以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ遊技機に具体化した一実施形態を図1〜図9に基づいて説明する。
図1には、パチンコ遊技機10が略示されており、パチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開放及び着脱自在に組み付けられているとともに、中枠12の前面側には前枠14が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠14は、図1に示すようにパチンコ遊技機10を機正面側から見た場合において、中枠12に重なるように組み付けられている。このため、中枠12は、前枠14の後側に配置されており、機正面側からは視認し得ないようになっている。前枠14は、中央部に窓口14aを有するとともに、該窓口14aの下方にパチンコ遊技機10の遊技媒体となる遊技球を貯留可能な第1貯留皿としての上皿(貯留皿)15を一体成形した構成とされている。前枠14の裏面側には、機内部に配置された遊技盤YBを保護し、かつ窓口14aを覆う大きさのガラスを支持する図示しないガラス支持枠が着脱及び傾動開放可能に組み付けられている。遊技盤YBは、中枠12に装着される。また、前枠14には、窓口14aのほぼ全周を囲むように、図示しない発光体(ランプ、LEDなど)の発光(点灯や点滅)により発光演出を行う演出実行手段としての電飾表示部を構成する上側ランプ部16aと、左側ランプ部16bと、右側ランプ部16cとが配置されている。各ランプ部16a〜16cは、前枠14の前面に装着される複数の発光体を、該各発光体の発する光を透過可能に成形したランプレンズで覆って構成されている。
前枠14には、窓口14aの左右上部に、各種音声を出力して音声演出を行う演出実行手段としての左スピーカ17aと、右スピーカ17bとが配置されている。左スピーカ17aと右スピーカ17bは、前枠14の裏面に装着されており、該前枠14の前面であって左スピーカ17a及び右スピーカ17bの装着部位に対応する部位には図示しない放音孔が複数形成されている。
中枠12の前面側であって前枠14の下部には、上皿15から溢れ出た遊技球を貯留する第2貯留皿としての下皿(貯留皿)18が装着されている。また、中枠12の前面側であって下皿18の右方には、遊技球を遊技盤YBに発射させる際に遊技者によって回動操作される遊技球発射用の発射ハンドル19が装着されている。また、前枠14には、下皿18の左方に、各種音声を出力して音声演出を行う演出実行手段としての下スピーカ17cが配置されている。下スピーカ17cは、中枠12に装着されている。
上皿15には、その左方側に機内部から払出される遊技球の図示しない払出口が設けられているとともに、遊技者の保有する遊技球を貯留する凹状の貯留通路15aが連設されており、さらに右方側に貯留通路15a内の遊技球を機内部に取り込む図示しない上皿取込口が設けられている。上皿15に貯留された遊技球は、貯留通路15aにより前記上皿取込口へ案内されるとともに該上皿取込口を介して1球ずつ機内に取り込まれ、遊技盤YBに向けて発射される。遊技盤YBに向けて発射される遊技球は、発射ハンドル19の回動量に応じて発射の強弱が設定される。また、上皿15の上面15bには、遊技者が操作可能な演出用操作手段としての演出用操作ボタンBTが設けられている。演出用操作ボタンBTには、図示しない発光体(ランプやLEDなど)が内蔵されており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲーム中、大当り遊技中など)に、その操作が有効とされるようになっている。そして、演出用操作ボタンBTの操作が有効である場合には、演出用操作ボタンBTに内蔵した図示しないランプが点灯するとともに、演出用操作ボタンBTの操作が無効である場合には、演出用操作ボタンBTに内蔵したランプが消灯するようになっている。また、下皿18には、上皿15から溢れ出て流下した遊技球の出口18aが設けられているとともに、遊技球を貯留する凹状の貯留部18bが遊技球の出口18aに連設されている。
次に、遊技盤YBの構成について図2にしたがって詳しく説明する。
遊技盤YBの前面には、発射ハンドル19の操作によって発射された遊技球を誘導し、かつパチンコ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域H1を形成する誘導レール20が円形渦巻き状に敷設されている。この誘導レール20によって遊技盤YBには、該遊技盤YBの左下方から左上方に向かって延びる遊技球の誘導路20aが形成されるとともに、誘導レール20の内側に遊技領域H1が形成される。また、遊技盤YBの前面であって誘導レール20の外側となる遊技領域H1外は、パチンコ遊技に直接関与しない非遊技領域H2とされている。
遊技盤YBの遊技領域H1のほぼ中央(センター)には、各種の表示装置や各種の飾りを施した表示枠体(センター役物)21が装着されている。表示枠体21の略中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する演出実行手段及び表示手段としての演出表示装置22をセット(装着)するためのセット口21aが、開口形成されている。演出表示装置22には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出(遊技演出)が画像表示されるようになっている。本実施形態において演出表示装置22の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置22の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。
図2に示すように、表示枠体21の左下の遊技領域H1には、7セグメント型の特別図柄表示装置23が設けられている。特別図柄表示装置23では、複数種類の特別図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特別図柄は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。
そして、特別図柄表示装置23では、図柄変動ゲームの開始により同時に特別図柄の変動表示が開始され、該ゲームの終了と同時に特別図柄が確定停止表示される。また、演出表示装置22では、図柄変動ゲームの開始により同時に飾り図柄の変動表示が開始され、該ゲーム終了前に飾り図柄が一旦停止表示され、該ゲームの終了と同時に各列の飾り図柄が確定停止表示される。「変動表示」とは、図柄を表示する表示装置に定める表示領域内において表示される図柄の種類が変化している状態であり、「一旦停止表示」とは、前記表示領域内において図柄がゆれ変動状態で表示されている状態である。また、「確定停止表示」とは、前記表示領域内において図柄が確定停止している状態である。なお、特別図柄表示装置23と演出表示装置22では、同時に図柄変動ゲームと図柄変動ゲームに係わる表示演出が開始され、同時に終了する(すなわち、同時に特別図柄と飾り図柄が確定停止表示される)。
本実施形態において特別図柄表示装置23には、複数種類の特別図柄の中から、大当り抽選の抽選結果(大当りかはずれか)に対応する1つの特別図柄が選択され、その選択された特別図柄が図柄変動ゲームの終了によって確定停止表示される。複数種類の特別図柄は、大当りを認識し得る図柄となる100種類の大当り図柄(大当り表示結果に相当する)と、はずれを認識し得る図柄となる1種類のはずれ図柄とに分類される。なお、大当り図柄が表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。本実施形態の大当り遊技については後で詳細に説明する。
また、本実施形態において演出表示装置22には、各列毎に[0]、[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]、[8]、[9]の10種類の数字が飾り図柄として表示されるようになっている。そして、本実施形態においては、演出表示装置22の表示領域(画像表示面)を特別図柄表示装置23の表示領域よりも遥かに大きく形成し、演出表示装置22を遊技者の正面に目立つように配置している。このため、遊技者は、特別図柄表示装置23よりも自身の目の前で多彩な画像によって表示演出が行われる演出表示装置22の表示内容に注目し、該演出表示装置22の図柄変動ゲームで導出されて確定停止表示される図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識することになる。演出表示装置22に停止表示された全列の図柄が同一図柄の場合には、その図柄組み合わせ([222][777]など)から大当り遊技が付与される大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが飾り図柄による大当りの図柄組み合わせ(大当り表示結果)となる。大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されると、遊技者には、図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、演出表示装置22に確定停止表示された全列の図柄が異なる種類の場合、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([123][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせが飾図によるはずれの図柄組み合わせ(はずれ表示結果)となる。
また、本実施形態において、演出表示装置22における各列は、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って飾り図柄が変動表示されるようになっている。そして、図柄変動ゲームが開始すると(各列の飾り図柄が変動を開始すると)、演出表示装置22において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に飾り図柄が一旦停止表示されるようになっている。そして、一旦停止表示された左図柄と右図柄が同一図柄の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では左列と右列)の飾り図柄が同一図柄となって一旦停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では中列)の飾り図柄が変動表示されている状態である。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが飾り図柄によるリーチの図柄組み合わせとなる。また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、図柄変動ゲームの開始後、最初に飾り図柄を停止表示させる左列が第1停止表示列になるとともに、次に飾り図柄を停止表示させる右列が第2停止表示列になり、さらに最後に飾り図柄を停止表示させる中列が第3停止表示列となる。
また、演出表示装置22には、特別図柄表示装置23の表示結果に応じた図柄組み合わせが表示されるようになっている。特別図柄表示装置23に表示される特別図柄と、演出表示装置22に表示される飾り図柄による図柄組み合わせが対応されており、図柄変動ゲームが終了すると、特別図柄と飾り図柄による図柄組み合わせが対応して確定停止表示されるようになっている。例えば、特別図柄表示装置23に大当り図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置22にも[222]や[444]などの大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。また、特別図柄表示装置23にはずれ図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置22にも[121]や[345]などのはずれの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。なお、特別図柄に対する飾り図柄の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄に対して複数の飾り図柄による図柄組み合わせの中から1つの飾り図柄による図柄組み合わせが選択されるようになっている。以上のように、本実施形態の演出表示装置22では、図柄変動ゲームに係わる表示演出(3列の図柄を変動表示させて図柄の組み合わせを表示させる図柄変動ゲーム)が行われるようになっている。
図2の説明に戻り、表示枠体21の左下の遊技領域H1であって、特別図柄表示装置23の左下方には、複数個(本実施形態では4個)の特別図柄保留発光部を備えた特別図柄保留記憶表示装置Raが設けられている。そして、特別図柄保留記憶表示装置Raは、機内部で記憶した特別図柄用の始動保留球の記憶数(以下、「保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。本実施形態のパチンコ遊技機10は、表示枠体21の下方に配置される始動入賞口(上始動入賞口25と下始動入賞口26)へ遊技球が入球した場合、その入球した遊技球を始動保留球として記憶し、その始動保留球の個数を特別図柄用の保留記憶数として機内部(主制御基板35の主制御用RAM35c)で記憶するようになっている。特別図柄用の保留記憶数は、保留中(図柄変動ゲーム待機中)の図柄変動ゲームの回数を示している。特別図柄用の保留記憶数は、前記始動入賞口に遊技球が入球することで1加算され、図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口へ遊技球が入球すると、特別図柄用の保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。そして、特別図柄保留記憶表示装置Raは、特別図柄保留発光部の点灯個数により保留中の図柄変動ゲームの回数(始動保留球の個数)を遊技者に報知する構成となっている。
また、表示枠体21の左下の遊技領域H1であって、特別図柄表示装置23の左方には、普通図柄表示装置24が配設されている。この普通図柄表示装置24では、複数種類の普通図柄を変動させて1つの普通図柄を導出する普通図柄変動ゲームが行われるようになっている。本実施形態において普通図柄表示装置24は、図示しない発光体(LEDやランプなど)をレンズカバー(図2では表面に「○(丸)」と「×(ばつ)」を装飾したもの)で覆って構成した複数個(本実施形態では2個)の普通図柄表示部から構成されている。普通図柄表示装置24では、大当りか否かの大当り抽選とは別に行う普図当りか否か(開閉羽根27の開動作により下始動入賞口26を開放するか否か)の内部抽選(普図当り抽選)の抽選結果を表示する。そして、本実施形態の普通図柄表示装置24では、普図当り抽選で普図当りを決定している場合には普通図柄変動ゲームで普通図柄からなる普図当り用の図柄が確定停止表示(本実施形態では「○(丸)」側の普通図柄表示部が点灯)される。一方、本実施形態の普通図柄表示装置24では、普図当り抽選で普図はずれを決定している場合には普通図柄変動ゲームで普通図柄からなる普図はずれ用の図柄が確定停止表示(本実施形態では「×(ばつ)」側の普通図柄表示部が点灯)される。
また、表示枠体21の左下の遊技領域H1であって、特別図柄表示装置23と普通図柄表示装置24の間には、複数個(本実施形態では4個)の普通図柄保留発光部を備えた普通図柄保留記憶表示装置Rbが設けられている。そして、普通図柄保留記憶表示装置Rbは、機内部で記憶した普通図柄用の始動保留球の記憶数(以下、「保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。本実施形態のパチンコ遊技機10は、表示枠体21の左方に配置される普通図柄作動ゲート30へ遊技球が入球した場合、その入球した遊技球を始動保留球として記憶し、その始動保留球の個数を普通図柄用の保留記憶数として機内部(主制御基板35の主制御用RAM35c)で記憶するようになっている。普通図柄用の保留記憶数は、保留中(普通図柄変動ゲーム待機中)の普通図柄変動ゲームの回数を示している。普通図柄用の保留記憶数は、普通図柄作動ゲート30に遊技球が入球することで1加算され、普通図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、普通図柄変動ゲーム中に普通図柄作動ゲート30へ遊技球が入球すると、普通図柄用の保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。そして、普通図柄保留記憶表示装置Rbは、普通図柄保留発光部の点灯個数により保留中の普通図柄変動ゲームの回数(始動保留球の個数)を遊技者に報知する構成となっている。
また、表示枠体21の左下の遊技領域であって、特別図柄保留記憶表示装置Ra及び普通図柄保留記憶表示装置Rbの間には、今回付与される大当り遊技の規定ラウンド数を報知するラウンド数報知装置Rcが設けられている。本実施形態のパチンコ遊技機10では、図3に示すように、規定ラウンド数を「15回」に設定した大当り遊技が付与されるようになっている。このため、ラウンド数報知装置Rcでは、規定ラウンド数を「15回」に設定した大当り遊技が付与されることが付与されることが報知される。なお、ラウンド数報知装置Rcは、今回付与される大当り遊技の規定ラウンド数を、ランプの発光によって報知する。
また、図2に示すように、表示枠体21の下方の遊技領域H1には、遊技球の入球口25aを有する上始動入賞口25と遊技球の入球口26aを有する下始動入賞口26が上下方向に並ぶように配置されている。上始動入賞口25は、常時遊技球の入球を許容し得るように入球口25aを常時開放させた構成とされている。一方で、下始動入賞口26は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根27を備えており、開閉羽根27が開動作することにより遊技球の入球を許容し得るように入球口26aを開放させる構成とされている。換言すれば、下始動入賞口26は、開閉羽根27が開動作して入球口26aが開放されない限り、遊技球の入球を不能とする構成とされている。
上始動入賞口25と下始動入賞口26の各奥方には、入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW1,SW2(図4に示す)が配設されている。上始動入賞口25と下始動入賞口26は、入球した遊技球を検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。下始動入賞口26は開閉羽根27が開動作すると、入口が拡大されて遊技球が入球し易い状態とされる一方で、開閉羽根27が閉動作すると、入口が拡大されずに遊技球の入球が不能となる状態とされる。
また、図2に示すように、下始動入賞口26の下方の遊技領域H1には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉28を備えた入賞手段としての大入賞口(特別電動役物)29が配設されている。大入賞口29の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3(図4に示す)が配設されている。大入賞口29は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。そして、大当り遊技が付与されると、大入賞口扉28の開動作によって大入賞口29が開放されて遊技球の入球が許容されるため、遊技者は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。本実施形態において大当り遊技は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得られることから、遊技者に有利な状態となる。そして、この大当り遊技は、内部抽選で大当りが決定し、図柄変動ゲームにて大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示されることを契機に付与される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口扉28の開動作により大入賞口29が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では、15回)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、ラウンド遊技が開始してから予め定めたラウンド遊技時間が経過する、又は予め定めた入球上限個数の遊技球が入球するの何れか早く成立した方の条件を満たすことにより終了する。そして、各ラウンド遊技が終了すると、各ラウンド遊技の間に設定されるラウンド間インターバルのインターバル時間(2秒)の経過後に、次のラウンド遊技が開始される。そして、大当り遊技は、規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後に大当り遊技の終了を示すエンディング演出(大当り遊技終了演出)が行われて終了する。
また、図2に示すように、表示枠体21の左方の遊技領域H1には、普通図柄作動ゲート30が配設されている。普通図柄作動ゲート30の奥方には、該普通図柄作動ゲート30へ入球し通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW4(図4に示す)が設けられている。普通図柄作動ゲート30は、遊技球の通過を契機に、普通図柄変動ゲームの始動条件のみを付与し得る。
また、遊技盤YBの遊技領域H1の最下方(大入賞口29よりも下方)には、遊技領域H1に発射された後、何れの入賞口にも入球しなかった遊技球をアウト球として機外に排出するためのアウト球口31が形成されている。アウト球口31を通過した遊技球は、パチンコ遊技機10の設置設備(遊技島)に配設されたアウト球タンク(図示しない)に排出される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、確変大当りに当選したことを条件として、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率状態を低確率抽選状態(本実施形態では4/1471)から高確率抽選状態(本実施形態では36/1471)に変動させる確変状態(確率変動状態)を付与する機能である。また、確変状態は、次回の大当りが生起される迄の間、付与される。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態を付与する大当りが確変大当りとなり、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない(非確変状態が付与される)大当りが非確変大当りとなる。本実施形態のパチンコ遊技機10では、100種類の特別図柄の大当り図柄のうち、77種類の特別図柄が確変大当りとなる特別図柄(特定図柄)に設定されているとともに、23種類の特別図柄が非確変大当りとなる特別図柄(非特定図柄)に設定されている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出表示装置22に表示される飾り図柄のうち、奇数図柄によって構成される大当りの図柄組み合わせ[111]、[333]、[555]、[777]及び[999]が、確変大当りを確定的に認識し得る図柄組み合わせ(確変確定の大当り図柄)として設定されている。一方、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出表示装置22に表示される飾り図柄のうち、偶数図柄によって構成される大当りの図柄組み合わせ[000]、[222]、[444]、[666]及び[888]が、確変大当り及び非確変大当りの何れかであることを認識し得る図柄組み合わせ(確変非確定の大当り図柄)として設定されている。すなわち、飾り図柄による大当りの図柄組み合わせ[111]、[333]、[555]、[777]及び[999]は、確変大当りが決定されている場合に演出表示装置22の図柄変動ゲームで導出可能な組み合わせとされている。また、飾り図柄による大当りの組み合わせ[000]、[222]、[444]、[666]及び[888]は、確変大当り及び非確変大当りの何れが決定されている場合でも、演出表示装置22の図柄変動ゲームで導出可能な組み合わせとされている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、変動時間短縮(以下、「変短」と示す)機能を備えている。変短機能は、普通図柄変動ゲームの変動時間が短縮されるとともに、普通図柄作動ゲート30の通過に基づく普通図柄変動ゲームの抽選確率状態(普通当りの当選確率)が低確率抽選状態から高確率抽選状態に変動する変短状態を特典として付与する機能である。また、変短状態が付与されている場合と変短状態が付与されていない場合とで下始動入賞口26の開閉羽根27は、普通図柄変動ゲームにおいて当選した際、異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。すなわち、変短状態が付与されていない時に普通図柄変動ゲームに当選する場合には、開閉羽根27が第1回数(例えば1回)分開放し、開放してから第1開放時間(例えば、300ms)経過するまで開放状態を維持するようになっている。一方、変短状態が付与されている時に普通図柄変動ゲームに当選する場合には、開閉羽根27が開放する回数が増加(例えば、3回)して第1回数よりも多い第2回数となり、1回の開放において開放してから第1開放時間よりも長い第2開放時間(例えば、1800ms)が経過するまで開放状態を維持するようになっている。すなわち、開閉羽根27は、変短状態が付与されている場合、変短状態が付与されていない状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。変短状態中は、開閉羽根27が遊技者にとって有利に動作し、単位時間当りの下始動入賞口26への遊技球の入球率が向上するので、変短状態は入球率向上状態となる。そして、変短状態は、予め定めた回数の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。すなわち、変短状態は、予め定めた回数に相当する図柄変動ゲームの終了時迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される図柄変動ゲームの終了時迄の間、付与される。
本実施形態では、大当り遊技の終了後における開閉羽根27の単位時間あたりの開放時間を増加させる変短状態が、開放時間増加状態となる。一方、大当り遊技の終了後における開閉羽根27の単位時間あたりの開放時間を増加させない非変短状態が、開放時間非増加状態となる。なお、変短状態(開放時間増加状態)中は、1回の普図当りによって開閉羽根27が開放される時間の合計が、非変短状態時よりも増加する。
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10に規定する大当り遊技について、図3をもとに詳しく説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り抽選に当選した場合、4種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技の種類が決定され、その決定された大当り遊技が付与されるようになっている。そして、4種類の大当り遊技のうち、何れの大当り遊技を付与するかは、大当り抽選に当選した際に決定する特別図柄(大当り図柄)の種類に応じて決定されるようになっている。本実施形態において100種類の特別図柄の大当り図柄は、図3に示すように、図柄A、図柄B、図柄C、及び図柄Dの4種類に分類されている。なお、本実施形態では、図柄A,B,C,Dのそれぞれに複数種類の特別図柄を分類することで、特別図柄が図柄A,B,C,Dのいずれに分類されているかを遊技者に認識させ難くしている。
そして、例えば、図柄Aには57種類の大当り図柄が、図柄Bには5種類の大当り図柄が、図柄Cには15種類の大当り図柄が、図柄Dには23種類の大当り図柄がそれぞれ属している。このように特別図柄を振分けた場合、図柄Aに基づく大当り遊技は大当り全体の57%(100分の57)となり、図柄Bに基づく大当り遊技は大当り全体の5%(100分の5)となり、図柄Cに基づく大当り遊技は大当り全体の15%(100分の15)となり、図柄Dに基づく大当り遊技は大当り全体の23%(100分の23)となる。そして、これら図柄A,B,C,Dには、所定個数ずつの大当り図柄がそれぞれ属している。各図柄A,B,C,Dに属する大当り図柄の割合により、各大当り遊技が付与される割合が定められる。
図柄Aに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態を付与する15ラウンド大当り遊技である。以下、図柄Aに基づく大当り遊技を「通常確変15R(ラウンド)大当り遊技」と示す。また、図柄Aに基づく大当り(大当り種)を「通常確変15R大当り」と示す。通常確変15R大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(カウント数)が「8球」に設定されている。また、通常確変15ラウンド大当り遊技における15回のラウンド遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口扉28を「1回」開放させるように設定されている。また、通常確変15R大当り遊技では、各ラウンド遊技のラウンド遊技時間(規定時間)として「25秒(25000ms)」が設定されている。各ラウンド遊技は、入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もある。このため、通常確変15R大当り遊技において、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間である「25秒(25000ms)」は最大時間となる。また、通常確変15ラウンド大当りでは、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態と、その確変状態の終了時まで変短状態を付与するようになっている。なお、図3では、確変状態の終了時まで変短状態を付与する場合を「リミットなし」と表記している。また、図3には図示しないが、通常確変15ラウンド大当り遊技における各ラウンド間のインターバル時間(ラウンド間インターバル)は、「2.0(秒)」に設定されている。
図柄Bに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定されているとともに大当り遊技終了後に確変状態を付与し、特定(11ラウンド目)のラウンド遊技における大入賞口扉28の開放態様を、通常確変15R大当り遊技の開放態様と異ならせた15ラウンド大当り遊技である。以下、図柄Bに基づく大当り遊技を「特別15R大当り遊技」と示す。また、図柄Bに基づく大当り(大当り種)を「特別確変15R大当り」と示す。特別確変15R大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(カウント数)が「8球」に設定されている。また、特別確変15R大当り遊技では、11ラウンド目のラウンド遊技において大入賞口29の大入賞口扉28を複数回(本実施形態では6回)開放させるとともに、11ラウンド目以外のラウンド遊技において大入賞口29の大入賞口扉28を「1回」開放させるように設定されている。また、特別確変15R大当りでは、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態と、その確変状態の終了時まで変短状態を付与するようになっている。
また、特別確変15R大当り遊技において11ラウンド目の大入賞口扉28の開放態様として、開放1回目〜開放5回目の開放時間が「0.3(秒)」に、開放6回目の開放時間が「23.5(秒)」に、それぞれ設定されている。また、開放1回目〜開放5回目の開放後には、ラウンド内インターバル時間として「2.0(秒)」が、それぞれ設定されている。これにより、特別確変15R大当り遊技の11ラウンド目のラウンド遊技時間は、「0.3(秒)+2.0(秒)+0.3(秒)+2.0(秒)+0.3(秒)+2.0(秒)+0.3(秒)+2.0(秒)+0.3(秒)+2.0(秒)+23.5(秒)」からなる「35(秒)」に設定されていることになる。その一方で、特別確変15R大当り遊技において11ラウンド目以外のラウンド遊技では、大入賞口扉28の開放回数がそれぞれ「1回」とされ、ラウンド遊技時間として「25秒」がそれぞれ設定されている。11ラウンド目以外のラウンド遊技の各ラウンド遊技時間(25(秒))は、11ラウンド目の大入賞口扉28の合計開放時間(0.3(秒)+0.3(秒)+0.3(秒)+0.3(秒)+0.3(秒)+23.5(秒)=25(秒))と同一時間に設定されている。各ラウンド遊技のラウンド遊技時間は、各ラウンド遊技が入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もあることから、それぞれ最大時間となる。なお、図3には図示しないが、特別確変15R大当り遊技における各ラウンド間のインターバル時間(ラウンド間インターバル)は、「2.0(秒)」に設定されている。
図柄Cに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定されているとともに大当り遊技終了後に確変状態を付与し、特定(11ラウンド目〜15ラウンド目)のラウンド遊技における大入賞口扉28の開放態様を、通常確変15R大当り遊技及び特別確変15R大当り遊技の開放態様と異ならせた15ラウンド大当り遊技である。以下、図柄Cに基づく大当り遊技を「100回変短付き15R大当り遊技」と示す。また、図柄Cに基づく大当り(大当り種)を「100回変短付き確変15R大当り」と示す。100回変短付き確変15R大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(カウント数)が「8球」に設定されている。また、100回変短付き確変15R大当り遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口29の大入賞口扉28を「1回」開放させるように設定されている。また、100回変短付き確変15R大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態と、予め定めた回数(本実施形態では100回)を上限回数として変短状態を付与するようになっている。
また、100回変短付き確変15R大当り遊技において11ラウンド目〜15ラウンド目のラウンド遊技では、大入賞口扉28の開放回数がそれぞれ「1回」とされ、ラウンド遊技時間として「0.3(秒)」がそれぞれ設定されている。その一方で、100回変短付き確変15R大当り遊技において1ラウンド目〜10ラウンド目のラウンド遊技では、大入賞口扉28の開放回数がそれぞれ「1回」とされ、ラウンド遊技時間として「25(秒)」がそれぞれ設定されている。これにより、100回変短付き確変15R大当り遊技において、11ラウンド目で大入賞口扉28が開放してから15ラウンド目で大入賞口扉28が閉鎖するまでの時間(9.5(秒))は、特別確変15R大当り遊技の11ラウンド目において大入賞口扉28が5回目の開放を終了するまでの時間と同一時間とされる。なお、各ラウンド遊技のラウンド遊技時間は、各ラウンド遊技が入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もあることから、それぞれ最大時間となる。なお、図3には図示しないが、100回変短付き確変15R大当り遊技における各ラウンド間のインターバル時間(ラウンド間インターバル)は、「2.0(秒)」に設定されている。
図柄Dに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態を付与しない(非確変状態を付与する)15ラウンド大当り遊技である。以下、図柄Dに基づく大当り遊技を「非確変15R大当り遊技」と示す。また、図柄Dに基づく大当り(大当り種)を「非確変15R大当り」と示す。また、非確変15ラウンド大当り遊技では、確変状態が付与されない点以外は、100回変短付き確変15R大当り遊技と同一となっている。このため、100回変短付き確変15R大当り遊技と非確変15R大当り遊技は、大入賞口扉28の開閉動作態様や時間からその差異を遊技者が判別不能となっている。すなわち、遊技者は、100回変短付き確変15R大当り遊技及び非確変15R大当り遊技の何れが付与されたのかを大入賞口扉28の開閉動作や時間からは判別し得ない。
そして、通常確変15R大当り遊技と特別確変15R大当り遊技を比較すると、11ラウンド目のラウンド遊技における大入賞口扉28の開放態様が異なる点以外は同一なので、遊技者に対する各大当り遊技の有利度合いは略同一である。ただし、通常確変15R大当り遊技に当選している場合は、当該大当り遊技に当選していることが確定的に報知される。その一方で、特別確変15R大当り遊技に当選している場合は、11ラウンド目のラウンド遊技において6回目の開放が行われるまでの間は、100回変短付き確変15R大当り遊技又は非確変15R大当り遊技に当選している可能性も含んで報知される点が異なっている。したがって、特別確変15R大当り遊技よりも通常確変15R大当り遊技の方が、遊技者にとって有利と言える。
また、特別確変15R大当り遊技と100回変短付き確変15R大当り遊技を比較すると、大入賞口扉28の開放態様及び変短状態が付与される図柄変動ゲームの回数に制限が加えられるか否かの点で異なる。このため、リミットなし(次回大当りまで)変短状態が付与される特別確変15R大当り遊技の方が、100回変短付き確変大当り遊技よりも遊技者によって有利となる。
また、100回変短付き確変15R大当り遊技と非確変15R大当り遊技は、大当り遊技中の態様(大入賞口32の開放態様など)が同一に設定されている。このため、リミットなし(次回大当りまで)で確変状態が付与される100回変短付き確変15R大当り遊技の方が、非確変15R大当り遊技よりも遊技者にとって有利となる。
また、本実施形態において、通常確変15R大当り遊技及び特別確変15R大当り遊技と、100回変短付き確変15R大当り遊技及び非確変15R大当り遊技とは、大当り遊技を構成するラウンド遊技の上限回数が同一回数(15回)と設定されているものの、1回のラウンド遊技時間の長短により、1回の大当り遊技で遊技者が獲得し得る賞球獲得数に差が生じ得る。具体的に言えば、本実施形態において、通常確変15R大当り遊技及び特別確変15R大当り遊技は、100回変短付き確変15R大当り遊技及び非確変15R大当り遊技よりも多量の賞球を獲得可能な大当り遊技とされている。
なお、賞球とは、大入賞口29への1球の入球に対して遊技者に賞として付与される遊技球である。そして、通常確変15R大当り遊技及び特別確変15R大当り遊技との比較において賞球の獲得数が少量とは、大当り遊技の終了までに得られる総賞球獲得数を比較した場合の少量である。パチンコ遊技機10では、大入賞口29への1球の入球に対して、例えば「13球」の遊技球を賞球として払出すような設定がなされており、1回のラウンド遊技における入球上限個数を「8球」に設定し、「8球」の遊技球が大入賞口29へ入球したならば遊技者には「104球」の遊技球が賞球として払出されていることになる。
したがって、本実施形態のパチンコ遊技機10では、非確変15R大当り遊技<100回変短付き確変15R大当り遊技<特別確変15R大当り遊技<通常確変15R大当り遊技の順に、遊技者にとって有利と言える。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り中昇格演出を実行可能に構成されている。大当り中昇格演出は、大当り抽選で大当りに当選した際に決定された大当り遊技の種類を遊技者に認識させるために行われる演出であり、大当り遊技中を演出実行時期として行われる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り中昇格演出は、図柄変動ゲームで最終的な確定図柄として非特定図柄([000]、[222]、[444]、[666]、[888])からなる大当りの図柄組み合わせが確定停止表示された場合に行われるようになっている。そして、本実施形態における大当り中昇格演出では、味方のキャラクタと対戦相手のキャラクタ(敵)とが対戦(バトル)を行う態様で実行されるようになっている。そして、味方のキャラクタが最終的に勝利した場合、大当り遊技終了後に確変状態が付与されることを遊技者が確定的に認識できる一方で、味方のキャラクタが敗北した場合には大当り遊技終了後に確変状態が付与される可能性があることを遊技者が非確定的に認識できるようになっている。
加えて、本実施形態における大当り中昇格演出では、特定のラウンド遊技(本実施形態では5R目)に、味方のキャラクタが必殺技で攻撃するか否かの抽選が行われ、該抽選に当選した場合には、必殺技による攻撃で、対戦相手のキャラクタに勝利する態様で実行されるようになっている。このような演出を実行することで、「通常確変15R大当り遊技」に当選していることを遊技者に報知することができる。したがって、大当り中昇格演出によれば、図柄変動ゲームで最終的に導出された飾り図柄の大当り図柄が「確変非確定の大当り図柄」であっても、大当り遊技中に「通常確変15R大当り遊技」に当選していたことが報知される期待感、すなわち有利な大当り遊技へ昇格する期待感を遊技者に抱かせることができる。なお、以下の説明では、通常確変15R大当り遊技に当選していることを報知する大当り中昇格演出を、通常大当り中昇格演出と示す場合がある。また、本実施形態では、通常大当り中昇格演出が、特別演出となる。
さらに、本実施形態における大当り中昇格演出では、特定のラウンド遊技(本実施形態では、11ラウンド目)までに勝敗が付かなかった場合、特定のラウンド遊技(本実施形態では11R目)に、対戦相手のキャラクタに一旦敗北したかのような演出を行った後、味方のキャラクタが復活して勝利する態様でも実行されるようになっている。このような演出を実行することで、特別確変15R大当り遊技、100回変短付き確変15R大当り遊技、又は非確変15R大当り遊技のうち何れの大当り遊技に当選しているのか分からない状態であっても、「特別確変15R大当り遊技」に当選していることを遊技者に報知することができる。以下の説明では、特別確変15R大当り遊技に当選していることを報知する大当り中昇格演出を、特別大当り中昇格演出と示す場合がある。なお、特別大当り中昇格演出を実行しなくても、11ラウンド目の6回目の大入賞口扉28の開放態様によって、特別確変15R大当り遊技に当選していることが把握できるようになっている。そして、特別大当り中昇格演出が実行されなかった場合には、100回変短付き確変15R大当り遊技及び非確変15R大当り遊技の何れかに当選していることが確定する。このように、通常大当り中昇格演出と特別大当り中昇格演出では、報知する大当り遊技の対象が異なっている。
次に、パチンコ遊技機10の制御構成について図4に基づき説明する。
パチンコ遊技機10の機裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御基板35が装着されている。主制御基板35は、パチンコ遊技機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御指令としての制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、サブ統括制御基板36と、演出表示制御基板37と、音声・ランプ制御基板38が装着されている。
サブ統括制御基板36は、主制御基板35が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示制御基板37、及び音声・ランプ制御基板38を統括的に制御する。演出表示制御基板37は、主制御基板35とサブ統括制御基板36が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置22の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、音声・ランプ制御基板38は、主制御基板35とサブ統括制御基板36が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、各種ランプ部16a〜16cの発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)及びスピーカ17a〜17cの音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
以下、主制御基板35、サブ統括制御基板36及び演出表示制御基板37について、その具体的な構成を説明する。
主制御基板35には、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU35aと、主制御用CPU35aの制御プログラムを格納する主制御用ROM35bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM35cが設けられている。主制御用CPU35aには、主制御用ROM35bと主制御用RAM35cが接続されている。また、主制御用CPU35aには、上始動入賞口25に入球した遊技球を検知する上始動口スイッチSW1と、下始動入賞口26に入球した遊技球を検知する下始動口スイッチSW2が接続されている。また、主制御用CPU35aには、大入賞口29に入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3と、普通図柄作動ゲート30を通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW4が接続されている。
また、主制御用CPU35aには、図柄表示基板39を介して、特別図柄表示装置23、普通図柄表示装置24、特別図柄保留記憶表示装置Ra、普通図柄保留記憶表示装置Rb、及びラウンド数報知装置Rcが接続されている。図柄表示基板39は、特別図柄表示装置23、普通図柄表示装置24、特別図柄保留記憶表示装置Ra、普通図柄保留記憶表示装置Rb、及びラウンド数報知装置Rcと対応する位置にそれぞれ装着されており、各表示装置23,24,Ra,Rb及びラウンド数報知装置Rcを構成する発光体(本実施形態ではLED)が装着されている。
また、主制御用CPU35aは、大当り判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を主制御用RAM35cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。また、主制御用CPU35aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。また、主制御用CPU35aには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
主制御用ROM35bには、パチンコ遊技機10全体を制御するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、主制御用ROM35bには、メイン制御プログラムに加え、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、演出表示装置22及び特別図柄表示装置23において図柄の変動開始による図柄変動ゲームが開始してから、演出表示装置22及び特別図柄表示装置23において図柄が確定停止表示されて図柄変動ゲームが終了するまでの間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。すなわち、変動パターンは、特別図柄が変動開始してから特別図柄が確定停止表示されるまでの間の図柄変動ゲームの演出内容及び演出時間(変動時間)を特定することができる。そして、変動パターンは、大当り演出用、はずれリーチ演出用及びはずれ演出用からなる変動内容毎に分類されている。
大当り演出用の変動パターンに基づき行われる大当り演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的に大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される大当り演出である。また、はずれリーチ演出用の変動パターンに基づき行われるはずれリーチ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。また、はずれ演出用の変動パターンに基づき行われるはずれ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。リーチ演出は、演出表示装置22の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが形成されてから、最終的に図柄組み合わせ(大当りの図柄組み合わせ又ははずれの図柄組み合わせ)が導出される迄の間に行われる演出である。また、特別図柄表示装置23では、図柄変動ゲームが開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで図柄の変動が継続される。また、はずれ演出用の変動パターンに基づき行われるはずれ演出は、図柄変動ゲームの開始後、各列の図柄を予め定めた変動停止順序(例えば、左列→右列→中列)にしたがって変動を停止させて各列に図柄を導出させるはずれ演出である。
また、主制御用ROM35bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当りか否かの大当り抽選(大当り判定)で用いる判定値であり、特別図柄用の大当り判定用乱数の取り得る数値(0〜1470までの全1471通りの整数)の中から定められている。さらに、大当り判定値は、遊技状態が非確変状態(低確率抽選状態)の時の大当り抽選で用いる低確率用の大当り判定値と、遊技状態が確変状態(高確率抽選状態)の時の大当り抽選で用いる高確率用の大当り判定値とがある。そして、確変状態時の大当り判定値の数(本実施形態では36個)は、非確変状態時の大当り判定値の数(本実施形態では4個)よりも多く設定されている。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、非確変状態における大当り抽選で大当りに当選する確率が、1471分の4(=367.75分の1)となり、確変状態における大当り抽選で大当りに当選する確率が、1471分の36(=40.86分の1)となる。また、主制御用RAM35cには、大当り判定時に使用する大当り判定用乱数が記憶されている。本実施形態において、大当り判定用乱数は、各始動入賞口25,26へ遊技球が入賞したことを契機に取得されるようになっている。また、主制御用RAM35cには、大当り決定時に大当り図柄となる特別図柄の種類を決定する際に用いる特図振分用乱数が記憶されている。各特別図柄には、この特図振分用乱数が所定個数(本実施形態では1個)ずつ振り分けられており、主制御用CPU35aは、大当りの決定時(大当り判定が肯定となった場合)、取得した特図振分用乱数に基づき大当り図柄を決定する。この特図振分用乱数は、予め定められた数値範囲内(本実施形態では、「0」〜「99」の全100通りの整数)の数値を取り得るように、主制御用CPU35aが所定の周期毎(2ms毎)に数値を1加算して更新するようになっている。そして、主制御用CPU35aは、更新後の値を特図振分用乱数の値として主制御用RAM35cに記憶し、既に記憶されている特図振分用乱数の値を書き換えることで特図振分用乱数の値を順次更新するようになっている。本実施形態において、特図振分用乱数は、各始動入賞口25,26へ遊技球が入賞したことを契機に取得されるようになっている。
また、主制御用ROM35bには、リーチ判定値が記憶されている。リーチ判定値は、はずれを決定する場合にはずれリーチ演出を実行するか否かの内部抽選(リーチ判定)で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜240までの全241通りの整数)の中から定められている。また、主制御用RAM35cには、リーチ判定時に使用するリーチ判定用乱数が記憶されている。本実施形態において、リーチ判定用乱数は、リーチ判定時に取得されるようになっている。
また、主制御用ROM35bには、普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、普図当りか否かの内部抽選(普図当り抽選)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る数値(0〜106までの全107通りの整数)の中から定められている。なお、普図当り判定値は、変短状態が付与されているか否かでその数が異なっており、変短状態が付与されている時の普図当り判定値の数(本実施形態では106個)は、変短状態が付与されていない時の普図当り判定値の数(本実施形態では2個)よりも多く設定されている。また、主制御用RAM35cには、普図当り判定時に使用する普図当り判定用乱数が記憶されている。本実施形態において、普図当り判定用乱数は、普通図柄作動ゲート30を遊技球が通過したことを契機に取得されるようになっている。
次に、サブ統括制御基板36について説明する。
サブ統括制御基板36には、制御動作を所定の手順で実行することができる統括制御用CPU36aと、統括制御用CPU36aの統括制御プログラムを格納する統括制御用ROM36bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM36cが設けられている。統括制御用CPU36aには、統括制御用ROM36bと統括制御用RAM36cが接続されている。そして、統括制御用CPU36aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。また、統括制御用ROM36bには、統括制御プログラムに加え、各種演出を決定する際に参照する各種テーブルが記憶されている。なお、各種テーブルについての詳細は、後述する。
また、サブ統括制御基板36には、上皿15の上面15bに配設した演出用操作ボタンBTが接続されている。演出用操作ボタンBTは、その操作が有効である場合(ランプが点灯している場合)に押下操作すると、統括制御用CPU36aに操作信号が出力され、その操作信号を入力した統括制御用CPU36aは演出用操作ボタンBTの操作を有効として所定の遊技演出制御を実行する。なお、演出用操作ボタンBTの操作が無効である場合(ランプが消灯している場合)に演出用操作ボタンBTを押下操作したときには、その演出用操作ボタンBTの操作が無効とされる。
次に、演出表示制御基板37について説明する。
演出表示制御基板37には、制御動作を所定の手順で実行することができる表示制御用CPU37aと、表示制御用CPU37aの表示制御プログラムを格納する表示制御用ROM37bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる表示制御用RAM37cが設けられている。表示制御用CPU37aには、演出表示装置22が接続されている。また、本実施形態の表示制御用CPU37aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。また、表示制御用ROM37bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。
以下、主制御基板35、サブ統括制御基板36及び演出表示制御基板37が実行する制御内容を説明する。
最初に、主制御基板35について説明する。本実施形態では、メイン制御プログラムに基づき以下の各種処理を実行する主制御用CPU35aが、ラウンド指示手段として機能する。
まず、図柄変動ゲームの制御に係る処理について説明する。
主制御基板35の主制御用CPU35aは、上始動入賞口25又は下始動入賞口26へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した始動口スイッチSW1,SW2が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM35cに記憶されている特別図柄用の保留記憶数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定(特別図柄用の保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU35aは、特別図柄用の保留記憶数を1加算(+1)し、特別図柄用の保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU35aは、特別図柄用の保留記憶数の書き換えに伴って該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の保留ランプを点灯させる。例えば、主制御用CPU35aは、書き換え後の特別図柄用の保留記憶数が「3」の場合、3つの保留ランプを点灯させる。また、主制御用CPU35aは、保留判定を肯定判定している場合、大当り判定用乱数の値と特図振分用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、その値を特別図柄用の保留記憶数に対応付けて主制御用RAM35cの所定の記憶領域に格納する。なお、主制御用CPU35aは、保留判定の判定結果が否定(保留記憶数=4)の場合、上限数を超える特別図柄用の保留記憶数の書き換えを行わないとともに、大当り判定用乱数の値と特図振分用乱数の値も取得しない。
そして、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの開始直前に、主制御用RAM35cの所定の記憶領域に格納した大当り判定用乱数の値を読み出し、該値と主制御用ROM35bに記憶されている大当り判定値とを比較し、大当り遊技を付与するか否かの大当り判定(大当り抽選)を行う。なお、大当り判定において主制御用CPU35aは、遊技状態が非確変状態(当選確率が低確)である場合には、低確率用の大当り判定値と大当り判定用乱数の値を比較し、遊技状態が確変状態(当選確率が高確)である場合には、高確率用の大当り判定値と大当り判定用乱数の値を比較する。大当り判定の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、主制御用CPU35aは、大当りを決定する。大当りを決定した主制御用CPU35aは、主制御用RAM35cの所定の記憶領域に格納した特図振分用乱数の値を読み出し、該値に基づいて特別図柄表示装置23で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる特別図柄として大当り図柄を決定する。特別図柄の大当り図柄は、前述したように大当り遊技の種類毎に設定されていることから、大当り図柄を決定することによって遊技者に付与する大当り遊技の種類を決定したことになる。また、大当りを決定した主制御用CPU35aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、その取得した値をもとに大当り演出用の変動パターンを選択し、決定する。
また、主制御用CPU35aは、大当り判定の判定結果が否定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、はずれを決定する。そして、主制御用CPU35aは、特別図柄表示装置23で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。また、はずれを決定した主制御用CPU35aは、リーチ判定用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、その取得した値と主制御用ROM35bに記憶されているリーチ判定値とを比較し、はずれリーチ演出を実行するか否かを決定するリーチ判定を実行する。
そして、リーチ判定の判定結果が肯定(はずれリーチ演出を実行する)の場合、主制御用CPU35aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、その取得した値をもとに、はずれリーチ演出用の変動パターンを選択し、決定する。一方、リーチ判定結果が否定(はずれリーチ演出を実行しない)の場合、主制御用CPU35aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、その取得した値をもとに、はずれ演出用の変動パターンを選択し、決定する。
特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU35aは、所定の制御コマンドを生成し、その生成した制御コマンドを所定のタイミングでサブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU35aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを生成し、該変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU35aは、特別図柄を指示する特別図柄用の停止図柄指定コマンドを生成し、該停止図柄指定コマンドを変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。そして、主制御用CPU35aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する図柄停止コマンドを生成し、該図柄停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力する。
また、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの開始時に特別図柄用の保留記憶数を1減算(−1)し、特別図柄用の保留記憶数を書き換える。そして、主制御用CPU35aは、特別図柄用の保留記憶数の書き換えに伴って該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の保留ランプを点灯させる。また、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの開始に伴って特別図柄表示装置23の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの開始により特別図柄の変動を開始させ、決定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に決定した特別図柄(大当り図柄又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。
次に、大当り遊技に係る処理について説明する。
最初に、通常確変15R大当り遊技が付与されるときの制御について説明する。主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームが終了すると、オープニングコマンドを出力するとともに、オープニング時間(6.0秒)の計測を開始する。次に、主制御用CPU35aは、オープニング時間が経過すると、1ラウンド目のラウンド遊技を開始させるべく1ラウンド目に対応するラウンドコマンドを出力するとともに、ラウンド遊技時間(max25秒)の計測を開始し、さらに開放信号を出力する。これにより、パチンコ遊技機10では、1ラウンド目のラウンド遊技の開始に伴って大入賞口扉28が開放される。そして、主制御用CPU35aは、1ラウンド目のラウンド遊技において終了条件が満たされると、閉鎖信号を出力する。これにより、パチンコ遊技機10では、1ラウンド目のラウンド遊技の終了に伴って大入賞口扉28が閉鎖される。
1ラウンド目のラウンド遊技を終了させた主制御用CPU35aは、2ラウンド目のラウンド遊技を開始させるために、1ラウンド目と2ラウンド目の間に設定されるラウンド間インターバルのインターバル時間(2.0秒)の経過後に、2ラウンド目に対応するラウンドコマンドを出力する。そして、主制御用CPU35aは、2ラウンド目のラウンド遊技で終了条件が満たされると、同様に2ラウンド目のラウンド遊技を終了する。以降同様に、主制御用CPU35aは、3ラウンド目〜15ラウンド目のラウンド遊技を制御する。そして、主制御用CPU35aは、15ラウンド目のラウンド遊技が終了すると、インターバル時間(2.0秒)の経過後にエンディングコマンドを出力するとともに、エンディング時間(15秒)の計測を開始する。そして、主制御用CPU35aは、エンディング時間の経過後、大当り遊技を終了させる。
その際、主制御用CPU35aは、確変状態を付与することを示す確変フラグに「1」を設定すると共に、変短状態を付与することを示す作動フラグに「1」を設定する。この場合、主制御用CPU35aは、サブ統括制御基板36に対して、確変状態を付与することを示す確変コマンドを出力するとともに、変短状態を付与することを示す変短コマンドを出力する。なお、各フラグは、主制御用RAM35cの所定の記憶領域に記憶されるようになっている。また、各フラグは、大当り遊技が付与された場合にクリアされる(「0」が設定される)ようになっている。この場合、主制御用CPU35aは、大当りが生起された場合、大当り遊技の開始に伴って確変状態及び変短状態を終了させる。また、主制御用CPU35aは、通常確変15R大当り遊技中、ラウンド数報知装置Rcを点灯させるように制御する。
次に、特別確変15R大当り遊技が付与されるときの制御について説明する。なお、特別確変15R大当り遊技では、11ラウンド目のラウンド遊技を実行させるまでの制御が、通常確変15R大当り遊技と同一であるため、ここでは、11ラウンド目以降のラウンド遊技を中心に説明する。主制御用CPU35aは、10ラウンド目のラウンド遊技が終了すると、11ラウンド目のラウンド遊技を開始させるべく11ラウンド目に対応するラウンドコマンドを出力するとともに、図3に示すラウンド遊技時間(max35秒)の計測を開始する。そして、主制御用CPU35aは、大入賞口扉28を、入球上限個数の遊技球が入球していないことを条件に、最大6回開放させる。11ラウンド目のラウンド遊技を開始させる主制御用CPU35aは、まず、1回目の大入賞口扉28を開放させるため、開放信号を出力するとともに、サブ統括制御基板36に対し、大入賞口扉28の開放回数を指示する開放コマンドを出力する。1回目の開放時において主制御用CPU35aは、開放回数「1(回目)」を指示する開放コマンドを出力する。そして、主制御用CPU35aは、大入賞口扉28を開放(1回目の開放)させてからの時間を計測し、開放時間(0.3秒)が経過したならば、1回目の大入賞口扉28の開放を終了させるべく、閉鎖信号を出力する。それとともに、主制御用CPU35aは、サブ統括制御基板36に対し、大入賞口扉28の閉鎖回数を指示する閉鎖コマンドを出力する。1回目の閉鎖時において主制御用CPU35aは、閉鎖回数「1(回目)」を指示する閉鎖コマンドを出力する。
次に、主制御用CPU35aは、大入賞口扉28を閉鎖(1回目の閉鎖)させてからの時間を計測する。このとき、主制御用CPU35aは、大入賞口扉28の1回目と2回目の開放間に設定されるラウンド内インターバルのインターバル時間(2.0秒)を計測する。次に、主制御用CPU35aは、インターバル時間が経過したならば、2回目の大入賞口扉28の開放として、開放信号を出力するとともに、サブ統括制御基板36に対し、大入賞口扉28の開放回数「2(回目)」を指示する開放コマンドを出力する。そして、主制御用CPU35aは、大入賞口扉28を開放(2回目の開放)させてからの時間を計測し、開放時間(0.3秒)が経過したならば、2回目の大入賞口扉28の開放を終了させるべく、閉鎖信号を出力するとともに、サブ統括制御基板36に対し、大入賞口扉28の閉鎖回数(2回目の閉鎖)を指示する閉鎖コマンドを出力する。そして、主制御用CPU35aは、5回まで同様にして、大入賞口扉28を開閉させる。
次に、主制御用CPU35aは、大入賞口扉28を閉鎖(5回目の閉鎖)させてからの時間を計測する。このとき、主制御用CPU35aは、大入賞口扉28の5回目と6回目の開放間に設定されるラウンド内インターバルのインターバル時間(2.0秒)を計測する。次に、主制御用CPU35aは、インターバル時間が経過したならば、6回目の大入賞口扉28の開放として、開放信号を出力するとともに、サブ統括制御基板36に対し、大入賞口扉28の開放回数「6(回目)」を指示する開放コマンドを出力する。そして、主制御用CPU35aは、大入賞口扉28を開放(6回目の開放)させてからの時間を計測し、開放時間(max23.5秒)が経過したならば、6回目の大入賞口扉28の開放を終了させるべく、閉鎖信号を出力するとともに、サブ統括制御基板36に対し、大入賞口扉28の閉鎖回数(6回目の閉鎖)を指示する閉鎖コマンドを出力する。
そして、11ラウンド目のラウンド遊技を終了させた主制御用CPU35aは、通常確変15R大当り遊技と同様に、12ラウンド目からの各ラウンド遊技を実行させ、その後エンディングを実行させるように制御する。エンディング時間の経過後、主制御用CPU35aは、大当り遊技を終了させるとともに、確変フラグ及び作動フラグに「1」を設定する。この場合、主制御用CPU35aは、サブ統括制御基板36に対して、確変コマンド及び変短コマンドを出力する。また、主制御用CPU35aは、特別確変15R大当り遊技中、ラウンド数報知装置Rcを点灯させるように制御する。
次に、100回変短付き15R確変大当り遊技及び非確変15R大当り遊技が付与されるときの制御について説明する。なお、100回変短付き15R確変大当り遊技及び非確変15R大当り遊技では、11ラウンド目のラウンド遊技を実行させるまでの制御が、通常確変15R大当り遊技及び特別確変15R大当り遊技と同一であるため、ここでは、11ラウンド目以降のラウンド遊技を中心に説明する。
主制御用CPU35aは、10ラウンド目のラウンド遊技が終了すると、11ラウンド目のラウンド遊技を開始させるべく11ラウンド目に対応するラウンドコマンドを出力するとともに、ラウンド遊技時間(max0.3秒)の計測を開始し、さらに開放信号を出力する。これにより、パチンコ遊技機10では、11ラウンド目のラウンド遊技の開始に伴って大入賞口扉28が開放される。そして、主制御用CPU35aは、11ラウンド目のラウンド遊技において終了条件が満たされると、閉鎖信号を出力する。これにより、パチンコ遊技機10では、11ラウンド目のラウンド遊技の終了に伴って大入賞口扉28が閉鎖される。
11ラウンド目のラウンド遊技を終了させた主制御用CPU35aは、12ラウンド目のラウンド遊技を開始させるために、11ラウンド目と12ラウンド目の間に設定されるラウンド間インターバルのインターバル時間(2.0秒)の経過後に、12ラウンド目に対応するラウンドコマンドを出力する。そして、主制御用CPU35aは、12ラウンド目のラウンド遊技で終了条件が満たされると、同様に12ラウンド目のラウンド遊技を終了する。以降同様に、主制御用CPU35aは、13ラウンド目〜15ラウンド目のラウンド遊技を制御する。そして、主制御用CPU35aは、15ラウンド目のラウンド遊技が終了すると、インターバル時間(2.0秒)の経過後にエンディングコマンドを出力するとともに、エンディング時間(15秒)の計測を開始する。エンディング時間の経過後、主制御用CPU35aは、大当り遊技を終了させる。
また、主制御用CPU35aは、100回変短付き15R確変大当り遊技が付与されていた場合には、確変フラグに「1」を設定するとともに、作動フラグに「1」を設定し、さらに、作動回数に100回を設定する。この場合、主制御用CPU35aは、サブ統括制御基板36に対して、確変コマンドを出力するとともに、変短コマンドを出力する。また、主制御用CPU35aは、非確変15R大当り遊技が付与されていた場合には、確変フラグに「0」を設定する(「1」を設定しない)と共に、作動フラグに「1」を設定し、さらに、作動回数に100回を設定する。この場合、主制御用CPU35aは、確変状態を付与しないことを示す非確変コマンドを出力するとともに、変短コマンドを出力する。また、主制御用CPU35aは、100回変短付き15R確変大当り遊技中及び非確変15R大当り遊技中、ラウンド数報知装置Rcを点灯させるように制御する。また、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームが実行される毎に作動回数を1減算し、作動回数が「0(零)」になると、変短状態を終了させ、確変状態における非変短状態を付与する。この場合、主制御用CPU35aは、非変短コマンドを出力する。そして、前述したような確変コマンド、非確変コマンド、変短コマンド、及び非変短コマンドにより、統括制御用CPU36aは、現在、確変状態であるか非確変状態であるか、変短状態であるか非変短状態であるかを把握することができる。
このように大当り遊技を実行させることにより、特別確変15R大当り遊技の11ラウンド目の大入賞口扉28の開放態様と、100回変短付き確変15R大当り遊技及び非確変15R大当り遊技の11〜15ラウンド目までの大入賞口扉28の開放態様は同じである。具体的に言えば、特別確変15R大当り遊技の11ラウンド目において、開放時間(0.3秒)+ラウンド内インターバル時間(2.0秒)という開放態様で大入賞口扉28を5回開閉させる。また、100回変短付き確変15R大当り遊技と、非確変15R大当り遊技では、11〜15ラウンドの各ラウンド遊技において、開放時間(0.3秒)+ラウンド間インターバル時間(2.0秒)という開放態様で大入賞口扉28を開閉させる。すなわち、特別確変15R大当り遊技と、100回変短付き確変15R大当り遊技と、非確変15R大当り遊技では、11ラウンド目以降、開放時間(0.3秒)+インターバル時間(2.0秒)という開放態様で大入賞口扉28を5回開閉させる。すなわち、特別確変15R大当り遊技の11ラウンド目の大入賞口扉28の開放態様と、100回変短付き確変15R大当り遊技と、非確変15R大当り遊技の11〜15ラウンド目までの大入賞口扉28の開放態様を同じとした。このため、11ラウンド目以降、大入賞口扉28が5回開閉するまでは、その開放態様からいずれの大当り遊技であるか認識できない。
また、特別確変15R大当り遊技、100回変短付き確変15R大当り遊技、及び非確変15R大当り遊技は、何れもラウンド遊技の上限回数が「15回」の大当り遊技であるため、ラウンド数報知装置Rcの報知内容からは何れの大当り遊技であるか判別できない。
次に、サブ統括制御基板36の統括制御用CPU36aが統括制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。本実施形態では、統括制御プログラムに基づき以下の各種処理を実行する統括制御用CPU36aが、演出制御手段、判定手段、及び計測手段として機能する。また、本実施形態では、統括制御用ROM36bが、記憶手段として機能する。
まず、図柄変動ゲームに係る処理について説明する。
サブ統括制御基板36の統括制御用CPU36aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドを演出表示制御基板37、音声・ランプ制御基板38に出力する。また、統括制御用CPU36aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力すると、該コマンドに対応する特別図柄の停止図柄指定に応じて演出表示装置22に確定停止表示させる飾り図柄を決定し、決定した飾り図柄を指示する飾り図柄用の停止図柄指定コマンドを演出表示制御基板37に出力する。また、統括制御用CPU36aは、図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを演出表示制御基板37、音声・ランプ制御基板38に出力する。
また、統括制御用CPU36aは、確変コマンドや変短コマンドを入力すると、確変状態や変短状態が付与されたことを示す情報(フラグなど)を統括制御用RAM36cに設定する。そして、統括制御用CPU36aは、確変コマンドを入力すると確変状態が付与されることを統括制御用RAM36cに設定し、非確変コマンドを入力すると非確変状態が付与されることを統括制御用RAM36cに設定する。また、統括制御用CPU36aは、変短コマンドを入力すると変短状態が付与されていることを統括制御用RAM36cに設定し、非変短コマンドを入力すると非変短状態が付与されていることを統括制御用RAM36cに設定する。そして、統括制御用CPU36aは、確変コマンド、非確変コマンド、変短コマンド、及び非変短コマンドを入力するまで現在の設定内容を統括制御用RAM36cに記憶維持させる。統括制御用CPU36aは、統括制御用RAM36cの前記設定内容によって、パチンコ遊技機10の遊技状態が確変状態であるか否か、変短状態であるか否かを把握している。また、統括制御用CPU36aは、確変コマンド、非確変コマンド、変短コマンド及び非変短コマンドのこれらコマンドを入力すると、それぞれのコマンドを各制御基板37,38にそれぞれ出力する。
また、統括制御用CPU36aは、変動パターン指定コマンド及び特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力すると、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターン及び特別図柄用の停止図柄指定コマンドにより指定された最終停止図柄(特別図柄)に基づき、演出表示装置22に表示させる飾り図柄による図柄組み合わせを決定する。
統括制御用CPU36aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)が、大当り遊技に対応する大当り図柄(図柄A,B,C,D)の場合、飾り図柄の図柄組み合わせとして、大当りを認識し得る図柄組み合わせを決定する。
具体的に言えば、統括制御用CPU36aは、停止図柄が通常確変15R大当り遊技となる図柄の場合、当該大当り遊技に当選していることを通常大当り中昇格演出で報知するか否かによって飾り図柄の図柄組み合わせを決定する。すなわち、統括制御用CPU36aは、通常大当り中昇格演出にて報知する場合、確定停止表示させる飾り図柄として、確変非確定の大当り図柄(偶数図柄)を決定する。一方、統括制御用CPU36aは、通常大当り中昇格演出にて報知しない場合、確定停止表示させる飾り図柄として、確変確定の大当り図柄(奇数図柄)を決定する。
また、統括制御用CPU36aは、停止図柄が特別確変15R大当り遊技、100回変短付き確変15R大当り遊技、及び非確変15R大当り遊技のうちいずれかに対応する場合、確定停止表示させる飾り図柄として、確変非確定の大当り図柄(偶数図柄)を決定する。
また、統括制御用CPU36aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)が、はずれ図柄の場合、はずれを認識し得る図柄組み合わせを決定する。このとき、統括制御用CPU36aは、はずれリーチ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチの図柄組み合わせ(リーチ形成図柄)を含むはずれを認識し得る図柄組み合わせを決定する。一方、統括制御用CPU36aは、はずれ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチの図柄組み合わせ(リーチ形成図柄)を含まないはずれを認識し得る図柄組み合わせを決定する。
次に、大当り遊技に係る処理について説明する。
統括制御用CPU36aは、オープニングコマンド、ラウンドコマンド及びエンディングコマンドを入力すると、これらのコマンドに応じてオープニング演出の演出内容、当該ラウンド遊技が行われていることを示すラウンド演出の演出内容、及びエンディング演出の演出内容を決定する。そして、統括制御用CPU36aは、決定した演出内容(ラウンド遊技数を含む)を指示する演出指示コマンドを演出表示制御基板37、及び音声・ランプ制御基板38にそれぞれ出力する。
前述したように、ラウンド遊技は、大入賞口扉28の開動作及び閉動作により大入賞口29が開放及び閉鎖されるものであって、大入賞口29の開放に係る遊技である。一方、ラウンド演出は、ラウンド遊技中に実行される演出表示装置22(又は、各ランプ部16a〜16c及びスピーカ17a〜17c)での演出となる。したがって、ラウンド遊技とラウンド演出は、そもそもの定義が異なっている。
次に、演出表示制御基板37の表示制御用CPU37aが表示制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。本実施形態では、表示制御プログラムに基づき以下の各種処理を実行する表示制御用CPU37aが、演出制御手段として機能する。
まず、図柄変動ゲームに係る処理について説明する。
演出表示制御基板37の表示制御用CPU37aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容(変動内容)を選択し、該演出内容で図柄変動ゲームを行わせるように演出表示装置22の表示内容を制御する。そして、表示制御用CPU37aは、図柄変動ゲーム中に図柄停止コマンドを入力すると、飾り図柄用の停止図柄指定コマンドで指示された飾り図柄を演出表示装置22に確定停止表示させるように表示内容を制御し、図柄変動ゲームを終了させる。そして、表示制御用CPU37aは、図柄変動ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と表示用データをもとに演出表示装置22に映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、4ms毎)に切り替える。
次に、大当り遊技に係る処理について説明する。
表示制御用CPU37aは、統括制御用CPU36aにより大当り遊技に係るオープニング演出などの演出指示がされる場合に、演出指示された演出に対応する演出内容(オープニング演出、ラウンド遊技演出、エンディング演出といった演出)を選択し、該演出内容で大当り遊技中の演出を行わせるように演出表示装置22の表示内容を制御する。また、表示制御用CPU37aは、演出指示された演出内容をもとに表示制御用ROM37bの画像データを用いて前記演出内容に沿った画像を表示するための表示用データを生成する。そして、表示制御用CPU37aは、各種演出の開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と表示用データをもとに演出表示装置22に映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、4ms毎)に切り替える。
なお、音声・ランプ制御基板38は、各種コマンドを入力すると、各種ランプ部16a〜16c,21bの発光態様、及びスピーカ17a〜17cの音声出力態様を制御する。すなわち、音声・ランプ制御基板38は、演出表示制御基板37と同様にこれらのコマンドで指示された演出内容に応じた演出を行わせるように制御を行う。なお、本実施形態では、各種ランプ部16a〜16c,21bの発光態様、及びスピーカ17a〜17cの音声出力態様を制御する音声ランプ制御用CPU38aも演出制御手段として機能する。
次に、大当り遊技中の演出に係る処理について詳しく説明する。
本実施形態では、大当り中昇格演出の実行契機が複数種類(本実施形態では2種類)設定されている。具体的には、通常大当り中昇格演出の実行契機として、遊技者自身の遊技実行タイミングに基づく実行契機が設定されている。一方、特別大当り中昇格演出の実行契機として、特定のラウンド遊技が開始されることに基づく実行契機が設定されている。以下、遊技者自身の遊技実行タイミングに基づく実行契機を「遊技者依存の実行契機」と示し、特定のラウンド遊技が開始されることに基づく実行契機を「ラウンド依存の実行契機」と示す場合がある。
遊技者依存の実行契機では、特定のラウンド遊技中(本実施形態では5R目)に、演出用操作ボタンBTの操作有効期間が設定される。そして、当該有効期間内に演出用操作ボタンBTが操作されたことに基づいて行われる実行抽選(実行可否判定)に当選した場合に、通常大当り中昇格演出が実行可能となっている。なお、実行抽選では、必殺技を発動させるか否かを決定するようになっている。
そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、通常、統括制御用CPU36aが、主制御用CPU35aから各ラウンド遊技の開始を指示するラウンドコマンドを入力すると、当該コマンドを入力する度に、当該コマンドに対応するラウンド演出内容を決定するようになっている。本実施形態では、ラウンド演出として、「キャラ紹介演出」、「ストーリ演出」、「昇格準備演出」、及び「大当り中昇格演出」の4種類が設定されている。
キャラ紹介演出は、図柄変動ゲームで行われる各種演出(リーチ演出など)で登場するキャラクタのプロフィールなどを表示して紹介する演出である。例えば、図6(a)に示すように、9〜15R目のラウンド遊技において、各ラウンド毎に異なるキャラクタが紹介されるようになっている。また、ストーリ演出は、味方のキャラクタと対戦相手のキャラクタによる対戦を、予め定めたストーリ(物語)で表示する演出である。なお、ストーリ演出は、連続する複数回のラウンド遊技を跨いで実行されるようになっている。具体的に言えば、図6(a)に示すように、1〜4R目のラウンド遊技及び6〜8R目のラウンド遊技において、味方のキャラクタや対戦相手のキャラクタが登場するような態様で実行されるようになっている。また、昇格準備演出は、前述した遊技者依存の実行契機に基づく実行抽選を行うための演出であり、味方キャラクタと対戦相手のキャラクタによる競り合いの様子が画像表示されるようになっている。
そして、ラウンド毎にラウンド演出の内容を決定した統括制御用CPU36aは、決定内容を表示制御用CPU37aに指示し、当該指示を受けた表示制御用CPU37aが、各ラウンド演出を実行させるように演出表示装置22を制御するようになっている。つまり、統括制御用CPU36aは、ラウンドコマンドを入力する度に、当該コマンドに基づくラウンド演出を順次実行させるように演出内容を決定していることになる。
このように、遊技機の中には、特定のラウンド遊技に対応するラウンド演出を実行させるために、現在、何ラウンド目のラウンド遊技であるのかを把握させるための手法としてラウンドコマンドを設定しているものがある。ところが、このような遊技機において、遊技者依存の実行契機が成立したことに基づいて通常大当り中昇格演出を実行させようとすると、遊技者による演出用操作ボタンBTの操作タイミングや実行抽選に当選するか否かによって、通常大当り中昇格演出の開始タイミングが前後する。そして、統括制御用CPU36aは、通常大当り中昇格演出の実行中であっても、次のラウンド遊技の開始を指示するラウンドコマンドを入力すると、通常大当り中昇格演出を十分に実行させていない場合であっても、次のラウンド遊技に対応するラウンド演出を開始させてしまうことになる。
したがって、例えば、5R目のラウンド遊技が終了する直前に、遊技者依存の実行契機が成立したことによって、通常大当り中昇格演出が実行されたとしても、当該演出が開始されてすぐに6R目に対応するラウンドコマンドが出力されることによって、通常大当り中昇格演出が終了するとともに、6R目に対応するラウンド演出が実行されることになる。このような場合、通常確変15R大当り遊技に当選したかを認識し得る前に通常大当り中昇格演出が終了してしまうので、遊技者は、結局、通常確変15R大当り遊技に当選したのかを認識することができず、通常大当り中昇格演出が意味をなさないものとなってしまう。
これにより、本実施形態では、遊技者依存の実行契機が成立したことによって通常大当り中昇格演出を実行する場合、統括制御用CPU36aは、当該演出の実行中にラウンドコマンドを入力したとしても、当該コマンドに基づくラウンド演出を実行させるのではなく、実行中の通常大当り中昇格演出を所定時間の間(本実施形態では25秒間)、ラウンド演出に優先させて実行させるようになっている。このようにすることで、通常大当り中昇格演出の実行タイミングを問わず、通常大当り中昇格演出が実行されたのであれば、当該演出内容から通常確変15R大当り遊技に当選したのかを遊技者に確実に報知することができるようになっている。なお、以下の説明では、通常大当り中昇格演出に関する制御について説明する。
以下、大当り遊技中における統括制御用CPU36aの制御構成について、図5〜図8を用いてさらに詳しく説明する。
統括制御用ROM36bには、大当り遊技中の演出内容を特定する大当りパターンを、大当り遊技の種類毎に規定した大当りパターンテーブル(図5)が記憶されている。また、統括制御用ROM36bには、各大当りパターンに定められた演出内容(演出用データ)を設定した大当りテーブル(図6〜図8)が記憶されている。
通常確変15R大当り遊技(図柄A)には、大当りパターンA1〜A4の4種類が設定されている。大当りパターンA1には、大当り遊技中の演出内容として、1〜15R目の全てのラウンド遊技において、キャラ紹介を行う内容が定められている。なお、大当りパターンA1は、通常大当り中昇格演出が実行されない場合に選択されるパターンとなっている。また、大当りパターンA2には、大当り遊技中の演出内容として「前半勝利」が設定されている。具体的には、図6(a)に示すように、7R目のラウンド遊技において味方のキャラクタによる攻撃から開始され、10R目のラウンド遊技よりも早い段階(本実施形態では、8R目のラウンド遊技)で、味方のキャラクタの勝利が確定する、つまり、通常確変15R大当り遊技に当選していることが確定的に報知される演出内容である。そして、大当りパターンA2では、9〜15R目のラウンド遊技において、キャラ紹介演出が行われるようになっている。また、大当りパターンA3には、大当り遊技中の演出内容として「10R勝利」が設定されている。具体的には、図6(b)に示すように、7R目のラウンド遊技において味方のキャラクタによる攻撃から開始され、10R目のラウンド遊技で、味方のキャラクタの勝利が確定する演出内容である。そして、大当りパターンA2では、12〜15R目のラウンド遊技において、キャラ紹介演出が行われるようになっている。また、大当りパターンA4には、大当り遊技中の演出内容として「10R勝利」が設定されている。具体的には、図6(c)に示すように、7R目のラウンド遊技において対戦相手のキャラクタによる攻撃から開始される点が大当りパターンA3と異なるが、その他の演出内容は、大当りパターンA3と同じである。
そして、図5に示すように、大当りパターンA1〜A4に定められた演出内容は、その他の大当り遊技には定められていないので、これらの演出内容でラウンド演出が実行された際には、通常確変15R大当り遊技に当選していることが認識できるようになっている。
加えて、通常確変15R大当り遊技(図柄A)に当選した場合、大当りパターンA2〜A4のうちどのパターンが選ばれたとしても、5R目のラウンド遊技において、昇格準備演出として、味方キャラクタと対戦相手のキャラクタによる競り合いの様子が画像表示されるようになっている(図6(a)〜(c))。そして、当該昇格準備演出中に実行抽選に当選すると、当選した直後から味方のキャラクタによる必殺技での攻撃(通常大当り中昇格演出)が行われるようになっている。具体的には、実行抽選に当選すると、図6(d)に示す大当りテーブルに定められた演出内容に基づき、5〜6R目のラウンド遊技にかけて、所定時間(25秒)の間、味方のキャラクタによる必殺技での攻撃が行われた後、7〜15R目のラウンド遊技においてキャラ紹介演出がそれぞれ実行されるようになっている。一方、5R目のラウンド遊技における実行抽選に当選しなかった場合は、味方のキャラクタによる必殺技での攻撃が発動することなく、前述した大当りパターンA2〜A4に定められた演出内容にしたがって、演出が実行されることになる。
特別確変15R大当り遊技(図柄B)には、大当りパターンB1〜B3の3種類が設定されている。大当りパターンB1には、大当り遊技中の演出内容として「10R敗北」が設定されている。具体的には、図7(a)に示すように、7R目のラウンド遊技において味方のキャラクタによる攻撃から開始され、10R目のラウンド遊技で、味方のキャラクタの敗北が一旦報知されるが、11〜12R目のラウンド遊技にかけて復活演出(特別大当り中昇格演出)が行われ、味方のキャラクタの勝利が確定する演出内容である。そして、大当りパターンB1では、13〜15R目のラウンド遊技において、キャラ紹介演出が行われるようになっている。また、大当りパターンB2には、大当り遊技中の演出内容として「10R敗北」が設定されている。具体的には、図7(b)に示すように、7R目のラウンド遊技において敵のキャラクタによる攻撃から開始される点が大当りパターンB1と異なるが、その他の演出内容は、大当りパターンB1と同じである。また、大当りパターンB3には、大当り遊技中の演出内容として「10R敗北」が設定されている。具体的には、図7(c)に示すように、7R目のラウンド遊技において対戦相手のキャラクタによる攻撃から開始され、8R目のラウンド遊技で攻撃を受けた味方のキャラクタが一旦よろめくものの、11〜12R目のラウンド遊技にかけて復活演出が行われ、味方のキャラクタの勝利が確定する演出内容である。
そして、図5に示すように、大当りパターンB1〜B3に定められた演出内容は、その他の大当り遊技には定められていないので、これらの演出内容でラウンド演出が実行された際には、特別確変15R大当り遊技に当選していることが認識できるようになっている。
100回変短付き確変15R大当り遊技(図柄C)には、大当りパターンC1〜C3の3種類が設定されている。大当りパターンC1には、大当り遊技中の演出内容として「10R敗北」が設定されている。具体的には、図8(a)に示すように、7R目のラウンド遊技において味方のキャラクタによる攻撃から開始され、10R目のラウンド遊技で味方のキャラクタの敗北が確定する演出内容である。なお、大当りパターンC1では、11R目以降のラウンド遊技でキャラ紹介演出が実行されることなく、復活失敗演出が実行されるようになっている。また、大当りパターンC2には、大当り遊技中の演出内容として「10R敗北」が設定されている。具体的には、図8(b)に示すように、7R目のラウンド遊技において敵のキャラクタによる攻撃から開始される点が大当りパターンC1と異なるが、その他の演出内容は、大当りパターンC1と同じである。また、大当りパターンC3には、大当り遊技中の演出内容として「10R敗北」が設定されている。具体的には、図8(c)に示すように、7R目のラウンド遊技において対戦相手のキャラクタによる攻撃から開始され、8R目のラウンド遊技で対戦相手の攻撃を受けた味方のキャラクタがよろめくものの、10R目のラウンド遊技で味方のキャラクタの敗北が確定する演出内容である。なお、大当りパターンC3においても、大当りパターンC1,C2同様、11R目以降のラウンド遊技でキャラ紹介演出が実行されることなく、復活失敗演出が実行されるようになっている。
さらに、非確変15R大当り遊技(図柄D)には、大当りパターンC1〜C3と同じ演出内容が定められた大当りパターンD1〜D3が設定されている(図8(a)〜(c))。このように、大当りパターンC1〜C3と大当りパターンD1〜D3は、それぞれ同一の演出内容が定められているため、これらの演出内容を視認しただけでは、遊技者は、100回変短付き確変15R大当り遊技(図柄C)又は非確変15R大当り遊技(図柄D)に当選したのかを把握し得ないようになっている。加えて、大当りパターンB1〜B3では、11R目のラウンド遊技における復活演出に成功する迄の演出内容が、大当りパターンC1〜C3及び大当りパターンD1〜D3と同一となっている。これにより、11R目のラウンド遊技における復活演出に成功する迄の演出内容を視認しただけでは、遊技者は、特別確変15R大当り遊技(図柄B)、100回変短付き確変15R大当り遊技(図柄C)、及び非確変15R大当り遊技(図柄D)のうちいずれの大当り遊技に当選したのかを把握し得ないようになっている。言い換えれば、復活演出に成功したのであれば、遊技者は、特別確変15R大当り遊技(図柄B)に当選していることを認識することができる。
また、特別確変15R大当り遊技(図柄B)、100回変短付き確変15R大当り遊技(図柄C)、及び非確変15R大当り遊技(図柄D)のうちいずれかに当選した場合も、5R目のラウンド遊技において、昇格準備演出が実行されるようになっている。ただし、これらの大当り遊技に当選した場合、必殺技を発動させるか否かを決定する実行抽選は行われないようになっている。したがって、これらの大当り遊技に当選した場合、昇格準備演出が実行されたとしても必殺技による攻撃が行われることがない。言い換えれば、必殺技が発動した場合、遊技者は、通常確変15R大当り遊技に当選していることを認識することができる。
なお、これらの大当りパターン(大当りパターンA1〜A4,B1〜B3,C1〜C3,D1〜D3)のうちどの演出パターンが選ばれるかは、大当り遊技の種類毎に抽選で決定されるようになっている。
以下、統括制御用CPU36aが実行する通常大当り中昇格演出に係る制御内容について図9に従って詳しく説明する。以下の説明では、大当り抽選への当選に基づいて通常確変15R大当り遊技(図柄A)の付与が決定されたことを前提として説明する。
統括制御用CPU36aは、主制御用CPU35aから、通常確変15R大当り遊技(図柄A)を特定する特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力すると、大当り遊技が開始される迄に大当りパターンA1〜A4の何れかを決定する。このとき、統括制御用CPU36aが、大当りパターンA2(前半勝利)を選択したとする。そして、統括制御用CPU36aは、主制御用CPU35aからオープニングコマンドを入力すると、当該オープニングコマンドに応じて、オープニング演出の演出内容を指定する演出指示コマンドを演出表示制御基板37(音声・ランプ制御基板38)に出力する。
その後、統括制御用CPU36aは、主制御用CPU35aから1〜4R目に対応するラウンドコマンドをそれぞれ入力すると、各ラウンドコマンドに応じた演出指示コマンドを、各ラウンド遊技の開始前に、演出表示制御基板37(音声・ランプ制御基板38)に出力する。具体的には、統括制御用CPU36aは、大当りパターンA2を選択したので、図6(a)に示す大当りテーブルに設定された演出内容を特定する演出指示コマンドを出力することになる。これにより、表示制御用CPU37aは、当該演出指示コマンドに基づいて演出表示装置22の表示内容を制御するので、演出表示装置22では、大当りパターンA2に定められた演出内容にしたがって、1〜4R目のラウンド演出が実行されることになる(大当り演出説明(1R)→敵登場(2R)→味方登場(3R)→味方登場(4R))。
さらに、統括制御用CPU36aは、主制御用CPU35aから5R目に対応するラウンドコマンドを入力すると、5R目のラウンド遊技を開始してから予め定めた所定時間の経過後に演出用操作ボタンBTの操作有効時間(例えば、7秒)を設定する。そして、統括制御用CPU36aは、操作有効期間内に演出用操作ボタンBTが操作されたことを契機として、必殺技を発動させるか否かを決定する実行抽選を行う(時点a)。このとき、統括制御用CPU36aは、予め設定された割合(本実施形態では、100分の1)で当該実行抽選を行う。そして、実行抽選に当選した場合、統括制御用CPU36aは、図6(d)に示す大当りテーブルを選択し、当該テーブルに定められた演出内容にしたがって大当り遊技中の演出内容を決定する。それと同時に、統括制御用CPU36aは、統括制御用RAM36cに設定されるタイマの値に、通常大当り中昇格演出の実行時間(本実施形態では、25秒(25000ms))をセットし、通常大当り中昇格演出を実行させる。統括制御用CPU36aは、タイマの値をセットすると、予め定めた制御周期毎(例えば、4ms毎)に、その制御周期分の時間を減算するとともに減算後の値をタイマにセットし、この処理をタイマの値が「0(零)」になるまで繰り返すことにより、時間をカウントする。また、統括制御用CPU36aは、通常大当り中昇格演出の開始に伴って、通常大当り中昇格演出の実行(必殺技の発動)を指示する昇格演出指示コマンドを、次回以降の制御周期で演出表示制御基板37(音声・ランプ制御基板38)に出力する。
なお、操作有効期間内に演出用操作ボタンBTが所定回数操作されなかった場合及び実行抽選に当選しなかった場合、必殺技は発動しないので、統括制御用CPU36aは、統括制御用RAM36cに設定されるタイマの値に「25秒(25000ms)」を設定することはない。
そして、統括制御用CPU36aは、5R目のラウンド遊技を開始してから規定時間(本実施形態では、25秒)が経過した、又は規定入球個数(本実施形態では、8個)の遊技球が入球した、のうち何れかの終了条件が満たされた場合、主制御用CPU35aから6R目に対応するラウンドコマンドを入力することになる。このとき、統括制御用CPU36aは、統括制御用RAM36cに設定されるタイマの値が「0(零)」となっているか否かを判定する。当該判定結果が否定(タイマの値>0(零))の場合、通常大当り中昇格演出を実行中であるため、統括制御用CPU36aは、6R目に対応する演出指示コマンドを演出表示制御基板37(音声・ランプ制御基板38)に出力しない。つまり、統括制御用CPU36aは、通常大当り中昇格演出の実行中、6R目に対応するラウンドコマンドを入力するが、当該ラウンドコマンドに対応する演出指示コマンドを、演出表示制御基板37(音声・ランプ制御基板38)に出力しない。これにより、演出表示装置22では、6R目のラウンド遊技において、大当りパターンA2に定められた演出内容(味方登場)が実行されるのではなく、通常大当り中昇格演出が引き続き実行される。なお、通常大当り中昇格演出が5R目のラウンド遊技中に終了する場合(タイマの値=0)には、当該通常大当り中昇格演出が、6R目のラウンド遊技を跨いで実行されることはない。また、6R目のラウンド遊技を跨ぐ場合、当然ではあるが、5R目と6R目のラウンド遊技の間に設定されるラウンド間インターバル時間中も、通常大当り中昇格演出が実行されることになる。
その後、統括制御用CPU36aは、6R目のラウンド遊技中に統括制御用RAM36cに設定されるタイマの値が「0(零)」になったとしても、7R目に対応するラウンドコマンドを入力する迄、大当り遊技に係る制御を実行することはない。これにより、演出表示装置22では、通常大当り中昇格演出を実行させてから25秒経過したことによって、6R目のラウンド遊技の途中で通常大当り中昇格演出が終了したとしても(時点b)、6R目のラウンド遊技が終了する迄、通常大当り中昇格演出における最後の画像(例えば、味方のキャラクタが勝利ポーズを決めている画像)が表示され続けることになる。
そして、統括制御用CPU36aは、主制御用CPU35aから7R目に対応するラウンドコマンドを入力すると、大当りテーブル(図6(d))に基づき、当該ラウンドコマンドに対応する演出内容を指定する演出指示コマンドを、当該ラウンド遊技の開始前に、演出表示制御基板37(音声・ランプ制御基板38)に出力する。これにより、演出表示装置22では、7R目のラウンド遊技において、キャラ紹介演出が実行されることになる。以降、8〜15R目のラウンド遊技においても、ラウンドコマンドを入力する度に、大当りテーブル(図6(d))に定められた演出内容にしたがってキャラ紹介演出がそれぞれ実行される。
一方、統括制御用CPU36aは、通常大当り中昇格演出が実行されない場合、5R目のラウンド遊技における終了条件が成立したことに基づいて、主制御用CPU35aから6R目に対応するラウンドコマンドを入力することになる。この場合、統括制御用CPU36aは、5R目のラウンド演出の途中であっても、6R目に対応するラウンドコマンドを入力したことによって、当該ラウンド演出を終了させる。そして、統括制御用CPU36aは、大当りテーブル(図6(a))に基づき、当該ラウンドコマンドに対応する演出内容を指定する演出指示コマンドを演出表示制御基板37(音声・ランプ制御基板38)に出力する。これにより、演出表示装置22では、6R目のラウンド遊技において、「味方登場」の内容でラウンド演出が実行されることになる。以降、7〜15R目のラウンド演出においても、ラウンドコマンドを入力する度に、大当りテーブル(図6(a))に定められた演出内容にしたがってラウンド演出が実行される。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)統括制御用CPU36aは、通常大当り中昇格演出の実行中にラウンド遊技を開始させる場合、ラウンド遊技自体は実行させる一方でそのラウンド遊技に対応するラウンド演出の実行を規制し、所定時間(本実施形態では、25秒)に達するまでの間、通常大当り中昇格演出を実行させるようにした。これにより、通常大当り中昇格演出が十分に実行されないうちに、次のラウンドの開始タイミングに到達したことにより、次のラウンドに対応するラウンド演出が実行されるということがなくなり、遊技者にとって有利な通常大当り中昇格演出を十分に視認させることができる。
(2)通常大当り中昇格演出の長さを、大当り遊技が終わるまでに終了する長さ(本実施形態では、25秒)とした。これにより、通常大当り中昇格演出を、大当り遊技中に途切れることなく、最初から最後まで遊技者に視認させることができる。
(3)統括制御用CPU36aは、通常大当り中昇格演出の実行中に主制御用CPU35aから次のラウンドコマンドを入力しても、当該コマンドに基づく演出指示コマンドを演出表示制御基板37(音声・ランプ制御基板38)に出力せず、ラウンド遊技を跨いで通常大当り中昇格演出を実行させる。本実施形態における通常大当り中昇格演出は、当該通常大当り中昇格演出の実行タイミングによっては、1回のラウンド遊技を跨ぐような長さとなっている。このようにラウンド遊技を跨いででも通常大当り中昇格演出をラウンド演出に優先して実行可能としたことにより、当該ラウンド遊技の終了直前に通常大当り中昇格演出が実行された場合であっても、通常大当り中昇格演出が強制的に終了されてしまい、当該演出が実行されたか否かを十分視認させることができないという事態に陥ることがない。
(4)通常大当り中昇格演出の実行契機を、「演出用操作ボタンBTが操作され、かつ実行抽選に当選した場合」とした。これにより、演出用操作ボタンBTの操作タイミングや実行抽選に当選するまでにかかる時間の違いによって通常大当り中昇格演出の実行タイミングが変化する場合であっても、遊技者依存の実行契機が成立したのであれば、遊技者に対して、通常大当り中昇格演出を十分に視認させることができる。
(5)通常大当り中昇格演出を実行するための条件として、「演出用操作ボタンBTが操作され、かつ実行抽選に当選した場合」という二重の条件が設定されている場合であっても、通常大当り中昇格演出の実行が決定された際には、遊技者に対して、通常大当り中昇格演出を十分に視認させることができる。
(6)オープニングコマンドの入力を契機として、一定の演出を大当り遊技が終了するまで途切れることなく実行させる場合、各ラウンド遊技の開始タイミング及び終了タイミングが異なることによって各ラウンド遊技の長さがずれてしまうと、ラウンド演出と大入賞口扉28の開放態様がずれてしまう場合もある。ところが、ラウンドコマンドの入力を契機として、ラウンド毎にラウンド演出を実行させるようにしたことにより、ラウンド遊技毎に演出内容を組み合わせるだけで1回の大当り遊技中におけるラウンド演出を網羅することができる。これにより、汎用性を持たせることができるとともに、統括制御用RAM36cのデータ要領の削減に寄与し得る。
(7)通常大当り中昇格演出が実行されるタイミングを、最終回のラウンド遊技として定められたラウンド遊技よりも前のラウンド遊技中(本実施形態では、5〜6ラウンド目にかけて)とした。最終回のラウンド遊技として定められたラウンド遊技中に通常大当り中昇格演出を実行可能とすると、当該通常大当り中昇格演出の実行タイミングによっては、当該ラウンド遊技中に通常大当り中昇格演出が強制的に終了されるかわりにエンディング演出が実行されてしまう場合もある。したがって、最終回のラウンド遊技として定められたラウンド遊技よりも前のラウンド遊技中に通常大当り中昇格演出を実行させることで、遊技者に対して、通常大当り中昇格演出を十分に視認させることができる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更しても良い。
・ 実施形態において、演出用操作ボタンBTは、タッチ式のタッチボタンなどのように、遊技者が操作可能なボタンであればよい。また、演出用操作ボタンBTに関しては、発光体を内蔵してもいなくてもよい。
・ 実施形態において、有効期間内における演出用操作ボタンBTの操作回数は、1回以上であっても良い。また、有効期間が経過するほど、演出用操作ボタンBTの必要操作回数を増やすとともに、実行抽選の当選確率を低くなるように設定しても良い。逆に、有効期間が経過するほど、演出用操作ボタンBTの必要操作回数を減らすとともに、実行抽選の当選確率を高くなるように設定しても良い。
・ 実施形態において、通常大当り中昇格演出の実行箇所を複数箇所設定しても良い(例えば、5R目と10R目)。これにより、1回目の実行タイミングで通常大当り中昇格演出が実行されなかった場合であっても、再度、通常大当り中昇格演出を実行させるためのチャンスを与えることができる。
・ 実施形態において、通常大当り中昇格演出の種類を複数種類設定しても良い。また、複数種類設定した場合、演出時間がそれぞれ異なっていても良いし、表示画像のみ異ならせて、演出時間を同一としても良い。
・ 実施形態では、ラウンド遊技が開始してから所定時間経過後(例えば、10秒)に通常大当り中昇格演出の実行が決定された場合、実行中のラウンド遊技が終了する迄に通常大当り中昇格演出が終了しないことになる。そこで、ラウンド遊技が開始してから所定時間(例えば、10秒)経過するまでに通常大当り中昇格演出の実行契機が成立した場合には、実行中のラウンド遊技中に通常大当り中昇格演出を実行させるようにしても良い。その一方、ラウンド遊技が開始してから所定時間経過した後に通常大当り中昇格演出の実行契機が成立した場合には、実行中のラウンド遊技中ではなく、次のラウンド遊技の開始時まで通常大当り中昇格演出の実行を持ち越すようにしても良い。このような場合、統括制御用CPU36aは、特定のラウンド遊技が開始してからの経過時間をカウントし、当該カウント値が所定時間に達するまでの間に通常大当り中昇格演出の実行契機が成立した場合には、該実行契機の成立とともに、昇格演出指示コマンドを演出表示制御基板37(音声・ランプ制御基板38)に出力すれば良い。一方、統括制御用CPU36aは、当該カウント値が所定時間に達した後に通常大当り中昇格演出の実行契機が成立した場合には、統括制御用RAM36cにおける所定の記憶領域に設定した持ち越しフラグに「01H」をセットする。そして、統括制御用CPU36aは、次のラウンド遊技の開始を指示するラウンドコマンドを入力したことを契機に、前記フラグの値をリセットするとともに、昇格演出指示コマンドを演出表示制御基板37(音声・ランプ制御基板38)に出力すれば良い。このように通常大当り中昇格演出の開始タイミングを次のラウンド遊技の開始時にずらすことにより、確実に通常大当り中昇格演出を実行させるための時間を確保することができ、通常大当り中昇格演出がラウンド遊技を跨ぐ心配がない。これにより、通常大当り中昇格演出が十分に実行されないうちに、次のラウンドの開始タイミングに到達したことにより、次のラウンドに対応するラウンド演出が実行されるということがなくなり、遊技者にとって有利な通常大当り中昇格演出を十分に視認させることができる。
・ 実施形態において、通常大当り中昇格演出の実行タイミングを、エンディング演出に跨ぐ可能性のある期間内としても良い。このような場合において統括制御用CPU36aが、通常大当り中昇格演出の実行中にエンディングコマンドを入力した際には、通常大当り中昇格演出を終了させてエンディング演出を実行させるようにしても良い。このようにすることで、大当り遊技終了後の遊技状態がエンディング演出で報知されるような場合には、エンディング演出を遊技者に確実に視認させることができる。また、統括制御用CPU36aは、通常大当り中昇格演出の実行中にエンディングコマンドを入力した場合には、エンディング演出を実行させるべき時間帯においても、通常大当り中昇格演出を継続して実行させるようにしても良い。このようにすることで、通常確変15R大当り遊技に当選しているか否かが報知される重要な演出内容に差し掛かる直前で通常大当り中昇格演出が強制的に終了するということがなくなり、通常確変15R大当り遊技に当選していることを確実に把握させることができる。
・ 実施形態は、1のラウンド遊技中に継続条件が成立した場合には次のラウンド遊技が行われ、継続条件が成立しなかった場合には、そのラウンド遊技で大当り遊技を終了させるような遊技機に採用しても良い。このような遊技機において、例えば、最終回のラウンド遊技よりも前のラウンド遊技(例えば、3R目のラウンド遊技)で、通常大当り中昇格演出を実行させるように設定したとする。そして、3R目のラウンド遊技で継続条件が成立せず、当該ラウンド遊技の終了後にエンディング演出が実行されると、3R目のラウンド遊技は、最終回のラウンド遊技として設定されたラウンド遊技ではないにもかかわらず、見かけ上、最終回のラウンド遊技で通常大当り中昇格演出が実行されることになる。しかしながら、このような場合における3R目のラウンド遊技は、大当り抽選への抽選によって付与が決定された大当り遊技における最終回のラウンド遊技ではないので、最終回のラウンド遊技において通常大当り中昇格演出が実行されたことにはならない。
・ 実施形態における大当り遊技を、規定ラウンド数を同一にした上で、単に確変状態が付与されるか否かという点のみ異なる2種類の大当り遊技としても良い。
・ 実施形態では、6R目のラウンド遊技の途中で通常大当り中昇格演出が終了したとしても、6R目のラウンド遊技が終了する迄、通常大当り中昇格演出における最後の画像を表示し続けるようにした。これに替えて、6R目のラウンド遊技の途中で通常大当り中昇格演出が終了した場合には、6R目のラウンド演出を途中から実行するようにしても良い。
・ 実施形態における特別演出は、大当り抽選に当選した際に決定した大当り遊技の種類を認識させるための大当り中昇格演出であったが、当該大当り遊技を構成するラウンド遊技の数、特定の条件を満たした場合にしか視認することができないプレミア演出、確変状態が付与されるか否か、又は変短状態の付与回数などを示すものであっても良い。
・ 実施形態において、統括制御用CPU36aは、通常大当り中昇格演出の実行中に演出指示コマンドを表示制御用CPU37aに出力するようにし、当該コマンドを入力した表示制御用CPU37aが、当該コマンドに基づくラウンド演出を実行しないようにしても良い。
・ 実施形態において、通常大当り中昇格演出の実行時間は、当該演出の総演出時間(本実施形態では、25秒)でなくてもよく、通常大当り中昇格演出の中でも大当り遊技の種類を報知することができる内容で演出が行われるまでの長さ(例えば、演出が開始してから5秒)だけ実行するようにしても良い。
・ 実施形態において、通常大当り中昇格演出を、演出表示装置22のみで行うようにしても良い。
・ 実施形態において、ラウンド毎に異なる演出内容を実行しなくても良い。例えば、連続するラウンド遊技(例えば、2回)に亘って、1種類のラウンド演出を実行するようにしても良い。また、ラウンド遊技が開始してから所定時間毎(例えば、1分毎)に演出内容が変更されるような仕様でも良い。
・ 実施形態では、通常大当り中昇格演出の実行契機を遊技者依存の実行契機としたが、通常大当り中昇格演出の実行契機を、特定のラウンド遊技中としても良い。そして、遊技者依存の実行契機と同様、通常大当り中昇格演出の実行中に次のラウンド遊技の開始を指示するラウンドコマンドを入力したとしても、所定時間(25秒)が経過するまでの間は、通常大当り中昇格演出を実行させるようにする。このようにすることで、大入賞口29への遊技球の入球態様の違いによって各ラウンド遊技の長さが変化する場合であっても、特定のラウンド遊技の実行タイミングに到達したのであれば、遊技者に対して、大当り中昇格演出を十分に視認させることができる。この場合、統括制御用CPU36aは、特定のラウンド遊技中であるか否かの判定を、特定のラウンド遊技に対応するラウンドコマンドの入力、直前のラウンド遊技の終了を指示するラウンド終了コマンド、大入賞口扉28の開放を指示する開放信号、直前のラウンド遊技における大入賞口扉28の閉鎖を指示する閉鎖信号などの入力を契機としても良い。
・ 実施形態は、特別図柄と飾り図柄を用いるパチンコ遊技機10に具体化したが、特別図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化しても良い。
・ 実施形態において、サブ統括制御基板36を省略し、サブ統括制御基板36で実行する処理を演出表示制御基板37で実行するようにしても良い。また、サブ統括制御基板36と、音声・ランプ制御基板38とを単一の基板で構成しても良い。
・ 実施形態は、それぞれ異なる図柄変動ゲームの対象となる特別図柄を複数設定したパチンコ遊技機10に具体化しても良い。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追加する。
(イ)前記特別演出の実行タイミングは、1回の大当り遊技中において複数回設定されている。
(ロ)ラウンド遊技毎に実行させるラウンド演出の演出内容を定めた演出用データを記憶する記憶手段を備え、前記演出制御手段は、各ラウンド遊技の開始時に、前記記憶手段に記憶された演出用データを参照してラウンド演出の実行を制御する。