実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成を説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技盤6における下部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bが設けられているが、遊技機は、1つの特別図柄表示器のみを備えていてもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である始動条件が成立(例えば、遊技球が始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9では、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した装飾用(演出用)の演出図柄(飾り図柄)の可変表示が行われる。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出表示装置9の表示画面には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)になる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」になる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示が使用されるが、演出表示装置9で行われる演出は、演出図柄の変動表示に限られず、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。
第1特別図柄表示器8aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられている。この実施の形態では、合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられているので、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部とが設けられていてもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、この実施の形態では、後述するように、特別図柄の変動表示を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ560が変動時間を特定可能な変動パターンコマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100によって、受信した変動パターンコマンドで特定される変動時間に従って演出図柄の変動表示が制御される。よって、変動パターンコマンドにもとづいて変動時間が特定されることから、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とは、同期して実行される。同期するとは、変更開始タイミングおよび変動終了タイミングが略同じであることを意味する。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域である大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
また、打球供給皿3を構成する部材に、遊技者が操作可能な操作手段の一例である操作ボタン150が設けられている。なお、操作ボタン150には、遊技者による押圧操作が可能な押しボタンスイッチが設けられている。
なお、この実施の形態では、確変大当りになった場合には、遊技状態を高確率状態(確変状態:通常状態と比較して大当りになる確率が高められた遊技状態)に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8や演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる。)ように制御された遊技状態である高ベース状態(高頻度状態)に移行する。高ベース状態である場合には、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態になる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560、制御用クロック生成回路111、および乱数用クロック生成回路112が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56を含む。また、この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路508a,508bが内蔵されている。
制御用クロック生成回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部で、所定周波数の発振信号である制御用クロックCCLKを生成する。制御用クロック生成回路111により生成された制御用クロックCCLKは、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御用外部クロック端子を介してクロック回路502(図5参照)に供給される。
乱数用クロック生成回路112は、制御用クロックCCLKの発振周波数とは異なる所定周波数の発振信号である乱数用クロックRCLKを生成する。乱数用クロック生成回路112により生成された乱数用クロックRCLKは、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560の乱数用外部クロック端子(RCK端子)を介して乱数回路508a,508bに供給される。一例として、乱数用クロック生成回路112により生成される乱数用クロックRCLKの発振周波数は、制御用クロック生成回路111により生成される制御用クロックCCLKの発振周波数以下になるようにすればよい。あるいは、乱数用クロック生成回路112により生成される乱数用クロックRCLKの発振周波数は、制御用クロック生成回路111により生成される制御用クロックCCLKの発振周波数よりも高周波になるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、乱数用クロック生成回路112から専用の乱数用クロックRCLKが乱数回路508a,508bに入力されるが、例えば、専用のクロックを用いるのではなく、制御用クロック生成回路111からの制御用クロックCCLKが遊技制御用マイクロコンピュータ560内部で乱数回路508a,508bに入力するように構成してもよい。この場合、例えば、制御用クロックCCLKを分周した信号を用いて乱数回路508a,508b内蔵の乱数カウンタが更新されるようにしてもよい。その場合には、乱数用クロック生成回路112を主基板31に設けなくてもよい。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。ただし、後述するように、遊技機への電源投入時やシステムリセット発生時には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、プログラム管理エリアの設定内容に従って、内部リセット動作の設定や乱数回路508a,508bの設定、レジスタの設定などを行うのであるが、設定動作については、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、プログラムによらず、ハードウェア的に実行する。
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ13a,14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
また、この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段は、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾LED25、および枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
さらに、パチンコ遊技機1裏面側において、上方には貯留タンクが設けられ、貯留タンクに貯留された遊技球は誘導レールを通り球払出装置97に至る。球払出装置97の上方には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ187(図3参照)が設けられている。球切れスイッチ187が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチ187は遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチである。
入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球誘導通路を経て余剰球受皿(以下、下皿ともいう。)4に導かれる。さらに遊技球が払出されると、下皿4の内部に設けられている感知レバー(図示せず)が、下皿4の近傍に設けられている貯留状態検出手段としての満タンスイッチ48(図3参照)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチがオンする。その状態では、球払出装置97内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
図3は、払出制御基板37および球払出装置97などの払出に関連する構成要素を示すブロック図である。図3に示すように、払出制御基板37には、払出制御用CPU371を含む払出制御用マイクロコンピュータ370が搭載されている。この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、1チップマイクロコンピュータであり、少なくともRAMが内蔵されている。払出制御用マイクロコンピュータ370、RAM(図示せず)、払出制御用プログラムを格納したROM(図示せず)およびI/Oポート等は、払出制御手段を構成する。すなわち、払出制御手段は、払出制御用CPU371、RAMおよびROMを有する払出制御用マイクロコンピュータ370と、I/Oポートとで実現される。また、I/Oポートは、払出制御用マイクロコンピュータ370に内蔵されていてもよい。
なお、払出制御用マイクロコンピュータ370は、所定の払出条件が成立したことにもとづいて遊技球を払い出す制御を行う。所定の払出条件は、遊技領域に設けられた入賞領域(入賞口29,30,33,39、大入賞口、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14)に遊技球が入賞したことや、貸し球要求がなされたことによって成立する。
球切れスイッチ187、満タンスイッチ48および払出個数カウントスイッチ301からの検出信号は、中継基板72を介して払出制御基板37のI/Oポート372fに入力される。
払出モータ位置センサ295は、払出モータ289の回転位置を検出するための発光素子(LED)と受光素子とによるセンサであり、遊技球が詰まったこと、すなわちいわゆる球噛みを検出するために用いられる。払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370は、I/Oポート372fを介して、球切れスイッチ187からの検出信号が球切れ状態を示していたり、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状態を示していると、球払出処理を停止する。なお、払出制御用マイクロコンピュータ370は、満タンスイッチ48からの検出信号が所定期間継続して満タン状態を示している場合に、満タン状態になったと検出することが好ましい。
さらに、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状態を示していると、払出制御用マイクロコンピュータ370は、打球発射装置からの球発射を停止させるために、発射基板90に対してローレベルの満タン信号を出力する。発射基板90のAND回路91が出力する発射モータ94への発射モータ信号は、発射基板90から発射モータ94に伝えられる。払出制御用マイクロコンピュータ370からの満タン信号は、発射基板90に搭載されたAND回路91の入力側の一方に入力され、駆動信号生成回路92からの駆動信号(発射モータ94を駆動するための信号であって、電源基板からの電源を供給する役割を果たす信号である。)は、AND回路91の入力側の他方に入力される。そして、AND回路91の発射モータ信号が発射モータ94に入力される。すなわち、払出制御用マイクロコンピュータ370が満タン信号を出力している間は、発射モータ94への発射モータ信号の出力が停止される。払出制御用マイクロコンピュータ370が満タン信号を出力している間であっても、発射モータ94への発射モータ信号の出力を停止せず、打球発射装置からの球発射を停止させないように構成してもよい。
払出制御用マイクロコンピュータ370には、遊技制御用マイクロコンピュータ560とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するためのシリアル通信回路380が内蔵されている。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370とは、シリアル通信回路505,380を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の接続確認を行うために、一定の間隔(例えば1秒)で払出制御コマンド(接続確認コマンド、接続OKコマンド)をやり取り(送受信)している。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、シリアル通信回路505を介して、一定の間隔で接続確認を行うための接続確認コマンドを送信し、払出制御用マイクロコンピュータ370は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの接続確認コマンドを受信した場合、その旨を通知する接続OKコマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。
また、例えば、入賞が発生した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払い出すべき賞球個数を示すデータを賞球個数コマンドの下位4ビットに設定し、当該設定がなされた賞球個数コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ370に送信する。そして、払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球個数を受け付けたことを示す賞球個数受付コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。さらに、払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球払出動作が終了すると、賞球終了を示賞球終了コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。なお、払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球払出動作を終了するまでの間、一定の間隔で賞球準備中コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。また、所定のエラー(満タン、球切れなどのエラー)が発生した場合には、エラーの内容を示すデータを、接続OKコマンドや賞球準備中コマンドの下位4ビットに設定し、データの設定がなされた接続OKコマンドや賞球準備中コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。
また、払出制御用マイクロコンピュータ370は、出力ポート372cを介して、7セグメントLEDによるエラー表示用LED374にエラー信号を出力する。なお、払出制御基板37の入力ポート372fには、エラー状態を解除するためのエラー解除スイッチ375からの検出信号が入力される。エラー解除スイッチ375は、ソフトウェアリセットによってエラー状態を解除するために用いられる。
さらに、払出制御用マイクロコンピュータ370からの払出モータ289への駆動信号は、出力ポート372aおよび中継基板72を介して球払出装置97の払出機構部分における払出モータ289に伝えられる。なお、出力ポート372aの外側に、ドライバ回路(モータ駆動回路)が設置されているが、図3では記載省略されている。
遊技機に隣接して設置されているカードユニット(図示せず)には、カードユニット制御用マイクロコンピュータが搭載されている。また、カードユニットには、使用可表示ランプ、連結台方向表示器、カード投入表示ランプおよびカード挿入口が設けられている。また、インタフェース基板(図示せず)には、打球供給皿3の近傍に設けられている度数表示LED、球貸し可LED、球貸しスイッチおよび返却スイッチが接続される。
カードユニットには、遊技者の操作に応じて、球貸しスイッチが操作されたことを示す球貸しスイッチ信号が与えられる。カードユニットから球貸し要求信号が遊技機側に送信される。
なお、この実施の形態では、カードユニットが遊技機とは別体として遊技機に隣接して設置されている場合を例にするが、カードユニットは遊技機と一体化されていてもよい。また、コイン投入に応じてその金額に応じた遊技球が貸し出されるような場合でも本発明を適用できる。
図4は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図4に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図4には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、入力ポート107を介して、遊技者による操作ボタン150に対する押圧操作に応じた操作信号(押下信号)を操作ボタン150から入力する。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDやランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDやランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLED/ランプドライバ352に入力される。LED/ランプドライバ352は、LEDやランプを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
図5は、主基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ560の構成例を示すブロック図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、外部バスインタフェース501と、クロック回路502と、照合用ブロック503と、固有情報記憶回路504と、演算回路505と、リセット/割込みコントローラ506と、CPU(Central Processing Unit )56と、ROM(Read Only Memory)54と、RAM(Random Access Memory)55と、フリーランカウンタ回路507と、乱数回路508a,508bと、タイマ回路509と、割り込みコントローラ510と、パラレル入力ポート511と、シリアル通信回路512と、パラレル出力ポート513と、アドレスデコード回路514とを有する。
乱数回路として、8ビット乱数を発生する8ビット乱数回路508aと、16ビット乱数を発生する16ビット乱数回路508bとがあるが、図5に示す例では、8ビット乱数回路508aと、16ビット乱数を発生する16ビット乱数回路508bとが1つずつ設けられている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、8ビット乱数回路508aと、16ビット乱数を発生する16ビット乱数回路508bとを、それぞれ4回路(4チャネル)内蔵している。
また、リセット/割り込みコントローラ506は、指定エリア外走行禁止(IAT)回路506aとウオッチドッグタイマ(WDT)506bとを備える。IAT回路506aは、ユーザプログラムが指定エリア内で正しく実行されているか否かを監視する回路であり、指定エリア外でユーザプログラムが実行されたことを検出するとIAT発生信号を出力する。ウオッチドッグタイマ506bは、設定期間ごとにタイムアウト信号を発生する機能を備える。
図6は、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるアドレスマップの一例を示す説明図である。図6に示すように、アドレス0000H〜アドレス2FFFHの領域は、遊技制御用マイクロコンピュータ560のROM54に割り当てられ、プログラムコード/データエリア(ユーザプログラムやデータを格納するエリア)とプログラム管理エリアとを含んでいる。図7は、ROM54におけるプログラム管理エリアの主要部分について、用途や内容の一例を示す説明図である。アドレスF000H〜アドレスF3FFHの領域は、遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55に割り当てられている。アドレスFE00H〜アドレスFEBFHの領域は、遊技制御用マイクロコンピュータ560の内蔵レジスタに割り当てられる内蔵レジスタエリアである。
プログラム管理エリアは、遊技制御用マイクロコンピュータ560がシステムリセット時に内部リセット動作の設定や乱数回路508a,508bの設定など各種設定を行うために必要な情報を格納する記憶領域である。図7に示すように、プログラム管理エリアには、ヘッダ(KHDR)、プログラムコードエンドアドレス(KPCE)、プログラムコードスタートアドレス2(KPCS2)、プログラムコードエンドアドレス2(KPCE2)、リセット設定(KRES)、16ビット乱数初期設定1(KRL1)、16ビット乱数初期設定2(KRL2)、16ビット乱数初期設定3(KRL3)、8ビット乱数初期設定1(KRS1)、8ビット乱数初期設定2(KRS2)、セキュリティ時間設定(KSES)、乱数クロック監視設定(KRCS)が含まれている。
プログラム管理エリアに記憶されるヘッダ(KHDR)は、プログラム管理エリアのスタートを示す8バイトのコード列の設定、および遊技制御用マイクロコンピュータ560における内部データの読出設定を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM読出防止機能と、バス出力マスク機能とを設定可能である。ROM読出防止機能は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が備えるROM54の記憶データについて、読出動作を許可または禁止する機能であり、読出禁止に設定された状態では、ROM54の記憶データを読み出すことができない。バス出力マスク機能は、外部バスインタフェース501に接続された外部装置から遊技制御用マイクロコンピュータ560の内部データに対する読出要求があった場合に、外部バスインタフェース501におけるアドレスバス出力、データバス出力および制御信号出力にマスクをかけることにより、外部装置から内部データの読み出しを不能にする機能である。
プログラム管理エリアに記憶されるリセット設定(KRES)は、内部リセット動作やウオッチドッグタイマ(WDT)506bの動作許可/禁止の設定を示す。図8には、リセット設定(KRES)における設定内容の一例が示されている。
リセット設定(KRES)のビット[7]は、ウオッチドッグタイマ(WDT)506bからのタイムアウト信号を入力したことや、IATが発生したこと(IAT回路506aからのIAT信号を入力したとき)により内部リセットが発生したときの動作の設定を示す。図8に示す例において、リセット設定(KRES)のビット[7]におけるビット値が”0”であれば、タイムアウト信号やIAT信号を入力したときにユーザリセットが発生する。リセット設定(KRES)のビット[7]におけるビット値が”1”であれば、タイムアウト信号やIAT信号を入力したときにシステムリセットが発生する。
リセット設定(KRES)のビット[6]は、ウオッチドッグタイマ(WDT)506bの起動方法の設定を示す。図8に示す例において、リセット設定(KRES)のビット[6]におけるビット値が”0”であれば、ユーザプログラムによらず、リセット発生時にユーザモードに移行したことにもとづいて自動的にウオッチドッグタイマ(WDT)506bが起動され時間計測が開始される。これに対して、リセット設定(KRES)のビット[6]におけるビット値が”1”であれば、ユーザモードに移行した後、ソフトウェア(ユーザプログラム)によりウオッチドッグタイマ(WDT)506bが起動され時間計測が開始される。
リセット設定(KRES)のビット[5−4]は、ウオッチドッグタイマ(WDT)506bの基準クロック信号の設定を示す。図8に示す例では、リセット設定(KRES)のビット[5−4]に”00”が設定された場合には、基準クロック信号として215×TSCLKが選択される。リセット設定(KRES)のビット[5−4]に”01”が設定された場合には、基準クロック信号として219×TSCLKが選択される。リセット設定(KRES)のビット[5−4]に”10”が設定された場合には、基準クロック信号として222×TSCLKが選択される。リセット設定(KRES)のビット[5−4]に”11”が設定された場合には、基準クロック信号として225×TSCLKが選択される。なお、SCLKは、遊技制御用マイクロコンピュータ560の内部システムクロックであり、TSCLKは、1/SCLKを示す。
リセット設定(KRES)のビット[3−0]は、ウオッチドッグタイマ(WDT)506bのタイムアウト時間の設定を示す。具体的には、ウオッチドッグタイマ(WDT)506bのタイムアウト時間は、リセット設定(KRES)のビット[5−4]で選択された基準クロックに、リセット設定(KRES)のビット[3−0]で設定された設定値を乗算した値になる。例えば、リセット設定(KRES)のビット[3−0]に”1000”が設定(すなわち、値「8」を設定)され、リセット設定(KRES)のビット[5−4]に”00”が設定された場合には、タイムアウト時間は215×TSCLK×8になり、リセット設定(KRES)のビット[5−4]に”01”が設定された場合には、タイムアウト時間は219×TSCLK×8となり、リセット設定(KRES)のビット[5−4]に”10”が設定された場合には、タイムアウト時間は222×TSCLK×8になり、リセット設定(KRES)のビット[5−4]に”11”が設定された場合には、タイムアウト時間は225×TSCLK×8になる。また、リセット設定(KRES)のビット[3−0]に”1111”が設定(すなわち、値「15」を設定)され、リセット設定(KRES)のビット[5−4]に”00”が設定された場合には、タイムアウト時間は215×TSCLK×15になり、リセット設定(KRES)のビット[5−4]に”01”が設定された場合には、タイムアウト時間は219×TSCLK×15になり、リセット設定(KRES)のビット[5−4]に”10”が設定された場合には、タイムアウト時間は222×TSCLK×15になり、リセット設定(KRES)のビット[5−4]に”11”が設定された場合には、タイムアウト時間は225×TSCLK×15になる。なお、図8には、内部システムクロックが10.0MHzと12.0MHzである場合のタイムアウト時間の値の具体例も示されている。
なお、ウオッチドッグタイマ(WDT)506bを使用しないように設定する場合には、図8に示すように、リセット設定(KRES)のビット[3−0]に”0000”が設定される。ただし、リセット設定(KRES)のビット[3−0]に”0000”がセットされてウオッチドッグタイマ(WDT)506bが使用禁止状態に設定された場合であっても、リセット設定(KRES)のビット[7]の値が設定されることにより、システムリセットするかユーザリセットとするかの設定を行うことは可能である。
プログラム管理エリアに記憶される16ビット乱数初期設定1(KRL1)、16ビット乱数初期設定2(KRL2)および16ビット乱数初期設定3(KRL3)は、16ビット乱数回路508bの設定を示す。
次に、遊技機の動作を説明する。この実施の形態では、ウオッチドッグタイマ(WDT)506bからのタイムアウト信号やIAT回路506aからのIAT信号が発生したときに、ユーザリセットを発生するかシステムリセットを発生するかを設定可能である(図8参照)。図9は、リセット設定(KRES)での設定内容によるリセット動作の違いを説明するためのフローチャートである。
まず、図9(A)を用いてウオッチドッグタイマ(WDT)506bからのタイムアウト信号やIAT回路506aからのIAT信号が発生したときにシステムリセットを発生するように設定した場合について説明する。図9(A)に示すように、遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、CPUコアを含む全ての内部回路を初期化するとともに、プログラム管理エリアの設定内容に従って、内部リセット動作の設定や乱数回路508a,508bの設定など遊技制御用マイクロコンピュータ560の各種設定をハードウェア的に行う(ステップS1001)。具体的には、プログラム管理エリアの図8に示すリセット設定(KRES)の設定内容に従って内部リセットの動作の設定を行ったり、プログラム管理エリアの16ビット乱数初期設定1(KRL1)〜8ビット乱数初期設定2(KRS2)の設定内容に従って乱数回路508a,508bの設定を行ったりする。なお、図9(A)に示す例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、プログラム管理エリアの設定内容に従って、内部リセット動作の設定としてシステムリセットを設定する。また、プログラム管理エリアの設定内容はあらかじめ遊技機の製作時に遊技機製造メーカ(ユーザ)によって設定されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ560の各種設定を完了すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、セキュリティモードに移行し、セキュリティチェックを実行する(ステップS1002)。ステップS1002で実行するセキュリティチェックでは、ユーザプログラムの認証を行う。具体的には、ユーザプログラムをもとに計算された認証コードが正しいか否か再計算を行う。そして、認証コードが正しければ、ステップS1003に移行し、認証コードが正しくなければ、CPU56を停止する。なお、セキュリティモードに移行されるセキュリティモード時間は、プログラム管理エリアのセキュリティ時間設定(KSES)の設定内容に従って設定されている。具体的には、プログラム管理エリアのセキュリティ時間設定(KSES)の設定内容に従ってステップS1001の処理が行われることによりセキュリティモード時間が設定される。また、認証コードは、あらかじめ遊技機の製作時の内蔵ROM54への書き込み時に遊技機製造メーカ(ユーザ)によってユーザプログラムとともに書き込まれている。
そして、セキュリティチェックを終了すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ユーザモードに移行し、ユーザプログラムの実行を開始する。具体的には、メイン処理(図11参照)の実行を開始する。
ユーザプログラムが実行されているときに(具体的には、図11に示すメイン処理内のループ処理や図12に示すタイマ割込処理の実行中に)、ウオッチドッグタイマ(WDT)506bからのタイムアウト信号やIAT回路506aからのIAT信号が発生したことを想定する(ステップS1004)。図9(A)に示す例では、ステップS1001で内部リセット動作の設定としてシステムリセットが設定されていることから、タイムアウト信号やIAT信号の発生にもとづいてシステムリセットが発生する。
そして、ステップS1001の処理と同様に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、CPUコアを含む全ての内部回路を初期化するとともに、プログラム管理エリアの設定内容に従って、内部リセット動作の設定や乱数回路508a,508bの設定など遊技制御用マイクロコンピュータ560の各種設定をハードウェア的に行う(ステップS1005)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の各種設定が完了すると、ステップS1002の処理と同様に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、セキュリティモードに移行し、セキュリティチェックを実行する(ステップS1006)。
セキュリティチェックを終了すると、ステップS1003と同様に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ユーザモードに移行し、ユーザプログラムの実行を開始する。具体的には、図11に示すメイン処理の実行を再び開始する。
以後、ウオッチドッグタイマ(WDT)506bからのタイムアウト信号やIAT回路506aからのIAT信号が発生するごとに、ステップS1005〜S1007の処理が実行される。なお、図9(A)において、ステップS1001,S1002の具体的な処理内容とステップS1005,S1006の具体的な処理内容とは同じである。
次に、図9(B)を用いてウオッチドッグタイマ(WDT)506bからのタイムアウト信号やIAT回路506aからのIAT信号が発生したときにユーザリセットを発生するように設定した場合について説明する。図9(B)に示すように、遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、CPUコアを含む全ての内部回路を初期化するとともに、プログラム管理エリアの設定内容に従って、内部リセット動作の設定や乱数回路508a,508bの設定など遊技制御用マイクロコンピュータ560の各種設定をハードウェア的に行う(ステップS1011)。具体的には、プログラム管理エリアの図8に示すリセット設定(KRES)の設定内容に従って内部リセットの動作の設定を行ったり、プログラム管理エリアの16ビット乱数初期設定1(KRL1)〜8ビット乱数初期設定2(KRS2)の設定内容に従って乱数回路508a,508bの設定を行ったりする。なお、図9(B)に示す例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、プログラム管理エリアの設定内容に従って、内部リセット動作の設定としてユーザリセットを設定する。また、プログラム管理エリアの設定内容は予め遊技機の製作時に遊技機製造メーカ(ユーザ)によって設定されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ560の各種設定が完了すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、セキュリティモードに移行し、セキュリティチェックを実行する(ステップS1012)。ステップS1012で実行されるセキュリティチェックでは、ユーザプログラムの認証が行われる。具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ユーザプログラムをもとに計算された認証コードが正しいか否か再計算を行う。そして、認証コードが正しければ、ステップS1013に移行し、認証コードが正しくなければ、CPU56を停止する。なお、セキュリティモードに移行されるセキュリティモード時間は、既に説明したように、プログラム管理エリアのセキュリティ時間設定(KSES)の設定内容に従って設定されている。具体的には、プログラム管理エリアのセキュリティ時間設定(KSES)の設定内容に従ってステップS1011の設定が行われることによりセキュリティモード時間が設定される。
そして、セキュリティチェックを終了すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ユーザモードに移行し、ユーザプログラムの実行を開始する。具体的には、図11に示すメイン処理の実行を開始する。
ユーザプログラムが実行されているときに(具体的には、図11に示すメイン処理内のループ処理や図12に示すタイマ割込処理の実行中に)、ウオッチドッグタイマ(WDT)506bからのタイムアウト信号やIAT回路506aからのIAT信号が発生したことを想定する(ステップS1014)。図9(B)に示す例では、ステップS1011の処理で内部リセット動作の設定としてユーザリセットが設定されているので、タイムアウト信号やIAT信号の発生にもとづいてユーザリセットが発生する。
ユーザリセットが発生した場合には、ステップS1011の遊技制御用マイクロコンピュータ560の各種設定やステップS1012のセキュリティチェックは実行されず、遊技制御用マイクロコンピュータ560の内部回路のうち、CPUコア、タイマ回路509、フリーランカウンタ回路507、演算回路505、パラレル入力ポート511、パラレル出力ポート513、シリアル通信回路512、および割り込みコントローラ510などの初期化が実行される。そして、ユーザプログラムの先頭のアドレスに戻り、先頭のアドレスからユーザプログラムの実行が再び開始される(ステップS1015)。具体的には、図11に示すメイン処理の実行が再び開始される。
以後、ウオッチドッグタイマ(WDT)506bからのタイムアウト信号やIAT回路506aからのIAT信号が発生するごとに、ステップS1015の処理が実行される。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ユーザプログラムの実行中に内蔵RAM領域に格納されているデータを読み出す場合、そのデータが格納されている内蔵RAM領域の上位および下位全てのアドレスを指定するのではなく、アドレスの下位のみを指定してデータを読み出すことが可能である。図10は、内蔵RAM領域に格納されているデータの読み出し方の例を示す説明図である。この実施の形態では、ユーザプログラムで参照されるデータは、内蔵RAM領域のうちのF000H〜F0FFH領域に格納され、データ格納領域のアドレスの上位が必ずF0Hになるとする。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、データ格納領域の上位アドレスを固定値として格納しておくための専用のレジスタ(Qレジスタ)を備え、Qレジスタには固定値F0Hが設定されている。
図10には、内蔵RAM領域のアドレスF020Hに格納されているデータを読み出す例が示されている。この場合、Qレジスタを用いてデータを読み出すためのコマンドLDQを用いて、下位アドレス20Hのみを指定して、データの読み出し動作を行う(具体的には、LDQ A,(20H)を実行する)。すると、CPU56は、データ格納領域の上位アドレスをQレジスタに設定されている固定値からF0Hと特定するとともに、LDQ命令で指定された下位アドレス20Hを特定し、上位および下位を合わせたデータ格納領域のアドレスがF020Hであると特定する。そして、CPU56は、特定したF020Hに対応するデータ格納領域に格納されているデータaを読み出し、レジスタAに格納する。
Qレジスタの値は、システムリセット時にハードウェア的に初期化されて初期値F0Hに自動設定される。例えば、遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されたときに、Qレジスタの下位4ビットは0に初期化されるとともに、上位4ビットは反転回路で反転されて全て値1になることによって、Qレジスタの初期値としてF0Hが自動設定される。また、後述するように、この実施の形態では、ユーザプログラムの実行が開始されたときにも、ユーザプログラムによりQレジスタに初期値F0Hを設定する処理が実行される(図11におけるステップS5A参照)。
なお、Qレジスタの初期値設定は、遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されたときに行うハードウェア的な自動設定のみでもよいし、ユーザプログラムの開始時に実行されるユーザプログラムによる設定のみでもよい。
次に、システムチェックを実行した後、ユーザモードに移行した後にユーザプログラムに従って実行される処理を説明する。ユーザモードに移行すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、メイン処理の実行を開始する。
図11は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、Qレジスタに初期値F0Hをセットする(ステップS5A)。すなわち、ステップS5が実行されてRAM55をアクセス可能状態に設定したタイミングで、Qレジスタに初期値F0Hがセットされる。
また、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。
また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている遊技状態を示すデータにもとづいて、復旧した遊技状態が高確率状態(確変状態)である場合にはその旨を示す高確率状態コマンドを演出制御基板80に送信し、復旧した遊技状態が通常状態(非確変状態)である場合にはその旨を示す通常状態コマンドを演出制御基板80に送信する(ステップS44)。そして、ステップS15に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、ステップS44で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、この実施の形態では、CPU56は、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認するが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているタイマ回路509のレジスタの設定を行なう(ステップS15)。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図12に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
次いで、CPU56は、遊技機のエラー状態などを表示させるために遊技機のエラー状態などを示す情報が設定された枠状態表示コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する枠状態出力処理を実行する(ステップS34)。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS35)、処理を終了する。
以上の制御によって、遊技制御処理は4ms毎に起動される。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S34(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」になる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
小当りは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態(高確率状態)から低確率状態に移行したり低確率状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当り(突確大当りともいう。)とは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態になったかのように見せるものである)。つまり、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、突然確変大当りや小当りにおける大入賞口の開放パターンを、例えば、大入賞口の開放回数は通常大当りや確変大当りと同数(例えば、15回)にして、大入賞口の開放時間が極めて短い(例えば、0.1秒)開放パターンとしてもよい。
図13および図14は、ステップS20の電源断検出処理の一例を示すフローチャートである。電源断検出処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、電源断信号が出力されているか否か(オン状態になっているか否か)確認する(ステップS450)。オン状態でなければ、RAM55に形成されているバックアップ監視タイマの値を0クリアする(ステップS451)。オン状態であれば、バックアップ監視タイマの値を1増やす(ステップS452)。そして、バックアップ監視タイマの値が判定値(例えば2)と一致すれば(ステップS453)、ステップS454以降の電力供給停止時処理すなわち電力の供給停止のための準備処理を実行する。つまり、遊技の進行を制御する状態から遊技状態を保存させるための電力供給停止時処理(電源断時制御処理)を実行する状態に移行する。なお、「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
バックアップ監視タイマと判定値とを用いることによって、判定値に相当する時間だけ電源断信号のオン状態が継続したら、電力供給停止時処理が開始される。すなわち、ノイズ等で一瞬電源断信号のオン状態が発生しても、誤って電力供給停止時処理が開始されるようなことはない。なお、バックアップ監視タイマの値は、遊技機への電力供給が停止しても、所定期間はバックアップ電源によって保存される。従って、メイン処理におけるステップS8では、バックアップ監視タイマの値が判定値と同じ値になっていることによって、電力供給停止時処理の処理結果が保存されていることを確認できる。
電力供給停止時処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、パリティデータを作成する(ステップS454〜S463)。すなわち、まず、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし(ステップS454)、電力供給停止時でも内容が保存されるべきRAM領域の先頭アドレスに相当するチェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする(ステップS455)。また、電力供給停止時でも内容が保存されるべきRAM領域の最終アドレスに相当するチェックサム算出回数をセットする(ステップS456)。
次いで、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する(ステップS457)。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに(ステップS458)、ポインタの値を1増やし(ステップS459)、チェックサム算出回数の値を1減算する(ステップS460)。そして、ステップS457〜S460の処理を、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返す(ステップS461)。
チェックサム算出回数の値が0になったら、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転する(ステップS462)。そして、反転後のデータをチェックサムデータエリアにストアする(ステップS463)。このデータが、電源投入時にチェックされるパリティデータになる。次いで、RAMアクセスレジスタにアクセス禁止値を設定する(ステップS471)。以後、内蔵RAM55のアクセスができなくなる。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54に格納されているポートクリア設定テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS472)。ポートクリア設定テーブルにおいて、先頭アドレスには処理数(クリアすべき出力ポートの数)が設定され、次いで、出力ポートのアドレスおよび出力値データ(クリアデータ:出力ポートの各ビットのオフ状態の値)が、処理数分の出力ポートについて順次設定されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち処理数)をロードする(ステップS473)。また、ポインタの値を1増やし(ステップS474)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力ポートのアドレス)をロードする(ステップS475)。さらに、ポインタの値を1増やし(ステップS476)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力値データ)をロードする(ステップS477)。そして、出力値データを出力ポートに出力する(ステップS478)。その後、処理数を1減らし(ステップS479)、処理数が0でなければステップS474に戻る。処理数が0であれば、すなわち、クリアすべき出力ポートを全てクリアしたら、タイマ割込を停止し(ステップS481)、ループ処理に入る。なお、出力ポートをクリアする処理をチェックサムデータを作成する処理の前に実行してもよい。例えば、CPU56は、ステップS453でYと判定した後、直ちにステップS472〜S480の出力ポートクリアの処理を実行するようにしてもよい。
ループ処理では、電源断信号がオフ状態になったか否かを監視する(ステップS482)。そして、電源断信号がオン状態の間は(ステップS482のY)、ステップS482の処理を繰り返し実行して待機する。
電源断信号がオフ状態になったときには(ステップS482のN)、所定の電断復旧時における設定を行った後(ステップS487)、図11に示すメイン処理の先頭にリターンする。一例として、ステップS487の処理では、CPU56に内蔵されたスタックポインタに電源断復旧時ベクタテーブルの記憶アドレスを格納し、遊技制御用タイマ割込み処理から復帰(リターン)させる。なお、電源断復旧時ベクタテーブルは、ROM54に記憶された制御コード(遊技制御プログラム)の先頭アドレスを指定するものであればよい。図12に示すタイマ割込処理のような割込処理から復帰(リターン)するときには、スタックポインタで指定されるアドレスの記憶データが復帰アドレスとして読み出される。こうして、ステップS487の処理を実行した後には、CPU56により、ROM54に記憶されている制御コードの先頭から、遊技制御の実行を開始(再開)させることができる。
以上の処理によって、電力供給が停止する場合には、ステップS454〜S481の電力供給停止時処理が実行され、電力供給停止時処理が実行されたことを示すデータ(判定値になっているバックアップ監視タイマのおよびチェックサム)がバックアップRAMへストアされ、RAMアクセスが禁止状態にされ、出力ポートがクリアされ、かつ、遊技制御処理を実行するためのタイマ割込が禁止状態に設定される。
なお、この実施の形態では、電源断検出処理においてチェックデータの生成や出力ポートクリアなどの処理を終了した後、ステップS482で繰り返し電源断信号の入力を確認する電源断待ちループに移行するが、このような電源断信号の入力を確認する構成とはしないようにしてもよい。この場合、例えば、ウオッチドッグタイマ(WTD)506bをユーザプログラムによって起動できるように設定した上で、電源断待ちループに入るときにウオッチドッグタイマ(WTD)506bを起動するようにし、遊技機が完全に電源断状態とならず電源の電圧値が完全に落ちきらないときにはウオッチドッグタイマ(WTD)506bからのタイムアウト信号によるリセットが発生するようにしてもよい。
また、例えば、遊技機への電源投入時に電源断信号が入力されているか否かを確認し、入力されていれば無限ループに移行したり、その無限ループにおいて電源断信号の入力を確認し、その入力がなくなるまで無限ループを継続したりするように構成されている場合、上記と同様の態様で無限ループに入るときにウオッチドッグタイマ(WTD)506bを起動させ、同様の処理を行うように構成してもよい。
なお、ウオッチドッグタイマ(WTD)506bを起動するように設定している場合には(ただし、上記のように電源断待ちループでのみウオッチドッグタイマ(WTD)506bを起動するものを除く)、正常にCPU56が動作しているときにはタイムアウトしないように、ウオッチドッグタイマ(WTD)506bをクリアする信号を出力するようにプログラムされる。具体的には、内蔵レジスタエリアに設けられているWDTクリアレジスタ(図示せず)にクリアするための値を書き込むようにプログラムされる。
また、この実施の形態では、RAM55がバックアップ電源によって電源バックアップ(遊技機への電力供給が停止しても所定期間はRAM55の内容が保存されこと)されている。この例では、ステップS452〜S479の処理によって、バックアップ監視タイマの値とともに、電源断信号が出力されたときのRAM55の内容にもとづくチェックサムもRAM55のバックアップ領域に保存される。遊技機への電力供給が停止した後、所定期間内に電力供給が復旧したら、遊技制御手段は、上述したステップS41〜S44の処理によって、RAM55に保存されているデータ(電力供給が停止した直前の遊技制御手段による制御状態である遊技状態を示すデータ(例えば、プロセスフラグの状態、大当り中フラグの状態、確変フラグの状態、出力ポートの出力状態等)を含む)に従って、遊技状態を、電力供給が停止した直前の状態に戻すことができる。なお、電力供給停止の期間が所定期間を越えたらバックアップ監視タイマの値とチェックサムとが正規の値とは異なるはずであるから、その場合には、ステップS10〜S13の初期化処理が実行される。
以上のように、電力供給停止時処理(電力の供給停止のための準備処理)によって、遊技状態を電力供給が停止した直前の状態に戻すためのデータが確実に変動データ記憶手段(この例ではRAM55の一部の領域)に保存される。よって、停電等による電源断が生じても、所定期間内に電源が復旧すれば、遊技状態を電力供給が停止した直前の状態に戻すことができる。
また、電源断信号がオフ状態になった場合には、ステップS1に戻る。その場合、電力供給停止時処理が実行されたことを示すデータが設定されているので、ステップS41〜S44の復旧処理が実行される。よって、電力供給停止時処理を実行した後に払出制御基板37からの電源断信号がオフ状態になったときには、遊技の進行を制御する状態に戻る。従って、電源瞬断等が生じても、遊技制御処理が停止してしまうようなことはなく、自動的に、遊技制御処理が続行される。
図15は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が使用する各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りの種類(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2:小当りの種類を決定する(大当り種別判定用)
(3)ランダム3:変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4:普通図柄にもとづく当りにするか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5:ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
図12に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図16(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない非確変状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図16(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図16(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図16(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図16(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図16(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図16(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図16(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示を行うときの方が、第2特別図柄の変動表示を行うときに比べて小当りになる確率が高いが、第2特別図柄の変動表示を行うときの方が小当りになる確率が高いようにしてもよい。この実施の形態では、小当りの発生を契機にして、使用する変動パターン決定テーブルが切り替えられるが、第2特別図柄の変動表示を行うときの方が小当りになる確率が高い場合には、変動パターン決定テーブルの切り替えの頻度が高くなる。このことは、特に、第2特別図柄の変動を優先して実行する場合に有効である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図16(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図16(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図16(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図16(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図16(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には100分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図16(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。このうち、図16(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。また、図16(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)である。
大当り種別判定テーブルは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図17は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。図17において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。
この実施の形態では、特別図柄の各変動パターンは、リーチとするか否か、およびリーチとする場合のリーチ態様など、各種の演出態様の違いおよび遊技状態に応じて複数種類用意されている。なお、リーチ演出は、演出制御用マイクロコンピュータ100が表示制御する演出表示装置9において実行される。
「通常変動」は、リーチ態様を伴わない変動パターンである。「ノーマルリーチA」は、単純なリーチ態様を伴う変動パターンである。「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」とは異なるリーチ態様を伴う変動パターンである。例えば、「ノーマルリーチ」では単に1種類の変動態様によってリーチ態様が実現されるのに対して、「スーパーリーチ」では、変動速度や変動方向が異なる複数の変動態様を含むリーチ態様が実現される。なお、「ノーマルリーチ」および「スーパーリーチ」では、大当りになる場合と大当りとならない場合とがある。
「時短状態のときの通常変動」は、時短状態におけるはずれ時に使用され、「通常変動」よりも短い変動時間の変動パターンであってリーチ演出を伴わない変動パターンである。「時短状態のときのリーチ演出A」は、時短状態において使用され、「ノーマルリーチ」および「スーパーリーチ」よりも短い変動時間の変動パターンであってリーチ演出を伴う変動パターンである。「時短状態のときのリーチ演出B」は、時短状態において使用され、「ノーマルリーチ」および「スーパーリーチ」よりも短い変動時間の変動パターンであってリーチ演出を伴う変動パターンである。なお、「時短状態のときのリーチ演出A」と「時短状態のときのリーチ演出B」の変動態様は異なる。
また、「小当り/突確時変動」は、小当りになるときと突然確変大当りになるとき使用される変動パターンである。
図18は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン決定テーブルを示す説明図である。図18に示すテーブルははずれにすることに決定された場合に使用される。図18に示す例では、低ベース状態(非時短状態)で使用されるテーブル(図18(A))と、高ベース状態(時短状態)で使用されるテーブル(図18(B))とがある。
なお、合算保留記憶数に応じて、使用されるテーブルをさらに分けてもよい。
なお、各々のテーブルで変動パターンに割り当てられた判定値数が異なるが、他の変動パターン(例えば、全ての図柄表示エリアにおいて演出図柄を仮停止表示させた後、全ての演出図柄表示エリアにおいて演出図柄を再び変動(擬似連変動))を使用する場合にも、それに割り当てられる判定値数は異なる。
図19は、ROM54に記憶されている大当り変動パターン決定テーブルおよび小当り/突確変動パターン決定テーブルを示す説明図である。図19(A)に示すテーブルは遊技状態が低ベース状態であって大当りにすることに決定された場合に使用される。図19(B)に示すテーブルは遊技状態が高ベース状態であって大当りにすることに決定された場合に使用される。図19(C)に示すテーブルは小当りにすることに決定された場合および突然確変大当りにすることに決定された場合に使用される。
図19に示す大当り変動パターン決定テーブルには、各々の変動パターンに対応する判定値が設定されている。なお、「小当り/突確時変動」は、リーチ演出を伴わない変動パターンである。
図20は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図20に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図17に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りまたは小当りとするか否かや大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始指定2指定コマンドおよび小当り/突然確変大当り開始指定コマンドがある。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、通常大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
コマンドD0XX(H)は、払出制御手段におけるエラー状態等を示す枠状態表示コマンドである。
図21は、枠状態表示コマンドに設定されるEXTデータの具体例を示す説明図である。図21に示すように、払出制御用マイクロコンピュータ370によって、賞球エラー(入賞にもとづく賞球払出動作や球貸し要求にもとづく球貸払出動作が正常に行えない状態になった異常状態)を検出されている場合には、1ビット目(ビット0)の賞球エラービットに「1」が設定される。また、球切れエラーが検出されている場合には、2ビット目(ビット1)の球切れエラービットに「1」が設定される。また、満タンエラーが検出されている場合には、3ビット目(ビット2)の満タンエラービットに「1」が設定される。なお、EXTデータの上位4ビットには「0」が設定される。
図22は、遊技制御手段と払出制御手段との間で送受信される制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。この実施の形態では、払出制御等に関する各種の制御を行うために、主基板31と払出制御基板37とのマイクロコンピュータの間で各種払出制御コマンドが送受信される。
払出制御コマンドは、8ビットのデータ(2進8桁のデータ)によって構成され、設定された8ビットのデータの内容によって所定の内容を示す制御コマンドとして出力される。
接続確認コマンドは、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の接続状態が正常であるか否かを確認するために一定間隔(例えば、1s)毎に遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信される制御コマンドである。接続確認コマンドのデータの内容は「A0(H)」すなわち「10100000」である。
接続OKコマンドは、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の接続状態が正常であることを通知するための制御コマンドであって、払出制御用マイクロコンピュータ370が接続確認コマンドの受信に応じて応答信号として送信する制御コマンドである。接続OKコマンドのデータの内容は「8x(H)」すなわち「1000xxxx」である。接続OKコマンドの下位4ビット「xxxx」に関して、図23に示すように、賞球エラー(入賞にもとづく賞球払出動作や球貸し要求にもとづく球貸払出動作が正常に行えない状態になった異常状態)が発生した場合には、1ビット目(ビット0)の「x」に「1」が設定される。また、満タンエラーが発生した場合には、2ビット目(ビット1)の「x」に「1」が設定される。また、球切れエラーが発生した場合には、3ビット目(ビット2)の「x」に「1」が設定される。具体的には、払出制御用マイクロコンピュータ370は、I/Oポート372fを介して、球切れスイッチ187からの検出信号の状態と満タンスイッチ48からの検出信号の状態とをビット1およびビット2に設定する。
賞球個数コマンドは、払出要求を行う遊技球の個数(0〜15個)を通知するための制御コマンドであって、遊技制御用マイクロコンピュータ560が入賞の発生にもとづいて送信する制御コマンドである。賞球個数コマンドのデータの内容は「5x(H)」すなわち「0101xxxx」である。この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aや第2始動口スイッチ14aで遊技球が検出されると3個の賞球払出を行い、入賞口スイッチ29a,30aのいずれかで遊技球が検出されると10個の賞球払出を行い、カウントスイッチ23で遊技球が検出されると15個の賞球払出を行う。よって、第1始動口スイッチ13aや第2始動口スイッチ14aで遊技球が検出された場合、賞球数3個を通知するための賞球個数コマンド「01010011」が送信され、入賞口スイッチ29a,30aのいずれかで遊技球が検出された場合、賞球数10個を通知するための賞球個数コマンド「01011010」が送信され、カウントスイッチ23で遊技球が検出された場合、賞球数15個を通知するための賞球個数コマンド「01011111」が送信される。
賞球個数受付コマンドは、賞球個数コマンドで指定された賞球個数を受け付けたことを通知するための制御コマンドであって、払出制御用マイクロコンピュータ370が賞球個数コマンドの受信に応じて応答信号として送信する制御コマンドである。賞球個数受付コマンドのデータの内容は「70(H)」すなわち、「01110000」である。
賞球終了コマンドは、賞球動作(賞球払出動作)が終了したことを示す制御コマンドであって、払出制御用マイクロコンピュータ370が賞球動作の終了にもとづいて送信する制御コマンドである。賞球終了コマンドのデータの内容は「50(H)」すなわち「01010000」である。
賞球準備中コマンドは、賞球動作に時間がかかっている場合や、貸し球動作中であったり所定のエラーが発生したりして賞球動作が終了していないことを通知する制御コマンドである。賞球準備中コマンドのデータの内容は「4x(H)」すなわち「0100xxxx」である。賞球準備中コマンドの下位4ビット「xxxx」に関して、図23に示すように、払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球エラーの発生を検出した場合には、1ビット目(ビット0)の「x」に「1」を設定する。また、球切れエラーの発生を検出した場合には、2ビット目(ビット1)の「x」に「1」を設定する。また、満タンエラーの発生を検出した場合には、3ビット目(ビット2)の「x」に「1」を設定する。
払出制御用マイクロコンピュータ370から、賞球動作に時間がかかっている場合や、貸し球動作中であったり賞球動作の実行中に所定のエラーが発生したりして賞球動作が終了していないことを遊技制御用マイクロコンピュータ560に通知することができるとともに、エラーの内容も遊技制御用マイクロコンピュータ560に通知することができる。
次に、枠状態出力処理(ステップS34)を説明する。図24は、ステップS34の枠状態出力処理の一例を示すフローチャートである。CPU56は、枠状態出力処理において、払出制御コマンド受信バッファの内容を読み出す(ステップS391)。
払出制御コマンド受信バッファは、RAM55に形成されている。CPU56は、接続OKコマンドを受信したとき、および賞球準備中コマンドを受信したときに、受信した制御コマンドの下位4ビットを払出制御コマンド受信バッファに格納する。
CPU56は、払出制御コマンド受信バッファの内容と前回枠状態表示バッファの内容とを比較する(ステップS392)。前回枠状態表示バッファは、RAM55に形成されている。また、前回枠状態表示バッファには、払出制御コマンド受信バッファの内容が変化したときに、変化後の払出制御コマンド受信バッファの内容が設定される。
CPU56は、払出制御コマンド受信バッファの内容と前回枠状態表示バッファの内容とが一致していることを確認した場合には、処理を終了する。払出制御コマンド受信バッファの内容と前回枠状態表示バッファの内容との不一致を検出した場合には、前回枠状態表示バッファに、払出制御コマンド受信バッファの内容を設定する(ステップS393,S394)。また、CPU56は、枠状態表示コマンド(図21参照)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS395)。
なお、CPU56は、枠状態表示コマンドのEXTデータの下位4ビットに、払出制御コマンド受信バッファの下位4ビットの内容を設定する。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図20に示された内容に応じて画像表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
また、この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
また、この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、エラー表示用LED374に満タンエラーである旨を表示したり球払出制御を停止するので満タンスイッチ48の検出信号にもとづいて満タンか否かを判定するが、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、満タンか否かの判定を行わない。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払出制御用マイクロコンピュータ370からのコマンドに設定されているビットの状態を演出制御コマンド(枠状態表示コマンド)に設定して送信するだけである。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100が、満タンか否かの判定を行う。しかし、遊技制御用マイクロコンピュータ560が払出制御用マイクロコンピュータ370からのコマンドにもとづいて満タンか否かの判定を行い判定結果を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が満タンか否かの判定を行うので、当然、演出制御用マイクロコンピュータ100が満タンエラーの報知を行うか否か判定する。しかし、遊技制御用マイクロコンピュータ560が満タンエラーの報知を行うか否か判定し、判定結果を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。
図25および図26は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。また、CPU56は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313,S314)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4になったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンド(コマンドA1XX(H):XXにラウンド回数目を設定)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンド(コマンドA2XX(H):XXにラウンド回数目を設定)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全ての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図27は、ステップS312,S314の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。図27(A)は、ステップS312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。図27(B)は、ステップS314の第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
図27(A)に示すように、第1始動口スイッチ13aがオン状態の場合に実行される第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認する(ステップS211A)。第1保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに(ステップS212A)、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213A)。
次いで、CPU56は、チャネル0の16ビット乱数回路508bが用いるRL0ハードラッチ乱数値レジスタ0(RL0HV0)から、大当り判定用乱数(ランダムR)としての数値データを抽出するとともにソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、RAM55の第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215A)。ステップS215Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
なお、変動パターン決定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を抽出するようにしてもよい。
また、CPU56は、合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する制御を行う(ステップS217A)。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。
図27(B)に示すように、第2始動口スイッチ13bがオン状態の場合に実行される第2始動口スイッチ通過処理において、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認する(ステップS211B)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。
第2保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに(ステップS212B)、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213B)。
また、CPU56は、チャネル0の16ビット乱数回路508bが用いるRL0ハードラッチ乱数値レジスタ0(RL0HV0)から、大当り判定用乱数(ランダムR)としての数値データを抽出するとともにソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、RAM55の第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215B)。ステップS215Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム2)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を抽出するようにしてもよい。
また、CPU56は、合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する制御を行う(ステップS217B)。
図28および図29は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。
なお、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行されるように制御してもよい。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄保留記憶表示器(第1特別図柄保留記憶表示器18aまたは第2特別図柄保留記憶表示器18b)の点灯個数を1減らす(ステップS57)。また、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタ(第1保留記憶数カウンタまたは第2保留記憶数カウンタ)の値を1減らす(ステップS58)。また、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS59)。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS215Aの処理や第2始動口スイッチ通過処理のステップS215Bの処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図16参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常状態および時短状態)の場合よりも、大当りになる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図16(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図16(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図16(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図16(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図16(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図16(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図16(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS75に移行する。
ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62)、すなわち、はずれである場合には、ステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図16(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図16(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS215Aの処理や第2始動口スイッチ通過処理のステップS215Bの処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図16(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄である「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、例えば、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄である「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図30は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、大当りの種別が突確大当りでなければ、大当り変動パターン決定テーブル(図19(A),(B)参照)を用いることに決定する(ステップS92,S93)。なお、時短フラグがセットされている場合には図19(B)に示すテーブルを使用し、時短フラグがセットされていない場合には図19(A)に示すテーブルを使用する。大当りの種別が突確大当りであれば、小当り/突確変動パターン決定テーブル(図19(C)参照)を用いることに決定する(ステップS92,S94)。そして、ステップS105に移行する。
大当りフラグがセットされていなければ、小当りにすることに決定されている場合には、小当り/突確変動パターン決定テーブル(図19(C)参照)を用いることに決定する(ステップS95,S96)。なお、時短フラグがセットされている場合には図18(B)に示すテーブルを使用し、時短フラグがセットされていない場合には図18(A)に示すテーブルを使用する。小当りにすることに決定されていない場合、すなわち、はずれの場合には、はずれ変動パターン決定テーブル(図18参照)を用いることに決定する(ステップS95,S99)。そして、ステップS105に移行する。
ステップS105では、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS93,S94,S96,S99の処理で選択した変動パターン決定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS106)。
また、特別図柄の変動を開始する(ステップS107)。例えば、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS109)。
図31は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、当り/はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図20参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS112に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を確認し、大当りの種別に応じた表示結果2〜4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111)。なお、大当りの種別は、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータにもとづいて確認する。
CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS112)。小当りフラグがセットされている場合には、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113)。小当りフラグがセットされていない場合には、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS114)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS115)。
図32は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS126)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS127)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、処理を終了する。
図33および図34は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS132)。大当りフラグがセットされていない場合には、ステップS141に移行する(ステップS133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短状態であることを示す時短フラグをリセットし、時短回数カウンタをクリア(値を0にする)する(ステップS134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、大当りの種別が通常大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りのいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS137)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、通常大当りまたは確変大当りの場合には15回。突然確変大当りの場合には2回)をセットする(ステップS138)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS139)。
ステップS141では、CPU56は、確変フラグがセットされているか否か確認する。セットされている場合には、ステップS147に移行する。セットされていない場合には、時短回数カウンタの値が0であるか否か確認する(ステップS142)。時短回数カウンタの値が0である場合には、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS143)。
また、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS144)、時短フラグをリセットする(ステップS145)。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS147)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する(ステップS148)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS149)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(ステップS150)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS151)。
小当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS152)。
図35は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ステップS162の処理において、CPU56は、通常大当りであった場合には大当り終了1指定コマンドを送信し、確変大当りであった場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、突然確変大当りであった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、画像表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過している場合には、CPU56は、大当りの種別が通常大当りであるか否かを確認する(ステップS166)。通常大当りでない場合には、ステップS171に移行する。通常大当りである場合には、CPU56は、時短回数カウンタに100をセットする(ステップS168)。また、CPU56は、時短フラグをセットする(ステップS173)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS174)。
ステップS171では、CPU56は、確変フラグをセットする。また、CPU56は、大当り種別が突然確変大当りであるか否か確認する(ステップS172)。突然確変大当りでない場合、すなわち、15ラウンド確変大当りである場合には、ステップS173に移行する。
突然確変大当りである場合には、ステップS174に移行する。
なお、時短フラグは、可変入賞球装置15の開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。この場合、具体的には、CPU56は、普通図柄プロセス処理(ステップS27参照)において、普通図柄の変動表示結果が当りになったときに、時短フラグがセットされているか否かを確認し、セットされていれば、開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりして可変入賞球装置15を開放する制御を行う。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図36は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。また、合算保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
コマンド受信バッファとして、例えば、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図20参照)であるのか解析する。
図37〜図39は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、その表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンド(大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグ)をセットする(ステップS632)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(ステップS635)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS636)。また、大入賞口開放中指定コマンドをRAMの格納領域に格納する(ステップS637)。受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(ステップS639)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS640)
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンド(大当り終了1指定コマンドまたは大当り終了2指定コマンド)であれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り開始終了コマンド受信フラグ(大当り終了1指定コマンド受信フラグまたは大当り終了2指定コマンド受信フラグ)をセットする(ステップS642)。
受信した演出制御コマンドが枠状態表示コマンドであれば(ステップS671)、演出制御用CPU101は、枠状態表示コマンドの下位4ビットのうちの満タンエラービット(ビット2。図21参照)がセットされているか否かを確認する(ステップS672)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の表示画面に所定の満タンエラー報知情報を重畳表示する制御を行う(ステップS673)。例えば、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の表示画面に満タンエラー報知情報としての文字列等を表示させる制御を行う。また、満タン中フラグをセットする(ステップS674)。
満タンエラービットがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の表示画面から満タンエラー報知情報を消去する制御を行う(ステップS681)。また、満タン中フラグをリセットする(ステップS682)。なお、満タンエラービットがセット状態からリセット状態に変化したときにのみステップS681,S682の処理を実行するようにしてもよい。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS691)。そして、ステップS611に移行する。
図40は、満タンエラー報知情報の一例を示す説明図である。図40に示す例では、演出表示装置9の表示画面に、満タンエラー報知情報として「満タンです!」の文字列の画像9aが表示される。なお、満タンエラー報知情報は、表示による情報に限られず、例えば、音による報知情報や遊技機に設けられているランプやLEDを用いた報知情報であってもよい。
図41は、遊技者に所定の有利価値が付与されることを示唆する示唆演出の一例を示す説明図である。図41には、示唆演出として昇格演出(非確変図柄が停止表示された後、実際の遊技状態を報知するための演出)が例示されている。図41には、大当り遊技中の第7ラウンドにおいて昇格演出が実行される例が示されている。
図41に示すように、第7ラウンドが開始された後(図41(A)参照)、昇格演出のための操作ボタン150の操作を促す画像9dが演出表示装置9の表示画面に表示され(図41(B)参照)、遊技者が操作ボタン150を操作したことに応じて、事前決定された実際の大当りの種類が確変大当りであった場合には、昇格演出のための画像9eが演出表示装置9の表示画面に表示される(図41(C)参照)。その後、確変大当りであることを報知するための報知画像9fが演出表示装置9に表示される(図41(D)参照)。
また、事前決定された実際の大当りの種類が非確変大当り(通常大当り)であった場合には、遊技者が操作ボタン150を操作したことに応じて、昇格演出のための画像9aは表示されず(図41(E)参照)、確変大当りではないことを示唆するための画像9gが演出表示装置9に表示される(図41(F)参照)。
なお、図41に示す例では、第7ラウンドにおいて昇格演出が実行されているが、第7ラウンドであることは必須のことではなく、任意のラウンドにおいて昇格演出を実行可能である。また、大当り遊技開始時の演出が行われるときや、大当り遊技終了時の演出が行われるときに、昇格演出を実行してもよい。
図42は、昇格演出の実行タイミングの一例を示す説明図である。図42の上段に示すように、この実施の形態では、満タン中フラグがセットされていない場合には、大当り遊技中の第7ラウンドおよび第12ラウンドにおいて昇格演出が実行される。ただし、第7ラウンドにおいてのみ昇格演出が実行されることがある(図45参照:確変大当りの場合に昇格成功演出、通常大当りの場合に昇格失敗演出)。
また、図42の下段に示すように、満タン中フラグがセットされている場合(満タンエラー報知情報が表示されている場合)には、演出制御用CPU101は、昇格演出を実行しない。その場合には、後述するように、特定画像を表示する。
なお、図42の下段には、第7ラウンドおよび第12ラウンドの遊技の実行中に満タン中フラグがセットされている例が示されているが、いずれかのラウンドにおいて満タン中フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、そのラウンドについては、昇格演出を実行する。
また、第7ラウンドおよび第12ラウンドにおいて昇格演出を実行することは一例であって、他のラウンド(1つのラウンドであってもよい。)で昇格演出を実行してもよい。また、連続する複数ラウンドに亘って昇格演出を実行してもよい。
図43は、特定画像の一例を示す説明図である。図43には、特定画像としてのコイン状の画像9bが例示されている。
コイン状の画像9bは、第7ラウンドおよび第12ラウンドの遊技の実行中に満タン中フラグがセットされている場合に、昇格演出の実行に代えて表示される特定画像であり、遊技者に付与される所定の有利価値(例えば、大当り)とは異なる特定価値に相当する。
なお、コイン状の画像9bは、遊技機に連動する所定のサイトで所定のサービスを受けるときに使用可能である。具体的には、遊技者は、コイン状の画像9bを表示したことを契機として表示される二次元バーコード(例えば、所定のWebサイトのURLの情報を含む。)を携帯電話機によって二次元バーコードを読み取ることによって何らかの価値(例えば、携帯電話機の待ち受け画面等に使用可能な特定の画像(プレミアム画像)や所定に楽曲など)を得ることができる。
また、特定価値は、コイン状の画像9bの表示を経ないで表示される二次元バーコード(例えば、所定のWebサイトのURLの情報を含む。)でもよい。
図44は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図44に示すように、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3、および昇格演出決定用乱数SR2を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3は、演出図柄の可変表示結果である停止図柄として、演出表示装置9の表示領域における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに停止表示される演出図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。なお、最終停止図柄は、演出図柄の可変表示が終了する時点で「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアそれぞれにおいて最終的に停止表示される3つの演出図柄のことである。なお、演出図柄の大当り図柄の組合せは、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3のうちのいずれか1個の乱数によって決定される。
昇格予告演出決定用乱数SR2は、昇格演出を実行するか否かと実行ラウンドを決定するために用いられる乱数である。
図45は、昇格演出決定テーブルの構成例を示す説明図である。図45(A)には、確変大当り(15R確変大当り)の場合に用いられるテーブルが示され、図45(B)には、通常大当り(15R通常大当り)の場合に用いられるテーブルが示されている。
この実施の形態では、昇格演出の実行時期として、大当り遊技中の第7ラウンドおよび大当り遊技中の第12ラウンドがあるが、昇格演出の時期を抽選によって決定するようにしてもよい。例えば、1〜15の範囲をとりうる乱数を生成し、乱数値に対応するラウンドを、昇格演出を実行するラウンドに決定する。昇格演出の時期を抽選によって決定する場合、15R確変大当りの場合と15R通常大当りの場合とで、昇格演出が実行されやすいラウンド(選択されやすいラウンド)を変えるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、15R確変大当りにすることに決定されている場合には、演出図柄の変動終了時に非確変図柄を停止表示し、昇格演出が実行されると、あらためて確変図柄を表示するように制御されるが、演出図柄の変動終了時に確変図柄を停止表示することがあるようにし、確変図柄停止表示された場合には、昇格演出を実行しないようにしてもよい。
また、この実施の形態では、15R通常大当りにすることに決定されている場合に昇格演出を実行しないことがあるが、15R通常大当りにすることに決定されている場合には、常に昇格演出を実行するようにしてもよい。
図46は、図36に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):変動時間が経過すると、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り/小当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り/小当り表示処理(ステップS804):大当りである場合には、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。また、突確大当りまたは小当りである場合には、変動時間の終了後、演出表示装置9に突確大当りまたは小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していない場合には、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り/小当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り/小当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態または小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図47は、図36に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を潜伏モード中演出設定処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図48は、図46に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、15R大当り(15R確変大当りまたは15R通常大当り)にすることに決定されている場合には(ステップS818)、昇格演出決定処理を実行する(ステップS819)。なお、この実施の形態では、演出図柄の変動開始時に昇格演出決定処理を実行するが、大当り遊技の開始時に昇格演出決定処理を実行してもよい。
図49は、ステップS819の昇格演出決定処理を示すフローチャートである。昇格演出決定処理において、演出制御用CPU101は、昇格演出決定用乱数SR2を抽出し(ステップS901)、抽出した昇格演出決定用乱数SR2と昇格演出決定テーブル(図45参照)とを用いて、昇格演出を実行するか否かと、実行する場合の昇格演出の種類とを決定する(ステップS902)。
ステップS902の処理では、演出制御用CPU101は、15R確変大当りとすることに決定されている場合には図45(A)に示すテーブルを使用し、15R通常大当りとすることに決定されている場合には図45(B)に示すテーブルを使用する。また、演出制御用CPU101は、昇格演出決定用乱数SR2に一致する判定値に対応する結果(昇格演出を実行するか否か、および昇格演出の種類)を、ステップS902の処理の決定結果にする。
演出制御用CPU101は、昇格演出の種類として第7ラウンドで昇格演出を実行することが決定された場合には、第7ラウンド実行フラグをセットする(ステップS903,S904)。昇格演出の種類として第12ラウンドで昇格演出を実行することが決定された場合には、第12ラウンド実行フラグをセットする(ステップS905,S906)。なお、第7ラウンド実行フラグと第12ラウンド実行フラグとがともにセットされることがある。
次いで、演出制御用CPU101は、RAMの変動パターンコマンド格納領域から、受信した変動パターンコマンドを読み出す(ステップS820)。また、RAMの表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示特定指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS821)。演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンドが15R通常大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として、3図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが15R確変大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が奇数図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。そして、はずれの場合には、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。
なお、受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合でも、昇格演出を実行するときには、例外的に、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。ただし、この実施の形態では、15R確変大当りの場合には、常に昇格演出を実行するので、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が偶数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定するが、例えば、抽選によって昇格演出を実行する/しないを決定するように構成されている場合には、昇格演出を実行しないと決定されたときに演出図柄の組合せが奇数図柄に決定される。
また、受信した表示結果指定コマンドが突然確変大当りや小当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として突確大当り図柄としてのチャンス目である「135」の組合せを決定する。
なお、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。また、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、確変大当りを想起させるような停止図柄を確変大当り図柄といい、通常大当りを想起させるような停止図柄を通常大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
そして、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS831)。
また、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS832)。
図50は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図50に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS833)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS834)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS835)。
図51〜図53は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理(ステップS805)を示すフローチャートである。ラウンド中処理において、演出制御用CPU101は、まず、大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1指定コマンド受信フラグまたは大当り終了2指定コマンド受信フラグ)または突確大当り/小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1901)。
大当り終了指定コマンド受信フラグまたは突確大当り/小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り/小当り終了演出処理(ステップS807)に応じた値に更新する(ステップS1911)。
大当り終了指定コマンド受信フラグも突確大当り/小当り終了指定コマンド受信フラグもセットされていないときは、演出制御用CPU101は、現ラウンドが第7ラウンドであればステップS1921に移行する(ステップS1902)。また、第12ラウンドであればステップS1931に移行する(ステップS1903)。第7ラウンドでも第12ラウンドでもない場合には、ステップS1906に移行する。なお、第7ラウンドまたは第12ラウンドであるか否かは、例えば、ステップS637の処理で所定の保存領域に保存された大入賞口開放中指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)によって確認される。
ステップS1906では、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。大入賞口開放後指定コマンド受信フラグがセットされていないときは、処理を終了する。
ステップS1906の処理で大入賞口開放後指定コマンド受信フラグがセットされていることを確認した場合には、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS1907)、昇格演出が実行され昇格演出に関する画像(例えば、操作ボタン150の操作を促す画像や昇格演出における報知ための画像:図41(B),(D),(F)参照)が表示されていた場合には昇格演出に関する画像を演出表示装置9の表示画面から消去する(ステップS1908)。
そして、ラウンド数に応じたインターバル演出(ラウンド間演出)を開始し(ステップS1909)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に応じた値に更新する(ステップS1910)。
ステップS1921では、演出制御用CPU101は、第7ラウンドにおいて昇格演出を実行することを示す第7ラウンド実行フラグがセットされているか否か確認する。第7ラウンド実行フラグがセットされていない場合には、ステップS1906に移行する。第7ラウンド実行フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、満タン中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1922)。セットされている場合には、演出表示装置9の表示画面に特定画像(図43参照)を表示する(ステップS1928)。そして、ステップS1906に移行する。
満タン中フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の表示画面において操作ボタン150の操作を促す画像9dを未だ表示していない場合には、操作ボタン150の操作を促す画像9d(図41(b)参照)を表示する(ステップS1923)。そして、入力ポート107(図4参照)を介して操作ボタン150が操作されたか否か確認する(ステップS1924)。操作ボタン150が操作されたことを確認した場合には、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の表示画面において、操作ボタン150の操作を促す画像9dを消去し、昇格成功画面または昇格失敗画面を演出表示装置9の表示画面に表示する制御を行う(ステップS1925)。なお、第7ラウンド実行フラグがセットされている場合に、ラウンド途中で、満タン中フラグがオン状態からオフ状態に変化したときに昇格演出の実行が可能になるが、ラウンド途中でオフ状態に変化した場合には第7ラウンドでは昇格演出を実行しないようにしてもよい。
昇格成功画面は、図41(D)に例示されたような遊技状態が確変状態であることを報知するための報知画像9fを含む画面である。なお、厳密には、演出制御用CPU101は、昇格成功画面を表示する前に、図41(C)に例示されたような昇格演出のための画像9e(昇格成功を示唆する画像)を表示画面に表示する制御を行う。また、昇格失敗画面は、図41(F)に例示されたような遊技状態が非確変状態であることを示唆するための画像9gを含む画面である。
また、演出制御用CPU101は、大当りの種別が15R通常大当りであった場合には、昇格失敗画面を表示する制御を行う。また、15R確変大当りであった場合には、第12ラウンドにおいて昇格演出を実行することを示す第12ラウンド実行フラグがセットされていないときには、昇格成功画面を表示する制御を行う。15R確変大当りであっても、第12ラウンド実行フラグがセットされている場合には、昇格失敗画面を表示する制御を行う。
そして、第7ラウンド演出実行フラグをリセットし(ステップS1926)、ステップS1906に移行する。なお、演出制御用CPU101は、操作ボタン150が操作されなかった場合には、例えば、第7ラウンドの終了時に第7ラウンド演出実行フラグをリセットする。
ステップS1931では、演出制御用CPU101は、第12ラウンドにおいて昇格演出を実行することを示す第12ラウンド実行フラグがセットされているか否か確認する。第12ラウンド実行フラグがセットされていない場合には、ステップS1906に移行する。第12ラウンド実行フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、演出制御用CPU101は、満タン中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1932)。セットされている場合には、演出表示装置9の表示画面に特定画像(図43参照)を表示する(ステップS1938)。そして、ステップS1906に移行する。
満タン中フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の表示画面において操作ボタン150の操作を促す画像9dを未だ表示していない場合には、操作ボタン150の操作を促す画像9dを表示する(ステップS1933)。そして、入力ポート107(図4参照)を介して操作ボタン150が操作されたか否か確認する(ステップS1934)。操作ボタン150が操作されたことを確認した場合には、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の表示画面において、操作ボタン150の操作を促す画像9dを消去し、昇格成功画面(図41(D)参照)または昇格失敗画面(図41(F)参照)を演出表示装置9の表示画面に表示する制御を行う(ステップS1935)。
なお、演出制御用CPU101は、大当りの種別が15R通常大当りであった場合には、昇格失敗画面を表示する制御を行う。また、15R確変大当りであった場合には、昇格成功画面を表示する制御を行う。
そして、第12ラウンド演出実行フラグをリセットし(ステップS1936)、ステップS1906に移行する。なお、演出制御用CPU101は、操作ボタン150が操作されなかった場合には、例えば、第12ラウンドの終了時に第12ラウンド演出実行フラグをリセットする。
図54は、演出制御プロセス処理におけるラウンド後処理(ステップS806)を示すフローチャートである。ラウンド後処理において、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1951)。大入賞口開放中コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中コマンド受信フラグをリセットし(ステップS1952)、ラウンド数に応じたラウンド中演出を開始し(ステップS1953)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に応じた値に更新する(ステップS1954)。
以上のように、この実施の形態では、満タン中フラグがセットされている場合(図40に示すように、満タンエラー報知情報が表示されている場合)には、昇格演出の実行タイミングが到来しても、昇格演出の実行が規制される。具体的には、演出制御用CPU101は、昇格演出を実行しない。よって、満タンエラーの発生が報知されているときに示唆演出が実行されることによって遊技の興趣が低下してしまうことを防止することができる。なお、この実施の形態では、「昇格演出の実行の規制」は昇格演出を実行しないことによって実現されるが、後述する変形例2のように、正規の実行タイミングとは異なるタイミングにおいて(例えば、満タン中フラグがリセットされたときに)昇格演出を実行したり、あらかじめ決められている演出(図52におけるステップS1925、図53におけるステップS1935参照)とは異なる態様の演出(後述するようなボタン操作を介さない昇格演出)を実行することによって実現されてもよい。また、あらかじめ決められている態様の演出とは異なる昇格演出が実行されるのであれば、いずれの態様で実現してもよい。
変形例1.
上記の実施の形態では、下皿4の満タンが検出されたときに、満タンエラー報知行われたが、下皿4における遊技球の貯留量が複数段階のいずれの段階であるのかを認識可能に報知するようにしてもよい。
図55は、そのような変形例1における枠状態表示コマンドに設定されるEXTデータの変形例を示す説明図である。図55に示す例では、満タンエラーが検出されている場合には、3ビット目(ビット2)および4ビット目(ビット3)の満タンエラービットに「1」「1」が設定される(ビット3,2=1,1)。満タンに極近い場合には、ビット3,2=1,0と設定される。満タンに近い場合には、ビット3,2=0,1と設定される。満タンに近くない場合(満タンでない場合)には、ビット3,2=0,0と設定される。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、例えば、図23に示す払出制御コマンドにおける満タンエラービットが「1」である状態が第1の所定時間に亘って継続すると、枠状態表示コマンドに設定されるEXTデータのビット3,2=0,1とする。また、満タンエラービットが「1」である状態が第1の所定時間(例えば、5秒)を越えて第2の所定時間(例えば、10秒)に亘って継続すると、ビット3,2=1,0とする。さらに、満タンエラービットが「1」である状態が第2の所定時間を越えて第3の所定時間(例えば、15秒)に亘って継続すると、ビット3,2=1,1とする。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、3ビット目(ビット2)および4ビット目(ビット3)の満タンエラービットの値を変更すべき状況になると、変更後の値を設定した枠状態表示コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、あくまでも1ビットの満タンエラービットで情報を演出制御用マイクロコンピュータ100に伝達し、演出制御用マイクロコンピュータ100が、満タンエラービットが「1」である状態の継続時間にもとづいて下皿4の貯留状態を判定するようにしてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、上記の実施の形態の場合と同様に枠状態表示コマンドを送信し(図21参照)、演出制御用マイクロコンピュータ100が、枠状態表示コマンドに設定されるEXTデータのビット2が「1」である状態の継続時間と、上記の第1の所定時間、第2の所定時間および第3の所定時間とを比較して、下皿4における遊技球の貯留状況を判定するようにしてもよい。
また、満タンスイッチ48に加えて、満タンに極近い状況を検知するためのスイッチと満タンに近い状況を検知するためのスイッチとを設け、払出制御用マイクロコンピュータ370が、それらのスイッチの検出信号を用いて、下皿4における遊技球の貯留状況を判定するようにしてもよい。そのように構成する場合には、払出制御コマンド(接続OKコマンドおよび賞球準備中コマンド)において、2ビットの満タンエラービットが使用される。なお、払出制御用マイクロコンピュータ370が下皿4における遊技球の貯留状況を判定するのではなく、払出制御用マイクロコンピュータ370はスイッチの検出信号に対応するデータを設定したコマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信し、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、受信したコマンドにもとづいて遊技球の貯留状況を判定してもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が遊技球の貯留状況を判定するのではなく、演出制御用マイクロコンピュータ100が遊技球の貯留状況を判定するようにしてもよい。
図56は、変形例1におけるコマンド解析処理の一部を示すフローチャートである。変形例1では、受信した演出制御コマンドが枠状態表示コマンドであれば(ステップS671)、演出制御用CPU101は、枠状態表示コマンドの下位4ビットのうちの満タンエラービット(ビット2,3。図55参照)がセットされているか否かを確認する(ステップS672)。いずれかのビットがセットされている場合には(少なくとも一方が「1」)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の表示画面に所定の満タンエラー報知情報を重畳表示する制御を行う(ステップS673A)。
ステップS673Aにおいて、演出制御用CPU101は、例えば、演出表示装置9の表示画面に満タンエラー報知情報としての文字列等を表示させる制御を行うが、変形例1では、図55に示すように、ビット3,2=0,1の場合には、小さい文字で満タンエラー報知情報を表示する。ビット3,2=1,0の場合には、大きい文字で満タンエラー報知情報を表示する。ビット3,2=1,1の場合には、さらに大きい文字で満タンエラー報知情報を表示する。なお、満タンエラー報知情報として音による報知情報を用いる場合には、例えば、ビット3,2=0,1の場合には小さい音量で音出力し、ビット3,2=1,0の場合には大きい音量で音出力し、ビット3,2=1,1の場合にはさらに大きい音量で音出力する。ランプやLEDによる報知情報を用いる場合には、例えば、ビット3,2=0,1の場合には暗い表示を行い、ビット3,2=1,0の場合には明るい表示を行い、ビット3,2=1,1の場合にはさらに明るい表示を行う。
そして、演出制御用CPU101は、満タン中フラグをセットするとともに(ステップS674)、大当り遊技中の第5ラウンド、第6ラウンド、第10ラウンドまたは第11ラウンドである場合には、満タンエラー報知情報を、段階の高い満タン状態に対応する報知情報に変更する(ステップS675)。すなわち、満タン報知態様を1レベル上げる。1レベル上げるということは、例えば、ステップS673Aの処理で、小さい文字で満タンエラー報知情報が表示された場合には、大きい文字での満タンエラー報知情報に変更することを意味し、ステップS673Aの処理で、大きい文字で満タンエラー報知情報が表示された場合には、さらに大きい文字での満タンエラー報知情報に変更することを意味する。なお、ステップS673Aの処理で、さらに大きい文字で満タンエラー報知情報が表示された場合には、満タンエラー報知情報の変更はなされない。
その他の処理は、上記の実施の形態における処理と同じである。
なお、ここでは、遊技球の貯留量が複数段階のいずれの段階であるのかを認識可能に報知する方法として、文字の大きさを違える方法を用いたが、他の方法を用いてもよい。例えば、満タンエラー報知情報の色の違いによって、遊技球の貯留量が複数段階のいずれの段階であるのかを認識可能に報知するようにしてもよい。
また、昇格演出を実行するタイミングと満タン状態を検出したタイミングとの差が大当り遊技中の2ラウンド分の期間の範囲内(所定範囲内)である場合に、段階の高い満タン状態に対応する報知を行うようにしたが、そのような範囲は、所定範囲の一例であって、所定範囲として他の範囲を用いてもよい。
変形例1では、演出制御用CPU101は、満タン状態である場合に、示唆演出としての昇格演出を実行するタイミング(例えば、第7ラウンド開始時や第12ラウンド開始時)と満タン状態を検出したタイミングとの差が所定範囲内(大当り遊技の2ラウンドの期間(第7ラウンド−第5ラウンド、または第12ラウンド−第10ラウンド)内)であるときには、段階の高い満タン状態に対応する報知を行うので、示唆演出の実行が制限される機会を減らすことが可能になる。比較的目立つように満タンエラー報知情報が表示されるので、遊技者が、下皿4から遊技球を取り出す行為を行うことが期待され、その結果、下皿4の満タンが解消されることによって示唆演出を実行できる状況に戻るからである。
変形例2.
上記の実施の形態では、昇格演出の実行タイミングが到来したときに満タン中フラグがセットされている場合には、昇格演出は実行されなかったが、図57に示すように、昇格演出の実行タイミングが到来した後に満タン中フラグがリセットされたときに、昇格演出を実行するようにしてもよい。なお、図57には、第15ラウンドが開始される前に満タン中フラグがリセットされた場合が例示されている。
図58〜図61は、そのような変形例2におけるラウンド中処理(ステップS805)の一部を示すフローチャートである。ステップS1901〜S1903,S1906〜S1911の処理は上記の実施の形態の場合(図51参照)と同じであるが、変形例2では、演出制御用CPU101は、第8〜第11ラウンドのいずれかのラウンドである場合には、ステップS1940,S1941の処理を実行する(ステップS1904)。第13〜第15ラウンドのいずれかのラウンドである場合には、ステップS1945,S1946の処理を実行する(ステップS1905)。
また、第7ラウンドにおいて、第7ラウンド実行フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、満タン中フラグがセットされているときには、第7ラウンド演出実行延期フラグをセットする(ステップS1922,S1929)。また、第7ラウンド演出実行延期フラグがセットされていないことを条件に、ステップS1921の判定処理を実行する(ステップS1920)。
また、第12ラウンドにおいて、第12ラウンド実行フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、満タン中フラグがセットされているときには、第12ラウンド演出実行延期フラグをセットする(ステップS1932,S1939)。また、第12ラウンド演出実行延期フラグがセットされていないことを条件に、ステップS1931の判定処理を実行する(ステップS1930)。
ステップS1940では、演出制御用CPU101は、第7ラウンド演出実行延期フラグがセットされているときには、満タン中フラグがセットされているか否か確認し(ステップS1941)、セットされていない場合にステップS1924に移行する。
ステップS1945では、演出制御用CPU101は、第12ラウンド演出実行延期フラグがセットされているときには、満タン中フラグがセットされているか否か確認し(ステップS1946)、セットされていない場合にステップS1934に移行する。
そして、演出制御用CPU101は、ステップS1925の処理で昇格演出を実行したときに、第7ラウンド演出実行延期フラグをリセットする(ステップS1927)。また、ステップS1935の処理で昇格演出を実行したときに、第12ラウンド演出実行延期フラグをリセットする(ステップS1937)。
その他の処理は、上記の実施の形態における処理と同じである。なお、演出制御用CPU101は、第7ラウンド演出実行延期フラグまたは第12ラウンド演出実行延期フラグがセットされている場合に昇格演出を実行しなかったときには、例えば、大当り/小当り終了処理において、第7ラウンド演出実行延期フラグまたは第12ラウンド演出実行延期フラグをリセットする。
変形例2では、演出制御用CPU101は、示唆演出の実行が規制された場合に、下皿4の満タン状態が解除されたことを条件に示唆演出を実行するので、示唆演出の実行機会が少なくなってしまうことが防止される。
なお、上記の実施の形態では、演出制御用CPU101は、昇格演出の実行タイミングが到来したときに満タン中フラグがセットされている場合には、昇格演出を実行しないようにしたが、満タン中フラグがセットされていない場合に実行される昇格演出の態様(正規のタイミングで実行される態様)と異なる態様で昇格演出を実行するようにしてもよい。
例えば、演出制御用CPU101は、図52に示すステップS1928の処理を実行することに代えて、ステップS1925,S1926の処理を実行し、ステップS1938の処理を実行することに代えて、ステップS1935,S1936の処理を実行する。そのように制御する場合には、ボタン操作を介さないで昇格演出が実行されることになる。すなわち、正規のタイミングで実行される態様と異なる態様で昇格演出が実行される。
また、変形例2において、ステップS1941の処理で満タン中フラグがセットされていないことが確認されたら、ステップS1925〜S1927の処理を実行し、ステップS1946の処理で満タン中フラグがセットされていないことが確認されたら、ステップS1935〜S1937の処理を実行する。そのように制御する場合には、昇格演出の実行が延期された場合に、昇格演出の実行が可能になったときに、正規のタイミングで実行される態様と異なる態様で昇格演出が実行される。
なお、正規のタイミングで実行される態様と異なる態様での昇格演出は、ボタン操作を介さない昇格演出に限られず、ボタン操作は必要とされるが、正規のタイミングで実行される内容と異なる内容の昇格演出(一例として、2つのキャラクタ画像が戦うような演出)を実行するようにしてもよい。その場合には、そのような演出がボタン操作を契機として開始されるようにしてもよい。すなわち、ステップS1941,S1946からステップS1923,S1933に移行し、ステップS1925,S1935の処理において、2つのキャラクタ画像が戦うような演出を実行する。さらに、ステップS1941,S1946からステップS1923,S1933に移行するが、ステップS1925,S1935の処理において通常の昇格演出(図41に例示されたような演出)と同じ演出を実行するようにしてもよい。その場合には、昇格演出の態様は変わらないで、実行タイミングが正規のタイミングと変わることになる。
また、昇格演出の実行開始タイミングにおいて満タン状態が発生していたら、一律に特定の時期(例えば、大当り遊技終了演出の実行時)に、昇格演出を実行するようにしてもよい。その場合にも、特定の時期に実行される演出の態様は、正規の演出態様と同じであってもよいし、異なっていてもよい(例えば、ボタン演出を介さない態様)。
また、上記の実施の形態では、所定の有利価値として大当りを例にしたが、示唆演出の対象になる「所定の有利価値」は、確変状態、保留されている複数の始動入賞記憶内での連続大当り、上述したコンテンツなど、遊技者に冬される何らかの価値であればよい。また、また、上記の実施の形態では、規制される示唆演出は昇格演出であったが、リーチ中の演出や予告演出等、遊技者が有利と感ずる演出であれば、昇格演出以外であってもよい。
なお、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図4に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連(1回の可変表示中に1回以上の図柄の仮停止と再変動とが実行される演出)の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例が示されたが、2つ以上のコマンドで変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドで通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドとして擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチになる前(リーチにならない場合にはいわゆる第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドとしてリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチになったとき以降(リーチにならない場合にはいわゆる第2停止以後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示(可変表示)における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、2つのコマンドのそれぞれで変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100で選択するようにしてもよい。2つのコマンドを送信する場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば、次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はそのような例に限定されず、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ以上のコマンドで変動パターンを通知するようにすることによって、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されず、遊技球を封入して入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。