以下に添付図面を参照して、本発明にかかる演出制御装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(遊技機の基本構成)
図1は、本発明の遊技機の一例を示す正面図である。本発明の遊技機は、遊技盤101を備えている。遊技盤101の下部位置には、発射部(図2における符号292を参照)が配置されている。発射部の駆動によって発射された遊技球は、レール102a,102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技領域103内を落下する。遊技領域103には、図示を省略する複数の釘が設けられ、遊技球を各種の方向に向けて落下させるとともに、落下途中の位置には、遊技球の落下方向を変化させる風車や、入賞口が配設されている。
遊技盤101の遊技領域103の中央部分には、画像表示部104が配置されている。画像表示部104としては、たとえば液晶表示器(LCD)が用いられる。画像表示部104の下方には、始動入賞させるための始動入賞口105が配設されている。画像表示部104の左側には、入賞ゲート106が配設されている。
入賞ゲート106は、遊技球の通過を検出し、始動入賞口105を一定時間だけ開放させる抽選をおこなうために設けられる。画像表示部104の側部や下方等には普通入賞口107が配設されている。普通入賞口107に遊技球が入賞すると、普通入賞時の賞球数(たとえば10個)の払い出しをおこなう。遊技領域103の最下部には、どの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収する回収口108が設けられている。
上述した画像表示部104は、特定の入賞口に遊技球が入賞したとき(始動入賞時)に、複数の図柄の表示の変動を開始させ、所定時間後に図柄が停止する。この停止時に特定図柄(たとえば「777」)が揃ったとき、大当たり状態となる。大当たり状態のとき、下方に位置する大入賞口109の一定の期間の開放を所定ラウンド(たとえば15ラウンド)繰り返し、入賞した遊技球に対応した数の賞球を払い出す。
遊技盤101の遊技領域103の外周部分には、枠部材110が設けられている。枠部材110は、遊技盤101の上下左右の4辺において遊技領域103の周囲を囲む形状を有している。また、枠部材110は、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。これにより、本実施の形態の遊技機を、枠部材110を備えていない他機種の遊技機よりも目立たせることができる。遊技機を目立たせることにより、遊技機の稼働率の向上を図るとともに、遊技機に対する不正行為に対する抑止力の強化を図ることができる。
枠部材110の下部位置には、操作ハンドル113が配置されている。操作ハンドル113は、上記の発射部の駆動によって遊技球を発射させる際に、遊技者によって操作される。操作ハンドル113は、上記の枠部材110と同様に、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。
操作ハンドル113は、上記の発射部を駆動させて遊技球を発射させる発射指示部材114を備えている。発射指示部材114は、操作ハンドル113の外周部において、遊技者から見て右回りに回転可能に設けられている。発射部は、発射指示部材114が遊技者によって直接操作されている場合に、遊技球を発射させる。公知の技術であるため説明を省略するが、操作ハンドル113には、遊技者が発射指示部材114を直接操作していることを検出するセンサなどが設けられている。
枠部材110において、遊技領域103の下側となる辺には、遊技者による操作を受け付ける演出ボタン(チャンスボタン)117が設けられている。演出ボタン117の操作は、たとえば、遊技中における特定のリーチ演出に際し、演出ボタン117の操作を促すガイダンスが表示されている間有効となる。
また、枠部材110において、演出ボタン117の隣には、十字キー118が設けられている。演出ボタン117および十字キー118によって、操作部が構成されている。加えて、枠部材110には、音声を出力するスピーカ(図2における符号277を参照)が組み込まれている。
(制御部の内部構成)
図2は、遊技機の制御部の内部構成を示すブロック図である。制御部200は、複数の制御部により構成されている。図示の例では、主制御部201と、演出制御部202と、賞球制御部203と、ランプ制御部204とを有する。主制御部201は、遊技機の遊技にかかる基本動作を制御する。演出制御部202は、遊技中の演出動作を制御する。賞球制御部203は、払い出す賞球数を制御する。ランプ制御部204は、遊技盤および枠に設けられたランプの点灯を制御する。
主制御部201は、ROM212に記憶されたプログラムに基づき、遊技内容の進行に伴う基本処理を実行するCPU211と、CPU211の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するRAM213と、入出力インターフェース(I/O)214、215等を備えて構成される。主制御部201は、たとえば主制御基板によってその機能を実現する。RAM213にセットされた各種コマンドは、演出制御部202、賞球制御部203に所定のタイミングで送出される。
この主制御部201には、I/O214を介して始動入賞口105に入賞した入賞球を検出する始動入賞口検出部(始動口SW)221と、入賞ゲート106を通過した遊技球を検出するゲート検出部(ゲートSW)222と、普通入賞口107に入賞した遊技球を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口SW)223と、大入賞口109に入賞した入賞球を検出する大入賞口検出部(大入賞口SW)224と、が接続されている。普通入賞口SW223は、普通入賞口107の配置位置別のSW1(223a)、SW2(223b)等、複数個設けてもよい。これらの検出部としては、近接スイッチ等を用いて構成することができる。
始動入賞口検出部221、ゲート検出部222、普通入賞口検出部223、および大入賞口検出部224による検出結果は、主制御部201に入力される。
また、主制御部201は、I/O214を介して始動入賞口105部分(チューリップ)を一定時間開放させる始動口ソレノイド225と、大入賞口109を開閉する大入賞口ソレノイド231に対する駆動と、不図示の保留ランプ(図1の遊技盤101上にたとえば4個設けられる)226に対する点灯の制御をおこなう。大入賞口ソレノイド231は、大当たり時に大入賞口109を一定期間開放する動作をおこなう。この大当たりは、生成した乱数に基づき所定の確率で発生するようあらかじめプログラムされている。
次に、演出制御部202は、遊技中における演出内容の制御をおこなう。この演出制御部202は、主制御部201から送出されるコマンドに基づき、演出内容を統括する演出統括部202aと、演出統括部202aによって指示された画像および音声の制御をおこなう画像・音声制御部202bとによって構成されている。
演出統括部202aは、演出処理を実行するCPU241と、演出のプログラムを記憶するROM242と、CPU241の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するRAM243と、主制御部201との間の入出力インターフェース(I/O)244と、画像・音声制御部202bとの間の入出力インターフェース(I/O)245と、ランプ制御部204との間の入出力インターフェース(I/O)246とを備えて構成される。
また、この演出統括部202aには、時刻(日付を含む実時間)を計時出力する計時手段としてのリアルタイムクロック(RTC)247が接続されている。このリアルタイムクロック247は、電源断時においても図示しないバックアップ電源により計時動作を継続する。RAM243にセットされた各種データは、画像・音声制御部202bに所定のタイミングで送出される。なお、RTC247は、演出制御部202に配置するに限らず、主制御部201に配置したり単独で配置したりと、配置位置が限られるものではない。
画像・音声制御部202bは、画像および音声の生成および出力処理を実行するCPU251と、背景画像、図柄画像、キャラクタ画像など各種画像データや各種音声を記憶するROM252と、画像表示部104に表示させる画像データや、スピーカ277を介して出力させる音声を格納するRAM253と、演出統括部202aとの間の入出力インターフェース(I/O)254と、画像表示部104およびスピーカ277との間の入出力インターフェース(I/O)255とを備えて構成される。すなわち、画像・音声制御部202bから出力される画像表示部104に表示させる画像データや、スピーカ277を介して出力させる音声などの各種の演出に関する情報はRAM253へ出力され、その後、画像表示部104に表示、またはスピーカ277から出力される。これらCPU241,251は、画像表示部104等に対する表示制御手段を構成している。
演出制御部202のうち演出統括部202aには、I/O244を介して上記の演出ボタン117が接続されており、演出ボタン117の操作は、演出統括部202aに入力される。
演出統括部202aは、主制御部201から送出されるコマンドに基づき、CPU241がROM242に記憶されたプログラムを読み込んで、演出内容を決定して画像・音声制御部202bに指示出力する。画像・音声制御部202bのCPU251は、指示された演出内容に基づいて、背景画像表示処理、図柄画像表示/変動処理、キャラクタ画像表示処理など各種画像処理と音声処理を実行し、必要な画像データおよび音声データをROM252から読み出してRAM253に書き込む。RAM253に書き込まれた背景画像、図柄画像、キャラクタ画像は、表示画面上において画像表示部104に重畳表示される。すなわち、図柄画像やキャラクタ画像は背景画像よりも手前に見えるように表示される。
この場合、同一位置に背景画像と図柄画像が重なる場合、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、図柄画像を優先してRAM253に記憶させる。以上の演出制御部202は、たとえば演出制御基板によってその機能を実現する。
演出制御部202は、画像表示部104に対しては、遊技中における演出内容、たとえば、図柄の移動表示や、リーチ(3つの図柄のうち2つが揃った状態)、および大当たり時の各種表示情報を生成して出力する。遊技が一定時間中断されたときには客待ちの画面を表示出力する。また、後述するが確変モードであるか否かの確変状態報知をRTC247の計時に基づき、所定の時期に表示させる。また、この演出制御部202は、スピーカ277から音声を出力させるためのデータを出力する。
ランプ制御部204は、ランプ点灯等のための処理を実行するCPU261と、ランプ点灯等の制御データを記憶するROM262と、CPU261のワークエリアとしてのRAM263と、演出統括部202aとの間の入出力インターフェース(I/O)264と、演出ライト部266および可動役物267や、不図示の盤ランプとの間の入出力インターフェース(I/O)265とを備えて構成される。
ランプ制御部204は、演出制御部202の演出統括部202aから出力されたランプ点灯等の制御データに基づいて、遊技盤101や台枠等に設けられている演出ライト部(不図示)を点灯制御するデータを出力する。また、可動役物(不図示)に対して動作制御するデータを出力する。
次に、賞球制御部203は、ROM282に記憶されたプログラムに基づき、賞球制御をおこなう。この賞球制御部203は、賞球制御の処理を実行するCPU281と、CPU281の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するRAM283と、主制御部201との間の入出力インターフェース(I/O)284と、賞球動作のためのモータやスイッチとの間の入出力インターフェース(I/O)285とを備えて構成される。賞球制御部203は、たとえば賞球基板によってその機能を実現する。
賞球制御部203は、I/O285を介して接続される払出部(払出駆動モータ)291に対して入賞時の賞球数を払い出す制御をおこなう。払出部291は、遊技球の貯留部から所定数を払い出すためのモータからなる。また、発射部292に対する遊技球の発射の操作を検出し、遊技球の発射を制御する。
賞球制御部203は、この払出部291に対して、各入賞口(始動入賞口105、普通入賞口107、大入賞口109)に入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出す制御をおこなう。発射部292は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイド等を備える。賞球制御部203は、発射部292のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイド等を駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤101の遊技領域103に遊技球を送り出す。
また、この賞球制御部203には、I/O285を介して払い出す遊技球の状態を検出する各所の検出部が接続され、賞球のための払い出し状態を検出する。これらの検出部としては、定位置検出SW293、払出球検出SW294、球有り検出SW295、満タン検出SW296等がある。
上記構成の主制御部201と、演出制御部202と、賞球制御部203と、ランプ制御部204は、それぞれ異なるプリント基板(主制御基板、演出制御基板、賞球基板、ランプ基板)に設けられる。これに限らず、たとえば、賞球制御部203は、主制御部201と同一のプリント基板上に設けることもできる。
(遊技機の基本動作)
上記構成による遊技機の基本動作の一例を説明する。主制御部201のCPU211により遊技中の制御がおこなわれ、各入賞口に対する遊技球の入賞状況を賞球制御部203に出力し、賞球制御部203は、入賞状況に対応した賞球数の払い出しをおこなう。
また、始動入賞口105に遊技球が入賞する毎に、対応する制御信号を演出制御部202に出力し、演出制御部202は、画像表示部104の図柄を変動表示させ、停止させることを繰り返す。大当たり発生が決定しているときには、対応する制御信号を演出制御部202に出力し、演出制御部202は、所定の図柄で揃えて停止させる。このとき同時に、大入賞口109を開放する制御をおこなう。
演出制御部202は、大当たり発生期間中、および大当たり発生までの間のリーチ時や、リーチ予告時等には、画像表示部104に対して、図柄の変動表示に加えて各種の演出表示をおこなう。このほか、各種役物に対して特定の駆動をおこなったり、演出ライト部11の点灯状態を変更する等の演出をおこなう。
そして、大当たり発生時には、大入賞口109が複数回開放される。1回の開放を1ラウンドとして、たとえば15回のラウンドが繰り返し実行される。1ラウンドの期間は、遊技球がたとえば10個入賞したとき、あるいは所定期間(たとえば30秒)とされている。この際、賞球制御部203は、大入賞口109に対する遊技球1個の入賞あたり15個の賞球数で払い出しをおこなう。大当たり終了後は、この大当たり状態が解除され、通常の遊技状態に復帰する。また、演出制御部202は、遊技が一定時間中断されたときには客待ち用の表示画面を表示出力する。
(主制御部の処理手順)
次に、主制御部201の処理手順の内容について説明する。図3は、主制御部(主制御基板)がおこなうメイン処理の処理手順を示すフローチャートである。図3に示した各種処理に基づき周辺部である演出制御部202、賞球制御部203、ランプ制御部204がそれぞれ動作制御される。
図3のフローチャートにおいて、主制御部201は、電源投入時に図示の処理を起動させる。まず、周辺部の起動を安定させるための時間待ち(たとえば1000ms)をおこない(ステップS301)、RAM213アクセス許可をおこなう(ステップS302)。次に、RAMクリアスイッチの状態を検出する(ステップS303)。
検出結果がONであれば(ステップS303:Yes)、ステップS307に移行し各処理(ステップS307〜ステップS309)をおこなう。OFFであれば(ステップS303:No)、次に、バックアップフラグの状態を検出する(ステップS304)。バックアップフラグがONであれば(ステップS304:Yes)、チェックサムが正常であるか判断する(ステップS305)。バックアップフラグがOFFであれば(ステップS304:No)、ステップS307に移行する。
チェックサムが正常であれば(ステップS305:Yes)、電源断後の復旧処理(別ルーチン)を実行し(ステップS306)、ステップS310に移行する。一方、チェックサムが一致しない等の異常時には(ステップS305:No)、ステップS307に移行する。
ステップS307以降の処理では、RAM213に対するRAMクリアをおこなう(ステップS307)。次に、このクリアしたRAM213の作業領域を設定し(ステップS308)、周辺部(演出制御部202、賞球制御部203、ランプ制御部204)に対してそれぞれ初期設定をおこない(ステップS309)、ステップS310に移行する。
ステップS310では、CTC設定をおこない、タイマ割り込みの時間(たとえば4ms間隔)を設定する。次に、電源断の際の各種処理(電源断検出、チェックサム作成、バックアップフラグON等)である電源断監視処理(詳細は省略)を実行し(ステップS311)、大当たり判定に用いる変動パターン乱数更新処理をおこなった後(ステップS312)、割込禁止して(ステップS313)、大当たり判定に用いる初期値乱数更新をおこない(ステップS314)、再度割込許可する(ステップS315)。以後、電源が供給されている期間中は、ステップS311に戻り、ステップS311〜ステップS315の処理を継続する。
図4は、メイン処理に対するタイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、電源供給期間中、図3のステップS310において設定された所定期間(たとえば4ms)毎に図3のメイン処理に割り込み動作する。まず、乱数更新処理をおこない(ステップS401)、始動口入賞時のスイッチ処理をおこなう(ステップS402)。この後、大入賞口処理をおこない(ステップS403)、図柄処理をおこない(ステップS404)、賞球処理をおこない(ステップS405)、これらの出力処理をおこなう(ステップS406)。
ステップS402のスイッチ処理では、始動入賞口105に設けられた始動口SW221が遊技球を検出する毎、所定の保留数(たとえば保留ランプの4球)を上限として保留数毎に乱数を取得する。ステップS403の大入賞口処理では、取得した乱数が大当たりに相当する数値であるときに、大当たりと判定し、上述したように、大入賞口109に設けられた大入賞口ソレノイド231を所定回数開放させる処理をおこなう。
図5は、メイン処理における復旧処理の処理内容を示すフローチャートである。図3のステップS306に示した復旧処理の処理内容を記載した。電源断後の復旧時に動作するものであり、まず、復旧時におけるRAM213の作業領域を設定する(ステップS501)。次に、電源断時におけるモードが大当たり中であったか(ステップS502)、確変中であったか(ステップS504)、時短中であったか(ステップS506)を判定する。
電源断時におけるモードが大当たり中のときには(ステップS502:Yes)、演出制御部202に対して大当たり状態コマンドを送信し(ステップS503)、この後、周辺部(賞球制御部203、ランプ制御部204)の設定をおこない(ステップS509)、バックアップフラグをOFFにし(ステップS510)、復旧処理を終える。
電源断時におけるモードが大当たり中でないときには(ステップS502:No)、次に、確変中であったかを判断し、確変中であったときには(ステップS504:Yes)、演出制御部202に対して確変状態コマンドを送信し(ステップS505)、ステップS509の処理に移行する。電源断時におけるモードが確変中でないときには(ステップS504:No)、次に、時短中であったかを判断し、時短中であったときには(ステップS506:Yes)、演出制御部202に対して時短状態コマンドを送信し(ステップS507)、ステップS509の処理に移行する。電源断時におけるモードが時短中でないときには(ステップS506:No)、演出制御部202に対して通常状態コマンドを送信し(ステップS508)、ステップS509の処理に移行する。
図6は、図柄処理の処理内容を示すフローチャートである。図4のステップS404における処理内容である。図柄処理では、まず、大当たり中であるか判断し(ステップS601)、大当たり中であれば(ステップS601:Yes)、図柄変動させず処理を終了する。大当たり中でなければ(ステップS601:No)、図柄の変動中であるか判断し(ステップS602)、変動中でなければ(ステップS602:No)、保留数Uが最低1個はあるか判断する(ステップS603)。保留数がなければ(U=0)(ステップS603:No)、図柄変動させず終了する。
保留数が1個以上あれば(ステップS603:Yes)、保留数を1個分減算したものを新たな保留数とし(ステップS604)、変動内容選択処理(別ルーチン)をおこなう(ステップS605)。次に、変動開始コマンドをRAM213にセットし(ステップS606)、図柄の変動を開始させる(ステップS607)。そして図柄が変動している変動期間を計測開始して終了する(ステップS608)。
ステップS602において、図柄の変動中の場合(ステップS602:Yes)、次に変動時間が終了したか判断する(ステップS609)。変動時間が終了していなければ(ステップS609:No)、処理を終了し、変動時間が終了していれば(ステップS609:Yes)、図柄の変動停止のコマンドをセットし(ステップS610)、図柄の変動を終了させる(ステップS611)。この際、図柄の変動時間をリセットし(ステップS612)、別ルーチンの停止中処理をおこなって(ステップS613)、処理を終了する。
図7は、変動内容選択処理の処理内容を示すフローチャートである。図6のステップS605における処理内容である。変動内容選択処理は、確変中であるか判断し(ステップS701)、確変中であれば(ステップS701:Yes)、高確率判定値をRAM213にセットし(ステップS702)、確変中でなければ(ステップS701:No)、低確率判定値をセットする(ステップS703)。
この後、大当たりであるか判断し(ステップS704)、大当たりのときには(ステップS704:Yes)、確変であるか判断する(ステップS705)。確変のときには(ステップS705:Yes)、確変大当たりをセットし(ステップS706)、確変でなければ(ステップS705:No)、通常大当たりをセットし(ステップS707)、終了する。
ステップS704にて大当たりでなければ(ステップS704:No)、リーチであるか判断する(ステップS708)。リーチであれば(ステップS708:Yes)、リーチハズレをセットし(ステップS709)、リーチでなければ(ステップS708:No)、ハズレをセットして(ステップS710)、終了する。
図8は、停止中処理の処理内容を示すフローチャートである。図6のステップS613における処理内容である。停止中処理は、大当たり図柄であるか判断し(ステップS801)、大当たり図柄でなければ(ステップS801:No)、時短用の値(時短残り回転数)Jが0であるか判断する(ステップS802)。時短用の値Jが0であれば(ステップS802:Yes)、終了し、0でなければ(ステップS802:No)、値Jを1減算した値を新たなJとする(ステップS803)。この後、Jが0でなければ(ステップS804:No)、終了し、Jが0であれば(ステップS804:Yes)、通常遊技状態をRAM213にセットする(ステップS805)。
客待ちの表示をおこなう場合には、さらに、下記のステップを処理する。まず、保留数Uが最低1個はあるか判断する(ステップS812)。保留数が1個以上あれば(ステップS812:Yes)、終了する。保留数がなければ(U=0)(ステップS812:No)、客待ちのコマンドをRAM213にセットし(ステップS813)、処理を終了する。
ステップS801において、大当たり図柄であれば(ステップS801:Yes)、次に、確変大当たり図柄であるか判断する(ステップS806)。確変大当たり図柄であれば(ステップS806:Yes)、確変遊技状態をRAM213にセットし(ステップS807)、大当たりを開始させ(ステップS808)、オープニングを開始させて(ステップS809)、終了する。
ステップS806において、確変大当たり図柄でなければ(ステップS806:No)、時短遊技状態をRAM213にセットし(ステップS810)、時短用の値Jの初期値(たとえば100)をセットし(ステップS811)、ステップS808以下の処理に移行する。
(演出制御部の処理手順)
次に、演出制御部202の処理手順の内容について説明する。演出制御部202は、主制御部から送信される各種コマンドを受信し演出表示させる所定のメイン演出処理(不図示)をおこなう。
図9は、演出制御部(演出制御基板)がおこなうタイマ割込処理の処理手順を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、メイン演出処理に対し、所定時間間隔(たとえば4ms毎)のタイミングで割り込み実行される。タイマ割込処理では、表示させる画像を決定する画像処理(詳細は省略する)を実行し(ステップS901)、出力させる音声を決定する音声処理(詳細は省略する)を実行し(ステップS902)、終了する。
図10は、演出制御部(演出制御基板)がおこなう演出表示処理の処理手順を示すフローチャートである。演出表示処理とは、図9のステップS901における画像処理に含まれる一処理である。演出表示処理では、まず、演出中であるか判断し(ステップS1001)、演出中でなければ(ステップS1001:No)、主制御部201から変動開始コマンドを受信したか判断する(ステップS1002)。
変動開始コマンドを受信していないときには(ステップS1002:No)、処理を終了する。変動開始コマンドを受信したときには(ステップS1002:Yes)、変動開始コマンドに対応する演出のパターンを選択する演出パターン選択処理(詳細は省略する)を実行する(ステップS1003)。その後、変動開始音選択処理(図11を参照)を実行し(ステップS1004)、客待ち待機時間をリセットし(ステップS1005)、客待ち時間をリセットし(ステップS1006)、演出を開始させ(ステップS1007)、処理を終了する。
ステップS1001にて演出中であれば(ステップS1001:Yes)、変動停止コマンドを受信したか判断する(ステップS1008)。変動停止コマンドを受信したときには(ステップS1008:Yes)、演出を終了させ(ステップS1009)、処理を終了する。変動停止コマンドを受信していないときには(ステップS1008:No)、そのまま終了する。
図11は、変動開始音選択処理の処理手順を示すフローチャートである。図10のステップS1004に示す処理の内容である。変動開始音とは、図柄の変動開始時に出力される音声である。変動開始音選択処理において、まず、前回の変動終了時から設定時間が経過したか判断し(ステップS1101)、設定時間が経過していれば(ステップS1101:Yes)、大当たりであるか判断し(ステップS1102)、大当たりであれば(ステップS1102:Yes)、プレミア音をRAM253にセットし(ステップS1103)、終了する。大当たりでなければ(ステップS1102:No)、RTC247において計時された現在時刻に対応した時刻対応音をRAM253にセットし(ステップS1104)、終了する。なお、時刻対応音およびプレミア音については、図12を用いて説明する。
また、ステップS1101において、設定時間が経過していなければ(ステップS1101:No)、変動開始音をセットせずに終了する。この場合には、変動開始音は出力されないこととなる。なお、ここで、設定時間は、変動開始音を出力させる頻度に応じた任意の時間である。すなわち、設定時間は、変動開始音を頻繁に出力させたい場合には小さな値が設定され、変動開始音を稀に出力させたい場合には大きな値が設定される。たとえば、設定時間は、毎変動時に変動開始音を出力したい際には0に設定され、前回の変動から或る程度の経過し、その後、変動した際のみ変動開始音を出力したい際には90秒に設定される。
図12は、時刻対応音およびプレミア音の内容を示す説明図である。テーブル1200に示すように、それぞれの時刻対応音には対応する時刻(対応時刻)が設定されている。たとえば、日付による1月1日では「明けましておめでとう」が、時間帯による4:00〜11:00では「おはよう」が設定されている。
上記の変動開始音選択処理では、RTC247によって計時された現在時刻を対応時刻に含む時刻対応音を選択し、RAM253にセットする。たとえば、RTC247によって計時された現在時刻が「5月1日 10:00」である場合には、対応時刻が4:00〜11:00に設定された時刻対応音「おはよう」が選択される。また、たとえば、RTC247によって計時された現在時刻が「1月1日 10:00」である場合には、日付による時刻対応音が優先され、「明けましておめでとう」が選択される。
なお、上記においては時刻対応音のみを説明したが、同様に、時刻対応画像も設定されることとしてもよい。この場合には、上記の画像処理(図9のステップS901)において、RTC247によって計時された時刻を対応時刻に含む時刻対応画像が選択され、画像表示部104に表示される。たとえば、RTC247によって計時された時刻が「1月1日 10:00」である場合には、鏡餅の絵および「明けましておめでとう」の文字など、正月を象徴するような画像が画像表示部104に表示される。
次に、客待ち時に実行される客待ち処理の処理手順を説明する。図13は、客待ち処理の処理手順を示すフローチャートである。本実施の形態の遊技機において、一定時間遊技がなされないとき、図柄の変動が停止した後には画像表示部104に客待ちの用の表示画面が表示されるようになっている。図13に示す客待ち処理は、図示しないメイン演出処理に所定時間間隔(たとえば4ms毎)のタイミングで割り込み実行される。
そして、図13に示す客待ちの割り込み実行時には、まず、客待ち待機中であるか判断する(ステップS1301)。客待ち待機中であれば(ステップS1301:Yes)、客待ち待機処理を実行し(ステップS1306)、処理を終了する。
ステップS1301において、客待ち待機中でなければ(ステップS1301:No)、客待ち表示中であるか判断する(ステップS1302)。客待ち表示中であれば(ステップS1302:Yes)、客待ち表示処理を実行し(ステップS1307)、処理を終了する。
ステップS1302において、客待ち表示中でなければ(ステップS1302:No)、主制御基板から客待ち開始コマンドを受信したか判断する(ステップS1303)。客待ち開始コマンドを受信していなければ(ステップS1303:No)、処理を終了する。客待ち開始コマンドを受信していれば(ステップS1303:Yes)、客待ち待機を開始し(ステップS1304)、客待ち待機時間の計測を開始し(ステップS1305)、処理を終了する。
図14は、客待ち待機処理の処理手順を示すフローチャートである。図13のステップS1306の処理の内容である。客待ち待機処理において、まず、客待ち待機時間が経過したかを判断する(ステップS1401)。客待ち待機時間とは、遊技されず図柄の変動が停止したときから客待ち用の表示画面が表示されるまでの期間(たとえば1分)である。客待ち待機時間は、図13のステップS1305から、図15のステップS1504までの期間を計測することによって得られる。なお、遊技機は、客待ち待機時間が経過するまでの間は、停止した図柄と背景が表示され、客待ち待機時間が経過した後に客待ち時間となり、画像表示部104には所定時間(たとえば30秒)の間、所定の客待ち用の表示画面が表示されるようになっている。
ステップS1401において、客待ち待機時間が経過していなければ(ステップS1401:No)、そのまま終了する。客待ち待機時間が経過していれば(ステップS1401:Yes)、客待ち表示を開始する(ステップS1402)。ここで、客待ち表示とは、前述の客待ち用の表示画面を表示することである。客待ち表示を開始した後、計測した客待ち待機時間をリセットし(ステップS1403)、客待ち表示時間を計測し(ステップS1404)、終了する。客待ち表示時間とは、客待ち表示がなされている期間のことである。
図15は、客待ち表示処理の処理手順を示すフローチャートである。図13のステップS1307の処理の内容である。客待ち表示処理において、まず、客待ち表示時間が経過したか判断する(ステップS1501)。ここで、客待ち表示時間とは、客待ち用の表示画面が表示されている期間である。客待ち用の表示画面には、たとえば、再生時間が30秒の動画が表示される。このとき、客待ち表示時間は30秒(すなわち、動画の再生時間)となる。
ステップS1501において、客待ち表示時間が経過していなければ(ステップS1501:No)、そのまま終了する。客待ち表示時間が経過していれば(ステップS1501:Yes)、客待ち待機を開始する(ステップS1502)。ここで、客待ち待機とは、前述の客待ち表示する前(もしくは、客待ち表示後)の状態であり、画像表示部104には前回の変動によって停止した図柄と背景が表示されている状態である。客待ち待機を開始した後、計測した客待ち表示時間をリセットし(ステップS1503)、客待ち待機時間を計測し(ステップS1504)、終了する。
図16は、時刻対応音出力のタイミングの一例を示すタイミングチャートである。なお、図16において、遊技機が実行中の遊技状態は低確率であるとする。図示の例では、図柄変動停止後(時期t1)に、客待ち待機時間T1が経過すると、客待ちとなる(時期t2)。前述のように、客待ちとなると、画像表示部104には、客待ち表示が開始される。そして、この遊技機において、時期t3で遊技が再開された際(すなわち、図柄変動が再開された際)に、再開後の1回目の変動開始時に、時刻対応音が出力される。なお、再開後の1回目の変動が大当たりとなる場合には、時刻対応音に替えてプレミア音を出力する。
以上に説明したように、本実施の形態の遊技機によれば、遊技者が演出を煩わしく感じないようなタイミング、すなわち、客待ち後など、遊技を開始(再開)するタイミングで現在時刻に応じた演出を実行するので、遊技者は、演出を楽しむことができ、遊技性および遊技の趣向性が向上し、遊技性を向上させることができる。
そして、本実施の形態の遊技機によれば、実行されている遊技状態が低確率の場合(遊技者が遊技をやめると思われる状態)のみ、演出を実行することによって、遊技者が煩わしいと感じるような演出を抑えることができ、遊技性を向上させることができる。
また、本実施の形態の遊技機によれば、現在時刻に応じた演出を、客待ち状態から、通常の遊技状態へ復帰する変動時のみとすることによって、演出が頻発することを防止して、遊技性を向上させることができる。
さらに、本実施の形態の遊技機によれば、客待ち状態から、通常の遊技状態へ復帰する変動が大当たりである場合には、現在時刻に応じた演出(たとえば時刻対応音)とは異なる他の演出(たとえばプレミア音)を実行することができるので、演出のバリエーションが増え、さらに、遊技の趣向性を向上させることができる。
なお、本実施の形態で説明した演出制御の方法は、あらかじめ用意されたプログラムを演出制御基板などのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な媒体であってもよい。