以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、スロット機やパチロット機(遊技球を用いて遊技が行われるスロット機を意味し、パロット機、スリットスロット機などとも呼ばれる)などの他の遊技機に適用することもできる。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近の左右には、それぞれが識別情報としての飾り図柄を可変表示(変動表示)する複数の可変表示部を含む2つの可変表示装置(可変表示部)9a,9bが設けられている。可変表示装置9a,9bには、それぞれ、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。可変表示装置9a,9bにおける各可変表示部には、数字やアルファベットなどによる複数種類の識別情報が表示される。なお、各可変表示装置9a,9bにてそれぞれ表示される識別情報は、図1に示すように異なる種類(一方が数字で他方がアルファベット)の識別情報が表示されるようにしてもよく、あるいは同一の種類の識別情報が表示されるようにしてもよい。
可変表示装置9a,9bの上部には、それぞれ、識別情報としての特別図柄を可変表示する可変表示部を含む2つの特別図柄表示器8a,8bが設けられている。特別図柄表示器8a,8bは、それぞれ、例えば、1つの7セグメント表示器によって構成される。なお、可変表示装置9a,9bは、それぞれ、特別図柄表示器8a,8bに対応して設けられている。
可変表示装置9aの下方には、始動入賞口13aが設けられている。始動入賞口13aに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。
また、可変表示装置9bの下方には、始動入賞口13bが設けられている。そして、始動入賞口13bの下部には、開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされたり閉状態とされたりする。始動入賞口13bに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14bによって検出される。
上記のように、本例では2つの特別図柄表示器8a,8bに対応して2つの始動入賞口13a,13bが設けられている。本例では、一方の始動入賞口13bの下部にのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15を設ける構成としているが、両方の始動入賞口13a,13bの下部にそれぞれ開閉動作を行う可変入賞球装置を設ける構成としてもよい。また、いずれの始動入賞口13a,13bの下部にも可変入賞球装置を設けない構成としてもよい。また、本例では、2つの始動入賞口13a,13bを設けているが、1つの始動入賞口を設ける構成とし、入賞した遊技球を2つの始動口スイッチ14a,14bのいずれかで検出する構成としてもよい。
また、2つの始動入賞口13a,13bにそれぞれ入賞した遊技球を1つの始動口スイッチで検出する構成としてもよい。さらに、1つの始動入賞口と1つの始動口スイッチを設ける構成としてもよい。これらの場合、第1特別図柄に対応する入賞とするか、第2特別図柄に対応する入賞とするかは、乱数などによる抽選によって決定するようにすればよい。
可変表示装置9a,9bと特別図柄表示器8a,8bとの間には、始動入賞口13a,13bのいずれかに遊技球が入った有効入賞球数すなわち始動記憶数を表示するそれぞれが4つのLEDから成る2つの特別図柄始動記憶表示器18a,18bが設けられている。すなわち、特別図柄始動記憶表示器18aにて始動入賞口13aの入賞にもとづく始動記憶数を入賞順に4個まで表示し、特別図柄始動記憶表示器18bにて始動入賞口13bの入賞にもとづく始動記憶数を入賞順に4個まで表示する。
特別図柄始動記憶表示器18a,18bは、それぞれ、対応する始動入賞口13a,13bに有効始動入賞がある毎に、点灯状態とするLEDの数を1増やす。そして、特別図柄始動記憶表示器18a,18bは、それぞれ、対応する特別図柄表示器8a,8bで可変表示が開始される毎に、始動記憶数が3個以下となったときは点灯状態とするLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。この例では、2つの特別図柄始動記憶表示器18a,18bによって、始動入賞口13a,13bのいずれに入ったことによる始動記憶であるかを識別可能に表示する。なお、特別図柄始動記憶表示器が1つ設けられる構成とされていてもよい。このように1つの特別図柄始動記憶表示器を設ける構成とする場合であっても、始動入賞口13a,13bのいずれに入ったことによる始動記憶であるかを識別可能に始動入賞にもとづく保留データが記憶される。また、この例では、始動入賞口13a,13bそれぞれへの入賞による始動記憶数に上限数(それぞれ4個まで)を設けているが、上限数を設けなくてもよい。
始動入賞口13aおよび可変入賞球装置15の下部には、それぞれ、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21a,21bによって開状態とされる開閉板20a,20bが設けられている。開閉板20a,20bは、それぞれ、大入賞口を開閉する手段である。開閉板20aから遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ22aで検出され、開閉板20aからの入賞球はカウントスイッチ23aで検出される。同様に、開閉板20bから遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ22bで検出され、開閉板20bからの入賞球はカウントスイッチ23bで検出される。遊技盤6の背面には、開閉板20a,20bによって開閉されるそれぞれの大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド24a,24bも設けられている。
上記のように、本例では、同一形状の大入賞口が特別図柄表示器8a,8bに対応して2個設けられているが、大入賞口は1個であってもよい。また、異なる形状の大入賞口が2個設けられていてもよい。
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の普通図柄の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に左側のランプ(○のランプ)が点灯すれば当たりとなり、右側のランプ(×のランプ)が点灯すればはずれとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄:○)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。なお、普通図柄の当り確率は、例えば3/13とされる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32に入った入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への入賞がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技領域7の左右周辺には、ランプの点灯や点滅などによって演出を行うための装飾ランプ25が設けられている。遊技領域7の下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。上記のように、この実施の形態のパチンコ遊技機1には、発光体としてのランプやLEDが各所に設けられている。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニットが、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。
打球が始動入賞口13aに入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8aにおいて特別図柄(第1特別図柄)が可変表示を始めるとともに、可変表示装置9aにおいて飾り図柄(第1飾り図柄)が可変表示を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、特別図柄表示器8aでの特別図柄(第1特別図柄)の可変表示の保留記憶である始動入賞記憶数を1増やす。
また、打球が始動入賞口13bに入り始動口スイッチ14bで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8bにおいて特別図柄(第2特別図柄)が可変表示を始めるとともに、可変表示装置9bにおいて飾り図柄(第2飾り図柄)が可変表示を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、特別図柄表示器8bでの特別図柄(第2特別図柄)の可変表示の保留記憶である始動入賞記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の可変表示は、それぞれ、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、対応する開閉板20a,20bが、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20a,20bの開放中に打球がV入賞領域に入賞して対応するV入賞スイッチ22a,22bで検出されると、継続権が発生し開閉板20a,20bの開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
なお、継続権の発生を要求することなく、大当り遊技状態に移行したときは、所定回数のラウンドが常に実行される構成としてもよい。このように構成した場合には、V入賞スイッチ22a,22bは不要となる。
特別図柄表示器8a,8bのいずれかにおける停止時の特別図柄が確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄あるいは確変時短図柄)である場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、確変状態(特定有利状態:識別情報の可変表示の表示結果を特定表示結果とする確率を通常状態であるときに比べて向上させた状態)という遊技者にとって有利な状態となる。確変状態では、例えば、次に大当りとなる確率が、確変状態でない通常状態であるときは約2/630(1/315)とされているのに対し、約10/630(1/63:通常状態の5倍程度)に高められる。
本例では、大当りとなったときに、確変大当りである確率(確変突入率)は1/2とされる。また、確変状態は、所定の確変終了条件が成立するまで(例えば次に大当りが発生したときまで)継続する。
なお、大当りとなったときに常に確変大当りとなる構成(すなわち非確変大当りが存在しない構成)としてもよい。また、確変状態は、次に大当りが発生するまで、あるいは、所定回数の特別図柄の可変表示が行われるまで継続するようにしてもよい。さらに、確変状態を終了するか否かの抽選を、特別図柄の可変表示を実行する毎に乱数を用いて行い、その抽選結果に応じて確変状態を終了するようにしてもよい。
また、特別図柄表示器8a,8bのいずれかにおける停止時の特別図柄が時短を伴う大当り図柄(時短図柄)である場合にも、次に大当りとなる確率が高められた状態となる。すなわち、時短状態(特別有利状態:特定遊技状態と異なる通常状態であるときに比べて所定回数の識別情報の可変表示の可変表示期間を短縮する状態)という遊技者にとって有利な状態となる。時短状態では、例えば、時短状態でない通常状態である場合に比べて、単位時間あたりに始動入賞が発生する回数が高められるとともに、特別図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮された状態となる。従って、時短状態では、通常状態と比較して、単位時間あたりに特別図柄の変動表示が実行される回数が高められた状態となり、結果として、単位時間あたりに大当りが発生する確率が高められた状態となる。なお、単位時間あたりに始動入賞が発生する回数を高めるために、時短状態において、例えば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が通常状態に比べて高められるようにしたり、普通図柄表示器10における変動時間が短縮されるようにしてもよい。
時短図柄となったことにもとづく大当り遊技状態が終了したあとは、本例では、所定の時短終了条件が成立するまで(例えば所定回数(例えば100回)の特別図柄の可変表示が行われるまで)、時短状態が継続する。
遊技球がゲート32に入賞すると、普通図柄表示器10において普通図柄が可変表示される状態になる。また、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。さらに、例えば時短状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。なお、確変状態においても、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率や、可変入賞球装置15の開放時間や開放回数を高めるようにしてもよい。
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図2を参照して説明する。図2は、遊技機を裏面から見た背面図である。
図2に示すように、パチンコ遊技機1の裏面側には、外枠2A内の機構板の上部に球貯留タンク38が設けられ、パチンコ遊技機1が遊技機設置島に設置された状態でその上方から遊技球が球貯留タンク38に供給される。球貯留タンク38内の遊技球は、誘導樋39を通って賞球ケース40Aで覆われる球払出装置97(図2では図示せず)に至る。
また、遊技機裏面側には、可変表示装置9a,9bを制御する演出制御用マイクロコンピュータ101(図4参照)等が搭載された演出制御基板80を含む可変表示制御ユニット、および遊技制御用マイクロコンピュータ60(図3参照)等が搭載された遊技制御基板(主基板)31が設置されている。また、球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37が設置されている。
可変表示装置9a,9bの可変表示制御を行う表示制御手段は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ101やVDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109(図4参照)などで実現される。また、遊技機には、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cなどを駆動する回路が搭載されている枠側ランプドライバ基板35と、スピーカ27を駆動する回路が搭載されている音声制御基板70とが設置されている。
さらに、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5Vを作成する電源回路が搭載された電源基板910やその他の基板(図示せず)が設けられている。
なお、電気部品制御基板(払出制御基板、演出制御基板)には、それぞれ、電気部品制御用マイクロコンピュータを含む電気部品制御手段(払出制御手段、演出制御手段)が搭載されている。払出制御手段および演出制御手段は、遊技制御手段(後述する遊技制御用マイクロコンピュータ60:CPU56およびROM54,RAM55等の周辺回路)からの指令信号(制御信号)に従って遊技機に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、可変表示装置9a,9b等)を制御する。また、枠側に設けられているランプやLEDなどの発光体およびスピーカ27等の電気部品は、演出制御手段からの制御信号に従って、枠側ランプドライバ基板35および音声制御基板70に搭載されている回路部品によって駆動される。さらに、遊技機には、スイッチを搭載した基板やランプやLEDなどの発光体(以下、ランプ・LEDともいう。)が搭載された基板がある。なお、基板とは、電気的に駆動される電気部品、回路部品、コネクタや端子などの接続部品などを搭載した印刷配線板である。
遊技機裏面において、上方には、各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備え、払出制御基板37と接続されたターミナル基板160が設置されている。また、中央付近には、主基板31からの各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えた情報端子盤(情報出力基板)34が設置されている。このターミナル基板160は遊技機外部の管理コンピュータ等と接続され遊技機に関わるデータ収集に用いられる。
球貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導樋39を通り、カーブ樋を経て払出ケース40Aで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上部には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチが設けられている。球切れスイッチが球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチは遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチも誘導樋39における上流部分(貯留タンク38に近接する部分)に設けられている。この球切れ検出スイッチが遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構から遊技機に対して遊技球の補給が行われる。
図3は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御用マイクロコンピュータ60、I/Oポート部57)53と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a,14b、V入賞スイッチ22a,22b、およびカウントスイッチ23a,23bからの信号を基本回路53に与える入力ドライバ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、開閉板20a,20bを開閉するソレノイド21a,21bおよび大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド24a,24bを基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59とが搭載されている。
なお、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a,14b、V入賞スイッチ22a,22b、カウントスイッチ23a,23b等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。入賞検出を行う始動口スイッチ14a,14b、V入賞スイッチ22a,22b、カウントスイッチ23a,23bの各スイッチは、入賞検出手段でもある。なお、入賞検出手段は、複数の入賞口に別個に入賞したそれぞれの遊技球をまとめて検出するものであってもよい。また、ゲートスイッチ32aのような通過ゲートであっても、賞球の払い出しが行われるものであれば、通過ゲートへ遊技球が進入することが入賞になり、通過ゲートに設けられているスイッチ(例えばゲートスイッチ32a)が入賞検出手段になる。さらに、この実施の形態では、V入賞領域に入賞した遊技球は対応するV入賞スイッチ22a,22bのみで検出されるので、大入賞口に入賞した遊技球数は、V入賞スイッチ22a,22bによる検出数とカウントスイッチ23a,23bによる検出数との和になる。しかし、V入賞領域に入賞した遊技球が、V入賞スイッチ22a,22bで検出されるとともにカウントスイッチ23a,23bでも検出されるようにしてもよい。その場合には、大入賞口に入賞した遊技球数は、カウントスイッチ23a,23bによる検出数に相当する。
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載されている。
基本回路53は、遊技制御用マイクロコンピュータ60と、I/Oポート部57とを含む。遊技制御用マイクロコンピュータ60は、ゲーム制御(遊技制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、およびプログラムに従って制御動作を行うCPU56で実現される。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ60に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよい。このため、ROM54は外付けであってもよい。また、I/Oポート部57が遊技制御用マイクロコンピュータ60に内蔵されていてもよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ60はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ60が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ60がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御用マイクロコンピュータ60の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ、状態データ等)は、バックアップRAMに保存される。遊技制御用マイクロコンピュータ60の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。
図4は、演出制御基板80、枠側ランプドライバ基板35および音声制御基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図4に示す例では、枠側ランプドライバ基板35および音声制御基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていない。演出制御基板80は、図示しない演出制御用CPUおよびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ101を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、主基板31からのストローブ信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用マイクロコンピュータ101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、LCDを用いた可変表示装置9a,9bの表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、主基板31から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか信号を通過させない(演出制御基板80の内部から主基板31への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ101は、出力ポート104および出力ドライバ110を介して音声制御基板70に対して音番号データを出力する。また、演出制御用マイクロコンピュータ101に入出力するバス(アドレスバス、データバス、および書込/読出信号等の制御信号ラインを含む)はバスドライバ105を介して枠側ランプドライバ基板35まで延長されている。
枠側ランプドライバ基板35において、演出制御用マイクロコンピュータ101から入力するバスは、バスレシーバ351を介して出力ポート352に接続される。出力ポート352から出力される各ランプを駆動する信号は、ランプドライバ354で増幅され天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給される。また、出力ポート352から出力される各LEDを駆動する信号は、LED駆動回路355で増幅され賞球LED51や球切れLED52などの枠側に設けられている各LEDに供給される。
この実施の形態では、枠側に設けられているランプ・LEDは、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ101を含む演出制御手段によって制御される。また、可変表示装置9a,9bおよびランプ・LED等を制御するためのデータがROMに格納されている。演出制御用マイクロコンピュータ101は、ROMに格納されているデータにもとづいて可変表示装置9a,9bおよびランプ・LED等を制御する。そして、枠側ランプドライバ基板35に搭載されている出力ポート352および各ドライバまたは駆動回路を介して、ランプ・LEDが駆動される。
なお、演出制御基板80、枠側ランプドライバ基板35および音声制御基板70は独立した基板であるが、それらは、例えば、遊技機裏面において、1つのボックスに収容された状態で設置される。
音声制御基板70において、演出制御基板80からの音番号データは、入力ドライバ702を介して、例えばデジタルシグナルプロセッサによる音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じたデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。
図5は、特別図柄表示器8a,8bや可変表示装置9a,9bなどの各図柄表示装置の接続状態の例を示す説明図である。図5に示すように、本例では、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ60は、2つの特別図柄表示器8a,8bと、特別図柄始動記憶表示器18a,18bと、普通図柄表示器10と、普通図柄始動記憶表示器41の表示制御を行う。また、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ101は、主基板31からの演出制御コマンドにもとづいて、2つの可変表示装置9a,9bを制御して、それぞれの可変表示装置9a,9bにて飾り図柄の表示制御を行う。なお、演出制御用マイクロコンピュータを2つ搭載する構成とし、可変表示装置9aと可変表示装置9bとを別個のマイクロコンピュータにより制御するようにしてもよい。
本例では、特別図柄表示器8a,8bは、それぞれ、7セグメント表示器によって構成され、セグメント表示を行う。特別図柄の可変表示は、7セグメント表示器にて「0」〜「9」、「−」を順番に変更して表示することによって行われる。特別図柄表示器8a,8bでは、可変表示が終了したときの停止図柄が「0」〜「9」のときは大当りを意味し、「−」のときははずれを意味する。特別図柄表示器8a,8bにて可変表示の表示結果が大当りとなる確率は、例えば2/630(=1/315)で同一確率とされる。なお、特別図柄は複数桁であってもよい。また、特別図柄表示器8a,8bにてそれぞれ別個の特別図柄を表示(例えば特別図柄表示器8aでは数字、特別図柄表示器8bではアルファベットを特別図柄として表示)するようにしてもよい。
また、本例では、2つの特別図柄始動記憶表示器18a,18bと、普通図柄始動記憶表示器41とがLEDによって構成されている。また、普通図柄表示器10と遊技状態報知ランプ25とがランプによって構成され、2つの可変表示装置9a,9bがLCDによって構成されている。飾り図柄は、例えば左中右の3図柄によって表示され、左中右それぞれの図柄には例えば「0」〜「9」の10個の数字が用いられる。そして、飾り図柄は、停止図柄が左中右それぞれが同一の図柄である場合には「大当り」を示唆(単に「大当り」ということがある)していることを意味し、それ以外の停止図柄である場合には「はずれ」を示唆(単に「はずれ」ということがある)していることを意味する。なお、可変表示装置9a,9bによる表示演出を、キャラクタなどの識別情報により行うようにしてもよい。例えば、キャラクタにより表示演出を行う場合には、例えば野球選手を登場させてホームランを打った様子を表示することにより、大当りを示唆するようにすることなどが考えられる。
本例では、遊技領域7の左側に設けられている電気部品(始動入賞口13a、特別図柄表示器8a、可変表示装置9a、開閉板20a)と、遊技領域7の右側に設けられている電気部品(始動入賞口13b、特別図柄表示器8b、可変表示装置9b、開閉板20b、普通図柄始動記憶表示器41、普通図柄表示器10、ゲート32)とがそれぞれ対応している。
すなわち、始動入賞口13aに遊技球が入賞すると、特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示中でなければ、特別図柄表示器8aにて第1特別図柄の可変表示が開始されるとともに、可変表示装置9aにて第1飾り図柄(可変表示装置9aで可変表示される飾り図柄)の可変表示が開始される。なお、特別図柄表示器8aにて第1特別図柄の可変表示中であれば、第1特別図柄の可変表示の保留記憶が上限数でない場合には特別図柄始動記憶表示器18aの点灯数を1増やす。そして、第1特別図柄の可変表示結果が大当り表示結果であれば、大当り遊技状態に移行して開閉板20aが開閉される。
同様に、始動入賞口13bに遊技球が入賞すると、特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示中でなければ、特別図柄表示器8bにて第2特別図柄の可変表示が開始されるとともに、可変表示装置9bにて第2飾り図柄(可変表示装置9bで可変表示される飾り図柄)の可変表示が開始される。なお、特別図柄表示器8bにて第2特別図柄の可変表示中であれば、第2特別図柄の可変表示の保留記憶が上限数でない場合には特別図柄始動記憶表示器18bの点灯数を1増やす。そして、第2特別図柄の可変表示結果が大当り表示結果であれば、大当り遊技状態に移行して開閉板20bが開閉される。
次に遊技機の動作について説明する。図6は、主基板31における遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ60:CPU56およびROM54,RAM55等の周辺回路)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。なお、割込みモード2は、遊技制御用マイクロコンピュータ60が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(図示せず)の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、初期化処理を実行する(ステップS11〜ステップS14)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにRAM55のバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、遊技制御用マイクロコンピュータ60は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。ステップS9では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理にて同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS10)。そして、ステップS14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否かを確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS11)。また、所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行う(ステップS12)。さらに、サブ基板(この実施の形態では払出制御基板37および演出制御基板80)を初期化するための初期化コマンドを各サブ基板に送信する処理を実行する(ステップS13)。初期化コマンドとして、可変表示装置9a,9bに表示される飾り図柄の初期図柄を示すコマンド(演出制御基板80に対して)や賞球LED51および球切れLED52の消灯を指示するコマンド等がある。
そして、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ60に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS14)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
初期化処理の実行(ステップS11〜S14)が完了すると、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされ(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態とされる(ステップS19)。表示用乱数とは、特別図柄表示器8a,8bに表示される図柄を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り決定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理において、大当り決定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS17やステップS18の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値や初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS17およびステップS18の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、まず、レジスタの退避処理を行う(ステップS20a)。次いで、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行した後(ステップS20b)、図7に示すステップS21〜S37の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、まず、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a,14b、カウントスイッチ23a,23b等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特別図柄表示器8a,8b、普通図柄表示器10、および普通図柄始動記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。表示制御処理では、ステップS34〜S36にて設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御が実行される。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS23,S24)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1特別図柄プロセス処理を行う(ステップS25)。第1特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS26)。
図8は、各乱数を示す説明図である。各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2:大当りを発生させる特別図柄を決定する(大当り図柄決定用)。なお、本例では、大当りを発生させる特別図柄が決定されることで、その大当りが、確変大当り、時短大当り、確変時短大当り、通常大当りの何れであるか決定される。
(3)ランダム3:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(4)ランダム4:大当りを発生させない場合にリーチとするか否か(本例では、飾り図柄でリーチ演出を実行するか否か)を決定する(リーチ判定用)
(5)ランダム5:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム6:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(7)ランダム7:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
(8)ランダム8:確変状態を終了させるか否かを決定する(抽選判定用)。ランダム8は0〜49の範囲の値をとる。
図7に示された遊技制御処理におけるステップS26では、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、(1)の大当り判定用乱数、(2)の大当り図柄決定用乱数、(5)の普通図柄当り判定用乱数、および(8)の抽選判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。ただし、(2)の大当り図柄決定用乱数は、表示用乱数としての役割も有する。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(8)の乱数以外の乱数も用いられている。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第2特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。第2特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、第2特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、飾り図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(飾り図柄コマンド制御処理:ステップS29)。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、入賞口スイッチの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、入賞口スイッチ(賞球払い出しの条件とされている始動口スイッチ14a,14bなどの各スイッチ)の何れかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS32)。さらに、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を行う(ステップS33)。可変入賞球装置15または開閉板20a,20bを開状態または閉状態としたり、大入賞口内の遊技球通路を切り替えたりするために、ソレノイド回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21a,21b,24a,24bを駆動する。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、普通図柄の始動入賞記憶数の記憶状態に応じた普通図柄保留記憶数データを普通図柄保留記憶数データ設定用の出力バッファに設定するとともに、特別図柄の始動入賞記憶数の記憶状態に応じた特別図柄保留記憶数データを特別図柄保留記憶数データ設定用の出力バッファに設定する(記憶処理:ステップS34)。なお、ここで出力バッファに設定された保留記憶数データに応じて、ステップS22にて駆動信号が出力されることで、普通図柄始動記憶表示器41および特別図柄始動記憶表示器18a,18bの点灯/消灯制御が実行される。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1特別図柄プロセスフラグの値に応じて第1特別図柄の演出表示を行うための第1特別図柄表示制御データを第1特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定するとともに、第2特別図柄プロセスフラグの値に応じて第2特別図柄の演出表示を行うための第2特別図柄表示制御データを第2特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS35)。なお、ここで出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22にて駆動信号が出力されることで、特別図柄表示器8a,8bでの特別図柄の演出表示が実行される。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS36)。なお、ここで出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22にて駆動信号が出力されることで、普通図柄表示器10での普通図柄の演出表示が実行される。
その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS37)、割込許可状態に設定する(ステップS38)。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
上述したようにこの実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bによって、それぞれ、第1特別図柄の変動表示が実行されるとともに第2特別図柄の変動表示が実行される。そして、特別図柄表示器8a,8bのいずれかで特定表示結果が導出表示されたときに大当り遊技状態に移行する制御が実行される。このような複数の特別図柄表示器8a,8bを備えてそれぞれの特別図柄表示器8a,8bにて特別図柄の変動表示を行う遊技機では同時に大当りが発生する虞がある。複数の特別図柄表示器8a,8bで同時に大当りが発生することを許容すると、不当に射幸性が高められてしまう。ゆえに、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bにて同時に大当り遊技状態が発生しないような制御を行い、不当に射幸性が高められてしまうことを防止している。以下、これらの制御について説明する。なお、以下の説明においては特別図柄表示器8aを制御する処理について説明するが、特別図柄表示器8bを制御する処理も同様の制御が実行される。特別図柄表示器8aを制御する処理において特別図柄表示器8bの表示制御状態にもとづく処理(例えば第2大当り実行中フラグの状態にもとづく処理)を行う部分については、特別図柄表示器8bを制御する処理に適用した場合、特別図柄表示器8aの表示制御状態にもとづく処理(例えば第1大当り実行中フラグの状態にもとづく処理)を行うことになる。
図9は、この実施の形態で用いられる特別図柄の停止図柄と、大当り/はずれの何れであるかおよび大当り遊技終了後に制御される遊技状態との関係を示す説明図である。図9に示す例では、特別図柄が1または5で停止すると、大当り遊技終了後に、遊技状態(遊技機の制御状態)が確変状態に移行する。また、9で停止すると、大当り遊技終了後に、遊技状態が時短状態に移行する。そして、3または7で停止すると、大当り遊技終了後に、遊技状態が確変状態および時短状態に移行する。ただし、その場合には、確変状態が優先され、確変状態の終了時に時短状態に移行される。
また、特別図柄が0、2、4、6または8で停止すると、大当り遊技は実行されるが、大当り遊技終了後の遊技状態は通常状態となる。さらに、特別図柄が「−」で停止すると、大当り遊技が実行されることなく、遊技状態は維持される。
確変状態では、特別図柄の表示結果(最終停止図柄、単に停止図柄ともいう。)が大当り図柄となる確率が、確変状態でない状態(低確率状態)に比べて高められる。このことを、以下、「確変状態では高確率で当り/はずれが判定される」と表現することがある。この実施の形態では、確変状態では大当り図柄となる確率が5倍に高められているとする。
また、確変状態が終了すると、特別図柄変動時間短縮状態(時短状態)に移行するように制御されることがある。時短状態では、特別図柄の変動時間(可変表示期間)が、時短状態でない場合に比べて短縮される。なお、短縮の態様(各変動パターンについてどの程度短くするのか、どの変動パターンを短くするのか等)は、確変状態(確変時短状態を含む。)における態様と同一でもよい。時短状態は、所定回(例えば100回)の特別図柄の変動が終了するまで、または、大当りが発生するまで継続する。なお、所定回を抽選によって複数種類のうちから選択してもよい。時短状態では、特別図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
なお、有利状態は、確変状態(特定有利状態)と時短状態(特別有利状態)とを含み、有利状態でない遊技状態(遊技機の状態)が通常状態である。また、高確率状態は確変状態であり、低確率状態は、時短状態と通常状態とを含む。
図10は、遊技制御用マイクロコンピュータ60が実行する第1特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図10に示す特別図柄プロセス処理は、図7のフローチャートにおけるステップS25の具体的な処理である。遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている始動入賞口13aに遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口13aに入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S308のうちのいずれかの処理を行う。
第1特別図柄通常処理(ステップS300):第1特別図柄の可変表示を開始できる状態になるのを待つ。第1特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、第1特別図柄についての始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、第1特別図柄の可変表示の結果を大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に移行するように更新する。
第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):第1特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。
変動時間設定処理(ステップS302):ランダム3の値に応じて変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を第1特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。時短状態である場合には、変動時間が短縮される。なお、第1始動入賞記憶数(例えば後述する第1始動入賞記憶カウンタのカウント数)を参照し、第1始動入賞記憶数に応じて所定時間短縮した変動時間や所定時間延長した変動時間とすることに決定するようにしてもよい。変動パターン及び変動時間を決定すると、決定した第1特別図柄の変動時間を計測する第1変動時間タイマをスタートさせるとともに、第1特別図柄の変動表示を開始する。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。
第1特別図柄変動処理(ステップS303):第1特別図柄の変動時間が経過したか否かを監視し、第1特別図柄の変動時間が経過したら内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。
第1特別図柄停止処理(ステップS304):演出制御基板80に対して、第1飾り図柄の停止を指示するための第1飾り図柄停止コマンドを送信する。また、特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄を停止させる。そして、第1特別図柄の停止図柄が大当り図柄である場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。なお、第1飾り図柄停止コマンドを送信しない構成としてもよい。この場合、演出制御基板80は、主基板31からの変動パターンコマンドにもとづいて第1変動時間タイマに変動時間を設定するとともに、その第1変動時間タイマを更新していくことで第1飾り図柄の変動時間を独自に監視し、その変動時間が経過したと判定したときに第1飾り図柄を停止する処理を行うようにすればよい。
大入賞口開放前処理(ステップS305):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド21aを駆動して大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、第1大当り実行中フラグをセットする。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。
大入賞口開放中処理(ステップS306):大入賞口ラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御基板80に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立したら、内部状態をステップS307に移行するように更新する。
特定領域有効時間処理(ステップS307):V入賞スイッチ22aの通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS305に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS308に移行するように更新する。
大当り終了処理(ステップS308):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御手段に行わせるための制御を行うとともに、第1大当り実行中フラグをリセットする。そして、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
図11は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。図11において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。
図11に示されている変動パターンは、第1特別図柄の変動パターンおよび第2特別図柄の変動パターンとして共通に用いられる。第1特別図柄の変動パターンであるか第2特別図柄の変動パターンであるかは2バイト構成の演出制御コマンドにおける1バイト目のMODEデータによって区別される。
この例では、特別図柄の各変動パターンは、はずれとするか否か、確変大当りとするか否か、非確変大当りとするか否か、リーチとするか否か、リーチとする場合のリーチ態様、予告演出を行うか否か、予告演出を行う場合の演出態様、短縮変動とするか否かなど、各種の演出態様の違いに応じて複数種類用意されている。なお、本例では、リーチ演出、および予告演出は、飾り図柄の変動表示を行う可変表示装置9a,9bを用いて行う。また、予告演出を行う場合の演出態様を演出制御基板80で決定するようにしてもよい。この場合、さらに、予告演出を行うか否かについても、演出制御基板80で決定するようにしてもよい。
なお、「通常変動」とは、リーチ態様を伴わない変動パターンである。「ノーマルリーチ」とは、リーチ態様を伴う変動パターンである。「リーチA」は、「ノーマルリーチ」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。また、リーチ態様が異なるとは、リーチ変動時間において異なった態様の変動態様(速度や回転方向等)やキャラクタ等が現れることをいう。例えば、「ノーマル」では単に1種類の変動態様によってリーチ態様が実現されるのに対して、「リーチA」では、変動速度や変動方向が異なる複数の変動態様を含むリーチ態様が実現される。
また、「リーチB」は、「ノーマルリーチ」および「リーチA」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。なお、「ノーマルリーチ」、「リーチA」および「リーチB」では、大当りとなる場合と大当りとならない場合とがある。なお、図11では、「ノーマルリーチ」については大当りとならない場合のみ明示されている。
また、「予告1」は、あらかじめ定められた予告演出態様を持つ変動パターンである。なお、説明を簡単にするため、予告演出態様を示す変動パターンを1種類例示しているが、実際には複数種類の変動パターンが設定されている。さらに、「短縮変動」は、識別情報の変動時間が極めて短い変動パターンである。「短縮リーチ変動」は、表示結果はリーチ状態となるが、リーチ演出を行わず識別情報の変動時間が極めて短い変動パターンである。なお、変動パターン11は、リーチが成立するまで短縮変動を行い、「リーチA」の演出を行ったあと、大当りとなる変動パターンである。また、変動パターン12は、短縮リーチ変動を行ったあと、時短大当りとなる変動パターンである。
なお、図11には示されていないが、リーチ演出以外にも、再変動演出の有無など、他の特定演出の実行の有無を含む変動パターンが含まれていてもよい。また、図11には、変動パターンの一部が例示されているが、実際には、リーチ態様や表示結果などの様々な組み合わせの変動パターンが用意されている。
図12は第1始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ通過処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1特別図柄についての保留記憶数である第1始動入賞記憶数が最大値である4に達しているかどうか確認する(ステップS111)。第1始動入賞記憶数が4に達していなければ、第1始動入賞記憶数をカウントする第1始動入賞記憶カウンタのカウント数を1増やし(ステップS112)、大当り判定用乱数等の各乱数の値を抽出し、それらを第1始動入賞記憶数の値に対応した保存領域(第1特別図柄判定用バッファ)に格納する(ステップS113)。なお、乱数を抽出するとは、乱数を生成させるためのカウンタからカウント値を読み出して、読み出したカウント値を乱数値とすることである。ステップS113では、図8に示された乱数のうち、ランダム1〜ランダム4,ランダム8が抽出される。また、本例では、ステップS113にて、第1特別図柄についての保留データが記憶されている第1保留記憶領域と、第2特別図柄についての保留データが記憶されている第2保留記憶領域とを参照し、第1特別図柄及び第2特別図柄全体についての入賞順番を判定して、その順番を第1特別図柄判定用バッファに格納する。第1始動入賞記憶カウンタは、RAM55の所定の領域に格納されている。
図13は、RAM55に形成されている保留記憶テーブルにおける保留データの格納状態の例を示す説明図である。図13に示すように、保留記憶テーブルは、第1保留記憶領域と、第2保留記憶領域とを含む。第1保留データが格納される第1保留記憶領域は、第1始動入賞記憶数の値に対応した4つの第1特別図柄判定用バッファによって形成される。また、第2保留データが格納される第2保留記憶領域は、第2始動入賞記憶数の値に対応した4つの第2特別図柄判定用バッファによって形成される。第1特別図柄判定用バッファおよび第2特別図柄判定用バッファには、保留データとして、第1始動入賞及び第2始動入賞全体の有効始動入賞の中での入賞順番(全体順番)や、抽出された乱数データなどが格納される。なお、上述した第1始動入賞記憶カウンタのカウント数は、第1保留記憶領域にて第1保留データが記憶されている第1特別図柄判定用バッファの数を示す。図13では、第1保留記憶領域における3つの第1特別図柄判定用バッファに第1保留データ(ステップS113にて格納された各乱数の抽出値:図13では「XX」などと記載している。)が記憶されており、第2保留記憶領域における4つの第2特別図柄判定用バッファに第2保留データが記憶されている。
図14は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(ステップS300)の例を示すフローチャートである。第1特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第2大当り実行中フラグがセットされておらず(ステップS50a)、第2事前判定中フラグまたは第2可変表示中フラグがセットされておらず(ステップS50b)、かつ、第1特別図柄の変動を開始することができる状態(例えば第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合)であれば(ステップS51)、第1始動入賞記憶数の値を確認するとともに個別順番が1番の第1特別図柄判定用バッファの保留データにおける全体順番を確認する(ステップS52)。すなわち、第1保留記憶領域における第1特別図柄判定用バッファを参照し、第1始動入賞記憶数の有無を確認するとともに、第1始動入賞記憶数が0でなければ個別順番が1番の第1特別図柄判定用バッファの保留データにおける全体順番が1番であるか確認する。
なお、第2大当り実行中フラグは、特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示結果が大当り表示結果となったことにより発生した大当り(第2大当り)にもとづく大当り遊技(第2大当り遊技)が開始するときにセットされ、その第2大当り遊技が終了したときにリセットされるフラグである。また、第2事前判定中フラグは、第2特別図柄に関する事前判定処理を開始する前にセットされ、事前判定処理が終了した後にリセットされるフラグである。さらに、第2可変表示中フラグは、特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示が開始されるときにセットされ、その第2特別図柄の可変表示が終了したときにリセットされるフラグである。上述したステップS50a,S50bの判定を行うことにより、第1特別図柄と第2特別図柄が同時に可変表示されることが防止される。
また、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動がなされておらず、かつ、第1特別図柄の可変表示結果が大当り表示結果となったことにより発生した大当り(第1大当り)にもとづく大当り遊技(第1大当り遊技)の実行中でもない場合である。
第1始動入賞記憶数が0でなく、かつ、個別順番が1番の第1特別図柄判定用バッファの保留データにおける全体順番が1番である場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1事前判定中フラグをセットしたあと(ステップS50d)、第2デモ表示(第2デモンストレーション画面の表示)の実行中であるか否か確認する(ステップS50c)。この確認は、例えば、第2特別図柄の可変表示が実行されず、かつ大当り遊技状態でもない期間を監視し、その期間が演出制御基板80にて第2デモ表示が開始される期間としてあらかじめ定められている期間を超えているか否かによって確認される。第2デモ表示の実行中であれば、以下のステップS55やステップS53等の処理を行うことなく、ステップS57に移行する。なお、第1事前判定中フラグは、第1特別図柄に関する事前判定処理を開始する前にセットされ、第1特別図柄に関する事前判定処理が終了したあとにリセットされるフラグである。
第2デモ表示の実行中でなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、遊技状態が時短状態であるか否か確認する(ステップS55)。遊技状態が時短状態であるか否かは、後述する時短フラグがセットされており、かつ、確変時短フラグがリセットされた状態となっているか否かによって判定される。
時短状態でなければ(ステップS55のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1保留記憶領域における第1特別図柄判定用バッファを参照し、第1特別図柄の連続実行回数を判定する(ステップS53)。すなわち、次に第2特別図柄の可変表示が実行されるまで、第1特別図柄の可変表示が連続して何回実行されるかを判定する。例えば第1保留記憶領域に図13に示すような第1保留データが格納されていたときには、全体としての入賞順番が2回目まで連続しているので、2回と判定される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1特別図柄の連続実行回数が所定回数以上であるか否か判定する(ステップS54)。ここでは、例えば所定回数が2回に設定されているものとする。なお、所定回数は、3回以上に設定されていてもよい。
第1特別図柄の連続実行回数が所定回数以上であれば、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第2デモコマンド(第2デモンストレーション表示コマンド)を演出制御基板80に対して送信する(ステップS56)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1始動入賞記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の第1乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS57)、第1始動入賞記憶数の値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS58)。すなわち、第1始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1始動入賞記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1始動入賞記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1始動入賞記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数値が抽出された順番を特定することができる。なお、本例では、図13に示したように、第1始動入賞記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値と、第2始動入賞記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値とが抽出された順番についても特定可能に保存される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、遊技状態が確変時短状態または時短状態である場合には(ステップS59)、時短回数カウンタが0でなければ1減算する(ステップS60)。遊技状態が確変時短状態でも時短状態でもない場合には、ステップS61に移行する。なお、確変時短状態であるか否かは、確変時短状態となったときにセットされ、確変時短状態が終了したときにリセットされる確変時短フラグの状態によって判定される。また、時短状態であるか否かは、時短状態または確変時短状態となったときにセットされ、時短状態でも確変時短状態でもなくなったときにリセットされる時短フラグの状態によって判定される。なお、確変時短フラグおよび時短フラグは、RAM55の所定の領域に格納されている。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、遊技状態が確変状態または確変時短状態である場合には(ステップS61)、ステップS68,S69の大当り判定を実行する前に、確変終了とするか否かの判定を抽選により行う(ステップS62〜S63)。遊技状態が確変状態でも確変時短状態でもない場合には、ステップS68に移行する。
なお、本例では、確変終了とするか否かの判定は、可変表示が所定回数(例えば5回)実行される毎に実行される。すなわち、例えば5回毎に抽選判定を行う場合には、確変状態に移行したあと、確変状態が終了するまで、5回目、10回目、15回目、・・・の可変表示を実行する際に抽選判定(ステップS62〜S63の処理)が実行される。なお、可変表示が実行される毎(すなわち毎回)に確変終了とするか否かの判定を行うようにしてもよい。
確変状態であるか否かは、確変状態または確変時短状態となったときにセットされ、確変状態でも確変時短状態でもなくなったときにリセットされる確変フラグの状態によって判定される。なお、確変フラグは、RAM55の所定の領域に格納されている。
確変状態または確変時短状態である場合には(ステップS61)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、抽選判定用乱数(確変終了判定用乱数:ランダム8)を保存領域から読み出して(ステップS62)、読み出したランダム8の値が、確変終了値と一致するか否か判定し(ステップS63)、一致する場合には、遊技状態を非確変状態に変更して確変状態(確変時短状態を含む。)を終了させる(ステップS64)。
そして、時短回数カウンタが0でない場合には(ステップS65)、遊技状態が時短状態に移行されることになり、ステップS68に移行する。
また、時短回数カウンタが0(なお、確変時短状態ではない単なる確変状態であったときにも時短回数カウンタの値は0である)であれば、時短フラグがセットされていればその時短フラグをリセットする(ステップS67)。
従って、ランダム8の値にもとづいて確変状態が終了したときに、ステップS69の大当り判定において低確率状態にもとづく抽選が実行される。
一方、ステップS62にて読み出したランダム8の値が、確変終了値と一致しない場合には(ステップS63)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1乱数バッファ領域から大当り判定用乱数を読み出し(ステップS68)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS69)。大当り判定モジュールは、大当り判定用乱数が、あらかじめ決められている大当り判定値と一致したら大当りとすることに決定するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(ステップS70)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、大当りフラグをセットするとともに(ステップS71)、予告表示指示コマンドを演出制御基板80に対して送信する(ステップS74)。なお、はずれとすることに決定した場合には、リーチ判定モジュールを実行してリーチとするか否かを決定する。「大当りフラグ」は、後述するステップS75などにおいて参照される。
そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止図柄設定処理に対応した値に更新する(ステップS72)。
なお、ステップS69では、制御状態が確変状態であるか否かを加味して、確変時の大当り確率または非確変時の大当り確率で判定を行う。すなわち、制御状態が確変状態であるか否かを確変フラグによって確認し、確変状態であれば確変時の大当り確率で判定を行い、非確変状態であれば非確変時の大当り確率で判定を行う。
なお、本例では、確変終了とするか否かの判定を抽選によって行うようにしていたが、確変終了とするか否かの判定を行わないようにしてもよい。すなわち、パンクによって確変状態が終了することのないようにしてもよい。この場合、上述した第1特別図柄通常処理において、ステップS61〜S67を実行しないようにすればよい。
図15は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)の例を示すフローチャートである。第1特別図柄停止図柄設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、大当りの有無の決定結果に応じて、第1特別図柄の停止図柄を決定する。具体的には、ステップS69にて大当りとすることに決定されている場合には(ステップS75のY)、第1乱数バッファ領域に格納されている大当り図柄決定用乱数(ランダム2)の値に従って大当り図柄を決定する(ステップS76)。大当り図柄を決定することによって、通常大当りか、確変大当りか、時短大当りか、確変時短大当りかが決定される。また、ステップS68にてはずれとすることに決定されている場合には(ステップS75のN)、はずれ図柄である「−」(図9参照)を停止図柄とすることに決定する(ステップS77)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1特別図柄プロセスフラグの値を変動時間設定処理に対応した値に更新する(ステップS78)。
図16は、第1特別図柄プロセス処理における変動時間設定処理(ステップS302)の例を示すフローチャートである。変動時間設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、時短回数カウンタの値が0になっていれば(ステップS83)、時短フラグをリセットする(ステップS84)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、確変フラグ、時短フラグ、または確変時短フラグがセットされていれば(ステップS85)、今回の可変表示の表示結果が通常大当り(非確変かつ非時短大当り:確変状態や時短状態の終了条件を満たすこととなる大当り)であれば(ステップS86)、確変フラグ、時短フラグ、および確変時短フラグのうちセットされているフラグを全てリセットする(ステップS87)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、確変フラグ、時短フラグ、または確変時短フラグがセットされている場合に(ステップS85)、今回の可変表示の表示結果が時短大当り(非確変かつ時短大当り:確変状態であればその終了条件を満たし時短状態に変更することとなり、時短状態であれば制御状態が維持されることとなる大当り)であれば(ステップS88)、時短フラグをセットするとともに、時短回数カウンタに初期値(例えば「100」)をセットし、さらに、確変フラグと確変時短フラグがセットされていればリセットする(ステップS89)。このように、本例では、確変状態であるときに時短大当りが発生した場合には、表示結果が時短大当り図柄となる変動表示が開始される前に、遊技状態が確変状態から時短状態に変更されるとともに、時短回数カウンタに初期値がセットされる。また、確変時短状態であるときに時短大当りが発生した場合には、表示結果が時短大当り図柄となる変動表示が開始される前に、遊技状態が確変状態から時短状態に変更されるとともに、時短回数カウンタに初期値がセットされる。また、時短状態であるときに時短大当りが発生した場合には、表示結果が時短大当り図柄となる変動表示が開始される前に、遊技状態を変更することなく、時短回数カウンタに初期値がセットされる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、ステップS69での大当りの有無やリーチの有無の決定結果と、第1特別図柄判定用バッファに格納されている変動パターン決定用乱数(ランダム3)とにもとづいて、図11に示した変動パターンのいずれとするのかを決定する(ステップS90)。本例では、変動パターンを決定することによって、第1特別図柄の変動時間が決定される。なお、変動時間を決定したあと、決定した変動時間が設定されている変動パターンを複数の変動パターンの中から選択するようにしてもよい。
変動パターンを決定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、決定した変動パターン指定のコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS91a)、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行する(ステップS92a)。
コマンドセット処理を実行することによって演出制御コマンドが演出制御基板80に送信される。この実施の形態では、演出制御手段に送信されうる各演出制御コマンドはROM54のコマンド送信テーブルに格納されている。また、コマンドセット処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、ポインタが示すROM54のアドレスに格納されている演出制御コマンドデータを、演出制御コマンドデータを出力するための出力ポートに設定するとともに、コマンドを送信することを示す演出制御INT信号を出力する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、ステップS76,S77で決定した第1特別図柄の表示結果(例えば、確変大当り、通常大当り、はずれなど)を示す表示結果指定のコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS91b)、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行する(ステップS92b)。なお、ここで送信される確変大当り、時短大当り、確変時短大当り、通常大当り、はずれなどの表示結果を指定する演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)に応じて、第1飾り図柄の具体的な停止図柄が演出制御基板80にて決定される。
また、ステップS90にて第1特別図柄の変動時間を決定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、決定した変動時間を示す変動時間データを第1特別図柄プロセスタイマに設定して変動時間の計測を開始するとともに(ステップS93)、特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示を開始し(ステップS94a)、さらに、第1事前判定中フラグをリセットするとともに第1可変表示中フラグをセットする(ステップS94b)。第1可変表示中フラグは、第1特別図柄の可変表示が実行されているか否かを示すフラグである。さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、開始した第1特別図柄の可変表示結果が大当り表示結果となる場合には(ステップS95)、第1大当り変動フラグをセットする(ステップS96)。第1大当り変動フラグは、変動表示結果が大当り表示結果となる可変表示が第1特別図柄によって実行されているか否かを示すフラグである。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄変動処理に対応した値に更新する(ステップS97)。
図17は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動処理(ステップS303)の例を示すフローチャートである。第1特別図柄変動処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、後述するステップS35cの実行によって第1特別図柄の変動時間が進行し、第1特別図柄プロセスタイマに設定された変動時間データが示す変動時間が経過したと判定(変動時間が終了したと判定)すると(ステップS126のY)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理に対応した値に更新する(ステップS127)。
図18は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止処理(ステップS304)の例を示すフローチャートである。第1特別図柄停止処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1飾り図柄停止を示す演出制御コマンドを送信する処理を行う(ステップS131)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、決定されている停止図柄で第1特別図柄を停止表示するとともに(ステップS132)、第1可変表示中フラグをリセットする(ステップS133)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、停止図柄が大当り図柄であるか否か確認し(ステップS134)、大当り図柄であれば、第1大当り変動フラグをリセットする(ステップS135)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1特別図柄の変動の停止図柄が大当り図柄であった場合には内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)を大入賞口開放前処理(ステップS305)に移行するように更新し(ステップS136)、そうでない場合には内部状態を第1特別図柄通常処理(ステップS300)に移行するように更新する(ステップS137)。
図19は、大当り遊技が終了したときに実行される大当り終了処理(ステップS308)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、大当り遊技の起因となった特別図柄の停止図柄(大当り図柄である)が確変時短図柄であったか否か確認する(ステップS151)。確変時短図柄であった場合には、確変フラグ、時短フラグ、および確変時短フラグをセットするとともに(ステップS152)、時短回数カウンタに所定値をセットする(ステップS153)。なお、この実施の形態では、時短回数カウンタには100が設定される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、演出制御基板80に、大当り遊技状態の終了と、特別遊技状態への移行とを通知するために、特定大当り終了表示指定の演出制御コマンドを送信する処理を行う(ステップS155)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を、第1特別図柄通常処理(ステップS300)に応じた値にする(ステップS156)。なお、「特別遊技状態」とは、通常状態と比較して大当り遊技状態が発生し易い遊技者にとって有利な状態の総称であって、具体的には確変状態、時短状態、確変時短状態などを意味する。
第1特別図柄の停止図柄が確変時短図柄でなかった場合には、第1特別図柄の停止図柄が確変図柄であったか否か確認する(ステップS157)。確変図柄であった場合には、確変フラグをセットする(ステップS158)。そして、ステップS155に移行する。
第1特別図柄の停止図柄が確変図柄でなかった場合には、第1特別図柄の停止図柄が時短図柄であったか否か確認する(ステップS160)。時短図柄であった場合には、時短フラグをセットし(ステップS161)、さらに、時短回数カウンタに所定値をセットする(ステップ162)。そして、ステップS155に移行する。
第1特別図柄の停止図柄が時短図柄でもなかった場合には、大当り遊技状態の終了を通知するために、非特定大当り終了表示指定の演出制御コマンドを送信する処理を行う(ステップS164)。そして、ステップS156に移行する。
なお、この実施の形態では、ステップS153,S162にて時短回数カウンタに100がセットされるようにしているが、時短回数は他の回数(例えば50回、120回など)とされていてもよい。また、複数種類の回数(例えば、20回、50回、100回)から時短回数が選択される構成とされていてもよく、その場合には、抽選によって選択された回数がステップS153,S162にて時短回数カウンタに設定される。ここでの抽選による選択は、例えば、時短回数決定用の乱数を抽出し、その抽出値と回数とが対応付けされた時短回数決定用テーブルを用いて、乱数の抽出値に対応付けされている回数を選択する処理を実行することによって行われるようにすればよい。
図20は、普通図柄プロセス処理(ステップS28)を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aがオン状態となったことを検出すると(ステップS101)、ゲートスイッチ通過処理(ステップS102)を実行する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、普通図柄プロセスフラグの値に応じてステップS103〜S107に示された処理のうちのいずれかの処理を実行する。
ゲートスイッチ通過処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ60によって、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認し、最大値に達していなければ、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1し、普通図柄当り判定用乱数の値を抽出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する処理が実行される。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄始動記憶表示器41のLEDが点灯される。
普通図柄変動待ち処理(ステップS103): 普通図柄の変動を開始することができる状態(例えば普通図柄プロセスフラグの値がステップS103を示す値となっている場合)となったか否かを監視する。普通図柄プロセスフラグの値がステップS103を示す値となっている場合とは、普通図柄表示器10において普通図柄の変動がなされておらず、かつ、大当り遊技中でもない場合である。そして、普通図柄の変動を開始することができる状態となった場合に、ゲート通過記憶数が0でなければ、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄判定処理(ステップS104)を示す値に変更する。
普通図柄判定処理(ステップS104):ゲート通過記憶数=1に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに、ゲート通過記憶数の値を1減らし(ゲート通過記憶カウンタのカウント値を1減らし)、かつ、各保存領域の内容をシフトする。次いで、乱数バッファ領域から普通図柄当り判定用乱数を読み出し、当りとするかはずれとするかを決定する。
具体的には、普通図柄当り判定用乱数の値が当り判定値と一致するか否かが判定され、一致する当り判定値があれば当りと決定される。当り判定値は、例えば、特別遊技状態(確変状態、時短状態、確変時短状態)のときには3〜12のいずれかとして高確率で当りとなる状態とされ、特別遊技状態でないときには3,5または7として比較的低確率で当りとなる状態とされる。なお、確変状態などの他の特別遊技状態のときに高確率で当りとなる状態とするだけでなく、確変状態などの他の特別遊技状態を伴うことなく可変入賞球装置15の開放時間や開放回数が高められた特別遊技状態とするようにしてもよい。
また、当り/はずれを決定したあと、普通図柄変動時間タイマに普通図柄の変動時間をセットする。例えば、普通図柄を高確率で当りとする時には5.1秒をセットし、普通図柄を低確率で当りとする時には29.2秒をセットする。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、普通図柄の演出を開始する。さらに、内部状態(普通図柄プロセスフラグ)を更新してステップS105(普通図柄変動処理)に移行させる。
普通図柄変動処理(ステップS105):普通図柄変動時間タイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄プロセスフラグを普通図柄停止処理を示す値に更新する。
普通図柄停止処理(ステップS106):決定されている当り/はずれの表示結果に応じた領域を点灯状態として普通図柄の変動を停止し、普通図柄の演出を終了する。そして、当り図柄で停止表示したときには、普通図柄プロセスフラグを始動入賞口開閉処理を示す値に更新する。また、はずれ図柄で停止表示したときには、普通図柄プロセスフラグを普通図柄変動待ち処理を示す値に更新する。
始動入賞口開閉処理(ステップS107):遊技制御用マイクロコンピュータ60は、可変入賞球装置15を所定期間開放する開放制御を行う。可変入賞球装置15の開放期間が通常時よりも長期間に設定されている状態を、開放延長状態という。一般に、確変状態や時短状態などの特別遊技状態となっているときに、開放延長状態に制御される。この例では、開放延長状態でなければ、可変入賞球装置15が1回だけ0.2秒間開放するように制御を行う。一方、開放延長状態であれば、可変入賞球装置15が1回だけ2秒間開放するように制御を行う。なお、開放延長状態であるときに、可変入賞球装置15が2秒間開放したあと3秒の閉成期間をおいて再度2秒間開放するように制御を行うようにしてもよい。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、普通図柄プロセスフラグを普通図柄変動待ち処理を示す値に更新する。
図21は、表示制御処理(ステップS22)を示すフローチャートである。表示制御処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、先ず、特別図柄表示器8a,8b、普通図柄表示器10、および普通図柄始動記憶表示器41に対する駆動信号を停止する(ステップS22a)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファ(第1特別図柄用出力バッファ)に設定された表示制御データに応じて、特別図柄表示器8aに対して駆動信号を出力する(ステップS22b)。
具体的には、表示制御データとして停止図柄指定値が設定されていれば、その内容に応じて、特別図柄表示器8aに、今回の可変表示の停止図柄あるいは前回の可変表示の停止図柄を表示するための駆動信号を出力する。また、表示制御データとして変動状態指定値が設定されていれば、特別図柄表示器8aの表示状態を点滅状態とするための駆動信号を出力する。また、表示制御データとして開放回数表示指定値がセットされていれば、特別図柄表示器8aに、大当り中における大入賞口の開放回数を表示するための駆動信号を出力する。さらに、表示制御データとして消灯指定値がセットされていれば、特別図柄表示器8aに、大当り中における大入賞口の開放回数の表示を消灯するための駆動信号を出力する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、ステップS22bと同様にして、第2特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファ(第2特別図柄用出力バッファ)に設定された表示制御データに応じて、特別図柄表示器8bに対して駆動信号を出力する(ステップS22c)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファ(普通図柄用出力バッファ)に設定された表示制御データに応じて、普通図柄表示器10に対して駆動信号を出力する(ステップS22d)。
具体的には、表示制御データとして停止図柄指定値が設定されていれば、その内容に応じて、普通図柄表示器10に、今回の可変表示の停止図柄あるいは前回の可変表示の停止図柄を表示するための駆動信号を出力する。また、表示制御データとして変動状態指定値が設定されていれば、普通図柄表示器10の表示状態を左右のランプを交互に点灯させるための駆動信号を出力する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特別図柄保留記憶数データ設定用の出力バッファ(特別図柄用始動入賞記憶数バッファ)に設定された特別図柄保留記憶数データに応じて、特別図柄始動記憶表示器18a,18bに対して、それぞれ、現在の第1特別図柄または第2特別図柄の保留記憶数を表示させるための駆動信号を出力する(ステップS22e)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、普通図柄保留記憶数データ設定用の出力バッファ(普通図柄用始動入賞記憶数バッファ)に設定された普通図柄保留記憶数データに応じて、普通図柄始動記憶表示器41に対して、現在の普通図柄の保留記憶数を表示させるための駆動信号を出力する(ステップS22f)。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、他のデータ設定用の出力バッファ(例えば遊技状態表示制御データ設定用の出力バッファなど)の他の出力バッファの設定内容に応じて、駆動信号を出力する(ステップS22g)。ステップS22gでは、例えば、確変状態や時短状態などの遊技状態を表示する表示装置(例えば遊技状態報知ランプ25)に対して、遊技状態を表示させるための駆動信号を出力する処理などが実行される。
図22は、記憶処理(ステップS34)を示すフローチャートである。記憶処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、先ず、現在の普通図柄の保留記憶数に応じた普通図柄保留記憶数データを普通図柄用始動入賞記憶数バッファに設定する(ステップS34a)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、現在の特別図柄の保留記憶数に応じた特別図柄保留記憶数データを特別図柄用始動入賞記憶数バッファに設定する(ステップS34b)。
図23は、第1特別図柄表示制御処理(ステップS35の特別図柄表示制御処理のうち第1特別図柄に関する処理)を示すフローチャートである。なお、ステップS35の特別図柄表示制御処理には、第1特別図柄表示制御処理と同様に処理される第2特別図柄表示制御処理も含まれるが、ここではその説明は省略する。第1特別図柄表示制御処理では、第1特別図柄プロセスフラグが示す値に応じて、特別図柄表示器8aに表示すべき第1特別図柄の表示内容を特定する指定値を、第1特別図柄用出力バッファにセットする処理が実行される。ここで第1特別図柄用出力バッファにセットされた指定値に応じて、上述したステップS22bにて駆動信号が出力される。
第1特別図柄表示制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、先ず、第1特別図柄プロセスフラグを読み出す(ステップS35a)。次いで、読み出した第1特別図柄プロセスフラグがステップS303(第1特別図柄変動処理)を示す値であれば(ステップS35bのY)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1特別図柄プロセスタイマを1減算し(ステップS35c)、変動状態指定値を選択し(ステップS35d)、選択した変動状態指定値を特別図柄用出力バッファにセットする(ステップS35e)。なお、変動状態指定値は、第1特別図柄の変動期間に応じて選択され、本例では、ステップS35dにて変動表示における変動状態にて表示される図柄を示す指定値が選択される。
ステップS35aにて読み出した第1特別図柄プロセスフラグが、ステップS300(第1特別図柄通常処理)、ステップS301(第1特別図柄停止図柄設定処理)、ステップS302(変動時間設定処理)、ステップS304(第1特別図柄停止処理)のいずれかを示す値であれば(ステップS35f)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、停止図柄指定値を選択し(ステップS35g)、選択した停止図柄指定値を特別図柄用出力バッファにセットする(ステップS35h)。
なお、本例では、ステップS35fにて第1特別図柄プロセスフラグの示す値が所定の値であれば、ステップS35gに移行し、図柄が停止しているときでもステップS35hにて停止図柄指定値を毎回セットするようにしているが、第1特別図柄プロセスフラグの示す値を記憶しておき、ステップS35fにて第1特別図柄プロセスフラグが更新されたか否かを判定し、第1特別図柄プロセスフラグが更新されていたときにのみ処理をステップS35gに移行させるようにしてもよい。ただし、本例のように、ステップS35hにて停止図柄指定値を毎回セットする構成とした方が、第1特別図柄プロセスフラグの示す値を記憶する処理や、第1特別図柄プロセスフラグが更新されたか否かを判定する処理が不要となるため、遊技制御用マイクロコンピュータ60の負荷を軽減することができる。
なお、停止図柄指定値は、第1特別図柄プロセスフラグの状態に応じて選択される。具体的には、第1特別図柄プロセスフラグがステップS300〜ステップS302のいずれかを示す値であれば、ステップS35gにて、前回の変動表示の表示結果であった停止図柄を示す停止図柄指定値が選択される。一方、第1特別図柄プロセスフラグがステップS304を示す値であれば、ステップS35gにて、今回の変動表示の表示結果である停止図柄を示す停止図柄指定値が選択される。なお、第1特別図柄プロセスフラグがステップS302を示す値である場合に、前回の変動表示の表示結果であった停止図柄を示す停止図柄指定値として大当り図柄を示す停止図柄指定値が選択された場合には、はずれ図柄を示す停止図柄指定値に差し替えるようにしてもよい。
ステップS35aにて読み出した第1特別図柄プロセスフラグが、ステップS300〜ステップS304のいずれかを示す値でなければ(ステップS35fのN)、すなわち大当り遊技状態であるときには、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、大入賞口開放回数表示待ちタイマが0であるか否か確認する処理を行う(ステップS35i)。
大入賞口開放回数表示待ちタイマは、例えば、ステップS306からステップS307に移行するときにセットされ、次回のラウンドが開始するときにタイムアウトするような時間がセットされるタイマである。
大入賞口開放回数表示待ちタイマが0でなければ(ステップS35iのN)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、大入賞口開放回数表示待ちタイマを1減算し(ステップS35j)、消灯指定値を特別図柄用出力バッファにセットする(ステップS35k)。消灯指定値は、大入賞口開放回数の表示の終了を指示するための指定値である。
大入賞口開放回数表示待ちタイマが0であれば(ステップS35iのY)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、開放回数表示指定値を選択し(ステップS35l)、選択した開放回数表示指定値を特別図柄用出力バッファにセットする(ステップS35m)。
なお、開放回数表示指定値は、大当り遊技状態におけるラウンド数に応じて選択される。具体的には、これから移行するラウンドのラウンド数を示す開放回数表示指定値が選択される。
図24は、普通図柄表示制御処理(ステップS36)を示すフローチャートである。普通図柄表示制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、先ず、普通図柄プロセスフラグを読み出す(ステップS36a)。次いで、読み出した、普通図柄プロセスフラグがステップS105(普通図柄変動処理)を示す値であれば(ステップS36bのY)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、普通図柄変動時間タイマを1減算し(ステップS36c)、変動状態指定値を選択し(ステップS36d)、選択した変動状態指定値を普通図柄用出力バッファにセットする(ステップS36e)。なお、変動状態指定値は、特別図柄の変動期間に応じて選択され、本例では、ステップS36dにて左右の発光体が交互に点灯する変動表示におけるいずれかの時点での表示状態を示す変動状態指定値が選択される。
ステップS36aにて読み出した普通図柄プロセスフラグが、ステップS105(普通図柄変動処理)以外の処理を示す値であれば(ステップS36bのN)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、停止図柄指定値を選択し(ステップS36f)、選択した変動状態指定値を普通図柄用出力バッファにセットする(ステップS36g)。
停止図柄指定値は、普通図柄プロセスフラグの状態に応じて選択される。具体的には、普通図柄プロセスフラグがステップS103〜ステップS104のいずれかを示す値であれば、ステップS36fにて、前回の変動表示の表示結果であった停止図柄を示す停止図柄指定値が選択される。一方、普通図柄プロセスフラグがステップS106〜ステップS107のいずれかを示す値であれば、ステップS36fにて、今回の変動表示の表示結果である停止図柄を示す停止図柄指定値が選択される。
なお、本例では、上記のように、特別図柄プロセス処理(ステップS25,27)と特別図柄表示制御処理(ステップS35)とを別個に設けているが、双方をまとめて処理するようにしてもよい。また、特別図柄プロセス処理(ステップS25,27)と特別図柄表示制御処理(ステップS35)とで実行される各種の処理について、特別図柄プロセス処理では特別図柄プロセスフラグを更新する処理のみを行い、他の処理は全て特別図柄表示制御処理で行うようにしてもよい。
また、本例では、上記のように、普通図柄プロセス処理(ステップS28)と普通図柄表示制御処理(ステップS36)とを別個に設けているが、双方をまとめて処理するようにしてもよい。また、普通図柄プロセス処理(ステップS28)と普通図柄表示制御処理(ステップS36)とで実行される各種の処理について、普通図柄プロセス処理では普通図柄プロセスフラグを更新する処理のみを行い、他の処理は全て普通図柄表示制御処理で行うようにしてもよい。
次に、遊技制御手段から演出制御手段に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図25は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図25に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号D0〜D7の8本の信号線で主基板31から演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、ストローブ信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。なお、図25には、演出制御コマンドの例が示されているが、他の電気部品制御基板(この実施の形態では払出制御基板37)への制御コマンドも、8本の信号線と1本のINT信号の信号線によって送信される。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図26に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ101は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ101から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる取込信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ101が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図26に示された極性と逆極性であってもよい。
図27は、演出制御基板80に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図27に示す例において、コマンド8000(H)〜8058(H)は、第1特別図柄に対応して可変表示装置9aにて可変表示される第1飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド、第1変動パターンコマンド)である。コマンド8100(H)〜8158(H)は、第2特別図柄に対応して可変表示装置9bにて可変表示される第2飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド、第2変動パターンコマンド)である。
コマンド85XX(H)は、第1特別図柄の表示結果を指定する演出制御コマンド(表示結果指定コマンド、第1表示結果指定コマンド)である。第1表示結果指定コマンドは、可変表示装置9aにおける第1飾り図柄の停止図柄の決定などのために用いられる。コマンド86XX(H)は、第2特別図柄の表示結果を指定する演出制御コマンド(表示結果指定コマンド、第2表示結果指定コマンド)である。第2表示結果指定コマンドは、可変表示装置9bにおける第2飾り図柄の停止図柄の決定などのために用いられる。
コマンド9000(H)は、可変表示装置9aでの予告表示(第1予告表示)の実行の指定と、可変表示装置9bでの予告表示(第2予告表示)の実行の指定とに用いられる予告表示指定コマンドである。
コマンドA000(H)は、第1飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンドである。コマンドA100(H)は、第2飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンドである。
コマンドBXXX(H)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される演出制御コマンドである。そして、コマンドC000(H)〜EXXX(H)は、飾り図柄の変動および大当り遊技に関わらない可変表示装置9a,9bの表示状態に関する演出制御コマンドである。
コマンドD000(H)は、可変表示装置9aにおける客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンドである。コマンドD100(H)は、可変表示装置9bにおける客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンドである。
また、コマンドE400(H)は、高確率状態から低確率状態になったときに送信されるコマンドであり、コマンドE401(H)は、低確率状態から高確率状態になったときに送信されるコマンドである。
なお、各演出制御コマンドは、特に言及していない場合であっても、例えばMODEデータを異ならせることによって、可変表示装置9aでの表示指示用であるのか可変表示装置9bでの表示指示用であるのかが区別可能に構成されている。
演出制御基板80の演出制御手段は、主基板31の遊技制御手段から上述した演出制御コマンドを受信すると図27に示された内容に応じて可変表示装置9a,9bの表示状態を変更するとともに、ランプ・LEDの表示状態を変更し、必要ならば音声制御基板70に対して音番号データを出力する。なお、図27に示された例以外の制御コマンドも遊技制御手段から演出制御手段に送信される。例えば、賞球LED51や球切れLED52の表示状態、および大当り遊技に関するより詳細な演出制御コマンドも遊技制御手段から演出制御手段に送信される。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図28は、演出制御用マイクロコンピュータ101が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるための2msタイマの初期設定等を行うための初期化処理が行われる(ステップS701)。その後、演出制御用マイクロコンピュータ101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用マイクロコンピュータ101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
この実施の形態では、タイマ割込は2ms毎にかかる。すなわち、演出制御処理は、2ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な演出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で演出制御処理を実行してもよい。
演出制御処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ101は、第1演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。第1演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第1演出制御プロセスフラグ)に対応したプロセスを選択して可変表示装置9aの表示制御を実行する。また、演出制御用マイクロコンピュータ101は、第2演出制御プロセス処理を行う(ステップS706)。第2演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第2演出制御プロセスフラグ)に対応したプロセスを選択して可変表示装置9bの表示制御を実行する。そして、乱数カウンタを更新する処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702のタイマ割込フラグの確認を行う処理に戻る。
次に、主基板31からの演出制御コマンド受信処理について説明する。図29は、主基板31から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよく、例えば、図柄指定コマンド格納領域を3個(2×3=6バイトのコマンド受信バッファ)、それ以外の変動パターン指定などのコマンド格納領域を1個(2×1=2バイトのコマンド受信バッファ)のようなバッファ構成としてもよい。音声制御手段や、ランプ制御手段においても同様に、リングバッファ形式でないバッファ形式としてもよい。
主基板31からの演出制御用のINT信号は演出制御用マイクロコンピュータ101の割込端子に入力されている。例えば、主基板31からのINT信号がオン状態になると、演出制御用マイクロコンピュータ101において割込がかかる。そして、演出制御用マイクロコンピュータ101は、割込処理において演出制御コマンドの受信処理を実行する。演出制御コマンドの受信処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、受信した演出制御コマンドデータを、コマンド受信個数カウンタが示す受信コマンドバッファに格納する。
図30は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用マイクロコンピュータ101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。
受信した演出制御コマンドが第1変動パターン指定の演出制御コマンドであれば(ステップS614)、演出制御用マイクロコンピュータ101は、そのコマンドのEXTデータを第1変動パターンデータ格納領域に格納する(ステップS615)。
受信した演出制御コマンドが第2変動パターン指定の演出制御コマンドであれば(ステップS616)、演出制御用マイクロコンピュータ101は、そのコマンドのEXTデータを第2変動パターンデータ格納領域に格納する(ステップS617)。
受信した演出制御コマンドが第1飾り図柄指定の演出制御コマンドであれば(ステップS618)、演出制御用マイクロコンピュータ101は、そのコマンドのEXTデータを第1飾り図柄格納領域に格納する(ステップS619)。
受信した演出制御コマンドが第2飾り図柄指定の演出制御コマンドであれば(ステップS620)、演出制御用マイクロコンピュータ101は、そのコマンドのEXTデータを第2飾り図柄格納領域に格納する(ステップS621)。
受信した演出制御コマンドが第1デモンストレーション表示指定の演出制御コマンドであれば(ステップS622)、演出制御用マイクロコンピュータ101は、可変表示装置9aに第1デモンストレーション画面を表示する(ステップS623)。
受信した演出制御コマンドが第2デモンストレーション表示指定の演出制御コマンドであれば(ステップS624)、演出制御用マイクロコンピュータ101は、可変表示装置9bに第2デモンストレーション画面を表示する(ステップS625)。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、ステップS612で読み出した受信コマンドが予告表示指定コマンドである場合には(ステップS626)、第1デモンストレーション表示指定の演出制御コマンドを受信したあとであれば可変表示装置9aにて予告表示を行い、第2デモンストレーション表示指定の演出制御コマンドを受信したあとであれば可変表示装置9bにて予告表示を行う(ステップS627)。すなわち、デモコマンドを受信したあと予告表示指定コマンドを受信したときは、受信したデモコマンドの種類に応じて可変表示装置9aまたは可変表示装置9bにて予告表示を行う。なお、ステップS627では、予告表示指定コマンドを受信したときにデモ表示が実行されていた場合には、そのデモ表示を終了させたあと予告表示を実行する。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、ステップS612で読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には、受信コマンドに対応するコマンド受信フラグをセットし、必要であれば受信コマンドを保存する(ステップS628)。
図31は、図28に示されたメイン処理における第1演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。第1演出制御プロセス処理では、第1演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。
なお、詳細な説明は省略するが、第2演出制御プロセス処理(ステップS706)では、第2演出制御プロセスフラグの値に応じて、第1演出制御プロセス処理と同様の処理が実行される。可変表示装置9aを制御する処理(第1演出制御プロセス処理)において可変表示装置9bの表示制御状態にもとづく処理(例えば第2大当り中演出フラグの状態にもとづく処理)を行う部分については、可変表示装置9bを制御する処理(第2演出制御プロセス処理)に適用した場合、可変表示装置9aの表示制御状態にもとづく処理(例えば第1大当り中演出フラグの状態にもとづく処理)を行うことになる。
第1飾り図柄通常処理(ステップS800):第1変動パターンコマンドを受信しているか否か確認し、受信していれば、第1演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動パターン決定処理に対応した値に変更する。
第1飾り図柄変動パターン決定処理(ステップS801):第1変動パターンデータ格納領域の格納情報などにもとづいて、第1飾り図柄の変動パターンを決定する。
第1飾り図柄変動開始処理(ステップS802):左中右図柄の変動が開始されるように制御する。
第1飾り図柄変動中処理(ステップS803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、左右図柄の停止制御を行う。
第1飾り図柄停止処理(ステップS804):変動時間が終了したあと、全図柄停止を指示する演出制御コマンド(第1飾り図柄停止の演出制御コマンド)を受信していたら、第1飾り図柄の変動を停止し停止図柄を表示する制御を行う。
大当り表示処理(ステップS805):変動時間の終了後、確変大当り表示、時短大当り表示、確変時短大当り表示、または通常大当り表示の制御を行う。
大当り遊技中処理(ステップS806):第1大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
図32は、変動パターンテーブル毎に設定されているプロセスデータの一構成例を示す説明図である。プロセスデータは、プロセスタイマ設定値と演出制御実行データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。演出制御実行データは、表示制御実行データとランプ制御実行データとを含む。表示制御実行データは、飾り図柄の変動期間中における可変表示装置9a,9bの表示状態を示すデータが設定されている。例えば、表示制御実行データ1には、可変表示開始時の可変表示装置9a,9bの表示状態を示すデータが設定されている。また、ランプ制御実行データは、飾り図柄の変動期間中におけるランプ・LEDの表示状態を示すデータが設定されている。例えば、ランプ制御実行データ1には、可変表示開始時のランプ・LEDの表示状態を示すデータが設定されている。そして、飾り図柄の変動期間中において、表示状態を切り替えるタイミング(例えば可変表示装置9a,9bにおいて新たなキャラクタが登場するタイミング、ランプ・LEDを点灯状態から消灯状態に切り替えるタイミング)が到来すると、演出制御手段は、プロセスデータにおける次の演出制御実行データに従って、可変表示装置9a,9bおよびランプ・LEDの表示状態を制御する。プロセスタイマ設定値には、切替のタイミングに応じた時間が設定されている。
このように、演出制御手段が、ROMに記憶されているプログラムおよびプロセスデータにもとづいて演出手段を制御し、複数の演出手段(この実施の形態では可変表示装置9a,9bおよびランプ・LED)の制御に関わるプログラムが、演出制御基板80に搭載されているROMに格納されている。そして、それらのプログラムを格納するROMを1つのROMとして構成することができる。従って、部品点数を減らすことができる。また、ROMに記憶されているプロセスデータのうち、プロセスタイマ設定値が共通化されている。従って、演出制御手段のROM容量を節減することができる。なお、演出制御実行データについても、表示制御実行データとランプ制御実行データとを共通化できるのであれば、1つの演出制御実行データとしてもよい。このように、この実施の形態では、複数の演出手段の制御に関わるデータのうち少なくとも一部のデータ(この実施の形態では音声データROM704に格納されているデータを除くデータ)を同一ROMに格納することができる。
図32に示すプロセスデータは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセスデータは、飾り図柄の変動パターンのそれぞれに応じて用意されている。なお、飾り図柄の変動パターンと、特別図柄の変動パターンとは異なるものである。ただし、飾り図柄の変動パターンには、少なくとも、図11に示した各変動パターンに対応する変動パターンが含まれる。
図33は、図31に示された演出制御プロセス処理における第1飾り図柄通常処理(ステップS800)を示すフローチャートである。第1飾り図柄通常処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、第1変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。第1変動パターンコマンド受信フラグは、ステップS614にてYと判定されたとき、すなわち、第1変動パターンコマンドを受信したときにセットされる。
第1変動パターンコマンド受信フラグがセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ101は、第1変動表示無時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS812)、可変表示装置9aにデモンストレーション画面(第1デモ画面)を表示する(ステップS813)。第1デモ画面は、可変表示装置9aにおいて可変表示が所定期間(例えば30秒、1分)継続して実行されず、かつ大当り遊技演出も実行されていないときに表示される画面である。よって、第1変動表示無時間タイマは、第1飾り図柄の可変表示が終了したとき、または第1大当り遊技が終了したときから、第1飾り図柄の可変表示が実行されない期間が所定期間を経過したか否かを計測するためのタイマである。なお、第1変動表示無時間タイマは、定期的(例えば第1演出制御プロセス処理が実行される毎)に時間が減算あるいは加算されていくことで所定時間を計測するタイマである(他のタイマについても同様)。デモンストレーション画面は、例えば、キャラクタ、文字、ムービー画像などによって表示される。
第1変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ101は、第1演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動パターン決定処理に対応した値に変更する(ステップS814)。
図34は、図31に示された演出制御プロセス処理における第1飾り図柄変動パターン決定処理(ステップS801)を示すフローチャートである。第1飾り図柄変動パターン決定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、第1変動パターンデータ格納領域に格納されているEXTデータに応じて、飾り図柄の変動パターンを決定する(ステップS822)。本例では、演出制御用マイクロコンピュータ101は、飾り図柄の変動パターンの少なくとも一部を独自に決定する。例えば、あらかじめ用意された複数種類の飾り図柄の変動パターンのうち、EXTデータによって特定される変動時間および事前判定結果(確変時短大当り、確変大当り、時短大当り、通常大当り、はずれ、リーチ、予告など)に合致する複数種類の飾り図柄の変動パターンの中から、実行する変動パターンを選択する。上記のようにして、演出制御用マイクロコンピュータ101は、例えば、飾り図柄の演出内容(例えば、どのキャラクタを用いて演出するかなど)、予告演出の実行の有無や演出内容、ミッション演出の有無や演出内容など、飾り図柄の変動態様の少なくとも一部を独自に決定する。
ステップS822にて飾り図柄の変動パターンを決定する際には、例えば、遊技状態が通常状態であるときに使用される変動パターンテーブル(通常状態用飾り図柄変動パターンテーブル)と、遊技状態が確変状態であるときに使用される変動パターンテーブル(確変状態用飾り図柄変動パターンテーブル)と、遊技状態が時短状態であるときに使用される変動パターンテーブル(時短状態用飾り図柄変動パターンテーブル)とが用いられる。各飾り図柄変動パターンテーブルには、複数種類の飾り図柄の変動パターンが設定されている。なお、遊技状態が確変時短状態であるときには、確変状態用飾り図柄変動パターンテーブルが用いられる。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ101が、予告演出の実行の有無、および予告演出の演出内容を決定するようにする場合には、主基板31からの変動パターンコマンドには予告演出の有無や演出内容に関する情報は含まれない。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ101は、主基板31からの変動パターンコマンドが示す変動時間や変動結果にもとづいて、予告演出を実行するか否か、および予告演出の演出内容を決定する。
具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ101は、例えば乱数抽選によって予告演出を実行することに決定した場合には、例えば、ステップS822にて、あらかじめ用意されている複数種類の予告演出用の変動パターンの中から、主基板31からの変動パターンコマンドが示す変動時間に合致する変動パターンを使用する変動パターンとして選択するようにすればよい。なお、自己の飾り図柄の表示結果を予告する予告演出を実行するようにしてもよいし、後に実行される他方の飾り図柄の可変表示の表示結果を一方の飾り図柄の変動表示演出によって予告するようにしてもよい。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ101は、演出制御プロセスフラグを第1飾り図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に更新する(ステップS824)。
図35は、演出制御プロセス処理における第1飾り図柄変動開始処理(ステップS802)を示すフローチャートである。第1飾り図柄変動開始処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、まず、第1飾り図柄の可変表示の変動パターンに応じたプロセスデータを選択する(ステップS831)。そして、選択したプロセスデータにおける演出実行データ1に対応したプロセスタイマをスタートさせる(ステップS832)。また、プロセスデータ中の表示制御実行データ1にもとづいてLCD制御を行う(ステップS833)。例えば、表示制御実行データ1の内容に応じた信号を、LCDによる可変表示装置9aに与える。なお、表示制御実行データにはROMのアドレスが設定され、そのアドレスから始まる領域に、より詳細な制御データを格納しておき、それらの制御データに従ってLCD制御を行うように構成してもよい。また、プロセスデータ中のランプ制御実行データ1にもとづいてランプ・LED制御を行う(ステップS834)。例えば、ランプ制御実行データ1の内容に応じた信号を各ランプ・LEDに与える。なお、ランプ制御実行データにはROMのアドレスが設定され、そのアドレスから始まる領域に、より詳細な制御データを格納しておき、それらの制御データに従ってランプ・LED制御を行うように構成してもよい。
また、変動パターンに応じた音番号データを音声制御基板70に出力する(ステップS835)。音声制御基板70において、音声合成用IC703は、音番号データに応じたデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。
その後、第1変動時間タイマ(第1飾り図柄の変動時間に応じたタイマ)をスタートし(ステップS836)、第1演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動中処理に対応した値にする(ステップS837)。
図36は、演出制御プロセス処理における第1飾り図柄変動中処理(ステップS803)を示すフローチャートである。第1飾り図柄変動中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS841)。タイムアウトしたら、プロセスデータにおける演出制御実行データの切り替えを行う(ステップS842)。すなわち、プロセスデータにおいて、次に設定されているプロセスタイマをスタートさせるとともに(ステップS843)、次に設定されている表示制御実行データにもとづいてLCD制御を行う(ステップS844)。また、プロセスデータ中の次に設定されているランプ制御実行データにもとづいてランプ・LED制御を行う(ステップS845)。
そして、第1変動時間タイマがタイムアウトしていたら(ステップS846)、演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄停止処理に対応した値にする(ステップS847)。
図37は、演出制御プロセス処理における第1飾り図柄停止処理(ステップS804)を示すフローチャートである。第1飾り図柄停止処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、第1飾り図柄停止を指示する演出制御コマンド(第1飾り図柄停止の演出制御コマンド)を受信しているか否か確認する(ステップS852)。第1飾り図柄停止を指示する演出制御コマンドを受信していれば、自己が決定した停止図柄で第1飾り図柄を停止させる制御を行う(ステップS853)。なお、停止図柄は、例えばステップS801にて、演出制御用マイクロコンピュータ101が、表示結果指定コマンドによって認識される第1特別図柄の表示結果に合致した図柄となるように決定する。
そして、ステップS853で大当り図柄を表示した場合には(ステップS854のY)、演出制御用マイクロコンピュータ101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS857)。
ステップS853で大当り図柄を表示しない場合(はずれ図柄を表示した場合)には(ステップS854のN)、演出制御用マイクロコンピュータ101は、第1変動表示無時間タイマによる計測を開始し、演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄通常処理(ステップS800)に対応した値に設定する(ステップS858)。なお、大当り遊技状態に移行する場合には、大当り遊技が終了したときに、第1変動表示無時間タイマによる計測を開始する。
次に、本例の遊技機における特別図柄と飾り図柄の変動状態の関係について詳しく説明する。ここでは、特別図柄表示器8aと可変表示装置9aの図柄変動状態の関係について説明する。なお、ここでは説明しないが、特別図柄表示器8bと可変表示装置9bの図柄変動状態の関係についても同様である。
図38は、始動入賞口13aへの始動入賞が連続して2回あった場合における第1特別図柄と第1飾り図柄の変動状態の具体例を示すタイミング図である。ここでは、始動入賞口13aへの2回の始動入賞(始動入賞A〜B)にもとづく第1特別図柄の変動表示が実行される例について説明する。
始動入賞Aが発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1始動口スイッチ通過処理を実行する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1特別図柄の可変表示の実行が可能な状態となっていれば、事前判定(ステップS68〜S70, S75〜S77, S90参照)を行い、その結果にもとづいて、例えば10秒の変動時間であることを示す変動パターンコマンドと、はずれとなることを指定する表示結果指定コマンドとを送信する(ステップS91a,S91b,S92a,S92b参照)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞Aに応じた第1特別図柄の変動表示(特図変動A)を開始する(ステップS93,S94a参照)。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、始動入賞Aにもとづく変動パターンコマンドを受信すると、受信した変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドにもとづいて、10秒の変動時間で表示結果がはずれとなる第1飾り図柄の変動パターンを決定し(ステップS822参照)、決定した変動パターンに従って第1飾り図柄の変動表示(飾り変動A)を実行する。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞Bが発生したときに、第1始動口スイッチ通過処理(図12参照)を実行する。しかし、未だ特図変動Aが終了しておらず、始動入賞Bにもとづく第1特別図柄の可変表示の実行が可能な状態でないので、始動入賞Bにもとづく第1特別図柄の可変表示は保留される。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特図変動Aの終了タイミングが到来すると、演出制御基板80に対して、図柄停止コマンドを送信するとともに(ステップS131参照)、特図変動Aを終了する(ステップS132参照)。一方、演出制御用マイクロコンピュータ101は、その図柄停止コマンドを受信すると、飾り変動Aを終了する(ステップS852,S853参照)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特図変動Aが終了して第1特別図柄の可変表示の実行が可能な状態となったときに、始動入賞Bにもとづく事前判定(ステップS68〜S70, S75〜S77, S90参照)を行い、その結果にもとづいて、例えば15秒の変動時間であることを示す変動パターンコマンドと、はずれとなることを指定する表示結果指定コマンドとを送信する(ステップS91a,S91b,S92a,S92b参照)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞Bに応じた第1特別図柄の変動表示(特図変動B)を開始する(ステップS93,S94a参照)。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、始動入賞Bにもとづく変動パターンコマンドを受信すると、受信した変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドにもとづいて、15秒の変動時間で表示結果がはずれとなる第1飾り図柄の変動パターンを決定し(ステップS822参照)、決定した変動パターンに従って第1飾り図柄の変動表示(飾り変動B)を実行する。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特図変動Bの終了タイミングが到来すると、演出制御基板80に対して、図柄停止コマンドを送信するとともに(ステップS131参照)、特図変動Bを終了する(ステップS132参照)。一方、演出制御用マイクロコンピュータ101は、その図柄停止コマンドを受信すると、飾り変動Bを終了する(ステップS852,S853参照)。
上記のように、本実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特別図柄の変動開始時に変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを送信し、変動停止時に図柄停止コマンドを送信する。従って、特別図柄と飾り図柄との間の同期を確実にとることができる。
次に、本例の遊技機における複数の特別図柄と複数の飾り図柄の変動状態の関係の例について詳しく説明する。図39は、複数の特別図柄と複数の飾り図柄の変動状態の具体例を示すタイミング図である。
この例では、図39に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄の保留記憶がないときに、始動入賞口13aへの始動入賞(始動入賞A)が発生したあと、始動入賞口13bへの始動入賞(始動入賞a)が発生し、その後にさらに始動入賞口13aへの始動入賞(始動入賞B)が発生したものとする。
この例では、全ての始動入賞にもとづく特別図柄の変動表示の表示結果がはずれとなるものとする。
先ず、始動入賞Aが発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞Aにもとづく変動表示を開始できる状態となっているので、ステップS69にて始動入賞Aにもとづく表示結果がはずれと判定したことなどにもとづいて、ステップS90にて複数種類の変動パターンから実行する変動パターンを決定する。
上記のような事前判定(ステップS68〜S70, S75〜S77,S90参照)の結果にもとづいて、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞Aにもとづく可変表示の変動パターンを示す第1変動パターンコマンド(HA)と、表示結果がはずれとなることを示す表示結果指定コマンド(KA)とを送信する(ステップS91a,S92a,S91b,S92b参照)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞Aに応じた第1特別図柄の変動表示(特図変動A)を開始する(ステップS94a参照)。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、始動入賞Aにもとづく第1変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを受信すると、受信した第1変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドにもとづいて、表示結果がはずれとなる第1飾り図柄の変動パターンを決定し(ステップS822参照)、決定した変動パターンに従って第1飾り図柄の変動表示(飾り変動A)を実行する。
始動入賞a及び始動入賞Bが発生したときは、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞a及び始動入賞Bにもとづく保留記憶を行い、未だ特図変動Aの実行中であるため事前判定は行わない。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特図変動Aの終了タイミングが到来すると、演出制御基板80に対して、第1飾り図柄停止コマンド(TA)を送信するとともに、特図変動Aを終了する。一方、演出制御用マイクロコンピュータ101は、その図柄停止コマンド(TA)を受信すると、飾り変動Aを終了する。
特図変動Aを終了すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞aにもとづく事前判定(第1特別図柄プロセス処理におけるステップS68〜S70, S75〜S77,S90に対応する第2特別図柄プロセス処理の処理参照)を行い、その事前判定の結果にもとづいて、始動入賞aにもとづく可変表示の変動パターンを示す第2変動パターンコマンド(Ha)と、表示結果がはずれとなることを示す第2表示結果指定コマンド(Ka)とを送信する(第1特別図柄プロセス処理におけるステップS91a,S92a,S91b,S92bに対応する第2特別図柄プロセス処理の処理参照)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞aに応じた第2特別図柄の変動表示(特図変動a)を開始する(第1特別図柄プロセス処理におけるステップS94aに対応する第2特別図柄プロセス処理の処理参照)。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、始動入賞aにもとづく第2変動パターンコマンドおよび第2表示結果指定コマンドを受信すると、受信した第2変動パターンコマンドおよび第2表示結果指定コマンドにもとづいて、表示結果がはずれとなる第2飾り図柄の変動パターンを決定し(第1飾り図柄変動パターン決定処理におけるステップS822に対応する第2飾り図柄変動パターン決定処理の処理参照)、決定した変動パターンに従って第2飾り図柄の変動表示(飾り変動a)を実行する。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特図変動aの終了タイミングが到来すると、演出制御基板80に対して、第2飾り図柄停止コマンド(Ta)を送信するとともに、特図変動aを終了する。一方、演出制御用マイクロコンピュータ101は、その図柄停止コマンド(Ta)を受信すると、飾り変動aを終了する。
特図変動aを終了すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞Bにもとづく事前判定(ステップS68〜S70, S75〜S77,S90参照)を行い、その事前判定の結果にもとづいて、始動入賞Bにもとづく可変表示の変動パターンを示す第1変動パターンコマンド(HB)と、表示結果がはずれとなることを示す第1表示結果指定コマンド(KB)とを送信する(ステップS91a,S92a,S91b,S92b参照)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞Bに応じた第1特別図柄の変動表示(特図変動B)を開始する(ステップS94a参照)。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、始動入賞Bにもとづく第1変動パターンコマンドおよび第1表示結果指定コマンドを受信すると、受信した第1変動パターンコマンドおよび第1表示結果指定コマンドにもとづいて、表示結果がはずれとなる第1飾り図柄の変動パターンを決定し(ステップS822参照)、決定した変動パターンに従って第1飾り図柄の変動表示(飾り変動B)を実行する。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特図変動Bの終了タイミングが到来すると、演出制御基板80に対して、第1飾り図柄停止コマンド(TB)を送信するとともに、特図変動Bを終了する。一方、演出制御用マイクロコンピュータ101は、その図柄停止コマンド(TB)を受信すると、飾り変動Bを終了する。
上記のようにして、始動入賞が発生した順番で、第1特別図柄と第1特別図柄が順次可変表示される。また、第1特別図柄と第1特別図柄の可変表示に同期して、第1飾り図柄と第2飾り図柄とが順次可変表示される。
図40は、一方の可変表示装置で可変表示が連続して実行されるときに他方の可変表示装置でデモンストレーション表示がなされる場合の可変表示装置9a,9bの表示状態の例を示す説明図である。図41は、図40の表示演出が実行されるときの複数の特別図柄と複数の飾り図柄の変動状態の例を示すタイミング図である。
この例では、図40,図41に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄の保留記憶がないときに、始動入賞口13bへの始動入賞(始動入賞a)の発生にもとづく第2特別図柄の変動表示(特図変動a)及び第2飾り図柄の変動表示(飾り変動a)が実行されているときに、1番目の始動入賞として始動入賞口13aへの始動入賞(始動入賞A)が発生し、2番目の始動入賞として始動入賞口13aへの始動入賞(始動入賞B)が発生し、3番目の始動入賞として始動入賞口13bへの始動入賞(始動入賞b)が発生し、4番目の始動入賞として始動入賞口13aへの始動入賞(始動入賞C)が発生したものとする。
この例では、全ての始動入賞にもとづく特別図柄の変動表示の表示結果がはずれとなるものとする。
先ず、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特図変動a(飾り変動a)が終了して始動入賞Aにもとづく変動表示を開始できる状態となると(図40(A),図40(B))、第1特別図柄の連続変動回数が2回であるため(ステップS53,S54のY参照)、第2デモコマンドを送信する(ステップS56参照)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、ステップS69にて始動入賞Aにもとづく表示結果がはずれと判定したことなどにもとづいて、ステップS90にて複数種類の変動パターンから実行する変動パターンを決定する。
上記のような事前判定(ステップS68〜S70, S75〜S77,S90参照)の結果にもとづいて、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞Aにもとづく可変表示の変動パターンを示す第1変動パターンコマンドと、表示結果がはずれとなることを示す第1表示結果指定コマンドとを送信する(ステップS91a,S92a,S91b,S92b参照)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞Aに応じた第1特別図柄の変動表示(特図変動A)を開始する(ステップS94a参照)。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、第2デモコマンドを受信すると、可変表示装置9bにて第2デモンストレーション表示を開始する(図40(C))。
また、演出制御用マイクロコンピュータ101は、始動入賞Aにもとづく第1変動パターンコマンドおよび第1表示結果指定コマンドを受信すると、受信した第1変動パターンコマンドおよび第1表示結果指定コマンドにもとづいて、表示結果がはずれとなる第1飾り図柄の変動パターンを決定し(ステップS822参照)、決定した変動パターンに従って第1飾り図柄の変動表示(飾り変動A)を実行する(図40(C))。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特図変動A(飾り変動A)の終了タイミングが到来すると、演出制御基板80に対して、第1飾り図柄停止コマンドを送信するとともに、特図変動Aを終了する。一方、演出制御用マイクロコンピュータ101は、その第1飾り図柄停止コマンドを受信すると、可変表示装置9aにおける飾り変動Aを終了する(図40(D))。なお、演出制御用マイクロコンピュータ101は、飾り変動Aを終了するときも、第2デモ表示を継続して実行する(図40(D))。
特図変動Aを終了すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞Bにもとづく事前判定(ステップS68〜S70, S75〜S77,S90参照)を行い、その事前判定の結果にもとづいて、始動入賞Bにもとづく可変表示の変動パターンを示す第1変動パターンコマンドと、表示結果がはずれとなることを示す第1表示結果指定コマンドとを送信する(ステップS91a,S92a,S91b,S92b参照)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞Bに応じた第1特別図柄の変動表示(特図変動B)を開始する(ステップS94a参照)。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、始動入賞Bにもとづく第1変動パターンコマンドおよび第1表示結果指定コマンドを受信すると、受信した第1変動パターンコマンドおよび第1表示結果指定コマンドにもとづいて、表示結果がはずれとなる第1飾り図柄の変動パターンを決定し(ステップS822参照)、決定した変動パターンに従って第1飾り図柄の変動表示(飾り変動B)を実行する(図40(E))。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特図変動Bの終了タイミングが到来すると、演出制御基板80に対して、第1飾り図柄停止コマンドを送信するとともに、特図変動Bを終了する。一方、演出制御用マイクロコンピュータ101は、その第1飾り図柄停止コマンドを受信すると、飾り変動Bを終了する(図40(F))。なお、演出制御用マイクロコンピュータ101は、飾り変動Bを終了するときも、第2デモ表示を継続して実行している(図40(F))。
特図変動Bを終了すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞bにもとづく事前判定(第1特別図柄プロセス処理におけるステップS68〜S70, S75〜S77,S90に対応する第2特別図柄プロセス処理の処理参照)を行い、その事前判定の結果にもとづいて、始動入賞bにもとづく可変表示の変動パターンを示す第2変動パターンコマンドと、表示結果がはずれとなることを示す第2表示結果指定コマンドとを送信する(第1特別図柄プロセス処理におけるステップS91a,S92a,S91b,S92bに対応する第2特別図柄プロセス処理の処理参照)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞bに応じた第2特別図柄の変動表示(特図変動b)を開始する(ステップS94a参照)。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、始動入賞bにもとづく第2変動パターンコマンドおよび第2表示結果指定コマンドを受信すると、受信した第2変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドにもとづいて、表示結果がはずれとなる第2飾り図柄の変動パターンを決定する(ステップS822参照)。そして、第2デモ表示を終了して、決定した変動パターンに従って第2飾り図柄の変動表示(飾り変動b)を開始する(図40(G))。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特図変動bの終了タイミングが到来すると、演出制御基板80に対して、第2飾り図柄停止コマンドを送信するとともに、特図変動bを終了する。一方、演出制御用マイクロコンピュータ101は、その第2飾り図柄停止コマンドを受信すると、飾り変動bを終了する。そして、上記と同様にして、始動入賞Cにもとづく特図変動Cおよび飾り変動Cが実行される。
上記のようにして、一方の可変表示装置において所定回数(本例では2回)以上連続して特別図柄の可変表示が実行される場合には、その連続して可変表示が実行されている期間中に、他方の可変表示装置においてデモンストレーション画面が表示される。
図42は、一方の可変表示装置で可変表示が連続して実行されるときに他方の可変表示装置で予告表示がなされる場合の可変表示装置9a,9bの表示状態の例を示す説明図である。図43は、図42の表示演出が実行されるときの複数の特別図柄と複数の飾り図柄の変動状態の例を示すタイミング図である。
この例では、図42,図43に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄の保留記憶がないときであって、始動入賞口13bへの始動入賞(始動入賞a)の発生にもとづく第2特別図柄の変動表示(特図変動a)及び第2飾り図柄の変動表示(飾り変動a)が実行されているときに、1番目の始動入賞として始動入賞口13aへの始動入賞(始動入賞A)が発生し、2番目の始動入賞として始動入賞口13aへの始動入賞(始動入賞B)が発生し、3番目の始動入賞として始動入賞口13bへの始動入賞(始動入賞b)が発生し、4番目の始動入賞として始動入賞口13aへの始動入賞(始動入賞C)が発生したものとする。
この例では、始動入賞Aにもとづく特別図柄の変動表示の表示結果が大当り表示結果となり、その他の始動入賞にもとづく特別図柄の変動表示の表示結果ははずれとなるものとする。
先ず、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特図変動a(飾り変動a)が終了して始動入賞Aにもとづく変動表示を開始できる状態となると(図42(A),図42(B))、第1特別図柄の連続変動回数が2回であるため(ステップS53,S54のY参照)、第2デモコマンドを送信する(ステップS56参照)。また、始動入賞Aにもとづく変動表示の表示結果が大当りであるため(ステップS73のY参照)、予告表示指示コマンドを送信する(ステップS74参照)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、ステップS69にて始動入賞Aにもとづく表示結果が大当りと判定したことなどにもとづいて、ステップS90にて複数種類の変動パターンから実行する変動パターンを決定する。
上記のような事前判定(ステップS68〜S70, S75〜S77,S90参照)の結果にもとづいて、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞Aにもとづく可変表示の変動パターンを示す第1変動パターンコマンドと、表示結果が大当りとなることを示す表示結果指定コマンドとを送信する(ステップS91a,S92a,S91b,S92b参照)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞Aに応じた第1特別図柄の変動表示(特図変動A)を開始する(ステップS94a参照)。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、第2デモコマンドを受信したあと予告表示指定コマンドを受信すると(ステップS626のY参照)、可変表示装置9bにて予告表示を実行することに決定し、可変表示装置9bにて予告表示を行う(図42(C))。
また、演出制御用マイクロコンピュータ101は、始動入賞Aにもとづく第1変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを受信すると、受信した第1変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドにもとづいて、表示結果が大当りとなる第1飾り図柄の変動パターンを決定し(ステップS822参照)、決定した変動パターンに従って第1飾り図柄の変動表示(飾り変動A)を実行する(図42(C))。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特図変動A(飾り変動A)の終了タイミングが到来すると、演出制御基板80に対して、第1飾り図柄停止コマンドを送信するとともに、特図変動Aの表示結果として大当り図柄を停止表示して終了する(図42(D))。一方、演出制御用マイクロコンピュータ101は、その図柄停止コマンドを受信すると、可変表示装置9aにおける飾り変動Aの表示結果として大当り図柄を停止表示して終了する(図42(D))。なお、演出制御用マイクロコンピュータ101は、例えば、飾り変動Aの表示結果を表示したときに、予告表示を終了するようにすればよい。
その後、可変表示装置9aにて大当り遊技演出を開始する。なお、特別図柄の変動表示をLCDで行う構成とし、上述した予告演出や大当り遊技演出を特別図柄の変動表示にて行うようにしてもよい。
大当り遊技演出が終了すると、上記と同様にして、始動入賞B,b,Cにもとづく特図変動および飾り変動が順次実行される。
上記のようにして、一方の可変表示装置において所定回数(本例では2回)以上連続して特別図柄の可変表示が実行され、かつ、その連続して実行される可変表示における今回の変動表示の表示結果が大当りとなる場合には、その連続して実行される可変表示における今回の可変表示の実行中に、他方の可変表示装置において予告演出が実行される。
本例では、可変表示装置9bで予告演出を実行する構成としていたが、特別図柄表示器8bで予告演出を実行するようにしてもよい。例えば、特別図柄の更新間隔を通常の変動表示の際の間隔よりも遅くしたり速くしたりして、通常の可変表示演出と異なる演出を行うことによって予告演出を行うようにすればよい。
また、上記の例では、一方の可変表示装置(例えば可変表示装置9a)において所定回数(本例では2回)以上連続して特別図柄の可変表示が実行され、かつ、その連続して実行される可変表示における今回の変動表示の表示結果が大当りとなる場合には、その連続して実行される可変表示における今回の可変表示の実行中に、他方の可変表示装置(例えば可変表示装置9b)において常に予告演出を行うようにしていたが、乱数にもとづく抽選などによって予告演出を行うか否かを決定するようにしてもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ60が抽選などによって予告演出を行うか否かを決定し、予告演出を行うことに決定したときにのみ予告表示指示コマンドを演出制御基板80に対して送信するようにすればよい。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ60からの変動パターンコマンドあるいは表示結果指定コマンドが示す表示結果が大当りとなるか否かにもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ101が抽選などによって予告演出を行うか否かを決定し、決定結果に応じて予告演出を行うようにしてもよい。
さらに、上記の例では、一方の可変表示装置(例えば可変表示装置9a)において所定回数(本例では2回)以上連続して特別図柄の可変表示が実行され、かつ、その連続して実行される可変表示における今回の変動表示の表示結果が大当りとなる場合には、他方の可変表示装置(例えば可変表示装置9b)において常に予告演出を行うようにしていたが、一方の可変表示装置(例えば可変表示装置9a)における連続して実行される可変表示のうち今回の変動表示の表示結果が大当りとならない場合に、例えば乱数にもとづく抽選などによって実行の有無を決定し、他方の可変表示装置(例えば可変表示装置9b)にて予告演出(いわゆるガセ予告)を行うようにしてもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ60が抽選などによって予告演出(ガセ予告)を行うか否かを決定し、予告演出を行うことに決定したときにのみ予告表示指示コマンド(いわゆるガセ予告用の予告表示指示コマンド)を演出制御基板80に対して送信するようにすればよい。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ60からの変動パターンコマンドあるいは表示結果指定コマンドが示す表示結果が大当りとなるか否かにもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ101が抽選などによって予告演出(ガセ予告)を行うか否かを決定し、決定結果に応じて予告演出(ガセ予告)を行うようにしてもよい。
なお、乱数にもとづく抽選によって予告演出を行うか否かを決定する場合には、一方の可変表示装置(例えば可変表示装置9a)における連続した可変表示のうちの今回の可変表示の表示結果が大当りとなるときの方が、一方の可変表示装置(例えば可変表示装置9a)における連続した可変表示のうちの今回の可変表示の表示結果が大当りとならないときと比較して、予告演出を行うことに高確率で決定されるようにすることが好ましい。このようにすれば、遊技者の予告に対する期待を過度に減退させてしまうことを防止することができる。
以上に説明したように、複数の可変表示装置9a,9bを備えた遊技機において、一方の可変表示装置(例えば可変表示装置9a)において所定回数(本例では2回)以上連続して特別図柄の可変表示が実行される場合に、他方の可変表示装置(例えば可変表示装置9b)においてデモ表示を行う構成としたので、保留データが記憶されてはいるが可変表示が長期間に亘って開始されない他方の可変表示装置(例えば可変表示装置9b)において、デモンストレーション表示を実行させるようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、上述した実施の形態では、複数の可変表示装置9a,9bを備えた遊技機において、一方の可変表示装置(例えば可変表示装置9a)において所定回数(本例では2回)以上連続して特別図柄の可変表示が実行され、かつ、その連続して実行される可変表示における今回の変動表示の表示結果が大当りとなる場合には、その連続して実行される可変表示における今回の可変表示の実行中に、他方の可変表示装置において予告演出を実行する構成としたので、保留データが記憶されてはいるが可変表示が長期間に亘って開始されない他方の可変表示装置(例えば可変表示装置9b)において、一方の可変表示装置(例えば可変表示装置9a)における可変表示の表示結果が特定表示結果となることを予告する予告表示を実行させるようにすることができ、複数の可変表示装置により表示演出を行うことができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
また、上述した実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ60が、デモ表示開始条件(一方の可変表示装置(例えば可変表示装置9a)において所定回数(本例では2回)以上連続して特別図柄の可変表示が実行されること)が成立したときに、演出制御基板80に対して、他方の可変表示装置(例えば可変表示装置9b)にてデモンストレーション画面を表示することを指示する第2デモコマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ101が、第2デモコマンドを受信したことにもとづいて、他方の可変表示装置(例えば可変表示装置9b)にてデモンストレーション画面を表示する構成とされているので、デモ表示開始条件が成立したか否かの判定を遊技制御用マイクロコンピュータ60が実行することとして、演出制御基板80にてデモ表示開始条件が成立したか否かの判定に係る処理を実行する必要をなくすことができ、遊技機全体の制御負荷を大幅に低減することができる。たとえば演出制御基板80にてデモ表示開始条件が成立したか否かの判定を行うこととすると、保留データを演出制御基板80で管理する必要があるため、保留データに関わる情報を主基板31から演出制御基板80に常時伝達しておく必要が生じ、遊技機全体の制御負担が大きくなってしまう。これに対し、上述した実施の形態では、デモ表示開始条件が成立したか否かの判定を遊技制御用マイクロコンピュータ60が行う構成とされているので、遊技機全体の制御負荷を大幅に低減することができる。なお、遊技機の処理能力が高い場合などには、デモ表示開始条件が成立したか否かの判定を演出制御用マイクロコンピュータ101が行うようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ60が、第1特別図柄の可変表示の開始条件が成立したと判定されたときに第2デモ表示の実行中であるか否かを判定し、第2デモ表示の実行中であると判定したときは、第1特別図柄の可変表示の開始条件が成立したと判定されたときであってもデモ表示開始条件が成立したか否かの判定を行なわない構成とされているので、第2デモ表示が既に実行されているときに、さらに第2デモ表示の実行を指示するための第2デモコマンドが送信されることを防止することができる。なお、デモ表示開始条件が成立したか否かの判定までは行うが、その判定結果に関わらず、第2デモコマンドを送信しないようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、時短大当りとなったことにもとづいて通常状態であるときに比べて特別図柄の可変表示の可変表示期間を短縮する状態である時短状態(特別有利状態)に移行させ、遊技制御用マイクロコンピュータ60が、時短状態であるときは、第1特別図柄の可変表示の開始条件が成立したと判定されたときであってもデモ表示開始条件が成立したか否かの判定を行なわない構成とされているので、第2デモ表示が開始されたあとすぐに第2特別図柄の可変表示の開始条件が成立する可能性があり、すぐに第2デモ表示が終了するおそれのあるときに、第2デモ表示が実行されることを防止することができる。なお、デモ表示開始条件が成立したか否かの判定までは行うが、その判定結果に関わらず、第2デモコマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、所定条件が成立したことにもとづいて、通常状態であるときに比べて特定遊技状態となる確率が高確率となる状態である確変状態(特定有利状態)に移行させ、遊技制御用マイクロコンピュータ60が、確変状態であるときは、第1特別図柄の可変表示の開始条件が成立したと判定されたときであってもデモ表示開始条件が成立したか否かの判定を行なわない構成としてもよい。なお、デモ表示開始条件が成立したか否かの判定までは行うが、その判定結果に関わらず、第2デモコマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、上述した実施の形態では、デモ表示開始条件が、一方の可変表示装置(例えば可変表示装置9a)において所定回数(本例では2回)以上連続して特別図柄の可変表示が実行されることであるとしていたが、一方の可変表示装置(例えば可変表示装置9a)における開始条件の成立した可変表示の変動が所定期間(例えば30秒)以上継続して実行されることであるとしてもよい。すなわち、上述した実施の形態では、一方の可変表示装置(例えば可変表示装置9a)において所定回数(本例では2回)以上連続して特別図柄の可変表示が実行されるときに、他方の可変表示装置(例えば可変表示装置9b)にてデモンストレーション画面を表示するようにしていたが、一方の可変表示装置(例えば可変表示装置9a)における開始条件の成立した可変表示の変動が所定期間(例えば30秒)以上継続して実行されるときに、他方の可変表示装置(例えば可変表示装置9b)にてデモンストレーション画面を表示するようにしてもよい。この場合、ステップS53にて今回の可変表示の変動時間を判定し(例えば、対象となる可変表示の保留データにおけるランダム1の抽出値やランダム3の抽出値を用いて事前判定処理と同様にして変動時間を判定するようにすればよい)、ステップS54にて今回の可変表示の変動時間が所定期間以上であるか否かを判定するようにすればよい。また、事前判定処理が終了するステップS90の後に、事前判定処理の結果が示す今回の可変表示の変動時間にもとづいて、デモ表示開始条件が成立するか否かを判定し、その判定結果に従ってデモコマンドの送信処理などを行うようにしてもよい。このように構成しても、上記と同様の効果を得ることができる。
なお、デモ表示開始条件が、一方の可変表示装置(例えば可変表示装置9a)において所定回数(本例では2回)以上連続して特別図柄の可変表示が実行されること、あるいは、一方の可変表示装置(例えば可変表示装置9a)における開始条件の成立した可変表示の変動が所定期間(例えば30秒)以上継続して実行されることのうち、少なくとも何れか一方が成立していることであるとしてもよい。
また、デモ表示開始条件が、一方の可変表示装置(例えば可変表示装置9a)において連続して実行される可変表示の変動期間の合計が所定期間以上となることであるとしてもよい。すなわち、遊技機が、開始条件判定手段により第1開始条件が成立したと判定されたときに、開始条件判定手段により第2開始条件が成立したと判定されるまでの期間が所定期間以上であるか否かを判定する期間判定手段を備え、デモンストレーション表示実行手段が、期間判定手段により所定期間以上であると判定されたときに、デモ表示開始条件が成立したとして、第2の可変表示装置にてデモンストレーション表示を実行するように構成されていてもよい。
また、上述した実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ60が、演出制御基板80に対して、予告開始条件(一方の可変表示装置(例えば可変表示装置9a)において所定回数(本例では2回)以上連続して特別図柄の可変表示が実行されること)が成立したときに第2デモコマンドを送信し、さらに、第1特別図柄の開始条件の成立にもとづく可変表示の表示結果が大当り表示結果となるときは(例えばステップS73のY)、予告表示の実行を指示する予告表示指示コマンドを送信し(例えばステップS74)、演出制御用マイクロコンピュータ101が、第2デモコマンドを受信したあとさらに予告表示指示コマンドを受信したことにもとづいて、可変表示装置9bにて予告表示を実行する構成とされているので、予告開始条件が成立したか否か、および第1特別図柄の開始条件の成立にもとづく可変表示の表示結果が大当り表示結果となるか否かの判定を遊技制御用マイクロコンピュータ60が行うこととし、演出制御用マイクロコンピュータ101にて予告表示を行うか否かの判定に係る処理を実行する必要をなくすことができる。
なお、上述した実施の形態では、図44(A)に示すように、第1デモコマンドや第2デモコマンドとは別のコマンドとして、予告表示指示コマンドを送信する構成としていたが、図44(B)に示すように、予告表示の実行指示を含む第1デモAコマンドあるいは第2デモAコマンドと、予告表示の実行指示を含まない第1デモBコマンドあるいは第2デモBコマンドを用意して、予告開始条件が成立し、かつ、一方の特別図柄(例えば第1特別図柄)の開始条件の成立にもとづく可変表示の表示結果が大当り表示結果となるときは、他方の特別図柄(例えば第2特別図柄)に関わる表示装置(例えば可変表示装置9b)にて予告表示を実行させるために、予告表示の実行指示を含むデモコマンド(例えば第2デモAコマンド)を送信し、予告開始条件は成立したが、一方の特別図柄(例えば第1特別図柄)の開始条件の成立にもとづく可変表示の表示結果が大当り表示結果とならないときは、他方の特別図柄(例えば第2特別図柄)に関わる表示装置(例えば可変表示装置9b)にて予告表示を実行させることなくデモ表示を実行させるために、予告表示の実行指示を含まないデモコマンド(例えば第2デモBコマンド)を送信するようにしてもよい。
すなわち、例えば図45に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ60が、予告開始条件(一方の可変表示装置(例えば可変表示装置9a)において所定回数(本例では2回)以上連続して特別図柄の可変表示が実行されること)が成立したときに(例えばステップS54のY)、予告開始条件が成立した可変表示の表示結果が大当り表示結果となるときは(例えばステップS73のY)、予告表示の実行指示を含む第2デモAコマンドを送信し(例えばステップS74a)、予告開始条件が成立した可変表示の表示結果が大当り表示結果とならないときは(例えばステップS73のN)、予告表示の実行指示を含まない第2デモBコマンドを送信する(例えばステップS56a)ようにすればよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ101は、予告表示の実行の指示を含む第2デモAコマンドを受信したときは他方の可変表示装置(例えば可変表示装置9b)にて予告表示を実行し、予告表示の実行の指示を含まない第2デモBコマンドを受信したときは他方の可変表示装置(例えば可変表示装置9b)にて第2デモ表示を実行するようにすればよい。このように、デモンストレーション表示の実行を指示するデモコマンドに、必要に応じて予告表示の実行の指示を含めるようにしたので、予告表示の実行の指示用のコマンドを別途用意する必要を無くすことができ、コマンドの分類の数を減らすことができる。また、予告表示の実行を指示する際に送信するコマンドの数を、第1デモコマンド又は第2デモコマンドと予告表示指定コマンドとの2つから、第1デモAコマンド又は第2デモAコマンドの1つに減らすことができ、予告表示を行う際の遊技制御用マイクロコンピュータ60及び演出制御用マイクロコンピュータ101のコマンドの送受に関する制御負担を軽減させることができる。
また、上述した実施の形態では、図44(A)に示すように、デモコマンドとして、一方の可変表示装置(例えば可変表示装置9a)用の第1デモコマンドと、他方の可変表示装置(例えば可変表示装置9b)用の第2デモコマンドとを用い、さらに予告表示の実行指定のための予告表示指定コマンドを用いるようにしていたが、図44(C)に示すように、第1デモコマンドと第2デモコマンドのみを用い、予告表示指定コマンドを使用しないようにしてもよい。
すなわち、例えば図46に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ60が、予告開始条件(一方の可変表示装置(例えば可変表示装置9a)において所定回数(本例では2回)以上連続して特別図柄の可変表示が実行されること)が成立したときに(例えばステップS54のY)、特定の期間に亘って第2特別図柄に関する可変表示の実行条件が成立しないときに表示されるデモンストレーション表示の実行を指示する第2デモコマンドを送信し(例えばステップS56)、その後に予告表示指示コマンドは送信されない(図14に示すステップS74の処理を設けない)ようにすればよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ101が、第2デモコマンドを受信したあと、第1特別図柄の可変表示結果が大当り表示結果となることを示す表示結果指定コマンドを受信したときに、他方の可変表示装置(例えば可変表示装置9b)にて予告表示を実行するようにすればよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ101が、第2デモコマンドを受信したあと第1特別図柄の可変表示結果が大当り表示結果となることを示す表示結果指定コマンドは受信しなかったときは、第2可変表示装置(例えば可変表示装置9b)にてデモ表示を実行するようにすればよい。このように構成すれば、予告表示を実行するか否かの判定を遊技制御用マイクロコンピュータ60が行う必要をなくすことができる。
また、上述した実施の形態では、第1特別図柄プロセス処理と第2特別図柄プロセス処理とを別個に設ける構成としていたが、本実施の形態では入賞順に順次可変表示が実行されるため、第1特別図柄プロセス処理と第2特別図柄プロセス処理とをまとめた1つの特別図柄プロセス処理によって処理するようにしてもよい。この場合、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理にて、保留されている可変表示のうち入賞順が最も先の可変表示が第1特別図柄の可変表示であるか第2特別図柄の可変表示であるかを判定し、その判定結果に応じて第1特別図柄の可変表示と第2特別図柄の可変表示の何れを行うか等を決定するようにすればよい。
また、上述した実施の形態では、一方の特別図柄の可変表示の開始条件が成立したときに、デモ表示開始条件が成立していれば、他方の特別図柄の保留データの有無に関わらず、他方の可変表示装置にてデモ表示を行う構成としていたが、他方の特別図柄の保留データが無いときにのみ他方の可変表示装置にてデモ表示を行うようにしてもよい。また、一方の特別図柄の可変表示の開始条件が成立し、デモ表示開始条件が成立したときに、一方の特別図柄の保留データおよび他方の特別図柄の保留データがともに無いときにのみ、他方の可変表示装置にてデモ表示を行うようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、デモ表示開始条件が成立したとき以外でも、可変表示が一定期間以上実行されない可変表示装置にてデモ表示を行う構成としているが(ステップS812〜S813参照)、デモ表示開始条件が成立したとき以外のデモ表示は、双方の特別図柄の保留データが無くなってから一定期間以上経過したときにのみ実行されるようにしてもよい。なお、デモ表示開始条件が成立したときに表示されるデモンストレーション表示と、特定に期間に亘って可変表示の実行条件が成立しないときに表示されるデモンストレーション表示とは、異なる表示態様のデモンストレーション表示であってもよいし、同一の表示態様のデモンストレーション表示とされていてもよい。
また、上述した実施の形態では、デモ表示開始条件が成立したとき直ぐに(デモコマンドを受信したとき直ぐに)デモ表示を行う構成としていたが、デモ表示開始条件が成立したときから所定期間が経過したとき(デモコマンドを受信したときから所定期間が経過したとき)にデモ表示を行うようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ101は、デモコマンドを受信したときから時間を計測し、所定期間が経過したときにデモ表示を行うようにすればよい。例えば、デモコマンドを受信したあと、予告表示指示コマンドを受信したか否かを所定期間監視し、予告表示指示コマンドを受信することなく所定期間が経過したときに、予告表示を行うようにすればよい。このように構成すれば、デモコマンドを受信したあと直ぐに予告表示指示コマンドを受信したときに、デモ表示が短時間表示されることなく、予告表示を行うことができるようになる。
また、上述した実施の形態では言及していないが、始動入賞口13a,13bへの入賞にもとづく可変表示の変動時間を、保留記憶数に応じて異ならせるようにしてもよい。また、始動入賞口13aへの入賞にもとづく可変表示の変動時間と、始動入賞口13bへの入賞にもとづく可変表示の変動時間とを、それぞれの保留記憶数に応じて短縮時間とするようにしてもよい。例えば、始動入賞口13aについては、時短状態中で保留記憶数が2〜4個のときは4.3秒に短縮するとともに、通常状態中で保留記憶数が3〜4個のときは4.3秒に短縮し、始動入賞口13bについては、保留記憶数が3個のときは時短状態中と通常状態中とでともに8.1秒に短縮するとともに、保留記憶数が4個のときは3秒に短縮するようにすればよい。上記の変動時間を短縮するか否かの決定や短縮した変動時間の決定は、例えば、始動入賞口13aへの入賞にもとづく可変表示の変動時間であれば上述した変動時間設定処理(ステップS302)にて実行される。このように構成すれば、遊技者の興趣を高めることができる。
また、上述した実施の形態では言及していないが、第1保留記憶領域の保留記憶数と第2保留記憶領域の保記憶留数とにもとづいて、可変表示の開始条件が成立した可変表示の変動期間を決定するようにしてもよい。例えば、第1保留記憶領域の保留記憶数と第2保留記憶領域の保留記憶数とを加算した全体の保留記憶数によって決定するようにすればよい。この場合、全体の保留記憶数1〜8に対応して変動時間が設定されたテーブルを設け、このテーブルを用いて変動時間を決定するようにすればよい。このように構成すれば、変動を開始しない特別図柄の保留記憶数によっても変動時間を異ならせるようにすることができ、遊技者の興趣を高めることができる。
また、上述した各実施の形態では、確変時短状態となったときは、優先的に確変状態に制御し、確変時短状態となったときに時短回数カウンタにセットされた時短回数(例えば100回)の可変表示が実行される前にパンクによって確変状態が終了した場合に(ステップS63のY,S65のN)、残りの時短回数の可変表示が実行されるまで時短状態に制御するようにしているが、確変時短状態となったときに、パンクによって確変状態が終了しなければ、時短回数カウンタにセットされた時短回数(例えば100回)の可変表示が実行されるまで、確変状態かつ時短状態に制御するようにしてもよい。この場合、時短回数カウンタにセットされた時短回数の可変表示が実行される前にパンクによって確変状態が終了すれば、残りの時短回数の可変表示が実行されるまで時短状態とするようにし、パンクによって確変状態が終了することなく時短回数カウンタにセットされた時短回数の可変表示が実行された場合には、パンクによって終了するまで確変状態に制御するようにすればよい。なお、言うまでもないが、上述した実施の形態と同様に、大当りが発生すれば、確変時短状態、確変状態、あるいは時短状態は終了する。
また、上記の各実施の形態では、第1特別図柄および第2特別図柄に対応する始動入賞記憶数をそれぞれ最大4個であるとしていたが、3個以下あるいは5個以上とされていてもよい。さらに、あらかじめ定められた所定条件の成立によって、始動入賞記憶数の上限が変化するように構成されていてもよい。具体的には、例えば、通常時は最大4個であるが、大当りが発生した場合には、大当り遊技状態が終了するまで、最大15個となるようにすることが考えられる。
また、上述した各実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ101の制御によって可変表示装置9a,9bにて各種の報知を行うようにしていたが、可変表示装置9a,9bによって報知されていた各種の情報を、遊技制御用マイクロコンピュータ60が制御する表示装置によって報知する構成としてもよい。この場合、可変表示装置9a,9bを遊技制御用マイクロコンピュータ60が制御することで上記の報知を行うようにしてもよく、可変表示装置9a,9bとは別個の表示装置(例えばLCD)を遊技制御用マイクロコンピュータ60が制御することで上記の報知を行うようにしてもよい。
また、上述した各実施の形態では、特別図柄表示器8a,8bが7セグメント表示器によって構成され、特別図柄始動記憶表示器18と普通図柄始動記憶表示器41とがLEDによって構成され、普通図柄表示器10がランプによって構成され、可変表示装置9a,9bがLCDによって構成されることとしていたが、各表示装置には、それぞれ、7セグメント表示器、LED、ランプ、ドットマトリクスなどの各種の表示装置を適用することができる。
なお、上述した各実施の形態では、飾り図柄を2つの可変表示装置9a,9bによって表示する構成としていたが、それぞれが飾り図柄の可変表示を行う2つの表示エリアを有する1つの可変表示装置によって表示する構成としてもよい。
また、上記の各実施の形態のパチンコ遊技機は、主として、始動入賞にもとづいて可変表示部9a,9bに可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続するパチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。