以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下「パチンコ機」と示す)に具体化した一実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を保護するための保護ガラスが装着されるガラス枠を備えた前枠14と、上球皿15がそれぞれ横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14の前面側及び遊技盤13の遊技領域13aには、発光体(LED、ランプなど)の発光(点灯(点滅))により、発光演出を実行する演出実行手段としての装飾ランプ16が設けられている。外枠11の下部には、各種音声を出力し、音声出力に基づく遊技演出を行う演出実行手段としてのスピーカ17が配置されている。中枠12の下部には、下球皿18及び発射ハンドル19が装着されている。そして、遊技者が発射ハンドル19を操作して、該発射ハンドル19を駆動させることにより、上球皿15内の遊技球が遊技盤13の遊技領域13aへ発射されるようになっている。
遊技盤13の遊技領域13aの略中央には、7セグメント型の特図表示器H1と、液晶ディスプレイ型の画像式の表示装置としての可変表示器H2を備えたセンター役物20が配設されている。図2に示すように、特図表示器H1はセンター役物20の上部に設けられているとともに、可変表示器H2はセンター役物20の中央に設けられている。各表示器H1,H2では、変動画像(又は画像表示)に基づく表示演出が行われるとともに、該表示演出に関連して複数種類の図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。そして、図柄変動ゲームにおいて特図表示器H1では、複数種類の特別図柄(以下、「特図」と示す)を2列で変動させて特図を表示する。一方、図柄変動ゲームにおいて可変表示器H2では、複数種類の飾り図柄(以下、「飾図」と示す)を複数列(本実施形態では3列)で変動させて各列に飾図を表示する。なお、特図表示器H1と可変表示器H2は、図柄変動ゲームの開始により同時に図柄の変動表示が開始し、該ゲームの終了により同時に図柄が停止表示される。「変動表示」とは、図柄を表示する表示器に定める表示領域内において表示される図柄の種類が変化している状態であり、「停止表示」とは、前記表示領域内において図柄が停止している状態である。なお、特図は、大当りか否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄である。飾図は、表示演出を多様化するために用いられる演出用の図柄である。
本実施形態において特図表示器H1には、[00]〜[99]までの100種類の数字の図柄と、[−−]の図柄が特図として表示されるようになっている。特図表示器H1に最終的に表示(確定表示)された図柄が[00]〜[99]の数字の場合、その図柄から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄が、特図による大当りの図柄となる。一方、特図表示器H1に確定表示された図柄が[−−]の場合、その図柄からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄が、特図によるはずれの図柄となる。
本実施形態の可変表示器Hには、図2に示すように9つの図柄表示位置P1〜P9が定められているとともに、図3に示すように第1図柄列R1と、第2図柄列R2と、第3図柄列R3の3つの図柄列が変動表示されるようになっている。これら9つの図柄表示位置P1〜P9は、縦方向に上段、中段、下段となるよう3行に配置されているとともに、横方向に右、中、左となるよう3列に配置されている。そして、遊技者側から見て最も左に位置する第1列用上図柄表示位置P1と、第1列用中図柄表示位置P2と、第1列用下図柄表示位置P3は、第1図柄列R1に対応する図柄表示位置とされ、第1図柄列R1の図柄配列において連続する3個の図柄が表示されるようになっている。また、遊技者側から見て中央に位置する第2列用上図柄表示位置P4と、第2列用中図柄表示位置P5と、第2列用下図柄表示位置P6は、第2図柄列R2に対応する図柄表示位置とされ、第2図柄列R2の図柄配列において連続する3個の図柄が表示されるようになっている。また、遊技者側から見て最も右に位置する第3列用上図柄表示位置P7と、第3列用中図柄表示位置P8と、第3列用下図柄表示位置P9は、第3図柄列R3に対応する図柄表示位置とされ、第3図柄列R3の図柄配列において連続する3個の図柄が表示されるようになっている。この構成により、本実施形態の可変表示器H2では、左列となる第1図柄列R1の右隣に中列となる第2図柄列R2が配置されるとともに、該第2図柄列R2の右隣に右列となる第3図柄列R3が配置され、これらの各図柄列R1〜R3が縦方向にスクロール変動されるようになっている。
そして、可変表示器H2では、第1列用中図柄表示位置P2、第2列用中図柄表示位置P5、及び第3列用中図柄表示位置P8に表示された3つの図柄の図柄組み合わせが有効とされ、これら3つの図柄表示位置P2,P5,P8によって図柄組み合わせが有効となる有効ラインL1が形成される。また、可変表示器H2では、第1列用上図柄表示位置P1、第2列用上図柄表示位置P4、及び第3列用上図柄表示位置P7に表示された3つの図柄の図柄組み合わせが有効とされ、これら3つの図柄表示位置P1,P4,P7によって図柄組み合わせが有効となる有効ラインL2が形成される。また、可変表示器H2では、第1列用下図柄表示位置P3、第2列用下図柄表示位置P6、及び第3列用下図柄表示位置P9に表示された3つの図柄の図柄組み合わせが有効とされ、これら3つの図柄表示位置P3,P6,P9によって図柄組み合わせが有効となる有効ラインL3が形成される。
また、可変表示器H2では、第1列用下図柄表示位置P3、第2列用中図柄表示位置P5、及び第3列用上図柄表示位置P7に表示された3つの図柄の図柄組み合わせが有効とされ、これら3つの図柄表示位置P3,P5,P7によって図柄組み合わせが有効となる有効ラインL4が形成される。また、可変表示器H2では、第1列用上図柄表示位置P1、第2列用中図柄表示位置P5、及び第3列用下図柄表示位置P9に表示された3つの図柄の図柄組み合わせが有効とされ、これら3つの図柄表示位置P1,P5,P9によって図柄組み合わせが有効となる有効ラインL5が形成される。
有効ラインL1は可変表示器H2の中段において横方向へ直線的に延びるよう形成されるとともに、有効ラインL2は可変表示器H2の上段において横方向へ直線的に延びるよう形成され、さらに有効ラインL3は可変表示器H2の下段において横方向へ直線的に延びるよう形成される。また、有効ラインL4は可変表示器H2の右上がりの斜め方向(又は左下がりの斜め方向)へ直線的に延びるよう形成されるとともに、有効ラインL5は可変表示器H2の左上がりの斜め方向(又は右下がりの斜め方向)へ直線的に延びるよう形成される。この構成により、本実施形態のパチンコ機10は、5つの有効ラインL1〜L5を形成し得る可変表示器Hを備えた5ライン機とされている。
そして、本実施形態において、左列→右列→中列の順に図柄を表示させた場合、可変表示器H2には、次のようなリーチ状態を表示することが可能である。前記有効ラインL1〜L3上には、同時にリーチ状態が表示されることなく、有効ラインL1、有効ラインL2又は有効ラインL3のうち何れか1本の有効ライン上に1つのリーチ状態(シングルリーチ)が表示可能とされている。また、有効ラインL4及び有効ラインL5上には、同時にリーチ状態を表示可能であって、2本の有効ラインL4,L5上に2つのリーチ状態(ダブルリーチ)が表示可能とされている。
次に、第1〜第3図柄列R1〜R3で表示可能な図柄の種類を説明する。
第1図柄列R1は、色彩の異なる3種類の「7」の数字図柄(図柄7A、図柄7B、図柄7C)と、3種類のキャラクタを模した4個(2個のキャラクタ図柄CA、1個のキャラクタ図柄CB、1個のキャラクタ図柄CC)のキャラクタ図柄と、7個のブランク図柄(図3では「○(丸印)」で示す)を表示可能とされている。前記ブランク図柄を含んで構成される図柄組み合わせは、はずれとなる。また、第2図柄列R2には、色彩の異なる3種類の「7」の数字図柄と、3種類のキャラクタを模した3個(1個のキャラクタ図柄CA、1個のキャラクタ図柄CB、1個のキャラクタ図柄CC)を模したキャラクタ図柄と、示唆図柄VSと、7個のブランク図柄(図3では「○(丸印)」で示す)で構成している。「7」の数字図柄、各キャラクタ図柄、及びブランク図柄は、第1図柄列R1で表示可能な図柄と同一図柄である。示唆図柄VSは、「VS」の文字を模してた図柄である。
また、第3図柄列R3は、色彩の異なる3種類の「7」の数字図柄と、3種類のキャラクタ(1個のキャラクタ図柄CA、1個のキャラクタ図柄CB、1個のキャラクタ図柄CC)を模した3個のキャラクタ図柄と、各キャラクタ図柄CA〜CCの輪郭のみを描写した(中は斜線となっている)シルエット図柄SLと、7個のブランク図柄(図3では「○(丸印)」で示す)で構成している。「7」の数字図柄、各キャラクタ図柄、及びブランク図柄は、第1,第2図柄列R1,R2で表示可能な図柄と同一図柄である。シルエット図柄SLは、輪郭のみを描写し、模様(キャラクタ)が描写されておらず、輪郭の中に所定の条件の成立時に輪郭に対応するキャラクタが描写されるようになっている。そして、シルエット図柄SLには、キャラクタ図柄CAを模したシルエット図柄SLと、キャラクタ図柄CBを模したシルエット図柄SLと、キャラクタ図柄CCを模したシルエット図柄SLのいずれかが表示されるようになっている。
また、各図柄列R1〜R3では、可変表示器H2において変動表示される場合の図柄の表示順序が、図3に示すように予め定められている。なお、図3において、各図柄に併記した「07H」や「0CH」などの符号は、図柄の種類を特定するための図柄番号を示し、説明の便宜上、図3の各図柄に併記しており、これらの図柄番号は実機においては併記されていない。そして、第1図柄列R1では、図柄番号「07H」のキャラクタ図柄CAを変動表示の開始位置とした場合、該キャラクタ図柄CA(07H)→ブランク図柄(06H)→「7」の数字図柄(05H)→・・・、という表示順序で変動表示される。また、第2図柄列R2では、図柄番号「0DH」の示唆図柄VSを変動表示の開始位置とした場合、該示唆図柄VS(0DH)→ブランク図柄(0CH)→キャラクタ図柄CB(0BH)→・・・、という表示順序で変動表示される。さらに、第3図柄列R3では、図柄番号「01H」のシルエット図柄SLを変動表示の開始位置としら場合、該シルエット図柄SL(01H)→ブランク図柄(00H)→数字図柄7A(0DH)→・・・、という表示順序で変動表示される。なお、各列の変動表示は、各14個の図柄が表示順序にしたがって繰り返し表示されるように行われる。また、各図柄列R1〜R3では、キャラクタ図柄と数字図柄の間、及びキャラクタ図柄の間に1つのブランク図柄が配置されている。
そして、図柄変動ゲームが開始すると可変表示器H2では、各図柄列R1〜R3の図柄は、図3で矢示する方向に変動表示されるようになっている。そして、本実施形態では、第1図柄列R1→第3図柄列R3→第2図柄列R2の順に変動表示が停止し、各列毎に3つの連続する図柄を一旦停止表示させるようになっている。
従って、遊技者は、可変表示器H2に定められた有効ラインL1〜L5上に確定的に停止表示(確定停止表示)された図柄組み合わせから大当り状態、リーチ状態又ははずれ状態の何れかを認識することができる。例えば、1本の有効ライン上に確定停止表示された全列の図柄が同一図柄である場合には、その図柄組み合わせから大当り状態を認識することができる。この大当り状態を認識できる図柄組み合わせが大当り表示結果となる。大当りの表示結果が確定的に停止表示されると、遊技者には、図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。また、1本の有効ライン上に確定停止表示された特定列の図柄(第1図柄列R1と第3図柄列R3の2列)が同一種類である場合には、その図柄組み合わせからリーチ状態を認識することができる。また、1本の有効ライン上に確定停止表示された全列の図柄が、同一の図柄でない場合又はブランク図柄を含む場合には、その図柄組み合わせからはずれ状態を認識することができる。このはずれ状態を認識できる図柄組み合わせがはずれ表示結果となる。
また、本実施形態では、大当りの図柄組み合わせとは異なり、1本の有効ライン上に、第1図柄列R1の図柄としてキャラクタ図柄CA、第2図柄列R2の図柄として示唆図柄VS、第3図柄列R3の図柄としてシルエット図柄SLとなる飾図による図柄組み合わせがチャンス目となる。チャンス目とは、当該図柄組み合わせが確定停止表示された後、大当り遊技が付与されるかもしれない期待を遊技者に抱かせることができる図柄組み合わせであり、はずれから一遍して大当りへと繋がるかもしれない図柄組み合わせである。
また、リーチは、飾り図柄による組み合わせで形成され、特別図柄にはリーチを示す図柄の設定はされていない。このため、可変表示器H2でリーチが形成される場合であっても特図表示器H1では図柄の変動が継続される。また、特別図柄と飾り図柄を用いるパチンコ機10では、内部抽選の結果である大当りか否かは特別図柄によって定められており、その結果を演出用の飾り図柄で導出して遊技者に認識させるようにしている。
また、センター役物20の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根21を備えた始動入賞口(始動入賞手段)22が配設されている。始動入賞口22の奥方には、入賞した遊技球を検知する始動口センサSE1(図4に示す)が設けられている。始動入賞口22は、遊技球の入賞検知を契機に、図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。また、始動入賞口22の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉23aを備えた大入賞口23が配設されている。そして、大当り遊技が付与されると、大入賞口扉23aの開動作によって大入賞口23が開放されて遊技球が入球可能となるため、遊技者は、多数の賞球が獲得できるチャンスを得ることができる。
大当り遊技は、大当りとなる図柄変動ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口23が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では15ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口23が開放されてから閉鎖されるまでである。そして、1回のラウンド遊技中に大入賞口23は、規定入賞個数(本実施形態では10個)の遊技球が入賞するまでの間、又は規定時間(本実施形態では25秒)が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、規定ラウンド数に定める15回目のラウンド遊技の終了時、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。
また、始動入賞口22の左方には作動ゲート25が配設されている。作動ゲート25の奥方には、作動ゲート25を通過した遊技球を検知するゲートセンサSE2(図4に示す)が設けられている。作動ゲート25は、遊技球の通過を契機に、普通図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。普通図柄変動ゲームは、始動入賞口22の開閉羽根21を開動作させるか否か(始動入賞口22に遊技球を入賞し易くするか否か)の抽選結果を導出するために行われる演出である。始動入賞口22は開閉羽根21が開動作すると、入口が拡大されて遊技球が入賞し易い状態とされる。一方、始動入賞口22は開閉羽根21が閉動作していると、入口が拡大されていない遊技球が入賞し難い状態とされる。そして、開閉羽根21は、開動作及び閉動作を繰り返すことで、始動入賞口22に遊技球が入賞し易い状態と、遊技球が入賞し難い状態とを変移可能にしている。普通図柄変動ゲームは、図柄変動ゲームに用いる図柄とは別の図柄を可変表示器H2に表示させて行われたり、普通図柄変動ゲーム用の表示器により行われたりする。
また、本実施形態のパチンコ機10は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)が低確率(通常状態)である通常確率から高確率に変動する確変状態を付与する機能である。また、確変状態が付与されると、開閉羽根21を開動作させるか否かの抽選結果を導出する普通図柄変動ゲームの変動時間が短縮されるとともに、作動ゲート25の通過に基づく普通図柄変動ゲームの抽選確率(当り当選確率)が低確率である通常確率から高確率に変動する入球率向上状態が特典として付与されるようなっている。入球率向上状態において、始動入賞口22の開閉羽根21は、確変状態が付与されている場合と、通常状態(入球率向上状態が付与されていない状態)が付与されている場合とでは、普通図柄変動ゲームにおいて当選した際、異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。通常状態時に普通図柄変動ゲームに当選する場合には、開閉羽根21が1回開放し、開放してから100ms経過するまで開放状態を維持するようになっている。また、確変状態時に普通図柄変動ゲームに当選する場合には、開閉羽根21が開放する回数が増加(例えば、3回)するとともに、1回の開放において開放してから1400ms(通常状態に比較して長い時間)が経過するまで開放状態を維持するようになっている。すなわち、開閉羽根21は、確変状態が付与されている場合、通常状態が付与されている状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
また、確変状態は、予め定めた回数(本実施形態では10000回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。すなわち、確変状態は、予め定めた回数に相当する図柄変動ゲームの終了時迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される図柄変動ゲームの終了時迄の間、付与される。本実施形態では、確変状態を予め定めた回数として10000回を定めているため、実質的に次回の大当りが生起される迄の間付与されることと同等となっている。
また、本実施形態のパチンコ機10は、変動時間短縮(以下、「時短」と示す)機能を備えている。時短機能は、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)を低確率(通常状態)として、入球率向上状態を特典として付与する機能である。また、時短状態が付与されると、大当りの抽選確率は低確率であるが、入球率向上状態が特典として付与されるようになっている。すなわち、開閉羽根21は、時短状態が付与されている場合、通常状態が付与されている状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。
また、時短状態は、予め定めた回数(本実施形態では100回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。すなわち、時短状態は、予め定めた回数に相当する図柄変動ゲームの終了時迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される図柄変動ゲームの終了時迄の間、付与される。
本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態を付与する(抽選確率が高確率である状態が付与される)大当りが確変大当りとなり、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない(抽選確率が低確率である非確変状態が付与される)大当りが非確変大当りとなる。
以下、主制御基板27、統括制御基板28及び表示制御基板29について、その具体的な構成を図4に基づき説明する。
前記主制御基板27には、メインCPU27aが備えられている。該メインCPU27aには、ROM27b及びRAM27cが接続されている。また、メインCPU27aには、始動入賞口22に入賞した遊技球を検知する始動口センサSE1が接続されている。また、メインCPU27aには、作動ゲート25を通過した遊技球を検知するゲートセンサSE2が接続されている。また、メインCPU27aには、特図表示器H1が接続されている。また、メインCPU27aは、大当り判定用乱数、特図振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値をRAM27cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
また、ROM27bには、パチンコ機10全体を制御するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、ROM27bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特図及び飾図)が変動を開始(図柄変動ゲームが開始)してから図柄が確定的に停止表示(図柄変動ゲームが終了)される迄の間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。変動パターンには、該変動パターン毎に、図柄組み合わせゲームの開始から終了迄の変動時間(演出時間)が定められている。また、変動パターンには、図柄組み合わせゲームの演出内容が対応付けられており、該変動パターンにより図柄組み合わせゲームの演出内容が特定されることになる。なお、本実施形態では、リーチ演出を伴う変動パターンの演出内容としてシングルリーチを形成する演出であるか、又はダブルリーチを形成する演出であるかも特定し得るようになっている。本実施形態では、図柄変動ゲームの演出内容を特定することができる変動パターンが演出パターンとなる。
また、ROM27bには、確変大当り用と、非確変大当り用の各エンディング演出パターンが記憶されている。各エンディング演出パターンには、各大当り遊技のエンディング演出内容が定められている。このため、エンディング演出パターンにより、エンディング演出の演出内容が特定されることとなる。
また、ROM27bには、大当り決定時に大当り図柄となる特図の種類を決定する際に用いる特図判定値が記憶されている。特図判定値では、特図振分用乱数の取り得る数値が所定個数ずつ振分けられている。本実施形態では、内部抽選の大当り決定時に特図を決定することにより、大当り遊技終了後に確変状態を付与するか否かを決定している。そして、メインCPU27aは、大当りの決定時(大当り判定によって肯定となった場合)、特図振分用乱数と特図判定値とを比較して1つの特図による大当り図柄([00]〜[99]の中からいずれか)を決定する。一方、はずれの決定時(大当り判定において否定となった場合)、特図によるはずれの図柄([−−])を決定する。また、RAM27cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(各種乱数の値など)が記憶されるようになっている。
本実施形態では、[00]〜[99]の100種類の特図うち50種類の特図は、大当り遊技の終了後に確変状態が付与される確変大当りに対応する特図として定められている。一方、[00]〜[99]の100種類の特図のうち前記確変大当りの特図以外の50種類の特図は、大当り遊技の終了後に非確変状態が付与される非確変大当りに対応する特図として定められている。すなわち、大当りのうち大当り遊技終了後に確変状態が付与される確変大当りとなる確変割合は、2分の1(50/100)となるようになっている。
そして、特図判定値には、特図振分用乱数が確変割合を2分の1とするように振分けられている。また、100種類の特図は、各大当り(確変大当り、非確変大当り)に対応する各特図の並びからそのいずれの大当りに対応しているか遊技者が認識し得ないようになっている。したがって、遊技者が特図の表示態様から今回の大当りの種類を認識し得ない構成となっている。
本実施形態のROM27bに記憶される変動パターンには、該変動パターン毎に、図柄変動ゲームの開始から終了までの変動時間が定められている。また、本実施形態には、変動時間の異なる複数種類の変動パターンが設けられている。そして、変動パターンは、特図表示器H1で行われる特図による図柄変動ゲームと、可変表示器H2で行われる飾図による図柄変動ゲームの大当り演出、はずれリーチ演出及びはずれ演出からなる演出内容毎に分類されている。すなわち、変動パターンは、図柄変動ゲームの変動時間と演出内容が特定可能とされている。なお、特図及び飾図に基づく遊技演出の変動時間(演出時間)は同じである。そして、特図ゲームは、前記演出時間の経過時に特図が特図表示器H1に確定的に停止表示され、前記演出時間が経過するまでの間、変動している。また、飾図ゲームは、前記演出時間の経過時に飾図が可変表示器H2に確定的に停止表示され、前記演出時間が経過するまでの間、変動している。飾図ゲームにおいて、変動とは飾図が確定的に停止表示されるまでであり、一旦停止表示も変動中である。一旦停止表示とは、一度、各飾図が停止表示され、未だ確定停止表示されていない状態である。
本実施形態のパチンコ機10では、大きく分けて変動パターンとして大当り演出用の変動パターンと、はずれ演出用の変動パターンとが用意されている。はずれ演出用の変動パターンにはリーチ演出を伴う変動パターンと、リーチ演出を伴わない変動パターンとの両方が存在する。
また、本実施形態のパチンコ機10では、図柄変動ゲームにおいて、可変表示器H2でチャンス目を一旦停止表示させる内容を特定する特定の変動パターンが大当り演出用の変動パターンと、はずれ演出用の変動パターンにそれぞれ含まれている。すなわち、特定の変動パターンには、図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技へと繋がる大当り演出用の特定の変動パターンと、図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技へと繋がらないはずれ演出用の特定の変動パターンとがある。また、はずれ演出用の特定の変動パターンは、大当り判定ではずれを決定している場合において、リーチ演出を伴う変動パターンの中に含まれている。したがって、はずれ演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲームでは、リーチ状態を形成してリーチ演出を伴う場合と、チャンス目による図柄組み合わせを形成してリーチ演出を伴う場合とがあり、リーチ状態を形成しないとともにチャンス目による図柄組み合わせを形成しないリーチ演出を行わない場合とがある。
そして、特定の変動パターンでない大当り演出用の変動パターンでは、特図表示器H1及び可変表示器H2において、夫々に大当りを認識できる大当りの図柄及び大当りの図柄組み合わせが確定停止表示させるパターンとなっている。また、特定の変動パターンでないはずれ演出用の変動パターンでは、特図表示器H1及び可変表示器H2において、夫々にはずれを認識できるはずれの図柄及びはずれの図柄組み合わせが確定停止表示されるパターンとなっている。また、特定の変動パターンにおいて、大当り演出用の特定の変動パターンでは、特図表示器H1で大当りを認識できる大当りの図柄が最終的に表示されるようになっており、可変表示器H2で大当りを認識できない図柄組み合わせ、且つ、大当りの図柄組み合わせ及びリーチを形成する図柄組み合わせとは異なるチャンス目を一旦停止表示させた後、該チャンス目を確定停止表示させるパターンとなっている。また、特定の変動パターンにおいて、はずれ演出用の特定の変動パターンでは、特図表示器H1ではずれを認識できるはずれの図柄が最終的に表示されるようになっており、可変表示器H2で前記チャンス目を一旦停止表示させた後、該チャンス目を確定停止表示させるパターンとなっている。
そして、本実施形態のパチンコ機10では、メインCPU27aの大当りの決定時(内部的に大当りを決定時)、大当り演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンが選択されるようになっている。また、一方で、メインCPU27aのはずれの決定時(内部的にはずれを決定時)、はずれ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンが選択されるようになっている。
次に、図4に基づき統括制御基板28について説明する。
統括制御基板28には、統括CPU28aと、ROM28bと、RAM28cとが設けられている。また、ROM28bには、表示制御基板29、ランプ制御基板30及び音声制御基板31を統括的に制御するための統括制御プログラムなどが記憶されている。また、RAM28cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数の値など)が記憶(設定)されるようになっている。
次に、図4に基づき表示制御基板29について説明する。
表示制御基板29には、サブCPU29aと、ROM29bと、RAM29cとが設けられている。ROM29bには、可変表示器H2の表示内容を制御するための演出制御プログラムが記憶されている。また、ROM29bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、RAM29cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報(可変表示器H2で表示させている画像情報(背景画像の種類)など)が記憶(設定)されるようになっている。
本実施形態のROM29bには、可変表示器H2に画像表示させる背景画像として背景画像HBと、背景画像HCとが記憶されている。各背景画像HB,HCには、各キャラクタ図柄CB,CCと対応する内容の背景が画像表示されるようになっている。そして、背景画像HBでは、キャラクタ図柄CBに対応する「キャラクタCBステージ」を画像表示する内容が対応付けられている。また、背景画像HCでは、キャラクタ図柄CCに対応する「キャラクタCCステージ」を画像表示する内容が対応付けられている。そして、可変表示器H2に画像表示される背景画像の種類から、当該背景画像に対応するキャラクタがいずれのキャラクタであるか遊技者に認識させることができるようになっている。
また、本実施形態において、チャンス目を可変表示器H2に停止表示させる場合、第1図柄列R1にキャラクタ図柄CAが停止表示され、第2図柄列R2に示唆図柄VSが停止表示され、第3図柄列R3にシルエット図柄SLの3種類の図柄がいずれかの有効ライン上に停止表されてチャンス目が形成される。そして、チャンス目が形成される図柄変動ゲームの変動表示停止時(一旦停止表示時)、該チャンス目の一部として表示されるシルエット図柄SLに今回の図柄変動ゲームで可変表示器H2に画像表示されている各背景画像HB,HCに対応するキャラクタ図柄CB,CCの輪郭を模したシルエット図柄SLが表示されるようになっている。なお、変動中は、キャラクタ図柄CAの輪郭を模したシルエット図柄SLが変動表示されるようになっている。
すなわち、背景画像HBである場合には、シルエット図柄SLとしてキャラクタ図柄CBの輪郭を模した図柄が表示され、背景画像HCである場合には、シルエット図柄SLとしてキャラクタ図柄CCの輪郭を模した図柄が表示されるようになっている。そして、チャンス目のシルエット図柄SLとしていずれかのキャラクタ図柄CB,CCの輪郭を模した図柄が表示された状態では、図5(a)に示すように、キャラクタ図柄CAのキャラクタと、シルエット図柄SLのキャラクタ(図5(a)では、キャラクタ図柄CBに対応するキャラクタ)とが対決するということを表し、キャラクタ図柄CA、バーサス(唆唆図柄VS)、シルエット図柄SL(図5(a)ではキャラクタ図柄CB)という表示態様を形成することとなる。そして、本実施形態では、いずれかの有効ライン上の第1図柄列R1にキャラクタ図柄CA、第2図柄列R2に示唆図柄VS、第3図柄列R3にシルエット図柄SLからチャンス目が形成される。
本実施形態のパチンコ機10では、キャラクタ図柄CB,CCのいずれかの輪郭を模したシルエット図柄SLが表示され、チャンス目が形成されると、シルエット図柄SLが輪郭に示すキャラクタ図柄に変化し、形成されるチャンス目に表示されているキャラクタ(キャラクタ図柄CAと、シルエット図柄SLの輪郭に対応するキャラクタ)同士が対決するバトル演出(対決演出)が行われるようになっている。バトル演出では、例えば、キャラクタ図柄CAに対応する怪獣(キャラクタ)と、シルエット図柄SLに対応する怪獣(キャラクタ)とが可変表示器H2上に登場する。そして、バトル演出中は、可変表示器H2上に登場した前記怪獣は、互いに対戦相手に対して攻撃を繰り出し対戦相手に所定のダメージを与えたり、所定回数の攻撃を加えたりする演出が行われる。そして、バトル演出の結果として、いずれかの怪獣が勝利となる演出結果が導出されるようになっている。
そして、バトル演出では、当該演出で導出される勝敗結果により大当り遊技が付与されるか否か(今回の図柄変動ゲームが大当りとなるか否か)を遊技者に報知するようになっている。また、本実施形態のバトル演出では、第1図柄列R1に表示されるキャラクタ図柄CAに対応するキャラクタを遊技者の味方(又は遊技者)と見立てて、シルエット図柄SLに表示されるキャラクタとバトルを行わせ、キャラクタ図柄CAに対応するキャラクタが「勝利」となる、又は「敗北」となる結果を導出する。バトル演出において、キャラクタ図柄CAに対応するキャラクタが勝利する演出結果を導出する場合には、今回の図柄変動ゲームが大当りとなることを遊技者に報知することとなる。したがって、バトル演出によって勝利する(キャラクタ図柄CAに対応するキャラクタが勝利する)演出結果を導出することは、遊技者に大当りを認識させる大当り表示結果を導出することとなる。すなわち、本実施形態において、大当り表示結果とは、図柄変動ゲームで導出される大当りの図柄組み合わせと、図柄変動ゲームのバトル演出で導出される当該演出で勝利する演出結果のことである。
一方、バトル演出において、キャラクタ図柄CAに対応するキャラクタが敗北する演出結果を導出する場合には、今回の図柄変動ゲームがはずれとなることを報知することとなる。したがって、バトル演出によって敗北する(キャラクタ図柄CAに対応するキャラクタが敗北する)演出結果を導出することが、遊技者にはずれを認識させるはずれ表示結果を導出することとなる。すなわち、本実施形態において、はずれ表示結果とは、図柄変動ゲームで導出されるはずれの図柄組み合わせと、図柄変動ゲームのバトル演出導出される当該演出で敗北する演出結果のことである。
このため、バトル演出では第1図柄列R1に表示されるキャラクタ図柄CAに対応するキャラクタの勝敗により大当りか否かが決定されるようになっており、バトル演出では必ずキャラクタ図柄CAが登場し、対戦相手がシルエット図柄SLの輪郭が示すキャラクタ図柄に対応するキャラクタとなる。そして、遊技者は、バトル演出において、チャンス目を形成する図柄組み合わせで第1図柄列R1に表示されるキャラクタ図柄CAに対応するキャラクタが勝つように当該キャラクタに対して感情移入することができる。
そして、シルエット図柄SLにキャラクタ図柄CBが表示される場合には、キャラクタ図柄CAのキャラクタと、キャラクタ図柄CBのキャラクタとが戦うバトル演出が行われる。また、シルエット図柄SLにキャラクタ図柄CCが表示される場合には、キャラクタ図柄CAのキャラクタと、キャラクタ図柄CCのキャラクタとが戦うバトル演出が行われる。また、バトル演出において、キャラクタ図柄CAのキャラクタ同士では、バトル演出が行われないようにチャンス目としてはキャラクタ図柄CAの輪郭を示すシルエット図柄SLは表示させないようになっている。
したがって、本実施形態では、チャンス目が形成される(一旦停止表示される)ことで、バトル演出が行われることを遊技者に報知するとともに、チャンス目形成時にシルエット図柄SLの輪郭が示すキャラクタ図柄に対応するキャラクタによりバトル演出の種類(戦闘するキャラクタの種類)を遊技者に報知するようになっている。また、シルエット図柄SLの輪郭が示すキャラクタ図柄は、可変表示器H2の背景画像の種類に対応付けされているため、チャンス目形成時の背景画像の種類からもバトル演出の種類(演出内容)を遊技者に容易に認識させることができるようになっている。このため、「VS」を模した示唆図柄VSは、当該図柄に因んだバトル演出が行われることを遊技者に報知するための図柄である。また、シルエット図柄SLは、バトル演出において該シルエット図柄SLに因んだキャラクタを対戦相手とする演出内容のバトル演出が行われることを遊技者に報知するための図柄である。
また、本実施形態では、チャンス目をチャンス目専用の図柄組み合わせにより形成するようにしている。このため、チャンス目であるか否かを遊技者に容易に認識させるようになっている。また、チャンス目に示唆図柄VSを含む図柄組み合わせとして、示唆図柄VSの図柄とバトル演出とを関連させた内容とすることで、演出の流れに対し遊技者に違和感を与えないようになっている。
以下、主制御基板27(メインCPU27a)、統括制御基板28(統括CPU28a)及び表示制御基板29(サブCPU29a)が実行する制御内容を説明する。
最初に主制御基板27(メインCPU27a)がメイン制御プログラムに従って実行する制御内容について説明する。
メインCPU27aは、始動入賞口22に遊技球が入賞し、始動口センサSE1からの検知信号を入力すると、大当り判定用乱数の値と特図振分用乱数の値をRAM27cから読み出し、RAM27cの所定の格納領域に格納(記憶)する。そして、メインCPU27aは、図柄変動ゲームの開始直前に、RAM27cに記憶されている前記大当り判定用乱数の値とROM27bに記憶されている大当り判定値とを比較して大当りか否かの大当り判定(大当り抽選)をする。メインCPU27aは、確変状態が付与されていない通常状態時は大当りの抽選確率を通常確率(300分の1)に設定して大当り判定を行い、確変状態時は大当りの抽選確率を高確率(30分の1)に設定して大当り判定を行う。
そして、メインCPU27aは、大当り判定の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、大当りを決定する。大当りを決定したメインCPU27aは、大当り判定用乱数の値とともにRAM27cに記憶した特図振分用乱数の値を読み出し、該値に予め対応付けられた特図を特図による大当り図柄として決定する。大当り図柄は、確定的に停止表示される大当りの図柄(最終的な大当り表示結果)を形成する図柄である。また、メインCPU27aは、特図を決定した場合、大当り演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する。また、本実施形態においてメインCPU27aは、大当り演出用の変動パターンを決定する場合、所定の割合で大当り演出用の特定の変動パターンを決定するようになっている。
また、メインCPU27aは、大当りを決定した場合、決定した特図による大当り図柄を判定し、今回の大当り遊技終了後に確変状態を付与するか否かを決定する。本実施形態では、RAM27cに現在の遊技状態を示す情報(フラグなど)が記憶されており、メインCPU27aは、当該情報に基づき現在の遊技状態が確変状態であるか否か及び時短状態であるか否かなどを把握している。
メインCPU27aは、大当り図柄により確変状態を付与するか否か及び時短状態を付与するか否かを決定した場合、当該決定に基づく情報(フラグなど)をRAM27cに記憶(設定)する。また、メインCPU27aは、RAM27cに記憶される前記情報に基づき、大当り遊技終了後に確変状態又は時短状態を付与する。
一方、メインCPU27aは、大当り判定の判定結果が否定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、リーチ判定用乱数の値とROM27bに記憶されているリーチ判定値とを比較してリーチ判定を行う。メインCPU27aは、リーチ判定の結果が肯定(リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値が一致)の場合、リーチ演出を伴うはずれ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する。一方、メインCPU27aは、リーチ判定の判定結果が否定(リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値が不一致)の場合、リーチ演出を伴わないはずれ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する。そして、はずれを決定したメインCPU27aは、特図によるはずれ図柄[−−]を決定する。本実施形態においてメインCPU27aは、リーチ判定で肯定と判定しリーチ演出を伴うはずれ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する場合、はずれ演出用の特定の変動パターンを予め定めた割合で決定するようになっている。
続いて、特図及び変動パターンを決定したメインCPU27aは、所定の制御コマンドを所定のタイミングで統括制御基板28(統括CPU28a)に出力する。具体的に言えば、メインCPU27aは、最初に変動パターンを指示するとともに、図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力する。次に、メインCPU27aは、決定した特図を示す特図指定コマンドを出力する。その後、メインCPU27aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に、図柄変動ゲームの停止(確定的に停止表示)を指示する全図柄停止コマンドを出力するとともに、特図表示器H1に決定している特図を表示させるように特図表示器H1を制御する。
また、メインCPU27aは、大当りを決定した場合、大当り演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了後、大当り遊技に係る制御(オープニング演出などの演出指示や大入賞口扉23aの開閉動作の制御)を実行する。メインCPU27aは、大当り遊技を開始させる場合、オープニング演出パターンに定めるオープニング演出の開始を指示する大当りオープニング指定コマンドを統括CPU28aに出力する。そして、メインCPU27aは、オープニング演出に定める時間の経過後、1回目のラウンド遊技の開始を指示するとともに、ラウンド演出パターンに定めるラウンド演出の開始を指示するラウンド指定コマンドを統括CPU28aに出力し、1回目の大入賞口23の開放を実行する。そして、メインCPU27aは、規定入賞個数の遊技球が大入賞口23に入球する迄の間、又は規定開放時間である25.0秒が経過する迄の間、大入賞口扉23aを開動作させる。メインCPU27aは、いずれかの条件を満たすと大入賞口扉23aを閉動作させる。
その後、メインCPU27aは、インターバルの経過後間もなく2回目のラウンド遊技の開始を指示するとともに、ラウンド演出パターンに定める演出の開始を指示するラウンド指定コマンドを統括CPU28aに出力し、2回目の大入賞口23の開放を実行する。ラウンド指定コマンドは、ラウンド遊技毎に用意されており、ラウンド指定コマンドにより実行するラウンド遊技が何回目であるかが特定可能になっている。続いて、メインCPU27aは、規定ラウンド数に定める15回のラウンド遊技の終了後、エンディング演出パターンに定めるエンディング演出の開始を指示するエンディング指定コマンドを統括CPU28aに出力する。そして、メインCPU27aは、大当り演出用の特定の変動パターンに伴う大当り遊技のエンディング演出の開始時、確変大当りを決定している場合には、確変大当り用のエンディング指定コマンドを出力し、非確変大当りを決定している場合には、非確変大当り用のエンディング指定コマンドを出力する。そして、メインCPU27aは、エンディング演出に定める時間の経過後、エンディング演出の終了を以って大当り遊技を終了させる。
そして、メインCPU27aは、大当り遊技終了後、RAM27cに記憶される情報(特図の種類や、大当り遊技終了後に確変状態を付与するか否か)に基づき、大当り遊技終了後の遊技状態を制御する。メインCPU27aは、RAM27cに確変状態を付与することが示されている場合には大当り遊技終了後の遊技状態を確変状態で制御するとともに、RAM27cに時短状態を付与することが示されている場合には大当り遊技終了後の遊技状態を時短状態で制御する。
続いて、メインCPU27aは、遊技状態として確変状態を付与する(開始させる)場合には、遊技状態が確変状態であることを示す情報をRAM27cに設定するとともに、確変状態を開始させることを示す確変開始コマンドを統括CPU28aに出力し、確変状態中に大当りとなる、又は10000回の図柄変動ゲームの経過時に確変状態を終了させる。そして、メインCPU27aは、確変状態を終了させる場合には、遊技状態が通常状態であることを示す情報をRAM27cに設定するとともに、確変状態を終了させることを示す確変終了コマンドを統括CPU28aに出力する。
また、メインCPU27aは、遊技状態として時短状態を付与する(開始させる)場合には、遊技状態が時短状態であることを示す情報をRAM27cに設定するとともに時短状態が開始することを示す時短開始コマンドを統括CPU28aに出力し、時短状態中に大当りとなる、又は予め定めた回数(100回)の図柄変動ゲームの経過時に時短状態を終了させる。そして、メインCPU27aは、時短状態を終了させる場合には、遊技状態が通常状態であることを示す情報をRAM27cに設定するとともに、時短状態が終了することを示す時短終了コマンドを統括CPU28aに出力する。そして、メインCPU27aは、大当り遊技終了時、RAM27cに記憶(設定)される情報(特図の種類や、大当り遊技終了後に確変状態を付与するか否か)などをクリアし図柄変動ゲームの処理を実行する。
本実施形態では、図柄変動ゲームの演出内容を特定することができる変動パターンを記憶するROM27bが、演出パターン記憶手段として機能する。また、大当り判定(大当り抽選)を実行して大当りか否かを判定するメインCPU27aが、大当り判定手段として機能する。また、大当り判定の結果に基づき変動パターンを選択(決定)するメインCPU27aが、演出パターン選択手段として機能する。また、遊技機全体の制御を実行する主制御基板27(メインCPU27a)が主制御装置となる。
次に統括制御基板28(統括CPU28a)が統括制御プログラムに従って実行する制御内容について説明する。
統括CPU28aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該コマンドを各制御基板29〜31に出力する。また、統括CPU28aは、特図指定コマンドを入力すると、飾図を指定する飾図指定コマンドを表示制御基板29に出力する。また、統括CPU28aは、全図柄停止コマンドを入力すると、当該コマンドを各制御基板29〜31に出力する。また、統括CPU28aは、オープニング指定コマンドを入力すると、当該コマンドを各制御基板29〜31に出力する。また、統括CPU28aは、ラウンド指定コマンドを入力すると、当該コマンドを各制御基板29〜31に出力する。また、統括CPU28aは、エンディング指定コマンドを入力すると、当該コマンドを各制御基板29〜31に出力する。また、統括CPU28aは、確変開始コマンドを入力すると、確変状態が付与されたことを示す情報(フラグなど)をRAM28cに設定する。また、統括CPU28aは、確変終了コマンドを入力するまでの間、RAM28cに前記情報を継続的に設定し、確変状態であることを把握している。また、統括CPU28aは、時短開始コマンドを入力すると、時短状態が付与されることを示す情報(フラグなど)をRAM28cに設定する。また、統括CPU28aは、時短終了コマンドを入力するまでの間、RAM28cに前記情報を継続的に設定し、時短状態であることを把握している。
統括CPU28aは、特図指定コマンドを入力すると、特図指定コマンドに指定される特図の種類を判定する。そして、統括CPU28aは、その判定した特図の情報(特図指定コマンドに指定される特図)をRAM28cに記憶(設定)する。また、統括CPU28aは、変動パターン指定コマンドに指定される変動パターンと、特図指定コマンドに指定される特図に応じた飾図を決定し、その決定した飾図を示す飾図指定コマンドを表示制御基板29(サブCPU29a)に出力する。
以下、本実施形態における統括CPU28aの飾図の決定方法を説明する。
本実施形態において統括CPU28aは、有効ラインL1(第1列用中図柄表示位置P1、第2列用中図柄表示位置P5、第3列用中図柄表示位置P8)上に表示させる図柄の種類を決定する。このように有効ラインL1上に表示させる図柄を決定すれば、その他の図柄表示位置に表示される図柄の種類は、各図柄列R1〜R3の図柄の表示順序にしたがって必然的に決定されることになる。そして、統括CPU28aは、飾図指定コマンドには有効ラインL1を図柄決定用の基準ラインとし、該有効ラインL1(第1列用中図柄表示位置P1、第2列用中図柄表示位置P5、第3列用中図柄表示位置P8)上に表示させる図柄を指定する内容の飾図指定コマンドを表示制御基板29に出力する。なお、本実施形態では、有効ラインL1を図柄決定用の基準ラインとして図柄を決定しているが、前記基準ラインを他の有効ラインに変更しても良い。
統括CPU28aは、変動パターン指定コマンドに指定される変動パターンが特定の変動パターン以外の大当り演出用の変動パターンであって、特図指定コマンドに指定される特図が確変大当りを示す特図の場合、飾図による図柄組み合わせとして確変大当りを認識することができる3種類の「7」の数字図柄の中から同一種類の3つの「7」による図柄組み合わせを決定する。すなわち、同一種類の「7」の数字図柄による図柄組み合わせが確変の大当りの図柄組み合わせ(大当り表示結果)となる。例えば、統括CPU28aは、数字図柄7Cによる確変の大当りの図柄組み合わせを決定する場合であって、有効ラインL1上に表示させることを決定するときには、図柄表示位置P2(第1図柄列R1)に数字図柄7C(09H)、図柄表示位置P5(第2図柄列R2)に数字図柄7C(09H)、図柄表示位置P8(第3図柄列R3)に数字図柄7C(05H)を決定する。また、統括CPU28aは、数字図柄7Cによる確変の大当りの図柄組み合わせを決定する場合であって、有効ラインL2上に表示させることを決定するときには、図柄表示位置P2にブランク図柄(0AH)、図柄表示位置P5にブランク図柄(0AH)、図柄表示位置P8にブランク図柄(06H)を決定する。また、統括CPU28aは、数字図柄7Cによる確変の大当りの図柄組み合わせを決定する場合であって、有効ラインL3上に表示させることを決定するときには、図柄表示位置P2にブランク図柄(08H)、図柄表示位置P5にブランク図柄(08H)、図柄表示位置P8にブランク図柄(04H)を決定する。また、統括CPU28aは、数字図柄7Cによる確変の大当りの図柄組み合わせを決定する場合であって、有効ラインL4上に表示させることを決定するときには、図柄表示位置P2にブランク図柄(08H)、図柄表示位置P5に数字図柄7C(09H)、図柄表示位置P8にブランク図柄(06H)を決定する。また、統括CPU28aは、数字図柄7Cによる確変の大当りの図柄組み合わせを決定する場合であって、有効ラインL5上に表示させることを決定するときには、図柄表示位置P2にブランク図柄(0AH)、図柄表示位置P5に数字図柄7A(09H)、図柄表示位置P8にブランク図柄(04H)を決定する。
また、統括CPU28aは、変動パターン指定コマンドに指定される変動パターンが特定の変動パターン以外の大当り演出用の変動パターンであって、特図指定コマンドに指定される特図が非確変大当りを示す特図である場合には、飾図による大当りの図柄組み合わせとして非確変大当りを認識することができる3種類のキャラクタ図柄CA〜CCの中から同一種類の3つの各キャラクタ図柄CA〜CCによる図柄組み合わせを決定する。すなわち、同一種類のキャラクタ図柄による図柄組み合わせが非確変の大当りの図柄組み合わせ(大当り表示結果)となる。
また、統括CPU28aは、変動パターン指定コマンドに指定される変動パターンが特定の変動パターン(大当り演出用,はずれ演出用の特定の変動パターン)である場合には、特図指定コマンドに指定される特図に拘らず飾図による図柄組み合わせとしてバトル演出の実行を報知するチャンス目を決定する。
本実施形態では、チャンス目を形成する図柄組み合わせを飾図の図柄組み合わせとして決定する場合、チャンス目を形成する図柄組み合わせを示す飾図指定コマンドが予め有効ラインL1〜L5毎に用意されている。すなわち、有効ラインL1上にチャンス目を形成する場合には、図柄表示位置P2にキャラクタ図柄CA(07H又は0DH)、図柄表示位置P5に示唆図柄VS(0DH)、図柄表示位置P8にシルエット図柄SL(01H)を指定する内容が特定可能となっている。また、有効ラインL2上にチャンス目を形成する場合には、図柄表示位置P2にブランク図柄(08H又は00H)、図柄表示位置P5にブランク図柄(00H)、図柄表示位置P8にブランク図柄(02H)を指定する内容が特定可能となっている。また、有効ラインL3上にチャンス目を形成する場合には、図柄表示位置P2にブランク図柄(06H又は0CH)、図柄表示位置P5にブランク図柄(0CH)、図柄表示位置P8にブランク図柄(00H)を指定する内容が特定可能となっている。また、有効ラインL4上にチャンス目を形成する場合には、図柄表示位置P2にブランク図柄(06H又は0CH)、図柄表示位置P5に示唆図柄VS(0DH)、図柄表示位置P8にブランク図柄(02H)を指定する内容が特定可能となっている。また、有効ラインL5上にチャンス目を形成する場合には、図柄表示位置P2にブランク図柄(08H又は00H)、図柄表示位置P5に示唆図柄VS(0DH)、図柄表示位置P8にブランク図柄(00H)を指定する内容が特定可能となっている。
そして、統括CPU28aは、チャンス目を形成する図柄組み合わせを指定するこれら10通りの図柄組み合わせから1個を決定し、その決定した内容を特定可能な飾図指定コマンドを出力する。このような決定方法により、チャンス目は、有効ラインL1〜L5の何れのライン上にも表示されることとなる。そして、統括CPU28aは、チャンス目を同一有効ライン上の第1図柄列R1(図柄表示位置P1〜P3)及び第3図柄列R3(図柄表示位置P7〜P9)で第2図柄列R2(図柄表示位置P4〜P6)を挟むように停止表示させるように飾図の図柄組み合わせを決定するようになっている。
本実施形態において、統括CPU28aは、特定の変動パターンにおいて、当該特定の変動パターンが大当り演出用の変動パターン及びはずれ演出用の変動パターンのいずれかであるかに拘らず、飾図の図柄組み合わせとして、チャンス目を形成するキャラクタ図柄CA、示唆図柄VS、シルエット図柄SLをのみ決定する。すなわち、チャンス目を形成する飾図による図柄組み合わせは、大当りとはずれとの両方の可能性がある図柄組み合わせとなるとともに、大当りとなる場合には確変大当りと非確変大当りとの両方の可能性がある図柄組み合わせとなる。したがって、大当り演出用の特定の変動パターンに基づく図柄変動ゲームにおいて、統括CPU28aが飾図による図柄組み合わせとしてチャンス目を決定する場合であっても、メインCPU27aは、特図表示器H1に確定停止表示される図柄として大当り図柄を確定停止表示させることとなる。また、はずれ演出用の特定の変動パターンに基づき図柄変動ゲームにおいて、統括CPU28aが飾図による図柄組み合わせとしてチャンス目を決定する場合であっても、メインCPU27aは、特図表示器H1に確定停止表示される図柄としてはずれ図柄を確定停止表示させることとなる。なお、統括CPU28aは、第3図柄列R3の図柄としてシルエット図柄SLを決定するのみで、シルエット図柄SLとしていずれのキャラクタ図柄の輪郭を示すかまでは決定しない。
また、統括CPU28aは、変動パターン指定コマンドに指定される変動パターンがはずれ演出用の変動パターンであって、はずれ演出用の特定の変動パターンでない場合には、リーチ状態を形成する飾図による図柄組み合わせ及びリーチ状態を形成しない飾図による図柄組み合わせを決定する。そして、統括CPU28aは、リーチ演出を伴う変動パターンである場合には、リーチ状態を形成するように飾図による図柄組み合わせを決定する。また、統括CPU28aは、リーチ演出を伴わない変動パターンである場合には、リーチ状態を形成する飾図によるはずれの図柄組み合わせと、リーチ状態を形成しない飾図によるはずれの図柄組み合わせとのいずれかを決定する。なお、統括CPU28aは、リーチ状態を形成するはずれの図柄組み合わせを決定する場合、有効ラインL1〜L5のうちのいずれか(1本)にリーチ状態を形成することが変動パターンに特定されているときには、有効ラインL1〜L5のうちのいずれかにリーチ状態を形成するように図柄組み合わせを決定する。また、統括CPU28aは、リーチ状態を形成するはずれの図柄組み合わせを決定する場合、有効ラインL1〜L5の複数(2本)の有効ラインL4,L5に同時に形成することが変動パターンに特定されているときには、有効ラインL4,L5の両ラインにリーチ状態を形成するように図柄組み合わせを決定する。
また、統括CPU28aは、リーチ状態を形成しない飾図によるはずれの図柄組み合わせを決定する場合には、はずれの図柄組み合わせを決定する。そして、統括CPU28aは、リーチ状態を形成しない飾図によるはずれの図柄組み合わせを決定する場合、いずれの有効ラインL1〜L5上にもチャンス目を形成しないようにはずれの図柄組み合わせを決定する。この場合、統括CPU28aは、第1列用中図柄表示位置P2に表示させる図柄として、図柄表示位置P1〜P3にキャラクタ図柄CA〜CCのいずれかが表示される図柄を決定するときと、図柄表示位置P1〜P3にキャラクタ図柄CA〜CCのいずれも表示されない図柄を決定するときとがある。統括CPU28aは、第1列用中図柄表示位置P2に表示させる図柄として、図柄表示位置P1〜P3にキャラクタ図柄CA〜CCのいずれかが表示される図柄を決定する場合には、第3列用中図柄表示位置P8に表示させる図柄として、図柄表示位置P7〜P9にキャラクタ図柄CA〜CC及びシルエット図柄SLのいずれも表示されない図柄を決定する。また、統括CPU28aは、第1列用中図柄表示位置P2に表示させる図柄として、図柄表示位置P1〜P3にキャラクタ図柄CA〜CCのいずれかが表示される図柄を決定する場合には、第3列用中図柄表示位置P8に表示させる図柄として、いずれの有効ラインL1〜L5上においてもリーチ状態が形成されない図柄を決定する。
具体的に統括CPU28aは、図柄表示位置P1〜P3にキャラクタ図柄CA〜CCのいずれかが表示されるブランク図柄(02H〜04H、06H〜08H、0AH〜0CH)を決定する場合には、図柄表示位置P7〜P9に数字図柄7A,7B,7C(0DH,09H,05H)を決定するようになっている。また、統括CPU28aは、図柄表示位置P1〜P3にキャラクタ図柄CA〜CCのいずれも表示されない数字図柄7A,7B,7C(01H,05H,09H)を図柄表示位置P2に決定する場合には、図柄表示位置P8にリーチ状態を形成しないように図柄表示位置P2に決定した数字図柄7A,7B,7C(0DH,09H,05H)以外の図柄を決定するようになっている。
すなわち、特定の変動パターンが決定されていない場合には、チャンス目を導出しないとともに、バトル演出を行わせないようになっている。一方、特定の変動パターンが決定されている場合には、チャンス目を導出して、バトル演出を行わせるようになっている。こうすることで、遊技者にチャンス目の存在を認識させ易くしている。したがって、チャンス目が導出されることと、大当りへのチャンスとを結び付けることで、チャンス目が導出されることへの期待を遊技者に抱かせるようになっている。また、遊技者にチャンス目を誤認させないため、示唆図柄VSは、特定の変動パターン以外では、第1図柄列R1(図柄表示位置P1〜P3)に表示されるキャラクタ図柄と同じ有効ライン上に停止表示させないように飾図の図柄組み合わせを決定するようになっている。
次に、表示制御基板29(サブCPU29a)が演出制御プログラムにしたがい実行する制御内容について説明する。
サブCPU29aは、変動パターン指定コマンドと、当該コマンドに指定される変動パターンに対応する演出内容で図柄変動ゲームが行われるように可変表示器H2の表示内容を制御する。そして、サブCPU29aは、全図柄停止コマンドを入力すると、飾図指定コマンドで指示された有効ラインL1(第1列用中図柄表示位置P2、第2図柄列用中図柄表示位置P5、第3図柄列用中図柄表示位置P8)に飾図を可変表示器H2に確定停止表示させ、図柄変動ゲームを終了させる。
また、サブCPU29aは、変動パターン指定コマンドに指定される変動パターンが特定の変動パターンであって、飾図指定コマンドにチャンス目の飾図による図柄組み合わせが指定される場合には、今回の図柄変動ゲームを可変表示器H2に画像表示させる背景画像の種類を特定する。サブCPU29aは、RAM29cに可変表示器H2で画像表示されている背景画像の種類を特定することができる情報(フラグなど)を記憶している。そして、サブCPU29aは、RAM29cの前記情報に基づき背景画像に対応するキャラクタ図柄CB,CCのいずれかの輪郭を示す図柄をシルエット図柄SLとして決定するとともに、今回の図柄変動ゲームで、キャラクタ図柄CAと、シルエット図柄SLに表示されるキャラクタ図柄(画像表示されている背景画像に対応するキャラクタ)とのバトル演出を実行することを決定する。すなわち、サブCPU29aは、チャンス目を形成することが変動パターンの種類と、飾図指定コマンドの内容とから指示される場合には、シルエット図柄SLの輪郭としていずれのキャラクタ図柄に対応させるかの制御情報を決定する。
また、サブCPU29aは、特定の変動パターンが大当り演出用の特定の変動パターンである場合には、バトル演出においてキャラクタ図柄CAのキャラクタが「勝利」する結果(大当り表示結果)を導出する演出内容で可変表示器H2を制御する。一方、サブCPU29aは、特定の変動パターンがはずれ演出用の特定の変動パターンである場合には、バトル演出においてキャラクタ図柄CAが「敗北」する結果(はずれ表示結果)を導出する演出内容で可変表示器H2を制御する。サブCPU29aは、特定の変動パターンに基づく図柄変動ゲームにおいて、当該ゲームの開始から所定のタイミングでチャンス目を可変表示器H2に表示させて、その後、決定した内容のバトル演出が行われるように可変表示器H2を制御する。そして、サブCPU29aは、バトル演出で「勝利」となる結果を導出する場合、大当り遊技に係る演出の制御に移行する。また、サブCPU29aは、バトル演出で「敗北」となる結果を導出する場合、次に行わせる図柄組み合わせに係る演出の制御に移行する。
また、本実施形態のパチンコ機10において、サブCPU29aは、はずれ演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了時、次の図柄変動ゲームで画像表示させる背景画像の種類を所定の確率で変更させるか否かの抽選を実行する。そして、前記抽選に当選する場合、サブCPU29aは、RAM29cに記憶されている背景画像の種類を示す情報を、次の図柄変動ゲームから画像表示する背景画像の種類を示す情報に更新する。一方、前記抽選に当選しない場合、サブCPU29aは、RAM29cに記憶されている背景画像の種類を示す情報を、当該情報を更新しないで維持する。
そして、サブCPU29aは、統括CPU28aから各オープニング指定コマンドを入力し大当り遊技を開始させる場合には、当該オープニング指定コマンドに指定されるオープニング演出パターンに定める演出内容でオープニング演出を可変表示器H2に実行させるように制御する。また、サブCPU29aは、統括CPU28aから各ラウンド指定コマンドを入力すると、該ラウンド指定コマンドに指定されるラウンド遊技にて、該ラウンド遊技指定コマンドに指定されるラウンド演出パターンに定める演出内容で各ラウンド演出を実行させるように可変表示器H2を制御する。また、サブCPU29aは、統括CPU28aから各エンディング指定コマンドを入力すると、当該エンディング指定コマンドに指定されるエンディング演出パターンに定める演出内容でエンディング演出を実行させるように可変表示器H2を制御する。
本実施形態において、サブCPU29aは、確変大当り用のエンディング指定コマンドを入力する場合には、確変大当りであることを遊技者に報知する確変大当り用のエンディング演出を行わせるように可変表示器H2を制御する。確変大当り用のエンディング演出では、可変表示器H2に「確変大当り」の画像を表示させて今回の大当りが確変大当りであることを遊技者に報知する。また、サブCPU29aは、非確変大当り用のエンディング指定コマンドを入力する場合には、非確変大当りであることを遊技者に報知する非確変大当り用のエンディング演出を行わせるように可変表示器H2を制御する。非確変大当り用のエンディング演出では、可変表示器H2に「非確変大当り」の画像を表示させて今回の大当りが非確変大当りであることを遊技者に報知する。
本実施形態では、エンディング演出で今回の大当りが確変大当りであるか非確変大当りであるかを報知するようになっている。本実施形態では、大当りが生起され大当り遊技が付与される場合、可変表示器H2に大当りの図柄組み合わせ、又はチャンス目の図柄組み合わせが停止表示されている表示態様から大当り遊技が開始されることとなる。このため、可変表示器H2の表示結果が大当りの図柄組み合わせから大当りに突入する場合には、その大当り図柄組み合わせの表示内容から今回の大当りが確変大当りであるか又は非確変大当りであるかを遊技者に認識させることができる。
一方、可変表示器H2の表示結果がチャンス目の図柄組み合わせから大当りに突入する場合には、そのチャンス目の表示内容から今回の大当りが確変大当りであるか又は非確変大当りであるかを遊技者に認識させることができない。このため、大当り遊技のエンディング演出において、確変大当りであるか否かの確変報知演出を可変表示器H2で行うようになっている。
本実施形態では、各種背景画像を記憶するROM29bが背景画像記憶手段として機能するとともに、各種背景画像を切替えるサブCPU29aが背景画像制御手段として機能する。また、可変表示器H2に表示させる表示内容を決定し、その決定内容に基づき可変表示器H2の制御を実行する統括CPU28a(統括制御基板28)と、サブCPU29a(表示制御基板29)とが演出制御手段として機能するとともに、副制御装置となる。
次に、可変表示器H2で実行される演出の表示態様を図5(a)〜(j)に基づき説明する。
図5(a)〜(g)は、チャンス目が一旦停止表示され、バトル演出で「勝利」となる結果を導出するまで、すなわち、大当りとなるまでの可変表示器H2の表示態様を示している。また、図5(f)は、確変報知演出で「確変大当り」が導出される場合の表示態様を示し、図5(g)は、確変報知演出で「非確変大当り」が導出される場合の表示態様を示している。また、図5(a)〜(c),(h)〜(j)は、チャンス目が一旦停止表示され、バトル演出で「敗北」となる結果を導出まで、すなわち、はずれとなるまでの可変表示器H2の表示態様を示している。また、図5では、有効ラインL1上にチャンス目が一旦停止表示され、可変表示器H2には背景画像HBが表示され、キャラクタ図柄CAのキャラクタと、キャラクタ図柄CBのキャラクタとのバトル演出を示している。
特定の変動パターンに基づく図柄変動ゲームが行われると、可変表示器H2では、チャンス目が一旦停止表示される(図5(a))。図5(a)において可変表示器H2では、背景画像HBに対応するキャラクタ図柄CBの輪郭を示すシルエット図柄SLが表示される。一旦停止表示時に可変表示器H2では、スクロール表示されている図柄の変動速度が徐々に減速され、該変動速度が可変表示器H2で一旦停止表示される図柄の種類を認識できる速度となる。そして、一旦停止表示される図柄の種類を認識できる変動速度になる場合、シルエット図柄SLは、背景画像の種類に対応するキャラクタ図柄CB,CCの輪郭を示すシルエット図柄SLとして可変表示器H2に画像表示される。その後、可変表示器H2では、チャンス目が形成されると、シルエット図柄SLのシルエット部分に当該シルエット図柄SLに対応するキャラクタ図柄CBが描写され、キャラクタ図柄CBへと変化する(図5(b))。そして、可変表示器H2では、「バトル開始」の画像表示をすることでバトル演出の開始が報知される(図5(c))。そして、可変表示器H2では、キャラクタ図柄CAに対応するキャラクタと、キャラクタ図柄CBに対応するキャラクタとが画像表示される。そして、可変表示器H2では、各キャラクタが画像表示されると、当該画像表示されたキャラクタ同士が対決するバトル演出が行われる。
そして、特定の変動パターンとして、大当り演出用の特定の変動パターンが決定されている場合、可変表示器H2では、図柄変動ゲームの終了時にバトル演出で対決した結果、キャラクタ図柄CAに対応するキャラクタが勝利する演出結果(大当り表示結果)が導出され、「勝利」の画像表示とともに、チャンス目が確定停止表示される(図5(d))。なお、特図表示器H1では、大当りであることを示す大当り図柄が導出されている。そして、大当り遊技が開始され、可変表示器H2では、「大当り」の画像表示とともに大当り遊技が開始されることが報知される。また、今回の大当りが確変大当りである場合には、大当り遊技のエンディング演出における確変報知演出で「確変大当り」の画像表示とともに、該大当り遊技の終了後に確変状態が付与されることが報知される(図5(f))。一方、今回の大当りが非確変大当りである場合には、大当り遊技のエンディング演出における確変報知演出で「非確変大当り」の画像表示とともに、該大当り遊技の終了後に非確変状態(時短状態)が付与されることが報知される(図5(g))。
また、特定の変動パターンとして、はずれ演出用の特定の変動パターンが決定されている場合、可変表示器H2では、図柄変動ゲームの終了時にバトル演出で対決した結果、キャラクタ図柄CAに対応するキャラクタが敗北する演出結果(はずれ表示結果)が導出され、「敗北」の画像表示とともにチャンス目が確定停止表示されるとともに(図5(h))、チャンス目が確定停止表示される(図5(i))。なお、特図表示器H1では、はずれであることを示すはずれ図柄が導出されている。そして、はずれの場合には、大当り遊技が開始されないため、可変表示器H2では、次の図柄変動ゲームに移行し、各図柄列R1〜R3の各図柄が変動を開始する(図5(j))。なお、図5(i)において、次の図柄変動ゲームを開始しない場合(次の図柄変動ゲームの開始が保留されていない場合)、可変表示器H2では、前回の図柄変動ゲームの終了時の表示画面をそのまま継続して表示されるようになっている。また、背景図柄の種類を変更するか否かの抽選に当選している場合には、可変表示器H2では、背景画像HBに代わって背景画像HCが背景として表示される。
本実施形態においては、チャンス目が可変表示器H2上に一旦停止表示され、バトル演出が行われる場合には、図5(d),(h)に示すように、バトル演出の結果が表示されるまでその結果(大当り表示結果となるか、はずれ表示結果となるか)が可変表示器H2の表示態様からは遊技者に認識できないようになっている。また、バトル演出で大当り表示結果の導出後は、図5(f),(g)に示すように、その大当りが確変大当りであるか否かは大当り遊技が終了するまで可変表示器H2の表示態様から遊技者に認識できないようになっている。
このため、チャンス目が一旦停止表示される図柄変動ゲームでは、チャンス目停止後の図柄変動ゲームの終了するその瞬間まで当該ゲームに遊技者を注目させることができる。また、図柄変動ゲームで大当りとなる場合には、図柄変動ゲームだけでなく、その後の確変報知演出が行われるまで大当り遊技にも遊技者を注目させるようになっている。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)バトル演出の移行を示すチャンス目を形成する図柄組み合わせが一旦停止表示される場合には、当該図柄組み合わせからバトル演出に移行することを遊技者に容易に認識させることができる。また、シルエット図柄SLには、キャラクタ図柄CB,CCのいずれかの輪郭が描写されているため、シルエット図柄SLの輪郭からバトル演出の演出内容を遊技者に容易に認識させることができる。また、チャンス目を形成する図柄組み合わせでは、その図柄の組み合わせ態様を複数設定する必要がなく、シルエット図柄SLとして表示する輪郭を変更させるのみで、複数のバトル演出の演出内容を遊技者に報知することができる。したがって、チャンス目を認識し易くするとともに、該チャンス目を形成する図柄組み合わせ導出時にその後に行われる演出内容の種類を遊技者に報知することで、該図柄組み合わせ導出時の遊技の興趣をより一層高めることができる。
(2)また、各図柄列R1〜R3では、予め定めた表示順序で図柄が変動表示されるようにした。このため、第3図柄列R3では、シルエット図柄SLの表示順序となる場合には、可変表示器H2にシルエット図柄SLが変動表示される。すなわち、遊技者には、第3図柄列R3にチャンス目を形成する図柄組み合わせとなり得るシルエット図柄SLが常に存在していることを報知するとともに、シルエット図柄SLの停止タイミングを認識させることができる。したがって、チャンス目に対する期待を常に遊技者に抱かせ、遊技の興趣を向上することができる。
(3)可変表示器H2の背景画像は、遊技者が可変表示器H2を見る場合において、最も多く視野に入る部分であるため、背景画像に対応させたキャラクタ図柄の輪郭をシルエット図柄SLとして表示させることで、バトル演出に移行を示す図柄組み合わせ導出時のバトル演出の演出内容をより明確に遊技者に認識させることができる。また、背景画像をランダムに切替えることで、毎回、バトル演出の演出内容が同じとなることを抑制するとともに、切替え時にも遊技者にいずれの背景(次のバトル演出ではどの演出内容)となるかに関心を抱かせることができる。
(4)内部決定に係る処理をする主制御基板27及び統括制御基板28と、内部決定による演出に係る処理を実行する表示制御基板29とに制御内容を分割し、制御を分散させるようにした。こうすることで、各処理による制御負担を抑制することができる。また、可変表示器H2に係る制御(シルエット図柄SLの種類の決定など)を一括することで、統合のとれた演出を実現することができる。
(5)バトル演出の移行を示すチャンス目を経由することで大当りとなる場合には、大当り遊技中に、今回の大当り遊技終了後に確変状態が付与されるか否かを報知するようにした。このため、チャンス目が導出される場合には、図柄変動ゲーム中だけでなく、大当り遊技に跨って遊技者の意識を遊技に向けさせることができ、図柄変動ゲームの開始から大当り遊技の終了までを1つのゲームとするゲーム性を持たせた遊技機を実現することができる。
(6)大当りは、各図柄列R1〜R3に確定停止表示される3つの図柄が同一種類となる表示結果を導出する場合と、バトル演出で大当りを遊技者に認識させる演出結果(キャラクタ図柄CAに対応するキャラクタが勝利する結果)を導出する場合とで生起されるようにした。このため、チャンス目を経由して大当り遊技が生起される場合には、3つの図柄が同一種類となる表示結果を導出するゲーム性とは異なるゲーム性を有していることとなる。1つの遊技機に異なるゲーム性を持たせ、各々に大当り遊技が生起されるようにすることで、遊技のバリエーションを増加させ遊技の興趣を向上させることができる。
(7)各図柄列R1〜R3にチャンス目を形成する図柄を少なくとも1つずつ設け、各図柄列R1〜R3でチャンス目を形成する図柄組み合わせに定めた図柄が導出された結果、バトル演出を示すチャンス目を形成する図柄組み合わせが導出されることとなる。したがって、遊技者にチャンス目をより一層認識させ易くすることができる。
(8)可変表示器H2上には、有効ラインL1〜L5の5本が形成されているとともに、可変表示器H2上に各図柄列で3種類の図柄を変動表示させることができる。このため、第3図柄列R3のシルエット図柄SLは、可変表示器H2上において、変動表示される場合には、有効ラインL2,L4の交点と、有効ラインL1に位置する点と、有効ラインL3,L5の交点との3回に亘って停止表示される可能性がある。したがって、シルエット図柄SLを可変表示器H2上でより多く表示させるとともに、シルエット図柄SLの存在を遊技者に認識させ易くしている。
(9)バトル演出では、キャラクタ図柄CAと、シルエット図柄SLの輪郭の示すキャラクタ図柄とを対戦させるとともに、キャラクタ図柄CAに対応するキャラクタの勝敗により大当りか否かが決定されるようにした。このため、バトル演出において、遊技者は、毎回キャラクタ図柄CAに対応するキャラクタが勝利することに期待を抱くとともに、該キャラクタに対して大当りに当選したいという気持ちを感情移入することができる。したがって、遊技者の気持ちを演出に移入させるとともに、遊技者とパチンコ機10で行われる演出とが一体となるような遊技性を提供することができる。
(10)チャンス目を形成する図柄組み合わせでは、大当りであるか否かだけでなく、確変大当りあるか否かも遊技者には、その図柄組み合わせの態様から判別できないようにした。このため、図柄変動ゲームでチャンス目が一旦停止表示される場合、遊技者は、該図柄変動ゲームの終了時(バトル演出の終了時)までその結果(大当りであるか否か)を認識することができない。さらに、バトル演出の結果が勝利する結果(大当りを認識できる大当り表示結果)となる場合には、該大当りが確変大当りであるか否かを大当り遊技の終了時まで認識することができない。
(11)チャンス目を形成する図柄組み合わせは、いずれかの有効ライン上にキャラクタ図柄CA、示唆図柄VS、シルエット図柄SLによりのみ形成されるようにした。また、シルエット図柄SLに描写される輪郭によりバトル演出の演出内容を遊技者に報知するようにした。すなわち、1種類のチャンス目により複数種類(本実施形態では、2種類)の演出内容を遊技者に報知することができる。このため、遊技者は、チャンス目を形成する図柄組み合わせとして1種類を把握すれば良く、チャンス目を容易に認識することができるとともに、その後に行われる演出内容を容易に認識することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態において有効ラインの本数は、1本や、2本、3本、8本などに変更しても良い。
・本実施形態は、確変機能を搭載しない時短機能のみを搭載するパチンコ機10や、両機能を搭載しないパチンコ機10に適用しても良い。
・本実施形態において可変表示器H2では、機械式のドラム型の表示装置を模した画像による擬似リールにより各図柄列を構成するようにしても良い。リールは、ドラム状に形成されているため、各図柄列の図柄をスクロール表示させる場合には、可変表示器H2の奥方から図柄が迫ってくる形で各図柄列の図柄が変動する。このため、シルエット図柄が可変表示器H2に変動表示される場合、該図が迫ってくるに連れて、遊技者にチャンス目や大当りに期待を抱かせることができる。また、ドラムでは、可変表示器H2上の各図柄列で表示可能な図柄の種類が3種類であっても、ドラムの奥方に次に変動表示させる図柄を遊技者に認識させるように表示することも可能となり、可変表示器H2の有効ライン以外に停止表示される図柄にも遊技者に関心を持たせることができる。
・本実施形態では、チャンス目を経由して大当りが生起される場合には、確変大当りであるか否かの報知演出を行わないようにしても良い。大当り遊技中には、確変大当りであるか否かを遊技者に認識させないで、大当り遊技終了後に突然に遊技状態が変化するような仕様にしても良い。また、報知演出は、オープニング演出で確変大当りであるか否かの報知を行うようにしてもいいし、ラウンド遊技のラウンド演出で確変大当りであるか否かの報知を行うようにしても良い。また、ラウンド演出で報知演出を行う場合には、複数のラウンド遊技に跨って報知演出を行うようにしても良い。
・本実施形態は、チャンス目を経由して大当りが生起される場合でも、バトル演出で大当り表示結果又ははずれ表示結果の導出後、チャンス目を再変動させて大当りを認識できる大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させるようにしても良い。この場合、大当りが確変大当りである場合には、確変大当りを示す大当りの図柄組み合わせを導出し、大当りが非確変大当りである場合には、非確変大当りを示す大当りの図柄組み合わせを導出するようにしても良い。
・本実施形態においては、統括CPU28aが可変表示器H2に表示させる背景画像の決定に係る処理や、シルエット図柄SLとして該背景画像に基づきいずれのキャラクタ図柄を示す輪郭とするかに係る処理を行うようにしても良い。この場合、統括CPU28aが背景制御手段となる。また、サブCPU29aがメインCPU27aが決定する特図と、変動パターンの種類に基づき飾図としての図柄組み合わせを決定するようにしても良い。この場合、統括CPU28aは、メインCPU27aから入力する各種制御コマンドをそのままサブCPU29aに出力する。この場合、主制御基板27と統括制御基板28が主制御装置となり、表示制御基板29が副制御装置となる。
・本実施形態において、シルエット図柄SLとしては、背景画像に拘らずシルエット図柄SLの種類を決定するための抽選などを行い、該抽選結果に基づきシルエット図柄SLとするキャラクタ図柄を決定するようにしても良い。また、シルエット図柄SLの種類は、背景画像でなく可変表示器H2上に画像表示されるサブキャラクタ(各図柄列の図柄に対応するキャラクタとは異なるキャラクタ)に基づき決定しても良い。
・本実施形態において、シルエット図柄SLは、各図柄列に存在する図柄以外のキャラクタを示唆する輪郭を描写しても良い。この場合、バトル演出でのみ登場する演出専用のキャラクタを設定し、当該キャラクタが登場する場合には、各図柄列に存在する図柄のキャラクタがシルエット図柄SLで示唆される場合に比較して、大当りとなる期待度(信頼度)が高くなるようにしても良い。また、バトル演出の対戦相手として登場することで大当りが確定するようなキャラクタを設定しても良い。大当り信頼度は、大当りとなる可能性の大小を示す割合であり、図柄変動ゲームでは、大当り信頼度の高い演出内容(キャラクタ)が出現するほど大当りとなる可能性が高くなる。大当り信頼度は、その演出(キャラクタ)が大当り及びはずれとなる図柄変動ゲームで出現する全体の割合と大当りとなる図柄変動ゲームで出現する割合とから算出される。すなわち、全体の割合に対して大当りとなる場合に出現する割合が高ければ大当り信頼度は高くなる。例えば、全体の割合に対して大当りとなる場合に出現する割合が100%であれば、その演出の大当り信頼度は100%(大当りとなる場合のみに出現する)となる。
・本実施形態において、バトル演出は、対戦相手となるキャラクタ(シルエット図柄SLから示唆されるキャラクタ)により大当りへの期待度(信頼度)が異なるようにしても良い。例えば、キャラクタ図柄CBに対応するキャラクタと対戦するよりも、キャラクタ図柄CCに対応するキャラクタと対戦する場合の方が大当りへの期待度が高くなるように設定しても良い。
・本実施形態において、必ず背景画像とバトル演出の内容は、一義的でなくても良い。この場合、バトル演出において通常は背景画像に対応するキャラクタとのバトル演出が開始されるが、背景画像に対応するキャラクタ以外のキャラクタとのバトル演出が開始されると大当りへの期待度(信頼度)が向上するようにしても良い。
・本実施形態において、シルエット図柄SLでは、キャラクタを示唆することができる紋章や記号などの示唆物の輪郭を描写するようにしても良い。そして、バトル演出では、シルエット図柄SLの示唆物から示唆されるキャラクタを対戦相手とするバトル演出が行われるようにする。
・本実施形態において、各図柄列には4種類以上(複数)のキャラクタ図柄を用意し、該キャラクタ図柄毎に対応するキャラクタを設定しても良い。この場合、背景画像としては、キャラクタ図柄に対応する複数種類の背景画像を用意し、各キャラクタ図柄に対応するキャラクタに結び付く背景画像を夫々に設定する。
・本実施形態において特図の種類は、遊技者が表示内容を判別し難い(認識し難い)、7セグで表示可能な数字とは異なる記号や模様とするようにしても良い。こうすることで、遊技者に特図の種類から大当りへの当選をより認識させ難くすることができる。また、特図表示器H1としては、例えば、特図を3桁の数字を表示可能な7セグセメントを採用し、3桁の数字により[0]〜[999]の1000種類の特図を用意しても良い。また、特図としては、図柄の代わりに遊技盤13上のLEDランプなどを特図表示器として用いてその点灯個数や点灯態様で特図を表しても良い。特図の種類を増加させたり、特図自体を認識させ難くさせたりすることで、大当りであるか否かとともに、大当りの場合には確変大当りであるか否かと各特図の対応付けを遊技者に困難とさせ、特図表示器の表示結果から大当りや確変大当りを遊技者に認識させ難くすることができる。
・本実施形態において、統括CPU28aは、チャンス目の図柄組み合わせを決定する場合、特定の変動パターンが指定される毎に、いずれの有効ライン上にチャンス目を決定するかを決定するようにしても良い。この場合、統括CPU28aは、例えば、最初に第2列用中図柄表示位置P5に表示させる図柄として、示唆図柄VS及び該示唆図柄VSの前後に配列されるブランク図柄(0CH,00H)の3つの図柄の中から1つの図柄を決定する。そして、統括CPU28aは、第2列用中図柄表示位置P5に表示させる図柄に応じて示唆図柄VSが表示される位置を含む有効ライン上にキャラクタ図柄CAとシルエット図柄SLが表示されるように第1列用中図柄表示位置P2と第3列用中図柄表示位置P8に表示させる図柄(左右の図柄)を同時に決定する。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記大当り表示結果には、前記表示装置で各図柄列に確定停止表示される3つの図柄が同一種類となる表示結果と、前記図柄組み合わせが一旦停止表示され前記バトル演出で前記大当りを遊技者に認識させる演出結果を導出する表示結果とがあることを特徴とする請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の遊技機。
(ロ)前記第2図柄列には、対戦を示唆する示唆図柄が含まれており、前記図柄組み合わせは、前記第1図柄列に一旦停止表示される前記キャラクタ図柄と、前記第2図柄列に一旦停止表示される前記示唆図柄と、前記第3図柄列に一旦停止表示される前記シルエット図柄により形成されることを特徴とする請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の遊技機。
CA,CB,CC…キャラクタ図柄、VS…示唆図柄、H1…特図表示器、H2…可変表示器、HB,HC…背景画像R1…第1図柄列、R2…第2図柄列、R3…第3図柄列、SL…シルエット図柄、10…パチンコ機、20…センター役物、27…主制御基板、27a…メインCPU、27b…ROM、27c…RAM、28…統括制御基板、28a…統括CPU、28b…ROM、28c…RAM、29…表示制御基板、29a…サブCPU、29b…ROM、29c…RAM。