以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図16は本発明をパチンコ機1に採用した第1の実施形態を例示している。
パチンコ機1は図1に示すように、正面視で矩形状の外枠2と、この外枠2の前側にヒンジ3aにより縦軸廻りに開閉可能に枢着された前扉3とを備えている。前扉3は前側に遊技盤装着部(図示省略)を有し、その遊技盤装着部に、図3に示す遊技盤4が前側から着脱自在に装着されている。
前扉3の前側にはガラス扉5と前面板6とが上下に配置され、前扉3に対してヒンジ3aと同じ側のヒンジ3bにより縦軸廻りに開閉自在に枢支されている。ガラス扉5の窓孔5aは例えば二重ガラス構造のガラス板7により塞がれており、そのガラス板7を通して外部より遊技盤4の遊技領域4aが視認可能になっている。
ガラス扉5の上部には左右両側にスピーカ8が配設されている。スピーカ8は遊技に伴う演出効果音を外部に出力する。またガラス扉5の左右両側及び上部には枠装飾LED9が配設されている。枠装飾LED9は、遊技の演出に連動してLEDが発光、点滅する装飾部である。
前面板6の前側には、発射用の遊技球を貯留する上貯留皿10と、余剰球を貯留する下貯留皿11とが上下に配設され、下貯留皿11の側方に遊技球を発射する遊技球発射装置12a(図4参照)の発射ハンドル12が設けられている。
上貯留皿10の周壁部10aの上面には、内蔵ランプが点灯したときに操作が可能となる左演出ボタン13及び中央演出ボタン14が設けられている。左演出ボタン13,中央演出ボタン14は遊技中に操作の機会が与えられ、遊技者が押し下げることにより演出を変化させることができる。
パチンコ機1の背面側は、図2に示すように構成されている。即ち、パチンコ機1の背面側には、前扉3の背面部16の上部に、パチンコホール側島設備の遊技球補給装置(図示省略)から供給される遊技球を貯留する貯留タンク17と、貯留タンク17の下側に左右方向に配置され且つ貯留タンク17からの遊技球を下流側に案内するタンクレール18とが配設されている。
前扉3のヒンジ3a側の背面部16には、球案内通路19a、球払出装置20、外部端子基板21が縦一列状に設けられている。球払出装置20は貯留タンク17内の遊技球を賞球、貸し球として上貯留皿10へと払い出すためのものであり、球案内通路19aを経てタンクレール18に、払出通路19bを経て上貯留皿10に夫々接続されている。外部端子基板21は球案内通路19aの裏面に装着された端子基板ケース21aに収納され、パチンコホール内の全遊技機を統括的に管理するホールコンピュータ(図4参照)に電気的に接続されている。
前扉3の背面部16の略中央には、遊技盤4に装着された遊技部品を裏側から覆う透明の裏カバー23が配設されている。遊技盤4の裏側には、演出制御基板24を収めた透明の演出制御基板ケース24aと、画像制御基板25を収めた透明の画像制御基板ケース25aとが裏構造体(図示省略)を介して装着されており、これらが裏カバー23により覆われている。
画像制御基板ケース25aの下方には、主制御基板26を収めた透明な主制御基板ケース26aが設けられている。主制御基板26はパチンコ機1の動作を統括的に制御するものであり、この主制御基板26は各種スイッチ、センサが接続され、夫々の検出信号を受信して各種処理を行うようになっている。
演出制御基板24は主制御基板26から送信される各種制御コマンドを受信し、その制御コマンドに基づいて、例えば盤面装飾発光部27の盤面装飾LED27a及び液晶式等の画像表示装置28(図3参照)の少なくとも一方による演出を制御するようになっている。
前扉3の背面部16の下部には、電源基板29を収めた透明な電源基板ケース29aと、払出制御基板30を収めた透明な払出制御基板ケース30aとが主制御基板ケース26aの下方に配設され、また遊技球発射装置12a(図4参照)を制御する発射制御基板31が払出制御基板30の上側に配設されている。なお、遊技球発射装置12aは、遊技球を打撃する打撃槌、打撃槌を駆動する発射モータ等を備えている。
遊技盤4は、図3に示すように正面視略矩形状のパネルを備え、前面外周側に装着された飾り部材34a,34bと、この飾り部材34a,34bの内側に区画形成された円形状の遊技領域4aとを備え、その遊技領域4a等に各種の遊技部品が装着されている。
遊技領域4aにはその左側にガイドレール35が、略中央に画像表示装置28が夫々配置され、また画像表示装置28の下側に特別図柄始動装置36、第1大入賞装置37、第2大入賞装置38、普通図柄始動装置39、一般入賞装置40等が配置されている。飾り部材34bには普通図柄表示装置41、特別図柄表示装置42が設けられている。
ガイドレール35は遊技球発射装置12a(図4参照)により発射された遊技球を遊技領域4aに案内するためのもので、遊技領域4aの左端側に配置された金属製の帯状の外レール35aと内レール35bとを備え、その両レール35a,35b間に形成された案内通路35cを経て遊技球を遊技領域4aの上部側へと案内するようになっている。
内レール35bの上端には、遊技球の発射方向への通過を許容し且つ遊技領域4aから案内通路35cに戻る方向への通過を阻止する戻り球防止片43が配設されている。内レール35bは遊技領域4aに沿ってその最下部へと延びており、また遊技領域4aの最下部には、アウト球回収口44と、アウト球回収口44にアウト球を導入する球寄せ部45とが形成されている。
画像表示装置28は遊技盤4の開口に対応して遊技盤4の裏側に装着された液晶式等の画像表示部46と、遊技盤4の前面に装着され且つ画像表示部46の外周部分を飾る前飾り枠47とを備えている。遊技領域4aには前飾り枠47の左右両側の左側通路48aの他に、右打ち用の右側通路48bとが設けられている。前飾り枠47は遊技盤4の前面にネジ等により固定されている。
画像表示部46は液晶式、その他の表示パネルにより構成され、前飾り枠47の表示窓47aに対応するように遊技盤4の裏側に支持枠(図示省略)を介して装着されている。この画像表示部46は1個又は複数個の数字図柄等の演出図柄49a〜49cを表示する機能と、演出図柄49a〜49cの背景画像、リーチ等の各種演出画像等の遊技に応じて表示する機能との他に、図14(a)に示すような特別ラウンド表示、図14(b)に示すようなV入賞表示等を表示可能である。
演出図柄49a〜49cは画像表示部46の適当な位置に複数個、例えば3個表示され、その各演出図柄49a〜49cは特別図柄表示装置42の特別図柄(略称を特図という)の変動に同期して変動を開始し、所定の変動パターンを経て所定時間変動した後、特別図柄の変動終了に同期して所定の順序で順次停止する。
演出図柄49a〜49cの変動後の停止図柄は、特別図柄表示装置42の特別図柄が特別遊技態様(大当たり遊技態様)で停止する場合には全てが揃う特別遊技演出態様(大当たり遊技演出態様)となり、特別図柄が非特別遊技態様(外れ遊技態様)で停止する場合には少なくとも一部が異なる非特別遊技演出態様(外れ遊技演出態様)となる。
即ち、特別図柄が特別遊技態様で停止する場合には、演出図柄49a〜49cは例えば「7・7・7」等の特別遊技演出態様で停止し、特別図柄が非特別遊技態様で停止する場合には、演出図柄49a〜49cは例えば「3・4・5」等の非特別遊技演出態様で停止する。
演出図柄49a〜49cの特別遊技演出態様には確率変動図柄(以下、確変図柄という)と非確率変動図柄(以下、非確変図柄という)とがあり、確変図柄には例えば「3」と「7」とが設定され、また非確変図柄には確変図柄以外の図柄が設定されている。画像表示部46は演出図柄49a〜49cが確変図柄を停止表示したときには、3個の演出図柄49a〜49cの表示終了後に、図14に示すように、その右下等の適当箇所に確変図柄の「3」等を表示するようになっている。
演出図柄49a〜49cが特別遊技演出態様の内の確変図柄(確変図柄大当たり)で停止した場合には、それによる特別遊技の終了後に、特別図柄始動装置36への遊技球の入賞を条件に主制御基板26にて行われる遊技態様の抽選において、再度特別遊技態様を抽選する確率が高くなる確率変動モードに移行する確率が大になり、また非確変図柄(非確変図柄大当たり)で停止した場合には、それによる特別遊技の終了後に確率変動モードに移行する確率が極めて低くなるように構成されている。
なお、前者の確変図柄大当たりによる特別遊技を第1特別遊技とし、後者の非確変図柄大当たりによる特別遊技を第2特別遊技とする。
前飾り枠47の前面は、遊技盤4から前側に突出してガラス板7の裏側に接近している。前飾り枠47の前面には画像表示部46の上側に盤面装飾発光部27と演出用ゲート50とが設けられ、また画像表示部46に対してガイドレール35と反対側に可動演出役物52が、画像表示部46の前下側にステージ部材53が夫々設けられている。また飾り部材34a,34bも遊技盤4から前側に突出してガラス板7の裏側に接近しており、その一方の飾り部材34bに特別図柄表示装置42及び普通図柄表示装置41が配置されている。
盤面装飾発光部27は前飾り枠47の正面に形成された光透過性を有する発光表示部27bと、発光表示部27bに対応して前飾り枠47の裏側に配置された発光基板27cと、発光基板27cの前面に装着された複数個の盤面装飾LED27aとを有し、各遊技中における演出図柄49a〜49cの変動表示、予告表示等に伴って盤面装飾LED27aの発光色、発光態様等が変化することにより、前飾り枠47の発光表示部27bを発光させて遊技状態を視覚的に演出するようになっている。
発光表示部27bは前飾り枠47に形成された凹凸状、粗面状等の乱反射部により構成されている。前飾り枠47の正面側には発光表示部27b等を除く部分にコーティング又は貼付シール等による遮光層が設けられている。なお、盤面発光装飾部27は前飾り枠47の正面上部以外の箇所に配置してもよい。
演出用ゲート50は前飾り枠47の上部左側に配置されている。演出用ゲート50はスルーゲートにより構成され、遊技中の特定演出に用いられる。例えば特定演出の際に、遊技者が演出用ゲート50を狙って遊技球を入賞させると、更に演出が発展して遊技者に有利な状態となる等の制御に用いられる。
可動演出役物52は例えば点滅発光しながら前後軸廻りに回転する回転円板52aが設けられている。この可動演出役物52は画像表示部46の右側近傍に位置しており、画像表示部46に表示される演出画像や大当たり期待度等に応じて回転円盤52aが回転動作を行うようになっている。
なお、パチンコ機1には、可動演出役物52以外にも演出役物が設けられているが、図面上省略している。また可動演出役物52は回転円盤52a以外の種々の形状としてもよい。例えば回転円盤52aに代えて竜の頭、剣等の形態をしたものを配置してもよい。
遊技領域4aの下部には特別図柄始動装置36と第1大入賞装置37とが上下に配置され、その右側に普通図柄始動装置39、第2大入賞装置38及び確変移行判定部(振分手段)54を含む複合装置55が配置されている。また遊技領域4aの下部には3個の一般入賞装置40が設けられている。
特別図柄始動装置36は非開閉式の第1特別図柄始動口36aと開閉式の第2特別図柄始動口36bとを備え、ステージ部材53の下方に配置されている。そして、第1特別図柄始動口36aと第2特別図柄始動口36bとの何れかに遊技球が入賞することにより、特別図柄表示装置42の特別図柄が所定時間変動して、その変動後の特別図柄が始動検出時の抽選結果に応じて特別態様、非特別態様の何れかで停止するようになっている。
なお、特別図柄始動装置36が遊技球を検出することを契機に遊技態様の抽選、特別図柄の変動等が行われると共に、特別図柄の変動に同期して画像表示部46の演出図柄49a〜49cが所定時間変動して特別遊技演出態様、非特別遊技演出態様に対応する態様で停止する。
第2特別図柄始動口36bは開閉部材36cを備えた普通電動役物(略称は普電とする)により構成されており、開閉部材36cが開放した場合に遊技球が入賞し易い状態となる。なお、開閉部材36cは普通図柄表示装置41の変動後の普通図柄(略称は普図という)を特定遊技態様(当たり遊技態様)とする抽選に当選したときに、所定時間(例えば1秒)の開放を所定回数(例えば2回)行うようになっている。
ステージ部材53は画像表示部46の前側に左右方向に配置され、前飾り枠47のワープ口47bから遊動された遊技球が左右方向に転動する転動路53aと、この転動路53aで振分けられた遊技球を遊技盤4の前側に落下させる中央案内溝53b及び左右案内溝53cとを有する。
中央案内溝53bの略真下には第1特別図柄始動口36aが位置されており、この中央案内溝53bから落下した遊技球は第1特別図柄始動口36aに入賞し易くなっている。また左右案内溝53cの真下には第1特別図柄始動口36aが位置しておらず、この左右案内溝53cから落下した遊技球は、中央案内溝53bに比べて第1特別図柄始動口36aに入賞し難くなっている。
特別図柄表示装置42は7セグメントLED等の7セグメント素子により構成され、各特別図柄始動口36a、36bへの遊技球の入賞を契機として特別図柄が所定時間変動し、変動後の特別図柄が遊技態様の抽選結果に応じて特別遊技態様、非特別遊技態様の何れかを停止表示するようになっている。
例えば、3個の7セグメント素子の内、その左側の1個の7セグメント素子は第1特別図柄始動口36aへの遊技球の入賞により特別図柄(例えば第1特別図柄)の変動表示を、中間の1個の7セグメント素子は第2特別図柄始動口36bへの遊技球の入賞により特別図柄(例えば第2特別図柄)の変動表示を夫々行い、その変動後に特別遊技態様、非特別遊技態様の何れかを停止表示するようになっている。右側の1個の7セグメント素子は特別図柄及び普通図柄の保留球数や時短状態であることを表示する。
なお、この実施形態では、遊技球が第1特別図柄始動口36aに入賞したときには第1特別図柄が、第2特別図柄始動口36bに入賞したときには第2特別図柄が夫々変動するようにしているが、特別図柄始動口36a,36bの何れに入賞したときにも第1特別図柄が所定時間変動して停止するようにしてもよい。
普通図柄表示装置41は複数個のLED等の発光素子からなり、普通図柄始動装置39の普通図柄始動センサ39aが遊技球を検出することを条件に普通図柄が所定時間変動し、変動後の普通図柄が特定遊技(以下、当たり遊技という)、非特定遊技(以下、外れ遊技という)の遊技態様の抽選結果に応じて特定遊技態様(以下、当たり遊技態様という)、非特定遊技態様(以下、外れ遊技態様という)の何れかを停止表示するようになっている。
なお、遊技領域4aには、遊技球の流下方向を変化させる風車56、多数の遊技釘(図示省略)が配置されている。また遊技領域4aの下方には、複数個(例えば3個)の一般入賞装置40が配置されている。
第1大入賞装置37、第2大入賞装置38は共に開閉型であって、特別図柄表示装置42の変動後の特別図柄が大当たり態様で停止したときに、その後の特別遊技において第1大入賞口37a、第2大入賞口38aを所定時間及び/又は第1大入賞口37a、第2大入賞口38aに所定個数の遊技球が入賞するまで1回又は複数回開放するようになっている。
なお、特別遊技は何れかの大入賞装置37,38の開閉を1ラウンドとして、所定ラウンド、例えば13ラウンドまでその動作を継続するようになっている。そして、各ラウンド毎に第1大入賞装置37、第2大入賞装置38が開放することにより、多数の遊技球が入賞口37a,38aに入賞することとなり、遊技者は多くの賞球を獲得することができる。
第1大入賞装置37は、正面視で略横長矩形状の第1大入賞口37aと、下辺の横軸廻りに回動して第1大入賞口37aを開閉する開閉扉37bを備えており、開閉扉37bが横軸廻りに前側から回動して第1大入賞口37aを開放したときに、上側から落下する遊技球を開閉扉37bを経て第1大入賞口37aへと案内するようになっている。
複合装置55は、図5〜図11に示すように、遊技盤4の前面に装着された取り付け板60を含む本体部61を備え、この本体部61に普通図柄始動装置39と第2大入賞装置38と確変移行判定部54とが組み込まれている。本体部61は取り付け板60から裏側に突出し且つ遊技盤4の開口4bに挿入された裏構造部62と、取り付け板60から前側に突出する前構造部63とを有する。
前構造部63は右側通路48bの下側の最上部に球案内部64を備え、この球案内部64から遊技領域4aの中央側へと普通図柄始動装置39と第2大入賞装置38とが段差を置いて配置され、その第2大入賞装置38の下側に確変移行判定部54が配置されている。
普通図柄始動装置39はスルーゲート式であって、球案内部64の内側下方で本体部61に形成された切り欠き部61aに、本体部61との間に上下方向の縦通路65aを介して配置されている。普通図柄始動装置39の下側には、この普通図柄始動装置39を通過した遊技球を第2大入賞装置38側に案内する球案内部39bが設けられている。縦通路65aは前構造部63の横通路65b、下部通路65c等を経てアウト球回収口44側へと遊技球を誘導するようになっている。
第2大入賞装置38は前構造部63の上側に形成され且つ遊技球を第1大入賞装置37側へと案内する傾斜案内部66の中間に配置されており、傾斜案内部66の中間で上向きに開口する第2大入賞口38aと、本体部61に前後方向に摺動自在に支持され且つ第2大入賞口38aを開閉する開閉扉38bと、開閉扉38bを前後方向に開閉駆動する開閉駆動手段67とを備えている。なお、この実施形態では、第2大入賞口38aは確変移行判定部54の入球部を構成している。
開閉扉38bは第2大入賞口38aの左右両側で本体部61の前構造部63及び裏構造部62に跨がって形成された摺動案内部68に沿って、前進位置の閉状態と後退位置の開状態との間で摺動自在であり、開閉扉38bが前進位置の閉状態のときにはその上面で傾斜案内部66に沿って遊技球を遊技領域4aの内側へと案内し、また後退位置の閉状態のときには傾斜案内部66の上手側からの遊技球が第2大入賞口38aへと入るようになっている。
開閉駆動手段67は開閉扉38bの一側で裏構造部62に前後方向に装着されたソレノイド67aにより構成されている。ソレノイド67aは前向きに突出し且つバネにより前側に付勢された可動鉄心67bを有し、その可動鉄心76bが連動機構68を介して開閉扉38bに連動連結されている。
連動機構68は下端側が開閉扉38bの後方で裏構造部62に横方向の枢軸69により揺動自在に支持され且つ上端側の係合部70aが開閉扉38bの後端の被係合部38cに係合する揺動アーム70と、前端側が可動鉄心67bに連結され且つ後端側が揺動アーム70に連結された連動体71とを備えている。
そして、ソレノイド67aが励磁したときに可動鉄心67b、連動機構68を介して開閉扉38bが開方向に後退し、ソレノイド67aが消磁したときに可動鉄心67bのバネにより開閉扉38bが閉方向に前進するようになっている。第2大入賞口38aの下側には、この第2大入賞口38aに入賞した遊技球を検出する第2大入賞口センサ38dが設けられている。
確変移行判定部54は特別遊技の終了後に確変移行の権利取得に関する判定を行うためのもので、振分手段により構成されており、第2大入賞口38aに連通する連通路78と、遊技者に有利な第1通路79と、遊技者に不利な第2通路80と、連通路78からの遊技球を第1通路79と第2通路80との何れかに振分ける振分部81と、振分部81を駆動する振分駆動手段82と、振分部81が遊技球を第1通路79に振分可能となる前に振分部81の切り替え動作を検出する位置検出センサ83とを備えている。
第1通路79は遊技球が通過することにより特別遊技の終了後に確率変動状態に移行させる特定領域(Vゾーン)79aを構成するもので、遊技球の通過を検出する特定領域センサ79bが設けられており、この特定領域センサ79bが遊技球を検出したときに、特別遊技の終了後に確率変動状態に移行させるようになっている。
第2通路80は遊技球が通過しても確率変動状態に移行させない非特定領域(非Vゾーン)80aを構成するもので、遊技球の通過を検出する非特定領域センサ80bが設けられており、この非特定領域センサ80bが遊技球を検出しても、特別遊技の終了後に確率変動状態に移行させないようになっている。
第1通路79と第2通路80は連通路78の下側に分岐部84を介して左右に並べて配置され、その分岐部84に振分部81が配置されている。振分部81は分岐部84の背壁部85側に形成された開口85aからその前の通路79,80側へと突出する正面視三角形状の棒状に構成され、遊技球を第1通路79に振分可能な開放位置A(図8、図11(c)参照)と、第1通路79を閉鎖して遊技球を第2通路80に振分可能な閉鎖位置B(図8、図11(a)参照)との間で左右方向に移動自在である。
振分部81は各位置A,B側にあるときに分岐部84の上壁部との間でその位置A,B側の通路79,80への遊技球の通過を阻止する阻止型である。従って、振分部81は開放位置Aでは第2通路80側に位置して第1通路79を開放し、閉鎖位置Bでは第1通路79側に位置して第1通路79を閉鎖する。
振分部81の開放位置Aは、第1通路79側の開放量を第2通路80側の開放量よりも大にして、両通路79,80の内、第1通路79に遊技球を優先的に振分けるように設定されている。なお、振分部81により遊技球を第1通路79に優先的に振分ける手段としては、両通路79,80の開放量を略同じにして、連通路78からの遊技球の落下方向と振分部81の位置関係から決定することも可能である。
振分部81は頂部の両側に傾斜面81a,81bを有し、その傾斜面81a,81bに沿って遊技球を各通路79,80へと案内するようになっている。第1通路79、第2通路80を通過した遊技球は遊技盤4の裏側へと誘導される。
振分部81の後部側には、背壁部85とその裏側の後壁部86との間に配置された摺動体87を備え、この摺動体87が背壁部85の裏側に設けられた左右方向の摺動案内部85bに沿って摺動自在に支持されている。
振分駆動手段82は摺動体87を介して振分部81を閉鎖位置Bから開放位置Aへと一方向に駆動するソレノイド(駆動源)82aと、このソレノイド82aが駆動力を解除したときに振分部81を閉鎖位置Bへと復帰させるバネ(復帰手段)82bとを備えている。ソレノイド82aは摺動体87の左右方向の一端側で裏構造部62内に装着され、その可動鉄心82cの先端側が摺動体87の端部に連結されている。バネ82bはソレノイド82aの可動鉄心82cを戻し方向に付勢している。
振分部81は主制御基板26で制御される振分駆動手段82により、図13に示すパターンで振分駆動される。即ち、変動後の演出図柄49a〜49cが確変図柄大当たり態様で停止した第1特別遊技の場合には、その第6ラウンドにおいて振分部81が極く短い時間とその後の長い時間との2回で閉鎖位置Bから開放位置Aへと駆動されて開放状態となり、また変動後の演出図柄49a〜49cが非確変図柄大当たり態様で停止した第2特別遊技の場合には、その第6ラウンドにおいて振分部81が極く短い時間で1回だけ閉鎖位置Bから開放位置Aへと駆動されるようになっている。
従って、第1特別遊技の場合には、第6ラウンド中に振分部81が長短2回の開放動作を繰り返すため、第2大入賞装置38に入賞した遊技球は、その何れかの開放動作、取り分け時間の長い後の開放動作で略確実に第1通路79へと振分けられ特定領域79aを通過することとなる。しかし、第2特別遊技の場合には、1回の短い時間の開放動作で第6ラウンドが終了するため、第2大入賞装置38に入賞した遊技球が第1通路79へと振分けられて特定領域79aを通過する可能性は極めて低いものとなる。
位置検出センサ83は非接触式、例えば発光部83aと受光部83bと検出片88とを組み合わせた光学式が採用されている。発光部83a、受光部83bは摺動体87の裏側で裏構造部62の適当箇所に固定されている。検出片88は摺動体87に設けられ、発光部83aと受光部83bとの間を通過可能である。
この位置検出センサ83は振分部81が閉鎖位置Bから開放位置A側への開放動作中に、振分部81が遊技球を第1通路79側に振分可能になる前の開放前位置C(図8、図11(c)参照)に達したときに、検出片88により遮光されていた発光部83aからの光を受光部83bが受光することにより、振分部81の開放動作を検出するようになっている。
従って、振分部81が図13に示すパターンで往復して開閉動作を行う場合、位置検出センサ83は振分部81が実際に遊技球を第1通路79に振分可能な時間よりも長い間、第1通路79の開放を検出することとなる。なお、位置検出センサ83は他の非接触式でもよいし、接触式でもよい。
この複合装置55では、次のように作動する。この実施形態の遊技盤4では、特別遊技中に遊技者が遊技球を遊技領域4aの右側通路48bに集中させる右打ち仕様となっている。
右側通路48bを通過した遊技球は球案内部64に到達した後、この球案内部64を経て普通図柄始動装置39を通過するか、普通図柄始動装置39の周辺の縦通路65a等から横通路65b、下部通路65cを経てアウト球回収口44へと案内されるか、又は傾斜案内部66を経て第1大入賞装置37側へと案内されて行く。
また普通図柄始動装置39を通過した遊技球は、その下側の球案内部39bを経て傾斜案内部66又は横通路65bへと案内されて行く。
第2大入賞装置38の開閉扉38bは通常バネにより前進位置に付勢されており、第2大入賞装置38は図5〜図9に示すように閉状態にある。従って、球案内部64等を経て送られて来た遊技球は傾斜案内部66上に落下した後、開閉扉38bを含む傾斜案内部66を経て遊技領域4aの中央側へと案内され、一般入賞装置40に入賞するか、特別図柄始動装置36の開放中の第2特別図柄始動口36bに入賞する。
また第1大入賞装置37の開閉扉37bが開状態にあるときには、その開閉扉37bを経て第1大入賞口37aへと入賞する。なお、一般入賞装置40、第2特別図柄始動口36b、第1大入賞装置37の何れにも入賞しない遊技球は、その周辺を経てアウト球回収口44へと案内されて行く。
第2大入賞装置38の開閉駆動手段67のソレノイド67aは主制御基板26によって制御されており、主制御基板26から開指令があると、ソレノイド67aが励磁して可動鉄心67bがバネに抗して後退するので、連動機構68の揺動アーム70が枢軸廻りに反時計方向に回動して開閉扉38bが後退位置へと摺動する。このため開閉扉38bが傾斜案内部66から後方に後退して第2大入賞口38aを開放し、傾斜案内部66上を通過する遊技球の殆どが第2大入賞口38aへと入賞することとなる。
第2大入賞口38aに入賞した遊技球は第2大入賞口センサ38dにより検出され、その検出信号が主制御基板26に出力されるので、主制御基板26側で第2大入賞装置38の遊技球の入賞数を計数する。また第2大入賞口センサ38dを通過した遊技球は連通路78を経て確変移行判定部54へと案内されて行く。
主制御基板26から閉指令があると、ソレノイド67aが消磁して可動鉄心67bがバネの付勢により戻されて前進するので、連動機構68の揺動アー70が枢軸69廻りに時計方向に回動して開閉扉38bが前進位置へと摺動する。このため開閉扉38bが傾斜案内部66間に前進して第2大入賞口38aを閉鎖し、傾斜案内部66上の遊技球を遊技領域4aの中央側へと案内することとなる。
確変移行判定部54が確率変動移行の権利取得について判定するのは、後述のように特別遊技中の特別ラウンド、例えば第6ラウンドであり、確変図柄大当たり遊技に当選した場合、第6ラウンドでは、遊技球が通過可能な程度の時間だけ振分部81が開放位置A側へと移動して特定領域79aが開放状態となる。そして、特定領域79aを遊技球が通過すると、その特別遊技の終了後に大当たり確率が高く設定された確率変動モードに移行する。
このとき確変移行判定部54は、次のように動作する。即ち、確変移行判定部54は、振分部81が阻止型であるため、通常は図10(a)及び図11(a)に示すようにバネ82bの付勢により閉鎖位置B側に保持されており、遊技球を第2通路80へと振分可能な状態にある。つまり特定領域79aが閉鎖状態であり、非特定領域80aが開放状態である。
このため第2大入賞装置38に入賞した遊技球は、連通路78から分岐部84へと落下した後、図11(a)に矢印eで示すように、振分部81の傾斜面81bに沿って第2通路80の非特定領域80aへと振分けられる。そして、この遊技球は非特定領域センサ80bにより検出された後、遊技盤4の裏側へと誘導される。非特定領域センサ80bの検出信号は主制御基板26に送られる。
この非特定領域80aが開放状態のときには、図10(a)に示すように振分部81が閉鎖位置B側にあるため、位置検出センサ83は遊技球を第2通路80へと振分可能な状態にあり、第1通路79が閉鎖状態であることを検出する。
即ち、位置検出センサ83は、図10(a)に示すように、検出片88が発光部83aと受光部83bとの間に進入した状態にあり、発光部83aから受光部83bへの光を検出片88が遮光して、受光部83bがOFF状態にある(図13参照)。位置検出センサ83の検出信号は主制御基板26を介して又は直接演出制御基板24に送られる。
振分駆動手段82のソレノイド82aは主制御基板26によって制御されており、主制御基板26から開放指令があると、ソレノイド82aが励磁して可動鉄心82cがバネ82bに抗して図10(c)のf矢示方向に開放方向に移動する。これによって摺動体87と一体に振分部81が開放位置A側へと移動し、遊技球を第1通路79へと振分可能な状態になる。つまり図11(c)に示すように特定領域79aが開放状態になる。
振分部81が開放位置Aにある場合は、振分部81の頂部が連通路78の下端開口部の中央位置よりも開放位置A側に位置しており、連通路78からの遊技球を特定領域79aへと案内し易くなっている。しかし、この振分部81が開放位置Aにある場合にも、遊技球は図11(c)に示すように振分部81の頂部を経て非特定領域80a側へと通過可能である。これは振分部81上での遊技球の詰まりを防止するためである。振分部81が開放位置Aにある場合にも、その振分部81上に遊技球が詰まらない構造の場合には、非特定領域80a側を閉鎖するようにしてもよい。
なお、振分部81が閉鎖位置B側にある場合、図11(a)に示すように特定領域79aを完全に閉鎖している。従って、連通路78から落下した遊技球が閉鎖位置Bにある振分部81に衝突しても、その遊技球は必ず非特定領域80a側へと案内されることとなり、特定領域79aへと通過するようなことはない。
従って、第2大入賞装置38に入賞した遊技球は、連通路78から分岐部84へと落下した後、図11(c)の矢印gで示すように、振分部81の傾斜面81aに沿って第1通路79の特定領域79aへと振分けられる。そして、この遊技球は特定領域センサ79bにより検出された後、遊技盤4の裏側へと誘導される。特定領域センサ79bの検出信号は主制御基板26に送られる。
振分部81が図11(c)に示す開放位置Aにある場合には、図10(c)に示すように位置検出センサ83の検出片88が発光部83aと受光部83bとの間から外れた状態にあり、発光部83aからの光を受光部83bが受光してON状態にある(図13参照)。このため位置検出センサ83は特定領域79aが開放状態であることを検出し、その検出信号が演出制御基板24に送られる。
主制御基板26から第1通路79を閉鎖すべき閉鎖指令があれば、振分駆動手段82のソレノイド82aが消磁して可動鉄心82cがバネ82bの付勢により反f矢示方向の閉鎖方向に摺動し、振分部81が開放位置Aから閉鎖位置Bへと移動して、遊技球を第1通路79に振分可能な状態から第2通路80に振分可能な状態へと復帰する。これによって振分部81が特定領域79aを閉鎖し、非特定領域80aを開放する。そして、位置検出センサ83が特定領域79aの閉鎖を検出する。
このような構成の確変移行判定部54は、裏構造部62内にピアノ線等の不正部材を挿入して、その不正部材により摺動体87をバネ82bに抗して開放方向(図10のf矢示方向)に操作すれば、振分部81が閉鎖位置Bから開放位置A側へと移動して特定領域79aが開放状態になることがある。
このような不正行為があっても、振分部81が図11(b)に示す開放前位置Cまで達したときに、位置検出センサ83が振分部81の開放方向への移動を検出して、その検出信号を演出制御基板24へと送信する。このためピアノ線等の不正部材の挿入により振分部81を不正に操作する不正行為を把握できるので、不正行為を未然に防止することができる。
即ち、ピアノ線等の不正部材を挿入して摺動体87をバネ82bに抗して開放方向(f矢示方向)に操作すれば、振分部81が閉鎖位置Bから開放位置A側へと移動し、摺動体87の検出片88が振分部81と一体に摺動する。そして、遊技球が図11(b)に示すように特定領域79a側へと通過し得ない開放前位置Cまで振分部81が達したときに、図10(b)に示すように検出片88が発光部83aと受光部83bとの間から外れて発光部83aからの光が受光部83bへと透過する。
これによって位置検出センサ83は振分部81の開放方向への移動を検出し、その検出信号が演出制御基板24へと送信される。このため主制御基板26から開放指令と位置検出センサ83から検出信号の有無を監視することにより、主制御基板26から開放指令を送信していないにも拘わらず、位置検出センサ83から検出信号があった場合には、振分部81を不正に操作する不正行為であることを確実に把握することができる。
また位置検出センサ83が振分部81を検出する前に不正部材を抜き取る等により振分部81に対する操作を解除すれば、振分部81がバネ82bにより閉鎖位置Bに復帰して特定領域79aを閉鎖する閉鎖状態に戻る。このため不正行為を途中で終了した場合には、位置検出センサ83が振分部81の切り替え動作を検出できない。
しかし、振分部81は未だ遊技球を第1通路79側へと振分得ない範囲内で移動したに過ぎず、特定領域79aが図11(b)に示すように閉鎖状態のままである。そのため仮にそのような行為があっても、遊技球は図11(b)に矢印eで示すように第2通路80に振分けられるだけであり、不正に第1通路79の特定領域79a側に振分けられるようなことはない。
なお、複合装置55の前構造部63の前面には、確変移行判定部54に対応して開口89aがあり、その開口89aを塞ぐシート89bが装着されている。シート89bは所定の装飾表示(例えばキャラクタなどの印刷表示)が施された光透過性有色シートであり、確変移行判定部54の内部構造が見えないように覆っている。なお、図3では確変移行判定部54を破線で示し、図5ではシート89bの一部を破断して図示している。
複合装置55は、特定領域センサ79bの上方近傍に磁気センサ90を備えている。この磁気センサ90は特定領域センサ79b及び非特定領域センサ80bに対する磁気的な不正行為の他に、分岐部84の遊技球を磁石により吸着する不正行為に対しても感応可能に設けられており、それらに対する磁気的手段による不正行為を検出できるようになっている。その他、必要に応じて電波センサ93及び振動センサ94が設けられている。
なお、複合装置55は、その本体部61の前面を発光させるための発光基板91が複数枚(例えば3枚)配設されている。この発光基板91には複数の多色発光型のLED等の発光体92が実装されている。本体部61には発光基板91の前側に凹凸状、粗面状等の発光部が配設されており、発光体92の発光により前面の発光部が発光するようになっている。
図4はパチンコ機1の制御装置の構成を示すブロック図である。なお、図4では信号を中継する中継基板等は省略している。この制御装置は、パチンコ機1の動作を統括的に制御する主制御基板26と、主制御基板26からコマンドを受けて演出の制御をする演出制御基板24を中心に、電源基板29、払出制御基板30、発射制御基板31、画像制御基板25等により構成されている。電源基板29は主制御基板26、演出制御基板24等の各基板に接続され、外部電源から交流電圧24Vを受けて直流電圧に変換し、各制御基板に供給する。
主制御基板26はその内部にCPU261、ROM262及びRAM263を備えている。主制御基板26のCPU261はいわゆるプロセッサ部であり、大当たり遊技を発生させるか否かの抽選処理、決定された変動パターンや停止図柄の情報から制御コマンドを作成し、演出制御基板24に送信する等の処理を行う。
ROM262は記憶部であり、一連の遊技制御手順を記述した制御プログラムや制御データ等が格納されている。RAM263は主制御基板26のCPU261の処理で設定されたデータを一時記憶するワークエリアを備えた記憶部である。
主制御基板26には特別図柄始動装置36の特別図柄始動センサ36d、大入賞装置37,38の大入賞口センサ37c,38d、普通図柄始動装置39の普通図柄始動センサ39a、一般入賞装置40の一般入賞口センサ40a、確変移行判定部54の特定領域センサ79b及び非特定領域センサ80b、磁気センサ90、電波センサ93及び振動センサ94が接続され、各検出信号を受信可能となっている。
磁気センサ90はパチンコ機1に磁石等を近づけた場合に異常を検出するセンサである。また電波センサ93はパチンコ機1に対し強い電波が発せられた場合に異常を検出するセンサであり、振動センサ94はパチンコ機1に対し強い振動が与えられた場合に異常を検出するセンサである。
また主制御基板26には、特別図柄表示装置42及び普通図柄表示装置41が接続され、主制御基板26はそのCPU261が抽選処理により取得した乱数情報に基づいて各特別図柄表示装置42の特別図柄、普通図柄表示装置41の普通図柄の変動等を制御するようになっている。
更に主制御基板26にはパチンコ機1の外部へ接続する端子を備えた外部端子基板21が接続されており、遊技中における大当たり遊技、遊技球の入賞数、その他の各種情報を主制御基板26から外部端子基板21を介してホールコンピュータに送信するようになっている。従って、ホールコンピュータでは、各パチンコ機1毎にその主制御基板26から送信される各種情報を集中的に管理可能である。
主制御基板26には払出制御基板30が接続されている。払出制御基板30には前扉3の開放を検出する前扉開放センサ95が接続されており、前扉開放センサ95が前扉3の開放を検出したときに、その検出信号を払出制御基板30を経て主制御基板26に送信するようになっている。なお、払出制御基板30には球払出装置20と発射制御基板31とが接続され、発射制御基板31に遊技球発射装置12aが接続されている。
演出制御基板24はその内部にCPU241、ROM242及びRAM243を備えている。演出制御基板24のCPU241はいわゆるプロセッサ部であり、主制御基板26から送信された制御コマンドを受信して、その制御コマンドに基づいて各種演出動作を制御するようになっている。。
ROM242は記憶部であり、一連の演出制御手順を記述した制御プログラムや演出データ等が格納されている。またRAM243は演出制御基板24のCPU241の処理で設定されたデータを一時記憶するワークエリアを備えた記憶部である。
演出制御基板24には、スピーカ8、枠装飾LED9、盤面装飾LED27a、異常報知LED97、位置検出センサ83、左演出ボタン13及び中央演出ボタン14が接続されている。
演出制御基板24は例えばスピーカ8の音声出力(例えば音楽、効果音)の制御、各LED9,27a,97の発光の制御等を行い、また左演出ボタン13、中央演出ボタン14の操作の有無に応じてスピーカ8の音声、各LED9,27aの発光等を変化させる制御を行うことにより、その時点の遊技状態の演出効果を高めるようにしている。なお、異常報知LED97はパチンコ機1の背面の演出制御基板24に設けられたLEDであり、特定の異常が発生したことを報知するようになっている。
位置検出センサ83は、確変移行判定部54の振分部81が開放方向へと移動する開放動作中に、その振分部81の開放前位置Cへの到達を検出する例えば透過型フォトセンサである。
左演出ボタン13、中央演出ボタン14は演出制御基板24に接続されており、遊技者が有効期間中に左演出ボタン13、中央演出ボタン14を操作したときに、その信号が演出制御基板24に送信されて、演出制御基板24の制御によりスピーカ8の音声、各LED9,27aの発光が変化するようになっている。
演出制御基板24には画像制御基板25が接続されている。画像制御基板25は演出制御基板24からコマンドを受けて画像表示部46の表示制御を行うものである。
この画像制御基板25はその内部に画像制御CPU251と、画像制御ROM252と、画像制御RAM253と、画像表示プロセッサVDP254と、画像データROM255と、VRAM256とを備えている。
画像制御CPU251はいわゆるプロセッサ部であり、演出制御基板24から受信した画像制御コマンドに基づいて表示制御を行うために必要な画像制御データを生成し、そのデータを画像表示プロセッサVDP254に出力するようになっている。
画像制御ROM252は記憶部であり、画像制御CPU251の動作手順を記述したプログラムが格納さている。画像制御RAM253は、ワークエリアやバッファメモリとして機能する記憶部である。
画像表示プロセッサVDP254は、画像表示部46に表示する演出画像の画像データの処理を行うものでる。また画像データROM255は画像表示プロセッサVDP254が画像処理を行うために必要な画像データを格納しており、VRAM256は画像表示プロセッサVDP254が画像処理した画像データを一時記憶するようになっている。
このような構成により画像制御基板25は、演出制御基板24から送信された制御コマンドに基いて画像処理を行い、画像表示部46に表示される演出画像や動画を制御するようになっている。例えば遊技者が有効期間中に左演出ボタン13、中央演出ボタン14を操作したときに、画像制御基板25が演出制御基板24からコマンドを受けて画像表示部46の演出画像を制御するようになっている。
次に図12を参照してパチンコ機1の大当たり種別と特別遊技について説明する。画像表示部46に表示される演出図柄49a〜49cが所定時間変動した後に大当たり演出態様で停止する場合、内部抽選の抽選結果に応じて確変図柄大当たり態様、非確変図柄大当たり態様の何れかを停止表示する。そして、確変図柄大当たり態様のときには第1特別遊技となり、非確変図柄大当たり態様のときには第2特別遊技となる。
確変図柄大当たりによる第1特別遊技は、図12(a)に示すように全13ラウンドで構成される。そして、特別ラウンドで特定領域79aを遊技球が通過することにより、当該第1特別遊技の終了後の遊技状態が確率変動モードとなる。なお、確率変動モードは「確率変動状態」に相当する。
確率変動モードは次回の大当たり発生まで継続するものが良く知られているが、この実施形態では回数が限定されており、所定回数(例えば100回)の遊技が行われると、確率変動モードが終了する。このとき大当たり遊技の当選確率が高確率となるだけでなく、特別図柄始動装置36の開閉部材36cが頻繁に開放するようになり、第2特別図柄始動口36bに遊技球が入賞し易くなる。
確変図柄大当たりが発生すると、まず開始前インターバルが行われる。これは、6000ms(6.0秒)の「大当たり表示」と6000msの「大入賞装置の示唆表示」とから構成される。「大入賞装置の示唆表示」は特別遊技で使用する大入賞装置を指示するものであり、遊技領域4aの右側下部に配置された第2大入賞装置38を使用するラウンドがある等の理由から、遊技者に右打ちを指示する。
その後、第1特別遊技の第1ラウンドが開始する。この第1ラウンドでは、第1大入賞装置37の開閉扉37bが29.0秒間開放する。なお、第6ラウンドを除く各ラウンドは通常ラウンドに相当する。
このときラウンド表示として、「Round01」が画像表示部46に表示される(図14(a)参照)。また画像表示部46に映像として「バトル」演出が実行され、他の第1ラウンドでは、主人公と相手キャラクタとの対戦演出が開始される。この段階では勝敗がわからないが、例えば強さの異なる複数のキャラクタから1つが選択される。なお、左演出ボタン13及び中央演出ボタン14を用いて先攻後攻を決定したり、一度敗北した主人公を復活させたりする演出等が準備されている。なお、「バトル」演出は、「ラウンド中演出」の一例である。
第1大入賞装置37の開閉扉37bの作動時間(開放時間)が終了すると、1980msの残存球排出時間となる。これは第1大入賞装置37に入賞した遊技球の排出を有効とする時間であり、この時間の経過時までの遊技球の入賞数及び排出数が有効とみなされる。なお、第1大入賞装置37は第1大入賞口センサ37cがあるだけなので、入賞数と排出数は必ず一致する。
その後、20msの第1ラウンドのインターバルを経て第2ラウンドに進む。第2〜第5ラウンドまでは、ラウンド表示がラウンドの進行に応じて進んでいく以外、第1ラウンドと同じである。
画像表示部46での「バトル」演出はラウンドの進行に応じて順次発展し、第5ラウンドの終了時までに勝敗が決定する。確変図柄大当たりでは、この「バトル」演出で主人公が相手キャラクタを倒し、勝利するストーリーとなる。その後、残存球排出時間、第5ラウンドのインターバルを経て第6ラウンドに進む。
第6ラウンドは特別ラウンドであって、それまでの第1〜第5ラウンドとは異なり、第1大入賞装置37ではなく、第2大入賞装置38の開閉扉38bが15.0秒間作動する。ここでは振分部81が第2通路80から第1通路79へと切り換わって、第1通路79の特定領域79aを所定時間だけ開放状態とする。
画像表示部46のラウンド表示が進行する点は同じであるが、映像として「第2大入賞装置狙い打ち」が実行される。これは確変図柄大当たりの特別ラウンド中に行われる表示であり、画像表示部46に表示される第2大入賞装置38の場所を示して、「ここを狙え!」等の文字を表示する(図14(a)参照)。これは、上述の「バトル」演出で主人公が勝利したことにより、特別遊技の終了後に確率変動モードに移行する演出の流れになる。
第2大入賞装置38の開放により入賞した遊技球が特定領域79aを通過(以下、V入賞ともいう)すれば、遊技者は、確率変動モードに移行する権利を取得することができる。確変図柄大当たりの第1特別遊技の場合には、特定領域79aが開放状態となる時間が長いので、遊技者が第2大入賞装置38を狙って遊技球を打ち出して行けば、殆どの場合に第2大入賞装置38に入賞した遊技球が特定領域79aを通過することになる。従って、確率変動モードに移行する権利の取得が可能である。
第6ラウンドの残存球排出時間は4980msであり、この時間が経過するときまでの遊技球の入賞数と排出数との一致を確認する。第2大入賞装置38は第1大入賞装置37と異なり、排出数が特定領域79aと非特定領域80aを通過した遊技球の合計となるので、残存球排出時間を長めに設定している。
その後、20msの第6ラウンドのインターバルとなる。ここで、第2大入賞装置38に入賞した全ての遊技球の排出が確認されるまで第7ラウンドが開始しない。この第6ラウンドでは、残存球排出時間とインターバル時間の合計である5秒が経過することと、入賞数と排出数が一致することの両条件が成立した場合に、第7ラウンドに進む。なお、主制御基板26は、入賞数と排出数が一致しない場合には、振分部81が特定領域79aを閉じる閉状態に戻らないように制御する。
第7ラウンドでは再び第1大入賞装置37を使用する。第1大入賞装置37の開閉扉37bの開放時間は29.0秒であり、第1〜第5ラウンドと同じである。またラウンド表示が進行する点も同じであるが、映像として、「楽曲ラウンド1」が行われる。これは特定の楽曲が演奏される演出である。
第7ラウンドでの1980msの残存球排出時間、20msの第7ラウンドのインターバルを経て、第8ラウンドに進む。第8〜第10ラウンドまでは、ラウンド表示が進行する以外、第7ラウンドと同じである。なお、第10ラウンドの終了時までに楽曲の演奏が終了する。
その後、第10ラウンドのインターバルを経て第11ラウンドに進む。第11〜第13ラウンドの各ラウンドでも第1大入賞装置37を使用する。第1大入賞装置37の開閉扉37bの作動時間、残存球排出時間も同じであり、ラウンド表示はラウンドの進行に応じて進行する。また映像として、「エピソードラウンド」が行われる。これは、パチンコ機1に登場するキャラクタのエピソードを紹介する等の演出であり、第13ラウンドの終了時まで継続する。
第13ラウンドは最終ラウンドであり、特別遊技の終了を意味する20000ms(20.0秒)の終了インターバル(エンディング)が行われる。その後、何れの大入賞装置37,38も閉鎖した状態で、画像表示部46においてエンディング表示及びエンディング映像の表示が行われる。
エンディング表示とは、特別遊技が終了したことを示す「Fin」や「確率変動モード突入」等の文字表示である。またエンディング映像は、攻略法の注意喚起や企業ロゴ表示等で構成される。なお、エンディング表示とエンディング映像は、エンディング演出である。
終了インターバルの終了により、確変図柄大当たりによる一連の特別遊技が終了し、その後、特別ラウンドで特定領域79aを遊技球が通過していることを条件に、確率変動モードの遊技が開始する。なお、確率変動モードにおける各種演出が第1演出である。
次に非確変図柄大当たりによる特別遊技について、図12(b)を参照しながら、確変図柄大当たりによる特別遊技と異なる部分を中心に説明する。非確変図柄大当たりによる特別遊技も、全13ラウンドの遊技で構成される。またその終了後には、特別ラウンドで特定領域79aを遊技球が通過しないことにより、遊技状態が時短モードとなる。
時短モードは大当たり確率は低確率であるが、特別図柄の変動表示の時間を短縮した遊技状態である。この時短モードでは特別図柄始動装置36の開閉部材36cが通常遊技モードよりも頻繁に開放され、遊技球が特別図柄始動装置36に入賞し易い。なお、この時短モードは、所定回数(100回)の遊技が行われると終了する。
第1〜第5ラウンドで作動する第1大入賞装置37の開閉扉37bの開放時間等は、確変図柄大当たり遊技の場合と同じであるが、画像表示部46に表示される映像の内容が異なる。映像は「バトル」演出であるが、最終的に主人公が相手キャラクタに敗北するストーリーとなるため、例えば手強いキャラクタが選択される。
ここでも左演出ボタン13及び中央演出ボタン14を用いて、一度敗北した主人公を復活させる演出等が準備されているが、第5ラウンドの終了時までに主人公の敗北が決定し、残存球排出時間、第5ラウンドのインターバルを経て、第6ラウンドに進む。
第6ラウンドは第2大入賞装置38を使用するので、「特別ラウンド」であることに変わりはない。しかし、第2大入賞装置38の開閉扉38bの作動時間が80msと、確変図柄大当たりと比較して極めて短く設定されている。
この場合には、遊技者が第2大入賞装置38を狙って遊技球を打出しても、殆どの場合に遊技球が第1通路79の特定領域79aを通過することはなく、特別遊技の終了後に確変モードに移行する権利を取得することができない。このため上述の「バトル」演出で主人公が敗北したことにより、確率変動モードが付与されない演出の流れになる。
従って、確変図柄大当たり遊技の場合のように第2大入賞装置38を狙わせる映像は行われず、早くもエンディング映像が開始する。4980msの残存球排出時間と20msの第6ラウンドのインターバルを経て、第7ラウンドに進む。なお、第6〜第13ラウンドまで、ラウンド表示が行われない。
第7〜第13ラウンドでは、再び第1大入賞装置37を使用する。しかし、第1大入賞装置37の開閉扉37bの作動時間が80msであるので、開閉扉37bが極めて短い開閉を繰り返している状態である。従って、遊技者が遊技球の打出しを継続しても、第1大入賞装置37に入球することは殆どない。
画像表示部46ではラウンド表示が行われず、第6ラウンドで開始したエンディング映像が継続して行われる。その後、最終ラウンドである第13ラウンドの残存球排出時間を経て、終了インターバル(エンディング)に移行する。
終了インターバルの時間は、6880ms(6.88秒)であり、確変図柄大当たりの終了インターバルより短いが、確変図柄大当たりの場合と同じエンディング映像がちょうど終了するように設定されている。これで、非確変図柄大当たりによる一連の特別遊技が終了し、その後、特別ラウンドで特定領域79aを遊技球が通過していないことを条件に時短モードの遊技が開始する。なお、時短モードにおける各種演出が第2演出である。
次に特別遊技中の特殊な状況について説明する。確変図柄大当たりによる特別遊技では、第6ラウンドにおける第2大入賞装置38の開閉扉38bの作動時間が比較的長いが、遊技者が遊技球を打ち出さなければその遊技球が特定領域79aを通過することはなく、確変移行の権利が取得できない。このような場合、確率変動モード以外の遊技状態に移行させる必要があるが、普通図柄、特別図柄の変動時間を短縮する時短モード有りの低確率状態となる。
この場合には演出に関しては制約がないため、画像表示部46に表示される背景等を確率変動モードと同じものとする。従って、遊技者は外観では低確率となったことに気が付かない。
一方、非確変図柄大当たりによる特別遊技では、第6ラウンドにおける第2大入賞装置38の開閉扉38bの作動時間が極めて短いが、遊技球が第2大入賞装置38に入球し、その遊技球が更に特定領域79aを通過する可能性も僅かにある。この場合、この実施形態では、100回転の時短モード有りの高確率状態となる。このときにも演出に関しては制約がないため、画像表示部46に表示される背景等は時短モードと同じものとする。従って、遊技者は、外観では高確率となったことに気が付かない。
これにより、特別遊技の終了後の演出は、常に大当たり種別に応じたものとなる。また遊技球が特定領域79aを通過したか否かに関わらず、これ以降、予め定められたラウンド中演出及びエンディング演出が実行されるので、「バトル」演出で勝利したにも関わらず、特別遊技の終了後に確率変動モードに移行しない等、演出の不一致、矛盾が起こらない。
次に図13を参照しながら第1大入賞装置37、第2大入賞装置38、振分部81の動作について説明する。先ず通常ラウンド(第6ラウンド以外)の各大入賞装置37,38の動作を説明する。第6ラウンド以外の通常ラウンドでは、第1大入賞装置37の開閉扉37bが開放動作し、信号が「ON」のときは開放状態、「OFF」のときは閉鎖状態である。
第1大入賞装置37の通常ラウンドの開閉扉37bの開放時間は29.0秒であり、開閉扉37bの閉鎖後に1.98秒の残存球排出時間と0.02秒のラウンドインターバルを経て次回ラウンドに進む。なお、通常ラウンドでは、振分部81は動作しない。
確変図柄大当たりによる特別遊技の特別ラウンド(第6ラウンド)では、第2大入賞装置38の開閉扉38bが開放する。この確変図柄大当たりの特別ラウンドの開閉扉38bの作動時間は15.0秒であるが、この中に5.32秒の閉鎖時間が含まれている。
この閉鎖時間は、振分部81が特定領域79aを閉鎖する閉鎖位置Bとなる期間があることから設けられている。即ち、特定領域79aの閉鎖中に第2大入賞装置38の入賞数が最大入賞数(例えば5個)に達し、遊技球が特定領域79aを通過することなく、特別ラウンドが終了することがないようなっている。
この閉鎖時間を利用して画像表示部46で特別ラウンド表示(図14(a)参照)が行われる。従って、この特別ラウンド表示により、少なくとも第2大入賞装置38の開閉扉38bの2回目の開放時には、遊技者が第2大入賞装置38を狙って遊技球を打ち出すので、遊技球が特定領域79aに入賞し易くなる。開放時間(9.60秒)が経過すると、4.98秒の残存球排出時間と0.02秒のラウンドインターバルを経て、次の第7ラウンドに進む。
確変移行判定部54の振分部81は、第2大入賞装置38の開閉扉38bの最初の開放と同期して、特定領域79aを0.02秒間開放するように切り替え動作をする。しかし、振分部81が開方向、閉方向に移動を開始しても直ちに特定領域79aが開放せずに、その切り替え動作に若干0.01秒程度遅れて開放する。
一方、位置検出センサ83は振分部81が特定領域79aを開放する前の開放前位置Cに達して、検出片88が発光部83aと受光部83bとの間から外れた瞬間に振分部81を検出する。
そして、位置検出センサ83が振分部81を検出した後に、振分部81が開放位置Aに達して特定領域79aを開放状態にする。従って、位置検出センサ83による振分部81の検出と、振分部81の移動による特定領域79aの開放との間には若干のタイムラグが生じる。
振分部81は特定領域79aの開放状態を0.02秒間維持した後、5.37秒間、閉鎖位置Bに戻り、開閉扉38bの2回目の開放と同期して、前述と同様に0.01秒後に再度、開放位置Bへと動く。
その後、第2大入賞装置38の2回目の開放時間と残存球排出時間を合せた14.58秒間よりも0.02秒短い14.56秒間、開放位置Aを維持し、再度、閉鎖位置Bに戻る。振分部81は、非確変図柄大当たりの特別ラウンドでも同じ動作をする。
非確変図柄大当たりにおける特別ラウンドでの第2大入賞装置38の開閉扉38bの作動時間は0.08秒である。そして、この作動時間が経過すると、4.98秒の残存球排出時間と0.02秒のラウンドインターバルを経て、次の第7ラウンドに進む。
振分部81は確変図柄大当たりの特別ラウンドと同じ動作をするが、この場合には振分部81が閉鎖位置Bとなる5.37秒の期間に特別ラウンドが終了してしまう。従って、非確変図柄大当たりでは、遊技球が特定領域79aに入賞する可能性が極めて低い。
画像表示部46では、確変図柄大当たりの特別遊技中に図14(a)に示す特別ラウンド表示と、図14(b)に示す特定領域入賞表示(以下、V入賞表示という)とが行なわれる。
図14(a)の「特別ラウンド表示」は、特別ラウンド(第6ラウンド)において遊技球が特定領域79aに入賞する前の様子を示している。画像表示部46の上部にある表示領域100では、複数の「右打ち→」の文字が右方向にスクロールしている。特別遊技中は遊技者が右打ちを行う必要があるので、この「右打ち→」により右打ちを指示する。
画像表示部46の左上の表示領域101には、現在の大当たりラウンド数が表示されるが、ここでは、「Round06」となる。一方、画像表示部46の右上の表示領域102、103には、例えば「00520玉」等の獲得玉数と、例えば「01回目」等の連荘回数が夫々表示される。
また画像表示部46の中央の表示領域104には、第2大入賞装置38の画像と「ここを狙え!」の文字が表示され、特別ラウンド中に遊技者が確実に第2大入賞装置38を狙って遊技球を打ち出すように促す。なお、画像表示部46の右下の表示領域105では、大当たり図柄(装飾図柄)を示す数字が表示されている。
図14(b)の「V入賞表示」は、特別ラウンドで特定領域79aに遊技球が入賞したことにより行われる。画像表示部46の表示領域104には、大きな「Vマーク」と「確変モードGet!!」の文字とが表示され、確変移行の権利が取得されたことを示す表示となっている。
各表示領域101〜103には、図14(a)と同様にラウンド数、獲得玉数、連荘回数が表示される。獲得玉数はリアルタイムでカウントするため、ラウンド中に数字が増加して行く。表示領域105に大当たり図柄が示されているが、小さい「Vマーク」が数字の上に重ねられ、特定領域79aに入賞したことを強調する表示となっている。
非確変図柄大当たりによる特別遊技では、特別ラウンドで特定領域79aに入賞してもV入賞表示は行われない。この場合には、特別遊技の終了後に時短モードに移行する。この場合にV入賞表示を行うと、遊技者は非確変図柄で大当たりしたにも関わらず、V入賞表示が行われることを不自然に感じるためである。
また演出制御基板24は、第6ラウンド(特別ラウンド)以外において(第1〜第5ラウンド、第7〜第13ラウンド、通常遊技状態及び確変遊技状態)において、位置検出センサ83の切り替わり検出(OFFからONへの立ち上がり検出)の有無を監視している。そのため特別ラウンド以外において位置検出センサ83の検出があった場合には、エラー報知を行う。なお、確率変動状態への移行制限、エラー報知の一方でもよい。
演出制御基板24は、第6ラウンド(特別ラウンド)においても、振分部81の開閉指令がないにも拘わらず、位置検出センサ83が振分部81の開放動作を開始した場合には、それを監視するようにしてもよい。なお、演出制御基板24での監視機能が監視手段に相当する。
特別遊技の終了時に設定される各種フラグは図15(a)に示す通りであり、変動パターン詳細は図15(b)に示す通りである。
確変図柄大当たりによる特別遊技の終了後には、遊技球が特定領域79aを通過するV入賞したか否かに拘わらず、普電開放延長状態フラグ、普図時短移行状態フラグ、普図確率変動移行状態フラグ、特図時短移行状態フラグに「5AH」がセットされる。「5AH」はフラグのオンを意味する(図15(a)参照)。
「V入賞あり」の場合には、特図確率変動移行状態フラグに「5AH」がセットされる。一方、「V入賞なし」の場合には、特別遊技の終了後に確率変動モードに移行しないため、特図確率変動移行状態フラグに「00H」がセットされる。「00H」はフラグのオフを意味する。
なお、「V入賞なし」の場合でも、普通電動役物である第2特別図柄始動口36bの開閉部材36cが頻繁に開放する状態となる。従って、普図確率変動移行状態フラグは、V入賞したか否かに関わらず、「5AH」がセットされる。
またV入賞したか否かに関わらず、特図時短回数カウンタに「100」がセットされる。この「100」は、100回の遊技を意味する。特図確率変動回数カウンタは「V入賞あり」の場合のみ「100」がセットされる。
次に変動パターン振分指定番号と特図変動回数カウンタがセットされる。先ず変動パターン振分指定番号に「1」、特図変動回数カウンタ1に「30」がセットされる。これは、100回の確率変動モードのうち30回(1〜30回転)は、演出モードが「確変1」となることを意味する。「確変1」では図柄が高速変動し、リーチ演出はないか、あっても短いものとなる(図15(b)参照)。
その後、変動パターン振分指定番号に「2」、特図変動回数カウンタ2に「60」がセットされる。これは、100回の確率変動モードのうち60回(31〜90回転)は、演出モードが「確変2」となることを意味する。「確変2」では確率変動時の通常図柄変動となり、リーチ演出も様々なパターンが実行される。
その後、変動パターン振分指定番号に「3」、特図変動回数カウンタ3に「9」がセットされる。これは、100回の確率変動モードのうち9回(91〜99回転)は、演出モードが「確変3」となることを意味する。「確変3」では確率変動モードの残り回数をカウントダウンする演出が行われる。
最後に変動パターン振分指定番号に「4」がセットされる。これは、100回の確率変動モードのうち最後の1回(100回転目)は、演出モードが「確変4」となることを意味する。「確変4」では、最終変動用の演出が行われる。なお、図示しないが、確率変動モードが終了して通常モードに戻る場合には、変動パターン振分指定番号に「0」がセットされる。
特図時短回数カウンタ、特図確率変動回数カウンタの値は、変更することができる。例えば、「V入賞あり」の場合、特図時短回数カウンタ及び特図確率変動回数カウンタに共に「150」をセットすると、特別遊技の終了後、150回の確率変動モードに移行する。このとき、演出モード「確変2」の回数を増やして、上記と同様に「確変1」、「確変2」、「確変3」、「確変4」の順に演出モードを移行させることができる。
非確変図柄大当たりによる特別遊技の終了後には、確変図柄大当たりの場合と同様に、遊技球がV入賞したか否かに関わらず、普電開放延長状態フラグ、普図時短移行状態フラグ、普図確率変動移行状態フラグ、特図時短移行状態フラグに「5AH」がセットされる(図15(a)参照)。
また同様に特図確率変動移行状態フラグは、「V入賞なし」のとき「00H」、「V入賞あり」のとき「5AH」がセットされ、V入賞したか否かに関わらず、特図時短回数カウンタに「100」がセットされる。さらに特図確率変動回数カウンタは、「V入賞あり」の場合のみ「100」がセットされる。
次に変動パターン振分指定番号がセットされる。非確変図柄大当たりの特別遊技の終了後は時短モードとなるので、変動パターン振分指定番号に「5」がセットされる。これは、演出モードが「時短」となることを意味し、時短用演出が行われる。時短モードの遊技は100回あり、特別遊技の終了時に特図変動回数カウンタの値をセットしない。
図示しないが、時短モードが終了して通常モードに戻る場合には、変動パターン振分指定番号に「0」がセットされる。また、「V入賞あり」の場合には、特別遊技の終了後の100回転が高確率状態となり(演出モードは、「時短」)、その後、演出モードが「通常」に戻る。
ここでも特図時短回数カウンタ、特図確率変動回数カウンタの値を変更することができる。例えば「V入賞あり」の場合に、特図時短回数カウンタに「100」、特図確率変動回数カウンタに「150」をセットする。このとき特別遊技の終了後、100回の時短モードに移行し、さらに101〜150回転までは、演出モードが「通常」の高確率状態とすることができる。
このパチンコ機1におけるエラー種類は、図16に示す通りである。なお、パチンコ機1には図16に示す以外にも多数のエラーがあるが、その説明は省略する。またエラーの種類の中に正確にはエラーとはいえないが、警告や報知を行う対象となるものが含まれている。
図16の(1)〜(6)のエラーは確変移行判定部54に関するものであり、優先順位の高いエラーとなっている。なお、優先順位はパチンコ機1に複数のエラーが同時に発生した場合に、報知が優先される順位である。
(1)振分装置の動作異常(エラー5)
優先順位が高いエラーとして、「振分部81の動作異常」がある。この振分部81の動作異常とは、第6ラウンド(特別ラウンド)以外、即ち第1〜第5及び第7〜第13ラウンド、通常遊技状態及び確変遊技状態において、振分部81が不正に操作されて位置検出センサ83が振分部81を検出した場合に報知されるエラーである。これは、不正行為により特定領域センサ79bがオンする可能性があるため、エラーとして報知している。
振分部81の動作異常の報知としては、枠装飾LED9、盤面装飾LED27a及びパチンコ機1の背面の異常報知LED97の点灯がある。更に画像表示部46には「エラー5。振分部の動作異常。係員をお呼び下さい。」等が表示され、スピーカ8からは固有の警告音が発せられる。この異常情報は外部端子を経由してホールコンピュータに送信される。
振分部81の動作異常の報知は、演出制御基板24が位置検出センサ83から送信された位置信号を受信したときに開始し、電源を切断するまで継続して行われる。そして、電源を切断すると、動作異常フラグがクリアされ、遊技者は電源復帰後に電源断前の遊技の続きを行うことができるが、確変移行禁止フラグが「1」のままであるため、正当にV入賞しない限り確率変動状態に移行できないようになっている。なお、正当にV入賞すると確変移行禁止フラグが「0」となるとともに確変許可フラグが「1」となり、特別遊技後に確率変動状態に移行する。
(2)第2大入賞装置38の排出過多異常(エラー8)
優先順位が高いエラーとして、「第2大入賞装置38の排出過多異常」がある。この第2大入賞装置38の排出過多異常は、第2大入賞装置38の排出数が入賞数より多い場合(排出数>入賞数)に報知されるエラーである。これは、不正行為により特定領域センサ79bをオンした可能性があるため、エラーとして報知している。
第2大入賞装置38の排出過多異常の報知としては、枠装飾LED9の点灯がある。更に画像表示部46には「エラー8。第2大入賞装置の排出過多異常。係員をお呼び下さい。」等が表示され、スピーカ8からは固有の不正入賞音が発せられる。盤面装飾LED27aが点灯している場合には消灯し、異常情報は外部端子を経由してホールコンピュータに送信される。
第2大入賞装置38の排出過多異常の報知は、演出制御基板24が主制御基板26から送信された排出過多異常検出コマンドを受信したときに開始し、電源を切断するまで継続して行われる。そして、特別遊技中に電源断すると、排出過多異常フラグがクリアされるので、遊技者は、電源復帰後に特別遊技の続きを行うことができる。
(3)第2大入賞装置38の排出異常(エラー9)
次に優先順位が高いエラーとして、「第2大入賞装置38の排出異常」がある。この第2大入賞装置38の排出異常は、残存球排出時間経過時に第2大入賞装置38の入賞数が排出数より多い場合(入賞数>排出数)に報知されるエラーである。入賞数が排出数より多い場合には、複合装置55の内部で遊技球が詰まっている可能性があるため、エラーとして報知している。また入賞数と排出数とが不一致であるため、振分部81が開放位置のまま維持されている。
第2大入賞装置38の排出異常の報知としては、画像表示部46に「エラー9。第2大入賞装置の排出異常。係員をお呼び下さい。」等が表示される。なお、スピーカ8等による報知は、第2大入賞装置38の排出過多異常の場合と同じであるので、詳細は省略する。
第2大入賞装置38の排出異常の報知は、演出制御基板24が主制御基板26から送信される排出異常検出コマンドを受信したときに開始し、入球数と排出数が一致するか電源を切断するまで継続して行われる。そして、電源断すると排出異常フラグがクリアされ、電源復帰を契機として振分部81が閉鎖位置に戻されるので、遊技者は、電源復帰後に特別遊技の続きを行うことができる。
(4)磁気異常(エラー16)
次に優先順位が高いエラーとして、「磁気異常」がある。磁気異常とは、パチンコ機1に磁石等を近づけた場合に、磁気センサ90により検出されるエラーであるが、特に特別ラウンド中(第6ラウンドの第2大入賞装置38開放中及び残存球排出時間中)に検出されたエラーが該当する。磁石等を近づけることによりパチンコ機1の電子機器を誤動作させたり、遊技領域4aを流下する遊技球を何れかの入賞口に誘導したりする等の不正が行われることがある。このため磁気を検出した場合にエラーとして報知している。
磁気異常の報知としては、画像表示部46に「エラー16。磁気センサエラー。係員をお呼び下さい。」等が表示され、スピーカ8からは固有の磁気検出警告音が発せられる。その他の報知については、第2大入賞装置38の排出過多異常の場合と同じであるので、詳細は省略する。
磁気異常の報知は、演出制御基板24が主制御基板26から送信される磁気検出コマンドを受信したときに開始し、電源を切断するまで継続して行われる。
(5)電波異常(エラー17)
次に優先順位が高いエラーとして、「電波異常」がある。この電波異常は、パチンコ機1に対し電波が発せられた場合に、電波センサ93により検出されるエラーであるが、特に特別ラウンド中に検出されたエラーが該当する。パチンコ機1の外部から強い電波を発してパチンコ機1内部のセンサを誤動作させる等の不正が行われることがあるため、そのような電波を検出した場合にエラーとして報知している。
電波異常の報知としては、画像表示部46に「エラー17。電波センサエラー。係員をお呼び下さい。」等が表示され、スピーカ8からは固有の電波検出警告音が発せられる。その他の報知については、第2大入賞装置38の排出過多異常の場合と同じであるので、詳細は省略する。
電波異常の報知は、演出制御基板24が主制御基板26から送信される電波検出コマンドを受信したときに開始し、電源を切断するまで継続して行われる。
(6)振分装置異常(エラー19)
次に優先順位が高いエラーとして、「振分装置異常」がある。この振分装置異常は、確変移行判定部54内にある振分部81の異常であって、この部分に配設された位置検出センサ83により検出される。振分部81が故障等により動作しなかった場合にエラーとして報知している。
振分装置異常の報知としては、画像表示部46に「エラー19。振分装置エラー。係員をお呼び下さい。」等が表示され、スピーカ8からは固有の警告音が発せられる。なお、この異常情報は、外部端子には送信されない。
振分装置異常の報知は、演出制御基板24が位置検出センサ83から送信される位置信号を受信したときに開始し、電源を切断するまで継続して行われる。
(7)磁気異常(エラー6)
次に優先順位が高いエラーとして、「磁気異常」がある。この磁気異常の内容は、(4)「磁気異常」で説明した通りであるが、特に第2大入賞装置38の未作動時の磁気異常がここに属する。
磁気異常の報知としては、枠装飾LED9の点灯がある。また画像表示部46に「エラー6。磁気センサエラー。」等が表示され、スピーカ8からは固有の磁気検出警告音が発せられる。盤面装飾LED27aが点灯している場合には消灯し、異常情報は、外部端子を経由してホールコンピュータに送信される。
磁気異常の報知は、演出制御基板24が主制御基板26から送信される磁気検出コマンドを受信したときに開始する。この報知は、報知開始から30秒が経過して、演出制御基板24が解除コマンドを受信するまで継続して行われる。
(8)電波異常(エラー7)
次に優先順位が高いエラーとして、「電波異常」がある。この電波異常の内容は、(5)「電波異常」で説明した通りであるが、特に、第2大入賞装置38の未作動時の磁気異常がここに属する。
電波異常の報知としては、画像表示部46に「エラー7。電波センサエラー。」等が表示され、スピーカ8からは固有の電波検出警告音が発せられる。その他の報知については、磁気異常の場合と同じであるので、詳細は省略する。また電波異常の報知開始、終了の契機も磁気異常の場合と同じである。
(9)振動異常(エラー18)
次に優先順位が高いエラーとして、「振動異常」がある。この振動異常は、パチンコ機1に対し強い振動が与えられた場合に、振動センサ94により検出されるエラーである。パチンコ機1に強い振動を与えてパチンコ機1内部の電子機器、部品を故障させたり、遊技領域4aを流下する遊技球を強引に入賞させたりする等の不正が行われることがあるため、振動を検出した場合にエラーとして報知している。
振動異常の報知としては、画像表示部46に「エラー18。振動センサエラー。」等が表示され、スピーカ8からは固有の振動検出警告音が発せられる。その他の報知については、磁気異常の場合と同じであるので詳細は省略する。異常情報は外部端子に送信されない。振動異常の報知開始、終了の契機は磁気異常の場合と同じである。
(10)右・左打ち指示
次に優先順位が高いものとして、「右・左打ち指示」がある。以下では、「右打ち指示」を例により説明する。
遊技モードが変化すると、遊技球の発射を「右打ち」に切り替えて遊技を行う状態となる場合がある。右打ち状態中に遊技領域4aの左側にあるスイッチが遊技球を検出すると、指示をしなければ遊技者の持ち球が著しく消費する場合があるので、報知している(正確には、エラーではない)。
右打ち指示としては、画像表示部46に「右打ち→」等が表示され、スピーカ8からは固有の音声(右打ち指示音)として「右打ちして下さい。」等の音声が発せられる。
右打ち指示は、右打ちをする遊技状態に移行したときに開始し、普通図柄始動装置39の普通図柄始動センサ39aが遊技球の通過を検出し、演出制御基板24が解除コマンドを受信するまで継続して行われる。
(11)入賞異常(エラー10)
次に優先順位が高いエラーとして、「入賞異常」がある。この入賞異常は、例えば第1大入賞装置37の第1大入賞口センサ37cにより検出される異常である。第1大入賞口センサ37cに通常より大きな遊技球が挟まった状態となると、その期間、第1大入賞口センサ37cが遊技球の通過信号を出力し続けることがある。そのため、これを異常として報知している。
入賞異常の報知としては、画像表示部46に「入賞口スイッチエラー」等が表示されるのみである。この報知は演出制御基板24が主制御基板26から送信される入賞異常検出コマンドを受信したときに開始する。またこの報知は報知開始から30秒が経過して、演出制御基板24が解除コマンドを受信するまで継続して行われる。
(12)振分け常時オン
次に異常報知の優先順位が高いエラーとして、「振分け常時オン」がある。この振分け常時オンとは、振分部81の位置検出センサ83により検出されるエラーである。例えば第2大入賞装置38の作動時に振分部81が右の開放位置Aから動かなくなった場合には、非確変図柄大当たりであっても、遊技球が特定領域79aを通過してしまうため、エラーとして報知している。
振分け常時オンは、スピーカ8や画像表示部46による報知が行われないが、パチンコ機1の背面に設けられた異常報知LED97を点灯させる。振分け常時オンの報知は、位置検出センサ83から送信された信号を演出制御基板24が受信したときに開始し、電源を切断するまで継続して行われる。
(13)累積2球
次に異常報知の優先順位が高いエラーとして、「累積2球」がある。この累積2球は、非確変図柄大当たりのとき、特定領域センサ79bが累積して2球以上の遊技球を検出した場合にエラーとして報知するものである。なお、非確変図柄大当たりであっても短時間、特定領域79aが開放状態となるので、1球の検出は異常と判定しない。また1日のうちの複数回の特別遊技で累積2球が発生した場合に報知する。
累積2球は、スピーカ8や画像表示部46による報知が行われないが、パチンコ機1の背面に設けられた異常報知LED97を点滅させる。累積2球の報知は、特定領域センサ79bから送信された入球検出信号を主制御基板26が受信したときに開始し、電源断するまで継続して行われる。なお、上記(12)、(13)は、確変移行判定部54に関するものであるが、優先順位の低いエラーとして定義されている。
この実施形態では、遊技盤4に配設され且つ遊技球が入球可能な第2大入賞装置38と、この第2大入賞装置38に入球した遊技球を遊技者にとって有利な特定領域79aに案内する開放位置Aと特定領域79aよりも不利な非特定領域80aに案内する閉鎖位置Bとに変位可能な振分部81と、振分部81の位置を検出する位置検出センサ83とを備え、振分部81が閉鎖位置Bから開放位置Aに移動するに際して、振分部81の開放位置Aに達する前に位置検出センサ83が振分部81の移動を検出し、この位置検出センサ83が振分部81を検出した後に、振分部81が開放位置Aに切り替わる。従って、振分部81を不正に開放位置Aまで移動させて、遊技球を第1通路79の特定領域79aへと通過させるような不正行為を未然に防止できる。
図17、図18は本発明の第2の実施形態を例示する。この振分装置は、遊技球が入球する入球部78aと、遊技者に有利な特定領域79aを構成する第1通路79と、遊技者に不利な非特定領域80aを構成する第2通路80と、第1通路79及び第2通路80間に設けられた待機受け部110と、入球部78aからの遊技球を受けて保持する球保持孔111を有し且つ待機受け部110の上側で第1通路79と第2通路80との間で往復移動自在に配置された振分部81と、球保持孔111が入球部78a及び待機受け部110に対応する待機位置Dと各通路79,80に対応する位置との間で振分部81を往復駆動する振分駆動手段82と、振分部81の開放方向への移動を検出する位置検出センサ83とを備えている。
振分部81は第1通路79、第2通路80の配置方向に長い部材により構成され、中間に球保持孔111が、この球保持孔111の両側に球受け部111a,111bが設けられている。
振分駆動手段82は球保持孔111が待機受け部110に対応する待機位置Dと、球保持孔111が第1通路79に対応し且つ球受け部111aが入球部78a及び待機受け部110に対応する特定領域開放位置A1と、球保持孔111が第2通路80に対応し且つ球受け部111bが待機受け部110に対応する非特定領域開放位置B1との3位置に振分部81を駆動するためもので、往復駆動型のソレノイド82aにより構成され、その可動鉄心82cが連動機構112を介して振分部81に連結されている。
ソレノイド82aには振分部81が待機位置Dに位置するように可動鉄心82cを付勢するバネ(図示省略)を有する。連動機構112は枢軸113a廻りに揺動自在に枢支された揺動アーム113を有し、その一端に振分部81が、他端に可動鉄心82cが夫々連結されている。
位置検出センサ83は第1の実施形態と同様に光透過式のものが使用されており、振分部81が待機位置Dから特定領域開放位置A1へと開放方向に移動するときに、振分部81が第1通路79を開放する前の開放前位置Cに達したときにその振分部81の開放側への移動を検出するようになっている。
第1通路79には特定領域センサ79b、第2通路80には非特定領域センサ80bが夫々設けられ、これらのセンサ79b,80bにより遊技球を検出するようになっている。
この実施形態では、振分部81は通常待機位置Dにあり、球保持孔111が第1通路79と第2通路80との間の待機受け部110上に位置し、球保持孔111が入球部78aと上下に相対応している。振分部81が待機位置Dにある状態で入球部78aに遊技球が入賞すると、その遊技球は振分部81の球保持孔111に入って保持される。
その状態で振分駆動手段82のソレノイド82aに特定領域開放の指令が入ると、ソレノイド82aが特定領域79bの開放方向に励磁し、連動機構112を介して振分部81が特定領域開放位置A1へと移動して、球保持孔111の遊技球を第1通路79である特定領域79aへと振分ける。
またソレノイド82aに非特定領域開放の指令が入ると、ソレノイド82aが非特定領域80aの開放方向に励磁し、連動機構112を介して振分部81が非特定領域開放位置B1へと移動して、球保持孔111の遊技球を第2通路80である非特定領域80aへと振分ける。
振分部81が特定領域開放位置A1又は非特定領域開放位置B1にあるときに入球部78aに遊技球が入球すると、その遊技球は入球部78aの下端部で振分部81の球保持孔111に乗った状態となる。そして、振分部81が待機位置Dに戻ったときに、その遊技球が球保持孔111内に入り、その後、振分部81の同様の動作により第1通路79又は第2通路80へと振分けられて行く。
このような構成の振分装置においても、ピアノ線等の不正部材により振分部81を特定領域開放側へと操作した場合には、その振分部81が特定領域79aを開放する前の開放前位置Cに達した時点で位置検出センサ83が振分部81の特定領域開放側への移動を検出する。従って、第1の実施形態と同様に不正行為による遊技球の特定領域79aへの通過を未然に防止することができる。
図19は本発明の第3の実施形態を例示する。この振分装置では、分岐部84に配置された振分部81が前後方向の支軸115により開放位置Aと閉鎖位置Bとの間で回動自在に枢支されている。振分部81は支軸115から外れた位置に駆動ピン116を有し、その駆動ピン116に振分駆動手段82を構成するソレノイド82aの可動鉄心82c等が直接又は適宜手段を介して連結され、振分駆動手段82の駆動により開放位置Aと閉鎖位置Bとの間で振分部81を支軸115廻りに往復駆動するようになっている。
開放位置Aと閉鎖位置Bとの間には開放前位置Cが設定されており、振分部81の開放動作中に振分部81が開放前位置Cまで到達したときに位置検出センサ83が振分部81を検出するようになっている。位置検出センサ83は発光部83aと受光部83bとを有し、振分部81の検出片88を介して振分部81を検出するようになっている。なお、第1通路79は特定領域79aを構成し、特定領域センサ79bを有する。第2通路80は非特定領域80aを構成し、非特定領域センサ80bを有する。
このように振分部81を支軸115廻り回動させて第1通路79、特定領域79aを開閉するようにした振分装置の場合にも、第1の実施形態と同様に振分部81の不正操作を検出することができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
第1の実施形態では、特別遊技において第2大入賞装置38に入賞した遊技球が特定領域79aを通過することを条件に、その特別遊技の終了後に確率変動状態とする遊技機について例示しているが、特定領域79aへの遊技球の入球により特別遊技が発生する遊技機に採用してもよい。例えば入賞装置内に入球した遊技球が振分部81により特定領域79aに振分らることを条件に遊技者に有利な特別遊技を発生させる遊技機や、特別図柄が特別態様で揃った後に入賞装置内に入球した遊技球が振分部81により特定領域79aに振分けられることを条件に特別遊技となる遊技機等が挙げられる。
第1の実施形態では、位置検出センサ83からの検出信号を演出制御基板24に送信して、演出制御基板24で不正行為の有無を監視するようにしているが、位置検出センサ83からの検出信号を主制御基板26に送信して、主制御基板26で不正行為の有無を監視し、主制御基板26側で不正行為を把握したときに、演出制御基板24を経てエラー表示、その他の報知を行うようにしてもよい。
その場合、例えば主制御基板26は、振分部81の特別ラウンド以外の非正規駆動期間(第1〜第5ラウンド、第7〜第13ラウンド、通常遊技状態及び確変遊技状態)に位置検出センサ83による振分部81の検出の有無を監視しておき、その非正規駆動期間に位置検出センサ83が振分部81を検出したときに、確率変動状態に移行させずに、演出制御基板24を経て画像表示部46等によりエラー報知をするようにしてもよい。この場合にも、振分部81を不正に操作する不正行為を低減できる。
また第1の実施形態では、図4に示すように磁気センサ90及び電波センサ93を備えているが、磁気センサ90及び電波センサ93の何れか一方のみでもよい。
また第1の実施形態では、位置検出センサ83として例えば透過型フォトセンサ(光センサ)を採用しているが、反射型フォトセンサ(光センサ)を採用してもよいし、光センサ以外の種類の非接触式センサ・接触式センサを採用してもよい。
また第1の実施形態では、位置検出センサ83の検出信号の遷移エッジを立ち上がりエッジとしているが、立ち下がりエッジとしてもよい。この立ち下がりエッジとする場合としては、例えば位置検出センサ83を光反射型フォトセンサとする場合が挙げられる。
また第1の実施形態では、第2大入賞装置38に磁気センサ90を備えているが、磁気センサ90に替えて又は磁気センサ90と共に、第2大入賞装置38に電波センサ93を備えるようにしてもよい。この場合には、不正に特定領域センサ79bに発射した電磁波を電波センサ93で検出でき、振分部81を不正に特定領域79aの開放位置に変位させることなく、不正電磁波の照射により特定領域センサ79aを誤検出させる等の不正行為を低減できる。
また第1の実施形態では、第1大入賞装置37、第2大入賞装置38の開閉扉37b,38bの閉状態は、遊技球が入球不可能な状態としているが、開状態よりも入球が困難なものを採用してもよい。また第2特別遊技では、振分部81が閉鎖位置Aにあるときには遊技球が特定領域79aを通過しないようにしているが、振分部81が閉鎖位置Aにあるときには第1特別遊技と比較して遊技球が通過し難くなるようにしてもよい。
また第1の実施形態では、振分装置の前段に第2大入賞装置38を配置しているが、前段に第2大入賞装置38以外の他の入賞装置を配置してもよいし、振分装置を単独で遊技領域4aに配置してもよい。
各実施形態の振分装置は、振分部81が開閉方向に直線的に往復移動するようにしているが、回転運動により遊技球を第1通路79、第2通路80に振分けるようにしてもよい。位置検出センサ83は振分部81が特定領域79aを開放する方向に移動を開始した時点から、振分部81が実際に第1通路79(特定領域79a)を開放する前までの何れかにおいて、振分部81を検出できれば十分であり、その検出位置は振分部81が実際に第1通路79(特定領域79a)を開放する直前位置に設定する必要はない。
従って、位置検出センサ83の検出位置を設定するに当たっては、特定領域閉鎖位置、特定領域開放位置との間に適当な余裕を置いた位置に設定することが望ましい。
またパチンコ機1に限らず、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種の弾球遊技機においても同様に実施することが可能である。