以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機(以下「パチンコ機」と示す)に具体化した一実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を保護するための保護ガラスが装着されるガラス枠を備えた前枠14と、上球皿15がそれぞれ横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14の前面側及び遊技盤13の遊技領域13aには、点灯(点滅)又は消灯し、発光装飾に基づく遊技演出(発光演出)を行う装飾ランプ16が設けられている。外枠11の下部には、各種音声を出力し、音声出力に基づく遊技演出(音声演出)を行うスピーカ17が配置されている。中枠12の下部には、下球皿18及び発射装置19が装着されている。そして、遊技者が発射装置19を操作して、該発射装置19を駆動させることにより、上球皿15内の遊技球が遊技盤13の遊技領域13aへ発射されるようになっている。
遊技盤13の遊技領域13aの略中央には、液晶ディスプレイ型の表示手段としての可変表示器Hを備えたセンター役物20が配設されている。可変表示器Hでは、変動画像(又は画像表示)に基づく遊技演出(表示演出)が行われるようになっている。また、可変表示器Hには、図2に示すように特別図柄表示領域H1と、飾り図柄表示領域H2が設けられている。特別図柄表示領域H1では、複数種類の特別図柄(以下、「特図」と示す)を変動させて図柄を導出する特別図柄変動ゲーム(以下、「特図ゲーム」と示す)が行われるようになっている。また、飾り図柄表示領域H2では、複数種類の飾り図柄(以下、「飾図」と示す)を複数列で変動させて図柄組み合わせを導出する飾り図柄変動ゲーム(以下、「飾図ゲーム」と示す)が行われるようになっている。なお、特図ゲームと飾図ゲームは、同時に開始し、それぞれに特図による図柄と飾図による図柄組み合わせを導出し、同時に終了するようになっている。なお、図2には、特図による図柄が[3]、飾図による図柄組み合わせが[111]となる場合を示している。特図ゲーム及び飾図ゲームでは、特別図柄表示領域H1と飾り図柄表示領域H2において夫々図柄変動が開始し、特図による図柄と飾図による図柄組み合わせが夫々確定表示される。なお、特図は、内部抽選の結果を表示するために用いられている報知用の図柄である。飾図は、表示演出を多様化するために用いられる演出用の図柄である。
また、特別図柄表示領域H1には、[0]、[1]、[2]、[3]の4種類の数字と、[−]の図柄が特図として表示可能とされている。特別図柄表示領域H1に最終的に表示(確定表示)された図柄が[0]〜[3]の数字の場合、その図柄から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄が、特図による大当りの図柄となる。一方、特別図柄表示領域H1に確定表示された図柄が[−]の場合、その図柄からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄が、特図によるはずれの図柄となる。なお、図2では、説明のために特別図柄表示領域H1及び特図を大きく表示しているが、実際の特別図柄表示領域H1は、その大きさ(表示面積)が飾り図柄表示領域H2の大きさ(表示面積)よりも遙かに小さくなるように設けられ、可変表示器Hでは、特図が飾図よりも遙かに小さく表示されるようになっている。このため、特図の図柄によって、遊技者が大当り又ははずれを認識することは稀である。
また、飾り図柄表示領域H2には、複数種類の飾図が複数列で表示されるようになっている。飾り図柄表示領域H2では、「1」〜「8」の8種類の数字を模した図柄で3列の図柄による図柄組み合わせを導出する飾図ゲームが行われるようになっている。以下、「特図ゲーム」と「飾図ゲーム」をまとめて「図柄変動ゲーム」と示す。そして、遊技者は、飾り図柄表示領域H2に最終的に表示(確定表示)された図柄組み合わせ(表示結果)から大当り又ははずれを認識できる。飾り図柄表示領域H2に確定表示された全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([222][777]など)から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが飾図による大当りの図柄組み合わせ(大当り表示結果)となる。大当りの図柄組み合わせが確定表示されると、遊技者には、図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、飾り図柄表示領域H2に確定表示された全列の図柄が異なる種類の場合、又は1列の図柄がリーチを形成する図柄とは異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([123][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせが飾図によるはずれの図柄組み合わせとなる。また、本実施形態のパチンコ機10では、図柄変動ゲームが開始すると(各列の図柄が変動を開始すると)、遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に図柄が表示(一旦停止表示)されるようになっている。そして、一旦停止表示された左図柄と右図柄(左列及び右列の特定列の図柄)が同一種類の図柄の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチを認識できる。
また、飾り図柄表示領域H2には、特別図柄表示領域H1の表示結果に応じた図柄組み合わせが表示されるようになっている。より詳しくは、特別図柄表示領域H1の特図による図柄と、飾り図柄表示領域H2の飾図による図柄組み合わせが対応されており、図柄変動ゲームの終了時には、特図による図柄と飾図による図柄組み合わせが対応して確定表示されるようになっている。例えば、図2に示すように、可変表示器H(特図表示領域H1及び飾り図柄表示領域H2)には、特図による図柄[3]に応じた飾図による大当りの図柄組み合わせの中から、1つの飾図による大当りの図柄組み合わせ(例えば[111])が確定表示されるようになっている。また、特別図柄表示領域H1に特図によるはずれの図柄が確定表示されると、飾り図柄表示領域H2にも飾図によるはずれの図柄組み合わせが確定表示されるようになっている。なお、特図の図柄に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特図に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。
また、センター役物20の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根21を備えた始動入賞口(始動入賞手段)22が配設されている。始動入賞口22の奥方には、入賞した遊技球を検知する始動口センサSE1(図3に示す)が設けられている。始動入賞口22は、遊技球の入賞検知を契機に、図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。また、始動入賞口22の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉23を備えた大入賞口(入賞手段)24が配設されている。そして、大当り遊技が付与されると、大入賞口扉23の開動作によって大入賞口24が開放されて遊技球が入賞可能となるため、遊技者は、多数の賞球が獲得できるチャンスを得ることができる。
大当り遊技は、図柄変動ゲームにて大当りの図柄及び大当りの図柄組み合わせが確定表示されてから開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口24が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では15ラウンド又は2ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口24が開放されてから閉鎖されるまでであり、1回のラウンド遊技中に大入賞口24は、規定入賞個数(本実施形態では10個)の遊技球が入賞するまでの間、又は規定時間(規定ラウンド数が15回では25秒又は規定ラウンド数が2回では0.3秒)が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。
また、始動入賞口22の左方には作動ゲート25が配設されている。作動ゲート25の奥方には、作動ゲート25を通過した遊技球を検知するゲートセンサSE2(図3に示す)が設けられている。作動ゲート25は、遊技球の通過を契機に、普通図柄変動ゲーム(抽選ゲーム)の始動条件を付与し得る。普通図柄変動ゲームは、始動入賞口22の開閉羽根21を開動作させるか否か(始動入賞口22に遊技球を入賞し易くするか否か)の抽選結果を導出するために行われる演出である。始動入賞口22は開閉羽根21が開動作すると、入口が拡大されて遊技球が入賞し易い状態(第1の状態)とされる。一方、始動入賞口22は開閉羽根21が閉動作していると、入口が拡大されていない遊技球が入賞し難い状態(第2の状態)とされる。そして、開閉羽根21は、開動作及び閉動作を繰り返すことで、始動入賞口22に遊技球が入賞し易い状態(第1の状態)と、遊技球が入賞し難い状態(第2の状態)とを変移可能にしている。普通図柄変動ゲームは、図柄変動ゲームに用いる図柄とは別の図柄を可変表示器Hに表示させて行われたり、発光表示器を発光させて行われる。
また、本実施形態のパチンコ機10は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)が低確率(通常状態)である通常確率(本実施形態では300分の1)から高確率(本実施形態では30分の1)に変動する確変状態を付与する機能である。また、確変状態は、所定回数(10000回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は次回の大当り遊技が開始される迄の間、付与される。大当り遊技終了後に確変状態を付与する大当りが確変大当りとなり、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
また、本実施形態のパチンコ機10は、変動時間短縮(以下、「時短」と示す)機能を備えている。時短機能(作動制御)は、開閉羽根21を開動作させるか否か(始動入賞口22に遊技球を入賞し易くするか否か)の抽選結果を導出する普通図柄変動ゲームの変動時間が短縮された時短状態を遊技者に付与する機能である。すなわち、時短状態が付与されると、1回の普通図柄変動ゲームの時間(普通図柄が変動を開始してから確定表示される迄の時間)が、例えば、30秒(時短状態が付与されていないとき)から5秒(時短状態が付与されているとき)に短縮される。すなわち、時短状態は、単位時間当りの開閉羽根21の作動率が向上する作動率向上状態である。また、時短機能は、作動率向上状態を付与する作動制御を行う。この時短状態は、予め定めた回数の図柄変動ゲームが終了する迄の間、前記予め定めた回数に達する前に大当りが生起される迄の間付与される。
そして、始動入賞口22の開閉羽根21は、時短状態が付与されている場合と、時短状態が付与されていない場合とでは、普通図柄変動ゲームにおいて当選した際、異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。すなわち、開閉羽根21は、時短状態が付与されている場合、時短状態が付与されていない状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するようになっている。なお、時短機能において、時短状態は、100回の図柄変動ゲームを上限として付与する場合と、10000回の図柄変動ゲームを上限として付与する場合とがある。
本実施形態のパチンコ機10では、大当りとして大当り遊技中のラウンド遊技の規定ラウンド数を15回と定める大当り15R(第1の大当り遊技)と、規定ラウンド数を2回と定める大当り2R(第2の大当り遊技)とが設けられている。また、大当り15R及び大当り2Rには、大当り遊技終了後に確変状態が付与される確変大当りと、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない非確変大当りとがある。大当り15Rの確変大当りでは、大当り遊技終了後に確変状態及び時短状態(最大で10000回)付与され、大当り15Rの非確変大当りでは、大当り遊技終了後に時短状態(最大で100回)のみが付与されるようになっている。すなわち、大当り15Rの終了後には、少なくとも時短状態が付与される。一方、大当り2Rの確変大当りでは、大当り遊技終了後に確変状態が付与され、大当り2Rの非確変大当りでは、確変状態が付与されないようになっている。
そして、本実施形態では、大当り2Rの終了後には、当該大当り2Rの当選時に時短状態が付与されていた場合には最大100回の図柄変動ゲームに亘って時短状態を付与し、当該大当り2Rの当選時に時短状態が付与されていない場合には時短状態を付与しないようになっている。すなわち、大当り2Rの確変大当りであるか否かに拘わらず、大当り当選時の遊技状態に応じて時短状態を付与するか否かが決定される。このため、大当り2Rの終了後の遊技状態は、確変状態及び時短状態が付与されているパターン、確変状態のみが付与されているパターン、時短状態のみが付与されているパターン、又は確変状態及び時短状態のいずれも付与されていないパターンの4パターンとなっている。
次に、パチンコ機10の制御構成について図3に基づき説明する。
パチンコ機10の機裏側には、パチンコ機10全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、統括制御基板31と、表示制御基板32と、ランプ制御基板33と、音声制御基板34とが装着されている。統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34を統括的に制御する。表示制御基板32は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、可変表示器Hの表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。ランプ制御基板33は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、装飾ランプ16の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)を制御する。また、音声制御基板34は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、スピーカ17の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
以下、主制御基板30、統括制御基板31及び表示制御基板32について、その具体的な構成を説明する。
前記主制御基板30には、メインCPU30aが備えられている。該メインCPU30aには、ROM30b及びRAM30cが接続されている。また、メインCPU30aには、始動入賞口22に入賞した遊技球を検知する始動口センサSE1が接続されている。また、メインCPU30aには、作動ゲート25を通過した遊技球を検知するゲートセンサSE2が接続されている。また、メインCPU30aは、大当り判定用乱数、特図振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値をRAM30cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
また、ROM30bには、パチンコ機10全体を制御するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特図及び飾図)が変動を開始(図柄変動ゲーム(特図ゲーム及び飾図ゲーム)が開始)してから全列の図柄が確定表示(図柄変動ゲームが終了)される迄の間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。また、ROM30bには、大当り判定値が記憶されている。また、ROM30bには、大当り時に特図を決定するための特図判定値が記憶されている。特図判定値では、特図毎に特図振分用乱数が振り分けられている。そして、メインCPU30aは、大当りの決定時(大当り判定において肯定となった場合)、特図振分用乱数と特図判定値を参照し、1つの特図を決定する。一方、はずれの決定時(大当り判定において否定となった場合)、特図によるはずれの図柄([−])を決定する。また、前記RAM30cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(各種乱数の値など)が記憶されるようになっている。
変動パターンには、該変動パターン毎に、図柄変動ゲーム(特図ゲーム及び飾図ゲーム)の開始(特図及び飾図が変動を開始して)から終了(特図及び飾図が確定表示される)までの変動時間が定められている。また、本実施形態には、変動時間の異なる複数種類の変動パターンが設けられている。すなわち、変動パターンは、図柄変動ゲームの変動時間と演出内容が特定可能とされている。なお、特図及び飾図に基づく遊技演出の演出時間は同じである。そして、特図ゲームは、前記演出時間の経過時に特図が特別図柄表示領域H1に確定表示され、前記演出時間が経過するまでの間、変動している。また、飾図ゲームは、前記演出時間が経過するまでの間、変動している。本実施形態のパチンコ機10では、変動パターンとして、大当りとして大当り15Rが決定される場合に選択される変動パターンP1と、大当りとして大当り2Rが決定される場合に選択される変動パターンP2が用意されている。また、はずれが決定される場合に選択されるはずれ演出用の変動パターンが用意されている。
次に、本実施形態の変動パターンP1、変動パターンP2、及びはずれ演出用変動パターンについて説明する。
変動パターンP1では、特図ゲーム及び飾図ゲームにおいて、夫々に大当りを認識できる大当りの図柄及び大当りの図柄組み合わせが最終的に表示されるパターンとなっている。また、変動パターンP2では、特図ゲームで大当りを認識できる大当りの図柄が最終的に表示されるようになっており、飾図ゲームで大当りを認識できない、且つ、大当りの図柄組み合わせとは異なる図柄組み合わせが最終的に表示されるパターンとなっている。本実施形態において、前記大当りの図柄組み合わせは、変動パターンP1に基づく図柄変動ゲームで最終的に表示される飾図による図柄組み合わせであり、全列の図柄が同一種類となる図柄組み合わせである。また、はずれ演出用の変動パターンでは、特図ゲーム及び飾図ゲームにおいて、夫々にはずれの図柄及びはずれの図柄組み合わせが最終的に表示されるパターンとなっている。
また、変動パターンP2では、図柄変動ゲームの変動時間と演出内容がはずれ演出用の変動パターンと同じにしているパターンであり、変動パターンP2とはずれ演出用の変動パターンでは、特図ゲームの最終的な表示内容と飾図ゲームの最終的な表示内容が異なるようになっている。このため、変動パターンP2では、特図ゲームで大当りの図柄が最終的に停止されるが、飾図ゲームの結果から遊技者は、今回の図柄変動ゲームが大当りであるか否かを容易に認識できないようになっている。すなわち、変動パターンP2は、内部的に大当りが決定されている(特図による大当りの図柄が確定表示される)が、遊技者には見た目上(飾図ゲームの結果として)はずれを認識させる図柄組み合わせを確定表示させるパターンとなっている。
そして、本実施形態のパチンコ機10では、メインCPU30aの大当りの決定時(内部的に大当りを決定時)、特図振分用乱数によって振り分けられる特図の種類に応じて、変動パターンP1と変動パターンP2のいずれかが選択されるようになっている。また、一方で、メインCPU30aのはずれの決定時(内部的にはずれを決定時)、はずれ演出用の変動パターンが選択されるようになっている。
次に、本実施形態において、大当りの決定時にメインCPU30aが決定する特図の種類と、特図の種類によって付与される大当り遊技の内容及び大当り遊技終了後の遊技状態の内容について図4に基づき説明する。
図4には、大当りで決定される特図([0]〜[3])において、特図毎に大当り遊技で行われるラウンド遊技の回数、1回のラウンド遊技での大入賞口24が開放される開放時間(大入賞口扉23が開動作してから閉動作するまでの時間)、確変状態を付与するか否か、特図振分用乱数による選択割合、及び時短状態を付与するか否かが示されている。
[0]及び[1]の特図には、大当り遊技中のラウンド遊技の規定ラウンド数が2ラウンド(2回)である大当り2Rが定められており、その1回のラウンド遊技では、大入賞口24を最大で0.3秒間開放させることを定めている。また、[0]の特図に伴う大当りは、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない非確変大当りとなるようになっている。一方、[1]の特図に伴う大当りは、大当り遊技終了後に確変状態が付与される確変大当りとなるようになっている。そして、特図振分用乱数は、大当り当選時の25%の割合で(特図振分用乱数の4分の1が)[0]及び[1]の特図を選択するように振り分けられている。また、[0]及び[1]の特図に伴う大当り遊技の終了後、大当り時に時短状態が付与されていない場合には、時短状態を付与せず、大当り時に時短状態が付与されている場合には、時短状態を付与するように定めている。
[2]及び[3]の特図には、大当り遊技中のラウンド遊技の規定ラウンド数が15ラウンド(15回)である大当り15Rが定められており、その1回のラウンド遊技では、大入賞口24を最大で25秒間開放させることを定めている。また、[2]の特図に伴う大当りは、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない非確変大当りとなるようになっている。一方、[3]の特図に伴う大当りは、大当り遊技終了後に確変状態が付与される確変大当りとなるようになっている。そして、特図振分用乱数は、大当り当選時の25%の割合で(特図振分用乱数の4分の1が)[2]及び[3]の特図を選択するように振り分けられている。また、[2]及び[3]の特図に伴う大当り遊技の終了後、どちらの場合においても時短状態が付与されるようになっている。そして、[2]の特図では非確変大当りであるため時短状態を最大で100回、又は次に大当りとなるまでの図柄変動ゲームに亘って付与する。一方、[3]の特図では時短状態及び確変状態を最大で10000回、又は次に大当りとなるまでの図柄変動ゲームに亘って付与するようになっている。
本実施形態のパチンコ機10では、大当り時に決定される特図([0]〜[3])により大当りを大当り15R又は大当り2Rのどちらの大当り(大当り遊技)とするかが振り分けられる。また、大当り15Rでは、1回のラウンド遊技で大入賞口24を1回開放し、規定ラウンド数(大当り15Rでは15回)で最大開放回数15回だけ大入賞口24が開放される(大入賞口扉23が開制御される)ようになっている。また、大当り2Rでは、1回のラウンド遊技で大入賞口24を1回開放し、規定ラウンド数(大当り2Rでは2回)で最大開放回数2回だけ大入賞口24が開放される(大入賞口扉23が開制御される)ようになっている。
本実施形態の大当り15Rにおいて、1回のラウンド遊技で大入賞口24が開放される開放時間(大入賞口扉23が開動作して閉動作するまでの時間)は、大入賞口24が開放されてから発射される遊技球の少なくとも規定入賞個数(本実施形態では10個)の遊技球が大入賞口24に到達(入賞)する迄の時間以上に定められている。本実施形態の発射装置19では、1分間に100個の遊技球が発射可能である。このため、発射装置19は、0.6秒間隔で遊技球を発射することとなる。また、発射装置19において、大入賞口24が開放されてから規定入賞個数である10個の遊技球を発射するまでに要する時間は、6.0秒である。すなわち、大当り15Rでは、大入賞口24の開放時間を6.0秒に対して十分に長い25.0秒に定めることで、前記規定入賞個数の遊技球が大入賞口24へ入賞されるようになっている。したがって、大当り15Rでは、規定ラウンド数のラウンド遊技において、規定入賞個数の遊技球を入賞させ、賞球を獲得できるチャンスが遊技者に与えられている。
一方、大当り2Rでは、1回のラウンド遊技で大入賞口24が開放される開放時間(大入賞口扉23が開動作してから閉動作するまでの時間)は、大入賞口24が開放されてから発射される1個の遊技球が大入賞口24に到達(入賞)する迄の時間未満に定められている。本実施形態では、遊技盤13の左上方から遊技領域13aに発射される遊技球は、当該遊技領域13a上に配置される遊技部材(複数本の釘、センター役物20、各種入賞装置など)に衝突しながら遊技領域13aの下方(アウトロ)に流下して行く。このため、発射装置19から発射された遊技球は、遊技領域13aの下方に設けられる大入賞口24へ発射されて直ぐに到達するわけでなく、遊技領域13aに配置される遊技部材に衝突するなどして大入賞口24に到達するまでには、到達時間(例えば、1.0秒)を要することとなる。すなわち、大当り2Rでは、大入賞口24の開放時間を前記到達時間より短い時間(本実施形態では0.3秒)に定めることで、少なくとも大入賞口24が開放されてから発射された遊技球に関しては、当該遊技球を入賞させないように(遊技球の入賞が困難な状態に)することができる。なお、大入賞口24が開放された時点で既に発射されている遊技球に関しては、入賞する場合があり、大当り2Rでも遊技球が入賞する場合もある。
また、大当り2Rでは、大入賞口24を0.3秒のみ開放させるため、遊技者には、当該大入賞口24が開放されたか否かに気付かせ難い。本実施形態では、[2]及び[3]の特図が選択される場合、遊技者に大当り遊技で多くの賞球を獲得させるチャンスを付与するとともに、大当り遊技を楽しませる一方で、[0]及び[1]の特図が選択される場合、遊技者に大当りとなったこと自体を気付かせ難くさせている。
また、大当り当選時の各特図([0]〜[3])の選択割合は、全て同率の25%(特図振分用乱数の4分の1)となっており、大当り2Rである[0]及び[1]の特図の選択割合は、大当り当選時の50%(特図振分用乱数の2分の1)となっている。また、大当り15Rである[2]及び[3]の特図の選択割合は、大当り当選時の50%(特図振分用乱数の2分の1)とされている。すなわち、大当りにより確変状態が付与される確率は、大当り当選時の50%であり、全体の大当りの半分は確変状態へと繋がるようになっている。
次に、図3に基づき統括制御基板31について説明する。
統括制御基板31には、統括CPU31aと、ROM31bと、RAM31cとが設けられている。また、ROM31bには、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34を統括的に制御するための統括制御プログラムが記憶されている。また、RAM31cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数の値など)が記憶(設定)されるようになっている。
次に、図3に基づき表示制御基板32について説明する。
表示制御基板32には、サブCPU32aと、ROM32bと、RAM32cとが設けられている。ROM32bには、可変表示器Hの表示内容を制御するための演出制御プログラムが記憶されている。また、ROM32bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、RAM32cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
以下、主制御基板30(メインCPU30a)、統括制御基板31(統括CPU31a)及び表示制御基板32(サブCPU32a)が実行する制御内容を説明する。
最初に主制御基板30(メインCPU30a)がメイン制御プログラムに従って実行する制御内容について説明する。
メインCPU30aは、始動入賞口22に遊技球が入賞し、始動口センサSE1からの検知信号を入力すると、大当り判定用乱数の値と特図振分用乱数の値をRAM30cから読み出し、RAM30cの所定の格納領域に格納(記憶)する。そして、メインCPU30aは、図柄変動ゲームの開始直前に、RAM30cに記憶されている前記大当り判定用乱数の値とROM30bに記憶されている大当り判定値とを比較して大当りか否かの大当り判定(大当り抽選)をする。メインCPU30aは、確変状態が付与されていない通常状態時は大当りの抽選確率を通常確率(300分の1)に設定して大当り判定を行い、確変状態時は大当りの抽選確率を高確率(30分の1)に設定して大当り判定を行う。
そして、メインCPU30aは、大当り判定の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、大当りを決定する。大当りを決定したメインCPU30aは、大当り判定用乱数の値とともにRAM30cに記憶した特図振分用乱数の値を読み出し、該値に予め対応付けられた特図を特図による大当り図柄として決定する。大当り図柄は、最終的に確定表示される大当りの図柄(最終的な大当り表示結果)を形成する図柄である。また、メインCPU30aは、特図を決定した場合、当該特図に基づき変動パターンP1又は変動パターンP2のいずれか1つの変動パターンを決定する。
また、メインCPU30aは、大当りを決定した場合、決定した特図による大当り図柄を判定し、今回の大当りを大当り2Rとするか大当り15Rとするかとともに、今回の大当りの大当り遊技終了後に確変状態を付与するか否かを決定する。メインCPU30aは、大当りの決定時に特図を決定することにより、遊技状態として確変状態を付与するか否かを決定している(確変抽選)。また、メインCPU30aは、前記判定した特図による大当り図柄が[0]及び[1]の場合、大当り決定時の遊技状態として時短状態が付与されているか否かの時短判定を行う。この判定結果が肯定の場合、メインCPU30aは、大当り遊技終了後に時短状態を付与するため、RAM30cに遊技状態として時短状態を付与することを示す情報(フラグなど)を記憶(設定)する。一方、時短判定の判定結果が否定の場合、大当り遊技終了後に時短状態を付与しない。また、メインCPU30aは、特図による大当り図柄が[2]及び[3]の場合、大当り決定時の遊技状態に拘わらず大当り遊技終了後に時短状態を付与するため、前記情報をRAM30cに記憶(設定)する。本実施形態では、RAM30cに現在の遊技状態を示す情報(フラグなど)が記憶されており、メインCPU30aは、当該情報に基づき現在の遊技状態が確変状態であるか否か及び時短状態であるか否かなどを把握している。そして、時短判定では、RAM30cに記憶される遊技状態の前記情報に基づき時短状態であるか否かを判定している。
メインCPU30aは、大当りの種類(大当り2R又は大当り15R)、確変状態を付与するか否か及び時短状態を付与するか否かを決定した場合、当該決定に基づく情報(フラグなど)をRAM30cに記憶(設定)する。また、メインCPU30aは、RAM30cに記憶される前記情報に基づき、開始させる大当り遊技の大当りの種類、当該大当り遊技終了後に大当り判定を低確率で行うか高確率で行うか(確変大当りであるか否か)、及び当該大当り遊技終了後に時短状態を付与するか否かを決定している。
一方、メインCPU30aは、大当り判定の判定結果が否定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、はずれを決定する。はずれを決定したメインCPU30aは、特図によるはずれ図柄[−]を決定する。また、メインCPU30aは、はずれ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する。
続いて、特図及び変動パターンを決定したメインCPU30aは、所定の制御コマンドを所定のタイミングで統括制御基板31(統括CPU31a)に出力する。具体的に言えば、メインCPU30aは、最初に変動パターンを指示するとともに、図柄変動ゲーム(特図ゲーム及び飾図ゲーム)の開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力する。次に、メインCPU30aは、決定した特図を示す特図指定コマンドを出力する。その後、メインCPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に、図柄変動ゲーム(特図ゲーム及び飾図ゲーム)の停止(確定表示)を指示する全図柄停止コマンドを出力する。
また、メインCPU30aは、大当りを決定した場合、変動パターンP1及びP2に基づく図柄変動ゲームの終了後、大当り遊技に係る制御(オープニング演出などの演出指示や大入賞口扉23の開閉動作の制御)を実行する。メインCPU30aは、大当り15Rを開始させる場合(第1の状態制御)、オープニング演出や、各ラウンド遊技で行わせるラウンド演出、エンディング演出などの指示をする制御コマンドを出力する。また、メインCPU30aは、オープニング演出の終了後、大入賞口扉23を開動作(1回目の大入賞口24の開放)させる。そして、メインCPU30aは、規定入賞個数の遊技球が大入賞口24に入賞する迄の間、又はタイマにより25.0秒を計時すると、大入賞口扉23を閉動作させ、その後、1.0秒のインターバルを計時し間もなく再度大入賞口扉23を開動作(2回目の大入賞口24の開放)させる。続いて、メインCPU30aは、規定ラウンド数に定める15回のラウンド遊技の終了後(15回目の大入賞口24の開放後)、エンディング演出を開始させ当該エンディング演出の終了を以って大当り15Rの大当り遊技を終了させる。本実施形態において、メインCPU30aは、大当り15Rに当選することで開始させる大当り遊技を、第1の制御により制御している。
また、メインCPU30aは、大当り2Rを開始させる場合、図柄変動ゲームで図柄(特図及び飾図)の確定表示後(全図柄停止コマンドの出力後、オープニング演出の開始を指示する制御コマンドを出力せず(オープニング演出を行わせず))間もなく大入賞口扉23を開動作(1回目の大入賞口24の開放)させる。そして、メインCPU30aは、タイマにより0.3秒を計時し、大入賞口扉23を閉動作させ、その後、1.0秒のインターバルを計時し間もなく再度大入賞口扉23を開動作(2回目の大入賞口24の開放)させる。また、メインCPU30aは、タイマにより0.3秒を計時し、大入賞口扉23を閉動作させる。そして、メインCPU30aは、大入賞口扉23の2回の開閉動作の終了(2回の大入賞口24の開放)を以って大当り2Rの大当り遊技を終了させる。なお、大当り2Rにおいて、メインCPU30aは、エンディング演出の開始を指示する制御コマンドを出力せず(エンディング演出を行わせず)、大入賞口扉23の2回目の閉動作を以って大当り遊技を終了させる。本実施形態において、メインCPU30aは、大当り2Rに当選することで開始させる大当り遊技を、第2の制御により制御している。
そして、メインCPU30aは、大当り遊技終了後(大当り2R及び大当り15Rの終了後)、RAM30cに記憶される前記情報に基づき、大当り遊技終了後の遊技状態を制御する。メインCPU30aは、RAM30cに確変状態を付与することが示されている場合には大当り遊技終了後の遊技状態を確変状態で制御するとともに、RAM30cに時短状態を付与することが示されている場合には大当り遊技終了後の遊技状態を時短状態で制御する。続いて、メインCPU30aは、遊技状態として時短状態を付与する(開始させる)場合には、時短状態が開始することを示す時短開始コマンドを統括CPU31aに出力し、時短状態中に大当りとなる、又は予め定めた回数(100回又は10000回)の図柄変動ゲームの経過時に時短状態を終了させる。そして、メインCPU30aは、時短状態を終了させる場合には、時短状態が終了することを示す時短終了コマンドを統括CPU31aに出力する。また、メインCPU30aは、RAM30cに確変状態を付与することが示されていない場合には、遊技状態として確変状態を付与しない。また、メインCPU30aは、RAM30cに時短状態を付与することが示されていない場合には、遊技状態として時短状態を付与しない。そして、メインCPU30aは、大当り遊技終了時、RAM30cに記憶(設定)される前記情報などをクリアし図柄変動ゲームの処理を実行する。本実施形態において、大当り判定時に決定した特図により確変状態を付与するか否かの確変抽選を行うメインCPU30aが抽選手段として機能し、大当り15R及び大当り2Rを第1の制御及び第2の制御により制御するメインCPU30aが状態制御手段として機能する。
本実施形態のパチンコ機10では、大当り2Rの当選時、遊技状態(時短状態が付与されているか否か)を確認し、その結果に基づきその遊技状態を継続するようになっている。すなわち、時短状態が付与されている状態であれば、時短状態を継続的に付与し、時短状態が付与されていなければ時短状態を付与しないようになっている。時短状態中に大当りとなる場合には、必ず大当りの終了後の時短状態が付与される構成となっている。また、大当り2Rの大当り遊技では、図柄変動ゲームの終了後間もなく大入賞口24を連続で2回開放(時間にして1.4秒(2回の開放時間0.3秒×2ラウンドと、1回のインターバル時間0.8秒)で2回開放)させる大当り2Rが開始されるようになっている。また、大入賞口24の開放時間は、当該大入賞口24が開放されてから発射された遊技球が大入賞口24に到達する前記到達時間未満と定めている。このため、大当り2Rの大当り遊技において、遊技球を入賞させ難くし遊技者が遊技球を入賞させることにより賞球を獲得することを困難にしている。
次に、統括制御基板31(統括CPU31a)が統括制御プログラムにしたがい実行する制御に内容について説明する。
統括CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドを各制御基板32〜34に出力する。また、統括CPU31aは、特図指定コマンド及び全図柄停止コマンドを入力すると、特図及び飾図を指定する図柄指定コマンド及び全図柄停止コマンドを表示制御基板32に出力する。また、統括CPU31aは、時短開始コマンドを入力すると、時短状態が付与されたことを示す情報(フラグなど)をRAM31cに設定する。また、統括CPU31aは、時短終了コマンドを入力するまでの間、RAM31cに前記情報を継続的に設定し、時短状態であることを把握している。
統括CPU31aは、特図コマンドを入力すると、特図指定コマンドに指定される特図の種類を判定する。そして、統括CPU31aは、特図に応じた飾図を決定し、その決定した飾図を示す飾図指定コマンドを表示制御基板32(サブCPU32a)に出力する。具体的には、統括CPU31aは、特図指定コマンドに指定される特図が[2]及び[3]の場合、飾図による図柄組み合わせとして大当りを認識することができる飾図による大当りの図柄組み合わせを決定する。統括CPU31aは、遊技状態として確変状態が付与されないことが定められている[2]の特図の場合には、「2」、「4」、「6」、「8」の中から同一の数字3つの飾図による大当りの図柄組み合わせを抽選により決定する。すなわち、「2」、「4」、「6」、「8」による同一の数字3つの飾図による大当りの図柄組み合わせが非確変大当り図柄となる。また、統括CPU31aは、遊技状態として確変状態が付与されることが定められている[3]の特図の場合には、「1」、「3」、「5」、「7」の中から同一の数字3つの飾図による大当りの図柄組み合わせを抽選により決定する。すなわち、「1」、「3」、「5」、「7」による同一の数字3つの飾図による大当りの図柄組み合わせが確変大当り図柄となる。本実施形態のパチンコ機10では、大当り15Rの当選時、非確変大当り図柄の飾図の大当り図柄組み合わせが表示されることで遊技者に大当り遊技終了後の遊技状態として、確変状態が付与されないことと時短状態が付与されることを遊技者に報知する。また、大当り15Rの当選時、確変大当り図柄の飾図の大当り図柄組み合わせが表示されることで遊技者に大当り遊技終了後の遊技状態として、確変状態とともに時短状態が付与されることを遊技者に報知する。
また、統括CPU31aは、特図指定コマンドに指定される特図が[0]及び[1]の特図の場合、飾図による図柄組み合わせとして大当りを認識できない、且つ、大当りの図柄組み合わせとは異なる図柄組み合わせを決定する。また、統括CPU31aは、[0]及び[1]の時に決定する前記図柄組み合わせとして、リーチを形成する図柄組み合わせは決定せず、リーチも形成しない完全はずれの図柄組み合わせを決定する。完全はずれとは、図柄変動ゲームの表示結果からリーチにもならず大当りの期待を持つことができない図柄組み合わせである。そして、統括CPU31aは、[0]及び[1]の特図に対する飾図による図柄組み合わせとして[123](以下、「チャンス目」と示す)という3つの数字が数字の順に配列した図柄組み合わせを決定する。
また、統括CPU31aは、特図指定コマンドに指定される特図が[−]の場合には、飾図の図柄組み合わせとして飾図によるはずれの図柄組み合わせを決定する。なお、[−]の特図に対する飾図による図柄組み合わせには、チャンス目の図柄組み合わせも含まれている。
本実施形態のパチンコ機10では、飾図による図柄組み合わせとして、[0]及び[1]の特図には、遊技者側から見た場合においては、はずれを認識し得る図柄組み合わせ(チャンス目)を対応させるようにした。このため、大当り判定によって内部的に大当り(大当り2R)が決定されていても、飾図による図柄組み合わせとしては、遊技者側から見た場合においてはずれを認識し得る図柄組み合わせが決定される。その結果、可変表示器Hの飾り図柄表示領域H2には、遊技者がはずれであることを認識する図柄組み合わせが確定表示される。すなわち、[0]及び[1]の特図による大当り2Rに当選した場合、遊技者には、大当りに当選したことが可変表示器H(飾り図柄表示領域H2)で認識させ難くなっている。本実施形態のパチンコ機10では、[2]及び[3]の特図による大当り15Rに当選した場合には、当該大当り15Rの大当り遊技終了後の遊技状態を遊技者に報知する。一方、[0]及び[1]の特図による大当り2Rに当選した場合には、当該大当り2Rの大当り遊技終了後の遊技状態(確変状態が付与されるか否か)が遊技者に秘匿されるようになっている。すなわち、本実施形態では、大当り2Rの当選を契機にして、遊技状態が確変状態であるか否かが秘匿される秘匿状態が開始されることとなる。また、チャンス目は、[−]の特図の場合にも飾図による図柄組み合わせとして決定される可能性もあり、チャンス目が可変表示器H(飾り図柄表示領域H2)に表示されても、その表示結果(飾り図柄表示領域H2の表示結果)から大当り2Rの当選自体を遊技に認識し得ないようになっている。
続いて、飾図による図柄組み合わせを決定した統括CPU31aは、[0]及び[1]の特図による大当り2Rの大当り遊技終了後、当該大当り2Rを契機にして遊技状態が確変状態であることを秘匿する秘匿状態に突入したことを遊技者に報知(示唆)する特別モードを開始させる。続いて、統括CPU31aは、特別モードを開始させるため、モード開始コマンドを表示制御基板32(サブCPU32a)に出力する。統括CPU31aは、特別モードを開始させる場合、時短開始コマンドを入力している(特別モードとともに時短状態が同時に付与される)ときには、予め定めた回数(本実施形態では100回)の図柄変動ゲームが経過するまでの間、特別モードを継続させる。
統括CPU31aは、RAM31cで特別モードが開始されてから経過した図柄変動ゲームの回数を計数し、その計数結果が100となる場合、特別モードを終了させる。また、統括CPU31aは、特別モードを開始させる場合、時短開始コマンドを入力していない(特別モードのみ付与される)ときには、図柄変動ゲーム毎に特別モードの継続抽選を行い、該抽選に当選し続ける間(落選する迄の間)、特別モードを継続させる。そして、統括CPU31aは、特別モードを終了させる場合、モード終了コマンドを表示制御基板32(サブCPU32a)に出力する。本実施形態では、統括CPU31aが、特別モードの開始及び終了を指示する報知演出制御を実行する。
本実施形態のパチンコ機10では、大当り2Rの終了後の図柄変動ゲームの可変表示器Hの表示態様は、確変大当りの大当り2R及び非確変大当りの大当り2Rで同じ表示態様となるようにしている。すなわち、大当り2Rが、確変大当りであったか否か(遊技状態として確変状態が付与されるか否か)は遊技者に秘匿されるようになっている。このように遊技者に現在の遊技状態を秘匿する状態が秘匿状態であり、秘匿状態により遊技状態を認識し得なくすることで確変状態への期待を遊技者に与えている。また、本実施形態では、遊技状態が秘匿状態である(確変状態が付与されているかもしれない)ことを遊技者に報知するモードが特別モードであり、秘匿状態であることを遊技者に報知しないモードが通常モードである。
また、本実施形態では、大当り2Rを契機に遊技状態を秘匿する秘匿状態に突入すると同時に、当該秘匿状態に突入したことが特別モードの開始により、可変表示器Hで遊技者に報知されようになっている。また、特別モードは、当該特別モード中に大当りになる、予め定めた回数の図柄変動ゲームが経過するまで、又は継続抽選に落選するまでの間、継続的に実行される。このため、秘匿状態で確変状態を秘匿しているにも拘わらず、特別モードが終了してしまう場合もある。この場合、秘匿状態であることへの報知は終了されるが、確変状態を秘匿する秘匿状態は継続される。すなわち、特別モードの終了と秘匿状態の終了は同じでなく、内部的に確変状態である場合には、確変状態を秘匿している通常モードも存在する。したがって、遊技者には、特別モードの終了後も引き続き確変状態への期待を持たせている。
次に、表示制御基板32(サブCPU32a)が演出制御プログラムにしたがって実行する制御内容を説明する。
サブCPU32aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、その変動パターン指定コマンドで指示される変動パターンに対応する演出内容で図柄変動ゲームが行われるように可変表示器H(特図表示領域H1及び飾り図柄表示領域H2)の表示内容を制御する。そして、サブCPU32aは、全図柄停止コマンドを入力すると、図柄指定コマンドで指示された図柄(特図及び飾図)を確定表示させて図柄変動ゲームを終了させる。
このとき、変動パターン指定コマンドに指定される変動パターンが変動パターンP1の場合、サブCPU32aは、可変表示器Hの特図表示領域H1と、飾り図柄表示領域H2に特図及び飾図による大当りの図柄組み合わせを確定表示させる。一方、変動パターン指定コマンドに指定される変動パターンが変動パターンP2の場合、サブCPU32aは、可変表示器Hの特図表示領域H1に特図による大当りの図柄を確定表示させ、飾り図柄表示領域H2に飾図による大当りの図柄組み合わせとは異なる図柄組み合わせ(チャンス目)を確定表示させる。また、変動パターン指定コマンドに指定される変動パターンがはずれ演出用の変動パターンの場合、サブCPU32aは、可変表示器Hの特図表示領域H1に特図によるはずれの図柄を確定表示させ、飾り図柄表示領域H2に飾図によるはずれの図柄組み合わせを確定表示させる。
また、サブCPU32aは、モード開始コマンドを入力すると、前記秘匿状態であることを報知していない通常モードの可変表示器Hの表示態様から、前記秘匿状態であることを報知する特別モード時の表示態様で可変表示器Hを制御する。本実施形態のパチンコ機10では、通常モード時の可変表示器Hでは、昼間を表す背景により図柄変動ゲームを行わせる(図6(a)参照)。そして、図柄変動ゲームの表示結果(確定表示)としてチャンス目が停止した場合(図6(b)参照)、可変表示器Hでは、夜中を表わす背景により図柄変動ゲームを行わせるようになっている(図6(c)参照)。
本実施形態において、サブCPU32aは、モード開始コマンドの入力を契機に可変表示器Hの表示態様を昼間から夜中の背景に変更させる。すなわち、可変表示器Hの表示態様が昼間から夜中の背景に変更されることにより、特別モードへの突入を遊技者に報知している。一方、サブCPU32aは、モード終了コマンドの入力を契機に可変表示器Hの表示態様を夜中から昼間の背景に変更させる。すなわち、可変表示器Hの表示態様が夜中から昼間の背景に変更されることによる、特別モードの終了を遊技者に報知している。
以下、本実施形態において、2種類の大当りによって遊技状態として時短状態が付与される態様と、特別モードが付与されるパターンを図5に基づき説明する。また、特別モードに突入する場合の可変表示器Hの表示態様について、図6に基づき説明する。
図6において、特図表示領域H1及び飾り図柄表示領域H2の「↓」は図柄が変動している状態を示している。また、図6(a)には、通常モード時の可変表示器Hの表示態様を示し、図6(b)には、図柄変動ゲームの表示結果としてチャンス目が表示される場合の可変表示器Hの表示態様を示している。また、図6(c)には、特別モード時の可変表示器Hの表示態様を示している。また、図6(d)には、特別モード時の図柄変動ゲームの表示結果としてチャンス目が表示される場合の可変表示器Hの表示態様を示している。また、「太陽」は昼間の背景を示し、「三日月」は夜中の背景を示している。
図5(a)に示すパターンでは、大当り15Rに当選し(時点A1)、当該大当り15Rの大当り遊技終了後の遊技状態として時短状態が付与される(時点A2)。時点A2から開始される図柄変動ゲームの可変表示器Hでは、通常モードによる表示演出が行われる(図6(a))。時点A2に開始された時短状態中の時点A3で大当り2Rに当選した場合(時点A3)、可変表示器Hでは、チャンス目が確定表示される(図6(b))。続いて、時点A3の当選時に時短状態が付与されているので、時点A4の大当り2Rの大当り遊技の終了後は、時短状態が付与されるとともに、特別モード(秘匿状態)が開始される。時点A4から開始される図柄変動ゲームの可変表示器Hでは、特別モードによる表示演出が行われる(図6(c))。
図5(b)に示すパターンでは、大当り15Rに当選し(時点B1)、当該大当り15Rの大当り遊技終了後の遊技状態として時短状態が付与される(時点B2)。時点B2から開始される図柄変動ゲームの可変表示器Hでは、通常モードによる表示演出が行われる(図6(a))。時点B2に開始された時短状態は予め定めた回数の図柄変動ゲームの経過を契機に終了される(時点B3)。そして、時点B4で大当り2Rに当選した場合(時点B4)、可変表示器Hでは、チャンス目が確定表示される(図6(b))。続いて、時点B4の当選時に時短状態が付与されていないので、時点B5の大当り2Rの大当り遊技終了後は、特別モード(秘匿状態)のみが開始される。時点B5から開始される図柄変動ゲームの可変表示器Hでは、特別モードによる表示演出が行われる(図6(c))。
図5(c)に示すパターンでは、時点C1から開始される通常モード中に大当り2Rに当選し(時点C2)、可変表示器Hでは、チャンス目が確定表示される(図6(b))。続いて、時点C2の当選時に時短状態が付与されていないので、時点C3の大当り2Rの大当り遊技の終了後は、特別モード(秘匿状態)のみが開始される。時点C3から開始される図柄変動ゲームの可変表示器Hでは、特別モードによる表示演出が行われる(図6(c))。時点C3から開始される特別モード中に大当り15Rに当選し(時点C4)、当該大当り15Rの大当り遊技が行われる。なお、特別モード中に大当り2Rに当選し、チャンス目が表示される場合、図6(d)に示すように、夜中の背景によりチャンス目が確定表示される。このような場合、一旦、特別モードは終了されるものの再度特別モードに突入することにより、遊技者に特別モードが継続しているという演出を行っている。
本実施形態では、図5(a)のパターンのように、大当り15Rに当選し、当該大当り15Rが確変大当りか否かに拘わらず、大当り15R終了後の時短状態中に大当り2Rに当選することで、時短状態が付与されるとともに、特別モードが同時に開始される。このため、図5(a)に示す特別モードでは、時短状態中に大当り2Rに当選することで、一旦、時短状態が終了されるが再度、時短状態が付与される。また、大当り2Rの大当り遊技で遊技者は、賞球を獲得するのが困難であるものの、時短状態が付与されることにより、遊技球の減少を抑えつつ大当りを獲得(大当りに当選)するチャンスが付与されることとなる。
また、図5(b)のパターンのように、大当り15R終了後の時短状態が終了後に大当り2Rに当選した場合、特別モードのみが開始される。このような場合、遊技者には、時短状態が付与されないものの、特別モード(秘匿状態の報知)により確変状態の付与に期待を持つことができる。
図5(a)、(b)のように時短状態中に大当り2Rに当選するか否かによって、大当り2Rの終了後の遊技状態に変化を与えることができる。すなわち、大当り2Rの当選に対して、バリエーションを持たせている。また、確変状態中の時短状態中に非確変大当り2Rに当選した場合であっても、時短状態を付与することにより、次の大当りへ遊技者の期待を繋がせることができる。すなわち、すべての大当り2Rの終了後に時短状態を付与しない仕様のパチンコ機に比較して、大当り2Rの当選に対する期待感が損なわれることが抑制される。
また、図5(c)のように、時短状態でない特別モードであっても、当該特別モード中に大当り15Rに当選することによって、遊技者に確変状態であったことへの期待を持たせるとともに、遊技者の遊技への意欲を向上させている。すなわち、時短状態が付与されていない状態で大当り2Rに当選し、当該大当り2Rの終了後に時短状態が付与されない場合であっても、遊技者の遊技への意欲の低下が抑制される。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)大当り2Rに当選した場合、その当選時の遊技状態(時短状態中であるか否か)に応じて時短状態を付与するか否か(開閉羽根21の開閉制御及び開放時間の延長を実行するか否か)が決定されるようにした。また、大当り2Rの終了後に、確変状態が付与されたか否か(大当りが確変大当りであるか否か)を秘匿し、確変状態が秘匿状態にあることを報知する特別モードが実行されるようにした。このため、大当り2Rの当選時、時短状態中ならば特別モードに突入するとともに、時短状態にも同時に突入(継続して時短状態が付与)される。すなわち、大当り2Rの終了後、時短状態を強制的に終了させることなく確変状態であるか否か(現在の遊技状態が確変状態であるか否か)を秘匿することができる。したがって、確変状態を秘匿する場合において、時短状態中に大当り2Rに当選する場合であっても、時短状態が終了されることによる不利益を遊技者に与えないようにすることができる。
(2)また、大当り2Rの終了後、特別モードに突入することで遊技者には、時短状態が付与されるか否かによるゲーム性のバリエーションだけでなく、時短状態が付与されない場合であっても確変状態の付与に期待を持たせるゲーム性も持たせることができる。したがって、大当り2Rの終了後、遊技者の遊技に対する継続意欲を向上させることができる。
(3)また、大当り2Rに当選し、当該大当り2Rの終了後に実行される特別モード中に大当り15R又は大当り2Rに当選した場合、仮に確変状態が付与されておらず該当選が偶然であっても、遊技者に確変状態が付与されていたかもしれないと思わせることができる。すなわち、特別モードに突入することと、大当りが連チャンすることを関連付けることができる。したがって、時短状態が付与されているか否かに拘わらず、特別モードへの突入が大当りに繋がるという新しいゲーム性をさらに付加し、特別モード中の遊技者の遊技に対する継続意欲をさらに向上させることができる。
(4)大当り15Rが付与される場合と、大当り2Rが付与される場合とで異なる大当り表示結果(特図による図柄及び飾図による図柄組み合わせ)が表示されるようにした。このため、大当り15Rに当選したのか大当り2Rに当選したのかを遊技者に認識させることができる。すなわち、異種の2種類の大当り(大当り15R及び大当り2R)があるということを遊技者に認識させることができる。
(5)大当り15Rでは大入賞口扉23を1回の大入賞口24の開放(1回のラウンド遊技)で最大25秒の開放制御を行い、大当り2Rでは大入賞口扉23を大当り15Rと比べて短い0.3秒である遊技球の入賞が困難な時間で開放制御するようにした。このため、大当り15Rでは、遊技者に大入賞口24への遊技球を入賞させることによる賞球を獲得させる一方、大当り2Rでは、遊技者に大入賞口24への遊技球の入賞によって賞球を獲得させることを困難にすることができる。したがって、大当り15Rと大当り2Rとの役割を異ならせ、大当り2Rは、特別モード(確変状態の秘匿状態)の突入契機と位置付けすることができる。
(6)大当り2Rに当選し、当該大当り2Rが付与される場合の図柄変動ゲームの最終的な表示結果(飾図ゲームの確定表示)は、飾図による大当りの図柄組み合わせとは異なる図柄組み合わせ(チャンス目)となるようにした。このため、図柄変動ゲームの最終的な表示結果(飾図ゲームの確定表示)として飾図による大当りの図柄組み合わせとは異なる図柄組み合わせ(チャンス目)が確定表示される場合、特別モードに突入させることができる。すなわち、遊技者側から見る場合においては、はずれの図柄組み合わせから一遍して確変状態が付与されているかもしれない期待を遊技者に持たせることができる。また、大当り2Rに当選した場合、遊技者側から見たときには、はずれの図柄組み合わせが確定表示されるため、遊技者に大当り2Rに当選していることを気付かせ難くすることができる。したがって、大当り2Rへの当選契機を遊技者に認識し得なくし、確変状態が突然付与されることへの突然性を遊技者に与えることにより、突然確変状態に突入するというゲーム性をより強調することができる。
(7)図柄変動ゲームの最終的な表示結果がはずれの図柄組み合わせとなる場合と、大当り2Rとなる場合との変動パターン(はずれ演出用の変動パターン及び変動パターンP2)を同じとした。このため、大当りに繋がらない(図柄変動ゲームの最終的な表示結果がはずれの図柄組み合わせとなる)変動パターン(演出内容)の図柄変動ゲームの終了後、特別モードに突入させることができる。すなわち、見た目上にはずれの図柄組み合わせとなる図柄変動ゲーム(はずれ演出用の変動パターンと同じ演出内容)から特別モードに突入させることで遊技者の意表を付く演出を行うことができる。したがって、意表を付く演出により遊技の興趣を向上することができる。
(8)また、遊技者には、図柄変動ゲームの変動パターンの種類(変動パターンP1,P2及びはずれ演出用の変動パターン)に拘わらず、常にチャンス(大当り及び特別モードへの突入(確変状態付与のチャンス))を与えることができる。したがって、図柄変動ゲームにおいては、当該ゲーム毎に複数のチャンスを持たせることができ、遊技者に期待を持たせる場面を複数作ることができる。
(9)特別モードと時短状態が同時に付与される場合、予め定めた回数(本実施形態では100回)の図柄変動ゲームが経過するまで当該時短状態を継続させ、遊技者に所定の回数の間は遊技者に当該時短状態を楽しませつつ、確変状態であることへの期待を抱かせることができる。また、時短状態が付与されない場合には、いつ特別モードが終了してしまうのかに遊技者の関心を惹き付けるとともに、確変状態であることへの期待を抱かせることができる。すなわち、時短状態が付与されているか否かに拘わらず、特別モードでの遊技者の遊技への継続意欲を向上させることができる。
(10)大入賞口扉23は、大当り2Rの1回のラウンド遊技では、0.3秒間のみ開制御(大入賞口24が開放)される。このため、大当り2Rでは、遊技者に当該大当り2Rで賞球が与えられ難い。すなわち、賞球の払い出しにより大当り2Rに当選したか否かを遊技者に認識させ難い。また、大入賞口扉23の開制御される時間(大入賞口24が開放される時間)は、大当り15Rに比べて極端に短いため、遊技者に大入賞口扉23が開制御されていることを気付かせ難くすることができる。したがって、大当り2Rの当選時、遊技者に当該大当り2Rが行われていること自体を気付かせ難くし、特別モードの突然性を強調することができる。
(11)時短状態が付与されない特別モードでは、継続抽選の抽選に落選することを契機に、特別モードを終了させるようにした。また、遊技状態が内部的に確変状態である場合、特別モードが終了されても、確変状態は継続して秘匿されるようにした。このため、特別モードが開始されて間もなく継続抽選の抽選で落選となり特別モードが終了した場合にも、内部的に確変状態であれば当該確変状態の秘匿状態は継続される。すなわち、継続抽選の落選により特別モードが終了されても引き続き遊技者に確変状態への期待を持たせることができる。
なお、前記実施形態は、以下のように変更しても良い。
・実施形態において、大当り2Rに当選し当該大当り2Rが付与される場合、飾図ゲームの表示結果として飾図による大当りの図柄組み合わせを確定表示させるようにしても良い。また、大当り15Rと大当り2Rが付与される場合、飾図ゲームの表示結果として同じ飾図による大当りの図柄組み合わせとなるようにしても良い。この構成によれば、飾図による大当りの図柄組み合わせが確定表示される場合、どちらの大当りが付与されるのかに遊技者の関心を惹き付けることができ、遊技の興趣を向上することができる。
・実施形態において、特別モードは、当該特別モードによる図柄変動ゲームが開始されてから予め定めた回数(例えば、100回)の図柄変動ゲームが経過する、又は大当りに当選することで終了させるようにしても良い。また、毎回の図柄変動ゲームで継続抽選を行うようにしても良い。この場合、時短状態が付与されている特別モードにおいて、継続抽選に落選した場合、特別モードは終了されるが時短状態は継続的に付与するようにする。
・実施形態において、特別モードの終了時、確変状態であるか否かの秘匿状態を解除し、確変状態であるか否かを報知するようにしても良い。こうすることで、特別モードに突入した場合、特別モードの終了時まで遊技者の遊技の継続意欲を高めることができる。すなわち、特別モードの終了まで遊技を積極的に遊技者に継続させることができる。
・実施形態において、大当り15Rの終了後も確変状態を付与するか否かを秘匿するようにしても良い。そして、大当り15Rに当選した場合も、特別モードに突入するようにしても良い。なお、大当り15Rの終了後には、時短状態が必ず付与されるようにする。
・実施形態において、大当り2Rが付与される場合、チャンス目として飾図にチャンス目専用の図柄を設け、当該図柄に基づく飾図による図柄組み合わせ(専用の図柄が3つ表示される)を特別モードの突入契機としても良い。こうすることで、図柄変動ゲーム中にチャンス目専用の図柄が飾り図柄表示領域H2に表示されることで、遊技者に大当り2R(特別モード突入)へ期待を持たせることができる。
・実施形態において、大当り2Rが付与される場合、チャンス目としては、複数の飾図によるはずれの図柄組み合わせを対応させても良い。こうすることで、大当り2Rの当選を遊技者に気付き難くすることができる。また、複数種類の飾図によるはずれの図柄組み合わせから特別モードに突入させることで、はずれに繋がる図柄変動ゲームにおいても、遊技者に期待を持たせることができる。また、チャンス目毎に大当り2Rへの期待度(大当り2Rが大当り抽選で決定されている度合い)を変化させるようにしても良い。例えば、飾図による図柄組み合わせとして[123]が確定表示される場合には、大当り2R(特別モードに突入)であることが確定するようにしても良い。
・実施形態において、はずれ演出用の変動パターンと、変動パターンP2は異なっていても良い。図柄変動ゲームの表示結果がチャンス目となる場合、チャンス目を導出するための専用の演出を設けるようにしても良い。こうすることで、遊技者に今回の前記ゲーム後に確変状態が付与されるかもしれないと、当該ゲーム中から期待を持たせることができる。
・実施形態において、特別モードの突入及び特別モード中の演出を装飾ランプ16による音声演出、又はスピーカ17による音声演出によって実行しても良い。また、可変表示器Hと、装飾ランプ16、スピーカ17の複数を組み合わせて特別モードの突入及び特別モード中の演出を実行させても良い。
・実施形態において、大当り2Rで大入賞口24を開放する開放時間は、例えば、0.1秒などに変更しても良い。前記開放時間をより短くすることで、遊技者に大当り2Rの開始を気付かせ難くすることができ、秘匿状態(特別モード)の突入の突然性をより強調することができる。
・実施形態において、各特図の判定値を大当り判定用乱数に予め対応させても良い。大当り判定によって、特図の種類(大当りの種類、確変大当りか非確変大当り)を決定するようにしても良い。また、特図とは別に確変状態を付与するか否かを、確変抽選用乱数を用いて決定するようにしても良い。その決定結果に基づき、特図の種類([0]〜[3])を決定するようにしても良い。
・実施形態において、統括制御基板31は設けなくても良い。主制御基板30のメインCPU30a、又は表示制御基板32のサブCPU32aが、特図による図柄の決定とともに、飾図による図柄組み合わせの決定をするようにしても良い。また、メインCPU30aが、特別モードの開始及び終了を指示する報知演出制御を実行するようにしても良い。
・実施形態において、第1の大当り遊技の規定ラウンド数は、例えば、7回、8回などに変更しても良い。また、例えば、第1の大当り遊技の規定ラウンド数を7回、第2の大当り遊技の規定ラウンド数を2回としても良い。また、第2の大当り遊技の規定ラウンド数は、例えば、1回や3回以上などに変更しても良い。
・実施形態において、時短状態の継続回数は、例えば、50回などに変更しても良い。また、大当り15Rでは、非確変大当りの場合に時短状態を付与しないようにしても良い。すなわち、大当り15Rでは、確変大当りの場合にのみ時短状態が付与されることとなる。
・実施形態において、作動率向上状態としての時短状態では、1回の普通図柄変動ゲームの結果による開閉羽根21の開閉時間を延長しても良いし、1回の普通図柄変動ゲームの結果による開閉羽根21の開閉する回数を増加させるようにしても良い。また、少なくとも開閉羽根21の開放時間延長、又は開閉羽根21の開放回数増加、又は普通図柄変動ゲームの変動時間を短縮するのいずれか1つの機能を持っていれば良い。
次に、前記実施形態及び別例から把握される技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記図柄変動ゲームの表示結果は、複数列の図柄による組み合わせで構成され、前記第1の大当り表示結果は、全列の図柄が同一種類の図柄となる組み合わせであって、前記第2の大当り表示結果は、全列の図柄が同一種類の図柄とは異なる図柄の組み合わせである。
(ロ)前記第2の大当り表示結果が表示される図柄変動ゲームは、前記第1の大当り表示結果とは異なり、かつ特定列の図柄が同一種類の図柄となるリーチの組み合わせでないはずれの組み合わせとなる図柄変動ゲームと同一演出内容で行われる。
(ハ)前記状態制御手段は、前記第2の大当り遊技終了後に前記作動率向上状態を付与する場合、予め定めた回数の図柄変動ゲームが終了する迄の前記作動率向上状態を付与し、前記作動率向上状態を付与した場合には当該作動率向上状態の終了とともに前記報知演出を終了させる一方で、前記作動率向上状態を付与していない場合には前記報知演出を継続するか否かの継続抽選を行い、当該継続抽選に当選しなかったことを契機に前記報知演出を終了させる。
(ニ)複数種類の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームを表示する表示手段と、遊技球が入賞し易い第1の状態と前記遊技球が入賞し難い第2の状態とに変移可能であって、前記遊技球の入賞を契機に前記図柄変動ゲームの始動条件を付与する始動入賞手段と、前記始動入賞手段への前記遊技球の入賞を契機に大当りか否かを抽選する大当り抽選を行い、当該大当り抽選に当選した場合には大当り遊技終了後に大当りの当選確率を低確率から高確率に向上させる確率変動状態を付与するか否かを抽選する確変抽選を行う抽選手段と、大当り遊技中に開放する入賞手段とを備え、前記大当り抽選に当選した場合には前記図柄変動ゲームの表示結果として前記大当り遊技の発生を示唆する大当り表示結果が表示され、その後に前記入賞手段を開放する大当り遊技が行われ、前記確変抽選に当選した場合には前記大当り遊技終了後に前記確率変動状態が付与される遊技機において、前記大当り遊技は、第1の大当り遊技と当該第1の大当り遊技よりも前記入賞手段の最大開放回数を少なく設定した第2の大当り遊技とからなり、前記抽選手段は、前記大当り抽選に当選した場合において前記大当り遊技を前記第1の大当り遊技とするか又は前記第2の大当り遊技とするかを抽選で決定するとともに、何れの大当り遊技を決定した場合でも前記確変抽選を実行し、前記抽選手段が前記第1の大当り遊技を決定した場合には第1の状態制御を実行し、前記抽選手段が前記第2の大当り遊技を決定した場合には第2の状態制御を実行する状態制御手段を備え、前記状態制御手段は、前記第1の状態制御において、前記入賞手段の開放制御と、少なくとも前記第1の大当り遊技終了後に前記確率変動状態が付与される場合に前記始動入賞手段が前記第1の状態に作動する作動率を向上させる作動率向上状態を付与する作動制御とを実行し、前記第2の状態制御において、前記入賞手段の開放制御と、前記第2の大当り遊技終了後に前記確変抽選の抽選結果を秘匿し、当該抽選結果が秘匿状態にあることを遊技者に報知する報知演出を実行させる報知演出制御を実行し、前記作動率向上状態中に前記抽選手段が前記第2の大当り遊技を決定した場合には前記第2の大当り遊技終了後も前記作動制御を実行する一方で、前記作動率向上状態が付与されていない場合に前記抽選手段が前記第2の大当り遊技を決定したときには前記作動制御を非実行とすることを特徴とする遊技機。
(ホ)前記図柄変動ゲームでは、前記第1の大当り遊技が付与される場合と前記第2の大当り遊技が付与される場合とで異なる大当り表示結果が表示されることを特徴とする技術的思想(ニ)に記載の遊技機。
(ヘ)前記入賞手段は、前記第2の状態制御における前記開放制御において、前記第1の状態制御における前記開放制御に比して1回の開放時間が短くなるように制御され、当該開放時間は、遊技球の入賞が困難な時間に設定されていることを特徴とする技術的思想(ニ)又は(ホ)に記載の遊技機。