以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。また、実施例のパチンコ遊技機は、賞球となる遊技球を機外に排出するタイプとするが、機内に所定数の遊技球を封入し、該遊技球を機内で循環して遊技を行う封入式の遊技機としても何ら差し支えない。
図1は、本実施例におけるパチンコ機の遊技盤8の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に沿っているので図示及び説明は省略する。遊技盤8には公知のガイドレール25a、25bによって囲まれた略円形の遊技領域26が設けられ、図示しない多数の遊技釘が植設されている。遊技領域26の略中央には、窓部28aを有する液晶枠飾り28が設けられており、演出図柄表示装置54b(本発明の演出図柄表示装置に該当)(図2参照)のLCD画面が遊技者から視認可能に構成され、図示しない公知のワープ入口、ワープ通路、ステージ等も設けられている。
液晶枠飾り28の下には、第1始動口31(本発明の始動口に該当)とその下に開閉可能な羽根部材を備えた普通電動役物40で構成された第2始動口32(本発明の始動口に該当)とが配置され、液晶枠飾り28の左方には、普通図柄作動用ゲート42が配置されている。なお、第2始動口32は、普通電動役物40の羽根部材が開放しないと遊技球が第2始動口32に入球できない構成となっている。
第2始動口32の下方にはアタッカー式の第1大入賞口33aが配置されている。また、第1始動口31の右上方には、第2大入賞口70が設けられ、第1始動口31の左には、入球率が変化しない普通入賞口である一般入賞口35aが4個設けられている。なお、各入賞口に1個の遊技球が入球した場合に払出される賞球数は、第1始動口31、第2始動口32は3個、第1大入賞口33aは10個、第2大入賞口70は15個、一般入賞口35aは10個となっている。
遊技領域の右下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置41と、普通図柄保留数表示装置41aと、第1特別図柄保留数表示装置29aと、第2特別図柄保留数表示装置30aと、7セグメント表示装置からなる第1特別図柄表示装置29(本発明の特別図柄表示装置に該当)、第2特別図柄表示装置30(本発明の特別図柄表示装置に該当)とが配置されている。
第1大入賞口33aと第2大入賞口70を上記した位置に配置することにより、公知の発射ハンドルを液晶枠飾り28の左側に遊技球が流下するように発射調整した場合、第1大入賞口33aへの入賞は可能となるが、第2大入賞口70への入賞は不可能となり、第2大入賞口70へ遊技球を入賞させる場合には、発射ハンドルを液晶枠飾り28の右側に遊技球が流下するように調整する必要がある。
上記のように遊技盤8を構成することによって、普通図柄作動ゲート42に遊技球が入球(普通図柄作動スイッチ42a(図2参照)が遊技球を検出)すると、普通図柄表示装置41で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄の態様に応じて、普通電動役物40の羽根部材が駆動して、第2始動口32への入球が可能となるように構成されている。
普通電動役物40の羽根部材が駆動する開放時間は、通常時においては、0.3秒の開放を1回、開放延長状態では5.0秒の開放を1回実施する。
第1始動口31に遊技球が入球(第1始動口スイッチ31a(図2参照)が遊技球を検出)すると、第1特別図柄表示装置29において第1特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。また、第2始動口32である普通電動役物40に遊技球が入球(第2始動口スイッチ32a(図2参照)が遊技球を検出)すると、第2特別図柄表示装置30において第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
第1特別図柄及び第2特別図柄の変動中は、窓部28aに配置された演出図柄表示装置54b(本発明の演出図柄表示装置に該当)において各々の特別図柄の変動に連動して疑似図柄の演出変動を表示する。また、第1特別図柄と第2特別図柄は、第1始動口31と第2始動口32への入球順に関係なく、第2特別図柄の変動(当否判定)を優先して実施する。具体的には、第1特別図柄の保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動が停止し且つ第2特別図柄保留記憶が無い状態となって、第1特別図柄保留記憶分の変動を開始する。
第1特別図柄、又は第2特別図柄が大当り図柄態様となると、大当り図柄の種類に応じて第1大入賞口33a、又は第2大入賞口70のどちらかの扉部材が駆動し入球が可能となる。第1特別図柄及び第2特別図柄の大当り図柄の内容と、大当り図柄の種類に応じた大当り遊技の内容(どちらの大入賞口が作動するかを含む)は、図を用いて後述するが、第1特別図柄表示装置29と第2特別図柄表示装置30に表示される大当り図柄は、遊技者から視認しにくいうえに図柄自体の判別が困難になっている。また、演出図柄表示装置54bに表示される大当りを示す疑似図柄は、特別図柄の大当り図柄と対応関係がないため、遊技者は大当りを示す疑似図柄の種類によって大当り遊技の種類を判断することができない。但し、特別図柄の大当り図柄の種類と疑似図柄の大当り図柄の種類とに対応関係を持たせてもよく、疑似図柄の大当り図柄が確定した時点で作動する大入賞口の種類と大入賞口の作動内容(大当り遊技の種類)を遊技者に判別可能としてもよい。
続いて、図2に本実施例におけるパチンコ機の電気配線を示すブロック図を示し説明する。図2には煩雑になる電源の供給系統に関する記載は行わないが、電源が必要な制御装置若しくはアクチュエータ類には、電源装置(図示せず)から直接的又は間接的に供給される構成となっている。
主制御装置50の入力端には、遊技盤中継端子板62を介して第1始動口31に入球した遊技球を検出する第1特図始動スイッチ31aと、第2始動口32である普通電動役物40に入球した遊技球を検出する第2特図始動スイッチ32aと、普通図柄作動ゲート42に入球した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ42aと、第1大入賞口33aに入球した遊技球を検出する第1カウントスイッチ33bと、第2大入賞口70に入球した遊技球を検出する第2カウントスイッチ70bと、一般入賞口35aに入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ35bとが接続されている。
また、裏配線中継端子板を介して前面枠が閉鎖していることを検出する前面枠閉鎖スイッチと、意匠枠が閉鎖していることを検出する意匠枠閉鎖スイッチと、が接続されている。なお、主制御装置50の入力端に接続された各種入賞検出スイッチ(第1特図始動スイッチ31a、第2特図始動スイッチ32a、普通図柄作動スイッチ42a、第1カウントスイッチ33b、第2カウントスイッチ70b、一般入賞口スイッチ35b)は、電波(電磁波)ゴトに有効(遊技球検出状態時のみ電波の影響を受ける)なスイッチとしてノーマルクローズタイプ(NCタイプ)の近接スイッチ(遊技球通過孔を備えた形状)を用いている。
主制御装置50の出力端には、遊技盤中継端子板62を介して第1大入賞口33aの扉部材を駆動する第1大入賞口ソレノイド33cと、第2大入賞口70の扉部材を駆動する第2大入賞口ソレノイド70cと、普通電動役物40の羽根部材を駆動する普通電役ソレノイド42cとが接続されており、図柄表示装置中継端子板64を介して第1特別図柄を表示する第1特図表示装置29と、第1特別図柄の保留記憶数を表示する第1特図保留数表示装置29aと、第2特別図柄を表示する第2特図表示装置30と、第2特別図柄の保留記憶数を表示する第2特図保留数表示装置30aと、普通図柄を表示する普通図柄表示装置41と、普通図柄の保留記憶数を表示する普図保留数表示装置41aとが接続されており、裏配線中継端子板及び外部接続端子板を介して図示しないホールコンピュータと、が接続されている。
主制御装置50はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種コマンド等を生成し、払出制御装置51及びサブ統合制御装置53に出力する。ここで、主制御装置50と払出制御装置51とは双方向通信回路として構成され、主制御装置50とサブ統合制御装置53とは主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成されている。
払出制御装置51の入力端には、裏配線中継端子板を介して球タンク又はタンクレール内の遊技球が不足していることを検出する球切れスイッチと、裏配線中継端子板及び払出中継端子板66を介して払い出した遊技球を検出する払出スイッチと、各種端子板を介することなく下皿への経路に遊技球が多数あることを検出する満杯スイッチとが接続されている。払出制御装置51の出力端には、裏配線中継端子板及び払出中継端子板66を介して遊技球を上皿へと払い出す払出モータが接続されている。
払出制御装置51はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて遊技球の払い出しに関わる各種コマンド等を生成し、主制御装置50及び発射制御装置52に出力する。ここで、払出制御装置51と主制御装置50とは双方向通信回路として構成され、払出制御装置51と発射制御装置52とは払出制御装置51から発射制御装置52への一方向通信回路として構成されている。
また、払出制御装置51は、外部接続端子板を介して賞球に関する情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置52に対して発射停止信号を送信する。発射制御装置52は発射モータを制御して、遊技球を遊技領域26に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置52には払出制御装置51以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチからのタッチ信号、発射停止スイッチから発射停止スイッチ信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルに触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチを押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置52に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
サブ統合制御装置53の入力端には、遊技者により操作可能な遊技スイッチ14aが接続されている。サブ統合制御装置53の出力端には、図示しない意匠枠及び遊技盤8に備えられる各種LED・ランプ37と、前面枠及びスピーカユニットに備えられるスピーカ10と、が接続されている。尚、サブ統合制御装置53と主制御装置50とは主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置53と演出図柄制御装置54aとはサブ統合制御装置53から演出図柄制御装置54aへの一方向通信回路として構成されている。
サブ統合制御装置53はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される遊技スイッチ14aの入力ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて演出に関わる各種コマンド等を生成し、演出図柄ユニット54の演出図柄制御装置54aに出力する。
また、サブ統合制御装置53には、音量を調節する音量調節スイッチ10aが備えられ、音量調節スイッチ10aの状態(位置)を検出し、その検出結果とスピーカ10へ送信する内容とを判断し、スピーカ10から出力する音量をソフト的に制御するように構成されている。
演出図柄制御装置54aは、サブ統合制御装置53から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置50から送信されてきたものとサブ統合制御装置53が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置54bを制御して、疑似図柄等の演出画像を窓部28aに表示させる。
次に、遊技機の作動について説明する。本実施形態におけるパチンコ機は確率変動機として構成され、第1始動口31と普通電動役物40で構成された第2始動口32とへの遊技球入球に基づく当否判定は、通常確率遊技状態(低確率状態)と、該通常確率遊技状態に比べて遊技者にとって有利(大当りとなる確率が高い)な遊技状態となる高確率遊技状態(高確率状態)とのいずれかで実施される。
本実施例では、全ての大当り遊技終了時に遊技状態が通常確率遊技状態から高確率遊技状態に制御され、特別図柄の当否判定を10回実施すると再度遊技状態が通常確率遊技状態に制御される。また、全ての大当り遊技終了時には特別図柄の当否判定を100回実施するまで時間短縮状態(開放延長状態)となり、特別図柄と普通図柄の変動時間が短縮されるとともに、普通電動役物40の1回の開放時間が0.3秒から5.0秒に延長される。なお、大当り遊技の内容は、第1特別図柄、第2特別図柄ともに大当り図柄の種類に応じて複数種類の大当り遊技の中からいずれかを実施する構成となっており、詳細については図を用いて後述する。
本実施例では、大当り時の遊技状態に拘らず大当り図柄の種類のみによって実施する大当り遊技の種類を決定する構成となっているが、大当り時の遊技状態と大当り図柄とに応じて決定する大当り遊技の種類が異なる構成としてもよい。また、大当り遊技終了後から開始される高確率遊技状態と時短状態(開放延長状態)との回数も、大当り図柄と大当り時の遊技状態とによって変化する構成としてもよい。
次に、図3を用いて、主制御装置50が行う始動入賞処理について説明する。始動入賞処理は、第1始動口31、第2始動口32に遊技球が入球したときに取得する大当り判定用乱数等の種々の乱数、又は普通図柄作動ゲート42を遊技球が通過したときに取得する当り判定用乱数等の乱数を、保留記憶として主制御装置50に格納(記憶)するとともに、記憶した乱数が予め設定された値か否かを当否判定(大当り遊技判定手段)を実施する以前に確認する処理を行い、第1始動口31及び第2始動口32への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置53に送信する処理となり、本発明の乱数値抽出手段、保留記憶手段、乱数値先読み手段、を含む処理となる。以後、第1始動口31に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第1保留記憶、第2始動口32に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第2保留記憶、普通図柄始動ゲート42を遊技球が通過したときに格納される保留記憶を普図保留記憶として説明する。
本実施形態においては、普図保留数表示装置41a、第1特図保留数表示装置29a、第2特図保留数表示装置30aによる各々の点灯数の最大個数は4個(最大保留記憶数が4個)となっている。また、それぞれの保留記憶数が0であっても、第1始動口31、第2始動口32に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート42を遊技球が通過したときに抽出した大当り判定用乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に主制御装置50に格納される。
始動入賞処理を開始すると、第1特図始動スイッチ31aが遊技球を検出したか否か判定する(S10)。否定判定なら(S10:no)S45に進み、肯定判定なら(S10:yes)、主制御装置50に格納されている第1保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S20)。否定判定なら(S20:no)S45に進み、肯定判定であれば(S20:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、小当り図柄決定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第1保留記憶として記憶し(本発明の乱数値抽出手段、保留記憶手段に該当)第1保留記憶数を示す第1保留記憶カウンタに1を加算する(S25)。
S25に続いては、記憶した第1保留記憶の先読判定を行う(S30)。具体的には、大当り判定用乱数の値が大当りを生起する値か否かを確認し、大当りを生起する値なら大当り図柄決定用乱数から大当り図柄の種類を確認する。大当り判定がハズレなら、リーチ決定用乱数がスーパーリーチとなる値か否かを確認する。スーパーリーチでなければ、リーチとなる値か否かを確認し、変動パターン決定用乱数の値から変動時間を確認する。上記判定を行うことによって、保留記憶した乱数値が大当り遊技を生起させるものか、そうでなければ大当りの期待がもてる演出が可能か否かを判定し、大当り遊技を生起させるものであれば、大当り図柄の種類まで確認する。本実施例では大当り図柄の種類に基づいて演出装置を制御するサブ統合制御装置53が大当りの種類を判断するため、大当り図柄の種類の確認が大当り遊技の種類の確認となる(本発明の乱数値先読み手段に該当)。
続いて、S30の確認結果から第1先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置53に送信し(S35)、S25で加算した第1保留記憶カウンタの値を示す第1保留数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信する(S40)。なお、本実施例では、遊技状態にかかわらず先読判定コマンドをサブ統合制御装置53に送信する構成となっているが、高確率状態又は通常遊技状態であることを条件に先読判定コマンドを送信する構成としてもよく、先読判定処理自体を所定の遊技状態であることを条件に実施する構成としてもよい。
S40の処理、S10、S20の否定判定(S10:no、S20:no)に続いては、第2特図始動スイッチ32aが遊技球を検出したか否か判定する(S45)。否定判定なら(S45:no)S80に進み、肯定判定なら(S45:yes)、主制御装置50に格納されている第2保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S55)。否定判定なら(S55:no)S80に進み、肯定判定であれば(S55:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、小当り図柄決定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第2保留記憶として記憶し(本発明の乱数値抽出手段、保留記憶手段に該当)第2保留記憶数を示す第2保留記憶カウンタに1を加算する(S60)。
S60に続いては、上記したS30と同様の処理として記憶した第2保留記憶の先読判定を行い(S65)、S65の確認結果から第2先読判定コマンドを生成しサブ統合制御装置53に送信し(S70)、S60で加算した第2保留記憶カウンタの値を示す第2保留数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信して(S75)、S80に進む。S70の先読判定コマンド送信処理においてもS35と同様の条件でコマンドの送信又は、S65の判定を行う構成としてもよい。
S80では、普通図柄作動スイッチ42aが遊技球を検出したか否か判定する(S80)。否定判定なら(S80:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S80:yes)、主制御装置50に格納されている普図保留記憶数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S85)。否定判定なら(S85:no)リターンに抜け、肯定判定であれば(S85:yes)、抽出した当り判定用乱数と当り図柄決定用乱数とを普図保留記憶として記憶し、普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウンタに1を加算し(S90)、加算した普図保留記憶カウンタの値を示す普図保留記憶数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信し(S95)、リターンする。
サブ統合制御装置53は第1及び第2保留記憶数指示コマンドを受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置54b上で表示する各保留記憶数を変化させる制御を行う。また、本実施例では、演出図柄表示装置54b上では普通図柄の保留記憶数表示は行わないが、普図保留記憶数指示コマンドの受信に応じて表示する構成としてもよいし、普図保留記憶数指示コマンド自体を送信しない構成としてもよい。また、普図の先読判定を実施し判定結果をサブ統合制御装置53に送信する構成も考えられる。なお、先読判定処理時に大当り図柄の種類ではなく、大当り遊技の種類を確認し、該大当り遊技の種類を示す先読判定コマンドをサブ統合制御装置53に送信する構成としてもよい。
次に図4を用いて主制御装置50が行う当否判定処理を説明する。この処理は、本発明における大当り遊技判定手段と大当り遊技種類決定手段とを含む処理となり、主制御装置50が第1始動口31又は第2始動口32への遊技球の入球時に取得した大当り判定用乱数と、当否判定時の遊技状態(通常遊技状態か確変状態か)とに応じて大当り遊技を生起させるか否か判定(本発明の大当り遊技判定手段に該当)し、判定結果が大当りなら、大当り図柄判定用乱数1、2に基づいて確定表示を行う大当り図柄と大当り遊技の種類とを決定する(本発明の大当り遊技種類決定手段に該当)。
当否判定処理を開始すると、特別図柄の始動条件が成立しているか否か判定する(S100)。この判定処理では、大当り遊技中でないこと、第1特別図柄及び第2特別図柄(第1特図、第2特図ともいう)が変動中又は確定表示中でないことを確認する。否定判定なら(S100:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S100:yes)、第2保留記憶が有るか否か判定する(S110)。肯定判定なら(S110:yes)、S130に進み、否定判定なら(S110:no)第1保留記憶が有るか否か判定し(S120)、否定判定なら(S120:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S120:yes)S130に進む。S110とS120の判定順により、第2保留記憶の当否判定を優先して実施する構成となっている。尚、本実施例では、特別図柄が複数(第1特別図柄と第2特別図柄)の構成となっているが、特別図柄を1つとした構成であっても本発明の効果に変わりはない。
S130では確変フラグの値が0か否か判定する(S130)。確変フラグは、主制御装置50が記憶する値であり、値が「0」のときは大当り確率が通常確率遊技状態(低確率状態)であることを、値が「1」のときは高確率遊技状態(高確率状態)であることを主制御装置50が判断するための値である。肯定判定なら(S130:yes)S140に進み、否定判定なら(S130:no)高確率中の処理に進む。高確率中の処理は、大当り確率のみが異なる処理(比較する当否判定用テーブルの当り値が多い)となるため説明は割愛する。
S140では、保留記憶のシフト処理を行い(S140)、これにより最も古い保留記憶を当否判定の対象とするとともに、保留記憶数を示す保留記憶カウンタから1を減算する。この減算に応じて、サブ統合制御装置53に第1又は第2保留数指示コマンドを送信する構成としてもよい。
続く、大当り判定用乱数比較処理(S150)では、当否判定の対象とした保留記憶の大当り判定用乱数値と予め設定された当否判定テーブルとを比較して、乱数値が当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する。当否判定テーブルは通常確率(低確率1/300)用と高確率(1/30)用の2種類のテーブルが設定してあり、当否判定時の遊技状態が通常確率遊技状態(確変フラグ「0」)であれば通常確率用の当否判定テーブルを用いて比較し、高確率遊技状態(確変フラグ「1」)であれば高確率用の当否判定テーブルを用いて比較する。
続くS160の処理では、大当り判定用乱数の比較処理(S150)の比較結果が大当りであるか否か判定する(本実施例では1/300)(本発明の大当り遊技判定手段に該当)。肯定判定なら(S160:yes)、当否判定の対象とした保留記憶の大当り図柄決定用乱数の値に基づいて大当り図柄選択処理を行い(S180)、選択した大当り図柄に基づいて大当り遊技の内容となる大入賞口の開放パターン設定処理を行い(S200)、当否判定の対象とした保留記憶のリーチ決定用乱数および変動パターン決定用乱数に基づいて、第1特別図柄表示装置29又は第2特別図柄表示装置30、及び演出図柄表示装置54bに表示する図柄の変動時間となる変動パターンを、変動パターン選択テーブルから選択する(S210)。
本実施例では、変動パターン決定用乱数は遊技球が第1始動口31又は第2始動口32へ入球した時点で実施する始動入賞処理によって抽出する構成としたが、変動開始直前、詳しくは当否判定処理のS200の前で変動パターン決定用乱数を抽出する構成としてもよい。
次に、選択した大当り図柄および変動パターンの情報を指示する変動指示コマンドを生成しサブ統合制御装置53へ送信する(S220)。この情報を受信したサブ統合制御装置53からの指示に基づいて、演出図柄制御装置54aは演出図柄表示装置54bを制御し、大当り図柄および変動パターンの情報に対応する疑似図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置53への送信とほぼ同時に、主制御装置50は、第1特別図柄表示装置29又は第2特別図柄表示装置30を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
S160が否定判定、即ちハズレなら(S160:no)、大当り判定用乱数の比較処理(S150)の結果が小当りであるか否か判定し(1/150)(S230)、肯定判定なら(S230:yes)、小当り図柄を選択し(S240)、続いて小当り遊技の開放パターン設定処理を行い(S200)、小当り図柄に対応する変動パターン選択処理を行い(S210)、小当り図柄および変動パターンの情報となる変動指示コマンドをサブ統合制御装置53へ送信する(S220)。この情報を受信したサブ統合制御装置53からの指示に基づき演出図柄制御装置54aは演出図柄表示装置54bを制御し、小当り図柄および変動パターンの情報に対応する疑似図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置53への送信とほぼ同時に、主制御装置50は、第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
S230が否定判定なら(S230:no)、ハズレ図柄を選択し(S250)、続いてハズレ図柄に対応する変動パターン選択処理を行い(S210)、ハズレに関する図柄及び変動パターンの情報となる変動指示コマンドをサブ統合制御装置53へ送信する(S220)。この情報を受信したササブ統合制御装置53からの指示に基づき演出図柄制御装置54aは演出図柄表示装置54bを制御し、ハズレ図柄および変動パターンの情報に対応する疑似図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置53への送信とほぼ同時に主制御装置50は、第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
図5は、第1特図表示装置29と第2特図表示装置30とに表示される大当り図柄の表示態様を示す図となる。大当り図柄には、図示した大当り1から大当り14の14種類があり、第1特図表示装置29と第2特図表示装置30とに共通となっている。7セグメントLEDで表示する大当り図柄は、文字ではない複数のセグメントの組合せからなり、遊技者が用意に大当りの種類が判別できない構成となっている。
次に、大当り図柄の種類と大当り遊技の種類との関係を、図6を用いて説明する。大当り遊技には、第1大入賞口33aが作動するものと第2大入賞口70が作動するものがあり、大当り図柄として大当り1から大当り7が表示された場合には第1大入賞口33aが作動する大当り遊技が実施され、大当り8から大当り14が表示された場合には第2大入賞口70が作動する大当り遊技が実施される。
第1大入賞口33aと第2大入賞口70とでは、1回の開放に対する規定入賞数と1個の入球に対する賞球数が異なり、第1大入賞口33aの規定入賞数は8個で賞球数が10個となり、第2大入賞口70の規定入賞数は9個で賞球数が15個となっている。従って、より多くの賞球を獲得するためには第2大入賞口70aが作動する大当り遊技の方が有利にみえるが、大当りの種類によって大入賞口の作動回数と作動時間が異なるため、一概には第2大入賞口70の方が有利とは言えない。
具体的な大当り遊技の内容は、大当り1が表示された場合には第1大入賞口33aが、大当り8が表示された場合には第2大入賞口70が作動するが、それぞれの大入賞口の作動内容は共通となる。この場合、どちらの大入賞口も0.4秒の開放を9回行う1ラウンドの開放動作を4ラウンド実施する。この大当り遊技の場合、1回の開放動作が0.4秒と短いため、大入賞口への入球可能数は0として設計され、獲得可能な遊技球数も0個となる。
大当り2が表示された場合には第1大入賞口33aが、大当り9が表示された場合には第2大入賞口70が作動するが、それぞれの大入賞口の作動内容は共通となる。この場合、どちらの大入賞口も最大28秒間の開放動作を1ラウンドとして4ラウンド実施する。この大当り遊技の場合、規定入賞数の入球が見込まれるラウンドが4回行われる。従って、第1大入賞口33aが作動する大当り2では32個の遊技球が入球可能となり、それにより320個の賞球が獲得可能となる。また、第2大入賞口70が作動する大当り9では36個の遊技球が入球可能となり、それにより540個の賞球が獲得可能となる。
大当り3が表示された場合には第1大入賞口33aが、大当り10が表示された場合には第2大入賞口70が作動するが、それぞれの大入賞口の作動内容は共通となる。この場合、どちらの大入賞口も10ラウンドの大当り遊技を実施し、その内容は0.4秒の開放を9回行う1ラウンドの開放動作を4ラウンド実施した後に最大28秒間の開放動作を1ラウンドとして6ラウンド実施する。この大当り遊技の場合、規定入賞数の入球が見込まれるラウンドが6回行われる。従って、第1大入賞口33aが作動する大当り3では48個の遊技球が入球可能となり、それにより480個の賞球が獲得可能となる。また、第2大入賞口70が作動する大当り10では54個の遊技球が入球可能となり、それにより810個の賞球が獲得可能となる。
大当り4が表示された場合には第1大入賞口33aが、大当り11が表示された場合には第2大入賞口70が作動するが、それぞれの大入賞口の作動内容は共通となる。この場合、どちらの大入賞口も最大28秒間の開放動作を1ラウンドとして10ラウンド実施する。この大当り遊技の場合、規定入賞数の入球が見込まれるラウンドが10回行われる。従って、第1大入賞口33aが作動する大当り4では80個の遊技球が入球可能となり、それにより800個の賞球が獲得可能となる。また、第2大入賞口70が作動する大当り11では90個の遊技球が入球可能となり、それにより1350個の賞球が獲得可能となる。
大当り5が表示された場合には第1大入賞口33aが、大当り12が表示された場合には第2大入賞口70が作動するが、それぞれの大入賞口の作動内容は共通となる。この場合、どちらの大入賞口も15ラウンドの大当り遊技を実施し、その内容は0.4秒の開放を9回行う1ラウンドの開放動作を4ラウンド実施した後に最大28秒間の1ラウンドの開放動作を9ラウンド実施し、その後に0.4秒の開放を9回行うラウンドを2ラウンド実施する。この大当り遊技の場合、規定入賞数の入球が見込まれるラウンドが9回行われる。従って、第1大入賞口33aが作動する大当り5では72個の遊技球が入球可能となり、それにより720個の賞球が獲得可能となる。また、第2大入賞口70が作動する大当り10では81個の遊技球が入球可能となり、それにより1215個の賞球が獲得可能となる。
大当り6が表示された場合には第1大入賞口33aが、大当り13が表示された場合には第2大入賞口70が作動するが、それぞれの大入賞口の作動内容は共通となる。この場合、どちらの大入賞口も15ラウンドの大当り遊技を実施し、その内容は0.4秒の開放を9回行う1ラウンドの開放動作を4ラウンド実施した後に最大28秒間の開放動作を1ラウンドとして11ラウンド実施する。この大当り遊技の場合、規定入賞数の入球が見込まれるラウンドが11回行われる。従って、第1大入賞口33aが作動する大当り6では88個の遊技球が入球可能となり、それにより880個の賞球が獲得可能となる。また、第2大入賞口70が作動する大当り13では99個の遊技球が入球可能となり、それにより1485個の賞球が獲得可能となる。
大当り7が表示された場合には第1大入賞口33aが、大当り14が表示された場合には第2大入賞口70が作動するが、それぞれの大入賞口の作動内容は共通となる。この場合、どちらの大入賞口も最大28秒間の開放動作を1ラウンドとして15ラウンド実施する。この大当り遊技の場合、規定入賞数の入球が見込まれるラウンドが15回行われる。従って、第1大入賞口33aが作動する大当り7では120個の遊技球が入球可能となり、それにより1200個の賞球が獲得可能となる。また、第2大入賞口70が作動する大当り14では135個の遊技球が入球可能となり、それにより2025個の賞球が獲得可能となる。
次に、図7を用いてサブ統合制御装置53が実行する保留数指示コマンド受信処理を説明する。保留数指示コマンド受信処理を開始すると、保留数指示コマンドを受信したか否か判定する(S300)。否定判定なら(S300:no)、リターンし、肯定判定なら(S300:yes)、サブ統合制御装置53が備える保留数カウンタに+1し(S305)、演出図柄制御装置54aに保留数表示信号を送信し(S310)、リターンする。保留数カウンタの値は、後述する変動指示コマンド受信処理において変動指示コマンドを受信するごとにデクリメントされる。これにより、絶えず主制御装置50が記憶する保留記憶の数と同一数が管理される。
次に、図8を用いてサブ統合制御装置53が実行する先読判定コマンド受信処理を説明する。この先読判定コマンド受信処理は、本発明の先読演出手段の一部に該当する処理となる。先読判定コマンド受信処理を開始すると、サブ統合制御装置53が備える確変フラグが1か否か判定する(S350)。サブ統合制御装置53は、主制御装置50から受信する遊技状態を指示するコマンドに基づいて、主制御装置50と同一内容で確変フラグを管理する。S350が否定判定なら(S350:no)リターンし、肯定判定、即ち、高確率遊技状態であれば先読判定コマンドを受信したか否か判定する(S355)。従って、本実施例においては、大当り遊技終了後の高確率遊技状態中に限って先読演出を実施する構成となるが、この構成に限らず、通常確率遊技中において先読演出を実施する構成でもよい。
S355が否定判定なら(S355:no)リターンし、肯定判定なら(S355:yes)、保留数カウンタの値が残りの高確率状態中の当否判定回数以下か否か判定する(S360)。否定判定なら(S360:no)リターンし、肯定判定、即ち、保留記憶されている全ての乱数の当否判定が高確率状態で実施されるなら(S360:yes)、受信した先読判定コマンドが大当り判定を示すか否か判定する(S365)。否定判定なら(S365:no)リターンし、肯定判定なら(S365:yes)、振分乱数1を抽出する(S370)。
S370に続いては、S370で抽出した振分乱数1の値が、先読演出を実施する値か否か判定する(S375)。否定判定なら(S375:no)リターンし、肯定判定なら(S375:yes)、受信した先読判定コマンドが示す大当り図柄の種類から大当り遊技の種類を判別しサブ統合制御装置53が備えるテーブルから該当する大当り遊技の内容を確認する大当り内容確認処理を行い(S380)、保留数カウンタの値を参照する(S385)。この保留数カウンタの値を参照することによって、先読演出が実施可能な疑似演出変動の実施回数を確認する。
S385に続いては、S380で確認した大当り遊技の種類に対応した獲得可能な賞球数(図6を用いて説明した賞球数)と、S385で参照した保留数カウンタ値によって実施される疑似演出回数と、S360で抽出した振分乱数1とに応じて、サブ統合制御装置53が記憶する先読演出の複数の演出パターンの中から実施する先読演出(大当り遊技による賞球数をどのような数字の組合せで示唆するか)を決定し設定する(S390)。
S390の演出内容決定処理では、確認した大当り遊技の賞球数よりも少ない賞球数を示唆する演出パターンが、選択可能な演出パターンの中に含まれる構成となっている。具体的には、図9の図表に示すように、受信した先読判定コマンドが、例えば大当り4を示す場合、実際に獲得可能な賞球数は800個となるが、振分乱数1の値によっては、先読演出として320個の賞球を示唆する場合もある。この構成は、本発明の「該先読演出決定手段は、少なくとも、発生する大当り遊技で獲得可能となる最大賞球数、又は大入賞口に入球可能な遊技球の最大入球数を示す演出Aと、該演出Aよりも少ない賞球数、又は入球数を示す演出Bとを含んだ演出の中より決定する」に該当するものである。この場合800個が演出Aに該当し、320個が演出Bに該当する。
S390に続いては、先読演出を行う疑似演出の実行回数として演出カウンタに保留数カウンタの値をセットし(S395)、先読演出フラグに1をセットして(S400)リターンする。
本実施例のパチンコ遊技機では、先読判定コマンドの内容が大当りを示す場合に限り先読演出を実施する構成としたが、大当りを示さなかった場合でも(S365:no)、例えば、先読判定コマンドの内容がスーパーリーチを示すか否か判定し、肯定判定であったなら所定の確率で所謂ガセの大当り予告を実施する構成としてもよい。はずれのスーパーリーに基づいて先読演出を行うことによって、はずれの確定図柄が表示されるまでの長時間に亘って遊技者の大当りの期待感を増幅させることができる。
次に、先読演出として大当り遊技によって獲得可能な賞球数を示唆する演出の具体的な演出パターンの一部を、例として図10を用いて説明する。本実施例では、大当りを示す先読判定コマンドをサブ統合制御装置53が受信すると、所定の確率で該大当りによって獲得可能な賞球数を示唆する演出を実施するが、この場合、複数回の疑似図柄の変動(疑似演出)毎に表示される数の合計数が直後に生起する大当り遊技によって獲得可能な賞球数を示す構成となっている。従って、この先読演出は、大当りが生起することと、該大当りによって獲得可能な賞球数とを、該大当りの当否判定が実施される以前に示唆する演出となる。
この先読演出の構成は、受信した大当りを示す先読判定コマンドに対応する演出変動表示を、連続した先読演出を実施する最後の疑似変動としたうえで、該受信時の保留記憶の数(S385で参照した保留数カウンタの値)が連続した先読演出を実施する疑似変動の回数となる。
図10は、S380で確認した大当り遊技の内容が大当り2(獲得可能な最大賞球数が320個)であった場合に、保留記憶の数に応じて選択される複数の疑似変動で表示する「数」(大当り遊技による賞球数を変動回数に応じて分解した値)の組合せを示している。
具体的には、S385で参照した保留記憶数(大当りを示す先読判定コマンドに対応した保留記憶を含む)が2個であった場合、即ち、2回の疑似変動表示で大当り遊技によって獲得可能な賞球数を示唆する組合せには、1回目の疑似変動表示で「160」を表示し、2回目(最後)の疑似変動表示で「160」を表示するパターンと、1回目の疑似変動表示で「300」を表示し、2回目(最後)の疑似変動表示で「20」を表示するパターンと、1回目の疑似変動表示で「20」を表示し、2回目(最後)の疑似変動表示で「300」を表示するパターンと、1回目の疑似変動表示で「100」を表示し、2回目(最後)の疑似変動表示で「220」を表示するパターンと、が備えられている。
S385で参照した保留記憶数が3個であった場合、即ち、3回の疑似変動表示で大当りによって獲得可能な賞球数を示唆する組合せには、1回目の疑似変動表示で「100」を表示し、2回目の疑似変動表示で「100」を表示し、3回目(最後)の疑似変動表示で「120」を表示するパターンと、1回目の疑似変動表示で「300」を表示し、2回目の疑似変動表示で「0」を表示し、3回目(最後)の疑似変動表示で「20」を表示するパターンと、1回目の疑似変動表示で「0」を表示し、2回目の疑似変動表示で「0」を表示し、3回目(最後)の疑似変動表示で「320」を表示するパターンと、1回目の疑似変動表示で「20」を表示し、2回目の疑似変動表示で「120」を表示し、3回目(最後)の疑似変動表示で「180」を表示するパターンと、が備えられている。
S385で参照した保留記憶数が4個であった場合、即ち、4回の疑似変動表示で大当りによって獲得可能な賞球数を示唆する組合せには、1回目の疑似変動表示で「100」を表示し、2回目の疑似変動表示で「100」を表示し、3回目の疑似変動表示で「100」を表示し、4回目(最後)の疑似変動表示で「20」を表示するパターンと、1回目の疑似変動表示で「300」を表示し、2回目の疑似変動表示で「0」を表示し、3回目の疑似変動表示で「0」を表示し、4回目(最後)の疑似変動表示で「20」を表示するパターンと、1回目の疑似変動表示で「0」を表示し、2回目の疑似変動表示で「0」を表示し、3回目の疑似変動表示で「220」を表示し、4回目(最後)の疑似変動表示で「100」を表示するパターンと、1回目の疑似変動表示で「20」を表示し、2回目の疑似変動表示で「80」を表示し、3回目の疑似変動表示で「100」を表示し、4回目(最後)の疑似変動表示で「120」個を表示するパターンと、1回目の疑似変動表示で「120」を表示し、2回目の疑似変動表示で「100」を表示し、3回目の疑似変動表示で「80」を表示し、4回目(最後)の疑似変動表示で「20」個を表示するパターンと、1回目の疑似変動表示で「80」を表示し、2回目の疑似変動表示で「20」を表示し、3回目の疑似変動表示で「120」を表示し、4回目(最後)の疑似変動表示で「100」個を表示するパターンと、が備えられている。
図10は、大当り2が生起する場合(先読判定コマンドによって大当り2を確認した場合)に実施される先読演出の組合せとなるが、他の大当り(大当り3から大当り7、大当り9から大当り14)においても先読判定コマンドを受信した時点の保留記憶数に応じて複数の「数」の組合せを備えている。さらに、大当り4、5、6、7、11、12、13、14においては、該当する大当り遊技による最大の獲得可能な賞球数よりも少ない数の大当り出球の分まで複数の「数」の組合せが備えられている。
次に、図11を用いてサブ統合制御装置53が実行する変動指示コマンド受信処理を説明する。この変動指示コマンド受信処理は、本発明の先読演出手段の一部に該当する処理となる。変動指示コマンド受信処理を開始すると、変動指示コマンドを受信したか否か判定する(S500)。否定判定なら(S500:no)リターンし、肯定判定なら(S500:yes)、振分乱数2を抽出し(S505)、確変フラグが0か否か判定する(S510)。肯定判定なら(S510:yes)、受信した変動開始コマンドが示す変動パターンに対応するサブ統合装置53が記憶する通常確率(低確率)状態用の複数の変動態様の中から、S505で抽出した振分乱数2に応じて1つの疑似演出を選択し(S515)、選択した疑似演出を、演出図柄表示装置54bに表示する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信し(S520)リターンする。
S510が否定判定、即ち、高確率遊技状態なら(S510:no)、先読演出フラグが0か否か判定し(S525)、肯定判定なら(S525:yes)、受信した変動開始コマンドが示す変動パターンに対応するサブ統合装置53が記憶する高確率状態用の複数の変動態様の中から、S505で抽出した振分乱数2に応じて1つの疑似演出を選択し(S530)、上述したS520に進む。
S525が否定判定なら(S525:no)、先読演出フラグ設定時にS390で設定されている先読演出の内容を参照する(S535)とともに、実行カウンタの値を参照する(S540)。実行カウンタは、サブ統合制御装置53が記憶する値であり、先読演出を構成する疑似演出の実行回数を計数する装置となる。
S535と、S540との参照に続いては、この2つの参照内容(先読演出の種類と連続する先読演出の何回目の実行となるか)と、受信した変動開始コマンドが示す変動パターンに対応するサブ統合装置53が記憶する複数の高確率状態用の変動態様と、S505で抽出した振分乱数2とに応じて一連の先読演出の一部となる1つの疑似演出を選択し(S545)、実行カウンタに+1し(S550)、実行カウンタの値がS395で設定した演出カウンタの値と等しいか否か判定し(S555)、否定判定なら(S555:no)そのままS520に進み、肯定判定なら(S555:yes)、先読演出フラグに0を設定して(S560)S520に進む。
次に、図12から図16を用いて、演出図柄表示装置54bに表示される先読演出の具体的な表示内容について説明する。図12(1)(2)は、先読演出実施時の基本的な画面構成を示す例となる。(1)は、第1大入賞口33aが作動する大当りが生起することによって所定数の賞球が獲得可能となることを示唆する先読演出を構成する連続した疑似変動演出の1回分の表示例であり、(2)は、第2大入賞口70が作動する大当りが生起することによって所定数の賞球数が獲得可能となることを示唆する先読演出を構成する連続した疑似変動演出の1回分の表示例である。
具体的な表示内容は、(1)(2)ともに画面中断から上部にかけて左右中の疑似図柄を配置し、それぞれの図柄が上から下方向(逆もある)に変動表示を行う。画面下部左右には、第1始動口31と第2始動口32とへの入球に基づいた保留記憶数を示す第1保留記憶数表示領域と、第2保留記憶数表示領域とが配置されている。
先読演出に係る表示部は、上記した疑似図柄と保留記憶数表示領域との間のスペースとなり、(1)ではそのスペースの一番左(左疑似図柄の下)に第1大入賞口33aが作動することを示唆する表示態様として、第1大入賞口33aを示す図と「下アタッカー」の文字列を表示し、(2)では同じ箇所に第2大入賞口70が作動することを示唆する表示態様として、第2大入賞口70を示す図と「右アタッカー」の文字列を表示する。
大入賞口の種類を示す表示部以外の先読演出の表示構成は、大入賞口の種類が異なっていても(1)(2)共通であり、中疑似図柄の下に大当り遊技によって獲得可能となる賞球数の一部(図10を用いて説明した「数」に該当し、図例では「100」を表示)を表示し、右疑似図柄の下に疑似図柄の演出変動ごとに表示された「数」の合計値(図例では「100」を表示)を示す文字列「次の大当り出球の数は?只今の合計(図例では「100」)」を表示する。
図13は、大当り2が生起することを示す先読判定コマンドの受信に基づいて、3回の疑似図柄変動演出に亘って実施される先読演出の具体的な表示内容を示す図である。先読演出となる1回目の疑似図柄の演出表示では、下アタッカーが作動する大当りが生起することを左疑似図柄下の表示内容によって示唆するとともに、疑似図柄の確定時(中図柄停止時)の1秒前から中疑似図柄の下に大当り出球の一部を示す「数」(図例では「100」)が表示され、この「100」が表示されるのと同時に右疑似図柄の下の「数」の合計値に「100」が表示される。
1回目の疑似図柄変動演出が終了すると、保留記憶の数が1個減少して大当り2が生起することを示す先読判定コマンドに対応する保留記憶の位置(A)が移動し、先読演出となる2回目の疑似図柄変動演出を開始する。この場合の先読演出も、疑似図柄の確定時(中図柄停止時)の1秒前から中疑似図柄の下に大当り出球の一部を示す「数」(図例では「100」)が表示され、この「100」が表示されるのと同時に右疑似図柄の下の「数」の合計値には、前回分の「100」に今回の「100」を加算した「200」が表示される。
2回目の疑似図柄変動演出が終了すると、保留記憶の数が更に1個減少して大当り2が生起することを示す先読判定コマンドに対応する保留記憶(A)に基づいた先読演出となる3回目(最後)の疑似図柄変動演出を開始する。この場合(大当りが確定する最後の変動表示)の先読演出も、疑似図柄の確定時(中図柄停止時)の1秒前から中疑似図柄の下に大当り出球の一部を示す「数」(図例では「120」)が表示され、この「120」が表示されるのと同時に右疑似図柄の下の「数」の合計値には、前回までの「200」に今回の「120」を加算した「320」が表示され、疑似演出の変動表示が大当り図柄で確定することにより、320個の賞球が望める大当り遊技が開始されることを示唆している。
図13では、中疑似図柄の下には数のみを表示し、該数の加算によって獲得可能な大当り出球を示唆したが、図14の図例のように、数とともに演算記号を表示することによって加算以外の演算の結果が獲得可能な大当り出球を示唆する構成も考えられる。この構成では、加算以外の演算によって演算結果がいきなり大きな数になったり、小さな数になったりすることで、遊技者による大当り出球の予測を困難とし興趣を向上させる。
図14に示した先読演出となる1回目の疑似図柄の演出表示では、図13の1回目と同様の表示を実施し、中疑似図柄の下に疑似図柄の確定時の1秒前から大当り出球を示す「数」(図例では「100」)が表示され、右疑似図柄の下の「数」の合計値には、1回目の表示に対応した「100」が表示される。
1回目の疑似図柄変動演出が終了すると、保留記憶の数が1個減少して大当り2が生起することを示す先読判定コマンドに対応する保留記憶の位置(A)が移動し、先読演出となる2回目の疑似図柄変動演出を開始する。この場合の先読演出では、疑似図柄の確定時(中図柄停止時)の1秒前から中疑似図柄の下に積算を示す「×」と数の「4」が表示され、この表示と同時に右疑似図柄の下の「数」の合計値には、前回分の「100」に今回の「4」を積算した「400」が表示される。
2回目の疑似図柄変動演出が終了すると、保留記憶の数が更に1個減少して大当り2が生起することを示す先読判定コマンドに対応する保留記憶(A)に基づいた先読演出となる3回目(最後)の疑似図柄変動演出を開始する。この場合(大当りが確定する最後の変動表示)の先読演出では、疑似図柄の確定時の1秒前から、中疑似図柄の下に減算を示す「−」と数の「80」が表示され、この表示と同時に右疑似図柄の下の「数」の合計値には、前回までの「400」から今回の「80」を減算した「320」が表示され、疑似演出の変動表示が大当り図柄で確定することにより、320個の賞球が望める大当り遊技が開始されることを示唆している。
同様に、図15は、除算を用いて大当り遊技で獲得可能な賞球数を示唆する演出例を示している。図15に示した先読演出となる1回目の疑似図柄の演出表示では、中疑似図柄の下に疑似図柄の確定時の1秒前から大当り出球を示す「数」(図例では「900」)が表示され、右疑似図柄の下の「数」の合計値には、1回目の表示に対応した「900」が表示される。
1回目の疑似図柄変動演出が終了すると、保留記憶の数が1個減少して大当り2が生起することを示す先読判定コマンドに対応する保留記憶の位置(A)が移動し、先読演出となる2回目の疑似図柄変動演出を開始する。2回目の疑似図柄の演出表示では、疑似図柄の確定時の1秒前から中疑似図柄の下に除算を示す「÷」と数の「3」が表示され、この表示と同時に右疑似図柄の下の「数」の合計値には、前回分の「900」を今回の「3」で除算した「300」が表示される。
2回目の疑似図柄変動演出が終了すると、保留記憶の数が更に1個減少して大当り2が生起することを示す先読判定コマンドに対応する保留記憶(A)に基づいた先読演出となる3回目(最後)の疑似図柄変動演出を開始する。この場合(大当りが確定する最後の変動表示)の先読演出では、疑似図柄の確定時の1秒前から中疑似図柄の下に加算を示す「+」と数の「20」が表示され、この表示と同時に右疑似図柄の下の「数」の合計値には、前回までの「300」に今回の「20」を加算した「320」が表示され、疑似演出の変動表示が大当り図柄で確定することにより、320個の賞球が望める大当り遊技が開始されることを示唆している。
上記した表示例は、全て大当りを示す先読判定コマンドの受信を契機(S365:yes)に開始されるものであるが、S365が否定判定の場合、受信した先読判定コマンドが例えばスーパーリーチを示すか否か判定し、肯定判定であった場合には、所定の確率で所謂ガセ(はずれ)の先読演出を実施する構成も考えられ、図16は、そのガセ演出を行う場合の表示例となる。
図16に示した先読演出となる1回目の疑似図柄の演出表示では、中疑似図柄の下に疑似図柄の確定時の1秒前から大当り出球を示す「数」(図例では「200」)が表示され、右疑似図柄の下の「数」の合計値には、1回目の表示に対応した「200」が表示される。
1回目の疑似図柄変動演出が終了すると、保留記憶の数が1個減少して大当り2が生起することを示す先読判定コマンドに対応する保留記憶の位置(A)が移動し、先読演出となる2回目の疑似図柄変動演出を開始する。この場合の先読演出では、疑似図柄の確定時の1秒前から中疑似図柄の下に除算を示す「÷」と数の「2」が表示され、この表示と同時に右疑似図柄の下の「数」の合計値には、前回分の「200」を今回の「2」で除算した「100」が表示される。
2回目の疑似図柄変動演出が終了すると、保留記憶の数が更に1個減少して大当り2が生起することを示す先読判定コマンドに対応する保留記憶(A)に基づいた先読演出となる3回目(最後)の疑似図柄変動演出を開始する。この場合(大当りが確定する最後の変動表示)の先読演出では、疑似図柄の確定時の1秒前から中疑似図柄の下に減算を示す「−」と数の「100」が表示され、この表示と同時に右疑似図柄の下の「数」の合計値には、前回までの「100」から今回の「100」を減算した「0」が表示され、疑似演出の変動表示がはずれ図柄で確定し、賞球数が0個のガセ演出であったことが確定する。
実施例では、説明したいずれの先読演出も複数回の疑似図柄の変動表示(疑似演出)を用いて大当り遊技によって獲得可能な賞球数を示唆したが、図17に示すように、複数回の疑似演出で大当り遊技による獲得可能な賞球数を示唆するのではなく、大当りを示す先読判定コマンドに対応した1個の保留記憶表示(図例ではA)の表示態様を変化させ、大当りの生起と獲得可能賞球数を示唆する演出としてもよい。この場合、図17に示すように獲得可能な賞球数の合計(図例では320)を最初から表示してもよい。また、複数の保留記憶表示を用いて古い保留記憶が消化(新たな変動表示が開始)されるごとに、例えば、100、200、320と順に表示する数が増加する構成としてもよい。
以上が実施例の説明となる。図13から図16の演出表示例の説明では、いずれも3回分の変動表示を例にして説明したが、図10を用いて説明したように、最高で4回の連続した変動表示を用いた演出から、2回連続する演出までが存在する。また、大当り判定を示す先読判定コマンドを受信した際に変動表示中の演出があった場合、その変動表示の確定図柄が表示される1.0秒前から上記した「数」を表示することで、最高5回の連続した演出を実施することが可能となる。なお、実施例では、最後に停止する疑似図柄となる中疑似図柄が停止する1.0秒前から大当り遊技によって獲得可能な賞球数を示唆する「数」及び「演算記号」が表示される構成としたが、これは図柄確定の直前まで期待感を増幅させることを目標としたからであり、表示タイミングはこれに限るわけではない。
保留記憶の中に、大当りとなる乱数が複数記憶され、先(前)の大当りに起因して遊技状態が変化した場合でも後の大当りが確定していれば(これは例えば、高確率状態で大当りとなり、大当り遊技終了後の遊技状態が通常確率遊技状態に移行する場合でも、後の大当りとなる乱数が通常確率状態で大当りとなる値であれば、前後複数の大当りが確定した状態といえる)、先の大当りに起因した先読演出の実施時又は実施以前に、後の大当りが確定していれば、先の大当りに起因した先読演出で後の大当りで獲得可能となる賞球数まで合計して示唆する構成としてもよい。この構成により、通常の1回の大当り遊技では獲得不可能な賞球数が表示されることによって所謂連荘の発生まで示唆することが可能となる。
実施例のパチンコ遊技機は、大当り遊技終了を契機として毎回高確率遊技状態に移行し、そこから所定回数(実施例では10回)の当否判定を行うと通常確率遊技状態に移行する所謂ST機としたが、これは、ST機が本発明の効果を発揮するために好適な構成だからである。
具体的には、大当り図柄の種類によって大当り遊技終了後に遊技状態が通常確率遊技状態又は高確率遊技状態に移行する構成の場合、遊技者の関心は1回の大当り遊技で獲得できる賞球数の多い少いよりも、大当り遊技終了後に高確率状態に移行するかどうかということに偏ることが多い。しかし、ST機とすることで、大当り遊技終了後は毎回高確率遊技状態に移行するため遊技状態の移行条件が均一化され、遊技者の関心を1回ごとの大当り遊技における獲得可能な賞球数の多い少ないに向けることが可能となる。
実施例では、先読演出として表示する演算記号として「−」「÷」を使用したが、この二つの演算記号は獲得可能な賞球数を減少させるための表示であり、遊技者が受ける印象が総じて悪いことも考えられるため、演算記号としては「+」と「×」の2種類しか表示しない構成としてもよい。