以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下「パチンコ機」と示す)に具体化した一実施形態を図1〜図12に基づいて説明する。
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を保護するための保護ガラスが装着されるガラス枠を備えた前枠14と、上球皿15がそれぞれ横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14の前面側及び遊技盤13の遊技領域13aには、発光体(LED、ランプなど)の発光(点灯(点滅))により、発光演出を実行する装飾ランプ16が設けられている。外枠11の下部には、各種音声を出力し、音声出力に基づく遊技演出を行うスピーカ17が配置されている。中枠12の下部には、下球皿18及び発射装置19が装着されている。そして、遊技者が発射装置19を操作して、該発射装置19を駆動させることにより、上球皿15内の遊技球が遊技盤13の遊技領域13aへ発射されるようになっている。
遊技盤13の遊技領域13aの略中央には、7セグメント型の演出実行手段としての特図表示器H1と、液晶ディスプレイ型の演出実行手段としての可変表示器H2を備えたセンター役物20が配設されている。図2に示すように、特図表示器H1はセンター役物20の下部に設けられているとともに、可変表示器H2はセンター役物20の中央に設けられている。特図表示器H1では、複数種類の図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。可変表示器H2では、特図表示器H1で行われる図柄変動ゲームに係わる表示演出が行われるようになっている。具体的には、可変表示器H2では、変動画像(又は画像表示)に基づく表示演出が行われるとともに、複数種類の図柄を複数列で変動させて図柄組み合わせを表示する図柄変動ゲーム(以下、図柄組み合わせゲームと示す場合がある)が行われる。
そして、図柄変動ゲームにおいて特図表示器H1では、複数種類の特別図柄(以下、「特図」と示す場合がある)を1列で変動させて特図を表示する。この特図は、大当りか否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄である。一方、図柄変動ゲームに係わる表示演出において可変表示器H2では、複数種類の飾り図柄(以下、「飾図」と示す場合がある)を複数列(本実施形態では3列)で変動させて各列毎に飾図を表示する。この飾図は、表示演出を多様化するために用いられる演出用の図柄である。
そして、特図表示器H1では、図柄変動ゲームの開始により同時に図柄の変動表示が開始され、該ゲームの終了と同時に特図が確定停止表示される。また、可変表示器H2では、図柄変動ゲームの開始により同時に飾図の変動表示が開始され、該ゲーム終了前に飾図がゆれ変動状態で一旦停止表示され、該ゲームの終了と同時に各列の飾図が確定停止表示される。「変動表示」とは、図柄を表示する表示器に定める表示領域内において表示される図柄の種類が変化している状態であり、「一旦停止表示」とは、前記表示領域内において図柄がゆれ変動状態で表示されている状態である。また、「確定停止表示」とは、前記表示領域内において図柄が確定停止している状態である。なお、特図表示器H1と可変表示器H2では、同時に図柄変動ゲームと図柄変動ゲームに係わる表示演出が開始され、同時に終了する(すなわち、同時に特図と飾図が確定停止表示される)。
本実施形態において特図表示器H1には、[0][1][2]の数字と、[−]の図柄が特図として表示されるようになっている。特図表示器H1に最終的に表示(確定停止表示)された図柄が[0][1][2]の数字の場合、その図柄から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄が、特図における大当り図柄となる。一方、特図表示器H1に確定表示された図柄が[−]の場合、その図柄からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄が、特図におけるはずれ図柄となる。
また、本実施形態において可変表示器H2には、各列毎に[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]、[8]の8種類の数字が飾図として表示されるようになっている。そして、本実施形態において可変表示器H2は、特図表示器H1に比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾図は特図に比較して遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、可変表示器H2に停止表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。可変表示器H2に停止表示された全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([222][777]など)から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが飾図による大当りの図柄組み合わせ(大当り図柄)となる。大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されると、遊技者には、図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、可変表示器H2に確定停止表示された全列の図柄が異なる種類の場合、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([123][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせが飾図によるはずれの図柄組み合わせ(はずれ図柄)となる。
また、本実施形態において、可変表示器H2における各列は、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って飾図が変動表示されるようになっている。そして、図柄変動ゲームが開始すると(各列の飾図が変動を開始すると)、可変表示器H2において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に飾図が停止表示されるようになっている。そして、停止表示された左図柄と右図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では左列と右列)の飾図が同一種類となって停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では中列)の飾図が変動表示されている状態である。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが飾図によるリーチの図柄組み合わせとなる。また、本実施形態のパチンコ機10では、図柄変動ゲームの開始後、最初に飾図を停止表示させる左列が第1停止表示列になるとともに、次に飾図を停止表示させる右列が第2停止表示列になり、さらに最後に飾図を停止表示させる中列が第3停止表示列となる。
また、可変表示器H2には、特図表示器H1の表示結果に応じた図柄組み合わせが表示されるようになっている。より詳しくは、特図表示器H1の特図による図柄と、可変表示器H2の飾図による図柄組み合わせが対応されており、図柄変動ゲームが終了すると、特図による図柄と飾図による図柄組み合わせが対応して確定停止表示されるようになっている。例えば、特図表示器H1に[0]の大当り図柄が確定停止表示される場合には、可変表示器H2にも[222]や[444]などの大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。また、特図表示領域H1に[−]のはずれ図柄が停止表示される場合には、可変表示器H2にも[121]や[345]などのはずれの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。なお、特図に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特図に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。
以上のように、本実施形態の可変表示器H2では、特図表示器H1で行われる図柄変動ゲーム(1列の図柄を変動表示させる図柄変動ゲーム)に係わる表示演出(3列の図柄を変動表示させて図柄の組み合わせを表示させる図柄変動ゲーム)が行われるようになっている。
また、センター役物20の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根21を備えた始動入賞口22が配設されている。始動入賞口22の奥方には、入賞した遊技球を検知する始動口センサSE1(図3に示す)が設けられている。始動入賞口22は、遊技球の入賞検知を契機に、図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。また、始動入賞口22の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉24を備えた入賞手段としての大入賞口23が配設されている。そして、大当り遊技が付与されると、大入賞口扉24の開動作によって大入賞口23が開放されて遊技球が入賞可能となるため、遊技者は、多数の賞球が獲得できるチャンスを得る場合がある。なお、本実施形態の大入賞口扉24及び大入賞口23は、特別入賞装置(大入賞口装置)を構成する。また、始動口センサSE1及び始動入賞口22により入賞検知手段を構成する。
また、本実施形態のパチンコ機10は、始動入賞口22へ遊技球が入賞した場合、その入賞した遊技球の個数を記憶し、始動保留球の記憶数(保留記憶数)として機内部(主制御基板30のRAM30c)で記憶されるようになっている。図柄変動ゲームが行われている場合に累積された保留記憶数は、保留中(図柄変動ゲーム待機中)の図柄変動ゲームの回数を示している。保留記憶数は、始動入賞口22に遊技球が入賞することで1加算され、図柄変動ゲームの開始により1減算されるようになっている。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口22へ遊技球が入賞すると、保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。そして、図2に示すように、センター役物20の右下部には、保留記憶数に基づく保留中の図柄変動ゲームの回数を遊技者に報知するための保留記憶数表示部Rが配設されている。
保留記憶数表示部Rは、保留ランプR1、保留ランプR2、保留ランプR3及び保留ランプR4からなる複数(本実施形態では4個)のLEDからなる発光手段によって構成されている。前記各保留ランプR1〜R4の点灯個数により、保留中の図柄変動ゲームの回数を遊技者に報知している。例えば、保留ランプR1のみが点灯している場合には1回の図柄変動ゲームが保留中であることを示し、保留ランプR1〜R4の全てが点灯している場合には4回の図柄変動ゲームが保留中であることを示している。
また、本実施形態のパチンコ機10は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図)の種類が予め定めた確変図柄であることを条件として、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)を低確率(通常状態)である通常確率(本実施形態では2/631)から高確率(本実施形態では10/631)に変動させる確変状態(確率変動状態)を付与する機能である。本実施形態では、確変図柄を特図[1][2]の2種類と定めている。一方で、確定停止表示された大当り図柄(特図)の種類が予め定めた非確変図柄である場合、大当り遊技終了後、大当りの抽選確率が変動せずに通常確率を維持するようになっている。本実施形態では、非確変図柄を特図[0]の1種類と定めている。
また、確変状態は、予め定めた回数(本実施形態では10000回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。すなわち、確変状態は、予め定めた回数に相当する図柄変動ゲームの終了時迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される図柄変動ゲームの終了時迄の間、付与される。本実施形態では、確変状態を予め定めた回数として10000回を定めているため、実質的に次回の大当りが生起される迄の間付与されることと同等となっている。
そして、大当り遊技終了後に確変状態を付与する大当りが確変大当りとなり、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
大当り遊技は、図柄変動ゲームにて各表示器H1,H2に大当り図柄が停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口23が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では15ラウンド又は2ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口23が開放されてから閉鎖されるまでであり、1回のラウンド遊技中に大入賞口23は、規定入賞個数(本実施形態では10個)の遊技球が入賞するまでの間、又は規定時間(本実施形態では規定ラウンド数が15回では25秒又は規定ラウンド数が2回では0.3秒)が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。
本実施形態のパチンコ機10では、大当りとして大当り遊技中のラウンド遊技の規定ラウンド数を15回と定める大当り15Rと、規定ラウンド数を2回と定める大当り2Rとが設けられている。なお、本実施形態では、確定停止表示された大当り図柄(特図)の種類が特図[0][2]である場合には大当り遊技中の規定ラウンド数は15回となり、確定停止表示された大当り図柄の種類が特図[1]である場合には大当り遊技中の規定ラウンド数は2回となっている。大当り15Rが遊技者に付与される場合には、規定ラウンド数を15回と定める大当り遊技が付与され、大当り2Rが遊技者に付与される場合には、規定ラウンド数を2回と定める大当り遊技が付与される。また、大当り15Rには、大当り遊技終了後に確変状態が付与される確変大当りと、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない非確変大当りとがある。大当り15Rの確変大当りでは、大当り遊技終了後に確変状態が付与される。一方、大当り2Rには、大当り遊技終了後に確変状態が付与される確変大当りのみがある。すなわち、大当り2Rの大当り遊技終了後には、必ず確変状態が付与されるようになっている。
また、上球皿15には、押しボタン式の操作ボタン26が配設されている。この操作ボタン26が押下操作されると、操作ボタン26に接続されている統括制御基板31(図3参照)に操作信号が出力される。統括制御基板31は、図柄変動ゲーム中に操作ボタン26から操作信号を入力すると、可変表示器H2の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御して表示演出を実行させる。すなわち、操作ボタン26が所定のタイミングで操作されると、キャラクタなどが表示されるようになっている。従って、本実施形態の操作ボタン26は、遊技者により操作される演出用操作手段となる。
次に、パチンコ機10の制御構成について図3に基づき説明する。
パチンコ機10の機裏側には、パチンコ機10全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、統括制御基板31と、表示制御基板32と、ランプ制御基板33と、音声制御基板34とが装着されている。統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34を統括的に制御する。表示制御基板32は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、可変表示器H2の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、ランプ制御基板33は主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、装飾ランプ16の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)を制御する。また、音声制御基板34は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、スピーカ17の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。本実施形態では、主制御基板30がメイン制御手段となる。また、統括制御基板31と、表示制御基板32と、ランプ制御基板33と、音声制御基板34がサブ制御手段となる。また、表示制御基板32が表示制御手段となる。また、統括制御基板31が、統括制御手段となる。
以下、主制御基板30、統括制御基板31及び表示制御基板32について、その具体的な構成を説明する。
前記主制御基板30には、メインCPU30aが備えられている。該メインCPU30aには、ROM30b及びRAM30cが接続されている。また、メインCPU30aには、始動入賞口22に入賞した遊技球を検知する始動口センサSE1が接続されている。また、メインCPU30aには、特図表示器H1が接続されている。また、メインCPU30aには、保留記憶数表示部Rが接続されている。また、メインCPU30aは、大当り判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値をRAM30cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
ROM30bには、パチンコ機10全体を制御するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特図及び飾図)が変動を開始(図柄変動ゲームが開始)してから図柄が停止表示(図柄変動ゲームが終了)される迄の間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。すなわち、変動パターンは、特図が変動開始してから特図が確定停止表示されるまでの間の図柄変動ゲームの演出内容及び演出時間(変動時間)を特定することができる。
また、変動パターンは、大きく分けて、大当り演出用の変動パターンP3,P4と、はずれリーチ演出用の変動パターンP2と、はずれ演出用の変動パターンP1a、P1bに分類することができる。大当り演出は、図柄変動ゲームが、最終的に大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。はずれリーチ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。はずれ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。リーチ演出は、センター役物20の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが形成されてから、大当りの図柄組み合わせ、又ははずれの図柄組み合わせが導出される迄の間に行われる演出である。
また、大当り演出用の変動パターンP3,P4のうち、変動パターンP3に基づき図柄変動ゲームが行われる場合、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的に大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される。一方、大当り演出用の変動パターンP3,P4のうち、変動パターンP4に基づき図柄変動ゲームが行われる場合、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく、通常変動が行われ、開始から15秒後、所定のキャラクタ図柄が表示されると共にはずれの図柄組み合わせが一旦停止表示されるように展開される。その後、図柄変動ゲームは、大当り2R又は大当り15Rの何れの大当り遊技が付与されたかを複数の演出段階にて徐々に示唆する抽選演出が実行され、最終的に確変図柄による大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される。
そして、大当り演出用の変動パターンP3に基づき図柄変動ゲームが行われた場合、特図表示器H1及び可変表示器H2において、夫々に大当りを認識できる大当り図柄(例えば[2])及び大当りの図柄組み合わせ(例えば[111]など)が最終的に表示されるようになっている。また、大当り演出用の変動パターンP4に基づき図柄変動ゲームが行われた場合、特図表示器H1及び可変表示器H2において、夫々に確変図柄による大当りを認識できる大当り図柄(例えば[2])及び大当りの図柄組み合わせ(例えば[111]など)が最終的に表示されるようになっている。例えば、大当り演出用の変動パターンP3に基づき図柄変動ゲームが行われると、可変表示器H2でリーチ演出が行われた後、飾図による大当りの図柄組み合わせが表示されると同時に、特図表示器H1において特図による大当り図柄が表示されるようになっている。
そして、はずれリーチ演出用の変動パターンP2に基づき図柄変動ゲームが行われると、特図表示器H1及び可変表示器H2において、夫々にはずれの図柄及びはずれの図柄組み合わせが最終的に表示されるようになっている。例えば、はずれリーチ演出用の変動パターンP2に基づき図柄変動ゲームが行われた場合、可変表示器H2でリーチ演出が行われた後、飾図によるはずれの図柄組み合わせが表示されると同時に、特図表示器H1において特図によるはずれ図柄が表示されるようになっている。
そして、はずれ演出用の変動パターンP1a、P1bに基づき図柄変動ゲームが行われると、特図表示器H1及び可変表示器H2において、通常変動後、夫々にはずれ図柄及びはずれの図柄組み合わせが最終的に表示されるパターンとなっている。例えば、はずれ演出用の変動パターンP1aに基づき図柄変動ゲームが行われると、図柄変動ゲーム開始後、通常変動が行われ、当該開始から15秒後、可変表示器H2において飾図によるはずれの図柄組み合わせが表示されると共に、特図表示器H1において特図によるはずれ図柄が表示されるようになっている。また、はずれ演出用の変動パターンP1bに基づき図柄変動ゲームが行われると、図柄変動ゲーム開始後、通常変動が行われ、当該開始から5秒後、可変表示器H2において飾図によるはずれの図柄組み合わせが表示されると共に、特図表示器H1において特図によるはずれ図柄が表示されるようになっている。なお、はずれ演出用の変動パターンP1bは、保留されている図柄変動ゲームを素早く実行するために、図柄変動ゲーム開始時において保留記憶数が4であるときに決定されるようになっている。すなわち、はずれ演出用の変動パターンP1aが、はずれ演出用の変動パターンのうち最も決定されやすくなっている。
また、ROM30bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当りか否かの内部抽選で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値(0〜630までの全631通りの整数)の中から定められている。なお、大当り判定値は、確変状態が付与されているか否かでその数が異なっており、確変状態時の大当り判定値の数(本実施形態では10個)は、通常状態時の大当り判定値の数(本実施形態では2個)よりも多く設定されている。また、RAM30cには、大当り判定時に使用する大当り判定用乱数が記憶されている。
また、RAM30cには、大当り決定時に大当り図柄となる特図(本実施形態では[0]〜[2])の種類を決定する際に用いる特図振分用乱数が記憶されている。各特図には、この特図振分用乱数が所定個数ずつ振り分けられており、メインCPU30aは、大当りの決定時(大当り判定が肯定となった場合)、取得した特図振分用乱数に基づき大当り図柄([0]〜[2]のうちいずれか)を決定する。他方、はずれの決定時(大当り判定が否定となった場合)、はずれ図柄([−])を決定する。また、RAM30cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(各種乱数の値など)が記憶されるようになっている。
次に、図3に基づき統括制御基板31について説明する。
統括制御基板31には、統括CPU31aが備えられている。該統括CPU31aには、ROM31b及びRAM31cが接続されている。また、統括CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値をRAM31cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。また、ROM31bには、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34を統括的に制御するための統括制御プログラムが記憶されている。また、統括CPU31aは、操作ボタン26と接続されており、操作ボタン26が操作されたことを示す操作信号が入力されるようになっている。
次に、図3に基づき表示制御基板32について説明する。
表示制御基板32には、サブCPU32aが備えられている。該サブCPU32aには、ROM32b及びRAM32cが接続されている。また、表示制御基板32(サブCPU32a)には、可変表示器H2が接続されている。ROM32bには、可変表示器H2の表示内容を制御するための演出制御プログラムが記憶されている。また、ROM32bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、RAM32cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
次に、メインCPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する入賞処理や変動パターン決定処理などの各種処理について説明する。まず、入賞処理について図4に基づき説明する。
メインCPU30aは、所定時間間隔で遊技球の入賞検知がなされたか否かを判定する(ステップS11)。つまり、メインCPU30aは、始動入賞口22及び始動口センサSE1によって構成される始動入賞装置が出力する検知信号を入力したか否かを判定する。この判定結果が否定の場合(入賞検知なしの場合)、メインCPU30aは、入賞処理を終了する。一方、判定結果が肯定の場合(入賞検知ありの場合)、メインCPU30aは、RAM30cに記憶されている保留記憶数が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(ステップS12)。この判定結果が否定の場合(保留記憶数=4の場合)、メインCPU30aは、入賞処理を終了する。
一方、この判定結果が肯定の場合(保留記憶数<4の場合)、メインCPU30aは、RAM30cに記憶されている保留記憶数に「1」加算(+1)し、保留記憶数を書き換える(ステップS13)。続いて、メインCPU30aは、大当り判定用乱数の値をRAM30cから読み出して取得し、当該読み出した大当り判定用乱数の値を保留記憶数に対応付けられたRAM30cの所定の記憶領域に設定する(ステップS14)。また、メインCPU30aは、特図振分用乱数の値をRAM30cから取得し、当該読み出した特図振分用乱数の値を保留記憶数に対応付けられたRAM30cの所定の記憶領域に設定する(ステップS14)。なお、大当り判定用乱数及び特図振分用乱数は、メインCPU30aによって所定の周期毎に順次更新される乱数であり、メインCPU30aは、更新後の値をRAM30cの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。そして、メインCPU30aは、入賞処理を終了する。
次に、変動パターン決定処理について図5に基づき説明する。
メインCPU30aは、図柄(特図及び飾図)が変動表示中であるか否か及び大当り遊技(特別遊技)中であるか否か判定する(ステップS21)。ステップS21の判定結果が肯定の場合(図柄変動ゲーム中である又は大当り遊技中である場合)、メインCPU30aは、変動パターン決定処理を終了する。一方、ステップS21の判定結果が否定の場合(図柄変動ゲーム中でなく、大当り遊技中でない場合)、メインCPU30aは、所定時間間隔で保留記憶数が「0」よりも大きいか否か判定する(ステップS22)。ステップS22の判定結果が否定の場合(保留記憶数=0の場合)、保留中の図柄変動ゲームが存在しないので、メインCPU30aは、変動パターン決定処理を終了する。
一方、ステップS22の判定結果が肯定の場合(保留記憶数>0の場合)、メインCPU30aは、保留記憶数に対応付けられてRAM30cに記憶されている大当り判定用乱数の値がROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(大当り抽選)を行う(ステップS23)。なお、本実施形態において、大当り判定値は、確変状態が付与されているか否かで変更されるようになっている。そして、通常状態の時(低確率の時)、大当り判定の判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、2/631としており、確変状態の時(高確率の時)、大当り判定の判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、10/631としている。また、メインCPU30aは、保留記憶数を「1」減算(−1)した後に、当該保留記憶数に対応付けられて記憶されている大当り判定用乱数及び特図振分乱数の値を取得するようになっている。
大当り判定の判定結果が肯定の場合(大当りの場合)、メインCPU30aは、保留記憶数に対応付けられてRAM30cに記憶されていた特図振分用乱数の値を読み出す。そして、メインCPU30aは、特図振分用乱数の値に基づき、特図による大当り図柄の中から特図表示器H1にて確定停止表示される最終停止図柄を決定する(ステップS24)。なお、本実施形態では、特図による大当り図柄は、[0]〜[2]のいずれかであり、メインCPU30aは、これらの中から特図を決定する。また、特図[0]は、非確変大当りを示す特図であり、特図[1][2]は、確変大当りを示す特図である。また、メインCPU30aは、ステップS24において、4/10の確率で特図[0]を決定し、1/10の確率で特図[1]を決定し、5/10の確率で特図[2]を決定するようになっている。
その後、メインCPU30aは、大当り演出用の変動パターンP3,P4の中から変動パターンを決定する(ステップS25)。その際、メインCPU30aは、最終停止図柄が確変図柄である特図[2]である場合には、大当り演出用の変動パターンP3,P4の中から変動パターンを決定し、最終停止図柄が確変図柄である特図[1]である場合には、大当り演出用の変動パターンP4を決定する。また、メインCPU30aは、最終停止図柄が非確変図柄である特図[0]である場合には、大当り演出用の変動パターンP3を決定する。変動パターン及び最終停止図柄を決定したメインCPU30aは、統括制御基板31(統括CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、図柄変動ゲームに関する各種処理を実行する(ステップS26)。
具体的に言えば、メインCPU30aは、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。同時に、メインCPU30aは、特図を変動開始させるように特図表示器H1の表示内容を制御する。また、メインCPU30aは、最終停止図柄を指定するための特別図柄指定コマンドを出力する。その後に、メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように特図表示器H1の表示内容を制御する。また、メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。その後、メインCPU30aは、変動パターン決定処理を終了する。
一方、ステップS23の大当り判定の判定結果が否定の場合(大当りでないの場合)、メインCPU30aは、リーチ演出を行う否かを判定するリーチ判定を行う(ステップS27)。本実施形態では、リーチ判定の判定結果が肯定となる確率(リーチ演出を行う確率)は、図柄変動ゲーム開始時において保留記憶数が所定値(本実施形態では2)以下である場合には、1/12とし、所定値より大きい場合には1/30としている。従って、保留記憶数が大きい場合(保留となっている図柄変動ゲームが多い場合)には、図柄変動ゲームがはずれとなるリーチ演出が実行される確率が低くなり、相対的にリーチ演出の大当り信頼度が高くなる。
ステップS27のリーチ判定の判定結果が肯定の場合(リーチ演出を行う場合)、メインCPU30aは、はずれを示す特図[−]を最終停止図柄として決定する(ステップS28)。そして、メインCPU30aは、はずれリーチ演出用の変動パターンP2を決定する(ステップS29)。その後、メインCPU30aは、ステップS26の処理に移行する。一方、ステップS28のリーチ判定の判定結果が否定の場合(リーチ演出を行わない場合)、メインCPU30aは、はずれを示す特図[−]を最終停止図柄として決定する(ステップS30)。そして、メインCPU30aは、はずれ演出用の変動パターンP1a,P1bを決定する(ステップS31)。その後、メインCPU30aは、ステップS26の処理に移行する。なお、メインCPU30aは、図柄変動ゲーム開始時において保留記憶数が1〜3のときには、変動パターンP1aを決定し、保留記憶数が4のときには、変動パターンP1bを決定するようになっている。
そして、メインCPU30aは、大当りを決定した場合、決定した変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了後、大当りとなったときの大当り遊技の制御を開始し、統括制御基板31(統括CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。具体的に言えば、メインCPU30aは、最初に、オープニング演出における演出パターンを指定するオープニングコマンドを出力する。次に、メインCPU30aは、各ラウンド遊技の開始時に、各ラウンド演出における演出パターンを指定するラウンドコマンドを出力する。その際、メインCPU30aは、ラウンド遊技毎に大入賞口扉24を開閉させる。そして、メインCPU30aは、最終ラウンドの終了時に、エンディング演出における演出パターンを指定するエンディングコマンドを出力して、大当り遊技を終了させる。
その際、メインCPU30aは、図柄変動ゲーム終了時に表示した特図(最終停止図柄)に基づき、各種フラグを設定する。具体的には、メインCPU30aは、最終停止図柄として特図[1][2]を表示した場合、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグを設定する。また、メインCPU30aは、最終停止図柄として特図[0]を表示した場合、遊技状態が通常状態であることを示すために、確変フラグをクリアする。なお、各フラグは、RAM30cの所定の記憶領域に記憶されるようになっている。
以上のように、本実施形態のメインCPU30aは、図柄変動ゲームが大当りとなるか否かを判定する大当り判定手段となる。また、メインCPU30aは、変動パターンを決定する変動パターン決定手段となる。また、メインCPU30aは、大当り遊技の遊技内容(ラウンド数)を決定する特典決定手段となる。また、メインCPU30aは、オープニングコマンドを出力するオープニングコマンド出力手段となる。
次に、統括制御基板31の統括CPU31aが統括制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。メインCPU30aから所定の制御コマンドを所定のタイミングで入力すると、統括CPU31aは、それに応じて所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。具体的に言えば、統括CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドを各制御基板32〜34に出力する。同様に、統括CPU31aは、ラウンドコマンド及びエンディングコマンドを入力すると、当該ラウンドコマンド及びエンディングコマンドを各制御基板32〜34に出力する。
また、統括CPU31aは、特別図柄指定コマンドを入力すると、当該特別図柄指定コマンドに基づき、可変表示器H2に表示させる飾り図柄による図柄組み合わせを決定する。そして、統括CPU31aは、決定した各列の飾り図柄を指定する飾り図柄指定コマンドを表示制御基板32に出力する。また、メインCPU30aは、全図柄停止コマンドを入力すると、当該コマンドを表示制御基板32に出力する。
そして、本実施形態では、大当り演出用の変動パターンP4が決定された場合、図柄が一旦停止された後、操作ボタン26の操作回数に応じて、大当り2R又は大当り15Rの何れの大当り遊技が付与されたかを図柄変動ゲーム中に複数の演出段階にて徐々に示唆する抽選演出が実行されるようになっている。以下、抽選演出を実行させるための処理について説明する。
統括CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特別図柄指定コマンドを入力すると、図6に示す抽選演出設定処理を実行するようになっている。なお、抽選演出設定処理の実行タイミングは、図柄変動ゲームがはずれるときに最も選択され易い変動パターンP1aと同じ遊技演出を行った後である。統括CPU31aは、抽選演出設定処理の実行を開始すると、まず、特別図柄指定コマンドにより指定される特図に応じて抽選演出の演出段階等を示す抽選パターンを決定する(ステップS101)。そして、統括CPU31aは、決定した抽選パターンT1〜T8をRAM31cに記憶し(ステップS102)、抽選演出設定処理を終了する。
前記抽選パターンT1〜T8には、図7に示すように、それぞれに演出段階が最大いくつあるか(最終段階)が示されている。なお、本実施形態では、大当り15Rが付与される場合には、抽選パターンT1〜T4の中から乱数抽選により決定されるようになっていると共に、大当り2Rが付与される場合には、抽選パターンT5〜T8の中から乱数抽選により決定されるようになっている。すなわち、大当り2Rの場合には、7つの演出段階が設定されており、大当り15Rの場合には、7つ又は8つの演出段階が設定されている。従って、抽選演出において、8段階の抽選演出が行われた場合、遊技者は、15Rの大当り遊技が付与されることを認識することができる。その一方で、抽選演出において、7段階の抽選演出が行われた場合、遊技者は、少なくとも大当り2Rの大当り遊技が付与されることを認識することができる。
また、抽選演出において、1つの演出段階が進む毎に、所定のキャラクタが段階的に表示されるようになっている。具体的には、図10(a)〜(f)に示すように、抽選演出において、1つの演出段階が進む毎に、1乃至複数のリンゴ(のキャラクタ画像)が可変表示器H2に表示されるようになっている。そして、7段階目の演出が行われた場合には、可変表示器H2の表示領域の半分がリンゴで埋まるように表示され、8段階目の演出が行われた場合には、可変表示器H2の表示領域全体がリンゴで埋まるように表示される。なお、抽選演出において1〜7段階目までの演出内容は、どの抽選パターンT1〜T8に基づき実行されても同じとなるようになっている。これにより、遊技者は、8段階目の抽選演出が実行されるまでは、抽選演出の演出内容から大当り15Rが付与されたか否かを認識することができないようになっている。
また、各抽選パターンT1〜T8の演出段階毎に、それぞれ達成回数が予め定められている。この達成回数分操作ボタン26が操作されることにより、次の演出段階の抽選演出が実行されるようになっている。例えば、抽選パターンT4に基づき抽選演出が実行される場合、1段階〜5段階目までは、操作ボタン26を1回操作する毎に演出段階が進んでいき、6段階及び7段階目は2回ずつ操作する毎に演出段階が進み、8段階目は(7段階目の演出が行われた後)1回操作したときに演出段階が進むこととなる。すなわち、抽選演出が開始されてから操作ボタン26を1回操作すると1段階目に進み、2回操作すると2段階目に進み、3回操作すると3段階目に進み、4回操作すると4段階目に進み、5回操作すると5段階目に進み、7回操作すると6段階目に進み、9回操作すると7段階目に進み、10回操作すると8段階目に進むこととなる。
また、抽選パターンT2〜T8には、それぞれ上限回数が設定されており、操作回数がこの上限回数に達すると、それぞれ大当り2R又は大当り15Rのいずれが付与されるかが報知される。各抽選パターンT2〜T8の上限回数は、抽選演出の開始から最終段階(7段階目又は8段階目)の演出を実行させるために必要な回数と同一となっている。例えば、抽選パターンT2の上限回数は10であり、これは8段階目の抽選演出を実行させるために必要な回数である。なお、抽選パターンT1には、上限回数が設定されておらず、大当り2R又は大当り15Rのいずれが付与されるかは報知されないようになっている。すなわち、抽選パターンT1に基づいて抽選演出が行われた場合、操作ボタン26を操作することにより演出段階は7段階目まで進ませることができるが、8段階目に進まないことから大当り2Rが付与されたかのように思わせることができる。しかも、抽選パターンT1は、大当り2Rが付与される際に選択される抽選パターンT7と同様の演出段階及び達成回数となっている。これにより、一層大当り2Rが付与されたかのように思わせることができる。
抽選演出設定処理の実行後、統括CPU31aは、図柄変動ゲームが終了するまで所定周期毎に図8に示す抽選演出実行処理を実行する。統括CPU31aは、抽選演出実行処理を実行すると、まず、操作ボタン26から操作ボタン26が操作されたことを示す操作信号を入力したか否かを判定する(ステップS201)。この判定結果が肯定の場合(入力した場合)、統括CPU31aは、操作有効期間が開始したか否かを判定する(ステップS202)。前記操作有効期間は、変動パターンP4により予め設定されており、本実施形態では、抽選演出が開始されると共に操作有効期間が開始し、抽選演出が終了する(図柄変動ゲームが終了する)と共に操作有効期間が終了するようになっている。なお、抽選演出実行中の一部期間のみを操作有効期間としても良い。
ステップS202の判定結果が否定の場合(操作有効期間でない場合)、統括CPU31aは、抽選演出実行処理を終了する。一方、ステップS201の判定結果が否定の場合(操作信号を入力していない場合)又はステップS202の判定結果が肯定の場合(操作有効期間中である場合)、統括CPU31aは、操作有効期間が終了したか否かを判定する(ステップS203)。この判定結果が否定の場合(操作有効期間が終了していなかった場合)、統括CPU31aは、操作有効期間における操作信号の入力回数を示す操作回数に1を加算してRAM31cの操作回数を書き換える(ステップS204)。
次に、統括CPU31aは、操作回数が次の演出段階に進むために必要な回数分操作されたか否かを判定する(ステップS205)。具体的には、抽選演出の現在の演出段階数を示す現段階数DをRAM31cに記憶しておき、現段階数Dの次の演出段階に進むために必要な回数に達しているか否かを判定する。現段階数Dの次の演出段階に進むために必要な回数は、設定された抽選パターンと、現段階数Dに基づき算出するものであり、例えば、抽選パターンT3が設定されており、現段階数Dが6である場合、7段階目の演出を実行させるために必要な回数は、図7に示すように、7回(1+1+1+1+1+2)ということとなる。
ステップS205の判定結果が否定の場合、統括CPU31aは、抽選演出実行処理を終了する。一方、ステップS205の処理が肯定の場合(次の演出段階に進むために必要な回数分操作された場合)、統括CPU31aは、次の演出段階の抽選演出を実行させるように演出コマンドを各制御基板32〜34に出力する(ステップS206)。具体的には、統括CPU31aは、現段階数Dに1加算した演出段階の抽選演出を実行させることを指示する段階指定コマンドを出力するようになっている。例えば、現段階数Dが3段階目である場合には、4段階目の抽選演出の実行を指示する段階指定コマンドを出力するようになっている。
そして、統括CPU31aは、演出の現段階数Dに1を加算して現段階数Dを書き換える(ステップS207)。そして、統括CPU31aは、抽選演出実行処理を終了する。
一方、ステップS203の判定結果が肯定の場合(操作有効期間が終了した場合)、統括CPU31aは、オープニングコマンドを入力したか否かを判定する(ステップS208)。この判定結果が否定の場合、統括CPU31aは、抽選演出実行処理を終了する。一方ステップS208の判定結果が肯定の場合(オープニングコマンドを入力した場合)、統括CPU31aは、入力した特別図柄指定コマンドにより指定される特図の種類及び現段階数Dに基づき、複数種類の大当り開始コマンドの中から大当り開始コマンドを決定し(ステップS209)、大当り開始コマンドを出力する(ステップS210)。前記大当り開始コマンドは、大当り遊技のオープニング演出の実行開始を各制御基板32〜34に指示するためのコマンドである。また、大当り開始コマンドの中には、単にオープニング演出の実行開始を指示するだけでなく、抽選演出を継続して規定ラウンド遊技数を報知する逆転演出の実行開始を指示するコマンドも含まれる。
大当り開始コマンドは、図9に示すように、大当り2R用の大当り開始コマンドC1〜C8と、大当り15R用の大当り開始コマンドC11〜C19が設けられている。また、大当り開始コマンドC1〜C8は、操作回数が「0」のときに決定される大当り開始コマンドC1と、抽選パターンT5〜T8の上限回数に操作回数が達したときに決定される大当り開始コマンドC8と、抽選パターンT5〜T8の上限回数に操作回数が達していないときに決定される大当り開始コマンドC2〜C7とに分類される。さらに、操作回数が上限回数に達していないときに決定される大当り開始コマンドC2〜C7は、抽選演出終了時の現段階数Dによって分類されている。例えば、図9(a)に示すように、抽選演出終了時の現段階数Dが1である場合には、大当り開始コマンドC2が決定されるようになっている。
また、大当り開始コマンドC11〜C19は、操作回数が「0」のときに決定される大当り開始コマンドC11と、操作回数が抽選パターンT2〜T4の上限回数に達したときに決定される大当り開始コマンドC19と、操作回数が抽選パターンT1〜T4の上限回数に達していないときに決定される大当り開始コマンドC12〜C18とに分類される。さらに、操作回数が上限回数に達していないときに決定される大当り開始コマンドC12〜C18は、抽選演出終了時の現段階数Dによって分類されている。例えば、図9(b)に示すように、抽選演出終了時の現段階数Dが1である場合には、大当り開始コマンドC12が決定されるようになっている。
以上のように、最終停止図柄(特図)の種類及び現段階数Dに基づき決定された大当り開始コマンドC1〜C8,C11〜C19により、操作ボタン26が操作されたか否か、操作された場合に抽選演出が最終段階まで実行されて大当り遊技の遊技内容が報知されたか否か、及び抽選演出がどの演出段階で終了したかが判別できるようになっている。すなわち、統括CPU31aは、操作回数が上限回数に達しているか否かを判定し、当該判定結果と特別図柄指定コマンドにより特定される大当り遊技の遊技内容に基づき、大当り開始コマンドを決定しているとも言える。
次に、表示制御基板32のサブCPU32aが表示制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
サブCPU32aは、統括制御基板31(統括CPU31a)から制御コマンドを入力すると、表示制御プログラムに基づき、入力した制御コマンドに応じた制御を行う。具体的には、サブCPU32aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンで飾り図柄を変動表示させて図柄組み合わせゲームを開始させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。そして、サブCPU32aは、全図柄停止コマンドを入力すると、入力した飾り図柄指定コマンドで指定された図柄組み合わせを可変表示器H2に表示させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。この制御により、可変表示器H2では図柄変動ゲームが行われる。
次に、表示制御基板32のサブCPU32aによる抽選演出の実行及びオープニング演出の実行に係わる処理について説明する。
サブCPU32aは、抽選演出実行処理のステップS206にて出力される段階指定コマンドを入力すると、当該段階指定コマンドにより指定される演出段階の抽選演出を実行させるようになっている。例えば、1段階目の抽選演出を実行させる場合、サブCPU32aは、可変表示器H2にリンゴが1つ表示されるように可変表示器H2の表示内容を制御する。これにより、可変表示器H2は、リンゴを1つ表示する(図10(a)参照)。また、7段階目の抽選演出を実行させる場合、サブCPU32aは、可変表示器H2の表示領域半分にリンゴが表示されるように可変表示器H2の表示内容を制御する。これにより可変表示器H2は、表示領域半分にリンゴを表示する(図10(g)参照)。
また、サブCPU32aは、抽選演出実行処理のステップS210にて出力される大当り開始コマンドC1〜C8,C11〜C19を入力すると、大当り開始コマンドC1〜C8,C11〜C19に応じてオープニング演出を実行させるようになっている。例えば、抽選演出中の操作ボタン26の操作回数が「0」である大当り開始コマンドC1、C11を入力した場合、サブCPU32aは、逆転演出を実行せずに、大当り遊技の遊技内容を報知しつつ、オープニング演出を実行させる。これにより、可変表示器H2は、図11(a)に示すように、大当りのラウンド数を文字にて表示しつつ、オープニング演出を実行する。なお、図11(a)は、大当り開始コマンドC11に基づき、オープニング演出が開始されたときの可変表示器H2の表示内容を示している。一方、大当り開始コマンドC1に基づく場合は、図11(a)における「15R確変大当り」という文字の代わりに「2R確変大当り」などと表示される。すなわち、遊技者の操作による抽選演出という段階表示で結果を知るのではなく、1回の表示で結果を知ることができる。
また、抽選演出中の操作回数が上限回数に達した大当り開始コマンドC8、C19を入力した場合、サブCPU32aは、抽選演出中に規定ラウンド遊技数が示唆されたことから逆転演出を実行せずに、大当り遊技の遊技内容を報知しつつ、オープニング演出を実行させる。これにより、可変表示器H2は、図11(b)に示すように、抽選演出における最終段階を背景として、規定ラウンド遊技数を文字にて表示しつつ、オープニング演出を実行する。なお、図11(b)は、大当り開始コマンドC8に基づき、オープニング演出が開始されたときの可変表示器H2の表示内容を示している。
また、操作ボタン26が操作されたものの、抽選演出中の操作回数が上限回数に達していないときに決定される大当り開始コマンドC2〜C17、C12〜C18を入力した場合、サブCPU32aは、逆転演出を実行することとなる。すなわち、サブCPU32aは、抽選演出の続きから大当り遊技の遊技内容に応じた最終段階(大当り2Rの場合には7段階目、大当り15Rの場合には8段階目)まで抽選演出を実行させて大当り遊技の遊技内容(規定ラウンド遊技数)を示唆すると共に、大当り遊技の遊技内容を文字にて報知し、オープニング演出を実行させる。例えば、可変表示器H2が抽選演出の2段階目を表示しているとき(リンゴが2つのとき。図11(c)参照))に、サブCPU32aが大当り開始コマンドC3を入力した場合、可変表示器H2は、図柄変動ゲーム終了時における演出段階(2段階目)から大当り2Rが付与されることを示す7段階目まで続けて行う(図11(d)参照)。そして、可変表示器H2は、大当りのラウンド数(2R確変大当り)を文字にて表示して、オープニング演出を実行する(図11(e)参照)。
また、同様に、可変表示器H2が抽選演出の2段階目を表示しているとき(リンゴが2つのとき。図11(f)参照)に、サブCPU32aが大当り開始コマンドC13を入力した場合、可変表示器H2は、図柄変動ゲーム終了時における演出段階(2段階目)から大当り15Rが付与されることを示す8段階目まで続けて行う(図11(g)参照)。そして、可変表示器H2は、大当りのラウンド数(15R確変大当り)を文字にて表示して、オープニング演出を実行する(図11(h)参照)。
以上のように、本実施形態では、統括CPU31a及びサブCPU32aにより、変動パターンに基づき、図柄変動ゲームを演出実行手段に実行させる演出制御手段を構成する。また、統括CPU31a及びサブCPU32aにより、オープニングコマンドに基づき、図柄変動ゲーム終了後にオープニング演出を実行させる大当り遊技実行手段を構成する。また、統括CPU31aは、操作回数が所定の上限回数か否かを判定する閾値判定手段となる。また、統括CPU31aは、抽選パターンを決定する抽選パターン決定手段となる。また、統括CPU31aは、特別図柄指定コマンド(特典コマンド)により特定される最終停止図柄(特図)に基づき、大当り遊技の遊技内容を特定している。このため、メインCPU30aは、特典コマンドを出力する特典コマンド出力手段となる。
次に、抽選演出が実行されるときにおける演出の流れを図12に示すタイムチャートにて説明する。
図12(a)は、操作有効期間内に操作ボタン26の操作回数が上限回数に達した場合におけるタイムチャートである。また、図12(b)は、操作回数が1回以上の場合であって、操作有効期間内に操作回数が上限回数に達していない場合におけるタイムチャートである。また、図12(c)は、逆転演出の演出期間を予め図柄変動ゲーム中に設定するという従来例のタイムチャートである。
図12(a)に示すように、操作ボタン26の操作回数が操作有効期間内に上限回数に達した場合、オープニング演出では、逆転演出は行われず、すなわち、抽選演出の演出段階が進むことなく、規定ラウンド遊技数が報知され、オープニング演出が進行することとなる。従って、変動パターンP4に基づく図柄変動ゲームが行われる演出時間(図12では、区間X1で示す)内で抽選演出が行われ(図12では、抽選演出の演出時間を区間Yで示す)、図柄変動ゲーム終了後にオープニング演出(図12では、オープニング演出の演出時間を区間Zで示す)が行われるようになっている。
一方、図12(b)に示すように、操作ボタン26の操作回数が操作有効期間内に上限回数に達しない場合、オープニング演出中に、逆転演出(図12では、逆転演出の演出時間を区間Wで示す)が行われる。すなわち、操作有効期間内に操作ボタン26が1回でも操作されたときには、図柄変動ゲーム終了時における演出段階から、大当りラウンド数に対応する最終段階に達するまで段階が進み、大当りラウンド数が表示される演出がオープニング演出の開始から行われるようになっている。
以上のように、操作ボタン26の操作回数が操作有効期間内に上限回数に達しない場合でも、図柄変動ゲーム中に逆転演出を行うための演出時間(区間W)を設けなくても良く、従来例(図12(c))と比較して図柄変動ゲームの時間を逆転演出の演出時間(区間W)分短くすることができる。
また、抽選演出は図柄変動ゲーム終了時まで行われており、上限回数に達しない場合には、オープニング演出開始時から抽選演出の続きから演出が行われるので、遊技者に図柄変動ゲームとオープニング演出の切れ目を意識させることがなく、違和感を与えることがない。また、従来例のように図柄変動ゲーム中に逆転演出のための時間を設けていないため、操作回数が操作有効期間内に上限回数に達した場合、逆転演出のための時間(区間W)を無駄な待機時間としなくて良くなり、図12(a)に示すように、図柄変動ゲームから続けて(待機時間の必要がなく)オープニング演出を実行させることができる。
また、図12(d)には、はずれ演出用の変動パターンP1aに基づく図柄変動ゲームを示しているが、図に示すように、はずれ演出用の変動パターンP1aに基づく図柄変動ゲームの演出時間(区間X3)は、大当り演出用の変動パターンP4に基づく図柄変動ゲームの演出時間(区間X1)は、抽選演出の演出時間(区間Y)分だけ短くなっている。これにより、抽選演出が行われるか否かは、図柄変動ゲーム開始からの演出時間からでは判別できないようになっている。すなわち、はずれ演出用の変動パターンP1aに基づく図柄変動ゲームが行われても、図柄変動ゲーム終了時まで遊技者に抽選演出が行われるのではないかと期待させることができる。
また、オープニング演出の実行開始を指示する大当り開始コマンドC1〜8,C11〜C19を複数種類設け、この大当り開始コマンドC1〜8,C11〜C19により、サブCPU32aは、演出段階がいくつまで進んだか及び規定ラウンド遊技数がいくつであるかを特定できるようになっている。このため、逆転演出のための演出時間を設けた従来例とは異なり、逆転演出を行うためだけのコマンドを出力しなくて良くなり、制御負担を減らすことができる。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)統括CPU31aは、操作ボタン26が操作されて操作回数が上限回数に達したと判定した場合、特別図柄指定コマンドにより特定されるメインCPU30aが決定した決定内容(本実施形態では、大当り遊技の遊技内容(規定ラウンド遊技数))を図柄変動ゲーム中に示唆させる。それと共に、統括CPU31aは、操作回数が上限回数に達していないと判定した場合、メインCPU30aが決定した決定内容をオープニング演出中に示唆させる。すなわち、操作ボタン26が所定の上限回数分操作されなかった場合、メインCPU30aが決定した決定内容は、図柄変動ゲーム終了後に行われるオープニング演出中に報知される。このため、抽選演出の演出期間外に抽選演出の続き(メインCPU30aが決定した決定内容の報知)を行う逆転演出を行うために図柄変動ゲームの演出内容や演出時間を特定する変動パターンを別途設けなくても同一の変動パターンP4にて実行させることができる。従って、逆転演出を行うために、変動パターンの書き換えや、変動パターンを余分に記憶する必要がなくなり、メインCPU30aの制御負担やROM30bの記憶量の増加を防ぐことができる。
(2)また、操作ボタン26が所定の上限回数分操作されなかった場合、メインCPU30aが決定した決定内容は、図柄変動ゲーム終了後に行われるオープニング演出中に報知されるため、報知させるための演出時間を図柄変動ゲームの演出時間内に予め余分に確保する必要がなくなる。従って、操作ボタン26が所定の上限回数分操作されなかった場合に、予め設定した逆転演出のための演出時間が無駄な待機時間となることがなくなり、遊技者を待たせることなく、大当り遊技を実行させることができる。
(3)抽選演出には複数の演出段階が設定され、それぞれの演出段階の演出を実行させるには、それぞれ達成回数分操作ボタン26を操作する必要がある。また、抽選演出において、操作ボタン26の操作に応じて、リンゴの数を増加させ、最終的に可変表示器H2の表示領域全体をリンゴが埋めるか否かにより、大当り遊技の遊技内容を報知している。すなわち、メインCPU30aが決定した決定内容を複数の演出段階にて徐々に示唆している。このため、遊技者に、リンゴの数を増やすことがより有利な大当り遊技を導出されると思わせることができ、遊技者に積極的に操作ボタン26を操作させることができる。
(4)抽選パターンT1〜T8の中に、上限回数が設定されていない抽選パターンT1を設け、抽選パターンT1に基づき抽選演出を実行させたときには、操作ボタン26が何回操作されても大当り遊技の遊技内容が報知されないようにした。これにより、上限回数が設定されていない抽選パターンT1が決定された場合、統括CPU31aは、操作回数が上限回数に達したと判定しないため、必ずオープニング演出中に逆転演出が行われ、メインCPU30aが決定した決定内容が報知されることとなり、遊技者に意外性を与えることができる。また、抽選パターンT1と同じ演出内容の抽選パターンT7を設けたことにより、遊技者に対して最後まで(オープニング演出が開始するまで)期待感を持続させることができるようになっている。
(5)抽選パターンT1〜T8の中に上限回数が設定されていない抽選パターンT1を設け、当該抽選パターンT1に基づき抽選演出が行われた場合、操作回数がいくつになっても図柄変動ゲームの抽選演出中に最終的に実行される演出段階は、メインCPU30aが決定した決定内容(大当り遊技が大当り15Rであること)を示す8段階目ではない。すなわち、抽選パターンT1に基づき抽選演出が行われた場合、図柄変動ゲームの抽選演出中に最終的に実行される演出段階は、メインCPU30aが決定した決定内容(大当り遊技が大当り15Rであること)より不利な決定内容(大当り2Rであること)を示す7段階目である。このため、オープニング演出中において、図柄変動ゲーム中に報知された決定内容より有利な決定内容(大当り遊技の遊技内容が大当り15Rであること)が報知されることとなり、操作ボタン26を他の抽選パターンT2〜T4における上限回数以上操作した遊技者に意外性を与え、興趣を向上させることができる。
(6)図柄変動ゲーム開始から抽選演出実行開始までの演出内容及び演出時間は、はずれの時に最も決定される確率がある変動パターンP1aに基づき実行される図柄変動ゲームの演出内容及び演出時間と同一にした。すなわち、抽選演出は、通常変動が行われ、はずれの図柄組み合わせが一旦停止した後に実行されるようにした。このため、はずれになる確率が高い図柄変動ゲームが行われていると遊技者に一旦思わせておいてから抽選演出が行われるので、遊技者に驚きを与え、遊技の興趣を向上させることができる。
(7)操作ボタン26の操作回数が0回の場合、逆転演出を行わなかった。これにより、遊技者にオープニング演出のみを楽しませることができる。また、その際においても、規定ラウンド遊技数が文字にて報知されるため、抽選演出や逆転演出が行われなくても、遊技者に確実に規定ラウンド遊技数を認識させることができる。
(8)逆転演出を大当り遊技の開始を知らせるオープニング演出中に実行させたことにより、大当り遊技における規定ラウンド遊技数を確実に報知することができる。
(9)図柄変動ゲーム中に最終段階の抽選演出が行われず、メインCPU30aが決定した決定内容が報知されなかった場合には、オープニング演出中に、抽選演出の続きから実行されて最終段階の抽選演出が行われてメインCPU30aが決定した決定内容が示唆される。このため、遊技者に積極的に操作ボタン26を操作させることができ、また、抽選演出の続きがオープニング演出中の逆転演出にて行われる場合であっても、抽選演出終了時の演出段階が逆転演出開始時と繋がっているため、遊技者に違和感を与えることがない。
尚、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
○上記実施形態において、抽選演出及び逆転演出において大当り遊技の規定ラウンド遊技数を報知させていたが、メインCPU30aの別の決定内容を報知させても良い。例えば、確変状態が付与されるか否かを報知させても良い。また、大当り遊技のラウンド遊技における大入賞口23の開放時間を複数設定し、当該開放時間を報知しても良い。また、確変状態が付与される図柄変動ゲーム数を複数設定し、当該図柄変動ゲーム数を報知しても良い。また、変動時間短縮(時短)機能を備えたパチンコ機において、大当り遊技後に時短状態が付与されるか否かを報知させても良い。時短機能は、普通図柄変動ゲームの変動時間を短縮させる時短状態を付与する機能である。時短状態中は、持ち玉を大幅に減らすことなく、図柄組み合わせゲームの始動条件を得られるので遊技者にとって有利な状態(特典)である。また、変動時間短縮(時短)機能を備えたパチンコ機において、大当り遊技後に付与される時短状態の回数を複数設定し、付与される回数を報知するようにしても良い。また、これらの内容を組み合わせて設定できるようにして、当該特典の組み合わせを報知するようにしても良い。
○上記実施形態では、大当り2Rか大当り15Rのうちいずれが付与されるかを抽選演出(及び逆転演出)にて示唆したが、特典内容を3種類以上設けて、いずれが付与されるかを抽選演出にて示唆しても良い。例えば、規定ラウンド遊技数が8ラウンドである大当り8Rを新たに設け、大当り2R、大当り8R及び大当り15Rのうちいずれが付与されるかを抽選演出(及び逆転演出)にて示唆してもよい。
○上記実施形態において、統括CPU31aは、抽選演出において、操作ボタン26の操作回数が上限回数に達した場合には最終段階の抽選演出を実行させ、大当り遊技の遊技内容を報知していた。この別例として、抽選演出において、統括CPU31aは、操作ボタン26の操作回数が上限回数に達した場合に、乱数抽選を行い、当該乱数抽選に当選したときにのみ、最終段階の抽選演出を実行させ、大当り遊技の遊技内容を報知してもよい。このようにすることにより、操作回数が所定の上限回数に達した場合であっても、乱数抽選に落選した場合には、メインCPU30aが決定した決定内容が図柄変動ゲーム中に報知されなく、遊技者を一旦落胆させることができる。それと共に、オープニング演出中に逆転演出を行うことができるので、オープニング演出にて意外性を与えることができ、一層興趣を向上することができる。
○上記実施形態では、操作ボタン26の操作回数が0回の場合、逆転演出を行わなかったが、逆転演出を行っても良い。この場合、逆転演出では、1段階目〜規定ラウンド数に対応する最終段階まで行われ、規定ラウンド数が示唆されることとなる。
○上記実施形態の逆転演出においては、図柄変動ゲーム終了時の抽選演出の演出段階の続きから演出段階を進めていたが、いきなり最終段階を行い、規定ラウンド遊技数を示唆しても良い。このようにすれば、大当り開始コマンドは、操作回数が上限回数に達したか否か及び規定ラウンド遊技数を特定できるだけでよくなり、大当り開始コマンドの種類を減らすことができる。これにより、記憶量を減らすことができる。
○上記実施形態において、抽選演出を実行させる変動パターンP4に基づき図柄変動ゲームが行われた場合、抽選演出が実行されるまでは、はずれ演出用の変動パターンP1aにおける演出内容及び演出時間と同一であったが、同一でなくても良い。
○上記実施形態の抽選演出において、次の演出段階に進むために必要な達成回数は、演出段階毎に設定されていたが、一律に変更しても良い。また、達成回数を任意に変更しても良い。例えば、一律に2回ずつとしてもよい。
○上記実施形態の抽選演出において、上限回数は、抽選パターンT2〜T8毎に異なっていたが同一にしても良い。また、上限回数を任意に変更しても良い。例えば、上限回数を20回にしてもよい。
○上記実施形態の抽選演出において、抽選パターンT1に基づき抽選演出が行われた場合、操作回数がいくつになっても図柄変動ゲームの抽選演出中に最終的に実行される演出段階は、メインCPU30aが決定した決定内容(大当り遊技が大当り15Rであること)より不利な決定内容(大当り2Rであること)を示す7段階目とした。この別例として、メインCPU30aが決定した決定内容(大当り遊技が大当り15Rであること)及びそれより不利な決定内容(大当り2Rであること)を示さない演出段階であっても良い。例えば、抽選パターンT1に基づき抽選演出が行われた場合において、図柄変動ゲームの抽選演出中に最終的に実行される演出段階を6段階としてもよい。
○上記実施形態では、未達成の場合、大当り開始コマンドC2〜C7を出力して、図柄変動ゲーム終了時の現段階数Dを表示制御基板32に報知した。この別例として、表示制御基板32において段階指定コマンドに基づき現段階数Dを予め記憶しておき、未達成を知らせる大当り開始コマンドを入力した場合には、記憶した現段階数Dから演出段階を続行させても良い。このようにすれば、統括CPU31aは、図柄変動ゲーム終了時に、未達成の場合には一律に大当り開始コマンドC9を出力すればよくなり、大当り開始コマンド数を少なくすることができる。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記閾値判定手段は、操作回数が所定の上限回数に達したとき、乱数抽選を行い、当選した場合には肯定判定し、落選した場合には否定判定する。
(ロ)前記大当り遊技は、大当り遊技の開始を報知するオープニング演出と、大入賞口装置を開閉するラウンド遊技と、大当り遊技の終了を報知するエンディング演出とから構成されており、前記大当り遊技の遊技内容は、大入賞口装置を開閉するラウンド遊技の回数である。
(ハ)前記大当り遊技は、大当り遊技の開始を報知するオープニング演出と、大入賞口装置を開閉するラウンド遊技と、大当り遊技の終了を報知するエンディング演出とから構成されており、前記大当り遊技の遊技内容は、大入賞口装置の開閉時間である。
(ニ)前記大当り遊技は、大当り遊技の開始を報知するオープニング演出と、大入賞口装置を開閉するラウンド遊技と、大当り遊技の終了を報知するエンディング演出とから構成されており、前記大当り遊技の遊技内容は、大入賞口装置を開閉するラウンド遊技の回数及び大入賞口装置の開閉時間である。
H1…特図表示器(演出実行手段)、H2…可変表示器(演出実行手段)、SE1…始動口センサ、10…パチンコ機、20…センター役物、22…始動入賞口、30…主制御基板(メイン制御手段)、30a…メインCPU(大当り判定手段、変動パターン決定手段、特典決定手段、オープニングコマンド出力手段)、30c…RAM、31…統括制御基板(サブ制御手段、統括制御手段)、31a…統括CPU(演出制御手段、大当り遊技実行手段、閾値判定手段、抽選パターン決定手段)、31b…ROM、31c…RAM、32…表示制御基板(サブ制御手段)、32a…サブCPU(演出制御手段、大当り遊技実行手段)。