以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、スロット機やパチロット機(遊技球を用いて遊技が行われるスロット機を意味し、パロット機、スリットスロット機などとも呼ばれる)などの他の遊技機に適用することもできる。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)と、を含む構造体である。なお、図1において、紙面方向手前側を前面、奥側を背面と称して説明する。
図1に示すように、ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面に位置する遊技枠の前面枠の前面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技盤6の表面に立設する打球レールによって囲まれた領域である遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近の左右には、それぞれが識別情報としての飾り図柄を可変表示(変動表示)する複数の可変表示部を含む可変表示装置9が設けられている。可変表示装置9には、本例では「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。なお、「左」の可変表示部にて可変表示される飾り図柄を左飾り図柄、「中」可変表示部にて可変表示される飾り図柄を中飾り図柄、「右」可変表示部にて可変表示される飾り図柄を右飾り図柄と呼ぶ。この実施の形態では、可変表示装置9にて可変表示する飾り図柄を、左飾り図柄、右飾り図柄、および中飾り図柄の順で停止表示する。
可変表示装置9は、液晶表示装置(LCD)によって構成される。この実施の形態では、可変表示装置9の3つの可変表示部に表示される飾り図柄として、「0」〜「9」の数字の図柄を用いている。そして、可変表示装置9の表示領域各々にて飾り図柄を「0」から順に表示することにより飾り図柄の可変表示を実行する。
可変表示装置9の上方には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、「0」〜「9」の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で構成されている。なお、可変表示装置9は特別図柄表示器8に対応して設けられている。また、特別図柄表示器8は、「00」〜「99」などより多種類の数字を可変表示するようにしてもよく、この場合には、ゾロ目(同一の数字が揃って停止表示)に限らず所定の組み合わせ(例えば、「18」、「82」等)を特定の停止図柄(例えば、確変図柄)とすることにより遊技者に特定の停止図柄を把握しづらくさせるようにしてもよい。
また、可変表示装置9の下方には、始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、図2に示すソレノイド16により遊技球が入賞しやすい開放状態と、遊技球が入賞し難い閉成状態と、に変化可能である。ソレノイド16は、リンク機構を介して可変入賞球装置15の可動翼片に連結されている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。
可変表示装置9の下方には、始動入賞口14に遊技球が入った有効入賞球数すなわち始動入賞記憶数(始動入賞口14に遊技球が入賞して特別図柄の可変表示を実行するための条件(始動条件)が成立したが従前の可変表示を実行中である等の理由のために可変表示を実際に開始するための条件(開始条件)が成立していない保留状態を記憶した個数)を表示する4つのLEDからなる特別図柄始動記憶表示器18が設けられている。すなわち、始動入賞記憶数のうち入賞順に4個まで表示する。特別図柄始動記憶表示器18は、始動入賞口14に有効始動入賞がある毎に、点灯状態とするLEDの数を1増やし、可変表示装置9で可変表示が開始される毎に1減らす。なお、この例では、始動入賞口14への入賞による始動入賞記憶数に上限数(この例では4個まで)を設けているが、上限数を設けなくてもよい。
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。ソレノイド21は、リンク機構を介して特別可変入賞球装置の開閉板20に連結されている。開閉板20は、大入賞口(特別可変入賞球装置)を開閉する手段である。大入賞口から遊技盤6の背面に導かれた入賞球はカウントスイッチ23で検出される。また、大入賞口には特定領域とそれ以外の領域とが設けられ、特定領域に侵入した遊技球は特定領域スイッチ24で検出された後、カウントスイッチ23で検出される。なお、カウントスイッチ23では特定領域以外の領域に侵入した遊技球のみ検出するようにしてもよく、この場合には、大入賞口に入賞した遊技球の数(入賞球数)は、カウントスイッチ23で検出した個数と特定領域スイッチ24で検出した個数とを合算した数となる。
ゲート32に遊技球が入賞し、ゲートスイッチ32aで検出されると、可変表示装置9と特別図柄表示器8との間に配置される普通図柄表示器10にて表示を変化させる可変表示を開始する。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に左側のランプ(○のランプ)の点灯で当りを示し、右側のランプ(×のランプ)の点灯ではずれを示す。なお、始動入賞口14は常に上方からの遊技球を受け入れ可能な状態であり、通常は、可動翼片が閉成されて遊技球が入賞しにくい閉成状態に制御されている。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄:○)となる場合に、ソレノイド16を可動して可動翼片を開放させることにより可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ閉成状態よりも遊技球が入賞しやすい開放状態になる。また、普通図柄の当り確率は、例えば1/13とされる。普通図柄表示器10の左右側方には、ゲート32に入った入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。遊技球がゲート32を通過する毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。各入賞口29,30,33,39は、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口14や大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。
遊技領域7の左右周辺には、遊技状態(この実施の形態では、通常状態、時短状態、確変状態のいずれか)を遊技者に報知するための遊技状態報知ランプ25が設けられている。すなわち、この例では、遊技状態報知ランプ25を用いて、遊技状態が確変状態(高確率状態)であるのか、時短状態(時間短縮状態および低確率状態)であるのか、確変状態でも時短状態でもない通常状態(低確率状態)であるのかを遊技者に報知する。例えば、確変状態では、遊技領域7の左側部に位置する遊技状態報知ランプ25のみを点灯状態とし、時短状態では、遊技領域7の右側部に位置する遊技状態報知ランプ25のみを点灯状態としてもよい。また、遊技状態報知ランプ25の点灯色を異ならせることによって遊技状態を報知するようにしてもよい。
遊技領域7の下部には、入賞しなかった遊技球を遊技領域7から排出させるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
また、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。上記のように、この実施の形態のパチンコ遊技機1には、発光体としてのランプやLEDが各所に設けられている。さらに、プリペイドカード等が挿入されることによって球貸しを可能にする球貸ユニット50(図2に符号のみ記載)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータ(後述する発射モータ94)の回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示しない)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に立設する打球レールを通って遊技領域7の上方に放出され、その後、遊技領域7を流下する。
打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技状態が終了している状態、または、前回の可変表示が終了している状態)、特別図柄表示器8において特別図柄の可変表示(変動)を開始するとともに、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示(変動)を開始する。特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、特別図柄始動記憶表示器18の始動入賞記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)であると、特定遊技状態、すなわち大当り遊技状態に移行する。この状態では、一定時間(例えば、29秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで、開閉板20を開状態にすることにより特別可変入賞装置(大入賞口および開閉板20によって構成され、開閉板20によって遊技球が入賞可能な開放状態と遊技球が入賞不可能な閉塞状態とに変化可能な入賞装置)が開放される。なお、開閉板20が開状態となって特別可変入賞装置が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで、が大当り遊技状態における1ラウンドである。この実施の形態では、大当り遊技状態を15ラウンド継続させる。なお、継続されるラウンドを異ならせた複数の大当り遊技状態(例えば大当り遊技状態を7ラウンド継続させる「7ラウンド大当り」、大当り遊技状態を15ラウンド継続させる「15ラウンド大当り」等)を設けるようにしてもよい。
特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示と、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。ここで、同期とは、可変表示の期間が同じであることをいう。また、特別図柄表示器8において大当り図柄(例えば「7」)が停止表示されるときには、可変表示装置9において左・中・右の可変表示部に表示される飾り図柄が同一の図柄で揃った状態(例えば「222」や「777」等)で停止表示される。以下、可変表示装置9において左・中・右の飾り図柄が揃った状態で停止表示されることを飾り図柄の大当り図柄(特定表示結果)が表示されるというように表現する。
本例では、特別図柄表示器8は、7セグメント表示器によって構成され、セグメント表示を行う。特別図柄の可変表示は、7セグメント表示器にて「0」〜「9」、「−」を順番に変更して表示することによって行われる。特別図柄表示器8では、可変表示が終了したときの停止図柄が「0」〜「9」のときは大当りを意味し、「−」のときははずれを意味する。特別図柄表示器8にて可変表示の表示結果が大当りとなる確率は、例えば2/630(=1/315)とされる。なお、特別図柄は複数桁であってもよい。
また、本例では、特別図柄始動記憶表示器18と、普通図柄始動記憶表示器41と、がLEDによって構成されている。また、普通図柄表示器10と遊技状態報知ランプ25とがランプによって構成され、可変表示装置9がLCDによって構成されている。飾り図柄は、例えば左・中・右の3図柄によって表示され、左・中・右それぞれの図柄には例えば「0」〜「9」の10個の数字が用いられる。そして、飾り図柄は、停止図柄の左・中・右それぞれが同一の図柄である場合には「大当り」を示唆(単に「大当り」ということがある)していることを意味し、それ以外の停止図柄である場合には「はずれ」を示唆(単に「はずれ」ということがある)していることを意味する。なお、可変表示装置9による表示演出を、キャラクタなどの識別情報により行うようにしてもよい。例えば、キャラクタにより表示演出を行う場合には、例えば野球選手を登場させてホームランを打った様子を表示することにより、大当りを示唆するようにすることなどが考えられる。
所定の移行条件(第1移行条件ともいう)が成立した場合、具体的には、特別図柄表示器8における停止時の特別図柄が確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)となる場合には、第1移行条件が成立しなかった場合に比べて次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、確変状態(特別遊技状態:識別情報の可変表示の表示結果を特定表示結果とする確率を通常状態であるときに比べて向上させた状態、高確率状態ともいう)という遊技者にとってさらに有利な状態となる。確変状態では、例えば、次に大当りとなる確率が約630分の10となり、通常状態であるとき(約630分の2)の5倍程度に高められる。
本例では、大当りとなったときに、確変大当り(大当り遊技状態終了後に確変状態に制御される大当り)となる確率(確変突入率)は2分の1とされる。また、確変状態は、所定の確変終了条件が成立するまで(例えば次に大当りが発生したときまで)継続する。
なお、確変状態は、次に大当りが発生するまで、あるいは、所定回数の特別図柄の可変表示が行われるまで継続するようにしてもよい。さらに、確変状態を終了するか否かの抽選を、乱数を用いて行い、その抽選結果に応じて確変状態を終了するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、所定の移行条件(第1移行条件とは異なる第2移行条件ともいう)が成立した場合、具体的には、特別図柄表示器8に大当り図柄が導出表示されたことにもとづく大当り遊技状態が終了したときには、時短状態(特別遊技状態:通常状態であるときに比べて所定回数の識別情報の可変表示の可変表示期間を短縮する状態)という遊技者にとって有利な状態となる。時短状態では、例えば、時短状態でない通常状態である場合に比べて、単位時間あたりに始動入賞が発生する回数が高められるとともに、特別図柄の変動時間(可変表示期間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)が短縮された状態となる。従って、時短状態では、通常状態と比較して、単位時間あたりに特別図柄の可変表示が実行される回数が高められた状態となり、結果として、単位時間あたりに大当りが発生する確率が高められた状態となる。なお、単位時間あたりに始動入賞が発生する回数を高めるために、時短状態において、例えば、通常状態に比べて可変入賞球装置15の開放時間の延長と開放回数の増加とのうちの一方または双方が行われるようにしたり、普通図柄表示器10における変動時間が短縮されたりするようにすればよい。
特別図柄表示器8に大当り図柄が導出表示されたことにもとづく大当り遊技状態が終了した後は、本例では、所定の時短終了条件が成立するまで(例えば所定回数(例えば100回)の特別図柄の可変表示が行われるまで)、時短状態が継続する。そして、時短終了条件が成立したときに時短状態を終了し、通常状態の制御を開始する。この実施の形態では、確変図柄が導出表示された(確変大当り)場合に確変状態に制御するが、この確変状態では時短状態と同様の制御も実行される。すなわち、本例における確変状態は、時短状態の制御に加えて大当りとなる確率が通常状態よりも高められた状態である。一方、非確変図柄が導出表示された(非確変大当り)場合には時短状態に制御されるが、大当りとなる確率は通常状態と同一である。なお、確変状態にて時短状態における制御を実行しないようにしてもよく、この場合には、各々所定の条件が成立したか否かにもとづいて大当り遊技状態終了後に、時短状態における制御を実行する確変状態(確変時短状態)、時短状態における制御を実行しない確変状態(確変非時短状態)、時短状態、時短状態および確変状態の制御を実行しない通常状態、などの複数種類の遊技状態のうちいずれかに制御するようにしてもよい。
遊技球がゲート32に入賞すると、普通図柄表示器10において普通図柄が可変表示される状態になる。また、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。さらに、確変状態や時短状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
次に、リーチ態様(リーチ)について説明する。この実施の形態におけるリーチ態様とは、停止した飾り図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない飾り図柄については可変表示(変動)が行われていること、および全てまたは一部の飾り図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して可変表示している状態である。
例えば、可変表示装置9における左・中・右の可変表示部のうち左・右の表示部には大当り図柄の一部になる飾り図柄(例えば、「7」)が停止表示されている状態で中の可変表示部は未だ可変表示(変動)が行われている状態、および可変表示部の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して可変表示(変動)している状態(例えば、可変表示装置9における左・中・右の可変表示部の全てに可変表示(変動)が行われ、常に同一の図柄が揃っている状態で可変表示(変動)が行われている状態)がリーチ態様(リーチ)になる。
また、リーチ態様(リーチ)の際に、通常と異なる演出がランプや音で行われる。その演出と可変表示装置9におけるリーチ態様(リーチ)とをリーチ演出という。また、リーチ態様(リーチ)の際にキャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(飾り図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、可変表示装置9の背景の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。
図2は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御用マイクロコンピュータ60)53と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、特定領域スイッチ24および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの信号を基本回路53に与える入力ドライバ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、開閉板20を開閉するソレノイド21を基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59と、が搭載されている。
なお、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、特定領域スイッチ24、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。入賞検出を行う始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの各スイッチは、入賞検出手段でもある。なお、入賞検出手段は、複数の入賞口に別個に入賞したそれぞれの遊技球をまとめて検出するものであってもよい。また、ゲートスイッチ32aのような通過ゲートであっても、賞球の払い出しが行われるものであれば、通過ゲートへ遊技球が進入することが入賞になり、通過ゲートに設けられているスイッチ(例えばゲートスイッチ32a)が入賞検出手段になる。
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載されている。
基本回路53は、遊技制御用マイクロコンピュータ60と、I/Oポート部57とを含む。遊技制御用マイクロコンピュータ60は、ゲーム制御(遊技制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、およびプログラムに従って制御動作を行うCPU56で実現される。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ60に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよい。このため、ROM54は外付けであってもよい。また、I/Oポート部57が遊技制御用マイクロコンピュータ60に内蔵されていてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ60はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ60が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ60がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御用マイクロコンピュータ60の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ、状態データ等)は、バックアップRAMに保存される。遊技制御用マイクロコンピュータ60の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。
図示しない電源基板は、交流電源(AC24V)を整流、平滑した直流電源(DC30V、DC24V、DC12V、DC5V)を生成するための基板である。また、電源基板は、主基板31および払出制御基板37の各CPUに駆動電源が供給されていない間、主基板31および払出制御基板37のRAMの記憶内容をバックアップ(保持)記憶するために主基板31および払出制御基板37にバックアップ電源を供給するようになっている。なお、電源基板は、直流電源(例えば、DC30V)を監視し、当該直流電源が所定の電圧以下になったことを検出すると電源断信号を出力する。そして、電源基板から電源断信号が出力されることによって主基板31および払出制御基板37は、バックアップをするための処理を行なうようになっている。
なお、本例では、電源の供給が停止した状態(電源断)であるか否かを検出するための電源監視手段として直流電源(この例ではDC30V)を監視し、監視している直流電源が所定の電圧以下になったことを検出すると電源断信号を出力するものを例示したが、これに限らず、交流電流(AC24V)を直流に変換する途中における全波整流波形の有無を監視し、波形が所定期間検出できなかったときに電源断信号を出力するものでもよい。つまり、監視する対象は電圧に限らず、全波整流波形でも半波整流波形でもよく、パチンコ遊技機1への供給電力が低下していることを検出できるものであればよい。
また、本例では、主基板31および払出制御基板37における入力ポートから電源断信号を入力し、電源断信号が出力されていると判定されたときにバックアップするための処理を実行するものを例示したが、これに限らず、電源断信号をNMI端子へ入力し、ノンマスカブル割込処理にてバックアップするための処理を実行するものでもよい。また、電源断信号をNMI端子へ入力し、電源断信号の入力に応じて電断フラグをセットし、タイマ割込処理あるいはメイン処理にて電断フラグの状態を監視して、電断フラグがセットされていればバックアップするための処理を実行するようにしてもよい。
遊技球を打撃して発射させる打球発射装置は、発射モータ94が回転することによって遊技球を遊技領域7に向けて発射する。発射モータ94を回転させるための電源信号は、電源基板(図示しない)に搭載されている電源からタッチセンサ基板90を介して発射モータ94に供給される。なお、球貸ユニット50から接続信号(VL信号)がインターフェイス基板66を介してタッチセンサ基板90に入力される。また、遊技者が打球操作ハンドル(操作ノブ)5に触れていることはタッチセンサ基板90に搭載されているタッチセンサで検出される。そして、タッチセンサからの検出信号と電源からの信号とがタッチセンサ基板90上の一のAND回路に入力され、当該一のAND回路の出力信号と球貸ユニット50からのVL信号とがタッチセンサ基板90上の他のAND回路に入力され、他のAND回路から発射モータ94に信号が出力される。従って、球貸ユニット50からのVL信号がタッチセンサ基板90に出力されていなかったり、遊技者が打球操作ハンドル5に触れていなかったりすることによりタッチセンサから検出信号が出力されていないときには、発射モータ94の駆動が停止される。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載される演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される)が遊技制御用マイクロコンピュータ60からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する可変表示装置9の表示制御を行う。
図3は、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていない。演出制御基板80は、図示しない演出制御用CPUおよびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ101を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、主基板31からのストローブ信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用マイクロコンピュータ101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、LCDを用いた可変表示装置9の表示制御を行わせる。
VDP109は、例えば可変表示装置9による画像表示を行うための表示制御機能及び高速描画機能を有し、演出制御用マイクロコンピュータ101からの描画指令に従った画像処理を実行する。また、演出制御用マイクロコンピュータ101とは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこに図示しないVRAM(VDP109による画像データの展開が行われるフレームバッファメモリ)をマッピングしている。例えばVDP109は、画像表示を行うために使用される各種の画像データ(例えば、可変表示装置9にて表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、動物、または、文字、図形もしくは記号等)が記憶されるCGROM(図示しない)から読み出した画像データをVRAMの所定領域に展開する。そして、可変表示装置9に対してR(赤)、G(緑)、B(青)信号及び同期信号などからなる映像信号を出力する。一例として、R、G、B信号はそれぞれ8ビットで表され、可変表示装置9はVDP109からの指示に従ってR、G、Bのそれぞれを256階調、これらを合成して約1670万色の多色表示を行うことができる。なお、R、G、B信号のビット数は8ビット以外のビット数であってもよく、また、R、G、B信号の各ビット数が互いに異なる数であってもよい。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、主基板31から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか信号を通過させない(演出制御基板80の内部から主基板31への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。なお、主基板31からの演出制御コマンドおよび演出制御INT信号を、中継基板を介して演出制御基板80に入力させるようにしてもよく、この場合には、主基板31から入力された信号を中継基板から演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段として単方向性回路を搭載してもよい。単方向性回路としては、例えば、ダイオードやトランジスタが使用される。また、単方向性回路は各信号毎に設けられる。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ101は、出力ドライバ104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。また、演出制御用マイクロコンピュータ101に入出力するバス(アドレスバス、データバス、および書込/読出信号等の制御信号ラインを含む)はバスドライバ105を介してランプドライバ基板35まで延長されている。
ランプドライバ基板35において、演出制御用マイクロコンピュータ101から入力するバスは、バスレシーバ351を介して出力ポート352に接続される。出力ポート352から出力される各ランプを駆動する信号は、ランプドライバ354で増幅され天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給される。また、出力ポート352から出力される各LEDを駆動する信号は、LED駆動回路355で増幅され賞球LED51、球切れLED52などの枠側に設けられている各LEDに供給される。
この実施の形態では、枠側に設けられているランプ・LEDは、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ101を含む演出制御手段によって制御される。また、可変表示装置9およびランプ・LED等を制御するためのデータがROMに格納されている。演出制御用マイクロコンピュータ101は、ROMに格納されているデータにもとづいて可変表示装置9およびランプ・LED等を制御する。そして、ランプドライバ基板35に搭載されている出力ポート352および各ドライバまたは駆動回路を介して、ランプ・LEDが駆動される。
なお、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70は独立した基板であるが、それらは、例えば、遊技機裏面において、1つのボックスに収容された状態で設置される。
音声出力基板70において、演出制御基板80からの音番号データは、入力ドライバ702を介して、例えばデジタルシグナルプロセッサによる音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じたデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに応じた信号(音声や効果音等を表す信号)を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。
なお、この実施の形態では、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用マイクロコンピュータ101からランプドライバ基板35および音声出力基板70に向かう方向の単方向通信によって出力されるが、演出制御用マイクロコンピュータ101とランプドライバ基板35および音声出力基板70との間で双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達されるようにしてもよい。
次に遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ60:CPU56およびROM54,RAM55等の周辺回路)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。なお、割込みモード2は、遊技制御用マイクロコンピュータ60が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(図示せず)の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、通常の初期化処理を実行する(ステップS11〜ステップS14)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにRAM55のバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、遊技制御用マイクロコンピュータ60は通常の初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。ステップS9では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理にて同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される通常の初期化処理を実行する。
この実施の形態では、電源基板から電源断信号が出力されたことにもとづいてクリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象となるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムとする。そしてバックアップRAM領域に格納するとともに、バックアップフラグ領域に「55H」を設定する。
なお、本例では、電源基板から電源断信号が出力されたことにもとづいてバックアップするための処理としてチェックサムデータの作成やバックアップフラグをセットし、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときにこれらを確認するものを例示したが、これに限らずバックアップするための処理にて出力ポートをクリアする処理や、電源状態が復帰したか否かを監視する処理(瞬停時に復帰させる処理)を実行してもよい。また、その処理の順番は本件実施の形態に限定されるものではない。
チェック結果が正常であれば、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS10)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否かを確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS11)。また、所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行う(ステップS12)。さらに、サブ基板(この実施の形態では払出制御基板37および演出制御基板80)を初期化するための初期化コマンドを各サブ基板に送信する処理を実行する(ステップS13)。初期化コマンドとして、可変表示装置9に表示される飾り図柄の初期図柄を示すコマンド(演出制御基板80に対して)や賞球LED51および球切れLED52の消灯を指示するコマンド等がある。
そして、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ60に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS14)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
初期化処理の実行(ステップS11〜S14)が完了すると、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされ(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態とされる(ステップS19)。表示用乱数とは、特別図柄表示器8の表示内容(例えば、変動パターン、リーチするか否か等)を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り決定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理において、大当り決定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS17やステップS18の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値や初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS17およびステップS18の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、レジスタの退避処理(ステップS20)を行った後、図5に示すステップS21〜S32の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、まず、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、特定領域スイッチ24、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS22)。遊技制御用マイクロコンピュータ60は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理、表示用乱数更新処理:ステップS23,S24)。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2:特別演出(加算演出、減算演出)を実行するか否か決定する(特別演出判定用)
(3)ランダム3:大当りを発生させる特別図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(4)ランダム4:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム5:大当りを発生させない場合にリーチとするか否か(本例では、可変表示装置9においてリーチ演出を実行するか否か)を決定する(リーチ判定用)
(6)ランダム6:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(7)ランダム7:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(8)ランダム8:ランダム6の初期値を決定する(ランダム6初期値決定用)
(9)ランダム9:確変大当りである旨を報知する時期を判定する(報知時期判定用)
図5に示された遊技制御処理におけるステップS22では、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、(1)の大当り判定用乱数、(3)の大当り図柄決定用乱数、および(6)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(9)の乱数以外の乱数も用いられている。
また、この実施の形態では、確変大当りに制御する旨の判定がなされたときには、可変表示の終了時と大当り遊技状態の開始後とのいずれか一方のタイミングで確変大当りとなる旨を報知する。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、ランダム3により確変大当りに制御する旨の判定がなされたときにランダム9を用いて確変大当りとなる旨を報知するタイミングを判定する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS25)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。また、特別図柄プロセス処理では、演出制御基板80に対するコマンド(演出制御コマンド)の設定処理も実行する。特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。普通図柄プロセス処理を実行することにより普通図柄表示器10の表示制御および可変入賞球装置15の開閉制御に関わる処理が実行される。普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、可変表示装置9の表示制御に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(飾り図柄コマンド制御処理:ステップS27)。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータ(情報出力信号)を、情報出力回路64を介して出力する情報出力処理を行う(ステップS28)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS29)。具体的には、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、パチンコ遊技機1の制御状態をパチンコ遊技機1外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS30)。さらに、所定の条件が成立したとき(例えば、特別図柄プロセス処理にて特別可変入賞装置の開放または閉成が指示されたとき、および、普通図柄プロセス処理にて可変入賞球装置15の開放または閉成が指示されたとき)にソレノイド回路59に駆動指令を行う(ソレノイド出力処理:ステップS31)。可変入賞球装置15または開閉板20を開状態または閉状態とするために、ソレノイド回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21を駆動する。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、確変状態や時短状態などの遊技状態を報知するための遊技状態表示制御データを遊技状態表示制御データ設定用の出力バッファに設定する状態表示灯制御処理を行う(ステップS32)。なお、ここで出力バッファに設定された表示制御データに応じて駆動信号が出力され、遊技状態を報知するための遊技状態報知ランプ25の表示制御が行われることにより、確変状態である旨の表示や時短状態である旨の表示などが実行される。
その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS33)、割込許可状態に設定する(ステップS34)。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ60が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図7に示す特別図柄プロセス処理は、図5のフローチャートにおけるステップS25の具体的な処理である。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8を制御するための処理が実行される。
遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
始動口スイッチ通過処理(ステップS312)では、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞記憶数が最大値である4に達しているかどうか確認し、始動入賞記憶数が4に達していなければ、始動入賞記憶数を1増やす(具体的には、始動入賞カウンタのカウント値を1加算する)とともに大当り判定用乱数等の各乱数の値を抽出し、それらを始動入賞記憶数(始動記憶数)の値に対応した保存領域(特別図柄判定用バッファ)に格納する。なお、乱数を抽出するとは、乱数を生成させるためのカウンタからカウント値を読み出して、読み出したカウント値を乱数値とすることである。始動口スイッチ通過処理では、図6に示された乱数のうち、ランダム1〜ランダム5およびランダム9が抽出される。なお、始動口スイッチ通過処理では、少なくともパチンコ遊技機1の遊技状態(例えば、大当り遊技状態、確変状態、時短状態、等)を決定する際に使用される乱数を抽出するようにすればよく、図6に示す各乱数のうちランダム1およびランダム3を抽出する構成であればよい。この場合には、特別図柄および飾り図柄の可変表示に関わる乱数のうちランダム1およびランダム3以外の乱数(この例では、ランダム2、ランダム4、ランダム5、およびランダム9)は、当該乱数にもとづく判定処理を実行するときに抽出するようにしてもよい。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄の可変表示を開始できる状態になるのを待つ。特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、特別図柄についての始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、特別図柄の可変表示の結果を大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に移行するように更新する。
特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):ランダム3の値に応じて特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。
変動パターン設定処理(ステップS302):ランダム4の値に応じて変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定し、決定した変動パターンを示す演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を演出制御基板80に送信する。また、決定した特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。
特別図柄変動処理(ステップS303):特別図柄の可変表示を行う。また、特別図柄の可変表示を開始してからの経過時間を計測し、特別図柄の変動時間が経過すると(具体的には、後述する特別図柄プロセスタイマがタイムアウトすると)、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):演出制御基板80に対して、飾り図柄の停止を指示するための飾り図柄停止コマンドを送信する。また、特別図柄表示器8における特別図柄を停止させる。そして、特別図柄の停止図柄が大当り図柄である場合には、大当り遊技状態を開始する旨の報知を指示する大当り表示開始コマンドを送信し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。また、遊技状態が高確率状態(確変状態)であれば、高確率状態から低確率状態(時短状態または通常状態)に戻すか否かを判定(後述する確変大当りフラグがセットされているか否かを判定)し、戻すと判定(確変大当りフラグがセットされていないと判定)すると遊技状態を高確率状態から低確率状態に移行させる。なお、飾り図柄停止コマンドを送信しない構成としてもよい。この場合、演出制御基板80は、主基板31からの変動パターンコマンドにもとづいて変動時間タイマに変動時間を設定するとともに、その変動時間タイマを更新していくことで飾り図柄の変動時間を独自に監視し、その変動時間が経過したと判定したときに飾り図柄を停止する処理を行うようにすればよい。
大入賞口開放前処理(ステップS305):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、大入賞口の開放を指示し、ソレノイド出力処理(ステップS31)でソレノイド21に駆動信号を出力させて大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。
大入賞口開放中処理(ステップS306):大入賞口ラウンド表示の演出制御コマンド(後述する特定領域入賞コマンド、特別入賞コマンド等)を演出制御基板80に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立したら、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS305に移行するように更新し、全てのラウンドを終えた場合には、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御手段に行わせるための制御を行って内部状態をステップS307に移行するように更新する。具体的には、大当り遊技状態を終了する旨を通知する大当り終了表示コマンド(確変大当りフラグがセットされていれば特定大当り終了表示コマンドを、確変大当りフラグがセットされていなければ非特定大当り終了表示コマンド)を送信する。
大当り終了処理(ステップS307):大当り終了表示コマンドを送信してから所定期間経過後に内部状態をステップS300に移行するように更新する。なお、確変大当りである旨を報知するタイミングとして大当り遊技状態の開始後に決定された場合、すなわち、後述する確変大当り終了時指定コマンドを送信した場合と、確変大当りである旨を報知するタイミングとして可変表示の停止時に決定された場合および確変大当りでない場合と、の大当り終了表示コマンドを送信してから内部状態をステップS300に移行するまでの期間を異ならせてもよい。例えば、確変大当りである旨を報知するタイミングとして大当り遊技状態の開始後に決定された場合に、確変大当りである旨を報知する演出(終了時再抽選演出)を、他の場合に実行される演出(大当り遊技状態を終了するときに大当り遊技状態を終了する旨および以後の遊技にて制御される遊技状態(確変状態、時短状態、通常状態のいずれか)を報知する演出等)に比べて長くするようにしてもよい。
図8は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。図8において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。なお、図8に示す変動パターンは、特別図柄プロセスタイマが計測する特別図柄の総変動時間と、変動パターンコマンドのEXTデータとして設定される制御コードと、が対応付けられている。特別図柄プロセスタイマは、特別図柄表示器8にて特別図柄の可変表示を開始してからの経過時間(変動時間)を計測するタイマである。
この例では、特別図柄の各変動パターンは、はずれとするか否か、大当りとするか否か、リーチとするか否か、リーチとする場合のリーチ態様、短縮変動とするか否かなど、各種の演出態様の違いに応じて複数種類用意されている。なお、本例では、リーチ演出は、飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置9を用いて行う。なお、大当りとなること、リーチとなることなどを予告する予告演出(大当りにならない場合およびリーチとならない場合にも実行されることがある;ガセ予告演出)を行うか否かについて主基板31で決定するようにしてもよい。この場合、さらに、予告演出を行う場合の演出態様を主基板31で決定するようにしてもよい。
なお、「通常変動」とは、リーチ態様を伴わない変動パターンである。「ノーマルリーチ」とは、リーチ態様を伴う変動パターンである。「リーチA」は、「ノーマルリーチ」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。また、リーチ態様が異なるとは、リーチ変動時間において異なった態様の変動態様(速度や回転方向等)やキャラクタ等が現れることをいう。例えば、「ノーマル」では単に1種類の変動態様によってリーチ態様が実現されるのに対して、「リーチA」では、変動速度や変動方向が異なる複数の変動態様を含むリーチ態様が実現される。
また、「リーチB」は、「ノーマルリーチ」および「リーチA」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。さらに、「リーチC」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」および「リーチB」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。なお、「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」および「リーチC」では、大当りとなる場合と大当りとならない場合とがあり、大当りとなる場合には、再抽選演出を実行する場合と再抽選演出を実行しない場合とがある。
ここで、「再抽選演出」とは、非確変図柄で大当りとなる(非確変大当り)ことを遊技者に報知した後に所定の表示演出を実行して確変図柄で大当り(確変大当り)または非確変図柄で大当りとなることを報知する演出であり、例えば、可変表示装置9に大当り図柄(非確変図柄または確変図柄)が導出表示されることが事前に決定されている場合において、可変表示装置9において左中右の飾り図柄を同一の非確変図柄(非確変図柄が一般的であるが、はずれ図柄であってもよい)が揃った状態で仮停止表示し、その揃った状態の非確変図柄を再び可変表示させてから大当り図柄(非確変図柄または確変図柄)を導出表示する演出等をいう。この結果、確変図柄が導出表示されたときには、可変表示装置9やスピーカ27などを用いて、確変大当りに成り上がった旨の報知演出が実行される一方で、非確変図柄が導出表示されたときには、成り上がらなかった旨の報知演出が実行される。なお、この実施の形態では、再抽選演出を行う際、仮停止表示された非確変図柄を再度可変表示させてから、非確変図柄または確変図柄を導出表示するものとしたが、仮停止表示された非確変図柄を可変表示させることなく、例えば所定のアニメ画像を伴った演出表示などを行った後に、非確変図柄または確変図柄に変更させるようにしてもよい。
さらに、「加算演出」とは、所定のアイテムを獲得する演出の実行を指示するものであり、「減算演出」とは、所定のアイテムを放出する演出の実行を指示するものである。また、実行される変動パターンに応じて獲得するアイテム数および放出するアイテム数が異なるように設定されている。例えば、変動パターン番号7で実行される加算演出(+3)では、アイテムを3個獲得する演出が実行され、変動パターン番号5で実行される減算演出(−1)では、アイテムを1個放出する演出が実行される。
このようにこの実施の形態では、所定の獲得条件が成立したこと(この例では、後述する特別演出判定処理にて加算演出を実行する旨の決定がなされたことおよび特定領域に遊技球が入賞したこと)にもとづいて可変表示装置9にて所定のアイテムを獲得する演出を行う。また、所定の放出条件が成立したこと(この例では、後述する特別演出判定処理にて減算演出を実行する旨の決定がなされたことおよび後述する報知時期判定処理にて大当り遊技状態の開始後に確変大当りである旨を報知することに決定し、成立数カウンタのカウント値が所定値以上であること)にもとづいて所定のアイテムを放出する演出を行う。また、「短縮変動」は、識別情報の変動時間が極めて短い変動パターンである。なお、図8に示す変動パターン以外にも、リーチ態様や表示結果(確変大当り、非確変大当り)などの様々な組み合わせの変動パターンを備えるようにしてもよい。
図9は、本例で用いられる変動パターンテーブル(HT)の例を示す説明図である。図9には、遊技状態が通常状態であるときに使用される変動パターンテーブル(通常状態用HT(通常状態用変動パターンテーブル);通常状態用はずれ時変動パターンテーブル(TH)と通常状態用リーチ時変動パターンテーブル(TR)と通常状態用非確変大当り時変動パターンテーブル(TA1)と通常状態用確変大当り時変動パターンテーブル(TA2))と、遊技状態が確変状態であるときに使用される変動パターンテーブル(確変状態用HT(確変状態用変動パターンテーブル);確変状態用はずれ時変動パターンテーブル(KH)と確変状態用リーチ時変動パターンテーブル(KR)と確変状態用非確変大当り時変動パターンテーブル(KA1)と確変状態用確変大当り時変動パターンテーブル(KA2))と、遊技状態が時短状態であるときに使用される変動パターンテーブル(時短状態用HT(時短状態用変動パターンテーブル);時短状態用はずれ時変動パターンテーブル(JH)と時短状態用リーチ時変動パターンテーブル(JR)と時短状態用非確変大当り時変動パターンテーブル(JA1)と時短状態用確変大当り時変動パターンテーブル(JA2))とが示されている。
通常状態用変動パターンテーブルとして、特別図柄の可変表示結果がはずれとなるときに使用される通常状態用はずれ時変動パターンテーブル(TH)と、特別図柄の可変表示結果がはずれとなるがリーチ態様が出現するときに使用される通常状態用リーチ時変動パターンテーブル(TR)と、特別図柄の可変表示結果が非確変大当りとなるときに使用される通常状態用非確変大当り時変動パターンテーブル(TA1)と、特別図柄の可変表示結果が確変大当りとなるときに使用される通常状態用確変大当り時変動パターンテーブル(TA2)と、の4種類があらかじめ用意されている。
また、確変状態用変動パターンテーブルとして、特別図柄の可変表示結果がはずれとなるときに使用される確変状態用はずれ時変動パターンテーブル(KH)と、特別図柄の可変表示結果がはずれとなるがリーチ態様が出現するときに使用される確変状態用リーチ時変動パターンテーブル(KR)と、特別図柄の可変表示結果が非確変大当りとなるときに使用される確変状態用非確変大当り時変動パターンテーブル(KA1)と、特別図柄の可変表示結果が確変大当りとなるときに使用される確変状態用確変大当り時変動パターンテーブル(KA2)と、の4種類があらかじめ用意されている。
さらに、時短状態用変動パターンテーブルとして、特別図柄の可変表示結果がはずれとなるときに使用される時短状態用はずれ時変動パターンテーブル(JH)と、特別図柄の可変表示結果がはずれとなるがリーチ態様が出現するときに使用される時短状態用リーチ時変動パターンテーブル(JR)と、特別図柄の可変表示結果が非確変大当りとなるときに使用される時短状態用非確変大当り時変動パターンテーブル(JA1)と、特別図柄の可変表示結果が確変大当りとなるときに使用される時短状態用確変大当り時変動パターンテーブル(JA2)と、の4種類があらかじめ用意されている。
各変動パターンテーブルでは、それぞれ、図8に示されている変動パターン番号とランダム4の抽出値と比較される比較値とが対応付けされている。図9に示す各変動パターンテーブルは、変動パターンの選択確率を示すものである。例えば、通常状態用はずれ時変動パターンテーブルでは、変動パターン1に150個全ての比較値が設定されており、変動パターン1が150/150(すなわち100%)の確率で選択される。また、例えば、通常状態用リーチ時変動パターンテーブルでは、変動パターン3に30個の比較値が割り振られており、変動パターン3が30/150の確率で選択される。
なお、「加算演出」および「減算演出」を実行する変動パターン(変動パターン番号4,5,7,8,10,11,13,14の変動パターン)には比較値が振り分けられていない。これらの変動パターンは、上述したランダム2の特別演出判定用乱数にもとづく判定結果に応じて選択される。
また、各変動パターンテーブルに割り振られた比較値の合計は150(ランダム4の更新範囲)になる。また、図9に示す比較値の割り振り状態は一例であり、他の状態に割り振るようにしてもよい。各変動パターンテーブルは、主基板31におけるROM54に格納されているものとする。すなわち、12種類の変動パターンテーブルが設けられ、ROM54に格納されている。
変動パターンを決定する際には、遊技状態および各種判定結果(確変大当りとするか否か、リーチするか否か等)に応じた変動パターンテーブルが用いられ、ランダム4の抽出値と同一の値の比較値に対応付けされている変動パターン番号が選択され、選択された変動パターン番号の変動パターンに決定される。なお、通常状態用変動パターンテーブルを用いて決定された変動パターン(通常状態変動パターン)であるか、確変状態用変動パターンテーブルを用いて決定された変動パターン(確変状態変動パターン)であるか、時短状態用変動パターンテーブルを用いて決定された変動パターン(時短状態変動パターン)であるかについては、2バイト構成の演出制御コマンドにおける1バイト目のMODEデータによって区別されるようにしてもよい。この場合、演出制御基板80側では、演出制御コマンドの1バイト目のMODEデータによって、受信した演出制御コマンドが通常状態変動パターンを示す変動パターンコマンドであるか、確変状態変動パターンを示す変動パターンコマンドであるか、時短状態変動パターンを示す変動パターンコマンドであるかが認識可能となり、遊技機の制御状態が移行したことを変動パターンコマンドにより認識することが可能となる。
なお、通常状態用はずれ時変動パターンテーブル(TH)に比較値を振り分けることなく、始動入賞記憶数に応じて通常の変動時間(例えば、10秒)の変動パターンまたは通常の変動時間よりも短縮された短縮変動時間(例えば、3秒)の変動パターンのいずれか一方を選択するようにしてもよい。
ここで、リーチ時変動パターンテーブル(TR,JR,KR)と、大当り時変動パターンテーブル(TA1,TA2、JA1,JA2,KA1,KA2)と、を比べると、各変動パターン(リーチの種類)に対するランダム4の値の割当てが異なっている。すなわち、飾り図柄の可変表示における表示結果がリーチ態様を伴うはずれとなるか、大当りとなるかに応じて、選択されるリーチ種類の割合が異なるものとなっている。これにより、表示結果が大当りとなる確率は、飾り図柄の可変表示中に出現するリーチの種類に応じて異なるものとなる。このように、リーチの種類毎に決められる表示結果が大当りとなる確率は、リーチの大当り信頼度、あるいは単に、リーチの信頼度とも称される。
図10は、特別図柄通常処理(ステップS300)の例を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特別図柄の変動を開始することができる状態(例えば特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合)であれば(ステップS51)、始動入賞記憶数の値を確認する(ステップS52)。具体的には、始動入賞カウンタのカウント値を確認する。
なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、特別図柄表示器8において特別図柄の変動がなされておらず、かつ、特別図柄の可変表示結果が大当り表示結果となったことにもとづく大当り遊技の実行中でもない場合である。
ステップS52で始動入賞記憶数が「0」であると判定されたときには(ステップS52;Yes)処理を終了する。一方、ステップS52で始動入賞記憶数が「0」でなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数格納バッファに格納する(ステップS53)。そして、始動入賞記憶数の値を1減らし、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54)。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、始動入賞記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各始動入賞記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、始動入賞記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数値が抽出された順番を特定することができる。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、乱数格納バッファから大当り判定用乱数を読み出し(ステップS55)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS56)。大当り判定モジュールは、大当り判定用乱数が、あらかじめ決められている大当り判定値と一致したら大当りとすることに決定するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(ステップS57;YES)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、大当りフラグをセットする(ステップS58)。
なお、「大当りフラグ」は、後述するステップS101,S111などにおいて参照される。このように大当りフラグは特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示の結果が大当りとなることを示すフラグである。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止図柄設定処理に対応した値に更新する(ステップS59)。また、ステップS56では、制御状態が確変状態であるか否かを加味して、確変時の大当り確率または非確変時の大当り確率で判定を行う。すなわち、状態データが示す制御状態が確変状態であるか否かを確認し、確変状態であれば遊技状態が非確変状態(通常状態および時短状態)の場合よりも大当りとなる確率が高くなる確変状態時(高確率時)の大当り確率で判定を行い(具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている高確率大当り判定テーブルを用いて判定し)、非確変状態であれば遊技状態が確変状態時よりも大当りとなる確率が低くなる非確変状態時(低確率時)の大当り確率で判定を行う(具体的には、大当り判定値の数が高確率大当り判定テーブルよりも少なく設定されている低確率大当り判定テーブルを用いて判定する)。
図11は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)の例を示すフローチャートである。特別図柄停止図柄設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、大当りの有無の決定結果に応じて、特別図柄の停止図柄を決定する。具体的には、ステップS56にて大当りとすることに決定されている場合には(ステップS101;Y)、乱数格納バッファに格納されている大当り図柄決定用乱数(ランダム3)の値に従って大当り図柄を決定する(ステップS104)。大当り図柄を決定することによって、確変大当りか、非確変大当り(この例では、大当り遊技状態終了後に時短状態に制御されるため時短大当りともいう)かが決定される。確変大当りであれば(ステップS105;Y)、確変大当りフラグをセットする(ステップS106)。このように確変大当りフラグは、確変大当りとなることを示すフラグである。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、確変大当りである旨を報知する時期を判定する報知時期判定処理を実行する(ステップS107a)。図12に示す報知時期判定処理では、報知時期判定用乱数(ランダム9)を抽出し(ステップS107a1)、図13(A)に示す報知時期判定テーブルとステップS107a1で抽出した報知時期判定用乱数とにもとづいて確変大当りである旨を報知するタイミングとして大当り遊技状態の開始後(この例では、大当り遊技状態を終了するとき)に決定したかを判定する(ステップS107a2)。
図13(A)に示す報知時期判定テーブルは、大当り遊技状態の開始前(可変表示停止時)および大当り遊技状態の開始後とランダム9の抽出値と比較される判定値(報知時期判定値)とが対応付けされ、選択割合を示している。具体的には、ランダム9の100個全ての判定値が報知時期判定テーブルに設定されており、大当り遊技状態の開始前に40個の判定値が設定され、確変大当りである場合に大当り遊技状態の開始前に確変大当りである旨を報知する割合が40/100(すなわち40%)となっている。また、大当り遊技状態の開始後に60個の判定値が設定され、確変大当りである場合に大当り遊技状態の開始後に確変大当りである旨を報知する割合が60/100(すなわち60%)となっている。
報知時期判定テーブルとステップS107a1で抽出したランダム9とにもとづいて大当り遊技状態の開始後に確変大当りである旨を報知するタイミングとして決定した場合に、後述するアイテムの獲得数を計数する成立数カウンタのカウント値が所定値以上であれば(ステップS107a3;Y)、大当り遊技状態の開始後に確変大当りである旨を報知することを示す終了時報知フラグをセットし(ステップS107a4)、成立数カウンタのカウント値から所定値を減算して処理を終了する(ステップS107a5)。
ステップS107a2で大当り遊技状態の開始後に確変大当りである旨を報知しない場合およびステップS107a3で成立数カウンタのカウント値が所定値未満の場合には、終了時報知フラグをセットすることなく処理を終了することで大当り遊技状態の開始前に確変大当りである旨を報知する制御がなされる。この実施の形態では、確変大当りになる場合に、表示結果を導出表示するときと、表示結果を導出表示するときに確変大当りである旨を報知せずに大当り遊技状態を開始した後と、のいずれかにて確変大当りである旨を報知する。そして、大当り遊技状態の開始後に確変大当りである旨を報知する場合には後述する終了時再抽選演出を実行する。なお、大当り遊技状態の開始後に確変大当りである旨を報知すると決定された場合であっても、後述するアイテムの獲得数に応じて大当り開始前に確変大当りである旨を報知することに変更し、大当り遊技状態の開始後に確変大当りである旨の報知を行わないように制御する。すなわち、終了時再抽選演出はアイテムの獲得数(成立数カウンタのカウント値)に応じて実行可能となる。
ここで、大当り遊技状態の開始後に確変大当りである旨を報知する演出である終了時再抽選演出について説明する。この例では、可変表示装置9に飾り図柄の表示結果として非確変図柄が導出表示されたことにもとづいて発生した大当り遊技状態を終了するとき(具体的には、大当り遊技状態における最後のラウンドを終了してから可変表示装置9にて飾り図柄の可変表示(特別図柄表示器8にて特別図柄の可変表示)を開始するまで)に、後述するアイテムを所定数放出することと引き換えにその後の遊技状態を飾り図柄の表示結果に対応する遊技状態(この例では、時短状態)から確変状態に昇格させる旨の報知を行う終了時再抽選演出を実行する。
具体的には、大当り遊技状態を終了するときに、通常の大当り終了時(終了時再抽選演出を行わないとき)とは異なる態様で可変表示装置9を表示制御し、後述するアイテムを所定数放出することと引き換えに終了した非確変大当りを確変大当りに昇格させる終了時再抽選演出が行われる旨を遊技者に報知する。その後、可変表示装置9にて飾り図柄を可変表示させ、所定期間経過後に確変図柄を導出表示させる。また、可変表示装置9やスピーカ27などを用いて確変大当りに昇格した旨の報知演出が実行される。なお、この実施の形態では、終了時再抽選演出を行う際に導出表示された非確変図柄の飾り図柄を可変表示させてから、確変図柄を導出表示するものとしたが、導出表示した非確変図柄を可変表示させることなく、例えば所定のアニメ画像を伴った演出表示などを行った後に、確変図柄に変更させるようにしてもよい。また、飾り図柄を表示することなく、確変大当りとするか否かを報知するアニメ画像などを表示するようにしてもよい。例えば大当り終了時に可変表示装置9にてルーレットゲームを開始させ、回転するルーレットに投入されたボールが「奇数」に入ったときに、可変表示装置9上に「確変!!」と表示して、確変大当りに昇格することを報知するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、大当り遊技状態の開始後に確変大当りである旨の報知を行うと決定されたときに、後述するアイテムの獲得数が所定数以上、すなわち、成立数カウンタのカウント値が所定値以上であれば成立数カウンタを減数するとともに大当り遊技状態の開始後に確変大当りである旨の報知を行うが、成立数カウンタのカウント値が所定値以上であるときにも所定の割合で大当り遊技状態の開始前に確変大当りである旨の報知を行い、大当り遊技状態の開始後に確変大当りである旨の報知を行わないようにしてもよい。また、アイテムの獲得数が所定数未満、すなわち、成立数カウンタのカウント値が所定値未満であれば大当り遊技状態の開始前に確変大当りである旨の報知を行い、大当り遊技状態の開始後に確変大当りである旨の報知を行わないが、成立数カウンタのカウント値が所定値未満であるときにも所定の割合で大当り遊技状態の開始後に確変大当りである旨の報知を行うようにしてもよい。
このように、この実施の形態では、終了時再抽選演出として後述するアイテムを所定数放出することと引き換えに非確変大当りを確変大当りに昇格させる演出を実行することにより、アイテムに対する興趣を高めることができる。また、ステップS107a5で成立数カウンタから減算する値、すなわち、終了時再抽選演出で放出するアイテムの個数は、ステップS107a3で成立数カウンタと比較される所定値と同一の値であってもよいし、異なる値であってもよい。また、ステップS107a5で成立数カウンタから減算する減算値として複数種類の減算値のうちいずれかに決定するようにしてもよく、この場合には、減算値に応じて異なる態様で終了時再抽選演出を実行するようにしてもよい。
報知時期判定処理を実行すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、大当り遊技状態の開始後に確変大当りである旨を報知することを示す終了時報知フラグがセットされているか否か判定し(ステップS107b)、終了時報知フラグがセットされていなければ(ステップS107b;N)、当該可変表示の判定結果を示す判定結果コマンドとして確変大当り停止時指定コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS107c)、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値に更新する(ステップS109)。一方、終了時報知フラグがセットされていれば(ステップS107b;Y)、判定結果コマンドとして確変大当り終了時指定コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS107d)、ステップS109に移行する。
確変大当りでなければ(ステップS105;N)、判定結果コマンドとして非確変大当り指定コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし、ステップS109に移行する。なお、この実施の形態では、大当り図柄を決定することにより確変大当りか非確変大当りかを決定するが、確変大当りとするか非確変大当りとするかの決定を大当り図柄の決定とは別に行ってもよい。例えば、確変大当りとするか否かを判定する確変判定用乱数を所定範囲で更新し、大当りとする場合には始動入賞口14に遊技球が入賞したときに抽出した確変判定用乱数にもとづいて確変大当りか否かを判定するようにしてもよい。
また、ステップS56にてはずれとすることに決定されている場合には(ステップS101;N)、はずれ図柄として「−」に決定し(ステップS102)、判定結果コマンドとしてはずれ指定コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS103)、ステップS109に移行する。なお、この実施の形態では、ステップS56にてはずれとすることに決定されている場合には、ステップS102にて所定のはずれ図柄に決定されるが、複数のはずれ図柄のうちいずれかに決定するようにしてもよい。例えば、はずれ図柄決定用乱数を用いて複数種類のはずれ図柄のうちいずれかに決定するようにしてもよい。
図14は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS302)の例を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、大当りの有無の決定結果等に応じて、図8に示した変動パターンのいずれに決定する。具体的には、ステップS56にて大当りとすることに決定されている場合には(ステップS111;Y)、確変大当りフラグがセットされているか否かを確認することにより確変大当りとすることに決定されているか否かを判定する(ステップS112)。そして、確変大当りフラグがセットされていれば(ステップS112;Y)、遊技状態に応じた確変大当り時変動パターンテーブルを選択し(ステップS113)、確変大当りフラグがセットされていなければ(ステップS112;N)、遊技状態に応じた非確変大当り時変動パターンテーブルを選択する(ステップS114)。
次いで、選択した変動パターンテーブルと、乱数格納バッファに格納されている変動パターン決定用乱数(ランダム4)とにもとづいて、図8に示した変動パターンのいずれとするのかを決定する(ステップS115)。本例では、変動パターンを決定することによって、特別図柄の変動時間が決定される。なお、変動時間を決定した後、決定した変動時間に応じて異なる表示態様を示す複数種類の変動パターンのうちいずれかを選択するようにしてもよい。この場合には、変動時間に対して複数の制御コードを対応付けるようにすればよい。
一方、ステップS56にて大当りとしないことに決定されている場合には(ステップS111;N)、乱数格納バッファからリーチ判定用乱数を読み出してリーチ判定モジュールを実行する(ステップS116)。リーチ判定モジュールは、リーチ判定用乱数があらかじめ決められているリーチ判定値と一致したらリーチすることに決定するプログラムである。リーチしないことに決定した場合には(ステップS117;N)、遊技状態に応じたはずれ時変動パターンテーブルを選択し(ステップS118)、ステップS115に移行する。リーチすることに決定した場合には(ステップS117;Y)、後述するアイテムの増減に関わる演出である特別演出(加算演出、減算演出)を実行するか否かを判定する特別演出判定処理を実行し(ステップS119)、ステップS120に移行する。
図15に示す特別演出判定処理では、特別演出判定用乱数(ランダム2)を抽出し(ステップS119a)、図13(B)に示す特別演出判定テーブルとステップS119aで抽出したランダム2とにもとづいて特別演出を実行するか否かを判定する(ステップS119b)。
図13(B)に示す特別演出判定テーブルは、特別演出を実行する場合と特別演出を実行する場合には特別演出の内容とのそれぞれにランダム2の抽出値と比較される判定値(特別演出判定値)が振り分けられ、選択割合を示している。具体的には、ランダム2の150個全ての判定値が特別演出判定テーブルに設定されており、特別演出の実行無しに120個の判定値が振り分けられ、特別演出を実行しない割合が120/150(すなわち80%)となっている。
特別演出判定テーブルとステップS119aで抽出したランダム2とにもとづいて特別演出を実行する場合には(ステップS119b;Y)、実行する特別演出がアイテムを獲得する演出である加算演出であれば(ステップS119c;Y)、加算値に応じた変動パターンに決定し(ステップS119d)、成立数カウンタに加算値を加算して処理を終了する(ステップS119e)。実行する特別演出がアイテムを放出する演出である減算演出であれば(ステップS119c;N)、減算値に応じた変動パターンに決定し(ステップS119f)、成立数カウンタから減算値を減算して処理を終了する(ステップS119g)。上述したように、特別演出を実行する変動パターンが減算値、加算値に応じて複数種類設けられ、ステップS119dでは特別演出を実行する変動パターンのうち決定された加算値に応じた変動パターンに決定し、ステップS119fでは特別演出を実行する変動パターンのうち決定された減算値に応じた変動パターンに決定する。
一方、特別演出を実行しない場合には(ステップS119b;N)、リーチ時変動パターンテーブルを選択し(ステップS119h)、選択したリーチ時変動パターンテーブルと、乱数格納バッファに格納されている変動パターン決定用乱数(ランダム4)と、にもとづいて図8に示した変動パターンのいずれとするのかを決定して処理を終了する(ステップS119i)。
なお、上述した例では、決定された変動パターンに応じた減算値よりも成立数カウンタのカウント値の方が少ない状態が発生する可能性があるが、この場合には、成立数カウンタのカウント値を「0」にするとともに減算演出にてアイテムの獲得数が「0」となる演出を実行するようにしてもよいし、減算演出を実行する場合に成立数カウンタのカウント値に応じて決定する変動パターンを変更する(例えば、成立数カウンタのカウント値と同一の減算値が設定された変動パターンに変更、または、成立数カウンタのカウント値と同等または少ない減算値が設定された変動パターンに変更する)ようにしてもよい。また、減算演出を実行するときに成立数カウンタのカウント値が0であれば、減算演出を実行しないようにしてもよい。例えば、ステップS117cでNとなり、減算演出を実行することに決定された場合に、成立数カウンタのカウント値が0であれば、ステップS117hおよびステップS117iの処理を実行して減算演出を実行しない変動パターンに決定するようにしてもよい。
なお、成立数カウンタのカウント値を増減する条件として、所定の入賞口(この例では特定領域)への遊技球の入賞、特定の演出(特別演出)の実行等があるが、減算演出を実行しないように構成し、特別演出として成立数カウンタに所定数を加算する加算演出のみ実行するようにしてもよい。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、決定した変動パターン指定のコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS120)、決定した変動パターンに応じた特別図柄の変動時間を示す変動時間データを特別図柄プロセスタイマに設定して変動時間の計測を開始するとともに(ステップS121)、特別図柄表示器8での特別図柄の可変表示を開始する(ステップS122)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行し(ステップS123)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値に更新する(ステップS124)。
コマンドセット処理を実行することによって演出制御コマンドが演出制御基板80に送信される。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ101に送信されうる各演出制御コマンドはROM54のコマンド送信テーブルに格納されている。また、コマンドセット処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、ポインタが示すROM54のアドレスに格納されている演出制御コマンドデータを、演出制御コマンドデータを出力するための出力ポートに設定するとともに、コマンドを送信することを示す演出制御INT信号を出力する。
なお、この例では常に同一確率で特別演出を実行するか否かの判定を行うように構成しているが、所定の開始条件が成立してから所定の終了条件が成立するまで特別演出を実行する割合を高める制御(特別演出判定テーブルにおいて加算演出および減算演出それぞれに振り分けられる特別演出判定値の個数を増加させる制御)、所定の開始条件が成立してから所定の終了条件が成立するまで加算演出を実行する割合を高める制御(特別演出判定テーブルにおいて加算演出それぞれに振り分けられる特別演出判定値の個数を増加させる制御;特別演出の実行割合を高めてもよいし、特別演出の実行割合を高めなくてもよい)、所定の開始条件が成立してから所定の終了条件が成立するまで加算演出のうちより多くの加算値を選択する割合を高める制御(特別演出判定テーブルにおいて加算演出それぞれに振り分けられる特別演出判定値を加算値が多い加算演出に振り分けられる特別演出判定値を増加させる制御;特別演出の実行割合を高めてもよいし、特別演出の実行割合を高めなくてもよい)、等を行うようにしてもよい。所定の開始条件として例えば、確変状態の制御が開始されたとき、所定の入賞口へ所定個(1個でもよいし、複数個でもよい)の遊技球が入賞したとき、所定の抽選判定を行って開始条件を成立させる旨の判定がなされたとき等としてもよい。また、所定の終了条件としては、確変状態の制御が終了したとき、開始条件が成立してからの所定時間が経過したとき、開始条件が成立してから成立数カウンタが所定数増加したとき、成立数カウンタのカウント値が所定値に達したとき、所定の入賞口へ所定個(1個でもよいし、複数個でもよい)の遊技球が入賞したとき、所定の抽選判定を行って終了条件を成立させる旨の判定がなされたとき、所定の開始条件が成立してからの特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示の実行回数が所定回数に達したとき、等としてもよい。このように構成することにより遊技に変化を与えることができ、所定の開始条件が成立したことにもとづいてアイテムの獲得数が増加するため、遊技者の期待感を高めることができる。
図16は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(ステップS305)の例を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理は、大当り遊技状態におけるラウンドを開始するときに大入賞口を開放状態に制御するための設定を行う処理である。大当り遊技状態では、大入賞口開放前処理にて大入賞口を開放するための処理を行った後、大入賞口開放中処理にて大当り遊技状態におけるラウンド実行中の処理を行い、当該ラウンドを終了して所定のインターバル時間が経過したときに大当り遊技状態における残りラウンドがある場合には、再び大入賞口開放前処理を実行して大入賞口を開放するための処理を行う。大当り遊技状態における残りラウンドがない場合には、大当り終了処理を実行する。
大入賞口開放前処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、大入賞口の開放時間を計測するプロセスタイマに大入賞口の開放時間(この例では、29.5秒)をセットし(ステップS131)、大入賞口に入賞した遊技球の個数を計数する入賞検出カウンタに初期値(この例では、「0」)をセットする(ステップS132)。そして、大当り遊技状態にて実行されたラウンド数を計数する開放回数カウンタを1加算し(ステップS133)、大入賞口を開閉するソレノイド21に駆動信号を出力するための処理として大入賞口開放指定値をセットする(ステップS134)。大入賞口開放指定値をセットすることにより、ソレノイド出力処理にてソレノイド21に駆動信号が出力されて大入賞口が開放状態となる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、開放回数カウンタに対応する開放表示コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS135)。開放表示コマンドは、ステップS135を実行することにより飾り図柄コマンド制御処理にて演出制御基板80に送信され、ラウンド実行中における表示制御の開始を指示するコマンドである。
図17および図18は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(ステップS306)の例を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、大当り遊技状態におけるラウンドが終了してから次のラウンドを開始するまでのインターバル時間を計測するタイマがタイムアウトしているか判定する(ステップS140)。ステップS140でインターバルタイマがタイムアウトしている状態とは、インターバルタイマにインターバル時間がセットされていない状態、すなわち、大当り遊技状態におけるラウンドの実行中であり、ステップS140でインターバルタイマがタイムアウトしていない状態とは、インターバルタイマにインターバル時間がセットされている状態、すなわち、ラウンド間のラウンドインターバル中である。インターバルタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS140;N)、インターバルタイマを1減算し(ステップS141)、インターバルタイマがタイムアウトしたら(ステップS142;Y)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値に更新する(ステップS143)。インターバルタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS142;N)、特別図柄プロセスフラグの値を更新することなく処理を終了する。
ステップS140でインターバルタイマがタイムアウトしていれば(ステップS140;Y)、大入賞口における特定領域に遊技球が侵入したか否かを判定する(ステップS144)。大入賞口の特定領域に遊技球が侵入していなければ(ステップS144;N)、ステップS147に進む。一方、大入賞口の特定領域に遊技球が侵入していれば(ステップS144;Y)、すなわちスイッチ処理にて特定領域スイッチ24の検出信号が入力された旨の判定がなされていれば、特定領域に侵入した遊技球の個数(特定領域スイッチ24による遊技球の検出数)を成立数カウンタに加算し(ステップS145)、特定領域に侵入した遊技球の個数に対応する特定領域入賞コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS146)。特定領域入賞コマンドは、特定領域に侵入した遊技球の個数を示すコマンドであり、飾り図柄コマンド制御処理にて演出制御基板80に送信される。
このように、この実施の形態では、特定領域に遊技球が侵入した場合にも、侵入した遊技球の個数を成立数カウンタのカウント値に加算する。このように構成することにより、成立数カウンタのカウント値を増加させる機会、換言するとアイテムを獲得する機会が増大する。上述したように、アイテムの獲得数が多い場合には、アイテムを放出することと引き換えに非確変大当りから確変大当りに昇格する終了時再抽選演出が実行される可能性があるため、アイテムの獲得数が増加することによって確変大当りに対する期待感を高めることができる。なお、この例では成立数カウンタに加算される値と特定領域に侵入した遊技球の個数とが等しくなるように制御されるが、所定の開始条件が成立してから所定の終了条件が成立するまで成立数カウンタに加算される値と特定領域に侵入した遊技球の個数とが異なるように制御するようにしてもよい。例えば、所定の開始条件として大当り遊技状態における所定のラウンド(例えば、7ラウンド)が開始されてから所定の終了条件として当該ラウンドが終了するまで特定領域に侵入した遊技球の個数に対して10倍の値を成立数カウンタに加算する(例えば、特定領域に遊技球が1個侵入したときに成立数カウンタを10加算する)ようにしてもよいし、所定のラウンドが開始されてから当該ラウンドが終了するまでに特定領域に侵入した遊技球の個数に対して半分の値(例えば、特定領域に4個の遊技球が侵入した場合には2)を成立数カウンタに加算する(この場合には終了条件が成立したときに端数があれば端数を切り捨てしてもよいし、切り上げてもよい、例えば、特定領域に5個の遊技球が侵入した場合に成立数カウンタを2加算するようにしてもよいし、成立数カウンタを3加算するようにしてもよい)ようにしてもよい。このように構成することにより遊技に変化を与えることができ、アイテムの獲得数が増加することにより遊技者の確変の大当りに対する期待感を高めることができる。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、大入賞口に遊技球が入賞したか否かを判定する(ステップS147)。大入賞口に遊技球が入賞していなければ(ステップS147;N)、ステップS151に進む。一方、大入賞口に遊技球が入賞していれば(ステップS147;Y)、すなわちスイッチ処理にてカウントスイッチ23の検出信号が入力された旨の判定がなされていれば、大入賞口に入賞した遊技球の個数(カウントスイッチ23による遊技球の検出数)を入賞検出カウンタに加算し(ステップS148)、大入賞口に入賞した遊技球の個数に対応する特別入賞コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS149)。特別入賞コマンドは、大入賞口に入賞した遊技球の個数を示すコマンドであり、飾り図柄コマンド制御処理にて演出制御基板80に送信される。また、大入賞口に入賞した遊技球の個数を計数する入賞検出カウンタのカウント値が所定値(この例では、「10個」)に達していれば(ステップS150;Y)、ステップS153に進み、当該ラウンドを終了させるための処理を行う。
入賞検出カウンタのカウント値が所定値に達していなければ(ステップS150;N)、大入賞口を開放状態に制御してからの経過時間を計測するプロセスタイマを1減算し(ステップS151)、プロセスタイマがタイムアウトしていなければ(ステップ152;N)、当該ラウンドにおける大入賞口の開放時間が経過していないと判定して大入賞口の開放状態を継続させて処理を終了する。一方、プロセスタイマがタイムアウトしていれば(ステップS152;Y)、ステップS153に進み、当該ラウンドを終了させるための処理を行う。
遊技制御用マイクロコンピュータ60は、実行中のラウンドを終了させるための処理として、開放回数カウンタのカウント値が所定値(この例では、15回)でなければ(ステップS153;N)、大当り遊技状態における残りラウンドがあるとして大入賞口を開閉するソレノイド21に駆動信号を出力するための処理として大入賞口閉塞指定値をセットする(ステップS154)。大入賞口閉塞指定値をセットすることにより、ソレノイド出力処理にてソレノイド21に駆動信号が出力されて大入賞口が閉塞状態となる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、開放回数カウンタに対応する閉塞表示コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS155)。閉塞表示コマンドは、ステップS155を実行することにより飾り図柄コマンド制御処理にて演出制御基板80に送信され、ラウンドインターバル中における表示制御の開始を指示するコマンドである。そして、インターバルタイマにインターバル時間をセットして処理を終了する(ステップS156)。ステップS156でセットされたインターバル時間がステップS142で経過したと判定されるまで特別図柄プロセスフラグの値を更新せず、大当り遊技状態におけるラウンドを終了してから所定期間経過するまで次のラウンドが開始されないように制御される。
開放回数カウンタのカウント値が所定値であれば(ステップS153;Y)、大当り遊技状態における残りラウンドがないとして大入賞口を開閉するソレノイド21に駆動信号を出力するための処理として大入賞口閉塞指定値をセットし(ステップS157)、大当り終了表示コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS158)。なお、ステップS158では、確変大当りフラグがセットされていれば確変大当りを終了することを示す特定大当り終了表示コマンドをセットし、確変大当りフラグがセットされていなければ非確変大当りを終了することを示す非特定大当り終了表示コマンドをセットする。また、大当り終了表示コマンドは、ステップS158を実行することにより飾り図柄コマンド制御処理にて演出制御基板80に送信され、大当り遊技状態を終了させる旨の表示を指示するコマンドである。
そして、開放回数カウンタをリセットし(ステップS159)、大当り遊技状態の開始後に確変大当りである旨を報知する(終了時再抽選演出を実行する)ことを示す終了時報知フラグがセットされていれば(ステップS160;Y)、インターバルタイマに再抽選実行時間をセットするとともに(ステップS161)、終了時報知フラグをリセットし(ステップS162)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理に対応した値に更新する(ステップS164)。一方、終了時報知フラグがセットされていなければ(ステップS160;N)、インターバルタイマに終了報知実行時間をセットし(ステップS163)、ステップS164に進む。
この実施の形態では、大当り遊技状態の開始後に確変大当りである旨を報知する場合には、大当り遊技状態を終了してから特別図柄表示器8にて特別図柄の可変表示を開始するまでのインターバル中に所定数のアイテムを放出することと引き換えに非確変大当りを確変大当りに昇格させ、確変大当りである旨を報知する終了時再抽選演出を実行する。大当り遊技状態の開始前に確変大当りである旨を報知する場合および非確変大当りの場合には、大当り遊技状態を終了してから特別図柄表示器8にて特別図柄の可変表示を開始するまでのインターバル中に大当り遊技状態を終了する旨および以後の遊技状態を報知する演出を所定期間に亘って実行するが、終了時再抽選演出の実行期間はこれらの演出に比べて長い期間に亘って実行されるため、ステップS161で終了時報知実行時間よりも長い再抽選実行時間をセットすることにより終了時再抽選演出の実行途中で特別図柄の可変表示を開始する処理が実行され、終了時再抽選演出が中断されることを防止できる。
ここで、遊技制御用マイクロコンピュータ60から演出制御用マイクロコンピュータ101に送信される演出制御コマンドについて説明する。遊技制御用マイクロコンピュータ60から演出制御用マイクロコンピュータ101に対する演出制御コマンドは、演出制御信号D0〜D7の8本の信号線で送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、ストローブ信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。なお、主基板31から他の電気部品制御基板(この実施の形態では払出制御基板37)への制御コマンドも、8本の信号線と1本のINT信号の信号線によって送信される。
また、この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
そして、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ101は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ101から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる取込信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ101が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。
図19は、演出制御基板80に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図19に示す例において、1バイト目のMODEが「80」の演出制御コマンドは、特別図柄に対応して可変表示装置9にて可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。変動パターンコマンドは、例えば、特別図柄表示器8にて特別図柄の可変表示が開始されてから表示結果を導出表示するまでの時間である変動時間や、飾り図柄の可変表示の態様としてリーチ態様を伴うはずれとするかリーチ態様を伴わないはずれとするか、さらには大当りとする場合に再抽選演出を実行するかなどを示すEXTデータを含んでいる。すなわち、変動パターンコマンドは、変動時間を示す演出制御コマンドのことであり、表示に使用する変動パターンを指定する変動パターンコマンドである。
1バイト目のMODEが「82」の演出制御コマンドは、遊技制御用マイクロコンピュータ60による特別図柄表示器8における事前判定(大当りとするか否かおよび確変大当りとするか否か)の判定結果を示す判定結果コマンドである。この例では、確変大当りとなる場合に確変大当りである旨を報知するタイミングを指定する情報も含まれる。例えば、コマンド8200(H)は、特別図柄表示器8に確変図柄を導出表示することを通知し、可変表示装置9にて表示結果を導出表示するときに確変大当りである旨を報知することを示す演出制御コマンド(確変大当り停止時指定コマンド)であり、コマンド8201(H)は、特別図柄表示器8に特別図柄を導出表示することを通知し、可変表示装置9にて表示結果を導出表示するときに確変大当りである旨を報知することなく大当り遊技状態の開始後に報知することを示す演出制御コマンド(確変大当り終了時指定コマンド)である。コマンド8202(H)は、特別図柄表示器8に非確変図柄を導出表示することを通知する演出制御コマンド(非確変大当り指定コマンド)である。コマンド8203(H)は、特別図柄表示器8にはずれ図柄を導出表示することを通知する演出制御コマンド(はずれ指定コマンド)である。このため、演出制御基板80の側では、判定結果コマンドによって可変表示の表示結果がはずれであるか非確変大当りであるか確変大当りであるかを特定することが可能となるとともに、可変表示の表示結果の種類が確変大当りのときには終了時再抽選演出の実行の有無をも特定することができる。
コマンドA000(H)は、飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンドである。1バイト目のMODEが「B1」〜「B6」の演出制御コマンドは、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される演出制御コマンドである。なお、XX(H)は不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。
コマンドD000(H)は、特別図柄表示器8にて所定期間(例えば、30秒)特別図柄の可変表示が実行されなかったときに可変表示装置9にて実行される客待ちデモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(デモ開始コマンド)である。
また、コマンドE400(H)は、高確率状態から低確率状態になったときに送信されるコマンドであり、コマンドE401(H)は、低確率状態から高確率状態になったときに送信されるコマンドである。なお、高確率状態にて使用される変動パターンコマンドのMODEデータと低確率状態にて使用される変動パターンコマンドのMODEデータとを異ならせることにより、低確率状態であるか高確率状態であるかを認識するようにしてもよく、この場合には、上記のコマンドE400(H)およびコマンドE401(H)を使用しないようにしてもよい。
演出制御基板80の演出制御手段は、主基板31の遊技制御手段から上述した演出制御コマンドを受信すると図19に示された内容に応じて可変表示装置9の表示状態を変更するとともに、ランプ・LEDの表示状態を変更し、必要ならば音声出力基板70に対して音番号データを出力する。なお、図19に示された例以外の制御コマンドも遊技制御手段から演出制御手段に送信される。例えば、賞球LED51や球切れLED52の表示状態、および大当り遊技に関するより詳細な演出制御コマンドも遊技制御手段から演出制御手段に送信される。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図20は、演出制御用マイクロコンピュータ101が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるための2msタイマの初期設定等を行うための初期化処理が行われる(ステップS701)。その後、演出制御用マイクロコンピュータ101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用マイクロコンピュータ101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
この実施の形態では、タイマ割込は2ms毎にかかる。すなわち、演出制御処理は、2ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な演出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で演出制御処理を実行してもよい。
演出制御処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ(プロセスフラグともいう))に対応したプロセスを選択して可変表示装置9の表示制御を実行する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ101における演出等の判定に用いられる所定範囲の乱数を発生させる乱数カウンタを更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。その後、ステップS702のタイマ割込フラグの確認を行う処理に戻る。
ここで、主基板31からの演出制御コマンドの受信処理について説明する。この実施の形態では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、コマンド受信バッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。例えば、主基板31から演出制御コマンドを受信した場合にコマンド受信カウンタの値が「0」であれば、受信した演出制御コマンドの「MODE」データをコマンド受信バッファ1の領域に格納してコマンド受信カウンタの値を「1」に更新する。次いで、受信した演出制御コマンドの「EXT」データをコマンド受信バッファ2の領域に格納してコマンド受信カウンタの値を「2」に更新する。これにより、次に主基板31から演出制御コマンドを受信すると、コマンド受信バッファ3の領域から格納されるようになる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよく、例えば、図柄指定コマンド格納領域を3個(2×3=6バイトのコマンド受信バッファ)、それ以外の変動パターン指定などのコマンド格納領域を1個(2×1=2バイトのコマンド受信バッファ)のようにバッファ構成してもよい。
主基板31からの演出制御用のINT信号は演出制御用マイクロコンピュータ101の割込端子に入力されている。例えば、主基板31からのINT信号がオン状態になると、演出制御用マイクロコンピュータ101において割込がかかる。そして、演出制御用マイクロコンピュータ101は、割込処理において演出制御コマンドの受信処理を実行する。演出制御コマンドの受信処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、受信した演出制御コマンドデータを、コマンド受信個数カウンタが示すコマンド受信バッファに格納する。
演出制御用マイクロコンピュータ101では、2msごとに発生するタイマ割込とは別に、主基板31からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、主基板31からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ101は、自動的に割込禁止状態に設定するが、自動的に割込禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込禁止命令(DI命令)を発行することが好ましい。
図21は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信した演出制御コマンドはコマンド受信バッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用マイクロコンピュータ101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値とコマンド受信バッファに対応した読出ポインタとを比較することによって判定される。読出ポインタは、演出制御用マイクロコンピュータ101によって読み出す演出制御コマンドが格納されているコマンド受信バッファを示すポインタである。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には(ステップS611;Y)、演出制御用マイクロコンピュータ101は、読出ポインタに対応するコマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。上述したように、演出制御コマンドは2バイト構成である。各コマンド受信バッファには1バイトのデータが格納されるため、連続する2つのコマンド受信バッファに格納されるデータにより演出制御コマンドが特定可能となる。ステップS612では、連続する2つのコマンド受信バッファからデータを読み出すことで受信コマンドを読み出す。なお、読み出したら読出ポインタの値を2加算しておく(ステップS613)。
コマンド受信バッファから読み出した演出制御コマンドが変動パターン指定の演出制御コマンドであれば(ステップS614;Y)、演出制御用マイクロコンピュータ101は、そのコマンドのEXTデータを変動パターンデータ格納領域に格納する(ステップS615)とともに変動パターンコマンドを受信した旨を示す変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
また、ステップS614で変動パターンコマンドでないと判定した場合に、演出制御用マイクロコンピュータ101は、コマンド受信バッファから読み出した演出制御コマンドが確変大当りである旨および表示結果を導出表示するときに確変大当りである旨を報知することを示す確変大当り停止時指定コマンドであれば(ステップS617a;Y)、飾り図柄の表示結果として確変図柄を導出表示することを示す確変図柄表示フラグをセットする(ステップS617b)。また、コマンド受信バッファから読み出した演出制御コマンドが確変大当りである旨および大当り遊技状態の開始後に確変大当りである旨を報知する、換言すると終了時再抽選演出を実行することを示す確変大当り終了時指定コマンドであれば(ステップS618a;Y)、飾り図柄の表示結果として非確変図柄を導出表示することを示す非確変図柄表示フラグをセットし(ステップS618b)、終了時再抽選演出を実行することを示す終了時再抽選フラグをセットする(ステップS618c)。
また、コマンド受信バッファから読み出した演出制御コマンドが非確変大当りである旨を示す非確変大当り指定コマンドであれば(ステップS619;Y)、飾り図柄の表示結果として非確変図柄を導出表示することを示す非確変図柄表示フラグをセットする(ステップS620)。また、コマンド受信バッファから読み出した演出制御コマンドがはずれである旨を示すはずれ指定コマンドであれば(ステップS621;Y)、飾り図柄の表示結果としてはずれ図柄を導出表示することを示すはずれ図柄表示フラグをセットする(ステップS622)。
ステップS617b,S618b、S620,S622でセットされるフラグ(確変図柄表示フラグ、非確変図柄表示フラグ、はずれ図柄表示フラグ)は、主基板31から受信した判定結果コマンドに応じてセットされるため、総称して判定結果フラグという。そして、演出制御用マイクロコンピュータ101は、これらの判定結果フラグ(確変図柄表示フラグ、非確変図柄表示フラグ、はずれ図柄表示フラグ)に応じた飾り図柄の表示結果を可変表示装置9に導出表示する。
また、コマンド受信バッファから読み出した演出制御コマンドが特定領域に侵入した遊技球の個数を示す特定領域入賞コマンドであれば(ステップS623;Y)、可変表示装置9に表示されるアイテムの個数(獲得数)を特定領域入賞コマンドによって指示された値を加算した値に更新表示する(ステップS624)。また、コマンド受信バッファから読み出した演出制御コマンドが大入賞口に入賞した遊技球の個数を示す特別入賞コマンドであれば(ステップS625;Y)、大当り遊技状態のラウンド実行中に可変表示装置9に表示制御される大入賞口への入賞球数を、特別入賞コマンドによって指示された値を加算した値に更新表示する(ステップS626)。
また、演出制御用マイクロコンピュータ101は、コマンド受信バッファから読み出した演出制御コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には、受信コマンドに対応するコマンド受信フラグをセットし、必要であれば受信コマンドを保存する(ステップS627)。
図22は、図20に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御プロセスフラグ(プロセスフラグ)の値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。
飾り図柄通常処理(ステップS800):変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ101は、演出制御プロセスフラグ(プロセスフラグ)の値を飾り図柄変動開始処理に対応した値に変更する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):変動パターンデータ格納領域の格納情報などにもとづいて飾り図柄の変動パターン(飾り図柄変動パターン)を決定し、決定した変動パターンに応じたプロセスデータを選択する。そして、選択したプロセスデータにもとづいて可変表示装置9を表示制御することにより左中右図柄の可変表示が開始されるように制御する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):プロセステーブルにもとづいて変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、左右図柄の停止制御を行う。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):変動時間が終了したことに応じて、飾り図柄の可変表示を停止し停止図柄を表示する。具体的には、変動時間の終了時に、図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄停止コマンド)を受信していたら、飾り図柄の変動を停止し停止図柄を表示する制御を行う。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、確変大当り表示、または非確変大当り表示の制御を行う。
ラウンド中処理(ステップS805):大当り遊技におけるラウンド実行中の表示の制御を行う。例えば、ラウンド数等の表示制御等を行う。そして、閉塞表示コマンドを受信したら演出制御プロセスフラグをラウンド後処理に対応した値に更新する一方、大当り終了表示コマンド(非特定大当り終了表示コマンドおよび特定大当り終了表示コマンド)を受信したら大当り終了演出処理に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):大当り遊技におけるラウンド終了から次のラウンドを開始するまでの制御を行う。そして、開放表示コマンドを受信したら演出制御プロセスフラグをラウンド中処理に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):大当り遊技状態を終了するときの制御を行う。例えば、確変状態に制御される旨の表示、時短状態に制御される旨の表示、等を行う。そして、演出制御プロセスフラグを飾り図柄通常処理に対応した値に更新する。また、終了時再抽選フラグがセットされていれば、終了時再抽選演出を実行して確変大当りに昇格させる旨を報知する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ60から図柄停止コマンドを送信しない構成とした場合には、飾り図柄変動パターンに応じた変動時間をセットした変動時間タイマがタイムアウトしたことにもとづいて演出制御用マイクロコンピュータ101が飾り図柄を停止表示する制御を行うようにしてもよい。
図23は、飾り図柄変動パターン毎に設定されているプロセステーブルの一構成例を示す説明図である。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と演出制御実行データ(例えば、表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、および音番号データ)の組み合わせが複数集まったプロセスデータで構成されている。演出制御実行データは、表示制御実行データとランプ制御実行データと音番号データとを含む。表示制御実行データは、飾り図柄の変動期間中における可変表示装置9の表示状態を示すデータが設定されている。例えば、表示制御実行データ1には、可変表実行時の可変表示装置9の表示状態(飾り図柄の可変表示速度や表示する図柄の大きさ、キャラクタの切替タイミング等)を示すデータが設定されている。また、ランプ制御実行データは、飾り図柄の変動期間中におけるランプ・LEDの表示状態を示すデータが設定されている。例えば、ランプ制御実行データ1には、可変表示開始時のランプ・LEDの表示状態を示すデータが設定されている。また、音番号データには、飾り図柄の変動期間中におけるスピーカ27の音出力態様を示すデータが設定されている。このようにプロセステーブルには、時系列的に飾り図柄の可変表示速度や表示する図柄の大きさ、その表示状態での表示期間、キャラクタの切替タイミング等が設定されている。また、ランプ・LEDの表示状態およびスピーカ27の音出力態様も時系列的に設定されている。
そして、飾り図柄の変動期間中において、表示状態を切り替えるタイミング(例えば可変表示装置9において新たなキャラクタが登場するタイミング、ランプ・LEDを点灯状態から消灯状態に切り替えるタイミング)が到来すると、演出制御手段は、プロセステーブルにおける次のプロセスデータに設定される演出制御実行データに従って、可変表示装置9、ランプ・LEDの表示状態およびスピーカ27の音出力状態を制御する。プロセスタイマ設定値には、切替のタイミングに応じた時間が設定されている。
このように、演出制御手段が、ROMに記憶されているプログラムおよびプロセスデータにもとづいて演出手段を制御し、複数の演出手段(この実施の形態では可変表示装置9、ランプ・LEDおよびスピーカ27)の制御に関わるプログラムが、演出制御基板80に搭載されているROMに格納されている。そして、それらのプログラムを格納するROMを1つのROMとして構成することができる。従って、部品点数を減らすことができる。また、ROMに記憶されているプロセスデータのうち、プロセスタイマ設定値が共通化されている。従って、演出制御手段のROM容量を節減することができる。なお、演出制御実行データについても、表示制御実行データとランプ制御実行データと音番号データとを共通化できるのであれば、1つの演出制御実行データとしてもよい。このように、この実施の形態では、複数の演出手段の制御に関わるデータのうち少なくとも一部のデータを同一ROMに格納することができる。
なお、図23に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、飾り図柄変動パターンのそれぞれに応じて用意されている。ここで、飾り図柄変動パターンと、特別図柄の変動パターンとは異なるものである。ただし、飾り図柄変動パターンには、少なくとも、図8に示した各変動パターンに対応する変動パターンが含まれる。
図24は、演出制御プロセス処理における飾り図柄通常処理(ステップS800)の一例を示すフローチャートである。図24に示す飾り図柄通常処理を開始すると、演出制御用マイクロコンピュータ101は、まず、変動パターンコマンド受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていなければ(ステップS811;N)、処理を終了する。一方、変動パターンコマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS811;Y)、変動パターンコマンド受信フラグをリセットし(ステップS812)、判定結果コマンドに応じた飾り図柄の停止図柄を決定する。
すなわち、はずれ図柄を導出表示する旨を示すはずれ図柄表示フラグがセットされていれば(ステップS813;Y)、受信した変動パターンがリーチ態様を伴う変動パターンであるか(特別演出判定処理にて選択されたリーチ変動パターンであるか)を確認する(ステップS819)。受信した変動パターンがリーチ態様を伴わない変動パターン(はずれ時変動パターンテーブルにもとづいて選択されたはずれ変動パターン)であれば(ステップS819;N)、飾り図柄の停止図柄としてはずれ図柄(この実施の形態では、左飾り図柄と右飾り図柄とが異なる図柄となる組み合わせ)を飾り図柄の停止図柄として決定し(ステップS820)、ステップS827に進む。
一方、受信した変動パターンがリーチ変動パターンであれば(ステップS819;Y)、飾り図柄の停止図柄としてリーチはずれ図柄(この実施の形態では、左飾り図柄と右飾り図柄とが同一の図柄であり、中飾り図柄のみが異なる図柄となる組み合わせ)を飾り図柄の停止図柄として決定する(ステップS821)。また、受信した変動パターンが加算演出を実行する変動パターンであれば(ステップS822;Y)、受信した変動パターンに応じた加算演出開始時間を更新タイマにセットし(ステップS825)、ステップS826に進む。受信した変動パターンが減算演出を実行する変動パターンであれば(ステップS822;N,ステップS823;Y)、受信した変動パターンに応じた減算演出開始時間を更新タイマにセットし(ステップS824)、可変表示装置9に表示されるアイテムの獲得数を更新する旨を示す獲得数更新フラグをセットする(ステップS826)。そして、ステップS827に進む。ステップS824およびステップS825でセットされる更新タイマは、減算演出または加算演出に対応して可変表示装置9に表示されるアイテムの獲得数を更新するタイミングを示すタイマである。受信した変動パターンが加算演出および減算演出のいずれも実行しない変動パターンであれば(ステップS822N,ステップS823;N)、ステップS827に進む。
はずれ図柄を表示する旨を示すはずれ図柄表示フラグがセットされていない場合に(ステップS813;N)、確変図柄を導出表示する旨を示す確変図柄表示フラグがセットされていなければ(ステップS814;N)、すなわち、非確変図柄を導出表示する旨を示す非確変図柄表示フラグがセットされていれば、飾り図柄の停止図柄として非確変図柄(この実施の形態では、左飾り図柄と中飾り図柄と右飾り図柄とが同一の偶数図柄で揃った状態)を飾り図柄の停止図柄として決定し(ステップS815)、ステップS827に進む。
一方、確変図柄を導出表示する旨を示す確変図柄表示フラグがセットされていれば(ステップS814;Y)、受信した変動パターンが再抽選変動パターンであるか、換言すると、再抽選演出を実行する変動パターン(この例では、図8に示す変動パターンのうち変動パターン番号16、18、20、22の変動パターン)であるか確認し(ステップS816)、再抽選変動パターンでなければ(ステップS816;N)、ステップS818に進む。受信した変動パターンが再抽選変動パターンであれば(ステップS816;Y)、再抽選演出にて仮停止表示させる飾り図柄の組み合わせ(仮停止図柄)を決定し(ステップS817)、飾り図柄の停止図柄として確変図柄(この実施の形態では、左飾り図柄と中飾り図柄と右飾り図柄とが同一の奇数図柄で揃った状態)を決定する(ステップS818)。この実施の形態では、ステップS817で仮停止図柄として非確変図柄に決定する。すなわち、確変大当り停止時指定コマンドと再抽選変動パターンを示す変動パターンコマンドとを受信したときには、仮停止図柄として非確変図柄を仮停止表示した後、再抽選演出にて確変図柄を停止表示する演出が実行される。
そして、ステップS815,S818,S820,S821で決定した飾り図柄の停止図柄および受信した変動パターンにもとづいて飾り図柄変動パターンを決定する(ステップS827)。具体的には、変動パターンデータ格納領域に格納されているEXTデータに対応して異なる表示態様を示す複数種類の飾り図柄変動パターンのうちいずれかの飾り図柄変動パターンに決定する。
なお、変動パターンデータ格納領域に格納されているEXTデータにより変動時間が指定され、ステップS827では、主基板31から指定された変動時間に対応する複数種類の飾り図柄変動パターンのうちいずれかに決定し、決定した飾り図柄変動パターンに応じた変動時間を変動時間タイマにセットする。本例では、演出制御用マイクロコンピュータ101は、飾り図柄変動パターンの少なくとも一部を独自に決定する。例えば、あらかじめ用意された複数種類の飾り図柄変動パターンのうち、EXTデータによって特定される変動時間および事前判定結果(確変大当り、非確変大当り、はずれ、リーチなど)に合致する複数種類の飾り図柄変動パターンの中から、実行する飾り図柄変動パターンを選択する。上記のようにして、演出制御用マイクロコンピュータ101は、例えば、飾り図柄の演出内容(例えば、どのキャラクタを用いて演出するかなど)、予告演出の実行の有無や演出内容、ミッション演出の有無や演出内容など、飾り図柄の変動態様の少なくとも一部を独自に決定する。
ステップS827にて飾り図柄変動パターンを決定する際には、例えば、遊技状態が通常状態であるときに使用される変動パターンテーブル(通常状態用飾り図柄変動パターンテーブル)と、遊技状態が確変状態であるときに使用される変動パターンテーブル(確変状態用飾り図柄変動パターンテーブル)と、遊技状態が時短状態であるときに使用される変動パターンテーブル(時短状態用飾り図柄変動パターンテーブル)とを用いてもよい。この場合には、各飾り図柄変動パターンテーブルに、複数種類の飾り図柄変動パターンを設定するようにしてもよい。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ101が、予告演出の実行の有無、および予告演出の演出内容、再抽選演出の実行の有無、などを決定するようにしてもよく、この場合には、演出制御用マイクロコンピュータ101は、主基板31からの変動パターンコマンドが示す変動時間や変動結果にもとづいて、予告演出を実行するか否か、および予告演出の演出内容、再抽選演出の実行の有無を決定するようにしてもよい。
なお、この例では、確変大当りの場合であっても終了時再抽選演出を実行することを示す確変大当り終了時指定コマンドを受信した場合には、非確変図柄表示フラグをセットすることにより飾り図柄の表示結果として非確変図柄を導出表示する。このように構成することにより、飾り図柄の可変表示の実行期間にて非確変図柄を停止表示して確変大当りであることを報知することなく、終了時再抽選演出にて確変大当りである旨を報知するため、飾り図柄の可変表示の実行期間に確変図柄であることを報知し、終了時再抽選演出に対する興味が失われることを防止できる。
また、再抽選変動パターンであっても確変大当り終了時指定コマンドを受信している場合には、非確変図柄表示フラグがセットされることにより、飾り図柄の停止図柄として非確変図柄を決定し、仮停止図柄を決定しない。この場合には、再抽選演出にて仮停止表示される飾り図柄の組み合わせと停止表示される飾り図柄の組み合わせとは同一の飾り図柄の組み合わせとなるが、再抽選変動パターンを示す変動パターンコマンドと確変大当り終了時指定コマンドとを受信しているときにも仮停止図柄を決定し、停止表示される飾り図柄の組み合わせとは異なる組み合わせの飾り図柄を仮停止表示するようにしてもよい。
ステップS827の処理を終了すると演出制御用マイクロコンピュータ101は、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理に応じた値に更新する(ステップS828)。ステップS828で演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理に応じた値に更新することにより次回のタイマ割込にて飾り図柄変動開始処理が実行される。
なお、図示していないが、主基板31から変動パターンを受信していない場合、すなわち、変動パターン受信フラグがセットされていない場合に(ステップS811;N)、主基板31から客待ちデモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(デモ開始コマンド)を受信していれば、可変表示装置9、ランプ・LED、スピーカなどを制御して客待ちデモ演出を実行する。客待ちデモ演出の実行中に変動パターンコマンドを受信した場合には(ステップS811;Y)、客待ちデモ演出を終了し、ステップS812以下の処理を実行する。
図25は、図22に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、飾り図柄通常処理のステップS827で決定した飾り図柄変動パターンに応じたプロセステーブルを選択し(ステップS831)、選択したプロセステーブルの最初に設定されるプロセスデータの内容に従って演出装置(この実施の形態では、可変表示装置9、ランプ・LED、スピーカ27等)を制御する(ステップS832)。例えば、表示制御実行データ1の内容に応じた信号を、LCDによる可変表示装置9に与える。
なお、表示制御実行データにはROMのアドレスが設定され、そのアドレスから始まる領域により詳細な制御データを格納しておき、それらの制御データに従ってLCD制御を行うように構成してもよい。また、ステップS832では、プロセスデータ中のランプ制御実行データ1にもとづいてランプ・LED制御を行う。例えば、ランプ制御実行データ1の内容に応じた信号を各ランプ・LEDに与える。なお、ランプ制御実行データにはROMのアドレスが設定され、そのアドレスから始まる領域に、より詳細な制御データを格納しておき、それらの制御データに従ってランプ・LED制御を行うように構成してもよい。
また、ステップS832では、プロセスデータ中の音番号データを音声出力基板70に出力する。音声出力基板70において、音声合成用IC703は、音番号データに応じたデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。
その後、演出制御プロセスフラグ(プロセスフラグ)の値を飾り図柄変動中処理に対応した値にする(ステップS833)。
図26は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、飾り図柄変動パターンに応じた変動時間がセットされる変動時間タイマを減算し(ステップS840)、変動時間タイマがタイムアウトしていたら(ステップS841;Y)、換言すると、飾り図柄の変動時間が経過したら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理に対応する値に更新する(ステップS842)。
一方、変動時間タイマがタイムアウトするまでは、演出制御プロセスフラグ(プロセスフラグ)が更新されず、飾り図柄変動中処理が繰り返し実行される。具体的には、変動時間タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS841;N)、プロセスデータのプロセスタイマ設定値がセットされたプロセスタイマを1減算し(ステップS843)、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS844;Y)、プロセステーブル中の次のプロセスデータに切り替え(ステップS845)、切り替えたプロセスデータの内容に従って演出装置を制御する(ステップS846)。ステップS844でプロセスタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS844;N)、実行中のプロセスデータにもとづく演出装置の制御を継続して実行すべくステップS846に進む。
また、特別演出(加算演出、減算演出)を実行することを示す獲得数更新フラグがセットされていなければ(ステップS847;N)、処理を終了する。一方、獲得数更新フラグがセットされていれば(ステップS847;Y)、特別演出に対応してアイテムの獲得数を更新するタイミングを示す更新タイマを減算し(ステップS848)、更新タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS849;N)、処理を終了する。更新タイマがタイムアウトしていれば(ステップS849;Y)、獲得数更新フラグをリセットし(ステップS850)、可変表示装置9に表示制御するアイテムの獲得数を更新表示する(ステップS851)。
なお、この実施の形態では、可変表示の実行期間に確変大当りである旨を報知する場合に、仮停止図柄として非確変図柄を仮停止表示した後、確変図柄を導出表示するが、これに限らず、確変図柄を仮停止表示した後、当該確変図柄を再び可変表示して同一または異なる確変図柄を導出表示する構成としてもよい。また、非確変大当りである場合に、再抽選演出を実行して仮停止図柄として確変図柄を仮停止表示した後、当該確変図柄を再び可変表示して非確変図柄を導出表示するようにしてもよい。この場合には、再抽選演出として確変図柄に昇格させる演出、非確変図柄を維持させる演出、非確変図柄に降格させる演出、確変図柄を維持させる演出、の複数種類の演出を実行することができるが、確変図柄から非確変図柄に降格した場合に遊技者の興趣を必要以上に低下させる虞があるため望ましくない。
図27は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理(ステップS805)を示すフローチャートである。ラウンド中処理では、大当り表示処理にて選択されたプロセステーブルに従って演出装置を制御する処理が実行される。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ101は、プロセスデータの内容に従って演出装置を制御し(ステップS920)、プロセスタイマを1減算する(ステップS921)。そして、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS922;Y)、選択しているプロセステーブルの次のプロセスデータに切り替え(ステップS923)、切り替えたプロセスデータの内容に従って演出装置を制御する(ステップS924)。ステップS922でプロセスタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS922;N)、実行中のプロセスデータにもとづく演出装置の制御を継続し、ステップS925へ進む。大当り遊技状態のラウンド実行中には、例えば、飾り図柄変動停止処理で導出表示した大当り図柄を可変表示装置9にて表示するとともにラウンド数を示す文字、その他のキャラクタ、アイテムの獲得数などを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ101は、大入賞口を閉塞することを示す閉塞表示コマンドを受信したら(ステップS925;Y)、大入賞口の閉塞中に実行される演出であるラウンドインターバル演出に応じたプロセステーブルを選択し(ステップS926)、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1の内容に従って演出装置を制御し(ステップS927)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理に応じた値に更新して処理を終了する(ステップS928)。なお、ラウンドインターバル演出としてラウンド数に応じた演出を実行する場合には、ラウンド数に応じて選択するプロセステーブルを異ならせるようにしてもよい。
ステップS925で閉塞表示コマンドを受信していなければ(ステップS925;N)、大当り遊技状態の終了表示を指示する大当り終了表示コマンドを受信しているか否か判定し(ステップS929)、大当り終了表示コマンドを受信していなければ(ステップS929;N)、処理を終了する。一方、大当り終了表示コマンドを受信していれば(ステップS929;Y)、終了時再抽選フラグがセットされているか否か確認する(ステップS930)。上述したように終了時再抽選フラグは、大当り遊技状態を終了するときに終了時再抽選演出を実行することを示すフラグである。
ステップS930で終了時再抽選フラグがセットされていれば(ステップS930;Y)、終了時再抽選演出に応じたプロセステーブルを選択し(ステップS931)、終了時再抽選演出に対応して可変表示装置9に表示されるアイテムの獲得数を更新するタイミングを示す報知演出開始タイマおよび終了時再抽選演出におけるアイテムの獲得数を更新してからの残りの実行時間を示す報知演出タイマをセットする(ステップS932)。そして、ステップS935に移行する。一方、終了時再抽選フラグがセットされていなければ(ステップS930;N)、通常の大当り遊技状態終了表示を行うための大当り終了表示コマンドに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS933)。なお、大当り遊技状態終了表示は、以後の遊技状態を報知する表示が含まれる。すなわち、確変大当りであれば、確変状態に制御する旨(例えば、「確変だよ」等)を報知し、非確変大当りであれば、この例では時短状態に制御する旨(例えば、「時短100回」等)を報知する。
なお、飾り図柄の可変表示の実行期間にて再抽選演出を実行して非確変図柄を確変図柄に昇格させた場合に確変大当りに昇格して確変状態に制御する旨を報知する演出の制御内容を示すプロセステーブルを選択するようにしてもよい。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ101は、待機時間計測タイマをセットし(ステップS934)、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理に応じた値に更新して処理を終了する(ステップS935)。なお、待機時間計測タイマは、大当り遊技状態における最後のラウンドを終了してから次に特別図柄の可変表示を開始するまでの待機時間を示すタイマであり、この待機時間計測タイマにより遊技制御用マイクロコンピュータ60と演出制御用マイクロコンピュータ101とを同期させている。
このように、この例では、終了時再抽選演出を実行する場合に主基板31から大当り終了表示コマンドを受信した場合であっても通常の大当り遊技状態終了表示を行わない。換言すると、終了時再抽選演出の優先度を通常の大当り遊技状態終了表示よりも高く設定され、終了時再抽選演出を実行する場合には通常の大当り遊技状態終了表示を行わない。
図28は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、ラウンド中処理のステップS931またはS933で選択したプロセステーブルに設定されるプロセスデータの内容に従って演出装置を制御し(ステップS980)、プロセスタイマを1減算する(ステップS981)。そして、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS982;Y)、選択しているプロセステーブルの次のプロセスデータに切り替え(ステップS983)、切り替えたプロセスデータの内容に従って演出装置を制御する(ステップS984)。ステップS982でプロセスタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS982;N)、実行中のプロセスデータにもとづく演出装置の制御を継続して実行する。
なお、確変大当りを終了する場合、換言すると終了時再抽選フラグがセットされていないときに特定大当り終了表示コマンドを受信した場合には、ラウンド中処理のステップS933で確変大当り終了表示に応じたプロセスデータが選択され、例えば、可変表示装置9において所定のキャラクタなどを表示することにより確変状態の制御を開始する旨を遊技者に報知する。また、非確変大当りを終了する場合、換言すると終了時再抽選フラグがセットされていないときに非特定大当り終了表示コマンドを受信した場合には、ラウンド中処理のステップS933で非確変大当り終了表示に応じたプロセスデータが選択され、例えば、可変表示装置9において時短状態にて実行可能な可変表示回数(変動回数)を表示するとともに所定のキャラクタなどを表示することにより時短状態の制御を開始する旨を遊技者に報知する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ101は、終了時再抽選フラグがセットされているか否か判定する(ステップS985)。上述したように終了時再抽選フラグは大当り遊技状態を終了するとき(大当り終了演出処理を実行しているとき)に確変大当りである旨を報知する終了時再抽選演出を実行することを示すフラグである。演出制御用マイクロコンピュータ101は、終了時再抽選フラグがセットされていなければ(ステップS985;N)、待機時間計測タイマを1減算し(ステップS993)、待機時間計測タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS994;N)、処理を終了する。待機時間計測タイマがタイムアウトしていれば(ステップS994;Y)、ステップS995に進む。
一方、終了時再抽選フラグがセットされていたら(ステップS985;Y)、演出制御用マイクロコンピュータ101は、報知演出開始タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS986;N)、報知演出開始タイマを1減算し(ステップS987)、報知演出開始タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS988;N)、処理を終了する。報知演出開始タイマがタイムアウトしたら(ステップS988;Y)、可変表示装置9に表示制御するアイテムの獲得数を更新表示する(ステップS989)。上述したように、この実施の形態では、終了時再抽選演出として所定数のアイテムを放出することと引き換えに非確変大当りを確変大当りに昇格させる演出を行う。ステップS989では、表示しているアイテムの獲得数を減算後(アイテム放出後)のアイテムの個数に更新表示する。
ステップS989で可変表示装置9に表示制御するアイテムの獲得数を更新表示した後およびステップS986で報知演出開始タイマがタイムアウトしていると判定した後(ステップS986;Y)、報知演出タイマを1減算し(ステップS990)、報知演出タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS991;N)、終了時再抽選演出が実行中であると判定して処理を終了する。報知演出タイマがタイムアウトしていれば(ステップS991;Y)、終了時再抽選フラグをリセットし(ステップS992)、判定結果フラグ(この場合には、確変図柄表示フラグ、非確変図柄表示フラグ)をリセットして(ステップS995)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄通常処理に応じた値に更新して処理を終了する(ステップS996)。
このように、この実施の形態では、大当り遊技状態の開始後に確変大当りである旨を報知することに決定されるとともに、可変表示の実行期間に再抽選演出を実行することに決定された場合に、可変表示の実行期間における再抽選演出にて非確変図柄を導出表示することにより非確変大当りである旨の報知を行い、大当り遊技状態を終了するときに所定数のアイテムを放出することと引き換えに非確変大当りを確変大当りに昇格させる演出を行って確変大当りである旨の報知を行うため、以後の遊技状態を正確に遊技者に報知でき、遊技者に不利益を与えない。また、可変表示の実行期間に確変大当りである旨を報知することにより終了時再抽選演出に対する興味が失われることを防止できるとともに、アイテムの獲得数が多いときに非確変大当りとなった場合には確変大当りに対する期待感を高めることができるため、アイテムの獲得に対する興趣を向上させることができる。
次に可変表示装置9にて実行される表示制御の具体的に態様例について説明する。図29には、可変表示の実行期間における再抽選演出の態様例および大当り遊技状態を終了するときに実行される終了時再抽選演出の態様例が示されている。なお、可変表示装置9の右下部には、主基板31から送信される特別演出に応じた変動パターンを示す変動パターンコマンドおよび特定領域に侵入した遊技球の個数を示す特定領域入賞コマンドに応じて更新表示するアイテム(図29に示す例では、コイン)の獲得数が表示制御される。
遊技制御用マイクロコンピュータ60から再抽選演出を実行する変動パターンコマンドおよび可変表示の実行期間に確変大当りとなることを報知する旨を示す確変大当り停止時指定コマンドを受信すると、演出制御用マイクロコンピュータ101は、飾り図柄通常処理のステップS817で仮停止図柄を決定する。一方、遊技制御用マイクロコンピュータ60から再抽選演出を実行する変動パターンコマンドおよび大当り遊技状態の開始後に確変大当りとなることを報知する旨を示す確変大当り終了時指定コマンドを受信した場合には、飾り図柄の停止図柄として非確変図柄に決定し、決定した非確変図柄を仮停止図柄としても使用する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ101は、飾り図柄変動開始処理のステップS831で当該変動パターン応じたプロセステーブルを選択し、選択したプロセステーブルに設定されるプロセスデータの内容に従って可変表示装置9を表示制御することにより飾り図柄の可変表示を開始する(図29(A))。
上述したようにこの例では、可変表示装置9の「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部にて可変表示する飾り図柄を左飾り図柄(図29(B))→右飾り図柄(図29(C))→中飾り図柄(図29(D))の順に停止表示する。図29(C)で左飾り図柄および右飾り図柄を同一の飾り図柄で停止表示することでリーチとなり、図29(D)で左中右飾り図柄を同一の飾り図柄で停止表示することで大当り図柄(図29(D)に示す例では、飾り図柄通常処理のステップS820で決定した非確変図柄、飾り図柄の可変表示の実行期間に確変大当りである旨を報知する場合には飾り図柄通常処理のステップS817で決定した非確変図柄)を停止表示する。このとき、演出制御用マイクロコンピュータ101は、図29(E)に示すような所定の大当り報知用画像を可変表示装置9に表示制御し、遊技者に大当り遊技状態が発生した旨を報知する。これにより、遊技者に飾り図柄の可変表示の表示結果が非確変大当りになったものと判断させることができる。
そして、可変表示装置9に非確変図柄を仮停止表示させてから所定期間経過後に、演出制御用マイクロコンピュータ101は、図29(F)に示すような再抽選報知用画像を可変表示装置9に表示制御し、遊技者に非確変大当りを確変大当りに昇格させるか否かの再抽選演出が行われることを報知する。続いて、演出制御用マイクロコンピュータ101は、図29(G)に示すように非確変図柄で仮停止表示されている飾り図柄の可変表示を再開させる。
その後、飾り図柄の可変表示を開始してから所定の可変表示時間が経過したとき、可変表示装置9に飾り図柄通常処理のステップS815で決定した非確変図柄(可変表示の実行期間に確変大当りである旨を報知する場合には飾り図柄通常処理のステップS818で決定した確変図柄)を導出表示した後(図29(H))、再抽選演出の結果を報知する報知画像として「成り上がり失敗・・・」を可変表示装置9に表示制御して再抽選演出の結果、確変大当りに昇格しなかった旨を遊技者に報知する(図29(I))。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、主基板31から送信された大当り表示開始コマンドB100(H)を受信すると、大当り遊技状態における表示制御を開始する。大当り遊技状態では、主基板31からの演出制御コマンドに応じてラウンドの開始報知、ラウンドの終了報知、大入賞口へ入賞した遊技球数報知、アイテムの獲得数の更新表示、などが実行される。図29に示す例では、大当り遊技状態にて特定領域に16個の遊技球が侵入し、可変表示装置9に表示制御するアイテムの獲得数として大当り遊技状態の実行前の獲得数「35」から「51」に更新表示されている。なお、この実施の形態では。アイテムの獲得数は特定領域に遊技球が侵入する毎に更新表示されるが、大当り遊技状態を終了するときに大当り遊技状態にて特定領域に侵入した遊技球の個数を報知するとともにアイテムの獲得数を更新表示するようにしてもよい。
大当り遊技状態が終了すると、主基板31の側では、大入賞口開放中処理のステップS158で大当り終了表示コマンド(この例では、特定大当り終了表示コマンド)をセットし、大入賞口開放中処理のステップS160で終了時報知フラグがセットされていることにもとづいて通常の大当り遊技状態終了表示の実行時間(終了報知実行時間)よりも長い再抽選実行時間をセットする。
これに対し、演出制御基板80側では、ラウンド中処理のステップS929で主基板31からの大当り終了表示コマンドを受信したときに終了時再抽選フラグがセットされていれば通常の大当り遊技状態終了表示を実行せずに終了時再抽選演出を実行する。具体的には、ラウンド中処理のステップS930で終了時再抽選フラグがセットされていなければステップS933で受信した大当り終了表示コマンドに応じたプロセステーブル(特定大当り終了表示コマンドに応じたプロセステーブルまたは非特定大当り終了表示コマンドに応じたプロセステーブル)を選択することで通常の大当り遊技状態終了表示を実行するのに対し、ラウンド中処理のステップS930で終了時再抽選フラグがセットされていればステップS931で終了時再抽選演出に応じたプロセステーブルを選択することで通常の大当り遊技状態終了表示を実行することなく終了時再抽選演出を実行する。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ101は、可変表示装置9に終了時再抽選演出を実行する旨を報知する画像として終了時再抽選報知画像「コイン30枚で確変大当りに変化!!」を表示制御し(図29(K))、非確変図柄で停止表示している飾り図柄を可変表示させるとともにアイテムの獲得数を更新表示し(図29(L))、所定期間経過後に確変図柄を停止表示する(図29(M))。上述したように、この実施の形態では、終了時再抽選演出として所定数のアイテムを放出することと引き換えに非確変大当りを確変大当りに昇格させる演出を行う。図29に示す例では、コイン30枚を放出することと引き換えに非確変大当りを確変大当りに昇格させる旨を表示した後、確変図柄を停止表示させて確変大当りである旨を報知する。このとき、終了時再抽選演出を実行する以前にコインの獲得数として可変表示装置9に表示制御されている「51」から放出したアイテム数「30」を減算した値「21」に更新表示する。
なお、図29(M)における停止図柄は、確変図柄であればその組み合わせは問わない。換言すると、この実施の形態では同一の奇数図柄の組み合わせであれば何でもよい。また、図29(M)で停止表示される確変図柄として常に同一の組み合わせの確変図柄(例えば、「777」)としてもよいし、複数種類の確変図柄のいずれかとしてもよい。図29(M)で停止表示される確変図柄として複数種類の確変図柄のいずれかとする場合には、大当り遊技状態を開始する以前に予め確変図柄を決定するようにしてもよいし(例えば、飾り図柄通常処理にて終了時再抽選フラグがセットされていたら確変図柄を決定する)、終了時再抽選演出を実行するときに確変図柄を決定するようにしてもよい(例えば、大入賞口開放中処理のステップS160で終了時報知フラグがセットされていたら確変図柄を決定する)。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ101は、図29(N)に示す所定の再抽選結果報知画像「確変突入!!」を可変表示装置9に表示制御して終了時再抽選演出の結果、確変大当りに昇格し、大当り遊技状態終了後の遊技状態を確変状態に昇格した旨の報知がなされる。
以上説明したように、この実施の形態におけるパチンコ遊技機1は、大当り遊技状態の開始後に確変大当りである旨を報知する場合には、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示の表示結果として非確変図柄を導出表示し、大当り遊技状態の開始後に実行される終了時再抽選演出にて確変大当りである旨を報知するため、飾り図柄の可変表示にて非確変図柄が導出表示された場合に終了時再抽選演出に対する期待感を高めることができる。また、飾り図柄の可変表示にて確変図柄が導出表示されて終了時再抽選演出に対する期待感が失われることを防止できる。
また、この実施の形態では、可変表示の実行期間に行われる再抽選演出では所定数のアイテムを放出しない(成立数カウンタを減数しない)のに対し、大当り遊技状態の開始後に行われる終了時再抽選演出では所定数のアイテムを放出する(成立数カウンタを減数する)。すなわち、可変表示の実行期間に行われる再抽選演出はアイテムの獲得数に関わらず実行可能であるが、終了時再抽選演出はアイテムの獲得数に関わるため、アイテム数に応じて実行可能な場合と実行できない場合とがある。アイテム数が多い場合には、終了時再抽選演出が実行可能であるため、非確変大当りとなったときに終了時再抽選演出の実行に対する期待感を高めることができる。このように、アイテムの獲得数によって確変大当りの期待感を向上させることができるため、アイテムの獲得に対して興味を抱かせることができ、大当りとならない通常の遊技においても遊技者の興趣を向上させることができる。
また、可変表示の実行期間に行われる再抽選演出においても所定数のアイテムを放出することと引き換えに非確変大当りを確変大当りに昇格させるようにしてもよい。このように構成することにより、さらにアイテムの獲得に対する興味を高めることができ、大当りとならない通常の遊技における遊技者の興趣を向上させることができる。なお、可変表示の実行期間に行われる再抽選演出にてアイテムを放出することと引き換えに非確変大当りを確変大当りに昇格させる演出と、アイテムを放出することなく非確変大当りを確変大当りに昇格させる演出と、アイテムを放出することなく非確変大当りを確変大当りに昇格させない演出と、を実行するようにしてもよく、この場合にもアイテムの獲得に対する興味を高めることができる。
上述した実施形態では、非確変大当りとなる場合には終了時再抽選演出を実行しない例を示したが、非確変大当りとなる場合であっても終了時再抽選演出を実行するようにしてもよい。この場合には、所定数のアイテムを放出することと引き換えに非確変大当りを確変大当りに昇格させるか否かを示す終了時再抽選演出を実行するようにすればよい。なお、非確変大当りとなる場合には確変大当りに昇格させず、非確変大当りであることを報知する。また、上述した実施形態では、報知時期判定処理のステップS107a2で大当り遊技状態の開始後に確変大当りである旨の判定がなされた場合に、ステップS107a3で成立数カウンタのカウント値が所定値未満のときには終了時再抽選演出を実行しない例を示したが、成立数カウンタのカウント値が所定値未満であっても所定の割合で終了時再抽選演出を実行するようにしてもよいし、成立数カウンタのカウント値が所定値以上であっても所定の割合で終了時再抽選演出を実行しないようにしてもよい。以下、非確変大当りとなる場合にも終了時再抽選演出を実行可能とした例および成立数カウンタのカウント値に応じて所定の割合で終了時再抽選演出を実行する例を示す。なお、特に説明しない部分については上記した例と同一とし、重複した説明を行わない。
図30は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止図柄設定処理の例を示すフローチャートである。この例では、大当りとなる場合には確変大当りであるか否かに関わらず報知時期判定処理を実行して大当り遊技状態の開始後に終了時再抽選演出を実行するか否かを決定する(ステップSA107a)。図31に示す報知時期判定処理では、まず成立数カウンタのカウント値が0でないか確認する(ステップSA107a1)。この例では、成立数カウンタのカウント値が0の場合には終了時再抽選演出を実行するか否かの判定を行うことなく処理を終了する。すなわち、終了時再抽選演出を実行しない。上述したように、終了時再抽選演出は、所定数のアイテムを放出することと引き換えに非確変大当りを確変大当りに昇格させるか否かを示す演出であるため、アイテム数が0である場合には放出するアイテムがないため実行しないようにしている。終了時再抽選演出の実行条件として設定されるアイテム数(成立数カウンタ)の下限値は、0に限られない。例えば、アイテム数の下限値として4を設定し、アイテム数が5以上のとき(成立数カウンタのカウント値が5以上のとき)に終了時再抽選演出を実行可能な状態、すなわち、終了時再抽選演出を実行するか否かの判定を行うようにしてもよい。
成立数カウンタのカウント値が0でなければ(ステップSA107a1;Y)、確変大当りか否かおよび成立数カウンタのカウント値に応じて報知時期判定用乱数(ランダム9)と比較される報知時期判定テーブルを選択するための処理を行う。具体的には、確変大当りとなる場合に成立数カウンタのカウント値が所定値以上であれば(ステップSA107a2;Y,ステップSA107a4;Y)、報知時期判定テーブル1を選択し(ステップSA107a4)、確変大当りとなる場合に成立数カウンタのカウント値が所定値未満であれば(ステップSA107a2;Y,ステップSA107a4;N)、報知時期判定テーブル2を選択し(ステップSA107a5)、非確変大当りとなる場合に成立数カウンタのカウント値が所定値以上であれば(ステップSA107a2;N,ステップSA107a6;Y)、報知時期判定テーブル3を選択し(ステップSA107a7)、非確変大当りとなる場合に成立数カウンタのカウント値が所定値未満であれば(ステップSA107a2;N,ステップSA107a6;N)、報知時期判定テーブル4を選択する(ステップSA107a8)。
図32は、報知時期判定テーブルの一例である。各テーブルには異なる割合で判定値(報知時期判定値)が振り分けられている。例えば、確変大当りとなる場合に成立数カウンタのカウント値が所定値以上であるときに選択される報知時期判定テーブル1は、90/100の割合(90%の割合)で大当り遊技状態の開始後に確変大当りである旨を報知、すなわち終了時再抽選演出が実行されるように設定され、確変大当りとなる場合に成立数カウンタのカウント値が所定値未満であるときに選択される報知時期判定テーブル2および非確変大当りとなる場合に成立数カウンタのカウント値が所定値未満であるときに選択される報知時期判定テーブル4は、2/100の割合(2%の割合)で終了時再抽選演出が実行されるように設定され、非確変大当りとなる場合に成立数カウンタのカウント値が所定値以上であるときに選択される報知時期判定テーブル3は、10/100の割合(10%の割合)で終了時再抽選演出が実行されるように設定される。
図32に示すように、成立数カウンタのカウント値が所定値以上である場合には成立数カウンタのカウント値が所定値未満の場合に比べて終了時再抽選演出を実行する割合が高くなる。換言すると、成立数カウンタのカウント値が所定値未満である場合には成立数カウンタのカウント値が所定値以上の場合に比べて終了時再抽選演出を実行する割合が低くなる。なお、上述したようにこの例では、成立数カウンタのカウント値が所定値以上であれば(図32に示す報知時期判定テーブル1および報知時期判定テーブル3を用いて判定を行う場合)、終了時再抽選演出を実行して確変大当りに昇格する割合(昇格信頼度=確変大当りでの終了時再抽選演出の出現率/終了時再抽選演出の出現率×100)は90%であり、成立数カウンタのカウント値が所定値未満であれば(図32に示す報知時期判定テーブル2および報知時期判定テーブル4を用いて判定を行う場合)、終了時再抽選演出を実行して確変大当りに昇格する割合は50%である。このように、この例では、成立数カウンタのカウント値が多い場合(この例では、所定値以上である場合)には、成立数カウンタのカウント値が少ない場合(この例では、所定値未満である場合)に比べて昇格信頼度が高くなるように報知時期判定テーブルが設定されるため、成立数カウンタのカウント値が多い場合、すなわちアイテムの獲得数が多い場合に非確変大当りとなった場合であっても確変大当りに対する期待感を向上させることができる。
ステップSA107a3〜ステップSA107a8で選択した報知時期判定テーブルとランダム9とにもとづいて終了時再抽選演出を実行する旨の決定がなされた場合には(ステップSA107a10;Y)、終了時報知フラグをセットし(ステップSA107a11)、成立数カウンタを減算して処理を終了する(ステップSA107a12)。この例ではステップSA107a12で減算される値は、成立数カウンタが所定値以上であるか否かによって異なり、成立数カウンタのカウント値が所定値以上であれば成立数カウンタから所定値を減算し、成立数カウンタのカウント値が所定値未満であれば成立数カウンタを0にする。なお、終了時再抽選演出の実行条件として成立数カウンタの下限値を設けた場合には、成立数カウンタのカウント値が所定値未満であるときに成立数カウンタのカウント値から下限値を減算するようにしてもよい。
報知時期判定処理が終了すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、確変大当りか否かおよび終了時再抽選演出を実行するか否かに応じて演出制御基板80に送信する判定結果コマンドを選択する。この例では、判定結果コマンドとして、図33に示すように、確変大当りである場合に終了時再抽選演出を実行しない旨を特定可能な確変大当り停止時指定コマンド(8200(H))と、確変大当りである場合に終了時再抽選演出を実行する旨を特定可能な確変大当り終了時指定コマンド(8201(H))と、非確変大当りである場合に終了時再抽選演出を実行しない旨を特定可能な非確変大当り停止時指定コマンド(8202(H))と、非確変大当りである場合に終了時再抽選演出を実行する旨を特定可能な非確変大当り終了時指定コマンド(8203(H))と、が設けられている。
遊技制御用マイクロコンピュータ60は、確変大当りであるか否かおよび終了時再抽選演出を実行するか否かにもとづいて判定結果コマンドを選択し、選択した判定結果コマンドに応じてコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップSA107b〜ステップSA107h)。演出制御用マイクロコンピュータ101は、受信した判定結果コマンドに応じて所定の処理を実行する。具体的には、図34に示すコマンド解析処理において、コマンド受信バッファから読み出した演出制御コマンドが確変大当り停止時指定コマンドであれば(ステップSA617a;Y)、確変図柄表示フラグをセットする(ステップSA617b)。ステップSA617bで確変図柄表示フラグがセットされることにより、飾り図柄通常処理のステップS818で飾り図柄の停止図柄として確変図柄が決定され、可変表示装置9にて飾り図柄の可変表示の表示結果を導出表示するときに確変大当りとなる旨を報知し、終了時再抽選演出を行わない。
また、コマンド受信バッファから読み出した演出制御コマンドが確変大当り終了時指定コマンドであれば(ステップSA618a;Y)、非確変図柄表示フラグをセットする(ステップSA618b)とともに、終了時再抽選フラグをセットする(ステップSA618c)。ステップSA618bで非確変図柄表示フラグがセットされることにより、飾り図柄通常処理のステップS815で飾り図柄の停止図柄として非確変図柄が決定され、可変表示装置9にて飾り図柄の可変表示の表示結果を導出表示するときには確変大当りとなる旨を報知しない。そして、終了時再抽選フラグがセットされることにより、大当り遊技状態を開始した後、ラウンド中処理のステップS931で終了時再抽選演出に応じたプロセステーブルを選択し、大当り終了演出処理にて終了時再抽選演出を実行して確変大当りである旨を報知する。
また、コマンド受信バッファから読み出した演出制御コマンドが非確変大当り停止時指定コマンドであれば(ステップSA619a;Y)、非確変図柄表示フラグをセットする(ステップSA619b)。ステップSA619bで非確変図柄表示フラグがセットされることにより、飾り図柄通常処理のステップS815で飾り図柄の停止図柄として非確変図柄が決定され、可変表示装置9にて飾り図柄の可変表示の表示結果を導出表示するときに非確変大当りとなる旨を報知し、終了時再抽選演出を行わない。
また、コマンド受信バッファから読み出した演出制御コマンドが非確変大当り終了時指定コマンドであれば(ステップSA620a;Y)、非確変図柄表示フラグをセットする(ステップSA620b)とともに、終了時再抽選フラグをセットする(ステップSA620c)。ステップSA620bで非確変図柄表示フラグがセットされることにより、飾り図柄通常処理のステップS815で飾り図柄の停止図柄として非確変図柄が決定され、可変表示装置9にて飾り図柄の可変表示の表示結果を導出表示するときに非確変大当りとなる旨を報知する。そして、終了時再抽選フラグがセットされることにより、大当り遊技状態を開始した後、ラウンド中処理のステップS931で終了時再抽選演出に応じたプロセステーブルを選択し、大当り終了演出処理にて終了時再抽選演出を実行して非確変大当りである旨を報知する。
なお、この例では、終了時再抽選演出を実行しても非確変大当りから確変大当りに昇格しない場合があるため、終了時再抽選演出を実行する旨を報知する画像として例えば、「コイン30枚で確変大当りに変化するかも!」等を表示制御するようにしてもよい。終了時再抽選演出では、可変表示装置9による飾り図柄を可変表示させ、所定期間経過後、非確変図柄または確変図柄を導出表示させる。この結果、確変図柄が導出表示されたときには、可変表示装置9やスピーカ27などを用いて確変大当りに昇格した旨の報知演出を実行する一方で、非確変図柄が導出表示されたときには、昇格しなかった旨の報知演出を実行するようにしてもよい。また、導出表示させた非確変大当り図柄を可変表示させることなく、例えば所定のアニメ画像を伴った演出表示などを行った後に、非確変図柄または確変図柄に変更させるようにしてもよい。
また、終了時再抽選演出にて飾り図柄を表示することなく、確変大当りとするか否かを報知するアニメ画像などを表示するようにしてもよい。例えば大当り遊技状態を終了するときに可変表示装置9でルーレットゲームを開始させ、回転するルーレットに投入されたボールが「奇数」に入ったときには、可変表示装置9上に「確変!!」と表示して、確変大当りに昇格することを報知するようにし、投入されたボールが「偶数」に入ったときには、可変表示装置9上に「残念!!」と表示して、確変大当りに昇格しなかったことを報知するようにしてもよい。
また、上述した例では、成立数カウンタのカウント値が所定値以上であるか否か、換言するとアイテムの獲得数が所定数以上であるか否かに応じて昇格信頼度を異ならせるように構成しているが、アイテムの獲得数に応じて昇格信頼度が異なる複数の段階を設定するようにしてもよく、この場合には、アイテムの獲得数多い段階においてアイテムの獲得数が少ない段階よりも昇格信頼度が高くなるようにしてもよい。このように構成することにより、アイテムの獲得数が多くなるほどに確変大当りに対する期待感を向上させることができる。また、この場合に、アイテムの獲得数が多い段階においてアイテムの獲得数が少ない段階よりも放出するアイテムの個数を多くするようにしてもよい。このように構成することにより、終了時再抽選演出にて放出するアイテムの個数が多い程、昇格信頼度が高くなり、終了時再抽選演出が実行されたときに確変大当りに昇格するため、アイテムの獲得数が多いときに確変大当りへの期待感を高めることができる。
このように、非確変大当りとなる場合に終了時再抽選演出を実行して非確変大当りである旨を報知するため、終了時再抽選演出が実行されたときに確変大当りに昇格するか否かを予測することが困難になり、終了時再抽選演出に注目させることができる。また、アイテムの獲得数が多い場合には、アイテムの獲得数が少ない場合に比べて終了時再抽選演出を実行する割合が高くなるとともに、アイテムの獲得数が多い場合にアイテムの獲得数が少ない場合に比べて昇格信頼度(終了時再抽選演出を実行して確変大当りに昇格する割合)が高くなるため、アイテムの獲得数が多い場合に非確変大当りとなったときには終了時再抽選演出および確変大当りに対する期待感を向上させることができ、アイテムの獲得数が多い場合には遊技をやめ難くなる。
なお、この実施の形態では、主基板31側にて終了時再抽選演出を実行する旨の決定がなされ、確変大当りであるときには大当り遊技状態を終了するときに特定大当り終了表示コマンドB500(H)が演出制御基板80に対して送出される。演出制御用マイクロコンピュータ101は、当該演出制御コマンドによって昇格させるか否かを把握することが可能になるため、確変大当りであるにもかかわらず終了時再抽選演出の結果、確変大当りに昇格させないといった誤った態様で終了時再抽選演出が実行されることを防止できる。
また、本実施形態では、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ101は、可変表示の実行期間における再抽選演出を実行するか否かを変動パターンコマンド80XX(H)から特定することができ、終了時再抽選演出を実行するか否かを判定結果コマンド82XX(H)から特定することができる。このため、可変表示の実行期間における再抽選演出の実行を指令する演出制御コマンドや、終了時再抽選演出の実行を指令する演出制御コマンドなどを別個設けなくても、可変表示の実行期間における再抽選演出や、終了時再抽選演出を実行することができるようになる。この結果、パチンコ遊技機1は、演出制御コマンドの種類を増加させることなく、多様な演出を実行することが可能となる。
加えて、終了時再抽選演出を実行するか否かおよび非確変大当りとするか確変大当りとするか否かは、判定結果コマンド82XX(H)によって示されるため、終了時再抽選演出を実行するか否かおよび非確変大当りとするか確変大当りとするか否かを変動パターンコマンド80XX(H)によって示させる場合に比べて、変動パターンコマンド80XX(H)の種類を減らすことができる。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ101は、主基板31から送信された大当り終了表示コマンドB5XX(H)を受信するとき、即ち大当り遊技状態を終了するときに、終了時再抽選演出の実行を開始するため、大当り遊技状態の全てのラウンドが終了した後においても遊技者に遊技に対する興味を持たせることが可能となる結果、遊技者の遊技に対する興趣を長期間保つことができる。
また、終了時再抽選演出の実行を伴わない通常の大当り遊技状態終了表示の実行時間(例えば4秒)は、終了時再抽選演出の実行時間(例えば12秒)よりも短くなるように設定されているので、終了時再抽選演出が実行されない場合には、大当り遊技状態終了表示の実行時間が無駄に長くなってしまうことを防止することができる。
なお、終了時再抽選演出では、非確変図柄を表示した後、当該非確変図柄を可変表示して確変図柄を停止表示するが、終了時再抽選演出にて最初に表示される非確変図柄は、可変表示の表示結果として導出表示された非確変図柄と同一であってもよいし、可変表示の表示結果として導出表示された非確変図柄とは異なる図柄であってもよい。
また、この実施の形態では、大当り遊技状態の開始後に確変大当りである旨を報知する場合に、大当り遊技状態における最後のラウンドが終了してから可変表示装置9にて飾り図柄の可変表示を開始するまでの期間に終了時再抽選演出を実行する構成としているが、これに限らず、大当り遊技状態を開始した後であれば確変大当りである旨を報知する時期は問わない。例えば、大当り遊技状態における所定のラウンドが実行中に確変大当りである旨を報知するようにしてもよいし、所定のラウンドから複数のラウンドに跨って確変大当りである旨を報知するようにしてもよい。また、大当り遊技状態におけるラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでのラウンドインターバル期間に確変大当りである旨を報知するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ60によって再抽選演出を実行するか否か(再抽選演出を実行する変動パターンを選択するか否か)および終了時再抽選演出を実行するか否かを判定する構成としているが、演出制御用マイクロコンピュータ101によって再抽選演出および終了時再抽選演出を実行するか否かを判定するようにしてもよい。また、この場合には、判定結果コマンドに応じて再抽選演出を実行するか否かおよび/または終了時再抽選演出を実行するか否かを判定するようにしてもよい。すなわち、判定結果コマンドとして確変大当り指定コマンドおよび非確変大当り指定コマンドを受信したときに再抽選演出を実行するか否かを判定するようにしてもよい。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ101によって再抽選演出および終了時再抽選演出を実行するか否かを判定する場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ60側で再抽選演出および終了時再抽選演出を実行するか否かを把握できない。そのため、演出制御用マイクロコンピュータ101にて可変表示の実行期間の再抽選演出を実行するか判定する場合には、大当りとなる変動パターン(この実施の形態では、図8の変動パターン番号15〜変動パターン番号22)の変動パターン全てに所定の猶予期間(例えば、飾り図柄を停止表示してから大当り遊技状態の制御を開始するまでの期間を長くする)を設けるようにしてもよく、演出制御用マイクロコンピュータ101によって再抽選演出を実行すると判定した場合には、猶予期間に再抽選演出を実行し、再抽選演出を実行しないと判定した場合には、猶予期間に飾り図柄をゆれ変動表示する等の演出を実行するようにしてもよい。
また、大当り遊技状態を終了するときの終了時再抽選演出を実行するか否か判定する場合には、終了時再抽選演出が実行されるか否かに関わらず遊技制御用マイクロコンピュータ60にて大当り終了表示コマンドを送信してから特別図柄表示器8にて特別図柄の可変表示を開始するまでの期間として予め決定されている期間(終了時再抽選演出を実行する期間と同一期間)を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ101にて終了時再抽選演出を実行しない場合であっても予め決定されている期間(終了時再抽選演出を実行する期間と同一期間)に亘って所定の演出(終了時再抽選演出とは異なる演出であって大当り遊技状態を終了させる旨を報知する演出)を実行するようにしてもよい。
また、演出制御基板80側の演出制御用マイクロコンピュータ101は、主基板31から送信される変動パターンコマンド80XX(H)に基づいて可変表示の実行期間における再抽選演出の実行の有無を判定し、判定結果コマンド82XX(H)に基づいて終了時再抽選演出の実行の有無を判定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば変動パターンコマンド80XX(H)から、可変表示の実行期間における再抽選演出の実行の有無と、終了時再抽選演出の実行の有無と、の双方を特定できるようにしてもよい。この場合には、はずれとなることを示す判定結果コマンドと、非確変大当りとなることを示す判定結果コマンドと、確変大当りとなることを示す判定結果コマンドと、の3種類の判定結果コマンドを設けるようにすればよい。
また、変動パターンコマンド80XX(H)を、可変表示装置9による飾り図柄の可変表示結果をはずれとするか大当りとするか、はずれの場合にリーチとするか否か、及び、大当りの場合に可変表示の実行期間における再抽選演出を実行するか否か、に加え、さらに確変大当りとするか否かを示すものとし、判定結果コマンド82XX(H)を、可変表示装置9による飾り図柄の可変表示結果を示すものとしてもよい。この場合、変動パターンコマンド80XX(H)が指定する可変表示パターンが非確変大当りとなる変動パターンのときには、演出制御基板80側の演出制御用マイクロコンピュータ101は、大当り遊技状態終了後の遊技状態を時短状態にするものと特定するようにし、確変大当りとなる変動パターンのときには、大当り遊技状態終了後の遊技状態を確変状態にするものと特定するようにすればよい。そして、変動パターンコマンド80XX(H)が指定する変動パターンが非確変大当りとなる変動パターンのときや、変動パターンコマンド80XX(H)が指定する変動パターンが確変大当りとなる変動パターンであり、且つ判定結果コマンド82XX(H)によって示される飾り図柄の可変表示結果が非確変大当りであるときには、終了時再抽選演出を実行するようにすればよい。
また、上記実施の形態における可変表示の実行期間における再抽選演出および大当り遊技状態の開始後に実行される終了時再抽選演出は、大当り遊技状態終了後の遊技状態を、遊技者にとって不利な時短状態から、遊技者にとって有利な確変状態に昇格させる演出表示であるとして説明した。しかしながら、本発明の再抽選演出や終了時再抽選演出は、これに限定されるものではなく、例えば大当り遊技状態を、不利なものから有利なものに昇格させる演出表示であるものとしてもよい。具体的には、大当り遊技状態の開始時に可変表示装置9による表示で報知されたラウンド数や大入賞口の開放時間を、再抽選演出により昇格させるような演出表示を行うものとしてもよい。例えば大当り遊技状態の開始時にラウンド数を「7」回と報知しておき、その後所定の再抽選演出を可変表示装置9にて実行してラウンド数が「15」回に昇格した旨を報知するようにする態様であってもよいし、また、大当り遊技状態の開始時に大入賞口の開放時間を「15秒」と報知しておき、その後所定の再抽選演出を可変表示装置9にて実行して大入賞口の開放時間が「30秒」に昇格した旨を報知するような態様であってもよい。すなわち、再抽選演出および終了時再抽選演出は、有利度合いが不利な状態から有利な状態へと昇格させるものであれば任意であり、その他のものであってもかまわない。
なお、上述した実施形態では、主基板31および演出制御基板80に各々マイクロコンピュータを搭載し、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ60から演出制御用マイクロコンピュータ101に対して制御信号(演出制御コマンド)を送信し、演出制御用マイクロコンピュータ101によって演出装置の制御(例えば、可変表示装置9の表示制御、スピーカ27の音声出力制御、ランプ・LEDの発光制御等)を実行するものについて示したが、これに限らず、以下に示すものであってもよい。
すなわち、可変表示装置9を表示制御する表示制御用マイクロコンピュータと、スピーカ27を音声出力制御する音声制御用マイクロコンピュータと、ランプ・LEDを発光制御するランプ制御用マイクロコンピュータと、をそれぞれ備える構成としてもよいし、スピーカ27およびランプ・LEDを制御する音ランプ制御用マイクロコンピュータのように複数種類の電気部品(例えば、スピーカ27,ランプ・LED)の制御をまとめて実行するものであってもよい。音声制御用マイクロコンピュータとランプ制御用マイクロコンピュータとをそれぞれ設ける構成とした場合および複数種類の電気部品の制御をまとめて実行する構成とした場合には、リングバッファ形式のコマンド受信バッファを用いるようにしてもよいし、リングバッファ形式でないバッファ形式のコマンド受信バッファを用いるようにしてもよい。
また、音声制御用マイクロコンピュータとランプ制御用マイクロコンピュータとをそれぞれ設ける構成とした場合および複数種類の電気部品の制御をまとめて実行する構成とした場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ60からの信号(制御信号、指令信号、コマンド)を受信するサブマイクロコンピュータ(1次サブマイクロコンピュータ)と、さらに1次サブマイクロコンピュータからの信号(制御信号、指令信号、コマンド)を受信するサブマイクロコンピュータ(2次サブマイクロコンピュータ)を設けてもよい。メインマイクロコンピュータからの信号により特定される指令(指示)を新たに生成した信号(データ変換された信号)により2次サブマイクロコンピュータに指令するものでもよい。
また、信号(制御信号、指令信号、コマンド)を送受信するマイクロコンピュータの間には中継基板が介在してもよいし、信号(制御信号、指令信号、コマンド)が途中で所定の演算等により変換されて送信されるようなものであっても、信号(制御信号、指令信号、コマンド)を送る側の指令(指示)を伝える機能をもつものであればよい。
加えて、本発明の遊技機は、パチンコ遊技機等の弾球遊技機において画像表示装置を有するものであれば、例えば、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構わない。また、本発明は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
さらに、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などにも本発明を適用することができる。本発明を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態をとっても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態をとっても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。