実施の形態1.
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが識別情報としての図柄を可変表示する複数の可変表示部を含む可変表示装置(特別図柄表示装置)9が設けられている。可変表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。また、可変表示装置9には、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち始動記憶数を表示する4つの特別図柄始動記憶表示エリア(始動記憶表示エリア)18が設けられている。有効始動入賞がある毎に、表示色が変化する(例えば青色表示から赤色表示に変化)始動記憶表示エリアを1増やす。そして、可変表示装置9の可変表示が開始される毎に、表示色が変化している始動記憶数表示エリアを1減らす(すなわち表示色をもとに戻す)。なお、始動記憶数を表示する表示器(特別図柄始動記憶表示器)を可変表示装置9とは別個に設けてもよい。
可変表示装置9の下方には、始動入賞口14としての可変入賞球装置15が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。開閉板20は大入賞口(可変入賞球装置)を開閉する手段である。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球はVカウントスイッチ22で検出され、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aも設けられている。
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に右側のランプが点灯すれば当たりとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32に入った入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への入賞がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、複数の入賞口(普通入賞口)29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。各入賞口29,30,33,39は、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口14や大入賞口も、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。また、複数の複数の入賞口(普通入賞口)29,30,33,39のそれぞれに入賞した遊技球を検出する1つの入賞口スイッチが設けられ、どの入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球も、その入賞口スイッチによって検出されるようにしてもよい。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、天枠ランプ28aの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。上記のように、この実施の形態のパチンコ遊技機1には、発光体としてのランプやLEDが各所に設けられている。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、可変表示装置9において特別図柄が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、始動記憶数を1増やす。
可変表示装置9における特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄の組み合わせが大当り図柄(特定表示結果)であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に遊技球がV入賞領域に入賞しVカウントスイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
停止時の可変表示装置9における特別図柄の組み合わせが確変状態への移行条件を成立させる大当り図柄(確変図柄)である場合には、大当り遊技の終了後に、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、遊技状態が確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態となる。また、特別図柄の組み合わせが時短状態への移行条件を成立させる大当り図柄(時短図柄)である場合には、大当り遊技の終了後に、遊技状態が時短状態に移行する。さらに、特別図柄の組み合わせが確変状態への移行条件と時短状態への移行条件との双方を成立させる大当り図柄(確変時短図柄)である場合には、大当り遊技の終了後に、まず、優先的に確変状態に制御され、その後、所定条件の成立により時短状態に制御される。
遊技者にとって有利な遊技状態である有利状態(特別遊技状態)のうちの第2の有利状態としての確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が通常状態に比べて高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が、確変状態以外の状態に比べて高められ、遊技者にとってさらに有利になる。また、確変状態では、普通図柄表示器10における可変表示期間(変動時間ともいう。)が通常状態に比べて短縮されることによって、遊技者にとってさらに有利になるようにしてもよい。ただし、確変状態において、可変入賞球装置15の開放時間や開放回数の延長や普通図柄表示器10における変動時間の短縮はなされない(すなわち、特別図柄の当りの確率が高くなるだけで、可変入賞球装置15に関する有利/不利に関しては通常状態と同じ)ようにしてもよいし、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率を高めるようにしなくてもよい。また、第1の有利状態としての時短状態では、特別図柄の変動時間(可変表示期間)が、通常状態である場合に比べて短縮される。時短状態においても、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が通常状態に比べて高められるようにしたり、普通図柄表示器10における変動時間が短縮されるようにしてもよい。さらに、確変状態において、可変表示装置9における特別図柄の変動時間を短縮するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態(遊技機の制御状態、通常状態と有利状態とに大別される)のうち、通常状態に比べて、所定時間あたりの識別情報の可変表示の表示結果が大当り図柄となる割合を高くすることが可能な状態である有利状態は、識別情報の可変表示の表示結果を大当り図柄とする確率を通常状態であるときに比べて向上させた確変状態(高確率状態)、および通常状態であるときに比べて所定回数の識別情報の可変表示の可変表示期間を短縮する時短状態であるが、有利状態として、普通図柄の当りにもとづく可変入賞球装置15が開放状態である期間を通常状態であるときに比べて長く(例えば、通常状態は0.5秒間であるのに対し、1秒間あるいは2秒間開放状態としたり、通常状態は1回の当りに応じて1回開放動作を行うのに対し、2回以上開放動作を行うなどによって長期間開放状態とする。)した開放延長状態(例えば100回の特別図柄の可変表示がなされるまで)など、他の態様で有利状態を実現してもよい。
図2は、遊技機に設けられている(具体的には遊技機裏面に設置されている)基盤であって、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、遊技機に搭載されている払出制御基板37、ランプドライバ基板35、音声出力基板70および演出制御基板80も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御用マイクロコンピュータに相当:遊技制御手段)53と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aおよびクリアスイッチ921からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、開閉板20を開閉するソレノイド21および大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aを基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59とが搭載されている。クリアスイッチ921は、例えば遊技機に設置されている電源基板に搭載されている。
なお、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示装置9における図柄の可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報等の情報出力信号を、遊技機裏面に設置されている情報端子盤を介してホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載されている。
遊技制御用マイクロコンピュータで実現される基本回路53は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。また、遊技制御手段は、遊技制御用マイクロコンピュータで実現される基本回路53で実現されているが、主として、遊技制御用マイクロコンピュータにおけるプログラムに従って制御を実行するCPU56で実現される。
また、RAM55は、その一部または全部がバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。なお、遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータで実現される演出制御手段が、遊技盤に設けられている普通図柄保留記憶表示器41および飾りランプ25等の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、賞球ランプ51および球切れランプ52の表示制御を行う。なお、各ランプはLEDその他の種類の発光体でもよい。すなわち、ランプやLEDは発光体の一例であり、以下、ランプ・LEDと総称することがある。また、可変表示装置9の上部および左右部には、可変表示装置飾りLED(センター飾りLED)が設置され、大入賞口の内部には大入賞口内飾りLEDが設置され、大入賞口の左右には、大入賞口左飾りLEDおよび大入賞口右飾りLEDが設置されている。演出制御手段は、それらの発光体の制御も行う。
なお、ランプ・LEDを駆動するための駆動信号は、ランプドライバ基板35において作成される。また、特別図柄を可変表示する可変表示装置9および普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10の表示制御は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段によって行われる。
図3は、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、ROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、主基板31からのストローブ信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)106に、LCDを用いた可変表示装置9の表示制御を行わせる。VDP106は、GCL(グラフィックコントローラLSI)と呼ばれることもある。さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート104およびランプ駆動回路107を介して普通図柄表示器10の表示制御を行う。なお、演出制御用マイクロコンピュータは、演出制御用CPU101、ROM、RAMおよびI/Oポートを含む。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート104および出力ドライバ110を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。また、演出制御用CPU101に入出力するバス(アドレスバス、データバス、および書込/読出信号等の制御信号ラインを含む)はバスドライバ105を介してランプドライバ基板35まで延長されている。
ランプドライバ基板35において、演出制御用CPU101に入出力するバスは、バスレシーバ351を介して出力ポート352および拡張ポート353に接続される。出力ポート352から出力される各ランプを駆動する信号は、ランプドライバ354で増幅され各ランプに供給される。また、出力ポート352から出力される各LEDを駆動する信号は、LED駆動回路355で増幅され各LEDに供給される。
この実施の形態では、遊技機に設けられているランプ・LEDは、演出制御基板80に搭載されている演出用CPU101を含む演出制御手段によって制御される。また、可変表示装置9、普通図柄表示器10およびランプ・LED等を制御するためのデータがROMに格納されている。演出用CPU101は、ROMに格納されているデータにもとづいて可変表示装置9、普通図柄表示器10およびランプ・LED等を制御する。そして、ランプドライバ基板35に搭載されている出力ポート352および各駆動回路を介して、ランプ・LEDが駆動される。
なお、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70は独立した基板であるが、それらは、例えば、遊技機裏面において、1つのボックスに収容された状態で設置される。また、拡張ポート353は、機種変更を行う場合に、ランプ・LED等の数が増加した場合を考慮して設置されるが、設置されていなくてもよい。
音声出力基板70において、演出制御基板80からの音番号データは、入力ドライバ702を介して、例えばデジタルシグナルプロセッサによる音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じたデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。
次に遊技機の動作について説明する。図4,図5は、主基板31における遊技制御手段(CPU56およびROM,RAM等の周辺回路)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、CPU56は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。なお、割込みモード2は、遊技制御用マイクロコンピュータ56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ921の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜ステップS14)。
クリアスイッチ921がオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。ステップS9では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と表示制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS151〜S155)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS151)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS152)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS151およびS152の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変時短フラグ、確変フラグ、時短フラグなど)が設定されている部分である。
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS153)、その内容に従ってサブ基板(払出制御基板37および演出制御基板80)に、電力供給が復旧した旨を示す制御コマンド(復旧コマンド)が送信されるように制御する(ステップS154)。そして、有利状態報知処理を実行したあと、ステップS15に移行する。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。例えば、大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータをそのままにした場合には、不正な手段によって初期化処理が実行される状態になったとしても、大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値が大当り判定値に一致するタイミングを狙うことは困難である。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、可変表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU56に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。CPU56は、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする(ステップS19)。なお、表示用乱数とは、可変表示装置9に表示される図柄を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り決定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータが、遊技機に設けられている可変表示装置9、可変入賞球装置15、球払出装置97等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り決定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS17,S18の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数や初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS17,S18の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
図6は、有利状態報知処理の例を示すフローチャートである。有利状態報知処理は、遊技機への電源投入時に遊技状態が復旧されるときに、確変状態や時短状態に復旧するときはその旨を遊技者に報知するための処理である。なお、「有利状態」とは、確変状態、時短状態、および確変時短状態を含む遊技者に有利な遊技状態を意味する。
有利状態報知処理において、CPU56は、まず、RAM55に格納されている確変時短フラグがオンであれば(ステップS155a)、ROM54に格納されている確変時短報知時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS155b)、その内容に従って確変時短報知を指定する演出制御コマンド(確変時短報知指定コマンド)を演出制御基板80に送信する処理を実行する(ステップS155c)。演出制御用CPU101は、確変時短報知指定コマンドを受信すると、音、表示、発光体などを用いて確変時短状態に復旧する旨を遊技者に報知するための処理を実行する。具体的には、例えば後述する確変時短復旧報知画像(図7(A)参照)を可変表示装置9に表示する処理を実行する。
また、確変時短フラグがオンでない場合には、CPU56は、RAM55に格納されている確変フラグがオンであれば(ステップS155d)、ROM54に格納されている確変報知時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS155e)、その内容に従って確変報知を指定する演出制御コマンド(確変報知指定コマンド)を演出制御基板80に送信する処理を実行する(ステップS155f)。演出制御用CPU101は、確変報知指定コマンドを受信すると、音、表示、発光体などを用いて確変状態に復旧する旨を遊技者に報知するための処理を実行する。具体的には、例えば後述する確変復旧報知画像(図7(B)参照)を可変表示装置9に表示する処理を実行する。
さらに、確変時短フラグおよび確変フラグがオンでない場合には、CPU56は、RAM55に格納されている時短フラグがオンであれば(ステップS155g)、ROM54に格納されている時短報知時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS155h)、その内容に従って確変報知を指定する演出制御コマンド(時短報知指定コマンド)を演出制御基板80に送信する処理を実行する(ステップS155i)。演出制御用CPU101は、時短報知指定コマンドを受信すると、音、表示、発光体などを用いて時短状態に復旧する旨を遊技者に報知するための処理を実行する。具体的には、例えば後述する時短復旧報知画像(図7(C)参照)を可変表示装置9に表示する処理を実行する。
図7は、可変表示装置9に表示される有利状態復旧報知画像の例を示す説明図である。図7(A)に示す画像は、有利状態復旧報知画像のうち、遊技状態が確変時短状態に復旧する旨を遊技者に報知するための確変時短復旧報知画像の一例である。図7(B)に示す画像は、有利状態復旧報知画像のうち、遊技状態が確変状態に復旧する旨を遊技者に報知するための確変復旧報知画像の一例である。図7(C)に示す画像は、有利状態復旧報知画像のうち、遊技状態が時短状態に復旧する旨を遊技者に報知するための時短復旧報知画像の一例である。
上記のように、遊技機への電源投入がなされたときに、有利状態に復旧する場合には、その旨を報知して、遊技者などに認識させる構成としたので、例えば有利状態であるときに電源を落とし、開店時に有利状態から遊技を開始させるような遊技店の行為を防止することができる。
図8は、遊技制御処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図8に示すステップS20〜S33の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。
なお、電源断検出処理において、電源断信号の検出によって電源断を認識するのでなく、電源電圧である交流電圧を半波整流によって整流したパルスのパルス波形を監視し、そのパルス波形の高さが所定の高さよりも低くなったときに、電源断が発生したと認識するようにしてもよい。
次いで、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ24a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS22)。CPU56は、さらに、初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS23,S24)。
図11は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2−1〜2−3(ランダム2):特別図柄の左中右のはずれ図柄決定用(特別図柄左中右)
(3)ランダム3:大当りを発生させる特別図柄の組合せを決定する(大当り図柄決定用)
(4)ランダム4:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム5:大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定する(リーチ判定用)
(6)ランダム6:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(7)ランダム7:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(8)ランダム8:ランダム6の初期値を決定する(ランダム6初期値決定用)
(9)ランダム9:確変継続回数(確変状態における特別図柄の変動回数)を決定する(確変回数決定用)。なお、この実施の形態では、確変継続回数は、ランダム9の値に応じて、10回、20回または50回に決定されるとする。なお、確変継続回数を、この実施の形態における時短回数(時短状態における特別図柄の変動可能回数)である100よりも多い回数(例えば150回)に決定してもよい。時短回数よりも多い確変継続回数が存在する場合には、後述する確変時短状態の終了時に時短状態に移行できないことになるので遊技状態の変化のバリエーションをより豊富にすることができる。
図8に示された遊技制御処理におけるステップS22では、CPU56は、(1)の大当り判定用乱数、(3)の大当り図柄決定用乱数、および(6)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(9)の乱数以外の普通図柄に関する乱数等も用いられていてもよい。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS25)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU56は、特別図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(特別図柄コマンド制御処理:ステップS27)。また、普通図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(普通図柄コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの何れかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS31)。また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS32)。本例では、試験信号として、確変状態であるか否かなどに関する確率変動情報、時短状態であるか否かなどに関する時短情報などが出力される。さらに、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を行う(ステップS33)。可変入賞球装置15または開閉板20を開状態または閉状態としたり、大入賞口内の遊技球通路を切り替えたりするために、ソレノイド回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21,21Aを駆動する。その後、割込許可状態に設定する(ステップS34)。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
この実施の形態では、左中右の特別図柄は、それぞれ、「0」〜「11」の12通りあって、可変表示装置9において「0」から順に特別図柄の表示が変化することによって特別図柄の変動が実現される。なお、特別図柄の変動中において、表示図柄の表示は非連続的に変化してもよい。また、特別図柄の最終停止図柄(確定図柄)が左中右揃った場合に大当りとなり、左右が揃った場合にリーチとなる。
図9および図10は、ステップS20の電源断処理の一例を示すフローチャートである。電源断処理において、CPU56は、まず、電源断確認信号が出力されているか否か(オン状態になっているか否か)確認する(ステップS450)。オン状態でなければ、RAM55に形成されるバックアップ監視タイマの値を0クリアする(ステップS451)。オン状態であれば、RAM55に形成されるバックアップ監視タイマの値を1増やす(ステップS452)。そして、バックアップ監視タイマの値が判定値(例えば2)と一致すれば(ステップS453)、ステップS454以降の電力供給停止時処理すなわち電力の供給停止のための準備処理を実行する。つまり、遊技の進行を制御する状態から遊技状態を保存させるための電力供給停止時処理(電源断時制御処理)を実行する状態に移行する。
この例では、図示はしないが、電力供給停止時処理にて、例えば、スタックポインタの値をRAMの電源バックアップ領域におけるスタックポインタ退避バッファに退避する処理など、遊技制御状態を復旧させるために必要なデータをRAM55の電源バックアップ領域に保存させるためのデータ退避処理が実行される。
バックアップ監視タイマと判定値とを用いることによって、判定値に相当する時間だけ電源断確認信号のオン状態が継続したら、電力供給停止時処理が開始される。すなわち、ノイズ等で一瞬電源断確認信号のオン状態が発生しても、誤って電力供給停止時処理が開始されるようなことはない。なお、RAM55に形成されるバックアップ監視タイマの値は、遊技機への電力供給が停止しても、所定期間はバックアップ電源によって保存される。従って、メイン処理におけるステップS8では、バックアップ監視タイマの値が判定値と同じ値になっていることによって、電力供給停止時処理の処理結果が保存されていることを確認できる。
電力供給停止時処理において、CPU56は、パリティデータを作成する(ステップS454〜S463)。すなわち、まず、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし(ステップS454)、電力供給停止時でも内容が保存されるべきRAM領域の先頭アドレスに相当するチェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする(ステップS455)。また、電力供給停止時でも内容が保存されるべきRAM領域の最終アドレスに相当するチェックサム算出回数をセットする(ステップS456)。
次いで、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する(ステップS457)。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに(ステップS458)、ポインタの値を1増やし(ステップS459)、チェックサム算出回数の値を1減算する(ステップS460)。そして、ステップS457〜S460の処理を、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返す(ステップS461)。
チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転する(ステップS462)。そして、反転後のデータをチェックサムデータエリアにストアする(ステップS463)。このデータが、電源投入時にチェックされるパリティデータとなる。次いで、RAMアクセスレジスタにアクセス禁止値を設定する(ステップS471)。以後、内蔵RAM55のアクセスができなくなる。
さらに、CPU56は、ROM54に格納されているポートクリア設定テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS472)。ポートクリア設定テーブルにおいて、先頭アドレスには処理数(クリアすべき出力ポートの数)が設定され、次いで、出力ポートのアドレスおよび出力値データ(クリアデータ:出力ポートの各ビットのオフ状態の値)が、処理数分の出力ポートについて順次設定されている。
CPU56は、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち処理数)をロードする(ステップS473)。また、ポインタの値を1増やし(ステップS474)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力ポートのアドレス)をロードする(ステップS475)。さらに、ポインタの値を1増やし(ステップS476)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力値データ)をロードする(ステップS477)。そして、出力値データを出力ポートに出力する(ステップS478)。その後、処理数を1減らし(ステップS479)、処理数が0でなければ(ステップS480のN)、ステップS474に戻る。処理数が0であれば(ステップS480のY)、すなわち、クリアすべき出力ポートを全てクリアしたら、タイマ割込を停止し(ステップS481)、電源断状態となるのを待つループ処理に入る。
以上の処理によって、電力供給が停止する場合には、ステップS454〜S481の電力供給停止時処理が実行され、電力供給停止時処理が実行されたことを示すデータ(バックアップあり指定値およびチェックサム)がバックアップRAMへストアされ、RAMアクセスが禁止状態にされ、出力ポートがクリアされ、かつ、遊技制御処理を実行するためのタイマ割込が禁止状態に設定される。
この実施の形態では、RAM55の一部の領域がバックアップ電源によって電源バックアップ(遊技機への電力供給が停止しても所定期間はRAM55の内容が保存されこと)されている。この例では、ステップS452〜S480の処理によって、バックアップ監視タイマの値とともに、電源断確認信号が出力されたときのRAM55の内容にもとづくチェックサムもRAM55のバックアップ領域に保存される。遊技機への電力供給が停止した後、所定期間内に電力供給が復旧したら、遊技制御手段は、上述したステップS9151〜S154の処理によって、RAM55に保存されているデータ(電力供給が停止した直前の遊技制御手段による制御状態である遊技状態を示すデータ(例えば、プロセスフラグの状態、大当り中フラグの状態、確変フラグの状態、出力ポートの出力状態等)を含む)に従って、遊技状態を、電力供給が停止した直前の状態に戻すことができる。なお、電力供給停止の期間が所定期間を越えたらバックアップ監視タイマの値とチェックサムとが正規の値とは異なるはずであるから、その場合には、ステップS10〜S14の初期化処理が実行される。
以上のように、電力供給停止時処理(電力の供給停止のための準備処理)によって、遊技状態を電力供給が停止した直前の状態に戻すためのデータが確実に変動データ記憶手段(この例ではRAM55の一部の領域)に保存される。よって、停電等による電源断が生じても、所定期間内に電源が復旧すれば、遊技状態を電力供給が停止した直前の状態に戻すことができる。
図12は、この実施の形態で用いられる特別図柄の停止図柄と、制御される遊技状態との関係を示す説明図である。図12に示す例では、特別図柄の左中右図柄が1、5または9で揃うと、大当り遊技終了後に、遊技状態(遊技機の制御状態)が確変状態に移行する。また、11で揃うと、大当り遊技終了後に、遊技状態が時短状態に移行する。そして、3または7で揃うと、大当り遊技終了後に、遊技状態が時短状態および時短状態に移行する。ただし、その場合には、確変状態が優先され、確変状態の終了時に時短状態に移行される。
確変状態では、特別図柄の変動の結果(最終停止図柄、単に停止図柄ともいう。)が大当り図柄となる確率が、確変状態でない状態(低確率状態)に比べて高められる。このことを、以下、「確変状態では高確率で当り/はずれが判定される」と表現することがある。この実施の形態では、確変状態では大当り図柄となる確率が10倍に高められているとする。
また、確変状態が終了すると、第1の有利状態としての特別図柄変動時間短縮(時短)状態に移行するように制御されることがある。時短状態では、特別図柄の変動時間(可変表示期間)が、時短状態でない場合に比べて短縮される。なお、短縮の態様(各変動パターンについてどの程度短くするのか、どの変動パターンを短くするのか等)は、確変状態(確変時短状態を含む。)における態様と同一でもよい。時短状態は、所定回の特別図柄の変動が終了するまで、または、大当りが発生するまで継続する。この実施の形態では、所定回は、100回とするが、所定回を抽選によって複数種類のうちから選択してもよい。時短状態では、特別図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
なお、有利状態は、確変状態(第2の有利状態)と時短状態(第1の有利状態)とを含み、有利状態でない遊技状態(遊技機の状態)が通常状態である。また、高確率状態は確変状態であり、低確率状態は、時短状態と通常状態とを含む。
図13は、CPU56が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図13に示す特別図柄プロセス処理は、図8のフローチャートにおけるステップS25の具体的な処理である。CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、変動短縮タイマ減算処理(ステップS310)を行い、遊技盤6に設けられている始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S308のうちのいずれかの処理を行う。変動短縮タイマは、特別図柄の変動時間が短縮される場合に、変動時間を設定するためのタイマである。始動口スイッチ通過処理では、始動入賞記憶数(保留記憶数)が最大値である4に達しているかどうか確認し、保留記憶数が4に達していなければ、保留記憶数を1増やし、大当り判定用乱数等の各乱数(ランダム1〜ランダム5およびランダム9)の値を抽出し、それらを保留記憶数の値に対応した保存領域(特別図柄判定用バッファ)に格納する。なお、乱数を抽出するとは、乱数を生成させるためのカウンタからカウント値を読み出して、読み出したカウント値を乱数値とすることである。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄の可変表示を開始できる状態になるのを待つ。特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数を確認する。保留記憶数が0でなければ、特別図柄の可変表示の結果、大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に移行するように更新する。
特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):特別図柄の可変表示後の左中右図柄の停止図柄を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。
変動パターン設定処理(ステップS302):特別図柄の可変表示の変動パターン(可変表示態様)を、ランダム4の値に応じて決定する。また、変動パターンに応じた変動時間タイマをスタートさせる。このとき、演出制御基板80に対して、左中右最終停止図柄と変動態様(変動パターン)を指令する情報とが演出制御コマンドとして送信される。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。
特別図柄変動処理(ステップS303):所定時間(ステップS302の変動時間タイマで示された時間)が経過すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):可変表示装置9において表示される全図柄が停止されるように制御する。具体的には、特別図柄停止を示す演出制御コマンドが送信される状態に設定する。そして、停止図柄が大当り図柄である場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
大入賞口開放開始処理(ステップS305):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、大当り中フラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。
大入賞口開放中処理(ステップS306):大入賞口ラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御基板80に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。最後の大入賞口の閉成条件が成立したら、内部状態をステップS307に移行するように更新する。
特定領域有効時間処理(ステップS307):V入賞スイッチ22の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS305に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS308に移行するように更新する。
大当り終了処理(ステップS308):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御手段に行わせるための制御を行う。そして、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
図14は、遊技状態が変化する様子の一例を示す説明図である。図14には、確変時短図柄が最終停止表示され、大当り遊技状態が終了したときに確変状態に制御され、50回の特別図柄の変動が終了したら、時短状態に制御される例が示されている。なお、図14には、後述する確変回数カウンタおよび時短回数カウンタの値も示されている。時短回数カウンタは、確変状態に制御されたときから歩進される。図14に示す例では、確変回数カウンタおよび時短回数カウンタは、1回の可変表示が行われる毎に1減算され、0になったら、確変状態または時短状態は終了する。
図15は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、特別図柄の変動を開始することができる状態(例えば特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合)には(ステップS51)、始動入賞記憶数(保留記憶数)の値を確認する(ステップS52)。具体的には、始動入賞記憶カウンタのカウント値を確認する。なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、可変表示装置9において図柄の変動がなされていず、かつ、大当り遊技中でもない場合である。
保留記憶数が0でなければ、保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS54)、保留記憶数の値を1減らし(始動入賞記憶カウンタの値を1減らし)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS55)。すなわち、保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、CPU56は、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする処理を実行する。
次いで、CPU56は、乱数格納バッファから大当り判定用乱数を読み出し(ステップS56)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS57)。大当りとすることに決定した場合には(ステップS58)、CPU56は、大当りフラグをセットする(ステップS59)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止図柄設定処理に対応した値に更新する(ステップS60)。大当り判定モジュールは、大当り判定用乱数が、あらかじめ決められている大当り判定値と一致したら大当りとすることに決定するプログラムである。
図16は、特別図柄の変動時間が経過したときに実行される特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、特別図柄停止を示す演出制御コマンドを送信する処理を行う(ステップS71)。
次いで、CPU56は、停止図柄が大当り図柄であるか否か確認する(ステップS72)。大当り図柄であれば、確変時短フラグ、確変フラグおよび時短フラグをリセットし(ステップS73,S74,S75)、演出制御基板80に対して、通常状態になったことを通知するために、通常表示指定の演出制御コマンドを送信する処理を行う(ステップS76)。そして、ステップS89に移行する。
停止図柄が大当り図柄でなければ、確変状態または確変時短状態(確変時短図柄で大当りが発生した後、優先的に確変状態に制御された状態)であることを示す確変フラグがセットされているか否か確認する(ステップS77)。セットされていれば、確変回数カウンタの値を−1する(ステップS78)。確変回数カウンタは、あと何回の特別図柄の変動がなされたら確変状態が終了するのかを示す回数(可変表示可能回数)が設定されているカウンタである。また、確変時短フラグがセットされている場合(確変時短状態であることを示すフラグ)には、時短回数カウンタの値も−1する(ステップS77A,S78A)。ただし、既に0になっている場合には減算しない。時短回数カウンタは、あと何回の特別図柄の変動がなされたら時短状態が終了するのかを示す回数(可変表示可能回数)が設定されているカウンタである。確変時短フラグがセットされている場合には、実際には遊技状態は確変状態であるが、このように、時短回数カウンタも−1される。
そして、確変回数カウンタの値が0になった場合には、確変フラグをリセットして確変状態を終了させる(ステップS79,S80)。また、確変時短フラグがセットされている場合には、この時点で確変状態から時短状態に移行させる条件が成立したことになり、確変時短フラグをリセットして(ステップS82)、時短回数カウンタがまだ0になっていないことを条件として、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS83,S83A)。
ステップS77において確変フラグがセットされていないことを確認したら、CPU56は、時短フラグがセットされているか否か確認する(ステップS84)。セットされていれば、時短回数カウンタの値を−1する(ステップS85)。時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS86)、時短フラグをリセットして時短状態を終了させ(ステップS87)、演出制御基板80に対して、通常状態に戻ったことを通知するために、通常表示指定の演出制御コマンドを送信する処理を行う(ステップS89)。
ステップS89では、特別図柄の変動の停止図柄が大当り図柄であった場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。なお、ステップS81において「N」であった場合にも、通常表示指定の演出制御コマンドを送信する処理を行う。
図17は、大当り遊技が終了したときに実行される大当り終了処理を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り遊技の起因となった特別図柄の停止図柄(大当り図柄である)が確変時短図柄であったか否か確認する(ステップS91)。確変時短図柄であった場合には、確変フラグと確変時短フラグとをセットし(ステップS92)、さらに、確変回数カウンタおよび時短回数カウンタに所定値をセットする(ステップS93,S94)。なお、この実施の形態では、確変回数カウンタは、ランダム9(始動入賞時または変動開始時に抽出されてRAM55に保存されている)に応じて、10、20または50が確変回数カウンタに設定され、時短回数カウンタには100が設定される。また、演出制御手段に、大当り遊技状態の終了と、特別遊技状態(確変状態または時短状態)への移行とを通知するために、特定大当り終了指定の演出制御コマンドを送信する処理を行う(ステップS95)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(ステップS300)に応じた値にする(ステップS96)。
特別図柄の停止図柄が確変時短図柄でなかった場合には、特別図柄の停止図柄が確変図柄であったか否か確認する(ステップS101)。確変図柄であった場合には、確変フラグのみをセットし(ステップS102)、さらに、確変回数カウンタに所定値をセットする(ステップ103)。そして、ステップS95に移行する。
特別図柄の停止図柄が確変図柄でなかった場合には、特別図柄の停止図柄が時短図柄であったか否か確認する(ステップS110)。時短図柄であった場合には、時短フラグをセットし(ステップS111)、さらに、時短回数カウンタに所定値をセットする(ステップ112)。そして、ステップS95に移行する。特別図柄の停止図柄が時短図柄でもなかった場合には、大当り遊技状態の終了を通知するために、非特定大当り終了指定の演出制御コマンドを送信する処理を行う(ステップS120)。そして、ステップS96に移行する。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図18は、演出制御用CPU101が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
この実施の形態では、タイマ割込は33ms毎にかかる。すなわち、演出制御処理は、33ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な演出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で演出制御処理を実行してもよい。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信されている演出制御コマンドを解析する(コマンド解析実行処理:ステップS704)。次いで演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。そして、予告乱数カウンタを更新する処理を実行する(ステップS706)。その後、ステップS702のタイマ割込フラグの確認を行う処理に戻る。なお、遊技制御手段は、演出制御コマンドとともにコマンドの取込を指示するための取込信号を出力し、取込信号は演出制御用CPU101の割込端子に入力され、演出制御用CPU101は、割込処理によって演出制御コマンドを受信する。
ここで、変動パターンテーブル毎に設定されているプロセスデータについて説明する。プロセスデータは、プロセスタイマ設定値と演出制御実行データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。演出制御実行データは、表示制御実行データとランプ制御実行データとを含む。表示制御実行データは、図柄の変動期間中における可変表示装置9の表示状態を示すデータが設定されている。また、ランプ制御実行データは、図柄の変動期間中におけるランプ・LEDの表示状態を示すデータが設定されている。そして、図柄の変動期間中において、表示状態を切り替えるタイミング(例えば可変表示装置9において新たなキャラクタが登場するタイミング、ランプ・LEDを点灯状態から消灯状態に切り替えるタイミング)が到来すると、演出制御手段は、プロセスデータにおける次の演出制御実行データに従って、可変表示装置9およびランプ・LEDの表示状態を制御する。プロセスタイマ設定値には、切替のタイミングに応じた時間が設定されている。
プロセスデータは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセスデータは、図柄の変動パターンのそれぞれに応じて用意されている。
このように、演出制御手段が、ROMに記憶されているプログラムおよびプロセスデータにもとづいて演出手段を制御し、複数の演出手段(この実施の形態では可変表示装置9およびランプ・LED)の制御に関わるプログラムが、演出制御基板80に搭載されているROMに格納されている。そして、それらのプログラムを格納するROMを1つのROMとして構成することができる。
図19は、図18に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって、変動時間を特定可能な演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。変動パターン受信フラグは、コマンド解析処理によって、変動パターン指定の演出制御コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる(ステップS623)。
予告選択処理(ステップS801):例えばキャラクタ画像を用いた予告演出(特別図柄の停止図柄が大当り図柄となること、またはリーチが発生することを事前に報知するための演出)を行うか否かと、行う場合の予告演出の種類を決定する。
全図柄変動開始処理(ステップS802):左中右図柄の変動が開始されるように制御する。
図柄変動中処理(ステップS803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、左右図柄の停止制御を行う。
全図柄停止待ち設定処理(ステップS804):変動時間の終了時に、全図柄停止を指示する演出制御コマンド(特別図柄停止の演出制御コマンド)を受信していたら、図柄の変動を停止し停止図柄(確定図柄)を表示する制御を行う。
大当り表示処理(ステップS805):変動時間の終了後、確変大当り表示または通常大当り表示の制御を行う。
大当たり遊技中処理(ステップS806):大当たり遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
図20は、可変表示装置9の表示部に表示される背景画像(特別図柄やキャラクタ画像を除く地画像である。)の一例を示す説明図である。図20(A),(B)に示すように、確変状態および時短状態では、通常状態とは異なる背景画像が用いられる。従って、遊技者は、背景画像によって、有利状態にあることを直ちに認識することができる。また、図20(C)は、時短変動回数の残りがなくなった(時短回数カウンタの値が0になった)ときに、確変回数カウンタの値が0でない(確変継続)場合に可変表示装置9に表示される背景画像の例を示す説明図である。ただし、この実施の形態では図20(C)に示す背景画像は用いられず、後述する第2の実施の形態で用いられる。なお、図20(B)に示す背景画像には、時短変動回数の残り(時短回数カウンタの値)も表示される。また、実際には確変状態に制御されている確変時短状態でも、時短回数カウンタの値が表示される。従って、遊技者は、有利状態において実行可能な可変表示回数を直ちに認識できる。また、確変状態でも時短状態でも同じ態様で背景表示がなされるので、遊技者に、いずれの有利状態にあるのかをわかりづらくして、結果として、遊技の興趣を向上させることができる。
以上に説明したように、この実施の形態では、第2の有利状態の終了条件が成立したと判定されたときに第1の有利状態に移行させるので(ステップS79〜S82参照)、遊技者に対して、第1の有利状態の開始時点をわかりづらくすることができる。その結果、第1の有利状態の継続回数を遊技者が容易に把握できないようにすることができる。
すなわち、確変状態が終了したあとに、あらかじめ定られている特別図柄の変動回数に亘って必ず時短状態が継続する(途中で大当りが発生した場合を除く。)ように構成すると、遊技者は、どの時点で時短状態に移行するのか容易に認識できるし、どの時点で時短状態が終了するのかも容易に認識できる。このように、時短状態への移行条件および時短状態の継続回数(時短状態における特別図柄の変動回数)が画一的であると、遊技機が、遊技状態を確変状態および時短状態に制御可能に構成されていても、遊技者に、時短状態に対する興味を引きつけられないおそれがある。これに対し、上述した実施の形態では、この実施の形態では、第2の有利状態の終了条件が成立したと判定されたときに第1の有利状態に移行させる構成としているので、遊技者に対して、時短状態の開始時点をわかりづらくすることができ、時短状態の継続回数を遊技者が容易に把握できないようにすることができる。よって、時短状態に対する遊技者の興味を向上させることができる。
実施の形態2.
上記の実施の形態では、確変回数は固定的(例えば、10回、20回または50回)であったが、確変回数を非固定的な値にしてもよい。以下、確変回数を非固定的な値にする第2の実施の形態を説明する。
図21は、第2の実施の形態において使用される各乱数を示す説明図である。第2の実施の形態では、ランダム9が、0〜49の範囲の値をとり、確変状態を終了させるか否か決めるための乱数として用いられる。遊技制御手段は、確変状態において、例えば、ランダム9があらかじめ決められている1つの値と一致した場合には、確変状態を終了させる。従って、確変状態は、1/50の確率で終了(確変パンク)する。
図22は、第2の実施の形態における遊技状態が変化する様子の一例を示す説明図である。図22には、確変時短図柄が最終停止表示され、大当り遊技状態が終了したときに確変状態に制御され、100回の特別図柄の変動が終了しても、確変状態が終了しない、すなわちランダム9にもとづく確変パンクが生じなかった例が示されている。時短回数カウンタの初期値は100であるが、確変状態に制御されたときから歩進されるので、100回の変動が終了するとその値が0になって、時短フラグはリセットされる。従って、図22に示す例では、確変時短図柄で大当りが生じても、実質的に時短状態は開始されず、確変状態がさらに継続する。
そして、そのような場合には、演出制御手段(具体的には演出制御用CPU101)は、時短回数カウンタの値が0になると、図20(C)に例示された背景を可変表示装置9に表示する制御を行う。例えば、遊技制御手段(具体的にはCPU56)が、確変状態の継続中に時短回数カウンタの値が0になった場合に、その旨を示す演出制御コマンドを演出制御手段に送信する。演出制御手段は、そのような演出制御コマンドを受信すると、所定期間(例えば5秒間)、可変表示装置9に表示される背景画像を図20(C)に例示された背景画像に変更する。すなわち、演出制御手段は、時短回数カウンタの値が、第1の有利状態としての時短状態において特別図柄の可変表示を実行することができないことを示す特定回数であるときに、確変終了条件が成立していないことを条件に、所定の背景画像を表示する演出を行う。なお、そのような演出は、背景による演出に限られず、特定のキャラクタ画像を可変表示装置9に表示させるなど、他の態様で報知演出を行ってもよい。
図23は、第2の実施の形態における特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。図23に示すように、この実施の形態では、CPU56は、ステップS57の大当り判定を実行する前に、確変終了とするか否かの判定を行う(ステップS551〜S553)。
具体的には、確変フラグがセットされている場合には(ステップS551)、確変終了用乱数(ランダム9)を保存領域から読み出して(ステップS552)、読み出したランダム9の値が、確変終了値と一致するか否か判定し(ステップS553)、一致する場合には、確変フラグおよび確変時短フラグをリセットして確変状態(確変時短状態を含む。)を終了させる(ステップS554,S555)。そして、時短回数カウンタが0でない場合には、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS556,S557)。また、時短回数カウンタが0(なお、確変時短状態ではない単なる確変状態であったときにも時短回数カウンタの値は0である)であれば、通常状態に戻ったことを示す通常表示指定の演出制御コマンドを演出制御手段に送信する制御を行う(ステップS558)。従って、ランダム9の値にもとづいて確変状態が終了したときに、ステップS57の大当り判定において低確率状態にもとづく抽選が実行される。
図24は、第2の実施の形態における特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。図16に示された第1の実施の形態における特別図柄停止処理と異なる点は、確変回数カウンタの更新処理等を実行しないことである(ステップS78およびS79〜S83Aが存在しない)。特別図柄停止処理のその他の処理は、第1の実施の形態における処理と同じである。
また、遊技制御手段が実行するその他の処理も、第1の実施の形態における処理と同じであるが、この実施の形態では、確変時短状態では、確変回数カウンタを使用しない。従って、図17に示されたステップS93,S103の処理を実行しない。
なお、この実施の形態では、確変時短フラグがセットされている確変時短状態でも確変時短フラグがセットされていない確変状態でも確変終了フラグのセット(すなわちランダム9による抽選結果)を確変終了条件としたが、確変時短フラグがセットされている確変時短状態においてのみ、確変終了フラグのセットを確変終了条件としてもよい。
以上に説明したように、この実施の形態では、第2の有利状態の終了条件が成立したと判定したときに、第1の有利状態において実行可能な識別情報の可変表示の回数である第1の回数(ステップS94にてセットされる時短回数)が残っていることを条件に、第1の有利状態に移行させるので(ステップS556,S557参照)、時短状態への移行時点や時短状態の継続回数を遊技者が容易に把握できないようにすることができる。また、大当り判定処理の前に確変終了条件を成立させるか否か判定するので(図23参照)、確変終了条件を成立させるときには、確変状態での大当り確率で大当り判定がなされないようにすることができる。また、確変終了条件が成立した直後に確変フラグをリセットするとともに大当り判定処理を実行することによって、確変終了条件が全く使用されないまま長時間放置されるようなことはなく、確変終了条件成立と大当り判定処理との間で、不正行為を受ける可能性やデータ化けの可能性を低減できる。なお、確変終了条件が成立したときに、可変表示の表示結果を特定の表示結果としないようにしてもよい。その場合には、確変時短状態が終了したときに、大当りを発生させないようにして、時短回数カウンタが0でない場合に、必ず時短状態に移行させることができる。
また、この実施の形態では、演出制御手段は、時短回数カウンタの値が0になると、確変状態がさらに継続する場合には、図20(C)に例示された特別な背景を可変表示装置9に表示する制御を行う。そのときに、図20(B)に例示されたような時短変動回数の残り(時短回数カウンタの値)の報知回数は0になっている。従って、有利状態が終了してしまったと感ずる遊技者に対して、まだ有利状態が継続することを報知でき、遊技者に新たな期待感を抱かせることができる。なお、遊技者は、時短変動回数の残り(時短回数カウンタの値)の報知回数は0になった後に、時短の状態(確変状態においても可変表示期間が短縮される場合の時短の状態)である遊技状態が継続していることを認識できれば、それをもって、確変状態に移行したことを認識できる。
実施の形態3.
上記の第1,第2実施の形態では、確変状態および時短状態では通常状態とは異なる背景画像を用い、背景画像によって有利状態にあることを遊技者が直ちに認識できるようにしたり、背景画像に時短変動回数の残り(時短回数カウンタの値)を表示して有利状態において実行可能な可変表示回数を遊技者が直ちに認識できるようにする構成としていたが、確変状態、時短状態および通常状態で、共通な背景画像を用いるようにしてもよい。本例では、背景画像だけでなく、確変状態であるか、時短状態であるか、通常状態であるかという制御状態に関わらず、全て共通の演出態様で各電気部品(例えば、可変表示装置9、スピーカ27、ランプなどの発光体)の制御を行うこととする。また、上記の第1実施の形態と同様に確変回数を固定的な値とするようにしてもよいが、ここでは、上記の第2実施の形態と同様に、確変回数を非固定的な値とするものとする。以下、制御状態に関わらず共通の演出態様で各電気部品を制御し、確変回数を非固定的な値にする第3の実施の形態を説明する。
なお、本例においては、上記の第2の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として上記の第2の実施の形態と異なる部分について説明する。
図25は、第3の実施の形態における特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。図25に示すように、この実施の形態では、特別図柄通常処理は、図23に示した第2の実施の形態における特別図柄通常処理と比較すると、時短回数カウンタが0となっていても、通常状態に戻ったことを示す通常表示指定の演出制御コマンドを演出制御手段に送信する制御(ステップS558参照)を行わない。特別図柄通常処理のその他の処理は、第2の実施の形態における処理と同じである。
図26は、第3の実施の形態における特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。図24に示された第2の実施の形態における特別図柄停止処理と異なる点は、通常表示指定の演出制御コマンドを演出制御手段に送信する処理(ステップS76,S88参照)を行わないことである。特別図柄停止処理のその他の処理は、第2の実施の形態における処理と同じである。
また、遊技制御手段が実行するその他の処理も、第2の実施の形態における処理と同じである。さらに、演出制御手段が実行する処理は、確変状態であるか否かなどの制御状態の違いによって背景を変化させる制御を行わないこと以外は、第2の実施の形態における処理と同じである。なお、演出制御手段は、制御状態の違いによっては、各種の電気部品を用いて表示、音、ランプによる異なる内容の演出を行わない。すなわち、演出制御手段は、確変状態であるか否かなどの制御状態に関わらず、共通の演出用データにもとづく共通の演出制御を行う。つまり、現在の制御状態がどのような状態であるのかを遊技者が認識できるような報知演出は一切行われない。
この実施の形態では、確変状態であるときは、通常状態であるときと比較して、大当りとなる確率が高められていること以外は何ら変わるところがないことが望ましい。具体的には、例えば、可変表示の変動時間、可変表示装置9・ランプ・スピーカ27による演出内容などの見た目を含む演出の様子、可変入賞球装置15の開放条件などが、確変状態であるときと通常状態であるときとで全く同一であることが望ましい。このような制御は、例えば、確変状態であるときと通常状態であるときとで同一の制御プログラムおよび同一の制御用データを用いて制御を実行することで実現される。
また、通常状態であるときと確変状態であるときとに限らず、さらに、時短状態であるときや、可変入賞球装置15の開放時間が延長されている開放延長状態であるときなどの他の状態であるときも、見た目上、何ら変わるところがないことが望ましい。
以上に説明したように、この実施の形態では、確変状態であるか、時短状態であるか、通常状態であるかの報知演出を、電源投入時を除き全く行わないので、特定有利状態(例えば確変状態)の継続回数を遊技者が把握することが困難になって、特定有利状態に対する遊技者の興味を向上させることができるとともに、現在の遊技状態が特定有利状態であるか否が遊技者に認識されないようになって、遊技者の遊技意欲を維持させることができる。
確変状態であるか、時短状態であるか、通常状態であるかの報知を全く行わないと、例えば確変状態のまま遊技が開始(特に開店直後)され、遊技店が不利益を受けてしまうおそれがある。しかし、上述した実施の形態では、電源投入時に確変状態や時短状態に復旧されるときは、その旨を報知する構成としているので、遊技店が不利益を受けてしまうことは防止される。また、遊技店が、確変状態や時短状態から遊技を開始(特に開店直後)するといったイベント(いわゆるモーニング)を開催しようとしても、遊技状態の報知が全くなされないと開催することができないが、上述した実施の形態では、電源投入時に確変状態や時短状態に復旧されるときは、その旨を報知する構成としているので、そのようなイベントを開催することもできる。また、逆に、上記のイベントを開催する場合には、電源投入時に確変状態や時短状態に復旧されることが報知されるので、遊技者(例えば開店時に遊技を始めた遊技者)等に、確変状態や時短状態から遊技を開始させるための事前準備をしていることがすぐに認識されてしまう。よって、不正に(秘密裏に)そのようなイベントが開催されることを防止することができる。
なお、上述した実施の形態では、電源投入時に確変状態や時短状態に復旧されるときに、その旨を報知するようにしていたが、通常状態であるときにその旨を報知するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、電源投入時に確変状態や時短状態に復旧されるときに、その旨を報知するようにしていたが、電源が供給されている状態のまま遊技の制御状態が所定期間(例えば遊技店の閉店時間から開店時間までの期間、3時間、6時間、9時間など)停止していたときに、確変状態あるいは時短状態であるときは、その旨を報知するようにしてもよい。例えば、演出制御手段あるいは遊技制御手段が、遊技の制御状態が停止している期間(特別図柄の可変表示が実行されない期間、始動入賞が発生しない期間、デモンストレーション画面が継続して表示されている期間など)を計測し、所定期間が経過したときに、例えば確変状態であるか否かを確認し、確変状態であれば確変であることを報知(例えば図7(B)のような画像を表示)するための処理を行うようにすればよい。このように構成すれば、遊技店の閉店時から翌日の開店時までの間、電源を切ることなく特定有利状態を維持させておくような行為が行われても、特定有利状態に移行された状態であることを報知しておくことができるため、遊技機の電源を切ることなく特定遊技状態を維持させておくような不正行為が行われることを防止することができる。
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、電源投入時に確変状態や時短状態に復旧されるときの報知は、例えば、所定期間(例えば10秒、1分、10分)が経過したときに終了するようにすればよい。なお、例えば、電源投入後に最初に特別図柄の可変表示が実行されるときまで報知を行うようにしてもよい。この場合、遊技制御手段は、確変状態や時短状態に復旧されるときの報知が開始されるときに期間の計測を開始し、所定期間が経過したときに報知を終了させるための処理(例えば報知の終了を指定する制御コマンドを送信する)を行うようにすればよい。あるいは、演出制御手段が、確変状態や時短状態に復旧されるときの報知を開始したときに期間の計測を開始し、所定期間が経過したときに報知を終了するようにすればよい。また、例えば、電源投入後に最初に大当りが発生したときまで報知を行うようにしてもよい。この場合、遊技制御手段は、確変状態や時短状態に復旧されるときの報知の開始を指定する演出制御コマンドを送出したあと、大当りとすることを最初に決定したときに、報知の終了を指定する演出制御コマンドを送信するようにすればよい。このように構成すれば、所定期間が経過したあと、特別図柄の可変表示演出が開始したあと、あるいは最初に大当りとなったあとは、遊技状態を遊技者が認識できないようにすることができ、遊技者の遊技意欲を維持させることができる。また、上記のように構成すれば、有利状態である旨の報知を消す行為(例えば、遊技店にて特別図柄の可変表示を実行させたり、大当りを発生させたりすることで報知を消す行為)を行うと、報知は消えるが遊技状態が認識できない状態となるので、有利状態が維持されていることが認識可能な状態で報知を消すことはできず、遊技店の開店時に不正に有利状態に移行されている状態とされることが防止できる。
また、上述した各実施の形態では、情報出力信号として遊技機の外部に出力される情報に、制御状態に関わる情報(確変状態であるか否か、時短状態であるか否か、通常状態であるか否かに関する情報を含む)を含めない構成としている。すなわち、制御状態に関わる情報が遊技店に設置されているホールコンピュータなどで把握されないようにしている。このため、特定有利状態に関わる情報が遊技機外部で把握されてしまうことを防止でき、特定有利状態に関わる情報にもとづいて不正に特定有利状態を作り出すなどの不正行為を防止することができる。つまり、例えば、遊技店において不正に開店前に特定有利状態を作りだすような行為が行われることを防止することができる。
また、上述した各実施の形態では、制御状態に関わる情報(確変状態であるか否か、時短状態であるか否か、通常状態であるか否かに関する情報を含む)を試験信号としては出力可能な構成としている。試験信号は、試験信号解析用のコンピュータによって受信される。この試験信号解析用のコンピュータは、試験信号を外部で取得するための試験端子基板を遊技機に取り付け、試験端子基板を介して遊技機に接続される。このように、出力手段(試験端子基板、試験信号出力用の端子あるいはコネクタに接続されるコネクタなどの出力部材)を取り付けなければ外部で取り出すことができない試験情報としては制御状態に関わる情報を外部出力することができ、容易に不正行為を行うことができない手法であれば、制御状態に関わる情報が遊技機外部で把握されるようにすることができる。
また、上記の第1実施の形態では、確変回数を固定的な値とする(変動表示の実行回数によって確変状態を終了させる)ようにし、上記の第2実施の形態では確変回数を非固定的な値とする(抽選により確変状態を終了させる)ようにし、上記の第3の実施の形態ではいずれでもよいとしていたが、確変回数の上限あるいは下限を固定的な値とし、その確変回数の上限以内あるいは下限経過後は抽選によって確変状態の終了の有無を判定するようにしてもよい。
なお、上記の各実施の形態では、大当り図柄をランダム3によって決定し、決定された図柄にもとづいて、確変時短状態、確変状態または時短状態に制御されるが、確変時短状態、確変状態または時短状態に制御するか否かを抽選し、その後に、停止図柄を決定するようにしてもよい。なお、上述した第3の実施の形態においては、確変時短状態、確変状態、時短状態、通常状態のうちのいずれの状態であるのかが遊技者に認識されないようにするために、例えば遊技状態の選択と、停止図柄の選択とを無関係に行うようにすることが望ましい。具体的には、同じ大当り図柄でも、確変状態に移行するときとしないときがあるようにすればよい。例えば、ある大当り図柄となったときは、さらに確変状態とするか、時短状態とするか、確変時短状態とするかを乱数を用いて抽選し、その抽選結果に応じて制御する遊技状態を決定するようにすればよい。
また、上記の各実施の形態では、特別図柄の表示結果として導出表示されたときに制御される遊技状態があらかじめ対応付けされている大当り図柄を12種類(図12参照)用意する構成としていたが、この種類は一例であり、何種類用意されていてもよい。例えば、特別図柄の桁数を増やすなどして、上記の大当り図柄を多種類(例えば100種類)用意する構成とすれば、制御される遊技状態との対応関係を認識し難くすることができる。また、特別図柄の変動表示に関連して飾り図柄の表示制御を行う遊技機については、特別図柄の大当り図柄を多種類用意するとともに、大当り図柄に対応して飾り図柄の大当りを示唆する図柄を多種類用意し、ある大当り図柄となったときに、確変状態をとするか、時短状態とするか、確変時短状態とするかを乱数を用いて抽選し、その抽選結果に応じて制御する遊技状態を決定するようにすればよい。
また、上記の各実施の形態では、第1の実施の形態においては確変状態の継続可能期間、および確変時短状態における確変状態の継続可能期間をあらかじめ決められている回数から選択し(ステップS93参照:このような制御を回数切りということにする。)、第2の実施の形態においては継続可能期間を定めずに抽選によって終了条件を成立させるか否か決定したが(ステップS553,554参照:いわゆる確変パンク。)、遊技機は、回数切りと確変パンクとの双方の制御を実行するように構成してもよい。すなわち、第1の実施の形態と第2の実施の形態との双方の制御を兼ね備えていてもよい。なお、第1の実施の形態と第2の実施の形態との双方の制御を兼ね備えた遊技機では、図11に示された確変回数決定用乱数と、図21に示された確変終了決定用乱数との双方が使用される。
また、上記の各実施の形態では、第1の有利状態を時短状態とし、第2の有利状態を確変状態としたが、第1の有利状態と第2の有利状態とのそれぞれを、遊技機において定めうる有利状態のいずれの状態にしてもよい。例えば、第1の有利状態を確変状態とし、第2の有利状態を時短状態としてもよい。また、第2の有利状態を確変状態とし、第1の有利状態を開放延長状態としてもよい(逆でもよい)。つまり、第1の有利状態と第2の有利状態とが同じでなければ、第1の有利状態と第2の有利状態とは、どのような有利状態であってもよい。また、有利状態は、確変状態、時短状態および開放延長状態に限られない。さらに、第1の有利状態および第2の有利状態を、それらが同じ遊技状態とはならないことを条件に、複数の有利状態を複合させた状態にしてもよい。一例として、第2の有利状態を確変状態として第1の有利状態を時短状態と開放延長状態とを複合させた状態にしてもよいし、第2の有利状態を確変状態と開放延長状態とを複合させた状態として第1の有利状態を時短状態と開放延長状態とを複合させた状態にしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、1つの演出制御手段が、可変表示装置9等の表示手段、ランプ・LEDおよび音発生手段を制御したが、演出制御手段は、それぞれマイクロコンピュータを含む複数の制御手段によって実現されていてもよい。例えば、可変表示装置9等の表示手段を制御する表示制御手段、ランプ・LEDを制御する発光体制御手段、および音発生手段を制御する音制御手段が別個に設けられていてもよい。また、可変表示装置9の表示状態を、主基板31に搭載されている遊技制御手段が制御するようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、演出制御手段が、特別図柄と普通図柄の可変表示制御を行う構成としていたが、遊技制御手段が行う構成としてもよい。また、この場合、上記の各実施の形態では図7に示した有利状態復旧報知画像を可変表示装置9に表示する構成としていたが、演出制御手段が、特別図柄を表示する特別図柄表示器とは別の復旧報知画像表示装置を制御し、遊技制御手段からの演出制御コマンドの受信に応じて、有利状態復旧報知画像を表示するようにしてもよい。
図27は、特別図柄と普通図柄の可変表示制御を遊技制御手段が行い、かつ、有利状態復旧報知画像の表示制御を演出制御手段が行う構成とした場合における特別図柄表示器9aや復旧報知画像表示装置9bなどの各表示装置の接続状態の例を示す説明図である。図27に示すように、この例では、主基板31に搭載されているCPU56は、特別図柄表示器9aと、普通図柄表示器10と、普通図柄始動記憶表示器41との表示制御を行う。また、演出制御基板80に搭載されている演出制御用CPU101は、主基板31からの演出制御コマンドにもとづいて、復旧報知画像表示装置9bを制御して、有利状態復旧報知画像の表示制御を行う。
この例では、特別図柄表示器9aは、7セグメント表示器によって構成され、セグメント表示を行う。よって、この例では、遊技制御手段は、例えば特別図柄プロセス処理(ステップS25参照)にて、特別図柄表示器9aを構成する発光体に、特別図柄の可変表示を行うための駆動信号を出力する処理を行う。特別図柄の可変表示は、7セグメント表示器の点滅表示によって行われる。特別図柄表示器9aでは、可変表示が終了したときの停止図柄が「7」のときは確変大当りを意味し、「0」のときは非確変大当りを意味し、「−」のときははずれを意味する。また、特別図柄表示器9aでは、可変表示が終了したときの停止図柄が「S」のときは確変時短大当りを意味し、「F」のときは確変大当りを意味し、「J」のときは時短大当りを意味し、「A」のときは非確変大当りを意味し、「H」のときははずれを意味する。なお、特別図柄は複数桁であってもよい。
また、この例では、普通図柄始動記憶表示器41がLEDによって構成されている。また、普通図柄表示器10がランプによって構成され、復旧報知画像表示装置9bがLCDによって構成されている。復旧報知画像表示装置9bでは、例えば特別図柄の変動表示に同期して表示される飾り図柄の変動表示が実行される。飾り図柄は、上述した各実施の形態における特別図柄と同様の表示がなされ、具体的には左中右の3図柄によって表示される。そして、飾り図柄は、停止図柄が左中右それぞれが同一の図柄である場合には「大当り」を示唆していることを意味し、それ以外の停止図柄である場合には「はずれ」を示唆していることを意味する。なお、復旧報知画像表示装置9bによる表示演出を、キャラクタなどの識別情報により行うようにしてもよい。例えば、キャラクタにより表示演出を行う場合には、例えば野球選手を登場させてホームランを打った様子を表示することにより、大当りを示唆するようにすることなどが考えられる。
図27に示す例では、遊技制御手段からの演出制御コマンド(例えば遊技状態報知処理(図6参照)にて送信される各報知指定コマンド)を受信したときに、演出制御手段が、受信した制御コマンドに応じた有利状態復旧報知画像(図7参照)を復旧報知画像表示装置9bに表示する処理を実行する(例えばコマンド解析処理にて受信コマンドを認識したときに表示する)。
上記のように、遊技制御手段が、特別図柄を可変表示させるために特別図柄表示器9aに設けられた発光体(7セグメント表示器を構成する発光体)へ駆動信号を出力する制御を行う可変表示制御手段(例えばCPU56におけるステップS25にて駆動信号を出力する処理を実行する部分)を備え、特別図柄の表示制御を遊技制御手段が行う構成とした場合についても、演出制御手段が、遊技制御手段からの演出制御コマンドを受信したときに復旧報知画像表示装置9bにより有利状態復旧報知画像の報知を行う制御を実行する構成としているので、遊技状態の報知が不正に回避されることを防止することができる。すなわち、遊技制御手段が復旧報知の表示制御をも行うこととすると、遊技制御手段と復旧報知を行う表示装置との間の信号線の接続を断つ(例えば遊技制御手段が制御している枠ランプ等で復旧報知を行う構成とされている場合には、枠ランプのコネクタを抜くことで実行される)だけで、復旧時の制御状態の報知を回避されてしまう。これに対し、図27に示す例では、復旧報知の表示制御を演出制御手段が行い、かつ、飾り図柄の表示制御が実行される表示装置に有利状態復旧報知画像を表示する構成としているので、飾り図柄を表示する表示装置を表示不能な状態としておくわけにはいかないため、復旧報知の回避を不正に行うことは実質的にできなくなる。よって、遊技状態の報知を確実に行うことができるようになる。なお、遊技制御手段からの演出制御コマンド(例えば遊技状態報知処理(図6参照)にて送信される各報知指定コマンド)が送信されるときまで、演出制御手段と復旧報知画像表示装置9bとの間の信号線の接続を断っておくことで、復旧時の制御状態の報知が回避されてしまう可能性がある。このため、例えば、初回の大当り発生時まで、あるいは電力供給が開始してから所定期間が経過するまでは、遊技制御手段からの演出制御コマンドを、特別図柄の変動表示を行う毎、あるいは定期的に、演出制御手段に送信する構成としてもよい。このように構成すれば、遊技状態の報知をより確実に行うことができるようになる。
なお、上述した各実施の形態では、大当り遊技状態にて開閉板20の開放中に打球がV入賞領域に入賞しV入賞スイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われ、V入賞スイッチ22で打球が検出されることなく開閉板20の開放期間が終了すると、許容され得る所定回数のラウンド(例えば15ラウンド)が終了していなくても、継続権が発生せずに大当り遊技状態が終了する構成としていたが、例えば、遊技領域の入口(打球を遊技領域に誘導する内側レールの先端部分)や、遊技球が遊技領域から排出されるアウト口26などの遊技球が必ず通過(あるいは高確率で通過)する場所に大当り遊技状態の継続権の発生用の通過口を設ける構成とし、事前に定められた最終ラウンドまで大当り遊技状態を必ず継続(あるいは高確率で継続)させるようにしてもよい。さらに、V入賞スイッチ22を設けないこととし、無条件に、最終ラウンドまで大当り遊技状態を必ず継続させるようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態のパチンコ遊技機1は、始動入賞にもとづいて可変表示装置9に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機であり、かつ、プリペイドカードによって球貸しを行うカードリーダ(CR:Card Reader )式のパチンコ遊技機であったが、プリペイドカードによって球貸しを行うCR式パチンコ遊技機だけでなく、現金によって球貸しを行うパチンコ遊技機にも適用可能である。さらに、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続するパチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。さらに、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、スロット機などの他の遊技機に本発明を適用することもできる。
なお、上述した各実施の形態では、以下の(1)〜(9)に示すような遊技機の特徴的構成も示されている。
(1)各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄)を可変表示可能な可変表示手段(例えば可変表示装置9)を備え、あらかじめ定められている可変表示の実行条件(例えば始動入賞口14への遊技球の入賞)が成立した後、当該実行条件に対応する可変表示の開始条件(例えば特別図柄の最終停止および大当り遊技の終了)の成立にもとづいて複数種類の識別情報の可変表示を開始し、複数種類の識別情報の可変表示の表示結果が特定の表示結果(例えば大当り図柄)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に移行させ、第1の移行条件の成立により、通常状態であるときに比べて所定回数(例えば100回)の識別情報の可変表示の可変表示期間を短縮する状態である第1の有利状態(例えば時短状態)に移行させ、第2の移行条件の成立により、所定回数よりも短い期間(具体的には、所定回数よりも少ない回数の可変表示を実行する期間)を含む所定期間の識別情報の可変表示の表示結果を特定の表示結果とする確率を、通常状態および第1の有利状態であるときに比べて向上させた状態である第2の有利状態(例えば確変状態)に移行させる遊技機であって、第1の移行条件と第2の移行条件とがともに成立したときに(例えば確変時短図柄に決定されたとき)、第2の有利状態に移行させる有利状態優先制御手段(例えば、遊技制御手段におけるステップS91,S92の処理を実行する部分)と、有利状態優先制御手段が第2の有利状態に移行させるときに、第1の有利状態において実行可能な識別情報の可変表示の回数である第1の回数(例えば時短回数カウンタの値:100回)を設定する回数設定手段(例えば、遊技制御手段におけるステップS94の処理を実行する部分)と、識別情報の可変表示が実行される毎に第1の回数を更新する可変表示回数更新手段(例えば、遊技制御手段におけるステップS78A,S85の処理を実行する部分)と、識別情報の可変表示が実行される毎に所定期間の終了条件が成立したか否かを判定する終了条件判定手段(例えば、遊技制御手段における図23に示すステップS552,S553の処理を実行する部分)と、終了条件判定手段が所定期間の終了条件が成立したと判定したときに、第1の回数が第1の有利状態において識別情報の可変表示を実行可能であることを示す実行可能回数であることを条件に、第1の有利状態に移行させる第1有利状態移行制御手段(例えば、遊技制御手段における図23に示すステップS556,S557の処理を実行する部分)とを備えたことを特徴とする遊技機。上記の構成とすれば、遊技者が第2の有利状態が終了する時点を把握することが困難になって、第1の有利状態への移行時点や第1の有利状態の継続回数を遊技者が容易に把握できないようにすることができる。
(2)各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄)を可変表示可能な可変表示手段(例えば可変表示装置9)を備え、あらかじめ定められている可変表示の実行条件(例えば始動入賞口14への遊技球の入賞)が成立した後、当該実行条件に対応する可変表示の開始条件(例えば特別図柄の最終停止および大当り遊技の終了)の成立にもとづいて複数種類の識別情報の可変表示を開始し、複数種類の識別情報の可変表示の表示結果が特定の表示結果(例えば大当り図柄)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に移行させ、第1の移行条件の成立により、通常状態であるときに比べて所定回数(例えば100回)の識別情報の可変表示の可変表示期間を短縮する状態である第1の有利状態(例えば時短状態)に移行させ、第2の移行条件の成立により、所定回数よりも短い期間(具体的には、所定回数よりも少ない回数の可変表示を実行する期間)を含む所定期間の識別情報の可変表示の表示結果を特定の表示結果とする確率を、通常状態および第1の有利状態であるときに比べて向上させた状態である第2の有利状態(例えば確変状態)に移行させる遊技機であって、可変表示の表示結果が特定の表示結果となるか否かを当該可変表示の開始前に判定する事前判定処理を行う事前判定手段(例えば遊技制御手段におけるステップS56,S57を実行する部分)と、第1の移行条件と第2の移行条件とがともに成立したときに(例えば確変時短図柄に決定されたとき)、第2の有利状態に移行させる有利状態優先制御手段(例えば、遊技制御手段におけるステップS91,S92の処理を実行する部分)と、有利状態優先制御手段が第2の有利状態に移行させるときに、第1の有利状態において実行可能な識別情報の可変表示の回数である第1の回数(例えば時短回数カウンタの値:100回)を設定する回数設定手段(例えば、遊技制御手段におけるステップS94の処理を実行する部分)と、識別情報の可変表示が実行される毎に第1の回数を更新する可変表示回数更新手段(例えば、遊技制御手段におけるステップS78A,S85の処理を実行する部分)と、識別情報の可変表示が実行される毎に第1の有利状態の終了条件が成立したか否かを判定する終了条件判定手段(例えば、遊技制御手段における図23に示すステップS552,S553の処理を実行する部分)と、終了条件判定手段が所定期間の終了条件が成立したと判定したときに、第1の回数が第1の有利状態において識別情報の可変表示を実行可能であることを示す実行可能回数であることを条件に、第1の有利状態に移行させる第1有利状態移行制御手段(例えば、遊技制御手段における図23に示すステップS556,S557の処理を実行する部分)とを備え、終了条件判定手段が、事前判定手段が事前判定処理を行う前に、所定期間の終了条件が成立したか否かを判定し(例えば図23においてステップS56,S57の前にステップS551〜S553の処理を実行)、事前判定手段が、終了条件判定手段の判定結果に応じて事前判定処理を行う(例えば図23においてステップSS553で「Y」の場合確変フラグをリセットすることによって低確率状態とし、ステップS57で通常状態として大当り判定処理を実行する)ことを特徴とする遊技機。上記のように構成すれば、遊技者が第2の有利状態が終了する時点を把握することが困難になって、第1の有利状態への移行時点や第1の有利状態の継続回数を遊技者が容易に把握できないようにすることができる。また、遊技機内部において確変終了条件が全く使用されないまま長時間放置されてしまって不正行為を受けたり遊技機内部におい確変終了条件の変化するという可能性が低減する。
(3)所定期間を、複数種類の回数のうちから選択する回数選択手段(例えば、遊技制御手段における図11に示されたランダム9を用いて確変回数カウンタをセットする部分:ステップS93)と、有利状態優先制御手段が第2の有利状態に移行させるときに、回数選択手段によって選択された回数にもとづいて、第2の有利状態において実行可能な識別情報の可変表示の回数である第2の回数を設定する特定回数設定手段(例えば、遊技制御手段におけるステップS93の処理を実行する部分)と、識別情報の可変表示が実行される毎に、第2の回数を更新する特定回数更新手段(例えば、遊技制御手段におけるステップS78の処理を実行する部分)とを備え、終了条件判定手段が、第2の回数が第2の有利状態において識別情報の可変表示を実行することができないことを示す所定回数であれば所定期間の終了条件が成立したと判定する(例えば、遊技制御手段におけるステップS79,S89の処理)遊技機。上記の構成とすれば、所定期間を複数種類の回数のうちから選択し、第2の回数が第2の有利状態において識別情報の可変表示を実行することができないことを示す所定回数であれば所定期間の終了条件が成立したと判定するので、第1の有利状態への移行時点や第1の有利状態の継続回数を遊技者が把握することをより困難にすることができる。
(4)第1の有利状態であること、および第2の有利状態であることを報知する有利状態報知手段(例えば演出制御手段により制御される可変表示装置9)を備え、有利状態報知手段が、第1の有利状態であることと第2の有利状態であることとを同じ態様(例えば図20(B)に示す態様)で報知するように構成された遊技機。上記の構成とすれば、有利状態報知手段が、第1の有利状態であることと第2の有利状態であることとを同じ態様で報知するので、遊技者に、いずれの有利状態に制御されているのかをわかりづらくすることができる。
(5)第1の回数を報知する有利状態回数報知手段(例えば演出制御手段により制御される可変表示装置9、図20(B)参照)を備えた遊技機。上記の構成とすれば、第1の回数を報知する有利状態回数報知手段を備えているので、遊技者に、有利状態に制御されている間の最低限の可変表示回数を報知することができる。
(6)第1の回数が、第1の有利状態において識別情報の可変表示を実行することができないことを示す特定回数(例えば時短回数カウンタの値が0)であるときに、所定期間の終了条件が成立していないことを条件に(例えば、確変時短状態にもとづく確変状態が継続)、所定の演出を行う有利状態継続報知手段(例えば演出制御手段により制御される可変表示装置9、図20(C)参照)を備えた遊技機。上記の構成とすれば、第1の回数が、第1の有利状態において識別情報の可変表示を実行することができないことを示す特定回数であるときに、所定期間の終了条件が成立していないことを条件に、所定の演出を行うので、有利状態が終了してしまったと感ずる遊技者に対して、まだ第2の有利状態が継続することを報知でき、遊技者に新たな期待感を与えることができる。
(7)第1の移行条件または第2の移行条件を成立させるか、第1の移行条件と第2の移行条件とをともに成立させるかを、抽選により決定する移行条件抽選手段(例えば、遊技制御手段におけるランダム3にもとづいて大当り図柄を決定する処理を実行する部分:ステップS301)を備えた遊技機。上記の構成とすれば、第1の移行条件または第2の移行条件を成立させるか、第1の移行条件と第2の移行条件とをともに成立させるかを、抽選により決定するので、有利状態のバリエーションを容易に増やすことができる。
(8)終了条件判定手段は、所定期間の終了条件を成立させるか否かを抽選により判定する(例えば、遊技制御手段におけるステップS552,S553の処理)ように構成された遊技機。上記の構成とすれば、所定期間の終了条件を成立させるか否かを抽選により判定するので、第2の有利状態が終了する時点をランダムにすることができ、第1の有利状態への移行時点や第1の有利状態の継続回数を、さらに遊技者にわかりづらくすることができる。
(9)遊技機で用いられる電源電圧の低下を検出したときに電圧低下検出信号を出力する電源監視手段(例えば電圧低下監視回路)と、電源監視手段からの電圧低下検出信号を受信したときに、遊技制御を実行する状態から遊技制御の実行状態を保存するための電力供給停止時処理を実行する電力供給停止時処理手段(例えば遊技制御手段におけるステップS20を実行する部分)とを備えた遊技機。