JP5354770B2 - 弾球遊技機 - Google Patents

Description

本発明は、ぱちんこ遊技機等の弾球遊技機に関し、特に弾球遊技機における画面表示内容を制御する技術に関する。

従来、各種の弾球遊技機のうち、いわゆる第１種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機は、遊技盤の略中央に設けられた液晶ディスプレイなどの表示領域に複数の図柄を変動させながら表示する（以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という）。この遊技機は、複数列の図柄変動を停止させたときの図柄の組合せが特定の態様となった場合に、通常遊技より多くの賞球が得られる、いわゆる大当たりと呼ばれる特別遊技へと移行するものとして知られている（例えば、特許文献１参照）。この特別遊技に移行すると、一般的に大入賞口の開放および閉鎖させる単位遊技が所定回数だけ繰り返し行われる。ここで、図柄の停止態様に遊技者をいっそう注目させるため、１回の特別遊技において実行される単位遊技の回数を数種類設けると共に当否抽選の結果が当たりとなったときに実行される単位遊技の回数を図柄の変動停止前に告知する遊技機が提案されている（例えば、特許文献２参照）。
特開２００３−２３０７１４号公報 特開２００２−２６３３０９号公報

たとえ図柄の変動停止前に単位遊技の回数を告知する場合であっても、単位遊技の回数を告知する態様が単調であると、その告知を確認する遊技者も退屈に感じるおそれがある。これでは、せっかく単位遊技の回数を告知してもその効果が減殺されることになる。

本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技者が退屈に感じることを回避しつつ遊技者に単位遊技の回数を示唆することが可能な弾球遊技機を提供することにある。

上記課題を解決するために、本発明のある態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球が入球可能な始動口と、遊技領域の所定位置に設けられる開放可能な大入賞口と、始動口へ遊技球が入球したことを契機として、当否抽選により当否を決定すると共に、当否抽選の結果が当たりであったときに実行される大入賞口を所定の閉鎖条件が成立するまで開放させる単位遊技を含む特別遊技における、単位遊技の回数を決定する当否抽選手段と、当否抽選の結果が当たりであったときに特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、当否抽選の結果を示す図柄の変動表示を含む演出が表示される演出表示装置と、始動口への入球を契機に、図柄変動を含む演出の過程が定められた演出パターンを決定する演出決定手段と、決定された演出パターンにしたがって図柄演出を実行する演出実行手段と、を備える。演出決定手段は、第１の演出内容の進行度合いが単位遊技の回数を示唆するラウンド数示唆演出を実行するラウンド数示唆演出パターンを、当否抽選手段による決定内容に応じて演出パターンとして決定する。

この態様によれば、遊技者は演出が進行するか否かに注目することで、実行される演出と一体的に単位遊技の回数を確認することができる。したがって、遊技者は演出を楽しみながら特別遊技に移行した場合に単位遊技の回数が何回になるかも確認することができるため、単に単位遊技の回数が告知される場合に比べ、遊技者に退屈に感じさせることを回避することができる。

演出決定手段は、第１の演出内容の進行度合いが単位遊技の回数を示唆すると共に、第２の演出内容の進行度合いが特別遊技への移行可能性を示す期待度を示唆するラウンド数示唆演出を実行するラウンド数示唆演出パターンを、そのラウンド数示唆演出パターンが決定される場合のうち当否抽選の結果が当たりとなったときにそのラウンド数示唆演出パターンが決定される確率が当該示唆する期待度となるよう、当否抽選手段による決定内容に応じて演出パターンとして決定してもよい。

この態様によれば、遊技者は演出が進行するか否かを注目することで、特別遊技に移行した場合の単位遊技の回数、および特別遊技が実行される期待度の双方を確認することができる。特別遊技が実行された場合、単位遊技の回数が多いほど得られる賞球も多くなる。このため、単位遊技の回数が複数種類設けられた弾球遊技機において、単に特別遊技が実行される期待度が示唆されるだけで単位遊技の回数が分からない場合、賞球をどれほど期待することができるかを遊技者が判断することは困難である。逆に、単に単位遊技の回数が示唆されるだけで特別遊技が実行される可能性が分からない場合も、賞球をどれほど期待することができるかを遊技者が判断することは困難である。このように単位遊技の回数および特別遊技が実行される期待度の双方を示唆することにより、得られる賞球がどれほど期待できるかを遊技者に示すことができ、遊技者が得られる利益をより明確に示唆することが可能となる。また、例えば特別遊技に移行した場合の単位遊技の回数が多いが期待度が低い場合、また、特別遊技に移行した場合の単位遊技の回数は少ないが期待度が高い場合など、多様な態様で遊技者に期待を抱かせることができる。したがって、いずれか一方のみを示唆する場合に比べ、遊技が単調になることを回避することができ、遊技者が退屈に感じることを回避することができる。

なお、この場合、単位遊技の回数を示唆する第１の演出内容と、特別遊技が実行される期待度を示唆する第２の演出内容とは、例えば互いに同一の演出画像を利用した演出内容であってもよく、例えば互いに同一のストーリー上において進行する演出内容であってもよい。このように両者を示唆する演出内容が密接に関連し合うことで、別々の演出内容によって両者を示唆する場合に比べ、単位遊技の回数と特別遊技が実行される期待度の双方を確認することによる遊技者の負担増加を抑制することができる。

演出決定手段は、所定の複数の進行タイミングのうち１以上の進行タイミングにおける第１の演出内容の進行が単位遊技の回数の増加を示唆し、最後の進行タイミングにおける当該第１の演出内容の進行度合いによって単位遊技の回数を示唆すると共に、複数の進行タイミングのうち１以上の進行タイミングにおける第２の演出内容の進行が期待度の増加を示唆し、最後の進行タイミングにおける当該第２の演出内容の進行度合いによって期待度を示唆するラウンド数示唆演出を実行するラウンド数示唆演出パターンを、当否抽選手段による決定内容に応じて演出パターンとして決定してもよい。

ここで、「進行タイミング」とは、例えば、単位遊技の回数を示唆すべく演出を進行させるためにラウンド数示唆演出の実行過程において設けられた所定のタイミングをいう。この態様によれば、遊技者は複数の進行タイミングの各々における演出の進行を確認することで、単位遊技の回数と特別遊技が実行される期待度の双方を同時に確認することができる。このため、単位遊技の回数を示唆する進行タイミングと期待度を示唆する進行タイミングが互いに異なる場合に比べ、単位遊技の回数と特別遊技が実行される期待度の双方を確認することによる遊技者の負担増加を抑制することができる。なお、所定の複数の進行タイミングのうち１以上の進行タイミングにおける第１の演出内容の進行が単位遊技の回数の増加を示唆するものであってもよく、最後の進行タイミングにおけるその演出内容の進行度合いによって単位遊技の回数を示唆してもよい。

演出決定手段は、当否抽選の結果を表すための図柄の１回の変動表示の間に、図柄の変動表示を停止させたように表示する半停止状態に一時的にすることにより擬似的に複数回図柄を変動表示させたように見せる擬似連続変動演出が表示される擬似連続変動パターンであって、半停止状態を挟んだ各々の擬似的な図柄変動表示中の所定タイミングを進行タイミングとして、当該進行タイミングにおける第１の演出内容の進行が単位遊技の回数の増加を示唆し、最後の進行タイミングにおける当該第１の演出内容の進行度合いによって単位遊技の回数を示唆する擬似連続変動演出を実行する擬似連続変動パターンを、当否抽選手段による決定内容に応じてラウンド数示唆演出パターンとして決定してもよい。

この態様によれば、擬似的な図柄変動表示中の所定タイミングを利用して、単位遊技の回数と特別遊技が実行される期待度の双方を、遊技者にとって分かりやすいタイミングで示唆することができる。ここで、図柄を「半停止状態にする」とは、図柄が変動しているにもかかわらず所定個所においてあたかも停止したように表示させることをいう。例えば所定個所において図柄を揺れているように変動させる場合など所定箇所付近において図柄を停留させるよう変動させる場合が、この「半停止状態」に含まれる。

なお、本態様に係る弾球遊技機は、複数種類の演出パターンを保持するパターン記憶手段をさらに備えていてもよい。このパターン記憶手段は、擬似的な図柄の変動表示回数が互いに異なる複数種類の擬似連続変動パターンであって、各々の擬似的な図柄変動表示中の所定タイミングにおける第１の演出内容の進行が単位遊技の回数の増加を各々が示唆し、最後のタイミングにおける当該第１の演出内容の進行度合いによって単位遊技の回数を示唆する擬似連続変動演出を実行する複数種類の擬似連続変動パターンを、ラウンド数示唆演出パターンとして保持していてもよい。演出決定手段は、複数種類の疑似連続変動パターンの中から実行すべき疑似連続変動演出の過程が定められた擬似連続変動パターンを選択してもよい。

このように擬似的な図柄の変動表示回数を複数種類設けることで、今表示されている擬似的な図柄の変動が最後の擬似的な図柄の変動か否かを遊技者に分かりにくくすることができる。このため、例えば少ない単位遊技の回数が示唆されているときは、「まだ進行タイミングがあって演出が進行して欲しい。」などと思わせることができる。また、例えば多い単位遊技の回数が示唆されているときは、「このまま当たりとなって欲しい。」などと思わせることができる。こうして各々の擬似的な図柄変動表示中の所定タイミングだけでなく、半停止のタイミングでも遊技者を演出に傾注させることができる。このため、擬似的な図柄変動表示中の所定タイミング以外で遊技者が退屈することを回避することができる。

また図柄は、各々が複数の図柄表示領域で当否抽選の結果を演出的に示すべく変動表示される複数の装飾図柄を含んでいてもよい。演出決定手段は、複数の装飾図柄が擬似的な変動を開始してから複数の装飾図柄のいずれかが半停止する前までの間の所定タイミングを進行タイミングとして、当該進行タイミングにおける演出内容の進行が単位遊技の回数の増加を示唆する擬似連続変動演出を実行する擬似連続変動パターンを決定してもよい。または、演出決定手段は、複数の装飾図柄が擬似的な変動を開始してから装飾図柄が停止表示される有効ライン上の一つを除く他の装飾図柄が半停止した状態になる前の所定のタイミングを進行タイミングとして、当該進行タイミングにおける演出内容の進行が単位遊技の回数の増加を示唆する擬似連続変動演出を実行する擬似連続変動パターンを決定してもよい。このように、少なくとも有効ライン上の一つ以外の他の装飾図柄が半停止した状態となる前に単位遊技の回数を示唆することにより、当たりとなる可能性を遊技者が確認できないタイミングで単位遊技の回数を確認させることができる。このため、遊技者の高揚が低下することを抑制することができる。

なお、演出決定手段は、複数の装飾図柄のうち有効ライン上の一つを除く他の装飾図柄が半停止してあと一つが揃えば当たりとなるように見せる擬似的なリーチ状態になった後の演出内容の進行、または、複数の装飾図柄のうち有効ライン上の一つを除く他の装飾図柄が変動停止してあと一つが揃えば当たりとなることを示すリーチ状態になった後の演出内容の進行が単位遊技の回数の増加を示唆する疑似連続変動演出を実行する疑似連続変動パターンを決定してもよい。これにより、あと一つが揃えば当たりになると遊技者に確認させた後に単位遊技の増加を示唆することができ、遊技者をより高揚させることが可能となる。

演出決定手段は、当否抽選の結果が当たりであった場合、特別遊技の実行中に実行すべき特別遊技演出の演出過程が定められた特別遊技演出パターンをさらに決定すると共に、当否抽選の結果が当たりであり且つラウンド数示唆演出パターンを決定する場合、そのラウンド数示唆演出パターンに応じた特別遊技演出が実行される特別遊技演出パターンを決定し、演出実行手段は、特別遊技の実行中に、決定された特別遊技演出パターンにしたがって特別遊技演出を実行してもよい。

この態様によれば、例えば、ラウンド数示唆演出と関連性を有する内容を含む特別遊技演出を実行することができる。このため、ラウンド数示唆演出と特別遊技演出との間で演出内容に一貫性を持たせることなどが可能となり、ラウンド数示唆演出と特別遊技演出とが相俟って興趣に満ちた演出を作り出すことができる。また、ラウンド数示唆演出に関連する特別遊技演出が実行されることで、ラウンド数示唆演出が単位遊技の回数を示唆していることを遊技者に印象付けることができる。これによって遊技者に、ラウンド数示唆演出が実行されて多数の単位遊技が示唆されることを強く望ませることができる。

本発明の別の態様もまた、弾球遊技機である。この弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球が入球可能な始動口と、遊技領域の所定位置に設けられる開放可能な大入賞口と、始動口へ遊技球が入球したことを契機として、当否抽選により当否を決定すると共に、当否抽選の結果が当たりであったときに実行される大入賞口を所定の閉鎖条件が成立するまで開放させる単位遊技を含む特別遊技における、単位遊技の回数を決定する当否抽選手段と、当否抽選の結果が当たりであったときに特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、当否抽選の結果を示す図柄の変動表示を含む演出が表示される演出表示装置と、始動口への入球を契機に、図柄変動を含む演出の過程が定められた演出パターンを決定する演出決定手段と、決定された演出パターンにしたがって図柄演出を実行する演出実行手段と、を備える。演出決定手段は、当否抽選が当たりであったときに実行される特別遊技に含まれる単位遊技の回数を所定の示唆タイミングにおいて示唆すると共に、特別遊技への移行可能性を示す期待度を単位遊技の回数の示唆と並列して示唆タイミングにおいて示唆するラウンド数示唆演出を実行するラウンド数示唆演出パターンを、そのラウンド数示唆演出パターンが決定される場合のうち当否抽選の結果が当たりとなったときにそのラウンド数示唆演出パターンが決定される確率が当該示唆する期待度となるよう、当否抽選手段による決定内容に応じて演出パターンとして決定する。

この態様によれば、遊技者は演出が進行するか否かを注目することで、特別遊技に移行した場合の単位遊技の回数、および特別遊技が実行される期待度の双方を確認することができる。このため、単位遊技の回数と特別遊技が実行される期待度とが相俟って多様な態様で遊技者に期待を抱かせることができ、いずれか一方のみを示唆する場合に比べて遊技が単調になることを回避することができる。なお、この場合、単位遊技の回数を示唆する第１の演出内容と、期待度を示唆する第２の演出内容とは、例えば互いに同一の演出画像を利用した演出内容であってもよく、例えば互いに同一のストーリー上において進行する演出内容であってもよい。

なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。

本発明の弾球遊技機によれば、遊技者が退屈に感じることを回避しつつ遊技者に単位遊技の回数を示唆することができる。

図１は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。以下、弾球遊技機として従来にいういわゆる第１種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機１０は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機１０の遊技機枠は、外枠１１、前枠１２、透明板１３、扉１４、上球皿１５、下球皿１６、および発射ハンドル１７を含む。外枠１１は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機１０を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠１２は、外枠１１の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠１１へ開閉可能に取り付けられる。前枠１２は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。

透明板１３は、ガラスなどにより形成され、扉１４により支持される。扉１４は、図示しないヒンジ機構により前枠１２へ開閉可能に取り付けられる。上球皿１５は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿１６への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿１６は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿１５と下球皿１６の間にはスピーカ１８が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。

遊技盤５０は、外レール５４と内レール５６により区画された遊技領域５２上に、アウト口５８、特別図柄表示装置６１、演出表示装置６０、始動入賞口（以下、「始動口」という）６２、センター飾り６４、大入賞口６６、作動口６８、一般入賞口７２を含む。さらに遊技領域５２には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。始動口６２は、遊技球の入球を検出するための始動入賞検出装置７４と、始動口６２の拡開機構を拡開させるための普通電動役物ソレノイド７６を備える。始動口６２の拡開機構が拡開されたとき、始動口６２の開口幅が拡がって入球容易性が向上する。始動入賞検出装置７４は、始動口６２への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す始動入賞情報を生成する。一般入賞口７２は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置７３を備える。一般入賞検出装置７３は、一般入賞口７２への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。大入賞口６６は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置７８と、大入賞口６６を拡開させるための大入賞口ソレノイド８０を備える。入賞検出装置７８は、大入賞口６６への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。

大入賞口６６は、特別図柄１９２が所定の態様にて停止したときに「大当たり」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口６６はアウト口５８の上方等の位置に設けられる。大入賞口６６の入賞検出装置７８は、遊技球の通過を検出するセンサを備えて構成される。

遊技領域５２の左方に設けられた特別図柄表示装置６１および遊技領域５２の略中央に設けられた演出表示装置６０は、それぞれの画面に特別図柄１９２の変動と、特別図柄１９２に連動する装飾図柄１９０を含む演出画像の変動を表示する（以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という）。ここで、特別図柄１９２は、始動口６２への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が停止されたときの図柄態様が当たりと定められた図柄であった場合、その停止図柄が表示されたタイミングが大当たり発生タイミングとなる。特別図柄表示装置６１は、例えば７セグメントＬＥＤで構成される表示手段である。演出表示装置６０は、特別図柄１９２の変動表示と連動する形で装飾図柄１９０を変動表示する液晶ディスプレイである。装飾図柄１９０は、特別図柄１９２で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置６０は、装飾図柄１９０として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を画面の中央領域に表示する。演出表示装置６０は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、ドラムなどの機械式回転装置やＬＥＤなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、特別図柄１９２は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置６０の左下方の特別図柄表示装置６１にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置６０のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。作動口６８は、遊技盤５０の左側方位置に設けられる。作動口６８は、通過検出装置６９を含む。通過検出装置６９は、作動口６８への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口６８への遊技球の通過は始動口６２の拡開機構を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。作動口６８を遊技球が通過すると、開放抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置５９に変動表示される。普通図柄表示装置５９は演出表示装置６０の右下方に設けられる。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が停止すると、通常、５０％から８０％程度の確率で始動口６２が所定時間拡開する。

演出表示装置６０の周囲には、センター飾り６４が設けられる。センター飾り６４は、遊技球の流路、特別図柄表示装置６１および演出表示装置６０の保護、装飾等の機能を有する。演出表示装置６０の下方には、抽選保留ランプ２０が設けられ、その対称的な位置である遊技領域５２の右下部には、普通図柄表示装置５９の下に作動保留ランプ２２が設けられている。抽選保留ランプ２０は、４個のランプからなり、その点灯個数によって当否抽選の保留数を表示する。当否抽選の保留数は、図柄変動中または特別遊技中に始動口６２へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。作動保留ランプ２２もまた４個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口６８を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。さらに演出表示装置６０の上方および下方には、それぞれ遊技効果ランプ９０が設けられている。操作ボタン８２は、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力するために操作するボタンである。操作ボタン８２は、上球皿１５近傍の外壁面に設けられる。

遊技者が発射ハンドル１７を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿１５に貯留された遊技球が１球ずつ内レール５６と外レール５４に案内されて遊技領域５２へ発射される。遊技者が発射ハンドル１７の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域５２の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口７２や始動口６２、大入賞口６６の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿１５または下球皿１６に払い出される。一般入賞口７２等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口５８に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。

遊技球が始動口６２に落入すると、特別図柄表示装置６１および演出表示装置６０において特別図柄１９２および装飾図柄１９０が変動表示される。特別図柄１９２および装飾図柄１９０の変動表示は、表示に先だって決定された表示時間の経過後に停止される。停止時の特別図柄１９２および装飾図柄１９０が大当たりを示す図柄である場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口６６の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した装飾図柄１９０は、３つの図柄を一致させるような表示態様をとる。特別遊技において、大入賞口６６は、約３０秒間開放された後、または９球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口６６の開閉が所定回数、例えば１５回繰り返される。

特別遊技が終了した後の通常遊技においては特定遊技の一つである変動時間短縮遊技（以下、適宜「時短」という）が開始される。変動時間短縮遊技においては、特別図柄および装飾図柄の変動時間が通常より短縮される。特別図柄および装飾図柄の変動時間は、所定の変動回数の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻される。特別遊技が発生した場合であってそのときの当たり停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確率変動遊技（以下、適宜「確変」という）がさらに開始される。確率変動遊技においては、通常の確率状態より当たりの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。

図２は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ４０はぱちんこ遊技機１０の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板１０２は、ぱちんこ遊技機１０の全体動作を制御し、特に始動口６２へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板１０４は、液晶ユニット４２を備え、演出表示装置６０における表示内容や複数の可動役物１４０の動作、遊技効果ランプ９０の点灯を制御し、特にメイン基板１０２による抽選結果に応じて表示内容を変動させ、その演出の進行に沿って可動役物１４０や遊技効果ランプ９０の点灯を作動させる。メイン基板１０２およびサブ基板１０４は、遊技制御装置１００を構成する。セット基盤３９は、賞球タンク４４や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット４３等を含む。払出ユニット４３は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク４４から供給される遊技球を上球皿１５へ払い出す。払出制御基板４５は、払出ユニット４３による払出動作を制御する。発射装置４６は、上球皿１５の貯留球を遊技領域５２へ１球ずつ発射する。発射制御基板４７は、発射装置４６の発射動作を制御する。電源ユニット４８は、ぱちんこ遊技機１０の各部へ電力を供給する。

図３は、本実施例におけるぱちんこ遊技機１０の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機１０において、遊技制御装置１００は、始動口６２、大入賞口６６、一般入賞口７２、作動口６８、特別図柄表示装置６１、演出表示装置６０、普通図柄表示装置５９、操作ボタン８２、スピーカ１８、遊技効果ランプ９０、可動役物１４０のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置１００は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や可動役物１４０、電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置１００は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機１０の全体動作を制御するメイン基板１０２と、図柄の演出等を制御するサブ基板１０４とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置１００は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するＲＯＭやＲＡＭ、演算処理に用いるＣＰＵ等の素子を含んで構成される。

本実施例におけるメイン基板１０２は、入球判定手段１１０、当否抽選手段１１２、図柄決定手段１１４、保留制御手段１１６、メイン表示制御手段１１８、特別遊技制御手段１２０、特定遊技実行手段１２２、開閉制御手段１２４を備える。本実施例におけるサブ基板１０４は、パターン記憶手段１３０、演出決定手段１３２、演出表示制御手段１３４、役物制御手段１３６を備える。なお、メイン基板１０２に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板１０２ではなくサブ基板１０４に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板１０４に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板１０４ではなくメイン基板１０２に搭載されるかたちで構成されてもよい。

入球判定手段１１０は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段１１０は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口６２に入賞したと判断し、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口６６に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口７２に入賞したと判断する。入球判定手段１１０は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口６８を通過したと判断する。

当否抽選手段１１２は、始動口６２への遊技球の入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を当否抽選値として取得する。たとえば、当否抽選値は「０」から「６５５３５」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。当否抽選手段１１２は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、当たりまたは外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当たりの範囲設定に応じて当否確率が定まる。当否抽選手段１１２は、通常時には通常確率による当否判定のための当否テーブルを参照し、確率変動時には通常確率より当たりの確率が高くなる当否テーブルを参照する。当否抽選手段１１２は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当たりであるか否かを判定する。当否抽選手段１１２による判定結果は、特別図柄表示装置６１において特別図柄の形で変動表示される。また、当否抽選手段１１２による判定結果を演出的に示す装飾図柄が演出表示装置６０において変動表示される。

図柄決定手段１１４は、特別図柄表示装置６１に表示させる特別図柄の停止図柄と変動パターンを、当否抽選手段１１２による抽選の結果に応じて決定する。また、図柄決定手段１１４は、普通図柄表示装置５９に表示させる普通図柄の停止図柄を抽選により決定する。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。図柄決定手段１１４は、特別図柄や普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、変動パターンを決定するために参照すべきパターン決定テーブルを保持する。

図柄決定手段１１４は、特別図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、当否抽選手段１１２による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて特別図柄の停止図柄を決定する。図柄決定手段１１４は、当否抽選手段１１２による当否判定結果に応じて複数の変動パターンからいずれかのパターンを選択する。図柄決定手段１１４は、決定した停止図柄および変動パターンを示すデータをメイン表示制御手段１１８および演出決定手段１３２へ送出する。

図柄決定手段１１４は、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動態様が定められた複数種の変動パターンを記憶する。複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。

図柄決定手段１１４は、遊技球が作動口６８を通過した場合に、普通図柄を決定するための抽選乱数を取得し、その抽選乱数に応じて普通図柄の停止図柄を決定する。普通図柄の停止図柄が特定の図柄であった場合、開閉制御手段１２４が始動口６２の普通電動役物を所定時間拡開する。

保留制御手段１１６は、当否抽選手段１１２により取得された当否抽選値を保留球として保持する。当否抽選値は、その保留数が所定の上限に達するまで蓄積される。保留数の上限は４である。

メイン表示制御手段１１８は、当否抽選手段１１２による抽選の結果を、図柄決定手段１１４により決定された変動パターンにしたがって特別図柄の変動表示として特別図柄表示装置６１に表示させる。メイン表示制御手段１１８は、特別図柄の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段１３４へ送信することにより、メイン表示制御手段１１８および演出表示制御手段１３４による変動表示が同期し、連動が保たれる。メイン表示制御手段１１８は、普通図柄の変動を普通図柄表示装置５９に表示させる。

特別遊技制御手段１２０は、当否抽選手段１１２による当否抽選結果が当たりであった場合に、特別遊技の実行処理を制御する。特別遊技は、大入賞口６６の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、１回の開閉を単位とした１回または複数回の単位遊技で構成される。単位遊技は例えば１５回を上限として繰り返され、１回の単位遊技において大入賞口６６を約３０秒間開放させる。特別遊技制御手段１２０は、単位遊技の継続回数が上限回数に達していなければ、現在の単位遊技の終了後に次の単位遊技を開始させる。単位遊技の上限回数を消化した場合には、特別遊技を終了させる。本実施例では、３回、５回、９回、および１５回のいずれかの回数の単位遊技が特別遊技中に実行される。

特定遊技実行手段１２２は、遊技状態を通常状態から特定遊技状態へ移行させる制御と、特定遊技状態から通常状態へ戻す制御を実行する。本実施例における特定遊技には、当否抽選の当選確率を通常確率の状態から高確率の状態へ切り替える確変と、図柄変動時間を通常時間より短時間へ切り替える時短とがある。

特定遊技実行手段１２２は、当否抽選値が確変状態へ移行すべき値であった場合に、特別遊技後の遊技状態を確変状態へ移行させる。確変状態は原則として次の大当たりが発生するまで続行され、その間は当否抽選手段１１２による当たり判定の確率が高い値のまま維持される。また、特定遊技実行手段１２２は、当否抽選値の如何に関わらず、特別遊技後に遊技状態を時短の状態へ移行させる。時短は、特別遊技後の特別図柄の変動回数が所定回数、たとえば１００回に至るまで継続される。

開閉制御手段１２４は、始動口６２の普通電動役物や大入賞口６６の開閉を制御する。開閉制御手段１２４は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電動役物ソレノイド７６に開放指示を送り、始動口６２を開放させる。また、開閉制御手段１２４は、特別遊技中、大入賞口ソレノイド８０に開放指示を送り、大入賞口６６を開放させる。

パターン記憶手段１３０は、装飾図柄を含む演出画像の変動パターンとして変動表示における変動開始から停止までの変動過程が定められた複数の変動パターンデータを保持する。変動パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当たり図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段１３２は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい演出画像の変動パターンを選択する。

演出決定手段１３２は、装飾図柄の停止図柄の組合せとその配置および変動パターンを、当否抽選手段１１２による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターンに応じて決定する。演出決定手段１３２は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、変動パターンを決定するために参照すべきパターンテーブルを保持する。

装飾図柄の停止図柄は、３つの図柄の組合せとして形成され、たとえば当否抽選手段１１２による判定結果が特別遊技への移行を示す場合は「７７７」や「１１１」のように３つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄として揃える数字には、特別図柄と同じ数字が選ばれるのが好ましい。たとえば、特別図柄が「３」の場合は装飾図柄が「３３３」となる。当否抽選手段１１２による判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合は、「３１２」や「９４６」のように３つの図柄が揃っていない組合せが選択される。ただし、当否判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合であって、リーチ付きの外れを示す特別図柄の変動パターンが選択された場合は、「１９１」や「７２７」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。演出決定手段１３２は、装飾図柄の停止図柄と演出画像の変動パターンの情報を演出表示制御手段１３４へ送る。

演出表示制御手段１３４は、当否抽選手段１１２による当否抽選の結果として、選択された変動パターンデータにしたがって演出表示装置６０へ演出画像を変動表示させる。演出表示制御手段１３４は、遊技効果ランプ９０の点灯および消灯や、スピーカ１８からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。

役物制御手段１３６は、演出表示制御手段１３４から受け取る指示にしたがい、演出表示装置６０における演出内容や遊技効果ランプ９０の点滅過程に沿って、可動役物１４０を演出的に動作させる。

本実施例では、パターン記憶手段１３０は、演出パターンとして、ラウンド数示唆演出パターンを複数保持する。このラウンド数示唆演出パターンには、特定の演出内容の進行度合いが単位遊技の回数を示唆するラウンド数示唆演出の過程が定められている。このラウンド数示唆演出では、単位遊技の回数を示唆すべく演出を進行させるために設けられた所定の「進行タイミング」が複数設けられている。具体的には、進行タイミングとは、ラウンド数示唆演出が開始してから５秒後、１０秒後など時間が定められたタイミングでもよく、ある特定の演出が発展していくように変化して表示されるときにその変化タイミングであってもよい。

ラウンド数示唆演出では、所定の複数の進行タイミングのうち１以上の進行タイミングにおける特定の演出内容の進行が単位遊技の回数の増加を示唆する。こうして演出を進行させ、最後の進行タイミングにおけるその演出内容の進行度合いによって単位遊技の回数を示唆する。また、ラウンド数示唆演出では、その複数の進行タイミングのうち１以上の進行タイミングにおける特定の演出内容の進行が特別遊技が実行される可能性を示す期待度の増加を示唆し、最後の進行タイミングにおけるその演出内容の進行度合いによって特別遊技が実行される期待度を示唆する。以下「期待度」という場合は、特別遊技への移行可能性を示すものとする。

図４（ａ）〜図４（ｄ）は、ラウンド数示唆演出パターンにしたがって実行されるラウンド数示唆演出の一例を示す図である。本実施例では、ラウンド数示唆演出パターンは、疑似連続変動パターンの一種となっている。疑似連続変動パターンとは、当否抽選の結果を表すための図柄の１回の変動表示の間に、装飾図柄１９０の変動表示を停止させたように表示する半停止状態に一時的にすることにより擬似的に複数回図柄を変動表示させたように見せる擬似連続変動演出が表示される演出パターンをいう。ここで、装飾図柄１９０を「半停止状態にする」とは、装飾図柄１９０が変動しているにもかかわらず所定個所においてあたかも停止したように表示させることをいう。本実施例では、装飾図柄１９０を揺れているように変動させて有効ライン上で停留させることにより、装飾図柄１９０を半停止状態にしている。以下、擬似的に図柄を１回変動表示させたように見せる図柄の変動態様を「擬似的変動」という。疑似連続変動演出では、この擬似的変動が図柄の半停止状態を挟んで複数回実行される。

図４（ａ）は、あるラウンド数示唆演出が実行されているときに、最初の擬似的変動中の所定タイミングにおいて演出表示装置６０に表示される図柄を示す。最初の擬似的変動中の所定タイミングでは、演出表示装置６０には木に３個のリンゴがなっている図柄が表示される。このラウンド数示唆演出では、木になっているリンゴの数が、特別遊技が実行されたときの単位遊技の回数を示唆する。したがって、このまま装飾図柄１９０が変動停止して装飾図柄１９０が揃った場合、単位遊技が３回の特別遊技が実行されることをこの状態は示唆している。また、このラウンド数示唆演出では、木になっているリンゴの色が期待度を示唆する。具体的には、リンゴの色が白、青、赤、金色の順に高い期待度を示唆する。このラウンド数示唆演出では、最初の擬似的変動中の所定タイミングにおいて、白い色のリンゴが木になっている。したがって、これは期待度が低いことを示唆している。

図４（ｂ）は、そのラウンド数示唆演出が実行されているときに、２回目の擬似的変動中の所定タイミングにおいて演出表示装置６０に表示される図柄を示す。このラウンド数示唆演出では、図４（ｂ）に示すように、２回目の擬似的変動中の所定タイミングにおいてリンゴの数は３個から５個に増加する。ラウンド数示唆演出では、擬似的変動中の所定タイミングにおける演出表示装置６０に表示されるリンゴの数の増加が単位遊技の回数の増加を示唆する。この例では、リンゴの数が３個から５個に増加していることから、示唆する単位遊技の回数が３回から５回に増加したことを示している。

また、図４（ｂ）に示すように、このラウンド数示唆演出では、２回目の擬似的変動中の所定タイミングにおいて、リンゴの色が白から青に変化し、期待度が高まったことが示唆される。このように、パターン記憶手段１３０が保持するラウンド数示唆演出パターンが選択されると、変化後のリンゴの数が単位遊技の回数を示唆すると共に、変化後のリンゴの色が期待度を示唆するラウンド数示唆演出を実行する。なお、ラウンド数示唆演出パターンでは、リンゴという同一の図柄を用いて単位遊技の回数と期待度の双方を示唆する。これにより、単位遊技の回数と期待度の双方を確認することによる遊技者の負担の増加を抑制している。なお、別々の図柄を用いて、単位遊技の回数と期待度の各々を示唆してもよい。

ここで、「擬似的変動中の所定タイミング」とは、３つの装飾図柄１９０が擬似的変動を開始してから３つの装飾図柄１９０のいずれかが有効ライン付近において半停止する直前までの間の予め定められたタイミングをいう。例えば、このような疑似連続変動演出では、有効ライン上の一つの装飾図柄が変動しているときに当該有効ライン上の他の装飾図柄が半停止してあと一つが揃えば当たりとなるように遊技者に見せる擬似的なリーチ状態になる場合と、有効ライン上の一つの装飾図柄が変動しているときに当該有効ライン上の他の装飾図柄が異なる態様で半停止する擬似的な非リーチ状態の双方を作り出すことができる。例えば擬似的な非リーチ状態では、そのまま変動停止しても当たりになる可能性がないと遊技者は考え得る。このため、このようなタイミングの後に単位遊技の回数を示唆すると、あと一つが停止しても当たりにならないと考えながら単位遊技の回数を確認することになるため、遊技者を高揚させることが困難となる。このように、３つの装飾図柄１９０のいずれもが有効ライン付近において半停止していないときにリンゴの数を増加させる演出を実行させることで、その後に装飾図柄１９０が半停止する図柄または停止する図柄に遊技者を傾注させることができ、遊技者を高揚させることが可能となる。本実施例では、この擬似的変動中の所定タイミングが、演出を進行させる進行タイミングとなる。なお、単位遊技の回数を示唆するタイミングと、期待度を示唆するタイミングは、必ずしも時間的に完全に一致していなくてもよい。

なお、パターン記憶手段１３０は、擬似的なリーチ状態になった後にリンゴの数を増加させる演出を実行するラウンド数示唆演出パターンを保持していてもよい。このような演出パターンにしたがって演出が実行されることにより、その後にあと１つの装飾図柄１９０が半停止する図柄に遊技者を傾注させることができる。また、パターン記憶手段１３０は、複数の装飾図柄１９０のうち有効ライン上の一つを除く他の装飾図柄が半停止してあと一つが揃えば当たりとなることを示すリーチ状態になった後にリンゴの数を増加させるラウンド数示唆演出を実行するラウンド数示唆演出パターンを保持していてもよい。これにより、あと一つが揃えば当たりになると遊技者に確認させた後に、示唆する単位遊技の回数の増加を示すことができ、遊技者をより高揚させることが可能となる。

図４（ｃ）は、そのラウンド数示唆演出が実行されているときに、３回目の擬似的変動中の所定タイミングにおいて演出表示装置６０に表示される図柄を示す。図４（ｃ）に示すように、このラウンド数示唆演出では、３回目の擬似的変動中の所定タイミングにおいて、リンゴの数が５個から９個に増加する。これは、示唆される単位遊技の回数が５回から９回に増加したことを示している。また、このラウンド数示唆演出では、３回目の擬似的変動中の所定タイミングにおいて、リンゴの色が青から赤いに変化する。これは、示唆される期待度が高まったことを示唆している。

図４（ｄ）は、そのラウンド数示唆演出が実行されているときに、最後の４回目の擬似的変動中の所定タイミングにおいて演出表示装置６０に表示される図柄を示す。図４（ｄ）に示すように、リンゴの数は９個から１５個に増えている。これは、このまま装飾図柄１９０が変動停止して装飾図柄１９０が揃った場合、単位遊技が１５回の特別遊技が実行されることを示唆している。また、４回目の擬似的変動中の所定タイミングにおいて、リンゴの色は赤から金色に変化している。これは、リンゴの色が赤い時よりも期待度が高くなったことを示唆している。

なお、このラウンド数示唆演出では、４回目の擬似的変動では、３つの装飾図柄１９０のいずれもが有効ライン上に半停止していないときにリンゴの数および色が変化する。この４回目の擬似的変動において３つの装飾図柄１９０のいずれもが有効ライン上に半停止していないときが、リンゴの数および色を変化させる最後のタイミングとなる。この最後のタイミングにおける演出内容の進行度合いによって、単位遊技の回数および期待度の双方が示唆される。また、ラウンド数示唆演出では、リンゴの数および色、というように、同じ示唆タイミングにおいて、単位遊技の回数の示唆と並列して期待度も示唆する。これにより、遊技者は、単位遊技の回数および期待度の双方を容易に確認することができる。

なお、図４（ａ）〜図４（ｄ）では、擬似的変動が４回の疑似連続変動演出を含むラウンド数示唆演出の一例を示した。しかし、擬似的変動の回数が４回に限られないことは勿論である。パターン記憶手段１３０は、例えば擬似的変動の回数が２回および３回の疑似連続変動演出を含むラウンド数示唆演出パターンを保持する。このように擬似的変動の回数が２回および３回の場合でも、ラウンド数示唆演出では、擬似的変動中の所定タイミングにおけるリンゴの数の増加が単位遊技の回数の増加を各々が示唆し、装飾図柄１９０の変動停止前の最後の所定タイミングにおけるリンゴの数によって、特別遊技が実行されたときの単位遊技の回数を示唆する。また、擬似的変動中の所定タイミングにおけるリンゴの色の変化が期待度の変化を示唆し、装飾図柄１９０の変動停止前の最後のタイミングにおけるリンゴの色によって期待度を示唆する。

このように擬似的な図柄の変動表示回数を複数種類設けることで、今表示されている擬似的変動が最後の擬似的変動か否かを遊技者に分かりにくくすることができる。このため、例えばリンゴの数が少ないときやリンゴの色が低い期待度を示す色ときは、遊技者に「このまま装飾図柄１９０が停止せずに次の擬似的変動に移行してさらに高い期待度が示唆されて欲しい。」と思わせることができ、擬似的変動中の所定タイミングの後において遊技者が退屈することを回避することができる。

図５（ａ）〜図５（ｄ）は、別のラウンド数示唆演出パターンにしたがって実行されるラウンド数示唆演出の一例を示す図である。図５（ａ）は、そのラウンド数示唆演出が実行されているときの最初の擬似的変動中の所定タイミングにおいて演出表示装置６０に表示される図柄を示す。この所定タイミングでは、図４（ａ）と同様にリンゴの数は３個であり、またリンゴの色は白となっている。

図５（ｂ）は、そのラウンド数示唆演出が実行されているときの２回目の擬似的変動において演出表示装置６０に表示される図柄を示す。この所定タイミングでは、リンゴの数は３個から５個に増加するが、リンゴの色は白のまま変化しない。図５（ｃ）は、そのラウンド数示唆演出が実行されているときの３回目の擬似的変動中の所定タイミングにおいて演出表示装置６０に表示される図柄を示す。この所定タイミングでは、リンゴの数は５個から９個に増加するが、リンゴの色は白のまま変化しない。

図５（ｄ）は、そのラウンド数示唆演出が実行されているときの４回目の擬似的変動において演出表示装置６０に表示される図柄を示す。この所定タイミングでは、リンゴの数は９個から１５個に増加するが、リンゴの色は白のまま変化しない。したがってこのラウンド数示唆演出では、当否抽選の結果が当たりであったときに１５回という多数の単位遊技が実行されることが示唆されるが、期待度は高くないことが示唆される。

図６（ａ）〜図６（ｄ）は、さらに別のラウンド数示唆演出パターンにしたがって実行されるラウンド数示唆演出の一例を示す図である。図６（ａ）は、そのラウンド数示唆演出が実行されているときの最初の擬似的変動中の所定タイミングにおいて演出表示装置６０に表示される図柄を示す。この所定タイミングでは、図４（ａ）と同様にリンゴの数は３個であり、またリンゴの色は白となっている。

図６（ｂ）は、そのラウンド数示唆演出が実行されているときの２回目の擬似的変動中の所定タイミングにおいて演出表示装置６０に表示される図柄を示す。この所定タイミングでは、リンゴの数は３個のまま変化しないが、リンゴの色は白から青に変化する。図６（ｃ）は、そのラウンド数示唆演出が実行されているときの３回目の擬似的変動中の所定タイミングにおいて演出表示装置６０に表示される図柄を示す。この所定タイミングでは、リンゴの数は３個のまま変化しないが、リンゴの色は青から赤に変化する。

図６（ｄ）は、そのラウンド数示唆演出が実行されているときの４回目の擬似的変動中の所定タイミングにおいて演出表示装置６０に表示される図柄を示す。この所定タイミングでは、リンゴの数は３個のまま変化しないが、リンゴの色は赤から金色に変化する。したがってこのラウンド数示唆演出では、当否抽選の結果が当たりであったときに３回という少ない回数の単位遊技が実行されることが示唆されるが、期待度は高いことが示唆される。

図５（ａ）〜図５に示すように、本実施例のラウンド数示唆演出では、特別遊技が実行される場合に多数の単位遊技が実行されることが示唆される場合においても、必ずしも高い期待度は示唆されない。逆に、図６（ａ）〜図６（ｄ）に示すように、本実施例のラウンド数示唆演出では、高い期待度が示唆される場合においても必ずしも多数の単位遊技は示唆されない。このため、遊技者に「当たりになれば多数の単位遊技が実行されるのに期待度が低い。」と感じさせたり、「期待度は高いのに、当たっても少ない回数の単位遊技しか実行されない。」と感じさせるなど、多様な期待を遊技者に抱かせることができる。

図７（ａ）〜図７（ｄ）は、さらに別のラウンド数示唆演出パターンにしたがって実行されるラウンド数示唆演出の一例を示す図である。図７（ａ）は、そのラウンド数示唆演出が実行されているときの最初の擬似的変動中の所定タイミングにおいて演出表示装置６０に表示される図柄を示す。この所定タイミングでは、図４（ａ）と同様にリンゴの数は３個であり、またリンゴの色は白となっている。

図７（ｂ）は、そのラウンド数示唆演出が実行されているときの２回目の擬似的変動中の所定タイミングにおいて演出表示装置６０に表示される図柄を示す。この所定タイミングでは、リンゴの数は３個から５個に増加するが、リンゴの色は白のままで変化しない。図７（ｃ）は、そのラウンド数示唆演出が実行されているときの３回目の擬似的変動中の所定タイミングにおいて演出表示装置６０に表示される図柄を示す。この所定タイミングでは、リンゴの数は５個のまま変化しないが、リンゴの色は白から赤に変化する。図７（ｄ）は、そのラウンド数示唆演出が実行されているときの３回目の擬似的変動中の所定タイミングにいて演出表示装置６０に表示される図柄を示す。この所定タイミングでは、リンゴの数は５個から９個を飛ばして１５個に突然大きく増加する。一方、リンゴの色は赤のまま変化しない。したがって、このラウンド数示唆演出では、当たりになった場合に１５回の単位遊技が実行されることを示唆すると共に、比較的高い期待度が示唆されている。

このように、パターン記憶手段１３０は、リンゴの数が３個、５個、９個、１５個と必ずしも徐々に増加せず、例えば図７（ｃ）から図７（ｄ）に移行するときのようにリンゴの数が５個から１５個など突然大きく増加するラウンド数示唆演出が実行されるラウンド数示唆演出パターンを保持する。すなわち、パターン記憶手段１３０は、段階的に設けられた複数種類の単位遊技の回数のうち、１段以上を飛ばして、示唆する単位遊技の回数を突然大きく増加させるラウンド数示唆演出が実行されるラウンド数示唆演出パターンを保持する。

また、パターン記憶手段１３０は、リンゴの色が白、青、赤、金色と必ずしも徐々に増加せず、例えば白から青を飛ばして赤に変化するなど、リンゴの色が突然大きく変化するラウンド数示唆演出が実行されるラウンド数示唆演出パターンを保持する。すなわち、パターン記憶手段１３０は、段階的に設けられた複数種類の期待度のうち、１段以上を飛ばして、示唆する期待度を突然大きく高めるラウンド数示唆演出が実行されるラウンド数示唆演出パターンを保持する。

これにより、少ない回数の単位遊技しか示唆されておらず、または低い期待度しか示唆されていなくても、遊技者に「突然に多数の単位遊技が示唆されるかもしれない」と思わせたり、「突然に高い期待度が示唆されるかもしれない」と思わせることができる。このため、遊技者の高揚しなくなることを回避することができる。

図８（ａ）〜図８（ｄ）は、ラウンド数示唆演出パターンにしたがって実行されるラウンド数示唆演出の一例を示す図である。図８（ａ）は、そのラウンド数示唆演出が実行されているときの最初の擬似的変動中の所定タイミングにおいて演出表示装置６０に表示される図柄を示す。この所定タイミングでは、図４（ａ）と同様にリンゴの数は３個であり、またリンゴの色は白となっている。

図８（ｂ）は、そのラウンド数示唆演出が実行されているときの２回目の擬似的変動中の所定タイミングにおいて演出表示装置６０に表示される図柄を示す。この所定タイミングでは、リンゴの数は３個から５個に増加しており、リンゴの色は白から青に変化する。図８（ｃ）は、そのラウンド数示唆演出が実行されているときの３回目の擬似的変動中の所定タイミングにおいて演出表示装置６０に表示される図柄を示す。この所定タイミングでは、リンゴの数は５個から９個に増加しており、リンゴの色は青から赤に変化する。したがって、この時点で９回と比較的多い単位遊技の回数が示唆されており、また、比較的高い期待度が示唆されている。

図８（ｄ）は、そのラウンド数示唆演出が実行されているときの４回目の擬似的変動中の所定タイミングにおいて演出表示装置６０に表示される図柄を示す。この４回目の擬似的変動中の所定タイミングにおいて、９個のうち６個のリンゴが地面に転落し、３個だけが木に残る演出が表示される。このとき、リンゴの色も白に逆戻りする。４回目の擬似的変動が最後の示唆タイミングとなるため、結局３回と最少の単位遊技の回数が示唆され、また、最低の期待度が示唆された状態となる。

このように、パターン記憶手段１３０は、単位遊技の回数の減少を示唆するラウンド数示唆演出を実行するラウンド数示唆演出パターンを保持している。しかも、パターン記憶手段１３０は、段階的に設けられた複数種類の単位遊技の回数のうち、１段以上を飛ばして、示唆する単位遊技の回数を突然減少させるラウンド数示唆演出が実行されるラウンド数示唆演出パターンを保持している。

また、パターン記憶手段１３０は、期待度の低下を示唆するラウンド数示唆演出を実行するラウンド数示唆演出パターンを保持する。しかも、パターン記憶手段１３０は、段階的に設けられた複数種類の期待度のうち、１段以上を飛ばして、示唆する期待度を突然大きく高めるラウンド数示唆演出が実行されるラウンド数示唆演出パターンを保持している。これにより、遊技者に「いつ単位遊技の回数が減少するか分からない。」と思わせたり、「いつ期待度が低下するか分からない。」と思わせるなど、遊技者にスリルを与えることができる。したがって、遊技者が退屈に感じることを回避することができる。

また、パターン記憶手段１３０は、複数種類の特別遊技演出パターンを保持している。演出決定手段１３２は、当否抽選の結果が当たりであったときに、パターン記憶手段１３０に保持された複数種類の特別遊技演出パターンのうち、特別遊技中に実行すべき特別遊技演出パターンを選択する。演出表示制御手段１３４は、特別遊技中に、選択された特別遊技演出パターンにしたがって特別遊技演出を実行する。ここで、本実施例では、演出決定手段１３２は、当否抽選の結果が当たりであり且つラウンド数示唆演出パターンが選択された場合に、選択されたラウンド数示唆演出パターンに対応する特別遊技演出が実行される特別遊技演出パターンを選択する。

図９は、ラウンド数示唆演出パターンに対応する特別遊技演出パターンにしたがって実行される特別遊技演出の一例を示す図である。具体的には、図９は、９回の単位遊技が実行されることが示唆されるラウンド数示唆演出パターンが選択され、そのラウンド数示唆演出パターンに対応する特別遊技演出パターンが選択されたときに、特別遊技演出において演出表示装置６０に表示される図柄を示す。

このように、ラウンド数示唆演出パターンが選択された場合、このラウンド数示唆演出パターンにしたがってラウンド数示唆演出が終了した後、そのラウンド数示唆演出からあたかも演出が継続されているような特別遊技演出が実行される。具体的には、特別遊技の実行直前に表示されていたリンゴがそのまま演出表示装置６０の下方に表示される。その後に猿が現れ、表示されているリンゴのうち１つのリンゴを単位遊技の開始と共に食べ始め、単位遊技の終了とともに食べ終わる演出が表示される。こうして単位遊技の実行とともにリンゴが一つずつ減っていく演出が表示される。なお、演出表示装置６０の上方には、「ラウンド４」など、何回目の単位遊技が現在実行しているかが表示される。

このように、パターン記憶手段１３０は、ラウンド数示唆演出が実行されることによりリンゴの数によって単位遊技の回数が示唆されることを利用して、同じくリンゴの数によって残りの単位遊技の回数を示唆する特別遊技演出を実行する特別遊技演出パターンを保持する。具体的には、パターン記憶手段１３０は、ラウンド数示唆演出が実行されることにより単位遊技の回数として示唆されるリンゴの数を、各々の単位遊技の実行に対応する所定のタイミングにおいて１つずつ減少させる特別遊技演出を実行する特別遊技演出パターンを保持する。演出決定手段１３２は、当否抽選の結果が当たりであり且つラウンド数示唆演出パターンを決定する場合、ラウンド数示唆演出が実行されることにより単位遊技の回数として示唆されるリンゴの数を減らしていくことによって、残りの単位遊技の回数を示唆する特別遊技演出を実行する特別遊技演出パターンを選択する。このように、選択されたラウンド数示唆演出パターンに対応する特別遊技演出パターンが選択されることで、ラウンド数示唆演出と特別遊技演出との間で演出内容に一貫性を持たせることなどが可能となる。

図１０は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が始動口６２、一般入賞口７２、大入賞口６６などへ入賞した場合や、遊技球が作動口６８を通過した場合の処理を実行し（Ｓ１０）、特別遊技中でなければ（Ｓ１２のＮ）、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行し（Ｓ１４）、特別遊技中であれば（Ｓ１２のＹ）、特別遊技の制御処理を実行し（Ｓ１６）、Ｓ１０からＳ１６までの処理における各種入賞に応じた賞球払出を処理する（Ｓ１８）。

図１１は、図１０におけるＳ１４の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。通常遊技制御処理において、当否抽選値の保留がなされている場合であって（Ｓ３０のＹ）、図柄変動が表示中でなければ（Ｓ３２のＮ）、当否抽選手段１１２が当否判定処理を実行する（Ｓ３４）。その判定結果に応じてメイン表示制御手段１１８が変動表示を開始するとともに、変動開始コマンドを演出表示制御手段１３４へ送信し、これを受信した演出表示制御手段１３４が変動パターンデータにしたがって演出画像の変動表示を開始する（Ｓ３６）。Ｓ３０において当否抽選値が保留されていなかった場合は（Ｓ３０のＮ）、Ｓ３２からＳ３６までの処理がスキップされ、Ｓ３２において図柄変動が表示中であった場合は（Ｓ３２のＹ）、Ｓ３４およびＳ３６の処理がスキップされる。続いて、図柄変動表示がすでに開始されていれば（Ｓ３８のＹ）、図柄変動表示処理を実行し（Ｓ４０）、図柄変動表示が開始されていないときは（Ｓ３８のＮ）、Ｓ４０をスキップする。

図１２は、図１１におけるＳ３４の当否判定処理を詳細に示すフローチャートである。まず、当否抽選手段１１２が当否抽選値を読み出して（Ｓ４２）、その当否抽選値に基づいて当否を判定する（Ｓ４４）。図柄決定手段１１４は、当否判定結果に基づいて特別図柄の停止図柄を決定し（Ｓ４６）、また、特別図柄の変動パターンを選択すべく、変動パターン決定処理を実行する（Ｓ４８）。選択された特別図柄の変動パターンは、そのまま演出パターンに対応する。したがって、図柄決定手段１１４は、演出パターンを決定する演出決定手段としても機能する。演出決定手段１３２は、当否判定結果および特別図柄に基づいて装飾図柄の停止図柄組合せを決定し（Ｓ５０）、決定された特別図柄の変動パターンに応じて装飾図柄の変動パターンを含む演出パターンをパターン記憶手段１３０に保持された複数種類の演出パターンの中から選択する（Ｓ５２）。

図１３は、図１２におけるＳ４８の変動パターン決定処理の手順を示すフローチャートである。図柄決定手段１１４は、当否抽選の結果が当たりか否かを判定する（Ｓ１００）。当否抽選の結果が当たりの場合（Ｓ１００のＹ）、図柄決定手段１１４は、ラウンド数示唆演出を実行するか否かを判定する（Ｓ１０２）。ラウンド数示唆演出を実行する場合（Ｓ１０２のＹ）、図柄決定手段１１４は、後述する変動パターン選択マップにしたがって、特別遊技中に実行される単位遊技の回数に応じたラウンド数示唆演出パターンを選択する。このとき、図柄決定手段１１４は、当たりとなる確率が示唆される期待度になるようラウンド数示唆演出パターンを選択する（Ｓ１０４）。ラウンド数示唆演出を実行しない場合（Ｓ１０２のＮ）、図柄決定手段１１４は、通常の変動パターンを選択する（Ｓ１０６）。

当否抽選の結果が外れの場合においても（Ｓ１００のＮ）、図柄決定手段１１４は、ラウンド数示唆演出を実行するか否かを判定する（Ｓ１０８）。ラウンド数示唆演出を実行する場合（Ｓ１０８のＹ）、図柄決定手段１１４は、後述する変動パターン選択マップにしたがって、当たりとなる確率が示唆される期待度になるようラウンド数示唆演出パターンを選択する（Ｓ１１０）。ラウンド数示唆演出を実行しない場合（Ｓ１０８のＮ）、図柄決定手段１１４は、通常の変動パターンを選択する（Ｓ１１２）。

図１４は、変動パターンを選択する際に用いられる変動パターン選択マップを示す図である。変動パターン選択マップには、各々の変動パターンと、当否判定結果、および当たりの場合は単位遊技の回数が対応付けられている。当否抽選手段１１２は、当否抽選とは別に、単位遊技の回数を決定するためのラウンド抽選を実行する。さらに図柄決定手段１１４は、変動パターンを決定するためのパターン抽選を実行する。図１４の各空欄には、このパターン抽選において取得されるパターン抽選値の範囲が規定されている。図柄決定手段１１４は、当否抽選の結果が外れであった場合、取得したパターン抽選値が、図１４の「外れ」の列のどの欄に属するかを判定することによって変動パターンを決定する。また、図柄決定手段１１４は、当否抽選の結果が当たりであった場合、ラウンド抽選の結果も利用して、取得したパターン抽選値が、図１４の「当たり」の４列のうち、ラウンド抽選によって決定された単位遊技の回数の列を参照し、その列のどの欄に属するかを判定することによって変動パターンを決定する。

なお、図柄決定手段１１４は、パターン抽選を実行してラウンド抽選の結果に関係なく変動パターンを決定してもよい。この場合、パターン記憶手段１３０には、当否抽選結果、変動パターン、およびラウンド抽選の結果と、ラウンド数示唆演出パターンを含む演出パターンとが対応付けられたマップが格納されている。演出決定手段１３２は、メイン基板１０２から受信した変動パターンを示す情報、ラウンド数を示す情報、および当否抽選結果を示す情報を取得し、このマップを参照することにより、ラウンド数示唆演出パターンをパターン記憶手段１３０から選択する。

こうして、図柄決定手段１１４は、当否抽選手段１１２による決定内容に応じてラウンド数示唆演出パターンを選択する。このとき、図柄決定手段１１４は、当否抽選の結果が当たりであった場合は、決定された単位遊技の回数を示唆するラウンド数示唆演出パターンを選択する。また、図柄決定手段１１４は、この変動パターン選択マップにしたがってラウンド数示唆演出パターンを選択することにより、そのラウンド数示唆演出パターンが決定される場合のうち当否抽選の結果が当たりとなったときにそのラウンド数示唆演出パターンが決定される確率がそのラウンド数示唆演出パターンにおいて示唆される期待度となるようラウンド数示唆演出パターンを選択する。

こうして図柄決定手段１１４によって変動パターンが選択されると、メイン基板１０２は、当否抽選の結果を示す当否結果情報、変動停止させる図柄を示す特別図柄情報、および、選択された変動パターンを示す変動パターン情報をサブ基板１０４に送信する。演出決定手段１３２は、受信した変動パターン情報が示す演出パターンを、パターン記憶手段１３０に保持された複数種類の演出パターンの中から選択する。

図１５は、図１０におけるＳ１６を詳細に示すフローチャートである。まず、大入賞口６６が開放済でなければ（Ｓ７０のＮ）、演出表示制御手段１３４は特別遊技演出の演出進行処理を実行し（Ｓ７２）、開閉制御手段１２４が大入賞口６６を開放する（Ｓ７４）。大入賞口６６が開放済であればＳ７２およびＳ７４をスキップする（Ｓ７０のＹ）。大入賞口６６が開放されてから所定の開放時間が経過した場合（Ｓ７６のＹ）、または、開放時間が経過していないものの（Ｓ７６のＮ）、大入賞口６６へ遊技球が９球以上入球した場合（Ｓ７８のＹ）、開閉制御手段１２４が大入賞口６６を閉鎖させる（Ｓ８０）。開放時間が経過しておらず（Ｓ７６のＮ）、大入賞口６６への入球数も９球以上に達していない場合は（Ｓ７８のＮ）、Ｓ８０以降の処理をスキップしてＳ１６のフローを終了する。

Ｓ８０における大入賞口６６の閉鎖後、単位遊技の全回数を終了した場合（Ｓ８２のＹ）、演出表示制御手段１３４は特別遊技の演出処理を終了させ（Ｓ８４）、特別遊技制御手段１２０は特別遊技を終了させる（Ｓ８６）。このとき演出表示制御手段１３４は、特別遊技演出フラグをオフに設定する。単位遊技を全回数終了していなければ（Ｓ８２のＮ）、単位遊技の回数に１を加算してＳ１６のフローを終了する（Ｓ９０）。

図１６は、図１５におけるＳ７２の演出開始処理の実行手順を詳細に示すフローチャートである。演出表示制御手段１３４は、特別遊技演出フラグを参照して特別遊技演出は実行済みか否かを判定する（Ｓ１３０）。特別遊技演出がすでに実行されている場合（Ｓ１３０のＹ）、演出表示制御手段１３４は、演出表示装置６０に表示されているリンゴの数を１つ減らして、単位遊技の残りの回数が１つ減ったことを示唆する（Ｓ１３２）。

特別遊技演出がまだ実行されていない場合（Ｓ１３０のＮ）、演出決定手段１３２は、メイン基板１０２から受信した変動パターン情報に基づいて、ラウンド数示唆演出パターンが選択されたか否かを判定することにより、特別遊技の実行直前にラウンド数示唆演出が実行されたか否かを判定する（Ｓ１３４）。

特別遊技の実行直前にラウンド数示唆演出が実行された場合（Ｓ１３４のＹ）、演出決定手段１３２は、実行されたラウンド数示唆演出に応じて図９に示すような演出が実行される特別遊技演出パターンを選択する（Ｓ１３６）。特別遊技の実行直前にラウンド数示唆演出が実行されていない場合（Ｓ１３４のＮ）、演出決定手段１３２は、通常の特別遊技演出パターンを選択する（Ｓ１３８）。特別遊技演出パターンが選択されると、演出表示制御手段１３４は、特別遊技演出フラグをオンに設定すると共に、選択された特別遊技演出パターンにしたがって特別遊技演出の実行を開始する（Ｓ１４０）。

以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下にそのような例を示す。

ある変形例では、パターン記憶手段１３０は、ラウンド数示唆演出が実行されることにより示唆される単位遊技の回数を、各々の単位遊技の実行に対応する所定のタイミングにおいて２以上減少させる特別遊技演出を実行する特別遊技演出パターンを保持する。例えば、ラウンド数を示唆するリンゴの数が単位遊技が消化されていくにしたがって、１つずつではなく２以上リンゴの数を減少させる特別遊技演出を実行する特別遊技演出パターンを保持する。これによっても、示唆される単位遊技の残り回数がゼロになったときに特別遊技が終了することを示唆することができ、ラウンド数示唆演出と関連した態様で残りの単位遊技の回数を特別遊技の実行中に示唆することができる。

ある別の変形例では、パターン記憶手段１３０は、リンゴの数など単位遊技の回数と一致する演出内容を含むラウンド数示唆演出ではなく、例えば風船をだんだん大きくさせていき、その大きさによって単位遊技の回数を示唆するなど、単位遊技の回数を数字として示唆しない演出内容によって単位遊技の回数を示唆するラウンド数示唆演出パターンを保持する。また、パターン記憶手段１３０は、このようなラウンド数示唆演出パターンに対応して、単位遊技を実行させるにしたがってだんだんと風船を小さくさせていくなど、残りの単位遊技の回数を数字として示唆しない演出内容によって単位遊技の回数を示唆する特別遊技演出パターンを保持する。このように、特別遊技の実行中における演出内容から単位遊技の残り回数が直接示されなくても、風船が小さければ残りの単位遊技の回数が少ないことを遊技者に容易に示唆することができる。

ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す図である。 本実施例におけるぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す図である。 （ａ）〜（ｄ）は、ラウンド数示唆演出パターンにしたがって実行されるラウンド数示唆演出の一例を示す図である。 （ａ）〜（ｄ）は、別のラウンド数示唆演出パターンにしたがって実行されるラウンド数示唆演出の一例を示す図である。 （ａ）〜（ｄ）は、さらに別のラウンド数示唆演出パターンにしたがって実行されるラウンド数示唆演出の一例を示す図である。 （ａ）〜（ｄ）は、さらに別のラウンド数示唆演出パターンにしたがって実行されるラウンド数示唆演出の一例を示す図である。 （ａ）〜（ｄ）は、ラウンド数示唆演出パターンにしたがって実行されるラウンド数示唆演出の一例を示す図である。 ラウンド数示唆演出パターンに対応する特別遊技演出パターンにしたがって実行される特別遊技演出の一例を示す図である。 ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。 図１０におけるＳ１４の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。 図１１におけるＳ３４の当否判定処理を詳細に示すフローチャートである。 図１２におけるＳ４８の変動パターン決定処理の手順を示すフローチャートである。 変動パターンを選択する際に用いられる変動パターン選択マップを示す図である。 図１０におけるＳ１６を詳細に示すフローチャートである。 図１５におけるＳ７２の演出開始処理の実行手順を詳細に示すフローチャートである。

符号の説明

１０ ぱちんこ遊技機、 ５０ 遊技盤、 ５２ 遊技領域、 ６０ 演出表示装置、 ６１ 特別図柄表示装置、 ６２ 始動口、 ９０ 遊技効果ランプ、 １００ 遊技制御装置、 １１２ 当否抽選手段、 １１４ 図柄決定手段、 １１８ メイン表示制御手段、 １３０ パターン記憶手段、 １３２ 演出決定手段、 １３４ 演出表示制御手段。

Claims (1)

1. 遊技領域が形成された遊技盤と、
   前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球が入球可能な始動口と、
   前記遊技領域の所定位置に設けられる開放可能な大入賞口と、
   前記始動口へ遊技球が入球したことを契機として、当否抽選により当否を決定すると共に、前記当否抽選の結果が当たりであったときに実行される前記大入賞口を所定の閉鎖条件が成立するまで開放させる単位遊技を含む特別遊技における、前記単位遊技の回数を決定する当否抽選手段と、
   前記当否抽選の結果が当たりであったときに前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
   前記当否抽選の結果を示す図柄の変動表示を含む演出が表示される演出表示装置と、
   前記始動口への入球を契機に、図柄変動を含む演出の過程が定められた演出パターンを決定する演出決定手段と、
   決定された演出パターンにしたがって図柄演出を実行する演出実行手段と、
   を備え、
   前記演出決定手段は、前記単位遊技の回数を演出内容の進行度合いで示唆する第１の演出内容と、前記特別遊技への移行可能性を示す期待度を演出内容の進行度合いで示唆する第２の演出内容とを含むラウンド数示唆演出を実行するラウンド数示唆演出パターンを、そのラウンド数示唆演出パターンが決定される場合のうち前記当否抽選の結果が当たりとなったときにそのラウンド数示唆演出パターンが決定される確率が前記期待度となるよう、前記当否抽選手段による決定内容に応じて前記演出パターンとして決定し、
   前記ラウンド数示唆演出は、
   所定の複数の進行タイミングのうち１以上の進行タイミングにおける前記第１の演出内容の進行が前記単位遊技の回数の増加を示唆し、最後の進行タイミングにおける当該第１の演出内容の進行度合いによって前記単位遊技の回数を示唆すると共に、前記複数の進行タイミングのうち１以上の進行タイミングにおける前記第２の演出内容の進行が前記期待度の増加を示唆し、最後の進行タイミングにおける当該第２の演出内容の進行度合いによって前記期待度を示唆する演出であり、かつ、
   前記当否抽選の結果を表すための図柄の１回の変動表示の間に、図柄の変動表示を停止させたように表示する半停止状態に一時的にすることにより擬似的に複数回図柄を変動表示させたように見せる擬似連続変動演出であって、半停止状態を挟んだ各々の擬似的な図柄変動表示中の所定タイミングを前記進行タイミングとして、当該進行タイミングにおける前記第１の演出内容の進行が前記単位遊技の回数の増加を示唆し、最後の進行タイミングにおける当該第１の演出内容の進行度合いによって前記単位遊技の回数を示唆する演出であることを特徴とする弾球遊技機。

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