以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機(以下「パチンコ機」と示す)に具体化した一実施形態を図1〜図9に基づいて説明する。
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を保護するための保護ガラスが装着されるガラス枠を備えた前枠14と、上球皿15がそれぞれ横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14の前面側及び遊技盤13の遊技領域13aには、点灯(点滅)又は消灯し、発光装飾に基づく遊技演出(発光演出)を行う装飾ランプ16が設けられている。外枠11の下部には、各種音声を出力し、音声出力に基づく遊技演出(音声演出)を行うスピーカ17が配置されている。中枠12の下部には、下球皿18及び発射装置19が装着されている。そして、遊技者が発射装置19を操作して、該発射装置19を駆動させることにより、上球皿15内の遊技球が遊技盤13の遊技領域13aへ発射されるようになっている。
遊技盤13の遊技領域13aの略中央には、液晶ディスプレイ型の表示手段としての可変表示器Hを備えたセンター役物20が配設されている。可変表示器Hでは、変動画像(又は画像表示)に基づく遊技演出(表示演出)が行われるようになっている。また、可変表示器Hには、図2に示すように特別図柄表示領域H1と、飾り図柄表示領域H2が設けられている。特別図柄表示領域H1では、複数種類の特別図柄(以下、「特図」と示す)を変動させて図柄を導出する特別図柄変動ゲーム(以下、「特図ゲーム」と示す)が行われるようになっている。また、飾り図柄表示領域H2では、複数種類の飾り図柄(以下、「飾図」と示す)を複数列で変動させて図柄組み合わせを導出する飾り図柄変動ゲーム(以下、「飾図ゲーム」と示す)が行われるようになっている。特図ゲームと飾図ゲームは、同時に開始し、それぞれに特図による図柄と飾図による図柄組み合わせを導出し、同時に終了するようになっている。なお、図2には、特図による図柄が[3]、飾図による図柄組み合わせが[111]となる場合を示している。特図ゲーム及び飾図ゲームでは、特別図柄表示領域H1と飾り図柄表示領域H2において夫々図柄変動が開始し、特図による図柄と飾図による図柄組み合わせが夫々確定表示される。特図は、内部抽選の結果を表示するために用いられている報知用の図柄である。飾図は、表示演出を多様化するために用いられる演出用の図柄である。
また、特別図柄表示領域H1には、[0]、[1]、[2]、[3]の4種類の数字と、[−]の図柄が特図として表示可能とされている。特別図柄表示領域H1に最終的に表示(確定表示)された図柄が[0]〜[3]の数字の場合、その図柄から当り(大当り及び小当り)を認識できる。この当りを認識できる図柄が、特図による当りの図柄となる。一方、特別図柄表示領域H1に確定表示された図柄が[−]の場合、その図柄からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄が、特図によるはずれの図柄となる。なお、図2では、説明のために特別図柄表示領域H1及び特図を大きく表示しているが、実際の特別図柄表示領域H1は、その大きさ(表示面積)が飾り図柄表示領域H2の大きさ(表示面積)よりも遙かに小さくなるように設けられ、可変表示器Hでは、特図が飾図よりも遙かに小さく表示されるようになっている。このため、特図の図柄によって、遊技者が大当り又ははずれを認識することは稀である。
また、飾り図柄表示領域H2には、複数種類の飾図が複数列で表示されるようになっている。飾り図柄表示領域H2では、「1」〜「8」の8種類の数字を模した図柄で3列の図柄による図柄組み合わせを導出する飾図ゲームが行われるようになっている。以下、「特図ゲーム」と「飾図ゲーム」をまとめて「図柄変動ゲーム」と示す。そして、遊技者は、飾り図柄表示領域H2に最終的に表示(確定表示)された図柄組み合わせ(表示結果)から当り(大当り及び小当り)又ははずれを認識できる。飾り図柄表示領域H2に確定表示された全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([222][777]など)から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが飾図による大当りの図柄組み合わせとなる。大当りの図柄組み合わせが確定表示されると、遊技者には、図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、飾り図柄表示領域H2に確定表示された全列の図柄が異なる種類の場合、又は1列の図柄がリーチを形成する図柄とは異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([123][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせが飾図によるはずれの図柄組み合わせとなる。また、本実施形態のパチンコ機10では、図柄変動ゲームが開始すると(各列の図柄が変動を開始すると)、遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に図柄が表示(一旦停止表示)されるようになっている。そして、一旦停止表示された左図柄と右図柄(左列及び右列の特定列の図柄)が同一種類の図柄の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチを認識できる。
また、飾り図柄表示領域H2には、特別図柄表示領域H1の表示結果に応じた図柄組み合わせが表示されるようになっている。より詳しくは、特別図柄表示領域H1の特図による図柄と、飾り図柄表示領域H2の飾図による図柄組み合わせが対応されており、図柄変動ゲームの終了時には、特図による図柄と飾図による図柄組み合わせが対応して確定表示されるようになっている。例えば、図2に示すように、可変表示器H(特図表示領域H1及び飾り図柄表示領域H2)には、特図による図柄[3]に応じた飾図による大当りの図柄組み合わせの中から、1つの飾図による大当りの図柄組み合わせ(例えば[111])が確定表示されるようになっている。また、特別図柄表示領域H1に特図によるはずれの図柄が確定表示されると、飾り図柄表示領域H2にも飾図によるはずれの図柄組み合わせが確定表示されるようになっている。なお、特図の図柄に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特図に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。
また、センター役物20の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根21を備えた始動入賞口(始動入賞手段)22が配設されている。始動入賞口22の奥方には、入賞した遊技球を検知する始動口センサSE1(図3に示す)が設けられている。始動入賞口22は、遊技球の入賞検知を契機に、図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。また、始動入賞口22の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉23を備えた大入賞口(入賞手段)24が配設されている。そして、大当り遊技が付与されると、大入賞口扉23の開動作によって大入賞口24が開放されて遊技球が入賞可能となるため、遊技者は、多数の賞球が獲得できるチャンスを得ることができる。
大当り遊技は、図柄変動ゲームにて大当りの図柄及び大当りの図柄組み合わせが確定表示されてから開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口24が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では15ラウンド又は2ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口24が開放されてから閉鎖されるまでであり、1回のラウンド遊技中に大入賞口24は、規定入賞個数(本実施形態では10個)の遊技球が入賞するまでの間、又は規定時間(規定ラウンド数が15回では25秒又は規定ラウンド数が2回では0.3秒)が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。
また、始動入賞口22の左方には作動ゲート25が配設されている。作動ゲート25の奥方には、作動ゲート25を通過した遊技球を検知するゲートセンサSE2(図3に示す)が設けられている。作動ゲート25は、遊技球の通過を契機に、普通図柄変動ゲーム(抽選ゲーム)の始動条件を付与し得る。普通図柄変動ゲームは、始動入賞口22の開閉羽根21を開動作させるか否か(始動入賞口22に遊技球を入賞し易くするか否か)の抽選結果を導出するために行われる演出である。始動入賞口22は開閉羽根21が開動作すると、入口が拡大されて遊技球が入賞し易い状態とされる。一方、始動入賞口22は開閉羽根21が閉動作していると、入口が拡大されていない遊技球が入賞し難い状態とされる。そして、開閉羽根21は、開動作及び閉動作を繰り返すことで、始動入賞口22に遊技球が入賞し易い状態と、遊技球が入賞し難い状態とを変移可能にしている。普通図柄変動ゲームは、図柄変動ゲームに用いる図柄とは別の図柄を可変表示器Hに表示させて行われたり、発光表示器を発光させて行われる。
また、本実施形態のパチンコ機10は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)が低確率(通常状態)である通常確率(本実施形態では300分の1)から高確率(本実施形態では30分の1)に変動する確変状態を付与する機能である。すなわち、確変状態には、抽選確率が低確率である低確率状態から、抽選確率が高確率である高確率状態に変動している。また、確変状態は、所定回数(10000回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は次回の大当り遊技が開始される迄の間、付与される。大当り遊技終了後に確変状態を付与する大当りが確変大当りとなり、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
また、本実施形態のパチンコ機10は、変動時間短縮(以下、「時短」と示す)機能を備えている。時短機能(作動制御)は、開閉羽根21を開動作させるか否か(始動入賞口22に遊技球を入賞し易くするか否か)の抽選結果を導出する普通図柄変動ゲームの変動時間が短縮された時短状態を遊技者に付与する機能である。すなわち、時短状態が付与されると、1回の普通図柄変動ゲームの時間(普通図柄が変動を開始してから確定表示される迄の時間)が、例えば、30秒(時短状態が付与されていないとき)から5秒(時短状態が付与されているとき)に短縮される。すなわち、時短状態は、単位時間当りの開閉羽根21の作動率が向上する作動率向上状態である。また、時短機能は、作動率向上状態を付与する作動制御を行う。この時短状態は、予め定めた回数の図柄変動ゲームが終了する迄の間、前記予め定めた回数に達する前に大当りが生起される迄の間付与される。
そして、始動入賞口22の開閉羽根21は、時短状態が付与されている場合と、時短状態が付与されていない場合とでは、普通図柄変動ゲームにおいて当選した際、異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。すなわち、開閉羽根21は、時短状態が付与されている場合、時短状態が付与されていない状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するようになっている。なお、時短機能において、時短状態は、100回の図柄変動ゲームを上限として付与する場合と、10000回の図柄変動ゲームを上限として付与する場合とがある。
本実施形態のパチンコ機10では、大当りとして大当り遊技中のラウンド遊技の規定ラウンド数を15回と定める大当り15R(第1当り)と、規定ラウンド数を2回と定める大当り2R(第2当り)とが設けられている。大当り15Rが遊技者に付与される場合には、規定ラウンド数を15回と定める大当り遊技(第1の当り遊技)が付与され、大当り2Rが遊技者に付与される場合には、規定ラウンド数を2回と定める大当り遊技(第2の大当り遊技)が付与される。また、本実施形態には、内部抽選(当り判定)によって、大当り(大当り15R及び大当り2R)とは別に決定される小当り(第3当り)が設けられている。そして、小当りが前記内部抽選によって決定され、小当りが遊技者に付与される場合には、大入賞口扉23の開動作によって大入賞口24が開放される小当り遊技(第3の当り遊技)が付与されるようになっている。
また、大当り15Rには、大当り遊技終了後に確変状態が付与される確変大当りと、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない非確変大当りとがある。大当り15Rの確変大当りでは、大当り遊技終了後に確変状態及び時短状態が、次に大当りとなる迄の間(最大で10000回)の図柄変動ゲームに付与される。また、大当り15Rの非確変大当りでは、大当り遊技終了後に最大で100回の時短状態が付与され、確変状態が付与されないようになっている。すなわち、大当り15Rの終了後には、少なくとも時短状態が付与される。一方、大当り2Rには、大当り遊技終了後に確変状態が付与される確変大当りのみがある。すなわち、大当り2Rの大当り遊技終了後には、必ず確変状態が付与されるようになっている。他方、小当りによる小当り遊技の終了後には、遊技状態が当該小当りの当選時の遊技状態を継続するようになっている。すなわち、小当り遊技の終了後には、遊技状態が移行しないようになっている。このため、小当り遊技の終了後には、小当り当選時の遊技状態が、大当りの当選確率が低確率である通常状態である場合には確変状態に移行しない一方、大当りの当選確率が高確率である確変状態である場合には確変状態が継続されるようになっている。
次に、パチンコ機10の制御構成について図3に基づき説明する。
パチンコ機10の機裏側には、パチンコ機10全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、統括制御基板31と、表示制御基板32と、ランプ制御基板33と、音声制御基板34とが装着されている。統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34を統括的に制御する。表示制御基板32は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、可変表示器Hの表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。ランプ制御基板33は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、装飾ランプ16の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)を制御する。また、音声制御基板34は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、スピーカ17の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
以下、主制御基板30、統括制御基板31及び表示制御基板32について、その具体的な構成を説明する。
前記主制御基板30には、メインCPU30aが備えられている。該メインCPU30aには、ROM30b及びRAM30cが接続されている。また、メインCPU30aには、始動入賞口22に入賞した遊技球を検知する始動口センサSE1が接続されている。また、メインCPU30aには、作動ゲート25を通過した遊技球を検知するゲートセンサSE2が接続されている。また、メインCPU30aは、当り判定用乱数、特図振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値をRAM30cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
また、ROM30bには、パチンコ機10全体を制御するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特図及び飾図)が変動を開始(図柄変動ゲーム(特図ゲーム及び飾図ゲーム)が開始)してから全列の図柄が確定表示(図柄変動ゲーム(特図及び飾図ゲーム)が終了)される迄の間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。また、ROM30bには、大当りと判定するための大当り判定値と、小当りと判定するための小当り判定値とが記憶されている。また、ROM30bには、大当り時に特図を決定するための特図判定値が記憶されている。特図判定値では、特図ごとに特図振分用乱数が振り分けられている。そして、メインCPU30aは、大当りの決定時(大当り判定において肯定となった場合)、特図振分用乱数と特図判定値を参照し、1つの特図による大当りの図柄([1],[2],[3])を決定する。一方、小当りの決定時(大当り判定において否定となり、小当り判定によって肯定となった場合)、特図による小当りの図柄([0])を決定する。他方、はずれの決定時(大当り判定及び小当り判定において否定となった場合)、特図によるはずれの図柄([−])を決定する。また、前記RAM30cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(各種乱数の値など)が記憶されるようになっている。
変動パターンには、該変動パターン毎に、図柄変動ゲーム(特図ゲーム及び飾図ゲーム)の開始(特図及び飾図が変動を開始して)から終了(特図及び飾図が確定表示される)までの変動時間が定められている。また、本実施形態には、変動時間の異なる複数種類の変動パターンが設けられている。すなわち、変動パターンは、図柄変動ゲームの変動時間と演出内容が特定可能とされている。なお、特図及び飾図に基づく遊技演出の演出時間は同じである。そして、特図ゲームは、前記演出時間の経過時に特図が特別図柄表示領域H1に確定表示され、前記演出時間が経過するまでの間、変動している。また、飾図ゲームは、前記演出時間が経過するまでの間、変動している。本実施形態のパチンコ機10では、変動パターンとして、大当り15Rが決定される場合に選択される変動パターンP1と、大当り2Rが決定される場合に選択される変動パターンP2が用意されている。また、小当りが決定される場合に選択される変動パターンP3と、はずれが決定される場合に選択されるはずれ演出用の変動パターンが用意されている。
次に、本実施形態の変動パターンP1、変動パターンP2、変動パターンP3及びはずれ演出用の変動パターンについて説明する。
変動パターンP1では、特図ゲーム及び飾図ゲームにおいて、夫々に大当りを認識できる大当りの図柄及び大当りの図柄組み合わせが最終的に表示されるパターンとなっている。また、変動パターンP2では、特図ゲームで大当りを認識できる大当りの図柄が最終的に表示されるようになっており、飾図ゲームで大当りを認識できない、且つ、大当りの図柄組み合わせとは異なる図柄組み合わせが最終的に表示されるパターンとなっている。本実施形態において、前記大当りの図柄組み合わせは、変動パターンP1に基づく図柄変動ゲームで最終的に表示される飾図による図柄組み合わせであり、全列の図柄が同一種類となる図柄組み合わせである。また、変動パターンP3では、特図ゲームで小当りを認識できる小当り図柄が最終的に表示されるようになっており、飾図ゲームで大当りを認識できない、且つ、大当りの図柄組み合わせとは異なる図柄組み合わせが最終的に表示されるパターンとなっている。また、はずれ演出用の変動パターンでは、特図ゲーム及び飾図ゲームにおいて、夫々にはずれの図柄及びはずれの図柄組み合わせが最終的に表示されるパターンとなっている。
また、変動パターンP2は、図柄変動ゲームの変動時間と演出内容がはずれ演出用の変動パターンと同じにしているパターンであり、変動パターンP2とはずれ演出用の変動パターンでは、特図ゲームの最終的な表示内容と飾図ゲームの最終的な表示内容が異なるようになっている。また、変動パターンP3は、図柄変動ゲームの変動時間と演出内容がはずれ演出用の変動パターンと同じにしているパターンであり、変動パターンP3とはずれ演出用の変動パターンでは、特図ゲームの最終的な表示内容と飾図ゲームの最終的な表示内容が異なるようになっている。このため、変動パターンP2では特図ゲームで大当りの図柄、変動パターンP3では特図ゲームで小当りの図柄が最終的に確定表示されるが、各パターンの飾図ゲームの結果からは遊技者に、今回の図柄変動ゲームが大当り又は小当りであるか否かが認識し難いようになっている。すなわち、変動パターンP2及び変動パターンP3は、内部的に大当り又は小当りが決定されている(特図による大当り又は小当りの図柄が確定表示される)が、遊技者には見た目上(飾図ゲームで)はずれを認識させ易い図柄組み合わせを確定表示させるパターンとなっている。
そして、本実施形態のパチンコ機10では、メインCPU30aの大当りの決定時(内部的に大当りを決定時)、特図振分用乱数によって振り分けられる特図の種類に応じて、変動パターンP1と変動パターンP2のいずれかが選択され、小当りの決定時(内部的に小当りを決定時)、変動パターンP3が選択されるようになっている。また、メインCPU30aのはずれの決定時(内部的にはずれを決定時)、はずれ演出用の変動パターンが選択されるようになっている。
次に、本実施形態において、大当りの決定時にメインCPU30aが決定する特図と、当該特図の種類毎に行われる大当り遊技について図4に基づき説明する。
図4には、大当り時に決定される特図([1]〜[3])において、特図毎に大当り遊技で行われるラウンド遊技の回数、1回のラウンド遊技での大入賞口24が開放される開放時間(大入賞口扉23が開動作してから閉動作するまでの時間)、確変状態を付与するか否か、特図振分用乱数による選択割合、及び時短状態を付与するか否かが示されている。
[1]の特図には、大当り遊技中のラウンド遊技の規定ラウンド数が2ラウンド(2回)である大当り2Rが定められており、その1回のラウンド遊技では、大入賞口24を最大で0.3秒間開放させることを定めている。また、[1]の特図に伴う大当り遊技の終了後には、確変状態が付与される確変大当りとなるようになっている。そして、大当り時には、特図振分用乱数は、乱数全体の50%の割合(特図振分用乱数の2分の1)で[1]の特図が選択されるように振り分けられている。また、[1]の特図に伴う大当り遊技の終了後、大当り時に時短状態が付与されていない場合には、時短状態を付与せず、大当り時に時短状態が付与されている場合には、付与されている時短状態を継続して付与するように定めている。
また、[2]及び[3]の特図には、大当り遊技中のラウンド遊技の規定ラウンド数が15ラウンド(15回)である大当り15Rが定められており、その1回のラウンド遊技では、大入賞口24を最大で25秒間開放させることを定めている。また、[2]の特図に伴う大当り遊技の終了後に確変状態が付与されない非確変大当りとなるようになっている。一方、[3]の特図に伴う大当りは、大当り遊技終了後に確変状態が付与される確変大当りとなるようになっている。そして、大当り時には、特図振分用乱数は、乱数全体の25%の割合(特図振分用乱数の4分の1)で[2]及び[3]の特図が選択されるように振り分けられている。また、[2]及び[3]の特図に伴う大当り遊技の終了後、どちらの場合においても時短状態が付与されるようになっている。そして、[2]の特図では非確変大当りであるため時短状態を最大で100回の図柄変動ゲームに亘って付与し、[3]の特図では確変状態及び時短状態を次に大当りとなる迄の間(最大で10000回)の図柄変動ゲームで付与するようになっている。
本実施形態のパチンコ機10では、大当り時に決定される特図([1]〜[3])により当該大当りを大当り15R又は大当り2Rのどちらの大当りとするか振り分けられる。また、大当り15Rでは、1回のラウンド遊技で大入賞口24を1回開放し、規定ラウンド数(大当り15Rでは15回)で最大開放回数15回だけ大入賞口24が開放される(大入賞口扉23が開制御される)ようになっている。また、大当り2Rでは、1回のラウンド遊技で大入賞口24を1回開放し、規定ラウンド数(大当り2Rでは2回)で最大開放回数2回だけ大入賞口24が開放される(大入賞口扉23が開制御される)ようになっている。
本実施形態において、大当り15Rでは、1回のラウンド遊技で大入賞口24が開放される開放時間(大入賞口扉23が開動作して閉動作するまでの時間)は、大入賞口24が開放されてから発射される遊技球の少なくとも規定入賞個数(本実施形態では10個)の遊技球が発射される迄の時間以上に定められている。本実施形態の発射装置19では、1分間に100個の遊技球が発射可能である。このため、発射装置19は、0.6秒間隔で遊技球を発射することとなる。また、発射装置19において、大入賞口24が開放されてから規定入賞個数である10個の遊技球を発射するまでに要する時間は、6.0秒である。すなわち、大当り15Rでは、大入賞口24の開放時間を6.0秒に対して十分長い25秒に定めることで、前記規定入賞個数の遊技球を大入賞口24へ入賞可能になっている。したがって、大当り15Rでは、規定ラウンド数のラウンド遊技において、規定入賞個数の遊技球を入賞させ、賞球を獲得できるチャンスが遊技者に与えられている。
一方、大当り2Rでは、1回のラウンド遊技で大入賞口24が開放される開放時間(大入賞口扉23が開動作してから閉動作するまでの時間)は、大入賞口24が開放されてから発射される1個の遊技球が大入賞口24に到達(入賞)する迄の時間未満に定められている。本実施形態では、遊技盤13の左上方から遊技領域13aに発射される遊技球は、当該遊技領域13a上に配置される遊技部材(複数本の釘、センター役物20、各種入賞装置など)に衝突しながら遊技領域13aの下方(アウトロ)に流下して行く。このため、発射装置19から発射された遊技球は、遊技領域13aの下方に設けられる大入賞口24へ発射されて直ぐに到達するわけでなく、遊技領域13aに配置される遊技部材に衝突するなどして大入賞口24に到達するまでには、到達時間(例えば、1.0秒)を要することとなる。すなわち、大当り2Rでは、大入賞口24の開放時間を前記到達時間より短い時間(本実施形態では0.3秒)に定めることで、少なくとも大入賞口24が開放されてから発射された遊技球に関しては、当該遊技球を入賞させないように(遊技球の入賞が困難な状態に)することができる。なお、大入賞口24が開放された時点で既に発射されている遊技球に関しては、大入賞口24に遊技球が入賞する場合があり、大当り2Rでも遊技球が入賞する場合もある。
また、大当り2Rでは、大入賞口24を0.3秒のみ開放させるため、遊技者には、当該大入賞口24が開放されたか否かに気付かせ難い。本実施形態では、[2]及び[3]の特図が選択される場合、遊技者に大当り遊技で多くの賞球を獲得させるチャンスを付与するとともに、大当り遊技を楽しませる一方で、[1]の特図が選択される場合、遊技者に大当りとなったこと自体を気付かせ難くさせている。
次に、図3に基づき統括制御基板31について説明する。
統括制御基板31には、統括CPU31aと、ROM31bと、RAM31cとが設けられている。また、ROM31bには、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34を統括的に制御するための統括制御プログラムが記憶されている。また、RAM31cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数の値など)が記憶(設定)されるようになっている。
次に、図3に基づき表示制御基板32について説明する。
表示制御基板32には、サブCPU32aと、ROM32bと、RAM32cとが設けられている。ROM32bには、可変表示器Hの表示内容を制御するための演出制御プログラムが記憶されている。また、ROM32bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、RAM32cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
以下、主制御基板30(メインCPU30a)、統括制御基板31(統括CPU31a)及び表示制御基板32(サブCPU32a)が実行する制御内容を説明する。
最初に主制御基板30(メインCPU30a)がメイン制御プログラムに従って実行する制御内容について説明する。
メインCPU30aは、始動入賞口22に遊技球が入賞し、始動口センサSE1からの検知信号を入力すると、当り判定用乱数の値と特図振分用乱数の値をRAM30cから読み出し、RAM30cの所定の格納領域に格納(記憶)する。そして、メインCPU30aは、図柄変動ゲームの開始直前に、RAM30cに記憶されている前記当り判定用乱数の値とROM30bに記憶されている大当り判定値を比較して大当りに当選しているか否かの大当り判定(第1の当り判定)を行う。この判定結果が肯定の場合、メインCPU30aは、大当りを決定する。一方、前記判定結果が否定の場合、メインCPU30aは、前記当り判定用乱数の値とROM30bに記憶されている小当り判定値を比較して小当りに当選しているか否かの小当り判定(第2の当り判定)を行う。この判定結果が肯定の場合、メインCPU30aは、小当りを決定する。一方、前記判定結果が否定の場合、メインCPU30aは、大当り及び小当りに当選しなかったため、はずれを決定する。メインCPU30aは、確変状態が付与されていない通常状態時は大当り判定の判定結果が肯定となる当選確率を通常確率(300分の1)に設定して大当りであるか否かの判定を行い、確変状態時は大当りの当選確率を高確率(30分の1)に設定して大当り判定を行う。また、メインCPU30aは、確変状態が付与されているか否かに拘わらず小当り判定の判定結果が肯定となる当選確率を、大当り判定の判定結果が肯定となる通常確率(300分の1)よりも高い当選確率(本実施形態では200分の1)に設定して小当り判定を行う。なお、本実施形態のパチンコ機10は、確変状態時に大当り(大当り15R及び大当り2R)の当選確率が通常確率の10倍に上昇するため、小当りに当選する可能性は大当りに比較して低くなる。このため、確変状態では小当りよりも大当りに当選し易い(当選確率が高く設定されている)構成となっている。一方、通常状態では大当りよりも小当りが当選し易い(当選確率が高く設定されている)構成となっている。
次に、本実施形態のパチンコ機10において、当り判定(大当り判定及び小当り判定)によって抽選される、通常状態時の大当り及び小当りに定める当選確率、及び確変状態時の大当りに定める当選確率を図5に基づき説明する。
図5には、通常状態時の大当り及び小当りの当選確率が示されている。また、図5には、通常状態時の当選確率欄の下段の括弧内に確変状態時の大当りの当選確率が示されている。
図5に示すように、通常状態において、大当り及び小当りは、大当り判定によって300分の1の当選確率で大当りと判定され(当り判定用乱数と大当り判定値とが一致し)、小当り判定によって200分の1の当選確率で小当りと判定される(当り判定用乱数と小当り判定値とが一致する)。また、大当り判定によって大当りと判定される場合、その2分の1(半分)の振分率で大当り15R又は大当り2Rに振り分けられる。このため、大当り15Rへの当選確率は、600分の1((1/300)×(1/2))であり、大当り2Rへの当選確率も600分の1((1/300)×(1/2))である。また、大当りが大当り15Rである場合、さらに、その2分の1(半分)の振分率で確変大当り又は非確変大当りに振り分けられる。このため、確変大当りの大当り15Rへの当選確率は1200分の1((1/600)×(1/2))であり、非確変大当りの大当り15Rへの当選確率も1200分の1((1/600)×(1/2))である。また、大当り2R及び小当りに当選する当選確率は、150分の1((1/600)+(1/200))となっている。
また、確変状態において、大当りは、大当り判定によって30分の1の当選確率で大当りと判定され(当り判定用乱数と大当り判定値とが一致し)、小当り判定によって200分の1の当選確率で小当りと判定される(当り判定用乱数と小当り判定値とが一致する)。また、大当り判定によって大当りと判定される場合、その2分の1(半分)の振分率で大当り15R又は大当り2Rに振り分けられる。このため、大当り15Rへの当選確率は、60分の1((1/30)×(1/2))であり、大当り2Rへの当選確率も60分の1((1/30)×(1/2))である。また、大当りが大当り15Rである場合、さらに、その2分の1(半分)の振分率で確変大当り又は非確変大当りに振り分けられる。このため、確変大当りの大当り15Rへの当選確率は120分の1((1/60)×(1/2))であり、非確変大当りの15Rへの当選確率も120分の1((1/60)×(1/2))である。なお、確変状態であるか否かに拘わらず小当りの当選確率は200分の1である。
そして、メインCPU30aは、当り判定(大当り判定又は小当り判定)の判定結果が肯定(当り判定用乱数の値と大当り判定値又は小当り判定値とが一致)の場合、大当り又は小当りを決定する。メインCPU30aは、大当り判定において大当りを決定した場合、当り判定用乱数の値とともにRAM30cに記憶した特図振分用乱数の値を読み出し、該値に予め対応付けられた特図を特図による大当り図柄として決定する。また、小当り判定において小当りを決定したメインCPU30aは、小当りに予め対応付けられた特図を特図による小当り図柄として決定する。そして、メインCPU30aは、特図による小当り図柄[0]を決定する。大当り図柄は、最終的に確定表示される特図による大当りの図柄(最終的な大当り表示結果)を形成する図柄であり、小当り図柄は、最終的に確定表示される特図による小当りの図柄(最終的な小当り表示結果)を形成する図柄である。また、メインCPU30aは、特図を決定した場合、当該特図に基づき大当り時には変動パターンP1又は変動パターンP2のいずれか1つの変動パターンを決定するとともに、小当り時には変動パターンP3の変動パターンを決定する。
また、メインCPU30aは、大当りを決定した場合、決定した特図による大当り図柄を判定し、今回の大当りを大当り2Rとするか又は大当り15Rとするかを決定するとともに、今回の大当りの大当り遊技終了後に確変状態を付与するか否かを決定する。メインCPU30aは、大当りの決定時に特図を決定することにより、大当り遊技終了後の遊技状態として確変状態を付与するか否かを決定している。また、メインCPU30aは、前記判定した特図による大当り図柄が[1]の場合、大当り遊技終了後の遊技状態として時短状態が大当り当選時に付与されている場合には、継続して当該時短状態を付与する。このため、メインCPU30aは、RAM30cに記憶する時短状態に関する情報(フラグなど)をそのまま維持する。時短状態に関する情報とは、時短状態を付与するか否か、時短状態が付与されてから何回の図柄変動ゲームが行われたか(残り何回の図柄変動ゲームに対して時短状態を付与するか)を示している。すなわち、メインCPU30aは、時短状態が付与されている場合には、RAM30cの前記情報に基づき遊技状態として時短状態を継続的に付与する。また、メインCPU30aは、特図による大当り図柄が[2]及び[3]の場合、大当り決定時の遊技状態に拘わらず大当り遊技終了後に時短状態を付与するため、前記情報をRAM30cに記憶(設定)する。
また、メインCPU30aは、小当りを決定した場合、小当り遊技終了後の遊技状態を、小当り当選時の遊技状態を継続させるようにする。このため、メインCPU30aは、RAM30cに記憶する情報(フラグなど)をそのまま維持する。本実施形態では、RAM30cに現在の遊技状態を示す情報(フラグなど)が記憶されており、メインCPU30aは、当該情報に基づき現在の遊技状態が確変状態であるか否か及び時短状態であるか否かなどを把握している。
メインCPU30aは、大当りの種類(大当り2R又は大当り15R)、確変状態を付与するか否か及び時短状態を付与するか否かを決定した場合、当該決定に基づく情報(フラグなど)をRAM30cに記憶(設定)する。また、メインCPU30aは、RAM30cに記憶される前記情報に基づき、開始させる大当り遊技の大当りの種類、当該大当り遊技終了後に大当り判定を低確率で行うか高確率で行うか(確変大当りであるか否か)、及び当該大当り遊技終了後に時短状態を付与するか否かを認識している。
一方、メインCPU30aは、大当り判定及び小当り判定の判定結果が共に否定(大当り判定値及び小当り判定値とが不一致)の場合、はずれを決定する。はずれを決定したメインCPU30aは、特図によるはずれ図柄[−]を決定する。はずれ図柄は、最終的に確定表示されるはずれの図柄を形成する図柄である。また、メインCPU30aは、はずれ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する。
特図及び変動パターンを決定したメインCPU30aは、所定の制御コマンドを所定のタイミングで統括制御基板31(統括CPU31a)に出力する。具体的に言えば、メインCPU30aは、最初に変動パターンを指示するとともに、図柄変動ゲーム(特図ゲーム及び飾図ゲーム)の開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力する。次に、メインCPU30aは、決定した特図を示す特図指定コマンドを出力する。その後、メインCPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に、図柄変動ゲーム(特図ゲーム及び飾図ゲーム)の停止(確定表示)を指示する全図柄停止コマンドを出力する。
また、メインCPU30aは、大当りを決定した場合、変動パターンP1及び変動パターンP2に基づく図柄変動ゲームの終了後、大当り遊技に係る制御(オープニング演出などの演出指示や大入賞口扉23の開閉動作の制御)を実行する。メインCPU30aは、大当り15Rを開始させる場合、オープニング演出や、各ラウンド遊技で行わせるラウンド演出、エンディング演出などの指示をする制御コマンドを出力する。また、メインCPU30aは、オープニング演出の終了後、大入賞口扉23を開動作(1回目の大入賞口24の開放)させる。そして、メインCPU30aは、規定入賞個数の遊技球が大入賞口24に入賞する迄の間、又はタイマにより25.0秒を計時し間もなく再度大入賞口扉23を開動作(2回目の大入賞口24の開放)させる。続いて、メインCPU30aは、規定ラウンド数に定める15回のラウンド遊技の終了後(15回目の大入賞口24の開放後)、エンディング演出を開始させ当該エンディング演出の終了を以って大当り15Rの大当り遊技を終了させる。
また、メインCPU30aは、大当り2Rを開始させる場合、図柄変動ゲームで図柄(特図及び飾図)の確定表示後(全図柄停止コマンドの出力後オープニング演出の開始を指示する制御コマンドを出力せず(オープニング演出を行わせず))間もなく大入賞口扉23を開動作(1回目の大入賞口24の開放)させる。そして、メインCPU30aは、タイマにより0.3秒を計時し、大入賞口扉23を閉動作させる。続いて、メインCPU30aは、1.2秒のインターバルを計時し間もなく再度大入賞口扉23を開動作(2回目の大入賞口24の開放)させる。また、メインCPU30aは、タイマにより0.3秒を計時し、大入賞口扉23を閉動作させる。そして、大入賞口扉23の2回の開閉動作の終了(2回の大入賞口24の開放)を以って大当り2Rの大当り遊技は終了される。なお、大当り2Rにおいて、メインCPU30aは、エンディング演出の開始を指示する制御コマンドを出力せず(エンディング演出を行わせず)、大入賞口扉23の2回目の閉動作を以って大当り遊技を終了させる。
また、メインCPU30aは、小当りを決定した場合、変動パターンP3に基づく図柄変動ゲームの終了後、小当り遊技に係る制御を実行する。メインCPU30aは、小当り遊技を開始させる場合、図柄変動ゲームで図柄(特図及び飾図)の確定表示後(全図柄停止コマンドの出力後)間もなく大入賞口扉23を開動作(1回目の大入賞口24の開放)させる。そして、メインCPU30aは、タイマにより0.4秒を計時し、大入賞口扉23を閉動作させる。続いて、メインCPU30aは、1.0秒のインターバルを計時し間もなく再度大入賞口扉23を開動作(2回目の大入賞口24の開放)させる。また、メインCPU30aは、タイマにより0.4秒を計時し、大入賞口扉23を閉動作させる。そして、大入賞口扉23の2回の開閉動作の終了(2回の大入賞口24の開放)を以って小当り遊技は終了される。
そして、メインCPU30aは、大当り及び小当り遊技終了後(大当り2R、大当り15R、及び小当りの終了後)、RAM30cに記憶される前記情報に基づき、大当り及び小当り遊技終了後の遊技状態を決定する。メインCPU30aは、RAM30cに確変状態を付与することが示されている場合には遊技状態を確変状態に移行させるとともに、RAM30cに時短状態を付与することが示されている場合には遊技状態を時短状態に移行させる。
また、確変状態を開始させる場合、メインCPU30aは、確変状態を開始したことを示す確変開始コマンドを統括CPU31aに出力し、確変状態中に大当りとなる、又は予め定めた回数(10000回)の図柄変動ゲームの経過時に確変状態を終了させる。そして、メインCPU30aは、確変状態を終了させる場合には、確変状態が終了することを示す確変終了コマンドを統括CPU31aに出力する。また、時短状態を開始させる場合、メインCPU30aは、時短状態を開始したことを示す時短開始コマンドを統括CPU31aに出力し、時短状態中に大当りとなる、又は予め定めた回数(100回又は10000回)の図柄変動ゲームの経過時に時短状態を終了させる。そして、メインCPU30aは、時短状態を終了させる場合には、時短状態が終了することを示す時短終了コマンドを統括CPU31aに出力する。
また、メインCPU30aは、RAM30cに確変状態を付与することが示されていない場合には、遊技状態として確変状態を付与しない。また、メインCPU30aは、RAM30cに時短状態を付与することが示されていない場合には、遊技状態として時短状態を付与しない。そして、メインCPU30aは、大当り遊技終了時、RAM30cに記憶(設定)される前記情報などをクリアし図柄変動ゲームの処理を実行する。
本実施形態のパチンコ機10において、大当り2Rの大当り遊技と小当り遊技の遊技態様について図6に基づき説明する。
図6には、大入賞口24の1回の開放時間、大入賞口24を閉鎖してから次に当該大入賞口24を開放するまでのインターバル時間、各遊技(大当り2Rの大当り遊技及び小当り遊技)で大入賞口24を開放する最大開放回数、各遊技に要する時間(1回目の大入賞口24の開放から2回目の大入賞口24の閉鎖までに掛かる時間)を示している。
大当り2Rの大当り遊技では、1回の大入賞口24の開放時間(最大開放時間)を0.3秒、インターバル時間を1.2秒、大当り遊技での大入賞口24の開放回数を2回としている。また、1回の大当り遊技に要する時間は、1.8秒となっている。また、小当り遊技では、1回の大入賞口24の開放時間(最大開放時間)を0.4秒、インターバル時間を1.0秒、小当り遊技での大入賞口24の開放回数を2回としている。また、1回の小当り遊技に要する時間は、1.8秒となっている。
本実施形態の大当り2Rと小当りでは、1回の大入賞口24の開放時間を0.3秒、又は0.4秒に定めており、小当り遊技の方が大当り2Rの大当り遊技に比べて0.1秒間長く大入賞口24を開放している。そして、0.1秒の差は、遊技者が感覚で捉えることが困難な時間である。このため、遊技者は、大当り2R又は小当りに伴い大入賞口24が開放された場合、大入賞口24がどちらの開放時間(0.3秒又は0.4秒)で開放されたのか気付かせないようになっている。すなわち、大入賞口24の開放から大当り2Rであるか小当りであるかは、遊技者に判断されないようになっている。また、各遊技における大入賞口24が閉鎖されてから開放されるまでのインターバル時間を1.2秒、又は1.0秒に定めており、大当り2Rの大当り遊技の方が小当り遊技に比べて0.2秒長く定められている。そして、上記のように0.2秒の差は、遊技者が感覚で捉えることが困難な時間であるため、インターバル時間の違いからも今回の遊技が大当り2Rであるか小当りであるか遊技者に判断されないようになっている。さらに、各遊技における大入賞口24の最大開放回数と、大当り遊技又は小当り遊技に掛かる合計時間を同じに定めている。すなわち、大当り2Rの大当り遊技と、小当り遊技では、大入賞口24の開放時間及びインターバル時間の夫々に遊技者が感覚で捉えることのできない時間の差(0.1秒及び0.2秒)を定め、各遊技全体に要する時間を同じにすることで、遊技者にとって各遊技が同一態様に見えるようにしている。そして、同一態様に見えるため、大当り2Rの大当り遊技と小当り遊技の違いが遊技者に判断出来ないようになっている。
また、大当り2Rの大当り遊技同様に小当り遊技では、図柄変動ゲームの終了後間もなく大入賞口24を開放し、小当り遊技が開始されたこと自体を遊技者に認識させ難くしている。また、小当り遊技中の大入賞口24の開放時間は、一瞬(遊技球が発射されて大入賞口24に到達する時間未満である0.3秒又は0.4秒)であるため遊技球の入賞は略見込めず遊技者の獲得する賞球も略存在させないようになっている。
また、本実施形態では、時短状態中に大当り2R及び小当りに当選した場合、付与されている時短状態を継続的に付与するようにしている。すなわち、付与されている時短状態は、大当り2R及び小当りの当選によって終了されることはない。また、大当り2Rに当選した場合、当該当選によって確変状態に移行するようになっている。このため、大当り2Rと小当りでは、各遊技(大当り遊技及び小当り)の遊技終了後に遊技状態として確変状態に移行するか否かが異なっている。すなわち、大当り2Rの当選を契機として確変状態に遊技状態は移行するが、小当りの当選を契機として遊技状態の移行は行われない。
また、本実施形態では、大当り2Rの大当り遊技終了後に非確変状態となる、大当り2Rの非確変大当りを設けていない。このため、一度、確変状態が付与されると大当り15Rの非確変大当りに当選するまでの間(確変状態の図柄変動ゲームで10000回連続で当りに当選しない場合を除く)、確変状態は継続することとなる。すなわち、大当り15Rの非確変大当りでのみ確変状態が降格する(遊技状態が高確率状態から低確率状態に移行する)可能性がある。本実施形態では、当りの抽選の行い、当りとするか否かを決定するメインCPU30aが抽選手段となるとともに、大当り遊技及び小当り遊技後の遊技状態を決定するメインCPU30aが遊技状態決定手段となる。また、時短状態を付与するか否かを決定し、時短状態の制御を行うメインCPU30aが、制御手段となる。
次に、統括制御基板31(統括CPU31a)が統括制御プログラムにしたがい実行する制御内容について説明する。
統括CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該コマンドを各制御基板32〜34に出力する。また、統括CPU31aは、特図指定コマンド及び全図柄停止コマンドを入力すると、特図及び飾図を指定する図柄指定コマンド及び全図柄停止コマンドを表示制御基板32に出力する。また、統括CPU31aは、確変開始コマンドを入力すると、確変状態が付与されたことを示す情報(フラグなど)をRAM31cに設定する。また、統括CPU31aは、確変終了コマンドを入力するまでの間、RAM31cに前記情報を継続的に設定し、確変状態であることを把握している。また、統括CPU31aは、時短開始コマンドを入力すると、時短状態が付与されたことを示す情報(フラグなど)をRAM31cに設定する。また、統括CPU31aは、時短終了コマンドを入力するまでの間、RAM31cに前記情報を継続的に設定し、時短状態であることを把握している。
統括CPU31aは、特図指定コマンドを入力すると、当該特図指定コマンドに指定される特図の種類を判定する。そして、統括CPU31aは、その判定した特図の情報(特図指定コマンドに指定される特図)をRAM31cに記憶(設定)する。また、統括CPU31aは、特図に応じた飾図を決定し、その決定した飾図を示す飾図指定コマンドを表示制御基板32(サブCPU32a)に出力する。具体的には、統括CPU31aは、特図指定コマンドに指定される特図が[2]及び[3]の場合、飾図による図柄組み合わせとして大当りを認識することができる飾図による大当りの図柄組み合わせを決定する。統括CPU31aは、[2]の特図の場合には、「2」、「4」、「6」、「8」の中から同一の数字3つの飾図による大当りの図柄組み合わせを抽選により決定する。すなわち、「2」、「4」、「6」、「8」の同一の数字3つの飾図による大当りの図柄組み合わせが、飾図による非確変大当りの図柄組み合わせとなる。また、統括CPU31aは、[3]の特図の場合には、「1」、「3」、「5」、「7」の中から同一の数字3つの飾図による大当りの図柄組み合わせを抽選により決定する。すなわち、「1」、「3」、「5」、「7」の同一の数字3つの飾図による大当りの図柄組み合わせが、飾図による確変大当りの図柄組み合わせとなる。
また、統括CPU31aは、特図指定コマンドに指定される特図が[0]及び[1]の特図の場合、飾図による図柄組み合わせとして大当りを認識できない、且つ、大当りの図柄組み合わせとは異なる図柄組み合わせを決定する。また、統括CPU31aは、[0]及び[1]の時に決定する前記図柄組み合わせとして、リーチを形成する図柄組み合わせは決定せず、リーチも形成しない完全はずれの図柄組み合わせを決定する。完全はずれとは、図柄変動ゲームの表示結果からリーチにもならず大当りの期待を持つことができない図柄組み合わせである。そして、統括CPU31aは、[0]及び[1]の特図に対する飾図による図柄組み合わせとして、複数種類の図柄組み合わせの中から1つの図柄組み合わせを決定する。本実施形態において、[0]及び[1]の特図に対する飾図による図柄組み合わせは、3つの数字を数字の順に配列した[123]、[234]、[345](以下、「チャンス目」と示す)などの複数種類の図柄組み合わせである。
また、統括CPU31aは、特図指定コマンドに指定される特図が[−]の場合には、飾図の図柄組み合わせとして飾図によるはずれの図柄組み合わせを決定する。なお、[−]の特図に対する飾図による図柄組み合わせには、チャンス目の図柄組み合わせも含まれている。
本実施形態のパチンコ機10では、飾図による図柄組み合わせとして、[0]及び[1]の特図には、遊技者側から見た場合においては、はずれを認識し得る図柄組み合わせ(チャンス目)を対応させるようにした。このため、当り判定によって内部的に大当り2Rまたは小当りが決定されていても、飾図による図柄組み合わせとしては、遊技者側から見た場合においてはずれを認識し得る図柄組み合わせが決定される。その結果、可変表示器Hの飾り図柄表示領域H2には、遊技者がはずれであることを認識する図柄組み合わせが確定表示される。すなわち、[0]及び[1]の特図による小当り又は大当り2Rに当選した場合、遊技者には、小当り又は大当り2Rに当選したことが可変表示器H(飾り図柄表示領域H2)で認識させ難くなっている。また、チャンス目は、[−]の特図の場合にも飾図による図柄組み合わせとして決定される可能性もあり、チャンス目が可変表示器H(飾り図柄表示領域H2)に表示されても、その表示結果(飾り図柄表示領域H2の表示結果)から当り判定の結果が大当り2R又は小当りであるか、はずれであるかは、遊技者に認識し得ないようになっている。
続いて、飾図による図柄組み合わせを決定した統括CPU31aは、[0]及び[1]の特図による夫々小当り遊技又は大当り2Rの大当り遊技の終了後、当該小当り又は大当り2Rを契機にして遊技状態が確変状態であることを秘匿する秘匿状態に突入したことを遊技者に報知(示唆)する特別モードを開始させる。
続いて、特別モードを開始させる場合、統括CPU31aは、開始させる特別モードを複数種類(本実施形態では、中確モード、高確モード及び超高確モードの3種類)ある特別モードの中からいずれの特別モードを開始させるかを決定する。統括CPU31aは、RAM31cに基づき今回の当り(特図)の種類(大当り2R又は小当り)及び遊技状態(確変状態であるか否か)を確認し、特別モードの移行状態を決定する(図7参照)。移行状態には、移行状態A,B,C,Dがあり、各移行状態に各特別モードへの移行割合が定められている。また、統括CPU31aは、現在、特別モードに滞在しているか否か及び滞在している特別モードの種類をRAM31cに記憶(設定)している。本実施形態において、統括CPU31aは、特別モードの開始時に開始させる特別モードを識別することができる情報(フラグなど)をRAM31cに記憶(設定)するようになっている。そして、統括CPU31aは、各移行状態に定める移行割合と現在滞在している特別モードに基づき、開始させる特別モードの種類を決定する。なお、特別モード中であって、特別モードの移行が行われない場合、統括CPU31aは、現在の特別モードを継続して行うように制御する。また、統括CPU31aは、遊技状態として時短状態が付与されている場合(時短状態であることがRAM31cに設定されている場合)、特別モードを開始させないようにする。すなわち、時短状態と特別モードは同時に行われないようになっている。
特別モードを開始させる、又は特別モードを移行させるか否かを決定した統括CPU31aは、特別モードを開始させる場合には開始させる特別モードの開始を指示するモード開始コマンドを表示制御基板32(サブCPU32a)に出力する。本実施形態では、モード開始コマンドは、3種類の特別モード毎に設けられており、当該モード開始コマンド毎に開始させる特別モードの種類が特定可能になっている。統括CPU31aは、各特別モードを開始させる場合、予め定めた回数(本実施形態では100回)の図柄変動ゲームが経過するまでの間、各特別モードを継続させる。
統括CPU31aは、RAM31cで特別モードが開始されてから経過した図柄変動ゲームの回数を計数し、その計数結果が100となる場合、特別モードを終了させる。そして、統括CPU31aは、特別モードを終了させる場合、モード終了コマンドを表示制御基板32(サブCPU32a)に出力する。本実施形態では、統括CPU31aが、特別モードの開始を指示し(特別モードを設定し)、秘匿演出を実行する統括CPU31aが秘匿演出実行手段となる。また、大当り2R又は小当りの当選時(モード設定契機の到来時)、当該当選時の遊技状態及び当りの種類を判定する統括CPU31aが、遊技状態判定手段及び設定契機判定手段となる。
本実施形態のパチンコ機10では、大当り2Rの終了後及び小当りの終了後の図柄変動ゲームにおける可変表示器Hの表示態様は、大当り2R及び小当りで同じ表示態様となるようにしている。すなわち、大当り2R又は小当りに当選した場合、何れの当りに当選したか、遊技状態として確変状態が付与されているか否かが遊技者に秘匿されるようになっている。このように遊技者に現在の遊技状態を秘匿する状態が秘匿状態であり、秘匿状態により遊技状態を認識し得なくすることで確変状態への期待を遊技者に与えている。また、本実施形態では、遊技状態が秘匿状態である(確変状態が付与されているかもしれない)ことを遊技者に報知するモードが特別モードであり、秘匿状態であることを遊技者に報知しないモードが通常モードである。
本実施形態では、大当り2R又は小当りを契機に遊技状態を秘匿する秘匿状態に突入すると同時に、当該秘匿状態に突入したことが特別モードの開始によって、可変表示器Hで遊技者に報知されるようになっている。特別モードでは、現在の遊技状態が確変状態であるかもしれない(確変状態であることを秘匿している)ことを報知しており、大当り2Rに当選することで確変状態が付与される場合も、特別モードの突入によって、確変状態が付与されていることが秘匿される。また、特別モードでは、現在の遊技状態が確変状態であるかもしれないことを報知しているため、小当りの当選を契機とする特別モードの突入であって、内部的に確変状態が付与されていない場合であっても、確変状態の付与の可能性を持たせている。本実施形態では、大当り2R又は小当りの当選が、特別モードを開始(設定)するモード設定契機となる。
また、特別モードには、演出態様(秘匿演出)の異なる中確モード、高確モード及び超高確モードの3種類(複数種類)が設けられている。各特別モードでは、遊技状態が秘匿状態(確変状態であるか否かが秘匿されている)であって、遊技状態が確変状態である期待度が異なっている。中確モードは、秘匿状態であって、遊技状態が確変状態であることへの期待度が最も低くなっている。また、高確モードは、秘匿状態であって、遊技状態が確変状態であることへの期待度が中確モードに比較して高くなっている。また、超高確モードは、秘匿状態であるが遊技状態が確変状態であることが確定する特定モードである。すなわち、中確モードでは、遊技者に秘匿状態が開始されたことを報知するとともに、確変状態に突入しているかもしないことを遊技者に報知している。一方、高確モードでは、遊技者に秘匿状態であることを報知するとともに、確変状態に突入している可能性が中確モードに比較して高いことを報知している。他方、超高確モードでは、遊技者に秘匿状態であるが、確変状態に突入していることを報知している。
また、大当り2R又は小当りに当選した場合、当該当選時に通常モードの場合(特別モードが行われていない場合)、最初に中確モードに突入するようになっている。すなわち、秘匿状態の開始は中確モードの開始であり、内部的に大当り2R又は小当りに拘わらず(内部的に確変状態に突入したか否かに拘わらず)、中確モードに突入するようになっている。そして、特別モード中に大当り2R又は小当りに当選することによって(大当り2R又は小当りに特別モード中に連続して当選することによって)、中確モード→高確モード→超高確モードの順番に移行し得るようになっている。
本実施形態では、大当り2R及び小当りに当選する場合、当該当選を契機とする時短状態の付与が行われない。そして、連続して大当り2R及び小当りに当選した場合、当りに当選した又は内部的に確変状態であるにも拘わらず、遊技球が減少してしまう状態となってしまう。一方、連続して大当り2R又は小当りに当選することにより、特別モードが移行され、遊技状態が確変状態であることへの期待度が上昇するようになっている。すなわち、大当り2R及び小当りが連続することで、遊技者には、多数の賞球を獲得するチャンスが与えられない一方、確変状態付与へのチャンスが与えられることとなる。
次に、図7及び図8に基づき各移行状態A〜D、移行割合(各移行状態A〜Dに基づき特別モードが移行される割合)について説明する。
大当り2Rに当選しその当選時の遊技状態が高確率状態(確変状態)の場合、移行状態Aが統括CPU31aによって選択され、小当りに当選しその当選時の遊技状態が高確率状態(確変状態)の場合、移行状態Bが統括CPU31aによって選択される。また、大当り2Rに当選しその当選時の遊技状態が低確率状態(非確変状態)の場合、移行状態Cが統括CPU31aによって選択され、小当りに当選しその当選時の遊技状態が低確率状態(非確変状態)の場合、移行状態Dが統括CPU31aによって選択される。
続いて、滞在している特別モードに対して移行状態毎に特別モードが移行する割合について説明する。移行状態Aでは、通常モード滞在時に100%の割合で中確モードに移行し、中確モード滞在時に100%の割合で高確モードに移行し、高確モード滞在時に100%の割合で超高確モードに移行するようになっている。また、移行状態Bでは、通常モード滞在時に100%の割合で中確モードに移行し、中確モード滞在時に50%の割合で高確モードに移行し、高確モード滞在時に50%の割合で超高確モードに移行するようになっている。また、移行状態Cでは、通常モード滞在時に100%の割合で中確モードに移行し、中確モード滞在時に30%の割合で高確モードに移行し、高確モード滞在時に30%の割合で超高確モードに移行するようになっている。また、移行状態Dでは、通常モード滞在時に100%の割合で中確モードに移行し、中確モード滞在時に10%の割合で高確モードに移行し、高確モード滞在時に超高確モードへは移行しないようになっている。
すなわち、移行状態A、移行状態B及び移行状態Cでは、既に確変状態に突入している或いは、大当り2Rの当選によって確変状態に突入するため、移行状態Dに比較して遊技状態が確変状態である期待度が高い特別モードに移行させ易くなっており、遊技者に遊技状態が確変状態であることへ期待を持たせている。また、本実施形態では、遊技状態が確変状態である場合には、遊技状態が非確変状態である場合に比べて、特別モードが移行し易くなっている。また、大当り2Rに当選する場合には、小当りに当選した場合に比べて、特別モードが移行し易くなっている。すなわち、本実施形態では、移行状態A>移行状態B>移行状態C>移行状態Dの順に、特別モードへの移行し易さが設定されている。
また、中確モードにおいて、内部的に確変状態である場合には、内部的に非確変状態である場合に比較して、高確モードに移行し易くなっている。このため、中確モードに滞在している場合には、2回連続で大当り2R又は小当りに当選することにより、内部的に非確変状態である可能性が高くなる。また、中確モードに滞在している場合には、3回連続で大当り2R又は小当りに当選することにより内部的に非確変状態である可能性がより高くなる。
すなわち、中確モードに滞在しているほど内部的に非確変状態である可能性が高く、遊技状態が確変状態である可能性が他の特別モードに比較して最も低いこととなる。また、高確モードにおいて、中確モードから高確モードへ移行する割合は、内部的に確変状態である場合に比較して低くなっている。このため、高確モードに滞在している場合には、内部的に確変状態である可能性の方が内部的に非確変状態である可能性より高くなり、中確モードに比べて遊技状態が確変状態である可能性が高くなる。また、超高確モードでは、遊技状態が確変状態であることが確定している。このため、遊技状態が確変状態である可能性が3種類の特別モードの中で最も高くなっている。
特別モードは、当該特別モード中に大当りになる、又は予め定めた回数の図柄変動ゲームが経過するまでの間、継続的に実行される。このため、秘匿状態で確変状態を秘匿しているにも拘わらず、特別モードが終了してしまう場合もある。この場合、秘匿状態であることへの報知は終了されるが、確変状態を秘匿する秘匿状態は継続される。すなわち、特別モードの終了と秘匿状態の終了は同じでなく、内部的に確変状態である場合には、確変状態を秘匿している通常モードも存在する。したがって、遊技者には、特別モードの終了後も引き続き確変状態への期待を持たせている。
また、本実施形態では、特別モードの突入契機を大当り2R及び小当りの当選とし、通常状態時の特別モードの突入確率は大当り2Rの当選確率である300分の1と、小当りの当選確率である200分の1を加えた150分の1((1/300)+(1/200))となっている。このため、特別モードへの突入契機を大当り2Rの当選(600分の1)のみに定める場合に比較して、大当り自体の当選確率、確変状態への突入確率、大当り2R及び大当り15Rの振分率を変更することなく、150分の1に特別モードの突入確率を上昇させている。一方、特別モードの突入確率を150分の1に保ちつつ小当りを設けない場合には、大当り2Rの当選確率を上昇させる必要がある。このような場合、大当り2Rの当選確率を上昇させると、大当りに対する大当り15Rの当選比率が低くなってしまうため、大当り15Rの当選確率も上昇させる必要がある。この結果、大当りへの当選確率自体を上昇させなければいけなくなってしまい、遊技のバランスを損なってしまう可能性もある。
次に、表示制御基板32(サブCPU32a)が演出制御プログラムにしたがい実行する制御内容を説明する。
サブCPU32aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、その変動パターン指定コマンドで指示される変動パターンに対応する演出内容で図柄変動ゲームが行われるように可変表示器H(特図表示領域H1及び飾り図柄表示領域H2)の表示内容を制御する。そして、サブCPU32aは、全図柄停止コマンドを入力すると、図柄指定コマンドで指示された図柄(特図及び飾図)を確定表示させて図柄変動ゲームを終了させる。
このとき、変動パターン指定コマンドに指定される変動パターンが変動パターンP1の場合、サブCPU32aは、可変表示器Hの特図表示領域H1と、飾り図柄表示領域H2に特図及び飾図による大当りの図柄組み合わせを確定表示させる。一方、変動パターン指定コマンドに指定される変動パターンが変動パターンP2及び変動パターンP3の場合、サブCPU32aは、可変表示器Hの特図表示領域H1に特図による大当りの図柄又は小当りの図柄を確定表示させ、飾り図柄表示領域H2に飾図による大当りの図柄組み合わせとは異なる図柄組み合わせ(チャンス目)を確定表示させる。また、変動パターン指定コマンドに指定される変動パターンがはずれ演出用の変動パターンの場合、サブCPU32aは、可変表示器Hの特図表示領域H1に特図によるはずれの図柄を確定表示させ、飾り図柄表示領域H2に飾図によるはずれの図柄組み合わせを確定表示させる。
また、サブCPU32aは、モード開始コマンドを入力すると、可変表示器Hを当該モード開始コマンドに指定される特別モード用の表示態様(秘匿演出)で制御する。本実施形態のパチンコ機10では、特別モード時以外(通常モード時)の可変表示器Hでは、昼間を表す背景により図柄変動ゲームを行い(図9(a)参照)、図柄変動ゲームの表示結果(確定表示)としてチャンス目が停止した場合(図9(b)参照)に特別モード(中確モード、高確モード及び超高確モード)に突入する。特別モード時の可変表示器Hでは、夜中を表す背景により図柄変動ゲームを行う(図9(c)〜(h)参照)ようになっている。
そして、可変表示器Hの表示態様が昼間から夜中の背景に変化することで特別モードへの突入を遊技者に報知している。また、サブCPU32aは、モード終了コマンドを入力すると、特別モードを終了させるため可変表示器Hの表示態様を夜中から昼間の背景に変更させる。そして、可変表示器Hの表示態様が昼間の背景に変化することで特別モードの終了を遊技者に報知している。
以下、本実施形態において、大当り2R又は小当りが付与され、特別モードが付与される場合の可変表示器Hの表示態様について、図9に基づき説明する。
図9において、特図表示領域H1及び飾り図柄表示領域H2の「↓」は図柄が変動している状態を示している。また、「太陽」は昼間の背景を示し、「三日月」、「半月」、「満月」は夜の背景を示している。また、図9では、チャンス目停止時の特図を[1]とし必ず確変状態である可能性が高い特別モードへ移行し、図9(a)時の遊技状態は非確変状態であることを前提とする。
図9に示すように、可変表示器Hにおいて、通常モード時の図柄変動ゲーム(図9(a))の表示結果としてチャンス目が確定表示されると(図9(b))、非確変状態時の通常モード中に大当り2R(特図[1])に当選したことによって、移行状態Cが決定され、当該移行状態Cに基づき中確モードに移行する。そして、可変表示器Hでは、次の図柄変動ゲームから中確モードが開始され(図9(c))、太陽から三日月(昼間から夜間)に表示態様が変化する。なお、遊技状態は、確変状態へと移行する。
続いて、中確モード時の図柄変動ゲームの表示結果としてチャンス目が確定表示されると(図9(d))、確変状態時の中確モード(特別モード)中に大当り2R(特図[1])に当選したことによって、移行状態Aが決定され、当該移行状態Aに基づき高確モードに移行する。そして、可変表示器Hでは、次の図柄変動ゲームから高確モードが開始され(図9(e))、三日月から半月に表示態様が変化する。なお、遊技状態は、引き続き確変状態となっている。
続いて、高確モード時の図柄変動ゲームの表示結果としてチャンス目が確定表示されると(図9(f))、確変状態時の高確モード(特別モード)中に大当り2R(特図[1])に当選することによって、移行状態Aが決定され、当該移行状態Aに基づき超高確モード(特定モード)に移行する。そして、可変表示器Hでは、次の図柄変動ゲームから超高確モードが開始され(図9(g))、半月から満月に表示態様が変化する。なお、遊技状態は、引き続き確変状態である。続いて、超高確モード時に大当り15R(特図[3])に当選すると、可変表示器Hには、大当りの図柄組み合わせが確定表示される(図9(h))。
また、本実施形態では、中確モード及び高確モードにおいて、移行状態B,C,Dが決定されると、特別モードが確変状態である可能性が高いモードに移行しない場合もある。例えば、図9(d)において、可変表示器Hに表示されるチャンス目が小当り(特図[0])の当選の場合、移行状態Cが決定され、当該移行状態Cに基づき70%の割合で高確モードに移行しない。このため、可変表示器Hでは、中確モードの表示態様(図9(c))で演出が行われる。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)大当り2R又は小当りの当選をモード設定契機とする特別モードには、確変状態が付与されている可能性の大小によって順序付けされている複数種類(本実施形態では3種類)の特別モードを用意した。そして、特別モード中のモード設定契機の到来時(大当り2R又は小当りの当選時)には、現在の特別モードに比較して確変状態が付与されている可能性の大きいモードを選択可能とした。すなわち、モード設定契機が到来する(大当り2R又は小当りに当選する)度に、確変状態が付与されている可能性の大きいモードが選択される可能性があり、何度も(連続的に)モード設定契機が到来することで、確変状態への遊技者の期待を高めさせることができる。このため、大当り2R又は小当りが連続する場合、当該当りが連続している間(特別モードが行われている間)、遊技状態が変化しないことによる(確変状態や、時短状態が付与されないことによる)遊技者の感じる不満を緩和することができる。また、小当りが連続し、確変状態が内部的に付与されていない場合であっても、遊技者には、特別モードの変化により確変状態へ期待を持たせることができる。したがって、遊技状態を秘匿可能な特別モードを備えた遊技機において、特別モード中の興趣を向上させることにより当該特別モード中に遊技者に与える不満を緩和することができる。
(2)また、大当り2Rの大当り遊技終了後の遊技状態を確変状態とし、小当りの小当り遊技終了後の遊技状態を小当りの当選時の遊技状態を継続させるようにした。このため、一度、大当り2Rに当選し、内部的に確変状態が付与された場合、当該確変状態は、大当り15Rに当選するまで継続的に付与される。したがって、折角、確変状態が付与されたが大当り15Rに当選し、多くの賞球を獲得するチャンスを得ることなく当該確変状態が終了するような事態の発生を防止している。すなわち、確変状態は大当り15Rへと繋がり、遊技者の賞球の獲得に繋がるようになっている。
(3)大当り(大当り15R及び大当り2R)に加えて小当りを設け、特別モードの開始契機(秘匿状態への突入契機)は、大当り2Rと小当りの2種類とした。このため、大当り(大当り15R及び大当り2R)にさらに小当りを設けたことによって、当該小当りの当選分だけ特別モードの開始契機を増加させる(秘匿状態の出現率を高くする)ことができる。また、小当りに当選した場合には、当該小当りに対する小当り遊技の終了後の遊技状態として、当該小当り当選時の遊技状態を決定するようにした。このため、小当りによる小当り遊技終了後に遊技状態は変更されない(当選時の遊技状態が継続される)ので、当該小当りを新たに設けた場合も遊技状態が変更される(低確率状態から高確率状態に変更される)割合は、当該小当りを設けない場合と比べて変動しない(同じである)。また、小当りを設けても、大当り15R及び大当り2Rに係る制御の変更箇所を減少させることができ、メインCPU30aに係る制御負担の増加を抑えることができる。したがって、遊技状態を秘匿する秘匿状態の出現率を、大当り2R及び小当りの当選比率を変更することなく効果的に増加させることができる。
(4)遊技状態が確変状態であることを確定させる超高確モード(特定モード)を設けた。このため、遊技者に超高確モードの出現に対して期待を抱かせ、モード設定契機の到来に関心を持たせることができる。したがって、大当り2R又は小当りの当選に対する遊技者の期待を高め、特別モードの突入に対する興趣を向上することができる。
(5)また、モード設定契機の契機となった当りが小当りであって、当該設定契機の遊技状態が確変状態でない場合には、超高確モードは選択されないようにした。このため、確変状態でないのに超高確モードであるなどによる遊技者の混乱を防止することができる。
(6)モード設定契機の到来時には、確変状態である可能性が最も小さい中確モード(特別モード)を選択し易くすることによって、当該設定契機が訪れる毎に確変状態への遊技者の期待を順に高めさせることができる。すなわち、モード設定契機が連続して訪れることと、確変状態である可能性が大きくなっていくこととを関連させることができる。このため、モード設定契機が連続的に到来する場合も、連続的に訪れる特別モードの興趣を向上させることができる。大当り2R又は小当りに連続的に当選する場合も、遊技者の感じる不満を緩和することができる。
(7)大当り15Rが付与される場合の図柄変動ゲームの表示結果(飾り図柄表示領域H2)と、大当り2R及び小当りが付与される場合の図柄変動ゲームの表示結果(飾り図柄表示領域H2)とを異ならせるようにした。このため、大当り15Rと、大当り2R及び小当りとのいずれに当選したのかを遊技者に認識させることができる。すなわち、異種(本実施形態では遊技球を獲得するチャンスがある当りと、遊技球を獲得するチャンスが略ない当り)の当りが複数種類(2種類)あるということを遊技者に認識させることができる。
(8)また、大当り2Rが付与される場合の前記表示結果と、小当りが付与される場合の前記表示結果とを共通の前記表示結果(本実施形態ではチャンス目)とするようにした。このため、特別モード(秘匿状態)に突入した場合、その突入契機が大当り2Rであるか、又は小当りであるかを遊技者に認識させ難くすることができる。したがって、低確率状態時に特別モード(秘匿状態)に突入した場合、当該突入を契機として、遊技状態が低確率状態から高確率状態に変更されること(確変状態が付与されること)に対して遊技者に期待を持たせることができる。
(9)大当り2R遊技及び小当り遊技では、大入賞口24を大当り15Rにおける開放態様に比べて、大入賞口24の開放時間が短い遊技球の入賞が困難な時間で開放するようにした。このため、大当り15Rの大当り遊技では、遊技者に大入賞口24への遊技球を入賞させることによる賞球を獲得させる一方、大当り2Rの大当り遊技及び小当り遊技では、遊技者に大入賞口24への遊技球の入賞によって賞球を獲得させることを困難にすることができる。したがって、大当り15Rの大当り遊技と、大当り2Rの大当り遊技及び小当り遊技との役割を異ならせ、大当り2Rの大当り遊技及び小当り遊技を特別モード(秘匿状態)への突入契機と位置付けることができる。
(10)特別モードにおいて、モードを移行させる場合、現在滞在しているモードを基準として、当該モードよりも遊技状態が確変状態である可能性が大きいモードに移行するようにした。このため、特別モードが移行する毎に確変状態への可能性が大きくなるとともに、遊技者の確変状態への期待を高めさせることができる。
(11)大当り2R及び小当りが付与される場合の図柄変動ゲームの表示結果(飾図ゲームの確定表示)は、飾図による大当りの図柄組み合わせとは異なる図柄組み合わせ(チャンス目)となるようにした。このため、図柄変動ゲームの最終的な表示結果(飾図ゲームの確定表示)として飾図による大当りの図柄組み合わせとは異なる図柄組み合わせ(チャンス目)が確定表示される場合、秘匿状態(特別モード)に突入させることができる。すなわち、見た目上にはずれの表示結果から一遍して、遊技状態が確変状態であるかもしれない期待を遊技者に抱かせることができる。また、大当り2R及び小当りに当選した場合、見た目上にはずれの表示結果が表示されるため、遊技者に大当り2R及び小当りに当選していることを気付かせ難くすることができる。したがって、秘匿状態突入(特別モード突入)への突然性を遊技者に与えるとともに、秘匿状態(特別モード)に突然突入するというゲーム性をより強調することができる。
(12)図柄変動ゲームの最終的な表示結果がはずれとなる場合と、大当り2R及び小当りとなる場合との演出内容を同じとした(はずれ演出用変動パターンと、変動パターンP2及び変動パターンP3とを同じにした)。このため、大当り15Rに繋がらない(見た目上にはずれとなる)演出内容の図柄変動ゲームの終了後、秘匿状態(特別モード)に突入させるチャンスを設けることができる。すなわち、見た目上にはずれの演出内容から秘匿状態(特別モード)に突入させる場合には、遊技者の意表を付く演出を行うことができる。したがって、意表を付く演出により遊技の興趣を向上することができる。
(13)また、遊技者には、図柄変動ゲームの演出内容に拘わらず、常にチャンス(大当り15R及び特別モード(確変状態への期待))を与えることができる。したがって、図柄変動ゲームにおいては、当該ゲーム毎に複数のチャンスを持たせることができ、遊技者に期待を持たせる場面を複数作ることができる。
(14)秘匿状態であることを報知する特別モードは、予め定めた回数(本実施形態では100回)の図柄変動ゲームが経過するまで継続され、遊技者に予め定めた回数の間は、遊技状態が確変状態であることへの期待を抱かせることができる。したがって、秘匿状態中(特別モード中)の遊技者の遊技への継続意欲を向上させることができる。
(15)大当り2Rの大当り遊技及び小当り遊技において、大入賞口24が開放される時間は、大当り15Rに比べて極端に短いため、遊技者に大入賞口24が開放されていることを気付かせ難くすることができる。したがって、大当り2R及び小当りの当選時、遊技者に当該大当り2R及び小当りが行われていること自体を気付かせ難くし、特別モードの開始の突然性を強調することができる。
(16)また、大当り2Rの大当り遊技及び小当り遊技では、遊技者が大当り2R又は小当りのいずれの当選によるものかを認識し得ないような態様で大入賞口扉23を開閉動作(大入賞口24を開放)させるようにした。このため、特別モードの突入時、大当り2R及び小当りのいずれを契機として当該特別モードに突入したのかを遊技者に認識させ難くすることができる。したがって、特別モードの突入時、遊技者が確変状態の付与に抱く期待を低下させることなく特別モードを実行させることができる。
(17)特別モード中に大当り15Rに当選した場合、仮に確変状態が付与されておらず該当選が偶然であっても、遊技者に確変状態が付与されていたかもしれないと思わせることができる。すなわち、特別モードに突入することと、大当りが連チャンすることを関連付けることができる。したがって、時短状態が付与されているか否かに拘わらず、特別モードへの突入が大当りに繋がるという新しいゲーム性をさらに付加し、特別モード中の遊技者の遊技に対する継続意欲をさらに向上させることができる。
なお、前記実施形態は、以下のように変更しても良い。
・実施形態において、大当り2R又は小当りの当選時、遊技状態が確変状態であるか否かで、特別モードを移行させるか否かを決定するようにしても良い。また、大当り2R又は小当りの当選時、当該当選した当りの種類(大当り2R又は小当り)で、特別モードを移行させるか否かを決定しても良い。
・実施形態において、特別モードの種類は、2種類、又は4種類以上設けても良い。この場合、確変状態への期待度も種類に合わせて段階的に定めるようにする。また、確変状態が確定する特定モードを複数種類設けても良い。
・実施形態において、大入賞口24の開放態様は、大当り2Rの大当り遊技と、小当り遊技とで、1回の大入賞口24の開放時間、インターバル時間、大入賞口24の開放回数を全く同じにし、同じ開放態様により大入賞口24を開放するようにしても良い。この場合、大当り2R又は小当りの当選時には、特別モードの突入契機をより遊技者に認識し得ないようにすることができる。
・実施形態において、大当り2R及び小当り遊技の大入賞口24の開放態様は、例えば、1回の大入賞口24の開放時間を0.2秒として、インターバル時間を0.6秒とし、開放回数を3回としても良い。すなわち、1回の大入賞口24の開放時間、インターバル時間、開放回数を任意に変更しても良い。そして、態様を変更する場合、小当り遊技に要する時間(1回目の大入賞口24の開放から、3回目の大入賞口の閉鎖までの時間)は、大当り2Rの大当り遊技に要する時間と同じになるようにすれば良い。また、大当り2Rの大当り遊技と、小当り遊技に要する時間を、遊技者が違いを捉えることが困難な時間であれば、変更しても良い。また、大当り2Rの大当り遊技と小当り遊技では、大入賞口24の開放回数は同じにするようにする。
・実施形態において、大当り2R又は小当りに当選し、当該大当り2R又は小当りが付与される場合、図柄変動ゲームで飾図ゲームの表示結果として大当りの図柄組み合わせを確定表示させるようにしても良い。また、大当り15Rと、大当り2R及び小当りとが付与される場合、図柄変動ゲームで飾図ゲームの表示結果として同じ大当りの図柄組み合わせとなるようにしても良い。この構成によれば、大当りの図柄組み合わせが確定表示される場合、どの当り(大当り15R、大当り2R及び小当り)が付与されるのかに遊技者の関心を惹き付けることができ、遊技の興趣を向上することができる。
・実施形態において、大当り15Rの終了後も確変状態を付与するか否かを秘匿するようにしても良い。そして、大当り15Rに当選した場合も、特別モードに突入するようにしても良い。この場合、飾図による図柄組み合わせでは、確変大当りの大当り15Rであるか、非確変大当りの大当り15Rであるかが遊技者に認識されないようにする。すなわち、確変大当り及び非確変大当りで共通の飾図による図柄組み合わせを設けるようにする。
・実施形態において、リーチを形成する図柄組み合わせによって、チャンス目を構成するようにしても良い。この場合、リーチが形成されると遊技者に大当りに対する期待を持たせ、結果的にはずれてもさらに特別モードの突入に期待を持たせることができる。また、チャンス目は、例えば、[112]のように大当り図柄組み合わせとは異なっており、遊技者側から見てはずれを認識し得る図柄組み合わせであれば良い。
・実施形態において、統括制御基板31は設けなくても良い。主制御基板30のメインCPU30a、又は表示制御基板32のサブCPU32aが、特図による図柄の決定とともに、飾図による図柄組み合わせの決定をするようにしても良い。この場合、メインCPU30aが、特別モードの開始を指示(特別モードを設定する)し、秘匿演出を実行する秘匿演出実行手段となる。
・実施形態において、大当り15Rの規定ラウンド数は、例えば、7回、8回などに変更しても良い。また、例えば、大当り15Rの規定ラウンド数を7回、大当り2Rの規定ラウンド数を2回としても良い。また、大当り2Rの規定ラウンド数は、例えば、1回や3回以上に変更しても良い。
・実施形態において、秘匿状態の開始となる特別モードは、高確モード又は超高確モードに中確モードを経由することなく突入するようにしても良い。すなわち、通常モードの大当り2R又は小当りの当選で高確モードに突入するようにしても良い。
・実施形態において、移行状態Bと移行状態Cの特別モードの移行する割合(確変状態である可能性が高い特別モードへの移行し易さ)の大小は、同じでも良い。
・実施形態において、変動パターンP3の表示結果として、大当りの図柄組み合わせ(変動パターンP1の表示結果)とは異なる小当り用の図柄組み合わせを予め定めておき、変動パターンP2の表示結果として当該小当り用の図柄組み合わせを導出するようにしても良い。このため、大当り2R(変動パターンP2)が決定していても、遊技者側から見た場合において小当りを認識し得る図柄組み合わせが決定される。その結果、可変表示器Hの飾り図柄表示領域H2には、遊技者が小当りであることを認識する図柄組み合わせが確定表示される。したがって、前記小当り用の図柄組み合わせが表示される場合、遊技者には、大当り2R又は小当りの何れに当選したのかが可変表示器Hで認識させ難くすることができる。
・実施形態において、時短状態が付与されている間であっても、大当り2R又は小当りの当選を以って、特別モードに突入するようにしても良い。
・実施形態において、特別モードには、確変状態が確定する特定モードを設けなくても良い。
次に、前記実施形態及び別例から把握される技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記図柄変動ゲームでは、前記第1当りが付与される場合と、前記第2当り及び前記第3当りが付与される場合とで異なる前記当り表示結果が表示されるとともに、前記第2当り及び第3当りが付与される場合、前記当り表示結果としては共通の前記当り表示結果である。
(ロ)前記入賞手段は、前記第2の当り遊技及び第3の当り遊技における前記開放制御において、前記第1の当り遊技における前記開放制御に比して1回の開放時間が短くなるように制御され、当該開放制御は、遊技球の入賞が困難な時間に設定されている。
(ハ)前記始動入賞手段は、遊技球が入賞し易い第1の状態と前記遊技球が入賞し難い第2の状態とに変移可能であって、前記始動入賞手段が前記第1の状態に作動する作動率を向上させる作動率向上状態を付与する作動制御を実行する制御手段をさらに備え、前記制御手段は、前記特別モード中に前記作動制御を非実行とする。
(ニ)前記複数種類の特別モードには、遊技状態が確率変動状態であることを確定させる特定モードを含んでおり、前記秘匿演出実行手段は、特別モードの選択時において、前記設定契機判定手段により第3当りに当選している旨が判定された場合で、かつ前記遊技状態判定手段により確率変動状態が付与されていない旨が判定された場合には、前記特定モードの選択に規制を掛ける。