以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下「パチンコ機」と示す)に具体化した一実施形態を図1〜図12に基づいて説明する。
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を保護するための保護ガラスが装着されるガラス枠を備えた前枠14と、上球皿15がそれぞれ横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14の前面側及び遊技盤13の遊技領域13aには、発光体(LED、ランプなど)の発光(点灯(点滅))により、発光演出を実行する装飾ランプ16が設けられている。外枠11の下部には、各種音声を出力し、音声出力に基づく遊技演出を行うスピーカ17が配置されている。中枠12の下部には、下球皿18及び発射装置19が装着されている。そして、遊技者が発射装置19を操作して、該発射装置19を駆動させることにより、上球皿15内の遊技球が遊技盤13の遊技領域13aへ発射されるようになっている。
遊技盤13の遊技領域13aの略中央には、7セグメント型の表示手段としての特図表示器H1と、液晶ディスプレイ型の表示手段としての可変表示器H2を備えたセンター役物20が配設されている。図2に示すように、特図表示器H1はセンター役物20の上部に設けられているとともに、可変表示器H2はセンター役物20の中央に設けられている。各表示器H1,H2では、変動画像(又は画像表示)に基づく表示演出が行われるとともに、該表示演出に関連して複数種類の図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。そして、図柄変動ゲームにおいて特図表示器H1では、複数種類の特別図柄(以下、「特図」と示す)を2列で変動させて特図を表示する。一方、図柄変動ゲームにおいて可変表示器H2では、複数種類の飾り図柄(以下、「飾図」と示す)を複数列(本実施形態では3列)で変動させて各列毎に飾図を表示する。なお、特図表示器H1と可変表示器H2は、図柄変動ゲームの開始により同時に図柄の変動表示が開始し、該ゲームの終了により同時に図柄が停止表示される。「変動表示」とは、図柄を表示する表示器の表示領域において図柄の種類を変化させながら図柄を表示している状態であり、「停止表示」とは、前記表示領域において図柄を確定的に停止している状態である。なお、特図は、大当りか否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄である。飾図は、表示演出を多様化するために用いられる演出用の図柄である。
本実施形態において特図表示器H1には、[00]〜[99]までの100種類の数字と、[−]の図柄が特図として表示されるようになっている。特図表示器H1に最終的に表示(停止表示)された図柄が[00]〜[99]の数字の場合、その図柄から当り(大当り及び小当り)を認識できる。この当りを認識できる図柄が、特図による当り(大当りの図柄及び小当りの図柄)となる。一方、特図表示器H1に停止表示された図柄が[−]の場合、その図柄からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄が、特図によるはずれの図柄となる。
本実施形態において可変表示器H2には、各列毎に[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]、[8]の8種類の数字が飾図として表示されるようになっている。そして、本実施形態では、3列の飾図を同一種類の飾図で形成した図柄組み合わせを、内部抽選で大当りを決定した場合に可変表示器H2に最終的に停止表示させる飾図の大当り図柄としている。例えば、飾図の大当り図柄は、[111]や[222]などである。一方、本実施形態では、3列の飾図が同一種類とせずに形成した図柄組み合わせを、内部抽選ではずれを決定した場合に可変表示器H2に最終的に停止表示させる飾図のはずれ図柄としている。3列の飾図が同一種類とならない場合には、3列の飾図の全てが異なる場合や2列の飾図が同一種類で1列の飾図の種類が異なる場合が含まれる。例えば、飾図のはずれ図柄は、[123]、[115]、[232]、[344]などである。そして、可変表示器H2における各列には、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って飾図が変動表示されるようになっている。
そして、本実施形態において特図表示器H1は、可変表示器H2に比較して小さい表示器(表示領域)で構成されるとともに、特図は飾図に比較して遥かに小さく表示されるようになっている。また、特図表示器H1に表示される図柄の種類は、可変表示器H2に表示される図柄の種類に比較して大幅に多く設定されている。このため、遊技者は、可変表示器H2に停止表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。可変表示器H2に停止表示された全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([222][777]など)から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが飾図による大当りの図柄組み合わせ(大当り図柄)となる。大当り図柄が停止表示されると、遊技者には、図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、可変表示器H2に停止表示された全列の図柄が異なる種類の場合、又は1列の図柄がリーチ状態を形成した図柄とは異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([123][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせが飾図によるはずれの図柄組み合わせ(はずれ図柄)となる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、図柄変動ゲームが開始すると(各列の図柄が変動を開始すると)、可変表示器H2において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に図柄が停止表示されるようになっている。そして、停止表示された左図柄と右図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では左列と右列)の図柄が同一種類となって停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では中列)の図柄が変動表示されている状態である。
また、可変表示器H2には、特図表示器H1の表示結果に応じた図柄組み合わせが表示されるようになっている。より詳しくは、特図表示器H1の特図による図柄と、可変表示器H2の飾図による図柄組み合わせが対応されており、図柄変動ゲームの終了時には、特図による図柄と飾図による図柄組み合わせが対応して停止表示されるようになっている。具体的に言えば、図2に示すように、特図表示器H1に例えば[01]などの大当り図柄が停止表示される場合には、可変表示器H2にも[111]などの大当りの図柄組み合わせが停止表示されるようになっている。また、特図表示領域H1に[−]のはずれ図柄が停止表示される場合には、可変表示器H2にも[121]や[345]などのはずれの図柄組み合わせが停止表示されるようになっている。なお、特図に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特図に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。
また、センター役物20の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根21を備えた始動入賞口22が配設されている。始動入賞口22の奥方には、入賞した遊技球を検知する始動口センサSE1(図3に示す)が設けられている。始動入賞口22は、遊技球の入賞検知を契機に、図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。また、始動入賞口22の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉23を備えた入賞手段としての大入賞口24が配設されている。そして、大当り遊技が付与されると、大入賞口扉23の開動作によって大入賞口24が開放されて遊技球が入賞可能となるため、遊技者は、多数の賞球が獲得できるチャンスを得ることができる。本実施形態において大当り遊技は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得られることから、遊技者に有利な有利遊技状態となる。そして、この大当り遊技は、内部抽選で大当りが決定し、図柄変動ゲームにて大当り図柄及び大当りの図柄組み合わせが停止表示されることにより得られるので、図柄の変動に関連して付与されることとなる。
大当り遊技は、図柄変動ゲームにて各表示器H1,H2に大当り図柄及び大当りの図柄組み合わせが停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口24が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では15ラウンド又は2ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口24が開放されてから閉鎖されるまでであり、1回のラウンド遊技中に大入賞口24は、規定入賞個数(本実施形態では10個)の遊技球が入賞するまでの間、又は規定時間(本実施形態では規定ラウンド数が15回の場合に25秒となり、規定ラウンド数が2回の場合に0.3秒となる)が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。
また、本実施形態のパチンコ機10は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)が低確率(通常状態)である通常確率(本実施形態では300分の1)から高確率(本実施形態では30分の1)に変動される確変状態を付与する機能である。また、確変状態は、予め定めた回数(本実施形態では10000回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。本実施形態では、確変状態を予め定めた回数として10000回を定めているため、実質的に次回の大当りが生起される迄の間付与されることと同等となっている。また、大当り遊技終了後に確変状態を付与する大当りが確変大当りとなり、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
本実施形態のパチンコ機10では、大当りとして大当り遊技中のラウンド遊技の規定ラウンド数を15回と定める大当り15R(第1当り)と、規定ラウンド数を2回と定める大当り2R(第2当り)とが設けられている。大当り15Rが遊技者に付与される場合には、規定ラウンド数を15回と定める大当り遊技(第1の当り遊技)が付与され、大当り2Rが遊技者に付与される場合には、規定ラウンド数を2回と定める大当り遊技(第2の当り遊技)が付与される。また、本実施形態には、内部抽選によって、大当り(大当り15R及び大当り2R)とは別に決定される小当り(第3当り)が設けられている。そして、小当りが前記内部抽選によって決定され、小当りが遊技者に付与される場合には、大入賞口扉23を開動作させ大入賞口24を開放するラウンド遊技の規定ラウンド数を2回と定める小当り遊技(第3の当り遊技)が付与されるようになっている。
また、大当り15Rには、大当り遊技終了後に確変状態が付与される確変大当りと、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない非確変大当りとがある。大当り15Rの確変大当りでは、大当り遊技終了後に確変状態が次に大当りとなる迄の間(最大で10000回)の図柄変動ゲームに付与される。また、大当り15Rの非確変大当りでは、確変状態が付与されないようになっている。一方、大当り2Rには、大当り遊技終了後に確変状態が付与される確変大当りのみがある。すなわち、大当り2Rの大当り遊技終了後には、必ず確変状態が付与されるようになっている。他方、小当りによる小当り遊技の終了後には、遊技状態が当該小当りの当選時の遊技状態を継続するようになっている。すなわち、小当り遊技の終了後には、遊技状態が移行しないようになっている。このため、小当り遊技の終了後には、小当り当選時の遊技状態が、大当りの当選確率が低確率である通常状態である場合には確変状態に移行しない一方、大当りの当選確率が高確率である確変状態である場合には確変状態が継続されるようになっている。
次に、パチンコ機10の制御構成について図3に基づき説明する。
パチンコ機10の機裏側には、パチンコ機10全体を制御する主制御基板27が装着されている。主制御基板27は、パチンコ機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、統括制御基板28と、表示制御基板29と、ランプ制御基板30と、音声制御基板31とが装着されている。統括制御基板28は、主制御基板27が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、表示制御基板29、ランプ制御基板30及び音声制御基板31を統括的に制御する。表示制御基板29は、主制御基板27と統括制御基板28が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、可変表示器H2の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、ランプ制御基板30は主制御基板27と統括制御基板28が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、装飾ランプ16の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)を制御する。また、音声制御基板31は、主制御基板27と統括制御基板28が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、スピーカ17の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
以下、主制御基板27、統括制御基板28及び表示制御基板29について、その具体的な構成を説明する。
前記主制御基板27には、メインCPU27aが備えられている。該メインCPU27aには、ROM27b及びRAM27cが接続されている。また、メインCPU27aには、始動入賞口22に入賞した遊技球を検知する始動口センサSE1が接続されている。また、メインCPU27aには、特図表示器H1が接続されている。また、メインCPU27aは、当り判定用乱数、特図振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値をRAM27cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
また、ROM27bには、パチンコ機10全体を制御するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、ROM27bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特図及び飾図)が変動を開始(図柄変動ゲームが開始)してから全列の図柄が確定的に停止表示(図柄変動ゲームが終了)される迄の間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。また、ROM27bには、大当りと判定するための大当り判定値と、小当りと判定するための小当り判定値とが記憶されている。また、ROM27bには、大当り時に特図を決定するための特図判定値が記憶されている。特図判定値では、特図ごとに特図振分用乱数が振り分けられている。そして、メインCPU27aは、大当りの決定時(大当り判定において肯定となった場合)、特図振分用乱数と特図判定値を参照し、1つの特図による大当りの図柄([00]〜[99]の中から大当りに対応するいずれか)を決定する。一方、メインCPU27aは、小当りの決定時(大当り判定において否定となり、小当り判定によって肯定となった場合)、特図による小当りの図柄([00]〜[99]の中から小当りに対応するいずれか)を決定する。他方、はずれの決定時(大当り判定及び小当り判定において否定となった場合)、特図によるはずれの図柄([−])を決定する。また、前記RAM27cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(各種乱数の値など)が記憶されるようになっている。
変動パターンには、該変動パターン毎に、図柄変動ゲームの開始から終了までの変動時間が定められている。また、本実施形態には、変動時間の異なる複数種類の変動パターンが設けられている。すなわち、変動パターンは、図柄変動ゲームの変動時間と演出内容が特定可能とされている。なお、特図及び飾図に基づく遊技演出の演出時間は同じである。そして、特図ゲームは、前記演出時間の経過時に特図が特図表示器H1に確定的に停止表示され、前記演出時間が経過するまでの間、変動している。また、飾図ゲームは、前記演出時間が経過するまでの間、変動している。本実施形態のパチンコ機10では、変動パターンとして、大当り15Rが決定される場合に選択される変動パターンP1と、大当り2Rが決定される場合に選択される変動パターンP2が用意されている。また、小当りが決定される場合に選択される変動パターンP3と、はずれが決定される場合に選択されるはずれ演出用の変動パターンが用意されている。
次に、本実施形態の変動パターンP1、変動パターンP2、変動パターンP3及びはずれ演出用の変動パターンについて説明する。
変動パターンP1では、図柄変動ゲームの特図表示器H1及び可変表示器H2において、夫々に大当りを認識できる大当りの図柄及び大当りの図柄組み合わせが最終的に表示されるパターンとなっている。また、変動パターンP2では、図柄変動ゲームの特図表示器H1で大当りを認識できる大当りの図柄が最終的に表示されるようになっており、図柄変動ゲームの可変表示器H2で大当りを認識できない、且つ、大当りの図柄組み合わせとは異なる図柄組み合わせが最終的に表示されるパターンとなっている。本実施形態において、前記大当りの図柄組み合わせは、変動パターンP1に基づく図柄変動ゲームで最終的に表示される飾図による図柄組み合わせであり、全列の図柄が同一種類となる図柄組み合わせである。また、変動パターンP3では、図柄変動ゲームの特図表示器H1で小当りを認識できる小当り図柄が最終的に表示されるようになっており、図柄変動ゲームの可変表示器H2で大当りを認識できない、且つ、大当りの図柄組み合わせとは異なる図柄組み合わせが最終的に表示されるパターンとなっている。また、はずれ演出用の変動パターンでは、図柄変動ゲームの特図表示器H1及び可変表示器H2において、夫々にはずれの図柄及びはずれの図柄組み合わせが最終的に表示されるパターンとなっている。
また、変動パターンP2は、図柄変動ゲームの変動時間と演出内容をはずれ演出用の変動パターンと同じに設定しているパターンであり、変動パターンP2とはずれ演出用の変動パターンでは、図柄変動ゲームの特図表示器H1の最終的な表示内容と可変表示器H2の最終的な表示内容が異なるようになっている。また、変動パターンP3は、図柄変動ゲームの変動時間と演出内容をはずれ演出用の変動パターンと同じに設定しているパターンであり、変動パターンP3とはずれ演出用の変動パターンでは、図柄変動ゲームの特図表示器H1の最終的な表示内容と図柄変動ゲームの可変表示器H2の最終的な表示内容が異なるようになっている。このため、変動パターンP2では特図表示器H1で大当りの図柄、変動パターンP3では特図表示器H1で小当りの図柄が最終的に停止表示されるが、各パターンの可変表示器H2の表示結果からは遊技者に、今回の図柄変動ゲームが大当り又は小当りであるか否かが認識し難いようになっている。すなわち、変動パターンP2及び変動パターンP3は、内部的に大当り又は小当りが決定されている(特図による大当り又は小当りの図柄が停止表示される)が、遊技者には見た目上(可変表示器H2で)はずれを認識させ易い図柄組み合わせを停止表示させるパターンとなっている。
そして、本実施形態のパチンコ機10では、メインCPU27aの大当りの決定時(内部的に大当りを決定時)、特図振分用乱数によって振り分けられる特図の種類に応じて、変動パターンP1と変動パターンP2のいずれかが選択され、小当りの決定時(内部的に小当りを決定時)、変動パターンP3が選択されるようになっている。また、メインCPU27aのはずれの決定時(内部的にはずれを決定時)、はずれ演出用の変動パターンが選択されるようになっている。
各表示器H1,H2では、変動パターンに基づき図柄変動ゲームが開始し、該変動パターンの変動時間の経過時に図柄が停止表示される。なお、大当り15Rの大当り演出が行われる場合、各表示器H1,H2が同時に図柄の変動を開始し、可変表示器H2においてリーチ状態が形成されてリーチ演出が行われ、変動時間の経過時に各表示器H1,H2が同時に図柄を停止表示させる。すなわち、特図表示器H1では、図柄の変動開始後、変動時間経過時まで図柄の変動が継続されており、リーチ演出などの遊技者に大当りへの期待感を持たせる内容の表示演出は可変表示器H2のみで行われる。
次に、本実施形態において、大当りの決定時にメインCPU27aが決定する特図と、当該特図の種類毎に行われる大当り遊技について図4に基づき説明する。
図4には、大当り時に決定される特図([00]〜[99]のうちで大当りに対応する特図)において、特図毎に大当り遊技で行われるラウンド遊技の回数、1回のラウンド遊技での大入賞口24が開放される開放時間(大入賞口扉23が開動作してから閉動作するまでの時間)、確変状態を付与するか否か、特図振分用乱数による選択割合が示されている。
[00]〜[99]の特図のうち40種類の大当り2Rに対応する特図には、大当り遊技中のラウンド遊技の規定ラウンド数が2ラウンド(2回)である大当り2Rが定められており、その1回のラウンド遊技では、大入賞口24を最大で0.3秒間開放させることを定めている。また、大当り2Rに対応する特図に伴う大当り遊技の終了後には、確変状態が付与される確変大当りとなるようになっている。そして、大当り時には、特図振分用乱数は、乱数全体の50%の割合(特図振分用乱数の2分の1)で大当り2Rに対応する特図(40種類のいずれかの特図)が選択されるように振り分けられている。
また、[00]〜[99]の特図のうち前記大当り2Rに対応する特図以外の40種類の大当り15Rに対応する特図には、大当り遊技中のラウンド遊技の規定ラウンド数が15ラウンド(15回)である大当り15Rが定められており、その1回のラウンド遊技では、大入賞口24を最大で25秒間開放させることを定めている。また、大当り15Rに対応する特図のうち20種類の特図は、大当り遊技の終了後に確変状態が付与されない非確変大当りの特図となるようになっている。一方、大当り15Rに対応する特図のうち前記非確変大当りの特図以外の20種類の特図は、大当り遊技終了後に確変状態が付与される確変大当りの特図となるようになっている。そして、大当り時には、特図振分用乱数は、乱数全体の25%の割合(特図振分用乱数の4分の1)で非確変大当りの特図及び確変大当りの特図が選択されるように振り分けられている。
本実施形態では、[00]〜[99]の100種類のうち40種類を大当り15Rに対応する特図とし、当該特図以外の60種類のうち40種類を大当り2Rに対応する特図とし、大当り15R大当り及び大当り2Rに対応する80種類の特図以外の20種類を小当りに対応する特図としている。また、100種類の大当り15Rに対応する特図と、大当り2Rに対応する特図と、小当りに対応する特図は、それぞれの当りに対応する特図が連続した数字として対応付けされないようになっている。このため、例えば、大当り15Rが生起された場合の特図が[01]であった場合、[00]や[02]の特図に対応する当りが大当り15Rとは限らないようになっている。したがって、遊技者に特図の表示態様から今回の当りの種類が認識し得ない構成となっている。
本実施形態のパチンコ機10では、大当り時に決定される特図により当該大当りを大当り15R又は大当り2Rのどちらの大当りとするかが振り分けられる。また、大当り15Rでは、1回のラウンド遊技で大入賞口24を1回開放し、規定ラウンド数(大当り15Rでは15回)で最大開放回数15回だけ大入賞口24が開放される(大入賞口扉23が開制御される)ようになっている。また、大当り2Rでは、1回のラウンド遊技で大入賞口24を1回開放し、規定ラウンド数(大当り2Rでは2回)で最大開放回数2回だけ大入賞口24が開放される(大入賞口扉23が開制御される)ようになっている。
本実施形態において、大当り15Rでは、1回のラウンド遊技で大入賞口24が開放される開放時間(大入賞口扉23が開動作して閉動作するまでの時間)は、大入賞口24が開放されてから発射される遊技球の少なくとも規定入賞個数(本実施形態では10個)の遊技球が発射される迄の時間以上に定められている。本実施形態の発射装置19では、1分間に100個の遊技球が発射可能である。このため、発射装置19は、0.6秒間隔で遊技球を発射することとなる。また、発射装置19において、大入賞口24が開放されてから規定入賞個数である10個の遊技球を発射するまでに要する時間は、6.0秒である。すなわち、大当り15Rでは、大入賞口24の開放時間を6.0秒に対して十分長い25秒に定めることで、前記規定入賞個数の遊技球を大入賞口24へ入賞可能になっている。したがって、大当り15Rでは、規定ラウンド数のラウンド遊技において、規定入賞個数の遊技球を入賞させ、賞球を獲得できるチャンスが遊技者に与えられている。
一方、大当り2Rでは、1回のラウンド遊技で大入賞口24が開放される開放時間(大入賞口扉23が開動作してから閉動作するまでの時間)は、大入賞口24が開放されてから発射される1個の遊技球が大入賞口24に到達(入賞)する迄の時間未満に定められている。本実施形態では、遊技盤13の左上方から遊技領域13aに発射される遊技球は、当該遊技領域13a上に配置される遊技部材(複数本の釘、センター役物20、各種入賞装置など)に衝突しながら遊技領域13aの下方(アウトロ)に流下して行く。このため、発射装置19から発射された遊技球は、遊技領域13aの下方に設けられる大入賞口24へ発射されて直ぐに到達するわけでなく、遊技領域13aに配置される遊技部材に衝突するなどして大入賞口24に到達するまでには、到達時間(例えば、1.0秒)を要することとなる。すなわち、大当り2Rでは、大入賞口24の開放時間を前記到達時間より短い時間(本実施形態では0.3秒)に定めることで、少なくとも大入賞口24が開放されてから発射された遊技球に関しては、当該遊技球を入賞させないように(遊技球の入賞が困難な状態に)することができる。なお、大入賞口24が開放された時点で既に発射されている遊技球に関しては、大入賞口24に遊技球が入賞する場合があり、大当り2Rでも遊技球が入賞する場合もある。
また、大当り2Rでは、大入賞口24を0.3秒のみ開放させるため、遊技者には、当該大入賞口24が開放されたか否かに気付かせ難い。本実施形態では、大当り15Rに対応する特図が選択される場合、遊技者に大当り遊技で多くの賞球を獲得させるチャンスを付与するとともに、大当り遊技を楽しませる一方で、大当り2Rに対応する特図が選択される場合、遊技者に大当りとなったこと自体を気付かせ難くさせている。
次に、図3に基づき統括制御基板28について説明する。
統括制御基板28には、統括CPU28aが備えられている。該統括CPU28aには、ROM28b及びRAM28cが接続されている。また、統括CPU28aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値をRAM28cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。また、ROM28bには、表示制御基板29、ランプ制御基板30及び音声制御基板31を統括的に制御するための統括制御プログラム(潜伏フラグ設定処理(図9)や、モード突入抽選処理(図10)など)が記憶されている。また、ROM28bには、図柄変動ゲームの演出内容を制御するコマンドなどが記憶されている。また、ROM28bには、図柄変動ゲームを特別モード又は通常モードのいずれの演出モードで実行するかを決定するための各種テーブルが記憶されている。また、RAM28cには、遊技中に適宜書き換えられる情報(各種乱数の値、各種フラグ、各種タイマなど)が記憶(設定)されるようになっている。
また、本実施形態のパチンコ機10では、可変表示器H2で遊技状態が非確変状態であることを示唆する示唆演出を実行する通常モード(通常演出モード)と、遊技状態が確変状態であることを示唆する示唆演出を実行する特別モード(特別演出モード)とのいずれかの演出モードにより図柄変動ゲームの演出が行われるようになっている。そして、本実施形態では、大当り2Rに当選すること、小当りに当選することのいずれかの成立を条件に特別モードに突入する(特別モードが開始される)ようになっている。このため、特別モードの開始により遊技状態が確変状態であることを秘匿する秘匿状態に突入したことを遊技者に報知(示唆)するようになっている。
また、特別モードには、演出態様(秘匿演出)の異なる中確モード、高確モード及び超高確モードの3種類(複数種類)が設けられている。各特別モードでは、遊技状態が秘匿状態(確変状態であるか否かが秘匿されている)であって、遊技状態が確変状態である可能性(期待度)が異なっている。中確モードは、秘匿状態であって、遊技状態が確変状態であることへの期待度が特別モードの中で最も低くなっている。また、高確モードは、秘匿状態であって、遊技状態が確変状態であることへの期待度が中確モードに比較して高くなっている。また、超高確モードは、秘匿状態であって、遊技状態が確変状態であることへの期待度が高確モードに比較して高くなっている。すなわち、中確モードでは、遊技者に秘匿状態が開始されたことを報知するとともに、確変状態に突入しているかもしないことを遊技者に報知している。一方、高確モードでは、遊技者に秘匿状態であることを報知するとともに、確変状態に突入している可能性が中確モードに比較して高いことを報知している。他方、超高確モードでは、遊技者に秘匿状態であることを報知するとともに、確変状態に突入している可能性が特別モードの中で最も高いことを報知している。
さらに、特別モードは当該特別モード中に実行される転落抽選に当選することで終了され、終了後には当り(大当り2Rや小当り)の抽選とは別に行われる再開抽選に当選することで特別モードが再度開始される可能性がある潜伏状態が設定されるようになっている。潜伏状態は、特別モードの終了後であっても特別モード中と同様に確変状態への期待を遊技者に抱かせることができる状態である。また、潜伏状態は、モード設定契機の到来による特別モードの終了後、遊技状態に応じて第1上限値(本実施形態では、30回)又は第2上限値(本実施形態では、60回)のいずれかを上限とする図柄変動ゲームで設定されるようになっている。そして、統括CPU28aにより遊技状態が低確率状態である場合には第1上限値を上限とする潜伏状態が設定され、遊技状態が高確率状態である場合には第2上限値を上限とする潜伏状態が設定されるようになっている。
本実施形態では、大当り2R又は小当りの当選をモード設定契機として特別モードが開始されるとともに、潜伏状態において前記モード設定契機とは異なる再開抽選に当選することを再開条件の成立として特別モードが再度開始(再開)されるようになっている。すなわち、特別モードの開始契機は、モード設定契機の到来時と、当該モード設定契機とは異なる再開抽選の当選時の2通り存在することとなる。なお、潜伏状態以外では再開抽選は行われないとともに、潜伏状態以外での特別モードの開始契機はモード設定契機のみである。また、潜伏状態は、モード設定契機の到来以外で開始された特別モードの開始に伴って終了されないが、モード設定契機の到来による特別モードの開始に伴って終了する。このため、潜伏状態は、一旦設定されると潜伏状態での図柄変動ゲームが第1上限値又は第2上限値に達するまで継続されるようになっている。したがって、潜伏状態中に特別モードが再開される場合には、特別モードと潜伏状態とが交互に設定されるようになっている。なお、潜伏状態は、潜伏状態での図柄変動ゲームの累積回数が第1上限値又は第2上限値に達するまでの間継続される。すなわち、潜伏状態中に再開された特別モード中は、前記累積回数はカウントされないようになっている。
そして、ROM28bには、潜伏状態時に再開抽選に当選することで開始される特別モードの種類が定められたモード移行テーブルが記憶されている。図7(a)〜(c)には、前記モード移行テーブルを模式的に示したものを示している。図7に示すように、統括CPU28aは、図7のテーブルに基づき遊技状態と潜伏状態の設定直前まで滞在していた特別モードの種類とに応じて再開させる特別モードの種類を決定する。
図7(a)に示す中確モード中に転落抽選に当選して設定される潜伏状態時に用いられるテーブルと、図7(b)に示す高確モード中に転落抽選に当選して設定される潜伏状態時に用いられるテーブルと、図7(c)に示す超高確モード中に転落抽選に当選して設定される潜伏状態時に用いられるテーブルとが用意されている。
中確モード終了後の潜伏状態時に用いられるテーブルには、遊技状態が低確率状態である場合に、60%の確率で中確モードから移行しない、30%の確率で高確モードに移行する、10%の確率で超高確モードに移行することが定められている。一方、遊技状態が高確率状態である場合に、20%の確率で中確モードから移行しない、50%の割合で高確モード移行する、30%の確率で超高確モードに移行することが定められている。
また、高確モード終了後の潜伏状態時に用いられるテーブルには、遊技状態が低確率である場合に、80%の確率で高確モードに移行する、20%の確率で超高確モードに移行する、中確モードには移行しないこと(0(零)%で中確モードに移行すること)が定められている。一方、遊技状態が高確率状態である場合に、30%の確率で高確モードに移行する、70%の確率で超高確モードに移行する、中確モードには移行しないこと(0(零)%で中確モードに移行すること)が定められている。
また、超高確モード終了後の潜伏状態時に用いられるテーブルには、遊技状態が低確率である場合に、100%の確率で超高確率から移行しない、中確モード及び高確モードには移行しないこと(0(零)%で中確モード及び高確モードに移行すること)が定められている。一方、遊技状態が高確率状態である場合に、100%の確率で超高確モードに移行する、中確モード及び高確モードに移行しないこと(0(零)%で中確モード及び高確モードに移行すること)が定められている。
また、ROM28bには、通常モード時に大当り2R又は小当りに当選することで開始される特別モードの種類が定められたモード移行テーブルが記憶されている。図8は、前記モード移行テーブルを模式的に示している。
図8に示すように、遊技状態が低確率状態である場合に、70%の確率で中確率モードに移行する、20%の確率で高確モードに移行する、10%の確率で超高確モードに移行することが定められている。一方、高確率状態である場合に、40%の確率で中確率モードに移行する、40%の確率で高確率モードに移行する、20%の確率で超高確モードに移行することが定められている。
本実施形態において遊技状態が確変状態である可能性(期待度)とは、遊技状態が確変状態である場合に各特別モードが開始される確率である。そして、図7に示すモード移行テーブルには、遊技状態が高確率状態である場合において低確率状態であるときに比較して、高い確率で遊技状態が確変状態である可能性(期待度)が高いモードに移行するように確率が振分けられている。このため、中確モードに比較して高確モードに滞在している方が遊技状態が高確率状態である可能性(期待度)が高く、高確モードに比較して超高確モードに滞在している方が遊技状態が確変状態である可能性(期待度)が高くなるようになっている。
また、各特別モードの終了後の潜伏状態時に再開される特別モードは、再開前の特別モードよりも確変状態への期待度が低い特別モードには移行しないようになっている。すなわち、図7(b)では中確モードへの移行を規制するとともに、図7(c)では高確モードへの移行を規制するようになっている。また、遊技状態が低確率状態時に比べて高確率状態時では、確変状態への期待度が高い特別モードへの移行率が高くなるように確率が振分けられるようになっている。さらに、図7(a)〜(c)に示すように、遊技状態が高確率状態である場合には滞在していた特別モードよりも確変状態への期待度が高い特別モードに移行し易いように確率が振分けられている。
次に、図3に基づき表示制御基板29について説明する。
表示制御基板29には、サブCPU29aと、ROM29bと、RAM29cとが設けられている。ROM29bには、可変表示器H2の表示内容を制御するための演出制御プログラムが記憶されている。また、ROM29bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、RAM29cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
以下、主制御基板27(メインCPU27a)、統括制御基板28(統括CPU28a)及び表示制御基板29(サブCPU29a)が実行する制御内容を説明する。
最初に主制御基板27(メインCPU27a)がメイン制御プログラムに従って実行する制御内容について説明する。
メインCPU27aは、始動入賞口22に遊技球が入賞し、始動口センサSE1からの検知信号を入力すると、当り判定用乱数の値と特図振分用乱数の値をRAM27cから読み出し、RAM27cの所定の格納領域に格納(記憶)する。そして、メインCPU27aは、図柄変動ゲームの開始直前に、RAM27cに記憶されている前記当り判定用乱数の値とROM27bに記憶されている大当り判定値を比較して大当りに当選しているか否かの大当り判定(第1の当り判定)を行う。この判定結果が肯定の場合、メインCPU27aは、大当りを決定する。一方、前記判定結果が否定の場合、メインCPU27aは、前記当り判定用乱数の値とROM27bに記憶されている小当り判定値を比較して小当りに当選しているか否かの小当り判定(第2の当り判定)を行う。この判定結果が肯定の場合、メインCPU27aは、小当りを決定する。一方、前記判定結果が否定の場合、メインCPU27aは、大当り及び小当りに当選しなかったため、はずれを決定する。
メインCPU27aは、確変状態が付与されていない通常状態時は大当り判定の判定結果が肯定となる当選確率を通常確率(300分の1)に設定して大当りであるか否かの判定を行い、確変状態時は大当りの当選確率を高確率(30分の1)に設定して大当り判定を行う。また、メインCPU27aは、確変状態が付与されているか否かに拘わらず小当り判定の判定結果が肯定となる当選確率を、大当り判定の判定結果が肯定となる通常確率(300分の1)よりも高い当選確率(本実施形態では200分の1)に設定して小当り判定を行う。なお、本実施形態のパチンコ機10は、確変状態時に大当り(大当り15R及び大当り2R)の当選確率が通常確率の10倍に上昇するため、小当りに当選する可能性は大当りに比較して低くなる。このため、確変状態では小当りよりも大当りに当選し易い(当選確率が高く設定されている)構成となっている。一方、通常状態では大当りよりも小当りが当選し易い(当選確率が高く設定されている)構成となっている。
次に、本実施形態のパチンコ機10において、当り判定(大当り判定及び小当り判定)によって抽選される通常状態時の大当り及び小当りに定める当選確率、及び確変状態時の大当りに定める当選確率を図5に基づき説明する。
図5には、通常状態時の大当り及び小当りの当選確率が示されている。また、図5には、通常状態時の当選確率欄の下段の括弧内に確変状態時の大当りの当選確率が示されている。
図5に示すように、通常状態において、大当り及び小当りは、大当り判定によって300分の1の当選確率で大当りと判定され(当り判定用乱数と大当り判定値とが一致し)、小当り判定によって200分の1の当選確率で小当りと判定される(当り判定用乱数と小当り判定値とが一致する)。また、大当り判定によって大当りと判定される場合、その2分の1(半分)の振分率で大当り15R又は大当り2Rに振り分けられる。このため、大当り15Rへの当選確率は、600分の1((1/300)×(1/2))であり、大当り2Rへの当選確率も600分の1((1/300)×(1/2))である。また、大当りが大当り15Rである場合、さらに、その2分の1(半分)の振分率で確変大当り又は非確変大当りに振り分けられる。このため、確変大当りの大当り15Rへの当選確率は1200分の1((1/600)×(1/2))であり、非確変大当りの大当り15Rへの当選確率も1200分の1((1/600)×(1/2))である。また、大当り2R及び小当りに当選する当選確率は、150分の1((1/600)+(1/200))となっている。
また、確変状態において、大当りは、大当り判定によって30分の1の当選確率で大当りと判定され(当り判定用乱数と大当り判定値とが一致し)、小当り判定によって200分の1の当選確率で小当りと判定される(当り判定用乱数と小当り判定値とが一致する)。また、大当り判定によって大当りと判定される場合、その2分の1(半分)の振分率で大当り15R又は大当り2Rに振り分けられる。このため、大当り15Rへの当選確率は、60分の1((1/30)×(1/2))であり、大当り2Rへの当選確率も60分の1((1/30)×(1/2))である。また、大当りが大当り15Rである場合、さらに、その2分の1(半分)の振分率で確変大当り又は非確変大当りに振り分けられる。このため、確変大当りの大当り15Rへの当選確率は120分の1((1/60)×(1/2))であり、非確変大当りの15Rへの当選確率も120分の1((1/60)×(1/2))である。なお、確変状態であるか否かに拘わらず小当りの当選確率は200分の1である。
そして、メインCPU27aは、大当り判定において大当りを決定した場合、当り判定用乱数の値とともにRAM27cに記憶した特図振分用乱数の値を読み出し、該値に予め対応付けられた特図(大当りに対応する特図)を特図による大当り図柄として決定する。また、小当り判定において小当りを決定したメインCPU27aは、小当りに予め対応付けられた特図(小当りに対応する特図)を特図による小当り図柄として決定する。大当り図柄は、最終的に停止表示される特図による大当りの図柄(最終的な大当り表示結果)を形成する図柄であり、小当り図柄は、最終的に停止表示される特図による小当りの図柄(最終的な小当り表示結果)を形成する図柄である。また、メインCPU27aは、特図を決定した場合、当該特図に基づき大当り時には変動パターンP1又は変動パターンP2のいずれか1つの変動パターンを決定するとともに、小当り時には変動パターンP3の変動パターンを決定する。
また、メインCPU27aは、大当りを決定した場合、決定した特図による大当り図柄を判定し、今回の大当りを大当り2Rとするか又は大当り15Rとするかを決定するとともに、今回の大当り遊技終了後に確変状態を付与するか否かを決定する。メインCPU27aは、大当りの決定時に特図を決定することにより、大当り遊技終了後の遊技状態として確変状態を付与するか否かを決定している。
また、メインCPU27aは、小当りを決定した場合、小当り遊技終了後の遊技状態を、小当り当選時の遊技状態を継続させるようにする。このため、メインCPU27aは、RAM27cに記憶する情報(フラグなど)をそのまま維持する。本実施形態では、RAM27cに現在の遊技状態を示す情報(フラグなど)が記憶されており、メインCPU27aは、当該情報に基づき現在の遊技状態が確変状態であるか否かを把握している。このため、メインCPU27aは、小当りの当選時に確変状態を付与している場合には継続的に確変状態を付与する。したがって、本実施形態では、小当りの当選を契機に確変状態が終了されることはなく、大当り15Rの非確変大当りでのみ終了されるようになっている。そして、メインCPU27aは、大当りの種類(大当り2R又は大当り15R)と、確変状態を付与するか否かを決定した場合、当該決定に基づく情報(フラグなど)をRAM27cに記憶(設定)する。
一方、メインCPU27aは、大当り判定及び小当り判定の判定結果が共に否定(大当り判定値及び小当り判定値とが不一致)の場合、はずれを決定する。はずれを決定したメインCPU27aは、はずれに予め対応付けられた特図[−]によるはずれ図柄を決定する。はずれ図柄は、最終的に停止表示されるはずれの図柄を形成する図柄である。また、メインCPU27aは、はずれ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する。
特図及び変動パターンを決定したメインCPU27aは、所定の制御コマンドを所定のタイミングで統括制御基板28(統括CPU28a)に出力する。具体的に言えば、メインCPU27aは、最初に変動パターンを指示するとともに、図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力する。次に、メインCPU27aは、決定した特図を示す特図指定コマンドを出力する。その後、メインCPU27aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に、図柄変動ゲームの停止(停止表示)を指示する全図柄停止コマンドを出力する。また、メインCPU27aは、変動パターン指定コマンドの出力時に特図表示器H1で特図の変動を開始させ、全図柄停止コマンドの出力時に特図表示器H1で特図の変動を終了させるように特図表示器H1を制御する。
また、メインCPU27aは、大当りを決定した場合、変動パターンP1及び変動パターンP2に基づく図柄変動ゲームの終了後、大当り遊技に係る制御(オープニング演出などの演出指示や大入賞口扉23の開閉動作の制御)を実行する。メインCPU27aは、大当り15Rを開始させる場合、オープニング演出や、各ラウンド遊技で行わせるラウンド演出、エンディング演出などの指示をする制御コマンドを出力する。また、メインCPU27aは、オープニング演出の終了後、大入賞口扉23を開動作(1回目の大入賞口24の開放)させる。そして、メインCPU27aは、規定入賞個数の遊技球が大入賞口24に入賞する迄の間、又はタイマにより25.0秒を計時し間もなく再度大入賞口扉23を開動作(2回目の大入賞口24の開放)させる。続いて、メインCPU27aは、規定ラウンド数に定める15回のラウンド遊技の終了後(15回目の大入賞口24の開放後)、エンディング演出を開始させ当該エンディング演出の終了を以って大当り15Rの大当り遊技を終了させる。
また、メインCPU27aは、大当り2Rを開始させる場合、図柄変動ゲームで図柄(特図及び飾図)の停止表示後(全図柄停止コマンドの出力後オープニング演出の開始を指示する制御コマンドを出力し、間もなく大入賞口扉23を開動作(1回目の大入賞口24の開放)させる。そして、メインCPU27aは、タイマにより0.3秒を計時し、大入賞口扉23を閉動作させる。続いて、メインCPU27aは、1.2秒のインターバルを計時し間もなく再度大入賞口扉23を開動作(2回目の大入賞口24の開放)させる。また、メインCPU27aは、タイマにより0.3秒を計時し、大入賞口扉23を閉動作させる。そして、メインCPU27aは、大入賞口扉23の2回の開閉動作の終了後(2回の大入賞口24の開放後)、エンディング演出の実行を指示するエンディング指定コマンドを出力する。そして、メインCPU27aは、エンディング演出の終了を以って大当り2Rの大当り遊技を終了させる。
また、メインCPU27aは、小当りを決定した場合、変動パターンP3に基づく図柄変動ゲームの終了後、小当り遊技に係る制御を実行する。メインCPU27aは、小当り遊技を開始させる場合、図柄変動ゲームで図柄(特図及び飾図)の停止表示後(全図柄停止コマンドの出力後)、オープニング演出の開始を指示するオープニング指定コマンドを出力し間もなく大入賞口扉23を開動作(1回目の大入賞口24の開放)させる。そして、メインCPU27aは、タイマにより0.4秒を計時し、大入賞口扉23を閉動作させる。続いて、メインCPU27aは、1.0秒のインターバルを計時し間もなく再度大入賞口扉23を開動作(2回目の大入賞口24の開放)させる。また、メインCPU27aは、タイマにより0.4秒を計時し、大入賞口扉23を閉動作させる。そして、メインCPU27aは、大入賞口扉23の2回の開閉動作の終了後(2回の大入賞口24の開放後)、エンディング演出の実行を指示するエンディング指定コマンドを出力する。そして、メインCPU27aは、エンディング演出の終了を以って小当り遊技を終了させる。メインCPU27aは、大当り及び小当り遊技終了後(大当り2R、大当り15R、及び小当りの終了後)、RAM27cに記憶される前記情報に基づき、大当り及び小当り遊技終了後の遊技状態を決定する。
そして、確変状態を開始させる場合、メインCPU27aは、確変状態を開始したことを示す確変開始コマンドを統括CPU28aに出力し、確変状態中に大当りとなる、又は予め定めた回数(10000回)の図柄変動ゲームの経過時に確変状態を終了させる。そして、メインCPU27aは、確変状態を終了させる場合には、確変状態が終了することを示す確変終了コマンドを統括CPU28aに出力する。一方、メインCPU27aは、RAM27cに確変状態を付与することが示されていない場合には、遊技状態として確変状態を付与しない。そして、メインCPU27aは、大当り遊技終了時、RAM27cに記憶(設定)される前記情報などをクリアし図柄変動ゲームの処理を実行する。
本実施形態のパチンコ機10において、大当り2Rの大当り遊技と小当り遊技の遊技態様について図6に基づき説明する。
図6には、大入賞口24の1回の開放時間、大入賞口24を閉鎖してから次に当該大入賞口24を開放するまでのインターバル時間、各遊技(大当り2Rの大当り遊技及び小当り遊技)で大入賞口24を開放する最大開放回数、各遊技に要する時間(1回目の大入賞口24の開放から2回目の大入賞口24の閉鎖までに掛かる時間)を示している。
大当り2Rの大当り遊技では、1回の大入賞口24の開放時間(最大開放時間)を0.3秒、インターバル時間を1.2秒、大当り遊技での大入賞口24の開放回数を2回としている。また、1回の大当り遊技に要する時間は、1.8秒となっている。また、小当り遊技では、1回の大入賞口24の開放時間(最大開放時間)を0.4秒、インターバル時間を1.0秒、小当り遊技での大入賞口24の開放回数を2回としている。また、1回の小当り遊技に要する時間は、1.8秒となっている。
本実施形態の大当り2Rと小当りでは、1回の大入賞口24の開放時間を0.3秒、又は0.4秒に定めており、小当り遊技の方が大当り2Rの大当り遊技に比べて0.1秒間長く大入賞口24を開放している。そして、0.1秒の差は、遊技者が感覚で捉えることが困難な時間である。このため、遊技者は、大当り2R又は小当りに伴い大入賞口24が開放された場合、大入賞口24がどちらの開放時間(0.3秒又は0.4秒)で開放されたのか気付かせないようになっている。すなわち、大入賞口24の開放から大当り2Rであるか小当りであるかは、遊技者に判断されないようになっている。また、各遊技における大入賞口24が閉鎖されてから開放されるまでのインターバル時間を1.2秒、又は1.0秒に定めており、大当り2Rの大当り遊技の方が小当り遊技に比べて0.2秒長く定められている。そして、上記のように0.2秒の差は、遊技者が感覚で捉えることが困難な時間であるため、インターバル時間の違いからも今回の遊技が大当り2Rであるか小当りであるか遊技者に判断されないようになっている。さらに、各遊技における大入賞口24の最大開放回数と、大当り遊技又は小当り遊技に掛かる合計時間を同じに定めている。すなわち、大当り2Rの大当り遊技と、小当り遊技では、大入賞口24の開放時間及びインターバル時間の夫々に遊技者が感覚で捉えることのできない時間の差(0.1秒及び0.2秒)を定め、各遊技全体に要する時間を同じにすることで、遊技者にとって各遊技が同一態様に見えるようにしている。そして、同一態様に見えるため、大当り2Rの大当り遊技と小当り遊技の違いが遊技者に判断出来ないようになっている。
また、大当り2Rの大当り遊技同様に小当り遊技では、図柄変動ゲームの終了後間もなく大入賞口24を開放し、小当り遊技が開始されたこと自体を遊技者に認識させ難くしている。また、小当り遊技中の大入賞口24の開放時間は、一瞬(遊技球が発射されて大入賞口24に到達する時間未満である0.3秒又は0.4秒)であるため遊技球の入賞は略見込めず遊技者の獲得する賞球も略存在させないようになっている。
また、本実施形態では、大当り2Rの大当り遊技終了後に非確変状態となる、大当り2Rの非確変大当りを設けていない。このため、大当り2Rにより賞球の獲得を略見込めない大当りが付与されるとともに確変状態が付与される場合には、大当り15Rに当選するまでの間、確変状態が継続的に付与される。したがって、大当り2Rの当選後は、大当り15Rによって多くの賞球を遊技者に獲得させるまでの間、確変状態が継続されるようになっている。また、一度、確変状態が付与されると大当り15Rの非確変大当りに当選するまでの間(確変状態の図柄変動ゲームで10000回連続で当りに当選しない場合を除く)、確変状態は継続することとなる。すなわち、大当り15Rの非確変大当りでのみ確変状態が降格する(遊技状態が高確率状態から低確率状態に移行する)可能性がある。本実施形態では、当りの抽選を行い、当りとするか否かを決定するメインCPU27aが抽選手段として機能する。また、大当り遊技及び小当り遊技の遊技終了後の遊技状態を決定し、制御するメインCPU27aが状態制御手段として機能する。
次に、統括制御基板28(統括CPU28a)が統括制御プログラムにしたがい実行する制御内容について説明する。
統括CPU28aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該コマンドを各制御基板29〜31に出力する。また、統括CPU28aは、特図指定コマンド及び全図柄停止コマンドを入力すると、飾図を指定する図柄指定コマンド及び全図柄停止コマンドを表示制御基板29に出力する。また、統括CPU28aは、確変開始コマンドを入力すると、確変状態が付与されたことを示す情報(フラグなど)をRAM28cに設定する。また、統括CPU28aは、確変終了コマンドを入力するまでの間、RAM28cに前記情報を継続的に設定し、確変状態であることを把握している。
統括CPU28aは、特図指定コマンドを入力すると、当該特図指定コマンドに指定される特図の種類を判定する。そして、統括CPU28aは、その判定した特図の情報(特図指定コマンドに指定される特図)をRAM28cに記憶(設定)する。また、統括CPU28aは、特図に応じた飾図を決定し、その決定した飾図を示す図柄指定コマンドを表示制御基板29(サブCPU29a)に出力する。具体的には、統括CPU28aは、特図指定コマンドに指定される特図が大当り15Rに対応する特図の場合、飾図による図柄組み合わせとして大当りを認識することができる飾図による大当りの図柄組み合わせを決定する。統括CPU28aは、大当り15Rの非確変大当りに対応する特図の場合には、「2」、「4」、「6」、「8」の中から同一の数字3つの飾図による大当りの図柄組み合わせを抽選により決定する。すなわち、「2」、「4」、「6」、「8」の同一の数字3つの飾図による大当りの図柄組み合わせが、飾図による非確変大当りの図柄組み合わせとなる。また、統括CPU28aは、大当り15Rの確変大当りに対応する特図の場合には、「1」、「3」、「5」、「7」の中から同一の数字3つの飾図による大当りの図柄組み合わせを抽選により決定する。すなわち、「1」、「3」、「5」、「7」の同一の数字3つの飾図による大当りの図柄組み合わせが、飾図による確変大当りの図柄組み合わせとなる。
また、統括CPU28aは、特図指定コマンドに指定される特図が大当り2Rに対応する特図及び小当りに対応する特図の場合、飾図による図柄組み合わせとして大当りを認識できない、且つ、大当りの図柄組み合わせとは異なる図柄組み合わせを決定する。また、統括CPU28aは、大当り2Rに対応する特図及び小当りに対応する特図の時に決定する前記図柄組み合わせとして、リーチを形成する図柄組み合わせは決定せず、リーチも形成しない完全はずれの図柄組み合わせを決定する。完全はずれとは、図柄変動ゲームの表示結果からリーチにもならず大当りの期待を持つことができない図柄組み合わせである。そして、統括CPU28aは、大当り2R及び小当りの特図に対する飾図による図柄組み合わせとして、複数種類の図柄組み合わせの中から1つの図柄組み合わせを決定する。本実施形態において、大当り2R及び小当りの特図に対する飾図による図柄組み合わせは、3つの数字を数字の順に配列した[123]、[234]、[345](以下、「チャンス目」と示す)などの複数種類の図柄組み合わせである。
また、統括CPU28aは、特図指定コマンドに指定される特図が[−]の場合には、飾図の図柄組み合わせとして飾図によるはずれの図柄組み合わせを決定する。なお、[−]の特図に対する飾図による図柄組み合わせには、チャンス目の図柄組み合わせも含まれている。
本実施形態のパチンコ機10では、飾図による図柄組み合わせとして、大当り2R及び小当りに対応する特図には、遊技者側から見た場合においてはずれを認識し得る図柄組み合わせ(チャンス目)を対応させるようにした。このため、当り判定によって内部的に大当り2Rまたは小当りが決定されていても、飾図による図柄組み合わせとしては、遊技者側から見た場合においてはずれを認識し得る図柄組み合わせが決定される。その結果、可変表示器H2には、遊技者がはずれであることを認識する図柄組み合わせが確定的に停止表示される。すなわち、大当り2R及び小当りの特図による大当り2R又は小当りに当選した場合、遊技者には、大当り2R又は小当りに当選したことが可変表示器H2で認識させ難くなっている。また、チャンス目は、[−]の特図の場合にも飾図による図柄組み合わせとして決定される可能性もあり、チャンス目が可変表示器H2に表示されても、その表示結果から当り判定の結果が大当り2R又は小当りであるか、はずれであるかは、遊技者に認識し得ないようになっている。続いて、飾図による図柄組み合わせを決定した統括CPU28aは、大当り2R及び小当りに対応する特図による夫々大当り2Rの大当り遊技又は小当り遊技の終了後、当該大当り2R又は小当りを契機にして特別モードを開始させる。
続いて、特別モードを開始させる場合、統括CPU28aは、開始させる特別モードを複数種類(本実施形態では、中確モード、高確モード及び超高確モードの3種類)ある特別モードの中からいずれの特別モードを開始させるかを決定する。統括CPU28aは、RAM28cに基づき今回の当り(特図)の種類(大当り2R又は小当り)及び遊技状態(確変状態であるか否か)を確認し、特別モードの移行状態を決定する(図7参照)。移行状態には、移行状態A,B,C,Dがあり、各移行状態に各特別モードへの移行割合が定められている。また、統括CPU28aは、現在、特別モードに滞在しているか否か及び滞在している特別モードの種類をRAM28cに記憶(設定)している。本実施形態において、統括CPU28aは、特別モードの開始時に開始させる特別モードを識別することができる情報(フラグなど)をRAM28cに記憶(設定)するようになっている。そして、統括CPU28aは、各移行状態に定める移行割合と現在滞在している特別モードに基づき、開始させる特別モードの種類を決定する。なお、特別モード中であって、特別モードの移行が行われない場合、統括CPU28aは、現在の特別モードを継続して行うように制御する。
次に、図9及び図10に基づき潜伏フラグ設定処理及びモード突入抽選処理について説明する。
本実施形態において統括CPU28aは、潜伏フラグ設定処理(図9)及びモード突入抽選処理(図10)を図柄変動ゲームの開始に伴って変動パターン指定コマンドを入力する場合に実行する。
図9に示すように、潜伏フラグ設定処理において統括CPU28aは、RAM28cに設定されるモードフラグが「0(零)」であるか否かを判定する(ステップS10)。モードフラグは、いずれかの特別モードに滞在中であるか否かを示すものであり、統括CPU28aによりRAM28cにいずれかの特別モードに滞在している場合に「1」が設定され、通常モードに滞在している場合に「0(零)」が設定される。そして、ステップS10の判定結果が肯定の場合(通常モードに滞在している場合)、統括CPU28aは、RAM28cに設定される潜伏フラグが「1」であるか否かを判定する(ステップS11)。潜伏フラグは、特別モードの潜伏状態であるか否かを示すものであり、統括CPU28aによりRAM28cに潜伏状態である場合に「1」が設定され、潜伏状態でない場合に「0(零)」が設定される。
ステップS11の判定結果が否定の場合、潜伏状態ではないので統括CPU28aは、ステップS18に移行する。一方、ステップS11の判定結果が肯定の場合、統括CPU28aは、潜伏状態における図柄変動ゲームが行われるためRAM28cに設定されている潜伏カウント値に1加算(+1)して更新する(ステップS12)。潜伏カウント値は、潜伏状態で実行された図柄変動ゲームの回数を示すものであり、統括CPU28aによりRAM28cに潜伏状態である場合に図柄変動ゲームの実行に合わせて1ずつ加算される。なお、統括CPU28aは、潜伏カウント値をRAM28cの潜伏フラグが「1」となっている潜伏状態で行われる図柄変動ゲームでカウントを実行し、潜伏フラグが「0(零)」となっている潜伏状態中に再開された特別モード中はカウントを実行しない。
続いて、統括CPU28aは、遊技状態が高確率状態である確変状態であるか否かを判定する(ステップS13)。この判定結果が肯定の場合、統括CPU28aは、遊技状態が確変状態であるのでRAM28cに設定されている潜伏カウント値が「61」であるか否か(第2上限値である「60」を超えているか否か)を判定する(ステップS14)。この判定結果が否定の場合、統括CPU28aは、潜伏カウント値が第2上限値を超えていないのでステップS18に移行する。一方、ステップS14の判定結果が肯定の場合、統括CPU28aは、潜伏カウント値の値が第2上限値を超えており潜伏状態を終了(解除)させるためRAM28cに設定されている潜伏フラグに「0(零)」を設定する(ステップS15)。また、ステップS15において統括CPU28aは、潜伏カウント値の値を「0(零)」にリセットするとともに、モード契機フラグをクリアする。そして、統括CPU28aは、ステップS18に移行する。モード契機フラグは、特別モードの開始契機がモード設定契機の到来であるか(大当り2R又は小当りの当選を契機とするか)、又は再開抽選の当選を契機とするかを示すものである。
一方、ステップS13の判定結果が否定の場合、統括CPU28aは、非確変状態であるのでRAM28cに設定されている潜伏カウント値が「31」であるか否か(第1上限値である「30」を超えているか否か)を判定する(ステップS16)。この判定結果が否定の場合、統括CPU28aは、潜伏カウント値の値が第1上限値を超えていないのでステップS18に移行する。一方、ステップS16の判定結果が肯定の場合、統括CPU28aは、潜伏カウント値の値が第1上限値を超えており潜伏状態を終了(解除)させるためRAM28cに設定されている潜伏フラグに「0(零)」を設定する(ステップS17)。また、ステップS17において統括CPU28aは、潜伏カウント値の値を「0(零)」にリセットするとともに、モード契機フラグをクリアする。そして、統括CPU28aは、ステップS18に移行する。
ステップS14、ステップS15、ステップS16及びステップS17からステップS18に移行した統括CPU28aは、モード突入抽選処理(図10)を実行する。そして、統括CPU28aは、モード突入抽選処理を終了すると次の処理に移行する。
また、ステップS10の判定結果が否定の場合、統括CPU28aは、特別モードの滞在中であるため特別モードを終了させるか否か(通常モードに転落させるか否か)の転落抽選を実行する(ステップS19)。ステップS19の転落抽選において統括CPU28aは、RAM28cに設定されているモードカウント値の値が「21」に達しているか否かを判定する。モードカウント値は、特別モードの滞在中に実行された図柄変動ゲームの回数を示すものであり、統括CPU28aによりRAM28cに特別モードに滞在している場合に図柄変動ゲームの実行に合せて1ずつ加算される。
転落抽選において統括CPU28aは、乱数による乱数抽選を実行し、モードカウント値の値が「20」までの間はその当選確率が0(零)%となるように乱数を振分けて抽選し、モードカウント値の値が「21」以上の間はその当選確率が10%となるように乱数を振分けて抽選をする。また、統括CPU28aは、転落抽選に当選する場合には特別モードを終了させて通常モードに移行させる。そして、統括CPU28aは、転落抽選による特別モードの終了後には、潜伏状態に移行させるのでRAM28cに設定されている潜伏フラグに「1」を設定するとともに、モードカウント値を「0(零)」にリセットする。また、統括CPU28aは、転落抽選の当選時まで滞在していた特別モードの種類を示す情報(フラグなど)をRAM28cに設定する。一方、統括CPU28aは、転落抽選に当選しない場合には特別モードを継続させる。続いて、転落抽選を実行した統括CPU28aは、潜伏フラグ設定処理を終了し次の処理に移行する。
次に、潜伏フラグ設定処理のステップS18で実行するモード突入抽選処理について図10に基づき説明する。
モード突入抽選処理において統括CPU28aは、RAM28cに設定されている潜伏フラグが「1」であるか否かを判定する(ステップS20)。この判定結果が否定の場合、統括CPU28aは、潜伏状態ではないのでモード突入抽選処理を終了し潜伏フラグ設定処理に戻って次の処理に移行する。一方、ステップS20の判定結果が肯定の場合、統括CPU28aは、ステップS21〜ステップS31の処理により潜伏状態中に終了された特別モードを再開させるための処理を実行する。
そして、統括CPU28aは、RAM28cに設定されている遊技状態が確変状態であるか否かを判定する(ステップS21)。この判定結果が肯定の場合、統括CPU28aは、ROM28bに記憶されている高確率状態用の抽選テーブルに基づき潜伏状態中に特別モードを再開させるか否かの再開抽選を実行する(ステップS22)。ステップS22において統括CPU28aは、再開抽選を乱数による乱数抽選で行い、高確率状態用の抽選テーブルにはその当選確率が10分の1(1/10)となるように乱数が振分けられている。続いて、統括CPU28aは、ステップS22の再開抽選に当選したか否かを判定する(ステップS23)。この判定結果が否定の場合、統括CPU28aは、再開抽選に当選しなかったため特別モードを再開させずモード突入抽選処理を終了し潜伏フラグ設定処理に戻って次の処理に移行する。
一方、ステップS23の判定結果が肯定の場合、統括CPU28aは、再開抽選に当選したため特別モードを再開させることを決定するとともに、潜伏状態を終了(解除)させるのでRAM28cに設定されている潜伏フラグに「0(零)」を設定する(ステップS24)。続いて、統括CPU28aは、RAM28cに設定されているモード契機フラグに「0(零)」を設定する(ステップS25)。そして、統括CPU28aは、ステップS31に移行する。
また、ステップS21の判定結果が否定の場合、統括CPU28aは、RAM28cに設定されているモード契機フラグが「0(零)」であるか否かを判定する(ステップS26)。この判定結果が否定の場合、統括CPU28aは、潜伏状態中に一度特別モードが再開されているので特別モードを再開させずモード突入処理を終了し潜伏フラグ設定処理に戻って図柄変動ゲームの処理に移行する。一方、ステップS26の判定結果が肯定の場合、統括CPU28aは、潜伏状態中に特別モードが再開されていないのでROM28bに記憶されている低確率用の抽選テーブルに基づき再開抽選を実行する(ステップS27)。ステップS27において統括CPU28aは、再開抽選を乱数による乱数抽選で行い、低確率状態用の抽選テーブルにはその当選確率が30分の1(1/30)となるように乱数が振分けられている。続いて、統括CPU28aは、ステップS27の再開抽選に当選したか否かを判定する(ステップS28)。この判定結果が否定の場合、統括CPU28aは、再開抽選に当選しなかったため特別モードを再開させずモード突入抽選処理を終了し潜伏フラグ設定処理に戻って次の処理に移行する。
一方、ステップS28の判定結果が肯定の場合、統括CPU28aは、再開抽選に当選したため特別モードを再開させることを決定するとともに、潜伏状態を終了(解除)させるのでRAM28cに設定されている潜伏フラグに「0(零)」を設定する(ステップS29)。続いて、統括CPU28aは、RAM28cに設定されているモード契機フラグに「1」を設定する(ステップS30)。そして、統括CPU28aは、ステップS31に移行する。
ステップS25又はステップS30からステップS31に移行した統括CPU28aは、RAM28cに設定されている遊技状態と、潜伏状態の設定直前(転落抽選の当選時)の特別モードの種類に基づき再開させる特別モードを決定する(ステップS31)。ステップS31において統括CPU28aは、ROM28bに記憶されているモード移行テーブル(図7参照)に基づき再開させる特別モードを決定する。そして、統括CPU28aは、モード突入抽選処理を終了し潜伏フラグ設定処理に戻って次の処理に移行する。なお、潜伏フラグ設定処理及びモード突入抽選処理で各種設定される潜伏フラグ、潜伏カウント値、モードカウント値及びモード契機フラグは、大当り2R又は小当りの当選となるモード設定契機の到来によってもクリア及びリセットされるようになっている。
また、特別モードを開始(再開)させる、又は特別モードを移行させるか否かを決定した統括CPU28aは、特別モードを開始(再開)させる場合には開始(再開)させる特別モードの開始を指示するモード開始コマンドを表示制御基板29(サブCPU29a)に出力する。本実施形態では、モード開始コマンドは、3種類の特別モード毎に設けられており、当該モード開始コマンド毎に開始させる特別モードの種類が特定可能になっている。統括CPU28aは、各特別モードを開始させる場合、予め定めた回数(本実施形態では20回)の図柄変動ゲームが経過するまでの間、各特別モードを継続させて前記予め定めた回数の経過後、特別モードの終了を決定する転落抽選(図9参照)に当選するまでの間、各特別モードを継続させる。そして、統括CPU28aは、特別モードを終了させる場合、モード終了コマンドを表示制御基板29(サブCPU29a)に出力する。
本実施形態のパチンコ機10では、大当り2Rの終了後及び小当りの終了後の図柄変動ゲームにおける可変表示器H2の表示態様は、大当り2R及び小当りで同じ表示態様となるようにしている。すなわち、大当り2R又は小当りに当選した場合、何れの当りに当選したか、遊技状態として確変状態が付与されているか否かが遊技者に秘匿されるようになっている。このように遊技者に現在の遊技状態を秘匿する状態が秘匿状態であり、秘匿状態により遊技状態を認識し得なくすることで確変状態への期待を遊技者に与えている。
また、大当り2R又は小当りに当選した場合、当該当選時に通常モードの場合(特別モードに滞在していない場合)、図8に示すテーブルに基づき特別モードが開始されるようになっている。そして、特別モード中に大当り2R又は小当りに当選することによって(特別モード中に大当り2R又は小当りに連続して当選することによって)、中確モードに滞在している場合には高確モードに、高確モードに滞在している場合には超高確モードに移行し得るようになっている。また、連続して大当り2R又は小当りに当選することにより、特別モードが移行され、遊技状態が確変状態であることへの期待度が上昇するようになっている。すなわち、大当り2R及び小当りが連続することで、遊技者には、確変状態付与へのチャンスが与えられることとなる。
次に、図11及び図12に基づき特別モード中のモード設定契機の到来時に用いられる各移行状態A〜D、移行割合(各移行状態A〜Dに基づき特別モードが移行される割合)について説明する。
大当り2Rに当選しその当選時の遊技状態が高確率状態(確変状態)の場合、移行状態Aが統括CPU28aによって選択され、小当りに当選しその当選時の遊技状態が高確率状態(確変状態)の場合、移行状態Bが統括CPU28aによって選択される。また、大当り2Rに当選しその当選時の遊技状態が低確率状態(非確変状態)の場合、移行状態Cが統括CPU28aによって選択され、小当りに当選しその当選時の遊技状態が低確率状態(非確変状態)の場合、移行状態Dが統括CPU28aによって選択される。
続いて、滞在している特別モードに対して移行状態毎に特別モードが移行する割合について説明する。移行状態Aでは、中確モード滞在時に100%の割合で高確モードに移行し、高確モード滞在時に100%の割合で超高確モードに移行するようになっている。また、移行状態Bでは、中確モード滞在時に50%の割合で高確モードに移行し、高確モード滞在時に50%の割合で超高確モードに移行するようになっている。また、移行状態Cでは、中確モード滞在時に30%の割合で高確モードに移行し、高確モード滞在時に30%の割合で超高確モードに移行するようになっている。また、移行状態Dでは、中確モード滞在時に10%の割合で高確モードに移行し、高確モード滞在時に超高確モードへは移行しないようになっている。
すなわち、移行状態A、移行状態B及び移行状態Cでは、既に確変状態に突入している或いは、大当り2Rの当選によって確変状態に突入するため、移行状態Dに比較して遊技状態が確変状態である期待度が高い特別モードに移行させ易くなっており、遊技者に遊技状態が確変状態であることへ期待を持たせている。また、本実施形態では、遊技状態が確変状態である場合には、遊技状態が非確変状態である場合に比べて、特別モードが移行し易くなっている。また、大当り2Rに当選する場合には、小当りに当選した場合に比べて、特別モードが移行し易くなっている。すなわち、本実施形態では、移行状態A>移行状態B>移行状態C>移行状態Dの順に、特別モードへの移行し易さが設定されている。
また、中確モードにおいて、内部的に確変状態である場合には、内部的に非確変状態である場合に比較して、高確モードに移行し易くなっている。このため、中確モードに滞在している場合には、2回連続で大当り2R又は小当りに当選することにより、内部的に非確変状態である可能性が高くなる。また、中確モードに滞在している場合には、3回連続で大当り2R又は小当りに当選することにより内部的に非確変状態である可能性がより高くなる。
すなわち、中確モードに滞在しているほど内部的に非確変状態である可能性が高く、遊技状態が確変状態である可能性が他の特別モードに比較して最も低いこととなる。また、高確モードにおいて、中確モードから高確モードへ移行する割合は、内部的に確変状態である場合に比較して低くなっている。このため、高確モードに滞在している場合には、内部的に確変状態である可能性の方が内部的に非確変状態である可能性より高くなり、中確モードに比べて遊技状態が確変状態である可能性が高くなる。また、超高確モードでは、遊技状態が確変状態であることが確定している。このため、遊技状態が確変状態である可能性が3種類の特別モードの中で最も高くなっている。
特別モードは、当該特別モード中に大当りになる、又は転落抽選に当選するまでの間、継続的に実行される。このため、秘匿状態で確変状態を秘匿しているにも拘わらず、特別モードが終了してしまう場合もある。この場合、秘匿状態であることへの報知は終了されるが、確変状態を秘匿する秘匿状態は継続される。すなわち、特別モードの終了と秘匿状態の終了は同じでなく、内部的に確変状態である場合には、確変状態を秘匿している通常モードも存在する。したがって、遊技者には、特別モードの終了後も引き続き確変状態への期待を持たせている。
また、本実施形態では、特別モードの突入契機を大当り2R及び小当りの当選とし、通常状態時の特別モードの突入確率は大当り2Rの当選確率である300分の1と、小当りの当選確率である200分の1を加えた150分の1((1/300)+(1/200))となっている。このため、特別モードへの突入契機を大当り2Rの当選(600分の1)のみに定める場合に比較して、大当り自体の当選確率、確変状態への突入確率、大当り2R及び大当り15Rの振分率を変更することなく、150分の1に特別モードの突入確率を上昇させている。一方、特別モードの突入確率を150分の1に保ちつつ小当りを設けない場合には、大当り2Rの当選確率を上昇させる必要がある。このような場合、大当り2Rの当選確率を上昇させると、大当りに対する大当り15Rの当選比率が低くなってしまうため、大当り15Rの当選確率も上昇させる必要がある。この結果、大当りへの当選確率自体を上昇させなければいけなくなってしまい、遊技のバランスを損なってしまう可能性もある。
また、本実施形態では、モード契機フラグを設けることで第1上限値に達するまでの潜伏状態では再開抽選の当選が1回のみとなるようになっている。すなわち、遊技状態が低確率状態である場合には第1上限値までの潜伏状態で2回以上の再開抽選の当選を規制するようになっている。一方、第2上限値に達するまでの潜伏状態では再開抽選の当選が何度でも許容されるようになっている。このため、潜伏状態中にモード設定契機の到来を契機としないで複数回(2回以上)特別モードが開始(再開)されることで遊技状態が確変状態であることが確定するようになっている。
また、遊技状態が高確率状態の場合に設定される潜伏状態の上限は、低確率状態の場合に設定される潜伏状態の上限に比較して大きい値が定められている。また、再開抽選の当選確率は、遊技状態が高確率状態の方が低確率状態に比較して高く設定されている。このため、遊技状態が高確率状態の場合には、低確率状態である場合に比較して特別モードが再開されるチャンスが増加するとともに、確変状態への可能性がより高い特別モードに移行するチャンスが増加するようになっている。
また、大当り2R又は小当りに当選するモード設定契機の到来時には、大入賞口24の開放を伴って特別モードが開始される。一方、再開抽選の当選時には、当りに当選したわけではないため大入賞口24の開放を伴わないで特別モードが開始される。モード設定契機の到来時には遊技状態が移行したかもしれないことを報知している一方で、再開抽選の当選時には先のモード設定契機の到来時に遊技状態が移行したかもしれないことを報知している。いずれの場合も特別モードでは、大当り2R又は小当りに当選したことで、確変状態が付与されているかもしれないことを異なるタイミングで報知するようになっている。
本実施形態において統括CPU28aは、潜伏状態時に遊技状態が確変状態であるか否かを判定する状態判定手段として機能し、特別モードの開始契機を判定するモード契機判定手段として機能する。また、統括制御基板28のRAM28cは、転落抽選の当選時の特別モードの種類を記憶するモード記憶手段として機能する。そして、通常モード及び特別モードで演出実行手段を制御するとともに、状態判定手段、モード判定手段及びモード記憶手段などに基づきモードの制御を行う統括CPU28aが演出制御手段として機能する。
次に、表示制御基板29(サブCPU29a)が演出制御プログラムにしたがい実行する制御内容を説明する。
サブCPU29aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、その変動パターン指定コマンドで指示される変動パターンに対応する演出内容で図柄変動ゲームが行われるように可変表示器H2の表示内容を制御する。そして、サブCPU29aは、全図柄停止コマンドを入力すると、図柄指定コマンドで指示された飾図による図柄組み合わせを確定的に停止表示させて図柄変動ゲームを終了させる。
このとき、変動パターン指定コマンドに指定される変動パターンが変動パターンP1の場合、サブCPU29aは、可変表示器H2に飾図による大当りの図柄組み合わせを停止表示させる。一方、変動パターン指定コマンドに指定される変動パターンが変動パターンP2及び変動パターンP3の場合、サブCPU29aは、可変表示器H2に飾図による大当りの図柄組み合わせとは異なる図柄組み合わせ(チャンス目)を停止表示させる。また、変動パターン指定コマンドに指定される変動パターンがはずれ演出用の変動パターンの場合、サブCPU29aは、可変表示器H2に飾図によるはずれの図柄組み合わせを停止表示させる。
また、サブCPU29aは、モード開始コマンドを入力すると、可変表示器H2を当該モード開始コマンドに指定される特別モード用の表示態様(秘匿演出)で制御する。本実施形態のパチンコ機10では、通常モード時の可変表示器H2では、昼間を表す背景により図柄変動ゲームを行い(図13(a)参照)、図柄変動ゲームの表示結果(停止表示)としてチャンス目が停止した場合(図13(b)参照)に特別モード(中確モード、高確モード及び超高確モード)に突入する。特別モード時の可変表示器H2では、夜中を表す背景により図柄変動ゲームを行うようになっている。
そして、可変表示器H2の表示態様が昼間から夜中の背景に変化することで特別モードへの突入を遊技者に報知している。また、サブCPU29aは、モード終了コマンドを入力すると、特別モードを終了させるため可変表示器H2の表示態様を夜中から昼間の背景に変更させる。そして、可変表示器H2の表示態様が昼間の背景に変化することで特別モードの終了を遊技者に報知している。本実施形態では、通常モード及び特別モードに対応する態様で表示演出を実行させるサブCPU29aと、表示演出を実行する可変表示器H2が演出実行手段として機能する。
以下、本実施形態において、統括CPU28aの制御コマンドにしたがいサブCPU29aが実行する可変表示器H2の表示態様について図13に基づき説明する。
図13において、可変表示器H2の「↓」は図柄が変動している状態を示している。また、「太陽」は昼間の背景を示し、「三日月」、「半月」、「満月」は夜の背景を示している。また、図13では、大当り2Rに当選し特別モードに突入し潜伏状態中に中確モード→高確モード→超高確モードの順に特別モードが移行することを前提とする。
まず、潜伏状態でない低確率状態時に通常モード時に大当り2Rに当選すると特別モードが開始される。そして、可変表示器H2では、通常モード時の図柄変動ゲーム(図13(a))の表示結果としてチャンス目が確定的に停止表示され(図13(b))、次の図柄変動ゲームから中確モードが開始され(図13(c))、太陽から三日月(昼間から夜間)に表示態様が変化する。なお、遊技状態は、確変状態へと移行する。
続いて、中確モードの図柄変動ゲーム中に転落抽選に当選すると特別モードが終了され、潜伏状態が設定される。潜伏状態において可変表示器H2では、通常モードで図柄変動ゲームが行われる(図13(d))。続いて、潜伏状態の図柄変動ゲーム中に再開抽選に当選すると特別モードが再開され、高確モードが開始される。そして、可変表示器H2では、高確モードで図柄変動ゲームが行われ(図13(e))、太陽から半月(昼間から夜間)に表示態様が変化する。続いて、高確モードの図柄変動ゲーム中に転落抽選に当選すると特別モードが終了され、潜伏状態が設定される。潜伏状態において可変表示器H2では、通常モードで図柄変動ゲームが行われる(図13(f))。続いて、潜伏状態の図柄変動ゲーム中に再開抽選に当選すると特別モードが再開され、超高確モードが開始される。そして、可変表示器H2では、超高確モードで図柄変動ゲームが行われ(図13(g))、太陽から満月(昼間から夜間)に表示態様が変化する。続いて、超高確モードの図柄変動ゲーム中に転落抽選に当選すると特別モードが終了され、潜伏状態が設定される。潜伏状態において可変表示器H2では、通常モードで図柄変動ゲームが行われる(図13(h))。以降、潜伏状態が終了するまでの間、再開抽選に当選と、転落抽選に当選を繰り返すことで可変表示器H2では、図13(g)と、図13(h)の態様で表示演出が交互に行われる。なお、遊技状態が低確率状態である場合(低確率状態中に小当りに当選した場合)には、一度、特別モードが再開された以降(図13(e)以降は、潜伏状態であっても(第1上限値に達していない場合でも)再開抽選に当選することはないため、転落抽選に当選することで次に大当り2R又は小当りに当選するまで通常モードでの遊技が継続される。
また、特別モード中に連続して大当り2R又は小当りに当選する場合には可変表示器H2において、通常モード時の図柄変動ゲーム(図13(a))の表示結果としてチャンス目が確定的に停止表示され(図13(b))、大当り2Rに当選しているときには移行状態Cが決定され、当該移行状態Cに基づき中確モードに移行する。そして、可変表示器H2では、次の図柄変動ゲームから中確モードが開始され(図13(c))、太陽から三日月(昼間から夜間)に表示態様が変化する。なお、遊技状態は、確変状態へと移行する。
続いて、中確モード中に大当り2R又は小当りに当選する場合には中確モード時の図柄変動ゲームの表示結果としてチャンス目が確定的に停止表示され、大当り2Rに当選しているときには移行状態Aが決定され、当該移行状態Aに基づき高確モードに移行する。そして、可変表示器H2では、次の図柄変動ゲームから高確モードが開始され(図13(e))、三日月から半月に表示態様が変化する。なお、遊技状態は、引き続き確変状態となっている。
続いて、高確モード中に大当り2R又は小当りに当選する場合には高確モード時の図柄変動ゲームの表示結果としてチャンス目が確定的に停止表示され、大当り2Rに当選しているときには移行状態Aが決定され、当該移行状態Aに基づき超高確モード(特定モード)に移行する。そして、可変表示器H2では、次の図柄変動ゲームから超高確モードが開始され(図13(g))、半月から満月に表示態様が変化する。なお、遊技状態は、引き続き確変状態である。
また、本実施形態では、中確モード及び高確モードの滞在中において、移行状態B,C,Dが決定されると、特別モードが確変状態である可能性が高いモードに移行しない(現在の特別モードが継続される)場合もある。例えば、中確モード中の可変表示器H2に表示されるチャンス目が小当りの当選の場合、移行状態Cが決定され、当該移行状態Cに基づき70%の割合で高確モードに移行しない(中確モードを継続する)。このため、可変表示器H2では、中確モードの表示態様で演出が行われる。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)特別モードが一旦終了されたとしてもその特別モードの終了後、第1上限値又は第2上限値の図柄変動ゲームが経過するまでにおいては、再開抽選に当選(再開条件の成立)を契機に特別モードが再開されるようにした。このため、特別モードの終了後であっても特別モードが再開されることに対して遊技者に期待を抱かせることができるとともに、再度特別演出モードが開始されることで遊技者に再度確変状態への期待を抱かせることができる。すなわち、一旦通常モードにより遊技状態が通常状態であることが示唆された場合であっても、遊技者には確変状態への期待を継続して抱かせることができる。したがって、確変状態である可能性を示唆する特別モードを備えた遊技機において、その特別モードの終了後であっても遊技の継続意欲を好適に持続させることができる。
(2)第1上限値に達する図柄変動ゲームの経過後に特別モードが再開される場合には、その時点で内部的に確変状態であることが確定的に報知されるようにした。換言すれば、特別モードの終了後から第1上限値に達する図柄変動ゲームが経過しているか否かに拘らず、特別モードが2回以上再開される場合には内部的に確変状態であることが確定的に報知されていることとなる。そして、確変状態であることが確定的に報知されている場合において、当りに当選することなく遊技が進行したとしても前記報知により遊技者の抱く不満を軽減し得る。したがって、特別モードの終了後から第1上限値に達する図柄変動ゲームが経過するまででなく、それ以降においても遊技者に確変状態への期待を抱かせることができるとともに、遊技者の抱く不満を軽減することで遊技の継続意欲を好適に持続させることができる。
(3)確変状態が付与されている可能性の異なる特別モードを複数種類(3種類)用意し、特別モードが一旦終了して再開される場合には終了された特別モードに対して前記可能性が低い特別モードが開始されることを規制するようにした。すなわち、特別モードが一旦終了して再開される毎に前記可能性の高い特別演出モードが開始され得るようにした。そして、特別モードの終了前と終了後で確変状態への可能性が高くなるため、終了前と終了後に関連性を持たせることができ、特別モードがあたかも復活したかのような演出を行うことができる。また、特別モードが再開されることで確変状態への可能性がより高くなる場合には、特別モードの変化に遊技者の関心を惹き付け、単調な遊技になってしまうことを防止することができる。
(4)当り遊技の態様を遊技者に判別不能な大当り2R及び小当りを設け、これら大当り2R及び小当りが決定される場合には、該当する当り遊技の終了後に特別モードが開始されるようにした。そして、大当り2Rが決定されている場合には遊技状態が移行する可能性があり、小当りが決定されている場合には遊技状態は移行されない(継続する)ようにした。すなわち、大当り2R及び小当りに対応する当り遊技(大入賞口24が開放される)が行われる度に遊技者には、確変状態に対し期待を抱かせることができる。したがって、遊技状態が通常状態から確変状態に移行したかもしれないことに対して遊技者に期待を抱かせることができる。
(5)特別モードが再開抽選に当選して(再開条件の成立により)再開される場合には、モード設定契機の到来でない(大当り2R又は小当りを契機としない)ため大入賞口24の開放が行われないようにした(開放を規制するようにした)。このため、特別モードの開始が遊技状態の移行契機となっているか否かを遊技者に認識させることができる。したがって、特別モードが一旦終了して再開されるという遊技性を遊技者に対して明確にすることができる。
(6)第2上限値に達する図柄変動ゲームの経過後は遊技状態に拘らず(遊技状態が確変状態であっても)、再開抽選の当選(再開条件の成立)に規制を持たせるようにした。このため、必要以上に演出モードの終了、再開の繰り返しが行われることを防止するとともに、特別モードに対する期待を特別モードが再開される可能性がある期間(第2上限値に達する図柄変動ゲームまで)に凝縮することができる。
(7)第1上限値又は第2上限値に達する図柄変動ゲームの経過後、統括制御基板28のRAM28cの記憶内容(潜伏フラグ、潜伏カウント値、モードカウント値及びモード契機フラグなどの潜伏状態に関する情報)を消去するようにした。このため、第1上限値又は第2上限値の図柄変動ゲームの経過後にモード設定契機の到来による特別モードが開始された場合、RAM28cに記憶されている情報(潜伏状態に関する情報)に依存しない特別モードを開始させることができる。したがって、潜伏状態において特別モードが再開する毎に確変状態への期待が向上されるのは、あくまでモード設定契機の到来により開始された特別モードを基準にしていることを明確にでき、遊技性を複雑にすることで遊技者が混乱を招くことを防止することができる。
(8)モード突入抽選処理の転落抽選において、統括CPU28aは、モードカウント値が「20」までの間は、転落抽選の当選を規制するようにした。このため、特別モードは、少なくともその開始から20回の図柄変動ゲームに亘っては継続されるようになっている。特別モードの開始直後に当該特別モードが終了してしまうと遊技の継続意欲を低下してしまう遊技者も存在する。したがって、特別モードの開始直後に当該特別モードが終了されてしまう事態を防止し、遊技者の遊技に対する継続意欲の低下を防止することができる。
(9)特別モード中のモード設定契機の到来時(大当り2R又は小当りの当選時)には、現在の特別モードに比較して確変状態が付与されている可能性の大きいモードを選択可能とした。すなわち、モード設定契機が到来する(大当り2R又は小当りに当選する)度に、確変状態が付与されている可能性の大きいモードが選択される可能性があり、何度も(連続的に)モード設定契機が到来することで、確変状態への遊技者の期待を高めさせることができる。このため、大当り2R又は小当りが連続する場合、当該当りが連続している間(特別モードが行われている間)、遊技状態が変化しないことによる遊技者の感じる不満を緩和することができる。
(10)また、小当りが連続し、確変状態が内部的に付与されていない場合であっても、遊技者には、特別モードの変化により確変状態へ期待を持たせることができる。したがって、遊技状態を秘匿可能な特別モードを備えた遊技機において、特別モード中の興趣を向上させることにより当該特別モード中に遊技者に与える不満を緩和することができる。
(11)また、大当り2Rの大当り遊技終了後の遊技状態を確変状態とし、小当りの小当り遊技終了後の遊技状態を小当りの当選時の遊技状態を継続させるようにした。このため、一度、大当り2Rに当選し、内部的に確変状態が付与された場合、当該確変状態は、大当り15Rに当選するまで継続的に付与される。したがって、折角、確変状態が付与されたが大当り15Rに当選し、多くの賞球を獲得するチャンスを得ることなく当該確変状態が終了するような事態の発生を防止している。すなわち、確変状態は大当り15Rへと繋がり、遊技者の賞球の獲得に繋がるようになっている。
(12)当りには大当り(大当り15R及び大当り2R)に加えて小当りを設け、特別モードの開始契機(秘匿状態への突入契機)は、大当り2Rと小当りの2種類とした。このため、大当り(大当り15R及び大当り2R)にさらに小当りを設けたことによって、当該小当りの当選分だけモード設定契機の到来による特別モードの開始契機を増加させる(秘匿状態の出現率を高くする)ことができる。また、小当りに当選した場合には、当該小当りに対する小当り遊技の終了後の遊技状態として、当該小当り当選時の遊技状態を決定するようにした。このため、小当りによる小当り遊技終了後に遊技状態は変更されない(当選時の遊技状態が継続される)ので、当該小当りを新たに設けた場合も遊技状態が変更される(低確率状態から高確率状態に変更される)割合は、当該小当りを設けない場合と比べて変動しない(同じである)。また、小当りを設けても、大当り15R及び大当り2Rに係る制御の変更箇所を減少させることができ、メインCPU27aに係る制御負担の増加を抑えることができる。したがって、遊技状態を秘匿する秘匿状態の出現率を、大当り2R及び小当りの当選比率を変更することなく効果的に増加させることができる。
(13)モード設定契機の到来時には、確変状態である可能性が最も小さい中確モードを選択し易くすることによって(図8参照)、当該設定契機が訪れる毎に確変状態への遊技者の期待を順に高めさせることができる。すなわち、モード設定契機が連続して訪れることと、確変状態である可能性が大きくなっていくこととを関連させることができる。このため、モード設定契機が連続的に到来する場合も、連続的に訪れる特別モードの興趣を向上させることができる。したがって、大当り2R又は小当りに連続的に当選する場合も、遊技者の感じる不満を緩和することができる。
(14)大当り15Rが付与される場合の図柄変動ゲームの表示結果(可変表示器H2)と、大当り2R及び小当りが付与される場合の図柄変動ゲームの表示結果(可変表示器H2)とを異ならせるようにした。このため、大当り15Rと、大当り2R及び小当りとのいずれに当選したのかを遊技者に認識させることができる。すなわち、異種(本実施形態では遊技球を獲得するチャンスがある当りと、遊技球を獲得するチャンスが略ない当り)の当りが複数種類(2種類)あるということを遊技者に認識させることができる。
(15)また、大当り2Rが付与される場合の前記表示結果と、小当りが付与される場合の前記表示結果とを共通の前記表示結果(本実施形態ではチャンス目)とするようにした。このため、特別モード(秘匿状態)に突入した場合、その突入契機が大当り2Rであるか、又は小当りであるかを遊技者に認識させ難くすることができる。したがって、低確率状態時に特別モード(秘匿状態)に突入した場合、当該突入を契機として、遊技状態が低確率状態から高確率状態に変更されること(確変状態が付与されること)に対して遊技者に期待を持たせることができる。さらに、見た目上にはずれの表示結果から一遍して、遊技状態が確変状態であるかもしれない期待を遊技者に抱かせることができる。したがって、秘匿状態突入(特別モード突入)への突然性を遊技者に与えるとともに、秘匿状態(特別モード)に突然突入するというゲーム性をより強調することができる。
(16)また、図柄変動ゲームの最終的な表示結果がはずれとなる場合と、大当り2R及び小当りとなる場合との演出内容を同じとした(はずれ演出用変動パターンと、変動パターンP2及び変動パターンP3とを同じにした)。このため、大当り15Rに繋がらない(見た目上にはずれとなる)演出内容の図柄変動ゲームの終了後、秘匿状態(特別モード)に突入させるチャンスを設けることができる。すなわち、見た目上にはずれの演出内容から秘匿状態(特別モード)に突入させる場合には、遊技者の意表を付く演出を行うことができる。したがって、意表を付く演出により遊技の興趣を向上することができる。
(17)また、遊技者には、図柄変動ゲームの演出内容に拘わらず、常にチャンス(大当り15R及び特別モード(確変状態への期待))を与えることができる。したがって、図柄変動ゲームにおいては、当該ゲーム毎に複数のチャンスを持たせることができ、遊技者に期待を持たせる場面を複数作ることができる。
(18)大当り2R遊技及び小当り遊技では、大入賞口24を大当り15Rにおける開放態様に比べて、大入賞口24の開放時間が短い遊技球の入賞が困難な時間で開放するようにした。このため、大当り15Rの大当り遊技では、遊技者に大入賞口24への遊技球を入賞させることによる賞球を獲得させる一方、大当り2Rの大当り遊技及び小当り遊技では、遊技者に大入賞口24への遊技球の入賞によって賞球を獲得させることを困難にすることができる。したがって、大当り15Rの大当り遊技と、大当り2Rの大当り遊技及び小当り遊技との役割を異ならせ、大当り2Rの大当り遊技及び小当り遊技を特別モード(秘匿状態)への突入契機と位置付けることができる。すなわち、各当り(大当り及び小当り)の役割を明確にし遊技性を遊技者に認識させることができる。
(19)大当り2Rの大当り遊技及び小当り遊技において、大入賞口24が開放される時間は、大当り15Rに比べて極端に短いため、遊技者に大入賞口24が開放されていることを気付かせ難くすることができる。したがって、大当り2R及び小当りの当選時、遊技者に当該大当り2R及び小当りが行われていること自体を気付かせ難くし、特別モードの開始の突然性を強調することができる。
(20)特別モード中に大当り15Rに当選した場合、仮に確変状態が付与されておらず該当選が偶然であっても、遊技者に確変状態が付与されていたかもしれないと思わせることができる。すなわち、特別モードに突入することと、大当りが連チャンすることを関連付けることができる。したがって、特別モードへの突入が大当りに繋がるという新しいゲーム性をさらに付加し、特別モード中の遊技者の遊技に対する継続意欲をさらに向上させることができる。
(21)特図表示器H1に表示される特図の種類(大当りの図柄、小当り図柄)を飾図で表示される飾図の種類に比較して多く設けた。さらに、特図表示器H1に表示される特図は、当りに対応する特図が当り毎に連続しないようにした。このため、遊技者は、特図表示器H1の表示態様から当りの種類を認識することが困難である。したがって、当りの種類、特に大当り2Rと小当りとを遊技者に認識し得ない構成とすることで、特別モードの興趣を向上させることができる。
なお、本実施形態は以下のように変更しても良い。
・本実施形態は、潜伏状態をモード設定契機の到来による特別モードの終了後、遊技状態に拘らず予め定めた所定回数(上限値)に達する図柄変動ゲームが経過するまで設定するようにしても良い。
・本実施形態は、小当りを設けないで大当り2Rの非確変大当りを設けるようにしても良い。この場合、当りは、大当り15Rの確変大当りと非確変大当りと、大当り2Rの確変大当りと非確変大当りとから構成されるようになる。この場合、遊技状態が確変状態の特別モード中に大当り2Rの非確変大当りに当選することで遊技状態が低確率状態に移行する可能性もあり、遊技者に遊技状態の移行をより認識させ難くできる。したがって、遊技者には特別モードの移行態様から遊技状態を推測させるゲーム性を付与することができ、特別モードを備える遊技の興趣を向上させることができる。
・本実施形態は、大当り2R及び小当りを設けないで、大当り15Rのみ設けるようにしても良い。この場合、モード設定契機は大当り15Rの当選となり、大当り遊技終了後には必ず特別モードが開始されるようになる。すなわち、大当り15Rが確変大当りであったか否かが遊技者に秘匿されるようになる。このため、大当り遊技終了後の特別モードの開始から潜伏状態が終了されるまでの間には特に遊技者の関心を惹き付けることができる。
・本実施形態は、大当り15R、大当り2R及び小当りの当り全てをモード設定契機としても良い。また、大当り15Rの一部をモード設定契機とするようにしても良い。例えば、大当り15Rの確変大当りの一部をモード設定契機とし、当該モード設定契機の到来時には、特図表示器H1で大当り15Rの確変大当りに対応する特図を表示させ、可変表示器H2で非確変大当りに対応する飾図を表示させるようにする。このような構成においては、大当り15Rで確変大当りを示す飾図の図柄組み合わせが停止表示される場合には確変状態であることが確定する。その一方で、大当り15Rで非確変大当りを示す飾図の図柄組み合わせが停止表示される場合には秘匿モードに突入し、確変状態であるかもしれないことを遊技者に報知することができる。したがって、非確変大当りを示す飾図が停止表示後の図柄変動ゲームでも遊技者の継続意欲を持続させることができる。
・本実施形態は、変動時間短縮(時短)機能を備えたパチンコ機に具体化しても良い。時短機能は、普通図柄変動ゲームの変動時間を短縮させる時短状態(特典遊技状態)を付与する機能である。詳しくは、時短図柄による大当りの図柄組み合わせ(第1の確定大当り表示結果)が表示されると当該大当り遊技の終了後に時短状態が付与され、非時短図柄による大当りの図柄組み合わせ(第2の確定大当り表示結果)が表示されると時短状態が付与されない。時短状態中は、持ち玉を大幅に減らすことなく、図柄組み合わせゲームの始動条件を得られるので遊技者にとって有利な状態である。そして、大当り15Rの全て又は一部には、時短状態を付与するようにしても良い。また、大当り2Rの全て又は一部には、確変状態とともに時短状態を付与するようにしても良い。さらに、時短状態を付与する場合には必ず確変状態を付与するようにし、時短状態が付与されない場合にのみ秘匿モードに突入するようにしても良い。
・本実施形態は、1種類の特別モードや、確変状態への可能性の異なる2種類の特別モードや、4種類以上の特別モードを備えるようにしても良い。特別モードの種類を増加させる場合には、特別モードの移行態様のバリエーションを増加させることができる。
・本実施形態において複数種類の特別モードは、互いに確変状態への可能性が同じであっても良い。この場合、特別モード毎に図柄変動ゲームの変動態様や背景などの表示態様のみを異なるようにしてモードが異なることを示す演出内容とする。
・本実施形態は、第1上限値及び第2上限値は任意に変更しても良い。
・本実施形態は、モード契機フラグを設定しないで潜伏状態中であれば遊技状態に拘らず何度も特別モードが再開されるようにしても良い。また、確変状態時の潜伏状態においては、特別モードが再開される回数を2回や3回のように規制を設けるようにしても良い。この場合、モード突入抽選処理において特別モードが再開された回数をカウントする手段を設けるようにする。
・本実施形態において特別モードは、遊技状態が確変状態である場合には潜伏状態中に2回特別モードが再開される場合がある。このような場合、遊技状態が確変状態であることを遊技者に報知していることとなるため、2回目に再開された特別モードの開始後は次に大当り15Rに当選するまで(遊技状態が移行される可能性があるまで)特別モードを継続するようにしても良い。
・本実施形態において特別モードは、当該特別モードが開始された時点から転落抽選により転落するようにしても良い。
・本実施形態は、遊技状態が確変状態であることを確定させる確変確定モード(特定モード)を設けても良い。この場合、遊技者に超高確モードの出現に対して期待を抱かせ、モード設定契機の到来に関心を持たせることができる。したがって、大当り2R又は小当りの当選に対する遊技者の期待を高め、特別モードの突入に対する興趣を向上することができる。
・本実施形態において終了条件又は再開条件は、例えば、特定の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドの入力を終了条件又は再開条件の成立としても良い。特定の変動パターンとしては、終了条件又は再開条件の成立用の変動パターンを用意しても良いし、特定のリーチ演出が定められる変動パターンとしても良い。また、特別モードが開始されてからの時間により終了条件の成立を管理したり、終了条件の成立からの時間により再開条件の成立を管理するようにしても良い。
・本実施形態は、潜伏状態は、当該潜伏状態で再開される特別モード中も潜伏カウント値をカウントするようにしても良い。この場合、潜伏状態の設定期間は、モード設定契機の到来による特別モードの終了後から第1上限値又は第2上限値に達するまでの図柄変動ゲームとなる。
・本実施形態は、特別モードの開始後モードカウント値に基づき、例えば、モードカウント値が「1」〜「10」の第1区分、「11」〜「20」の第2区分、「20」以上の第3区分毎に転落抽選の当選確率を変動させるようにしても良い。転落抽選の当選確率は、特別モードの開始直後に転落すると遊技者は落胆する虞があるため、第1区分<第2区分<第3区分のように区分が進むにつれて上昇されるようにする。さらに、潜伏状態中において潜伏カウント値に基づき、例えば、潜伏カウント値が「1」〜「10」の第A区分、「11」〜「20」の第B区分、「21」以上の第C区分毎に再開抽選の当選確率を変動させるようにしても良い。再開抽選の当選確率は、潜伏状態が経過するにつれて遊技者に期待を抱かせるため、第A区分<第B区分<第C区分のように区分が進むにつれて上昇されるようにする。こうすることで、特別モードが開始直後に終了されたり、特別モードが潜伏状態の設定直後に再開されたりする現象の発生を低減させることができる。このため、特別モード及び潜伏状態という状態を遊技者に確実に付与することができる。
・本実施形態は、特別モードを可変表示器H2の演出に合せて装飾ランプ16の発光演出や、スピーカ17の音声演出を実行するようにしても良い。また、特別モードは、前記発光演出のみや、前記音声演出のみで実行されるようにしても良い。
・大当り及び小当りを示す特図を当該特図の種類から大当りの種類(大当り15R、大当り2R、小当り、確変大当り、非確変大当り)を認識し難い図柄としても良い。例えば、特図表示器H1において、「巳」などの漢字による図柄や、アルファベットを反転させた図柄などを停止表示させるようにする。また、遊技盤13上のLEDランプなどを用いてその点灯個数や点灯態様で特図を表しても良い。こうすることで、大当り遊技終了後には、確変状態が付与されているか否かを秘匿する特別モードによる興趣を見出すことができる。
次に、前記実施形態及び別例から把握される技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記再開条件は、前記当り抽選によりはずれとなる場合にのみ成立する可能性があり、前記当り抽選による当選を契機としない。
(ロ)前記演出制御手段は、前記終了条件から前記所定回数の図柄変動ゲームの経過後であってさらに第2の所定回数の図柄変動ゲームが経過する場合には、前記状態判定手段が遊技状態を前記確変状態と判定しているときには前記抽選手段の当選を契機としない前記再開条件の成立を規制する。
(ハ)前記演出制御手段は、前記第2の所定回数の図柄変動ゲームが経過した場合には前記モード記憶手段の記憶内容を消去する。
(ニ)前記遊技状態が前記通常状態であるか、又は前記確変状態であるかを判定する状態判定手段を備え、前記演出制御手段は、前記状態判定手段が前記遊技状態を前記確変状態であると判定している場合には前記所定回数の図柄変動ゲームの経過後であっても前記再開条件が成立するときには前記特別演出モードを開始させる。
(ホ)前記遊技状態が前記通常状態であるか又は前記確変状態であるかを判定する状態判定手段と、前記終了条件の成立により終了した特別演出モードの開始契機が前記抽選手段で当りの当選を契機とするか、又は前記抽選手段の当選を契機としない前記再開条件の成立を契機とするかを判定するモード契機判定手段とを備え、前記演出制御手段は、前記終了条件の成立後において前記状態判定手段が前記遊技状態を前記通常状態であると判定している、かつ前記モード契機判定手段が前記開始契機を前記再開条件の成立と判定している場合には前記終了条件の成立後、所定回数の図柄変動ゲームの間であっても前記再開条件の成立を規制する。
(ヘ)複数種類の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームを表示する表示手段と、前記図柄変動ゲームにて当りか否かを抽選で決定する当り抽選を行う抽選手段と、当り遊技中に開放する入賞手段とを備え、前記当り抽選に当選した場合に前記図柄変動ゲームの表示結果として当り表示結果が表示され、その後に前記入賞手段を開放する当り遊技が行われ、当該当り遊技の終了後に、前記当り抽選に当選する確率を通常確率である低確率で抽選する通常状態又は前記当り抽選に当選する確率を低確率から高確率に変動させる確変状態のいずれかの遊技状態が付与される遊技機において、前記抽選手段の前記当り抽選の抽選結果に基づき前記当り遊技の終了後に前記確変状態を付与するか否かを決定し、当該決定に基づき前記当り遊技終了後に前記遊技状態を付与する状態制御手段と、前記遊技状態が前記通常状態であることを示唆する、又は前記遊技状態が前記確変状態であることを示唆する示唆演出を実行する演出実行手段と、前記示唆演出として前記通常状態であることを示唆する演出内容で前記演出実行手段を制御する通常演出モードと、前記示唆演出として前記確変状態であることを示唆する前記通常演出モードとは異なる演出内容で前記演出実行手段を制御するとともに前記遊技状態が前記確変状態である可能性が互いに異なる複数種類の特別演出モードとを実行する演出制御手段と、前記特別演出モードが終了される場合には該特別演出モードの種類を記憶するモード記憶手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記抽選手段が当り抽選で当りを決定する場合には当該当りに伴う前記当り遊技終了後に前記複数種類の特別演出モードの中からいずれか1つの特別演出モードを開始させ、前記特別演出モード中において前記特別演出モードを終了させるか否かの終了条件が成立する場合には前記特別演出モードから前記通常演出モードに移行させ、前記終了条件が成立してから所定回数の図柄変動ゲームが経過するまでにおいて前記特別演出モードを再開させるか否かの再開条件が成立する場合には前記通常演出モードから前記特別演出モードに移行させ、再び前記特別演出モードを開始させ、前記再開条件の成立により前記特別演出モードを開始させる場合には前記モード記憶手段の記憶内容に基づき記憶されている特別演出モードよりも前記確変状態である可能性が低い特別演出モードへの移行を規制して開始させることを特徴とする遊技機。
(ト)前記当り遊技は、前記抽選手段が第1当りを決定した場合に付与される第1の当り遊技と、前記抽選手段が第2当りを決定した場合に付与され、前記第1の当り遊技よりも前記入賞手段の最大開放回数を少なく設定した第2の当り遊技と、前記抽選手段が第3当りを決定した場合に付与され、前記第2の当り遊技との差異を遊技者が判別不能な態様で前記入賞手段を開放する第3の当り遊技とからなり、前記抽選手段は、前記当り抽選の抽選結果に基づき、前記第1当り及び前記第2当りからなる当りに当選しているか否かを判定する第1の当り判定と当該第1の当り判定の判定結果が否定の場合に前記第3当りに当選しているか否かを判定する第2の当り判定を行い、前記第1の当り判定の判定結果が肯定の場合には、前記第1当り及び前記第2当りの何れの当りとするかを決定し、前記当り遊技の終了後に前記確変状態が付与される場合には前記第1の当り判定の当選確率を低確率から高確率に変動させて決定し、前記演出制御手段は、前記第2当り及び前記第3当りの何れかに当選することを契機として前記複数種類の特別演出モードのうちいずれか1つの特別演出モードを開始させ、前記状態制御手段は、前記第1当りに当選した場合には、当該第1当りに基づく当り遊技終了後の前記遊技状態を前記確変状態とするか否かを決定し、前記第2当りに当選した場合には、当該第2当りに基づく当り遊技終了後の前記遊技状態を前記確変状態に決定し、前記第3当りに当選した場合には、当該第3当りに基づく当り遊技終了後の前記遊技状態を前記第3当りの当選時の前記遊技状態と同一の前記遊技状態に決定し、前記確変状態を付与する場合には次回の前記第1の当り判定の判定結果が肯定になるまでの間、前記確変状態を継続的に付与することを特徴とする技術的思想(ヘ)に記載の遊技機。
(チ)前記遊技状態が前記通常状態であるか又は前記確変状態であるかを判定する状態判定手段を備え、前記演出制御手段は、前記終了条件から前記所定回数の図柄変動ゲームの経過後であってさらに第2の所定回数の図柄変動ゲームが経過する場合には、前記状態判定手段が遊技状態を前記確変状態と判定しているときには前記抽選手段の当選を契機としない前記再開条件の成立を規制することを特徴とする技術的思想(ヘ)又は(ト)に記載の遊技機。
(リ)前記演出制御手段は、前記第2の所定回数の図柄変動ゲームが経過した場合には前記モード記憶手段の記憶内容を消去することを特徴とする技術的思想(チ)に記載の遊技機。