実施の形態1.
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが識別情報としての図柄を可変表示する複数の可変表示部を含む可変表示装置(特別図柄表示装置)9が設けられている。可変表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。また、可変表示装置9には、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち始動記憶数を表示する4つの特別図柄始動記憶表示エリア(始動記憶表示エリア)18が設けられている。有効始動入賞がある毎に、表示色が変化する(例えば青色表示から赤色表示に変化)始動記憶表示エリアを1増やす。そして、可変表示装置9の可変表示が開始される毎に、表示色が変化している始動記憶数表示エリアを1減らす(すなわち表示色をもとに戻す)。なお、始動記憶数を表示する表示器(特別図柄始動記憶表示器)を可変表示装置9とは別個に設けてもよい。
可変表示装置9の下方には、始動入賞口14としての可変入賞球装置15が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開放状態と閉成状態とのうちのいずれかに制御される。
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。開閉板20は大入賞口(可変入賞球装置)を開閉する手段である。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ22で検出され、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aも設けられている。
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に右側のランプが点灯すれば当たりとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32に入った入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への入賞がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、複数の入賞口(普通入賞口)29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。各入賞口29,30,33,39は、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口14や大入賞口も、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。また、複数の入賞口(普通入賞口)29,30,33,39のそれぞれに入賞した遊技球を検出する1つの入賞口スイッチが設けられ、どの入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球も、その入賞口スイッチによって検出されるようにしてもよい。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、天枠ランプ28aの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。上記のように、この実施の形態のパチンコ遊技機1には、発光体としてのランプやLEDが各所に設けられている。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、可変表示装置9において特別図柄が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、始動記憶数を1増やす。
可変表示装置9における特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄の組み合わせが大当り図柄(特定表示結果)であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に遊技球がV入賞領域に入賞しV入賞スイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
停止時の可変表示装置9における特別図柄の組み合わせが確変状態への移行条件を成立させる大当り図柄(確変図柄)である場合には、大当り遊技の終了後に、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、遊技状態が確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態となる。また、特別図柄の組み合わせが時短状態への移行条件を成立させる大当り図柄(時短図柄)である場合には、大当り遊技の終了後に、遊技状態が時短状態に移行する。さらに、特別図柄の組み合わせが確変状態への移行条件と時短状態への移行条件との双方を成立させる大当り図柄(確変時短図柄)である場合には、大当り遊技の終了後に、まず、優先的に確変状態に制御され、その後、所定条件の成立により時短状態に制御される。
遊技者にとって有利な遊技状態である有利状態(特別遊技状態)のうちの第2の有利状態としての確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が通常状態に比べて高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が、確変状態以外の状態に比べて高められ、遊技者にとってさらに有利になる。また、確変状態では、普通図柄表示器10における可変表示期間(変動時間ともいう。)が通常状態に比べて短縮されることによって、遊技者にとってさらに有利になるようにしてもよい。ただし、確変状態において、可変入賞球装置15の開放時間や開放回数の延長や普通図柄表示器10における変動時間の短縮はなされない(すなわち、特別図柄の当りの確率が高くなるだけで、可変入賞球装置15に関する有利/不利に関しては通常状態と同じ)ようにしてもよいし、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率を高めるようにしなくてもよい。また、第1の有利状態としての時短状態では、特別図柄の変動時間(可変表示期間)が、通常状態である場合に比べて短縮される。時短状態においても、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が通常状態に比べて高められるようにしたり、普通図柄表示器10における変動時間が短縮されるようにしてもよい。さらに、確変状態において、可変表示装置9における特別図柄の変動時間を短縮するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態(遊技機の制御状態、通常状態と有利状態とに大別される)のうち、通常状態に比べて、所定時間あたりの識別情報の可変表示の表示結果が大当り図柄となる割合を高くすることが可能な状態である有利状態は、識別情報の可変表示の表示結果を大当り図柄とする確率を通常状態であるときに比べて向上させた確変状態(高確率状態)、および通常状態であるときに比べて所定回数の識別情報の可変表示の可変表示期間を短縮する時短状態であるが、有利状態として、普通図柄の当りににもとづく可変入賞球装置15が開放状態である期間を通常状態であるときに比べて長くした開放延長状態(例えば、100回の特別図柄の可変表示がなされるまで、通常状態における1.5秒という開放時間を5秒に延長する)など、他の態様で有利状態を実現してもよい。
図2は、遊技機に設けられている(具体的には遊技機裏面に設置されている)基板であって、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、遊技機に搭載されている払出制御基板37、ランプドライバ基板35、音声出力基板70および演出制御基板80も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御用マイクロコンピュータに相当:遊技制御手段)53と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aおよびクリアスイッチ921からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、開閉板20を開閉するソレノイド21および大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aを基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59とが搭載されている。クリアスイッチ921は、例えば遊技機に設置されている電源基板に搭載されている。
なお、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示装置9における図柄の可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等の情報出力信号を、遊技機裏面に設置されている情報端子盤を介してホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載されている。
遊技制御用マイクロコンピュータで実現される基本回路53は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。また、遊技制御手段は、遊技制御用マイクロコンピュータで実現される基本回路53で実現されているが、主として、遊技制御用マイクロコンピュータにおけるプログラムに従って制御を実行するCPU56で実現される。
また、RAM55は、その一部または全部がバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。なお、遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータで実現される演出制御手段が、遊技盤に設けられている普通図柄保留記憶表示器41および飾りランプ25等の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、賞球ランプ51および球切れランプ52の表示制御を行う。なお、各ランプはLEDその他の種類の発光体でもよい。すなわち、ランプやLEDは発光体の一例であり、以下、ランプ・LEDと総称することがある。また、可変表示装置9の上部および左右部には、可変表示装置飾りLED(センター飾りLED)が設置され、大入賞口の内部には大入賞口内飾りLEDが設置され、大入賞口の左右には、大入賞口左飾りLEDおよび大入賞口右飾りLEDが設置されている。演出制御手段は、それらの発光体の制御も行う。
なお、ランプ・LEDを駆動するための駆動信号は、ランプドライバ基板35において作成される。また、特別図柄を可変表示する可変表示装置9および普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10の表示制御は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段によって行われる。
図3は、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、ROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、主基板31からの取込信号に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)106に、LCDを用いた可変表示装置9の表示制御を行わせる。VDP106は、GCL(グラフィックコントローラLSI)と呼ばれることもある。さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート104およびランプ駆動回路107を介して普通図柄表示器10の表示制御を行う。なお、演出制御用マイクロコンピュータは、演出制御用CPU101、ROM、RAMおよびI/Oポートを含む。
VDP106は、演出制御用CPU101の指示に応じて、ROM(図示せず)に格納されている特別図柄、キャラクタ画像および背景画像の画像データをVRAM(図示せず)の描画領域に展開する制御を行うとともに、描画領域の画像データを可変表示装置9に出力する制御を行う。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート104および出力ドライバ110を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。また、演出制御用CPU101に入出力するバス(アドレスバス、データバス、および書込/読出信号等の制御信号ラインを含む)はバスドライバ105を介してランプドライバ基板35まで延長されている。
ランプドライバ基板35において、演出制御用CPU101に入出力するバスは、バスレシーバ351を介して出力ポート352および拡張ポート353に接続される。出力ポート352から出力される各ランプを駆動する信号は、ランプドライバ354で増幅され各ランプに供給される。また、出力ポート352から出力される各LEDを駆動する信号は、LED駆動回路355で増幅され各LEDに供給される。
この実施の形態では、遊技機に設けられているランプ・LEDは、演出制御基板80に搭載されている演出用CPU101を含む演出制御手段によって制御される。また、可変表示装置9、普通図柄表示器10およびランプ・LED等を制御するためのデータがROMに格納されている。演出用CPU101は、ROMに格納されているデータにもとづいて可変表示装置9、普通図柄表示器10およびランプ・LED等を制御する。そして、ランプドライバ基板35に搭載されている出力ポート352および各駆動回路を介して、ランプ・LEDが駆動される。
なお、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70は独立した基板であるが、それらは、例えば、遊技機裏面において、1つのボックスに収容された状態で設置される。また、拡張ポート353は、機種変更を行う場合に、ランプ・LED等の数が増加した場合を考慮して設置されるが、設置されていなくてもよい。
音声出力基板70において、演出制御基板80からの音番号データは、入力ドライバ702を介して、例えばデジタルシグナルプロセッサによる音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じたデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。
次に遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御手段(CPU56およびROM,RAM等の周辺回路)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、CPU56は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。なお、割込みモード2は、遊技制御用マイクロコンピュータ56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ921の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS11〜ステップS14)。
クリアスイッチ921がオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。ステップS9では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS10)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否かを確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS11)。また、所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行う(ステップS12)。さらに、サブ基板(この実施の形態では払出制御基板35および演出制御基板80)を初期化するための初期化コマンドを各サブ基板に送信する処理を実行する(ステップS13)。初期化コマンドとして、可変表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド(演出制御基板80に対して)や賞球ランプ51および球切れランプ52の消灯を指示するコマンド等がある。
そして、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU56に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS14)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
初期化処理の実行(ステップS11〜S14)が完了すると、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされ(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態とされる(ステップS19)。表示用乱数とは、可変表示装置9に表示される図柄を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータが、遊技機に設けられている可変表示装置9、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り決定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S33の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ24a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS22)。CPU56は、さらに、初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS23,S24)。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2−1〜2−3(ランダム2):特別図柄の左中右のはずれ図柄決定用(特別図柄左中右)
(3)ランダム3:大当りを発生させる特別図柄の組合せを決定する(大当り図柄決定用)
(4)ランダム4:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム5:大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定する(リーチ判定用)
(6)ランダム6:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(7)ランダム7:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(8)ランダム8:ランダム6の初期値を決定する(ランダム6初期値決定用)
(9)ランダム9:確変継続回数(確変状態における特別図柄の変動回数)を決定する(確変回数決定用)。なお、この実施の形態では、確変継続回数は、ランダム9の値に応じて、10回、20回または50回に決定されるとする。また、確変継続回数を、この実施の形態における時短回数(時短状態における特別図柄の変動可能回数)である100よりも多い回数(例えば150回)に決定してもよい。時短継続回数よりも多い確変継続回数が存在する場合には、後述する確変時短状態の終了時に時短状態に移行できないことになるので遊技状態の変化のバリエーションをより豊富にすることができる。
図5に示された遊技制御処理におけるステップS22では、CPU56は、(1)の大当り判定用乱数、(3)の大当り図柄決定用乱数、および(6)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(9)の乱数以外の乱数も用いられていてもよい。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS25)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU56は、特別図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(特別図柄コマンド制御処理:ステップS27)。また、普通図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(普通図柄コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの何れかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS31)。また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS32)。さらに、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を行う(ステップS33)。可変入賞球装置15または開閉板20を開状態または閉状態としたり、大入賞口内の遊技球通路を切り替えたりするために、ソレノイド回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21,21Aを駆動する。その後、割込許可状態に設定する(ステップS34)。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
この実施の形態では、左中右の特別図柄は、それぞれ、「0」〜「11」の12通りあって、可変表示装置9において「0」から順に特別図柄の表示が変化することによって特別図柄の変動が実現される。なお、特別図柄の変動中において、表示図柄の表示は非連続的に変化してもよい。また、特別図柄の最終停止図柄(確定図柄)が左中右揃った場合に大当りとなり、左右が揃った場合にリーチとなる。
図7は、この実施の形態で用いられる特別図柄の停止図柄と、制御される遊技状態との関係を示す説明図である。図7に示す例では、特別図柄の左中右図柄が1、5または9で揃うと、大当り遊技終了後に、遊技状態(遊技機の制御状態)が確変状態に移行する。また、11で揃うと、大当り遊技終了後に、遊技状態が時短状態に移行する。そして、3または7で揃うと、大当り遊技終了後に、遊技状態が時短状態および時短状態に移行する。ただし、その場合には、確変状態が優先され、確変状態の終了時に時短状態に移行される。
確変状態では、特別図柄の変動の結果(最終停止図柄、単に停止図柄ともいう。)が大当り図柄となる確率が、確変状態でない状態(低確率状態)に比べて高められる。このことを、以下、「確変状態では高確率で当り/はずれが判定される」と表現することがある。この実施の形態では、確変状態では大当り図柄となる確率が10倍に高められているとする。
また、確変状態が終了すると、第1の有利状態としての特別図柄変動時間短縮(時短)状態に移行するように制御されることがある。時短状態では、特別図柄の変動時間(可変表示期間)が、時短状態でない場合に比べて短縮される。なお、短縮の態様(各変動パターンについてどの程度短くするのか、どの変動パターンを短くするのか等)は、確変状態(確変時短状態を含む。)における態様と同一でもよい。時短状態は、所定回の特別図柄の変動が終了するまで、または、大当りが発生するまで継続する。この実施の形態では、所定回は、100回とするが、所定回を抽選によって複数種類のうちから選択してもよい。時短状態では、特別図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
なお、有利状態は、確変状態(第2の有利状態)と時短状態(第1の有利状態)とを含み、有利状態でない遊技状態(遊技機の状態)が通常状態である。また、高確率状態は確変状態であり、低確率状態は、時短状態と通常状態とを含む。
図8は、CPU56が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図8に示す特別図柄プロセス処理は、図5のフローチャートにおけるステップS25の具体的な処理である。CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、変動短縮タイマ減算処理(ステップS310)を行い、遊技盤6に設けられている始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S308のうちのいずれかの処理を行う。変動短縮タイマは、特別図柄の変動時間が短縮される場合に、変動時間を設定するためのタイマである。始動口スイッチ通過処理では、始動入賞記憶数(保留記憶数)が最大値である4に達しているかどうか確認し、保留記憶数が4に達していなければ、保留記憶数を1増やし、大当り判定用乱数等の各乱数(ランダム1〜ランダム5およびランダム9)の値を抽出し、それらを保留記憶数の値に対応した保存領域(特別図柄判定用バッファ)に格納する。なお、乱数を抽出するとは、乱数を生成させるためのカウンタからカウント値を読み出して、読み出したカウント値を乱数値とすることである。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄の可変表示を開始できる状態になるのを待つ。特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数を確認する。保留記憶数が0でなければ、ランダム1の値を所定の大当り判定値と比較することによって、特別図柄の可変表示の結果(停止図柄)を大当り図柄とする(すなわち、大当りとする。)か否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に移行するように更新する。
特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):大当りとすることに決定されている場合には、ランダム3の値に応じて停止図柄を決定する。なお、この実施の形態では、ランダム3の値(0〜11のいずれか)が、図7に示された図柄に対応する。大当りとしないことに決定されている場合には、ランダム2−1〜2−3値に応じて停止図柄(はずれ図柄)を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。
変動パターン設定処理(ステップS302):特別図柄の可変表示の変動パターン(可変表示態様)を、ランダム4の値に応じて決定する。また、変動パターンに応じた変動時間タイマをスタートさせる。このとき、演出制御基板80に対して、左中右最終停止図柄と変動態様(変動パターン)を指令する情報とが演出制御コマンドとして送信される。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。
特別図柄変動処理(ステップS303):所定時間(ステップS302の変動時間タイマで示された時間)が経過すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):可変表示装置9において表示される全図柄が停止されるように制御する。具体的には、特別図柄停止を示す演出制御コマンドが送信される状態に設定する。そして、停止図柄が大当り図柄である場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
大入賞口開放開始処理(ステップS305):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、大当り中フラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。
大入賞口開放中処理(ステップS306):大入賞口ラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御基板80に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。最後の大入賞口の閉成条件が成立したら、内部状態をステップS307に移行するように更新する。
特定領域有効時間処理(ステップS307):V入賞スイッチ22の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS305に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS308に移行するように更新する。
大当り終了処理(ステップS308):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御手段に行わせるための制御を行う。そして、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
図9は、遊技状態が変化する様子の一例を示す説明図である。図9には、確変時短図柄が最終停止表示され、大当り遊技状態が終了したときに確変状態に制御され、50回の特別図柄の変動が終了したら、時短状態に制御される例が示されている。なお、図9には、後述する確変回数カウンタおよび時短回数カウンタの値も示されている。時短回数カウンタは、確変状態に制御されたときから歩進される。図9に示す例では、確変回数カウンタおよび時短回数カウンタは、1回の可変表示が行われる毎に1減算され、0になったら、確変状態または時短状態は終了する。
図10は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、特別図柄の変動を開始することができる状態(例えば特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合)には(ステップS51)、始動入賞記憶数(保留記憶数)の値を確認する(ステップS52)。具体的には、始動入賞記憶カウンタのカウント値を確認する。なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、可変表示装置9において図柄の変動がなされていず、かつ、大当り遊技中でもない場合である。
保留記憶数が0でなければ、保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS54)、保留記憶数の値を1減らし(始動入賞記憶カウンタの値を1減らし)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS55)。すなわち、保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、CPU56は、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする処理を実行する。
次いで、CPU56は、乱数格納バッファから大当り判定用乱数を読み出し(ステップS56)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS57)。大当りとすることに決定した場合には(ステップS58)、CPU56は、大当りフラグをセットする(ステップS59)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止図柄設定処理に対応した値に更新する(ステップS60)。大当り判定モジュールは、大当り判定用乱数が、あらかじめ決められている大当り判定値と一致したら大当りとすることに決定するプログラムである。
図11は、特別図柄プロセスにおいて用いられる内部フラグ(RAMの一領域を使用するフラグ)および演出制御コマンドを説明するための説明図である。図11に示すように、特別状態では、確変時短フラグおよび確変フラグがセット状態(オン状態)とされる。また、特別状態が終了すると、演出制御コマンドとして特別状態終了コマンドが演出制御基板80に送信される。なお、特別状態は、確変時短状態と同義である。確変状態では、確変フラグがセット状態とされ、確変状態が終了すると、演出制御コマンドとして確変状態終了コマンドが演出制御基板80に送信される。時短状態では、時短フラグがセット状態とされ、時短状態が終了すると、演出制御コマンドとして時短状態終了コマンドが演出制御基板80に送信される。
図12および図13は、特別図柄の変動時間が経過したときに実行される特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、特別図柄停止を示す演出制御コマンド(特別図柄停止コマンド)を送信する(ステップS61)。
次いで、CPU56は、停止図柄が大当り図柄であるか否か確認する(ステップS62)。大当り図柄であれば、確変時短フラグがセットされているか否か確認し(ステップS63)、セットされていれば、確変時短フラグおよび確変フラグをリセットする(ステップS64)。また、特別状態が終了したことを通知するために、特別状態終了コマンドを演出制御基板80に送信する(ステップS65)。そして、時短回数カウンタの値が0でなければ、1回の特別図柄の変動が終了したので時短回数カウンタを−1し(ステップS66,S67)、ステップS82に移行する。なお、時短回数カウンタは、あと何回の特別図柄の変動がなされたら時短状態が終了するのかを示す回数(可変表示可能回数)が設定されているカウンタである。時短回数カウンタの値が0であれば、ステップS89に移行する。
確変時短フラグがセットされていない場合には(ステップS63)、確変フラグがセットされているときには、確変フラグをリセットして確変状態を終了させ、確変状態が終了したことを通知するために、確変状態終了コマンドを演出制御基板80に送信する(ステップS69)。また、時短フラグがセットされているときには、時短フラグをリセットして時短状態を終了させ、時短状態が終了したことを通知するために、時短状態終了コマンドを演出制御基板80に送信する(ステップS70)。
停止図柄が大当り図柄でなければ(ステップS62)、確変状態または特別状態(確変時短状態:確変時短図柄で大当りが発生した後、優先的に確変状態に制御された状態)であることを示す確変フラグがセットされているか否か確認する(ステップS71)。セットされていれば、確変回数カウンタの値を−1する(ステップS72)。確変回数カウンタは、あと何回の特別図柄の変動がなされたら確変状態が終了するのかを示す回数(可変表示可能回数)が設定されているカウンタである。また、確変時短フラグがセットされている場合(確変時短状態であることを示すフラグ)には、時短回数カウンタの値も−1する(ステップS73,S74)。ただし、既に0になっている場合には減算しない。確変時短フラグがセットされている場合には、実際には遊技状態は確変状態であるが、このように、時短回数カウンタも−1される。ステップS71において、確変フラグがセットされていないことを確認にしたら、ステップS84に移行する。
そして、確変回数カウンタの値が0になった場合には、確変フラグをリセットして確変状態を終了させる(ステップS75,S77)。また、確変時短フラグがセットされている場合には、この時点で確変状態から時短状態に移行させる条件が成立(厳密には、確変時短カウンタの値が0になっていない場合)したことになり、確変時短フラグをリセットして(ステップS80)、特別状態終了コマンドを演出制御基板80に送信した後(ステップS81)、ステップS82に移行する。
ステップS82では、時短回数カウンタがまだ0になっていないことを条件として、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS83)。そして、ステップS89に移行する。
ステップS84では、CPU56は、時短フラグがセットされているか否か確認する。セットされていれば、時短回数カウンタの値を−1する(ステップS85)。時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS86)、時短フラグをリセットして時短状態を終了させ(ステップS87)、演出制御基板80に対して、時短状態が終了したことを通知するために、演出制御コマンドとして時短状態終了コマンドを送信する(ステップS88)。
ステップS89では、特別図柄の変動の停止図柄が大当り図柄であった場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
なお、この実施の状態では、特別状態(確変時短状態)において大当りが発生すると、時短回数カウンタの値が0でなければ、大当り遊技が終了した後、遊技状態を時短状態に移行させるが、通常状態に移行させるようにしてもよい。
図14は、大当り遊技が終了したときに実行される大当り終了処理を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り遊技の起因となった特別図柄の停止図柄(大当り図柄である)が確変時短図柄であったか否か確認する(ステップS91)。確変時短図柄であった場合には、確変フラグと確変時短フラグとをセットし(ステップS92)、さらに、確変回数カウンタおよび時短回数カウンタに所定値をセットする(ステップS93,S94)。なお、この実施の形態では、確変回数カウンタは、ランダム9(始動入賞時または変動開始時に抽出されてRAM55に保存されている)に応じて、10、20または50が確変回数カウンタに設定され、時短回数カウンタには100が設定される。また、演出制御手段に、大当り遊技状態の終了と、特別遊技状態(確変状態または時短状態)への移行とを通知するために、特定大当り終了表示指定の演出制御コマンド(特別大当り終了表示コマンド)を演出制御基板80に送信する(ステップS95)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(ステップS300)に応じた値にする(ステップS96)。
特別図柄の停止図柄が確変時短図柄でなかった場合には、特別図柄の停止図柄が確変図柄であったか否か確認する(ステップS101)。確変図柄であった場合には、確変フラグのみをセットし(ステップS102)、さらに、確変回数カウンタに所定値をセットする(ステップ103)。また、演出制御コマンドとして確変大当り終了表示コマンドを演出制御基板80に送信する(ステップS104)。そして、ステップS96に移行する。
特別図柄の停止図柄が確変図柄でなかった場合には、特別図柄の停止図柄が時短図柄であったか否か確認する(ステップS110)。時短図柄であった場合には、時短フラグをセットし(ステップS111)、さらに、時短回数カウンタに所定値をセットする(ステップ112)。また、演出制御コマンドとして時短大当り終了表示コマンドを演出制御基板80に送信する(ステップS113)。そして、ステップS96に移行する。特別図柄の停止図柄が時短図柄でもなかった場合には、大当り遊技状態の終了を通知するために、非特定大当り終了表示指定の演出制御コマンドを送信する処理を行う(ステップS120)。そして、ステップS96に移行する。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図15は、演出制御用CPU101が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
この実施の形態では、タイマ割込は33ms毎にかかる。すなわち、演出制御処理は、33ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な演出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で演出制御処理を実行してもよい。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信されている演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(具体的には、演出制御プロセスフラグ)に対応したプロセスを選択して実行する。そして、演出制御において使用する乱数を生成するための乱数カウンタを更新する処理を実行する(ステップS706)。また、可変表示装置9の表示内容を変更する必要がある場合に、VDP106に、変更後の表示内容を指示するVDP制御処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702のタイマ割込フラグの確認を行う処理に戻る。なお、遊技制御手段は、演出制御コマンドとともにコマンドの取込を指示するための取込信号を出力し、取込信号は演出制御用CPU101の割込端子に入力され、演出制御用CPU101は、割込処理によって演出制御コマンドを受信する。
図16は、図15に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって、変動時間を特定可能な演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。変動パターン受信フラグは、コマンド解析処理によって、変動パターン指定の演出制御コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる(ステップS623)。
予告選択処理(ステップS801):可変表示装置9の表示部に表示される背景画像(特別図柄やキャラクタ画像を除く地画像である。)の態様を決定するとともに、決定した背景画像を可変表示装置9に表示するための制御を行う。なお、例えば、さらに、キャラクタ画像を用いた予告演出(特別図柄の停止図柄が大当り図柄となること、またはリーチが発生することを事前に報知するための演出)を行うか否かと、行う場合の予告演出の種類を決定するようにしてもよい。
全図柄変動開始処理(ステップS802):左中右図柄の変動が開始されるように制御する。
図柄変動中処理(ステップS803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、左右図柄の停止制御を行う。
全図柄停止待ち設定処理(ステップS804):変動時間の終了時に、全図柄停止を指示する演出制御コマンド(特別図柄停止の演出制御コマンド)を受信していたら、図柄の変動を停止し停止図柄(確定図柄)を表示する制御を行う。
大当り表示処理(ステップS805):変動時間の終了後、確変大当り表示または通常大当り表示の制御を行う。
大当たり遊技中処理(ステップS806):大当たり遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
図17は、可変表示装置9の表示部に表示される背景画像の一例を示す説明図である。図17(A),(B)に示すように、特別状態(確変時短状態)では、それ以外の遊技状態とは異なる背景画像が用いられる。従って、遊技者は、背景画像によって、特別状態にあることを認識することができる。ただし、この実施の形態では、特別状態以外の遊技状態でも、所定の割合で図17(B)に示す背景画像が用いられる。また、特別状態が終了したことを遊技者に報知するために、図17(C)に示すような背景画像が用いられる。なお、図17(C)に示すような背景画像は、特別状態が終了したときに直ちに可変表示装置9の表示部に表示されることもあるが、特別状態が終了してから時間経過後に表示されることもある。また、時短状態であることを遊技者に報知するために図17(D)に示すような背景画像が用いられる。なお、この実施の形態では、図17(D)に示すような背景画像は、時短状態において常に用いられるとは限らない。従って、遊技者は、遊技状態が時短状態であることを直ちに把握することはできない。また、原則として特別状態(確変時短状態)で選択可能なキャラクタ画像、ランプ・LEDによる演出態様、スピーカ27による音演出の予告演出があって、そのような演出が、特別状態以外の遊技状態(時短状態を含む)においても低確率で選択可能に構成することによって、遊技状態が時短状態であること等を把握しづらくするようにしてもよい。
図18は、演出制御において使用する乱数(ここでは、0〜6のいずれかの値をとる)と演出制御内容との関係を示す説明図である。図18の左欄には、特別状態が終了したときに、乱数値が0、2、4または6であれば、特別状態の終了後にも所定期間は図17(B)に示された背景画像を使用することが示され、乱数値が1、3または5であれば、特別状態の終了後に図17(B)に示された背景画像を使用しないことが示されている。また、図18の右欄には、乱数値が0または2であれば、特定状態(この実施の形態では確変状態(確変時短状態は含まれない)および時短状態)であっても、すなわち、特別状態ではない有利状態においても、所定期間は図17(B)に示された背景画像を使用することが示されている。なお、図18に示す関係は、ROMにテーブルとして格納されている。
図19は、予告選択処理(ステップS801)を示すフローチャートである。予告選択処理において、演出制御用CPU101は、演出用タイマが動作中であるか否か確認する(ステップS811)。演出用タイマとは、例えば演出制御用CPU101の内蔵タイマを用いたタイマであり、特別状態の終了後に図17(B)に示された背景画像が使用される所定期間(例えば、1分とか5分)、または特定状態において図17(B)に示された背景画像が使用される所定期間を計測するためのタイマである。各々の所定期間は、同じでもよいし異なっていてもよい。
演出用タイマが動作中であり、演出用タイマがタイムアップしたときには(ステップS812)、背景画像を図17(A)に示されたものに戻す制御を行う(ステップS813)。なお、演出用タイマがタイムアップしても、演出制御用CPU101がそのことを確認するまでは、演出用タイマは動作中であるとする。背景画像を図17(A)に示されたものに戻すために、具体的には、演出制御用CPU101は、VDP106に対して、VRAMに図17(A)に示された背景画像の画像データ(例えばROMに格納されている、)を展開するように指示する。そして、演出用タイマが特別状態の終了時にセットされていた場合には、特別状態が終了したことを遊技者に報知するために、あらかじめ決められている時間だけ、背景画像を図17(C)に示されたものにするための制御を行う(ステップS814,S815)。具体的には、演出制御用CPU101は、VDP106に対して、VRAMに図17(C)に示された背景画像の画像データ(例えばROMに格納されている、)を展開するように指示する。その後、ステップS843に移行する。
演出用タイマが動作中でない場合には、特別状態が終了したか否か確認する(ステップS821)。特別状態が終了したか否かは、遊技制御手段から特別状態終了コマンドを受信したか否かによって確認される。特別状態が終了したときには、乱数カウンタの値を乱数とし(ステップS822)、図18に示された関係に従って、特別状態の終了後でも図17(B)に示された背景画像を用いるか否か判定する(ステップS823)。背景画像を用いると判定した場合には、演出用タイマをスタートさせる(ステップS824,S825)。その後、ステップS843に移行する。背景画像を用いないと判定した場合には、背景画像を図17(A)に示されたものに戻す制御を行う(ステップS826)。また、あらかじめ決められている時間だけ、背景画像を図17(C)に示されたものにするための制御を行う(ステップS827)。その後、ステップS843に移行する。
ステップS821で特別状態の終了時でないことを確認したら、演出制御用CPU101は、特定状態が開始されたか否か確認する(ステップS831)。特定状態が開始されたことは、例えば、遊技制御手段から、確変大当り終了表示コマンドまたは時短大当り終了表示コマンドを受信したか否かによって確認される。特定状態が開始されたときには、乱数カウンタの値を乱数とし(ステップS832)。図18に示された関係に従って、特別状態でなくても図17(B)に示された背景画像を用いるか否か判定する(ステップS833)。背景画像を用いると判定した場合には、背景画像を図17(B)に示されたものに変更するための制御を行う(ステップS835)。具体的には、演出制御用CPU101は、VDP106に対して、VRAMに図17(B)に示された背景画像の画像データ(例えばROMに格納されている、)を展開するように指示する。そして、演出用タイマをスタートさせる(ステップS836)。その後、ステップS843に移行する。なお、演出用タイマがタイムアップするまでの時間は、例えば、その間に、複数回の特別図柄の可変表示が実行可能であるような時間である。よって、ステップS825,S836において演出用タイマをスタートさせてから、演出用タイマがタイムアップする(ステップS812)までに、複数回の特別図柄の可変表示が実行されている。
また、特別状態が開始されたときには、演出制御用CPU101は、背景画像を図17(B)に示されたものに変更するための制御を行う(ステップS841)。特別状態が開始されたか否かは、遊技制御手段から特別大当り終了表示コマンドを受信したか否かによって確認される。その後、ステップS843に移行する。
ステップS843では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を、全図柄変動開始処理を示す値に変更する。
以上に説明したように、この実施の形態では、遊技状態が特別状態であるときには、背景画像として図17(B)に示されたものが使用される。そして、特別状態が終了した後にも、所定の割合で図17(B)に示された背景画像が使用される(図18の左欄参照)。また、遊技状態が特定状態になったとき、すなわち特別状態(確変時短状態)に当選しなかったが確変状態または時短状態に当選したときにも、所定の割合で図17(B)に示された背景画像が使用される(図18の右欄参照)。なお、この実施の形態では、当選とは、遊技制御手段がステップS301の特別図柄停止図柄設定処理において乱数(ランダム3)を用いて抽選を行った結果、その状態とするような大当り図柄を決定したことを意味する。
従って、遊技者は、図17(B)に示された背景画像が可変表示装置9に表示されたことをもって遊技状態が特別状態であることを推測できるが、その推測が当たっているとは限らない。図17(B)に示された背景画像が可変表示装置9に表示されても、特別状態が既に終了している場合もあるし、特別状態ではない場合もある。よって、遊技者に、遊技状態が特別状態であることを把握しづらくすることができ、その結果、遊技者に、新たな興趣を与えることができる。なお、この実施の形態では、図17(B)に示された背景画像が特別状態である可能性を報知することになるので、図17(B)に示された背景画像の表示を選択するための処理を予告選択処理とした。また、この実施の形態では、特別状態中では100%の確率で背景画像として図17(B)に示された背景画像が用いられるが、一定の割合(低い割合)で、特別状態であっても図17(A)に示された背景画像を用いるようにしてもよい。
また、特別状態の終了後でも図17(B)に示された背景画像が用いられる場合には、その後に、特別状態が終了したことが報知されるので(ステップS815)、最終的に、遊技者に正しい遊技状態が報知される。
また、ステップS815の処理が実行される時点において、すなわち、演出用タイマが所定期間を計測したときに、遊技制御手段における時短回数カウンタが0になっていない場合(時短状態への移行条件が成立している場合)には、ステップS815の処理に代えて、またはステップS815の処理に加えて、以後、図17(D)に示すような時短継続回数報知を行うようにしてもよい。そのような制御を行う場合には、例えば、遊技制御手段は、それぞれの可変表示の開始時などに、時短回数カウンタの値を特定可能な演出制御コマンドを演出制御手段に送信する。演出制御手段における演出制御用CPU101は、そのような演出制御コマンドを用いて、図17(D)に示すような時短継続回数(時短状態における可変表示の実行可能回数)を報知することができる。なお、図17(D)に示すような時短継続回数の報知は、1回(最初の変動において)行ってもよいし、時短状態において常に行ってもよい。さらに、特別状態の開始時または特別状態中でも実行するようにしてもよい。図17(D)に示すような時短継続回数の報知によって、遊技者は、最低その回数分の変動において有利状態が継続することがわかる(例えば、特別状態の開始時に報知する場合)。
また、この実施の形態では、所定期間に亘る背景画像(図17(B)に示す背景画像)の演出によって(具体的には背景画像の画像データを選択することによって)、遊技者が遊技状態を把握することを難しくしたが、所定期間(例えば、演出用タイマに設定される時間に相当するが、あらかじめ決められている回数分や抽選によって選択される回数分の可変表示の期間でもよい。)において、常に図17(B)に示す背景画像を表示するのではなく、所定期間において実行される複数の可変表示のそれぞれにおいて、図17(B)に示す背景画像を選択するか否か判定し、選択することに判定した場合に、その回の可変表示において図17(B)に示す背景画像を用いるようにしてもよい。すなわち、特別状態以外の遊技状態において、大当りとなった後に、各々の可変表示において、特別状態において用いられる背景画像の画像データを選択するか否か、換言すれば特別状態において用いられる背景画像の画像データを選択する条件が成立したか否か判定するようにしてもよい。
また、遊技状態を把握することを難しくするための演出は背景画像に限られない。例えば、可変表示装置9に表示されるキャラクタ画像による演出を用いてもよい。その場合には、演出制御手段が、原則として特別状態において可変表示装置9に表示されるキャラクタ画像を、特別状態が終了してから所定期間(例えば、演出用タイマに設定される時間に相当するが、あらかじめ決められている回数分や抽選によって選択される回数分の可変表示の期間でもよい。)、その間に実行される各々の可変表示において、そのキャラクタ画像を選択して可変表示装置9に表示する制御を行ったり、大当りとはなったが特別状態には移行させないときから所定期間(例えば、演出用タイマに設定される時間に相当するが、あらかじめ決められている回数分や抽選によって選択される回数分の可変表示の期間でもよい。)、その間に実行される各々の可変表示において、そのキャラクタ画像を選択して可変表示装置9に表示する制御を行う。その場合にも、各々の可変表示において、特別状態において用いられるキャラクタ画像の画像データを選択するか否か、換言すれば特別状態において用いられるキャラクタ画像の画像データを選択する条件が成立したか否か判定するようにしてもよい。さらに、遊技状態を把握することを難しくするための演出は表示によるだけでなく、遊技機に設けられている他の演出用部品(スピーカ27やランプ・LEDなど)によってもよい。
さらに、演出制御手段は、大当りとしないことに決定されたときから所定期間(例えば、演出用タイマ等によって計測される時間に相当するが、あらかじめ決められている回数分や抽選によって選択される回数分の可変表示の期間でもよい。)、その間に実行される各々の可変表示において、原則として特別状態において使用される図17(B)に示す背景画像やキャラクタ画像を選択可能にして可変表示装置9に表示する制御を行うようにしてもよい。その場合に、特別状態が終了したときからの所定の期間中で、大当りとしないことに決定されたときから所定期間を計測するようにしてもよい。
実施の形態2.
上記の実施の形態では、確変継続回数は固定的(例えば、10回、20回または50回)であったが、確変継続回数を非固定的な値にしてもよい。以下、確変継続回数を非固定的な値にする第2の実施の形態を説明する。
図20は、第2の実施の形態において遊技制御手段において使用される各乱数を示す説明図である。第2の実施の形態では、ランダム9が、0〜49の範囲の値をとり、確変状態を終了させるか否か決めるための乱数として用いられる。遊技制御手段は、確変状態において、例えば、ランダム9があらかじめ決められている1つの値と一致した場合には、確変状態を終了させる。従って、確変状態は、1/50の確率で終了(確変パンク)する。
図21は、第2の実施の形態における特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。図21に示すように、この実施の形態では、CPU56は、ステップS56,S57の大当り判定を実行する前に、特別状態および確変状態を終了させるか否かの判定と終了させる場合の処理を行う(ステップS551〜S558)。
具体的には、確変フラグがセットされている場合には(ステップS551)、確変終了用乱数(ランダム9)を保存領域から読み出して(ステップS552)、読み出したランダム9の値が、確変終了値と一致するか否か判定し(ステップS553)、一致する場合には、確変時短フラグがセットされている場合には、確変フラグおよび確変時短フラグをリセットして特別状態(確変時短状態)を終了させ、特別状態終了コマンドを演出制御基板80に送信する(ステップS554)。また、確変時短フラグはセットされていないが確変フラグがセットされてる場合には、確変フラグをリセットして確変状態を終了させ、確変状態終了コマンドを演出制御基板80に送信する(ステップS555)。
そして、特別状態を終了させた場合には(ステップS556)、時短回数カウンタが0でないことを条件に、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS557,S558)。なお、以下、ステップS552,S553の特別状態および確変状態を終了させるか否かの判定のうち、特別状態を終了させるか否かの判定をパンク抽選ということがある。
図22は、第2の実施の形態における特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。図12に示された第1の実施の形態における特別図柄停止処理と異なる点は、確変回数カウンタの更新処理等を実行しないことである(ステップS71,S72およびS75〜S79が存在しない)。特別図柄停止処理のその他の処理は、第1の実施の形態における処理と同じである。
また、遊技制御手段が実行するその他の処理も、第1の実施の形態における処理と同じであるが、この実施の形態では、確変時短状態では、確変回数カウンタを使用しない。従って、図14に示されたステップS93,S103の処理を実行しない。
図23は、パンク抽選に応じて実行される演出(抽選演出)の一例を示す説明図である。パンク抽選の結果、特別状態を終了させない場合には、図23(A)に示す表示状態からルーレットを玉が回るような表示演出を所定時間行った後、図23(B)に示すように、玉が斜線領域で停止するような表示演出を行う。また、パンク抽選の結果、特別状態を終了させる場合には、ルーレットを玉が回るような表示演出を所定時間行った後、図23(C)に示すように、玉が非斜線領域で停止するような表示演出を行う。なお、このような演出は、図23(D)に示すように、可変表示装置9の表示領域の一部において実行される。また、図23(A)〜(C)に示す表示演出を実現するための画像データはVDP106が参照するROMに格納されている。
図24(A)は、この実施の形態において、演出制御手段が使用する乱数(ここでは、0〜6のいずれかの値をとる)と抽選演出との関係を示す説明図である。図24(A)の左欄には、特別状態中であるときに、乱数値が0または3であれば、抽選演出が実行されることを示し、乱数値が1、2または4〜6であれば、抽選演出が実行されないことを示す。また、図24(A)の右欄には、特別状態以外の遊技状態において、乱数値が0であれば、抽選演出が実行されることを示し、乱数値が1〜6であれば、抽選演出が実行されないことを示す。図24(A)に示す関係は、ROMにテーブルとして格納されている。
特別状態中であるときには、パンク抽選自体は、遊技制御手段によって、各々の可変表示について必ず実行される。また、特別状態および確変状態以外の遊技状態ではパンク抽選自体は実行されないが、所定の割合で抽選演出を実行することによって、かつ、特別状態中であるときに所定の割合で抽選演出を実行しないようにすることによって、遊技者に、遊技状態が特別状態にあるのかどうかを判断しづらくすることができる。なお、特別状態中では、そうでないときに比べて高い割合で抽選演出が実行されるので(図24(A)参照)、遊技者は、遊技状態が特別状態でありそうだということを推測することはできる。
図25は、この実施の形態における予告選択処理(図16におけるステップS801)を示すフローチャートである。予告選択処理において、演出制御用CPU101は、抽選演出開始タイマが動作中であるか否か確認する(ステップS850)。この実施の形態では、特別状態が終了したときに抽選演出を行わなかった場合に所定時間後に特別状態が終了したことを報知するために抽選演出を行うのであるが、抽選演出開始タイマとは、その所定期間を計測するためのタイマである。抽選演出開始タイマとして、例えば演出制御用CPU101の内蔵タイマが使用される。抽選演出開始タイマが動作中である場合には、抽選演出開始タイマがタイムアップしたか否か確認する(ステップS851)。なお、抽選演出開始タイマがタイムアップしても、演出制御用CPU101がそのことを確認するまでは、抽選演出開始タイマは動作中であるとする。
抽選演出開始タイマがタイムアップしていない場合には、ステップS856に移行する。よって、抽選演出開始タイマが動作中である場合には、抽選演出は実行されない。抽選演出開始タイマがタイムアップしたときに、特別状態が終了したことを報知するために抽選演出が実行されるからである。抽選演出開始タイマが動作中でない場合には、乱数カウンタの値を乱数とし(ステップS852)。図24(A)に示された関係に従って、抽選演出を行うか否か判定する(ステップS853)。
抽選演出を行うと判定した場合には、抽選演出を開始させるための処理を行い(ステップS854)、演出終了タイマをスタートさせる(ステップS855)。そして、ステップS856に移行する。演出終了タイマとは、例えば演出制御用CPU101の内蔵タイマを用いたタイマであり、抽選演出の期間を規定するためのタイマである。なお、演出終了タイマとしての内蔵タイマがタイムアップすると、タイマ割込がかかるとする。また、抽選演出を開始させるための処理とは、具体的には、VDP106に対して、VRAMに図23(A)に示された背景画像の画像データ(例えばROMに格納されている、)を展開するように指示するような処理である。その後、演出制御用CPU101は、ステップS707のVDP制御処理において、移動後の玉の位置をVDP106に指示する。VDP106は、指示に応じて、可変表示装置9の表示領域における所定位置にルーレットのような画像を表示するとともに、玉の表示位置を適宜変更する。
抽選演出を行わないと判定した場合には、遊技制御手段から特別状態終了コマンドを受信していたら、抽選演出開始タイマをスタートさせる(ステップS857,S858)。そして、ステップS856に移行する。
ステップS856では、演出制御プロセスフラグの値を、全図柄変動開始処理に対応した値に変更する。
図26は、演出終了タイマがタイムアップしたことに起因して発生するタイマ割込にもとづく演出終了タイマ割込処理を示すフローチャートである。演出終了タイマ割込処理において、演出制御用CPU101は、VDP106に対して、図23(B)または図23(C)に示された画像を表示するように指示するのであるが、可変表示(変動)の開始時に特別状態でなかった場合には、図23(C)に示された画像を表示するように指示する。ただし、所定の割合(低い割合)で、図23(B)に示された画像を表示するように指示する(ステップS861,S865)。図23(B)に示された画像を表示するか図23(C)に示された画像を表示するかは、例えば、乱数を発生させ、乱数の値と判定値とを比較することによって、すなわち乱数を用いた抽選によって決定することができる。
可変表示の開始時(特別状態終了コマンドを受信した場合にはコマンド受信前での状態)に特別状態であった場合には、そのときに、特別状態終了コマンドを受信していたか否か判定する(ステップS862)。特別状態終了コマンドを受信していれば、演出制御用CPU101は、特別状態の終了を遊技者に報知するために、VDP106に対して、図23(C)に示された画像を表示するように指示する(ステップS863)。また、特別状態終了コマンドを受信していなければ、演出制御用CPU101は、特別状態が継続していることを遊技者に報知するために、VDP106に対して、図23(B)に示された画像を表示するように指示する(ステップS864)。VDP106は、演出制御用CPU101の指示に応じて、図23(B)または図23(C)に示された画像をROMから読み出して可変表示装置9に表示する。
図27は、抽選演出が実行される様子の一例を示す説明図である。図27(A),(B)に示す例において、特別状態である場合にも特別状態でない場合でも、所定の割合で抽選演出が実行されるが、特別状態でない場合には、特別状態である場合に比べて抽選演出の実行頻度は低い(図24参照)。また、図27(A)は、特別状態が終了するときに抽選演出を行うことに決定された場合の例を示す。図27(B)は、特別状態が終了するときに抽選演出を行わないことに決定された場合の例を示す。その場合には、抽選演出開始タイマがタイムアップしたときに、必ず抽選演出が実行される。
この実施の形態では、図24(A)に示された関係(すなわち関係が設定されているテーブル)に従って抽選演出が実行されるが、図24(A)に示された関係は一例であって、他の関係を用いてもよい。例えば、図24(B)に示されたテーブルでは、特別状態以外の遊技状態において、確変状態、時短状態およびその他の状態(通常状態)のそれぞれに対して、抽選演出を実行する/しないの関係が設定されている。従って、演出制御手段は、それぞれの遊技状態に応じた細かな抽選演出のための制御を行うことができる。なお、図24(B)に示されたテーブルを用いる場合にも、図24(A)に示されたテーブルを用いる場合と同様に、特別状態以外の遊技状態において、演出制御手段は、抽選演出を実行すると決定したときには、所定の割合(低い割合)で、図23(B)に示された画像を表示する。
また、図24(A)に示されたテーブルを用いる場合にも、図24(B)に示されたテーブルを用いる場合にも、ステップS865の処理において、例えば、乱数を発生させ、乱数の値と判定値とを比較することによって、すなわち乱数を用いた抽選によって、図23(B)に示された画像(非パンク演出という。)を表示するのか、図23(C)に示された画像(パンク演出という。)を表示するのかを決定するのであるが、図24(C)に示すように、テーブルに、非パンク演出を行うのかパンク演出を行うのかについても設定するようにしてもよい。
また、ステップS865の処理において、抽選によって非パンク演出を行うのかパンク演出を行うのかについて決定するのではなく、例えば、特別状態が終了した後の所定期間(タイマ計測による時間または所定回分の可変表示期間)において常に非パンク演出を実行し、所定期間が経過したら、必ずパンク演出を実行するようにしてもよい。この場合(特別状態が終了したときから)、所定期間内では、常に、または高い割合で、抽選演出を実行するようにしてもよい。
以上のように、この実施の形態では、特別状態を終了させるか否かを抽選によって決定するように構成された遊技機において、所定の演出によって、特別状態を終了させるか否かを遊技者に報知する。ただし、抽選自体は実行されても抽選演出が実行されない場合がある。また、特別状態でない場合でも、低い頻度で抽選演出が実行される。よって、遊技者は、抽選演出によって特別状態が終了したか否かを推測できるが、その推測は当たっているとは限らない。その結果、遊技者に対して、特別状態が終了したか否かを推測することに関して新たな興趣を提供することができる。また、特別状態が継続することについての遊技者の期待感を向上させることができる。
また、特別状態の終了時に抽選演出が行われなかった場合には、その後に、特別状態が終了したことを報知するために抽選演出が行われるので(ステップS863)、最終的に、遊技者に正しい遊技状態が報知される。
また、この実施の形態では、いずれの遊技状態においても所定の割合で抽選演出が実行されるが(図25におけるステップS852の処理が遊技状態を条件にせず実行されるので)、特別状態以外の遊技状態では、特別状態終了後の所定期間(例えば、5分とか、10回の可変表示の実行期間)内において抽選演出を実行可能であるように構成してもよい。その場合に、所定期間内に図23(C)に示す演出が選択されなかった場合には、所定期間が終了したときに、図23(C)に示す演出を実行することによって特別状態が終了していることを報知するようにしてもよい。すなわち、第2の有利状態の終了条件が成立したときから、所定期間内において演出開始条件が成立したか否かを判定する判定手段を設け、その判定手段が演出開始条件が成立したと判定したときに抽選演出を実行し、有利状態終了報知手段が、判定手段が所定期間内に演出開始条件が成立したと判定しなかったときに第2の有利状態が終了したことを報知するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、特別状態以外の遊技状態では、遊技状態によらず同じ確率で図23(B)に示された画像を表示するか図23(C)に示された画像を表示するかを選択したが、遊技状態に応じて(例えば、時短状態、通常状態)、確率を変えるようにしてもよい。すなわち、第2の有利状態以外の遊技状態において、演出開始条件が成立したか否かを判定する演出開始条件判定手段が、遊技状態に応じたそれぞれの判定手段を含むようにしてもよい。それぞれの判定手段は、例えば、遊技状態のそれぞれに応じて、異なる確率で、図23(B)に示された画像を表示するか図23(C)に示された画像を表示するかを抽選する。
なお、この実施の形態では、抽選演出を行うか否かを抽選によって決定したが、すなわち、抽選演出はランダムに実行されるが、あらかじめ決められた周期(例えば10回の可変表示が行われる毎に1回)で抽選演出が実行されるようにしてもよい。
また、特別状態が終了したことを報知した後(ステップS863の処理を実行後)に、遊技制御手段における時短回数カウンタが0になっていない場合(時短状態への移行条件が成立している場合)には、例えば、図17(D)に示すような時短継続回数報知を行うようにしてもよい。
上記の各実施の形態では、遊技制御手段は、大当り図柄をランダム3によって決定し、決定された図柄にもとづいて、確変時短状態、確変状態または時短状態に制御されるが、確変時短状態、確変状態または時短状態に制御するか否かを抽選し、その後に、停止図柄を決定するようにしてもよい。例えば、遊技制御手段は、0〜100以上の値の範囲を取りうる乱数発生用カウンタを用い、乱数発生用カウンタのカウント値を乱数の値として、あらかじめ、確変時短状態、確変状態、時短状態および通常状態のそれぞれに対応して決められている判定値と乱数の値とを比較して遊技状態を決定する。そのような遊技機では、遊技者は、可変表示装置9に停止表示された特別図柄によって遊技状態を推測することができなくなり、特別状態の開始時に関しても、遊技者にわかりづらくすることができる。
また、上記の各実施の形態では、第1の実施の形態においては確変状態の継続可能期間、および確変時短状態における確変状態の継続可能期間をあらかじめ決められている回数から選択し(ステップS93参照:このような制御を回数切りということにする。)、第2の実施の形態においては継続可能期間を定めずに抽選によって終了条件を成立させるか否か決定したが(ステップS552,553参照:いわゆる確変パンク。)、遊技機は、回数切りと確変パンクとの双方の制御を実行するように構成してもよい。すなわち、第1の実施の形態と第2の実施の形態との双方の制御を兼ね備えていてもよい。なお、第1の実施の形態と第2の実施の形態との双方の制御を兼ね備えた遊技機では、図6に示された確変回数決定用乱数と、図20に示された確変終了決定用乱数との双方が使用される。
また、上記の各実施の形態では、第1の有利状態を時短状態とし、第2の有利状態を確変状態としたが、第1の有利状態と第2の有利状態とのそれぞれを、遊技機において定めうる有利状態のいずれの状態にしてもよい。例えば、第1の有利状態を確変状態とし、第2の有利状態を時短状態としてもよい。また、第2の有利状態を確変状態とし、第1の有利状態を開放延長状態としてもよい(逆でもよい)。つまり、第1の有利状態と第2の有利状態とが同じでなければ、第1の有利状態と第2の有利状態とは、どのような有利状態であってもよい。また、有利状態は、確変状態、時短状態および開放延長状態に限られない。さらに、第1の有利状態および第2の有利状態を、それらが同じ遊技状態とはならないことを条件に、複数の有利状態を複合させた状態にしてもよい。一例として、第2の有利状態を確変状態として第1の有利状態を時短状態と開放延長状態とを複合させた状態にしてもよいし、第2の有利状態を確変状態と開放延長状態とを複合させた状態として第1の有利状態を時短状態と開放延長状態とを複合させた状態にしてもよい
また、上記の各実施の形態では、1つの演出制御手段が、可変表示装置9等の表示手段、ランプ・LEDおよび音発生手段を制御したが、演出制御手段は、それぞれマイクロコンピュータを含む複数の制御手段によって実現されていてもよい。例えば、可変表示装置9等の表示手段を制御する表示制御手段、ランプ・LEDを制御する発光体制御手段、および音発生手段を制御する音制御手段が別個に設けられていてもよい。
また、図28に示すように、特別図柄を可変表示する可変表示装置としての特別図柄表示器41の表示状態を、主基板13に搭載されている遊技制御手段が制御するようにしてもよい。その場合、遊技盤6には、例えば0〜11の数字(遊技者に特定の停止図柄を把握しづらくさせるために0〜99などより多種類の数字を可変表示してもよい。)を可変表示可能な簡易で小型の表示器による特別図柄表示器41が設けられる。また、可変表示装置9は、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。また、飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置9は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段によって制御される。
そのような構成において、特別図柄表示器41の停止図柄と遊技状態との関係を例えば図7に示されたように定め、可変表示装置9の停止図柄の組み合わせをランダムにするようにしてもよい。この場合、ランダムとは、停止図柄の組み合わせと遊技状態とに関連を持たせないようにすることであり、例えば、遊技状態を確変状態とするときに停止表示される図柄の組み合わせと同じものが、遊技状態を時短状態にするときにも使用される。遊技者は、特別図柄表示器41よりも目立つ可変表示装置9における図柄の可変表示に注目するので、特別図柄表示器41の停止図柄と遊技状態とに対応関係があっても、可変表示装置9の停止図柄の組み合わせがランダムであれば、どのような遊技状態に移行するのかを把握しづらくなる。
なお、上記の各実施の形態において、移行手段を、第1の移行条件の成立により、通常状態であるときに比べて所定回数の識別情報の可変表示の可変表示期間を短縮する可変表示期間短縮状態、識別情報の可変表示の表示結果を特定の表示結果とする確率を通常状態であるときに比べて向上させた高確率状態、および可変入賞球装置15が開放状態である期間を通常状態であるときに比べて長くした開放延長状態のうちの1つまたは複数の状態(例えば、時短状態と開放延長状態)を含む第1の有利状態に移行させるようにしてもよい。そのような構成によって、有利状態を変化に富む状態にすることができる。
さらに、移行手段が、第2の移行条件の成立により、可変表示期間短縮状態、高確率状態および開放延長状態のうちののうちの1つまたは複数の状態(例えば、確変状態と開放延長状態)を含む第2の有利状態に移行させるように構成されていてもよい。そのような構成によって、第2の有利状態を変化に富む状態にすることができる。
また、上記の各実施の形態のパチンコ遊技機1は、始動入賞にもとづいて可変表示装置9に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機であり、かつ、プリペイドカードによって球貸しを行うカードリーダ(CR:Card Reader )式のパチンコ遊技機であったが、プリペイドカードによって球貸しを行うCR式パチンコ遊技機だけでなく、現金によって球貸しを行うパチンコ遊技機にも適用可能である。さらに、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続するパチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。