○」の記号によって模擬的に表している。例えば、前述のように小当りアタッカ93への入賞による賞球数を、1個につき15個とした場合には、小当りアタッカ93への入球がある毎に、「+15球」、といった獲得数表示が行われる。
また、第2種非電動役物2(54B)については、入賞検知に基づいて「+△球」等の表示を行う。ここで、「+△球」の表示は、第2種非電動役物2(54B)への入球により加算される賞球数を表している。そして、「+△球」の表示のうちの「△」は、第2種非電動役物2(54B)に係る加算数を、具体的な数値の表記に代えて「△」の記号によって模擬的に表している。例えば、前述のように第2種非電動役物2(54B)93への入賞による賞球数を、1個につき15個とした場合には、第2種非電動役物2(54B)への入球がある毎に、「+15球」といった獲得数表示が行われる。
さらに、通常この「+△球」等の表示は、小当りアタッカ93に係る「+○球」等の表示とは別個に行われるよう制御される。そして、「+○球」等と「+△球」等の表示位置の関係は、横並び配置、上下2段配置、対角配置等、種々のものが考えられる。例外となる特殊な状況として、小当りアタッカ93及び第2種非電動役物2(54B)の双方の入賞が同期した場合(ほぼ同時期に入賞した場合)に、特殊な演出の表示を出現させる、といったことも可能である。特殊な演出の例としては、獲得数表示を1回の賞球で得ることが困難な「+30」「+45」等の大きな数字にすることにより、大きな利益が獲得できたことを報知する演出や、後述する先読み演出に使用する例などが挙げられる。
また、このような特殊な演出を行うための同期に係る条件としては、例えば、小当りアタッカ93の入賞検知から所定時間(例えば2秒など)以内に第2種非電動役物2(54B)の入賞検知があったことや、第2種非電動役物2(54B)の入賞検知から所定時間(例えば2秒など)以内に小当りアタッカ93の入賞検知があったこと、或は、いずれか一方の入賞検知から所定時間(例えば2秒など)以内に他方の入賞検知があったことなどが考えられる。なお、第2種非電動役物2(54B)に限らず、ゲーム性によっては、第2種非電動役物1(54A)を同様な処理の対象とすることが可能である。
また、小当りラッシュ中の小当りアタッカ93および第2種非電動役物2(54B)への入球を利用して、第2種非電動役物2(54B)への入球に基づく先読み演出を行うことが考えられる。例えば、先読み演出としてメータの表示を行い、先読み演出に当せんした保留(トリガ保留)に係る変動までの間の各変動毎に、メータ表示上の指示量を1ずつ増やす。これは、保留されていた第2種非電動役物2(54B)への入賞に基づく演出である。これと併せて、小当りラッシュ中に小当りに当せんし、小当りアタッカ93および第2種非電動役物2(54B)に入球する都度、上述のメータの指示量を1ないし抽選で決定された値ずつ増やす。同時期に入賞した場合は、メータの指示量の増加の追加抽選を行うように構成してもよい。
このようなメータ表示は、STの前半である場合(残り回数が大きい状況下であり、例えば大当り後の初期値に対し半数以上の残り回数が残っている場合)には、大当りに当せんせず、小当りラッシュが継続していることを示す期待度表示演出となる。そして、小当りラッシュの継続による獲得出球数が増えていることを表すこととなり、小当りラッシュの継続の期待を煽る演出となる。さらに、ここでのメータ表示のような、徐々に指示量が増えていく演出は、大当りの回避をどの程度継続しているかを示している演出であるともいえる。そして、このような演出は、小当りラッシュ継続実績や、大当り回避実績を表している演出であるということができる。
なお、前述のように、小当りラッシュが回数制限付きのもの(ST)である場合には、大当りを回避していることが必ずしも遊技者にとって好ましいことであるとはいえないと考えることもできる。このため、上述のような演出を、大当り期待度を表すものとして使用することも可能である。さらに、STの序盤では大当り回避を意味する先読み演出となり、終盤では性質を変化させ、大当り期待度を意味する演出になる、と考えることもできる。また、メータのような遊技者の有利な状況を示唆するための表示オブジェクトの変化について、小当りアタッカ93や第2種非電動役物2(54B)への入球のみならず、時間経過や特別図柄の変動毎に変化する状況を有していてもよい。
このように第2種非電動役物2(54B)への入球(始動入賞)に基づく演出と、小当りアタッカ93への入球に基づく演出とを組み合せることで、小当りラッシュに係る斬新な演出を行うことが可能となる。
また、第2種非電動役物2(54B)への入球に基づく演出についても各種のものが考えられる。例えば、前述のように、第2種非電動役物2(54B)が、複数個(ここでは2個)の入球があると閉じるようになっている場合には、1球ずつに「+△球」の表示領域を設け、2箇所で「+△球」の表示を行うことが考えられる。或いは、1つの表示領域に複数個の入球に係る賞球数を合算で表示してもよい。
また、小当りアタッカ93への入球に基づく賞球表示「+○球」と第2種非電動役物2(54B)への入球に基づく賞球「+△球」を個別に表示した後、一か所にまとめて合計数として表示する領域を有し、「+○球」「+△球」の表示を「1」ずつデクリメントさせながら合計表示を「1」ずつインクリメント表示するように構成してもよい(数値が大きい場合には、インクリメント・デクリメント表示を高速化したり、「3」ずつ変化させるなど適宜速度に係る調整は実施可能)。
また、小当り遊技が連続されて実施される状況を先読みした場合には、合計数表示を小当り遊技が実施される複数回の特別図柄の変動表示にまたがって演出として実施してもよく、当該演出中に発生した保留において小当りが連続する場合でも継続表示する仕様としてもよい。複数回の小当り遊技にまたがって実施する場合においては「+100」を超える状況が発生することから「+50」「+100」などキリの良い数値まで合計数が上昇した場合には都度合計数表示を拡大表示するなど強調表示してもよいし、先読みで後続に大当り保留(小当りラッシュ状態が継続するものに限る)がある場合には「+77」などの数値で虹色のエフェクトとともに強調表示して先読みとして大当りを告知するものであってもよい。
また、既に生起している保留数が2以下であれば、上限の4個までには、1回の開放での入賞の全てについて保留表示を行うことができる。このことを利用し、保留数が2個以下である場合に、新たに生起した2個の保留に対する先読み情報を参照し、大当り(または高期待度保留(SPリーチに発展するはずれ))がある場合に、保留数表示領域に2か所分の大保留(ほかの保留表示よりも大きく目立つようにした保留表示)などを表示する。そして、大保留の箇所では、当り保留が後の保留である場合に、対応する2変動分の特別図柄変動時間を使って、見た目上は1回分として知覚されるような変動演出を行う。
さらに、小当りアタッカ93への入球と、第2種非電動役物2(54B)への入球とを連動させた演出の他の態様として、以下のようなものも考えることができる。例えば、小当りアタッカ93ヘの入球から数秒(例えば2秒)以内に第2種非電動役物2(54B)への入球があった場合や、2個の入球があって閉鎖したことが検出された場合の演出を行うことが考えられる。
具体的には、小当りアタッカ93に係る「+○球」の表示自体や、「+○球」の表示に含まれる縁取り後光などといった所謂エフェクトを、大きく変化(昇格)させる。また、上述のエフェクトを、金(高期待度)や虹色(大当り確定)などの特別感のあるものに変化(昇格)させることも考えられる。さらに、この場合、第2種非電動役物2(54B)に係る「+△球」(1箇所の場合や2箇所の場合がある)の表示を行わない(消去或いは半透明化する)などといったことも考えられる。
また、前述の「+45」などの相対的に大きな値の表示が行われる際に、「+15」や「+30」等の相対的に小さい値の表示に比べて大きく目立つように「+45」等の表示を行うことが考えられる。このようにすることで、利益が相対的に大きい場合に、利益の大きさに見合った効果的な演出を行うことができる。また、小当りアタッカ93と第2種非電動役物2(54B)の入球契機によるものに限られず、変形例として、遊技盤右側領域に配置される各種入賞口(一般入賞口や第2種非電動役物1(54A))等も前述の同時入球演出や先読みの対象として適宜組合せて実施してもよい。例えば、小当りラッシュ期間ではなく、電サポ状態である場合には、第2種非電動役物2(54B)にはほぼ入球が期待できず、小当りアタッカ93に対する入球も稀となるため、頻度は落ちるものの小当りアタッカ93と一般入賞口、さらに第2種非電動役物1(54A)の組み合わせで同様の演出を実施することも可能である。
また、「+○球」の表示の昇格に関して、小当りアタッカ93への入球時に、サブメイン基板301がサブサブ基板302へ、「+○球」表示をさせる即時のコマンド(即時コマンド)を送信することが考えられる。そして、「+○球」が表示されている所定時間(ここでは2秒)の間に、第2種非電動役物2(54B)への入球があった場合に、「+○球」表示を昇格させる即時コマンドを、サブメイン基板301がサブサブ基板302へ送信することが考えられる。
ここで、上述の「即時コマンド」は、サブサブ基板302においてサブメイン基板301からのコマンドを受信して解析した後(コマンド受信解析後)に、サブサブ基板302に、表示可能なタイミングが到来しているか否かといった表示条件の成立を待たずに、直ぐに表示を実行させる演出コマンド(サブメインコマンド)として定めることができる。また、「即時コマンド」は、サブサブ基板302で同時期入球に係る演出の実行を判断するためのコマンドであるということもできる。
また、小当りアタッカ93ヘの入球に係るエフェクトの表示が継続している間に、第2種非電動役物2(54B)への入球があった場合、特図2の保留(エフェクト継続中に新規に生起したものを含む)内に、大当り(又は高期待での変動演出が行われるはずれ)の情報があれば、上述のエフェクトの表示態様が金(高期待度)や虹(大当り確定)に変化する、といった先読みを行うことが考えられる。
また、小当りラッシュではなく、低確率且つ低ベースな通常遊技状態における第2種非電動役物(54A、54B)ついても、以下のようなことが考えられる。例えば、通常遊技状態においてイレギュラーなものとなる第2種非電動役物(54A、54B)の開放があると、その間に複数(ここでは2個)の入球があるまで開放が継続する。このため、第2種非電動役物(54A、54B)の開放中に保留が発生し易い。
また、通常遊技状態における特図2については、相対的に長時間(数十秒~数分など)の変動パターンが選択されるようにする。これにより、小当りが発生して小当りアタッカ93が開放するタイミングを遊技者にとって判り難いものとなり、遊技領域52の右側の領域のみに少数の発射を断続的に繰り返すような攻略の効率を落とすことができる。また、このときに主制御表示装置53での特図2の変動は行うが、演出表示装置60等での特図2に係る変動演出は行わないようにする(非実施とする)。
このような遊技を基本としつつ、例外として、このような状況で特図2が大当りとなる変動が開始された場合には、特図2の変動演出を実行する。このときに特図1の変動演出が行われていれば、特図1の変動演出に、特図2の大当りとなることを遊技者が知覚できるような演出(例えば「特殊モード発動中」の表示など)を重畳するなどして割り込ませる。このようにすることで、遊技者に、特図1の大当りを狙う必要のない状況になったことを知らせることが可能となる。
また、通常遊技状態では、特図2の保留に対して先読みの判定を実行しないようにすることが考えられる。また、特図1の保留に対しては、小当りラッシュ中や電サポ中は、保留に対して先読みを行わないようにすることが考えられる。さらに、特図1及び特図2のいずれについても、先読みを行う場合には、大当り確定の演出は行わず、外れる場合があるようにする。例えば、前述のようにエフェクトの表示態様が虹色となっても、0.01%程度ははずれる場合があるようにすることが考えられる。
このような演出制御は、これまで説明している特図1と特図2の並列制御(並列遊技)適したものである。つまり、並列制御においては、特図1又は特図2のいずれか一方で大当りとなる場合に、他方の特別図柄でも大当りに該当する保留が発生すると、後に取得された保留情報に関しては、強制的に、大当りとならないよう小当り又ははずれとする処理を実行するものがある。
例えば、先に大当りとなることが判定されれば、後に取得された保留情報については、大当りとするための処理(大当り図柄の判定など)を行わず、小当り又ははずれであるものとして処理が進められる。また、後に取得された保留情報が小当りのものであった場合に、抽選結果の表示演出として、小当りの組合せでの演出図柄190a~190cの停止表示を行わず、敢えてはずれの組合せで停止する、といった制御態様が採用される場合もある。これらのような、強制的な後発大当り回避の処理は、これまでに説明した並列制御にも適用が可能なものである。
このように、強制的に大当りが回避される場合があることから、前述のようにほぼ大当り確定(99.99%)であるが、完全な確定とはいえない、といった演出態様を備えることは、特図1と特図2の並列制御を採用した場合に、特に有効となる。
続いて、大当り演出に関しては、以下のような点を考えることができる。例えば、遊技領域52の右側の領域に第2種非電動役物(54A、54B)を備えられ、これらが大当り遊技中にも拡開することから、大当り遊技中に第1大入賞口92へ向かう遊技球数は、発射された遊技球数のうちの限定的な割合(例えば半数程度)となる。
そして、大当り遊技が10R×10カウントのものであれば、この大当り遊技は100(=10×10)球の入球を要するものとなり、そのための発射数は倍の200発以上となる。そして、発射できる数は1分間に100発を超えないものとなっているため、大当り遊技を終えるのに2分以上を要することとなる。
このようなことから、大当り遊技中の演出として2分以上のものを備えることが必要となるが、ぱちんこ遊技機等のような遊技機では、所謂アニメ等をモチーフとする演出が多い。そして、アニメの特定の場面(オープニング、エンディング、有名なシーンなど)をそのまま流用して演出用の動画を作成すると、アニメの画像をループさせて長尺化し、演出の所要時間(ここでは2分以上)に合わせる必要が生じ、期待したような演出効果が得られない場合がある。
このため、大当り遊技の前半に、ミッション演出等のように結果が分かれる演出を行い、演出の結果に応じて大当り後の遊技状態を報知したり、大当り遊技の後半に、モチーフとしたアニメのストーリーダイジェスト(ストーリーの要約)の演出を行ったりすることで、アニメの特定の場面を流用するのみでは満たされない時間を補うことが考えられる。
また、遊技領域52の右側の領域には、賞球に直結しない普通入賞口装置63や、賞球の対象にならない上アウト口58Cなどが存在する。また、第2種非電動役物1(54A)は、賞球の対象となるものの、1個の入球あたりの賞球数は少ない(ここでは1個)。そして、これらへの入球が、遊技者にとってストレスになることも想定できる。
このため、普通入賞口装置63や、上アウト口58C、及び、第2種非電動役物1(54A)、更には第2種非電動役物2(54A)、第1大入賞口92、への入球により、遊技者の注意を引く演出(保留内連荘があるかのような内容の保留演出など)を行うことが考えられる。なお、小当りラッシュ突入が確定的となる大当りの場合には、保留内連荘の表示は遊技者にとって好意的なものではないので、入球に基づく保留連示唆演出などは避けた方が好ましい。小当りラッシュが確定的でない大当りについて、遊技者の注意を引く演出としては、小当りラッシュに突入したかのような内容の演出(小当りラッシュ突入示唆演出)も挙げられる
また、遊技者の注意を引く演出としては、遊技者に不利になるかも知れないという不安を抱かせる状況や内容での演出を例示できる。さらに、遊技者の注意を引く演出としては、前述した設定値(理論上の当り易さを規定する数値)を示唆する演出なども考えることができる。また、遊技者の注意を引く演出は、遊技者が持ち球や獲得出球を減らす状況で行う場合には。入球から目を反らせるための演出とすることができる。
さらに、この場合の遊技者の注意を引く演出の有無や内容を、抽選により決定してもよい。そして、これらの演出は、大当り柚木中の演出(ラウンド演出)として実行するよりも、入賞に係るエフェクト表示、出玉加算演出(「+○球」や「+△球」など)、ミニキャラ登場示唆(小型化されたキャラクタの登場を示唆する演出)などのように、複数の表示可能箇所があり、どこでいつ表示されるのかが判り難いものとすることが好ましい。
<その他の詳細例>
次に、これまでに説明した詳細例1~8以外に考え得る詳細例について説明する。なお、これまでに説明した詳細例と同様の事項については適宜説明を省略する。
<<並列制御におけるST状態からの復帰のタイミング制御>>
先ず、並列制御(並列抽選)を行う回数制限付き(ST)のぱちんこ遊技機であり、変動開始時に遊技状態遷移の判定を行っている。つまり、例えば、STの最終変動であれば、前述したように、遊技状態が高確率の状態から通常の遊技状態へ移行するタイミングを、最終回の変動開始時とする。このようにすることで、STの最終変動が特図1又は特図2のうちの一方で開始した後、変動中に他方の特図が高確率で抽選されるのを避けることができる。
<<図柄確定信号の外部出力出力タイミング>>
前述のように、外部端子(外部中継端子基板46(図2参照)の各種外部出力端子)から特別電動役物作動中信号(大入賞口作動中信号)や普電作動中信号(普通電動役物作動中信号)等の各種の外端信号が出力される。そして、この外端信号は、遊技場の島コンピュータを経てホールコンピュータに送られる。
さらに、遊技場では、各遊技機の上部にデータ機器が設置されており、遊技者がこのデータ表示機器を介して、前回の当りからの変動回数や、出玉の推移などの情報を確認できるようになっている。そして、ぱちんこ遊技機からは、1回の図柄変動が実行される毎に、その旨を知らせる情報(変動開始信号など)がホールコンピュータへ向けて出力される。
また、前述のように並列制御を採用している場合に、そのときの遊技状態に応じて、特図1と特図2のうち、主体(レギュラー)の特図に係る変動演出を行っている途中で、イレギュラーな他方の特図(非主体の特図)が変動開始することがある。このような場合、イレギュラーな特図の変動開始時に、変動があったことを示す情報をホールコンピュータに出力したのでは、レギュラーの特図に係る変動が終了する前に、データ機器において変動回数が加算されることとなる。そして、遊技者にとっては、見た目上、1回の変動に対して2回の図柄変動が行われたようにデータ表示が行われ、遊技者が違和感を抱くことが想定される。
このような点を考慮し、主体(レギュラー)の特別図柄の変動表示終了時(または図柄固定時間経過時)に、1回の図柄変動が実行されたことを通知する図柄確定信号を外部出力することが考えられる。そして、そのときの図柄変動終了までは、データ機器において、図柄変動があったことを表示されないようにすることが考えられる。
このようにすることで、データ機器の変動回数に係る表示を確認した遊技者が、不整合によって違和感を抱くのを防止できる。そして、見た目上の演出と、データ機器における変動回数値の変化とを一致させることができる。そして、特図1の変動回数と特図2の変動回数の合算値をデータ機器に表示できるようにしつつ、見た目上の演出と、データ機器における変動回数値の表示との整合を図ることができる。
なお、通常遊技状態(低確率且つ非電サポの遊技状態)では、演出上特図1が主体となるため特図2の変動の図柄確定信号を出力せず、回数切りの小当りラッシュ時や電サポ時は、演出上は特図2が主体であっても、遊技状態遷移には特図1も関与することから、特図1と特図2の両方の図柄確定信号を外部出力する、といった制御態様も考えることができる。
また、STを採用せず、次回の大当りまで確変が継続するようにした場合は、小当りラッシュや電サポ時(確変時)には、特図2の図柄確定信号のみ外部出力し、特図1の図柄確定信号は外部出力しない、といったことも考えられる。
<<待機デモとイレギュラーな遊技との関係>>
前述のように、特図1と特図2の並列制御を採用していても、通常遊技状態(低確率且つ低ベースの遊技状態)では、特図1に係る変動表示のみがあることを基本とする設計が施されている。このことから、遊技者を遊技機に誘致するためのデモ演出の実行に関して、以下のような仕様の採用を考えることができる。
ここで、デモ演出は、前述の「客待ちデモ」、「待機デモ」に該当するものであり、この他に「遊技者待機デモ」や「誘致演出」等とも称されるものである。そして、デモ演出(待機デモ)は、始動入賞が所定時間発生していない等の所定の開始条件が成立した場合に開始され、ハンドルへのタッチが検出された等の所定の終了条件の成立に伴って終了する。
例えば、待機デモの実行時に特図2の変動で大当りに当せんしても、その旨を報知しないことが考えられる。つまり、このような大当りは、待機デモの実行時であることから、イレギュラーな変動であると想定される。そして、基本の遊技手順から外れ、イレギュラーと想定できる大当りについては、大当り発生に係る演出は行わず、気付かれないようにすることが考えられる。
例えば、1人の遊技者(悪意のある遊技者)が複数台を掛け持ちして遊技行い、特定のぱちんこ遊技機については、右打ちのまま発射ハンドルに異物を挟み込むなどして特図2を変動させておき、大当りが発生したぱちんこ遊技機に移動するような不正遊技行為を想定できる。しかし、上述のようにイレギュラーな大当りの条件に合致した大当り(ここでは待機デモの実行時における特図2の大当り)を報知しない不報知の処理を行うことで、不正遊技行為により大当りに当せんしても、その遊技者は気付くことができず、その結果、不正遊技行為を防止することが可能となる。
また、主となる(レギュラーな)特図の変動停止時から、同じく主となる特図の変動が所定時間以上開始されないことを判定した場合には、前述のように、待機デモの演出に移行する。これに関して、主となる特図の変動停止から待機デモの演出に移行するまでの間に、特図2で大当りした場合(或いは大当りとなる変動が開始された場合)には、その旨を報知することが考えられる。つまり、このような場合は、上述の場合と異なり、通常の遊技者(善意の遊技者)が遊技しているにもかかわらず単位始動入賞が発生していないだけの可能性があるため、不報知の処理は行わないようにする。
さらに、待機デモへの移行条件としては、通常遊技状態(低確率且つ低ベースの遊技状態)における特図1の変動終了からタイマ(デモ移行管理タイマ)の計時値が所定時間に達したか否か、といったものを挙げることができる。また、この他の移行条件として、小当りラッシュにおける特図2の変動終了からデモ移行管理タイマの計時値が所定時間に達したか否か、といったものも挙げることができる。
そして、このようなデモ移行管理タイマについて、通常遊技状態における特図1や、小当りラッシュにおける特図2のように、そのときの遊技状態で主となる特別図柄以外の特別図柄に係る変動開始によってはリセットしないことが考えられる。つまり、例えば、通常遊技状態で特図1が変動していない非変動時に特図2の変動を実行しても、デモ移行管理タイマはリセットされず、デモ移行管理タイマの計時は維持されるようにする。そして、変動終了によってデモ移行管理タイマがリセットされるようにする。また、小当りラッシュ状態における特図2の非変動時に特図1の変動を実行した場合も同様である。これらのようにすることで、デモ移行の管理をより適切に行うことが可能となる。
また、待機デモ中に右打ちがあった場合、右領域の作動口68や普通入賞口装置63等で遊技球が検出される場合がある。そして、このような場合に、待機デモを終了させず、演出表示装置60の画面上、待機デモよりも上位のレイヤに、「左打ちしてください」等の左打ち報知(打ち分け注意喚起)のための画像を表示することが考えられる。
<<小当りラッシュ中の残り変動回数表示>>
前述のように、小当りラッシュ(ST)中は、特図2での遊技のみが行われることを想定の基本としている。さらに、並列制御が採用されているため、ST中に特図1の始動入賞があった場合には、特図1と特図2の合算で、変動回数がST終了回数に到達してしまう場合もある。そして、演出上、特図2に対応した変動演出のみしか実行せず、特図1のイレギュラーな大当りが発生した場合に限り特図1に係る変動演出を割り込ませるようにした場合には、以下のような制御態様を採用することが考えられる。
例えば、小当りラッシュの突入(開始)後から数変動の間は、STの残りの変動数を表示しないことが考えられる。また、1回単位では表示せず、複数回(例えば10回など)刻みで、「残り90」、「残り80」、・・・といったように表示することが考えられる。また、この場合、特図2を主とする遊技状態中、残りのST回数が90回、80回のようになったときの変動が特図1のものであれば、報知対象の回数に達したことを意味するフラグを立て、次の特図2に係る変動時に、実際には残り89回の状況であっても、残り90回の表示を行う、といったことも考えられる。
また、残り回数の表示のタイミングに関して、例えば、(1)大当り終了時に残存する特図1の保留が消化される、及び、(2)特図1の変動が行われなくなる、の2つの条件を設け、この(1)及び(2)の条件の少なくともいずれか一方が成立した場合に、残り回数の表示を行うことが考えられる。さらに、上記(1)又は(2)の条件の成立から所定時間後(例えば2秒経過後など)までは、残り回数の表示を行わない、といったことも考えられる。そして、これらの場合の残り回数の表示についても、実際の数の表示、又は、複数回刻みの数の表示等の態様で行うことが考えられる。
また、ST終了間際の数回転(任意のN回転)では、残り回数の表示を行わないようにすることも考えられる。このようにすることで、ST終了間際に、イレギュラーな特図変動に移行して、特図2のSTが突然終わってしまった、というような印象を遊技者に与えてしまうのを防止できる。また、遊技者によっては、残り回数が少なくなってから、装飾図柄(特図2)の変動回数をカウントすることも考えられることから、STの残り変動回数が少なくなった状況で、主となる装飾図柄(特図2)の表示を行わず、複数回の特別図柄(特図2)の変動をまとめた演出を実行するようにしてもよい。なお、この場合でも装飾図柄としてミニ図柄は最低限表示を継続する。
<<小当り時の他方の図柄の制御>>
さらに、特2での小当り中における特図1の制御などのように、並列抽選により一方の図柄(特図2など)の遊技で小当りとなると、他方(特図1など)の図柄の変動を中断することが考えられる。そして、この場合には、変動時間タイマの減算処理を行わないようにして、他方の図柄の変動に係る計時を停止することが考えられる。
また、一方の図柄が小当りとなったときに、他方の図柄の状態が図柄固定時間にある場合は、図柄固定時間を、小当りが終了するまで延長することが考えられる。そして、この場合には、固定時間の掲示に用いられるタイマ(固定時間タイマ)の減算を行わないようにする。また、主体とする遊技が特図2であり、特図1では大当りしてほしくない状況であれば、特図2の小当り遊技中に特1の当否抽選が行われないように、図柄固定時間を延長させることも考えられる。
<<ゲーム性(遊技性)の変更例>>
なお、STを採用せず、次回の大当りまで確変が継続するようにした場合には、時短(前述の突破型時短)が低確率の遊技状態でのみ行われ、その後に移行し得る小当りラッシュの状態は、大当りにより100%継続するものではないようにすることが考えられる。そして、この場合、特図1から直接小当りラッシュへ移行することがあり得るようにし、その移行確率(移行割合)を30~50%程度とすることが考えられる。
また、小当りラッシュの機能を盛り込まず、小当りでの獲得出玉の増加を設計に組み込まないようにし、第2種非電動役物(54A、54B)により遊技球を増加させるようにしてもよい。そして、この場合には、並列制御ではなく、特図1と特図2の遊技の間に優先順位も設けた優先消化の制御(優先消化制御)を行ってもよい。
前述のように、役連作動口(役物連続作動装置の入球口)を備え、役連作動口(ゲート)を通過することで、大当り図柄停止時に獲得した大当り遊技実行権利を行使し、大当り遊技が開始されるようにすることが可能である。
さらに、前述のように、普通入賞口装置63に普通電動役物に係る入賞口(電チュー)を設け、内部に振り分け部材98を設けているが、普通電動役物に係る入賞口(普通入賞口装置63)を特図2の始動入賞口として用い、第2種非電動役物(54A、54B)を普通入賞口(一般入賞口72と同様のもの)としてもよい。このようにすることで、特図2に係る保留を貯めるのが容易となり、特図2の変動効率を一般的な遊技機と同程度に高めることができる。
<<考えられる他の発明>>
また、これまでに説明した発明以外に、概念的には、例えば以下のようなものも考えることができる。先ず、ここで考えられる第1他発明は、遊技の進行を制御する主制御手段(メイン基板など)と、
前記主制御手段からの演出制御情報(メインコマンドなど)を受信し前記演出制御情報に応じた制御処理を行う演出制御手段(サブメイン基板など)と、
前記演出制御手段により決定された演出に係る画像表示を行う画像表示手段(演出表示装置など)と、
発射された遊技球が流下する遊技領域と、を備え、
前記遊技領域には、少なくとも、
第1特別始動領域(第1始動入賞口など)と、
第2特別始動領域(第2種非電動役物など)と、を備え
前記第1特別始動領域と前記第2特別始動領域とは、遊技球の発射強度により、前記第1特別始動領域が入球しやすい状況と、前記第2特別始動領域が入球しやすい状況とが生じるように前記遊技領域上に配置され、
前記主制御手段は、
遊技球が前記第1特別始動領域、前記第2特別始動領域を通過したことに基づき所定の乱数を取得し、
前記乱数には、少なくとも、当り抽選判定のための当り乱数と、特別図柄の決定のための特別図柄乱数と、特別図柄変動パターンの決定のための特別図柄変動パターン乱数とを含み、
前記当り乱数に基づき当りか否かを判定する当り抽選判定を行い、
前記特別図柄乱数に基づき、前記特別図柄を判定する特別図柄抽選判定を行い、
前記特別図柄変動パターン乱数に基づき、前記特別図柄変動パターンを決定する特別図柄変動パターン抽選判定を行い、
前記乱数を取得した場合には、前記演出制御手段に前記乱数に関する情報を送信可能であり、
前記当りには、大当りと、前記大当りとは異なる当りである小当りとを含み、
前記当り抽選判定、前記特別図柄抽選判定、及び、前記特別図柄変動パターン抽選判定の結果に基づき、前記特別図柄を主制御表示手段で変動表示した後に停止表示させ、
前記当り抽選判定の結果が大当りであった場合には、前記特別図柄の停止表示の後に、所定の大当り遊技開始条件の成立に基づいて所定の大当り用開閉領域を予め決められた態様で開放させる大当り遊技を実行し、
前記当り抽選判定の結果が小当りであった場合には、前記特別図柄の停止表示の後に所定の小当り用開閉領域(小当りアタッカなど)を予め決められた態様で開放させる小当り遊技を実行し、
遊技球が前記第1特別始動領域、前記第2特別始動領域を通過しても前記特別図柄の変動表示の開始条件が成立していない場合に、前記乱数に係る特別図柄保留記憶情報を所定数内で記憶することが可能であり、
前記第2特別始動領域を通過して前記特別図柄の変動表示の開始条件が成立した場合における前記当り抽選判定は、結果が小当りとなる確率が大当りとなる確率よりも高い確率となっており、
前記演出制御手段は、
前記主制御手段より受信した前記乱数に関する情報を基に、前記主制御手段に記憶される或る特別図柄保留記憶情報に係る特別図柄の変動表示が行われる場合に、前記当り抽選判定の結果が特定結果(はずれなど)となることを示唆可能な連続演出(先読みによる連続演出など)を複数回の特別図柄の変動表示が行われる間の演出表示内容として決定可能であり、
前記連続演出について、前記小当り遊技が実行され前記所定の小当り用開閉領域に対して遊技球の入球が検出された場合に前記連続演出における表示内容の少なくとも一部を前記当り抽選判定の結果が特定結果となる可能性がより高い示唆である表示内容に更新することを特徴とするぱちんこ遊技機である。
続いて、ここで考えられる第2他発明は、遊技の進行を制御する主制御手段(メイン基板など)と、
発射された遊技球が流下する遊技領域と、を備え、
前記遊技領域には、少なくとも、
第1特別始動領域(第1始動入賞口など)と、
第2特別始動領域(第2種非電動役物など)と、を備え
前記第1特別始動領域と前記第2特別始動領域とは、遊技球の発射強度により、前記第1特別始動領域が入球しやすい状況と、前記第2特別始動領域が入球しやすい状況とが生じるように前記遊技領域上に配置され、
前記主制御手段は、
遊技球が前記第1特別始動領域、前記第2特別始動領域を通過したことに基づき所定の乱数を取得し、
前記乱数には、少なくとも、当り抽選判定のための当り乱数と、特別図柄の決定のための特別図柄乱数と、特別図柄変動パターンの決定のための特別図柄変動パターン乱数とを含み、
前記当り乱数に基づき当りか否かを判定する当り抽選判定を行い、
前記特別図柄乱数に基づき、前記特別図柄を判定する特別図柄抽選判定を行い、
前記特別図柄変動パターン乱数に基づき、前記特別図柄変動パターンを決定する特別図柄変動パターン抽選判定を行い、
前記当りには、大当りと、前記大当りとは異なる当りである小当りとを含み、
前記当り抽選判定、前記特別図柄抽選判定、及び、前記特別図柄変動パターン抽選判定の結果に基づき、前記特別図柄を主制御表示手段で変動表示した後に停止表示させ、
前記当り抽選判定の結果が大当りであった場合には、前記特別図柄の停止表示の後に、所定の大当り遊技開始条件の成立に基づいて所定の大当り用開閉領域を予め決められた態様で開放させる大当り遊技を実行し、
前記当り抽選判定の結果が小当りであった場合には、前記特別図柄の停止表示の後に所定の小当り用開閉領域(小当りアタッカなど)を予め決められた態様で開放させる小当り遊技を実行し、
遊技球が前記第1特別始動領域、前記第2特別始動領域を通過しても前記特別図柄の変動表示の開始条件が成立していない場合に、前記第1特別始動領域、前記第2特別始動領域を通過して取得した前記乱数に係る特別図柄保留記憶情報をそれぞれ所定数内で記憶することが可能であり、
前記第2特別始動領域を通過して前記特別図柄の変動表示の開始条件が成立した場合における前記当り抽選判定は、結果が小当りとなる確率が大当りとなる確率よりも高い確率となっており、
前記第1特別始動領域、前記第2特別始動領域を通過した場合の前記特別図柄の変動表示の開始条件が成立の判定は、それぞれ独立して実施し得るものであって、2つの特別図柄が同時に変動表示される場合を有し、
前記大当り遊技に続けて前記第2特別始動領域に入球しやすい遊技球の発射強度での遊技が推奨される特定遊技状態(小当りラッシュの遊技状態など)を、前記特別図柄の変動表示の開始条件が予め定められた所定回数(100回など)成立するまで設定することが可能であり、
前記特定遊技状態以外の遊技状態である場合に前記第2特別始動領域の通過に基づいて取得した乱数に係る特別図柄の変動表示が実行されるときには、前記特別図柄変動パターン抽選判定にて決定した変動パターンに付加情報(変動付加情報など)を追加するための変動付加抽選が実行されることを特徴とするぱちんこ遊技機である。そして、このような第2他発明は、小当りラッシュの期間を終えた後(小当りラッシュ抜け後)の特2保留(特図2の保留)を限定頻度パターン演出(複数回の変動パターンによる演出)としてではなくでなく、変動付加情報によって1回の変動毎に変動時間を変更するものであるということができる。
<その他の変形例>
以上、ぱちんこ遊技機10に係る各種の実施態様を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、他にも種々に変形が可能なものである。例えば、各種の変動演出に際しては、特図1及び特図に2に係る前述のミニ図柄及び保証図柄(或いは、ミニ図柄又は保証図柄)を、1つの画面中にともに表示していてもよい。
また、小当りラッシュを採用するにあたって、大入賞口を2つ備えるものとし、一方は小当り遊技においてのみ拡開し、他方は大当り遊技においてのみ拡開するように構成することも可能である。このようにすることで、小当り遊技と大当り遊技とで拡開する大入賞口を異ならせることができ、それらの賞球数を異ならせて設計できるため、大当り遊技で獲得できる出玉に影響することなく小当りラッシュでの小当り賞球による出玉増加速度を適宜調整しやすくなる。
また、特別図柄を変動させる始動口として、電サポ遊技状態(低確率高ベース状態または高確率高ベース状態)においては、第2種非電動役物1(54A)を主体とし、小当りラッシュ遊技状態(高確率高ベース状態)においては、第2種非電動役物2(54B)を主体としている。そして、2つの第2種非電動役物をともに第2特別図柄を変動表示させるための始動口として構成しているが、電サポ遊技状態として遊技の主体となる始動口である第2種非電動役物1(54A)について、第1特別図柄を変動表示させる始動口として構成してもよい。このようにすることで、小当りラッシュ遊技状態でない場合に遊技の主体となる始動口について、小当り当選確率が低い(または小当りがない)特別図柄にて遊技を実施させることができ、小当り当選に基づく特別図柄の変動の一時中断時間を省略し、小当り遊技での小当りアタッカ93への入球期待度が低い電サポ遊技状態における遊技の進行をスムーズに構成することが可能となる。
なお、このとき、小当りラッシュ突入は、第1特別図柄を契機とした大当りが契機となることになるが、第1特別図柄にて獲得可能な大当りの種類として、前述した特図1大当りA~Cに加え(または変えて)、大当りとなる特別図柄が停止表示したときの遊技状態(電サポ遊技状態または非電サポ遊技状態のどちらであるか)およびV領域(確率変動機能作動領域)の通過有無によって、大当り遊技後に電チューサポート機能の作動回数、または作動有無を異ならせる特図1大当りDを設けることで、電サポ遊技状態において通常遊技状態よりも小当りラッシュ突入の期待度が高まるように構成することも可能である。ここで特図1大当りDは、大当りとなる特別図柄が停止した際の遊技状態が非電サポ遊技状態の場合には、大当り後に電サポ遊技状態へ移行し、大当りとなる特別図柄が停止した際の遊技状態が電サポ遊技状態の場合には、V入賞を条件として大当り後に非電サポ遊技状態へ移行するものである(V非入賞時は、電サポ遊技状態へ移行)。
また、本発明は、遊技者が獲得した遊技媒体としての遊技球を、前述のように、遊技者に対し直接的に払出して遊技者が賞球に触れることができるようにしているぱちんこ遊技機に限られず、例えば、遊技機内部で遊技球を循環させて使用する封入循環式のぱちんこ遊技機(管理遊技機)にも適用が可能である。さらに、封入循環式のぱちんこ遊技機としては、遊技媒体の出入りを電磁的に記録することが可能なものを例示できる。