以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。
本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機は、従来の第1種ぱちんこ遊技機に相当する機能を二つ混在した機種であり、第1の遊技(第1特別図柄遊技)と第2の遊技(第2特別図柄遊技)とを展開可能である。
[第1実施形態]
本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PMの正面図及び背面図を図1及び図2に示しており、まず、この図を参照して、ぱちんこ遊技機PMの全体構成について概要説明する。
<ぱちんこ遊技機の基本構成>
はじめに、図1を参照しながら、ぱちんこ遊技機PMの正面側の基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機PMは、図1に示すように、外郭方形枠サイズに構成された縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載枠をなす前枠2が互いの正面左側縁部に配設された上下のヒンジ機構3a,3bにより横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側縁部に設けられたダブル錠と称される施錠装置4を利用して常には外枠1と係合連結された閉鎖状態に保持される。
前枠2の前面側には、ガラス枠5および球皿ユニット6が正面左側部に設けられたヒンジ機構7a,7b,7cを利用して横開き開閉および着脱可能に組み付けられ、施錠装置4を利用して常には前枠2の前面を覆う閉鎖状態に保持される。ガラス枠5の背後に位置する前枠2の上部には、遊技盤20が着脱可能にセット保持され、常には閉鎖保持されるガラス枠5の複層ガラスを通して遊技盤20の正面の遊技領域PAを視認可能に臨ませるようになっている。
ガラス枠5の前面側には、遊技の展開状況に応じて発光する枠ランプ(LEDランプ)10や、遊技の展開状況に応じて効果音を発生するスピーカ11が設けられている。球皿ユニット6には、遊技球を貯留する上下の球皿(上球皿8及び下球皿9)が設けられており、上球皿8の正面中央には遊技者によって押圧操作される演出ボタン15が設けられ、下球皿9の正面右側には遊技球の発射操作を行う発射ハンドル12が設けられている。以下においては、便宜上、演出用の操作入力手段を「演出ボタン15」と称するが、本例における演出ボタン15とは、オン/オフ操作式のボタン型のスイッチ、操作入力の方向に応じた出力を行う十字型のスイッチ(十字キー、十字ボタン)、傾動操作式のレバー型のスイッチ、回転操作式のダイヤルスイッチ、遊技者の手が近付いたとき又は接触したときに出力を行う近接スイッチ、タッチセンサ、タッチパネルなど、あらゆる操作入力手段を含む概念で用いる。
遊技盤20は、例えばアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂、ABS樹脂等の合成樹脂材料を用いて矩形平板状に形成された基板をベースとして構成されている。遊技盤20の前面には、外レール及び内レールが円弧状に固設されて遊技球が転動可能な略円形の遊技領域PAが区画形成され、この遊技領域PAに風車や多数本の遊技釘とともに、第1始動口61、第2始動口62、作動ゲート63、第1大入賞口64、第2大入賞口65などの各種入賞口の他、第1特別図柄表示装置71、第2特別図柄表示装置72、第1特図保留ランプ73、第2特図保留ランプ74、普通図柄表示装置75、普図保留ランプ76などの各種表示装置が設けられている。遊技領域PAの略中央にはセンター飾り22が配設されており、このセンター飾り22の中央開口を通して演出表示装置70の画面が視認可能に設けられている。遊技領域PAの下端には各入賞口に入球せずに転動流下した遊技球を遊技盤20の裏側へ排出するアウト口29が設けられている。以下、遊技盤20に設けられた各構成要素を順番に説明する。
第1始動口61は、第1特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第1始動口スイッチ611を備えている。第1始動口61への遊技球の入球は、第1特別図柄抽選の契機となる。
第2始動口62は、第2特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第2始動口スイッチ621を備えている。第2始動口62への遊技球の入球は、第2特別図柄抽選の契機となる。また、第2始動口62は、普通電動役物622と、この普通電動役物622を開閉駆動させるための普通電動役物ソレノイド623とを備える。普通電動役物622は、第2始動口62へ遊技球が入球し難い閉鎖状態と該状態よりも遊技球が入球し易い開放状態とに可変する。ここで、第2始動口62は、普通電動役物622が開放されなければ、遊技球が入球し難い構造となっている。一方、普通電動役物622が開放されると、第2始動口62への入球容易性が高まる。
作動ゲート63は、普通図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の通過を検出するための作動ゲートスイッチ631を備えている。なお、作動ゲート63への遊技球の通過は、第2始動口62の普通電動役物622を拡開させるか否かを決定するための普通図柄抽選の契機となる。
第1大入賞口64は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選で大当り又は小当りとなった場合に開放状態となる横長方形状をなす入賞口として形成される。第1大入賞口64は、遊技球の入球を検出するための第1大入賞口スイッチ641を備えるとともに、いわゆるアタッカー装置と称される第1特別電動役物642と、この第1特別電動役物642を開閉駆動させるための第1大入賞口ソレノイド643とを備えている。第1特別電動役物642は、第1大入賞口64に遊技球が入球不能又は入球困難な通常状態と遊技球が入球可能又は入球容易な開放状態とに可変する。
第2大入賞口65は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選で大当り又は小当りとなった場合に開放状態となる横長方形状をなす入賞口として形成される。第2大入賞口65は、遊技球の入球を検出するための第2大入賞口スイッチ651を備えるとともに、いわゆるアタッカー装置と称される第2特別電動役物652と、この第2特別電動役物652を開閉駆動させるための第2大入賞口ソレノイド653とを備えている。第2特別電動役物652は、第2大入賞口65に遊技球が入球不能又は入球困難な通常状態と遊技球が入球可能又は入球容易な開放状態とに可変する。
第1大入賞口64および第2大入賞口65は、遊技領域PAにおける右側寄りの領域に設けられている。そのため、特別遊技状態においては、遊技領域PAへ向けて遊技球を発射する際に、右側領域を狙って打つ、いわゆる右打ちを行うことで、いずれかの大入賞口64,65へ入球容易となっている。
第1特別図柄表示装置71は、遊技球が第1始動口61に入球したことを契機として、第1特別図柄の変動表示および確定表示を行う。第1特別図柄表示装置71は、例えば7セグメントのLEDで構成され、第1特別図柄の変動表示は各セグメントの点滅パターンに従って表現され、当該セグメントの点滅が停止して点灯表示に切り替わることで第1特別図柄が確定表示される。この第1特別図柄の停止図柄は、各セグメントの組合せで表現される数字や記号などによって形成される。
第2特別図柄表示装置72は、遊技球が第2始動口62に入球したことを契機として、第1特別図柄の変動表示および確定表示を行う。第2特別図柄表示装置72は、例えば7セグメントのLEDで構成され、第2特別図柄の変動表示は各セグメントの点滅パターンに従って表現され、当該セグメントの点滅が停止して点灯表示に切り替わることで第2特別図柄が確定表示される。この第2特別図柄の停止図柄は、各セグメントの組合せで表現される数字や記号などによって形成される。
第1特図保留ランプ73および第2特図保留ランプ74は、例えば2個のLEDランプからそれぞれ構成され、当該ランプの点灯・点滅表示によって第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数(最大4個)を表現する。第1特別図柄の作動保留球数は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中あるいは特別遊技の実行中に、第1始動口61への入球に基づき取得した乱数値に係る数であり、当該取得した乱数値を保留する、すなわち、当該取得した乱数値について当否判定許可条件(変動開始条件)を充足するまで当否判定が一旦保留されることになった数を示している。第2特別図柄の作動保留球数は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中あるいは特別遊技の実行中に、第2始動口62への入球に基づき取得した乱数値に係る数であり、当該取得した乱数値を保留する、すなわち、当該取得した乱数値について当否判定許可条件(変動開始条件)を充足するまで当否判定が一旦保留されることになった数を示している。
普通図柄表示装置75は、例えば2個のLEDランプから構成され、当該ランプの点灯・点滅表示によって、普通図柄の変動表示及び確定表示を行う。本実施形態では、例えば、普通図柄の変動表示を二つのランプが交互に点灯と消灯とを繰り返すかたちで表現し、いずれのランプが最終的に点灯した状態で停止表示するかによって、普通図柄の抽選結果を報知する。普図保留ランプ76は、例えば2個のLEDランプから構成され、当該ランプの点灯・点滅表示によって、普通図柄の作動保留球数(最大4個)を表現する。なお、普通図柄表示装置75の左側には、特別遊技におけるラウンド遊技の回数(ラウンド数:特別電動役物642,643が連続して作動する回数)を表示するラウンド表示器77が設けられている。
演出表示装置70は、主として、第1特別図柄又は第2特別図柄と連動して変動表示・停止する装飾図柄や予告演出を含む演出画像を表示するとともに、第1特別図柄および第2特別図柄の保留表示を行う。具体的には、演出表示装置70の画面上に、装飾図柄の変動表示や予告演出表示などが実行される装飾図柄表示部700と、第1特図保留ランプ73と同期して第1特別図柄の保留表示が実行される第1特図保留表示部701と、第2特図保留ランプ74と同期して第2特別図柄の保留表示が実行される第2特図保留表示部702と、が設けられている。本実施形態では、演出表示装置70として、液晶表示装置を採用している。装飾図柄表示部700には、所定の有効ライン(不図示)上に、装飾図柄の変動表示領域となる三列の表示領域(左表示領域Z1、中表示領域Z2、右表示領域Z3)が設けられており、左表示領域Z1に対応して装飾図柄の左図柄、中表示領域Z2に対応して装飾図柄の中図柄、右表示領域Z3に対応して装飾図柄の右図柄がそれぞれ停止表示される。特図保留表示部701,702には、通常の表示態様では、特別図柄の作動保留球が生起されると白丸印の保留画像が表示される一方、当該作動保留球が消化されると対応する保留画像が消失される。この保留画像は、特別図柄の作動保留球の発生順(入球順)に従って順番に表示され、各保留表示部701,702に最大で4個ずつ表示が可能である。
センター飾り22は、演出表示装置70の周囲に設置され、遊技球の流路、演出表示装置70の画面の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り22には、遊技の展開状況に応じた演出動作を実行する可動役物24が設けられている。可動役物24は、ステッピングモータやソレノイドなどの駆動源を備えて構成されている。また、センター飾り22には、遊技の展開状況に応じて発光する盤ランプ(LEDランプ)25が設けられている。以下の説明では、便宜上、枠ランプ10および盤ランプ25を総称して「演出ランプLP」とも称する。
続いて、図2を参照しながら、ぱちんこ遊技機PMの背面側の基本構造を説明する。前枠2の背面側には、ほぼ中央に前後連通する窓口を有して前枠2よりも幾分小型の矩形枠状に形成された裏セット盤30が着脱自在に取り付けられている。裏セット盤30の各部には、多数個の遊技球を貯留する貯留タンク31、貯留タンク31から右方に緩やかな下り傾斜を有して延びるタンクレール32、タンクレール32の右端部に繋がり下方に延びる球供給通路部33、球供給通路部33により導かれた遊技球を払い出す賞球払出ユニット34、賞球払出ユニット34から払い出された遊技球を上球皿6に導くための賞球通路部35などが設けられている。
遊技盤10の背面側には、ぱちんこ遊技機PMの作動を統括的に制御する主制御基板100や、演出全般の制御を行う演出制御基板200、遊技展開に応じた画像表示、効果音の制御を行う画像制御基板300などが取り付けられている。なお、本実施形態では、演出制御基板200および画像制御基板300は、演出表示装置(液晶表示装置)70と一体化されたアッセンブリ状態で液晶ユニットを構成している。これに対して、裏セット盤30の背面側には、遊技球の発射及び払い出しに関する制御を行う払出制御基板400や、遊技施設側から受電して各種制御基板や電気・電子部品に電力を供給する電源基板500などが取り付けられている。なお、これらの制御基板は、不正改造防止のため、カシメ構造及び封印シール構造を有する透明樹脂製の基板ケースに収容されたアッセンブリ状態で遊技盤20背面又は裏セット盤30背面の所定位置にそれぞれ配設される。これらの制御基板とぱちんこ遊技機PM各部の電気・電子部品とがハーネス(コネクタケーブル)を介して相互に接続されて、ぱちんこ遊技機PMが作動可能に構成されている。
<ぱちんこ遊技機の制御構成>
次に、図3を追加参照して、本実施形態に係るぱちんこ遊技機PMに搭載された各制御基板について説明する。図3は、ぱちんこ遊技機PMの制御構成を示す制御ブロック図である。
主制御基板100は、遊技に関する各種の演算処理を行うメインCPU101と、制御プログラムや各種データ等を記憶したROM102と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM103と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路104とを備えて構成された主制御マイコン(ワンチップマイコン)110を搭載しており、メインCPU101がROM102に記憶された制御プログラムに従って遊技進行に係る主要な制御を実行するように構成されている。その他、主制御基板100には、図示省略するが、水晶発振器からのクロック信号を分周して内部システムクロックを生成するクロック回路、メインCPU101が誤動作や暴走状態となったときにリセットをかけて正常な状態に復帰させるWDT回路、リアルタイム割込みの発生や時間計測を可能とするCTC回路、メインCPU101によるプログラム処理(ソフトウェア乱数)とは別系統として動作して所定の乱数(内蔵乱数)を生成する乱数生成回路などが搭載されており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。
メインCPU101は、各スイッチからの検出情報などに基づき、ROM102に格納された各種の制御プログラムを読み出して演算処理を行うことで、遊技の主制御に係る各種処理を実行する。RAM103は、電源基板500において生成されるバックアップ電源(VBB)によってバックアップされる不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。RAM103のバックアップ領域は、電源断が生じた場合、当該電源断時に保持していたスタックポインタや各レジスタ等のデータを記憶しておくためのエリアとなっており、電源投入時(電源断復帰時)には当該バックアップ領域の情報に基づいて遊技機の状態が電源断前の状態に復帰されるようになっている。
また、主制御基板100は、第1始動口スイッチ611、第2始動口スイッチ621、作動ゲートスイッチ631、第1大入賞口スイッチ641および第2大入賞口スイッチ651などと電気的に接続されており、I/Oポート回路104を介して、各種スイッチからの検出信号をメインCPU101に入力する。また、主制御基板100は、第1特別図柄表示装置71、第2特別図柄表示装置72、第1特図保留ランプ73、第2特図保留ランプ74、普通図柄表示装置75および普図保留ランプ76に電気的に接続され、さらに、普通電動役物ソレノイド623および特別電動役物ソレノイド643,653、に電気的に接続されており、I/Oポート回路104を介して、メインCPU101からの制御信号を各種表示手段および各種ソレノイドに送信する。
主制御基板100と演出制御基板200との間は、8本のパラレル信号線および1本のストローブ線で接続されており、主制御基板100から演出制御基板200へと向かう単一方向のみで通信可能に接続され、主制御基板100から演出制御基板200へ各種の演出制御コマンドが送信される。演出制御基板200から主制御基板100へデータを送信することはできず、また、主制御基板100に対してデータの送信を要求することはできない。
演出制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づき遊技演出に関する各種の演算処理を行うサブメインCPU201、演出制御プログラムや各種データ等を記憶したROM202、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM203と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路204とを備えて構成された演出制御マイコン(ワンチップマイコン)210を搭載しており、サブメインCPU201がROM202に記憶された制御プログラムに従って遊技演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。その他、演出制御基板200には、図示省略するが、水晶発振器からのクロック信号を分周して内部システムクロックを生成するクロック回路、サブメインCPU201が誤動作や暴走状態となったときにリセットをかけて正常な状態に復帰させるWDT回路、システムクロックに基づき各種信号を出力するTPU回路、TPU回路からの信号などに基づきタイマ割込み等の各種割込みを起動させる割込みコントローラ、シリアルデータを入出力するためのシリアル通信回路などが搭載されており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。
演出制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づく演出制御処理にて、画像制御基板300へ画像および音響を指示する画像制御コマンド、ランプ接続基板91を制御するためのランプ制御信号(ランプデータ)、モータドライバ92を制御するための駆動制御信号(駆動データ)などを生成する。演出制御基板200は、画像制御基板300と双方向通信が可能に接続されており、画像および音響に関する画像制御コマンドが演出制御基板200から画像制御基板300へ送信される一方、その応答として、この画像制御コマンドを正常に受信できた旨を示す応答コマンド(ACKコマンド)が画像制御基板300から演出制御基板200へ送信される。
また、演出制御基板200は、複数のLEDドライバを搭載したランプ接続基板91と電気接続されており、シリアル通信回路を介して、ランプ接続基板91を制御するためのランプ制御信号(ランプデータ)を送信する。なお、本例では、演出制御基板200とランプ接続基板91とは、クロック同期式のシリアル通信が採用されており、ランプデータ伝送用のデータ線とは別の信号線(クロック線)で送信されるクロック信号に同期して、ランプ制御信号が当該データ線を介して1ビットずつ送信される。ランプ接続基板91は、演出制御基板200から送信されるLED駆動用のランプ制御信号を受けて機能するLEDドライバを内蔵しており、このランプ制御信号に基づき回路内のスイッチをオン/オフ切り替えることにより、演出ランプLPに対して駆動電流を供給又は遮断して、演出ランプLPを点灯又は消灯させる制御を行う。
さらに、演出制御基板200は、複数のモータドライバ92と電気接続されており、I/Oポート回路204を介して、モータドライバ92を制御するための駆動制御信号(駆動データ)をモータドライバ92へ送信する。モータドライバ92は、演出制御基板200から送信される役物駆動用の駆動制御信号に基づき回路内のスイッチをオン/オフ切り替えることにより、各可動役物24のステッピングモータに対して駆動電流を供給又は遮断して、各可動役物24を動作させる制御を行う。なお、モータドライバ92へのデータ送信はパラレル通信方式を採用しているが、ランプ接続基板91へのデータ送信と同様にシリアル通信方式を採用してもよい。また、演出制御基板200は、演出ボタン15と電気接続されており、演出ボタン15に内蔵された操作入力検出手段(例えばフォトセンサなど)からの検出信号が入力されるとともに、演出ボタン15を演出動作(例えば上下動、左右動、振動、回転など)させるための制御信号を送信して該演出ボタン15に内蔵された駆動手段(例えばモータやソレノイドなど)を駆動させる。
画像制御基板300は、演出制御基板200からの画像制御コマンドに基づき画像演出に関する各種の演算処理を行うサブサブCPU301と、画像制御プログラムや各種データ等を記憶したROM302と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM303と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路304とを備えて構成された画像制御マイコン(ワンチップマイコン)310を搭載しており、サブサブCPU301がROM302に記憶された制御プログラムに従って画像演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。その他、画像制御基板300には、図示省略するが、サブサブCPU301から取得した制御信号に基づき演出内容に沿った画像データを生成するVDPと、サブサブCPU301から取得した制御信号に基づき演出内容に沿った音響データを生成する音源ICとを搭載している。VDPは、いわゆる画像プロセッサであり、サブサブCPU301からの指示に応じて画像ROMに記憶された画像データを読み込み、これを画像処理して生成した映像信号(画像データ)を演出表示装置に送信する。このVPDには、画像ROMから読み出された画像データの展開・加工に使用される高速のVRAMが接続されている。音源ICは、サブサブCPU301からの指示に応じて音声ROMに記憶された音響データを読み込み、これを合成処理して生成した音響データを増幅器(デジタルアンプ)を介してスピーカ11に出力する。
払出制御基板400は、払出CPU401、ROM402およびRAM403を主体として構成されている。払出制御基板400は、主制御基板100と双方向通信可能に接続されており、主制御基板100からの払出制御コマンドに基づいて賞球払出ユニット34を駆動させて賞球を払い出すための制御を実行するとともに、発射ハンドル12の操作量に基づき球送り機構13と発射機構14とを同期的に駆動させて遊技球の発射の制御を実行する。
電源基板500は、詳細図示を省略するが、遊技島の電源設備から供給される一次電源を基に、各制御基板で使用される通常時の電源を生成するための通常電源回路と、バックアップ電源(VBB)を生成するためのバックアップ電源回路と、電圧低下による電源断を監視するための電源断監視回路と、を具備して構成され、各制御基板や遊技用機器等の電子・電気部品に必要な電源を供給する。電源基板500には、電源回路を起動させるための電源スイッチが接続されており、遊技島の電源装置から1次電源が供給されていることを前提として、該電源スイッチがオンになると、電源基板500の通常電源回路から各制御基板などに所定の電源が供給される。電源基板500は、遊技島の電源装置からの電源供給が遮断されたことを検出可能に構成されており、電源断の検出時にはその旨を報知する電源断信号(NMI信号)を主制御基板100、演出制御基板200、払出制御基板400に送信する。なお、バックアップ電源回路は、遊技島の電源装置からぱちんこ遊技機PMに電源が供給されているときに充電される仕組みとなっている。また、電源基板500には、ぱちんこ遊技機PMの電源投入時に、主制御基板100のRAM103の一時記憶内容を一旦消去して初期値を設定するためのRAMクリアスイッチ(図示せず)が接続されている。なお、RAMクリアスイッチは、電源基板500ではなく、例えば主制御基板100に接続される構成であってもよい。
<ぱちんこ遊技機の基本動作>
以上のように構成される、ぱちんこ遊技機PMは、外枠1が遊技施設の遊技島に固定設置され、前枠2、ガラス枠5、球皿ユニット6等が閉鎖施錠された状態で遊技に供され、上球皿8に遊技球を貯留させて発射ハンドル12を回動操作することにより遊技が開始される。発射ハンドル12が回動操作されると、上球皿8に貯留された遊技球が、ガラス枠5の背面側に配設される球送り機構13(図3を参照)によって1球ずつ発射機構14(図3を参照)に送り出され、該発射機構14により遊技領域PAに打ち出される。
遊技領域PAを転動流下する遊技球が、第1始動口61、第2始動口62、第1大入賞口64、第2大入賞口65のいずれかに入球すると、その入賞口の種別に応じた賞球が賞球払出ユニット33により上球皿8又は下球皿9に払い出される。また、遊技球が第1始動口61又は第2始動口62に入球すると、特別図柄の抽選乱数値が取得され、当該乱数値を所定の上限個数まで特別図柄の保留球として一時記憶する。そして、所定の始動条件が成立する場合に、最先の保留球に係る抽選乱数値に対して特別図柄の当否判定、図柄判定、変動パターン判定を行い、この判定結果に応じた態様で、第1特別図柄表示装置71又は第2特別図柄表示装置72において特別図柄が変動表示されるとともに、演出表示装置70において装飾図柄が変動表示される。特別図柄および装飾図柄の変動表示は、前記選択された変動パターンに応じた変動時間の経過後に同期的に停止表示される。
第1特別図柄又は第2特別図柄が大当りを示す停止態様で確定表示された場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第1大入賞口64又は第2大入賞口65の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する態様である。本実施形態では、特別遊技として、ラウンド遊技が16回(16ラウンド)に設定された16R特別遊技と、ラウンド遊技が8回(8ラウンド)に設定された8R特別遊技と、ラウンド遊技が2回(2ラウンド)に設定された2R特別遊技とが設けられている。
本実施形態では、16R特別遊技、8R特別遊技および2R特別遊技のいずれに移行されたとしても、特別遊技の終了後から特別図柄の変動回数が所定の終期回数に達するまで、特別図柄の確率変動機能(「確変」とも称する)が一律に作動する。すなわち、本実施形態に係るぱちんこ遊技機PMは、確変突入率が100%の回数切り確変機、所謂「ST機」と称される遊技機である。従って、本実施形態では、特別図柄の確率変動機能が作動中の状態(「特別図柄の確変状態」とも称する)が次の大当りの発生まで継続するのではなく、特別図柄の確変状態が維持される期間(「ST期間」とも称する)が所定の終期回数(「ST回数」とも称する)に達するまでの間に限定されている。特別図柄の確率変動機能が作動した場合には、通常の確率状態よりも特別図柄の大当り確率が高い抽選が行われるため、比較的早期に新たな特別遊技が発生するようになる。
一方、特別遊技が終了した後は、特別図柄の確率変動機能に付随して、又は、特別図柄の確率変動機能と独立して、特別図柄の変動時間短縮機能(以下「時短」ともいう)が作動する場合がある。特別図柄の変動時間短縮機能が作動中の状態(「特別図柄の時短状態」とも称する)では、特別図柄及び装飾図柄の平均的な変動時間が通常状態よりも短縮される傾向となり、通常状態よりも単位時間当たりの当否抽選回数が向上する(単位時間当たりの大当りの獲得容易性を高めることができる)。
さらに、特別図柄の変動時間短縮機能が作動すると、これに付随して、電チューサポート機能が作動する。電チューサポート機能は、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、普通電動役物622の開放延長機能が作動することにより、第2始動口62への入球容易性が高められる状態(「入球容易状態」とも称する)である。なお、普通図柄の確率変動機能が作動すると、普通図柄の当選確率が通常状態よりも高まる状態となる。普通図柄の変動時間短縮機能が作動すると、普通図柄の変動時間が短縮される状態となる。普通電動役物622の開放時間延長機能が作動すると、普通電動役物622の開放時間が通常状態よりも延長された状態となる。この入球容易状態においては、一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常よりも増加する可能性が高まる上、第2始動口62への入球容易性も高まるため、第2始動口62への入球数が増加する可能性も向上する。したがって、特別図柄の変動時間短縮機能及び電チューサポート機能の作動により、その期間中は第2始動口62への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち球をほとんど減らさずに遊技を継続することが可能となる。
<ぱちんこ遊技機の主要な機能構成>
次に、図4の機能ブロック図を追加参照しながら、本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PM(主として、主制御基板100/演出制御基板200)の各種機能について説明する。
主制御基板100は、図4に示すように、入球判定手段110、遊技抽選乱数発生手段120、保留制御手段130、事前判定手段135、特別図柄抽選処理手段140、普通図柄抽選処理手段145、特別遊技制御手段150、図柄表示制御手段155、電動役物制御手段160、遊技状態制御手段165、エラー監視制御手段170、メイン情報記憶手段180、コマンド送受信手段190、を含む。なお、主制御基板100における上述の各手段は、主制御基板100上に設けられたメインCPU101、ROM102、RAM103、電子回路等のハードウェア及びROM102等に格納された制御プログラム等のソフトウェアにより構成されるものを機能的に表現したものである。
入球判定手段110は、第1始動口スイッチ611、第2始動口スイッチ621、作動ゲートスイッチ631、第1大入賞口スイッチ641、第2大入賞口スイッチ651などからの検出信号に基づき、各入賞口への遊技球の入球を判定する。
遊技抽選乱数発生手段120は、主制御マイコン110の乱数生成回路で生成した内蔵乱数をソフトウェアで取り込み、これに後述の特別図柄当りソフト乱数を加算することで、特別図柄の当否抽選に使用される特別図柄当り乱数を生成する。また、遊技抽選乱数発生手段120は、メインCPU101のプログラム処理によって各種のソフトウェア乱数を生成するための乱数カウンタを備えている。これらの乱数カウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を担っている。このソフトウェア乱数としては、前述の内蔵乱数に加算されて特別図柄当り乱数をなす特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当りソフト乱数の初期値および終了値を決定するための特別図柄当りソフト初期値乱数、特別図柄の停止図柄として当り図柄(条件装置を作動させることとなる図柄の組合せ)の決定に使用する特別図柄当り図柄乱数、特別図柄当り図柄乱数の初期値および終了値を決定するための特別図柄当り図柄初期値乱数、特別図柄の変動パターンの選択に使用するための特別図柄変動パターン乱数、普通図柄の当否抽選に使用するための普通図柄当り乱数、普通図柄当り乱数の初期値および終了値を決定するための普通図柄当り初期値乱数、普通図柄の変動パターンの選択に使用するための普通図柄変動パターン乱数などが含まれる。これらのソフトウェア乱数の更新時期としては、タイマ割込み処理が発生する毎に1回更新し、また、初期値乱数についてはタイマ割込み処理を実行していない間(ループ処理中)も割込み周期の残余時間を利用して更新する。
保留制御手段130は、特別図柄保留制御手段131、普通図柄保留制御手段132、を含む。
特別図柄保留制御手段131は、第1始動口61又は第2始動口62への遊技球の入球を契機として、特別図柄遊技に係る抽選乱数値である、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を取得して、当該乱数値を第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報として管理する。特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報をそれぞれ所定の上限個数(4個)まで、当該保留球の入球順序と結合したかたちでメイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域に一時記憶する。
第1特別図柄保留格納領域および第2特別図柄保留格納領域には、各始動口61,62への入球順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)、がそれぞれ設けられている。各保留記憶領域は、作動保留球情報として、特別図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、特別図柄変動パターン乱数を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。作動保留球情報は、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に格納される一方、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に消化される(先入れ先出しの原則)。また、保留1記憶領域の保留球情報が消化されると、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の番号の記憶領域にそれぞれシフトするとともに、保留4記憶領域の内容をゼロクリアする。
また、特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄の作動保留球数をカウントするための第1特別図柄保留球数カウンタ、第2特別図柄の作動保留球数をカウントするための第2特別図柄保留球数カウンタ、を有している。特別図柄保留制御手段131は、特別図柄の作動保留球数の更新処理として、特別図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
また、特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数を更新(加算又は減算)したとき、当該保留球数の更新情報を含む演出制御コマンド(「図柄記憶数コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。この1コマンドには、第1特別図柄の作動保留球数と第2特別図柄の作動保留球数との両方の情報が含まれる。なお、原則として、各特別図柄の作動保留球は入球した順番に消化されることになるが、本実施形態では、第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示を優先的に実行する、いわゆる優先消化を採用するため、第2特別図柄遊技に係る作動保留球が存在する間は、第1特別図柄遊技に係る作動保留球の存在に関係なく、第2特別図柄遊技に係る作動保留球を優先的に消化するように構成されている。なお、この優先消化の下では、第2特別図柄の作動保留球が存在する場合は、第1特別図柄の作動保留球が存在していたとしても、第1特別図柄の作動保留球の消化が保留されることになる。
普通図柄保留制御手段132は、作動ゲート63への遊技球の入球を契機として、普通図柄遊技に係る抽選乱数値である、普通図柄当り乱数値、普通図柄当り図柄乱数値、普通図柄変動パターン乱数値、を取得して、当該乱数値を普通図柄の作動保留球情報として管理する。普通図柄保留制御手段132は、普通図柄の作動保留球情報を所定の上限個数(4個)まで、当該保留球の入球順序と結合したかたちでメイン情報記憶手段180の普通図柄保留格納領域に一時記憶する。また、普通図柄保留制御手段132は、普通図柄の作動保留球数をカウントするための普通図柄保留球数カウンタを有している。普通図柄保留制御手段132は、作動普通図柄の保留球数の更新処理として、普通図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
事前判定手段135は、所定の事前判定タイミングにて特別図柄の作動保留球を取得した場合、当該作動保留球を対象として先読み予告のための事前判定を実行する。事前判定タイミングの一例としては、(1)当り待ち中、且つ、電チューサポート機能が未作動中に第1特別図柄の作動保留球を取得した場合、(2)当り待ち中、かつ、電チューサポート機能が作動中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、のうちのいずれかの条件を満足するときである。具体的には、事前判定手段135は、今回取得した作動保留球に対応する乱数値をメイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域から読み出して、当否抽選の事前判定(当否事前判定)、図柄抽選の事前判定(図柄事前判定)、変動パターン抽選の事前判定(変動パターン事前判定)を順次実行する。各事前判定で用いられる事前判定テーブルは、図示省略するが、当否事前判定用テーブル、図柄事前判定用テーブル、変動パターン事前判定用テーブルのそれぞれが乱数の総数に相当する領域が複数の領域に区画され、この領域(判定置数)ごとに、抽選ID(事前判定の結果を示す番号(「事前判定番号」とも称する))が割り当てられている。そのため、この事前判定の結果は、後述の特別図柄抽選処理手段140による本抽選の結果(当否判定の結果、図柄判定の結果、変動パターン判定の結果)に準ずるものとなっている。なお、当否事前判定用テーブルや図柄事前判定用テーブルなどは、実際に変動を開始するときに抽選に使用する当否抽選テーブルや図柄抽選テーブルなどと同じものであってもよい。ここで、変動パターン事前判定用テーブルは、変動開始時の遊技状況(確変の有無、時短の有無、特殊テーブルを参照する限定頻度期間中か否か、保留球数など)が変化する可能性があることから、前述のように、複数の領域の何れに含まれるかを判定する方が望ましい。そして、事前判定手段135は、事前判定結果(事前判定番号)の情報を含む演出制御コマンド(「事前判定コマンド」と称する)を順に生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
特別図柄抽選処理手段140は、特別図柄当否判定手段141、特別図柄停止図柄判定手段412、特別図柄変動パターン判定手段143、を含む。特別図柄抽選処理手段140は、特別図柄の変動開始条件が成立したとき、メイン情報記憶手段180における特別図柄保留格納領域の最先の記憶領域(保留1記憶領域)に格納された特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を読み出して、これをメイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域、特別図柄図柄判定領域、特別図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。ここで、「特別図柄の変動開始条件が成立する」とは、その一例として、(1)大当り又は小当り中ではないこと、(2)第1特別図柄および第2特別図柄のいずれも変動待機中であること、(3)第1特別図柄および第2特別図柄の少なくとも一方に作動保留球が存在すること、の全ての条件を満足したときであり、その結果として、特別図柄が変動開始可能な状態であると判断される。
特別図柄当否判定手段141は、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域から特別図柄当り乱数値を読み出して当否判定を実行し、当該判定結果が、大当り、小当り、はずれ、のいずれに該当するかを決定する。この当否判定の結果は、メイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに一時記憶され(例えば、大当りデータ「55H」、小当りデータ「33H」、はずれデータ「00H」)、以降の処理で使用された後、特別図柄の変動停止時にクリアされる。特別図柄当否判定手段141は、この当否判定の際に参照される特別図柄当否抽選テーブルを保持する。
ここで、図5は、特別図柄当否抽選テーブルを模式的に示す図であり、(A)は通常状態(低確率状態)で参照され、(B)は確変状態(高確率状態)で参照される。この特別図柄当否抽選テーブルには、特別図柄当り乱数値と、大当り、小当り、はずれの判定結果と、が対応付けられており、対応付けられた乱数範囲に応じて大当りおよび小当りの当選確率が定まる。図5からも分かるように、特別図柄遊技の当否抽選において、通常状態(低確率状態)では乱数値が「0〜163」の範囲に該当したときのみ大当りとなる。一方、確変状態(高確率状態)では大当りの範囲が拡大され、乱数値が「0〜163」の範囲に該当する場合だけでなく、「164〜1639」の範囲に該当する場合にも大当りとなる。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、大当りの抽選確率が低確率状態(1/399.6)から高確率状態(1/39.96)に変動する。このように大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化するが、第1特別図柄の当否抽選と第2特別図柄の当否抽選とで大当りの当選確率は等しい。ここで、特別図柄当り乱数値が大当りの範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当する場合には小当りとなる。本例では、第1特別図柄の当否抽選のみ小当りが存在するように構成しているが、例えば、第2特別図柄の当否抽選にも小当りを設けて、第2特別図柄の当否抽選よりも第1特別図柄の当否抽選のほうが高い確率で小当りとなるように構成してもよい。
特別図柄停止図柄判定手段142は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選の結果に基づいて、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止図柄、および当該停止図柄の属する図柄群を決定する。特別図柄停止図柄判定手段142は、当否抽選の結果が大当りの場合に、第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄および図柄群を決定する際に参照される第1特別図柄当り図柄テーブルおよび第2特別図柄当り図柄テーブルを有している。
図6(A)は第1特別図柄当り図柄テーブルの一例を模式的に示す図である。この第1特別図柄当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、停止図柄、図柄群、大当りの内容(特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能の作動回数、第1大入賞口64の作動パターン)がそれぞれ対応付けられている。なお、括弧内の数値「100」は、特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能の作動回数、すなわち、ST回数を意味する。このテーブルでは、第1特別図柄の停止図柄「1」〜「8」が、大当りの種別に応じて、2種類の図柄群A,Bに分類されている。
具体的には、図柄「1」,「2」,「3」,「4」には、図柄群A(16R特定時短有図柄)が、図柄「5」,「6」には、図柄群B(8R特定時短有図柄)が、図柄「7」,「8」には、図柄群C(2R特定時短有図柄)がそれぞれ対応付けられている。なお、本実施形態において、「特定図柄」とは特別遊技の終了後に確率変動機能を作動させることとなる図柄であり、「通常図柄」とは特別遊技の終了後に確率変動機能を作動させることのない図柄である(後述する第2特別図柄についても同様である)。
図柄群A,Bは、特別遊技の終了後の遊技状態を確変状態(高確率状態)に移行させる、いわゆる「確変当り」を示す特定図柄であり、特別図柄の変動回数がST回数内で大当りを発生させることなく終了するまでの間、あるいは、ST回数内で次回の大当りが発生するまでの間に限定して、特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに電チューサポート機能が付与されることになる。図柄群Aについては、特別遊技の規定ラウンド数は16ラウンドで、1回のラウンド遊技における第1大入賞口64の最大開放時間は約30秒である。図柄群Bについては、特別遊技の規定ラウンド数は8ラウンドで、1回のラウンド遊技における第1大入賞口64の最大開放時間は約30秒である。
図柄群Cは、上記の「確変当り」と比較して第1大入賞口64の開放回数および開放時間が異なるものの、特別遊技終了後の遊技状態を特別図柄の確変状態(高確率状態)に移行させる、いわゆる「突然確変当り」を示す特定図柄であり、特別図柄の変動回数がST回数内で大当りを発生させることなく終了するまでの間、あるいは、ST回数内で次回の大当りが発生するまでの間に限定して、特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに電チューサポート機能が付与されることになる。特別遊技の規定ラウンド数は2ラウンドで、1回のラウンド遊技における第1大入賞口64の最大開放時間は約0.05秒である。
一方、当否抽選の結果が小当りである場合には、上記特別図柄当り乱数による図柄判定を省略して、停止図柄として図柄「9」が一義的に割り当てられる。この図柄「9」には、図柄群F(特電作動図柄1)が対応付けられている。なお、小当りの場合には、遊技状態(確率変動機能、変動時間短縮機能、電チューサポート機能)および変動パターン選択状態の変更の契機とはならず、当否抽選の前後で当該遊技状態が維持される。また、当否抽選の結果がはずれの場合には、停止図柄として図柄「0」が一義的に割り当てられる。
続いて、図6(B)は第2特別図柄当り図柄テーブルの一例を模式的に示す図である。この第2特別図柄当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、停止図柄、図柄群、大当りの内容(特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能の作動回数、第2大入賞口65の作動パターン)がそれぞれ対応付けられている。このテーブルでは、第2特別図柄の停止図柄「11」〜「18」が、大当りの種別に応じて、2種類の図柄群D,Eに分類されている。具体的には、図柄「11」,「12」,「13」,「14」には、図柄群D(16R特定時短有図柄)が、図柄「15」,「16」,「17」,「18」には、図柄群E(8R特定時短有図柄)がそれぞれ対応付けられている。
図柄群D,Eは、特別遊技の終了後の遊技状態を確変状態(高確率状態)に移行させる、いわゆる「確変当り」を示す特定図柄であり、特別図柄の変動回数がST回数内で大当りを発生させることなく終了するまでの間、あるいは、ST回数内で次回の大当りが発生するまでの間に限定して、特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに電チューサポート機能が付与されることになる。図柄群Dについては、特別遊技の規定ラウンド数は16ラウンドで、1回のラウンド遊技における第2大入賞口65の最大開放時間は約30秒である。図柄群Eについては、特別遊技の規定ラウンド数は8ラウンドで、1回のラウンド遊技における第2大入賞口65の最大開放時間は約30秒である。
一方、当否抽選の結果が小当りである場合には、上記特別図柄当り乱数による図柄判定を省略して、停止図柄として図柄「19」が一義的に割り当てられる。この図柄「19」には、図柄群G(特電作動図柄2)が対応付けられている。なお、小当りの場合には、遊技状態(確率変動機能、変動時間短縮機能、電チューサポート機能)および変動パターン選択状態の変更の契機とはならず、当否抽選の前後で当該遊技状態が維持される。また、当否抽選の結果がはずれの場合には、停止図柄として図柄「0」が一義的に割り当てられる。
本実施形態では、上記のように、大当り種別として、16R大当り(16R特定時短有図柄)と8R大当り(8R特定時短有図柄)と2R大当り(2R特定時短有図柄)との3種類が設けられている。そして、特別遊技における賞球獲得の期待値(賞球獲得期待値)は、16R大当り>8R大当り>2R大当りとなっている。そこで、以下では、16R大当りを、賞球獲得期待値の最も高い「高利益大当り」とも称し、2R大当りを、賞球獲得期待値の最も低い「低利益大当り」とも称する。なお、同一の実行ラウンド数でも、長開放単位遊技(30秒)と短開放単位遊技(0.05秒)とが混在するような場合には、長開放単位遊技が多く存在する大当りが「高利益大当り」となる。具体的には、特別遊技に実行ラウンド数を16ラウンドに統一するなど、共通の実行ラウンド数を有するものの、所定ラウンドにて単位遊技の態様が異なるように変化する特別遊技を含めてもよく、その場合には、大入賞口64,65の開放時間が相対的に短い短開放単位遊技のみからなる種類の特別遊技と、所定回数の実行ラウンド以降において大入賞口64,65の開放時間が相対的に長い長開放単位遊技に切り替わる種類の特別遊技とを含めてもよく、後者が「高利益大当り」を構成する。また、同一の実行ラウンド数の大当りでも、大入賞口開放パターンの差異によって実質的な利益、すなわち、賞球獲得期待値が異なるように構成してもよい。
ここで、前述の説明からも分かるように、第1特別図柄の当否抽選で大当りになった場合には、50%の確率で16R大当りが選択されるのに対して、第2特別図柄の当否抽選で大当りになった場合には、75%の確率で16R大当りが選択されることにより、第1始動口61に入賞するよりも第2始動口62に入賞した方が、多くの出玉を獲得できる点で遊技者に有利である。なお、本例では、第1特別図柄の当否判定で大当りとなった場合に第1大入賞口64を開閉させる特別遊技が実行され、第2特別図柄の当否判定で大当りとなった場合に第2大入賞口65を開閉させる特別遊技が実行されることになっているが、これに限定されるものではなく、第1特別図柄の当否判定で大当りとなった場合に第2大入賞口65を開閉させる特別遊技を実行してもよく、また、第2特別図柄の当否判定で大当りとなった場合に第1大入賞口64を開閉させる特別遊技を実行してもよい。また、この場合には、第1特別図柄の当否判定で大当りとなる場合よりも第2特別図柄の当否判定で大当りとなる場合の方が、第2大入賞口65を開閉させる特別遊技が実行される割合を高くしてもよい。また、このとき、第1大入賞口64に入球するよりも第2大入賞口65に入球する方が遊技者にとって有利度が高くなるように設定してもよく、例えば、1ラウンドあたりのカウント数が多い、賞球獲得期待値が高い、1球入球あたりの賞球数が多い、入球容易性が高くなるように設定してもよい。また、同一ラウンド数の特別遊技を伴う大当りが複数ある場合であっても、大入賞口の開放パターンの差異により実質的な利益(賞球獲得期待値)が異なるように構成してもよい。なお、カウント数(規定カウント数)とは、単位遊技における大入賞口64,65への遊技球の最大入球可能数である。
特別図柄変動パターン判定手段143は、特別図柄変動パターン乱数値に基づき、特別図柄の変動パターンを決定する。ここで、特別図柄変動パターン判定手段143は、図7および図8に示すように、特別図柄の変動パターンを選択する際に参照される複数種の変動パターンテーブルを保持している。特別図柄変動パターン判定手段143は、現在の変動パターン選択状態と当否抽選の結果とに基づき、複数種の変動パターンテーブルの中からいずれかの変動パターンテーブルを選択する。なお、変動パターン選択状態と変動パターンテーブルとの関係については後述する。各変動パターンテーブルには、複数種の変動パターンが規定されている。各図中では、説明の便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には特別図柄変動パターン乱数値に応じて、変動パターンを決定するための判定値(乱数値の範囲)が設定されており、変動パターン乱数値がいずれの判定値に属するかに基づき、変動パターンが決定されるようになっている。各種の変動パターンは、その図柄変動の終了条件として当該変動パターンごとに変動時間が定められており、その変動時間にて複数の図柄で構成される装飾図柄による図柄変動も実行されることを前提として規定される。なお、本例では、説明の便宜上、複数種の変動パターンのみを例に挙げて説明するが、実際には100種類以上の変動パターンが存在する。
図7(A)は、大当り・小当り用の変動パターンテーブルの一例を模式的に示す図である。上段の(A1)は通常変動パターンテーブル、中段の(A2)は確変変動パターンテーブル、下段の(A3)は特殊変動パターンテーブルである。本例では、変動パターン選択状態に応じて、または同じ変動パターン選択状態であっても大当り種別に応じて、選択される変動パターンが異なるように設定されている。
通常変動パターンテーブル(A1)では、大当り種別が16R大当りである場合に、変動パターンPX2(ノーマルリーチA)、変動パターンPX3(スーパーリーチA)のいずれかが選択され、8R大当りである場合に、変動パターンPY2(ノーマルリーチA)、変動パターンPY3(スーパーリーチA)のいずれかが選択される。一方、2R大当り又は小当りである場合には、変動パターンPZ2(ノーマルリーチA)、変動パターンPZ4(スーパーリーチD)のいずれかが選択される。この大当り・小当り用の通常変動パターンテーブルでは、非リーチ態様の変動パターンが選択されることはなく、通常状態で大当り又は小当りになった場合には、リーチ態様の変動パターンのみが選択され得る。
確変変動パターンテーブル(A2)では、大当り種別が16R大当り又は8R大当りである場合に、変動パターンPX7(スーパーリーチB)のみが選択される。一方、2R大当り又は小当りである場合には、変動パターンPZ6(ノーマルリーチB)、変動パターンPZ8(スーパーリーチD)のいずれかが選択される。この大当り・小当り用の確変変動パターンテーブルでは、非リーチ態様の変動パターンが選択されることはなく、特別図柄の確変状態で大当り又は小当りになった場合には、リーチ態様の変動パターンのみが選択され得る。
特殊変動パターンテーブル(A3)では、大当り種別が16R大当りである場合に、変動パターンPX9(非リーチC)のみが選択され、8R大当りである場合に、変動パターンPY10(スーパーリーチC)のみが選択される。。一方、2R大当り又は小当りである場合には、変動パターンPZ10(スーパーリーチC)のみが選択される。ここで、非リーチC態様の変動パターンPX9は超短縮の変動時間(2秒)として構成される一方、スーパーリーチC態様の変動パターンPY10,PZ10は相対的に長い変動時間(120秒)として構成される。
図7(B)は、はずれ用の変動パターンテーブルの一例を模式的に示す図である。上段の(B1)は通常変動パターンテーブル、中段の(B2)は確変変動パターンテーブル、下段の(B3)は特殊変動パターンテーブルである。本例では、変動パターン選択状態に応じて、選択される変動パターンが異なるように設定されている。
通常変動パターンテーブル(B1)では、変動パターンPH1(非リーチA)、変動パターンPH2(ノーマルリーチA)、変動パターンPH3(スーパーリーチA)、変動パターンPH4(スーパーリーチD)のいずれかが選択される。確変変動パターンテーブル(B2)では、変動パターンPH5(非リーチB)、変動パターンPH6(ノーマルリーチB)、変動パターンPH7(スーパーリーチB)、変動パターンPH8(スーパーリーチD)のいずれかが選択される。特殊変動パターンテーブル(B3)では、変動パターンPH9(非リーチC)のみが選択される。ここで、非リーチC態様の変動パターンPH9は超短縮の変動時間(2秒)として構成される。
なお、前述の説明では、いずれの場合にもはずれ用の変動パターンテーブルを単一のテーブルで表現しているが、当否抽選の結果がはずれとなったときは、特別図柄の作動保留球数(0〜4)に応じて異なる変動パターンテーブルが選択される場合がある。つまり、特別図柄の作動保留球数に応じた変動パターンテーブルを用いることで、作動保留球数が多いほど相対的に短い変動時間が選択される割合を高くして、逆に作動保留数が少ないほど相対的に長い変動時間が選択される割合を高くすることができる。
また、特別図柄変動パターン判定手段143は、特別図柄の変動パターンを選択した後、演出制御基板200に対して装飾図柄の変動開始を指示するため、特別図柄の変動パターン情報を含む演出制御コマンド(「変動パターン指定コマンド」と称する)、特別図柄(図柄群)および遊技状態の情報を含む演出制御コマンド(「図柄指定コマンド」と称する)等を生成して(以降、これらの演出制御コマンドを纏めて「変動開始コマンド」と称する)、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
普通図柄抽選処理手段145は、普通図柄当否判定手段146と、普通図柄停止図柄判定手段147と、普通図柄変動パターン判定手段148と、を有する。普通図柄抽選処理手段145は、普通図柄の変動開始条件が充足したとき、普通図柄保留格納領域における最先の記憶領域に格納された普通図柄当り乱数値、普通図柄変動パターン乱数値を読み出して、メイン情報記憶手段180の普通図柄当否判定領域、普通図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。
普通図柄当否判定手段146は、メイン情報記憶手段180の普通図柄当否判定領域から普通図柄当り乱数値を読み出して当否判定を実行し、当該判定結果が、当り、はずれ、のいずれに該当するかを決定する。この当否抽選の結果は、メイン情報記憶手段180の普通図柄判定フラグに一時記憶され、以降の処理で使用された後、普通図柄の変動停止時にクリアされる。普通図柄当否判定手段146は、この当否抽選の際に参照される普通図柄当否抽選テーブルを保持しており、通常状態(低確率状態)においては例えば「160/283」の確率で当りとなる普通図柄当否抽選テーブルを参照し、普通図柄の確変状態(高確率状態)においては、例えば「282/283」の確率で当りとなる普通図柄当否抽選テーブルを参照して、普通図柄の当否抽選を実行する。
普通図柄停止図柄判定手段147は、図柄抽選テーブルを参照して、当否抽選の結果が当りである場合には所定の当り図柄を割り当てる一方、はずれである場合には所定のはずれ図柄を割り当てるようになっている。
普通図柄変動パターン判定手段148は、メイン情報記憶手段180の普通図柄変動パターン判定領域から普通図柄変動パターン乱数値を読み出すとともに、普通図柄変動パターンテーブルを参照して、通常状態における普通図柄の変動表示においては、相対的に長い変動時間を選択する(例えば「4秒・5秒・6秒・7秒・8秒・9秒・10秒」の7種類をそれぞれ均一的に選択する)。一方、普通図柄の時短状態(入球容易状態)では相対的に短い変動時間(例えば「0.5秒」)を選択する。なお、普通図柄遊技の制御においては、主制御基板100のメインCPU101の処理負荷軽減のため、非電チューサポート状態においては、普通図柄抽選の当選確率を「0」としたり、普通図柄の変動時間を単一のものとする仕様を採用することも考えられる。
特別遊技制御手段150は、当否抽選の結果が大当りである場合、前記決定された大当りの種別に応じて、特別遊技中に演出表示装置70等に表示される開始デモ演出および終了デモ演出に係るデモ演出時間を決定する。また、特別遊技制御手段150は、演出制御基板200側に対して、開始デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「大当り開始デモコマンド」と称する)と、終了デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「大当り終了デモコマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。なお、大当り開始デモコマンドは、演出制御基板200側において、特別遊技中に展開される一連の大当り演出(開始デモ演出、ラウンド演出、終了デモ演出)の内容を決定するための契機ともなる。また、特別遊技制御手段150は、特別遊技中の各ラウンド遊技において、各ラウンド遊技に対応したラウンド演出の開始を指示するための演出制御コマンド(「ラウンド演出指定コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。このラウンド演出指定コマンドには、現在のラウンド数の情報、大入賞口64,65の開放や閉鎖の情報、および大入賞口スイッチ641,651の検出の情報などが含まれる。なお、上記デモ時間に関しては、大当り図柄のみではなく、大当りした際の遊技状態(通常中または時短中など)によって同一の大当り図柄であっても大当り開始デモや大当り終了デモに係るデモ時間を異ならせてもよい。
また、特別遊技制御手段150は、当否抽選の結果が小当りの場合、小当り遊技中に演出表示装置70等に表示される小当り開始デモ演出および小当り終了デモ演出に係るデモ演出時間を決定する。また、特別遊技制御手段150は、小当り開始デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「小当り開始デモコマンド」)と、小当り終了デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「小当り終了デモコマンド」)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
図柄表示制御手段155は、特別図柄表示制御手段156、普通図柄表示制御手段157、を含む。特別図柄表示制御手段156は、第1特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第1特別図柄を第1特別図柄表示装置71に変動表示させるとともに、該変動表示後に第1特別図柄を確定表示させる。また、特別図柄表示制御手段156は、第2特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第2特別図柄を第2特別図柄表示装置72に変動表示させるとともに、該変動表示後に第2特別図柄を確定表示させる。特別図柄表示制御手段156は、第1特別図柄および第2特別図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマを有している。第1特別図柄表示装置71および第2特別図柄表示装置72の動作状態は、メイン情報記憶手段180の特別図柄遊技ステイタスに基づき監視される。特別図柄表示制御手段156は、特別図柄の変動停止の際に(すなわち、特別図柄遊技タイマの値が「0」となるタイミングで)、演出制御基板200に対して装飾図柄の確定表示を要求するための演出制御コマンド(「変動停止コマンド」と称する)を生成する。普通図柄表示制御手段157は、普通図柄の変動パターン(変動時間)に従って、普通図柄を普通図柄表示装置75に変動表示させるとともに、該変動表示後に普通図柄を確定表示させる。普通図柄表示制御手段157は、普通図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための普通図柄遊技タイマを有している。普通図柄表示装置75の動作状態は、メイン情報記憶手段180の普通図柄遊技ステイタスに基づき監視される。
電動役物制御手段160は、特別図柄の当否抽選の結果が大当りとなった場合、特別図柄の確定表示後に、特別遊技処理として、特別電動役物ソレノイド643,653に制御信号を出力し、特別電動役物642,652を所定の作動パターンに従って開放させる。特別遊技は、特別電動役物642,652の1回の開閉動作を1回のラウンド遊技とし、当該ラウンド遊技を規定ラウンド数(本例では、16R,8R,2R)だけ連続して実行するものである。電動役物制御手段160は、特別電動役物642,652の作動回数(すなわち、実行中のラウンド数)を格納するための大入賞口開放カウンタを保持する。ここで、大当り種別がいわゆる16R大当り(図柄群A,D)又は8R大当り(図柄群B,E)である場合には、1回のラウンド遊技において第1大入賞口64又は第2大入賞口65を最大で約30秒間開放させる。他方、大当り種別がいわゆる2R大当り(図柄群C)である場合には、1回のラウンド遊技において第1大入賞口64を最大で約0.05秒間開放させる。ここで、特別遊技における大入賞口64,65の閉鎖条件(単位遊技の終了条件)とは、規定カウント数の遊技球の入賞又は規定秒数の開放可能期間の経過である。
また、電動役物制御手段160は、特別図柄の当否抽選の結果が小当りとなった場合、特別図柄の確定表示後に、小当り遊技処理として、特別電動役物ソレノイド643,653に制御信号を出力し、特別電動役物642,652を短期間だけ開放させる。小当り遊技は1回のラウンド遊技で構成される点で、複数回のラウンド遊技で構成される特別遊技(大当り遊技)とは区別される。ここで、前述した2R特別遊技と小当り遊技とを比較すると、内部的には相違するものの、1回の開閉時間(0.05秒)が同じ点及び開閉回数が同一である点(前者が1ラウンド当たり1開閉を2ラウンドの2回、後者が1ラウンド当たり2開閉を1ラウンドの2回)で共通するので、見た目上は近似した開放時間・開放パターンの遊技が繰り広げられる。
また、電動役物制御手段160は、普通図柄の当否抽選に当選した場合、普通電動役物ソレノイド623に制御信号を出力して、所定の開放時間だけ普通電動役物622を開放させる。ここで、電動役物制御手段160は、通常状態では普通電動役物622を極短時間(例えば0.2秒間)だけ開放させるのに対し、入球容易状態(電チューサポート状態)では普通電動役物622を通常状態と比較して相対的に長い時間(例えば4秒間)に亘り開放させる。
遊技状態制御手段165は、特別図柄の当否抽選の結果が大当りである場合に、当該大当りに係る図柄群の種類に基づき、特別遊技の終了後の遊技状態を決定するとともに、特別遊技の終了後の遊技状態を切り替える。以下では、前述した特別図柄および普通図柄に関する諸機能のうち、1)特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が作動する遊技状態を「確変状態」と称し、2)特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能のみが作動する遊技状態を「時短状態」と称し、3)特別図柄の確率変動機能のみが作動する遊技状態を「潜伏確変状態」と称し、4)全ての機能が作動していない状態を「通常状態」と称する。また、本実施形態では、前述のとおり、回数切りの所謂ST機であるため、特別遊技の終了後の遊技状態は、特別図柄の変動回数が特別遊技の終了時点から数えて所定の終期回数、すなわちST回数に到達するまでの間、確変状態が継続する(但し、ST回数内で次回の大当りが発生した場合には当該変動にて確変状態は終了する)。なお、ST期間中に小当りとなった場合には、ST回数が0リセット(復活)されることはなく、小当り発生の前後でST回数は継続してカウントされている。本実施形態では、ST回数は100回に設定されているが、他の回数に設定されてもよいことは勿論である。なお、確変状態へ移行した場合は、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が同時に作動して、該確変状態が継続する限り、各機能も継続することになる。なお、特別図柄の当否抽選の結果が大当りである場合には、当該大当り前の遊技状態が通常状態および確変状態のいずれであっても、特別遊技中は通常状態であり且つ特別遊技後はST回数を限度として一律に確変状態となる。一方、特別図柄の当否抽選の結果が小当りであれば、当該小当り前の遊技状態が通常状態であった場合、小当り遊技中および小当り遊技後の遊技状態も通常状態となる。また、当該小当り前の遊技状態が特別図柄の確変状態であった場合には、小当り遊技中および小当り遊技後の遊技状態も特別図柄の確変状態となる。なお、「確変状態」、「時短状態」、「潜伏確変状態」は、いずれも「通常状態」と比べて、遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。なお、以下では、各遊技状態を、特別図柄遊技の作動状態(高確率/低確率)と普通図柄遊技の作動状態(開放延長あり/開放延長なし)との組み合わせにより、(1)確変状態を「高確率/開放延長」、(2)時短状態を「低確率/開放延長」、(3)潜伏確変状態を「高確率/非開放延長」、(4)通常状態を「低確率/非開放延長」、と呼称することもある。
また、遊技状態制御手段165は、当否抽選の結果が大当りである場合に、当該大当りの種別(図柄群A〜Eの種類)に基づき、特別遊技後の変動パターン選択状態を決定するとともに、特別遊技後の変動パターン選択状態を切り替える。変動パターン選択状態とは、前述の変動パターンテーブルを選択する際に参照される条件の一つである。変動パターン選択状態の切り替え時期は、特別遊技の終了時又は変動パターン選択状態の終期回数を満了したときである。本実施形態では、変動パターン選択状態として、「低確率通常変動状態α」、「高確率短縮変動状態β」、「高確率特殊変動状態γ」などの3種類が存在する。ここで、低確率通常変動状態αとは、遊技状態が通常状態(低確率状態)のときに選択される通常変動パターンテーブル(図7のA1,B1)を参照して特別図柄の変動パターンを決定する状態である。高確率短縮変動状態βとは、遊技状態が特別図柄の確変状態(後述の限定期間を除く)のときに選択される確変変動パターンテーブル(図7のA2,B2)を参照して特別図柄の変動パターンを決定する状態である。高確率特殊変動状態γとは、遊技状態が特別図柄の確変状態であって特別遊技の終了直後の一定期間(第2特別図柄の作動保留球の最大数(4個)に対応した図柄変動回数(4回)の変動表示に亘る期間:「限定期間」と称する)のみ選択が許容される特殊変動パターンテーブル(図7のA3,B3)を参照して特別図柄の変動パターンを決定する状態である。本実施形態では、図柄群A〜Dのいずれが選択された場合でも、変動パターン選択状態は、(1)特別遊技の終了直後、図柄変動回数4回の限定期間のみ高確率特殊変動状態γに滞在し、(2)限定期間の終了後、且つ、その実行回数がST回数(100回)内にあるときは高確率短縮変動状態βに滞在し、(3)ST回数の終了後、すなわち、実行回数として101回目以降は低確率通常変動状態γに滞在する。無論、初当たりが発生するまでの期間は、低確率通常変動状態αに滞在することになる。なお、遊技状態制御手段165は、現在の遊技状態情報および変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(「遊技状態指定コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
エラー監視制御手段170は、I/Oポート回路104の入力情報を監視し、磁気センサによる磁気検知信号、断線短絡電源異常信号、電波センサによる電波検知信号、扉・枠開放信号などを検査して、遊技機がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態である場合には、演出制御基板200にエラー状態演出を指示すべく、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)を要求する。なお、図3では記載を省略しているが、扉開放スイッチはガラス枠5が開放されているか否かの検出手段であり、枠開放スイッチは前枠2が開放されているか否かの検出手段であり、裏セット開放スイッチは裏セット盤30が開放されているか否かの検出手段である。また、磁気センサおよび電波センサはいわゆるゴト行為を発見するための検出手段である。
メイン情報記憶手段180は、特別図柄遊技および普通図柄遊技にて取得した乱数値情報、特別図柄および普通図柄の作動保留球情報、特別図柄遊技および普通図柄遊技に関する遊技状態(確変状態、時短状態、入球容易状態)の情報、変動パターン選択状態に関する情報、当否抽選の結果情報(大当り、小当り、はずれ)、特別図柄や普通図柄に係る停止図柄および変動パターンの情報、特別遊技に関する情報(ラウンド数、開放時間、開放態様(1ラウンド遊技あたりの開放回数)など)、特別図柄表示装置71,72の動作状態を示すステイタス情報、特別電動役物642の動作状態を示すステイタス情報、演出制御コマンドデータの情報等を一時記憶するように構成されており、各情報を記憶するための所定の記憶領域を備えている。
コマンド送受信手段190は、コマンド送信要求があった場合に、メイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納された各種の演出制御コマンドデータをパラレル伝送方式にて演出制御基板200に送信するように構成されている。なお、各演出制御コマンドは、1バイトのMODEデータと、1バイトのEVENTデータとを含んだ2バイト構成となっており、MODEとEVENTを区別するために、MODデータのBit7は「1」、EVENTデータのBit7は「0」としている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、MODEおよびEVENTの各々に対してストローブ信号が出力される。各処理で発生した演出制御コマンドは、原則として、メイン情報記憶手段180のコマンド格納領域にセットされた順番に従って割込み周期毎に1コマンド送信される。
演出制御基板200は、図4に示すように、演出抽選乱数発生手段210、演出統括手段220、ランプ演出制御手段230、役物演出制御手段240、エラー演出制御手段250、サブメイン情報記憶手段260、コマンド送受信手段270、を含む。なお、演出制御基板200における上述の各手段は、演出制御基板200上に配されたサブメインCPU201、ROM202、RAM203、電子回路等のハードウェア及びROM202に格納された制御プログラム等のソフトウェアにより構成されるものを機能的に表現したものである。
演出抽選乱数発生手段210は、サブメインCPU201のプログラム処理によって各種のソフトウェア乱数(演出抽選乱数)を生成するための乱数カウンタを備えている。これらの乱数カウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を担っている。このソフトウェア乱数としては、先読み予告演出の実行可否の抽選に使用する先読み予告抽選乱数、先読み予告パターンの選択に使用する先読み予告パターン乱数、装飾図柄の停止図柄の選択に使用する装飾図柄乱数、装飾図柄の変動演出パターンの選択に使用する変動演出パターン乱数、予告演出パターンの選択に使用する予告演出パターン乱数、大当り演出パターンの選択に使用する大当り演出パターン乱数、保留内連荘演出の実行可否の抽選に使用する連荘演出抽選乱数、保留内連荘演出の連荘演出パターンの選択に使用する連荘演出パターン乱数などが含まれる。これらの乱数の更新時期としては、後述の演出制御側メイン処理内でコマンド解析が行われなかった場合の残余時間を利用して更新する。
演出統括手段220は、演出モード制御手段221、保留情報表示制御手段222、先読み予告制御手段223、装飾図柄決定手段224、変動演出決定手段225、予告演出決定手段226、大当り演出決定手段227、を含む。
保留情報表示制御手段222は、第1特別図柄の作動保留球数をカウントするための第1保留球数カウンタ、第2特別図柄の作動保留球数をカウントするための第2保留球数カウンタを有している。保留情報表示制御手段222は、主制御基板100からの図柄記憶数コマンドを受信すると、この図柄記憶数コマンドに含まれる作動保留球数の情報に基づき、第1保留球数カウンタおよび第2保留球数カウンタの値を更新する。また、保留情報表示制御手段222は、第1保留球数カウンタおよび第2保留球数カウンタの値に基づいて、演出表示装置70の保留表示部701,702に、第1特別図柄の作動保留球数に対応する数の保留画像と、第2特別図柄の作動保留球数に対応する数の保留画像とを表示する制御を行う。通常の表示態様では、特別図柄の作動保留球が生起されると白色表示の保留画像が表示される一方、次述する保留変化先読み予告演出が実行された場合には、先読み予告の対象となった保留画像が通常の表示態様(表示色)の「白色」から特殊な表示態様(表示色)として「青色」、「緑色」、「赤色」、「虹色」のうちのいずれかを取り得る。上記4種類の特殊な表示態様は、抽選結果が大当りとなる信頼度(「大当り信頼度」と称する)と関係しており、「青色」、「緑色」、「赤色」、「虹色」の順に1段階ずつ大当り信頼度が高くなるように設定されている。本例では、保留画像が「虹色」に変化した場合には、当該先読み対象の作動保留球において大当りが確定的となる。なお、保留変化先読み予告演出において、保留画像の表示態様の変化を表示色ではなく、形状や模様等で表現してもよい。
先読み予告制御手段223は、主制御基板100から事前判定コマンドを受信したことを契機として、先読み予告の実行可否を抽選にて決定する。先読み予告制御手段223は、第1特別図柄の事前判定結果の情報と第2特別図柄の事前判定結果の情報とを区別して、それぞれ所定の上限個数(4個)まで、作動保留球の入球順序と結合したかたちでサブメイン情報記憶手段260の先読み情報格納領域に一時記憶する。この先読み情報格納領域は、主制御基板100の保留記憶領域と同様の構成となっており、各始動口61,62への入球順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)がそれぞれ設けられている。各保留記憶領域は、当否事前判定結果の情報、図柄事前判定結果の情報、変動パターン事前判定結果の情報を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。
先読み予告制御手段223は、先読み予告の実行可否を判定するとき、主制御基板100による事前判定結果に基づき、この先読み予告の対象となる作動保留球に対して先読み的な判定(「先読み判定」とも称する)を実行する。本実施形態では、先読み予告には、通常先読み予告と特殊先読み予告(後述の保留内連荘演出)とが存在する。通常先読み予告は、装飾図柄の連続的な複数回の変動表示に亘って大当り当選又はリーチ演出発生の可能性を予告するいわゆる連続予告演出の一態様として発生される。先読み予告演出(連続予告演出)を実行可と判定した場合は、主制御基板100からの事前判定コマンドの情報(事前判定の結果)および図柄記憶数コマンドの情報(現存する作動保留球数)を解析して、今回の先読み予告演出の発生契機となる作動保留球(「トリガ保留」と称する)を対象として連続的な複数回の変動表示に亘る先読み予告演出パターンが抽選で決定される。なお、通常先読み予告には、保留変化先読み予告演出、チャンス目先読み予告演出、背景変化先読み予告演出など各種のバリエーションが存在する。一方、特殊先読み予告としては、大当り当選時に大当りとなる作動保留球が存在する可能性を示唆又は報知する保留内連荘演出が該当する。以下、「保留内連荘演出」の概要について説明する。
まず、「保留内連荘」とは、或る先行の作動保留球が消化された当否判定結果として大当りとなる場合、当該作動保留球に係る当否判定が許可されてから特別遊技の終了時までの特定期間内における所定タイミングにおいて存在する一以上の後続の作動保留球内に、大当りとなることが予定される作動保留球(「特定保留」とも称する)が存在することをいう。なお、以下では、後続の作動保留球のうち、はずれとなることが予定される作動保留球を「はずれ保留」、小当りとなることが予定される作動保留球を「小当り保留」とも称する。
本実施形態では、第1特別図柄の作動保留球よりも第2特別図柄の作動保留球を優先的に消化する、いわゆる優先消化を採用しており、保留内連荘の対象となる後続の作動保留球(特定保留)としては、第2特別図柄の作動保留球を対象とする。このように、本実施形態では、第2特別図柄の作動保留球を優先的に消化させる優先消化を採用しているため、保留内連荘は、先行の作動保留球が大当りで当選したときの遊技状態が特定遊技状態であることを前提として発生する。「特定遊技状態」とは、通常状態よりも特別遊技への移行確率が高められた状態であり、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能、電チューサポート機能のうちの少なくとも一の機能が作動した状態のことである。本例では、特定遊技状態として少なくとも電チューサポート機能(入球容易状態)が作動していることを条件とする。ここで、本実施形態では、特別遊技の終了後のST期間中に、確率変動機能、変動時間短縮機能、および電チューサポート機能が作動する(同時に作動を開始して、同時に作動を終了する)構成となっているため、ST期間中は常に特定遊技状態であるといえる。。なお、本実施形態では、遊技状態が通常状態である状況下、当否判定の結果が確変大当りとなった場合(その特別遊技の終了後に特定遊技状態へ移行される状況である場合)、後続の作動保留球内に特定保留が存在していたとしても、その特別遊技中に保留内連荘演出が発生しないように構成されている。
続いて、「保留内連荘演出」とは、保留内連荘であることを示唆又は報知するための演出である。この保留内連荘演出には、図柄変動中に発生する第1の保留内連荘演出(「保留内連荘演出A」と称する)と、特別遊技中に発生する第2の保留内連荘演出(「保留内連荘演出B」と称する)とが含まれる。なお、本実施形態では、第1の保留内連荘演出と第2の保留内連荘演出との両方を備えているが、いずれか一方の保留内連荘演出を備えるものであってもよい。
保留内連荘演出Aの実行可否は、先行の作動保留球が消化されるタイミングにおいて第1実行条件が成立している場合に抽選にて決定される。本実施形態では、先行の作動保留球が高利益大当り(16R大当り)となることを前提とし、後続の作動保留球内に高利益大当り(16R大当り)となる特定保留が最先の特定保留として含まれる場合に、第1実行条件が成立する。換言すれば、後続の作動保留内に特定保留(=大当りとなる予定の保留)が存在していても、その特定保留に係る大当り種別が高利益大当りでない場合は、保留内連荘演出Aが実行されない。更に言えば、「後続の作動保留内に特定保留が複数存在する状況下、最先の特定保留に係る大当り種別が高利益大当りでなく且つ次の特定保留に係る大当り種別が高利益大当りである場合」であっても、保留内連荘演出Aが実行されない。従って、本例では、保留内連荘演出Aが発生した場合、高利益大当り(16R大当り)で保留内連荘することが確定的となる。なお、後続の作動保留球内に高利益大当り(16R大当り)となる特定保留が最先の特定保留として含まれる場合であっても、その特定保留より先に消化予定の保留が「ハズレであっても特定の変動パターン(所定時間以上の変動パターンである場合、例えば、最短変動時間以外の変動パターンや、リーチに係る変動パターン)を選択予定のもの」である場合には、保留内連荘Aを実行しない構成としてもよい。
保留内連荘演出Bの実行可否は、特別遊技の開始前のタイミングにおいて第2実行条件が成立している場合に抽選にて決定される。本実施形態では、先行の作動保留球が高利益大当り(16R大当り)となることを前提とし、後続の作動保留球内に特定保留が含まれる場合の他、後続の作動保留球が全てはずれ保留である場合でも、第2実行条件が成立するものとする。よって、保留内連荘演出Bが発生した場合でも、保留内連荘であることは確定せず、いわゆるガセ演出となる場合がある。なお、保留内連荘演出Aと同様に、保留内連荘演出Bが発生した場合、保留内連荘が確定的となる構成を採用してもよい。なお、保留内連荘演出Aと同様に、保留内連荘演出Bが発生した場合、保留内連荘が確定的となる構成を採用してもよい。また、保留内連荘演出Bにおいても、保留内連荘演出Aと同様に、先行の作動保留球が高利益大当り(16R大当り)となることを前提とし、後続の作動保留球内に高利益大当り(16R大当り)となる特定保留が最先の特定保留として含まれる場合に、第2実行条件が成立することとしてもよい。換言すれば、後続の作動保留内に特定保留(=大当りとなる予定の保留)が存在していても、その特定保留に係る大当り種別が高利益大当りでない場合は、保留内連荘演出Bが実行されない。更に言えば、「後続の作動保留内に特定保留が複数存在する状況下、最先の特定保留に係る大当り種別が高利益大当りでなく且つ次の特定保留に係る大当り種別が高利益大当りである場合」であっても、保留内連荘演出Bが実行されない。従って、この場合には、保留内連荘演出Bが発生した場合、高利益大当り(16R大当り)で保留内連荘することが確定的となる。なお、後続の作動保留球内に高利益大当り(16R大当り)となる特定保留が最先の特定保留として含まれる場合であっても、その特定保留より先に消化予定の保留が「ハズレであっても特定の変動パターン(所定時間以上の変動パターンである場合、例えば、最短変動時間以外の変動パターンや、リーチに係る変動パターン)を選択予定のもの」である場合には、保留内連荘Bを実行しない構成としてもよい。
先読み予告制御手段223は、サブメイン情報記憶手段260の先読み情報格納領域(保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域)に記憶された事前判定結果の情報を参照して、保留1記憶領域→保留2記憶領域→保留3記憶領域→保留4記憶領域の順番で、すなわち、後続の作動保留球のうち最先のものから順番に先読み判定を行い、この後続の作動保留球内に複数の特定保留が含まれている場合には、保留内連荘演出Aの先読み判定では最先の特定保留のみを対象とする一方で、保留内連荘演出Bの先読み判定では複数の特定保留を対象とする。すなわち、保留内連荘演出にて報知される特定保留の個数は常に1個であるのに対して、保留内連荘演出Bにて報知される特定保留の個数は1個とは限らず複数個のときもあり得る。
続いて、保留内連荘演出の演出内容(「連荘演出パターン」と称する)は、連荘演出パターンテーブルに基づき決定される。本例では、連荘演出パターンを決定する際に参照される複数種の連荘演出パターンテーブルが保持されている。
図8(A)は保留内連荘演出Aの連荘演出パターンを選択する際に参照される連荘演出パターンテーブル、図8(B)は保留内連荘演出Bの連荘演出パターンを選択する際に参照される連荘演出パターンテーブルである。各連荘演出パターンテーブルには、複数種の連荘演出パターンが規定されており、各連荘演出パターンに対応して演出内容および実行タイミングが定められている。各図中では、説明の便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には連荘演出パターン乱数値に応じて、連荘演出パターンを決定するための判定値(乱数値の範囲)が設定されており、連荘演出パターン乱数値がいずれの判定値に属するかに基づき、連荘演出パターンが決定されるようになっている。なお、本実施形態では、図8に示すように、保留内連荘演出の具体的演出態様として演出画像AX,BXが用意されているが、「演出画像」としては、静止画で構成される演出画像、動画で構成される演出画像、静止画および動画の両方で構成される演出画像を例示できる。
図8(A)に示すように、保留内連荘演出Aの演出パターンテーブルには、複数種の演出パターンPA1,PA2が定められている。連荘演出パターンPA1が選択された場合には、装飾図柄の変動中に、保留内連荘演出以外のいかなる場面でも現出することのない、特殊な演出画像「AX1」が表示される。図9(A)に示すように、演出画像AX1としては、例えば、装飾図柄の変動中に流れ星が画面を横切るような演出が該当する。連荘演出パターンP2が選択された場合には、装飾図柄の最終停止図柄として、図9(B)に示すように、その他のいかなる場面でも現出することのない、特殊の大当り図柄「S・S・S」が確定表示される演出が該当する。
なお、本例において、保留内連荘演出Aは、先行の作動保留球が高利益大当り(16R特定大当り)となり、且つ、後続の作動保留球内に高利益大当り(16R特定大当り)となることが予定される特定保留が含まれる場合にのみ発生する。従って、保留内連荘演出Aの発生時点で、高利益大当りが連続することが確定する。
図8(B)に示すように、保留内連荘演出Bの演出パターンテーブルには、複数種の演出パターンPB1〜PB9が定められている。演出パターンPB1が選択された場合には、開始デモ演出中に、保留内連荘演出以外のいかなる場面でも現出することのない特殊な演出画像「BX1」が表示される。図9(C)に示すように、開始デモ演出では、演出画像BX1として、「ボーナス」という文字情報が表示される。また、演出パターンPB2〜PB7が選択された場合には、ラウンド演出中に、保留内連荘演出以外のいかなる場面でも現出することのない特殊な演出画像「BX2」が表示される。図9(D)に示すように、演出画像BX2としては、例えば、画面内に奥義書を模した画像が一つ登場する演出が該当する。演出パターンPB8が選択された場合には、ラウンド演出中に、保留内連荘演出以外のいかなる場面でも現出することのない特殊な演出画像「BX3」が表示される。図9(E)に示すように、演出画像BX3としては、例えば、画面内に奥義書を模した画像が二つ登場する演出が該当する。なお、この演出パターンPB8は、後続の作動保留球内に特定保留が複数存在する場合に選択され得る。また、演出パターンPB9が選択された場合には、終了デモ演出中に、保留内連荘演出以外のいかなる場面でも現出することのない特殊な演出画像「BX4」が表示される。図9(F)に示すように、終了デモ演出では、演出画像BX4として、「奥義伝承」という文字情報が表示される。
このように保留内連荘演出Bは、大当り演出の一連の過程における、開始デモ演出、ラウンド演出、デモ終了演出のうちのいずれかにて発生する。また、保留内連荘演出Bは、複数回のラウンド演出内において、1回(単一のラウンド)のみ発生する場合と、複数回(複数のラウンド)で発生する場合とがある。なお、本例において、保留内連荘演出Bは、先行の作動保留球が高利益大当り(16R特定大当り)となることを前提として、後続の作動保留球内に特定保留が含まれている場合だけでなく、後続の作動保留球内に特定保留が含まれない場合(すなわち、はずれ保留のみ)でも発生することがある。すなわち、開始デモ演出中および終了デモ演出中に発生する保留内連荘演出Bとして選択される演出パターンPB1,PB9は、特定保留(1個)が含まれている場合にのみ選択され得るものであるため、保留内連荘の確定を報知する演出に該当するのに対して、ラウンド演出中に発生する保留内連荘演出Bとして選択される演出パターンPB2〜PB8は、特定保留(1個、2個)が含まれている場合だけでなく、特定保留が含まれていない場合でも選択され得るものであるため、保留内連荘の可能性を示唆する演出に該当する。そのため、保留内連荘演出Bとして奥義書(1個又は2個)が出現したとしても、保留内連荘は必ずしも確定せず、当該奥義書に係る保留内連荘演出Bが発生した時点で、後続の作動保留球内に、特定保留が存在する場合(保留内連荘の報知が真実の場合)と、特定保留が存在しない場合(保留内連荘の報知がガセである場合)とが択一的に生じ得る。また、ラウンド演出中に発生する保留内連荘演出Bとして選択される演出パターンPB2〜PB7は、特定保留が1個含まれている場合又は特定保留が含まれない場合に選択され得るものであるため、これに対応する演出画像BX2は、後続の作動保留球内に一の特定保留が含まれる可能性のみを報知し得るものであるのに対して、演出パターンPB8は、特定保留が複数個含まれる場合又は特定保留が含まれない場合に選択され得るものであるため、これに対応する演出画像「BX3」は、後続の作動保留球内に複数の特定保留が含まれている可能性を報知し得るものである。つまり、後続の作動保留球内に含まれる特定保留の個数が、奥義書の個数と対応したかたちで遊技者に対して示唆される。
また、保留内連荘演出が発生する場合、すなわち、先行の作動保留球と後続の作動保留球とのそれぞれで大当りが発生することで、短期間のうちに複数の特別遊技が発生することが予定されている場合には、外観上、これらの複数の特別遊技状態を一つの特別遊技状態に見せるための特殊連続演出が発生する。つまり、特殊連続演出は、実際には特別遊技が一旦終了して、図柄変動演出に移行しているのにも関わらず、この図柄変動演出中も特別遊技が継続しているかのように見せかける演出である。本例では、説明の便宜上、複数の大当りとして二つの大当りを想定する。ここで、先行の作動保留球に基づく大当りおよび特別遊技を「先の大当り」および「先の特別遊技」とも称し、後続の作動保留球に基づく大当りおよび特別遊技を「後の大当り」および「後の特別遊技」とも称する。
特殊連続演出は、少なくとも、先の特別遊技における終了デモ演出(「特殊終了デモ演出」)と、先の特別遊技と後の特別遊技との間に発生する図柄変動演出(「特殊図柄変動演出」)と、後の特別遊技における開始デモ演出(「特殊開始デモ演出」)とが連続的に繋がって構成される。具体的には、特殊終了デモ演出と特殊図柄変動演出と特殊開始デモ演出とが一連の連続演出として実行され、先の特別遊技から後の特別遊技までに亘る演出において一貫したストーリー性のある演出内容、関連性のある演出内容、又は一連の動画像表示とすることで、先の特別遊技と後の特別遊技とが継続した一つの特別遊技として見せることができる。なお、このような趣旨により、先の大当りにおける特殊終了デモ演出では、通常の終了デモ演出とは異なり、特別遊技の終了を告げるメッセージは表示されず、同様に、後の大当りにおける特殊開始デモ演出では、通常の開始デモ演出とは異なり、特別遊技の開始を告げるメッセージは表示されない。なお、上述の変形例として、特殊連続演出は、先の特別遊技における終了デモ演出と、後の大当りに係る図柄変動演出までの1以上の図柄変動演出とが連続的に繋がって構成されるものであってもよい。
本例では、特殊連続演出の実行条件は、先の大当りが高利益大当り(16R特定大当り)、且つ、後の大当りが高利益大当り(16R特定大当り)であること、つまり、先行の作動保留球が16R大当りで当選することを前提に、後続の作動保留球内に16R大当りが最先の特定保留として含まれることである。なお、後続の作動保留球がいずれもはずれの保留のみである場合、あるいは、後続の作動保留球内に8R大当りが最先の特定保留として含まれる場合には、いわゆるガセ演出として特殊連続演出が途中で終了する。
特殊連続演出の一部を構成する特殊図柄変動演出は、先の特別遊技の終了直後における限定期間内に発生するものである。そのため、特殊図柄変動演出の内容は、特殊演出モードの滞在下で選択される変動演出パターン(「特殊変動演出パターン」と称する)に基づく。なお、本例では、抽選結果が16R大当り又ははずれの場合にのみ、特殊変動演出パターンが選択される。すなわち、この限定期間では、16R大当り又ははずれになる場合に、変動時間を平均変動時間よりも短い(本例では最短の変動時間の)2秒に設定した特殊変動演出が発生する。はずれの場合にも特殊変動演出パターンが選択されるのは、最先の特定保留(16R大当り)は必ずしも後続の作動保留球内で最先にあるわけではなく、その間にはずれ保留が介在する場合でも、すなわち、最先の特定保留(16R大当り)が消化されるまでの間も特殊変動演出で繋げる必要があるからである。具体的には、主制御基板100側では、特別遊技後の限定期間内において高確率特殊変動状態γに遷移しており、特別図柄の変動パターンの選択において特殊変動パターンテーブルが参照される状況下、当該特殊変動パターンテーブルでは、16R大当り又ははずれである場合、いずれも超短縮の変動時間(2秒)となる特殊な変動パターンPX9,PH9が選択される。演出制御基板200側では、特殊演出モードに滞在下、この変動パターンPX9,PH9に紐付いて、上記の特殊変動演出パターンが選択され、特殊変動演出が実行される。このように特殊変動演出を超短縮の変動時間(2秒)から構成する理由としては、先の特別遊技と後の特別遊技との間に発生する変動演出を短縮化させて、先の特別遊技と後の特別遊技とをシームレスに繋げるためである。
なお、後続の作動保留球が全てはずれの場合には、限定期間中において特殊変動演出が発生するものの、後の大当り(16R大当り)は発生せず、限定期間の終了により、特殊連続演出を途中で終了する(いわゆるガセ演出となる)。一方、後の大当りが8R大当りである場合には、限定期間中においてスーパーリーチ演出が現出され、これにて特殊連続演出が途中で終了し(いわゆるガセ演出となる)、高利益大当りの発生も否定される。したがって、限定期間内では、変動演出パターンとして、当否抽選の結果が16R大当りである場合には超短縮の変動態様(特殊変動演出:2秒)のみが選択される一方、8R大当りである場合には長時間の変動態様(スーパーリーチ演出:90秒)のみが選択されるため、装飾図柄の変動態様がリーチ演出に発展した時点で、高利益大当りで保留内連荘することが否定される。なお、後続の作動保留球がいずれもはずれの保留のみである場合、あるいは、後続の作動保留球内に8R大当りが最先の特定保留として含まれる場合には、特殊連続演出を実行しないように構成してもよい(すなわち、最先の特定保留が16R大当りである場合に限って特殊連続演出を発生させる)。その場合には、保留内連荘演出Bにガセ演出を含めずに、保留内連荘演出Bの発生によって保留内連荘が確定する仕様であることが好ましい。
また、本実施形態では、特殊連続演出には、後の特別遊技におけるラウンド演出において発生する擬似カウント演出が含まれる。この擬似カウント演出は、後の特別遊技におけるラウンド数および獲得賞球数に、先の特別遊技におけるラウンド数および獲得賞球数を上乗せして表示するものである(詳細後述)。
また、本実施形態では、保留内連荘演出および特殊連続演出を実行するうえで、以下の制約条件がある(詳細は図38を用いて後述する)。
1−1)先行の作動保留球の消化に基づく図柄変動表示中に保留内連荘演出Aが発生した場合は、当該変動表示後、その特別遊技中に保留内連荘演出Bは発生しない。その理由としては、特別遊技中に保留内連荘演出Bを改めて発生させてしまうと、保留内連荘回数(後続の作動保留球内に存在する特定保留の個数)が1回であるにも関わらず、複数回あると遊技者に誤認させてしまうおそれや、本例では確定報知演出ではない保留内連荘演出Bであるが故に、本当に保留内連荘が起こるのかといった不安を遊技者に覚えさせてしまうおそれがあるからである。なお、先行の作動保留球の消化に基づく図柄変動表示中に保留内連荘演出Aが発生した場合でも、当該変動表示後、その特別遊技中に保留内連荘演出Bは発生させるように構成してもよく、その場合には、保留内連荘演出Bを保留内連荘の確定報知演出として構成することが好ましい。
1−2)先行の作動保留球の消化に基づく図柄変動表示中に保留内連荘演出Aが発生した場合は、後続の作動保留球が消化されたときの図柄変動表示中に保留内連荘演出Aは再度発生しない。これは特殊連続演出の発生に伴って二つの特別遊技状態を一つの特別遊技状態として見せようとしても、この特殊連続演出の実行中に図柄変動演出としての保留内連荘演出Aが発生したのでは、図柄変動演出中であることを秘匿するという趣旨を没却してしまうおそれがあるからである。また、保留内連荘演出Aの発生を契機として特殊連続演出が開始された場合、この特殊連続演出中(限定期間内)において後続の作動保留球が消化されたときの変動時間は極短時間(2秒)に設定されているため、この短時間内に保留内連荘演出Aを発生させても演出効果が低く、また、保留内連荘演出と特殊連続演出との競合によって両者の演出効果が希薄化されるおそれがあるからである。
1−3)先行の作動保留球の消化に基づく変動表示中に保留内連荘演出Aが発生した場合は、後続の作動保留球が大当りとなった場合の当該大当り演出中に保留内連荘演出Bは発生し得る。これは特殊連続演出中であっても大当り演出中に発生するものであれば、遊技者は通常の保留内連荘演出Bが発生したものと感じ、違和感が生じ得ないからである。また、特殊連続演出は、少なくとも先の大当り演出中の終了デモ演出から後の大当り演出中の開始デモ演出までの一連の演出を繋げるものであるため、特殊連続演出の終了後(すなわち、後の特別遊技におけるラウンド演出以降のタイミング)に保留内連荘演出を発生させるものであれば、保留内連荘演出と特殊連続演出とが競合するという不具合は生じないからである。
演出モード制御手段221は、主制御基板100からの遊技状態指定コマンドに基づき、主制御基板100側で管理された遊技状態および変動パターン選択状態との整合性をとるかたちで、演出モードの移行制御を実行する。本実施形態では、3種類の演出モードとして、通常演出モードα、確変演出モードβ、特殊演出モードγが含まれており、主制御基板100から指示された特別図柄の変動パターンが同一であっても、演出モード毎に図柄変動演出の具体的内容を特定する変動演出パターン(詳細後述)が異なるように設定されている。演出表示装置70には、現在滞在中の演出モードに対応した演出モード報知画像(本例では、装飾図柄の背面表示となる背景画像)が表示され、この背景画像は演出モード毎に互いに異なるよう設定されているため、背景画像の種類から、現在滞在中の演出モードがいずれであるかを遊技者が認識し得るようになっている。
各演出モードについて概説する。まず、通常演出モードαは、主制御基板100側の変動パターン選択状態として、低確率通常変動状態αが選択されている場合に設定され、その背景画像として「通常背景」が表示される。確変演出モードβは、主制御基板100側の変動パターン選択状態として、高確率短縮変動状態βが選択されている場合に設定され、その背景画像として「確変背景」が表示される。特殊演出モードγは、主制御基板100側の変動パターン選択状態として、高確率特殊変動状態γが選択されている場合に設定される。この特殊演出モードは、特別遊技の終了直後の4回に亘る期間(限定期間)を限度として滞在し、この限定期間を超えると、確変演出モードβに遷移する。特別遊技中に保留内連荘演出Bが発生した場合、すなわち、連続変動演出が実行されている場合には、背景画像として「特殊背景」を表示する。この特殊背景は、特殊開始デモ演出および特殊終了デモ演出における背景表示と共通するものであり、特殊連続演出中の一連の過程として共通の背景表示が行われることで、特殊連続演出の一要素としても機能する。一方、特別遊技中に保留内連荘演出Bが発生しなかった場合、すなわち、連続変動演出が実行されていない場合には、背景画像として確変演出モードと共通の「確変背景」を表示する。
装飾図柄決定手段224は、主制御基板100からの変動開始コマンドに含まれる情報(変動パターン情報、キャラクタ演出番号情報)に基づき、装飾図柄の最終的な停止図柄の組み合わせ(左図柄・中図柄・左図柄)を抽選により決定する。本例では、複数種類の装飾図柄を含む3つの図柄列が構成される。この装飾図柄は、例えば、数字又は文字からなる識別要素により形成されている。本例では、識別要素として、「1」〜「9」の数字、「S」の文字などの全10種類が設定されている。各装飾図柄は図柄列の配列に従って「1」→「2」→「3」→・・・→「8」→「9」→「S」の順序で各表示領域Z1,Z2,Z3にて巡回表示させる。
また、装飾図柄決定手段224は、装飾図柄の停止図柄の組合せ(「停止図柄パターン」ともいう)を抽選で決定する際に参照される複数種の停止図柄パターンテーブルを保持している。この複数種のテーブルとしては、大当り用の停止図柄パターンテーブル、小当り用の停止図柄パターンテーブル、リーチはずれ用の停止図柄パターンテーブル、非リーチはずれ用の停止図柄パターンテーブルなどがある。装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組み合わせとして形成され、「大当りを示す停止図柄(大当り図柄)」と、「はずれを示す停止図柄(はずれ図柄)」とを含む。特定大当り(確変大当り)を示す大当り図柄は、同一の奇数数字の図柄が3つ揃った停止態様の組合せ(例えば「7・7・7」)となる。通常大当り(非確変大当り)を示す大当り図柄は、同一の偶数数字の図柄が3つ揃った停止態様の組合せ(例えば、「2・2・2」)となる。はずれ図柄は、3つの図柄のうちの少なくとも1つが他の数字と異なる数字の図柄となる停止態様の組合せ(例えば「1・3・8」)となる。ここで、はずれ図柄のうちリーチはずれ図柄は、左図柄と右図柄とが一致している状態で中図柄のみが前後に数コマずれた停止態様の組合せ(例えば「3・1・3」)となる。なお、「小当りを示す停止図柄(小当り図柄)」や、大当り図柄であっても2R大当り図柄などの場合は、例えば「3・5・7」のような所定の停止態様の組み合わせとなる場合がある。なお、本実施形態では、前述のように、保留内連荘を確定的に報知するための特殊の大当り図柄として「S・S・S」が設けられている。装飾図柄決定手段224は、保留内連荘演出Aを実行することが決定された場合に、連荘演出パターンPA2が選択されているときは、通常の大当り図柄(「3・3・3」など)を、特殊の大当り図柄(「S・S・S」)に差し替える。
変動演出決定手段225は、主制御基板100からの変動開始コマンドに含まれる情報(変動パターン情報)に基づき、装飾図柄の変動表示における変動開始から停止までの変動過程(演出過程)を規定した変動演出パターンを決定する。本実施形態では、リーチ表示後に行われる図柄変動演出(リーチ演出)として、演出内容が単純なリーチ演出(ノーマルリーチ演出)と、演出内容が途中で発展するリーチ演出(スーパーリーチ演出)とが含まれる。変動演出決定手段225は、変動演出パターンを選択する際に参照される複数種の変動演出パターンテーブルを保持しており、これら複数種の変動演出パターンテーブルの中から特別図柄の変動パターン(変動時間)に対応した変動演出パターンテーブルを選択するようになっている。変動演出パターンテーブルでは、特別図柄の変動パターン抽選の結果(すなわち、リーチ種別)に応じて、変動演出パターン乱数値と変動演出パターンとが対応付けられている。ここで、主制御基板100側では変動パターンとして図柄変動の基本パターン(例えば、「ノーマルリーチA」、「スーパーリーチA」など)が定まるのに対して、演出制御基板200側では変動演出パターンとして当該基本パターンを基に演出表示過程のシナリオを詳細に規定した図柄変動の詳細パターン(例えば、「ノーマルリーチA1,A2,A3…」、「スーパーリーチA1,A2,A3…」など)が定まる。このように装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち、装飾図柄の変動開始から変動終了までの一連の演出表示過程のシナリオが定義されており、当該表示過程中の各段階において予告演出を発生させるタイミングなどもタイムスケジュールとして規定されている。なお、装飾図柄を停止させるための停止順序は、変動演出パターン毎に予め定められており、本実施形態では原則として、左図柄→右図柄→中図柄の順に停止させる。但し、変動時間の短い変動演出パターンである場合には、左図柄・中図柄・右図柄をほぼ同時に停止させ、特定の変動演出パターンである場合には、左図柄→中図柄→右図柄の順に停止させることもできる。このとき、上記原則の停止順序(左図柄→右図柄→中図柄)でない場合は、大当り期待度が相対的に高くなる傾向となる。
予告演出決定手段226は、上述した変動演出パターンのシナリオに沿って装飾図柄の変動過程の各段階で実行される予告演出の内容を規定した予告演出パターンを決定する。予告演出パターンには、特定のキャラクタの画像、アニメーションなどを一時的又は段階的に画像表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターン、可動役物を動作させる演出パターン等が含まれる。予告演出は、装飾図柄の変動表示と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する大当り信頼度が高いことを予告的に示唆するものである。予告演出には、装飾図柄の変動過程においてリーチ状態が発生する前(リーチ発生時を含む)に実行される予告演出と、リーチ状態が発生した後に実行される予告演出とがある。予告演出はそれぞれ大当り信頼度が異なるものとなっており、基本的には、リーチ発生前に表示される予告演出よりも、リーチ発生後に表示される予告演出の方が相対的に大当り信頼度は高くなっている。予告演出決定手段226は、予告演出パターンを選択する際に参照される予告演出パターンテーブルを予告演出の種類別に保持しており、変動演出パターンのシナリオに沿って発生する予告演出の種類に応じた予告演出パターンテーブルを選択するようになっている。予告演出決定手段226は、上記で選択された予告演出パターンテーブルを参照して、演出抽選乱数発生手段210から取得した予告演出パターン乱数値に基づき、抽選によって、複数種の予告演出パターンの中からいずれかを選択する。なお、具体的な予告演出パターンの種類としては、コメント予告演出パターン、背景予告演出パターン、SU(ステップアップ)予告演出パターン、群予告演出パターン、カットイン予告演出パターン、役物可動予告演出パターン、などが用意されている。この予告演出は、基本的には、演出表示装置70での装飾図柄の変動表示に、1又は複数の予告演出の表示を合成することによって行われる。そのため、同一の変動演出パターンによる装飾図柄の変動表示であっても、1又は複数の予告演出との組み合わせによって多彩な演出態様を発生させることが可能となる。
大当り演出決定手段227は、特別遊技中であることを報知する大当り演出の内容(大当り演出パターン)を決定する。大当り演出は、特別遊技の開始を報知する開始デモ演出と、ラウンド遊技中であることを報知するラウンド演出と、特別遊技の終了を報知する終了デモ演出とを含む。大当り演出決定手段227は、主制御基板100から大当り開始デモコマンドを受信した場合、サブメイン情報記憶手段260に格納された大当り種別の情報などに基づき、大当り演出パターン(開始デモ演出パターン、ラウンド演出パターン、終了デモ演出パターン)を決定する。この大当り演出パターンには、大当り種別に応じて、大当り開始デモ演出時間とラウンド演出時間(大入賞口64,65の開放パターンに応じた演出時間)と大当り終了デモ演出時間とが設定されるとともに、その時間軸に沿って一連の演出内容が設定されている。また、大当り演出決定手段227は、大当り演出パターンに従って、主制御基板100から大当り開始デモコマンドを受信したことを契機として開始デモ演出を実行し、ラウンド演出指定コマンドを受信したことを契機として各ラウンド演出を実行し、大当り終了デモコマンドを受信したことを契機として終了デモ演出を実行する。
ここで、通常の大当り開始デモ演出では、例えば画面上に「大当り開始」の文字が表示されて、特別遊技の開始が告げられる。また、通常のラウンド演出では、例えば画面上の現在実行中のラウンド数や獲得賞球数が表示されるとともに、特別遊技を盛り上げる各種画像(アニメーション画像など)が表示される。そして、通常の大当り終了デモ演出では、例えば画面上に「大当り終了」の文字が表示されて、特別遊技の終了が告げられる。
なお、特殊連続演出が実行される場合には、先の大当りにおける終了デモ演出を通常の演出内容から特殊の演出内容(特殊変動演出と一体性をもたせる演出内容)に差し替えるとともに、大当り終了の文字を表示しない。また、特別連続演出が実行される場合には、後の大当りにおける開始デモ演出を通常の演出内容から特殊の演出内容(特殊変動演出と一体性をもたせる演出内容)に差し替えるとともに、大当り開始の文字を表示しない。さらに、特殊連続演出が実行される場合には、後の特別遊技におけるラウンド演出にて、後の特別遊技の実行ラウンド数に、先の特別遊技のラウンド数を上乗せしたかたちで報知するとともに、後の特別遊技の賞球獲得数に、先の特別遊技の賞球獲得数を上乗せしたかたちで報知する擬似カウント演出が行われる。また、大当り演出決定手段227は、特別遊技中の大当り演出として昇格演出(昇格成功演出、昇格失敗演出)を実行する(詳細後述)。
以上、演出統括手段220は、前記決定された演出内容(先読み演出パターン、連荘演出パターン、変動演出パターン、予告演出パターン、停止図柄パターン、大当り演出パターンなど)に基づき画像および音響に関する画像制御コマンドを生成して、これをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納する。
ランプ演出制御手段230は、演出統括手段220にて設定された演出内容に従って演出ランプの点灯や発光色等を制御する。ランプ演出制御手段230は、演出ランプLP(枠ランプ10、盤ランプ25)を点灯制御するための複数種のランプデータ(ランプパターンデータ)を保持しており、前記決定した演出パターンに応じたランプデータを読み出して、このランプ制御信号(ランプデータ)をランプ接続基板91へ送信する。
役物演出制御手段240は、演出統括手段220にて設定された演出内容に従って各可動役物24の駆動を制御する。役物演出制御手段240は、可動役物24を駆動制御するための複数種の駆動データを保持しており、前記決定した演出パターンに応じた駆動制御信号(駆動データ)をモータドライバ92へ送信する。
エラー演出制御手段250は、主制御基板100からエラー演出指定コマンドを受信した場合にエラー演出パターンを決定し、遊技機にエラー状態が発生したことを当該エラー演出パターンに従って報知するように構成されている。
サブメイン情報記憶手段260は、装飾図柄の情報、変動演出パターンの情報、予告演出パターンの情報、制御コマンドの情報等を一時記憶するように構成されており、各情報を記憶するための所定の記憶領域を備えている。例えば、コマンド格納領域には、主制御基板100からの演出制御コマンドを格納するための演出制御コマンドバッファ、画像制御基板300への画像制御コマンドを格納するための画像制御コマンドバッファ、画像制御基板300からのACKコマンドを格納するためのACKコマンドバッファを含む。各コマンドバッファはそれぞれリングバッファから構成されており、所定数の演出制御コマンド、画像制御コマンド、ACKコマンドをそれぞれ格納可能である。
コマンド送受信手段270は、主制御基板100から送信された演出制御コマンドを受信し、この演出制御コマンドを演出制御コマンドバッファに格納するように構成されている。コマンド送受信手段270は、主制御基板100からの前述のストローブ信号の入力に基づき割込みを発生させて演出制御コマンドの受信割込み処理(詳細後述)を実行し、この割込み処理において各種の演出制御コマンドを取得するようになっている。なお、コマンド送受信手段270は、ストローブ信号を受信した場合には、この演出制御コマンドの受信割込み処理を他の割込み処理(後述する優先レベル7未満の割込み処理)よりも優先的に行うようになっている。
また、コマンド送受信手段270は、演出統括手段220にて設定された演出内容(変動演出パターン情報、予告演出パターン情報、装飾図柄情報など)の実行を指示すべく、サブメイン情報記憶手段260に格納された画像制御コマンドをシリアル通信方式にて画像制御基板300へ送信する。画像制御コマンドは、原則として、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域にセットされた順番に従って所定の周期(本例では500μs)毎に送信される。これにより、画像制御基板300は、演出制御基板200から送信された各種の画像制御コマンドを解析し、変動演出パターンのシナリオに沿って演出表示装置70に装飾図柄を含む演出画像を変動表示させるとともに、変動表示過程の各段階で図柄変動の演出に重畳させたかたちで予告演出を表示させる。さらに、コマンド送受信手段270は、画像制御基板300から送信されたACKコマンドを受信し、このACKコマンドをACKコマンドバッファに格納するようになっている。
<主制御基板側の処理>
次に、図10〜図24のフローチャートを参照しながら、主制御基板100における動作処理の手順について説明する。主制御基板100側の処理は、主制御側メイン処理と、主制御側タイマ割込み処理と、を含んで構成される。
《主制御側メイン処理》
図10〜図11は主制御基板100の主制御側メイン処理を示すフローチャートである。この主制御側メイン処理では、電源投入時のリセットによりメインCPU101のセキュリティチェックが行われた後、プログラムがスタートして、S1以降の処理が開始される。
まず、電源投入時に必要な初期設定として、スタックポインタにスタック領域の初期値として先頭アドレスを設定するとともに(S1)、RAM103のアクセス許可を行う(S2)。続いて、タイマ割込みが発生した場合に処理するプログラムの先頭アドレスが格納されたベクタテーブルを設定し(S3)、メインCPU101の内蔵レジスタに初期値を設定する(S4)。
続いて、RAMクリアスイッチがオンされているか否かを判定する(S5)。RAMクリアスイッチがオンされている場合(S5:YES)には、後述するS9でRAM103の全領域がゼロクリアされる。他方、RAMクリアスイッチがオンされていない場合(S5:NO)には、電源断情報フラグの値を読み込んで、電源断正常の情報が保存されているか否かを判定する(S6)。
ここで、電源断正常の情報が保存されている場合(S6:YES)には、RAM103の所定領域を対象としてチェックサムを算出する(S7)。そして、このチェックサムが0であるか否か、すなわち、チェックサムが正常であるか否かを判定する(S8)。なお、ここで算出される電源投入時のチェックサムには、後述の電源断時処理で算出されるチェックサムの補数が含まれているため、正常にバックアップされていれば、電源投入時のチェックサムは「0」となる。このように、電源断前にRAM103に記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源投入時に判断する。このとき、チェックサムが正常である場合(S8:YES)には、電源断前の状態に復帰すべく、後述するS12に移行する。他方、チェックサムが異常である場合に(S8:NO)には、RAM103の全領域をゼロクリアする(S9)。次に、RAM103に電源投入時の初期化データを設定する(S10)。続いて、演出表示装置70の初期化、演出ランプLPの初期化などを行うため、演出制御基板200への演出制御コマンド(「演出初期コマンド」)を要求する(S11)。
次に、電源断復帰設定処理において、RAM103における、電源投入正常情報の設定、各種エラーの初期設定、払出制御基板400との通信初期設定を順に行う(S12)。ここで、電源投入正常情報の設定としては、電源投入が正しく行われたことを保存するため、電源断情報フラグに電源投入正常データを格納するとともに、電源断発生の情報を初期化するため、電源断確認フラグをオフにする。次に、データ転送元アドレス、データ転送先アドレス、転送バイト数、をセットして、転送バイト数分のデータを転送する(S13)。そして、電源断時における特別図柄遊技ステイタスの値を読み込んで、特別図柄遊技に係る電源断復帰処理を行う(S14)。
続いて、主制御基板100と演出制御基板200との電源断復帰時の演出制御コマンド(「電源断復帰コマンド」)の送信要求を行う(S15)。この電源断復帰コマンドには、通信線の検査、特別図柄の作動状態、確率変動回数、時短回数、入球容易状態回数、変動パターン選択状態、エラー状態に関する情報が含まれている。なお、電源断前の未送信分のコマンド要求はクリアされる。次に、図柄記憶数コマンド要求処理において、電源断時の第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を読み込み、この作動保留球数の情報を含む演出制御コマンドを要求する(S16)。
続いて、普通電動役物622を電源断前の状態(例えば、第2始動口62を開放状態)に戻すための復帰設定を行う(S17)。さらに、特別電動役物642を電源断前の状態(例えば、大入賞口64を開放状態)に戻すための復帰設定を行う(S18)。続いて、特別図柄モードフラグの値を読み込み、電源断時における特別図柄の確率変動機能の作動状態を設定する(S19)。なお、特別図柄モードフラグとは、特別図柄遊技の作動確率(高確率又は低確率)を設定するためのフラグである。次いで、タイマ割込みを起動させるため、主制御マイコン110のCTC回路の初期設定として、所定のカウント値を設定して、タイマ割込みを4ms毎に発生させる(S20)。続いて、タイマ割込み処理の発生を禁止すべく割込み禁止を設定する(S21)。そして、ウォッチドッグタイマのリスタート準備として、クリアワード1(「55H」)を設定する(S22)。
次に、電源断の発生を判定するため、電源断確認フラグの値を読み込み、電源断が発生しているか否かを判定する(S23)。電源断が発生していない場合には、初期値乱数更新処理を実行する(S24)。この初期値乱数更新処理では、この初期値乱数更新処理では、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数および特別図柄当り図柄初期値乱数を更新する。具体的には、各カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。
次に、タイマ割込み処理の発生を許可すべく割込み許可を設定して(S25)、上述の割込みを禁止する処理(S21)に戻り、S21〜S25のループ処理を繰り返し実行する。ここで、タイマ割込み処理は所定の周期ごとに定期的に実行されるが、前回の割込み処理が完了してから次回の割込み処理が発生するまでの間の残余時間を利用して、S21〜S25までの処理を繰り返す。そして、割込み禁止状態において割込み要求があった場合には、S25で割込み許可となったときにタイマ割込み処理が起動することとなる。他方、S23で電源断確認フラグがオンとなっている場合、すなわち、電源断が発生している場合には、S26に移行して、次述する電源断時処理を実行する。
次に、電源断時処理(S26〜S32)として、まず、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、クリアワード2(「AAH」)を設定する(S26)。次に、電源断情報フラグの内容が電源投入正常データであるか否かを判定する(S27)。電源投入正常情報である場合(S27:Yes)には、電源断情報フラグに電源断正常データを設定する(S28)。他方、電源投入正常情報でない場合(S27:No)には、電源断情報フラグに電源断異常データを設定して(S29)、S32に移行する。
次に、RAM103の所定領域(チェックサム領域を除く)に対してチェックサムを算出する(S30)。そして、チェックサムデータに対する補数を算出し、この補数の結果値をRAM103のチェックサム領域に設定する(S31)。続いて、RAM103のアクセス禁止設定をして(S32)、電源が落ちるまで処理をループする。
《主制御側タイマ割込み処理》
次に、主制御基板100の主制御側タイマ割込み処理を説明する。図12は、主制御基板100のタイマ割込み処理を示すフローチャートである。このタイマ割込み処理は、遊技制御マイコン110のCTC回路からの一定時間(例えば4ms)毎のクロックパルスにより起動され、上述の主制御側メイン処理に割り込むかたちで実行される。なお、以下で使用する用語として、「条件装置」および「役物連続作動装置」という用語は概念上の制御機器を意味しており、「条件装置」とは、特別図柄遊技で大当りが発生した場合に作動するものであり、「役物連続作動装置」とは、特別電動役物642を連続して複数回作動させることができるものである。
まず、このタイマ割込みが発生すると、メインCPU101内のレジスタの内容をRAM103のスタック領域に退避させた後、割込み動作条件を設定する(S51)。
次に、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、クリアワード2(「AAH」)を設定する(S52)。このとき、予め設定されたタイムアウト時間内に、CPU101のWDTクリアレジスタに、クリアワード1、クリアワード2が順に書き込まれることで、ウォッチドッグタイマがクリアされてリスタートされる。すなわち、メインCPU101がプログラムを正常に実行しているときは、定期的にクリアワード1,2が設定されることにより、ウォッチドッグタイマがタイムアウトする前にクリアおよびリスタートされることとなる。他方、ウォッチドッグタイマがタイムアウトすると、ユーザリセットが発生する。
次に、入力処理を実行する(S53)。この入力処理では、主制御基板100に接続されている各種スイッチとして、RAMクリアスイッチ以外のスイッチの情報が読み込まれる。すなわち、第1始動口スイッチ611、第2始動口スイッチ621、作動ゲートスイッチ631、大入賞口スイッチ641、扉開放スイッチ、枠開放スイッチ、裏セット開放スイッチ、磁気センサ、電波センサ、などの入力情報を読み込み、それらの状態判定を行ったうえで、これらの検出情報を格納する。
次に、各種乱数更新処理を実行する(S54)。この各種乱数更新処理では、普通図柄変動パターン乱数および特別図柄変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数については、乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。他方、特別図柄変動パターン乱数については、前回の乱数から所定値(例えば3511)を減算する。なお、減算した結果が0未満の場合には、減算した結果に所定値(例えば50000)を加算する。
次に、初期値更新型乱数更新処理を実行する(S55)。この初期値更新型乱数更新処理では、普通図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数および特別図柄当り図柄乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。また、カウンタの数値が1周した場合には、対応する初期値乱数の値を初期値として設定する。
次に、初期値乱数更新処理を実行する(S56)。この初期値乱数更新処理では、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数および特別図柄当り図柄初期値乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。
次に、タイマ減算処理を実行する(S57)。このタイマ減算処理では、ぱちんこ遊技機PMの遊技動作制御に用いる各種タイマの値を減算更新する。例えば、各種タイマの値を割込み周期(本例では4ms)ずつ減算する。なお、各種タイマには、特別図柄表示装置71,72に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマ、などが含まれる。
次に、第2始動口有効期間設定処理を実行する(S58)。この第2始動口有効期間設定処理では、第2始動口62の入賞有効期間および入賞無効期間を判定し、この判定結果として、第2始動口62の有効期間データ又は無効期間データを設定する。
次に、入賞監視処理を実行する(S59)。この入賞監視処理では、前記入力処理(S53)での第1始動口スイッチ611、第2始動口スイッチ621、作動ゲートスイッチ631、大入賞口スイッチ641の検出情報に基づき、遊技球のスイッチ通過検査を行い、その結果、遊技球が各スイッチを通過したと判断した場合、遊技球が各スイッチを通過したことを示す情報を含む演出制御コマンドの送信要求、などを行う。
次に、賞球制御処理を実行する(S60)。この賞球制御処理では、入賞の種別に対応する賞球個数の指示をすべく払出制御コマンドを払出制御基板400へ送信するとともに、払出制御基板400からの受信データを監視して払出制御基板400との通信検査を行う。
次に、普通図柄作動ゲート監視処理を実行する(S61)。この普通図柄作動ゲート監視処理では、遊技球の作動ゲート63への通過を監視し、作動ゲート63を通過していると判断した場合、普通図柄抽選に係る乱数を作動保留球情報として取得して、最大4個を限度として作動保留球数の更新を行うとともに、普通図柄抽選に係る乱数の記憶を行う。
次に、普通図柄制御処理を実行する(S62)。この普通図柄制御処理では、普通図柄表示装置75又は普通電動役物622に係る一連の処理を行うため、普通図柄遊技ステイタスの値に応じて、普通図柄変動中処理、普通図柄停止図柄表示中処理、普通電動役物作動中処理、普通電動役物作動終了デモ中処理、などを実行する。なお、普通図柄変動中処理では、普通図柄を変動表示又は確定表示させるべく、普通図柄の表示パターン番号データを作成(更新)する。
次に、普通図柄変動開始監視処理を実行する(S63)。この普通図柄変動開始監視処理では、普通図柄の作動状態を監視して、普通図柄の変動開始条件を充足していると判断したとき、普通図柄作動保留球数を1個消化して、普通図柄の当否判定、図柄の判定、変動パターンの判定、変動時間の設定、などを順に行う。
次に、始動口監視制御処理を実行する(S64)。この始動口監視制御処理では、遊技球の第1始動口61および第2始動口62への入賞を監視して、遊技球の入賞があった場合、保留球数の更新、特別図柄抽選に係る乱数記憶、先読み予告演出判定、図柄記憶数のコマンド要求、などを順に行う。
次に、特別図柄制御処理を実行する(S65)。この特別図柄制御処理では、特別図柄表示装置71,72に係る一連の処理として、特別図柄遊技ステイタスの値に応じて、詳細後述する特別図柄変動開始処理(S420)、特別図柄変動中処理(S430)、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)、などを実行する。
次に、特別電動役物制御処理を実行する(S66)。この処理では、特別図柄の抽選結果が「大当り」又は「小当り」となった場合に、特別電動役物642に係る動作処理として、特別電動役物642の作動開始および作動終了の設定、大入賞口64の開放時間および開放回数の更新、確率変動機能の作動開始設定、変動時間短縮機能の作動開始設定、変動パターン選択状態の設定、などを順に実行する。
次に、大入賞口有効期間設定処理を実行する(S67)。この大入賞口有効期間設定処理では、大入賞口64の入賞有効期間および入賞無効期間を判定し、この判定結果として大入賞口64の有効期間データ又は無効期間データを設定する。
次に、特別図柄変動開始監視制御処理を実行する(S68)。この特別図柄変動開始監視制御処理では、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球が存在する場合、保留球数を1個消化して、図柄記憶数のコマンド要求、特別図柄の当否判定、特別図柄の図柄判定、確率変動機能の判定、時間短縮機能の判定、特別電動役物の作動パターンの設定、デモ演出時間の設定、などを順に行う。
次に、異常検知処理を実行する(S69)。この異常検知処理では、前記入力処理(S53)での入力情報に基づき、磁気センサによる磁気検知信号、断線短絡電源異常信号、電波センサによる電波検知信号、扉・枠開放信号などを順に検査して、遊技機がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態である場合には、演出制御基板200にエラー表示を要求すべく、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)を生成する。
次に、入球通過時間異常検出処理を実行する(S70)。この入球通過時間異常検出処理では、入賞検出スイッチのオン信号が連続して所定時間以上検出された場合に、入球通過時間異常を設定して、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)の要求を行うとともに、外部端子へ出力するためのセキュリティ信号の出力要求を行う。
次に、遊技状態表示処理を実行する(S71)。この遊技状態表示処理では、特別電動役物642が連続して作動する回数(規定ラウンド数)、普通図柄および特別図柄の作動保留球数、などの表示データを作成する。また、前記の異常検知処理で検出したエラー状態の情報を主制御基板100の状態表示灯に表示させるための表示データを作成する。
次に、LED出力処理を実行する(S73)。このLED出力処理では、特別図柄および普通図柄の表示、保留球数の表示、特別電動役物が連続して作動する回数、エラーの表示などを行うべく、前記の特別図柄制御処理(S65)、異常検知処理(S69)、遊技状態表示処理(S71)等で作成された表示データを、各特別図柄表示装置71,72、普通図柄表示装置75、各特図保留ランプ73,74、普図保留ランプ76、主制御基板100の状態表示灯などに出力するとともに、これら各種表示装置における表示の初期化を行う。
次に、発射制御信号出力処理を実行する(S73)。この発射制御信号出力処理では、払出制御基板400との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されていない場合に、払出制御基板400に対して発射許可の信号を出力し、遊技球の発射を許可する。他方、払出制御基板400との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されたいる場合には、払出制御基板400に対して発射禁止の信号を出力し、遊技球の発射を禁止する。
次に、ソレノイド出力処理を実行する(S74)このソレノイド出力処理では、各電動役物622,642を作動させるべく、前記の普通図柄制御処理(S62)および特別電動役物制御処理(S66)において取得した制御データに基づき、各電動役物ソレノイド623,643に対して励磁信号を出力する。
次に、演出制御コマンド送信処理を実行する(S75)。この演出制御コマンド送信処理では、前記の処理でメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域(リングバッファ)に格納された演出制御コマンドの中から、ポインタで指定された演出制御コマンドを読み出して、この演出制御コマンドを演出制御基板200に対して送信する。
次に、外部情報出力処理を実行する(S76)。この外部情報出力処理では、外部端子板を介して、遊技機の動作状態情報を外部情報としてホールコンピュータ等の外部装置に出力する。
次に、退避していたレジスタの内容を復帰させて、メインCPU101を割込み許可状態に設定する(S77)。これにより、主制御側タイマ割込み処理を終了して上記主制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで主制御側メイン処理を実行する。
なお、主制御側メイン処理中又は割込み処理中に、主制御基板100が電源断(所定の閾値に基づき供給電圧の低下)を検出すると、ノンマスカブル割込みを発生させて、電源断確認フラグをオンにする。そして、元の処理に戻ったうえで、前述の電源断時処理(S26〜S32)を実行することとなる。
≪特別図柄遊技処理≫
次に、主制御側タイマ割込み処理内の特別図柄遊技に係る一連の処理について説明する。特別図柄遊技に係る処理には、前述の始動口監視制御処理(S64)、特別図柄制御処理(S65)、特別電動役物制御処理(S66)、特別図柄変動開始監視制御処理(S68)、などが該当する。
(始動口監視制御処理)
始めに、始動口監視制御処理(S64)について説明する。図13は、始動口監視制御処理(S64)の詳細を示すフローチャートである。
まず、第1始動口61への遊技の入賞を検出したか否かを判定する(S201)。第1始動口61への入賞を検出した場合(S201:YES)には、第1特別図柄の作動保留球数が上限数の4未満であるか否かを判定する(S202)。
第1特別図柄の作動保留球数が4未満である場合(S202:YES)には、第1特別図柄遊技に係る抽選乱数値として、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値、を取得して、各乱数値を入球順に応じて、メイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域(保留n記憶領域)に格納する(S203)。そして、第1特別図柄の作動保留球数の更新として、第1特別図柄保留球数カウンタの値を1加算して(S204)、第1始動口61の入賞チェックを終了する。
続いて、第2始動口62への遊技の入賞を検出したか否かを判定する(S205)。第2始動口62への入賞を検出した場合(S205:YES)には、第2特別図柄の作動保留球数が上限数の4未満であるか否かを判定する(S206)。第2特別図柄の作動保留球数が4未満である場合(S206:YES)には、第2特別図柄遊技に係る抽選乱数値として、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値、を取得して、各乱数値を入球順に応じて、メイン情報記憶手段180の第2特別図柄保留格納領域(保留n記憶領域)に格納する(S207)。そして、第2特別図柄の作動保留球数の更新として、第2特別図柄保留球数カウンタの値を1加算して(S208)、第2始動口62の入賞チェックを終了する。
続いて、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数の更新があったか否か、すなわち、S204又はS208にて第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が加算されたか否かを判定する(S209)。作動保留球数の更新があった場合(S209:YES)には、第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を含む図柄記憶数コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S210)。
次いで、遊技機の状態を確認し、事前判定タイミングであるか否かを判定する(S211)。事前判定タイミングである場合(S211:YES)には、保留n記憶領域の当り乱数バッファから特別図柄当り乱数値を読み出して、当否事前判定を行う(S212)。そして、この事前判定結果の情報(当否事前判定番号)を含む当否事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S213)。
また、保留n記憶領域の当り図柄乱数バッファから特別図柄当り図柄乱数値を読み出して、図柄事前判定を行う(S214)。そして、この事前判定結果の情報(図柄事前判定番号)を含む図柄事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S215)。さらに、保留n記憶領域の変動パターン乱数バッファから特別図柄変動パターン乱数値を読み出して、変動パターン事前判定を行う(S216)。そして、この事前判定結果の情報(変動パターン事前判定番号)を含む変動パターン事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S217)。
(特別図柄変動開始監視制御処理)
次に、特別図柄変動開始監視制御処理(S68)について説明する。図14は特別図柄変動開始監視制御処理(S68)の詳細を示すフローチャートである。
この特別図柄変動監視監視制御処理(S68)では、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、変動開始条件を充足している方の特別図柄側に対して、後述の特別図柄変動開始監視処理(S310)を実行する。なお、第1特別図柄および第2特別図柄の双方が変動開始条件を充足している場合には、前述したように、第2特別図柄側の処理が優先的に実行される。
まず、大当り中又は小当り中であるか否かを判定する(S301)。続いて、第1特別図柄および第2特別図柄の双方が変動待機中であるか、すなわち、第1特別図柄遊技ステイタスおよび第2特別図柄遊技ステイタスが共に「00H(変動待機中)」であるか否かを判定する(S302)。
続いて、第2特別図柄の作動保留球数が「0」であるか否かを判定して(S303)、当該保留球数が「0」でない場合(S303:NO)には、第2特別図柄の変動開始条件が成立しているとみなし、第2特別図柄変動開始監視テーブルのアドレス(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定したうえで(S304)、第2特別図柄側の特別図柄変動開始監視処理(S310)に移行する。すなわち、本実施形態では、第2特別図柄の作動保留球が存在する場合には、第1特別図柄の作動保留球の存在の有無に拘わらず、第2特別図柄の作動保留球が優先的に消化されるようになっている。この特別図柄変動開始監視処理(S310)の詳細は図15を用いて後述する。
他方、第2特別図柄の作動保留球数が「0」である場合(S303:YES)には、第1特別図柄の作動保留球数が「0」であるか否かを判定する(S305)。ここで、当該保留球数が「0」でない場合(S305:NO)には、第1特別図柄の変動開始条件が成立しているとみなし、第1特別図柄変動開始監視テーブルのアドレス(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定したうえで(S306)、第1特別図柄側の特別図柄変動開始監視処理(S310)に移行する。
なお、第1特別図柄および第2特別図柄の変動開始条件が共に成立していない場合(S301:YES,S302:NO,S305:YES)には、特別図柄変動開始監視処理(S310)をスキップする。
(特別図柄変動開始監視処理)
次に、特別図柄変動開始監視処理(S310)について説明する。図15は、特別図柄変動開始監視処理(S310)の詳細を示すフローチャートである。
この特別図柄変動開始監視処理(S310)では、上述のS304又はS306で設定された第1特別図柄変動開始監視テーブル又は第2特別図柄変動開始監視テーブルを参照して、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の処理が実行されることとなるが、第1特別図柄側と第2特別図柄側とで処理の仕方は共通するので、特段の場合を除き、第1特別図柄側の処理であるのか、第2特別図柄側の処理であるのかを区別せずに一纏めにして説明する。
まず、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の作動保留球数を1減算する(S311)。そして、減算後の第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を含む図柄記憶数コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S312)。続いて、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の特別図柄保留格納領域にアクセスして、最先の保留記憶領域(保留1記憶領域)に格納された特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を順に読み出し、これらの乱数値を、後述の特別図柄当否判定処理(S320)、図柄判定処理(S330)、変動パターン選択処理(S423)に使用するため、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域、特別図柄図柄判定領域、特別図柄変動パターン判定領域に転送する(S313)。また、保留記憶領域の更新として、保留2記憶領域〜保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の保留記憶領域にシフトするとともに、保留4記憶領域をゼロクリアする(S314)。
続いて、特別図柄当否判定処理を実行する(S320)。特別図柄当否判定処理(S320)では、まず、特別図柄当否抽選テーブルを取得する。このとき、遊技状態が特別図柄確変状態である場合は高確率の当否抽選テーブルを取得し、遊技状態が通常状態である場合は低確率の当否抽選テーブルを取得する。次いで、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域から特別図柄当り乱数値を読み出す。そして、特別図柄当否抽選テーブルを参照して、特別図柄当り乱数値に基づき、特別図柄の当否判定を実行する。また、この当否判定結果に対応した値(大当りデータ「55H」、小当りデータ「33H」、はずれデータ「00H」)をメイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに格納する。
続いて、図柄判定処理を実行する(S330)。図柄判定処理(S330)では、当否判定の結果に応じて、特別図柄の停止図柄、図柄群の種類、キャラクタ演出番号(変動付加図柄情報)を決定する。そして、今回決定した特別図柄の停止図柄、図柄群の種類、キャラクタ演出番号をメイン情報記憶手段180の図柄格納領域に格納する。なお、キャラクタ演出番号は、決定された図柄群の種類(図柄群A〜Gの7パターン)と、特別図柄および普通図柄の確率変動機能の作動状態(特別図柄の確変オン/特別図柄の確変オフ/普通図柄の確変オン/普通図柄の確変オフの4パターン)との組み合わせに基づき、計28パターンなかのいずれかが決定される。なお、当否判定の結果がはずれの場合には、キャラクタ演出番号「0」が決定される。
続いて、当否判定の結果が小当りに該当するか否かを判定するとともに(S341)、当否判定の結果が大当りに該当するか否かを判定する(S342)。当否判定の結果が小当りである場合(S341:YES)は、S347に移行し、当否判定の結果がはずれである場合(S341:NO,S342:NO)は、S349に移行する。
他方、当否判定の結果が大当りである場合(S341:NO,S342:YES)には、S330で決定された図柄群の種類(大当り種別)に基づき、特別遊技後の遊技状態として、特別図柄の確率変動機能を作動させるか否かを判定する(S343)。すなわち、図柄群の種類(大当り種別)が、特定図柄を示すものである場合には確率変動機能を付与することを決定し、図柄群の種類が通常図柄を示すものである場合には確率変動機能を付与しないことを決定する。この判定結果は、メイン情報記憶手段180の確率変動判定フラグに記憶される。
また、S330で決定された図柄群の種類(大当り種別)に基づき、特別遊技後の遊技状態として、変動時間短縮機能の作動回数を決定するとともに(S344)、電チューサポート機能の作動回数を決定する(S345)。この判定結果(変動時間短縮機能の作動回数情報、電チューサポート機能の作動回数情報)は、メイン情報記憶手段180の時短回数格納領域および入球容易状態回数格納領域に記憶される。
続いて、S330で決定された図柄群の種類(大当り種別)に基づき、特別電動役物642の作動パターンを設定する(S346)。具体的には、特別電動役物642の作動パターンとして、ラウンド遊技の規定ラウンド数(本例では、16ラウンド、8ラウンド、2ラウンド)、大入賞口64の最大開放時間(本例では、30秒、0.05秒)などを設定する。
次いで、S330で決定された図柄群の種類と現在の遊技状態とに基づき、特別遊技終了後又は小当り遊技後の変動パターン選択状態を設定する(S347)。続いて、S330で決定された図柄群の種類に基づき、特別遊技又は小当り遊技のデモ演出時間(当り開始デモ時間および当り終了デモ時間)を設定する(S348)。次いで、前述の特別図柄当否判定処理(S320)および図柄判定処理(S330)で使用したメイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域および特別図柄図柄判定領域をクリアする(S349)。そして、今回の変動対象となる特別図柄側の特別図柄遊技ステイタスを「00H(待機中)」から「01H(変動開始)」に遷移する(S350)。
(特別図柄制御処理)
次に、特別図柄制御処理(S65)について説明する。図16は、特別図柄制御処理(S65)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別電動役物642が未作動中であるか否か、すなわち、特別電動役物遊技ステイタスが「00H(当り待ち状態)」であるか否かを判定する(S401)。続いて、特別電動役物642が未作動中である場合(S401:YES)には、第2特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」でないか否かを判定する(S402)。
第2特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」でない場合(S402:YES)には、第2特別図柄に係る処理を実行するため、第2特別図柄制御テーブル(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定して(S403)、特別図柄制御汎用処理(S410)に移行する。他方、第2特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」である場合(S402:NO)には、第1特別図柄に係る処理を実行するため、第1特別図柄制御テーブル(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定して(S404)、特別図柄制御汎用処理(S410)に移行する。
なお、次述する特別図柄制御汎用処理(S410)では、上述のS403又はS404で設定された第1特別図柄制御テーブル又は第2特別図柄制御テーブルを使用して、今回の変動の対象となる特別図柄側の処理が実行されることとなるが、第1特別図柄側と第2特別図柄側とで処理の仕方は共通するので、特段の場合を除き、第1特別図柄側の処理であるのか、第2特別図柄側の処理であるのかを区別せずに一纏めにして説明する。この特別図柄制御汎用処理(S410)の詳細は図17を用いて後述する。
(特別図柄制御汎用処理)
続いて、特別図柄制御汎用処理を実行する(S410)。ここで、図17は、特別図柄制御汎用処理(S410)の詳細を示すフローチャートである。
この特別図柄制御汎用処理(S410)では、特別図柄遊技ステイタスの値(「01H」,「02H」,「03H」)に応じた処理に移行するための分岐処理(S411〜S414)を実行する。まず、今回の変動の対象となる特別図柄側の特別図柄遊技ステイタスが0でないか否かを判定する(S411)。特別図柄遊技ステイタスが「00H」でない場合(S411:YES)には、特別図柄遊技ステイタスが「01H(変動開始)」であるか否かを判定する(S412)。特別図柄遊技ステイタスが「01H」である場合(S412:YES)には、特別図柄変動開始処理(S420)に移行する。この特別図柄変動開始処理(S420)の詳細は図18を用いて後述する。一方、S412でNOの場合には、特別図柄遊技ステイタスが「02H(変動中)」であるか否かを判定する(S413)。特別図柄遊技ステイタスが「02H」である場合(S413:YES)には、特別図柄変動中処理(S430)に移行する。この特別図柄変動中処理(S430)の詳細は図19を用いて後述する。S413でNOの場合には、特別図柄遊技ステイタスが「03H(停止図柄表示中)」であるか否かを判定する(S414)。特別図柄遊技ステイタスが「03H」である場合(S414:YES)には、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)に移行する。この特別図柄停止図柄表示中処理(S440)の詳細は図20を用いて後述する。
(特別図柄変動開始処理)
次に、特別図柄変動開始処理(S420)について説明する。図18は、特別図柄変動開始処理(S420)の詳細を示すフローチャートである。
まず、当否抽選の結果および変動パターン選択状態等に基づき、特別図柄変動パターンテーブルを取得する(S421)。続いて、メイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域から特別図柄変動パターン乱数値を読み出す(S422)。そして、特別図柄変動パターンテーブルを参照して、特別図柄変動パターン乱数値に基づき、複数種の変動パターンの中からいずれかを選択する(S423)。
次いで、今回選択された変動パターンに対応する変動時間を設定する(S424)。そして、特別図柄の変動開始の設定として、図柄表示制御手段165の特別図柄遊技タイマに変動時間を格納するとともに(S425)、演出制御基板200への変動開始コマンドを生成する(S426)。変動開始コマンドとしては、演出表示装置70における図柄変動演出を開始させるべく、変動パターン指定コマンド、図柄指定コマンドを順に生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に記憶する。
続いて、変動パターンの決定に使用したメイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域の内容をクリアする(S427)。そして、特別図柄遊技ステイタスを「01H(変動開始)」から「02H(変動中)」に遷移する(S428)。
(特別図柄変動中処理)
次に、特別図柄変動中処理(S430)について説明する。図19は、特別図柄変動中処理(S430)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別図柄の変動表示を行うため、特別図柄の表示パターン番号切替処理を実行する(S431)。この表示パターン番号切替処理(S431)では、所定の切替時間毎に、特別図柄の表示パターン番号データを生成する。この表示パターン番号データは、特別図柄を変動表示又は確定表示させるべく、LED出力処理(S73)において、第1特別図柄表示装置71又は第2特別図柄表示装置72に出力される。
次いで、特別図柄遊技タイマが「0(タイムアウト)」となったか否か、すなわち、特別図柄の変動時間が終了したか否かを判定する(S432)。特別図柄の変動時間が終了した場合(S432:YES)には、第1特別図柄表示装置71又は第2特別図柄表示装置72に確定表示すべき特別図柄の停止図柄を設定する(S433)。続いて、演出制御基板200に対して装飾図柄の確定表示を指示するための変動停止コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S434)。
次いで、特別図柄遊技タイマに確定表示時間として「500(ms)」を格納する(S435)。なお、「確定表示時間」とは、特別図柄の変動停止の際に、停止図柄を確定的に停止表示させる時間である。そして、特別図柄遊技ステイタスを「02H(変動中)」から「03H(停止図柄表示中)」に遷移する(S436)。
(特別図柄停止図柄表示中処理)
次に、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)について説明する。図20〜図21は、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別図柄遊技タイマが「0(タイムアウト)」となったか否か、すなわち、特別図柄(停止図柄)の確定表示時間が終了したか否かを判定する(S441)。ここで、特別図柄の確定表示時間が終了した場合(S441:YES)には、特別図柄遊技ステイタスを「03H(停止図柄表示中)」から「00H(待機中)」に遷移する(S442)。
続いて、メイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに格納された当否判定データが大当りデータ「55H」であるか否かを判定する(S443)。当否判定データが大当りデータである場合(S443:YES)には、特別図柄の確率変動機能の作動停止(S444)、特別図柄の変動時間短縮機能の作動停止(S445)、電チューサポート機能の作動停止(S446)、を順に行う。具体的には、特別図柄モードフラグに「00H(未作動)」を設定するとともに、時短回数カウンタおよび入球容易状態回数カウンタに「00H」を設定してゼロクリアする。
次いで、特別遊技の開始デモ設定処理として、開始デモ表示時間を設定するとともに、開始デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(大当り開始デモコマンド)を生成する(S447)。続いて、変動パターン選択状態の実行回数(変動パターン選択状態回数カウンタ)をゼロクリアする(S448)。また、特別電動役物遊技ステイタスを「00H(当り待ち状態)」から「01H(特別遊技)」に遷移する(S449)。そして、当否判定フラグの内容をクリアするため、「00H」を設定する(S450)。
他方、当否判定データが大当りデータでない場合(S443:NO)には、特別図柄の確率変動機能が作動中であるか否かを判定する(S451)。特別図柄の確率変動機能が作動中である場合(S451:YES)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の確率変動回数カウンタを1減算する(ステップS452)。続いて、確率変動回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS453)。確率変動回数カウンタがゼロである場合(S453:YES)には、特別図柄の確率変動機能の作動を停止する(S454)。減算後の確率変動回数カウンタがゼロでない場合(S453:NO)には、S454をスキップして、S455に移行する。
次いで、特別図柄の変動時間短縮機能が作動中であるか否かを判定する(S455)。特別図柄の変動時間短縮機能が作動中である場合(S455:YES)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の時短回数カウンタを1減算する(ステップS456)。続いて、時短回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS457)。時短回数カウンタがゼロである場合(S457:YES)には、特別図柄時短状態の終了回数に到達したとして、特別図柄の変動時間短縮機能の作動を停止する(S458)。減算後の時短回数カウンタがゼロでない場合(S457:NO)には、S458をスキップして、S459に移行する。
次いで、電チューサポート機能が作動中であるか否かを判定する(S459)。電チューサポート機能が作動中である場合(S459:YES)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の入球容易状態回数カウンタを1減算する(ステップS460)。続いて、入球容易状態回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS461)。入球容易状態回数カウンタがゼロである場合(S461:YES)には、入球容易状態の終了回数に到達したとして、電チューサポート機能の作動を停止する(S462)。減算後の入球容易状態回数カウンタがゼロでない場合(S461:NO)には、S462をスキップして、S463に移行する。
次いで、メイン情報記憶手段180の変動パターン選択状態回数カウンタを1減算する(S463)。そして、変動パターン選択状態を更新する(S464)。具体的には、メイン情報記憶手段180の変動パターン選択状態回数カウンタを参照し、現在の変動パターン選択状態の実行回数が予め設定された終了回数に達したか否かを判定し、終了回数に達している場合には、次に規定された変動パターン選択状態に切り替える。他方、終了回数に達していない場合には、現在の変動パターン選択状態を維持する。
次いで、前述のS451〜S464にて更新された現在の遊技状態情報および変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S465)。なお、演出制御基板200側では、この遊技状態指定コマンドの情報に基づき、演出モードの設定および更新を実行する。
続いて、特別図柄判定フラグに小当りデータ「33H」が格納されているか否かを判定する(S466)。小当りデータが格納されている場合(S466:YES)には、小当り遊技の開始デモ設定処理として、開始デモ表示時間を設定するとともに、開始デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(小当り開始デモコマンド)を生成する(S467)。続いて、特別電動役物遊技ステイタスを「00H(当り待ち状態)」から「02H(小当り遊技)」に遷移する(S468)。そして、当否判定フラグの内容をクリアするため「00H」を設定する(S469)。
他方、特別図柄判定フラグに小当りデータ「33H」が格納されていない場合(S466:NO)、すなわち、、特別図柄判定フラグにはずれデータ「00H」が格納されている場合には、S467〜S469をスキップする。なお、特別図柄判定フラグがはずれデータである場合に、当該フラグの内容をクリアする処理をしなかったのは、もともとはずれデータとして「00H」が格納されているからである。
(特別電動役物制御処理)
次に、特別電動役物制御処理(S66)について説明する。図22〜図24は、電動役物制御処理(S66)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別電動役物遊技ステイタスが「01H(特別遊技)」であるか否かを判定する(S501)。特別電動役物遊技ステイタスが「01H」である場合(S501:YES)には、以降の処理において特別遊技処理を実行する。この特別遊技処理において、まず、特別電動役物642,652が作動中であるか否かを判定する(S502)。特別電動役物642,652が作動していない場合(S502:NO)には、特別電動役物642,652の作動開始時間であるか否かを判定する(S503)。特別電動役物642,652の作動開始時間とは、各ラウンド遊技おいて特別電動役物642,652の作動を開始するタイミングである。
特別電動役物642,652の作動開始時間である場合(S503:YES)には、ラウンド演出を開始させるべく演出制御コマンド(ラウンド演出指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S504)。なお、演出制御基板200側では、このラウンド演出指定コマンドの情報(現在のラウンド数などの情報)に基づき、特別遊技中における各ラウンド遊技に対応したラウンド演出を実行する。そして、特別電動役物642,652の作動を開始して(S505)、特別電動役物642,652の作動中の処理として、S506〜S510の処理を実行する。
特別電動役物642,652の作動中の処理として、大入賞口64,65に遊技球が最大入賞数だけ入賞したか否かを判定するとともに(S506)、特別電動役物642,652の作動時間(開放時間)が経過したか否かを判定する(S507)。このとき、大入賞口64,65に遊技球が最大入賞数だけ入賞した場合(S506:YES)又は特別電動役物642,652の作動時間が経過した場合(S507:YES)には、特別電動役物642,652の作動を停止させる(S507)。そして、特別電動役物642,652の連続作動回数が予め定められた規定ラウンド数に達したか否かを判定する(S509)。連続作動回数が規定ラウンド数に達していない場合(S509:NO)には、特別電動役物642,652の連続作動回数を1インクリメントする(S510)。
他方、特別電動役物642,652の連続作動回数が規定ラウンド数に達している場合(S509:YES)には、S511に移行して、特別遊技の当り終了デモ設定処理として、終了デモ表示時間を設定するとともに、終了デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(大当り終了デモコマンド)を生成する(S511)。
続いて、時短回数カウンタに、上記S344で設定した変動時間短縮回数情報を格納する(S512)。また、入球容易状態回数カウンタに、上記S345で設定した入球容易状態回数情報を格納する(S513)。
続いて、上記S343で設定された確率変動判定フラグの内容を参照して、条件装置の作動が特定図柄(いわゆる確変図柄)による作動であるか否かを判定する(S514)。特定図柄による条件装置の作動である場合(S514:YES)には、メイン情報記憶手段180の確率変動回数カウンタに作動時データ「7FH」を格納して、特別図柄の確率変動機能の作動を開始する(S515)。他方、特定図柄による条件装置の作動でない場合(S514:NO)には、確率変動回数カウンタに未作動時データ「00H」を格納して、S515をスキップする。
続いて、時短回数カウンタに記憶された変動時間短縮回数情報が変動時間短縮機能作動データ(「00H」以外のデータ)であるか否かを判定する(S516)。変動時間短縮機能作動データである場合(S516:YES)には、特別図柄の変動時間短縮機能の作動を開始する(S517)。他方、変動時間短縮機能作動データでない場合(S516:NO)には、S517をスキップする。
続いて、入球容易状態回数カウンタに記憶された入球容易状態回数情報が電チューサポート機能作動データ(「00H」以外のデータ)であるか否かを判定する(S518)。電チューサポート機能作動データである場合(S518:YES)には、電チューサポート機能の作動を開始させる(S519〜S521)。すなわち、普通図柄の確率変動機能の作動開始(S519)、普通図柄の変動時間短縮機能の作動開始(S520)、普通電動役物622の開放延長機能の作動開始(S521)、を順に実行する。他方、電チューサポート機能作動データでない場合には、S519〜S521をスキップする。
次いで、上記S347で決定した変動パターン選択状態に切り替える(S522)。続いて、前述のS512〜S522にて設定された特別遊技後の遊技状態情報および変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S523)。なお、演出制御基板200側では、この遊技状態指定コマンドの情報に基づき、特別遊技後の演出モードを設定する。そして、特別電動役物遊技ステイタスを「01H(特別遊技)」から「00H(当り待ち状態)」に遷移する(S524)。
他方、特別電動役物遊技ステイタスが「01H(特別遊技)」でない場合(S501:NO)には、S530に移行して、特別電動役物遊技ステイタスが「02H(小当り遊技)」であるか否かを判定する(S530)。特別電動役物遊技ステイタスが「02H」である場合(S530:YES)には、以降の処理で小当り遊技処理を実行する。
小当り遊技処理において、まず、特別電動役物642,652が作動中であるか否かを判定する(S531)。特別電動役物642,652が作動していない場合(S531:NO)には、特別電動役物642,652の作動を開始する(S532)。他方、特別電動役物642,652が作動中である場合(S531:YES)には、S532をスキップする。
続いて、特別電動役物642,652の作動中の処理として、大入賞口64,65に遊技球が最大入賞数だけ入賞したか否かを判定するとともに(S533)、特別電動役物642,652の作動時間(開放時間)が経過したか否かを判定する(S534)。このとき、大入賞口64,65に遊技球が最大入賞数だけ入賞した場合(S533:YES)又は特別電動役物642,652の作動時間が経過した場合(S534:YES)には、特別電動役物642,652の作動を停止する(S535)。
続いて、小当り遊技の終了デモ設定処理として、終了デモ表示時間を設定するとともに、終了デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(小当り終了デモコマンド)を生成する(S536)。次いで、上記S347で決定した変動パターン選択状態に切り替える(S537)。続いて、上記S537にて設定された特別遊技後の変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S538)。この遊技状態指定コマンドは、演出制御基板200側で、演出モードの移行契機の判定、移行先の演出モードの特定などに用いられる。そして、特別電動役物遊技ステイタスを「01H(特別遊技)」から「00H(当り待ち状態)」に遷移する(S538)。
<演出制御基板側の処理>
次に、図25〜図36のフローチャートを参照しながら、演出制御基板200における動作処理の手順について説明する。演出制御基板200側の処理は、電源投入後などサブメインCPU201がリセットされると実行されるリセット開始処理(演出制御側メイン処理を含む)と、一定周期毎に起動される演出制御側タイマ割込み処理と、主制御基板100からのストローブ信号に起因して起動される演出制御コマンドの受信割込み処理と、変動演出パターンのタイムスケジュールに規定された所定の発生時期の到来を契機として起動されるランプ演出割込み処理と、一定周期毎に起動される画像制御コマンドの送信割込み処理とを含んで構成される。
各割込み処理(例外処理)には、複数の割込み処理が発生したときの優先度を示す優先レベルが設定されている。本例では、「電源リセットによるリセット開始処理(図25):最優先」、「各種異常時によるリセット開始処理(図25):最優先」→「演出制御コマンドの受信割込み処理(図34):レベル7」→「WDT(暴走検知時)によるリセット開始処理(図25):レベル3」→「画像制御コマンドの送信割込み処理(図36):レベル2」→「演出制御側タイマ割込み処理(図35):レベル1」などの順に、優先レベルの順位付けがされている。なお、「各種異常時によるリセット開始処理」は、例えば、CPU201が不正な命令を実行したとき、CPU201が不正な領域又は不正な方法にてアクセスしようとしたとき、DMA(Direct Memory Access)転送中のエラーが発生したときなどに起動する。本実施形態では、上記の複数種の割込み処理を例示しているが、実際にはその他の割込み処理も存在する。
演出制御側メイン処理内では、基本的には、全割込み禁止又は演出制御コマンド受信割込み以外の割込み禁止のいずれかの状態に設定したうえで処理が進められる。その上で、演出制御側メイン処理が割込み許可状態となった場合に、当該メイン処理を中断させるかたちで各割込み処理が起動される。各割込み処理では、当該割込み処理の実行中に他の割込み処理の要求があった(多重割込みが発生した)ときは、実行中の割込み処理よりも優先レベルの高い割込み処理であれば、原則的には当該割込み要求が許可される一方、実行中の割込み処理よりも優先レベルの低い又は優先レベルの同じ割込み処理である場合には当該割込み要求が禁止される。すなわち、各割込み処理は、優先レベルの同じ又は優先レベルの低い他の割込みを禁止した状態で処理が進められる。そして、各割込み処理から演出制御側メイン処理へは、全割込み許可の状態で戻ってくる。なお、このような割込み要因の優先順位(優先レベル)は、演出制御マイコン210(割込みコントローラ)のレジスタ設定によって規定される。
《リセット開始処理》
まず、演出制御基板200のリセット開始処理について説明する。図25は演出制御基板200のリセット開始処理を示すフローチャートである。このリセット開始処理では、電源投入時のリセット、各種異常時を起因としたリセット、WDT(暴走検知時)を起因としたリセットのいずれかにより起動し、サブメインCPU201のセキュリティチェックが行われた後、プログラムがスタートして、S601以降の処理が開始される。
まず、電源投入時に必要な初期設定として、スタックポインタにスタック領域の初期値として先頭アドレスを設定する(S601)。そして、各種初期設定が完了するまで全ての割込み処理を禁止する(S602)。
続いて、ハードウェアに関する基本的な設定として、サブメインCPU201内に設けられている内蔵レジスタに初期値を設定するとともに、I/Oポート回路204を初期化する(S603)。さらに、演出制御マイコン210のRAM203内のメモリ領域を初期化する(S604)。ここでは、初期値付きの変数には初期値を設定し、初期値なしの変数には0クリアによる初期化を行う。また、サブメインCPU201がROM202に記憶された制御プログラムをRAM203に適宜展開する。
続いて、演出制御コマンドの受信割込み処理以外の割込みを禁止する(S605)。次いで、予め各機種共通で設定された各種のエラーのうち、当該機種で有効とすべきエラーの種別を設定する処理を行う(S606)。さらに、演出ランプLP(枠ランプ10、盤ランプ25)を全消灯状態とするため消灯リクエストを行う(S607)。そして、サブメインCPU201の暴走を監視するためウォッチドッグタイマを起動する(S608)。
続いて、遊技演出の主たる処理として演出制御側メイン処理を実行する(S609)。この演出制御側メイン処理(S609)の詳細は図26を用いて後述する。なお、前記S609で演出制御側メイン処理へ移行すると、メイン処理から当該リセット開始処理へ復帰することは通常はあり得ないが、プログラムのバグ等の発生によって、万が一、この処理へ復帰してきた場合には、消費電力が通常作動時よりも低減された小消費電力モード(スリープモード)へ遷移する。
《演出制御側メイン処理》
次に、演出制御基板200の演出制御側メイン処理(S609)について説明する。図26は演出制御側メイン処理(S609)を示すフローチャートである。
まず、演出制御側メイン処理内で制御プログラムがRAM203で正確に展開されているか否かのチェックを開始するためのアドレス(プログラムが展開された先頭アドレス)を取得する(S611)。続いて、全ての割込みを許可(各種の割込み処理の起動を許可)する(S612)。
次いで、デバイスの初期化動作を実行する(S613)。この初期化動作は、ぱちんこ遊技機PMの電源投入時(リセット開始時)に1度だけ実行される動作態様のことであり、モータ、ソレノイド等のデバイスによって可動役物24の動作を制御するために必要となる位置情報を確認することを目的として実行される。なお、初期化動作の終了時には、可動役物24は予め設定された初期位置(基準位置)に復帰する。
続いて、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、ウォッチドッグタイマをクリアする(S614)。このとき、サブメインCPU201がプログラムを正常に実行しているときは、予め設定されたタイムアウト時間内に、サブメインCPU201のWDTクリアレジスタに、所定のクリアワードが書き込まれることで、ウォッチドッグタイマがクリアされてリスタートされる。他方、ウォッチドッグタイマがタイムアウトすると、ユーザリセットが発生する。
続いて、入力ポートチェック処理を実行する(S615)。この入力ポートチェック処理では、後述のタイマ割込み処理におけるポート入出力処理S912でのI/Oポート回路204(入力ポート)の読み込みを割込み発生毎に監視して、複数回(例えば4回)の監視において入力ポートの状態が全て「1」の場合は信号レベルを「1(Hレベル)」、全て「0」の場合は信号レベルを「0(Lレベル)」、それ以外の場合は信号レベルを変化させない(これにより入力信号が確定される)。
続いて、エラー演出管理処理を実行する(S616)。このエラー演出管理処理では、後続のコマンド解析処理(S620)で設定されるエラー演出パターンに基づき、各種デバイスによるエラー演出を開始させる。さらに、エラー演出管理処理では、エラー管理タイマに初期値(エラー演出時間)を設定して、エラー演出の進行を管理する。このエラー管理タイマは、演出制御側タイマ割込み処理のエラー管理タイマ更新処理(S920)にて16ms周期で減算更新される。そして、エラー管理タイマがタイムアウトした場合は、当該エラー演出を終了させる。
続いて、演出ボタン監視制御処理を実行する(S617)。この演出ボタン監視制御処理では、図柄変動中にボタン予告演出を組み込んでいる場合に、操作有効時間内における演出ボタン15の入力状態を監視して、当該ボタン予告演出に応じて予め設定された複数種の演出内容の中から、演出ボタン15の入力状態に応じた演出の内容を決定する。
続いて、予告抽選管理処理を実行する(S618)。この予告抽選管理処理では、後続のコマンド解析処理(S620)で選択される変動演出パターンのシナリオに沿って、装飾図柄の変動過程の各段階で発生する予告演出の内容を定めた予告演出パターン(予告演出番号)を抽選で決定する。ここで決定された予告演出番号は、サブメイン情報記憶手段260の予告演出番号格納領域に一時記憶される。また、この予告演出番号を画像制御基板300側へ指定するための画像制御コマンドを生成して、これをサブメイン情報記憶手段260の画像制御コマンドバッファに設定する。このとき、予告演出パターンとして、役物予告演出パターン(役物予告演出番号)が選択された場合には、役物リクエストが発生し、後続のデバイス管理処理(S619)にて、可動役物24の駆動パターンが特定される。なお、本例では、装飾図柄の一変動内で発生する複数種の予告演出(予告演出パターン)の全てを、1回のメインループ処理内で抽選するのではなく、当該メインループ処理効率を向上させるため、予告演出の発生時期(例えば、変動開始段階、リーチ発生段階、変動停止段階)毎に分けて、複数回のメインループ処理に跨って抽選する構成となっている。その際、装飾図柄の変動開始段階で発生する予告演出については、装飾図柄の変動開始と同期をとる(画像制御コマンドを早急に送信する)必要があるので、先発のメインループ処理内で抽選を行うようになっている。
次に、デバイス管理処理を実行する(S619)。このデバイス管理処理では、後述のコマンド解析処理(S620)にて各種デバイスの動作要求(ランプリクエスト、役物リクエスト)があった場合、ROM203に記憶された複数種のパターンデータ(ランプパターン、駆動パターン)の中から、演出番号(ランプ演出番号、役物予告演出番号)に対応したパターンデータを特定して、対象デバイスの制御を開始する。演出ランプLPのランプパターンデータには、1フレーム時間(画像フレームを1回更新するのに要する時間:16ms)毎に対応付けられたランプデータがスケジュールデータとして格納されている。なお、本例において、1フレーム時間は、演出表示装置70において毎秒約60フレーム(=約60fps)で描画等する場合の1フレームの描画処理に要する時間と対応するものになっている。同様に、可動役物24の駆動パターンデータには、割込み周期(1ms)毎に対応付けられた駆動データがスケジュールデータとして格納されている。これにより、後述する演出制御側タイマ割込み処理にて、各制御データ(ランプデータ、駆動データ等)が対象デバイスに対して一定周期毎に出力され、対象デバイスの動作が開始されることになる。一方、後述の演出制御側タイマ割込み処理において、一連の制御データ(ランプデータ、駆動データ)の出力が全て完了した場合は、演出ランプLPを消灯させ、又は、可動役物24の動作を停止させ、対象デバイスの制御を終了する。
続いて、コマンド解析処理(S620)を実行する。このコマンド解析処理では、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に演出制御コマンドが格納されているか否かを監視し、演出制御コマンドが格納されていればこのコマンドを読み出し、読み出した演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理を実行する。このコマンド解析処理(S620)の詳細は図27を用いて後述する。
そして、今回のループ処理中で、コマンド解析(演出制御コマンドの解析)を実行したか否かを判定する(S621)。コマンド解析直後の場合(S621:YES)は、S614に戻り、次のループ処理へ移行する。一方、コマンド解析を実行しなかった場合(S621:NO)には、演出抽選乱数更新処理を実行する(S622)。この演出抽選乱数更新処理では、先読み予告抽選乱数、装飾図柄乱数、変動演出パターン乱数、予告演出パターン乱数などの演出抽選乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値に戻す。
(コマンド解析処理)
次に、コマンド解析処理(S620)について説明する。図27は、コマンド解析処理(S620)の詳細を示すフローチャートである。このコマンド解析処理では、主制御基板100からの演出制御コマンドがサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納されているか否かを監視して、格納された演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理を実行する。
まず、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に遊技状態指定コマンドが格納されているか否かを判定する(S631)。遊技状態指定コマンドが格納されている場合(ステップS631:YES)には、演出状態移行処理(S632)へ移行する。演出状態移行処理(S632)では、遊技状態指定コマンドに含まれる変動パターン選択状態情報に基づき、演出モードを遷移する処理を実行する。この演出状態移行処理(S632)の詳細は図28を用いて後述する。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域にに保留関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S633)。ここで、保留関連コマンドには、図柄記憶数コマンド、事前判定コマンドが含まれる。この保留関連コマンドが格納されている場合(S633:YES)には、保留情報管理処理(S634)へ移行する。この保留情報管理処理(S634)では、サブメイン情報記憶手段260から図柄記憶数コマンド又は事前判定コマンドを読み出して、事前判定結果の情報に基づき先読み判定を実行するとともに、演出表示装置70の保留表示部701,702に表示される保留画像の表示個数および表示態様(表示色など)を更新するための処理を行う。
次いで、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に図柄変動関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S635)。ここで、図柄変動関連コマンドには、変動開始コマンド、変動停止コマンドが含まれる。図柄変動関連コマンドが格納されている場合(ステップS635:YES)には、変動演出内容決定処理(S636)へ移行する。この変動演出内容決定処理(S636)では、受信した図柄変動関連コマンドが変動開始コマンドである場合には図柄変動演出を開始させるための処理を実行し、受信した図柄変動関連コマンドが変動停止コマンドである場合には実行中の図柄変動演出を終了させるための処理を実行する。この変動演出内容決定処理(S636)の詳細は図29を用いて後述する。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域にに大当り演出関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S637)。ここで、大当り演出関連コマンドには、大当り開始デモ演出コマンド、ラウンド演出指定コマンド、大当り終了デモ演出コマンドを含む。大当り演出関連コマンドが格納されている場合(ステップS637:YES)には、大当り演出内容決定処理(S638)へ移行する。この大当り演出内容決定処理(S638)では、開始デモ演出、ラウンド演出、終了デモ演出を実行するための処理を行う。この大当り演出内容決定処理(S638)の詳細は図31を用いて後述する。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域にに小当り演出関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S639)。ここで、小当り演出関連コマンドには、小当り開始デモ演出コマンド、小当り終了デモ演出コマンドを含む。小当り演出関連コマンドが格納されている場合(ステップS639:YES)には、小当り演出内容決定処理(S640)へ移行する。この小当り演出内容決定処理(S640)では、小当り開始デモ演出、小当り終了デモ演出を実行するための処理を行う。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域ににエラー演出指定コマンドが格納されているか否かを判定する(S641)。このエラー演出指定コマンドが格納されている場合(S641:YES)には、エラー演出内容決定処理(S642)へ移行する。このエラー演出内容決定処理(S642)では、サブメイン情報記憶手段260からエラー演出指定コマンドを読み出して、演出表示装置70の画像表示や演出ランプLPの発光態様などによってエラー状態を報知するためのエラー演出パターンを決定する。
なお、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に演出制御コマンドが格納されていない場合(S631:NO、S633:NO、S635:NO、S637:NO、S639:NO、S641:NO)は、何もせずコマンド解析処理を終了する。
(演出状態移行処理)
次に、演出状態移行処理(S632)について説明する。図28は、演出状態移行処理(S632)の詳細を示すフローチャートである。
まず、主制御基板100からの遊技状態指定コマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる変動パターン選択状態に関する情報を取得する(S701)。続いて、上記S701で取得した変動パターン選択状態に関する情報に基づき、演出モードの移行契機が到来したか否かを判定する(S702)。演出モードの移行契機が到来している場合(S702:YES)には、S703以降で、所定の演出モードへの移行設定を行う。なお、演出モードの移行契機としては、原則的には変動パターン選択状態の移行契機と連動しており、例えば、特別遊技の終了時又は変動パターン選択状態の終期回数を満了したときなどである。なお、変動パターン選択状態の終期回数は、特別図柄の変動回数に係る回数である。
始めに、主制御基板100側で管理された変動パターン選択状態の移行先が、低確率通常変動状態αであるか否かを判定する(S703)。移行先が低確率通常変動状態αである場合(S703:YES)には、演出モードの移行先として通常演出モードMαを設定する(S704)。この通常演出モードMαに移行すると、サブメイン情報記憶手段260の背景データ格納領域に通常背景データ番号が設定される(S705)。そして、通常演出モードMαにおいて、次回の図柄変動から演出表示装置70上にて、例えば「荒野」の通常背景画像が表示される。一方、移行先が低確率通常変動状態αではない場合(S703:NO)には、変動パターン選択状態の移行先が、高確率時短変動状態βであるか否かを判定する(S706)。移行先が高確率時短変動状態βである場合(S706:YES)には、演出モードの移行先として確変演出モードMβを設定する(S707)。この確変演出モードAに移行すると、サブメイン情報記憶手段260の背景データ格納領域に確変背景データ番号が設定される(S708)。そして、確変演出モードMβにおいて、次回の図柄変動から演出表示装置70上にて、例えば「城塞」の確変背景画像が表示される。
変動パターン選択状態の移行先が、高確率時短変動状態βでない場合(S706:NO)には、変動パターン選択状態の移行先が、高確率特殊変動状態γであるか否かを判定する(S709)。移行先が高確率特殊変動状態γである場合(S709:YES)には、演出モードの移行先として特殊演出モードMγを設定する(S710)。続いて、サブメイン情報記憶手段260の特殊連続演出フラグがオンであるか否かを判定する(S711)。特殊連続演出フラグとは、特殊連続演出が実行される場合にオンとなるフラグである。特殊連続演出フラグがオンである場合(S711:YES)には、サブメイン情報記憶手段260の背景データ格納領域に特殊背景データ番号が設定される(S712)。そして、特殊演出モードMγにおいて、次回の図柄変動から演出表示装置70上にて、例えば「星空」の特殊背景画像が表示される。一方、特殊連続演出フラグがオフである場合(S711:NO)には、サブメイン情報記憶手段260の背景データ格納領域に確変背景データ番号が設定される(S713)。そして、特殊演出モードMγにおいて、次回の図柄変動から演出表示装置70上にて、例えば「城塞」の確変背景画像(確変演出モードMβのときと実質的に同一の背景画像)が表示される。続いて、当該処理で決定した演出内容(背景画像)の表示を指示するための画像制御コマンドを生成し、これをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納する(S721)。
(変動演出内容決定処理)
次に、変動演出内容決定処理(S636)について説明する。図29は、変動演出内容決定処理(S636)の詳細を示すフローチャートである。
まず、サブメイン情報記憶手段260に変動開始コマンドが格納されているか否かを判定する(S731)。変動開始コマンドが格納されている場合(S731:YES)には、この変動開始コマンド(変動パターン指定コマンド、変動付加図柄情報指定コマンド、キャラクタ演出番号指定コマンド)の内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる当否抽選の結果、図柄群、変動パターン(変動時間)、遊技状態などを示す情報を取得する(S732)。なお、この取得情報は、サブメイン情報記憶手段260の変動演出内容判定領域に格納される。
続いて、変動演出パターン選択処理を実行する(S733)。この変動演出パターン選択処理では、上記S732で取得した変動パターン情報と上記S632の演出状態移行処理で設定された演出モードとに基づき、変動演出パターンテーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から変動演出パターン乱数値を取得して、複数種の変動演出パターンの中から、いずれかの変動演出パターンを抽選で決定する。変動演出パターンは、装飾図柄の変動態様、リーチ演出の種類・発生時期、予告演出の種類・発生時期などが規定された演出表示過程のシナリオを構成している。ここで決定された変動演出パターン番号は、サブメイン情報記憶手段260の変動演出パターン格納領域に一時記憶される。また、選択された変動演出パターン番号に対応したランプ演出番号をリクエストして、このリクエストされたランプ演出番号をサブメイン情報記憶手段260のランプリクエスト記憶領域に設定する。
次いで、装飾図柄停止図柄選択処理を実行する(S734)。この装飾図柄停止図柄選択処理では、上記S732で取得した図柄群情報と変動パターン情報に基づき、最終的に停止させる装飾図柄の停止図柄の組合せ(左図柄・中図柄・右図柄)をそれぞれ抽選で決定する。ここで決定された装飾図柄組合せ番号は、サブメイン情報記憶手段260の装飾図柄格納領域に一時記憶される。
続いて、サブメイン情報記憶手段260の先読み情報格納領域の更新として、保留2記憶領域〜保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の保留記憶領域にシフトするとともに、保留4記憶領域をゼロクリアする(S735)。
次いで、特別演出判定処理を実行する(S736)。この特別演出判定処理では、いわゆる連荘状態に関して所定条件を充足した場合に表示される希少性の高い特別演出(いわゆる昇天演出)の実行可否を判定する。なお、所定条件とは、例えば、連荘回数が所定回数に到達、連荘状態における特定大当りの累積回数が所定回数に到達、連荘状態での累積獲得賞球数が所定数に到達、連荘状態中に特定の演出(図柄変動中又は特別遊技中の特定演出)を発生させた場合などが挙げられる。この特別演出判定処理(S736)の詳細は第1変形例における図41を用いて後述する。
次いで、保留内連荘演出A判定処理を実行する(S737)。この保留内連荘演出A判定処理では、保留内連荘演出Aの実行可否を判定するとともに、保留内連荘演出Aを実行することを決定した場合には連荘演出パターンを選択する。この保留内連荘演出A判定処理(S737)の詳細は図30を用いて後述する。
続いて、上記S737で保留内連荘演出Aを実行する場合には、上記S733およびS734で選択された図柄変動演出の内容を、保留内連荘演出Aの内容に応じて差し替える処理を実行する(S738)。例えば、連荘演出パターンPA2を選択したときは、図柄変動演出の差し替え処理として、上記S734で選択した通常の大当り図柄を特殊の大当り図柄「S・S・S」に差し替える。ここで差し替えられた装飾図柄組合せ番号(大当り図柄番号)は、サブメイン情報記憶手段260の装飾図柄格納領域に一時記憶される。なお、本実施形態では、保留内連荘演出Aにおける先読み判定の対象となるのは、先行の作動保留球が消化される時点(変動開始条件の充足時)にて存在する後続の作動保留球である。そのため、当該変動中に生起した作動保留球が特定保留である場合でも、保留内連荘演出A判定処理(S737)と差し替え処理(S738)は実行されることはないが、当該変動中に特定保留が生起された場合に、当該変動中においても保留内連荘演出A判定処理(S737)と差し替え処理(S738)とを実行し、変動開始時に設定した変動演出データを差し替えるように構成してもよい。
そして、上記S733〜S738で取得した演出情報に基づき、装飾図柄の変動開始に要する画像制御コマンド(変動演出開始コマンド)を生成し、この画像制御コマンドをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に設定する(S739)。
一方、変動開始コマンドが格納されていない場合(S731:NO)には、サブメイン情報記憶手段260に変動停止コマンドが格納されているか否かを判定する(S740)。変動停止コマンドが格納されている場合(S740:YES)には、変動停止コマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる図柄停止情報を取得する(S741)。そして、装飾図柄の変動停止に要する画像制御コマンド(変動演出停止コマンド)を生成し、この画像制御コマンドをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に設定する(S742)。
(保留内連荘演出A判定処理)
次に、保留内連荘演出A判定処理(S737)について説明する。図30は、保留内連荘演出A判定処理(S737)の詳細を示すフローチャートである。
まず、サブメイン情報記憶手段260の特殊連続演出フラグがオンであるか否かを判定する(S761)。特殊連続演出フラグがオンでない場合(S761:NO)には、上記S732でサブメイン情報記憶手段260の変動演出内容判定領域に格納された情報(当否抽選の結果および大当り種別)を解析して、今回の変動対象となる特別図柄の抽選結果が16R大当りであるか否かを判定する(S762)。抽選結果が16R大当りである場合(S762:YES)には、サブメイン情報記憶手段260の先読み情報格納領域に、第2特別図柄の作動保留球の事前判定情報が格納されているか否かを判定する(S763)。本例では、保留内連荘演出Aの先読み判定を、図柄変動が開始されるまでに生起した第2特別図柄の作動保留球を対象として行う。第2特別図柄の作動保留球が存在する場合(S763:YES)には、第2特別図柄の作動保留球内に特定保留が存在する否かを判定する(S764)。特定保留が存在する場合(S764:YES)には、この特定保留が16R大当りを示すものであるか否かを判定する(S765)。特定保留が16R大当りに該当する場合(S765:YES)には、保留内連荘演出Aを実行するか否かを抽選にて決定するための保留内連荘演出A抽選処理を実行する(S766)。この保留内連荘演出A抽選処理では、不図示の連荘演出A抽選テーブルを参照して、連荘演出抽選乱数値が「実行」、「非実行」のいずれかの判定値と一致した場合に実行の有無を決定する。本例では、例えば、80%の割合で実行、20%の割合で非実行を決定する。
続いて、保留内連荘演出A抽選処理にて当選したか否かを判定する(S767)。当選した場合(S767:YES)には、保留内連荘演出Aの内容を決定するための連荘演出パターン選択処理を実行する(S768)。この連荘演出パターン選択処理では、図8(A)に示した連荘演出パターンテーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から連荘演出パターン乱数値を取得して、複数種の連荘演出パターンの中から、いずれかの連荘演出パターンを抽選にて決定する。次いで、今回選択された連荘演出パターンの番号をサブメイン情報記憶手段260の連荘演出パターン格納領域に一時記憶する(S769)。そして、サブメイン情報記憶手段260の保留内連荘演出フラグをオンにする(S770)。なお、保留内連荘演出フラグとは、保留内連荘演出が実行される場合にオンとなるフラグである。
(大当り演出内容決定処理)
次に、大当り演出内容決定処理(S638)について説明する。図31は、大当り演出内容決定処理(S636)の詳細を示すフローチャートである。
まず、サブメイン情報記憶手段260に開始デモコマンドが格納されているか否かを判定する(S801)。開始デモコマンドが格納されている場合(S801:YES)には、開始デモコマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる大当り種別などを示す情報を取得する(S802)。なお、この取得情報は、サブメイン情報記憶手段260の大当り演出内容判定領域に格納される。続いて、連荘回数をカウントするための連荘回数カウンタを更新する(S803)。具体的には、今回の大当りが通常状態での大当り(「初当り」と称する)である場合は連荘回数カウンタに「1」をセットし、連荘である場合は連荘回数カウンタを「1」加算する。
次いで、大当り演出パターン(開始デモ演出パターン、ラウンド演出パターン、終了デモ演出パターン)の内容を決定するための大当り演出パターン選択処理を実行する(S804)。この大当り演出パターン選択処理では、不図示の大当り演出パターンテーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から大当り演出パターン乱数値を取得して、複数種の大当り演出パターンの中から、いずれかの大当り演出パターンを抽選にて決定する。ここで決定された大当り演出パターン番号(開始デモパターン番号、ラウンド演出パターン番号、終了デモパターン番号)は、サブメイン情報記憶手段260の大当り演出パターン格納領域に一時記憶される。
次いで、保留内連荘演出B判定処理を実行する(S805)。この保留内連荘演出B判定処理では、保留内連荘演出Bの実行可否を判定するとともに、保留内連荘演出Bを実行することを決定した場合には連荘演出パターンを選択する。この保留内連荘演出B判定処理(S805)の詳細は図32を用いて後述する。
続いて、大当り演出差し替え処理を実行する(S806)。この大当り演出差し替え処理では、保留内連荘演出B(特殊連続演出)が実行される場合に、通常の開始デモ演出パターンおよび通常の終了デモ演出パターンを特殊開始デモ演出パターンおよび特殊終了デモ演出パターンに差し替える。この大当り演出差し替え処理(S806)の詳細は図33を用いて後述する。なお、本実施形態では、保留内連荘演出Bにおける先読み判定の対象となるのは、先行の作動保留球が大当りとなった場合にその特別遊技の開始時点(当該変動終了時)にて存在する後続の作動保留球である。そのため、特別遊技中に生起した作動保留球が特定保留である場合でも、保留内連荘演出B判定処理(S805)と差し替え処理(S806)は実行されることはないが、当該特別遊技中に特定保留が生起された場合に、当該特別遊技中においても保留内連荘演出B判定処理(S805)と差し替え処理(S806)とを実行し、特別遊技の開始時に設定した大当り演出データを差し替えるように構成してもよい。
そして、上記S804,S806でサブメイン情報記憶手段260の大当り演出パターン格納領域に一時記憶した開始デモ演出パターン番号をサブメイン情報記憶手段260の開始デモ演出格納領域に転送して、開始デモ演出の開始を設定する(S807)。
続いて、サブメイン情報記憶手段260にラウンド演出指定コマンドが格納されているか否かを判定する(S811)。ラウンド演出指定コマンドが格納されている場合(S807:YES)には、ラウンド演出指定コマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれるラウンド数や、大入賞口64,65への入賞数を示す情報を取得する(S812)。なお、この取得情報は、サブメイン情報記憶手段260の大当り演出内容判定領域に格納される。続いて、上記S812で取得した情報に基づき、サブメイン情報記憶手段260のラウンド数カウンタを更新する(S813)とともに、サブメイン情報記憶手段260の大入賞数カウンタを更新する(S814)。なお、本例では、大入賞口64,65に遊技球が入賞する毎に「14」個の賞球が払い出されるため、大入賞口64,65への入賞数に「14」を乗算することで、獲得賞球数が算出される。
次いで、サブメイン情報記憶手段260の擬似カウントフラグがオンであるか否かを判定する(S815)。擬似カウントフラグとは、先の特別遊技におけるラウンド数および獲得賞球数を、後の特別遊技におけるラウンド数および獲得賞球数に上乗せして報知する擬似カウント演出を実行する場合にオンとなるフラグである。擬似カウントフラグがオンである場合(S815:YES)、すなわち、後の大当りにおけるラウンド演出(擬似カウント演出)を実行予定である場合には、ラウンド数擬似加算処理を実行する(S816)。このラウンド数擬似加算処理では、ラウンド数カウンタに記憶されたラウンド遊技の実行回数(ラウンド回数:1R〜16R)に、先の特別遊技で実行されたラウンド遊技の実行回数(ラウンド回数:16R)を加算する。これにより、特殊連続演出において、後の特別遊技における1ラウンド目のラウンド遊技が第17ラウンド目のラウンド遊技として報知される。
続いて、獲得賞球数擬似加算処理を実行する(S817)。この獲得賞球数擬似加算処理では、大入賞数カウンタに格納された入賞数に、先の特別遊技での大入賞口への入賞数を加算する。これにより、特殊連続演出において、後の特別遊技において獲得した賞球数を、先の特別遊技と後の特別遊技で獲得した合計の賞球数として報知される。
そして、上記S804,S806でサブメイン情報記憶手段260の大当り演出パターン格納領域に一時記憶したラウンド演出パターン番号を、ラウンド数カウンタおよび大入賞数カウンタの数値とともに、サブメイン情報記憶手段260のラウンド演出格納領域に転送して、ラウンド演出の開始を設定する(S818)。
次いで、サブメイン情報記憶手段260に終了デモコマンドが格納されているか否かを判定する(S821)。終了デモコマンドが格納されている場合(S821:YES)には、終了デモコマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる情報を取得する(S822)。なお、この取得情報は、サブメイン情報記憶手段260の大当り演出内容判定領域に格納される。次いで、サブメイン情報記憶手段260の特殊連続演出フラグがオンであるか否かを判定する(S823)。特殊連続演出フラグがオンである場合(S823:YES)には、ラウンド数カウンタの値(ラウンド数)および大入賞数カウンタの値(大入賞数)をサブメイン情報記憶手段260の先の大当り記憶領域に一時記憶する(S824)。これは、今回の大当りが特殊連続演出における先の大当りに該当する場合には、先の大当りでの最終的なラウンド数および大入賞数は、後の大当り演出における擬似加算処理(S816,S817)にて使用される予定であるため、先の特別遊技の記録情報として記憶するためである。そのため、上記S816,S817での擬似加算処理では、この先の大当り記憶領域に保存された数値(ラウンド数および大入賞数)が上乗せされることになる。次いで、サブメイン情報記憶手段260のラウンド数カウンタおよび大入賞数カウンタをクリアする(S825,S826)。
続いて、サブメイン情報記憶手段260の擬似カウントフラグがオンであるか否かを判定する(S827)。擬似カウントフラグがオンである場合(S827:YES)には、擬似カウントフラグをオフにする(S828)。次いで、サブメイン情報記憶手段260の保留内連荘演出フラグがオンであるか否かを判定する(S835)。保留内連荘演出フラグがオンである場合(S835:YES)には、サブメイン情報記憶手段260の保留内連荘演出フラグをオフにする(S836)。
次いで、上記S804,S806でサブメイン情報記憶手段260の大当り演出パターン格納領域に一時記憶した終了デモ演出パターン番号をサブメイン情報記憶手段260の終了デモ演出格納領域に転送して、終了デモ演出の開始を設定する(S837)。そして、上記S805、S807,S818,S837で取得した演出情報に基づき、大当り演出に要する画像制御コマンドを生成し、この画像制御コマンドをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に設定する(S838)。
(保留内連荘演出B判定処理)
次に、保留内連荘演出B判定処理(S805)について説明する。図32は、保留内連荘演出B判定処理(S805)の詳細を示すフローチャートである。
まず、サブメイン情報記憶手段260の保留内連荘演出フラグがオンであるか否か、すなわち、既に図柄変動演出において保留内連荘演出Aが実行されたか否かを判定する(S851)。保留内連荘演出フラグがオンでない場合(S851:NO)には、上記S732でサブメイン情報記憶手段260の変動演出内容判定領域に格納された情報(当否抽選の結果および大当り種別)を解析して、今回の変動対象となる特別図柄の抽選結果が16R大当りであるか否かを判定する(S852)。抽選結果が16R大当りである場合(S852:YES)には、サブメイン情報記憶手段260の先読み情報格納領域に、第2特別図柄の作動保留球の事前判定情報が格納されているか否かを判定する(S853)。本例では、保留内連荘演出Bの先読み判定を、特別遊技が開始されるまで、すなわち、大当り開始デモコマンドを受信するまでに生起した第2特別図柄の作動保留球を対象として行う。第2特別図柄の作動保留球が存在する場合(S853:YES)には、第2特別図柄の作動保留球内に特定保留が存在する否かを判定する(S854)。特定保留が存在する場合(S854:YES)には、保留内連荘演出Bを実行するか否かを抽選にて決定するための保留内連荘演出B抽選処理1を実行する(S856)。この保留内連荘演出B抽選処理1では、不図示の連荘演出B抽選テーブル1を参照して、連荘演出抽選乱数値が「実行」、「非実行」のいずれかの判定値と一致した場合に実行の有無を決定する。本例では、例えば、80%の割合で実行、20%の割合で非実行を決定する。なお、特定保留の種別(16R大当り、8R大当り)に応じて、保留内連荘演出Bの当選確率を異ならしめてもよい。例えば、16R大当りの特定保留である場合には100%の割合で保留内連荘演出Bを実行し、8R大当りの特定保留の場合には50%の割合で保留内連荘演出Bを実行する構成でもよい。これは遊技者にとって有利度が大きい場合に、保留内連荘演出Bの出現確率を高めて、遊技者の期待感を高めるためである。
一方、特定保留がない場合(S854:NO)には、保留内連荘演出Bを実行するか否かを抽選にて決定するための保留内連荘演出B抽選処理2を実行する(S857)。この保留内連荘演出B抽選処理2では、不図示の連荘演出B抽選テーブル2を参照して、連荘演出抽選乱数値が「実行」、「非実行」のいずれかの判定値と一致した場合に実行の有無を決定する。本例では、例えば、10%の割合で実行、90%の割合で非実行を決定する。
続いて、保留内連荘演出B抽選処理にて当選したか否かを判定する(S858)。当選した場合(S858:YES)には、保留内連荘演出Bの内容を決定するための連荘演出パターン選択処理を実行する(S861)。この連荘演出パターン選択処理では、図8(B)に示した連荘演出パターンテーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から連荘演出パターン乱数値を取得して、複数種の連荘演出パターンの中から、いずれかの連荘演出パターンを抽選にて決定する。次いで、今回選択された連荘演出パターンの番号をサブメイン情報記憶手段260の連荘演出パターン格納領域に一時記憶する(S868)。そして、サブメイン情報記憶手段260の保留内連荘演出フラグをオンにする(S870)。
(大当り演出差し替え処理)
次に、大当り演出差し替え処理(S806)について説明する。図33は、大当り演出差し替え処理(S806)の詳細を示すフローチャートである。この大当り演出差し替え処理では、先の特別遊技と後の特別遊技とを繋げるかたちで特殊連続演出を実行すべく、先の特別遊技である場合には、S881〜S885において特殊終了デモ演出を設定し、後の特別遊技である場合には、S886〜S890において特殊開始デモ演出を設定する。
まず、サブメイン情報記憶手段260の特殊連続演出フラグがオンであるか否か、すなわち、特殊連続演出が既に実行中であるか否かを判定する(S881)。特殊連続演出フラグがオンでない場合(S881:NO)には、サブメイン情報記憶手段260の保留内連荘演出フラグがオンであるか否かを判定する(S882)。保留内連荘演出フラグがオンでない場合(S882:NO)には、サブメイン情報記憶手段260の特殊連続演出ステイタスに「先の大当り(01H)」である旨の情報を設定する(S883)。これにより、今回の大当り(特別遊技)が特殊連続演出における先の大当り(特別遊技)であると判断される。続いて、上記S804で設定された通常の終了デモ演出パターン番号を特殊終終了デモ演出パターン番号に差し替える(S884)。そして、特殊連続演出を発生させるべく、特殊連続演出フラグをオンにする(S885)。
一方、特殊連続演出フラグがオンである場合(S881:YES)、すなわち、特殊連続演出が既に実行中である場合には、サブメイン情報記憶手段260の特殊連続演出ステイタスに「後の大当り(02H)」である旨の情報を設定する(S886)。これにより、今回の大当り(特別遊技)が特殊連続演出における後の大当り(特別遊技)であると判断される。次いで、今回の大当りが16R大当り(高利益大当り)であるか否かを判定する(S887)。16R大当りである場合(S887:YES)には、上記S804で設定された通常の開始デモ演出パターン番号を特殊終開始デモ演出パターン番号に差し替える(S888)。続いて、特殊連続演出を擬似カウント演出に繋げるべく、サブメイン情報記憶手段260の擬似カウントフラグをオンにする(S889)。そして、特殊連続演出フラグをオフにする(S890)。
《演出制御コマンドの受信割込み処理》
次に、演出制御コマンドの受信割込み処理を説明する。図34は、演出制御コマンドの受信割込み処理を示すフローチャートである。この演出制御コマンドの受信割込み処理では、前述したように、主制御基板100からのストローブ信号の入力に基づいて割込みが発生することで開始され、この割込み処理において各種の演出制御コマンドが取得されるようになっている。なお、演出制御コマンドは、1バイトのMODEデータと、1バイトのEVENTデータとを含む構成となっており、主制御基板100から演出制御基板200へ、MODEデータ、EVENTデータの順に送信される。以下では、説明の便宜上、MODEデータを「第1コマンド」、EVENTデータを「第2コマンド」とも称する。
まず、主制御基板100からのストローブ信号に基づく割込みが発生すると、演出制御コマンドの入力値が確定したか否かを判定する(S901)。具体的には、コマンドデータを最高5回まで読み込み、2回連続で同じ値が読み込まれた時点で入力値が確定となる。これはノイズ等により演出制御コマンドの読み取りが失敗するおそれがあるためであり、2回連続で同じ値が読み込まれるまでは入力値を確定とはしない。
続いて、今回受信したコマンドが第1コマンド(MODE)であるか否か、換言すれば、第1コマンド(MODE)であるか第2コマンド(EVENT)であるかを判定する(S902)。今回受信したコマンドが第1コマンドである場合(S902:YES)は、当該第1コマンドをテンポラリ領域に一時的に記憶する(S903)。そして、演出抽選乱数発生手段210から演出抽選乱数を取得して、この乱数情報をサブメイン情報記憶手段260の演出抽選乱数格納領域に一時記憶する(S904)。なお、演出抽選乱数の取得時期を、演出制御コマンドの受信時としているのは、演出制御コマンドは遊技球の始動入賞時や特別図柄の変動開始時など物理的に不規則なタイミングで送信されるため、それを契機とすることで取得時期に周期性を出さないようにするためである。このように演出抽選乱数の取得時期を不規則とすることで、各種の演出抽選においても、同一の演出が不自然に繰り返し選択されてしまう等の不都合が発生し難くなる。
一方、今回受信したコマンドが第2コマンドである場合(S902:NO)には、すでに第1コマンドを受信済であるか否かを判定する(S905)。すなわち、演出制御コマンドを第1コマンド(MODE)→第2コマンド(EVENT)の順に受信したか否か判定して、演出制御コマンドの組合せに矛盾がないかを確認する。演出制御コマンドの組合せに矛盾がない場合(S905:YES)は、ライトポインタ(書き込み用のポインタ)の示すアドレスを取得する(S906)。続いて、第1コマンドと第2コマンドとを、ライトポインタの指示するアドレスに従って、サブメイン情報記憶手段260の演出制御コマンドバッファ(リングバッファ)に保存する(S907)。保存されたコマンドデータは、メイン処理における前記のコマンド解析処理(S620)で読み出され、演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理が実行される。次いで、ライトポインタの示すアドレスを更新する(S908)。さらに、前記S903で一時記憶したコマンドデータ(第1コマンド)をクリアする(S909)。
《演出制御側タイマ割込み処理》
次に、演出制御側タイマ割込み処理を説明する。図35は、演出制御側タイマ割込み処理を示すフローチャートである。このタイマ割込み処理は、一定時間毎のクロックパルスにより起動され、上述の演出制御側メイン処理に割り込むかたちで実行される。
タイマ割込みが発生すると、サブメインCPU201内のレジスタの内容をRAM203のスタック領域に退避させた後、S911以降の処理を順次実行する。このタイマ割込み処理内では、主制御基板100からの演出制御コマンド受信割込み、ウォッチドッグタイマ割込み等、優先レベル2以上の割込みを許可する(S911)。
続いて、ポート入出力処理を実行する(S912)。このポート入出力処理では、I/Oポート回路204におけるポートデータの入力処理、出力処理を行う。入力処理では、I/Oポート回路204(入力ポート)に入力されている各種信号を読み取り、これを入力情報として記憶する。出力処理では、サブメイン情報記憶手段260に一時記憶されている各種制御信号(モータ制御信号)を読み出して、I/Oポート回路204(出力ポート)から出力する。
続いて、デバイス制御データ出力処理を実行する(S913)。このデバイス制御データ出力処理では、前記のデバイス管理処理(S619)で特定した駆動パターンデータから所定時間分の駆動データを読み出してサブメイン情報記憶手段260の駆動データ記憶領域に設定する。この処理で設定される駆動データは、割込み周期に対応した1ms間の制御を示すデータである。この処理で駆動データが設定されると、次回のタイマ割込み処理にて、当該駆動データがI/Oポート回路204(出力ポート)からモータドライバ92へ出力される。従って、このデバイス制御データ出力処理では、駆動パターンデータに従って駆動データが割込み周期(1ms)毎に切り替えられることとなる。
次いで、演出用タイマ更新処理を実行する(S914)。この演出タイマ更新処理では、演出動作制御に用いる各種の演出用タイマの値を割込み周期(本実施形態では1ms)ずつ減算更新する。演出用タイマには、装飾図柄の変動時間を管理するためのタイマ、予告演出の発生タイミングを管理するためのタイマなどが含まれる。この演出用タイマによって、変動演出パターンにおけるタイムスケジュールが管理され、その時間軸上で可動役物24の駆動タイミングや演出ランプLPの点灯タイミング等の時間管理がされている。なお、演出用タイマは、この演出制御用タイマ割込み処理内のデバイス制御データ出力処理(S913)やランプデータ更新処理(S918)などにおいても利用される。
続いて、ボタン制御タイマ更新処理を実行する(S915)。演出ボタン15の操作有効時間を管理するための有効時間管理タイマの値を割込み周期(本実施形態では1ms)減算更新する。なお、操作有効時間とは、演出ボタン15の操作入力が有効となる時間である。
続いて、タスク制御カウンタ更新処理を実行する(S717)。このタスク制御カウンタ更新処理では、タイマ割込み毎にタスクカウンタの値(「0」〜「15」)を更新する。具体的には、タスクカウンタの値が「0」〜「14」であれば1インクリメントし、タスクカウンタの値が「15」となった場合には「0」に戻す。すなわち、このタスクカウンタは16msの循環周期を取り得る。そして、今回更新されたタスクカウンタの値に対応して各種のタスク(タスク処理)が割り当てられており、当該タスクカウンタの値に応じて、ランプ制御タスク(S718のランプデータ更新処理)、暴走監視タスク(S719の画像CPU暴走監視処理)、エラー管理タスク(S720のエラー管理タイマ更新処理)などの各処理を実行する。本例では、タスクカウンタの値(「0」〜「15」)のうち、或る1つの値がランプ制御タスクに割り当てられ、他の2つの値(互いに8ms間隔となる値)が暴走監視用タスクに割り当てられ、他の1つの値がエラー管理タスクに割り当てられている(その他のタスクの説明は省略する)。なお、前述のように、タスクカウンタの循環周期を16msに設定しているのは、演出ランプLPの切り換え制御の最小単位(16ms)と一致させるためである。そして、この演出ランプLPの切り換え制御の最小単位(16ms)は画像フレームの1フレーム時間と対応し、画像演出とランプ演出との同期を実現している。
続いて、ランプデータ更新処理を実行する(S918)。このランプデータ更新処理では、前記のデバイス管理処理(S619)等で特定したランプパターンデータから所定時間分のランプデータを読み出して設定する。この処理で設定されるランプデータは、演出ランプLPの切り換え制御の最小単位となる16ms間の点灯制御を示すデータである。ランプデータが設定されると、当該ランプデータが出力ポート(シリアルポート)からシリアル転送にてランプ接続基板91へ自動的に出力される。このランプデータの出力処理は、シリアル通信割込み処理として構成されており、シリアル通信回路の送信バッファにランプデータを順次書き込むことで実現される。シリアル通信回路は、送信バッファのランプデータを1バイト単位でシリアル変換して、シリアルクロックと同期したかたちで、1ビット毎にランプ接続基板91に対して出力する。この処理では、送信バッファが空になるまで繰り返され、これにより送信バッファに格納された全てのランプデータ(全バイト)が出力されるようになっている。従って、このランプデータ更新処理では、ランプパターンに従ってランプデータが1フレーム時間(16ms)毎に切り替えられるとともに、このランプデータがランプ接続基板91に対してシリアル転送にて出力される。なお、このランプデータ更新処理は、前記のタスク制御カウンタ更新処理(S917)でタスクカウンタの値が所定値(ランプ制御タスクを示す値)となった場合に実行される処理(つまり16ms周期で実行される処理)となっている。
続いて、画像CPU暴走監視処理を実行する(S919)。この画像CPU暴走監視処理では、画像制御基板300から入力されるトグル信号を監視して、当該トグル信号が1600ms(50〜100フレーム程度)の間、連続して変化しない場合に、画像制御基板300のサブサブCPU301が暴走していると判定し、演出制御基板200から画像制御基板300に対してリセット信号を送信する。これにより、画像制御基板300側はサブサブCPU301のリセット状態の発生によって、所定のリセット処理を実行する。なお、トグル信号とは、1フレーム時間毎にHレベル/Lレベルが交互に繰り返される波形の信号のことである。なお、この画像CPU暴走監視処理は、前記のタスク制御カウンタ更新処理(S917)でタスクカウンタの値が所定値(画像監視タスクを示す値)となった場合に実行される処理となっている。
次いで、エラー管理タイマ処理を実行する(S920)。このエラー管理タイマ処理では、前記のエラー演出管理処理(S617)でセットされたエラー演出時間を管理するためのエラー演出タイマの値を減算更新する。なお、このエラー管理タイマ処理は、前記のタスク制御カウンタ更新処理(S917)でタスクカウンタの値が所定値(エラー管理タスクを示す値)となった場合に実行される処理となっている。そして、全ての割込みを許可した状態にするとともに、退避していたレジスタの内容を復帰させた後、演出制御側タイマ割込み処理を終了して、割込み発生前の元の処理に戻る。
《画像制御コマンドの送信割込み処理》
次に、画像制御コマンドの送信割込み処理を説明する。図36は、画像制御コマンドの送信割込み処理を示すフローチャートである。この画像制御コマンドの送信割込み処理は、予め設定された一定間隔(500μs)毎に発生する。
この画像制御コマンドの送信割込み処理では、まず、サブメイン情報記憶手段260の画像制御コマンドバッファをチェックする(S931)。続いて、画像制御コマンドバッファにおいてリードポインタを取得する(S932)。次いで、画像制御コマンドバッファに画像制御コマンドが格納されているか否かを判定する(S933)。画像制御コマンドが格納されているか否かは、例えば、リードポインタとライトポインタによって確認でき、リードポインタとライトポインタとが一致している場合には、画像制御コマンドが格納されていないことになる。画像制御コマンドが格納されている場合(S933:YES)には、リードポインタが指す領域から画像制御コマンドを読み出す(S934)。この読み出した画像制御コマンドを、出力先として指定されたシリアル通信回路205の出力バッファにセットする(S935)。これによりシリアルポートから画像制御コマンドが画像制御基板300に対してシリアル送信される。次いで、コマンドデータ(前記S935で送信したコマンドデータ)をクリアする(S936)。続いて、リードポインタを1インクリメントして更新する(S937)。そして、当該画像コマンドの送信割込み処理を終了して、割込み前の元の処理へ復帰する。
[作用]
次に、本実施形態の理解を容易なものとするために、ぱちんこ遊技機PMの特徴的作用について説明する。
始めに、図37を参照して、保留内連荘演出と特殊連続演出とを実行させた場合の演出の流れについて説明する。図37は、保留内連荘演出と特殊連続演出との演出画面を示す模式図である。
まず、図37(A)に示すように、先の特別遊技におけるラウンド演出(最終ラウンド)において、最終ラウンド数である「16ラウンド」と、先の特別遊技における獲得賞球数「1988」とが表示されている。そして、この最終ラウンドにおいて、保留内連荘演出Bとして、「奥義書」の画像が表示され、後続の作動保留球内に特定保留が含まれていること、すなわち、保留内連荘の可能性が示唆される。
続いて、図37(B)に示すように、先の特別遊技における終了デモ演出において、前述の最終ラウンドでの保留内連荘演出Bの発生に伴い、特殊連続演出が開始される。図示の例では、特殊終了デモ演出として、味方キャラクタと敵キャラクタとが登場する。また、この特殊終了デモ演出では、通常とは異なり、「大当り終了」の文字情報が表示されない代わりに、「継続」の文字情報が表示されることで、特別遊技が継続しているかのように見せることができる。そして、内部的には特別遊技が終了することで、特別図柄の確変状態および時短状態、並びに電チューサポート状態が設定された状態で、図柄変動遊技が再開される。
次いで、図37(C)に示すように、先の特別遊技終了後の1回目の図柄変動では、抽選結果がはずれとなり、特殊図柄変動演出として超短縮変動(2秒間)が設定されているため、極短時間のうちに装飾図柄がはずれ態様「1−2−5」で停止表示される。図示の例では、この特殊変動演出において、図37(B)と同一の味方キャラクタと敵キャラクタとが対戦するバトル演出が開始される。これは、特別遊技(先の特別遊技)が終了したという印象を遊技者に対して極力与えないようにするため、先の特別遊技で表示されたものと同一のキャラクタを表示させるためである。なお、この特殊図柄変動演出中には、変動表示又は停止表示される装飾図柄を画面の端の方に縮小した状態で表示させる。これにより、先の特別遊技が終了することなく、継続しているかのように遊技者にみせることができる。なお、特殊図柄変動演出中ではない場合、すなわち、通常の図柄変動演出中においては、装飾図柄を縮小せずに画面の略中央に表示させている。また、限定期間中(特殊変動演出中)は、通常とは異なる特殊背景(「星空」)の背景画像が表示されるため、今後の展開に対する遊技者の期待感を高めることができる。なお、画面全体を特定の表示色とすることで、図柄変動を認識できない又は認識しがたい状態としてもよい。
続いて、図37(D)に示すように、先の特別遊技終了後の2回目の図柄変動では、抽選結果が大当り(16R大当り)となり、特殊変動演出として超短縮変動(2秒間)が設定されているため、極短時間のうちに装飾図柄が大当り態様「7−7−7」で停止表示される。図示の例では、この特殊変動演出において、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利する演出が実行される。このように、特殊連続演出における特殊変動演出では、後続の作動保留球を極短時間で高速消化することで、後の特別遊技に移行するまでの時間を圧縮させて、遊技者に対して図柄変動演出が実行されていたことを極力認識させず、後の特別遊技にシームレスに繋げるように構成されている。
次いで、図37(E)に示すように、後の特別遊技における開始デモ演出において、特殊連続演出が継続している。図示の例では、特殊開始デモ演出として、味方キャラクタが敵キャラクタに向かって「奥義最強」というセリフを告げる演出が実行される。なお、この開始デモ演出では、通常とは異なり、「大当り開始」の文字情報は表示されない。
そして、図37(F)に示すように、後の特別遊技におけるラウンド演出(開始ラウンド)において、擬似カウント演出が開始される。この擬似カウント演出では、先の特別遊技の延長として継続しているかのように見せるため、先の特別遊技からの累積ラウンド数である「17ラウンド」と、先の特別遊技からの累積の獲得賞球数「1988」とが報知される。また、図37(B)と同一の味方キャラクタと敵キャラクタとが継続して表示されている。
これにより、先の特別遊技と、保留内連荘による後の特別遊技とを、図柄変動演出を挟んで一連の演出として見せることができる。また、2回の特別遊技により獲得した賞球数が表示されるため、遊技者に対して多量の賞球を獲得できたという満足感を与えることができる。これにより、規則で制限されたラウンド数および賞球数を越えた新規な特別遊技状態を擬似的に創出することが可能となる。
次いで、図38を参照して、保留内連荘演出と特殊連続演出との関係を説明する。図38は、保留内連荘演出と特殊連続演出との関係を示すタイムチャートである。
先行の作動保留球が消化されて、当否判定で大当りに当選すると(t11)、保留内連荘演出A判定処理に移行し、後続の作動保留球に対して先読み判定が実行される。後続の作動保留球内に特定保留(図示の例では3個目が特定保留)が存在すると、保留内連荘演出Aの実行可否が抽選にて決定され、これに当選すると図柄変動演出中に保留内連荘演出Aが発生する(t12)。
続いて、図柄変動が停止して大当り図柄が確定表示されると、その後、特別遊技(先の特別遊技)が開始される。この特別遊技の開始時に、保留内連荘演出B判定処理に移行するが、当該図柄変動演出にて既に保留内連荘演出Aが発生しているため、この特別遊技中に保留内連荘演出Bは発生しない(t13)。その理由としては、特別遊技中に保留内連荘演出Bを改めて発生させてしまうと、保留内連荘回数(後続の作動保留球内に存在する特定保留の個数)が1回であるにも関わらず、複数回あると遊技者に誤認させてしまうおそれや、本例では確定報知演出ではない保留内連荘演出Bであるが故に、本当に保留内連荘が起こるのかといった不安を遊技者に覚えさせてしまうおそれがあるからである。
次いで、先の特別遊技における終了デモ演出にて、特殊連続演出が開始される(t14)。なお、この特殊連続演出は、今回の特別遊技(先の特別遊技)における終了デモ演出から次回の特別遊技(後の特別遊技)におけるラウンド演出まで継続される(t14〜t18)。そして、先の特別遊技が終了すると、図柄変動演出が再開される(t15)。本例では、4回の図柄変動を限度として特殊演出モードMγに滞在するための限定期間が設定されており、この限定期間内で特殊図柄変動演出が実行される。
続いて、先の特別遊技の終了後、3個目の作動保留球(t12にて保留内連荘報知された特定保留)が消化されて、当否判定で大当りに当選すると(t16)、保留内連荘演出A判定処理に移行する。このとき、後続の作動保留球内には、新たな特定保留が存在しているが(図示の例では2個目が特定保留)、既に特殊連続演出が実行中であるため、この3回目の図柄変動演出中に保留内連荘演出Aは発生しない(t16)。その理由は、特殊連続演出の発生に伴って二つの特別遊技状態を一つの特別遊技状態として見せようとしても、この特殊連続演出の実行中に図柄変動演出としての保留内連荘演出Aが発生したのでは、図柄変動演出中であることを秘匿するという趣旨を没却してしまうおそれがあるからである。また、保留内連荘演出Aの発生を契機として特殊連続演出が開始された場合、この特殊連続演出中(限定期間内)において後続の作動保留球が消化されたときの変動時間は極短時間(2秒)に設定されているため、この短時間内に保留内連荘演出Aを発生させても演出効果が低く、また、保留内連荘演出と特殊連続演出との競合によって両者の演出効果が希薄化されるおそれがあるからである。
次いで、図柄変動が停止して大当り図柄が確定表示されると、後の特別遊技が開始される。また、後の特別遊技の開始時に、保留内連荘演出B判定処理に移行し、後続の作動保留球に対して先読み判定が実行される。このとき、特殊連続演出の実行中であっても、後続の作動保留球内に特定保留が存在すると(図示の例では2個目が特定保留)、保留内連荘演出Bの実行可否が抽選にて決定され、これに当選すると特別遊技中に保留内連荘演出Bが発生し得る(t17)。その理由は、特殊連続演出中であっても大当り演出中に発生するものであれば、遊技者は通常の保留内連荘演出Bが発生したものと感じ、違和感が生じ得ないからである。また、特殊連続演出は、少なくとも先の大当り演出中の終了デモ演出から後の大当り演出中の開始デモ演出までの一連の演出を繋げるものであるため、特殊連続演出の終了後(すなわち、後の特別遊技におけるラウンド演出以降のタイミング)に保留内連荘演出を発生させるものであれば、保留内連荘演出と特殊連続演出とが競合するという不具合は生じないからである。
以上、本実施形態によれば、図柄変動中に発生する第1の保留内連荘演出Aと、特別遊技中に発生する第2の保留内連荘演出Bとを設け、第1の保留内連荘演出Aでは後続の作動保留球内に特定保留が1個存在する可能性を報知する一方、第2の保留内連荘演出Bでは後続の作動保留球内に特定保留が1個のみでなく複数存在することも報知し得るように構成することで、図柄が変動を開始したときから特別遊技が終了するまでの一連の遊技過程を通じて、保留内連荘演出の発生に対する期待感を持続させることができるとともに、該遊技過程における保留内連荘演出の発生タイミングに応じて保留内連荘に関する多様な情報を遊技者に対して教示し得ることで、保留内連荘演出の発生タイミングや演出態様にバリエーションが付与されるため、保留内連荘演出の幅を拡げることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態では、特別遊技終了後の限定期間中に、特殊図柄変動演出を実行させることで、特別遊技終了後の早期の段階で次回の大当り(保留内連荘で報知された特定保留に係る大当り)が発生することへの期待感を高めることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。また、特殊図柄変動演出を極短時間の短縮変動で構成することにより、先の特別遊技と後の特別遊技との時間的な間隔を抑えることができ、次回の大当りまでの間延びを防止できるとともに、限定期間内での保留内連荘演出の発生を禁止することで、該限定期間内での特殊演出と保留内連荘演出との競合により、かえって演出の効果が希薄化されるのを防止できる。
また、本実施形態では、大当りとなる特定保留が存在する場合でも、必ずしも保留内連荘演出が実行されるわけではないので、たとえ報知されなかったとしても、保留内連荘の可能性に期待感を持たせることができる。なお、特定保留が存在する場合には、必ず、保留内連荘演出を実行するように構成してもよい。
ところで、本実施形態では、先行の作動保留球が大当りとなり、その特別遊技中に保留内連荘演出Bが発生せず、その特別遊技の終了後において後続の作動保留球(保留内連荘演出B発生時点で存在する作動保留球)が消化されることで、図柄変動中に高期待度演出(スーパーリーチB)が発生した場合には、大当りとなる可能性よりもはずれとなる可能性の方が高く設定されている。
図5に示すように、第2特別図柄の遊技において、特別図柄の確変状態では、大当りとなる確率は約1/40、はずれとなる確率は約39/40である。
また、図7に示すように、特別図柄の確変状態では、当否判定の結果が大当りである場合は、大当り種別に関わらず、16R特定大当りおよび8R特定大当りのいずれである場合でも、100%の確率でスーパーリーチB(高期待度演出)の変動パターンPX7,PY7が選択される。すなわち、特別図柄の確変状態では、16R特定大当りの場合はスーパーリーチBの変動パターンPX7のみが選択され、8R大当りの場合はスーパーリーチBの変動パターンPY7のみが選択される。一方、特別図柄の確変状態では、当否判定の結果がはずれである場合は、5%の確率でスーパーリーチB(高期待度演出)の変動パターンPH7が選択される。
このとき、図32のS856で説明したとおり、本例では、後続の作動保留球内に特定保留(16R大当り、8R大当り)が存在する場合に、保留内連荘演出Bの実行可否の当選確率は80%に設定されているため、特定保留(16R大当り、8R大当り)が存在する場合でも、残り20%の確率で保留内連荘演出Bが未実行となる。
以上のような条件のもとで、保留内連荘演出Bが実行されなかった状況下、スーパーリーチBの出現によって大当りとなる確率X、スーパーリーチBの出現によってはずれとなる確率Yは、以下の通りとなる。
X=(大当りとなる確率)×(保留内連荘演出Bが発生しない確率)×(スーパーリーチBとなる確率)
Y=(はずれとなる確率)×(スーパーリーチBとなる確率)
続いて、上記の数値を用いて、スーパーリーチBの出現によって大当りとなる確率X、スーパーリーチBの出現によってはずれとなる確率Yを具体的に計算すると、以下の通りとなる。
X=1/40×(100−80)/100×100/100=20/400
Y=39/40×5/100=195/400
となる。
従って、特別遊技中に保留内連荘演出Bが発生せずに、その後続の作動保留球内で高期待度演出が発生したときは(スーパーリーチBに発展したときは)、大当りとなる可能性よりも、はずれとなる可能性の方が高くなる。
なお、上述の第1実施形態では、基本的には、電チューサポート機能が作動中に取得した第2特別図柄の作動保留球を対象として保留内連荘演出に係る先読み判定が実行される構成であったが、これはあくまで一例であり、例えば、電チューサポート機能が未作動中に取得した第1特別図柄の作動保留球(又は第2特別図柄の作動保留球)を対象として保留内連荘演出に係る先読み判定が実行されてもよい。
また、上述の第1実施形態では、保留内連荘演出Bの判定タイミングを、大当り開始時(開始デモコマンドを受信したとき)のタイミングに設定しているが、これはあくまで一例であり、例えば、大当り開始時、ラウンド遊技時、大当り終了時のいずれのタイミングに設定してもよい。
また、上述の実施形態では、第1特別図柄遊技に第1大入賞口64を対応させ、第2特別遊技に第2大入賞口65を対応させる構成であったが、これに限定されるものではなく、第1特別図柄遊技および第2特別図柄遊技の少なくとも一方について第1大入賞口64と第2大入賞口65との両方を対応させて、これらの大入賞口64,65を交互に開放させてもよい。また、二つの大入賞口64,65を設けることなく、一つの大入賞口のみを設ける構成であってもよい。
また、上述の実施形態では、第2特別図柄の作動保留球を第1特別図柄の作動保留球よりも優先的に消化する、いわゆる優先消化を採用しているが、これに限定されるものではなく、第1始動口61又は第2始動口62への遊技球の入球順によって作動保留球を消化してもよい。なお、この構成を採用する場合は、第1特別図柄の作動保留球および第2特別図柄の作動保留球の両方を保留内連荘報知の対象とすることが好ましい。
[第1実施形態−第1変形例]
次に、第1実施形態の第1変形例に係る遊技機について説明する。この第1変形例に係る遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
(保留内連荘演出と昇天演出との関係)
本変形例では、いわゆる連荘が規定回数だけ継続した場合に、希少性のある特別演出(いわゆる昇天演出)が発生する。「連荘」とは、特定遊技中に所定の大当りとなった場合、その特別遊技の終了後の遊技状態として、再び特定遊技状態が継続することをいう。前述したように、「特定遊技状態」とは、通常状態よりも特別遊技への移行確率が高められた状態であり、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能、電チューサポート機能のうちの少なくとも一の機能が作動した状態のことである。本例では、特定遊技状態として少なくとも電チューサポート機能(入球容易状態)が作動していることを条件とする。ここで、本実施形態では、特別遊技の終了後のST期間中に、確率変動機能、変動時間短縮機能、および電チューサポート機能が作動する(同時に作動を開始して、同時に作動を終了する)構成となっているため、ST期間中は常に特定遊技状態であるといえる。
特別演出の実行条件としては、連荘が規定回数(本例では20回)に亘り連続することが定められるが、この規定回数の他に、例えば、連荘状態における特定大当りの累積回数が所定回数に到達、連荘状態での総獲得ラウンド数や総獲得賞球数が所定数に到達、連荘状態中に特定の演出(図柄変動中又は特別遊技中の特定演出)を発生させた場合などを実行条件に加えてもよい。連荘状態での総獲得ラウンド数や総獲得賞球数などを実行条件に加えてもよい。本例では、特定遊技状態(入球容易状態)を継続させたまま特別遊技を繰り返し取得する連荘回数が規定回数(20回)に到達するとともに、少なくとも最終のN回目では高利益大当り(16R大当り)で当選することを条件とする。特別演出は、その時間軸上において、装飾図柄の変動演出と大当り演出とに跨って表示されるものである。但し、特別演出は、大当り演出中のラウンド演出(最終ラウンド)で終了し、その後の終了デモ演出は含まれない。この特別演出の内容としては、例えば、特別演出でしか登場しない希少性の高い特別キャラクタを1カットずつ順番に表示させることで、遊技者に大当りが連荘することでの満足感を与え得るとともにプレミアム感を高めることができる。
続いて、保留内連荘演出と特別演出との関係について図39および図40を参照して説明する。図39および図40は保留内連荘演出と特別演出との関係を示すタイムチャートである。なお、以下では、連荘回数を「N」、規定回数を「Nset」とも表す。
(2−1)先の大当りに係る図柄変動又は特別遊技で保留内連荘演出が発生した場合、この保留内連荘による大当り(後の大当り)は特別演出の発生条件としての連荘回数にはカウントされず、特別演出の発生の要件とはならない。すなわち、図39に示すように、先行の作動保留球が消化されて、当否判定で大当りに当選すると(t21)、当該消化時であれば保留内連荘演出A判定処理に移行し、大当りの開始時であれば保留内連荘演出B判定処理に移行する。この保留内連荘演出A,B判定処理において、後続の作動保留球内に特定保留(図示の例では3個目が特定保留)が存在すると、保留内連荘演出A,Bの実行可否が抽選にて決定され、これに当選すると図柄変動中であれば保留内連荘演出Aが発生し(t22)、特別遊技中であれば保留内連荘演出Bが発生する(t23)。ここで、今回の大当りを連荘回数N=Nset−1回目の大当りとすると、保留内連荘演出A(t22)又は保留内連荘演出B(t23)にて、連荘回数N回目の大当りとなる特定保留の存在を報知した場合は、この連荘回数N=Nset回目の大当りを伴う図柄変動(t25)と特別遊技のラウンド演出(t26)とに跨って特別演出は発生させない。その理由は、本実施形態では、保留内連荘演出A,Bが発生することを契機として、二つの特別遊技状態(本例では、Nset−1回目とNset回目との特別遊技状態)を一つの特別遊技状態として見せるための特殊連続演出が発生(t24〜t26)するため、演出的には、Nset回目の大当りを特別演出の実行条件としての連荘回数には含めずに、特別演出の実行を回避する方が、特別遊技の擬似的な延長による遊技者の満足感を喪失しないとともに、特別演出と特殊連続演出との競合を回避して、演出全体のバランスが図れるからである。なお、内部的には、保留内連荘による大当りであっても連荘1回分として連荘回数は更新されている。
(2−2)図柄変動と特別遊技とに跨って特別演出が発生する場合には、当該図柄変動が開始される際に後続の作動保留球内に特定保留が存在するか否かに関わらず、当該変動演出では保留内連荘演出Aは発生しない。すなわち、図40に示すように、先行の作動保留球が消化されて、当否判定で高利益大当りに当選した結果(t31)、連荘回数N=規定回数Nsetとなり、当該図柄変動と特別遊技とに跨って特別演出が発生(t31〜t33)する場合には、当該図柄変動では後続の作動保留球内に特定保留(図示の例では3個目に特定保留あり)が存在するか否かに関わらず、保留内連荘演出Aを発生させない(t32)。その理由は、図柄変動中での特別演出と保留内連荘演出Aとの競合により、かえって両者の演出効果が相互に希薄になってしまうのを回避するためである。
(2−3)図柄変動と特別遊技とに跨って特別演出が発生する場合には、当該図柄変動が開始される際に後続の作動保留球内に特定保留が存在するか否かに関わらず、当該変動演出では保留内連荘演出Bが発生し得る。すなわち、図40に示すように、先行の作動保留球が消化されて、当否判定で高利益大当りに当選した結果(t31)、連荘回数N=規定回数Nsetとなり、当該図柄変動と特別遊技とに跨って特別演出が発生(t32〜t33)する場合には、その特別遊技では後続の作動保留球内に特定保留(図示の例では3個目に特定保留あり)が存在するか否かに関わらず、保留内連荘演出Bを発生させ得る(t34)。これは、前述のように、特別演出は図柄変動演出から特別遊技のラウンド演出までに亘り実行されるものであるため、保留内連荘演出Bをラウンド演出以降となる終了デモ演出で発生(t34)するものとすれば、特別遊技中に特別演出と保留内連荘演出Bとが競合する状況が回避されるからである。なお、特別遊技中に保留内連荘演出Bを発生させない場合は、特別遊技の終了後の限定期間内で特定保留が存在したとしても、当該特定保留に係る図柄変動演出を特殊図柄変動演出として発生させるのではなく、通常短縮大当り変動演出(先に消化予定のはずれ保留に係る図柄変動演出を跨いでまで行うような特殊図柄変動演出ではなく、当該特定保留に係る図柄変動演出のみで完結する即当り演出)として発生させてもよい。
続いて、図41〜図43のフローチャートを参照しながら、第1実施形態の第1変形例における動作処理の手順について説明する。
(特別演出判定処理:第1変形例)
まず、第1変形例における、図29のS736のサブルーチンに係る、特別演出判定処理(S736)について説明する。図41は、特別演出判定処理(S736)の詳細を示すフローチャートである。
まず、サブメイン情報記憶手段260の連荘回数カウンタを参照して、連荘回数Nが規定回数Nsetよりも1だけ少ない回数であるか否かを判定する(S751)。連荘回数N=規定回数Nset−1である場合(S751:YES)、すなわち、今回の変動対象となる特別図柄の抽選結果が大当りとなれば、連荘回数Nが規定回数Nsetに到達する予定である場合は、上記S732でサブメイン情報記憶手段260の変動演出内容判定領域に格納された情報(当否抽選の結果および大当り種別)を解析して、今回の変動対象となる特別図柄の抽選結果が16R大当りであるか否かを判定する(S752)。抽選結果が16R大当りである場合(S752:YES)、すなわち、連荘回数Nが規定回数Nsetに達するとともに、この連荘回数Nでの大当りが高利益大当りとなる予定であれば、サブメイン情報記憶手段260の特殊連続演出フラグがオンであるか否かを判定する(S753)。
特殊連続演出フラグがオンではない場合(S753:NO)、すなわち、特殊連続演出が実行中でない状態であれば、特別演出を実行すべく、特別演出の演出パターンの番号をサブメイン情報記憶手段260の特別演出パターン格納領域に一時記憶する(S754)。そして、サブメイン情報記憶手段260の特別演出フラグをオンにする(S755)。ここで、特別演出フラグとは、特別演出が実行される場合にオンとなるフラグである。なお、図示省略するが、この特別演出フラグは、ラウンド演出が終了するときにオフとなる。
一方、特殊連続演出フラグがオンである場合(S753)、すなわち、既に特殊連続演出が実行中の状態であれば、特別演出と特殊連続演出との競合を回避すべく、S754,S755をスキップして、本処理を終了する。
(保留内連荘演出A判定処理:第1変形例)
続いて、第1変形例における、図29のS737のサブルーチンに係る、保留内連荘演出A判定処理(S737)について説明する。図42は、第1変形例における保留内連荘演出A判定処理(S737)の詳細を示すフローチャートである。
ここで、前述の第1実施形態との相違点は、S760の処理を付加したところであり、特別演出が既に実行中の状態であれば、保留内連荘演出Aの実行を回避する点にある。なお、図42において、S761〜S770の処理は、第1実施形態と同様の処理であるため、相違点であるS760の処理を中心に説明する。
まず、サブメイン情報記憶手段260の特別演出フラグがオンであるか否かを判定する(S760)。特別演出フラグがオンでない場合(S760:NO)、すなわち、特別演出が実行中でない状態であれば、保留内連荘演出Aの実行可否の判定を継続すべく、次のS761へ移行する。一方、特別演出フラグがオンである場合(S760:YES)、すなわち、特別演出が既に実行中の状態であれば、保留内連荘演出Aの実行を回避すべく、S761以降の処理をスキップして、本処理を終了する。
(保留内連荘演出B判定処理:第1変形例)
続いて、第1変形例における、図31のS805のサブルーチンに係る、保留内連荘演出B判定処理(S805)について説明する。図43は、第1変形例における保留内連荘演出B判定処理(S805)の詳細を示すフローチャートである。
ここで、前述の第1実施形態との相違点は、S859、S862、S863の処理であり、特別演出が実行中の状態であるか否かに応じて、保留内連荘演出Bの連荘演出パターン選択処理を異ならしめている点である。なお、図43において、S851〜S858、S868〜S870の処理は、第1実施形態と同様の処理であるため、相違点であるS859、S862、S863の処理を中心に説明する。
まず、保留内連荘演出Bの実行が決定された場合には、サブメイン情報記憶手段260の特別演出フラグがオンであるか否かを判定する(S859)。特別演出フラグがオンでない場合(S859:NO)、すなわち、特別演出が実行中でない状態であれば、保留内連荘演出Bの内容を決定するための連荘演出パターン選択処理1を実行する(S862)。この連荘演出パターン選択処理1では、前述の図8(B)に示した連荘演出パターンテーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から連荘演出パターン乱数値を取得して、複数種の連荘演出パターンの中から、いずれかの連荘演出パターンを抽選にて決定する。
一方、特別演出フラグがオンである場合(S859:YES)、すなわち、特別演出が実行中の状態であれば、保留内連荘演出Bの内容を決定するための連荘演出パターン選択処理2を実行する(S863)。この連荘演出パターン選択処理2では、前述の図8(B)とは異なる不図示の連荘演出パターンテーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から連荘演出パターン乱数値を取得して、複数種の連荘演出パターンの中から、いずれかの連荘演出パターンを抽選にて決定する。この不図示の連荘演出パターンテーブルでは、終了デモ演出にて発生する連荘演出パターンのみが規定されており、開始デモ演出又はラウンド演出にて発生する連荘演出パターンについては規定されていない。すなわち、連荘演出パターン選択処理2では、終了デモ演出用の連荘演出パターンのみが選択されるようになっている。これは、前述のとおり、特別演出は変動演出からラウンド演出までに亘り実行されるものであるため、保留内連荘演出Bを終了デモ演出で発生するものとすれば、特別遊技中での特別演出と保留内連荘演出Bとの競合を回避できるからである。
以上、第1実施形態の第1変形例によれば、保留内連荘演出が発生した後、保留内連荘で大当りした場合には、内部的には連荘回数Nが規定回数Nsetに到達している場合であっても、特別演出の発生を禁止して、保留内連荘演出の発生後に連動して続行される演出(本例では、特殊連続演出や限定期間内での特殊背景演出)と特別演出とが競合するという状況を回避することで、保留内連荘演出の効果が希薄になるのを防止でき、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
なお、上述の第1変形例において、連荘回数Nが規定回数Nset(=20回)に到達する以前の未達回数(例えば、5回、10回、15回)において、特別演出に対する期待感を高めるため、例えば特別演出の一部で構成される特別経由演出を設けてもよい。このとき、上述の第1変形例では、連荘回数が規定回数(20回)に達することで、特別演出が実行される場合は、基本的には保留内連荘演出の実行が制限(終了デモ演出でのみ許容)されることになるが、特別経由演出の場合には、この特別経由演出の実行中であっても保留内連荘演出を同時に実行可能とするように構成してもよい。
[第1実施形態−第2変形例]
次に、第1実施形態の第2変形例に係る遊技機について説明する。この第2変形例に係る遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
(保留内連荘演出と演出モードとの関係)
前述の第1実施形態では、主制御基板100側の変動パターン選択状態に応じて演出制御基板200側の演出モードが一義的に決定される構成であったが、本変形例では、遊技者による演出ボタン15の操作を契機として演出モードを選択可能とするものである。
すなわち、本変形例では、通常状態において大当り(初当り)が発生した場合、当該大当り演出中(終了デモ演出中)に、特別遊技終了後の図柄変動演出および大当り演出の種類を特定するための演出モードを複数種の中から遊技者自身が選択可能になっている。本例では、ST期間中の確変演出モードMβとして、演出の種類が異なる二つの演出モード(第1演出モードM1、第2演出モードM2)が用意されており、各演出モード毎に複数種の変動演出パターンが記憶されている。この変動演出パターンについては、特別図柄の変動パターンが同一であっても(同一情報の変動開始コマンドを受信した場合でも)、演出モードが異なれば、互いに異なる演出内容の変動演出パターンが選択されることになる。
第1演出モードM1と第2演出モードM2は、遊技者側の味方キャラクタが敵キャラクタと対戦するバトル演出モードとして構成されており、各演出モード毎に遊技者側の味方キャラクタと対戦相手の敵キャラクタとが相互に異なるように設定されている。
第1演出モードM1に滞在中は、図柄変動演出として、この演出モードM1に対応する味方キャラクタC1が敵キャラクタと闘技場を舞台として対戦する演出内容の変動演出パターンが選択される。また、この第1演出モードM1に滞在中は、大当り演出として、味方キャラクタC1を主人公として敵キャラクタを攻撃する演出内容(攻撃系)の大当り演出パターンが選択されることで、第1演出モードM1における図柄変動演出と大当り演出との相互の関連性を確保している。
第2演出モードM2に滞在中は、図柄変動演出として、この演出モードM2に対応する味方キャラクタC2が敵キャラクタと敵のアジトを舞台として対戦する演出内容の変動演出パターンが選択される。また、この第2演出モードM2に滞在中は、大当り演出として、味方キャラクタC2を主人公として敵キャラクタからの攻撃を防御する演出内容(防御系)の大当り演出パターンが選択されることで、第2演出モードM2における図柄変動演出と大当り演出との相互の関連性を確保している。
演出モードの選択は、通常状態において初当りが発生した場合、当該大当り演出における終了デモ演出中に、所定のモード選択画面が表示されることで行われる。このモード選択画面の表示中に、演出ボタン15の操作を有効とする操作有効期間が設定される。モード選択画面では、演出表示装置70の表示領域が左右に二分割され、左側の領域に味方キャラクタC1の名前が関連画像とともに表示され、右側の領域に味方キャラクタC2の名前が関連画像とともに表示される。そして、操作有効期間中に演出ボタン15にて選択された味方キャラクタC1,C2に対応した演出モードM1,M2が設定される。なお、操作有効期間中に操作がされなかった場合には、内部抽選にていずれかの演出モードが設定される。
続いて、この第2変形例における保留内連荘演出と演出モードとの関係について説明する。
(3−1)保留内連荘演出Aの実行確率(発生頻度)は、第1演出モードM1に滞在している場合と第2演出モードM2に滞在している場合とで相互に異なるように設定されている。本例では、第1演出モードM1に滞在している場合は、例えば、90%の割合(高確率)で実行、10%の割合で非実行を決定する一方で、第2演出モードM2に滞在している場合は、10%の割合(低確率)で実行、90%の割合で非実行を決定する。なお、演出モード毎に保留内連荘演出Aの実行確率が異なるものであれば、いずれかの演出モードに滞在している場合は、保留内連荘演出Aを実行しない、すなわち、保留内連荘演出Aの実行確率を0%に設定してもよい。
(3−2)保留内連荘演出Bの実行確率(発生頻度)は、第1演出モードM1に滞在している場合と第2演出モードM2に滞在している場合とで同一に設定されている。本例では、いずれの演出モードM1,M2に滞在していた場合でも、例えば、80%の割合で実行、20%の割合で非実行を決定する。なお、これに限定されず、保留内連荘演出Aと同様に、保留内連荘演出Bの実行確率を演出モード毎に異ならしめてもよい。
(3−3)保留内連荘演出Aの実行が決定された場合、保留内連荘演出Aの演出内容(連荘演出パターン)は、第1演出モードM1に滞在している場合と第2演出モードM2に滞在している場合とで同一に設定されている。ここで、図44(A)は本変形例における保留内連荘演出Aの連荘演出パターンテーブルを示す模式図である。本例では、保留内連荘演出Aにおいては、演出モードがいずれであっても、同一の連荘演出パターンPA1,PA2のうちのいずれかが選択される。なお、演出パターンPA1,PA2については第1実施形態で説明済みであるため、ここでは説明を省略する。
(3−4)保留内連荘演出Bの実行が決定された場合、保留内連荘演出Bの演出内容(連荘演出パターン)は、第1演出モードM1に滞在している場合と第2演出モードM2に滞在している場合とで相互に異なるように設定されている。ここで、図44(B)は本変形例における保留内連荘演出Bの連荘演出パターンテーブルを示す模式図である。本例では、保留内連荘演出Bにおいては、第1演出モードでは、連荘演出パターンPB11,PB12,PB13のうちのいずれかが選択され、第2演出モードでは、連荘演出パターンPB21,PB22,PB23のうちのいずれかが選択される。第1演出モードM1において、連荘演出パターンPB11〜PB13が選択された場合には、保留内連荘演出以外のいかなる場面でも現出することのない、特殊な演出画像「BX11」〜「BX13」が表示される。演出画像BX11〜BX13としては、例えば、「無敵の剣」を模した画像や「攻撃は最大の防御」といった文字情報などが出現する攻撃系の演出内容が該当する。一方、第2演出モードM2において、連荘演出パターンPB21〜PB23が選択された場合には、、保留内連荘演出以外のいかなる場面でも現出することのない、特殊な演出画像「BX21」〜「BX23」が表示される。演出画像BX21〜BX23としては、例えば、「無敵の防具」を模した画像や「完全防御」といった文字情報などが出現する防御系の演出内容が該当する。
続いて、図45〜図49のフローチャートを参照しながら、第1実施形態の第2変形例における動作処理の手順について説明する。
(大当り演出内容決定処理:第2変形例)
まず、第2変形例における、図27のS638のサブルーチンに係る、大当り演出内容決定処理(S638)について説明する。図45は、第2変形例における大当り演出内容決定処理(S638)の詳細を示すフローチャートである。
ここで、前述の第1実施形態との相違点は、S829〜S831の処理であり、初当り時における終了デモ演出中に演出ボタン15の操作を有効に設定する点にある。なお、図45において、S801〜S826、S835〜S838の処理は、第1実施形態と同様の処理であるため、相違点であるS829〜S831の処理を中心に説明する。
まず、今回の大当りが初当りであるか否かを判定する(S829)。初当りである場合(S829:YES)には、遊技者による演出ボタン15の操作に応じて演出モードを選択可能な状態とすべく、演出ボタン15の操作有効期間を計時するための操作有効期間タイマに所定値を設定する(S830)。なお、操作有効期間とは、演出ボタン15の操作入力が有効となる期間である。続いて、サブメイン情報記憶手段260の演出ボタン有効フラグをオンにする(S831)。演出ボタン有効フラグとは、演出ボタン15の操作が有効である状態のときにオンとなるフラグである。
(演出ボタン監視制御処理:第2変形例)
続いて、第2変形例における、図26のS617のサブルーチンに係る、演出ボタン監視制御処理(S617)について説明する。図46は、演出ボタン監視制御処理(S617)の詳細を示すフローチャートである。
まず、サブメイン情報記憶手段260の演出ボタン有効フラグがオンであるか否かを判定する(S951)。演出ボタン有効フラグがオンである場合(S951:YES)には、演出ボタン15の操作有効期間中であるか否か、すなわち、操作有効期間タイマが「0」でないか否かを判定する(S952)。操作有効期間タイマは、前述のように、初当り時における終了デモ演出の開始時に所定値が設定され、後述のタイマ割込み処理が発生する毎に1msずつ減算される。また、操作有効期間中は、上記S804で設定された終了デモ演出パターンに基づく演出画面(モード選択画面)が表示され、演出ボタン15の操作入力に基づき、第1演出モードM1、第2演出モードM2のうちのいずれかを選択可能となる。具体的には、図示省略するが、モード選択画面上に、各演出モードに対応した二つの選択画像を左右又は上下に表示して、操作有効期間中における一定時間ごとに選択画像の表示態様を順次切り替えることで、演出ボタン15の操作タイミングに応じて、これら二つの選択画像の中から一つを選択可能とし、この選択画像に対応した演出モードが設定されるものである。
ここで、演出ボタン15の操作有効期間中である場合(S952:YES)には、演出ボタン15の操作入力があったか否かを判定する(S953)。演出ボタン15の操作入力があった場合(S953:YES)には、演出ボタン15の操作入力情報をサブメイン情報記憶手段260に保存する(S954)。本例では、操作入力情報として、第1演出モードを選択操作した旨の情報と、第2演出モードを選択操作した旨の情報とがある。続いて、演出ボタン15の操作入力情報を画像制御基板300側へ指示するための画像制御コマンドを生成し、これをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納する(S955)。また、このように演出ボタン15の操作入力があった場合には、操作有効期間の経過前であっても、前記操作入力を確定して操作有効期間の終了を設定すべく、操作有効フラグをオフにする(S956)。一方、操作有効期間中ではない場合(S952:NO)、すなわち、操作有効期間タイマが「0」である場合には、演出ボタン有効フラグをオフにする(S956)。
(演出状態移行処理:第2変形例)
続いて、第2変形例における、図27のS632のサブルーチンに係る、演出状態移行処理(S632)について説明する。図47は、第2変形例における演出状態移行処理(S632)の詳細を示すフローチャートである。
ここで、前述の第1実施形態との相違点は、S714〜S720の処理であり、前述の演出ボタン監視制御処理(S617)で設定した演出ボタン15の操作入力情報に基づき(遊技者による演出ボタン15の押圧操作を契機として)、演出モードを択一的に決定する点である。なお、図47において、S701〜S705、S721の処理は、第1実施形態と同様の処理であるため、相違点であるS714〜S720の処理を中心に説明する。
まず、変動パターン選択状態の移行先が高確率短縮変動状態βである場合(S706:YES)には、今回の大当りが初当りであるか否かを判定する(S714)。初当りである場合(S714:YES)には、上記S954で設定した操作入力情報が、第1演出モードM1を選択操作した旨の情報であるか否かを判定する(S715)。第1演出モードM1が選択された場合(S715:YES)には、演出モードの移行先として第1演出モードM1を設定する(S716)。この第1演出モードM1に移行すると、サブメイン情報記憶手段260の背景データ格納領域に第1確変背景データが設定される(S717)。そして、第1演出モードM1において、次回の図柄変動から演出表示装置70上にて、例えば「闘技場」の第1確変背景画像が表示される。
一方、上記S954で設定した操作入力情報が、第2演出モードM2を選択操作した旨の情報である場合(S715:NO)には、演出モードの移行先として第2演出モードM2を設定する(S718)。この第2演出モードM2に移行すると、サブメイン情報記憶手段260の背景データ格納領域に第2確変背景データが設定される(S719)。そして、第2演出モードM2において、次回の図柄変動から演出表示装置70上にて、例えば「敵のアジト」の第2確変背景画像が表示される。
また、今回の大当りが初当りではない場合(S714:NO)には、初当り時に選択した演出モードと背景画像を維持する(S720)。なお、前記S714〜S719における初当り時の操作入力のみならず、一定の条件を充足したことを契機として、演出モードを切り替えるように構成してもよい。一定の条件としては、例えば、特定の大当り(大当りの種別が特定種別である場合や、大当り演出が特定演出である場合などを含む)となった場合、連荘状態に関して所定条件を満足した場合(前述した特別演出の発生)、もしくは、大当り中の特定操作入力(例えば、大当り時の特定タイミングにて特殊操作入力としてボタン5回押しや長押し)があった場合などが該当する。
(保留内連荘演出A判定処理:第2変形例)
続いて、第2変形例における、図29のS737のサブルーチンに係る、保留内連荘演出A判定処理(S737)について説明する。図48は、第2変形例における保留内連荘演出A判定処理(S737)の詳細を示すフローチャートである。
ここで、前述の第1実施形態との相違点は、S771〜S773の処理であり、保留内連荘演出A抽選処理の実行確率を上記演出状態移行処理(S632)で設定された演出モードに応じて異ならしめている点にある。なお、図48において、S761〜S765、S767〜S770の処理は、第1実施形態と同様の処理であるため、相違点であるS771〜S773の処理を中心に説明する。
まず、現在滞在中の演出モードが第1演出モードM1であるか否かを判定する(S771)。第1演出モードM1である場合(S771:YES)には、該第1演出モードM1において保留内連荘演出Aを実行するか否かを抽選にて決定するための保留内連荘演出A抽選処理1を実行する(S772)。この保留内連荘演出A抽選処理1では、不図示の連荘演出A抽選テーブルを参照して、連荘演出抽選乱数値が「実行」、「非実行」のいずれかの判定値と一致した場合に実行の有無を決定する。本例では、例えば、90%の割合で実行、10%の割合で非実行を決定する。
一方、滞在中の演出モードが第2演出モードM2である場合(S771:NO)には、該第2演出モードM2において保留内連荘演出Aを実行するか否かを抽選にて決定するための保留内連荘演出A抽選処理2を実行する(S773)。この保留内連荘演出A抽選処理2では、不図示の連荘演出A抽選テーブルを参照して、連荘演出抽選乱数値が「実行」、「非実行」のいずれかの判定値と一致した場合に実行の有無を決定する。本例では、例えば、10%の割合で実行、90%の割合で非実行を決定する。
このように、本変形例では、第1演出モードM1に滞在する場合と第2演出モードM2に滞在する場合とで、保留内連荘演出Aが実行される確率、すなわち、保留内連荘演出Aの発生頻度が異なるように設定されている。
(保留内連荘演出B判定処理:第2変形例)
続いて、第2変形例における、図45のS805のサブルーチンに係る、保留内連荘演出B判定処理(S805)について説明する。図49は、第2変形例における保留内連荘演出B判定処理(S805)の詳細を示すフローチャートである。
ここで、前述の第1実施形態との相違点は、S860,S864,S865の処理であり、保留内連荘演出Bの連荘演出パターンテーブルを上記演出状態移行処理(S632)で設定された演出モードに応じて異ならしめている点にある。なお、図49において、S851〜S857、S869〜S870の処理は、第1実施形態と同様の処理であるため、相違点であるS860,S864,S865の処理を中心に説明する。
まず、現在滞在中の演出モードが第1演出モードM1であるか否かを判定する(S860)。第1演出モードである場合(S860:YES)には、保留内連荘演出Bの内容を決定するための連荘演出パターン選択処理1を実行する(S864)。この連荘演出パターン選択処理1では、前述の図44(B)に示した連荘演出パターンテーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から連荘演出パターン乱数値を取得して、複数種の連荘演出パターンPB11〜PB13の中から、いずれかの連荘演出パターンを抽選にて決定する。前述したように、この連荘演出パターン選択処理1では、攻撃系の内容の連荘演出パターンPB11〜13のみが選択されるように構成されている。
一方、滞在中の演出モードが第2演出モードM2である場合(S860:NO)には、保留内連荘演出Bの内容を決定するための連荘演出パターン選択処理2を実行する(S865)。この連荘演出パターン選択処理2では、前述の図44(B)に示した連荘演出パターンテーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から連荘演出パターン乱数値を取得して、複数種の連荘演出パターンPB21〜PB23の中から、いずれかの連荘演出パターンを抽選にて決定する。前述したように、この連荘演出パターン選択処理2では、防御系の内容の連荘演出パターンPB21〜23のみが選択されるように構成されている。
このように、本変形例では、保留内連荘演出Bの実行が決定された場合、第1演出モードM1に滞在する場合と第2演出モードM2に滞在する場合とで、保留内連荘演出Bの表示態様(連荘演出パターン)が異なるように設定されている。
以上、第1実施形態の第2変形例によれば、遊技者自身が選択した演出モードの種別に応じて、保留内連荘演出の出現率やその演出内容を異ならしめることで、遊技者の好みに合った保留内連荘演出を遊技者に対して提供することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
なお、本変形例では、特別遊技終了後の限定期間内でのみ滞在する特殊演出モードを設けていないが、これに限定されず、特殊演出モードを設けてもよい。この場合には、第1演出モードに対応する第1特殊演出モードと、第2演出モードに対応する第2特殊演出モードとを設けて、初当り後の遊技者の操作によって所望の特殊演出モードを選択可能に構成してもよい。なお、この構成において、例えば、第1特殊演出モードに移行する場合には特殊連続演出を発生させ、第2特殊演出モードに移行する場合は特殊連続演出を発生させないようにしてもよい。また、更なる変形例として、一又は複数の後続の作動保留球のうちの少なくともいずれかが特定保留であることが、特別遊技の演出表示過程にて保留内連荘演出Bを実行可能とする保留内連荘演出実行条件であり、この保留内連荘演出実行条件を充足する状況下であっても、上記特別遊技が第1演出モードM1から第2演出モードM2への移行契機となる特別遊技(「特殊特別遊技」という)である場合には、上記特別遊技が特殊特別遊技でない場合(「非特殊特別遊技」という)と比して、保留内連荘演出Bの発生頻度(実行確率)が低くなるよう構成してもよい。その場合、大当り種別として、第1の大当りと第2の大当りとを少なくとも含み、第1の大当りの当選した場合には特別遊技(非特殊特別遊技)の終了後に第1演出モードに移行し、第2の大当りに当選した場合には特別遊技(特殊特別遊技)の終了後に第2演出モードに移行するものとする。このとき、特殊特別遊技の実行中では、大当り演出として、例えば、その他のいかなる場面でも現出することのない特殊な大当り演出が実行される。従って、第2の大当りに当選した場合には、その特別遊技中(特殊特別遊技中)において特殊な大当り演出が発生するため、保留内連荘演出Bとの競合を防止すべく、保留内連荘演出Bの発生頻度を相対的に低く設定している。
[第1実施形態−第3変形例]
次に、第1実施形態の第3変形例に係る遊技機について説明する。この第3変形例に係る遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
(複数回の操作を要する保留内連荘演出)
前述の第1実施形態では、保留内連荘演出において、後続の作動保留球内に大当りとなる特定保留が存在する可能性を示唆又は報知する構成であったが、これに限定されず、特定保留の有無だけでなく、後続の作動保留球の変動演出態様を示唆又は報知するように構成してもよい。
本変形例では、保留内連荘演出Bにおいて後続の作動保留球の変動演出態様の示唆又は報知を行う一方で、保留内連荘演出Aにおいて後続の作動保留球の変動演出態様の示唆又は報知を行わない。なお、保留内連荘演出Aにおいて変動演出態様の示唆又は報知を行わない理由は、保留内連荘演出Aは当該変動内で発生するため、当該変動での大当りによる特別遊技を挟んで、特別遊技後の変動演出態様までも示唆又は報知する意義が低いからである。
それでは、本変形例における保留内連荘演出Bについて説明する。図50は、本変形例における保留内連荘演出Bの演出内容の一例を示す模式図である。本変形例における保留内連荘演出Bの演出内容は、遊技者が演出ボタン15を複数回に亘り操作することによって、画面に表示された宝箱が開放されることで、その獲得したポイント値に応じて、後続の作動保留球内における特定保留の有無および変動演出態様が示唆又は報知されるものである。このように保留内連荘演出Bにおいて特定保留の有無および変動演出態様の示唆又は報知を受けるためには、遊技者による複数回のボタン操作を要する。
本変形例では、図50に示すように、画面上に合計3個の宝箱が横一列に配置されており、演出ボタン15の1回の操作によって宝箱が1個開放され、この開放された宝箱の中から獲得点数(0点又は1点)が出現するようになっている。そして、宝箱を全数開放したときに得られる総獲得点数に応じて、後続の作動保留球における特定保留の有無および変動演出態様が示唆又は報知されるものとなる。
詳細後述するが、本変形例では、総獲得点数が0点のときは、後続の作動保留球内にリーチ演出を伴う作動保留球が存在する可能性を示唆する。総獲得点数が1点のときは、後続の作動保留球内にリーチ演出を伴う作動保留球が存在することを確定的に報知する。総獲得点数が2点のときは、後続の作動保留球内に16R大当り又は8R大当りとなる特定保留が存在すること、すなわち、保留内連荘することを確定的に報知する。総獲得点数が3点のときは、後続の作動保留球内に16R大当りとなる特定保留が存在すること、すなわち、高利益大当りにて保留内連荘することを確定的に報知する。
ここで、本変形例における連荘演出パターンについて図51を参照しながら説明する。図51は、第3変形例における保留内連荘演出Bの連荘演出パターンテーブルの一例を示す模式図である。連荘演出パターンテーブルには、複数種の連荘演出パターンが規定されている。各図中では、説明の便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には連荘演出パターン乱数値に応じて、連荘演出パターンを決定するための判定値(乱数値の範囲)が設定されており、連荘演出パターン乱数値がいずれの判定値に属するかに基づき、連荘演出パターンが決定されるようになっている。
図51に示すように、連荘演出パターンテーブルには、各連荘演出パターンに応じて、1回のボタン操作で獲得し得る宝箱毎の点数(1個目の宝箱の点数、2個目の宝箱の点数、3個目の宝箱の点数)が特定されており(図中の「演出内容(獲得点数)」の欄を参照)、各連荘演出パターンは宝箱の総獲得点数(0点、1点、2点、3点)に応じた複数のパターン種別に分類される。すなわち、総獲得点数が「0点」の場合は、連荘演出パターンPB31のみが選択され、総獲得点数が「1点」の場合は、連荘演出パターンPB32〜PB34のいずれが選択され、総獲得点数が「2点」の場合は、連荘演出パターンPB35〜PB37のいずれが選択され、総獲得点数が「3点」の場合は、連荘演出パターンPB38のみが選択される。例えば、連荘演出パターンPB35が選択された場合には、1回目の操作で「0点」、2回目の操作で「1点」、3回目の操作で「1点」が獲得可能であることが定められており、その結果として総獲得点数「2点」が定められている。
この連荘演出パターンテーブルでは、先読み判定(事前判定)の結果に応じて、連荘演出パターンの選択率が異なるように設定されている。原則的には、連荘演出パターンは、最終的な総獲得点数に応じて選択率が割り振られており、先読み判定の結果が大当りの場合には、総獲得点数が、「0点」、「1点」、「2点」、「3点」の順に選択率が高くなるのに対して、事前判定の結果がはずれの場合には、総獲得点数が、「0点」、「1点」、「2点」、「3点」の順に選択率が低くなる。
さらに、先読み判定の結果がはずれ、大当りの場合でも、はずれの種別(非リーチはずれ、リーチはずれ)、大当りの種別(8R大当り、16R大当り)に応じて、連荘演出パターンの選択率は異なる。すなわち、先読み判定の結果が非リーチはずれの場合は、総獲得点数として「1点」以上が選択されることはないため、総獲得点数が「1点」以上となった時点で、後続の作動保留球内にリーチ演出を伴う作動保留球が存在することが確定的となる。なお、先読み判定の結果が大当りの場合でも、総獲得点数として「1点」が選択されることがあるが、本例では図7に示すように、大当りの変動パターンとしてはリーチ変動のみが選択されるため、前述のように、総獲得点数が「1点」以上となった時点で、後続の作動保留球内にリーチ演出を伴う作動保留球が存在することが確定的となることに齟齬は生じない。
同様に、先読み判定の結果が大当りの場合は、総獲得点数として「2点」以上が選択されることがある一方で、先読み判定の結果がリーチはずれ(ノーマルリーチはずれ、スーパーリーチはずれ)の場合は、総獲得点数として「2点」以上が選択されることはないため、総獲得点数として「2点」以上となった時点で、後続の作動保留球内に特定保留が存在すること、すなわち、保留内得連荘することが確定的となる。さらに、先読み判定の結果が16R大当りの場合は、総得点数として「3点」が選択されることがある一方で、先読み判定の結果が8R大当りの場合は、総得点数として「3点」が選択されることがないため、総得点数が「3点」となった時点で、後続の作動保留球内に16大当りとなる特定保留が存在すること、すなわち、高利益大当りで保留内連荘することが確定的となる。
このような保留内連荘演出Bの演出内容について図50を用いて具体的に説明する。本例では、連荘演出パターンPB37が選択された場合を例示する。この連荘演出パターンでは、前述のとおり、1回目の操作で「0点」、2回目の操作で「1点」、3回目の操作で「1点」を獲得可能であるため、総獲得点数は2点、すなわち、保留内連荘の発生を確定的に報知する演出内容となる。
まず、図50(A)に示すように、演出ボタン15の操作を有効とする操作有効期間の開始に伴い、画面上に3個の宝箱(閉じた宝箱)の画像が表示されるとともに、「ボタンを押して宝箱を開けよう」という文字が表示される。また、画面上には、演出ボタン15の操作が可能となる「残り時間」とともに、現段階で獲得した点数を表す「総獲得点数」が表示される。さらに、画面上には、操作の対象となる宝箱を指し示すカーソルが表示され、操作可能な残り時間に応じて、カーソルが左側から右側へ宝物1個分ずつ段階的にシフトするようになっている。なお、画面上において左側の宝箱を「1個目の宝箱」、中央の宝箱を「2個目の宝箱」、右側の宝箱を「3個目の宝箱」とも称する。
続いて、図50(B)に示すように、カーソルが1個目の宝箱を指し示すときに、演出ボタン15が操作されると、この1個目の宝箱が開放される。このとき、宝箱がはずれの場合には、宝箱の中から「0点」の文字とともに「残念」という文字が出現する。
次いで、図50(C)に示すように、カーソルが2個目の宝箱を指し示すときに、演出ボタンが15操作されると、この2個目の宝箱が開放される。このとき、宝箱が当りの場合には、宝箱の中から「1点」の文字とともに「チャンス」という文字が出現する。この時点で、総獲得点数として「1点」以上が確約されるため、後続の作動保留球内にリーチ演出を伴う作動保留球が存在することが確定的となる。
続いて、図50(D)に示すように、カーソルが3個目の宝箱を指し示すときに、演出ボタン15が操作されると、この3個目の宝箱が開放される。このとき、宝箱が当りの場合には、宝箱の中から「1点」の文字とともに「チャンス」という文字が出現する。また、1回目の獲得点数と2回目の獲得点数とを合算した「総獲得点数」として「2点」の文字が表示される。これにより、後続の作動保留球内に特定保留が含まれていること、すなわち、保留内連荘となることが確定的に報知される。
なお、このように保留内連荘演出Bが発生したにも関わらず、演出ボタン15が操作されなかった場合には、宝箱は閉じた状態のままであり、後続の作動保留球に対する先読み判定の結果を得ることはできない。これにより、遊技者に対して演出ボタン15の各回の操作に意味があることを認識させることができる。なお、本変形例では、複数回の操作を要する構成としたが、これに限定されず、1回のみの操作のみで、後続の作動保留球の変動演出態様を示唆又は報知する構成としてもよい。また、遊技者によってボタン操作されていれば「3点」を獲得できたにも関わらず、当該ボタン操作がされなかった場合には、補完的に、これとは異なる保留内連荘演出B−2を終了デモ演出時などに行うように構成してもよい。逆に言えば、規定のタイミングでボタン操作がされて、「3点」を獲得できたのであれば、保留内連荘演出B−2を行わないように構成してもよい。
以上、第1実施形態の第3変形例によれば、保留内連荘演出において、後続の作動保留球内に特定保留が存在する可能性だけでなく、後続の作動保留球が消化されたときの変動演出態様までをも示唆又は報知することにより、その演出結果に応じた多様な付加情報を遊技者に対して教示し得るため、保留内連荘演出の演出効果が高められ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。また、保留内連荘演出とボタン演出との相乗効果によって、保留内連荘演出が発生したときの付加価値をより一層高めることができるとともに、遊技者参加型の演出効果をさらに高めることができる。
[第1実施形態−第4変形例]
次に、第1実施形態の第4変形例に係る遊技機について説明する。この第4変形例に係る遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
(保留内連荘演出による確定報知タイミング)
前述の第1実施形態では、保留内連荘演出Aが発生した時点で、保留内連荘が確定的となるが、これには限定されず、保留内連荘演出Aの発生時点では保留内連荘は確定せず、保留内連荘演出Aの発生後、所定の条件が成立することで保留内連荘が確定するように構成してもよい。
例えば、遊技状態が特別図柄の確変状態となる確変モードにおいては、図柄変動演出として、味方キャラクタと敵キャラクタとが対戦を行うことを内容とするバトル演出が展開される。本変形例におけるバトル演出は、図柄変動演出の終了直前(装飾図柄の停止直前)に、遊技者側の味方キャラクタが敵キャラクタに勝利することで、当該変動での16R大当りの確定を示唆する演出である。
本変形例では、保留内連荘演出Aが図柄変動中のバトル演出(特殊バトル演出)として発生する場合がある。この特殊バトル演出では、通常のバトル演出では登場しない特別の敵キャラクタが出現する。この特殊バトル演出において味方キャラクタが敵キャラクタに勝利する結果となった場合は、当該変動での16大当り当選、および、後続の作動保留球内に特定保留が存在すること、すなわち、保留内連荘することが確定する。一方、この特殊バトル演出において味方キャラクタが敵キャラクタに敗北する結果となった場合は、当該変動でのはずれが確定的となり、更には保留内連荘の発生も否定される(いわゆるガセ演出となる)。このように、本変形例では、バトル演出において対戦結果が報知されるまでは、保留内連荘が発生するか否かが確定しないため、当該演出過程に注目させて保留内連荘に対する期待感を高めることができる。
なお、保留内連荘演出Aだけに限定されず、保留内連荘演出Bにおいても、保留内連荘演出Bの発生時点では保留内連荘は確定せず、保留内連荘演出Bの発生後、所定の条件が成立することで保留内連荘が確定する構成としてもよい。本変形例において、保留内連荘演出Bの演出内容としては、例えば、ルーレットの停止結果によって保留内連荘の可能性を報知するルーレット演出が例示される。このルーレット演出では、「壱」「弐」「参」の全3箇所の停止位置を設けておき、ルーレットが「壱」で停止した場合には保留内連荘が否定され、「弐」で停止した場合には保留内連荘の可能性が示唆され、「参」で停止した場合には保留内連荘の確定が報知されるものとする。このように、本変形例では、ルーレット演出において抽選結果が報知されるまで、保留内連荘が発生するか否かが確定しないため、当該演出過程に注目させて保留内連荘に対する期待感を高めることができる。なお、遊技者のボタン操作を条件にルーレットを停止させるようにしてもよい。
以上、第1実施形態の第4変形例によれば、保留内連荘演出が発生したとしても、所定の条件が成立するまで、遊技者には保留内連荘が確定するか否かが教示されないため、保留内連荘演出が終了する最後のタイミングまで、その演出内容に対する関心を維持させることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
[第1実施形態−第5変形例]
次に、第1実施形態の第5変形例に係る遊技機について説明する。この第5変形例に係る遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
(保留内連荘演出を含むボタン予告演出)
前述の第1実施形態では、保留内連荘演出Aは連荘演出パターンに応じた演出画像を表示する構成であったが、遊技者によるボタン操作と絡めた予告演出画像を表示させるボタン予告演出の一態様として保留内連荘演出Aを包含した構成としてもよい。
ここで、前述の第1実施形態では、変動演出パターンに対応した予告演出パターンが選択されて、図柄変動演出中に予告演出が発生するが、この予告演出の一つとして遊技者によるボタン操作を要するボタン予告演出がある。ボタン予告演出とは、遊技者によるボタン操作を条件として所定の演出画像を表示させることによって大当りの可能性があることを示唆又は報知する予告演出である。本変形例では、保留内連荘演出Aがボタン予告演出に含まれたかたちで発生する。このとき、通常のボタン予告演出では、画面上に複数のアイテムA,B,Cが出現して、いずれか1つのアイテムを選択可能である。一方、保留内連荘演出Aとしてのボタン予告演出では、画面上に通常のアイテムA,B,Cの他に、特別のアイテムDが出現して、このアイテムDを選択することが可能である。このように、ボタン予告演出中に特別のアイテムDの出現によって、保留内連荘の可能性が報知されることになる。
以上、第1実施形態の第5変形例によれば、保留内連荘演出とボタン予告演出との相乗効果によって、保留内連荘演出が成立したときの付加価値をより一層高めることができるとともに、遊技者参加型の演出効果を高めることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
[第1実施形態−第6変形例]
次に、第1実施形態の第6変形例に係る遊技機について説明する。この第6変形例に係る遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
(保留内連荘演出と図柄変動演出との兼用画像)
前述の第1実施形態では、その他のあらゆる場面で現出することのない演出のみを例示しているが、これに限定されず、保留内連荘演出Bの演出画像を図柄変動演出中に表示されるいずれかの演出画像と兼用する構成としてもよい。例えば、図柄変動演出中のバトル演出において、味方キャラクタが必殺技を繰り出す演出画像が登場することがある場合、この演出画像を保留内連荘演出Bの演出画像と兼用してもよい。なお、保留内連荘演出Aの演出画像と図柄変動演出中の演出画像とを兼用しない理由は、図柄変動演出中に当該兼用画像が表示されたときに、この兼用画像が通常のバトル演出の一過程として表示されたものなのか、保留内連荘演出Aとして表示されたものなのかを識別困難なため、保留内連荘の可能性を遊技者に対して的確に報知できなくなる可能性が高いからである。
以上、第1実施形態の第6変形例によれば、図柄変動演出の演出画像と保留内連荘演出の演出画像とが一部において共通化されるため、当該遊技機の限られたハードウェア資源を無駄に消費することを防止することが可能である。
なお、大当り演出中に保留内連荘演出Bの発生を煽るための煽り演出を設けてもよい。この場合には、大当り演出中に保留内連荘演出は1回のみ発生可能であるのに対して、煽り演出は複数回に亘り発生可能とする。例えば、保留内連荘演出Bにおいて、例えば上記の兼用画像を大当り演出中の所定ラウンドで表示させる予定である場合に、所定ラウンド以前の複数のラウンドに亘って、保留内連荘演出B(当該兼用画像)の発生を煽るべく、味方キャラクタの影や必殺技の残像など、兼用画像の発生を連想又は予感させる煽り画像を表示させてもよい。
[第1実施形態−第7変形例]
次に、第1実施形態の第7変形例に係る遊技機について説明する。この第7変形例に係る遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
(保留内連荘報知数)
前述の第1実施形態では、保留内連荘演出Bにおいて後続の作動保留球内に複数の特定保留が存在する可能性を報知し得る構成としたが、このように保留内連荘演出として後続の作動保留球内に複数の特定保留が存在する可能性を教示する場合、保留内連荘演出にて報知可能な特定保留の個数(「保留内連荘報知数」)の最大値を予め定めておき、この最大値を超えない範囲で後続の作動保留球内に存在する特定保留の個数を報知し得る構成としてもよい。
なお、前述の第1実施形態では、保留内連荘演出Aにおける保留内連荘報知数の最大値は「1」であり、保留内連荘演出Bにおける保留内連荘報知数の最大値は「2」である。すなわち、保留内連荘演出A判定処理では、後続の作動保留球のうち最先の特定保留のみを対象とした先読み判定を実行して一の特定保留の存在を報知するのに対して、保留内連荘演出B判定処理では、後続の作動保留球のうち最先の特定保留のみでなくそれ以降の特定保留までも対象とした先読み判定を実行して二以上の特定保留の存在を報知し得るように構成されている。
本変形例では、このような保留内連荘演出A,B判定処理を実行するうえで、後続の作動保留球内に存在する特定保留の個数(「保留内連荘数」を称する)をカウントするための保留内連荘数カウンタを設ける。この保留内連荘数カウンタは、予め定められた保留内連荘報知数の最大値を超えない範囲で逐次更新される。保留内連荘報知数の最大値は、保留内連荘演出Aよりも保留内連荘演出Bの方を大きく設定する。具体的には、保留内連荘演出Aでの保留内連荘報知数の最大値は「1」、保留内連荘演出Bでの保留内連荘報知数の最大値は「3」とする。なお、この保留内連荘報知数の最大値は、第2特別図柄の作動保留球数の最大値以下となる範囲で設定可能である。
保留内連荘演出での、保留内連荘数の報知態様としては、前述の第1実施形態と同様に、「奥義書」が「1個」出現した場合は保留内連荘数「1」である可能性を報知、「奥義書」が「2個」出現した場合は保留内連荘数「2」である可能性を報知、「奥義書」が「3個」出現した場合は保留内連荘数「3」である可能性を報知する態様が例示される。
なお、本変形例での保留内連荘数の最大値は単なる一例であり、保留内連荘演出Aにおける保留内連荘報知数の最大値は「2」以上であってもよく、また、保留内連荘演出Bにおける保留内連荘報知数の最大値は「4」であってもよい。
以上、第1実施形態の第7変形例によれば、保留内連荘演出Aと保留内連荘演出Bとの保留内連荘報知数の最大値を互いに異なるように設定し、この最大値を越えない範囲内で保留内連荘数を個別に更新することで、保留内連荘演出A,Bの表示態様を連荘報知数に応じた豊富で変化に富む内容にすることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る遊技機について説明する。第2実施形態の遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
第1実施形態の遊技機では、特別図柄の停止図柄(図柄群)に基づいて特別遊技後の遊技状態が決定されるが、第2実施形態の遊技機では、特別図柄の停止図柄(図柄群)と特別遊技中の遊技態様とに基づいて特別遊技後の遊技状態が決定されるようになっている。
すなわち、第2実施形態の遊技機は、特別遊技にて特定領域を有する大入賞口(本例では、第2大入賞口65)に遊技球が入球して当該特定領域を通過することで、特別遊技の終了後に確変状態へ移行することを決定する、いわゆる玉確タイプの遊技機として構成される。
図52は、第2実施形態における第2大入賞口65の構成を示す模式図である。第2大入賞口65には、前述のとおり、当該第2大入賞口65への遊技球の入球を検出するための第2大入賞口スイッチ651が設けられるとともに、当該第2大入賞口65を開閉するための第2特別電動役物652が設けられている。また、この第2大入賞口65内には、第2大入賞口スイッチ651の下流側に位置して、特別遊技終了後の遊技状態を決定するための振分装置654が設けられている。振分装置654には、第2大入賞口65に入球した遊技球が振り分けられる特定領域658と非特定領域659とが設けられる。また、振分装置654には、第2大入賞口65に入球した遊技球を特定領域658又は非特定領域659へ選択的に案内する羽根部材655が設けられるとともに、羽根部材655を開閉駆動するための特定領域ソレノイド656が設けられている。羽根部材655が閉鎖位置にある状態では、特定領域658は羽根部材655によって閉鎖され、遊技球は非特定領域659へ振り分けられる。一方、羽根部材655が開放位置にある状態では、特定領域658が開放され、遊技球は特定領域658へ振り分けられる。この特定領域658内には、当該特定領域658内に流入した遊技球を検出するための特定領域スイッチ657が設けられている。この特定領域スイッチ657は、特別遊技終了後の遊技状態を特別図柄の確率変動機能が作動した状態(高確率状態)へ移行させるための確変スイッチとして機能するものである。
本例では、第2特別電動役物652の開閉作動と羽根部材655の開閉作動とが同期的に連動制御され、第2大入賞口65が開放期間と特定領域658の開放期間とが時間的に重複するように構成されている。そのため、第2大入賞口65が開放すると特定領域658も開放し、第2大入賞口65が閉鎖すると特定領域658も閉鎖する。なお、羽根部材655(特定領域ソレノイド656)の駆動制御は主制御基板100(電動役物制御手段160)によって実行される。
主制御基板100(入球判定手段110)は、特定領域スイッチ657からの検出情報に基づき、第2大入賞口65の特定領域658に遊技球が入球したか否かを判定する。そして、主制御基板100(入球判定手段110は)、特定領域658への入球が検出された場合には、この特定領域入球情報を含む演出制御コマンド(「特定領域入球コマンド」と称する)を生成する。
続いて、第2実施形態における特別図柄の停止図柄(大当り種別)について説明する。
図53の上段は、第2実施形態における第1特別図柄当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第1特別図柄当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、停止図柄、図柄群、大入賞口64,65の作動パターンがそれぞれ対応付けられている。このテーブルでは、第1特別図柄の停止図柄「1」〜「8」が、大当りの種別に応じて、2種類の図柄群A,Bに分類されている。具体的には、図柄「1」,「2」,「3」,「4」には、図柄群A(16R長開放大当り図柄)が、図柄「5」,「6」,「7」,「8」には、図柄群B(8R短開放大当り図柄)が、それぞれ対応付けられている。
図53の下段は、第2実施形態における第2特別図柄当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第2特別図柄当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、停止図柄、図柄群、大入賞口64,65の作動パターンがそれぞれ対応付けられている。このテーブルでは、第2特別図柄の停止図柄「11」〜「18」が、大当りの種別に応じて、2種類の図柄群C,Dに分類されている。具体的には、図柄「11」,「12」,「13」,「14」には、図柄群C(16R長開放大当り図柄)が、図柄「15」,「16」,「17」,「18」には、図柄群D(8R長開放大当り図柄)が、それぞれ対応付けられている。
「長開放大当り」は、第2大入賞口65が長開放されるラウンド遊技を伴う大当りであり、特定領域658への遊技球の入球が相対的に容易とされる。「短開放大当り」は、第2大入賞口65が短開放されるラウンド遊技を伴う大当りであり、特定領域658への遊技球の入球が相対的に困難とされる。本実施形態では、第1特別図柄で大当りとなった場合には、50%の割合で長開放大当り(16R長開放大当り)に該当し、残り50%の割合で短開放大当り(8R短開放大当り)に該当する。一方、第2特別図柄で大当りとなった場合には、100%の割合で長開放大当り(16R長開放大当り、8R長開放大当り)に該当する。
ここで、図54は、第2実施形態における特別遊技における大入賞口64,65の作動パターンを説明するためのタイムチャートである。図中には、特別遊技中の第1大入賞口64、第2大入賞口65の状態変化が左から右へ向かって時系列に示されている。なお、各ラウンド間には、大入賞口64,65の閉鎖状態が維持されるインターバル時間(待機時間)が設けられている。本実施形態における大入賞口64,65の作動パターンでは、特別遊技の特定のラウンド(「特定ラウンド」とも称する)でのみ、第2大入賞口65(特定領域658)を開閉することが定められている。本実施形態では、特定ラウンドを第7ラウンド目および第8ラウンド目と規定する。但し、これに限定されず、特定ラウンドを別のラウンド数に変更してもよく、また、三以上の複数の特定ラウンドを設定してもよい。
図54(A)は、16R長開放大当りによる作動パターンである16R長開放パターンを示している。16R長開放パターンでは、特定ラウンド以外のラウンドにおいては、第1大入賞口64を29秒間連続して開放する一方で、特定ラウンドである第7ラウンドおよび第8ラウンドにおいて、第2大入賞口65を29秒間連続して開放することを定めている。
図54(B)は、8R長開放大当りによる作動パターンである8R長開放パターンを示している。8R長開放パターンでは、特定ラウンド以外のラウンドにおいては、第1大入賞口64を29秒間連続して開放する一方で、特定ラウンドである第7ラウンドおよび第8ラウンドにおいて、第2大入賞口65を29秒間連続して開放することを定めている。
このように、16R長開放大当り又は8R長開放大当りが選択された場合には、特定ラウンドにおいて第2大入賞口65の開放期間が29秒という長時間に設定され、第2大入賞口65の開放期間と特定領域658の開放期間とが時間的に重なるため、第2大入賞口65から入球した遊技球が特定領域658へ容易に入賞する。その結果、特定領域658への遊技球の通過が容易な状態が維持される。
図54(C)は、8R短開放大当りによる作動パターンである8R短開放パターンを示している。8R短開放パターンでは、特定ラウンド以外のラウンドにおいては、第1大入賞口64を29秒間連続して開放する一方で、特定ラウンドである第7ラウンドおよび第8ラウンドにおいて、第2大入賞口65を0.2秒間だけ開放することを定めている。
このように、8R短開放大当りが選択された場合には、特定ラウンドにおいて第2大入賞口65が0.2秒という極めて短時間しか開放されないため、遊技球が第2大入賞口65内の特定領域658へ入球する可能性は極めて低い。その結果、特定領域658への遊技球の通過が困難な状態、実質的には通過不可能な状態が維持される。
特定ラウンドで遊技球が特定領域658へ入球した場合は、特別遊技の終了後、特別図柄の確変状態(高確率状態)へ移行する。なお、特別図柄の確変状態へ移行した場合は、同時に特別図柄の時短状態および電チューサポート状態へ移行して、特別図柄の確変状態が継続する限り、特別図柄の時短状態および電チューサポート状態も継続する。なお、特別遊技の終了後、特別図柄の変動回数がST回数(100回)内で次回の大当りが発生しなかった場合には、特別図柄の確変状態は終了して、通常状態へ移行する。
一方、特定ラウンドで遊技球が特定領域658へ入球しなかった場合は、特別遊技の終了後、特別図柄の時短状態(低確率状態)となる。なお、特別図柄の時短状態へ移行した場合は、同時に電チューサポート状態へ移行して、特別図柄の時短状態が継続する限り、電チューサポート状態も継続する。なお、特別遊技の終了後、特別図柄の変動回数が所定回数(70回)に達した場合には、特別図柄の時短状態は終了して、通常状態へ移行する。
続いて、第2実施形態における保留内連荘演出について説明する。本実施形態では、特別遊技における特定ラウンド以降のタイミングで、大当り演出としての保留内連荘演出Bの実行可否を判定する。これは、特定ラウンドを経過した後(少なくとも、特定領域に遊技球が入球した後)のタイミングでなければ、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率状態に移行するのか低確率状態に移行するのかが定まらず、この未確定な状態で保留内連荘の発生を報知することが困難であるからである。つまり、特別遊技の終了後の遊技状態に応じて、特別遊技中に現存する後続の作動保留球が大当りとなるか否かの抽選結果が左右されるため、保留内連荘演出Bの実行可否の抽選を特定ラウンド以降とすることで、保留内連荘の確定報知を可能とする。そこで、本実施形態では、特定ラウンドにおいて遊技球が特定領域に入球したこと、すなわち、特別遊技の終了後に特別図柄の確変状態への移行が確約されたことを前提として、保留内連荘演出Bの実行が決定される。従って、本例における保留内連荘演出Bは、後続の作動保留球内に大当りとなる特定保留が存在することの他、特別遊技後の遊技状態が特別図柄の確変状態(高確率状態)となることを確定的に報知する演出としての意義がある。つまり、第7ラウンド、第8ラウンド、もしくはそれ以降のラウンドにおいて、且つ、特定領域658への入球がないと、保留内連荘演出Bが発生しない、換言すれば、第7ラウンド又は第8ラウンドで保留内連荘演出Bが発生する場合は、特定領域658への遊技球の入球タイミングと同じタイミングもしくはそれ以降のタイミングであるといえる。
このように第2実施形態では、特定ラウンド以降のタイミング(特定領域に入球した後のタイミング)で、主制御基板100からの事前判定結果(事前判定番号)を参照して、現在実行中の特別遊技が終了した後の遊技状態(特定領域に入球により確変状態となる)での先読み的な当否判定を後続の作動保留球に対して実行し、大当りとなる特定保留が存在した場合にのみ保留内連荘演出Bを抽選にて実行し得るように構成する。それでは、以下、具体的な処理について説明する。
(大当り演出内容判定処理:第2実施形態)
続いて、第2実施形態における、図27のS638のサブルーチンに係る、大当り演出内容判定処理(S638)について説明する。図55は、大当り演出内容判定処理(S638)の詳細を示すフローチャートである。
ここで、前述の第1実施形態では、保留内連荘演出B判定処理(図31のS805を参照)は、開始デモコマンドを受信したことを契機として実行されているが、この第2実施形態では、保留内連荘演出B判定処理は、特定領域入球コマンドを受信したことを契機として実行される。これは、前述のとおり、保留内連荘演出Bの実行可否を特定領域658へ遊技球が入球した以降のタイミングとすることに整合させるためである。なお、図55において、S801〜S818、S821〜S838の処理は、第1実施形態と同様の処理であるため、相違点であるS841〜S843の処理を中心に説明する。
まず、サブメイン情報記憶手段260に特定領域入球コマンドが格納されているか否かを判定する(S841)。特定領域入球コマンドが格納されている場合(S841:YES)には、サブメイン情報記憶手段260の特定領域入球フラグをオンにする(S842)。保留内連荘演出B判定処理を実行する(S843)。なお、保留内連荘演出B判定処理(S842)の詳細は図56を用いて後述する。続いて、大当り演出差し替え処理を実行する(S844)。この大当り演出差し替え処理では、保留内連荘演出B(特殊連続演出)が実行される場合に、通常の終了デモ演出パターンを特殊終了デモ演出パターンに差し替える。なお、先行の大当り演出差し替え処理(S806)では、特殊連続演出が実行される場合に、通常の開始デモ演出パターンを特殊開始デモ演出パターンに差し替えるものである。一方、特定領域入球コマンドが格納されていない場合(S841:NO)には、S842,S843をスキップして、S821へ移行する。
なお、図示省略するが、特別遊技中に特定領域入球コマンドを受信した場合には、遊技球が特定領域658に入球したこと、すなわち、特別遊技の終了後に特別図柄の確変状態へ移行することを報知するための報知演出(「特定領域入球報知演出」と称する)の演出パターンを決定して、この特定領域入球報知演出の演出パターンの番号をサブメイン情報記憶手段260の特定領域入球演出パターン格納領域に一時記憶する。
(保留内連荘演出B判定処理:第2実施形態)
続いて、第2実施形態における保留内連荘演出B判定処理(S843)について説明する。図56は、第2実施形態における保留内連荘演出B判定処理(S843)の詳細を示すフローチャートである。
ここで、前述の第1実施形態との相違点は、S850,S869の処理であり、特定領域入球コマンドを受信したことを契機として、S850以降の処理が実行される点になる。なお、図56において、S851〜S868、S870の処理は、第1実施形態と同様の処理であるため、相違点であるS860,S869の処理を中心に説明する。
まず、サブメイン情報記憶手段260の特定領域入球フラグがオンであるか否かを判定する(S850)。特定領域入球フラグがオンである場合(S850:YES)には、S851以降の処理において、保留内連荘演出B抽選処理(S856)や連荘演出パターン選択処理(S861)などが実行される。なお、本例では、特定ラウンドにおける特定領域への遊技球の入球を前提として保留内連荘演出B判定処理が行われるため、この連荘演出パターン選択処理では、特定ラウンド以降のラウンド演出(特定ラウンドを含む)又は終了デモ演出にて発生する連荘演出パターンのみが選択され得る。そして、本処理の後半で、サブメイン情報記憶手段260の特定領域入球フラグをオフにする(S869)。
なお、今回実行中の特別遊技における特定ラウンド(第7ラウンド〜第8ラウンド)において、特定領域658への複数個の入球があった場合には、最先の入球に基づく本処理(S850〜S870)にて保留内連荘演出フラグがオンとなるため、後続の入球に基づく本処理が実行されたとしても、S731で否定判定(NO)がなされて、再度の保留内連荘演出Bの抽選処理が回避されるようになっている。
以上、第2実施形態によれば、特定領域658への入球によって、特別図柄の確変状態への移行権利を取得できるとともに、保留内連荘演出の発生に対する期待感が高揚するため、保留内連荘演出の演出効果をより一層高めることができ、また、特別遊技終了後の遊技状態が未確定な状況での保留内連荘演出の実行を規制して、先読み判定の結果として反映された保留内連荘演出の表示態様と実際の結果とに齟齬が生じるのを防止することで、該先読み予告としての保留内連荘演出の信頼性を向上させることができ、その結果、遊技の趣興性を向上させることが可能となる。
なお、上述の第2実施形態では、第2大入賞口65と特定領域658との開放期間とを完全に重複させる開放パターンを例示したが、これに限定されるものではなく、第2大入賞口65と特定領域658の開放期間とを完全に重複させることなく一部において重複させるものであってもよい。また、第2大入賞口65に入球した遊技球が特定領域658まで到達するまでの遅延時間を考慮して、特定領域658の開放期間を第2大入賞口65の開放期間に対して遅らせてもよい。
[第2実施形態−第1変形例]
次に、第2実施形態の第1変形例に係る遊技機について説明する。この第1変形例に係る遊技機は、基本的には、上述の第2実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
前述の第2実施形態では、特定ラウンドで遊技球が特定領域658に入球したタイミングで保留内連荘演出B判定処理を実行する構成であったが、これには限定されず、特定ラウンドで遊技球が特定領域658に入球する以前に保留内連荘演出B判定処理を実行する構成としてもよい。
まず、前記構成を説明するうえで、主制御基板100側での当否事前判定の結果である事前判定番号について説明する。図57は当否事前判定テーブルを模式的に示す図であり、(A)は第1特別図柄抽選の当否事前判定で参照されるテーブル、(B)は第2特別図柄抽選の当否事前判定で参照されるテーブルである。この図57は、第1実施形態で参照した特別図柄当否抽選テーブル(図5)と対応した内容となっている。
第1特別図柄抽選の当否事前判定では、図57(A)に示すように、乱数値が「0〜163」の範囲に該当したときは事前判定番号「1」、乱数値が「164〜1639」の範囲に該当したときは事前判定番号「2」、乱数値が「1640〜65207」の範囲に該当したときは事前判定番号「3」、乱数値が「65208〜65535」の範囲に該当したときは事前判定番号「4」を、事前判定結果として設定する。この事前判定番号は、第1特別図柄の事前判定結果であることを示す情報や作動保留球の順番を示す情報とともに、当否事前判定コマンドの内容に含められて、演出制御基板200側へ送信される(図13のS213を参照)。
第2特別図柄抽選の当否事前判定では、図57(B)に示すように、乱数値が「0〜163」の範囲に該当したときは事前判定番号「1」、乱数値が「164〜1639」の範囲に該当したときは事前判定番号「2」、乱数値が「1640〜65535」の範囲に該当したときは事前判定番号「3」を事前判定結果として設定する。この事前判定番号は、第2特別図柄の事前判定結果であることを示す情報や作動保留球の順番を示す情報とともに、当否事前判定コマンドの内容に含められて、演出制御基板200側へ送信される(図13のS213を参照)。
図5の特別図柄当否抽選テーブルと図57の当否事前判定テーブルとを見比べても分かるように、事前判定番号「1」は、遊技状態(通常状態/確変状態)に依存せず、常に「大当り」となることが導出される判定結果である。これに対して、事前判定番号「2」は、確変状態(高確率状態)では「大当り」となる一方で、通常状態(低確率状態)では「はずれ」となることが導出される判定結果である。なお、本例においても、前述の第1実施形態と同様に、保留内連荘演出に係る先読み判定の対象は第2特別図柄の作動保留球(事前判定結果)のみであるが、第1特別図柄の作動保留球(事前判定情報)を含めてもよい。
保留内連荘演出A判定処理および保留内連荘演出B判定処理では、後続の作動保留球(第2特別図柄の作動保留球)内に大当りとなる特定保留が含まれるか否かの先読み判定を、この事前判定番号に基づき判定する。このとき、保留内連荘演出Bの実行可否の判定を、特定ラウンド以前、すなわち、遊技球が特定領域に入球する以前のタイミング(例えば、特別遊技の開始前、開始デモ演出時、特定ラウンド以前のラウンド遊技など)で行う場合について考える。
まず、特定ラウンド以前に保留内連荘演出B判定処理を実行する場合、後続の作動保留球内に、事前判定番号が「1」となる作動保留球が存在すれば、この作動保留球に関しては、特別遊技の終了後に確変状態(高確率状態)又は通常状態(低確率状態)のいずれの遊技状態に移行したとしても当否判定結果が大当りとなるため、特定領域658への遊技球の入球の有無に関わらず、この時点で保留内連荘が確定する。従って、この場合には、保留内連荘の確定報知として保留内連荘演出Bを発生させることができる。
一方、事前判定番号が「2」となる作動保留球が存在する場合では、この作動保留球に関しては、当否判定結果が大当りとなるか否かは、特別遊技の終了後の遊技状態に依存するため、特定領域658への遊技球の入球の有無に応じて遊技状態が変化することを考えれば、この時点では保留内連荘は確定しない。そのため、この場合には、保留内連荘の確定報知として保留内連荘演出Bを発生させることはできず、保留内連荘の可能性を示唆するだけとなる。
従って、特定領域658への遊技球の入球があるか否かに関わらず(いずれの遊技状態に移行するかに関わらず)、作動保留球が実際に消化される時点の当否判定結果を正確に特定できる場合(事前判定番号「1」の場合)は、保留内連荘の確定を報知することができ、逆に、作動保留球が実際に消化される時点の当否判定結果を正確に特定できない場合(事前判定番号「2」の場合)は、保留内連荘の可能性を示唆するだけに留めればよい。そのため、本例では、保留内連荘の確定報知演出と示唆演出とを異なる演出態様で用意しておくことが好ましい。
以上、第2実施形態の第1変形例によれば、特別遊技終了後の遊技状態を正確に特定できない状況下で先読み判定を行う場合に、遊技状態に依存せず一義的に大当り当選が導出されるものであれば、保留内連荘を確定報知する態様で保留内連荘演出Bを発生させる一方で、遊技状態に応じて当否判定結果が変動するものであれば、保留内連荘の可能性を示唆する態様で保留内連荘演出Bを発生させることで、特定領域に遊技球が入球する以前のタイミングであっても、保留内連荘演出による報知内容と実際の判定結果とに齟齬が生じるといった、遊技者の期待を裏切る報知演出を防止することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
なお、同様に、保留内連荘演出以外の先読み予告として、例えば保留変化等の先読み予告においても、作動保留球内に大当りとなる特定保留が存在するか否かの先読み判定が、この事前判定番号に基づき行われる。このとき、先行の作動保留球が大当りとなった状況下で、後続の作動保留球に対して先読み判定が実行されたとき、該先読み対象の作動保留球の事前判定結果として、事前判定番号が「1」であれば、この作動保留球に基づく保留変化先読み予告演出として大当り確定を報知する演出態様(例えば、大当り確定を表す「虹色」の保留画像)を出現させてもよい。すなわち、この作動保留球に関していえば、特別遊技の終了後の遊技状態が特別図柄の確変状態(高確率状態)又は通常状態(低確率状態)のいずれであっても、該作動保留球が実際に消化されたときに大当りとなることが予定されているため、特定領域658への遊技球の入球の有無に関わらず、この時点で保留内連荘が確定し、先読み判定の結果が反映された保留画像の表示態様と実際の結果とに齟齬が生じるおそれはない(例えば、事前判定番号が「2」であれば、特定領域658に遊技球が入球せず、特別遊技の終了後に通常状態となった場合には、大当り確定を表す保留画像を出現させても、大当りとならない事態が生じてしまう)。
なお、本変形例では、事前判定テーブルとして、当否事前判定テーブルのみを例示したが、図柄事前判定テーブルおよび変動パターン事前判定テーブルに関しても、各判定値の乱数範囲に対して事前判定番号を割り振ることで表現できるものである。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る遊技機について説明する。第3実施形態の遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
第1実施形態の遊技機では、確変突入率が100%の回数切り確変機、いわゆる「ST機」と称される遊技機を例示して説明したが、第3実施形態では、特定図柄で大当りした場合に、特別図柄の確率変動機能が特別遊技の終了後から次の大当りが発生するまで継続する、いわゆるノーマル確変タイプの遊技機である。
ここで、図58は、第3実施形態における特別図柄当否抽選テーブルを模式的に示す図であり、(A)は通常状態(低確率状態)で参照され、(B)は確変状態(高確率状態)で参照される。図58からも分かるように、特別図柄遊技の当否抽選において、通常状態(低確率状態)では乱数値が0〜163の範囲に該当したときのみ大当りとなる。一方、確変状態(高確率状態)では大当りの範囲が拡大され、乱数値が前記0〜163の範囲に該当する場合だけでなく、164〜1639の範囲に該当する場合にも大当りとなる。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、大当りの抽選確率が低確率状態(1/399.6)から高確率状態(1/39.96)に変動する。このように大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化するが、第1特別図柄の当否抽選と第2特別図柄の当否抽選とで大当りの当選確率は等しい。ここで、特別図柄当り乱数値が大当りの範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当する場合には小当りとなる。本例では、第2特別図柄の当否抽選よりも第1特別図柄の当否抽選のほうが高い確率で小当りとなる。
続いて、図59の上段は、第3実施形態における第1特別図柄当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第1特別図柄当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、停止図柄、図柄群、大当りの内容(特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能の作動回数、第1大入賞口64の作動パターン)がそれぞれ対応付けられている。このテーブルでは、第1特別図柄の停止図柄「1」〜「8」が、大当りの種別に応じて、3種類の図柄群A〜Cに分類されている。
具体的には、図柄「1」,「2」,「3」,「4」には、図柄群A(16R特定時短有図柄)が、図柄「5」,「6」には、図柄群B(2R特定時短有図柄)が、図柄「7」,「8」には、図柄群C(2R通常時短有図柄)が、それぞれ対応付けられている。
続いて、図59の下段は、第3実施形態における第2特別図柄当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第2特別図柄当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、停止図柄、図柄群、大当りの内容(特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能の作動回数、第2大入賞口65の作動パターン)がそれぞれ対応付けられている。このテーブルでは、第2特別図柄の停止図柄「11」〜「18」が、大当りの種別に応じて、3種類の図柄群D〜Fに分類されている。具体的には、図柄「11」,「12」,「13」,「14」には、図柄群D(16R特定時短有図柄)が、図柄「15」,「16」には、図柄群E(2R特定時短有図柄)が、図柄「17」,「18」には、図柄群F(2R通常時短有図柄)が、それぞれ対応付けられている。
図柄群A,B,D,Eは、特別遊技終了後の遊技状態を特別図柄の確変状態(高確率状態)に移行させる、いわゆる「確変大当たり」を示す特定図柄であり、次回の大当りまで特別図柄の確変機能および時短機能、並びに電チューサポート機能が付与される。図柄群A,D(16R確変大当り)が選択された場合は、特別遊技の規定ラウンド数は16ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約30秒である。図柄群B,E(2R確変大当り)が選択された場合は、特別遊技の規定ラウンド数は2ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約0.05秒である。図柄群C,,Fは、特別遊技終了後の遊技状態を通常状態(低確率状態)に移行させる、いわゆる「通常当り」を示す通常図柄であり、特別遊技終了後の100回のみに限定して特別図柄の時短機能および電チューサポート機能が付与される。図柄群C,F(2R通常大当り)が選択された場合は、図柄群B,E(2R確変大当り)と同様に、特別遊技の規定ラウンド数は2ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64,65の最大開放時間は約0.05秒である。
続いて、図60(A)は、当り用の変動パターンテーブルを模式的に示す図である。上段の(A1)は通常変動パターンテーブル、下段の(A2)は確変変動パターンテーブルである。本例では、変動パターン選択状態に応じて、または同じ変動パターン選択状態であっても大当り種別に応じて、選択される変動パターンが異なるように設定されている。
(A1)の通常変動パターンテーブルでは、大当り種別が16R大当りである場合に、変動パターンPX2(ノーマルリーチA)、変動パターンPX3(スーパーリーチA)のいずれかが選択され、2R大当りである場合に、変動パターンPZ2(ノーマルリーチA)、変動パターンPZ3(スーパーリーチA)、変動パターンPZ4(スーパーリーチD)のいずれかが選択される。一方、小当りである場合には、変動パターンPK4(スーパーリーチD)が選択される。
(A2)の確変変動パターンテーブルでは、大当り種別が16R大当りである場合に、変動パターンPX7(スーパーリーチB)のみが選択され、2R大当りである場合に、変動パターンPZ7(スーパーリーチB)、変動パターンPZ8(スーパーリーチD)のいずれかが選択される。一方、小当りである場合には、変動パターンPK8(スーパーリーチD)のみが選択される。
図60(B)は、はずれ用の変動パターンテーブルの一例を模式的に示す図である。上段の(B1)は通常変動パターンテーブル、下段の(B2)は確変変動パターンテーブルである。本例では、変動パターン選択状態に応じて、選択される変動パターンが異なるように設定されている。
(B1)の通常変動パターンテーブルでは、変動パターンPH1(非リーチA)、変動パターンPH2(ノーマルリーチA)、変動パターンPH3(スーパーリーチA)、変動パターンPH4(スーパーリーチD)のいずれかが選択される。(B2)の確変変動パターンテーブルでは、変動パターンPH5(非リーチB)、変動パターンPH6(ノーマルリーチB)、変動パターンPH8(スーパーリーチD)のいずれかが選択される。
ここで、このはずれ用の確変変動パターンテーブルでは、非リーチB、ノーマルリーチB、スーパーリーチDの変動態様たる変動パターンのみが選択され得るようになっている点(換言すれば、スーパーリーチBの変動態様たる変動パターンは選択されることがない点)で、前述の当り用の確変変動パターンテーブルと相違する。そのため、特別図柄の確変状態では、変動パターンがスーパーリーチBとなるか否かという点で、大当りのときとはずれのときとで選択される変動パターンが明確に区別されており、スーパーリーチB(本例ではバトルリーチ)に発展する変動態様が出現した場合には大当り当選が確定的となるように構成されている。
本実施形態では、いわゆるバトルスペックを採用しており、演出モードとして確変演出モードMβに滞在した状態で、図柄変動演出がスーパーリーチBに発展したときにバトルリーチ演出が発生するものである。このバトルリーチ演出(スーパーリーチB)は、前述のように、当否判定の結果が大当りとなる場合にのみ選択されるものとなっているため、図柄変動演出中にバトルリーチ演出が発生した時点で大当りが確定的となる。なお、このバトルリーチ演出は、味方キャラクタと敵キャラクタとが対戦して勝敗を決めるリーチ演出であり、味方キャラクタが敵キャラクタに最終的に勝利すると16R大当り、味方キャラクタが敵キャラクタに最終的に敗北すると2R大当りが確定する。
続いて、第3実施形態における保留内連荘演出について説明する。前述の第1実施形態における保留内連荘演出A,Bの先読み対象となる作動保留球は特定保留(16R大当り、8R大当り)又ははずれ保留であったが、第3実施形態における保留内連荘演出A,Bの先読み対象となる作動保留球は特定保留(16R大当り)又は小当り保留である(はずれ保留を含まない)。小当りを含める理由としては、一般的に、当否判定の結果がはずれとなる場合は、多数種の変動パターンが用意されているため、後続の作動保留球のうちのいずれのはずれ保留に対してガセの演出(保留内連荘演出)を実行するかを設計するよりも、小当りとなる場合の方が選択される変動パターンの種類が少なくて済み、また、小当りという抽選結果の性質上、ガセ演出として利用するのに適しているため、先読み判定を実行するうえでの判断子が少なくて済み簡易処理とすることができるからである。
図61(A)は第3実施形態における保留内連荘演出Aの連荘演出パターンを選択する際に参照される連荘演出パターンテーブル、図61(B)は第3実施形態における保留内連荘演出Bの連荘演出パターンを選択する際に参照される連荘演出パターンテーブルである。これらの連荘演出パターンテーブルは、基本的には、第1実施形態における連荘演出パターン(図8を参照)と同様であるため、詳細な説明は省略するが、前述のとおり、保留内連荘演出A,Bにおける先読み対象の作動保留球として小当り保留を含めている点で異なる。それでは、以下、具体的な処理について説明する。
(保留内連荘演出B判定処理:第3実施形態)
続いて、第3実施形態における保留内連荘演出B判定処理(S843)について説明する。図62は、第3実施形態における保留内連荘演出B判定処理(S843)の詳細を示すフローチャートである。
ここで、前述の第1実施形態との相違点は、S871〜S874の処理であり、保留内連荘演出Bの先読み対象となる作動保留球に小当り保留を含めている点にある。なお、図62において、S851〜S854、S858〜S870の処理は、第1実施形態と同様の処理であるため、相違点であるS871〜S874の処理を中心に説明する。
まず、第2特別図柄の作動保留球内に特定保留が存在する場合(S854:YES)は、この特定保留が16R大当り(高利益大当り)を示すものであるか否かを判定する(S871)。特定保留が16R大当りに該当する場合(S871:YES)には、保留内連荘演出Bを実行するか否かを抽選にて決定するための保留内連荘演出B抽選処理1を実行する(S872)。この保留内連荘演出B抽選処理1では、不図示の連荘演出B抽選テーブル1を参照して、連荘演出抽選乱数値が「実行」、「非実行」のいずれかの判定値と一致した場合に実行の有無を決定する。本例では、例えば、70%の割合で実行、30%の割合で非実行を決定する。
一方、第2特別図柄の作動保留球内に特定保留がない場合(S854:NO)は、第2特別図柄の作動保留球内に小当り保留が含まれているか否かを判定する(S873)。小当り保留が含まれる場合(S873:YES)には、保留内連荘演出Bを実行するか否かを抽選にて決定するための保留内連荘演出B抽選処理2を実行する(S874)。この保留内連荘演出B抽選処理2では、不図示の連荘演出B抽選テーブル2を参照して、連荘演出抽選乱数値が「実行」、「非実行」のいずれかの判定値と一致した場合に実行の有無を決定する。本例では、例えば、0.1%の割合で実行、99.9%の割合で非実行を決定する。
保留内連荘演出B抽選処理(S872,S874)にて当選した場合は、以下において、保留内連荘演出Aの内容を決定するための連荘演出パターンを選択するとともに(S861)、これをサブメイン情報記憶手段260の連荘演出パターン格納領域に一時記憶したうえで(S868)、サブメイン情報記憶手段260の保留内連荘演出フラグをオンにして(S870)、本処理を終了する。
ところで、本実施形態で注目すべき点としては、特別遊技の実行中に保留内連荘演出Bが発生せず、この特別遊技の終了後において後続の作動保留球(保留内連荘演出B発生時点で存在する作動保留球)が消化されることで高期待度演出(スーパーリーチB)が発生した場合は、低利益大当り(2R確変大当り、2R通常大当り)となる確率よりも、高利益大当り(16R確変大当り)となる確率の方が高く設定されている。
図59(B)に示すように、第2特別図柄遊技における大当り種別の割り振りとしては、70%の確率で16R確変大当り、20%の確率で2R確変大当り、10%の確率で2R通常大当りとなっている。なお、本例では、16R確変大当りを「16R大当り」、2R確変大当りおよび2R通常大当りを纏めて「2R大当り」とも称する。
また、図60に示すように、特別図柄の確変状態では、当否判定の結果が大当りである場合は、16R大当りである場合は、100%の確率でスーパーリーチB(高期待度演出)の変動パターンPX7が選択され、2R大当り(2R特定大当り、2R通常大当り)である場合は、60%の確率でスーパーリーチB(高期待度演出)の変動パターンPZ7が選択される。
このとき、図62におけるS872で説明したとおり、本例では、後続の作動保留球内に特定保留(16R大当り)が存在する場合に、保留内連荘演出Bの実行可否の当選確率は70%に設定されているため、特定保留(16R大当り)が存在する場合でも、残り30%の確率で保留内連荘演出Bが未実行となる。
以上のような条件のもとで、保留内連荘演出Bが実行されなかった状況下、バトルリーチ(スーパーリーチB)の出現によって16R大当りとなる確率X、バトルリーチ(スーパーリーチB)の出現によって2R大当りとなる確率Yは、以下の通りとなる。
X=(16R大当りとなる確率)×(保留内連荘演出Bが発生しない確率)×(スーパーリーチBとなる確率)
Y=(2R大当りとなる確率)×(スーパーリーチBとなる確率)
続いて、上記の数値を用いて、スーパーリーチBの出現によって16R大当りとなる確率X、スーパーリーチBの出現によって2R大当りとなる確率Yを具体的に計算すると、以下の通りとなる。
X=70/100×(100−70)/100×100/100=21/100
Y=(20+10)/100×60/100=18/100
従って、保留内連荘演出Bが発生せずに、後続の作動保留球内で高期待度演出が発生したときは(スーパーリーチBに発展したときは)、低利益大当りとなる可能性よりも、この低利益大当り以外の大当り(すなわち、高利益大当り=16R大当り)となる可能性の方が高くなる。
以上、第3実施形態によれば、特別遊技中に保留内連荘演出Bが発生しなかった場合であっても、この特別遊技終了後の高期待度演出に対して遊技者の抱く高利益大当りへの期待感が損なわれることなく、高期待度演出の発生による遊技者の期待感を高揚させることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係る遊技機について説明する。第4実施形態の遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
前述の第1実施形態では、大当り種別を問わず、特別遊技の終了後に一律に高確率状態(特別図柄の確変状態)へ移行する、確変突入率100%のST機(回数切り確変機)を採用したが、これに限定されず、大当り種別の一部に特別遊技の終了後に低確率状態(特別図柄の時短状態、又は、通常状態)へ移行する大当りを含み、所定の割合(例えば、確変突入率80%)で特別図柄の確変状態へ移行するST機を採用してもよい。
このような機種では、特別遊技の確変状態(高確率状態)で通常大当りとなったときに、その特別遊技の終了後に通常状態又は特別図柄の時短状態(低確率状態)へ移行する場合や、特別遊技の確変状態(高確率状態)でST期間に到達した後で、通常状態又は特別図柄の時短状態(低確率状態)へ移行する場合など、遊技状態が変化することがある。
本例では、主制御基板100からの事前判定結果の情報に基づき、演出制御基板200側で先読み判定を行うとき、該先読み判定の対象となる作動保留球(「対象保留」と称する)が消化される以前に遊技状態が変化する予定である場合(高確率状態→低確率状態など)は、この作動保留球に係る事前判定結果の情報を無視するように構成する。すなわち、対象保留の先読み判定では「大当り」と判定されたが、当該対象保留よりも先行して記憶された作動保留球(先発保留)が消化された結果として通常大当り(非確変大当り)となり、その特別遊技の終了後に遊技状態が通常状態に至った場合、又は、先読み判定の後であってトリガ保留が消化される前にST期間が終了した場合は、このトリガ保留が実際に消化されるときに、はずれと判定される事態が生じる場合がある。そこで、このような事態を防止すべく、遊技状態が変化する予定である場合には、事前判定結果の情報を先読み判定の対象とはしないことにする。なお、「無視」とは「送られてきた情報を受け取りはするが使用しない」という意味と、「送られてきた情報を受け取りもしない」という意味も含まれる。
この構成を保留内連荘演出に係る先読み判定に適用した例としては、先行の作動保留球が消化された結果として大当りとなる場合に、後続の作動保留球内に現在の遊技状態(先行の作動保留球が消化される時点の遊技状態)では特定保留と判断されるものが存在するときでも、該特定保留が消化される以前に上記遊技状態が変化する予定である場合には、この特定保留に係る事前判定結果の情報を無視するように構成する。ここで、「遊技状態が変化する予定がある」とは、特別遊技(先行の作動保留球が大当りとなったときの特別遊技)の実行前と実行後で遊技状態が切り替わる可能性がある場合であり、例えば、特別図柄の確変状態において先行の作動保留球が消化された結果、通常大当りとなり、その特別遊技の終了後であって後続の作動保留球が消化される以前に、遊技状態が通常状態へ切り替わる予定である場合などが該当する。なお、これに限定されず、特別図柄の確変状態から特別図柄の時短状態へ切り替わる場合、特別図柄の時短状態から通常状態へ切り替わる場合なども含めてもよい。それでは、以下、具体的な処理について説明する。
(保留内連荘演出A判定処理:第4実施形態)
続いて、第4実施形態における保留内連荘演出A判定処理(S737)について説明する。図63は、第4実施形態における保留内連荘演出A判定処理(S737)の詳細を示すフローチャートである。
ここで、前述の第1実施形態との相違点は、S771の処理であり、遊技状態が変化予定である場合には、特定保留に係る事前判定情報が存在か否かに関わらず、該事前判定情報を無視する点にある。なお、図63において、S761〜S770の処理は、第1実施形態と同様の処理であるため、相違点であるS771の処理を中心に説明する。
まず、サブメイン情報記憶手段260の先読み情報格納領域に、第2特別図柄の作動保留球の事前判定情報が格納されている場合(S763:YES)は、該作動保留球が消化される以前に現在の遊技状態が変化する予定であるか否かを判定する(S771)。なお、遊技状態が変化予定であるか否かは、主制御基板100からの演出制御コマンドの情報に基づき演出制御基板200側でも遊技状態を個別に管理してもよいし、また、事前判定コマンドに遊技状態に係る情報(詳細次述)を付加することで該事前判定コマンドの情報に基づき判定してもよい。遊技状態が変化する予定ではない場合(S771:NO)には、以下、特定保留(16R大当り)が存在すれば(S764,765)、保留内連荘演出Aを実行するか否かを抽選にて決定して(S766)、保留内連荘演出Aの内容を決定するための連荘演出パターンを選択するとともに(S768)、これをサブメイン情報記憶手段260の連荘演出パターン格納領域に一時記憶したうえで(S769)、サブメイン情報記憶手段260の保留内連荘演出フラグをオンにして(S770)、本処理を終了する。
一方、遊技状態が変化する予定である場合(S771:YES)には、特定保留が存在するか否かに関わらず、該作動保留球に係る事前判定情報を無視して、本処理を終了する。なお、本例において、遊技状態が変化する予定である場合としては、(1)特定遊技状態(確変状態)で通常大当りとなった場合、(2)確変大当りであり、且つ、特定保留(確変大当りとなる予定の特定保留)が存在するが、その特定保留よりも先に通常大当りとなる予定の特定保留が存在する場合、などが想定される。但し、保留内連荘演出に限らず、単なる保留変化などの先読み予告演出などにおいては、所定の変動回数経過によりST期間が終了するなどで遊技状態の変化が予定されていることとしてもよい。
(保留内連荘演出B判定処理:第4実施形態)
続いて、第4実施形態における保留内連荘演出B判定処理(S843)について説明する。図64は、第4実施形態における保留内連荘演出B判定処理(S843)の詳細を示すフローチャートである。
ここで、前述の第1実施形態との相違点は、S875の処理であり、遊技状態が変化予定である場合には、、特定保留に係る事前判定情報が存在か否かに関わらず、該事前判定情報を無視する点にある。なお、図64において、S851〜S870の処理は、第1実施形態と同様の処理であるため、相違点であるS875の処理を中心に説明する。
まず、サブメイン情報記憶手段260の先読み情報格納領域に、第2特別図柄の作動保留球の事前判定情報が格納されている場合(S853:YES)は、該作動保留球が消化される以前に現在の遊技状態が変化する予定であるか否かを判定する(S875)。遊技状態が変化する予定ではない場合(S875:NO)には、以下、保留内連荘演出Bを実行するか否かを抽選にて決定して(S856,S857)、保留内連荘演出Aの内容を決定するための連荘演出パターンを選択するとともに(S861)、これをサブメイン情報記憶手段260の連荘演出パターン格納領域に一時記憶したうえで(S868)、サブメイン情報記憶手段260の保留内連荘演出フラグをオンにして(S870)、本処理を終了する。
一方、遊技状態が変化する予定である場合(S875:YES)には、特定保留が存在するか否かに関わらず、該作動保留球に係る事前判定情報を無視して、本処理を終了する。
以上、第4実施形態によれば、保留内連荘演出により事前に報知した結果と、実際の抽選結果とに齟齬が生じるといった、遊技者の期待を裏切る報知演出を防止することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
なお、上述の第4実施形態の構成は、例えば通常状態(低確率状態)および特別図柄の確変状態(高確率状態)などの複数種の遊技状態を相互に移行可能な遊技機であれば、ST機に限定されず、第2実施形態(玉確タイプ)又は第3実施形態(ノーマル確変タイプ)に係る遊技機に適用してもよい。
[第4実施形態−第1変形例]
次に、第4実施形態の第1変形例に係る遊技機について説明する。この第1変形例に係る遊技機は、基本的には、上述の第4実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
前述の第4実施形態では、遊技状態が変化する予定である場合に、特定保留が存在するか否かに関わらず、主制御基板100からの事前判定結果の情報を無視する構成であったが、これには限定されず、事前判定コマンドに遊技状態に係る情報を付加することで、遊技状態が変化予定である場合でも、該遊技状態の情報が付加された事前判定情報に基づき、演出制御基板200側で先読み判定を実行して、保留内連荘演出A,B判定処理を実行する構成としてもよい。ここで、「遊技状態の情報が付加された事前判定情報」とは、演出制御基板200側で先読み判定の対象となる作動保留球が実際に消化される時点での遊技状態のもとで正しい事前判定結果を特定可能な情報であればその態様は特に限定されるものではない。その一例としては、(1)現在の遊技状態での事前判定結果、(2)次の遊技状態での事前判定結果、(3)現在の遊技状態の残り継続回数(変動回数)、(4)次の遊技状態へ変化するまでの残り継続回数(変動回数)、(5)所定の変動回数以内に遊技状態が変化予定である旨、(6)当該事前判定コマンドにおける保留情報が実際に消化される予定時期における遊技状態までを導き出したうえでの予定遊技状態に関する情報、などの情報のうちの一つ又は二つ以上を適宜に組合せたものが採用される。更には、前述の図57の当否事前判定テーブルに記載されたように、遊技状態(通常状態/確変状態、さらに詳細には通常状態/確変状態/時短状態でもよい)に応じて、抽選結果としての乱数値のもつ意味合いが変化する又は変化しない、といった事前判定番号に関する情報であってもよい。
以上、第4実施形態の第1変形例によれば、遊技状態が変化する予定であっても事前判定結果を無視することなく、該事前判定結果に含まれる遊技状態に係る情報に基づき、変化後の遊技状態のもとで先読み判定を実行することで、保留内連荘演出により事前に報知した結果と、実際の抽選結果とに齟齬が生じるといった、遊技者の期待を裏切る報知演出を防止することができるとともに、保留内連荘演出の実行機会を増加させることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
[第4実施形態−第2変形例]
次に、第4実施形態の第2変形例に係る遊技機について説明する。この第2変形例に係る遊技機は、基本的には、上述の第4実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。なお、この第2変形例では、前述の第4実施形態およびその第1変形例のいずれかにおいて、以下の構成を付加することができる。
本変形例では、保留内連荘演出A判定処理において、先行の作動保留球が大当りとなる場合に、後続の作動保留球内に複数の特定保留が含まれるとき、最先の1個目の特定保留については保留内連荘演出A判定処理での先読み判定の対象となる作動保留球(以下「対象保留」と称する)として扱うが、後発の2個目以降の特定保留については保留内連荘演出A判定処理の対象保留として扱わず、当該後発の特定保留の事前判定情報は無視する。なお、「無視」とは「送られてきた情報を受け取りはするが使用しない」という意味と、「送られてきた情報を受け取りもしない」という意味も含まれる。
それでは、本変形例の作用について図65(A)を参照して説明する。先行の作動保留球X0が消化される時点で、後続の作動保留球X1,X2,X3内に二つの特定保留X1,X3が存在するものとする。このとき、先行の作動保留球X0が消化された結果、大当りとなる場合、二つの特定保留X1,X3のうち先発の特定保留X1との関係でのみ、保留内連荘演出Aの実行可否を判定する。これは、前述したように、保留内連荘演出Aに係る先読み判定では、後続の作動保留球のうち、最先のものから順番に先読み判定を行い、後続の作動保留球内に複数の特定保留が存在する場合には最先の特定保留との関係でのみ保留内連荘演出の実行可否を判定することを理由とするものである。従って、後続の作動保留球内に存在する二つの特定保留X1,X3のうち後発の特定保留X3については、保留内連荘演出Aの対象とはせず、この特定保留X3の事前判定情報を無視する。このように本変形例では、先行の作動保留球が消化されて大当りとなるときに先発の特定保留が存在することに基づき保留内連荘演出Aは実行するが、後発の特定保留が存在することに基づき保留内連荘演出Aは実行しない。
以上、第4実施形態の第2変形例によれば、後続の作動保留球内に複数の特定保留が存在する場合に、最先の特定保留との関係でのみ、保留内連荘演出を実行可能とすることで、その間に存在する他の特定保留(例えば、通常大当りとなることが予定される特定保留)の存在によって、本来意図していた保留内連荘の対象が変動することを防止して、保留内連荘演出が発生したときの満足感を高めることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる
[第4実施形態−第3変形例]
次に、第4実施形態の第3変形例に係る遊技機について説明する。この第2変形例に係る遊技機は、基本的には、上述の第4実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。なお、この第3変形例では、前述の第4実施形態およびその第1変形例のいずれかにおいて、以下の構成を付加することができる。
本変形例では、保留内連荘演出A判定処理において、先行の作動保留球が大当りとなる場合に、後続の作動保留球内に複数の特定保留が含まれるとき、先行の作動保留球に係る大当りと先発の特定保留との関係での保留内連荘演出Aと、先発の特定保留に係る大当りと後発の特定保留との関係での保留内連荘演出Aとが発生し得るが、このとき、先発の特定保留の事前判定情報と後発の特定保留の事前判定情報との双方を遊技者の有利度に基づき比較勘案して、相対的に有利度の高い特定保留の保留内連荘のみを示唆又は報知するように構成する。
それでは、本変形例の作用について図65(B)を参照して説明する。先行の作動保留球X0が消化される時点で、後続の作動保留球X1,X2,X3内に二つの特定保留X1,X3が存在するものとする。このとき、先発の特定保留X1は「8R大当り」、後発の特定保留X3は「16R大当り」である場合、後発の特定保留X3の方が先発の特定保留X1よりも有利度が高い特定保留となる。したがって、先行の作動保留球X0が消化された結果として大当りとなる場合、先発の特定保留X1は相対的に有利度の低い特定保留であるため、先行の作動保留球X0に係る大当りと先発の特定保留X1との関係での保留内連荘演出Aは発生しない。一方、先発の作動保留球X1が消化された結果、大当りとなる場合、後発の特定保留X3は相対的に有利度の高い特定保留であるため、先発の特定保留X1に係る大当りと後発の特定保留X3との関係での保留内連荘演出Aは発生し得る。
以上、第4実施形態の第3変形例によれば、希少性の高い保留内連荘演出の連続的な発生を防止して、真に有利度の高い保留内大当りの告知のみを行うことで、保留内連荘演出の発生に対する興味を高めることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態に係る遊技機について説明する。第5実施形態の遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
第5実施形態の遊技機は、第2実施形態の遊技機と同様に、特別遊技の実行中に遊技球が大入賞口内の特定領域(V領域)に入賞するか否かによって、当該特別遊技の終了後に遊技状態が確変状態へ移行するか否かを決定する、いわゆる玉確タイプの遊技機として構成される。なお、確変状態は、所定回数(ST回数)の図柄変動が行われるまで継続してもよいし、次回の大当りが発生するまで継続するものでもよい。
図66は、第5実施形態における、ぱちんこ遊技機PMの正面図である。図66に示すように、第5実施形態では、遊技領域PA内に単一の大入賞口65(特定領域658を有した玉確アタッカー)のみを搭載している。すなわち、前述の第2実施形態では、特定ラウンドにおいてのみ特定領域658を有した第2大入賞口65が開放され、特定ラウンド以外のラウンドにおいては特定領域658を有していない第1大入賞口64が開放されるよう構成されていたが、第5実施形態では、全てのラウンドにおいて特定領域658を有した大入賞口65が開放されるよう構成されている。なお、大入賞口65の構成については、前述の第2実施形態で既に説明しているので、ここでは重複説明を省略する。
続いて、第5実施形態における大入賞口65の作動パターンについて説明する。始めに、第5実施形態における大当り種別(特別図柄の停止図柄)について説明する。
図67の上段は、第5実施形態における第1特別図柄当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第1特別図柄当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、停止図柄、図柄群、大入賞口65の作動パターンがそれぞれ対応付けられている。このテーブルでは、第1特別図柄の停止図柄「1」〜「6」が、大当りの種別に応じて、3種類の図柄群A,B,Cに分類されている。具体的には、図柄「1」,「2」には、図柄群A(16R長短開放大当り図柄)が、図柄「3」,「4」には、図柄群B(8R長短開放大当り図柄)が、図柄「5」,「6」には、図柄群C(8R短開放大当り図柄)が、それぞれ対応付けられている。
図67の下段は、第2実施形態における第2特別図柄当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第2特別図柄当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、停止図柄、図柄群、大入賞口65の作動パターンがそれぞれ対応付けられている。このテーブルでは、第2特別図柄の停止図柄「11」〜「16」が、大当りの種別に応じて、2種類の図柄群D,Eに分類されている。具体的には、図柄「11」,「12」,「13」には、図柄群D(16R長開放大当り図柄)が、図柄「14」,「15」,「16」には、図柄群E(8R長開放大当り図柄)が、それぞれ対応付けられている。
本例では、複数種の大当り(図柄群A〜E)のうち、いずれの大当りに該当する場合でも、その特別遊技における特定ラウンドでは、特定領域658への確変入賞を振り分けるためのラウンド遊技(「特定ラウンド遊技」と称する)が実行される。
図67(A)に示すように、第1特別図柄による大当りには、16R長短開放大当り、8R長短開放大当りおよび8R短開放大当りの3種類が用意されている。「長短開放大当り」は、特定ラウンドにおいて、特定領域658が長時間開放されて特定領域658への入球が相対的に容易とされる長開放特定ラウンド遊技Aと、特定領域658が短時間開放されて特定領域658への入球が困難とされる短開放特定ラウンド遊技Bとを伴う大当りである。「短開放大当り」は、特定ラウンドにおいて、特定領域658が短時間開放されて特定領域658への入球が相対的に困難とされる短開放特定ラウンド遊技Bのみを伴う大当りである。
一方、図67(B)に示すように、第2特別図柄による大当りには、16R長開放大当りおよび8R長開放大当りの2種類が用意されている。「長開放大当り」は、特定ラウンドにおいて、特定領域658が長時間開放されて特定領域658への入球が相対的に容易とされる長開放特定ラウンド遊技Aのみを伴う大当りである。
続いて、図68は、第5実施形態における大入賞口65の作動パターンを説明するためのタイムチャートである。図68に示す作動パターンは、長開放特定ラウンド遊技Aと短開放特定ラウンド遊技Bの実行状態を概念的に示すものであり、長開放特定ラウンド遊技A、短開放特定ラウンド遊技B、および大入賞口65の閉鎖状態が維持されるインターバル期間(待機期間)の各時間幅の長さおよび比率は、実際の時間幅の長さおよび比率と対応するものではない。なお、前述の第2実施形態では、特定ラウンドにおいて、特別電動役物652と羽根部材655とが同期的に連動制御されて、大入賞口65の開放期間と特定領域658の開放期間とが一致していたが、第5実施形態では、大入賞口65の開放期間と特定領域658の開放期間とが少なくとも一部でずれるよう構成されている。ここで、大入賞口65の開放時間「29秒」は、本例における開放最大時間値である。本例では、いずれの作動パターンにおいても、特定ラウンド以外のラウンドにおいては、大入賞口65を29秒間連続して開放するとともに、特定領域658を常時閉鎖する。一方、特定ラウンドにおいては、長開放特定ラウンド遊技A又は短開放特定ラウンド遊技Bが実行される。なお、本例では、複数回の特定ラウンド(第1特定ラウンド、第2特定ラウンド)が設けられており、第1特定ラウンドを「第1ラウンド」に、第2特定ラウンドを「第8ラウンド」に設定している。なお、本例においても、前述したように、特別遊技終了後の遊技状態が未確定の状況での保留内連荘演出Bの実行可否の判定を規制するため、当該実行可否のタイミングを特定ラウンド以降とするが、特定ラウンドを第1ラウンドに設定することにより、当該第1ラウンドにおいて遊技球が特定領域658を通過して確変移行が確約されれば、第2ラウンド以降の長期間内において保留内連荘演出Bを発生させる機会が確保しやすくなるという効果が得られる。以下では、大入賞口65の作動パターンとして、特定ラウンドにおける大入賞口65および特定領域658の開閉態様を中心に説明する。なお、本例では、大入賞口65と特定領域658との開閉タイミングを完全に独立させている(大入賞口65が閉鎖される前に特定領域658が閉鎖する場合もある)が、好ましくは、大入賞口65と特定領域658とを同期(連動)させ、大入賞口65が閉鎖されたことを契機として特定領域658は閉鎖される(大入賞口65が閉鎖された時点以降で特定領域658が閉鎖される)ものである。この場合は、大入賞口65が長開放であれば、特定領域658も長開放となり、大入賞口65が短開放であれば、特定領域658も短開放とする(大入賞口65の開放により特定領域658も開放し、大入賞口65の閉鎖により特定領域658も閉鎖する)。なお、特定領域658の開放時間を長開放特定ラウンド遊技Aと短開放特定ラウンド遊技Bとで同時間としてもよい。
まず、図68(A)は、16R長開放パターンを示している。16R長開放パターンでは、第1特定ラウンドおよび第2特定ラウンドにおいて長開放特定ラウンド遊技Aが実行される。具体的には、第1ラウンドにおいて、大入賞口65を29秒間連続して開放するとともに、当該大入賞口65の開放開始から9秒経過した後に、特定領域658を20秒間連続して開放する。また、第8ラウンドにおいて、大入賞口65を29秒間連続して開放するとともに、当該大入賞口65の開放開始から1秒経過した後に、特定領域658を28秒間連続して開放する。
図68(B)は、8R長開放パターンを示している。8R長開放パターンでは、前述の16R長開放パターンと同様に、第1特定ラウンドおよび第2特定ラウンドにおいて長開放特定ラウンド遊技Aが実行される。
図68(C)は、16R長短開放パターンを示している。16R長短開放パターンでは、第1特定ラウンドにおいて短開放特定ラウンド遊技Bが実行され、第2特定ラウンドにおいて長開放特定ラウンド遊技Aが実行される。具体的には、第1ラウンドにおいては、大入賞口65を29秒間連続して開放するとともに、当該大入賞口65の開放開始から9秒経過した後に、特定領域658を0.2秒間連続して開放することを定めている。また、第8ラウンドにおいては、大入賞口65を29秒間連続して開放するとともに、当該大入賞口65の開放開始から1秒後に、特定領域658を28秒間連続して開放する。
図68(D)は、8R長短開放パターンを示している。8R長短開放パターンでは、前述の16R長短開放パターンと同様に、第1特定ラウンドにおいて短開放特定ラウンド遊技Bが実行され、第2特定ラウンドにおいて長開放特定ラウンド遊技Aが実行される。
図68(E)は、8R短開放パターンを示している。8R短開放パターンでは、第1特定ラウンドおよび第2特定ラウンドにおいて短開放特定ラウンド遊技Bが実行される。
具体的には、第1ラウンドにおいて、大入賞口65を29秒間連続して開放するとともに、当該大入賞口65の開放開始から9秒経過した後に、特定領域658を0.2秒間連続して開放する。また、第8ラウンドにおいて、大入賞口65を29秒間連続して開放するとともに、当該大入賞口65の開放開始から1秒経過した後に、特定領域658を0.2秒間連続して開放する。なお、本例では、図68(C)〜(E)に示すように、第1ラウンド目が短開放特定ラウンド遊技Bである場合は、大入賞口65が長開放で特定領域658が短開放となる形態を例示したが、本来であれば、短開放特定ラウンド遊技Bとしては大入賞口65および特定領域658の双方が短開放となる形態が望ましい。つまり、16R長短開放大当り、8R長短開放大当りおよび8R短開放大当りの第1ラウンド目(短開放特定ラウンド遊技B)で、大入賞口65および特定領域658を短開放とする開閉パターンを採用してもよい。その変形例1としては、第1ラウンド目の短開放特定ラウンド遊技Bでは、第1ラウンド目の長開放特定ラウンド遊技Aに対して、大入賞口65の開放開始のタイミングを8秒間だけ遅延させてから1.2秒間連続して開放させ、該大入賞口65の開放開始から1秒後に特定領域658を0.2秒間連続して開放させる(つまり、大入賞口65が閉鎖されると特定領域658も即閉鎖される)。この場合、第8ラウンド目の短開放ラウンド遊技Bでは、第8ラウンド目の長開放特定ラウンド遊技Aに対して、大入賞口65の開放開始のタイミングを一致させて、大入賞口65を1.2秒間連続して開放させるとともに、該大入賞口65の開放開始から1秒後に特定領域658を0.2秒間連続して開放させる。また、その変形例2としては、第1ラウンド目の短開放特定ラウンド遊技Bでは、第1ラウンド目の長開放特定ラウンド遊技Aに対して、大入賞口65の開放開始のタイミングを一致させて、大入賞口65を0.2秒間連続して開放させるとともに、該大入賞口65の開放開始から9秒後に特定領域658を0.2秒間連続して開放させる。この場合、第8ラウンド目の短開放ラウンド遊技Bでは、第8ラウンド目の長開放特定ラウンド遊技Aに対して、大入賞口65の開放開始のタイミングを一致させて、大入賞口65を0.2秒間連続して開放させるとともに、該大入賞口65の開放開始から1秒後に特定領域658を0.2秒間連続して開放させる。なお、特定領域658の開放パターンを長開放特定ラウンド遊技A,Bで同時間としてもよい。
続いて、第5実施形態における特別遊技中の昇格演出について説明する。本例では、特別遊技中に実行される昇格演出として、第1の昇格演出(確変昇格演出)と、第2の昇格演出(ラウンド昇格演出)とを備えている。本例における昇格演出とは、大当り開始前もしくは大当り開始時に示唆又は報知された当該大当りに係る利益態様(便宜上、「第1示唆」とする)について、当該大当り中に、「実は、当該大当りに係る利益態様は、第1示唆によって示唆又は報知された利益態様よりも利益度合いが高いのか否か」を示唆又は報知する演出である。つまり、大当り開始前に示唆又は報知された当該大当りの利益態様が、真実なのか、偽(より高い利益態様)なのかを示唆する演出である。更に言えば、有利度が相対的に高い大当りか相対的に低い大当りかを示唆又は報知する演出である。なお、昇格演出は、特別遊技中における大当り演出の一態様として実行される。
図69は、大当り種別と昇格演出との関係を示す模式図である。まず、第1特別図柄で大当りとなった場合、すなわち、「16R長短開放大当り」、「8R長短開放大当り」、「8R短開放大当り」で大当りとなった場合は、その特別遊技中にV確定演出又は確変昇格演出が実行され得る。ここで、V確定演出とは、その特別遊技の開始時などに長開放特定ラウンド遊技A(Vラウンド)を獲得したことを確定的に報知する演出である。また、確変昇格演出とは、特別遊技中における第2特定ラウンド以前のラウンド遊技において、第2特定ラウンドにおける確変獲得の期待度を示唆する演出、すなわち、第2特定ラウンドにて長開放特定ラウンド遊技Aが実行される可能性を示唆する演出である。なお、第1特別図柄で大当りとなる場合とは、典型的には、いわゆる初当り時であり、遊技者はその初当り後の遊技状態が確変状態となるか否かに注視するため、特定ラウンドが長開放特定ラウンド遊技Aとなる可能性を示唆することで、特別遊技中における遊技者の期待感を持続させることができる。なお、「初当り」とは、遊技状態が非電チューサポート状態(普通図柄の当選確率が低確率状態)であるときに、特別図柄の当否判定において当選することで生起された大当りをいう。また、本例では、確変昇格演出の対象として第1特定ラウンドを除外している理由は、第1特別図柄で大当りが発生した場合、大当り種別に関わらず、その特別遊技中の第1特定ラウンドは、短開放特定ラウンド遊技B(実質的に確変獲得が不可能なラウンド遊技)に設定されているので、第1特定ラウンド以前に確変昇格演出を設ける意義が無いからである。但し、本例では、第1特定ラウンドを第1ラウンドに設定しているので、それ以前に確変昇格演出を設けるタイミングは設けられていない。なお、第1特別図柄で大当りした場合は、昇格演出(確変昇格演出)を実行せず、第2特別図柄で大当りした場合のみ、昇格演出(ラウンド昇格演出)を実行するよう構成してもよい。
一方、第2特別図柄で大当りとなった場合、すなわち、「16R長開放大当り」又は「8R長開放大当り」で大当りとなった場合は、その特別遊技中にラウンド確定演出又はラウンド昇格演出が発生し得る。ここで、ラウンド確定演出とは、その特別遊技の開始時などに大当りのラウンド数(16ラウンド又は8ラウンド)を確定的に報知する演出である。具体的には、本例では16R確定演出と8R確定演出とが用意されている。また、ラウンド昇格演出とは、特別遊技中の規定数以前のラウンド遊技において、規定数以降のラウンド遊技が継続される可能性を示唆する演出である(一般に「ラウンドアップ演出」とも称される)。なお、第2特別図柄で大当りする場合とは、典型的には、いわゆる連荘時であり、該連荘時には確変状態が連続して付与されることが概ね確約されており、遊技者は特別遊技のラウンド数(出玉数)に注視するため、後半ラウンドの継続の可能性を示唆することで、特別遊技中における遊技者の期待感を持続させることができる。
ここで、本例における装飾図柄の停止図柄(大当り図柄)は、大別して、「1・1・1」、「3・3・3」、「5・5・5」、「7・7・7・」、「9・9・9」といった確変大当りを示す確変確定図柄と、「2・2・2」、「4・4・4」、「6・6・6」、「8・8・8」といった通常大当り又は確変大当りを示す不確定図柄とに分類される。第1特別図柄で大当りとなった場合は、その特別遊技にてV確定演出および確変昇格演出のうちいずれを実行するかは、装飾図柄決定手段224において選択された装飾図柄の停止図柄(大当り図柄)の種類に応じて決定される。ここで、図69に示すように、大当り種別が16R長短開放大当りである場合、すなわち、大当り図柄が「3・3・3」又は「7・7・7」の奇数図柄である場合は、V確定演出が選択される。また、大当り種別が8R長短開放大当りである場合は、大当り図柄が「1・1・1」、「5・5・5」、「9・9・9」といった奇数図柄であればV確定演出が選択され、大当り図柄が「2・2・2」、「4・4・4」、「6・6・6」、「8・8・8」といった偶数図柄であれば確変昇格演出が選択される。一方、大当り種別が8R短開放大当りである場合、すなわち、大当り図柄が「2・2・2」、「4・4・4」、「6・6・6」、「8・8・8」といった偶数図柄であれば確変昇格演出が選択される。一方、第2特別図柄で大当りとなった場合、その特別遊技にてラウンド確定演出およびラウンド昇格演出のうちいずれを実行するかは、装飾図柄決定手段224において選択された装飾図柄の停止図柄(大当り図柄)の種類に応じて決定される。ここで、図69に示すように、大当り種別が16R長開放大当りである場合は、大当り図柄が「3・3・3」又は「7・7・7」の奇数図柄であればラウンド確定演出(16R確定演出)が選択され、「1・1・1」、「5・5・5」、「9・9・9」といった奇数図柄であればラウンド昇格演出が選択される。一方、大当り種別が8R長開放大当りである場合は、大当り図柄が「2・2・2」、「4・4・4」、「6・6・6」、「8・8・8」といった偶数図柄であればラウンド確定演出(8R確定演出)が選択され、大当り図柄が「1・1・1」、「5・5・5」、「9・9・9」といった奇数図柄であればラウンド昇格演出が選択される。なお、この演出内容(昇格演出、確定演出)は、第1特別図柄の遊技であれば非電チューサポート状態のときしか実行されないように構成してもよく、また、第2特別図柄の遊技であれば電チューサポート状態のときしか実行されないように構成してもよい。さらに、確変昇格演出について、以下の(1)〜(3)のように構成してもよい。(1)非電チューサポート状態のときに第1特別図柄で大当りとなった場合は、特別遊技中(大当り中)に確変昇格演出を実行する一方、非電チューサポート状態のときに第2特別図柄で大当りとなった場合は、特別遊技中(大当り中)ではなく特別遊技の開始前(大当り前)に確変昇格演出を実行するよう構成してもよい(その態様としては、大当りに係る変動中に装飾図柄の組み合わせが「6・6・6」から「7・7・7」となることで、確変昇格したことを示唆する。つまり、この図柄変化をV確定演出とする)。(2)電チューサポート状態のときに第1特別図柄で大当りとなった場合は、特別遊技の開始前(大当り前)に確変昇格演出を実行し且つ特別遊技中(大当り中)の確変昇格演出は実行しないようにし、電チューサポート状態のときに第2特別図柄で大当りとなった場合は、特別遊技の開始前(大当り前)に確変昇格演出を実行する(この場合は必ずV入賞が容易となる大当りであるため、絶対に確変昇格することになる)。(3)但し、上記(2)を適用した場合は、電チューサポート状態のときに第1特別図柄で大当りとなった場合であっても、特別遊技中(大当り中)も遊技者の期待感を持続させるよう、特別遊技中(大当り中)に確変昇格演出を実行してもよい。
(第1の昇格演出)
続いて、確変昇格演出(第1の昇格演出)について説明する。図70は、確変昇格演出の演出内容の一例を示す模式図である。確変昇格演出は、第1特別図柄で大当りとなった場合に、その特別遊技における第2ラウンド〜第7ラウンドまでに跨って、第8ラウンド(第2特定ラウンド)が長開放特定ラウンド遊技Aとなる可能性を示唆する演出である。本例における確変昇格演出は、第2ラウンド〜第4ラウンドまでに実行される入球演出(「第1の入球演出」とも称する)と、第5ラウンド〜第7ラウンドまでに実行されるVラウンド獲得演出とからなる。
第1の入球演出は、図70(A)〜(C)に示すように、第2ラウンド〜第4ラウンドにおいて表示される。第1の入球演出は、大入賞口65への遊技球の入球に応じて画面上に各種のオブジェクトが順次表示される演出であり、特定のオブジェクトの表示態様に応じて長開放特定ラウンド遊技Aへの移行期待度(すなわち確変期待度)が示唆される。
まず始めに、図70(A)に示すように、第2ラウンドが開始されると、演出表示装置70の画面上にメータ画像(第2ラウンド用のメータ画像)が表示される。メータ画像は、横長の帯状に表示され、その内側には目盛が付されている。各ラウンド遊技(第2ラウンド〜第4ラウンド)の開始時はメータ画像の目盛は「0」であり、遊技球が大入賞口65に入球する毎に、メータ画像に1目盛分のオブジェクト(色彩を表すオブジェクト)が表示され、メータ画像が1目盛分ずつ増加するようになっている(次のラウンドに移行する際に目盛はゼロクリアされる)。メータ画像は全9目盛に設定されており、これは各ラウンド遊技における大入賞口65の最大入球数である9個に対応させたものである。つまり、ラウンド遊技において大入賞口65へ最大入球数(9個)の入球があった場合は、9目盛分のオブジェクトの蓄積(1目盛分のオブジェクト×9個)により、メータ画像の目盛が満タン状態になる。メータ画像の1目盛分のオブジェクトの表示態様として、「白色」および「キリン柄」の2種類の色彩のうちのいずれかを取り得る。図面上では、白色およびキリン柄の2種類の表示態様を、それぞれ「無地」および「斜線」によって表現する。このとき、1目盛分のキリン柄オブジェクトが出現する毎に、星(星を模した画像)が1つ表示される(星を1つ獲得できる)。一方、1目盛分の白色オブジェクトが出現しても、星は表示されない(星を獲得できない)。本例では、星を最大で3つ表示可能に構成されており、獲得した星の個数に応じて、長開放特定ラウンド遊技Aへの移行の可能性を示唆している。なお、図示の例では、この第2ラウンドにおいて、7個の遊技球を大入賞口65へ入球させることで、メータ画像が7目盛まで増えたが、キリン柄オブジェクトは出現せず、星を獲得できなかった状態を示している。
続いて、図70(B)に示すように、第3ラウンドが開始されると、画面上に新しいメータ画像(第3ラウンド用のメータ画像)が表示される。図示の例では、この第3ラウンドにおいて、大入賞口65への5個目の入球でキリン柄オブジェクトが出現し、星を1つ獲得できた状態を示している。
次いで、図70(C)に示すように、第4ラウンドが開始されると、画面上に新しいメータ画像(第4ラウンド用のメータ画像)が表示される。図示の例では、この第4ラウンドにおいて、大入賞口65への7個目の入球でキリン柄オブジェクトが出現し、星をもう1つ獲得できた状態を示している。そして、この第4ラウンドの終了時に、第1の入球演出において獲得した星の総数(2個)が確定される。なお、本例では、一のラウンド遊技におけるキリン柄オブジェクトの獲得数は1個となっているが、これに限定されるものではなく、一のラウンド遊技において複数個のキリン柄オブジェクトを獲得できるよう構成してもよい。
次いで、Vラウンド獲得演出は、図70(D)〜(F)に示すように、第5ラウンド〜第7ラウンドにおいて表示される。このVラウンド獲得演出は、第1の入球演出の表示態様(演出結果)と密接に関連し、入球演出の演出結果(オブジェクトの表示態様)に対応した演出内容が導出される演出であり、該演出内容に応じて確変獲得の期待度(長開放特定ラウンド遊技Aへの移行期待度)が示唆される。
図70(D)に示すように、第5ラウンドにおいて、Vラウンド獲得演出の開始に伴い、タイトル画像が報知される。本例では、画面上に「確変昇格チャンスタイム」というタイトル画像が表示される。このタイトルの属性(本例では、複数種の表示色が用意されている)に応じて長開放特定ラウンド遊技Aへの移行期待度を予告するものとなっている。詳細は後述するが、本例では、タイトルの表示色が「青色」<「緑色」<「紫色」<「赤色」の順に長開放特定ラウンド遊技Aへの移行期待度が高くなるように設定されている。このタイトルの属性(表示色)は、入球演出における星の獲得数に応じて異なるものとなっている。図示の例では、星の獲得数「2つ」に対応して、タイトルの表示色が「紫色」である場合を示している。
次いで、図70(E)に示すように、第6ラウンドにおいて、画面上に敵キャラクタが表示されるとともに、「演出ボタン15を連打して敵を撃破せよ」というメッセージが表示され、遊技者に対して演出ボタン15の操作が促される。これに応じて、遊技者が演出ボタン15を操作すると、敵キャラクタを攻撃することができる。
続いて、図70(F)に示すように、第7ラウンドにおいて、敵キャラクタの撃破に成功すると、画面上に「Vラウンド獲得成功」の文字が表示される。一方、図示省略するが、敵キャラクタの撃破に失敗すると、画面上に「Vラウンド獲得失敗」の文字が表示される。但し、実際には、大当りの種類(すなわち、長開放特定ラウンド遊技Aの実行の有無)が予め確定しているため、その種類に応じた演出展開となる。
そして、図示省略するが、第8ラウンド(第2特定ラウンド)において、Vラウンド獲得演出による報知結果に応じた特定ラウンド遊技(長開放特定ラウンド遊技A又は短開放特定ラウンド遊技B)が実行されることになる。このとき、第8ラウンドにおいて、長開放特定ラウンド遊技Aの場合は、例えば「Vを狙え」といったメッセージが登場する所定の演出が発生するが、短開放特定ラウンド遊技Bの場合は、上記所定の演出が発生しない。但し、短開放特定ラウンド遊技Bであっても、特定領域658に入賞すれば、その特別遊技の終了後に確変状態に移行する。なお、上記所定の演出は、第1ラウンド(第1特定ラウンド)が長開放特定ラウンド遊技となる大当りであり、且つ、該第1ラウンドにて特定領域658に入賞した場合は、実行しないよう構成してもよい。
このような確変昇格演出の演出内容(演出パターン)は確変昇格演出パターンテーブルを参照して選択される。図71は、確変昇格演出パターンテーブルの一例を示す模式図である。確変昇格演出パターンテーブルには、複数種の確変昇格演出パターンが規定されている。各図中では、説明の便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には確変昇格演出パターン乱数値に応じて、確変昇格演出パターンを決定するための判定値(乱数値の範囲)が設定されており、確変昇格演出パターン乱数値がいずれの判定値に属するかに基づき、確変昇格演出パターンが決定されるようになっている。
確変昇格演出パターンテーブルには、確変昇格演出パターンに応じて、入球演出の内容(キリン柄オブジェクトの出現の有無、星の獲得数)と、Vラウンド獲得演出の内容(タイトルの表示色)とが定められている(図中の「演出内容」の欄を参照)。図71では、各ラウンドにおけるキリン柄オブジェクトの出現の有無が定められており、「○」はキリン柄オブジェクトが出現することを意味し、「−」はキリン柄オブジェクトが出現しないことを意味している。この○印の個数(つまり、キリン柄オブジェクトの出現数)に応じて、星の獲得数が定まる。そして、この入球演出における星の獲得数に応じて、Vラウンド獲得演出におけるタイトルの表示色が決定する。具体的には、星の獲得数「0」に対してタイトルの表示色「青色」、星の獲得数「1」に対してタイトルの表示色「緑色」、星の獲得数「2」に対してタイトルの表示色「紫色」、星の獲得数「3」に対してタイトルの表示色「赤色」が特定されている。なお、上述の図70の演出例では、確変昇格演出パターンPS107が選択された場合を例示している。
この確変昇格演出パターンテーブルでは、大当り種別に応じて、確変昇格演出パターンの選択率が異なるように設定されている。基本的には、各演出パターンは、最終的な星の獲得数およびタイトルの表示色に応じて選択率が割り振られている。すなわち、大当り種別が16R長短開放大当り又は8R長短開放大当りである場合(長開放特定ラウンド遊技Aを伴う大当りである場合)は、星の獲得数が「0」<「1」<「2」<「3」の順に選択率が高くなり、タイトルの表示色が「青色」<「緑色」<「紫色」<「赤色」の順に選択率が高くなる。一方、大当り種別が8R短開放大当りである場合(長開放特定ラウンド遊技Aを伴わない大当りである場合)は、総獲得点数が「3」<「2」<「1」<「0」の順に選択率が高くなり、タイトルの表示色が「赤色」<「紫色」<「緑色」<「青色」の順に選択率が高くなる。そのため、本例では、総獲得点数が「0点」<「1点」<「2点」<「3点」の順に、および、タイトルの表示色が「青色」<「緑色」<「紫色」<「赤色」の順に、長開放特定ラウンド遊技Aへの移行期待度が高くなる。
なお、タイトルの表示色として「赤色」の出現により、長短開放大当りが確定する仕様としてもよい。この場合は、例えば、図71における「赤色」の選択率を、長短開放大当り:短開放大当り=20:0とする。
(第2の昇格演出)
続いて、ラウンド昇格演出(第2の昇格演出)について説明する。図72は、ラウンドアップ昇格演出の演出内容の一例を示す模式図である。ラウンド昇格演出は、第2特別図柄で大当りとなった場合、その特別遊技における第2ラウンド〜第8ラウンドに跨って、第9ラウンド以降(つまり後半8ラウンド)が実行されるか否かを示唆又は報知する演出である。つまり、このラウンド昇格演出は、例えば、装飾図柄の停止時にはあたかも8R大当りと見せかけて、ラウンド中に実は16R大当りであることを示唆又は報知する昇格演出(8R大当りが16R大当りへ昇格したように見せる演出)の一種である。本例におけるラウンド昇格演出は、第2ラウンド〜第4ラウンドまでに実行される入球演出(「第2の入球演出」とも称する)と、第5ラウンド〜8ラウンドまでに実行される後半ラウンド獲得演出とからなる。
第2の入球演出は、図72(A)〜(C)に示すように、第2ラウンド〜第4ラウンドにおいて表示される。第2の入球演出は、大入賞口65への遊技球の入球に応じて画面上に各種のオブジェクトが順次表示される演出であり、特定のオブジェクトの表示態様に応じて後半8ラウンドの継続期待度(すなわちラウンドアップ期待度)が示唆される。なお、第1の入球演出では、複数種のオブジェクトのうち特定のオブジェクト(キリン柄オブジェクト)の出現個数に応じて、長開放特定ラウンド遊技Aへの移行期待度が示唆されたが、第2の入球演出では、複数種のオブジェクトのうち特別のオブジェクト(金色オブジェクト)が出現した時点でラウンドアップが確定的となる。図面上では、金色の表示態様を、「塗り潰し」によって表現している。なお、その変形例として、第2の入球演出を第1の入球演出と同じ演出パターン(演出内容)で構成してもよく、その場合には、キリン柄のオブジェクトの獲得数に応じてラウンド昇格の期待度が異なるように構成してもよい。
まず始めに、図72(A)に示すように、第2ラウンドが開始されると、演出表示装置70の画面上にメータ画像が表示される。本例においても、各ラウンド遊技の開始時にメータ画像の目盛は「0」であり、該ラウンド遊技において遊技球が大入賞口65に入球する毎に、メータ画像に1目盛分のオブジェクト(白色オブジェクト又は金色オブジェクト)が表示され、メータ画像が1目盛分ずつ増加するようになっている(次のラウンドに移行する際に目盛はゼロクリアされる)。なお、以下では、前述の第1の入球演出と共通する部分については、その説明を省略する。
図72(A)〜(B)に示すように、本例では、第2ラウンド〜第3ラウンドまでに、金色オブジェクトは出現せず、全て白色オブジェクトのみが出現しているものとする。
続いて、図72(C)に示すように、本例では、第4ラウンドにおいて、大入賞口65への7個目の入球により、金色オブジェクトが出現し、後半8ラウンド分のラウンドアップが確定的となる。このとき、金色オブジェクトの出現により、一度に3つの星を獲得することができる(3つの星が点灯する)。
次いで、後半ラウンド獲得演出は、図72(D)〜(F)に示すように、第5ラウンド〜8ラウンドにおいて表示される。この後半ラウンド獲得演出は、入球演出の表示態様(表示結果)と密接に関連し、入球演出の表示態様(オブジェクトの表示態様)に対応した演出画像が表示される演出であり、該演出画像に応じて後半8ラウンドの獲得期待度が示唆される。本例では、図72(D)に示すように、金色オブジェクトを獲得できると、第5ラウンド〜第7ラウンドにおいて、ラウンド昇格の満足感を煽るため、三つの星を継続して表示させたり、金色オブジェクトと関連性のある演出画像(金色のエフェクト)を表示させたりする。そして、図72(E)に示すように、第8ラウンドにおいて、ラウンドアップ成功演出として、画面上に「後半ラウンド獲得成功」の文字が表示される。
一方、図72(F)に示すように、第2ラウンド〜第4ラウンドまでに金色オブジェクトを獲得できないと、第8ラウンドにおいて、ラウンドアップ失敗演出として、画面上に「ラウンド獲得失敗」の文字が表示される。すなわち、第7ラウンドにおいて、後半8ラウンドの獲得結果が確定表示されることになる。但し、実際には、大当りの種類(すなわち、後半8ラウンドの有無)が予め確定しているため、その種類に応じた演出展開となる。
このようなラウンド昇格演出の演出内容(演出パターン)はラウンド昇格演出パターンテーブルを参照して選択される。図73は、ラウンド昇格演出パターンテーブルの一例を示す模式図である。ラウンド昇格演出パターンテーブルには、複数種のラウンド昇格演出パターンが規定されている。各図中では、説明の便宜上、「選択率」を表記しているが、実際にはラウンド昇格演出パターン乱数値に応じてラウンド昇格演出パターンを決定するための判定値(乱数値の範囲)が設定されており、ラウンド昇格演出パターン乱数値がいずれの判定値に属するかに基づき、ラウンド昇格演出パターンが決定されるようになっている。
ラウンド昇格演出パターンテーブルには、ラウンド昇格演出パターンに応じて、入球演出における特別のオブジェクト(金色オブジェクト)の出現タイミングと、後半ラウンド獲得演出における表示結果とが特定されている(図中の「演出内容」の欄を参照)。図73では、第2ラウンド〜第4ラウンドまでの金色オブジェクトの出現の有無が定められており、「○」は金色オブジェクトの出現あり、「−」は金色オブジェクトの出現なし、を表している。そのため、図中のいずれかのラウンドの欄に「○」が付されていれば、そのラウンド昇格演出パターンはラウンドアップ成功となる演出内容となり、いずれのラウンドの欄にも「○」付されていなければ、そのラウンド昇格演出パターンはラウンドアップ失敗の演出内容となる。なお、上述の図72の演出例では、演出パターンPS204が選択された場合を例示している。
このラウンド昇格演出パターンテーブルでは、大当り種別に応じて、ラウンド昇格演出パターンの選択率が異なるように設定されている。基本的には、各演出パターンは、金色オブジェクトの表示態様(出現有無および出現タイミング)に応じて選択率が割り振られている。すなわち、大当り種別が16R長開放大当りである場合(総ラウンド数が16ラウンドである場合)は、金色オブジェクトが出現し、且つ、ラウンドアップが成功となるラウンド昇格演出パターンPS202〜204のみが選択される。一方、大当り種別が8R長開放大当りである場合(総ラウンド数が8ラウンドである場合)は、金色オブジェクトが出現せず、且つ、ラウンドアップが失敗となるラウンド昇格演出パターンPS201のみが選択される。このように、金色オブジェクトは、当否判定結果が16R長開放大当りのときしか選択されないため(8R長開放大当りの場合は選択対象外)、金色オブジェクトの出現は、16R大当りの確定、つまり後半8ラウンドの確保を示すことになる。なお、変形例として、ラウンド昇格演出において金色オブジェクトを獲得できなかった場合であっても、ラウンド昇格を成功させてもよい。また、ラウンド昇格演出においても、キリン柄オブジェクトを出現させて、金色オブジェクトを獲得したときはラウンド昇格確定とし、金色オブジェクトを獲得できなかった場合でも、キリン柄オブジェクトの獲得個数に応じてラウンド昇格の期待度を示唆するように構成してもよい。
これまで説明したように、本例では、第1特別図柄の大当り種別として、長短開放大当りと短開放大当りを設けて、長短開放大当りであれば、第1特定ラウンドを短開放特定ラウンド遊技B、第2特定ラウンドを長開放特定ラウンド遊技Aに設定する一方で、長短開放大当りであれば、第1特定ラウンドおよび第2特定ラウンドを短開放特定ラウンド遊技Bに設定している。このとき、いずれの大当りであっても、第1特定ラウンドでは確変獲得の期待度が相対的に低いため、第2特定ラウンドにて確変獲得の有無が振り分けられる。そのため、第1特定ラウンドの終了後〜第2特定ラウンド開始前までの間に、第2特定ラウンドが長開放特定ラウンド遊技Aであるか否か、すなわち、確変昇格の期待度を示唆又は報知するものである。一方、第2特別図柄の大当り種別として、長開放大当りのみを設けて、第1特定ラウンドおよび第2特定ラウンドを長開放特定ラウンド遊技Aに設定している。長開放大当りの場合は、基本的には第1特定ラウンドにて確変獲得がほぼ確約されているため、改めて第2特定ラウンドにおける確変獲得の可能性を示唆する意義は小さい。そのため、第1特定ラウンドの終了後〜第2特定ラウンドまでの間に、第2特定ラウンド以降においてラウンド遊技が継続するか否か、すなわち、ラウンド昇格の期待度を示唆又は報知するものである。
以上、第5実施形態によれば、特別遊技中の所定ラウンド以前に大当りの種類に応じて実行される二種類の昇格演出を備え、互いに異なる二種類の昇格演出の一部を同系統の入球演出で構成して、第1特別図柄で大当りした場合は、第1の昇格演出により、所定ラウンド以降における確変獲得の期待度(確変ラウンドの獲得期待度)を示唆する一方で、第2特別図柄で大当りした場合は、第2の昇格演出により、所定ラウンド以降におけるラウンド継続の期待度(後半ラウンドの獲得期待度)を示唆することで、二種類の昇格演出を兼用した同系統演出(入球演出)の発生頻度を確保しながらも、昇格演出にバリエーションをもたせて、大当り演出の演出効果を高めることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
なお、上述の第5実施形態では、遊技領域PA内に単一の大入賞口65のみ(特定領域658を有した大入賞口65のみ)を備えた構成を例示したが、この構成に限定されるものではなく、例えば、前述の第2実施形態と同様に、遊技領域PA内に二つの大入賞口64,65(特定領域658を有しない大入賞口64と特定領域658を有した大入賞口65)を備えた構成に適用してもよい。このとき、上述の第2実施形態では、第1大入賞口64および第2大入賞口65が遊技領域PAにおける右下領域に上下に近接するように配置されており、特別遊技の実行中においては、特定ラウンドでは下側の第2大入賞口65(および特定領域658)を開放させ、特定ラウンド以外のラウンドでは上側の第1大入賞口65)を開放させるよう構成されていたが、この構成に限定されるものではない。例えば、前述の第2実施形態と同様の大入賞口64,65の配置を採用しながらも、第2実施形態とは大入賞口64,65の開放パターンを異ならしめてもよい。その一例としては、16R特別遊技が実行されるとき、奇数回(1R,3R,5R…)のラウンド遊技では上側の第1大入賞口64を開放し、偶数回(2R,4R,6R…)のラウンド遊技では下側の第2大入賞口65を開放する。そして、奇数回のラウンド遊技においては、いずれのラウンド遊技であっても、大入賞口64を長開放(29秒開放)する。一方、偶数回のラウンド遊技においては、特定ラウンド以外のラウンドでは、大入賞口65を長開放(29秒開放)し、特定領域658を常時閉鎖する一方で、第1特定ラウンド(1R)では、大入賞口65および特定領域658を短開放(0.5秒開放)し、第2特定ラウンド(7R)では、大入賞口65および特定領域658を長開放(29秒開放)する。このとき、第1大入賞口64および第2大入賞口65が1ラウンド毎に交互に開閉されることで、或るラウンドにおいて一方の大入賞口が閉鎖されると同時に、他方の大入賞口が開放されて次のラウンドが開始されることになる。そのため、或るラウンドにおいて一方の大入賞口が閉鎖されて入球できなかった遊技球や入球が間に合わなかった遊技球が、これと隣接する他方の大入賞口に入球し得る機会が増大する。また、第1大入賞口64および第2大入賞口65が上下に近接しているため、遊技者は同じ位置を狙えばよく、遊技球の打ち出し強度を変化させずに遊技が可能となる。これにより大入賞口への入球効率が高められて、遊技者の利得感が向上するものとなる。このとき、長短開放大当りや短開放大当りの場合でも、特定ラウンド以外のラウンドでは、いずれの大入賞口64,65も長開放(29秒開放)となり、前述のように入球効率が高められているので、従来以上に出玉獲得の機会が得られ、遊技者にとってもメリットになる。なお、変形例としては、大入賞口64,65の作動ラウンドを上記と逆転させて、第1大入賞口64を偶数回(2R,4R,6R…)のラウンド遊技で開放し、第2入賞口65を奇数回(1R,3R,5R…)のラウンド遊技で開放してもよい。
また、前述の第5実施形態では、特別遊技の実行中において、特定領域658への入球の有無により該特別遊技の終了後に確変状態へ移行するか否かを振り分ける特定ラウンドを設定して、大入賞口65(特定領域658)を狙った遊技球の打ち出しによって特定領域658への入球を指示する特定領域入球指示演出や、特定領域658に入球したことで特別遊技の終了後に確変状態へ移行することを報知する特定領域入球報知演出(第2実施形態を参照)などが実行されるようになっている。特定領域入球演出の演出例としては、画面上に「Vを狙え!」や「Vに入れば確変だ!」といったメッセージを表示することが挙げられる。また、特定領域入球報知演出の演出例としては、画面上に「V入賞!」や「確変ゲット」といったメッセージを表示することが挙げられる。このとき、非特定遊技状態(本例では、開放延長機能の非作動時)において第1特別図柄で大当りした場合は、特定遊技状態(本例では、開放延長機能の作動時)において第2特別図柄で大当りした場合よりも、特定領域入球指示演出および特定領域入球演出の少なくとも一方の実行確率を低くなるよう構成、又は、特定領域入球指示演出および特定領域入球演出の少なくとも一方を実行しないよう構成してもよい。すなわち、本例では、第1特別図柄で大当りした場合(すなわち、初当りの場合)は、確変を獲得したか否かが不確定な状況(16R又は8R長短開放大当りのときは確変獲得の可能性が高く、8R短開放大当りのときは確変獲得の可能性が低い)であり、遊技者は確変獲得の有無に注目するので、特定領域658が長開放となる第2特定ラウンド(第7ラウンド)において、特定領域入球指示演出および特定領域入球報知演出を実行することで、確変獲得の期待感や満足感を高めることができる。一方、第2特別図柄で大当りした場合(すなわち、連荘状態の場合)は、基本的には、確変獲得が確定的な状況(16R又は8R長開放大当りとのきは確変獲得の可能性が高い)であり、遊技者の確変獲得に対する関心はあまり大きなものではないので、特定領域入球指示演出および特定領域入球報知演出の少なくとも一方を実行しなかったり、たとえ実行したとしても上記メッセージを小さく表示したり表示態様を簡略化したりしてもよい。
また、前述の第5実施形態では、いわゆる連荘が規定回数だけ継続した場合に、希少性のある特別演出(いわゆる昇天演出)が発生する。本例においても、前述の第1実施形態と同様に、いわゆる連荘状態に関して所定条件を充足した場合に特別演出(いわゆる昇天演出)の実行可否を判定する。なお、所定条件とは、例えば、連荘回数が所定回数に到達、連荘状態における特定大当りの累積回数が所定回数に到達、連荘状態での累積獲得賞球数が所定数に到達、連荘状態中に特定の演出(図柄変動中又は特別遊技中の特定演出)を発生させた場合などが挙げられる。この特別演出は、連荘回数N=Nset回目(Nset:規定回数)の大当りに係る図柄変動演出と、該Nset回目の大当りに係る特別遊技とに跨って実行される。なお、その変形例としては、特別演出は、連荘回数N=Nset回目(Nset:規定回数)の大当りに係る図柄変動演出と、該Nset回目の大当りに係る特別遊技とに跨っていなくてもよい(いずれか一方にて実行されるものでもよい)。このとき、特別演出が実行される場合は、特別演出が実行されない場合よりも、その特別遊技における特定ラウンドにおいて、特定領域入球指示演出および特定領域入球演出の少なくとも一方の実行確率を低くなるよう構成、又は、特定領域入球指示演出および特定領域入球演出の少なくとも一方を実行しないよう構成してもよい。また、たとえ特定領域入球指示演出又は特定領域入球演出を実行したとしても、上記メッセージを小さく表示させたり簡略化させたりしてもよい。その理由は、特別遊技の実行中における特別演出と特定領域入球指示演出(特定領域入球報知演出)との競合により、かえって両者の演出効果が希薄になってしまうのを回避するためであり、この場合は、希少性の高い特別演出の実行を優先する方が遊技者にとっても満足の得られる結果となるからである。
[第5実施形態−第1変形例]
次に、第5実施形態の第1変形例に係る遊技機について説明する。本変形例に係る遊技機は、基本的には、上述の第5実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
(第3の昇格演出)
前述の第5実施形態では、第2特別図柄で大当りとなった場合、大当り図柄(装飾図柄)が偶数図柄(例えば「2・2.2」など)であれば、その特別遊技中にラウンド昇格演出が実行され得るよう構成されているが、本変形例では、第2特別図柄で大当りとなった場合、大当り図柄(装飾図柄)が偶数図柄(例えば「2・2・2」など)であれば、その特別遊技の実行中にラウンド昇格および保留内連荘Bのいずれかの発生を示唆又は報知する第3の昇格演出が実行されるよう構成されている。すなわち、本変形例では、ラウンド昇格演出と保留内連荘演出Bとを所定の演出(入球演出)にて兼用し、その演出の結末(演出結果)に基づき、その演出過程でラウンド昇格および保留内連荘のいずれを示唆又は報知していたかが確定するものである。なお、該第3の昇格演出に、いわゆるガセの演出を含めてもよい。つまり、入球演出の結末で「残念!」というメッセージを表示してラウンド昇格および保留内連荘のいずれの発生も無いことを報知したり、演出が何事もなく終了して何も報知しない構成としてもよい。
まず、本変形例では、特別遊技の開始時に、その大当り図柄が偶数図柄であれば、第3の昇格演出として、ラウンド昇格演出および保留内連荘演出Bのいずれを実行するかを判定する。具体的には、特別遊技の開始時に、後続の作動保留球内に特定保留が存在すれば、80%の割合(高確率)で保留内連荘演出Bの実行を決定し、20%の割合(低確率)で保留内連荘演出Bの非実行を決定する。また、特定保留が存在しなければ、20%の割合(低確率)で保留内連荘演出Bの実行を決定し、80%の割合(高確率)で保留内連荘演出Bの非実行を決定する。一方、保留内連荘演出Bの非実行を決定した場合は、ラウンド昇格演出の実行を決定する。このとき、保留内連荘演出Bの実行を決定した場合は、保留内連荘演出フラグをオンにする。同様に、ラウンド昇格演出の実行を決定した場合は、ラウンド昇格演出フラグをオンにする。なお、本例では、優先消化(第2特別図柄の作動保留球を優先的に消化)を採用していることを前提として、これらの演出は、特に、確変状態中(少なくとも時短中を含む)の第2特別図柄の大当りおよび第2特別図柄の特定保留において発生することが好ましい。
図74は、第3の昇格演出の演出内容の一例を示す模式図である。本例における第3の昇格演出は、第2ラウンド〜第6ラウンドまでに実行される入球演出(「第3の入球演出」とも称する)と、第7ラウンドに実行される昇格内容報知演出とからなる。
第3の入球演出は、図74(A)〜(C)に示すように、第2ラウンド〜第6ラウンドにおいて表示される(図示の例では、第3ラウンドおよび第5ラウンドを省略している)。第3の入球演出は、前述までの入球演出と同様に、大入賞口65への遊技球の入球に応じて画面上に各種のオブジェクトが順次表示される演出であり、特定のオブジェクトの表示態様に応じてラウンド昇格又は保留内連荘の可能性を示唆する。すなわち、この第3の入球演出では、遊技者に対してラウンド昇格および保留内連荘のいずれの可能性があるのかを秘匿した状態で、当該演出が進行することになる。そして、本例においても、メータ画像に1目盛分のキリン柄オブジェクトが出現するたびに、星(星を模した画像)を1つ獲得できる。本例では、星を最大で5つ表示可能に構成されており、獲得した星の個数に応じて、ラウンド昇格又は保留内連荘の可能性が示唆される。つまり、獲得した星の個数が多いほど、ラウンド昇格又は保留内連荘の期待度が向上する。図示の例では、第2ラウンド〜第6ラウンドまでの間に、4つの星を獲得したことになる。
次いで、昇格内容報知演出は、図74(D)〜(F)に示すように、第7ラウンドにおいて表示される。この昇格内容報知演出は、第2ラウンド〜第6ランドまでの第3の入球演出の表示態様(キリン柄オブジェクトの個数又は星の個数)により、その演出過程においてラウンド昇格および保留内連荘のいずれの可能性を示唆していたのかを報知するものである。ここで、図74(D)に示すように、第7ラウンドの開始時に、「ボタンを押してみよう!」というメッセージが表示される。これに応じて、遊技者が演出ボタン15を操作すると、ラウンド昇格および保留内連荘のいずれの可能性を示唆していたのかが報知される。図74(E)に示すように、大当り開始時の判定結果がラウンド昇格演出の実行であった場合(ラウンド昇格演出フラグがオンである場合)は、画面上に「ラウンドアップチャンス!」というメッセージが表示され、後半8ラウンドの獲得の可能性があることを示唆する。
一方、図74(F)に示すように、大当り開始時の判定結果が保留内連荘演出Bの実行であった場合(保留内連荘演出フラグがオンである場合)は、画面上に「連荘チャンス!」というメッセージが表示され、保留内連荘(次回の大当り発生)の可能性があることを示唆する。このように、昇格内容報知演出の演出結果に基づき、ラウンド昇格の可能性があるのか又は保留内連荘の可能性があるのかを、遊技者に対して明確に教示することができる。
以上、第5実施形態の第1変形例によれば、互いに種類の異なるラウンド昇格演出と保留内連荘演出とを同系統の入球演出で構成して、所定ラウンドに達するまでは昇格内容情報を遊技者に秘匿した状態で実行し、所定ラウンドに達したときの演出結果として昇格内容情報を遊技者に報知する構成であるため、その前後の遊技状況や演出内容などから秘匿中の昇格内容情報を遊技者に推測させる楽しみを付与することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。なお、変形例としては、図示例の第7ラウンドにおいて演出ボタン15が操作された時点で昇格内容情報を確定させてもよい。つまり、ボタン押しのタイミングで、「ラウンドアップチャンス」、「連荘チャンス」、「残念」などの演出結果を表示させてもよい。また、昇格内容情報を報知するための条件として、ボタン操作を必要としなくてもよい。また、入球演出を実行したラウンド内(ラウンド中)もしくは該ラウンド終了後に昇格内容報知演出を実行してもよい。その場合は、入球演出を実行するラウンドを、所定の抽選により決定してもよい(入球演出を実行するか否かの抽選に当選したラウンドにて実行してもよい)。また、特別遊技において「長開放ラウンド〜継続演出〜終了」といった流れの場合、この長開放ラウンドで特別遊技を終了する(つまり、該特別遊技においてそれ以降のラウンドは存在しない)仕様でもよく、また、この長開放ラウンド以降は所定数の短開放ラウンドを実行し、その後に特別遊技を終了する(つまり、長開放ラウンド以後もラウンドは継続するが、実質的に賞球獲得期待値は無いに等しい)仕様でもよい。また、ラウンド昇格演出(ラウンドアップ演出)は、遊技状態が通常状態のときに第1特別図柄で大当りとなった場合に確変昇格演出が実行されるラウンドとは異なるラウンドで実行されてもよく、更に言えば、特定回数目(本例では第8ラウンド)のラウンド以前に限らず、特定回数目以降や特定回数目に実行されてもよい。
[第6実施形態]
次に、第6実施形態に係る遊技機について説明する。第6実施形態の遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
第6実施形態の遊技機は、第1実施形態の遊技機と同様に、特別図柄で大当りした場合に、確変突入率が100%の回数切り確変機、いわゆる「ST機」と称される遊技機である。
まず、第6実施形態における、特別図柄の当否判定、停止図柄判定、変動パターン判定について説明する。
ここで、図75は、第6実施形態における特別図柄当否抽選テーブルを模式的に示す図であり、(A)は通常状態(低確率状態)で参照され、(B)は確変状態(高確率状態)で参照される。この特別図柄当否抽選テーブルには、特別図柄当り乱数値と、大当り、小当り、はずれの判定結果とが対応付けられており、この対応付けられた乱数範囲に応じて大当りおよび小当りの当選確率が定まる。図75からも分かるように、特別図柄遊技の当否抽選において、通常状態(低確率状態)では乱数値が「0〜217」の範囲に該当したときのみ大当りとなる。一方、確変状態(高確率状態)では大当りの範囲が拡大され、乱数値が「0〜217」の範囲に該当する場合だけでなく、「218〜2170」の範囲に該当する場合にも大当りとなる。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、大当りの抽選確率が低確率状態(約1/300)から高確率状態(約1/30)に変動する。このように大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化するが、第1特別図柄の当否抽選と第2特別図柄の当否抽選とで大当りの当選確率は等しい。ここで、特別図柄当り乱数値が大当りの範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当する場合には小当りとなる。本例では、第1特別図柄の当否抽選のみ小当りが存在するように構成しているが、例えば、第2特別図柄の当否抽選にも小当りを設けて、第2特別図柄の当否抽選よりも第1特別図柄の当否抽選のほうが高い確率で小当りとなるように構成してもよい。
続いて、図76の上段は、第6実施形態における第1特別図柄当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第1特別図柄当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、停止図柄、図柄群、大当りの内容(特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能の作動回数、第1大入賞口64の作動パターン)がそれぞれ対応付けられている。このテーブルでは、第1特別図柄の停止図柄「1」〜「6」が、大当りの種別に応じて、3種類の図柄群A〜Cに分類されている。具体的には、図柄「1」,「2」には、図柄群A(16R特定時短有図柄)が、図柄「3」,「4」には、図柄群B(8R特定時短有図柄)が、図柄「5」,「6」には、図柄群C(2R特定時短有図柄)が、それぞれ対応付けられている。
続いて、図76の下段は、第6実施形態における第2特別図柄当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第2特別図柄当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、停止図柄、図柄群、大当りの内容(特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能の作動回数、第2大入賞口65の作動パターン)がそれぞれ対応付けられている。このテーブルでは、第2特別図柄の停止図柄「11」〜「16」が、大当りの種別に応じて、2種類の図柄群D,Eに分類されている。具体的には、図柄「11」,「12」,「13」には、図柄群D(16R特定時短有図柄)が、図柄「14」,「15」,「16」には、図柄群E(8R特定時短有図柄)がそれぞれ対応付けられている。
第6実施形態では、上記のように、大当り種別として、16R大当りと8R大当りと2R大当りとの3種類が設けられている。そして、特別遊技における賞球獲得の期待値(賞球獲得期待値)は、16R大当り>8R大当り>2R大当りとなっている。前述したように、本例においても、16R大当りを、賞球獲得期待値の最も高い「高利益大当り」とも称し、2R大当りを、賞球獲得期待値の最も低い「低利益大当り」とも称する。
続いて、図77は、第6実施形態における変動パターンテーブルを模式的に示す図である。なお、図77では、複数種の変動パターンテーブルのうち、遊技状態が確変状態のとき(変動パターン選択状態が高確率短縮変動状態βのとき)に参照される確変変動パターンテーブルのみを図示している。本例では、便宜上、各変動パターンテーブルを第1特別図柄用と第2特別図柄用とで共通化しているが、特には、本テーブルを遊技状態が確変状態であるときに参照される第2特別図柄に係る変動パターンテーブルとすることが望ましい(その場合は小当りの設定はない)。その場合、各変動パターンテーブルを第1特別図柄用と第2特別図柄用とで相違させて、同一の特別図柄変動パターン乱数値が取得されたとしても、互いに異なる変動パターンが選択され得るように構成される。また、各図中では、説明の便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には特別図柄変動パターン乱数値に応じて、変動パターンを決定するための判定値(乱数値の範囲)が設定されており、変動パターン乱数値がいずれの判定値に属するかに基づき、変動パターンが決定されるようになっている。
まず、図77(A)は、第6実施形態における大当り・小当り用の確変変動パターンテーブルを示す。前述したように、本テーブルは、遊技状態が確変状態のとき(変動パターン選択状態が高確率短縮変動状態βのとき)に選択される変動パターンテーブルである。この大当り・小当り用の確変変動パターンテーブルでは、大当り・小当りの種別に応じて各種の変動パターンが割り当てられている。具体的には、大当り種別が16R大当り又は8R大当りである場合は、変動パターンPX4(スーパーリーチ)が選択される。また、大当り種別が2R大当りである場合は、変動パターンPX3(ノーマルリーチ)が選択される。また、小当りである場合は、2R大当りである場合と同様に、変動パターンPX3(ノーマルリーチ)が選択される。このように、特別図柄の当否判定の結果が大当り又は小当りとなった場合には、非リーチ態様の変動パターンが選択されることはなく、必ずリーチ態様の変動パターンが選択される。なお、本例では、説明の便宜上、16R大当りおよび8R大当りのいずれの場合も、共通の変動パターンPX4が選択されるよう構成したが、これに限定されるものではなく、例えば、16R大当りである場合は変動パターンPX1−1、8R大当りである場合は変動パターンPX1−2が選択されるものとし、互いに変動時間を異ならしめたり、たとえ変動時間が同一であっても演出制御基板200側で異なる変動演出パターンが選択されるよう構成してもよい。
一方、図77(B)は、第6実施形態におけるはずれ用の確変変動パターンテーブルを示す。具体的には、当否抽選の結果がはずれの場合は、変動パターンPH1(非リーチ:短縮変動)、変動パターンPH2(非リーチ:通常変動)、変動パターンPH3(ノーマルリーチ)、変動パターンPH4(スーパーリーチ)のうちのいずれかが選択される。
続いて、図78は、第6実施形態における変動演出パターンテーブルの一例を模式的に示す図である。ここでは、説明の便宜上、スーパーリーチ種別の変動演出パターンテーブルのみを示し、非リーチ種別およびノーマルリーチ種別の変動演出パターンテーブルについては省略する。本例における変動演出パターンテーブルでは、大当りの変動パターンとはずれの変動パターンに対して、複数種のスーパーリーチ演出のうちのいずれかを選択可能なように乱数の値が割り振られている。具体的には、変動パターンPX4,PH4に対して各種のスーパーリーチ演出が対応付けられている。なお、各図中では、説明の便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には変動演出パターン乱数値に応じて、変動演出パターンを決定するための判定値(乱数値の範囲)が設定されており、変動演出パターン乱数値がいずれの判定値に属するかに基づき、変動演出パターンが決定されるようになっている。
ここで、本例におけるスーパーリーチ演出について説明する。各スーパーリーチ演出は、確変演出モードβにおいて、遊技者側の味方キャラクタが敵キャラクタX(X1,X2,X3,X4,X5)と対戦するバトル系演出として構成される。このバトル系演出は、味方キャラクタの勝利によって当該変動での大当りの確定(すなわち、連荘状態の確定)を示唆又は報知する演出である。ST期間の継続期間、すなわち、確変状態の終期までの間に、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利できなければ、大当りを獲得できず、遊技状態が確変状態から通常状態へ戻ることになる。具体的には、各スーパーリーチ演出が開始されると、複数の敵キャラクタX1,X2,X3,X4,X5のうちのいずれかが対戦相手として登場する。このとき、スーパーリーチ演出1には敵キャラクタX1、スーパーリーチ演出2には敵キャラクタX2、スーパーリーチ演出3には敵キャラクタX3、スーパーリーチ演出4には敵キャラクタX4、スーパーリーチ演出5には敵キャラクタX5が登場する。敵キャラクタの強さは、「敵キャラクタX1」>「敵キャラクタX2」>「敵キャラクタX3」>「敵キャラクタX4」>「敵キャラクタX5」の順になっている。そのため、複数の敵キャラクタのうち最強の敵キャラクタX1が登場すると、味方キャラクタが敗北する可能性が高く、大当り期待度は低くなる。逆に、複数の敵キャラクタのうち最弱の敵キャラクタX5が登場すると、味方キャラクタが勝利する可能性が高く、大当り期待度は高くなる。
前述のとおり、スーパーリーチ演出は、当否抽選結果が16R大当り、8R大当り又ははずれの場合に選択される変動演出パターンである。ここで、16R大当り又は8R大当りの場合に選択される変動演出パターンPEX41〜45については、味方キャラクタがバトルにて最終的に勝利する演出内容となる一方で、はずれの場合に選択される変動演出パターンPEH41〜45については、味方キャラクタがバトルにて最終的に敗北する演出内容となる。このとき、各スーパーリーチ演出の関係について言えば、16R大当り又は8R大当りの場合には、スーパーリーチ演出1、スーパーリーチ演出2、スーパーリーチ演出3、スーパーリーチ演出4およびスーパーリーチ演出5の選択率が均等である一方で、はずれの場合には、スーパーリーチ演出5<スーパーリーチ演出4<スーパーリーチ演出3<スーパーリーチ演出2<スーパーリーチ演出1の順に選択率が高くなっている。そのため、各スーパーリーチ演出に関しては、「スーパーリーチ演出1」<「スーパーリーチ演出2」<「スーパーリーチ演出3」<「スーパーリーチ演出4」<「スーパーリーチ演出5」の順に、大当り期待度(高利益大当りへの期待度)が高くなるように設定されている。つまり、前述の敵キャラクタの強弱に応じて、各スーパーリーチ演出の大当り期待度が設定されている。
続いて、第6実施形態における保留内連荘演出について説明する。本例では、図柄変動中に発生する第1の保留内連荘演出(保留内連荘演出A)と、特別遊技中に発生する第2の保留内連荘演出(保留内連荘演出B)とのうち、第2の保留内連荘演出(保留内連荘演出B)を対象としている。なお、前述のとおり、保留内連荘は、先行の作動保留球が大当りしたときの遊技状態が特定遊技状態(本例では、少なくとも電チューサポート機能が作動している状態)であることを前提とする。また、保留内連荘の対象となる後続の作動保留球(特定保留)は、第2始動口62への入球に基づき生起する第2特別図柄の作動保留球である。そして、保留内連荘演出Bの実行可否は、特別遊技の開始前のタイミングにおいて所定の実行条件が成立している場合に抽選にて決定される。本例では、先行の作動保留球が高利益大当り(16R大当り)となることを前提とし、後続の作動保留球内に特定保留(16R大当り、8R大当り)が存在する場合の他、後続の作動保留球内に特定保留が存在しない場合(全てはずれ保留である場合)でも、所定の実行条件が成立するものとする。そのため、保留内連荘演出Bは、保留内連荘が成立する「真実の演出」として実行される場合と、保留内連荘が成立しない「ガセの演出」として実行される場合とがある。
図79は、第6実施形態における保留内連荘演出Bの連荘演出パターンを選択する際に参照される連荘演出パターンテーブルである。連荘演出パターンテーブルには、複数種の連荘演出パターンが規定されており、各連荘演出パターンに対応して演出内容および実行タイミングが定められている。本例における保留内連荘演出Bは、遊技者側の味方キャラクタが敵キャラクタX(X1,X2,X3,X4,X5)と対戦するバトル系演出として構成される。つまり、本例における保留内連荘演出Bは、前述の図柄変動演出(スーパーリーチ演出)と同様に、バトル系演出が採用されており、該保留内連荘演出Bと前述の図柄変動演出(スーパーリーチ演出)とが互いに関連する演出内容として構成されている。具体的には、先行の作動保留球(高利益大当りの特定保留)が消化された際に発生する大当りの図柄変動演出(「先の大当り変動演出」と称する)と、当該大当りに基づく特別遊技中に発生する保留内連荘演出Bとが、共通の敵キャラクタを対戦相手とするバトル系演出として発生する。そのため、保留内連荘演出Bの演出内容は、先の大当り変動演出(スーパーリーチ演出)の演出内容(敵キャラクタX)と対応したものとなる。また、この保留内連荘演出Bに係るバトル系演出は、後続の作動保留球内に特定保留が存在する場合には、味方キャラクタが勝利する演出内容(真実の演出)となり、後続の作動保留球内に特定保留が存在しない場合には、味方キャラクタが敗北する演出内容(ガセの演出)となる。そのため、保留内連荘演出Bの連荘演出パターンは、先の大当り変動演出の演出内容(敵キャラクタX)と、後続の作動保留球内における特定保留の有無との関係に基づき決定される。例えば、後続の作動保留球内(第2特別図柄の作動保留球内)に特定保留が存在する場合は、変動演出パターンPEX41(敵キャラクタX1に勝利)に対応して連荘演出パターンPB61(敵キャラクタX1に勝利)が選択され、変動演出パターンPEX42(敵キャラクタX2に勝利)に対応して連荘演出パターンPB62(敵キャラクタX2に勝利)が選択され、変動演出パターンPEX43(敵キャラクタX3に勝利)に対応して連荘演出パターンPB63(敵キャラクタX3に勝利)が選択され、変動演出パターンPEX44(敵キャラクタX4に勝利)に対応して連荘演出パターンPB64(敵キャラクタX4に勝利)が選択され、変動演出パターンPEX45(敵キャラクタX5に勝利)に対応して連荘演出パターンPB65(敵キャラクタX5に勝利)が選択される。一方、後続の作動保留球内に特定保留が存在しない場合は、変動演出パターンPEX41(敵キャラクタX1に勝利)に対応して連荘演出パターンPB71(敵キャラクタX1に敗北)が選択され、変動演出パターンPEX42(敵キャラクタX2に勝利)に対応して連荘演出パターンPB72(敵キャラクタX2に敗北)が選択され、変動演出パターンPEX43(敵キャラクタX3に勝利)に対応して連荘演出パターンPB73(敵キャラクタX3に敗北)が選択され、変動演出パターンPEX44(敵キャラクタX4に勝利)に対応して連荘演出パターンPB74(敵キャラクタX4に敗北)が選択され、変動演出パターンPEX45(敵キャラクタX5に勝利)に対応して連荘演出パターンPB75(敵キャラクタX5に敗北)が選択される。
これにより、先の大当り変動演出にて登場した敵キャラクタを、保留内連荘演出Bにて再度登場させ、両者を互いに共通又は関連するバトル系演出として構成することができる。また、同一の敵キャラクタを対戦相手として、先の大当り変動演出に係るバトル系演出にて勝利するとともに、保留内連荘演出Bに係るバトル系演出にて再度勝利すると、後続の作動保留球内に特定保留が存在すること、すなわち、保留内連荘が確定的となる。逆に、同一の敵キャラクタを対戦相手として、先の大当り変動演出に係るバトル系演出にて勝利する一方で、保留内連荘演出Bに係るバトル系演出にて敗北すると、保留内連荘が否定される。
前述したように、スーパーリーチ演出は、そのバトル系演出に登場した敵キャラクタXの種類に応じて、大当り期待度が設定されている。つまり、対戦相手の敵キャラクタXが強くなるほど大当り期待度は低くなり、対戦相手の敵キャラクタXが弱くなるほど大当り期待度は高くなる。これを踏襲するかたちで、保留内連荘演出Bにおいても、対戦相手の敵キャラクタXの種類に応じて、保留内連荘の期待度が設定されている。つまり、対戦相手の敵キャラクタXが強くなるほど保留内連荘の期待度は低くなり(ガセの演出の発生頻度が相対的に高くなり)、対戦相手の敵キャラクタXが弱くなるほど保留内連荘演出Bの期待度は高くなる(ガセの演出の発生頻度が相対的に低くなる)。従って、変動演出パターンの期待度が相対的に低いほど、その図柄変動演出にて大当りした場合には、特別遊技中における保留内連荘演出Bの発生頻度が相対的に高くなるといえる。つまり、対戦相手の敵キャラクタXが強くなるほど、その変動演出パターンの大当り期待度は相対的に低くなるが、本例では、特別遊技中の保留内連荘演出Bにて同一の敵キャラクタXを再度登場させることになっているため、対戦相手の敵キャラクタXが強くなるほど、該保留内連荘演出Bとしてガセの演出の発生頻度は相対的に高くなる。一方、図柄変動演出(先の大当り変動演出)にて敵キャラクタX1,X2,X3,X4,X5の登場する確率は等しく設定されている(大当り時の変動演出パターンの選択率が均等である)ため、対戦相手の敵キャラクタXの強弱に関わらず、該保留内連荘演出Bとして真実の演出の発生頻度は同じである。よって、ガセの演出の発生頻度が高くなるほど、保留内連荘演出B(真実の演出+ガセの演出)の発生頻度は高くなる。従って、図柄変動演出にて登場する敵キャラクタが強くなるほど(変動演出パターンの大当り期待度が低くなるほど)、その図柄変動演出にて大当りした場合は、特別遊技中に同一の敵キャラクタXが再登場する保留内連荘演出Bの発生頻度が相対的に高くなる。このように、図柄変動演出の大当り期待度と保留内連荘演出Bの発生頻度とは、トレードオフの関係にあると言える。
なお、前述のように、保留内連荘演出Bの演出内容は、先の大当り変動演出の演出内容を参照して決定されるのであるが、先の大当り変動演出(バトル系演出)の履歴に関する情報(「演出履歴情報」と称する)は、サブメイン情報記憶手段260の演出履歴情報記憶領域に一時記憶される。この演出履歴情報は、少なくとも先の大当り変動演出にて登場した敵キャラクタを特定可能な情報であればよい。そして、この演出履歴情報(先の大当り変動演出の敵キャラクタX)を参照することで、保留内連荘演出Bの敵キャラクタXが特定される。なお、特別遊技中は、この演出履歴情報に基づき、演出表示装置70の画面上に、先の大当り変動演出にて登場した敵キャラクタの名称を表示してもよい。これにより、保留内連荘演出Bにて登場した敵キャラクタが、先の大当り変動演出にて登場した敵キャラクタと同じであること、すなわち、保留内連荘が発生している可能性があることを遊技者に対して明確に教示し得ることができる。
また、本例では確変突入率が100%となるST機を採用しているため、特別遊技の終了後の遊技状態は必ず確変状態となり、該特別遊技の終了後において後続の作動保留球内の特定保留(16R大当り又は8R大当り)が消化された場合は、該特定保留に係る図柄変動演出としてスーパーリーチ演出(バトル系演出)が再度発生することになる。本例では、後続の作動保留球内に特定保留が存在するという所定の実行条件が成立して、特別遊技中に保留内連荘演出B(真実の演出)が発生した場合は、この保留内連荘演出Bと、該特定保留が消化された際に発生する大当りの図柄変動演出(「後の大当り変動演出」と称する)とを、共通の敵キャラクタを対戦相手とするバトル系演出として構成する。つまり、本例における後の大当り変動演出は、遊技者側の味方キャラクタが敵キャラクタX(保留内連荘演出Bにて登場した敵キャラクタX)と対戦するバトル系演出となる。従って、本例では、先の大当り変動演出と、保留内連荘演出Bと、後の大当り変動演出とが、互いに関連する演出内容(同一の敵キャラクタを対戦相手とするバトル系演出)として構成される。
ここで、図80は、第6実施形態における変動演出パターン差し替えテーブルの一例を模式的に示す図である。この変動演出パターン差し替えテーブルは、前述のように、後の大当り変動演出を保留内連荘演出B(先の大当り変動演出)と共通の敵キャラクタを対戦相手とするバトル系演出にて発生させるため、図78の変動演出パターンテーブルを用いて選択された変動演出パターンを、演出履歴情報を参照して、保留内連荘演出Bに対応した変動演出パターン(同じ敵キャラクタが登場するスーパーリーチ演出)に差し替えるために使用される。すなわち、基本的には、変動演出パターンは図78の変動演出パターンを用いて乱数抽選により選択されるものであるが、後の大当り変動演出を発生させる場合は、上記で選択された変動演出パターンを、演出履歴情報を参照して、先の大当り変動演出および保留内連荘演出Bに対応した変動演出パターン(スーパーリーチ演出)に差し替える。そのため、後の大当り変動演出に係る変動演出パターンは、演出履歴情報(敵キャラクタX)に基づき差し替えられる。例えば、保留内連荘演出パターンPB51(敵キャラクタX1に勝利)に対応して変動演出パターンPEX41(敵キャラクタX1に勝利)が選択され、保留内連荘演出パターンPB52(敵キャラクタX2に勝利)に対応して変動演出パターンPEX42(敵キャラクタX2に勝利)が選択され、保留内連荘演出パターンPB53(敵キャラクタX3に勝利)に対応して変動演出パターンPEX43(敵キャラクタX3に勝利)が選択され、保留内連荘演出パターンPB54(敵キャラクタX4に勝利)に対応して変動演出パターンPEX44(敵キャラクタX5に勝利)が選択される。なお、本例で例示した演出内容(スーパーリーチ演出、保留内連荘演出)は、遊技状態が確変状態であるときに第2特別図柄に係る大当りが発生して、さらには第2特別図柄の作動保留球(後続の作動保留球)内に特定保留が存在する場合に発生することが望ましい。つまり、図78〜図80に例示した抽選テーブルの演出内容は、遊技状態が確変状態であるときの第2特別図柄に係るものであることが好ましい。本例においては、第2特別図柄の作動保留球を優先的に消化する優先消化を前提として、第2特別図柄での大当り発生および第2特別図柄の特定保留(大当り保留)発生により、上記の演出内容(バトル演出)が発生する構成が望ましい。
続いて、図81〜図82のフローチャートを参照しながら、第6実施形態における動作処理の手順について説明する。
(変動演出パターン選択処理:第6実施形態)
始めに、第6実施形態における、図29のS733のサブルーチンに係る、変動演出パターン選択処理(S733)について説明する。図81は、変動演出パターン選択処理(S733)の詳細を示すフローチャートである。
まず、演出抽選乱数発生手段210から変動演出パターン乱数値を取得する(S781)。次いで、上記S732で取得した変動パターン情報と上記S632の演出状態移行処理で設定された演出モード(更には演出ステージ)とに基づき、複数種の変動演出パターンテーブルの中からいずれかの変動演出パターンテーブルを取得する(S782)。
続いて、変動演出パターン乱数値と変動演出パターンテーブルとに基づき、複数種の変動演出パターンの中から、いずれかの変動演出パターンを抽選で決定する(S783)。
変動演出パターンは、装飾図柄の変動態様、リーチ演出の種類・発生時期、予告演出の種類・発生時期などが規定された演出表示過程のシナリオを構成している。
次いで、今回の図柄変動演出が大当り変動演出であるか否かを判定する(S784)。
大当り変動演出である場合(S784:YES)は、保留内連荘演出フラグがオフであるか否かを判定する(S785)。保留内連荘演出フラグがオフである場合(S785:YES)、すなわち、今回の図柄変動演出が先の大当り図柄変動演出である場合は、該大当り図柄変動演出に基づくスーパーリーチ演出の内容(敵キャラクタの種類)を演出履歴情報記憶領域に保存する(S786)。
一方、保留内連荘演出フラグがオンである場合(S785:NO)、すなわち、今回の図柄変動演出が後の大当り図柄変動演出である場合は、演出履歴情報を読み込む(S787)。次いで、上記S787で読み込んだ演出履歴情報を参照するとともに、変動演出パターン差し替えテーブルを用いて、上記S783で選択した変動演出パターンを、演出履歴情報に対応する変動演出パターンに差し替える(S788)。次いで、演出履歴情報をクリアするとともに(S789)、保留内連荘演出フラグをオフする(S790)。
そして、上記S783又はS788で決定された変動演出パターン番号を、サブメイン情報記憶手段260の変動演出パターン格納領域に一時記憶する(S791)。また、選択された変動演出パターン番号に対応したランプ演出番号をリクエストして、このリクエストされたランプ演出番号をサブメイン情報記憶手段260のランプリクエスト記憶領域に設定する。
(保留内連荘演出B判定処理:第6実施形態)
次に、第6実施形態における保留内連荘演出B判定処理(S805)について説明する。図82は、第6実施形態における保留内連荘演出B判定処理(S805)の詳細を示すフローチャートである。
ここで、前述の実施形態との相違点は、S871の処理であり、保留内連荘演出Bの連荘演出パターンを選択するにあたり、演出履歴情報を読み込む点にある。なお、図82において、S851〜S870の処理は、他の実施形態と同様の処理であるため、相違点であるS871の処理を中心に説明する。
まず、サブメイン情報記憶手段260の演出履歴情報記憶領域にアクセスして、演出履歴情報を読み込む(S871)。そして、この演出履歴情報(先の大当り図柄変動演出の演出内容:敵キャラクタ)を参照するとともに、連荘演出パターンを用いて、先の大当り図柄変動演出と関連した連荘演出パターンを選択する(S861)。このような第6実施形態における動作処理により、先の大当り変動演出と保留内連荘演出Bと後の大当り変動演出とが同一の敵キャラクタを対戦相手とするバトル系演出として実行されることになる。
以上、第6実施形態によれば、先の大当り変動演出と保留内連荘演出と後の大当り変動演出とを互いに関連する演出内容として構成することで、保留内連荘の発生を遊技者に対して明確に教示し得るとともに、特別遊技の前後を跨いで保留内連荘(二回の大当り)の発生を遊技者に対して強く印象付けて、保留内連荘による新たな大当りの発生を効果的に煽ることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第6実施形態では、図柄変動演出と保留内連荘演出とを互いに関連する演出内容から構成し、その内容に応じた演出の信頼度を相互に維持しているため、保留内連荘の発生に対する遊技者の期待感を裏切ることはなく、遊技の興趣性を損なうのを防止することができる。
なお、前述の第6実施形態では、変動パターン種別としてスーパーリーチ種別を1種類のみ設けて、該スーパーリーチ種別が選択された場合に、敵キャラクタX(X1,X2,X3,X4,X5)を対戦相手とするバトル系演出(スーパーリーチ演出)を発生させていたが、これに限定されるものではなく、スーパーリーチ種別を複数種(例えば、スーパーリーチA,B,C…)設けて、いずれのスーパーリーチ種別が選択された場合でも、敵キャラクタX(X1,X2,X3,X4,X5)を対戦相手とするバトル系演出(スーパーリーチ演出)を発生させるようにしてもよい。そして、いずれのスーパーリーチ種別が選択された場合でも、大当り変動演出および保留内連荘演出Bを共通の敵キャラクタを対戦相手とするバトル系演出として構成してもよい。
また、前述の第6実施形態では、確変突入率100%のST機を例示したが、この構成に限定されるものではなく、例えば、確変突入率を100%未満に設定(大当り種別として少なくとも特定大当りと通常大当りとを設定)し、特定図柄で大当りした場合に、確変状態が特別遊技の終了後から次の大当りが発生するまで継続する、いわゆるノーマル機に適用してもよい。このノーマル機においても、いわゆるバトルスペックを採用し、確変状態(確変演出モードβ)において、第2特別図柄で大当りとなる場合に、その図柄変動中にバトル系演出(バトルリーチ演出)を実行させることができる。このノーマル機におけるバトルスペックでは、図柄変動中にバトル系演出が発生した時点で大当りが確定的となる。すなわち、当否判定の結果が大当りとなる場合のみ、バトル系演出の変動演出パターンが選択される。そして、バトル系演出において、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利すると出玉有確変大当り(例えば16R確変大当り)が確定し、味方キャラクタが敵キャラクタに敗北すると出玉無確変大当り(例えば2R確変大当り)又は出玉無通常大当り(例えば2R通常大当り)が確定する。つまり、ノーマル機のバトル系スペックでは、対戦相手(敵キャラクタ)に依存するバトル系演出の勝率は、出玉有確変大当りへの期待度を表すことになる。そして、このようなノーマル機においても、先の大当り変動演出と、保留内連荘演出Bと、後の大当り変動演出とを、互いに関連する演出内容(同一の敵キャラクタを対戦相手とするバトル系演出)として構成してもよい。
[第7実施形態]
次に、第7実施形態に係る遊技機について説明する。第7実施形態の遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
第7実施形態の遊技機は、第1実施形態の遊技機と同様に、特別図柄で大当りした場合に、確変突入率が100%の回数切り確変機、いわゆる「ST機」と称される遊技機である。
図83は、第7実施形態における、ぱちんこ遊技機PMの正面図である。図83に示すように、第7実施形態では、遊技領域PA内に単一の大入賞口64のみを搭載している。この大入賞口64は、スライド開閉式のアタッカーとして構成されている。そして、大入賞口64の内部には、遊技球の入球を検出するための大入賞口スイッチ641として、第1入賞センサ79aと第2入賞センサ79bとが設けられている。また、大入賞口64の上方には、作動ゲート63と第2始動口62とが上下方向に近接して配置されており、遊技球が流下する過程で作動ゲート63を通過する限り、該遊技球は第2始動口62に向かって流下することになり、そのとき普通電動役物622が開放状態であれば、遊技球は第2始動口62に入球することになる。一方、大入賞口60は、右打ちされた遊技球が入球しやすい位置に配設されている。このとき、本例では、遊技球が遊技領域PAの右側を流下する過程で作動ゲート63および第2始動口62に入球しない限り、遊技球は大入賞口64へ向けて流下することになり、特別電動役物642が開放状態であれば、遊技球は大入賞口64に入球することになる。そのため、本例では、特別電動役物642が開放状態にある場合は、ムダ球が発生する可能性が低減されている。
続いて、第7実施形態における大入賞口64として用いられている大入賞口装置700について説明する。図84〜図88は、大入賞口装置700の具体的な構成を示すものである。この大入賞口装置700は、図84(a)に示すように、前面部701と、この前面部701の背後に設けられた背面部702とを備えており、遊技盤20に、前面部701が遊技領域PA中の所定位置に配置されるように固定される。そして、前面部701は、遊技領域PAにおけるゲージ構成や意匠の一部を担うものであり、背面部702は、図示は省略するが、遊技盤20に形成された部品用開口(図示略)に挿通されて遊技盤20の背面に一部を突出させものである。
大入賞口装置700の前面部701には、基板部703、遮蔽カバー部材704、球通路形成部705、水平シャッタ部材706、及び、倒伏扉部材707などが備えられている。基板部703の前面には遮蔽カバー部材704が装着されており、基板部703の前面の大部分は、遮蔽カバー部材704により覆われている。
基板部703は、遊技盤20の表面にビス止めされる平板状の部材であり、該遊技機の正面から見て、外周縁部の右上隅部、左下隅部、左中断部といった所定部位に、遊技盤20への装着用のビス穴703a〜703cを有している。そして、基板部703は、遊技領域PAの右下隅の部位に配置されて固定されている。
遮蔽カバー部材704は、平板状の本体部704aを有しており、この本体部704a下縁部及び左右の側部には、図88中に示すように、連続してコ字状に形成された隔壁部704bが突設されている。さらに、遮蔽カバー部材704は、基板部703の中央部に組み合わされて固定されており、基板部703のとの間に、上向きに帯状に開口し、遊技球を受け入れて流下させることが可能な流下空間を形成している。また、遮蔽カバー部材704は、光透過性のある透明プラスチック製であり、外側(表側)から内側の流下空間を視認できるようになっている。
前述の球通路形成部705は、図85(a)や図86(a),(b)に示すように、所定形状の複数のリブの組合せにより構成されており、基板部703の背後から前方に向かって突出している。球通路形成部705の、基板部703からの突出量は、遊技球の直径よりも幾分(数ミリ程度)大きく、且つ、全体に亘り同程度となるように設定されている。ここで、図85(a),(b)及び図86(a),(b)は、遮蔽カバー部材704を取り外した状態を示している。
図86(a),(b)に示すように、球通路形成部705は、流入球案内部708、第1入賞案内部709、及び、第2入賞案内部710を形成しており、流入球案内部708に進入した遊技球を、前述の水平シャッタ部材706の状態に応じて、異なる経路に案内するようになっている。つまり、流入球案内部708は、上方から流下してきた遊技球の流下方向を変化させて、該遊技機の正面から見て右側から左側に案内する遊技球通路を構成している。また、第1入賞案内部709及び第2入賞案内部710は、流入球案内部708を流下する遊技球が進入した場合に、この進入した遊技球を、下方に案内する遊技球通路を構成している。
これらのうち流入球案内部708は、受容部708a、接続部708b、及び、排出部708cを横一列に備えており、右端に位置する受容部708aと中間に位置する接続部708bとの間、及び、接続部708bと左端に位置する排出部708cとの間に、遊技球の直径よりも幾分(数ミリ程度)大きく、第1入球口709a及び第2入球口710aを構成する間隙を介在させている。さらに、受容部708aは、右から左へ低く所定角度で傾斜するとともに、右端部を右斜め上方に向け湾曲させている。接続部708bは、受容部708aの左端部よりも幾分(数ミリ)低い位置に形成されており、直線状に右から左へ低く傾斜している。また、排出部708cは、接続部708bに間隙を介して連続するよう形成されており、直線状に右から左へ低く傾斜している。
受容部708aと接続部708bの間の第1入球口709a、及び、接続部708bと排出部708cの間の第2入球口710aは、水平シャッタ部材706に設けられた第1シャッタ部706a、及び、第2シャッタ部706bにより、通常時(大入賞口装置700の非作動時)は、図86(a)中に示すように閉鎖されている。つまり、水平シャッタ部材706は、図87中及び図88中に示すように、矩形板状に成型された本体部706cと、本体部706cの前縁において左右に離間した板状の第1シャッタ部706a及び第2シャッタ部706bとを有している。第1シャッタ部706a及び第2シャッタ部706bの大きさは、縦横寸法が遊技球よりも幾分(数ミリ程度)大きくなるように設定されている。さらに、第1シャッタ部706aと第2シャッタ部706bは、受容部708a、接続部708b、及び、排出部708cが有する傾きと同程度の傾きで右から左へ低く傾斜している。
また、第1シャッタ部706a及び第2シャッタ部706bは、前述の第1入球口709a及び第2入球口710aと、それぞれ対応する位置関係にある。そして、通常時は、水平シャッタ部材706が、前進位置で停止しており、第1シャッタ部706a及び第2シャッタ部706bが、図86(a)中に示すように基板部703の前方に突出して、第1入球口709a及び第2入球口710aを共に塞いでいる。この状態においては、大入賞口装置700の受容部708aに流入した遊技球は、第1シャッタ部706a、接続部708b、及び、第2シャッタ部706bを伝って排出部708cに到達し、更に排出部708cから第1始動口51の側に向けて放出される。ここで、水平シャッタ部材706の駆動機構については後述する。
また、流入球案内部708の途中の部位には、流入球案内部708を流下する遊技球の速度を低下させるための減速部711が設けられている。この減速部711は、基板部703及び遮蔽カバー部材704に一体に設けられたリブ状の突起711a,711bにより構成されている。基板部703の突起711a、及び、遮蔽カバー部材704の突起711bの突起はそれぞれ2個ずつであり、これらの突起711a,711bの形状は、尖端を流入球案内部708の幅方向(遊技機の前後方向)の中央に向けた三角柱状である。さらに、各突起711a,711bの上端は、前方にいくほど低い傾斜面となっている。
基板部703の2個の突起711aは、接続部708bの直上の部位において、遊技球の直径よりも幾分(数ミリ)大きい程度の所定距離をもって左右に離間している。このような2つの突起の位置関係は、遮蔽カバー部材704の2個の突起711bについても同様である。また、基板部703の突起711aと、遮蔽カバー部材704の突起711bとの位置関係については、双方の突起711a,711bが、接続部708bの上部空間を挟み、且つ、遊技球の流下方向(遊技機のほぼ左右方向)に所定量(遊技球の半径分程度)ずれた状態に設定されている。そして、図84(b)中に示すように、基板部703の2つの突起711aのうち上流側のものが、遮蔽カバー部材704の2つの突起711bのうちの上流側のものよりも、第1入球口709aに近い側に位置している。
このような減速部711を設けることにより、流入球案内部708を流下する遊技球は、4つのうちの少なくとも何れか1つ以上の突起711a,711bに干渉することで減速される。そして、遊技球は、流入球案内部708への流入時や減速部711への到達時よりも速度を落とした状態で、接続部708bの下流側に向かう。
前述の第1入賞案内部709及び第2入賞案内部710は、大入賞口装置700が作動する非通常時(大入賞口装置700の作動時)には、第1入球口709a及び第2入球口710aの開放に伴い、遊技球が進入可能な状態となる。つまり、非通常時には、水平シャッタ部材706が後退位置に下がり、第1シャッタ部706a及び第2シャッタ部706bを、基板部703の後方へ向けて退避させる。そして、図86(b)中に示すように、第1入球口709a及び第2入球口710aが露出し、流入球案内部708と、第1入賞案内部709及び第2入賞案内部710とが連通する。
ここで、本実施例においては、大入賞口装置700が作動するのは、前述のように、大入賞口装置700を作動させるための当否抽選に当選し、この当選に係る特別遊技や小当り遊技が実行される場合である。また、第1シャッタ部706a及び第2シャッタ部706bによる第1入球口709a及び第2入球口710aの開放は、特別遊技等のラウンド中に行われ、複数ラウンドが繰返される場合におけるラウンド間(ラウンドインターバル)には、第1入球口709a及び第2入球口710aは、第1シャッタ部706a及び第2シャッタ部706bにより閉塞されている。
第1入賞案内部709及び第2入賞案内部710は、第1検出球案内部709b、第1排出球案内部709c、及び、第2検出球案内部710b、第2排出球案内部710cをそれぞれ有している。また、第1検出球案内部709bと第1排出球案内部709cとの間の部位、及び、第2検出球案内部710bと第2排出球案内部710cとの間の部位には、大入賞口スイッチ641としての第1入賞センサ79a及び第2入賞センサ79bがそれぞれ配置されている。これらの入賞センサ79a,79bは、近接センサであり、この近接センサとしては、各種のマイクロスイッチなどを利用できる。さらに、マイクロスイッチとしては、接触式、非接触式、機械式、光学式、電磁誘導式など、種々のものを採用することが可能である。
各入賞センサ79a,79bは、遊技球の直径よりも小さい厚みを有する矩形状のケーシング712a,712bと、厚み方向に遊技球を通過させる検出穴713a,713bと有している。さらに、各入賞センサ79a,79bは、検出穴713a,713bを介して、第1検出球案内部709bと第1排出球案内部709c、及び、第2検出球案内部710bと第2排出球案内部710cを、遊技球が流下可能なように連通させている。また、各入賞センサ79a,79bは、互いに長手方向の向きをほぼ90°異ならせて、第1入賞案内部709及び第2入賞案内部710に装着されている。そして、本実施例では図85(a)等に示すように、第1入賞センサ79aは長手方向を、基板部703の前面側において左右方向に向けており、第1入賞センサ79bは長手方向を、基板部703を通過する前後方向に向けている。
また、本実施例においては、第1検出球案内部709bは、途中の部位で、正面から見て右側から左側へ屈曲しており、第1検出球案内部709bに落下した遊技球は、第1検出球案内部709bの内壁に一旦干渉し、減速されてから第1入賞センサ79bを通過するようになっている。また、本実施では、第1検出球案内部709bの背後側の内壁中央に、所定の突出量(例えば1ミリ以下)のリブ709dが、第1検出球案内部709bの形状に沿うように設けられている。そして、このリブ709dにより、第1検出球案内部709b内での球噛み等の防止が図られている。なお、第1検出球案内部709bのみでなく、第2検出球案内部710bについても、屈曲形状としたり、内壁にリブを突設してもよい。
また、水平シャッタ部材706が後退し、第1入球口709a及び第2入球口710aが開放された状況においては、流入球案内部708を流下する遊技球は、上流側にある第1入球口709aに進入し、第1入賞センサ79aにより検出されて、第1入賞案内部709から排出される。しかし、一部の遊技球が第1入球口709aを飛び越え、接続部708bから、下流側にある第2入球口710aに達する場合も考えられる。このような場合に第2入球口710aに達した遊技球は、第2入賞案内部710に進入し、第2入賞センサ79bにより検出されて、第2入賞案内部710から排出される。前述のように、第1入球口709aと第2入球口710aのとの間には、減速部711が設けられているので、仮に第1入球口709aに進入しなかった遊技球があっても、この遊技球の勢いは、第2入球口710aの手前で、減速部711により十分に弱められる。
さらに、本実施例では、前述のように遮蔽カバー部材704が透明であるため、上述のように流入球案内部708、第1入賞案内部709、及び、第2入賞案内部710を流下する遊技球の様子は、遮蔽カバー部材704を介して遊技者が視認可能である。
続いて、前述の倒伏扉部材707は、図86(a),(b)及び図87等に示すように、平板状の扉部707aを有しており、第1入賞案内部709及び第2入賞案内部710の下方に配置されている。この倒伏扉部材707は、図86(b)、図87及び図88中に示すように、基板部703に矩形に開口した遊技球回収口714と対応する位置関係にある。そして、倒伏扉部材707は、下縁部を中心として前後方向に回動可能に軸支されており、通常時は、図85(a),(b)及び図86(a)に示すように、遊技球回収口714を閉塞している。遊技球回収口714の左右方向の長さ(開口寸法)は、図85(a)に示すように、流入球案内部708における受容部708aの右端(上流端)よりも内側の部位から、排出部708cの右端(上流端)に至る程度の長さとなっている。そして、倒伏扉部材707の左右方向の長さも、遊技球回収口714の開口寸法と同程度になっている。
大入賞口装置700が作動すると、倒伏扉部材707は、図86(b)に示すように、下縁部を基端とし、上縁部へいくほど基板部703の前方に突出するように傾倒する。そして、倒伏扉部材707は、上方の第1入賞案内部709及び第2入賞案内部710を向いて開口し、第1入賞案内部709及び第2入賞案内部710から排出された遊技球を受け入れて、基板部703の後方の回収通路716aへ案内する。そして、回収通路716aに進入した遊技球は、右から左へ低くなる傾斜面を伝って、左端部に開口した回収穴716bに導かれ、回収穴716bから遊技盤30の背面側へ向けて案内される。
本実施例では、回収穴716bの内部には遊技球を検出するセンサ類は設けられておらず、遊技球回収口714に進入した遊技球に対して、少なくとも遊技盤20の近辺におけるカウントは行われないようになっている。したがって、倒伏扉部材707により開閉される遊技球回収口714は、開放した際には、第1入賞案内部709又は第2入賞案内部710で検出された遊技球に対して、前述のアウト口29と同様な球排出の機能を果たす。また、倒伏扉部材707の動作する様子や、開状態となった遊技球回収口714の様子は、透明な遮蔽カバー部材704を介して遊技者が視認できるようになっている。さらに、倒伏扉部材707と球通路形成部705との間は、カバー部材としての遮蔽カバー部材704により覆われており、遊技球回収口714へは、第1入賞案内部709及び第2入賞案内部710から放出された遊技球のみが入球できるようになっている。
また、倒伏扉部材707は、水平シャッタ部材706とは異なり、大入賞口装置700の作動中は、継続的に開放状態となっている。そして、複数のラウンドが繰返される場合でも、最初のラウンドの開始時から最後のラウンドの終了時まで、倒伏扉部材707は開放状態を継続する。さらに、本実施例では、水平シャッタ部材706が開放状態となるタイミングよりも所定時間(例えば1秒)前のタイミングで、倒伏扉部材707が開放状態となり、水平シャッタ部材706が閉塞状態となるタイミングよりも所定時間(例えば1秒)後のタイミングで、倒伏扉部材707が閉塞状態となる。
なお、本実施例では、図85(a),(b)及び図86(a),(b)に示すように、基板部703の右上部に遊技球通過口715が形成されている。この遊技球通過口715は、受容部708aの下方に位置しており、流入球案内部708からは、球通路形成部705によって隔離されている。さらに、遮蔽カバー部材704の右側部から、前述の流下空間への遊技球の進入が可能となっており、流入球案内部708の下方において大入賞口装置700に流入した遊技球は、図87及び図88等に示すように、遮蔽カバー部材704に形成された遮蔽カバー側案内樋704c、及び、基板部703に形成された基板側案内樋703dを伝って後方に案内される。
次に、前述の背面部702について説明する。この背面部702は、図87及び図88等に示すように、シャッタ駆動ユニット721、通路構成ユニット722、及び、倒伏扉部材駆動ユニット723により構成されている。シャッタ駆動ユニット721は、前述の水平シャッタ部材706を前進及び後退させるものであり、上方を開放し前後左右を囲った支持枠部721aに、ソレノイド部724(図88参照)や、リンクアーム部材725などを収容している。
ソレノイド部724には、リンクアーム部材725が、ラック・ピニオン機構(図示略)を介して連結されており、リンクアーム部材725には、スライド穴725aを介して、前述の水平シャッタ部材706が緩やかに連結されている。ソレノイド部724は、大入賞口装置700が動作していない通常時にはオフされており、図85(b)中に実線で示すようにリンクアーム部材725を前方に回動させた状態として、水平シャッタ部材706を前進させている。また、大入賞口装置700が作動している非通常時には、ソレノイド部724はオンされ、図85(b)中に2点鎖線で示すようにリンクアーム部材725を後方に回動させた状態として、水平シャッタ部材706を後退させる。つまり、ソレノイド部724のオン・オフに伴い、リンクアーム部材725が前後に揺動し、水平シャッタ部材706が直線的に前進又は後退する。そして、水平シャッタ部材706の進退は、基板部703、支持枠部721a、及び、後述する通路構成ユニット722によりガイドされるようになっている。
通路構成ユニット722においては、上方を開放し前後左右を囲った支持枠部722aの前面に、前述の球通路形成部705が形成されている。さらに、通路構成ユニット722にはシャッタ駆動ユニット721が載置され、通路構成ユニット722がシャッタ駆動ユニット721を下方から支持している。
倒伏扉部材駆動ユニット723は、矩形箱状の筐体部723aの前面に、前述の遊技球回収口714を開口するとともに、左右側部の前方の部位に、倒伏扉部材707の左右下端部が回動可能に連結される扉支持部726を有している。さらに、倒伏扉部材駆動ユニット723は、図示は省略するが、筐体部723a内に、倒伏扉部材707を開閉させるためのソレノイドや、倒伏扉部材707の閉塞時に付勢するばね等を有している。また、倒伏扉部材駆動ユニット723には、通路構成ユニット722が載置され、倒伏扉部材駆動ユニット723が通路構成ユニット722を下方から支持している。
ここで、大入賞口装置700には、図85に示すように、各種の中継基板を介して主制御基板100との電気的接続を行う第1コネクタ727と、倒伏扉部材駆動ユニット723と通路構成ユニット722との電気的接続を行うための第2コネクタ728とを備える。そして、各種電気機器への給電、各入賞センサ79a,79bの信号の出力、各種ソレノイドへの制御信号の供給などは、これらの第1コネクタ727や第2コネクタ728を利用して行われている。
このような大入賞口装置700では、水平シャッタ部材706を用いたシャッタ式の機構により、上向きの大入賞口となる第1入球口709a(上流口)及び第2入球口710a(下流口)の開閉が同時に行われている。したがって、倒伏扉式の機構により正面向きの大入賞口を開閉するタイプのものに比べて、高さ方向の寸法についての小型化が容易となる。そして、小型化により空いたスペースを利用して、大入賞口装置700の形状や機構設計の自由度を高めることができ、更に大入賞口装置700の周囲における他の部品や遊技釘の配置等に関しても、設計の自由度を高めることができる。
また、流入球案内部708において、第1入球口709aが第2入球口710aの上流に位置しており、流入球案内部708に流入した遊技球は、第1入球口709aを必ず通るようになっている。したがって、第1入球口709aのみでも、ぱちんこ遊技機PMの大入賞口として用いることが可能である。また、第1入球口709aの縦横の開口寸法は、遊技球の直径よりも幾分大きい程度となっており、大入賞口を横長の帯状に大きく確保した従来のタイプに比べて、大入賞口が縮小化されている。したがって、大入賞口装置700の最小限の機能である、開放に伴い進入した遊技球を検出するといった機能を確保するうえでは、左右方向についても小型化が可能であり、このことによっても大入賞口装置700の設計の自由度を高めることができる。
また、第1入球口709aの下流に第2入球口710aが設けられているため、仮に第1入球口709aを飛び越えた遊技球が発生しても、第2入球口710aを予備的な大入賞口として利用できる。そして、大入賞口装置700の作動時に、大入賞口装置700から零れる遊技球の発生を防止でき、規定数(ここでは10個)の遊技球の計数を迅速に終えることができる。さらに、流入球案内部708に、第1入球口709aと第2入球口710aとを併せて大入賞口が形成されているので、大入賞口の開口幅の確保が容易であり、効率よく遊技球を流下させ、排出することができる。
さらに、第1入球口709aと第2入球口710aとの間に減速部711が設けられており、流入球案内部708を流下する遊技球が、減速部711において突起711a,711bに干渉するようになっている。したがって、この減速部711により、第2入球口710aへ向かう遊技球の勢いを弱めることができる。そして、第1入球口709aに入球せずに通り過ぎた遊技球を、より確実に、第2入球口710aに入球させることができる。
特に、遊技領域PAの右側の部位においては、センター飾り22によりスペースが占有されて釘等の配置が困難であり、釘等を十分に配設した部位(例えば遊技領域PAの左側の部位など)に比べて、流下する遊技球の速度が速くなりがちである。そして、大入賞口装置700に進入した遊技球の挙動も安定しづらく、このことは、入賞センサ79a,79bでのチャタリングの発生や、入賞センサ79a,79bの破損などの原因になり得る。しかし、本実施例のように、流入球案内部708の受容部708aを湾曲させて遊技球の流下方向を上下方向から左右方向に変化させたり、流入球案内部708に減速部711を設けたりすることにより、第1入球口709aや第2入球口710aに向かう遊技球の勢いを十分に低下させることができる。なお、第1入球口709aの手前に減速部711を設けて、第1入球口709aに向かう遊技球の減速を行ってもよい。
また、減速部711により遊技球の減速を行うことは、遊技球が流入球案内部708上に存在する時間を長くすることに繋がる。したがって、大入賞口装置700で1ラウンドの規定数(ここでは10個)よりも多くの入賞を発生させる可能性が高まり、このような観点からは、所謂オーバー入賞や超過入賞などが発生し易くなることが考えられる。
さらに、水平シャッタ部材706を用いているとともに、大入賞口である第1入球口709a及び第2入球口710aは、前述のように従来に比べ縮小化されたものである。したがって、水平シャッタ部材706や、水平シャッタ部材706の案内部(図示略)について、姿勢の維持や摩擦などといった設計条件を緩和することが可能となり、水平シャッタ部材606の円滑な動作を容易に確保できるようになる。
すなわち、従来のように扉を起立又は倒伏動作させるタイプの大入賞口装置の場合には、大入賞口が前面を向いて開口するため、大入賞装置の厚み(上下方向の寸法)が大となる。また、板状の扉を、下端縁部を軸として回動動作させるため、駆動源として用いられるソレノイドには、扉を動かすのに十分なモーメントを発生させることが可能な比較的大出力のものが必要となる。さらに、扉を戻すのに用いられるばねの弾性力によっては、遊技球の重みが加わることで扉が閉まらなくなったり、予期せず開いたりすることもあり、ばねの選定にも注意が必要である。
また、シャッタを前後に進退させるタイプの大入賞口の場合には、従来のようにシャッタのスライドにより開閉される開口(大入賞口)が大きいと、摩擦、摩耗、汚れといった種々の要素の影響を受けやすくなり、場合によっては、シャッタが閉まらなくなったりすることも考えられる。さらに、シャッタに均等な力を作用させなければ、シャッタが傾いてしまい、このことによっても、シャッタが円滑に動作しない場合が生じ得る。
しかし、本実施例における大入賞口装置700のように、水平シャッタ部材706を用いるとともに、第1入球口709a(及び第2入球口710a)に全ての遊技球を導くことにより、大入賞口の縮小化、及び、大入賞口を塞ぐシャッタ(ここでは第1シャッタ部706a及び第2シャッタ部706b)の小型化が可能となる。そして、水平シャッタ部材706の全体的な形状や大きさを、大入賞口の形状や大きさに合わせて決めなければならないといった制約がなくなり、水平シャッタ部材706の軽量化や、本体部706cの形状の自由化が可能となる。そして、水平シャッタ部材706の本体部706cの形状や大きさの自由化により、摩擦、摩耗、汚れといった種々の要素の影響を抑制するような設計を行い得るようになる。また、本体部706cに作用させる力の均等化や、傾きに対しても設計上の要求を緩和できるようになり、シャッタ機構に係る設計が容易になる。そして、結果として、大入賞口の開閉に係るトラブルの発生を防止できるようになる。
また、第2入球口710aが設けられているので、大入賞口装置700の作動時において、流入球案内部708に流入した遊技球を、ラウンドを跨いで入賞させることが可能となる。つまり、或るラウンドの終了間際に流入球案内部708に流入した遊技球が、第1入球口709aが閉鎖して、第1入球口709aへの入球を果たせなかった場合であっても、ラウンド間の所定期間(ラウンドインターバル)を経て次のラウンドが開始され、水平シャッタ部材706が後退した際に、当該遊技球が、第1入球口709aと第2入球口710aとの間の部位に残っていれば、第2入球口710aを介して、当該遊技球を第2入賞案内部710に導き、入賞を発生させることが可能である。さらに、本実施例では、第2入球口710aの上流側に減速部711が設けられているので、この減速部711により、このようなラウンドを跨いだ第2入球口710aへの入球の可能性を高めることができる。ここで、ラウンドインターバルは、例えば1秒未満の期間とすることが考えられる。
また、倒伏扉部材707の開放期間は、最初のラウンドの開始から最後のラウンドの終了までの期間を跨いでおり、水平シャッタ部材706が、ラウンド数に応じて進退動作を行う間、倒伏扉部材707は開放を継続している。つまり、倒伏扉部材707は、大入賞口装置700の作動時には、ラウンドを跨いで開き続ける。さらに、倒伏扉部材707は、水平シャッタ部材706よりも先に開放し、水平シャッタ部材706よりも後に閉塞する。したがって、第1入賞案内部709及び第2入賞案内部710から放出された遊技球を、取り溢すことなく遊技球回収口714内に案内することができる。また、倒伏扉部材707の開放動作により、大入賞口装置700が作動したことを迅速に報知できる。
さらに、流入球案内部708に減速部711が設けられているので、第1入球口709aから第2入球口710aへ向かう遊技球の速度を低下させることができる。したがって、第1入球口709aを通り過ぎた遊技球を、より確実に、第2入球口710aに入球させることができる。さらに、前述のラウンド終了の際に、第1入球口709aが閉じて入球できなかった遊技球を、次回の第1入球口709a及び第2入球口710aの開放までのラウンドインターバルを経て、第2入球口710aへ入球させることが可能となる。
なお、本例では、大入賞口装置700の第1入球口709a及び第2入球口710aを、第1シャッタ部706a及び第2シャッタ部706bを一体に備えた水平シャッタ部材706により開閉するようにしているが、本発明はこれに限定されず、例えば、第1シャッタ部706a及び第2シャッタ部706bを別々に駆動し、第1入球口709a及び第2入球口710aを、時間差をもって開閉するようにしてもよい。その場合には、第1入球口709aの開放中、或いは閉鎖後に、第2入球口710aの開放を開始する、といった動作態様を例示できる。
続いて、第7実施形態における大入賞口64の作動パターンについて説明する。前述の第1実施形態においては、16R特別遊技では、そのラウンド回数に対応する長開放のラウンド遊技(「長開放ラウンド遊技」と称する)のみが実行され、2R特別遊技では、そのラウンド回数に対応する短開放のラウンド遊技(「短開放ラウンド遊技」と称する)のみが実行される構成を例示したが、この第7実施形態においては、16R特別遊技における複数回のラウンド遊技(一の特別遊技)において、長開放ラウンド遊技と短開放ラウンド遊技とを混在させている。そのため、16R大当りの種類に応じて、遊技者が獲得し得る実質的な出玉数を異ならしめている。
まず、図89の上段は、第7実施形態における第1特別図柄当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第1特別図柄当り図柄テーブルでは、第1特別図柄の停止図柄「1」〜「8」が、大当りの種別に応じて、4種類の図柄群A〜Dに分類されている。具体的には、図柄「1」,「2」には、図柄群A(16R特定時短有図柄1)が、図柄「3」,「4」には、図柄群B(16R特定時短有図柄2)が、図柄「5」,「6」には、図柄群C(16R特定時短有図柄3)が、図柄「7」,「8」には、図柄群D(16R特定時短有図柄4)が、それぞれ対応付けられている。また、大入賞口64の作動パターンとして、図柄群A(16R特定時短有図柄1)には16R開放パターン1が、図柄群B(16R特定時短有図柄2)には16R開放パターン2が、図柄群C(16R特定時短有図柄3)には16R開放パターン3が、図柄群D(16R特定時短有図柄4)には16R開放パターン4が、それぞれ対応付けられている。
次いで、図89の下段は、第7実施形態における第2特別図柄当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第2特別図柄当り図柄テーブルでは、第2特別図柄の停止図柄「11」〜「18」が、大当りの種別に応じて、4種類の図柄群E〜Hに分類されている。具体的には、図柄「11」,「12」には、図柄群E(16R特定時短有図柄1)が、図柄「13」,「14」には、図柄群F(16R特定時短有図柄2)が、図柄「15」,「16」には、図柄群G(16R特定時短有図柄3)が、図柄「17」,「18」には、図柄群H(16R特定時短有図柄4)が、それぞれ対応付けられている。また、大入賞口64の作動パターンとして、図柄群E(16R特定時短有図柄1)には16R開放パターン1が、図柄群F(16R特定時短有図柄2)には16R開放パターン2が、図柄群G(16R特定時短有図柄3)には16R開放パターン3が、図柄群H(16R特定時短有図柄4)には16R開放パターン4が、それぞれ対応付けられている。
続いて、図90は、第7実施形態における大入賞口64の作動パターンを説明するためのタイムチャートである。第7実施形態では、大入賞口64の作動パターンとして、16R開放パターン1、16R開放パターン2、16R開放パターン3および16R開放パターン4を有している。なお、図90に示す作動パターンは、長開放ラウンド遊技Lと短開放ラウンド遊技Sの実行状態を概念的に示すものであり、長開放ラウンド遊技L、短開放ラウンド遊技S、および大入賞口64の閉鎖状態が維持されるインターバル期間(待機期間)の各時間幅の長さおよび比率は、実際の時間幅の長さおよび比率と対応するものではない。ここで、「長開放ラウンド遊技L」とは、大入賞口64を30秒間だけ開放した後に閉鎖、又は、30秒間未満であっても規定数(10球)の入球で閉鎖する態様の単位遊技である。同様に、「短開放ラウンド遊技S」とは、大入賞口64を0.2秒間だけ開放した後に閉鎖、又は、0.2秒未満であっても規定数(10球)の入球で閉鎖する態様の単位遊技である。このように本例では、長開放ラウンド遊技は、大入賞口64の開放期間(30秒間)に規定数(最大入球数)の入球を期待できる単位遊技である一方で、短開放ラウンド遊技は、大入賞口64の開放期間(0.2秒間)に遊技球の入球が現実的に困難となる単位遊技である。
まず、図90(A)は、16R開放パターン1を示している。16R開放パターン1は、長開放ラウンド遊技Lが16回に亘り実行される作動パターンである。この16R開放パターン1が作動した場合は、基本的には、いずれの長開放ラウンド遊技Lにおいても規定数(10球)の入球が可能であり、遊技者は16ラウンド分の利益の獲得を期待できる。
図90(B)は、16R開放パターン2を示している。16R開放パターン2は、長開放ラウンド遊技Lが8回に亘り実行された後、短開放ラウンド遊技Sが8回に亘り実行される作動パターンである。この16R開放パターン2が作動した場合は、いずれの長開放単位遊技Lにおいても規定数(10球)の入球が可能である一方で、いずれの短開放単位遊技Sにおいても大入賞口64への入球は期待できず、遊技者が実質的に得られる利益は8ラウンド分となる。
図90(C)は、16R開放パターン3を示している。16R開放パターン3は、長開放ラウンド遊技Lが4回に亘り実行された後、短開放ラウンド遊技Sが8回に亘り実行される作動パターンである。この16R開放パターン3が作動した場合は、いずれの長開放ラウンド遊技Lにおいても規定数(10球)の入球が可能である一方で、いずれの短開放単位遊技Sにおいても大入賞口64への入球は期待できず、遊技者が実質的に得られる利益は4ラウンド分となる。
図90(D)は、16R開放パターン4を示している。16R開放パターン4は、短開放単位遊技Sが16回に亘り実行される作動パターンである。この16R開放パターン4が作動した場合は、いずれの短開放ラウンド遊技Sにおいても入球は望めず、遊技者が出玉を得るのは困難である。
続いて、第7実施形態における各種の入賞演出について説明する。図91は、第7実施形態における入賞演出の種類を説明するための表である。本例では、特別遊技状態において、遊技球が大入賞口64へ入球したことを契機として、所定の入賞演出が発生するように構成されている。図91に示すように、本例における入賞演出には、第1通常入賞演出、第2通常入賞演出、オーバー入賞演出、短開放入賞演出が含まれる。
「第1通常入賞」とは、長開放ラウンド遊技Lにおいて、大入賞口64への規定数内での遊技球の入球であって、該遊技球が第1検出センサにて検出される場合をいう。また、「第2通常入賞」とは、長開放ラウンド遊技Lにおいて、大入賞口64への規定数内での遊技球の入球であって、該遊技球が第2検出センサにて検出される場合をいう。
「オーバー入賞」とは、長開放ラウンド遊技Lにおいて、該大入賞口64への規定数を超えた遊技球(本例では、11球目以降の遊技球)の入球であって、第1検出センサおよび第2検出センサのいずれかに検出される場合をいう。このオーバー入賞の一例として、10カウント目の遊技球が大入賞口64内の大入賞口スイッチ641に到達するまでに、後続の遊技球が該大入賞口スイッチ641までは達していなくとも大入賞口64内には入球している状況であれば、インターバル期間(10カウント目を大入賞口スイッチ641で検知することで大入賞口64が閉鎖し、該閉鎖した後でも大入賞口スイッチ641による遊技球の検知を有効とする期間)においては、大入賞口64が閉鎖しても入球したとみなされる(すなわち賞球対象となる)。
「短開放入賞」とは、短開放ラウンド遊技Sにおいて、本来であれば、大入賞口64への入球が困難又は不能とされる短開放状態での大入賞口64への遊技球の入球であって、第1検出センサおよび第2検出センサのいずれかに検出される場合をいう。
主制御基板100(入球判定手段110)は、長開放ラウンド遊技L又は短開放ラウンド遊技Sの実行中において、大入賞口スイッチ642(第1検出センサ、第2検出センサ)からの検出情報に基づき、各種の演出制御コマンドを生成して、これを演出制御基板200に送信する。具体的には、一の長開放ラウンド遊技Lの実行中において、大入賞口64への入球数が規定数(10球)に到達するまでは、遊技球の入球が検出される毎に、第1検出センサによる検出であれば、第1通常入賞情報を含む演出制御コマンド(「第1通常入賞コマンド」と称する)を生成し、第2検出センサによる検出であれば、第2通常入賞情報を含む演出制御コマンド(「第2通常入賞コマンド」と称する)を生成する。また、一の長開放単位遊技Lの実行中において、規定数(10球)を超過する遊技球の入球があったときは、いずれの入賞センサによる検出であっても、オーバー入賞情報を含む演出制御コマンド(「オーバー入賞コマンド」と称する)を生成する。さらに、一の短開放ラウンド遊技Sの実行中において、大入賞口64への入球があったときは、いずれの入賞センサによる検出であっても、短開放入賞情報を含む演出制御コマンド(「短開放入賞コマンド」と称する)を生成する。なお、その変形例として、入賞コマンドは共通化(第1入賞センサ79aおよび第2入賞センサ79bのいずれにて遊技球の入賞を検出したかを示す情報を含む)して、オーバー入賞であるか否かや、長開放中および短開放中のうちのいずれの状態での入賞であるかは、演出制御基板200側で判断するように構成してもよい。
演出制御基板200(大当り演出決定手段227)は、主制御基板100からの各種入賞演出コマンドを受信する毎に、該入賞演出コマンドの種類に応じた入賞演出の内容を決定し、該入賞演出の実行を制御する。本例では、前述のように4種類の入賞演出が用意されており、以下、順番に説明する。なお、入賞演出の種類は、4種類以上あってもよく、例えば、基本演出、付加演出および特殊演出のうちの少なくとも2以上の相互の組み合わせにより、更なる入賞演出の種類を設けてもよい。具体的には、所定の条件を満たせば、以下に例示する入賞演出を含めてもよい。まず、短開放ラウンド遊技Sにおいて第2入賞センサ79bにて遊技球の入賞が検出された場合、基本演出および付加演出からなる入賞演出、又は、基本演出、付加演出および特殊演出からなる入賞演出を発生させてもよい。また、長開放ラウンド遊技Lにおいてオーバー入賞が第2入賞センサ79bにて検出された場合、基本演出、付加演出および特殊演出からなる入賞演出を発生させてもよい。また、どのような状況であっても、基本演出は省略するようにしてもよい。
まず、第1通常入賞演出では、長開放ラウンド遊技Lの実行中に、主制御基板100から第1通常入賞コマンドを受信する毎に、基本演出として、画面上に大入賞口60への入球数や獲得賞球数を報知するための画像を表示する。
続いて、第2通常入賞演出では、長開放ラウンド遊技Lの実行中に、主制御基板100から第2通常入賞コマンドを受信する毎に、上記の基本演出の他に、付加演出として、演出表示装置70に「奪取!」という文字情報を表示する。
なお、このように二つの入賞センサのうち、いすれの入賞センサにより大入賞口64への入球が検出されたかに応じて、第1通常入賞演出と第2通常入賞演出とに分けている理由は以下のとおりである。つまり、通常の状況では、大入賞口64へ流下した遊技球は、上流側の第1入球口709aに入球して第1入賞センサ79aにて検出されることがほとんどであるため、その場合には、大入賞口64への入賞に伴う基本的な演出を発生させるべきである。一方、或るラウンド遊技の終了間際に大入賞口64の近傍まで流下した遊技球が、その直前に第1入球口709aが閉鎖されて、第1入球口709aへの入球を果たせなかった場合(つまり、第1入賞センサ79aにて検出されない場合)であっても、インターバル期間を経て、次回のラウンド遊技が開始されたときに、該遊技球が第1入球口709aと第2入球口710bとの間に残留していれば、該遊技球が第2入球口710bに入球して第2入賞センサ79bにて検出される可能性は大いにある。そのため、本例における大入賞装置700では、或るラウンド遊技にて遊技球が第1入球口709aに入球できずに一旦は入賞を逃した場合でも、次回のラウンド遊技にて該遊技球を第2入球口710bに入球させて入賞を確保することが可能となるため、その場合には、基本演出と合わせて付加演出を発生させて、前後のラウンド間を跨いだ大入賞口64への入賞が発生したことを遊技者に報知することにより、遊技者に対して優越感や満足感を付与することができるからである。
次いで、オーバー入賞演出では、長開放ラウンド遊技Lの実行中に、主制御基板100からオーバー入賞コマンドを受信する毎に、上記の基本演出の他に、特殊演出として、演出表示装置70に「GET!」という文字情報を表示するとともに、スピーカ11にて特殊な効果音を発生させる。
また、短開放入賞演出では、短開放ラウンド遊技Sの実行中に、主制御基板100から短開放入賞コマンドを受信する毎に、上記の基本演出の他に、特殊演出として、演出表示装置70に「GET!」という文字情報を表示させるとともに、スピーカ11にて特殊な効果音を発生させる。なお、特殊演出は、上記の文字情報の表示および効果音の発生のうちのいずれか一方のみでもよい。
すなわち、本変形例では、オーバー入賞演出と短開放入賞演出とを同一の特殊演出にて兼用している。これは、両者とも、本来であれば大入賞口64へ入球する可能性が極めて低い状況でありながら、意図的な操作又は偶発的な現象によって大入賞口64への入球を可能としている点で共通しているので、同一の特殊演出として兼用した方が演出効果として統一性が図れるからであり、また、これにより当該遊技機の限られたハードウェア資源を無駄に消費することを防止することが可能となる。なお、当然ながら、オーバー入賞演出とカウント内入賞演出とを互いに異なる表示態様の演出としてもよい。但し、大入賞口64の長開放時には、カウント内の入賞にて特殊演出は発生させない(該特殊演出を発生させたとしても、特殊な効果音ではなく、通常の効果音程度の演出とする)。なお、上述の本実施形態にて例示した大入賞口装置700であれば、短開放時でも従来の扉型大入賞装置(扉型アタッカー)と比べて入賞しやすいので、短開放時における該短開放入賞演出が実行されやすくなる。
以上、第7実施形態によれば、特別遊技の実行中に遊技球が大入賞口に入賞した場合、該入賞時のラウンド遊技の種類や遊技球のカウント数、検出センサの種類などに応じて、入賞演出の演出態様を異ならしめて、該入賞演出にバリエーション(多様性)を持たせることで、特別遊技中の演出効果を高めることができるとともに、特殊な状況での入賞獲得に対する遊技者の満足感を高めることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることができる。
なお、上述の第7実施形態では、大入賞口64の作動パターンとして、16R特別遊技に対応した4種類の16R開放パターンのみを例示したが、これに限定されるものではなく、8R特別遊技に対応した8R開放パターンや、2R特別遊技に対応した2R開放パターンなど、さらに複数種の作動パターンを用意してもよい。その一例としては、1)16R開放パターン1:すべて長開放ラウンド遊技L、2)16R開放パターン2:8Rまで長開放ラウンド遊技Lで残り8Rは短開放ラウンド遊技S、3)16R開放パターン3:4Rまで長開放ラウンド遊技Lで残り12Rは短開放ラウンド遊技S、4)8R開放パターン1:すべて長開放ラウンド遊技L、5)8R開放パターン2:4Rまで長開放ラウンド遊技Lで残り4Rは短開放単位遊技S、6)8R開放パターン3:すべて短開放ラウンド遊技S、7)2R開放パターン:すべて短開放ラウンド遊技S、としてもよい。また、上述の第7実施形態では、スライド式アタッカーを例示して説明したが、従来の傾倒式アタッカーや、盤面から突出した状態と退避した状態とを取り得るベロ型アタッカーなど、他の形式のアタッカーであってもよい。
なお、上述の第7実施形態の遊技機(ST機)では、特別遊技終了後の遊技状態が確変状態に移行したとき、すなわち、所定回数限定のST期間に移行したときは、このST期間の全期間を通じて、変動パターン選択状態が高確率短縮変動状態βであったが、本変形例の遊技機(ST機)では、ST期間中の変動パターン選択状態を、高確率短縮変動状態β1、高確率短縮変動状態β2、高確率短縮変動状態β3などから構成し、特別図柄の変動回数に基づいて、変動パターン選択状態を複数段階で順番に切り替えられるよう構成してもよい。このST期間(例えば、100回)において、高確率短縮変動状態β1は特別図柄の変動回数が1〜30回(第1ST期間)の場合に設定され、高確率短縮変動状態β2は特別図柄の変動回数が31〜90回(第2ST期間)の場合に設定され、高確率短縮変動状態β3は特別図柄の変動回数が91〜100回(第3ST期間)の場合に設定される。そして、ST期間中に参照される短縮変動パターンテーブル(特別図柄の変動パターンテーブル)は、限定頻度テーブル1と、限定頻度テーブル2と、限定頻度テーブル3とから構成される。具体的には、変動パターン選択状態が高確率短縮変動状態β1のときは限定頻度テーブル1が参照され、高各地る短縮変動状態β2のときは限定頻度テーブル2が参照され、高確率短縮変動状態γのときは限定頻度テーブル3が参照される。すなわち、限定頻度テーブル1は、ST回数のカウント値が第1段階範囲(1〜30回)のときに参照され、限定頻度テーブル2は該カウント値が第2段階範囲(31〜90回)のときに参照され、限定頻度テーブル3は該カウント値が第3段階範囲(91〜100回)のときに参照される。つまり、特別遊技の終了後に確変状態(潜伏確変状態を除く)に移行した場合は、参照先の変動パターンテーブルは、特別図柄の変動回数(ST回数カウンタ)に基づいて、「限定頻度テーブル1→限定頻度テーブル2→限定頻度テーブル3」の順に切り替えられるよう構成してもよい。
[第8実施形態]
次に、第8実施形態に係る遊技機について説明する。第8実施形態の遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
第8実施形態の遊技機は、第2実施形態の遊技機と同様に、特別遊技の実行中に遊技球が大入賞口内に設けられた特定領域(いわゆるV領域)に入賞するか否かに応じて、当該特別遊技の終了後に、遊技状態が確変状態へ移行するか否かを決定する、いわゆる玉確タイプの遊技機として構成される。なお、本例では、特別図柄の変動表示回数が特別遊技の終了時から数えて所定の終期回数(ST回数)に到達するまでの間、特別図柄の確率変動機能が作動した状態が継続する(但し、ST回数の上限に到達する前に次の大当りが発生した場合には、この上限に到達する前に上記確率変動機能は一旦終了することになるが、当該大当りに係る特別遊技の終了後には、再びST回数を上限として上記確率変動機能が作動し得る)、いわゆるST機(回数切り確変機)を採用している。
図92は、第8実施形態のぱちんこ遊技機PMの正面図である。第8実施形態では、遊技領域PA内に単一の大入賞口65(いわゆるV領域を備えた玉確アタッカー)のみが搭載されている。すなわち、第8実施形態においても、特別遊技の全てのラウンドで大入賞口65が開放(長開放又は短開放)されるように構成されている。なお、大入賞口65の構成については、前述の第2実施形態(図52を参照)において既に説明しているので、ここでは重複説明を省略する。
第8実施形態の遊技機は、遊技領域PAの左打ち領域に一般入賞口51〜53が設けられ、遊技領域PAの右打ち領域に一般入賞口54が設けられている。一般入賞口51〜53は、左打ちに対応した盤面領域である左打ち領域に配設され、左打ち領域を流下した遊技球が入球可能である。一般入賞口51〜53は、遊技球の入球を検出するための一般入賞口スイッチ511を備えている。この一般入賞口スイッチ511は、コスト低減等の観点から、3つの一般入賞口51〜53の共通センサ(シングルセンサ)として構成されており、いずれの一般入賞口51〜53への遊技球の入球も検出可能である。一方、一般入賞口54は、右打ちに対応した盤面領域である右打ち領域に配設され、右打ち領域を流下した遊技球が入球可能である。一般入賞口54は、遊技球の入球を検出するための一般入賞口スイッチ541を備えている。なお、各一般入賞口51〜54への遊技球の入球は特別図柄又は普通図柄の抽選の契機とはならないが、他の入賞口(作動ゲート53を除く)と同様に賞球獲得の契機となる。なお、変形例として、一般入賞口54は、大入賞口65よりも上流に配設されていてもよく、また、第2始動口62(普通電動役物622)よりも上流に配設されていてもよい。当然ながら、一般入賞口54は、大入賞口65及び第2始動口62(普通電動役物622)の双方よりも上流に配設されていてもよい。これらの入賞口の配列としては、上流から順に「大入賞口65→一般入賞口54→第2始動口62」という配列でもよく、また、上流から順に「第2始動口62→一般入賞口54→大入賞口65」という配列でもよい。
第8実施形態の遊技機は、各入賞口に遊技球が1球入球したときに払い出される賞球数(単位賞球数)として、第1始動口61及び第2始動口62は「3個」、一般入賞口51〜54は「5個」、大入賞口65は「10個」が設定されている。なお、単位賞球数は当該第8実施形態に例示したもに限定されるものではなく、他の単位賞球数を適用してもよい。例えば、単位賞球数として、第1始動口61は「4個」、第2始動口62は「1個」、一般入賞口51〜54は「3個」等としてもよい。また、単位賞球数として、左打ち領域の一般入賞口51〜53は「5個」、右打ち領域の一般入賞口54は「3個」等とし、一般入賞口の配設される盤面領域に応じて単位賞球数を異なるものとしてもよい。
第8実施形態の遊技機は、第1実施形態の遊技機と同様に、第1特別図柄の変動表示よりも第2特別図柄の変動表示を優先的に実行する、いわゆる優先消化を採用している。そのため、第2特別図柄の作動保留球が存在する間は、第1特別図柄の作動保留球の存在に関係なく、第2特別図柄の作動保留球を優先的に消化するように構成されている。
次に、第8実施形態の遊技機に関する基本構成を順番に説明する。
まず、第8実施形態における特別図柄の当否判定(大当り抽選)について説明する。図93は、特別図柄当否抽選テーブルを示す模式図である。図中、(A)は遊技状態が通常状態(低確率状態)であるときに参照され、(B)は遊技状態が確変状態(高確率状態)であるときに参照される。この特別図柄当否抽選テーブルには、特別図柄当り乱数値と当否判定の結果(大当り、はずれ)とが対応付けられており、対応付けられた乱数範囲に応じて大当りの抽選確率(大当り確率)が規定されている。図94からも分かるように、遊技状態が通常状態(低確率状態)である場合は、特別図柄当り乱数値が「0〜689」の範囲に該当したとき、当否判定の結果が大当りとなる。従って、遊技状態が通常状態であるときの大当り確率は約1/95となる。一方、遊技状態が確変状態(高確率状態)である場合は、特別図柄当り図柄乱数値が「0〜6553」に該当したとき、当否判定の結果が大当りとなる。従って、遊技状態が確変状態であるときの大当り確率は約1/10となる。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、大当り確率が低確率(約1/95)から高確率(約1/10)に変動する。
続いて、第8実施形態における大当り種別(大当り内訳)について説明する。図94は、第13実施形態における特別図柄抽選における大当り内訳を示す模式図である。
図94(A)は、第13実施形態における第1特別図柄当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第1特別図柄当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して図柄群と大当り種別とが対応付けられている(本例では、便宜上、停止図柄の記載を省略する)。第1特別図柄当り図柄テーブルでは、5種類の図柄群(大当り種別)として、図柄群A(16R条件付き特定大当り)、図柄群B(6R条件付き通常大当り1)、図柄群C(6R条件付き通常大当り2)、図柄群D(5R条件付き通常大当り1)、図柄群E(5R条件付き通常大当り2)が設定されている。ここで、複数種の大当り種別のうち、「16R条件付き特定大当り」は、上記第5実施形態における大当り属性として「長開放大当り」に該当し、「6R条件付き通常大当り1」、「6R条件付き通常大当り2」、「5R条件付き通常大当り1」、「5R条件付き通常大当り2」は、上記第5実施形態における「短開放大当り」に該当する。なお、図中には、参考までに、各大当り種別に係る特別遊技の実質ラウンド数が付記されている。
図94(B)は、第8実施形態における第2特別図柄当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第2特別図柄当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して図柄群と大当り種別とが対応付けられている(本例では、便宜上、停止図柄の記載を省略する)。第2特別図柄当り図柄テーブルでは、5種類の図柄群(大当り種別)として、図柄群F(16R条件付き特定大当り)、図柄群G(12R条件付き特定大当り)、図柄群H(8R条件付き特定大当り)、図柄群I(4R条件付き特定大当り)、図柄群J(2R条件付き特定大当り)が設定されている。ここで、複数種の大当り種別として、「16R条件付き特定大当り」、「12R条件付き特定大当り」、「8R条件付き特定大当り」、「4R条件付き特定大当り」、「2R条件付き特定大当り」は、上記第5実施形態における「長開放大当り」に該当する。なお、図中には、参考までに、各大当り種別に係る特別遊技の実質ラウンド数が付記されている。
上記の大当り種別は、大当り属性として「条件付き特定大当り」と「条件付き通常大当り」とに大別される。「条件付き特定大当り」は、特定ラウンドにおいて大入賞口65及び特定領域658が長開放(1回以上の短開放を含んでも可)することで、特定領域658への遊技球の入球が容易又は可能に設定され、基本的には特定領域658に遊技球が入球することを条件に、特定大当り(確変大当り)であることが確定する大当りをいう。「条件付き」とする理由は、特定領域658が長開放する大当りであっても、実際に遊技球が特定領域658に入球しなかったときは、結果的に通常大当り(非確変大当り)となる可能性があるからである。一方、「条件付き通常大当り」とは、特定ラウンドにおいて大入賞口65及び特定領域658が長開放せずに短開放(複数回の短開放も含む)することで、特定領域658への遊技球の入球が困難又は不能に設定され、基本的には特定領域658に遊技球が入球しないことを条件に、通常大当り(非確変大当り)であることが確定する大当りをいう。「条件付き」とする理由は、特定領域658が短開放する大当りであっても、実際に遊技球が特定領域658に入球したときは、結果的に特定大当り(確変大当り)となる可能性があるからである。なお、以下では、特別遊技中に遊技球が特定領域658に入球すること「V入賞」ともいう。ここで、変形例として、特定領域658(V領域)を具備しないスペック(いわゆる玉確機ではないスペック)を採用する場合は、本例における大当り属性として、「条件付き特定大当り」は「特定大当り」又は「確変大当り」に該当し、「条件付き通常大当り」は「通常大当り」又は「非確変大当り」に該当するようにしてもよい。
ここで、図94(A)に示すように、第1特別図柄抽選では、条件付き特定大当りの当選確率が「0.5%」に設定され、条件付き通常大当りの当選確率が「99.5%」に設定されている。一方、図94(B)に示すように、第2特別図柄抽選では、条件付き特定大当りの当選確率が「100%」に設定されている。すなわち、第2特別図柄抽選で大当りが発生した場合は、その大当り種別に関わらず、常に条件付き特定大当りに当選することが確定的となる。そのため、第1特別図柄抽選で大当りが発生する場合よりも、第2特別図柄抽選で大当りが発生する場合の方が、条件付き特定大当り(確変大当り相当)に当選する可能性が高く、特別遊技の終了後に有利な遊技状態(高確率状態)となる。
続いて、第8実施形態における大入賞口作動パターンについて説明する。図95は、第8実施形態における大入賞口作動パターンテーブルを示す模式図である。
大入賞口作動パターンテーブルには、上記の大当り種別ごとに、各ラウンドにおける大入賞口65及び特定領域658の開放態様(開放パターン)が定められている。大入賞口65及び特定領域658の開放態様は、該開放時間の長短に応じて、該開放時間が相対的に長時間に設定された長開放(長開放態様)と、該開放時間が相対的に短時間に設定された短開放(短開放態様)とに区別される。図中、各ラウンドにおける大入賞口65及び特定領域658の開放態様として、「L」は長開放を意味し、「S」は短開放を意味する。長開放の開放時間は、大入賞口65(特定領域658)への遊技球の入球数が規定カウント数(10球)に達する可能性のある時間幅であり、「28.000秒」が設定されている。一方、短開放の開放時間は、大入賞口65(特定領域658)への遊技球の入球自体が困難又は不可能となる時間幅であり、「0.052秒」が設定されている。以下では、1回のラウンド遊技として、長開放(少なくとも1回の長開放)を含むラウンド遊技のことを「長開放ラウンド」といい、短開放(少なくとも1回の短開放)を含み長開放を含まないラウンド遊技のことを「短開放ラウンド遊技」という。このように長開放ラウンド遊技とは、実質的に出玉を獲得できるラウンド遊技であるため、各大当りの実質ラウンド数は、その特別遊技に設定された長開放ラウンド遊技の実行回数に対応している。
本例では、いずれの大当り種別に当選した場合であっても、その特別遊技の特定ラウンドにおいて、遊技球が特定領域658に入球するか否かに応じて確変入賞(確変移行)の有無が振り分けられる。この特定ラウンドでは、大入賞口65の開放動作と特定領域658の開放動作とを同期(連動)させて、大入賞口65が開放されたことを契機として特定領域658が開放され(大入賞口65が開放された時点以降で特定領域658が開放され)、大入賞口65が閉鎖されたことを契機として特定領域658が閉鎖される(大入賞口65が閉鎖された時点以降で特定領域658が閉鎖される)。そのため、基本的には、大入賞口65が長開放されると特定領域658も長開放され、大入賞口65が短開放されると特定領域658も短開放される。本例において、この特定ラウンドは、いずれの大入賞口作動パターンであっても、第2ラウンドに設定されている。但し、1回の特別遊技において、特定ラウンドの実行回数は1回に限定されず、連続的又は断続的に複数回設定してもよい。
図95に示すように、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選にて「16R条件付き特定大当り」に当選した場合は、特別遊技の全てのラウンドで大入賞口65が長開放される。そのため、16R条件付き特定大当りは、実質16ラウンド相当の大当りとなる。なお、特定ラウンドでは、大入賞口65及び特定領域658が長開放されるため、当該ラウンドにおいて特定領域658への遊技球の入球は容易又は可能である。
第1特別図柄抽選にて「6R条件付き通常大当り1」又は「6R条件付き通常大当り2」に当選した場合は、特別遊技の前半の第1〜第3ラウンドにおいて大入賞口65が短開放され、後半の第4〜第6ラウンドにおいて大入賞口65が長開放される。そのため、6R条件付き通常大当り1,2は、実質3ラウンド相当の大当りとなる。なお、特定ラウンドでは、大入賞口65及び特定領域658が短開放されるため、当該ラウンドにおいて特定領域658への遊技球の入球は困難又は実質的に不可能である。
第1特別図柄抽選にて「5R条件付き通常大当り1」又は「5R条件付き通常大当り2」に当選した場合は、特別遊技の前半の第1〜第2ラウンドにおいて大入賞口65が短開放され、後半の第3〜第5ラウンドにおいて大入賞口65が長開放される。そのため、5R条件付き通常大当り1,2は、実質3ラウンド相当の大当りとなる。なお、特定ラウンドでは、大入賞口65及び特定領域658が短開放されるため、当該ラウンドにおいて特定領域658への遊技球の入球は困難又は実質的に不可能である。
第2特別図柄抽選にて「12R条件付き特定大当り」に当選した場合は、特別遊技の全てのラウンドで大入賞口65が長開放される。そのため、12R条件付き特定大当りは、実質12ラウンド相当の大当りとなる。なお、特定ラウンドでは、大入賞口65及び特定領域658が長開放されるため、当該ラウンドにおいて特定領域658への遊技球の入球は容易又は可能である。
第2特別図柄抽選にて「8R条件付き特定大当り」に当選した場合は、特別遊技の全てのラウンドで大入賞口65が長開放される。そのため、8R条件付き特定大当りは、実質8ラウンド相当の大当りとなる。なお、特定ラウンドでは、大入賞口65及び特定領域658が長開放されるため、当該ラウンドにおいて特定領域658への遊技球の入球は容易又は可能である。
第2特別図柄抽選にて「4R条件付き特定大当り」に当選した場合は、特別遊技の全てのラウンドで大入賞口65が長開放される。そのため、4R条件付き特定大当りは、実質4ラウンド相当の大当りとなる。なお、特定ラウンドでは、大入賞口65及び特定領域658が長開放されるため、当該ラウンドにおいて特定領域658への遊技球の入球は容易又は可能である。
第2特別図柄抽選にて「2R条件付き特定大当り」に当選した場合は、特別遊技の全てのラウンドで大入賞口65が長開放される。そのため、2R条件付き特定大当りは、実質2ラウンド相当の大当りとなる。なお、特定ラウンドでは、大入賞口65及び特定領域658が長開放されるため、当該ラウンドにおいて特定領域658への遊技球の入球は容易又は可能である。
続いて、第8実施形態における遊技状態について説明する。図96は、第8実施形態における遊技状態設定テーブルを示す模式図である。遊技状態設定テーブルには、各大当り種別に対して、特別遊技の終了後に、特別図柄の確率変動機能が作動する回数(「確変作動回数」という)と、特別図柄の変動時間短縮機能(及び電チューサポート機能)が作動する回数(「時短作動回数という」)とが対応付けられている。なお、本例においては、遊技状態の種類として、1)特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が作動する遊技状態を「確変状態」又は「確変遊技状態」と称し、2)特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能のみが作動する遊技状態を「時短状態」又は「時短遊技状態」と称し、3)全ての機能が作動していない状態を「通常状態」又は「通常遊技状態」と称する。「確変状態」及び「時短状態」は、いずれも「通常状態」と比べて、遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。本例では、大当りが発生した場合に付与される確変作動回数及び時短作動回数は、大当り種別(図柄群の種類)と、大当り当選時の遊技状態と、特別遊技中のV入賞の有無とに応じて設定される。
第1特別図柄抽選で大当りとなったときに、その特別遊技中にV入賞した場合は、大当り種別及び大当り当選時の遊技状態に関わらず、確変作動回数として「10回」、時短作動回数として「100回」が設定される。一方、第1特別図柄抽選で大当りとなったときに、その特別遊技中にV入賞しなかった場合は、大当り種別及び大当り当選時の遊技状態に関わらず、確変作動回数は付与されず、大当り種別及び大当り当選時の遊技状態に応じて、時短作動回数として「30回」又は「100回」が設定される。すなわち、特別遊技中にV入賞しなかった場合に、大当り当選時の遊技状態が通常状態であり且つその大当り種別が16R条件付き特定大当り、6R条件付き通常大当り1又は5R条件付き通常大当り1であれば、時短作動回数として「100回」が設定される一方で、大当り当選時の遊技状態が通常状態であり且つその大当り種別が6R条件付き通常大当り2又は5R条件付き通常大当り2であれば、時短作動回数として「30回」が設定される。また、特別遊技中にV入賞しなかった場合に、大当り当選時の遊技状態が時短状態又は確変状態であれば、その大当り種別に関わらず、時短作動回数として「100回」が設定される。
第2特別図柄抽選で大当りとなったときに、その特別遊技中にV入賞した場合は、大当り種別及び大当り当選時の遊技状態に関わらず、確変作動回数として「10回」、時短作動回数として「100回」が設定される。一方、第2特別図柄抽選で大当りとなったときに、その特別遊技の特定ラウンドでV入賞しなかった場合は、大当り種別及び大当り当選時の遊技状態に関わらず、確変作動回数は付与されず、時短作動回数として「100回」が設定される。
続いて、第8実施形態における変動パターン選択状態について説明する。図97(A)は第8実施形態における選択状態遷移パターンテーブルを示す模式図、図97(B)は第8実施形態における選択状態設定テーブルを示す模式図である。
変動パターン選択状態とは、前述したように、変動パターン(変動パターンテーブル)を選択する際に参照される選択条件の一つである。本例では、変動パターン選択状態として、11種類の選択状態0〜10が設定されている。選択状態0は、特別図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに電チューサポート機能のいずれも作動していない遊技状態(通常状態)において設定される変動パターン選択状態である。選択状態1〜10は、少なくとも特別図柄の変動時間短縮機能及び電チューサポート機能が作動している遊技状態(確変状態又は時短状態)において設定される変動パターン選択状態である。そのため、特別遊技の終了後、上記の時短作動回数(30回又は100回)内の変動表示においては選択状態1〜10のいずれかが設定され、上記の時短作動回数(30回又は100回)外の変動表示においては、次の大当りが発生するまでの間、選択状態0が設定される。
本例では、図97(A)に示すように、変動パターン選択状態の遷移の順序が定められた3種類の選択状態遷移パターンX,Y,Zが用意されている。選択状態遷移パターンX,Yは、時短回数100回に対応した遷移パターンであり、選択状態遷移パターンZは、時短回数30回に対応した遷移パターンである。なお、図中には、変動パターン選択状態として、上記の時短回数(30回又は100回)内での選択状態1〜10の遷移が示されているが、上記の時短回数が経過した場合(通常状態に戻った場合)には、次回の大当りが発生するまで、選択状態0が設定される。つまり、遊技状態が通常状態に遷移した後は、変動パターン選択状態は遷移しない。但し、変形例として、遊技状態が通常状態である場合であっても、該通常状態に移行後の20回転は選択状態0−1が設定され、それ以降は選択状態0−2が設定されるといったように、通常状態に滞在中においても変動パターン選択状態が遷移するように構成してもよい。なお、選択状態遷移パターンは、変動パターン選択状態の遷移傾向を示すものであるが、この遷移傾向には「変動パターン選択状態が遷移しない」ことが含まれていてもよい。つまり、選択状態遷移パターンとして、変動パターン選択状態が1回も遷移しないパターン(例えば、選択状態遷移パターンA)が用意されていてもよい。
選択状態遷移パターンXは、特別遊技の終了後の100回転の変動表示において、選択状態3(1回)→選択状態4(1回)→選択状態5(1回)→選択状態6(6回)→選択状態7(1回)→選択状態8(30回)→選択状態9(59回)→選択状態10(1回)といった順序で、変動パターン選択状態が遷移する。なお、選択状態10が終了すると、次の大当りが発生するまで選択状態0が設定される。ここで、選択状態8及び選択状態9においては、複数種の予告演出や複数種のリーチ演出(SPリーチ演出)のうちの少なくとも一部の演出については共通しているが(いずれの選択状態に滞在しているときも発生し得るが)、その発生頻度又は大当り期待度が異なるように設定されている。
選択状態遷移パターンYは、特別遊技の終了後の100回転の変動表示において、選択状態1(29回)→選択状態2(1回)→選択状態1(69回)→選択状態2(1回)といった順序で、変動パターン選択状態が遷移する。なお、選択状態10が終了すると、次の大当りが発生するまで選択状態0が設定される。
選択状態遷移パターンZは、特別遊技の終了後の30回転の変動表示において、選択状態1(29回)→選択状態2(1回)といった順序で、変動パターン選択状態が遷移する。なお、選択状態10が終了すると、次の大当りが発生するまで選択状態0が設定される。
図97(B)に示すように、選択状態設定テーブルには、各大当り種別(図柄群)に対して、選択状態遷移パターンが対応付けられている。本例では、選択状態遷移パターンは、大当り種別(図柄群)と、大当り当選時の遊技状態と、特別遊技中のV入賞の有無とに応じて設定される。ここで、現在の遊技状態が確変状態であっても時短状態であっても、選択状態遷移パターンXにおける選択状態3〜7は共通であるが、確変用の選択状態3A〜7Aと時短用の選択状態3B〜7Bとを用意して、遊技状態に応じて選択状態を分岐させてもよい(つまり、遷移タイミングは遊技状態を問わず同じであるが、参照先の変動パターンテーブルを異ならせてもよい)。この場合、選択候補となる変動パターンは、確変用の選択状態3A〜7Aと時短用の選択状態3B〜7Bとで、一部又は全てが共通していてもよい。
具体的に、第1特別図柄抽選にて16R条件付き特定大当りに当選した場合は、大当り当選時の遊技状態及び特別遊技中のV入賞の有無に関わらず、常に、選択状態遷移パターンXが設定される。また、第1特別図柄抽選にて6R条件付き通常大当り1又は5R条件付き通常大当り1に当選した場合に、特別遊技中にV入賞したときは、大当り当選時の遊技状態に関わらず、常に、選択状態遷移パターンXが設定される。一方、第1特別図柄抽選にて6R条件付き通常大当り1又は5R条件付き通常大当り1に当選した場合に、特別遊技中にV入賞しなかったときは、大当り当選時の遊技状態が通常状態であれば、選択状態遷移パターンYが設定され、大当り当選時の遊技状態が時短状態又は確変状態であれば、選択状態遷移パターンXが設定される。また、第1特別図柄抽選にて6R条件付き通常大当り2又は5R条件付き通常大当り2に当選した場合に、特別遊技中にV入賞したときは、大当り当選時の遊技状態に関わらず、常に、選択状態遷移パターンXが設定される。一方、第1特別図柄抽選にて6R条件付き通常大当り2又は5R条件付き通常大当り2に当選した場合に、特別遊技中にV入賞しなかったときは、大当り当選時の遊技状態が通常状態であれば、選択状態遷移パターンZが設定され、大当り当選時の遊技状態が時短状態又は確変状態であれば、選択状態遷移パターンXが設定される。
一方、第2特別図柄抽選にていずれかの条件付き特定大当り(16R条件付き特定大当り、12R条件付き特定大当り、8R条件付き特定大当り、4R条件付き特定大当り、2R条件付き特定大当り)に当選した場合は、大当り当選時の遊技状態及び特別遊技中のV入賞の有無に関わらず、常に、選択状態遷移パターンXが設定される。
ここで、変動パターン選択状態の遷移の仕方を、大当り当選時の遊技状態ごとにみると、以下のようなことが言える。まず、遊技状態が通常状態である場合に、第1特別図柄抽選にて条件付き特定大当りに当選したときは、基本的には特別遊技中にV入賞が発生して選択状態遷移パターンXが設定される。一方、遊技状態が通常状態である場合に、第1特別図柄抽選にて条件付き通常大当りに当選したときは、基本的には特別遊技中にV入賞は発生せずに選択状態遷移パターンY又は選択状態遷移パターンZが設定される。そのため、遊技状態が通常状態である場合に、第1特別図柄で大当りが発生した場合は、その大当り種別が条件付き特定大当りであるか条件付き通常大当りであるかに応じて、特別遊技の終了後から起算して30回の変動表示までの変動パターン選択状態の遷移の仕方が異なり得るようになっている。但し、選択状態遷移パターンY,Zは、特別遊技の終了後から起算して30回の変動表示までの変動パターン選択状態の遷移の仕方が同一となっている。
また、遊技状態が時短状態又は確変状態である場合に、第1特別図柄で大当りが発生したときは、その大当り種別及び特別遊技中のV入賞の有無に関わらず、常に、選択状態遷移パターンXが設定されるので、特別遊技の終了後から起算して100回の変動表示までの変動パターン選択状態の遷移の仕方が同一となっている。
また、いずれの遊技状態であっても、第2特別図柄で大当りが発生したときは、その大当り種別及び特別遊技中のV入賞の有無に関わらず、常に、選択状態遷移パターンXが設定されるので、特別遊技の終了後から起算して100回の変動表示までの変動パターン選択状態の遷移の仕方が同一となっている。
ここで、選択状態遷移パターンXに従って変動パターン選択状態が遷移する上記100回の変動表示においては、前半10回の変動表示は確変状態に滞在し、後半90回の変動表示は時短状態に滞在する。このとき、確変状態に滞在する前半10回の変動表示では、「選択状態3」→「選択状態4」→「選択状態5」→「選択状態6」→「選択状態7」といったように、変動パターン選択状態が4回遷移する。一方、時短状態に滞在する後半90回の変動表示では、「選択状態8」→「選択状態9」→「選択状態10」といったように、変動パターン選択状態が2回遷移する。このように確変状態に滞在するときの変動表示回数(10回)の方が、時短状態に滞在するときの変動表示回数(90回)よりも少なく設定されているが、確変状態において変動パターン選択状態が遷移する回数(4回)の方が、時短状態において変動パターン選択状態が遷移する回数(2回)よりも多くなるように設定されている。なお、変形例として、上記の前半10回における変動パターン選択状態の遷移回数と、上記の後半90回における変動パターン選択状態の遷移回数との多少を逆転させてもよい。すなわち、上記の前半10回(確変状態)における変動パターン選択状態の遷移回数の方が、上記の後半90回(時短状態)における変動パターン選択状態の遷移回数よりも少なくなるように構成してもよい。
続いて、第8実施形態における特別図柄の変動パターンについて説明する。図98〜図108は、第8実施形態における特別図柄の変動パターンテーブルを示す模式図である。
特別図柄の変動パターンテーブルは、現在滞在中の変動パターン選択状態の種類に応じて設定される。本例では、上記の変動パターン選択状態(選択状態0〜10)に対応して、複数種の変動パターンテーブル0〜10が用意されている。すなわち、特別図柄の変動パターンを決定する際は、現在滞在中の変動パターン選択状態に対応した変動パターンテーブルが参照される。そして、取得した特別図柄変動パターン乱数値や大当り種別、作動保留球数などに基づき、その変動パターンテーブルに設定された一又は複数種の変動パターンの中からいずれかの変動パターンが選択される。図中では、便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には、取得した特別図柄変動パターン乱数値に基づき、変動パターンを決定するための判定置数(乱数値の範囲)が設定されており、特別図柄変動パターン乱数値がいずれの判定置数に属するかに基づき、変動パターンが選択されるようになっている。なお、各変動パターンテーブルは、第1特別図柄用と第2特別図柄用とで参照する欄が相違しており、同一の特別図柄変動パターン乱数値を取得したとしても、互いに異なる変動パターンが選択され得るようになっている。ここで、各図に記載されている作動保留球の個数(「保留0個」、「保留1〜2個」、「保留3個」)は、第1特別図柄の変動パターン抽選であれば、第1特別図柄の作動保留球数(保留消化後の作動保留球の個数)を意味し、第2特別図柄の変動パターン抽選であれば、第2特別図柄の作動保留球数(保留消化後の作動保留球の個数)を意味する。この作動保留球の個数は、変動パターンの抽選時(当該変動表示の開始時/保留消化後)に存在する作動保留球の個数である(当該変動表示により消化された作動保留球は含まない)。なお、その変形例としては、第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数の合算値を用いてもよい。
ここで、特別図柄の変動表示と連動して行われる装飾図柄の変動演出は、特別図柄の変動パターンの種別(変動時間)などに基づき決定される。図98〜図108には、参考として、各変動パターンに対応して設定される変動演出の内容を記載している。図中、「超短縮変動」、「短縮変動」、「通常変動」は、3列の装飾図柄が変動して、一度もリーチ状態を経由せずに、いわゆるバラケ目で「はずれ」となる演出である。以下では、超短縮変動、短縮変動及び通常変動をまとめて「非リーチはずれ」とも称する。この非リーチはずれでは、通常変動よりも短縮変動、短縮変動よりも超短縮変動の方が短い時間で変動表示が停止する点で相互に変動態様が異なる。「Nリーチ(Nリーチ演出)」は、3列ある装飾図柄のうち2列(一般的には左列及び右列)に同一の装飾図柄が停止した状態(リーチ状態)で、残り1列(一般的には中列)に異なる装飾図柄が停止したならば「はずれ」となり、残り1列(一般的には中列)に同一の装飾図柄が停止したならば「大当り」となる演出である。「SPリーチ(SPリーチ演出)」は、上記のNリーチよりも相対的に大当り期待度の高いリーチ演出であり、Nリーチから発展して、例えばアニメや実写等の静止画・動画などが表示される演出である。本例における変動パターンの種別では、非リーチ<Nリーチ<SPリーチの順に、大当り期待度が高くなるように設定されている。なお、本例における「Nリーチ」は上記実施形態における「ノーマルリーチ」に相当し、本例における「SPリーチ」は上記実施形態における「スーパーリーチ」に相当する。また、各変動パターンテーブルにおいてNリーチやSPリーチは複数種類用意されていてもよく、その場合には「Nリーチの種類数」<「SPリーチの種類数」となることが好適である。その他、少なくともいずれかの変動パターン選択状態において、発生した時点で獲得ラウンド数として4ラウンド以上又は8ラウンド以上が確定するSPリーチ(すなわち、4ラウンド以上又は8ラウンド以上に対応したSPリーチ)を設けても良い。つまり、そのSPリーチ(一例としては、SPリーチZ)が発生した時点で七星演出が発生しないことが確定したり、再抽選演出が発生することが確定したりしてもよい。
また、図98〜図108では記載を省略しているが、装飾図柄の変動表示においては、擬似連続変動演出(略して「擬似連」とも称する)が実行される場合がある。「擬似連続変動演出(擬似連)」は、装飾図柄の1回の変動表示の間に、装飾図柄を仮停止表示(擬似停止)させることにより、擬似的に複数回の変動表示をさせたように見せる演出である。この擬似連続変動演出は、3列の装飾図柄が全て擬似的に仮停止(擬似停止)した後に再変動を開始する再変動表示を1回以上実行する構成となっている。擬似連は、リーチ演出を含む変動表示においては、リーチ状態が形成される前段階で実行表示され、再変動表示(擬似連)の回数が多くなるほど、大当り期待度の高いリーチ演出の発生が期待できるようになっている。本例において、「擬似1」とは1回の再変動表示(擬似連)が行われること、「擬似2」とは2回の再変動表示(擬似連)が行われること、「擬似3」とは3回の再変動表示(擬似連)が行われることを意味する。本例では、擬似連の回数が多くなるほど、すなわち、擬似連1<擬似連2<擬似連3の順に、大当り期待度が高くなるように設定されている。加えて、3列の装飾図柄のうち、左列及び右列の装飾図柄がリーチ状態(テンパイ)で仮停止する場合の方が、左列及び右列の装飾図柄が非リーチ状態で仮停止する場合よりも、大当り期待度が高くなるように設定されている。なお、本例では、装飾図柄の変動表示中に実行される演出として、上記第1実施形態で例示した各種の予告演出(例えばSU予告演出や群予告演出など)に加えて、「リーチ煽り」、「七星演出」、「再抽選演出」、「最終変動演出」、「特殊連続演出」、「特殊大当り演出」などが設定されているが、その具体的な内容については後述する。
(変動パターンテーブル0)
図98は、変動パターンテーブル0を示す模式図である。変動パターンテーブル0は、現在滞在中の変動パターン選択状態が選択状態0である場合に設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル0は、当否判定の結果(大当り/はずれ)に応じて異なるテーブルとなっている。図中、「SPリーチA」とは、所定のキャラクタに因んだストーリーが展開されるストーリー系リーチ演出である。「七星演出」とは、当否判定の結果がはずれであることを示唆するガセはずれのリーチ演出が実行された直後、所定のロゴ(七星チャージという文字)が出現することで大当り当選したことを示す復活演出である。
はずれ用の変動パターンテーブル0には、変動パターンPH0−1(超短縮)、PH0−2(短縮)、PH0−3(通常)、PH0−4(Nリーチ)、PH0−5(SPリーチA)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、変動パターンPH0−1(超短縮)、PH0−2(短縮)、PH0−3(通常)、PH0−4(Nリーチ)、PH0−5(SPリーチA)のうちのいずれかが選択される。このとき、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、作動保留球数に応じて参照先のテーブル内容が異なるように設定されており、特別図柄変動パターン乱数値が同じであっても、異なる変動パターンが選択され得るようになっている。具体的には、作動保留球数が多いほど変動時間が相対的に短く設定された変動パターン(超短縮変動又は短縮変動)が選択されやすく、作動保留球数が少ないほど変動時間が相対的に長く設定された変動パターン(通常変動又はNリーチ)が選択されやすくなっている。一方、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、変動パターンPH0−2(短縮)又はPH0−3(通常)が選択される。つまり、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合と異なり、作動保留球数に依存せず、変動時間が相対的に短く設定された変動パターン(短縮又は通常)のみが選択される。なお、変形例として、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、第2特別図柄の作動保留数に依存せず、超短縮の変動パターンしか選択しない又は超短縮の変動パターンを最も選択し得る(その場合は、第2特別図柄の作動保留球数が何個であっても選択割合は同じ)としてもよい。
大当り用の変動パターンテーブル0には、変動パターンPA0−1(Nリーチ)、PA0−2(SPリーチA)、PA0−3(SPリーチA→七星演出)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、その大当り種別に依存せず、変動パターンPA0−1(Nリーチ)又はPA0−2(SPリーチA)が選択される。一方、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、大当り種別が16R条件付き特定大当り、12R条件付き特定大当り、8R条件付き特定大当り、4R条件付き特定大当りであれば、変動パターンPA0−2(SPリーチA)が選択され、大当り種別が2R条件付き特定大当りであれば、変動パターンPA0−3(SPリーチA→七星演出)が選択される。
(変動パターンテーブル1)
図99は、変動パターンテーブル1を示す模式図である。変動パターンテーブル1は、現在滞在中の変動パターン選択状態が選択状態1である場合に設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル1は、当否判定の結果(大当り/はずれ)に応じて異なるテーブルとなっている。図中、「SPリーチB」とは、当否判定の結果を大当りとするための擬似的な条件として、その演出結果が特定の態様を呈すべきことを内容とする指令を遊技者に提示するミッション演出である。本例におけるミッション演出では、その指令として、遊技者の選択したキャラクタが敵キャラクタを倒すことができたらミッション成功(大当り)となり、敵キャラクタを倒せなければミッション失敗(はずれ)となる演出である。「七星演出」とは、上記ミッション演出にて味方キャラクタが敗北してミッション失敗となった直後(ガセはずれのミッション演出が実行された直後)、所定のロゴ(七星チャージという文字)が出現することで大当り当選したことを示す復活演出である。
はずれ用の変動パターンテーブル1には、変動パターンPH1−1(超短縮)、PH1−2(通常)、PH1−3(SPリーチB)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、作動保留球数に依存することなく、変動パターンPH1−2(通常)又はPH1−3(SPリーチB)が選択される。すなわち、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、作動保留球数が何個存在していたとしても、変動パターンPH1−1(超短縮)が選択されることはない。一方、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、変動パターンPH1−1(超短縮)、PH1−2(通常)、PH1−3(SPリーチB)のうちのいずれかが選択される。このとき、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、作動保留球数に応じて(詳しくは作動保留球の有無に応じて)参照先のテーブル内容が異なるように設定されており、特別図柄変動パターン乱数値が同じであっても、異なる変動パターンが選択され得るようになっている。具体的には、作動保留球が存在していない場合は変動パターンPH1−1(超短縮)が選択されることはなく、作動保留球が存在している場合にのみ変動パターンPH1−1(超短縮)が選択され得るため、作動保留球が存在していない場合よりも、作動保留球が存在している場合の方が、相対的に変動時間の短い変動パターンが選択されやすくなる傾向となる。
大当り用の変動パターンテーブル1には、変動パターンPA1−1(SPリーチB)、PA1−2(SPリーチB→七星演出)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、その大当り種別に依存せず、変動パターンPA1−1(SPリーチB)が選択される。一方、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、大当り種別が16R条件付き特定大当り、12R条件付き特定大当り、8R条件付き特定大当り、4R条件付き特定大当りであれば、変動パターンPA1−1(SPリーチB)が選択され、大当り種別が2R条件付き特定大当りであれば、変動パターンPA1−2(SPリーチB→七星演出)が選択される。
(変動パターンテーブル2)
図100は、変動パターンテーブル2を示す模式図である。変動パターンテーブル2は、現在滞在中の変動パターン選択状態が選択状態2である場合に設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル2は、当否判定の結果(大当り/はずれ)に応じて異なるテーブルとなっている。図中、「最終変動演出A」は、変動パターン選択状態として選択状態2に滞在する1回転のみの変動表示(後述の無双ミッションモードの30回転目又は100回転目の変動表示)にて実行される演出である。「最終変動演出A(モード継続/終了)」は、シャッタ演出(シャッタ画像が画面のほぼ全域で開状態→閉状態→開状態に変化する)を経て、現在実行中の演出モード(無双ミッションモード)が次回の変動表示以降も継続することを報知するモード継続演出、又は、現在実行中の演出モード(無双ミッションモード)が今回の変動表示で終了することを報知するモード終了演出が行われる演出である。つまり、「最終変動演出A(モード継続/終了)」は、時短状態の最終変動(最終回の変動表示)であるか否かをを煽る演出である。具体的には、今回の変動表示が特別遊技の終了後から起算して30回転目の変動表示である場合に、大当り当選時に付与された時短作動回数が100回であれば「モード継続演出」が選択され、大当り当選時に付与された時短作動回数が30回あれば「モード終了演出」が選択される。一方、今回の変動表示が特別遊技の終了後から起算して100回転目の変動表示である場合は、大当り当選時に付与された時短作動回数が100回であるはずであるため、「モード終了演出」が選択される。「最終変動演出A(救済)」は、シャッタ演出(シャッタ画像が画面のほぼ全域で開状態→閉状態→開状態に変化する)を経て、この開状態にてプレミアキャラクタが登場することで大当り当選したことを示す救済演出である。「最終変動演出A(七星)」は、シャッタ演出(シャッタ画像が画面のほぼ全域で開状態→閉状態→開状態に変化する)を経て、この開状態にて所定のロゴ(七星チャージという文字)が出現することで大当り当選したことを示す復活演出である。なお、これに限らず、最終変動演出Aにおいてシャッタ演出を経由せずに、リーチ成立→SPリーチB(→七星演出)といった演出、つまりは最終変動前の無双ミッションモードと同じ当り方をしてもよい。また、シャッタ演出を経由した当り方と上記当り方のいずれかを抽選で選択するように構成してもよい。
はずれ用の変動パターンテーブル2には、変動パターンPH2−1(最終変動演出A(継続/終了))が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、作動保留球数に依存することなく、変動パターンPH2−1(最終変動演出A(継続/終了))が選択される。同じく、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、作動保留球数に依存することなく、変動パターンPH2−1(最終変動演出A(継続/終了))が選択される。つまり、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、常に、変動パターンPH2−1(最終変動演出A(継続/終了))のみが選択される。なお、第1特別図柄の当否判定の結果又は第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、必ずシャッタ演出を経由したモード継続演出又はモード終了演出となり、救済演出や七星演出が発生することもなく、また、リーチ成立→SPリーチBなどの変動演出も発生することはない。
大当り用の変動パターンテーブル2には、変動パターンPA2−1(最終変動演出A(救済))、PA2−2(最終変動演出A(七星))が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、その大当り種別に依存せず、変動パターンPA2−1(最終変動演出A(救済))が選択される。一方、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、大当り種別が16R条件付き特定大当り、12R条件付き特定大当り、8R条件付き特定大当り、4R条件付き特定大当りであれば、変動パターンPA2−1(最終変動演出A(救済))が選択され、大当り種別が2R条件付き特定大当りであれば、変動パターンPA2−2(最終変動演出A(七星))が選択される。
(変動パターンテーブル3)
図101は、変動パターンテーブル3を示す模式図である。変動パターンテーブル3は、現在滞在中の変動パターン選択状態が選択状態3である場合に設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル3は、当否判定の結果(大当り/はずれ)に応じて異なるテーブルとなっている。図中、「特殊連続演出」は、特別遊技の終了時から一又は複数回の変動表示に跨って実行される演出である。なお、「特殊連続演出」は、その他の演出(図98〜図108の「演出内容」の欄に記載された1回の変動表示において完結する演出)とは本質的に異なり、1回又は複数回の変動表示に跨って表示される演出(動画像)であるため、変動開始時の演出抽選にて選択された演出というわけではなく、言わば背景演出のようなものである。本例では、選択状態3〜5(変動パターンテーブル3〜5)にて選択される変動パターンは、全て特殊連続演出を伴う変動パターンとして構成されている。「特殊大当り演出」は、上記特殊連続演出の終了後において、可動役物24が画面前面に落下して大当り当選が確定したことを報知した後、ボタン操作により大当り種別(特別遊技種別)に応じて設定された獲得予定賞球数(特別遊技において遊技者が獲得予定となる賞球数)が上乗せされるカウントアップ演出(ラウンドアップ演出)が行われる演出である。
はずれ用の変動パターンテーブル3には、変動パターンPH3−1(特殊連続演出)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、作動保留球数に依存することなく、変動パターンPH3−1(特殊連続演出)が選択される。同じく、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、作動保留球数に依存することなく、変動パターンPH3−1(特殊連続演出)が選択される。つまり、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、変動パターンPH3−1(特殊連続演出)のみが選択される。
一方、大当り用の変動パターンテーブル3には、変動パターンPA3−1(特殊連続演出→特殊大当り演出)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、その大当り種別に依存することなく、変動パターンPA3−1(特殊連続演出→特殊大当り演出)が選択される。同じく、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、その大当り種別に依存することなく、変動パターンPA3−1(特殊連続演出→特殊大当り演出)が選択される。つまり、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、常に、変動パターンPA3−1(特殊連続演出→特殊大当り演出)のみが選択される。
(変動パターンテーブル4)
図102は、変動パターンテーブル4を示す模式図である。変動パターンテーブル4は、現在滞在中の変動パターン選択状態が選択状態4である場合に設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル4は、当否判定の結果(大当り/はずれ)に応じて異なるテーブルとなっている。図中、「特殊連続演出」及び「特殊大当り演出」は、上述の変動パターンテーブル3(図101)で説明した演出内容と同一であるため、ここでは重複説明を省略する。
はずれ用の変動パターンテーブル4には、変動パターンPH4−1(特殊連続演出)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、作動保留球数に依存することなく、変動パターンPH4−1(特殊連続演出)が選択される。同じく、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、作動保留球数に依存することなく、変動パターンPH4−1(特殊連続演出)が選択される。つまり、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、常に、変動パターンPH4−1(特殊連続演出)のみが選択される。
一方、大当り用の変動パターンテーブル4には、変動パターンPA4−1(特殊連続演出)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、その大当り種別に依存することなく、変動パターンPA4−1(特殊連続演出→特殊大当り演出)が選択される。同じく、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、その大当り種別に依存することなく、変動パターンPA4−1(特殊連続演出→特殊大当り演出)が選択される。つまり、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、常に、変動パターンPA4−1(特殊連続演出→特殊大当り演出)のみが選択される。
(変動パターンテーブル5)
図103は、変動パターンテーブル5を示す模式図である。変動パターンテーブル5は、現在滞在中の変動パターン選択状態が選択状態5である場合に設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル5は、当否判定の結果(大当り/はずれ)に応じて異なるテーブルとなっている。なお、図中の「特殊連続演出」及び「特殊大当り演出」は、上述の変動パターンテーブル3(図101)で説明した演出内容と同一であるため、ここでは重複説明を省略する。
はずれ用の変動パターンテーブル5には、変動パターンPH5−1(特殊連続演出)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、作動保留球数に依存することなく、変動パターンPH5−1(特殊連続演出)が選択される。同じく、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、作動保留球数に依存することなく、変動パターンPH5−1(特殊連続演出)が選択される。つまり、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、常に、変動パターンPH5−1(特殊連続演出)のみが選択される。
一方、大当り用の変動パターンテーブル5には、変動パターンPA5−1(特殊連続演出→特殊大当り演出)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、その大当り種別に依存することなく、変動パターンPA5−1(特殊連続演出→特殊大当り演出)が選択される。同じく、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、その大当り種別に依存することなく、変動パターンPA5−1(特殊連続演出→特殊大当り演出)が選択される。つまり、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、常に、変動パターンPA5−1(特殊連続演出→特殊大当り演出)のみが選択される。
(変動パターンテーブル6)
図104は、変動パターンテーブル6を示す模式図である。変動パターンテーブル6は、現在滞在中の変動パターン選択状態が選択状態6である場合に設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル6は、当否判定の結果(大当り/はずれ)に応じて異なるテーブルとなっている。図中、「リーチ煽り」は、リーチが成立するか否かを煽る演出であり、リーチが成立すればリーチ煽り成功となり、リーチが成立しなければリーチ煽り失敗となる。「SPリーチC」は、味方キャラクタが敵キャラクタと対戦して勝敗を決するバトル演出が展開されるリーチ演出である。このバトル演出では、基本的に、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利すると大当り当選が確定し、味方キャラクタが敵キャラクタに敗北するとはずれが確定する。そのため、原則的には、該バトルの勝敗が決するタイミングが、当落分岐のタイミングとして設定されている。「再抽選演出」は、上記バトル演出にて味方キャラクタが勝利することで大当り当選が確定した後、獲得ラウンド数(獲得可能な出玉数)を再抽選にて決定する昇格演出(変動表示中に行われるカウントアップ演出/ラウンドアップ演出)である。但し、獲得ラウンド数(獲得可能な出玉数)は、大当り当選時の大当り種別に応じて予め決定されているので、この再抽選とは演出上の抽選を意味する。「七星演出」は、上記バトル演出にて味方キャラクタが敗北した後(ガセはずれのバトル演出が実行された後)、所定のロゴ(七星チャージという文字)が出現することで大当り当選したことを示す復活演出である。
はずれ用の変動パターンテーブル6には、変動パターンPH6−1(リーチ煽り)、PH6−2(リーチ煽り→SPリーチC)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、作動保留球数に依存することなく、変動パターンPH6−1(リーチ煽り)又はPH6−2(リーチ煽り→SPリーチC)が選択される。同じく、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、作動保留球数に依存することなく、変動パターンPH6−1(リーチ煽り)又はPH6−2(リーチ煽り→SPリーチC)が選択される。
大当り用の変動パターンテーブル6には、変動パターンPA6−1(リーチ煽り→SPリーチC)、PA6−2(リーチ煽り→SPリーチC→再抽選演出)、PA6−3(リーチ煽り→SPリーチC→七星演出)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、その大当り種別に依存せず、変動パターンPA6−1(リーチ煽り→SPリーチC)又はPA6−2(リーチ煽り→SPリーチC→再抽選演出)が選択される。一方、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、16R条件付き特定大当り、12R条件付き特定大当り、8R条件付き特定大当りであれば、変動パターンPA6−2(リーチ煽り→SPリーチC→再抽選演出)が選択され、大当り種別が4R条件付き特定大当りであれば、変動パターンPA6−1(リーチ煽り→SPリーチC)が選択され、大当り種別が2R条件付き特定大当りであれば、変動パターンPA6−3(リーチ煽り→SPリーチC→七星演出)が選択される。
(変動パターンテーブル7)
図105は、変動パターンテーブル7を示す模式図である。変動パターンテーブル7は、現在滞在中の変動パターン選択状態が選択状態7である場合に設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル7は、当否判定の結果(大当り/はずれ)に応じて異なるテーブルとなっている。「モード突入演出」は、上記バトル演出にて味方キャラクタが敗北した後、シャッタ演出(シャッタ画像が画面ほぼ全域を使って開状態→閉状態→開状態に変化する)を経て、次の演出モード(無双闘舞モード)への突入演出が行われる演出である。「再抽選演出」は、上記バトル演出にて味方キャラクタが勝利することで大当り当選が確定した後、獲得ラウンド数(獲得可能な出玉数)を再抽選にて決定する昇格演出(変動表示中に行われるカウントアップ演出/ラウンドアップ演出)である。但し、獲得ラウンド数(獲得可能な出玉数)は、大当り当選時の大当り種別に応じて予め決定されているので、この再抽選とは演出上の抽選を意味する。「最終変動演出B」は、変動パターン選択状態として選択状態7に滞在する1回転のみの変動表示(後述の七星闘舞モードの最終回の変動表示)にて実行される演出である。「最終変動演出B(救済)」は、上記バトル演出にて味方キャラクタが敗北した後(ガセはずれのバトル演出が実行された後)、シャッタ演出(シャッタ画像が画面のほぼ全域で開状態→閉状態→開状態に変化する)を経て、この開状態にてプレミアキャラクタが登場することで大当り当選したことを示す救済演出である。「最終変動演出B(七星)」は、上記バトル演出にて味方キャラクタが敗北した後(ガセはずれのバトル演出が実行された後)、シャッタ演出(シャッタ画像が画面のほぼ全域で開状態→閉状態→開状態に変化する)を経て、この開状態にて所定のロゴ(七星チャージという文字)が出現することで大当り当選したことを示す復活演出である。
はずれ用の変動パターンテーブル7には、変動パターンPH7−1(SPリーチC→最終変動演出B(終了))が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、作動保留球数に依存することなく、変動パターンPH7−1(SPリーチC→最終変動演出B(終了))が選択される。同じく、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、作動保留球数に依存することなく、常に、変動パターンPH7−1(SPリーチC→最終変動演出B(終了))が選択される。
大当り用の変動パターンテーブル7には、変動パターンPA7−1(SPリーチC)、PA7−2(SPリーチC→再抽選演出)、PA7−3(SPリーチC→七星演出)、PA7−4(SPリーチC→最終変動演出B(救済))が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、16R条件付き特定大当りであれば、変動パターンPA7−2(SPリーチC→再抽選)又はPA7−4(SPリーチC→最終変動演出B(救済))が選択され、それ以外の大当り種別(6R条件付き通常大当り1、6R条件付き通常大当り2、5R条件付き通常大当り1、5R条件付き通常大当り2)であれば、変動パターンPA7−1(SPリーチC)が選択される。一方、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、16R条件付き特定大当りであれば、変動パターンPA7−2(SPリーチC→再抽選演出)又はPA7−4(SPリーチC→最終変動演出B(救済))が選択され、12R条件付き特定大当り又は8R条件付き特定大当りであれば、変動パターンPA7−2(SPリーチC→再抽選演出)が選択され、4R条件付き特定大当りであれば、変動パターンPA7−1(SPリーチC)が選択され、2R条件付き特定大当りであれば、変動パターンPA7−3(SPリーチC→七星演出)が選択される。
(変動パターンテーブル8)
図106は、変動パターンテーブル8を示す模式図である。変動パターンテーブル8は、現在滞在中の変動パターン選択状態が選択状態8である場合に設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル8は、当否判定の結果(大当り/はずれ)に応じて異なるテーブルとなっている。図中、「SPリーチD」は、味方キャラクタが多勢の雑魚キャラクタを撃破する殲滅演出が展開されるリーチ演出である。この殲滅演出では、基本的に、味方キャラクタが雑魚集団の殲滅に成功すると大当り当選が確定し、味方キャラクタが雑魚集団の殲滅に失敗するとはずれが確定する。「再抽選演出」は、上記殲滅演出にて味方キャラクタが雑魚集団の殲滅に成功することで大当り当選が確定した後、獲得ラウンド数(獲得可能な出玉数)を再抽選にて決定する昇格演出(変動表示中に行われるカウントアップ演出/ラウンドアップ演出)である。但し、獲得ラウンド数(獲得可能な出玉数)は、大当り当選時の大当り種別に応じて予め決定されているので、この再抽選とは演出上の抽選を意味する。「七星演出」は、上記殲滅演出にて雑魚集団の殲滅に失敗した後(ガセはずれの殲滅演出が実行された後)、所定のロゴ(七星チャージという文字)が出現することで大当り当選したことを示す復活演出である。
はずれ用の変動パターンテーブル8には、変動パターンPH8−1(超短縮)、PH8−2(通常)、PH8−3(SPリーチD)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、作動保留球数に依存することなく、変動パターンPH8−2(通常)又はPH8−3(SPリーチD)が選択される。一方、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、変動パターンPH8−1(超短縮)、PH8−2(通常)、PH8−3(SPリーチD)のうちのいずれかが選択される。このとき、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、作動保留球数に応じて(詳しくは作動保留球が存在するか否かに応じて)参照先のテーブル内容が異なるように設定されており、特別図柄変動パターン乱数値が同じであっても、異なる変動パターンが選択され得るようになっている。具体的には、作動保留球が存在していない場合は、変動パターンPH8−1(超短縮)が選択されることはなく、作動保留球が存在している場合にのみ、変動パターンPH8−1(超短縮)が選択され得る。そのため、作動保留球が存在していない場合よりも、作動保留球が存在している場合の方が、相対的に変動時間の短い変動パターンが選択される傾向となる。
大当り用の変動パターンテーブル8には、変動パターンPA8−1(SPリーチD)、PA8−2(SPリーチD→再抽選演出)、PA8−3(SPリーチD→七星演出)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、16R条件付き特定大当りであれば、変動パターンPA8−2(SPリーチD→再抽選演出)が選択され、それ以外の大当り種別(6R条件付き通常大当り1、6R条件付き通常大当り2、5R条件付き通常大当り1、5R条件付き通常大当り2)であれば、変動パターンPA8−1(SPリーチD)が選択される。一方、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、16R条件付き特定大当り、12R条件付き特定大当り、8R条件付き特定大当りであれば、変動パターンPA8−2(SPリーチD→再抽選演出)が選択され、4R条件付き特定大当りであれば、変動パターンPA8−1(SPリーチD)が選択され、2R条件付き特定大当りであれば、変動パターンPA8−3(SPリーチD→七星演出)が選択される。
(変動パターンテーブル9)
図107は、変動パターンテーブル9を示す模式図である。変動パターンテーブル9は、現在滞在中の変動パターン選択状態が選択状態9である場合に設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル9は、当否判定の結果(大当り/はずれ)に応じて異なるテーブルとなっている。図中、「SPリーチD」、「再抽選演出」及び「復活演出」は、上述の変動パターンテーブル8(図106)で説明した演出内容と同一であるため、ここでは重複説明を省略する。
はずれ用の変動パターンテーブル9には、変動パターンPH9−1(超短縮)、PH9−2(通常)、PH9−3(SPリーチD)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、作動保留球数に依存することなく、変動パターンPH9−2(通常)又はPH9−3(SPリーチD)が選択される。一方、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、変動パターンPH9−1(超短縮)、PH9−2(通常)、PH9−3(SPリーチD)のうちのいずれかが選択される。このとき、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、作動保留球数に応じて(詳しくは作動保留球が存在するか否かに応じて)参照先のテーブル内容が異なるように設定されており、特別図柄変動パターン乱数値が同じであっても、異なる変動パターンが選択され得るようになっている。具体的には、作動保留球が存在していない場合は、変動パターンPH9−1(超短縮)が選択されることはなく、作動保留球が存在している場合にのみ、変動パターンPH9−1(超短縮)が選択され得る。そのため、作動保留球が存在していない場合よりも、作動保留球が存在している場合の方が、相対的に変動時間の短い変動パターンが選択される傾向となる。
大当り用の変動パターンテーブル9には、変動パターンPA9−1(SPリーチD)、PA9−2(SPリーチD→再抽選演出)、PA9−3(SPリーチD→七星演出)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、16R条件付き特定大当りであれば、変動パターンPA9−2(SPリーチD→再抽選演出)が選択され、それ以外の大当り種別(6R条件付き通常大当り1、6R条件付き通常大当り2、5R条件付き通常大当り1、5R条件付き通常大当り2)であれば、変動パターンPA9−1(SPリーチD)が選択される。一方、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、16R条件付き特定大当り、12R条件付き特定大当り、8R条件付き特定大当りであれば、変動パターンPA9−2(SPリーチD→再抽選演出)が選択され、4R条件付き特定大当りであれば、変動パターンPA9−1(SPリーチD)が選択され、2R条件付き特定大当りであれば、変動パターンPA9−3(SPリーチD→七星演出)が選択される。
なお、この変動パターンテーブル9では、当否判定の結果がはずれである場合は「20%」の確率でSPリーチDが選択されるのに対して、当否判定の結果が大当りである場合は「100%」の確率でSPリーチDが選択される。一方、前述の変動パターンテーブル8では、当否判定の結果がはずれである場合は「10%」の確率でSPリーチDが選択されるのに対して、当否判定の結果が大当りである場合には「100%」の確率でSPリーチDが選択される。そのため、変動パターン選択状態として、選択状態9に滞在する場合よりも、選択状態8に滞在する場合の方が、SPリーチDの大当り期待度は高くなる。つまり、後述する無双闘舞モードにおける前半30回転の方が後半59回転よりも、SPリーチDの大当り期待度は高いと言える。
(変動パターンテーブル10)
図108は、変動パターンテーブル10を示す模式図である。変動パターンテーブル10は、現在滞在中の変動パターン選択状態が選択状態10である場合に設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル10は、当否判定の結果(大当り/はずれ)に応じて異なるテーブルとなっている。図中、「最終変動演出C」は、変動パターン選択状態として選択状態10に滞在する1回転のみの変動表示(後述の無双闘舞モードの最終回の変動表示)にて実行される演出である。「最終変動演出C(終了)」は、シャッタ演出(シャッタ画像が画面のほぼ全域で開状態→閉状態→開状態に変化する)を経て、現在実行中の演出モード(無双ミッションモード)が今回の変動表示で終了することを報知するモード終了演出である。「最終変動演出C(救済)」は、シャッタ演出(シャッタ画像が画面のほぼ全域で開状態→閉状態→開状態に変化する)を経て、この開状態にてプレミアキャラクタが登場することで大当り当選したことを示す救済演出である。「最終変動演出C(七星)」は、シャッタ演出(シャッタ画像が画面のほぼ全域で開状態→閉状態→開状態に変化する)を経て、この開状態にて所定のロゴ(七星チャージという文字)が出現することで大当り当選したことを示す復活演出である。なお、これに限らず、最終変動演出Cにおいてシャッタ演出を経由せずに、リーチ成立→SPリーチD(→七星演出)といった演出、つまりは最終変動前の無双闘舞モードと同じ当り方をしてもよい。また、シャッタ演出を経由した当り方と上記当り方のいずれかを抽選で選択するように構成してもよい。
はずれ用の変動パターンテーブル10には、変動パターンPH10−1(最終変動演出C(終了))が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、作動保留球数に依存することなく、変動パターンPH10−1(最終変動演出C(終了))が選択される。同じく、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、作動保留球数に依存することなく、変動パターンPH10−1(最終変動演出C(終了))が選択される。つまり、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、常に、変動パターンPH10−1(最終変動演出C(終了))のみが選択される。なお、第1特別図柄の当否判定の結果又は第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、必ずシャッタ演出を経由したモード終了演出となり、救済演出や七星演出が発生することもなく、また、リーチ成立→SPリーチDなどの変動演出も発生することはない。
大当り用の変動パターンテーブル10には、変動パターンPA10−1(最終変動演出C(救済))、PA10−2(最終変動演出C(七星))が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、その大当り種別に依存せず、変動パターンPA10−1(最終変動演出C(救済))が選択される。一方、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、大当り種別が16R条件付き特定大当り、12R条件付き特定大当り、8R条件付き特定大当り、4R条件付き特定大当りであれば、変動パターンPA10−1(最終変動演出C(救済))が選択され、大当り種別が2R条件付き特定大当りであれば、変動パターンPA10−2(最終変動演出C(七星))が選択される。
このように変動パターンテーブル0〜10では、各変動パターンに対して特別図柄の変動時間が設定されているが、いずれの変動パターンが選択された場合でも、特別図柄の確定停止時間は「0.3秒」が設定されている。なお、特別図柄の確定停止時間とは、特別図柄が確定的に停止表示される時間(完全に停止された状態が保持される時間)である。なお、このような特別図柄の変動時間及び確定停止時間に対応して、装飾図柄の変動時間及び確定停止時間も設定されている(仮停止時間については後述する)。
続いて、第8実施形態における演出モードについて説明する。図109は、第8実施形態における変動パターン選択状態と演出モードとの対応関係を示す模式図である。本例においては、主制御基板100側において管理される変動パターン選択状態(又は遊技状態)などに応じて、複数種の演出モードのうちのいずれかが択一的に設定され、該設定された演出モードに応じた変動演出が実行される。
本例では、上記の複数種の演出モードとして、通常演出モード(演出モード0)、特殊演出モード(演出モード0)、無双ミッションモード(演出モード1,2)、保留連モード(演出モード3,4,5)、七星闘舞モード(演出モード6,7)、無双闘舞モード(演出モード8,9,10)が設定されている。変動パターン選択状態と演出モードとの対応関係に関しては、選択状態0に対して「通常演出モード」及び「特殊演出モード」が対応し、選択状態1,2に対して「無双ミッションモード」が対応し、選択状態3,4,5に対して「保留連モード」が対応し、選択状態6,7に対して「七星闘舞モード」が対応し、選択状態8,9,10に対して「無双闘舞モード」が対応している。通常演出モード及び特殊演出モードは電チューサポート状態が作動していないときに設定される演出モードであり、無双ミッションモード、保留連モード、七星闘舞モード及び無双ミッションモードは電チューサポート状態が作動しているときに設定される演出モードである。なお、以下では、保留連モード、七星闘舞モード及び無双闘舞モードを纏めて「連荘モード」とも称する。ここで、演出モード3〜10において、少なくとも演出モード3〜7,10のいずれかについてはリーチ非経由の大当りしか発生しない又はリーチ非経由の大当りの方がリーチ経由の大当りよりも発生しやすいが、演出モード8,9についてはリーチ経由の大当りしか発生しない又はリーチ経由の大当りの方がリーチ非経由の大当りよりも発生しやすい、という仕様を採用してもよい。なお、リーチ非経由の大当りとは、3列の装飾図柄の変動変動がテンパイせず(リーチ状態を経由せず)にそのままぞろ目になる大当りである(所謂、突当りである)。
図110は、第8実施形態における演出モードの遷移図である。図中、「条件付き特定大当り」は、第1特別図柄抽選にて16R条件付き特定大当りに当選した場合又は第2特別図柄抽選にていずれかの条件付き特定大当りに当選した場合を意味する。「条件付き通常大当り」は、第1特別図柄抽選にていずれかの条件付き通常大当りに当選した場合を意味する。
基本的に、遊技状態が通常状態であるときは、演出モードとして通常演出モードが設定される。通常演出モードは、前述したように、変動パターン選択状態として選択状態0に対応した演出モードである。但し、時短状態が終了したことに基づき通常状態へ移行するときは、遊技状態が通常状態へ移行した後の所定回数の変動表示においては特殊演出モードが設定され、その所定回数の変動表示を終えたときに通常演出モードが設定される。所定回数とは、特別図柄の変動表示回数として「4回」である。これは第1特別図柄及び第2特別図柄の累計の変動表示回数が「4回」という意味である。但し、通常は、特殊演出モードに滞在する4回転の変動表示では、優先消化のもと、遊技状態が時短状態(電チューサポート機能が作動した状態)のときに生起された第2特別図柄の作動保留球が消化されるはず(第2特別図柄の変動表示が実行されるはず)であるので、この特殊演出モード中に大当りが発生すれば、条件付き特定大当り当選(V入賞獲得)の期待感が高まる。ここで、現在滞在中の演出モードが通常演出モード又は特殊演出モードであるときに、条件付き特定大当りに当選すると特別遊技中のV入賞の有無に関わらず保留連モードに移行し、条件付き通常大当りに当選して特別遊技中にV入賞しないと無双ミッションモードに移行する。但し、条件付き通常大当りに当選した場合であっても、その特別遊技中にV入賞した場合には、保留連モードに移行することになる。
無双ミッションモードは、前述したように、変動パターン選択状態として選択状態1,2に対応した演出モードである。無双ミッションモードの滞在回数は、特別図柄の変動表示回数として「30回」又は「100回」である。無双ミッションモードの滞在回数が「30回」及び「100回」のいずれである場合でも、画面上には両者の分岐点(30回転目の変動表示)までの残りの変動表示回数が表示される。この分岐点(30回転目の変動表示)では、上述の最終変動演出Aが発生して、無双ミッションモード(時短状態)が継続するのか、無双ミッションモード(時短状態)が終了するのかを煽る演出(シャッタ演出)が展開される。無双ミッションモードに滞在している場合、可能性のある遊技状態は時短状態のみである。そして、無双ミッションモードに滞在しているときに、次の大当りが発生すると、その大当り種別及び特別遊技中のV入賞の有無に関係なく、連荘モード(保留連モード)に移行する。
連荘モードは、「保留連モード」と「七星闘舞モード」と「無双闘舞モード」とを備えており、保留連モード(3回転)→七星闘舞モード(7回転)→無双闘舞モード(90回転)の順に遷移する。この連荘モードの滞在回数は、特別図柄の変動表示回数として「100回」である。
保留連モードは、前述したように、変動パターン選択状態として選択状態3〜5に対応した演出モードである。保留連モードに滞在している場合、可能性のある遊技状態は確変状態又は時短状態である。保留連モードの滞在回数は、特別図柄の変動表示回数として「3回」である。詳細後述するが、保留連モードに滞在中は、大当り終了デモとの間に跨って特殊連続演出が発生するようになっている。この保留連モード(1回転目〜3回転目)が終了すると、次の演出モード(七星闘舞モード)に移行する。
七星闘舞モードは、前述したように、変動パターン選択状態として選択状態6〜7に対応した演出モードである。七星闘舞モードの滞在回数は、特別図柄の変動表示回数として「7回」である。七星闘舞モードに滞在している場合、可能性のある遊技状態は確変状態又は時短状態である。この七星闘舞モード(4回転目〜10回転目)が終了すると、次の演出モード(無双闘舞モード)に移行する。
なお、七星闘舞モードに滞在しているときに、特別図柄の変動パターンとして「SPリーチC」を伴う変動パターンが選択された場合には、上述したように、そのSPリーチ演出として味方キャラクタが敵キャラクタと対戦するバトル演出が発生する。本例では、七星闘舞モードに滞在する7回転(4回転目〜10回転目)の変動表示うちのいずれの変動表示でバトル演出が発生する場合であっても、毎回同じ対戦相手(敵キャラクタ)が選択されるように設定されている。ここで、バトル演出の対戦相手(敵キャラクタ)は、七星闘舞モードの開始時(3回転目の変動表示の終了時又は4回転目の変動表示の開始時)に行われる先読み抽選にて決定される。すなわち、七星闘舞モードの開始時(3回転目の変動表示の終了時又は4回転目の変動表示の開始時)に存在する1以上の作動保留球の事前判定結果(大当り期待度)に応じて、複数の敵キャラクタX1〜X5のうちのいずれかを対戦相手として選択する。ここで、先読み抽選の対象となる作動保留球は、第2特別図柄の作動保留球である。敵キャラクタの強さは、「敵キャラクタX1」>「敵キャラクタX2」>「敵キャラクタX3」>「敵キャラクタX4」>「敵キャラクタX5」の順に設定されている。つまり、複数のキャラクタX1〜X5のうち、敵キャラクタX1が最強であり、敵キャラクタX5が最弱である。そのため、対戦相手として最強の敵キャラクタX1が登場すると、味方キャラクタがバトルで敗北する可能性が高くなるため、そのSPリーチ演出の大当り期待度は相対的に低くなる。逆に、対戦相手として最弱の敵キャラクタX5が登場すると、味方キャラクタがバトルで勝利する可能性が高くなるため、そのSPリーチ演出の大当り期待度は相対的に高くなる。なお、七星闘舞モードが開始されると(4回転目の変動表示が開始されると)、画面上には、該先読み抽選にて決定された対戦相手キャラクタ名が表示されるようになっている。従って、画面に表示された敵キャラクタの種類に基づき、七星闘舞モードの開始時(3回転目の変動表示の終了時又は4回転目の変動表示の開始時)に存在する1以上の作動保留球内に大当り保留が存在する可能性が示唆又は報知されることになる。換言すれば、先読み抽選の結果として大当り保留がある場合は、強い敵キャラクタが選択されづらく弱いキャラクタが選択されやすい一方で、先読み抽選の結果として大当り保留がない場合は強い敵キャラクタが選択されやすく弱いキャラクタが選択されにくいことになる。
無双闘舞モードは、前述したように、変動パターン選択状態として選択状態8〜10に対応した演出モードである。無双闘舞モードの滞在回数は、特別図柄の変動表示回数として「90回」である。無双闘舞モードに滞在している場合、可能性のある遊技状態は時短状態のみである。この無双闘舞モード(11回転目〜100回転目)が終了した場合、すなわち、連荘モードが終了した場合には、特殊演出モードに移行して、遊技状態は通常状態に戻る。変形例としては、特殊演出モードを備えず、連荘モードが終了した場合には通常演出モードに移行する構成としてもよい。
一方、現在実行中の演出モードが連荘モード(保留連モード、七星闘舞モード、無双闘舞モード)であるときに、次の大当りが発生すると、大当り種別及び特別遊技中のV入賞の有無に関わらず、再び保留連モード(保留連モード)に移行して、連荘モードが継続することになる。
このような複数種の演出モードのうち、いずれかの演出モードが設定されると、当該演出モードに滞在中であることを示唆する演出(変動演出)として、画面上において当該演出モード専用の背景画像が表示され、また、当該演出モード専用のBGMがスピーカ11から出力される。
続いて、第8実施形態における装飾図柄について説明する。図111は、第8実施形態における装飾図柄の図柄属性を示す模式図である。本例における装飾図柄は、数字からなる識別要素と、該識別要素に付された色彩(表示色)との組合せにより形成されている。本例では、識別要素として、「1」〜「9」の数字の全9種類が設定されている(すなわち、全9種類の装飾図柄が存在する)。各装飾図柄は図柄列の配列に従って「1」〜「9」の順に配置されており、演出表示装置70上では「1」〜「9」の順序(又は「9」〜「1」の順序)で各表示領域Z1,Z2,Z3にて巡回表示又はスクロール表示され、「9」のあとは再び「1」に戻る(又は「1」のあとは再び「9」に戻る)ようになっている。この仕様は他の実施形態においても同様である。各装飾図柄は、識別要素に付された色彩の種類により図柄属性が定められている。つまり、複数の装飾図柄が互いに異なる識別要素から構成されていても、同一の色彩が付されることにより、同一の図柄属性にグループ化されることになる。本例では、装飾図柄の色彩として「青色」、「赤色」、「金色」の3種類が設定されている。なお、図面上では、「青色」、「赤色」、「金色」の3種類の装飾図柄の表示態様を、「白抜き」、「斜線」、「塗り潰し」により表現する。具体的に、装飾図柄「2」、「4」、「6」、「8」は青色の図柄属性(青色属性)に分類され、装飾図柄「1」、「3」、「5」、「9」は赤色の図柄属性(赤色属性)に分類され、装飾図柄「7」は金色の図柄属性(金色属性)に分類される。本例では、装飾図柄の図柄属性として、「青色」<「赤色」<「金色」の順に1段階ずつ、出玉獲得の期待度及び確変移行(V入賞)の期待度が高くなる。以下では、便宜上、青色属性の装飾図柄を「青図柄」、赤色属性の装飾図柄を「赤図柄」、金色属性の装飾図柄を「金図柄」とも称する。
図112は、第8実施形態における大当り図柄テーブルを示す模式図である。大当り図柄テーブルには、各大当り種別に対して、大当り図柄(大当り発生時の装飾図柄の組合せ)が対応付けられている。なお、第8実施形態において、「大当り図柄」とは大当り発生時の装飾図柄の組合せをいう。
大当り図柄は、同一の数字(識別要素)の装飾図柄が3つ揃った停止態様の組合せ「*・*・*」から構成される(*:任意の数字の装飾図柄)。本例における大当り図柄は、「7・7・7」という条件付き特定大当り(16R条件付き特定大当り)に当選したことが確定する金図柄組合せと、「1・1・1」、「3・3・3」、「5・5・5」、「9・9・9」といった条件付き特定大当りに当選した可能性が相対的に高いことを示す赤図柄組合せと、「2・2・2」、「4・4・4」、「6・6・6」、「8・8・8」といった条件付き特定大当りに当選した可能性が相対的に低いことを示す青図柄組合せとに区別される。つまり、「7・7・7」に関しては「条件付き特定大当り」に当選したことが確定する大当り図柄であるのに対して、それ以外の奇数図柄(赤図柄)組合せ及び偶数図柄(青図柄)組合せに関しては「条件付き特定大当り」及び「条件付き通常大当り」のいずれに当選したのかが不確定な大当り図柄である。なお、16R条件付き特定大当りに当選した場合についても、大当り図柄として、赤図柄組合せ又は青図柄組合せを採用してよい。さらに、2R条件付き特定大当りに当選した場合には、大当り図柄として、バラケ目(例えば「1・9・8」)やリーチはずれ目(例えば「2・1・2」)、特殊図柄を含む出目(例えば「3・□・3」)を採用してもよい。ここで、「□」は、例えば「七星」と記載された装飾図柄などであってもよい。
大当り図柄は、特別図柄の抽選処理で選択された大当り種別に応じて決定される。なお、図112では、大当り当選時の遊技状態に依存しない共通の大当り図柄テーブルとして構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば大当り当選時の遊技状態に応じて異なる複数種の大当り図柄テーブルを用意してもよい。
第1特別図柄の抽選処理で「16R条件付き特定大当り」に当選した場合は、大当り図柄として金図柄組合せが選択される。また、第1特別図柄の抽選処理で「6R条件付き通常大当り1」、「6R条件付き通常大当り2」、「5R条件付き通常大当り1」及び「5R条件付き通常大当り2」のいずれかに当選した場合は、大当り図柄として赤図柄組合せ又は青図柄組合せが選択される。
第2特別図柄の抽選処理で「16R条件付き特定大当り」に当選した場合は、大当り図柄として金図柄組合せが選択される。また、第2特別図柄の抽選処理で「12R条件付き特定大当り」、「8R条件付き特定大当り」、「4R条件付き特定大当り」及び「2R条件付き特定大当り」のいずれかに当選した場合は、大当り図柄として赤図柄組合せ又は青図柄組合せが選択される。
続いて、第8実施形態における大当り中演出について説明する。大当り中演出の演出パターンは、基本的には、当否判定の結果が大当りとなる場合、その大当りの種類に基づき決定される。但し、大当りの種類が同一であっても、大当り発生時の遊技状態やV入賞の有無などに応じて、大当り中演出の演出パターンが異なる場合がある。
大当り中演出では、詳細後述するが、画面の右上部に遊技球を右打ち領域へ向けて発射すべきことを遊技者に促す右打ち画像が表示され、画面の左下部に特別遊技中に遊技者に払い出された賞球数を報知する賞球数報知演出が表示される(詳しくは図122を参照)。なお、連荘中は、画面の右下部に特定遊技状態において大当りが連続する回数である連荘回数が表示される。また、大当り中演出では、特定ラウンド(本例では第2ラウンド)において遊技球が特定領域に入球した場合にはV入賞報知画像が表示される。なお、上記の賞球数報知演出の詳細については後述する。なお、大当り中演出の変形例として、特別遊技の各ラウンドにおいて、擬似的な装飾図柄(以下、「擬似装飾図柄」と称する)を変動表示及び停止表示(仮停止表示、確定停止表示)させるように構成してもよい。この擬似装飾図柄は、非特別遊技中に変動表示される通常の装飾図柄とは異なる図柄態様(大当り中専用の図柄)であることが好適である。但し、この擬似装飾図柄の識別要素には、一般的な識別要素と同様に、数字(例えば「1」〜「9」など)を用いることが望ましい(数字の表示態様を特殊な表示態様とすることが望ましい)。当然ながら、擬似装飾図柄は、非特別遊技中に変動表示される装飾図柄と同一又は類似の図柄態様であってもよい。この擬似装飾図柄の変動表示及び停止表示(仮停止表示、確定停止表示)は、特別遊技のラウンドごとに行われる。すなわち、擬似装飾図柄の変動表示は、ラウンド単位で完結することになる。例えば、特別遊技のラウンド数が16ラウンドである場合は、特別遊技中に擬似装飾図柄の変動表示が16回に亘り行われる。擬似装飾図柄が特定の組合せ態様で確定停止表示されると、遊技者にとって有利な状態になることが確定する。有利な状態とは、例えば、大当り種別又は特別遊技種別が昇格することである。具体的には、現在実行中の特別遊技の終了後に確変状態(高確率状態)へ移行すること、現在実行中の特別遊技のラウンド数が増加(ラウンドアップ)することである。その他、保留内連荘(現有する作動保留球内に大当り保留が存在すること)が確定することであってもよい。具体例としては、以下のとおりである。図示省略するが、まず、或る変動表示にて偶数図柄(青図柄)の組合せが確定停止表示されることで、低利益大当りに当選したことが示唆又は報知される。特別遊技が開始されると、各ラウンドにて擬似装飾図柄の変動表示が行われる。つまり、1回のラウンドが擬似的な1回転の変動表示として遊技が展開される。ここで、N回目のラウンドまでは各ラウンドの終了時(大入賞口の閉鎖時)に擬似装飾図柄が非特定の組合せ態様で確定停止表示される。そして、N+1回目のラウンドの終了時(大入賞口の閉鎖時)に擬似装飾図柄が特定の組合せ態様で確定停止表示されることで、大当り種別が高利益大当りに昇格したことが示唆又は報知される。このように擬似装飾図柄が特定の組合せ態様(例えば、同一の奇数図柄の組合せ(「3・3・3」や「7・7・7」など)を特殊な表示態様)で確定停止表示されることで、特別遊技の終了後に確変状態へ移行すること、或いは、該特別遊技のラウンド数がラウンドアップしたことなどが遊技者に対して示唆又は報知される。また、それ以外にも、特別遊技の実行中に擬似装飾図柄によるリーチ演出(SPリーチ演出)を行い、それが特別遊技の実行中〜終了後(終了後の変動表示)に亘って、シームレスな一連の演出として表示されることで、遊技者にとって有利な状態を報知することに関して、当該報知の時間幅を拡大することが可能となる。以上のような変形例を採用することで、従来機種の遊技機にはない意外性のある大当り中演出を行うことができ、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
ここで、図113(A)は大当り開始デモ時間設定テーブルを示す模式図、図113(B)は大当り終了デモ時間設定テーブルを示す模式図である。大当り開始デモ時間及び大当り終了デモ時間は、上記デモ時間設定テーブルに基づき設定される。
大当り開始デモ時間は、大当りの種類及び大当り発生時の遊技状態に応じて決定される。なお、大当り開始デモ時間の決定時には、大当り終了デモ時間の決定時とは異なり、V入賞の有無は不定であるので大当り開始デモ時間の選択条件には含まれない。大当り発生時の遊技状態が通常状態であるときは、その大当り種別として、2R条件付き特定大当りに当選した場合は「13秒」、それ以外の条件付き特定大当りに当選した場合は「10秒」、条件付き通常大当りに当選した場合は「4.68秒」が選択される。大当り発生時の遊技状態が時短状態であるときは、その大当り種別として、2R条件付き特定大当りに当選した場合は「13秒」、それ以外の条件付き特定大当り及び条件付き通常大当りに当選した場合は「2秒」が選択される。大当り発生時の遊技状態が確変状態であるときは、その大当り種別がいずれである場合でも「2秒」が選択される。
大当り終了デモ時間は、大当りの種類、大当り発生時の遊技状態及びV入賞の有無に応じて決定される。遊技状態が通常状態であるときに条件付き通常大当りに当選して、その特別遊技にてV入賞しなかった場合は、大当り終了デモ時間として「12.5秒」が設定される。つまり、典型的には初当りとして条件付き通常大当りに当選した場合(特別遊技の終了後に無双ミッションモードに移行する場合)に「12.5秒」が選択される。この初当り時の大当り終了デモ時間(12.5秒)は、プリペードカードの取り忘れや盗難を防止すべく、その注意を喚起するための注意報知演出の演出尺として用いられる。本例では、大当り終了デモにおいて表示される無双ミッション突入画面に「プリペードカードの取り忘れや盗難にご注意ください」といったメッセージの文字画像が表示される。なお、遊技状態が通常状態であるときに条件付き特定大当り(2R条件付き特定大当りを除く)に当選した場合は、特別遊技中のV入賞の有無に関わらず、大当り終了デモ時間として「1秒」が設定される。その場合には、大当り終了デモの実行中には、プリペードカードの取り忘れ等に関する注意報知演出を行わず、その代わりに、特別遊技中の最終ラウンドの実行中に上記の注意報知演出を行うようになっている。
一方、それ以外の場合には、大当り当選時の遊技状態や特別遊技中のV入賞の有無を問わず、いずれの大当り種別に当選した場合であっても、大当り終了デモ時間として「1秒」が設定される。ここで、特別遊技の終了後に演出モードが連荘モード(保留連モード)に移行する場合には、この大当り終了デモ時間の「1秒」は特殊連続演出の演出尺として用いられる。
[各種の演出]
かかる構成の第8実施形態の遊技機では、前述したように、遊技の進行状況等に応じて、各種の遊技演出が演出制御基板200及び画像制御基板300等により制御されて実行されるように構成されている。以下では、各種の遊技演出のうち、「保留連モード演出」、「賞球数報知演出」について詳述する。
<保留連モード演出>
保留連モード演出は、特別遊技終了後の演出モードとして保留連モードに移行する場合に、大当り終了デモと保留連モード(特別遊技終了後の3回転以内の変動表示)とに跨って実行される演出である。この保留連モード演出は、大当り終了デモ演出と保留連モード中の変動演出とを連続性のある一連の演出として繋げて、保留連モードに滞在している間に大当りが発生する場合は、あたかも特別遊技終了後の1回転目に大当りが発生したかのように見せる演出である。
まずは、保留連モード中に設定される変動演出パターンについて説明する。図114は、現在実行中の演出モードが保留連モードであるときの変動演出パターンテーブルを示す模式図である。この保留連モード専用の変動演出パターンテーブルは、特別図柄の変動パターンテーブル3〜5に対応した変動演出パターンテーブルである。図中(A)は変動パターンテーブル3(保留連モードの1回転目)に対応した変動演出パターンテーブルを示し、図中(B)は変動パターンテーブル4(保留連モードの2回転目)に対応した変動演出パターンテーブルを示し、図中(C)は変動パターンテーブル5(保留連モードの3回転目)に対応した変動演出パターンテーブルである。この変動演出パターンテーブルには、当否判定の結果(大当り/はずれ)ごとに、特別図柄の変動パターンに対して、装飾図柄の変動演出パターンが対応付けられている。
図中(A)に示すように、保留連モードの1回転目では、はずれの変動パターンPH3−1に対して変動演出パターンPEH3−1が対応付けられ、大当りの変動パターンPA3−1に対して変動演出パターンPEA3−1が対応付けられている。変動演出パターンPEH3−1は、特殊連続演出が実行されるはずれの変動演出パターンであり、擬似連の実行回数として「0回」が設定されている。一方、変動演出パターンPEA3−1は、特殊連続演出及び特殊大当り演出が実行される大当りの変動演出パターンであり、擬似連の実行回数として「3回」が設定されている。
図中(B)に示すように、保留連モードの2回転目では、はずれの変動パターンPH4−1に対して変動演出パターンPEH4−1が対応付けられ、大当りの変動パターンPA4−1に対して変動演出パターンPEA4−1が対応付けられている。変動演出パターンPEH4−1は、特殊連続演出が実行されるはずれの変動演出パターンであり、擬似連の実行回数として「0回」が設定されている。一方、変動演出パターンPEA4−1は、特殊連続演出及び特殊大当り演出が実行される大当りの変動演出パターンであり、擬似連の実行回数として「2回」が設定されている。
図中(C)に示すように、保留連モードの3回転目では、はずれの変動パターンPH5−1に対して変動演出パターンPEH5−1が対応付けられ、大当りの変動パターンPA5−1に対して変動演出パターンPEA5−1が対応付けられている。変動演出パターンPEH5−1は、特殊連続演出が実行されるはずれの変動演出パターンであり、擬似連の実行回数として「0回」が設定されている。一方、変動演出パターンPEA5−1は、特殊連続演出及び特殊大当り演出が実行される大当りの変動演出パターンであり、擬似連の実行回数として「1回」が設定されている。
続いて、保留連モード演出の概要について図115を参照しながら説明する。図115は、保留連モード演出の流れを説明するためのタイムチャートである。保留連モード演出は、保留連モード中の変動表示が全てはずれとなる「保留連モードはずれ演出」と、保留連モード中の変動表示にて大当りが発生する「保留連モード大当り演出」とに大別される。図中(A)は、保留連モードはずれ演出の流れを示し、図中(B)〜(D)は保留連モード大当り演出の流れを示している。なお、第8実施形態においては、「保留連モードはずれ演出」及び「保留連モード大当り演出」を区別する必要がない場合には、両者を区別せずに単に「保留連モード演出」と称する。
現在実行中の演出モードが保留連モードである場合、装飾図柄は画面の端の方で小図柄として変動表示されるとともに仮停止表示又は確定停止表示される(詳しくは図117、図118を参照)。以下において、「確定停止」とは、装飾図柄を確定的に停止表示(完全に停止表示)させることをいう。また、「仮停止」とは、装飾図柄を仮の状態で停止表示(完全に停止表示させるわけではなく、例えば上下又は左右に僅かに揺れ変動)させることをいう。「確定停止時間」は、装飾図柄を確定停止した状態を保持する時間である。「仮停止時間」は、装飾図柄を仮停止した状態を保持する時間である。本例では、確定停止時間及び仮停止時間として、同一の時間値(0.3秒)が設定されている。
≪保留連モードはずれ演出≫
保留連モードはずれ演出は、図115(A)に示すように、保留連モードの1回転目〜3回転目の変動表示が全てはずれである場合に実行される演出である。保留連モードはずれ演出は、大当り終了デモ→1回転目の変動表示(はずれ)→2回転目の変動表示(はずれ)→3回転目の変動表示(はずれ)といった流れで展開される。この保留連モードはずれ演出では、詳細は後述するが、大当り終了デモと保留連モードの3回転の変動表示とに跨って特殊連続演出が実行される。この保留連モードはずれ演出が終了すると、次の演出モード(七星闘舞モード)に突入して、4回転目の変動表示が開始される。
保留連モードはずれ演出が実行される場合、原則的には(各変動表示が途切れなく行われる場合には)、1回転目の変動表示が開始してから3回転目の変動表示が終了するまでの時間尺は「7秒」に設定されている。上記の時間尺は、1回転目の変動表示が開始してから3回転目の変動表示が終了するまでの各変動時間とその確定停止時間(3回転目の確定停止時間を除く)との合算値からなる。具体的には、1回転目のはずれの変動表示(図114の変動演出パターンPH3−1を参照)では、変動時間として「4.4秒」が設定されている。2回転目のはずれの変動表示(図114の変動演出パターンPH4−1を参照)では、変動時間として「1秒」が設定されている。3回転目のはずれの変動表示(図114の変動演出パターンPH5−1を参照)では、変動時間として「1秒」が設定されている。よって、上記の時間尺は、1回転目の変動時間(4.4秒)+1回転目の確定停止時間(0.3秒)+2回転目の変動時間(1秒)+2回転目の確定停止時間(0.3秒)+3回転目の変動時間(1秒)=「7秒」となる。なお、この「7秒」という時間尺は、後述の特殊連続演出の基準演出時間(各変動表示が途切れることなく連続的に行われる場合の基準の演出尺)となる。
ここで、上記のように保留連モード中の1回転目〜3回転目が全てはずれとなる場合、1回転目〜3回転目の変動時間のうち、1回転目の変動時間が最長時間(4.4秒)として設定されている。この1回転目の変動時間(4.4秒)は、電チューサポート機能が作動した状態(入球容易状態)における、普通図柄の変動時間、普通図柄(当選図柄、非当選図柄)の停止表示時間、普通電動役物622の開放時間(総開放時間)よりも長時間に設定することが好適である。一方、2回転目及び3回転目の変動時間(1秒)は、電チューサポート機能が作動した状態(入球容易状態)における、普通図柄の変動時間、普通図柄(当選図柄、非当選図柄)の停止表示時間、普通電動役物622の開放時間(総開放時間)よりも短時間に設定することが好適である。
≪保留連モード大当り演出≫
保留連モード大当り演出は、図115(B)〜(D)に示すように、保留連モードに滞在する3回転の変動表示のうちのいずれかに大当りが発生する場合に実行される演出である。そのため、保留連モード大当り演出は、1回転目の変動表示で大当りが発生する場合と、2回転目の変動表示で大当りが発生する場合と、3回転目の変動表示で大当りが発生する場合とがある。1回転目の変動表示にて大当りが発生する場合に行われる保留連モード大当り演出は、大当り開始デモ→1回転目の変動表示(大当り)といった流れで展開される。2回転目の変動表示にて大当りが発生する場合に行われる保留連モード大当り演出は、大当り終了デモ→1回転目の変動表示(はずれ)→2回転目の変動表示(大当り)といった流れで展開される。3回転目の変動表示にて大当りが発生する場合に行われる保留連モード大当り演出は、大当り終了デモ→1回転目の変動表示(はずれ)→2回転目の変動表示(はずれ)→3回転目の変動表示(大当り)といった流れで展開される。この保留連モード大当り演出は、詳細は後述するが、大当り終了デモと保留連モードの3回転の変動表示とに跨って特殊連続演出が行われた後、大当り当選を告知するとともにラウンド数(獲得期待賞球数)が昇格する特殊大当り演出が行われる演出である。
保留連モード中の1回転目〜3回転目の変動表示うちのいずれの変動表示にて大当りが発生する場合であっても、1回転目の変動表示の開始時から大当り発生に係る変動表示の終了時までの時間尺は常に「24秒」に設定されている。上記の時間尺は、1回転目の変動表示から大当り発生に係る変動表示までの変動時間と、その確定停止時間(大当り発生時の確定停止時間を除く)との合算値からなる。本例においては、1〜3回転目の変動表示のうち何回転目の変動表示にて大当りが発生する場合であっても、上記の時間尺は同一の時間値(24秒)として設定されている。なお、保留連モード中に大当りする場合の特殊連続演出の演出時間は、1回転目〜3回転目のいずれで大当りが発生する場合であっても同一時間値となるように設計しているが、若干の誤差があってもよく、また、略同一としてもよい(変動時間の設計値として、図114に示した時間値以外の他の時間値を採用してもよい)。
図中(B)に示すように、1回転目の変動表示にて大当りが発生する場合、1回転目の変動表示の開始時から当該大当り発生に係る変動表示(1回転目の変動表示)の終了時までの時間尺は「24秒」に設定されている。具体的には、1回転目の大当りの変動表示(図114の変動演出パターンPEA3−1を参照)では、前述したように、変動時間として「24秒」が設定されている。よって、上記の時間尺は、1回転目の変動時間(24秒)=「24秒」となる。
図中(C)に示すように、2回転目の変動表示にて大当りが発生する場合、1回転目の変動表示の開始時から当該大当り発生に係る変動表示(2回転目の変動表示)の終了時までの時間尺は「24秒」に設定されている。具体的には、1回転目のはずれの変動表示(図114の変動演出パターンPEH3−1を参照)では、変動時間として「4.4秒」が設定されている。2回転目の大当りの変動表示(図114の変動演出パターンPEA4−1を参照)では、変動時間として「19.3秒」が設定されている。よって、上記の時間尺は、1回転目の変動時間(4.4秒)+1回転目の確定停止時間(0.3秒)+2回転目の変動時間(19.3秒)=「24秒」となる。
図中(D)に示すように、3回転目の変動表示にて大当りが発生する場合、1回転目の変動表示の開始時から当該大当り発生に係る変動表示(3回転目の変動表示)の終了時までの時間尺は「24秒」に設定されている。具体的には、1回転目のはずれの変動表示(図114の変動演出パターンPEH3−1を参照)では、変動時間として「4.4秒」が設定されている。2回転目のはずれの変動表示(図114の変動演出パターンPEA4−1を参照)では、変動時間として「1秒」が設定されている。3回転目の大当りの変動表示(図114の変動演出パターンPEA5−1を参照)では、変動時間として「18秒」が設定されている。よって、上記の時間尺は、1回転目の変動時間(4.4秒)+1回転目の確定停止時間(0.3秒)+2回転目の変動時間(1秒)+2回転目の確定停止時間(0.3秒)+3回転目の変動時間(18秒)=「24秒」となる。
(保留連モード中の図柄停止回数)
保留連モード中の1回転目〜3回転目の変動表示うちのいずれの変動表示にて大当りが発生する場合であっても、1回転目の変動表示の開始時から大当り発生に係る変動表示の終了時までの装飾図柄の合計停止回数(装飾図柄が確定停止する回数と仮停止する回数との合算の停止回数)は同一回数に設定されている。図中(B)に示すように、1回転目の変動表示が大当りとなる場合は、該1回転目の変動表示において擬似連による3回の仮停止と1回の確定停止とが発生するため、装飾図柄の合計停止回数は「4回」となる。図中(C)に示すように、2回転目の変動表示が大当りとなる場合、1回転目の変動表示において1回の確定停止が発生し、2回転目の変動表示において擬似連による2回の仮停止と1回の確定停止とが発生するため、装飾図柄の合計停止回数は「4回」となる。図中(D)に示すように、3回転目の変動表示が大当りとなる場合、1回転目の変動表示において1回の確定停止が発生し、2回転目の変動表示において1回の確定停止が発生し、3回転目の変動表示において擬似連による1回の仮停止と1回の確定停止が発生するため、装飾図柄の合計停止回数は「4回」となる。このように保留連モードに滞在しているときに、1回転目〜3回転目のいずれかの変動表示にて大当りが発生する場合には、1回転目の変動表示の開始時から大当り発生に係る変動表示の終了時までの装飾図柄の確定停止回数及び仮停止回数の合計停止回数は必ず「4回」となるように構成されている。それにより、保留連モード中の1回転目〜3回転目の変動表示のうちのいずれの変動表示にて大当りが発生する場合であっても、いつも同じ回数の変動表示を経て大当りが発生しているかのような見た目とすることができる。なお、本構成要件を一般化又は上位概念化して記載すると、「第1図柄の変動表示回数と第2図柄の変動表示回数との合算回数である合計変動表示回数が特別遊技の終了後から起算してX回以内である状況下において第1の当否判定の結果又は第2の当否判定の結果が大当りとなる場合は、大当りに係る変動表示が特別遊技の終了後から起算してY回目(Y≦X)の変動表示である場合における、特別遊技の終了後からY回目の変動表示までの間に装飾図柄組合せが確定停止表示される回数と装飾図柄組合せが仮停止表示される回数との合算回数と、大当りに係る変動表示が特別遊技の終了後から起算してZ回目(Z≦X且つZ≠Y)の変動表示である場合における、特別遊技の終了後からZ回目の変動表示までの間に装飾図柄組合せが確定停止表示される回数と装飾図柄組合せが仮停止表示される回数との合算回数とが同一となるように構成される」と表現することができる。変形例として、保留連モードの1回転目で大当りする場合の当該大当り変動での擬似連回数を「2回」、保留連モードの2回転目で大当りする場合の当該大当り変動での擬似連回数を「1回」、保留連モードの3回転目で大当りする場合の当該大当り変動での擬似連回数を「0回」に設定してもよい。つまり、図115において、保留連モードの1回転目で大当りする場合の当該大当り変動での3回目の擬似連、保留連モードの2回転目で大当りする場合の当該大当り変動での2回目の擬似連、及び保留連モードの3回転目に大当りする場合の当該大当り変動での1回目の擬似連をそれぞれ廃止して、そのまま変動継続としてもよい。
(保留連モード中のはずれ図柄)
保留連モード中の1回転目〜3回転目の変動表示において、3列の装飾図柄をはずれ図柄の組合せとして仮停止表示するときの該仮停止図柄の組合せは「2・4・6」である。同じく、保留連モード中の1回転目〜3回転目の変動表示において、3列の装飾図柄をはずれ図柄の組合せとして確定停止表示するときの該確定停止図柄の組合せは「2・4・6」である。従って、保留連モードにおける装飾図柄の抽選処理においては、はずれ図柄の組合せとして、仮停止図柄の組合せであっても、確定停止図柄の組合せであっても、バラケ目(非リーチ目)として「2・4・6」が選択されるようになっている。装飾図柄の変動表示に注目する遊技者に対しては、はずれ図柄の組合せとして「2・4・6」という偶数目且つ同色属性となる特徴のある出目を採用することで、毎回同じはずれ図柄が仮停止表示又は確定停止表示されていることを遊技者に強く印象付けることができ、保留連モード中の演出効果を一層高めることができる。
続いて、保留連モード演出の具体的な演出内容について説明する。保留連モード演出は、上述したように、大当り終了デモと保留連モードとに跨って実行される特殊連続演出を含み構成されている。保留連モード大当り演出が実行される場合でも、保留連モードはずれ演出が実行される場合でも、特殊連続演出の演出内容は基本的に同じである。
≪特殊連続演出≫
特殊連続演出は、その演出尺の全期間を通して所定の映像を流すムービー演出である。具体的に、特殊連続演出では、画面上に「七」→「星」→「闘」→「舞」という順に、所定の文字画像を1文字ずつ順次切り替えながら表示した後、最終的に「七星闘舞」という文字画像(ロゴ画像)を表示する演出である。この最終画面(「七星闘舞」のロゴ画像)は、特殊連続演出の終了タイミングが到来するまで、その残余期間を利用してループ表示される。つまり、特殊連続演出は、最終画面の表示時間に制約のない、言わば垂れ流し的に表示される演出として構成されている。
特殊連続演出の終了タイミングとは、基本的には、保留連モード中の1回転目〜3回転目の変動表示が全てはずれの場合には、3回転目の変動表示の終了時であり、保留連モード中の1回転目〜3回転目のいずれかの変動表示にて大当りが発生する場合には、当該大当り発生に係る変動表示が終了する17秒前である。「17秒」という時間尺は、特殊大当り演出の演出時間(固定時間)である。
この特殊連続演出の実行中は、大当り終了デモが開始してから画面上に一連のムービー演出が再生されており、3列の装飾図柄が小図柄として例えば画面右隅に縮小された状態で変動表示される。それにより遊技者を主たる演出(特殊連続演出)に注視させることができ、この特殊連続演出を大当り終了デモ中の演出であるかのように見せることができる。そのため、この特殊連続演出が終了した後に、特別遊技終了後の1回転目の変動表示が開始されるような見た目とすることができる。よって、1回転目から3回転目の変動表示のうちいずれで大当りが発生する場合でも、擬似的に1回転目の変動表示にて大当りが発生したかのように見せることができる。なお、上述のように、装飾図柄を画面の端の方で小図柄として変動表示させたとしても、装飾図柄がいきなり出現して1回転目の変動表示が開始されると、特別遊技が終了したこと(1回転目の変動表示が開始されたこと)が遊技者に簡単にばれてしまうおそれがあるので、大当り終了デモの開始前又は開始時から装飾図柄(例えば前回の大当り図柄の組合せ)を表示させておき、そのまま1回転目の変動表示に繋げることで、特別遊技が終了したこと(1回転目の変動表示が開始されたこと)を遊技者に認識し難くすることができる。
ここで、本例においては、特別遊技の終了時の保留状況(作動保留球の有無、個数、当否)に依らず、大当り終了デモの開始時から、1回転目〜3回転目の変動表示(全てはずれの変動表示)が終了するまでの間、又は、1回転目〜3回転目のうちの大当り発生に係る変動表示の所定タイミング(上記の終了タイミング)が到来するまでの間、特殊連続演出が実行される(ムービー演出が再生される)。具体的には、特別遊技の終了時に作動保留球が3個以上存在する場合、又は、特別遊技の終了時に作動保留球が3個未満であっても大当りとなる作動保留球が存在する場合は、保留連モード中の変動表示を途切れることなく連続的に実行することができるため、ムービー演出(特殊連続演出)を上記の基準演出時間(7秒)の間、再生することができる。一方、特別遊技の終了時に作動保留球が存在しない場合や、特別遊技の終了時に3個未満の作動保留球(全てはずれの作動保留球)しか存在しておらず、その全部が消化されることで作動保留球が存在しなくなった場合には、保留連モード中に各回の変動表示が途切れた空白時間(一時的に変動表示が途切れた状況)が発生する。但し、本例においては、特別遊技の終了時(大当り終了デモの開始時)からムービー演出を垂れ流し的に再生し、一定の時間が経過した後は、最終画面を時間の制約なくループ表示させるため、上記の空白時間(作動保留球が無く変動表示が止まった時間)が生じたとしても、最終画面の再生時間が基準演出時間(7秒)よりもその分だけ延長されるだけであり、演出上の不具合は生じない(途中でムービー演出が終了してしまうような不具合は生じない)。
また、本例においては、保留連モード(特殊連続演出)の実行中に、チャンスアップ演出が実行され得るように構成されている。チャンスアップ演出は、保留連モード中の1回転目から3回転目の変動表示において大当りが発生する可能性を示唆又は報知する先読み演出である。このチャンスアップ演出は、特殊連続演出の実行中の所定のタイミングにおいて「一撃当千」というロゴ画像が所定の表示色で発光表示される演出であり、該ロゴ画像が出現するか否か、或いは、ロゴ画像の発光色の種類に応じて、保留連モード中の大当り期待度の高さが示唆又は報知される(詳細後述)。
チャンスアップ演出の実行可否及びその演出パターンは、大当り終了デモの開始直前に存在する作動保留球の大当り期待度に応じて決定される。すなわち、チャンスアップ演出の先読み抽選タイミングは、ラウンド遊技(最終ラウンド)の終了時から大当り終了デモの開始時までのいずれかのタイミングに設定されている。先読み抽選の対象となる作動保留球は、第2特別図柄の作動保留球の1個目〜3個目である。よって、第1特別図柄の作動保留球が何個存在していたとしても、先読み抽選の対象とはならない。その理由としては、前述したように、本例では第1特別図柄の作動保留球よりも第2特別図柄の作動保留球を優先的に消化する、いわゆる優先消化を採用しているからである。加えて、先読み対象の第2特別図柄の作動保留球を3個以内(1個目〜3個目)に限定する理由は、このチャンスアップ演出は保留連モード中に大当りが発生するか否かを予告する先読み予告演出であるため、保留連モードに滞在する1回転目〜3回転目に対応する作動保留球(保留1〜保留3)を先読み抽選の対象とする必要があるからである。そのため、大当り開始デモの直前に、第2特別図柄の作動保留球が保留上限数の4個存在している場合であっても、4個全ての作動保留球が先読み抽選の対象とはなるわけではなく、1個目〜3個目の作動保留球が先読み抽選の対象となる。なお、大当り終了デモの直前に存在する第2特別図柄の作動保留球が3個未満の場合には、3個未満(1個又は2個)の作動保留球が先読み抽選の対象となる。但し、変形例として、上記先読み抽選タイミングにおいて、第2特別図柄の作動保留球が3個以上存在する場合にのみ、チャンスアップ演出の先読み抽選を実行するように構成してもよい。
図116は、チャンアップ演出抽選テーブルを示す模式図である。チャンスアップ演出抽選テーブルには、チャンスアップ演出の実行可否及びその演出パターンが定められている。図中では、便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には、取得した抽選乱数値に応じて、チャンスアップ演出の実行可否及びその演出パターンを決定するための判定置数(抽選乱数値の範囲)が設定されており、その抽選乱数値がいずれの判定置数に属するかに基づき、チャンスアップ演出の実行可否及びその演出パターンが決定されるように構成されている。本例において、チャンスアップ演出の実行可否及びその演出パターンは、先読み抽選の対象となる第2特別図柄の作動保留球内(1個目〜3個目の作動保留球内)に、大当り保留が存在するか否かに応じて決定される。図中のチャンスアップ演出抽選テーブルには、事前判定結果(大当りの有無)に対して、「演出なし」、「通常パターン(白色)」、「プレミアパターン(虹色)」のいずれか演出パターンを選択可能なように選択率(判定置数)が割り振られている。通常パターンは、画面上に「七星闘舞」というロゴ画像が白色で発光表示される演出パターンである。プレミアパターンは、画面上に「七星闘舞」というロゴ画像が虹色で発光表示される演出パターンである。なお、プレミアパターンは、事前判定結果に大当りが存在する場合には選択されるが、事前判定の結果に大当りが存在しない場合(全てはずれの場合)には選択されることがない、大当り当選確定の演出パターンである。従って、このチャンスアップ演出に関しては、「演出なし」<「通常パターン」<「プレミアパターン」の順に、保留連モードの実行中(1回転目〜3回転目)に大当りが発生する可能性が高くなるといえる。
ここで、保留連モード中におけるチャンスアップ演出(通常パターン、プレミアパターン)の実行タイミングは以下の通りである。すなわち、保留連モード中の1回転目〜3回転目が全てはずれである場合は、チャンスアップ演出の実行タイミングは3回転目に設定されている。また、保留連モード中の1回転目が大当りである場合は、チャンスアップ演出の実行タイミングは当該1回転目の擬似3連目に設定されている。また、保留連モード中の2回転目が大当りである場合は、チャンスアップ演出の実行タイミングは当該2回転目の擬似2連目に設定されている。また、保留連モード中の3回転目が大当りである場合は、チャンスアップ演出の実行タイミングは当該3回転目の擬似1連目に設定されている。変形例として、チャンスアップ演出を先読み演出として構成せず、当該変動演出(つまり、変動開始時に演出抽選/決定をする演出)として構成してもよい。その場合に、1回転目〜3回転目の変動表示がはずれである場合は、3回転目の変動表示の開始時に演出抽選/決定し、1回転目〜3回転目のいずれかの変動表示にて大当りする場合は、それぞれ1,2,3回転目の変動表示の開始時に演出抽選/決定してもよい。なお、演出実行タイミングについては、上記のタイミングと同じとすることが好適である。
続いて、特殊連続演出(チャンスアップ演出を含む)の演出例について説明する。図117は、保留連モード中の1回転目〜3回転目が全てはずれであるときの特殊連続演出の演出例を示す模式図であり、図118は、保留連モード中の3回転目が大当りとなるときの特殊連続演出の演出例を示す模式図である。
まず、保留連モード中の1回転目〜3回転目の変動表示が全てはずれである場合の特殊連続演出の演出例について図117を参照しながら説明する。
図中(A)に示すように、特別遊技の終了時に大当り終了デモが開始されることで、特殊連続演出として所定のムービー演出の再生が開始される。この特殊連続演出が開始されることに伴い、画面の右端に前回の大当り図柄として「7・7・7」が縮小表示される。なお、画面上には「七星闘舞」という文字列のうち、1番目の「七」の文字が表示されている。また、大当り終了デモの開始時に、チャンスアップ演出の先読み抽選が実行される。この先読み抽選では、当該大当り終了時に存在する第2特別図柄の1個目〜3個目の作動保留球の事前判定結果に基づき、当該作動保留球内に大当りとなる作動保留球が存在するか否かが判定され、その判定結果に応じてチャンスアップ演出の実行可否及びその演出パターンが決定される。今回の先読み抽選の結果は「実行なし」が決定されたものとする。
図中(B)に示すように、演出モードが保留連モードに移行して、特別遊技終了後の1回転目の変動表示が開始される。このように演出モードが保留連モードに移行しても、画面上には特殊連続演出(所定のムービー演出)が継続して表示されている。なお、画面上には「七星闘舞」という文字列のうち、2番目の「星」という文字が表示されている。また、保留連モードに滞在中は、3列の装飾図柄は画面の右端において小図柄として変動表示される。
図中(C)に示すように、1回転目の変動表示が終了して、はずれ図柄として「2・4・6」が確定停止表示される。なお、画面上には「七星闘舞」という文字列のうち、3番目の「闘」という文字が表示されている。
図中(D)に示すように、2回転目の変動表示が開始される。なお、画面上には「七星闘舞」という文字列のうち、4番目の「舞」という文字が表示されている。このように特殊連続演出の序盤では、「七星闘舞」という文字列が、「七」→「星」→「闘」→「舞」といった順番で、1文字ずつ切り替わりながら表示されていく。
図中(E)に示すように、2回転目の変動表示が終了して、はずれ図柄として「2・4・6」が確定停止表示される。画面上には、ムービー演出の最終画面(「七星闘舞」のロゴ画像)が表示される。なお、この最終画面は、特殊連続演出の終了タイミング(1回転目の変動表示の開始時から7秒後)が到来するまで、ループ表示される。
図中(F)に示すように、3回転目の変動表示が開始される。画面上には、ムービー演出の最終画面が継続して表示されている。
図中(G)に示すように、3回転目の変動表示が終了して、はずれ図柄として「2・4・6」が確定停止表示される。このように1回転目〜3回転目の変動表示の停止図柄として、全て同一のはずれ図柄「2・4・6」が確定停止表示されたことになる。このとき特殊連続演出の終了タイミングが到来して、ムービー演出の再生が終了する。また、1回転目〜3回転目の変動表示が終了することで、保留連モードが終了する。
図中(H)に示すように、画面上には「1st BATTLE」という文字が表示され、次の演出モード(七星闘舞モード)に突入して、特別遊技終了後の4回転目の変動表示が開始される。
続いて、保留連モード中の3回転目の変動表示が大当りである場合の特殊連続演出の演出例について図118を参照しながら説明する。
図中(A)に示すように、特別遊技の終了時に大当り終了デモが開始されることで、特殊連続演出として所定のムービー演出の再生が開始される。この特殊連続演出が開始されることに伴い、画面の右端に前回の大当り図柄として「7・7・7」が縮小表示される。なお、画面上には「七星闘舞」という文字列のうち、1番目の「七」の文字が表示されている。また、大当り終了デモの開始時に、チャンスアップ演出の先読み抽選が実行される。この先読み抽選では、当該大当り終了時に存在する第2特別図柄の1個目〜3個目の作動保留球の事前判定結果に基づき、当該作動保留球内に大当りとなる作動保留球が存在するか否かが判定され、その判定結果に応じてチャンスアップ演出の実行可否及びその演出パターンが決定される。今回の先読み抽選の結果は「プレミアパターン」が決定されたものとする。
図中(B)に示すように、演出モードが保留連モードに移行して、特別遊技終了後の1回転目の変動表示が開始される。このように演出モードが保留連モードに移行しても、画面上には特殊連続演出(所定のムービー演出)が継続して表示されている。なお、画面上には「七星闘舞」という文字列のうち、2番目の「星」という文字が表示されている。また、保留連モードに滞在中は、3列の装飾図柄は画面の右端において小図柄として変動表示される。
図中(C)に示すように、1回転目の変動表示が終了して、はずれ図柄として「2・4・6」が確定停止表示される。なお、画面上には「七星闘舞」という文字列のうち、3番目の「闘」という文字が表示されている。
図中(D)に示すように、2回転目の変動表示が開始される。なお、画面上には「七星闘舞」という文字列のうち、4番目の「舞」という文字が表示されている。このように特殊連続演出の序盤では、「七星闘舞」という文字列が、「七」→「星」→「闘」→「舞」といった順番で、1文字ずつ切り替わりながら表示されていく。
図中(E)に示すように、2回転目の変動表示が終了して、はずれ図柄として「2・4・6」が確定停止表示される。画面上には、ムービー演出の最終画面(「七星闘舞」のロゴ画像)が表示される。なお、この最終画面は、特殊連続演出の終了タイミング(1回転目の変動表示の開始時から7秒後)が到来するまで、ループ表示される。
図中(F)に示すように、3回転目の変動表示が開始される。画面上には、ムービー演出の最終画面が継続して表示されている。この3回転目の変動表示が開始された直後、チャンスアップ演出が発生して、「一撃当千」という文字画像が発光表示される。
図中(G)に示すように、3回転目の変動表示中において「2・4・6」が仮停止表示される。このように特殊連続演出の実行中は、1回転目の確定停止図柄、2回転目の確定停止図柄、及び3回転目の仮停止図柄として、全て同一のはずれ図柄「2・4・6」が確定停止表示又は仮停止表示されたことになる。
図中(H)に示すように、装飾図柄の再変動表示が開始されると(3回転目の変動表示が再開されると)、「1st BATTLE」という文字が表示され(上記の図117(H)と同じ画面が表示され)、あたかも特別遊技終了後の1回転目の変動表示が開始されたかのような見た目(七星闘舞モードに突入したかのような見た目)となる。こうして再変動表示が開始されると、特殊大当り演出(詳細次述)が開始される。
≪特殊大当り演出≫
続いて、保留連モード中の特殊大当り演出について説明する。特殊大当り演出は、図115に示すように、可動役物24が落下して大当り当選したことを告知する大当り告知演出と、大当り当選が確定した後に特別遊技にて遊技者が獲得できる賞球数を報知するカウントアップ演出とを含む。なお、保留連モード中の1回転目〜3回転目の変動表示のいずれで大当りする場合でも、特殊大当り演出の時間尺は同一の時間値(17秒)が設定されている。
大当り告知演出は、可動役物24が画面前面に落下して、大当り当選が確定したことを報知する演出である。なお、この時点では、いずれの大当り種別に当選したのかまでは遊技者に報知されず、次述のカウントアップ演出にて大当り種別(今回の特別遊技にて理論上獲得できる賞球数)が遊技者に対して報知される。
カウントアップ演出は、今回の大当りに基づき実行される特別遊技において獲得可能な理論上の賞球数(獲得可能賞球数)が上乗せされていく過程が表示される昇格演出である。なお、獲得可能賞球数(「獲得予定賞球数」と称してもよい)は、実際には、大当り種別(実質ラウンド数)に応じて予め決定されている。ここで、本例における昇格演出(カウントアップ演出)は、当該変動表示中において告知された大当りに基づき享受できる仮の利益態様を一旦示唆又は報知した後に、この仮の利益態様よりも利益度合いの高い真の利益態様を示唆又は報知する演出として構成されている。具体的には、仮の利益態様として偽の獲得可能賞球数「0個」を一旦提示しておき(又は仮の利益態様を表示せずに)、その後の一連の演出過程を通じて利益態様(獲得可能賞球数)を昇格させていき、最終的に真の利益態様(大当り種別に応じて設定された真実の獲得可能賞球数)を提示するようになっている。つまり、本例におけるカウントアップ演出は、遊技者が享受し得る獲得可能賞球数が増加(昇格)することを通じて、実質ラウンド数が増加することが示唆又は報知されるラウンド昇格演出(ラウンドアップ演出)であるとも言える。
カウントアップ演出は、遊技者による演出ボタン15の操作に応じて賞球数が上乗せされていく過程が表示される途中経過演出と、最終結果として理論上の獲得可能賞球数が表示される最終演出とからなる。なお、獲得可能賞球数の最終結果は、装飾図柄の変動表示が終了するタイミング(大当り図柄が確定停止されるタイミング)又はそれよりも前のタイミングにて遊技者に提示される。
「獲得可能賞球数」とは、今回の大当りに基づき実行される1回の特別遊技において、大入賞口65への遊技球の入球に基づき遊技者が獲得可能となる理論上の賞球数(理論値)を意味する。そのため、獲得可能賞球数は、大当り(特別遊技)の種類に基づき予め設定されている。獲得可能賞球数(獲得予定賞球数)は、今回実行される特別遊技における長開放ラウンドの回数(実質ラウンド数)と、1回のラウンド遊技における大入賞口65への入球上限数(規定カウント数)と、遊技球が大入賞口65に1球入球する毎に払い出される賞球数(大入賞口の単位賞球数)とに基づき算出される。本例においては、規定カウント数として「10球」、単位賞球数として「10球」が設定されている。例えば、「16R条件付き特定大当り」に当選することで実行される特別遊技において、獲得可能賞球数は、16ラウンド(実質ラウンド数)×10球(規定カウント数)×10球(単位賞球数)=1600個となる。
図119は、カウントアップ演出パターンテーブルを示す模式図である。カウントアップ演出の抽選タイミングは、当該大当りに係る変動表示の開始時(又は特殊連続演出の開始時又は終了時)である。カウントアップ演出パターンには、カウントアップ演出パターンAと、カウントアップ演出パターンBとがある。カウントアップ演出パターンAは、演出ボタン15の単発的な操作により賞球数が上乗せされる演出内容である。このカウントアップ演出パターンAにおいては、画面上に表示される1回の操作入力指示に対して許容される演出ボタン15の有効操作回数は1回である。本例では、特殊大当り演出中において合計2回の操作入力指示が発生するため、合計2回の演出ボタン15の操作が有効となる。カウントアップ演出パターンBは、演出ボタン15の連続的な操作(いわゆる連打)により賞球数が上乗せされる演出内容である。カウントアップ演出パターンBにおいては、基本的には、画面上に「連打」の指示が表示されている間、演出ボタン15の有効操作回数に制約はなく(又は2回を大きく上回る50回などに設定されており)、遊技者は演出ボタン15を複数回に亘り操作可能(連打可能)である。本例では、カウントアップ演出パターンBが表示される場合よりも、カウントアップ演出パターンAが表示される場合の方が、その特別遊技にて得られる賞球数の期待値が高くなる。すなわち、獲得可能賞球数が相対的に少ない大当り(実質ラウンド数の少ない大当り)に当選した場合よりも、獲得可能賞球数が相対的に多い大当り(実質ラウンド数の多い大当り)に当選した場合の方が、カウントアップ演出パターンAが選択される可能性が高くなるように設定されている(逆に、カウントアップ演出パターンBが選択される可能性が低くなるように設定されている)。変形例として、カウントアップ演出パターンAが表示される場合よりも、カウントアップ演出パターンBが表示される場合の方が、その特別遊技にて得られる賞球数の期待値が高くなるようにしてもよい。すなわち、獲得可能賞球数が相対的に少ない大当り(実質ラウンド数の少ない大当り)に当選した場合よりも、獲得可能賞球数が相対的に多い大当り(実質ラウンド数の多い大当り)に当選した場合の方が、カウントアップ演出パターンBが選択される可能性が高くなるように設定してもよい(カウントアップ演出パターンAが選択される可能性が低くなるように設定してもよい)。なお、実質ラウンド数が4ラウンド以下に設定された大当り(6R条件付き通常大当り1,2、5R条件付き通常大当り1,2、4R条件付き特定大当り、2R条件付き特定大当り)に当選した場合は、カウントアップ演出パターンAが選択されることはなく、カウントアップ演出パターンBのみが選択されるようになっている。なお、変形例として、実質ラウンド数が4ラウンド以下に設定された大当りでは、その変動表示にてカウントアップ演出自体が発生しないように構成してもよい。また、金図柄組合せ(「7・7・7」)で大当りした際の16R条件付き特定大当りについては、その変動表示にてカウントアップ演出を実行しないように構成してもよい。
図120は、カウントアップ演出抽選テーブルを示す模式図である。本例では、このカウントアップ演出抽選テーブルを用いて、途中経過演出にて表示される賞球数の加算値と、最終演出にて表示される最終表示値(獲得可能賞球数)とを決定する。ここで、加算値の決め方としては、該カウントアップ演出抽選テーブルから1回のボタン操作に対応した加算値を、1つ1つ逐一決定してもよいし、カウントアップ演出としてのシナリオ(加算値の順番など)を決定してもよい。シナリオを決定するとは、カウントアップ演出パターンAならば1回目と2回目の加算値の組合せを一度に決定してもよいし、カウントアップ演出パターンBならば1回目〜50回目の加算値の組合せを一度に決定してもよいということである。図中では、便宜上、抽選に供する数値が省略されているが、実際には、取得した抽選乱数値に対して、カウントアップ演出の表示値を決定するための判定置数(抽選乱数値の範囲)が設定されており、その抽選乱数値がいずれの判定置数に属するかに基づき、カウントアップ演出の表示値が決定されるようになっている。
図中(A)には、カウントアップ演出パターンA,Bにおいて最終的に表示される最終表示値(獲得可能賞球数)が定められている。この最終表示値(獲得可能賞球数)は、大当りの種類(実質ラウンド数)に応じて定められており、2R条件付き特定大当りである場合は「200」、5R条件付き通常大当り又は6R条件付き通常大当りである場合は「300」、4R条件付き特定大当りである場合は「400」、8R条件付き特定大当りである場合は「800」、12R条件付き特定大当りである場合は「1200」、16R条件付き特定大当りである場合は「1600」が設定されている。
図中(B)及び(C)には、カウントアップ演出パターンAにおいて、演出ボタンが1回操作される毎に表示される賞球数の加算値(上乗せ値)が定められている。図中(B)は演出ボタンの1回目の操作に対する賞球数の加算値、図中(C)は演出ボタン15の2回目の操作に対する賞球数の加算値が規定されている。具体的には、1回の演出ボタン15の操作により表示される賞球数の加算値として、「200」、「400」、「600」、「800」、「1000」、「1200」、「1400」が設定されている。このようにカウントアップ演出パターンAにおいて設定された賞球数の加算値は、大入賞口65の単位賞球数(10球)の整数倍の数値となる。なお、各回の賞球数の加算値は、1回目の賞球数の加算値と2回目の賞球数の加算値との合計値が、獲得可能賞球数を超えないような範囲で選択される。ここで、変形例として、図中(B)に示した加算値の候補に「0」を含めてもよい。一方、図中(C)に示した加算値の候補に「1600」を含めてもよい。
図中(D)には、カウントアップ演出パターンBにおいて、演出ボタンが1回操作される毎に表示される賞球数(上乗せ値)が定められている。具体的には、1回の演出ボタンの操作により表示される賞球数の加算値として、「1」、「2」、「3」、「5」、「10」、「20」、「30」、「50」、「100」、「200」、「300」、「500」、「1000」が設定されている。このようにカウントアップ演出パターンBにおいて設定された賞球数の加算値は、カウントアップ演出パターンAにおいて設定された賞球数の加算値とは異なり、大入賞口65の単位賞球数(10個)の整数倍の数値とは相違する場合(例えば「1」〜「5」など)がある。ここで、変形例として、図中(D)に示した加算値の候補に「0」を含めてもよい。「0」という加算値は、最終表示値(獲得可能賞球数)に達した後の連打時に選択されることが好適であるが、この最終表示値(獲得可能賞球数)に達する前に選択されるものであってもよい。
続いて、カウントアップ演出の演出例について説明する。図121は、カウントアップ演出の演出例を示す模式図である。図中の上段にはカウントアップ演出パターンAを示し、図中の下段にはカウントアップ演出パターンBを示す。詳細は後述するように、第8実施形態においては最終表示値(獲得可能賞球数)が表示された後に装飾図柄の組合せ「7・7・7」などを確定停止表示するが、変形例として、装飾図柄の組合せ「7・7・7」などを仮停止表示したあとにカウントアップ演出を実行するように構成してもよい。また、図中の「Get****」という表示は省略してもよい。
まず、カウントアップ演出パターンAの演出例について説明する。ここで、図中(A1)〜(A4)は途中経過演出を示し、図中(A5)は最終演出を示している。
図中(A1)に示すように、カウントアップ演出の開始時に、画面上には、演出ボタン15を模した画像と共に、「一撃」というメッセージ(操作入力指示)が表示される。なお、画面の左上には現段階での獲得可能賞球数を提示するための表示領域が設けられており、獲得可能賞球数の初期値として「Get0000」が表示されている。
図中(A2)に示すように、遊技者が演出ボタン15を1回操作すると、賞球数の加算値として「+200」という数値が表示され、現段階の獲得可能賞球数に「200個」が上乗せされたことが報知される。それにより、画面上に表示された獲得可能賞球数の数値が「200個」に更新される。
図中(A3)に示すように、画面上には、再度、演出ボタン15を模した画像と共に、「一撃」というメッセージ(操作入力指示)が表示される。
図中(A4)に示すように、遊技者が演出ボタン15を1回操作すると、賞球数の加算値として「+800」という数値が表示され、現段階の獲得可能賞球数に「800個」の賞球が上乗せされたことが報知される。それにより、画面上に表示された獲得可能賞球数の数値が「1000個」に更新される。
図中(A5)に示すように、装飾図柄の変動表示が終了して、大当り図柄「7・7・7」が確定停止表示されるタイミングで、最終表示値として「1600」という数値が表示され、今回の特別遊技にて遊技者の獲得できる獲得可能賞球数が「1600個」であることが報知される。このように最終的には真の獲得可能賞球数が遊技者に正しく報知される。なお、変形例として、演出ボタン15の2回目の操作で表示される加算値は、最終表示値に到達する加算値(1回目の加算値に加えると最終表示値に到達する加算値)となるように構成してもよい。すなわち、2回目の加算値は、最終表示値と1回目の加算値との差分値が選択されるようにしてもよい。具体的には、上記の図示例に適用した場合には、2回目の加算値として「+1400」という数値が表示されて最終表示値(1600)に到達することになる。
続いて、カウントアップ演出パターンBの演出例について説明する。ここで、図中(B1)〜(B4)は途中経過演出を示し、図中(B5)は最終演出を示している。
図中(B1)に示すように、カウントアップ演出の開始時に、画面上には、演出ボタン15を模した画像と共に、「連打」というメッセージ(操作入力指示)が表示される。なお、画面の左上には現段階での獲得可能賞球数を提示するための表示領域が設けられており、獲得可能賞球数の初期値として「Get0000」が表示されている。
図中(B2)に示すように、遊技者が演出ボタン15を1回操作すると、賞球数の加算値として「+5」という数値が表示され、現段階の獲得可能賞球数に「5個」の賞球が上乗せされたことが報知される。それにより、画面上に表示された獲得可能賞球数の数値が「5個」に更新される。
図中(B3)に示すように、遊技者が演出ボタン15を再度操作すると、賞球数の加算値として「+30」という数値が表示され、獲得可能賞球数に「30個」の賞球が上乗せされたことが報知される。それにより、画面上に表示された獲得可能賞球数の数値が「35個」に更新される。
図中(B4)に示すように、遊技者が演出ボタン15を連打(複数回操作)すると、それに応じて次々と賞球数の加算値が表示され、その加算値の総数に対応した賞球数が獲得可能賞球数に上乗せされたことが報知される。それにより、画面上に表示された獲得可能賞球数の数値が「355個」に更新される。
図中(B5)に示すように、装飾図柄の変動表示が終了して、大当り図柄「3・3・3」が確定停止表示されるタイミングで、最終表示値として「800」という数値が表示され、今回の特別遊技にて遊技者の獲得できる獲得可能賞球数が800個であることが報知される。このように最終的には真の獲得可能賞球数が遊技者に正しく報知される。なお、変形例として、連打中に最終表示値に到達するように構成してもよい。具体的には、上記の図示例に適用した場合には、連打中に画面の左上に「GET800」という数値が表示されて最終表示値(800)に到達することになる。ここで、最終表示値に到達した後は、再び演出ボタン15を操作しても(連打しても)、加算値として常に「0」が表示されることが好適である。
<賞球数報知演出>
次に、第8実施形態における賞球数報知演出について説明する。賞球数報知演出は、特別遊技の実行中に大入賞口65又は一般入賞口54への遊技球の入球に基づき払い出された賞球数(獲得賞球数)を遊技者に対して報知する演出である。
図122は、特別遊技中に表示される賞球数報知演出の基本画面を示す模式図である。賞球数報知演出では、特別遊技中に払い出された賞球数として、第1獲得賞球数A1、第2獲得賞球数A2、第1累積獲得賞球数B1、第2累積獲得賞球数B2を報知の対象とする。
第1獲得賞球数A1とは、現在実行中の1回の特別遊技において、大入賞口65への遊技球の入球に基づき現在までに獲得できた賞球数(現実に獲得できた賞球数)を意味する。第1獲得賞球数A1は、現実に遊技者が獲得できた賞球数であるため、大当り種別に応じて設定される上述の獲得可能賞球数(理論上の期待賞球数)より少なくなることはあるが、獲得可能賞球数を超えることはない。
第2獲得賞球数A2とは、現在実行中の1回の特別遊技において、一般入賞口54への遊技球の入球に基づき現在までに獲得できた賞球数(現実に獲得できた賞球数)を意味する。この第2獲得賞球数A2には、右打ち領域に配された一般入賞口54に遊技球が入球することで払い出された賞球数は加算されるが、左打ち領域に配された一般入賞口51〜53に遊技球が入球することで払い出された賞球数は加算されない。つまり、第2獲得賞球数A2は、特別遊技の実行中に右打ち領域(大入賞口65)を狙って打ち出した遊技球が大入賞口65に入球できず、その代わりに一般入賞口54に入球できた場合に払い出される賞球数が報知の対象となるものである。なお、特定遊技状態中に一般入賞口54に遊技球が入球することで払い出された賞球数は、第2獲得賞球数A2には加算されない。
第1累積獲得賞球数B1とは、連荘中の特別遊技において、大入賞口65への遊技球の入球に基づき現在までに獲得できた賞球数(現実に獲得できた賞球数)の累積数を意味する。「連荘中」又は「連荘状態」とは、非特別遊技状態中の遊技状態として非特定遊技状態から特定遊技状態への移行契機となる初当りの発生後、非特定遊技状態に戻ることなく、特定遊技状態が継続している状態(特定遊技状態での大当りが連続して発生している状態)のことである。この第1累積獲得賞球数B1には、初当り時の特別遊技にて大入賞口65への遊技球の入球により獲得できた賞球数も含まれる。なお、「特定遊技状態」とは、通常状態(低確率状態、非開放延長状態)よりも、特別遊技への移行確率が高められた状態であり、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能、電チューサポート機能のうちの少なくとも一の機能が作動した状態のことである。本例では、特定遊技状態として少なくとも電チューサポート機能が作動している遊技状態をいう。よって、本例における特定遊技状態とは、確変状態及び時短状態が該当する。本例では、いずれの大当り種別に当選した場合であっても、特別遊技の終了後の30回転又は100回転の変動表示において、少なくとも電チューサポート状態が作動した状態となるため、この30回転又は100回転の間は特定遊技状態となり、この間に大当りが発生することを条件に連荘状態は継続する。
第2累積獲得賞球数B2とは、連荘中の特別遊技において、一般入賞口54への遊技球の入球に基づき現在までに獲得できた賞球数(現実に獲得できた賞球数)の累積数を意味する。この第2累積獲得賞球数B2には、初当り時の特別遊技にて一般入賞口54への遊技球の入球により獲得できた賞球数も含まれる。なお、特定遊技状態中に一般入賞口54に遊技球が入球することで払い出された賞球数は、第2累積獲得賞球数B2には加算されない。
演出制御基板200には、図123に示すように、大当り中の各賞球数A1,A2,B1,B2を管理すべく、第1獲得賞球数A1を計数するための第1獲得賞球数カウンタCA1と、第2獲得賞球数A2を計数するための第2獲得賞球数カウンタCA2と、第1累積獲得賞球数B1を計数するための第1累積獲得賞球数カウントCB1と、第2累積獲得賞球数B2を計数するための第2累積獲得賞球数カウンタCB2とが備えられている。具体的には、特別遊技の実行中に大入賞口65に遊技球が入球することで、主制御基板100から大入賞口入賞コマンドを受信する毎に、第1獲得賞球数カウンタA1及び第1累積獲得賞球数カウンタB1のカウント値が更新され、それに応じて画面上に表示される獲得情報(第1獲得賞球数A1及び第1累積獲得賞球数B1)も更新される。第1獲得賞球数カウンタA1及び第1累積獲得賞球数カウンタB1は、特別遊技の開始時又は終了時にゼロリセットされる。同様に、特別遊技の実行中に右打ち領域に配された一般入賞口54に遊技球が入球することで、主制御基板100から一般入賞口入賞コマンドを受信する毎に、第2獲得賞球数カウンタCA2及び第2累積獲得賞球数カウンタCB2のカウント値が更新され、それに応じて画面上に表示される獲得情報(第2獲得賞球数A2及び第2累積獲得賞球数B2)も更新される。第2獲得賞球数カウンタCA2及び第2累積獲得賞球数カウンタCB2は、連荘の終了時(時短状態が終了したとき、或いは、通常状態に復帰したとき)にゼロリセットされる。
この賞球数に関しては、大入賞口65への1球の入球に対して「10個」の賞球が払い出される仕様(すなわち、大入賞口65の単位賞球数は10個)であるため、第1獲得賞球数A1及び第1累積獲得賞球数B1は「10個」単位で更新される。同じく、本例では、一般入賞口54への1球の入球に対して「3個」の賞球が払い出される仕様(すなわち、一般入賞口54の単位賞球数は3個)であるため、第2獲得賞球数A2及び第2累積獲得賞球数B2は「3個」単位で更新される。
前述したように、本例における賞球数報知演出では、特別遊技(ラウンド遊技)の実行中において、第1獲得賞球数A1、第2獲得賞球数A2、第1累積獲得賞球数B1、第2累積獲得賞球数B2が表示される。図122では、画面上に、第1獲得賞球数A1として「1280」、第2獲得賞球数A2として「30」、第1累積獲得賞球数B1として「9850」、第2累積獲得賞球数B2として「160」が表示されている。それにより、現在実行中の1回の特別遊技において、現段階で、大入賞口65への入球に基づき1280個の賞球を獲得し、右打ち領域に配された一般入賞口54への入球に基づき30個の賞球を獲得していることが遊技者に対して提示される。同じく、連荘中の特別遊技において、現段階で、大入賞口65への入球に基づき9850個の賞球を獲得し、右打ち領域に配された一般入賞口54への入球に基づき160個の賞球を獲得していることが遊技者に対して提示される。このように従来では遊技者があまり意識しなかった特別遊技中の一般入賞口54への遊技球に入球に基づく賞球数を積極的に報知することで、大入賞口65へ入球しなかった遊技球(こぼれ球)が一般入賞口54に入球したことを遊技者に明確に認識させることが可能になるとともに、大入賞口65だけでなく一般入賞口54を狙う楽しみを遊技者に享受させることができる(遊技者が積極的に遊技球を一般入賞口54に入球させる機会を増大させることが期待できる)。なお、変形例として、第1獲得賞球数A1と第2獲得賞球数A2とをそれぞれ個別表示するのではなく、第1獲得賞球数A1と第2獲得賞球数A2とを合計表示してもよく、また、第1累積獲得賞球数B1と第2累積獲得賞球数B2とをそれぞれ個別表示するのではなく、第1累積獲得賞球数B1と第2累積獲得賞球数B2とを合計表示してもよい。すなわち、第1獲得賞球数A1と第2獲得賞球数A2との合算数を表示してもよく、また、第1累積獲得賞球数B1と第2累積獲得賞球数B2との合算数を表示してもよい。具体的に、図122の図示例に適用した場合には、獲得賞球数として第1獲得賞球数A1(1280)と第2獲得賞球数A2(30)との合算数である「1310」を表示し、累積獲得賞球数として第1累積獲得賞球数B1(9850)と第2累積獲得賞球数B2(160)との合算数である「10010」を表示することになる。
(賞球数報知演出の変形例1)
上述の実施形態では、特別遊技の実行中に、この1回の特別遊技にて遊技者が実際に獲得できた第1獲得賞球数A1が表示されていたが、この現実に獲得できた第1獲得賞球数A1と、遊技者が獲得可能な理論上の獲得可能賞球数とをペアで表示してもよい。例えば、大当り種別として16R条件付き特定大当りに当選した場合には、獲得可能賞球数は「1600個」となるため、現段階での第1獲得賞球数A1が「780個」である場合には、この第1獲得賞球数A1と獲得可能賞球数とを「780/1600」といったようにペアで表示することが好適である。ここで、後述のオーバー入賞が発生した場合は、獲得可能賞球数の「1600」を上回って「1610/1600」や「1650/1600」という表示になり得る。すなわち、オーバー入賞に基づく賞球数の分だけ、獲得可能賞球数(理論値)よりも超過表示されることになる。また、このようなペア表示についても、第1獲得賞球数A1と第2獲得賞球数A2とを合計表示しても良く、その場合には「1605/1600」や「1635/1600」という表示になり得る。すなわち、一般入賞口54への遊技球の入球に基づく賞球数の分だけ、獲得可能賞球数(理論値)よりも超過表示されることになる。
(賞球数報知演出の変形例2)
第1獲得賞球数A1及び第1累積獲得賞球数B1には、大入賞口65への規定カウント内での遊技球の入球に基づき払い出される賞球数の他に、大入賞口65への規定カウント外での遊技球の入球に基づき払い出される賞球数(すなわち超過入賞による賞球数)を加算してもよい。超過入賞とは、俗にオーバー入賞と呼ばれる入賞態様であり、1回のラウンド遊技において規定カウント数(10球)を超えた個数の遊技球が大入賞口65に入球して大入賞口スイッチ651にて検出されることをいう。この超過入賞は、現実的には、短開放ラウンドで発生することはなく、長開放ラウンドにて発生する。ここで、上述の変形例のように、第1獲得賞球数A1と獲得可能賞球数とをペアで表示する場合は、超過入賞が発生する毎に、該超過入賞により獲得した賞球数を第1獲得賞球数A1に加算するだけでなく、それに併せて獲得可能賞球数も更新することが好適である。例えば、オーバー入賞に基づく賞球数の分だけ獲得可能賞球数「1600」が更新されて、「1610/1610」や「1650/1650」といった表示となる。つまり、超過入賞が発生した場合には、理論上の数値(獲得可能賞球数)も変更することで、該超過入賞(オーバー入賞)が発生したことを遊技者に的確に報知することができる。なお、超過入賞による賞球数を、第1獲得賞球数A1及び第1累積獲得賞球数B1に加算するのではなく、第2獲得賞球数A2及び第2累積獲得賞球数B2に加算するようにしてもよい。つまり、超過入賞による賞球数を「おまけ」として取り扱い、理論上の獲得可能賞球数自体は当初の設定通りの数値を保持してもよい。
(賞球数報知演出の変形例3)
上述の実施形態では、特別遊技の実行中に一般入賞口54に遊技球が入球する毎に、画面上に表示される第2獲得賞球数A2が「5個」単位で更新される構成であったが、例えば、特別遊技の実行中に一般入賞口54に遊技球が入球することで払い出された賞球数の総数を、特別遊技の終了時にまとめて一度に表示するように構成してもよい。その構成によれば、一般入賞口54の単位賞球数が少ない個数である場合や、一般入賞口54に入球し難い盤面構成である場合など、該賞球数を小出しに更新表示しても演出効果が低い場合に有効である。
(賞球数報知演出の変形例4)
続いて、上述の賞球数報知演出を「小当りV」と呼ばれる機種の遊技機に適用した場合の変形例について説明する。本機種では、大当り遊技(小当り発展大当りとなった場合を含む)に対応する第1大入賞口と、小当り遊技に対応する第2大入賞口とを備える。本変形例では、特別図柄の当否判定の結果として、大当り、小当り、はずれが設定されている。「小当り」の種類には、小当り発展大当りとなって特別遊技の終了後に時短状態へ移行する「時短有り小当り」と、小当り発展大当りとなって特別遊技の終了後に通常状態へ移行する「時短無し小当り」とがある。ここで、当否判定の結果が小当りとなった場合は、小当り遊技として、第2大入賞口の開放を伴う1回のラウンド遊技(単位遊技)が行われる。この小当り遊技において、第2大入賞口内に設けられた特定領域(Vゾーン)に遊技球が入球すると、「小当り」から「大当り」に昇格し(すなわち、小当り発展大当りに当選し)、特別遊技(大当り遊技)として、第1大入賞口の開放を伴う複数回のラウンド遊技(単位遊技)が行われる。この特別遊技の終了後、遊技状態が時短状態に移行すると、第2始動口62への遊技球の入球を契機とした小当りが発生しやすくなり、該小当りから大当りへ発展する可能性も高くなる。また、時短状態において小当りが発生した場合は、通常状態において小当りが発生した場合よりも、その特別遊技の終了後に遊技状態が時短状態へ移行する確率が高くなる(換言すれば、時短有り小当りに当選する確率が高くなる)。そのため、小当りVと呼ばれる本機種では、時短状態において小当り発展大当りを繰り返して、いわゆる「連荘」を継続させることを狙った遊技性となる。すなわち、時短状態を継続させることで、電チューサポート状態(入球容易状態)のもと、遊技球を第2始動口62へ入球させることで、小当りVを狙う遊技が継続できるようになる。一方、特別遊技の終了後に、遊技状態が時短状態へ移行しなかった場合(通常状態へ移行した場合)には、電チューサポート状態(入球容易状態)が終了してしまうため、第2始動口62への遊技球の入球が困難(実質的に不可能)となるため、第1始動口61を狙った遊技性となる。なお、小当り遊技において、遊技球を特定領域(Vソーン)に入球させることができなかった場合は、特別遊技に移行せず、小当り発生前の遊技状態が継続することになる(すなわち、小当りは遊技状態の移行の契機とならない当選種別である)。かかる構成の本機種の賞球数報知演出では、1回の特別遊技(大当り遊技)の実行中に第1大入賞口に遊技球が入球することで実際に払い出された賞球数(賞球数の総数)は「第1獲得賞球数A1」として報知され、1回の小当り遊技の実行中に第2大入賞口に遊技球が入球することで実際に払い出された賞球数(賞球数の総数)は「第2獲得賞球数A2」として報知されることが好適である。つまり、小当り発展大当りが発生する場合には、小当り遊技(1回のラウンド遊技)で獲得した賞球数は第2獲得賞球数A2として報知され、小当り発展大当りに基づく大当り遊技(複数回のラウンド遊技)で獲得した賞球数は第1獲得賞球数A1として報知される。なお、第1累積獲得賞球数B1及び第2累積獲得賞球数B2についても同様である。ここで、第2獲得賞球数A2には、一般入賞口54への遊技球の入球により獲得した賞球数も加算されてもよい。また、上記変形例4についても、第1獲得賞球数A1と第2獲得賞球数A2とを合計表示してもよく、第1累積獲得賞球数B1と第2累積獲得賞球数B2とを合計表示してもよい。さらに、上記変形例4についても、上記変形例2,3の仕様を適用してもよい。
以上、第8実施形態において達成される主要な効果を整理すれば、下記のようになる。
(1)特別遊技終了後から起算して図柄の変動表示回数が所定回数(電チューサポート機能の終期回数)に達するまでの間、大当り当選時の遊技状態や大当り種別に応じて、変動パターン選択状態の移行態様が異なるため、多様な遊技性を創出することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
(2)遊技状態が通常状態であるときに大当りが発生して相対的に短期間の入球容易状態に移行した場合、その短期間の入球容易状態において再度大当りが発生すると、相対的に長期間の入球容易状態に移行することになるため、それ以降は相対的に長期間の入球容易状態において大当りを連続させる(連荘状態を継続させる)ことのできる可能性が高められる。つまり、相対的に不利な遊技状態(非電チューサポート状態)から相対的に有利な遊技状態(電チューサポート状態)に一旦移行すれば、相対的に有利な遊技状態が継続されやすくなる関門突破系の遊技性を実現することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
(3)特別遊技の終了後の所定回数の変動表示において、装飾図柄の確定停止回数及び仮停止回数の合算回数を同一回数とするとともに、装飾図柄の仮停止図柄及び確定停止図柄を同一図柄とすることで、特別遊技終了後の所定回数の変動表示のうちのいずれの変動表示で大当りが発生した場合であっても、遊技者から見た場合、あたかも同じタイミング(保留連モード中の最終回の変動表示)で大当りが発生したかのように見せることができるため、従来にない新たな遊技演出を創出することができるとともに、特別遊技終了後に設定される演出モード(保留連モード)の演出効果を高めることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
(4)特別遊技の終了時と当該終了後の所定回数の変動表示とを連続性のある一連の演出として繋げて、所定回数の変動表示の過程を大当り終了デモが継続しているかのような演出とすることで、所定回数の変動表示のうちいずれの変動表示で大当りが発生した場合であっても、遊技者から見た場合、あたかも特別遊技の終了後の1回転目の変動表示にて大当りが発生したかのように認識させることができるため(擬似的に前記の大当りと今回の大当りとが連続して発生したかのような見た目とすることができるため)、従来にない新たな遊技演出を創出することができるとともに、特別遊技の終了後に設定される演出モード(保留連モード)の演出効果を高めることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
(5)図柄の変動表示中に実行される昇格演出(カウントアップ演出)の演出パターンとして、互いに途中表示過程の異なる演出パターンAと演出パターンBとを具備して、昇格演出の演出展開に多様性をもたせることで、遊技演出の単調性を解消できるとともに、途中表示過程において最終表示結果(賞球数)が先バレするのを防止して、最結表示結果が出るまでの間、獲得賞球数に対する遊技者の期待感を持続させることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
(6)特別遊技の実行中において遊技球が大入賞口に遊技球が入球することで獲得した賞球数と遊技球が一般入賞口に入球することで獲得した賞球数とを報知することにより、連荘中の特別遊技において大入賞口を狙って多量の賞球数を獲得できるか否かが遊技者の唯一の関心事になるのを防止して、一般入賞口を狙う楽しみを遊技者に享受させることができ(遊技者が積極的に遊技球を一般入賞口に入球させる機会を増大させることが期待でき)、遊技者の射幸心を高めるとともに、遊技をより一層興趣性の富んだものにすることが可能になる。
なお、上述の第8実施形態では、特別遊技中の特定ラウンドにて遊技球が大入賞口の特定領域に入球するか否かに基づき、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率状態(確変状態)に移行するか否か決定する所謂玉確機を採用した構成を例示して説明したが、特別図柄抽選にて図柄群(大当り)の種類が特定図柄(特定大当り)及び通常図柄(通常大当り)のいずれに該当するかに応じて、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率状態(確変状態)に移行するか否かを決定する構成を採用してもよい。その場合に、図94では、本例における「条件付き特定大当り」が「特定大当り(確変大当り)」に相当し、本例における「条件付き通常大当り」が「通常大当り(非確変大当り)」に相当する。そして、図96及び図97の適用に関しては、「特定大当り」に当選した場合は、「V入賞した場合の遊技状態又は変動パターン選択状態」の欄が適用され、「通常大当り」に当選した場合は、「V入賞しなかった場合の遊技状態又は変動パターン選択状態」の欄が適用される。
[第8実施形態‐第1変形例]
次に、第8実施形態の第1変形例に係る遊技機について説明する。第1変形例に係る遊技機は、基本的には、第8実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
上述の第8実施形態に係る遊技機では、変動パターン選択状態として11種類の選択状態を備えていたが、本変形例に係る遊技機では、変動パターン選択状態として12種類の選択状態を備えている。すなわち、本変形例では、上述の「選択状態2」の変形例として、「選択状態2A」及び「選択状態2B」が用意されている。より具体的には、上記第8実施形態においては、無双ミッションモードにおける30回転目の変動表示では、当該変動表示にて時短状態が終了するか否かに関わらず、変動パターン選択状態として「選択状態2」が設定されていた。本変形例では、無双ミッションモードにおける30回転目の変動表示では、大当り発生により付与された時短作動回数(30回又は100回)に応じて、選択状態2A又は選択状態2Bに選択的に分岐するように構成されている。つまり、無双ミッションモードにおける30回転目の変動表示では、時短作動回数として30回が設定されている場合(31回転目以降も時短状態が継続する場合)には選択状態2Aに移行し、時短作動回数として100回が設定されている場合(今回の30回転目で時短状態が終了する場合)には選択状態2Bに移行する。
ここで、図124(A)は第8実施形態の第1変形例における選択状態遷移パターンを示す模式図である。変動パターン選択状態とは、前述したように、変動パターン(変動パターンテーブル)を選択する際に参照される選択条件の一つである。本変形例では、変動パターン選択状態として、12種類の選択状態0,1,2A,2B,3,4,5,6,7,8,9,10が用意されている。なお、この12種類の選択状態のうち、選択状態2A,2B以外の選択状態は、上記第8実施形態と同一であるため、その説明は省略する。
本変形例では、図124(A)に示すように、変動パターン選択状態の遷移の順序が定められた3種類の選択状態遷移パターンX,Y,Zが用意されている。選択状態遷移パターンX,Yは、時短作動回数100回に対応した遷移パターンであり、選択状態遷移パターンZは、時短作動回数30回に対応した遷移パターンである。なお、選択状態遷移パターンXについては上記第8実施形態と同一であるため、特段の場合を除き、以下の説明においては省略する。
選択状態遷移パターンYは、特別遊技の終了後の100回転の変動表示において、選択状態1(29回)→選択状態2A(1回)→選択状態1(69回)→選択状態2B(1回)といった順序で、変動パターン選択状態が遷移する。なお、選択状態2Bが終了すると、次の大当りが発生するまで選択状態0が設定される。
選択状態遷移パターンZは、特別遊技の終了後の30回転の変動表示において、選択状態1(29回)→選択状態2B(1回)といった順序で、変動パターン選択状態が遷移する。なお、選択状態2Bが終了すると、次の大当りが発生するまで選択状態0が設定される。
続いて、図124(B)は第8実施形態の第1変形例における選択状態設定テーブルを示す模式図である。図124(B)に示すように、変動パターン選択状態設定テーブルには、各大当り種別(図柄群)に対して、選択状態遷移パターンが対応付けられている。本変形例においても、選択状態遷移パターンは、大当り種別(図柄群)と、大当り発生時の遊技状態と、特別遊技中のV入賞の有無とに応じて設定される。
選択状態遷移パターンYは、遊技状態が通常状態であるときに、第1特別図柄の抽選処理で「6R条件付き通常大当り1」又は「5R条件付き通常大当り1」に当選して、その特別遊技中にV入賞しなかった場合に設定される遷移パターンである。すなわち、選択状態遷移パターンYは、時短状態が付与された計100回転の変動表示中の遷移パターンとなる。そのため、変動パターン選択状態として選択状態2Aに滞在する1回転の変動表示(30回転目の変動表示)が終了しても、時短状態は継続する。
一方、選択状態遷移パターンZは、遊技状態が通常状態であるときに、第1特別図柄の抽選処理で「6R条件付き通常大当り2」又は「5R条件付き通常大当り2」に当選して、その特別遊技中にV入賞しなかった場合に設定される遷移パターンである。すなわち、選択状態遷移パターンZは、時短状態が付与された計30回転の変動表示中の遷移パターンとなる。そのため、変動パターン選択状態として選択状態2Bに滞在する1回転の変動表示(30回転目の変動表示)が終了すると、時短状態は終了して通常状態に戻ることになる。
続いて、図125〜図126は、第8実施形態の第1変形例における特別図柄の変動パターンテーブルを示す模式図である。以下では、選択状態2A,2Bに対応して設定される変動パターンテーブルのみを説明する。なお、図中の「最終変動演出A」については既に説明しているので、ここでは重複説明を省略する。
(変動パターンテーブル2A)
図125は、変動パターンテーブル2Aを示す模式図である。変動パターンテーブル2Aは、現在滞在中の変動パターン選択状態が選択状態2Aである場合に設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル2Aは、当否判定の結果(大当り/はずれ)に応じて異なるテーブルとなっている。
はずれ用の変動パターンテーブル2Aには、変動パターンPH2A−1(最終変動演出A(継続))が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、作動保留球数に依存することなく、変動パターンPH2A−1(最終変動演出A(継続))が選択される。同じく、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、作動保留球数に依存することなく、変動パターンPH2A−1(最終変動演出A(継続))が選択される。つまり、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、最終変動演出A(継続)を伴う変動パターンPH2A−1のみが選択される。
大当り用の変動パターンテーブル2には、変動パターンPA2A−1(最終変動演出A(救済))、PA2A−2(最終変動演出A(七星))が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、その大当り種別に依存せず、変動パターンPA2A−1(最終変動演出A(救済))が選択される。一方、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、大当り種別が16R条件付き特定大当り、12R条件付き特定大当り、8R条件付き特定大当り、4R条件付き特定大当りであれば、変動パターンPA2A−1(最終変動演出A(救済))が選択され、大当り種別が2R条件付き特定大当りであれば、変動パターンPA2A−2(最終変動演出A(七星))が選択される。
(変動パターンテーブル2B)
図126は、変動パターンテーブル2Bを示す模式図である。変動パターンテーブル2Bは、現在滞在中の変動パターン選択状態が選択状態2Bである場合に設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル2Bは、当否判定の結果(大当り/はずれ)に応じて異なるテーブルとなっている。
はずれ用の変動パターンテーブル2Bには、変動パターンPH2B−1(最終変動演出A(終了))が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、作動保留球数に依存することなく、変動パターンPH2B−1(最終変動演出A(終了))が選択される。同じく、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、作動保留球数に依存することなく、変動パターンPH2B−1(最終変動演出A(終了))が選択される。つまり、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、最終変動演出A(終了)を伴う変動パターンPH2B−1のみが選択される。
大当り用の変動パターンテーブル2には、変動パターンPA2B−1(最終変動演出A(救済))、PA2B−2(最終変動演出A(七星))が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、その大当り種別に依存せず、変動パターンPA2B−1(最終変動演出A(救済))が選択される。一方、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、大当り種別が16R条件付き特定大当り、12R条件付き特定大当り、8R条件付き特定大当り、4R条件付き特定大当りであれば、変動パターンPA2B−1(最終変動演出A(救済))が選択され、大当り種別が2R条件付き特定大当りであれば、変動パターンPA2B−2(最終変動演出A(七星))が選択される。
ここで、選択状態2Aにおいて選択される「はずれの変動パターンPH2A−1」の変動時間(12秒)と、選択状態2Bにおいて選択される「はずれの変動パターンPH2B−1」の変動時間(11秒)とは互いに異なる時間値として設定されている。また、選択状態2Aにおいて選択される「はずれの変動パターンPH2A−1」の変動演出(最終変動演出A(継続))と、選択状態2Bにおいて選択される「はずれの変動パターンPH2B−1」の変動演出(最終変動演出A(終了))とは互いに異なる演出内容(演出態様)として設定されている。なお、はずれの変動パターンPH2A−1の変動時間は、はずれの変動パターンPH2B−1の変動時間よりも短い時間値(例えば8秒)としてもよい。
一方、選択状態2Aにおいて選択される「大当りの変動パターンPA2A−1」の変動時間(13秒)と、選択状態2Bにおいて選択される「大当りの変動パターンPA2B−1」の変動時間(13秒)とは互いに同一の時間値として設定され、同じく、選択状態2Aにおいて選択される「大当り変動パターンPA2A−2」の変動時間(10秒)と、選択状態2Bにおいて選択される「大当りの変動パターンPA2B−2」の変動時間(10秒)とは互いに同一の時間値として設定されている。また、選択状態2Aにおいて選択される「大当りの変動パターンPA2A−1」の変動演出(最終変動演出A(救済))と、選択状態2Bにおいて選択される「大当りの変動パターンPA2B−1」の変動演出(最終変動演出A(救済))とは同一の演出内容(演出態様)として設定され、同じく、選択状態2Aにおいて選択される「大当り変動パターンPA2A−2」の変動演出(最終変動演出A(七星))と、選択状態2Bにおいて選択される「大当りの変動パターンPA2B−2」の変動演出(最終変動演出A(七星))とは互いに同一の演出内容(演出態様)として設定されている。
なお、変動パターン選択状態として選択状態1,2A,2Bのうちのいずれかが設定されている期間は、演出モードとして無双ミッションモードに滞在する。ここで、無双ミッションモードの30回転目の変動表示(選択状態2A,2B)に現出される最終変動演出Aは、それ以前の1回転目〜29回転目の変動表示(選択状態1)では現出されることはない演出として構成されている。つまり、この最終変動演出Aは、1回転目〜30回転目の変動表示のうちの、30回転目の変動表示(1回の変動表示)にのみ現出される限定的な演出となっている。
以上、第8実施形態の第1変形例によれば、特別遊技終了後から起算して図柄の変動表示回数が所定回数(電チューサポート機能の終期回数)に達するまでの間、大当り当選時の遊技状態や大当り種別に応じて、変動パターン選択状態の移行態様が異なるため、多様な遊技性を創出することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
[第8実施形態‐第2変形例]
次に、第8実施形態の第2変形例に係る遊技機について説明する。第2変形例に係る遊技機は、基本的には、第8実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
上記第8実施形態に係る遊技機では、特別遊技の実行中に賞球数報知演出を実行したが、本変形例に係る遊技機では、特別遊技の実行中の他に、連荘状態の終了時にも賞球数報知演出が実行される。
図127は、連荘状態の終了時に実行される賞球数報知演出及び連荘回数報知演出の基本画面を示す模式図である。本例において「連荘状態の終了時」とは、連荘モードが終了するとき、すなわち、無双闘舞モードにおける最終回の変動表示(特別遊技終了後の100回転目の変動表示)が実行されているときである。この無双闘舞モードは、上述したように、遊技状態が時短状態であるときに設定される演出モードであり、上記最終回の変動表示が終了することで、遊技状態が時短状態から通常状態へ戻ることになる。
この連荘モードの終了時には、上述の賞球数報知演出に加えて、連荘回数報知演出が実行される。賞球数報知演出では、連荘中の特別遊技にて払い出された賞球数の累積数として、「第1累積獲得賞球数B1」及び「第2累積獲得賞球数B2」が報知の対象となる。一方、連荘回数報知演出では、連荘中における大当りの連続回数(特定遊技状態への移行契機となる大当りが連続して発生する回数)として、いわゆる「連荘回数C」が報知の対象となる。
連荘回数報知演出では、上記の連荘回数に対応して「無双N回」という文字が表示される(N=連荘回数C)。本変形例では、図123に示すように、連荘回数を管理すべく、該連荘回数を計数するための連荘回数カウンタCCを具備する。連荘回数カウンタCCのカウント値は、連荘が継続している状態において大当りが発生する毎に更新される。なお、連荘回数カウンタCCは、初当り時を「1回」としてカウントする。そして、連荘回数カウントCCは、連荘状態の終了時にゼロリセットされる。
ここで、賞球数報知演出及び連荘回数報知演出は、無双闘舞モードにおける最終回の変動表示において、当否判定の結果がはずれとなることを条件に実行される。すなわち、無双闘舞モードにおける最終回の変動表示において当否判定の結果がはずれとなり、次回の変動表示から遊技状態が特定遊技状態(時短状態)から非特定遊技状態(通常状態)へと移行することが決定された場合(連荘状態が終了することが確定した場合)に、賞球数報知演出及び連荘回数報知演出が実行される。本例においては、無双闘舞モードにおける最終回の変動表示中の所定タイミングにて、画面上に累積獲得賞球数B1,B2と連荘回数Cとが個別に表示される。なお、本変形例においても、第1累積獲得賞球数B1と第2累積獲得賞球数B2とを個別に表示せず、第1累積獲得賞球数B1と第2累積獲得賞球数B2とを合算表示してもよい。所定タイミングとは、例えば最終回の変動表示の途中で装飾図柄がはずれ図柄で仮停止表示されるタイミングである。このように装飾図柄が仮停止表示されてから再変動表示を経て確定停止表示されるまでの間、画面上に累積獲得賞球数B1,B2と連荘回数Cとが個別に表示される。なお、この無双闘舞モードにおける最終回の変動表示において当否判定の結果が大当りとなる場合は、次回の変動表示の以降も連荘状態が継続することになるため、賞球数報知演出及び連荘回数報知演出は行われない。なお、変形例として、この最終回の変動表示で大当りする場合は、賞球数報知演出及び連荘回数報知演出を行った後に、突当りするように構成してもよい。
本例における賞球数報知演出及び連荘回数報知演出では、図127に示すように、第1累積獲得賞球数B1、第2累積獲得賞球数B2、連荘回数Cが表示される。図示の例では、画面上に、第1累積獲得賞球数B1として「15420」、第2累積獲得賞球数B2として「580」、連荘回数Cとして「無双10回」が表示されている。それにより、連荘中の複数回の特別遊技において、現段階で、大入賞口65への入球に基づき15420個の賞球を獲得し、右打ち領域に配された一般入賞口54への入球に基づき580個の賞球を獲得し、連荘回数が10回で終了したことが遊技者に対して提示される。
以上、第8実施形態の第2変形例によれば、連荘状態の終了時に、連荘中の特別遊技において遊技球が大入賞口に遊技球が入球することで獲得した賞球数と遊技球が一般入賞口に入球することで獲得した賞球数とを個別に報知するとともに、最終的な連荘回数を報知することで、連荘中の特別遊技において大入賞口を狙って多量の賞球数を獲得できるか否かが遊技者の唯一の関心事になるのを防止して、一般入賞口を狙う楽しみを遊技者に享受させることができ(遊技者が積極的に遊技球を一般入賞口に入球させる機会を増大させることが期待でき)、遊技者の射幸心を高めるとともに、遊技をより一層興趣性の富んだものにすることが可能になる。
[第8実施形態‐第3変形例]
次に、第8実施形態の第3変形例に係る遊技機について説明する。第3変形例に係る遊技機は、基本的には、第8実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
本変形例に係る遊技機は、第1実施形態の遊技機と同様に、特別図柄で大当りした場合に、確変突入率が100%に設定された回数区切り確変機、いわゆる「ST機」と称される遊技機である。そのため、特別遊技の終了後の遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が所定の終期回数(ST回数)に達するまでの間、確変状態が継続する。本変形例では、ST回数として「100回」が設定されているが、他の回数に設定してもよいことは無論である。なお、第1実施形態と同様に、ST回数(100回)の変動表示が終了すると、遊技状態は通常状態に戻ることになる。
本変形例においては、上述の第1実施形態(図6を参照)と同様に、第1特別図柄の大当りの図柄群として、16R特定時短有図柄(以下、その大当り種別を「16R特定大当り」とも称する)と、8R特定時短有図柄(以下、その大当り種別を「8R特定大当り」とも称する)と、2R特定時短有図柄(以下、その大当り種別を「2R特定大当り」とも称する)とを備えている。また、同じく、第2特別図柄の大当りの図柄群として、16R特定時短有図柄(以下、その大当り種別を「16R特定大当り」とも称する)と、8R特定時短有図柄(以下、その大当り種別を「8R特定大当り」とも称する)とを備えている。
本変形例において、特別遊技の終了後の遊技状態が確変状態となる場合、特別遊技終了後の100回転の変動表示(ST中)において、変動パターン選択状態は、「選択状態A」→「選択状態B」→「選択状態C」の順に遷移する。すなわち、選択状態A〜Cは、遊技状態が確変状態であるときに設定される変動パターン選択状態である。具体的に、選択状態Aは、特別遊技の終了後、ST中の1回転目〜3回転目までの変動表示において設定される。選択状態Bは、特別遊技の終了後、ST中の4回転目〜7回転目までの変動表示において設定される。選択状態Cは、特別遊技の終了後、ST中の8回転目〜100回転目までの変動表示において設定される。
図128〜図130は、第8実施形態の第3変形例における変動パターンテーブルを示す模式図である。本変形例では、複数種の変動パターンテーブルのうち、変動パターンテーブルA,B,Cのみを例示して説明する。変動パターンテーブルAは、変動パターン選択状態が選択状態Aであるときに設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブルBは、変動パターン選択状態が選択状態Bであるときに設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブルCは、変動パターン選択状態が選択状態Cであるときに設定される変動パターンテーブルである。
(変動パターンテーブルA)
図128は、変動パターンテーブルAを示す模式図である。変動パターンテーブルAは、現在滞在中の変動パターン選択状態が選択状態Aである場合に設定される変動パターンテーブルである。そのため、変動パターンテーブルAは、特別遊技の終了後の1回転目〜3回転目に設定される。変動パターンテーブルAは、当否判定の結果(大当り/はずれ)に応じて異なるテーブルとなっている。
はずれ用の変動パターンテーブルAには、変動パターンPHA−1(超短縮)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、作動保留球数に依存することなく、変動パターンPHA−1(超短縮)が選択される。同じく、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、作動保留球数に依存することなく、変動パターンPHA−1(超短縮)が選択される。つまり、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、常に、変動パターンPHA−1(超短縮)のみが選択される。
大当り用の変動パターンテーブルAには、変動パターンPAA−1(即当り)、PAA−2(即当り(特殊大当り告知演出A))が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、大当り種別が8R特定大当り又は2R特定大当りであれば、変動パターンPAA−1(即当り)が選択され、大当り種別が16R特定大当りであれば、変動パターンPAA−2(即当り(特殊大当り告知演出A))が選択される。一方、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、大当り種別が8R特定大当りであれば、変動パターンPAA−1(即当り)が選択され、大当り種別が16R特定大当りであれば、変動パターンPAA−2(即当り(特殊大当り告知演出A))が選択される。「即当り」とは、当該変動表示が開始された後、リーチを経由せずに短時間のうちに大当り図柄が確定停止表示される演出である。「特殊大当り告知演出A」とは、特定の大当りに当選したことを報知(確定報知)する演出である。「特定の大当り」とは、高利益大当り(16R特定大当り)を意味する。なお、この特殊大当り告知演出Aについては詳細後述する。ここで、変動パターンテーブルAの変形例として、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合には、第1特別図柄の作動保留球数が0〜3個であるときに限り、また、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合には、第2特別図柄の作動保留球数が0個であるときに限り、通常変動(14秒)の変動パターンを選択可能としてもよい。一方、当否判定の結果が大当りである場合、大当り種別が8R特定大当り又は2R特定大当りであるときに、SPリーチA(40秒)の変動パターンも選択可能としてもよい、又は、SPリーチA(40秒)の変動パターンを選択して即当り(4秒)の変動パターンを選択しないように構成してもよい。
(変動パターンテーブルB)
図129は、変動パターンテーブルBを示す模式図である。変動パターンテーブルBは、現在滞在中の変動パターン選択状態が選択状態Bである場合に設定される変動パターンテーブルである。そのため、変動パターンテーブルBは、特別遊技の終了後の4回転目〜7回転目に設定される。変動パターンテーブルBは、当否判定の結果(大当り/はずれ)に応じて異なるテーブルとなっている。
はずれ用の変動パターンテーブルBには、変動パターンPHB−1(超短縮)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、作動保留球数に依存することなく、変動パターンPHB−1(超短縮)が選択される。同じく、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、作動保留球数に依存することなく、変動パターンPHB−1(超短縮)が選択される。つまり、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、常に、変動パターンPHB−1(超短縮)のみが選択される。
大当り用の変動パターンテーブルBには、変動パターンPAB−1(即当り)、PAB−2(即当り(特殊大当り告知演出A))が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、大当り種別が8R特定大当り又は2R特定大当りであれば、変動パターンPAB−1(即当り)が選択され、大当り種別が16R特定大当りであれば、変動パターンPAB−2(即当り(特殊大当り告知演出B))が選択される。一方、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、大当り種別が8R特定大当りであれば、変動パターンPAB−1(即当り)が選択され、大当り種別が16R特定大当りであれば、変動パターンPAB−2(即当り(特殊大当り告知演出B))が選択される。「即当り」とは、当該変動表示が開始された後、リーチを経由せずに短時間のうちに大当り図柄が確定停止表示される演出である。「特殊大当り告知演出B」とは、特定の大当りに当選したことを報知(確定報知)する演出である。「特定の大当り」とは、高利益大当り(16R特定大当り)を意味する。なお、この特殊大当り告知演出Bについては詳細後述する。ここで、変動パターンテーブルBの変形例として、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合には、第1特別図柄の作動保留球数が0〜3個であるときに限り、また、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合には、第2特別図柄の作動保留球数が0個であるときに限り、通常変動(14秒)の変動パターンを選択可能としてもよい。一方、当否判定の結果が大当りである場合、大当り種別が8R特定大当り又は2R特定大当りであるときに、SPリーチB(40秒)の変動パターンも選択可能としてもよい、又は、SPリーチB(40秒)の変動パターンを選択して即当り(4秒)の変動パターンを選択しないように構成してもよい。
(変動パターンテーブルC)
図130は、変動パターンテーブルCを示す模式図である。変動パターンテーブルCは、現在滞在中の変動パターン選択状態が選択状態Cである場合に設定される変動パターンテーブルである。そのため、変動パターンテーブルCは、特別遊技の終了後の8回転目〜100回転目に設定される。変動パターンテーブルCは、当否判定の結果(大当り/はずれ)に応じて異なるテーブルとなっている。図中、「リーチ煽り」は、リーチが成立するか否かを煽る演出であり、リーチが成立すればリーチ煽り成功となり、リーチが成立しなければリーチ煽り失敗となる。「SPリーチC」は、味方キャラクタが敵キャラクタと対戦して勝敗を決するバトル演出が展開されるリーチ演出である。このバトル演出では、基本的に、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利すると大当り当選が確定し、味方キャラクタが敵キャラクタに敗北するとはずれが確定する。そのため、原則的には、該バトルの勝敗が決するタイミングが、当落分岐のタイミングとして設定されている。「七星演出」は、上記バトル演出にて味方キャラクタが敗北した後(ガセはずれのバトル演出が実行された後)、所定のロゴ(七星チャージという文字)が出現することで大当り当選したことを示す復活演出である。
はずれ用の変動パターンテーブルCには、変動パターンPHC−1(リーチ煽り)、PHC−2(リーチ煽り→SPリーチC)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、作動保留球数に依存することなく、変動パターンPHC−1(リーチ煽り)又はPHC−2(リーチ煽り→SPリーチC)が選択される。同じく、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、作動保留球数に依存することなく、変動パターンPHC−1(リーチ煽り)又はPHC−2(リーチ煽り→SPリーチC)が選択される。
大当り用の変動パターンテーブルCには、変動パターンPAC−1(リーチ煽り→SPリーチC)、PAC−2(リーチ煽り→SPリーチC→七星演出)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、その大当り種別に依存せず、変動パターンPAC−1(リーチ煽り→SPリーチC)が選択される。一方、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、16R条件付き特定大当り、12R条件付き特定大当り、8R条件付き特定大当り、4R条件付き特定大当りであれば、変動パターンPAC−2(リーチ煽り→SPリーチC)が選択され、大当り種別が2R条件付き特定大当りであれば、変動パターンPAC−2(リーチ煽り→SPリーチC→七星演出)が選択される。ここで、変動パターンテーブルCの変形例として、当否判定の結果がはずれである場合、超短縮(2秒)の変動パターンや通常変動(14秒)の変動パターンを選択可能としてもよい。そのとき、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合に、第2特別図柄の作動保留球数が1個〜3個であるときに限り、超短縮(2秒)の変動パターンを選択可能としもよい。また、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合に、第1特別図柄の作動保留球数が0〜3個であるときに限り、また、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合に、第2特別図柄の作動保留球数が0個であるときに限り、通常変動(14秒)の変動パターンを選択可能としてもよい。
図131は、本変形例における演出モードの遷移図である。本変形例においても、主制御基板100側において管理される変動パターン選択状態(又は遊技状態)に応じて、複数種の演出モードのうちのいずれかが択一的に選択され、該設定された演出モードに応じた変動演出が実行される。但し、図131には、説明の便宜上、連荘モード中における演出モードの遷移のみを示している。
本変形例においては、前述の第8実施形態と同様に、特別遊技の終了後に、連荘モードへ移行する。連荘モードの滞在回数は、特別図柄の変動表示回数として「100回」である。つまり、遊技状態として確変状態が設定されている間、連荘モードに滞在することになる。
連荘モードは、限定頻度モードAと、限定頻度モードBと、確変演出モードとを備えており、限定頻度モードA(3回転)→限定頻度モードB(4回転)→確変演出モード(93回転)の順に遷移する。限定頻度モードAは、変動パターン選択状態が選択状態Aであるときに設定される演出モードである。限定頻度モードBは、変動パターン選択状態が選択状態Bであるときに設定される演出モードである。確変演出モードは、変動パターン選択状態が選択状態Cであるときに設定される演出モードである。つまり、特別遊技の終了後、1〜3回転目は限定頻度モードAが設定され、4〜7回転目は限定頻度モードBが設定され、8〜100回転目は確変演出モードが設定される。なお、101回転目以降は、通常演出モード(通常状態)に戻ることになる。
本変形例においても、基本的には、いずれかの演出モードが設定されると、当該演出モードに滞在中であることを示唆する演出(変動演出)として、画面上において当該演出モード専用の背景画像が表示され、また、当該演出モード専用のBGMがスピーカ11から出力される。
具体的に、限定頻度モードAに滞在中は、大当り終了デモとの間に跨って、特殊連続演出が表示される。限定頻度モードBに滞在中は、確変状態専用の背景画像(遊技状態が確変状態であることを報知する背景画像)が表示される。確変演出モードCに滞在中は、限定頻度モードBと同じく、確変状態専用の背景画像(遊技状態が確変状態であることを報知する背景画像)が表示される。このように限定頻度モードMB及び確変演出モードMCでは、共通の背景画像が表示され、遊技者に対して同じ演出モード(同じ遊技状態)に滞在していることを印象付けることができる。
続いて、図131を参照しながら、本変形例における連荘モード中の演出例について説明する。図中(A)は限定頻度モードA中に大当りが発生した場合に表示される演出画面を示し、図中(B)は限定頻度モードB中に大当りが発生した場合に表示される演出画面を示し、図中(C)は確変演出モード中に大当りが発生した場合に表示される演出画面を示している。
まず、図中(A)に示すように、限定頻度モードAに滞在中は、大当り終了デモ演出との間に跨って特殊連続演出が実行される。すなわち、上述の第8実施形態と同様に、大当り終了デモと限定頻度モードA(1回転目〜3回転目の変動表示)との演出尺を利用して所定の映像を流すムービー演出が実行される。具体的に、特殊連続演出では、画面上に「七」→「星」→「闘」→「舞」という順に文字画像を1文字ずつ順次切り替えながら表示した後、最終的に「七星闘舞」という文字画像(ロゴ画像)が表示される。このとき、遊技者を主たる演出(特殊連続演出)に注視させるため、3列の装飾図柄は小図柄として例えば画面右隅に縮小された状態で変動表示される。そのため、限定頻度モードAに滞在する1回転目〜3回転目においては、あたかも大当り終了デモが継続しているかのような見た目とすることができる。
ここで、現在実行中の演出モードが限定頻度モードAであるときに、当該変動表示にて高利益大当り(16R特定大当り)が発生する場合には、当該変動表示が開始された直後、特殊大当り告知演出Aとして、画面上に「次回予告」というメッセージが表示され、リーチを経由せずに短時間のうちに即当りする。この特殊大当り告知演出Aは、現在実行中の演出モードが限定頻度モードA(1回転目〜3回転目)である場合に、当該変動表示にて特定の大当り(高利益大当り)が発生することを報知(確定報知)する予告演出である。従って、特殊大当り告知演出Aは、特別遊技の終了後から起算して3回転以内の変動表示にて大当り当選することを条件に発生するものであるため、今回の大当りと前回の大当りとの間で保留内連荘が成立していたことを事後的に告知する演出(事後的な保留内連荘演出)であるとも言える。但し、実際には、保留連モード中に大当りが発生するに至る状況とは、(1)特別遊技の終了時に大当り保留が記憶されており、特別遊技終了後の変動表示にてその大当り保留が消化されることで大当りが発生する場合と、(2)特別遊技の終了時には大当り保留が記憶されておらず、特別遊技終了後の始動入賞により大当り保留が生起され、特別遊技終了後の変動表示にてその大当り保留が消化されることで大当りが発生する場合とがある。そのため、特殊大当り告知演出Aは、前回の特別遊技の終了時に保留内連荘が実際に成立していたこと、又は、結果的に見て保留内連荘が成立していたのと同じ結果になったことを告知する演出である。なお、特殊大当り告知演出Aは、限定頻度モードA以外の如何なる場面においても現出することのない又は限定頻度モードA以外の場面では現出しづらい希少性の高い演出として構成されている。
続いて、図中(B)に示すように、限定頻度モードBに滞在中は、確変状態専用の背景画像(確変背景画像)が表示される。そのため、限定頻度モードBに移行した初回の変動表示は、現実には特別遊技終了後の4回転目の変動表示であるが、上述したように、該限定頻度モードBに移行してはじめて確変状態であることを報知する専用背景画像が表示されることで、遊技者にとっては特別遊技終了後の1回転目の変動表示であるかのように見せることができる。そのため、限定頻度モードBに滞在する計4回転の変動表示(4回転目〜7回転目の変動表示)を、あたかも特別遊技終了後の1回転目〜4回転目の変動表示であるかのように遊技者に擬似的に見せることができる。
ここで、現在実行中の演出モードが限定頻度モードBであるときに、当該変動表示にて大当りが発生する場合は、当該変動表示が開始された直後、特殊大当り告知演出Bとして、画面上にプレミアキャラクタが表示され、リーチを経由せずに短時間のうちに即当りする。この特殊大当り告知演出Bは、現在実行中の演出モードが限定頻度モードB(4回転目〜7回転目)である場合に、当該変動表示にて特定の大当り(高利益大当り)が発生することを報知(確定報知)する予告演出である。従って、特殊大当り告知演出Bは、見た目上は、特別遊技終了後の1回転目〜4回転目(実際には4回転目〜7回転目)の変動表示にて大当りが発生することを告知するため、今回の大当りと前回の大当りとの間で保留内連荘が擬似的に成立していたかのように見せる演出(擬似的且つ事後的な保留内連荘演出)であると言える。但し、大当り終了時に存在する4個目の作動保留球(4回転目の変動表示に対応する作動保留球)が大当り保留である場合には、特別遊技終了後の4回転目の変動表示(限定頻度モードBに滞在中)にて大当りが発生する結果となるため、特別遊技の終了時点において今回の大当りと前回の大当りとの間で現実に保留内連荘が成立していたことになる(事後的な保留内連荘演出であると言える)。なお、特殊大当り告知演出Bは、限定頻度モードB以外の如何なる場面においても現出することのない又は限定頻度モードB以外の場面では現出しづらい希少性の高い演出として構成されている。
続いて、図中(C)に示すように、確変演出モードに滞在中は、確変状態専用の背景画像(確変背景画像)が表示される。ここで、現在実行中の演出モードが確変演出モードMCであるときに、当該変動表示にて大当りが発生する場合は、例えばSPリーチ演出や予告演出など、演出抽選によって選択された低期待度演出又は高期待度演出が展開される(相対的に長時間の変動表示が実行される)。つまり、確変演出モードに滞在中に大当りした場合には、即当りや特殊大当り告知演出A,Bなどの特別な演出は実行されることはない。
以上、第8実施形態の第3変形例によれば、現実には特別遊技の終了時に存在する作動保留球の上限数を超えて保留内連荘が成立することはないが、大当り終了デモと特別遊技終了後の所定回数の変動表示とを連続性のある一連の演出として繋げて、特別遊技終了後の所定回数の変動表示過程をあたかも大当り終了デモが継続しているかのような演出とすることで、遊技者から見た場合、上記所定回数以降の変動表示を、特別遊技の終了直後の所定回数の変動表示(保留上限数に対応した変動表示)として見せることができ、あたかも特別遊技の終了時に擬似的に保留内連荘が成立していたかのように見せることができるため(保留内連荘が成立するタイミングを擬似的に延長することができるため)、従来にない斬新且つ多様性のある遊技演出を創出することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
なお、上述の第8実施形態及び変形例では、特別図柄の作動保留球の消化順序として、第1特別図柄の作動保留球よりも第2特別図柄の作動保留球を優先的に消化する優先消化を採用しているが、この構成に限定されるものではない。例えば、第1特別図柄の作動保留球数と第2特別図柄の作動保留球数とを併存させて、第1始動口61および第2始動口62への入球順序に従って第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球を消化するように構成してもよい。このように作動保留球の消化順序を始動口61,62への入球順とした場合には、当然ながら、特別図柄の変動開始条件は優先消化の場合と異なる。すなわち、入球順の場合には、特別図柄の変動開始条件として、(1)大当り又は小当り中ではないこと、(2)第1特別図柄および第2特別図柄のいずれも変動待機中であること、(3)第1特別図柄および第2特別図柄の少なくとも一方に作動保留球数が存在すること、(4)今回消化される作動保留球の消化順序が入球順と整合していること、の全ての条件を満足したときに、変動開始可能と判断する。また、作動保留球の消化順序を始動口61,62への入球順とした場合には、作動保留球を更新するとき、すなわち、作動保留球を獲得又は消化するときに、当該作動保留球の更新だけではなく、第1特別図柄および第2特別図柄の合計作動保留球数の更新、入球順序の更新を行う必要がある点で、優先消化を採用した場合と異なる。
また、上述の第8実施形態及び変形例では、第1特別図柄および第2特別図柄の双方に作動保留球が存在する場合でも、作動保留球数が消化されるのはいずれか一方の特別図柄であり、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に当否抽選や図柄変動等が行われることのない、いわゆる直列の機種になっている。一方、第1特別図柄と第2特別図柄とが独立して当否抽選や図柄変動等が行われる、いわゆる並列の機種を採用してもよい。この並列の機種によれば、特別図柄の変動開始条件に、相手側の特別図柄の動作状態(つまり変動待機中であること)を条件にいれる必要がなくなるため、制御に関する処理負担が軽減される。
また、上述の第8実施形態では、基本的には、遊技領域に大入賞口(アタッカー)を1つのみ搭載した機種を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、特定領域(V領域)を備えた大入賞口と、特定領域を備えていない大入賞口との、二以上の大入賞口(アタッカー)を搭載した機種を採用してもよい。
なお、上述の第8実施形態の技術的意義をより明瞭に把握し易くするために、最後に、第8実施形態の課題について概説しておく。
従来機種のぱちんこ遊技機では、例えば、当否判定の当選確率が高められた確変遊技状態や、当否判定の結果を示唆又は報知するための図柄変動の効率が高められた時短遊技状態などの各種の遊技状態を備え、その遊技状態の種類に応じた変動演出が展開されるようになっている(例えば、「特開2011−115441号公報」を参照)。
また、従来機種のぱちんこ遊技機では、特別遊技の実行中に遊技球が大入賞口に入球したことに基づき払い出された賞球数が報知されるようになっている(例えば、「特開2015−033452号公報」を参照)。
しかしながら、このような構成を採用するぱちんこ遊技機は、従来機種として既に多数存在しているため、従来機種との差別化を図るためには、更なる遊技の興趣性の向上が求められている。
そこで、第8実施形態に係るぱちんこ遊技機では、遊技の興趣性の向上を図ることを目的として、上記のような構成を採用し、上記のような作用効果を達成している。
[共通変形例]
次に、第1実施形態〜第8実施形態の共通変形例に係る遊技機について説明する。この共通変形例に係る遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態〜第8実施形態のうちのいずれかの遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
(共通変形例1)
本変形例1では、非確変状態(時短状態、入球容易状態)において第2特別図柄で大当りする場合は、確変状態において第2特別図柄で大当りする場合よりも、保留内連荘演出の実行確率が低くなるよう構成、又は、保留内連荘演出を実行しないよう構成する。前述したように、非確変状態と確変状態とでは、互いに異なる演出モードに遷移するため、図柄変動中の演出の傾向が相違する。そのため、非確変状態において第2特別図柄で大当りとなり、その特別遊技の終了後に、確変状態に移行する場合を考えると、保留内連荘(二つの大当りの発生)という事象を介して、非確変状態時の図柄変動演出と、先の特別遊技と、確変状態時の図柄変動演出と、後の特別遊技と、をシームレスに繋いで一連の連続演出(一貫したストーリー性のある演出)として組み立てるのが困難である。そのため、非確変状態において第2特別図柄で大当りとなり、保留内連荘が確定する状況であっても、保留内連荘演出の演出効果を十分に発揮できないおそれが高いため、保留内連荘演出の実行確率を低くし、又は、実行させない。その一例としては、確変状態における演出モード(バトルモード)のとき、該演出モード専用の特定の大当り図柄(大当り図柄「拳・拳・拳」)を設定し、この特定の大当り図柄の停止表示で保留内連荘が確定となることを契機として、特殊連続演出(バトル系の特殊連続演出)が開始される場合を考えると、時短状態における演出モード(非バトルモード)のとき、保留内連荘が発生し得る状況下であっても、該特定の大当り図柄を出現させることはせず、また、特殊連続演出を発生させない方が、前後の大当りの繋がりや演出の整合性をとることができるからである。
(共通変形例2)
前述の第1実施形態では、複数種の大当り(16R大当り、8R大当り、2R大当り)のうち、いずれの大当りに該当する場合であっても、その特別遊技の終了直後の一定期間(第2特別図柄の作動保留球の最大数(4個)に対応した図柄変動回数(4回転)の変動表示に亘る限定期間)のみ、限定頻度状態(高確率特殊変動状態γ)に移行し、限定頻度テーブル(特殊変動パターンテーブル)を参照して、特別図柄の変動パターンが選択されるように構成されている。これに対して、本変形例2では、複数種の大当り(16R大当り、8R大当り、2R大当り)のうち、特定の大当り(高利益大当り:16R大当り)に該当する場合だけ、その特別遊技の終了直後の一定期間(4回転)のみ限定頻度状態に移行し、限定頻度テーブルを参照して、特別図柄の変動パターンが選択されるように構成されている。なお、限定頻度状態では、当否判定の結果が特定の大当りである場合は、短縮変動の変動パターン(例えば、変動時間=2秒)が選択されるようになっている。このとき、前述のように、第1特別図柄で大当りとなった場合よりも、第2特別図柄で大当りとなった場合の方が、複数種の大当りのうち、特定の大当り(高利益大当り)となる確率は高くなっている。そのため、基本的には、第1特別図柄で大当りとなった場合(初当りの場合)よりも、第2特別図柄で大当りとなった場合(連荘の場合)の方が、その特別遊技の終了直後に限定頻度状態に移行しやすいと言える。そして、この限定頻度状態では、主制御基板100側では、短縮変動パターン(例えば、変動時間=2秒)が選択され、演出制御基板200側では、この短縮変動パターンに対応した各種の図柄変動演出が選択されるようになっている。
ここで、第2特別図柄の作動保留球(特に、大当り後(特別遊技の終了後)の図柄変動4回分を消化予定となる第2特別図柄の作動保留球)は、大当り開始前に生起する場合と、大当り開始後(又は大当り終了後)に生起する場合とがある。具体的には、図柄の変動表示中に遊技球が第2始動口に入球して第2特別図柄の作動保留球が生起する場合と、第2特別図柄の作動保留球が4個(最大保留数)未満である状況下で特別遊技の実行中に遊技球が第2始動口に入球して第2特別図柄の作動保留球が生起する場合とがある。なお、それ以外にも、特別遊技の終了時に第2特別図柄の作動保留球数が4個(最大保留数)未満の状況下において、該特別遊技の終了後であって第2特別図柄の変動中に遊技球が第2始動口62に入球することで第2特別図柄の作動保留球が生起する場合がある。このとき、前述のように、保留内連荘演出(特殊連続演出)の実行可否は、大当り開始時に判定されるため、保留内連荘演出(特殊連続演出)を発生させるためには、少なくとも大当り開始時に特定保留が存在することが前提となる。そのため、大当り開始時を基準として、大当り開始前に特定保留が生起された場合は、保留内連荘演出B(特殊連続演出)を発生させることができるが、大当り開始後(又は大当り終了後)に特定保留が生起された場合は、保留内連荘演出B(特殊連続演出)を発生させることができない。これにより、大当り開始前に特定保留が生起した場合は、特殊連続演出の実行に伴い、その特別遊技の終了直後における限定期間(4回転)内で、特殊図柄変動演出が発生する一方で、大当り開始後(又は大当り終了後)に特定保留が生起した場合は、その特別遊技の終了直後における限定期間(4回転)内では、特殊図柄変動演出は発生しないことになる。おな、限定期間である4回転は、前述したように、第2特別図柄の作動保留球数の最大数(4個)に対応させたものである。
従って、大当り開始前に特定保留が生起されることで保留内連荘が成立する場合は、該特定保留に係る図柄変動では、限定頻度状態における短縮変動(例えば、変動時間=2秒)に対応した特殊図柄変動演出(例えば、一連のムービー画像を展開するとともに図柄変動および大当りの発生を目立たなくした態様)を発生させて、先の特別遊技と図柄変動演出と後の特別遊技とを一貫したストーリー性のある演出でシームレスに繋げる。一方、大当り開始後に特定保留が生起されて保留内連荘が成立する場合は、該特定保留に係る図柄変動では、特殊図柄変動演出(特殊連続演出)は発生しないが、限定頻度状態における短縮変動(例えば、変動時間=2秒)に対応した即当り演出(大当りの発生を強調した態様)を発生させることで、大当り発生までの間延びを防止する。すなわち、本変形例2では、特定保留の生起したタイミングが大当り開始の前・後のいずれであっても、特定の大当り図柄で大当りとなった場合は、その特別遊技後の変動パターン選択状態は限定頻度状態に遷移するため、この限定頻度状態における短縮変動の発生に伴い、特定保留の生起のタイミングに応じて、後の大当り変動演出の内容を異ならしめることができる。なお、本変形例では、保留内連荘演出(特殊連続演出)の実行可否の判断時は、大当り開始時に設定していたが、これに限定されるものではなく、大当り中(特別遊技の実行中)の所定タイミングとしてもよい。
(共通変形例3)
また、上述の第1〜第8実施形態では、特別図柄の停止図柄として、1種類のはずれ図柄のみ設けた構成を例示したが、これに限定されるものではなく、複数種のはずれ図柄を設けてもよい。このとき、例えば、事前判定結果として特定のはずれ図柄が選択された場合にのみ、保留内連荘演出(ガセ演出)を発生させるようにしてもよい。また、上述の第7〜第8実施形態では、遊技領域PA内に特定領域を有した単一の大入賞口65のみを備えた構成(1個アタッカー形式)を採用しているが、これに限定されるものではなく、上述の第2実施形態等のように、特定領域を有しない大入賞口64と特定領域を有した大入賞口65とを備えた構成(2個アタッカー形式)を採用してもよい。
また、上記実施形態において、発生時期を異にする二種類の保留内連荘演出A,Bを例示して説明したが、保留内連荘演出Aの発生時点で保留内連荘が確定する仕様でもよいし、保留内連荘演出Aの発生だけでは足りず所定の条件が成立することで保留内連荘が確定する仕様でもよく、同様に、保留内連荘演出Bの発生時点で保留内連荘が確定する仕様でもよいし、保留内連荘演出Bの発生だけでは足りず所定の条件が成立することで保留内連荘Bが確定する仕様でもよい。また、上記実施形態において、保留内連荘演出は、後続の作動保留球内に一以上の特定保留が存在する場合にのみ実行する構成であっても、後続の作動保留球内に特定保留が存在しない場合にも(いわゆるガセ演出として)実行する構成であってもよい。
なお、本発明は、上記実施形態および変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。また、上記実施形態および変形例に記載された各構成要素を適宜組み合わせたもの、あるいは、上記実施形態および変形例に記載された各構成要素のうち一部を削除又は周知・慣用技術等で転換したものについても、本発明の範囲に含まれるものである。また、本発明および上記実施形態において、「実行されない」とは、実行確率(発生頻度)が低いことが含まれていてもよく、「実行確率が低い」とは、実行されないことが含まれていてもよい。また、本発明および上記実施形態において、「大当り期待度が高い」又は「特別遊技移行期待度が高い」とは、大当り期待度が100%であること又は特別遊技移行期待度が100%であることが含まれていてもよい。