以下に添付図面を参照して、本発明にかかる演出制御基板、遊技機、演出方法およびプログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
(遊技機の基本構成)
図1は、本発明の遊技機の一例を示す正面図である。本発明の遊技機は、遊技盤101を備えている。遊技盤101の下部位置には、発射部(図2における符号292を参照)が配置されている。発射部の駆動によって発射された遊技球は、レール102a,102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技領域103内を落下する。遊技領域103には、図示を省略する複数の釘が設けられ、遊技球を各種の方向に向けて落下させるとともに、落下途中の位置には、遊技球の落下方向を変化させる風車や、入賞口が配設されている。
遊技盤101の遊技領域103の中央部分には、画像表示部104が配置されている。たとえば、画像表示部104としては液晶表示器(LCD)が用いられる。画像表示部104の下方には、始動入賞させるための始動入賞口105a,105bが配設されている。画像表示部104の左側には、入賞ゲート106が配設されている。
入賞ゲート106は、遊技球の通過を検出し、始動入賞口105b付近に設けられた不図示の電動役物(以下「電動チューリップ」という)を一定時間だけ開放させる抽選をおこなうために設けられる。画像表示部104の側部や下方等には普通入賞口107が配設されている。普通入賞口107に遊技球が入賞すると、普通入賞時の賞球数(たとえば10個)の払い出しをおこなう。遊技領域103の最下部には、どの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収する回収口108が設けられている。
上述した画像表示部104は、特定の入賞口に遊技球が入賞したとき(始動入賞時)に、複数の図柄の表示の変動を開始させ、所定時間後に図柄が停止する。この停止時に特定図柄(たとえば「7・7・7」)が揃ったとき、大当たり状態となる。大当たり状態のとき、下方に位置する大入賞口109の一定の期間の開放を所定ラウンド(たとえば15ラウンド)繰り返し、入賞した遊技球に対応した数の賞球を払い出す。
遊技盤101の右下部分には、普通図柄表示部119および特別図柄表示部120が配置されている。たとえば、普通図柄表示部119および特別図柄表示部120としては7セグメントディスプレイが用いられる。普通図柄表示部119および特別図柄表示部120には、所定の抽選結果をあらわす数字や記号、アルファベット等が表示される。
普通図柄表示部119に表示された数字等の図柄(以下「普通図柄」という)は、遊技球が入賞ゲート106を通過した際に変動が開始され、所定時間後に停止する。このとき、所定の普通図柄が停止すると、上記の電動チューリップが一定時間だけ開放される。特別図柄表示部120に表示された数字等の図柄(以下「特別図柄」という)は、遊技球が始動入賞口105a,105bへ入賞した際に変動が開始され、所定時間後に停止する。このとき、所定の特別図柄が停止すると、大当たり状態となる。
普通図柄表示部119および特別図柄表示部120の左側には、普通図柄または特別図柄の変動に対する保留玉表示部121が配置されている。たとえば、保留玉表示部121としてはLEDが用いられる。この保留玉表示部121としてのLEDは複数配置され、点灯/消灯によって普通図柄または特別図柄の変動に対する保留玉の数をあらわす。たとえば、保留玉表示部121を構成するLEDのうちの、上段のLEDが2個点灯している場合には、普通図柄の変動に対する保留数は2であることをあらわす。
遊技盤101の遊技領域103の外周部分には、枠部材110が設けられている。枠部材110は、遊技盤101の上下左右の4辺において遊技領域103の周囲を囲む形状を有している。また、枠部材110は、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。これにより、本実施の形態の遊技機を、枠部材110を備えていない他機種の遊技機よりも目立たせることができる。遊技機を目立たせることにより、遊技機の稼働率の向上を図るとともに、遊技機に対する不正行為に対する抑止力の強化を図ることができる。
枠部材110において、遊技領域103の上側および下側となる2辺には、演出ライト部(枠ランプ)112が設けられている。演出ライト部112は、それぞれ複数のランプを有する。各ランプは、遊技機の正面にいる遊技者を照射し、その照射位置が遊技者の頭上から腹部に沿って移動するように、光の照射方向を上下方向に変更することができる。各ランプは、演出ライト部112に設けられた不図示のモータによって、光の照射方向を上下方向に変更するように駆動される。
また、各ランプは、遊技機の周囲を照射し、その照射位置が遊技機を基準にして円をなすように、光の照射方向を回転させることができる。演出ライト部112は、各ランプから照射される光の照射方向を、上下方向に変更しながら回転させることにより、演出ライト部112全体から照射する光の照射方向を3次元に変更することができる。
たとえば、光の照射方向は、大当たり状態となった場合に変更させる。これにより、遊技者および遊技機の周囲を順次照射して、遊技機が大当たり状態となっていることを周囲に知らしめることができ、大当たり状態となった遊技者の注目度を高めることができる。これによって、遊技者に対して、注目されていることによる高揚感を与え、本実施の形態の遊技機を継続あるいは繰り返して利用させ、遊技機の稼働率の向上を図ることができる。また、光の照射方向は、後述する報知時間になると開始される演出時などに変更させてもよい。これによって、演出を一層と際立たせることができる。
枠部材110の下部位置には、操作ハンドル113が配置されている。操作ハンドル113は、上記の発射部の駆動によって遊技球を発射させる際に、遊技者によって操作される。操作ハンドル113は、上記の枠部材110と同様に、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。
操作ハンドル113は、上記の発射部を駆動させて遊技球を発射させる発射指示部材114を備えている。発射指示部材114は、操作ハンドル113の外周部において、遊技者から見て右回りに回転可能に設けられている。発射部は、発射指示部材114が遊技者によって直接操作されている場合に、遊技球を発射させる。公知の技術であるため説明を省略するが、操作ハンドル113には、遊技者が発射指示部材114を直接操作していることを検出するセンサなどが設けられている。
画像表示部104の周辺(たとえば上側や側方)には、不図示の演出用の役物(以下「可動役物」という)が設けられている。可動役物は、不図示のソレノイドやモータによって駆動される。
枠部材110において、遊技領域103の下側となる辺には、遊技者による操作を受け付ける演出ボタン(チャンスボタン)117が設けられている。また、枠部材110において、演出ボタン117の隣には、十字キー118が設けられている。演出ボタン117および十字キー118によって、操作部が構成されている。加えて、枠部材110には、音声を出力するスピーカ(図2における符号277を参照)が組み込まれている。
(制御部の内部構成 1.主制御部)
図2は、遊技機の制御部の内部構成を示すブロック図である。制御部200は、複数の制御部により構成されている。図示の例では、主制御部201と、演出制御部202と、賞球制御部203とを有する。主制御部201は、遊技機の遊技にかかる基本動作を制御する。演出制御部202は、遊技中の演出動作を制御する。賞球制御部203は、払い出す賞球数を制御する。
主制御部201は、ROM212に記憶されたプログラムに基づき、遊技内容の進行に伴う基本処理を実行するCPU211と、CPU211の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するRAM213等を備えて構成される。たとえば、主制御部201は、主制御基板によってその機能を実現する。RAM213にセットされた各種コマンドは、演出制御部202、賞球制御部203に所定のタイミングで送出される。
この主制御部201には、始動入賞口105aに入賞した入賞球を検出する始動入賞口検出部(始動口SW)221aと、始動入賞口105bに入賞した入賞球を検出する始動口SW221bと、入賞ゲート106を通過した遊技球を検出するゲート検出部(ゲートSW)222と、普通入賞口107に入賞した遊技球を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口SW)223と、大入賞口109に入賞した入賞球を検出する大入賞口検出部(大入賞口SW)224と、普通図柄表示部119と、特別図柄表示部120と、が接続されている。普通入賞口SW223は、普通入賞口107の配置位置別に複数個設けてもよい。これらの検出部としては、近接スイッチ等を用いて構成することができる。
始動入賞口検出部221、ゲート検出部222、普通入賞口検出部223、および大入賞口検出部224による検出結果は、主制御部201に入力される。
また、主制御部201は、上記の電動チューリップを一定時間開放させる始動口ソレノイド225と、大入賞口109を開閉する大入賞口ソレノイド231に対する駆動と、保留玉表示部121に対する点灯の制御をおこなう。大入賞口ソレノイド231は、大当たり時に大入賞口109を一定期間開放する動作をおこなう。この大当たりは、生成した乱数に基づき所定の確率で発生するようあらかじめプログラムされている。
また、主制御部201は、遊技中における大当たりの確率を変更することができる。具体的には、主制御部201は、大当たりの確率が低い低確率状態、大当たりの確率が低確率状態よりも高い高確率状態との2つの確率状態を用いて、遊技中における大当たりの確率を変更する。高確率状態は、一般的に確変状態と呼ばれる(以下「確変状態」と称す)。
ここで、低確率状態とは、生成された乱数を所定の低確率状態用のテーブルと比較して大当たり判定などをおこなう遊技状態である。また、確変状態とは、生成された乱数を所定の高確率状態用のテーブルと比較して大当たり判定などをおこない、さらに所定の電動チューリップ制御処理によって遊技球の始動入賞口105bへの入賞をしやすくした遊技状態である。なお、上記の各テーブルはあらかじめROM212などに記憶されている。
これによって、たとえば、本実施の形態の遊技機では、低確率状態においては1/300で大当たりが発生するようになっており、確変状態においては1/30で大当たりが発生するようになっている。
また、低確率状態には、通常の低確率状態(以下「通常状態」という)と、時短状態とがある。ここで、時短状態とは、通常状態と同様に大当たり判定をおこなうが、遊技球の始動入賞口105bへの入賞をしやすくした遊技状態である。具体的には、時短状態では、生成された乱数を所定の低確率状態用のテーブルと比較して大当たり判定をおこなうが、不図示の電動チューリップ制御処理によって遊技球の始動入賞口105bへの入賞がしやすくなっている。
なお、実行中の遊技状態を示す情報は演出制御部202にコマンド出力されることとしてもよい。この場合、実行中の遊技状態に応じた演出(たとえば図柄変動や可動役物の制御)がなされる。また、主制御部201は、始動入賞口105a(または105b)に対する1回の入賞があると、演出制御部202に対し、1回の図柄変動にかける変動時間を示す情報をコマンド出力する。
(2.演出制御部)
演出制御部202は、遊技中における演出内容の制御をおこなう。この演出制御部202は、主制御部201から送出されるコマンドに基づき、演出内容を統括する演出統括部202aと、演出統括部202aによって指示された画像および音声の制御をおこなう画像・音声制御部202bと、遊技盤および枠に設けられたランプの点灯を制御するランプ制御部202cによって構成されている。
演出統括部202aは、演出処理を実行するCPU241と、演出を実行するために必要となる各種プログラムを記憶するROM242と、CPU241の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するRAM243とを備えて構成される。
また、この演出統括部202aには、実時間を計時出力する計時手段としてのリアルタイムクロック(RTC)247が接続されている。このリアルタイムクロック247は、電源断時においても図示しないバックアップ電源により計時動作を継続する。RAM243にセットされた各種データは、画像・音声制御部202bおよびランプ制御部202cに所定のタイミングで送出される。なお、RTC247は、演出制御部202に配置するに限らず、主制御部201に配置したり単独で配置したりと、配置位置が限られるものではない。
画像・音声制御部202bは、画像および音声の生成および出力処理を実行するCPU251と、背景画像、図柄画像、キャラクタ画像など各種画像データや各種音声を記憶するROM252と、画像表示部104に表示させる画像データや、スピーカ277を介して出力させる音声を格納するRAM253と、を備えて構成される。これらCPU241,251は、画像表示部104等に対する制御手段を構成している。
演出制御部202のうち演出統括部202aには、上記の演出ボタン117が接続されており、演出ボタン117の操作は演出統括部202aに入力され、遊技者からの操作受付手段として機能させることができる。
演出統括部202aは、主制御部201から送出されるコマンドに基づき、CPU241がROM242に記憶されたプログラムを読み込んで、演出内容を決定し、画像・音声制御部202bおよびランプ制御部202cに指示出力する。すなわち、CPU241はROM242に記憶されたプログラムに基づき、実行する演出の選択する演出選択手段や選択された演出を実行する演出実行手段として機能する。
画像・音声制御部202bのCPU251は、指示された演出内容に基づいて、背景画像表示処理、図柄画像表示/変動処理、キャラクタ画像表示処理など各種画像処理と音声処理を実行し、必要な画像データおよび音声データをROM252から読み出してRAM253に書き込む。RAM253に書き込まれた背景画像、図柄画像、キャラクタ画像は、表示画面上において画像表示部104に重畳表示される。すなわち、図柄画像やキャラクタ画像は背景画像よりも手前に見えるように表示される。
この図柄画像は、画像表示部104上で変動および停止を繰り返す図柄変動パターンとしてあらかじめROM252に複数パターン登録されている。主制御部201から出力されるコマンドに基づき、通常時(低確率状態時)は、これら複数登録された中からいずれか一つの図柄変動パターンが選択される。また、たとえば、確変状態時は、通常時とは異なる図柄変動パターンが選択される。これによって、遊技機は、実行中の遊技状態が確変状態であることを遊技者に示唆することができる。
また、実行中の遊技状態が確変状態であっても、所定の条件を満たした際には、図柄変動パターンを通常状態と同様のものとしてもよい(いわゆる潜伏確変状態)。このようにすることで、遊技者は、見た目からでは遊技状態が通常状態/確変状態のどちらであるかわからず、常に期待感を持ちつつ遊技をすることができる。
なお、同一位置に背景画像と図柄画像が重なる場合などには、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、図柄画像を優先してRAM253に記憶させる。
演出制御部202は、画像表示部104に対しては、遊技中における演出内容、たとえば、図柄の変動表示や、リーチ(3つの図柄のうち2つが揃った状態)、および大当たり時の各種表示情報を生成して出力する。遊技が一定時間中断されたときには客待ちの画面を表示出力する。また、この演出制御部202は、スピーカ277から音声を出力させるためのデータを出力する。
ランプ制御部202cは、ランプ点灯等のための処理を実行するCPU261と、ランプ点灯等の制御データを記憶するROM262と、CPU261のワークエリアとしてのRAM263と、演出ライト部(枠ランプ)112および盤ランプ265と、可動役物267と、を備えて構成される。
ランプ制御部202cは、演出制御部202の演出統括部202aから出力されたランプ点灯等のコマンドに基づいて、遊技盤101に設けられている盤ランプ265や枠部材110に設けられている演出ライト部112を点灯制御するデータを出力する。また、可動役物267に対して動作制御するデータを出力する。
たとえば、演出制御部202は、演出制御基板によってその機能を実現する。図2に示すように、演出制御部202は、演出統括部202aと、画像・音声制御部202bと、ランプ制御部202cとがそれぞれ異なる基板機能として設けられるが、これらは同じプリント基板上に組み込んで構成してもよい。ただし、同じプリント基板上に組み込まれた場合であってもそれぞれの機能は独立しており、演出統括部202aを中心として、この演出統括部202aは、画像・音声制御部202bと、ランプ制御部202cとの間でコマンドを送受する構成となっている。
(3.賞球制御部)
賞球制御部203は、ROM282に記憶されたプログラムに基づき、賞球制御をおこなう。この賞球制御部203は、賞球制御の処理を実行するCPU281と、CPU281の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するRAM283と、を備えて構成される。たとえば、賞球制御部203は、賞球基板によってその機能を実現する。
賞球制御部203は、払出部(払出駆動モータ)291に対して入賞時の賞球数を払い出す制御をおこなう。払出部291は、遊技球の貯留部から所定数を払い出すためのモータからなる。また、発射部292に対する遊技球の発射の操作を検出し、遊技球の発射を制御する。
賞球制御部203は、この払出部291に対して、各入賞口(始動入賞口105a,105b、普通入賞口107、大入賞口109)に入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出す制御をおこなう。発射部292は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイド等を備える。賞球制御部203は、発射部292のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイド等を駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤101の遊技領域103に遊技球を送り出す。
また、この賞球制御部203には、払い出す遊技球の状態を検出する各所の検出部が接続され、賞球のための払い出し状態を検出する。これらの検出部としては、定位置検出SW293、払出球検出SW294、球有り検出SW295、満タン検出SW296等がある。
上記構成の主制御部201と、演出制御部202と、賞球制御部203は、それぞれ異なるプリント基板(主制御基板、演出制御基板、賞球制御基板)に設けられる。これに限らず、たとえば、賞球制御部203は、主制御部201と同一のプリント基板上に設けることもできる。
また、主制御部201には、盤用外部情報端子基板297が接続されており、主制御部201が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。賞球制御部203についても、枠用外部情報端子基板298が接続されており、賞球制御部203が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。
(遊技機の基本動作)
次に、上記構成による遊技機の基本動作の一例を説明する。主制御部201のCPU211により遊技中の制御がおこなわれ、各入賞口に対する遊技球の入賞状況を賞球制御部203に出力する。そして、賞球制御部203は、入賞状況に対応した賞球数の払い出しをおこなう。
また、始動入賞口105a,105bに遊技球が入賞する毎に、対応する制御信号を演出制御部202に出力し、演出制御部202は、画像表示部104の図柄を変動表示させ、停止させることを繰り返す。大当たり発生が決定しているときには、対応する制御信号を演出制御部202に出力し、演出制御部202は、所定の図柄で揃えて停止させる。このときには、さらに、大入賞口109を開放する制御をおこなう。
演出制御部202は、各種演出をおこなう。たとえば、演出制御部202は、大当たり発生期間中、および大当たり発生までの間のリーチ時や、リーチ予告時等には、画像表示部104に対して、図柄の変動表示に加えて各種の演出表示をおこなう。このほか、各種役物に対して特定の駆動をおこなったり、演出ライト部112や盤ランプ265の点灯状態を変更する等の演出をおこなう。
そして、たとえば、大当たり(15ラウンド確変/通常大当たり)発生時には、大入賞口109が複数回開放される。1回の開放を1ラウンドとして、15回のラウンドが繰り返し実行される。1ラウンドの期間は、遊技球がたとえば10個入賞したとき、あるいは所定期間(たとえば30秒)とされている。
この際に、賞球制御部203は、大入賞口109に対する遊技球1個の入賞あたり15個の賞球数で払い出しをおこなう。大当たり終了後は、大当たり状態が解除され、15ラウンド確変大当たりであった場合には確変状態となり、15ラウンド通常大当たりであった場合には時短状態を経て通常状態となる。
(主制御部の処理手順)
次に、主制御部201の処理手順の内容について説明する。図3は、主制御部が実行するタイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、電源供給期間中、所定間隔(たとえば4ms毎)で主制御部201が実行する主制御処理に割り込み動作する。まず、乱数更新処理をおこない(ステップS301)、始動口入賞時のスイッチ処理をおこなう(ステップS302)。この後、遊技機が備える各種の電動役物(たとえば電動チューリップや大入賞口109)の動作を制御する電動役物制御処理をおこない(ステップS303)、図柄処理をおこない(ステップS304)、賞球処理をおこない(ステップS305)、これらの出力処理をおこなう(ステップS306)。
ステップS302のスイッチ処理では、始動入賞口105a,105bに設けられた始動口SW221a,221bが遊技球を検出する毎、所定の保留数(たとえば上述した普通図柄と特別図柄にそれぞれ設けられる保留ランプの4球)を上限として保留数毎に乱数を取得する。ステップS303の電動役物制御処理では、取得した乱数が大当たりに相当する数値であるときに大当たりと判定し、大入賞口109に設けられた大入賞口ソレノイド231を所定回数開放させる処理をおこなう。
ステップS303の電動役物制御処理には、大入賞口109に対する開閉の処理や、始動入賞口105bを開閉する電動チューリップ制御処理等がある。大入賞口109は、各大当たり(15ラウンド確変/通常大当たり)、小当たりなどによって開閉制御される。また、ステップS304においては、特別図柄処理および普通図柄処理がおこなわれる。
図4−1は、大入賞口処理の処理内容を示すフローチャート(その1)である。大入賞口処理とは、図3のステップS303に示した電動役物制御処理に含まれる一処理である。大入賞口処理においては、まず、大当たり中であるか判断する(ステップS401)。大当たりとしては、たとえば、15ラウンド確変/通常大当たり、2ラウンド確変/通常大当たりなどがある。
ステップS401において、大当たり中でないときは(ステップS401:No)、そのまま処理を終了する。大当たり中のときには(ステップS401:Yes)、オープニング中であるか判断する(ステップS402)。ここで、オープニングとは、大入賞口開放前の所定の期間をいう。
ステップS402においてオープニング中でなければ(ステップS402:No)、図4−2に示すステップS421へ移行する。オープニング中であれば(ステップS402:Yes)、所定のオープニング期間が経過したか判断する(ステップS403)。オープニング期間が経過していなければ(ステップS403:No)、そのまま処理を終了する。
オープニング期間が経過していれば(ステップS403:Yes)、ラウンド数設定処理を実行する(ステップS404)。ここで、ラウンド数設定処理は、当選した大当たりの種別によって、所定のラウンド数を設定する。たとえば、15ラウンド確変/通常大当たりに当選している場合には15ラウンドを設定する。また、2ラウンド確変/通常大当たりに当選している場合には2ラウンドを設定する。
ステップS404においてラウンド数設定処理を実行した後、大当たり用の値(ラウンド数)Rを1加算した値を新たなRとする(ステップS405)。ステップS405において、新たなRを得ると、大入賞口ソレノイド231を制御して、大入賞口109を開放させる(ステップS406)。
ステップS406において大入賞口109を開放させた後、開放開始時からの所定期間(たとえば30秒。以下「開放時間」という)が経過したか判断する(ステップS407)。この開放時間は、大当たりの種別毎に設定される。たとえば、15ラウンド確変/通常大当たりでは30秒に設定され、2ラウンド確変大当たりでは1秒に設定される。開放時間が経過していないときには(ステップS407:No)、大入賞口109への遊技球の入賞数Cが9であるか判断する(ステップS408)。入賞数Cが9であるときには(ステップS408:Yes)、大入賞口109を閉口させる(ステップS409)。入賞数Cが9でないときには(ステップS408:No)、処理を終了する。
一方、ステップS407において開放時間が経過したときには(ステップS407:Yes)、ステップS409へ移行し、大入賞口109を閉口させる。すなわち、大入賞口109は、所定の開放時間の経過または所定の入賞数のいずれか一方が満たされた場合に閉口される。特に、2ラウンド確変大当たりでは開放時間が1秒に設定されるため、この間に大入賞口109へ入賞させることは困難である。このため、2ラウンド確変大当たりは、15ラウンド確変/通常大当たりに比べて、得られる賞球数が極めて少ない大当たりとなっている。
ステップS409において大入賞口109を閉口させた後、最終ラウンドとなったか判断する(ステップS410)。たとえば、ステップS404のラウンド数設定処理において設定されたラウンド数が15ラウンドであれば、R=15の場合に最終ラウンドとなる。また、ラウンド数設定処理において設定されたラウンド数が2ラウンドであれば、R=2の場合に最終ラウンドとなる。
ステップS410において最終ラウンドでないときには(ステップS410:No)、処理を終了する。最終ラウンドであるときには(ステップS410:Yes)、エンディングを開始する(ステップS411)。ここで、エンディングは、大入賞口109閉口後の所定の期間をいう。
ステップS411においてエンディングを開始した後、大当たり用の値Rを0とし(ステップS412)、所定のエンディング期間が経過したか判断する(ステップS413)。エンディング期間が経過していれば(ステップS413:Yes)、大当たりを終了し(ステップS414)、処理を終了する。エンディング期間が経過していなければ(ステップS413:No)、そのまま処理を終了する。
図4−2は、大入賞口処理の処理内容を示すフローチャート(その2)である。図4−1に示したステップS402においてオープニング中でなければ(ステップS402:No)、大入賞口109が開放中であるか判断する(ステップS421)。開放中であれば(ステップS421:Yes)、図4−1に示したステップS407へ移行する。開放中でなければ(ステップS421:No)、所定のインターバル中であるか判断する(ステップS422)。ここで、インターバルとは、大入賞口109の前回の開放(たとえば1ラウンド目の開放)から次回の開放(たとえば2ラウンド目の開放)までの所定期間である。
ステップS422においてインターバル中でなければ(ステップS422:No)、図4−1に示したステップS413へ移行する。一方、インターバル中であれば(ステップS422:Yes)、所定のインターバル期間が経過したか判断する(ステップS423)。ステップS423においてインターバル期間が経過したときには(ステップS423:Yes)、図4−1に示したステップS405へ移行する。インターバル期間が経過していないときには(ステップS423:No)、処理を終了する。
図5は、図柄処理の処理内容を示すフローチャートである。図3のステップS304における処理内容である。図柄処理は、大当たり中であれば(ステップS501:Yes)、図柄変動させず処理を終了する。大当たり中でなければ(ステップS501:No)、図柄の変動中であるか判断し(ステップS502)、変動中でなければ(ステップS502:No)、保留数Uが最低1個はあるか判断する(ステップS503)。保留数がなければ(U=0)(ステップS503:No)、図柄変動させず終了する。
保留数が1個以上あれば(ステップS503:Yes)、保留数を1個分減算したものを新たな保留数とし(ステップS504)、変動パターン選択処理(別ルーチン)をおこなう(ステップS505)。この変動パターン選択処理では、当たり(大当たり、小当たり、リーチ等)の各当たりの種別が選択されるとともに、図柄の変動時間が設定される。次に、変動開始コマンドをRAM213にセットし(ステップS506)、図柄の変動を開始させる(ステップS507)。そして図柄が変動している変動期間を計測開始し(ステップS508)、終了する。
ステップS502において、図柄の変動中の場合(ステップS502:Yes)、次に変動時間が終了したか判断する(ステップS509)。変動時間が終了していなければ(ステップS509:No)、処理を終了し、変動時間が終了していれば(ステップS509:Yes)、図柄の変動停止のコマンドをセットし(ステップS510)、図柄の変動を終了させる(ステップS511)。この際、図柄の変動時間をリセットし(ステップS512)、所定の停止中処理をおこない(ステップS513)、処理を終了する。
図6は、変動パターン選択処理の処理内容を示すフローチャートである。図5のステップS505における処理内容である。図6に示す変動パターン選択処理では、まず、実行中の遊技状態が確変状態であるか判断する(ステップS601)。ステップS601において確変中であれば(ステップS601:Yes)、高確率判定値をRAM213にセットする(ステップS602)。確変中でなければ(ステップS601:No)、低確率判定値をRAM213にセットする(ステップS603)。
ステップS602およびステップS603においていずれかの判定値がセットされた後、大当たりであるか判断する(ステップS604)。具体的には、不図示のタイミングで取得された大当たり判定用の乱数と、ステップS602およびステップS603においてセットされた判定値を用いて、大当たりであるか判断する。
ステップS604において大当たりと判断されると(ステップS604:Yes)、その大当たりが確変大当たり(たとえば15ラウンド確変大当たり、2ラウンド確変大当たり)であるか判断する(ステップS605)。ステップS605において確変大当たりであれば(ステップS605:Yes)、その確変大当たりが2ラウンド確変大当たりであるか判断する(ステップS606)。
ステップS606において2ラウンド確変大当たりであれば(ステップS606:Yes)、2ラウンド確変大当たり図柄をRAM213にセットし(ステップS607)、処理を終了する。2ラウンド確変大当たりでなければ(ステップS606:No)、15ラウンド確変大当たり図柄をRAM213にセットし(ステップS608)、処理を終了する。なお、ステップS605において確変大当たりでなければ(ステップS605:No)、その大当たりは15ラウンド通常大当たりであると判断し、15ラウンド通常大当たり図柄をRAM213にセットし(ステップS609)、処理を終了する。
一方、ステップS604において大当たりでない(はずれ)と判断されると(ステップS604:No)、そのはずれがリーチ演出を伴うリーチはずれ(たとえば「1・2・1」)であるか判断する(ステップS610)。ステップS610においてリーチはずれであれば(ステップS610:Yes)、リーチはずれ図柄をRAM213にセットし(ステップS611)、処理を終了する。
ステップS610においてリーチはずれでなければ(ステップS610:No)、通常のはずれとし、はずれ図柄をRAM213にセットし(ステップS612)、処理を終了する。なお、ステップS607〜S609,ステップS611,ステップS612では、各変動図柄セットがRAM213に設定されると、それぞれの図柄に応じた変動パターン(たとえば変動時間)等も設定される。
(演出制御部による演出制御)
次に、演出制御部202による演出の制御について説明する。まず、演出制御部202は、主制御部201から送出された変動開始コマンドを受信する。この変動開始コマンドには、変動パターン(たとえば変動時間)、この変動において停止させる図柄(たとえば15ラウンド確変大当たりを示す図柄)を示す情報等が含まれている。また、この変動開始コマンドには、実行中の遊技状態(たとえば確変状態)を示す情報が含まれてもよい。これによって、演出制御部202は、それぞれの遊技状態(低確率状態(通常状態、時短状態)/確変状態)に応じた演出が可能となる。
演出制御部202は、変動開始コマンドを受信すると、実行する演出を決定する。具体的には、演出制御部202は、あらかじめ用意された複数の演出パターンの中から一つの演出パターンを選択する。ここで、演出パターンは演出内容を示すものである。
演出パターンの選択に際して、演出制御部202は、まず、演出選択に関する所定の乱数を取得する。ここで、取得される乱数は所定範囲(たとえば0〜99)中の一つの整数(たとえば10)である。そして、乱数を取得する(一つの乱数値を得る)と、この乱数値と所定の演出パターンテーブル(図7、図8、図9を参照)とを比較して、一つの演出パターンを選択する。たとえば、得られた乱数値が「10」であれば、演出パターンテーブルにおいて乱数値「10」に対応づけられた演出パターンを選択する。演出パターンが選択されると、演出制御部202は、選択された演出パターンを用いて、この演出パターンがあらわす演出を実行する。
(演出パターンテーブル)
次に、本実施の形態における演出パターンテーブルについて説明する。図7は、本実施の形態の演出パターンテーブルの内容を示す説明図(その1)である。図8は、本実施の形態の演出パターンテーブルの内容を示す説明図(その2)である。図9は、本実施の形態の演出パターンテーブルの内容を示す説明図(その3)である。図7〜図9に示すように、本実施の形態の遊技機では、5種類の演出パターンテーブル(図7中符号T1,T2、図8中符号T3,T4、図9中符号T5)が用意されている。それぞれの演出パターンテーブルT1〜T5には、所定の乱数値と演出パターンとが対応づけられている。
演出制御部202は、変動開始コマンドと、前回の変動において停止された図柄の組み合わせとを条件として、演出パターンテーブルT1〜T5の中から一つの演出パターンテーブルを選択する。そして、選択された一つの演出パターンテーブルを用いて、今回の変動において実行する演出の演出パターンを選択する。
たとえば、変動開始コマンドが、(1)大当たり(たとえば15ラウンド確変/通常大当たり)であり、且つ、前回の変動において停止された図柄が特定の組み合わせとされたチャンス目(たとえば「1・2・3」)である場合、演出制御部202は、演出パターンテーブルT1を選択する。そして、得られた乱数値と演出パターンテーブルT1とを用いて今回の変動において実行する演出の演出パターンを選択する。
変動開始コマンドが、(2)大当たりであり、且つ、前回の変動において停止された図柄がチャンス目でない(チャンス目以外が停止)場合、演出制御部202は、演出パターンテーブルT2を選択する。そして、得られた乱数値と演出パターンテーブルT2とを用いて今回の変動において実行する演出の演出パターンを選択する。
変動開始コマンドが、(3)リーチはずれであり、且つ、前回の変動において停止された図柄がチャンス目である場合、演出制御部202は、演出パターンテーブルT3を選択する。そして、得られた乱数値と演出パターンテーブルT3とを用いて今回の変動において実行する演出の演出パターンを選択する。
変動開始コマンドが、(4)リーチはずれであり、且つ、前回の変動において停止された図柄がチャンス目でない場合、演出制御部202は、演出パターンテーブルT4を選択する。そして、得られた乱数値と演出パターンテーブルT4とを用いて今回の変動において実行する演出の演出パターンを選択する。
また、変動開始コマンドが、(5)リーチはずれ以外の通常のはずれである場合には、前回の変動において停止された図柄の組み合わせにかかわらず、演出制御部202は、演出パターンテーブルT5を選択する。そして、得られた乱数値と演出パターンテーブルT5とを用いて今回の変動において実行する演出の演出パターンを選択する。すなわち、演出テーブルT5が選択されたときは、いずれの乱数値が取得されても演出パターンP7が選択されることになる。
すなわち、前回の変動においてチャンス目が停止された場合、今回の変動において用いられる演出パターンテーブルは、演出パターンテーブルT1、T3、T5のいずれかとなる。そして、演出パターンテーブルT1を用いて演出パターンを選択した場合、0〜99のいずれの乱数値が得られても演出パターンP5またはP6が必ず(100%)選択されることとなっている。
一方、演出パターンテーブルT3を用いて演出パターンを選択した場合、演出パターンP5またはP6は選択される可能性はあるものの、その確率は30%となっている。すなわち、この場合、70%の確率で演出パターンP1またはP2が選択される。また、演出パターンテーブルT5を用いて演出パターンを選択した場合、演出パターンP7が必ず選択されることとなっている。
これらにより、前回の変動でチャンス目が停止されている場合、今回の変動では演出パターンP1,P2,P5,P6,P7のいずれかの演出が実行されることとなるが、演出パターンP5またはP6の演出が実行されれば、それは大当たりの信頼度が高い演出であるため、遊技者の期待感を高揚させることができる。また、前回の変動においてチャンス目が停止されても、その後の今回の変動では複数の演出のバリエーションが用意されているため、演出が開始されるまではどの演出になるか遊技者は予測できず、遊技者の期待感を持続させることができる。
(それぞれの演出パターンがあらわす演出内容)
次に、それぞれの演出パターンがあらわす演出内容について説明する。演出パターンテーブルT1〜T5において、演出パターンP1は、所定のリーチ演出Aを実行させる演出パターンである。演出パターンP2は、所定のリーチ演出Bを実行させる演出パターンである。それぞれのリーチ演出については、公知の技術であるため詳細な説明は省略するが、たとえば、それぞれのリーチ演出用の(リーチ演出Aではリーチ演出A用の、リーチ演出Bではリーチ演出B用の)動画像等を再生させることにより遊技者の期待感を高揚させるような演出がなされる。
演出パターンP3は、チャンス目で図柄を一旦停止させ、リーチ演出Aへの発展を予告する予告演出Aを実行させた後、図柄の変動を再開させるとともに、リーチ演出Aを実行させる演出パターンである。たとえば、演出パターンP3があらわす演出では、まず、チャンス目とされた「1・2・3」等の特定の組み合わせで図柄が停止される。
そして、画像表示部104に「リーチ演出Aへ発展」といったメッセージ等を表示させる予告演出Aがなされると、チャンス目で停止していた図柄の変動が再開されて、リーチ状態(たとえば「1・↓(「↓」は変動中であることを示す)・1」)となり、リーチ演出Aが実行される。その後、大当たりであれば大当たりを示す組み合わせで、リーチはずれであればはずれを示す組み合わせで、図柄が停止される。
すなわち、演出パターンP3の演出では、いわゆる擬似連を用いて、チャンス目停止、予告演出A、図柄再変動、図柄停止をおこなう。なお、擬似連とは、公知の技術であるため詳細な説明は省略するが、あたかも複数回、図柄が変動/停止している(実質的には1回の変動/停止)かのように遊技者に見せかける演出である。これにより、前回の変動でチャンス目が停止してない場合でも、後述する連続演出Aと同様の演出を実行することが可能となる。
演出パターンP4は、チャンス目で図柄を一旦停止させ、リーチ演出Bへの発展を予告する予告演出Bを実行させた後、図柄の変動を再開させるとともに、リーチ演出Bを実行させる演出パターンである。なお、演出パターンP4があらわす演出については、上記の演出パターンP3の演出の予告演出Aを予告演出Bへ、リーチ演出Aをリーチ演出Bへと変更した演出であるため詳細な説明は省略する。
演出パターンP5は、連続演出Aを実行させる演出パターンである。演出パターンP6は、連続演出Bを実行させる演出パターンである。本実施の形態において、連続演出(連続演出A,B)とは、前回の変動で実行された演出から連続しているように遊技者に見せかける演出である。たとえば、連続演出では、前回の変動で停止させた図柄を、今回の変動における演出にも利用することにより、前回の変動で実行された演出から連続しているように遊技者に見せかける。なお、連続演出については図13等を用いて後述する。
演出パターンP6は、ノーマルはずれ演出を実行させる演出パターンである。ここで、ノーマルはずれ演出とは、はずれを示す任意の組み合わせで図柄を停止させる演出である。たとえば、ノーマルはずれ演出では、「1・3・5」といったようにはずれを示す組み合わせ(たとえば不揃いとなる組み合わせ)で図柄が停止される。このときには、リーチ状態にもならないため上記のリーチ演出も実行されない。また、ノーマルはずれ演出では、上記のチャンス目(はずれを示す特定の組み合わせ)で図柄を停止させる場合もある。
図10は、本実施の形態の遊技機の演出の概要を示す説明図である。図10に示すように、前回の変動において図柄の変動が開始されてチャンス目が停止された場合、今回の変動において演出パターンP1が選択されると、遊技機は図柄の変動を開始させた後にリーチ状態とし、リーチ演出Aを実行して、大当たりであれば大当たりを示す組み合わせで、リーチはずれであればはずれを示す組み合わせで、図柄を停止させる。
また、今回の変動において演出パターンP2が選択されると、遊技機は図柄の変動を開始させた後にリーチ状態とし、リーチ演出Bを実行して、大当たりであれば大当たりを示す組み合わせで、リーチはずれであればはずれを示す組み合わせで、図柄を停止させる。
また、今回の変動において演出パターンP5が選択されると、遊技機は予告演出Aを実行した後に図柄の変動を開始させてリーチ状態とし、リーチ演出Aを実行して、大当たりであれば大当たりを示す組み合わせで、リーチはずれであればはずれを示す組み合わせで、図柄を停止させる。
また、今回の変動において演出パターンP6が選択されると、遊技機は予告演出Bを実行した後に図柄の変動を開始させてリーチ状態とし、リーチ演出Bを実行して、大当たりであれば大当たりを示す組み合わせで、リーチはずれであればはずれを示す組み合わせで、図柄を停止させる。
また、今回の変動において演出パターンP7が選択されると、遊技機は図柄の変動を開始させた後にリーチ状態にもせず、そのまま、はずれを示す組み合わせで、図柄を停止させる。
(演出制御部の処理内容)
次に、演出制御部202の処理内容について説明する。図11は、演出統括部がおこなう演出統括処理の処理手順を示すフローチャートである。演出統括処理は、演出統括部202aがおこなう主演出処理(不図示)に対し、所定間隔(たとえば4ms毎)のタイミングで割り込み実行される。
演出統括処理では、まず、演出中であるか判断し(ステップS1101)、演出中でなければ(ステップS1101:No)、主制御部201から変動開始コマンドを受信したか判断する(ステップS1102)。変動開始コマンドを受信していないときには(ステップS1102:No)、そのまま処理を終了する。
変動開始コマンドを受信したときには(ステップS1102:Yes)、停止させる図柄を選択する停止図柄選択処理を実行する(ステップS1103)。公知の技術であるため詳細な説明は省略するが、停止図柄選択処理では、変動開始コマンドに含まれる停止図柄を示す情報等に基づき、停止図柄を選択する。
ステップS1103において停止図柄選択処理を実行すると、演出パターン選択処理を実行し(ステップS1104)、演出パターン選択処理において選択された演出パターンがあらわす演出を開始させ(ステップS1105)、処理を終了する。なお、ステップS1104の演出パターン選択処理については図12を用いて後述する。
一方、ステップS1101にて演出中であれば(ステップS1101:Yes)、変動終了コマンドを受信したか判断する(ステップS1106)。変動終了コマンドを受信しないときには(ステップS1106:No)、そのまま処理を終了する。変動終了コマンドを受信したときには(ステップS1106:Yes)、演出を終了させ(ステップS1107)、今回の変動においてはずれを示す特定の組み合わせで図柄が停止されたか判断する(ステップS1108)。
ステップS1108において特定の組み合わせで図柄が停止されたときには(ステップS1108:Yes)、連続演出フラグをオンにして(ステップS1109)、処理を終了する。ステップS1108において特定の組み合わせで図柄が停止されていないときには(ステップS1108:No)、連続演出フラグをオフにして(ステップS1110)、処理を終了する。
(演出パターン選択処理)
次に、上記のステップS1104における演出パターン選択処理における処理内容について説明する。図12は、演出パターン選択処理の処理内容を示すフローチャートである。演出パターン選択処理では、まず、演出に関する所定の乱数を取得する(ステップS1201)。そして、ステップS1201において一つの乱数値を得ると、変動開始コマンドに基づき、大当たりであるか判断する(ステップS1202)。
ステップS1202において大当たりであれば(ステップS1202:Yes)、連続演出フラグがオンであるか判断する(ステップS1203)。連続演出フラグがオンであれば(ステップS1203:Yes)、ステップS1101にて得られた乱数値と演出パターンテーブルT1とを比較して演出パターンを選択する(ステップS1204)。ステップS1204において演出パターンが選択されると、選択された演出パターンをRAM243にセットし(ステップS1205)、処理を終了する。
ステップS1203において連続演出フラグがオフであれば(ステップS1203:No)、ステップS1201にて得られた乱数値と演出パターンテーブルT2とを比較して演出パターンを選択する(ステップS1206)。ステップS1206において演出パターンが選択されると、ステップS1205へ移行して選択された演出パターンをRAM243にセットして処理を終了する。
一方、ステップS1202において大当たりでない(はずれである)と判断されると(ステップS1202:No)、このはずれがリーチはずれであるか判断する(ステップS1207)。リーチはずれであれば(ステップS1207:Yes)、連続演出フラグがオンであるか判断する(ステップS1208)。連続演出フラグがオンであれば(ステップS1208:Yes)、ステップS1201にて得られた乱数値と演出パターンテーブルT3とを比較して演出パターンを選択する(ステップS1209)。ステップS1209において演出パターンが選択されると、ステップS1205へ移行して選択された演出パターンをRAM243にセットして処理を終了する。
ステップS1208において連続演出フラグがオフであれば(ステップS1208:No)、ステップS1201にて得られた乱数値と演出パターンテーブルT4とを比較して演出パターンを選択する(ステップS1210)。ステップS1210において演出パターンが選択されると、ステップS1205へ移行して選択された演出パターンをRAM243にセットして処理を終了する。
また、ステップS1207においてリーチはずれでなければ(ステップS1207:No)、このはずれは通常のはずれであると判断し、ステップS1201にて得られた乱数値と演出パターンテーブルT5とを比較して演出パターンを選択する(ステップS1211)。ステップS1211において演出パターンが選択されると、ステップS1205へ移行して選択された演出パターンをRAM243にセットして処理を終了する。
なお、本実施の形態では、特定の組み合わせで図柄が停止された場合に、連続演出フラグをオンとすることにしたがこれに限らない。特定の演出パターン(たとえば特定の組み合わせで図柄を停止させる演出をあらわす演出パターン)の演出が実行された場合に、連続演出フラグをオンとしてもよい。この場合には、特定の演出パターン以外の演出が実行された場合に連続演出フラグがオフとされる。
また、連続演出フラグは、図11のステップS1103に示す停止図柄選択処理において停止図柄が選択された際に、オン/オフすることとしてもよい。
(本実施の形態の遊技機による演出の一例)
次に、本実施の形態の遊技機の演出の一例について説明する。図13は、本実施の形態の遊技機の演出の一例を示す説明図である。なお、図13は、演出実行時に画像表示部104に表示される表示画面の一例である。
本実施の形態の遊技機は、遊技球が始動入賞口105a,105bへ入賞すると、主制御部201によって大当たり判定(大当たりか否かの抽選)がおこなわれる。そして、その抽選結果を含んだ変動開始コマンドが演出制御部202へ送出される。演出制御部202は、変動開始コマンドを受信すると演出パターンを選択し、演出を実行する。
演出が実行されると、図13中(a)に示すように、まず、画像表示部104に表示された図柄1301〜1303の変動が開始される。ここで、図柄1301は左図柄、図柄1302は中図柄、図柄1303は右図柄とする。(a)から所定期間が経過すると(b)へ移行する。(b)では、(a)において変動された図柄1301〜1303がチャンス目で停止されている。図示の例では、チャンス目は「1・2・3」となっている。なお、チャンス目はこれに限らない。たとえば、チャンス目は遊技機の製造者の任意で設定可能である。
図柄がチャンス目で停止された後、保留玉があれば次の図柄の変動が開始される。図13に示す例では、(b)後に連続演出Aが実行されているとする。すなわち、今回の変動では、この変動に対する抽選結果が大当たりまたはリーチはずれであり、且つ、前回の変動においてチャンス目で図柄が停止されているため、演出パターンP5が選択されて連続演出Aが実行されている。
前述したように、連続演出Aでは、まず、予告演出Aが実行される(c)。予告演出Aでは、リーチ演出Aへの発展を画像または音声などを用いて、遊技者に予告する演出がなされる。なお、予告演出Aの具体的な内容については図14を用いて後述する。
(c)から所定期間が経過して予告演出Aが終了すると、図柄の変動が開始されてリーチ状態となり、リーチ演出Aへ発展する(d)。前述のように、リーチ演出Aでは、リーチ演出A用の動画像等が再生され、遊技者の期待感を高揚させるような演出がなされる。(d)後には、図示を省略するが、変動開始コマンドが大当たりであった場合には大当たり用の組み合わせで図柄が停止する(たとえば「1・1・1」)。変動開始コマンドがリーチはずれであった場合にははずれの組み合わせで図柄が停止する(たとえば「1・2・1」)。
(予告演出の内容)
次に、上記の予告演出(予告演出A,B)の内容について説明する。図14は、予告演出の一例を示す説明図である。図14に示すように、図柄1301は、所定の文字(たとえば数字、漢字)をあらわす主図柄1401と、主図柄を装飾する模様をあらわす装飾図柄1402aとを有している。
予告演出では、図示のように、主図柄1401(の画像)は変更されず、装飾図柄1402a(の画像)のみが装飾図柄1402bへ変更される。そして、この装飾図柄の変更に伴ってスピーカ277からは、所定の音声(たとえば「リーチ演出Aへ発展」などの発展先を予告する音声)が出力される。なお、図示および詳細な説明は省略するが、図柄1302,1303についても図柄1301と同様に、主図柄と装飾図柄とを有している。そして、予告演出では、図柄1302,1303についても主図柄は変更されず、装飾図柄のみが変更されることとなる。
このように、本実施の形態の遊技機では、前回の変動においてチャンス目が停止した後(b)、今回の変動において大当たりとなると、チャンス目から発展する連続演出を実行する。これにより、演出のバリエーションが増えるため、遊技の面白みが向上する。
ところで、前述のように、主制御部201から演出制御部202へ送出される変動開始コマンドには変動パターン(たとえば変動時間)を示す情報が含まれている。演出制御部202は、変動開始コマンドに基づいて演出パターンを選択するが、この際にはこの変動時間と同尺(同一の所要時間)の演出の演出パターンを選択することとなっている(公知の技術であるため詳細な説明は省略)。
具体的には、変動開始コマンドに含まれた変動パターンを示す情報が「変動時間:60秒」である場合、演出制御部202は所要時間が60秒の演出の演出パターンを選択することとなる。なお、図7〜図9において図示は省略したが、それぞれの演出パターンには演出の所要時間の情報があらかじめ設定されていることとする。
ここで、上記の演出パターンP5があらわす連続演出Aは所要時間が60秒の演出(たとえば予告演出Aが20秒、リーチ演出Aが40秒)であるとする。このとき、予告演出Aと同尺(すなわち20秒)の他の予告演出A2からリーチ演出Aへ発展させる演出(以下「リーチ発展演出」という)の演出パターンを用意しておく。すなわち、リーチ発展演出は連続演出Aと同尺である(たとえば予告演出A2が20秒、リーチ演出Aが40秒)。
このように、同尺の演出の複数用意することで、たとえば、チャンス目停止後の変動で60秒をあらわす変動パターンが選択された場合、連続演出Aまたはリーチ発展演出のいずれも実行する演出として選択することができる。これにより、一層と演出のバリエーションを増やすことができ、遊技の面白みを向上させることができる。
以上に説明したように、本発明では、前回の変動でチャンス目を停止させた場合には連続演出を実行することができるため、チャンス目が停止された後の演出のバリエーションが増え、遊技の面白みが向上する。
なお、本実施の形態で説明した遊技機の演出方法は、あらかじめ用意されたプログラムを演出制御基板などのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な媒体であってもよい。