以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、スロット機やパチロット機(遊技球を用いて遊技が行われるスロット機を意味し、パロット機、スリットスロット機などとも呼ばれる)などの他の遊技機に適用することもできる。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)と、を含む構造体である。なお、図1において、紙面方向手前側を前面、奥側を背面と称して説明する。
図1に示すように、ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面に位置する遊技枠の前面枠の前面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技盤6の表面に立設する打球レールによって囲まれた領域である遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近の左右には、それぞれが識別情報としての飾り図柄を可変表示(変動表示)する複数の可変表示部を含む可変表示装置9が設けられている。可変表示装置9には、本例では「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。なお、「左」の可変表示部にて可変表示される飾り図柄を左飾り図柄、「中」可変表示部にて可変表示される飾り図柄を中飾り図柄、「右」可変表示部にて可変表示される飾り図柄を右飾り図柄と呼ぶ。この実施の形態では、可変表示装置9にて可変表示する飾り図柄を、左飾り図柄→右飾り図柄→中飾り図柄の順に停止表示する。
可変表示装置9は、液晶表示装置(LCD)によって構成される。この実施の形態では、可変表示装置9の3つの可変表示部に表示される飾り図柄として、「0」〜「9」の数字の図柄を用いている。そして、可変表示装置9の表示領域各々にて飾り図柄を「0」から順に表示することにより飾り図柄の可変表示を実行する。
可変表示装置9の上方には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、「0」〜「9」の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で構成されている。なお、可変表示装置9は特別図柄表示器8に対応して設けられている。また、特別図柄表示器8は、「00」〜「99」などより多種類の数字を可変表示するようにしてもよく、この場合には、ゾロ目(同一の数字が揃って停止表示)に限らず所定の組み合わせ(例えば、「18」、「82」等)を特定の停止図柄(例えば、確変図柄)とすることにより遊技者に特定の停止図柄を把握しづらくさせるようにしてもよい。
また、可変表示装置9の下方には、始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16により遊技球が入賞しやすい開放状態と、遊技球が入賞し難い閉成状態と、に変化可能である。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。
可変表示装置9の下方には、始動入賞口14に遊技球が入った有効入賞球数すなわち始動入賞記憶数を表示する4つのLEDからなる特別図柄始動記憶表示器18が設けられている。すなわち、始動入賞記憶数のうち入賞順に4個まで表示する。特別図柄始動記憶表示器18は、始動入賞口14に有効始動入賞がある毎に、点灯状態とするLEDの数を1増やし、可変表示装置9で可変表示が開始される毎に1減らす。なお、この例では、始動入賞口14への入賞による始動入賞記憶数に上限数(この例では4個まで)を設けているが、上限数を設けなくてもよい。
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。開閉板20は、大入賞口(特別可変入賞球装置)を開閉する手段である。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球はカウントスイッチ23で検出される。
ゲート32に遊技球が入賞し、ゲートスイッチ32aで検出されると、可変表示装置9と特別図柄表示器8との間に配置される普通図柄表示器10にて表示を変化させる可変表示を開始する。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に左側のランプ(○のランプ)が点灯すれば当りとなり、右側のランプ(×のランプ)が点灯すればはずれとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄:○)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。なお、普通図柄の当り確率は、例えば1/13とされる。普通図柄表示器10の左右側方には、ゲート32に入った入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。遊技球がゲート32を通過する毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。各入賞口29,30,33,39は、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口14や大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。
遊技領域7の左右周辺には、遊技状態(この実施の形態では、通常状態、時短状態、確変状態のいずれか)を遊技者に報知するための遊技状態報知ランプ25が設けられている。すなわち、この例では、遊技状態報知ランプ25を用いて、遊技状態が確変状態(高確率状態)であるのか、時短状態(時間短縮状態および低確率状態)であるのか、確変状態でも時短状態でもない通常状態(低確率状態)であるのかを遊技者に報知する。例えば、確変状態では、遊技領域7の左側部に位置する遊技状態報知ランプ25のみを点灯状態とし、時短状態では、遊技領域7の右側部に位置する遊技状態報知ランプ25のみを点灯状態としてもよい。また、遊技状態報知ランプ25の点灯色を異ならせることによって遊技状態を報知するようにしてもよい。
遊技領域7の下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
また、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。上記のように、この実施の形態のパチンコ遊技機1には、発光体としてのランプやLEDが各所に設けられている。さらに、プリペイドカード等が挿入されることによって球貸しを可能にする球貸ユニット50(図2に符号のみ記載)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される。
この実施の形態では、打球操作ハンドル5の上方に、遊技者が操作可能な操作手段としての操作ボタン120が設けられている。この操作ボタン120は、後述する大当り図柄の再抽選演出、予告演出(リーチ予告)、選択演出等の実行中に遊技者によって操作される。操作ボタン120が遊技者によって押下されると、電極が接触することによりオン状態となり、オン信号(検出信号)が基板上に搭載されているマイクロコンピュータ(この実施の形態では、後述する演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ101;図3参照)に出力される。なお、この実施の形態では打球操作ハンドル5の上方に操作ボタン120が設けられているが、操作ボタン120は遊技者に操作可能な位置に設けられていればよく、例えば、打球供給皿3等の他の箇所に設けられていてもよい。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータ(後述する発射モータ94)の回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示しない)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に立設する打球レールを通って遊技領域7の上方に放出され、その後、遊技領域7を流下する。
打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技状態が終了している状態、または、前回の可変表示が終了している状態)、特別図柄表示器8において特別図柄の可変表示(変動)を開始するとともに、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示(変動)を開始する。特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、特別図柄始動記憶表示器18の始動入賞記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)であると、特定遊技状態、すなわち大当り遊技状態に移行する。この状態では、一定時間(例えば、29秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで、開閉板20を開状態にすることにより特別可変入賞装置(大入賞口および開閉板20によって構成され、開閉板20によって遊技球が入賞可能な開放状態と遊技球が入賞不可能な閉塞状態とに変化可能な入賞装置)が開放される。なお、開閉板20が開状態となって特別可変入賞装置が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで、が大当り遊技状態における1ラウンドである。この実施の形態では、大当り遊技状態を15ラウンド継続させる。なお、継続されるラウンドを異ならせた複数の大当り遊技状態(例えば大当り遊技状態を7ラウンド継続させる「7ラウンド大当り」、大当り遊技状態を15ラウンド継続させる「15ラウンド大当り」等)を設けるようにしてもよい。
特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示と、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。ここで、同期とは、可変表示の期間が同じであることをいう。また、特別図柄表示器8において大当り図柄(例えば「7」)が停止表示されるときには、可変表示装置9において左・中・右の可変表示部に表示される飾り図柄が同一の図柄で揃った状態(例えば「222」や「777」等)で停止表示される。以下、可変表示装置9において左・中・右の飾り図柄が揃った状態で停止表示されることを飾り図柄の大当り図柄(特定表示結果)が表示されるというように表現する。
本例では、特別図柄表示器8は、7セグメント表示器によって構成され、セグメント表示を行う。特別図柄の可変表示は、7セグメント表示器にて「0」〜「9」、「−」を順番に変更して表示することによって行われる。特別図柄表示器8では、可変表示が終了したときの停止図柄が「0」〜「9」のときは大当りを意味し、「−」のときははずれを意味する。特別図柄表示器8にて可変表示の表示結果が大当りとなる確率は、例えば2/630(=1/315)とされる。なお、特別図柄は複数桁であってもよい。
また、本例では、特別図柄始動記憶表示器18と、普通図柄始動記憶表示器41と、がLEDによって構成されている。また、普通図柄表示器10と遊技状態報知ランプ25とがランプによって構成され、可変表示装置9がLCDによって構成されている。飾り図柄は、例えば左・中・右の3図柄によって表示され、左・中・右それぞれの図柄には例えば「0」〜「9」の10個の数字が用いられる。そして、飾り図柄は、停止図柄の左・中・右それぞれが同一の図柄である場合には「大当り」を示唆(単に「大当り」ということがある)していることを意味し、それ以外の停止図柄である場合には「はずれ」を示唆(単に「はずれ」ということがある)していることを意味する。なお、可変表示装置9による表示演出を、キャラクタなどの識別情報により行うようにしてもよい。例えば、キャラクタにより表示演出を行う場合には、例えば野球選手を登場させてホームランを打った様子を表示することにより、大当りを示唆するようにすることなどが考えられる。
所定の移行条件(第1移行条件ともいう)が成立した場合、具体的には、特別図柄表示器8における停止時の特別図柄が確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)である場合には、第1移行条件が成立しなかった場合に比べて次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、確変状態(特別遊技状態:識別情報の可変表示の表示結果を特定表示結果とする確率を通常状態であるときに比べて向上させた状態、高確率状態ともいう)という遊技者にとってさらに有利な状態となる。確変状態では、例えば、次に大当りとなる確率が約630分の10となり、通常状態であるとき(約630分の2)の5倍程度に高められる。
本例では、大当りとなったときに、確変大当り(大当り遊技状態終了後に確変状態に制御される大当り)である確率(確変突入率)は2分の1とされる。また、確変状態は、所定の確変終了条件が成立するまで(例えば次に大当りが発生したときまで)継続する。
なお、確変状態は、次に大当りが発生するまで、あるいは、所定回数の特別図柄の可変表示が行われるまで継続するようにしてもよい。さらに、確変状態を終了するか否かの抽選を、乱数を用いて行い、その抽選結果に応じて確変状態を終了するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、所定の移行条件(第1移行条件とは異なる第2移行条件ともいう)が成立した場合、具体的には、特別図柄表示器8に大当り図柄が導出表示されたことにもとづく大当り遊技状態が終了したときには、時短状態(特別遊技状態:通常状態であるときに比べて所定回数の識別情報の可変表示の可変表示期間を短縮する状態)という遊技者にとって有利な状態となる。時短状態では、例えば、時短状態でない通常状態である場合に比べて、単位時間あたりに始動入賞が発生する回数が高められるとともに、特別図柄の変動時間(可変表示期間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)が短縮された状態となる。従って、時短状態では、通常状態と比較して、単位時間あたりに特別図柄の変動表示が実行される回数が高められた状態となり、結果として、単位時間あたりに大当りが発生する確率が高められた状態となる。なお、単位時間あたりに始動入賞が発生する回数を高めるために、時短状態において、例えば、通常状態に比べて可変入賞球装置15の開放時間の延長と開放回数の増加とのうちの一方または双方が行われるようにしたり、普通図柄表示器10における変動時間が短縮されたりするようにすればよい。
特別図柄表示器8に大当り図柄が導出表示されたことにもとづく大当り遊技状態が終了した後は、本例では、所定の時短終了条件が成立するまで(例えば所定回数(例えば100回)の特別図柄の可変表示が行われるまで)、時短状態が継続する。そして、時短終了条件が成立したときに時短状態を終了し、通常状態の制御を開始する。この実施の形態では、確変図柄が導出表示された(確変大当り)場合に確変状態に制御するが、この確変状態では時短状態と同様の制御も実行される。すなわち、本例における確変状態は、時短状態の制御に加えて大当りとなる確率が通常状態よりも高められた状態である。一方、非確変図柄が導出表示された(非確変大当り)場合には時短状態に制御されるが、大当りとなる確率は通常状態と同一である。なお、確変状態にて時短状態における制御を実行しないようにしてもよく、この場合には、各々所定の条件が成立したか否かにもとづいて大当り遊技状態終了後に、時短状態における制御を実行する確変状態(確変時短状態)、時短状態における制御を実行しない確変状態(確変非時短状態)、時短状態、時短状態および確変状態の制御を実行しない通常状態、などの複数種類の遊技状態のうちいずれかに制御するようにしてもよい。
遊技球がゲート32に入賞すると、普通図柄表示器10において普通図柄が可変表示される状態になる。また、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。さらに、確変状態や時短状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
次に、リーチ態様(リーチ)について説明する。この実施の形態におけるリーチ態様とは、停止した飾り図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない飾り図柄については可変表示(変動)が行われていること、および全てまたは一部の飾り図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
例えば、可変表示装置9における左・中・右の可変表示部のうち左・右の表示部には大当り図柄の一部になる飾り図柄(例えば、「7」)が停止表示されている状態で中の可変表示部は未だ可変表示(変動)が行われている状態、および可変表示部の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して可変表示(変動)している状態(例えば、可変表示装置9における左・中・右の可変表示部の全てに可変表示(変動)が行われ、常に同一の図柄が揃っている状態で可変表示(変動)が行われている状態)がリーチ態様(リーチ)になる。
また、リーチ態様(リーチ)の際に、通常と異なる演出がランプや音で行われる。その演出と可変表示装置9におけるリーチ態様(リーチ)とをリーチ演出という。また、リーチ態様(リーチ)の際にキャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(飾り図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、可変表示装置9の背景の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。
図2は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御用マイクロコンピュータ60)53と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの信号を基本回路53に与える入力ドライバ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、開閉板20を開閉するソレノイド21を基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59と、が搭載されている。
なお、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。入賞検出を行う始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの各スイッチは、入賞検出手段でもある。なお、入賞検出手段は、複数の入賞口に別個に入賞したそれぞれの遊技球をまとめて検出するものであってもよい。また、ゲートスイッチ32aのような通過ゲートであっても、賞球の払い出しが行われるものであれば、通過ゲートへ遊技球が進入することが入賞になり、通過ゲートに設けられているスイッチ(例えばゲートスイッチ32a)が入賞検出手段になる。
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載されている。
基本回路53は、遊技制御用マイクロコンピュータ60と、I/Oポート部57とを含む。遊技制御用マイクロコンピュータ60は、ゲーム制御(遊技制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、およびプログラムに従って制御動作を行うCPU56で実現される。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ60に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよい。このため、ROM54は外付けであってもよい。また、I/Oポート部57が遊技制御用マイクロコンピュータ60に内蔵されていてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ60はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ60が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ60がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御用マイクロコンピュータ60の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ、状態データ等)は、バックアップRAMに保存される。遊技制御用マイクロコンピュータ60の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。
図示しない電源基板は、交流電源(AC24V)を整流、平滑した直流電源(DC30V、DC24V、DC12V、DC5V)を生成するための基板である。また、電源基板は、主基板31および払出制御基板37の各CPUに駆動電源が供給されていない間、主基板31および払出制御基板37のRAMの記憶内容をバックアップ(保持)記憶するために主基板31および払出制御基板37にバックアップ電源を供給するようになっている。なお、電源基板は、直流電源(例えば、DC30V)を監視し、当該直流電源が所定の電圧以下になったことを検出すると電源断信号を出力する。そして、電源基板から電源断信号が出力されることによって主基板31および払出制御基板37は、バックアップをするための処理を行なうようになっている。
なお、本例では、電源の供給が停止した状態(電源断)であるか否かを検出するための電源監視手段として直流電源(この例ではDC30V)を監視し、監視している直流電源が所定の電圧以下になったことを検出すると電源断信号を出力するものを例示したが、これに限らず、交流電流(AC24V)を直流に変換する途中における全波整流波形の有無を監視し、波形が所定期間検出できなかったときに電源断信号を出力するものでもよい。つまり、監視する対象は電圧に限らず、全波整流波形でも半波整流波形でもよく、パチンコ遊技機1への供給電力が低下していることを検出できるものであればよい。
また、本例では、主基板31および払出制御基板37における入力ポートから電源断信号を入力し、電源断信号が出力されていると判定されたときにバックアップするための処理を実行するものを例示したが、これに限らず、電源断信号をNMI端子へ入力し、ノンマスカブル割込処理にてバックアップするための処理を実行するものでもよい。また、電源断信号をNMI端子へ入力し、電源断信号の入力に応じて電断フラグをセットし、タイマ割込処理あるいはメイン処理にて電断フラグの状態を監視して、電断フラグがセットされていればバックアップするための処理を実行するようにしてもよい。
遊技球を打撃して発射させる打球発射装置は、発射モータ94が回転することによって遊技球を遊技領域7に向けて発射する。発射モータ94を回転させるための電源信号は、電源基板(図示しない)に搭載されている電源からタッチセンサ基板90を介して発射モータ94に供給される。なお、球貸ユニット50から接続信号(VL信号)がインターフェイス基板66を介してタッチセンサ基板90に入力される。また、遊技者が打球操作ハンドル(操作ノブ)5に触れていることはタッチセンサ基板90に搭載されているタッチセンサで検出される。そして、タッチセンサからの検出信号と電源からの信号とがタッチセンサ基板90上の一のAND回路に入力され、当該一のAND回路の出力信号と球貸ユニット50からのVL信号とがタッチセンサ基板90上の他のAND回路に入力され、他のAND回路から発射モータ94に信号が出力される。従って、球貸ユニット50からのVL信号がタッチセンサ基板90に出力されていなかったり、遊技者が打球操作ハンドル5に触れていなかったりすることによりタッチセンサから検出信号が出力されていないときには、発射モータ94の駆動が停止される。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載される演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される)が遊技制御用マイクロコンピュータ60からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する可変表示装置9の表示制御を行う。
図3は、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていない。演出制御基板80は、図示しない演出制御用CPUおよびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ101を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、主基板31からのストローブ信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用マイクロコンピュータ101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、LCDを用いた可変表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、主基板31から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか信号を通過させない(演出制御基板80の内部から主基板31への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。なお、主基板31からの演出制御コマンドおよび演出制御INT信号を、中継基板を介して演出制御基板80に入力させるようにしてもよく、この場合には、主基板31から入力された信号を中継基板から演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段として単方向性回路を搭載してもよい。単方向性回路としては、例えば、ダイオードやトランジスタが使用される。また、単方向性回路は各信号毎に設けられる。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ101は、出力ドライバ104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。また、演出制御用マイクロコンピュータ101に入出力するバス(アドレスバス、データバス、および書込/読出信号等の制御信号ラインを含む)はバスドライバ105を介してランプドライバ基板35まで延長されている。
ランプドライバ基板35において、演出制御用マイクロコンピュータ101から入力するバスは、バスレシーバ351を介して出力ポート352に接続される。出力ポート352から出力される各ランプを駆動する信号は、ランプドライバ354で増幅され天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給される。また、出力ポート352から出力される各LEDを駆動する信号は、LED駆動回路355で増幅され賞球LED51、球切れLED52、ボタン内蔵LED120aなどの枠側に設けられている各LEDに供給される。なお、ボタン内蔵LED120aは操作ボタン120に内蔵されるLEDである。このボタン内蔵LED120aは、複数種類の発光色を発光可能なLEDでもよいし、単色発光可能なLEDであってもよい。
この実施の形態では、枠側に設けられているランプ・LEDは、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ101を含む演出制御手段によって制御される。また、可変表示装置9およびランプ・LED等を制御するためのデータがROMに格納されている。演出制御用マイクロコンピュータ101は、ROMに格納されているデータにもとづいて可変表示装置9およびランプ・LED等を制御する。そして、ランプドライバ基板35に搭載されている出力ポート352および各ドライバまたは駆動回路を介して、ランプ・LEDが駆動される。
なお、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70は独立した基板であるが、それらは、例えば、遊技機裏面において、1つのボックスに収容された状態で設置される。
音声出力基板70において、演出制御基板80からの音番号データは、入力ドライバ702を介して、例えばデジタルシグナルプロセッサによる音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じたデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに応じた信号(音声や効果音等を表す信号)を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。
なお、この実施の形態では、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用マイクロコンピュータ101からランプドライバ基板35および音声出力基板70に向かう方向の単方向通信によって出力されるが、演出制御用マイクロコンピュータ101とランプドライバ基板35および音声出力基板70との間で双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達されるようにしてもよい。
次に遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ60:CPU56およびROM54,RAM55等の周辺回路)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。なお、割込みモード2は、遊技制御用マイクロコンピュータ60が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(図示せず)の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、通常の初期化処理を実行する(ステップS11〜ステップS14)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにRAM55のバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、遊技制御用マイクロコンピュータ60は通常の初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。ステップS9では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理にて同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される通常の初期化処理を実行する。
この実施の形態では、電源基板から電源断信号が出力されたことにもとづいてクリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象となるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムとする。そしてバックアップRAM領域に格納するとともに、バックアップフラグ領域に「55H」を設定する。
なお、本例では、電源基板から電源断信号が出力されたことにもとづいてバックアップするための処理としてチェックサムデータの作成やバックアップフラグをセットし、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときにこれらを確認するものを例示したが、これに限らずバックアップするための処理にて出力ポートをクリアする処理や、電源状態が復帰したか否かを監視する処理(瞬停時に復帰させる処理)を実行してもよい。また、その処理の順番は本件実施の形態に限定されるものではない。
チェック結果が正常であれば、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS10)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否かを確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS11)。また、所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行う(ステップS12)。さらに、サブ基板(この実施の形態では払出制御基板37および演出制御基板80)を初期化するための初期化コマンドを各サブ基板に送信する処理を実行する(ステップS13)。初期化コマンドとして、可変表示装置9に表示される飾り図柄の初期図柄を示すコマンド(演出制御基板80に対して)や賞球LED51および球切れLED52の消灯を指示するコマンド等がある。
そして、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ60に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS14)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
初期化処理の実行(ステップS11〜S14)が完了すると、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされ(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態とされる(ステップS19)。表示用乱数とは、特別図柄表示器8の表示内容(例えば、変動パターン、リーチするか否か等)を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り決定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理において、大当り決定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS17やステップS18の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値や初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS17およびステップS18の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、レジスタの退避処理(ステップS20)を行った後、図5に示すステップS21〜S32の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、まず、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS22)。遊技制御用マイクロコンピュータ60は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理、表示用乱数更新処理:ステップS23,S24)。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(3)ランダム3:大当りを発生させる特別図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(4)ランダム4:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム5:大当りを発生させない場合にリーチとするか否か(本例では、可変表示装置9においてリーチ演出を実行するか否か)を決定する(リーチ判定用)
(6)ランダム6:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(7)ランダム7:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(8)ランダム8:ランダム6の初期値を決定する(ランダム6初期値決定用)
図5に示された遊技制御処理におけるステップS22では、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、(1)の大当り判定用乱数、(3)の大当り図柄決定用乱数、および(6)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1),(3)〜(8)の乱数以外の乱数も用いられている。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS25)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。また、特別図柄プロセス処理では、演出制御基板80に対するコマンド(演出制御コマンド)の設定処理も実行する。特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。普通図柄プロセス処理を実行することにより普通図柄表示器10の表示制御および可変入賞球装置15の開閉制御が実行される。普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、可変表示装置9の表示制御に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(飾り図柄コマンド制御処理:ステップS27)。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータ(情報出力信号)を情報出力回路64を介して出力する情報出力処理を行う(ステップS28)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS29)。具体的には、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、パチンコ遊技機1の制御状態をパチンコ遊技機1外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS30)。さらに、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を行う(ソレノイド出力処理:ステップS31)。可変入賞球装置15または開閉板20を開状態または閉状態とするために、ソレノイド回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21を駆動する。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、確変状態や時短状態などの遊技状態を報知するための遊技状態表示制御データを遊技状態表示制御データ設定用の出力バッファに設定する状態表示灯制御処理を行う(ステップS32)。なお、ここで出力バッファに設定された表示制御データに応じて駆動信号が出力され、遊技状態を報知するための遊技状態報知ランプ25の表示制御が行われることにより、確変状態である旨の表示や時短状態である旨の表示などが実行される。
その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS33)、割込許可状態に設定する(ステップS34)。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ60が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図7に示す特別図柄プロセス処理は、図5のフローチャートにおけるステップS25の具体的な処理である。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8を制御するための処理が実行される。
遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
始動口スイッチ通過処理(ステップS312)では、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞記憶数が最大値である4に達しているかどうか確認し、始動入賞記憶数が4に達していなければ、始動入賞記憶数を1増やす(具体的には、始動入賞カウンタのカウント値を1加算する)とともに大当り判定用乱数等の各乱数の値を抽出し、それらを始動入賞記憶数(始動記憶数)の値に対応した保存領域(特別図柄判定用バッファ)に格納する。なお、乱数を抽出するとは、乱数を生成させるためのカウンタからカウント値を読み出して、読み出したカウント値を乱数値とすることである。始動口スイッチ通過処理では、図6に示された乱数のうち、ランダム1〜ランダム5が抽出される。なお、始動口スイッチ通過処理では、少なくともパチンコ遊技機1の遊技状態(例えば、大当り遊技状態、確変状態、時短状態、等)を決定する際に使用される乱数を抽出するようにすればよく、図6に示す各乱数のうちランダム1およびランダム3を抽出するようにすればよい。この場合には、当該始動入賞記憶にもとづく特別図柄の可変表示を開始するときにランダム4およびランダム5を抽出するようにしてもよい。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄の可変表示を開始できる状態になるのを待つ。特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、特別図柄についての始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、特別図柄の可変表示の結果を大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に移行するように更新する。
特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。
変動パターン設定処理(ステップS302):ランダム4の値に応じて変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定し、決定した変動パターンを示す演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を演出制御基板80に送信する。また、決定した特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。
特別図柄変動処理(ステップS303):特別図柄の変動表示を行う。そして、特別図柄の変動時間が経過すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):演出制御基板80に対して、飾り図柄の停止を指示するための飾り図柄停止コマンドを送信する。また、特別図柄表示器8における特別図柄を停止させる。そして、特別図柄の停止図柄が大当り図柄である場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。なお、飾り図柄停止コマンドを送信しない構成としてもよい。この場合、演出制御基板80は、主基板31からの変動パターンコマンドにもとづいて変動時間タイマに変動時間を設定するとともに、その変動時間タイマを更新していくことで飾り図柄の変動時間を独自に監視し、その変動時間が経過したと判定したときに飾り図柄を停止する処理を行うようにすればよい。
大入賞口開放前処理(ステップS305):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。
大入賞口開放中処理(ステップS306):大入賞口ラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御基板80に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立したら、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS305に移行するように更新し、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS307に移行するように更新する。
大当り終了処理(ステップS307):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御手段に行わせるための制御を行う。具体的には、大当り遊技状態を終了する旨を通知する大当り終了表示コマンド(非特定大当り終了表示コマンドおよび特定大当り終了表示コマンド)を送信する。そして、大当り終了表示コマンドを送信してから所定期間経過後(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ101により後述する大当り終了演出処理を実行する期間が終了したとき)に内部状態をステップS300に移行するように更新する。
図8は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。図8において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。
この例では、特別図柄の各変動パターンは、はずれとするか否か、大当りとするか否か、リーチとするか否か、リーチとする場合のリーチ態様、短縮変動とするか否かなど、各種の演出態様の違いに応じて複数種類用意されている。なお、本例では、リーチ演出は、飾り図柄の変動表示を行う可変表示装置9を用いて行う。なお、大当りとなること、リーチとなることなどを予告する予告演出(大当りにならない場合およびリーチとならない場合にも実行されることがある;ガセ予告演出)を行うか否かについて主基板31で決定するようにしてもよい。この場合、さらに、予告演出を行う場合の演出態様を主基板31で決定するようにしてもよい。
なお、「通常変動」とは、リーチ態様を伴わない変動パターンである。「ノーマルリーチ」とは、リーチ態様を伴う変動パターンである。「リーチA」は、「ノーマルリーチ」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。また、リーチ態様が異なるとは、リーチ変動時間において異なった態様の変動態様(速度や回転方向等)やキャラクタ等が現れることをいう。例えば、「ノーマル」では単に1種類の変動態様によってリーチ態様が実現されるのに対して、「リーチA」では、変動速度や変動方向が異なる複数の変動態様を含むリーチ態様が実現される。
また、「リーチB」は、「ノーマルリーチ」および「リーチA」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。さらに、「リーチC」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」および「リーチB」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。なお、「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」および「リーチC」では、大当りとなる場合と大当りとならない場合とがあり、大当りとなる場合には、再抽選演出を実行する場合と再抽選演出を実行しない場合とがある。
ここで、「再抽選演出」とは、非確変図柄で大当りとなる(非確変大当り)ことを遊技者に報知した後に所定の表示演出を実行して確変図柄で大当り(確変大当り)または非確変図柄で大当りとなることを報知する演出であり、例えば、可変表示装置9に大当り図柄(非確変図柄または確変図柄)が導出表示されることが事前に決定されている場合において、可変表示装置9において左中右の飾り図柄を同一の非確変図柄(非確変図柄が一般的であるが、はずれ図柄であってもよい)が揃った状態で仮停止表示し、その揃った状態の非確変図柄を再変動させてから大当り図柄(非確変図柄または確変図柄)を導出表示する演出等をいう。この実施の形態では、再抽選演出を実行可能なタイミングとして、大当り遊技の開始前(例えば、特別図柄の可変表示の実行中)、大当り遊技の実行中、または大当り遊技を終了するとき、の3度のタイミングがある。この3度のタイミングのうち1度だけ再抽選演出を実行するようにしてもよいし、複数回再抽選演出を実行するようにしてもよい。また、図8に示した変動パターンに含まれる「再抽選演出」は、大当り遊技の開始前に飾り図柄の変動の一部として実行される再抽選演出のことであり、図8に示した変動パターンに含まれる「大当り中再抽選」は、大当り遊技の実行中に実行される再抽選演出のことである。なお、再抽選演出の詳細な説明については後述する。
さらに、「短縮変動」は、識別情報の変動時間が極めて短い変動パターンである。なお、図8に示す変動パターン以外にも、リーチ態様や表示結果(確変大当り、非確変大当り)などの様々な組み合わせの変動パターンを備えるようにしてもよい。
図9は、本例で用いられる変動パターンテーブル(HT)の例を示す説明図である。図9には、遊技状態が通常状態であるときに使用される変動パターンテーブル(通常状態用HT(通常状態用変動パターンテーブル);通常状態用はずれ時変動パターンテーブル(TH)と通常状態用リーチ時変動パターンテーブル(TR)と通常状態用非確変大当り時変動パターンテーブル(TA1)と通常状態用確変大当り時変動パターンテーブル(TA2))と、遊技状態が確変状態であるときに使用される変動パターンテーブル(確変状態用HT(確変状態用変動パターンテーブル);確変状態用はずれ時変動パターンテーブル(KH)と確変状態用リーチ時変動パターンテーブル(KR)と確変状態用非確変大当り時変動パターンテーブル(KA1)と確変状態用確変大当り時変動パターンテーブル(KA2))と、遊技状態が時短状態であるときに使用される変動パターンテーブル(時短状態用HT(時短状態用変動パターンテーブル);時短状態用はずれ時変動パターンテーブル(JH)と時短状態用リーチ時変動パターンテーブル(JR)と時短状態用非確変大当り時変動パターンテーブル(JA1)と時短状態用確変大当り時変動パターンテーブル(JA2))とが示されている。
通常状態用変動パターンテーブルとして、特別図柄の可変表示結果がはずれとなるときに使用される通常状態用はずれ時変動パターンテーブル(TH)と、特別図柄の可変表示結果がはずれとなるがリーチ態様が出現するときに使用される通常状態用リーチ時変動パターンテーブル(TR)と、特別図柄の可変表示結果が非確変大当りとなるときに使用される通常状態用非確変大当り時変動パターンテーブル(TA1)と、特別図柄の可変表示結果が確変大当りとなるときに使用される通常状態用確変大当り時変動パターンテーブル(TA2)と、の4種類があらかじめ用意されている。
また、確変状態用変動パターンテーブルとして、特別図柄の可変表示結果がはずれとなるときに使用される確変状態用はずれ時変動パターンテーブル(KH)と、特別図柄の可変表示結果がはずれとなるがリーチ態様が出現するときに使用される確変状態用リーチ時変動パターンテーブル(KR)と、特別図柄の可変表示結果が非確変大当りとなるときに使用される確変状態用非確変大当り時変動パターンテーブル(KA1)と、特別図柄の可変表示結果が確変大当りとなるときに使用される確変状態用確変大当り時変動パターンテーブル(KA2)と、の4種類があらかじめ用意されている。
さらに、時短状態用変動パターンテーブルとして、特別図柄の可変表示結果がはずれとなるときに使用される時短状態用はずれ時変動パターンテーブル(JH)と、特別図柄の可変表示結果がはずれとなるがリーチ態様が出現するときに使用される時短状態用リーチ時変動パターンテーブル(JR)と、特別図柄の可変表示結果が非確変大当りとなるときに使用される時短状態用非確変大当り時変動パターンテーブル(JA1)と、特別図柄の可変表示結果が確変大当りとなるときに使用される時短状態用確変大当り時変動パターンテーブル(JA2)と、の4種類があらかじめ用意されている。
各変動パターンテーブルでは、それぞれ、図8に示されている変動パターン番号とランダム4の抽出値と比較される比較値とが対応付けされている。図9に示す各変動パターンテーブルは、変動パターンの選択確率を示すものである。例えば、通常状態用はずれ時変動パターンテーブルでは、変動パターン1に150個全ての比較値が設定されており、変動パターン1が150/150(すなわち100%)の確率で選択される。また、例えば、通常状態用リーチ時変動パターンテーブルでは、変動パターン3に30個の比較値が割り振られており、変動パターン3が30/150の確率で選択される。
なお、各変動パターンテーブルに割り振られた比較値の合計は150(ランダム4の更新範囲)になる。また、図9に示す比較値の割り振り状態は一例であり、他の状態に割り振るようにしてもよい。各変動パターンテーブルは、主基板31におけるROM54に格納されているものとする。すなわち、12種類の変動パターンテーブルが設けられ、ROM54に格納されている。
変動パターンを決定する際には、遊技状態および各種判定結果(確変大当りとするか否か、リーチするか否か等)に応じた変動パターンテーブルが用いられ、ランダム4の抽出値と同一の値の比較値に対応付けされている変動パターン番号が選択され、選択された変動パターン番号の変動パターンに決定される。なお、通常状態用変動パターンテーブルを用いて決定された変動パターン(通常状態変動パターン)であるか、確変状態用変動パターンテーブルを用いて決定された変動パターン(確変状態変動パターン)であるか、時短状態用変動パターンテーブルを用いて決定された変動パターン(時短状態変動パターン)であるかについては、2バイト構成の演出制御コマンドにおける1バイト目のMODEデータによって区別されるようにしてもよい。この場合、演出制御基板80側では、演出制御コマンドの1バイト目のMODEデータによって、受信した演出制御コマンドが通常状態変動パターンを示す変動パターンコマンドであるか、確変状態変動パターンを示す変動パターンコマンドであるか、時短状態変動パターンを示す変動パターンコマンドであるかが認識可能となり、遊技機の制御状態が移行したことを変動パターンコマンドにより認識することが可能となる。
なお、通常状態用はずれ時変動パターンテーブル(TH)に比較値を振り分けることなく、始動入賞記憶数に応じて通常の変動時間(例えば、10秒)の変動パターンまたは通常の変動時間よりも短縮された短縮変動時間(例えば、3秒)の変動パターンのいずれか一方を選択するようにしてもよい。
図10は、特別図柄通常処理(ステップS300)の例を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特別図柄の変動を開始することができる状態(例えば特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合)であれば(ステップS51)、始動入賞記憶数の値を確認する(ステップS52)。具体的には、始動入賞カウンタのカウント値を確認する。
なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、特別図柄表示器8において特別図柄の変動がなされておらず、かつ、特別図柄の可変表示結果が大当り表示結果となったことにもとづく大当り遊技の実行中でもない場合である。
ステップS52で始動入賞記憶数が「0」であると判定されたときには(ステップS52;Yes)処理を終了する。一方、ステップS52で始動入賞記憶数が「0」でなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数格納バッファに格納する(ステップS53)。そして、始動入賞記憶数の値を1減らし、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54)。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、始動入賞記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各始動入賞記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、始動入賞記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数値が抽出された順番を特定することができる。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、乱数格納バッファから大当り判定用乱数を読み出し(ステップS55)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS56)。大当り判定モジュールは、大当り判定用乱数が、あらかじめ決められている大当り判定値と一致したら大当りとすることに決定するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(ステップS57;YES)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、大当りフラグをセットする(ステップS58)。
なお、「大当りフラグ」は、後述するステップS101,S111などにおいて参照される。このように大当りフラグは特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示の結果が大当りとなることを示すフラグである。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止図柄設定処理に対応した値に更新する(ステップS59)。また、ステップS56では、制御状態が確変状態であるか否かを加味して、確変時の大当り確率または非確変時の大当り確率で判定を行う。すなわち、状態データが示す制御状態が確変状態であるか否かを確認し、確変状態であれば遊技状態が非確変状態(通常状態および時短状態)の場合よりも大当りとなる確率が高くなる確変状態時(高確率時)の大当り確率で判定を行い(具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている高確率大当り判定テーブルを用いて判定し)、非確変状態であれば遊技状態が確変状態時よりも大当りとなる確率が低くなる非確変状態時(低確率時)の大当り確率で判定を行う(具体的には、大当り判定値の数が高確率大当り判定テーブルよりも少なく設定されている低確率大当り判定テーブルを用いて判定する)。
図11は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)の例を示すフローチャートである。特別図柄停止図柄設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、大当りの有無の決定結果に応じて、特別図柄の停止図柄を決定する。具体的には、ステップS56にて大当りとすることに決定されている場合には(ステップS101;Y)、乱数格納バッファに格納されている大当り図柄決定用乱数(ランダム3)の値に従って大当り図柄を決定する(ステップS104)。大当り図柄を決定することによって、確変大当りか、非確変大当り(この例では、大当り遊技状態終了後に時短状態に制御されるため時短大当りともいう)かが決定される。確変大当りであれば(ステップS105;Y)、確変大当りフラグをセットし(ステップS106)、演出制御用マイクロコンピュータ101に当該可変表示の判定結果を通知する判定結果コマンドとして確変大当り指定コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS107)。一方、確変大当りでなければ(ステップS105;N)、判定結果コマンドとして非確変大当り指定コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS108)。
なお、この実施の形態では、大当り図柄を決定することにより確変大当りか非確変大当りかを決定するが、確変大当りとするか非確変大当りとするかの決定を大当り図柄の決定とは別に行ってもよい。例えば、確変大当りとするか否かを判定する確変判定用乱数を所定範囲で更新し、大当りとする場合には始動入賞口14に遊技球が入賞したときに抽出した確変判定用乱数にもとづいて確変大当りか否かを判定するようにしてもよい。
また、ステップS56にてはずれとすることに決定されている場合には(ステップS101;N)、はずれ図柄として「−」に決定し(ステップS102)、演出制御用マイクロコンピュータ101に当該可変表示の判定結果を通知する判定結果コマンドとしてはずれ指定コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS103)。なお、この実施の形態では、ステップS56にてはずれとすることに決定されている場合には、ステップS102にて予め定められた1つのはずれ図柄に決定されるが、複数のはずれ図柄のうちいずれかに決定するようにしてもよい。例えば、はずれ図柄決定用乱数を用いて予め定められた複数種類のはずれ図柄のうちいずれかに決定するようにしてもよい。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値に更新する(ステップS109)。
図12は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS302)の例を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、大当りの有無の決定結果等に応じて、図9に示した変動パターンテーブルのいずれを使用する変動パターンテーブルとするのかを決定する。具体的には、ステップS56にて大当りとすることに決定されている場合には(ステップS111;Y)、確変大当りフラグがセットされているか否かを確認することにより確変大当りとすることに決定されているか否かを判定する(ステップS112)。そして、確変大当りフラグがセットされていれば(ステップS112;Y)、遊技状態に応じた確変大当り時変動パターンテーブルを選択し(ステップS113)、確変大当りフラグがセットされていなければ(ステップS112;N)、遊技状態に応じた非確変大当り時変動パターンテーブルを選択する(ステップS114)。
一方、ステップS56にて大当りとしないことに決定されている場合には(ステップS111;N)、乱数格納バッファからリーチ判定用乱数を読み出してリーチ判定モジュールを実行する(ステップS115)。リーチ判定モジュールは、リーチ判定用乱数があらかじめ決められているリーチ判定値と一致したらリーチすることに決定するプログラムである。リーチすることに決定した場合には(ステップS116;Y)、遊技状態に応じたリーチ時変動パターンテーブルを選択し(ステップS117)、リーチしないことに決定した場合には(ステップS116;N)、遊技状態に応じたはずれ時変動パターンテーブルを選択する(ステップS118)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、ステップS111〜ステップS118で選択した変動パターンテーブルと、乱数格納バッファに格納されている変動パターン決定用乱数(ランダム4)とにもとづいて、図8に示した変動パターンのいずれとするのかを決定する(ステップS119)。本例では、変動パターンを決定することによって、特別図柄の変動時間が決定される。なお、変動時間を決定したあと、決定した変動時間に応じて異なる表示態様を示す複数種類の変動パターンのうちいずれかを選択するようにしてもよい。
変動パターンを決定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、決定した変動パターン指定のコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS120)、ステップS119で決定した特別図柄の変動時間示す変動時間データを特別図柄プロセスタイマに設定して変動時間の計測を開始するとともに(ステップS121)、特別図柄表示器8での特別図柄の変動表示を開始する(ステップS122)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行し(ステップS123)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値に更新する(ステップS124)。
コマンドセット処理を実行することによって演出制御コマンドが演出制御基板80に送信される。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ101に送信されうる各演出制御コマンドはROM54のコマンド送信テーブルに格納されている。また、コマンドセット処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、ポインタが示すROM54のアドレスに格納されている演出制御コマンドデータを、演出制御コマンドデータを出力するための出力ポートに設定するとともに、コマンドを送信することを示す演出制御INT信号を出力する。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ60から演出制御用マイクロコンピュータ101に対する制御コマンドは、演出制御信号D0〜D7の8本の信号線で送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、ストローブ信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。なお、主基板31から他の電気部品制御基板(この実施の形態では払出制御基板37)への制御コマンドも、8本の信号線と1本のINT信号の信号線によって送信される。
また、この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
そして、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ101は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ101から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる取込信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ101が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。
図13は、演出制御基板80に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図13に示す例において、1バイト目のMODEが「80」の演出制御コマンドは、特別図柄に対応して可変表示装置9にて可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。
コマンド82XX(H)は、遊技制御用マイクロコンピュータ60による特別図柄表示器8における事前判定(大当りとするか否かおよび確変大当りとするか否か)の判定結果を示す判定結果コマンドである。コマンド8200(H)は、特別図柄表示器8に確変図柄を導出表示することを通知する演出制御コマンド(確変大当り指定コマンド)である。コマンド8201(H)は、特別図柄表示器8に非確変図柄を導出表示することを通知する演出制御コマンド(非確変大当り指定コマンド)である。コマンド8202(H)は、特別図柄表示器8にはずれ図柄を導出表示することを通知する演出制御コマンド(はずれ指定コマンド)である。
コマンドA000(H)は、飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンドである。コマンドBXXX(H)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される演出制御コマンドである。そして、コマンドC000(H)〜EXXX(H)は、飾り図柄の変動および大当り遊技に関わらない可変表示装置9の表示状態に関する演出制御コマンドである。
コマンドD000(H)は、特別図柄表示器8にて所定期間(例えば、30秒)特別図柄の可変表示が実行されなかったときに可変表示装置9にて実行される客待ちデモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(デモ開始コマンド)である。
また、コマンドE400(H)は、高確率状態から低確率状態になったときに送信されるコマンドであり、コマンドE401(H)は、低確率状態から高確率状態になったときに送信されるコマンドである。なお、高確率状態にて使用される変動パターンコマンドのMODEデータと低確率状態にて使用される変動パターンコマンドのMODEデータとを異ならせることにより、低確率状態であるか高確率状態であるかを認識するようにしてもよく、この場合には、上記のコマンドE400(H)およびコマンドE401(H)を使用しないようにしてもよい。
演出制御基板80の演出制御手段は、主基板31の遊技制御手段から上述した演出制御コマンドを受信すると図13に示された内容に応じて可変表示装置9の表示状態を変更するとともに、ランプ・LEDの表示状態を変更し、必要ならば音声出力基板70に対して音番号データを出力する。なお、図13に示された例以外の制御コマンドも遊技制御手段から演出制御手段に送信される。例えば、賞球LED51や球切れLED52の表示状態、および大当り遊技に関するより詳細な演出制御コマンドも遊技制御手段から演出制御手段に送信される。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図14は、演出制御用マイクロコンピュータ101が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるための2msタイマの初期設定等を行うための初期化処理が行われる(ステップS701)。その後、演出制御用マイクロコンピュータ101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用マイクロコンピュータ101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
この実施の形態では、タイマ割込は2ms毎にかかる。すなわち、演出制御処理は、2ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な演出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で演出制御処理を実行してもよい。
演出制御処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ(プロセスフラグともいう))に対応したプロセスを選択して可変表示装置9の表示制御を実行する。そして、乱数カウンタを更新する処理を実行する(ステップS706)。その後、ステップS702のタイマ割込フラグの確認を行う処理に戻る。
次に、主基板31からの演出制御コマンドの受信処理について説明する。この実施の形態では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、コマンド受信バッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよく、例えば、図柄指定コマンド格納領域を3個(2×3=6バイトのコマンド受信バッファ)、それ以外の変動パターン指定などのコマンド格納領域を1個(2×1=2バイトのコマンド受信バッファ)のようにバッファ構成してもよい。
主基板31からの演出制御用のINT信号は演出制御用マイクロコンピュータ101の割込端子に入力されている。例えば、主基板31からのINT信号がオン状態になると、演出制御用マイクロコンピュータ101において割込がかかる。そして、演出制御用マイクロコンピュータ101は、割込処理において演出制御コマンドの受信処理を実行する。演出制御コマンドの受信処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、受信した演出制御コマンドデータを、コマンド受信個数カウンタが示すコマンド受信バッファに格納する。
図15は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信した演出制御コマンドはコマンド受信バッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用マイクロコンピュータ101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値とコマンド受信バッファに対応した読出ポインタとを比較することによって判定される。読出ポインタは、演出制御用マイクロコンピュータ101によって読み出す演出制御コマンドが格納されているコマンド受信バッファを示すポインタである。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には(ステップS611;Y)、演出制御用マイクロコンピュータ101は、読出ポインタに対応するコマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。上述したように、演出制御コマンドは2バイト構成である。各コマンド受信バッファには1バイトのデータが格納されるため、連続する2つのコマンド受信バッファに格納されるデータにより演出制御コマンドが特定可能となる。ステップS612では、連続する2つのコマンド受信バッファからデータを読み出すことで受信コマンドを読み出す。なお、読み出したら読出ポインタの値を2加算しておく(ステップS613)。
受信した演出制御コマンドが変動パターン指定の演出制御コマンドであれば(ステップS614;Y)、演出制御用マイクロコンピュータ101は、そのコマンドのEXTデータを変動パターンデータ格納領域に格納する(ステップS615)とともに変動パターンコマンドを受信した旨を示す変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
また、ステップS614で変動パターンコマンドでないと判定した場合に、演出制御用マイクロコンピュータ101は、受信した演出制御コマンドが確変大当り指定コマンドであれば(ステップS617;Y)、確変大当り指定コマンドを受信した旨を示す確変図柄表示フラグをセットする(ステップS618)。また、受信した演出制御コマンドが非確変大当り指定コマンドであれば(ステップS619;Y)、非確変大当り指定コマンドを受信した旨を示す非確変図柄表示フラグをセットする(ステップS620)。また、受信した演出制御コマンドがはずれ指定コマンドであれば(ステップS621;Y)、はずれ指定コマンドを受信したことを示すはずれ図柄表示フラグをセットする(ステップS622)。
ステップS618,S620,S622でセットされるフラグ(確変図柄表示フラグ、非確変図柄表示フラグ、はずれ図柄表示フラグ)は、主基板31から受信した判定結果コマンドに応じてセットされるため、総称して判定結果フラグという。そして、演出制御用マイクロコンピュータ101は、これらの判定結果フラグ(確変図柄表示フラグ、非確変図柄表示フラグ、はずれ図柄表示フラグ)にもとづいて特別図柄表示器8における特別図柄の停止図柄(大当りであるか否かおよび確変大当りであるか否か)を把握する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ101は、ステップS612で読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には、受信コマンドに対応するコマンド受信フラグをセットし、必要であれば受信コマンドを保存する(ステップS623)。
図16は、図14に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御プロセスフラグ(プロセスフラグ)の値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。
飾り図柄通常処理(ステップS800):変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ101は、演出制御プロセスフラグ(プロセスフラグ)の値を飾り図柄変動開始処理に対応した値に変更する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):変動パターンデータ格納領域の格納情報などにもとづいて、飾り図柄の変動パターンを決定し、左中右図柄の変動が開始されるように制御する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、左右図柄の停止制御を行う。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):変動時間が終了したことに応じて、飾り図柄の変動を停止し停止図柄を表示する。具体的には、変動時間の終了時に、図柄停止を指示する演出制御コマンド(飾り図柄停止の演出制御コマンド)を受信していたら、飾り図柄の変動を停止し停止図柄を表示する制御を行う。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、確変大当り表示、または非確変大当り表示(この例では、時短大当り表示)の制御を行う。
ラウンド中処理(ステップS805):大当り遊技におけるラウンド実行中の表示の制御を行う。例えば、ラウンド数等の表示制御等を行う。そして、閉塞表示コマンドを受信したら演出制御プロセスフラグをラウンド後処理に対応した値に更新する一方、大当り終了表示コマンド(非特定大当り終了表示コマンドおよび特定大当り終了表示コマンド)を受信したら大当り終了演出処理に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):大当り遊技におけるラウンド終了から次のラウンドを開始するまでの制御を行う。そして、開放表示コマンドを受信したら演出制御プロセスフラグをラウンド中処理に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):大当り遊技状態を終了するときの制御を行う。例えば、確変状態に制御される旨の表示、時短状態に制御される旨の表示、等を行う。そして、演出制御プロセスフラグを飾り図柄通常処理に対応した値に更新する。
図17は、飾り図柄の変動パターン毎に設定されているプロセステーブルの一構成例を示す説明図である。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と演出制御実行データ(例えば、表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、および音番号データ)の組み合わせが複数集まったプロセスデータで構成されている。演出制御実行データは、表示制御実行データとランプ制御実行データと音番号データとを含む。表示制御実行データは、飾り図柄の変動期間中における可変表示装置9の表示状態を示すデータが設定されている。例えば、表示制御実行データ1には、可変表示開始時の可変表示装置9の表示状態を示すデータが設定されている。また、ランプ制御実行データは、飾り図柄の変動期間中におけるランプ・LEDの表示状態を示すデータが設定されている。例えば、ランプ制御実行データ1には、可変表示開始時のランプ・LEDの表示状態を示すデータが設定されている。また、音番号データには、飾り図柄の変動期間中におけるスピーカ27の音出力態様を示すデータが設定されている。
そして、飾り図柄の変動期間中において、表示状態を切り替えるタイミング(例えば可変表示装置9において新たなキャラクタが登場するタイミング、ランプ・LEDを点灯状態から消灯状態に切り替えるタイミング)が到来すると、演出制御手段は、プロセステーブルにおける次のプロセスデータに設定される演出制御実行データに従って、可変表示装置9、ランプ・LEDの表示状態およびスピーカ27の音出力状態を制御する。プロセスタイマ設定値には、切替のタイミングに応じた時間が設定されている。
このように、演出制御手段が、ROMに記憶されているプログラムおよびプロセスデータにもとづいて演出手段を制御し、複数の演出手段(この実施の形態では可変表示装置9、ランプ・LEDおよびスピーカ27)の制御に関わるプログラムが、演出制御基板80に搭載されているROMに格納されている。そして、それらのプログラムを格納するROMを1つのROMとして構成することができる。従って、部品点数を減らすことができる。また、ROMに記憶されているプロセスデータのうち、プロセスタイマ設定値が共通化されている。従って、演出制御手段のROM容量を節減することができる。なお、演出制御実行データについても、表示制御実行データとランプ制御実行データと音番号データとを共通化できるのであれば、1つの演出制御実行データとしてもよい。このように、この実施の形態では、複数の演出手段の制御に関わるデータのうち少なくとも一部のデータを同一ROMに格納することができる。
なお、図17に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、飾り図柄の変動パターンのそれぞれに応じて用意されている。ここで、飾り図柄の変動パターンと、特別図柄の変動パターンとは異なるものである。ただし、飾り図柄の変動パターンには、少なくとも、図8に示した各変動パターンに対応する変動パターンが含まれる。
図18は、演出制御プロセス処理における飾り図柄通常処理(ステップS800)の一例を示すフローチャートである。図18に示す飾り図柄通常処理を開始すると、演出制御用マイクロコンピュータ101は、まず、変動パターンコマンド受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていなければ(ステップS811;N)、処理を終了する。一方、変動パターンコマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS811;Y)、変動パターンコマンド受信フラグをリセットし(ステップS812)、主基板31からの判定結果コマンドを確認する。
すなわち、はずれ指定コマンドを受信したことを示すはずれ図柄表示フラグがセットされていれば(ステップS813;Y)、受信した変動パターンがリーチ態様を伴う変動パターンであるか(リーチ時変動パターンテーブルにもとづいて選択されたリーチ変動パターンであるか)を確認する(ステップS817)。受信した変動パターンがリーチ変動パターンであれば(ステップS817;Y)、飾り図柄の停止図柄としてリーチはずれ図柄(この実施の形態では、左飾り図柄と右飾り図柄とが同一の図柄であり、中飾り図柄のみが異なる図柄となる組み合わせ)を飾り図柄の停止図柄として決定する(ステップS818)。一方、受信した変動パターンがリーチ態様を伴わない変動パターン(はずれ時変動パターンテーブルにもとづいて選択されたはずれ変動パターン)であれば(ステップS817;N)、飾り図柄の停止図柄としてはずれ図柄(この実施の形態では、左飾り図柄と右飾り図柄とが異なる図柄となる組み合わせ)を飾り図柄の停止図柄として決定する(ステップS819)。
また、確変大当り指定コマンドを受信したことを示す確変図柄表示フラグがセットされていれば(ステップS814;Y)、飾り図柄の停止図柄として確変図柄(この実施の形態では、左飾り図柄と中飾り図柄と右飾り図柄とが同一の奇数図柄で揃った状態)を飾り図柄の停止図柄として決定する(ステップS815)。また、はずれ指定コマンドおよび確変大当り指定コマンドを受信していない場合、すなわち、非確変大当り指定コマンドを受信したことを示す非確変図柄表示フラグがセットされていれば(ステップS814;N)、飾り図柄の停止図柄として非確変図柄(この実施の形態では、左飾り図柄と中飾り図柄と右飾り図柄とが同一の偶数図柄で揃った状態)を飾り図柄の停止図柄として決定する(ステップS816)。なお、ステップS815で飾り図柄の停止図柄として確変図柄に決定した場合であっても、所定の条件(この例では、操作ボタン120が操作された演出の回数が所定回数未満であった場合、再抽選演出にて操作ボタン120が操作されなかった場合)が成立した場合には確変図柄を導出表示せずに非確変図柄を導出表示させる。
そして、ステップS815,S816,S818,S819で決定した飾り図柄の停止図柄および受信した変動パターンにもとづいて飾り図柄の変動パターン(飾り図柄変動パターン)を決定する(ステップS820)。具体的には、変動パターンデータ格納領域に格納されているEXTデータに対応して異なる表示態様を示す複数種類の飾り図柄変動パターンのうちいずれかの飾り図柄変動パターンに決定する。なお、変動パターンデータ格納領域に格納されているEXTデータにより変動時間が指定され、ステップS820では、主基板31から指定された変動時間に対応する複数種類の飾り図柄変動パターンのうちいずれかに決定し、飾り図柄変動パターンを決定したときに当該変動時間を変動時間タイマにセットする。本例では、演出制御用マイクロコンピュータ101は、飾り図柄の変動パターンの少なくとも一部を独自に決定する。例えば、あらかじめ用意された複数種類の飾り図柄の変動パターンのうち、EXTデータによって特定される変動時間および事前判定結果(確変大当り、非確変大当り、はずれ、リーチなど)に合致する複数種類の飾り図柄の変動パターンの中から、実行する飾り図柄の変動パターンを選択する。上記のようにして、演出制御用マイクロコンピュータ101は、例えば、飾り図柄の演出内容(例えば、どのキャラクタを用いて演出するかなど)、予告演出の実行の有無や演出内容、ミッション演出の有無や演出内容など、飾り図柄の変動態様の少なくとも一部を独自に決定する。
ステップS820にて飾り図柄の変動パターンを決定する際には、例えば、遊技状態が通常状態であるときに使用される変動パターンテーブル(通常状態用飾り図柄変動パターンテーブル)と、遊技状態が確変状態であるときに使用される変動パターンテーブル(確変状態用飾り図柄変動パターンテーブル)と、遊技状態が時短状態であるときに使用される変動パターンテーブル(時短状態用飾り図柄変動パターンテーブル)とを用いてもよい。この場合には、各飾り図柄変動パターンテーブルに、複数種類の飾り図柄の変動パターンを設定するようにしてもよい。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ101が、予告演出の実行の有無、および予告演出の演出内容、再抽選演出の実行の有無、などを決定するようにしてもよく、この場合には、演出制御用マイクロコンピュータ101は、主基板31からの変動パターンコマンドが示す変動時間や変動結果にもとづいて、予告演出を実行するか否か、および予告演出の演出内容、再抽選演出の実行の有無を決定する。
また、受信した変動パターンにもとづいてステップS820で決定した飾り図柄変動パターンが再抽選演出を実行することを示す再抽選変動パターン(この例では、図8に示す変動パターンのうち変動パターン番号9,12,15,18の変動パターン)であれば(ステップS821;Y)、確変図柄表示フラグがセットされているか否か確認し(ステップS822)、確変図柄表示フラグがセットされていれば(ステップS822;Y)、仮停止表示する飾り図柄の組み合わせを決定する(ステップS823)。この実施の形態では、ステップS822にて仮停止図柄として非確変図柄に決定する。すなわち、確変大当り指定コマンドと再抽選変動パターンを示す変動パターンコマンドとを受信したときには、仮停止図柄として非確変図柄を仮停止表示した後、再抽選演出にて確変図柄を停止表示する演出が実行される。
なお、この例では、非確変大当り指定コマンドを受信しているときにはステップS823にて仮停止図柄を決定しない。そのため、再抽選演出にて仮停止表示される図柄と停止表示される図柄は同一となるが、非確変大当りとなる場合にも仮停止図柄を決定し、仮停止表示される図柄と停止表示される図柄とが異ならせるようにしてもよい。
次いで、再抽選演出を実行する旨を示す再抽選フラグをセットおよび所定の演出を実行する旨を示す演出フラグをセットする(ステップS824)。この実施の形態では、再抽選変動パターンを受信したときに、当該変動パターンにもとづく可変表示の実行期間にて再抽選演出を実行する以前に操作ボタン120の操作を伴う所定の演出を複数回実行する。そして、当該演出毎に操作ボタン120が操作されたか否かを判定し、操作ボタン120が操作された演出の回数をカウントする。再抽選演出を実行するときに操作ボタン120が操作された演出の回数が所定回数以上であり、かつ、確変図柄表示フラグがセットされていれば、再抽選演出にてステップS815で決定された確変図柄を停止表示させる一方、操作ボタン120が操作された演出の回数が所定回数未満であれば、確変図柄表示フラグがセットされている場合であっても再抽選演出にてステップS823で決定した仮停止図柄を停止表示させる。なお、確変図柄表示フラグがセットされている場合に、再抽選演出にて仮停止図柄を停止表示させた場合には、大当り遊技状態の開始後に確変大当りとなったことを報知する。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、ステップS824にて再抽選フラグおよび演出フラグをセットすると、演出制御用マイクロコンピュータ101は、飾り図柄の変動パターンにもとづいて実行される再抽選演出に応じた再抽選有効期間タイマおよび再抽選開始タイマをセットする(ステップS825)。再抽選有効期間タイマは、再抽選演出にて操作ボタン120の操作を有効とする期間を示すタイマであり、再抽選開始タイマは、可変表示装置9にて飾り図柄の可変表示を開始してから再抽選演出が開始されるまでの期間を示すタイマである。なお、再抽選開始タイマがタイムアウトしたことにより再抽選有効期間タイマをスタートさせる。すなわち、再抽選開始タイマがタイムアウトしてから再抽選有効期間タイマがタイムアウトするまでが再抽選演出において操作ボタン120の操作が有効となる期間である。
次いで、飾り図柄の変動パターンにもとづいて実行される複数回の演出のうち最初の演出に応じた有効期間タイマおよび開始タイマをセットする(ステップS826)。有効期間タイマは、所定の演出にて操作ボタン120の操作を有効とする期間(すなわち、操作ボタン120からの操作信号が入力されたか否かを判定する期間)を示すタイマであり、開始タイマは、可変表示装置9にて飾り図柄の可変表示を開始してからまたは前回の演出が終了してから所定の演出が開始されるまでの期間を示すタイマである。なお、開始タイマがタイムアウトしたことにより有効期間タイマをスタートさせる。すなわち、開始タイマがタイムアウトしてから有効期間タイマがタイムアウトするまでが所定の演出において操作ボタン120の操作が有効となる期間である。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ101は、飾り図柄の変動パターンにもとづいて所定の演出の実行回数を演出回数カウンタにセットし(ステップS827)、操作ボタン120が操作された演出の回数を計測する有効回数カウンタに初期値である「0」をセットする(ステップS828)。有効回数カウンタは、所定の演出において操作ボタン120が操作されたときに1加算される。なお、1回の演出において操作ボタン120が複数回操作された場合であっても有効回数カウンタに加算される値は「1」である。従って、有効回数カウンタのカウント値を確認することにより、複数回実行された演出のうち操作ボタン120が操作された演出の回数を把握できる。
この実施の形態では、飾り図柄変動パターン毎に所定の演出の実行回数が異なる。ステップS827では、飾り図柄変動パターンに応じた所定の演出の実行回数をセットする。また、飾り図柄変動パターン毎に変動時間が異なるため、可変表示装置9にて飾り図柄の可変表示を開始してから再抽選演出を開始するまでのタイミングが異なる。そのため、ステップS825,S826では、飾り図柄変動パターンに応じて各タイマを設定している。なお、所定の演出の実行回数を全飾り図柄変動パターンにて同数としてもよく、この場合には、可変表示装置9にて飾り図柄の可変表示を開始してから所定の演出を開始するまでの期間を全飾り図柄変動パターンにて同時期とすることにより、常に同一の開始タイマを用いるようにしてもよい。また、所定の演出を開始してから操作ボタン120の操作を有効とする有効期間を同一とした場合には、常に同一の有効期間タイマを用いるようにすればよい。また、可変表示装置9にて飾り図柄の可変表示を開始してから再抽選演出を開始するまでの期間を全飾り図柄変動パターンにて同時期とした場合には、常に同一の再抽選開始タイマを用いるようにすればよい。また、再抽選演出を開始してから操作ボタン120の操作を有効とする有効期間を同一とした場合には、常に同一の再抽選有効期間タイマを用いるようにすればよい。
ステップS828の処理を終了すると演出制御用マイクロコンピュータ101は、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理に応じた値に更新する(ステップS829)。ステップS829で演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理に応じた値に更新することにより次にタイマ割込が発生し演出制御プロセス処理が実行されたときに飾り図柄変動開始処理が実行される。
また、受信した変動パターンが再抽選変動パターンでない場合には(ステップS821;N)、飾り図柄の可変表示の実行期間にて再抽選演出を実行せずに大当り遊技状態の実行中に確変大当りであるか否かを報知する演出を実行する旨を示す大当り再抽選変動パターン(この例では、図8に示す変動パターンのうち変動パターン番号8,11,14,17の変動パターン)であるか否か確認する(ステップS821a)。受信した変動パターンが大当り再抽選変動パターンでなければ(ステップS821a;N)、ステップS829に移行する。
一方、受信した変動パターンが大当り再抽選変動パターンであれば(ステップS821a;Y)、確変図柄表示フラグがセットされているか否か確認し(ステップS821b)、確変図柄表示フラグがセットされていれば(ステップS821b;Y)、飾り図柄の停止図柄としてステップS815で決定した確変図柄を非確変図柄に変更する(ステップS821c)。ステップS821bで確変図柄表示フラグがセットされていなければ(ステップS821b;N)、ステップS816で非確変図柄を決定しているため、ステップS821bの処理を実行することなくステップS821dに移行する。そして、大当り遊技状態の実行中に確変大当りであるか否かを報知する旨を示す大当り再抽選フラグをセットする(ステップS821d)。その後、ステップS826に移行する。
この実施の形態では、確変大当り指定コマンドと大当り再抽選変動パターンを示す変動パターンコマンドとを受信したときに、ステップS821cにて停止図柄を確変図柄から非確変図柄に変更する。すなわち、確変大当り指定コマンドと大当り再抽選変動パターンを示す変動パターンコマンドとを受信したときには、飾り図柄の可変表示の実行期間にて非確変図柄を停止表示して確変大当りであることを報知することなく、大当り遊技状態の実行中に確変大当りである旨を報知する演出を行う。
また、この例では、大当り再抽選変動パターンを受信したときに、当該変動パターンにもとづく可変表示の実行期間にて操作ボタン120の操作を伴う所定の演出を複数回実行する。そして、当該演出にて操作ボタン120が操作されたか否かを判定し、操作ボタン120が操作された演出の回数が所定回数以上であり、かつ、確変図柄表示フラグがセットされていれば、大当り遊技状態の実行中に確変大当りである旨を報知する一方、操作ボタン120が操作された回数が所定回数未満であれば、確変図柄表示フラグがセットされている場合であっても大当り遊技状態の実行中に確変大当りである旨を報知しない。なお、確変図柄表示フラグがセットされている場合に大当り遊技状態の実行中に確変大当りである旨を報知しなかった場合には大当り遊技状態を終了するときに確変大当りである旨を報知する。
このように、可変表示の実行期間に再抽選演出を実行する場合および大当り遊技状態の実行中に確変大当りであるか否かを報知する演出を実行する場合には、可変表示の実行期間に操作ボタン120の操作を伴う所定の演出を複数回実行する。なお、所定の演出としてこの例では、上述した予告演出、リーチ演出の種類を選択させる選択演出、などを実行する。また、これら所定の演出は、再抽選変動パターンおよび大当り再抽選変動パターンを示す変動パターンコマンドを受信していない場合にも実行されるようにしてもよい。これら所定の演出が実行されたときに再抽選演出および大当り遊技状態の開始後に確変大当りであるか否かを報知する演出に関連した演出であるか否かを遊技者は把握することができないため、再抽選演出および大当り遊技状態の開始後に確変大当りであるか否かを報知する演出に関連しない演出が実行された場合にも操作ボタン120を操作するようになり、操作ボタン120の操作頻度を増加させることができる。
図19は、図16に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、飾り図柄の可変表示の変動パターンに応じたプロセステーブルを選択し(ステップS831)、選択したプロセステーブルの最初に設定されるプロセスデータの内容に従って演出装置(この実施の形態では、可変表示装置9、ランプ・LED、スピーカ27等)を制御する(ステップS832)。例えば、表示制御実行データ1の内容に応じた信号を、LCDによる可変表示装置9に与える。そして、変動時間タイマを1減算するとともに(ステップS833)、選択したプロセスデータにおける表示制御実行データ1に対応したプロセスタイマを1減算する(ステップS834)。
なお、表示制御実行データにはROMのアドレスが設定され、そのアドレスから始まる領域により詳細な制御データを格納しておき、それらの制御データに従ってLCD制御を行うように構成してもよい。また、ステップS832では、プロセスデータ中のランプ制御実行データ1にもとづいてランプ・LED制御を行う。例えば、ランプ制御実行データ1の内容に応じた信号を各ランプ・LEDに与える。なお、ランプ制御実行データにはROMのアドレスが設定され、そのアドレスから始まる領域に、より詳細な制御データを格納しておき、それらの制御データに従ってランプ・LED制御を行うように構成してもよい。
また、ステップS832では、プロセスデータ中の音番号データを音声出力基板70に出力する。音声出力基板70において、音声合成用IC703は、音番号データに応じたデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。
その後、演出制御プロセスフラグ(プロセスフラグ)の値を飾り図柄変動中処理に対応した値にする(ステップS835)。
図20および図21は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、前回のタイマ割込処理の飾り図柄変動中処理にて減算されたことにより変動時間タイマがタイムアウトしていたら(ステップS840;Y)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理に対応する値に更新する(ステップS841)。
一方、変動時間タイマがタイムアウトするまでは、演出制御プロセスフラグ(プロセスフラグ)が更新されず、飾り図柄変動中処理が繰り返し実行される。具体的には、変動時間タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS840;N)、変動時間タイマを1減算し(ステップS842)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば(ステップS843;Y)、プロセステーブル中の次のプロセスデータに切り替え(ステップS844)、切り替えたプロセスデータの内容に従って演出装置を制御する(ステップS845)。ステップS843でプロセスタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS843;N)、実行中のプロセスデータにもとづく演出装置の制御を継続して実行すべくステップS846に移行する。
そして、プロセスタイマを1減算し(ステップS846)、演出フラグがセットされていなければ(ステップS847;N)、ステップS859に移行する。演出フラグがセットされていれば(ステップS847;Y)、上述した開始タイマを1減算し(ステップS848)、開始タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS849;N)、ステップS859に移行する。なお、図示してないが、ステップS848で開始タイマを1減算するときに開始タイマがタイムアウトしていれば開始タイマを1減算することなくステップS850に移行する。
一方、開始タイマがタイムアウトしていれば(ステップS849;Y)、操作ボタン120からの操作信号が入力されたか否かを判定する(ステップS850)。上述したように、この実施の形態では、操作ボタン120の操作を伴う所定の演出を実行し、操作ボタン120が操作されたことを示す操作信号(ボタン操作信号)が入力されていれば(ステップS850;Y)、操作ボタン120の操作に応じた演出を実行するとともに(ステップS851)、有効回数カウンタを1加算する(ステップS852)。有効回数カウンタを1加算することにより当該演出にて操作ボタン120が操作されたことが示される。ステップS850にて操作ボタン120が操作されていなければ(ステップS850;N)、すなわち、操作ボタン120が操作されたことを示す操作信号が入力されていなければ、有効期間タイマを1減算し(ステップS853)、有効期間タイマがタイムアウトしているか否か判定する(ステップS854)。有効期間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS854;Y)、操作ボタン120の操作を有効とする有効期間(操作有効期間)を終了させる処理を行うべくステップS855に移行する。有効期間タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS854;N)、操作ボタン120の操作を有効とする有効期間を継続させるため、有効期間を終了させる処理を実行せずにステップ859に移行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ101は、複数回実行される所定の演出の残りの実行回数を示す演出回数カウンタを1減算し(ステップS855)、演出回数カウンタが0であれば(ステップS857;Y)、所定の演出を全て実行したとして演出フラグをリセットする(ステップS857)。これにより、以降のタイマ割込処理にて飾り図柄変動中処理が実行された場合であっても所定の演出に関する処理(ステップS847〜ステップS858の処理)が実行されない。演出回数カウンタが0でなければ(ステップS856;N)、次に実行される所定の演出に応じた有効期間タイマおよび開始タイマを実行中の飾り図柄変動パターンに応じてセットする(ステップS858)。
なお、ステップS855でセットされる開始タイマがタイムアウトしたときに操作ボタン120の有効期間が開始されるが、可変表示装置9の表示内容と操作ボタン120の有効期間とは同期している。この実施の形態では、ステップS844で所定のタイミングでプロセスデータが切り替えられ、ステップS845でプロセスデータの内容に従って可変表示装置9を表示制御することにより所定の演出を実行する。また、後述するようにプロセスデータには有効期間の残り時間を可変表示装置9に表示する内容も示される。そして、開始タイマにより示される操作ボタン120の有効期間の開始時期とプロセスデータに従って表示される有効期間の開始時期とを同時期とすることにより可変表示装置9の表示内容と操作ボタン120の有効期間とを同期させている。
また、飾り図柄変動中処理を実行して演出が終了した場合にはステップS858で次に実行する演出に対応した有効期間を有効期間タイマにセットするとともに次に実行する演出に対応した開始時期を開始タイマにセットするが、ここでセットされる開始タイマの開始時期は操作ボタン120の操作時期によって異なるものとなる。詳細については後述するが、可変表示装置9の表示内容を操作ボタン120の操作時期に応じて調整するため、演出の開始時期は予めプロセステーブルに設定されているものとなる。ところが、この例では、演出が実行されて操作ボタン120が操作されたときに次の演出に応じた開始タイマをセットするため、予め決定されている値を開始タイマにセットすることで可変表示装置9の表示内容と有効期間とのずれを生じる虞がある。この実施の形態では、ステップS858では、実行中の演出における有効期間の残り時間を予め決定されている値に加算した値を開始タイマにセットすることにより可変表示装置9の表示内容と有効期間との同期が可能となる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ101は、再抽選フラグがセットされているか否か判定する(ステップS859)。再抽選フラグがセットされていなければ(ステップS859;N)、処理を終了する。再抽選フラグがセットされていれば(ステップS859;Y)、再抽選開始タイマを1減算し(ステップS860)、再抽選開始タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS861;N)、処理を終了する。一方、再抽選開始タイマがタイムアウトしていれば(ステップS861;Y)、操作ボタン120からの操作信号が入力されたか否かを判定する(ステップS862)。
この実施の形態では、可変表示装置9における可変表示の実行期間に実行される再抽選演出として、有効期間内に操作ボタン120からの操作信号が入力されたことにもとづいて仮停止表示している飾り図柄を再変動させて停止図柄を導出表示する。ステップS862で、有効期間内に操作ボタン120が操作されたことを示す操作信号が入力されると(ステップS862;Y)、有効回数カウンタを1加算する(ステップS863)。そして、有効回数カウンタのカウント値が所定値以上であれば(ステップS864;Y)、すなわち、操作ボタン120が操作された演出(この例では、所定の演出および再抽選演出のうち操作ボタン120が操作された演出)の回数が所定数以上であれば、飾り図柄通常処理のステップS815またはS816で決定した停止図柄を導出表示することに決定する(ステップS865)。一方、有効回数カウンタのカウント値が所定値未満であれば(ステップS864;N)、すなわち、操作ボタン120が操作された演出の回数が所定数未満であれば、飾り図柄通常処理のステップS823で決定した仮停止図柄を導出表示することに決定し、大当り遊技状態の実行中に確変大当りであるか否かを報知する演出(大当り再抽選演出)を実行することを示す大当り再抽選フラグをセットする(ステップS867)。なお、非確変大当りとなる場合には仮停止図柄を決定しないため、ステップS866では飾り図柄通常処理のステップS816で決定した非確変図柄を導出表示することに決定する。
また、この実施の形態では、ステップS863で再抽選演出にて操作ボタン120が操作されたときに有効回数カウンタを1加算し、複数回の所定の演出と、再抽選演出とのうち操作ボタン120が操作された演出の回数に応じて異なる処理を行うようにしているが、ステップS864では再抽選演出にて操作ボタン120が操作されたか否かを考慮せずに、複数回の所定の演出のうち操作ボタン120が操作された回数に応じて異なる処理を行うようにしてもよい。
また、ステップS864で飾り図柄通常処理のステップS815またはステップS816で決定した停止図柄を導出表示することに決定した場合には、大当り再抽選フラグをセットしない。すなわち、大当り遊技状態の実行中に確変大当りであるか否かを報知する演出を行わない。そのため、再抽選演出にて確変図柄が導出表示されたことにより確変大当りとなったことを報知した後、大当り遊技状態にて重複して確変大当りであることを報知してしまうことを防止できる。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ101は、再抽選フラグをリセットする(ステップS868)。再抽選フラグをリセットすることにより、次にタイマ割込が発生し、飾り図柄変動中処理が実行された場合に再抽選演出に関わる処理が実行されない。また、演出制御用マイクロコンピュータ101は、飾り図柄変動パターンに応じた再抽選プロセステーブルを選択し(ステップS869)、選択した再抽選プロセステーブルの最初に設定されるプロセスデータの内容に従って演出装置(この実施の形態では、可変表示装置9、ランプ・LED、スピーカ27等)を制御する(ステップS870)。そして、プロセスタイマを1減算し(ステップS871)、処理を終了する。再抽選プロセステーブルは、再抽選演出にて操作ボタン120が操作されたことにより実行される演出の制御データを示すものである。この実施の形態では、再抽選プロセステーブルが飾り図柄変動パターン毎に設けられ、演出制御用マイクロコンピュータ101は、再抽選演出にて操作ボタン120が操作されたことにもとづいて飾り図柄変動パターンに応じた再抽選プロセステーブルを選択し、選択した再抽選プロセステーブルの内容にもとづいて演出装置を制御する。
一方、操作ボタン120が操作されていない場合(ステップS862;N)、すなわち、操作ボタン120が操作されたことを示す操作信号が入力されていない場合には、再抽選有効期間タイマを1減算し(ステップS872)、再抽選有効期間タイマがタイムアウトしているか否か判定する(ステップS873)。再抽選有効期間タイマは操作ボタン120の操作が有効となる期間を示すタイマであるため、再抽選有効期間タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS873;N)、操作ボタン120の操作が有効となる有効期間を継続し、処理を終了する。再抽選有効期間タイマがタイムアウトしていたら(ステップS873;Y)、操作ボタン120の操作が有効となる有効期間を終了させるための処理を行う。具体的には、大当り遊技状態の実行中に確変大当りであるか否かを報知する演出を実行することを示す大当り再抽選フラグをセットし(ステップS874)、再抽選フラグをリセットし(ステップS875)、仮停止図柄を導出表示することに決定する(ステップS876)。再抽選フラグをリセットすることにより、次にタイマ割込が発生し、飾り図柄変動中処理が実行されたときに操作ボタン120が操作されたか否かを判定する処理が実行されないため、操作ボタン120の操作が有効となる有効期間が終了する。
なお、この例では、ステップS873で操作ボタン120が操作されることなく再抽選演出の有効期間が経過した場合には実行しているプロセステーブルの内容にもとづく処理を継続して実行する。具体的には、再抽選演出にて操作ボタン120が操作されたことにもとづいて選択される再抽選プロセステーブルでは、仮停止表示している飾り図柄を再び可変表示した後、確変図柄または非確変図柄を導出表示させるが、再抽選演出にて操作ボタン120が操作されなかった場合には、仮停止表示している飾り図柄を再び可変表示させることなく、停止図柄として導出表示させる。なお、再抽選演出にて操作ボタン120が操作されなかった場合に飾り図柄変動パターンに応じて選択されるプロセステーブル(再抽選未操作プロセステーブル)と、再抽選演出にて操作ボタン120が操作された場合に飾り図柄変動パターンに応じた選択されるプロセステーブル(再抽選操作プロセステーブル)と、を備えることにより、再抽選演出にて操作ボタン120が操作されなかった場合にも所定の演出態様で演出装置を制御するようにしてもよい。
このように、この実施の形態では、可変表示の実行期間にて実行される再抽選演出の有効期間内に操作ボタン120が操作されなければ、可変表示の実行期間内に再抽選演出を実行せずに大当り再抽選フラグをセットする。大当り再抽選フラグがセットされることにより大当り遊技状態の実行中、具体的には、ラウンド中処理および/または大当り終了演出処理にて確変大当りであるか否かを報知する演出を実行するための処理が実行される。
なお、この実施の形態では、飾り図柄の可変表示の実行期間に(大当り遊技状態の開始前)実行される再抽選演出には、操作ボタン120の操作を促す操作促進演出と所定の有効期間内に操作ボタン120が操作されたことにもとづいて確変大当りであるか非確変大当りであるかを報知する結果導出演出とが含まれている。操作促進演出は、仮停止図柄として表示される所定の非確変図柄を確変図柄に昇格させる機会(チャンス)を遊技者に与える演出(報知演出、実際には、非確変大当りに決定されている場合には確変図柄に変更させることはできず、事前に確変大当りに決定され、非確変図柄を仮停止表示している場合に確変図柄を導出表示させることにより非確変図柄から確変図柄に昇格したかの印象を与える演出)である。
また、この実施の形態では、主基板31から再抽選演出を実行する変動パターンを受信した場合に操作促進演出が実行される。そして、操作促進演出における所定の有効期間内に遊技者が操作ボタン120を操作した場合に結果導出演出を実行する。確変状態は遊技者にとってきわめて有利な状態であるので、遊技者は非確変図柄を確変図柄に昇格させる期待を抱いて操作促進演出中に操作ボタン120を操作するようになる。なお、操作促進演出における有効期間内に遊技者が操作ボタン120を操作した場合であっても非確変図柄表示フラグがセットされている場合および有効回数カウンタの値が所定数未満の場合には、結果導出演出にて仮停止表示している非確変図柄を確変図柄に昇格せずに仮停止表示している非確変図柄と同一または異なる非確変図柄を導出表示させる。
一方、操作促進演出における所定の有効期間内に遊技者が操作ボタン120を操作しなかった場合には、当該操作促進演出の属する再抽選演出においては結果導出演出を実行しない。そのため、操作ボタン120を操作しなかったことによって確変図柄に昇格しなかった、換言すれば、昇格の機会が失われたと思い込ませることができるため、操作ボタン120の操作に対する期待感を抱かせることができるとともに、操作ボタン120の操作頻度を高めることができる。
なお、この実施の形態では、仮停止表示される仮停止図柄が非確変図柄であり、操作促進演出における有効期間内に操作ボタン120が操作されたことにもとづいて仮停止表示している非確変図柄を再変動するようにしているが、これに限らず、確変図柄を仮停止表示する構成としてもよい。この構成では、操作促進演出における有効期間内に操作ボタン120が操作されたことにもとづいて仮停止表示している確変図柄を再変動し、確変図柄表示フラグがセットされていれば確変図柄を導出表示し、非確変図柄表示フラグがセットされていれば非確変図柄に降格して導出表示するようにしてもよい。この場合には、結果導出演出にて確変図柄に昇格させる演出、非確変図柄を維持させる演出、非確変図柄に降格させる演出、確変図柄を維持させる演出、の複数種類の演出を実行することができるが、確変図柄が非確変図柄に降格した場合に操作ボタン120を操作してしまったために確変図柄が非確変図柄に降格したという印象を遊技者に与えてしまい、非確変図柄に降格させないものに比べて操作ボタン120に対する期待感を低下させる虞があるため望ましくない。
図22は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄停止コマンド)を受信しているか否か確認する(ステップS891)。図柄停止コマンドを受信していなければ(ステップS891;N)、処理を終了する。
一方、図柄停止コマンドを受信していれば(ステップS891;Y)、飾り図柄通常処理にて決定した停止図柄(判定結果コマンドおよび変動パターンコマンドにもとづいてステップS815,S816,S818,S819で決定した停止図柄(再抽選演出にて操作ボタン120が操作されなかったときにはステップS823で決定した仮停止図柄またはステップS816で決定した非確変図柄))を導出表示する(ステップS892)。なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ101が、遊技制御用マイクロコンピュータ60からの図柄停止コマンドの受信に応じて飾り図柄を停止表示する制御を行うが、このような構成に限られず、遊技制御用マイクロコンピュータ60から図柄停止コマンドを送信せずに、変動時間タイマがタイムアウトしたことにもとづいて演出制御用マイクロコンピュータ101が飾り図柄を停止表示する制御を行うようにしてもよい。
そして、ステップS892で大当り図柄を表示した場合、つまり、確変図柄表示フラグまたは非確変図柄表示フラグがセットされている場合には(ステップS893;N)、演出制御用マイクロコンピュータ101は、大当り開始演出に応じたプロセステーブルを選択し(ステップS896)、演出制御プロセスフラグ(プロセスフラグ)の値を大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に設定する(ステップS897)。なお、大当り開始演出に応じたプロセステーブルは、大当り遊技状態を開始するときの演出装置の制御内容を示すプログラムである。
ステップS892で大当り図柄を表示しない場合(はずれ図柄を表示した場合)、つまり、はずれ図柄表示フラグがセットされている場合には(ステップS893;Y)、演出制御用マイクロコンピュータ101は、はずれ図柄表示フラグをリセットし(ステップS894)、演出制御プロセスフラグ(プロセスフラグ)の値を飾り図柄通常処理(ステップS800)に対応した値に設定する(ステップS895)。
図23は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、大当り表示開始コマンドを受信していなければ(ステップS901;N)、処理を終了する。一方、大当り表示開始コマンドを受信していれば(ステップS901;Y)、飾り図柄変動停止処理のステップS896で選択したプロセステーブルに設定されるプロセスデータ1の内容に従って演出装置を制御する(ステップS902)。そして、プロセスタイマを1減算し(ステップS903)、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS904;Y)、プロセステーブルの次に設定されるプロセスデータに切り替え(ステップS905)、切り替えたプロセスデータの内容に従って演出装置を制御する(ステップS906)。なお、ステップS904でプロセスタイマがタイムアウトしていなければ、選択しているプロセスデータにもとづく演出装置の制御を継続して実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ101は、大当り遊技状態における最初のラウンド(1R)を開始することを示す1R開放表示コマンドを受信したら(ステップS907;Y)、大当り遊技状態における1ラウンド(1R)の開放表示コマンドに応じたプロセステーブルを選択する(ステップ908)。1R開放表示コマンドに応じたプロセステーブルには、大当り遊技状態における最初のラウンド(1R)での演出装置の制御内容が記憶されている。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理に対応した値に更新して処理を終了する(ステップS909)。ステップS907で1R開放表示コマンドを受信していなければ(ステップS907;N)、処理を終了する。
図24および図25は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理(ステップS805)を示すフローチャートである。ラウンド中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、プロセスデータの内容に従って演出装置を制御し(ステップS920)、プロセスタイマを1減算する(ステップS921)。そして、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS922;Y)、選択しているプロセステーブルの次のプロセスデータに切り替え(ステップS923)、切り替えたプロセスデータの内容に従って演出装置を制御する(ステップS924)。ステップS922でプロセスタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS922;N)、実行中のプロセスデータにもとづく演出装置の制御を継続し、ステップS925へ進む。大当り遊技状態のラウンド実行中には、例えば、飾り図柄変動停止処理で導出表示した大当り図柄を可変表示装置9にて表示するとともにラウンド数を示す文字やその他のキャラクタなどを表示する演出が実行される。
そして、再抽選実行フラグがセットされているか否か判定する(ステップS925)。この例では、大当り再抽選フラグがセットされている場合には、すなわち、大当り遊技状態の実行期間に大当り再抽選演出を実行する場合には、あらかじめ定められた所定のラウンド(この例では大当り遊技状態における7ラウンド)に実行する。再抽選実行フラグは、再抽選フラグがセットされているときに後述するラウンド後処理にてセットされ、大当り遊技状態における実行中のラウンドが大当り再抽選演出を実行する所定のラウンドであることを示すフラグである。そのため、再抽選実行フラグがセットされている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ101は、当該ラウンドにて大当り再抽選演出を実行する。
具体的には、ステップS925で再抽選実行フラグがセットされていれば(ステップS925;Y)、当該ラウンドが開始されてから操作ボタン120の操作を有効とするまでの期間を示す開始タイマがタイムアウトしたか判定する(ステップS926)。開始タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS926;N)、開始タイマを1減算し(ステップS927)、再び開始タイマがタイムアウトしたか否か判定する(ステップS928)。また、ステップS925で再抽選実行フラグがセットされていない場合(ステップS925;N)およびステップS928で開始タイマがタイムアウトしていない場合(ステップS928;N)には、大当り遊技状態における当該ラウンドにて大当り再抽選演出を実行しないと判定し、ステップS938に移行する。
ステップS926で開始タイマがタイムアウトしている場合(ステップS926;Y)およびステップS928で開始タイマがタイムアウトしている場合(ステップS928;Y)には、操作ボタン120が操作されたことを示す操作信号が入力されたか否かを判定する(ステップS929)。この実施の形態では、再抽選実行フラグがセットされているときに、有効期間内に操作ボタン120からの操作信号が入力されたことにもとづいて大当り再抽選演出を実行する。
ステップS929で、有効期間内に操作ボタン120が操作されたことを示す操作信号が入力されると(ステップS929;Y)、有効回数カウンタを1加算する(ステップS930a)。そして、有効回数カウンタのカウント値が所定値以上であれば(ステップS930b;Y)、すなわち、当該大当り遊技状態の起因となった可変表示にて実行された演出(この例では、所定の演出および再抽選演出)のうち操作ボタン120が操作された演出(この例では、所定の演出、再抽選演出のうち操作ボタン120が操作された演出、および大当り遊技状態の実行中に操作ボタン120が操作された演出)の回数が所定数以上であれば、確変図柄表示フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS931a)。
ステップS931aで確変図柄表示フラグがセットされていれば(ステップS931a;Y)、確変大当りである旨を報知する演出(昇格演出)に応じたプロセステーブルを選択し(ステップS931b)、再抽選実行フラグをリセットする(ステップS931c)。そして、ステップS932に移行する。ステップS931bで再抽選実行フラグをリセットすることにより次にタイマ割込が発生してラウンド中処理が実行された場合に大当り再抽選演出に関する処理を実行しない。
一方、ステップS930bで有効回数カウンタのカウント値が所定値未満の場合(ステップS930b;N)、すなわち、操作ボタン120が操作された演出の回数が所定数未満の場合、およびステップS931aで確変図柄表示フラグがセットされていない場合(ステップS931a;N)、すなわち、非確変図柄表示フラグがセットされて非確変大当りである場合、には、非確変大当りである旨を報知する演出(非昇格演出)に応じたプロセステーブルを選択し(ステップS930c)、再抽選実行フラグをリセットするとともに大当り遊技状態を終了するとき(この例では、大当り終了演出処理)に大当り再抽選演出を実行する旨を示す終了時再抽選フラグをセットする(ステップS930d)。
なお、この実施の形態では、ステップS930aで当該大当り遊技状態の実行中の有効期間内に操作ボタン120が操作されたことにもとづいて有効回数カウンタを1加算し、可変表示にて計数された回数と大当り遊技状態の実行中に計数された回数との合算数に応じて異なる処理を行うようにしているが、ステップS930aでは可変表示にて有効回数カウンタにより計数された回数のみに応じて異なる処理を行うようにしてもよい。
また、大当り遊技状態の実行中に大当り再抽選演出とは異なるとともに操作ボタン120の操作を伴う所定の演出を複数回実行し、当該複数回の所定の演出のうち操作ボタン120が操作された演出の回数を有効回数カウンタにより計数し、有効回数カウンタのカウント値に応じて異なる処理を実行するようにしてもよい。この場合に、当該大当り遊技状態の起因となった可変表示にて有効回数カウンタにより計数したカウント値をクリアした後、大当り遊技状態にて有効回数カウンタにより操作ボタン120が操作された演出の回数を計数するようにしてもよいし、当該大当り遊技状態の起因となった可変表示にて有効回数カウンタにより計数したカウント値をクリアすることなく、大当り遊技状態にて有効回数カウンタにより操作ボタン120が操作された演出の回数を計数するようにしてもよい。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ101は、ステップS931bで選択した昇格演出に応じたプロセステーブルまたはステップS930cで選択した非昇格演出に応じたプロセステーブルの最初に設定されるプロセスデータの内容に従って演出装置を制御し(ステップS932)、プロセスタイマを1減算する(ステップS933)。
また、ステップS929で操作ボタン120が操作されていなければ(ステップS929;N)、すなわち、操作ボタン120が操作されたことを示す操作信号が入力されていなければ、有効期間タイマを1減算し(ステップS934)、有効期間タイマがタイムアウトしているか否か判定する(ステップS935)。有効期間タイマは操作ボタン120の操作が有効となる期間を示すタイマであるため、有効期間タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS935;N)、操作ボタン120の操作が有効となる有効期間を継続し、ステップS938に移行する。有効期間タイマがタイムアウトしていたら(ステップS935;Y)、操作ボタン120の操作が有効となる有効期間を終了させるための処理を行う。具体的には、再抽選実行フラグをリセットするとともに大当り遊技状態を終了するとき(この例では、大当り終了演出処理)に大当り再抽選演出を実行する旨を示す終了時再抽選フラグをセットする(ステップS936)。再抽選実行フラグをリセットすることにより、次にタイマ割込が発生し、ラウンド中処理が実行されたときに操作ボタン120が操作されたか否かを判定する処理が実行されないため、操作ボタン120の操作が有効となる有効期間が終了する。
なお、この例では、ステップS935で操作ボタン120が操作されることなく大当り遊技状態における操作ボタン120の有効期間が経過した場合には実行中のプロセステーブル(この例では、後述する大当り再抽選演出に応じたプロセステーブル)の内容にもとづく処理を継続して実行する。具体的には、大当り遊技状態における有効期間内に操作ボタン120が操作されたことにもとづいて選択される昇格演出および非昇格演出に応じたプロセステーブルでは、確変大当りまたは非確変大当りである旨を報知するが、大当り遊技状態における有効期間内に操作ボタン120が操作されなかった場合には、確変大当りまたは非確変大当りである旨を報知しない。なお、大当り遊技状態における有効期間内に操作ボタン120が操作されなかった場合に選択されるプロセステーブル(大当り再抽選未操作プロセステーブル)と、大当り遊技状態における有効期間内に操作ボタン120が操作された場合に選択されるプロセステーブル(大当り再抽選操作プロセステーブル(昇格演出に応じたプロセステーブルおよび非昇格演出に応じたプロセステーブルを含む))と、を備えることにより、大当り遊技状態における有効期間内に操作ボタン120が操作されなかった場合にも所定の演出態様で演出装置を制御するようにしてもよい。
このように、この実施の形態では、大当り遊技状態における有効期間内に操作ボタン120が操作されなければ、大当り再抽選演出を実行することなく終了時再抽選フラグをセットする。終了時再抽選フラグがセットされることにより大当り遊技状態を終了するとき、具体的には、大当り終了演出処理にて確変大当りであるか否かを報知する演出(終了時再抽選演出)を実行するための処理が実行される。
なお、この実施の形態では、大当り再抽選演出には、操作ボタン120の操作を促す操作促進演出と所定の有効期間内に操作ボタン120が操作されたことにもとづいて確変大当りであるか非確変大当りであるかを報知する結果導出演出(昇格演出、非昇格演出)とが含まれている。操作促進演出は、非確変図柄が導出表示されたことにもとづいて大当り遊技状態の終了後に通常状態または時短状態に制御される非確変大当りを大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される確変大当りに昇格させる機会(チャンス)を遊技者に与える演出(実際には、非確変大当りに決定されている場合には確変大当りに変更させることはできず、事前に確変大当りに決定され、非確変大当りと報知している場合に確変大当りであることを報知することにより非確変大当りから確変大当りに昇格したかの印象を与える演出)である。
操作促進演出における有効期間内に遊技者が操作ボタン120を操作した場合に結果導出演出が実行される。この実施の形態では、飾り図柄の可変表示の実行期間にて実行された再抽選演出の操作促進演出にて操作ボタン120が操作されなかったときに可変表示の実行期間内にて結果導出演出を実行せずに、大当り遊技状態の実行中に再び操作促進演出を実行するため、飾り図柄の可変表示の実行期間にて実行された再抽選演出の操作促進演出にて操作ボタン120を操作しなかったことによって結果導出演出が実行されなかった。換言すると、飾り図柄の可変表示の実行期間にて実行された再抽選演出の操作促進演出にて操作ボタン120を操作しなかったことによって確変図柄に昇格させることができなかったと思い込ませることができ、大当り遊技状態にて操作促進演出が実行されると操作ボタン120を積極的に操作するようになる。
また、操作促進演出における有効期間内に遊技者が操作ボタン120を操作した場合であっても非確変図柄表示フラグがセットされている場合および有効回数カウンタの値が所定数未満の場合には、結果導出演出にて確変大当りに昇格せずに非確変大当りである旨を報知する。なお、飾り図柄の可変表示の実行期間における再抽選演出の操作促進演出にて有効期間内に操作ボタン120が操作されなかった場合に、非確変図柄表示フラグがセットされていれば、所定の判定乱数を用いて大当り遊技状態の実行中に大当り再抽選演出を実行するか否かを判定することにより確変図柄表示フラグがセットされている場合よりも低い割合で大当り再抽選演出を実行するようにしてもよいし、大当り再抽選演出を実行しないようにしてもよい。
また、大当り遊技状態の実行中における操作促進演出にて有効期間内に遊技者が操作ボタン120を操作しなかった場合にも当該大当り遊技状態の実行中に結果導出演出を実行せずに、大当り遊技状態を終了するときに再び大当り再抽選演出を実行する。そのため、操作ボタン120を操作しなかったことによって確変大当りに昇格させることができなかったと思い込ませることができ、操作ボタン120の操作に対する期待感を抱かせることができるとともに、操作ボタン120の操作頻度を高めることができる。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ101は、大入賞口を閉塞することを示す閉塞表示コマンドを受信したら(ステップS938;Y)、大入賞口の閉塞中に実行される演出であるラウンドインターバル演出に応じたプロセステーブルを選択し(ステップS940)、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1の内容に従って演出装置を制御し(ステップS941)、プロセスタイマを1減算する(ステップS942)。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理に応じた値に更新して処理を終了する(ステップS943)。なお、ラウンドインターバル演出としてラウンド数に応じた演出を実行する場合には、ラウンド数に応じて選択するプロセステーブルを異ならせるようにしてもよい。
ステップS938で閉塞表示コマンドを受信していなければ(ステップS938;N)、大当り遊技状態の終了表示を指示する大当り終了表示コマンドを受信しているか否か判定し(ステップS944)、大当り終了表示コマンドを受信していなければ(ステップS944;N)、処理を終了する。一方、大当り終了表示コマンドを受信していれば(ステップS944;Y)、終了時再抽選フラグがセットされているか否か確認する(ステップS945)。上述したように終了時再抽選フラグは、大当り遊技状態を終了するときに大当り再抽選演出を実行することを示すフラグである。
ステップS945で終了時再抽選フラグがセットされていれば(ステップS945;Y)、終了時再抽選演出に応じたプロセステーブルを選択し(ステップS946)、開始タイマおよび有効期間タイマをセットする(ステップS947)。そして、ステップS949に移行する。一方、終了時再抽選フラグがセットされていなければ(ステップS945;N)、通常の大当り遊技状態終了表示を行うための大当り終了表示コマンドに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS948)。なお、大当り遊技状態終了表示は、以後の遊技状態を報知する表示が含まれる。すなわち、確変大当りであれば、確変状態に制御する旨(例えば、「確変だよ」等)を報知し、非確変大当りであれば、この例では時短状態に制御する旨(例えば、「時短100回」等)を報知する。
なお、図示していないが、ステップS948では、大当り再抽選演出にて昇格演出を実行した場合には他の場合とは異なる演出装置の制御内容を示すプロセステーブルが選択される。例えば、大当り再抽選演出を実行しなかった場合および大当り再抽選演出にて昇格演出を実行しなかった場合には、確変状態または時短状態に制御する旨を報知する演出の制御内容を示すプロセステーブルが選択されるが、大当り再抽選演出にて昇格演出を実行した場合には、確変大当りに昇格して確変状態に制御する旨を報知する演出の制御内容を示すプロセステーブルが選択される。また、飾り図柄の可変表示の実行期間にて再抽選演出を実行して非確変図柄を確変図柄に昇格させた場合にも確変大当りに昇格して確変状態に制御する旨を報知する演出の制御内容を示すプロセステーブルを選択するようにしてもよいし、飾り図柄の可変表示の実行期間にて再抽選演出を実行して非確変図柄を確変図柄に昇格させた場合と大当り再抽選演出にて確変大当りに昇格させた場合とで異なるプロセステーブルを選択するようにしてもよい。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ101は、待機時間計測タイマをセットし(ステップS949)、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理に応じた値に更新して処理を終了する(ステップS950)。なお、待機時間計測タイマは、大当り遊技状態を終了してから次に特別図柄の可変表示を開始するまでの待機時間を示すタイマであり、この待機時間計測タイマにより遊技制御用マイクロコンピュータ60と演出制御用マイクロコンピュータ101とを同期させている。
図26は、演出制御プロセス処理におけるラウンド後処理(ステップS806)を示すフローチャートである。ラウンド後処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、プロセスデータの内容に従って演出装置を制御し(ステップS951)、プロセスタイマを1減算する(ステップS952)。そして、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS953;Y)、選択しているプロセステーブルの次のプロセスデータに切り替え(ステップS954)、切り替えたプロセスデータの内容に従って演出装置を制御する(ステップS955)。ステップS953でプロセスタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS953;N)、実行中のプロセスデータにもとづく演出装置の制御を継続しステップS956に進む。大当り遊技状態のラウンド終了時に実行されるラウンドインターバル演出では、例えば、飾り図柄変動停止処理のステップS892で導出表示した大当り図柄または昇格演出を実行した場合には飾り図柄通常処理のステップS815で決定した大当り図柄を可変表示装置9にて表示するとともに、所定のキャラクタなどを表示する演出が実行される。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、開放表示コマンドを受信したら(ステップS956;Y)、受信した開放表示コマンドが7ラウンド(7R)の開始を指示する7R開放表示コマンドであるか否か判定する(ステップS957)。7R開放表示コマンド以外の開放表示コマンドを受信していれば(ステップS957;N)、開放表示コマンドに応じたプロセステーブルを選択し(ステップS958)、ステップS965に移行する。
一方、受信した開放表示コマンドが7R開放表示コマンドであれば(ステップS957;Y)、大当り再抽選フラグがセットされているか否か判定する(ステップS959)。大当り再抽選フラグがセットされていれば(ステップS959;Y)、大当り再抽選演出に応じたプロセステーブルを選択し(ステップS960)、大当り再抽選演出にて操作ボタン120の操作が有効となる期間を示す有効期間タイマおよび大当り再抽選演出にて操作ボタン120の操作が有効となる有効期間の開始タイミングを示す開始タイマをセットして(ステップS961)、大当り再抽選フラグをリセットするとともに再抽選実効フラグをセットする(ステップS962)。このように、この例では、大当り遊技状態における7ラウンドを実行するときに大当り再抽選演出を実行する。また、大当り再抽選演出に応じたプロセステーブルの内容に従って演出装置を制御することにより大当り再抽選演出における操作促進演出が実行される。
ステップS959で大当り再抽選フラグがセットされていなければ(ステップS959;N)、確変図柄表示フラグおよび非確変図柄表示フラグをリセットし(ステップS963)、7R開放表示コマンドに応じたプロセステーブルを選択して(ステップS964)、ステップS965に移行する。この実施の形態では、大当り遊技状態における7ラウンドにて大当り再抽選演出を実行する可能性がある。上述したように大当り遊技状態におけるラウンドは、所定期間が経過したとき若しくは所定期間が経過する以前に大入賞口に所定個の遊技球が入賞したときに終了する。大当り遊技状態における7ラウンドにて大当り再抽選演出が実行されたときにはこれら通常のラウンドと同様に当該ラウンドを終了させるが、当該ラウンドを終了することに応じて大当り再抽選演出を終了してしまうことで操作ボタン120が操作されたにもかかわらず結果導出演出を実行する期間がなく、結果導出演出が実行されない等の不具合が生じる可能性がある。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ60が大当り再抽選演出を実行することを決定している場合(具体的には、大当り再抽選変動パターンを選択した場合)には遊技制御用マイクロコンピュータ60側でも大当り再抽選演出を実行することを把握できるが、遊技制御用マイクロコンピュータ60が飾り図柄の可変表示の実行期間にて再抽選演出を実行することを決定している場合(具体的には、再抽選変動パターンを選択した場合)に当該再抽選演出にて操作ボタン120が操作されなかったときおよび有効回数カウンタの値が所定数未満であったときには演出制御用マイクロコンピュータ101側で大当り再抽選演出を実行することに決定し、遊技制御用マイクロコンピュータ60側で大当り再抽選演出が実行されることを把握できない。
そのため、この例では、大当り遊技状態における7ラウンドが実行されたときには、当該ラウンドが終了した場合であっても少なくとも当該ラウンドを開始してから所定期間はラウンド後処理に移行しないように制御される。具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ60にて大当り遊技状態における7ラウンドを開始するときに所定のタイマをスタートさせ、当該タイマがタイムアウトしたときに閉塞表示コマンドを送信するように制御するため、7ラウンドが終了した場合であっても当該ラウンドにおける表示を継続して実行し、大当り再抽選演出の途中でラウンドが終了して結果導出演出が実行されない等の不具合を防止できる。
なお、大当り再抽選演出を実行する期間(操作促進演出と結果導出演出を実行する期間)の最大時間が大当り遊技状態における1ラウンドの開放時間よりも短くなるように設定してもよく、この場合に、7ラウンドを開始するときにスタートしたタイマがタイムアウトする以前に所定個の遊技球が特別可変入賞装置に入賞した場合には、当該タイマがタイムアウトするまで閉塞表示コマンドを送信することなく当該タイマがタイムアウトしたことにもとづいて閉塞表示コマンドを送信する一方、所定個の遊技球が特別可変入賞装置に入賞する以前および特別可変入賞装置の開放時間が経過する以前に7ラウンドを開始するときにスタートしたタイマがタイムアウトした場合には、所定個の遊技球が特別可変入賞装置に入賞または特別可変入賞装置の開放時間が経過のいずれかが成立したときに閉塞表示コマンドを送信するように構成してもよい。
ステップS964で選択される7R開放表示コマンドに応じたプロセステーブルでは、他のラウンドに応じたプロセステーブルに比べて長期間にわたる演出装置の制御内容が示されている。また、図示していないが、飾り図柄の可変表示の実行期間にて再抽選演出を実行し、非確変図柄を確変図柄に昇格させた場合には7R開放表示コマンドに応じて他の場合とは異なる演出装置の制御内容を示すプロセステーブルが選択される。例えば、飾り図柄の可変表示の実行期間にて再抽選演出を実行しなかった場合および飾り図柄の可変表示の実行期間にて再抽選演出を実行して確変図柄に昇格しなかった場合には、他のラウンドと同様の制御内容が示されるプロセステーブルが選択されるが、飾り図柄の可変表示の実行期間にて再抽選演出を実行し、非確変図柄を確変図柄に昇格させた場合には可変表示の実行期間における再抽選演出にて確変大当りに昇格した旨を報知する制御内容(例えば、確変大当りに昇格したことを祝福する内容)が示されるプロセステーブルが選択される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1の内容に従って演出装置を制御した後(ステップS965)、プロセスタイマを1減算し(ステップS966)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理に応じた値に更新して処理を終了する(ステップS967)。なお、この実施の形態では、大当り遊技状態のラウンドそれぞれにて異なるプロセステーブルを選択して異なる演出を実行するが、大当り遊技状態における7ラウンド以外のラウンドを実行する場合に1つのプロセステーブルを選択して同一の演出を実行するようにしてもよい。また、ステップS956で開放表示コマンドを受信していなければ(ステップS956;N)、処理を終了する。
なお、この実施の形態では、大当り遊技状態における所定のラウンド(この例では、7R)におけるラウンド中処理にて大当り再抽選演出を実行する構成としているが、これに限らず、大当り遊技状態を開始してから所定期間経過したときに大当り再抽選演出を実行するようにしてもよいし、大当り遊技状態における所定のインターバル中(この例では、ラウンド後処理)に再抽選演出を実行する構成としてもよい。また、この例では大当り遊技状態における所定のラウンドが実行されたときに遊技制御用マイクロコンピュータ60から閉塞表示コマンドを送信するタイミングを遅らせる(大当り遊技状態における所定のラウンドが終了した場合であっても当該ラウンドが開始されてから所定期間が経過するまでは閉塞表示コマンドを送信しない)ことによりラウンド中処理にて大当り再抽選演出を実行する構成としているが、閉塞表示コマンドを送信するタイミングを遅らせることなくラウンド中処理およびラウンド後処理に跨って大当り再抽選演出を実行するようにしてもよいし、複数のラウンドにわたって大当り再抽選演出を実行するようにしてもよい。
また、この例では、大当り再抽選演出にて操作ボタン120が操作されなかった場合には結果導出演出を実行することなく大当り遊技状態を終了するときに終了時再抽選演出を実行して確変大当りか否かを報知し、大当り再抽選演出にて操作ボタン120が操作されたが有効回数カウンタのカウント値が所定値未満であった場合には、大当り再抽選演出の結果導出演出にて非昇格演出を実行し、大当り遊技状態を終了するときに終了時再抽選演出を実行して確変大当りか否かを報知するが、大当り遊技状態における所定のラウンドで大当り再抽選演出を実行して操作ボタン120が操作されなかった場合および操作ボタン120が操作されたが有効回数カウンタのカウント値が所定値未満であった場合に所定のラウンド以降のラウンドにて再び大当り再抽選演出を実行するように構成してもよい。この場合には、大当り再抽選演出が実行される可能性があるラウンド(例えば、7ラウンドおよび11ラウンド)をあらかじめ設定し、遊技制御用マイクロコンピュータ60から閉塞表示コマンド若しくは大当り終了表示コマンドを送信するタイミングを遅らせるようにしてもよく、この場合には、大当り再抽選演出が実行される可能性があるラウンド(例えば、7ラウンドおよび11ラウンド)のうち実行時期がもっとも遅いラウンドにて操作ボタン120が操作されなかった場合にも確変大当りであれば確変大当りである旨を報知することにより終了時再抽選演出を実行しないようにしてもよい。
図27は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、ラウンド中処理のステップS946またはS948で選択したプロセステーブルに設定されるプロセスデータの内容に従って演出装置を制御し(ステップS980)、プロセスタイマを1減算する(ステップS981)。そして、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS982;Y)、選択しているプロセステーブルの次のプロセスデータに切り替え(ステップS983)、切り替えたプロセスデータの内容に従って演出装置を制御する(ステップS984)。ステップS982でプロセスタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS982;N)、実行中のプロセスデータにもとづく演出装置の制御を継続して実行する。
なお、確変大当りを終了する場合には、ラウンド中処理のステップS948で確変大当り終了表示に応じたプロセスデータが選択され、例えば、可変表示装置9において所定のキャラクタなどを表示することにより確変状態の制御を開始する旨を遊技者に報知する。また、非確変大当りを終了する場合には、ラウンド中処理のステップS948で非確変大当り終了表示に応じたプロセスデータが選択され、例えば、可変表示装置9において時短状態にて実行可能な可変表示回数(変動回数)を表示するとともに所定のキャラクタなどを表示することにより時短状態の制御を開始する旨を遊技者に報知する。
また、図示していないが、飾り図柄の可変表示の実行期間にて再抽選演出を実行し、非確変図柄を確変図柄に昇格させた場合および大当り再抽選演出にて確変大当りに昇格させた場合(昇格演出を実行した場合)には確変大当り終了表示に応じて他の場合とは異なる演出装置の制御内容を示すプロセステーブルが選択される。例えば、飾り図柄の可変表示の実行期間にて再抽選演出を実行することなく確変図柄を導出表示した場合には、確変状態に制御される旨を報知するときの制御内容が示されるプロセステーブルが選択されるが、確変大当りに昇格させた場合には確変状態に制御される旨を報知するとともに確変大当りに昇格した旨を報知するときの制御内容(例えば、確変大当りに昇格したことを祝福する内容)が示されるプロセステーブルが選択される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ101は、終了時再抽選フラグがセットされているか否か判定する(ステップS985)。上述したように終了時再抽選フラグは大当り遊技状態を終了するとき(大当り終了演出処理を実行しているとき)に確変大当りか否かを報知する終了時報知演出を実行することを示すフラグである。演出制御用マイクロコンピュータ101は、終了時再抽選フラグがセットされていたら(ステップS985;Y)、終了時再抽選演出に応じた処理を実行する。具体的には、開始タイマがタイムアウトしているか否か確認し(ステップS986)、開始タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS986;N)、開始タイマを1減算し(ステップS987)、開始タイマがタイムアウトしたら(ステップS988;Y)、操作ボタン120からの操作信号が入力されたか否か確認する(ステップS989)。ステップS986で開始タイマがタイムアウトしていれば(ステップS986;Y)、ステップS989に進む。
また、操作ボタン120が操作されたことを示す操作信号が入力されたら(ステップS989;Y)、確変図柄表示フラグがセットされているか否か判定する(ステップS992a)。一方、ステップS989で操作ボタン120からの操作信号が入力されていなければ(ステップS989;N)、操作ボタン120の操作が有効となる期間を示す有効期間タイマを1減算し(ステップS990)、有効期間タイマがタイムアウトしたら(ステップS991;Y)、ステップS992aに進む。ステップS991で有効期間タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS991;N)、ステップS997に進む。
ステップS992aで確変図柄表示フラグがセットされていれば(ステップS992a;Y)、確変大当りである旨(確変状態に制御する旨)を報知する終了時昇格演出に応じたプロセステーブルを選択し(ステップS992b)ステップS992aで非確変図柄表示フラグがセットされていれば(ステップS992a;N)、非確変大当りである旨(時短状態に制御する旨)を報知する終了時非昇格演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS992c)。そして、選択したプロセステーブルの最初に設定されるプロセスデータの内容に従って演出装置を制御し(ステップS993)、終了時再抽選フラグをリセットする(ステップS995)。ステップS985で終了時再抽選フラグがセットされていなければ(ステップS985;N)、終了時再抽選演出処理に関わる処理(ステップS986〜ステップS995)を実行することなく判定結果フラグ(この場合には、確変図柄表示フラグ、非確変図柄表示フラグ)をリセットして(ステップS996)、ステップS997に進む。なお、図示しないが判定結果フラグがセットされていなければステップS996を実行することなくステップS997に移行する。
このように、この実施の形態では、大当り再抽選演出にて操作ボタン120が操作されなかった場合には大当り再抽選演出にて結果導出演出を実行しないとともに大当り再抽選演出にて操作ボタン120が操作されたが有効回数カウンタのカウント値が所定値未満の場合には、確変大当りであっても大当り再抽選演出にて昇格演出を行わない。そして、大当り遊技状態を終了するとき(大当り終了演出処理を実行するとき)に終了時再抽選演出を実行して確変大当りか否か(確変状態に制御するか時短状態に制御するか)を報知する。また、終了時再抽選演出では、操作ボタン120が操作されなかった場合であっても操作ボタン120の操作が有効となる有効期間が経過したときに結果導出演出(この場合には、終了時昇格演出または終了時非昇格演出)を実行して非確変大当りか否かを報知する。このように構成することにより以後の遊技状態を正確に遊技者に報知でき、遊技者に不利益を与えない。
なお、終了時再抽選演出にて操作ボタン120が操作されなかった場合に結果導出演出を実行しないようにしてもよいし、終了時再抽選演出にて操作ボタン120が操作されたが有効回数カウンタのカウント値が所定値未満の場合に確変図柄表示フラグがセットされている場合であっても結果導出演出として終了時非昇格演出を実行するようにしてもよいし、これらを組み合わせて実行するようにしてもよい。この場合に、確変大当りであるが非確変大当りと報知していれば、大当り遊技状態終了後の遊技状態にて時短状態と同様の態様で演出装置の制御を行うことにより遊技者に時短状態に制御されていると思い込ませるようにしてもよい。すなわち、演出制御基板80にて通常状態にて使用する変動パターンが設定される変動パターンテーブルと、時短状態にて使用する変動パターンが設定される変動パターンテーブルと、確変状態にて使用する変動パターンが設定された変動パターンテーブルと、を備える構成とし、現在の遊技状態に応じて飾り図柄通常処理にていずれかの変動パターンテーブルを選択する場合に、確変大当りであるが非確変大当りと報知していれば、時短状態にて使用する変動パターンテーブルおよび遊技制御用マイクロコンピュータ60から受信した変動パターンコマンドに応じて変動パターンを決定するようにしてもよい。また、大当り遊技状態終了後の特別図柄の可変表示回数が所定回数(例えば、50回)になったとき、時短状態を終了するとき(例えば、大当り遊技状態終了後に特別図柄表示器8にて実行した特別図柄の可変表示回数が100回に達したとき)、確変状態を終了するとき、等に実際の遊技状態を報知するようにしてもよい。
また、終了時再抽選演出として、操作ボタン120の操作を伴わない演出を実行して確変大当りか否かを報知するようにしてもよい。すなわち、終了時再抽選演出にて操作促進演出操作促進演出を実行することなく結果導出演出を実行して確変状態の制御を開始するか時短状態の制御を開始するかを報知するようにしてもよい。
また、この例では、大当り再抽選演出にて昇格演出を実行した場合には、終了時再抽選演出を実行しない。そのため、遊技者に興味を持たせられない無駄な演出を実行することを防止できる。なお、大当り再抽選演出にて操作ボタン120が操作されたが有効回数カウンタのカウント値が所定値未満の場合には、確変図柄表示フラグがセットされていることを条件に終了時再抽選演出を実行するようにしてもよい。これにより、昇格する可能性がない演出を複数回実行することで操作ボタン120に対する期待感が低下することを防止できる。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ101は、待機時間計測タイマを1減算する(ステップS997)。上述したように待機時間計測タイマは、大当り遊技状態を終了してから次に特別図柄の可変表示を開始するまでの待機時間を示すタイマである。すなわち、待機時間計測タイマがタイムアウトしたら(ステップS998;Y)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄通常処理に応じた値に更新して処理を終了する(ステップS999)。一方、ステップS998で待機時間計測タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS998;N)、待機時間が経過していないと判断して演出制御プロセスフラグの値を更新することなく処理を終了する。これにより、次にタイマ割込が発生したときに再び大当り終了演出処理が実行される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ60が終了時再抽選演出を実行することを決定している場合(例えば、大当り終了演出処理にて確変大当りか否かを報知する演出の実行を指示する終了時再抽選変動パターンを選択した場合)には遊技制御用マイクロコンピュータ60側でも終了時再抽選演出を実行することを把握できるが、遊技制御用マイクロコンピュータ60が飾り図柄の可変表示の実行期間にて再抽選演出を実行することを決定している場合(具体的には、再抽選変動パターンを選択した場合)および大当り再抽選演出を実行することに決定している場合(具体的には、大当り再抽選変動パターンを選択した場合)に、所定の条件が成立しなかったとき(例えば、再抽選演出にて操作ボタン120が操作されなかったとき、大当り再抽選演出にて操作ボタン120が操作されなかったとき、および有効回数カウンタの値が所定数未満であったとき)には演出制御用マイクロコンピュータ101側で終了時再抽選演出を実行することに決定し、遊技制御用マイクロコンピュータ60側で終了時再抽選演出が実行されることを把握できない。
そのため、この例では、終了時再抽選演出を実行するときには、終了時再抽選演出を実行しない場合であっても終了時再抽選演出の実行期間と同一期間が経過するまでは遊技制御用マイクロコンピュータ60によって特別図柄表示器8にて特別図柄の可変表示を開始させないように制御し、演出制御用マイクロコンピュータ101にて終了時再抽選演出を実行しない場合であっても終了時再抽選演出の実行期間と同一期間に亘って所定の演出(例えば、終了時再抽選演出とは異なる演出であって、大当り遊技状態を終了させる旨を報知する演出)を実行する。具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ60にて大当り終了表示コマンドを送信するときに所定のタイマ(少なくとも終了時再抽選演出の実行期間と同一かそれ以上の期間を示すタイマ)をスタートさせ、当該タイマがタイムアウトしたときに特別図柄通常処理に移行するように制御するため、終了時再抽選演出の実行途中で遊技制御用マイクロコンピュータ60から変動パターンコマンドが送信されることにより終了時再抽選演出が中断されて確変大当りか否かを報知することなく飾り図柄の可変表示を開始してしまうことを防止できる。
次に可変表示装置9にて実行される表示制御の具体的に態様例について説明する。図28および図29には、可変表示の実行期間における再抽選演出の態様例が示されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ60から再抽選演出を実行する変動パターンコマンドを受信すると、演出制御用マイクロコンピュータ101は、飾り図柄通常処理のステップS823で仮停止図柄を決定する。また、再抽選変動パターンでは、再抽選演出を実行するための処理(ステップS825)および所定の演出を実行するための処理(ステップS826)を実行し、飾り図柄変動開始処理のステップS831で当該変動パターン応じたプロセステーブルを選択し、選択したプロセステーブルに設定されるプロセスデータの内容に従って可変表示装置9を表示制御することにより飾り図柄の変動表示を開始する(図28(A)〜図28(B))。
上述したように、再抽選変動パターンでは、所定の演出が複数回実行される。図28に示す例では、最初に実行される所定の演出として操作ボタン120の操作を伴う予告演出を実行する。予告演出では、操作ボタン120の操作を促す操作促進表示9cとして「ボタンを押してね」を表示制御するとともに操作ボタン120の操作が有効となる有効期間の残り時間を示す残時間表示9bを表示制御する(図28(B))。また、所定の演出としての予告演出では、所定の有効期間内に操作ボタン120が操作されたとき、すなわち操作ボタン120が操作されたことを示す操作信号が入力されたときに予告演出における予告結果を表示する(図28(C))。この例では、予告結果としてトンボの画像を可変表示装置9に表示制御する。また、演出制御用マイクロコンピュータ101は、当該予告演出にて操作ボタン120が操作されたと判定し、飾り図柄変動中処理のステップS852で有効回数カウンタのカウント値を1加算する。一方、予告演出における所定の有効期間内に操作ボタン120が操作されなかった場合には予告結果を表示しない(図28(C’))。なお、予告演出における所定の有効期間内に操作ボタン120が操作されなかった場合にも予告結果を表示するようにしてもよいし、操作ボタン120が操作された場合とは異なる予告結果を表示するようにしてもよい。また、操作ボタン120が操作された場合であっても所定の割合で予告演出を実行しないようにしてもよいし、操作ボタン120が操作されたことにもとづいて複数種類の予告演出のうちいずれかを選択して実行するようにしてもよい。
このように、この実施の形態では、可変表示装置9にて飾り図柄の可変表示を開始してから第1図柄停止まで(可変表示装置9にて可変表示して所定の順序で停止表示する飾り図柄のうち最初に停止表示する図柄が停止表示するまで;この例では、図28(C)で左飾り図柄が停止表示するまで)に操作ボタン120の操作が有効となる有効期間が設けられ、操作ボタン120が操作されたことにもとづいてリーチとなることを予告するリーチ予告が行われる(図28(C))。
なお、操作ボタン120の有効期間としてこの実施の形態では、「10秒」が設定される。そして、この有効期間内に操作ボタン120が操作されると図28(C)に示すリーチ予告が行われるが、操作ボタン120を操作するタイミングに応じてリーチ予告の実行期間が異なる。すなわち、操作ボタン120が操作されたときにリーチ予告を開始するため、予め設定されている同一期間でリーチ予告が実行されるとリーチ予告の終了時期が異なる。ところが、第1図柄停止までの期間は予め決定されているため、操作ボタン120の操作時期が早いとリーチ予告を行ってから第1図柄停止までの期間が長くなり、操作ボタン120の操作時期が遅いとリーチ予告を行ってから第1図柄停止までの期間が短くなり、遊技者の混乱を招く虞がある。そのため、この実施の形態では、有効期間の残り時間に応じて実行されるリーチ予告の実行期間を調整する、具体的には、有効期間の残り時間と予め設定されているリーチ予告の実行期間とを合計した期間に亘ってリーチ予告を実行することによりリーチ予告の終了時期を同時期にし、遊技者を混乱させないようにしている。例えば、有効期間の残り時間「5秒」で操作ボタン120が操作されたときには予め設定されているリーチ演出の実行期間(例えば、「2秒」)を「5秒」延長して(例えば、「7秒」)リーチ演出を実行する。
また、この実施の形態では、リーチ予告の実行期間を調整することにより遊技者を混乱させないようにしているが、リーチ予告の実行期間を調整しないようにしてもよい。この場合には、第1図柄停止までの期間が予め決定されているため、操作ボタン120の操作時期によりリーチ予告が実行されてから第1図柄停止までの期間が異なることとなる。具体的には、操作ボタン120の操作時期が早い場合にはリーチ予告を行ってから第1図柄停止までの期間が長くなり、操作ボタン120の操作時期が遅い場合にはリーチ予告を行ってから第1図柄停止までの期間が短くなる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ101は、次に実行される所定の演出としてリーチ演出の種類を選択させる選択演出を実行する。この例では、操作ボタン120の操作を促す操作促進表示9cとして「リーチを選んで!」を表示制御し「すいか割りリーチ」と「花火リーチ」との一方を選択させる演出を行う(図28(E))。演出制御用マイクロコンピュータ101は、所定の有効期間内において「すいか割りリーチ」を選択可能な状態と「花火リーチ」を選択可能な状態とを所定期間毎に切り替え、いずれかを選択可能な状態にて操作ボタン120が操作されたときに当該リーチ演出を選択したと判別する。また、この例では、選択演出における所定の有効期間内に操作ボタン120が操作されなかった場合には、いずれのリーチ演出も選択されなかったと判別し、リーチ演出を行わない(図28(F’)〜図28(G’))。
なお、この実施の形態では、選択演出にて有効期間内に操作ボタン120が操作されなかった場合、すなわち、リーチ演出が選択されなかった場合にはリーチ演出を行わないが、有効期間内に操作ボタン120が操作されなかった場合にはいずれかのリーチ演出を自動的に選択して実行するようにしてもよい。この場合には、有効期間が経過したときに選択可能な状態となっているリーチ演出を選択するようにしてもよいし、選択演出にて選択可能となったリーチ演出のうち大当り期待度(当該リーチ演出の出現率に対して大当りとなる場合に実行される割合)が低い(または高い)リーチ演出を選択するようにしてもよいし、予め決定されている(選択演出にて選択可能となったリーチ演出のうちいずれかであってもよいし、選択演出にて選択可能となっていないリーチ演出であってもよい)リーチ演出を選択するようにしてもよい。また、図28に示す例では、選択演出にて残時間表示9bを表示制御しないが、選択演出における操作ボタン120の操作が有効となる有効期間の残り時間を残時間表示9bとして表示制御するようにしてもよい。
また、選択演出にて操作ボタン120が操作された場合に、選択されたリーチ演出を実行するが、これに限らず、予め決定されているリーチ演出を実行するようにしてもよい。例えば、選択演出にて選択可能となったリーチ演出のうち大当り期待度(当該リーチ演出の出現率に対して大当りとなる場合に実行される割合)が低い(または高い)リーチ演出を実行するようにしてもよいし、予め決定されている(選択演出にて選択可能となったリーチ演出のうちいずれかであってもよいし、選択演出にて選択可能となっていないリーチ演出であってもよい)リーチ演出を実行するようにしてもよい。
選択演出における所定の有効期間内に操作ボタン120が操作されていずれかのリーチ演出が選択されると選択されたリーチ演出を実行する(図28(F)〜図28(G))。図28に示す例では、「すいか割りリーチ」が選択され、可変表示装置9にて「すいか割りリーチ」に応じた表示制御を実行する。また、演出制御用マイクロコンピュータ101は、当該選択演出にて操作ボタン120が操作されたと判定し、飾り図柄変動中処理のステップS852で有効回数カウンタのカウント値を1加算する。
なお、この実施の形態では、選択演出の有効期間内に操作ボタン120が操作されると選択演出の結果を報知した後(図28(E))、選択されたリーチ演出(例えば、図28(F)〜図28(G))を実行する。このとき、操作ボタン120が操作されたタイミングに応じて選択結果を報知する期間が異なる。具体的には、操作ボタン120が操作されたときに有効期間の残り時間があれば、有効期間が経過するまで選択演出の結果を報知(例えば、図28(E)において選択された「すいか割りリーチ」を点滅表示)する。これにより、図28(F)にて選択されたリーチ演出を開始するタイミングと、図28(F’)にてノーマルリーチ演出を開始するタイミングと、は同時期になる。
選択演出にて操作ボタン120が操作されてリーチ演出を開始してしまうと特別図柄表示器8にて可変表示する特別図柄の変動時間と可変表示装置9にて可変表示する飾り図柄の変動時間とのずれが生じる虞があるが、本実施例では、選択演出の結果を報知する期間を操作ボタン120が操作されたタイミングに応じて調整するため特別図柄の変動時間と飾り図柄の変動時間とを同期させている。また、選択演出の結果を報知する期間を調整することにより特別図柄の変動時間と飾り図柄の変動時間とを同期させることなく、選択演出の結果を予め設定されている期間に亘って報知した後、選択されたリーチ演出を実行するようにしてもよい。この場合には、飾り図柄を仮停止表示する期間を調整することにより特別図柄の変動時間と飾り図柄の変動時間とを同期させてもよい。また、選択演出でリーチ演出が選択されなかったときには選択演出にてリーチ演出が選択されなかった旨を報知する演出を所定期間に亘って実行した後、ノーマルリーチ演出を実行することにより特別図柄の変動時間と飾り図柄の変動時間とを同期させてもよい。
なお、選択演出にて操作ボタン120が操作されたことによりリーチ演出が選択されたときに、有効期間の残り時間に応じてプロセスデータを選択し、選択したプロセスデータにもとづいてリーチ演出を実行するようにしてもよい。具体的には、選択されたリーチ演出の基本となる実行時間(例えば、20秒)に有効期間の残り時間(例えば、5秒)を加算した時間(例えば、25秒)のリーチ演出を実行する。これにより、有効期間の残り時間に応じてリーチ演出の実行期間が調整でき、遊技者に違和感を与えないようにできる。また、選択演出の結果を報知する期間を調整することなく、一定期間に亘って選択演出の結果を報知し、リーチ演出が開始されるまで飾り図柄の可変表示を行うようにしてもよい。この場合には、選択演出の結果を報知してからリーチ演出が開始されるまでの期間が異なることとなる。具体的には、操作ボタン120の操作時期が早い場合には選択演出の結果を報知してからリーチ演出が開始されるまでの期間が長くなり、操作ボタン120の操作時期が遅い場合には選択演出の結果を報知してからリーチ演出が開始されるまでの期間が短くなる。
そして、プロセステーブルに設定されるプロセスデータの内容に従って飾り図柄通常処理のステップS823で決定した仮停止図柄を停止表示させ(図29(H))、再抽選演出を実行することを示す再抽選報知表示9aとして「確変チャンス」を表示制御する。また、再抽選演出において、操作ボタン120の操作を促す操作促進表示9cとして「ボタンを押してね」を表示制御するとともに再抽選演出における操作ボタン120の操作が有効となる有効期間の残り時間を示す残時間表示9bを表示制御する(図29(I)、図29(I’)、図29(I”))。
再抽選演出における有効期間内に操作ボタン120が操作されなければ(図29(J”))、結果導出演出を実行しない。すなわち、仮停止表示している飾り図柄を導出表示し(図29(K”))、大当り遊技状態に移行制御する(図29(L”)〜図29(M”))。再抽選演出における有効期間内に操作ボタン120が操作された場合には、仮停止表示している飾り図柄を再び可変表示する(図29(J)、図29(J’))。そして、当該可変表示にて実行した所定の演出(この例では、図28に示す予告演出および選択演出)のうち操作ボタン120が操作された演出の回数および操作ボタン120が操作された再抽選演出の回数を計数する有効回数カウンタのカウント値に応じて異なる結果導出演出を行う。
すなわち、再抽選演出にて操作ボタン120が操作されたときに有効回数カウンタのカウント値が所定値以上であれば、仮停止表示している飾り図柄を再び可変表示し、飾り図柄通常処理のステップS815またはステップS816で決定した停止図柄を導出表示する(図29(K))。一方、再抽選演出にて操作ボタン120が操作されたときに有効回数カウンタのカウント値が所定値未満であれば、仮停止表示している飾り図柄を再び可変表示し、仮停止表示していた飾り図柄を停止図柄として導出表示する(図29(K’))。
図29に示す例は、確変大当りとなる場合に実行される再抽選演出であり、再抽選演出にて操作ボタン120が操作されたときに有効回数カウンタのカウント値が所定値以上であれば飾り図柄通常処理のステップS815で決定した確変図柄(図29の例では、「777」)を導出表示し(図29(K))、確変大当りである旨を報知して(図29(L))、大当り遊技状態に移行制御する。再抽選演出にて操作ボタン120が操作されたときに有効回数カウンタのカウント値が所定値未満であれば飾り図柄通常処理のステップS823で決定した仮停止図柄(図29の例では、「222」)を導出表示し(図29(K’))、非確変大当りである旨を報知して(図29(L’))、大当り遊技状態に移行制御する。なお、図29(K’)で導出表示する飾り図柄は非確変図柄であればよく、飾り図柄通常処理のステップS823で決定した仮停止図柄とは異なる図柄であってもよい。
また、大当り遊技状態では、可変表示装置9に導出表示した大当り図柄を報知する図柄表示9dと、大当り遊技状態における実行中のラウンドを報知するラウンド報知9eと、大当り遊技状態における実行中のラウンドにて大入賞口に入賞した遊技球の個数を報知する入賞数表示9fと、を可変表示装置9に表示制御する(図29(M)、図29(M’)、図29(M”))。
図30は、可変表示の実行期間に再抽選演出を実行して非確変図柄から確変図柄に昇格した場合(図29(H)〜図29(M))の可変表示装置9における表示内容の一例を示すものである。図30(A)は、大当り遊技状態における所定のラウンド(この例では、7ラウンド)が実行された場合にラウンド後処理のステップS964で選択されるプロセステーブルにもとづく可変表示装置9の態様例であり、図30(C)は、大当り遊技状態を終了するときに選択されるプロセステーブルにもとづく可変表示装置9の態様例である。
上述したように、この実施の形態では、可変表示の実行期間に再抽選演出を実行して非確変図柄から確変図柄に昇格した場合には、所定のラウンド(この例では、7ラウンド)における開放表示コマンド(この例では、7R開放表示コマンド)に応じて他の例とは異なるプロセステーブルを選択する。具体的には、図30(A)に示すように大当り遊技状態における通常の表示(図柄表示9d、ラウンド報知9e、入賞数表示9f)以外に昇格祝福表示9gとして「確変おめでとう」を表示制御する。これにより、遊技者の興趣を向上させ、操作ボタン120の操作に対する期待感を向上させることができる。
また、上述したように、この実施の形態では、可変表示の実行期間に再抽選演出を実行して非確変図柄から確変図柄に昇格した場合には、大当り終了表示コマンドに応じて他の例とは異なるプロセステーブルを選択する。具体的には、図30(C)に示すように終了時昇格祝福表示9hとして所定のキャラクタを表示するとともに「確変おめでとう!」を表示制御する。これにより、遊技者の興趣を向上させ、操作ボタン120の操作に対する期待感を向上させることができる。なお、通常の大当り遊技状態終了表示では、図30(C)に示す態様よりも簡素な態様表示がなされる。
図31は、可変表示の実行期間に再抽選演出を実行して非確変図柄から確変図柄に昇格しなかった場合(図29(H),図29(I’)〜図29(M’))および可変表示の実行期間に再抽選演出を実行して有効期間内に操作ボタン120が操作されなかった場合(図29(H),図29(I”)〜図29(M”))の可変表示装置9における表示内容の一例を示すものである。これらの場合には、大当り遊技状態の実行中に大当り再抽選演出を実行する。遊技制御用マイクロコンピュータ60から大当り再抽選演出を実行する変動パターンコマンドを受信した場合、可変表示の実行期間における再抽選演出で操作ボタン120が操作されなかった場合(図29(I”)〜図29(M”))、可変表示の実行期間における再抽選演出で操作ボタン120が操作されたが有効回数カウンタのカウント値が所定値未満であった場合(図29(I’)〜図29(M’))、演出制御用マイクロコンピュータ101は、大当り遊技状態における所定のラウンドが開始されるときにラウンド後処理のステップS960で大当り再抽選演出に応じたプロセステーブルを選択するとともに大当り再抽選演出を実行するための処理(ステップS961,S962)を実行し、ラウンド中処理にて当該プロセステーブルに設定されるプロセスデータの内容に従って可変表示装置9を表示制御する(図31(A))。
この例では、大当り再抽選演出として大当り遊技状態における7ラウンドに再抽選報知表示9aを表示し、裏面が表示された2枚のトランプの一方を選択させる演出を実行する。演出制御用マイクロコンピュータ101は、所定の有効期間内において一方のトランプを選択可能な状態と他方のトランプを選択可能な状態とを所定期間毎に切り替え、操作ボタン120が操作されたときに選択可能な状態であるトランプが選択される。図31(A)では、左側に位置するトランプを選択可能な状態と右側に位置するトランプを選択可能な状態とを所定期間毎に切り替える。
大当り再抽選演出における有効期間内に操作ボタン120が操作されなければ(図31(B”))、結果導出演出を実行しない。すなわち、いずれのトランプも選択しなかったとして確変大当りか否かを報知することなく大当り再抽選演出を終了する。大当り再抽選演出における有効期間内に操作ボタン120が操作された場合には、当該大当りの起因となった再抽選変動パターンまたは大当り再抽選変動パターンにもとづいて実行した所定の演出のうち操作ボタン120が操作された演出の回数および操作ボタン120が操作された再抽選演出の回数を計数する有効回数カウンタのカウント値に応じて異なる結果導出演出を行う。
図31に示す例は、確変大当りとなる場合に実行される大当り再抽選演出であり、大当り再抽選演出にて操作ボタン120が操作されたときに有効回数カウンタのカウント値が所定値以上であれば、昇格演出を実行して確変大当りである旨を報知する(図31(B))。大当り再抽選演出にて操作ボタン120が操作されたときに有効回数カウンタのカウント値が所定値未満であれば非昇格演出を実行して確変大当りである旨を報知しない(図31(B’))。
また、大当り遊技状態が終了するときに(図31(C))、大当り再抽選演出にて昇格演出を実行した場合には、終了時昇格祝福表示9hを表示制御する(図31(D))。一方、大当り再抽選演出にて操作ボタン120が操作されなかった場合および大当り再抽選演出にて操作ボタン120が操作されたが有効回数カウンタのカウント値が所定値未満の場合には、大当り遊技状態を終了するときに(ラウンド中処理のステップS946)終了時再抽選演出に応じたプロセステーブルを選択するとともに終了時再抽選演出を実行するための処理(ステップS947)を実行し、大当り終了演出処理にて当該プロセステーブルに設定されるプロセスデータの内容に従って可変表示装置9を表示制御する(図31(D’)〜図31(E’))。なお、この図31に示す例では、可変表示の実行期間に再抽選演出を実行して非確変図柄から確変図柄に昇格した場合に表示制御される終了時昇格祝福表示9hと同様の態様を表示制御するが、可変表示の実行期間に再抽選演出を実行して非確変図柄から確変図柄に昇格した場合と大当り再抽選演出にて昇格演出を実行した場合とで異なる態様の終了時昇格祝福表示9hを表示制御するようにしてもよい。
この例では、終了時再抽選演出として一部が視認不能なあみだくじを表示し、いずれかのくじを選択させる演出を実行する。演出制御用マイクロコンピュータ101は、所定の有効期間内において所定期間毎に選択可能なくじを切り替え、操作ボタン120が操作されたときに選択されているくじに決定する。図31(D’)〜図31(E’)に示す例では、あみだくじとして選択可能なくじが4本あり、これらを所定期間毎に順次切り替えて選択可能な状態にする。
また、終了時再抽選演出における有効期間内に操作ボタン120が操作された場合には操作に応じたくじが選択され、結果導出演出を行う。一方、終了時再抽選演出における有効期間内に操作ボタン120が操作されなかった場合には演出制御用マイクロコンピュータ101によりいずれかのくじが選択され、結果導出演出を実行する。上述したように、図31に示す例では確変大当りとなる場合に実行される終了時再抽選演出であるため、結果導出演出として終了時昇格演出を実行して確変大当りである旨(確変状態に制御する旨)を報知する(図31(F’)〜図31(G’)。
このように、この実施の形態では、可変表示の実行期間に再抽選演出を実行する場合には、再抽選演出を実行する以前に所定の演出を複数回実行し、再抽選演出にて操作ボタン120が操作されたときに複数回の所定の演出のうち操作ボタン120が操作された演出の回数に応じて結果導出演出の態様を異ならせている。また、可変表示の実行期間に再抽選演出を実行して操作ボタン120が操作されなかった場合には結果導出演出を実行することなく当該可変表示を終了し、大当り遊技状態の実行中に大当り再抽選演出を実行する。操作ボタン120が操作されなかったときには結果導出演出を実行しないため、操作ボタン120を操作しなかったために昇格させられなかったと思い込ませることができ、大当り再抽選演出における操作ボタン120の操作頻度を高めることができる。
また、再抽選演出を実行する以前に所定の演出を複数回実行し、再抽選演出にて操作ボタン120が操作されたときに複数回の所定の演出のうち操作ボタン120が操作された演出の回数が所定数未満であれば、確変図柄を停止表示させずに大当り遊技状態の実行中に大当り再抽選演出を実行する。換言すると、可変表示の実行期間における第1のタイミングで確変大当りか否かを報知するときに操作ボタン120が操作された演出の回数が所定数未満であれば、確変大当りであっても第1のタイミングで確変大当りである旨を報知せずに第1のタイミングよりも後に実行される大当り遊技状態における第2のタイミングで確変大当りである旨を報知する。操作ボタン120が操作された演出の回数が少ない場合には第1のタイミングで確変大当りである旨を報知しないため、遊技者に操作ボタン120の操作回数が少なかったために確変大当りにならなかったと思い込ませることができ、所定の演出における操作ボタン120の操作頻度を高めることができる。
また、大当り遊技状態の実行期間に大当り再抽選演出を実行する場合には、当該大当り遊技状態の起因となる可変表示の実行期間に所定の演出を複数回実行し、大当り再抽選演出にて操作ボタン120が操作されたときに複数回の演出のうち操作ボタン120が操作された演出の回数に応じて結果導出演出の態様を異ならせている。また、大当り再抽選演出にて操作ボタン120が操作されなかった場合には、結果導出演出を実行することなく大当り再抽選演出を終了し、大当り遊技状態を終了するときに確変大当りか否かを報知する終了時再抽選演出を実行する。操作ボタン120が操作されなかったときには結果導出演出を実行しないため、操作ボタン120を操作しなかったために昇格させられなかったと思い込ませることができ、終了時再抽選演出における操作ボタン120の操作頻度を高めることができる。なお、この場合には、可変表示装置9に停止表示される飾り図柄で確変大当りか否かを報知しないようにしてもよい。すなわち、大当りとなる場合に可変表示装置9に導出表示される飾り図柄の停止図柄として確変大当りか否かを報知する情報を含まない大当り図柄(確変図柄、非確変図柄を設けることなく、大当りであることのみを報知する図柄)を導出表示することにより飾り図柄の表示結果を導出表示するときに確変大当りか否かを報知しないようにしてもよい。
また、可変表示の実行期間に所定の演出を複数回実行し、大当り再抽選演出にて操作ボタン120が操作されたときに複数回の所定の演出のうち操作ボタン120が操作された演出の回数が所定数未満であれば、昇格演出を実行せずに大当り遊技状態を終了するときに終了時再抽選演出を実行する。換言すると、大当り遊技状態実行中の第1のタイミングで確変大当りか否かを報知するときに操作ボタン120が操作された演出の回数が所定数未満であれば、確変大当りであっても第1のタイミングで確変大当りである旨を報知せずに第1のタイミングよりも後に実行される大当り遊技状態を終了するときの第2のタイミングで確変大当りである旨を報知する。操作ボタン120が操作された演出の回数が少ない場合には確変大当りであっても第1のタイミングで確変大当りである旨を報知しないため、遊技者に操作ボタン120の操作回数が少なかったために確変大当りにならなかったと思い込ませることができ、所定の演出における操作ボタン120の操作頻度を高めることができる。
なお、第1のタイミングで操作ボタン120が操作された演出の回数が所定数未満のときに確変大当りであれば、操作ボタン120が操作された演出の回数が所定数以上のときに比べて高い割合で第1のタイミングで確変大当りである旨を報知せずに第2のタイミングで確変大当りである旨を報知するようにしてもよく、この場合には、第1のタイミングで操作ボタン120が操作されたときに複数回の所定の演出のうち操作ボタン120が操作された演出の回数が所定数以上であっても所定の割合で確変大当りである旨を報知せずに第2のタイミングで確変大当りである旨を報知するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、確変大当りであるときに操作ボタン120が操作された演出の回数に応じて第1のタイミングで確変大当りである旨を報知するか第2のタイミングで確変大当りである旨を報知するかを決定するが、操作ボタン120が操作された演出の回数として予め決定されている回数以上であるか否かに応じて確変大当りである旨を報知するようにしてもよいし、変動パターン毎に予め決定されている回数以上操作されたか否かに応じて確変大当りである旨を報知するようにしてもよいし、可変表示を開始するときに演出制御用マイクロコンピュータ101によって回数を決定し、決定した回数以上操作されたか否かに応じて確変大当りである旨を報知するようにしてもよい。
また、操作ボタン120の操作の仕方(例えば、操作ボタン120が連打されたか否か)によって確変大当りである旨を報知するタイミング(第1のタイミングまたは第2のタイミング)を決定するようにしてもよい。例えば、確変大当りとなるときに第1のタイミングで確変大当りか否かを報知する場合には、所定の演出にて操作ボタン120が連打された(1回の演出における有効期間内に複数回操作ボタン120が操作された)ときに第1のタイミングで確変大当りである旨を報知せずに第2のタイミングで確変大当りである旨を報知するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、確変大当りか否かを報知するとき(再抽選演出、大当り再抽選演出)に操作ボタン120が操作されなかった場合には確変大当りか否かを報知する結果導出演出を実行しないが、操作ボタン120が操作されなかった場合にも結果導出演出を実行するようにしてもよい。この場合には、確変大当りとなる場合に有効期間が経過したときに有効回数カウンタのカウント値にもとづいて確変大当りである旨を報知するタイミング(第1のタイミング、第2のタイミング)を決定するようにしてもよいし、確変大当りか否かを報知する演出(再抽選演出、大当り再抽選演出)として操作ボタン120の操作が有効となる有効期間を設定せずに、有効回数カウンタのカウント値に応じて(所定値以上、所定値未満)予め決定された操作ボタン120の操作を伴わない演出(昇格演出、非昇格演出)を実行するようにしてもよい。このように構成することにより制御が複雑にならない。
また、上述した例では、操作ボタン120の操作が有効となる有効期間として、可変表示装置9にて飾り図柄の可変表示を開始してから第1図柄停止までの期間と、可変表示装置9にてリーチ態様を表示してから飾り図柄を仮停止表示するまでの期間と、可変表示装置9にて飾り図柄を仮停止表示してから表示結果を導出表示するまでの期間と、大当り遊技状態のラウンドを開始してからラウンドを終了するまでの期間と、大当り遊技状態における最後のラウンドを終了してから可変表示装置9にて飾り図柄の可変表示を開始するまでの期間と、に設定されるものを示したが、これに限られるものではない。例えば、操作ボタン120の操作が有効となる有効期間として
1.可変表示装置9にて飾り図柄の可変表示を開始してから第1図柄停止までの期間(第1期間)
2.可変表示装置9にて第1図柄停止からリーチ態様を表示するまでの期間
3.可変表示装置9にてリーチ態様を表示してから飾り図柄を仮停止表示するまでの期間(第2期間)
4.可変表示装置9にて飾り図柄を仮停止表示してから表示結果を導出表示するまでの期間(第3期間)
5.大当り遊技状態を開始してから大当り遊技状態を終了するまでの期間(大当り遊技状態におけるラウンド間のインターバル中、大当り遊技状態におけるラウンド中;第4期間)
6.大当り遊技状態を終了してから可変表示装置9にて飾り図柄の可変表示を開始するまでの期間(この実施の形態では、大当り終了演出処理の実行中;第5期間)
のうちいずれか1つまたは任意の複数の期間の組み合わせに設定するものであればよい。この実施の形態では、第1期間、第3期間、第4期間、第5期間、のそれぞれに有効期間を設定するが、これに限らず、例えば、第1期間および第2期間のそれぞれに有効期間を設定するものであってもよいし、全ての期間のそれぞれに有効期間を設定するものであってもよい。なお、任意の複数の期間の組み合わせにおいては、それぞれの期間に有効期間を設定してもよいし、連続した期間であれば複数の期間に跨って有効期間を設定してもよい。
また、上記した期間に実行される操作ボタン120の操作を伴う演出としては、例えば、上述した第1期間では、操作ボタン120の操作に応じてリーチとなることを予告する予告演出、第2期間では、操作ボタン120の操作に応じてリーチ演出を選択する選択演出や操作ボタン120の操作に応じてリーチ態様を表示する演出、第3期間では、操作ボタン120の操作に応じてリーチ演出を選択する選択演出や操作ボタン120の操作に応じて大当り図柄を停止させるリーチ演出、第4期間では、操作ボタン120の操作に応じて確変図柄を停止表示させる再抽選演出、第5期間では、操作ボタン120の操作に応じて確変大当りであることを報知する大当り再抽選演出、第6期間では、操作ボタン120の操作に応じて確変大当りであることを報知する終了時再抽選演出、などが実行される。
なお、この実施の形態では、確変大当りか否かを報知する演出として、可変表示の実行期間の再抽選演出、大当り遊技状態の実行中の大当り再抽選演出、大当り遊技状態を終了するときの終了時再抽選演出、を実行する構成としているが、これらの演出のうち2つ以上の任意の組み合わせで確変大当りか否かを報知するようにしてもよい。例えば、可変表示の実行期間に再抽選演出を実行して操作ボタン120が操作されなかった場合および操作ボタン120が操作されたが有効回数カウンタのカウント値が所定値未満の場合に大当り再抽選演出を実行することなく終了時再抽選演出を実行するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ60によって再抽選演出を実行するか否か(再抽選演出を実行する変動パターンを選択するか否か)および大当り再抽選演出を実行するか否か(大当り再抽選演出を実行する変動パターンを選択するか否か)を判定する構成としているが、演出制御用マイクロコンピュータ101によって再抽選演出および大当り再抽選演出を実行するか否かを判定するようにしてもよく、この場合には、可変表示の実行期間の再抽選演出、大当り遊技状態の実行中の大当り再抽選演出、大当り遊技状態を終了するときの終了時再抽選演出、のいずれを実行するか判定するようにしてもよい。また、この場合には、判定結果コマンドに応じて再抽選演出を実行するか否かを判定するようにしてもよい。すなわち、判定結果コマンドとして確変大当り指定コマンドおよび非確変大当り指定コマンドを受信したときに再抽選演出を実行するか否かを判定するようにしてもよい。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ101によって再抽選演出を実行するか否かを判定する場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ60側で再抽選演出を実行するか否かを把握できない。そのため、演出制御用マイクロコンピュータ101にて可変表示の実行期間の再抽選演出、大当り遊技状態の実行中の大当り再抽選演出、大当り遊技状態を終了するときの終了時再抽選演出、のいずれを実行するか判定する場合には、大当りとなる変動パターン(この実施の形態では、図8の変動パターン番号7〜変動パターン番号18)の変動パターン全て(一部であってもよい)において、所定の猶予期間(例えば、飾り図柄を停止表示してから大当り遊技状態の制御を開始するまでの期間を長くする)を設けるようにしてもよく、演出制御用マイクロコンピュータ101によって再抽選演出を実行すると判定した場合には、猶予期間に再抽選演出を実行し、再抽選演出を実行しないと判定した場合には、猶予期間に飾り図柄をゆれ変動表示する等の演出を実行するようにしてもよい。
同様に、演出制御用マイクロコンピュータ101により大当り再抽選演出および/または終了時再抽選演出を実行するか否かを判定する場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ60側で大当り再抽選演出および終了時再抽選演出を実行するか否かを把握できない。そのため、大当り再抽選演出が実行されるか否かに関わらず遊技制御用マイクロコンピュータ60にて大当り再抽選演出が実行される可能性があるラウンドの実行期間として予め決定されている期間(大当り再抽選演出を実行する期間と同一期間)を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ101にて大当り再抽選演出を実行しない場合であっても予め決定されている期間(大当り再抽選演出を実行する期間と同一期間)に亘って所定の演出(大当り再抽選演出とは異なる演出であって、大当り遊技状態における通常のラウンドの演出と同一であってもよいし、通常のラウンドの演出とは異なる演出であってもよい)を実行するようにしてもよい。また、終了時再抽選演出が実行されるか否かに関わらず遊技制御用マイクロコンピュータ60にて大当り終了表示コマンドを送信してから特別図柄表示器8にて特別図柄の可変表示を開始するまでの期間として予め決定されている期間(終了時再抽選演出を実行する期間と同一期間)を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ101にて終了時再抽選演出を実行しない場合であっても予め決定されている期間(終了時再抽選演出を実行する期間と同一期間)に亘って所定の演出(終了時再抽選演出とは異なる演出であって大当り遊技状態を終了させる旨を報知する演出)を実行するようにしてもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ60または演出制御用マイクロコンピュータ101によって大当り再抽選演出を実行する旨の判定がなされたときには、当該可変表示にて非確変図柄を導出表示させるようにしてもよい。また、この場合に、大当り再抽選演出にて操作ボタン120が操作されなかったときには、終了時再抽選演出を実行するようにしてもよい。また、確変大当りとなる場合に非確変大当りとなる場合に比べて高い割合で可変表示の実行期間の再抽選演出、大当り遊技状態の実行中の大当り再抽選演出、大当り遊技状態を終了するときの終了時再抽選演出、のうちいずれかを実行する旨の判定を行うようにしてもよく、このように構成することにより確変大当りに昇格する割合が高まり、確変大当りに対する期待を抱かせつつ操作ボタン120を操作させることができる。また、再抽選演出を実行しない場合には猶予期間に図柄をゆれ変動表示(例えば、上下に小幅な変動を行い完全には停止していない状態)する等の所定の演出を実行するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ60において、再抽選演出および大当り再抽選演出を実行しない場合(具体的には、再抽選演出および大当り再抽選演出を実行しない変動パターンが選択された場合)にも所定のラウンド(この例では、7ラウンド)が実行されたときには大当り再抽選演出の実行期間と同一期間が経過するまでは当該ラウンドの表示を終了させない(具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ60によって閉塞表示コマンドを送信しない)ように制御されるが、再抽選演出および大当り再抽選演出を実行しない場合には、通常のラウンドと同様の制御(例えば、大入賞口を開放してから所定期間(例えば、29.5秒)経過するか所定個(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞したら閉塞表示コマンドを送信する)ようにしてもよい。この場合には、演出制御用マイクロコンピュータ101によって通常のラウンドと同様の演出(例えば、ラウンド数表示、入賞数表示等)を実行するプロセステーブルを選択し、当該プロセステーブルにもとづいて演出を実行するようにしてもよい。
同様に、遊技制御用マイクロコンピュータ60において、再抽選演出および大当り再抽選演出を実行しない場合(具体的には、再抽選演出および大当り再抽選演出を実行しない変動パターンが選択された場合)にも大当り終了表示コマンドを送信してから終了時再抽選演出の実行期間と同一期間が経過するまでは特別図柄表示器8にて特別図柄の可変表示を開始しない(具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ60によって特別図柄通常処理を実行しない)ように制御されるが、再抽選演出および大当り再抽選演出を実行しない場合には、大当り終了表示コマンドを送信してから予め決定されている期間(例えば、終了時再抽選演出の実行期間よりも短い期間)が経過したときに特別図柄通常処理を実行するようにしてもよい。この場合には、演出制御用マイクロコンピュータ101によって所定の演出(例えば、終了時再抽選演出とは異なる演出であって大当り遊技状態を終了する旨を報知する演出)を実行するプロセステーブルを選択し、当該プロセステーブルにもとづいて演出を実行するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、可変表示の実行期間の再抽選演出、大当り遊技状態の実行中の大当り再抽選演出、大当り遊技状態を終了するときの終了時再抽選演出、にて操作ボタン120が操作されたときに有効回数カウンタのカウント値が所定値以上であれば直ぐに本来の結果(例えば、確変大当りか時短大当りか)を報知するが、所定の割合で偽(ダミー)の結果を表示するようにしてもよい。例えば、確変大当りとなる場合に、可変表示の実行期間に再抽選演出を実行して操作ボタン120が操作されたときに有効回数カウンタのカウント値が所定値以上であっても確変図柄に昇格させず、大当り再抽選演出にて昇格演出を実行して確変大当りである旨を報知するようにしてもよい。
なお、上述した実施形態では、主基板31および演出制御基板80に各々マイクロコンピュータを搭載し、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ60から演出制御用マイクロコンピュータ101に対して制御信号(演出制御コマンド)を送信し、演出制御用マイクロコンピュータ101によって演出装置の制御(例えば、可変表示装置9の表示制御、スピーカ27の音声出力制御、ランプ・LEDの発光制御等)を実行するものについて示したが、これに限らず、以下に示すものであってもよい。
すなわち、可変表示装置9を表示制御する表示制御用マイクロコンピュータと、スピーカ27を音声出力制御する音声制御用マイクロコンピュータと、ランプ・LEDを発光制御するランプ制御用マイクロコンピュータと、をそれぞれ備える構成としてもよいし、スピーカ27およびランプ・LEDを制御する音ランプ制御用マイクロコンピュータのように複数種類の電気部品(例えば、スピーカ27,ランプ・LED)の制御をまとめて実行するものであってもよい。音声制御用マイクロコンピュータとランプ制御用マイクロコンピュータとをそれぞれ設ける構成とした場合および複数種類の電気部品の制御をまとめて実行する構成とした場合には、リングバッファ形式のコマンド受信バッファを用いるようにしてもよいし、リングバッファ形式でないバッファ形式のコマンド受信バッファを用いるようにしてもよい。
また、音声制御用マイクロコンピュータとランプ制御用マイクロコンピュータとをそれぞれ設ける構成とした場合および複数種類の電気部品の制御をまとめて実行する構成とした場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ60からの信号(制御信号、指令信号、コマンド)を受信するサブマイクロコンピュータ(1次サブマイクロコンピュータ)と、さらに1次サブマイクロコンピュータからの信号(制御信号、指令信号、コマンド)を受信するサブマイクロコンピュータ(2次サブマイクロコンピュータ)を設けてもよい。メインマイクロコンピュータからの信号により特定される指令(指示)を新たに生成した信号(データ変換された信号)により2次サブマイクロコンピュータに指令するものでもよい。
また、信号(制御信号、指令信号、コマンド)を送受信するマイクロコンピュータの間には中継基板が介在してもよいし、信号(制御信号、指令信号、コマンド)が途中で所定の演算等により変換されて送信されるようなものであっても、信号(制御信号、指令信号、コマンド)を送る側の指令(指示)を伝える機能をもつものであればよい。