以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
実施の形態1.
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、スロット機などの他の遊技機に適用することもできる。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近の左右には、それぞれが識別情報としての飾り図柄を可変表示(変動表示)する複数の可変表示部を含む2つの可変表示装置(特別可変表示部)9a,9bが設けられている。可変表示装置9a,9bには、それぞれ、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。
可変表示装置9a,9bの上部には、それぞれ、識別情報としての特別図柄を可変表示する可変表示部を含む2つの特別図柄表示器8a,8bが設けられている。特別図柄表示器8a,8bは、それぞれ、例えば、1つの7セグメント表示器によって構成される。なお、可変表示装置9a,9bは、それぞれ、特別図柄表示器8a,8bに対応して設けられている。
可変表示装置9a,9bの下方の中央付近には、始動入賞口13としての可変入賞球装置15が設けられている。始動入賞口13に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14によって検出される。また、始動入賞口13の下部には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
上記のように、本例では2つの特別図柄表示器8a,8bに対して1つの始動入賞口13が設けられている。
可変表示装置9a,9bと特別図柄表示器8a,8bとの間には、それぞれ、始動入賞口13a,13bに入った有効入賞球数すなわち始動記憶数を表示する4つのLEDから成る特別図柄始動記憶表示器18a,18bが設けられている。特別図柄始動記憶表示器18a,18bは、それぞれ、有効始動入賞がある毎に、点灯状態とするLEDの数を1増やす。そして、特別図柄始動記憶表示器18a,18bは、対応する可変表示装置9a,9bの可変表示が開始される毎に、点灯状態とするLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。
可変入賞球装置15の下部の左右には、それぞれ、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21a,21bによって開状態とされる開閉板20a,20bが設けられている。開閉板20a,20bは、それぞれ、大入賞口(可変入賞球装置)を開閉する手段である。開閉板20aから遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球はVカウントスイッチ22aで検出され、開閉板20aからの入賞球はカウントスイッチ23aで検出される。同様に、開閉板20bから遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球はVカウントスイッチ22bで検出され、開閉板20bからの入賞球はカウントスイッチ23bで検出される。遊技盤6の背面には、開閉板20a,20bによって開閉されるそれぞれの大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド24a,24bも設けられている。
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に右側のランプが点灯すれば当たりとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32に入った入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への入賞がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。上記のように、この実施の形態のパチンコ遊技機1には、発光体としてのランプやLEDが各所に設けられている。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニットが、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。
打球が始動入賞口13に入り始動口スイッチ14で検出されると、特別図柄表示器8aで特別図柄を可変表示するか特別図柄表示器8bで特別図柄を可変表示するかが決定される。
特別図柄表示器8aで特別図柄を可変表示することに決定された場合には、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8aにおいて特別図柄が可変表示を始めるとともに、可変表示装置9aにおいて飾り図柄が可変表示を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、特別図柄表示器8aでの特別図柄(第1特別図柄)の可変表示の保留記憶である始動入賞記憶数を1増やす。
また、特別図柄表示器8bで特別図柄を可変表示することに決定された場合には、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8bにおいて特別図柄が可変表示を始めるとともに、可変表示装置9bにおいて飾り図柄が可変表示を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、特別図柄表示器8bでの特別図柄(第2特別図柄)の可変表示の保留記憶である始動入賞記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の可変表示は、それぞれ、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、対応する開閉板20a,20bが、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20a,20bの開放中に打球がV入賞領域に入賞して対応するV入賞スイッチ22a,22bで検出されると、継続権が発生し開閉板20a,20bの開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
特別図柄表示器8a,8bのいずれかにおける停止時の特別図柄が確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)である場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態となる。
遊技球がゲート32に入賞すると、普通図柄表示器10において普通図柄が可変表示される状態になる。また、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。さらに、確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
図2は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御用マイクロコンピュータに相当:遊技制御手段)53と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14、Vカウントスイッチ22a,22b、およびカウントスイッチ23a,23bからの信号を基本回路53に与える入力ドライバ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、開閉板20a,20bを開閉するソレノイド21a,21bおよび大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド24a,24bを基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59とが搭載されている。
なお、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14、Vカウントスイッチ22a,22b、カウントスイッチ23a,23b等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。入賞検出を行う始動口スイッチ14、Vカウントスイッチ22a,22b、カウントスイッチ23a,23bの各スイッチは、入賞検出手段でもある。なお、入賞検出手段は、複数の入賞口に別個に入賞したそれぞれの遊技球をまとめて検出するものであってもよい。また、ゲートスイッチ32aのような通過ゲートであっても、賞球の払い出しが行われるものであれば、通過ゲートへ遊技球が進入することが入賞になり、通過ゲートに設けられているスイッチ(例えばゲートスイッチ32a)が入賞検出手段になる。さらに、この実施の形態では、V入賞領域に入賞した遊技球は対応するVカウントスイッチ22a,22bのみで検出されるので、大入賞口に入賞した遊技球数は、Vカウントスイッチ22a,22bによる検出数とカウントスイッチ23a,23bによる検出数との和になる。しかし、V入賞領域に入賞した遊技球が、Vカウントスイッチ22a,22bで検出されるとともにカウントスイッチ23a,23bでも検出されるようにしてもよい。その場合には、大入賞口に入賞した遊技球数は、カウントスイッチ23a,23bによる検出数に相当する。
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載されている。
遊技制御用マイクロコンピュータで実現される基本回路53は、ゲーム制御(遊技制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。また、遊技制御手段は、遊技制御用マイクロコンピュータで実現される基本回路53で実現されているが、主として、遊技制御用マイクロコンピュータにおけるプログラムに従って制御を実行するCPU56で実現される。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)は、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。
図3は、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声制御基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、ランプドライバ基板35および音声制御基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていない。演出制御基板80において、演出制御用マイクロコンピュータ(電気部品制御用マイクロコンピュータの一例)における演出制御用CPU101は、ROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、主基板31からのストローブ信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、LCDを用いた可変表示装置9a,9bの表示制御を行わせる。VDP109は、GCL(グラフィックコントローラLSI)と呼ばれることもある。なお、可変表示装置9aの表示制御用のVDPと、可変表示装置9bの表示制御用のVDPとが別個に設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート104および出力ドライバ110を介して音声制御基板70に対して音番号データを出力する。また、演出制御用CPU101に入出力するバス(アドレスバス、データバス、および書込/読出信号等の制御信号ラインを含む)はバスドライバ105を介してランプドライバ基板35まで延長されている。
ランプドライバ基板35において、演出制御用CPU101に入出力するバスは、バスレシーバ351を介して出力ポート352および拡張ポート353に接続される。出力ポート352から出力される各ランプを駆動する信号は、ランプドライバ354で増幅され各ランプに供給される。また、出力ポート352から出力される各LEDを駆動する信号は、LED駆動回路355で増幅され各LEDに供給される。
この実施の形態では、遊技機に設けられているランプ・LEDおよび演出用駆動手段は、演出制御基板80に搭載されている演出用CPU101を含む演出制御手段によって制御される。また、可変表示装置9a,9bおよびランプ・LED等を制御するためのデータがROMに格納されている。演出用CPU101は、ROMに格納されているデータにもとづいて可変表示装置9a,9bおよびランプ・LED等を制御する。そして、ランプドライバ基板35に搭載されている出力ポート352および各駆動回路を介して、ランプ・LEDおよび演出用駆動手段が駆動される。従って、機種変更を行う際に、ランプドライバ基板35についてポート数を変更する等の設計変更を行う必要はあるが、演出制御基板80については、プログラムを格納するROMを交換するだけでよく回路の設計変更を行う必要はない。
音声制御基板70において、演出制御基板80からの音番号データは、入力ドライバ702を介して、例えばデジタルシグナルプロセッサによる音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じたデータを音声データ基板70Aに搭載されている音声データROM704から読み出し、読み出したデータに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。
音声データROM704に格納されている音番号データに応じたデータは、所定期間(例えば特別図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。音声合成用IC703は、音番号データを入力すると、音声データROM704内の対応するデータに従って音出力制御を行う。対応するデータに従った音出力制御は、次の音番号データを入力するまで継続される。そして、音声合成用IC703は、次の音番号データを入力すると、新た入力した音番号データに対応した音声データROM704内のデータに従って音出力制御を行う。
この実施の形態では、スピーカ27から出力される音声や効果音は演出制御用CPU101を含む演出制御手段によって制御されるのであるが、演出制御手段は、音声制御基板70に音番号データを出力する。音声制御基板70において、音声データROM704には、遊技の進行に伴って出現しうる音声や効果音を実現するための多数のデータが格納され、それらのデータは音番号データに対応付けられている。従って、演出制御手段は、音番号データを出力するだけで音出力制御を実現することができる。なお、音番号データは例えば1バイトデータであり、シリアル信号線またはパラレル信号線によって音声制御基板70に転送される。
上記のように、電気部品制御基板には、電気部品制御用マイクロコンピュータを含む電気部品制御手段が搭載されている。電気部品制御手段は、遊技制御手段からの指令信号(制御信号)に従って遊技機に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、可変表示装置9a,9b、ランプやLEDなどの発光体、スピーカ27等)を制御する。本例では、主基板31を電気部品制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、電気部品制御基板に搭載される電気部品制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段からの指令信号に従って遊技機に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。
図4は、特別図柄表示器8a,8bや可変表示装置9a,9bなどの各図柄表示装置の接続状態の例を示す説明図である。図4に示すように、本例では、主基板31に搭載されているCPU56は、2つの特別図柄表示器8a,8bと、2つの特別図柄始動記憶表示器18a,18bと、普通図柄表示器10と、普通図柄始動記憶表示器41との表示制御を行う。また、演出制御基板80に搭載されている演出制御用CPU101は、主基板31からの演出制御コマンドにもとづいて、2つの可変表示装置9a,9bを制御して、それぞれの可変表示装置9a,9bにて飾り図柄の表示制御を行う。
本例では、特別図柄表示器8a,8bは、それぞれ、7セグメント表示器によって構成され、セグメント表示を行う。特別図柄は、例えば、「0」〜「9」の10個の数字が用いられる。特別図柄は、「0」〜「9」の順番で順次更新されることで変動表示が行われる、なお、「9」が表示されたあとは「0」に戻る。そして、変動表示が終了したときの停止図柄が「0」のときは「はずれ」を意味し、停止図柄が正の偶数(2,4,6,8)のいずれかであるときは「大当り」を意味し、停止図柄が奇数(1,3,5,7,9)のいずれかであるときは「確変大当り」を意味する。
また、本例では、2つの特別図柄始動記憶表示器18a,18bと、普通図柄始動記憶表示器41とがLEDによって構成されている。また、普通図柄表示器10がランプによって構成され、2つの可変表示装置9a,9bがLCDによって構成されている。飾り図柄は、例えば左中右の3図柄によって表示され、左中右それぞれの図柄には例えば「0」〜「9」の10個の数字が用いられる。そして、飾り図柄は、停止図柄が左中右それぞれが同一の図柄である場合には「大当り」を示唆(単に「大当り」ということがある)していることを意味し、それ以外の停止図柄である場合には「はずれ」を示唆(単に「はずれ」ということがある)していることを意味する。なお、可変表示装置9a,9bによる表示演出を、キャラクタなどの識別情報により行うようにしてもよい。例えば、キャラクタにより表示演出を行う場合には、例えば野球選手を登場させてホームランを打った様子を表示することにより、大当りを示唆するようにすることなどが考えられる。
本例では、遊技領域7の左側に設けられている電気部品(特別図柄表示器8a、可変表示装置9a、特別図柄始動記憶表示器18a、開閉板20a)と、遊技領域7の右側に設けられている電気部品(特別図柄表示器8b、可変表示装置9b、特別図柄始動記憶表示器18b、開閉板20b)とがそれぞれ対応している。なお、普通図柄始動記憶表示器41および普通図柄表示器10は、遊技領域7の右側に設けられている電気部品のみに関わるものではないため、遊技領域の中央付近に配置するようにしてもよい。
始動入賞口13に遊技球が入賞し特別図柄表示器8aで可変表示を実行することに判定すると、特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示中でなければ、特別図柄表示器8aにて第1特別図柄の可変表示が開始されるとともに、可変表示装置9aにて第1飾り図柄(可変表示装置9aで可変表示される飾り図柄)の可変表示が開始される。一方、特別図柄表示器8aにて第1特別図柄の可変表示中であれば、保留記憶の上限数でない場合には特別図柄始動記憶表示器18aの点灯数を1増やす。そして、第1特別図柄の可変表示結果が大当り表示結果であれば、大当り遊技状態に移行して開閉板20aが開閉される。
同様に、始動入賞口13に遊技球が入賞し特別図柄表示器8bで可変表示を実行することに判定すると、始動入賞口13bに遊技球が入賞すると、特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示中でなければ、特別図柄表示器8bにて第2特別図柄の可変表示が開始されるとともに、可変表示装置9bにて第2飾り図柄(可変表示装置9bで可変表示される飾り図柄)の可変表示が開始される。一方、特別図柄表示器8bにて第2特別図柄の可変表示中であれば、保留記憶の上限数でない場合には特別図柄始動記憶表示器18bの点灯数を1増やす。そして、第2特別図柄の可変表示結果が大当り表示結果であれば、大当り遊技状態に移行して開閉板20bが開閉される。
次に遊技機の動作について説明する。図5は、主基板31における遊技制御手段(CPU56およびROM54,RAM55等の周辺回路)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、CPU56は、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。なお、割込みモード2は、遊技制御用マイクロコンピュータ56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(図示せず)の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS11〜ステップS14)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。ステップS9では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理にて同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS10)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否かを確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS11)。また、所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行う(ステップS12)。さらに、サブ基板(この実施の形態では払出制御基板37および演出制御基板80)を初期化するための初期化コマンドを各サブ基板に送信する処理を実行する(ステップS13)。初期化コマンドとして、可変表示装置9a,9bに表示される飾り図柄の初期図柄を示すコマンド(演出制御基板80に対して)や賞球ランプ51および球切れランプ52の消灯を指示するコマンド等がある。
そして、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU56に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS14)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
初期化処理の実行(ステップS11〜S14)が完了すると、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされ(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態とされる(ステップS19)。表示用乱数とは、特別図柄表示器8に表示される図柄を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り決定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理において、大当り決定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされるのは、表示用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS17の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS17の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、レジスタの退避処理(ステップS20)を行った後、図6に示すステップS21〜S32の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14、カウントスイッチ23a,23b等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS22,S23)。
また、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う(ステップS24)。第1特別図柄プロセス処理は、特別図柄表示器8aの表示制御を実行するための処理や、可変表示装置9aの表示制御を演出制御手段に実行させるための処理が行われる。第1特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
さらに、CPU56は、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS25)。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2:特別図柄のはずれ図柄を決定する(特別図柄判定用)
(3)ランダム3:大当りを発生させる特別図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(4)ランダム4:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム5:大当りを発生させない場合にリーチとするか否か(本例では、飾り図柄でリーチ演出を実行するか否か)を決定する(リーチ判定用)
(6)ランダム6:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(7)ランダム7:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(8)ランダム8:ランダム6の初期値を決定する(ランダム6初期値決定用)
(9)ランダム9:始動入賞が発生したときに2つの特別図柄表示器8a,8bのうちどちらで特別図柄の可変表示を行うか判定する(表示器判定用)
図7に示された遊技制御処理におけるステップS22では、CPU56は、(1)の大当り判定用乱数、(3)の大当り図柄決定用乱数、および(6)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(9)の乱数以外の乱数も用いられている。
次いで、CPU56は、第2特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。第2特別図柄プロセス処理は、特別図柄表示器8bの表示制御を実行するための処理や、可変表示装置9bの表示制御を演出制御手段に実行させるための処理が行われる。第2特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、第2特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
また、CPU56は、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU56は、飾り図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(飾り図柄コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、入賞口スイッチの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、入賞口スイッチ(賞球払い出しの条件とされている始動口スイッチ14などの各スイッチ)の何れかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
そして、CPU56は、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS31)。さらに、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を行う(ステップS32)。可変入賞球装置15または開閉板20a,20bを開状態または閉状態としたり、大入賞口内の遊技球通路を切り替えたりするために、ソレノイド回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21a,21b,24a,24bを駆動する。その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS33)、割込許可状態に設定する(ステップS34)。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
上述したようにこの実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bによって、それぞれ、第1特別図柄の変動表示が実行されるとともに第2特別図柄の変動表示が実行される。そして、特別図柄表示器8a,8bのいずれかで特定表示結果が導出表示されたときに大当り遊技状態に移行する制御が実行される。このような複数の特別図柄表示器(第1可変表示装置8a,8bを備えてそれぞれの特別図柄表示器8a,8bにて特別図柄の変動表示を行う遊技機では同時に大当りが発生する虞がある。ゆえに、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bにて同時に大当り遊技状態が発生しないような制御を行っている。以下、これらの制御について説明する。なお、以下の説明においては特別図柄表示器8aを制御する処理について説明するが、特別図柄表示器8bを制御する処理も同様の制御が実行される。
図8は、CPU56が実行する第1特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図8に示す特別図柄プロセス処理は、図6のフローチャートにおけるステップS24の具体的な処理である。CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、変動短縮タイマ減算処理(ステップS310)を行い、遊技盤6に設けられている始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14がオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口13に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、始動入賞に応じて特別図柄表示器8aで特別図柄の可変表示を行うことに決定されているか否か確認する(ステップS312)。特別図柄表示器8aで特別図柄の可変表示を行うことに決定されていれば、始動口スイッチ通過処理(ステップS313)を行う。そして、内部状態に応じて、ステップS300〜S308のうちのいずれかの処理を行う。変動短縮タイマは、特別図柄の変動時間が短縮される場合に、変動時間を設定するためのタイマである。
第1特別図柄通常処理(ステップS300):第1特別図柄の可変表示を開始できる状態になるのを待つ。第1特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、第1特別図柄についての始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、第1特別図柄の可変表示の結果を大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に移行するように更新する。
第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):第1特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。
変動時間設定処理(ステップS302):ランダム4の値に応じて変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を第1特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した第1特別図柄の変動時間を計測する第1変動時間タイマをスタートさせる。さらに、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御基板80に対して送信する。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。
第1特別図柄変動処理(ステップS303):第1特別図柄の変動表示を開始したあと、第2特別図柄が大当り図柄となったことにもとづく大当り遊技(第2大当り遊技)が開始されたか否か監視する処理を行う。具体的には、後述する第2大当り実行中フラグの状態を監視する。第2大当り遊技が開始された場合には、第1特別図柄の変動時間(ステップS302の第1変動時間タイマで示された時間)の計測を中断し、第2大当り遊技が終了したあと再開する。そして、第1特別図柄の変動時間が経過すると、第1飾り図柄の停止を指示するための第1飾り図柄停止コマンドを演出制御基板80に対して送信し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。
第1特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄を停止させる。そして、第1特別図柄の停止図柄が大当り図柄である場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
大入賞口開放開始処理(ステップS305):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド21aを駆動して大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、第1大当り中フラグをセットする。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。
大入賞口開放中処理(ステップS306):大入賞口ラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御基板80に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。最後の大入賞口の閉成条件が成立したら、内部状態をステップS307に移行するように更新する。
特定領域有効時間処理(ステップS307):V入賞スイッチ22aの通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS305に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS308に移行するように更新する。
大当り終了処理(ステップS308):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御手段に行わせるための制御を行う。そして、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
図9は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。図9において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。
図9に示されている変動パターンは、第1特別図柄の変動パターンおよび第2特別図柄の変動パターンとして共通に用いられる。第1特別図柄の変動パターンであるか第2特別図柄の変動パターンであるかは2バイト構成の演出制御コマンドにおける1バイト目のMODEデータによって区別される。
この例では、特別図柄の各変動パターンは、はずれとするか否か、確変大当りとするか否か、非確変大当りとするか否か、リーチとするか否か、およびリーチとする場合のリーチ態様など、各種の演出態様の違いに応じて複数種類用意されている。なお、本例では、リーチ演出は、飾り図柄を用いて行う。
なお、「通常変動」とは、リーチ態様を伴わない変動パターンである。「ノーマルリーチ」とは、リーチ態様を伴うが変動結果(停止図柄)が大当りを生じさせるものとならない変動パターンである。「リーチA」は、「ノーマルリーチ」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。また、リーチ態様が異なるとは、リーチ変動時間において異なった態様の変動態様(速度や回転方向等)やキャラクタ等が現れることをいう。例えば、「ノーマル」では単に1種類の変動態様によってリーチ態様が実現されるのに対して、「リーチA」では、変動速度や変動方向が異なる複数の変動態様を含むリーチ態様が実現される。
また、「リーチB」は、「ノーマルリーチ」および「リーチA」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。そして、「リーチC」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」および「リーチB」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。なお、「リーチA」、「リーチB」および「リーチC」では、大当りとなる場合と大当りとならない場合とがある。
なお、短縮表示パターンが用いられるようにしてもよい。短縮表示パターンは、左中右の図柄の変動時間が例えば1.0秒という極めて短い変動パターンである。なお、図9には示されていないが、リーチ演出以外にも、予告演出の有無や、再変動演出の有無など、他の特定演出の実行の有無を含む変動パターンが含まれていてもよい。
図10は第1始動口スイッチ通過処理(ステップS313)を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1始動入賞記憶数が最大値である4に達しているかどうか確認する(ステップS111)。第1始動入賞記憶数が4に達していなければ、第1始動入賞記憶数を1増やし(ステップS112)、大当り判定用乱数等の各乱数の値を抽出し、それらを第1始動入賞記憶数の値に対応した保存領域(第1特別図柄判定用バッファ)に格納する(ステップS113)。なお、乱数を抽出するとは、乱数を生成させるためのカウンタからカウント値を読み出して、読み出したカウント値を乱数値とすることである。ステップS113では、図7に示された乱数のうち、ランダム1〜ランダム5が抽出される。
そして、CPU56は、変動時間を短縮するか否かの判定を行うための変動時間短縮判定時間をセットする(ステップS114)。
図11,図12は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(ステップS300)〜第1特別図柄停止処理(ステップS304)をまとめた第1特別図柄変動処理の例を示すフローチャートである。すなわち、第1特別図柄変動処理は、定期的に実行される第1特別図柄プロセス処理において、第1特別図柄プロセスフラグの値に応じて順次選択されて実行される第1特別図柄通常処理〜第1特別図柄停止処理を、一連の処理としてまとめたものである。従って、実際には、図11,図12に示す第1特別図柄変動処理の各所(例えば、プロセス処理が移行する間や、プロセス処理内でのフラグの状態変更の待ち状態など)にて、他の遊技制御処理が実行されている。第1特別図柄変動処理において、CPU56は、第2大当り実行中フラグがセットされておらず(ステップS50)、かつ、第1特別図柄の変動を開始することができる状態(例えば第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合)であれば(ステップS51)、第1始動入賞記憶数の値を確認する(ステップS52)。具体的には、第1始動入賞カウンタのカウント値を確認する。
なお、第2大当り実行中フラグは、特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示結果が大当り表示結果となったことにより発生した大当り(第2大当り)にもとづく大当り遊技(第2大当り遊技)が開始するときにセットされ、その第2大当り遊技が終了したときにリセットされるフラグである。
また、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動がなされておらず、かつ、第1特別図柄の可変表示結果が大当り表示結果となったことにより発生した大当り(第1大当り)にもとづく大当り遊技(第1大当り遊技)の実行中でもない場合である。
第1始動入賞記憶数が0でなければ、CPU56は、第1始動入賞記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の第1乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS53)、第1始動入賞記憶数の値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54)。すなわち、第1始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1始動入賞記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1始動入賞記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1始動入賞記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数値が抽出された順番を特定することができる。
次いで、CPU56は、ステップS53にて第1乱数バッファ領域に格納した大当り判定用乱数にもとづいて、大当りとするか否かの判定を行う(大当り判定処理:ステップS56)。はずれとする場合には、ステップS53にて第1乱数バッファ領域に格納したリーチ判定用乱数にもとづいて、リーチとするか否かの判定を行う(リーチ判定処理:ステップS57)。
大当り判定処理(大当り判定モジュール)では、大当り判定テーブルを用いて大当りとするか否かの判定が行われる。大当り判定テーブルには、大当り判定用乱数と比較される比較値としての大当り判定値として、低確率時(非確変時)に用いられる判定値と高確率時(確変時)に用いられる判定値とがあらかじめ設定されている。この実施の形態では、低確率時(非確変時)では大当り判定値は「3」、「7」であり、高確率時(確変時)では大当り判定値は「3」、「7」、「79」、「103」、「107」、「177」である。大当り判定処理では、ステップS53にて読み出した大当り判定用乱数が、大当り判定テーブルに設定されている大当り判定値のいずれかと一致したら、大当りとすることに決定される。
同様に、リーチ判定処理(リーチ判定モジュール)では、リーチ判定テーブルを用いてリーチとするか否かの判定が行われる。リーチ判定テーブルには、リーチ判定用乱数と比較される比較値としてのリーチ判定値として、低確率時(非確変時)に用いられる判定値と高確率時(確変時)に用いられる判定値とがあらかじめ設定されている。この実施の形態では、低確率時(非確変時)ではリーチ判定値は「0」、「1」、「11」であり、高確率時(確変時)ではリーチ判定値は「0」、「1」、「9」、「11」、「12」である。リーチ判定処理では、ステップS53にて読み出したリーチ判定用乱数が、リーチ判定テーブルに設定されているリーチ判定値のいずれかと一致したら、リーチとすることに決定される。
大当りの有無を決定すると、CPU56は、その決定結果に応じて、第1特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS58)。具体的には、大当りとすることに決定されている場合には、乱数格納バッファに格納されている大当り図柄決定用乱数(ランダム3)の値に従って大当り図柄を決定する。決定された大当り図柄が確変大当り図柄であれば、確変大当りとすることに決定されたことになる。すなわち、本例では、大当り図柄の決定の際に、確変大当りとするか否かの決定をも実行されていることになる。
また、はずれとすることに決定されている場合には、乱数格納バッファに格納されているはずれ図柄決定用乱数(ランダム2)の値に従ってはずれ図柄を決定する。
次いで、CPU56は、第2確変大当り変動中フラグがセットされていなければ(ステップS59)、ステップS56〜S58での大当りの有無、確変大当りの有無、リーチの有無等の決定結果に応じて設定される変動パターン決定用テーブルにもとづいて、図9に示した変動パターンのいずれとするのかを決定し、第1特別図柄の変動時間を決定する(ステップS60)。
一方、CPU56は、第2確変大当り変動中フラグがセットされていれば(ステップS59)、特別図柄表示器8bにて現在実行されている表示結果が確変大当りとなる可変表示演出の残り時間を確認し、その残り時間よりも長い時間となるように、第1特別図柄の変動時間を決定する(ステップS61)。すなわち、ステップS61では、表示結果が確変大当りとなる現在実行中の第2特別図柄の可変表示演出が終了したあとに、今回の第1特別図柄の可変表示演出が終了するように、あらかじめ定められた複数種類の変動時間(例えば30秒、35秒、1分など)の中から第1特別図柄の変動時間が選択される。そして、CPU56は、決定した変動時間と、ステップS56〜S58での大当りの有無、確変大当りの有無、リーチの有無等の決定結果とに応じて、変動パターン決定用テーブルに設定されている変動パターンのいずれかを選択し、変動パターンを決定する(ステップS62)。
具体的には、ステップS61にて、特別図柄表示器8bにて現在実行されている表示結果が確変大当りとなる可変表示演出の残り時間が30秒であれば、第1特別図柄の変動時間を、あらかじめ定められている31秒以上の複数の変動時間の中から、例えば32秒とすることに決定する。そして、ステップS62にて、変動パターン決定用テーブルから変動時間が32秒の変動パターンのいずれかを選択し、実行する変動パターンとすることに決定する。
変動パターン決定用テーブルは、例えば、大当り用、確変大当り用、リーチ用、はずれ用、第2確変大当り変動中フラグのセット時用などがそれぞれあらかじめ用意され、ステップS56〜S59の判定結果に応じて使用テーブルが設定される。
なお、第2確変大当り変動中フラグは、表示結果が確変大当りとなる可変表示演出が第2特別図柄において実行されているときにセット状態とされるフラグである。CPU56は、ステップS59にて第2確変大当り変動中フラグがセットされていれば、ステップS62にて、第2確変大当り変動中フラグのセット時用の変動パターン決定用テーブルを用いて、現在実行中の第2特別図柄の可変表示演出が終了したあとに今回の第1特別図柄の可変表示演出が終了する変動時間(ステップS61にて決定された変動時間)の変動パターンとすることに決定する。
変動パターンを決定すると、CPU56は、決定した変動パターン指定のコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS63)、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行する(ステップS64)。
コマンドセット処理を実行することによって演出制御コマンドが演出制御基板80に送信される。この実施の形態では、演出制御手段に送信されうる各演出制御コマンドはROM54のコマンド送信テーブルに格納されている。また、コマンドセット処理では、CPU56は、ポインタが示すROM54のアドレスに格納されている演出制御コマンドデータを、演出制御コマンドデータを出力するための出力ポートに設定するとともに、コマンドを送信することを示す演出制御INT信号を出力する。
また、第1特別図柄の変動時間を決定すると、CPU56は、決定した変動時間を示す変動時間データを第1特別図柄プロセスタイマに設定して変動時間の計測を開始するとともに(ステップS65)、特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示を開始する(ステップS66)。また、今回の変動表示の表示結果を確変大当りとする場合には、CPU56は、第1確変大当り変動中フラグをセットする。なお、第1確変大当り変動中フラグは、表示結果が確変大当り表示結果となる第1特別図柄の変動表示が実行されている期間中セット状態にされるフラグであり、表示結果が確変大当り表示結果となる第1特別図柄の変動表示を開始するとき(ステップS66)にセットされ、その変動表示を終了するとき(ステップS76)にリセットされる。
第1特別図柄の変動表示を開始したあと、その変動時間が終了する前に、第2大当り実行中フラグがセットされたことを確認した場合には(ステップS67のY)、CPU56は、変動時間の計測を中断し(ステップS68)、第2大当り実行中フラグがリセットされたときに変動時間の計測を再開する(ステップS69,S70)。
変動時間の計測を再開すると、CPU56は、ステップS53にて読み出した大当り判定用乱数を用いて、大当りとするか否かの判定を再度行う(ステップS71)。また、大当りとすることに決定した場合には、CPU56は、ステップS53にて読み出した大当り図柄決定用乱数(ランダム3)の値に従って大当り図柄を決定することで、確変大当りとするか否か決定する(ステップS72)。
この例では、上記のように第1特別図柄の変動表示が中断されているときに、制御状態が通常状態(非確変状態)から確変状態に移行した場合には、中断されている可変表示の表示結果について、確変状態であるときの大当り判定条件(確変状態であるときの大当り判定値を用いた判定)で再度大当り判定が実行される。よって、非確変状態であるときの大当り判定条件(非確変状態であるときの大当り判定値を用いた判定)で既に大当りとすることが決定されている場合には、ステップS71〜ステップS72の処理を実行しないようにしてもよい。
その後、変動時間が終了すると(ステップS73のY)、CPU56は、飾り図柄停止指定のコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS74)、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行する(ステップS75)。なお、ステップS72にて停止図柄が変更されている場合には、ステップS74にて、その変更の指定を含む飾り図柄停止指定のコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする。
そして、CPU56は、決定されている停止図柄(ステップS72にて変更された場合にはその停止図柄)で第1特別図柄を停止表示する(ステップS76)。さらに、CPU56は、大当りとするときには第1特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値に更新し、はずれとするときには第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理に対応した値に更新する(ステップS77)。
次に、遊技制御手段から演出制御手段に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図13は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図13に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号D0〜D7の8本の信号線で主基板31から演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、ストローブ信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。なお、図13には、演出制御コマンドの例が示されているが、他の電気部品制御基板(この実施の形態では払出制御基板37)への制御コマンドも、8本の信号線と1本のINT信号の信号線によって送信される。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図14に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御手段は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御手段から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる取込信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御手段が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図14に示された極性と逆極性であってもよい。
図15は、演出制御基板80に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図15に示す例において、コマンド8000(H)〜8058(H)は、第1特別図柄に対応して可変表示装置9aにて可変表示される第1飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンドである。コマンド8100(H)〜8158(H)は、第2特別図柄に対応して可変表示装置9bにて可変表示される第2飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンドである。
コマンドA0XX(H)は、第1飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンドである。コマンドA1XX(H)は、第2飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンドである。この例では、可変表示の開始指示を行うときと、停止指示を行うときとで停止図柄が変更されるときに、XX(H)の部分で演出制御基板80に通知するようにしている。具体的には、第1飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンドにおいて、コマンドA000(H)であれば停止図柄の変更がないことを意味し、コマンドA001(H)であれば非確変大当りを示す停止図柄に変更することを意味し、コマンドA002(H)であれば確変大当りを示す停止図柄に変更することを意味する。
コマンドBXXX(H)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される演出制御コマンドである。そして、コマンドC000(H)〜EXXX(H)は、飾り図柄の変動および大当り遊技に関わらない可変表示装置9a,9bの表示状態に関する演出制御コマンドである。
コマンドD000(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンドである。
また、コマンドE400(H)は、高確率状態から低確率状態になったときに送信されるコマンドであり、コマンドE401(H)は、低確率状態から高確率状態になったときに送信されるコマンドである。
なお、各演出制御コマンドは、特に言及していない場合であっても、例えばMODEデータを異ならせることによって、可変表示装置9aでの表示指示用であるのか可変表示装置9bでの表示指示用であるのかが区別可能に構成されている。
演出制御基板80の演出制御手段は、主基板31の遊技制御手段から上述した演出制御コマンドを受信すると図15に示された内容に応じて可変表示装置9a,9bの表示状態を変更するとともに、ランプ・LEDの表示状態を変更し、必要ならば音声出力基板70に対して音番号データを出力する。なお、図15に示された例以外の制御コマンドも遊技制御手段から演出制御手段に送信される。例えば、賞球ランプ51や球切れランプ52の表示状態、および大当り遊技に関するより詳細な演出制御コマンドも遊技制御手段から演出制御手段に送信される。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図16は、演出制御用CPU101が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるための2msタイマの初期設定等を行うための初期化処理が行われる(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
この実施の形態では、タイマ割込は2ms毎にかかる。すなわち、演出制御処理は、2ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な演出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で演出制御処理を実行してもよい。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、第1演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。第1演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第1演出制御プロセスフラグ)に対応したプロセスを選択して可変表示装置9aの表示制御を実行する。また、演出制御用CPU101は、第2演出制御プロセス処理を行う(ステップS706)。第2演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第2演出制御プロセスフラグ)に対応したプロセスを選択して可変表示装置9bの表示制御を実行する。そして、乱数カウンタを更新する処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702のタイマ割込フラグの確認を行う処理に戻る。
次に、主基板31からの演出制御コマンド受信処理について説明する。図17は、主基板31から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよく、例えば、図柄指定コマンド格納領域を3個(2×3=6バイトのコマンド受信バッファ)、それ以外の変動パターン指定などのコマンド格納領域を1個(2×1=2バイトのコマンド受信バッファ)のようなバッファ構成としてもよい。音声制御手段や、ランプ制御手段においても同様に、リングバッファ形式でないバッファ形式としてもよい。
主基板31からの演出制御用のINT信号は演出制御用CPU101の割込端子に入力されている。例えば、主基板31からのINT信号がオン状態になると、演出制御用CPU101において割込がかかる。そして、演出制御用CPU101は、割込処理において演出制御コマンドの受信処理を実行する。演出制御コマンドの受信処理において、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドデータを、コマンド受信個数カウンタが示す受信コマンドバッファに格納する。
図18は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+1しておく。
受信した演出制御コマンドが第1変動パターン指定の演出制御コマンドであれば(ステップS613)、演出制御用CPU101は、第1未処理変動回数カウンタの値を1加算し(ステップS614)、そのコマンドのEXTデータを第1変動パターンデータ格納領域に格納する(ステップS615)。
受信した演出制御コマンドが第2変動パターン指定の演出制御コマンドであれば(ステップS616)、演出制御用CPU101は、第2未処理変動回数カウンタの値を1加算し(ステップS617)、そのコマンドのEXTデータを第2変動パターンデータ格納領域に格納する(ステップS618)。
第1未処理変動回数カウンタは、例えば演出制御基板80が備えるRAMに設けられ、未処理の第1飾り図柄の変動表示に関わる第1変動パターンコマンドの受信回数を計数するカウンタである。また、第2未処理変動回数カウンタは、例えば演出制御基板80が備えるRAMに設けられ、未処理の第2飾り図柄の変動表示に関わる第2変動パターンコマンドの受信回数を計数するカウンタである。
そして、ステップS612で読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には、受信コマンドに対応するフラグをセットする(ステップS619)。
図19は、第1変動パターンデータ格納領域の例を示す説明図である。なお、図示はしないが、第2変動パターンデータ格納領域も第1変動パターンデータ格納領域と同様に構成される。図19に示すように、第1変動パターンデータ格納領域は、第1未処理変動回数カウンタのカウント値に対応して複数設けられている。
そして、ステップS615では、図19に示すように、受信した第1変動パターンコマンドのEXTデータが、ステップS614にて加算されたあとの第1未処理変動回数カウンタのカウント値に対応する変動パターンデータ格納領域に格納される。
図20は、図16に示されたメイン処理における第1演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。第1演出制御プロセス処理では、第1演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。
なお、詳細な説明は省略するが、第2演出制御プロセス処理(ステップS706)では、第2演出制御プロセスフラグの値に応じて、第1演出制御プロセス処理と同様の処理が実行される。
第1飾り図柄通常処理(ステップS800):第2飾り図柄の可変表示等を行う可変表示装置9bにて大当り遊技演出(第2大当り遊技演出)が実行されているか否か確認し、第2大当り遊技演出が実行されていなければ未だ実行していない第1飾り図柄の変動表示が残っているか否か確認する。具体的には、第2大当り中演出フラグがセットされているか否かと、第1未処理変動回数カウンタの値が1以上であるか否かとを確認する。なお、第2大当り中演出フラグは、演出制御用CPU101によって、可変表示装置9bにて大当り遊技演出が開始されるときにセットされ(第1大当り中演出フラグがセットされるステップS854にてYと判定されたあとの処理に対応する処理にてセットされる)、その大当り遊技演出が終了したときにリセットされる(第1大当り中演出フラグがリセットされるステップS806にて最終ラウンドの表示制御等が終了したあとの処理に対応する処理にてリセットされる)フラグである。第2大当り中演出フラグがセットされておらず、かつ、第1未処理変動回数カウンタの値が1以上であれば、演出制御用CPU101は、第1演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動パターン決定処理に対応した値に変更する。
第1飾り図柄変動パターン決定処理(ステップS801):第1変動パターンデータ格納領域の格納情報にもとづいて、第1飾り図柄の変動パターンを決定する。
第1飾り図柄変動開始処理(ステップS802):左中右図柄の変動が開始されるように制御する。
第1飾り図柄変動中処理(ステップS803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、左右図柄の停止制御を行う。
第1飾り図柄停止処理(ステップS804):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(第1飾り図柄停止の演出制御コマンド)を受信したら、第1飾り図柄の変動を停止し停止図柄を表示する。
大当り表示処理(ステップS805):変動時間の終了後、確変大当り表示または通常大当り表示の制御を行う。
大当り遊技中処理(ステップS806):第1大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。なお、最終ラウンドの表示制御等が終了したときは、第1大当り中演出フラグをリセットする。
図21は、変動パターンテーブル毎に設定されているプロセスデータの一構成例を示す説明図である。プロセスデータは、プロセスタイマ設定値と演出制御実行データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。演出制御実行データは、表示制御実行データとランプ制御実行データとを含む。表示制御実行データは、飾り図柄の変動期間中における可変表示装置9a,9bの表示状態を示すデータが設定されている。例えば、表示制御実行データ1には、可変表示開始時の可変表示装置9a,9bの表示状態を示すデータが設定されている。また、ランプ制御実行データは、飾り図柄の変動期間中におけるランプ・LEDの表示状態を示すデータが設定されている。例えば、ランプ制御実行データ1には、可変表示開始時のランプ・LEDの表示状態を示すデータが設定されている。そして、飾り図柄の変動期間中において、表示状態を切り替えるタイミング(例えば可変表示装置9a,9bにおいて新たなキャラクタが登場するタイミング、ランプ・LEDを点灯状態から消灯状態に切り替えるタイミング)が到来すると、演出制御手段は、プロセスデータにおける次の演出制御実行データに従って、可変表示装置9a,9bおよびランプ・LEDの表示状態を制御する。プロセスタイマ設定値には、切替のタイミングに応じた時間が設定されている。
このように、演出制御手段が、ROMに記憶されているプログラムおよびプロセスデータにもとづいて演出手段を制御し、複数の演出手段(この実施の形態では可変表示装置9a,9bおよびランプ・LED)の制御に関わるプログラムが、演出制御基板80に搭載されているROMに格納されている。そして、それらのプログラムを格納するROMを1つのROMとして構成することができる。従って、部品点数を減らすことができる。また、ROMに記憶されているプロセスデータのうち、プロセスタイマ設定値が共通化されている。従って、演出制御手段のROM容量を節減することができる。なお、演出制御実行データについても、表示制御実行データとランプ制御実行データとを共通化できるのであれば、1つの演出制御実行データとしてもよい。このように、この実施の形態では、複数の演出手段の制御に関わるデータのうち少なくとも一部のデータ(この実施の形態では音声データROM704に格納されているデータを除くデータ)を同一ROMに格納することができる。
図21に示すプロセスデータは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセスデータは、飾り図柄の変動パターンのそれぞれに応じて用意されている。なお、飾り図柄の変動パターンと、特別図柄の変動パターンとは異なるものである。ただし、飾り図柄の変動パターンには、少なくとも、図9に示した各変動パターンに対応する変動パターンが含まれる。
図22は、図20に示された演出制御プロセス処理における第1飾り図柄変動パターン決定処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動パターン決定処理において、演出制御用CPU101は、第1変動パターンデータ格納領域の格納情報にもとづいて、今回の第1飾り図柄の可変表示の表示結果が大当り表示結果となるか否か確認する(ステップS811)。大当り表示結果とする場合には、演出制御用CPU101は、可変表示装置9aにて大当り表示結果となる可変表示が実行されているか否かの確認に用いられる第1大当り変動中フラグをセットする(ステップS812)。
次いで、演出制御用CPU101は、未処理変動回数=1に対応する変動パターンデータ格納領域に格納されているEXTデータに応じて飾り図柄の変動パターンを決定し(ステップS813)、未処理変動回数カウンタから1減算する(ステップS814)。また、このとき、変動パターンデータ格納領域に格納されているEXTデータを1つシフト(例えば、未処理変動回数=2〜nに対応して格納されている各EXTデータを、それぞれ、未処理変動回数=1〜n−1に対応する格納領域にシフトする)する。
そして、演出制御プロセスフラグを第1飾り図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に更新する(ステップS815)。
図23は、演出制御プロセス処理における第1飾り図柄変動開始処理(ステップS802)を示すフローチャートである。第1飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、第1飾り図柄の可変表示の変動パターンに応じたプロセスデータを選択する(ステップS831)。そして、選択したプロセスデータにおける演出実行データ1に対応したプロセスタイマをスタートさせる(ステップS832)。また、プロセスデータ中の表示制御実行データ1にもとづいてLCD制御を行う(ステップS833)。例えば、表示制御実行データ1の内容に応じた信号を、LCDによる可変表示装置9aに与える。なお、表示制御実行データにはROMのアドレスが設定され、そのアドレスから始まる領域に、より詳細な制御データを格納しておき、それらの制御データに従ってLCD制御を行うように構成してもよい。また、プロセスデータ中のランプ制御実行データ1にもとづいてランプ・LED制御を行う(ステップS834)。例えば、ランプ制御実行データ1の内容に応じた信号を各ランプ・LEDに与える。なお、ランプ制御実行データにはROMのアドレスが設定され、そのアドレスから始まる領域に、より詳細な制御データを格納しておき、それらの制御データに従ってランプ・LED制御を行うように構成してもよい。
また、変動パターンに応じた音番号データを音声出力基板70に出力する(ステップS835)。音声出力基板70において、音声合成用IC703は、音番号データに応じたデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム707で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。
その後、第1変動時間タイマ(第1飾り図柄の変動時間に応じたタイマ)をスタートし(ステップS836)、第1演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動中処理に対応した値にする(ステップS837)。
図24は、演出制御プロセス処理における第1飾り図柄変動中処理(ステップS803)を示すフローチャートである。第1飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、第2大当り中演出フラグがセットされている場合には(ステップS840)、プロセスタイマおよび第1変動時間タイマの更新処理を中断していなければ、プロセスタイマおよび第1変動時間タイマの更新を中断する(ステップS848)。タイマの更新を中断しているときは、プロセスタイマおよび第1変動時間タイマが更新されずタイムアウトしないため、後述するステップS841およびステップS846にてNと判定され、第1飾り図柄の可変表示の進行が中断される。すなわち、可変表示装置9aでの第1飾り図柄の変動表示の実行中に可変表示装置9bにて大当り遊技演出が開始されると、可変表示装置9aにおける第1飾り図柄の可変表示の進行が中断し、中断したときの第1飾り図柄の変動表示の状態が継続する。
第2大当り中演出フラグがセットされていない場合には(ステップS840)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマおよび第1変動時間タイマの更新処理を中断していれば、プロセスタイマおよび第1変動時間タイマの更新を再開する(ステップS849)。すなわち、可変表示装置9aでの第1飾り図柄の可変表示の進行が中断しているときに、可変表示装置9bでの大当り遊技演出が終了すると、可変表示装置9aにおける第1飾り図柄の可変表示の進行が再開し、中断したときの状態から第1飾り図柄の変動表示が再開する。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する。タイムアウトしたら、プロセスデータにおける演出制御実行データの切り替えを行う(ステップS842)。すなわち、プロセスデータにおいて、次に設定されているプロセスタイマをスタートさせるとともに(ステップS843)、次に設定されている表示制御実行データにもとづいてLCD制御を行う(ステップS844)。また、プロセスデータ中の次に設定されているランプ制御実行データにもとづいてランプ・LED制御を行う(ステップS845)。
そして、第1変動時間タイマがタイムアウトしていたら(ステップS846)、演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄停止待ち処理に対応した値にする(ステップS847)。
図25は、演出制御プロセス処理における第1飾り図柄停止処理(ステップS804)を示すフローチャートである。第1飾り図柄停止処理において、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄停止を指示する演出制御コマンド(第1飾り図柄停止の演出制御コマンド)を受信しているか否か確認する(ステップS852)。第1飾り図柄停止を指示する演出制御コマンドを受信していれば、自己が決定した停止図柄で第1飾り図柄を停止させる制御を行う(ステップS853)。
なお、停止図柄は、演出制御用CPU101が、例えばステップS801にて、変動パターンコマンドが示す対応する第1特別図柄の表示結果に合致した図柄となるように決定する。また、ステップS852にて停止図柄の変更の指定を含む第1飾り図柄停止の演出制御コマンドを受信していた場合には、演出制御用CPU101が、例えばステップS853を実行する前に、第1飾り図柄停止の演出制御コマンドが示す第1特別図柄の停止図柄に合致した図柄となるように、第1飾り図柄の停止図柄を変更する。
そして、ステップS853で大当り図柄を表示した場合には(ステップS854のY)、演出制御用CPU101は、第1大当り変動中フラグをリセットするとともに、第1大当り中演出フラグをセットし、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS855)。
ステップS853で大当り図柄を表示しない場合(はずれ図柄を表示した場合)には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄通常処理(ステップS800)に対応した値に設定する(ステップS856)。
次に、本例の遊技機において一方の第1特別図柄にて確変大当りとなる変動表示が実行される場合における複数の特別図柄の変動状態の関係について詳しく説明する。図26は、複数の特別図柄の変動状態の具体例を示すタイミング図である。
この例では、特別図柄表示器8aにて変動表示を実行することに決定された始動入賞口13への始動入賞Aが発生したあと、特別図柄表示器8aにて変動表示を実行することに決定された始動入賞口13への始動入賞Bが発生する前に、特別図柄表示器8bにて変動表示を実行することに決定された始動入賞口13への始動入賞aおよび始動入賞bが発生したものとする。また、始動入賞Bが発生したあとに、特別図柄表示器8bにて変動表示を実行することに決定された始動入賞口13への始動入賞cが発生したものとする。
この例では、始動入賞Bにもとづく特別図柄の変動表示の表示結果が確変大当り表示結果となり、その他の始動入賞にもとづく特別図柄の変動表示の表示結果ははずれとなるものとする。
図26に示すように、始動入賞Aが発生すると、CPU56は、事前判定(ステップS56〜S58参照)の結果にもとづいて、始動入賞Aに応じた第1特別図柄の変動表示(特図変動A)を開始する。
同様に、始動入賞aが発生すると、CPU56は、事前判定の結果にもとづいて、始動入賞aに応じた第2特別図柄の変動表示(特図変動a)を開始する。
特図変動Aを終えると、CPU56は、事前判定の結果にもとづいて、始動入賞Bに応じた第1特別図柄の変動表示(特図変動B:表示結果が確変大当りとなる変動表示)を開始する。
特別図柄表示器8aでの特図変動Bの実行中に特図変動aを終えると、CPU56は、始動入賞bに応じた第2特別図柄の変動表示(特図変動b)を開始する。特図変動bは、特図変動Bの実行中に開始されるため、特図変動Bが終了したあとに変動表示が終了するように変動時間が定められている(ステップS61参照)。
その後、CPU56は、特図変動Bの終了タイミングが到来すると、特図変動Bを確変大当り表示結果で停止表示し、その後に特別図柄表示器8aにて大当り遊技演出(例えば大当り図柄を点滅表示する演出)を実行する。なお、対応する可変表示装置9aでは、演出制御用CPU101が、第1飾り図柄停止コマンドの受信に応じて第1飾り図柄を確変大当り表示結果で停止表示したあと、大当り遊技演出が開始される。
本例では、可変表示装置9aで大当り遊技演出を開始されたときは、特図変動bが未だ終了していない。従って、特図変動bは、特別図柄表示器8aでの大当り遊技演出が終了するまで実行時間が中断し(ステップS67〜S69参照)、その大当り遊技演出が終了したあと実行時間が再開する(ステップS69,S70参照)。また、特図変動bの表示結果は、実行時間の再開後に再度判定される(ステップS71参照)。従って、特図変動bは、特別図柄表示器8aでの大当り遊技演出が終了し、制御状態が確変状態に移行したあと、確変状態の大当り判定条件で再度大当り判定が実行され、その判定結果が反映された停止図柄で停止する。
なお、本例では、可変表示装置9aで大当り遊技演出が実行されている期間中は、特図変動bに対応して実行されている可変表示装置9bでの第1飾り図柄の変動表示の中断される。
そして、特別図柄表示器8bでの特図変動bを終えると、CPU56は、始動入賞cに応じた第2特別図柄の変動表示(特図変動c)を開始する。特図変動cの表示結果は、確変状態の大当り判定条件で判定される(ステップS56参照)。
以上に説明したように、表示結果が確変大当り表示結果となる第1特別図柄の変動表示の実行中であるときは、第2特別図柄の変動表示の変動時間を決定する際に、第1特別図柄の変動表示の確変大当たり表示結果が導出表示されたあとに第2特別図柄の変動表示の表示結果が導出表示されるような変動時間とすることに決定する構成としているので、特別図柄表示器8aにて大当り表示結果が導出表示されることを遊技者に事前に認識されないようにすることができ、可変表示演出に対する遊技者の興味を持続させることができるとともに、確変状態となる前に可変表示が消化されてしまって遊技者の不満感が高まる結果となることを防止することができる。
また、上述した実施の形態では、一方の特別図柄表示器(例えば特別図柄表示器8a)にて大当り表示結果が導出表示されたときに、他方の特別図柄表示器(例えば特別図柄表示器8b)での特別図柄の可変表示を中断する構成としたので、複数の特別図柄表示器にて同時期に大当り表示結果が導出表示され、複数箇所で大当りが発生してしまうことを防止することができる。
なお、上述した実施の形態では、変動時間の計測を中断することで特別図柄および飾り図柄の可変表示を中断し、再開後に残りの時間分の可変表示を実行することで実現しているため、中断の期間中は、特別図柄の可変表示が継続するとともに、飾り図柄の演出表示も継続する。具体的には、例えば特別図柄や飾り図柄の高速変動表示が継続して実行されたりすることになる。従って、一方の特別図柄表示器(例えば特別図柄表示器8a)にて大当り遊技演出が実行されているときに、他方の特別図柄表示器(例えば特別図柄表示器8b)で特別図柄の変動表示結果が導出表示されることを防止することができ、可変表示の整合をとることができる。また、中断の期間中は、特別図柄の可変表示が継続するとともに、飾り図柄の演出表示も継続するので、見た目上継続して可変表示が実行されていることになり、遊技者に違和感を感じさせることを防止することができ、大当り表示結果が導出表示されることを遊技者に事前に認識されないようにすることができる。
なお、中断の期間中に、はずれ図柄などの大当り図柄以外のあらかじめ定められた図柄を停止表示しておくようにしてもよい。このように構成すれば、一方の特別図柄表示器(例えば特別図柄表示器8a)にて大当り遊技演出が実行されているときに、他方の特別図柄表示器(例えば特別図柄表示器8b)で大当り表示結果が停止表示されることを防止することができ、可変表示の整合をとることができるとともに、遊技者に誤解を与えてしまうことを防止することができる。また、中断の期間中に、大当り遊技演出を実行していない方の特別図柄表示手段にて「一時停止中」などの所定の報知を行うようにしてもよい。
なお、大当り判定用乱数の抽出処理が実行される第1特別図柄プロセス処理と第2特別図柄プロセス処理とが実行される前や後に大当り判定用乱数の更新処理を実行する構成としてもよい。このように構成すれば、一つの大当り判定用乱数発生用の乱数カウンタを共通に利用する構成とした場合に同期する可能性があるが、そのような場合を許容するようにしてもよい。
なお、上述した実施の形態では、表示結果が確変大当り表示結果となる第1特別図柄の変動表示の実行中であるときは、第2特別図柄の変動表示の変動時間を決定する際に、第1特別図柄の変動表示の確変大当たり表示結果が導出表示されたあとに第2特別図柄の変動表示の表示結果が導出表示されるような変動時間とする構成としていたが、さらに、第2特別図柄の変動表示の変動時間を、第1特別図柄の変動表示の確変大当たり表示結果が導出表示されたあとすぐのタイミング(少なくとも確変大当たり表示結果が確実に導出表示されたあととなるタイミングであって、遅くとも次回の第1特別図柄の変動表示の表示結果が導出表示される前のタイミング。具体的には、例えば1秒、2秒、3秒など)で第2特別図柄の変動表示の表示結果が導出表示されるような変動時間とするようにしてもよい。
上記のように構成すれば、確変状態となったあとすぐに第2特別図柄の可変表示の表示結果を導出表示することができ、確変状態となったあとの特別図柄の可変表示の最初の表示結果を早期に導出表示することができ、確変状態での演出を早期に提供することができるようになる。また、確変状態となったあとすぐに導出表示される第2特別図柄の可変表示の表示結果が大当り表示結果となるような場合が起こり得るため、大当り遊技状態を連続して(短期間のインターバルで)発生させることができるようになる。
なお、上述した実施の形態では、確変大当り表示結果が導出表示された場合には、その後の大当り遊技演出が終了したときに制御状態が確変状態に移行する構成としていたが、確変大当り表示結果が導出表示されたときに確変状態に移行する構成としてもよい。このような構成とした場合には、大当り遊技演出に変動時間の計測を中断しなくても、確変大当り表示結果となる変動表示の実行中に開始された他の変動表示の表示結果が、確変状態となる前に導出表示されることは防止される。
図27は、確変大当り表示結果が導出表示されたときに確変状態に移行する構成とするとともに大当り遊技演出に変動時間の計測を中断しない構成とした場合における図26と同様に始動入賞が発生したときの複数の特別図柄の変動状態の具体例を示すタイミング図である。
図27に示す例では、特別図柄表示器8aでの特図変動Bの実行中に特図変動aを終えると、CPU56は、始動入賞bに応じた第2特別図柄の変動表示(特図変動b)を開始する。特図変動bは、特図変動Bの実行中に開始されるため、特図変動Bが終了したあとに変動表示が終了するように変動時間が定められている(ステップS61参照)。
その後、CPU56は、特図変動Bの終了タイミングが到来すると、特図変動Bを確変大当り表示結果で停止表示し、制御状態を確変状態に移行させたあと、特別図柄表示器8aにて大当り遊技演出(例えば大当り図柄を点滅表示する演出)を実行する。
本例では、可変表示装置9aで大当り遊技演出を開始されたときは、特図変動bが未だ終了していないが、特図変動bの実行時間は中断させない(ステップS67〜S72を実行しないようにすればよい)。また、特図変動bの表示結果は、変動時間が終了したときに(ステップS73のY)、再度判定される(ステップS73にてYと判定されたときにステップS71〜S72を実行するようにすればよい)。従って、特図変動bは、特別図柄表示器8aでの確変大当り表示結果が導出表示され、制御状態が確変状態に移行したあと、確変状態の大当り判定条件で再度大当り判定が実行され、その判定結果が反映された停止図柄で停止する。
上記のように構成した場合には、大当り遊技演出に変動時間の計測を中断しなくても、確変状態となったあとに特図変動bの表示結果が導出表示されるので、確変状態となる前に可変表示が消化されてしまって遊技者の不満感が高まる結果となることを防止することができる。
なお、上述した実施の形態では、変動時間の計測が中断されたあとの再開時に、大当り判定などを再度実行する構成(ステップS71〜S72参照)としていたが、大当り判定などの再実行を行わず、次回の可変表示から確変状態での判定条件で判定するようにしてもよい。このように構成した場合であっても、確変状態となったあとに特図変動bの表示結果が導出表示されることには変わりないため、確変状態となる前に可変表示が消化されてしまって遊技者の不満感が高まる結果となることを防止することができる。
実施の形態2.
上述した実施の形態では、始動入賞口13に入賞した順番と、変動表示が実行される順番とが一致しないことを許容する構成としていたが、確変大当り表示結果が導出表示されて確変状態に移行するときには、始動入賞口13に入賞した順番と変動表示の順番との整合をとるように構成するようにしてもよい。以下、確変状態に移行するときは入賞した順番と変動表示の順番との整合をとる構成とした第2の実施の形態について説明する。なお、上述した第1の実施の形態と同様に構成される部分については、その詳細な説明を省略する。
図28は、確変状態に移行するときは入賞した順番と変動表示の順番との整合をとる構成とした場合における第1特別図柄変動処理の例を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動処理において、CPU56は、大当りとするか等の判定処理を行ったあと(ステップS56〜ステップS58)、第2確変大当り変動中フラグがセットされていなければ(ステップS59aのN)、ステップS60に移行する。
一方、第2確変大当り変動中フラグがセットされていれば(ステップS59aのY)、CPU56は、今回の第1特別図柄の可変表示の始動入賞が、特別図柄表示器8bにて現在実行されている表示結果が確変大当りとなる可変表示の始動入賞よりも後であるか否か確認する(ステップS59b)。この確認は、例えば、第1始動口スイッチ通過処理(図10)のステップS113や第2始動口スイッチ通過処理の対応する処理にて抽出した乱数とともに保存領域に保存され、ステップS53にて乱数とともに読み出された入賞順番を示す入賞順番情報にもとづいて実行される。入賞順番情報は、例えば、第1特別図柄の可変表示であるか第2特別図柄の可変表示であるかを問わず入賞した順番を特定するための通し番号を示す数値とされる。
今回の第1特別図柄の可変表示の始動入賞が、特別図柄表示器8bにて現在実行されている表示結果が確変大当りとなる可変表示の始動入賞よりも後であれば、CPU56は、制御状態が確変状態に移行するのを待つ(ステップS59bのY)。具体的には、第2確変大当り変動中フラグがリセットされたあとにセットされた第2大当り実行中フラグが、その後にリセットされるのを待つ。そして、第2大当り実行中フラグがリセットされると、ステップS60に移行する。
今回の第1特別図柄の可変表示の始動入賞が、特別図柄表示器8bにて現在実行されている表示結果が確変大当りとなる可変表示の始動入賞よりも前の始動入賞であれば、CPU56は、今回の第1特別図柄の可変表示の始動入賞が、確変大当りとなる可変表示の始動入賞よりも前の始動入賞のうちの最後の始動入賞であるか否か確認する(ステップS59c)。この確認は、上述した入賞順番情報にもとづいて行われる。
確変大当りとなる可変表示の始動入賞よりも前の始動入賞のうちの最後の始動入賞であれば、CPU56は、特別図柄表示器8bにて現在実行されている表示結果が確変大当りとなる可変表示演出の残り時間を確認し、その残り時間よりも長い時間となるように、第1特別図柄の変動時間を決定する(ステップS61)。そして、CPU56は、決定した変動時間と、ステップS56〜S58での大当りの有無、確変大当りの有無、リーチの有無等の決定結果とに応じて、変動パターン決定用テーブルに設定されている変動パターンのいずれかを選択し、変動パターンを決定する(ステップS62)。その後、ステップS63に移行する。
一方、確変大当りとなる可変表示の始動入賞よりも前の始動入賞のうちの最後の始動入賞でなければ、CPU56は、ステップS60に移行する。すなわち、特別図柄表示器8bにて現在実行されている表示結果が確変大当りとなる可変表示演出の残り時間とは無関係に、第1特別図柄の変動時間を決定する。その後、ステップS63に移行する。
次に、第2の実施の形態における遊技機において一方の第1特別図柄にて確変大当りとなる変動表示が実行される場合における複数の特別図柄の変動状態の関係について詳しく説明する。図29は、複数の特別図柄の変動状態の具体例を示すタイミング図である。
この例では、特別図柄表示器8aにて変動表示を実行することに決定された始動入賞口13への始動入賞Aが発生したあと、特別図柄表示器8aにて変動表示を実行することに決定された始動入賞口13への始動入賞Bが発生する前に、特別図柄表示器8bにて変動表示を実行することに決定された始動入賞口13への始動入賞a、始動入賞bおよび始動入賞cが発生したものとする。また、始動入賞Bが発生したあとに、特別図柄表示器8bにて変動表示を実行することに決定された始動入賞口13への始動入賞dが発生したものとする。
この例では、始動入賞Bにもとづく特別図柄の変動表示の表示結果が確変大当り表示結果となり、その他の始動入賞にもとづく特別図柄の変動表示の表示結果ははずれとなるものとする。
図29に示すように、始動入賞Aが発生すると、CPU56は、事前判定(ステップS56〜S58参照)の結果にもとづいて、始動入賞Aに応じた第1特別図柄の変動表示(特図変動A)を開始する。
同様に、始動入賞aが発生すると、CPU56は、事前判定の結果にもとづいて、始動入賞aに応じた第2特別図柄の変動表示(特図変動a)を開始する。
特図変動Aを終えると、CPU56は、事前判定の結果にもとづいて、始動入賞Bに応じた第1特別図柄の変動表示(特図変動B:表示結果が確変大当りとなる変動表示)を開始する。
特別図柄表示器8aでの特図変動Bの実行中に特図変動aを終えると、CPU56は、始動入賞bに応じた第2特別図柄の変動表示(特図変動b)を開始する。特図変動bは、特図変動Bの実行中に開始されるが(ステップS59aのY参照)、特図変動Bの始動入賞よりも前の始動入賞にもとづく変動であり(ステップS59bのN参照)、特図変動Bの始動入賞よりも前の始動入賞のうち第2特別図柄の変動表示に関わる最後の始動入賞にもとづく変動でないため(ステップS59cのN参照)、特図変動Bの変動時間とは無関係に変動時間が定められている(ステップS60参照)。
特別図柄表示器8aでの特図変動Bの実行中に特図変動bを終えると、CPU56は、始動入賞cに応じた第2特別図柄の変動表示(特図変動c)を開始する。特図変動cは、特図変動Bの実行中に開始され、特図変動Bの始動入賞よりも前の始動入賞にもとづく変動であり(ステップS59bのN参照)、特図変動Bの始動入賞よりも前の始動入賞のうち第2特別図柄の変動表示に関わる最後の始動入賞にもとづく変動であるため(ステップS59cのY参照)、特図変動Bが終了したあとに変動表示が終了するように変動時間が定められている(ステップS61参照)。
その後、CPU56は、特図変動Bの終了タイミングが到来すると、特図変動Bを確変大当り表示結果で停止表示し、その後に特別図柄表示器8aにて大当り遊技演出(例えば大当り図柄を点滅表示する演出)を実行する。なお、対応する可変表示装置9aでは、演出制御用CPU101が、第1飾り図柄停止コマンドの受信に応じて第1飾り図柄を確変大当り表示結果で停止表示したあと、大当り遊技演出が開始される。
本例では、可変表示装置9aで大当り遊技演出を開始されたときは、特図変動cが未だ終了していない。従って、特図変動cは、特別図柄表示器8aでの大当り遊技演出が終了するまで実行時間が中断し(ステップS67〜S69参照)、その大当り遊技演出が終了したあと実行時間が再開する(ステップS69,S70参照)。また、特図変動cの表示結果は、実行時間の再開後に再度判定される(ステップS71参照)。従って、特図変動cは、特別図柄表示器8aでの大当り遊技演出が終了し、制御状態が確変状態に移行したあと、確変状態の大当り判定条件で再度大当り判定が実行され、その判定結果が反映された停止図柄で停止する。
なお、本例では、可変表示装置9aで大当り遊技演出が実行されている期間中は、特図変動cに対応して実行されている可変表示装置9bでの第1飾り図柄の変動表示の中断される。
そして、特別図柄表示器8bでの特図変動cを終えると、CPU56は、始動入賞dに応じた第2特別図柄の変動表示(特図変動d)を開始する。特図変動dの表示結果は、確変状態の大当り判定条件で判定される(ステップS56参照)。
以上に説明したように、表示結果が確変大当り表示結果となる第1特別図柄の変動表示の実行中であるときは、第2特別図柄の可変表示のうち当該確変大当り表示結果となる第1特別図柄の変動表示よりも始動入賞が先に成立した第2特別図柄の変動表示の変動時間を決定する際に、第1特別図柄の変動表示の確変大当たり表示結果が導出表示されたあとに第2特別図柄の変動表示の表示結果が導出表示されるような変動時間とすることに決定する構成としているので、特別図柄表示器8aにて大当り表示結果が導出表示されることを遊技者に事前に認識されないようにすることができ、可変表示演出に対する遊技者の興味を持続させることができるとともに、確変状態となる前に可変表示が消化されてしまって遊技者の不満感が高まる結果となることを防止することができる。
なお、上述した第2の実施の形態では、確変大当り表示結果が導出表示された場合には、その後の大当り遊技演出が終了したときに制御状態が確変状態に移行する構成としていたが、確変大当り表示結果が導出表示されたときに確変状態に移行する構成としてもよい。このような構成とした場合には、大当り遊技演出に変動時間の計測を中断しなくても、確変大当り表示結果となる変動表示の実行中に開始された他の変動表示の表示結果が、確変状態となる前に導出表示されることは防止される。
図30は、確変大当り表示結果が導出表示されたときに確変状態に移行する構成とするとともに大当り遊技演出に変動時間の計測を中断しない構成とした場合における図29と同様に始動入賞が発生したときの複数の特別図柄の変動状態の具体例を示すタイミング図である。
図30に示す例では、特別図柄表示器8aでの特図変動Bの実行中に特図変動aを終えると、CPU56は、始動入賞bに応じた第2特別図柄の変動表示(特図変動b)を実行したあと、始動入賞cに応じた第2特別図柄の変動表示(特図変動c)を開始する。特図変動cは、特図変動Bの実行中に開始され、特図変動Bの始動入賞よりも前の始動入賞にもとづく変動であり(ステップS59bのN参照)、特図変動Bの始動入賞よりも前の始動入賞のうち第2特別図柄の変動表示に関わる最後の始動入賞にもとづく変動であるため(ステップS59cのY参照)、特図変動Bが終了したあとに変動表示が終了するように変動時間が定められている(ステップS61参照)。
その後、CPU56は、特図変動Bの終了タイミングが到来すると、特図変動Bを確変大当り表示結果で停止表示し、制御状態を確変状態に移行させたあと、特別図柄表示器8aにて大当り遊技演出(例えば大当り図柄を点滅表示する演出)を実行する。
本例では、可変表示装置9aで大当り遊技演出を開始されたときは、特図変動cが未だ終了していないが、特図変動cの実行時間は中断させない(ステップS67〜S72を実行しないようにすればよい)。また、特図変動cの表示結果は、変動時間が終了したときに(ステップS73のY)、再度判定される(ステップS73にてYと判定されたときにステップS71〜S72を実行するようにすればよい)。従って、特図変動cは、特別図柄表示器8aでの確変大当り表示結果が導出表示され、制御状態が確変状態に移行したあと、確変状態の大当り判定条件で再度大当り判定が実行され、その判定結果が反映された停止図柄で停止する。
上記のように構成した場合には、大当り遊技演出に変動時間の計測を中断しなくても、確変状態となったあとに特図変動cの表示結果が導出表示されるので、確変状態となる前に、確変大当り表示結果となった可変表示の始動入賞の前に始動入賞した可変表示が消化されてしまって遊技者の不満感が高まる結果となることを防止することができる。
また、上述した第2の実施の形態では、一方の特別図柄(例えば第1特別図柄)にて確変大当り表示結果となる変動表示の実行中に開始され、確変大当り表示結果となる変動表示の始動入賞よりも前の始動入賞にもとづく変動であり(ステップS59bのN参照)、かつ、確変大当り表示結果となる変動表示の始動入賞よりも前の始動入賞のうち他方の特別図柄(例えば第2特別図柄)の変動表示に関わる最後の始動入賞にもとづく変動であるときに(ステップS59cのY参照)、確変大当り表示結果となる変動表示が終了したあとに変動表示が終了するように変動時間を定める(ステップS61参照)構成としていたが、一方の特別図柄(例えば第1特別図柄)にて確変大当り表示結果となる変動表示の実行中に開始され、確変大当り表示結果となる変動表示の始動入賞よりも前の始動入賞にもとづく変動であれば(ステップS59bのN参照)、他方の特別図柄(例えば第2特別図柄)の変動表示の変動時間を、確変大当り表示結果となる変動表示が終了したあとに変動表示が終了するように定める構成としてもよい。このように構成すれば、確変状態であるときの判定条件で判定される変動表示を増やすことができる。
なお、上記の各実施の形態では、始動入賞記憶数を最大4個であるとしていたが、3個以下あるいは5個以上とされていてもよい。さらに、あらかじめ定められた所定条件の成立によって、始動入賞記憶数の上限が変化するように構成されていてもよい。具体的には、例えば、通常時は最大4個であるが、大当りが発生した場合には、大当り遊技状態が終了するまで、最大15個となるようにすることが考えられる。
また、上述した各実施の形態では、特別図柄表示器8a,8bが7セグメント表示器によって構成され、特別図柄始動記憶表示器18a,18bと普通図柄始動記憶表示器41とがLEDによって構成され、普通図柄表示器10がランプによって構成され、可変表示装置9a,9bがLCDによって構成されることとしていたが、各表示装置には、それぞれ、7セグメント表示器、LED、ランプ、ドットマトリクスなどの各種の表示装置を適用することができる。