以下、パチンコ遊技機に具体化した一実施形態を図1~図10にしたがって説明する。
図1及び図2に示すように、遊技機としてのパチンコ遊技機10には、遊技盤YBが備えられている。遊技盤YBの前面には枠部材(前枠)Y1が配置されている。遊技盤YBの盤面には、正面視ほぼ円形状の遊技領域YBaが画成されている。遊技領域YBaには、パチンコ遊技機10の前面に配設された発射ハンドルHDを遊技者が操作することによって打ち出された遊技球が流下案内されるようになっている。また、遊技領域YBaのほぼ中央には、画像を表示する画像表示領域GHを有する演出表示装置11が設けられている。演出表示装置11の画像表示領域GHは、例えば液晶ディスプレイ型の表示部である。演出表示装置11では、演出図柄(飾り図柄)を用いた図柄変動ゲームなど、画像を用いた各種の表示演出が表示される。演出表示装置11は、情報を表示する情報表示手段に相当する。なお、以下の説明では図柄変動ゲームを略して変動ゲームと示す場合がある。
また、パチンコ遊技機10には、発光演出を行う装飾ランプLaが設けられている。装飾ランプLaは、パチンコ遊技機10を構成する枠(例えば前枠)や遊技盤YBに配置されている。また、パチンコ遊技機10には、効果音や楽曲などの各種の演出音を出力し、音声演出を行うスピーカ(音出力部)Spが設けられている。スピーカSpは、演出音を出力する音出力手段に相当する。
また、パチンコ遊技機10には、遊技者が操作可能な操作手段として、演出ボタンEBTと、上ボタンUBTと、下ボタンDBTと、左ボタンLBTと、右ボタンRBTと、が設けられている。この実施形態において演出ボタンEBT、上ボタンUBT、下ボタンDBT、左ボタンLBT、及び右ボタンRBTは、遊技球を貯留する貯留皿22の上面に配置されている。演出ボタンEBT、上ボタンUBT、下ボタンDBT、左ボタンLBT、及び右ボタンRBTは、押しボタン式である。この実施形態の演出ボタンEBT、上ボタンUBT、下ボタンDBT、左ボタンLBT、及び右ボタンRBTは、それぞれ1つの操作部を有する。なお、操作部は、遊技者が押圧操作を行う部分である。演出ボタンEBT、上ボタンUBT、下ボタンDBT、左ボタンLBT、及び右ボタンRBTは、所定の操作が可能な操作手段に相当する。
図2に示すように、遊技盤YBの遊技領域YBaには、遊技球が入球可能な複数の入賞口(入球口)が配設されている。入賞口には、第1始動口12と、第2始動口13と、大入賞口14と、を含む。
第1始動口12は、遊技球の入球によって変動ゲームの始動条件が成立し得る入球口である。また、第1始動口12は、遊技球の入球によって賞球の払出条件が成立する入球口である。この実施形態において第1始動口12は、演出表示装置11の下方に位置しており、常時、遊技球を入球させることができるように開口されている。第1始動口12には入球した遊技球を遊技盤YBの裏側に導く図示しない球通路が連設されており、その球通路には第1始動口12に入球した遊技球を検知する手段(図4に示す始動センサ(スイッチ)SE1)が配設されている。
第2始動口13は、遊技球の入球によって変動ゲームの始動条件が成立し得る入球口である。また、第2始動口13は、遊技球の入球によって賞球の払出条件が成立する入球口である。この実施形態において第2始動口13は、第1始動口12の右方に位置している。第2始動口13は、所定条件(普通図柄の当選)が成立していないときには遊技球を入球させることができない、若しくは入球し難いように閉鎖されている。そして、第2始動口13は、所定条件(普通図柄の当選)の成立により、遊技球を入球させることができる、若しくは入球し易いように開放される。第2始動口13は、アクチュエータ(ソレノイドやモータなど)から動力を受けて開放する。この実施形態において第2始動口13を開放させるアクチュエータは、図4に示すアクチュエータAC1である。また、第2始動口13には入球した遊技球を遊技盤YBの裏側に導く図示しない球通路が連設されており、その球通路には第2始動口13に入球した遊技球を検知する手段(図4に示す始動センサ(スイッチ)SE2)が配設されている。この実施形態において第2始動口13は、当該第2始動口13の入球口を開閉させるとともにアクチュエータによって動作する開閉部材を有する始動口である。
大入賞口14は、遊技球の入球によって賞球の払出条件が成立する入球口である。この実施形態において大入賞口14は、演出表示装置11の右下方に位置している。大入賞口14は、所定条件(特別図柄の当選)が成立していないときには遊技球を入球させることができないように閉鎖されている。そして、大入賞口14は、所定条件(特別図柄の当選)の成立により、遊技球を入球させることができるように開放される。大入賞口14は、アクチュエータ(ソレノイドやモータなど)から動力を受けて開放する。この実施形態において大入賞口14を開放させるアクチュエータは、図4に示すアクチュエータAC2である。また、大入賞口14には入球した遊技球を遊技盤YBの裏側に導く図示しない球通路が連設されており、その球通路には大入賞口14に入球した遊技球を検知する手段(図4に示すカウントセンサ(スイッチ)CS)が配設されている。
また、遊技領域YBaには、作動ゲート18が配設されている。この実施形態において作動ゲート18は、遊技領域YBaの右方の領域であって、第2始動口13や大入賞口14の上方に位置している。作動ゲート18には、常時、遊技球を入球させることができるように開放されたゲート口18aが開口されている。ゲート口18aには、入球し、通過する遊技球を検知する手段(図4に示すゲートセンサ(スイッチ)GS)が配設されている。作動ゲート18のゲート口18aは、遊技球の入球によって普通図柄を用いた普通図柄の変動ゲームの始動条件が成立し得る入球口である。第2始動口13は、作動ゲート18へ遊技球が入球することによって行われる普通図柄の当り抽選に当選し、普通図柄の当り図柄が普通図柄の変動ゲームで導出された後、閉鎖状態から開放状態へ動作する。
この実施形態において上記した第1始動口12、第2始動口13、及び大入賞口14は、遊技球の入球によって賞球払出しの対象となる入球装置であり、遊技球の入球によって賞球の払出条件が成立する。一方、作動ゲート18は、遊技球の入球によって賞球払出しの対象となる入球装置ではなく、遊技球が入球しても賞球の払出条件は成立しない。
この実施形態において、遊技者は、発射ハンドルHDの発射強度の強弱を調整することで、左方の領域及び右方の領域に遊技球を打ち分け、第1始動口12、第2始動口13、大入賞口14又は作動ゲート18へ遊技球を入球させることが可能となる。具体的には、発射強度を強めに調整して遊技球を発射させた場合(所謂、右打ち)、遊技球は、右方の領域に流下案内され易く、第2始動口13、大入賞口14又は作動ゲート18へ入球する可能性がある。なお、右打ちは、遊技球を右方の領域へ到達させるために勢いよく発射させる必要があることから、発射強度を最大強度若しくは最大強度よりも若干弱い強度で調整して行う。
一方、発射強度を弱めに調整して遊技球を発射させた場合(所謂、左打ち)、遊技球は、左方の領域に流下案内され易く、第1始動口12へ入球する可能性がある。また、左打ちは、右打ちのときほど遊技球を勢いよく発射させる必要がないので、発射させた遊技球が右方の領域へ到達しない程度の強度に調整して行う。この実施形態では、右打ちのとき、第1始動口12に遊技球が入球し得ないよう、遊技釘などの遊技部品によって遊技球の流路が形成されている。なお、遊技部品は、右打ちを行ったときには第1始動口12への入球を規制するように配置されていてもよいし、左打ちを行ったときに比べて第1始動口12へ入球し難い(入球する確率を極めて低くする)ように配置されていてもよい。
この実施形態において「左方の領域」とは、遊技盤YBを正面視したときに遊技領域YBaを左右に二等分する中心線Cよりも左側に位置する領域である。また、この実施形態において「右方の領域」とは、遊技盤YBを正面視したときに前記中心線Cよりも右側に位置する領域である。パチンコ遊技機10において発射ハンドルHDの操作によって発射された遊技球は、遊技盤YBを正面視したときの左側に位置する打出通路19で案内され、その打出通路19の最下流に位置する逆戻り防止弁20を通過して遊技領域YBaに到達される。このため、「左方の領域」とは打出通路19寄りの領域でもあり、その逆に「右方の領域」とは打出通路19から離れた領域でもある。そして、左方の領域を流下案内される遊技球は、遊技領域YBaに位置する演出表示装置11の左側をとおり、遊技領域YBaの最下方に位置するアウト口21へ向かう。また、右方の領域を流下案内される遊技球は、遊技領域YBaに位置する演出表示装置11の右側をとおり、前記アウト口21へ向かう。
また、図3に示すように、遊技盤YBには、可動体Kが設けられている。可動体Kは、原位置P1から可動到達位置P2まで動作可能に構成されている。すなわち、可動体Kは、原位置P1及び可動到達位置P2に動作可能な可動体である。可動体Kは、演出アクチュエータEA(図4に示す)から動力を受けて動作する。可動体Kは、演出表示装置11の前方に設けられている。可動体Kの原位置P1は、演出表示装置11の上方である。可動体Kが原位置P1に位置するとき、可動体Kは、正面視において演出表示装置11と被らないようになっている。可動体Kの可動到達位置P2は、演出表示装置11の下方である。可動体Kが可動到達位置P2に位置するとき、可動体Kは、正面視において演出表示装置11と被らないようになっている。この実施形態において、可動体Kが原位置P1から可動到達位置P2まで動作するとき、可動体Kの一部は、正面視において演出表示装置11の一部と被るようになっている。このとき、可動体Kは、正面視において演出表示装置11を横断するかたちで演出表示装置11と被るようになっている。すなわち、この実施形態において、左右方向における可動体Kの長さは、左右方向における演出表示装置11の長さよりも長い。この実施形態では、可動体K、装飾ランプLa、スピーカSp、及び演出表示装置11によって演出実行装置群が構成され、演出実行装置群が演出実行手段に対応する。
また、遊技盤YBには、図4に示す、特別図柄表示装置23a,23b、保留表示装置24a,24b、及び普通図柄表示装置25が配設されている。これらの表示装置は、パチンコ遊技機10を正面視した場合に遊技者が視認可能な遊技盤YBの部位に位置している。例えば、これらの表示装置は、遊技盤YBの遊技領域に配設されている飾り部材や、遊技盤YBのコーナー飾り部材などに配設されている。
特別図柄表示装置23a,23bは、特別図柄を用いた変動ゲームを行い、当該変動ゲームにおいて大当り抽選の抽選結果に応じた特別図柄が導出される。特別図柄表示装置23aは第1特別図柄の変動ゲームを行う表示装置であり、特別図柄表示装置23bは第2特別図柄の変動ゲームを行う表示装置である。第1特別図柄と第2特別図柄では、始動条件の成立を契機に大当り抽選が行われるが、その大当り抽選に当選する確率は同一確率である。なお、第1特別図柄と第2特別図柄では、大当り抽選に当選した場合に決定される大当りの種類や同一種類の大当りの決定割合を異ならせることにより、大当り抽選に当選した際の有利度(例えば、賞球の多少、入球率向上状態の付与期間など)を異ならせてもよい。以下の説明では、第1特別図柄の変動ゲームと、第2特別図柄の変動ゲームとを区別しない場合には、単に特別図柄の変動ゲームと示す場合がある。
始動条件が成立した場合には、大当り抽選の抽選結果を導出するために特別図柄表示装置23a又は特別図柄表示装置23bで特別図柄の変動ゲームが行われるとともに、当該変動ゲームで導出される特別図柄に応じた結果を導出する変動ゲームが演出表示装置11においても演出図柄を用いて行われる。
特別図柄表示装置23a,23bは、発光体を備えた表示装置である。特別図柄の変動ゲームでは、表示装置を構成する発光体を任意に組み合わせたものが特別図柄として導出される。特別図柄には、大当り抽選に当選した場合に導出される大当り図柄と大当り抽選に当選しなかった場合に導出されるはずれ図柄とを含む。この実施形態において、大当り図柄には、通常大当り図柄と、特定大当り図柄と、がある。
この実施形態では、大当り抽選に当選し、特別図柄の変動ゲームにおいて大当り図柄が導出された後、導出された大当り図柄の種類に応じた大当り遊技が生起される。大当り遊技は、大入賞口14への遊技球の入球を許容するラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。大当り遊技が生起される場合、最初のラウンド遊技が開始する前にオープニング時間が設定され、そのオープニング時間中には大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。また、大当り遊技が生起される場合、最終のラウンド遊技が終了するとエンディング時間が設定され、そのエンディング時間中には大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われる。
保留表示装置24aは実行が保留されている第1特別図柄の変動ゲームの数(始動保留数)を表示する表示装置であり、保留表示装置24bは実行が保留されている第2特別図柄の変動ゲームの数(始動保留数)を表示する表示装置である。普通図柄表示装置25は普通図柄を用いた普通図柄の変動ゲームを行い、当該普通図柄の変動ゲームにおいて普通図柄の当り抽選の抽選結果に応じた普通図柄が導出される。
次に、この実施形態のパチンコ遊技機10の遊技状態について説明する。
この実施形態のパチンコ遊技機10は、確率変動機能を備えている。確率変動機能は、大当り抽選の当選確率を低確率(通常確率)から高確率に変動させる確率変動状態(以下、「確変状態」と示す)を付与することができる機能である。確変状態は、大当り抽選の当選確率が低確率である非確率変動状態(以下、「非確変状態」と示す)に比して、大当り抽選に当選し易く、遊技者にとって有利な遊技状態である。確変状態は、例えば、次回、大当り抽選に当選するまで付与される。
また、この実施形態のパチンコ遊技機10は、入球率向上機能を備えている。入球率向上機能は、所定の入球口としての第2始動口13への単位時間あたりの遊技球の入球率が向上される入球率向上状態を付与することができる機能である。入球率向上状態は、所謂「電サポ状態」、「高ベース状態」である。なお、以下の説明では、入球率向上状態が付与されていない状態を「非入球率向上状態」と示す場合がある。非入球率向上状態は、所謂「非電サポ状態」、「低ベース状態」である。
入球率向上状態は、例えば次に示す4つの制御のうち任意に選択された1の制御を実行すること、又は複数の制御を組み合わせて実行すること、により実現できる。第1の制御は、普通図柄の変動ゲームの変動時間を、非入球率向上状態のときよりも短くする普通図柄の変動時間短縮制御である。第2の制御は、普通図柄の当り抽選に当選する確率(普通当り確率)を、非入球率向上状態のときよりも高確率に変動させる普通図柄の確率変動制御である。第3の制御は、普通図柄の当り抽選に当選したことに基づく第2始動口13の合計開放時間を、非入球率向上状態のときよりも長くする開放時間延長制御である。なお、開放時間延長制御としては、普通図柄の当り抽選に当選したことに基づく第2始動口13の開放回数を、非入球率向上状態のときよりも多くする制御、及び普通図柄の当り抽選に当選したことに基づく第2始動口13の1回の開放時間を非入球率向上状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方の制御を実行するとよい。第4の制御は、特別図柄の変動ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)を、非入球率向上状態のときよりも短くなり易くする特別図柄の変動時間短縮制御である。特別図柄の変動時間短縮制御を実行する場合、入球率向上状態は、所謂「変動時間短縮状態」となる。
入球率向上状態は、例えば、次回、大当り抽選に当選するまで、又は入球率向上状態が付与されてから規定上限回数(例えば100回)の特別図柄の変動ゲームが実行されるまで、若しくは規定上限回数に達する前に大当り抽選に当選するまで付与される。なお、第1特別図柄と第2特別図柄を用いるパチンコ遊技機10の場合、規定上限回数は第1特別図柄の変動ゲームと第2特別図柄の変動ゲームとの合算回数である。
以下の説明では、非確変状態、且つ、非入球率向上状態である遊技状態を「低確時短なし」と示し、非確変状態、且つ、入球率向上状態である遊技状態を「低確時短あり」と示し、確変状態、且つ、入球率向上状態である遊技状態を「高確時短あり」と示す場合がある。なお、この実施形態のパチンコ遊技機10は、確変状態、且つ、非入球率向上状態である遊技状態を備えない。
パチンコ遊技機10では、大当り遊技の終了後、大当り図柄の種類に応じた遊技状態が付与される。具体的に、通常大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後には、規定上限回数の特別図柄の変動ゲームが終了するか、次回の大当り遊技が付与されるまでの間にわたって、低確時短ありの遊技状態が付与される。一方、特定大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後には、次回の大当り遊技が付与されるまでの間にわたって、高確時短ありの遊技状態が付与される。上述したように、低確時短なしは、確変機能が作動しない一方、入球補助機能及び時短機能が作動する遊技状態である。また、高確時短ありは、確変機能、入球補助機能、及び時短機能が全て作動する遊技状態である。すなわち、高確時短ありは、確変機能が作動するため、確変機能が作動しない低確時短なしの遊技状態に比して遊技者に有利な遊技状態である。このため、この実施形態において、特定大当り図柄は、通常大当り図柄よりも遊技者にとって有利な大当り図柄である。
パチンコ遊技機10には、図4に示す、主制御基板30、及び副制御基板31を含む各種基板が搭載されている。
主制御基板30は、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aの制御プログラムなどを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cと、を有する。また、主制御基板30は、乱数生成回路30dを有する。
主制御用CPU30aは、各種センサSE1,SE2,CS,GSの検知信号を入力するようになっている。また、主制御用CPU30aは、各種表示装置(特別図柄表示装置23a,23b、保留表示装置24a,24b、普通図柄表示装置25など)の表示内容を制御するとともに、各アクチュエータAC1,AC2の動作を制御する。
主制御用ROM30bに格納されている情報には、遊技に関する処理を実行するためのメイン制御プログラム、特別図柄の変動パターン(メイン変動パターン)を特定する情報や、各種の判定値などがある。メイン変動パターンは、特別図柄が変動を開始してから特別図柄が導出される迄の間の変動時間(演出時間)を特定可能である。メイン変動パターンは、大当り変動用のメイン変動パターンと、はずれ変動用のメイン変動パターンとに分類可能である。大当り変動は、大当り抽選に当選した場合に行われる演出であって、特別図柄の変動ゲームにおいては最終的に大当り図柄が導出される。はずれ変動は、大当り抽選に当選しなかった場合に行われる演出であって、特別図柄の変動ゲームにおいては最終的にはずれ図柄が導出される。また、各種の判定値には、大当り抽選に用いる大当り判定値、普通図柄の当り抽選に用いる普通当り判定値などを含む。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ、始動保留数など)が記憶される。
主制御用CPU30aは、各種ソフトウェア乱数の値を所定の制御周期(割込み周期)毎に更新し、主制御用RAM30cに記憶させる乱数更新処理(ソフトウェア乱数生成処理)を実行する。ソフトウェア乱数には、特別図柄の大当り図柄を決定するときに用いる大当り図柄乱数、メイン変動パターンを振り分けるときに用いるメイン変動パターン振分乱数などを含む。乱数生成回路30dは、マイクロプロセッサに搭載された図示しないクロック回路から供給される内部システムクロック(例えば10MHz)の1周期毎に値を1更新することにより、ハードウェア乱数を生成する。ハードウェア乱数は、特別図柄の大当り抽選に用いる大当り乱数、普通図柄の当り抽選に用いる普通当り乱数などがある。
副制御基板31は、主制御基板30から一方向で制御情報が出力されるように主制御基板30と電気的に接続されている。副制御基板31は、制御動作を所定の手順で実行することができる副制御用CPU31aと、副制御用CPU31aの制御プログラムを格納する副制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる副制御用RAM31cと、を有する。
副制御基板31の副制御用CPU31aは、主制御基板30から出力される制御情報をもとに当該制御情報に応じた制御を行う。例えば、主制御用CPU30aは、特別図柄の変動ゲームを開始させる場合、特別図柄表示装置23a,23bの表示内容の制御に加えて、変動ゲームの開始を指示する制御情報を副制御用CPU31aに送信する。当該制御情報を受信した副制御用CPU31aは、演出表示装置11において演出図柄の変動ゲームを行わせるように表示内容を制御する。また、副制御用CPU31aは、パチンコ遊技機10の枠や遊技盤YBに設けられた各種の装飾ランプLaの点灯/非点灯の制御や、スピーカSpの音声出力の制御を行う。これらの装飾ランプLaやスピーカSpによる演出は、演出図柄の変動ゲームに合わせて行われたり、待機状態に制御されているときなどに行われたりする。副制御用CPU31aは、演出実行装置群を制御する演出制御手段に相当する。また、副制御用CPU31aは、演出表示装置11を制御する表示制御手段に相当する。
また、副制御基板31には、演出ボタンEBT、上ボタンUBT、下ボタンDBT、左ボタンLBT、及び右ボタンRBTの操作信号がそれぞれ入力されるようになっている。演出ボタンEBT、上ボタンUBT、下ボタンDBT、左ボタンLBT、及び右ボタンRBTには操作状態を検出する図示しない検出部がそれぞれ内蔵されている。各検知部は、対応するボタンが押下操作されると、対応するボタンが操作されたことを特定可能とした操作信号を出力する。各検知部は、電気信号を出力可能とした例えば近接センサや接点式スイッチである。また、操作信号はON/OFFからなる2値の信号である。
また、副制御基板31には、演出アクチュエータEAが接続されている。副制御用CPU31aは、演出アクチュエータEAの動作を制御可能に構成されている。上述したように、演出アクチュエータEAは、可動体Kの動力源である。副制御用CPU31aは、演出アクチュエータEAの動作を制御することで、可動体Kの動作を制御可能である。副制御用CPU31aは、可動体Kを制御する可動体制御手段に相当する。
次に、主制御基板30の主制御用CPU30aが、遊技を制御するために行う処理(通常処理)について説明する。
最初にまず、各種センサSE1,SE2,CS,GSからの遊技球の検知信号の入力に関する処理(入力処理(受信処理))について説明する。
主制御用CPU30aは、第1始動口12への入球によって始動センサSE1からの検知信号を入力している場合、第1特別図柄の始動保留数が上限数(この実施形態では4)未満であるかを判定する。主制御用CPU30aは、第1特別図柄の始動保留数が上限数未満である場合、新たに第1特別図柄の変動ゲームの実行を保留する。その後、主制御用CPU30aは、第1特別図柄の始動保留数を1加算して書き換えるとともに、加算後の始動保留数を表示させるように保留表示装置24aを制御する。この実施形態において、第1特別図柄の変動ゲームの保留条件は、第1特別図柄の始動保留数が上限数未満であるときに遊技球が始動センサSE1によって検知されると成立する。
また、主制御用CPU30aは、第2始動口13への入球によって始動センサSE2からの検知信号を入力している場合、第2特別図柄の始動保留数が上限数(この実施形態では4)未満であるかを判定する。主制御用CPU30aは、第2特別図柄の始動保留数が上限数未満である場合、新たに第2特別図柄の変動ゲームの実行を保留する。その後、主制御用CPU30aは、第2特別図柄の始動保留数を1加算して書き換えるとともに、加算後の始動保留数を表示させるように保留表示装置24bを制御する。この実施形態において、第2特別図柄の変動ゲームの保留条件は、第2特別図柄の始動保留数が上限数未満であるときに遊技球が始動センサSE2によって検知されると成立する。
なお、主制御用CPU30aは、始動保留数が上限数に達している場合、始動保留数を加算しない。一方、主制御用CPU30aは、始動保留数を加算した場合、加算後の始動保留数を特定可能な制御情報(保留指定コマンドなど)を副制御基板31に出力する。始動保留数を特定可能な制御情報を入力した副制御用CPU31aは、演出表示装置11に当該情報から特定可能な始動保留数を示す画像を表示させる。
また、主制御用CPU30aは、始動保留数の上限数未満で遊技球が入球した場合、その入球を契機に各種乱数の値を取得するとともに、当該取得した各種乱数の値を特定可能な乱数情報を、主制御用RAM30cに記憶させる。乱数情報は、乱数の値によって構成されていてもよいし、乱数の値を、当該値を特定可能な他の情報に変換した情報によって構成されていてもよい。また、主制御用CPU30aは、乱数情報を記憶させる場合、その乱数の値の取得契機となった遊技球の入球順序(情報の記憶順序)と、先に入球した遊技球の入球順序(情報の記憶順序)とを特定可能なように主制御用RAM30cに記憶させる。なお、主制御用CPU30aは、乱数の値を取得する場合、大当り乱数の値を乱数生成回路30dから取得し、大当り図柄乱数の値やメイン変動パターン振分乱数の値を主制御用RAM30cから取得する。
主制御用CPU30aは、新たに乱数情報を記憶させると、取得した乱数をもとに新たに実行が保留された特別図柄の変動ゲームの内容を特定可能な制御コマンド(以下、「先読みコマンド」と示す)を生成し、副制御基板31に出力する。この実施形態において、先読みコマンドによって特定可能な特別図柄の変動ゲームの内容は、新たに実行が保留された特別図柄の変動ゲームが大当りとなるか否かである。
具体的に、主制御用CPU30aは、新たに取得した大当り乱数の値が、大当り抽選において大当りに当選する値であるか否かを事前に判定する。その後、主制御用CPU30aは、判定結果に基づいて、大当り抽選の結果を特定可能となるように先読みコマンドを生成する。大当り抽選は、始動条件が成立した特別図柄の変動ゲームが大当りとなるか否かを判定する際に実行される抽選である。なお、先読みコマンドは、新たに実行が保留された特別図柄の変動ゲームの開始に際して決定されるメイン変動パターンの種類を特定可能な制御コマンドであってもよい。
また、主制御用CPU30aは、ゲートセンサGSからの検知信号を入力した場合の処理において、作動ゲート18を遊技球が通過したことを特定可能なゲート通過コマンドを副制御基板31に出力する。また、主制御用CPU30aは、ゲートセンサGSからの検知信号を入力した場合の処理において、普通保留数(普図ゲームの数)を記憶する処理や普通当り抽選などに用いる各種乱数を取得する処理を行う。普通保留数は、第1特別図柄及び第2特別図柄の各始動保留数と同様に上限数(この実施形態では4)が定められている。このため、主制御用CPU30aは、普通保留数が上限数未満である場合、普通保留数を1加算して書き換えるとともに、加算後の普通保留数を表示させるように図示しない普通図柄保留表示装置を制御する。
また、主制御用CPU30aは、始動センサSE1,SE2及びカウントセンサCSからの検知信号を入力した場合の処理において、所定個数の賞球を払出すための賞球処理を行う。賞球処理では、パチンコ遊技機10が備える図示しない払出制御基板に出力する払出指定コマンド(払出信号)を生成して、出力する。払出指定コマンドを入力した払出制御基板は、パチンコ遊技機10が備える図示しない球払出装置を作動させて、所定個数の遊技球を賞球として払出す。
次に、大当り抽選の抽選結果を導出させる特別図柄の変動ゲームの実行に関する処理(特図変動処理)について説明する。なお、主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば4ms)毎に特図変動処理を実行する。
特図変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄の変動ゲームの開始条件が成立したかを判定する。この判定において主制御用CPU30aは、特別図柄の変動ゲームの実行中ではなく、且つ大当り遊技中ではない場合に開始条件が成立したと判定する一方で、特別図柄の変動ゲームの実行中、又は大当り遊技中である場合に開始条件が成立していないと判定する。そして、主制御用CPU30aは、開始条件が成立していない場合、特図変動処理を終了する。
主制御用CPU30aは、前述した開始条件が成立している場合、第2特別図柄の始動保留数を読み出し、その読み出した始動保留数が零よりも大きいかを判定する。そして、第2特別図柄の始動保留数が零よりも大きい場合、主制御用CPU30aは、第2特別図柄の変動ゲームを開始させるように所定の処理を行う。一方、主制御用CPU30aは、第2特別図柄の始動保留数が零の場合、第1特別図柄の始動保留数を読み出し、その読み出した始動保留数が零よりも大きいかを判定する。そして、第1特別図柄の始動保留数が零よりも大きい場合、主制御用CPU30aは、第1特別図柄の変動ゲームを開始させるように所定の処理を行う。
この実施形態のパチンコ遊技機10は、第1特別図柄の変動ゲームと第2特別図柄の変動ゲームとを同時に実行させず、第2特別図柄の変動ゲームを優先的に実行させる仕様である。この実施形態において、第2特別図柄の変動ゲームの始動条件は、特別図柄の変動ゲームの開始条件が成立しており、且つ、第2特別図柄の始動保留数が零よりも大きいときに成立する。また、第1特別図柄の変動ゲームの始動条件は、特別図柄の変動ゲームの開始条件が成立しており、且つ、第2特別図柄の始動保留数が零である場合であって、第1特別図柄の始動保留数が零よりも大きいときに成立する。なお、第1特別図柄の始動保留数と第2特別図柄の始動保留数の何れもが零の場合、主制御用CPU30aは、待機状態へと制御するとともに、待機状態であることを特定可能な制御情報(以下、待機コマンドと示す)を副制御基板31に出力する。
第2特別図柄の変動ゲームを開始させる場合、主制御用CPU30aは、第2特別図柄の始動保留数を1減算して書き換えるとともに、減算後の始動保留数を表示させるように保留表示装置24bを制御する。また、主制御用CPU30aは、始動保留数を減算した場合、減算後の始動保留数を特定可能な制御情報(保留指定コマンドなど)を副制御基板31に出力する。
次に、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を取得する。
乱数情報を取得した主制御用CPU30aは、大当り乱数の値と大当り判定値とを比較し、大当り抽選を行う。大当り抽選において主制御用CPU30aは、遊技状態を特定可能な情報をもとに大当り抽選時(すなわち、特図変動処理の実行時)が確変状態であるか、非確変状態であるかを判定し、その判定結果をもとに異なる当選確率で大当り抽選を行う。この実施形態では、大当り抽選を行う主制御用CPU30aを有する主制御基板30によって、大当りを判定する大当り判定処理が実行される。
大当り抽選において主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cから取得した大当り乱数の値が大当り判定値と一致するかを判定する。そして、大当り乱数の値と大当り判定値とが一致した場合には、大当り抽選に当選する。大当り抽選に当選した場合、主制御用CPU30aは、大当り処理を行う。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、取得した乱数情報から特定される大当り図柄乱数の値に基づき、特別図柄の大当り図柄を決定する。この決定した大当り図柄が、特別図柄の変動ゲームで導出される確定停止図柄となる。なお、特別図柄の大当り図柄は、大当りの種類に対応付けられている。このため、大当り図柄を決定することは大当りの種類を決定することになる。
また、主制御用CPU30aは、取得した乱数情報から特定されるメイン変動パターン振分乱数の値に基づき、大当りに当選した場合に選択可能な大当り変動用のメイン変動パターンの中からメイン変動パターンを決定する。
また、主制御用CPU30aは、大当り抽選に当選しなかった場合、はずれ処理を行う。はずれ処理において主制御用CPU30aは、特別図柄のはずれ図柄を決定する。この決定したはずれ図柄が、特別図柄の変動ゲームで導出される確定停止図柄となる。また、主制御用CPU30aは、取得した乱数情報から特定されるメイン変動パターン振分乱数の値に基づき、はずれ変動用のメイン変動パターンを決定する。はずれ変動用のメイン変動パターンを決定する場合、主制御用CPU30aは、リーチありのメイン変動パターン又はリーチなしのメイン変動パターンの何れかを決定する。
なお、主制御用CPU30aは、第1特別図柄の変動ゲームを開始させる場合、前述した第2特別図柄の制御と同様の制御を第1特別図柄を対象にして行う。つまり、主制御用CPU30aは、第1特別図柄の始動保留数の減算、大当り抽選、大当り抽選の結果に基づく大当り処理又ははずれ処理を行う。
また、主制御用CPU30aは、特別図柄の変動ゲームの実行に関する処理として、前述した処理の結果をもとに、副制御基板31の副制御用CPU31aに遊技演出の制御を指示する制御情報を生成する処理を行う。当該処理で生成された各種の制御情報は、主制御用CPU30aが行うコマンド出力処理によって所定タイミングで副制御用CPU31aに出力される。
主制御用CPU30aは、特別図柄の変動ゲームを開始させる場合、制御情報として変動ゲームを開始させることを特定可能な変動開始コマンドを生成する。変動開始コマンドには、前述した大当り処理又ははずれ処理において決定したメイン変動パターンを特定可能な情報も含む。また、主制御用CPU30aは、特別図柄の変動ゲームを開始させる場合、制御情報として特別図柄を特定可能な特図コマンドを生成する。特別図柄の大当り図柄は、大当りの種類と対応していることから、特図コマンドによって大当りの種類を特定可能である。このため、特図コマンドは、当否を特定可能な制御情報でもあり、また大当りの種類を特定可能な制御情報でもある。
また、主制御用CPU30aは、特別図柄の変動ゲームを開始させてからの経過時間が所定の変動時間(メイン変動パターンに定められている時間)に達した場合、制御情報として特別図柄の変動ゲームを終了させることを特定可能な変動停止コマンドを生成する。なお、主制御用CPU30aは、特別図柄の変動ゲームを開始させる場合、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動を開始させるように特別図柄表示装置23a又は特別図柄表示装置23bの表示内容を制御するとともに、変動時間の計測を開始する。そして、主制御用CPU30aは、決定したメイン変動パターンに定められている変動時間の経過時に、決定している特別図柄を導出させるように特別図柄表示装置23a又は特別図柄表示装置23bの表示内容を制御する。
次に、大当り抽選に当選したことによって行われる大当り遊技の進行に関する処理について説明する。
この実施形態の大当り遊技は、大当り遊技の開始に伴うオープニングと、大入賞口14を開放させるラウンド遊技と、大当り遊技の終了に伴うエンディングと、から構成されている。つまり、大当り遊技は、オープニング→ラウンド遊技→エンディングというように段階的に進行する。そして、主制御用CPU30aは、大当り遊技の進行に関する処理として、副制御基板31の副制御用CPU31aに遊技演出の制御を指示する制御情報(制御コマンド)を生成する大当り情報生成処理と、大入賞口を開放及び閉鎖させる大当り遊技制御処理を行う。大当り情報生成処理において、主制御用CPU30aは、オープニングの開始に伴って、オープニングの開始を特定可能なオープニングコマンドを生成し、副制御基板31に出力する。また、大当り情報生成処理において、主制御用CPU30aは、各ラウンド遊技の開始に伴って、各ラウンド遊技の開始を特定可能なラウンドコマンドを生成し、副制御基板31に出力する。また、大当り情報生成処理において、主制御用CPU30aは、エンディングの開始に伴って、エンディングの開始を特定可能なエンディングコマンドを生成し、副制御基板31に出力する。大当り情報生成処理で生成された各種の制御情報は、主制御用CPU30aが行うコマンド出力処理によって所定タイミングで副制御用CPU31aに出力される。
次に、遊技状態に関する処理について説明する。
この処理において主制御用CPU30aは、制御情報として遊技状態を特定可能な制御情報を生成し、副制御基板31に出力する。
主制御用CPU30aは、遊技状態を低確時短なしとする場合、遊技状態が低確時短なしであることを特定可能な状態指定コマンドとして状態1指定コマンドを生成する。また、主制御用CPU30aは、遊技状態を低確時短ありとする場合、遊技状態が低確時短ありであることを特定可能な状態指定コマンドとして状態2指定コマンドを生成する。また、主制御用CPU30aは、遊技状態を高確時短ありとする場合、遊技状態が高確時短ありであることを特定可能な状態指定コマンドとして状態3指定コマンドを生成する。また、主制御用CPU30aは、入球率向上状態の付与期間を変動回数で管理する場合、実行された特別図柄の変動ゲームの回数をカウントし、入球率向上状態の終了条件が成立したときに入球率向上状態の終了を特定可能な状態指定コマンドとして終了コマンドを生成する。
この実施形態において、生成された状態指定コマンドは、電源投入時(復電時)、及び遊技状態の変遷時に、副制御用CPU31aに出力される。例えば、大当り遊技終了後の遊技状態を高確時短ありとする場合、大当り遊技の終了に伴って状態3指定コマンドが副制御用CPU31aに出力される。なお、状態指定コマンドは、例示した制御情報に限らず、副制御用CPU31aに認識させる必要のある遊技状態毎に設定されていてもよい。
次に、普通当り抽選の抽選結果を導出させる普通図柄の変動ゲームの実行に関する処理(普図変動処理)について説明する。
普図変動処理において主制御用CPU30aは、普通図柄の変動ゲームの開始条件が成立したかを判定する。この判定において主制御用CPU30aは、普通図柄の変動ゲームの実行中ではなく、且つ普通図柄の当り遊技中ではない場合に開始条件が成立したと判定する一方、普通図柄の変動ゲームの実行中、又は普通図柄の当り遊技中である場合に開始条件が成立していないと判定する。そして、主制御用CPU30aは、開始条件が成立していない場合、普図変動処理を終了する。
主制御用CPU30aは、前述した開始条件が成立している場合、普通保留数を読み出し、その読み出した普通保留数が零よりも大きいかを判定する。そして、普通保留数が零よりも大きい場合、主制御用CPU30aは、普通図柄の変動ゲームを開始させるように所定の処理を行う。一方、主制御用CPU30aは、普通保留数が零の場合、普図変動処理を終了する。
普通図柄の変動ゲームを開始させる場合、主制御用CPU30aは、普通保留数を1減算して書き換える。そして、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている乱数情報(普通当り乱数)のうち、最先に記憶された乱数情報を取得する。そして、主制御用CPU30aは、取得した乱数情報から特定される普通当り乱数の値と普通当り判定値とを比較し、普通当り抽選を行う。この実施形態のパチンコ遊技機10は、入球率向上機能を備えている。このため、入球率向上状態において普通図柄の確率変動制御を実行するように構成する場合、普通当り抽選において主制御用CPU30aは、普通当り抽選時が入球率向上状態であるか、非入球率向上状態であるかによって異なる当選確率で普通当り抽選を行う。
この実施形態では、非入球率向上状態時の当選確率を零(普通当りなし)としており、入球率向上状態時の当選確率を100%(はずれなし)としている。なお、普通当り抽選の当選確率は、普通当り乱数の取り得る数値に対して普通当りに当選する値(普通当り判定値)の個数の割合によって規定できる。
普図変動処理の説明に戻り、普通当り抽選において主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cから取得した普通当り乱数の値が普通当り判定値と一致するかを判定する。そして、普通当り乱数の値と普通当り判定値とが一致した場合には、普通当り抽選に当選する。普通当り抽選に当選した場合、主制御用CPU30aは、普通当り処理を行う。普通当り処理において主制御用CPU30aは、普通図柄の当り図柄を決定するとともに、普通図柄の変動ゲームの変動時間を特定可能な普通図柄の変動パターンを決定する。この決定した普通図柄の当り図柄が、普通図柄の変動ゲームで導出される確定停止図柄となる。一方、主制御用CPU30aは、普通当り抽選に当選しなかった場合、普通はずれ処理を行う。普通はずれ処理において主制御用CPU30aは、普通図柄のはずれ図柄を決定するとともに、普通図柄の変動パターンを決定する。この決定した普通図柄のはずれ図柄が、普通図柄の変動ゲームで導出される確定停止図柄となる。
そして、主制御用CPU30aは、普通当り抽選の抽選結果をもとに行う普通当り処理又は普通はずれ処理での決定結果にしたがい、普通図柄表示装置25で普通図柄の変動ゲームを実行させるとともに、変動時間の経過後に普通図柄の当り図柄又は普通図柄のはずれ図柄を導出させる。また、主制御用CPU30aは、普通当り抽選に当選している場合、普通図柄の変動ゲームの終了後、普通当り遊技を生起させる。普通当り遊技では、第2始動口13を所定の開放パターンで開放させることにより、遊技球の入球を許容する許容状態を取り得るように制御する。
次に、演出制御プログラムに基づいて、副制御基板31の副制御用CPU31aが実行する各種処理について説明する。副制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから制御情報を入力すると、その制御情報に応じて各種処理を実行する。
最初に、演出図柄変動処理について説明する。
演出図柄変動処理において、副制御用CPU31aは、特図コマンドを受信すると、特図コマンドにより指定された特別図柄に基づき、演出図柄の変動ゲームで導出させる演出図柄の組み合わせを決定する。なお、以下の説明では、演出図柄の組み合わせを略して図柄組み合わせと示す。
副制御用CPU31aは、特別図柄の大当り図柄が指定された場合には、当該特別図柄の大当り図柄の種類に応じた大当りの図柄組み合わせを決定する。また、副制御用CPU31aは、特別図柄のはずれ図柄が指定された場合には、変動開始コマンドから特定されるメイン変動パターンに基づき、演出図柄の変動ゲームで導出させる図柄組み合わせを決定する。具体的に言えば、副制御用CPU31aは、はずれリーチ変動のメイン変動パターンが指定されたときには、リーチ形成図柄を含むはずれの図柄組み合わせを決定する。また、副制御用CPU31aは、はずれ変動のメイン変動パターンが指定されたときには、リーチ形成図柄を含まないはずれの図柄組み合わせを決定する。
この実施形態において演出図柄の変動ゲームは、左列、中列、右列からなる3列の演出図柄による組み合わせを演出図柄の変動ゲームの結果として導出させる。この実施形態において図柄組み合わせを構成する識別情報は、アラビア数字を模した意匠で構成されている。具体的に例示すれば、各列の識別情報は[1]~[9]までのアラビア数字である。これにより、図柄組み合わせは、例えば全列の識別情報を同一とした[111]などの組み合わせや、全列の識別情報が同一ではない[479],[337],[121]などの組み合わせになる。演出図柄の変動ゲームでは、所定の複数列(この実施形態では左列と右列の2列)に同一の演出図柄が導出されることによってリーチが形成され、残りの列(この実施形態では中列の1列)を導出させるためのリーチ演出が行われる。このため、所定の複数列に導出された同一の演出図柄がリーチ形成図柄となり、リーチ形成図柄を含むはずれの図柄組み合わせは所定の複数列が同一の演出図柄であって、残りの列が所定の複数列の演出図柄とは異なる演出図柄である組み合わせとなる。また、リーチ形成図柄を含まないはずれの図柄組み合わせは所定の複数列が異なる図柄であって、残りの列については所定の複数列の演出図柄との一致性を問わない組み合わせとなる。
この実施形態の大当りの図柄組み合わせは、全列の演出図柄が同一の演出図柄となる組み合わせである。またこの実施形態において、大当りの図柄組み合わせには、通常大当りの図柄組み合わせと、特定大当りの図柄組み合わせと、がある。例えば、通常大当りの図柄組み合わせは、全列の演出図柄に示される数が偶数である同一の演出図柄となる図柄組み合わせである。また例えば、特定大当りの図柄組み合わせは、全列の演出図柄に示される数が奇数である同一の演出図柄となる図柄組み合わせである。上述したように、特定大当り図柄は、通常大当り図柄よりも遊技者にとって有利な大当り図柄である。すなわち、特定大当りの図柄組み合わせは、通常大当りの図柄組み合わせよりも遊技者にとって有利であることを特定可能な図柄組み合わせである。
そして、演出図柄の変動ゲームの結果は、特別図柄の変動ゲームの結果に対応している。すなわち、この実施形態では、特別図柄の変動ゲームで導出される図柄組み合わせの種類に応じて、演出図柄の変動ゲームで導出される図柄組み合わせの種類が異なる。具体的に、特別図柄の変動ゲームで通常大当り図柄が導出されるときには、通常大当りの図柄組み合わせが導出され、特別図柄の変動ゲームで特定大当り図柄が導出されるときには、特定大当りの図柄組み合わせが導出され、特別図柄の変動ゲームではずれ図柄が導出されるときには、はずれの図柄組み合わせが導出される。このように、この実施形態では、特別図柄の大当り図柄の種類に応じて、大当りの図柄組み合わせが異なる。
また、副制御用CPU31aは、変動開始コマンドを受信すると、当該コマンドから特定可能なメイン変動パターンの種類をもとに、演出表示装置11の表示内容などを制御するためのサブ変動パターンを決定する。サブ変動パターンは、演出図柄の変動ゲームの変動内容(演出内容)を特定可能である。
サブ変動パターンを決定した副制御用CPU31aは、そのサブ変動パターンで特定される変動内容で演出図柄の変動ゲームが表示されるように演出表示装置11の表示内容を制御する。そして、副制御用CPU31aは、メイン変動パターンから特定される変動時間の経過により、演出図柄の変動ゲームを終了させ、演出図柄の組み合わせを導出させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。なお、この実施形態では、変動停止コマンドの受信を契機として、演出図柄の変動ゲームを終了させているが、副制御用CPU31aの制御によりメイン変動パターンから特定される変動時間を計時し、演出図柄の変動ゲームを終了させるようにしてもよい。つまり、主制御基板30から変動停止コマンドを送信せずに、演出図柄の変動ゲームの終了を制御してもよい。演出表示装置11は、変動ゲームを実行可能な変動ゲーム実行手段に相当する。
また、演出表示装置11の制御において副制御基板31の副制御用CPU31aは、実行させる画像を選択し、その選択した画像に必要なデータをROMから読み出す。なお、副制御基板31には、演出表示装置11に表示させるキャラクタ画像データ、具体的には人物、文字、図形又は記号(飾り図柄を含む)を予め格納したキャラクタROMを備え、キャラクタROMから必要なデータを読み出してもよい。そして、副制御基板31の副制御用CPU31aは、読み出したデータをVDP(ビデオディスプレイプロセッサ)に出力する。VDPは、入力されたデータに基づいて表示制御を実行し、演出表示装置11の画像表示領域GHに画像を表示させる。
その他、副制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから送信される制御コマンドを受信すると、その制御コマンドに応じた制御を実行する。
例えば、大当り遊技中、副制御用CPU31aには、大当り遊技であることを特定可能な制御コマンドが送信されている。例えば、このような制御コマンドには、オープニングの開始を特定可能なオープニングコマンド、各ラウンド遊技の開始を特定可能なラウンドコマンド、エンディングの開始を特定可能なエンディングコマンドを含む。そして、これらのコマンドを受信した副制御用CPU31aは、オープニング演出、各ラウンド演出、エンディング演出を画像表示領域GHなどで実行させる。
次に、上記のように構成したパチンコ遊技機10で行われる各種の演出について説明する。
図5(a)に示すように、演出図柄の変動ゲームは、当該ゲームの開始によって各列の演出図柄の変動が開始する。そして、内部抽選によってリーチ演出を実行させることが決定されている場合、図5(b)に示すように、全列のうち特定列(左右の2列)の変動が停止して同一の演出図柄(例示では図柄[3])が導出され、リーチが形成される。その後、画像表示領域GHでは、図5(c)に示すように、リーチ演出が実行される。
パチンコ遊技機10で実行されるリーチ演出には、ノーマルリーチ演出とノーマルリーチ演出から発展するスーパーリーチ演出とがある。ノーマルリーチ演出は、リーチの形成後、残りの列(中の1列)の変動を停止させることによって図柄組み合わせを導出させる演出である。スーパーリーチ演出は、ノーマルリーチ演出によって残りの列の演出図柄を導出した後、若しくはノーマルリーチ演出の途中から演出を発展させ、その発展後の演出によって図柄組み合わせを導出させる演出である。スーパーリーチ演出は、ノーマルリーチ演出に比して大当り期待度が高い演出として位置付けられている。大当り期待度は、はずれの場合の出現率と大当りの場合の出現率を合算した全体出現率に対する大当りの場合の出現率の割合によって算出することができる。なお、複数種類のスーパーリーチ演出を備える場合には、スーパーリーチ演出の種類毎に大当り期待度を異ならせてもよい。
図5(c)には、リーチの形成後、ノーマルリーチ演出からスーパーリーチ演出へ発展した様子を図示している(図中にSP発展と示す)。そして、スーパーリーチ演出への発展後、所定時間が経過すると、画像表示領域GHには、図5(d)に示すように、大当り抽選の抽選結果に応じた図柄組み合わせが導出され、メイン変動パターンに定める変動時間の経過時に図柄組み合わせが確定表示される。図5(d)の例示では、大当り抽選に当選したことによって、大当りの図柄組み合わせが確定表示されている。
スーパーリーチ演出中、画像表示領域GHには、演出図柄の変動ゲームが開始されるときに画像表示領域GHに表示されている背景画像HKとは異なる、スーパーリーチ演出の種類に対応した背景画像HK1が表示される。背景画像は、静止画に限らず、例えば空を模した背景画像であれば雲の一部が時間の経過によって動くなどの動画でもよい。演出図柄の変動ゲームは、背景画像の前側に重なるように表示され、各列の演出図柄は背景画像の前側に重なるように表示される。また、この実施形態では、背景画像が表示されるとき、当該背景画像の種類に応じた演出音、所謂「BGM」がスピーカSpから出力される。
また、パチンコ遊技機10は、保留中の変動ゲームを対象として、当該変動ゲームが大当りの変動ゲームである期待度を示唆する先読み可動体演出を実行可能である。先読み可動体演出は、対象の変動ゲームが実行される前に当該変動ゲームが大当りの変動ゲームである期待度を示唆する先読み演出である。また、先読み可動体演出は、可動体Kが動作する可動体演出である。また、先読み可動体演出は、演出表示装置11により演出画像を表示する表示演出である。すなわち、先読み可動体演出は、可動体Kが動作するとともに、演出表示装置11により演出画像を表示する演出である。この実施形態において、先読み可動体演出は、新たに変動ゲームが保留されたことを契機として実行される演出である。また、先読み可動体演出は、複数の変動ゲームに跨って実行される演出である。また、先読み可動体演出は、大当りの変動ゲームを対象として実行される演出である。すなわち、先読み可動体演出は、所謂「大当り確定演出」である。
まず、先読み可動体演出における可動体Kの動作態様について説明する。
図6(a)に示すように、先読み可動体演出では、可動体Kが原位置P1から可動到達位置P2に動作する。上述したように、原位置P1は、演出表示装置11の上方であり、可動到達位置P2は、演出表示装置11の下方である。このため、先読み可動体演出が開始されると、可動体Kが動作することによって、正面視において可動体Kの一部と、演出表示装置11の画像表示領域GHの一部とが被る状況が生じる。
また、先読み可動体演出の実行中、可動体Kが原位置P1から可動到達位置P2に動作することで、演出表示装置11の画像表示領域GHは、可動体Kにより作り出された境界部によって、可動体Kよりも上側の第1表示領域R1と、可動体Kよりも下側の第2表示領域R2と、に分けられる。そして、先読み可動体演出では、可動体Kが可動到達位置P2に近づくほど、第1表示領域R1が大きくなる一方、第2表示領域R2が小さくなる。すなわち、先読み可動体演出の実行中、第1表示領域R1、及び第2表示領域R2は、可動体Kの動作に伴って変化する。そして、先読み可動体演出では、可動体Kが可動到達位置P2に達すると、可動体Kにより作り出されていた境界部がなくなり、演出表示装置11の画像表示領域GHは、1の表示領域となる。
図6(b)に示すように、先読み可動体演出では、可動体Kが可動到達位置P2に位置してから、所定タイミングが到来すると、可動体Kが可動到達位置P2から原位置P1に動作する。これにより、正面視において可動体Kの一部と、演出表示装置11の画像表示領域GHの一部とが被る状況が生じる。このとき、可動体Kは、先読み可動体演出の実行中に可動到達位置P2から原位置P1に動作するときよりも、先読み可動体演出の実行中に原位置P1から可動到達位置P2に動作するときの方が早く動作するように構成されている。すなわち、先読み可動体演出の実行中において、可動体Kが原位置P1から可動到達位置P2に動作するまでの時間は、可動体Kが可動到達位置P2から原位置P1に動作するまでの時間よりも短い。
また、先読み可動体演出の実行中、可動体Kが可動到達位置P2から原位置P1に動作することで、演出表示装置11の画像表示領域GHは、可動体Kにより作り出された境界部によって、第1表示領域R1と、第2表示領域R2と、に分けられる。その後、先読み可動体演出では、可動体Kが原位置P1に近づくほど、第2表示領域R2が大きくなる一方、第1表示領域R1が小さくなる。すなわち、先読み可動体演出の実行中、第1表示領域R1、及び第2表示領域R2は、可動体Kの動作に伴って変化する。そして、先読み可動体演出では、可動体Kが原位置P1に達すると、可動体Kにより作り出されていた境界部がなくなり、画像表示領域GHは、1の表示領域となる。その後、先読み可動体演出は、可動体Kが原位置P1に達してから所定時間が経過することで終了する。このように、先読み可動体演出では、可動体Kが原位置P1から可動到達位置P2に動作した後、所定のタイミングが到来したことを契機として、可動体Kが可動到達位置P2から原位置P1に動作する演出である。
次に、先読み可動体演出における演出表示装置11の表示態様について説明する。
図7(a)に示すように、先読み可動体演出が開始された後、演出表示装置11の画像表示領域GHが第1表示領域R1と、第2表示領域R2とに分けられると、第1表示領域R1では、先読み可動体演出が実行されるとき専用の特別画像が表示される。一方、第2表示領域R2では、先読み可動体演出が実行される直前に表示されていた直前画像GBが継続して表示される。すなわち、直前画像GBの表示中に先読み可動体演出が実行される状況では、当該先読み可動体演出が実行されることを契機として第1表示領域R1における直前画像GBの表示が制限される一方、第2表示領域R2における直前画像GBの表示は制限されない。この実施形態において、先読み可動体演出は、第1演出に相当する。また、直前画像GBを表示する表示演出は、第2演出に相当する。また、直前画像GBは、第2演出の演出情報に相当する。この実施形態において、特別画像は、背景画像HK2である。なお、図では、スーパーリーチ演出の実行中に新たな変動ゲームが保留されるとともに、当該変動ゲームを対象として先読み可動体演出が実行される状況を示している。すなわち、直前画像GBとして、背景画像HK1が表示される状況を示している。
この実施形態において、先読み可動体演出が実行されるとき、第2表示領域R2では、直前画像GBが縮小して表示されるのではなく、単に第1表示領域R1における表示が制限され、第2表示領域R2における表示が継続されるようになっている。そして、先読み可動体演出の実行中は、第1表示領域R1が大きいほど、直前画像GBが小さく表示される。すなわち、直前画像GBは、可動体Kが所定の位置にあるときよりも所定の位置に比して可動到達位置P2へ近い位置にあるときの方が小さく表示される。この実施形態において、直前画像GBは、先読み可動体演出の実行中に対応する演出が終了すると、可動体Kの位置に係らず表示が終了する。一方、先読み可動体演出の実行中、新たな表示演出が実行される場合、当該表示演出を構成する画像の表示は、第1表示領域R1において制限される。すなわち、先読み可動体演出の実行中に所定の表示演出が実行される状況であっても、第1表示領域R1における所定の表示演出の表示は制限される。所定の表示演出は、第2演出に相当する。
また、可動体Kが可動到達位置P2に近づくことで第1表示領域R1が拡大されても、背景画像HK2は、拡大して表示されるのではなく、単に第2表示領域R2によって制限されていた画像が、拡大された第1表示領域R1で表示されるようになっている。そして、先読み可動体演出の実行中は、第1表示領域R1が大きいほど背景画像HK2が大きく表示される。すなわち、背景画像HK2は、可動体Kが所定の位置にあるときよりも所定の位置に比して可動到達位置P2へ近い位置にあるときの方が大きく表示される。一方、直前画像GBは、可動体Kが所定の位置にあるときよりも所定の位置に比して可動到達位置P2へ近い位置にあるときの方が小さく表示される。
図7(b)に示すように、可動体Kが可動到達位置P2に位置すると、演出表示装置11の画像表示領域GHでは、可動体Kにより作り出されていた境界部がなくなり、第1表示領域R1で表示されていた背景画像HK2の表示が制限されなくなる。一方、演出表示装置11の画像表示領域GHでは、第2表示領域R2に表示されていた直前画像GBが表示されなくなる。すなわち、変動ゲームの実行中、先読み可動体演出が実行されている状況では、可動体Kが原位置P1から可動到達位置P2に動作するとき、当該動作を契機として、演出表示装置11では、直前画像GBの表示が終了し、先読み可動体演出が実行されるとき専用の特別画像(背景画像HK2)が表示される。直前画像GBは、所定の情報に相当する。また、特別画像としての背景画像HK2は、特別情報に相当する。また、この実施形態では、先読み演出が実行されることによって所定の条件が成立する。
また、このとき、直前画像GBに対応する演出音がある場合には、直前画像GBが表示されなくなると、当該直前画像GBに対応する演出音がスピーカSpから出力されなくなる。このとき、直前画像GBに対応する演出音は、第2表示領域R2が小さいほど小さくなるようにしてもよく、第2表示領域R2の大きさに係らず一定の大きさにしてもよい。すなわち、直前画像GBを表示する演出は、直前画像GBを演出表示装置11に表示するとともに、スピーカSpから演出音を出力する演出である場合がある。そして、直前画像GBを表示する演出の実行中に先読み可動体演出が実行される状況では、当該先読み可動体演出が実行されることを契機として直前画像GBに対応する演出音の一部又は全部が制限される。
図7(c)に示すように、可動体Kが可動到達位置P2から原位置P1に動作すると、演出表示装置11の画像表示領域GHは、可動体Kにより作り出された境界部によって、再び第1表示領域R1と、第2表示領域R2とに分けられる。このとき、演出表示装置11の第1表示領域R1では、背景画像HK2が継続して表示される。一方、演出表示装置11の第2表示領域R2では、特殊画像が表示される。この実施形態において、特殊画像は、背景画像HK3である。また、特殊画像は、大当りの図柄組み合わせである。すなわち、演出表示装置11では、先読み可動体演出の実行中における可動到達位置P2から原位置P1への可動体Kの動作を契機として、背景画像HK2の表示が制限される。また、演出表示装置11では、先読み可動体演出の実行中における可動到達位置P2から原位置P1への可動体Kの動作を契機として、背景画像HK3が表示される。また、演出表示装置11では、先読み可動体演出の実行中における可動到達位置P2から原位置P1への可動体Kの動作を契機として、特別図柄の大当り図柄の種類に対応する大当りの図柄組み合わせが表示される。
また、演出表示装置11では、先読み可動体演出の実行中における可動到達位置P2から原位置P1への可動体Kの動作を契機として、実行中の変動ゲームが大当りの変動ゲームであることを特定可能な特殊情報(大当りの図柄組み合わせ)が表示される。特殊画像としての大当りの図柄組み合わせは、特殊情報に相当する。また、上述したように、大当りの図柄組み合わせの種類は、特別図柄の大当り図柄の種類に基づく。このため、大当りの図柄組み合わせは、大当り図柄の種類を示唆する情報であるといえる。また、上述したように、特別図柄の大当り図柄は、大当りの種類に対応付けられており、大当りの図柄組み合わせは、特別図柄の大当り図柄の種類に対応付けられている。すなわち、大当りの図柄組み合わせは、大当りの種類を示唆する情報であるとも言える。また、この実施形態において、先読み可動体演出の実行中、可動体Kが可動到達位置P2から原位置P1に動作するとき、背景画像HK3、及び大当りの図柄組み合わせは、第2表示領域R2の大きさに応じた大きさで表示される。このため、第2表示領域R2の大きさによっては、大当りの図柄組み合わせの一部の表示が制限される状況が生じる。
また、先読み可動体演出の実行中、可動体Kが原位置P1に近づくことで第2表示領域R2が拡大されても、背景画像HK3、及び大当りの図柄組み合わせは、拡大して表示されるのではなく、単に第1表示領域R1によって制限されていた画像が、拡大された第2表示領域R2で表示されるようになっている。そして、先読み可動体演出の実行中は、第2表示領域R2が大きいほど背景画像HK3、及び大当りの図柄組み合わせが大きく表示される。すなわち、背景画像HK3は、可動体Kが所定の位置にあるときよりも所定の位置に比して原位置P1へ近い位置にあるときの方が大きく表示される。また、大当りの図柄組み合わせは、可動体Kが所定の位置にあるときよりも所定の位置に比して原位置P1へ近い位置にあるときの方が大きく表示される。
図7(d)に示すように、可動体Kが原位置P1に位置すると、演出表示装置11の画像表示領域GHでは、可動体Kにより作り出されていた境界部がなくなり、第2表示領域R2で表示されていた背景画像HK3の表示が制限されなくなる。また、演出表示装置11の画像表示領域GHでは、第2表示領域R2で表示されていた大当りの図柄組み合わせの表示が制限されなくなる。一方、演出表示装置11の画像表示領域GHでは、第1表示領域R1で表示されていた背景画像HK2が表示されなくなる。その後、演出表示装置11の画像表示領域GHでは、所定時間が経過すると、背景画像HK3の表示が終了し、先読み可動体演出が終了する。
このように、先読み可動体演出では、可動体Kにより作り出された境界部によって演出表示装置11の画像表示領域GHが第1表示領域R1と、第2表示領域R2とに分けられるとき、第1表示領域R1と、第2表示領域R2とでは、異なる画像が表示される。また、先読み可動体演出の実行中、可動体Kが原位置P1から可動到達位置P2へと移動する際に第1表示領域R1で表示される画像は、可動体Kが可動到達位置P2から原位置P1へと移動する際に第1表示領域R1で表示される画像と同じである。一方、先読み可動体演出の実行中、可動体Kが原位置P1から可動到達位置P2へと移動する際に第2表示領域R2で表示される画像は、可動体Kが可動到達位置P2から原位置P1へと移動する際に第2表示領域R2で表示される画像と異なる。
そして、先読み可動体演出の実行中、可動体Kが可動到達位置P2から原位置P1へと移動する際に第2表示領域R2で表示される大当りの図柄組み合わせは、実行中の変動ゲームが大当りの変動ゲームであることを特定可能であるとともに、大当り図柄の種類を特定可能な情報である。すなわち、先読み可動体演出は、実行中の変動ゲームが大当りの変動ゲームであることを特定可能であるとともに、大当り図柄の種類を特定可能な演出である。
次に、この実施形態のパチンコ遊技機10が備える演出調節機能について説明する。
図8に示すように、待機状態に制御されているとき、演出ボタンEBTが操作されると、演出表示装置11では、演出調節機能に関するメニュー画像MNと、演出調節の対象となる遊技演出に関する項目画像GKと、が表示される。メニュー画像MNは、演出調節の対象となる遊技演出を上ボタンUBT及び下ボタンDBTの操作によって切替え可能であることを特定可能な画像である。例えば、メニュー画像MNは、「上下キーで項目選択」の文字列を模した画像である。また、メニュー画像MNは、調節中である項目に対応した遊技演出の設定値を左ボタンLBT及び右ボタンRBTの操作によって切替え可能であることを特定可能な画像である。例えば、メニュー画像MNは、「左右キーで設定変更」の文字列を模した画像である。
この実施形態において、項目画像GKは、演出調節の対象となる遊技演出を特定可能な画像である。この実施形態において、項目画像GKには、「先読み可動体演出」が演出調節の対象となることを特定可能な項目画像GK1がある。すなわち、先読み可動体演出は、演出調節が可能な演出である。例えば、項目画像GK1は、「先読み可動体演出」の文字列を模した画像である。図では、項目画像GKとして、項目画像GK1に加えて、先読み演出を特定可能な項目画像GK、及び大当り確定演出を特定可能な項目画像GKを例示している。
この実施形態において、演出表示装置11では、調節中である演出に対応する項目画像GKが優先して表示される。具体的に、調節中ではない演出に対応する項目画像GKは、調節中である演出に対応する項目画像GKにより表示の一部又は全部が制限される。例えば、先読み可動体演出を調節中である場合、所定の項目画像GKは、先読み可動体演出に対応する項目画像GK1により表示の一部又は全部が制限される。また例えば、先読み可動体演出とは別の演出を調節中である場合、項目画像GK1は、別の演出に対応する項目画像GKにより表示の一部又は全部が制限される。すなわち、項目画像GK1は、左ボタンLBT、及び右ボタンRBTにより、背景画像HK2の表示時間を変化させる操作が可能な状況では、表示が制限されない。一方、項目画像GK1は、左ボタンLBT、及び右ボタンRBTにより、背景画像HK2の表示時間を変化させる操作が不能な状況では、表示の一部又は全部が制限される。項目画像GK1は、背景画像HK2の表示時間に関する情報であるといえる。
同様に、項目画像GK1は、左ボタンLBT、及び右ボタンRBTにより、背景画像HK3の表示時間を変化させる操作が可能な状況では、表示が制限されない。一方、項目画像GK1は、左ボタンLBT、及び右ボタンRBTにより、背景画像HK3の表示時間を変化させる操作が不能な状況では、表示の一部又は全部が制限される。項目画像GK1は、背景画像HK3の表示時間に関する情報であるといえる。また同様に、項目画像GK1は、左ボタンLBT、及び右ボタンRBTにより、大当りの図柄組み合わせの表示時間を変化させる操作が可能な状況では、表示が制限されない。一方、項目画像GK1は、左ボタンLBT、及び右ボタンRBTにより、大当りの図柄組み合わせの表示時間を変化させる操作が不能な状況では、表示の一部又は全部が制限される。項目画像GK1は、大当りの図柄組み合わせの表示時間に関する情報であるといえる。
また、項目画像GKは、別の項目画像GKにより表示の一部又は全部が制限され得る一方、メニュー画像MNによっては表示が制限されない。すなわち、項目画像GK1は、左ボタンLBT、及び右ボタンRBTにより、背景画像HK2の表示時間を変化させる操作が可能な状況、及び左ボタンLBT、及び右ボタンRBTにより、背景画像HK2の表示時間を変化させる操作が不能な状況の何れであっても、メニュー画像MNによっては表示が制限されない。同様に、項目画像GK1は、左ボタンLBT、及び右ボタンRBTにより、背景画像HK3の表示時間を変化させる操作が可能な状況、及び左ボタンLBT、及び右ボタンRBTにより、背景画像HK3の表示時間を変化させる操作が不能な状況の何れであっても、メニュー画像MNによっては表示が制限されない。また同様に、項目画像GK1は、左ボタンLBT、及び右ボタンRBTにより、大当りの図柄組み合わせの表示時間を変化させる操作が可能な状況、及び左ボタンLBT、及び右ボタンRBTにより、大当りの図柄組み合わせの表示時間を変化させる操作が不能な状況の何れであっても、メニュー画像MNによっては表示が制限されない。また、この実施形態において、メニュー画像MNは、項目画像GKによっては表示が制限されない。
また、項目画像GKには、調節中である遊技演出の設定値を特定可能な設定値画像GCが含まれる。この実施形態において、「先読み可動体演出」が演出調節の対象となることを特定可能な項目画像GK1には、先読み可動体演出において設定可能な設定値を特定可能な設定値画像GC1、設定値画像GC2、及び設定値画像GC3がある。例えば、設定値画像GC1は、第1設定値を特定可能な画像であり、設定値画像GC2は、第2設定値を特定可能な画像であり、設定値画像GC3は、第3設定値を特定可能な画像である。
そして、先読み可動体演出は、設定中の設定値に応じて演出期間の長さが変化する。具体的に、先読み可動体演出は、可動体Kが原位置P1から可動到達位置P2に動作した後、所定のタイミングが到来するまでの時間が設定中の設定値に応じて異なる演出である。また、先読み可動体演出は、可動体Kが可動到達位置P2から原位置P1に動作した後、先読み可動体演出が終了するまでの時間が設定中の設定値に応じて異なる演出である。すなわち、先読み可動体演出は、演出期間が長いほど、可動体Kが原位置P1から可動到達位置P2に動作した後、所定のタイミングが到来するまでの時間が長くなる演出である。また、先読み可動体演出は、演出期間が長いほど、可動体Kが可動到達位置P2から原位置P1に動作した後、先読み可動体演出が終了するまでの時間が長くなる演出である。一方、可動体Kが原位置P1から可動到達位置P2に動作するときの動作態様は、設定中の設定値が何れであっても同じである。また、可動体Kが可動到達位置P2から原位置P1に動作するときの動作態様は、設定中の設定値が何れであっても同じである。
この実施形態において、先読み可動体演出は、第1設定値が設定されているときよりも第2設定値が設定されているときの方が演出期間が長い。また、先読み可動体演出は、第2設定値が設定されているときよりも第3設定値が設定されているときの方が演出期間が長い。このため、設定値画像GC1は、設定値画像GC2、及び設定値画像GC3よりも演出期間が短いことを示唆する画像であるとよい。例えば、設定値画像GC1は、「短い」の文字列を模した画像である。また、設定値画像GC2は、設定値画像GC1よりも演出期間が長いことを示唆する画像であって、且つ、設定値画像GC3よりも演出期間が短いことを示唆する画像であるとよい。例えば、設定値画像GC2は、「普通」の文字列を模した画像である。また、設定値画像GC3は、設定値画像GC1、及び設定値画像GC2よりも演出期間が長いことを示唆する画像であるとよい。例えば、設定値画像GC3は、「長い」の文字列を模した画像であるとよい。なお、設定値画像GCは、設定中の設定値と、調節可能(選択可能)な設定値とを特定可能な画像であるとよい。
このように、先読み可動体演出は、設定値画像GC1~GC3のそれぞれから特定可能な設定値から遊技者が任意の設定値に設定可能な演出である。そして、先読み可動体演出は、遊技者が設定値を変更することで、演出調節が可能な演出である。すなわち、先読み可動体演出は、演出ボタンEBT等の操作によって演出期間が変化する演出である。以下、詳細に説明する。
図9に示すように、先読み可動体演出は、設定中の設定値に応じて開始タイミングが異なることによって演出期間が変化するようになっている。例えば、第1設定値が設定されているときには、先読み可動体演出の対象となる変動ゲームが保留されてから第1時間Tm1が経過したことを契機として先読み可動体演出が開始され、その後、先読み可動体演出が開始してから第1演出時間ET1が経過すると終了する。また例えば、第2設定値が設定されているときには、先読み可動体演出の対象となる変動ゲームが保留されてから第2時間Tm2が経過したことを契機として先読み可動体演出が開始され、その後、先読み可動体演出が開始してから第2演出時間ET2が経過すると終了する。また例えば、第3設定値が設定されているときには、先読み可動体演出の対象となる変動ゲームが保留されたことを契機として先読み可動体演出が開始され、その後、先読み可動体演出が開始してから第3演出時間ET3が経過すると終了する。すなわち、第1設定値が設定されているとき、先読み可動体演出の演出期間の長さは、第1演出時間ET1である。また、第2設定値が設定されているとき、先読み可動体演出の演出期間の長さは、第2演出時間ET2である。また、第3設定値が設定されているとき、先読み可動体演出の演出期間の長さは、第3演出時間ET3である。
この実施形態において、第3演出時間ET3は、第1時間Tm1と第1演出時間ET1の和と等しい。また、第3演出時間ET3は、第2時間Tm2と第2演出時間ET2の和と等しい。このため、先読み可動体演出は、演出期間が何れであっても同じタイミングで終了するようになっている。この実施形態において、先読み可動体演出は、演出期間の長さが第1演出時間ET1であるとき、演出期間の長さが第2演出時間ET2であるときに比して、背景画像HK2が表示されている期間が短い。また、先読み可動体演出は、演出期間の長さが第1演出時間ET1であるとき、演出期間の長さが第2演出時間ET2であるときに比して、背景画像HK3、及び大当りの図柄組み合わせが表示されている期間が短い。また、先読み可動体演出は、演出期間の長さが第2演出時間ET2であるとき、演出期間の長さが第3演出時間ET3であるときに比して、背景画像HK2が表示されている期間が短い。また、先読み可動体演出は、演出期間の長さが第2演出時間ET2であるとき、演出期間の長さが第3演出時間ET3であるときに比して、背景画像HK3、及び大当りの図柄組み合わせが表示されている期間が短い。
このように、先読み可動体演出の実行中、背景画像HK2の表示時間は、設定中の設定値に応じて異なる。また、先読み可動体演出の実行中、背景画像HK3の表示時間は、設定中の設定値に応じて異なる。また、先読み可動体演出の実行中、大当りの図柄組み合わせの表示時間は、設定中の設定値に応じて異なる。すなわち、この実施形態では、先読み可動体演出の実行中、演出ボタンEBTなどの操作により、背景画像HK2の表示時間を変化させることができる。また、この実施形態では、先読み可動体演出の実行中、演出ボタンEBTなどの操作により、背景画像HK3の表示時間を変化させることができる。また、この実施形態では、先読み可動体演出の実行中、演出ボタンEBTなどの操作により、大当りの図柄組み合わせの表示時間を変化させることができる。
次に、先読み可動体演出を実行するか否かを決定するために副制御用CPU31aが実行する先読み可動体演出決定処理について説明する。
先読み可動体演出決定処理において、副制御用CPU31aは、先読みコマンドを入力すると、当該先読みコマンドに基づいて、新たに実行が保留された変動ゲームが大当りの変動ゲームであるか否かを判定する。新たに実行が保留された変動ゲームが大当りの変動ゲームではない場合、副制御用CPU31aは、先読み可動体演出決定処理を終了する。
新たに実行が保留された変動ゲームが大当りの変動ゲームである場合、副制御用CPU31aは、先読み可動体演出の実行中、又は先読み可動体演出が実行されることが決定されているものの未だ実行されていない状態(以下、実行待機中と示す)であるか否かを判定する。
先読み可動体演出の実行中、又は実行待機中である場合、副制御用CPU31aは、先読み可動体演出決定処理を終了する。先読み可動体演出の実行中ではなく、且つ実行待機中でもない場合、副制御用CPU31aは、所定の抽選により、新たに実行が保留された変動ゲームを対象として先読み可動体演出を実行するか否かを決定する。先読み可動体演出を実行しないことを決定した場合、副制御用CPU31aは、先読み可動体演出が実行されないことを特定可能な情報を副制御用RAM31cに記憶させた後、先読み可動体演出決定処理を終了する。先読み可動体演出を実行することを決定した場合、副制御用CPU31aは、設定中の設定値に応じて先読み可動体演出を実行させるための先読み可動体演出実行処理を実行する。
先読み可動体演出実行処理において、副制御用CPU31aは、設定中の設定値が第3設定値であるか否かを判定する。設定中の設定値が第3設定値ではない場合、副制御用CPU31aは、先読み可動体演出の実行待機中であることを特定可能な情報を副制御用RAM31cに記憶させる。その後、副制御用CPU31aは、設定中の設定値が第1設定値であるか否かを判定する。設定中の設定値が第1設定値である場合、副制御用CPU31aは、第1時間Tm1を計測する。設定中の設定値が第1設定値ではない場合、副制御用CPU31aは、第2時間Tm2を計測する。
設定中の設定値が第3設定値である場合、第1時間Tm1が経過した場合、又は第2時間Tm2が経過した場合、副制御用CPU31aは、先読み可動体演出が実行中であることを特定可能な情報を副制御用RAM31cに記憶させる。また、副制御用CPU31aは、先読み可動体演出を実行させるように演出表示装置11を制御する。また、副制御用CPU31aは、先読み可動体演出を実行させるように可動体Kを制御する。
先読み可動体演出を実行させるとき、副制御用CPU31aは、設定中の設定値に応じて、先読み可動体演出が開始されてから所定のタイミングが到来するまでの期間が異なるように、演出表示装置11、及び可動体Kを制御する。これにより、この実施形態では、先読み可動体演出において、可動体Kが可動到達位置P2から原位置P1に動作するタイミング、及び可動体Kが原位置P1に動作してから先読み可動体演出が終了するまでの時間を設定中の設定値に応じて異ならせている。すなわち、この実施形態では、設定中の設定値に応じて可動体Kが可動到達位置P2から原位置P1に動作するタイミング、及び可動体Kが原位置P1に動作してから先読み可動体演出が終了するまでの時間が長くなるように、所定のタイミングが各設定値に定められている。
その後、副制御用CPU31aは、可動体Kが原位置P1に動作した後、所定時間が経過すると、先読み可動体演出を終了させるように演出表示装置11を制御する。具体的に、副制御用CPU31aは、先読み可動体演出の対象となった変動ゲームが開始してから予め定めた終了時間が経過したことを契機として先読み可動体演出を終了させる。この実施形態において、予め定めた終了時間は、設定中の設定値が何れであっても同じである。一方、上述したように、設定中の設定値に応じて所定のタイミングが到来するまでの時間が異なることで、先読み可動体演出は、演出期間が長いほど、可動体Kが可動到達位置P2から原位置P1に動作した後、先読み可動体演出が終了するまでの時間が長くなる。
次に、演出調節機能を実現するために副制御用CPU31aが実行する演出調節処理について説明する。
演出調節処理において、副制御用CPU31aは、待機状態において演出ボタンEBTの操作信号を入力すると、メニュー画像MN、項目画像GKを表示するように演出表示装置11を制御する。また、副制御用CPU31aは、待機状態において演出ボタンEBTの操作信号を入力すると、予め定められた調節待機時間を計測する。予め定められた調節待機時間が経過すると、副制御用CPU31aは、演出調節処理を終了する。
予め定められた調節待機時間が経過するまでの期間において、副制御用CPU31aは、上ボタンUBT、又は下ボタンDBTの操作信号を入力すると、入力した操作信号に応じて調節中である遊技演出を変更する。その後、副制御用CPU31aは、調節中である遊技演出に対応する項目画像GKを表示させるように演出表示装置11を制御する。また、副制御用CPU31aは、調節中である遊技演出を特定可能な情報を副制御用RAM31cに記憶させる。
また、予め定められた調節待機時間が経過するまでの期間において、副制御用CPU31aは、左ボタンLBT、又は右ボタンRBTの操作信号を入力すると、入力した操作信号に応じて設定中の設定値を変更する。その後、副制御用CPU31aは、設定中の設定値に応じて設定値画像GCを変更するように演出表示装置11を制御する。また、副制御用CPU31aは、設定中の設定値を特定可能な情報を副制御用RAM31cに記憶させる。なお、調節待機時間が経過するまでの期間において、変動ゲームの始動条件が成立する場合、副制御用CPU31aは、演出調節処理を終了する。
以下、この実施形態のパチンコ遊技機10の作用について説明する。
図10(a)には、所定の変動ゲームが実行中であり、演出表示装置11では、実行中の変動ゲームに対応して演出図柄が変動している状況を示している。このとき、遊技者は実行中の変動ゲームに集中していることが想定される。
図10(b)に示すように、所定の変動ゲームの実行中に新たに保留された変動ゲームを対象として先読み可動体演出が実行されると、可動体Kにより作り出された境界部によって、演出表示装置11の画像表示領域GHが第1表示領域R1と、第2表示領域R2とに分けられる。ここで、第1表示領域R1では、直前画像GBに代えて、背景画像HK2が表示される。一方、第2表示領域R2では、直前画像GBの表示が継続する。
図10(c)に示すように、可動体Kが可動到達位置P2に達すると、可動体Kにより作り出されていた境界部がなくなる。また、可動体Kにより作り出されていた境界部がなくなったことで、画像表示領域GHでは、直前画像GBの表示が終了するとともに、背景画像HK2の表示が制限されなくなる。その後、設定中の設定値に応じて所定のタイミングが到来し、可動体Kが可動到達位置P2から原位置P1に動作する。
図10(d)に示すように、可動体Kが可動到達位置P2から原位置P1に動作すると、可動体Kにより作り出された境界部によって、演出表示装置11の画像表示領域GHが再び第1表示領域R1と、第2表示領域R2とに分けられる。このとき、第1表示領域R1では、背景画像HK2の表示が継続する。一方、第2表示領域R2では、背景画像HK2に代えて、背景画像HK3が表示される。また、第2表示領域R2では、大当りの図柄組み合わせが表示される。このとき、大当りの図柄組み合わせの一部の表示が制限される状況では、演出図柄によって示される数と、大当りの図柄組み合わせが表示される第2表示領域R2の大きさとによって、表示される大当りの図柄組み合わせの種類を特定、又は推測することが困難である状況と、容易である状況が生じ得る。
図10(e)に示すように、可動体Kが原位置P1に達すると、可動体Kにより作り出されていた境界部がなくなる。また、可動体Kにより作り出されていた境界部がなくなったことで、画像表示領域GHでは、背景画像HK2の表示が終了するとともに、背景画像HK3の表示が制限されなくなる。また、このとき、画像表示領域GHでは、大当りの図柄組み合わせの表示が制限されなくなる。すなわち、可動体Kが原位置P1に達しているときには、大当りの図柄組み合わせの種類を特定可能である。
図10(f)に示すように、演出表示装置11では、先読み可動体演出の対象となった変動ゲームが開始されてから予め定めた終了時間が経過したことを契機として先読み可動体演出が終了し、その後、当該変動ゲームにおいて、大当りの図柄組み合わせが確定停止表示された後、当該大当りの図柄組み合わせの種類に応じた大当り遊技が開始される。
このように、先読み可動体演出は、新たに変動ゲームが保留されたことを契機に実行され得る演出である。また、先読み可動体演出は、対象となった変動ゲームが開始されてから予め定めた終了時間が経過したことを契機として終了する演出である。そして、先読み可動体演出が終了すると、先読み可動体演出の実行中において導出された大当りの図柄組み合わせの種類に応じた大当り遊技が開始される。
以上詳述したように、この実施形態は、以下の効果を有する。
(1)この実施形態では、先読み可動体演出の実行を契機として、直前画像GBの表示が制限されるようになっている。ここで、先読み可動体演出は、可動体Kが動作する可動体演出であり、直前画像GBを表示する演出は、演出表示装置11に直前画像GBが表示される表示演出である。すなわち、可動体演出と、表示演出とは別の演出実行装置によって実行される演出である。しかしながら、可動体演出と、表示演出とは、別の演出実行装置によって実行される演出ではあるものの、可動体Kの動作中、直前画像GBが制限されない場合には、直前画像GBの表示に遊技者の関心が向いてしまう結果、可動体Kの動作に集中し難い状況が想定される。近年では、可動体演出と、表示演出とを同時期に実行可能に構成された遊技機について、さらに工夫を凝らすことによって、遊技者の興趣を向上させることが望まれている。このような状況であるところ、この実施形態では、先読み可動体演出が実行されるとき、可動体Kにより作り出された境界部によって分けられる第1表示領域R1における直前画像GBの表示を制限することで、先読み可動体演出の実行を遊技者に強く印象付けることができ、先読み可動体演出に集中し易い状況を創り出すことができる。
(2)この実施形態によれば、先読み可動体演出が実行される場合には、第1表示領域R1における直前画像GBの表示の制限に加えて、当該直前画像GBに対応する演出音の一部又は全部が制限されることで、先読み可動体演出にさらに集中し易い状況を創り出すことができる。
(3)この実施形態によれば、先に先読み可動体演出が実行されている場合であって、且つ、新たな表示演出が実行されるときであっても、第1表示領域R1における新たな表示演出の実行を制限することで、先に先読み可動体演出が実行されている状況であっても、先読み可動体演出に集中し易い状況を創り出すことができる。
(4)この実施形態によれば、先読み可動体演出の実行状況、すなわち、可動体Kの位置によって直前画像GBの表示が制限される表示領域が変化することで、先読み可動体演出と、直前画像GBを表示する表示演出とを効果的に実行させることができる。
(5)この実施形態によれば、第1表示領域R1において先読み可動体演出に対応する背景画像HK2を表示することで、先読み可動体演出の実行を遊技者にさらに強く印象付けることができる。
(6)従来、遊技機の中には、遊技者による操作手段の操作に応じて演出の態様を変更(カスタマイズ)可能とすることで、遊技者の望む態様で演出を実行可能とし、遊技者の興趣を向上させているものがある。近年では、操作手段の操作により演出の態様を変更可能な遊技機についてさらに工夫を凝らすことで、遊技者の興趣を向上させることが期待されている。このような状況であるところ、この実施形態において、遊技者は、演出ボタンEBTなどを操作することによって、特別画像としての背景画像HK2の表示時間を所望の表示時間に変化させることができる。これにより、先読み可動体演出が実行される際の興趣を向上させることができる。
(7)この実施形態によれば、先読み可動体演出の実行中、可動体Kが原位置P1から可動到達位置P2に動作する際には、可動体Kが可動到達位置P2から原位置P1に動作するときよりも早く動作する。このため、先読み可動体演出の実行中、可動体Kが原位置P1から可動到達位置P2に動作する場合、遊技者に驚きを与えることができる。
(8)この実施形態によれば、先読み可動体演出の実行中、可動体Kが原位置P1から可動到達位置P2に動作すると、可動体Kの位置によっては大当りの種類を特定可能な大当りの図柄組み合わせの一部が表示される。このため、先読み可動体演出の実行中、可動体Kが原位置P1から可動到達位置P2に動作する状況では、遊技者に大当りへの期待感を与えつつ、大当りの種類が何れであるかを推測する楽しみを与えることができる。
(9)この実施形態によれば、先読み可動体演出の実行中、可動体Kが可動到達位置P2から原位置P1へと近づくことで、大当りの図柄組み合わせが大きく表示される。このため、先読み可動体演出の実行中、可動体Kが可動到達位置P2から原位置P1へと近づくにつれて、大当りの図柄組み合わせを視認し易くなる。これにより、先読み可動体演出の実行中、示唆される大当りの種類を推測し易くすることができる。
(10)この実施形態によれば、先読み可動体演出は、新たに変動ゲームが保留されたときに実行され得るため、遊技者が実行されるタイミングを把握し難い。この状況であっても、直前画像GBの表示を制限することで、先読み可動体演出に注目させ易くすることができる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態において、先読み可動体演出が実行されるとき、第1表示領域R1では、何も表示されないようにしてもよい。この場合、先読み可動体演出の実行中、可動体Kが可動到達位置P2から原位置P1へと動作するとき、第2表示領域R2では、何も表示されないようにしてもよい。すなわち、先読み可動体演出は、可動体Kが動作する可動体演出である一方、演出表示装置11の画像表示領域GHに所定の画像を表示する表示演出ではないようにしてもよい。ここで、何も表示されないとは、単に表示しないことに加えて、黒などの単色の画像を表示することなど、演出効果が薄い画像を表示することであってもよい。
・上記実施形態において、先読み可動体演出の実行中、演出表示装置11の画像表示領域GHにおける可動体Kよりも上部の第1表示領域R1では、背景画像HK2に加えて、又は代えて、別の画像を表示可能であってもよい。この場合、別の画像は、1の画像であってもよく、複数の画像であってもよい。なお、背景画像HK2に加えて、又は代えて、別の画像を表示可能に構成する場合、当該別の画像は、特別画像に対応する。
・上記実施形態において、先読み可動体演出の実行中、可動体Kが可動到達位置P2から原位置P1に動作するとき、演出表示装置11の画像表示領域GHにおける可動体Kよりも下部の第2表示領域R2では、背景画像HK3、及び大当りの図柄組み合わせに加えて、又は代えて、別の画像を表示可能であってもよい。この場合、別の画像は、1の画像であってもよく、複数の画像であってもよい。なお、背景画像HK3、及び大当りの図柄組み合わせに加えて、又は代えて、別の画像を表示可能に構成する場合、当該別の画像は、特殊画像に対応する。
・上記実施形態において、先読み可動体演出では、設定中の設定値に応じて所定のタイミングが到来するまでの時間が変化することで、背景画像HK2、背景画像HK3、及び大当りの図柄組み合わせの表示時間を変化可能にしたがこれに限らない。例えば、背景画像HK2、背景画像HK3、及び大当りの図柄組み合わせのうち任意に選択された画像の表示時間を変化可能にしてもよい。すなわち、背景画像HK2、背景画像HK3、及び大当りの図柄組み合わせのうち、背景画像HK2の表示時間のみを変化可能にしてもよく、背景画像HK3の表示時間のみを変化可能にしてもよく、大当りの図柄組み合わせの表示時間のみを変化可能にしてもよい。また、背景画像HK2、背景画像HK3、及び大当りの図柄組み合わせのうち、背景画像HK2の表示時間のみを変化不能にしてもよく、背景画像HK3の表示時間のみを変化不能にしてもよく、大当りの図柄組み合わせの表示時間のみを変化不能にしてもよい。
・上記実施形態において、項目画像GK1には、背景画像HK2、背景画像HK3、及び大当りの図柄組み合わせの表示時間を設定可能な項目画像があってもよく、背景画像HK2の表示時間を設定可能な項目画像と、背景画像HK3の表示時間を設定可能な項目画像と、大当りの図柄組み合わせの表示時間を設定可能な項目画像と、があってもよい。すなわち、背景画像HK2の表示時間を長くする一方で、背景画像HK3、及び大当りの図柄組み合わせの表示時間を短くする操作が可能であってもよく、背景画像HK3、及び大当りの図柄組み合わせの表示時間を長くする一方で、背景画像HK2の表示時間を短くする操作が可能であってもよい。
・上記実施形態において、先読み可動体演出の実行中、可動体Kが可動到達位置P2から原位置P1に動作する所定のタイミングは、設定値毎に任意に定められているとよい。
・上記実施形態において、先読み可動体演出に設定可能な設定値の数は任意に変更してもよい。すなわち、先読み可動体演出に設定可能な設定値の数は、2以下であってもよく、4以上であってもよい。
・上記実施形態において、先読み可動体演出は、演出調節が不能な演出であってもよい。この場合、開始タイミング及び表示時間は、任意に定められてもよい。すなわち、先読み可動体演出が開始されるタイミングは、新たに変動ゲームが保留されたときであってもよく、新たに変動ゲームが保留されてから所定時間が経過してからであってもよい。また、背景画像HK2の表示時間、及び背景画像HK3の表示時間は、任意に定められていてもよい。
・上記実施形態において、演出表示装置11の画像表示領域GHは、可動体Kが画像表示領域GHを横断するように設けられたことで、上下の領域に分けられたがこれに限らない。すなわち、可動体Kは、任意の意匠であるとよい。また、可動体Kは、任意の位置に可動するように構成されているとよい。例えば、可動体Kは、画像表示領域GHを縦断するように設けられてもよい。この場合、画像表示領域GHは、左右の領域に分けられることとなる。すなわち、先読み可動体演出において動作する可動体Kは、画像表示領域GHを任意の第1領域と、第2領域とに分けることが可能なように設けられるとよい。
・上記実施形態において、可動体Kは、先読み可動体演出の実行中に原位置P1から可動到達位置P2に動作するときよりも、先読み可動体演出の実行中に可動到達位置P2から原位置P1に動作するときの方が早く動作するように構成されていてもよい。すなわち、先読み可動体演出の実行中において、可動体Kが可動到達位置P2から原位置P1に動作するまでの時間は、可動体Kが原位置P1から可動到達位置P2に動作するまでの時間よりも短くてもよい。
・上記実施形態において、先読み可動体演出に加えて、又は代えて、実行中の変動ゲームを対象として実行される可動体演出を実行可能であってもよい。この場合、可動体演出が実行されるタイミングは任意のタイミングであるとよい。すなわち、第1演出としての可動体演出を実行可能であってもよい。
・上記実施形態において、先読み可動体演出とは別の先読み演出を実行可能であってもよい。この場合、別の先読み演出の実行中に先読み可動体演出が実行されるようにしてもよい。すなわち、第2演出として別の先読み演出を実行可能であってもよい。
・上記実施形態において、先読み可動体演出の終了後、昇格演出が実行されるようにしてもよい。この場合、先読み可動体演出の実行中に導出される大当りの図柄組み合わせは、特別図柄の大当り図柄の種類と対応する図柄組み合わせであってもよく、対応しない図柄組み合わせであってもよく、所定の抽選により対応する図柄組み合わせ、及び対応しない図柄組み合わせの一方が決定されるようにしてもよい。
・上記実施形態において、待機状態において先読み可動体演出の演出調節を可能にしたがこれに限らない。例えば、変動中であっても先読み可動体演出の演出調節を可能にしてもよい。この場合、先読み可動体演出の演出調節を行った変動において先読み可動体演出が実行されないようにしてもよく、先読み可動体演出の演出調節を行った変動において先読み可動体演出が実行されるようにしてもよい。例えば、先読み可動体演出の演出調節を行った変動において先読み可動体演出が実行されるようにする場合、当該先読み可動体演出は、演出調節を行った後の演出態様で実行されるようにするとよい。すなわち、所定の変動ゲームにおいて演出ボタンEBT、上ボタンUBT、下ボタンDBT、左ボタンLBT、及び右ボタンRBTを操作することにより、背景画像HK2の表示時間を変化させることができるようにするとよい。
また、所定の変動ゲームにおいて演出ボタンEBT、上ボタンUBT、下ボタンDBT、左ボタンLBT、及び右ボタンRBTを操作することにより、背景画像HK3の表示時間を変化させることができるようにするとよい。すなわち、所定の変動ゲームにおいて演出ボタンEBT、上ボタンUBT、下ボタンDBT、左ボタンLBT、及び右ボタンRBTを操作することにより、背景画像HK3の表示時間を変化させることができるようにするとよい。
また、所定の変動ゲームにおいて演出ボタンEBT、上ボタンUBT、下ボタンDBT、左ボタンLBT、及び右ボタンRBTを操作することにより、大当りの図柄組み合わせの表示時間を変化させることができるようにするとよい。すなわち、所定の変動ゲームにおいて演出ボタンEBT、上ボタンUBT、下ボタンDBT、左ボタンLBT、及び右ボタンRBTを操作することにより、大当りの図柄組み合わせの表示時間を変化させることができるようにするとよい。
・上記実施形態において、新たに変動ゲームが保留されたことを契機として先読み可動体演出が実行されるように構成されたがこれに限らない。例えば、先読み可動体演出の実行条件は、任意に定められてもよい。例えば、先読み可動体演出の実行条件は、先読み可動体演出の実行待機中に演出ボタンEBTが操作されることであってもよい。
・上記実施形態において、可動体Kが可動到達位置P2に達すると、直前画像GBの表示を終了し、実行中の変動ゲームに関する演出を終了させたがこれに限らない。例えば、可動体Kが可動到達位置P2に達すると、直前画像GBの表示を終了する一方で、演出表示装置11の画像表示領域GHの一部において、実行中の変動ゲームに関する演出を実行させるようにしてもよい。この場合、先読み可動体演出が実行される表示領域は、実行中の変動ゲームに関する演出が実行される表示領域よりも大きいとよい。
・各実施形態において、副制御基板31に加えて、装飾ランプLaを専門に制御する発光制御基板、スピーカSpを専門に制御する音声制御基板、演出表示装置11を専門に制御する表示制御基板を設けてもよい。また、このようなサブ副制御基板とその他の演出を制御する基板を含めて副制御基板としてもよい。
・また、主制御基板30の主制御用CPU30aと、副制御基板31の副制御用CPU31aとを単一の基板に搭載してもよい。また、上記の別例において、発光制御基板、音声制御基板、及び表示制御基板を任意に組み合わせて単数の基板、若しくは複数の基板としてもよい。
・各実施形態のパチンコ遊技機10を、遊技球が特定領域を通過することを契機に大当り遊技を付与する遊技機(所謂1種2種混合機)に具体化してもよい。
・確率変動機能を搭載したパチンコ遊技機10として、次回の大当りに当選するまで確率変動状態を付与する仕様や、転落抽選に当選するまで確率変動状態を付与する仕様(転落機)、あるいは予め定めた回数分の変動ゲームが終了するまで確率変動状態を付与する仕様(ST機)がある。また、確率変動機能を搭載したパチンコ遊技機には、遊技球が特定領域を通過することを契機に確率変動状態を付与する仕様(V確変機)がある。実施形態のパチンコ遊技機10は、これらの何れの仕様のパチンコ遊技機に具体化してもよい。また、パチンコ遊技機10は、上記した転落機とV確変機を混合させた仕様のパチンコ遊技機であってもよい。
・各実施形態において、小当り抽選や小当り遊技を利用した状態(例えば、小当りRUSH)を生起可能に構成してもよい。例えば、小当り抽選や小当り遊技を利用した状態は、高ベース状態に比して、有利な状態であってもよい。
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(イ)演出を実行する演出実行手段と、前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、を備え、前記演出には、可動体が動作する第1演出と、情報表示手段により演出情報を表示する第2演出と、があり、前記可動体は、前記情報表示手段の前方に設けられ、前記第1演出の実行中、前記情報表示手段の表示領域は、前記可動体により作り出された境界部によって、第1表示領域と、第2表示領域と、に分けられることがあり、前記第2演出の実行中に前記第1演出が実行される状況では、当該第1演出が実行されることを契機として前記第1表示領域における前記第2演出の演出情報の表示が制限される一方、前記第2表示領域における前記第2演出の演出情報の表示は制限されない遊技機。
(ロ)前記第2演出は、前記情報表示手段により前記演出情報を表示するとともに、音出力手段により演出音を出力する演出であり、前記第2演出の実行中に前記第1演出が実行される状況では、当該第1演出が実行されることを契機として前記第2演出の演出音の一部又は全部を制限する(イ)に記載の遊技機。
(ハ)前記第1演出の実行中に前記第2演出が実行される状況であっても、前記第1表示領域における前記第2演出の演出情報の表示は制限される(イ)、又は(ロ)に記載の遊技機。
(ニ)前記第1表示領域、及び前記第2表示領域は、前記可動体の動作に伴って変化する(イ)~(ハ)のうち何れかに記載の遊技機。
(ホ)前記第1演出は、可動体が動作するとともに、前記情報表示手段の前記第1表示領域において演出情報を表示する演出である(イ)~(ニ)のうち何れかに記載の遊技機。