以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、スロット機やパチロット機(遊技球を用いて遊技が行われるスロット機を意味し、パロット機、スリットスロット機などとも呼ばれる)などの他の遊技機に適用することもできる。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近の左右には、それぞれが識別情報としての飾り図柄を可変表示(変動表示)する複数の可変表示部を含む2つの可変表示装置(可変表示部)9a,9bが設けられている。可変表示装置9a,9bには、それぞれ、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。
可変表示装置9a,9bの上部には、それぞれ、識別情報としての特別図柄を可変表示する可変表示部を含む2つの特別図柄表示器8a,8bが設けられている。特別図柄表示器8a,8bは、それぞれ、例えば、1つの7セグメント表示器によって構成される。なお、可変表示装置9a,9bは、それぞれ、特別図柄表示器8a,8bに対応して設けられている。
可変表示装置9aの下方には、始動入賞口13aが設けられている。始動入賞口13aに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。
また、可変表示装置9bの下方には、始動入賞口13bとしての可変入賞球装置15が設けられている。始動入賞口13bに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14bによって検出される。また、始動入賞口13bの下部には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
上記のように、本例では2つの特別図柄表示器8a,8bに対応して2つの始動入賞口13a,13bが設けられている。本例では、一方の始動入賞口13bの下部にのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15を設ける構成としているが、両方の始動入賞口13a,13bの下部にそれぞれ開閉動作を行う可変入賞球装置を設ける構成としてもよい。また、いずれの始動入賞口13a,13bの下部にも可変入賞球装置を設けない構成としてもよい。また、本例では、2つの始動入賞口13a,13bを設けているが、1つの始動入賞口を設ける構成とし、入賞した遊技球を2つの始動口スイッチ14a,14bのいずれかで検出する構成としてもよい。
また、2つの始動入賞口13a,13bにそれぞれ入賞した遊技球を1つの始動口スイッチで検出する構成としてもよい。さらに、1つの始動入賞口と1つの始動口スイッチを設ける構成としてもよい。これらの場合、第1特別図柄に対応する入賞とするか、第2特別図柄に対応する入賞とするかは、乱数などによる抽選によって決定するようにすればよい。
可変表示装置9a,9bと特別図柄表示器8a,8bとの間には、始動入賞口13a,13bのいずれかに遊技球が入った有効入賞球数すなわち始動記憶数を表示する4つのLEDから成る特別図柄始動記憶表示器18が設けられている。すなわち、始動記憶数のうち入賞順に4個まで表示する。特別図柄始動記憶表示器18は、始動入賞口13a,13bのいずれかに有効始動入賞がある毎に、点灯状態とするLEDの数を1増やす。そして、特別図柄始動記憶表示器18は、可変表示装置9a,9bのいずれかで可変表示が開始される毎に、始動記憶数が3個以下となったときは点灯状態とするLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。この例では、特別図柄始動記憶表示器18は、2色の点灯表示が可能なLEDが用いられ、始動入賞口13a,13bのいずれに入ったことによる始動記憶であるかを点灯色によって識別可能に表示する。例えば、始動入賞口13aへの始動記憶であれば赤色に点灯し、始動入賞口13bへの始動記憶であれば緑色に点灯する。そして、可変表示装置9a,9bのいずれかで可変表示が開始される毎に、点灯状態をシフトする。なお、特別図柄始動記憶表示器は、始動入賞口13a,13bに対応して2つ設けられていてもよい。また、この例では、始動入賞口13a,13bそれぞれへの入賞による始動記憶数に上限数(それぞれ4個まで)を設けているが、上限数を設けなくてもよい。
始動入賞口13aおよび可変入賞球装置15の下部には、それぞれ、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21a,21bによって開状態とされる開閉板20a,20bが設けられている。開閉板20a,20bは、それぞれ、大入賞口(可変入賞球装置)を開閉する手段である。開閉板20aから遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ22aで検出され、開閉板20aからの入賞球はカウントスイッチ23aで検出される。同様に、開閉板20bから遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ22bで検出され、開閉板20bからの入賞球はカウントスイッチ23bで検出される。遊技盤6の背面には、開閉板20a,20bによって開閉されるそれぞれの大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド24a,24bも設けられている。
上記のように、本例では、同一形状の大入賞口が特別図柄表示器8a,8bに対応して2個設けられているが、大入賞口は1個であってもよい。また、異なる形状の大入賞口が2個設けられていてもよい。
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に左側のランプ(○のランプ)が点灯すれば当たりとなり、右側のランプ(×のランプ)が点灯すればはずれとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄:○)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。なお、普通図柄の当り確率は、例えば12/13とされる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32に入った入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への入賞がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技領域7の左右周辺には、遊技状態を遊技者に報知するための遊技状態報知ランプ25が設けられている。すなわち、この例では、遊技状態報知ランプ25を用いて、遊技状態が確変状態であるのか、時短状態であるのか、確変状態でも時短状態でもない通常状態であるのかを遊技者に報知する。
遊技領域7の下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
また、可変表示装置9a,9bの上部に、遊技者を撮影するための2次元CCDやCMOSセンサ等によるカメラ120が設置されている。そして、図1に示すように、打球操作ハンドル5の近傍に、撮像画像による演出を許容するかしないかを選択するための撮像演出選択スイッチ(以下、選択スイッチという。)122、および撮影後に再び撮影を可能にするため等に用いられるリセットスイッチ123が設置されている。なお、カメラ120は、遊技盤6にではなく、遊技枠の側に設置されていてもよい。
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。上記のように、この実施の形態のパチンコ遊技機1には、発光体としてのランプやLEDが各所に設けられている。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニットが、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。
打球が始動入賞口13aに入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8aにおいて特別図柄が可変表示を始めるとともに、可変表示装置9aにおいて飾り図柄が可変表示を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、特別図柄表示器8aでの特別図柄(第1特別図柄)の可変表示の保留記憶である始動入賞記憶数を1増やす。
また、打球が始動入賞口13bに入り始動口スイッチ14bで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8bにおいて特別図柄が可変表示を始めるとともに、可変表示装置9bにおいて飾り図柄が可変表示を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、特別図柄表示器8bでの特別図柄(第2特別図柄)の可変表示の保留記憶である始動入賞記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の可変表示は、それぞれ、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、対応する開閉板20a,20bが、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20a,20bの開放中に打球がV入賞領域に入賞して対応するV入賞スイッチ22a,22bで検出されると、継続権が発生し開閉板20a,20bの開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
なお、継続権の発生を要求することなく、大当り遊技状態に移行したときは、所定回数のラウンドが常に実行される構成としてもよい。このように構成した場合には、V入賞スイッチ22a,22bは不要となる。
特別図柄表示器8a,8bのいずれかにおける停止時の特別図柄が確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)である場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、確変状態(特定有利状態:識別情報の可変表示の表示結果を特定表示結果とする確率を通常状態であるときおよび特別有利状態であるときに比べて向上させた状態)という遊技者にとってさらに有利な状態となる。確変状態では、例えば、次に大当りとなる確率が、確変状態でない通常状態であるときは約2/630(1/315)とされているのに対し、約10/630(1/63:通常状態の5倍程度)に高められる。
本例では、大当りとなったときに、確変大当りである確率(確変突入率)は1/2とされる。また、確変状態は、所定の確変終了条件が成立するまで(例えば例えば次に大当りが発生したときまで)継続する。
なお、大当りとなったときに常に確変大当りとなる構成(すなわち非確変大当りが存在しない構成)としてもよい。また、確変状態は、次に大当りが発生するまで、あるいは、所定回数の特別図柄の可変表示が行われるまで継続するようにしてもよい。さらに、確変状態を終了するか否かの抽選を乱数を用いて行い、その抽選結果に応じて確変状態を終了するようにしてもよい。
また、特別図柄表示器8a,8bのいずれかにおける停止時の特別図柄が時短を伴う大当り図柄(時短図柄)である場合にも、次に大当りとなる確率が高められた状態となる。すなわち、時短状態(特別有利状態:特定遊技状態と異なる通常状態であるときに比べて所定回数の識別情報の可変表示の可変表示期間を短縮する状態)という遊技者にとってさらに有利な状態となる。時短状態では、例えば、時短状態でない通常状態である場合に比べて、単位時間あたりに始動入賞が発生する回数が高められるとともに、特別図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮された状態となる。従って、時短状態では、通常状態と比較して、単位時間あたりに特別図柄の変動表示が実行される回数が高められた状態となり、結果として、単位時間あたりに大当りが発生する確率が高められた状態となる。なお、単位時間あたりに始動入賞が発生する回数を高めるために、時短状態において、例えば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が通常状態に比べて高められるようにしたり、普通図柄表示器10における変動時間が短縮されるようにすればよい。
時短図柄となったことにもとづく大当り遊技状態が終了したあとは、本例では、所定の時短終了条件が成立するまで(例えば所定回数(例えば100回)の特別図柄の可変表示が行われるまで)、時短状態が継続する。
遊技球がゲート32に入賞すると、普通図柄表示器10において普通図柄が可変表示される状態になる。また、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。さらに、確変状態や時短状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図2を参照して説明する。図2は、遊技機を裏面から見た背面図である。
図2に示すように、パチンコ遊技機1の裏面側には、外枠2A内の機構板の上部に球貯留タンク38が設けられ、パチンコ遊技機1が遊技機設置島に設置された状態でその上方から遊技球が球貯留タンク38に供給される。球貯留タンク38内の遊技球は、誘導樋39を通って賞球ケース40Aで覆われる球払出装置97(図2では図示せず)に至る。
また、遊技機裏面側には、可変表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ101(図4参照)等が搭載された演出制御基板80を含む可変表示制御ユニット49、および遊技制御用マイクロコンピュータ60(図3参照)等が搭載された遊技制御基板(主基板)31が設置されている。また、球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37が設置されている。
可変表示装置9の可変表示制御を行う表示制御手段は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ101やVDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109(図4参照)などで実現される。また、遊技機には、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cなどを駆動する回路が搭載されている枠側ランプドライバ基板35と、スピーカ27を駆動する回路が搭載されている音声制御基板70とが設置されている。
さらに、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5Vを作成する電源回路が搭載された電源基板910やその他の基板(図示せず)が設けられている。
なお、電気部品制御基板(払出制御基板および演出制御基板)には、それぞれ、電気部品制御用マイクロコンピュータを含む電気部品制御手段(払出制御手段および演出制御手段)が搭載されている。払出制御手段および演出制御手段は、遊技制御手段からの指令信号(制御信号)に従って遊技機に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、可変表示装置9a,9b等)を制御する。また、枠側に設けられているランプやLEDなどの発光体およびスピーカ27等の電気部品は、演出制御手段からの制御信号に従って、枠側ランプドライバ基板35および音声制御基板70に搭載されている回路部品によって駆動される。さらに、遊技機には、スイッチを搭載した基板やランプやLEDなどの発光体(以下。ランプ・LEDともいう。)が搭載された基板がある。なお、基板とは、電気的に駆動される電気部品、回路部品、コネクタや端子などの接続部品などを搭載した印刷配線板である。
遊技機裏面において、上方には、各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備え、払出制御基板37と接続されたターミナル基板160が設置されている。ターミナル基板160には、少なくとも、球切れ検出スイッチ167の出力を導入して外部出力するための球切れ用端子、払出制御基板37が払出カウントスイッチ(払い出された球を検出するスイッチ)の検出に基づいて出力する賞球情報(賞球個数信号)を外部出力するための賞球用端子および球貸し情報(球貸し個数信号)を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近には、主基板31からの各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えた情報端子盤(情報出力基板)34が設置されている。このターミナル基板160は遊技機外部の管理コンピュータ等と接続され遊技機に関わるデータ収集に用いられる。また、球貸し情報(球貸し個数信号)を外部出力するための球貸し用端子に代えて(あるいは上記球切れ用端子、賞球用端子、球貸し用端子に加えて)、賞球、球貸しの払い出しいずれに関わらず球払出装置97(賞球ケース40A)から払い出された球数を示す信号を外部出力するための払出用端子を設けてもよい。これにより、遊技機外部の管理コンピュータ等の管理装置は、払出用端子から出力される信号により特定される払出個数から、賞球用端子から出力される信号により特定される賞球個数を減算することで球貸し個数を特定することができる。また、逆に賞球用端子に代えて(あるいは上記球切れ用端子、賞球用端子、球貸し用端子に加えて)、払出用端子を設けてもよい。これにより、遊技機外部の管理コンピュータ等の管理装置は、払出用端子から出力される信号により特定される払出個数から、球貸し用端子から出力される信号により特定される球貸し個数を減算することで賞球個数を特定することができる。さらに、賞球用端子、球貸し用端子、払出用端子から出力される信号は払い出された遊技球1個に対して1パルスの信号を送信するものでもよく、所定個数(例10個)に対して1パルスを送信するものでもよい。
球貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導樋39を通り、カーブ樋を経て払出ケース40Aで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上部には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチが設けられている。球切れスイッチが球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチは遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ167も誘導樋39における上流部分(貯留タンク38に近接する部分)に設けられている。球切れ検出スイッチ167が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構から遊技機に対して遊技球の補給が行われる。
図3は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御用マイクロコンピュータ60)53と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a,14b、V入賞スイッチ22a,22b、およびカウントスイッチ23a,23bからの信号を基本回路53に与える入力ドライバ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、開閉板20a,20bを開閉するソレノイド21a,21bおよび大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド24a,24bを基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59とが搭載されている。
なお、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a,14b、V入賞スイッチ22a,22b、カウントスイッチ23a,23b等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。入賞検出を行う始動口スイッチ14a,14b、V入賞スイッチ22a,22b、カウントスイッチ23a,23bの各スイッチは、入賞検出手段でもある。なお、入賞検出手段は、複数の入賞口に別個に入賞したそれぞれの遊技球をまとめて検出するものであってもよい。また、ゲートスイッチ32aのような通過ゲートであっても、賞球の払い出しが行われるものであれば、通過ゲートへ遊技球が進入することが入賞になり、通過ゲートに設けられているスイッチ(例えばゲートスイッチ32a)が入賞検出手段になる。さらに、この実施の形態では、V入賞領域に入賞した遊技球は対応するV入賞スイッチ22a,22bのみで検出されるので、大入賞口に入賞した遊技球数は、V入賞スイッチ22a,22bによる検出数とカウントスイッチ23a,23bによる検出数との和になる。しかし、V入賞領域に入賞した遊技球が、V入賞スイッチ22a,22bで検出されるとともにカウントスイッチ23a,23bでも検出されるようにしてもよい。その場合には、大入賞口に入賞した遊技球数は、カウントスイッチ23a,23bによる検出数に相当する。
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載されている。
基本回路53は、遊技制御用マイクロコンピュータ60と、I/Oポート部57とを含む。遊技制御用マイクロコンピュータ60は、ゲーム制御(遊技制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、およびプログラムに従って制御動作を行うCPU56で実現される。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ60に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよい。このため、ROM54は外付けであってもよい。また、I/Oポート部57が遊技制御用マイクロコンピュータに内蔵されていてもよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ60はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ60が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ60がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御用マイクロコンピュータ60の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ、状態データ等)は、バックアップRAMに保存される。遊技制御用マイクロコンピュータ60の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。
図4は、演出制御基板80、枠側ランプドライバ基板35および音声制御基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図4に示す例では、枠側ランプドライバ基板35および音声制御基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていない。演出制御基板80は、図示しない演出制御用CPUおよびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ101を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、主基板31からのストローブ信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用マイクロコンピュータ101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、LCDを用いた可変表示装置9a,9bの表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、主基板31から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか信号を通過させない(演出制御基板80の内部から主基板31への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ101は、出力ポート104および出力ドライバ110を介して音声制御基板70に対して音番号データを出力する。また、演出制御用マイクロコンピュータ101に入出力するバス(アドレスバス、データバス、および書込/読出信号等の制御信号ラインを含む)はバスドライバ105を介して枠側ランプドライバ基板35まで延長されている。
また、演出制御用マイクロコンピュータ101は、入力ポート111を介して、カメラ120から画像データを入力する。また、選択スイッチ(選択SW)122およびリセットスイッチ(リセットSW)123から、遊技者によって操作がなされたか否かを示す操作信号を入力する。
枠側ランプドライバ基板35において、演出制御用マイクロコンピュータ101から入力するバスは、バスレシーバ351を介して出力ポート352に接続される。出力ポート352から出力される各ランプを駆動する信号は、ランプドライバ354で増幅され天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給される。また、出力ポート352から出力される各LEDを駆動する信号は、LED駆動回路355で増幅され賞球LED51や球切れLED52などの枠側に設けられている各LEDに供給される。
この実施の形態では、枠側に設けられているランプ・LEDは、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ101を含む演出制御手段によって制御される。また、可変表示装置9a,9bおよびランプ・LED等を制御するためのデータがROMに格納されている。演出制御用マイクロコンピュータ101は、ROMに格納されているデータにもとづいて可変表示装置9a,9bおよびランプ・LED等を制御する。そして、枠側ランプドライバ基板35に搭載されている出力ポート352および各ドライバまたは駆動回路を介して、ランプ・LEDが駆動される。
なお、演出制御基板80、枠側ランプドライバ基板35および音声制御基板70は独立した基板であるが、それらは、例えば、遊技機裏面において、1つのボックスに収容された状態で設置される。
音声制御基板70において、演出制御基板80からの音番号データは、入力ドライバ702を介して、例えばデジタルシグナルプロセッサによる音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じたデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。
また、カメラ120は、例えば、遊技者が写っている撮影画像を可変表示装置9における背景画像とするために使用されたり、あらかじめ遊技者を撮影した画像を大当り予告演出として使用するために用いられる。大当り予告演出として使用する場合に、演出制御用マイクロコンピュータ101は、識別情報の可変表示の表示結果が大当り図柄になるときには、可変表示装置9a,9bにおいて、表示結果が導出表示(最終的に停止表示されること)される前に、高い確率(100%でもよい。)で、遊技者を撮影した画像を可変表示装置9a,9bの表示画面における所定位置に表示する。また、識別情報の可変表示の表示結果が大当り図柄にならない場合には、低い確率(確率0でもよい。)で、遊技者を撮影した画像を可変表示装置9a,9bの表示画面における所定位置に表示する。
選択スイッチ122は、例えば、カメラ120によって撮影された画像(例えば遊技者の顔を撮影した画像)を演出に使用するか否かを遊技者が選択するために用いられる。また、リセットスイッチ123は、選択スイッチ122によって選択されている状態をリセットしたり、カメラ120によって撮影された画像をキャンセル(具体的には演出制御手段の記憶部から消去)するため等に用いられる。
なお、カメラ120を大当り予告演出として使用することは一例であって、遊技機における他の演出にカメラ120を使用してもよい。また、選択スイッチ122やリセットスイッチ123が、カメラ120とともに用いられるような使い方も一例であって、例えば、カメラ120が設けられていない場合に、遊技者が、可変表示装置9に表示された演出用の複数のキャラクタ画像から1つのキャラクタ画像を選択するために使用されてもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ101は、遊技者が選択したキャラクタ画像に応じて、可変表示装置9a,9bやランプ・LED等の演出用装置により異なった演出を行う。さらに、遊技機に設けられている演出用装置(例えば可変表示装置9a,9b)による演出の種類を選択するための操作手段であれば、スイッチのようなものではなく他の操作手段(例えばレバーやハンドル)が設けられていてもよく、また赤外線センサなどの非接触型の遠隔操作手段であってもよい。
図5は、特別図柄表示器8a,8bや可変表示装置9a,9bなどの各図柄表示装置の接続状態の例を示す説明図である。図5に示すように、本例では、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ60は、2つの特別図柄表示器8a,8bと、特別図柄始動記憶表示器18と、普通図柄表示器10と、普通図柄始動記憶表示器41と、遊技領域の左右に設けられている2つの遊技状態報知ランプ25の表示制御を行う。なお、遊技状態報知ランプ25の表示制御は、後述する状態データ(図21参照)にもとづいて実行される。また、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ101は、主基板31からの演出制御コマンドにもとづいて、2つの可変表示装置9a,9bを制御して、それぞれの可変表示装置9a,9bにて飾り図柄の表示制御を行う。
本例では、特別図柄表示器8a,8bは、それぞれ、7セグメント表示器によって構成され、セグメント表示を行う。特別図柄の可変表示は、7セグメント表示器にて「0」〜「9」、「−」を順番に変更して表示することによって行われる。特別図柄表示器8a,8bでは、可変表示が終了したときの停止図柄が「0」〜「9」のときは大当りを意味し、「−」のときははずれを意味する。特別図柄表示器8a,8bにて可変表示の表示結果が大当りとなる確率は、例えば2/630(=1/315)で同一確率とされる。なお、特別図柄は複数桁であってもよい。また、特別図柄表示器8a,8bにてそれぞれ別個の特別図柄を表示(例えば特別図柄表示器8aでは数字、特別図柄表示器8bではアルファベットを特別図柄として表示)するようにしてもよい。
また、本例では、特別図柄始動記憶表示器18と、普通図柄始動記憶表示器41とがLEDによって構成されている。また、普通図柄表示器10と遊技状態報知ランプ25とがランプによって構成され、2つの可変表示装置9a,9bがLCDによって構成されている。飾り図柄は、例えば左中右の3図柄によって表示され、左中右それぞれの図柄には例えば「0」〜「9」の10個の数字が用いられる。そして、飾り図柄は、停止図柄が左中右それぞれが同一の図柄である場合には「大当り」を示唆(単に「大当り」ということがある)していることを意味し、それ以外の停止図柄である場合には「はずれ」を示唆(単に「はずれ」ということがある)していることを意味する。なお、可変表示装置9a,9bによる表示演出を、キャラクタなどの識別情報により行うようにしてもよい。例えば、キャラクタにより表示演出を行う場合には、例えば野球選手を登場させてホームランを打った様子を表示することにより、大当りを示唆するようにすることなどが考えられる。
本例では、遊技領域7の左側に設けられている電気部品(始動入賞口13a、特別図柄表示器8a、可変表示装置9a、開閉板20a)と、遊技領域7の右側に設けられている電気部品(始動入賞口13b、特別図柄表示器8b、可変表示装置9b、開閉板20b、普通図柄始動記憶表示器41、普通図柄表示器10、ゲート32)とがそれぞれ対応している。
すなわち、始動入賞口13aに遊技球が入賞すると、特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示中でなければ、特別図柄表示器8aにて第1特別図柄の可変表示が開始されるとともに、可変表示装置9aにて第1飾り図柄(可変表示装置9aで可変表示される飾り図柄)の可変表示が開始される。なお、特別図柄表示器8aにて第1特別図柄の可変表示中であれば、保留記憶の上限数でない場合には特別図柄始動記憶表示器18の点灯数を1増やす。そして、第1特別図柄の可変表示結果が大当り表示結果であれば、大当り遊技状態に移行して開閉板20aが開閉される。
同様に、始動入賞口13bに遊技球が入賞すると、特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示中でなければ、特別図柄表示器8bにて第2特別図柄の可変表示が開始されるとともに、可変表示装置9bにて第2飾り図柄(可変表示装置9bで可変表示される飾り図柄)の可変表示が開始される。なお、特別図柄表示器8bにて第2特別図柄の可変表示中であれば、保留記憶の上限数でない場合には特別図柄始動記憶表示器18の点灯数を1増やす。そして、第2特別図柄の可変表示結果が大当り表示結果であれば、大当り遊技状態に移行して開閉板20bが開閉される。
次に遊技機の動作について説明する。図6は、主基板31における遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ60:CPU56およびROM54,RAM55等の周辺回路)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。なお、割込みモード2は、遊技制御用マイクロコンピュータ60が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(図示せず)の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、通常の初期化処理を実行する(ステップS11〜ステップS14)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにRAM55のバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、遊技制御用マイクロコンピュータ60は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。ステップS9では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理にて同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS10)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否かを確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS11)。また、所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行う(ステップS12)。さらに、サブ基板(この実施の形態では払出制御基板37および演出制御基板80)を初期化するための初期化コマンドを各サブ基板に送信する処理を実行する(ステップS13)。初期化コマンドとして、可変表示装置9a,9bに表示される飾り図柄の初期図柄を示すコマンド(演出制御基板80に対して)や賞球LED51および球切れLED52の消灯を指示するコマンド等がある。
そして、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ60に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS14)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
初期化処理の実行(ステップS11〜S14)が完了すると、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされ(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態とされる(ステップS19)。表示用乱数とは、特別図柄表示器8a,8bに表示される図柄を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り決定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理において、大当り決定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS17やステップS18の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値や初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS17およびステップS18の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、レジスタの退避処理(ステップS20)を行った後、図7に示すステップS21〜S37の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、まず、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a,14b、カウントスイッチ23a,23b等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特別図柄表示器8a,8b、普通図柄表示器10、および普通図柄始動記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。表示制御処理では、ステップS34〜S37にて設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御が実行される。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS23,S24)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1特別図柄プロセス処理を行う(ステップS25)。第1特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS26)。
図8は、各乱数を示す説明図である。各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2:特別図柄のはずれ図柄(例えば左右図柄が異なる図柄)を決定する(特別図柄判定用)
(3)ランダム3:大当りを発生させる特別図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(4)ランダム4:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム5:大当りを発生させない場合にリーチとするか否か(本例では、飾り図柄でリーチ演出を実行するか否か)を決定する(リーチ判定用)
(6)ランダム6:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(7)ランダム7:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(8)ランダム8:ランダム6の初期値を決定する(ランダム6初期値決定用)
(9)ランダム9:確変状態を終了させるか否かを決定する(抽選判定用)。ランダム9は0〜49の範囲の値をとる。遊技制御用マイクロコンピュータ60は、確変状態において、例えば、ランダム9があらかじめ決められている1つの値と一致した場合には、確変状態を終了させる。従って、確変状態は、1/50の確率で終了(確変パンク)する。なお、ランダム9と比較される値が1つ設定されている判定値テーブルと2つ以上設定されている判定値テーブルを用意し、確変状態を終了させるか否かを決定する際に何れの判定値テーブルを用いるか決定し、決定した判定値テーブルに設定されている値とランダム9が一致した場合に確変状態を終了させるようにしてもよい。具体的には、例えばランダム9と比較される値が1つ設定されている判定値テーブルと2つ設定されている判定値テーブルを用意して選択して用いるようにすればよい。この場合、使用される判定値テーブルによって、確変状態は、1/50または1/25の確率で終了(確変パンク)することになる。また、確変図柄によって使用する判定値テーブルを決定し、確変図柄によって確変パンクの確率を異ならせるようにしてもよい。そして、確変パンクの確率の違いによって、可変表示装置9a,9bに表示される背景図柄や背景色、あるいは可変表示装置9a,9bに表示されるキャラクタを異ならせるようにして、確率の状態を遊技者に報知するようにしてもよい。
図7に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、(1)の大当り判定用乱数、(3)の大当り図柄決定用乱数、および(6)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(9)の乱数以外の乱数も用いられている。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第2特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。第2特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、第2特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、飾り図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(飾り図柄コマンド制御処理:ステップS29)。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、入賞口スイッチの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、入賞口スイッチ(賞球払い出しの条件とされている始動口スイッチ14a,14bなどの各スイッチ)の何れかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS32)。さらに、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を行う(ステップS33)。可変入賞球装置15または開閉板20a,20bを開状態または閉状態としたり、大入賞口内の遊技球通路を切り替えたりするために、ソレノイド回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21a,21b,24a,24bを駆動する。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、普通図柄の始動入賞記憶数の記憶状態に応じた普通図柄保留記憶数データを普通図柄保留記憶数データ設定用の出力バッファに設定するとともに、特別図柄の始動入賞記憶数の記憶状態に応じた特別図柄保留記憶数データを特別図柄保留記憶数データ設定用の出力バッファに設定する(記憶処理:ステップS34)。なお、ここで出力バッファに設定された保留記憶数データに応じて、ステップS22にて駆動信号が出力されることで、普通図柄始動記憶表示器41および特別図柄始動記憶表示器18の点灯/消灯制御が実行される。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1特別図柄プロセスフラグの値に応じて第1特別図柄の演出表示を行うための第1特別図柄表示制御データを第1特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定するとともに、第2特別図柄プロセスフラグの値に応じて第2特別図柄の演出表示を行うための第2特別図柄表示制御データを第2特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS35)。なお、ここで出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22にて駆動信号が出力されることで、特別図柄表示器8a,8bでの特別図柄の演出表示が実行される。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS36)。なお、ここで出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22にて駆動信号が出力されることで、普通図柄表示器10での普通図柄の演出表示が実行される。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、確変状態や時短状態などの遊技状態を報知するための遊技状態表示制御データを遊技状態表示制御データ設定用の出力バッファに設定する状態表示灯制御処理を行う(ステップS37)。なお、ここで出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22にて駆動信号が出力されることで、遊技状態を報知するための遊技状態報知ランプ25にて確変状態である旨の表示や時短状態である旨の表示などが実行される。
その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS38)、割込許可状態に設定する(ステップS39)。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
上述したようにこの実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bによって、それぞれ、第1特別図柄の変動表示が実行されるとともに第2特別図柄の変動表示が実行される。そして、特別図柄表示器8a,8bのいずれかで特定表示結果が導出表示されたときに大当り遊技状態に移行する制御が実行される。このような複数の特別図柄表示器8a,8bを備えてそれぞれの特別図柄表示器8a,8bにて特別図柄の変動表示を行う遊技機では同時に大当りが発生する虞がある。ゆえに、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bにて同時に大当り遊技状態が発生しないような制御を行っている。以下、これらの制御について説明する。なお、以下の説明においては特別図柄表示器8aを制御する処理について説明するが、特別図柄表示器8bを制御する処理も同様の制御が実行される。特別図柄表示器8aを制御する処理において特別図柄表示器8bの表示制御状態にもとづく処理(例えば第2大当り実行中フラグの状態にもとづく処理)を行う部分については、特別図柄表示器8bを制御する処理に適用した場合、特別図柄表示器8aの表示制御状態にもとづく処理(例えば第1大当り実行中フラグの状態にもとづく処理)を行うことになる。
図9は、この実施の形態で用いられる特別図柄の停止図柄と、大当り/はずれの何れであるかおよび制御される遊技状態との関係を示す説明図である。図9に示す例では、特別図柄が1または5で停止すると、大当り遊技終了後に、遊技状態(遊技機の制御状態)が確変状態に移行する。また、9で停止すると、大当り遊技終了後に、遊技状態が時短状態に移行する。そして、3または7で停止すると、大当り遊技終了後に、遊技状態が確変状態および時短状態に移行する。ただし、その場合には、確変状態が優先され、確変状態の終了時に時短状態に移行される。
また、特別図柄が0、2、4、6または8で停止すると、大当り遊技は実行されるが、大当り遊技終了後の遊技状態は通常状態となる。さらに、特別図柄が「−」で停止すると、大当り遊技が実行されることなく、遊技状態は維持される。
確変状態では、特別図柄の表示結果(最終停止図柄、単に停止図柄ともいう。)が大当り図柄となる確率が、確変状態でない状態(低確率状態)に比べて高められる。このことを、以下、「確変状態では高確率で当り/はずれが判定される」と表現することがある。この実施の形態では、確変状態では大当り図柄となる確率が5倍に高められているとする。
また、確変状態が終了すると、特別図柄変動時間短縮状態(時短状態)に移行するように制御されることがある。時短状態では、特別図柄の変動時間(可変表示期間)が、時短状態でない場合に比べて短縮される。なお、短縮の態様(各変動パターンについてどの程度短くするのか、どの変動パターンを短くするのか等)は、確変状態(確変時短状態を含む。)における態様と同一でもよい。時短状態は、所定回の特別図柄の変動が終了するまで、または、大当りが発生するまで継続する。この実施の形態では、所定回は、100回とするが、所定回を抽選によって複数種類のうちから選択してもよい。時短状態では、特別図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
なお、有利状態は、確変状態(特定有利状態)と時短状態(特別有利状態)とを含み、有利状態でない遊技状態(遊技機の状態)が通常状態である。また、高確率状態は確変状態であり、低確率状態は、時短状態と通常状態とを含む。
図10は、遊技制御用マイクロコンピュータ60が実行する第1特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図10に示す特別図柄プロセス処理は、図7のフローチャートにおけるステップS25の具体的な処理である。遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1特別図柄プロセス処理を行う際に、変動短縮タイマ減算処理(ステップS310)を行い、遊技盤6に設けられている始動入賞口13aに遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口13aに入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S308のうちのいずれかの処理を行う。変動短縮タイマは、特別図柄の変動時間が短縮される場合に、変動時間を設定するためのタイマである。
第1特別図柄通常処理(ステップS300):第1特別図柄の可変表示を開始できる状態になるのを待つ。第1特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、第1特別図柄についての始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、第1特別図柄の可変表示の結果を大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に移行するように更新する。
第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):第1特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。
変動時間設定処理(ステップS302):ランダム4の値に応じて変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を第1特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した第1特別図柄の変動時間を計測する第1変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。
第1特別図柄変動処理(ステップS303):第1特別図柄の変動表示を開始したあと、第2特別図柄が大当り図柄となったことにもとづく大当り遊技(第2大当り遊技)が開始されたか否か監視する処理を行う。具体的には、後述する第2大当り実行中フラグの状態を監視する。第2大当り遊技が開始された場合には、第1特別図柄の変動時間(ステップS302の第1変動時間タイマで示された時間)の計測を中断し、第2大当り遊技が終了したあと再開する。そして、第1特別図柄の変動時間が経過すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。
第1特別図柄停止処理(ステップS304):演出制御基板80に対して、第1飾り図柄の停止を指示するための第1飾り図柄停止コマンドを送信する。また、特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄を停止させる。そして、第1特別図柄の停止図柄が大当り図柄である場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。なお、第1飾り図柄停止コマンドを送信しない構成としてもよい。この場合、演出制御基板80は、主基板31からの変動パターンコマンドにもとづいて第1変動時間タイマに変動時間を設定するとともに、その第1変動時間タイマを更新していくことで第1飾り図柄の変動時間を独自に監視し、その変動時間が経過したと判定したときに第1飾り図柄を停止する処理を行うようにすればよい。
大入賞口開放前処理(ステップS305):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド21aを駆動して大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、第1大当り中フラグをセットする。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。
大入賞口開放中処理(ステップS306):大入賞口ラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御基板80に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立したら、内部状態をステップS307に移行するように更新する。
特定領域有効時間処理(ステップS307):V入賞スイッチ22aの通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS305に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS308に移行するように更新する。
大当り終了処理(ステップS308):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御手段に行わせるための制御を行う。そして、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
図11は、遊技状態が変化する様子の一例を示す説明図である。図11には、確変時短図柄(例えば「3」または「7」の特別図柄:図9参照)が最終停止表示され、大当り遊技状態が終了したときに確変状態に制御され、確変パンク抽選(確変状態の終了条件が成立したか否かの抽選)により40回の特別図柄の変動が終了したときに確変状態が終了し、時短状態に制御される例が示されている。
なお、図11には、後述する時短回数カウンタの値も示されている。時短回数カウンタは、確変状態に制御されたときから歩進される。図11に示す例では、時短回数カウンタは、1回の可変表示が行われる毎に1減算され、0になったら、時短状態は終了する。
また、図11に示す例では、遊技状態を遊技者が認識可能に報知する処理が実行される。具体的には、遊技状態が通常状態であるか、確変状態であるか、時短状態であるか、確変時短状態であるかを、遊技領域7の左右に設置された遊技状態報知ランプ25を用いて報知する。通常状態報知は、例えば、左右の遊技状態報知ランプ25を消灯した状態とすることによって実行される。また、確変状態報知は、例えば、左右の遊技状態報知ランプ25のうちの一方(例えば左側)のみを点灯した状態とすることによって実行される。また、時短状態報知は、例えば、左右の遊技状態報知ランプ25のうちの他の一方(例えば右側)のみを点灯した状態とすることによって実行される。そして、確変時短状態報知は、例えば、左右の遊技状態報知ランプ25の両方を点灯した状態とすることによって実行される。
なお、本例では、可変表示が5回実行される毎にランダム9にもとづく確変パンク抽選が実行されるものとする。この例では、時短回数カウンタの初期値は100であるが、確変状態に制御されたときから歩進されるので、5回の変動が終了すると時短回数カウンタの値は95になる。その後、5回の変動毎に抽選判定が実行され、抽選判定によって確変状態の終了条件が成立したときに、未だ時短回数カウンタの値が0になっていなければ、確変状態の終了時に時短状態が開始されることになる。
なお、上記のように所定の複数回の可変表示が実行される毎に確変パンク抽選を実行するのでなく、可変表示が実行される毎に確変パンク抽選を行うようにしてもよい。
図12は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。図12において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。
図12に示されている変動パターンは、第1特別図柄の変動パターンおよび第2特別図柄の変動パターンとして共通に用いられる。第1特別図柄の変動パターンであるか第2特別図柄の変動パターンであるかは2バイト構成の演出制御コマンドにおける1バイト目のMODEデータによって区別される。
この例では、特別図柄の各変動パターンは、はずれとするか否か、確変大当りとするか否か、非確変大当りとするか否か、リーチとするか否か、リーチとする場合のリーチ態様、予告演出を行うか否か、予告演出を行う場合の演出態様、短縮変動とするか否かなど、各種の演出態様の違いに応じて複数種類用意されている。なお、本例では、リーチ演出、および予告演出は、飾り図柄の変動表示を行う可変表示装置9a,9bを用いて行う。また、予告演出を行う場合の演出態様を演出制御基板80で決定するようにしてもよい。この場合、さらに、予告演出を行うか否かについても、演出制御基板80で決定するようにしてもよい。
なお、「通常変動」とは、リーチ態様を伴わない変動パターンである。「ノーマルリーチ」とは、リーチ態様を伴う変動パターンである。「リーチA」は、「ノーマルリーチ」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。また、リーチ態様が異なるとは、リーチ変動時間において異なった態様の変動態様(速度や回転方向等)やキャラクタ等が現れることをいう。例えば、「ノーマル」では単に1種類の変動態様によってリーチ態様が実現されるのに対して、「リーチA」では、変動速度や変動方向が異なる複数の変動態様を含むリーチ態様が実現される。
また、「リーチB」は、「ノーマルリーチ」および「リーチA」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。なお、「ノーマルリーチ」、「リーチA」および「リーチB」では、大当りとなる場合と大当りとならない場合とがある。なお、図12では、「ノーマルリーチ」については大当りとならない場合のみ明示されている。
また、「予告1」は、あらかじめ定められた予告演出態様を持つ変動パターンである。なお、簡単のため、予告演出態様を示す変動パターンを1種類例示しているが、実際には複数種類の変動パターンが設定されている。さらに、「短縮変動」は、識別情報の変動時間が極めて短い変動パターンである。「短縮リーチ変動」は、表示結果はリーチ状態となるが、リーチ演出を行わず識別情報の変動時間が極めて短い変動パターンである。なお、変動パターン11は、リーチが成立するまで短縮変動を行い、「リーチA」の演出を行ったあと、大当りとなる変動パターンである。また、変動パターン12は、短縮リーチ変動を行ったあと、時短大当りとなる変動パターンである。
なお、図12には示されていないが、リーチ演出以外にも、再変動演出の有無など、他の特定演出の実行の有無を含む変動パターンが含まれていてもよい。また、図12には、変動パターンの一部が例示されているが、実際には、リーチ態様や表示結果などの様々な組み合わせの変動パターンが用意されている。
図13は、本例で用いられる変動パターンテーブル(HT)の例を示す説明図である。図13には、遊技状態が通常状態であるときに使用される変動パターンテーブル(通常状態用変動パターンテーブル)と、遊技状態が確変状態であるときに使用される変動パターンテーブル(確変状態用変動パターンテーブル)と、遊技状態が時短状態であるときに使用される変動パターンテーブル(時短状態用変動パターンテーブル)とが示されている。なお、遊技状態が確変時短状態であるときには、確変状態用変動パターンテーブルが用いられる。
通常状態用変動パターンテーブルとして、特別図柄の可変表示結果がはずれとなるときに使用される通常状態用はずれ時変動パターンテーブル(TH)と、特別図柄の可変表示結果がはずれとなるがリーチ態様が出現するときに使用される通常状態用リーチ時変動パターンテーブル(TR)と、特別図柄の可変表示結果が大当りとなるときに使用される通常状態用大当り時変動パターンテーブル(TA)の3種類があらかじめ用意されている。
また、確変状態用変動パターンテーブルとして、特別図柄の可変表示結果がはずれとなるときに使用される確変状態用はずれ時変動パターンテーブル(KH)と、特別図柄の可変表示結果がはずれとなるがリーチ態様が出現するときに使用される確変状態用リーチ時変動パターンテーブル(KR)と、特別図柄の可変表示結果が大当りとなるときに使用される確変状態用大当り時変動パターンテーブル(KA)の3種類があらかじめ用意されている。
さらに、時短状態用変動パターンテーブルとして、特別図柄の可変表示結果がはずれとなるときに使用される時短状態用はずれ時変動パターンテーブル(JH)と、特別図柄の可変表示結果がはずれとなるがリーチ態様が出現するときに使用される時短状態用リーチ時変動パターンテーブル(JR)と、特別図柄の可変表示結果が大当りとなるときに使用される時短状態用大当り時変動パターンテーブル(JA)の3種類があらかじめ用意されている。
各変動パターンテーブルでは、それぞれ、図12に示されている変動パターン番号とランダム4の抽出値と比較される比較値とが対応付けされている。図13には、変動パターンの選択確率が示されている。例えば、通常状態用はずれ時変動パターンテーブルでは、変動パターン1に150個全ての比較値が設定されており、変動パターン1が150/150(すなわち100%)の確率で選択される。また、例えば、通常状態用リーチ時変動パターンテーブルでは、変動パターン3に75個の比較値が割り振られており、変動パターン3が75/150の確率で選択される。
なお、図13には明示されていない変動パターンに割り振られた比較値もあるため、図13には一部の比較値の割り振り状態しか表れていないが、実際には、各変動パターンテーブルに割り振られた比較値の合計は150(ランダム4の更新範囲)になる。また、図13に示す比較値の割り振り状態は一例であり、他の状態に割り振るようにしてもよい。
各変動パターンテーブルは、ROM54に格納されているものとする。すなわち、9種類の変動パターンテーブルが設けられ、ROM54に格納されている。なお、時短状態用変動パターンテーブルと、遊技状態が確変時短状態であるときに使用される変動パターンテーブル(確変時短状態用変動パターンテーブル)とを別個に設けるようにしてもよい。
変動パターンを決定する際には、遊技状態に応じた変動パターンテーブルが用いられ、ランダム4の抽出値と同一の値の比較値に対応付けされている変動パターン番号が選択され、選択された変動パターン番号の変動パターンに決定される。なお、通常状態用変動パターンテーブルを用いて決定された変動パターン(通常状態変動パターン)であるか、確変状態用変動パターンテーブルを用いて決定された変動パターン(確変状態変動パターン)であるか、時短状態用変動パターンテーブルを用いて決定された変動パターン(時短状態変動パターン)であるかについては、2バイト構成の演出制御コマンドにおける1バイト目のMODEデータによって区別される。このため、演出制御基板80側では、演出制御コマンドの1バイト目のMODEデータによって、受信した演出制御コマンドが通常状態変動パターンを示す変動パターンコマンドであるか、確変状態変動パターンを示す変動パターンコマンドであるか、時短状態変動パターンを示す変動パターンコマンドであるかが認識可能となり、遊技機の制御状態が移行したことを変動パターンコマンドにより認識することが可能となる。
図14は第1始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ通過処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1始動入賞記憶数が最大値である4に達しているかどうか確認する(ステップS111)。第1始動入賞記憶数が4に達していなければ、第1始動入賞記憶数を1増やし(ステップS112)、大当り判定用乱数等の各乱数の値を抽出し、それらを第1始動入賞記憶数の値に対応した保存領域(第1特別図柄判定用バッファ)に格納する(ステップS113)。なお、乱数を抽出するとは、乱数を生成させるためのカウンタからカウント値を読み出して、読み出したカウント値を乱数値とすることである。ステップS113では、図8に示された乱数のうち、ランダム1〜ランダム5,ランダム9が抽出される。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、変動時間を短縮するか否かの判定を行うための変動時間短縮判定時間を変動短縮タイマにセットする(ステップS119)。なお、上述したように、ここでセットされた変動短縮タイマはステップS310にて減算される。
図15は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(ステップS300)の例を示すフローチャートである。第1特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第2大当り実行中フラグがセットされておらず(ステップS50)、かつ、第1特別図柄の変動を開始することができる状態(例えば第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合)であれば(ステップS51)、第1始動入賞記憶数の値を確認する(ステップS52)。具体的には、第1始動入賞カウンタのカウント値を確認する。
なお、第2大当り実行中フラグは、特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示結果が大当り表示結果となったことにより発生した大当り(第2大当り)にもとづく大当り遊技(第2大当り遊技)が開始するときにセットされ、その第2大当り遊技が終了したときにリセットされるフラグである。
また、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動がなされておらず、かつ、第1特別図柄の可変表示結果が大当り表示結果となったことにより発生した大当り(第1大当り)にもとづく大当り遊技(第1大当り遊技)の実行中でもない場合である。
第1始動入賞記憶数が0でなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1始動入賞記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の第1乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS53)、第1始動入賞記憶数の値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54)。すなわち、第1始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1始動入賞記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1始動入賞記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1始動入賞記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数値が抽出された順番を特定することができる。なお、本例では、第1始動入賞記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値と、第2始動入賞記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値とが抽出された順番についても特定可能に保存される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、遊技状態が確変時短状態である場合には(ステップS55)、時短回数カウンタが0でなければ1減算する(ステップS56)。遊技状態が確変時短状態でない場合には、ステップS57に移行する。なお、遊技状態は、後述する状態データによって判定される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、遊技状態が確変状態または確変時短状態である場合には(ステップS57)、ステップS67,S68の大当り判定を実行する前に、確変終了とするか否かの判定を抽選により行う(ステップS58〜S59)。遊技状態が確変状態でない場合には、ステップS67に移行する。なお、本例では、確変終了とするか否かの判定は、可変表示が所定回数(例えば5回)実行される毎に実行される。すなわち、例えば5回毎に抽選判定を行う場合には、確変状態に移行したあと、確変状態が終了するまで、5回目、10回目、15回目、・・・の可変表示を実行する際に抽選判定(ステップS58〜S59の処理)が実行される。
確変状態である場合には(ステップS57)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、抽選判定用乱数(確変終了判定用乱数:ランダム9)を保存領域から読み出して(ステップS58)、読み出したランダム9の値が、確変終了値と一致するか否か判定し(ステップS59)、一致する場合には、状態データを非確変状態に変更して確変状態(確変時短状態を含む。)を終了させる(ステップS60)とともに、遊技状態報知ランプ25の例えば左側に対する駆動信号を停止し、確変が終了したことを報知するための表示(例えば、確変状態か否かを報知するための遊技状態報知ランプ25(左)を消灯)を行う(ステップS61)。
そして、時短回数カウンタが0でない場合には(ステップS62)、遊技状態が時短状態に移行されることになるため、確変状態が終了したことを示す確変終了指定の演出制御コマンドを演出制御基板80に送信する制御を行う(ステップS63)。
また、時短回数カウンタが0(なお、確変時短状態ではない単なる確変状態であったときにも時短回数カウンタの値は0である)であれば、状態データが時短状態を示していればその状態データを非時短状態に変更し(ステップS64)、第2試験信号作成フラグをセットする(ステップS65)。第2試験信号作成フラグは、第1特別図柄の変動表示が実行されることにより時短状態における可変表示回数が所定の時短回数に到達したことによって遊技機の制御状態が非時短状態に変更したことを遊技機の外部に通知するための第2試験信号の作成を指示するためのフラグである。なお、第2特別図柄プロセス処理における第2特別図柄通常処理(ステップS300の第1特別図柄通常処理に相当する処理)では、第2試験信号作成フラグとは別個の第4試験信号作成フラグがセットされる。第4試験信号作成フラグは、第2特別図柄の変動表示が実行されることにより時短状態における可変表示回数が所定の時短回数に到達したことによって遊技機の制御状態が非時短状態に変更したことを遊技機の外部に通知するための第4試験信号の作成を指示するためのフラグである。
従って、ランダム9の値にもとづいて確変状態が終了したときに、ステップS68の大当り判定において低確率状態にもとづく抽選が実行される。
一方、ステップS58にて読み出したランダム9の値が、確変終了値と一致しない場合には(ステップS59)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、遊技状態報知ランプ25の例えば左側に対する駆動信号の出力状態を維持し、確変が継続していることを報知するための表示(例えば、確変状態が否かを報知するための遊技状態報知ランプ25(左)の点灯状態を維持)を行う(ステップS66)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1乱数格納バッファから大当り判定用乱数を読み出し(ステップS67)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS68)。大当り判定モジュールは、大当り判定用乱数が、あらかじめ決められている大当り判定値と一致したら大当りとすることに決定するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(ステップS69)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、大当りフラグをセットする(ステップS70)。なお、はずれとすることに決定した場合には、リーチ判定モジュールを実行してリーチとするか否かを決定する。「大当りフラグ」は、後述するステップS75などにおいて参照される。
そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止図柄設定処理に対応した値に更新する(ステップS71)。
なお、ステップS68では、制御状態が確変状態であるか否かを加味して、確変時の大当り確率または非確変時の大当り確率で判定を行う。すなわち、状態データが示す制御状態が確変状態であるか否かを確認し、確変状態であれば確変時の大当り確率で判定を行い、非確変状態であれば非確変時の大当り確率で判定を行う。
なお、本例では、確変終了とするか否かの判定を抽選によって行うようにしていたが、確変終了とするか否かの判定を行わないようにしてもよい。すなわち、パンクによって確変状態が終了することのないようにしてもよい。この場合、上述した第1特別図柄通常処理において、ステップS57〜S66を実行しないようにすればよい。
図16は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)の例を示すフローチャートである。第1特別図柄停止図柄設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、大当りの有無の決定結果に応じて、第1特別図柄の停止図柄を決定する。具体的には、ステップS68にて大当りとすることに決定されている場合には(ステップS75のY)、乱数格納バッファに格納されている大当り図柄決定用乱数(ランダム3)の値に従って大当り図柄を決定する(ステップS76)。大当り図柄を決定することによって、通常大当りか、確変大当りか、時短大当りか、確変時短大当りかが決定される。また、ステップS68にてはずれとすることに決定されている場合には(ステップS75のN)、乱数格納バッファに格納されているはずれ図柄決定用乱数(ランダム2)の値に従ってはずれ図柄を決定する(ステップS77)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1特別図柄プロセスフラグの値を変動時間設定処理に対応した値に更新する(ステップS78)。
図17は、第1特別図柄プロセス処理における変動時間設定処理(ステップS302)の例を示すフローチャートである。変動時間設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、ステップS68での大当りの有無やリーチの有無の決定結果と、遊技状態とに応じて変動パターンテーブルを選択する(ステップS81)。具体的には、大当りの有無やリーチの有無の決定結果と、状態データが示す遊技状態とに応じて、図13に示した変動パターンテーブルのいずれを使用する変動パターンテーブルとするのかを決定する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、状態データが時短状態となっているか否か確認し(ステップS94)、時短状態かつ非確変状態であれば、時短回数カウンタの値を−1する(ステップS95)。時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS96)、状態データを時短状態から非時短状態に変更するとともに、第2試験信号作成フラグをセットする(ステップS97)。なお、第2特別図柄プロセス処理における第2特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301の第2特別図柄停止図柄設定処理に相当する処理)では、第2試験信号作成フラグとは別個の第4試験信号作成フラグがセットされる。なお、第2試験信号と第4試験信号とは、同じ信号(例えば同じ試験用出力端子から出力される信号)であってもよい。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、状態データが確変状態、時短状態、または確変時短状態を示している場合には(ステップS82)、今回の可変表示の表示結果が通常大当り(非確変かつ非時短大当り:確変状態や時短状態の終了条件を満たすこととなる大当り)であれば(ステップS83)、状態データを非確変・非時短状態に変更するとともに、第1試験信号作成フラグをセットする(ステップS84)。第1試験信号作成フラグは、第1特別図柄が大当り図柄となることによる通常大当りの発生によって遊技機の制御状態が確変状態や時短状態から非確変状態や非時短状態に変更したことを遊技機の外部に通知するための第1試験信号の作成を指示するためのフラグである。なお、第2特別図柄プロセス処理における第2変動時間設定処理(ステップS302の変動時間設定処理に相当する処理)では、第1試験信号作成フラグとは別個の第3試験信号作成フラグがセットされる。第3試験信号作成フラグは、第2特別図柄が大当り図柄となることによる通常大当りの発生によって遊技機の制御状態が確変状態や時短状態から非確変状態や非時短状態に変更したことを遊技機の外部に通知するための第3試験信号の作成を指示するためのフラグである。なお、第1試験信号と第3試験信号とは、同じ信号(例えば同じ試験用出力端子から出力される信号)であってもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、状態データが確変状態、時短状態、または確変時短状態を示している場合に(ステップS82)、今回の可変表示の表示結果が時短大当り(非確変かつ時短大当り:確変状態であればその終了条件を満たし時短状態に変更することとなり、時短状態であれば制御状態が維持されることとなる大当り)であれば(ステップS98)、状態データを非確変・時短状態に変更するとともに、時短回数カウンタに初期値(例えば「100」)をセットする(ステップS99)。このように、本例では、確変状態であるときに時短大当りが発生した場合には、表示結果が時短大当り図柄となる変動表示が開始される前に、状態データが確変状態から時短状態に変更されるとともに、時短回数カウンタに初期値がセットされる。また、確変時短状態であるときに時短大当りが発生した場合には、表示結果が時短大当り図柄となる変動表示が開始される前に、状態データが確変状態から時短状態に変更されるとともに、時短回数カウンタに初期値がセットされる。また、時短状態であるときに時短大当りが発生した場合には、表示結果が時短大当り図柄となる変動表示が開始される前に、状態データを変更することなく、時短回数カウンタに初期値がセットされる。なお、ここでも、第1特別図柄が時短大当り図柄となることによる時短大当りの発生によって遊技機の制御状態が確変状態から時短状態に変更したことを遊技機の外部に通知するための試験信号の作成を指示するための試験信号作成用フラグをセットしたり、第1特別図柄が時短大当り図柄となることによる時短大当りの発生によって遊技機の制御状態が確変時短状態から時短状態に変更したことを遊技機の外部に通知するための試験信号の作成を指示するための試験信号作成用フラグをセットしたり、第1特別図柄が時短大当り図柄となることによる時短大当りの発生によって遊技機の制御状態が時短状態のまま維持され時短回数カウンタに初期値が新たにセットされた初期状態となったことを遊技機の外部に通知するための試験信号の作成を指示するための試験信号作成用フラグをセットするようにしてもよい。この場合、上述した第1試験信号と同様に、時短大当り図柄となる変動表示の表示結果が導出表示されたときに、試験信号作成用フラグがセットされていれば該当する試験信号を作成する処理を行うようにすればよい。第2特別図柄についての処理においては、上述した第3試験信号と同様に、第1特別図柄にて用いられるフラグとは別個の試験信号作成用フラグをセットし、その試験信号作成用フラグの状態に応じて試験信号を作成する処理を行うようにすればよい。
上記のように、確変状態であるときに時短大当りが発生した場合に、表示結果が時短大当り図柄となる変動表示が開始される前に、状態データを確変状態から時短状態に変更するとともに、時短回数カウンタに初期値をセットする構成としているので、表示結果が時短大当り図柄となる変動表示が開始されたあとは、他方の特別図柄における大当り判定処理(例えば第2特別図柄におけるステップS68に対応する処理)において、確変状態における高確率の大当り判定確率ではなく、時短状態における低確率の大当り判定確率で判定することができるようになるとともに、表示結果が時短大当り図柄となる変動表示が開始されたあとに他方の特別図柄の変動表示が実行されたときに、時短回数カウンタにセットされた時短回数を減算することで時短状態での変動回数にカウントすることができるようになる。
なお、状態データが時短状態(非確変かつ時短状態)を示しているときに今回の可変表示の表示結果が確変大当り(確変かつ非時短大当り)となる場合には、表示結果が確変大当り図柄となる変動表示が開始される前に状態データを時短状態から確変状態に変更するようにしてもよいし、確変大当り図柄となる変動表示の表示結果が導出表示されたあとに状態データを時短状態から確変状態に変更するようにしてもよい。なお、ここでも、第1特別図柄が確変大当り図柄となることによる確変大当りの発生によって遊技機の制御状態が時短状態から確変状態に変更したことを遊技機の外部に通知するための試験信号の作成を指示するための試験信号作成用フラグをセットするようにしてもよい。この場合、上述した第1試験信号と同様に、確変大当り図柄となる変動表示の表示結果が導出表示されたときに、試験信号作成用フラグがセットされていれば該当する試験信号を作成する処理を行うようにすればよい。第2特別図柄についての処理においては、上述した第3試験信号と同様に、第1特別図柄にて用いられるフラグとは別個の試験信号作成用フラグをセットし、その試験信号作成用フラグの状態に応じて試験信号を作成する処理を行うようにすればよい。
また、状態データが時短状態(非確変かつ時短状態)を示しているときに今回の可変表示の表示結果が確変時短大当りとなる場合には、表示結果が確変時短大当り図柄となる変動表示が開始される前に状態データを時短状態から確変時短状態に変更するようにしてもよいし、確変大当り図柄となる変動表示の表示結果が導出表示されたあとに状態データを時短状態から確変時短状態に変更するようにしてもよい。なお、ここでも、第1特別図柄が確変時短大当り図柄となることによる確変時短大当りの発生によって遊技機の制御状態が時短状態から確変時短状態に変更したことを遊技機の外部に通知するための試験信号の作成を指示するための試験信号作成用フラグをセットするようにしてもよい。この場合、上述した第1試験信号と同様に、確変時短大当り図柄となる変動表示の表示結果が導出表示されたときに、試験信号作成用フラグがセットされていれば該当する試験信号を作成する処理を行うようにすればよい。第2特別図柄についての処理においては、上述した第3試験信号と同様に、第1特別図柄にて用いられるフラグとは別個の試験信号作成用フラグをセットし、その試験信号作成用フラグの状態に応じて試験信号を作成する処理を行うようにすればよい。
さらに、状態データが確変状態(確変かつ非時短状態)を示しているときに今回の可変表示の表示結果が確変時短大当りとなる場合には、表示結果が確変時短大当り図柄となる変動表示が開始される前に状態データを確変状態から確変時短状態に変更するようにしてもよいし、確変大当り図柄となる変動表示の表示結果が導出表示されたあとに状態データを確変状態から確変時短状態に変更するようにしてもよい。なお、ここでも、第1特別図柄が確変時短大当り図柄となることによる確変時短大当りの発生によって遊技機の制御状態が確変状態から確変時短状態に変更したことを遊技機の外部に通知するための試験信号の作成を指示するための試験信号作成用フラグをセットするようにしてもよい。この場合、上述した第1試験信号と同様に、確変時短大当り図柄となる変動表示の表示結果が導出表示されたときに、試験信号作成用フラグがセットされていれば該当する試験信号を作成する処理を行うようにすればよい。第2特別図柄についての処理においては、上述した第3試験信号と同様に、第1特別図柄にて用いられるフラグとは別個の試験信号作成用フラグをセットし、その試験信号作成用フラグの状態に応じて試験信号を作成する処理を行うようにすればよい。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、ステップS81にて使用することに決定した変動パターンテーブルと、第1特別図柄判定用バッファに格納されている変動パターン決定用乱数(ランダム4)とにもとづいて、図12に示した変動パターンのいずれとするのかを決定する(ステップS85)。本例では、変動パターンを決定することによって、第1特別図柄の変動時間が決定される。なお、変動時間を決定したあと、決定した変動時間が設定されている変動パターンを複数の変動パターンの中から選択するようにしてもよい。
なお、ステップS85では、ステップS81にて使用することに決定した変動パターンテーブルが大当り時変動パターンテーブルであった場合には、大当りの種類(通常大当り、確変大当り、時短大当り、確変時短大当りのいずれの種類か)に応じて、変動パターンが決定される。
また、本例では、ステップS85では、第2大当り変動フラグがセットされているか否か確認し、セットされていれば、今回の第1特別図柄の変動表示結果が大当りとなる場合を除き、予告演出を行う変動パターンとすることに決定する。そして、あらかじめ用意されている複数種類の予告演出用の変動パターンの中から、使用する変動パターンを選択する(例えば、複数種類の予告演出用の変動パターンが設定された変動パターン決定用テーブルを用いて選択する)。第2大当り変動フラグは、変動表示結果が大当り表示結果となる可変表示が第2特別図柄によって実行されているか否かを示すフラグである。すなわち、第2特別図柄によって変動表示結果が大当り表示結果となる可変表示が実行されているとき(第2大当り変動フラグがセットされているとき)は、第1特別図柄にて予告演出を行うことに決定される。なお、上記のように他方の特別図柄の表示結果を一方の特別図柄に関わる変動表示演出によって予告するものに限らず、一方の特別図柄の表示結果をその一方の特別図柄に関わる変動表示演出にて予告する予告演出も行うようにしてもよい。このようにすれば、一方の特別図柄に関わる変動表示演出にて出現した予告演出が、一方の特別図柄の表示結果を予告するものであるのか、他方の特別図柄の表示結果を予告するものであるのか遊技者に特定されないようにすることができ、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
さらに、本例では、ステップS85にて、予告演出を行うことに決定したときは、その変動パターン(予告演出が実行されたか否かを示す「実行データ」の一例)をRAM55の所定領域(第1予告演出記憶領域)に記憶する。そして、ステップS85にて、第2大当り変動フラグがセットされていれば、前回までの可変表示にて予告演出を行ったか否かを第1予告演出記憶領域の記憶状態にもとづき確認し、予告演出が行われていた場合には、前回までの予告演出に関連する予告演出(例えば、複数回の可変表示演出に亘って、段階的に派手な演出を行うようにしたり、出現キャラクタが進化する演出を行うようにすることが考えられる)を行うことに決定する。この場合、例えば、第1予告演出記憶領域に実行済みの予告演出についての変動パターンが記憶されているか否かや、記憶されている変動パターンの内容に応じて、異なる変動パターン決定用テーブルを用いることとし、前回までの予告演出に関連する予告演出を行う変動パターンが選択されるようにすればよい。このように、複数種類の予告演出が設定された複数の変動パターン決定用テーブルから実行データの内容に応じていずれかの変動パターン決定用テーブルを選択し、選択した変動パターン決定用テーブルを用いて予告演出を決定するようにすれば、複数回の可変表示演出に亘って関連性を持たせた予告演出を行うことが可能となる。
なお、ステップS85にて、第2大当り変動フラグがセットされていた場合に、前回までの予告演出に関連する予告演出として、前回実行された予告演出と同一の予告演出を行うことに決定するようにしてもよい。このように構成する場合、ステップS85にて、第2大当り変動フラグがセットされていなかった場合に、前回実行された予告演出と異なる予告演出を行うことに決定するようにしてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、ステップS85にて、今回の第1特別図柄の変動表示結果が大当りとなるときは、第1予告演出記憶領域に予告演出を伴う変動パターン(すなわち、前回までの可変表示にて実行されていた予告演出の種類)が記憶されていれば、その記憶情報を消去する。すなわち、実行データを初期化する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、変動表示結果が大当り表示結果となる第2特別図柄の変動表示を終了し、第2特別図柄にて大当り表示結果を導出表示したときにも、第1予告演出記憶領域に予告演出を伴う変動パターンが記憶されていれば、その記憶情報を消去する。
変動パターンを決定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、決定した変動パターン指定のコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS86)、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行する(ステップS87)。
コマンドセット処理を実行することによって演出制御コマンドが演出制御基板80に送信される。この実施の形態では、演出制御手段に送信されうる各演出制御コマンドはROM54のコマンド送信テーブルに格納されている。また、コマンドセット処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、ポインタが示すROM54のアドレスに格納されている演出制御コマンドデータを、演出制御コマンドデータを出力するための出力ポートに設定するとともに、コマンドを送信することを示す演出制御INT信号を出力する。
また、ステップS85にて第1特別図柄の変動時間を決定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、決定した変動時間を示す変動時間データを第1特別図柄プロセスタイマに設定して変動時間の計測を開始するとともに(ステップS89)、後述する計測実行フラグをセットし、特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示を開始する(ステップS90)。さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、開始した第1特別図柄の可変表示結果が大当り表示結果となる場合には(ステップS91)、第1大当り変動フラグをセットする(ステップS92)。第1大当り変動フラグは、変動表示結果が大当り表示結果となる可変表示が第1特別図柄によって実行されているか否かを示すフラグである。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄変動処理に対応した値に更新する(ステップS93)。
図18は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動処理(ステップS303)の例を示すフローチャートである。第1特別図柄変動処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1特別図柄プロセスタイマを用いた第1特別図柄の変動時間の計測が実行されているか確認する(ステップS121)。この確認は、第1特別図柄の変動時間の計測が実行されているか否かを示す計測実行フラグがセットされているか否かによって行われる。
第1特別図柄の変動時間の計測が実行されている場合には(中断されていない場合には)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第2大当り実行中フラグがセットされていれば、計測実行フラグをリセットして変動時間の計測を中断する(ステップS124,S125)。すなわち、計測実行フラグをリセット状態とし、後述するステップS35cが実行されないようにする。
一方、第1特別図柄の変動時間の計測が実行されていない場合には(中断されている場合には)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第2大当り実行中フラグがリセットされていれば、計測実行フラグをセットして変動時間の計測を再開する(ステップS122,S123)。すなわち、計測実行フラグをセット状態とし、後述するステップS35cが実行されるようにする。
後述するステップS35cの実行によって第1特別図柄の変動時間が進行し、第1特別図柄プロセスタイマに設定された変動時間データが示す変動時間が経過したと判定(変動時間が終了したと判定)すると(ステップS126のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理に対応した値に更新する(ステップS127)。
図19は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止処理(ステップS304)の例を示すフローチャートである。第1特別図柄停止処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1飾り図柄停止を示す演出制御コマンドを送信する処理を行う(ステップS131)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、決定されている停止図柄で第1特別図柄を停止表示する(ステップS132)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、停止図柄が大当り図柄であるか否か確認する(ステップS133)。大当り図柄であれば、第1大当り変動フラグをリセットする(ステップS134)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1試験信号作成フラグがセットされていれば(ステップS142)、遊技機外部に出力する第1試験信号を作成する処理を行い(ステップS143)、第1試験信号作成フラグをリセットする。なお、ステップS143では、遊技機の制御状態が通常状態に変更したことを外部に通知するための第1試験信号が作成され、所定の出力ポートにセットされる。ステップS143にてセットされた試験信号は、ステップS32にて試験端子から出力される。そして、ステップS141に移行する。
なお、第2特別図柄プロセス処理における第2特別図柄停止処理(ステップS304の第1特別図柄停止処理に相当する処理)では、ステップS142,S143に相当する処理にて、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第3試験信号作成フラグがセットされていれば、遊技機外部に出力する第3試験信号を作成する処理を行い、第3試験信号作成フラグをリセットする。
停止図柄が大当り図柄でなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第2試験信号作成フラグがセットされていれば(ステップS137)、遊技機外部に出力する第2試験信号を作成する処理を行い(ステップS138)、第2試験信号作成フラグをリセットする。なお、ステップS137では、遊技機の制御状態が時短状態から通常状態に変更したことを外部に通知するための第2試験信号が作成され、所定の出力ポートにセットされる。ステップS137にてセットされた試験信号は、ステップS32にて試験端子から出力される。
なお、第2特別図柄プロセス処理における第2特別図柄停止処理(ステップS304の第1特別図柄停止処理に相当する処理)では、ステップS137,S138に相当する処理にて、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第4試験信号作成フラグがセットされていれば、遊技機外部に出力する第4試験信号を作成する処理を行い、第4試験信号作成フラグをリセットする。
ステップS141では、第1特別図柄の変動の停止図柄が大当り図柄であった場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
図20は、大当り遊技が終了したときに実行される大当り終了処理(ステップS308)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、大当り遊技の起因となった特別図柄の停止図柄(大当り図柄である)が確変時短図柄であったか否か確認する(ステップS151)。確変時短図柄であった場合には、状態データを確変時短状態に変更するとともに(ステップS152)、時短回数カウンタに所定値をセットする(ステップS153)。なお、この実施の形態では、時短回数カウンタには100が設定される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、確変時短状態となったことを遊技者に報知するために、遊技状態報知ランプ25の左右双方に駆動信号を出力し、左右の遊技状態報知ランプ25を点灯状態とする(ステップS154)。さらに、演出制御基板80に、大当り遊技状態の終了と、特別遊技状態(確変状態または時短状態)への移行とを通知するために、特定大当り終了表示指定の演出制御コマンドを送信する処理を行う(ステップS155)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を、第1特別図柄通常処理(ステップS300)に応じた値にする(ステップS156)。
第1特別図柄の停止図柄が確変時短図柄でなかった場合には、第1特別図柄の停止図柄が確変図柄であったか否か確認する(ステップS157)。確変図柄であった場合には、状態データを確変状態に変更する(ステップS158)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、確変状態となったことを遊技者に報知するために、遊技状態報知ランプ25の左側に駆動信号を出力し、左側の遊技状態報知ランプ25を点灯状態とする(ステップS159)。そして、ステップS155に移行する。
第1特別図柄の停止図柄が確変図柄でなかった場合には、第1特別図柄の停止図柄が時短図柄であったか否か確認する(ステップS160)。時短図柄であった場合には、状態データを時短状態に変更し(ステップS161)、さらに、時短回数カウンタに所定値をセットする(ステップ162)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、時短状態となったことを遊技者に報知するために、遊技状態報知ランプ25の右側に駆動信号を出力し、右側の遊技状態報知ランプ25を点灯状態とする(ステップS163)。そして、ステップS155に移行する。
第1特別図柄の停止図柄が時短図柄でもなかった場合には、大当り遊技状態の終了を通知するために、非特定大当り終了表示指定の演出制御コマンドを送信する処理を行う(ステップS164)。そして、ステップS156に移行する。
なお、この実施の形態では、ステップS153,S162にて時短回数カウンタに100がセットされるようにしているが、時短回数は他の回数(例えば50回、120回など)とされていてもよい。また、複数種類の回数(例えば、20回、50回、100回)から時短回数が選択される構成とされていてもよく、その場合には、抽選によって選択された回数がステップS153,S162にて時短回数カウンタに設定される。ここでの抽選による選択は、例えば、時短回数決定用の乱数を抽出し、その抽出値と回数とが対応付けされた時短回数決定用テーブルを用いて、乱数の抽出値に対応付けされている回数を選択する処理を実行することによって行われるようにすればよい。
図21は、状態データの例を示す説明図である。図21に示すように、状態データは、2ビットで構成され、ビット0が確変状態であるか否かを示す確変フラグとして用いられ、ビット1が時短状態であるか否かを示す時短フラグとして用いられる。この例では、ビット0(確変フラグ)が「0」であるときは非確変状態であることを意味し、「1」であるときは確変状態であることを意味する。また、ビット1(時短フラグ)が「0」であるときは非時短状態であることを意味し、「1」であるときは時短状態であることを意味する。すなわち、状態データにおけるビット0とビット1とがともに「1」であるときは、確変時短状態であることを意味する。よって、本例では、「状態データが示す遊技状態を変更する」とは、状態データを構成する各ビットの値を変更することを意味する。
図22は、普通図柄プロセス処理(ステップS28)を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aがオン状態となったことを検出すると(ステップS101)、ゲートスイッチ通過処理(ステップS102)を実行する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、普通図柄プロセスフラグの値に応じてステップS103〜S107に示された処理のうちのいずれかの処理を実行する。
ゲートスイッチ通過処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ60によって、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認し、最大値に達していなければ、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1し、当り判定用乱数の値を抽出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する処理が実行される。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄始動記憶表示器41のLEDが点灯される。
普通図柄変動待ち処理(ステップS103): 普通図柄の変動を開始することができる状態(例えば普通図柄プロセスフラグの値がステップS103を示す値となっている場合)となったか否かを監視する。普通図柄プロセスフラグの値がステップS103を示す値となっている場合とは、普通図柄表示器10において普通図柄の変動がなされておらず、かつ、大当り遊技中でもない場合である。そして、普通図柄の変動を開始することができる状態となった場合に、ゲート通過記憶数が0でなければ、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄判定処理(ステップS104)を示す値に変更する。
普通図柄判定処理(ステップS104):ゲート通過記憶数=1に対応する保存領域に格納されている当り判定用乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに、ゲート通過記憶数の値を1減らし(ゲート通過記憶カウンタのカウント値を1減らし)、かつ、各保存領域の内容をシフトする。次いで、乱数格納バッファから当り判定用乱数を読み出し、当りとするかはずれとするかを決定する。
具体的には、当り判定用乱数の値が当り判定値と一致するか否かが判定され、一致する当り判定値があれば当りと決定される。当り判定値は、例えば、特別遊技状態(確変状態、時短状態、確変時短状態)のときには3〜12のいずれかとして高確率で当りとなる状態とされ、特別遊技状態でないときには3,5または7として比較的低確率で当りとなる状態とされる。なお、可変入賞球装置15の開放時間や開放回数が高められた特別遊技状態だけでなく、確変状態などの他の特別遊技状態のときに高確率で当りとなる状態とするようにしてもよい。
また、当り/はずれを決定したあと、普通図柄変動時間タイマに普通図柄の変動時間をセットする。例えば、高確率時には5.1秒をセットし、低確率時には29.2秒をセットする。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、普通図柄の演出を開始する。さらに、内部状態(普通図柄プロセスフラグ)を更新してステップS105(普通図柄変動処理)に移行させる。
普通図柄変動処理(ステップS105):普通図柄変動時間タイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄プロセスフラグを普通図柄停止処理を示す値に更新する。
普通図柄停止処理(ステップS106):決定されている当り/はずれの表示結果に応じた領域を点灯状態として普通図柄の変動を停止し、普通図柄の演出を終了する。そして、当り図柄で停止表示したときには、普通図柄プロセスフラグを始動入賞口開閉処理を示す値に更新する。また、はずれ図柄で停止表示したときには、普通図柄プロセスフラグを普通図柄変動待ち処理を示す値に更新する。
始動入賞口開閉処理(ステップS107):遊技制御用マイクロコンピュータ60は、可変入賞球装置15を所定期間開放する開放制御を行う。この例では、開放延長状態でなければ、可変入賞球装置15が1回だけ0.2秒間開放するように制御を行う。一方、開放延長状態であれば、可変入賞球装置15が1回だけ2秒間開放するように制御を行う。なお、開放延長状態であるときに、可変入賞球装置15が2秒間開放したあと3秒の閉成期間をおいて再度2秒間開放するように制御を行うようにしてもよい。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、普通図柄プロセスフラグを普通図柄変動待ち処理を示す値に更新する。
図23は、表示制御処理(ステップS22)を示すフローチャートである。表示制御処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、先ず、特別図柄表示器8a,8b、普通図柄表示器10、および普通図柄始動記憶表示器41に対する駆動信号を停止する(ステップS22a)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファ(第1特別図柄用出力バッファ)に設定された表示制御データに応じて、特別図柄表示器8aに対して駆動信号を出力する(ステップS22b)。
具体的には、表示制御データとして停止図柄指定値が設定されていれば、その内容に応じて、特別図柄表示器8aに、今回の可変表示の停止図柄あるいは前回の可変表示の停止図柄を表示するための駆動信号を出力する。また、表示制御データとして変動状態指定値が設定されていれば、特別図柄表示器8aの表示状態を点滅状態とするための駆動信号を出力する。また、表示制御データとして開放回数表示指定値がセットされていれば、特別図柄表示器8aに、大当り中における大入賞口の開放回数を表示するための駆動信号を出力する。さらに、表示制御データとして消灯指定値がセットされていれば、特別図柄表示器8aに、大当り中における大入賞口の開放回数の表示を消灯するための駆動信号を出力する。
また、表示制御データとして中断状態指定値が設定されていれば、特別図柄表示器8aに、図柄変動の進行の中断中に任意のはずれ図柄(具体的には「−」)を表示した状態とするための駆動信号を出力する。はずれ図柄が複数種類設けられている場合には、表示するはずれ図柄は、例えば、あらかじめ定められた所定のはずれ図柄であってもよく、乱数抽選などによって決定したはずれ図柄であってもよい。なお、表示制御データとして中断状態指定値が設定されている場合に、特別図柄表示器8aに、図柄変動の進行の中断中に、特別図柄表示器8aの表示状態を変動表示状態としておくための駆動信号を出力するようにしてもよい。すなわち、第1特別図柄プロセスタイマの減算処理(ステップS35c)を中断した状態(変動時間の計測の進行を中断した状態)で、図柄変動の進行中と同じ表示状態としておくための駆動信号を出力するようにしてもよい。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、ステップS22bと同様にして、第2特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファ(第2特別図柄用出力バッファ)に設定された表示制御データに応じて、特別図柄表示器8bに対して駆動信号を出力する(ステップS22c)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファ(普通図柄用出力バッファ)に設定された表示制御データに応じて、普通図柄表示器10に対して駆動信号を出力する(ステップS22d)。
具体的には、表示制御データとして停止図柄指定値が設定されていれば、その内容に応じて、普通図柄表示器10に、今回の可変表示の停止図柄あるいは前回の可変表示の停止図柄を表示するための駆動信号を出力する。また、表示制御データとして変動状態指定値が設定されていれば、普通図柄表示器10の表示状態を左右のランプを交互に点灯させるための駆動信号を出力する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特別図柄保留記憶数データ設定用の出力バッファ(特別図柄用始動入賞記憶数バッファ)に設定された特別図柄保留記憶数データに応じて、特別図柄始動記憶表示器18に対して、現在の特別図柄の保留記憶数を表示させるための駆動信号を出力する(ステップS22e)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、普通図柄保留記憶数データ設定用の出力バッファ(普通図柄用始動入賞記憶数バッファ)に設定された普通図柄保留記憶数データに応じて、普通図柄始動記憶表示器41に対して、現在の普通図柄の保留記憶数を表示させるための駆動信号を出力する(ステップS22f)。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、他のデータ設定用の出力バッファ(例えば遊技状態表示制御データ設定用の出力バッファなど)の他の出力バッファの設定内容に応じて、駆動信号を出力する(ステップS22g)。ステップS22gでは、例えば、確変状態や時短状態などの遊技状態を表示する表示装置(例えば遊技状態報知ランプ25)に対して、遊技状態を表示させるための駆動信号を出力する処理などが実行される。
図24は、記憶処理(ステップS34)を示すフローチャートである。記憶処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、先ず、現在の普通図柄の保留記憶数に応じた普通図柄保留記憶数データを普通図柄用始動入賞記憶数バッファに設定する(ステップS34a)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、現在の特別図柄の保留記憶数に応じた特別図柄保留記憶数データを特別図柄用始動入賞記憶数バッファに設定する(ステップS34b)。
図25は、第1特別図柄表示制御処理(ステップS35の特別図柄表示制御処理のうち第1特別図柄に関する処理)を示すフローチャートである。なお、ステップS35の特別図柄表示制御処理には、第1特別図柄表示制御処理と同様に処理される第2特別図柄表示制御処理も含まれるが、ここではその説明は省略する。第1特別図柄表示制御処理では、第1特別図柄プロセスフラグが示す値に応じて、特別図柄表示器8aに表示すべき第1特別図柄の表示内容を特定する指定値を、第1特別図柄用出力バッファにセットする処理が実行される。ここで第1特別図柄用出力バッファにセットされた指定値に応じて、上述したステップS22bにて駆動信号が出力される。
第1特別図柄表示制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、先ず、第1特別図柄プロセスフラグを読み出す(ステップS35a)。次いで、読み出した第1特別図柄プロセスフラグがステップS303(第1特別図柄変動処理)を示す値であれば(ステップS35bのY)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特別図柄の変動表示の進行が中断されているか否か確認する(ステップS35n)。具体的には、中断フラグがセットされているか否かを確認することで、第1特別図柄の変動表示における変動時間の進行が中断されているか否か確認する。
第1特別図柄の変動表示の進行の中断中であれば、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、中断状態指定値を選択し(ステップS35r)、選択した中断状態指定値を第1特別図柄用出力バッファにセットする(ステップS35s)。そして、第1特別図柄プロセスタイマを減算することなく、処理を終了する。
第1特別図柄の変動表示の進行の中断中でなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1特別図柄プロセスタイマを1減算し(ステップS35c)、変動状態指定値を選択し(ステップS35d)、選択した変動状態指定値を特別図柄用出力バッファにセットする(ステップS35e)。なお、変動状態指定値は、第1特別図柄の変動期間に応じて選択され、本例では、ステップS35dにて変動表示における変動状態にて表示される図柄を示す指定値が選択される。
ステップS35aにて読み出した第1特別図柄プロセスフラグが、ステップS300(第1特別図柄通常処理)、ステップS301(第1特別図柄停止図柄設定処理)、ステップS302(変動時間設定処理)、ステップS304(第1特別図柄停止処理)のいずれかを示す値であれば(ステップS35f)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、停止図柄指定値を選択し(ステップS35g)、選択した停止図柄指定値を特別図柄用出力バッファにセットする(ステップS35h)。
なお、本例では、ステップS35fにて第1特別図柄プロセスフラグの示す値が所定の値であれば、ステップS35gに移行し、図柄が停止しているときでもステップS35hにて停止図柄指定値を毎回セットするようにしているが、第1特別図柄プロセスフラグの示す値を記憶しておき、ステップS35fにて第1特別図柄プロセスフラグが更新されたか否かを判定し、第1特別図柄プロセスフラグが更新されていたときにのみ処理をステップS35gに移行させるようにしてもよい。ただし、本例のように、ステップS35hにて停止図柄指定値を毎回セットする構成とした方が、第1特別図柄プロセスフラグの示す値を記憶する処理や、第1特別図柄プロセスフラグが更新されたか否かを判定する処理が不要となるため、遊技制御用マイクロコンピュータ60の負荷を軽減することができる。
なお、停止図柄指定値は、第1特別図柄プロセスフラグの状態に応じて選択される。具体的には、第1特別図柄プロセスフラグがステップS300〜ステップS302のいずれかを示す値であれば、ステップS35gにて、前回の変動表示の表示結果であった停止図柄を示す停止図柄指定値が選択される。一方、第1特別図柄プロセスフラグがステップS304を示す値であれば、ステップS35gにて、今回の変動表示の表示結果である停止図柄を示す停止図柄指定値が選択される。なお、第1特別図柄プロセスフラグがステップS302を示す値である場合に、前回の変動表示の表示結果であった停止図柄を示す停止図柄指定値として大当り図柄を示す停止図柄指定値が選択された場合には、はずれ図柄を示す停止図柄指定値に差し替えるようにしてもよい。
ステップS35aにて読み出した第1特別図柄プロセスフラグが、ステップS300〜ステップS304のいずれかを示す値でもなければ(ステップS35fのN)、すなわち大当り遊技状態であるときには、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、大入賞口開放回数表示待ちタイマが0であるか否か確認する処理を行う(ステップS35i)。
大入賞口開放回数表示待ちタイマは、例えば、ステップS306からステップS307に移行するときにセットされ、次回のラウンドが開始するときにタイムアウトするような時間がセットされるタイマである。
大入賞口開放回数表示待ちタイマが0でなければ(ステップS35iのN)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、大入賞口開放回数表示待ちタイマを1減算し(ステップS35j)、消灯指定値を特別図柄用出力バッファにセットする(ステップS35k)。消灯指定値は、大入賞口開放回数の表示の終了を指示するための指定値である。
大入賞口開放回数表示待ちタイマが0であれば(ステップS35iのY)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、開放回数表示指定値を選択し(ステップS35l)、選択した開放回数表示指定値を特別図柄用出力バッファにセットする(ステップS35m)。
なお、開放回数表示指定値は、大当り遊技状態におけるラウンド数に応じて選択される。具体的には、これから移行するラウンドのラウンド数を示す開放回数表示指定値が選択される。
図26は、普通図柄表示制御処理(ステップS36)を示すフローチャートである。普通図柄表示制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、先ず、普通図柄プロセスフラグを読み出す(ステップS36a)。次いで、読み出した、普通図柄プロセスフラグがステップS105(普通図柄変動処理)を示す値であれば(ステップS36bのY)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、普通図柄変動時間タイマを1減算し(ステップS36c)、変動状態指定値を選択し(ステップS36d)、選択した変動状態指定値を普通図柄用出力バッファにセットする(ステップS36e)。なお、変動状態指定値は、特別図柄の変動期間に応じて選択され、本例では、ステップS36dにて左右の発光体が交互に点灯する変動表示におけるいずれかの時点での表示状態を示す変動状態指定値が選択される。
ステップS36aにて読み出した普通図柄プロセスフラグが、ステップS105(普通図柄変動処理)以外の処理を示す値であれば(ステップS36bのN)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、停止図柄指定値を選択し(ステップS36f)、選択した変動状態指定値を普通図柄用出力バッファにセットする(ステップS36g)。
停止図柄指定値は、普通図柄プロセスフラグの状態に応じて選択される。具体的には、普通図柄プロセスフラグがステップS103〜ステップS104のいずれかを示す値であれば、ステップS36fにて、前回の変動表示の表示結果であった停止図柄を示す停止図柄指定値が選択される。一方、普通図柄プロセスフラグがステップS106〜ステップS107のいずれかを示す値であれば、ステップS36fにて、今回の変動表示の表示結果である停止図柄を示す停止図柄指定値が選択される。
なお、本例では、上記のように、特別図柄プロセス処理(ステップS25,27)と特別図柄表示制御処理(ステップS35)とを別個に設けているが、双方をまとめて処理するようにしてもよい。また、特別図柄プロセス処理(ステップS25,27)と特別図柄表示制御処理(ステップS35)とで実行される各種の処理について、特別図柄プロセス処理では特別図柄プロセスフラグを更新する処理のみを行い、他の処理は全て特別図柄表示制御処理で行うようにしてもよい。
また、本例では、上記のように、普通図柄プロセス処理(ステップS28)と普通図柄表示制御処理(ステップS36)とを別個に設けているが、双方をまとめて処理するようにしてもよい。また、普通図柄プロセス処理(ステップS28)と普通図柄表示制御処理(ステップS36)とで実行される各種の処理について、普通図柄プロセス処理では普通図柄プロセスフラグを更新する処理のみを行い、他の処理は全て普通図柄表示制御処理で行うようにしてもよい。
次に、遊技制御手段から演出制御手段に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図27は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図27に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号D0〜D7の8本の信号線で主基板31から演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、ストローブ信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。なお、図27には、演出制御コマンドの例が示されているが、他の電気部品制御基板(この実施の形態では払出制御基板37)への制御コマンドも、8本の信号線と1本のINT信号の信号線によって送信される。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図28に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ101は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ101から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる取込信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ101が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図28に示された極性と逆極性であってもよい。
図29は、演出制御基板80に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図29に示す例において、コマンド8000(H)〜8058(H)は、遊技状態が通常状態であるときに選択される変動パターンコマンドであって、第1特別図柄に対応して可変表示装置9aにて可変表示される第1飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンドである。コマンド8100(H)〜8158(H)は、遊技状態が通常状態であるときに選択される変動パターンコマンドであって、第2特別図柄に対応して可変表示装置9bにて可変表示される第2飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンドである。
コマンド8200(H)〜8258(H)は、遊技状態が確変状態であるときに選択される変動パターンコマンドであって、第1特別図柄に対応して可変表示装置9aにて可変表示される第1飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンドである。コマンド8300(H)〜8358(H)は、遊技状態が確変状態であるときに選択される変動パターンコマンドであって、第2特別図柄に対応して可変表示装置9bにて可変表示される第2飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンドである。
コマンド8400(H)〜8458(H)は、遊技状態が時短状態であるときに選択される変動パターンコマンドであって、第1特別図柄に対応して可変表示装置9aにて可変表示される第1飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンドである。コマンド8500(H)〜8558(H)は、遊技状態が時短状態であるときに選択される変動パターンコマンドであって、第2特別図柄に対応して可変表示装置9bにて可変表示される第2飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンドである。
コマンドA000(H)は、第1飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンドである。コマンドA100(H)は、第2飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンドである。
コマンドBXXX(H)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される演出制御コマンドである。そして、コマンドC000(H)〜EXXX(H)は、飾り図柄の変動および大当り遊技に関わらない可変表示装置9a,9bの表示状態に関する演出制御コマンドである。
コマンドD000(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンドである。
また、コマンドE400(H)は、高確率状態から低確率状態になったときに送信されるコマンドであり、コマンドE401(H)は、低確率状態から高確率状態になったときに送信されるコマンドである。なお、本例では、高確率状態から低確率状態になったときや、低確率状態から高確率状態になったときを、変動パターンコマンドのMODEデータによって認識することができるため、上記のコマンドE400(H)およびコマンドE401(H)は使用されない。ただし、コマンドE400(H)およびコマンドE401(H)を用いるようにしてもよい。
なお、各演出制御コマンドは、特に言及していない場合であっても、例えばMODEデータを異ならせることによって、可変表示装置9aでの表示指示用であるのか可変表示装置9bでの表示指示用であるのかが区別可能に構成されている。
演出制御基板80の演出制御手段は、主基板31の遊技制御手段から上述した演出制御コマンドを受信すると図29に示された内容に応じて可変表示装置9a,9bの表示状態を変更するとともに、ランプ・LEDの表示状態を変更し、必要ならば音声出力基板70に対して音番号データを出力する。なお、図29に示された例以外の制御コマンドも遊技制御手段から演出制御手段に送信される。例えば、賞球LED51や球切れLED52の表示状態、および大当り遊技に関するより詳細な演出制御コマンドも遊技制御手段から演出制御手段に送信される。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図30は、演出制御用マイクロコンピュータ101が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるための2msタイマの初期設定等を行うための初期化処理が行われる(ステップS701)。その後、演出制御用マイクロコンピュータ101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用マイクロコンピュータ101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
この実施の形態では、タイマ割込は2ms毎にかかる。すなわち、演出制御処理は、2ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な演出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で演出制御処理を実行してもよい。
演出制御処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析実行処理:ステップS704)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ101は、第1演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。第1演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第1演出制御プロセスフラグ)に対応したプロセスを選択して可変表示装置9aの表示制御を実行する。また、演出制御用マイクロコンピュータ101は、第2演出制御プロセス処理を行う(ステップS706)。第2演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第2演出制御プロセスフラグ)に対応したプロセスを選択して可変表示装置9bの表示制御を実行する。そして、カメラ120からの画像データを入力する画像データ入力処理を行う(ステップS707)。画像データ入力処理によって入力した画像データは、例えば第1演出制御プロセス処理や第2演出制御プロセス処理における可変表示装置9a,9bの表示制御の際に使用される。なお、この例では、ステップS707にて、選択スイッチ122やリセットスイッチ123からの操作信号など、他の外部装置からの外部信号を入力する処理も実行されるものとする。そして、乱数カウンタを更新する処理を実行する(ステップS708)。その後、ステップS702のタイマ割込フラグの確認を行う処理に戻る。
次に、主基板31からの演出制御コマンド受信処理について説明する。図31は、主基板31から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよく、例えば、図柄指定コマンド格納領域を3個(2×3=6バイトのコマンド受信バッファ)、それ以外の変動パターン指定などのコマンド格納領域を1個(2×1=2バイトのコマンド受信バッファ)のようなバッファ構成としてもよい。音声制御手段や、ランプ制御手段においても同様に、リングバッファ形式でないバッファ形式としてもよい。
主基板31からの演出制御用のINT信号は演出制御用マイクロコンピュータ101の割込端子に入力されている。例えば、主基板31からのINT信号がオン状態になると、演出制御用マイクロコンピュータ101において割込がかかる。そして、演出制御用マイクロコンピュータ101は、割込処理において演出制御コマンドの受信処理を実行する。演出制御コマンドの受信処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、受信した演出制御コマンドデータを、コマンド受信個数カウンタが示す受信コマンドバッファに格納する。
図32は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用マイクロコンピュータ101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+1しておく(ステップS613)。
受信した演出制御コマンドが第1変動パターン指定の演出制御コマンドであれば(ステップS614)、演出制御用マイクロコンピュータ101は、そのコマンドのEXTデータを第1変動パターンデータ格納領域に格納する(ステップS615)。
受信した演出制御コマンドが第2変動パターン指定の演出制御コマンドであれば(ステップS616)、演出制御用マイクロコンピュータ101は、そのコマンドのEXTデータを第2変動パターンデータ格納領域に格納する(ステップS617)。
ステップS615またはステップS617を終えると、演出制御用マイクロコンピュータ101は、演出制御基板80が備えるRAMに格納されている演出用状態データと、受信した変動パターンコマンドとによって、遊技状態が変更したか否かを確認する(ステップS618)。演出用状態データは、例えば主基板31で用いられている状態データ(図21参照)と同一の構成とされ、現在の遊技状態(確変時短状態、確変状態、時短状態、通常状態のうちいずれかの状態)が設定されるデータである。ステップS618では、受信した変動パターンコマンドにおけるMODEデータによって識別される現在の遊技状態と、演出用状態データが示す遊技状態とが一致するか否かが確認される。
遊技状態が変更していれば(受信した変動パターンコマンドにおけるMODEデータによって識別される現在の遊技状態と、演出用状態データが示す遊技状態とが一致していなければ)、演出制御用マイクロコンピュータ101は、演出用状態データを、受信した変動パターンコマンドにおけるMODEデータが示す現在の遊技状態となるように変更する(ステップS619)。
ステップS619にて演出用状態データが示す遊技状態を時短状態に変更した場合には(ステップS620)、演出制御用マイクロコンピュータ101は、可変表示装置9a,9bにおける背景色を、時短状態を示す色(例えば赤色)に変更する(ステップS621)。
また、ステップS619にて演出用状態データが示す遊技状態を確変状態に変更した場合には(ステップS622)、演出制御用マイクロコンピュータ101は、可変表示装置9a,9bにおける背景色を、確変状態を示す色(例えば緑色)に変更する(ステップS623)。
そして、ステップS619にて演出用状態データが示す遊技状態を通常状態に変更した場合には(ステップS622のN)、演出制御用マイクロコンピュータ101は、本例では、背景色の変更を行うことなく、遅延カウンタに所定数(本例では「5」)を設定する(ステップS624)。なお、遅延カウンタに設定するカウント数は、ランダムに定められるようにしてもよい。
遅延カウンタは、確変状態や時短状態から通常状態に遊技状態が変更したときに、通常状態を示す色に背景色を変更するタイミングを遅延させるためのカウンタである。
ステップS618にて遊技状態が変更していないと判定した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ101は、遅延カウンタが示す値が0でなければ(ステップS625)、遅延カウンタが示す値を1減算する(ステップS626)。そして、遅延カウンタが示す値が0になった場合には(ステップS627)、可変表示装置9a,9bにおける背景色を、通常状態を示す色(例えば青色)に変更する(ステップS628)。
上記の処理によって、本例では、遊技状態が確変状態や時短状態から通常状態に変更したときには、遅延カウンタに設定された回数の識別情報の可変表示が実行されたあと(より正確には、遅延カウンタに設定された数の変動パターンコマンドを受信したあと)に、背景色が通常状態を示す色に変更される。なお、ステップS625〜S628の処理を、第1飾り図柄通常処理および第2飾り図柄通常処理にて実行するようにしてもよい。このように構成すれば、遅延カウンタに設定された回数の識別情報の可変表示が実行されたあとに、背景色を通常状態を示す色に変更させることを、確実に行うことができるようになる。
なお、同一または別個の遅延カウンタを用いて、確変状態(ここでは確変時短状態)から時短状態に遊技状態が変更したときに、時短状態を示す色に背景色を変更するタイミングを遅延させるようにしてもよい。この場合、演出用状態データが示す遊技状態を確変時短状態から時短状態に変更したときに、遅延カウンタに所定数を設定するようにすればよい。そして、遅延カウンタに設定された回数の識別情報の可変表示が実行されたあとに、背景色を確変時短状態を示す色から時短状態を示す色に変更するようにすればよい。上記のように構成すれば、遅延カウンタに設定された回数の識別情報の可変表示が実行されたあとに、背景色を確変時短状態を示す色から時短状態を示す色に変更させることを、確実に行うことができるようになる。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、ステップS612で読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には、受信コマンドに対応するコマンド受信フラグをセットし、必要であれば受信コマンドを保存する(ステップS629)。
図33は、図30に示されたメイン処理における第1演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。第1演出制御プロセス処理では、第1演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。
なお、詳細な説明は省略するが、第2演出制御プロセス処理(ステップS706)では、第2演出制御プロセスフラグの値に応じて、第1演出制御プロセス処理と同様の処理が実行される。可変表示装置9aを制御する処理(第1演出制御プロセス処理)において可変表示装置9bの表示制御状態にもとづく処理(例えば第2大当り中演出フラグの状態にもとづく処理)を行う部分については、可変表示装置9bを制御する処理(第2演出制御プロセス処理)に適用した場合、可変表示装置9aの表示制御状態にもとづく処理(例えば第1大当り中演出フラグの状態にもとづく処理)を行うことになる。
第1飾り図柄通常処理(ステップS800):第2飾り図柄の可変表示等を行う可変表示装置9bにて大当り遊技演出(第2大当り遊技演出)が実行されているか否か確認し、第2大当り遊技演出が実行されていなければ未だ実行していない第1飾り図柄の変動表示が残っているか否か確認する。具体的には、第2大当り中演出フラグがセットされているか否かと、第1未処理変動回数カウンタの値が1以上であるか否かとを確認する。なお、第2大当り中演出フラグは、演出制御用マイクロコンピュータ101によって、可変表示装置9bにて大当り遊技演出が開始されるときにセットされ(第1大当り中演出フラグがセットされるステップS856の処理に対応する処理にてセットされる)、その大当り遊技演出が終了したときにリセットされる(第1大当り中演出フラグがリセットされるステップS806にて最終ラウンドの表示制御等が終了したあとの処理に対応する処理にてリセットされる)フラグである。また、第1未処理変動回数カウンタは、第1変動パターンコマンドを受信する毎にカウントアップされ、第1飾り図柄の可変表示を開始する毎にカウントダウンされるカウンタであり、第1飾り図柄の可変表示の未処理回数を示すカウンタである。第2大当り中演出フラグがセットされておらず、かつ、第1未処理変動回数カウンタの値が1以上であれば、演出制御用マイクロコンピュータ101は、第1演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動パターン決定処理に対応した値に変更する。
第1飾り図柄変動パターン決定処理(ステップS801):第1変動パターンデータ格納領域の格納情報などにもとづいて、第1飾り図柄の変動パターンを決定する。
第1飾り図柄変動開始処理(ステップS802):左中右図柄の変動が開始されるように制御する。
第1飾り図柄変動中処理(ステップS803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、左右図柄の停止制御を行う。
第1飾り図柄停止処理(ステップS804):変動時間が終了したことに応じて、第1飾り図柄の変動を停止し停止図柄を表示する。なお、表示結果が大当り表示結果(大当りを示唆する表示結果)である場合には、変動時間の終了時に、全図柄停止を指示する演出制御コマンド(第1飾り図柄停止の演出制御コマンド)を受信していたら、第1飾り図柄の変動を停止し停止図柄を表示する制御を行う。
大当り表示処理(ステップS805):変動時間の終了後、確変大当り表示、時短大当り表示、確変時短大当り表示、または通常大当り表示の制御を行う。
大当り遊技中処理(ステップS806):第1大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。なお、最終ラウンドの表示制御等が終了したときは、第1大当り中演出フラグをリセットする。
図34は、変動パターンテーブル毎に設定されているプロセスデータの一構成例を示す説明図である。プロセスデータは、プロセスタイマ設定値と演出制御実行データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。演出制御実行データは、表示制御実行データとランプ制御実行データとを含む。表示制御実行データは、飾り図柄の変動期間中における可変表示装置9a,9bの表示状態を示すデータが設定されている。例えば、表示制御実行データ1には、可変表示開始時の可変表示装置9a,9bの表示状態を示すデータが設定されている。また、ランプ制御実行データは、飾り図柄の変動期間中におけるランプ・LEDの表示状態を示すデータが設定されている。例えば、ランプ制御実行データ1には、可変表示開始時のランプ・LEDの表示状態を示すデータが設定されている。そして、飾り図柄の変動期間中において、表示状態を切り替えるタイミング(例えば可変表示装置9a,9bにおいて新たなキャラクタが登場するタイミング、ランプ・LEDを点灯状態から消灯状態に切り替えるタイミング)が到来すると、演出制御手段は、プロセスデータにおける次の演出制御実行データに従って、可変表示装置9a,9bおよびランプ・LEDの表示状態を制御する。プロセスタイマ設定値には、切替のタイミングに応じた時間が設定されている。
このように、演出制御手段が、ROMに記憶されているプログラムおよびプロセスデータにもとづいて演出手段を制御し、複数の演出手段(この実施の形態では可変表示装置9a,9bおよびランプ・LED)の制御に関わるプログラムが、演出制御基板80に搭載されているROMに格納されている。そして、それらのプログラムを格納するROMを1つのROMとして構成することができる。従って、部品点数を減らすことができる。また、ROMに記憶されているプロセスデータのうち、プロセスタイマ設定値が共通化されている。従って、演出制御手段のROM容量を節減することができる。なお、演出制御実行データについても、表示制御実行データとランプ制御実行データとを共通化できるのであれば、1つの演出制御実行データとしてもよい。このように、この実施の形態では、複数の演出手段の制御に関わるデータのうち少なくとも一部のデータ(この実施の形態では音声データROM704に格納されているデータを除くデータ)を同一ROMに格納することができる。
図34に示すプロセスデータは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセスデータは、飾り図柄の変動パターンのそれぞれに応じて用意されている。なお、飾り図柄の変動パターンと、特別図柄の変動パターンとは異なるものである。ただし、飾り図柄の変動パターンには、少なくとも、図12に示した各変動パターンに対応する変動パターンが含まれる。
図35は、図33に示された演出制御プロセス処理における第1飾り図柄変動パターン決定処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動パターン決定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、第1変動パターンデータ格納領域の格納情報にもとづいて、今回の第1飾り図柄の可変表示の表示結果が大当り表示結果となるか否か確認する(ステップS820)。大当り表示結果とする場合には、演出制御用マイクロコンピュータ101は、可変表示装置9aにて大当り表示結果となる可変表示が実行されているか否かの確認に用いられる第1大当り変動中フラグをセットする(ステップS821)。なお、演出制御基板80側で予告演出に関わる決定(実行の有無、演出内容)を行うときにのみ第1大当り変動中フラグが使用される場合には、本例では主基板31側で予告演出に関わる決定を行うようにしており、第1大当り変動中フラグが使用されないため、ステップS821を実行しない(第1大当り変動中フラグをセットしない)ようにしてもよい。一方、演出制御基板80側で予告演出に関わる決定を行う構成とする場合には、ステップS821にて第1大当り変動中フラグをセットする処理を実行するようにすればよい。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ101は、第1変動パターンデータ格納領域に格納されているEXTデータに応じて、飾り図柄の変動パターンを決定する(ステップS822)。本例では、演出制御用マイクロコンピュータ101は、飾り図柄の変動パターンの少なくとも一部を独自に決定する。例えば、あらかじめ用意された複数種類の飾り図柄の変動パターンのうち、EXTデータによって特定される変動時間および事前判定結果(確変時短大当り、確変大当り、時短大当り、通常大当り、はずれ、リーチ、予告など)に合致する複数種類の飾り図柄の変動パターンの中から、実行する変動パターンを選択する。上記のようにして、演出制御用マイクロコンピュータ101は、例えば、飾り図柄の演出内容(例えば、どのキャラクタを用いて演出するかなど)、予告演出の実行の有無や演出内容、ミッション演出の有無や演出内容など、飾り図柄の変動態様の少なくとも一部を独自に決定する。
ステップS822にて飾り図柄の変動パターンを決定する際には、例えば、遊技状態が通常状態であるときに使用される変動パターンテーブル(通常状態用飾り図柄変動パターンテーブル)と、遊技状態が確変状態であるときに使用される変動パターンテーブル(確変状態用飾り図柄変動パターンテーブル)と、遊技状態が時短状態であるときに使用される変動パターンテーブル(時短状態用飾り図柄変動パターンテーブル)とが用いられる。各飾り図柄変動パターンテーブルには、複数種類の飾り図柄の変動パターンが設定されている。なお、遊技状態が確変時短状態であるときには、確変状態用飾り図柄変動パターンテーブルが用いられる。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ101が、予告演出の実行の有無、および予告演出の演出内容を決定するようにする場合には、主基板31からの変動パターンコマンドには予告演出の有無や演出内容に関する情報は含まれない。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ101は、主基板31からの変動パターンコマンドが示す変動時間や変動結果にもとづいて、予告演出を実行するか否か、および予告演出の演出内容を決定する。
具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ101は、例えば、ステップS822にて、第2大当り変動中フラグ(可変表示装置9bにて大当り表示結果となる可変表示が実行されているか否かを示すフラグ)がセットされているか否か確認し、セットされていれば、今回の第1飾り図柄の変動表示結果が大当りとなる場合を除き、予告演出を行う変動パターンとすることに決定するようにすればよい。そして、あらかじめ用意されている複数種類の予告演出用の変動パターンの中から、主基板31からの変動パターンコマンドが示す変動時間に合致する変動パターンを使用する変動パターンとして選択するようにすればよい。このようにして、例えば、第2飾り図柄によって変動表示結果が大当り表示結果となる可変表示が実行されているとき(第2大当り変動中フラグがセットされているとき)に、第1飾り図柄にて予告演出を行うことに決定する。なお、第2飾り図柄によって変動表示結果が大当り表示結果となる可変表示が実行されているときに、乱数抽選によってランダムに予告演出を行うか否かを決定するようにしてもよい。また、第2飾り図柄によって変動表示結果が大当り表示結果となる可変表示が実行されていないときに、例えば乱数抽選によって予告演出(ガセ予告)を行うか否かを決定し、ガセ予告を行うようにしてもよい。さらに、上記のように他方の飾り図柄の表示結果を一方の飾り図柄の変動表示演出によって予告するものでなく、自己の飾り図柄の表示結果を予告する予告演出を実行するようにしてもよい。また、主基板31側で予告演出の有無や演出内容を決定する場合と同様にして、演出制御用マイクロコンピュータ101が、実行する予告演出の演出内容を示す実行データを記憶するようにし、前回までに記憶された実行データにもとづいて、今回の予告演出の演出内容を決定するようにしてもよい。この場合、主基板31側で予告演出の有無や演出内容を決定する場合と同様のタイミングで、実行データを初期化するようにすればよい。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ101は、演出制御プロセスフラグを第1飾り図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に更新する(ステップS824)。
図36は、演出制御プロセス処理における第1飾り図柄変動開始処理(ステップS802)を示すフローチャートである。第1飾り図柄変動開始処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、まず、第1飾り図柄の可変表示の変動パターンに応じたプロセスデータを選択する(ステップS831)。そして、選択したプロセスデータにおける演出実行データ1に対応したプロセスタイマをスタートさせる(ステップS832)。また、プロセスデータ中の表示制御実行データ1にもとづいてLCD制御を行う(ステップS833)。例えば、表示制御実行データ1の内容に応じた信号を、LCDによる可変表示装置9aに与える。なお、表示制御実行データにはROMのアドレスが設定され、そのアドレスから始まる領域に、より詳細な制御データを格納しておき、それらの制御データに従ってLCD制御を行うように構成してもよい。また、プロセスデータ中のランプ制御実行データ1にもとづいてランプ・LED制御を行う(ステップS834)。例えば、ランプ制御実行データ1の内容に応じた信号を各ランプ・LEDに与える。なお、ランプ制御実行データにはROMのアドレスが設定され、そのアドレスから始まる領域に、より詳細な制御データを格納しておき、それらの制御データに従ってランプ・LED制御を行うように構成してもよい。
また、変動パターンに応じた音番号データを音声出力基板70に出力する(ステップS835)。音声出力基板70において、音声合成用IC703は、音番号データに応じたデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。
その後、第1変動時間タイマ(第1飾り図柄の変動時間に応じたタイマ)をスタートし(ステップS836)、第1演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動中処理に対応した値にする(ステップS837)。
図37は、演出制御プロセス処理における第1飾り図柄変動中処理(ステップS803)を示すフローチャートである。第1飾り図柄変動中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、第2大当り中演出フラグがセットされている場合には(ステップS840)、プロセスタイマおよび第1変動時間タイマの更新処理を中断していなければ、プロセスタイマおよび第1変動時間タイマの更新を中断する(ステップS848)。タイマの更新を中断しているときは、プロセスタイマおよび第1変動時間タイマが更新されずタイムアウトしないため、後述するステップS841およびステップS846にてNと判定され、第1飾り図柄の可変表示の進行が中断される。すなわち、可変表示装置9aでの第1飾り図柄の変動表示の実行中に可変表示装置9bにて大当り遊技演出が開始されると、可変表示装置9aにおける第1飾り図柄の可変表示の変動時間の計測の進行が中断し、中断したときの第1飾り図柄の変動表示の状態が見た目上継続する。なお、第1飾り図柄の可変表示の変動時間の進行が中断しているときに、可変表示装置9aにはずれ図柄を停止表示させておくようにしてもよい。
第2大当り中演出フラグがセットされていない場合には(ステップS840)、演出制御用マイクロコンピュータ101は、プロセスタイマおよび第1変動時間タイマの更新処理を中断していれば、プロセスタイマおよび第1変動時間タイマの更新を再開する(ステップS849)。すなわち、可変表示装置9aでの第1飾り図柄の可変表示の進行が中断しているときに、可変表示装置9bでの大当り遊技演出が終了すると、可変表示装置9aにおける第1飾り図柄の可変表示の進行が再開し、中断したときの状態から第1飾り図柄の変動表示が再開する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ101は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する。タイムアウトしたら、プロセスデータにおける演出制御実行データの切り替えを行う(ステップS842)。すなわち、プロセスデータにおいて、次に設定されているプロセスタイマをスタートさせるとともに(ステップS843)、次に設定されている表示制御実行データにもとづいてLCD制御を行う(ステップS844)。また、プロセスデータ中の次に設定されているランプ制御実行データにもとづいてランプ・LED制御を行う(ステップS845)。
そして、第1変動時間タイマがタイムアウトしていたら(ステップS846)、演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄停止待ち処理に対応した値にする(ステップS847)。
図38は、演出制御プロセス処理における第1飾り図柄停止処理(ステップS804)を示すフローチャートである。第1飾り図柄停止処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、第1飾り図柄停止を指示する演出制御コマンド(第1飾り図柄停止の演出制御コマンド)を受信しているか否か確認する(ステップS852)。第1飾り図柄停止を指示する演出制御コマンドを受信していれば、自己が決定した停止図柄で第1飾り図柄を停止させる制御を行う(ステップS853)。なお、停止図柄は、例えばステップS801にて、演出制御用マイクロコンピュータ101が、変動パターンコマンドによって認識される第1特別図柄の表示結果に合致した図柄となるように決定する。
そして、ステップS853で大当り図柄を表示した場合には(ステップS854のY)、演出制御用マイクロコンピュータ101は、第1大当り変動中フラグをリセットするとともに(ステップS855)、第1大当り中演出フラグをセットし(ステップS856)、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS857)。
ステップS853で大当り図柄を表示しない場合(はずれ図柄を表示した場合)には、演出制御用マイクロコンピュータ101は、演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄通常処理(ステップS800)に対応した値に設定する(ステップS858)。
次に、本例の遊技機における特別図柄と飾り図柄の変動状態の関係について詳しく説明する。ここでは、特別図柄表示器8aと可変表示装置9aの図柄変動状態の関係について説明する。なお、ここでは説明しないが、特別図柄表示器8bと可変表示装置9bの図柄変動状態の関係についても同様である。
図39は、始動入賞口13aへの始動入賞が連続して2回あった場合における第1特別図柄と第1飾り図柄の変動状態の具体例を示すタイミング図である。ここでは、始動入賞口13aへの2回の始動入賞(始動入賞A〜B)にもとづく第1特別図柄の変動表示が実行される例について説明する。
始動入賞Aが発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1始動口スイッチ通過処理を実行する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1特別図柄の可変表示の実行が可能な状態となっていれば、事前判定(ステップS67〜S69, S75〜S77, S81, S85参照)を行い、その結果にもとづいて、例えば10秒の変動時間で表示結果がはずれであることを示す変動パターンコマンドを送信する(ステップS86,S87参照)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞Aに応じた第1特別図柄の変動表示(特図変動A)を開始する(ステップS89,S90参照)。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、始動入賞Aにもとづく変動パターンコマンドを受信すると、受信した変動パターンコマンドにもとづいて、10秒の変動時間で表示結果がはずれとなる第1飾り図柄の変動パターンを決定し(ステップS822参照)、決定した変動パターンに従って第1飾り図柄の変動表示(飾り変動A)を実行する。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞Bが発生したときに、第1始動口スイッチ通過処理(図14参照)を実行する。しかし、未だ特図変動Aが終了しておらず、始動入賞Bにもとづく第1特別図柄の可変表示の実行が可能な状態でないので、始動入賞Bにもとづく第1特別図柄の可変表示は保留される。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特図変動Aの終了タイミングが到来すると、演出制御基板80に対して、図柄停止コマンドを送信するとともに(ステップS131参照)、特図変動Aを終了する(ステップS132参照)。一方、演出制御用マイクロコンピュータ101は、その図柄停止コマンドを受信すると、飾り変動Aを終了する(ステップS852,S853参照)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特図変動Aが終了して第1特別図柄の可変表示の実行が可能な状態となったときに、始動入賞Bにもとづく事前判定(ステップS67〜S69, S75〜S77, S81, S85参照)を行い、その結果にもとづいて、例えば15秒の変動時間で表示結果がはずれであることを示す変動パターンコマンドを送信する(ステップS86,S87参照)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞Bに応じた第1特別図柄の変動表示(特図変動B)を開始する(ステップS89,S90参照)。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、始動入賞Bにもとづく変動パターンコマンドを受信すると、受信した変動パターンコマンドにもとづいて、15秒の変動時間で表示結果がはずれとなる第1飾り図柄の変動パターンを決定し(ステップS822参照)、決定した変動パターンに従って第1飾り図柄の変動表示(飾り変動B)を実行する。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特図変動Bの終了タイミングが到来すると、演出制御基板80に対して、図柄停止コマンドを送信するとともに(ステップS131参照)、特図変動Bを終了する(ステップS132参照)。一方、演出制御用マイクロコンピュータ101は、その図柄停止コマンドを受信すると、飾り変動Bを終了する(ステップS852,S853参照)。
上記のように、本実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特別図柄の変動開始時に変動パターンコマンドを送信し、変動停止時に図柄停止コマンドを送信する。従って、特別図柄と飾り図柄との間の同期を確実にとることができる。
次に、本例の遊技機における複数の特別図柄と複数の飾り図柄の変動状態の関係の例について詳しく説明する。図40は、複数の特別図柄と複数の飾り図柄の変動状態の具体例を示すタイミング図である。図41,図42は、この例における可変表示装置9a,9bの表示状態の例を示す説明図である。
この例では、図40に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄の保留記憶がなく、かつ第2特別図柄および第2飾り図柄の変動表示が実行されているときに(図41(a))、始動入賞口13aへの始動入賞(始動入賞A)が発生し、さらに始動入賞口13bに3回の始動入賞(始動入賞a〜c)が発生したものとする。
また、この例では、始動入賞Aにもとづく特別図柄の変動表示の表示結果が大当り表示結果となり、その他の始動入賞にもとづく特別図柄の変動表示の表示結果ははずれとなるものとする。
先ず、始動入賞Aが発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞Aにもとづく変動表示を開始できる状態となっているので、ステップS68にて始動入賞Aにもとづく表示結果が大当りであると判定したことにもとづいて、ステップS85にて複数種類の変動パターンから実行する変動パターンを決定する。
上記のような事前判定(ステップS67〜S69, S75〜S77, S81, S85参照)の結果にもとづいて、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞Aにもとづく表示結果が大当りとなる変動パターンを示す第1変動パターンコマンドを送信する(ステップS86,S87参照)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞Aに応じた第1特別図柄の変動表示(特図変動A)を開始する。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、始動入賞Aにもとづく第1変動パターンコマンドを受信すると、受信した第1変動パターンコマンドにもとづいて、表示結果が大当りとなる第1飾り図柄の変動パターンを決定し(ステップS822参照)、決定した変動パターンに従って第1飾り図柄の変動表示(飾り変動A)を実行する(図41(b))。
始動入賞aが発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞aにもとづく変動表示を開始できる状態となったときに、事前判定を行う。この例では、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1特別図柄による表示結果が大当り表示結果となる変動表示(飾り変動A)の実行中であるときは、ステップS85に相当する処理にて、他方の特別図柄(第1特別図柄)で現在実行されている変動表示の表示結果が大当り表示結果となることを予告する予告演出を実行するための変動パターンとすることに決定する。ここでは、「予告1」の演出態様で予告演出を実行するための変動パターンに決定されたものとする。
なお、予告演出は、本例では、比較的短期間変動の変動パターンとされていることが望ましい。すなわち、予告演出は、予告対象となる第2特別図柄側の可変表示が完了するまでに第1特別図柄側での予告演出が完了されるように、表示結果が大当りとなる変動表示の変動時間よりも、短い変動時間とされていることが望ましい。具体的には、例えば、表示結果が大当りとなる変動表示の変動時間が30秒〜90秒とされ、予告演出を伴う可変表示の変動時間が10秒〜20秒とするようにしておけばよい。なお、図40〜図42に示す例のように、予告演出が、予告対象となる第2特別図柄側の可変表示が完了するまでに第1特別図柄側にて複数回の予告演出が連続して出現されるように、表示結果が大当りとなる変動表示の変動時間よりも、十分短い変動時間とされるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ60は、事前判定の結果にもとづいて、始動入賞aにもとづく表示結果がはずれであり、かつ「予告1」の予告演出を含む変動パターンを示す第2変動パターンコマンドを送信する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞aに応じた第2特別図柄の変動表示(特図変動a)を開始する。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、始動入賞aにもとづく第2変動パターンコマンドを受信すると、受信した第2変動パターンコマンドにもとづいて、表示結果がはずれとなり、かつ「予告1」の予告演出を行うための第2飾り図柄の変動パターンを決定し、決定した変動パターンに従って第2飾り図柄の変動表示(飾り変動a)を実行する(図41(c))。
この例では、メインキャラクタMCとサブキャラクタSC1との2つのキャラクタを登場させ(図41(c))、ボクシングの試合にてメインキャラクタMCがサブキャラクタSC1に勝利した様子を表示(図41(d))することによって「予告1」の予告演出を実行する。なお、図41(c)等に示すように、予告演出の実行中は、第2特別図柄が画面の右下領域に縮小して表示される。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特図変動aの終了タイミングが到来すると、演出制御基板80に対して、第2飾り図柄停止コマンドを送信するとともに、特図変動aを終了する。一方、演出制御用マイクロコンピュータ101は、その図柄停止コマンドを受信すると、飾り変動aを終了する(図41(d))。
特図変動aを終了すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞bの発生にもとづく事前判定の結果にもとづいて、始動入賞bにもとづく表示結果がはずれとなり、かつ、「予告2」の予告演出を含む変動パターンとすることに決定する。ここでは、表示結果が大当りとなる特図変動Aが未だ実行されているため予告演出を行うことが決定され、前回の可変表示にて予告1の予告演出を行っているため予告1に関連する予告2を実行することが選択される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、決定した変動パターンを示す第2変動パターンコマンドを送信するとともに、特図変動bを開始する。そして、特図変動bの終了タイミングが到来すると、演出制御基板80に対して、第2飾り図柄停止コマンドを送信するとともに、特図変動bを終了する。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、始動入賞bにもとづく第2変動パターンコマンドを受信すると、受信した第2変動パターンコマンドにもとづいて、表示結果がはずれとなり、かつ「予告2」の予告演出を行うための第2飾り図柄の変動パターンを決定し、決定した変動パターンに従って第2飾り図柄の変動表示(飾り変動b)を実行する(図41(e))。その後、演出制御用マイクロコンピュータ101は、第2飾り図柄停止コマンドを受信すると、飾り変動bを終了する(図42(a))。
この例では、メインキャラクタMCとサブキャラクタSC2との2つのキャラクタを登場させ(図41(e))、ボクシングの試合にてメインキャラクタMCがサブキャラクタSC2に勝利した様子を表示(図42(a))することによって「予告2」の予告演出を実行する。
特図変動bを終了すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞cの発生にもとづく事前判定の結果にもとづいて、始動入賞cにもとづく表示結果がはずれとなり、かつ、「予告3」の予告演出を含む変動パターンとすることに決定する。ここでは、表示結果が大当りとなる特図変動Aが未だ実行されているため予告演出を行うことが決定され、前回の可変表示にて予告2の予告演出を行っているため予告2関連する予告3を実行することが選択される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、決定した変動パターンを示す第2変動パターンコマンドを送信するとともに、特図変動cを開始する。そして、特図変動cの終了タイミングが到来すると、演出制御基板80に対して、第2飾り図柄停止コマンドを送信するとともに、特図変動cを終了する。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、始動入賞cにもとづく第2変動パターンコマンドを受信すると、受信した第2変動パターンコマンドにもとづいて、表示結果がはずれとなり、かつ「予告3」の予告演出を行うための第2飾り図柄の変動パターンを決定し、決定した変動パターンに従って第2飾り図柄の変動表示(飾り変動c)を実行する(図42(b))。その後、演出制御用マイクロコンピュータ101は、第2飾り図柄停止コマンドを受信すると、飾り変動cを終了する(図42(c))。
この例では、メインキャラクタMCとサブキャラクタSC3との2つのキャラクタを登場させ(図42(b))、ボクシングの試合にてメインキャラクタMCがサブキャラクタSC3に勝利した様子を表示(図42(c))することによって「予告3」の予告演出を実行する。
なお、この例では、特図変動a〜特図変動cが実行されている期間中は、表示結果が大当り表示結果となる特図変動Aは未だ継続しているものとする。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特図変動cを停止表示したあと、特図変動Aの終了タイミングが到来すると、演出制御基板80に対して、第1飾り図柄停止コマンドを送信するとともに、大当り表示結果で停止表示して特図変動Aを終了する。また、演出制御用マイクロコンピュータ101は、飾り変動cを停止表示(図42(c)の右側画面)したあと、第1飾り図柄停止コマンドを受信すると、大当り表示結果で停止表示して飾り変動Aを終了する(図42(d)の左側画面)。
その後、特別図柄表示器8aにて大当り遊技演出を開始するとともに、可変表示装置9aにて大当り遊技演出を開始する。なお、特別図柄の変動表示をLCDで行う構成とし、上述した予告演出を特別図柄の変動表示にて行うようにしてもよい。
本例では、可変表示装置9bで予告演出を実行する構成としていたが、特別図柄表示器8bで予告演出を実行するようにしてもよい。例えば、特別図柄の更新間隔を通常の変動表示の際の間隔よりも遅くしたり速くしたりして、通常の可変表示演出と異なる演出を行うことによって予告演出を行うようにすればよい。
また、上記の例では、一方の可変表示装置(例えば可変表示装置9a)にて大当り表示結果となる可変表示が実行されているときは、他方の可変表示装置(例えば可変表示装置9b)にて常に予告演出を行うようにしていたが、乱数にもとづく抽選などによって予告演出を行うか否かを決定するようにしてもよい。さらに、上記の例では、一方の可変表示装置(例えば可変表示装置9a)にて大当り表示結果となる可変表示が実行されているときに、他方の可変表示装置(例えば可変表示装置9b)にて予告演出を行うようにしていたが、一方の可変表示装置(例えば可変表示装置9a)にて大当り表示結果とならない可変表示が実行されているときに、例えば乱数にもとづく抽選などによって実行の有無を決定し、他方の可変表示装置(例えば可変表示装置9b)にて予告演出(いわゆるガセ予告)を行うようにしてもよい。なお、乱数にもとづく抽選によって予告演出を行うか否かを決定する場合には、一方の可変表示装置(例えば可変表示装置9a)にて大当り表示結果となる可変表示が実行されているときの方が、一方の可変表示装置(例えば可変表示装置9a)にて大当り表示結果とならない可変表示が実行されているときと比較して、予告演出を行うことに高確率で決定されるようにすることが好ましい。このようにすれば、遊技者の予告に対する期待を過度に減退させてしまうことを防止することができる。
上記のように、特別図柄の一方で表示結果が大当り表示結果となるときに、その大当りとなる特別図柄と飾り図柄の変動表示の実行中に、他方の特別図柄と飾り図柄で予告演出を実行する構成としたので、第2特別図柄側の表示画面で予告演出を実行し、第1特別図柄にて大当りを発生させるという意外性のある演出を実行することができ、演出のバリエーションを増加させることができる。よって、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、本例の遊技機における複数の特別図柄と複数の飾り図柄の変動状態の他の関係について詳しく説明する。図43は、複数の特別図柄と複数の飾り図柄の変動状態の具体例を示すタイミング図である。
この例では、始動入賞口13aへの始動入賞(始動入賞A)が発生したものとする。また、始動入賞口13aへの始動入賞(始動入賞A)が発生したあと、始動入賞口13bに3回の始動入賞(始動入賞a〜c)が発生したものとする。
また、この例では、始動入賞Aにもとづく特別図柄の変動表示の表示結果と、始動入賞cにもとづく特別図柄の変動表示の表示結果とが大当り表示結果となり、その他の始動入賞にもとづく特別図柄の変動表示の表示結果ははずれとなるものとする。
先ず、始動入賞Aが発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞Aにもとづく変動表示を開始できる状態となったときに、ステップS68にて始動入賞Aにもとづく表示結果が大当りであると判定したことにもとづいて、ステップS85にて複数種類の変動パターンから実行する変動パターンを決定する。ここでは、表示結果が大当りとなる可変表示の変動パターンとすることに決定される。
上記のような事前判定(ステップS67〜S69, S75〜S77, S81, S85参照)の結果にもとづいて、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞Aにもとづく表示結果が大当りとなる変動パターンを示す第1変動パターンコマンドを送信する(ステップS86,S87参照)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞Aに応じた第1特別図柄の変動表示(特図変動A)を開始する。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、始動入賞Aにもとづく第1変動パターンコマンドを受信すると、受信した第1変動パターンコマンドにもとづいて、表示結果が大当りとなる第1飾り図柄の変動パターンを決定し(ステップS822参照)、決定した変動パターンに従って第1飾り図柄の変動表示(飾り変動A)を実行する。
始動入賞aが発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞aにもとづく変動表示を開始できる状態となったときに、事前判定を行う。この例では、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第1特別図柄による表示結果が大当り表示結果となる変動表示(飾り変動A)の実行中であるときは、ステップS85に相当する処理にて、他方の特別図柄(第1特別図柄)で現在実行されている変動表示の表示結果が大当り表示結果となることを予告する予告演出を実行するための変動パターンとすることに決定する。ここでは、「予告1」の演出態様で予告演出を実行するための変動パターンに決定されたものとする。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、事前判定の結果にもとづいて、始動入賞aにもとづく表示結果がはずれであり、かつ「予告1」の予告演出を含む変動パターンを示す第2変動パターンコマンドを送信する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞aに応じた第2特別図柄の変動表示(特図変動a)を開始する。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、始動入賞aにもとづく第2変動パターンコマンドを受信すると、受信した第2変動パターンコマンドにもとづいて、表示結果がはずれとなり、かつ「予告1」の予告演出を行うための第2飾り図柄の変動パターンを決定し、決定した変動パターンに従って第2飾り図柄の変動表示(飾り変動a)を実行する。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特図変動aの終了タイミングが到来すると、演出制御基板80に対して、第2飾り図柄停止コマンドを送信するとともに、特図変動aを終了する。一方、演出制御用マイクロコンピュータ101は、その図柄停止コマンドを受信すると、飾り変動aを終了する。
特図変動aを終了すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞bの発生にもとづく事前判定の結果にもとづいて、始動入賞bにもとづく表示結果がはずれとなり、かつ、「予告2」の予告演出を含む変動パターンとすることに決定する。ここでは、表示結果が大当りとなる特図変動Aが未だ実行されているため予告演出を行うことが決定され、前回の可変表示にて予告1の予告演出を行っているため予告1に関連する予告2を実行することが選択される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、決定した変動パターンを示す第2変動パターンコマンドを送信するとともに、特図変動bを開始する。そして、特図変動bの終了タイミングが到来すると、演出制御基板80に対して、第2飾り図柄停止コマンドを送信するとともに、特図変動bを終了する。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、始動入賞bにもとづく第2変動パターンコマンドを受信すると、受信した第2変動パターンコマンドにもとづいて、表示結果がはずれとなり、かつ「予告2」の予告演出を行うための第2飾り図柄の変動パターンを決定し、決定した変動パターンに従って第2飾り図柄の変動表示(飾り変動b)を実行する。その後、演出制御用マイクロコンピュータ101は、第2飾り図柄停止コマンドを受信すると、飾り変動bを終了する。
特図変動bを終了すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞cの発生にもとづく事前判定の結果にもとづいて、始動入賞cにもとづく可変表示の表示結果が大当りとなる変動パターンとすることに決定する。ここでは、表示結果が大当りとなる特図変動Aが未だ実行されているが、始動入賞cにもとづく可変表示の可変表示の表示結果が大当りとなるため、予告演出は選択されない。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、決定した変動パターンを示す第2変動パターンコマンドを送信するとともに、特図変動cを開始する。そして、特図変動cの終了タイミングが到来すると、演出制御基板80に対して、第2飾り図柄停止コマンドを送信するとともに、変動表示の表示結果を大当り表示結果として特図変動cを終了する。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、始動入賞cにもとづく第2変動パターンコマンドを受信すると、受信した第2変動パターンコマンドにもとづいて、表示結果が大当りとなる第2飾り図柄の変動パターンを決定し、決定した変動パターンに従って第2飾り図柄の変動表示(飾り変動c)を実行する。その後、演出制御用マイクロコンピュータ101は、第2飾り図柄停止コマンドを受信すると、変動表示の表示結果を大当り表示結果として飾り変動cを終了する。
なお、この例では、特図変動a〜特図変動cが実行されている期間中は、長期間変動の特図変動Aは未だ継続しているものとする。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特図変動cを大当り表示結果で停止表示したあと、特別図柄表示器8bにて大当り遊技演出を開始する。また、演出制御用マイクロコンピュータ101は、飾り変動cを大当り表示結果で停止表示したあと、可変表示装置9bにて大当り遊技演出を開始する。
本例では、特別図柄表示器8bおよび可変表示装置9bで大当り遊技演出が開始されたときは、長期間変動の特図変動Aおよび飾り変動Aが未だ終了していないものとする。
この例では、特図変動Aは、特別図柄表示器8bおよび可変表示装置9bで大当り遊技演出が開始したときに実行時間の計測が中断し(ステップS125参照)、その大当り遊技演出が終了したときに実行時間の計測が再開する(ステップS123参照)。従って、特図変動Aは、可変表示装置9bでの大当り遊技演出の実行中は実行時間の計測が中断され、可変表示装置9bでの大当り遊技演出が終了したあと実行時間の計測が再開され、残りの実行時間が経過して特図変動Aの終了タイミングが到来したときに、大当り表示結果で停止する。
また、この例では、飾り変動Aは、特別図柄表示器8bおよび可変表示装置9bで大当り遊技演出が開始したときに実行時間の計測が中断し(ステップS848参照)、その大当り遊技演出が終了したときに実行時間の計測が再開する(ステップS849参照)。また、飾り変動Aは、可変表示装置9bで大当り遊技演出が終了するまで第1飾り図柄停止コマンドが送信されないので、その大当り遊技演出が終了したあと停止表示される。従って、飾り変動Aは、可変表示装置9bでの大当り遊技演出の実行中は実行時間の計測が中断され、可変表示装置9bでの大当り遊技演出が終了したあと実行時間の計測が再開され、残りの実行時間が経過し、第1飾り図柄停止コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ101によって受信されたときに大当り表示結果で停止する。
本例では、可変表示装置9bで大当り遊技演出が実行されている期間中は、特図変動Aと飾り変動Aの変動表示が継続して実行されるものとする。すなわち、特図変動Aの実行時間が中断している間も、見た目上変動表示期間が継続しているような演出がなされる。なお、可変表示装置9bで大当り遊技演出が実行されている期間中は、特図変動Aと飾り変動aの変動表示を中断するようにしてもよい。この場合、例えば、はずれ図柄を表示しておくようにすればよい。
上記のように、特別図柄の一方で表示結果が大当り表示結果となるときに、その大当りとなる特別図柄と飾り図柄の変動表示の実行中に、他方の特別図柄と飾り図柄で予告演出を実行するとともに、他方の特別図柄にて表示結果が大当り表示結果となる場合であっても制御上の制限(具体的には、一方の特別図柄が大当り表示結果となり大当り遊技が終了するまでの期間以外に他方の特別図柄の表示結果を導出表示させないような制限)を設けない構成としたので、予告対象でない他方の特別図柄にて先に大当りを発生させることができ、そのような場合に、特別図柄の一方で表示結果が大当り表示結果となることを予告するために実行していた予告演出を、本来の予告対象とは異なる他方の特別図柄で表示結果が大当り表示結果となることを予告する予告演出であるとすることができる。よって、大当りとすることに決定される前に、大当り予告を行うことができるようになり、演出のバリエーションを増加させることができる。よって、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、状態データが示す遊技状態の変更タイミングについて詳しく説明する。図44は、状態データが示す遊技状態の変更タイミングの例を示すタイミング図である。
この例では、状態データが示す遊技状態が時短状態であり、保留記憶がないときに、始動入賞口13aへの始動入賞(始動入賞A)が発生したものとする。また、始動入賞口13aへの始動入賞(始動入賞A)が発生したあと直ぐに始動入賞口13bに始動入賞(始動入賞a)が発生したものとする。
また、この例では、始動入賞Aにもとづく特別図柄の変動表示の表示結果が通常大当り表示結果となり、特別遊技状態の終了条件が成立するものとする。
先ず、始動入賞Aが発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞Aにもとづく変動表示を開始できる状態となったときに、ステップS68にて始動入賞Aにもとづく表示結果が通常大当りであると判定したことにもとづいて、ステップS85にて複数種類の変動パターンから実行する変動パターンを決定する。ここでは、時短状態用変動パターンテーブルから、表示結果が大当りとなる可変表示の変動パターンが選択される。
遊技制御用マイクロコンピュータ60は、事前判定(ステップS67〜S69, S75〜S77, S81, S85参照)における変動パターンテーブルの選択処理(ステップS81参照)を実行したあと、始動入賞Aにもとづく特別図柄の変動表示(特図変動A)を開始する前に、始動入賞Aにもとづく表示結果が通常大当りとなるか否か判定する(ステップS83参照)。そして、通常大当りとなる場合には、時短状態の終了条件が成立したと判定して、状態データを時短状態から非時短状態に変更する(ステップS84参照)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞Aにもとづく表示結果が通常大当りとなる変動パターンを示す第1変動パターンコマンドを送信する(ステップS86,S87参照)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞Aに応じた第1特別図柄の変動表示(特図変動A)を開始する。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、始動入賞Aにもとづく第1変動パターンコマンドを受信すると、受信した第1変動パターンコマンドにもとづいて、表示結果が通常大当りとなる第1飾り図柄の変動パターンを決定し(ステップS822参照)、決定した変動パターンに従って第1飾り図柄の変動表示(飾り変動A)を実行する。
始動入賞aが発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞aにもとづく変動表示を開始できる状態となったときに、事前判定を行う。
この例では、状態データが示す遊技状態に応じて変動パターンテーブルを選択する処理(ステップS81参照)と、時短状態の終了条件が成立したか否かの判定結果に応じて状態データを時短状態から非時短状態に変更する処理(ステップS83,S84参照)とが、一連の処理によって行われる図17参照)。従って、状態データが示す遊技状態に応じて変動パターンテーブルが選択されたあと、時短状態の終了条件が成立したか否かの判定結果に応じて状態データが時短状態から非時短状態に変更される前に、他方の入賞(始動入賞a)にもとづく事前判定処理によって変動パターンテーブルの選択処理が実行されてしまうことはない。よって、時短状態の終了条件が成立したあとの複数回の可変表示において、時短状態にもとづく変動パターンテーブルが選択され時間が短縮された変動表示が実行されてしまうことは防止される。
本例では、始動入賞Aにもとづく事前判定の際に状態データが通常状態に変更されているため、始動入賞aにもとづく事前判定における変動パターンテーブルの選択処理では、通常状態用変動パターンテーブルが選択される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、事前判定の結果にもとづいて、始動入賞aにもとづく変動表示の変動パターンを示す第2変動パターンコマンドを送信する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞aに応じた第2特別図柄の変動表示(特図変動a)を開始する。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、始動入賞aにもとづく第2変動パターンコマンドを受信すると、受信した第2変動パターンコマンドにもとづいて第2飾り図柄の変動パターンを決定し、決定した変動パターンに従って第2飾り図柄の変動表示(飾り変動a)を実行する。
図45は、状態データが示す遊技状態の変更タイミングの他の例を示すタイミング図である。
この例では、状態データが示す遊技状態が確変状態であり、保留記憶がないときに、始動入賞口13aへの始動入賞(始動入賞A)が発生したものとする。また、始動入賞口13aへの始動入賞(始動入賞A)が発生したあと直ぐに始動入賞口13bに始動入賞(始動入賞a)が発生したものとする。
また、この例では、始動入賞Aにもとづく特別図柄の変動表示の表示結果が通常大当り表示結果となり、特別遊技状態の終了条件が成立するものとする。
先ず、始動入賞Aが発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞Aにもとづく変動表示を開始できる状態となったときに、確変状態であるときの確率でステップS68にて始動入賞Aにもとづく表示結果が大当りであるか否かを判定し、通常大当りであると判定したことにもとづいて、ステップS85にて複数種類の変動パターンから実行する変動パターンを決定する。ここでは、確変状態用変動パターンテーブルから、表示結果が通常大当りとなる可変表示の変動パターンが選択される。
遊技制御用マイクロコンピュータ60は、事前判定(ステップS67〜S69, S75〜S77, S81, S85参照)における大当り判定処理(ステップS68参照)と変動パターンテーブルの選択処理(ステップS81参照)とを実行したあと、始動入賞Aにもとづく特別図柄の変動表示(特図変動A)を開始する前に、始動入賞Aにもとづく表示結果が通常大当りとなるか否か判定する(ステップS83参照)。そして、通常大当りとなる場合には、確変状態の終了条件が成立したと判定して、状態データを確変状態から非確変状態に変更する(ステップS84参照)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞Aにもとづく表示結果が通常大当りとなる変動パターンを示す第1変動パターンコマンドを送信する(ステップS86,S87参照)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞Aに応じた第1特別図柄の変動表示(特図変動A)を開始する。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、始動入賞Aにもとづく第1変動パターンコマンドを受信すると、受信した第1変動パターンコマンドにもとづいて、表示結果が通常大当りとなる第1飾り図柄の変動パターンを決定し(ステップS822参照)、決定した変動パターンに従って第1飾り図柄の変動表示(飾り変動A)を実行する。
始動入賞aが発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞aにもとづく変動表示を開始できる状態となったときに、事前判定を行う。
この例では、状態データが示す遊技状態に応じて変動パターンテーブルを選択する処理(ステップS81参照)と、確変状態の終了条件が成立したか否かの判定結果に応じて状態データを確変状態から非確変状態に変更する処理(ステップS83,S84参照)とが、一連の処理によって行われる図17参照)。従って、状態データが示す遊技状態に応じて変動パターンテーブルが選択されたあと、確変状態の終了条件が成立したか否かの判定結果に応じて状態データが確変状態から非確変状態に変更される前に、他方の入賞(始動入賞a)にもとづく事前判定処理によって変動パターンテーブルの選択処理が実行されてしまうことはない。よって、確変状態の終了条件が成立したあとの複数回の可変表示において、確変状態にもとづく変動パターンテーブルが選択されて確変状態特有の変動表示が実行されてしまうことは防止される。
なお、大当り判定処理(ステップS68参照)と、状態データが示す遊技状態に応じて変動パターンテーブルを選択する処理(ステップS81参照)と、確変状態の終了条件が成立したか否かの判定結果に応じて状態データを確変状態から非確変状態に変更する処理(ステップS83,S84参照)とを、一連の処理によって行うようにしてもよい。このように構成すれば、確変状態での大当り確率で大当り判定処理(ステップS68参照)が実行されたあと、確変状態の終了条件が成立したか否かの判定結果に応じて状態データが確変状態から非確変状態に変更される前に、他方の入賞(始動入賞a)にもとづく事前判定処理によって大当り判定処理が実行されてしまうことを確実に防止することができるようになる。
本例では、始動入賞Aにもとづく事前判定の際に状態データが通常状態に変更されているため、始動入賞aにもとづく事前判定における変動パターンテーブルの選択処理では、通常状態用変動パターンテーブルが選択される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、事前判定の結果にもとづいて、始動入賞aにもとづく変動表示の変動パターンを示す第2変動パターンコマンドを送信する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞aに応じた第2特別図柄の変動表示(特図変動a)を開始する。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、始動入賞aにもとづく第2変動パターンコマンドを受信すると、受信した第2変動パターンコマンドにもとづいて第2飾り図柄の変動パターンを決定し、決定した変動パターンに従って第2飾り図柄の変動表示(飾り変動a)を実行する。
図46は、状態データが示す遊技状態の変更タイミングのさらに他の例を示すタイミング図である。
この例では、状態データが示す遊技状態が時短状態であり、設定された時短回数である100回のうち99回が消化された状態で、保留記憶がないときに、始動入賞口13aへの始動入賞(始動入賞A)が発生したものとする。すなわち、始動入賞Aにもとづく特別図柄の変動表示が実行されることで、時短回数として設定された100回の変動表示が実行されたこととなり、特別遊技状態の終了条件が成立するものとする。また、始動入賞口13aへの始動入賞(始動入賞A)が発生したあと直ぐに始動入賞口13bに始動入賞(始動入賞a)が発生したものとする。
先ず、始動入賞Aが発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞Aにもとづく変動表示を開始できる状態となったときに、ステップS68にて始動入賞Aにもとづいて、ステップS85にて複数種類の変動パターンから実行する変動パターンを決定する。ここでは、時短状態用変動パターンテーブルから変動パターンが選択される。
遊技制御用マイクロコンピュータ60は、事前判定(ステップS67〜S69, S75〜S77, S81, S85参照)における変動パターンテーブルの選択処理(ステップS81参照)を実行したあと、始動入賞Aにもとづく特別図柄の変動表示(特図変動A)を開始する前に、時短状態であるため時短回数が100回に到達したか否か判定する(ステップS94〜S96参照)。そして、100回に到達したと判定された場合には、時短状態の終了条件が成立したと判定して、状態データを時短状態から非時短状態に変更する(ステップS97参照)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞Aにもとづく変動パターンを示す第1変動パターンコマンドを送信する(ステップS86,S87参照)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞Aに応じた第1特別図柄の変動表示(特図変動A)を開始する。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、始動入賞Aにもとづく第1変動パターンコマンドを受信すると、受信した第1変動パターンコマンドにもとづいて、第1飾り図柄の変動パターンを決定し(ステップS822参照)、決定した変動パターンに従って第1飾り図柄の変動表示(飾り変動A)を実行する。
始動入賞aが発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞aにもとづく変動表示を開始できる状態となったときに、事前判定を行う。
この例では、状態データが示す遊技状態に応じて変動パターンテーブルを選択する処理(ステップS81参照)と、時短状態の終了条件が成立したか否かの判定結果に応じて状態データを時短状態から非時短状態に変更する処理(ステップS94〜S97参照)とが、一連の処理によって行われる図17参照)。従って、状態データが示す遊技状態に応じて変動パターンテーブルが選択されたあと、時短状態の終了条件が成立したか否かの判定結果に応じて状態データが時短状態から非時短状態に変更される前に、他方の入賞(始動入賞a)にもとづく事前判定処理によって変動パターンテーブルの選択処理が実行されてしまうことはない。よって、時短状態の終了条件が成立したあとの複数回の可変表示において、時短状態にもとづく変動パターンテーブルが選択され時間が短縮された変動表示が実行されてしまうことは防止される。
本例では、始動入賞Aにもとづく事前判定の際に状態データが通常状態に変更されているため、始動入賞aにもとづく事前判定における変動パターンテーブルの選択処理では、通常状態用変動パターンテーブルが選択される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、事前判定の結果にもとづいて、始動入賞aにもとづく変動表示の変動パターンを示す第2変動パターンコマンドを送信する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞aに応じた第2特別図柄の変動表示(特図変動a)を開始する。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、始動入賞aにもとづく第2変動パターンコマンドを受信すると、受信した第2変動パターンコマンドにもとづいて第2飾り図柄の変動パターンを決定し、決定した変動パターンに従って第2飾り図柄の変動表示(飾り変動a)を実行する。
以上に説明したように、複数の表示装置(例えば特別図柄表示器8a,8b、あるいは可変表示装置9a,9b)を用いて識別情報の変動表示を行う場合に、一方の表示装置(例えば特別図柄表示器8a、可変表示装置9a)にて大当り遊技演出が実行されているときは、他方の表示装置(例えば特別図柄表示器8b、可変表示装置9b)における変動表示の実行期間の計測を中断する構成としたので、一方の表示装置にて大当りとなる変動表示が実行されていても、他方の表示装置における変動表示を遅延させることなく開始させることができるようになる。よって、一の表示装置にて大当り表示結果が導出表示されることが、他の表示装置の表示態様によって遊技者が予測可能となってしまうことを防止することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、上述したように、状態データが確変状態に設定されているときは確変状態用変動パターンテーブルを用いて変動パターンを決定し、状態データが通常状態に設定されているときは通常状態用変動パターンテーブルを用いて変動パターンを決定するとともに、状態データが確変状態に設定されているときは、事前判定によって通常大当りとすることに判定された可変表示が開始されるときに(ステップS83のY参照)、確変状態が終了したと判定して状態データを非確変状態に設定する(ステップS84参照)構成としたので、識別情報の変動時間の選択によって遊技者に有利不利が発生しないようにすることができる。
すなわち、例えば、一方の識別情報における確変状態が終了する変動で長時間(例えば60秒、90秒)の変動パターンが選択され、その確変状態が終了することとなる一方の識別情報の変動中に、他方の識別情報にて複数回の変動表示が実行されると、他方の識別情報での事前判定が確変状態で行われることとなるため、一方の識別情報の変動中における他方の識別情報の変動回数が多いか少ないかによって、遊技者に有利不利が発生してしまうことになる。これに対して、上述した実施の形態では、確変状態が終了することとなる変動が開始されるときに、内部的に確変状態を終了させて通常状態に変更する構成としているので、確変状態が終了することとなる一方の識別情報の変動中における他方の識別情報での事前判定を、非確変状態で行うことができ、通常状態用変動パターンテーブルを用いて変動パターンを決定することができるようになる。よって、確変状態が終了する変動における識別情報の変動時間の選択によって、遊技者に有利不利が発生しないようにすることができるのである。
また、上述したように、状態データが時短状態に設定されているときは時短状態用変動パターンテーブルを用いて変動パターンを決定し、状態データが通常状態に設定されているときは通常状態用変動パターンテーブルを用いて変動パターンを決定するとともに、状態データが時短状態に設定されているときは、事前判定によって通常大当りとすることに判定された可変表示が開始されるときに(ステップS83のY参照)、時短状態が終了したと判定して状態データを非時短状態に設定する(ステップS84参照)構成としたので、識別情報の変動時間の選択によって遊技者に有利不利が発生しないようにすることができる。
すなわち、例えば、一方の識別情報における時短状態が終了する変動で長時間(例えば60秒、90秒)の変動パターンが選択された場合と、短時間(例えば5秒、10秒)の変動パターンが選択された場合とでは、その時短状態が終了することとなる一方の識別情報の変動中における他方の識別情報での事前判定が時短状態で行われることとなるため、他方の識別情報の変動回数に大きな差がでてしまう可能性が高く、遊技者に時間効率の有利不利が発生してしまうことになる。これに対して、上述した実施の形態では、時短状態が終了することとなる変動が開始されるときに、内部的に時短状態を終了させて通常状態に変更する構成としているので、時短状態が終了することとなる一方の識別情報の変動中における他方の識別情報での事前判定を、非時短状態で行うことができ、通常状態用変動パターンテーブルを用いて変動パターンを決定することができるようになる。よって、時短状態が終了する変動における識別情報の変動時間の選択によって、遊技者に有利不利が発生しないようにすることができるのである。
なお、状態データが通常状態に設定されているときは、事前判定によって特別大当りとすることに判定された可変表示が開始されるときに(ステップS83のY参照)、特別状態が開始したと判定して状態データを特別状態に設定する構成としてもよい。このように構成すれば、一方の特別図柄にて特別大当りとすることに判定された可変表示が開始されたあとは、他方の特別図柄の事前判定を特別状態の判定基準で行うことができるようになる。また、一方の特別図柄にて特別大当りとなる変動表示の実行中に、他方の特別図柄にて通常状態での変動パターンが選択されることを防止できるため、遊技者が有利に遊技を行うことができるようになる。なお、上記のような構成とせずに、特別大当りの大当り遊技演出が終了したあとに状態データを特別状態に変更するようにした場合には、他方の特別図柄に関係する変動表示演出(例えば、時短状態における変動パターンが選択されるようになった場合における変動時間の短い変動表示演出)によって、一方の特別図柄にて大当りが発生することが認識されてしまうことを防止することができる。
また、上述した実施の形態では、一方の表示装置(例えば特別図柄表示器8a、可変表示装置9a)にて実行されている可変表示の表示結果が特定表示結果となることを予告する予告表示を、一方の表示装置での識別情報の可変表示に対応して行うのではなく、他方の表示装置(例えば特別図柄表示器8b、可変表示装置9b)における識別情報の変動に対応して実行する構成としたので、複数の表示装置の表示内容に関連を持たせることができるとともに、意外性のある演出(予告表示を行っている表示装置ではない別の表示装置にて予告にもとづく演出を出現させる演出)を実行することが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、上述した実施の形態では、一方の表示装置(例えば特別図柄表示器8a、可変表示装置9a)にて表示結果が特定表示結果となる可変表示が実行されている間は、他方の表示装置(例えば特別図柄表示器8b、可変表示装置9b)を用いて連続して予告表示を行う構成としたので、複数回の可変表示に亘って予告表示を行うことができ、期待感を段階的に向上させることができるようになる。
また、上述した実施の形態では、一方の表示装置(例えば特別図柄表示器8a、可変表示装置9a)にて実行されている可変表示の表示結果が特定表示結果となることを予告する予告表示を、他方の表示装置(例えば特別図柄表示器8b、可変表示装置9b)における識別情報の変動に対応して実行し、他方の表示装置にて可変表示の表示結果が特定表示結果となる場合には、一方の表示装置にて特定表示結果が導出表示される前であっても、他方の表示装置にて特定表示結果を導出表示する構成としたので、一方の表示装置における可変表示の表示結果を予告するための予告表示を、見かけ上他方の表示装置において可変表示の表示結果が特定表示結果となることを予告する予告表示であるように制御することができる。
上記のように、一方の表示装置における可変表示の表示結果を予告するための予告表示を、見かけ上他方の表示装置において可変表示の表示結果が特定表示結果となることを予告する予告表示であるように制御するようにしたので、他方の表示装置において実行されている予告演出が、一方の表示装置における可変表示の表示結果が特定表示結果となることを予告する演出であるのか、他方の表示装置における可変表示の表示結果が特定表示結果となることを予告する演出であるのかを遊技者に特定されないようにすることができ、一方の表示装置と他方の表示装置の両方の変動表示に対して遊技者の期待感を向上させることができる。
また、上述した実施の形態では、一方の表示装置(例えば特別図柄表示器8a、可変表示装置9a)にて特定表示結果が導出表示されたことにもとづく特定遊技状態が継続している間、他方の表示装置(例えば特別図柄表示器8b、可変表示装置9b)で特定表示結果以外の表示態様(例えばはずれ図柄)で識別情報を停止表示する構成とした場合には、特定遊技状態が継続している間に他方の表示装置で特定表示結果が停止表示されることを防止することができ、可変表示の整合をとることができるとともに、遊技者に誤解を与えてしまうことを防止することができる。
また、上述した実施の形態では、一方の表示装置(例えば特別図柄表示器8a、可変表示装置9a)にて特定表示結果が導出表示されたことにもとづく特定遊技状態が継続している間、他方の表示装置(例えば特別図柄表示器8b、可変表示装置9b)で識別情報の可変表示を見かけ上継続して実行する構成とした場合には、特定遊技状態が継続している間に他方の表示装置で識別情報の表示結果が導出表示されることを防止することができ、可変表示の整合をとることができる。
なお、上述した実施の形態では、特別状態(確変時短状態、確変状態、時短状態)であるか非特別状態(通常状態)であるかを遊技状態報知ランプ25を用いて遊技者に報知する構成としていたが、特別状態であるか否かを遊技者に報知しないようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ101が、状態データが特別状態から非特別状態に設定変更されたことにもとづいて遊技制御用マイクロコンピュータ60によって送信される非特別状態に設定されたことを示す制御信号(変動パターンコマンド)を受信したときは、飾り図柄の可変表示が所定回数(例えば5回などのあらかじめ定められた回数、あるいは抽選などによって任意に決定された回数)実行されるまで、特別状態であるときの表示態様(背景色)で飾り図柄の可変表示を行い、飾り図柄の可変表示が所定回数実行されたあと、非特別状態であるときの表示態様(通常状態であるときの背景色)で飾り図柄の可変表示を行うように構成されているので、特別状態であるか非特別状態であるかを遊技者に報知しない構成としている場合(遊技状態報知ランプ25などによる遊技状態の報知を行わない場合)に、飾り図柄による演出によって特別状態であるか非特別状態であるかが遊技者に容易に認識されてしまうことを防止することができる。
また、上述した実施の形態において、演出制御用マイクロコンピュータ101が、状態データが確変状態から時短状態に設定変更されたことにもとづいて遊技制御用マイクロコンピュータ60によって送信される時短状態に設定されたことを示す制御信号(変動パターンコマンド)を受信したときに、飾り図柄の可変表示が所定回数(例えば5回などのあらかじめ定められた回数、あるいは抽選などによって任意に決定された回数)実行されるまで、確変状態であるときの表示態様(背景色)で飾り図柄の可変表示を行い、飾り図柄の可変表示が所定回数実行されたあと、時短状態であるときの表示態様(背景色)で飾り図柄の可変表示を行うように構成した場合には、確変状態であるか時短状態であるかを遊技者に報知しない構成としている場合(遊技状態報知ランプ25などによる遊技状態の報知を行わない場合)に、飾り図柄による演出によって確変状態であるか時短状態であるかが遊技者に直ちに認識されてしまうことを防止することができる。
本例では、上述したように、遊技状態を遊技者に報知する構成としているので、遊技者に遊技状態を容易に認識させることができるようになる。また、例えば、特許文献3(特開2000−288195号公報)に記載されているように、確変状態となったことを遊技者に報知する構成とされた遊技機は従来から提案されている。しかし、状態データが変更されたときに直ちに変更後の遊技状態を報知する構成とした場合には、特別状態であるときに通常大当りとすることが決定されると、その決定がなされたあと直ぐに非特別状態となることが報知されてしまう。同様に、特別状態であるときに抽選判定や回数判定によって非特別状態となることが決定された場合についても、その決定がなされたあと直ぐに非特別状態となることが報知されてしまう。このように、特別状態から非特別状態に移行することが遊技者に事前に察知されてしまうと、遊技者の期待感を減退させてしまうこととなる。これに対し、本例では、上記のように特別状態であるか非特別状態であるかを遊技状態報知ランプ25などによっては遊技者に報知せず、上述したように可変表示装置9a,9bの背景色を変化させることで遊技状態を把握可能な構成とし、遊技状態が特別状態から非特別状態に変更した場合には、飾り図柄の可変表示が所定回数実行されるまで特別状態であるときの表示態様(確変状態であるときに主として用いられる背景色、または時短状態であるときに主として用いられる背景色)で飾り図柄の可変表示を行い、飾り図柄の可変表示が所定回数実行されたあと非特別状態であるときの表示態様(通常状態であるときに主として用いられる背景色)に変更する構成としているので、特別状態であるか非特別状態であるかが遊技者に容易に認識されてしまうことを防止することができ、遊技者の期待感を減退させてしまうことを防止することができる。
また、上述した実施の形態では、第1特別図柄の可変表示が開始されるときに、時短状態における可変表示の実行回数が時短回数に到達したことによって時短状態の終了条件が成立した場合には、当該第1特別図柄の可変表示が終了したときに、非時短状態となったことを示す第2試験信号を作成する構成としたので、実行されている遊技演出の決定の根拠となっている遊技状態を遊技機の外部で正確に把握することができる。すなわち、時短状態で事前判定がなされた第1特別図柄の可変表示が終了したあと、非時短状態で事前判定がなされた第1特別図柄の可変表示が開始する前に、非時短状態となったことを示す第2試験信号を遊技機の外部(例えば、遊技機の試験のために遊技機に接続された試験装置(パーソナルコンピュータ等))に出力することができるため、実行されている遊技演出の決定の根拠となっている遊技状態を正確に把握することができるのである。
また、上述した実施の形態では、第2特別図柄の可変表示が開始されるときに、時短状態における可変表示の実行回数が時短回数に到達したことによって時短状態の終了条件が成立した場合には、当該第2特別図柄の可変表示が終了したときに、非時短状態となったことを示す第4試験信号を作成する構成としたので、実行されている遊技演出の決定の根拠となっている遊技状態を遊技機の外部で正確に把握することができる。すなわち、時短状態で事前判定がなされた第2特別図柄の可変表示が終了したあと、非時短状態で事前判定がなされた第2特別図柄の可変表示が開始する前に、非時短状態となったことを示す第4試験信号を遊技機の外部に出力することができるため、実行されている遊技演出の決定の根拠となっている遊技状態を正確に把握することができるのである。
また、上述した実施の形態では、第1特別図柄の可変表示が開始されるときに非特定大当りが発生したことによって状態データが非特別状態に設定されたときは、当該第1特別図柄の可変表示が終了したときに、非特別状態となったことを示す第1試験信号を作成する構成としたので、実行されている遊技演出の決定の根拠となっている遊技状態を遊技機の外部で正確に把握することができる。すなわち、特別状態で事前判定がなされた第1特別図柄の可変表示が終了したあと、非特別状態で事前判定がなされた第1特別図柄の可変表示が開始する前に、非特別状態となったことを示す第1試験信号を遊技機の外部に出力することができるため、実行されている遊技演出の決定の根拠となっている遊技状態を正確に把握することができるのである。
また、上述した実施の形態では、第2特別図柄の可変表示が開始されるときに非特定大当りが発生したことによって状態データが非特別状態に設定されたときは、当該第2特別図柄の可変表示が終了したときに、非特別状態となったことを示す第3試験信号を作成する構成としたので、実行されている遊技演出の決定の根拠となっている遊技状態を遊技機の外部で正確に把握することができる。すなわち、特別状態で事前判定がなされた第2特別図柄の可変表示が終了したあと、非特別状態で事前判定がなされた第2特別図柄の可変表示が開始する前に、非特別状態となったことを示す第3試験信号を遊技機の外部に出力することができるため、実行されている遊技演出の決定の根拠となっている遊技状態を正確に把握することができるのである。
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、識別情報の可変表示が開始されるときに状態データが非特別状態に設定されたときは、当該識別情報の可変表示が終了したときに非特別状態となったことを示す試験用信号を作成するだけでなく、当該識別情報の可変表示が開始するときに非特別状態となることを示す別の試験用信号を作成するようにしてもよい。このように構成すれば、他方の識別情報における事前判定が、状態データが非特別状態に設定されたあとに行われたか否かを、遊技機の外部で正確に把握することができる。例えば、他方の識別情報にて事前判定により大当りとすることが決定された場合に、その事前判定が、状態データが非特別状態に設定されたあとに行われたか否かを、遊技機の試験等の際に遊技機の外部で正確に把握することができる。
また、上述したように、確変状態の終了条件を抽選判定により判定するときに、大当り判定処理の前に確変終了条件を成立させるか否か判定するので、確変終了条件を成立させるときには、高確率で大当り判定がなされないようにすることができる。また、確変終了条件が成立した直後に状態データを変更(確変フラグをリセット)するとともに大当り判定処理を実行することによって、抽選判定により判定する確変終了条件が全く使用されないまま長時間放置されるようなことはなく、確変終了条件成立と大当り判定処理との間で、不正行為を受ける可能性やデータ化けの可能性を低減できる。
なお、上述した実施の形態では、確変状態の終了条件を抽選判定により判定する構成としていたが、確変状態の終了条件を可変表示の実行回数が所定回数となったか否かによって判定(回数判定)することが可能な構成とし、抽選判定と回数判定のいずれで確変状態の終了条件を判定するかを抽選によって決定するようにしてもよい。なお、回数判定によって確変状態の終了条件を判定する場合には、ステップS152およびステップS158のあとに確変回数(確変状態が継続され得る可変表示の実行回数の最大値)を設定し、ステップS58にて確変状態と判定されたときに確変回数を減算し、確変回数が0となったら確変状態の終了条件が成立したと判定するようにすればよい。
また、上述した実施の形態では特に言及していないが、時短回数カウンタに設定されているカウント値を、遊技者に報知する構成としてもよい。すなわち、時短状態が継続する識別情報の可変表示の実行回数(残り回数)を、例えば7セグメント表示器などの表示器を用いて表示するようにしてもよい。逆に、時短回数カウンタに設定されているカウント値を、遊技者に報知しない構成としてもよい。すなわち、時短状態が継続する識別情報の可変表示の実行回数(残り回数)を一切報知しないようにしてもよい。また、時短回数カウンタに設定されているカウント値とは異なる値を、時短回数として遊技者に報知する構成としてもよい。この場合、時短状態が継続する変動回数として「50回かもね」や「100回だといいね」などのような実際の変動回数とは異なる回数で例えば乱数などによりランダムに決定された回数を示すメッセージを、例えば可変表示装置9a,9bなどの表示装置に表示するようにすればよい。
なお、上述した実施の形態では、確変時短状態であるとき、確変状態であるとき、および時短状態であるときのいずれの場合も、通常大当りが発生したことによって終了条件が成立し、遊技状態が通常状態となるように構成していたが、確変時短状態であるときは、通常大当りが発生したことによって確変状態のみの終了条件が成立し、時短状態に移行するように構成されていてもよい。
図47は、上記の構成とする場合における第1特別図柄プロセス処理の変動時間設定処理の例を示すフローチャートである。この例では、変動時間設定処理において、ステップS82〜S84,S98,S99の処理(この例では、ステップS82にて、確変状態または時短状態であるか否かが判定されるものとする)のあと、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、状態データが確変時短状態を示している場合には(ステップS82a)、今回の可変表示の表示結果が通常大当り(非確変大当り:確変状態の終了条件を満たすこととなる大当り)であれば(ステップS83a)、状態データを非確変・時短状態に変更するとともに、第5試験信号作成フラグをセットする(ステップS84a)。第5試験信号作成フラグは、第1特別図柄における通常大当りの発生によって遊技機の制御状態が確変時短状態から時短状態に変更したことを遊技機の外部に通知するための第5試験信号の作成を指示するためのフラグである。そして、ステップS85に移行する。なお、第2特別図柄プロセス処理の変動時間設定処理においては、第5試験信号作成フラグとは別個の例えば第6試験信号作成フラグをセットするようにすればよい。第6試験信号作成フラグは、第2特別図柄における通常大当りの発生によって遊技機の制御状態が確変時短状態から時短状態に変更したことを遊技機の外部に通知するための第6試験信号の作成を指示するためのフラグである。
なお、状態データが確変時短状態を示しているときに今回の可変表示の表示結果が時短大当りとなる場合には、表示結果が時短大当り図柄となる変動表示が開始される前に、状態データを確変時短状態から時短状態に変更するようにすればよい。なお、ここでも、第1特別図柄が時短大当り図柄となることによる時短大当りの発生によって遊技機の制御状態が確変時短状態から時短状態に変更したことを遊技機の外部に通知するための試験信号の作成を指示するための試験信号作成用フラグをセットするようにしてもよい。この場合、上述した第5試験信号と同様に、時短大当り図柄となる変動表示の表示結果が導出表示されたときに、試験信号作成用フラグがセットされていれば該当する試験信号を作成する処理を行うようにすればよい。第2特別図柄についての処理においては、上述した第6試験信号と同様に、第1特別図柄にて用いられるフラグとは別個の試験信号作成用フラグをセットし、その試験信号作成用フラグの状態に応じて試験信号を作成する処理を行うようにすればよい。
図48は、上記の構成とする場合における第1特別図柄停止処理の例を示すフローチャートである。この例では、第1特別図柄停止処理において、第1試験信号作成フラグがセットされていない場合には(ステップS142)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第5試験信号作成フラグがセットされていれば(ステップS144)、遊技機外部に出力する第5試験信号を作成する処理を行い(ステップS145)、第5試験信号作成フラグをリセットする。なお、ステップS145では、遊技機の制御状態が確変時短状態から時短状態に変更したことを外部に通知するための第5試験信号が作成され、所定の出力ポートにセットされる。ステップS145にてセットされた試験信号は、ステップS32にて試験端子から出力される。そして、ステップS141に移行する。
なお、第2特別図柄プロセス処理における第2特別図柄停止処理(図48の第1特別図柄停止処理に相当する処理)では、ステップS144,S145に相当する処理にて、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、第6試験信号作成フラグがセットされていれば、遊技機外部に出力する第6試験信号を作成する処理を行い、第6試験信号作成フラグをリセットする。
上記のようにして、確変時短状態であるときに、通常大当り(非確変大当り)が発生したことによって確変状態のみの終了条件を成立させ、その終了条件が成立した変動表示が開始するときに、状態データを確変時短状態から時短状態に変更することができる。
なお、確変時短状態であるときに、通常大当り(非確変大当り)が発生したことによって遊技機の制御状態が時短状態に変更される構成とする場合には、時短回数は、時短状態に変更するときに新たに設定するようにしてもよいし(例えば、大当り終了処理(図20参照)にて、大当り図柄が通常大当り図柄であって確変時短状態から時短状態に移行すると判定されたときに、時短回数カウンタをセットするようにすればよい。また、例えば、ステップS84aにて状態データを変更するときに時短回数カウンタを新たにセットするようにしてもよい。)、時短状態に変更するときの残り回数をそのまま使用するようにしてもよい。
上記のように、状態データが確変時短状態に設定されているときは、事前判定によって通常大当り(非確変大当り)とすることに判定された可変表示が開始されるときに、確変状態のみが終了したと判定して状態データを非確変状態かつ時短状態に設定する構成としたので、識別情報の変動時間の選択によって遊技者に有利不利が発生しないようにすることができる。
すなわち、例えば、一方の識別情報における確変時短状態が終了する変動で長時間(例えば60秒、90秒)の変動パターンが選択され、その確変時短状態が終了することとなる一方の識別情報の変動中に、他方の識別情報にて複数回の変動表示が実行されると、他方の識別情報での事前判定が確変状態で行われることとなるため、一方の識別情報の変動中における他方の識別情報の変動回数が多いか少ないかによって、遊技者に有利不利が発生してしまうことになる。これに対して、上述した実施の形態では、確変時短状態が終了することとなる変動が開始されるときに、内部的に確変時短状態を終了させて通常状態に変更する構成としているので、確変時短状態が終了することとなる一方の識別情報の変動中における他方の識別情報での事前判定を、非確変状態で行うことができ、時短状態用変動パターンテーブルを用いて変動パターンを決定することができるようになる。よって、確変時短状態が終了する変動における識別情報の変動時間の選択によって、遊技者に有利不利が発生しないようにすることができるのである。
また、上記の例では、確変時短状態にて確変状態に優先的に制御し、確変状態の終了条件が成立したとの判定結果にもとづいて選択された変動パターンにもとづく識別情報の可変表示が開始されるときに、状態データが時短状態に変更されたときは、当該識別情報の可変表示が終了したときに非確変状態および時短状態となったことを示す第5試験信号を作成する構成とされているので、実行されている遊技演出の決定の根拠となっている遊技状態を遊技機の外部で正確に把握することができる。
また、上記の例では、確変時短状態にて確変状態に優先的に制御し、確変状態の終了条件が確変パンクによって成立したときには時短回数が未だ残っていたら状態データを時短状態に変更し、確変状態の終了条件が通常大当りの発生によって成立したときには時短回数が残っているか否かに関わらす状態データを時短状態に変更し、その時短状態の終了条件が成立したときに、状態データを通常状態に変更する構成としているので、時短状態における可変表示の実行回数に変化を持たせることができ、確変時短大当りが導出表示されたことにもとづいて実行される遊技のバリエーションを増加させることができるため、通常状態でないときの遊技の興趣を向上させることができる。
なお、上述した実施の形態では、確変状態と時短状態の双方に制御されることが決定されたときは、確変状態を優先させた確変時短状態とすることとして説明していたが、確変時短状態での遊技状態が確変状態と変わりない場合には、上記のような確変状態を優先させた遊技状態を、単に確変状態と呼ぶようにしてもよい。すなわち、上述した実施の形態において、確変状態の終了条件が成立したとき(確変パンクとなったとき、通常大当りが発生したとき)には、乱数抽選によってランダムにあるいは乱数抽選などによることなく常に、状態データを時短状態に変更することとされていてもよい。なお、上述した確変パンクとなったときと同様に、通常大当りの発生によって確変状態の終了条件が成立した場合についても、時短回数が残存しているときに、状態データを時短状態に変更するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、複数の特別図柄表示器8a,8bを遊技制御手段が制御するとともに、複数の可変表示装置9a,9bを演出制御手段が制御する構成とし、遊技制御手段が、大当りか否かなどの事前判定の判定結果を示す変動パターンコマンドを演出制御手段に送信するとともに、演出制御手段が、受信した変動パターンコマンドにもとづいて飾り図柄の変動パターンを決定し、決定した変動パターンに従って飾り図柄を順次変動表示させる構成としたので、遊技制御手段の制御負担を増大させることなく、特別図柄および飾り図柄それぞれについて複数の表示装置を用いた可変表示を行うことができ、多くのバリエーションの演出を行うことができるという効果を奏する。
具体的には、遊技制御手段は、飾り図柄の変動パターンのすべてを決定する必要がなく、また、飾り図柄の停止タイミングなどの変動状態にもすべて関与する必要がない。このため、飾り図柄の変動表示に関わる遊技制御手段の制御負担が軽減されるのである。
また、具体的には、遊技制御手段が、飾り図柄の変動パターンのすべてを決定しないので、飾り図柄の変動パターンの決定に用いる各種のデータ(テーブル、プログラムなど)を主基板31が備える記憶媒体に保存しておく必要がなくなる。パチンコ遊技機では、不正防止の観点より、大当りの決定を行うマイクロコンピュータでは、プログラムの書き換えを容易に判別可能とするために、記憶容量が制限されている。一方、演出制御基板80では、そのような制限がない。このようなことから、演出制御手段で飾り図柄の変動パターンを決定し得る構成としているので、多くのバリエーションの演出を行うことができるのである。
また、上述した実施の形態では、一方の特別図柄表示器(例えば特別図柄表示器8a)にて大当り表示結果が導出表示されたときに、他方の特別図柄表示器(例えば特別図柄表示器8b)での特別図柄の可変表示を中断する構成としたので、複数の特別図柄表示器にて同時期に大当り表示結果が導出表示され、複数箇所で大当たりが発生してしまうことを防止することができる。
なお、上述した実施の形態では、変動時間の計測を中断することで特別図柄および飾り図柄の可変表示を中断し、再開後に残りの時間分の可変表示を実行することで実現しているため、中断の期間中は、特別図柄の可変表示が継続するとともに、飾り図柄の演出表示も継続する。具体的には、例えば特別図柄や飾り図柄の高速変動表示が継続して実行されたりすることになる。ただし、上述したように、中断の期間中に、はずれ図柄などを停止表示しておくようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、特別遊技期間の具体例として時短回数が用いられていたが、特別遊技期間は、抽選によりまたはあらかじめ定められた特別遊技維持期間であってもよい。特別遊技維持期間は、例えば、3分や5分などとされる。この場合、特別遊技状態に移行したときに特別遊技維持期間の計測が開始され、特別遊技維持期間が経過するまで特別状態が維持される。具体的には、例えば、特別遊技維持期間が経過したあとに開始される最初の識別情報の可変表示まで、遊技状態が特別状態とされるようにすればよい。
また、上述した各実施の形態では、大当り判定用乱数の抽出処理が実行される第1特別図柄プロセス処理と第2特別図柄プロセス処理との間で、大当り判定用乱数の更新処理を実行する構成としたので、1回のタイマ割込処理において第1特別図柄プロセス処理と第2特別図柄プロセス処理との双方で大当り判定用乱数の抽出処理が実行された場合であっても、その抽出値が同期してしまうことを防止することができる。すなわち、上述した実施の形態のように、第1特別図柄プロセス処理と第2特別図柄プロセス処理とで、一つの大当り判定用乱数発生用の乱数カウンタを共通に利用する構成としても、同期してしまうことを防止することができ、遊技の公平性を担保することができる。
なお、上述した各実施の形態では、大当り判定用乱数の抽出処理が実行される第1特別図柄プロセス処理と第2特別図柄プロセス処理との間で大当り判定用乱数の更新処理を実行する構成としていたが、第1特別図柄プロセス処理と第2特別図柄プロセス処理とを各回のタイマ割込処理で交互に行う構成としてもよい。すなわち、第1特別図柄プロセス処理のみを実行するタイマ割込処理と、第2特別図柄プロセス処理のみを実行するタイマ割込処理とを、タイマ割込が発生する毎に交互に行うように構成してもよい。上記のように構成すれば、1回のタイマ割込処理において第1特別図柄プロセス処理と第2特別図柄プロセス処理との双方で大当り判定用乱数の抽出処理が実行されることを防止することができ、第1特別図柄プロセス処理と第2特別図柄プロセス処理とで抽出値が同期してしまうことを防止することができる。よって、第1特別図柄プロセス処理と第2特別図柄プロセス処理とで、一つの大当り判定用乱数発生用の乱数カウンタを共通に利用する構成としても、同期してしまうことを防止することができ、遊技の公平性を担保することができる。
また、上記の各実施の形態では、第1特別図柄および第2特別図柄に対応する始動入賞記憶数をそれぞれ最大4個であるとしていたが、3個以下あるいは5個以上とされていてもよい。さらに、あらかじめ定められた所定条件の成立によって、始動入賞記憶数の上限が変化するように構成されていてもよい。具体的には、例えば、通常時は最大4個であるが、大当りが発生した場合には、大当り遊技状態が終了するまで、最大15個となるようにすることが考えられる。
また、上述した各実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ101の制御によって可変表示装置9a,9bにて各種の報知を行うようにしていたが、可変表示装置9a,9bによって報知されていた各種の情報を、遊技制御用マイクロコンピュータ60が制御する表示装置によって報知する構成としてもよい。この場合、可変表示装置9a,9bを遊技制御用マイクロコンピュータ60が制御することで上記の報知を行うようにしてもよく、可変表示装置9a,9bとは別個の表示装置(例えばLCD)を遊技制御用マイクロコンピュータ60が制御することで上記の報知を行うようにしてもよい。
また、上述した各実施の形態では、特別図柄表示器8a,8bが7セグメント表示器によって構成され、特別図柄始動記憶表示器18と普通図柄始動記憶表示器41とがLEDによって構成され、遊技状態報知ランプ25と普通図柄表示器10とがランプによって構成され、可変表示装置9がLCDによって構成されることとしていたが、各表示装置には、それぞれ、7セグメント表示器、LED、ランプ、ドットマトリクスなどの各種の表示装置を適用することができる。
なお、上述した各実施の形態では、飾り図柄を2つの可変表示装置9a,9bによって表示する構成としていたが、それぞれが飾り図柄の可変表示を行う2つの表示エリアを有する1つの可変表示装置によって表示する構成としてもよい。
また、上記の各実施の形態のパチンコ遊技機は、主として、始動入賞にもとづいて可変表示部9a,9bに可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続するパチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。