以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。
本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機は、従来の第1種ぱちんこ遊技機に相当する機能を二つ混在した機種であり、第1の遊技(第1特別図柄遊技)と第2の遊技(第2特別図柄遊技)とを展開可能である。
[第1実施形態]
本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PMの正面図及び背面図を図1及び図2に示しており、まず、この図を参照して、ぱちんこ遊技機PMの全体構成について概要説明する。
<ぱちんこ遊技機の基本構成>
はじめに、図1を参照しながら、ぱちんこ遊技機PMの正面側の基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機PMは、図1に示すように、外郭方形枠サイズに構成された縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載枠をなす前枠2が互いの正面左側縁部に配設された上下のヒンジ機構3a,3bにより横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側縁部に設けられたダブル錠と称される施錠装置4を利用して常には外枠1と係合連結された閉鎖状態に保持される。
前枠2の前面側には、ガラス枠5および球皿ユニット6が正面左側部に設けられたヒンジ機構7a,7b,7cを利用して横開き開閉および着脱可能に組み付けられ、施錠装置4を利用して常には前枠2の前面を覆う閉鎖状態に保持される。ガラス枠5の背後に位置する前枠2の上部には、遊技盤20が着脱可能にセット保持され、常には閉鎖保持されるガラス枠5の複層ガラスを通して遊技盤20の正面の遊技領域PAを視認可能に臨ませるようになっている。
ガラス枠5の前面側には、遊技の展開状況に応じて発光する枠ランプ(LEDランプ)10や、遊技の展開状況に応じて効果音を発生するスピーカ11が設けられている。球皿ユニット6には、遊技球を貯留する上下の球皿(上球皿8及び下球皿9)が設けられており、上球皿8の正面中央には遊技者によって押圧操作される演出ボタン15が設けられ、下球皿9の正面右側には遊技球の発射操作を行う発射ハンドル12が設けられている。以下においては、便宜上、演出用の操作入力手段を「演出ボタン15」と称するが、本例における演出ボタン15とは、オン/オフ操作式のボタン型のスイッチ、操作入力の方向に応じた出力を行う十字型のスイッチ(十字キー、十字ボタン)、傾動操作式のレバー型のスイッチ、回転操作式のダイヤルスイッチ、遊技者の手が近付いたとき又は接触したときに出力を行う近接スイッチ、タッチセンサ、タッチパネルなど、あらゆる操作入力手段を含む概念で用いる。
遊技盤20は、例えばアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂、ABS樹脂等の合成樹脂材料を用いて矩形平板状に形成された基板をベースとして構成されている。遊技盤20の前面には、外レール及び内レールが円弧状に固設されて遊技球が転動可能な略円形の遊技領域PAが区画形成され、この遊技領域PAに風車や多数本の遊技釘とともに、第1始動口61、第2始動口62、作動ゲート63、第1大入賞口64、第2大入賞口65などの各種入賞口の他、第1特別図柄表示装置71、第2特別図柄表示装置72、第1特図保留ランプ73、第2特図保留ランプ74、普通図柄表示装置75、普図保留ランプ76などの各種表示装置が設けられている。遊技領域PAの略中央にはセンター飾り22が配設されており、このセンター飾り22の中央開口を通して演出表示装置70の画面が視認可能に設けられている。遊技領域PAの下端には各入賞口に入球せずに転動流下した遊技球を遊技盤20の裏側へ排出するアウト口29が設けられている。以下、遊技盤20に設けられた各構成要素を順番に説明する。
第1始動口61は、第1特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第1始動口スイッチ611を備えている。第1始動口61への遊技球の入球は、第1特別図柄抽選の契機となる。
第2始動口62は、第2特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第2始動口スイッチ621を備えている。第2始動口62へ
の遊技球の入球は、第2特別図柄抽選の契機となる。また、第2始動口62は、普通電動役物622と、この普通電動役物622を開閉駆動させるための普通電動役物ソレノイド623とを備える。普通電動役物622は、第2始動口62へ遊技球が入球し難い閉鎖状態と該状態よりも遊技球が入球し易い開放状態とに可変する。ここで、第2始動口62は、普通電動役物622が開放されなければ、遊技球が入球し難い構造となっている。一方、普通電動役物622が開放されると、第2始動口62への入球容易性が高まる。
作動ゲート63は、普通図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の通過を検出するための作動ゲートスイッチ631を備えている。なお、作動ゲート63への遊技球の通過は、第2始動口62の普通電動役物622を拡開させるか否かを決定するための普通図柄抽選の契機となる。
第1大入賞口64は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選で大当り又は小当りとなった場合に開放状態となる横長方形状をなす入賞口として形成される。第1大入賞口64は、遊技球の入球を検出するための第1大入賞口スイッチ641を備えるとともに、いわゆるアタッカー装置と称される第1特別電動役物642と、この第1特別電動役物642を開閉駆動させるための第1大入賞口ソレノイド643とを備えている。第1特別電動役物642は、第1大入賞口64に遊技球が入球不能又は入球困難な通常状態と遊技球が入球可能又は入球容易な開放状態とに可変する。
第2大入賞口65は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選で大当り又は小当りとなった場合に開放状態となる横長方形状をなす入賞口として形成される。第2大入賞口65は、遊技球の入球を検出するための第2大入賞口スイッチ651を備えるとともに、いわゆるアタッカー装置と称される第2特別電動役物652と、この第2特別電動役物652を開閉駆動させるための第2大入賞口ソレノイド653とを備えている。第2特別電動役物652は、第2大入賞口65に遊技球が入球不能又は入球困難な通常状態と遊技球が入球可能又は入球容易な開放状態とに可変する。
第1大入賞口64および第2大入賞口65は、遊技領域PAにおける右側寄りの領域に設けられている。そのため、特別遊技状態においては、遊技領域PAへ向けて遊技球を発射する際に、右側領域を狙って打つ、いわゆる右打ちを行うことで、いずれかの大入賞口64,65へ入球容易となっている。
第1特別図柄表示装置71は、遊技球が第1始動口61に入球したことを契機として、第1特別図柄の変動表示および確定表示を行う。第1特別図柄表示装置71は、例えば7セグメントのLEDで構成され、第1特別図柄の変動表示は各セグメントの点滅パターンに従って表現され、当該セグメントの点滅が停止して点灯表示に切り替わることで第1特別図柄が確定表示される。この第1特別図柄の停止図柄は、各セグメントの組合せで表現される数字や記号などによって形成される。
第2特別図柄表示装置72は、遊技球が第2始動口62に入球したことを契機として、第1特別図柄の変動表示および確定表示を行う。第2特別図柄表示装置72は、例えば7セグメントのLEDで構成され、第2特別図柄の変動表示は各セグメントの点滅パターンに従って表現され、当該セグメントの点滅が停止して点灯表示に切り替わることで第2特別図柄が確定表示される。この第2特別図柄の停止図柄は、各セグメントの組合せで表現される数字や記号などによって形成される。
第1特図保留ランプ73および第2特図保留ランプ74は、例えば2個のLEDランプからそれぞれ構成され、当該ランプの点灯・点滅表示によって第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数(最大4個)を表現する。第1特別図柄の作動保留球数は、第1特
別図柄又は第2特別図柄の変動中あるいは特別遊技の実行中に、第1始動口61への入球に基づき取得した乱数値に係る数であり、当該取得した乱数値を保留する、すなわち、当該取得した乱数値について当否判定許可条件(変動開始条件)を充足するまで当否判定が一旦保留されることになった数を示している。第2特別図柄の作動保留球数は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中あるいは特別遊技の実行中に、第2始動口62への入球に基づき取得した乱数値に係る数であり、当該取得した乱数値を保留する、すなわち、当該取得した乱数値について当否判定許可条件(変動開始条件)を充足するまで当否判定が一旦保留されることになった数を示している。
普通図柄表示装置75は、例えば2個のLEDランプから構成され、当該ランプの点灯・点滅表示によって、普通図柄の変動表示及び確定表示を行う。本実施形態では、例えば、普通図柄の変動表示を二つのランプが交互に点灯と消灯とを繰り返すかたちで表現し、いずれのランプが最終的に点灯した状態で停止表示するかによって、普通図柄の抽選結果を報知する。普図保留ランプ76は、例えば2個のLEDランプから構成され、当該ランプの点灯・点滅表示によって、普通図柄の作動保留球数(最大4個)を表現する。なお、普通図柄表示装置75の左側には、特別遊技におけるラウンド遊技の回数(ラウンド数:特別電動役物642,643が連続して作動する回数)を表示するラウンド表示器77が設けられている。
演出表示装置70は、主として、第1特別図柄又は第2特別図柄と連動して変動表示・停止する装飾図柄や予告演出を含む演出画像を表示するとともに、第1特別図柄および第2特別図柄の保留表示を行う。具体的には、演出表示装置70の画面上に、装飾図柄の変動表示や予告演出表示などが実行される装飾図柄表示部700と、第1特図保留ランプ73と同期して第1特別図柄の保留表示が実行される第1特図保留表示部701と、第2特図保留ランプ74と同期して第2特別図柄の保留表示が実行される第2特図保留表示部702と、が設けられている。本実施形態では、演出表示装置70として、液晶表示装置を採用している。装飾図柄表示部700には、所定の有効ライン(不図示)上に、装飾図柄の変動表示領域となる三列の表示領域(左表示領域Z1、中表示領域Z2、右表示領域Z3)が設けられており、左表示領域Z1に対応して装飾図柄の左図柄、中表示領域Z2に対応して装飾図柄の中図柄、右表示領域Z3に対応して装飾図柄の右図柄がそれぞれ停止表示される。特図保留表示部701,702には、通常の表示態様では、特別図柄の作動保留球が生起されると白丸印の保留画像が表示される一方、当該作動保留球が消化されると対応する保留画像が消失される。この保留画像は、特別図柄の作動保留球の発生順(入球順)に従って順番に表示され、各保留表示部701,702に最大で4個ずつ表示が可能である。
センター飾り22は、演出表示装置70の周囲に設置され、遊技球の流路、演出表示装置70の画面の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り22には、遊技の展開状況に応じた演出動作を実行する可動役物24が設けられている。可動役物24は、ステッピングモータやソレノイドなどの駆動源を備えて構成されている。また、センター飾り22には、遊技の展開状況に応じて発光する盤ランプ(LEDランプ)25が設けられている。以下の説明では、便宜上、枠ランプ10および盤ランプ25を総称して「演出ランプLP」とも称する。
続いて、図2を参照しながら、ぱちんこ遊技機PMの背面側の基本構造を説明する。前枠2の背面側には、ほぼ中央に前後連通する窓口を有して前枠2よりも幾分小型の矩形枠状に形成された裏セット盤30が着脱自在に取り付けられている。裏セット盤30の各部には、多数個の遊技球を貯留する貯留タンク31、貯留タンク31から右方に緩やかな下り傾斜を有して延びるタンクレール32、タンクレール32の右端部に繋がり下方に延びる球供給通路部33、球供給通路部33により導かれた遊技球を払い出す賞球払出ユニッ
ト34、賞球払出ユニット34から払い出された遊技球を上球皿6に導くための賞球通路部35などが設けられている。
遊技盤10の背面側には、ぱちんこ遊技機PMの作動を統括的に制御する主制御基板100や、演出全般の制御を行う演出制御基板200、遊技展開に応じた画像表示、効果音の制御を行う画像制御基板300などが取り付けられている。なお、本実施形態では、演出制御基板200および画像制御基板300は、演出表示装置(液晶表示装置)70と一体化されたアッセンブリ状態で液晶ユニットを構成している。これに対して、裏セット盤30の背面側には、遊技球の発射及び払い出しに関する制御を行う払出制御基板400や、遊技施設側から受電して各種制御基板や電気・電子部品に電力を供給する電源基板500などが取り付けられている。なお、これらの制御基板は、不正改造防止のため、カシメ構造及び封印シール構造を有する透明樹脂製の基板ケースに収容されたアッセンブリ状態で遊技盤20背面又は裏セット盤30背面の所定位置にそれぞれ配設される。これらの制御基板とぱちんこ遊技機PM各部の電気・電子部品とがハーネス(コネクタケーブル)を介して相互に接続されて、ぱちんこ遊技機PMが作動可能に構成されている。
<ぱちんこ遊技機の制御構成>
次に、図3を追加参照して、本実施形態に係るぱちんこ遊技機PMに搭載された各制御基板について説明する。図3は、ぱちんこ遊技機PMの制御構成を示す制御ブロック図である。
主制御基板100は、遊技に関する各種の演算処理を行うメインCPU101と、制御プログラムや各種データ等を記憶したROM102と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM103と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路104とを備えて構成された主制御マイコン(ワンチップマイコン)110を搭載しており、メインCPU101がROM102に記憶された制御プログラムに従って遊技進行に係る主要な制御を実行するように構成されている。その他、主制御基板100には、図示省略するが、水晶発振器からのクロック信号を分周して内部システムクロックを生成するクロック回路、メインCPU101が誤動作や暴走状態となったときにリセットをかけて正常な状態に復帰させるWDT回路、リアルタイム割込みの発生や時間計測を可能とするCTC回路、メインCPU101によるプログラム処理(ソフトウェア乱数)とは別系統として動作して所定の乱数(内蔵乱数)を生成する乱数生成回路などが搭載されており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。
メインCPU101は、各スイッチからの検出情報などに基づき、ROM102に格納された各種の制御プログラムを読み出して演算処理を行うことで、遊技の主制御に係る各種処理を実行する。RAM103は、電源基板500において生成されるバックアップ電源(VBB)によってバックアップされる不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。RAM103のバックアップ領域は、電源断が生じた場合、当該電源断時に保持していたスタックポインタや各レジスタ等のデータを記憶しておくためのエリアとなっており、電源投入時(電源断復帰時)には当該バックアップ領域の情報に基づいて遊技機の状態が電源断前の状態に復帰されるようになっている。
また、主制御基板100は、第1始動口スイッチ611、第2始動口スイッチ621、作動ゲートスイッチ631、第1大入賞口スイッチ641および第2大入賞口スイッチ651などと電気的に接続されており、I/Oポート回路104を介して、各種スイッチからの検出信号をメインCPU101に入力する。また、主制御基板100は、第1特別図柄表示装置71、第2特別図柄表示装置72、第1特図保留ランプ73、第2特図保留ランプ74、普通図柄表示装置75および普図保留ランプ76に電気的に接続され、さらに、普通電動役物ソレノイド623および特別電動役物ソレノイド643,653、に電気
的に接続されており、I/Oポート回路104を介して、メインCPU101からの制御信号を各種表示手段および各種ソレノイドに送信する。
主制御基板100と演出制御基板200との間は、8本のパラレル信号線および1本のストローブ線で接続されており、主制御基板100から演出制御基板200へと向かう単一方向のみで通信可能に接続され、主制御基板100から演出制御基板200へ各種の演出制御コマンドが送信される。演出制御基板200から主制御基板100へデータを送信することはできず、また、主制御基板100に対してデータの送信を要求することはできない。
演出制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づき遊技演出に関する各種の演算処理を行うサブメインCPU201、演出制御プログラムや各種データ等を記憶したROM202、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM203と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路204とを備えて構成された演出制御マイコン(ワンチップマイコン)210を搭載しており、サブメインCPU201がROM202に記憶された制御プログラムに従って遊技演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。その他、演出制御基板200には、図示省略するが、水晶発振器からのクロック信号を分周して内部システムクロックを生成するクロック回路、サブメインCPU201が誤動作や暴走状態となったときにリセットをかけて正常な状態に復帰させるWDT回路、システムクロックに基づき各種信号を出力するTPU回路、TPU回路からの信号などに基づきタイマ割込み等の各種割込みを起動させる割込みコントローラ、シリアルデータを入出力するためのシリアル通信回路などが搭載されており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。
演出制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づく演出制御処理にて、画像制御基板300へ画像および音響を指示する画像制御コマンド、ランプ接続基板91を制御するためのランプ制御信号(ランプデータ)、モータドライバ92を制御するための駆動制御信号(駆動データ)などを生成する。演出制御基板200は、画像制御基板300と双方向通信が可能に接続されており、画像および音響に関する画像制御コマンドが演出制御基板200から画像制御基板300へ送信される一方、その応答として、この画像制御コマンドを正常に受信できた旨を示す応答コマンド(ACKコマンド)が画像制御基板300から演出制御基板200へ送信される。
また、演出制御基板200は、複数のLEDドライバを搭載したランプ接続基板91と電気接続されており、シリアル通信回路を介して、ランプ接続基板91を制御するためのランプ制御信号(ランプデータ)を送信する。なお、本例では、演出制御基板200とランプ接続基板91とは、クロック同期式のシリアル通信が採用されており、ランプデータ伝送用のデータ線とは別の信号線(クロック線)で送信されるクロック信号に同期して、ランプ制御信号が当該データ線を介して1ビットずつ送信される。ランプ接続基板91は、演出制御基板200から送信されるLED駆動用のランプ制御信号を受けて機能するLEDドライバを内蔵しており、このランプ制御信号に基づき回路内のスイッチをオン/オフ切り替えることにより、演出ランプLPに対して駆動電流を供給又は遮断して、演出ランプLPを点灯又は消灯させる制御を行う。
さらに、演出制御基板200は、複数のモータドライバ92と電気接続されており、I/Oポート回路204を介して、モータドライバ92を制御するための駆動制御信号(駆動データ)をモータドライバ92へ送信する。モータドライバ92は、演出制御基板200から送信される役物駆動用の駆動制御信号に基づき回路内のスイッチをオン/オフ切り替えることにより、各可動役物24のステッピングモータに対して駆動電流を供給又は遮断して、各可動役物24を動作させる制御を行う。なお、モータドライバ92へのデータ
送信はパラレル通信方式が採用されている。また、演出制御基板200は、演出ボタン15と電気接続されており、演出ボタン15に内蔵された操作入力検出手段(例えばフォトセンサなど)からの検出信号が入力されるとともに、演出ボタン15を演出動作(例えば上下動、左右動、振動、回転など)させるための制御信号を送信して該演出ボタン15に内蔵された駆動手段(例えばモータやソレノイドなど)を駆動させる。
画像制御基板300は、演出制御基板200からの画像制御コマンドに基づき画像演出に関する各種の演算処理を行うサブサブCPU301と、画像制御プログラムや各種データ等を記憶したROM302と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM303と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路304とを備えて構成された画像制御マイコン(ワンチップマイコン)310を搭載しており、サブサブCPU301がROM302に記憶された制御プログラムに従って画像演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。その他、画像制御基板300には、図示省略するが、サブサブCPU301から取得した制御信号に基づき演出内容に沿った画像データを生成するVDPと、サブサブCPU301から取得した制御信号に基づき演出内容に沿った音響データを生成する音源ICとを搭載している。VDPは、いわゆる画像プロセッサであり、サブサブCPU301からの指示に応じて画像ROMに記憶された画像データを読み込み、これを画像処理して生成した映像信号(画像データ)を演出表示装置に送信する。このVPDには、画像ROMから読み出された画像データの展開・加工に使用される高速のVRAMが接続されている。音源ICは、サブサブCPU301からの指示に応じて音声ROMに記憶された音響データを読み込み、これを合成処理して生成した音響データを増幅器(デジタルアンプ)を介してスピーカ11に出力する。
払出制御基板400は、払出CPU401、ROM402およびRAM403を主体として構成されている。払出制御基板400は、主制御基板100と双方向通信可能に接続されており、主制御基板100からの払出制御コマンドに基づいて賞球払出ユニット34を駆動させて賞球を払い出すための制御を実行するとともに、発射ハンドル12の操作量に基づき球送り機構13と発射機構14とを同期的に駆動させて遊技球の発射の制御を実行する。
電源基板500は、詳細図示を省略するが、遊技島の電源設備から供給される一次電源を基に、各制御基板で使用される通常時の電源を生成するための通常電源回路と、バックアップ電源(VBB)を生成するためのバックアップ電源回路と、電圧低下による電源断を監視するための電源断監視回路と、を具備して構成され、各制御基板や遊技用機器等の電子・電気部品に必要な電源を供給する。電源基板500には、電源回路を起動させるための電源スイッチが接続されており、遊技島の電源装置から1次電源が供給されていることを前提として、該電源スイッチがオンになると、電源基板500の通常電源回路から各制御基板などに所定の電源が供給される。電源基板500は、遊技島の電源装置からの電源供給が遮断されたことを検出可能に構成されており、電源断の検出時にはその旨を報知する電源断信号(NMI信号)を主制御基板100、演出制御基板200、払出制御基板400に送信する。なお、バックアップ電源回路は、遊技島の電源装置からぱちんこ遊技機PMに電源が供給されているときに充電される仕組みとなっている。また、電源基板500には、ぱちんこ遊技機PMの電源投入時に、主制御基板100のRAM103の一時記憶内容を一旦消去して初期値を設定するためのRAMクリアスイッチ(図示せず)が接続されている。なお、RAMクリアスイッチは、電源基板500ではなく、例えば主制御基板100に接続される構成であってもよい。
<ぱちんこ遊技機の基本動作>
以上のように構成される、ぱちんこ遊技機PMは、外枠1が遊技施設の遊技島に固定設置され、前枠2、ガラス枠5、球皿ユニット6等が閉鎖施錠された状態で遊技に供され、
上球皿8に遊技球を貯留させて発射ハンドル12を回動操作することにより遊技が開始される。発射ハンドル12が回動操作されると、上球皿8に貯留された遊技球が、ガラス枠5の背面側に配設される球送り機構13(図3を参照)によって1球ずつ発射機構14(図3を参照)に送り出され、該発射機構14により遊技領域PAに打ち出される。
遊技領域PAを転動流下する遊技球が、第1始動口61、第2始動口62、第1大入賞口64、第2大入賞口65のいずれかに入球すると、その入賞口の種別に応じた賞球が賞球払出ユニット33により上球皿8又は下球皿9に払い出される。また、遊技球が第1始動口61又は第2始動口62に入球すると、特別図柄の抽選乱数値が取得され、当該乱数値を所定の上限個数まで特別図柄の保留球として一時記憶する。そして、所定の始動条件が成立する場合に、最先の保留球に係る抽選乱数値に対して特別図柄の当否判定、図柄判定、変動パターン判定を行い、この判定結果に応じた態様で、第1特別図柄表示装置71又は第2特別図柄表示装置72において特別図柄が変動表示されるとともに、演出表示装置70において装飾図柄が変動表示される。特別図柄および装飾図柄の変動表示は、前記選択された変動パターンに応じた変動時間の経過後に同期的に停止表示される。
第1特別図柄又は第2特別図柄が大当りを示す停止態様で確定表示された場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第1大入賞口64又は第2大入賞口65の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する態様である。本実施形態では、特別遊技として、ラウンド遊技が16回(16ラウンド)に設定された16R特別遊技と、ラウンド遊技が8回(8ラウンド)に設定された8R特別遊技と、ラウンド遊技が2回(2ラウンド)に設定された2R特別遊技とが設けられている。
本実施形態では、16R特別遊技、8R特別遊技および2R特別遊技のいずれに移行されたとしても、特別遊技の終了後から特別図柄の変動回数が所定の終期回数に達するまで、特別図柄の確率変動機能(「確変」とも称する)が一律に作動する。すなわち、本実施形態に係るぱちんこ遊技機PMは、確変突入率が100%の回数切り確変機、所謂「ST機」と称される遊技機である。従って、本実施形態では、特別図柄の確率変動機能が次の大当りの発生まで継続するのではなく、所定の終期回数(「ST回数」とも称する)に達するまでの期間(「ST期間とも称する」)に限定されている。特別図柄の確率変動機能が作動した場合には、特別図柄抽選の大当り確率が通常の低確率状態から高確率状態へ移行するため、新たな大当り(特別遊技)が比較的早期に発生するようになる。
一方、特別遊技が終了した後は、特別図柄の確率変動機能と付随して又は独立して、特別図柄の変動時間短縮機能(以下「時短」ともいう)が作動する場合がある。特別図柄の変動時間短縮機能が作動すると、特別図柄及び装飾図柄の平均的な変動時間が通常よりも短縮される傾向となり、単位時間当たりの特別図柄抽選回数が向上する(単位時間当たりの大当りの獲得容易性を高めることができる)。
さらに、特別図柄の変動時間短縮機能が作動すると、これに付随して、電チューサポート機能が作動する。電チューサポート機能は、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、普通電動役物622の開放延長機能が作動することにより、第2始動口62への入球容易性が高められる状態(「入球容易状態」とも称する)である。なお、普通図柄の確率変動機能が作動すると、普通図柄の当選確率が通常状態よりも高まる状態となる。普通図柄の変動時間短縮機能が作動すると、普通図柄の変動時間が短縮される状態となる。普通電動役物622の開放時間延長機能が作動すると、普通電動役物622の開放時間が通常状態よりも延長された状態となる。この入球容易状態においては、一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常よりも増加する可能性が高まる上、第2始動口62への入球容易性も高まるため、第2始動口62への入球数が増加する可能性も向上する。した
がって、特別図柄の変動時間短縮機能及び電チューサポート機能の作動により、その期間中は第2始動口62への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち球をほとんど減らさずに遊技を継続することが可能となる。
<ぱちんこ遊技機の主要な機能構成>
次に、図4の機能ブロック図を追加参照しながら、本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PM(主として、主制御基板100/演出制御基板200)の各種機能について説明する。
主制御基板100は、図4に示すように、入球判定手段110、遊技抽選乱数発生手段120、保留制御手段130、事前判定手段135、特別図柄抽選処理手段140、普通図柄抽選処理手段145、特別遊技制御手段150、図柄表示制御手段155、電動役物制御手段160、遊技状態制御手段165、エラー監視制御手段170、メイン情報記憶手段180、コマンド送受信手段190、を含む。なお、主制御基板100における上述の各手段は、主制御基板100上に設けられたメインCPU101、ROM102、RAM103、電子回路等のハードウェア及びROM102等に格納された制御プログラム等のソフトウェアにより構成されるものを機能的に表現したものである。
入球判定手段110は、第1始動口スイッチ611、第2始動口スイッチ621、作動ゲートスイッチ631、第1大入賞口スイッチ641、第2大入賞口スイッチ651などからの検出信号に基づき、各入賞口への遊技球の入球を判定する。
遊技抽選乱数発生手段120は、主制御マイコン110の乱数生成回路で生成した内蔵乱数をソフトウェアで取り込み、これに後述の特別図柄当りソフト乱数を加算することで、特別図柄の当否抽選に使用される特別図柄当り乱数を生成する。また、遊技抽選乱数発生手段120は、メインCPU101のプログラム処理によって各種のソフトウェア乱数を生成するための乱数カウンタを備えている。これらの乱数カウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を担っている。このソフトウェア乱数としては、前述の内蔵乱数に加算されて特別図柄当り乱数をなす特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当りソフト乱数の初期値および終了値を決定するための特別図柄当りソフト初期値乱数、特別図柄の停止図柄として当り図柄(条件装置を作動させることとなる図柄の組合せ)の決定に使用する特別図柄当り図柄乱数、特別図柄当り図柄乱数の初期値および終了値を決定するための特別図柄当り図柄初期値乱数、特別図柄の変動パターンの選択に使用するための特別図柄変動パターン乱数、普通図柄の当否抽選に使用するための普通図柄当り乱数、普通図柄当り乱数の初期値および終了値を決定するための普通図柄当り初期値乱数、普通図柄の変動パターンの選択に使用するための普通図柄変動パターン乱数などが含まれる。これらのソフトウェア乱数の更新時期としては、タイマ割込み処理が発生する毎に1回更新し、また、初期値乱数についてはタイマ割込み処理を実行していない間(ループ処理中)も割込み周期の残余時間を利用して更新する。
保留制御手段130は、特別図柄保留制御手段131、普通図柄保留制御手段132、を含む。
特別図柄保留制御手段131は、第1始動口61又は第2始動口62への遊技球の入球を契機として、特別図柄遊技に係る抽選乱数値である、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を取得して、当該乱数値を第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報として管理する。特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報をそれぞれ所定の上限個数(4個)まで、当該保留球の入球順序と結合したかたちでメイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域に一時記憶する。
第1特別図柄保留格納領域および第2特別図柄保留格納領域には、各始動口61,62への入球順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)、がそれぞれ設けられている。各保留記憶領域は、作動保留球情報として、特別図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、特別図柄変動パターン乱数を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。作動保留球情報は、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に格納される一方、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に消化される(先入れ先出しの原則)。また、保留1記憶領域の保留球情報が消化されると、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の番号の記憶領域にそれぞれシフトするとともに、保留4記憶領域の内容をゼロクリアする。
また、特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄の作動保留球数をカウントするための第1特別図柄保留球数カウンタ、第2特別図柄の作動保留球数をカウントするための第2特別図柄保留球数カウンタ、を有している。特別図柄保留制御手段131は、特別図柄の作動保留球数の更新処理として、特別図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
また、特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数を更新(加算又は減算)したとき、当該保留球数の更新情報を含む演出制御コマンド(「図柄記憶数コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。この1コマンドには、第1特別図柄の作動保留球数と第2特別図柄の作動保留球数との両方の情報が含まれる。なお、原則として、各特別図柄の作動保留球は入球した順番に消化されることになるが、本実施形態では、第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示を優先的に実行する、いわゆる優先消化を採用するため、第2特別図柄遊技に係る作動保留球が存在する間は、第1特別図柄遊技に係る作動保留球の存在に関係なく、第2特別図柄遊技に係る作動保留球を優先的に消化するように構成されている。なお、この優先消化の下では、第2特別図柄の作動保留球が存在する場合は、第1特別図柄の作動保留球が存在していたとしても、第1特別図柄の作動保留球の消化が保留されることになる。
普通図柄保留制御手段132は、作動ゲート63への遊技球の入球を契機として、普通図柄遊技に係る抽選乱数値である、普通図柄当り乱数値、普通図柄当り図柄乱数値、普通図柄変動パターン乱数値、を取得して、当該乱数値を普通図柄の作動保留球情報として管理する。普通図柄保留制御手段132は、普通図柄の作動保留球情報を所定の上限個数(4個)まで、当該保留球の入球順序と結合したかたちでメイン情報記憶手段180の普通図柄保留格納領域に一時記憶する。また、普通図柄保留制御手段132は、普通図柄の作動保留球数をカウントするための普通図柄保留球数カウンタを有している。普通図柄保留制御手段132は、作動普通図柄の保留球数の更新処理として、普通図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
事前判定手段135は、所定の事前判定タイミングにて特別図柄の作動保留球を取得した場合、当該作動保留球を対象として先読み予告のための事前判定を実行する。事前判定タイミングの一例としては、(1)当り待ち中、且つ、電チューサポート機能が未作動中に第1特別図柄の作動保留球を取得した場合、(2)当り待ち中、かつ、電チューサポート機能が作動中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、のうちのいずれかの条件を満足するとき
である。具体的には、事前判定手段135は、今回取得した作動保留球に対応する乱数値をメイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域から読み出して、当否抽選の事前判定(当否事前判定)、図柄抽選の事前判定(図柄事前判定)、変動パターン抽選の事前判定(変動パターン事前判定)を順次実行する。各事前判定で用いられる事前判定テーブルは、図示省略するが、後述の抽選テーブル(特別図柄当否抽選テーブル、特別図柄当り図柄テーブル、変動パターンテーブル)と同様の区切り方で、乱数の総数に相当する領域が複数の領域に区画され、この領域(判定値数)ごとに、抽選IDが割り当てられている。この抽選IDとしては、事前判定の結果を示す番号(「事前判定番号」とも称する)が設定されている。そして、事前判定手段135は、事前判定結果(事前判定番号)の情報を含む演出制御コマンド(「事前判定コマンド」と称する)を順に生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
特別図柄抽選処理手段140は、特別図柄当否判定手段141、特別図柄停止図柄判定手段412、特別図柄変動パターン判定手段143、を含む。特別図柄抽選処理手段140は、特別図柄の変動開始条件が成立したとき、メイン情報記憶手段180における特別図柄保留格納領域の最先の記憶領域(保留1記憶領域)に格納された特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を読み出して、これをメイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域、特別図柄図柄判定領域、特別図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。ここで、「特別図柄の変動開始条件が成立する」とは、その一例として、(1)大当り又は小当り中ではないこと、(2)第1特別図柄および第2特別図柄のいずれも変動待機中であること、(3)第1特別図柄および第2特別図柄の少なくとも一方に作動保留球が存在すること、の全ての条件を満足したときであり、その結果として、特別図柄が変動開始可能な状態であると判断される。
特別図柄当否判定手段141は、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域から特別図柄当り乱数値を読み出して当否判定を実行し、当該判定結果が、大当り、小当り、はずれ、のいずれに該当するかを決定する。この当否判定の結果は、メイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに一時記憶され(例えば、大当りデータ「55H」、小当りデータ「33H」、はずれデータ「00H」)、以降の処理で使用された後、特別図柄の変動停止時にクリアされる。特別図柄当否判定手段141は、この当否判定の際に参照される特別図柄当否抽選テーブルを保持する。
ここで、図5は、特別図柄当否抽選テーブルを模式的に示す図であり、(A)は通常状態(低確率状態)で参照され、(B)は確変状態(高確率状態)で参照される。この特別図柄当否抽選テーブルには、特別図柄当り乱数値と、大当り、小当り、はずれの判定結果と、が対応付けられており、対応付けられた乱数範囲に応じて大当りおよび小当りの当選確率が定まる。図5からも分かるように、特別図柄遊技の当否抽選において、通常状態(低確率状態)では乱数値が「0〜163」の範囲に該当したときのみ大当りとなる。一方、確変状態(高確率状態)では大当りの範囲が拡大され、乱数値が「0〜163」の範囲に該当する場合だけでなく、「164〜1639」の範囲に該当する場合にも大当りとなる。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、大当りの抽選確率が低確率状態(1/399.6)から高確率状態(1/39.96)に変動する。このように大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化するが、第1特別図柄の当否抽選と第2特別図柄の当否抽選とで大当りの当選確率は等しい。ここで、特別図柄当り乱数値が大当りの範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当する場合には小当りとなる。本例では、第1特別図柄の当否抽選のみ小当りが存在するように構成しているが、例えば、第2特別図柄の当否抽選にも小当りを設けて、第2特別図柄の当否抽選よりも第1特別図柄の当否抽選のほうが高い確率で小当りとなるように構成してもよい。
特別図柄停止図柄判定手段142は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選の結果
に基づいて、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止図柄、および当該停止図柄の属する図柄群を決定する。特別図柄停止図柄判定手段142は、当否抽選の結果が大当りの場合に、第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄および図柄群を決定する際に参照される第1特別図柄当り図柄テーブルおよび第2特別図柄当り図柄テーブルを有している。
図6(A)は第1特別図柄当り図柄テーブルの一例を模式的に示す図である。この第1特別図柄当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、停止図柄、図柄群、大当りの内容(特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能の作動回数、第1大入賞口64の作動パターン)がそれぞれ対応付けられている。なお、括弧内の数値「100」は、特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能の作動回数、すなわち、ST回数を意味する。このテーブルでは、第1特別図柄の停止図柄「1」〜「8」が、大当りの種別に応じて、2種類の図柄群A,Bに分類されている。
具体的には、図柄「1」,「2」,「3」,「4」には、図柄群A(16R特定時短有図柄)が、図柄「5」,「6」には、図柄群B(8R特定時短有図柄)が、図柄「7」,「8」には、図柄群C(2R特定時短有図柄)がそれぞれ対応付けられている。なお、本実施形態において、「特定図柄」とは特別遊技の終了後に確率変動機能を作動させることとなる図柄であり、「通常図柄」とは特別遊技の終了後に確率変動機能を作動させることのない図柄である(後述する第2特別図柄についても同様である)。
図柄群A,Bは、特別遊技の終了後の遊技状態を確変状態(高確率状態)に移行させる、いわゆる「確変当り」を示す特定図柄であり、特別図柄の変動回数がST回数内で大当りを発生させることなく終了するまでの間、あるいは、ST回数内で次回の大当りが発生するまでの間に限定して、特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに電チューサポート機能が付与されることになる。図柄群Aについては、特別遊技の規定ラウンド数は16ラウンドで、1回のラウンド遊技における第1大入賞口64の最大開放時間は約30秒である。図柄群Bについては、特別遊技の規定ラウンド数は8ラウンドで、1回のラウンド遊技における第1大入賞口64の最大開放時間は約30秒である。
図柄群Cは、上記の「確変当り」と比較して第1大入賞口64の開放回数および開放時間が異なるものの、特別遊技終了後の遊技状態を特別図柄の確変状態(高確率状態)に移行させる、いわゆる「突然確変当り」を示す特定図柄であり、特別図柄の変動回数がST回数内で大当りを発生させることなく終了するまでの間、あるいは、ST回数内で次回の大当りが発生するまでの間に限定して、特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに電チューサポート機能が付与されることになる。特別遊技の規定ラウンド数は2ラウンドで、1回のラウンド遊技における第1大入賞口64の最大開放時間は約0.05秒である。
一方、当否抽選の結果が小当りである場合には、上記特別図柄当り乱数による図柄判定を省略して、停止図柄として図柄「9」が一義的に割り当てられる。この図柄「9」には、図柄群F(特電作動図柄1)が対応付けられている。なお、小当りの場合には、遊技状態(確率変動機能、変動時間短縮機能、電チューサポート機能)および変動パターン選択状態の変更の契機とはならず、当否抽選の前後で当該遊技状態が維持される。また、当否抽選の結果がはずれの場合には、停止図柄として図柄「0」が一義的に割り当てられる。
続いて、図6(B)は第2特別図柄当り図柄テーブルの一例を模式的に示す図である。この第2特別図柄当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、停止図柄、図柄群、大当りの内容(特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能の作動回数、第2大入賞口65の作動パターン)がそれぞれ対応付けられている。このテーブルでは、第2特別図柄の停止図柄「11」〜「18」が、大当りの種別に応じて、2種類の図柄群D
,Eに分類されている。具体的には、図柄「11」,「12」,「13」,「14」には、図柄群D(16R特定時短有図柄)が、図柄「15」,「16」,「17」,「18」には、図柄群E(8R特定時短有図柄)がそれぞれ対応付けられている。
図柄群D,Eは、特別遊技の終了後の遊技状態を確変状態(高確率状態)に移行させる、いわゆる「確変当り」を示す特定図柄であり、特別図柄の変動回数がST回数内で大当りを発生させることなく終了するまでの間、あるいは、ST回数内で次回の大当りが発生するまでの間に限定して、特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに電チューサポート機能が付与されることになる。図柄群Dについては、特別遊技の規定ラウンド数は16ラウンドで、1回のラウンド遊技における第2大入賞口65の最大開放時間は約30秒である。図柄群Eについては、特別遊技の規定ラウンド数は8ラウンドで、1回のラウンド遊技における第2大入賞口65の最大開放時間は約30秒である。
一方、当否抽選の結果が小当りである場合には、上記特別図柄当り乱数による図柄判定を省略して、停止図柄として図柄「19」が一義的に割り当てられる。この図柄「19」には、図柄群G(特電作動図柄2)が対応付けられている。なお、小当りの場合には、遊技状態(確率変動機能、変動時間短縮機能、電チューサポート機能)および変動パターン選択状態の変更の契機とはならず、当否抽選の前後で当該遊技状態が維持される。また、当否抽選の結果がはずれの場合には、停止図柄として図柄「0」が一義的に割り当てられる。
本実施形態では、上記のように、大当り種別として、16R大当り(16R特定時短有図柄)と8R大当り(8R特定時短有図柄)と2R大当り(2R特定時短有図柄)との3種類が設けられている。そして、特別遊技における賞球獲得の期待値(賞球獲得期待値)は、16R大当り>8R大当り>2R大当りとなっている。そこで、以下では、16R大当りを、賞球獲得期待値の最も高い「高利益大当り」とも称し、2R大当りを、賞球獲得期待値の最も低い「低利益大当り」とも称する。なお、同一の実行ラウンド数でも、長開放単位遊技(30秒)と短開放単位遊技(0.05秒)とが混在するような場合には、長開放単位遊技が多く存在する大当りが「高利益大当り」となる。具体的には、特別遊技に実行ラウンド数を16ラウンドに統一するなど、共通の実行ラウンド数を有するものの、所定ラウンドにて単位遊技の態様が異なるように変化する特別遊技を含めてもよく、その場合には、大入賞口64,65の開放時間が相対的に短い短開放単位遊技のみからなる種類の特別遊技と、所定回数の実行ラウンド以降において大入賞口64,65の開放時間が相対的に長い長開放単位遊技に切り替わる種類の特別遊技とを含めてもよく、後者が「高利益大当り」を構成する。また、同一の実行ラウンド数の大当りでも、大入賞口開放パターンの差異によって実質的な利益、すなわち、賞球獲得期待値が異なるように構成してもよい。
ここで、前述の説明からも分かるように、第1特別図柄の当否抽選で大当りになった場合には、50%の確率で16R大当りが選択されるのに対して、第2特別図柄の当否抽選で大当りになった場合には、75%の確率で16R大当りが選択されることにより、第1始動口61に入賞するよりも第2始動口62に入賞した方が、多くの出玉を獲得できる点で遊技者に有利である。なお、本例では、第1特別図柄の当否判定で大当りとなった場合に第1大入賞口64を開閉させる特別遊技が実行され、第2特別図柄の当否判定で大当りとなった場合に第2大入賞口65を開閉させる特別遊技が実行されることになっているが、これに限定されるものではなく、第1特別図柄の当否判定で大当りとなった場合に第2大入賞口65を開閉させる特別遊技を実行してもよく、また、第2特別図柄の当否判定で大当りとなった場合に第1大入賞口64を開閉させる特別遊技を実行してもよい。また、この場合には、第1特別図柄の当否判定で大当りとなる場合よりも第2特別図柄の当否判定で大当りとなる場合の方が、第2大入賞口65を開閉させる特別遊技が実行される割合
を高くしてもよい。また、このとき、第1大入賞口64に入球するよりも第2大入賞口65に入球する方が遊技者にとって有利度が高くなるように設定してもよく、例えば、1ラウンドあたりのカウント数が多い、賞球獲得期待値が高い、1球入球あたりの賞球数が多い、入球容易性が高くなるように設定してもよい。また、同一ラウンド数の特別遊技を伴う大当りが複数ある場合であっても、大入賞口の開放パターンの差異により実質的な利益(賞球獲得期待値)が異なるように構成してもよい。なお、カウント数(規定カウント数)とは、単位遊技における大入賞口64,65への遊技球の最大入球可能数である。
特別図柄変動パターン判定手段143は、特別図柄変動パターン乱数値に基づき、特別図柄の変動パターンを決定する。ここで、特別図柄変動パターン判定手段143は、図7および図8に示すように、特別図柄の変動パターンを選択する際に参照される複数種の変動パターンテーブルを保持している。特別図柄変動パターン判定手段143は、現在の変動パターン選択状態と当否抽選の結果とに基づき、複数種の変動パターンテーブルの中からいずれかの変動パターンテーブルを選択する。なお、変動パターン選択状態と変動パターンテーブルとの関係については後述する。各変動パターンテーブルには、複数種の変動パターンが規定されている。各図中では、説明の便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には特別図柄変動パターン乱数値に応じて、変動パターンを決定するための判定値(乱数値の範囲)が設定されており、変動パターン乱数値がいずれの判定値に属するかに基づき、変動パターンが決定されるようになっている。各種の変動パターンは、その図柄変動の終了条件として当該変動パターンごとに変動時間が定められており、その変動時間にて複数の図柄で構成される装飾図柄による図柄変動も実行されることを前提として規定される。なお、本例では、説明の便宜上、複数種の変動パターンのみを例に挙げて説明するが、実際には100種類以上の変動パターンが存在する。
図7(A)は、大当り・小当り用の変動パターンテーブルの一例を模式的に示す図である。上段の(A1)は通常変動パターンテーブル、中段の(A2)は確変変動パターンテーブル、下段の(A3)は特殊変動パターンテーブルである。本例では、変動パターン選択状態に応じて、または同じ変動パターン選択状態であっても大当り種別に応じて、選択される変動パターンが異なるように設定されている。
通常変動パターンテーブル(A1)では、大当り種別が16R大当りである場合に、変動パターンPX2(ノーマルリーチA)、変動パターンPX3(スーパーリーチA)のいずれかが選択され、8R大当りである場合に、変動パターンPY2(ノーマルリーチA)、変動パターンPY3(スーパーリーチA)のいずれかが選択される。一方、2R大当り又は小当りである場合には、変動パターンPZ2(ノーマルリーチA)、変動パターンPZ4(スーパーリーチD)のいずれかが選択される。この大当り・小当り用の通常変動パターンテーブルでは、非リーチ態様の変動パターンが選択されることはなく、通常状態で大当り又は小当りになった場合には、リーチ態様の変動パターンのみが選択され得る。
確変変動パターンテーブル(A2)では、大当り種別が16R大当り又は8R大当りである場合に、変動パターンPX7(スーパーリーチB)のみが選択される。一方、2R大当り又は小当りである場合には、変動パターンPZ6(ノーマルリーチB)、変動パターンPZ8(スーパーリーチD)のいずれかが選択される。この大当り・小当り用の確変変動パターンテーブルでは、非リーチ態様の変動パターンが選択されることはなく、特別図柄の確変状態で大当り又は小当りになった場合には、リーチ態様の変動パターンのみが選択され得る。
特殊変動パターンテーブル(A3)では、大当り種別が16R大当りである場合に、変動パターンPX9(非リーチC)のみが選択され、8R大当りである場合に、変動パターンPY10(スーパーリーチC)のみが選択される。一方、2R大当り又は小当りである
場合には、変動パターンPZ10(スーパーリーチC)のみが選択される。ここで、非リーチC態様の変動パターンPX9は超短縮の変動時間(2秒)として構成される一方、スーパーリーチC態様の変動パターンPY10,PZ10は相対的に長い変動時間(120秒)として構成される。
図7(B)は、はずれ用の変動パターンテーブルの一例を模式的に示す図である。上段の(B1)は通常変動パターンテーブル、中段の(B2)は確変変動パターンテーブル、下段の(B3)は特殊変動パターンテーブルである。本例では、変動パターン選択状態に応じて、選択される変動パターンが異なるように設定されている。
通常変動パターンテーブル(B1)では、変動パターンPH1(非リーチA)、変動パターンPH2(ノーマルリーチA)、変動パターンPH3(スーパーリーチA)、変動パターンPH4(スーパーリーチD)のいずれかが選択される。確変変動パターンテーブル(B2)では、変動パターンPH5(非リーチB)、変動パターンPH6(ノーマルリーチB)、変動パターンPH7(スーパーリーチB)、変動パターンPH8(スーパーリーチD)のいずれかが選択される。特殊変動パターンテーブル(B3)では、変動パターンPH9(非リーチC)のみが選択される。ここで、非リーチC態様の変動パターンPH9は超短縮の変動時間(2秒)として構成される。
なお、前述の説明では、いずれの場合にもはずれ用の変動パターンテーブルを単一のテーブルで表現しているが、当否抽選の結果がはずれとなったときは、特別図柄の作動保留球数(0〜4)に応じて異なる変動パターンテーブルが選択される場合がある。つまり、特別図柄の作動保留球数に応じた変動パターンテーブルを用いることで、作動保留球数が多いほど相対的に短い変動時間が選択される割合を高くして、逆に作動保留数が少ないほど相対的に長い変動時間が選択される割合を高くすることができる。
また、特別図柄変動パターン判定手段143は、特別図柄の変動パターンを選択した後、演出制御基板200に対して装飾図柄の変動開始を指示するため、特別図柄の変動パターン情報を含む演出制御コマンド(「変動パターン指定コマンド」と称する)、特別図柄(図柄群)および遊技状態の情報を含む演出制御コマンド(「図柄指定コマンド」と称する)等を生成して(以降、これらの演出制御コマンドを纏めて「変動開始コマンド」と称する)、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
普通図柄抽選処理手段145は、普通図柄当否判定手段146と、普通図柄停止図柄判定手段147と、普通図柄変動パターン判定手段148と、を有する。普通図柄抽選処理手段145は、普通図柄の変動開始条件が充足したとき、普通図柄保留格納領域における最先の記憶領域に格納された普通図柄当り乱数値、普通図柄変動パターン乱数値を読み出して、メイン情報記憶手段180の普通図柄当否判定領域、普通図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。
普通図柄当否判定手段146は、メイン情報記憶手段180の普通図柄当否判定領域から普通図柄当り乱数値を読み出して当否判定を実行し、当該判定結果が、当り、はずれ、のいずれに該当するかを決定する。この当否抽選の結果は、メイン情報記憶手段180の普通図柄判定フラグに一時記憶され、以降の処理で使用された後、普通図柄の変動停止時にクリアされる。普通図柄当否判定手段146は、この当否抽選の際に参照される普通図柄当否抽選テーブルを保持しており、通常状態(低確率状態)においては例えば「160/283」の確率で当りとなる普通図柄当否抽選テーブルを参照し、普通図柄の確変状態(高確率状態)においては、例えば「282/283」の確率で当りとなる普通図柄当否抽選テーブルを参照して、普通図柄の当否抽選を実行する。
普通図柄停止図柄判定手段147は、図柄抽選テーブルを参照して、当否抽選の結果が当りである場合には所定の当り図柄を割り当てる一方、はずれである場合には所定のはずれ図柄を割り当てるようになっている。
普通図柄変動パターン判定手段148は、メイン情報記憶手段180の普通図柄変動パターン判定領域から普通図柄変動パターン乱数値を読み出すとともに、普通図柄変動パターンテーブルを参照して、通常状態における普通図柄の変動表示においては、相対的に長い変動時間を選択する(例えば「4秒・5秒・6秒・7秒・8秒・9秒・10秒」の7種類をそれぞれ均一的に選択する)。一方、普通図柄の時短状態(入球容易状態)では相対的に短い変動時間(例えば「0.5秒」)を選択する。
特別遊技制御手段150は、当否抽選の結果が大当りである場合、前記決定された大当りの種別に応じて、特別遊技中に演出表示装置70等に表示される開始デモ演出および終了デモ演出に係るデモ演出時間を決定する。また、特別遊技制御手段150は、演出制御基板200側に対して、開始デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「大当り開始デモコマンド」と称する)と、終了デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「大当り終了デモコマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。なお、大当り開始デモコマンドは、演出制御基板200側において、特別遊技中に展開される一連の大当り演出(開始デモ演出、ラウンド演出、終了デモ演出)の内容を決定するための契機ともなる。また、特別遊技制御手段150は、特別遊技中の各ラウンド遊技において、各ラウンド遊技に対応したラウンド演出の開始を指示するための演出制御コマンド(「ラウンド演出指定コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。このラウンド演出指定コマンドには、現在のラウンド数の情報および大入賞口スイッチ641,651の検出の情報などが含まれる。
また、特別遊技制御手段150は、当否抽選の結果が小当りの場合、小当り遊技中に演出表示装置70等に表示される小当り開始デモ演出および小当り終了デモ演出に係るデモ演出時間を決定する。また、特別遊技制御手段150は、小当り開始デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「小当り開始デモコマンド」)と、小当り終了デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「小当り終了デモコマンド」)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
図柄表示制御手段155は、特別図柄表示制御手段156、普通図柄表示制御手段157、を含む。特別図柄表示制御手段156は、第1特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第1特別図柄を第1特別図柄表示装置71に変動表示させるとともに、該変動表示後に第1特別図柄を確定表示させる。また、特別図柄表示制御手段156は、第2特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第2特別図柄を第2特別図柄表示装置72に変動表示させるとともに、該変動表示後に第2特別図柄を確定表示させる。特別図柄表示制御手段156は、第1特別図柄および第2特別図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマを有している。第1特別図柄表示装置71および第2特別図柄表示装置72の動作状態は、メイン情報記憶手段180の特別図柄遊技ステイタスに基づき監視される。特別図柄表示制御手段156は、特別図柄の変動停止の際に(すなわち、特別図柄遊技タイマの値が「0」となるタイミングで)、演出制御基板200に対して装飾図柄の確定表示を要求するための演出制御コマンド(「変動停止コマンド」と称する)を生成する。普通図柄表示制御手段157は、普通図柄の変動パターン(変動時間)に従って、普通図柄を普通図柄表示装置75に変動表示させるとともに、該変動表示後に普通図柄を確定表示させる。普通図柄表示制御手段157は、普通図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための普通図柄遊技タイマを有している。普通図柄表示装置75の動作状態は、メイン情報記憶手段180の普通図柄
遊技ステイタスに基づき監視される。
電動役物制御手段160は、特別図柄の当否抽選の結果が大当りとなった場合、特別図柄の確定表示後に、特別遊技処理として、特別電動役物ソレノイド643,653に制御信号を出力し、特別電動役物642,652を所定の作動パターンに従って開放させる。特別遊技は、特別電動役物642,652の1回の開閉動作を1回のラウンド遊技とし、当該ラウンド遊技を規定ラウンド数(本例では、16R,8R,2R)だけ連続して実行するものである。電動役物制御手段160は、特別電動役物642,652の作動回数(すなわち、実行中のラウンド数)を格納するための大入賞口開放カウンタを保持する。ここで、大当り種別がいわゆる16R大当り(図柄群A,D)又は8R大当り(図柄群B,E)である場合には、1回のラウンド遊技において第1大入賞口64又は第2大入賞口65を最大で約30秒間開放させる。他方、大当り種別がいわゆる2R大当り(図柄群C)である場合には、1回のラウンド遊技において第1大入賞口64を最大で約0.05秒間開放させる。ここで、特別遊技における大入賞口64,65の閉鎖条件(単位遊技の終了条件)とは、規定カウント数の遊技球の入賞又は規定秒数の開放可能期間の経過である。
また、電動役物制御手段160は、特別図柄の当否抽選の結果が小当りとなった場合、特別図柄の確定表示後に、小当り遊技処理として、特別電動役物ソレノイド643,653に制御信号を出力し、特別電動役物642,652を短期間だけ開放させる。小当り遊技は1回のラウンド遊技で構成される点で、複数回のラウンド遊技で構成される特別遊技とは区別される。ここで、前述した2R特別遊技と小当り遊技とを比較すると、内部的には相違するものの、1回の開閉時間(0.05秒)が同じ点及び開閉回数が同一である点(前者が1ラウンド当たり1開閉を2ラウンドの2回、後者が1ラウンド当たり2開閉を1ラウンドの2回)で共通するので、見た目上は近似した開放時間・開放パターンの遊技が繰り広げられる。
また、電動役物制御手段160は、普通図柄の当否抽選に当選した場合、普通電動役物ソレノイド623に制御信号を出力して、所定の開放時間だけ普通電動役物622を開放させる。ここで、電動役物制御手段160は、通常状態では普通電動役物622を極短時間(例えば0.2秒間)だけ開放させるのに対し、入球容易状態(電チューサポート状態)では普通電動役物622を通常状態と比較して相対的に長い時間(例えば4秒間)に亘り開放させる。
遊技状態制御手段165は、特別図柄の当否抽選の結果が大当りである場合に、当該大当りに係る図柄群の種類に基づき、特別遊技の終了後の遊技状態を決定するとともに、特別遊技の終了後の遊技状態を切り替える。以下では、前述した特別図柄および普通図柄に関する諸機能のうち、1)特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が作動する遊技状態を「確変状態」と称し、2)特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能のみが作動する遊技状態を「時短状態」と称し、3)特別図柄の確率変動機能のみが作動する遊技状態を「潜伏確変状態」と称し、4)全ての機能が作動していない状態を「通常状態」と称する。なお、「確変状態」、「時短状態」、「潜伏確変状態」は、いずれも「通常状態」と比べて、遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。なお、以下では、各遊技状態を、特別図柄遊技の作動状態(高確率/低確率)と普通図柄遊技の作動状態(開放延長あり/開放延長なし)との組み合わせにより、(1)確変状態を「高確率/開放延長」、(2)時短状態を「低確率/開放延長」、(3)潜伏確変状態を「高確率/非開放延長」、(4)通常状態を「低確率/非開放延長」、と呼称することもある。また、本実施形態では、前述のとおり、回数切りの所謂ST機であるため、特別遊技の終了後の遊技状態は、特別図柄の変動回数が特別遊技の終了時点から数えて所定の終期回数、すなわちST回数に到達するまでの間、確変状態が継続する(但し、ST回数内で次回の大当りが発生した場合には当該変動にて確変状態は終了
する)。なお、ST期間中に小当りとなった場合には、ST回数が0リセット(復活)されることはなく、小当り発生の前後でST回数は継続してカウントされている。本実施形態では、ST回数は100回に設定されているが、他の回数に設定されてもよいことは勿論である。なお、確変状態へ移行した場合は、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が同時に作動して、該確変状態が継続する限り、各機能も継続することになる。なお、特別図柄の当否抽選の結果が大当りである場合には、当該大当り前の遊技状態が通常状態および確変状態のいずれであっても、特別遊技中は通常状態であり且つ特別遊技後はST回数を限度として一律に確変状態となる。一方、特別図柄の当否抽選の結果が小当りであれば、当該小当り前の遊技状態が通常状態であった場合、小当り遊技中および小当り遊技後の遊技状態も通常状態となる。また、当該小当り前の遊技状態が特別図柄の確変状態であった場合には、小当り遊技中および小当り遊技後の遊技状態も特別図柄の確変状態となる。
また、遊技状態制御手段165は、当否抽選の結果が大当りである場合に、当該大当りの種別(図柄群A〜Eの種類)に基づき、特別遊技後の変動パターン選択状態を決定するとともに、特別遊技後の変動パターン選択状態を切り替える。変動パターン選択状態とは、前述の変動パターンテーブルを選択する際に参照される条件の一つである。変動パターン選択状態の切り替え時期は、特別遊技の終了時又は変動パターン選択状態の終期回数を満了したときである。本実施形態では、変動パターン選択状態として、「低確率通常変動状態α」、「高確率短縮変動状態β」、「高確率特殊変動状態γ」などの3種類が存在する。ここで、低確率通常変動状態αとは、遊技状態が通常状態(低確率状態)のときに選択される通常変動パターンテーブル(図7のA1,B1)を参照して特別図柄の変動パターンを決定する状態である。高確率短縮変動状態βとは、遊技状態が特別図柄の確変状態(後述の限定期間を除く)のときに選択される確変変動パターンテーブル(図7のA2,B2)を参照して特別図柄の変動パターンを決定する状態である。高確率特殊変動状態γとは、遊技状態が特別図柄の確変状態であって特別遊技の終了直後の一定期間(第2特別図柄の作動保留球の最大数(4個)に対応した図柄変動回数(4回)の変動表示に亘る期間:「限定期間」と称する)のみ選択が許容される特殊変動パターンテーブル(図7のA3,B3)を参照して特別図柄の変動パターンを決定する状態である。本実施形態では、図柄群A〜Dのいずれが選択された場合でも、変動パターン選択状態は、(1)特別遊技の終了直後、図柄変動回数4回の限定期間のみ高確率特殊変動状態γに滞在し、(2)限定期間の終了後、且つ、その実行回数がST回数(100回)内にあるときは高確率短縮変動状態βに滞在し、(3)ST回数の終了後、すなわち、実行回数として101回目以降は低確率通常変動状態γに滞在する。無論、初当たりが発生するまでの期間は、低確率通常変動状態αに滞在することになる。なお、遊技状態制御手段165は、現在の遊技状態情報および変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(「遊技状態指定コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
エラー監視制御手段170は、I/Oポート回路104の入力情報を監視し、磁気センサによる磁気検知信号、断線短絡電源異常信号、電波センサによる電波検知信号、扉・枠開放信号などを検査して、遊技機がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態である場合には、演出制御基板200にエラー状態演出を指示すべく、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)を要求する。なお、図3では記載を省略しているが、扉開放スイッチはガラス枠5が開放されているか否かの検出手段であり、枠開放スイッチは前枠2が開放されているか否かの検出手段であり、裏セット開放スイッチは裏セット盤30が開放されているか否かの検出手段である。また、磁気センサおよび電波センサはいわゆるゴト行為を発見するための検出手段である。
メイン情報記憶手段180は、特別図柄遊技および普通図柄遊技にて取得した乱数値情
報、特別図柄および普通図柄の作動保留球情報、特別図柄遊技および普通図柄遊技に関する遊技状態(確変状態、時短状態、入球容易状態)の情報、変動パターン選択状態に関する情報、当否抽選の結果情報(当り、小当り、はずれ)、特別図柄や普通図柄に係る停止図柄および変動パターンの情報、特別遊技に関する情報(ラウンド数、開放時間、開放態様(1ラウンド遊技あたりの開放回数)など)、特別図柄表示装置71,72の動作状態を示すステイタス情報、特別電動役物642の動作状態を示すステイタス情報、演出制御コマンドデータの情報等を一時記憶するように構成されており、各情報を記憶するための所定の記憶領域を備えている。
コマンド送受信手段190は、コマンド送信要求があった場合に、メイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納された各種の演出制御コマンドデータをパラレル伝送方式にて演出制御基板200に送信するように構成されている。なお、各演出制御コマンドは、1バイトのMODEデータと、1バイトのEVENTデータとを含んだ2バイト構成となっており、MODEとEVENTを区別するために、MODデータのBit7は「1」、EVENTデータのBit7は「0」としている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、MODEおよびEVENTの各々に対してストローブ信号が出力される。各処理で発生した演出制御コマンドは、原則として、メイン情報記憶手段180のコマンド格納領域にセットされた順番に従って割込み周期毎に1コマンド送信される。
演出制御基板200は、図4に示すように、演出抽選乱数発生手段210、演出統括手段220、ランプ演出制御手段230、役物演出制御手段240、エラー演出制御手段250、サブメイン情報記憶手段260、コマンド送受信手段270、を含む。なお、演出制御基板200における上述の各手段は、演出制御基板200上に配されたサブメインCPU201、ROM202、RAM203、電子回路等のハードウェア及びROM202に格納された制御プログラム等のソフトウェアにより構成されるものを機能的に表現したものである。
演出抽選乱数発生手段210は、サブメインCPU201のプログラム処理によって各種のソフトウェア乱数(演出抽選乱数)を生成するための乱数カウンタを備えている。これらの乱数カウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を担っている。このソフトウェア乱数としては、先読み予告演出の実行可否の抽選に使用する先読み予告抽選乱数、先読み予告パターンの選択に使用する先読み予告パターン乱数、装飾図柄の停止図柄の選択に使用する装飾図柄乱数、装飾図柄の変動演出パターンの選択に使用する変動演出パターン乱数、予告演出パターンの選択に使用する予告演出パターン乱数、大当り演出パターンの選択に使用する大当り演出パターン乱数、保留内連荘演出の実行可否の抽選に使用する連荘演出抽選乱数、保留内連荘演出の連荘演出パターンの選択に使用する連荘演出パターン乱数などが含まれる。これらの乱数の更新時期としては、後述の演出制御側メイン処理内でコマンド解析が行われなかった場合の残余時間を利用して更新する。
演出統括手段220は、演出モード制御手段221、保留情報表示制御手段222、先読み予告制御手段223、装飾図柄決定手段224、変動演出決定手段225、予告演出決定手段226、大当り演出決定手段227、を含む。
保留情報表示制御手段222は、第1特別図柄の作動保留球数をカウントするための第1保留球数カウンタ、第2特別図柄の作動保留球数をカウントするための第2保留球数カウンタを有している。保留情報表示制御手段222は、主制御基板100からの図柄記憶数コマンドを受信すると、この図柄記憶数コマンドに含まれる作動保留球数の情報に基づき、第1保留球数カウンタおよび第2保留球数カウンタの値を更新する。また、保留情報表示制御手段222は、第1保留球数カウンタおよび第2保留球数カウンタの値に基づい
て、演出表示装置70の保留表示部701,702に、第1特別図柄の作動保留球数に対応する数の保留画像と、第2特別図柄の作動保留球数に対応する数の保留画像とを表示する制御を行う。通常の表示態様では、特別図柄の作動保留球が生起されると白色表示の保留画像が表示される一方、次述する保留変化先読み予告演出が実行された場合には、先読み予告の対象となった保留画像が通常の表示態様(表示色)の「白色」から特殊な表示態様(表示色)として「青色」、「緑色」、「赤色」、「虹色」のうちのいずれかを取り得る。上記4種類の特殊な表示態様は、抽選結果が大当りとなる信頼度(「大当り信頼度」と称する)と関係しており、「青色」、「緑色」、「赤色」、「虹色」の順に1段階ずつ大当り信頼度が高くなるように設定されている。本例では、保留画像が「虹色」に変化した場合には、当該先読み対象の作動保留球において大当りが確定的となる。なお、保留変化先読み予告演出において、保留画像の表示態様の変化を表示色ではなく、形状や模様等で表現してもよい。
先読み予告制御手段223は、主制御基板100から事前判定コマンドを受信したことを契機として、先読み予告の実行可否を抽選にて決定する。先読み予告制御手段223は、第1特別図柄の事前判定結果の情報と第2特別図柄の事前判定結果の情報とを区別して、それぞれ所定の上限個数(4個)まで、作動保留球の入球順序と結合したかたちでサブメイン情報記憶手段260の先読み情報格納領域に一時記憶する。この先読み情報格納領域は、主制御基板100の保留記憶領域と同様の構成となっており、各始動口61,62への入球順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)がそれぞれ設けられている。各保留記憶領域は、当否事前判定結果の情報、図柄事前判定結果の情報、変動パターン事前判定結果の情報を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。
先読み予告制御手段223は、先読み予告の実行可否を判定するとき、主制御基板100による事前判定結果に基づき、この先読み予告の対象となる作動保留球に対して先読み的な判定(「先読み判定」とも称する)を実行する。本実施形態では、先読み予告には、通常先読み予告と特殊先読み予告(後述の保留内連荘演出)とが存在する。通常先読み予告は、装飾図柄の連続的な複数回の変動表示に亘って大当り当選又はリーチ演出発生の可能性を予告するいわゆる連続予告演出の一態様として発生される。先読み予告演出(連続予告演出)を実行可と判定した場合は、主制御基板100からの事前判定コマンドの情報(事前判定の結果)および図柄記憶数コマンドの情報(現存する作動保留球数)を解析して、今回の先読み予告演出の発生契機となる作動保留球(「トリガ保留」と称する)を対象として連続的な複数回の変動表示に亘る先読み予告演出パターンが抽選で決定される。なお、通常先読み予告には、保留変化先読み予告演出、チャンス目先読み予告演出、背景変化先読み予告演出など各種のバリエーションが存在する。一方、特殊先読み予告としては、大当り当選時に大当りとなる作動保留球が存在する可能性を示唆又は報知する保留内連荘演出が該当する。以下、「保留内連荘演出」の概要について説明する。
まず、「保留内連荘」とは、或る先行の作動保留球が消化された当否判定結果として大当りとなる場合、当該作動保留球に係る当否判定が許可されてから特別遊技の終了時までの特定期間内における所定タイミングにおいて存在する一以上の後続の作動保留球内に、大当りとなることが予定される作動保留球(「特定保留」とも称する)が存在することをいう。なお、以下では、後続の作動保留球のうち、はずれとなることが予定される作動保留球を「はずれ保留」、小当りとなることが予定される作動保留球を「小当り保留」とも称する。
本実施形態では、第1特別図柄の作動保留球よりも第2特別図柄の作動保留球を優先的に消化する、いわゆる優先消化を採用しており、保留内連荘の対象となる後続の作動保留
球(特定保留)としては、第2特別図柄の作動保留球を対象とする。このように、本実施形態では、第2特別図柄の作動保留球を優先的に消化させる優先消化を採用しているため、保留内連荘は、先行の作動保留球が大当りで当選したときの遊技状態が特定遊技状態であることを前提として発生する。「特定遊技状態」とは、通常状態よりも特別遊技への移行確率が高められた状態であり、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能、電チューサポート機能のうちの少なくとも一の機能が作動した状態のことである。本例では、特定遊技状態として少なくとも電チューサポート機能(入球容易状態)が作動していることを条件とする。ここで、本実施形態では、特別遊技の終了後のST期間中に、確率変動機能、変動時間短縮機能、および電チューサポート機能が作動する(同時に作動を開始して、同時に作動を終了する)構成となっているため、ST期間中は常に特定遊技状態であるといえる。なお、本実施形態では、遊技状態が通常状態である状況下、当否判定の結果が確変大当りとなった場合(その特別遊技の終了後に特定遊技状態へ移行される状況である場合)、後続の作動保留球内に特定保留が存在していたとしても、その特別遊技中に保留内連荘演出が発生しないように構成されている。
続いて、「保留内連荘演出」とは、保留内連荘であることを示唆又は報知するための演出である。この保留内連荘演出には、図柄変動中に発生する第1の保留内連荘演出(「保留内連荘演出A」と称する)と、特別遊技中に発生する第2の保留内連荘演出(「保留内連荘演出B」と称する)とが含まれる。なお、本実施形態では、第1の保留内連荘演出と第2の保留内連荘演出との両方を備えているが、いずれか一方の保留内連荘演出を備えるものであってもよい。
保留内連荘演出Aの実行可否は、先行の作動保留球が消化されるタイミングにおいて第1実行条件が成立している場合に抽選にて決定される。本実施形態では、先行の作動保留球が高利益大当り(16R大当り)となることを前提とし、後続の作動保留球内に高利益大当り(16R大当り)となる特定保留が最先の特定保留として含まれる場合に、第1実行条件が成立する。換言すれば、後続の作動保留内に特定保留(=大当りとなる予定の保留)が存在していても、その特定保留に係る大当り種別が高利益大当りでない場合は、保留内連荘演出Aが実行されない。更に言えば、「後続の作動保留内に特定保留が複数存在する状況下、最先の特定保留に係る大当り種別が高利益大当りでなく且つ次の特定保留に係る大当り種別が高利益大当りである場合」であっても、保留内連荘演出Aが実行されない。従って、本例では、保留内連荘演出Aが発生した場合、高利益大当り(16R大当り)で保留内連荘することが確定的となる。なお、後続の作動保留球内に高利益大当り(16R大当り)となる特定保留が最先の特定保留として含まれる場合であっても、その特定保留より先に消化予定の保留が「ハズレであっても特定の変動パターン(所定時間以上の変動パターンである場合、例えば、最短変動時間以外の変動パターンや、リーチに係る変動パターン)を選択予定のもの」である場合には、保留内連荘Aを実行しない構成としてもよい。
保留内連荘演出Bの実行可否は、特別遊技の開始前のタイミングにおいて第2実行条件が成立している場合に抽選にて決定される。本実施形態では、先行の作動保留球が高利益大当り(16R大当り)となることを前提とし、後続の作動保留球内に特定保留が含まれる場合の他、後続の作動保留球が全てはずれ保留である場合でも、第2実行条件が成立するものとする。よって、保留内連荘演出Bが発生した場合でも、保留内連荘であることは確定せず、いわゆるガセ演出となる場合がある。なお、保留内連荘演出Aと同様に、保留内連荘演出Bが発生した場合、保留内連荘が確定的となる構成を採用してもよい。なお、保留内連荘演出Aと同様に、保留内連荘演出Bが発生した場合、保留内連荘が確定的となる構成を採用してもよい。また、保留内連荘演出Bにおいても、保留内連荘演出Aと同様に、先行の作動保留球が高利益大当り(16R大当り)となることを前提とし、後続の作動保留球内に高利益大当り(16R大当り)となる特定保留が最先の特定保留として含ま
れる場合に、第2実行条件が成立することとしてもよい。換言すれば、後続の作動保留内に特定保留(=大当りとなる予定の保留)が存在していても、その特定保留に係る大当り種別が高利益大当りでない場合は、保留内連荘演出Bが実行されない。更に言えば、「後続の作動保留内に特定保留が複数存在する状況下、最先の特定保留に係る大当り種別が高利益大当りでなく且つ次の特定保留に係る大当り種別が高利益大当りである場合」であっても、保留内連荘演出Bが実行されない。従って、この場合には、保留内連荘演出Bが発生した場合、高利益大当り(16R大当り)で保留内連荘することが確定的となる。なお、後続の作動保留球内に高利益大当り(16R大当り)となる特定保留が最先の特定保留として含まれる場合であっても、その特定保留より先に消化予定の保留が「ハズレであっても特定の変動パターン(所定時間以上の変動パターンである場合、例えば、最短変動時間以外の変動パターンや、リーチに係る変動パターン)を選択予定のもの」である場合には、保留内連荘Bを実行しない構成としてもよい。
先読み予告制御手段223は、サブメイン情報記憶手段260の先読み情報格納領域(保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域)に記憶された事前判定結果の情報を参照して、保留1記憶領域→保留2記憶領域→保留3記憶領域→保留4記憶領域の順番で、すなわち、後続の作動保留球のうち最先のものから順番に先読み判定を行い、この後続の作動保留球内に複数の特定保留が含まれている場合には、保留内連荘演出Aの先読み判定では最先の特定保留のみを対象とする一方で、保留内連荘演出Bの先読み判定では複数の特定保留を対象とする。すなわち、保留内連荘演出にて報知される特定保留の個数は常に1個であるのに対して、保留内連荘演出Bにて報知される特定保留の個数は1個とは限らず複数個のときもあり得る。
続いて、保留内連荘演出の演出内容(「連荘演出パターン」と称する)は、連荘演出パターンテーブルに基づき決定される。本例では、連荘演出パターンを決定する際に参照される複数種の連荘演出パターンテーブルが保持されている。
図8(A)は保留内連荘演出Aの連荘演出パターンを選択する際に参照される連荘演出パターンテーブル、図8(B)は保留内連荘演出Bの連荘演出パターンを選択する際に参照される連荘演出パターンテーブルである。各連荘演出パターンテーブルには、複数種の連荘演出パターンが規定されており、各連荘演出パターンに対応して演出内容および実行タイミングが定められている。各図中では、説明の便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には連荘演出パターン乱数値に応じて、連荘演出パターンを決定するための判定値(乱数値の範囲)が設定されており、連荘演出パターン乱数値がいずれの判定値に属するかに基づき、連荘演出パターンが決定されるようになっている。なお、本実施形態では、図8に示すように、保留内連荘演出の具体的演出態様として演出画像AX,BXが用意されているが、「演出画像」としては、静止画で構成される演出画像、動画で構成される演出画像、静止画および動画の両方で構成される演出画像を例示できる。
図8(A)に示すように、保留内連荘演出Aの演出パターンテーブルには、複数種の演出パターンPA1,PA2が定められている。連荘演出パターンPA1が選択された場合には、装飾図柄の変動中に、保留内連荘演出以外のいかなる場面でも現出することのない、特殊な演出画像「AX1」が表示される。図9(A)に示すように、演出画像AX1としては、例えば、装飾図柄の変動中に流れ星が画面を横切るような演出が該当する。連荘演出パターンP2が選択された場合には、装飾図柄の最終停止図柄として、図9(B)に示すように、その他のいかなる場面でも現出することのない、特殊の大当り図柄「S・S・S」が確定表示される演出が該当する。
なお、本例において、保留内連荘演出Aは、先行の作動保留球が高利益大当り(16R特定大当り)となり、且つ、後続の作動保留球内に高利益大当り(16R特定大当り)と
なることが予定される特定保留が含まれる場合にのみ発生する。従って、保留内連荘演出Aの発生時点で、高利益大当りが連続することが確定する。
図8(B)に示すように、保留内連荘演出Bの演出パターンテーブルには、複数種の演出パターンPB1〜PB9が定められている。演出パターンPB1が選択された場合には、開始デモ演出中に、保留内連荘演出以外のいかなる場面でも現出することのない特殊な演出画像「BX1」が表示される。図9(C)に示すように、開始デモ演出では、演出画像BX1として、「ボーナス」という文字情報が表示される。また、演出パターンPB2〜PB7が選択された場合には、ラウンド演出中に、保留内連荘演出以外のいかなる場面でも現出することのない特殊な演出画像「BX2」が表示される。図9(D)に示すように、演出画像BX2としては、例えば、画面内に奥義書を模した画像が一つ登場する演出が該当する。演出パターンPB8が選択された場合には、ラウンド演出中に、保留内連荘演出以外のいかなる場面でも現出することのない特殊な演出画像「BX3」が表示される。図9(E)に示すように、演出画像BX3としては、例えば、画面内に奥義書を模した画像が二つ登場する演出が該当する。なお、この演出パターンPB8は、後続の作動保留球内に特定保留が複数存在する場合に選択され得る。また、演出パターンPB9が選択された場合には、終了デモ演出中に、保留内連荘演出以外のいかなる場面でも現出することのない特殊な演出画像「BX4」が表示される。図9(F)に示すように、終了デモ演出では、演出画像BX4として、「奥義伝承」という文字情報が表示される。
このように保留内連荘演出Bは、大当り演出の一連の過程における、開始デモ演出、ラウンド演出、デモ終了演出のうちのいずれかにて発生する。また、保留内連荘演出Bは、複数回のラウンド演出内において、1回(単一のラウンド)のみ発生する場合と、複数回(複数のラウンド)で発生する場合とがある。なお、本例において、保留内連荘演出Bは、先行の作動保留球が高利益大当り(16R特定大当り)となることを前提として、後続の作動保留球内に特定保留が含まれている場合だけでなく、後続の作動保留球内に特定保留が含まれない場合(すなわち、はずれ保留のみ)でも発生することがある。すなわち、開始デモ演出中および終了デモ演出中に発生する保留内連荘演出Bとして選択される演出パターンPB1,PB9は、特定保留(1個)が含まれている場合にのみ選択され得るものであるため、保留内連荘の確定を報知する演出に該当するのに対して、ラウンド演出中に発生する保留内連荘演出Bとして選択される演出パターンPB2〜PB8は、特定保留(1個、2個)が含まれている場合だけでなく、特定保留が含まれていない場合でも選択され得るものであるため、保留内連荘の可能性を示唆する演出に該当する。そのため、保留内連荘演出Bとして奥義書(1個又は2個)が出現したとしても、保留内連荘は必ずしも確定せず、当該奥義書に係る保留内連荘演出Bが発生した時点で、後続の作動保留球内に、特定保留が存在する場合(保留内連荘の報知が真実の場合)と、特定保留が存在しない場合(保留内連荘の報知がガセである場合)とが択一的に生じ得る。また、ラウンド演出中に発生する保留内連荘演出Bとして選択される演出パターンPB2〜PB7は、特定保留が1個含まれている場合又は特定保留が含まれない場合に選択され得るものであるため、これに対応する演出画像BX2は、後続の作動保留球内に一の特定保留が含まれる可能性のみを報知し得るものであるのに対して、演出パターンPB8は、特定保留が複数個含まれる場合又は特定保留が含まれない場合に選択され得るものであるため、これに対応する演出画像「BX3」は、後続の作動保留球内に複数の特定保留が含まれている可能性を報知し得るものである。つまり、後続の作動保留球内に含まれる特定保留の個数が、奥義書の個数と対応したかたちで遊技者に対して示唆される。
また、保留内連荘演出が発生する場合、すなわち、先行の作動保留球と後続の作動保留球とのそれぞれで大当りが発生することで、短期間のうちに複数の特別遊技が発生することが予定されている場合には、外観上、これらの複数の特別遊技状態を一つの特別遊技状態に見せるための特殊連続演出が発生する。つまり、特殊連続演出は、実際には特別遊技
が一旦終了して、図柄変動演出に移行しているのにも関わらず、この図柄変動演出中も特別遊技が継続しているかのように見せかける演出である。本例では、説明の便宜上、複数の大当りとして二つの大当りを想定する。ここで、先行の作動保留球に基づく大当りおよび特別遊技を「先の大当り」および「先の特別遊技」とも称し、後続の作動保留球に基づく大当りおよび特別遊技を「後の大当り」および「後の特別遊技」とも称する。
特殊連続演出は、少なくとも、先の特別遊技における終了デモ演出(「特殊終了デモ演出」)と、先の特別遊技と後の特別遊技との間に発生する図柄変動演出(「特殊図柄変動演出」)と、後の特別遊技における開始デモ演出(「特殊開始デモ演出」)とが連続的に繋がって構成される。具体的には、特殊終了デモ演出と特殊図柄変動演出と特殊開始デモ演出とが一連の連続演出として実行され、先の特別遊技から後の特別遊技までに亘る演出において一貫したストーリー性のある演出内容、関連性のある演出内容、又は一連の動画像表示とすることで、先の特別遊技と後の特別遊技とが継続した一つの特別遊技として見せることができる。なお、このような趣旨により、先の大当りにおける特殊終了デモ演出では、通常の終了デモ演出とは異なり、特別遊技の終了を告げるメッセージは表示されず、同様に、後の大当りにおける特殊開始デモ演出では、通常の開始デモ演出とは異なり、特別遊技の開始を告げるメッセージは表示されない。なお、上述の変形例として、特殊連続演出は、先の特別遊技における終了デモ演出と、後の大当りに係る図柄変動演出までの1以上の図柄変動演出とが連続的に繋がって構成されるものであってもよい。
本例では、特殊連続演出の実行条件は、先の大当りが高利益大当り(16R特定大当り)、且つ、後の大当りが高利益大当り(16R特定大当り)であること、つまり、先行の作動保留球が16R大当りで当選することを前提に、後続の作動保留球内に16R大当りが最先の特定保留として含まれることである。なお、後続の作動保留球がいずれもはずれの保留のみである場合、あるいは、後続の作動保留球内に8R大当りが最先の特定保留として含まれる場合には、いわゆるガセ演出として特殊連続演出が途中で終了する。
特殊連続演出の一部を構成する特殊図柄変動演出は、先の特別遊技の終了直後における限定期間内に発生するものである。そのため、特殊図柄変動演出の内容は、特殊演出モードの滞在下で選択される変動演出パターン(「特殊変動演出パターン」と称する)に基づく。なお、本例では、抽選結果が16R大当り又ははずれの場合にのみ、特殊変動演出パターンが選択される。すなわち、この限定期間では、16R大当り又ははずれになる場合に、変動時間を平均変動時間よりも短い(本例では最短の変動時間の)2秒に設定した特殊変動演出が発生する。はずれの場合にも特殊変動演出パターンが選択されるのは、最先の特定保留(16R大当り)は必ずしも後続の作動保留球内で最先にあるわけではなく、その間にはずれ保留が介在する場合でも、すなわち、最先の特定保留(16R大当り)が消化されるまでの間も特殊変動演出で繋げる必要があるからである。具体的には、主制御基板100側では、特別遊技後の限定期間内において高確率特殊変動状態γに遷移しており、特別図柄の変動パターンの選択において特殊変動パターンテーブルが参照される状況下、当該特殊変動パターンテーブルでは、16R大当り又ははずれである場合、いずれも超短縮の変動時間(2秒)となる特殊な変動パターンPX9,PH9が選択される。演出制御基板200側では、特殊演出モードに滞在下、この変動パターンPX9,PH9に紐付いて、上記の特殊変動演出パターンが選択され、特殊変動演出が実行される。このように特殊変動演出を超短縮の変動時間(2秒)から構成する理由としては、先の特別遊技と後の特別遊技との間に発生する変動演出を短縮化させて、先の特別遊技と後の特別遊技とをシームレスに繋げるためである。
なお、後続の作動保留球が全てはずれの場合には、限定期間中において特殊変動演出が発生するものの、後の大当り(16R大当り)は発生せず、限定期間の終了により、特殊連続演出を途中で終了する(いわゆるガセ演出となる)。一方、後の大当りが8R大当り
である場合には、限定期間中においてスーパーリーチ演出が現出され、これにて特殊連続演出が途中で終了し(いわゆるガセ演出となる)、高利益大当りの発生も否定される。したがって、限定期間内では、変動演出パターンとして、当否抽選の結果が16R大当りである場合には超短縮の変動態様(特殊変動演出:2秒)のみが選択される一方、8R大当りである場合には長時間の変動態様(スーパーリーチ演出:90秒)のみが選択されるため、装飾図柄の変動態様がリーチ演出に発展した時点で、高利益大当りで保留内連荘することが否定される。なお、後続の作動保留球がいずれもはずれの保留のみである場合、あるいは、後続の作動保留球内に8R大当りが最先の特定保留として含まれる場合には、特殊連続演出を実行しないように構成してもよい(すなわち、最先の特定保留が16R大当りである場合に限って特殊連続演出を発生させる)。その場合には、保留内連荘演出Bにガセ演出を含めずに、保留内連荘演出Bの発生によって保留内連荘が確定する仕様であることが好ましい。
また、本実施形態では、特殊連続演出には、後の特別遊技におけるラウンド演出において発生する擬似カウント演出が含まれる。この擬似カウント演出は、後の特別遊技におけるラウンド数および獲得賞球数に、先の特別遊技におけるラウンド数および獲得賞球数を上乗せして表示するものである(詳細後述)。
また、本実施形態では、保留内連荘演出および特殊連続演出を実行するうえで、以下の制約条件がある(詳細は図38を用いて後述する)。
1−1)先行の作動保留球の消化に基づく図柄変動表示中に保留内連荘演出Aが発生した場合は、当該変動表示後、その特別遊技中に保留内連荘演出Bは発生しない。その理由としては、特別遊技中に保留内連荘演出Bを改めて発生させてしまうと、保留内連荘回数(後続の作動保留球内に存在する特定保留の個数)が1回であるにも関わらず、複数回あると遊技者に誤認させてしまうおそれや、本例では確定報知演出ではない保留内連荘演出Bであるが故に、本当に保留内連荘が起こるのかといった不安を遊技者に覚えさせてしまうおそれがあるからである。なお、先行の作動保留球の消化に基づく図柄変動表示中に保留内連荘演出Aが発生した場合でも、当該変動表示後、その特別遊技中に保留内連荘演出Bは発生させるように構成してもよく、その場合には、保留内連荘演出Bを保留内連荘の確定報知演出として構成することが好ましい。
1−2)先行の作動保留球の消化に基づく図柄変動表示中に保留内連荘演出Aが発生した場合は、後続の作動保留球が消化されたときの図柄変動表示中に保留内連荘演出Aは再度発生しない。これは特殊連続演出の発生に伴って二つの特別遊技状態を一つの特別遊技状態として見せようとしても、この特殊連続演出の実行中に図柄変動演出としての保留内連荘演出Aが発生したのでは、図柄変動演出中であることを秘匿するという趣旨を没却してしまうおそれがあるからである。また、保留内連荘演出Aの発生を契機として特殊連続演出が開始された場合、この特殊連続演出中(限定期間内)において後続の作動保留球が消化されたときの変動時間は極短時間(2秒)に設定されているため、この短時間内に保留内連荘演出Aを発生させても演出効果が低く、また、保留内連荘演出と特殊連続演出との競合によって両者の演出効果が希薄化されるおそれがあるからである。
1−3)先行の作動保留球の消化に基づく変動表示中に保留内連荘演出Aが発生した場合は、後続の作動保留球が大当りとなった場合の当該大当り演出中に保留内連荘演出Bは発生し得る。これは特殊連続演出中であっても大当り演出中に発生するものであれば、遊技者は通常の保留内連荘演出Bが発生したものと感じ、違和感が生じ得ないからである。また、特殊連続演出は、少なくとも先の大当り演出中の終了デモ演出から後の大当り演出中の開始デモ演出までの一連の演出を繋げるものであるため、特殊連続演出の終了後(すなわち、後の特別遊技におけるラウンド演出以降のタイミング)に保留内連荘演出を発生
させるものであれば、保留内連荘演出と特殊連続演出とが競合するという不具合は生じないからである。
演出モード制御手段221は、主制御基板100からの遊技状態指定コマンドに基づき、主制御基板100側で管理された遊技状態および変動パターン選択状態との整合性をとるかたちで、演出モードの移行制御を実行する。本実施形態では、3種類の演出モードとして、通常演出モードα、確変演出モードβ、特殊演出モードγが含まれており、主制御基板100から指示された特別図柄の変動パターンが同一であっても、演出モード毎に図柄変動演出の具体的内容を特定する変動演出パターン(詳細後述)が異なるように設定されている。演出表示装置70には、現在滞在中の演出モードに対応した演出モード報知画像(本例では、装飾図柄の背面表示となる背景画像)が表示され、この背景画像は演出モード毎に互いに異なるよう設定されているため、背景画像の種類から、現在滞在中の演出モードがいずれであるかを遊技者が認識し得るようになっている。
各演出モードについて概説する。まず、通常演出モードαは、主制御基板100側の変動パターン選択状態として、低確率通常変動状態αが選択されている場合に設定され、その背景画像として「通常背景」が表示される。確変演出モードβは、主制御基板100側の変動パターン選択状態として、高確率短縮変動状態βが選択されている場合に設定され、その背景画像として「確変背景」が表示される。特殊演出モードγは、主制御基板100側の変動パターン選択状態として、高確率特殊変動状態γが選択されている場合に設定される。この特殊演出モードは、特別遊技の終了直後の4回に亘る期間(限定期間)を限度として滞在し、この限定期間を超えると、確変演出モードβに遷移する。特別遊技中に保留内連荘演出Bが発生した場合、すなわち、連続変動演出が実行されている場合には、背景画像として「特殊背景」を表示する。この特殊背景は、特殊開始デモ演出および特殊終了デモ演出における背景表示と共通するものであり、特殊連続演出中の一連の過程として共通の背景表示が行われることで、特殊連続演出の一要素としても機能する。一方、特別遊技中に保留内連荘演出Bが発生しなかった場合、すなわち、連続変動演出が実行されていない場合には、背景画像として確変演出モードと共通の「確変背景」を表示する。
装飾図柄決定手段224は、主制御基板100からの変動開始コマンドに含まれる情報(変動パターン情報、キャラクタ演出番号情報)に基づき、装飾図柄の最終的な停止図柄の組み合わせ(左図柄・中図柄・左図柄)を抽選により決定する。本例では、複数種類の装飾図柄を含む3つの図柄列が構成される。この装飾図柄は、例えば、数字又は文字からなる識別要素により形成されている。本例では、識別要素として、「1」〜「9」の数字、「S」の文字などの全10種類が設定されている。各装飾図柄は図柄列の配列に従って「1」→「2」→「3」→・・・→「8」→「9」→「S」の順序で各表示領域Z1,Z2,Z3にて巡回表示させる。
また、装飾図柄決定手段224は、装飾図柄の停止図柄の組合せ(「停止図柄パターン」ともいう)を抽選で決定する際に参照される複数種の停止図柄パターンテーブルを保持している。この複数種のテーブルとしては、大当り用の停止図柄パターンテーブル、小当り用の停止図柄パターンテーブル、リーチはずれ用の停止図柄パターンテーブル、非リーチはずれ用の停止図柄パターンテーブルなどがある。装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組み合わせとして形成され、「大当りを示す停止図柄(大当り図柄)」と、「はずれを示す停止図柄(はずれ図柄)」とを含む。特定大当り(確変大当り)を示す大当り図柄は、同一の奇数数字の図柄が3つ揃った停止態様の組合せ(例えば「7・7・7」)となる。通常大当り(非確変大当り)を示す大当り図柄は、同一の偶数数字の図柄が3つ揃った停止態様の組合せ(例えば、「2・2・2」)となる。はずれ図柄は、3つの図柄のうちの少なくとも1つが他の数字と異なる数字の図柄となる停止態様の組合せ(例えば「1・3・8」)となる。ここで、はずれ図柄のうちリーチはずれ図柄は、左図柄と右図柄とが
一致している状態で中図柄のみが前後に数コマずれた停止態様の組合せ(例えば「3・1・3」)となる。なお、「小当りを示す停止図柄(小当り図柄)」や、大当り図柄であっても2R大当り図柄などの場合は、例えば「3・5・7」のような所定の停止態様の組み合わせとなる場合がある。なお、本実施形態では、前述のように、保留内連荘を確定的に報知するための特殊の大当り図柄として「S・S・S」が設けられている。装飾図柄決定手段224は、保留内連荘演出Aを実行することが決定された場合に、連荘演出パターンPA2が選択されているときは、通常の大当り図柄(「3・3・3」など)を、特殊の大当り図柄(「S・S・S」)に差し替える。
変動演出決定手段225は、主制御基板100からの変動開始コマンドに含まれる情報(変動パターン情報)に基づき、装飾図柄の変動表示における変動開始から停止までの変動過程(演出過程)を規定した変動演出パターンを決定する。本実施形態では、リーチ表示後に行われる図柄変動演出(リーチ演出)として、演出内容が単純なリーチ演出(ノーマルリーチ演出)と、演出内容が途中で発展するリーチ演出(スーパーリーチ演出)とが含まれる。変動演出決定手段225は、変動演出パターンを選択する際に参照される複数種の変動演出パターンテーブルを保持しており、これら複数種の変動演出パターンテーブルの中から特別図柄の変動パターン(変動時間)に対応した変動演出パターンテーブルを選択するようになっている。変動演出パターンテーブルでは、特別図柄の変動パターン抽選の結果(すなわち、リーチ種別)に応じて、変動演出パターン乱数値と変動演出パターンとが対応付けられている。ここで、主制御基板100側では変動パターンとして図柄変動の基本パターン(例えば、「ノーマルリーチA」、「スーパーリーチA」など)が定まるのに対して、演出制御基板200側では変動演出パターンとして当該基本パターンを基に演出表示過程のシナリオを詳細に規定した図柄変動の詳細パターン(例えば、「ノーマルリーチA1,A2,A3…」、「スーパーリーチA1,A2,A3…」など)が定まる。このように装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち、装飾図柄の変動開始から変動終了までの一連の演出表示過程のシナリオが定義されており、当該表示過程中の各段階において予告演出を発生させるタイミングなどもタイムスケジュールとして規定されている。なお、装飾図柄を停止させるための停止順序は、変動演出パターン毎に予め定められており、本実施形態では原則として、左図柄→右図柄→中図柄の順に停止させる。但し、変動時間の短い変動演出パターンである場合には、左図柄・中図柄・右図柄をほぼ同時に停止させ、特定の変動演出パターンである場合には、左図柄→中図柄→右図柄の順に停止させることもできる。このとき、上記原則の停止順序(左図柄→右図柄→中図柄)でない場合は、大当り期待度が相対的に高くなる傾向となる。
予告演出決定手段226は、上述した変動演出パターンのシナリオに沿って装飾図柄の変動過程の各段階で実行される予告演出の内容を規定した予告演出パターンを決定する。予告演出パターンには、特定のキャラクタの画像、アニメーションなどを一時的又は段階的に画像表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターン、可動役物を動作させる演出パターン等が含まれる。予告演出は、装飾図柄の変動表示と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する大当り信頼度が高いことを予告的に示唆するものである。予告演出には、装飾図柄の変動過程においてリーチ状態が発生する前(リーチ発生時を含む)に実行される予告演出と、リーチ状態が発生した後に実行される予告演出とがある。予告演出はそれぞれ大当り信頼度が異なるものとなっており、基本的には、リーチ発生前に表示される予告演出よりも、リーチ発生後に表示される予告演出の方が相対的に大当り信頼度は高くなっている。予告演出決定手段226は、予告演出パターンを選択する際に参照される予告演出パターンテーブルを予告演出の種類別に保持しており、変動演出パターンのシナリオに沿って発生する予告演出の種類に応じた予告演出パターンテーブルを選択するようになっている。予告演出決定手段226は、上記で選択された予告演出パターンテーブルを参照して、演出抽選乱数発生手段210から取得した予告演出パターン乱数値に基づき、抽選によって、複数種の予告演出パターンの中からいずれかを
選択する。なお、具体的な予告演出パターンの種類としては、コメント予告演出パターン、背景予告演出パターン、SU(ステップアップ)予告演出パターン、群予告演出パターン、カットイン予告演出パターン、役物可動予告演出パターン、などが用意されている。この予告演出は、基本的には、演出表示装置70での装飾図柄の変動表示に、1又は複数の予告演出の表示を合成することによって行われる。そのため、同一の変動演出パターンによる装飾図柄の変動表示であっても、1又は複数の予告演出との組み合わせによって多彩な演出態様を発生させることが可能となる。
大当り演出決定手段227は、特別遊技中であることを報知する大当り演出の内容(大当り演出パターン)を決定する。大当り演出は、特別遊技の開始を報知する開始デモ演出と、ラウンド遊技中であることを報知するラウンド演出と、特別遊技の終了を報知する終了デモ演出とを含む。大当り演出決定手段227は、主制御基板100から大当り開始デモコマンドを受信した場合、サブメイン情報記憶手段260に格納された大当り種別の情報などに基づき、大当り演出パターン(開始デモ演出パターン、ラウンド演出パターン、終了デモ演出パターン)を決定する。この大当り演出パターンには、大当り種別に応じて、大当り開始デモ演出時間とラウンド演出時間(大入賞口64,65の開放パターンに応じた演出時間)と大当り終了デモ演出時間とが設定されるとともに、その時間軸に沿って一連の演出内容が設定されている。また、大当り演出決定手段227は、大当り演出パターンに従って、主制御基板100から大当り開始デモコマンドを受信したことを契機として開始デモ演出を実行し、ラウンド演出指定コマンドを受信したことを契機として各ラウンド演出を実行し、大当り終了デモコマンドを受信したことを契機として終了デモ演出を実行する。
ここで、通常の大当り開始デモ演出では、例えば画面上に「大当り開始」の文字が表示されて、特別遊技の開始が告げられる。また、通常のラウンド演出では、例えば画面上の現在実行中のラウンド数や獲得賞球数が表示されるとともに、特別遊技を盛り上げる各種画像(アニメーション画像など)が表示される。そして、通常の大当り終了デモ演出では、例えば画面上に「大当り終了」の文字が表示されて、特別遊技の終了が告げられる。
なお、特殊連続演出が実行される場合には、先の大当りにおける終了デモ演出を通常の演出内容から特殊の演出内容(特殊変動演出と一体性をもたせる演出内容)に差し替えるとともに、大当り終了の文字を表示しない。また、特別連続演出が実行される場合には、後の大当りにおける開始デモ演出を通常の演出内容から特殊の演出内容(特殊変動演出と一体性をもたせる演出内容)に差し替えるとともに、大当り開始の文字を表示しない。さらに、特殊連続演出が実行される場合には、後の特別遊技におけるラウンド演出にて、後の特別遊技の実行ラウンド数に、先の特別遊技のラウンド数を上乗せしたかたちで報知するとともに、後の特別遊技の賞球獲得数に、先の特別遊技の賞球獲得数を上乗せしたかたちで報知する擬似カウント演出が行われる。また、大当り演出決定手段227は、特別遊技中の大当り演出として昇格演出(昇格成功演出、昇格失敗演出)を実行する(詳細後述)。
以上、演出統括手段220は、前記決定された演出内容(先読み演出パターン、連荘演出パターン、変動演出パターン、予告演出パターン、停止図柄パターン、大当り演出パターンなど)に基づき画像および音響に関する画像制御コマンドを生成して、これをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納する。
ランプ演出制御手段230は、演出統括手段220にて設定された演出内容に従って演出ランプの点灯や発光色等を制御する。ランプ演出制御手段230は、演出ランプLP(枠ランプ10、盤ランプ25)を点灯制御するための複数種のランプデータ(ランプパターンデータ)を保持しており、前記決定した演出パターンに応じたランプデータを読み出
して、このランプ制御信号(ランプデータ)をランプ接続基板91へ送信する。
役物演出制御手段240は、演出統括手段220にて設定された演出内容に従って各可動役物24の駆動を制御する。役物演出制御手段240は、可動役物24を駆動制御するための複数種の駆動データを保持しており、前記決定した演出パターンに応じた駆動制御信号(駆動データ)をモータドライバ92へ送信する。
エラー演出制御手段250は、主制御基板100からエラー演出指定コマンドを受信した場合にエラー演出パターンを決定し、遊技機にエラー状態が発生したことを当該エラー演出パターンに従って報知するように構成されている。
サブメイン情報記憶手段260は、装飾図柄の情報、変動演出パターンの情報、予告演出パターンの情報、制御コマンドの情報等を一時記憶するように構成されており、各情報を記憶するための所定の記憶領域を備えている。例えば、コマンド格納領域には、主制御基板100からの演出制御コマンドを格納するための演出制御コマンドバッファ、画像制御基板300への画像制御コマンドを格納するための画像制御コマンドバッファ、画像制御基板300からのACKコマンドを格納するためのACKコマンドバッファを含む。各コマンドバッファはそれぞれリングバッファから構成されており、所定数の演出制御コマンド、画像制御コマンド、ACKコマンドをそれぞれ格納可能である。
コマンド送受信手段270は、主制御基板100から送信された演出制御コマンドを受信し、この演出制御コマンドを演出制御コマンドバッファに格納するように構成されている。コマンド送受信手段270は、主制御基板100からの前述のストローブ信号の入力に基づき割込みを発生させて演出制御コマンドの受信割込み処理(詳細後述)を実行し、この割込み処理において各種の演出制御コマンドを取得するようになっている。なお、コマンド送受信手段270は、ストローブ信号を受信した場合には、この演出制御コマンドの受信割込み処理を他の割込み処理(後述する優先レベル7未満の割込み処理)よりも優先的に行うようになっている。
また、コマンド送受信手段270は、演出統括手段220にて設定された演出内容(変動演出パターン情報、予告演出パターン情報、装飾図柄情報など)の実行を指示すべく、サブメイン情報記憶手段260に格納された画像制御コマンドをシリアル通信方式にて画像制御基板300へ送信する。画像制御コマンドは、原則として、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域にセットされた順番に従って所定の周期(本例では500μs)毎に送信される。これにより、画像制御基板300は、演出制御基板200から送信された各種の画像制御コマンドを解析し、変動演出パターンのシナリオに沿って演出表示装置70に装飾図柄を含む演出画像を変動表示させるとともに、変動表示過程の各段階で図柄変動の演出に重畳させたかたちで予告演出を表示させる。さらに、コマンド送受信手段270は、画像制御基板300から送信されたACKコマンドを受信し、このACKコマンドをACKコマンドバッファに格納するようになっている。
<主制御基板側の処理>
次に、図10〜図24のフローチャートを参照しながら、主制御基板100における動作処理の手順について説明する。主制御基板100側の処理は、主制御側メイン処理と、主制御側タイマ割込み処理と、を含んで構成される。
《主制御側メイン処理》
図10〜図11は主制御基板100の主制御側メイン処理を示すフローチャートである。この主制御側メイン処理では、電源投入時のリセットによりメインCPU101のセキュリティチェックが行われた後、プログラムがスタートして、S1以降の処理が開始され
る。
まず、電源投入時に必要な初期設定として、スタックポインタにスタック領域の初期値として先頭アドレスを設定するとともに(S1)、RAM103のアクセス許可を行う(S2)。続いて、タイマ割込みが発生した場合に処理するプログラムの先頭アドレスが格納されたベクタテーブルを設定し(S3)、メインCPU101の内蔵レジスタに初期値を設定する(S4)。
続いて、RAMクリアスイッチがオンされているか否かを判定する(S5)。RAMクリアスイッチがオンされている場合(S5:YES)には、後述するS9でRAM103の全領域がゼロクリアされる。他方、RAMクリアスイッチがオンされていない場合(S5:NO)には、電源断情報フラグの値を読み込んで、電源断正常の情報が保存されているか否かを判定する(S6)。
ここで、電源断正常の情報が保存されている場合(S6:YES)には、RAM103の所定領域を対象としてチェックサムを算出する(S7)。そして、このチェックサムが0であるか否か、すなわち、チェックサムが正常であるか否かを判定する(S8)。なお、ここで算出される電源投入時のチェックサムには、後述の電源断時処理で算出されるチェックサムの補数が含まれているため、正常にバックアップされていれば、電源投入時のチェックサムは「0」となる。このように、電源断前にRAM103に記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源投入時に判断する。このとき、チェックサムが正常である場合(S8:YES)には、電源断前の状態に復帰すべく、後述するS12に移行する。他方、チェックサムが異常である場合に(S8:NO)には、RAM103の全領域をゼロクリアする(S9)。次に、RAM103に電源投入時の初期化データを設定する(S10)。続いて、演出表示装置70の初期化、演出ランプLPの初期化などを行うため、演出制御基板200への演出制御コマンド(「演出初期コマンド」)を要求する(S11)。
次に、電源断復帰設定処理において、RAM103における、電源投入正常情報の設定、各種エラーの初期設定、払出制御基板400との通信初期設定を順に行う(S12)。ここで、電源投入正常情報の設定としては、電源投入が正しく行われたことを保存するため、電源断情報フラグに電源投入正常データを格納するとともに、電源断発生の情報を初期化するため、電源断確認フラグをオフにする。次に、データ転送元アドレス、データ転送先アドレス、転送バイト数、をセットして、転送バイト数分のデータを転送する(S13)。そして、電源断時における特別図柄遊技ステイタスの値を読み込んで、特別図柄遊技に係る電源断復帰処理を行う(S14)。
続いて、主制御基板100と演出制御基板200との電源断復帰時の演出制御コマンド(「電源断復帰コマンド」)の送信要求を行う(S15)。この電源断復帰コマンドには、通信線の検査、特別図柄の作動状態、確率変動回数、時短回数、入球容易状態回数、変動パターン選択状態、エラー状態に関する情報が含まれている。なお、電源断前の未送信分のコマンド要求はクリアされる。次に、図柄記憶数コマンド要求処理において、電源断時の第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を読み込み、この作動保留球数の情報を含む演出制御コマンドを要求する(S16)。
続いて、普通電動役物622を電源断前の状態(例えば、第2始動口62を開放状態)に戻すための復帰設定を行う(S17)。さらに、特別電動役物642を電源断前の状態(例えば、大入賞口64を開放状態)に戻すための復帰設定を行う(S18)。続いて、特別図柄モードフラグの値を読み込み、電源断時における特別図柄の確率変動機能の作動状態を設定する(S19)。なお、特別図柄モードフラグとは、特別図柄遊技の作動確率
(高確率又は低確率)を設定するためのフラグである。次いで、タイマ割込みを起動させるため、主制御マイコン110のCTC回路の初期設定として、所定のカウント値を設定して、タイマ割込みを4ms毎に発生させる(S20)。続いて、タイマ割込み処理の発生を禁止すべく割込み禁止を設定する(S21)。そして、ウォッチドッグタイマのリスタート準備として、クリアワード1(「55H」)を設定する(S22)。
次に、電源断の発生を判定するため、電源断確認フラグの値を読み込み、電源断が発生しているか否かを判定する(S23)。電源断が発生していない場合には、初期値乱数更新処理を実行する(S24)。この初期値乱数更新処理では、この初期値乱数更新処理では、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数および特別図柄当り図柄初期値乱数を更新する。具体的には、各カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。
次に、タイマ割込み処理の発生を許可すべく割込み許可を設定して(S25)、上述の割込みを禁止する処理(S21)に戻り、S21〜S25のループ処理を繰り返し実行する。ここで、タイマ割込み処理は所定の周期ごとに定期的に実行されるが、前回の割込み処理が完了してから次回の割込み処理が発生するまでの間の残余時間を利用して、S21〜S25までの処理を繰り返す。そして、割込み禁止状態において割込み要求があった場合には、S25で割込み許可となったときにタイマ割込み処理が起動することとなる。他方、S23で電源断確認フラグがオンとなっている場合、すなわち、電源断が発生している場合には、S26に移行して、次述する電源断時処理を実行する。
次に、電源断時処理(S26〜S32)として、まず、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、クリアワード2(「AAH」)を設定する(S26)。次に、電源断情報フラグの内容が電源投入正常データであるか否かを判定する(S27)。電源投入正常情報である場合(S27:Yes)には、電源断情報フラグに電源断正常データを設定する(S28)。他方、電源投入正常情報でない場合(S27:No)には、電源断情報フラグに電源断異常データを設定して(S29)、S32に移行する。
次に、RAM103の所定領域(チェックサム領域を除く)に対してチェックサムを算出する(S30)。そして、チェックサムデータに対する補数を算出し、この補数の結果値をRAM103のチェックサム領域に設定する(S31)。続いて、RAM103のアクセス禁止設定をして(S32)、電源が落ちるまで処理をループする。
《主制御側タイマ割込み処理》
次に、主制御基板100の主制御側タイマ割込み処理を説明する。図12は、主制御基板100のタイマ割込み処理を示すフローチャートである。このタイマ割込み処理は、遊技制御マイコン110のCTC回路からの一定時間(例えば4ms)毎のクロックパルスにより起動され、上述の主制御側メイン処理に割り込むかたちで実行される。なお、以下で使用する用語として、「条件装置」および「役物連続作動装置」という用語は概念上の制御機器を意味しており、「条件装置」とは、特別図柄遊技で大当りが発生した場合に作動するものであり、「役物連続作動装置」とは、特別電動役物642を連続して複数回作動させることができるものである。
まず、このタイマ割込みが発生すると、メインCPU101内のレジスタの内容をRAM103のスタック領域に退避させた後、割込み動作条件を設定する(S51)。
次に、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、クリアワード2(「AAH」)を設定する(S52)。このとき、予め設定されたタイムアウト時間内に、CPU101のWDTクリアレジスタに、クリアワード1、クリアワード2が順に書き込まれることで
、ウォッチドッグタイマがクリアされてリスタートされる。すなわち、メインCPU101がプログラムを正常に実行しているときは、定期的にクリアワード1,2が設定されることにより、ウォッチドッグタイマがタイムアウトする前にクリアおよびリスタートされることとなる。他方、ウォッチドッグタイマがタイムアウトすると、ユーザリセットが発生する。
次に、入力処理を実行する(S53)。この入力処理では、主制御基板100に接続されている各種スイッチとして、RAMクリアスイッチ以外のスイッチの情報が読み込まれる。すなわち、第1始動口スイッチ611、第2始動口スイッチ621、作動ゲートスイッチ631、大入賞口スイッチ641、扉開放スイッチ、枠開放スイッチ、裏セット開放スイッチ、磁気センサ、電波センサ、などの入力情報を読み込み、それらの状態判定を行ったうえで、これらの検出情報を格納する。
次に、各種乱数更新処理を実行する(S54)。この各種乱数更新処理では、普通図柄変動パターン乱数および特別図柄変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数については、乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。他方、特別図柄変動パターン乱数については、前回の乱数から所定値(例えば3511)を減算する。なお、減算した結果が0未満の場合には、減算した結果に所定値(例えば50000)を加算する。
次に、初期値更新型乱数更新処理を実行する(S55)。この初期値更新型乱数更新処理では、普通図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数および特別図柄当り図柄乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。また、カウンタの数値が1周した場合には、対応する初期値乱数の値を初期値として設定する。
次に、初期値乱数更新処理を実行する(S56)。この初期値乱数更新処理では、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数および特別図柄当り図柄初期値乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。
次に、タイマ減算処理を実行する(S57)。このタイマ減算処理では、ぱちんこ遊技機PMの遊技動作制御に用いる各種タイマの値を減算更新する。例えば、各種タイマの値を割込み周期(本例では4ms)ずつ減算する。なお、各種タイマには、特別図柄表示装置71,72に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマ、などが含まれる。
次に、第2始動口有効期間設定処理を実行する(S58)。この第2始動口有効期間設定処理では、第2始動口62の入賞有効期間および入賞無効期間を判定し、この判定結果として、第2始動口62の有効期間データ又は無効期間データを設定する。
次に、入賞監視処理を実行する(S59)。この入賞監視処理では、前記入力処理(S53)での第1始動口スイッチ611、第2始動口スイッチ621、作動ゲートスイッチ631、第1大入賞口スイッチ641、第2大入賞口スイッチ651の検出情報に基づき、遊技球のスイッチ通過検査を行い、その結果、遊技球が各スイッチを通過したと判断した場合、遊技球が各スイッチを通過したことを示す情報を含む演出制御コマンドの送信要求、などを行う。
次に、賞球制御処理を実行する(S60)。この賞球制御処理では、入賞の種別に対応する賞球個数の指示をすべく払出制御コマンドを払出制御基板400へ送信するとともに
、払出制御基板400からの受信データを監視して払出制御基板400との通信検査を行う。
次に、普通図柄作動ゲート監視処理を実行する(S61)。この普通図柄作動ゲート監視処理では、遊技球の作動ゲート63への通過を監視し、作動ゲート63を通過していると判断した場合、普通図柄抽選に係る乱数を作動保留球情報として取得して、最大4個を限度として作動保留球数の更新を行うとともに、普通図柄抽選に係る乱数の記憶を行う。
次に、普通図柄制御処理を実行する(S62)。この普通図柄制御処理では、普通図柄表示装置75又は普通電動役物622に係る一連の処理を行うため、普通図柄遊技ステイタスの値に応じて、普通図柄変動中処理、普通図柄停止図柄表示中処理、普通電動役物作動中処理、普通電動役物作動終了デモ中処理、などを実行する。なお、普通図柄変動中処理では、普通図柄を変動表示又は確定表示させるべく、普通図柄の表示パターン番号データを作成(更新)する。
次に、普通図柄変動開始監視処理を実行する(S63)。この普通図柄変動開始監視処理では、普通図柄の作動状態を監視して、普通図柄の変動開始条件を充足していると判断したとき、普通図柄作動保留球数を1個消化して、普通図柄の当否判定、図柄の判定、変動パターンの判定、変動時間の設定、などを順に行う。
次に、始動口監視制御処理を実行する(S64)。この始動口監視制御処理では、遊技球の第1始動口61および第2始動口62への入賞を監視して、遊技球の入賞があった場合、保留球数の更新、特別図柄抽選に係る乱数記憶、先読み予告演出判定、図柄記憶数のコマンド要求、などを順に行う。
次に、特別図柄制御処理を実行する(S65)。この特別図柄制御処理では、特別図柄表示装置71,72に係る一連の処理として、特別図柄遊技ステイタスの値に応じて、詳細後述する特別図柄変動開始処理(S420)、特別図柄変動中処理(S430)、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)、などを実行する。
次に、特別電動役物制御処理を実行する(S66)。この処理では、特別図柄の抽選結果が「大当り」又は「小当り」となった場合に、特別電動役物642に係る動作処理として、特別電動役物642の作動開始および作動終了の設定、大入賞口64の開放時間および開放回数の更新、確率変動機能の作動開始設定、変動時間短縮機能の作動開始設定、変動パターン選択状態の設定、などを順に実行する。
次に、大入賞口有効期間設定処理を実行する(S67)。この大入賞口有効期間設定処理では、大入賞口64の入賞有効期間および入賞無効期間を判定し、この判定結果として大入賞口64の有効期間データ又は無効期間データを設定する。
次に、特別図柄変動開始監視制御処理を実行する(S68)。この特別図柄変動開始監視制御処理では、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球が存在する場合、保留球数を1個消化して、図柄記憶数のコマンド要求、特別図柄の当否判定、特別図柄の図柄判定、確率変動機能の判定、時間短縮機能の判定、特別電動役物の作動パターンの設定、デモ演出時間の設定、などを順に行う。
次に、異常検知処理を実行する(S69)。この異常検知処理では、前記入力処理(S53)での入力情報に基づき、磁気センサによる磁気検知信号、断線短絡電源異常信号、電波センサによる電波検知信号、扉・枠開放信号などを順に検査して、遊技機がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態である場合には、演出制御基板200にエラー表
示を要求すべく、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)を生成する。
次に、入球通過時間異常検出処理を実行する(S70)。この入球通過時間異常検出処理では、入賞検出スイッチのオン信号が連続して所定時間以上検出された場合に、入球通過時間異常を設定して、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)の要求を行うとともに、外部端子へ出力するためのセキュリティ信号の出力要求を行う。
次に、遊技状態表示処理を実行する(S71)。この遊技状態表示処理では、特別電動役物642が連続して作動する回数(規定ラウンド数)、普通図柄および特別図柄の作動保留球数、などの表示データを作成する。また、前記の異常検知処理で検出したエラー状態の情報を主制御基板100の状態表示灯に表示させるための表示データを作成する。
次に、LED出力処理を実行する(S73)。このLED出力処理では、特別図柄および普通図柄の表示、保留球数の表示、特別電動役物が連続して作動する回数、エラーの表示などを行うべく、前記の特別図柄制御処理(S65)、異常検知処理(S69)、遊技状態表示処理(S71)等で作成された表示データを、各特別図柄表示装置71,72、普通図柄表示装置75、各特図保留ランプ73,74、普図保留ランプ76、主制御基板100の状態表示灯などに出力するとともに、これら各種表示装置における表示の初期化を行う。
次に、発射制御信号出力処理を実行する(S73)。この発射制御信号出力処理では、払出制御基板400との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されていない場合に、払出制御基板400に対して発射許可の信号を出力し、遊技球の発射を許可する。他方、払出制御基板400との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されたいる場合には、払出制御基板400に対して発射禁止の信号を出力し、遊技球の発射を禁止する。
次に、ソレノイド出力処理を実行する(S74)このソレノイド出力処理では、各電動役物622,642を作動させるべく、前記の普通図柄制御処理(S62)および特別電動役物制御処理(S66)において取得した制御データに基づき、各電動役物ソレノイド623,643に対して励磁信号を出力する。
次に、演出制御コマンド送信処理を実行する(S75)。この演出制御コマンド送信処理では、前記の処理でメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域(リングバッファ)に格納された演出制御コマンドの中から、ポインタで指定された演出制御コマンドを読み出して、この演出制御コマンドを演出制御基板200に対して送信する。
次に、外部情報出力処理を実行する(S76)。この外部情報出力処理では、外部端子板を介して、遊技機の動作状態情報を外部情報としてホールコンピュータ等の外部装置に出力する。
次に、退避していたレジスタの内容を復帰させて、メインCPU101を割込み許可状態に設定する(S77)。これにより、主制御側タイマ割込み処理を終了して上記主制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで主制御側メイン処理を実行する。
なお、主制御側メイン処理中又は割込み処理中に、主制御基板100が電源断(所定の閾値に基づき供給電圧の低下)を検出すると、ノンマスカブル割込みを発生させて、電源断確認フラグをオンにする。そして、元の処理に戻ったうえで、前述の電源断時処理(S26〜S32)を実行することとなる。
≪特別図柄遊技処理≫
次に、主制御側タイマ割込み処理内の特別図柄遊技に係る一連の処理について説明する。特別図柄遊技に係る処理には、前述の始動口監視制御処理(S64)、特別図柄制御処理(S65)、特別電動役物制御処理(S66)、特別図柄変動開始監視制御処理(S68)、などが該当する。
(始動口監視制御処理)
始めに、始動口監視制御処理(S64)について説明する。図13は、始動口監視制御処理(S64)の詳細を示すフローチャートである。
まず、第1始動口61への遊技の入賞を検出したか否かを判定する(S201)。第1始動口61への入賞を検出した場合(S201:YES)には、第1特別図柄の作動保留球数が上限数の4未満であるか否かを判定する(S202)。
第1特別図柄の作動保留球数が4未満である場合(S202:YES)には、第1特別図柄遊技に係る抽選乱数値として、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値、を取得して、各乱数値を入球順に応じて、メイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域(保留n記憶領域)に格納する(S203)。そして、第1特別図柄の作動保留球数の更新として、第1特別図柄保留球数カウンタの値を1加算して(S204)、第1始動口61の入賞チェックを終了する。
続いて、第2始動口62への遊技の入賞を検出したか否かを判定する(S205)。第2始動口62への入賞を検出した場合(S205:YES)には、第2特別図柄の作動保留球数が上限数の4未満であるか否かを判定する(S206)。第2特別図柄の作動保留球数が4未満である場合(S206:YES)には、第2特別図柄遊技に係る抽選乱数値として、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値、を取得して、各乱数値を入球順に応じて、メイン情報記憶手段180の第2特別図柄保留格納領域(保留n記憶領域)に格納する(S207)。そして、第2特別図柄の作動保留球数の更新として、第2特別図柄保留球数カウンタの値を1加算して(S208)、第2始動口62の入賞チェックを終了する。
続いて、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数の更新があったか否か、すなわち、S204又はS208にて第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が加算されたか否かを判定する(S209)。作動保留球数の更新があった場合(S209:YES)には、第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を含む図柄記憶数コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S210)。
次いで、遊技機の状態を確認し、事前判定タイミングであるか否かを判定する(S211)。事前判定タイミングである場合(S211:YES)には、保留n記憶領域の当り乱数バッファから特別図柄当り乱数値を読み出して、当否事前判定を行う(S212)。そして、この事前判定結果の情報(当否事前判定番号)を含む当否事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S213)。
また、保留n記憶領域の当り図柄乱数バッファから特別図柄当り図柄乱数値を読み出して、図柄事前判定を行う(S214)。そして、この事前判定結果の情報(図柄事前判定番号)を含む図柄事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S215)。さらに、保留n記憶領域の変動パターン乱数バッファから特別図柄変動パターン乱数値を読み出して、変動パターン事前判定を行う(S21
6)。そして、この事前判定結果の情報(変動パターン事前判定番号)を含む変動パターン事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S217)。
(特別図柄変動開始監視制御処理)
次に、特別図柄変動開始監視制御処理(S68)について説明する。図14は特別図柄変動開始監視制御処理(S68)の詳細を示すフローチャートである。
この特別図柄変動監視監視制御処理(S68)では、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、変動開始条件を充足している方の特別図柄側に対して、後述の特別図柄変動開始監視処理(S310)を実行する。なお、第1特別図柄および第2特別図柄の双方が変動開始条件を充足している場合には、前述したように、第2特別図柄側の処理が優先的に実行される。
まず、大当り中又は小当り中であるか否かを判定する(S301)。続いて、第1特別図柄および第2特別図柄の双方が変動待機中であるか、すなわち、第1特別図柄遊技ステイタスおよび第2特別図柄遊技ステイタスが共に「00H(変動待機中)」であるか否かを判定する(S302)。
続いて、第2特別図柄の作動保留球数が「0」であるか否かを判定して(S303)、当該保留球数が「0」でない場合(S303:NO)には、第2特別図柄の変動開始条件が成立しているとみなし、第2特別図柄変動開始監視テーブルのアドレス(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定したうえで(S304)、第2特別図柄側の特別図柄変動開始監視処理(S310)に移行する。すなわち、本実施形態では、第2特別図柄の作動保留球が存在する場合には、第1特別図柄の作動保留球の存在の有無に拘わらず、第2特別図柄の作動保留球が優先的に消化されるようになっている。この特別図柄変動開始監視処理(S310)の詳細は図15を用いて後述する。
他方、第2特別図柄の作動保留球数が「0」である場合(S303:YES)には、第1特別図柄の作動保留球数が「0」であるか否かを判定する(S305)。ここで、当該保留球数が「0」でない場合(S305:NO)には、第1特別図柄の変動開始条件が成立しているとみなし、第1特別図柄変動開始監視テーブルのアドレス(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定したうえで(S306)、第1特別図柄側の特別図柄変動開始監視処理(S310)に移行する。
なお、第1特別図柄および第2特別図柄の変動開始条件が共に成立していない場合(S301:YES,S302:NO,S305:YES)には、特別図柄変動開始監視処理(S310)をスキップする。
(特別図柄変動開始監視処理)
次に、特別図柄変動開始監視処理(S310)について説明する。図15は、特別図柄変動開始監視処理(S310)の詳細を示すフローチャートである。
この特別図柄変動開始監視処理(S310)では、上述のS304又はS306で設定された第1特別図柄変動開始監視テーブル又は第2特別図柄変動開始監視テーブルを参照して、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の処理が実行されることとなるが、第1特別図柄側と第2特別図柄側とで処理の仕方は共通するので、特段の場合を除き、第1特別図柄側の処理であるのか、第2特別図柄側の処理であるのかを区別せずに一纏めにして説明する。
まず、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の作動保留球数を1減算する(S311)。そして、減算後の第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を含む図柄記憶数コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S312)。続いて、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の特別図柄保留格納領域にアクセスして、最先の保留記憶領域(保留1記憶領域)に格納された特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を順に読み出し、これらの乱数値を、後述の特別図柄当否判定処理(S320)、図柄判定処理(S330)、変動パターン選択処理(S423)に使用するため、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域、特別図柄図柄判定領域、特別図柄変動パターン判定領域に転送する(S313)。また、保留記憶領域の更新として、保留2記憶領域〜保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の保留記憶領域にシフトするとともに、保留4記憶領域をゼロクリアする(S314)。
続いて、特別図柄当否判定処理を実行する(S320)。特別図柄当否判定処理(S320)では、まず、特別図柄当否抽選テーブルを取得する。このとき、遊技状態が特別図柄確変状態である場合は高確率の当否抽選テーブルを取得し、遊技状態が通常状態である場合は低確率の当否抽選テーブルを取得する。次いで、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域から特別図柄当り乱数値を読み出す。そして、特別図柄当否抽選テーブルを参照して、特別図柄当り乱数値に基づき、特別図柄の当否判定を実行する。また、この当否判定結果に対応した値(大当りデータ「55H」、小当りデータ「33H」、はずれデータ「00H」)をメイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに格納する。
続いて、図柄判定処理を実行する(S330)。図柄判定処理(S330)では、当否判定の結果に応じて、特別図柄の停止図柄、図柄群の種類、キャラクタ演出番号(変動付加図柄情報)を決定する。そして、今回決定した特別図柄の停止図柄、図柄群の種類、キャラクタ演出番号をメイン情報記憶手段180の図柄格納領域に格納する。なお、キャラクタ演出番号は、決定された図柄群の種類(図柄群A〜Gの7パターン)と、特別図柄および普通図柄の確率変動機能の作動状態(特別図柄の確変オン/特別図柄の確変オフ/普通図柄の確変オン/普通図柄の確変オフの4パターン)との組み合わせに基づき、計28パターンなかのいずれかが決定される。なお、当否判定の結果がはずれの場合には、キャラクタ演出番号「0」が決定される。
続いて、当否判定の結果が小当りに該当するか否かを判定するとともに(S341)、当否判定の結果が大当りに該当するか否かを判定する(S342)。当否判定の結果が小当りである場合(S341:YES)は、S347に移行し、当否判定の結果がはずれである場合(S341:NO,S342:NO)は、S349に移行する。
他方、当否判定の結果が大当りである場合(S341:NO,S342:YES)には、S330で決定された図柄群の種類(大当り種別)に基づき、特別遊技後の遊技状態として、特別図柄の確率変動機能を作動させるか否かを判定する(S343)。すなわち、図柄群の種類(大当り種別)が、特定図柄を示すものである場合には確率変動機能を付与することを決定し、図柄群の種類が通常図柄を示すものである場合には確率変動機能を付与しないことを決定する。この判定結果は、メイン情報記憶手段180の確率変動判定フラグに記憶される。
また、S330で決定された図柄群の種類(大当り種別)に基づき、特別遊技後の遊技状態として、変動時間短縮機能の作動回数を決定するとともに(S344)、電チューサポート機能の作動回数を決定する(S345)。この判定結果(変動時間短縮機能の作動回数情報、電チューサポート機能の作動回数情報)は、メイン情報記憶手段180の時短
回数格納領域および入球容易状態回数格納領域に記憶される。
続いて、S330で決定された図柄群の種類(大当り種別)に基づき、特別電動役物642の作動パターンを設定する(S346)。具体的には、特別電動役物642の作動パターンとして、ラウンド遊技の規定ラウンド数(本例では、16ラウンド、8ラウンド、2ラウンド)、大入賞口64の最大開放時間(本例では、30秒、0.05秒)などを設定する。
次いで、S330で決定された図柄群の種類と現在の遊技状態とに基づき、特別遊技終了後又は小当り遊技後の変動パターン選択状態を設定する(S347)。続いて、S330で決定された図柄群の種類に基づき、特別遊技又は小当り遊技のデモ演出時間(当り開始デモ時間および当り終了デモ時間)を設定する(S348)。次いで、前述の特別図柄当否判定処理(S320)および図柄判定処理(S330)で使用したメイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域および特別図柄図柄判定領域をクリアする(S349)。そして、今回の変動対象となる特別図柄側の特別図柄遊技ステイタスを「00H(待機中)」から「01H(変動開始)」に遷移する(S350)。
(特別図柄制御処理)
次に、特別図柄制御処理(S65)について説明する。図16は、特別図柄制御処理(S65)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別電動役物642が未作動中であるか否か、すなわち、特別電動役物遊技ステイタスが「00H(当り待ち状態)」であるか否かを判定する(S401)。続いて、特別電動役物642が未作動中である場合(S401:YES)には、第2特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」でないか否かを判定する(S402)。
第2特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」でない場合(S402:YES)には、第2特別図柄に係る処理を実行するため、第2特別図柄制御テーブル(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定して(S403)、特別図柄制御汎用処理(S410)に移行する。他方、第2特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」である場合(S402:NO)には、第1特別図柄に係る処理を実行するため、第1特別図柄制御テーブル(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定して(S404)、特別図柄制御汎用処理(S410)に移行する。
なお、次述する特別図柄制御汎用処理(S410)では、上述のS403又はS404で設定された第1特別図柄制御テーブル又は第2特別図柄制御テーブルを使用して、今回の変動の対象となる特別図柄側の処理が実行されることとなるが、第1特別図柄側と第2特別図柄側とで処理の仕方は共通するので、特段の場合を除き、第1特別図柄側の処理であるのか、第2特別図柄側の処理であるのかを区別せずに一纏めにして説明する。この特別図柄制御汎用処理(S410)の詳細は図17を用いて後述する。
(特別図柄制御汎用処理)
続いて、特別図柄制御汎用処理を実行する(S410)。ここで、図17は、特別図柄制御汎用処理(S410)の詳細を示すフローチャートである。
この特別図柄制御汎用処理(S410)では、特別図柄遊技ステイタスの値(「01H」,「02H」,「03H」)に応じた処理に移行するための分岐処理(S411〜S414)を実行する。まず、今回の変動の対象となる特別図柄側の特別図柄遊技ステイタスが0でないか否かを判定する(S411)。特別図柄遊技ステイタスが「00H」でない
場合(S411:YES)には、特別図柄遊技ステイタスが「01H(変動開始)」であるか否かを判定する(S412)。特別図柄遊技ステイタスが「01H」である場合(S412:YES)には、特別図柄変動開始処理(S420)に移行する。この特別図柄変動開始処理(S420)の詳細は図18を用いて後述する。一方、S412でNOの場合には、特別図柄遊技ステイタスが「02H(変動中)」であるか否かを判定する(S413)。特別図柄遊技ステイタスが「02H」である場合(S413:YES)には、特別図柄変動中処理(S430)に移行する。この特別図柄変動中処理(S430)の詳細は図19を用いて後述する。S413でNOの場合には、特別図柄遊技ステイタスが「03H(停止図柄表示中)」であるか否かを判定する(S414)。特別図柄遊技ステイタスが「03H」である場合(S414:YES)には、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)に移行する。この特別図柄停止図柄表示中処理(S440)の詳細は図20を用いて後述する。
(特別図柄変動開始処理)
次に、特別図柄変動開始処理(S420)について説明する。図18は、特別図柄変動開始処理(S420)の詳細を示すフローチャートである。
まず、当否抽選の結果および変動パターン選択状態等に基づき、特別図柄変動パターンテーブルを取得する(S421)。続いて、メイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域から特別図柄変動パターン乱数値を読み出す(S422)。そして、特別図柄変動パターンテーブルを参照して、特別図柄変動パターン乱数値に基づき、複数種の変動パターンの中からいずれかを選択する(S423)。
次いで、今回選択された変動パターンに対応する変動時間を設定する(S424)。そして、特別図柄の変動開始の設定として、図柄表示制御手段165の特別図柄遊技タイマに変動時間を格納するとともに(S425)、演出制御基板200への変動開始コマンドを生成する(S426)。変動開始コマンドとしては、演出表示装置70における図柄変動演出を開始させるべく、変動パターン指定コマンド、図柄指定コマンドを順に生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に記憶する。
続いて、変動パターンの決定に使用したメイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域の内容をクリアする(S427)。そして、特別図柄遊技ステイタスを「01H(変動開始)」から「02H(変動中)」に遷移する(S428)。
(特別図柄変動中処理)
次に、特別図柄変動中処理(S430)について説明する。図19は、特別図柄変動中処理(S430)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別図柄の変動表示を行うため、特別図柄の表示パターン番号切替処理を実行する(S431)。この表示パターン番号切替処理(S431)では、所定の切替時間毎に、特別図柄の表示パターン番号データを生成する。この表示パターン番号データは、特別図柄を変動表示又は確定表示させるべく、LED出力処理(S73)において、第1特別図柄表示装置71又は第2特別図柄表示装置72に出力される。
次いで、特別図柄遊技タイマが「0(タイムアウト)」となったか否か、すなわち、特別図柄の変動時間が終了したか否かを判定する(S432)。特別図柄の変動時間が終了した場合(S432:YES)には、第1特別図柄表示装置71又は第2特別図柄表示装置72に確定表示すべき特別図柄の停止図柄を設定する(S433)。続いて、演出制御基板200に対して装飾図柄の確定表示を指示するための変動停止コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S434)。
次いで、特別図柄遊技タイマに確定表示時間として「500(ms)」を格納する(S435)。なお、「確定表示時間」とは、特別図柄の変動停止の際に、停止図柄を確定的に停止表示させる時間である。そして、特別図柄遊技ステイタスを「02H(変動中)」から「03H(停止図柄表示中)」に遷移する(S436)。
(特別図柄停止図柄表示中処理)
次に、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)について説明する。図20〜図21は、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別図柄遊技タイマが「0(タイムアウト)」となったか否か、すなわち、特別図柄(停止図柄)の確定表示時間が終了したか否かを判定する(S441)。ここで、特別図柄の確定表示時間が終了した場合(S441:YES)には、特別図柄遊技ステイタスを「03H(停止図柄表示中)」から「00H(待機中)」に遷移する(S442)。
続いて、メイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに格納された当否判定データが大当りデータ「55H」であるか否かを判定する(S443)。当否判定データが大当りデータである場合(S443:YES)には、特別図柄の確率変動機能の作動停止(S444)、特別図柄の変動時間短縮機能の作動停止(S445)、電チューサポート機能の作動停止(S446)、を順に行う。具体的には、特別図柄モードフラグに「00H(未作動)」を設定するとともに、時短回数カウンタおよび入球容易状態回数カウンタに「00H」を設定してゼロクリアする。
次いで、特別遊技の開始デモ設定処理として、開始デモ表示時間を設定するとともに、開始デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(大当り開始デモコマンド)を生成する(S447)。続いて、変動パターン選択状態の実行回数(変動パターン選択状態回数カウンタ)をゼロクリアする(S448)。また、特別電動役物遊技ステイタスを「00H(当り待ち状態)」から「01H(特別遊技)」に遷移する(S449)。そして、当否判定フラグの内容をクリアするため、「00H」を設定する(S450)。
他方、当否判定データが大当りデータでない場合(S443:NO)には、特別図柄の確率変動機能が作動中であるか否かを判定する(S451)。特別図柄の確率変動機能が作動中である場合(S451:YES)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の確率変動回数カウンタを1減算する(ステップS452)。続いて、確率変動回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS453)。確率変動回数カウンタがゼロである場合(S453:YES)には、特別図柄の確率変動機能の作動を停止する(S454)。減算後の確率変動回数カウンタがゼロでない場合(S453:NO)には、S454をスキップして、S455に移行する。
次いで、特別図柄の変動時間短縮機能が作動中であるか否かを判定する(S455)。特別図柄の変動時間短縮機能が作動中である場合(S455:YES)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の時短回数カウンタを1減算する(ステップS456)。続いて、時短回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS457)。時短回数カウンタがゼロである場合(S457:YES)には、特別図柄時短状態の終了回数に到達したとして、特別図柄の変動時間短縮機能の作動を停止する(S458)。減算後の時短回数カウンタがゼロでない場合(S457:NO)には、S458をスキップして、S459に移行する。
次いで、電チューサポート機能が作動中であるか否かを判定する(S459)。電チューサポート機能が作動中である場合(S459:YES)には、今回の特別図柄の変動回
数の消化分として、メイン情報記憶手段180の入球容易状態回数カウンタを1減算する(ステップS460)。続いて、入球容易状態回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS461)。入球容易状態回数カウンタがゼロである場合(S461:YES)には、入球容易状態の終了回数に到達したとして、電チューサポート機能の作動を停止する(S462)。減算後の入球容易状態回数カウンタがゼロでない場合(S461:NO)には、S462をスキップして、S463に移行する。
次いで、メイン情報記憶手段180の変動パターン選択状態回数カウンタを1減算する(S463)。そして、変動パターン選択状態を更新する(S464)。具体的には、メイン情報記憶手段180の変動パターン選択状態回数カウンタを参照し、現在の変動パターン選択状態の実行回数が予め設定された終了回数に達したか否かを判定し、終了回数に達している場合には、次に規定された変動パターン選択状態に切り替える。他方、終了回数に達していない場合には、現在の変動パターン選択状態を維持する。
次いで、前述のS451〜S464にて更新された現在の遊技状態情報および変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S465)。なお、演出制御基板200側では、この遊技状態指定コマンドの情報に基づき、演出モードの設定および更新を実行する。
続いて、特別図柄判定フラグに小当りデータ「33H」が格納されているか否かを判定する(S466)。小当りデータが格納されている場合(S466:YES)には、小当り遊技の開始デモ設定処理として、開始デモ表示時間を設定するとともに、開始デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(小当り開始デモコマンド)を生成する(S467)。続いて、特別電動役物遊技ステイタスを「00H(当り待ち状態)」から「02H(小当り遊技)」に遷移する(S468)。そして、当否判定フラグの内容をクリアするため「00H」を設定する(S469)。
他方、特別図柄判定フラグに小当りデータ「33H」が格納されていない場合(S466:NO)、すなわち、、特別図柄判定フラグにはずれデータ「00H」が格納されている場合には、S467〜S469をスキップする。なお、特別図柄判定フラグがはずれデータである場合に、当該フラグの内容をクリアする処理をしなかったのは、もともとはずれデータとして「00H」が格納されているからである。
(特別電動役物制御処理)
次に、特別電動役物制御処理(S66)について説明する。図22〜図24は、電動役物制御処理(S66)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別電動役物遊技ステイタスが「01H(特別遊技)」であるか否かを判定する(S501)。特別電動役物遊技ステイタスが「01H」である場合(S501:YES)には、以降の処理において特別遊技処理を実行する。この特別遊技処理において、まず、特別電動役物642,652が作動中であるか否かを判定する(S502)。特別電動役物642,652が作動していない場合(S502:NO)には、特別電動役物642,652の作動開始時間であるか否かを判定する(S503)。特別電動役物642,652の作動開始時間とは、各ラウンド遊技おいて特別電動役物642,652の作動を開始するタイミングである。
特別電動役物642,652の作動開始時間である場合(S503:YES)には、ラウンド演出を開始させるべく演出制御コマンド(ラウンド演出指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S504)。なお、
演出制御基板200側では、このラウンド演出指定コマンドの情報(現在のラウンド数などの情報)に基づき、特別遊技中における各ラウンド遊技に対応したラウンド演出を実行する。そして、特別電動役物642,652の作動を開始して(S505)、特別電動役物642,652の作動中の処理として、S506〜S510の処理を実行する。
特別電動役物642,652の作動中の処理として、大入賞口64,65に遊技球が最大入賞数だけ入賞したか否かを判定するとともに(S506)、特別電動役物642,652の作動時間(開放時間)が経過したか否かを判定する(S507)。このとき、大入賞口64,65に遊技球が最大入賞数だけ入賞した場合(S506:YES)又は特別電動役物642,652の作動時間が経過した場合(S507:YES)には、特別電動役物642,652の作動を停止させる(S507)。そして、特別電動役物642,652の連続作動回数が予め定められた規定ラウンド数に達したか否かを判定する(S509)。連続作動回数が規定ラウンド数に達していない場合(S509:NO)には、特別電動役物642,652の連続作動回数を1インクリメントする(S510)。
他方、特別電動役物642,652の連続作動回数が規定ラウンド数に達している場合(S509:YES)には、S511に移行して、特別遊技の当り終了デモ設定処理として、終了デモ表示時間を設定するとともに、終了デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(大当り終了デモコマンド)を生成する(S511)。
続いて、時短回数カウンタに、上記S344で設定した変動時間短縮回数情報を格納する(S512)。また、入球容易状態回数カウンタに、上記S345で設定した入球容易状態回数情報を格納する(S513)。
続いて、上記S343で設定された確率変動判定フラグの内容を参照して、条件装置の作動が特定図柄(いわゆる確変図柄)による作動であるか否かを判定する(S514)。特定図柄による条件装置の作動である場合(S514:YES)には、メイン情報記憶手段180の確率変動回数カウンタに作動時データ「7FH」を格納して、特別図柄の確率変動機能の作動を開始する(S515)。他方、特定図柄による条件装置の作動でない場合(S514:NO)には、確率変動回数カウンタに未作動時データ「00H」を格納して、S515をスキップする。
続いて、時短回数カウンタに記憶された変動時間短縮回数情報が変動時間短縮機能作動データ(「00H」以外のデータ)であるか否かを判定する(S516)。変動時間短縮機能作動データである場合(S516:YES)には、特別図柄の変動時間短縮機能の作動を開始する(S517)。他方、変動時間短縮機能作動データでない場合(S516:NO)には、S517をスキップする。
続いて、入球容易状態回数カウンタに記憶された入球容易状態回数情報が電チューサポート機能作動データ(「00H」以外のデータ)であるか否かを判定する(S518)。電チューサポート機能作動データである場合(S518:YES)には、電チューサポート機能の作動を開始させる(S519〜S521)。すなわち、普通図柄の確率変動機能の作動開始(S519)、普通図柄の変動時間短縮機能の作動開始(S520)、普通電動役物622の開放延長機能の作動開始(S521)、を順に実行する。他方、電チューサポート機能作動データでない場合には、S519〜S521をスキップする。
次いで、上記S347で決定した変動パターン選択状態に切り替える(S522)。続いて、前述のS512〜S522にて設定された特別遊技後の遊技状態情報および変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S523)。なお、演出制
御基板200側では、この遊技状態指定コマンドの情報に基づき、特別遊技後の演出モードを設定する。そして、特別電動役物遊技ステイタスを「01H(特別遊技)」から「00H(当り待ち状態)」に遷移する(S524)。
他方、特別電動役物遊技ステイタスが「01H(特別遊技)」でない場合(S501:NO)には、S530に移行して、特別電動役物遊技ステイタスが「02H(小当り遊技)」であるか否かを判定する(S530)。特別電動役物遊技ステイタスが「02H」である場合(S530:YES)には、以降の処理で小当り遊技処理を実行する。
小当り遊技処理において、まず、特別電動役物642,652が作動中であるか否かを判定する(S531)。特別電動役物642,652が作動していない場合(S531:NO)には、特別電動役物642,652の作動を開始する(S532)。他方、特別電動役物642,652が作動中である場合(S531:YES)には、S532をスキップする。
続いて、特別電動役物642,652の作動中の処理として、大入賞口64,65に遊技球が最大入賞数だけ入賞したか否かを判定するとともに(S533)、特別電動役物642,652の作動時間(開放時間)が経過したか否かを判定する(S534)。このとき、大入賞口64,65に遊技球が最大入賞数だけ入賞した場合(S533:YES)又は特別電動役物642,652の作動時間が経過した場合(S534:YES)には、特別電動役物642,652の作動を停止する(S535)。
続いて、小当り遊技の終了デモ設定処理として、終了デモ表示時間を設定するとともに、終了デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(小当り終了デモコマンド)を生成する(S536)。次いで、上記S347で決定した変動パターン選択状態に切り替える(S537)。続いて、上記S537にて設定された特別遊技後の変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S538)。この遊技状態指定コマンドは、演出制御基板200側で、演出モードの移行契機の判定、移行先の演出モードの特定などに用いられる。そして、特別電動役物遊技ステイタスを「01H(特別遊技)」から「00H(当り待ち状態)」に遷移する(S538)。
<演出制御基板側の処理>
次に、図25〜図36のフローチャートを参照しながら、演出制御基板200における動作処理の手順について説明する。演出制御基板200側の処理は、電源投入後などサブメインCPU201がリセットされると実行されるリセット開始処理(演出制御側メイン処理を含む)と、一定周期毎に起動される演出制御側タイマ割込み処理と、主制御基板100からのストローブ信号に起因して起動される演出制御コマンドの受信割込み処理と、変動演出パターンのタイムスケジュールに規定された所定の発生時期の到来を契機として起動されるランプ演出割込み処理と、一定周期毎に起動される画像制御コマンドの送信割込み処理とを含んで構成される。
各割込み処理(例外処理)には、複数の割込み処理が発生したときの優先度を示す優先レベルが設定されている。本例では、「電源リセットによるリセット開始処理(図25):最優先」、「各種異常時によるリセット開始処理(図25):最優先」→「演出制御コマンドの受信割込み処理(図34):レベル7」→「WDT(暴走検知時)によるリセット開始処理(図25):レベル3」→「画像制御コマンドの送信割込み処理(図36):レベル2」→「演出制御側タイマ割込み処理(図35):レベル1」などの順に、優先レベルの順位付けがされている。なお、「各種異常時によるリセット開始処理」は、例えば、CPU201が不正な命令を実行したとき、CPU201が不正な領域又は不正な方法
にてアクセスしようとしたとき、DMA(Direct Memory Access)転送中のエラーが発生したときなどに起動する。本実施形態では、上記の複数種の割込み処理を例示しているが、実際にはその他の割込み処理も存在する。
演出制御側メイン処理内では、基本的には、全割込み禁止又は演出制御コマンド受信割込み以外の割込み禁止のいずれかの状態に設定したうえで処理が進められる。その上で、演出制御側メイン処理が割込み許可状態となった場合に、当該メイン処理を中断させるかたちで各割込み処理が起動される。各割込み処理では、当該割込み処理の実行中に他の割込み処理の要求があった(多重割込みが発生した)ときは、実行中の割込み処理よりも優先レベルの高い割込み処理であれば、原則的には当該割込み要求が許可される一方、実行中の割込み処理よりも優先レベルの低い又は優先レベルの同じ割込み処理である場合には当該割込み要求が禁止される。すなわち、各割込み処理は、優先レベルの同じ又は優先レベルの低い他の割込みを禁止した状態で処理が進められる。そして、各割込み処理から演出制御側メイン処理へは、全割込み許可の状態で戻ってくる。なお、このような割込み要因の優先順位(優先レベル)は、演出制御マイコン210(割込みコントローラ)のレジスタ設定によって規定される。
《リセット開始処理》
まず、演出制御基板200のリセット開始処理について説明する。図25は演出制御基板200のリセット開始処理を示すフローチャートである。このリセット開始処理では、電源投入時のリセット、各種異常時を起因としたリセット、WDT(暴走検知時)を起因としたリセットのいずれかにより起動し、サブメインCPU201のセキュリティチェックが行われた後、プログラムがスタートして、S601以降の処理が開始される。
まず、電源投入時に必要な初期設定として、スタックポインタにスタック領域の初期値として先頭アドレスを設定する(S601)。そして、各種初期設定が完了するまで全ての割込み処理を禁止する(S602)。
続いて、ハードウェアに関する基本的な設定として、サブメインCPU201内に設けられている内蔵レジスタに初期値を設定するとともに、I/Oポート回路204を初期化する(S603)。さらに、演出制御マイコン210のRAM203内のメモリ領域を初期化する(S604)。ここでは、初期値付きの変数には初期値を設定し、初期値なしの変数には0クリアによる初期化を行う。また、サブメインCPU201がROM202に記憶された制御プログラムをRAM203に適宜展開する。
続いて、演出制御コマンドの受信割込み処理以外の割込みを禁止する(S605)。次いで、予め各機種共通で設定された各種のエラーのうち、当該機種で有効とすべきエラーの種別を設定する処理を行う(S606)。さらに、演出ランプLP(枠ランプ10、盤ランプ25)を全消灯状態とするため消灯リクエストを行う(S607)。そして、サブメインCPU201の暴走を監視するためウォッチドッグタイマを起動する(S608)。
続いて、遊技演出の主たる処理として演出制御側メイン処理を実行する(S609)。この演出制御側メイン処理(S609)の詳細は図26を用いて後述する。なお、前記S609で演出制御側メイン処理へ移行すると、メイン処理から当該リセット開始処理へ復帰することは通常はあり得ないが、プログラムのバグ等の発生によって、万が一、この処理へ復帰してきた場合には、消費電力が通常作動時よりも低減された小消費電力モード(スリープモード)へ遷移する。
《演出制御側メイン処理》
次に、演出制御基板200の演出制御側メイン処理(S609)について説明する。図26は演出制御側メイン処理(S609)を示すフローチャートである。
まず、演出制御側メイン処理内で制御プログラムがRAM203で正確に展開されているか否かのチェックを開始するためのアドレス(プログラムが展開された先頭アドレス)を取得する(S611)。続いて、全ての割込みを許可(各種の割込み処理の起動を許可)する(S612)。
次いで、デバイスの初期化動作を実行する(S613)。この初期化動作は、ぱちんこ遊技機PMの電源投入時(リセット開始時)に1度だけ実行される動作態様のことであり、モータ、ソレノイド等のデバイスによって可動役物24の動作を制御するために必要となる位置情報を確認することを目的として実行される。なお、初期化動作の終了時には、可動役物24は予め設定された初期位置(基準位置)に復帰する。
続いて、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、ウォッチドッグタイマをクリアする(S614)。このとき、サブメインCPU201がプログラムを正常に実行しているときは、予め設定されたタイムアウト時間内に、サブメインCPU201のWDTクリアレジスタに、所定のクリアワードが書き込まれることで、ウォッチドッグタイマがクリアされてリスタートされる。他方、ウォッチドッグタイマがタイムアウトすると、ユーザリセットが発生する。
続いて、入力ポートチェック処理を実行する(S615)。この入力ポートチェック処理では、後述のタイマ割込み処理におけるポート入出力処理S912でのI/Oポート回路204(入力ポート)の読み込みを割込み発生毎に監視して、複数回(例えば4回)の監視において入力ポートの状態が全て「1」の場合は信号レベルを「1(Hレベル)」、全て「0」の場合は信号レベルを「0(Lレベル)」、それ以外の場合は信号レベルを変化させない(これにより入力信号が確定される)。
続いて、エラー演出管理処理を実行する(S616)。このエラー演出管理処理では、後続のコマンド解析処理(S620)で設定されるエラー演出パターンに基づき、各種デバイスによるエラー演出を開始させる。さらに、エラー演出管理処理では、エラー管理タイマに初期値(エラー演出時間)を設定して、エラー演出の進行を管理する。このエラー管理タイマは、演出制御側タイマ割込み処理のエラー管理タイマ更新処理(S920)にて16ms周期で減算更新される。そして、エラー管理タイマがタイムアウトした場合は、当該エラー演出を終了させる。
続いて、演出ボタン監視制御処理を実行する(S617)。この演出ボタン監視制御処理では、図柄変動中にボタン予告演出を組み込んでいる場合に、操作有効時間内における演出ボタン15の入力状態を監視して、当該ボタン予告演出に応じて予め設定された複数種の演出内容の中から、演出ボタン15の入力状態に応じた演出の内容を決定する。
続いて、予告抽選管理処理を実行する(S618)。この予告抽選管理処理では、後続のコマンド解析処理(S620)で選択される変動演出パターンのシナリオに沿って、装飾図柄の変動過程の各段階で発生する予告演出の内容を定めた予告演出パターン(予告演出番号)を抽選で決定する。ここで決定された予告演出番号は、サブメイン情報記憶手段260の予告演出番号格納領域に一時記憶される。また、この予告演出番号を画像制御基板300側へ指定するための画像制御コマンドを生成して、これをサブメイン情報記憶手段260の画像制御コマンドバッファに設定する。このとき、予告演出パターンとして、役物予告演出パターン(役物予告演出番号)が選択された場合には、役物リクエストが発生し、後続のデバイス管理処理(S619)にて、可動役物24の駆動パターンが特定さ
れる。なお、本例では、装飾図柄の一変動内で発生する複数種の予告演出(予告演出パターン)の全てを、1回のメインループ処理内で抽選するのではなく、当該メインループ処理効率を向上させるため、予告演出の発生時期(例えば、変動開始段階、リーチ発生段階、変動停止段階)毎に分けて、複数回のメインループ処理に跨って抽選する構成となっている。その際、装飾図柄の変動開始段階で発生する予告演出については、装飾図柄の変動開始と同期をとる(画像制御コマンドを早急に送信する)必要があるので、先発のメインループ処理内で抽選を行うようになっている。
次に、デバイス管理処理を実行する(S619)。このデバイス管理処理では、後述のコマンド解析処理(S620)にて各種デバイスの動作要求(ランプリクエスト、役物リクエスト)があった場合、ROM203に記憶された複数種のパターンデータ(ランプパターン、駆動パターン)の中から、演出番号(ランプ演出番号、役物予告演出番号)に対応したパターンデータを特定して、対象デバイスの制御を開始する。演出ランプLPのランプパターンデータには、1フレーム時間(画像フレームを1回更新するのに要する時間:16ms)毎に対応付けられたランプデータがスケジュールデータとして格納されている。なお、本例において、1フレーム時間は、演出表示装置70において毎秒約60フレーム(=約60fps)で描画等する場合の1フレームの描画処理に要する時間と対応するものになっている。同様に、可動役物24の駆動パターンデータには、割込み周期(1ms)毎に対応付けられた駆動データがスケジュールデータとして格納されている。これにより、後述する演出制御側タイマ割込み処理にて、各制御データ(ランプデータ、駆動データ等)が対象デバイスに対して一定周期毎に出力され、対象デバイスの動作が開始されることになる。一方、後述の演出制御側タイマ割込み処理において、一連の制御データ(ランプデータ、駆動データ)の出力が全て完了した場合は、演出ランプLPを消灯させ、又は、可動役物24の動作を停止させ、対象デバイスの制御を終了する。
続いて、コマンド解析処理(S620)を実行する。このコマンド解析処理では、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に演出制御コマンドが格納されているか否かを監視し、演出制御コマンドが格納されていればこのコマンドを読み出し、読み出した演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理を実行する。このコマンド解析処理(S620)の詳細は図27を用いて後述する。
そして、今回のループ処理中で、コマンド解析(演出制御コマンドの解析)を実行したか否かを判定する(S621)。コマンド解析直後の場合(S621:YES)は、S614に戻り、次のループ処理へ移行する。一方、コマンド解析を実行しなかった場合(S621:NO)には、演出抽選乱数更新処理を実行する(S622)。この演出抽選乱数更新処理では、先読み予告抽選乱数、装飾図柄乱数、変動演出パターン乱数、予告演出パターン乱数などの演出抽選乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値に戻す。
(コマンド解析処理)
次に、コマンド解析処理(S620)について説明する。図27は、コマンド解析処理(S620)の詳細を示すフローチャートである。このコマンド解析処理では、主制御基板100からの演出制御コマンドがサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納されているか否かを監視して、格納された演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理を実行する。
まず、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に遊技状態指定コマンドが格納されているか否かを判定する(S631)。遊技状態指定コマンドが格納されている場合(ステップS631:YES)には、演出状態移行処理(S632)へ移行する。演出状態移行処理(S632)では、遊技状態指定コマンドに含まれる変動パターン選択状態
情報に基づき、演出モードを遷移する処理を実行する。この演出状態移行処理(S632)の詳細は図28を用いて後述する。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域にに保留関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S633)。ここで、保留関連コマンドには、図柄記憶数コマンド、事前判定コマンドが含まれる。この保留関連コマンドが格納されている場合(S633:YES)には、保留情報管理処理(S634)へ移行する。この保留情報管理処理(S634)では、サブメイン情報記憶手段260から図柄記憶数コマンド又は事前判定コマンドを読み出して、事前判定結果の情報に基づき先読み判定を実行するとともに、演出表示装置70の保留表示部701,702に表示される保留画像の表示個数および表示態様(表示色など)を更新するための処理を行う。
次いで、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に図柄変動関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S635)。ここで、図柄変動関連コマンドには、変動開始コマンド、変動停止コマンドが含まれる。図柄変動関連コマンドが格納されている場合(ステップS635:YES)には、変動演出内容決定処理(S636)へ移行する。この変動演出内容決定処理(S636)では、受信した図柄変動関連コマンドが変動開始コマンドである場合には図柄変動演出を開始させるための処理を実行し、受信した図柄変動関連コマンドが変動停止コマンドである場合には実行中の図柄変動演出を終了させるための処理を実行する。この変動演出内容決定処理(S636)の詳細は図29を用いて後述する。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域にに大当り演出関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S637)。ここで、大当り演出関連コマンドには、大当り開始デモ演出コマンド、ラウンド演出指定コマンド、大当り終了デモ演出コマンドを含む。大当り演出関連コマンドが格納されている場合(ステップS637:YES)には、大当り演出内容決定処理(S638)へ移行する。この大当り演出内容決定処理(S638)では、開始デモ演出、ラウンド演出、終了デモ演出を実行するための処理を行う。この大当り演出内容決定処理(S638)の詳細は図31を用いて後述する。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域にに小当り演出関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S639)。ここで、小当り演出関連コマンドには、小当り開始デモ演出コマンド、小当り終了デモ演出コマンドを含む。小当り演出関連コマンドが格納されている場合(ステップS639:YES)には、小当り演出内容決定処理(S640)へ移行する。この小当り演出内容決定処理(S640)では、小当り開始デモ演出、小当り終了デモ演出を実行するための処理を行う。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域ににエラー演出指定コマンドが格納されているか否かを判定する(S641)。このエラー演出指定コマンドが格納されている場合(S641:YES)には、エラー演出内容決定処理(S642)へ移行する。このエラー演出内容決定処理(S642)では、サブメイン情報記憶手段260からエラー演出指定コマンドを読み出して、演出表示装置70の画像表示や演出ランプLPの発光態様などによってエラー状態を報知するためのエラー演出パターンを決定する。
なお、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に演出制御コマンドが格納されていない場合(S631:NO、S633:NO、S635:NO、S637:NO、S639:NO、S641:NO)は、何もせずコマンド解析処理を終了する。
(演出状態移行処理)
次に、演出状態移行処理(S632)について説明する。図28は、演出状態移行処理
(S632)の詳細を示すフローチャートである。
まず、主制御基板100からの遊技状態指定コマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる変動パターン選択状態に関する情報を取得する(S701)。続いて、上記S701で取得した変動パターン選択状態に関する情報に基づき、演出モードの移行契機が到来したか否かを判定する(S702)。演出モードの移行契機が到来している場合(S702:YES)には、S703以降で、所定の演出モードへの移行設定を行う。なお、演出モードの移行契機としては、原則的には変動パターン選択状態の移行契機と連動しており、例えば、特別遊技の終了時又は変動パターン選択状態の終期回数を満了したときなどである。なお、変動パターン選択状態の終期回数は、特別図柄の変動回数に係る回数である。
始めに、主制御基板100側で管理された変動パターン選択状態の移行先が、低確率通常変動状態αであるか否かを判定する(S703)。移行先が低確率通常変動状態αである場合(S703:YES)には、演出モードの移行先として通常演出モードMαを設定する(S704)。この通常演出モードMαに移行すると、サブメイン情報記憶手段260の背景データ格納領域に通常背景データ番号が設定される(S705)。そして、通常演出モードMαにおいて、次回の図柄変動から演出表示装置70上にて、例えば「荒野」の通常背景画像が表示される。一方、移行先が低確率通常変動状態αではない場合(S703:NO)には、変動パターン選択状態の移行先が、高確率時短変動状態βであるか否かを判定する(S706)。移行先が高確率時短変動状態βである場合(S706:YES)には、演出モードの移行先として確変演出モードMβを設定する(S707)。この確変演出モードAに移行すると、サブメイン情報記憶手段260の背景データ格納領域に確変背景データ番号が設定される(S708)。そして、確変演出モードMβにおいて、次回の図柄変動から演出表示装置70上にて、例えば「城塞」の確変背景画像が表示される。
変動パターン選択状態の移行先が、高確率時短変動状態βでない場合(S706:NO)には、変動パターン選択状態の移行先が、高確率特殊変動状態γであるか否かを判定する(S709)。移行先が高確率特殊変動状態γである場合(S709:YES)には、演出モードの移行先として特殊演出モードMγを設定する(S710)。続いて、サブメイン情報記憶手段260の特殊連続演出フラグがオンであるか否かを判定する(S711)。特殊連続演出フラグとは、特殊連続演出が実行される場合にオンとなるフラグである。特殊連続演出フラグがオンである場合(S711:YES)には、サブメイン情報記憶手段260の背景データ格納領域に特殊背景データ番号が設定される(S712)。そして、特殊演出モードMγにおいて、次回の図柄変動から演出表示装置70上にて、例えば「星空」の特殊背景画像が表示される。一方、特殊連続演出フラグがオフである場合(S711:NO)には、サブメイン情報記憶手段260の背景データ格納領域に確変背景データ番号が設定される(S713)。そして、特殊演出モードMγにおいて、次回の図柄変動から演出表示装置70上にて、例えば「城塞」の確変背景画像(確変演出モードMβのときと実質的に同一の背景画像)が表示される。続いて、当該処理で決定した演出内容(背景画像)の表示を指示するための画像制御コマンドを生成し、これをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納する(S721)。
(変動演出内容決定処理)
次に、変動演出内容決定処理(S636)について説明する。図29は、変動演出内容決定処理(S636)の詳細を示すフローチャートである。
まず、サブメイン情報記憶手段260に変動開始コマンドが格納されているか否かを判定する(S731)。変動開始コマンドが格納されている場合(S731:YES)には
、この変動開始コマンド(変動パターン指定コマンド、変動付加図柄情報指定コマンド、キャラクタ演出番号指定コマンド)の内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる当否抽選の結果、図柄群、変動パターン(変動時間)、遊技状態などを示す情報を取得する(S732)。なお、この取得情報は、サブメイン情報記憶手段260の変動演出内容判定領域に格納される。
続いて、変動演出パターン選択処理を実行する(S733)。この変動演出パターン選択処理では、上記S732で取得した変動パターン情報と上記S632の演出状態移行処理で設定された演出モードとに基づき、変動演出パターンテーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から変動演出パターン乱数値を取得して、複数種の変動演出パターンの中から、いずれかの変動演出パターンを抽選で決定する。変動演出パターンは、装飾図柄の変動態様、リーチ演出の種類・発生時期、予告演出の種類・発生時期などが規定された演出表示過程のシナリオを構成している。ここで決定された変動演出パターン番号は、サブメイン情報記憶手段260の変動演出パターン格納領域に一時記憶される。また、選択された変動演出パターン番号に対応したランプ演出番号をリクエストして、このリクエストされたランプ演出番号をサブメイン情報記憶手段260のランプリクエスト記憶領域に設定する。
次いで、装飾図柄停止図柄選択処理を実行する(S734)。この装飾図柄停止図柄選択処理では、上記S732で取得した図柄群情報と変動パターン情報に基づき、最終的に停止させる装飾図柄の停止図柄の組合せ(左図柄・中図柄・右図柄)をそれぞれ抽選で決定する。ここで決定された装飾図柄組合せ番号は、サブメイン情報記憶手段260の装飾図柄格納領域に一時記憶される。
続いて、サブメイン情報記憶手段260の先読み情報格納領域の更新として、保留2記憶領域〜保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の保留記憶領域にシフトするとともに、保留4記憶領域をゼロクリアする(S735)。
次いで、特別演出判定処理を実行する(S736)。この特別演出判定処理では、いわゆる連荘状態に関して所定条件を充足した場合に表示される希少性の高い特別演出(いわゆる昇天演出)の実行可否を判定する。なお、所定条件とは、例えば、連荘回数が所定回数に到達、連荘状態における特定大当りの累積回数が所定回数に到達、連荘状態での累積獲得賞球数が所定数に到達、連荘状態中に特定の演出(図柄変動中又は特別遊技中の特定演出)を発生させた場合などが挙げられる。この特別演出判定処理(S736)の詳細は第1変形例における図41を用いて後述する。
次いで、保留内連荘演出A判定処理を実行する(S737)。この保留内連荘演出A判定処理では、保留内連荘演出Aの実行可否を判定するとともに、保留内連荘演出Aを実行することを決定した場合には連荘演出パターンを選択する。この保留内連荘演出A判定処理(S737)の詳細は図30を用いて後述する。
続いて、上記S737で保留内連荘演出Aを実行する場合には、上記S733およびS734で選択された図柄変動演出の内容を、保留内連荘演出Aの内容に応じて差し替える処理を実行する(S738)。例えば、連荘演出パターンPA2を選択したときは、図柄変動演出の差し替え処理として、上記S734で選択した通常の大当り図柄を特殊の大当り図柄「S・S・S」に差し替える。ここで差し替えられた装飾図柄組合せ番号(大当り図柄番号)は、サブメイン情報記憶手段260の装飾図柄格納領域に一時記憶される。なお、本実施形態では、保留内連荘演出Aにおける先読み判定の対象となるのは、先行の作動保留球が消化される時点(変動開始条件の充足時)にて存在する後続の作動保留球である。そのため、当該変動中に生起した作動保留球が特定保留である場合でも、保留内連荘
演出A判定処理(S737)と差し替え処理(S738)は実行されることはないが、当該変動中に特定保留が生起された場合に、当該変動中においても保留内連荘演出A判定処理(S737)と差し替え処理(S738)とを実行し、変動開始時に設定した変動演出データを差し替えるように構成してもよい。
そして、上記S733〜S738で取得した演出情報に基づき、装飾図柄の変動開始に要する画像制御コマンド(変動演出開始コマンド)を生成し、この画像制御コマンドをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に設定する(S739)。
一方、変動開始コマンドが格納されていない場合(S731:NO)には、サブメイン情報記憶手段260に変動停止コマンドが格納されているか否かを判定する(S740)。変動停止コマンドが格納されている場合(S740:YES)には、変動停止コマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる図柄停止情報を取得する(S741)。そして、装飾図柄の変動停止に要する画像制御コマンド(変動演出停止コマンド)を生成し、この画像制御コマンドをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に設定する(S742)。
(保留内連荘演出A判定処理)
次に、保留内連荘演出A判定処理(S737)について説明する。図30は、保留内連荘演出A判定処理(S737)の詳細を示すフローチャートである。
まず、サブメイン情報記憶手段260の特殊連続演出フラグがオンであるか否かを判定する(S761)。特殊連続演出フラグがオンでない場合(S761:NO)には、上記S732でサブメイン情報記憶手段260の変動演出内容判定領域に格納された情報(当否抽選の結果および大当り種別)を解析して、今回の変動対象となる特別図柄の抽選結果が16R大当りであるか否かを判定する(S762)。抽選結果が16R大当りである場合(S762:YES)には、サブメイン情報記憶手段260の先読み情報格納領域に、第2特別図柄の作動保留球の事前判定情報が格納されているか否かを判定する(S763)。本例では、保留内連荘演出Aの先読み判定を、図柄変動が開始されるまでに生起した第2特別図柄の作動保留球を対象として行う。第2特別図柄の作動保留球が存在する場合(S763:YES)には、第2特別図柄の作動保留球内に特定保留が存在する否かを判定する(S764)。特定保留が存在する場合(S764:YES)には、この特定保留が16R大当りを示すものであるか否かを判定する(S765)。特定保留が16R大当りに該当する場合(S765:YES)には、保留内連荘演出Aを実行するか否かを抽選にて決定するための保留内連荘演出A抽選処理を実行する(S766)。この保留内連荘演出A抽選処理では、不図示の連荘演出A抽選テーブルを参照して、連荘演出抽選乱数値が「実行」、「非実行」のいずれかの判定値と一致した場合に実行の有無を決定する。本例では、例えば、80%の割合で実行、20%の割合で非実行を決定する。
続いて、保留内連荘演出A抽選処理にて当選したか否かを判定する(S767)。当選した場合(S767:YES)には、保留内連荘演出Aの内容を決定するための連荘演出パターン選択処理を実行する(S768)。この連荘演出パターン選択処理では、図8(A)に示した連荘演出パターンテーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から連荘演出パターン乱数値を取得して、複数種の連荘演出パターンの中から、いずれかの連荘演出パターンを抽選にて決定する。次いで、今回選択された連荘演出パターンの番号をサブメイン情報記憶手段260の連荘演出パターン格納領域に一時記憶する(S769)。そして、サブメイン情報記憶手段260の保留内連荘演出フラグをオンにする(S770)。なお、保留内連荘演出フラグとは、保留内連荘演出が実行される場合にオンとなるフラグである。
(大当り演出内容決定処理)
次に、大当り演出内容決定処理(S638)について説明する。図31は、大当り演出内容決定処理(S636)の詳細を示すフローチャートである。
まず、サブメイン情報記憶手段260に開始デモコマンドが格納されているか否かを判定する(S801)。開始デモコマンドが格納されている場合(S801:YES)には、開始デモコマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる大当り種別などを示す情報を取得する(S802)。なお、この取得情報は、サブメイン情報記憶手段260の大当り演出内容判定領域に格納される。続いて、連荘回数をカウントするための連荘回数カウンタを更新する(S803)。具体的には、今回の大当りが通常状態での大当り(「初当り」と称する)である場合は連荘回数カウンタに「1」をセットし、連荘である場合は連荘回数カウンタを「1」加算する。
次いで、大当り演出パターン(開始デモ演出パターン、ラウンド演出パターン、終了デモ演出パターン)の内容を決定するための大当り演出パターン選択処理を実行する(S804)。この大当り演出パターン選択処理では、不図示の大当り演出パターンテーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から大当り演出パターン乱数値を取得して、複数種の大当り演出パターンの中から、いずれかの大当り演出パターンを抽選にて決定する。ここで決定された大当り演出パターン番号(開始デモパターン番号、ラウンド演出パターン番号、終了デモパターン番号)は、サブメイン情報記憶手段260の大当り演出パターン格納領域に一時記憶される。
次いで、保留内連荘演出B判定処理を実行する(S805)。この保留内連荘演出B判定処理では、保留内連荘演出Bの実行可否を判定するとともに、保留内連荘演出Bを実行することを決定した場合には連荘演出パターンを選択する。この保留内連荘演出B判定処理(S805)の詳細は図32を用いて後述する。
続いて、大当り演出差し替え処理を実行する(S806)。この大当り演出差し替え処理では、保留内連荘演出B(特殊連続演出)が実行される場合に、通常の開始デモ演出パターンおよび通常の終了デモ演出パターンを特殊開始デモ演出パターンおよび特殊終了デモ演出パターンに差し替える。この大当り演出差し替え処理(S806)の詳細は図33を用いて後述する。なお、本実施形態では、保留内連荘演出Bにおける先読み判定の対象となるのは、先行の作動保留球が大当りとなった場合にその特別遊技の開始時点(当該変動終了時)にて存在する後続の作動保留球である。そのため、特別遊技中に生起した作動保留球が特定保留である場合でも、保留内連荘演出B判定処理(S805)と差し替え処理(S806)は実行されることはないが、当該特別遊技中に特定保留が生起された場合に、当該特別遊技中においても保留内連荘演出B判定処理(S805)と差し替え処理(S806)とを実行し、特別遊技の開始時に設定した大当り演出データを差し替えるように構成してもよい。
そして、上記S804,S806でサブメイン情報記憶手段260の大当り演出パターン格納領域に一時記憶した開始デモ演出パターン番号をサブメイン情報記憶手段260の開始デモ演出格納領域に転送して、開始デモ演出の開始を設定する(S807)。
続いて、サブメイン情報記憶手段260にラウンド演出指定コマンドが格納されているか否かを判定する(S811)。ラウンド演出指定コマンドが格納されている場合(S807:YES)には、ラウンド演出指定コマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれるラウンド数や、大入賞口64,65への入賞数を示す情報を取得する(S812)。なお、この取得情報は、サブメイン情報記憶手段260の大当り演出内容判定領域に格納される。続いて、上記S812で取得した情報に基づき、サブメイン情報記憶手段2
60のラウンド数カウンタを更新する(S813)とともに、サブメイン情報記憶手段260の大入賞数カウンタを更新する(S814)。なお、本例では、大入賞口64,65に遊技球が入賞する毎に「14」個の賞球が払い出されるため、大入賞口64,65への入賞数に「14」を乗算することで、獲得賞球数が算出される。
次いで、サブメイン情報記憶手段260の擬似カウントフラグがオンであるか否かを判定する(S815)。擬似カウントフラグとは、先の特別遊技におけるラウンド数および獲得賞球数を、後の特別遊技におけるラウンド数および獲得賞球数に上乗せして報知する擬似カウント演出を実行する場合にオンとなるフラグである。擬似カウントフラグがオンである場合(S815:YES)、すなわち、後の大当りにおけるラウンド演出(擬似カウント演出)を実行予定である場合には、ラウンド数擬似加算処理を実行する(S816)。このラウンド数擬似加算処理では、ラウンド数カウンタに記憶されたラウンド遊技の実行回数(ラウンド回数:1R〜16R)に、先の特別遊技で実行されたラウンド遊技の実行回数(ラウンド回数:16R)を加算する。これにより、特殊連続演出において、後の特別遊技における1ラウンド目のラウンド遊技が第17ラウンド目のラウンド遊技として報知される。
続いて、獲得賞球数擬似加算処理を実行する(S817)。この獲得賞球数擬似加算処理では、大入賞数カウンタに格納された入賞数に、先の特別遊技での大入賞口への入賞数を加算する。これにより、特殊連続演出において、後の特別遊技において獲得した賞球数を、先の特別遊技と後の特別遊技で獲得した合計の賞球数として報知される。
そして、上記S804,S806でサブメイン情報記憶手段260の大当り演出パターン格納領域に一時記憶したラウンド演出パターン番号を、ラウンド数カウンタおよび大入賞数カウンタの数値とともに、サブメイン情報記憶手段260のラウンド演出格納領域に転送して、ラウンド演出の開始を設定する(S818)。
次いで、サブメイン情報記憶手段260に終了デモコマンドが格納されているか否かを判定する(S821)。終了デモコマンドが格納されている場合(S821:YES)には、終了デモコマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる情報を取得する(S822)。なお、この取得情報は、サブメイン情報記憶手段260の大当り演出内容判定領域に格納される。次いで、サブメイン情報記憶手段260の特殊連続演出フラグがオンであるか否かを判定する(S823)。特殊連続演出フラグがオンである場合(S823:YES)には、ラウンド数カウンタの値(ラウンド数)および大入賞数カウンタの値(大入賞数)をサブメイン情報記憶手段260の先の大当り記憶領域に一時記憶する(S824)。これは、今回の大当りが特殊連続演出における先の大当りに該当する場合には、先の大当りでの最終的なラウンド数および大入賞数は、後の大当り演出における擬似加算処理(S816,S817)にて使用される予定であるため、先の特別遊技の記録情報として記憶するためである。そのため、上記S816,S817での擬似加算処理では、この先の大当り記憶領域に保存された数値(ラウンド数および大入賞数)が上乗せされることになる。次いで、サブメイン情報記憶手段260のラウンド数カウンタおよび大入賞数カウンタをクリアする(S825,S826)。
続いて、サブメイン情報記憶手段260の擬似カウントフラグがオンであるか否かを判定する(S827)。擬似カウントフラグがオンである場合(S827:YES)には、擬似カウントフラグをオフにする(S828)。次いで、サブメイン情報記憶手段260の保留内連荘演出フラグがオンであるか否かを判定する(S835)。保留内連荘演出フラグがオンである場合(S835:YES)には、サブメイン情報記憶手段260の保留内連荘演出フラグをオフにする(S836)。
次いで、上記S804,S806でサブメイン情報記憶手段260の大当り演出パターン格納領域に一時記憶した終了デモ演出パターン番号をサブメイン情報記憶手段260の終了デモ演出格納領域に転送して、終了デモ演出の開始を設定する(S837)。そして、上記S805、S807,S818,S837で取得した演出情報に基づき、大当り演出に要する画像制御コマンドを生成し、この画像制御コマンドをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に設定する(S838)。
(保留内連荘演出B判定処理)
次に、保留内連荘演出B判定処理(S805)について説明する。図32は、保留内連荘演出B判定処理(S805)の詳細を示すフローチャートである。
まず、サブメイン情報記憶手段260の保留内連荘演出フラグがオンであるか否か、すなわち、既に図柄変動演出において保留内連荘演出Aが実行されたか否かを判定する(S851)。保留内連荘演出フラグがオンでない場合(S851:NO)には、上記S732でサブメイン情報記憶手段260の変動演出内容判定領域に格納された情報(当否抽選の結果および大当り種別)を解析して、今回の変動対象となる特別図柄の抽選結果が16R大当りであるか否かを判定する(S852)。抽選結果が16R大当りである場合(S852:YES)には、サブメイン情報記憶手段260の先読み情報格納領域に、第2特別図柄の作動保留球の事前判定情報が格納されているか否かを判定する(S853)。本例では、保留内連荘演出Bの先読み判定を、特別遊技が開始されるまで、すなわち、大当り開始デモコマンドを受信するまでに生起した第2特別図柄の作動保留球を対象として行う。第2特別図柄の作動保留球が存在する場合(S853:YES)には、第2特別図柄の作動保留球内に特定保留が存在する否かを判定する(S854)。特定保留が存在する場合(S854:YES)には、保留内連荘演出Bを実行するか否かを抽選にて決定するための保留内連荘演出B抽選処理1を実行する(S856)。この保留内連荘演出B抽選処理1では、不図示の連荘演出B抽選テーブル1を参照して、連荘演出抽選乱数値が「実行」、「非実行」のいずれかの判定値と一致した場合に実行の有無を決定する。本例では、例えば、80%の割合で実行、20%の割合で非実行を決定する。なお、特定保留の種別(16R大当り、8R大当り)に応じて、保留内連荘演出Bの当選確率を異ならしめてもよい。例えば、16R大当りの特定保留である場合には100%の割合で保留内連荘演出Bを実行し、8R大当りの特定保留の場合には50%の割合で保留内連荘演出Bを実行する構成でもよい。これは遊技者にとって有利度が大きい場合に、保留内連荘演出Bの出現確率を高めて、遊技者の期待感を高めるためである。
一方、特定保留がない場合(S854:NO)には、保留内連荘演出Bを実行するか否かを抽選にて決定するための保留内連荘演出B抽選処理2を実行する(S857)。この保留内連荘演出B抽選処理2では、不図示の連荘演出B抽選テーブル2を参照して、連荘演出抽選乱数値が「実行」、「非実行」のいずれかの判定値と一致した場合に実行の有無を決定する。本例では、例えば、10%の割合で実行、90%の割合で非実行を決定する。
続いて、保留内連荘演出B抽選処理にて当選したか否かを判定する(S858)。当選した場合(S858:YES)には、保留内連荘演出Bの内容を決定するための連荘演出パターン選択処理を実行する(S861)。この連荘演出パターン選択処理では、図8(B)に示した連荘演出パターンテーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から連荘演出パターン乱数値を取得して、複数種の連荘演出パターンの中から、いずれかの連荘演出パターンを抽選にて決定する。次いで、今回選択された連荘演出パターンの番号をサブメイン情報記憶手段260の連荘演出パターン格納領域に一時記憶する(S868)。そして、サブメイン情報記憶手段260の保留内連荘演出フラグをオンにする(S870)。
(大当り演出差し替え処理)
次に、大当り演出差し替え処理(S806)について説明する。図33は、大当り演出差し替え処理(S806)の詳細を示すフローチャートである。この大当り演出差し替え処理では、先の特別遊技と後の特別遊技とを繋げるかたちで特殊連続演出を実行すべく、先の特別遊技である場合には、S881〜S885において特殊終了デモ演出を設定し、後の特別遊技である場合には、S886〜S890において特殊開始デモ演出を設定する。
まず、サブメイン情報記憶手段260の特殊連続演出フラグがオンであるか否か、すなわち、特殊連続演出が既に実行中であるか否かを判定する(S881)。特殊連続演出フラグがオンでない場合(S881:NO)には、サブメイン情報記憶手段260の保留内連荘演出フラグがオンであるか否かを判定する(S882)。保留内連荘演出フラグがオンでない場合(S882:NO)には、サブメイン情報記憶手段260の特殊連続演出ステイタスに「先の大当り(01H)」である旨の情報を設定する(S883)。これにより、今回の大当り(特別遊技)が特殊連続演出における先の大当り(特別遊技)であると判断される。続いて、上記S804で設定された通常の終了デモ演出パターン番号を特殊終終了デモ演出パターン番号に差し替える(S884)。そして、特殊連続演出を発生させるべく、特殊連続演出フラグをオンにする(885)。
一方、特殊連続演出フラグがオンである場合(S881:YES)、すなわち、特殊連続演出が既に実行中である場合には、サブメイン情報記憶手段260の特殊連続演出ステイタスに「後の大当り(02H)」である旨の情報を設定する(S886)。これにより、今回の大当り(特別遊技)が特殊連続演出における後の大当り(特別遊技)であると判断される。次いで、今回の大当りが16R大当り(高利益大当り)であるか否かを判定する(S887)。16R大当りである場合(S887:YES)には、上記S804で設定された通常の開始デモ演出パターン番号を特殊終開始デモ演出パターン番号に差し替える(S888)。続いて、特殊連続演出を擬似カウント演出に繋げるべく、サブメイン情報記憶手段260の擬似カウントフラグをオンにする(S889)。そして、特殊連続演出フラグをオフにする(S890)。
《演出制御コマンドの受信割込み処理》
次に、演出制御コマンドの受信割込み処理を説明する。図34は、演出制御コマンドの受信割込み処理を示すフローチャートである。この演出制御コマンドの受信割込み処理では、前述したように、主制御基板100からのストローブ信号の入力に基づいて割込みが発生することで開始され、この割込み処理において各種の演出制御コマンドが取得されるようになっている。なお、演出制御コマンドは、1バイトのMODEデータと、1バイトのEVENTデータとを含む構成となっており、主制御基板100から演出制御基板200へ、MODEデータ、EVENTデータの順に送信される。以下では、説明の便宜上、MODEデータを「第1コマンド」、EVENTデータを「第2コマンド」とも称する。
まず、主制御基板100からのストローブ信号に基づく割込みが発生すると、演出制御コマンドの入力値が確定したか否かを判定する(S901)。具体的には、コマンドデータを最高5回まで読み込み、2回連続で同じ値が読み込まれた時点で入力値が確定となる。これはノイズ等により演出制御コマンドの読み取りが失敗するおそれがあるためであり、2回連続で同じ値が読み込まれるまでは入力値を確定とはしない。
続いて、今回受信したコマンドが第1コマンド(MODE)であるか否か、換言すれば、第1コマンド(MODE)であるか第2コマンド(EVENT)であるかを判定する(S902)。今回受信したコマンドが第1コマンドである場合(S902:YES)は、
当該第1コマンドをテンポラリ領域に一時的に記憶する(S903)。そして、演出抽選乱数発生手段210から演出抽選乱数を取得して、この乱数情報をサブメイン情報記憶手段260の演出抽選乱数格納領域に一時記憶する(S904)。なお、演出抽選乱数の取得時期を、演出制御コマンドの受信時としているのは、演出制御コマンドは遊技球の始動入賞時や特別図柄の変動開始時など物理的に不規則なタイミングで送信されるため、それを契機とすることで取得時期に周期性を出さないようにするためである。このように演出抽選乱数の取得時期を不規則とすることで、各種の演出抽選においても、同一の演出が不自然に繰り返し選択されてしまう等の不都合が発生し難くなる。
一方、今回受信したコマンドが第2コマンドである場合(S902:NO)には、すでに第1コマンドを受信済であるか否かを判定する(S905)。すなわち、演出制御コマンドを第1コマンド(MODE)→第2コマンド(EVENT)の順に受信したか否か判定して、演出制御コマンドの組合せに矛盾がないかを確認する。演出制御コマンドの組合せに矛盾がない場合(S905:YES)は、ライトポインタ(書き込み用のポインタ)の示すアドレスを取得する(S906)。続いて、第1コマンドと第2コマンドとを、ライトポインタの指示するアドレスに従って、サブメイン情報記憶手段260の演出制御コマンドバッファ(リングバッファ)に保存する(S907)。保存されたコマンドデータは、メイン処理における前記のコマンド解析処理(S620)で読み出され、演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理が実行される。次いで、ライトポインタの示すアドレスを更新する(S908)。さらに、前記S903で一時記憶したコマンドデータ(第1コマンド)をクリアする(S909)。
《演出制御側タイマ割込み処理》
次に、演出制御側タイマ割込み処理を説明する。図35は、演出制御側タイマ割込み処理を示すフローチャートである。このタイマ割込み処理は、一定時間毎のクロックパルスにより起動され、上述の演出制御側メイン処理に割り込むかたちで実行される。
タイマ割込みが発生すると、サブメインCPU201内のレジスタの内容をRAM203のスタック領域に退避させた後、S911以降の処理を順次実行する。このタイマ割込み処理内では、主制御基板100からの演出制御コマンド受信割込み、ウォッチドッグタイマ割込み等、優先レベル2以上の割込みを許可する(S911)。
続いて、ポート入出力処理を実行する(S912)。このポート入出力処理では、I/Oポート回路204におけるポートデータの入力処理、出力処理を行う。入力処理では、I/Oポート回路204(入力ポート)に入力されている各種信号を読み取り、これを入力情報として記憶する。出力処理では、サブメイン情報記憶手段260に一時記憶されている各種制御信号(モータ制御信号)を読み出して、I/Oポート回路204(出力ポート)から出力する。
続いて、デバイス制御データ出力処理を実行する(S913)。このデバイス制御データ出力処理では、前記のデバイス管理処理(S619)で特定した駆動パターンデータから所定時間分の駆動データを読み出してサブメイン情報記憶手段260の駆動データ記憶領域に設定する。この処理で設定される駆動データは、割込み周期に対応した1ms間の制御を示すデータである。この処理で駆動データが設定されると、次回のタイマ割込み処理にて、当該駆動データがI/Oポート回路204(出力ポート)からモータドライバ92へ出力される。従って、このデバイス制御データ出力処理では、駆動パターンデータに従って駆動データが割込み周期(1ms)毎に切り替えられることとなる。
次いで、演出用タイマ更新処理を実行する(S914)。この演出タイマ更新処理では、演出動作制御に用いる各種の演出用タイマの値を割込み周期(本実施形態では1ms)
ずつ減算更新する。演出用タイマには、装飾図柄の変動時間を管理するためのタイマ、予告演出の発生タイミングを管理するためのタイマなどが含まれる。この演出用タイマによって、変動演出パターンにおけるタイムスケジュールが管理され、その時間軸上で可動役物24の駆動タイミングや演出ランプLPの点灯タイミング等の時間管理がされている。なお、演出用タイマは、この演出制御用タイマ割込み処理内のデバイス制御データ出力処理(S913)やランプデータ更新処理(S918)などにおいても利用される。
続いて、ボタン制御タイマ更新処理を実行する(S915)。演出ボタン15の操作有効時間を管理するための有効時間管理タイマの値を割込み周期(本実施形態では1ms)減算更新する。なお、操作有効時間とは、演出ボタン15の操作入力が有効となる時間である。
続いて、タスク制御カウンタ更新処理を実行する(S717)。このタスク制御カウンタ更新処理では、タイマ割込み毎にタスクカウンタの値(「0」〜「15」)を更新する。具体的には、タスクカウンタの値が「0」〜「14」であれば1インクリメントし、タスクカウンタの値が「15」となった場合には「0」に戻す。すなわち、このタスクカウンタは16msの循環周期を取り得る。そして、今回更新されたタスクカウンタの値に対応して各種のタスク(タスク処理)が割り当てられており、当該タスクカウンタの値に応じて、ランプ制御タスク(S718のランプデータ更新処理)、暴走監視タスク(S719の画像CPU暴走監視処理)、エラー管理タスク(S720のエラー管理タイマ更新処理)などの各処理を実行する。本例では、タスクカウンタの値(「0」〜「15」)のうち、或る1つの値がランプ制御タスクに割り当てられ、他の2つの値(互いに8ms間隔となる値)が暴走監視用タスクに割り当てられ、他の1つの値がエラー管理タスクに割り当てられている(その他のタスクの説明は省略する)。なお、前述のように、タスクカウンタの循環周期を16msに設定しているのは、演出ランプLPの切り換え制御の最小単位(16ms)と一致させるためである。そして、この演出ランプLPの切り換え制御の最小単位(16ms)は画像フレームの1フレーム時間と対応し、画像演出とランプ演出との同期を実現している。
続いて、ランプデータ更新処理を実行する(S918)。このランプデータ更新処理では、前記のデバイス管理処理(S619)等で特定したランプパターンデータから所定時間分のランプデータを読み出して設定する。この処理で設定されるランプデータは、演出ランプLPの切り換え制御の最小単位となる16ms間の点灯制御を示すデータである。ランプデータが設定されると、当該ランプデータが出力ポート(シリアルポート)からシリアル転送にてランプ接続基板91へ自動的に出力される。このランプデータの出力処理は、シリアル通信割込み処理として構成されており、シリアル通信回路の送信バッファにランプデータを順次書き込むことで実現される。シリアル通信回路は、送信バッファのランプデータを1バイト単位でシリアル変換して、シリアルクロックと同期したかたちで、1ビット毎にランプ接続基板91に対して出力する。この処理では、送信バッファが空になるまで繰り返され、これにより送信バッファに格納された全てのランプデータ(全バイト)が出力されるようになっている。従って、このランプデータ更新処理では、ランプパターンに従ってランプデータが1フレーム時間(16ms)毎に切り替えられるとともに、このランプデータがランプ接続基板91に対してシリアル転送にて出力される。なお、このランプデータ更新処理は、前記のタスク制御カウンタ更新処理(S917)でタスクカウンタの値が所定値(ランプ制御タスクを示す値)となった場合に実行される処理(つまり16ms周期で実行される処理)となっている。
続いて、画像CPU暴走監視処理を実行する(S919)。この画像CPU暴走監視処理では、画像制御基板300から入力されるトグル信号を監視して、当該トグル信号が1600ms(50〜100フレーム程度)の間、連続して変化しない場合に、画像制御基
板300のサブサブCPU301が暴走していると判定し、演出制御基板200から画像制御基板300に対してリセット信号を送信する。これにより、画像制御基板300側はサブサブCPU301のリセット状態の発生によって、所定のリセット処理を実行する。なお、トグル信号とは、1フレーム時間毎にHレベル/Lレベルが交互に繰り返される波形の信号のことである。なお、この画像CPU暴走監視処理は、前記のタスク制御カウンタ更新処理(S917)でタスクカウンタの値が所定値(画像監視タスクを示す値)となった場合に実行される処理となっている。
次いで、エラー管理タイマ処理を実行する(S920)。このエラー管理タイマ処理では、前記のエラー演出管理処理(S617)でセットされたエラー演出時間を管理するためのエラー演出タイマの値を減算更新する。なお、このエラー管理タイマ処理は、前記のタスク制御カウンタ更新処理(S917)でタスクカウンタの値が所定値(エラー管理タスクを示す値)となった場合に実行される処理となっている。そして、全ての割込みを許可した状態にするとともに、退避していたレジスタの内容を復帰させた後、演出制御側タイマ割込み処理を終了して、割込み発生前の元の処理に戻る。
《画像制御コマンドの送信割込み処理》
次に、画像制御コマンドの送信割込み処理を説明する。図36は、画像制御コマンドの送信割込み処理を示すフローチャートである。この画像制御コマンドの送信割込み処理は、予め設定された一定間隔(500μs)毎に発生する。
この画像制御コマンドの送信割込み処理では、まず、サブメイン情報記憶手段260の画像制御コマンドバッファをチェックする(S931)。続いて、画像制御コマンドバッファにおいてリードポインタを取得する(S932)。次いで、画像制御コマンドバッファに画像制御コマンドが格納されているか否かを判定する(S933)。画像制御コマンドが格納されているか否かは、例えば、リードポインタとライトポインタによって確認でき、リードポインタとライトポインタとが一致している場合には、画像制御コマンドが格納されていないことになる。画像制御コマンドが格納されている場合(S933:YES)には、リードポインタが指す領域から画像制御コマンドを読み出す(S934)。この読み出した画像制御コマンドを、出力先として指定されたシリアル通信回路205の出力バッファにセットする(S935)。これによりシリアルポートから画像制御コマンドが画像制御基板300に対してシリアル送信される。次いで、コマンドデータ(前記S935で送信したコマンドデータ)をクリアする(S936)。続いて、リードポインタを1インクリメントして更新する(S937)。そして、当該画像コマンドの送信割込み処理を終了して、割込み前の元の処理へ復帰する。
[作用]
次に、本実施形態の理解を容易なものとするために、ぱちんこ遊技機PMの特徴的作用について説明する。
始めに、図37を参照して、保留内連荘演出と特殊連続演出とを実行させた場合の演出の流れについて説明する。図37は、保留内連荘演出と特殊連続演出との演出画面を示す模式図である。
まず、図37(A)に示すように、先の特別遊技におけるラウンド演出(最終ラウンド)において、最終ラウンド数である「16ラウンド」と、先の特別遊技における獲得賞球数「1988」とが表示されている。そして、この最終ラウンドにおいて、保留内連荘演出Bとして、「奥義書」の画像が表示され、後続の作動保留球内に特定保留が含まれていること、すなわち、保留内連荘の可能性が示唆される。
続いて、図37(B)に示すように、先の特別遊技における終了デモ演出において、前述の最終ラウンドでの保留内連荘演出Bの発生に伴い、特殊連続演出が開始される。図示の例では、特殊終了デモ演出として、味方キャラクタと敵キャラクタとが登場する。また、この特殊終了デモ演出では、通常とは異なり、「大当り終了」の文字情報が表示されない代わりに、「継続」の文字情報が表示されることで、特別遊技が継続しているかのように見せることができる。そして、内部的には特別遊技が終了することで、特別図柄の確変状態および時短状態、並びに電チューサポート状態が設定された状態で、図柄変動遊技が再開される。
次いで、図37(C)に示すように、先の特別遊技終了後の1回目の図柄変動では、抽選結果がはずれとなり、特殊図柄変動演出として超短縮変動(2秒間)が設定されているため、極短時間のうちに装飾図柄がはずれ態様「1−2−5」で停止表示される。図示の例では、この特殊変動演出において、図37(B)と同一の味方キャラクタと敵キャラクタとが対戦するバトル演出が開始される。これは、特別遊技(先の特別遊技)が終了したという印象を遊技者に対して極力与えないようにするため、先の特別遊技で表示されたものと同一のキャラクタを表示させるためである。なお、この特殊図柄変動演出中には、変動表示又は停止表示される装飾図柄を画面の端の方に縮小した状態で表示させる。これにより、先の特別遊技が終了することなく、継続しているかのように遊技者にみせることができる。なお、特殊図柄変動演出中ではない場合、すなわち、通常の図柄変動演出中においては、装飾図柄を縮小せずに画面の略中央に表示させている。また、限定期間中(特殊変動演出中)は、通常とは異なる特殊背景(「星空」)の背景画像が表示されるため、今後の展開に対する遊技者の期待感を高めることができる。なお、画面全体を特定の表示色とすることで、図柄変動を認識できない又は認識しがたい状態としてもよい。
続いて、図37(D)に示すように、先の特別遊技終了後の2回目の図柄変動では、抽選結果が大当り(16R大当り)となり、特殊変動演出として超短縮変動(2秒間)が設定されているため、極短時間のうちに装飾図柄が大当り態様「7−7−7」で停止表示される。図示の例では、この特殊変動演出において、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利する演出が実行される。このように、特殊連続演出における特殊変動演出では、後続の作動保留球を極短時間で高速消化することで、後の特別遊技に移行するまでの時間を圧縮させて、遊技者に対して図柄変動演出が実行されていたことを極力認識させず、後の特別遊技にシームレスに繋げるように構成されている。
次いで、図37(E)に示すように、後の特別遊技における開始デモ演出において、特殊連続演出が継続している。図示の例では、特殊開始デモ演出として、味方キャラクタが敵キャラクタに向かって「奥義最強」というセリフを告げる演出が実行される。なお、この開始デモ演出では、通常とは異なり、「大当り開始」の文字情報は表示されない。
そして、図37(F)に示すように、後の特別遊技におけるラウンド演出(開始ラウンド)において、擬似カウント演出が開始される。この擬似カウント演出では、先の特別遊技の延長として継続しているかのように見せるため、先の特別遊技からの累積ラウンド数である「17ラウンド」と、先の特別遊技からの累積の獲得賞球数「1988」とが報知される。また、図37(B)と同一の味方キャラクタと敵キャラクタとが継続して表示されている。
これにより、先の特別遊技と、保留内連荘による後の特別遊技とを、図柄変動演出を挟んで一連の演出として見せることができる。また、2回の特別遊技により獲得した賞球数が表示されるため、遊技者に対して多量の賞球を獲得できたという満足感を与えることができる。これにより、規則で制限されたラウンド数および賞球数を越えた新規な特別遊技状態を擬似的に創出することが可能となる。
次いで、図38を参照して、保留内連荘演出と特殊連続演出との関係を説明する。図38は、保留内連荘演出と特殊連続演出との関係を示すタイムチャートである。
先行の作動保留球が消化されて、当否判定で大当りに当選すると(t11)、保留内連荘演出A判定処理に移行し、後続の作動保留球に対して先読み判定が実行される。後続の作動保留球内に特定保留(図示の例では3個目が特定保留)が存在すると、保留内連荘演出Aの実行可否が抽選にて決定され、これに当選すると図柄変動演出中に保留内連荘演出Aが発生する(t12)。
続いて、図柄変動が停止して大当り図柄が確定表示されると、その後、特別遊技(先の特別遊技)が開始される。この特別遊技の開始時に、保留内連荘演出B判定処理に移行するが、当該図柄変動演出にて既に保留内連荘演出Aが発生しているため、この特別遊技中に保留内連荘演出Bは発生しない(t13)。その理由としては、特別遊技中に保留内連荘演出Bを改めて発生させてしまうと、保留内連荘回数(後続の作動保留球内に存在する特定保留の個数)が1回であるにも関わらず、複数回あると遊技者に誤認させてしまうおそれや、本例では確定報知演出ではない保留内連荘演出Bであるが故に、本当に保留内連荘が起こるのかといった不安を遊技者に覚えさせてしまうおそれがあるからである。
次いで、先の特別遊技における終了デモ演出にて、特殊連続演出が開始される(t14)。なお、この特殊連続演出は、今回の特別遊技(先の特別遊技)における終了デモ演出から次回の特別遊技(後の特別遊技)におけるラウンド演出まで継続される(t14〜t18)。そして、先の特別遊技が終了すると、図柄変動演出が再開される(t15)。本例では、4回の図柄変動を限度として特殊演出モードMγに滞在するための限定期間が設定されており、この限定期間内で特殊図柄変動演出が実行される。
続いて、先の特別遊技の終了後、3個目の作動保留球(t12にて保留内連荘報知された特定保留)が消化されて、当否判定で大当りに当選すると(t16)、保留内連荘演出A判定処理に移行する。このとき、後続の作動保留球内には、新たな特定保留が存在しているが(図示の例では2個目が特定保留)、既に特殊連続演出が実行中であるため、この3回目の図柄変動演出中に保留内連荘演出Aは発生しない(t16)。その理由は、特殊連続演出の発生に伴って二つの特別遊技状態を一つの特別遊技状態として見せようとしても、この特殊連続演出の実行中に図柄変動演出としての保留内連荘演出Aが発生したのでは、図柄変動演出中であることを秘匿するという趣旨を没却してしまうおそれがあるからである。また、保留内連荘演出Aの発生を契機として特殊連続演出が開始された場合、この特殊連続演出中(限定期間内)において後続の作動保留球が消化されたときの変動時間は極短時間(2秒)に設定されているため、この短時間内に保留内連荘演出Aを発生させても演出効果が低く、また、保留内連荘演出と特殊連続演出との競合によって両者の演出効果が希薄化されるおそれがあるからである。
次いで、図柄変動が停止して大当り図柄が確定表示されると、後の特別遊技が開始される。また、後の特別遊技の開始時に、保留内連荘演出B判定処理に移行し、後続の作動保留球に対して先読み判定が実行される。このとき、特殊連続演出の実行中であっても、後続の作動保留球内に特定保留が存在すると(図示の例では2個目が特定保留)、保留内連荘演出Bの実行可否が抽選にて決定され、これに当選すると特別遊技中に保留内連荘演出Bが発生し得る(t17)。その理由は、特殊連続演出中であっても大当り演出中に発生するものであれば、遊技者は通常の保留内連荘演出Bが発生したものと感じ、違和感が生じ得ないからである。また、特殊連続演出は、少なくとも先の大当り演出中の終了デモ演出から後の大当り演出中の開始デモ演出までの一連の演出を繋げるものであるため、特殊連続演出の終了後(すなわち、後の特別遊技におけるラウンド演出以降のタイミング)に
保留内連荘演出を発生させるものであれば、保留内連荘演出と特殊連続演出とが競合するという不具合は生じないからである。
以上、本実施形態によれば、図柄変動中に発生する第1の保留内連荘演出Aと、特別遊技中に発生する第2の保留内連荘演出Bとを設け、第1の保留内連荘演出Aでは後続の作動保留球内に特定保留が1個存在する可能性を報知する一方、第2の保留内連荘演出Bでは後続の作動保留球内に特定保留が1個のみでなく複数存在することも報知し得るように構成することで、図柄が変動を開始したときから特別遊技が終了するまでの一連の遊技過程を通じて、保留内連荘演出の発生に対する期待感を持続させることができるとともに、該遊技過程における保留内連荘演出の発生タイミングに応じて保留内連荘に関する多様な情報を遊技者に対して教示し得ることで、保留内連荘演出の発生タイミングや演出態様にバリエーションが付与されるため、保留内連荘演出の幅を拡げることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態では、特別遊技終了後の限定期間中に、特殊図柄変動演出を実行させることで、特別遊技終了後の早期の段階で次回の大当り(保留内連荘で報知された特定保留に係る大当り)が発生することへの期待感を高めることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。また、特殊図柄変動演出を極短時間の短縮変動で構成することにより、先の特別遊技と後の特別遊技との時間的な間隔を抑えることができ、次回の大当りまでの間延びを防止できるとともに、限定期間内での保留内連荘演出の発生を禁止することで、該限定期間内での特殊演出と保留内連荘演出との競合により、かえって演出の効果が希薄化されるのを防止できる。
また、本実施形態では、大当りとなる特定保留が存在する場合でも、必ずしも保留内連荘演出が実行されるわけではないので、たとえ報知されなかったとしても、保留内連荘の可能性に期待感を持たせることができる。なお、特定保留が存在する場合には、必ず、保留内連荘演出を実行するように構成してもよい。
ところで、本実施形態では、先行の作動保留球が大当りとなり、その特別遊技中に保留内連荘演出Bが発生せず、その特別遊技の終了後において後続の作動保留球(保留内連荘演出B発生時点で存在する作動保留球)が消化されることで、図柄変動中に高期待度演出(スーパーリーチB)が発生した場合には、大当りとなる可能性よりもはずれとなる可能性の方が高く設定されている。
図5に示すように、第2特別図柄の遊技において、特別図柄の確変状態では、大当りとなる確率は約1/40、はずれとなる確率は約39/40である。
また、図7に示すように、特別図柄の確変状態では、当否判定の結果が大当りである場合は、大当り種別に関わらず、16R特定大当りおよび8R特定大当りのいずれである場合でも、100%の確率でスーパーリーチB(高期待度演出)の変動パターンPX7,PY7が選択される。すなわち、特別図柄の確変状態では、16R特定大当りの場合はスーパーリーチBの変動パターンPX7のみが選択され、8R大当りの場合はスーパーリーチBの変動パターンPY7のみが選択される。一方、特別図柄の確変状態では、当否判定の結果がはずれである場合は、5%の確率でスーパーリーチB(高期待度演出)の変動パターンPH7が選択される。
このとき、図32のS856で説明したとおり、本例では、後続の作動保留球内に特定保留(16R大当り、8R大当り)が存在する場合に、保留内連荘演出Bの実行可否の当選確率は80%に設定されているため、特定保留(16R大当り、8R大当り)が存在する場合でも、残り20%の確率で保留内連荘演出Bが未実行となる。
以上のような条件のもとで、保留内連荘演出Bが実行されなかった状況下、スーパーリーチBの出現によって大当りとなる確率X、スーパーリーチBの出現によってはずれとなる確率Yは、以下の通りとなる。
X=(大当りとなる確率)×(保留内連荘演出Bが発生しない確率)×(スーパーリーチBとなる確率)
Y=(はずれとなる確率)×(スーパーリーチBとなる確率)
続いて、上記の数値を用いて、スーパーリーチBの出現によって大当りとなる確率X、スーパーリーチBの出現によってはずれとなる確率Yを具体的に計算すると、以下の通りとなる。
X=1/40×(100−80)/100×100/100=20/400
Y=39/40×5/100=195/400
となる。
従って、特別遊技中に保留内連荘演出Bが発生せずに、その後続の作動保留球内で高期待度演出が発生したときは(スーパーリーチBに発展したときは)、大当りとなる可能性よりも、はずれとなる可能性の方が高くなる。
なお、上述の第1実施形態では、基本的には、電チューサポート機能が作動中に取得した第2特別図柄の作動保留球を対象として保留内連荘演出に係る先読み判定が実行される構成であったが、これはあくまで一例であり、例えば、電チューサポート機能が未作動中に取得した第1特別図柄の作動保留球(又は第2特別図柄の作動保留球)を対象として保留内連荘演出に係る先読み判定が実行されてもよい。
また、上述の第1実施形態では、保留内連荘演出Bの判定タイミングを、大当り開始時(開始デモコマンドを受信したとき)のタイミングに設定しているが、これはあくまで一例であり、例えば、大当り開始時、ラウンド遊技時、大当り終了時のいずれのタイミングに設定してもよい。
また、上述の実施形態では、第1特別図柄遊技に第1大入賞口64を対応させ、第2特別遊技に第2大入賞口65を対応させる構成であったが、これに限定されるものではなく、第1特別図柄遊技および第2特別図柄遊技の少なくとも一方について第1大入賞口64と第2大入賞口65との両方を対応させて、これらの大入賞口64,65を交互に開放させてもよい。また、二つの大入賞口64,65を設けることなく、一つの大入賞口のみを設ける構成であってもよい。
また、上述の実施形態では、第2特別図柄の作動保留球を第1特別図柄の作動保留球よりも優先的に消化する、いわゆる優先消化を採用しているが、これに限定されるものではなく、第1始動口61又は第2始動口62への遊技球の入球順によって作動保留球を消化してもよい。なお、この構成を採用する場合は、第1特別図柄の作動保留球および第2特別図柄の作動保留球の両方を保留内連荘報知の対象とすることが好ましい。
[第1実施形態−第1変形例]
次に、第1実施形態の第1変形例に係る遊技機について説明する。この第1変形例に係る遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
(保留内連荘演出と昇天演出との関係)
本変形例では、いわゆる連荘が規定回数だけ継続した場合に、希少性のある特別演出(いわゆる昇天演出)が発生する。「連荘」とは、特定遊技中に所定の大当りとなった場合、その特別遊技の終了後の遊技状態として、再び特定遊技状態が継続することをいう。前述したように、「特定遊技状態」とは、通常状態よりも特別遊技への移行確率が高められた状態であり、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能、電チューサポート機能のうちの少なくとも一の機能が作動した状態のことである。本例では、特定遊技状態として少なくとも電チューサポート機能(入球容易状態)が作動していることを条件とする。ここで、本実施形態では、特別遊技の終了後のST期間中に、確率変動機能、変動時間短縮機能、および電チューサポート機能が作動する(同時に作動を開始して、同時に作動を終了する)構成となっているため、ST期間中は常に特定遊技状態であるといえる。
特別演出の実行条件としては、連荘が規定回数(本例では20回)に亘り連続することが定められるが、この規定回数の他に、例えば、連荘状態における特定大当りの累積回数が所定回数に到達、連荘状態での総獲得ラウンド数や総獲得賞球数が所定数に到達、連荘状態中に特定の演出(図柄変動中又は特別遊技中の特定演出)を発生させた場合などを実行条件に加えてもよい。連荘状態での総獲得ラウンド数や総獲得賞球数などを実行条件に加えてもよい。本例では、特定遊技状態(入球容易状態)を継続させたまま特別遊技を繰り返し取得する連荘回数が規定回数(20回)に到達するとともに、少なくとも最終のN回目では高利益大当り(16R大当り)で当選することを条件とする。特別演出は、その時間軸上において、装飾図柄の変動演出と大当り演出とに跨って表示されるものである。但し、特別演出は、大当り演出中のラウンド演出(最終ラウンド)で終了し、その後の終了デモ演出は含まれない。この特別演出の内容としては、例えば、特別演出でしか登場しない希少性の高い特別キャラクタを1カットずつ順番に表示させることで、遊技者に大当りが連荘することでの満足感を与え得るとともにプレミアム感を高めることができる。
続いて、保留内連荘演出と特別演出との関係について図39および図40を参照して説明する。図39および図40は保留内連荘演出と特別演出との関係を示すタイムチャートである。なお、以下では、連荘回数を「N」、規定回数を「Nset」とも表す。
(2−1)先の大当りに係る図柄変動又は特別遊技で保留内連荘演出が発生した場合、この保留内連荘による大当り(後の大当り)は特別演出の発生条件としての連荘回数にはカウントされず、特別演出の発生の要件とはならない。すなわち、図39に示すように、先行の作動保留球が消化されて、当否判定で大当りに当選すると(t21)、当該消化時であれば保留内連荘演出A判定処理に移行し、大当りの開始時であれば保留内連荘演出B判定処理に移行する。この保留内連荘演出A,B判定処理において、後続の作動保留球内に特定保留(図示の例では3個目が特定保留)が存在すると、保留内連荘演出A,Bの実行可否が抽選にて決定され、これに当選すると図柄変動中であれば保留内連荘演出Aが発生し(t22)、特別遊技中であれば保留内連荘演出Bが発生する(t23)。ここで、今回の大当りを連荘回数N=Nset−1回目の大当りとすると、保留内連荘演出A(t22)又は保留内連荘演出B(t23)にて、連荘回数N回目の大当りとなる特定保留の存在を報知した場合は、この連荘回数N=Nset回目の大当りを伴う図柄変動(t25)と特別遊技のラウンド演出(t26)とに跨って特別演出は発生させない。その理由は、本実施形態では、保留内連荘演出A,Bが発生することを契機として、二つの特別遊技状態(本例では、Nset−1回目とNset回目との特別遊技状態)を一つの特別遊技状態として見せるための特殊連続演出が発生(t24〜t26)するため、演出的には、Nset回目の大当りを特別演出の実行条件としての連荘回数には含めずに、特別演出の実行を回避する方が、特別遊技の擬似的な延長による遊技者の満足感を喪失しないとともに、特別演出
と特殊連続演出との競合を回避して、演出全体のバランスが図れるからである。なお、内部的には、保留内連荘による大当りであっても連荘1回分として連荘回数は更新されている。
(2−2)図柄変動と特別遊技とに跨って特別演出が発生する場合には、当該図柄変動が開始される際に後続の作動保留球内に特定保留が存在するか否かに関わらず、当該変動演出では保留内連荘演出Aは発生しない。すなわち、図40に示すように、先行の作動保留球が消化されて、当否判定で高利益大当りに当選した結果(t31)、連荘回数N=規定回数Nsetとなり、当該図柄変動と特別遊技とに跨って特別演出が発生(t31〜t33)する場合には、当該図柄変動では後続の作動保留球内に特定保留(図示の例では3個目に特定保留あり)が存在するか否かに関わらず、保留内連荘演出Aを発生させない(t32)。その理由は、図柄変動中での特別演出と保留内連荘演出Aとの競合により、かえって両者の演出効果が相互に希薄になってしまうのを回避するためである。
(2−3)図柄変動と特別遊技とに跨って特別演出が発生する場合には、当該図柄変動が開始される際に後続の作動保留球内に特定保留が存在するか否かに関わらず、当該変動演出では保留内連荘演出Bが発生し得る。すなわち、図40に示すように、先行の作動保留球が消化されて、当否判定で高利益大当りに当選した結果(t31)、連荘回数N=規定回数Nsetとなり、当該図柄変動と特別遊技とに跨って特別演出が発生(t32〜t33)する場合には、その特別遊技では後続の作動保留球内に特定保留(図示の例では3個目に特定保留あり)が存在するか否かに関わらず、保留内連荘演出Bを発生させ得る(t34)。これは、前述のように、特別演出は図柄変動演出から特別遊技のラウンド演出までに亘り実行されるものであるため、保留内連荘演出Bをラウンド演出以降となる終了デモ演出で発生(t34)するものとすれば、特別遊技中に特別演出と保留内連荘演出Bとが競合する状況が回避されるからである。なお、特別遊技中に保留内連荘演出Bを発生させない場合は、特別遊技の終了後の限定期間内で特定保留が存在したとしても、当該特定保留に係る図柄変動演出を特殊図柄変動演出として発生させるのではなく、通常短縮大当り変動演出(先に消化予定のはずれ保留に係る図柄変動演出を跨いでまで行うような特殊図柄変動演出ではなく、当該特定保留に係る図柄変動演出のみで完結する即当り演出)として発生させてもよい。
続いて、図41〜図43のフローチャートを参照しながら、第1実施形態の第1変形例における動作処理の手順について説明する。
(特別演出判定処理:第1変形例)
まず、第1変形例における、図29のS736のサブルーチンに係る、特別演出判定処理(S736)について説明する。図41は、特別演出判定処理(S736)の詳細を示すフローチャートである。
まず、サブメイン情報記憶手段260の連荘回数カウンタを参照して、連荘回数Nが規定回数Nsetよりも1だけ少ない回数であるか否かを判定する(S751)。連荘回数N=規定回数Nset−1である場合(S751:YES)、すなわち、今回の変動対象となる特別図柄の抽選結果が大当りとなれば、連荘回数Nが規定回数Nsetに到達する予定である場合は、上記S732でサブメイン情報記憶手段260の変動演出内容判定領域に格納された情報(当否抽選の結果および大当り種別)を解析して、今回の変動対象となる特別図柄の抽選結果が16R大当りであるか否かを判定する(S752)。抽選結果が16R大当りである場合(S752:YES)、すなわち、連荘回数Nが規定回数Nsetに達するとともに、この連荘回数Nでの大当りが高利益大当りとなる予定であれば、サブメイン情報記憶手段260の特殊連続演出フラグがオンであるか否かを判定する(S753)。
特殊連続演出フラグがオンではない場合(S753:NO)、すなわち、特殊連続演出が実行中でない状態であれば、特別演出を実行すべく、特別演出の演出パターンの番号をサブメイン情報記憶手段260の特別演出パターン格納領域に一時記憶する(S754)。そして、サブメイン情報記憶手段260の特別演出フラグをオンにする(S755)。ここで、特別演出フラグとは、特別演出が実行される場合にオンとなるフラグである。なお、図示省略するが、この特別演出フラグは、ラウンド演出が終了するときにオフとなる。
一方、特殊連続演出フラグがオンである場合(S753)、すなわち、既に特殊連続演出が実行中の状態であれば、特別演出と特殊連続演出との競合を回避すべく、S754,S755をスキップして、本処理を終了する。
(保留内連荘演出A判定処理:第1変形例)
続いて、第1変形例における、図29のS737のサブルーチンに係る、保留内連荘演出A判定処理(S737)について説明する。図42は、第1変形例における保留内連荘演出A判定処理(S737)の詳細を示すフローチャートである。
ここで、前述の第1実施形態との相違点は、S760の処理を付加したところであり、特別演出が既に実行中の状態であれば、保留内連荘演出Aの実行を回避する点にある。なお、図42において、S761〜S770の処理は、第1実施形態と同様の処理であるため、相違点であるS760の処理を中心に説明する。
まず、サブメイン情報記憶手段260の特別演出フラグがオンであるか否かを判定する(S760)。特別演出フラグがオンでない場合(S760:NO)、すなわち、特別演出が実行中でない状態であれば、保留内連荘演出Aの実行可否の判定を継続すべく、次のS761へ移行する。一方、特別演出フラグがオンである場合(S760:YES)、すなわち、特別演出が既に実行中の状態であれば、保留内連荘演出Aの実行を回避すべく、S761以降の処理をスキップして、本処理を終了する。
(保留内連荘演出B判定処理:第1変形例)
続いて、第1変形例における、図31のS805のサブルーチンに係る、保留内連荘演出B判定処理(S805)について説明する。図43は、第1変形例における保留内連荘演出B判定処理(S805)の詳細を示すフローチャートである。
ここで、前述の第1実施形態との相違点は、S859、S862、S863の処理であり、特別演出が実行中の状態であるか否かに応じて、保留内連荘演出Bの連荘演出パターン選択処理を異ならしめている点である。なお、図43において、S851〜S858、S868〜S870の処理は、第1実施形態と同様の処理であるため、相違点であるS859、S862、S863の処理を中心に説明する。
まず、保留内連荘演出Bの実行が決定された場合には、サブメイン情報記憶手段260の特別演出フラグがオンであるか否かを判定する(S859)。特別演出フラグがオンでない場合(S859:NO)、すなわち、特別演出が実行中でない状態であれば、保留内連荘演出Bの内容を決定するための連荘演出パターン選択処理1を実行する(S862)。この連荘演出パターン選択処理1では、前述の図8(B)に示した連荘演出パターンテーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から連荘演出パターン乱数値を取得して、複数種の連荘演出パターンの中から、いずれかの連荘演出パターンを抽選にて決定する。
一方、特別演出フラグがオンである場合(S859:YES)、すなわち、特別演出が実行中の状態であれば、保留内連荘演出Bの内容を決定するための連荘演出パターン選択処理2を実行する(S863)。この連荘演出パターン選択処理2では、前述の図8(B)とは異なる不図示の連荘演出パターンテーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から連荘演出パターン乱数値を取得して、複数種の連荘演出パターンの中から、いずれかの連荘演出パターンを抽選にて決定する。この不図示の連荘演出パターンテーブルでは、終了デモ演出にて発生する連荘演出パターンのみが規定されており、開始デモ演出又はラウンド演出にて発生する連荘演出パターンについては規定されていない。すなわち、連荘演出パターン選択処理2では、終了デモ演出用の連荘演出パターンのみが選択されるようになっている。これは、前述のとおり、特別演出は変動演出からラウンド演出までに亘り実行されるものであるため、保留内連荘演出Bを終了デモ演出で発生するものとすれば、特別遊技中での特別演出と保留内連荘演出Bとの競合を回避できるからである。
以上、第1実施形態の第1変形例によれば、保留内連荘演出が発生した後、保留内連荘で大当りした場合には、内部的には連荘回数Nが規定回数Nsetに到達している場合であっても、特別演出の発生を禁止して、保留内連荘演出の発生後に連動して続行される演出(本例では、特殊連続演出や限定期間内での特殊背景演出)と特別演出とが競合するという状況を回避することで、保留内連荘演出の効果が希薄になるのを防止でき、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
なお、上述の第1変形例において、連荘回数Nが規定回数Nset(=20回)に到達する以前の未達回数(例えば、5回、10回、15回)において、特別演出に対する期待感を高めるため、例えば特別演出の一部で構成される特別経由演出を設けてもよい。このとき、上述の第1変形例では、連荘回数が規定回数(20回)に達することで、特別演出が実行される場合は、基本的には保留内連荘演出の実行が制限(終了デモ演出でのみ許容)されることになるが、特別経由演出の場合には、この特別経由演出の実行中であっても保留内連荘演出を同時に実行可能とするように構成してもよい。
[第1実施形態−第2変形例]
次に、第1実施形態の第2変形例に係る遊技機について説明する。この第2変形例に係る遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
(保留内連荘演出と演出モードとの関係)
前述の第1実施形態では、主制御基板100側の変動パターン選択状態に応じて演出制御基板200側の演出モードが一義的に決定される構成であったが、本変形例では、遊技者による演出ボタン15の操作を契機として演出モードを選択可能とするものである。
すなわち、本変形例では、通常状態において大当り(初当り)が発生した場合、当該大当り演出中(終了デモ演出中)に、特別遊技終了後の図柄変動演出および大当り演出の種類を特定するための演出モードを複数種の中から遊技者自身が選択可能になっている。本例では、ST期間中の確変演出モードMβとして、演出の種類が異なる二つの演出モード(第1演出モードM1、第2演出モードM2)が用意されており、各演出モード毎に複数種の変動演出パターンが記憶されている。この変動演出パターンについては、特別図柄の変動パターンが同一であっても(同一情報の変動開始コマンドを受信した場合でも)、演出モードが異なれば、互いに異なる演出内容の変動演出パターンが選択されることになる。
第1演出モードM1と第2演出モードM2は、遊技者側の味方キャラクタが敵キャラクタと対戦するバトル演出モードとして構成されており、各演出モード毎に遊技者側の味方キャラクタと対戦相手の敵キャラクタとが相互に異なるように設定されている。
第1演出モードM1に滞在中は、図柄変動演出として、この演出モードM1に対応する味方キャラクタC1が敵キャラクタと闘技場を舞台として対戦する演出内容の変動演出パターンが選択される。また、この第1演出モードM1に滞在中は、大当り演出として、味方キャラクタC1を主人公として敵キャラクタを攻撃する演出内容(攻撃系)の大当り演出パターンが選択されることで、第1演出モードM1における図柄変動演出と大当り演出との相互の関連性を確保している。
第2演出モードM2に滞在中は、図柄変動演出として、この演出モードM2に対応する味方キャラクタC2が敵キャラクタと敵のアジトを舞台として対戦する演出内容の変動演出パターンが選択される。また、この第2演出モードM2に滞在中は、大当り演出として、味方キャラクタC2を主人公として敵キャラクタからの攻撃を防御する演出内容(防御系)の大当り演出パターンが選択されることで、第2演出モードM2における図柄変動演出と大当り演出との相互の関連性を確保している。
演出モードの選択は、通常状態において初当りが発生した場合、当該大当り演出における終了デモ演出中に、所定のモード選択画面が表示されることで行われる。このモード選択画面の表示中に、演出ボタン15の操作を有効とする操作有効期間が設定される。モード選択画面では、演出表示装置70の表示領域が左右に二分割され、左側の領域に味方キャラクタC1の名前が関連画像とともに表示され、右側の領域に味方キャラクタC2の名前が関連画像とともに表示される。そして、操作有効期間中に演出ボタン15にて選択された味方キャラクタC1,C2に対応した演出モードM1,M2が設定される。なお、操作有効期間中に操作がされなかった場合には、内部抽選にていずれかの演出モードが設定される。
続いて、この第2変形例における保留内連荘演出と演出モードとの関係について説明する。
(3−1)保留内連荘演出Aの実行確率(発生頻度)は、第1演出モードM1に滞在している場合と第2演出モードM2に滞在している場合とで相互に異なるように設定されている。本例では、第1演出モードM1に滞在している場合は、例えば、90%の割合(高確率)で実行、10%の割合で非実行を決定する一方で、第2演出モードM2に滞在している場合は、10%の割合(低確率)で実行、90%の割合で非実行を決定する。なお、演出モード毎に保留内連荘演出Aの実行確率が異なるものであれば、いずれかの演出モードに滞在している場合は、保留内連荘演出Aを実行しない、すなわち、保留内連荘演出Aの実行確率を0%に設定してもよい。
(3−2)保留内連荘演出Bの実行確率(発生頻度)は、第1演出モードM1に滞在している場合と第2演出モードM2に滞在している場合とで同一に設定されている。本例では、いずれの演出モードM1,M2に滞在していた場合でも、例えば、80%の割合で実行、20%の割合で非実行を決定する。なお、これに限定されず、保留内連荘演出Aと同様に、保留内連荘演出Bの実行確率を演出モード毎に異ならしめてもよい。
(3−3)保留内連荘演出Aの実行が決定された場合、保留内連荘演出Aの演出内容(連荘演出パターン)は、第1演出モードM1に滞在している場合と第2演出モードM2に滞在している場合とで同一に設定されている。ここで、図44(A)は本変形例における保留内連荘演出Aの連荘演出パターンテーブルを示す模式図である。本例では、保留内連
荘演出Aにおいては、演出モードがいずれであっても、同一の連荘演出パターンPA1,PA2のうちのいずれかが選択される。なお、演出パターンPA1,PA2については第1実施形態で説明済みであるため、ここでは説明を省略する。
(3−4)保留内連荘演出Bの実行が決定された場合、保留内連荘演出Bの演出内容(連荘演出パターン)は、第1演出モードM1に滞在している場合と第2演出モードM2に滞在している場合とで相互に異なるように設定されている。ここで、図44(B)は本変形例における保留内連荘演出Bの連荘演出パターンテーブルを示す模式図である。本例では、保留内連荘演出Bにおいては、第1演出モードでは、連荘演出パターンPB11,PB12,PB13のうちのいずれかが選択され、第2演出モードでは、連荘演出パターンPB21,PB22,PB23のうちのいずれかが選択される。第1演出モードM1において、連荘演出パターンPB11〜PB13が選択された場合には、保留内連荘演出以外のいかなる場面でも現出することのない、特殊な演出画像「BX11」〜「BX13」が表示される。演出画像BX11〜BX13としては、例えば、「無敵の剣」を模した画像や「攻撃は最大の防御」といった文字情報などが出現する攻撃系の演出内容が該当する。一方、第2演出モードM2において、連荘演出パターンPB21〜PB23が選択された場合には、、保留内連荘演出以外のいかなる場面でも現出することのない、特殊な演出画像「BX21」〜「BX23」が表示される。演出画像BX21〜BX23としては、例えば、「無敵の防具」を模した画像や「完全防御」といった文字情報などが出現する防御系の演出内容が該当する。
続いて、図45〜図49のフローチャートを参照しながら、第1実施形態の第2変形例における動作処理の手順について説明する。
(大当り演出内容決定処理:第2変形例)
まず、第2変形例における、図27のS638のサブルーチンに係る、大当り演出内容決定処理(S638)について説明する。図45は、第2変形例における大当り演出内容決定処理(S638)の詳細を示すフローチャートである。
ここで、前述の第1実施形態との相違点は、S829〜S831の処理であり、初当り時における終了デモ演出中に演出ボタン15の操作を有効に設定する点にある。なお、図45において、S801〜S826、S835〜S838の処理は、第1実施形態と同様の処理であるため、相違点であるS829〜S831の処理を中心に説明する。
まず、今回の大当りが初当りであるか否かを判定する(S829)。初当りである場合(S829:YES)には、遊技者による演出ボタン15の操作に応じて演出モードを選択可能な状態とすべく、演出ボタン15の操作有効期間を計時するための操作有効期間タイマに所定値を設定する(S830)。なお、操作有効期間とは、演出ボタン15の操作入力が有効となる期間である。続いて、サブメイン情報記憶手段260の演出ボタン有効フラグをオンにする(S831)。演出ボタン有効フラグとは、演出ボタン15の操作が有効である状態のときにオンとなるフラグである。
(演出ボタン監視制御処理:第2変形例)
続いて、第2変形例における、図26のS617のサブルーチンに係る、演出ボタン監視制御処理(S617)について説明する。図46は、演出ボタン監視制御処理(S617)の詳細を示すフローチャートである。
まず、サブメイン情報記憶手段260の演出ボタン有効フラグがオンであるか否かを判定する(S951)。演出ボタン有効フラグがオンである場合(S951:YES)には、演出ボタン15の操作有効期間中であるか否か、すなわち、操作有効期間タイマが「0
」でないか否かを判定する(S952)。操作有効期間タイマは、前述のように、初当り時における終了デモ演出の開始時に所定値が設定され、後述のタイマ割込み処理が発生する毎に1msずつ減算される。また、操作有効期間中は、上記S804で設定された終了デモ演出パターンに基づく演出画面(モード選択画面)が表示され、演出ボタン15の操作入力に基づき、第1演出モードM1、第2演出モードM2のうちのいずれかを選択可能となる。具体的には、図示省略するが、モード選択画面上に、各演出モードに対応した二つの選択画像を左右又は上下に表示して、操作有効期間中における一定時間ごとに選択画像の表示態様を順次切り替えることで、演出ボタン15の操作タイミングに応じて、これら二つの選択画像の中から一つを選択可能とし、この選択画像に対応した演出モードが設定されるものである。
ここで、演出ボタン15の操作有効期間中である場合(S952:YES)には、演出ボタン15の操作入力があったか否かを判定する(S953)。演出ボタン15の操作入力があった場合(S953:YES)には、演出ボタン15の操作入力情報をサブメイン情報記憶手段260に保存する(S954)。本例では、操作入力情報として、第1演出モードを選択操作した旨の情報と、第2演出モードを選択操作した旨の情報とがある。続いて、演出ボタン15の操作入力情報を画像制御基板300側へ指示するための画像制御コマンドを生成し、これをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納する(S955)。また、このように演出ボタン15の操作入力があった場合には、操作有効期間の経過前であっても、前記操作入力を確定して操作有効期間の終了を設定すべく、操作有効フラグをオフにする(S956)。一方、操作有効期間中ではない場合(S952:NO)、すなわち、操作有効期間タイマが「0」である場合には、演出ボタン有効フラグをオフにする(S956)。
(演出状態移行処理:第2変形例)
続いて、第2変形例における、図27のS632のサブルーチンに係る、演出状態移行処理(S632)について説明する。図47は、第2変形例における演出状態移行処理(S632)の詳細を示すフローチャートである。
ここで、前述の第1実施形態との相違点は、S714〜S720の処理であり、前述の演出ボタン監視制御処理(S617)で設定した演出ボタン15の操作入力情報に基づき(遊技者による演出ボタン15の押圧操作を契機として)、演出モードを択一的に決定する点である。なお、図47において、S701〜S705、S721の処理は、第1実施形態と同様の処理であるため、相違点であるS714〜S720の処理を中心に説明する。
まず、変動パターン選択状態の移行先が高確率短縮変動状態βである場合(S706:YES)には、今回の大当りが初当りであるか否かを判定する(S714)。初当りである場合(S714:YES)には、上記S954で設定した操作入力情報が、第1演出モードM1を選択操作した旨の情報であるか否かを判定する(S715)。第1演出モードM1が選択された場合(S715:YES)には、演出モードの移行先として第1演出モードM1を設定する(S716)。この第1演出モードM1に移行すると、サブメイン情報記憶手段260の背景データ格納領域に第1確変背景データが設定される(S717)。そして、第1演出モードM1において、次回の図柄変動から演出表示装置70上にて、例えば「闘技場」の第1確変背景画像が表示される。
一方、上記S954で設定した操作入力情報が、第2演出モードM2を選択操作した旨の情報である場合(S715:NO)には、演出モードの移行先として第2演出モードM2を設定する(S718)。この第2演出モードM2に移行すると、サブメイン情報記憶手段260の背景データ格納領域に第2確変背景データが設定される(S719)。そし
て、第2演出モードM2において、次回の図柄変動から演出表示装置70上にて、例えば「敵のアジト」の第2確変背景画像が表示される。
また、今回の大当りが初当りではない場合(S714:NO)には、初当り時に選択した演出モードと背景画像を維持する(S720)。なお、前記S714〜S719における初当り時の操作入力のみならず、一定の条件を充足したことを契機として、演出モードを切り替えるように構成してもよい。一定の条件としては、例えば、特定の大当り(大当りの種別が特定種別である場合や、大当り演出が特定演出である場合などを含む)となった場合、連荘状態に関して所定条件を満足した場合(前述した特別演出の発生)、もしくは、大当り中の特定操作入力(例えば、大当り時の特定タイミングにて特殊操作入力としてボタン5回押しや長押し)があった場合などが該当する。
(保留内連荘演出A判定処理:第2変形例)
続いて、第2変形例における、図29のS737のサブルーチンに係る、保留内連荘演出A判定処理(S737)について説明する。図48は、第2変形例における保留内連荘演出A判定処理(S737)の詳細を示すフローチャートである。
ここで、前述の第1実施形態との相違点は、S771〜S773の処理であり、保留内連荘演出A抽選処理の実行確率を上記演出状態移行処理(S632)で設定された演出モードに応じて異ならしめている点にある。なお、図48において、S761〜S765、S767〜S770の処理は、第1実施形態と同様の処理であるため、相違点であるS771〜S773の処理を中心に説明する。
まず、現在滞在中の演出モードが第1演出モードM1であるか否かを判定する(S771)。第1演出モードM1である場合(S771:YES)には、該第1演出モードM1において保留内連荘演出Aを実行するか否かを抽選にて決定するための保留内連荘演出A抽選処理1を実行する(S772)。この保留内連荘演出A抽選処理1では、不図示の連荘演出A抽選テーブルを参照して、連荘演出抽選乱数値が「実行」、「非実行」のいずれかの判定値と一致した場合に実行の有無を決定する。本例では、例えば、90%の割合で実行、10%の割合で非実行を決定する。
一方、滞在中の演出モードが第2演出モードM2である場合(S771:NO)には、該第2演出モードM2において保留内連荘演出Aを実行するか否かを抽選にて決定するための保留内連荘演出A抽選処理2を実行する(S773)。この保留内連荘演出A抽選処理2では、不図示の連荘演出A抽選テーブルを参照して、連荘演出抽選乱数値が「実行」、「非実行」のいずれかの判定値と一致した場合に実行の有無を決定する。本例では、例えば、10%の割合で実行、90%の割合で非実行を決定する。
このように、本変形例では、第1演出モードM1に滞在する場合と第2演出モードM2に滞在する場合とで、保留内連荘演出Aが実行される確率、すなわち、保留内連荘演出Aの発生頻度が異なるように設定されている。
(保留内連荘演出B判定処理:第2変形例)
続いて、第2変形例における、図45のS805のサブルーチンに係る、保留内連荘演出B判定処理(S805)について説明する。図49は、第2変形例における保留内連荘演出B判定処理(S805)の詳細を示すフローチャートである。
ここで、前述の第1実施形態との相違点は、S860,S864,S865の処理であり、保留内連荘演出Bの連荘演出パターンテーブルを上記演出状態移行処理(S632)で設定された演出モードに応じて異ならしめている点にある。なお、図49において、S
851〜S857、S869〜S870の処理は、第1実施形態と同様の処理であるため、相違点であるS860,S864,S865の処理を中心に説明する。
まず、現在滞在中の演出モードが第1演出モードM1であるか否かを判定する(S860)。第1演出モードである場合(S860:YES)には、保留内連荘演出Bの内容を決定するための連荘演出パターン選択処理1を実行する(S864)。この連荘演出パターン選択処理1では、前述の図44(B)に示した連荘演出パターンテーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から連荘演出パターン乱数値を取得して、複数種の連荘演出パターンPB11〜PB13の中から、いずれかの連荘演出パターンを抽選にて決定する。前述したように、この連荘演出パターン選択処理1では、攻撃系の内容の連荘演出パターンPB11〜13のみが選択されるように構成されている。
一方、滞在中の演出モードが第2演出モードM2である場合(S860:NO)には、保留内連荘演出Bの内容を決定するための連荘演出パターン選択処理2を実行する(S865)。この連荘演出パターン選択処理2では、前述の図44(B)に示した連荘演出パターンテーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から連荘演出パターン乱数値を取得して、複数種の連荘演出パターンPB21〜PB23の中から、いずれかの連荘演出パターンを抽選にて決定する。前述したように、この連荘演出パターン選択処理2では、防御系の内容の連荘演出パターンPB21〜23のみが選択されるように構成されている。
このように、本変形例では、保留内連荘演出Bの実行が決定された場合、第1演出モードM1に滞在する場合と第2演出モードM2に滞在する場合とで、保留内連荘演出Bの表示態様(連荘演出パターン)が異なるように設定されている。
以上、第1実施形態の第2変形例によれば、遊技者自身が選択した演出モードの種別に応じて、保留内連荘演出の出現率やその演出内容を異ならしめることで、遊技者の好みに合った保留内連荘演出を遊技者に対して提供することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
なお、本変形例では、特別遊技終了後の限定期間内でのみ滞在する特殊演出モードを設けていないが、これに限定されず、特殊演出モードを設けてもよい。この場合には、第1演出モードに対応する第1特殊演出モードと、第2演出モードに対応する第2特殊演出モードとを設けて、初当り後の遊技者の操作によって所望の特殊演出モードを選択可能に構成してもよい。なお、この構成において、例えば、第1特殊演出モードに移行する場合には特殊連続演出を発生させ、第2特殊演出モードに移行する場合は特殊連続演出を発生させないようにしてもよい。また、更なる変形例として、一又は複数の後続の作動保留球のうちの少なくともいずれかが特定保留であることが、特別遊技の演出表示過程にて保留内連荘演出Bを実行可能とする保留内連荘演出実行条件であり、この保留内連荘演出実行条件を充足する状況下であっても、上記特別遊技が第1演出モードM1から第2演出モードM2への移行契機となる特別遊技(「特殊特別遊技」という)である場合には、上記特別遊技が特殊特別遊技でない場合(「非特殊特別遊技」という)と比して、保留内連荘演出Bの発生頻度(実行確率)が低くなるよう構成してもよい。その場合、大当り種別として、第1の大当りと第2の大当りとを少なくとも含み、第1の大当りの当選した場合には特別遊技(非特殊特別遊技)の終了後に第1演出モードに移行し、第2の大当りに当選した場合には特別遊技(特殊特別遊技)の終了後に第2演出モードに移行するものとする。このとき、特殊特別遊技の実行中では、大当り演出として、例えば、その他のいかなる場面でも現出することのない特殊な大当り演出が実行される。従って、第2の大当りに当選した場合には、その特別遊技中(特殊特別遊技中)において特殊な大当り演出が発生するため、保留内連荘演出Bとの競合を防止すべく、保留内連荘演出Bの発生頻度を相対的に低
く設定している。
[第1実施形態−第3変形例]
次に、第1実施形態の第3変形例に係る遊技機について説明する。この第3変形例に係る遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
(複数回の操作を要する保留内連荘演出)
前述の第1実施形態では、保留内連荘演出において、後続の作動保留球内に大当りとなる特定保留が存在する可能性を示唆又は報知する構成であったが、これに限定されず、特定保留の有無だけでなく、後続の作動保留球の変動演出態様を示唆又は報知するように構成してもよい。
本変形例では、保留内連荘演出Bにおいて後続の作動保留球の変動演出態様の示唆又は報知を行う一方で、保留内連荘演出Aにおいて後続の作動保留球の変動演出態様の示唆又は報知を行わない。なお、保留内連荘演出Aにおいて変動演出態様の示唆又は報知を行わない理由は、保留内連荘演出Aは当該変動内で発生するため、当該変動での大当りによる特別遊技を挟んで、特別遊技後の変動演出態様までも示唆又は報知する意義が低いからである。
それでは、本変形例における保留内連荘演出Bについて説明する。図50は、本変形例における保留内連荘演出Bの演出内容の一例を示す模式図である。本変形例における保留内連荘演出Bの演出内容は、遊技者が演出ボタン15を複数回に亘り操作することによって、画面に表示された宝箱が開放されることで、その獲得したポイント値に応じて、後続の作動保留球内における特定保留の有無および変動演出態様が示唆又は報知されるものである。このように保留内連荘演出Bにおいて特定保留の有無および変動演出態様の示唆又は報知を受けるためには、遊技者による複数回のボタン操作を要する。
本変形例では、図50に示すように、画面上に合計3個の宝箱が横一列に配置されており、演出ボタン15の1回の操作によって宝箱が1個開放され、この開放された宝箱の中から獲得点数(0点又は1点)が出現するようになっている。そして、宝箱を全数開放したときに得られる総獲得点数に応じて、後続の作動保留球における特定保留の有無および変動演出態様が示唆又は報知されるものとなる。
詳細後述するが、本変形例では、総獲得点数が0点のときは、後続の作動保留球内にリーチ演出を伴う作動保留球が存在する可能性を示唆する。総獲得点数が1点のときは、後続の作動保留球内にリーチ演出を伴う作動保留球が存在することを確定的に報知する。総獲得点数が2点のときは、後続の作動保留球内に16R大当り又は8R大当りとなる特定保留が存在すること、すなわち、保留内連荘することを確定的に報知する。総獲得点数が3点のときは、後続の作動保留球内に16R大当りとなる特定保留が存在すること、すなわち、高利益大当りにて保留内連荘することを確定的に報知する。
ここで、本変形例における連荘演出パターンについて図51を参照しながら説明する。図51は、第3変形例における保留内連荘演出Bの連荘演出パターンテーブルの一例を示す模式図である。連荘演出パターンテーブルには、複数種の連荘演出パターンが規定されている。各図中では、説明の便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には連荘演出パターン乱数値に応じて、連荘演出パターンを決定するための判定値(乱数値の範囲)が設定されており、連荘演出パターン乱数値がいずれの判定値に属するかに基づき、連荘演出パターンが決定されるようになっている。
図51に示すように、連荘演出パターンテーブルには、各連荘演出パターンに応じて、1回のボタン操作で獲得し得る宝箱毎の点数(1個目の宝箱の点数、2個目の宝箱の点数、3個目の宝箱の点数)が特定されており(図中の「演出内容(獲得点数)」の欄を参照)、各連荘演出パターンは宝箱の総獲得点数(0点、1点、2点、3点)に応じた複数のパターン種別に分類される。すなわち、総獲得点数が「0点」の場合は、連荘演出パターンPB31のみが選択され、総獲得点数が「1点」の場合は、連荘演出パターンPB32〜PB34のいずれが選択され、総獲得点数が「2点」の場合は、連荘演出パターンPB35〜PB37のいずれが選択され、総獲得点数が「3点」の場合は、連荘演出パターンPB38のみが選択される。例えば、連荘演出パターンPB35が選択された場合には、1回目の操作で「0点」、2回目の操作で「1点」、3回目の操作で「1点」が獲得可能であることが定められており、その結果として総獲得点数「2点」が定められている。
この連荘演出パターンテーブルでは、先読み判定(事前判定)の結果に応じて、連荘演出パターンの選択率が異なるように設定されている。原則的には、連荘演出パターンは、最終的な総獲得点数に応じて選択率が割り振られており、先読み判定の結果が大当りの場合には、総獲得点数が、「0点」、「1点」、「2点」、「3点」の順に選択率が高くなるのに対して、事前判定の結果がはずれの場合には、総獲得点数が、「0点」、「1点」、「2点」、「3点」の順に選択率が低くなる。
さらに、先読み判定の結果がはずれ、大当りの場合でも、はずれの種別(非リーチはずれ、リーチはずれ)、大当りの種別(8R大当り、16R大当り)に応じて、連荘演出パターンの選択率は異なる。すなわち、先読み判定の結果が非リーチはずれの場合は、総獲得点数として「1点」以上が選択されることはないため、総獲得点数が「1点」以上となった時点で、後続の作動保留球内にリーチ演出を伴う作動保留球が存在することが確定的となる。なお、先読み判定の結果が大当りの場合でも、総獲得点数として「1点」が選択されることがあるが、本例では図7に示すように、大当りの変動パターンとしてはリーチ変動のみが選択されるため、前述のように、総獲得点数が「1点」以上となった時点で、後続の作動保留球内にリーチ演出を伴う作動保留球が存在することが確定的となることに齟齬は生じない。
同様に、先読み判定の結果が大当りの場合は、総獲得点数として「2点」以上が選択されることがある一方で、先読み判定の結果がリーチはずれ(ノーマルリーチはずれ、スーパーリーチはずれ)の場合は、総獲得点数として「2点」以上が選択されることはないため、総獲得点数として「2点」以上となった時点で、後続の作動保留球内に特定保留が存在すること、すなわち、保留内得連荘することが確定的となる。さらに、先読み判定の結果が16R大当りの場合は、総得点数として「3点」が選択されることがある一方で、先読み判定の結果が8R大当りの場合は、総得点数として「3点」が選択されることがないため、総得点数が「3点」となった時点で、後続の作動保留球内に16大当りとなる特定保留が存在すること、すなわち、高利益大当りで保留内連荘することが確定的となる。
このような保留内連荘演出Bの演出内容について図50を用いて具体的に説明する。本例では、連荘演出パターンPB37が選択された場合を例示する。この連荘演出パターンでは、前述のとおり、1回目の操作で「0点」、2回目の操作で「1点」、3回目の操作で「1点」を獲得可能であるため、総獲得点数は2点、すなわち、保留内連荘の発生を確定的に報知する演出内容となる。
まず、図50(A)に示すように、演出ボタン15の操作を有効とする操作有効期間の開始に伴い、画面上に3個の宝箱(閉じた宝箱)の画像が表示されるとともに、「ボタンを押して宝箱を開けよう」という文字が表示される。また、画面上には、演出ボタン15
の操作が可能となる「残り時間」とともに、現段階で獲得した点数を表す「総獲得点数」が表示される。さらに、画面上には、操作の対象となる宝箱を指し示すカーソルが表示され、操作可能な残り時間に応じて、カーソルが左側から右側へ宝物1個分ずつ段階的にシフトするようになっている。なお、画面上において左側の宝箱を「1個目の宝箱」、中央の宝箱を「2個目の宝箱」、右側の宝箱を「3個目の宝箱」とも称する。
続いて、図50(B)に示すように、カーソルが1個目の宝箱を指し示すときに、演出ボタン15が操作されると、この1個目の宝箱が開放される。このとき、宝箱がはずれの場合には、宝箱の中から「0点」の文字とともに「残念」という文字が出現する。
次いで、図50(C)に示すように、カーソルが2個目の宝箱を指し示すときに、演出ボタンが15操作されると、この2個目の宝箱が開放される。このとき、宝箱が当りの場合には、宝箱の中から「1点」の文字とともに「チャンス」という文字が出現する。この時点で、総獲得点数として「1点」以上が確約されるため、後続の作動保留球内にリーチ演出を伴う作動保留球が存在することが確定的となる。
続いて、図50(D)に示すように、カーソルが3個目の宝箱を指し示すときに、演出ボタン15が操作されると、この3個目の宝箱が開放される。このとき、宝箱が当りの場合には、宝箱の中から「1点」の文字とともに「チャンス」という文字が出現する。また、1回目の獲得点数と2回目の獲得点数とを合算した「総獲得点数」として「2点」の文字が表示される。これにより、後続の作動保留球内に特定保留が含まれていること、すなわち、保留内連荘となることが確定的に報知される。
なお、このように保留内連荘演出Bが発生したにも関わらず、演出ボタン15が操作されなかった場合には、宝箱は閉じた状態のままであり、後続の作動保留球に対する先読み判定の結果を得ることはできない。これにより、遊技者に対して演出ボタン15の各回の操作に意味があることを認識させることができる。なお、本変形例では、複数回の操作を要する構成としたが、これに限定されず、1回のみの操作のみで、後続の作動保留球の変動演出態様を示唆又は報知する構成としてもよい。また、遊技者によってボタン操作されていれば「3点」を獲得できたにも関わらず、当該ボタン操作がされなかった場合には、補完的に、これとは異なる保留内連荘演出B−2を終了デモ演出時などに行うように構成してもよい。逆に言えば、規定のタイミングでボタン操作がされて、「3点」を獲得できたのであれば、保留内連荘演出B−2を行わないように構成してもよい。
以上、第1実施形態の第3変形例によれば、保留内連荘演出において、後続の作動保留球内に特定保留が存在する可能性だけでなく、後続の作動保留球が消化されたときの変動演出態様までをも示唆又は報知することにより、その演出結果に応じた多様な付加情報を遊技者に対して教示し得るため、保留内連荘演出の演出効果が高められ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。また、保留内連荘演出とボタン演出との相乗効果によって、保留内連荘演出が発生したときの付加価値をより一層高めることができるとともに、遊技者参加型の演出効果をさらに高めることができる。
[第1実施形態−第4変形例]
次に、第1実施形態の第4変形例に係る遊技機について説明する。この第4変形例に係る遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
(保留内連荘演出による確定報知タイミング)
前述の第1実施形態では、保留内連荘演出Aが発生した時点で、保留内連荘が確定的と
なるが、これには限定されず、保留内連荘演出Aの発生時点では保留内連荘は確定せず、保留内連荘演出Aの発生後、所定の条件が成立することで保留内連荘が確定するように構成してもよい。
例えば、遊技状態が特別図柄の確変状態となる確変モードにおいては、図柄変動演出として、味方キャラクタと敵キャラクタとが対戦を行うことを内容とするバトル演出が展開される。本変形例におけるバトル演出は、図柄変動演出の終了直前(装飾図柄の停止直前)に、遊技者側の味方キャラクタが敵キャラクタに勝利することで、当該変動での16R大当りの確定を示唆する演出である。
本変形例では、保留内連荘演出Aが図柄変動中のバトル演出(特殊バトル演出)として発生する場合がある。この特殊バトル演出では、通常のバトル演出では登場しない特別の敵キャラクタが出現する。この特殊バトル演出において味方キャラクタが敵キャラクタに勝利する結果となった場合は、当該変動での16大当り当選、および、後続の作動保留球内に特定保留が存在すること、すなわち、保留内連荘することが確定する。一方、この特殊バトル演出において味方キャラクタが敵キャラクタに敗北する結果となった場合は、当該変動でのはずれが確定的となり、更には保留内連荘の発生も否定される(いわゆるガセ演出となる)。このように、本変形例では、バトル演出において対戦結果が報知されるまでは、保留内連荘が発生するか否かが確定しないため、当該演出過程に注目させて保留内連荘に対する期待感を高めることができる。
なお、保留内連荘演出Aだけに限定されず、保留内連荘演出Bにおいても、保留内連荘演出Bの発生時点では保留内連荘は確定せず、保留内連荘演出Bの発生後、所定の条件が成立することで保留内連荘が確定する構成としてもよい。本変形例において、保留内連荘演出Bの演出内容としては、例えば、ルーレットの停止結果によって保留内連荘の可能性を報知するルーレット演出が例示される。このルーレット演出では、「壱」「弐」「参」の全3箇所の停止位置を設けておき、ルーレットが「壱」で停止した場合には保留内連荘が否定され、「弐」で停止した場合には保留内連荘の可能性が示唆され、「参」で停止した場合には保留内連荘の確定が報知されるものとする。このように、本変形例では、ルーレット演出において抽選結果が報知されるまで、保留内連荘が発生するか否かが確定しないため、当該演出過程に注目させて保留内連荘に対する期待感を高めることができる。なお、遊技者のボタン操作を条件にルーレットを停止させるようにしてもよい。
以上、第1実施形態の第4変形例によれば、保留内連荘演出が発生したとしても、所定の条件が成立するまで、遊技者には保留内連荘が確定するか否かが教示されないため、保留内連荘演出が終了する最後のタイミングまで、その演出内容に対する関心を維持させることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
[第1実施形態−第5変形例]
次に、第1実施形態の第5変形例に係る遊技機について説明する。この第5変形例に係る遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
(保留内連荘演出を含むボタン予告演出)
前述の第1実施形態では、保留内連荘演出Aは連荘演出パターンに応じた演出画像を表示する構成であったが、遊技者によるボタン操作と絡めた予告演出画像を表示させるボタン予告演出の一態様として保留内連荘演出Aを包含した構成としてもよい。
ここで、前述の第1実施形態では、変動演出パターンに対応した予告演出パターンが選
択されて、図柄変動演出中に予告演出が発生するが、この予告演出の一つとして遊技者によるボタン操作を要するボタン予告演出がある。ボタン予告演出とは、遊技者によるボタン操作を条件として所定の演出画像を表示させることによって大当りの可能性があることを示唆又は報知する予告演出である。本変形例では、保留内連荘演出Aがボタン予告演出に含まれたかたちで発生する。このとき、通常のボタン予告演出では、画面上に複数のアイテムA,B,Cが出現して、いずれか1つのアイテムを選択可能である。一方、保留内連荘演出Aとしてのボタン予告演出では、画面上に通常のアイテムA,B,Cの他に、特別のアイテムDが出現して、このアイテムDを選択することが可能である。このように、ボタン予告演出中に特別のアイテムDの出現によって、保留内連荘の可能性が報知されることになる。
以上、第1実施形態の第5変形例によれば、保留内連荘演出とボタン予告演出との相乗効果によって、保留内連荘演出が成立したときの付加価値をより一層高めることができるとともに、遊技者参加型の演出効果を高めることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
[第1実施形態−第6変形例]
次に、第1実施形態の第6変形例に係る遊技機について説明する。この第6変形例に係る遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
(保留内連荘演出と図柄変動演出との兼用画像)
前述の第1実施形態では、その他のあらゆる場面で現出することのない演出のみを例示しているが、これに限定されず、保留内連荘演出Bの演出画像を図柄変動演出中に表示されるいずれかの演出画像と兼用する構成としてもよい。例えば、図柄変動演出中のバトル演出において、味方キャラクタが必殺技を繰り出す演出画像が登場することがある場合、この演出画像を保留内連荘演出Bの演出画像と兼用してもよい。なお、保留内連荘演出Aの演出画像と図柄変動演出中の演出画像とを兼用しない理由は、図柄変動演出中に当該兼用画像が表示されたときに、この兼用画像が通常のバトル演出の一過程として表示されたものなのか、保留内連荘演出Aとして表示されたものなのかを識別困難なため、保留内連荘の可能性を遊技者に対して的確に報知できなくなる可能性が高いからである。
以上、第1実施形態の第6変形例によれば、図柄変動演出の演出画像と保留内連荘演出の演出画像とが一部において共通化されるため、当該遊技機の限られたハードウェア資源を無駄に消費することを防止することが可能である。
なお、大当り演出中に保留内連荘演出Bの発生を煽るための煽り演出を設けてもよい。この場合には、大当り演出中に保留内連荘演出は1回のみ発生可能であるのに対して、煽り演出は複数回に亘り発生可能とする。例えば、保留内連荘演出Bにおいて、例えば上記の兼用画像を大当り演出中の所定ラウンドで表示させる予定である場合に、所定ラウンド以前の複数のラウンドに亘って、保留内連荘演出B(当該兼用画像)の発生を煽るべく、味方キャラクタの影や必殺技の残像など、兼用画像の発生を連想又は予感させる煽り画像を表示させてもよい。
[第1実施形態−第7変形例]
次に、第1実施形態の第7変形例に係る遊技機について説明する。この第7変形例に係る遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
(保留内連荘報知数)
前述の第1実施形態では、保留内連荘演出Bにおいて後続の作動保留球内に複数の特定保留が存在する可能性を報知し得る構成としたが、このように保留内連荘演出として後続の作動保留球内に複数の特定保留が存在する可能性を教示する場合、保留内連荘演出にて報知可能な特定保留の個数(「保留内連荘報知数」)の最大値を予め定めておき、この最大値を超えない範囲で後続の作動保留球内に存在する特定保留の個数を報知し得る構成としてもよい。
なお、前述の第1実施形態では、保留内連荘演出Aにおける保留内連荘報知数の最大値は「1」であり、保留内連荘演出Bにおける保留内連荘報知数の最大値は「2」である。すなわち、保留内連荘演出A判定処理では、後続の作動保留球のうち最先の特定保留のみを対象とした先読み判定を実行して一の特定保留の存在を報知するのに対して、保留内連荘演出B判定処理では、後続の作動保留球のうち最先の特定保留のみでなくそれ以降の特定保留までも対象とした先読み判定を実行して二以上の特定保留の存在を報知し得るように構成されている。
本変形例では、このような保留内連荘演出A,B判定処理を実行するうえで、後続の作動保留球内に存在する特定保留の個数(「保留内連荘数」を称する)をカウントするための保留内連荘数カウンタを設ける。この保留内連荘数カウンタは、予め定められた保留内連荘報知数の最大値を超えない範囲で逐次更新される。保留内連荘報知数の最大値は、保留内連荘演出Aよりも保留内連荘演出Bの方を大きく設定する。具体的には、保留内連荘演出Aでの保留内連荘報知数の最大値は「1」、保留内連荘演出Bでの保留内連荘報知数の最大値は「3」とする。なお、この保留内連荘報知数の最大値は、第2特別図柄の作動保留球数の最大値以下となる範囲で設定可能である。
保留内連荘演出での、保留内連荘数の報知態様としては、前述の第1実施形態と同様に、「奥義書」が「1個」出現した場合は保留内連荘数「1」である可能性を報知、「奥義書」が「2個」出現した場合は保留内連荘数「2」である可能性を報知、「奥義書」が「3個」出現した場合は保留内連荘数「3」である可能性を報知する態様が例示される。
なお、本変形例での保留内連荘数の最大値は単なる一例であり、保留内連荘演出Aにおける保留内連荘報知数の最大値は「2」以上であってもよく、また、保留内連荘演出Bにおける保留内連荘報知数の最大値は「4」であってもよい。
以上、第1実施形態の第7変形例によれば、保留内連荘演出Aと保留内連荘演出Bとの保留内連荘報知数の最大値を互いに異なるように設定し、この最大値を越えない範囲内で保留内連荘数を個別に更新することで、保留内連荘演出A,Bの表示態様を連荘報知数に応じた豊富で変化に富む内容にすることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る遊技機について説明する。第2実施形態の遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
第1実施形態の遊技機では、特別図柄の停止図柄(図柄群)に基づいて特別遊技後の遊技状態が決定されるが、第2実施形態の遊技機では、特別図柄の停止図柄(図柄群)と特別遊技中の遊技態様とに基づいて特別遊技後の遊技状態が決定されるようになっている。すなわち、第2実施形態の遊技機は、特別遊技にて特定領域を有する大入賞口(本例では
、第2大入賞口65)に遊技球が入球して当該特定領域を通過することで、特別遊技の終了後に確変状態へ移行することを決定する、いわゆる玉確タイプの遊技機として構成される。
図52は、第2実施形態における第2大入賞口65の構成を示す模式図である。第2大入賞口65には、前述のとおり、当該第2大入賞口65への遊技球の入球を検出するための第2大入賞口スイッチ651が設けられるとともに、当該第2大入賞口65を開閉するための第2特別電動役物652が設けられている。また、この第2大入賞口65内には、第2大入賞口スイッチ651の下流側に位置して、特別遊技終了後の遊技状態を決定するための振分装置654が設けられている。振分装置654には、第2大入賞口65に入球した遊技球が振り分けられる特定領域658と非特定領域659とが設けられる。また、振分装置654には、第2大入賞口65に入球した遊技球を特定領域658又は非特定領域659へ選択的に案内する羽根部材655が設けられるとともに、羽根部材655を開閉駆動するための特定領域ソレノイド656が設けられている。羽根部材655が閉鎖位置にある状態では、特定領域658は羽根部材655によって閉鎖され、遊技球は非特定領域659へ振り分けられる。一方、羽根部材655が開放位置にある状態では、特定領域658が開放され、遊技球は特定領域658へ振り分けられる。この特定領域658内には、当該特定領域658内に流入した遊技球を検出するための特定領域スイッチ657が設けられている。この特定領域スイッチ657は、特別遊技終了後の遊技状態を特別図柄の確率変動機能が作動した状態(高確率状態)へ移行させるための確変スイッチとして機能するものである。
本例では、第2特別電動役物652の開閉作動と羽根部材655の開閉作動とが同期的に連動制御され、第2大入賞口65が開放期間と特定領域658の開放期間とが時間的に重複するように構成されている。そのため、第2大入賞口65が開放すると特定領域658も開放し、第2大入賞口65が閉鎖すると特定領域658も閉鎖する。なお、羽根部材655(特定領域ソレノイド656)の駆動制御は主制御基板100(電動役物制御手段160)によって実行される。
主制御基板100(入球判定手段110)は、特定領域スイッチ657からの検出情報に基づき、第2大入賞口65の特定領域658に遊技球が入球したか否かを判定する。そして、主制御基板100(入球判定手段110は)、特定領域658への入球が検出された場合には、この特定領域入球情報を含む演出制御コマンド(「特定領域入球コマンド」と称する)を生成する。
続いて、第2実施形態における特別図柄の停止図柄(大当り種別)について説明する。
図53の上段は、第2実施形態における第1特別図柄当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第1特別図柄当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、停止図柄、図柄群、大入賞口64,65の作動パターンがそれぞれ対応付けられている。このテーブルでは、第1特別図柄の停止図柄「1」〜「8」が、大当りの種別に応じて、2種類の図柄群A,Bに分類されている。具体的には、図柄「1」,「2」,「3」,「4」には、図柄群A(16R長開放大当り図柄)が、図柄「5」,「6」,「7」,「8」には、図柄群B(8R短開放大当り図柄)が、それぞれ対応付けられている。
図53の下段は、第2実施形態における第2特別図柄当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第2特別図柄当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、停止図柄、図柄群、大入賞口64,65の作動パターンがそれぞれ対応付けられている。このテーブルでは、第2特別図柄の停止図柄「11」〜「18」が、大当りの種別に応じて、2種類の図柄群C,Dに分類されている。具体的には、図柄「11」,「12」,「
13」,「14」には、図柄群C(16R長開放大当り図柄)が、図柄「15」,「16」,「17」,「18」には、図柄群D(8R長開放大当り図柄)が、それぞれ対応付けられている。
「長開放大当り」は、第2大入賞口65が長開放されるラウンド遊技を伴う大当りであり、特定領域658への遊技球の入球が相対的に容易とされる。「短開放大当り」は、第2大入賞口65が短開放されるラウンド遊技を伴う大当りであり、特定領域658への遊技球の入球が相対的に困難とされる。本実施形態では、第1特別図柄で大当りとなった場合には、50%の割合で長開放大当り(16R長開放大当り)に該当し、残り50%の割合で短開放大当り(8R短開放大当り)に該当する。一方、第2特別図柄で大当りとなった場合には、100%の割合で長開放大当り(16R長開放大当り、8R長開放大当り)に該当する。
ここで、図54は、第2実施形態における特別遊技における大入賞口64,65の作動パターンを説明するためのタイムチャートである。図中には、特別遊技中の第1大入賞口64、第2大入賞口65の状態変化が左から右へ向かって時系列に示されている。なお、各ラウンド間には、大入賞口64,65の閉鎖状態が維持されるインターバル時間(待機時間)が設けられている。本実施形態における大入賞口64,65の作動パターンでは、特別遊技の特定のラウンド(「特定ラウンド」とも称する)でのみ、第2大入賞口65(特定領域658)を開閉することが定められている。本実施形態では、特定ラウンドを第7ラウンド目および第8ラウンド目と規定する。但し、これに限定されず、特定ラウンドを別のラウンド数に変更してもよく、また、三以上の複数の特定ラウンドを設定してもよい。
図54(A)は、16R長開放大当りによる作動パターンである16R長開放パターンを示している。16R長開放パターンでは、特定ラウンド以外のラウンドにおいては、第1大入賞口64を29秒間連続して開放する一方で、特定ラウンドである第7ラウンドおよび第8ラウンドにおいて、第2大入賞口65を29秒間連続して開放することを定めている。
図54(B)は、8R長開放大当りによる作動パターンである8R長開放パターンを示している。8R長開放パターンでは、特定ラウンド以外のラウンドにおいては、第1大入賞口64を29秒間連続して開放する一方で、特定ラウンドである第7ラウンドおよび第8ラウンドにおいて、第2大入賞口65を29秒間連続して開放することを定めている。
このように、16R長開放大当り又は8R長開放大当りが選択された場合には、特定ラウンドにおいて第2大入賞口65の開放期間が29秒という長時間に設定され、第2大入賞口65の開放期間と特定領域658の開放期間とが時間的に重なるため、第2大入賞口65から入球した遊技球が特定領域658へ容易に入賞する。その結果、特定領域658への遊技球の通過が容易な状態が維持される。
図54(C)は、8R短開放大当りによる作動パターンである8R短開放パターンを示している。8R短開放パターンでは、特定ラウンド以外のラウンドにおいては、第1大入賞口64を29秒間連続して開放する一方で、特定ラウンドである第7ラウンドおよび第8ラウンドにおいて、第2大入賞口65を0.2秒間だけ開放することを定めている。
このように、8R短開放大当りが選択された場合には、特定ラウンドにおいて第2大入賞口65が0.2秒という極めて短時間しか開放されないため、遊技球が第2大入賞口65内の特定領域658へ入球する可能性は極めて低い。その結果、特定領域658への遊技球の通過が困難な状態、実質的には通過不可能な状態が維持される。
特定ラウンドで遊技球が特定領域658へ入球した場合は、特別遊技の終了後、特別図柄の確変状態(高確率状態)へ移行する。なお、特別図柄の確変状態へ移行した場合は、同時に特別図柄の時短状態および電チューサポート状態へ移行して、特別図柄の確変状態が継続する限り、特別図柄の時短状態および電チューサポート状態も継続する。なお、特別遊技の終了後、特別図柄の変動回数がST回数(100回)内で次回の大当りが発生しなかった場合には、特別図柄の確変状態は終了して、通常状態へ移行する。
一方、特定ラウンドで遊技球が特定領域658へ入球しなかった場合は、特別遊技の終了後、特別図柄の時短状態(低確率状態)となる。なお、特別図柄の時短状態へ移行した場合は、同時に電チューサポート状態へ移行して、特別図柄の時短状態が継続する限り、電チューサポート状態も継続する。なお、特別遊技の終了後、特別図柄の変動回数が所定回数(70回)に達した場合には、特別図柄の時短状態は終了して、通常状態へ移行する。
続いて、第2実施形態における保留内連荘演出について説明する。本実施形態では、特別遊技における特定ラウンド以降のタイミングで、大当り演出としての保留内連荘演出Bの実行可否を判定する。これは、特定ラウンドを経過した後(少なくとも、特定領域に遊技球が入球した後)のタイミングでなければ、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率状態に移行するのか低確率状態に移行するのかが定まらず、この未確定な状態で保留内連荘の発生を報知することが困難であるからである。つまり、特別遊技の終了後の遊技状態に応じて、特別遊技中に現存する後続の作動保留球が大当りとなるか否かの抽選結果が左右されるため、保留内連荘演出Bの実行可否の抽選を特定ラウンド以降とすることで、保留内連荘の確定報知を可能とする。そこで、本実施形態では、特定ラウンドにおいて遊技球が特定領域に入球したこと、すなわち、特別遊技の終了後に特別図柄の確変状態への移行が確約されたことを前提として、保留内連荘演出Bの実行が決定される。従って、本例における保留内連荘演出Bは、後続の作動保留球内に大当りとなる特定保留が存在することの他、特別遊技後の遊技状態が特別図柄の確変状態(高確率状態)となることを確定的に報知する演出としての意義がある。つまり、第7ラウンド、第8ラウンド、もしくはそれ以降のラウンドにおいて、且つ、特定領域658への入球がないと、保留内連荘演出Bが発生しない、換言すれば、第7ラウンド又は第8ラウンドで保留内連荘演出Bが発生する場合は、特定領域658への遊技球の入球タイミングと同じタイミングもしくはそれ以降のタイミングであるといえる。
このように第2実施形態では、特定ラウンド以降のタイミング(特定領域に入球した後のタイミング)で、主制御基板100からの事前判定結果(事前判定番号)を参照して、現在実行中の特別遊技が終了した後の遊技状態(特定領域に入球により確変状態となる)での先読み的な当否判定を後続の作動保留球に対して実行し、大当りとなる特定保留が存在した場合にのみ保留内連荘演出Bを抽選にて実行し得るように構成する。それでは、以下、具体的な処理について説明する。
(大当り演出内容判定処理:第2実施形態)
続いて、第2実施形態における、図27のS638のサブルーチンに係る、大当り演出内容判定処理(S638)について説明する。図55は、大当り演出内容判定処理(S638)の詳細を示すフローチャートである。
ここで、前述の第1実施形態では、保留内連荘演出B判定処理(図31のS805を参照)は、開始デモコマンドを受信したことを契機として実行されているが、この第2実施形態では、保留内連荘演出B判定処理は、特定領域入球コマンドを受信したことを契機として実行される。これは、前述のとおり、保留内連荘演出Bの実行可否を特定領域658
へ遊技球が入球した以降のタイミングとすることに整合させるためである。なお、図55において、S801〜S818、S821〜S838の処理は、第1実施形態と同様の処理であるため、相違点であるS841〜S843の処理を中心に説明する。
まず、サブメイン情報記憶手段260に特定領域入球コマンドが格納されているか否かを判定する(S841)。特定領域入球コマンドが格納されている場合(S841:YES)には、サブメイン情報記憶手段260の特定領域入球フラグをオンにする(S842)。保留内連荘演出B判定処理を実行する(S843)。なお、保留内連荘演出B判定処理(S842)の詳細は図56を用いて後述する。続いて、大当り演出差し替え処理を実行する(S844)。この大当り演出差し替え処理では、保留内連荘演出B(特殊連続演出)が実行される場合に、通常の終了デモ演出パターンを特殊終了デモ演出パターンに差し替える。なお、先行の大当り演出差し替え処理(S806)では、特殊連続演出が実行される場合に、通常の開始デモ演出パターンを特殊開始デモ演出パターンに差し替えるものである。一方、特定領域入球コマンドが格納されていない場合(S841:NO)には、S842,S843をスキップして、S821へ移行する。
なお、図示省略するが、特別遊技中に特定領域入球コマンドを受信した場合には、遊技球が特定領域658に入球したこと、すなわち、特別遊技の終了後に特別図柄の確変状態へ移行することを報知するための報知演出(「特定領域入球報知演出」と称する)の演出パターンを決定して、この特定領域入球報知演出の演出パターンの番号をサブメイン情報記憶手段260の特定領域入球演出パターン格納領域に一時記憶する。
(保留内連荘演出B判定処理:第2実施例)
続いて、第2実施形態における保留内連荘演出B判定処理(S843)について説明する。図56は、第2実施形態における保留内連荘演出B判定処理(S843)の詳細を示すフローチャートである。
ここで、前述の第1実施形態との相違点は、S850,S869の処理であり、特定領域入球コマンドを受信したことを契機として、S850以降の処理が実行される点になる。なお、図56において、S851〜S868、S870の処理は、第1実施形態と同様の処理であるため、相違点であるS860,S869の処理を中心に説明する。
まず、サブメイン情報記憶手段260の特定領域入球フラグがオンであるか否かを判定する(S850)。特定領域入球フラグがオンである場合(S850:YES)には、S851以降の処理において、保留内連荘演出B抽選処理(S856)や連荘演出パターン選択処理(S861)などが実行される。なお、本例では、特定ラウンドにおける特定領域への遊技球の入球を前提として保留内連荘演出B判定処理が行われるため、この連荘演出パターン選択処理では、特定ラウンド以降のラウンド演出(特定ラウンドを含む)又は終了デモ演出にて発生する連荘演出パターンのみが選択され得る。そして、本処理の後半で、サブメイン情報記憶手段260の特定領域入球フラグをオフにする(S869)。
なお、今回実行中の特別遊技における特定ラウンド(第7ラウンド〜第8ラウンド)において、特定領域658への複数個の入球があった場合には、最先の入球に基づく本処理(S850〜S870)にて保留内連荘演出フラグがオンとなるため、後続の入球に基づく本処理が実行されたとしても、S731で否定判定(NO)がなされて、再度の保留内連荘演出Bの抽選処理が回避されるようになっている。
以上、第2実施形態によれば、特定領域658への入球によって、特別図柄の確変状態への移行権利を取得できるとともに、保留内連荘演出の発生に対する期待感が高揚するため、保留内連荘演出の演出効果をより一層高めることができ、また、特別遊技終了後の遊
技状態が未確定な状況での保留内連荘演出の実行を規制して、先読み判定の結果として反映された保留内連荘演出の表示態様と実際の結果とに齟齬が生じるのを防止することで、該先読み予告としての保留内連荘演出の信頼性を向上させることができ、その結果、遊技の趣興性を向上させることが可能となる。
なお、上述の第2実施形態では、第2大入賞口65と特定領域658との開放期間とを完全に重複させる開放パターンを例示したが、これに限定されるものではなく、第2大入賞口65と特定領域658の開放期間とを完全に重複させることなく一部において重複させるものであってもよい。また、第2大入賞口65に入球した遊技球が特定領域658まで到達するまでの遅延時間を考慮して、特定領域658の開放期間を第2大入賞口65の開放期間に対して遅らせてもよい。
[第2実施形態−第1変形例]
次に、第2実施形態の第1変形例に係る遊技機について説明する。この第1変形例に係る遊技機は、基本的には、上述の第2実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
前述の第2実施形態では、特定ラウンドで遊技球が特定領域658に入球したタイミングで保留内連荘演出B判定処理を実行する構成であったが、これには限定されず、特定ラウンドで遊技球が特定領域658に入球する以前に保留内連荘演出B判定処理を実行する構成としてもよい。
まず、前記構成を説明するうえで、主制御基板100側での当否事前判定の結果である事前判定番号について説明する。図57は当否事前判定テーブルを模式的に示す図であり、(A)は第1特別図柄抽選の当否事前判定で参照されるテーブル、(B)は第2特別図柄抽選の当否事前判定で参照されるテーブルである。この図57は、第1実施形態で参照した特別図柄当否抽選テーブル(図5)と対応した内容となっている。
第1特別図柄抽選の当否事前判定では、図57(A)に示すように、乱数値が「0〜163」の範囲に該当したときは事前判定番号「1」、乱数値が「164〜1639」の範囲に該当したときは事前判定番号「2」、乱数値が「1640〜65207」の範囲に該当したときは事前判定番号「3」、乱数値が「65208〜65535」の範囲に該当したときは事前判定番号「4」を、事前判定結果として設定する。この事前判定番号は、第1特別図柄の事前判定結果であることを示す情報や作動保留球の順番を示す情報とともに、当否事前判定コマンドの内容に含められて、演出制御基板200側へ送信される(図13のS213を参照)。
第2特別図柄抽選の当否事前判定では、図57(B)に示すように、乱数値が「0〜163」の範囲に該当したときは事前判定番号「1」、乱数値が「164〜1639」の範囲に該当したときは事前判定番号「2」、乱数値が「1640〜65535」の範囲に該当したときは事前判定番号「3」を事前判定結果として設定する。この事前判定番号は、第2特別図柄の事前判定結果であることを示す情報や作動保留球の順番を示す情報とともに、当否事前判定コマンドの内容に含められて、演出制御基板200側へ送信される(図13のS213を参照)。
図5の特別図柄当否抽選テーブルと図57の当否事前判定テーブルとを見比べても分かるように、事前判定番号「1」は、遊技状態(通常状態/確変状態)に依存せず、常に「大当り」となることが導出される判定結果である。これに対して、事前判定番号「2」は、確変状態(高確率状態)では「大当り」となる一方で、通常状態(低確率状態)では「
はずれ」となることが導出される判定結果である。なお、本例においても、前述の第1実施形態と同様に、保留内連荘演出に係る先読み判定の対象は第2特別図柄の作動保留球(事前判定結果)のみであるが、第1特別図柄の作動保留球(事前判定情報)を含めてもよい。
保留内連荘演出A判定処理および保留内連荘演出B判定処理では、後続の作動保留球(第2特別図柄の作動保留球)内に大当りとなる特定保留が含まれるか否かの先読み判定を、この事前判定番号に基づき判定する。このとき、保留内連荘演出Bの実行可否の判定を、特定ラウンド以前、すなわち、遊技球が特定領域に入球する以前のタイミング(例えば、特別遊技の開始前、開始デモ演出時、特定ラウンド以前のラウンド遊技など)で行う場合について考える。
まず、特定ラウンド以前に保留内連荘演出B判定処理を実行する場合、後続の作動保留球内に、事前判定番号が「1」となる作動保留球が存在すれば、この作動保留球に関しては、特別遊技の終了後に確変状態(高確率状態)又は通常状態(低確率状態)のいずれの遊技状態に移行したとしても当否判定結果が大当りとなるため、特定領域658への遊技球の入球の有無に関わらず、この時点で保留内連荘が確定する。従って、この場合には、保留内連荘の確定報知として保留内連荘演出Bを発生させることができる。
一方、事前判定番号が「2」となる作動保留球が存在する場合では、この作動保留球に関しては、当否判定結果が大当りとなるか否かは、特別遊技の終了後の遊技状態に依存するため、特定領域658への遊技球の入球の有無に応じて遊技状態が変化することを考えれば、この時点では保留内連荘は確定しない。そのため、この場合には、保留内連荘の確定報知として保留内連荘演出Bを発生させることはできず、保留内連荘の可能性を示唆するだけとなる。
従って、特定領域658への遊技球の入球があるか否かに関わらず(いずれの遊技状態に移行するかに関わらず)、作動保留球が実際に消化される時点の当否判定結果を正確に特定できる場合(事前判定番号「1」の場合)は、保留内連荘の確定を報知することができ、逆に、作動保留球が実際に消化される時点の当否判定結果を正確に特定できない場合(事前判定番号「2」の場合)は、保留内連荘の可能性を示唆するだけに留めればよい。そのため、本例では、保留内連荘の確定報知演出と示唆演出とを異なる演出態様で用意しておくことが好ましい。
以上、第2実施形態の第1変形例によれば、特別遊技終了後の遊技状態を正確に特定できない状況下で先読み判定を行う場合に、遊技状態に依存せず一義的に大当り当選が導出されるものであれば、保留内連荘を確定報知する態様で保留内連荘演出Bを発生させる一方で、遊技状態に応じて当否判定結果が変動するものであれば、保留内連荘の可能性を示唆する態様で保留内連荘演出Bを発生させることで、特定領域に遊技球が入球する以前のタイミングであっても、保留内連荘演出による報知内容と実際の判定結果とに齟齬が生じるといった、遊技者の期待を裏切る報知演出を防止することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
なお、同様に、保留内連荘演出以外の先読み予告として、例えば保留変化等の先読み予告においても、作動保留球内に大当りとなる特定保留が存在するか否かの先読み判定が、この事前判定番号に基づき行われる。このとき、先行の作動保留球が大当りとなった状況下で、後続の作動保留球に対して先読み判定が実行されたとき、該先読み対象の作動保留球の事前判定結果として、事前判定番号が「1」であれば、この作動保留球に基づく保留変化先読み予告演出として大当り確定を報知する演出態様(例えば、大当り確定を表す「虹色」の保留画像)を出現させてもよい。すなわち、この作動保留球に関していえば、特
別遊技の終了後の遊技状態が特別図柄の確変状態(高確率状態)又は通常状態(低確率状態)のいずれであっても、該作動保留球が実際に消化されたときに大当りとなることが予定されているため、特定領域658への遊技球の入球の有無に関わらず、この時点で保留内連荘が確定し、先読み判定の結果が反映された保留画像の表示態様と実際の結果とに齟齬が生じるおそれはない(例えば、事前判定番号が「2」であれば、特定領域658に遊技球が入球せず、特別遊技の終了後に通常状態となった場合には、大当り確定を表す保留画像を出現させても、大当りとならない事態が生じてしまう)。
なお、本変形例では、事前判定テーブルとして、当否事前判定テーブルのみを例示したが、図柄事前判定テーブルおよび変動パターン事前判定テーブルに関しても、各判定値の乱数範囲に対して事前判定番号を割り振ることで表現できるものである。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る遊技機について説明する。第3実施形態の遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
第1実施形態の遊技機では、確変突入率が100%の回数切り確変機、いわゆる「ST機」と称される遊技機を例示して説明したが、第3実施形態では、特定図柄で大当りした場合に、特別図柄の確率変動機能が特別遊技の終了後から次の大当りが発生するまで継続する、いわゆるノーマル確変タイプの遊技機である。
ここで、図58は、第3実施形態における特別図柄当否抽選テーブルを模式的に示す図であり、(A)は通常状態(低確率状態)で参照され、(B)は確変状態(高確率状態)で参照される。図58からも分かるように、特別図柄遊技の当否抽選において、通常状態(低確率状態)では乱数値が0〜163の範囲に該当したときのみ大当りとなる。一方、確変状態(高確率状態)では大当りの範囲が拡大され、乱数値が前記0〜163の範囲に該当する場合だけでなく、164〜1639の範囲に該当する場合にも大当りとなる。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、大当りの抽選確率が低確率状態(1/399.6)から高確率状態(1/39.96)に変動する。このように大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化するが、第1特別図柄の当否抽選と第2特別図柄の当否抽選とで大当りの当選確率は等しい。ここで、特別図柄当り乱数値が大当りの範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当する場合には小当りとなる。本例では、第2特別図柄の当否抽選よりも第1特別図柄の当否抽選のほうが高い確率で小当りとなる。
続いて、図59の上段は、第3実施形態における第1特別図柄当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第1特別図柄当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、停止図柄、図柄群、大当りの内容(特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能の作動回数、第1大入賞口64の作動パターン)がそれぞれ対応付けられている。このテーブルでは、第1特別図柄の停止図柄「1」〜「8」が、大当りの種別に応じて、3種類の図柄群A〜Cに分類されている。
具体的には、図柄「1」,「2」,「3」,「4」には、図柄群A(16R特定時短有図柄)が、図柄「5」,「6」には、図柄群B(2R特定時短有図柄)が、図柄「7」,「8」には、図柄群C(2R通常時短有図柄)が、それぞれ対応付けられている。
続いて、図59の下段は、第3実施形態における第2特別図柄当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第2特別図柄当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、停止図柄、図柄群、大当りの内容(特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能の作動回数、第2大入賞口65の作動パターン)がそれぞれ対応付けられている。こ
のテーブルでは、第2特別図柄の停止図柄「11」〜「18」が、大当りの種別に応じて、3種類の図柄群D〜Fに分類されている。具体的には、図柄「11」,「12」,「13」,「14」には、図柄群D(16R特定時短有図柄)が、図柄「15」,「16」には、図柄群E(2R特定時短有図柄)が、図柄「17」,「18」には、図柄群F(2R通常時短有図柄)が、それぞれ対応付けられている。
図柄群A,B,D,Eは、特別遊技終了後の遊技状態を特別図柄の確変状態(高確率状態)に移行させる、いわゆる「確変大当たり」を示す特定図柄であり、次回の大当りまで特別図柄の確変機能および時短機能、並びに電チューサポート機能が付与される。図柄群A,D(16R確変大当り)が選択された場合は、特別遊技の規定ラウンド数は16ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約30秒である。図柄群B,E(2R確変大当り)が選択された場合は、特別遊技の規定ラウンド数は2ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約0.05秒である。図柄群C,,Fは、特別遊技終了後の遊技状態を通常状態(低確率状態)に移行させる、いわゆる「通常当り」を示す通常図柄であり、特別遊技終了後の100回のみに限定して特別図柄の時短機能および電チューサポート機能が付与される。図柄群C,F(2R通常大当り)が選択された場合は、図柄群B,E(2R確変大当り)と同様に、特別遊技の規定ラウンド数は2ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64,65の最大開放時間は約0.05秒である。
続いて、図60(A)は、当り用の変動パターンテーブルを模式的に示す図である。上段の(A1)は通常変動パターンテーブル、下段の(A2)は確変変動パターンテーブルである。本例では、変動パターン選択状態に応じて、または同じ変動パターン選択状態であっても大当り種別に応じて、選択される変動パターンが異なるように設定されている。
(A1)の通常変動パターンテーブルでは、大当り種別が16R大当りである場合に、変動パターンPX2(ノーマルリーチA)、変動パターンPX3(スーパーリーチA)のいずれかが選択され、2R大当りである場合に、変動パターンPZ2(ノーマルリーチA)、変動パターンPZ3(スーパーリーチA)、変動パターンPZ4(スーパーリーチD)のいずれかが選択される。一方、小当りである場合には、変動パターンPK4(スーパーリーチD)が選択される。
(A2)の確変変動パターンテーブルでは、大当り種別が16R大当りである場合に、変動パターンPX7(スーパーリーチB)のみが選択され、2R大当りである場合に、変動パターンPZ7(スーパーリーチB)、変動パターンPZ8(スーパーリーチD)のいずれかが選択される。一方、小当りである場合には、変動パターンPK8(スーパーリーチD)のみが選択される。
図60(B)は、はずれ用の変動パターンテーブルの一例を模式的に示す図である。上段の(B1)は通常変動パターンテーブル、下段の(B2)は確変変動パターンテーブルである。本例では、変動パターン選択状態に応じて、選択される変動パターンが異なるように設定されている。
(B1)の通常変動パターンテーブルでは、変動パターンPH1(非リーチA)、変動パターンPH2(ノーマルリーチA)、変動パターンPH3(スーパーリーチA)、変動パターンPH4(スーパーリーチD)のいずれかが選択される。(B2)の確変変動パターンテーブルでは、変動パターンPH5(非リーチB)、変動パターンPH6(ノーマルリーチB)、変動パターンPH8(スーパーリーチD)のいずれかが選択される。
ここで、このはずれ用の確変変動パターンテーブルでは、非リーチB、ノーマルリーチ
B、スーパーリーチDの変動態様たる変動パターンのみが選択され得るようになっている点(換言すれば、スーパーリーチBの変動態様たる変動パターンは選択されることがない点)で、前述の当り用の確変変動パターンテーブルと相違する。そのため、特別図柄の確変状態では、変動パターンがスーパーリーチBとなるか否かという点で、大当りのときとはずれのときとで選択される変動パターンが明確に区別されており、スーパーリーチB(本例ではバトルリーチ)に発展する変動態様が出現した場合には大当り当選が確定的となるように構成されている。
本実施形態では、いわゆるバトルスペックを採用しており、演出モードとして確変演出モードMβに滞在した状態で、図柄変動演出がスーパーリーチBに発展したときにバトルリーチ演出が発生するものである。このバトルリーチ演出(スーパーリーチB)は、前述のように、当否判定の結果が大当りとなる場合にのみ選択されるものとなっているため、図柄変動演出中にバトルリーチ演出が発生した時点で大当りが確定的となる。なお、このバトルリーチ演出は、味方キャラクタと敵キャラクタとが対戦して勝敗を決めるリーチ演出であり、味方キャラクタが敵キャラクタに最終的に勝利すると16R大当り、味方キャラクタが敵キャラクタに最終的に敗北すると2R大当りが確定する。
続いて、第3実施形態における保留内連荘演出について説明する。前述の第1実施形態における保留内連荘演出A,Bの先読み対象となる作動保留球は特定保留(16R大当り、8R大当り)又ははずれ保留であったが、第3実施形態における保留内連荘演出A,Bの先読み対象となる作動保留球は特定保留(16R大当り)又は小当り保留である(はずれ保留を含まない)。小当りを含める理由としては、一般的に、当否判定の結果がはずれとなる場合は、多数種の変動パターンが用意されているため、後続の作動保留球のうちのいずれのはずれ保留に対してガセの演出(保留内連荘演出)を実行するかを設計するよりも、小当りとなる場合の方が選択される変動パターンの種類が少なくて済み、また、小当りという抽選結果の性質上、ガセ演出として利用するのに適しているため、先読み判定を実行するうえでの判断子が少なくて済み簡易処理とすることができるからである。
図61(A)は第3実施形態における保留内連荘演出Aの連荘演出パターンを選択する際に参照される連荘演出パターンテーブル、図61(B)は第3実施形態における保留内連荘演出Bの連荘演出パターンを選択する際に参照される連荘演出パターンテーブルである。これらの連荘演出パターンテーブルは、基本的には、第1実施形態における連荘演出パターン(図8を参照)と同様であるため、詳細な説明は省略するが、前述のとおり、保留内連荘演出A,Bにおける先読み対象の作動保留球として小当り保留を含めている点で異なる。それでは、以下、具体的な処理について説明する。
(保留内連荘演出B判定処理:第3実施例)
続いて、第3実施形態における保留内連荘演出B判定処理(S843)について説明する。図62は、第3実施形態における保留内連荘演出B判定処理(S843)の詳細を示すフローチャートである。
ここで、前述の第1実施形態との相違点は、S871〜S874の処理であり、保留内連荘演出Bの先読み対象となる作動保留球に小当り保留を含めている点にある。なお、図62において、S851〜S854、S858〜S870の処理は、第1実施形態と同様の処理であるため、相違点であるS871〜S874の処理を中心に説明する。
まず、第2特別図柄の作動保留球内に特定保留が存在する場合(S854:YES)は、この特定保留が16R大当り(高利益大当り)を示すものであるか否かを判定する(S871)。特定保留が16R大当りに該当する場合(S871:YES)には、保留内連荘演出Bを実行するか否かを抽選にて決定するための保留内連荘演出B抽選処理1を実行
する(S872)。この保留内連荘演出B抽選処理1では、不図示の連荘演出B抽選テーブル1を参照して、連荘演出抽選乱数値が「実行」、「非実行」のいずれかの判定値と一致した場合に実行の有無を決定する。本例では、例えば、70%の割合で実行、30%の割合で非実行を決定する。
一方、第2特別図柄の作動保留球内に特定保留がない場合(S854:NO)は、第2特別図柄の作動保留球内に小当り保留が含まれているか否かを判定する(S873)。小当り保留が含まれる場合(S873:YES)には、保留内連荘演出Bを実行するか否かを抽選にて決定するための保留内連荘演出B抽選処理2を実行する(S874)。この保留内連荘演出B抽選処理2では、不図示の連荘演出B抽選テーブル2を参照して、連荘演出抽選乱数値が「実行」、「非実行」のいずれかの判定値と一致した場合に実行の有無を決定する。本例では、例えば、0.1%の割合で実行、99.9%の割合で非実行を決定する。
保留内連荘演出B抽選処理(S872,S874)にて当選した場合は、以下において、保留内連荘演出Aの内容を決定するための連荘演出パターンを選択するとともに(S861)、これをサブメイン情報記憶手段260の連荘演出パターン格納領域に一時記憶したうえで(S868)、サブメイン情報記憶手段260の保留内連荘演出フラグをオンにして(S870)、本処理を終了する。
ところで、本実施形態で注目すべき点としては、特別遊技の実行中に保留内連荘演出Bが発生せず、この特別遊技の終了後において後続の作動保留球(保留内連荘演出B発生時点で存在する作動保留球)が消化されることで高期待度演出(スーパーリーチB)が発生した場合は、低利益大当り(2R確変大当り、2R通常大当り)となる確率よりも、高利益大当り(16R確変大当り)となる確率の方が高く設定されている。
図59(B)に示すように、第2特別図柄遊技における大当り種別の割り振りとしては、70%の確率で16R確変大当り、20%の確率で2R確変大当り、10%の確率で2R通常大当りとなっている。なお、本例では、16R確変大当りを「16R大当り」、2R確変大当りおよび2R通常大当りを纏めて「2R大当り」とも称する。
また、図60に示すように、特別図柄の確変状態では、当否判定の結果が大当りである場合は、16R大当りである場合は、100%の確率でスーパーリーチB(高期待度演出)の変動パターンPX7が選択され、2R大当り(2R特定大当り、2R通常大当り)である場合は、60%の確率でスーパーリーチB(高期待度演出)の変動パターンPZ7が選択される。
このとき、図62におけるS872で説明したとおり、本例では、後続の作動保留球内に特定保留(16R大当り)が存在する場合に、保留内連荘演出Bの実行可否の当選確率は70%に設定されているため、特定保留(16R大当り)が存在する場合でも、残り30%の確率で保留内連荘演出Bが未実行となる。
以上のような条件のもとで、保留内連荘演出Bが実行されなかった状況下、バトルリーチ(スーパーリーチB)の出現によって16R大当りとなる確率X、バトルリーチ(スーパーリーチB)の出現によって2R大当りとなる確率Yは、以下の通りとなる。
X=(16R大当りとなる確率)×(保留内連荘演出Bが発生しない確率)×(スーパーリーチBとなる確率)
Y=(2R大当りとなる確率)×(スーパーリーチBとなる確率)
続いて、上記の数値を用いて、スーパーリーチBの出現によって16R大当りとなる確率X、スーパーリーチBの出現によって2R大当りとなる確率Yを具体的に計算すると、以下の通りとなる。
X=70/100×(100−70)/100×100/100=21/100
Y=(20+10)/100×60/100=18/100
従って、保留内連荘演出Bが発生せずに、後続の作動保留球内で高期待度演出が発生したときは(スーパーリーチBに発展したときは)、低利益大当りとなる可能性よりも、この低利益大当り以外の大当り(すなわち、高利益大当り=16R大当り)となる可能性の方が高くなる。
以上、第3実施形態によれば、特別遊技中に保留内連荘演出Bが発生しなかった場合であっても、この特別遊技終了後の高期待度演出に対して遊技者の抱く高利益大当りへの期待感が損なわれることなく、高期待度演出の発生による遊技者の期待感を高揚させることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係る遊技機について説明する。第4実施形態の遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
前述の第1実施形態では、大当り種別を問わず、特別遊技の終了後に一律に高確率状態(特別図柄の確変状態)へ移行する、確変突入率100%のST機(回数切り確変機)を採用したが、これに限定されず、大当り種別の一部に特別遊技の終了後に低確率状態(特別図柄の時短状態、又は、通常状態)へ移行する大当りを含み、所定の割合(例えば、確変突入率80%)で特別図柄の確変状態へ移行するST機を採用してもよい。
このような機種では、特別遊技の確変状態(高確率状態)で通常大当りとなったときに、その特別遊技の終了後に通常状態又は特別図柄の時短状態(低確率状態)へ移行する場合や、特別遊技の確変状態(高確率状態)でST期間に到達した後で、通常状態又は特別図柄の時短状態(低確率状態)へ移行する場合など、遊技状態が変化することがある。
本変形例では、主制御基板100からの事前判定結果の情報に基づき、演出制御基板200側で先読み判定を行うとき、該先読み判定の対象となる作動保留球(「対象保留」と称する)が消化される以前に遊技状態が変化する予定である場合(高確率状態→低確率状態など)は、この作動保留球に係る事前判定結果の情報を無視するように構成する。すなわち、対象保留の先読み判定では「大当り」と判定されたが、当該対象保留よりも先行して記憶された作動保留球(先発保留)が消化された結果として通常大当り(非確変大当り)となり、その特別遊技の終了後に遊技状態が通常状態に至った場合、又は、先読み判定の後であってトリガ保留が消化される前にST期間が終了した場合は、このトリガ保留が実際に消化されるときに、はずれと判定される事態が生じる場合がある。そこで、このような事態を防止すべく、遊技状態が変化する予定である場合には、事前判定結果の情報を先読み判定の対象とはしないことにする。なお、「無視」とは「送られてきた情報を受け取りはするが使用しない」という意味と、「送られてきた情報を受け取りもしない」という意味も含まれる。
この構成を保留内連荘演出に係る先読み判定に適用した例としては、先行の作動保留球が消化された結果として大当りとなる場合に、後続の作動保留球内に現在の遊技状態(先行の作動保留球が消化される時点の遊技状態)では特定保留と判断されるものが存在する
ときでも、該特定保留が消化される以前に上記遊技状態が変化する予定である場合には、この特定保留に係る事前判定結果の情報を無視するように構成する。ここで、「遊技状態が変化する予定がある」とは、特別遊技(先行の作動保留球が大当りとなったときの特別遊技)の実行前と実行後で遊技状態が切り替わる可能性がある場合であり、例えば、特別図柄の確変状態において先行の作動保留球が消化された結果、通常大当りとなり、その特別遊技の終了後であって後続の作動保留球が消化される以前に、遊技状態が通常状態へ切り替わる予定である場合などが該当する。なお、これに限定されず、特別図柄の確変状態から特別図柄の時短状態へ切り替わる場合、特別図柄の時短状態から通常状態へ切り替わる場合なども含めてもよい。それでは、以下、具体的な処理について説明する。
(保留内連荘演出A判定処理:第4実施例)
続いて、第4実施形態における保留内連荘演出A判定処理(S737)について説明する。図63は、第4実施形態における保留内連荘演出A判定処理(S737)の詳細を示すフローチャートである。
ここで、前述の第1実施形態との相違点は、S771の処理であり、遊技状態が変化予定である場合には、特定保留に係る事前判定情報が存在か否かに関わらず、該事前判定情報を無視する点にある。なお、図63において、S761〜S770の処理は、第1実施形態と同様の処理であるため、相違点であるS771の処理を中心に説明する。
まず、サブメイン情報記憶手段260の先読み情報格納領域に、第2特別図柄の作動保留球の事前判定情報が格納されている場合(S763:YES)は、該作動保留球が消化される以前に現在の遊技状態が変化する予定であるか否かを判定する(S771)。なお、遊技状態が変化予定であるか否かは、主制御基板100からの演出制御コマンドの情報に基づき演出制御基板200側でも遊技状態を個別に管理してもよいし、また、事前判定コマンドに遊技状態に係る情報(詳細次述)を付加することで該事前判定コマンドの情報に基づき判定してもよい。遊技状態が変化する予定ではない場合(S771:NO)には、以下、特定保留(16R大当り)が存在すれば(S764,765)、保留内連荘演出Aを実行するか否かを抽選にて決定して(S766)、保留内連荘演出Aの内容を決定するための連荘演出パターンを選択するとともに(S768)、これをサブメイン情報記憶手段260の連荘演出パターン格納領域に一時記憶したうえで(S769)、サブメイン情報記憶手段260の保留内連荘演出フラグをオンにして(S770)、本処理を終了する。
一方、遊技状態が変化する予定である場合(S771:YES)には、特定保留が存在するか否かに関わらず、該作動保留球に係る事前判定情報を無視して、本処理を終了する。なお、本例において、遊技状態が変化する予定である場合としては、(1)特定遊技状態(確変状態)で通常大当りとなった場合、(2)確変大当りであり、且つ、特定保留(確変大当りとなる予定の特定保留)が存在するが、その特定保留よりも先に通常大当りとなる予定の特定保留が存在する場合、などが想定される。但し、保留内連荘演出に限らず、単なる保留変化などの先読み予告演出などにおいては、所定の変動回数経過によりST期間が終了するなどで遊技状態の変化が予定されていることとしてもよい。
(保留内連荘演出B判定処理:第4実施例)
続いて、第4実施形態における保留内連荘演出B判定処理(S843)について説明する。図64は、第4実施形態における保留内連荘演出B判定処理(S843)の詳細を示すフローチャートである。
ここで、前述の第1実施形態との相違点は、S875の処理であり、遊技状態が変化予定である場合には、、特定保留に係る事前判定情報が存在か否かに関わらず、該事前判定
情報を無視する点にある。なお、図64において、S851〜S870の処理は、第1実施形態と同様の処理であるため、相違点であるS875の処理を中心に説明する。
まず、サブメイン情報記憶手段260の先読み情報格納領域に、第2特別図柄の作動保留球の事前判定情報が格納されている場合(S853:YES)は、該作動保留球が消化される以前に現在の遊技状態が変化する予定であるか否かを判定する(S875)。遊技状態が変化する予定ではない場合(S875:NO)には、以下、保留内連荘演出Bを実行するか否かを抽選にて決定して(S856,S857)、保留内連荘演出Aの内容を決定するための連荘演出パターンを選択するとともに(S861)、これをサブメイン情報記憶手段260の連荘演出パターン格納領域に一時記憶したうえで(S868)、サブメイン情報記憶手段260の保留内連荘演出フラグをオンにして(S870)、本処理を終了する。
一方、遊技状態が変化する予定である場合(S875:YES)には、特定保留が存在するか否かに関わらず、該作動保留球に係る事前判定情報を無視して、本処理を終了する。
以上、第4実施形態によれば、保留内連荘演出により事前に報知した結果と、実際の抽選結果とに齟齬が生じるといった、遊技者の期待を裏切る報知演出を防止することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
なお、上述の第4実施形態の構成は、例えば通常状態(低確率状態)および特別図柄の確変状態(高確率状態)などの複数種の遊技状態を相互に移行可能な遊技機であれば、ST機に限定されず、第2実施形態(玉確タイプ)又は第3実施形態(ノーマル確変タイプ)に係る遊技機に適用してもよい。
[第4実施形態−第1変形例]
次に、第4実施形態の第1変形例に係る遊技機について説明する。この第1変形例に係る遊技機は、基本的には、上述の第4実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
前述の第4実施形態では、遊技状態が変化する予定である場合に、特定保留が存在するか否かに関わらず、主制御基板100からの事前判定結果の情報を無視する構成であったが、これには限定されず、事前判定コマンドに遊技状態に係る情報を付加することで、遊技状態が変化予定である場合でも、該遊技状態の情報が付加された事前判定情報に基づき、演出制御基板200側で先読み判定を実行して、保留内連荘演出A,B判定処理を実行する構成としてもよい。ここで、「遊技状態の情報が付加された事前判定情報」とは、演出制御基板200側で先読み判定の対象となる作動保留球が実際に消化される時点での遊技状態のもとで正しい事前判定結果を特定可能な情報であればその態様は特に限定されるものではない。その一例としては、(1)現在の遊技状態での事前判定結果、(2)次の遊技状態での事前判定結果、(3)現在の遊技状態の残り継続回数(変動回数)、(4)次の遊技状態へ変化するまでの残り継続回数(変動回数)、(5)所定の変動回数以内に遊技状態が変化予定である旨、(6)当該事前判定コマンドにおける保留情報が実際に消化される予定時期における遊技状態までを導き出したうえでの予定遊技状態に関する情報、などの情報のうちの一つ又は二つ以上を適宜に組合せたものが採用される。更には、前述の図57の当否事前判定テーブルに記載されたように、遊技状態(通常状態/確変状態、さらに詳細には通常状態/確変状態/時短状態でもよい)に応じて、抽選結果としての乱数値のもつ意味合いが変化する又は変化しない、といった事前判定番号に関する情報であってもよい。
以上、第4実施形態の第1変形例によれば、遊技状態が変化する予定であっても事前判定結果を無視することなく、該事前判定結果に含まれる遊技状態に係る情報に基づき、変化後の遊技状態のもとで先読み判定を実行することで、保留内連荘演出により事前に報知した結果と、実際の抽選結果とに齟齬が生じるといった、遊技者の期待を裏切る報知演出を防止することができるとともに、保留内連荘演出の実行機会を増加させることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
[第4実施形態−第2変形例]
次に、第4実施形態の第2変形例に係る遊技機について説明する。この第2変形例に係る遊技機は、基本的には、上述の第4実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。なお、この第2変形例では、前述の第4実施形態およびその第1変形例のいずれかにおいて、以下の構成を付加することができる。
本変形例では、保留内連荘演出A判定処理において、先行の作動保留球が大当りとなる場合に、後続の作動保留球内に複数の特定保留が含まれるとき、最先の1個目の特定保留については保留内連荘演出A判定処理での先読み判定の対象となる作動保留球(以下「対象保留」と称する)として扱うが、後発の2個目以降の特定保留については保留内連荘演出A判定処理の対象保留として扱わず、当該後発の特定保留の事前判定情報は無視する。なお、「無視」とは「送られてきた情報を受け取りはするが使用しない」という意味と、「送られてきた情報を受け取りもしない」という意味も含まれる。
それでは、本変形例の作用について図65(A)を参照して説明する。先行の作動保留球X0が消化される時点で、後続の作動保留球X1,X2,X3内に二つの特定保留X1,X3が存在するものとする。このとき、先行の作動保留球X0が消化された結果、大当りとなる場合、二つの特定保留X1,X3のうち先発の特定保留X1との関係でのみ、保留内連荘演出Aの実行可否を判定する。これは、前述したように、保留内連荘演出Aに係る先読み判定では、後続の作動保留球のうち、最先のものから順番に先読み判定を行い、後続の作動保留球内に複数の特定保留が存在する場合には最先の特定保留との関係でのみ保留内連荘演出の実行可否を判定することを理由とするものである。従って、後続の作動保留球内に存在する二つの特定保留X1,X3のうち後発の特定保留X3については、保留内連荘演出Aの対象とはせず、この特定保留X3の事前判定情報を無視する。このように本変形例では、先行の作動保留球が消化されて大当りとなるときに先発の特定保留が存在することに基づき保留内連荘演出Aは実行するが、後発の特定保留が存在することに基づき保留内連荘演出Aは実行しない。
以上、第4実施形態の第2変形例によれば、後続の作動保留球内に複数の特定保留が存在する場合に、最先の特定保留との関係でのみ、保留内連荘演出を実行可能とすることで、その間に存在する他の特定保留(例えば、通常大当りとなることが予定される特定保留)の存在によって、本来意図していた保留内連荘の対象が変動することを防止して、保留内連荘演出が発生したときの満足感を高めることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
[第4実施形態−第3変形例]
次に、第4実施形態の第3変形例に係る遊技機について説明する。この第2変形例に係る遊技機は、基本的には、上述の第4実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。なお、この第3変形例では、前述の第4実施形態およびその第1変形例のいずれかにおいて、以下の構成を付加することができる。
本変形例では、保留内連荘演出A判定処理において、先行の作動保留球が大当りとなる場合に、後続の作動保留球内に複数の特定保留が含まれるとき、先行の作動保留球に係る大当りと先発の特定保留との関係での保留内連荘演出Aと、先発の特定保留に係る大当りと後発の特定保留との関係での保留内連荘演出Aとが発生し得るが、このとき、先発の特定保留の事前判定情報と後発の特定保留の事前判定情報との双方を遊技者の有利度に基づき比較勘案して、相対的に有利度の高い特定保留の保留内連荘のみを示唆又は報知するように構成する。
それでは、本変形例の作用について図65(B)を参照して説明する。先行の作動保留球X0が消化される時点で、後続の作動保留球X1,X2,X3内に二つの特定保留X1,X3が存在するものとする。このとき、先発の特定保留X1は「8R大当り」、後発の特定保留X3は「16R大当り」である場合、後発の特定保留X3の方が先発の特定保留X1よりも有利度が高い特定保留となる。したがって、先行の作動保留球X0が消化された結果として大当りとなる場合、先発の特定保留X1は相対的に有利度の低い特定保留であるため、先行の作動保留球X0に係る大当りと先発の特定保留X1との関係での保留内連荘演出Aは発生しない。一方、先発の作動保留球X1が消化された結果、大当りとなる場合、後発の特定保留X3は相対的に有利度の高い特定保留であるため、先発の特定保留X1に係る大当りと後発の特定保留X3との関係での保留内連荘演出Aは発生し得る。
以上、第4実施形態の第3変形例によれば、希少性の高い保留内連荘演出の連続的な発生を防止して、真に有利度の高い保留内大当りの告知のみを行うことで、保留内連荘演出の発生に対する興味を高めることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態に係る遊技機について説明する。第5実施形態の遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
第5実施形態の遊技機は、第1実施形態の遊技機と同様に、特別図柄で大当りした場合に、確変突入率が100%の回数切り確変機、いわゆる「ST機」と称される遊技機である。
第5実施形態では、前述の第1実施形態と同様に、16R特別遊技、8R特別遊技および4R特別遊技が用意されている。特別遊技中の各ラウンド遊技は、大入賞口64(65)が長開放する長開放ラウンド遊技と、大入賞口64(65)が短開放する短開放ラウンド遊技とに区別される。「長開放ラウンド遊技」は、大入賞口64(65)を30秒間だけ開放した後に閉鎖、又は、30秒間未満であっても規定数(10球)の入球で閉鎖する態様のラウンド遊技である。同様に、「短開放ラウンド遊技」は、大入賞口64(65)を0.2秒間だけ開放した後に閉鎖、又は、0.2秒未満であっても規定数(10球)の入球で閉鎖する態様のラウンド遊技である。このように本例では、長開放ラウンド遊技は、大入賞口64(65)の開放期間に規定数(最大入球数)の入球を期待できるラウンド遊技である一方で、短開放ラウンド遊技は、大入賞口64(65)の開放期間に遊技球の入球が現実的に困難となるラウンド遊技である。本例では、特別遊技の実行中、各ラウンド遊技中において、現在のラウンド数、獲得賞球数、右打ちを促すメッセージ等を含むラウンド演出が実行される。
第5実施形態における獲得賞球数報知演出について説明する。図66は、特別遊技中の獲得賞球数報知演出の内容を説明するための模式図である。図中には、遊技者の獲得した
獲得賞球数に対して、獲得賞球数報知演出の内容(表示内容および効果音の種類)が対応付けられている。本例では、特別遊技中の各ラウンドにおいて、現在までの獲得賞球数を報知する獲得賞球数報知演出が実行される。本例における「獲得賞球数」とは、いわゆる連荘状態の継続中に、特別遊技において大入賞口64(65)への入球に基づき遊技者が獲得した賞球の総数を意味する。なお、いわゆるオーバー入賞(本例では、下記の規定カウント数である10球を超える超過入賞)した場合は、該オーバー入賞した分の賞球数を獲得賞球数としてカウントしてもよいし、又は、カウントしなくてもよい。また、大入賞口64(65)以外の各入賞口への入賞の場合は、獲得賞球数としてカウントはしない。ここで、「連荘(連荘状態)」とは、特定遊技状態において所定の大当りとなることで特別遊技が実行され、且つ、その特別遊技の終了後の遊技状態として、再び特定遊技状態が継続することをいう。本例における特定遊技状態とは、前述したように、少なくとも電チューサポート機能(開放延長機能)が作動している状態である。本例では、ST機(100%の回数切り確変機)を採用しているため、特別遊技の終了後の一定期間中(ST期間中)は、特定遊技状態である。獲得賞球数報知演出では、各ラウンド遊技の実行中に、演出表示装置70の画面上に、現在の獲得賞球数が表示される。本例において、演出制御基板200(大当り演出決定手段227)は、特別遊技の実行中に大入賞口64(65)に遊技球が入球することで、主制御基板100からコマンドを受信する毎に、獲得賞球数カウンタを更新して、該獲得賞球数報知演出を実行する。該獲得賞球数カウンタは、連荘状態が途絶えたときにリセットされる。また、獲得賞球数報知演出では、獲得賞球数として特定数「2500個」を獲得する毎に、該獲得賞球数の拡大表示が行われる(通常の表示態様よりも拡大表示する)。すなわち、獲得賞球数が2500個の整数倍(2500個、5000個、7500個…)に到達するたびに、該獲得賞球数を画面中央に拡大表示する。また、その場合には、獲得賞球数の拡大表示と同時に、所定の効果音(通常の効果音)を発生させる。さらに、獲得賞球数として一定数「10000個」を獲得する毎に、通常の効果音の他に、特殊な効果音を発生させる。すなわち、獲得賞球数が10000個の整数倍(10000個、20000個、30000個…)に到達するたびに、通常の効果音と併せて特殊な効果音を発生させる。本例では、通常の効果音として爆発音や金属音などの基本的なサウンドエフェクト(SE)を出力し、特殊な効果音として「キタキタ〜」や「絶好調〜」等の音声を出力する。
本例では、大入賞口64(65)への1球の入球に対して、「15個」の賞球が払い出される設定となっている。そのため、基本的には、獲得賞球数(獲得賞球数カウンタ)は、「15個」単位で更新されることになる。また、1回の大当り(特別遊技)にて遊技者が獲得できる最多の獲得賞球数(最多獲得賞球数)は「2400個」に設定されている。すなわち、最大利益大当り(16R大当り)に当選した場合、その特別遊技(16R特別遊技)では、16回の長開放ラウンド遊技が実行されるため、獲得賞球数は、16ラウンド(ラウンド数)×10カウント(規定カウント数)×15個(単位賞球数)=2400個となる。
続いて、第5実施形態における保留内連荘演出について説明する。本例では、図柄変動中に発生する第1の保留内連荘演出(保留内連荘演出A)と、特別遊技中に発生する第2の保留内連荘演出(保留内連荘演出B)とのうち、第2の保留内連荘演出(保留内連荘演出B)を対象とする。前述のとおり、保留内連荘は、先行の作動保留球が大当りしたときの遊技状態が特定遊技状態(本例では、少なくとも電チューサポート機能が作動している状態)であることを前提として発生する。また、保留内連荘の対象となる後続の作動保留球(特定保留)は、第2始動口62への入球に基づき生起する第2特別図柄の作動保留球である。そして、保留内連荘演出Bの実行可否は、特別遊技の開始前のタイミングにおいて所定の実行条件が成立している場合に抽選にて決定される。本例では、先行の作動保留球が高利益大当り(16R大当り)となることを前提とし、後続の作動保留球内に特定保留(大当り保留)が存在する場合に、所定の実行条件が成立するものとする。そのため、
本例では、保留内連荘演出は、保留内連荘の成立を確定的に報知する「真実の演出」としてのみ実行されるが、その変形例として、実際には保留内連荘が成立しない「ガセの演出」を含めてもよい。なお、本例では、保留内連荘演出の実行条件の一つとして、先行の作動保留球が高利益大当り(16R大当り)の特定保留であることを定めているが、これに限定されるものではなく、先行の作動保留球は高利大当り(16R大当り)以外の特定保留、すなわち、16R未満の大当りに対応する特定保留であってもよい。
本例においても、特別遊技の開始前(大当り開始デモ)のタイミングにおいて、所定の実行条件が成立している場合、保留内連荘演出Bの実行可否を抽選にて決定する演出抽選処理を実行する。この演出抽選処理に当選した場合には、保留内連荘演出の予約フラグがオンされ、予め設定された実行タイミングが到来したときに、保留内連荘演出が実行されることになる。保留内連荘演出の実行タイミングは、上述の獲得賞球数の拡大表示が行われるタイミングに設定されている。つまり、獲得賞球数として「2500個」獲得するごとに、保留内連荘演出の実行タイミングが到来する。そのため、1回の特別遊技中に獲得賞球数の拡大表示タイミングが到来すれば、保留内連荘演出の予約フラグがオンされていることを条件に、該保留内連荘演出は実行される。一方、保留内連荘演出の予約フラグがオンされたとしても、1回の特別遊技中に獲得賞球数の拡大表示タイミングが到来しなければ、保留内連荘演出はキャンセルされることになる。なお、変形例として、「2500個」の賞球を獲得するごとに、保留内連荘演出の実行の可否を判定してもよく、また、その際は後続の作動保留球内に特定保留(大当り保留)が存在するか否かの判定が含まれていてもよい。
図67は、第5実施形態における保留内連荘演出の演出例を示す模式図である。なお、本例では、特別遊技の開始時に保留内連荘演出抽選処理にて当該演出の実行が決定されている(予約フラグがオンになっている)ものとする。なお、保留内連荘演出の予約フラグがオンされている状況下、獲得賞球数の通常表示(非拡大表示)のときには、保留内連荘演出が実行されることはない。まず、図67(A)に示すように、特別遊技中の所定のラウンド(本例では第8ラウンド)において、大入賞口64(65)への遊技球の入賞によって、獲得賞球数が30000個(2500個×12回目)に到達したとき、画面中央に該獲得賞球数が拡大表示される。本例においては、「GET30000」という文字画像が画面中央に拡大表示され、30000個の賞球を獲得したことが報知される。このとき、保留内連荘演出の予約フラグがオンされている状況下、獲得賞球数が拡大表示されたことにより、保留内連荘演出の実行タイミングが到来する。
次いで、図67(B)に示すように、画面全体が一瞬だけブラックアウトする。そして、図67(C)に示すように、保留内連荘演出として、該保留内連荘演出以外のいかなる場面でも現出することのない特殊な演出画像が表示される。本例では、特殊な演出画像として「BONUS+1」という文字情報が表示され、保留内連荘の成立が告知される。なお、保留内連荘演出の表示態様として、後続の作動保留球内に特定保留(大当り保留)が1以上ある場合に「BONUS+1」という表示をしてもよいし、特定保留(大当り保留)が1個ある場合には「BONUS+1」、特定保留(大当り保留)が2個ある場合には「BONUS+2」、というように、後続の作動保留球内に存在する特定保留(大当り保留)の個数に応じてその表示を異ならしめてもよい。ここで、後続の作動保留球内に特定保留が2個(複数個)存在する場合は、当該2個(複数個)とも高利益大当り(16R大当り)に対応する特定保留であることが望ましいが、それぞれ異なる規定ラウンド数の大当りに対応する特定保留であってもよく、また、16R未満の大当りに対応する特定保留であってもよい。
なお、上述の第5実施形態では、保留内連荘が成立していることを契機として、特別遊技中のいずれのラウンドにおいても、獲得賞球数が特定数(2500個の整数倍)に到達
した場合に、獲得賞球数報知演出および保留内連荘演出が実行され得るが、最終ラウンドにおいては、獲得賞球数報知演出は実行される一方、保留内連荘演出は実行されないよう構成してもよい。なお、その場合には、最終ラウンドに代えて、その直後の大当り終了デモにおいて保留内連荘演出を実行させるようにしてもよい。また、特別遊技の終了間際(例えば、最終ラウンドにおける10カウント目や、最終ラウンドにおける規定時間直前の入球)において獲得賞球数が「2500個」の整数倍に到達した場合、その後は大当り終了デモ状態となってしまうため、当該ラウンド中(最終ラウンド中)での保留内連荘演出は実行しないよう構成することが好適である。なお、その際は、大当り終了デモ中において獲得賞球数(2500個の倍数)の拡大表示は行わないことが前提となる。一方、最終ラウンド以外であれば、当該ラウンドの終了間際での入球等であっても、次のラウンドの実行が担保されているため、何ら支障なく保留内連荘演出の実行が可能となる。
以上、第5実施形態によれば、特別遊技の実行中において獲得賞球数が特定数に到達するタイミングには規則性がなく、特別遊技中のいずれのラウンドにて保留内連荘演出が実行されるのかを予測困難にすることができるため、保留内連荘演出の発生タイミングに意外性を与えることができるとともに、全てのラウンドに対して遊技者の関心を惹きつけることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。なお、本例では、保留内連荘演出の一態様として、「BONUS+1」という文字情報を表示したが、これに限定されるものではなく、例えば、拡大表示される獲得賞球数(2500個の倍数)の文字色を特殊な色彩(虹色など)に変化させたり、エフェクト表示を追加したり、このように通常の獲得賞球数報知演出(獲得賞球数の拡大表示)とは異なる演出態様を現出させてもよい。また、本例では、前述したように、1回の特別遊技にて獲得可能な最多の獲得賞球数は「2400個」に設定され、該最多獲得賞球数は保留内連荘演出(獲得賞球数の拡大表示)の実行契機ともなる特定数「2500個」よりも小さく設定されているため、1回の特別遊技中に獲得賞球数報知演出および保留内連荘演出がそれぞれ2回以上実行されることはないが、最多獲得賞球数を特定数「2500個」よりも大きく設定、又は、特定数を最多獲得賞球数「2400個」よりも小さく設定することで、1回の特別遊技中に獲得賞球数報知演出および保留内連荘演出が2回以上実行されるよう構成してもよい。
[第6実施形態]
次に、第6実施形態に係る遊技機について説明する。第6実施形態の遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
第6実施形態の遊技機は、第1実施形態の遊技機と同様に、特別図柄で大当りした場合に、確変突入率が100%の回数切り確変機、いわゆる「ST機」と称される遊技機である。
第6実施形態では、前述の第1実施形態と同様に、16R特別遊技、8R特別遊技および4R特別遊技が用意されている。前述したように、特別遊技中の各ラウンド遊技は、大入賞口64(65)が長開放する長開放ラウンド遊技と、大入賞口64(65)が短開放する短開放ラウンド遊技とに区別される。
続いて、第6実施形態における保留変化先読み予告演出について説明する。図68は、第6実施形態における保留画像の説明に供する模式図である。保留変化先読み予告演出とは、先読み対象となった保留画像(トリガ保留に対応する保留画像)を通常の表示態様から特殊の表示態様に変化させることで、当該保留が大当りとなる可能性を予告するものであり、前述した先読み予告演出の一種である。
前述したように、演出表示装置70の画面内の所定領域には、第1特別図柄の作動保留
球数を表示するための第1保留表示部701と、第2特別図柄の作動保留球数を表示するための第2保留表示部702とが設けられている。通常の表示態様では、特別図柄の作動保留球が生起されると白丸印「○」の保留画像が表示される一方、当該作動保留球が消化されると対応する保留画像が消失される。なお、保留画像の通常の表示態様「白色」は、図面上では「白抜き」によって表現している。この保留画像は、特別図柄の作動保留球の発生順(入球順)に従って順番に表示され、各保留表示部701,702に最大で4個ずつ表示が可能である。そのため、第1保留表示部701は、保留画像をそれぞれ表示可能な4つの保留表示領域X11,X12,X13,X14からなり、第2保留表示部702は、保留画像をそれぞれ表示可能な4つの保留表示領域X21,X22,X23,X24からなる。保留表示部701では、第1特別図柄の作動保留球が生起される毎に、最も左側の保留表示領域X11から順に1個ずつ保留画像が追加表示され、また、第1特別図柄の作動保留球が消化される毎に、最も左側の保留表示領域X11に表示された先頭の保留画像が消失されるとともに保留表示領域X12〜に表示された後続の保留画像が1個ずつ左側の保留表示領域へシフトされる。同様に、保留表示部702では、第2特別図柄の作動保留球が生起される毎に、最も左側の保留表示領域X21から順に1個ずつ保留画像が追加表示され、また、第2特別図柄の作動保留球が消化される毎に、最も左側の保留表示領域X21に表示された先頭の保留画像が消失されるとともに保留表示領域X22〜に表示された後続の保留画像が1個ずつ左側の保留表示領域へシフトされる。他方、次述する保留変化先読み予告演出が実行された場合には、保留表示部701,702において、先読み予告の対象となった保留画像が通常の表示態様(白色表示)から特殊な表示態様(特殊な色彩表示)に変化される。ここで、開放延長機能が作動している状態(電チューサポート状態、時短状態)では、第2特別図柄の作動保留球(保留画像)に係る保留変化は実行されるが、第1特別図柄の作動保留球(保留画像)に係る保留変化は実行されない(保留変化先読みを禁止する)一方で、開放延長機能が作動していない状態(非電チューサポート状態、非時短状態)では、第1特別図柄の作動保留球(保留画像)に係る保留変化は実行されるが、第2特別図柄の作動保留球(保留画像)に係る保留変化は実行されない(保留変化先読みを禁止する)よう構成することが、優先消化を採用する場合は好適である。また、開放延長機能が作動している状態(電チューサポート状態、時短状態)では、第2特別図柄の作動保留球に対応した保留画像のみを表示、もしくは、第2特別図柄の作動保留球に対応する保留画像を第1特別図柄の作動保留球に対応する保留画像よりも強調表示することが望ましく、開放延長機能が作動していない状態(非電チューサポート状態、非時短状態)では、第1特別図柄の作動保留球に対応した保留画像のみを表示、もしくは、第1特別図柄の作動保留球に対応する保留画像を第2特別図柄の作動保留球に対応する保留画像よりも強調表示することが望ましい。また、保留変化先読みでは、同じ特別図柄種別(第1特別図柄、第2特別図柄)において、保留画像を一つまでしか変化させないことが好適である。但し、保留画像を二つ以上変化させてもよいが、その場合、先行の保留変化が大当りを示唆する場合もあれば、後続の保留変化が大当りを示唆する場合もあるように、ノーチャンス(完全なガセ)は無しとすることが好適である。また、保留変化した該保留画像を残す状態で特別遊技に移行した場合、その保留変化した該保留画像は特別遊技の終了後はデフォルト画像(白色)に戻っていることが望ましい。
保留変化先読み予告演出では、上記の事前判定の結果に基づき、演出表示装置70の保留表示部701,702に表示される保留画像のうち、先読みの対象となった保留画像(トリガ保留に対応する保留画像)を、通常の表示態様から特殊な表示態様に変化させる演出が行われる。本例では、保留変化先読み予告演出の実行中では、トリガ保留に対応する保留画像の表示色として、「青色」、「緑色」、「赤色」、「虹色」の4種類の色彩のうちのいずれかを取り得る。なお、図面上では、「青色」、「緑色」、「赤色」、「虹色」の4種類の表示態様を、それぞれ「格子柄」、「斜線」、「網掛け」、「塗り潰し」によって表現する。この保留変化先読み予告演出で用いられる上記4種類の表示態様は、抽選結果が大当りとなる信頼度(「大当り信頼度」と称する)と関係しており、「青色」、「
緑色」、「赤色」、「虹色」の順に1段階ずつ大当り信頼度が高くなるように設定されている。なお、「虹色」の保留画像は、大当たり当選が確定となる保留画像を意味する。従って、「虹色」の保留画像が出現した場合又は保留画像が「虹色」に変化した場合には、該保留画像(作動保留球)に係る図柄変動表示にて大当り当選することが確約される。なお、保留変化先読み予告演出において、保留画像の表示態様の変化を表示色ではなく、形状や模様等で表現してもよい。
本例において、保留変化先読み予告演出は、図柄変動中および特別遊技中に実行され得る。すなわち、基本的には、保留変化先読み予告演出は図柄変動中に実行されるものであるが、本例では保留内連荘演出の一態様として保留変化先読み予告演出が特別遊技中に実行される場合がある(詳細後述)。なお、先読み予告抽選処理の実行時期は、図柄変動の開始前および特別遊技の開始前のタイミングに設定されている。そして、そのタイミングにおいて、保留変化先読み予告演出の実行可否および保留変化先読み予告パターンが抽選される。保留変化先読み予告演出においては、複数種の中から選択された保留変化先読み予告パターンに基づき保留画像の表示態様を変化させる制御が行われる。
続いて、第6実施形態における保留内連荘演出について説明する。本例では、保留内連荘演出として、図柄変動中に発生する第1の保留内連荘演出(保留内連荘演出A)と、特別遊技中に発生する第2の保留内連荘演出(保留内連荘演出B)とを対象とする。保留内連荘演出Aの実行可否は、先行の作動保留球が消化されるタイミングにおいて第1実行条件が成立している場合に抽選にて決定される。本例では、先行の作動保留球が高利益大当り(16R大当り)となることを前提とし、後続の作動保留球内に高利益大当り(16R大当り)となる特定保留が存在する場合の他、先行の作動保留球がはずれとなる場合(その場合は後続の作動保留球内における特定保留の有無は問わない)でも、第1実行条件が成立するものとする。よって、図柄変動中に保留内連荘演出Aが発生した時点では、保留内連荘の成立は確定せず、当該変動表示にて「はずれ」の結果となる、いわゆるガセの演出(偽の演出)となる場合がある。逆を言えば、保留内連荘演出Aが発生した後、当該変動表示にて「大当り」となる結果となれば、保留内連荘の成立(後続の作動保留球内に特定保留が存在すること)が確定的となる。一方、保留内連荘演出Bの実行可否は、特別遊技の開始のタイミングにおいて第2実行条件が成立している場合に決定される。本例では、先行の作動保留球が高利益大当り(16R大当り)となることを前提とし、後続の作動保留球内に高利益大当り(16R大当り)となる特定保留が存在する場合において、保留内連荘演出Aが真実の演出として発生した場合に、第2実行条件が成立するものとする。つまり、保留内連荘演出Bは、保留内連荘演出Aが保留内連荘の成立を告知する真実の演出として発生したことを受けて、その実行が決定される。そのため、図柄変動中において、保留内連荘演出Aが発生しなかった場合、および、保留内連荘演出Aが発生してもガセの演出であった場合(当該変動表示にてはずれとなった場合)には、保留内連荘演出Bは発生しない。本例では、このように先行の作動保留球が消化されたときの図柄変動において保留内連荘演出Aが発生し、当該変動において大当りとなった場合に、保留内連荘の成立が確定し、その保留内連荘演出Aを引き継ぐかたちで、当該変動後(大当り変動後)の特別遊技の実行中において保留内連荘演出Bが発生することになる。そして、保留内連荘演出Aと保留内連荘演出Bとは、図柄変動と特別遊技とに跨って連続性および関連性のある演出内容として構成されている。
図69は、第6実施形態における保留内連荘演出の演出例を示す模式図である。図中において、(A)〜(D)は図柄変動表示中(保留内連荘演出Aを含む)の演出例であり、(E)〜(H)は特別遊技中(保留内連荘演出Bを含む)の演出例である。なお、通常遊技状態(非特別遊技状態)と特別遊技状態では、保留表示領域の位置や、保留表示態様(大きさなど)が異なるよう構成することが好適である。その理由としては、後述する保留内連荘演出Bを強調させるためである。
まず、図69(A),(B)に示すように、図柄変動表示中の所定のタイミングにて、一瞬だけ画面がブラックアウトする。そして、図69(C)に示すように、保留内連荘演出Aとして、該保留内連荘演出以外のいかなる場面でも現出することのない特殊な演出が表示(プレミアムムービーが再生)される。例えば、このプレミアムムービーとして、主人公が究極奥義を習得して無想の域に達するまでの映像が再生される。本例では、保留内連荘演出Aにはガセの演出も含まれるため、保留内連荘演出A(プレミアムムービー)が発生しただけでは、必ずしも保留内連荘の成立は確定しない。なお、図柄変動中においては、特別図柄の作動保留球に対応する保留画像が表示される。本例では、図示のように、4個の保留画像(第2特別図柄の作動保留球)が全て通常の表示態様(白色)で表示されているものとする。
次いで、図69(D)に示すように、プレミアムムービーの終了後、装飾図柄がリーチ状態を経て大当り図柄「7・7・7」にて停止表示され、大当り(先行の作動保留球に係る大当り)が発生する。このように保留内連荘演出A(プレミアムムービー)が実行された後、当該変動にて大当りが発生することで、保留内連荘の成立(特定保留の存在)が確約される。本例では、大当り当選時には、その特別遊技における大当り演出として、通常であれば「ハイパーボーナス」が発生するところ、上記のように当該変動にて保留内連荘が成立した場合には、その特別遊技における大当り演出として「無想転生ボーナス」が発生することになる。
図69(E)に示すように、特別遊技が開始されると、その大当り演出として「無想転生ボーナス」が開始される。このとき、特別遊技の実行中においても、保留画像(第2特別図柄の作動保留球に対応した保留画像)が継続して表示される。本例では、大当り開始デモ〜ラウンド遊技〜大当り終了デモのほぼ全期間において保留画像が表示されるものとする。なお、該保留画像は、特別遊技の実行中において、ラウンド遊技中には表示されず大当り開始デモ時および大当り終了デモ時のみ表示されてもよいし、大当り終了デモ時のみ表示されるものでもよい。
図69(F)に示すように、ラウンド遊技が開始されると、保留内連荘演出Bとして「無想転生プレート」が出現する。「無想転生プレート」とは、例えば白色(少なくとも虹色以外の色彩)の長方形のプレート内に「無想転生」という文字情報が表示された画像である。本例では、第1ラウンド〜第16ラウンドの全期間において「無想転生プレート」が表示される。
次いで、図69(G)に示すように、大当り終了デモにおいて、「無想転生プレート」が虹色のエフェクトに変化して、トリガ保留に係る保留画像(先読み結果が特定保留と判定された保留画像)に向かって飛んでいく。
そして、図69(H)に示すように、虹色のエフェクトが当該保留画像の表示態様を白色から虹色へ変化させる。こうした虹色の保留画像の出現により、保留内連荘の成立が視覚的に分かり易く遊技者に伝えられることになる。
なお、上述の第6実施形態では、特別遊技中の保留内連荘演出として、図柄変動中にも現出する虹色の保留画像を利用しているが、これに限定されるものではなく、図柄変動中には現出することのない特殊の保留画像(例えばキリン柄の保留画像)を用いてもよい。また、上述の第6実施形態では、保留内連荘演出の実行条件として、先行の作動保留球が高利益大当り(16R大当り)に当選することを条件に挙げているが、これに限定されるものではなく、先行の作動保留球がいずれの大当り(16R大当り、8R大当り、4R大当り)であっても、上記実行条件を満足するよう構成してもよい。
以上、第6実施形態によれば、特別遊技中の保留内連荘演出として、保留画像を大当り期待度の低い通常態様から大当り期待度の高い特殊態様に変化させることで、保留内連荘の成立を視覚的に分かり易く遊技者に教示することができるとともに、特別遊技中であっても保留変化を生じさせることで、遊技者に驚きや意外性を与えることができるため、保留内連荘演出の演出効果をより一層高めることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。また、特別遊技中に保留内連荘演出を実行した場合、その特別遊技終了後の図柄変動(特定保留に係る変動まで)の演出として、特殊な演出(例えば、保留内連荘演出が発生しなかった際の特別遊技終了後の図柄変動では出現しない演出)を実行してもよい。
[第7実施形態]
次に、第7実施形態に係る遊技機について説明する。第7実施形態の遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
第7実施形態の遊技機は、第2実施形態の遊技機と同様に、特別遊技の実行中に遊技球が大入賞口内の特定領域(いわゆる「V領域」)に入賞するか否かに応じて、当該特別遊技の終了後に遊技状態が確変状態へ移行するか否かを決定する、いわゆる玉確タイプの遊技機として構成される。なお、確変状態は、所定回数(ST回数)の図柄変動が行われるまで継続してもよいし、次回の大当りが発生するまで継続するものでもよい。この場合、前者であれば、第2特別図柄にて大当りした場合の方が第1特別図柄にて大当りした場合よりも特定領域658へ入球容易となる大当り種別に当選しやすく、且つ、第2特別図柄にて大当りした場合は100%の確率で特定領域658へ入球容易となる大当り種別に当選することが望ましい。後者であれば、第2特別図柄にて大当りした場合の方が第1特別図柄にて大当りした場合よりも特定領域658へ入球容易となる大当り種別に当選しやすく、且つ、第2特別図柄にて大当りした場合は100%未満の確率で特定領域658へ入球容易となる大当り種別に当選することが望ましい。
図70は、第7実施形態における、ぱちんこ遊技機PMの正面図である。図70に示すように、第7実施形態では、遊技領域PA内において単一の大入賞口65(特定領域658を有した玉確アタッカー)のみを搭載している。すなわち、前述の第2実施形態では、特定ラウンドにおいてのみ特定領域658を有した第2大入賞口65が開放され、特定ラウンド以外のラウンドにおいては特定領域658を有していない第1大入賞口64が開放されるよう構成されていたが、第5実施形態では、全てのラウンドにおいて特定領域658を有した大入賞口65が開放されるよう構成されている。なお、大入賞口65の構成については、前述の第2実施形態で既に説明しているので、ここでは重複説明を省略する。
また、第7実施形態の遊技機は、第1実施形態の遊技機と同様に、第1特別図柄の変動表示よりも第2特別図柄の変動表示を優先的に実行する、いわゆる優先消化を採用するため、第2特別図柄の作動保留球が存在する間は、第1特別図柄の作動保留球の存在に関係なく、第2特別図柄の作動保留球を優先的に消化するように構成されている。
続いて、第7実施形態における大当り種別(大当り内訳)について説明する。図71には、第7実施形態における特別図柄抽選の大当り内訳を示している。
図71の上段は、第7実施形態における第1特別図柄当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第1特別図柄当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、図柄群、大当り属性、確変時短機能の作動回数、大入賞口の作動パターンがそれぞれ対応付けられている(本例では、便宜上、停止図柄の記載を省略する)。第1特別図柄当り図
柄テーブルでは、大当りの種別に応じて、3種類の図柄群A,B,Cが設定されている。具体的には、図柄群A(16R長開放大当り)と、図柄群B(6R長開放大当り)と、図柄群C(6R長短開放大当り)とに振り分けられる。
図71の下段は、第7実施形態における第2特別図柄当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第2特別図柄当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、図柄群、大当り属性、確変時短機能の作動回数、大入賞口の作動パターンがそれぞれ対応付けられている(本例では、便宜上、停止図柄の記載を省略する)。第2特別図柄当り図柄テーブルでは、大当りの種別に応じて、2種類の図柄群D,Eが設定されている。具体的には、図柄群D(16R長開放大当り)と、図柄群E(8R長開放大当り)とに振り分けられる。
上記のように、各大当りは、大別的には、「長開放大当り」および「長短開放大当り」に区分される。長開放大当りとは、その特別遊技におけるラウンド遊技として長開放ラウンド遊技のみが存在する大当りをいう。長短開放大当りとは、その特別遊技におけるラウンド遊技として長開放ラウンド遊技と短開放ラウンド遊技とが混在する大当りをいう。図71に示すように、第1特別図柄の大当りは、長開放大当り又は長短開放大当りに分類され、第2特別図柄の大当りはすべて長開放大当りに分類される。本例において、長開放ラウンド遊技は、基準時間以上(例として、基準時間である20秒以上の30秒など)開放することが設定されたラウンド遊技であり、短開放ラウンド遊技は、基準時間未満(例として、基準時間である20秒未満の0.5秒など)開放することが設定されたラウンド遊技である。但し、特定ラウンド(特定領域658の振分装置が作動する特定回数目のラウンド)では、それ以外の通常ラウンドとは開放パターンを異ならせてもよい(もちろん、その変形例として、開放パターンは同じでもよい)。その一例としては、特定ラウンドにおける長開放ラウンド遊技では、30秒開放ではなく、0.5秒開放→2秒閉鎖→29秒開放(開放時間の合計値は29.5秒であり、30秒よりも少ない)などとしてもよい。また、特定ラウンドにおける短開放ラウンド遊技では、0.2秒開放(0.5秒開放よりも短い)としてもよい。
また、上記の各大当りは、図71に示すように、その大当りの属性として「条件付き特定大当り」と「条件付き通常大当り」とに区分される。「条件付き特定大当り」とは、特定領域658への入賞が容易又は可能に設定され、基本的には特定領域658に遊技球が入賞することを条件に、特定大当り(確変大当り)であることが確定する大当りをいう。「条件付き」とする理由は、特定領域658が長開放する大当りであっても、実際に遊技球が特定領域658に入賞しなかったときは、結果的に通常大当り(非確変大当り)となる可能性があるからである。また、「条件付き通常大当り」とは、特定領域658への入賞が困難又は不可能に設定され、基本的には特定領域658に遊技球が入賞しないことを条件に、通常大当り(非確変大当り)であることが確定する大当りをいう。「条件付き」とする理由は、特定領域658が短開放する大当りであっても、実際に遊技球が特定領域658に入賞したときは、結果的に特定大当り(確変大当り)となる可能性があるからである。ここで、図71の上段に示すように、第1特別図柄抽選では、条件付き特定大当りの当選確率が60%であり、条件付き通常大当りの当選確率が40%である。また、図71の下段に示すように、第2特別図柄抽選では、条件付き特定大当りの当選確率が100%である。
ここで、本例における大当りの内訳に関して、以下の関係(1)〜(3)が成立する。
(1)高利益大当りの期待度
本例では、高利益大当り(賞球獲得期待値の最も高い大当り)に当選する割合は、第2特別図柄抽選よりも第1特別図柄抽選の方が高く設定されている。具体的には、第1特別
図柄抽選において高利益大当り(16R大当り)に当選する割合は40%であるのに対して、第2特別図柄抽選において高利益大当り(16R大当り)に当選する割合は25%であり、第2特別図柄抽選よりも第1特別図柄抽選の方が高利益大当り(16R大当り)の獲得期待度が高くなるよう構成されている。
(2)条件付き特定大当りの期待度
本例では、大当りの属性として、件付き特定大当り(確変大当り相当)に当選する割合は、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選の方が高く設定されている。具体的には、第1特別図柄抽選において条件付き特定大当りに当選する割合は60%であるのに対して、第2特別図柄抽選において条件付き特定大当りに当選する割合は100%であり、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選の方が確変移行の期待度が高くなるよう構成されている。
(3)平均ラウンド数
本例では、1回の大当り発生により実行される特別遊技の平均ラウンド数は、第1特別図柄抽選において大当りとなる場合と第2特別図柄抽選において大当りとなる場合とで等しく設定されている。具体的には、第1特別図柄抽選にて大当りとなる場合における特別遊技の平均ラウンド数は「10ラウンド」であるのに対して、第2特別図柄抽選にて大当りとなる場合における特別遊技の平均ラウンド数は「10ラウンド」であり、各平均ラウンド数は同一となるよう構成されている。
続いて、図72は、第7実施形態における大入賞口65の作動パターンを説明するためのタイムチャートである。本例では、上記の大当り種別に対応して、合計4種類の作動パターンが用意されている。図中には、特別遊技中の大入賞口65の状態変化が左から右に向けて時系列的に示されている。図72に示す各作動パターンは、各ラウンド遊技の実行状態を概念的に示すものであり、各ラウンド遊技の開放時間および閉鎖時間(インターバル時間を含む)の各時間幅および比率は、実際の時間幅および比率と対応するものではない。なお、図中、長開放ラウンド遊技には「L」を付記し、短開放ラウンド遊技には「S」を付記している。
本例では、上記の全5種類の大当りのうち、いずれの大当りに該当する場合でも、その特別遊技における特定ラウンドでは、遊技球が特定領域658に入球するか否かに基づき該特別遊技終了後における確変移行の有無が振り分けられる。本例における特定ラウンドとは、振分部材(羽根部材655)が開閉動作し、且つ、特定領域658が有効となる(特定領域658への入球検知を有効として扱う、すなわち、特定領域658への入球により確変移行が決定される)ラウンドをいう。なお、以下では、特定ラウンドを除く他のラウンドを「通常ラウンド」とも称する。本例において、特定ラウンドは、いずれの大当りに該当する場合であっても、第6ラウンドに設定されている。この特定ラウンドでは、大入賞口65と特定領域658とを同期(連動)させ、大入賞口65が開放されたことを契機として特定領域658が開放され(大入賞口65が開放された時点以降で特定領域658が開放され)、大入賞口65が閉鎖されたことを契機として特定領域658が閉鎖される(大入賞口65が閉鎖された時点以降で特定領域658が閉鎖される)。そのため、基本的には、大入賞口65が長開放であれば、特定領域658も長開放となり、大入賞口65が短開放であれば、特定領域658も短開放となる。なお、一の特別遊技において、特定ラウンドの実行回数は1回に限定されず、複数回設定してもよい。以下では、説明の便宜上、特定ラウンドのうち、特定領域658が長開放されてV入賞が容易又は可能なラウンドを「Vラウンド」とも称し、特定領域658が短開放されてV入賞が困難又は不可能なラウンドを「非Vラウンド」とも称する。
まず、図72(A)は、16R長開放パターンを示している。16R長開放パターンで
は、全てのラウンド(通常ラウンド、特定ラウンド)において、長開放ラウンド遊技が実行される。すなわち、16R長開放大当りは、いずれのラウンド遊技においても大入賞口65が長開放されるので、実質16ラウンド相当の大当りとなる。なお、特定ラウンド(第6ラウンド)は、長開放ラウンド遊技が実行されるため、特定領域658への入球が容易又は可能であるVラウンドとして設定されている。
図72(B)は、6R長開放パターンを示している。6R長開放パターンでは、前述の16R長開放パターンと同様に、全てのラウンドにおいて長開放ラウンド遊技が実行される。すなわち、6R長開放大当りは、いずれのラウンド遊技においても大入賞口65が長開放されるので、実質6ラウンド相当の大当りとなる。なお、特定ラウンド(第6ラウンド)は、特定領域658への入球が容易又は可能であるVラウンドとして設定されている。
図72(C)は、6R長短開放パターンを示している。6R長短開放パターンでは、通常ラウンドにおいて長開放ラウンド遊技が実行され、特定ラウンドにおいて短開放ラウンド遊技が実行される。すなわち、6R長短開放大当りは、通常ラウンドにおいてのみ大入賞口65が長開放されるので、実質5ラウンド相当の大当りとなる。なお、特定ラウンド(第6ラウンド)は、短開放ラウンド遊技が実行されるため、特定領域658への入球が困難又は不可能である非Vラウンドとして設定されている。
図72(D)は、8R長開放パターンを示している。8R長開放パターンでは、前述の16R長開放パターンと同様に、全てのラウンドにおいて長開放ラウンド遊技が実行される。すなわち、8R長開放大当りは、いずれのラウンド遊技においても大入賞口65が長開放されるので、実質8ラウンド相当の大当りとなる。なお、特定ラウンド(第6ラウンド)は、特定領域658への入球が容易又は可能であるVラウンドとして設定されている。
続いて、第7実施形態における特別遊技中の昇格演出について説明する。本例では、複数種の昇格演出として、第1の昇格演出(確変昇格演出)と、第2の昇格演出(ラウンド昇格演出)とを具備している。本例における昇格演出とは、大当り開始前もしくは大当り開始時に示唆又は報知した当該大当りに係る利益態様(便宜上「仮の利益態様」とする)について、当該大当り中に、当該大当りに係る現実の利益態様は仮の利益態様よりも利益度合いが高いか否かを示唆又は報知する演出である。つまり、大当り開始前もしくは大当り開始時に示唆又は報知された当該大当りの利益態様が真実(そのとおりの利益態様)なのか、虚偽(より高い利益態様)なのかを示唆又は報知して、その一連の過程を通じて当該大当りの利益態様が昇格(変化)するか否かを見せる演出である。更に言えば、大当り開始前もしくは大当り開始時から大当り中の一連の過程を通じて、実際には有利度が相対的に高い大当りなのか、相対的に低い大当りなのかを示唆又は報知する演出である。なお、大当り開始前もしくは大当り開始時に利益態様に係る真実又は虚偽の情報を示唆又は報知する以外の形態として、上記の利益態様に係る情報(真実又は虚偽の情報)を何ら明示しない構成としてもよい。例えば「チャレンジボーナス」が出現すると、該チャレンジ成功又は失敗まで、その利益態様として、1)特定ラウンドがVラウンドおよび非Vラウンドのいずれであるか、2)特別遊技の規定ラウンド数が16ラウンドおよび8ラウンドのいずれであるか、を秘匿状態としてもよい。なお、昇格演出は、特別遊技中における大当り演出の一態様として実行される。
ここで、図73は、大当り種別と昇格演出との関係を模式的に示す図である。本例では、特別図柄の種別、大当り種別、大当り図柄(装飾図柄)、大当り発生時の遊技状態などに応じて、昇格演出の種類や実行の可否などが定まるよう構成されている。詳細後述するが、本例では、第1特別図柄で大当りとなったとき、その大当り発生時の遊技状態が通常
状態(低確率/開放延長なし)である場合は、第1の昇格演出として確変昇格演出が実行され、大当り発生時の遊技状態が確変状態(高確率/開放延長あり)である場合には、確変昇格演出は実行されない。なお、大当り発生時の遊技状態が確変状態(高確率/開放延長あり)の場合、少なくとも特定ラウンド以前の確変昇格演出の実行を禁止し、特定ラウンド以降の確変昇格演出の実行を許容するよう構成してもよい。一方、第2特別図柄で大当りとなったとき、その大当り発生時の遊技状態が確変状態(高確率/開放延長あり)である場合は、第2の昇格演出としてラウンド昇格演出が実行され、大当り発生時の遊技状態が通常状態(低確率/開放延長なし)である場合には、ラウンド昇格演出は実行されない。
ここで、本例における装飾図柄の大当り図柄(停止図柄)は、基本的には、「1・1・1」、「3・3・3」、「5・5・5」、「7・7・7」、「9・9・9」といった確変大当りを示す確変確定図柄(奇数図柄)と、「2・2・2」、「4・4・4」、「6・6・6」、「8・8・8」といった通常大当り又は確変大当りを示す不確定図柄(偶数図柄)とに区別される。以下では、説明の便宜上、上記の奇数図柄のうち、「3・3・3」および「7・7・7」を第1の奇数図柄とも称し、「1・1・1」、「5・5・5」および「9・9・9」を第2の奇数図柄とも称する。なお、本例では、第1特別図柄抽選および第2特別図柄抽選のいずれであっても、16R長開放大当り(高利益大当り)に当選した場合は、第1の奇数図柄(大当り図柄)として「3・3・3」又は「7・7・7」が選択され、該大当り図柄の出現により、高利益大当り(16ラウンド獲得)および特別遊技後の確変移行が確定的であることが教示される。そして、本例では、それ以外の大当り図柄を利用して、各種の昇格演出が実行され得るようになっている。なお、本例においては、第2特別図柄で大当り当選した場合は、その大当り図柄(装飾図柄)として、奇数図柄のみが選択され、偶数図柄が選択されないよう構成されているが、これに限定されず、第2特別図柄で大当り当選した場合でも、その大当り図柄(装飾図柄)として偶数図柄が選択されるようにしてもよい。その場合、通常状態では「8ラウンド確定演出」および「V確定演出」が実行され、確変状態でも「8ラウンド確定演出」および「V確定演出」が実行されることが好適である。また、これに関連して、通常状態において第2特別図柄で大当り当選した場合、「16ラウンド確定演出」や「8ラウンド確定演出」に加えて、「V確定演出」を実行するよう構成してもよい。
第1特別図柄で大当りとなる場合は、その特別遊技中に、V確定演出又は確変昇格演出が実行され得る。V確定演出とは、特別遊技の開始前又は開始時に、確変獲得が確定的であることを報知する演出、すなわち、特定ラウンドがVラウンド(長開放ラウンド遊技)として実行されることを確定的に報知する演出である。確変昇格演出とは、特別遊技の実行中における特定ラウンドよりも前のラウンドにおいて、この特定ラウンドにおける確変獲得の期待度を示唆する演出、すなわち、当該大当り発生によりVラウンド(長開放ラウンド遊技)が実行される可能性を示唆する演出である。このとき、第1特別図柄で大当りとなった場合に、その特別遊技にてV確定演出および確変昇格演出のいずれを実行するかは、装飾図柄の停止図柄(大当り図柄)の種類、および、当該大当り時の遊技状態などに応じて決定される。
図73に示すように、遊技状態が通常状態であるとき第1特別図柄で16R長開放大当りに当選した場合、すなわち、大当り図柄が第1奇数図柄(例えば「7・7・7」)となる場合は、V確定演出が選択される。一方、遊技状態が通常状態であるとき第1特別図柄で6R長開放大当りに当選した場合、その大当り図柄が第2奇数図柄(例えば「1・1・1」)となれば、V確定演出が選択され、大当り図柄が偶数図柄(例えば「2・2・2」)となれば、確変昇格演出が選択される。また、遊技状態が通常状態であるとき第1特別図柄で6R長短開放大当りに当選した場合、すなわち、大当り図柄が偶数図柄(例えば「2・2・2」)となる場合は、確変昇格演出が選択される。
これに対して、遊技状態が確変状態であるとき第1特別図柄で16R長開放大当りに当選した場合、すなわち、大当り図柄が第1奇数図柄(例えば「7・7・7」)となる場合は、V確定演出が選択される。一方、遊技状態が確変状態であるとき第1特別図柄で6R長開放大当りに当選した場合、すなわち、大当り図柄が第2奇数図柄(例えば「1・1・1」)となる場合は、V確定演出が選択される。また、遊技状態が確変状態であるとき第1特別図柄で6R長短開放大当りに当選した場合、すなわち、大当り図柄が偶数図柄(例えば「2・2・2」)となる場合は、V確定演出も確変昇格演出も選択されない。すなわち、遊技状態が確変状態であるときは、その大当り属性として、条件付き特定大当り(16R長開放大当り、6R長開放大当り)に当選したのであれば、V確定演出が実行される一方、条件付き通常大当り(6R長短開放大当り)に当選したのであれば、V確定演出も確変昇格演出も実行されない。
ここで、第1特別図柄で大当りとなる場合、確変昇格演出が実行されるのは、前述のとおり、その大当り発生時の遊技状態が通常状態(低確率/開放延長なし)であるとき、すなわち、いわゆる初当り時のときである。「初当り」とは、少なくとも電チューサポート機能が作動していない状態(開放延長機能の非作動状態)であるときに、特別図柄の当否判定において当選することで生起された大当りをいう。そのため、第1特別図柄で大当りになる場合とは、典型的には初当り時のときであり、遊技者はその初当り後の遊技状態が確変状態となるか否かに注視するため、該昇格演出にて特定ラウンドがVラウンド(長開放ラウンド遊技)となる可能性を示唆することで、特別遊技中における遊技者の期待感を持続させることができる。
次いで、第2特別図柄で大当りとなる場合は、その特別遊技中に、ラウンド確定演出又はラウンド昇格演出が実行され得る。ラウンド確定演出とは、特別遊技の開始前又は開始時に、その大当りのラウンド数(16ラウンド又は8ラウンド)を確定的に報知する演出である。具体的には、本例では16ラウンド確定演出と8ラウンド確定演出とが用意されている。ラウンド昇格演出とは、特別遊技の実行中における規定ラウンド数以前のラウンド遊技において、規定数ラウンド数以降が継続される可能性を示唆する演出(「ラウンドアップ演出」とも称される)である。このとき、第2特別図柄で大当りとなる場合、その特別遊技にてラウンド確定演出およびラウンド昇格演出のいずれを実行するかは、装飾図柄の停止図柄(大当り図柄)の種類、および、当該大当り時の遊技状態などに応じて決定される。
図73に示すように、遊技状態が通常状態であるとき第2特別図柄で16R長開放大当りに当選した場合、すなわち、大当り図柄が第1奇数図柄(例えば「7・7・7」)となる場合は、16ラウンド確定演出が選択される。一方、遊技状態が通常状態であるとき第2特別図柄で8R長開放大当りに当選した場合、すなわち、大当り図柄が第2奇数図柄(例えば「1・1・1」)となる場合は、8ラウンド確定演出が選択される。
これに対して、遊技状態が確変状態であるとき第2特別図柄で16R長開放大当りに当選した場合、大当り図柄が第1奇数図柄(例えば「7・7・7」)となれば、16ラウンド確定演出が選択され、大当り図柄が第2奇数図柄(例えば「1・1・1」)となれば、ラウンド昇格演出が選択される。一方、遊技状態が確変状態であるとき第2特別図柄で8R長開放大当りに当選した場合、すなわち、大当り図柄が第2奇数図柄(例えば「1・1・1」)となる場合は、ラウンド昇格演出が選択される。
ここで、第2特別図柄で大当りとなる場合、ラウンド昇格演出が実行されるのは、その大当り発生時の遊技状態が確変状態(高確率/開放延長あり)であるとき、すなわち、いわゆる連荘時のときである。前述したように、「連荘」とは、少なくとも電チューサポー
ト機能が作動している状態(開放延長機能の作動状態)であるときに、特別図柄の当否判定の結果が大当りとなり、その特別遊技の終了後の遊技状態として、再び電チューサポート機能が作動している状態(開放延長機能の作動状態)が継続することをいう。つまり、第2特別図柄で大当りになる場合とは、典型的には連荘時のときであり、該連荘時には確変状態が継続して付与されることが概ね確約されており、遊技者は確変獲得の有無ではなく特別遊技の獲得ラウンド数(出玉数)に注視するため、後半ラウンドの継続の可能性を示唆することで、特別遊技中における遊技者の期待感を持続させることができる。
なお、上記の演出内容(昇格演出、確定演出)は、第1特別図柄の遊技であれば非電チューサポート状態のときしか実行されないように構成してもよく、また、第2特別図柄の遊技であれば電チューサポート状態のときしか実行されないように構成してもよい。さらに、確変昇格演出について、以下の(1)〜(3)のように構成してもよい。(1)非電チューサポート状態のときに第1特別図柄で大当りとなった場合は、特別遊技中(大当り中)に確変昇格演出を実行する一方、非電チューサポート状態のときに第2特別図柄で大当りとなった場合は、特別遊技中(大当り中)ではなく特別遊技の開始前(大当り前)に確変昇格演出を実行するよう構成してもよい(その態様としては、大当りに係る変動表示中に装飾図柄の組み合わせが「6・6・6」から「7・7・7」となることで、確変昇格したことを示唆する。つまり、この図柄変化をV確定演出とする)。(2)電チューサポート状態のときに第1特別図柄で大当りとなった場合は、特別遊技の開始前(大当り前)に確変昇格演出を実行し且つ特別遊技中(大当り中)の確変昇格演出は実行しないようにし、電チューサポート状態のときに第2特別図柄で大当りとなった場合は、特別遊技の開始前(大当り前)に確変昇格演出を実行する(この場合は必ずV入賞が容易となる大当りであるため、絶対に確変昇格することになる)。(3)但し、上記(2)を適用した場合は、電チューサポート状態のときに第1特別図柄で大当りとなった場合であっても、特別遊技中(大当り中)も遊技者の期待感を持続させるよう、特別遊技中(大当り中)に確変昇格演出を実行してもよい。
(第1の昇格演出)
まず、確変昇格演出(第1の昇格演出)について具体的な演出例を参照しながら説明する。図74は、確変昇格演出の演出内容の一例を示す模式図である。確変昇格演出は、遊技状態が通常状態であるとに第1特別図柄で大当りとなった場合に、その特別遊技における第2ラウンド〜第5ラウンドまでに跨って、次の第6ラウンド(特定ラウンド)がVラウンド(長開放ラウンド遊技)となる可能性を示唆又は報知する演出である。本例における確変昇格演出は、第2ラウンド〜第4ラウンドまでに実行される入球演出(「第1の入球演出」とも称する)と、第5ラウンドに実行されるVラウンド獲得演出とからなる。
第1の入球演出は、図74(A)〜(C)に示すように、第2ラウンド〜第4ラウンドにおいて表示される。第1の入球演出は、大入賞口65への遊技球の入球に応じて画面上に各種のオブジェクトが順次表示される演出であり、特定のオブジェクトの表示態様に応じてV入賞ラウンドへの移行期待度(すなわち確変期待度)が示唆される。
まず始めに、図74(A)に示すように、第2ラウンドが開始されると、演出表示装置70の画面上にメータ画像(第2ラウンド用のメータ画像)が表示される。このメータ画像は、横長の帯状に表示され、その内側には目盛が付されている。各ラウンド遊技(第2ラウンド〜第4ラウンド)の開始時はメータ画像の目盛は「0」であり、遊技球が大入賞口65に入球する毎に、メータ画像に1目盛分のオブジェクト(色彩を表すオブジェクト)が表示され、メータ画像が1目盛分ずつ増加するようになっている(次のラウンドに移行する際に目盛はゼロクリアされる)。メータ画像は全9目盛に設定されており、これは各ラウンド遊技における大入賞口65の最大入球数である(10個)に対応させたものである。つまり、ラウンド遊技において大入賞口65へ最大入球数(10個)の入球があっ
た場合は、10目盛分のオブジェクトの蓄積(1目盛分のオブジェクト×10個)により、メータ画像の目盛が満タン状態になる。本例では、メータ画像の1目盛分のオブジェクトの表示態様として、「白色」および「キリン柄」の2種類の色彩のうちのいずれかを取り得る。図面上では、白色およびキリン柄の2種類の表示態様を、それぞれ「無地」および「斜線」によって表現する。このとき、1目盛分のキリン柄オブジェクトが出現する毎に、星(星を模した画像)が1つ表示される(星を1つ獲得できる)。一方、1目盛分の白色オブジェクトが出現しても、星は表示されない(星を獲得できない)。本例では、星を最大で3つ表示可能に構成されており、獲得した星の個数に応じて、特定ラウンドがVラウンド(長開放ラウンド遊技)となる可能性を示唆している。なお、図示の例では、この第2ラウンドにおいて、7個の遊技球を大入賞口65へ入球させることで、メータ画像が7目盛まで増えたが、キリン柄オブジェクトは出現せず、星を獲得できなかった状態を示している。
続いて、図74(B)に示すように、第3ラウンドが開始されると、画面上に新しいメータ画像(第3ラウンド用のメータ画像)が表示される。図示の例では、この第3ラウンドにおいて、大入賞口65への5個目の入球でキリン柄オブジェクトが出現し、星を1つ獲得できた状態を示している。
次いで、図74(C)に示すように、第4ラウンドが開始されると、画面上に新しいメータ画像(第4ラウンド用のメータ画像)が表示される。図示の例では、この第4ラウンドにおいて、大入賞口65への7個目の入球でキリン柄オブジェクトが出現し、星をもう1つ獲得できた状態を示している。そして、この第4ラウンドの終了時に、第1の入球演出において獲得した星の総数(2個)が確定される。なお、本例では、一のラウンド遊技におけるキリン柄オブジェクトの獲得数は1個となっているが、これに限定されるものではなく、一のラウンド遊技において複数個のキリン柄オブジェクトを獲得できるよう構成してもよい。
次いで、Vラウンド獲得演出は、図74(D)〜(F)に示すように、第5ラウンドにおいて表示される。このVラウンド獲得演出は、第1の入球演出の表示態様(演出結果)と密接に関連し、入球演出の演出結果(オブジェクトの表示態様)に対応した演出内容が導出される演出であり、該演出内容に応じて確変獲得の期待度(Vラウンドへの移行期待度)が示唆される。
図74(D)に示すように、第5ラウンドにおいて、Vラウンド獲得演出の開始に伴い、そのタイトル画像が報知される。本例では、画面上に「確変昇格チャンスタイム」というタイトル画像が表示される。このタイトルの表示態様の属性(本例では、複数種の表示色が用意されている)に応じてVラウンドへの移行期待度を予告するものとなっている。詳細は後述するが、本例では、タイトルの表示色が「青色」<「緑色」<「紫色」<「赤色」の順にVラウンドへの移行期待度が高くなるように設定されている。このタイトルの属性(表示色)は、入球演出における星の獲得数に応じて異なるものとなっている。図示の例では、星の獲得数「2つ」に対応して、タイトルの表示色が「紫色」である場合を示している。また、画面上には、「ボタンを押して結果を見よう!」というメッセージが表示され、遊技者に対して演出ボタン15の操作が促される。これに応じて、遊技者が演出ボタン15を操作すると、その演出結果が表示される。
図74(E)に示すように、確変昇格に成功している場合(次のラウンドがVラウンドとなる場合)には、画面上に「Vラウンド獲得成功」の文字が表示される。一方、図74(F)に示すように、確変昇格に失敗している場合(次のラウンドが非Vラウンドとなる場合)には、画面上に「Vラウンド獲得失敗」の文字が表示される。但し、実際には、当否抽選時に大当りの種類(Vラウンドの実行の有無)が予め確定しているため、その種類
に応じた演出展開(演出結果)となる。すなわち、6R長開放大当り(条件付き特定大当り)に当選している場合には確変昇格成功となり、6R長短開放大当り(条件付き通常大当り)に当選している場合には確変昇格失敗となる。
そして、図示省略するが、次の第6ラウンド(特定ラウンド)において、確変昇格演出による報知結果に応じたラウンド遊技(長開放ラウンド遊技又は短開放ラウンド遊技)が実行されることになる。このとき、第6ラウンドが長開放ラウンド遊技である場合は、遊技者に対して特定領域658への入賞を促すため、例えば「Vを狙え」といったメッセージが出現する所定の演出画像が表示されるが、短開放ラウンド遊技である場合は、上記所定の演出画像は表示されない。但し、特定領域658への入球が困難又は不可能に設定された短開放ラウンド遊技であっても、結果的に特定領域658に入賞できれば、その特別遊技の終了後の遊技状態として確変状態へ移行することになる。
このような確変昇格演出の演出内容(演出パターン)は確変昇格演出パターンテーブルを参照して選択される。図75は、確変昇格演出パターンテーブルの一例を示す模式図である。確変昇格演出パターンテーブルには、複数種の確変昇格演出パターンが規定されている。各図中では、説明の便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には確変昇格演出パターン乱数値に応じて、確変昇格演出パターンを決定するための判定値(乱数値の範囲)が設定されており、確変昇格演出パターン乱数値がいずれの判定値に属するかに基づき、確変昇格演出パターンが決定されるようになっている。
確変昇格演出パターンテーブルには、確変昇格演出パターンに応じて、入球演出の内容(キリン柄オブジェクトの出現の有無、星の獲得数)と、Vラウンド獲得演出の内容(タイトルの表示色)とが定められている(図中の「演出内容」の欄を参照)。図75では、各ラウンドにおけるキリン柄オブジェクトの出現の有無が定められており、「○」はキリン柄オブジェクトが出現することを意味し、「−」はキリン柄オブジェクトが出現しないことを意味している。この○印の個数(つまり、キリン柄オブジェクトの出現数)に応じて、星の獲得数が定まる。そして、この入球演出における星の獲得数に応じて、Vラウンド獲得演出におけるタイトルの表示色が決定する。具体的には、星の獲得数「0」に対してタイトルの表示色「青色」、星の獲得数「1」に対してタイトルの表示色「緑色」、星の獲得数「2」に対してタイトルの表示色「紫色」、星の獲得数「3」に対してタイトルの表示色「赤色」が特定されている。なお、上述の図74の演出例では、確変昇格演出パターンPS107が選択された場合を例示している。
この確変昇格演出パターンテーブルでは、大当り種別に応じて、確変昇格演出パターンの選択率が異なるように設定されている。基本的には、各演出パターンは、最終的な星の獲得数およびタイトルの表示色に応じて選択率が割り振られている。すなわち、大当り種別が6R長開放大当りである場合(Vラウンドを伴う大当りである場合)は、星の獲得数が「0」<「1」<「2」<「3」の順に選択率が高くなり、タイトルの表示色が「青色」<「緑色」<「紫色」<「赤色」の順に選択率が高くなる。一方、大当り種別が6R長短開放大当りである場合(非Vラウンドを伴う大当りである場合)は、総獲得点数が「3」<「2」<「1」<「0」の順に選択率が高くなり、タイトルの表示色が「赤色」<「紫色」<「緑色」<「青色」の順に選択率が高くなる。そのため、本例では、総獲得点数が「0点」<「1点」<「2点」<「3点」の順に、および、タイトルの表示色が「青色」<「緑色」<「紫色」<「赤色」の順に、Vラウンド(長開放ラウンド遊技)への移行期待度が高くなる。なお、タイトルの表示色として「赤色」の出現により、長開放大当り(Vラウンド獲得)が確定する仕様としてもよい。この場合は、例えば、図75における「赤色」の選択率を、長開放大当り:長短開放大当り=20:0とする。
(第2の昇格演出)
続いて、ラウンド昇格演出(第2の昇格演出)について説明する。図76は、ラウンド昇格演出の演出内容の一例を示す模式図である。ラウンド昇格演出は、第2特別図柄で大当りとなった場合、その特別遊技における第7ラウンド〜第8ラウンドに跨って、第9ラウンド以降(つまり後半8ラウンド)が実行される可能性を示唆又は報知する演出である。つまり、このラウンド昇格演出は、例えば、装飾図柄の停止時には、あたかも8R大当りと見せかけて、ラウンド中に実は16R大当り(高利益大当り)であることを示唆又は報知する昇格演出(8R大当りが16R大当りへ昇格したように見せる演出)の一種である。本例におけるラウンド昇格演出は、第7ラウンドに実行される入球演出(「第2の入球演出」とも称する)と、第8ラウンドに実行される後半ラウンド獲得演出とからなる。
第2の入球演出は、図76(A)〜(C)に示すように、第7ラウンドにおいて表示される。第2の入球演出は、大入賞口65への遊技球の入球に応じて画面上に各種のオブジェクトが順次表示される演出であり、特定のオブジェクトの表示態様に応じて後半8ラウンドの継続期待度(すなわちラウンドアップ期待度)が示唆される。なお、第1の入球演出では、複数種のオブジェクトのうち特定のオブジェクト(キリン柄オブジェクト)の出現個数に応じて、Vラウンド(長開放ラウンド遊技)への移行期待度が示唆されたが、第2の入球演出では、複数種のオブジェクトのうち特別のオブジェクト(金色オブジェクト)が出現した時点でラウンドアップが確定的となる。図面上では、金色の表示態様を、「塗り潰し」によって表現している。なお、その変形例として、第2の入球演出を第1の入球演出と同じ演出パターン(演出内容)で構成してもよく、その場合には、キリン柄のオブジェクトの獲得数に応じてラウンド昇格の期待度が異なるように構成してもよい。
まず始めに、図76(A)に示すように、第7ラウンドが開始されると、演出表示装置70の画面上にメータ画像が表示される。本例においても、各ラウンド遊技の開始時にメータ画像の目盛は「0」であり、該ラウンド遊技において遊技球が大入賞口65に入球する毎に、メータ画像に1目盛分のオブジェクト(白色オブジェクト又は金色オブジェクト)が表示され、メータ画像が1目盛分ずつ増加するようになっている。なお、以下では、前述の第1の入球演出と共通する部分については、その説明を省略する。
図76(B)に示すように、本例では、大入賞口65への6個目の入球までは、金色オブジェクトは出現せず、全て白色オブジェクトのみが出現しているものとする。そして、図76(C)に示すように、本例では、大入賞口65への7個目の入球により、金色オブジェクトが出現し、この時点で後半8ラウンド分のラウンドアップが確定的となる。このとき、金色オブジェクトの出現により、一度に3つの星を獲得することができる(3つの星が点灯する)。
次いで、後半ラウンド獲得演出は、図76(D)〜(F)に示すように、第8ラウンドにおいて表示される。この後半ラウンド獲得演出は、入球演出の表示態様(表示結果)と密接に関連し、入球演出の表示態様(オブジェクトの表示態様)に対応した演出画像が表示される演出であり、該演出画像に応じて後半8ラウンドの獲得期待度が示唆される。本例では、図76(D)に示すように、金色オブジェクトを獲得した場合には、ラウンド昇格の満足感を煽るため、前のラウンドで獲得した三つの星が継続して表示されるとともに、金色オブジェクトと関連性のある演出画像(金色のエフェクト)が表示される。
そして、図76(E)に示すように、ラウンドアップ成功演出として、画面上に「後半ラウンド獲得成功」の文字が表示される。一方、図76(F)に示すように、第7ラウンドまでに金色オブジェクトを獲得できないと、第8ラウンドにおいて、ラウンドアップ失敗演出として、画面上に「ラウンド獲得失敗」の文字が表示される。すなわち、該第8ラウンドにおいて、後半8ラウンド(第9〜第16ラウンド)の獲得結果が確定表示されることになる。但し、実際には、当否抽選時の大当りの種類(すなわち、後半8ラウンドの
有無)が予め確定しているため、その種類に応じた演出展開(演出結果)となる。すなわち、16R長開放大当りに当選している場合にはラウンド昇格成功となり、8R長開放大当りに当選している場合にはラウンド昇格失敗となる。
このようなラウンド昇格演出の演出内容(演出パターン)はラウンド昇格演出パターンテーブルを参照して選択される。図77は、ラウンド昇格演出パターンテーブルの一例を示す模式図である。ラウンド昇格演出パターンテーブルには、複数種のラウンド昇格演出パターンが規定されている。各図中では、説明の便宜上、「選択率」を表記しているが、実際にはラウンド昇格演出パターン乱数値に応じてラウンド昇格演出パターンを決定するための判定値(乱数値の範囲)が設定されており、ラウンド昇格演出パターン乱数値がいずれの判定値に属するかに基づき、ラウンド昇格演出パターンが決定されるようになっている。
ラウンド昇格演出パターンテーブルには、ラウンド昇格演出パターンに応じて、入球演出における特別のオブジェクト(金色オブジェクト)の出現の有無と、後半ラウンド獲得演出における表示結果とが特定されている(図中の「演出内容」の欄を参照)。図77では、第7ラウンドにおける金色オブジェクトの出現の有無が定められており、「○」は金色オブジェクトの出現あり、「−」は金色オブジェクトの出現なし、を表している。そのため、図中のいずれかのラウンドの欄に「○」が付されていれば、そのラウンド昇格演出パターンはラウンドアップ成功となる演出内容となり、いずれのラウンドの欄にも「○」付されていなければ、そのラウンド昇格演出パターンはラウンドアップ失敗の演出内容となる。
このラウンド昇格演出パターンテーブルでは、大当り種別に応じて、ラウンド昇格演出パターンの選択率が異なるように設定されている。基本的には、各演出パターンは、金色オブジェクトの表示態様(出現有無および出現タイミング)に応じて選択率が割り振られている。すなわち、大当り種別が16R長開放大当りである場合(総ラウンド数が16ラウンドである場合)は、金色オブジェクトが出現し、且つ、ラウンドアップが成功となるラウンド昇格演出パターンPS202が選択される。一方、大当り種別が8R長開放大当りである場合(総ラウンド数が8ラウンドである場合)は、金色オブジェクトが出現せず、且つ、ラウンドアップが失敗となるラウンド昇格演出パターンPS201が選択される。このように、金色オブジェクトは、当否判定結果が16R長開放大当りのときしか選択されないため(8R長開放大当りの場合は選択対象外)、金色オブジェクトの出現は、16R大当りの確定、つまり後半8ラウンドの確保を示すことになる。なお、変形例として、ラウンド昇格演出において金色オブジェクトを獲得できなかった場合であっても、ラウンド昇格を成功させてもよい。また、ラウンド昇格演出においても、キリン柄オブジェクトを出現させて、金色オブジェクトを獲得したときはラウンド昇格確定とし、金色オブジェクトを獲得できなかった場合でも、キリン柄オブジェクトの獲得個数に応じてラウンド昇格の期待度を示唆するように構成してもよい。
これまで説明したように、本例では、第1特別図柄の大当り属性として、条件付き特定大当り(確変大当り相当)と条件付き通常大当り(非確変大当り相当)を設けて、条件付き特定大当りに当選すれば、特定ラウンドをVラウンド(長開放ラウンド遊技)に設定する一方で、条件付き通常大当りに当選すれば、特定ラウンドを非Vラウンド(短開放ラウンド遊技)に設定する。そのため、いずれの大当り属性であっても、該特定ラウンドにおいてV入賞(確変獲得)の有無が振り分けられる。よって、本例における確変昇格演出は、該特定ラウンドが開始されるまでの間に、該特定ラウンドがVラウンド(長開放ラウンド遊技)となるのか否か、すなわち、該特定ラウンドにおける確変昇格の期待度を示唆又は報知するものである。一方、第2特別図柄の大当り属性として、条件付き特定大当りのみを設けて、特定ラウンドをVラウンド(長開放ラウンド遊技)に設定している。条件付
き特定大当りの場合は、基本的には特定ラウンドにてV入賞(確変獲得)がほぼ確約されている。そのため、特定ラウンドが開始されるまでの間に、確変昇格演出を実行する意義は低いといえる。従って、その代わりに、第2特別図柄において大当りとなった場合は、該特別遊技における賞球獲得期待値に関する情報として、所定ラウンド以降もラウンド遊技が継続する可能性、すなわち、ラウンド昇格の期待度を示唆又は報知するものである。
以上、第7実施形態によれば、特別遊技中の所定ラウンド以前に大当りの種類に応じて実行される二種類の昇格演出を備え、互いに異なる二種類の昇格演出の一部を同系統の入球演出で構成して、第1特別図柄で大当りした場合は、第1の昇格演出により、所定ラウンド以降における確変獲得の期待度(Vラウンドの獲得期待度)を示唆する一方で、第2特別図柄で大当りした場合は、第2の昇格演出により、所定ラウンド以降におけるラウンド継続の期待度(後半ラウンドの獲得期待度)を示唆することで、二種類の昇格演出を兼用した同系統演出(入球演出)の発生頻度を確保しながらも、昇格演出にバリエーションをもたせて、大当り演出の演出効果を高めることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
なお、上述の第7実施形態では、遊技領域PA内に単一の大入賞口65のみ(特定領域658を有した大入賞口65のみ)を備えた構成を例示したが、この構成に限定されるものではなく、例えば、前述の第2実施形態と同様に、遊技領域PA内に二つの大入賞口64,65(特定領域658を有しない大入賞口64と特定領域658を有した大入賞口65)を備えた構成に適用してもよい。このとき、上述の第2実施形態では、第1大入賞口64および第2大入賞口65が遊技領域PAにおける右下領域に上下に近接するように配置されており、特別遊技の実行中においては、特定ラウンドでは下側の第2大入賞口65(および特定領域658)を開放させ、特定ラウンド以外のラウンドでは上側の第1大入賞口65)を開放させるよう構成されていたが、この構成に限定されるものではない。例えば、前述の第2実施形態と同様の大入賞口64,65の配置を採用しながらも、第2実施形態とは大入賞口64,65の開放パターンを異ならしめてもよい。その一例としては、16R特別遊技が実行されるとき、奇数回(1R,3R,5R…)のラウンド遊技では上側の第1大入賞口64を開放し、偶数回(2R,4R,6R…)のラウンド遊技では下側の第2大入賞口65を開放する。そして、奇数回のラウンド遊技においては、いずれのラウンド遊技であっても、大入賞口64を長開放(29秒開放)する。一方、偶数回のラウンド遊技においては、特定ラウンド以外のラウンドでは、大入賞口65を長開放(29秒開放)し、特定領域658を常時閉鎖する一方で、第1特定ラウンド(1R)では、大入賞口65および特定領域658を短開放(0.5秒開放)し、第2特定ラウンド(7R)では、大入賞口65および特定領域658を長開放(29秒開放)する。このとき、第1大入賞口64および第2大入賞口65が1ラウンド毎に交互に開閉されることで、或るラウンドにおいて一方の大入賞口が閉鎖されると同時に、他方の大入賞口が開放されて次のラウンドが開始されることになる。そのため、或るラウンドにおいて一方の大入賞口が閉鎖されて入球できなかった遊技球や入球が間に合わなかった遊技球が、これと隣接する他方の大入賞口に入球し得る機会が増大する。また、第1大入賞口64および第2大入賞口65が上下に近接しているため、遊技者は同じ位置を狙えばよく、遊技球の打ち出し強度を変化させずに遊技が可能となる。これにより大入賞口への入球効率が高められて、遊技者の利得感が向上するものとなる。このとき、長短開放大当りや短開放大当りの場合でも、特定ラウンド以外のラウンドでは、いずれの大入賞口64,65も長開放(29秒開放)となり、前述のように入球効率が高められているので、従来以上に出玉獲得の機会が得られ、遊技者にとってもメリットになる。なお、変形例としては、大入賞口64,65の作動ラウンドを上記と逆転させて、第1大入賞口64を偶数回(2R,4R,6R…)のラウンド遊技で開放し、第2入賞口65を奇数回(1R,3R,5R…)のラウンド遊技で開放してもよい。
また、前述の第7実施形態では、特別遊技の実行中において、特定領域658への入球の有無により該特別遊技の終了後に確変状態へ移行するか否かを振り分ける特定ラウンドを設定して、大入賞口65(特定領域658)を狙った遊技球の打ち出しによって特定領域658への入球を指示する特定領域入球指示演出や、特定領域658に入球したことで特別遊技の終了後に確変状態へ移行することを報知する特定領域入球報知演出(第2実施形態を参照)などが実行されるようになっている。特定領域入球演出の演出例としては、画面上に「Vを狙え!」や「Vに入れば確変だ!」といったメッセージを表示することが挙げられる。また、特定領域入球報知演出の演出例としては、画面上に「V入賞!」や「確変ゲット」といったメッセージを表示することが挙げられる。このとき、非特定遊技状態(本例では、開放延長機能の非作動時)において第1特別図柄で大当りした場合は、特定遊技状態(本例では、開放延長機能の作動時)において第2特別図柄で大当りした場合よりも、特定領域入球指示演出および特定領域入球演出の少なくとも一方の実行確率を低くなるよう構成、又は、特定領域入球指示演出および特定領域入球演出の少なくとも一方を実行しないよう構成してもよい。すなわち、本例では、第1特別図柄で大当りした場合(すなわち、初当りの場合)は、確変を獲得したか否かが不確定な状況(16R又は6R長開放大当りのときは確変獲得の可能性が高く、6R長短開放大当りのときは確変獲得の可能性が低い)であり、遊技者は確変獲得の有無に注目するので、特定領域658が長開放となる特定ラウンドにおいて、特定領域入球指示演出および特定領域入球報知演出を実行することで、確変獲得の期待感や満足感を高めることができる。一方、第2特別図柄で大当りした場合(すなわち、連荘状態の場合)は、基本的には、確変獲得が確定的な状況(16R又は8R長開放大当りとのきは確変獲得の可能性が高い)であり、遊技者の確変獲得に対する関心はあまり大きなものではないので、特定領域入球指示演出および特定領域入球報知演出の少なくとも一方を実行しなかったり、たとえ実行したとしても上記メッセージを小さく表示したり表示態様を簡略化したりしてもよい。また、特定ラウンドが2以上(いずれもVラウンド)設定されている場合、先の特定ラウンドでV入賞した場合は、後の特定ラウンドでは特定領域入球演出(「Vを狙え」)を実行しなくてもよい(但し、先の特定ラウンドでは特定領域入球演出を実行する)。
また、前述の第7実施形態において、いわゆる連荘が規定回数だけ継続した場合に、希少性のある特別演出(いわゆる昇天演出)が発生するよう構成してもよい。本例においても、前述の第1実施形態と同様に、いわゆる連荘状態に関して所定条件を充足した場合に特別演出(いわゆる昇天演出)の実行可否を判定する。なお、所定条件とは、例えば、連荘回数が所定回数に到達、連荘状態における特定大当りの累積回数が所定回数に到達、連荘状態での累積獲得賞球数が所定数に到達、連荘状態中に特定の演出(図柄変動中又は特別遊技中の特定演出)を発生させた場合などが挙げられる。この特別演出は、連荘回数N=Nset回目(Nset:規定回数)の大当りに係る図柄変動演出と、該Nset回目の大当りに係る特別遊技とに跨って実行される。なお、その変形例としては、特別演出は、連荘回数N=Nset回目(Nset:規定回数)の大当りに係る図柄変動演出と、該Nset回目の大当りに係る特別遊技とに跨っていなくてもよい(いずれか一方にて実行されるものでもよい)。このとき、特別演出が実行される場合は、特別演出が実行されない場合よりも、その特別遊技における特定ラウンドにおいて、特定領域入球指示演出および特定領域入球演出の少なくとも一方の実行確率を低くなるよう構成、又は、特定領域入球指示演出および特定領域入球演出の少なくとも一方を実行しないよう構成してもよい。また、たとえ特定領域入球指示演出又は特定領域入球演出を実行したとしても、上記メッセージを小さく表示させたり簡略化させたりしてもよい。その理由は、特別遊技の実行中における特別演出と特定領域入球指示演出(特定領域入球報知演出)との競合により、かえって両者の演出効果が希薄になってしまうのを回避するためであり、この場合は、希少性の高い特別演出の実行を優先する方が遊技者にとっても満足の得られる結果となるからである。
[第8実施形態]
次に、第8実施形態に係る遊技機について説明する。第8実施形態の遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
第8実施形態の遊技機は、第7実施形態の遊技機と同様に、特別遊技の実行中に遊技球が大入賞口内の特定領域(いわゆる「V領域」)に入賞するか否かに応じて、当該特別遊技の終了後に遊技状態が確変状態へ移行するか否かを決定する、いわゆる玉確タイプの遊技機として構成される。なお、確変状態は、所定回数(ST回数)の図柄変動が行われるまで継続してもよいし、次回の大当りが発生するまで継続するものでもよい。
また、第8実施形態の遊技機は、第7実施形態の遊技機と同様に、遊技領域内PA内において単一の大入賞口65(特定領域658を有した玉確アタッカー)のみを搭載している。すなわち、第8実施形態においても、全てのラウンドにおいて特定領域658を有した大入賞口65が開放されるよう構成されている。なお、大入賞口65の構成については、前述の第2実施形態で既に説明しているので、ここでは重複説明を省略する。
続いて、第8実施形態における大当り種別(大当り内訳)について説明する。図78には、第8実施形態における特別図柄抽選の大当り内訳を示している。なお、以下では、説明の便宜上、特段の場合を除き、「小当り」に関する記載を省略する。
図78の上段は、第8実施形態における第1特別図柄当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第1特別図柄当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、図柄群、大当り属性、確変・時短機能の作動回数、大入賞口の作動パターンがそれぞれ対応付けられている(本例では、便宜上、停止図柄の記載を省略する)。第1特別図柄当り図柄テーブルでは、大当りの種別に応じた3種類の図柄群として、図柄群A(16R長開放大当り)と、図柄群B(12R長短開放大当り1)と、図柄群C(12R長短開放大当り2)とが設定されている。図78の上段に示すように、第1特別図柄抽選では、条件付き特定大当り(確変大当り相当)の当選確率が50%であり、条件付き通常大当り(非確変大当り相当)の当選確率が50%である。
図78の下段は、第8実施形態における第2特別図柄当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第2特別図柄当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、図柄群、大当り属性、確変・時短機能の作動回数、大入賞口の作動パターンがそれぞれ対応付けられている(本例では、便宜上、停止図柄の記載を省略する)。第2特別図柄当り図柄テーブルでは、大当りの種別に応じた2種類の図柄群として、図柄群D(16R長開放大当り)と、図柄群E(7R長開放大当り)とが設定されている。図78の下段に示すように、第2特別図柄抽選では、条件付き特定大当り(確変大当り相当)の当選確率が100%である。
本例では、1回の大当り発生により実行される特別遊技の平均ラウンド数は、第1特別図柄抽選において大当りとなる場合と第2特別図柄抽選において大当りとなる場合とで等しく設定されている。具体的には、第1特別図柄抽選にて大当りとなる場合における特別遊技の平均ラウンド数は「12.4ラウンド」であるのに対して、第2特別図柄抽選にて大当りとなる場合における特別遊技の平均ラウンド数は「12.4ラウンド」であり、各平均ラウンド数は同一となるよう構成されている。
続いて、図79は、第8実施形態における大入賞口65の作動パターンを説明するためのタイムチャートである。本例では、上記の大当り種別に対応して、合計4種類の作動パターンが用意されている。図中には、特別遊技中の大入賞口65の状態変化が左から右に向けて時系列的に示されている。図79に示す各作動パターンは、各ラウンド遊技の実行
状態を概念的に示すものであり、各ラウンド遊技の開放時間および閉鎖時間(インターバル時間を含む)の各時間幅および比率は、実際の時間幅および比率と対応するものではない。すなわち、図中では、各ラウンドの経過を分かり易く表現するために、各ラウンドおよび各インターバルの時間幅を均等に記載しているが、実際には各ラウンドおよび各インターバルの時間幅は該ラウンドの開放態様等に応じて異なるものである。なお、図中、長開放ラウンド遊技には「L」を付記し、短開放ラウンド遊技には「S」を付記している。
ここで、大入賞口65の1回の開閉動作(開放動作)は、その開放時間の長短に応じて、該開放時間が相対的に長時間となる長開放(「長開放動作」とも称する)と、該開放時間が相対的に短時間となる短開放(「短開放動作」とも称する)とに区別される。1回のラウンド遊技においては、開放時間の長短に関わらず、大入賞口65の開閉動作が1回のみ実行される場合と、大入賞口65の開閉動作が複数回に亘り実行される場合とがある。ここで、ラウンド遊技は、長開放ラウンド遊技と、短開放ラウンド遊技とに区別される。長開放ラウンド遊技では、ラウンド遊技が開始され大入賞口65が開放された後、大入賞口65への遊技球の入賞数が規定数(本例では「10球」)に達したとき、又は、大入賞口65の開放時間(1ラウンドの間に複数回開放される場合には、その複数回の開放の合計開放時間)が第1規定時間を経過したとき、大入賞口65が閉鎖され、今回のラウンド遊技が終了する。第1規定時間は、大入賞口65への遊技球の入賞数が規定数(10球)に達する可能性がある時間幅であり、本例では「29秒」が設定されている。本例では、長開放ラウンド遊技は、1回の長開放動作のみが実行される場合と、1回の長開放動作と1回の短開放動作とが実行される場合がある。すなわち、長開放ラウンド遊技では、1回の長開放動作(29秒)により第1規定時間に達する場合と、1回の長開放動作(28.8秒)と1回の短開放動作(0.2秒)とにより第1規定時間に達する場合がある。なお、その変形例として、上記の1回の長開放動作を28.8秒ではなく、短開放動作との組合せの有無に関わらず、常に29秒としてもよい。一方、短開放ラウンド遊技では、ラウンド遊技が開始され大入賞口65が開放された後、大入賞口65の開放時間が第2規定時間(本例では「0.2秒」)を経過したとき、大入賞口65が閉鎖され、今回のラウンド遊技が終了する。第2規定時間は、大入賞口65への遊技球の入賞自体が困難となる時間幅であり、本例では「0.2秒」が設定されている。そのため、短開放ラウンド遊技にて、大入賞口65への規定数の入賞を獲得するのは実質的に不可能である。なお、短開放ラウンド遊技は、1回のラウンドにおいて複数回の短開放動作を伴うものであってもよい。以下において、「長開放ラウンド遊技」は、1回のラウンドにおいて少なくとも1回以上の長開放動作を含むことを意味し、短開放動作の有無を問わない(短開放動作を含んでいてもよい)。「短開放ラウンド遊技」とは、1回のラウンドにおいて少なくとも1回以上の短開放動作を含むことを意味し、長開放動作は含まれない。ここで、本例では、図79(B),(C)に示すように、12R長短開放パターン1,2(12R長短開放大当り1,2)は、いずれも実質ラウンド数が7ラウンドに設定されている。
まず、図79(A)は、16R長開放パターンを示している。16R長開放パターンでは、全てのラウンド(通常ラウンド、特定ラウンド)において、長開放ラウンド遊技が実行される。すなわち、16R長開放大当りは、いずれのラウンド遊技においても大入賞口65が長開放されるので、実質16ラウンド相当の大当りとなる。なお、特定ラウンド(第5ラウンド)は、前述のとおり、長開放ラウンド遊技が実行されるため、特定領域658への入球が容易又は可能であるVラウンドとして設定されている。
図79(B)は、12R長短開放パターン1を示している。12R長短開放パターン1では、第1〜第3ラウンドにおいて長開放ラウンド遊技、第4ラウンドにおいて短開放ラウンド遊技、第5〜第8ラウンドにおいて長開放ラウンド遊技、第9〜第12ラウンドにおいて短開放ラウンド遊技が実行される。12R長短開放大当り1は、12回のラウンド遊技のうち7回のラウンド遊技において大入賞口65が長開放されるので、実質7ラウン
ド相当の大当りとなる。なお、特定ラウンド(第5ラウンド)は、前述のとおり、長開放ラウンド遊技であるため、特定領域658への入球が容易又は可能であるVラウンドとして設定されている。
図79(C)は、12R長短開放パターン2を示している。12R長短開放パターン2では、第1〜第4ラウンドにおいて長開放ラウンド遊技、第5ラウンドにおいて短開放ラウンド遊技、第6〜第8ラウンドにおいて長開放ラウンド遊技、第9〜第12ラウンドにおいて短開放ラウンド遊技が実行される。12R長短開放大当り2は、上記の12R長短開放大当り1と同様に、12回のラウンド遊技のうち7回のラウンド遊技において大入賞口65が長開放されるので、実質7ラウンド相当の大当りとなる。なお、特定ラウンド(第5ラウンド)は、前述のとおり、短開放ラウンド遊技が実行されるため、特定領域658への入球が困難又は不可能である非Vラウンドとして設定されている。
まず、図79(D)は、7R長開放パターンを示している。7R長開放パターンでは、全てのラウンド(通常ラウンド、特定ラウンド)において、長開放ラウンド遊技が実行される。すなわち、7R長開放大当りは、いずれのラウンド遊技においても大入賞口65が長開放されるので、実質7ラウンド相当の大当りとなる。なお、特定ラウンド(第5ラウンド)は、前述のとおり、長開放ラウンド遊技が実行されるため、特定領域658への入球が容易又は可能であるVラウンドとして設定されている。
ここで、上記の12R長短開放パターン1,2における大入賞口65の開閉動作について更に詳しく説明する。まず、12R長短開放パターン1,2ともに、第1〜第3ラウンドおよび第7〜第8ラウンドの各ラウンドにおいて大入賞口65は1回だけ長開放され、第9〜第12ラウンドの各ラウンドにおいて大入賞口65は1回だけ短開放される。そのため、12R長短開放パターン1,2では、上記の各ラウンドにおいて、大入賞口65の開閉動作が一致する。一方、12R長短開放パターン1,2では、第4〜第6ラウンドの各ラウンドにおいて大入賞口65の開閉動作がそれぞれ異なる。具体的には、12R長短開放パターン1では、第4ラウンドにて1回の短開放、第5ラウンドにて1回の長開放、第6ラウンドにて1回の短開放および1回の長開放が行われる。つまり、12R長短開放パターン1では、第4〜第6ラウンドまでの区間において、大入賞口65が「短開放→長開放→短開放→長開放」という順に開閉動作する。これに対して、12R長短開放パターン2では、第4ラウンドにて1回の短開放および1回の長開放、第5ラウンドにて短開放、第6ラウンドにて1回の長開放が行われる。つまり、12R長短開放パターン2では、第4ラウンド〜第6ラウンドまでの区間において、大入賞口65が「短開放→長開放→短開放→長開放」という順に開閉動作する。すなわち、12R長短開放パターン1,2を比較するに、第4〜第6ラウンドまでの各ラウンドを個別に見ると、大入賞口65の開閉動作はそれぞれ相違するものの、第4〜第6ラウンドまでの区間を一連の流れとしてトータル的に見ると、大入賞口65の開閉動作は一致している。なお、図中では、説明の便宜上、各ラウンドの時間幅を均等に区切っているため、インターバル期間が長短様々に表されているが、実際にはインターバル期間は略同一に設定されている。そのため、図中において、破線の矢印で示しているように、上記の第4〜第6ラウンドまでの区間における各動作(対応する動作)は、時間軸上にてほぼ同一のタイミングに設定されている。なお、その変形例として、図79(B),(C)において、第5ラウンドまでは上記の開放パターンとし、第6ラウンド以降はすべて短開放ラウンド遊技としてもよい(すなわち、実質的には第5ラウンドにて終了させてもよい)。また、図79(B)において、第6ラウンドでの開放動作を短開放と長開放との組合せにしているが、これに限定されず、長開放動作のみとしてもよい。
続いて、第8実施形態における大当り演出について説明する。本例においては、前述までの実施形態と同様に、第1特別図柄又は第2特別図柄で大当りとなった場合は、その特
別遊技における大当り演出(大当り種別に応じた大当り演出)として、各種のムービー画像、大入賞口65への打ち出し(右打ち)を促すための指示情報、該大当り中の獲得賞球数などが表示される。その一方で、第1特別図柄で大当りとなった場合(典型的には初当り時の場合)は、その特別遊技中の各ラウンドにおいて、現在のラウンドが何ラウンド目であるか(更には特定ラウンドであるか否か)を判別可能なラウンド回数情報を報知するラウンド数表示演出や、遊技球が特定領域658を通過して確変獲得したこと(すなわち、V入賞したこと)を報知するV獲得表示演出の実行が設定されていない。その代わりに、実行された(実行済みの)長開放ラウンドの数を示すオブジェクトを表示したり、実行予定の長開放ラウンドの数を示すオブジェクトを表示したりしてもよい。前者の場合は、長開放ラウンドが1回実行されるごとにオブジェクトを増加させていき、後者の場合は、長開放ラウンドが1回実行されるごとにオブジェクトを減算させていく。言い換えれば、該オブジェクトは、短開放ラウンドである場合に増加や減算したりはしない。これに対して、第2特別図柄で大当りとなった場合(典型的には連荘時の場合)は、その特別遊技中の各ラウンドにおいて、ラウンド数表示演出およびV獲得表示演出の実行が設定されている。
このように、特別遊技中に12R長短開放パターン1,2のいずれが実行されたとして、その大当り演出としてラウンド回数情報やV入賞情報などの確変移行に関する情報を報知せず秘匿状態とすることにより、特別遊技中の演出態様からではV入賞しているか否かを判別困難とすることができる。なお、本例においても、前述の実施形態と同様に、特別遊技中に各種の昇格演出が実行されてもよい。
続いて、第6実施形態における特別図柄の変動パターンテーブルについて説明する。前述したように、本例における遊技機は、特別遊技中の特定ラウンドにおいて遊技球が特定領域658に入賞することで特別遊技後の確変移行が確定する、いわゆる玉確機として構成されているので、その特別遊技において特定領域658にV入賞しなかった場合(特別遊技後の遊技状態が通常状態となる場合)は、特別図柄の変動パターンテーブルとして通常変動パターンテーブルが設定され、その特別遊技において特定領域658にV入賞した場合(特別遊技後の遊技状態が確変状態となる場合)は、特別図柄の変動パターンテーブルとして短縮変動パターンテーブルが設定される。つまり、本例においても、原則通り、特別遊技後の遊技状態に応じて、特別遊技後に選択される変動パターンテーブルが異なり得る。このように変動パターンテーブルは、特別遊技後の遊技状態に応じた(特別遊技中における特定領域658への入賞の有無に応じた)種類が設定されるため、遊技状態が通常状態である場合と確変状態である場合とで変動パターン(変動時間)の選択傾向は互いに異なり得る。
続いて、第8実施形態における演出モードについて説明する。本例においても、主制御基板100側で管理される遊技状態(又は変動パターン選択状態)との整合性をとるかたちで、演出制御基板200側で演出モードの移行制御が実行される。そして、演出表示装置70には、現在滞在中の演出モードに対応した演出モード報知画像(本例では、装飾図柄の背面表示となる背景画像)が表示され、この背景画像は演出モード毎に互いに異なるよう設定されているため、該背景画像の種類から、現在滞在中の演出モードがいずれであるかを遊技者が認識し得るようになっている。また、このように演出モードの種類が遊技者に対して示唆されることにより、滞在中の演出モードの種類に基づき、遊技状態の種類や図柄変動中の変動演出内容(変動演出パターン)の種類が遊技者に対して示唆される。このとき、本例では特別遊技後の演出モードとして、該特別遊技後の遊技状態が通常状態であるか確変状態であるかに関わらず、共通の演出モード(秘匿演出モード)に移行する。すなわち、秘匿演出モードは、現在の遊技状態(内部遊技状態)が通常状態であるか確変状態であるかを秘匿状態として遊技者を煽る演出をなす演出モードである。本例においては、演出モードとして秘匿演出モードが設定されている場合、その背景画像として「特
殊背景」が表示される。なお、本例では、滞在中の演出モードごとに、変動演出パターンテーブルが設定されており、特別図柄の変動パターンが異なる場合であっても、演出モードが同一であれば、互いに演出内容の共通する変動演出パターンが選択され得ることになる。つまり、遊技状態に応じて、主制御基板100側において選択される変動時間(それに応じた演出尺)が異なる場合であっても、演出制御基板200側においては、その遊技状態が通常状態か確変状態かに関わらず同一の演出モードに移行するため、演出内容の共通する背景演出および変動演出が選択されることになる。そのため、特別遊技の実行中だけでなく、該特別遊技の終了後の図柄変動遊技においても、確変移行の有無に係る秘匿状態が継続されることになり、遊技者はその演出態様から現在の遊技状態を判別することが困難となり、確変状態へ移行していることを期待しながら遊技を進めることができる。このように、本例では、特定ラウンドにおけるV入賞の有無によって内部的には確変移行の有無が確定しているにも関わらず、大当り演出および図柄変動演出の演出態様からは確変移行の有無を判別困難とすることで、特別遊技から図柄変動遊技までに亘り、確変移行に関する遊技者の期待感および関心を持続させることができる。なお、この秘匿演出モードへの移行については、大当り種別として、条件付き特定大当り(12R長短開放大当り1)と条件付き通常大当り(12R長短開放大当り2)としか移行契機としない。また、大当り終了後の図柄変動回数が所定回数に到達した場合には、現在の遊技状態が確変状態であることを確定的に報知してもよい。
以上、第8実施形態によれば、条件付き特定大当り(12R長短開放大当り1)に係る作動パターンと、条件付き通常大当り(12R長短開放大当り2)に係る作動パターンとにおいて、全ラウンドを通して、大入賞口65の一連の開閉動作(長開放および短開放の動作順序)を実質的に同一態様とし、いずれの大当り種別に当選したのか、また、特定ラウンドがどのラウンドにて実行されたのかを判別し難くすることで、特別遊技が終了するまでの間、確変獲得に対する期待感を持続させることができるようになり、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
[第9実施形態]
次に、第9実施形態に係る遊技機について説明する。第9実施形態の遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
第9実施形態の遊技機は、第2実施形態の遊技機と同様に、特別遊技の実行中に遊技球が大入賞口内の特定領域(いわゆる「V領域」)に入賞するか否かに応じて、当該特別遊技の終了後に遊技状態が確変状態へ移行するか否かを決定する、いわゆる玉確タイプの遊技機として構成される。なお、確変状態は、所定回数(ST回数)の図柄変動が行われるまで継続してもよいし、次回の大当りが発生するまで継続するものでもよい。
また、第9実施形態の遊技機は、第7実施形態の遊技機と同様に、遊技領域内PA内において単一の大入賞口65(特定領域658を有した玉確アタッカー)のみを搭載している。すなわち、第9実施形態においても、全てのラウンドにおいて特定領域658を有した大入賞口65が開放されるよう構成されている。なお、大入賞口65の構成については、前述の第2実施形態で既に説明しているので、ここでは重複説明を省略する。
また、第9実施形態の遊技機は、第1実施形態の遊技機と同様に、第1特別図柄の変動表示よりも第2特別図柄の変動表示を優先的に実行する、いわゆる優先消化を採用するため、第2特別図柄の作動保留球が存在する間は、第1特別図柄の作動保留球の存在に関係なく、第2特別図柄の作動保留球を優先的に消化するように構成されている。
まず、第9実施形態における大当り種別(大当り内訳)について説明する。図80には
、第9実施形態における特別図柄抽選の大当り内訳を示している。なお、以下では、説明の便宜上、特段の場合を除き、「小当り」に関する記載を省略する。
図80の上段は、第9実施形態における第1特別図柄当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第1特別図柄当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、図柄群、大当り属性、確変・時短機能の作動回数、大入賞口の作動パターンがそれぞれ対応付けられている(本例では、便宜上、停止図柄の記載を省略する)。第1特別図柄当り図柄テーブルでは、大当りの種別に応じた3種類の図柄群として、図柄群A(15R長短開放大当り1)と、図柄群B(15R長短開放大当り2)と、図柄群C(7R長短開放大当り)とが設定されている。
図80の下段は、第9実施形態における第2特別図柄当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第1特別図柄当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、図柄群、大当り属性、確変・時短機能の作動回数、大入賞口の作動パターンがそれぞれ対応付けられている(本例では、便宜上、停止図柄の記載を省略する)。第1特別図柄当り図柄テーブルでは、大当りの種別に応じた5種類の図柄群として、図柄群D(16R長開放大当り1)と、図柄群E(16R長開放大当り2)と、図柄群F(8R長開放大当り)と、図柄群G(4R長開放大当り1)と、図柄H(4R長開放大当り2)とが設定されている。
本例においても、上記の各大当りは、大当りの属性として「条件付き特定大当り」又は「条件付き通常大当り」に区分されている。図80の上段に示すように、第1特別図柄抽選では、条件付き特定大当り(確変大当り相当)の当選確率が50%であり、条件付き通常大当り(非確変大当り相当)の当選確率が50%である。また、図80の下段に示すように、第2特別図柄抽選では、条件付き特定大当り(確変大当り相当)の当選確率が100%である。なお、以下では、第2特別図柄の大当り種別のうち、「16R長開放大当り1」および「4R長開放大当り1」を総称して「大当りα」とも称し、それ以外の大当り種別である「16R長開放大当り2」、「8R長開放大当り」および「4R長開放当り2」を総称して「大当りβ」とも称する。ここで、大当りβは、詳細後述するが、限定期間内・外に関わらず、その大当り演出として「七星チャージ」が実行される大当りであり、大当り図柄(装飾図柄)として特殊図柄(「A・A・A」など)が揃うことになる。なお、特殊図柄は、中図柄列に一つだけ特殊図柄が表示されるものでもよい(左・右列図柄列は任意の図柄)。一方、大当りαは、詳細後述するが、限定期間内においてのみ、その大当り演出として「七星チャージ」が実行される大当りであり、大当り図柄として数字図柄(奇数図柄)が揃うことになる。
なお、本例では、1回の大当り発生により実行される特別遊技の平均ラウンド数は、第1特別図柄抽選において大当りとなる場合と第2特別図柄抽選において大当りとなる場合とで等しく設定されている。具体的には、第1特別図柄抽選にて大当りとなる場合における特別遊技の平均ラウンド数は「11ラウンド」であるのに対して、第2特別図柄抽選にて大当りとなる場合における特別遊技の平均ラウンド数は「11ラウンド」であり、各平均ラウンド数は同一となるよう構成されている。なお、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選とで、その特別遊技の平均ラウンド数は均等であるが、第1特別図柄の大当りは全て「長短開放大当り」として設定されているのに対して、第2特別図柄の大当りは全て「長開放大当り」として設定されているため、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選の方が賞球獲得期待値(実質的な平均ラウンド数)は高く設定されている。
なお、本例では、いずれの大当り種別に当選した場合であっても、その特別遊技中の特定ラウンドにて遊技球が特定領域658に入球したときは、特別遊技終了後の遊技状態が確変状態となる。確変状態は、次の大当りの発生まで継続するのではなく、特別遊技終了
後の変動回数が確変終期回数に達するまでの期間(130回)に限定されている。一方、いずれの大当り種別に当選した場合であっても、その特別遊技中の特定ラウンドにて遊技球が特定領域658に入球しなかったときは、特別遊技終了後の遊技状態が時短状態となる。時短状態は、次の大当りの発生まで継続するのではなく、特別遊技終了後の変動回数が時短終期回数に達するまでの期間(100回)に限定されている。なお、特別遊技の終了後、次の大当りが発生することなく上記終期回数(130回又は100回)を経過した場合には、遊技状態は通常状態に戻る。
続いて、図81は、第9実施形態における大入賞口65の作動パターンを説明するためのタイムチャートである。本例では、上記の大当り種別に対応して、合計5種類の作動パターンが用意されている。すなわち、図80に示すように、本例では、各大当りに対応する特別遊技の規定ラウンド数が同一であれば、同一の作動パターンが設定されている(規定ラウンド数ごとに作動パターンは共通である)。図中には、特別遊技中の大入賞口65の状態変化が左から右に向けて時系列的に示されている。図81に示す各作動パターンは、各ラウンド遊技の実行状態を概念的に示すものであり、各ラウンド遊技の開放時間および閉鎖時間(インターバル時間を含む)の各時間幅および比率は、実際の時間幅および比率と対応するものではない。なお、図中、長開放ラウンド遊技には「L」を付記し、短開放ラウンド遊技には「S」を付記している。
本例では、上記の全5種類の大当りのうち、いずれの大当りに該当する場合でも、その特別遊技における特定ラウンドでは、遊技球が特定領域658に入球するか否かに基づき確変入賞の有無が振り分けられる。なお、以下では、特定ラウンドを除く他のラウンドを「通常ラウンド」とも称する。本例において、特定ラウンドは、いずれの大当りに該当する場合であっても、第3ラウンドに設定されている。この特定ラウンドでは、大入賞口65と特定領域658とを同期(連動)させ、大入賞口65が開放されたことを契機として特定領域658が開放され(大入賞口65が開放された時点以降で特定領域658が開放され)、大入賞口65が閉鎖されたことを契機として特定領域658が閉鎖される(大入賞口65が閉鎖された時点以降で特定領域658が閉鎖される)。そのため、基本的には、大入賞口65が長開放であれば、特定領域658も長開放となり、大入賞口65が短開放であれば、特定領域658も短開放となる。なお、一の特別遊技において、特定ラウンドの実行回数は1回に限定されず、複数回設定してもよい。
まず、図81(A)は、15R長短開放パターンを示している。15R長短開放パターンでは、第1ラウンドおよび第3〜第6ラウンドにおいて長開放ラウンド遊技が実行され、第2ラウンドおよび第7〜第15ラウンドにおいて短開放ラウンド遊技が実行される。すなわち、15R長短開放大当り1,2は、上記5回のラウンド遊技において大入賞口65が長開放されるので、実質5ラウンド相当の大当りとなる。なお、特定ラウンド(第3ラウンド)は、長開放ラウンド遊技が実行されるため、特定領域658への入球が容易又は可能であるVラウンドとして設定されている。
図81(B)は、7R長短開放パターンを示している。7R長短開放パターンでは、第1〜第2ラウンドおよび第4〜第6ラウンドにおいて長開放ラウンド遊技が実行され、第3ラウンドおよび第7ラウンドにおいて短開放ラウンド遊技が実行される。すなわち、7R長短開放大当りは、上記5回のラウンド遊技において大入賞口65が長開放されるので、実質5ラウンド相当の大当りとなる。なお、特定ラウンド(第3ラウンド)は、短開放ラウンド遊技が実行されるため、特定領域658への入球が困難又は不可能である非V入賞ラウンドとして設定されている。なお、上記の第7ラウンドでは、9回の短開放動作を伴うものであってもよく、その場合には、15R長短開放パターンにおける第7ラウンド以降の短開放動作の回数と同じにすることができる。
図81(C)は、16R長開放パターンを示している。16R長開放パターンでは、全てのラウンド(通常ラウンド、特定ラウンド)において、長開放ラウンド遊技が実行される。すなわち、16R長開放大当りは、いずれのラウンド遊技においても大入賞口65が長開放されるので、実質16ラウンド相当の大当りとなる。なお、特定ラウンド(第3ラウンド)は、長開放ラウンド遊技が実行されるため、特定領域658への入球が容易又は可能であるVラウンドとして設定されている。
図81(D)は、8R長開放パターンを示している。8R長開放パターンでは、前述の16R長開放パターンと同様に、全てのラウンドにおいて長開放ラウンド遊技が実行される。すなわち、8R長開放大当りは、いずれのラウンド遊技においても大入賞口65が長開放されるので、実質8ラウンド相当の大当りとなる。なお、特定ラウンド(第3ラウンド)は、特定領域658への入球が容易又は可能であるVラウンドとして設定されている。
図81(E)は、4R長開放パターンを示している。4R長開放パターンでは、前述の16R,8R長開放パターンと同様に、全てのラウンドにおいて長開放ラウンド遊技が実行される。すなわち、4R長開放大当りは、いずれのラウンド遊技においても大入賞口65が長開放されるので、実質4ラウンド相当の大当りとなる。なお、特定ラウンド(第3ラウンド)は、特定領域658への入球が容易又は可能であるVラウンドとして設定されている。
ここで、第1特別図柄で大当りとなった場合の大入賞口65の作動パターン、すなわち、15R長短開放パターンと7R長短開放パターンにおける大入賞口65の開閉動作について更に詳しく説明する。まず、いずれの作動パターンとも、第1ラウンドおよび第5〜第6ラウンドの各ラウンドにおいて大入賞口65は1回だけ長開放され、第7〜第15ラウンドの各ラウンドにおいて大入賞口65は1回だけ短開放される。そのため、15R長短開放パターンと7R長短開放パターンでは、上記の各ラウンドにおいて、大入賞口65の開閉動作が一致する。一方、各作動パターンは、第2〜第4ラウンドの各ラウンドにおいて大入賞口65の開閉動作がそれぞれ異なる。具体的には、15R長短開放パターンでは、第2ラウンドにて1回の短開放、第3ラウンドにて1回の長開放、第4ラウンドにて1回の短開放および1回の長開放が行われる。つまり、15R長短開放パターンでは、第2〜第4ラウンドまでの区間において、大入賞口65が「短開放→長開放→短開放→長開放」という順に開閉動作する。これに対して、7R長短開放パターンでは、第2ラウンドにて1回の短開放および1回の長開放、第3ラウンドにて短開放、第4ラウンドにて1回の長開放が行われる。つまり、7R長短開放パターンでは、第2ラウンド〜第4ラウンドまでの区間において、大入賞口65が「短開放→長開放→短開放→長開放」という順に開閉動作する。すなわち、各作動パターンを比較するに、第2〜第4ラウンドまでの各ラウンドを個別に見ると、大入賞口65の開閉動作はそれぞれ相違するものの、第2〜第4ラウンドまでの区間を一連の流れとしてトータル的に見ると、大入賞口65の開閉動作は一致している。。なお、図中では、説明の便宜上、各ラウンドの時間幅を均等に区切っているため、インターバル期間が長短様々に表されているが、実際にはインターバル期間は略同一に設定されている。そのため、図中において、破線の矢印で示しているように、上記の第4〜第6ラウンドまでの区間における各動作(対応する動作)は、時間軸上にてほぼ同一のタイミングに設定されている。
従って、条件付き特定大当り(15R長短開放大当り1,2)に係る作動パターンと、条件付き通常大当り(7R長短開放大当り)に係る作動パターンとにおいて、大入賞口65の一連の開閉動作(長開放および短開放の動作順序)を実質的に同一態様とすることで、いずれの大当り種別に当選したのか、また、特定ラウンドがどのラウンドにて実行されたのかを判別し難くすることで、特別遊技が終了するまでの間、確変獲得に対する期待感
を持続させることができるようになる。ここで、第1特別図柄で大当りとなった場合は、その特別遊技中における大当り演出として、少なくとも第6ラウンド(後述の確変昇格演出が設定されたラウンド)までは、現在のラウンドが何ラウンド目であるか(更には特定ラウンドであるか否か)を判別可能なラウンド回数情報や、遊技球が特定領域658を通過して確変獲得したことを示すV入賞情報は報知されず、大入賞口65の作動パターンや上記の演出態様からは確変移行の有無が秘匿状態とされる(詳細後述)。なお、その代わりに、実行された(実行済みの)長開放ラウンドの数を示すオブジェクトを表示したり、実行予定の長開放ラウンドの数を示すオブジェクトを表示したりしてもよい。前者の場合は、長開放ラウンドが1回実行されるごとにオブジェクトを増加させていき、後者の場合は、長開放ラウンドが1回実行されるごとにオブジェクトを減算させていく。言い換えれば、該オブジェクトは、短開放ラウンドである場合に増加や減算したりはしない。また、変形例として、前述したように、7R長短開放パターンにおける第7ラウンドにて、9回の短開放動作を伴うよう構成してもよく、その場合には、15R長短開放パターンにおける第7ラウンド以降の短開放動作の回数と同じにすることができるため、全ラウンドを通して、大入賞口65の一連の開放動作を実質的に同一態様とすることができる。
続いて、第9実施形態における大当り図柄(装飾図柄の停止図柄の組合せ)について説明する。図82は、第9実施形態における大当り図柄テーブル(装飾図柄当り図柄テーブル)を示す模式図である。大当り図柄は、前述したように、大当り図柄テーブルを参照して決定される。大当り図柄は、基本的に、同一の数字又は同一の文字の図柄が3つ揃った停止態様の組合せ「*・*・*」から構成される(*:任意の装飾図柄)。但し、図82に示すように、大当り図柄は、大当り種別が同一であっても、該大当り当選時の遊技状態に応じて異なり得る場合がある。ここで、本例における装飾図柄の大当り図柄(停止図柄)は、基本的には、「1・1・1」、「3・3・3」、「5・5・5」、「7・7・7」、「9・9・9」、「A・A・A」、「B・B・B」、「C・C・C」といった確変大当りを示す確変確定図柄(奇数図柄、文字図柄)と、「2・2・2」、「4・4・4」、「6・6・6」、「8・8・8」といった通常大当り又は確変大当りを示す不確定図柄(偶数図柄)とに区別される。以下では、説明の便宜上、上記の奇数図柄のうち、「3・3・3」および「7・7・7」を第1の奇数図柄とも称し、「1・1・1」、「5・5・5」および「9・9・9」を第2の奇数図柄とも称する。
まず、遊技状態が通常状態のとき、第1特別図柄の抽選処理で15R長短開放大当り1に当選した場合は、「1・1・1」や「5・5・5」等といった第2の奇数図柄(確変図柄)が選択される。また、遊技状態が通常状態のとき、第1特別図柄の抽選処理で15R長短開放大当り2又は7R長短開放大当りに当選した場合は、「2・2・2」、「4・4・4」等といった偶数図柄(不確定図柄)が選択される。該不確定図柄の停止表示後には、その特別遊技にて確変昇格演出が実行されることなる(詳細後述)。一方、遊技状態が確変状態又は時短状態のとき、15R長短開放大当り1,2に当選した場合は、「1・1・1」、「5・5・5」等といった第2の奇数図柄(確変図柄)が選択され、7R長短開放大当りに当選した場合は、「2・2・2」、「4・4・4」等といった偶数図柄(不確定図柄)が選択される。これは、確変状態又は時短状態において第1特別図柄で大当りした場合には、確変昇格演出は実行されず(確変移行の可能性を秘匿状態とせず)、当該大当り図柄の種類に基づき、確変移行の有無を遊技者に対して事前に教示する趣旨である。
次いで、遊技状態が通常状態のとき、第2特別図柄の抽選処理で16R長開放大当り1に当選した場合は、「3・3・3」や「7・7・7」といった第1の奇数図柄(確変図柄)が選択される。一方、遊技状態が確変状態又は時短状態のとき、上記の16R長開放大当り1に当選した場合は、乱数抽選によって、「3・3・3」、「7・7・7」といった第1の奇数図柄(確変図柄)が選択される場合と、「1・1・1」、「5・5・5」、「9・9・9」といった第2の奇数図柄(確変図柄)が選択される場合がある。このとき、
第1の奇数図柄である場合は、高利益大当り(16R大当り)であることが確定的に報知され、第2の奇数図柄である場合は、高利益大当り(16R大当り)であることを秘匿状態とし、その大当り中にラウンド昇格演出(成功)が実行される。また、遊技状態が確変状態又は時短状態のとき、第2特別図柄の抽選処理で4R長開放大当り1に当選した場合にも、16R長開放大当り1に当選した場合と同様に、「1・1・1」、「5・5・5」、「9・9・9」といった第2の奇数図柄(確変図柄)が選択され、その大当り中にラウンド昇格演出(失敗)が実行される。また、遊技状態がいずれであるときでも、16R長開放大当り2、8R長開放大当り、4R長開放大当り2に当選した場合、すなわち、上述の大当りβに当選した場合には、「A・A・A」、「B・B・B」、「C・C・C」といった文字図柄(確変図柄)が選択される。
続いて、第9実施形態における大当り演出パターンについて説明する。図83は、第9実施形態における大当り演出パターンテーブルを模式的に示す図である。大当り演出パターンテーブルには、大当り種別と大当り演出パターンとの対応関係が示されている。基本的には、大当り演出パターンは、大当り種別に基づき決定される。但し、大当り種別が同一であっても、大当り当選時の遊技状態や所定の発生条件(例えば連荘条件)などに応じて、大当り演出パターンが異なる場合がある。本例では、13種類の大当り演出パターンとして、激闘ボーナスA〜B、幻闘ボーナスA〜D、無双ボーナスA〜C、七星チャージA〜Dが用意されている。ここで、図中においては、大当り演出パターンの選択基準の一つとして、大当り当選時の遊技状態を、特別図柄遊技の作動状態(高確率/低確率)と普通図柄遊技の作動状態(開放延長あり/開放延長なし)との組み合わせにより、(1)低確率/非開放延長、(2)低確率/開放延長、(3)高確率/開放延長、を規定している。すなわち、図中に記載の遊技状態は、各大当り種別に対応する大当り発生時の遊技状態(各大当り種別に対応する大当り図柄が停止したときの遊技状態)である。なお、本例では、遊技状態として「高確率/非開放延長」は設定されていない。
まず、第1特別図柄において15R長短開放大当り1に当選した場合は、大当り当選時の遊技状態等によらず、大当り演出パターンとして「幻闘ボーナスA」が選択される。また、15R長短開放大当り2に当選した場合は、大当り当選時の遊技状態が通常状態であれば、大当り演出パターンとして「激闘ボーナスA」が選択され、大当り当選時の遊技状態が確変状態又は時短状態であれば、大当り演出パターンとして「幻闘ボーナスA」が選択される。また、7R長短開放大当りに当選した場合は、大当り当選時の遊技状態が通常状態であれば、大当り演出パターンとして「激闘ボーナスB」が選択され、大当り当選時の遊技状態が確変状態又は時短状態であれば、大当り演出パターンとして「幻闘ボーナスB」が選択される。ここで、遊技状態が通常状態のとき、15R長短開放大当り2又は7R長短開放大当りに当選した場合に選択される激闘ボーナスA,Bでは確変昇格演出が実行される。一方、遊技状態が確変状態又は時短状態のとき、15R長短開放大当り2又は7R長短開放大当りに当選した場合に選択される幻闘ボーナスA,Bでは確変昇格演出は実行されない。すなわち、本例においても、遊技状態が通常状態であるときに第1特別図柄で大当りとなった場合には、確変昇格演出が実行され得るが、遊技状態が確変状態であるときに第1特別図柄で大当りとなった場合には、確変昇格演出は実行されない。この確変昇格昇格演出の具体例については後述する。
一方、第2特別図柄において16R長開放大当り1に当選した場合は、大当り当選時の遊技状態等によらず、基本的には、大当り演出パターンとして「無双ボーナスA」又は「幻闘ボーナスD」が選択される。このとき、図82を用いて前述したように、大当り図柄が第1の奇数図柄(「7・7・7」など)であれば、「無双ボーナスA」が選択され、大当り図柄が第2の奇数図柄(「1・1・1」など)であれば、「幻闘ボーナスD」が選択されることになる。つまり、第1の奇数図柄で大当りする場合は、無双ボーナスAにて16ラウンド確定演出が実行され、第2の奇数図柄で大当りする場合は、幻闘ボーナスDに
てラウンド昇格演出が実行される。なお、本例では、図82に表記された選択率(第1奇数図柄および第2奇数図柄の選択率)からも判るように、「幻闘ボーナスD」が選択される割合よりも「無双ボーナスA」が選択される割合の方が高く設定されている。その変形例として、通常状態で16R長開放大当り1に当選した場合は、必ず「無双ボーナスA」が選択され、ラウンド昇格演出を実行しないようにしてもよく、また、確変状態で16R長開放大当り1に当選するよりも、「幻闘ボーナスD」が選択され難くして、それに紐付きラウンド昇格演出を実行する確率を低減させてもよい。一方、所定の条件下(詳細後述)にて保留内連荘が成立して特別遊技後の限定期間内で16R長開放大当り1に当選する場合は、大当り演出パターンとして「七星チャージC」が選択される。また、大当りに関する特別な条件(連荘条件)が成立している場合は、大当り演出パターンとして「無双ボーナスB」又は「無双ボーナスC」が選択される。なお、連荘条件の内容については後述する。
また、第2特別図柄において16R長開放大当り2に当選した場合は、大当り当選時の遊技状態等によらず、大当り演出パターンとして「七星チャージC」が選択される。また、8R長開放大当りに当選した場合は、大当り当選時の遊技状態等によらず、大当り演出パターンとして「七星チャージB」が選択される。また、4R長開放大当り1に当選した場合は、大当り当選時の遊技状態等によらず、基本的には、大当り演出パターンとして「幻闘ボーナスB」が選択される。なお、所定の条件下(詳細後述)にて保留内連荘が成立して特別遊技後の限定期間内で4R長開放大当り1に当選する場合は、大当り演出パターンとして「七星チャージA」が選択される。また、4R長開放大当り2に当選した場合は、大当り演出パターンとして「七星チャージA」が選択される。このように大当りβに属する各大当り(16R長開大当り2、8R長開放大当り、4R長開放大当り2)は、大当り演出パターンとして「七星チャージA〜C」のみが選択される大当り種別である。
続いて、図84〜図87は、大当り演出パターンの内容を説明するための模式図である。各図中には、大当り演出パターンごとに、各種の演出内容とその発生タイミングとの対応関係が表されている。ここで、図中において、「開放態様」とは、ラウンド遊技の種別を表している。すなわち、ラウンド遊技として長開放ラウンド遊技が設定されている場合は「長開放」と表示され、ラウンド遊技として短開放ラウンド遊技が設定されている場合は「短開放」と表示されている。当然ながら、図中の「開放態様」は、図81における大入賞口65の作動パターンと対応している。
また、図中において、「先読み可能」とは、現有する作動保留球情報に関して先読み可能な期間であることを表している。すなわち、この先読み可能期間内において、保留内連荘演出の抽選およびその演出実行が可能であることを意味する。そのため、本例では、保留内連荘演出として、特別遊技中に発生する第2の保留内連荘演出(保留内連荘演出B)を対象とする。保留内連荘演出の実行可否は、該先読み可能期間において所定の実行条件が成立している場合に決定される。本例では、前述したように、第2特別図柄の作動保留球を第1特別図柄の作動保留球よりも優先的に消化する優先消化を採用しており、第2特別図柄に係る大当りおよび特定保留を保留内連荘の対象とする。そして、保留内連荘は、先行の作動保留球が大当り当選したときの遊技状態が確変状態(高確率時・開放延長時)であること、すなわち、特別遊技後のST期間内(130回)であることを前提として発生する。従って、遊技状態が確変状態(高確率時・開放延長時)であるときに、先行の作動保留球が特定の大当り(高利益大当り:第2特別図柄の16R長開放大当り1)に当選したことを前提とし、後続の第2特別図柄の作動保留球内に1以上の特定保留が存在する場合に所定の実行条件が成立する。なお、本例では、後続の作動保留球が全てはずれ保留である場合でも、保留内連荘の成立を煽るためのガセ演出が発生する場合がある。但し、本例においては、保留内連荘演出の演出結果を見れば、真実の演出であるのか、ガセの演出であるのかを判別可能な表示態様となっている。また、先読み可能期間は、1ラウンド
単位で設定されている。そのため、先読み可能期間として設定された当該ラウンド(一のラウンド)にて、保留内連荘演出の実行可否が抽選にて決定されるとともに、保留内連荘演出を実行することが決定された場合には、当該ラウンドにおいて保留内連荘演出が発生する。なお、後続の作動保留球内に特定保留が存在するにも関わらず、先読み可能期間が設定された全てのラウンドにおいて保留内連荘演出の抽選に当選しなかった場合(全てのラウンドにおいて保留内連荘演出が実行されなかった場合)には、その大当り終了デモにおいて保留内連荘演出(後述の「七星チャージ告知」)が実行される。その変形例として、先読み可能期間が設定された全てのラウンドにおいて保留内連荘演出の抽選に当選しなかった場合(全てのラウンドにおいて保留内連荘演出が実行されなかった場合)に、その大当り終了デモにおいても保留内連荘演出を実行しない(結局、当該大当り中に保留内連荘演出を実行しない)構成としてもよい。なお、大当り終了デモにて保留内連荘演出が発生するのは、少なくとも何れかのラウンドにおいて先読み可能期間が設定されているのにも関わらず、現実には保留内連荘演出が実行されなかった場合であり、元々、全ラウンドを通していずれのラウンドにも先読み可能期間が設定されていなければ、大当り終了デモにおいて保留内連荘演が発生することはない。その変形例として、全ラウンドを通して先読み可能期間が設定されていない大当りである場合は、その大当り終了デモにて保留内連荘演出を実行してもよい。なお、前述のとおり、保留内連荘演出の対象は第2特別図柄の大当りおよび特定保留であるため、先読み可能期間は、少なくとも第2特別図柄の大当り演出パターンにのみ設定されている。また、先読み可能期間は、特定ラウンド(第3ラウンド)以降のラウンドに設定されている。その理由としては、前述したように、特定ラウンドを経過した後(少なくとも特定領域658に遊技球が入球したか否かが確定した後)でなければ、その特別遊技終了後の遊技状態が確変状態(高確率状態)および時短状態(低確率状態)のいすれに移行するのかが定まらず、この未確定な状況での保留内連荘演出の実行を回避するためである。つまり、特別遊技の終了後の遊技状態(高確率状態又は低確率状態)に応じて、特別遊技中に現存する後続の作動保留球が実際に大当りとなるか否かの抽選結果が変動する場合もあるため、保留内連荘演出の実行可否の抽選を特定ラウンド以降とすることで、保留内連荘の確定報知を可能としている。そこで、本例では、特定ラウンドにおいて遊技球が特定領域658に入球したこと、すなわち、特別遊技の終了後に確変状態への移行が確約されたことを前提として、保留内連荘演出の実行可否が決定される。従って、本例における保留内連荘演出は、後続の作動保留球内に大当りとなる特定保留が存在することの他、特別遊技後の遊技状態が確変状態(高確率状態)となることを確定的に報知する演出としての意義がある。つまり、各ラウンドに先読み可能期間が設定されていても、特定ラウンドにおいて特定領域658への入球がないと、保留内連荘演出の実行抽選は行われない。この保留内連荘演出の具体例については後述する。
また、図中において、「ラウンド数表示」とは、ラウンド遊技の実行中に、現在のラウンド数(ラウンド回数情報)を報知することを意味している。本例では、現在のラウンド数を報知して特別遊技の進行状況を遊技者に対して教示する大当り演出パターンと、現在のラウンド数を報知せず特別遊技の進行状況を遊技者に対して秘匿状態とする大当り演出パターンとが用意されている。また、図中、「V獲得表示」とは、特定ラウンドにおけるV入賞(確変移行)の発生を報知することを意味している。本例では、V入賞の発生を報知して遊技者に対して確変移行を教示する大当り演出パターンと、V入賞の発生を報知せず遊技者に対して確変移行の有無を秘匿状態とする大当り演出パターンとが用意されている。なお、V入賞を報知する大当り演出パターンでは、図中にて「指定時」と記載された複数のラウンドのうち、いずれかのラウンドにおいてV入賞を報知可能である(報知タイミングは仕様や抽選等にて適宜設定される)。また、図中、「識別マーク」とは、特別遊技後に移行する演出モードの報知演出や、特別遊技中の昇格演出および保留内連荘演出に供される識別表示である。本例では、識別マークとして、激闘ミッションマーク、幻闘ラッシュマーク、七星チャージマーク、エクストラボーナスマークなどが設定されている。それでは、各図を参照しながら、各大当り演出パターンの具体的な内容について詳述する
。
図84(A)は、激闘ボーナスAの内容を示している。激闘ボーナスAは、通常状態において第1特別図柄の15R長短開放大当り2に当選した場合に実行される大当り演出である。激闘ボーナスAは、該大当り中に確変昇格に成功する演出内容(確変昇格演出)を含む。この確変昇格演出は、第6ラウンドに設定されている。そして、該第6ラウンドにおいて、識別マークとして「激闘マーク」(第1〜第5ラウンドまで表示)が「幻闘マーク」に変化することで、確変昇格に成功したことが示唆又は報知される。この確変昇格演出の具体例については後述する。なお、激闘ボーナスAでは、その特別遊技中に「ラウンド数表示」および「V獲得表示」は行われず、第6ラウンドにおいて確変昇格演出が実行されるまでは、遊技者に対して確変移行の有無が秘匿される。また、図中において、「幻闘キャラ選択」とは、該大当り終了後、幻闘ラッシュモードにおける図柄変動演出にて登場する幻闘キャラクタ(図柄変動演出の演出形式を決定するための契機となる演出要素)を選択可能な期間である。これにより、大当り終了後の図柄変動演出が、該選択された幻闘キャラクタに対応した演出表示形式に設定される。そのため、基本モードとしては同じ幻闘ラッシュモードでありながら、その詳細モードとして該幻闘キャラクタに応じた演出モード(例えば、キャラAモード、キャラBモードなど)が展開されることになる。この幻闘キャラ選択期間は、第7〜第15ラウンドおよび終了デモにおいて設定されている。本例では、第7ラウンド〜大当り終了デモまでの区間を「引継デモ」として設定している。このとき、第7〜第15ラウンドはショート開放時のラウンドとして設定されており、このようにショート開放時のラウンドを幻闘キャラ選択期間の一部として利用することで、終了デモの実行時間を節約している。幻闘キャラ選択期間内においては、画面上に表示された複数のキャラクタの中から好みのキャラクタを演出ボタン15により選択可能である。また、激闘ボーナスAでは、全てのラウンドを通して先読み可能期間は設定されておらず、保留内連荘演出が発生することはない。これは前述したとおり、第1特別図柄の大当りである激闘ボーナスAは、保留内連荘演出の対象外であるからである。
図84(B)は、激闘ボーナスBの内容を示している。激闘ボーナスBは、通常状態において第1特別図柄の7R長短開放大当りに当選した場合に実行される大当り演出である。この激闘ボーナスBは、該大当り中に確変昇格に失敗する演出内容(確変昇格演出)を含む。この確変昇格演出は、上記の激闘ボーナスAと同様に、第6ラウンドに設定されている。そして、該第6ラウンドにおいて、識別マークとして「激闘マーク」(第1〜第5ラウンドまで表示)が「幻闘マーク」に変化せず、そのまま「激闘マーク」が継続表示されることで、確変昇格に失敗したことが示唆又は報知される。また、激闘ボーナスBでは、上記の激闘ボーナスAと同様に、その特別遊技中に「ラウンド数表示」および「V獲得表示」は行われず、第6ラウンドにおいて確変昇格演出が実行されるまでは、遊技者に対して確変移行の有無が秘匿される。また、激闘ボーナスBでは、上記の激闘ボーナスAと同様に、全てのラウンドを通して先読み可能期間は設定されておらず、保留内連荘演出が発生することはない。
図85(A)は、幻闘ボーナスAの内容を示している。幻闘ボーナスAは、遊技状態によらず第1特別図柄の15R長短開放大当り1に当選した場合、又は、確変状態もしくは時短状態において第1特別図柄の15R長短開放大当り2に当選した場合に実行される大当り演出である。この幻闘ボーナスAにおいても、上記の激闘ボーナスAと同様に、幻闘キャラ選択期間は第7〜第15ラウンドおよび終了デモにおいて設定されている。すなわち、激闘ボーナスAにおいても、ショート開放時のラウンドを幻闘キャラ選択期間の一部として利用することで、終了デモの実行時間を節約している。なお、本例では、第7ラウンド〜大当り終了デモまでの区間を「引継デモ」として設定している。また、幻闘ボーナスAでは、第1〜第6ラウンドにおいて、「ラウンド数表示」および「V獲得表示」が設定されており、遊技の進行状況および確変移行の有無を教示し得るようになっている。ま
た、幻闘ボーナスAでは、上記の激闘ボーナスA,Bと同様に、第1特別図柄での大当り演出として予定されているため、全てのラウンドを通して先読み可能期間は設定されておらず、保留内連荘演出が発生することはない。なお、変形例として、保留内連荘の対象として第1特別図柄の大当り(特定保留)を対象としてもよい。その場合には、フル開放時のラウンドのみを先読み可能期間に設定し、ショート開放時のラウンドは先読み可能期間に設定しない。これは、ショート開放時の短時間のみで、保留内連荘演出の抽選処理とその演出表示とを実行するための時間的な余裕が無いからである。
図85(B)は、幻闘ボーナスBの内容を示している。幻闘ボーナスBは、第2特別図柄の4R長開放大当り1に当選した場合に実行される大当り演出である。この幻闘ボーナスBは、該大当り中に後半12ラウンドを獲得するラウンドアップに失敗する演出内容(ラウンド昇格演出)を含む。このラウンド昇格演出は、第4ラウンドに設定されている。本例では、該第4ラウンドにおいて、識別マークとして「幻闘マーク」(第1〜第3ラウンドまで表示)が「エクストラボーナスマーク」に変化せず、そのまま「幻闘マーク」が継続表示されることで、ラウンド昇格に失敗したことが示唆又は報知される。このラウンド昇格演出の具体例については後述する。
図85(C)は、幻闘ボーナスCの内容を示している。幻闘ボーナスCは、確変状態又は時短状態において第1特別図柄の7R長短開放大当りに当選した場合に実行される大当り演出である。この幻闘ボーナスCでは、上記の激闘ボーナスBとは異なり、いずれのラウンドにおいても確変昇格演出は設定されていない。すなわち、7R長短開放大当りとなった場合であっても、大当り演出として上記の激闘ボーナスBに移行したときは、第6ラウンドにおいて確変昇格演出が実行される一方で、幻闘ボーナスCに移行したときは、確変昇格演出は実行されない。つまり、連荘時における大当り当選を予定とした該大当り演出(幻闘ボーナスB)では、確変昇格演出を設ける意義が乏しいからである。なお、幻闘ボーナスCでは、上記の激闘ボーナスA,Bや幻闘ボーナスAと同様に、第1特別図柄での大当り演出として予定されているため、全てのラウンドを通して先読み可能期間は設定されておらず、保留内連荘演出が発生することはない。なお、本例では、各ラウンドにおいてラウンド数表示を行っているが、これに限定されるものではなく、ラウンド数表示を行わないように構成してもよい。また、基本的には、長開放ラウンドと長開放ラウンドとの間に短開放ラウンドを挟む場合には、各ラウンドにおいてラウンド数を報知しないことが望ましい。
図85(D)は、幻闘ボーナスDの内容を示している。幻闘ボーナスDは、遊技状態によらず第2特別図柄の16R長短開放大当り1に当選した場合に実行される大当り演出である。この幻闘ボーナスDは、該大当り中に後半12ラウンドを獲得するラウンドアップに成功する演出内容(ラウンド昇格演出)を含む。幻闘ボーナスDにおいて、ラウンド昇格演出は、第4〜第5ラウンドに設定されている。そして、第4〜第5ラウンドにおいて、識別マークとして「幻闘マーク」(第1〜第3ラウンドまで表示)が「エクストラボーナスマーク」に変化することで、ラウンド昇格に成功したことが示唆又は報知される。このラウンド昇格演出の具体例については後述する。なお、図中、「キャラ再選択受付期間」とは、選択中の幻闘キャラクタを変更するため、該幻闘キャラクタの再選択を受け付ける期間である。また、「キャラクタ再選択期間」とは、上記のキャラ再選択受付期間内において幻闘キャラクタの再選択が受け付けられたことを条件に、幻闘キャラクタの再選択が可能となる期間である。ここで、該幻闘ボーナスDは、第2特別図柄で大当りとなった場合に実行される大当り演出であり、基本的には、初当り時ではなく連荘時の大当り演出である。そのため、通常の場合には、幻闘キャラクタは既に初当りのとき(激闘ボーナスA又は幻闘ボーナスA)に選択されているはずであるので、ここでは「選択」ではなく「再選択」と表現されている。このとき、キャラ再選択受付期間は第7〜第11ラウンドに設定され、幻闘キャラ選択期間は第12〜第16ラウンドに設定されている。一方、先読
み可能期間は、第7〜第16ラウンドまで設定されている。つまり、先読み可能期間は、キャラ再選択受付期間および幻闘キャラ選択期間と重複している。しなしながら、キャラ再選択受付期間にて幻闘キャラクタの再選択が受け付けられた場合、すなわち、幻闘キャラクタが再選択される状況となった場合には、たとえ先読み処理(保留内連荘演出の抽選処理)が実行されたとしても、その演出抽選の当否に関わらず、保留内連荘演出は実行されない。つまり、幻闘キャラ再選択期間内(但し、再選択が受け付けられたことを条件とする)では、保留内連荘演出は実行されない。このように、先読み可能期間と幻闘キャラ選択期間とを重複させないことで、保留内連荘演出と幻闘キャラ選択演出との競合(同時実行)を回避して、両者の演出効果が相互に希薄になるのを防止している。一方、キャラ再選択受付期間内であれば、保留内連荘演出の抽選処理に当選したことを条件として、保留内連荘演出が実行され得る。このキャラ再選択受付は、幻闘キャラクタを再選択するか否かというだけで、もともと演出上の効果は低いため、当該期間中に保留内連荘演出を実行させても、保留内連荘演出の演出効果が希薄になるおそれは低いからである。なお、変形例として、幻闘キャラ選択期間内では、保留内連荘演出の抽選処理を行わない構成としてもよい。また、幻闘キャラ再選択期間内であっても、幻闘キャラクタが再選択された後であれば、保留内連荘演出を実行可能としてもよい。また、幻闘ボーナスDでは、第1〜第16ラウンド(フル開放時のラウンド)において、「ラウンド数表示」および「V獲得表示」が設定されており、遊技の進行状況および確変移行の有無を教示し得るようになっている。
図86(A)は、無双ボーナスAの内容を示している。無双ボーナスAは、所定の連荘条件(詳細後述)が成立していない状況下にて、第2特別図柄の16R長短開放大当り1に当選した場合に実行される大当り演出である。無双ボーナスAでは、上記の幻闘ボーナスDと同様に、キャラ再選択受付期間は第7〜第11ラウンドに設定され、幻闘キャラ再選択期間は第12〜第16ラウンドに設定されている。一方、先読み可能期間は、上記の幻闘ボーナスDとは異なり、第4〜第16ラウンドまで設定されている。つまり、無双ボーナスAでは、上記の幻闘ボーナスDと異なり、ラウンド昇格演出が設定されていないので、ラウンド昇格演出と保留内連荘演出とが競合するおそれがなく、先読み可能期間をラウンド昇格演出以降に設ける必要性がないからである。また、先読み可能期間の一部は、幻闘キャラ再選択受付期間および幻闘キャラ再選択期間と重複している。なお、上記の幻闘ボーナスDと同様に、幻闘キャラ再選択期間では、たとえ先読み処理(保留内連荘演出の抽選処理)が実行されたとしても、その演出抽選の当否に関わらず、保留内連荘演出が実行されることはない。また、無双ボーナスAでは、第1〜第16ラウンド(フル開放時のラウンド)において、「ラウンド数表示」および「V獲得表示」が設定されており、遊技の進行状況および確変移行の有無を教示し得るようになっている。
図86(B)は、無双ボーナスBの内容を示している。無双ボーナスBは、幻闘ラッシュモードにおいて第1の連荘条件が成立した場合に実行される大当り演出である。「第1の連荘条件」の成立とは、同一の幻闘キャラクタでの遊技中に、連荘状態を第1規定回数(本例では3回)だけ継続した後、最初の16R長開放大当り1に当選(最初の無双ボーナスを獲得)したときである。つまり、同一の幻闘キャラクタにて3回大当りした後の、最初の無双ボーナスとして発生する。前述のように、「連荘」とは、特定遊技状態において所定の大当りとなった場合、その特別遊技の終了後の遊技状態として、再び特定遊技状態が継続することをいう。本例では、前述のように、特定遊技状態であることに加えて、演出モードとして幻闘ラッシュモードに滞在していることが条件となる。そのため、幻闘ラッシュモードから他の演出モード(通常モード)に降格した場合は、条件カウンタ(第1の連荘条件カウンタ)がリセットされることになる。また、幻闘キャラクタを変更した場合にも、条件カウンタ(第1の連荘条件カウンタ)がリセットされることになる。この無双ボーナスBの実行中は、第1の特別演出としてスペシャルムービーが再生される。なお、無双ボーナスBは、第1の特別演出(スペシャルムービー)が表示されることを除き
、基本的には上記の無双ボーナスAと同様の演出設定となっており、無双ボーナスAに設定されたラウンドと同一のラウンドにて、キャラ再選択受付期間、幻闘キャラ再選択期間、先読み可能期間などが設定されている。
図86(C)は、無双ボーナスCの内容を示している。無双ボーナスCは、幻闘ラッシュモードにおいて第2の連荘条件が成立した場合に実行される大当り演出である。ここで、「第2の連荘条件」の成立とは、幻闘ラッシュモードにおける連荘回数が第2規定回数(本例では19回)だけ継続した後、該連荘回数20回目以降で最初の16R長開放大当り1に当選(最初の無双ボーナスを獲得)したときである。つまり、幻闘ラッシュモードで19回連荘した後の最初の無双ボーナスとして発生する。無双ボーナスCの実行中は、第2の特別演出としてエンディングムービーが再生される。なお、第1の連荘条件と第2の連荘条件とが同時に成立した場合は、第2の連荘条件の成立を優先して、より希少性の高い無双ボーナスC(第2の特別演出としてエンディングムービー)の実行が優先される。その場合には、第1の連荘条件は、次回の無双ボーナスの発生まで持ち越される。すなわち、第2の連荘条件の成立によって、第1の連荘条件の成立が一旦は留保されるが、次回以降の大当りにて無双ボーナスが発生した場合に、改めて第1の連荘条件が成立したものとして取り扱われ、それにより無双ボーナスB(第1の特別演出としてスペシャルムービー)が実行されることになる。なお、無双ボーナスCは、第2の特別演出(エンディングムービー)が表示されることを除き、基本的には上記の無双ボーナスAと同様の演出設定となっており、無双ボーナスAに設定されたラウンドと同一のラウンドにて、キャラ再選択受付期間、幻闘キャラ再選択期間、先読み可能期間などが設定されている。なお、変形例として、上記の無双ボーナスB,Cにおいては、キャラ再選択受付期間を設定しない、もしくは、再選択受付期間を設定するが、無双ボーナスAの場合とは異なり、幻闘キャラ選択画面が縮小表示にするなど、スペシャルムービーやエンディングムービーの方を強調するために、その表示態様を異ならせてもよい。また、無双ボーナスB,Cでは、先読み可能期間を設定しない、もしくは、先読み可能期間を設定しても、キャラ再選択受付期間および幻闘キャラ再選択期間が設定された第7ラウンド〜第16ラウンドにて保留内連荘演出は実行せず、その場合は大当り終了デモにて保留内連荘演出を実行可能としてもよい。また、限定期間内において16R長開放大当り1に当選した場合は、上記の連荘条件を充足していても、その大当り演出パターンとして「七星チャージC」の実行を優先し、「無双ボーナスB」および「無双ボーナスC」の実行を後回しにしてもよい。
図87(A)〜図87(C)は、七星チャージA〜Cの内容を示している。七星チャージAは、4R長開放大当り2に当選した場合、七星チャージBは、8R長開放大当りに当選した場合、七星チャージCは、16R長開放大当り2に当選した場合に実行される大当り演出である。すなわち、大当り種別として上記の大当りβに当選した場合には、その大当り演出として七星チャージA〜Cが選択される。また、上記以外の大当り種別であっても、2回目以降の幻闘ラッシュモードにおける限定期間(連荘ステージ)においては、第2特別図柄で4R長開放大当り1に当選した場合には七星チャージAが選択され、第2特別図柄の16R長開放大当り1に当選した場合には七星チャージCが選択される。すなわち、本例では、上記の限定期間において第2特別図柄で大当りとなる場合は、その大当り演出パターンとして、必ず七星チャージA〜Cが選択される。なお、その場合には、その大当りに係る図柄変動において七星チャージ導入演出が実行されるとともに、その大当り演出(今回の七星チャージA〜D)における大当り開始デモにおいて獲得HIT数告知演出(後述)が実行され、そのラウンド遊技および大当り終了デモにおいてトータル獲得HIT数加算演出(後述)が実行される。従って、該大当り発生時を跨いで、七星チャージ導入演出と獲得HIT数告知演出とトータルHIT数加算演出とが連続的に繋がる一連の演出(これらを纏めて「七星チャージ演出」と称する)として発生する。この七星チャージ演出の具体例については後述する。また、七星チャージA〜Cでは、全てのラウンドを通して先読み可能期間は設定されておらず、保留内連荘演出が発生することはない。これ
は、七星チャージA〜Dでは、特別遊技中に上記の七星チャージ演出が実行されるため、保留内連荘演出と七星チャージ演出との競合(同時実行)を回避して、両者の演出効果が相互に希薄になるのを防止しているからでる。また、七星チャージA〜Cでは、その特別遊技中に「ラウンド数表示」および「V獲得表示」は行われない。
図88は、開始デモ演出の内容を説明するための模式図である。図88には、上記で決定された大当り演出パターンに対する開始デモ演出(大当り開始時演出)の種類とその演出尺との関係が規定されている。本例では、大当り演出パターンごとに、開始デモ演出の種類が設定されている。大当り演出パターンが激闘ボーナスA,Bである場合は、開始デモ演出の種類として「激闘ボーナス(共通)」が選択される。また、大当り演出パターンが幻闘ボーナスA〜Dである場合は、開始デモ演出の種類として「幻闘ボーナス(共通)」が選択される。また、大当り演出パターンが無双ボーナスAであれば、開始デモ演出の種類として「無双ボーナス開始(通常)」が選択され、大当り演出パターンが無双ボーナスBであれば、開始デモ演出の種類として「無双ボーナス開始(SP:スペシャルムービー)」が選択され、大当り演出パターンが無双ボーナスCであれば、開始デモ演出の種類として「無双ボーナス開始(ED:エンディングムービー)」が選択される。また、大当り演出パターンが七星チャージAであれば、開始デモ演出の種類として「獲得HIT数上昇演出(1段階)」が選択され、大当り演出パターンが七星チャージBであれば、開始デモ演出の種類として「獲得HIT数上昇演出(2段階)」が選択され、大当り演出パターンが七星チャージCであれば、開始デモ演出の種類として「獲得HIT数上昇演出(3段階)」が選択される。ここで、本例においては、該大当り開始デモおよび後述の大当り終了デモの時間値に関して言えば、以下のようになる。まず、大当り開始デモの実行時間(大当り開始デモ時間)は、開始デモ演出の実行時間(開始デモ演出時間)とは必ずしも一致せず、大当り終了デモの実行時間(大当り終了デモ時間)は、終了デモ演出の実行時間(終了デモ演出時間)とは必ずしも一致しない。つまり、開始デモ演出時間および終了デモ演出時間は、大当り開始デモおよび大当り終了デモの実行過程における一期間(演出時間)である。そして、大当り開始デモ時間および大当り終了デモ時間は、基本的には、大当りの種類に応じて予め設定されている。また、同じ大当りの種類に当選したとしても、当該大当り当選時の遊技状態に応じて、大当り開始デモ時間が異なり得るとともに、大当り終了デモ時間も異なり得る。また、上記のデモ時間値は、基本的には、確変状態において大当り当選した場合に最短値となる傾向、且つ、通常状態において大当り当選した場合に最長値となる傾向、且つ、時短状態において大当り当選した場合にその中間値となる傾向にある。
続いて、図89は終了デモ演出テーブルを示す模式図である。本例において、終了デモ演出の種類は、図89に示す終了デモ演出テーブルを参照して決定される。本例では、終了デモ演出の種類として、「引継デモ」、「激闘突入」、「幻闘突入A」、「幻闘突入B」、「七星終了A」、「七星終了B」、「七星告知A」、「七星告知B」が設定されている。なお、図89には、終了デモ演出の種類として「七星告知A」および「七星告知B」が設定されていないが(図90を参照)、「七星告知A」は「幻闘突入A」が発生する状況下において保留内連荘が成立している場合、「七星告知B」は「七星終了A」が発生する状況下において保留内連荘が成立している場合に実行される。そのため、「七星告知A」および「七星告知B」は、確変状態において、ラウンド中に保留内連荘演出が真実の演出として発生した場合、又は、ラウンド中に保留内連荘演出が真実の演出として発生しなかったものの、現実には保留内連荘が成立している場合に、実行される終了デモ演出である。そのため、七星告知A・B自体(後述の七星チャージ告知演出)が、保留内連荘の成立を告知する保留内連荘演出として機能する。
終了デモ演出の種類は、基本的には、大当り種別、大当り演出パターン、大当り発生時の遊技状態等に基づき決定される(但し、下記に示す一部の例外あり)。そのため、該一
部の例外を除き、終了デモ演出の種類は、特別遊技中の進行状況(V入賞の有無)に関わらず、大当り演出の開始時において確定可能である。一方、第1特別図柄において7R長短開放大当りに当選し、その大当り演出パターンとして激闘ボーナスBが選択された場合は、その大当り発生時の遊技状態が同一であっても、特別遊技中のV入賞の有無に応じて、終了デモ演出の内容が異なり得る。具体的には、通常状態(低確率/非開放延長)において7R長短開放大当りに当選した場合は、その大当り演出パターンとして激闘ボーナスBが実行され、その特別遊技中にV入賞すれば、終了デモ演出の種類として「幻闘突入B」が選択され、その特別遊技中にV入賞しなければ、終了デモ演出の種類として「幻闘突入A」が選択される。つまり、この場合には、特定ラウンドの終了以降でないと(V入賞の有無が確定しないと)、終了デモ演出の種類が確定されない。そのため、本例においては、1)特定ラウンド以降のタイミングで終了デモ演出の種類を決定、又は、2)原則的には大当り開始時のタイミングにて終了デモ演出の種類を決定するが、上記の例外に関しては特定ラウンド以降のタイミングで終了デモ演出の種類を決定する。但し、その変形例として、通常状態からの大当りが条件付特定大当りに属する場合であって、特定領域658への入球がないと(V入賞しないと)、終了デモ演出の種類を激闘突入としてもよい。その場合、本来であれば大当り終了デモ時間が「35秒」であったりするものが「20秒」になったりする。
続いて、図90は終了デモ演出の内容を示す模式図である。図90には、上記の終了デモ演出テーブルにて選択された終了デモ演出の種類と、その演出内容および演出尺との関係が定められている。本例では、終了デモ演出の種類がいずれであっても、特別遊技の終了後に移行する演出モード(又は演出ステージ)の種類を報知するモード突入演出が実行される。モード突入演出には、激闘ミッションへの移行を報知する激闘ミッション突入演出と、幻闘ラッシュモードへの移行を報知する幻闘ラッシュ突入演出と、幻闘モードにおける連荘ステージへの移行を報知する七星チャージ告知演出とがある。各モード突入演出は、該演出モード(又は演出ステージ)の種類に対応したロゴや文字、識別マークを画面に表示する態様で現出する。また、終了デモ演出の種類によっては、上記の演出モードにおける味方キャラクタ(激闘キャラクタ、幻闘キャラクタ)を選択するためのキャラ選択演出が実行される場合がある。前述したように、キャラ選択演出には、激闘キャラ選択演出と、幻闘キャラ選択演出とがある。キャラ選択演出は、終了デモの実行期間のみで完結する場合と、ラウンド遊技〜終了デモまでの実行期間を通して完結する場合とがある。すなわち、キャラ選択演出の一部が、ラウンド遊技中(第1特別図柄の大当りである場合にはショート開放時のラウンド、第2特別図柄に係る大当りである場合にはロング開放時のラウンド)においても実行される場合がある。また、前述したように「七星告知A」および「七星告知B」は保留内連荘の成立を契機として実行されるため、これらの演出は保留内連荘演出の一種として機能する。ここで、本例における大当り終了デモの実行時間(大当り終了デモ時間)は、「6秒」、「20秒」、「30秒」のいずれかが設定されている。そして、同じ大当り種類に当選したとしても、該大当り当選時の遊技状態に応じて、大当り終了デモ時間の長さは変化し得る。基本的には、大当り当選時の遊技状態が低確率状態であれば、大当り終了デモ時間として「35秒」、大当り当選時の遊技状態が高確率状態であれば、大当り終了デモ時間として「6秒」が設定されている。但し、低確率状態にて所定の大当り(第1特別図柄の7R長短開放大当り)に当選した場合には、大当り終了デモ時間として「20秒」が設定される場合もある。なお、各終了デモ演出には、その終了時に抜け演出としての時間尺「1秒」が設定されているが、図中では省略している。
終了デモ演出の種類が「引継デモ」である場合は、幻闘キャラ選択演出が29秒間に亘り実行された後、幻闘ラッシュ突入演出が6秒間に亘り実行される。よって、引継デモの実行時間(演出尺)は、35秒間となる。なお、「引継デモ」は、特別遊技中の第7ラウンドから開始されて、当該ラウンド遊技と大当り終了デモとに跨って実行される。すなわち、前述の激闘ボーナスA又は幻闘ボーナスAにおける第7〜第15ラウンド(ショート
開放時のラウンド)では、幻闘キャラ選択演出が実行されることになっているが、このラウンド区間も引継デモの一部として構成されている。
終了デモ演出の種類が「激闘突入」である場合は、激闘キャラ選択演出が14秒間に亘り実行された後、激闘ミッション突入演出が6秒間に亘り実行される。よって、「激闘突入」の実行時間(演出尺)は、20秒間となる。なお、前述のように、幻闘キャラ選択演出は、大当り終了デモ中のみでなくラウンド中にも実行される場合があるが、激闘キャラ選択演出は、大当り終了デモ中においてのみ実行される。なお、激闘キャラ選択演出の演出尺は、幻闘キャラ選択演出の演出尺より短く設定されている。
終了デモ演出の種類が「幻闘突入A」である場合は、幻闘ラッシュ突入演出が6秒間に亘り実行される。よって、「幻闘突入A」の実行時間(演出尺)は、6秒間となる。このように、幻闘突入Aでは、幻闘キャラ選択演出が設定されておらず、その演出尺は短時間に設定されている。なお、該幻闘突入Aには幻闘キャラ選択演出が設定されていなくても、一部の大当り(16R長開放大当り1)に当選した場合には、該大当り終了デモが実行される前の大当り演出(幻闘ボーナスDや無双ボーナスA〜C)において、そのラウンド中(ロング開放時のラウンド中)を利用して、幻闘キャラ選択演出が設定されており、幻闘キャラクタの再選択の機会が確保されている。
終了デモ演出の種類が「幻闘突入B」である場合は、幻闘キャラ選択演出が29秒間に亘り実行された後、幻闘ラッシュ突入演出が6秒間に亘り実行される。よって、「幻闘突入B」の実行時間(演出尺)は、35秒間となる。
終了デモ演出の種類が「七星終了A」である場合には、トータル獲得HIT数表示が3秒間に亘り実行された後、幻闘ラッシュ突入演出が3秒間に亘り実行される。よって、「七星終了A」の実行時間(演出尺)は、6秒間となる。このように、七星終了Aでは、幻闘キャラ選択演出が設定されておらず、その演出尺は短時間に設定されている。
終了デモ演出の種類が「七星終了B」である場合には、トータル獲得HIT数表示が3秒間に亘り実行された後、幻闘キャラ選択演出が29秒間に亘り実行され、幻闘ラッシュ突入演出が3秒間に亘り実行される。よって、「七星終了B」の実行時間(演出尺)は35秒間となる。
ここで、図89に示すように、大当りα(16R長開放大当り1、4R長開放大当り1)に当選した場合に、該大当り発生時の遊技状態が高確率状態(確変状態)であるときは、「幻闘突入A」が選択され、低確率状態(通常状態又は時短状態)であるときは、「幻闘突入B」が選択される。上述したように、幻闘突入Aでは、幻闘キャラ選択演出が設定されておらず、幻闘突入Bと比べて、その実行時間(演出尺)が短く設定されている。同様に、大当りβ(16R長開放大当り2、8R長開放大当り、4R長開放大当り2)に当選した場合に、該大当り発生時の遊技状態が高確率状態(確変状態)であるときは、「七星終了A」が選択され、低確率状態(通常状態又は時短状態)であるときは、「七星終了B」が選択される。上述したように、七星終了Aでは、幻闘キャラ選択演出が設定されておらず、七星終了Bと比べて、その実行時間(演出尺)が短く設定されている。本例では、このように確変状態にて大当り当選した場合には、そのラウンド遊技後、大当り終了デモを早期に終了させて、直ちに図柄変動を開始させることで、確変状態を維持したまま連荘状態をスムーズに消化して、遊技機の稼働効率を向上させることができる。
終了デモ演出の種類が「七星告知A」である場合には、七星チャージ告知演出が6秒間に亘り実行される。よって、「七星告知A」の実行時間(演出尺)は6秒間となる。
終了デモ演出の種類が「七星告知B」である場合には、トータル獲得HIT数表示が3秒間に亘り実行された後、七星チャージ告知演出が3秒間に亘り実行される。よって、「七星告知B」の実行時間(演出尺)は6秒間となる。
ここで、「七星告知A」および「七星告知B」は、特別遊技中における保留内連荘の成立を契機として、大当り発生時の遊技状態が確変状態(高確率・開放延長)であるときに選択される「幻闘突入A」および「七星終了A」の代替演出として差し替えられるものでる。このことからも、本例においては、前述したように、遊技状態が確変状態(高確率・開放延長)において大当り当選した場合に限り、その特別遊技中に保留内連荘演出が実行され得ることが判る。そのため、前述の各大当り演出パターンにおいて「先読み可能期間」が設定されていても、その大当り当選時の遊技状態が確変状態(高確率・開放延長)でなければ、先読み処理(保留内連荘演出の抽選処理)は実行されない、又は、たとえ実行されたとしても保留内連荘演出は表示されない。
続いて、第9実施形態における演出モードについて説明する。図91は、第9実施形態における演出モードの遷移図である。本例においては、3種類の演出モードとして、1)通常モード、2)激闘ミッションモード、3)幻闘ラッシュモードが設定されている。各演出モードの内容については後述する。
まず、遊技状態が通常状態(低確率/非開放延長)である場合は、演出モードとして「通常モード」が設定される。すなわち、通常モードは、遊技状態が通常状態(低確率/非開放延長)であることを示唆又は報知する演出モードである。図示省略するが、通常モードに滞在中は、演出内容の異なる複数種の演出ステージが用意されており、所定回数の消化やステージ選択抽選を契機として、各演出ステージ間を行き来することができる。
演出モードが通常モードであるときに大当りが発生すると、その特別遊技終了後の演出モードは、当該大当り種別に応じて異なり得る。具体的には、通常モードにおいて、第1特別図柄で7R長短開放大当りに当選した場合は、その特別遊技にてV入賞が発生しなければ(確変移行しなければ)、特別遊技後の演出モードとして「激闘ミッションモード」が設定され、V入賞が発生すれば(確変移行すれば)、特別遊技後の演出モードとして「幻闘ラッシュモード」が設定される。つまり、7R長短開放大当りの場合は、その特別遊技直後の遊技状態が時短状態となるのであれば「激闘ミッションモード」へ移行し、確変状態となるのであれば「幻闘ラッシュモード」へ移行する。また、通常モードにおいて、第1特別図柄で15R長短開放大当り1又は15R長短開放大当り2に当選した場合は、その特別遊技におけるV入賞の有無(確変移行の有無)に関わらず、特別遊技後の演出モードとして「幻闘ラッシュモード」が設定される。このように通常モードにおいて第1特別図柄で大当りした場合は、その大当り種別およびV入賞成立の有無に依存して、その特別遊技後の演出モードが「激闘ミッションモード」および「幻闘ラッシュモード」のいずれかに移行制御される。
一方、演出モードが「通常モード」であるとき、第2特別図柄で大当りした場合は、該大当り種別がいずれであっても、その特別遊技におけるV入賞成立の有無(確変移行の有無)に関わらず、特別遊技後の演出モードとして「幻闘ラッシュモード」が設定される。
次いで、「激闘ミッションモード」は、遊技状態が時短状態(低確率状態/開放延長状態)であることを示唆又は報知する演出モードである。演出モードが「激闘ミッションモード」であるとき、第1特別図柄又は第2特別図柄の抽選処理で大当りとなった場合は、該大当り種別がいずれであっても、その特別遊技におけるV入賞成立の有無(確変移行の有無)に関わらず、特別遊技後の演出モードとして「幻闘ラッシュモード」が設定される。本例では、大当り発生に基づき、その特別遊技の直後に、激闘ミッションモードから通
常モードへの移行、又は、激闘ミッションモードから激闘ミッションモードへの再移行は設定されていない。なお、激闘ミッションモードにおいて、次回の大当りが発生せず、特別図柄の変動回数が100回を超えたとき、すなわち、時短状態(低確率状態/開放延長状態)が終了したときは、通常モードに移行する。
続いて、「幻闘ラッシュモード」は、遊技状態が確変状態(高確率/開放延長)又は時短状態(低確率/開放延長)であることを示唆又は報知するモードである。「幻闘ラッシュモード」に滞在中は、その図柄変動中のリーチ演出として、味方キャラクタと敵キャラクタとが対戦するバトル系演出(詳細後述)が実行され得る。演出モードが「幻闘ラッシュモード」であるとき、第1特別図柄又は第2特別図柄で大当りとなった場合は、該大当り種別がいずれであっても、その特別遊技におけるV入賞成立の有無(確変移行の有無)に関わらず、特別遊技後の演出モードとして「幻闘ラッシュモード」が再度設定される。ここで、幻闘ラッシュモードから幻闘ラッシュモードへ再度移行する場合、すなわち、幻闘ラッシュモードへの2回目以降の移行である場合には、その特別遊技の終了直後の4回の図柄変動に亘る期間(「限定期間」と称する)内において、該幻闘ラッシュモード内に設定された「連荘ステージ」に滞在することになる。つまり、本例における「限定期間」とは、2回目以降の幻闘ラッシュモードにおける最初の4回転を意味する。「連荘ステージ」に滞在しているときは、基本的には、「幻闘ラッシュモード」に滞在しているときと共通の演出内容となる。但し、先の大当りに基づく特別遊技中に保留内連荘演出(真実の演出)が実行され、該特別遊技の終了直後の限定期間内において、保留内連荘に基づく後の大当り(第2特別図柄の大当り)が発生する場合には、連荘ステージに滞在している期間中(特別遊技終了後〜大当り変動までの期間)において、画面に特殊背景が表示される。本例では、特殊背景として、画面の左右の端に、虹色の帯画像が表示される(図96を参照)。なお、この虹色画像中に、例えば「七星チャージ準備中」というメッセージを表示して、限定期間である4回転以内に即当り演出(七星チャージ演出)が発生することを遊技者に示唆してもよい。なお、限定期間外での七星チャージ演出としては、上記の即当り演出以外の演出態様(例えば、バトル敗北後の復活演出にて七星チャージが出現など、演出尺の比較的長いもの)もある。ここで、前述のように、保留内連荘演出は、特別遊技中の各ラウンドに設定された先読み可能期間内において抽選で当選した場合に実行される場合と、上記のラウンド中に実行されることなく大当り終了デモ中に実行される場合とがある。そのため、少なくとも大当り開始時又は大当り終了時における作動保留球の状況に応じて、特別遊技中に保留内連荘演出の実行される可能性が変動するとともに、その特別遊技の終了直後の限定期間内(連荘ステージ)において上記の特殊背景(帯画像)が表示されるか否かという点で図柄変動演出の少なくとも一部が異なり得る。
なお、「連荘ステージ」において、次回の大当りが発生せず、特別図柄の変動回数が4回を超えたとき、すなわち、限定期間が終了したときは、「連荘ステージ」を抜けて、通常時の「幻闘ラッシュモード」に戻ることになる。「幻闘ラッシュモード」において、次回の大当りが発生せず、特別図柄の変動回数が所定回数(時短状態:100回、確変状態:120回)を超えたとき、すなわち、時短状態又は確変状態が終了したときは、「通常モード」に移行する。なお、「幻闘ラッシュモード」から「激闘ミッションモード」へ移行は設定されていない。その変形例として、「幻闘ラッシュモード」で大当りした際に、特定ラウンドにて特定領域658への入球がない場合は、「激闘ミッションモード」へ移行する構成としてもよい。
続いて、第9実施形態における特別図柄の変動パターンについて説明する。図92は、第9実施形態における特別図柄の変動パターンテーブルを模式的に示す図である。本例では、特別図柄の変動パターンテーブルとして、1)通常変動パターンテーブル、2)短縮変動パターンテーブル、3)特殊変動パターンテーブルが用意されている。通常変動パターンテーブルは、遊技状態が通常状態(低確率/非開放延長)であるときに選択される変
動パターンテーブルである。短縮変動パターンテーブルは、遊技状態が時短状態(低確率/開放延長)又は確変状態(高確率/開放延長)であるときに選択される変動パターンテーブルである(但し、後述の限定期間を除く)。特殊変動パターンテーブルは、遊技状態が時短状態又は確変状態であって特別遊技の終了直後の限定期間(第2特別図柄の作動保留球の最大数(4個)に対応した図柄変動回数(4回)の変動表示に亘る期間)のみ選択が許容される変動パターンテーブルである。なお、本例における限定期間は、前述の連荘ステージに対応する期間において設定されている。つまり、主制御基板100側では、変動パターン選択状態の遷移により、演出制御基板200側で管理される演出モードとの整合性が維持されており、これにより限定期間と連荘ステージ滞在期間との対応関係がとられている。また、本例では、特別遊技における特定ラウンドにおいて遊技球が特定領域658に入球したか否かに応じて、特別遊技終了後の遊技状態が異なるため、該遊技状態に対応して選択される変動パターンテーブルも異なり得る。ここで、各変動パターンテーブルは、当否抽選の結果(大当り・はずれ)および大当り種別等に応じて異なり得るものとなっている。また、各変動パターンテーブルは、第1特別図柄用と第2特別図柄用とで相違しており、同一の特別図柄変動パターン乱数値を取得したとしても、互いに異なる変動パターンが選択され得るように構成されている。このとき、図中に示すように、変動パターン番号は、第1特別図柄と第2特別図柄とで共通となっているが、主制御基板100から演出制御基板200への演出制御コマンド(変動開始コマンド)には、該変動パターンが第1特別図柄用か第2特別図柄用かを特定可能な情報が含まれている。なお、各図中では、説明の便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には特別図柄変動パターン乱数値に応じて、変動パターンを決定するための判定値(乱数値の範囲)が設定されており、特別図柄変動パターン乱数値がいずれの判定値に属するかに基づき、変動パターンが決定されるようになっている。
図92(A)は、大当り用の変動パターンテーブルを示している。図中、上段の(A1)は通常変動パターンテーブル、中段の(A2)は短縮変動パターンテーブル、下段の(A3)は特殊変動パターンテーブルである。なお、図中には、他の変動パターンテーブルとの共通点・相違点が明確に理解できるように、全ての変動パターンを列挙している。
図中(A1)に示すように、通常変動パターンテーブル(大当り用)では、第1特別図柄で大当りとなった場合、いずれの大当り種別であっても、変動パターンPX4(ノーマルリーチ)又は変動パターンPX5(スーパーリーチ1)が選択される。また、第2特別図柄で大当りとなった場合、その大当り種別が大当りαであれば、変動パターンPX4(ノーマルリーチ)又は変動パターンPX5(スーパーリーチ1)が選択され、その大当り種別が大当りβであれば、変動パターンPX4(ノーマルリーチ)又は変動パターンPX6(スーパーリーチ2)が選択される。この通常変動パターンテーブル(大当り用)では、非リーチ態様の変動パターンが選択されることはなく、通常状態で大当りとなった場合には、必ずリーチ態様の変動パターンが選択される。
図中(A2)に示すように、短縮変動パターンテーブル(大当り用)では、第1特別図柄で大当りとなった場合、いずれの大当り種別であっても、変動パターンPX7(スーパーリーチ3)が選択される。また、第2特別図柄で大当りとなった場合、その大当り種別が大当りαであれば、変動パターンPX7(スーパーリーチ3)が選択され、その大当り種別が大当りβであれば、変動パターンPX8(スーパーリーチ4)が選択される。この短縮変動パターンテーブル(大当り用)では、非リーチ態様およびノーマルリーチ態様の変動パターンが選択されることはなく、確変状態又は時短状態で大当りとなった場合には、必ずスーパーリーチ態様の変動パターンが選択される。
図中(A3)に示すように、特殊変動パターンテーブル(大当り用)では、第1特別図柄で大当りとなった場合、いずれの大当り種別であっても、変動パターンPX7(スーパ
ーリーチ3)が選択される。また、第2特別図柄で大当りとなった場合、いずれの大当り種別であっても、変動パターンPX1(超短縮変動)が選択される。この特殊変動パターンテーブル(大当り用)では、限定期間内において、第1特別図柄で大当りとなった場合には、スーパーリーチ態様の変動パターンが選択される一方、第2特別図柄で大当りとなった場合には、その大当り種別に関わらず、超短縮変動の変動パターンが選択される。
次いで、図92(B)は、はずれ用の変動パターンテーブルを示している。図中、上段の(B1)は通常変動パターンテーブル、中段の(B2)は短縮変動パターンテーブル、下段の(B3)は特殊変動パターンテーブルである。なお、図中には、他の変動パターンテーブルとの共通点・相違点が明確に理解できるように、全ての変動パターンを列挙している。
図中(B1)に示すように、通常変動パターンテーブル(はずれ用)では、第1特別図柄ではずれとなった場合、変動パターンPH2(短縮変動)、変動パターンPH3(通常変動)、変動パターンPH4(ノーマルリーチ)、変動パターンPH5(スーパーリーチ1)のいずれかが選択される。また、第2特別図柄ではずれとなった場合、変動パターンPH2(短縮変動)、変動パターンPH3(通常変動)、変動パターンPH4(ノーマルリーチ)、変動パターンPH6(スーパーリーチ2)のいずれかが選択される。
図中(B2)に示すように、短縮変動パターンテーブル(はずれ用)では、第1特別図柄ではずれとなった場合、変動パターンPH3(通常変動)が選択される。また、第2特別図柄ではずれとなった場合、変動パターンPH1(超短縮変動)、変動パターンPH2(短縮変動)、変動パターンPH3(通常変動)、変動パターンPH4(ノーマルリーチ)、変動パターンPH7(スーパーリーチ3)、変動パターンPH8(スーパーリーチ4)のいずれかが選択される。
図中(B3)に示すように、特殊変動パターンテーブル(はずれ用)では、第1特別図柄ではずれとなった場合、変動パターンPH3(通常変動)が選択される。また、第2特別図柄ではずれとなった場合、変動パターンPH1(超短縮変動)又は変動パターンPH2(短縮変動)が選択される。
なお、当否抽選の結果がはずれとなった場合、特別図柄の作動保留球数(0〜4)に応じて異なる変動パターンテーブルが選択されるよう構成してもよい。つまり、特別図柄の作動保留球数に応じた変動パターンテーブルを用いることで、作動保留球数が多いほど相対的に短い変動時間が選択される割合を高くして、逆に作動保留数が少ないほど相対的に長い変動時間が選択される割合を高くすることができる。なお、上記の変動パターンテーブル(通常変動パターンテーブル、短縮変動パターンテーブル、特殊変動パターンテーブル)は、作動保留球が0〜4個存在するときのテーブルである。
続いて、第9実施形態における変動演出パターンについて説明する。図93は、第9実施形態における変動演出パターンテーブルを模式的に示す図である。本例では、変動演出パターンを選択する際に参照される複数種の変動演出パターンテーブルを保持しており、これら複数種の変動演出パターンテーブルの中から特別図柄の変動パターン(変動時間)に対応した変動演出パターンテーブルが選択されるようになっている。また、各変動演出パターンテーブルには、特別図柄の各変動パターンに対して、一又は複数の変動演出パターンが対応付けられている。そして、大当りの変動パターンとはずれの変動パターンに対して、複数種の変動演出パターンのうちのいずれかを選択可能なように乱数の値(判定値数)が割り振られている。なお、前述したように、変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち、装飾図柄の変動開始から変動終了までの一連の演出表示過程のシナリオが定義されており、当該表示過程中の各段階において予告演出等を発生させるタイ
ミングなどもタイムスケジュールとして規定されている。また、この変動演出パターンについては、特別図柄の変動パターンが同一であっても(同一情報の変動開始コマンドを受信した場合でも)、滞在中の演出モード(又は演出ステージ)を異にすれば、互いに演出内容の異なる変動演出パターンが選択され得ることになる。すなわち、変動演出パターンテーブルは、滞在中の演出モード(又は演出ステージ)ごとに用意されている。ここでは、説明の便宜上、長短縮変動およびスーパーリーチに関する変動演出パターンテーブルのみを示し、その他の種別に関する変動演出パターンテーブルについては省略する。但し、図93に示すように、本例では複数種の変動演出パターンテーブルを単一の変動演出パターンテーブルとして表現している。なお、各図中では、説明の便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には変動演出パターン乱数値に応じて、変動演出パターンを決定するための判定値(乱数値の範囲)が設定されており、変動演出パターン乱数値がいずれの判定値に属するかに基づき、変動パターンが決定されるようになっている。
具体的には、大当りの変動パターンPX1(超短縮変動)には、幻闘ラッシュモードにおける変動演出パターンPXR11が対応付けられている。変動パターンPX1は、前述のとおり、限定期間内においてのみ選択が許容される変動パターンであり、この変動パターンPX1に対応する変動演出パターンPXR11は、該限定期間である連荘ステージ滞在時においてのみ選択される。変動演出パターンPXR11が選択されると、その変動演出として即当り演出(七星チャージ導入演出)が実行される。本例における即当り演出は、図柄の変動開始後、直ちに七星チャージマークが表示されて大当りとなる演出である。
また、大当りの変動パターンPX5(スーパーリーチ1)には、通常モードにおける変動演出パターンPXT51〜53が対応付けられている。変動演出パターンPXT51〜53が選択されると、その変動演出としてストーリー系リーチ演出(キャラクタA〜Cに因んだストーリーが展開される大当りリーチ演出)が実行される。
また、大当りの変動パターンPX6(スーパーリーチ2)には、通常モードにおける変動演出パターンPXT61〜63が対応付けられている。変動演出パターンPXT61〜63が選択されると、その変動演出として上記のストーリー系リーチ演出が実行された後、七星チャージ導入演出(七星チャージマークが出現する演出)が実行される。
また、大当りの変動パターンPX7(スーパーリーチ3)には、演出モードごとに複数種の変動演出パターンが対応付けられている。すなわち、滞在中の演出モードに応じて、選択される変動演出パターンが異なるようになっている。具体的に、演出モードが激闘ミッションモードである場合は、変動演出パターンPXM71〜73が対応付けられている。変動演出パターンPXM71〜73が選択されると、その変動演出としてミッション成功演出(ミッションA〜Cに成功)が実行される。ここで、ミッション演出とは、当否抽選の結果が大当りとなるための条件として、その演出が特定の態様を呈すべきことを内容とする指令を遊技者に提示する演出である。本例における激闘ミッション演出では、その指令として、遊技者が選択した激闘キャラクタが敵キャラクタを倒すことができたらミッション成功(大当り)となり、敵キャラクタを倒せなければミッション失敗(はずれ)となる演出である。一方、演出モードが幻闘ラッシュモードである場合は、変動演出パターンPXR71〜73が対応付けられている。変動演出パターンPXR71〜73が選択されると、その変動演出としてバトル勝利演出(敵キャラクタA〜Cに勝利)が実行される。本例における幻闘ラッシュ演出では、バトル系演出(バトルリーチ演出)として、遊技者が選択した幻闘キャラクタが敵キャラクタを倒すことができたらバトル勝利(大当り)となり、敵キャラクタを倒せなければバトル敗北(はずれ)となる演出である。
また、大当りの変動パターンPX8(スーパーリーチ4)には、演出モードごとに複数種の変動演出パターンが対応付けられている。すなわち、滞在中の演出モードに応じて、
選択される変動演出パターンが異なるようになっている。具体的に、演出モードが激闘ミッションモードである場合は、変動演出パターンPXM81〜83が対応付けられている。変動演出パターンPXM81〜83が選択されると、その変動演出として、ミッション失敗演出(ミッションA〜Cに失敗)が実行された後、七星チャージ導入演出(七星チャージマークが出現する演出)が実行される。一方、演出モードが幻闘ラッシュモードである場合は、変動演出パターンPXR81〜83が対応付けられている。変動演出パターンPXR81〜83が選択されると、その変動演出として、バトル敗北演出(敵キャラクタA〜Cに敗北)が実行された後、七星チャージ導入演出(七星チャージマークが出現する演出)が実行される。
次いで、はずれの変動パターンPH1(超短縮変動)には、激闘ミッションモード又は幻闘ラッシュモードにおける変動演出パターンPHM11,PHR11が対応付けられている。変動演出パターンPHM11,PHR11が選択されると、その変動演出として非リーチはずれ演出(超短縮変動演出)が実行される。
はずれの変動パターンPH5(スーパーリーチ1)には、通常モードにおける変動演出パターンPHT51〜53が対応付けられている。変動演出パターンPHT51〜53が選択されると、その変動演出としてストーリー系リーチ演出(キャラクタA〜Cに因んだストーリーが展開されるはずれリーチ演出)が実行される。
また、はずれの変動パターンPH6(スーパーリーチ2)には、通常モードにおける変動演出パターンPHT61〜63が対応付けられている。変動演出パターンPHT61〜63が選択されると、その変動演出として上記のストーリー系リーチ演出が実行される。
また、はずれの変動パターンPH7(スーパーリーチ3)には、演出モードごとに複数種の変動演出パターンが対応付けられている。具体的に、演出モードが激闘ミッションモードである場合は、変動演出パターンPHM71〜73が対応付けられている。変動演出パターンPHM71〜73が選択されると、その変動演出としてミッション失敗演出(ミッションA〜Cに失敗)が実行される。一方、演出モードが幻闘ラッシュモードである場合は、変動演出パターンPHR71〜73が対応付けられている。変動演出パターンPHR71〜73が選択されると、その変動演出としてバトル敗北演出(敵キャラクタA〜Cに敗北)が実行される。
また、はずれの変動パターンPH8(スーパーリーチ4)には、演出モードごとに複数種の変動演出パターンが対応付けられている。具体的に、演出モードが激闘ミッションモードである場合は、変動演出パターンPHM81〜83が対応付けられている。変動演出パターンPHM81〜83が選択されると、その変動演出としてミッション失敗演出(ミッションA〜Cに失敗)が実行される。一方、演出モードが幻闘ラッシュモードである場合は、変動演出パターンPHR81〜83が対応付けられている。変動演出パターンPHR81〜83が選択されると、その変動演出としてバトル敗北演出(敵キャラクタA〜Cに敗北)が実行される。
かかる構成において、限定期間内・外における変動パターンおよび変動演出パターンの選択処理について説明する。
まず、第2特別図柄において大当りとなる場合について説明する。本例では、前述したように、第2特別図柄の大当りは、大当りαと大当りβとに大別される。以下では、説明の便宜上、大当りαとして16R長開放大当り1、大当りβとして8R長開放大当りを例に挙げて説明する。
図92(A2)に示すように、遊技状態が確変状態又は時短状態(限定期間外)であるとき、第2特別図柄において16R長開放大当り1となった場合は、変動パターンPX7(スーパーリーチ3)が選択される。このとき、本例では、確変状態又は時短状態に対応して、演出モードとして幻闘ラッシュモードが設定されているものとする。続いて、図93に示すように、幻闘ラッシュモードが設定されている場合には、変動パターンPX7に対応した変動演出パターンとして、変動演出パターンPXR71〜73のうちのいずれかが選択される。そして、変動演出パターンPXR71〜73のいずれかが選択されると、その図柄変動演出として、バトルにて味方の幻闘キャラクタが敵キャラクタに勝利する「バトル勝利演出」が実行される。
続いて、図92(A2)に示すように、遊技状態が確変状態又は時短状態(限定期間外)であるとき、第2特別図柄において8R長開放大当りとなった場合は、変動パターンPX8(スーパーリーチ4)が選択される。上記同様に、本例では、確変状態又は時短状態に対応して、演出モードとして幻闘ラッシュモードが設定されているものとする。続いて、図93に示すように、幻闘ラッシュモードが設定されている場合には、変動パターンPX8に対応した変動演出パターンとして、変動演出パターンPXR81〜83のうちのいずれかが選択される。そして、変動演出パターンPXR81〜83のいずれかが選択されると、その図柄変動演出として、バトルにて味方の幻闘キャラクタが敵キャラクタに敗北する「バトル敗北演出」が実行された直後、七星チャージマークが突如出現する「七星チャージ導入演出」が実行される。
このように本例では、確変状態又は時短状態における限定期間外において大当りに当選した場合は、その大当り種別(大当りα又は大当りβ)に応じて、選択される変動パターンおよび変動演出パターンが異なり得る。そして、当該限定期間外において、一方の大当り種別(大当りα)に当選した場合は、当該変動表示にて、バトル系演出が実行されるものの、七星チャージ導入演出は実行されない。これに対して、当該限定期間外において、他方の大当り種別(大当りβ)に当選した場合は、当該変動表示にて、バトル系演出および七星チャージ演出が実行される。
一方、図92(A3)に示すように、特別遊技直後の限定期間内であるとき、第2特別図柄において16R長開放大当り1又は8R長開放大当りとなった場合は、変動パターンPX1(超短縮変動)が選択される。本例では、当該限定期間に対応して、演出モードとして幻闘ラッシュモード(連荘ステージ)が設定されているものとする。続いて、図93に示すように、幻闘ラッシュモード(連荘ステージ)が設定されている場合には、変動パターンPX1に対応した変動演出パターンとして、変動演出パターンPXR11が選択される。そして、変動演出パターンPXR11が選択されると、その図柄変動演出において、いわゆる「即当り演出」として、図柄変動表示が開始された直後、七星チャージマークが突如出現する「七星チャージ導入演出」が実行される。
このように本例では、確変状態又は時短状態における限定期間内において大当りに当選した場合は、その大当り種別(大当りα又は大当りβ)に関わらず、選択される変動パターンおよび変動演出パターンが同一となり得る。そして、当該限定期間内においては、いずれの大当り種別(大当りα又は大当りβ)に当選した場合であっても、当該変動表示にて、七星チャージ導入演出が実行される。
従って、確変状態又は時短状態における限定期間外においては、第2特別図柄の大当り種別のうち、一方の大当り種別(大当りα)に当選した場合には、その図柄変動表示にて「七星チャージ導入演出」が実行されない一方で、他方の大当り種別(大当りβ)に当選した場合に、その図柄変動表示にて「七星チャージ導入演出」が実行される。これに対して、確変状態又は時短状態における限定期間内(連荘ステージ)においては、いずれの大当
り種別(大当りα又は大当りβ)に当選した場合であっても、その図柄変動表示にて「七星チャージ導入演出」が実行される。
次いで、第1特別図柄において大当りとなる場合について説明する。図92(A2)に示すように、遊技状態が確変状態又は時短状態(限定期間外)であるとき、第1特別図柄において大当りとなった場合は、変動パターンPX7(スーパーリーチ3)が選択される。これに対して、図92(A3)に示すように、遊技状態が確変状態又は時短状態における限定期間内であるとき、第1特別図柄において大当りとなった場合にも、変動パターンPX7(スーパーリーチ3)が選択される。このとき本例では、上記同様に、確変状態又は時短状態に対応して、演出モードとして幻闘ラッシュモードが設定されているものとする。続いて、図93に示すように、幻闘ラッシュモードが設定されている場合には、変動パターンPX7に対応した変動演出パターンとして、変動演出パターンPXR71〜73のうちのいずれかが選択される。そして、変動演出パターンPXR71〜73のいずれかが選択されると、その図柄変動演出として、バトルにて味方の幻闘キャラクタが敵キャラクタに勝利する「バトル勝利演出」が実行される。
このように本例では、遊技状態が確変状態又は時短状態であるときには、限定期間内であるか限定期間外であるかに関わらず、第1特別図柄で大当りした場合に、その図柄変動表示にて、七星チャージ導入演出は実行されない(その代わり、バトル演出が実行される)。なお、その変形例として、確変状態又は時短状態における限定期間内において、第1特別図柄で大当りとなった場合には、該限定期間外では現出することのない特殊演出が実行されるよう構成してもよい。特殊演出として、例えば、該限定期間外のバトル演出では設定されていない特別の敵キャラクタを登場させてもよい。逆に、この特殊演出を、確変状態又は時短状態における限定期間外において第1特別図柄で大当りとなった場合には実行される一方、確変状態又は時短状態における限定期間外において第2特別図柄で大当りとなった場合には実行されないよう構成してもよい。
(作用:第9実施形態)
次に、第9実施形態の理解を容易なものとするために、本遊技機の特徴的作用について説明する。
まず、第9実施形態における確変昇格演出の演出例について説明する。図94は、第9実施形態における確変昇格演出の一例を示す模式図である。
本例においては、第1の昇格演出として、激闘ボーナスAにおける確変昇格演出と、激闘ボーナスBにおける確変昇格演出とを対象とする。前述したように、激闘ボーナスAは、遊技状態が通常状態であるとき、第1特別図柄にて15R長短開放大当り2に当選したときの大当り演出パターンであり、激闘ボーナスBは、遊技状態が通常状態であるとき、第1特別図柄にて7R長短開放大当りに当選したときの大当り演出パターンである。ここで、激闘ボーナスAは、確変昇格に成功する演出内容を含み、激闘ボーナスBは、確変昇格に失敗する演出内容を含む。なお、図中(A)〜(D)は、激闘ボーナスA,B共通の演出(通常演出および煽り演出)であり、図中(E)〜(F)は、激闘ボーナスAの演出(成功演出)であり、図中(G)〜(H)は、激闘ボーナスBの演出(失敗演出)である。そのため、激闘ボーナスAでは、図中(A)→(B)→(C)→(D)→(E)→(F)の順に演出が展開されていき、激闘ボーナスBでは、図中(A)→(B)→(C)→(D)→(G)→(H)の順に演出が展開されていく。
図94(A)に示すように、装飾図柄の変動変動において大当り図柄「2・2・2」が停止表示されて、大当りが発生する。本例では、偶数図柄(不確定図柄)の停止表示にて、条件付き通常大当り(非確変大当り相当)に当選している可能性が高いことが示唆され
る。また、図94(B)に示すように、特別遊技の開始に伴い、大当り開始デモが表示される。
図94(C)に示すように、第1ラウンドにおいて、画面中央に円形のマーク画像(識別マーク)が表示される。このマーク画像には表裏があり、表面側には「激闘ミッションマーク」が付され、裏面側には「幻闘ラッシュマーク」が付されている。このマーク画像(識別マーク)は、該特別遊技の終了後に移行予定の演出モードを示唆しているのと同時に、該特別遊技中の特定ラウンド(第3ラウンド)の種別を示唆している。つまり、激闘ミッションマークは、特定ラウンドが非Vラウンドとして設定され、その特別遊技の終了後に激闘ミッションモードへ移行する可能性が高いことを示唆している。また、幻闘ラッシュマークは、特定ラウンドがVラウンドとして設定され、その特別遊技の終了後に幻闘ラッシュモードへ移行する可能性が高いことを示唆している。図中には、デフォルト画像として、表面側の「激闘ミッションマーク」が表示されている。なお、図示省略するが、第2〜第5ラウンドにおいて、マーク画像は変化せず、表面側の「激闘ミッション」マークが継続して表示される。
図94(D)に示すように、第6ラウンドにおいて確変昇格演出が開始され、マーク画像が回転を始める。マーク画像の回転によって、確変昇格への期待感が高まる。
図94(E)に示すように、マーク画像が裏面側で停止して、裏面側の「幻闘ラッシュマーク」が表示されると、確変昇格に成功していることが報知される。その場合には、図94(F)に示すように、大当り終了デモにおいて、幻闘ラッシュ突入演出が実行されて、該特別遊技の終了後に幻闘ラッシュモードへ移行することが報知される。
一方、図94(G)に示すように、マーク画像が表面側で停止して、表面側の「激闘ミッションマーク」が表示されると、確変昇格に失敗していることが報知される。その場合には、図94(H)に示すように、大当り終了デモにおいて、激闘ミッション突入演出が実行されて、該特別遊技の終了後に激闘ミッションモードへ移行することが報知される。
但し、実際には、当否抽選時に大当りの種類(すなわち、Vラウンドの実行の有無)が予め確定しているため、その種類に応じた演出展開(演出結果)となる。すなわち、15R長短開放大当り1(条件付き特定大当り)に当選している場合は確変昇格成功となることが予め確定されており、7R長短開放大当り(条件付き通常大当り)に当選している場合は確変昇格失敗となることが予め確定されている。その変形例として、特定領域658への入球の有無に応じて、入球ありであれば幻闘ラッシュモードへ移行、入球なしであれば激闘ミッションモードへ移行といったように、大当り属性(「条件付特定大当り」であるか「条件付通常大当り」であるか)だけが、確変昇格成功/失敗に依存しないよう構成してもよい。
次に、第9実施形態におけるラウンド昇格演出の演出例について説明する。図95は、第9実施形態におけるラウンド昇格演出の一例を示す模式図である。
本例においては、第2の昇格演出として、幻闘ボーナスDにおけるラウンド昇格演出と、幻闘ボーナスBにおける確変昇格演出とを対象とする。前述したように、幻闘ボーナスDは、第2特別図柄にて16R長開放大当り1に当選したときの大当り演出パターンであり、幻闘ボーナスBは、第2特別図柄にて4R長開放大当り1に当選したときの大当り演出パターンである。ここで、幻闘ボーナスDは、ラウンド昇格に成功する演出内容を含み、幻闘ボーナスBは、ラウンド昇格に失敗する演出内容を含む。なお、図中(A)〜(D)は、幻闘ボーナスB,D共通の演出(通常演出および煽り演出)であり、図中(E)〜(F)は、幻闘ボーナスDの演出(成功演出)であり、図中(G)〜(H)は、幻闘ボー
ナスDの演出(失敗演出)である。そのため、幻闘ボーナスDでは、図中(A)→(B)→(C)→(D)→(E)→(F)の順に演出が展開されていき、幻闘ボーナスBでは、図中(A)→(B)→(C)→(D)→(G)→(H)の順に演出が展開されていく。
図95(A)に示すように、装飾図柄の変動変動において大当り図柄「1・1・1」が停止表示されて、大当りが発生する。本例では、第2の奇数図柄(確変図柄)の停止表示にて、4R長開放大当りに当選している可能性(高利益大当りである16R長開放大当りに当選していない可能性)が高いことが示唆される。また、図95(B)に示すように、特別遊技の開始に伴い、大当り開始デモが表示される。なお、大当り開始デモにおいて、大当り演出パターンとして「幻闘ボーナス」が表示されることでも、4R長開放大当りに当選している可能性が高いことが示唆される(16R長開放大当りに当選しているのであれば、「無双ボーナス」が表示されている可能性が高いため)。
図95(C)に示すように、第1ラウンドにおいて、画面中央に円形のマーク画像(識別マーク)が表示される。このマーク画像には表裏があり、表面側には「幻闘ラッシュマーク」が付され、裏面側には「エクストラボーナスマーク」が付されている。図中には、デフォルト画像として、表面側の「幻闘ラッシュ」マークが表示されている。なお、図示省略するが、第2〜第3ラウンドにおいて、マーク画像は変化せず、表面側の「幻闘ラッシュマーク」が継続して表示される。
図95(D)に示すように、第4ラウンドにおいて昇格演出が開始され、マーク画像が回転を始める。マーク画像の回転によって、ラウンドアップ(後半12ラウンドの獲得)への期待感が高まる。
図95(E)に示すように、マーク画像が裏面側で停止して、裏面側の「エクストラボーナスマーク」が表示されると、ラウンド昇格(ラウンドアップ)に成功していることが報知される。つまり、特別遊技が当該第4ラウンドで終了することなく第5ラウンド以降も継続することが確定する。そして、図95(F)に示すように、第5ラウンドにおいて、「無双完全確保」という文字情報が表示されて、実際には「無双ボーナス」に当選した場合と同等の利益獲得(16R:2400発相当)が可能であることが報知される。なお、該昇格演出終了後の第6ラウンド以降においては、該幻闘ボーナスDは無双ボーナスAと略同一の内容で大当り演出が進行する(図85,86を参照)。
一方、図95(G)に示すように、マーク画像が表面側で停止して、表面側の「幻闘ラッシュ」マークが表示されると、ラウンド昇格(ラウンドアップ)に失敗していることが報知される。その場合には、図95(H)に示すように、第4ラウンドの終了後、第5ラウンドが開始されることなく、大当り終了デモを経て、今回の大当りが終了する。
但し、実際には、当否抽選時に大当りの種類(すなわち、後半12ラウンドの継続の有無)が予め確定しているため、その種類に応じた演出展開(演出結果)となる。すなわち、16R長開放大当り1に当選している場合はラウンド昇格成功となることが予め確定されており、4R長開放大当り1に当選している場合はラウンド昇格失敗となることが予め確定されている。これに関して言えば、第2の昇格演出(ラウンド昇格演出)については、特定領域658へのV入賞の有無は演出結果(昇格成功/失敗)に関係しないが、第1の昇格演出(確変昇格演出)については、特定領域658へのV入賞の有無は演出結果(昇格成功/失敗)に関係することが好適である。
次に、第9実施形態における保留内連荘演出の演出例について説明する。図96は、第9実施形態における保留内連荘演出の一例を示す模式図である。
保留内連荘演出の実行可否は、前述の先読み可能期間において抽選にて決定される。各先読み可能期間は、特別遊技のラウンド単位で設定されており、各ラウンドにて保留内連荘演出の実行可否が決定されるとともに、その演出の実行が決定された場合には当該ラウンドにて保留内連荘演出を発生させる。そのため、1ラウンド(先読み可能期間)ごとに、保留内連荘演出に係る演出抽選〜演出実行までが完結する。下記の演出例では、高利益大当り(16R長開放大当り1)に当選して大当り演出パターンとして「無双ボーナスA」が展開されるものとして説明する。この無双ボーナスAでは、第4〜第16ラウンドにおいて先読み可能期間が設定されている。但し、前述したように、第12〜第16ラウンドにおいて幻闘キャラ再選択演出が実行される場合には、同一ラウンドにて幻闘キャラ選択演出と保留内連荘演出とが競合するのを回避するため、該第12〜第16ラウンドにおいて保留内連荘演出は実行されない。なお、本例では、特別遊技の開始時点において現存する1又は複数の後続の作動保留球内に「特定保留(大当り保留)」が存在しているものとする。
図96(A)に示すように、特別遊技における第1ラウンドにおいて、画面中央に円形のマーク画像(識別マーク)が表示される。このマーク画像には表裏があり、表面側には「幻闘ラッシュマーク」が付され、裏面側には「七星チャージマーク」が付されている。図中には、デフォルト画像として、表面側の「幻闘ラッシュマーク」が表示されている。本例では、図示省略するが、上記の先読み可能期間のうち、第4〜第5ラウンドの各ラウンドにおいて、先読み処理にて保留内連荘演出の不実行(非当選)が決定されたものとする。よって、第5ラウンドの終了時点において、マーク画像は表面側の「幻闘ラッシュマーク」が継続して表示される。
図96(B)に示すように、第6ラウンドにおいて、先読み処理にて保留内連荘演出の実行(当選)が決定されると、該保留内連荘演出として、マーク画像が回転を始める。
図96(C)に示すように、該保留内連荘演出が真実の演出(保留内連荘の確定演出)として発生する場合は、裏面側の「七星チャージマーク」が表示される。一方、図示省略するが、該保留内連荘演出がガセの演出として発生する場合は、表面側の「幻闘ラッシュマーク」が表示される。なお、或るラウンドにおいて保留内連荘演出が実行された場合、それが真実の演出(七星チャージマーク)として発生した場合には、残りのラウンドにおいて先読処理は行われない。一方、保留内連荘演出がガセの演出(幻闘ラッシュマーク)として発生した場合には、残りのラウンドにおいて先読み処理が再度実行され、真実の演出として発生するまでは何度でも保留内連荘演出が発生し得る。つまり、先読み可能期間内においては、保留内連荘成立を確定報知する真実の演出が発生するまでは、各ラウンドにおいて先読み処理は実行され得る。
図96(D)に示すように、最終ラウンドが終了すると、大当り終了デモにおいて「七星チャージ発動」という文字が表示される。本例では、ラウンド中に保留内連荘演出(真実の演出)が発生しているので、終了デモ演出の種類として「七星チャージ告知」が選択され、前述の七星チャージ告知演出として画面上に「七星チャージ発動」という文字が表示される。そして、特別遊技の終了後は、演出モードとして幻闘ラッシュモードが設定される。なお、特別遊技の終了直後の限定期間(4回)において連荘ステージに滞在する。本例では、特別遊技の終了時点において第2特別図柄の作動保留球が4個存在するものとし、そのうちの4個目が特定保留(保留内連荘告知の対象とされた次の大当り)であるとする。
図96(E)に示すように、特別遊技が終了すると、連荘ステージにおいて図柄の変動表示が開始される。連荘ステージに滞在している場合は、図柄の変動表示中に、特殊演出として虹色の帯画像が画面両端に表示され、限定期間中(4回転以内)に次の大当りが発
生することが予告される。
図96(F)に示すように、特別遊技後の1回目の変動表示にて「はずれ」となる。本例では、図示省略するが、2〜3回目の図柄変動表示においても「はずれ」となる。なお、限定期間内であれば、大当り変動中(保留内連荘告知の対象とされた次の大当り変動中)だけでなく、はずれ変動中であっても、特殊演出(帯画像)は継続表示される。つまり、次の大当りが発生するまでは、連荘ステージの全期間を通して帯画像の表示が継続される。
図96(G)に示すように、保留内連荘告知の対象とされた特定保留が消化された結果、4回目の変動表示が開始直後、画面上に「七星チャージマーク」が突如出現する。このように保留内連荘告知時と同様のマーク画像を再度表示することで、今回の変動表示にて大当りが発生することを遊技者に直感させることができる。また、今回の「七星チャージマーク」の表示は、前述した七星チャージ導入演出としても利用され、その大当り開始デモの獲得HIT数告知演出へと連続的に繋がることになる(本図中では省略)。その変形例として、大当り終了デモや、特定保留に係る変動に至るまでの変動においても、「七星チャージマーク」を継続表示させる構成であったもよい。
図96(H)に示すように、当該変動表示にて大当り図柄「7・7・7」が停止表示され、次の大当りが発生する。なお、今回の大当り変動(限定期間内での大当り変動)は、図柄が変動開始してからリーチ状態を伴うことなく数秒間で完結する即当り演出として構成されている。
次に、第9実施形態における七星チャージ演出の演出例について説明する。図97は、第9実施形態における七星チャージ演出の一例を示す模式図である。
七星チャージ演出は、(1)大当り変動において実行される七星チャージ導入演出と、(2)大当り開始デモにおいて実行される獲得HIT数告知演出と、(3)ラウンド遊技から大当り終了デモまでにおいて実行されるトータル獲得HIT数加算演出とから構成される。なお、図中に示された獲得HIT数(獲得賞球数)は、いわゆる連荘状態の継続中に、その特別遊技にて大入賞口65への入賞に基づき獲得した賞球の総数である。七星チャージ演出は、第2特別図柄で大当りβに当選したこと、又は、連荘ステージ(限定期間)に滞在しているときに第2特別図柄で大当りに当選したことを契機として、当該変動表示中から特別遊技の終了時までに跨って略連続的に実行される演出である。
図97(A)に示すように、図柄の変動表示中に、七星チャージ導入演出として「七星チャージマーク」が表示される。なお、上記の大当りβに当選した場合は、その変動表示においてバトル演出が実行され、味方キャラクタが敵キャラクタに敗北した後、その復活演出というかたちで「七星チャージマーク」が出現する。一方、上記の連荘ステージ滞在中に大当りに当選した場合は、図96等を用いて既に説明したように、その変動表示において即当り演出が実行され、その短時間の過程にて「七星チャージマーク」が出現する。
図97(B)に示すように、「七星チャージマーク」の前面側に、現時点までに獲得したトータル獲得HIT数(獲得賞球数)として「13600HIT」が表示されるとともに、今回の大当りにより獲得可能な獲得HIT数の初期値として「+0HIT」が表示される。本例では、「1個」の賞球に対して「1HIT」が計数される。なお、図示省略するが、その後、当該変動表示にて大当り図柄が停止表示されて、大当りが発生したものとする。
図97(C),(D),(E)に示すように、特別遊技の開始に伴い、その大当り開始
デモにおいて、獲得HIT数告知演出が実行される。獲得HIT数告知演出とは、今回の大当りにより獲得可能な賞球数(出玉数)を獲得HIT数として告知する演出である。この獲得HIT数は、今回実行される特別遊技の規定ラウンド数に応じて最大で3段階に亘り上昇する。
特別遊技の規定ラウンド数が4ラウンドである場合(4R長開放大当りである場合)は、図97(C)に示すように、今回の獲得HIT数が「+0HIT」から「+600HIT」へ1段階だけ上昇する(4R×10カウント×15個=600HIT)。
特別遊技の規定ラウンド数が8ラウンドである場合(8R長開放大当りである場合)は、図97(C)〜(D)に示すように、今回の獲得HIT数が「+0HIT」から「+600HIT」、「+600HIT」から「+1200HIT」へ2段階に亘り上昇する(8R×10カウント×15個=1200HIT)。
特別遊技の規定ラウンド数が16ラウンドである場合(16R長開放大当りである場合)は、図97(C)〜(E)に示すように、今回の獲得HIT数が「+0HIT」から「+600HIT」、「+600HIT」から「+1200HIT」、「+1200HIT」から「+2400HIT」へ3段階に亘り上昇する(16R×10カウント×15個=2400HIT)。以下においては、今回の獲得HIT数が「+2400HIT」であるものとして説明する。
図97(F)に示すように、ラウンド遊技が開始されると、総獲得HIT数加算演出が実行される。具体的には、遊技球が大入賞口65に入賞するたびに、獲得HIT数から「+15HIT」をトータル獲得HIT数に移動する(1カウントあたりの賞球数15個)。
なお、図97(G)に示すように、いわゆるオーバー入賞した場合は、今回の獲得HIT数にオーバー入賞分は含まれていないため(1ラウンドあたりの規定数である10カウント分しか含まれていないため)、当該数値を移動させるのではなく、新たに「+15HIT」という情報を表示する。それと同時に特殊な効果音を出力した後、当該数値を総獲得HIT数に加算する。なお、「オーバー入賞」とは、大入賞口65への規定数(10球)を超えた入賞をいう。
図97(H)に示すように、全ラウンドが終了すると、その大当り終了デモにおいて、総獲得HIT数を拡大表示して、合計出玉(獲得賞球数)の結果を告知する。その後、図示省略するが、幻闘ラッシュ突入演出として、画面に「幻闘ラッシュ」のロゴを拡大表示して、幻闘ラッシュモードに移行することを報知する。
次に、第9実施形態における大当り中でのキャラ選択演出の実行過程について説明する。図98は、第9実施形態におけるキャラ選択演出の実行過程の一例を示す模式図である。
キャラ選択演出の実行過程につき、図中(A)には、通常状態において第1特別図柄で7R長短開放大当りに当選して、その特別遊技終了後に時短状態へ移行する場合、図中(B)には、通常状態(又は時短状態)において第1特別図柄で15R長短開放大当り1に当選して、その特別遊技の終了後に確変状態へ移行する場合、図中(C)には、時短状態(又は通常状態)において第2特別図柄で16R長開放大当り1に当選して、その特別遊技終了後に確変状態へ移行する場合、図中(D)には、確変状態において第2特別図柄で16R長開放大当りに当選して、その特別遊技終了後に確変状態へ再移行する場合を示している。なお、各図は、左から右へ向けて時間軸が設定されており、左から右へ順に、大
当り開始デモ、ラウンド遊技、大当り終了デモが示されている。なお、各図は、大当り演出の実行状態を概念的に示すものであり、各時間幅および比率は、実際の時間幅および比率と対応するものではない。すなわち、本例では、図中(A)〜(D)において、キャラ選択演出の時間尺を容易に対比できるように、実際には異なる時間幅を適宜同一の時間幅に設定している。
まず、第1特別図柄の7R長短開放大当りは、その大当り属性として、条件付き通常大当りに属する。遊技状態が通常状態(低確率・非開放延長)のとき7R長短開放大当りとなった場合、基本的には、その特別遊技における特定ラウンドにおいてV入賞できず、特別遊技終了後の遊技状態は時短状態(低確率・開放延長)となる。このとき、上記の特別遊技においては、大当り演出パターンとして「激闘ボーナスB」が選択される。また、開始デモ演出の種類として「激闘ボーナス(共通)」、終了デモ演出の種類として「激闘突入」が選択される。前述したように、終了デモ演出の種類が「激闘突入」である場合は、その実行時間(演出尺)はN=20(秒)となる。そして、この大当り終了デモ(激闘突入)中に激闘キャラ選択演出が設定されている。一方、ラウンド遊技(激闘ボーナスB)中に激闘キャラ選択演出は設定されていない。従って、激闘キャラ選択演出は、大当り終了デモ中(激闘突入)に実行される。このとき、激闘キャラ選択演出では、図示省略するが、4種類の激闘キャラクタ(味方キャラクタ)を横一列に表示して、演出ボタン15の操作有効期間中における一定時間ごとに選択画像の表示態様を順次切り替えることで、演出ボタン15の操作タイミングに応じて、この複数の激闘キャラクタの中からいずれか1つを選択可能とする。次いで、第1特別図柄の15R長短開放大当り1は、条件付き特定大当りに属する。遊技状態が通常状態(低確率・非開放延長)のときに15R長短開放大当り1となった場合、基本的には、その特別遊技における特定ラウンドにおいてV入賞して、特別遊技終了後の遊技状態は確変状態(高確率・開放延長)となる。このとき、上記の特別遊技においては、大当り演出パターンとして「幻闘ボーナスA」が選択される。また、開始デモ演出の種類として「幻闘ボーナス(共通)」、終了デモ演出の種類として「引継デモ」が選択される。前述したように、終了デモ演出の種類が「引継デモ」である場合は、その実行時間(演出尺)はY=35(秒)となる。引継デモは、前述したように、ラウンド遊技(第7〜第15ラウンド)と大当り終了デモとに跨って実行される。そして、ラウンド遊技(第7〜第15ラウンド)での演出尺は29(秒)、大当り終了デモでの演出尺は6(秒)である。そして、この引継デモ中における第7〜第15ラウンド(短開放ラウンド遊技)において幻闘キャラ選択演出が設定されている。なお、引継デモは、第7ラウンド〜大当り終了デモまでに跨って連続的に実行される演出であるため、主制御基板100側からの大当り終了デモコマンドを契機として終了デモ演出(該引継デモ)が実行されるわけではなく、第7ラウンドを起点として実行されるものである。よって、主制御基板100からの大当り終了コマンドは無視する。なお、それ以外の終了デモ演出については、主制御基板100からの大当り終了デモコマンドを契機として、該終了デモ演出が実行される。
次いで、第2特別図柄の16R長開放大当り1は、条件付き特定大当りに属する。遊技状態が時短状態(低確率・開放延長)のときに16R長開放大当り1となった場合、基本的には、その特別遊技における特定ラウンドにおいてV入賞して、特別遊技終了後の遊技状態は確変状態(高確率・開放延長)となる。このとき、上記の特別遊技においては、大当り演出パターンとして「無双ボーナスA」又は「幻闘ボーナスD」が選択される。なお、以下では、「無双ボーナスA」が選択されたものとして説明する。また、開始デモ演出の種類として「無双ボーナス(通常)」、終了デモ演出の種類として「幻闘突入B」が選択される。前述したように、終了デモ演出の種類が「幻闘突入B」である場合は、その実行時間(演出尺)はN=35(秒)となる。そして、この大当り終了デモ(幻闘突入B)中に幻闘キャラ選択演出が設定される。本例では、前述したように、主制御基板100からの大当り終了デモコマンドを契機として、該終了デモ(幻闘突入B)が開始されるため
、幻闘キャラ選択演出についても大当り終了デモ中においてのみ実行される。このとき、幻闘キャラ選択演出では、図示省略するが、15種類の幻闘キャラクタ(味方キャラクタ)を1画面ずつ用意し、左右キーによって画面を切り替えることにより、選択可能な幻闘キャラクタの画面を表示させ、演出ボタン15の操作に応じて、複数の幻闘キャラクタの中からいずれか1つを選択可能とする。このように激闘キャラ選択演出と幻闘キャラ選択演出とは、その演出内容および演出尺が互いに異なるよう設定されている。なお、15種類の幻闘キャラクタのうちの一部(4種類)は、激闘キャラクタとしても利用されている。
一方、遊技状態が確変状態(高確率・開放延長)のときに16R長開放大当り1となった場合、基本的には、その特別遊技における特定ラウンドにおいてV入賞して、特別遊技終了後の遊技状態は確変状態(高確率・開放延長)となる。このとき、上記の特別遊技においては、大当り演出パターンとして「無双ボーナスA」又は「幻闘ボーナスD」が選択される。なお、以下では、「無双ボーナスA」が選択されたものとして説明する。また、開始デモ演出の種類として「無双ボーナス(通常)」、終了デモ演出の種類として「幻闘突入A」が選択される。前述したように、終了デモ演出の種類が「幻闘突入A」である場合は、その実行時間(演出尺)はN=6(秒)となる。そして、この大当り終了デモ(激闘突入)中に激闘キャラ選択演出は設定されていない。一方、ラウンド遊技中における第11〜第16ラウンドにおいて幻闘キャラ選択演出が設定されている。従って、幻闘キャラ選択演出は、ラウンド遊技中(無双ボーナスA)のみで実行される。
以上、第9実施形態において達成される主要な効果を整理すれば、下記のようになる。
第1に、条件付き特定大当り(15R長短開放大当り2)に係る作動パターンと、条件付き通常大当り(7R長短開放大当り)に係る作動パターンとにおいて、特定ラウンド以降の所定のラウンドまでの間、大入賞口65の一連の開閉動作(長開放および短開放の動作順序)を実質的に同一態様とすることで、いずれの大当り種別に当選したのか、また、特定ラウンドがどのラウンドにて実行され、現実にV入賞したのか否かを判別し難くなるため、所定のラウンドに至るまでの間、確変獲得に対する期待感を持続させることができるとともに、該所定ラウンドにおいて確変昇格演出が発生したときの演出効果をより一層高めることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
第2に、同一の大当り種別に当選した場合であっても、特別遊技の終了直後の限定期間内と該限定期間外とで演出の傾向を異ならせ、限定期間外に滞在するときは、高利益大当りの図柄変動演出において低利益大当りの図柄変動演出に包含される特定の演出(七星チャージ導入演出)が現出する可能性は低いが、限定期間内に滞在するときは、高利益大当りおよび低利益大当りのいずれの図柄変動演出においても特定の演出(七星チャージ導入演出)が現出する可能性が高くなるため、大当り種別および変動回数期間に関わらず一部において共通の演出を採用しながらも、限定期間内・外での演出のメリハリをつけて、従来にない多様性のある遊技性を創出することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
第3に、特別遊技の実行中に図柄変動中の演出形式を選択するキャラ選択演出が実行される場合には、該キャラ選択演出の実行ラウンドにおいては保留内連荘演出の実行を禁止して、同じラウンドにて保留内連荘演出とキャラ選択演出とが競合するという状況を回避することで、両演出の演出効果が相互に希薄になるのを防止でき、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
第4に、特別遊技の実行中にラウンド昇格演出が実行される場合には、該ラウンド昇格演出の実行ラウンドよりも後のラウンドに先読み可能期間を設定して、同じラウンドにて
保留内連荘演出とラウンド昇格演出とが競合するという状況を回避することで、両演出の演出効果が相互に希薄になるのを防止でき、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
第5に、通常状態において第1特別図柄で条件付き通常大当り(7R長短開放大当り)に当選することで、その特別遊技の終了後に時短状態へ移行する場合と、該時短状態において第2特別図柄で条件付き特定大当り(16長開放大当り1)に当選することで、その特別遊技の終了後に確変状態へ移行する場合とで、該大当り終了デモの実行時間(演出尺)を異ならせることで、遊技状態移行時の場面や状況などに応じて、特別遊技から図柄変動遊技へ移行する際の演出内容や時間経過などに多様な変化を与え、遊技の趣向が単調化するのを防止でき、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。また、後続の作動保留球内に特定保留が存在する状況下において、第2特別図柄抽選にて大当りが発生した場合であっても、その大当り発生時の遊技状態として、入球容易状態とうだけでなく、第2特別図柄の当否抽選確率が高確率状態である場合に限って、すなわち、確変連荘中であることを前提に、保留内連荘演出の実行を可能とすることで、該保留内連荘演出の発生に対する遊技者の期待感をより一層向上させることができる。
第6に、大当り種別や該大当り発生時の遊技状態に基づき、特別遊技中のV入賞の有無に応じて演出モードの移行先を異ならしめる場合と、特別遊技中のV入賞の有無に関わらず演出モードの移行先を同一にする場合とを混在させるよう構成したことで、演出モードの遷移の仕方に多様性や意外性を持たせることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
[第10実施形態]
次に、第10実施形態に係る遊技機について説明する。第10実施形態の遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
第10実施形態の遊技機は、第2実施形態の遊技機と同様に、特別遊技の実行中に遊技球が大入賞口内の特定領域(いわゆる「V領域」)に入賞するか否かに応じて、当該特別遊技の終了後に遊技状態が確変状態へ移行するか否かを決定する、いわゆる玉確タイプの遊技機として構成される。なお、確変状態は、所定回数(ST回数)の図柄変動が行われるまで継続してもよいし、次回の大当りが発生するまで継続するものでもよい。
また、第10実施形態の遊技機は、第7実施形態の遊技機と同様に、遊技領域内PA内において単一の大入賞口65(特定領域658を有した玉確アタッカー)のみを搭載している。すなわち、第10実施形態においても、全てのラウンドにおいて特定領域658を有した大入賞口65が開放されるよう構成されている。なお、大入賞口65の構成については、前述の第2実施形態で既に説明しているので、ここでは重複説明を省略する。
まず、第10実施形態における大当り種別(大当り内訳)について説明する。図99には、第10実施形態における特別図柄抽選の大当り内訳を示している。
図99の上段は、第10実施形態における第1特別図柄当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第1特別図柄当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、図柄群、大当り属性、確変・時短機能の作動回数、大入賞口の作動パターンがそれぞれ対応付けられている(本例では、便宜上、停止図柄の記載を省略する)。第1特別図柄当り図柄テーブルでは、大当りの種別に応じた3種類の図柄群として、図柄群A(16R長開放大当り)と、図柄群B(12R長短開放大当り1)と、図柄群C(12R長短開放大当り2)とが設定されている。
図99の下段は、第10実施形態における第2特別図柄当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第2特別図柄当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、図柄群、大当り属性、確変・時短機能の作動回数、大入賞口の作動パターンがそれぞれ対応付けられている(本例では、便宜上、停止図柄の記載を省略する)。第2特別図柄当り図柄テーブルでは、大当りの種別に応じた2種類の図柄群として、図柄群D(16R長開放大当り)と、図柄群E(7R長短開放大当り)とが設定されている。
続いて、図100は、第10実施形態における大入賞口65の作動パターンを説明するためのタイムチャートである。本例では、上記の大当り種別に対応して、合計4種類の作動パターンが用意されている。図中には、特別遊技中の大入賞口65の状態変化が左から右に向けて時系列的に示されている。図100に示す各作動パターンは、各ラウンド遊技の実行状態を概念的に示すものであり、各ラウンド遊技の開放時間および閉鎖時間(インターバル時間を含む)の各時間幅および比率は、実際の時間幅および比率と対応するものではない。本例では、上記の全5種類の大当りのうち、いずれの大当りに該当する場合でも、その特別遊技における特定ラウンドでは、遊技球が特定領域658に入球するか否かに基づき確変入賞の有無が振り分けられる。特定ラウンドは、いずれの大当りに該当する場合であっても、第5ラウンドに設定されている。なお、図中、長開放ラウンド遊技には「L」を付記し、短開放ラウンド遊技には「S」を付記している。
図100(A)は、16R長開放パターンを示している。16R長開放パターンでは、全てのラウンド(通常ラウンド、特定ラウンド)において、長開放ラウンド遊技が実行される。すなわち、16R長開放大当りは、いずれのラウンド遊技においても大入賞口65が長開放されるので、実質16ラウンド相当の大当りとなる。なお、特定ラウンド(第5ラウンド)は、長開放ラウンド遊技が実行されるため、特定領域658への入球が容易又は可能であるVラウンドとして設定されている。
図100(B)は、12R長短開放パターン1を示している。12R長短開放パターン1では、第1〜第5ラウンドにおいて長開放ラウンド遊技が実行され、第6〜第12ラウンドにおいて短開放ラウンド遊技が実行される。すなわち、12R長短開放大当り1は、上記5回のラウンド遊技において大入賞口65が長開放されるので、実質5ラウンド相当の大当りとなる。なお、特定ラウンド(第5ラウンド)は、長開放ラウンド遊技が実行されるため、特定領域658への入球が容易又は可能であるVラウンドとして設定されている。
図100(C)は、12R長短開放パターン2を示している。12R長短開放パターン2では、第1〜第4ラウンドおよび第6ラウンドにおいて長開放ラウンド遊技が実行され、第5ラウンドおよび第7〜第12ラウンドにおいて短開放ラウンド遊技が実行される。すなわち、12R長短開放大当り2は、上記5回のラウンド遊技において大入賞口65が長開放されるので、実質5ラウンド相当の大当りとなる。なお、特定ラウンド(第3ラウンド)は、短開放ラウンド遊技が実行されるため、特定領域658への入球が困難又は不可能である非Vラウンドとして設定されている。
図100(D)は、7R長短開放パターンを示している。7R長短開放パターンでは、第1〜第5ラウンドにおいて長開放ラウンド遊技が実行され、第6〜第7ラウンドにおいて短開放ラウンド遊技が実行される。すなわち、7R長短開放大当りは、上記5回のラウンド遊技において大入賞口65が長開放されるので、実質5ラウンド相当の大当りとなる。なお、特定ラウンド(第5ラウンド)は、長開放ラウンド遊技が実行されるため、特定領域658への入球が容易又は可能であるVラウンドとして設定されている。
このように、本例では、16R長開放大当りは「実質16ラウンド」の大当りとなる一方で、それ以外の大当り(12R長短開放大当り1,2、7R長短開放大当り)は「実質5ラウンド」の大当りとなる。
ここで、図99に示すように、本例では、第1特別図柄抽選および第2特別図柄抽選において、その大当り種別として長開放大当りおよび長短開放大当りのいずれかに当選する。前述したように、長開放大当りとは、その特別遊技におけるラウンド遊技として長開放ラウンド遊技のみが存在する大当りをいう。長短開放大当りとは、その特別遊技におけるラウンド遊技として長開放ラウンド遊技と短開放ラウンド遊技とが混在する大当りをいう。このとき、第1特別図柄抽選では、長開放大当りの当選確率が10%であり、長短開放大当りの当選確率が90%である。これに対して、第2特別図柄抽選では、長開放大当りの当選確率が60%であり、長短開放大当りの当選確率が40%である。そのため、第2特別図柄抽選で大当りとなる場合よりも、第1特別図柄抽選で大当りとなる場合の方が、長短開放大当りの当選確率が高く設定されている。ここで、本例では、第1特別図柄抽選および第2特別図柄抽選のいずれにおいても、長短開放大当りに当選した場合は、その特別遊技における少なくとも1以上の通常ラウンドにおいて短開放ラウンド遊技が実行される。そのため、通常ラウンドにて1以上の短開放ラウンド遊技を伴う大当り種別(長短開放大当り)は、第2特別図柄抽選で大当りとなる場合よりも、第1特別図柄抽選で大当りとなる場合の方が、その当選確率が高く設定されている。つまり、基本的には、第2特別図柄で大当りとなる場合よりも、第1特別図柄で大当りとなる場合の方が、通常ラウンドにおいて短開放ラウンド遊技が少なくとも1回以上実行される割合が高くなっている。なお、本例では、通常ラウンドのみならず、特定ラウンドにおいても短開放ラウンド遊技となり得る。つまり、前述したように、12R長短開放大当り2に当選した場合には、その特別遊技(12R長短開放パターン2)における特定ラウンドが短開放ラウンド遊技として設定されている。なお、本例では、第1特別図柄および第2特別図柄の両方に、その大当り種別として長短開放大当りを設定しているが、第1特別図柄のみに長短開放大当りを設定し、第2特別図柄には長短開放大当りを設定しない(つまり、長開放大当りのみを設定する)構成としてもよい。
また、本例では、1回の大当り発生により実行される特別遊技の平均ラウンド数は、第1特別図柄抽選において大当りとなる場合と第2特別図柄抽選において大当りとなる場合とで等しく設定されている。具体的には、第1特別図柄抽選にて大当りとなる場合における特別遊技の平均ラウンド数は「12.4ラウンド」であるのに対して、第2特別図柄抽選にて大当りとなる場合における特別遊技の平均ラウンド数は「12.4ラウンド」であり、各平均ラウンド数は同一となるよう構成されている。したがって、第1特別図柄抽選における大当りの種類(16R長開放大当り、12R長短開放大当り1,2)と、第2特別図柄抽選における大当りの種類(16R長開放大当り、7R長短開放大当り)とは少なくとも賞球獲得期待値は異なるが、1回の大当り発生にて得られるラウンド遊技の実行回数(大入賞口65に入球できる権利の回数)は平均的に同じである。
また、上述の説明からも判るように、第1特別図柄で大当りとなる場合には、通常ラウンドにて短開放ラウンド遊技を伴う大当り(12R長短開放大当り1,2)と、通常ラウンドにて短開放ラウンド遊技を伴わない大当り(16R長開放大当り)とに振り分けられる。以下では、説明の便宜上、通常ラウンドにて短開放ラウンド遊技を伴う大当り(12R長短開放大当り1,2)を「長短開放大当りX」、通常ラウンドにて短開放ラウンド遊技を伴わない大当り(16R長開放大当り)を「長開放大当りY」という。図100に示すように、複数種の大当り種別のうち長短開放大当りX(12R長短開放大当り1,2)に当選した場合には、その特別遊技における通常ラウンドにて短開放ラウンド遊技が実行され得るが、該短開放ラウンド遊技は、複数回の通常ラウンドのうち、少なくとも特定ラウンドよりも後のラウンド(すなわち、第6ラウンド以降)に設定されている。
ここで、第1特別図柄で長短開放大当りXに当選した場合は、その特別遊技における大当り演出パターンとして、「大当りボーナスX」が選択される。大当りボーナスXが選択された場合、その大当り終了デモにおいて、キャラ選択演出が実行される。キャラ選択演出とは、前述の第9実施形態におけるキャラ選択演出の如く、その特別遊技終了後の演出モードで登場するキャラクタを選択する演出である。このとき、大当りボーナスXが実行された場合、その終了デモの実行時間(終了デモ時間)は「Tx」である。一方、第1特別図柄で長開放大当りYに当選した場合は、その特別遊技における大当り演出パターンとして、「大当りボーナスY」が選択される。大当りボーナスYが選択された場合、その大当り終了デモにおいて、キャラ選択演出が実行される。このとき、大当りボーナスYが実行された場合、その終了デモの実行時間(終了デモ時間)は「Ty」である。ここで、大当りボーナスXの終了デモ時間Txと大当りボーナスYの終了デモ時間Tyとは異なる時間値として設定されている。本例では、大当りボーナスXの終了デモ時間Txは、大当りボーナスYの終了デモ時間Tyよりも短時間となっている(Tx<Ty)。このとき、大当りボーナスYの終了デモでは、キャラ選択演出の演出過程の全体が実行される一方で、大当りボーナスXの終了デモでは、キャラ選択演出の演出過程の一部(後半部分)のみが実行される。つまり、長短開放大当りXに当選した場合には、その特別遊技において、キャラ選択演出の前半部分が短開放ラウンド遊技中(第6〜第12ラウンド)に実行され、キャラ選択演出の後半部分が該短開放ラウンド直後の終了デモ中に実行される。なお、キャラ選択演出の前半部分と後半部分とは連続性を有する一連の演出として構成されており、大当りボーナすXと大当りボーナスYとで変わりはない。
このように本例では、終了デモ時間Txは終了デモ時間Tyよりも短時間に設定されているが、ラウンド遊技の演出尺を利用することで、キャラ選択演出の演出尺を確保している。すなわち、長開放大当りYである場合は、その特別遊技において長開放ラウンド遊技のみを伴うため、大当り終了デモのみでキャラ選択演出を完結する一方で、長短開放大当りXである場合は、その特別遊技において長開放ラウンド遊技と短開放ラウンド遊技とを伴うため(後半ラウンドに短開放ラウンド遊技が実行されるため)、大入賞口65への入厩が困難又は不可能な短開放時のラウンド中を有効活用して、該短開放ラウンド遊技と大当り終了デモとに跨ってキャラ選択演出を完結する。これにより、長短開放大当りXと長開放大当りYとで、その大当り中の終了デモ時間を互いに異ならせたとしても、共通のキャラ選択演出を同じ時間尺にてそれぞれ実行することが可能になるとともに、終了デモ時間の短縮により大当り演出全体の間延びを防止することができる。
なお、大当りボーナスXのキャラ選択演出と、大当りボーナスYのキャラ選択演出とは、必ずしも演出内容が完全に同一となる必要はなく、その一部において異なる演出内容を含んでいてもよい。例えば、遊技者が選択可能なキャラクタの種類が少なくとも一部において異なるとともに、該演出中の背景表示やキャラクタの選択方法なども異なる。
以上、第10実施形態によれば、第1特別図柄抽選および第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合の平均ラウンド数を同一に設定しつつも、第2特別図柄抽選よりも第1特別図柄抽選の方が、長短開放大当り(短開放ラウンド遊技を伴う大当り)に当選する割合を高めて、その特別遊技における特定ラウンドおよび通常ラウンドの両方にて短開放ラウンド遊技が実行される割合を高めることで、実際のラウンド数と実質的なラウンド数との調整により、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選とで獲得可能な利益を差別化して、メリハリのある遊技性を創出することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
[第11実施形態]
次に、第11実施形態に係る遊技機について説明する。第11実施形態の遊技機は、基
本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
第11実施形態の遊技機は、第2実施形態の遊技機と同様に、特別遊技の実行中に遊技球が大入賞口内の特定領域(いわゆる「V領域」)に入賞するか否かに応じて、当該特別遊技の終了後に遊技状態が確変状態へ移行するか否かを決定する、いわゆる玉確タイプの遊技機として構成される。なお、確変状態は、所定回数(ST回数)の図柄変動が行われるまで継続してもよいし、次回の大当りが発生するまで継続するものでもよい。
また、第11実施形態の遊技機は、第7実施形態の遊技機と同様に、遊技領域内PA内において単一の大入賞口65(特定領域658を有した玉確アタッカー)のみを搭載している。すなわち、第11実施形態においても、全てのラウンドにおいて特定領域658を有した大入賞口65が開放されるよう構成されている。なお、大入賞口65の構成については、前述の第2実施形態で既に説明しているので、ここでは重複説明を省略する。
まず、第11実施形態における大当り種別(大当り内訳)について説明する。図101には、第11実施形態における特別図柄抽選の大当り内訳を示している。
図101の上段は、第11実施形態における第1特別図柄当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第1特別図柄当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、図柄群、大当り属性、確変・時短機能の作動回数、大入賞口の作動パターンがそれぞれ対応付けられている(本例では、便宜上、停止図柄の記載を省略する)。第1特別図柄当り図柄テーブルでは、大当りの種別に応じた4種類の図柄群として、図柄群A(12R長短開放大当り1)と、図柄群B(12R長短開放大当り2)と、図柄群C(8R長短開放大当り1)と、図柄群D(8R長短開放大当り2)とが設定されている。図101の上段に示すように、第1特別図柄抽選では、条件付き特定大当り(確変大当り相当)の当選確率が60%であり、条件付き通常大当り(非確変大当り相当)の当選確率が40%である。
図101の下段は、第11実施形態における第2特別図柄当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第2特別図柄当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、図柄群、大当り属性、確変・時短機能の作動回数、大入賞口の作動パターンがそれぞれ対応付けられている(本例では、便宜上、停止図柄の記載を省略する)。第2特別図柄当り図柄テーブルでは、大当りの種別に応じた2種類の図柄群として、図柄群E(16R長開放大当り)と、図柄群F(4R長開放大当り)とが設定されている。図101の下段に示すように、第2特別図柄抽選では、条件付き特定大当り(確変大当り相当)の当選確率が100%である。
第1特別図柄の大当り種別には、特別遊技の規定ラウンド数が12ラウンドである12R長短開放大当り1,2(総称して「12R大当り」とも称する)と、特別遊技の規定ラウンド数が8ラウンドである8R長短開放大当り1,2(総称して「8R大当り」とも称する)とがある。すなわち、規定ラウンド数ごとに2種類の大当りが用意されている。ここで、12R大当りのうち、12R長短開放大当り1は、特定ラウンドがVラウンド(長開放ラウンド遊技)として構成される条件付き特定大当りに属し、12R長短開放大当り2は、特定ラウンドが非Vラウンド(短開放ラウンド遊技)として構成される条件付き通常大当りに属する。また、8R大当りのうち、8R長短開放大当り1は、特定ラウンドがVラウンド(長開放ラウンド遊技)として構成される条件付き特定大当りに属し、8R長短開放大当り2は、特定ラウンドが非Vラウンド(短開放ラウンド遊技)として構成される条件付き通常大当りに属する。このとき、12R大当りとなる場合、条件付き特定大当りとなる確率は「45/(45+35)×100=56%」であり、8R大当りとなる場
合に、条件付特定大当りとなる確率は「15/(15+5)×100=75%」である。そのため、12R大当りに当選して12R特別遊技が実行される場合よりも、8R大当りに当選して8R特別遊技が実行される場合の方が、特定ラウンドがVラウンド(長開放ラウンド遊技)となる割合が高く設定されている。これにより、特別遊技の規定ラウンド数の少ない大当り種別に当選した場合であっても、特別遊技の規定ラウンド数の多い大当り種別に当選した場合よりも、確変移行の期待度が高く設定されているため、利益の均等化を図られている。その変形例として、第1特別図柄で大当りとなる場合、条件付特定大当りとなる場合の実質ラウンド数の平均値は、条件付通常大当りとなる場合の実質ラウンド数の平均値よりも、少なく設定してもよい。つまり、条件付通常大当りであった場合は、特定ラウンドにてV入賞が困難又は不可能である分、実質ラウンド数(賞球期待値)を多めに設定してもよい。
一方、第2特別図柄の大当り種別には、特別遊技の規定ラウンド数が16ラウンドである16R長開放大当り(総称して「16R大当り」と称する)と、特別遊技の規定ラウンド数が4ラウンドである4R長開放大当り(総称して「4R大当り」と称する)とがある。第2特別図柄で大当りとなる場合は、いずれの大当り種別(16R大当り、4R大当り)であっても、特定ラウンドがVラウンド(長開放)として構成される条件付き特定大当りに属する。また、第2特別図柄の大当り(16R大当り、4R大当り)は、すべて長開放大当りであるため、全てのラウンドにおいて長開放ラウンド遊技のみが設定される(短開放ラウンド遊技は設定されていない)。そのため、本例では、第1特別図柄で大当りした場合にのみ、その特別遊技の各ラウンドに短開放ラウンド遊技が設定されている。なお、第2特別図柄で大当りとなる場合にも、その特別遊技の各ラウンドに短開放ラウンド遊技を設定してもよく、その場合には、第2特別図柄で大当りとなる場合よりも、第1特別柄で大当りとなる場合の方が、その特別遊技の各ラウンドにて短開放ラウンド遊技が実行される割合が高く設定されることが望ましい。
図102は、特別遊技の実行過程を説明するための模式図である。本例では、いずれの大当り種別であっても、第4ラウンドが特定ラウンドとして設定され、第4ラウンド以外のラウンドが通常ラウンドとして設定されている。まず、図102(A),(B)に示すように、いずれの12R大当り(12R長短開放大当り1,2)に当選した場合でも、その特別遊技において、計12回のラウンド遊技は、8回の長開放ラウンド遊技と4回の短開放ラウンド遊技とから構成されるので、実質ラウンド数(実際に賞球を獲得できるラウンドの数)は「8ラウンド」となる。すなわち、12R大当りとなる場合は、その特別遊技の規定ラウンド数として「12ラウンド」が設定されているが、実際に賞球を獲得できる実質ラウンド数は「8ラウンド」である。なお、実質ラウンド数は、大入賞口65への入球が容易又は可能に設定された長開放ラウンド遊技の数により決まる。一方、図102(C),(D)に示すように、いずれの8R大当り(8R長短開放大当り1,2)に当選した場合でも、その特別遊技において、計8回のラウンド遊技は、4回の長開放ラウンド遊技と4回の短開放ラウンド遊技とから構成されるので、実質ラウンド数(実際に賞球を獲得できるラウンドの数)は「4ラウンド」となる。すなわち、8R大当りとなる場合は、その特別遊技の規定ラウンド数として「8ラウンド」が設定されているが、実際に賞球を獲得できる実質ラウンド数は「4ラウンド」である。従って、第1特別図柄で大当りとなる場合は、特別遊技の実質ラウンド数の平均値は7.2ラウンドであるので、最大の規定ラウンド数「12ラウンド」よりも最小の規定ラウンド数「8ラウンド」に近いラウンド数であるといえる。
一方、図102(E),(F)に示すように、第2特別図柄の大当り(16R大当り、4R大当り)は、全て長開放大当りとして設定されているため、その特別遊技にて長開放ラウンド遊技のみが実行される。そのため、16R大当りした場合の特別遊技の実質ラウンド数は「16ラウンド」であり、4R大当りした場合の特別遊技の実質ラウンド数は「
4ラウンド」である。従って、第2特別図柄で大当りとなる場合は、実質ラウンド数の平均値は「11.2ラウンド」であるので、最小の規定ラウンド数「4ラウンド」よりも最大の規定ラウンド数「16ラウンド」に近いラウンド数であるといえる。
以上、第11実施形態によれば、第1特別図柄抽選において、賞球獲得期待値の高い(実質ラウンド数の多い)12R大当りに当選する場合よりも、賞球獲得期待値の低い(実質ラウンド数の少ない)8R大当りに当選する場合の方が、その特別遊技における特定ラウンドにて大入賞口および特定領域が長開放となる確率(確変期待度)が高く設定されているため、第1特別図柄において大当りに当選した場合に得られる利益の均等化を図ることができ、その大当り種別に応じた不公平感を解消することが可能となり、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。また、獲得ラウンド数(4R<8R<12R<16R)の異なる複数種の大当りを設け、第1特別図柄抽選にて大当りとなる場合と第2特別図柄抽選にて大当りとなる場合とで、その特別遊技にて獲得できる内部的な平均ラウンド数を同一としながらも、実際に賞球を獲得できる実質的な平均ラウンド数を異ならせることで、両者における獲得利益の差別化を図り、メリハリのある遊技性を創出することが可能となる。
[第12実施形態]
次に、第12実施形態に係る遊技機について説明する。第12実施形態の遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
第12実施形態の遊技機は、第2実施形態の遊技機と同様に、特別遊技の実行中に遊技球が大入賞口内の特定領域(いわゆる「V領域」)に入賞するか否かに応じて、当該特別遊技の終了後に遊技状態が確変状態へ移行するか否かを決定する、いわゆる玉確タイプの遊技機として構成される。なお、確変状態は、所定回数(ST回数)の図柄変動が行われるまで継続してもよいし、次回の大当りが発生するまで継続するものでもよい。
また、第12実施形態の遊技機は、第7実施形態の遊技機と同様に、遊技領域内PA内において単一の大入賞口65(特定領域658を有した玉確アタッカー)のみを搭載している。すなわち、第12実施形態においても、全てのラウンドにおいて特定領域658を有した大入賞口65が開放されるよう構成されている。なお、大入賞口65の構成については、前述の第2実施形態で既に説明しているので、ここでは重複説明を省略する。
これまでの実施形態では、特定ラウンドにて特定領域658が開放(長開放又は短開放)され、通常ラウンドでは特定領域658は常時閉鎖されるよう構成されていた。これに対して、本例では、特定ラウンドのみならず通常ラウンドにおいても、特定領域658が開放(長開放又は短開放)され得るよう構成されている。本例において、特定領域658が開放したとしても、開放したラウンドに応じて、特定領域658が有効又は無効に切り替えられ、有効とするラウンド(有効期間)における特定領域658への入球のみを有効として扱う一方で、無効とするラウンド(無効期間)における特定領域658への入球を無効として扱う。ここで、有効期間とは、特定領域658を有効にする、すなわち、特定領域スイッチ657による遊技球の検知を有効とする期間である。無効期間とは、特定領域658を無効にする、すなわち、特定領域スイッチ657による遊技球の検知を無効とする期間である。そのため、特定領域658が有効(有効期間)となるラウンドが「特定ラウンド」であり、特定領域658が無効(無効期間)となるラウンドが「通常ラウンド」である。そのため、本例における特定ラウンドとは、振分部材(羽根部材655)が開閉動作し、且つ、特定領域658が有効(有効期間)となるラウンドをいう。一方、通常ラウンドとしても、振分部材(羽根部材655)が開閉動作するラウンドを設けてもよい。その場合には、上記の特定ラウンドとは異なり、たとえ特定領域658へ遊技球が入球
したとしても、特定領域658を無効(無効期間)とする、すなわち、特定領域スイッチ657による遊技球の検知を無効とすることが好適である。従って、特定領域658への遊技球の入球により確変移行の契機となるのは、原則通り、特定領域658が有効となる特定ラウンドのみであり、たとえ特定領域658の無効期間において遊技球を特定領域658に入球できたとしても、該遊技球の入球は有効とされず、確変移行の契機とはならない。また、本例における特定ラウンド及び通常ラウンドのいずれにおいても、特定領域スイッチ657による遊技球の検知を有効としてもよく、その場合は、特定ラウンドにおいては特定領域スイッチ657により遊技球を検知し且つ後述する確変予約フラグをオンとし、通常ラウンドにおいては特定領域スイッチ657により遊技球を検知する一方で後述する確変予約フラグをオフとすることが好適である。なお、以降では、第1特別図柄遊技のみを説明して、第2特別図柄遊技については省略するが、以下で説明する構成を第2特別図柄遊技に適用してもよいものである。
本例では、第1特別図柄の大当り種別として、1)長短開放大当りAと、2)長短開放大当りBとを有する。なお、各大当りによる特別遊技の実行ラウンド数(規定ラウンド数)はN回とする(本例では「N≧3」とする)。長短開放大当りAは、大当り属性として「条件付き特定大当り」に属し、長短開放大当りBは、大当り属性として「条件付き通常大当り」に属する。
続いて、図103は、第12実施形態における大入賞口65の作動パターンを説明するためのタイムチャートである。本例では、上記の大当り種別に対応して、合計2種類の作動パターンが用意されている。具体的には、上記の長短開放大当りAに対して「長短開放パターンA」が対応付けられ、上記の長短開放大当りBに対して「長短開放パターンB」が対応付けられている。図中には、特別遊技中の大入賞口65の状態変化が左から右に向けて時系列的に示されている。図103に示す各作動パターンは、各ラウンド遊技の実行状態を概念的に示すものであり、各ラウンド遊技の開放時間および閉鎖時間(インターバル時間を含む)の各時間幅および比率は、実際の時間幅および比率と対応するものではない。
図103(A)は長短開放パターンAを示し、図103(B)は長短開放パターンBを示す。各図中には、各ラウンドにおける大入賞口65および特定領域658の開閉動作態様に加えて、大入賞口65および特定領域658への遊技球の入球の有無が一例として示されている。本例では、複数回のラウンドのうち、第1〜第3ラウンドにおいて特定領域658が開放され、第4ラウンド以降において特定領域658は常時閉鎖される。そのため、以下では、特段の場合を除き、第4ラウンド以降の説明は省略する。本例では、第2ラウンドが特定ラウンドとして設定され、それ以外の第1ラウンドおよび第3ラウンドが通常ラウンドとして設定されている。そのため、前述のとおり、第2ラウンド(特定ラウンド)において特定領域658は「有効」となり、第1および第3ラウンド(通常ラウンド)において特定領域は「無効」となる。
従って、本例においては、以下の対応関係(1)〜(3)が成立する。
(1)Aラウンド(第1ラウンド)における特定領域658への遊技球の入球は確変移行の契機とはならない。
(2)Bラウンド(第2ラウンド)における特定領域658への遊技球の入球は確変移行の契機となる。
(3)Cラウンド(第3ラウンド)における特定領域658への遊技球の入球は確変移行の契機とはならない。
長短開放パターンAは、図103(A)に示すように、第1ラウンドが短開放ラウンド遊技、第2ラウンドが長開放ラウンド遊技、第3ラウンドが短開放ラウンド遊技として設
定されている。本例では、第1〜第3ラウンドにおいて、大入賞口65の開閉動作と特定領域658の開閉動作とが同期的に連動制御されており、大入賞口65の開放期間と特定領域658の開放期間とが時間的に重複するように構成されている。この長短開放パターンAにおいては、第1および第3ラウンド(通常ラウンド)では短開放ラウンド遊技が実行されるので、大入賞口65および特定領域658への入球が困難又は不可能であるが、第2ラウンド(特定ラウンド)では長開放ラウンド遊技が実行されるので、大入賞口65および特定領域658への入球が容易又は可能である。そのため、図示のように、第2ラウンドにおいて、遊技球を特定領域658に入球させることができる。このとき、該第2ラウンドは特定領域658の有効期間として設定されているめ、特定領域スイッチ657による遊技球の検知が有効として扱われ、この時点で確変予約フラグがオンとなり、特別遊技終了後の遊技状態は高確率状態(確変状態)となる。
長短開放パターンBは、図103(B)に示すように、第1ラウンドが長開放ラウンド遊技、第2ラウンドが短開放ラウンド遊技、第3ラウンドが短開放ラウンド遊技として設定されている。本例では、第1〜第3ラウンドにおいて、大入賞口65の開閉動作と特定領域658の開閉動作とが同期的に連動制御されており、大入賞口65の開放期間と特定領域658の開放期間とが時間的に重複するように構成されている。この長短開放パターンBにおいては、第2ラウンド(特定ラウンド)および第3ラウンド(通常ラウンド)では短開放ラウンド遊技が実行されるので、大入賞口65および特定領域658への入球が困難又は不可能であるが、第1ラウンド(通常ラウンド)では長開放ラウンド遊技が実行されるので、大入賞口65および特定領域658への入球が容易又は可能である。そのため、図示のように、第1ラウンドにおいて遊技球を特定領域658に入球させることができる。このとき、該第1ラウンドは特定領域658の無効期間として設定されているため、特定領域スイッチ657による遊技球の検知が無効として扱われ、確変予約フラグはオフのままであり、特別遊技終了後の遊技状態は低確率状態(通常状態又は時短状態)となる。
ここで、第1〜第3ラウンドにおける長短開放パターンA,Bの開閉動作を比較する。長短開放パターンAでは、第1ラウンドにおいて1回の短開放、第2ラウンドにおいて1回の長開放、第3ラウンドにおいて2回の短開放が行われる。つまり、長短開放パターンAでは、第1〜第3ラウンドまでの区間にて、大入賞口65および特定領域658が「短開放→長開放→短開放→短開放」という順に開閉動作する。一方、長短開放パターンBでは、第1ラウンドにおいて1回の短開放と1回の長開放、第2ラウンドにおいて1回の短開放、第3ラウンドにおいて1回の短開放が行われる。つまり、長短開放パターンBでは、第1〜第3ラウンドまでの区間にて、大入賞口65および特定領域658が「短開放→長開放→短開放→短開放」という順に開閉動作する。すなわち、長短開放パターンA,Bを比較するに、第1〜第3ラウンドまでの各ラウンドを個別に見ると、大入賞口65および特定領域658の開閉動作はそれぞれ相違するものの、第1〜第3ラウンドまでの区間を一連の流れとしてトータル的に見ると、大入賞口65および特定領域658の開閉動作は一致している。従って、長短開放パターンA,Bにおいて、全ラウンドを通して、大入賞口65および特定領域658の一連の開閉動作(長開放および短開放の動作順序)を実質的に同一態様とすることで、いずれの大当り種別に当選したのか、また、特定ラウンドがどのラウンドにて実行されたのかを判別し難くすることで、特別遊技が終了するまでの間、確変獲得に対する期待感を持続させることができるようになる。
以上、第12実施形態によれば、特定領域658を有効とする特定ラウンドと特定領域658を無効とする非特定ラウンド(通常ラウンド)とを有し、いずれのラウンドにおいても特定領域658への遊技球の入球を実質的に可能としながらも、特定ラウンドにおける特定領域658への入球のみを確変移行の契機とし、さらには特定ラウンドおよび通常ラウンドに跨って大入賞口65および特定領域658の開閉動作態様を一致させることで
、この開閉動作態様や特定領域への入球の有無からではいずれの大当り種別(開閉パターン)に当選したのかを外観上、判別困難にすることができるとともに、特定領域が有効期間および無効期間のいずれに遷移しているかに関わらず、特定領域658への入球によって遊技者は確変獲得したことを期待しつつ特別遊技を進めることができ、その結果、遊技の趣興性を向上させることが可能となる。
なお、上記の対応関係(1)〜(3)において、Aラウンド、Bラウンド、Cラウンドとして、第1ラウンド、第2ラウンド、第3ラウンドを例示したが、「B=A+1」且つ「C=B+1」という関係を満足するのであれば、A,B,Cの具体的な数値は任意に設定可能である。つまり、上記の対応関係(1)〜(3)を、複数回の特別遊技における前半部分(第1〜第3ラウンド)に設定せずに、後半部分(例えば、第4〜第6ラウンドや第14〜第16ラウンドなど)に設定してもよい。
また、上述の実施形態においては、上記の対応関係(1)〜(2)が成立、すなわち、Aラウンド(第1ラウンド)にて特定領域は無効であるため、特定領域への遊技球の入球は確変移行の契機とならない一方で、Bラウンド(第2ラウンド)にて特定領域は有効となるため、特定領域への遊技球の入球は確変移行の契機となる構成であった。この対応関係(1)〜(3)を逆転させて、例えば、Aラウンド(第1ラウンド)にて特定領域を有効にして、特定領域への遊技球の入球を確変移行の契機とする一方で、Bラウンド(第2ラウンド)にて特定領域を無効にして、特定領域への遊技球の入球を確変移行の契機としない構成としてもよい。そのときは、長短開放大当りA,Bの大当り属性も逆転し、長短開放大当りAが条件付き通常大当りに属し、長短開放大当りBが条件付き特定大当りに属する。また、その場合には、条件付き特定大当りの作動パターンと、条件付き通常大当りの作動パターンとが逆転する。すなわち、条件付き特定大当りの作動パターンが長短開放パターンBとなり、条件付き通常大当りの作動パターンが長短開放パターンAとなる。よって、上記の対応関係(1)〜(2)が成立する場合には、条件付き特定大当りの作動パターン(その場合は「長短開放パターンA」が該当)において、Cラウンド(第3ラウンド)にて2回以上の開放動作(短開放動作)が実行される一方で、上記の対応関係(1)〜(2)が逆転する場合には、条件付き特定大当りの作動パターン(その場合には「長短開放パターンB」が該当)において、Aラウンド(第1ラウンド)にて2回以上の開放動作(短開放動作)が実行される。なお、変形例として、上記の対応関係(3)を適用せず、対応関係(1),(2)のみを適用した構成であっても実現は可能である。
また、上述の実施形態において、特定ラウンドよりも後のラウンド(本例では第3ラウンド以降)において、V獲得報知(有効期間内でのV入賞により確変獲得したことの報知)を行うように構成してもよい。また、各ラウンドにおいて特定領域が「有効」であるか「無効」であるかを示唆する演出を行い、遊技者の期待感をより一層煽るようにしてもよい。
[第13実施形態]
次に、第13実施形態に係る遊技機について説明する。第13実施形態の遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
第13実施形態の遊技機は、第2実施形態の遊技機と同様に、特別遊技の実行中に遊技球が大入賞口65内に設けられた特定領域(V領域)658に入賞するか否かに応じて、当該特別遊技の終了後に、遊技状態が確変状態へ移行するか否かを決定する、いわゆる玉確タイプの遊技機として構成される。なお、本例において確変状態は、次回の大当り発生まで継続する、いわゆるノーマル確変タイプを採用している。なお、変形例として、ST機(回数切り確変機)を採用しながらも、実質的にはノーマル確変機と同等の仕様となる
ように、確率変動機能が作動するST回数を「10000回」などに設定し、確変時には99.9%相当の確率で、ST回数内で大当りが発生するように構成してもよい。
第13実施形態の遊技機は、第7実施形態の遊技機(図70を参照)と同様に、遊技領域PA内において単一の大入賞口65(特定領域658を備えた玉確アタッカー)のみを搭載している。すなわち、第13実施形態の遊技機においても、特別遊技の全てのラウンドにおいて特定領域658を備えた大入賞口65が開放されるように構成されている。なお、大入賞口65の構成については、前述の第2実施形態(図52を参照)において既に説明しているので、ここでは重複説明を省略する。
第13実施形態の遊技機は、第1実施形態の遊技機と同様に、第1特別図柄の変動表示よりも第2特別図柄の変動表示を優先的に実行する、いわゆる優先消化を採用している。そのため、第2特別図柄の作動保留球が存在する間は、第1特別図柄の作動保留球の存在に関係なく、第2特別図柄の作動保留球を優先的に消化するように構成されている。
続いて、第13実施形態の遊技機に関する基本構成を順番に説明する。なお、以下では、説明の便宜上、特段の場合を除き「小当り」に関する記載を省略する。
まず、第13実施形態における大当り種別(大当り内訳)について説明する。図104は、第13実施形態における特別図柄抽選における大当り内訳を示す模式図である。
図104の上段は、第13実施形態における第1特別図柄当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第1特別図柄当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、大当り種別(図柄群)、特別図柄の確率変動機能・変動時間短縮機能の作動回数、大入賞口65の作動パターンがそれぞれ対応付けられている(本例では、便宜上、停止図柄の記載を省略する)。第1特別図柄当り図柄テーブルでは、7種類の図柄群(大当り種別)として、図柄群A(16R条件付き特定大当り1)、図柄群B(16R条件付き特定大当り2)、図柄群C(16R条件付き特定大当り3)、図柄群D(16R条件付き通常大当り)、図柄群E(9R条件付き通常大当り)、図柄群F(4R条件付き特定大当り1)、図柄群G(4R条件付き特定大当り2)が設定されている。
図104の下段は、第13実施形態における第2特別図柄当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第2特別図柄当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、大当り種別(図柄群)、特別図柄の確率変動機能・変動時間短縮機能の作動回数、大入賞口65の作動パターンがそれぞれ対応付けられている(本例では、便宜上、停止図柄の記載を省略する)。第2特別図柄当り図柄テーブルでは、6種類の図柄群(大当り種別)として、図柄群H(16R条件付き特定大当り1)、図柄群I(16R条件付き特定大当り2)、図柄群J(16R条件付き特定大当り4)、図柄群K(9R条件付き通常大当り)、図柄群L(4R条件付き特定大当り1)、図柄群M(4R条件付き特定大当り2)が設定されている。
上記の大当り種別は、その大当り属性として「条件付き特定大当り」と「条件付き通常大当り」とに大別される。「条件付き特定大当り」は、特定ラウンドにおいて特定領域658が長開放(1回以上の短開放を含んでも可)することで、特定領域658への遊技球の入賞が容易又は可能に設定され、基本的には特定領域658に遊技球が入賞することを条件に、特定大当り(確変大当り)であることが確定する大当りをいう。「条件付き」とする理由は、特定領域658が長開放する大当りであっても、実際に遊技球が特定領域658に入賞しなかったときは、結果的に通常大当り(非確変大当り)となる可能性があるからである。一方、「条件付き通常大当り」とは、特定ラウンドにおいて特定領域658が長開放せずに短開放(複数回の短開放も含む)することで、特定領域658への遊技球
の入賞が困難又は不能に設定され、基本的には特定領域658に遊技球が入賞しないことを条件に、通常大当り(非確変大当り)であることが確定する大当りをいう。「条件付き」とする理由は、特定領域658が短開放する大当りであっても、実際に遊技球が特定領域658に入賞したときは、結果的に特定大当り(確変大当り)となる可能性があるからである。
ここで、図104の上段に示すように、第1特別図柄抽選では、条件付き特定大当りの当選確率が50%、条件付き通常大当りの当選確率が50%に設定されている。また、図104の下段に示すように、第2特別図柄抽選では、条件付き特定大当りの当選確率が65%、条件付き通常大当りの当選確率が35%に設定されている。そのため、第1特別図柄抽選で大当りが発生する場合よりも、第2特別図柄抽選で大当りが発生する場合の方が、条件付き特定大当り(確変大当り相当)に当選する確率が高くなっている。
また、詳細後述するが、第1特別図柄抽選では、特別遊技の規定ラウンド数が16ラウンドに設定された大当り(16R大当り)のうち、「16R条件付き特定大当り1」及び「16R条件付き特定大当り2」は実質16ラウンド相当の大当り(16R作動パターン1)となり、「16R条件付き特定大当り3」は実質4ラウンド相当の大当り(16R作動パターン2)となり、「16R条件付き通常大当り」は実質8ラウンド相当の大当り(16R作動パターン3)となる。つまり、同じ16R大当りであっても、大当り種別に応じて、出玉の獲得できる実質的なラウンド数が異なるように設定されている。一方、第2特別図柄抽選では、特別遊技の規定ラウンド数が16ラウンドに設定された大当り(16R大当り)のうち、「16R条件付き特定大当り1」、「16R条件付き特定大当り2」及び「16R条件付き特定大当り4」のいずれの大当りであっても、実質16ラウンド相当の大当り(16R作動パターン1)となる。一方、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選のいずれである場合も、「9R条件付き通常大当り」は実質8ラウンド相当の大当り(9R作動パターン)であり、「4R条件付き特定大当り1」及び「4R条件付き特定大当り2」は実質4ラウンド相当の大当り(4R作動パターン)となる。
このとき、いずれの大当り種別に当選した場合であっても、その特別遊技における特定ラウンドで遊技球が特定領域658に入賞した場合は、特別遊技の終了後の遊技状態は確変状態となる。この確変状態は、次の大当りが発生するまで継続される。一方、いずれの大当り種別に当選した場合でも、その特別遊技における特定ラウンドで遊技球が特定領域658に入賞しなかった場合は、特別遊技の終了後の遊技状態は時短状態となる。この時短状態は、次の大当りが発生するまで継続されるのではなく、特別遊技の終了後の変動表示回数が所定の終期回数(100回)に達するまでの期間に限定されている。なお、次の大当りが発生することなく、上記の終期回数(100回)を経過した場合は、遊技状態は通常状態に戻ることになる。
本例では、このように非特別遊技状態として、通常状態、時短状態、確変状態の3つの遊技状態が設定されている。なお、非特別遊技状態とは、特別遊技が実行されていない非大当り中の状態である。ここで、遊技状態が通常状態であるときは、電チューサポート状態が付与されていないため、基本的には、いわゆる左打ちにより第1始動口61への入球を狙い、第1特別図柄抽選を実行する遊技性となる。一方、遊技状態が時短状態又は確変状態であるときは、電チューサポート状態が付与されるため、基本的には、いわゆる右打ちにより第2始動口62への入球を狙い、第2特別図柄抽選を実行する遊技性となる。なお、特別遊技状態では、非特別遊技状態では閉鎖状態にあった大入賞口65が各ラウンドにて開放状態となり得るため、いわゆる右打ちにより大入賞口65を狙う遊技性となる。
続いて、第13実施形態における特別図柄の変動パターンについて説明する。図105〜図106は、第13実施形態における特別図柄の変動パターンテーブルを示す模式図で
ある。
本例では、特別図柄の変動パターンテーブルとして、通常変動パターンテーブル、特殊変動パターンテーブル、時短変動パターンテーブル、確変変動パターンテーブルが用意されている。通常変動パターンテーブルは、遊技状態が通常状態(後述の限定期間を除く)であるときに設定される変動パターンテーブルである。特殊変動パターンテーブルは、遊技状態が通常状態であり、且つ、限定期間中であるときに設定される変動パターンテーブルである。ここで、限定期間とは、特別遊技の終了後に遊技状態として時短状態が設定されたときに次の大当りが発生せずに当該時短状態が終了(すなわち、時短状態となる100回の変動表示が終了)した直後の一定期間(20回の変動表示)に限定して設定される期間のことである。なお、この限定期間中(20変動分)の変動パターンテーブルを特殊なものとはせず、大当り終了後は次回の大当りが発生するまで同じ変動パターンテーブルを継続する構成としても良い。そのときは、演出制御基板200側で設定される演出パターンテーブル(演出モードや変動演出パターンなどの演出傾向)については相違させることが望ましい。時短変動パターンテーブルは、遊技状態が時短状態であるときに設定される変動パターンテーブルである。確変変動パターンテーブルは、遊技状態が確変状態であるときに設定される変動パターンテーブルである。各変動パターンテーブルは、当否抽選の結果に応じて異なり得るものとなっている。また、本例では、各変動パターンテーブルは、第1特別図柄用と第2特別図柄用とで共通としているが、これに限定されず、第1特別図柄用と第2特別図柄用とで異なるものとしてもよい。
(通常変動パターンテーブル)
図105(A)は、通常変動パターンテーブルの一例を示す模式図である。はずれ用の通常変動パターンテーブルでは、変動パターンPH1−2(5秒)、PH1−3(10秒)、PH1−4(20秒)、PH1−5(30秒)、PH1−6(40秒)、PH1−7(70秒)、PH1−8(80秒)、PH1−9(90秒)、PH1−10(100秒)のうちのいずれかが選択される。一方、大当り用の通常変動パターンテーブルでは、変動パターンPA1−4(20秒)、PA1−5(30秒)、PA1−6(40秒)、PA1−7(70秒)、PA1−8(80秒)、PA1−9(90秒)、PA1−10(100秒)のうちのいずれかが設定される。この通常変動パターンテーブルでは、当否判定の結果が大当りとなる場合は、非リーチ態様の変動パターンが選択されることはなく、必ずリーチ態様(Nリーチ又はSPリーチ)の変動パターンが選択される。
(特殊変動パターンテーブル)
図105(B)は、特殊変動パターンテーブルの一例を示す模式図である。はずれ用の特殊変動パターンテーブルでは、変動パターンPH2−2(10秒)、PH2−3(20秒)、PH2−4(40秒)、PH2−7(70秒)のうちのいずれかが選択される。一方、大当り用の特殊変動パターンテーブルでは、変動パターンPA2−3(20秒)、PA2−4(40秒)、PA2−7(70秒)のうちのいずれかが選択される。このように特殊変動パターンテーブルには、上記の通常変動パターンテーブルよりも少ない種類の変動パターンが設定されている。つまり、特殊変動パターンテーブルでは、擬似連付きの変動パターンが選択されることはなく、必ず疑似連なしの変動パターンが選択されることになる。なお、上記の通常変動パターンテーブルと同様に、当否判定の結果が大当りとなる場合は、非リーチ態様の変動パターンが選択されることはなく、必ずリーチ態様の変動パターンが選択される。なお、変形例として、上記の通常変動パターンテーブル及び特殊変動パターンテーブルを作動保留球数に応じて変動パターンの選択率が異なるように構成してもよい。例えば、はずれ用の特殊変動パターンテーブルにおいては、作動保留球数が多いほど短縮変動の変動パターンが選択されやすく、作動保留球数が少ないほど通常変動の変動パターンが選択されやすくしてもよい。但し、特定の変動パターン(SPリーチなど)については作動保留球数に関係なく、該特定の変動パターンの選択率は一律(常に一定
)であってもよい。一方、大当り用の変動パターンテーブルについては、作動保留球数に関係なく変動パターンの選択率が一律(常に一定)であってもよい。また、更なる変形例としては、第1特別図柄の変動パターンにおいては該第1特別図柄の作動保留球数の多少に応じて上記のような傾向となるが、第2特別図柄の変動パターンにおいては該第2特別図柄の作動保留球数の多少に関係なく一律(常に一定)であってもよい。
(時短変動パターンテーブル)
図106(A)は、時短変動パターンテーブルの一例を示す模式図である。はずれ用の時短変動パターンテーブルでは、変動パターンPH3−1(3秒)、PH3−2(5秒)、PH3−3(10秒)、PH3−4(20秒)、PH3−5(30秒)、PH3−6(40秒)、PH3−7(70秒)、PH3−8(80秒)、PH3−9(90秒)、PH3−10(100秒)のうちのいずれかが選択される。一方、大当り用の時短変動パターンテーブルでは、変動パターンPA3−4(20秒)、PA3−5(30秒)、PA3−6(40秒)、PA3−7(70秒)、PA3−8(80秒)、PA3−9(90秒)、PA3−10(100秒)のうちのいずれかが選択される。ここで、時短変動パターンテーブルでは、当否判定の結果がはずれとなる場合、上記の通常変動パターンテーブル及び特殊変動パターンテーブルでは選択されることのない超短縮の変動パターン(3秒)が選択され得る。また、上記の通常変動パターンテーブルなどと同様に、当否判定の結果が大当りとなる場合は、非リーチ態様の変動パターンが選択されることはなく、必ずリーチ態様の変動パターンが選択される。
(確変変動パターンテーブル)
図106(B)は、確変変動パターンテーブルの一例を示す模式図である。はずれ用の確変変動パターンテーブルでは、変動パターンPH4−1(3秒)、PH4−2(5秒)、PH4−3(10秒)、PH4−4(20秒)、PH4−5(30秒)、PH4−6(40秒)、PH4−7(70秒)、PH4−8(80秒)、PH4−9(90秒)、PH4−10(100秒)のうちのいずれかが選択される。一方、大当り用の確変変動パターンテーブルでは、PA4−7(70秒)、PA4−8(80秒)、PA4−9(90秒)、PA4−10(100秒)のうちのいずれかが選択される。ここで、確変変動パターンテーブルでは、当否判定の結果がはずれとなる場合、上記の通常変動パターンテーブル及び特殊変動パターンテーブルでは選択されることのない超短縮の変動パターン(3秒)が選択され得る。また、当否判定の結果が大当りとなる場合は、非リーチ態様及びNリーチ態様の変動パターンが選択されることはなく、必ずSPリーチ態様の変動パターンが選択される。なお、変形例として、上記の時短変動パターンテーブル及び確変変動パターンテーブルを作動保留球数に応じて変動パターンの選択率が異なるように構成してもよい。例えば、はずれ用の確変変動パターンテーブルにおいては、作動保留球数が多いほど超短縮変動の変動パターンが選択されやすく、作動保留球数が少ないほど通常変動の変動パターンが選択されやすくしてもよい。但し、特定の変動パターン(SPリーチなど)については作動保留球数に関係なく、該特定の変動パターンの選択率は一律(常に一定)であってもよい。一方、大当り用の変動パターンテーブルについては、作動保留球数に関係なく変動パターンの選択率が一律(常に一定)であってもよい。また、更なる変形例としては、第2特別図柄の変動パターンにおいては該第2特別図柄の作動保留球数の多少に応じて上記のような傾向となるが、第1特別図柄の変動パターンにおいては該第1特別図柄の作動保留球数の多少に関係なく一律(常に一定)であってもよい。また、確変変動パターンテーブルに設定される変動パターンは、通常変動パターンテーブルに設定される変動パターンと共通でなくてもよい(両者が同じ選択候補(変動態様)でなくてもよい)。つまり、確変や時短専用の演出を行うための変動パターンが設定されていても良いし、そのような変動パターンだけが設定されていても良い。その際、変動パターンは異なるが、現出する演出(演出パターン)については共通(全てが共通又は少なくとも一部が共通)としてもよい。
ここで、演出表示装置70等に表示される変動演出の内容は、特別図柄の変動パターンの種別(変動時間)に基づいて決定される。上記の図105〜図106には、参考として、各変動パターン(変動時間)に対応して設定される変動態様(変動演出)の内容を記載している。各変動パターンにおいて、変動時間「3秒」は超短縮変動に対応付けられ、変動時間「5秒」は短縮変動に対応付けられ、変動時間「10秒」は通常変動に対応付けられ、変動時間「20秒」は擬似連なしのNリーチ(ノーマルリーチ)に対応付けられ、変動時間「30秒」は擬似連1回のNリーチに対応付けられ、変動時間「40秒」は擬似連2回のNリーチに対応付けられ、変動時間「70秒」は擬似連なしのSPリーチ(スーパーリーチ)に対応付けられ、変動時間「80秒」は擬似連1回のSPリーチに対応付けられ、変動時間「90秒」は擬似連2回のSPリーチに対応付けられ、変動時間「100秒」は擬似連3回のSPリーチに対応付けられている。なお、遊技状態が通常状態であるときは、確変状態又は時短状態であるときよりも、擬似連の発生頻度が高く設定されていてもよい。また、遊技状態が通常状態であるときは、確変状態又は時短状態であるときよりも、擬似連発生時の擬似連回数が相対的に多くなるように設定されていてもよい。一方、遊技状態が通常状態であるときのみ、擬似連(擬似連演出)を実行するように構成してもよい。
超短縮変動、短縮変動及び通常変動は、3列の装飾図柄がバラバラに高速に移動して、一度もリーチ状態を経由せずに、はずれとなる演出である。以下では、超短縮変動、短縮変動及び通常変動をまとめて「非リーチ種別」とも称する。この非リーチ種別では、「通常変動(10秒)」よりも「短縮変動(5秒)」、「短縮変動(5秒)」よりも「超短縮変動(3秒)」の方が短い時間で変動表示が停止する点で相互に変動態様が異なる。
Nリーチ(Nリーチ演出)は、3列ある装飾図柄のうち2列(典型的には左列、右列)に同一の装飾図柄が停止した状態(リーチ状態)で、残り1列(典型的には中列)の装飾図柄が停止したならば大当りとなる演出である。SPリーチ(SPリーチ演出)とは、上記のNリーチよりも大当り期待度の高いリーチ演出であり、演出内容が途中で発展して例えばアニメや実写等の静止画・動画などが表示される演出である。
擬似連続変動演出(略して「擬似連」とも称する)は、装飾図柄の1回の変動表示の間に、図柄を仮停止表示させることにより、擬似的に複数回の変動表示をさせたように見せる変動演出である。この擬似連続変動演出は、三列の装飾図柄が全て擬似的に仮停止した後に再変動を開始する再変動表示を1回以上実行するように構成されている。擬似連は、リーチ演出を含む変動表示においては、リーチ状態が形成される前段階で実行表示され、擬似連の回数が多くなるほど、大当り期待度の高いリーチ演出の発生が期待できるようになっている。本例において、「擬似1」とは1回の再変動表示(擬似連)が行われること、「擬似2」とは2回の再変動表示(擬似連)が行われること、「擬似3」とは3回の再変動表示(擬似連)が行われることを意味する。
本例における変動パターン種別では、非リーチ種別<Nリーチ<SPリーチの順に、大当り期待度が高くなるように設定されている。また、本例では、同じ変動パターン種別であっても、擬似連の回数が多くなるほど、大当り期待度が高くなるように設定されている。さらに、三列の装飾図柄のうち、左右の装飾図柄がリーチ態様で擬似連(仮停止)する場合の方が、左右の装飾図柄が非リーチ態様で擬似連(仮停止)する場合よりも、大当り期待度が相対的に高く設定されている。
なお、前述の説明では、はずれ用の変動パターンテーブルを単一のテーブルで表現しているが、当否抽選の結果がはずれとなったときは、特別図柄の作動保留球数「0」〜「4」に応じて異なる変動パターンテーブルが選択されるように構成してもよい。つまり、特
別図柄の作動保留球数に応じた変動パターンテーブルを用いることで、作動保留球数が多いほど相対的に短い変動時間が選択される割合を高くして、逆に作動保留数が少ないほど相対的に長い変動時間が選択される割合を高くすることができる。また、図示省略するが、時短変動パターンテーブル及び確変変動パターンテーブルにおいて、第2特別図柄の保留記憶数が0となるときの変動においては、第2特別図柄(保留記憶数=0)のはずれ用の変動パターンテーブル(例えば、変動時間=10秒の選択率が100%に設定される)を使用し、当該変動中での電チュー(第2始動口52)への遊技球の入球確率を高め、第2特別図柄での変動を途切れさせないようにしてもよい。
また、前述したように、特別図柄の変動パターンに対応して決定される装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち、装飾図柄の変動開始から変動終了までの一連の演出表示過程のシナリオが定義されており、当該表示過程中の各段階において予告演出を発生させるタイミングなどもタイムスケジュールとして規定されている。また、この装飾図柄の変動演出パターンについては、特別図柄の変動パターンが同一であっても(同一情報の変動開始コマンドを受信した場合でも)、滞在中の演出モードを異にすれば、互いに演出内容の異なる変動演出パターンが選択され得ることになる。すなわち、変動演出パターンテーブルは、滞在中の演出モードごとに用意される。
続いて、第13実施形態における大入賞口65の作動パターンについて説明する。図107は、第13実施形態における大入賞口65の作動パターンを説明するためのタイムチャートである。
本例では、上記の図104に示すように、大当り種別に対応して、5種類の作動パターンが設定されている。具体的には、大入賞口65の作動パターンとして「16R作動パターン1」、「16R作動パターン2」、「16R作動パターン3」、「9R作動パターン」、「4R作動パターン」が設定されている。
図107には、特別遊技中の大入賞口65(特定領域658)の状態変化が左から右に向けて時系列的に示されている。図105に示す各作動パターンは、各ラウンド遊技の実行状態を概念的に表すものであり、各ラウンド遊技の開放時間および閉鎖時間の時間幅および比率は、実際の時間幅および比率に対応するものではない。
図中、大入賞口65又は特定領域658の1回の開放動作として、長開放には「L」の文字を、短開放には「S」の文字を付記している。ここで、前述した通り、大入賞口65(特定領域658)の1回の開放動作は、該開放時間の長短に応じて、該開放時間が相対的に長時間に設定された長開放(長開放動作)と、該開放時間が相対的に短時間に設定された短開放(短開放動作)とに区別される。長開放の開放時間は、大入賞口65(特定領域658)への遊技球の入球数が規定カウント数(9球)に達する可能性のある時間幅であり、本例では、第1ラウンドにおける長開放には「27秒」が設定され、第2ラウンド以降の長開放には「28秒」が設定されている。一方、短開放の開放時間は、大入賞口65(特定領域658)への遊技球の入球自体が困難又は不可能となる時間幅であり、本例では、いずれのラウンドにおいても短開放には「0.052秒」が設定されている。なお、1回のラウンド遊技においては、大入賞口65の開放時間に関わらず、大入賞口65の開放動作が1回のみ実行される場合と、大入賞口65の開放動作が複数回に亘り実行される場合とがある。そして、以下では、1回のラウンド遊技として、少なくとも1回の長開放動作を含むラウンド遊技のことを「長開放ラウンド」といい、少なくとも1回の短開放動作を含み長開放動作を含まないラウンド遊技のことを「短開放ラウンド遊技」という。このように長開放ラウンド遊技とは実質的に出玉を獲得できるラウンド遊技であるため、各大当りの実質ラウンド数は、その特別遊技に設定された長開放ラウンド遊技の回数に対応している。
本例では、大入賞口65の作動パターンがいずれであっても(いずれの大当り種別に当選した場合であっても)、その特別遊技における特定ラウンドでは、遊技球が特定領域658に入賞するか否かに基づき確変入賞(確変移行)の有無が振り分けられる。本例において、特定ラウンドは、いずれの大当り種別に当選した場合でも(いずれの作動パターンが実行される場合であっても)「第1ラウンド」に設定されている。この特定ラウンドでは、大入賞口65の開閉動作と特定領域658の開閉動作とを同期(連動)させ、大入賞口65が開放されたことを契機として特定領域658が開放され(大入賞口65が開放された時点以降で特定領域658が開放され)、大入賞口65が閉鎖されたことを契機として特定領域658が閉鎖される(大入賞口65が閉鎖された時点以降で特定領域658が閉鎖される)。そのため、基本的には、大入賞口65が長開放されれば特定領域658も長開放され、大入賞口65が短開放されれば特定領域658も短開放される。なお、1回の特別遊技において、特定ラウンドの実行回数は1回に限定されず、連続的又は断続的に複数回設定してもよい。
まず、図107(A)は、16R作動パターン1を示している。16R作動パターン1では、全てのラウンドにおいて長開放ラウンド遊技が設定されている。そのため、16R作動パターン1を伴う大当りは、実質16ラウンド相当の大当りとなる。なお、特定ラウンド(第1ラウンド)では、長開放ラウンド遊技が実行されるため、当該ラウンドにおいて特定領域658への遊技球の入球は容易又は可能である。
図107(B)は、16R作動パターン2を示している。16R作動パターン2では、第1〜第4ラウンドにおいて長開放ラウンド遊技が設定され、第5〜第16ラウンドにおいて短開放ラウンド遊技が設定されている。そのため、16R作動パターン2を伴う大当りは、実質4ラウンド相当の大当りとなる。なお、特定ラウンド(第1ラウンド)では、長開放ラウンド遊技が実行されるため、当該ラウンドにおいて特定領域658への遊技球の入球は容易又は可能である。
図107(C)は、16R作動パターン3を示している。16R作動パターン3では、第1ラウンドにおいて短開放ラウンド遊技、第2〜第9ラウンドにおいて長開放ラウンド遊技、第10〜第16ラウンドにおいて短開放ラウンド遊技が設定されている。そのため、16R作動パターン3を伴う大当りは、実質8ラウンド相当の大当りとなる。なお、特定ラウンド(第1ラウンド)では、短開放ラウンド遊技が実行されるため、当該ラウンドにおいて特定領域658への遊技球の入球は困難又は実質的に不可能である。
図107(D)は、9R作動パターンを示している。9R作動パターンでは、第1ラウンドにおいて短開放ラウンド遊技、第2〜第9ラウンドにおいて長開放ラウンド遊技が設定されている。そのため、9R作動パターンを伴う大当りは、実質8ラウンド相当の大当りとなる。なお、特定ラウンド(第1ラウンド)では、短開放ラウンド遊技が実行されるため、当該ラウンドにおいて特定領域658への遊技球の入球は困難又は実質的に不可能である。
図107(E)は、4R作動パターンを示している。4R作動パターンでは、全てのラウンドにおいて長開放ラウンド遊技が設定されている。そのため、4R作動パターンを伴う大当りは、実質4ラウンド相当の大当りとなる。なお、特定ラウンド(第1ラウンド)では、長開放ラウンド遊技が実行されるため、当該ラウンドにおいて特定領域658への遊技球の入球は容易又は可能である。
なお、条件付き特定大当りに係る作動パターン(V入賞が予定される作動パターン)では、第1ラウンド(特定ラウンド)において1回の短開放動作と1回の長開放動作が行わ
れ、第2ラウンド〜第4ラウンドの各ラウンドにおいて1回の長開放動作が行われる。つまり、第1ラウンド〜第4ラウンドまでの区間において、大入賞口65は「短開放→長開放→長開放→長開放→長開放」という順に開放動作する。一方、条件付き通常大当り(V入賞が予定されない作動パターン)では、第1ラウンド(特定ラウンド)において1回の短開放動作が行われ、第2ラウンド〜第4ラウンドの各ラウンドにおいて1回の長開放動作が行われる。つまり、第1ラウンド〜第4ラウンドまでの区間において、大入賞口65は「短開放→長開放→長開放→長開放→長開放」という順に開放動作する。そのため、いずれの作動パターンであっても、第1ラウンド〜第4ラウンドまでの区間において、大入賞口65は「短開放→長開放→長開放→長開放→長開放」といったように、1回の短開放と4回の長開放とを順番に伴い、見た目上は、当該区間において大入賞口65の開放動作態様が共通する。従って、このように大入賞口65の一連の開放動作態様(長開放および短開放の動作順序)を実質的に同一態様とすることで、特定ラウンド(第1ラウンド)がVラウンドおよび非Vラウンドのいずれであるのかを判別困難にすることができ、遊技者の確変獲得に対する期待感を持続させることが可能となる。このために、大当り中に画面等にてラウンド表示(現在が何回目の単位遊技であるか)を明示しないことが望ましい。一方、ラウンド表示をする場合は、後述する「超寿大当り」や「寿大当り」など(大当り開始前に揃う装飾図柄(大当り図柄)でV開放することが確定的にわかるとき)にて表示すること望ましい。よって、現在のラウンドが何ラウンド目かを表示するのは、短開放ラウンドがない大当り又は短開放ラウンドが後半のラウンドに集中している大当り(つまり、1ラウンド目から所定ラウンドまでの全てのラウンドが長開放ラウンドである大当り)が望ましく、詳細後述するオブジェクト表示でラウンド表示を代替するのは、短開放ラウンドが最初のラウンド(前半のラウンド)にて発生する大当りや、長開放ラウンド→短開放ラウンド→長開放ラウンドという流れになるラウンドパターンを有する大当りであることが望ましい。
続いて、第13実施形態における装飾図柄について説明する。図108は、第13実施形態における装飾図柄の図柄属性を示す模式図である。本例における装飾図柄は、数字からなる識別要素と、該識別要素に付された色彩(表示色)との組合せにより形成されている。本例では、識別要素として、「1」〜「9」の数字の全9種類が設定されている(すなわち、全9種類の装飾図柄が存在する)。各装飾図柄は、識別要素に付された色彩の種類により図柄属性が定められている。つまり、複数の装飾図柄が互いに異なる識別要素から構成されていても、同一の色彩が付されることにより、同一の図柄属性にグループ化されることになる。本例では、装飾図柄の色彩として「青色」、「赤色」、「金色」の3種類が設定されている。なお、図面上では、「青色」、「赤色」、「金色」の3種類の装飾図柄の表示態様を、「白抜き」、「斜線」、「塗り潰し」により表現する。具体的に、装飾図柄「2」、「4」、「6」、「8」は青色の図柄属性(青色属性)に分類され、装飾図柄「1」、「3」、「5」、「9」は赤色の図柄属性(赤色属性)に分類され、装飾図柄「7」は金色の図柄属性(金色属性)に分類される。本例では、装飾図柄(大当り図柄)の図柄属性として、「青色」<「赤色」<「金色」の順に1段階ずつ、最高ラウンド数(16ラウンド)獲得の期待度及び確変移行の期待度が高くなる。以下では、便宜上、青色属性の装飾図柄を「青図柄」、赤色属性の装飾図柄を「赤図柄」、金色属性の装飾図柄を「金図柄」とも称する。
続いて、第13実施形態における大当り図柄及び大当り演出パターンについて説明する。図109は、第13実施形態における大当り演出パターンテーブルを示す模式図である。大当り演出パターンテーブルには、大当り種別と、大当り図柄と、大当り演出パターンとの対応関係が示されている。
本例における大当り図柄は、同一の数字(識別要素)の装飾図柄が3つ揃った停止態様の組合せ「*・*・*」から構成される(*:任意の数字の装飾図柄)。大当り図柄は、
基本的に、「1・1・1」、「3・3・3」、「5・5・5」、「7・7・7」、「9・9・9」といった「条件付特定大当り」を示す奇数図柄(赤図柄、金図柄)と、「2・2・2」、「4・4・4」、「6・6・6」、「8・8・8」といった「条件付き通常大当り」又は「条件付き特定大当り」を示す偶数図柄(青図柄)とに区別される。つまり、奇数図柄(金図柄、赤図柄)に関しては「条件付き特定大当り」に当選したことが確定する大当り図柄である一方、偶数図柄(青図柄)に関しては「条件付き特定大当り」に当選したのか、「条件付き通常大当り」に当選したのかが不確定な大当り図柄である。
図109に示すように、大当り図柄は、特別図柄の抽選処理で選択された大当り種別に応じて決定される。なお、図109では、大当り当選時の遊技状態に依存しない共通の大当り図柄テーブルとして構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば大当り当選時の遊技状態に応じて異なる複数種の大当り図柄テーブルを用意してもよい。
まず、第1特別図柄の抽選処理で「16R条件付き特定大当り1」に当選した場合は、大当り図柄として金図柄(奇数図柄)が選択される。また、第1特別図柄の抽選処理で「16R条件付き特定大当り2」に当選した場合は、大当り図柄として青図柄(偶数図柄)が選択される。該青図柄の停止表示後には、その特別遊技中においてラウンド昇格演出が実行される。また、第1特別図柄の抽選処理で「16R条件付き特定大当り3」に当選した場合は、大当り図柄として赤図柄(奇数図柄)が選択される。また、第1特別図柄の抽選処理で「16R条件付き通常大当り」に当選した場合は、大当り図柄として青図柄(偶数図柄)が選択される。該青図柄の停止表示後には、その特別遊技中においてラウンド昇格演出が実行される。また、第1特別図柄の抽選処理で「9R条件付き通常大当り」に当選した場合は、大当り図柄として青図柄(偶数図柄)が選択される。該青図柄の停止表示後には、その特別遊技中においてラウンド昇格演出が実行される。また、第1特別図柄の抽選処理で「4R条件付き特定大当り1」に当選した場合は、大当り図柄として青図柄(偶数図柄)が選択される。該青色図柄の停止表示後には、その特別遊技中において確変昇格演出が実行される。また、第1特別図柄の抽選処理で「4R条件付き特定大当り2」に当選した場合は、大当り図柄として赤図柄(奇数図柄)が選択される。
次いで、第2特別図柄の抽選処理で「16R条件付き特定大当り1」に当選した場合は、大当り図柄として金図柄(奇数図柄)が選択される。また、第2特別図柄の抽選処理で「16R条件付き特定大当り2」に当選した場合は、大当り図柄として青図柄(奇数図柄)が選択される。該青色図柄の停止表示後には、その特別遊技中においてラウンド昇格演出が実行される。また、第2特別図柄の抽選処理で「16R条件付き特定大当り4」に当選した場合は、大当り図柄として赤図柄(奇数図柄)が選択される。該赤色図柄の停止表示後には、その特別遊技中においてラウンド昇格演出が実行される。また、第2特別図柄の抽選処理で「9R条件付き通常大当り」に当選した場合は、大当り図柄として青図柄(偶数図柄)が選択される。また、第2特別図柄の抽選処理で「4R条件付き特定大当り1」に当選した場合は、大当り図柄として青色図柄(偶数図柄)が選択される。該青色図柄の停止表示後には、その特別遊技中において確変昇格演出が実行される。また、第2特別図柄の抽選処理で「4R条件付き特定大当り2」に当選した場合は、大当り図柄として赤図柄(奇数図柄)が選択される。
大当り演出パターンは、図109に示すように、特別図柄の抽選処理で選択された大当り種別に応じて決定される。但し、大当り種別が同一であっても、大当り当選時の遊技状態などに応じて異なる大当り演出パターンが選択されるようにしてもよい。
本例では、8種類の大当り演出パターンとして、「超寿大当り演出」、「寿大当り演出A〜C」、「喜大当り演出A〜D」が設定されている。超寿大当り演出は、大当り図柄が「金図柄」であることに対応して設定される大当り演出パターン種別である。また、寿大
当り演出は、大当り図柄が「赤図柄」であることに対応して設定される大当り演出パターン種別である。また、喜大当り演出は、大当り図柄が「青図柄」であることに対応して設定される大当り演出パターン種別である。すなわち、本例における大当り演出パターン種別は、大当り図柄の図柄属性(表示色)に対応している。
ここで、超寿大当り演出は、実質ラウンド数が「16ラウンド相当」であり、且つ、確変相当の大当りが確定したことを報知する演出内容である。寿大当り演出は、実質ラウンド数が「4ラウンド相当」であるのか、「16ラウンド相当」であるのか未確定であるが、確変相当の大当りが確定したことを報知する演出内容である。そのため、寿大当り演出では、ラウンド昇格演出が発生し得る。つまり、4ラウンド終了後に、ラウンド昇格演出(後述の16ラウンド昇格演出)が発生したことを契機に、規定ラウンド数が16ラウンド(最高ラウンド数)に昇格したことが確定する。喜大当り演出は、実質ラウンド数及び確変有無のいずれもが未確定であることを報知する演出内容である。そのため、喜大当り演出では、必ずラウンド昇格演出及び確変昇格演出のうちのいずれか一方が発生する。
続いて、図110〜図117は、大当り演出パターンの内容を説明するための模式図である。各図中には、大当り演出パターンごとに、大当り中に発生する各種の個別演出の内容とその発生タイミングとの対応関係が定められている。なお、各図中には、内容の理解を容易にするため、大入賞口65(特定領域658)の開放態様も付記している。すなわち、各図中において「開放態様」とは、各ラウンド中の大入賞口65及び特定領域658の開放態様を示している。当該「開放態様」の内容は、上記の図107に示した作動パターンの内容と対応している。
まず、大当り開始デモでは、大当り演出種別(超寿大当り、寿大当り、喜大当り)を示唆又は報知する内容が表示され、遊技者に対していずれの大当りが開始されるのかが示唆又は報知される。なお、前述したように、この大当り演出種別(超寿大当り、寿大当り、喜大当り)は、大当り発生時の装飾図柄の停止表示態様である大当り図柄の属性(金図柄、赤図柄、青図柄)と対応している。また、大当り終了デモでは、該大当り終了後(特別遊技の終了後)に移行される演出モード(遊技状態)の内容が示唆又は報知され、遊技者に対していずれの演出モードに突入又は継続されるのかが示唆又は報知される。ここで、大当り終了デモが相対的に長時間(20秒)に設定された大当りについては、その大当り終了デモ中にプリペイドカードの取り忘れ防止表示を行ってもよく、大当り終了デモが相対的に短時間(0.4秒)に設定された大当りについては、短開放×N回の際に、プリペイドカードの取り忘れ防止表示を行ってもよい。また、このプリペイドカードの取り忘れ防止表示は、初当り時のみ表示してもよい。但し、連荘中に、電源断が発生して該電源断から復帰した場合、それに基づき演出制御基板200側の情報(連荘中かどうかの情報)がクリアされるので、その場合は連荘中でも再度プリペイドカードの取り忘れ防止表示を行ってもよい。また、大当り開始デモと大当り終了デモについては、その少なくともいずれかが、初当りか連荘中の大当りかで、デモ時間を可変させてもよい。具体的には、初当りである場合よりも、連荘中の大当りである場合の方が、デモ時間が相対的に短く設定された構成としてよい。また、その場合において、初当り時にプリペイドカードの取り忘れ防止表示を行う際は、相対的に長時間に設定された大当り終了デモ中に行うが、連荘中にプリペイドカードの取り忘れ防止表示を行う場合は、相対的に短時間に設定された大当り終了デモ中ではなく、大当りラウンド中に行うようにしてもよい(長開放ラウンドでも短開放ラウンドでもよい)。
一方、各ラウンドの終了後には、各ラウンドの終了が設定されてから次のラウンド又は大当り終了デモの設定が開始されるまでの休止時間(大入賞口65が閉鎖した時間)である「ラウンド終了デモ」が設定されている。具体的に、このラウンド終了デモは、各ラウンド同士の間、又は、最終ラウンドと大当り終了デモとの間に設定されている。そのため
、特別遊技は「大当り開始デモ」→「ラウンド遊技」→「ラウンド終了デモ」→「ラウンド遊技」→「ラウンド終了デモ」→・・・→「ラウンド遊技」→「ラウンド終了デモ」→「大当り終了デモ」といった流れで展開される。このラウンド終了デモの実行時間には、基本的に、最終ラウンド以外のラウンド終了デモにおいては通常デモ時間T1(1.96秒)が設定され、最終ラウンド終了後のラウンド終了デモにおいては通常デモ時間T2(1.948秒)が設定されている。但し、このラウンド終了デモの実行期間中に、昇格演出等の個別演出を実行することが設定されている場合には、この個別演出の演出尺を確保するため、ラウンド終了デモの実行時間として、通常デモ時間T1,T2よりも長時間となる特別デモ時間T3(18.948秒)又はT4(13秒)が設定される。なお、このデモ時間に関しては、後述の「昇格演出」のところで再度詳述する。
また、各ラウンド中は、大当り演出属性(超寿大当り、寿大当り、喜大当り)に応じたラウンド演出画面が表示される。すなわち、超寿大当りである場合には超寿大当りラウンド演出画面、寿大当りである場合には寿大当りラウンド演出画面、喜大当りである場合には喜大当りラウンド画面が表示される。但し、後述の16ラウンド昇格演出が発生した場合は、この大当り演出属性が昇格して、ランクの低い属性(喜大当り)のラウンド演出画面が、ランクの高い属性(超寿大当り)のラウンド演出画面に切り替わるようになっている。
また、詳細後述するが、各ラウンド中は基本的に、画面上において現在の実行ラウンド数を明示しない代わりに、実質的に出玉が獲得できる長開放ラウンドの回数が所定のオブジェクトの個数により報知される。そのため、画面上に表示された所定のオブジェクトの個数を確認することで、今回の大当りの実質ラウンド数が判明する。但し、特別遊技中にラウンド昇格演出が発生する場合があるため、画面上に表示された所定のオブジェクトの個数はフェイクである可能性もある(つまり、長開放ラウンドの最低保障回数を表示していることになる)。このラウンド昇格演出が発生した場合には、次回のラウンドにて、そのラウンドアップに対応した個数のオブジェクトが追加表示されることとなる。なお、変形例として、特別遊技における全てのラウンド遊技が長開放ラウンド遊技である場合は、現在実行中のラウンド数を示唆又は報知するように構成してもよい。
[各種の演出]
かかる構成の第13実施形態に係る遊技機では、前述したように、遊技の進行状況等に応じて、各種の遊技演出が演出制御基板200及び画像制御基板300等により制御されて実行されるように構成されている。以下では、各種の遊技演出のうち、プレミア演出、隠しボタン演出、ナビゲート予告演出、非入賞時警告演出、昇格演出、保留変化先読み演出について順に詳述する。なお、以下では、先読み抽選の対象となった作動保留球を「トリガ保留」とも称し、該トリガ保留が消化されることを契機として実行される変動表示を「対象変動表示」とも称する。
<プレミア演出>
第13実施形態の遊技機では、非特別遊技状態であるとき、図柄の変動表示中において特定演出が実行され得るように構成されている。本例における特定演出とは、出現率が相対的に低く、且つ、大当り期待度が相対的に高く設定された希少性のある演出(プレミアム演出)のことである。この特定演出は、複数種のプレミア演出のうち、特定のプレミア演出(「特定プレミア演出」と称する)が該当する。なお、プレミア演出とは、当該変動表示にて大当り発生が確約される演出(大当り期待度が100%に設定された演出)のことである。なお、本例では、プレミアム演出を大当り期待度が100%に設定された大当り確定演出として構成しているが、これに限定されるものではなく、大当り期待度が100%未満に設定された高期待度演出として構成してもよい。
図118は、特定プレミア演出の一覧を示す模式図である。特定プレミア演出としては、(1)盤面上に設けられた祝福ランプ(図122を参照)が点灯することで大当りしたことを告知する祝福ランプ予告演出と、(2)ガラス枠5に設けられた枠ランプ10が「虹色」に点灯することで大当りしたことを告知するプレミアランプ予告演出と、(3)画面上にプレミアキャラクタが出現することで大当りしたことを告知するプレミアキャラクタ予告演出とが設定されている。
特定プレミア演出は、図柄の変動表示中においてリーチ前に発生、又はリーチ後の当落分岐前に発生する。リーチ前のタイミングとしては、変動開始時、擬似2の変動開始時、擬似3の変動開始時などのタイミングが設定されている。また、当落分岐前のタイミングとは、当該変動表示において当落の結果(当否判定結果)が明確に報知される直前のタイミングをいう。例えば、SPリーチ演出として味方キャラクタと敵キャラクタとが対戦するバトル演出が実行される場合、該バトルの勝敗が決するタイミングが当落分岐前のタイミングに該当する。本例では、複数種の演出状態(演出モード)のうち、他の演出状態(演出モード)と比較して、特定プレミア演出の実行確率が相対的に高く設定された特殊演出状態(演出モード)が設定されている。
ここで、第13実施形態における演出モード(演出状態)について説明する。図119は、第13実施形態における演出モードの遷移図である。本例においては、主制御基板100側において管理される遊技状態(又は変動パターン選択状態)に応じて、複数種の演出モード(通常演出モード、特殊演出モード、先読み演出モード、時短演出モード、確変演出モード)のうちのいずれかが択一的に設定され、該設定された演出モードに応じた変動演出が実行される。
基本的には、遊技状態が通常状態であるときは「通常演出モード」が設定され、遊技状態が時短状態であるときは「時短演出モード」が設定され、遊技状態が確変状態であるときは「確変演出モード」が設定される。但し、遊技状態として時短状態が終了したことに基づき通常状態へ移行するときは、この通常状態へ移行した直後の上記限定期間(20回)の変動表示においては「特殊演出モード」が設定され、その限定期間(20回)の変動表示を終えたときに(上記の限定期間を終えると)「通常演出モード」が設定される。すなわち、遊技状態が時短状態から通常状態へ移行するときは、「時短演出モード」→「特殊演出モード」→「通常演出モード」といった順に演出モードが遷移する。なお、詳細後述するが、通常演出モードとして複数の通常ステージを設定して、例えば、1)天井回数である20回の変動表示を経過、2)ステージ移行抽選に当選、3)SPリーチにてはずれた後など、所定条件を充足することでステージを変更する仕様としてもよい。一方、遊技状態が通常状態であるときに、事前判定の結果として相対的に大当り期待度の高い作動保留球(例えば、大当り保留や特定種別(リーチ種別)のはずれ保留)が発生した場合は、複数回の変動表示に亘って「通常演出モード」の代わりに「先読み演出モード」が設定され得る。例えば、先読み抽選の対象となる作動保留球(トリガ保留)に対して、事前判定の結果が大当りを示す場合は約1/3の割合で、事前判定の結果が特定種別(リーチ種別)のはずれを示す場合は約1/30の割合で、先読み演出モード(特殊ゾーン先読み演出)を実行することが決定される。この先読み演出モードが設定される期間は、第1特別図柄の作動保留球の個数に対応した変動表示の回数(最大4回)である。なお、先読み演出モード(先読み演出)が終了すると、次回の変動表示から「通常演出モード」に復帰する。
いずれかの演出モードが設定されると、当該演出モードに滞在中であることを示唆する演出(変動演出)として、画面上において当該演出モード専用の背景画像が表示され、また、当該演出モード専用のBGMがスピーカ11から出力される。
ここで、遊技状態が通常状態であるときに設定される各種の演出モードとして、特殊演出モードの滞在回数は一定であるが、通常演出モード及び先読み演出モードの滞在回数は不定である。すなわち、特殊演出モードは、前述のように、遊技状態が時短状態から通常状態に移行した後(電チューサポート状態が終了した後)の限定期間(20回転)において設定されるため、その滞在回数は一定となる。一方、通常演出モードは、特殊演出モードが終了してから次回の大当りが発生するまでの期間において設定され、また、先読み演出モードが割込発生することがあるため、それに応じて滞在回数は変動する。このとき、通常演出モード内に複数の通常ステージが設定されている場合、通常演出モードの滞在回数が不定であるということは、各通常ステージでの滞在回数(個別的な滞在回数)が不定であるという意味でもよいし、全ての通常ステージでの滞在回数(包括的な滞在回数)が不定であるという意味であってもよい。また、先読み演出モードは、この先読み演出モード(ゾーン演出)の実行契機となった作動保留球(トリガ保留)が消化されるまでの期間において設定されるため、該作動保留球の個数に依存した滞在回数となる。ここで、先読み演出モードは、相対的に大当り期待度の高い作動保留球が存在する場合に実行される演出モードであるため、先読み演出モードに滞在しているときは、通常演出モード又は特殊演出モードに滞在しているときと比べて、相対的に大当り期待度が高い演出状態となる。なお、いずれの演出モードに滞在している場合であっても、大当りが発生した場合は、残りの滞在回数(変動表示回数)を満了せずに、該演出モードは終了する。
なお、図示省略するが、通常演出モードを、更に複数の通常ステージに分類してもよい。例えば、通常演出モードとして、演出の種類が異なる複数の通常ステージ(第1ステージ、第2ステージ、第3ステージ)を設定して、上記の所定条件を充足した場合(例えば、予め定められた所定の変動表示回数毎に実施されるステージ移行抽選に当選した場合)に、通常ステージが相互に切り替わるようにする。その場合、通常演出モードにおける背景画像は、移行先のステージの種類に応じて相互に異なり、第1ステージ(例えば早朝ステージ)に滞在中のときは「早朝の背景画像」、第2ステージ(例えば昼ステージ)に滞在中のときは「昼の背景画像」、第3ステージ(例えば夜ステージ)に滞在中のときは「夜の背景画像」が表示される。
上述したように、第13実施形態の遊技機では、予め定められた所定条件を充足した場合に、他の演出状態(演出モード)と比較して、特定プレミア演出の実行確率が相対的に高く設定された特殊演出状態(演出モード)に移行するように構成されている。「所定条件」とは、所定の終期回数(100回)の時短状態が終了したこと(換言すれば、時短状態から通常状態に移行したこと)を契機として充足される条件である。ここで、本例における特殊演出状態とは、時短状態(時短演出モード)が終了した直後における演出モードの移行先である「特殊演出モード」が該当する。
特定プレミア演出は、遊技状態が通常状態である場合には、特殊演出モード以外の他の演出モード(通常演出モード、先読み演出モード)に滞在しているときであっても実行され得る。但し、詳細後述するが、通常演出モード又は先読み演出モードに滞在しているときよりも、特殊演出モードに滞在しているときの方が、特定プレミア演出の実行確率が高くなるように設定されている。つまり、遊技状態が通常状態である場合は、滞在中の演出モードに応じて、プレミア演出の実行確率が異なるように設定されている。
ここで、特殊演出モードに滞在する限定期間中(20回の変動表示中)は、他の演出モード(先読み演出モード)へ移行しないように設定されている。そのため、通常演出モードに滞在しているときに、高期待度の作動保留球が発生した場合(先読み演出が実行される場合)には、この通常演出モードから先読み演出モードへ移行することがあるが、特殊演出モードに滞在しているときに、高期待度の作動保留球が発生した場合(先読み演出が実行される場合)であっても、この特殊演出モードから先読み演出モードへ移行すること
はなく、上記の限定期間中は特殊演出モードに滞在を続けることになる。つまり、特殊演出モードに滞在しているときは、先読み演出モードへの移行が制限されるというだけで、例えば保留変化先読み演出やチャンス目先読み演出などの先読み演出自体は何れのステージ(通常演出モードのいずれのステージ、或いは、特殊演出モードのステージ)であっても実行することができる。
図120は、特定プレミア演出抽選テーブルの一例を示す模式図である。特定プレミア演出抽選テーブルには、滞在中の演出モードごとに、特定プレミア演出の実行の可否が定められている。図中では、便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には、取得した抽選乱数値に応じて、特定プレミア演出の実行の可否を決定するための判定置数(抽選乱数値の範囲)が設定されており、その抽選乱数値がいずれの判定置数に属するかに基づき、特定プレミア演出の実行の可否が決定されるようになっている。
各特定プレミア演出の実行可否は、上記の予告抽選管理処理(図26のS618を参照)において、当否判定の結果が大当りであることを条件として、演出抽選乱数を用いた個別の抽選(個別の予告抽選処理)により決定される。図120(A)〜(C)では、滞在中の演出モード(通常演出モード、先読み演出モード、特殊演出モード)に対して、「実行なし」、「実行あり」のいずれかを選択可能なように選択率が割り振られている。すなわち、特定プレミア演出の実行確率(当選確率)は、滞在中の演出モードに応じて異なるように設定されている。
具体的に、祝福ランプ予告演出の実行確率(当選確率)は、通常演出モードのとき「3%」、先読み演出モードのとき「3%」、特殊演出モードのとき「30%」に設定されている。また、プレミアランプ演出の実行確率(当選確率)は、通常演出モードのとき「5%」、先読み演出モードのとき「5%」、特殊演出モードのとき「30%」に設定されている。また、プレミアキャラ予告演出の実行確率(当選確率)は、通常演出モードのとき「5%」、先読み演出モードのとき「5%」、特殊演出モードのとき「35%」に設定されている。従って、通常演出モード又は先読み演出モードに滞在している場合よりも、特殊演出モードに滞在している場合の方が、特定プレミア演出の実行確率(当選確率)が高く設定されている。なお、通常演出モードに滞在している場合と、先読み演出モードに滞在している場合とで、特定プレミア演出の実行確率(当選確率)は同じである。そのため、遊技状態が通常状態であるときに、特殊演出モードが設定される限定期間(20回転)中においては、他の演出モード(通常演出モード、先読み演出モード)が設定されている場合と比較して、特定プレミア演出が発生しやすくなり(出現率の極めて低いプレミア演出を見ることのできる可能性が高まり)、大当り発生への期待感を増幅させることができる。
なお、図120において、変形例として、通常先読み演出モードに滞在している場合よりも先読み演出モードに滞在している場合の方が、特定プレミア演出の実行確率(当選確率)を高く設定してもよい(例えば先読み演出モードに滞在中は実行確率を「10%」に設定する)。すなわち、特定プレミア演出の実行確率を「通常演出モード」<「先読み演出モード」<「特殊演出モード」の順に高くなるように構成してもよい。ここで、前述したように、先読み演出モードは1以上の作動保留球内に高期待度の作動保留球が存在する場合にのみ設定され得るものなので、図120に例示したように、通常演出モードに滞在中の実行確率と先読み演出モードに滞在中の実行確率とを同一の設定確率とした場合であっても、実際には、通常演出モードに滞在しているときよりも先読み演出モードに滞在しているときの方が、特定プレミア演出の実行確率は高くなると言える。また、特定プレミア演出は、単に大当り当選した場合ではなく、特定の大当り(条件付き特定大当り、最高ラウンド数の大当り、所定ラウンド数以上の大当りなど)に当選した場合にのみ実行され得るように構成してもよい。また、図120に示した特定プレミア演出の実行確率(当選
確率)に代えて、各演出モードの実際の滞在回数(滞在比率)を勘案したうえでの特定プレミア演出の実行確率(当選確率)を設定してもよい。すなわち、通常状態での同じ当否確率(低確率状態)のもとでは、演出モードの滞在回数が多いほど、該演出モードに滞在しているときに特定プレミア演出(大当り)は実行されやすくなるため、各演出モードの滞在回数(滞在比率)に応じた特定プレミア演出の実行確率(当選確率)を設定するように構成してもよい。
ここで、第13実施形態に係る遊技機では、特殊演出モードに滞在しているときに実行可能に設定された先読み演出として、所定の先読み演出を具備する。先読み演出は、先読み抽選の対象となった作動保留球が消化される以前の一又は複数回の図柄変動表示に亘って大当り当選又は高期待度演出の発生の可能性を予告的に示唆又は報知する、いわゆる連続予告演出の一態様として実行される。
所定の先読み演出としては、例えば、保留画像の表示態様を変化させて大当り期待度を示唆する保留変化先読み演出(詳細後述する丸形保留変化先読み演出又はキャラクタ保留変化先読み演出)が該当する。本例では、便宜上、丸形保留変化先読み演出とキャラクタ保留変化先読み演出とを区別せず、一纏めにして「保留変化先読み演出」と称する。本例では、この保留変化先読み演出の種別として、保留変化先読み演出Aと、保留変化先読み演出Bとを具備する。なお、詳細後述するが、保留変化先読み演出の大当り期待度は、原則的には、その演出態様として保留画像の最終的な表示態様に応じて異なるように設定されている。つまり、図134に示すように、本例では保留画像の表示態様として、「白色」、「青色」、「緑色」、「赤色」、「金色」、「虹色」の6種類が設定されている。保留画像の表示態様は、当否判定の結果が大当りとなる信頼度(大当り期待度)と関係しており、「白色」<「青色」<「緑色」<「赤色」<「金色」<「虹色」の順に大当り期待度が1段階ずつ高くなるように設定されている。なお、ここで言う「最終表示態様」とは、詳細後述する「未消化保留の保留画像としての最終表示態様」であってもよいし、その後に表示される「消化時画像としての最終表示態様」であってもよいことを補足しておく。
保留変化先読み演出Aとは、相対的に大当り期待度の高い保留変化パターンAに従って保留変化が実行され得る先読み演出である。この保留変化パターンAは、先読み抽選の対象となるトリガ保留(保留画像)の最終的な表示態様が相対的に大当り期待度の高い表示態様(例えば赤色)に変化する演出パターンである。
保留変化先読み演出Bとは、相対的に大当り期待度の低い保留変化パターンBに従って保留変化が実行され得る先読み演出である。この保留変化パターンBは、先読み抽選の対象となるトリガ保留(保留画像)の最終的な表示態様が相対的に大当り期待度の低い表示態様(例えば青色)に変化する演出パターンである。
本例では、保留変化先読み演出Bが実行される場合よりも、保留変化先読み演出Aが実行される場合の方が、該先読み抽選の対象となるトリガ保留が消化された当該変動表示(対象変動表示)において、特定プレミア演出の出現する可能性が高くなるように構成されている。その理由として、本例においては、事前判定の結果がはずれとなる場合よりも大当りとなる場合の方が、大当り期待度の高い保留変化先読み演出(先読み演出パターン)が選択される可能性が高くなるように設定されているからであり、大当り期待度の低い保留変化先読み演出Bが実行される場合よりも、大当り期待度の高い保留変化先読み演出Aが実行される場合の方が、結果的に、大当り確定(高期待度)となる特定プレミア演出の実行確率は高くなると言える。
なお、変形例としては、当該変動表示開始時の保留画像(保留消化表示領域703に表
示されたトリガ保留の保留画像)の表示態様に応じて、特定プレミア演出の実行の可否が設定されるように構成してもよい。すなわち、当該変動表示の開始時において、トリガ保留の保留画像の表示態様が「青色」よりも「緑色」、「緑色」よりも「赤色」、「赤色」よりも「金色」である方が、特定プレミア演出の実行確率が高くなるように構成する。そのような変形例を採用しても、保留変化先読み演出Bが実行される場合よりも、保留変化先読み演出Aが実行される場合の方が、該先読み抽選の対象となるトリガ保留が消化された当該変動表示(対象変動表示)において、特定プレミア演出の出現する可能性が高くなる。なお、保留画像の表示態様が「虹色」である場合は、その時点で大当り発生が確定的となるため、その場合には特定プレミアム演出を発生させないようにしてもよいし、反対に、遊技者の優越感・満足感を一層向上させるため、特定プレミアム演出を高確率又は100%の確率で発生させるようにしてもよい。
ここで、演出モードとして特殊演出モードが設定されているときに、遊技機に電源断が発生した場合の復帰処理について概説する。本例では、通常状態において特殊演出モードが設定されているときに、電源断が発生した場合(例えば、停電等により遊技機への電力供給が遮断された場合)には、その電源断の復帰後の演出モードの移行先として、特殊演出モードではなく、通常演出モードが設定されるように構成されている。その理由として、演出制御基板200は、電源断の復帰時に、主制御基板100から送信される電源断復帰コマンド(図10のS15を参照)に含まれる情報(遊技状態情報)を参照して、その遊技状態に応じた演出モードを設定する(電源断発生時に限定期間中であったか否かは判定しない)。そのため、電源断の復帰時には、遊技状態が通常状態であることに対応した基準(デフォルト)の演出モードとして通常演出モードが設定されることになっている。なお、変動表示中に電源断が発生して、その状態からの電源断の復帰である場合は、電源断の復帰時において変動表示を再開するための処理(変動中処理又は変動停止時処理)が必要となる。一方、変動表示の停止状態(作動保留球が1個も無く遊技が進行していない状態)において電源断した場合には、電源断の復帰後に、変動表示の停止状態に戻り、新たな始動入賞等が発生するまで、基本的には変動表示に係る処理は実行されない。
なお、電源断の復帰後、変動表示の停止状態から遊技が再開されて、特別図柄の作動保留球が存在しない状態(作動保留球数が「0」の状態)にて、新たな始動入賞が発生して作動保留球(保留1)が生起された場合は、該作動保留球が消化されることに基づき、主制御基板100からの変動開始コマンドを演出制御基板200にて受信したときに、この変動開始コマンドに含まれる変動パターン情報を参照することで、主制御基板100側で選択された変動パターンが特殊変動パターンテーブル(限定頻度テーブル)を参照して決定されたものであるのか否か、すなわち、この変動パターン番号に基づき現在の状態が限定期間中の状態であるか否かを判定して、限定期間中であると判定した場合には、当該変動表示の開始時を契機として、演出モードを特殊演出モードに移行させることができる。なお、上記の図105に示すように、本例において特殊変動パターンテーブルにより選択される変動パターン番号は「PH2−1」〜「PH2−10」及び「PA2−1」〜「PA2−10」である。
続いて、特定プレミア演出の演出例について説明する。図121は、特定プレミア演出の演出例を示す模式図である。本例では、複数種の特定プレミア演出のうち、プレミアキャラクタ予告演出が出現する場合を例示する。
図中(A)に示すように、特別遊技の終了後、予め定められた所定の終期回数(100回)の変動表示が終了することで、時短状態(時短演出モード)が終了する。
図中(B)に示すように、次の変動表示が開始されることに伴い、遊技状態が時短状態から通常状態に移行して、演出モードの移行先として特殊演出モードが設定される。この
とき、演出モードが特殊演出モードに移行することで、画面上の背景表示が「時短モード背景」から「特殊モード背景」に切り替わる。特殊演出モードでは、その後の移行先である他の演出モード(通常演出モード、先読み演出モード)と比較して、プレミア演出の実行確率が高く設定されており、該他の演出モードに移行する前に大当りを発生させて、プレミア演出を出現させる期待感が高められる。なお、前述したように、遊技状態が通常状態であるときは、基本的には第1始動口61への入球を狙った遊技性となるため、第1特別図柄の作動保留球が発生する確率が高まり、この第1特別図柄の作動保留球を対象とした事前判定及び先読み抽選(保留変化先読み演出)が行われる。
図中(C)に示すように、特殊演出モードに滞在しているときの或る変動表示中(n回目の変動表示中)に、第1特別図柄の作動保留球が4個存在している。なお、図中には、この時点における第1特別図柄の作動保留球の入球順に従って、1個目の保留画像を「H1」、2個目の保留画像を「H2」、3個目の保留画像を「H3」、4個目の保留画像を「H4」で表すとともに、変動表示の対象となる保留画像(今回消化された保留画像)を「H0」で表している。このとき、1個目、3個目及び4個目の作動保留球(保留画像H1,H3)は、事前判定の結果が「はずれ」であり、2個目の作動保留球(保留画像H2)は、事前判定の結果が「大当り」であるものとする。
図中(D)に示すように、次の変動表示(n+1回目の変動表示)が開始されると、この変動表示の対象となる保留画像H1が保留消化表示領域703へシフトするとともに、消化前の保留画像H2,H3,H4がひとつ右側の保留表示領域へシフトする。この変動表示の開始時に、保留画像H1の表示態様が「白色」から「青色」に変化するとともに、保留画像H2の表示態様が「緑色」から「赤色」に変化する。なお、前述した作動保留球(保留画像H1)の事前判定の結果「はずれ」に対応して、今回の変動表示は当否判定の結果が「はずれ」となり、プレミア演出が発生することはない。
図中(E)に示すように、さらに次の変動表示(n+2回目の変動表示)が開始されると、この変動表示の対象となる保留画像H2が保留消化表示領域703へシフトするとともに、消化前の保留画像H3,H4がひとつ右側の保留表示領域へシフトする。この変動表示の開始時に、保留画像H2の表示態様が「赤色」から「金色」に変化する。なお、前述した作動保留球(保留画像H2)の事前判定の結果「大当り」に対応して、今回の変動表示では当否判定の結果として「大当り」が発生する。このとき、現在の演出モード(特殊演出モード)では、プレミア演出の実行確率が相対的に高く設定されており、上記の予告抽選管理処理における特定プレミア演出抽選にて、プレミアキャラクタ予告演出を実行することが決定される。
図中(F)に示すように、当該変動表示(n+2回目の変動表示)において、SPリーチに発展して、所定のSPリーチ演出が発生する。
図中(G)に示すように、SPリーチ発展後、当落の結果(当否判定の結果)が決する当落分岐前のタイミングにおいて、通常では出現率が極めて低いプレミアキャラクタ予告演出が出現し、大当り当選することが確定的となる。
図中(H)に示すように、当該変動表示(n+2回目の変動表示)の終了時に、大当り図柄「7・7・7」が停止表示され、16ラウンド大当り(超寿大当り)が発生する。なお、本例では演出モードとして特殊演出モードが設定されているときの演出例を記載しているが、この通常状態においては通常演出モードや特殊演出モードに滞在しているときは保留消化表示領域703に保留画像(消化時画像)を表示させる一方で、時短演出モードに滞在しているときは保留消化表示領域703に保留画像(消化時画像)を表示させないようにしてもよい(そもそも保留消化表示領域703を備えていない仕様としてもよい)
。また、未消化保留の保留画像が複数表示されているとき、同時に2以上の未消化保留の保留画像が変化することはない(1つしか変化しない)が、当該変動表示の対象となる保留画像(消化時画像)が変化しているときは未消化保留の保留画像が変化していても良い。また、時短演出モードに滞在しているときは第1特別図柄の保留画像(未消化保留の保留画像)を表示させず、通常演出モードや特殊演出モードに滞在しているときは第2特別図柄の保留画像(未消化保留の保留画像)を表示させないようにしてもよい。但し、保留消化表示領域703に表示される保留画像(消化時画像)においては、演出モードを問わず、第1特別図柄に係る保留画像(消化時画像)であっても、第2特別図柄に係る保留画像(消化時画像)であっても表示させてよい。
なお、上述の実施形態では、特別遊技の終了後に設定される時短状態(電チューサポート状態)が終了したときに、特殊演出状態(特殊演出モード)への移行契機となる所定条件が充足される構成であったが、これに限定されず、所定条件として他の条件を設定してもよい。例えば、「小当りV」又は「小当り発展大当り」と呼ばれる機種の遊技機に適用した場合について概説する。本機種では、小当りの種類として、小当り発展大当りとなって特別遊技の終了後に時短状態へ移行する「時短有り小当り」と、小当り発展大当りとなって特別遊技の終了後に時短状態ではなく通常状態へ移行する「時短無し小当り」とが設けられている。当否判定の結果が小当り(時短有り小当り又は時短無し小当り)となった場合は、小当り遊技として大入賞口65の開放を伴う1回のラウンド遊技(単位遊技)が実行される。このラウンド遊技において、大入賞口65内に設けられた特定領域658に遊技球が入球すれば、「小当り」から「大当り」に昇格し、すなわち、小当り発展大当り(小当りV)が確定し、複数回のラウンド遊技(単位遊技)を伴う特別遊技が実行される。この特別遊技の終了後、遊技状態が時短状態に移行すると、第2始動口62への入球を契機とした小当りが発生しやすくなり、該小当りから大当りに発展する可能性も高くなる。また、時短状態において小当りが発生した場合は、通常状態において小当りが発生した場合よりも、その特別遊技の終了後に時短状態へ移行する確率が高くなる(換言すれば、時短有り小当りに当選する確率が高くなる)。そのため、小当りVと呼ばれる本機種では、時短状態において小当り発展大当りを獲得し、その特別遊技の終了後も時短状態を継続させることで、小当り発展大当りを繰り返して、所謂「連荘」を継続させることを狙った遊技性となる。すなわち、時短状態を継続させることで、電チューサポート状態のもと、第2始動口62への入球により小当りVを狙う遊技が継続できるようになる。一方、特別遊技の終了後に時短状態へ移行しなかった場合(通常状態へ移行した場合)は、電チューサポート状態が終了して、第2始動口62への入球が困難(実質的に不可能)となるため、第1始動口61を狙った遊技が行われる。なお、小当り遊技において、遊技球を特定領域658に入球させることができなかった場合は、特別遊技に移行せず、小当り発生前の遊技状態が継続することになる(前述したように、小当りは遊技状態の移行の契機とならない当選種別である)。かかる構成の本機種において、特殊演出状態(特殊演出モード)への移行契機となる所定条件は、時短無し小当りに基づく特別遊技が終了したことを契機として充足される。すなわち、特別遊技の終了後に遊技状態が通常状態へ移行する場合に、所定条件が充足して、通常状態における演出状態(演出モード)として、プレミア演出の実行確率が高められた特殊演出状態(特殊演出モード)が設定される。このような変形例においても、上述の実施形態と同様の作用・効果を奏することが可能である。
また、上述の実施形態では、プレミア演出の一例として、大当り当選が確定的となる大当り確定演出を例示しているが、これに限定されるものではなく、大当り期待度が相対的に高く、且つ、実行確率が相対的に低く設定(好適には実行確率が非常に低確率に設定)された高期待度演出等を適用してもよい。なお、上述の実施形態では、プレミア演出抽選として、プレミア演出を実行するか否かを決定していたが、これに限定されるものではない。例えば、複数の演出パターンとして、通常演出パターンと、プレミア演出パターンとを用意しておき、他の演出モードと比べて、特殊演出モードに滞在中はプレミア演出パタ
ーンの選択率が高められるように構成してもよい。例えば、キャラクタ予告演出として、複数のキャラクタA〜Eのうちのいずれかが出現するキャラクタ予告演出パターンA〜Eを用意しておき、他の演出モードと比べて、特殊演出モードに滞在中は、その中からプレミアキャラクタE(キャラクタ予告演出パターンE)の選択率が高められるように構成してもよい(但し、プレミアキャラクタE以外は、ノーマルキャラクタA〜Dである)。また、特殊演出モードに滞在している場合、単に特定の予告演出の発生頻度(実行確率)が高められる仕様であっても良い。一例としては、特殊演出モード滞在中は、保留変化が発生しやすくなったり、特定の当該変動予告(SU予告など)が出現しやすくなったりする構成であっても良い。
また、上述の実施形態では、先読み演出の一例として、保留画像の表示態様に基づきトリガ保留の大当り期待度を示唆又は報知する保留変化先読み演出を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、他の種類の先読み演出を適用しても同様の作用効果を奏することができる。例えば、先読み演出としてチャンス目先読み演出を採用してもよい。チャンス目先読み演出とは、いわゆるチャンス目と呼ばれる特定のはずれ図柄を停止表示させることで、トリガ保留の大当り期待度(次回の変動表示以降の大当り期待度)を示唆又は報知する先読み演出である。チャンス目としては、例えば装飾図柄の組合せ態様が同色図柄の組合せ態様となる同色チャンス目を採用することが好適である。本例では、同色チャンス目としては、青色属性の装飾図柄の組合せ態様となる青色チャンス目と、赤色属性の装飾図柄の組合せ態様となる赤色チャンス目とが設定される。なお、金色属性の装飾図柄は「7」のみが設定されているため、チャンス目(はずれ図柄)を構成しない。このようなチャンス目先読み演出を適用する場合、青色チャンス目が成立するチャンス目先読み演出Bが実行される場合よりも、赤色チャンス目が成立するチャンス目先読み演出Aが実行される場合の方が、該先読み抽選の対象となるトリガ保留が消化された当該変動表示(対象変動表示)において、特定プレミア演出の出現する可能性が高くなるように構成される。
<隠しボタン演出>
第13実施形態の遊技機では、演出ボタン15が操作された状態で図柄の変動表示が開始された場合に、当該変動表示中において隠しボタン演出が実行され得るように構成されている。隠しボタン演出とは、遊技者に演出ボタン15の操作入力を明示的に促すことなく、該演出ボタン15が操作された状態で変動表示が開始されたときに実行され得る演出である。
隠しボタン演出は、予め定められた所定の実行条件(大当り告知条件)が成立したことを契機として実行される。大当り告知条件とは、演出ボタン15が予め設定された規定時間以上に亘り操作された状態において、特定の変動表示が開始されたときに成立する条件である。特定の変動表示とは、複数種の大当り種別のうち所定の大当り種別が発生する大当り変動表示(以下「特定変動表示」と称する)が該当する。所定の大当り種別とは、装飾図柄の停止図柄として「赤図柄」又は「金図柄」が停止表示されて大当り発生となる大当り種別をいう。そのため、所定の大当り種別とは、少なくとも、その特別遊技中にV入賞することが予定される「条件付き特定大当り(確変大当り相当)」に属する大当り種別である。従って、特定変動表示とは、装飾図柄の停止図柄(大当り図柄)として赤図柄又は金図柄が停止表示される大当りの変動表示が対象となる。
「規定時間」とは、特定変動表示の開始時を基準として判定される時間である。すなわち、特定変動表示の開始時に、上記の規定時間が経過しているか否かが判定される。具体的には、特定変動表示の開始時から逆算(起算)して少なくとも規定時間前から演出ボタン15が継続して操作されていたか否かが判定される。本例では、規定時間として例えば「3秒」が設定されている。そのため、特定変動表示の開始時において、少なくとも演出
ボタン15が3秒以上前から操作された状態が継続されていれば、大当り告知条件が成立して、隠しボタン演出が実行されることになる。
本例においては、演出ボタン15が操作されている時間(操作入力が継続されている時間)を計時するためのタイマ(図示せず)を具備しており、演出ボタン15が操作されたときに計時を開始し、演出ボタン15の操作が解除されたときに計時を終了(ゼロクリア)する。従って、演出ボタン15が操作されても、一旦解除されてしまえば、計時時間がゼロに戻ってしまい、演出ボタン15が再操作されても、再びゼロからのカウントが開始されることになる。
このとき、特定変動表示の開始時において、既に演出ボタン15が規定時間以上に亘り操作された状態(タイマの計時時間が3秒以上)であれば、この特定変動表示よりも前の複数回の変動表示に跨って演出ボタン15が継続して操作された状態であっても、大当り告知条件は成立する。つまり、複数回の変動表示に亘る演出ボタン15の操作入力は有効として判断される。なお、前述したとおり、特定変動表示の開始時から逆算して規定時間(3秒間)の間に、一度でも演出ボタン15の操作が解除された場合(操作入力が検出されなくなった場合)には、大当り告知条件は成立しない。
図122は、第13実施形態における隠しボタン演出を説明するための模式図である。本例における隠しボタン演出は、演出表示装置70の近傍に配置された祝福ランプ704が点灯することで、大当り当選を告知する演出である。この隠しボタン演出において、祝福ラン704プは、特定変動表示が開始した直後から、該特定変動表示が終了するまでの間、継続して点灯する。また、この隠しボタン演出では、祝福ランプ704の点灯と合わせて、付加演出が発生する。付加演出とは、特定変動表示の開始直後、演出ボタン15が所定時間(10秒間)だけバイブレーション動作(振動)するとともに、特定変動表示の開始直後から停止時まで特殊な効果音が所定時間(10秒間)繰り返し再生される。このように、隠しボタン演出は、特定変動表示の表示期間と略同一の期間だけ実行される。ここで、特定変動表示は、前述したように、当否判定の結果が特定の大当りとなる変動表示(リーチ種別の変動表示)であるため、隠しボタン演出の実行期間は通常変動(非リーチ種別の変動表示)の表示期間よりも長時間に設定されている。なお、隠しボタン演出のうち付加演出(演出ボタン15のバイブレーション動作)の実行期間については、特定変動表示の期間(特定変動表示の開始から停止までの期間)よりも短い時間に設定されている。
ここで、第13実施形態に係る遊技機では、図柄の変動表示中に実行可能に設定された先読み演出として、所定の先読み演出を具備する。本例では、先読み演出の演出態様(演出パターン)に応じて、先読み抽選の対象となったトリガ保留の大当り期待度が異なるように設定されている。
所定の先読み演出としては、例えば、保留画像の表示態様を変化させて大当り期待度を示唆する保留変化先読み演出(後述の丸形保留変化先読み演出又はキャラクタ保留変化先読み演出)が該当する。前述と同様に、本例では、便宜上、丸形保留変化先読み演出とキャラクタ保留変化先読み演出とを区別せず、一纏めにして「保留変化先読み演出」と称する。この保留変化先読み演出では、その演出態様(演出パターン)として、保留画像の表示態様(基本的には最終的な表示態様)に応じて、トリガ保留の大当り期待度が異なるように設定されている。詳細後述するが、図134に示すように、本例では保留画像の表示態様(表示色)として、「白色」、「青色」、「緑色」、「赤色」、「金色」、「虹色」の6種類が設定されている。保留画像の表示態様は、当否判定の結果が大当りとなる信頼度(大当り期待度)と関係しており、「白色」<「青色」<「緑色」<「赤色」<「金色」<「虹色」の順に大当り期待度が1段階ずつ高くなるように設定されている。
本例では、保留変化先読み演出の演出態様(保留画像の表示態様)に応じて、トリガ保留が消化されたときの当該変動表示において、隠しボタン演出の実行確率が異なるように構成されている。すなわち、保留画像の表示態様が大当り期待度の高い表示態様であるほど、トリガ保留が消化されたときの変動表示において、隠しボタン演出が出現する可能性が高くなり、反対に、保留画像の表示態様が大当り期待度の低い表示態様であるほど、トリガ保留が消化されたときの変動表示において、隠しボタン演出が出現する可能性が低くなる。その理由として、本例においては、事前判定の結果がはずれとなる場合よりも大当りとなる場合の方が、保留画像の表示態様が大当り期待度の高い表示態様が選択される可能性が高くなるように設定されているからであり、大当り期待度の低い表示態様が出現する場合よりも、大当り期待度の高い表示態様が出現する場合の方が、結果的に、大当り確定(高期待度)となる隠しボタン演出の実行確率は高くなると言える。
続いて、本例の作用として隠しボタン演出の流れについて説明する。図123は、隠しボタン演出の流れを説明するためのタイムチャートである。
或る変動表示(n回目の変動表示)の実行中に演出ボタン15が操作されると、これと同時にタイマが起動してカウントが開始される(t1)。
n回目の変動表示中に、途中で演出ボタン15の操作入力が解除されると、タイマのカウントが終了して、該カウント値がゼロクリアされる(t2)。
再度、n回目の変動表示中に、演出ボタン15が再度操作されると、タイマが起動してカウントが開始される(t3)。そして、n回目の変動表示が停止すると、最先の作動保留球が消化され、次回の変動表示に対する当否判定などの制御処理が実行される。この当該変動表示の開始時の処理において、当否判定の結果が大当りとなり、その大当り種別として、金図柄(超寿大当り)又は赤図柄(寿大当り)となる条件付き特定大当りが選択されたものとする。すなわち、次回の変動表示が特定変動表示となることが決定される。このとき、タイマのカウント値が3秒以上であるか否かが判定される。そして、このカウント値が3秒以上であることを条件に、当該変動表示において隠しボタン演出を実行することが決定される。
特定変動表示(n+1回目の変動表示)が開始されると、隠しボタン演出が開始される(t4)。前述したように、隠しボタン演出では、盤面上の祝福ランプが点灯して、特定の大当り(条件付き特定大当り)に当選したことが告知される。また、祝福ランプの点灯とともに、付加演出(スピーカ11からの効果音、演出ボタン15のバイブレーション動作)が発生して、遊技者の視覚、聴覚、触覚に訴える演出が展開される。
そして、特定変動表示が終了(大当り図柄として金図柄又は赤図柄が停止)すると、隠しボタン演出も終了し(t5)、その後、特別遊技が実行される。なお、本例では、特定の大当り(条件付き特定大当り)に当選してので、この特別遊技の第1ラウンド(特定ラウンド)は長開放ラウンド遊技となり、遊技球を特定領域658に入球させることを条件に、該特別遊技の終了後の遊技状態は確変状態へ移行する。
なお、本例では、隠しボタン演出を特定の大当り種別(大当り図柄が赤図柄又は金図柄となる大当り種別)に当選したことを告知する大当り告知演出として構成したが、これに限定されるものではなく、例えば、(1)大当り図柄の属性(青図柄、赤図柄、金図柄)を問わず、条件付き特定大当り(確変大当り相当)が発生すること、(2)単に大当り(大当り種別は問わない)が発生すること、(3)特定の変動演出(リーチ演出、擬似連)が表示されること、(4)特定の変動時間以上又は未満の変動表示が実行されること、(
5)特定の予告演出が出現することなど、他の情報を告知するものであってもよい。
なお、隠しボタン演出の第1の変形例として、演出ボタン15が操作された状態で遊技球が始動入賞したとき(作動保留球が生起したとき)、その事前判定の結果又は本抽選の結果が特定の情報である場合に、隠しボタン演出を実行するように構成してもよい。特定の情報とは、例えば、大当りに当選した情報、特定の大当り種別に当選した情報、特定の変動パターンが選択された情報、特定の事前判定結果の情報(特定の大当り種別に係る当否判定用乱数であることを示す情報、特定の変動パターンに係る変動パターン決定用乱数であることを示す情報)などが該当する。
また、隠しボタン演出の第2の変形例として、上記の大当り告知条件に、演出ボタン15が複数回の変動表示に亘って継続して操作されたことを条件に加えて、隠しボタン演出を実行するように構成してもよい。このとき、複数回の変動表示にかかる時間が、所定の時間以上であることを条件にしてもよい。また、複数回の変動表示に、特定の変動表示が含まれていることを条件としてもよい。更には、複数回の変動表示の間に、特定の演出(予告演出、先読み演出など)が実行された場合を条件としてもよい。また、上述の実施形態では、変動表示の開始前からの操作を条件としたが、変動表示中の特定期間における操作を条件としても良い(例えば、擬似連中、リーチ発生時、SPリーチ発展時、SPリーチの当落分岐前などでの操作を条件とする)。
なお、上述の実施形態では、先読み演出の一例として、保留画像の表示態様に基づきトリガ保留の大当り期待度を示唆又は報知する保留変化先読み演出を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、他の種類の先読み演出を適用しても同様の作用効果を奏することができる。例えば、プレミア演出のところで説明したのと同様に、先読み演出としてチャンス目先読み演出を採用してもよい。なお、チャンス目先読み演出の内容については既に説明しているので、重複説明は省略する。このチャンス目先読み演出を本例に適用する場合、青色チャンス目が成立するチャンス目先読み演出Aが実行される場合よりも、赤色チャンス目が成立するチャンス目先読み演出Bが実行される場合の方が、隠しボタン演出の実行確率が高くなるように構成される。
<ナビゲート予告演出>
第13実施形態の遊技機では、予告演出や先読み演出などを含む複数種の遊技演出のうち、特定種の遊技演出を対象としてナビゲート予告演出が実行され得るように構成されている。ナビゲート予告演出とは、特定種の遊技演出(「対象演出」とも称する)が発生したときに、この特定種の遊技演出情報(対象演出の種類、表示内容、大当り期待度など)を遊技者に提供する内容の説明演出である。対象演出の大当り期待度は、その大当り期待度に応じて設定されるナビゲート予告演出の表示態様(後述の属性)に基づき報知又は示唆される。本例では、大当り期待度が中程度以上(中期待度以上)に設定された遊技演出が対象演出の候補となる。なお、本例における対象演出は、基本的には、画面上に表示される遊技演出(画像演出)を対象としているが、対象演出とナビゲート予告演出とを明確に対応付けて遊技者に教示できるのであれば、例えばランプ演出や音声演出、役物演出をはじめとする画像演出以外の遊技演出を対象に加えてもよい。その場合には、ランプ演出や音声演出のほうが、相対的に高期待度であることが望ましく、これに対応して発生させるナビゲート予告演出も、後述する大吉属性や祝福属性などの演出属性とするのが望ましい。
本例では、一の対象演出に対して一のナビゲート予告演出が設定されており(つまり1対1の関係性)、画面上に対象演出が表示された直後に、それに対応する演出内容のナビゲート予告演出が表示されるようになっている。つまり、本例におけるナビゲート予告演出は、対象演出が表示される前に出現して対象演出の内容を事前に説明するものではなく
、対象演出が表示された直後に出現して対象演出の内容をタイムリーに説明するものである。そのため、ナビゲート予告演出は、必ず対象演出が表示された後に出現し、対象演出が表示される以前に出現することはない。
図124は、ナビゲート予告演出の属性を説明するための模式図である。ナビゲート予告演出は、ターゲットとなる対象演出の大当り期待度に応じて4種類の属性に分類され、その属性に応じた表示態様にて出現する。具体的に、ナビゲート予告演出は、対象演出の大当り期待度が中期待度である場合は「小吉」属性、対象演出の大当り期待度が高期待度である場合は「中吉」属性、対象演出の大当り期待度が激熱期待度である場合は「大吉」属性、対象演出の大当り期待度が大当り確定である場合は「祝福」属性に属する。そのため、ナビゲート予告演出の属性(表示態様)に応じて、対象演出の大当り期待度が4段階で示唆又は報知される。なお、大当り期待度が低期待度となる遊技演出については、敢えて遊技者に示唆又は報知する必要性が低いため、対象演出の対象とはならない。
図125は、各属性のナビゲート予告演出のテロップ画像を示す模式図である。図中、(A)は小吉属性のテロップ画像、(B)は中吉属性のテロップ画像、(C)は大吉属性のテロップ画像、(D)は祝福属性のテロップ画像を示している。ナビゲート予告演出においては、図中に示すように、その属性の名称(小吉、中吉、大吉、祝福)と、ターゲットとなる対象演出に関するナビゲート内容(対象演出の種類及び演出態様)とが明示されたテロップ画像が表示される。本例において、このテロップ画像は、演出表示装置70の画面右側に時系列的に表示される。ここで、祝福属性及び大吉属性のナビゲート予告演出(テロップ画像)は、ターゲットとなる対象演出が終了しても、当該変動表示が終了するまで画面上に残存表示され、又は、小吉属性や中吉属性のナビゲート予告演出(テロップ画像)よりも残存期間が長い。そして、祝福属性及び大吉属性のナビゲート予告演出(テロップ画像)が新たに発生する毎に、その発生順に従って、上から下へ時系列的に累積表示される。一方、中吉属性及び小吉属性のナビゲート予告演出(テロップ画像)は、ターゲットとなった対象演出が終了すると、その時点で画面から消去、又は、ターゲットとなった対象演出が開始又は終了してから所定時間(短時間)の経過後に画面から消去される。そのため、中吉属性及び小吉属性のナビゲート予告演出については、そのテロップ画像同士が互いに累積表示されることはない。
図126は、ナビゲート予告演出パターンテーブルの一例を示す模式図である。ナビゲート予告演出パターンテーブルには、各ナビゲート予告演出の属性ごとに、対象演出の種類と、対象演出の演出態様と、対象演出に関するナビゲート内容と、ナビゲート予告演出の出現タイミングとが対応付けられている。
図中、「対象演出」の欄には、各種の対象演出(特定種の演出)が設定されている。本例では、対象演出として、「祝福ランプ予告演出」、「丸形保留変化先読み演出」、「キャラクタ保留変化先読み演出」、「全回転リーチ演出」、「カットイン予告演出」、「SPリーチタイトル予告演出」、「7図柄テンパイ予告演出」などが設定されている。また、「演出態様」の欄には、対象演出の演出態様(演出パターン又は表示態様)が設定されている。また、「ナビゲート内容」の欄には、対象演出の種類及びその演出態様に応じた報知内容が設定されている。また、「出現タイミング」の欄には、対象演出に対してナビゲート予告演出を出現させるタイミングが設定されている。なお、ナビゲート予告演出の出現タイミングは、基本的には、対象演出の出現時(対象演出が出現した直後)である。但し、対象演出が複数回の変動表示に亘る先読み演出(連続変動演出)として構成されている場合は、当該変動表示における対象演出(演出態様)の出現時である(先読み中は発生しない)ことが定められている。つまり、例えば保留変化先読み演出が対象演出となる場合には、そのトリガ保留が消化されたときの当該変動表示において、保留変化の発生時が、ナビゲート予告演出の出現時である。ここで、各保留表示部701,702に表示さ
れた未消化保留の保留画像が変化した場合、トリガ保留が消化される以前の当該変動表示前(対象変動表示前)であっても、該保留変化時にナビゲート予告演出は実行される。また、保留変化先読み演出のように、複数回の変動表示に跨って、或いは、1回の変動表示中に、保留画像の表示態様が段階的に変化する演出構成である場合は、各段階で(各変化態様にて)ナビゲート予告演出を出現させるようにしてもよい。つまり、同一の保留画像(未消化保留の保留画像)や、同一の消化時画像に対して、ナビゲート予告演出を複数回(複数変動に亘って複数回(複数変動の各変動で1回以上)、或いは、1変動で複数回)発生させてよい。
ここで、ナビゲート予告演出の属性は、対象演出の種類及びその演出態様(演出パターン)に応じて決定されている。従って、同じ種類の対象演出であっても、その演出態様(演出パターン)に応じて、ナビゲート予告演出の属性は異なり得るように設定されている。また、同じ種類の対象演出であっても、その演出態様に応じて、ナビゲート予告演出の実行の有無が異なり得るように設定されている。
ここで、対象演出の演出態様とナビゲート予告演出の属性との対応関係について概説する。始めに、対象演出として「保留変化先読み演出」を例に挙げる。この保留変化先読み演出の演出態様には、保留画像の表示態様(保留変化後の表示態様)に応じて、「青色」、「緑色」、「赤色」、「金色」、「虹色」の5種類が設定されている。まず、その演出態様として保留画像の表示態様(当該変動表示における保留変化後の表示態様)が「虹色」である場合は、ナビゲート予告演出の属性は「祝福属性」となる。また、その演出態様として保留画像の表示態様(当該変動表示における保留変化後の表示態様)が「金色」である場合は、ナビゲート予告演出の属性は「大吉属性」となる。また、その演出態様として保留画像の表示態様(当該変動表示における保留変化後の表示態様)が「赤色」である場合は、ナビゲート予告演出の属性は「中吉属性」となる。また、その演出態様として保留画像の表示態様(当該変動表示における保留変化後の表示態様)が「緑色」である場合は、ナビゲート予告演出の属性は「小吉属性」となる。なお、その演出態様として保留画像の表示態様(当該変動表示における保留変化後の表示態様)が「青色」である場合は、ナビゲート予告演出は実行されない(いずれの属性にも含まれない)。つまり、同じ種類の演出(保留変化先読み演出)が実行される場合であっても、その演出態様(保留画像の表示態様)に応じて、ナビゲート予告演出の属性は異なり、また、ナビゲート予告演出の実行の有無が異なるように構成されている。
続いて、対象演出として「カットイン予告演出」を例に挙げる。カットイン予告演出とは、図柄の変動表示中に所定のカットイン画像を割込み表示させる演出であり、その演出態様(カットイン画像の表示態様)に応じて大当り期待度の高さを予告するものである。カットイン予告演出の演出態様には、カットイン画像(キャラクタ画像)の表示態様に応じて、「キャラクタA」、「キャラクタB」、「キャラクタC」の3種類が設定されている。まず、その演出態様としてカットイン画像の表示態様が「キャラクタA」である場合は、ナビゲート予告演出の属性は「大吉属性」となる。また、その演出態様としてカットイン画像の表示態様が「キャラクタB」である場合は、ナビゲート予告演出の属性は「中吉属性」となる。また、その演出態様としてカットイン画像の表示態様が「キャラクタC」である場合は、ナビゲート予告演出の属性は「小吉属性」となる。つまり、上記と同様に、同じ種類の演出(カットイン予告演出)が実行される場合であっても、その演出態様(カットイン画像の表示態様)に応じて、ナビゲート予告演出の属性は異なり得る。但し、カットイン予告演出については、いずれの演出態様(キャラクタA,B,C)が選択された場合であっても、必ずナビゲート予告演出が実行されるように構成されている。従って、複数種の対象演出のうち、カットイン予告演出については、いずれの演出態様(演出パターン)が選択された場合でもナビゲート予告演出の対象となる一方、保留変化先読み演出については、一部の演出態様(演出パターン)が選択された場合にのみナビゲート予
告演出の対象となる。
ここで、対象演出の演出態様が同一である場合、この対象演出に対して、ナビゲート予告演出は当該変動表示においてリーチ前のタイミングよりもリーチ後のタイミングの方が発生する可能性が高くなっている。すなわち、遊技演出は、基本的には、リーチ前に発生する遊技演出よりも、リーチ後に発生する遊技演出の方が、大当り期待度が高く設定される傾向にある(但し、リーチ前にも高期待度、激熱期待度又は当確の遊技演出は発生し得る)。このとき、対象演出には、主として相対的に大当り期待度の高い遊技演出が設定されているため、この対象演出についてもリーチ前よりもリーチ後に発生する可能性が高くなっている。その結果、この対象演出をターゲットとして発生するナビゲート予告演出についても、リーチ前のタイミングよりもリーチ後タイミングの方が発生しやすくなっていると言える。
また、ナビゲート予告演出は、先読み抽選の対象となったトリガ保留が消化される以前に実行される先行の変動表示よりも、トリガ保留が消化されたときに実行される当該変動表示の方が、このトリガ保留の大当り期待度を示唆又は報知する演出(対象演出)に対して発生する可能性が高くなっている。
また、ナビゲート予告演出は、先読み抽選の対象となったトリガ保留が消化される以前に実行される先行の変動表示よりも、トリガ保留が消化されたときに実行される当該変動表示の方が、1回の変動表示中(変動表示の開始〜停止まで)に複数回発生する可能性が高くなっている。例えば、前述したように、各保留表示部701,702に表示された未消化保留の保留画像が変化したとき、トリガ保留が消化される以前の当該変動表示前(対象変動表示前)であっても、該保留変化時にナビゲート予告演出を実行する構成を採用した場合に、(1)トリガ保留が消化される以前の変動表示では、トリガ保留に係る保留画像の表示態様が緑色に変化したときに「小吉属性:緑色保留発生」というテロップ画像を表示させるが(ナビゲート予告演出の発生回数は1回)、(2)このトリガ保留が消化されたときの当該変動表示では、後述の図127に示すように、複数回のナビゲート予告演出が発生する。つまり、本例では、トリガ保留が消化される以前の変動表示(先読み中)において実行される対象演出よりも、トリガ保留が消化されたときの当該変動表示において実行される対象演出の方が、その対象演出の種類及び演出態様(演出パターン)が数多く設定され、且つ、その対象演出の大当り期待度も相対的に高く設定されているため、それに対応してナビゲート予告演出の実行回数も多くなるように構成されている。
続いて、ナビゲート予告演出の演出例について説明する。図127は、ナビゲート予告演出の演出例を示す模式図である。
図中(A)に示すように、第1特別図柄の作動保留球が4個ある状態(保留画像H1,H2,H3,H4)にて、図柄の変動表示(1回目の変動表示)が実行されている。なお、図中には、この時点における第1特別図柄の作動保留球の入球順に従って、1個目の保留画像を「H1」、2個目の保留画像を「H2」、3個目の保留画像を「H3」、4個目の保留画像を「H4」で表すとともに、変動表示の対象となる保留画像(今回消化された保留画像)を「H0」で表している。
図中(B)に示すように、次の変動表示(2回目の変動表示)の開始時に、当該変動表示で消化の対象となる保留画像H1が保留消化表示領域703へシフトするとともに、消化前の保留画像H2,H3,H4がひとつ右側の保留表示領域へシフトする。また、この当該変動表示の開始時に、保留画像H1の表示態様が「緑色」から「赤色」に保留変化して、当該変動表示にて大当り発生する期待度が高いことが示唆又は報知される。
図中(C)に示すように、高期待度の保留変化の発生に対応して、中吉属性のナビゲート予告演出が表示される。本例では、中吉属性のナビゲート予告演出として、ナビ対象演出の演出態様(赤色保留発生)と、該ナビゲート予告演出の属性(中吉属性)とが明示されたテロップ画像が表示される。なお、この保留変化後の保留画像(赤色の保留画像)は、当該変動表示が終了するまで、保留消化表示領域703に継続表示されるため、今回の中吉属性のナビゲート予告演出(テロップ演出)は、保留変化の発生後、直ちに消去されることなく、所定時間(短時間)の間、継続して表示されるようにしてもよい。
図中(D)に示すように、当該変動表示において、SPリーチ発展時に、キリン柄(激熱期待度)のSPタイトル予告演出が発生する。SPタイトル予告演出とは、SPリーチ発展時に、SPリーチ演出のタイトルを報知する予告演出である。本例において、SPタイトル予告演出は、該タイトルの「表示色」に応じて大当り期待度を予告するものとなっており、「白色」<「緑色」<「赤色」<「キリン柄」の順に、大当り期待度が1段階ずつ高くなるように設定されている。
図中(E)に示すように、激熱期待度のSPタイトル予告演出が発生したことに対応して、大吉属性のナビゲート予告演出が表示される。。本例では、大吉属性のナビゲート予告演出として、ナビ対象演出の演出態様(キリン柄タイトル)と、該ナビゲート予告演出の属性(大吉属性)とが明示されたテロップ画像が表示される。
図中(F)に示すように、今回出現した大吉属性のナビゲート予告演出は、SPリーチタイトル予告演出(対象演出)が終了しても、画面上に残存表示され、当該変動表示が終了するまでの間、激熱期待度の遊技演出が発生したことを示す履歴情報として継続表示される。
図中(G)に示すように、キャラクタAが登場する激熱期待度のカットイン予告演出が発生する。なお、カットイン予告演出については、既に説明しているので、重複説明を省略する。
図中(H)に示すように、激熱期待度のカットイン予告演出が発生したことに対応して、大吉属性のナビゲート予告演出が表示される。本例では、大吉属性のナビゲート予告演出として、ナビ対象演出の演出態様(キャラクタA出現)と、該ナビゲート予告演出の属性(大吉属性)とが明示されたテロップ画像が表示される。なお、画面上には、今回の大吉属性のナビゲート予告演出のテロップ画像と、前回の大吉属性のナビゲート予告演出のテロップ画像とが累積的に表示され、当該変動表示が終了するまでの間、残存表示される。
<非入賞時警告演出>
第13実施形態の遊技機では、特別遊技中に設定された特定ラウンドにおいて、非入賞時警告演出が実行され得るように構成されている。非入賞時警告演出は、特別遊技の特定ラウンドが長開放ラウンド(Vラウンド)として設定されている場合に、該特定ラウンドが開始されてから所定時間が経過しても、遊技球が大入賞口65の特定領域658に入賞していないとき(V入賞が検知されていないとき)に実行される。すなわち、非入賞時警告演出は、遊技者に対してV入賞(特定領域658への入賞)を逃すことのないように注意を喚起する演出として構成される。
非入賞時警告演出は、特別図柄の抽選処理で「条件付き特定大当り」に当選した場合に、特定ラウンドが開始されてから所定時間が経過してもV入賞が発生しなかった場合に表示される。そのため、特別図柄の抽選処理で「条件付き通常大当り」に当選した場合には、特定ラウンドにおいて非入賞時警告演出が表示されることはない。
非入賞時警告演出は、特定ラウンドが開始されてから所定時間が経過したときに実行が開始され、特定ラウンドが終了したときに実行が終了される。但し、特定ラウンドが終了する前にV入賞が発生したときは、その時点で非入賞時警告演出は終了する。本例では、所定時間として25秒間が設定されており、特定ラウンド(第1ラウンド)において大入賞口65が長開放されてから規定時間(15秒間)が経過したときに非入賞時警告演出が開始される。すなわち、第1ラウンドにおいて、短時間の短開放が終了して、大入賞口65が長開放されたとき(ラウンドデモ演出が開始されたとき)から規定時間(15秒)経過後に非入賞時警告演出が実行される。なお、図110等に示されるように、第1ラウンドの長開放時間は「27秒間」に設定されているため、非入賞時警告演出が表示されたとしても、大入賞口65が閉鎖されるまでの12秒間の間、長開放中の大入賞口65に遊技球を入球させてV入賞を獲得するチャンスが十分に残されている。
図128(A)は、非入賞時警告演出の画面例を示す模式図である。具体的に、非入賞時警告演出では「大至急、Vアタッカーを狙ってください」といった、遊技球を大入賞口65(特定領域658)へ向けて発射すべきことを指示するメッセージ(警告表示)を画面上に表示する。また、非入賞時警告演出では、この警告表示に合わせて、該警告表示の内容に対応した音声をスピーカ11から同時に出力する。そのため、非入賞時警告演出では、画像表示と音声との両方から、遊技者に対して注意喚起が促される。
図128(B)は、非入賞時イレギュラー演出の画面例を示す模式図である。本例では、特定ラウンド(第1ラウンド)において非入賞時警告演出が表示されたにも関わらず、V入賞が発生しなかった場合、すなわち、確変獲得を逃した場合には、それ以降のラウンド(第2ラウンド以降)のうち、いずれかのラウンドにおいて、特別遊技の終了後に時短状態(低確率/開放延長状態)へ移行することを示唆又は報知する非入賞時イレギュラー演出が表示される。本例では、非入賞時イレギュラー演出として、図128(B)に示すように、画面上に「大当り終了後はチャンスタイムに突入します」というアナウンスを表示して、特別遊技の終了後に時短状態(時短演出モード)に移行することを示唆又は報知する。なお、本例では、第2ラウンドの開始時から大当り終了デモの開始時(「チャンスタイム突入画面」が出現する)まで、非入賞時イレギュラー演出が表示される。
一方、本例では(1)特定ラウンドにおいて遊技球が特定領域658に入賞したこと、すなわち、V入賞が発生したことを示唆又は報知するV入賞獲得演出、及び(2)特定ラウンドの開始前又は開始直後において遊技者に対して遊技球を特定領域658に入賞させることを指示するV入賞指示演出は設定されていない。そのため、特定ラウンドにおいて遊技球が特定領域658に入賞したとしても、例えば「V入賞達成」や「確変獲得」といったメッセージ(V獲得演出)を表示してV入賞が発生したことを遊技者に報知することはない。同様に、特定ラウンドがVラウンド(長開放ラウンド)であるか否かに関わらず、該特定ラウンドの開始前又は開始直後において、例えば「Vアタッカーを狙ってください」や「確変獲得チャンスラウンド」といったメッセージ(V入賞指示演出)を表示してこれからVラウンドが開始されることを遊技者に報知することはない。このように本例の遊技機では、玉確スペック特有のV入賞に関する演出表示を排した仕様に構成されている。
ここで、前述のとおり、特定ラウンドがVラウンド(長開放ラウンド)に設定されているのにも関わらず、本遊技機の仕様(玉確スペック)を知らず、或いは、遊技者の不注意等により、特定ラウンドが開始されてから所定時間が経過してもV入賞が発生しなかった場合は、画面上に非入賞時警告演出を表示することにより、遊技者(特に初心者)が不利益を被るのを未然に防止している。但し、このように非入賞時警告演出を実行したにも関わらず、遊技者がV入賞を逃した場合は、所定期間の間、非入賞確定演出を発生させる。
非入賞確定演出は、遊技者がV入賞できずに確変移行を逃したという事実を報知する演出である。具体的に、非入賞確定演出では、枠ランプ5を通常の点灯態様とは異なる特殊な点灯態様で発光させる。非入賞確定演出は、V入賞を逃したことが確定したとき(すなわち、特定ラウンドが終了したとき、或いは、大入賞口65は閉鎖したとき)に実行が開始され、今回の特別遊技が終了してからも継続(次回の特別遊技の開始時まで継続)される。このような非入賞演出を設けた理由は、例えば、金図柄として「7・7・7」が揃って大当りが発生したにも関わらず、その特別遊技の特定ラウンドでV入賞を逃したことで、特別遊技の終了後に確変状態へ移行しなかった場合に、遊技者が疑問に感じてホール店員に問い詰めたときに、確変移行できなかったのは遊技者がV入賞を逃してしまったことが原因であること(遊技機の不具合ではないこと)を、該非入賞確定演出の発生によって明確に立証できるからである。なお、次回の特別遊技の開始時に非入賞演出を終了する理由としては、次の大当りが発生したことで、確変移行しなかったことに対する遊技者の不満感は解消できると考えられるからである。当然ながら、このような問題が生じないように、他の実施形態でも例示したように、「Vアタッカーを狙ってください」などのV入賞指示演出を表示させてもよい。その場合には、前述の昇天演出が発生する大当り中では、このV入賞指示演出の報知態様を通常態様とは異なる特別態様で発生させてもよいし、V入賞指示演出を表示させない仕様としてもよい。
続いて、本例の作用として非入賞時警告演出の流れについて説明する。図129は、非入賞時警告演出の流れを説明するためのタイムチャートである。なお、図129は、各ラウンド遊技等の実行状態を概念的に表すものであり、各ラウンド遊技等の時間幅および比率は、実際の時間幅および比率に対応するものではない。
本例では、特別図柄の抽選処理で16R条件付き特定大当り1(確変大当り相当)に当選して、特別遊技が開始されたものとする。そのため、第1ラウンドとして長開放ラウンド遊技(Vラウンド)が設定され、大入賞口65及び特定領域の開放動作として1回の短開放と1回の長開放とが行われる。なお、図129には、、大入賞口65及び特定領域658の1回の開放動作として、長開放には「L」の文字を、短開放には「S」の文字を付記している。
まず、特別遊技において第1ラウンドが開始され、大入賞口65及び特定領域652が短開放される(t1)。本例において、短開放の時間は「0.052秒」に設定されている。
続いて、同ラウンドにおいて、大入賞口65及び特定領域652が長開放される(t2)。本例において、長開放の時間は「27秒」に設定されている。なお、図示省略するが、第1ラウンドの長開放が開始されると、最終ラウンドが終了するまで、画面上に「超寿大当りラウンドデモ画面」が表示される。
このとき、大入賞口65及び特定領域658が長開放されてから所定時間(15秒)が経過してもV入賞が発生しない場合、非入賞時警告演出が開始される(t3)。非入賞時警告演出では、図128(A)に示したように、遊技者に対して、遊技球を大入賞口65(特定領域658)へ向けて打ち出すことが促される。
非入賞時警告演出が実行されているときに、遊技球が特定領域658に入球してV入賞が発生する(t4)。それにより、今回の特別遊技の終了後に、確変状態(確変演出モード)へ移行することが確定する。
こうして特定領域658へのV入賞が発生すると、その時点で非入賞時警告演出の実行が終了する(t4)。その後、第1ラウンドが終了すると(t5)、ラウンド終了デモを
経て、次回のラウンド(第2ラウンド)が開始される(t6)。なお、第1ラウンドにおいて、非入賞時警告演出が実行されて遊技者に対して注意喚起が促されたのにも関わらず、V入賞を逃した場合には、第2ラウンド以降において、図128(B)に示したように、非V入賞時イレギュラー演出が発生して、今回の特別遊技の終了後に時短状態へ移行することが報知される。
上述の実施形態では、特定ラウンドが長開放ラウンド遊技(Vラウンド)となる場合、該特定ラウンドにおいて「短開放1回→長開放1回」という順に動作する開放動作パターンが実行されるが、これに限定されるものではなく、短開放と長開放とを適宜に組み合わせた他の開放動作パターンが実行されてもよい。例えば、特定ラウンドが長開放ラウンド遊技(Vラウンド)となる場合、該特定ラウンドにおいて、少なくとも「長開放1回→短開放N回→長開放1回」という順に動作する開放動作パターンを適用することが好適である(但し、N≧1)。この変形例の開放動作パターンでは、1回目の長開放にてV入賞が発生しなかった場合に、N回の短開放(短開放→閉鎖→短開放→閉鎖→…→短開放→閉鎖)の期間を演出尺として非V入賞時警告演出を実行することで、2回目の長開放にてV入賞が発生する可能性を高めることができる。また、このようにN回の短開放が作動しているときに、非入賞警告演出を実行することで、遊技者を非入賞時警告演出に注視させやすくし、遊技者に対してより確実に注意喚起を行うことができる。なお、この開放動作パターンを採用する場合、1回目の長開放の前、又は、2回目の長開放の後に、1回以上の短開放を付加してもよい。なお、Vラウンド終了(本例では1ラウンド目)後のラウンド間時間(ラウンド待機時間)は、通常ラウンド(本例では2ラウンド目以降)間のラウンド間時間と比べて長時間としても良い。また、Vラウンドを2ラウンド目〜15ラウンド目のいずれかに設定した場合、「通常ラウンド→Vラウンドにおけるラウンド間時間」と「Vラウンド→通常ラウンドにおけるラウンド間時間」は、「通常ラウンド間のラウンド間時間」よりも長く設定してよい。
<昇格演出>
第13実施形態の遊技機では、特別遊技の実行中に、大当り中演出として昇格演出が実行され得るように構成されている。昇格演出とは、前述したように、大当りが発生した場合に、その特別遊技の開始前又は開始時に当該大当りに係る利益態様(便宜上「仮の利益態様」とする)を示唆又は報知した後、その特別遊技の実行中において当該大当りに係る現実の利益態様が仮の利益態様よりも利益度合いが高いか否かを示唆又は報知する演出である。つまり、特別遊技の開始前又は開始時に示唆又は報知された当該大当りの利益態様が真実(そのとおりの利益態様)なのか、虚偽(高い利益態様)なのかを示唆又は報知して、その一連の過程を通じて当該大当りの利益態様が昇格(変化)するか否かを見せる演出である。なお、言い換えれば、大当りにおける最低保障の利益(通常大当り以上、4ラウンド以上など)を確約する演出でもある。
昇格演出には、大別して、ラウンド昇格演出と、確変昇格演出とがある。ラウンド昇格演出とは、大当り発生時に示唆又は報知された特別遊技の規定ラウンド数が真実のラウンド数か虚偽のラウンド数か不確定な状態において、そのラウンド数以降においてもラウンドが継続(ラウンドアップ)する可能性を示唆又は報知する昇格演出である。このラウンド昇格演出には、単にラウンドアップすることを示唆又は報知するものと、ラウンドアップすることだけでなく真の規定ラウンド数(最終的なラウンド数)又は、真の長開放ラウンドの総数までも示唆又は報知するものとがある。確変昇格演出とは、大当り発生時に示唆又は報知された大当りが確変大当り(条件付き特定大当り)であるか否か不確定な状態において、特別遊技の終了後の遊技状態が確変状態となる可能性を示唆又は報知する演出である。この確変昇格演出は、該昇格演出の演出内容と実際の遊技結果との齟齬を失くすため、特定ラウンドにてV入賞が確定したことを条件に実行される演出である。ここで、前述の第7実施形態では、「昇格演出」を広義に解釈して、昇格成功演出及び昇格失敗演
出の双方を包含していた。そのため、昇格演出が発生しても、その時点では昇格成功なのか昇格失敗なのかが分からず、昇格の成否はその演出結果待ちとなっていた。一方、第13実施形態では、「昇格演出」を狭義に解釈して、昇格成功演出を包含する一方で昇格失敗演出を包含しない。そのため、昇格演出が発生した時点で、昇格成功することが確定的となるものである。詳細後述するが、本例の「昇格分岐演出」が発生すると、ラウンド昇格又は確変昇格のうちの一方の大当り昇格が確定的となり、本例の「16ラウンド昇格演出」が発生すると、少なくともラウンド昇格(規定ラウンド数が16ラウンドに昇格)が確定的となる。このように、第13実施形態において「昇格演出」は大当り昇格することが確定する演出として構成されている。但し、この「昇格分岐演出」は、(1)確変昇格となるか否か示唆するため(又は示唆するだけ)の演出として使用しても良いし、(2)ラウンド昇格となるか否かを示唆するため(又は示唆するだけ)の演出として使用しても良く、その場合は、第7実施形態のように、単に「昇格演出」と広義に定義しても良く、更にはその性質に応じて、上記(1)である場合は「確変昇格演出」、上記(2)である場合には「ラウンド昇格演出」と定義(文言使用)しても良い。
本例では、大当り昇格の種類としてラウンド昇格又は確変昇格を選択的に示唆又は報知する昇格分岐演出が設定されている。すなわち、昇格分岐演出とは、大当り昇格の種類が「ラウンド昇格」であるのか「確変昇格」であるのかを告知する演出である。そのため、特別遊技の実行中に昇格分岐演出が発生した時点で、いずれか一方の大当り昇格(ラウンド昇格、確変昇格)の発生が確約される。
昇格分岐演出は、分岐先の結果(大当り昇格の種類)がいずれであるのかを煽る分岐前演出と、分岐先の結果(大当り昇格の種類)を告知する分岐後演出とから構成される。分岐前演出では、大当り昇格の種類を選択すべく、二つの選択肢を含む二択画面が表示され、遊技者のボタン操作によって二者択一的にいずれかの選択肢を選択可能となる。この分岐前演出は、最終的な演出結果(分岐先)に依存しない共通の演出として構成され、その分岐先の結果(大当り昇格の内容)がいずれである場合であっても共通の演出内容となっている。一方、分岐後演出では、遊技者の選択した選択肢に応じた演出結果が表示されることで、あたかも遊技者の選択操作によってラウンド昇格及び確変昇格のうちの一方の大当り昇格が発生したかのように見せる演出内容となっている。なお、実際には、この昇格分岐演出の演出結果(分岐先)は、特別図柄の抽選処理にて選択された大当りの種類に応じて予め決定されており、その種類に応じた演出展開(分岐先)となる(詳細後述)。
図130は、昇格分岐演出パターンテーブルを示す模式図である。昇格分岐演出パターンテーブルには、大当り種別と、大当り演出パターンと、昇格分岐演出パターンとの対応関係が定められている。すなわち、昇格分岐演出の演出パターンは、大当り種別又は大当り演出パターンに基づき決定される。本例において、昇格分岐演出は、大当り演出パターンとして「喜大当りA〜D」のいずれかが選択された場合(つまり「青図柄」で大当りした場合)に実行される。
昇格分岐演出パターンには、演出結果としてラウンド昇格することが示唆又は報知される昇格分岐演出パターンAと、演出結果として確変昇格することが示唆又は報知される昇格分岐演出パターンBとが設定されている。
昇格分岐演出パターンAは、二種類の大当り昇格のうち、ラウンド昇格することは確定するが、確変昇格することまでは確定しない演出内容である。この昇格分岐演出パターンAでは、当該演出パターンA・B共通の分岐前演出が実行された後、分岐先としてラウンド昇格(後続4ラウンドを獲得)することが決定される内容の分岐後演出が実行される。
一方、昇格分岐演出パターンBは、二種類の大当り昇格のうち、確変昇格することは確
定するが、ラウンド昇格することまでは確定しない演出内容である。この昇格分岐演出パターンBでは、当該演出パターンA・B共通の分岐前演出が実行された後、分岐先として確変昇格(特別遊技後に確変状態に移行)することが決定される内容の分岐後演出が実行される。
以下では、説明の便宜上、昇格分岐演出パターンAが実行される昇格分岐演出を「昇格分岐演出A」とも称し、昇格分岐演出パターンBが実行される昇格分岐演出を「昇格分岐演出B」とも称する。
昇格分岐演出Aは、特別図柄の抽選処理で「16R条件付き特定大当り2」、「16R条件付き通常大当り」、「9R条件付き通常大当り」のいずれかに当選した場合、すなわち、その大当り演出として「喜大当りA(図114)」、「喜大当りB(図115)」、「喜大当りC(図116)」のうちのいずれかが選択された場合に実行される。つまり、互いに実質ラウンド数の異なる大当り間(実質16ラウンド相当、実質8ラウンド相当及び実質4ラウンド相当の大当り間)で昇格演出が実行される。昇格分岐演出Aは、該昇格演出の発生後に、4回のラウンド(出玉の獲得できる4回の長開放ラウンド遊技)の継続が確定的となる演出である。すなわち、昇格分岐演出Aが発生することで、実質ラウンド数が4ラウンド増加することが確定的となる。
昇格分岐演出Bは、特別図柄の抽選処理で「4R条件付き特定大当り1」に当選して、その特別遊技において喜大当り演出D(図117)が実行される場合に選択される。「4R条件付き特定大当り1」は、前述したように、その変動表示において青図柄(偶数図柄)が停止表示される大当り種別であり、その停止表示態様のみでは、条件付き特定大当り及び条件付き通常大当りのいずれに当選したのか判別困難となっている。そのため、昇格分岐演出Bでは、特別遊技の終了後の遊技状態が確変状態に移行することが確定する演出内容となっている。なお、昇格分岐演出Bは、確変状態に移行することを確定的に報知するものであるため、昇格演出の結果と実際の遊技状態との間に齟齬が生じないように、特定ラウンドにてV入賞が発生したことを条件に実行される。そのため、大当り演出中に昇格分岐演出Bの実行が設定されている場合に、特定ラウンドでV入賞を逃したときは、昇格分岐演出Bの実行はキャンセルされ、その代わりとして、時短状態への移行を示唆又は報知する「チャンスタイム突入画面」を表示する。なお、昇格分岐演出Bがキャンセルされたときの変形例として、例えば、大当り昇格(ラウンド昇格、確変昇格)のうちのいずれの獲得も失敗する内容の演出(昇格分岐演出X)を設定してもよい。
図131は、昇格分岐演出の実行タイミングを説明するためのタイムチャートである。なお、図131は、各ラウンド遊技等の実行状態を概念的に表すものであり、各ラウンド遊技等の時間幅および比率は、実際の時間幅および比率に対応するものではない。
本例において昇格分岐演出は、各ラウンドの終了後に設定されたラウンド終了デモ、又は、最終ラウンドの終了後に設定された大当り終了デモにおいて実行される。本例では、上記の大当り種別又は大当り演出パターンに応じて、昇格分岐演出の実行タイミングが異なるように設定されている。
具体的に、図中(A)に示すように、特別図柄の抽選処理で「16R条件付き特定大当り2」に当選した場合、昇格分岐演出Aは、その特別遊技における第4ラウンドの終了後(第4ラウンドと第5ラウンドとの間)に設定されたラウンド終了デモにおいて実行される。このラウンド終了デモのデモ時間としては、通常デモ時間T1(1.96秒),T2(1.948秒)よりも長い時間となる特別デモ時間T3(18.948秒)が設定されている。そして、第4ラウンドにて大入賞口65が閉鎖された後、所定時間(通常デモ時間T2に相当する1.948秒)が経過した後に、昇格分岐演出A(最終的にラウンド昇
格が確定する演出)が開始される。
また、図中(B)に示すように、特別遊技の抽選処理で「16R条件付き通常大当り」又は「9R条件付き通常大当り」に当選した場合は、昇格分岐演出Aは、その特別遊技における第5ラウンドの終了後(第5ラウンドと第6ラウンドとの間)に設定されたラウンド終了デモにおいて実行される。このラウンド終了デモのデモ時間としては、通常デモ時間T1(1.96秒),T2(1.948秒)よりも長い時間となる特別デモ時間T3(18.948秒)が設定されている。そして、第5ラウンドにて大入賞口65が閉鎖された後、所定時間(通常デモ時間T2に相当する1.948秒)が経過した後に、昇格分岐演出A(最終的にラウンド昇格が確定する演出)が開始される。
一方、図中(C)に示すように、特別図柄の抽選処理で「4R条件付き特定大当り1」に当選した場合は、昇格分岐演出Bは、その特別遊技における第4ラウンド(最終ラウンド)の終了後に設定されたラウンド終了デモが経過した後、大当り終了デモにおいて実行される。このラウンド終了デモのデモ時間としては、相対的に短時間となる通常デモ時間T2(1.948秒)が設定されている。そして、第4ラウンドにて大入賞口65が閉鎖された後、所定時間(通常デモ時間T2に相当する1.948秒)が経過した後に、昇格分岐演出B(最終的に確変昇格が確定する演出)が開始される。
このように、いずれの大当り演出においても、1回の短開放及び4回の長開放が行われた後、通常デモ時間T2に相当する所定時間(1.948秒)が経過したときに、昇格分岐演出A,Bが開始されるため、この大入賞口65の開閉動作を見ることにより、いずれの大当り種別に当選したのかを遊技者に先バレしてしまうのを防止でき、昇格演出の演出効果を一層向上させることができる。
なお、本例では、上記の昇格分岐演出の他に、ラウンド昇格演出の一種として、16ラウンド昇格演出が用意されている。16ラウンド昇格演出は、規定ラウンド数が16ラウンドに昇格したこと、すなわち、16ラウンド大当り確定を示唆又は報知する演出である。
16ラウンド昇格演出には、16ラウンド昇格演出Aと、16ラウンド昇格演出Bとがある。16ラウンド昇格演出Aは、規定ラウンド数が16ラウンドへラウンド昇格することが確定する演出であり、16ラウンド昇格演出Bは、規定ラウンド数が16ラウンドへラウンド昇格し、且つ、確変昇格することが確定する演出である。
16ラウンド昇格演出Aは、特別図柄の抽選処理で「16R条件付き特定大当り4」に当選した場合、すなわち、その大当り演出として「寿大当りA(図111)」が選択された場合に実行される。16ラウンド昇格演出Aは、第4ラウンドの終了後に設定されたラウンド終了デモにおいて実行される。このラウンド終了デモのデモ時間としては、通常デモ時間T1,T2よりも長い時間となる特別デモ時間T4(13秒)が設定されている。16ラウンド昇格演出Aは、第4ラウンドが終了した直後、可動役物24を演出表示装置70の画面正面に重なるように上方から落下させ、該可動役物24を画面正面から上方へ退避させた後、その開放された画面上に「超寿大当り」というタイトルを表示することで、16ラウンド大当り(超寿大当り)に当選したことを告知する演出内容となっている。従って、16ラウンド昇格演出Aは、大当りの種類が喜大当り(4R確変大当り相当)から超寿大当り(16R確変大当り相当)に昇格したかのように見せる演出内容である。
16ラウンド昇格演出Bは、特別図柄の抽選処理で「16R条件付き特定大当り2」に当選した場合、すなわち、その大当り演出として「喜大当りA(図114)」が選択された場合に実行される。16ラウンド昇格演出Bは、第8ラウンドの終了後に設定されたラ
ウンド終了デモにおいて実行される。このラウンド終了デモのデモ時間としては、通常デモ時間T1,T2よりも長い時間となる特別デモ時間T3(18.948秒)が設定されている。16ラウンド昇格演出Bは、第8ラウンドが終了して(大入賞口65が閉鎖して)、所定時間(第2通常デモ時間に相当する1.948秒)が経過した直後、画面上に、「チャンスタイム突入デモ画面」を一旦表示して「喜大当りC(8R大当り)」に当選していたかのように見せかけた後、本機種の主要キャラクタ全員を背景に「そんなわけないでしょう!」というメッセージのカットイン画像を表示し、その後、「超寿大当り」というタイトルを表示することで、16ラウンド大当り(超寿大当り)に当選したことを告知する演出内容となっている。従って、16ラウンド昇格演出Bは、大当りの種類が喜大当り(8R通常大当り相当)から超寿大当り(16R確変大当り相当)に昇格したかのように見せる演出内容である。つまり、16ラウンド昇格演出Bが発生することにより、確変昇格及びラウンド昇格の双方が確定することになる。なお、16ラウンド昇格演出Bは、上記の昇格分岐演出Aが実行されて4ラウンドだけラウンドアップした後、最終的なラウンド数(16ラウンド)を告知するかたちで実行される。
続いて、昇格分岐演出Aの演出例について説明する。図132は、昇格分岐演出Aの演出例を示す模式図である。本例では、特別図柄の抽選処理で「16R条件付き特定大当り2」に当選して、その大当り演出として「喜大当り演出A」が実行される場合を例示して説明する。
図中(A)に示すように、或る変動表示において、大当り図柄として青図柄「2・2・2」が停止表示され、大当りが発生する。今回の大当りでは、この大当り図柄(青図柄)の発生により、賞球獲得(出玉)の期待値が相対的に低い「喜大当り」に当選したことが示唆される。
図中(B)に示すように、大当りの発生に伴い、大当り開始デモが実行され、画面上において「喜大当り」が開始されることが告げられる。
図中(C)に示すように、特別遊技の第1ラウンドが開始される。本例では、画面上において、現在のラウンド数が明確に報知されないが、その代わり、該特別遊技中に実行予定の長開放ラウンド遊技の回数に応じた個数のオブジェクト画像(丸印)が表示されるようになっている(1回の長開放ラウンド遊技に対して、1個のオブジェクトが表示される)。図示の例では、4個のオブジェクト画像が表示されることで、今回の喜大当りでは、4回の長開放ラウンド遊技が実行されること(実質4ラウンド相当であること)が報知される。なお、各オブジェクト画像のうち、白丸は未消化の長開放ラウンド遊技の回数を示し、黒丸は消化中又は消化済の長開放ラウンド遊技の回数を示している。このようにオブジェクト画像の個数は、長開放ラウンド遊技の回数に対応している。
図中(D)に示すように、第4ラウンドの終了後(大入賞口65が閉鎖した後)、ラウンド終了デモが開始されてから所定時間(1.948秒)が経過したとき、画面上に「昇格チャンス」というメッセージが表示され、昇格分岐演出が開始される。
図中(E)に示すように、昇格分岐演出が開始されると、まず、分岐前演出として、遊技者に対して、演出ボタン15を操作して好みの宝箱を選択することで、ラウンド昇格又は確変昇格のいずれかを獲得できることが示唆される。
図中(F)に示すように、画面上に宝箱を模した2個の画像が出現し、遊技者のボタン操作により、いずれかの宝箱を選択することが可能な状態となる(演出ボタン15の操作入力が有効となる)。本例では、左右二つの宝箱のうち、右側の宝箱が選択されている状態を表している。
図中(G)に示すように、一方の宝箱が選択されると、この選択した方の宝箱が開放されて、その演出結果として「R」と表示された4つのオブジェクト画像が表示され、後続4ラウンド(4回の長開放ラウンド)を獲得したこと、すなわち、ラウンド昇格したことが報知される。それにより、特別遊技が当該第4ラウンドで終了することなく、第5ラウンド以降も継続することが確定する。なお、実際には、当選した大当りの種類に基づき、ラウンド昇格することが事前に決定されているため、いずれの宝箱を選択されたとしても、同じ演出結果(ラウンド昇格)が導出される。
図中(H)に示すように、ラウンド昇格の発生により、特別遊技の第5ラウンドが開始される。画面上には、ラウンド昇格したことにより、更に4個のオブジェクト画像(丸印)が追加され、合計8個のオブジェクト画像が表示される。このように、ラウンド昇格の発生により、今回の特別遊技が第8ラウンドまで継続することが確定する。なお、今回の大当りでは、上記図114に示すように、この第8ラウンド終了後のラウンド終了デモにおいて、上記の16ラウンド昇格演出Bが発生することになっており、当該16ラウンド昇格演出の発生により、今回の大当りが16ラウンド大当り(超寿大当り)であることが報知される。従って、第4ラウンド終了後及び第8ラウンド終了後の合計2回のラウンド昇格を経て、最高ラウンド数(16ラウンド)の獲得が確定される。なお、最高ラウンド数が確定したタイミングにて、当該最高ラウンド数の確定を祝う特別な演出を発生させるようにしてもよい。ここで、本例では、「16R条件付き特定大当り2(喜大当りA)」に当選したときに実行される昇格分岐演出Aを例示したが、「9R条件付き通常大当り(喜大当りC)」に当選したときに実行される昇格分岐演出Bにおいては、前述の16ラウンド昇格演出B(第8ラウンド終了時に発生)とは発生タイミングが1ラウンドだけずれて、第9ラウンド終了時にチャンスタイム突入画面となる。つまり、昇格分岐演出Aが実行されるが16ラウンド昇格演出Bが実行されない大当り演出パターンとなる。
続いて、昇格分岐演出Bの演出例について説明する。図133は、昇格分岐演出Bの演出例を示す模式図である。本例では、特別図柄の抽選処理で「4R条件付き特定大当り1」に当選して、その大当り演出として「喜大当り演出D」が実行される場合を例示して説明する。
図中(A)に示すように、或る変動表示において、大当り図柄として青図柄「2・2・2」が停止表示され、大当りが発生する。今回の大当りでは、この大当り図柄(青図柄)の発生により、確変獲得(V入賞)の期待値が相対的に低い「喜大当り」に当選したことが示唆される。
図中(B)に示すように、大当りの発生に伴い、大当り開始デモが実行され、画面上において「喜大当り」が開始されることが告げられる。
図中(C)に示すように、特別遊技の第1ラウンドが開始される。本例においても、前述した通り、画面上において、現在のラウンド数が明確に報知されないが、その代わり、該特別遊技中に実行予定の長開放ラウンド遊技の回数に応じた個数のオブジェクト画像(丸印)が表示されるようになっている(1回の長開放ラウンド遊技に対して、1個のオブジェクトが表示される)。
図中(D)に示すように、第4ラウンドの終了後(大入賞口65が閉鎖した後)、ラウンド終了デモとして設定された所定時間(1.948秒)が経過したとき、画面上に「昇格チャンス」というメッセージが表示され、昇格分岐演出が開始される。なお、画面上には現在の状態が大当り終了デモ中の状態であることが明示されないが、内部的には大当り終了デモ中の状態として設定されている。
図中(E)に示すように、昇格分岐演出が開始されると、まず、分岐前演出として、遊技者に対して、演出ボタン15を操作して好みの宝箱を選択することで、ラウンド昇格又は確変昇格のいずれかを獲得できることが示唆される。
図中(F)に示すように、画面上に宝箱を模した2個の画像が出現し、遊技者のボタン操作により、いずれかの宝箱を選択することが可能な状態となる(演出ボタン15の操作入力が有効となる)。本例では、左右二つの宝箱のうち、右側の宝箱が選択されている状態を表している。
図中(G)に示すように、一方の宝箱が選択されると、この選択した方の宝箱が開放されて、その演出結果として「確変モード突入」という文字が表示され、確変(V入賞)を獲得したこと、すなわち、確変昇格したことが報知される。それにより、今回の特別遊技の終了後に確変状態(確変演出モード)へ移行することが確定する。なお、実際には、当選した大当りの種類に基づき、確変昇格することが事前に決定されているため、いずれの宝箱を選択されたとしても、同じ演出結果(確変昇格)が導出される。
図中(H)に示すように、確変昇格の発生により、画面上に「確変モード突入」という文字が表示され、このまま特別遊技が終了して確変状態(確変演出モード)へ移行することが報知される。なお、今回の大当りが初当りである場合には、確変モード突入画面が表示された後、確変演出モードにおける遊技説明画面が表示される。そのため、今回の大当りが連荘による大当りである場合よりも初当りである場合の方が、大当り終了デモの実行時間が長く設定されている。
ここで、本例における昇格分岐演出では、昇格分岐演出パターンA,Bのいずれが発生するのかは、特別図柄の抽選処理時において大当りの種類(規定ラウンド数、Vラウンドの有無など)に応じて事前に確定しているため、実際にはその種類に応じた演出展開(昇格分岐演出パターンA,B)となる。なお、本例における昇格演出(昇格分岐演出A,B、16ラウンド昇格演出A,B)では、16R大当りに対する特別遊技として、大当り種別に応じて実質ラウンド数(実質的に出玉の獲得が可能なラウンド数)の異なる複数種の特別遊技(実質16ラウンド、実質8ラウンド、実質4ラウンド)を設定しているため、ラウンド表示器77の表示内容により、ラウンド昇格演出の結果が先バレしてしまうのを未然に防止して、複数回のラウンド昇格演出(+4ラウンド昇格→16ラウンド昇格)の実行が可能となっている。
また、本例における昇格分岐演出には、ラウンド昇格演出及び確変昇格演出の両方の演出要素が含まれており、いずれの昇格分岐演出パターンA,Bが実行された場合でも、大当り昇格としてラウンド昇格及び確変昇格のうちの一方の昇格利益を獲得可能に構成されているため(すなわち、昇格失敗となることがないため)、昇格分岐演出の演出結果が昇格失敗となることで遊技者を落胆させることがなく、昇格演出の演出効果を高めることが可能である。なお、昇格分岐演出で現出される宝箱(図132等を参照)の種類によって、確変昇格期待度が高いか、ラウンド昇格期待度が高いかの傾向が異なっていても良い。
次いで、ラウンド昇格演出(ラウンドアップ演出)の変形例について説明する。本変形例では、大当り図柄が停止表示されてから、その特別遊技が終了するまでの間、ラウンドアップ演出を複数回発生させることができる。ここで、ラウンドアップ演出は、1)大当り開始前のみ、2)大当り開始前及び大当り中の両方、3)大当り中のみ、に実行することが可能である。本変形例におけるラウンドアップ演出では、画面上に演出ボタン15の操作を指示する画像が表示され、それに応じて遊技者により演出ボタン15が操作された直後に、ラウンドアップが発生したこと(ラウンド数が増加したこと)を示唆又は報知す
る演出内容となっている。本変形例では、ラウンドアップ演出において、演出ボタン15が操作された後、画面上に、ラウンドアップした数(ラウンド数)に対応した個数のオブジェクトを表示、又は、ラウンドアップにより遊技者が獲得可能となった賞球数を表示することで、ラウンド数が増加したことが示唆又は報知される。ここで、特別遊技が終了するまでに、ラウンドアップ演出が複数回発生する場合は、各回のラウンドアップ演出の発生時点で少なくともラウンドアップ(規定ラウンド数が増加したこと)が確定的となる。但し、複数回のラウンドアップ演出のうちのいずれかは、単にラウンドアップしただけでなく、規定ラウンド数が最高ラウンド数(フルラウンド)である「16ラウンド」まで昇格したことが確定的となる。本変形例では、特別遊技の開始前(大当り開始前)又は特別遊技の開始後(大当り開始後)のいずれかのタイミングにて最高ラウンド数が確定し、最高ラウンド数が確定したタイミングで特定演出が発生する。特定演出とは、例えばフルラウンドが確定したときにのみ現出される演出である。本変形例では、例えば、特定演出として特別な楽曲がスピーカ11から流れることで、最高ラウンド数(16ラウンド)を獲得したことが遊技者に示唆又は報知される。このとき、特別遊技の開始前(大当り開始前)に最高ラウンド数が確定する場合には、特定の大当り図柄(金図柄)が停止表示されて(すなわち、超寿大当りに当選して)最高ラウンド数となることが確定的に報知される場合と、非特定の大当り図柄(赤図柄又は青図柄)が停止表示された直後、その大当り開始前にラウンドアップ演出が発生して最高ラウンド数となることが確定的に報知される場合とがある。なお、後者の場合には、非特定の大当り図柄(赤図柄又は青図柄)が停止表示された後、ラウンドアップ演出が実行される代わりに、当該停止表示後にこの非特定の大当り図柄(赤図柄又は青図柄)が再変動により特定の大当り図柄(金図柄)に昇格する場合を含めてもよい。このように最高ラウンド数が確定するタイミングがいずれのタイミングであっても特定演出は発生するが、この特定演出が発生するタイミングは最高ラウンド数が確定するタイミングに依存する(特定演出の発生タイミングが異なる)。更に言えば、開始タイミングが異なるだけで、実行される演出内容は同じであり、同じ16R大当りであっても、1ラウンド目から特定演出の冒頭部分が開始する場合もあれば、以降のラウンド(例えば5ラウンド目)から特定演出の冒頭部分が開始する場合もある。図示省略するが、本変形例の演出例としては、(1)まず、大当り図柄として「青図柄」又は「赤図柄」が停止表示され、(2)画面上に「規定ラウンド数はどれくらい?」という文字が表示され、(3)1回目のラウンドアップ演出が発生して、遊技者によるボタン操作を受けて、「GET540」という文字(4ラウンド×9カウント×15賞球)が表示されることで4ラウンドを獲得し、(4)大当り開始デモを経て特別遊技の第1ラウンドが開始され、(5)第4ラウンドのラウンド終了デモにて2回目のラウンドアップ演出が発生して、遊技者によるボタン操作を受けて、「GET540」という文字が表示されることで更に4ラウンドを獲得(現時点で合計8ラウンド獲得)し、(6)第8ラウンドのラウンド終了デモにて3回目のラウンドアップ演出が発生して、遊技者によるボタン操作を受けて、「GET540」という文字が表示されることで更に4ラウンドを獲得(現時点で合計12ラウンド獲得)し、(7)第12ラウンドのラウンド終了デモにて4回目のラウンドアップ演出が発生して、遊技者によるボタン操作を受けて、「GET540」という文字が表示されることで更に4ラウンドを獲得し(現時点で合計16ラウンド獲得)(8)このように最高ラウンド数(16ラウンド)が確定したことにより、特定演出が発生する。以上、本変形例によれば、大当り発生後、いずれのタイミングで最高ラウンド数(フルラウンド)が確定するのか、特別遊技の全期間を通して遊技者の注目を持続させることができ、遊技の興趣性を向上させることが可能である。
<保留変化先読み演出>
第13実施形態の遊技機では、複数種の保留変化先読み演出が実行され得るように構成されている。保留変化先読み演出とは、先読み抽選の対象となった保留画像(トリガ保留に対応する保留画像)の表示態様を通常の表示態様から特殊の表示態様に変化させることで、当該保留が大当りとなる可能性を予告的に示唆又は報知する先読み演出(単に「保留
変化演出」とも称する)である。
本例における保留変化先読み演出には、丸形保留変化先読み演出(通常型保留変化先読み演出)と、キャラクタ保留変化先読み演出(特殊型保留変化先読み演出)とが含まれる。丸形保留変化先読み演出は、丸形保留画像の表示態様に基づきトリガ保留の大当り期待度を示唆又は報知する演出である。一方、キャラクタ保留変化先読み演出は、キャラクタ保留画像の表示態様に基づきトリガ保留の大当り期待度を示唆又は報知する演出である。本例では、明示的に言及しない限り、丸形保留画像とキャラクタ保留画像とを区別せず、単に「保留画像」と称する場合がある。
図134は、第13実施形態における保留画像の説明に供する模式図である。前述したように、演出表示装置70の画面内の所定領域には、第1特別図柄の作動保留球に対応する保留画像を表示するための第1特図保留表示部701と、第2特別図柄の作動保留球数に対応する保留画像を表示するための第2特図保留表示部702とが設けられている。特別図柄の作動保留球が発生されると対応する保留画像が表示される一方、該作動保留球が消化されて当該変動表示が停止表示(確定表示)されると対応する保留画像が消失される。保留画像は、特別図柄の作動保留球の発生順(入球順)に従って順番に表示され、各保留表示部701,702に最大で4個ずつ表示が可能である。具体的に、第1特図保留表示部701は、第1特別図柄の作動保留球に対応する保留画像を表示可能な4つの保留表示領域X11,X12,X13,X14を有して構成され、第2特図保留表示部702は、第2特別図柄の作動保留球に対応する保留画像を表示可能な4つの保留表示領域X21,X22,X23,X24を有して構成される。保留表示領域X11,X21は保留1(保留1個目)の保留画像に対応し、保留表示領域X12,X22は保留2(保留2個目)の保留画像に対応し、保留表示領域X13,X23は保留3(保留3個目)の保留画像に対応し、保留表示領域X14,X24は保留4(保留4個目)の保留画像に対応する。
また、第1特図保留表示部701と第2特図保留表示部702との間には、当該変動表示にて消化された保留画像を表示するための保留消化表示領域703が設けられている。そのため、各保留表示部701,702に表示された最先の保留画像(保留1)が消化されるとき、当該保留画像が保留消化表示領域703に移動して当該変動表示に対応した保留画像として表示される(当該変動表示の停止時まで表示される)。すなわち、保留消化表示領域703は、当該変動表示の事前判定結果(先読み抽選結果)を反映した保留画像(保留0の保留画像)を表示するためのエリアとなっている。
具体的に、第1特図保留表示部701では、第1特別図柄の作動保留球が生起される毎に、保留表示領域X11から順に1個ずつ保留画像(保留1、保留2、保留3、保留4の保留画像)が追加表示され、また、第1特別図柄の作動保留球が消化される毎に、保留消化表示領域703に表示された保留画像(保留0の保留画像)が消失されるとともに、保留表示領域X11〜X14に表示された保留画像(保留1、保留2、保留3、保留4の保留画像)が1個ずつ右側(保留消化表示領域703側)へ向かって移動する。同様に、第2特図保留表示部702では、第2特別図柄の作動保留球が生起される毎に、保留表示領域X21から順に1個ずつ保留画像(保留1、保留2、保留3、保留4の保留画像)が追加表示され、また、第2特別図柄の作動保留球が消化される毎に、保留消化表示領域703に表示された保留画像(保留0の保留画像)が消失されるとともに、保留表示領域X21〜X24に表示された保留画像(保留1、保留2、保留3、保留4の保留画像)が1個ずつ左側(保留消化表示領域703側)へ向かって移動する。
保留画像の種類には、図中(B)に示すように、丸形保留画像と、キャラクタ保留画像とがある。丸形保留画像は、丸形状「〇」を模した保留画像であり、丸形保留変化先読み演出において用いられる識別表示である。キャラクタ保留画像は、所定のキャラクタを模
した保留画像であり、キャラクタ保留変化先読み演出において用いられる識別表示である。なお、第13実施形態において「保留画像」とは、各保留表示部701,702に表示される保留画像(未消化保留の保留画像)と、保留消化表示領域703に表示される保留画像(消化済の保留画像)との双方を含む概念で用いている。すなわち、第13実施形態における「保留画像」は、特許請求に範囲に規定した「保留画像(未消化保留の保留画像)」及び「消化時画像」の双方に対応する。そのため、第13実施形態では、消化の前後を問わず、一律に「保留画像」と称するが、各保留表示部701,702に表示される未消化保留の画像を「保留画像」と称し、保留消化表示領域703に表示される保留消化後の画像を「消化後画像」と称することもできる。なお、実機仕様として、保留消化表示領域703を搭載しないよう構成する場合(又は、状況に応じて保留消化表示領域703を用いない場合)は、そのような構成下(状況下)における「保留画像」とは、「未消化保留の保留画像」に対応することすることが望ましい。
本例では、図中(C)に示すように、各保留画像の表示態様(表示色)として、「白色」、「青色」、「緑色」、「赤色」、「金色」、「虹色」の6種類が設定されている。保留画像の表示態様のうち、「白色(デフォルト表示)」は通常表示態様を表し、「青色」、「緑色」、「赤色」、「金色」、「虹色」は特殊表示態様を表している。なお、図面上では、「白色」、「青色」、「緑色」、「赤色」、「金色」、「虹色」の6種類の表示態様を、その保留画像内に上記色彩の名称を付記することで表現する。つまり、図面上では、「白」の文字を付して白色の保留画像を表現し、「青」の文字を付して青色の保留画像を表現し、「緑」の文字を付して緑色の保留画像を表現し、「赤」の文字を付して赤色の保留画像を表現し、「金」の文字を付して金色の保留画像を表現し、「虹」の文字を付して虹色の保留画像を表現する。なお、上記の図中(B)には、各保留画像の表示態様の一例として、通常表示態様(白色)を示している。ここで、保留画像の表示態様は、当否判定の結果が大当りとなる信頼度(大当り期待度)と関係しており、「白色」<「青色」<「緑色」<「赤色」<「金色」<「虹色」の順に大当り期待度が1段階ずつ高くなるように設定されている。つまり、当否抽選の結果が「はずれ」となる場合よりも「大当り」となる場合の方が、大当り期待度の高い表示態様の保留画像が高確率で選択されるようになっている。なお、「虹色」の保留画像は、大当り当選が確定となるプレミア的な保留画像を意味する。そのため、「虹色」の保留画像が出現した場合又は「虹色」の保留画像に変化した場合は、該保留画像に係る図柄変動表示にて大当り当選することが確約される。なお、保留画像の表示態様を表示色ではなく、例えば形状や大きさ、模様等で表現してもよい。
保留変化先読み演出の実行可否は、演出抽選乱数を用いた先読み抽選にて決定される。本例では、丸形保留変化先読みを実行するか否かについての先読み抽選(丸形保留変化先読み抽選)と、キャラクタ保留変化先読み演出を実行するか否かについての先読み抽選(キャラクタ保留変化先読み抽選)とがあり、両者を独立して行う。但し、両方の保留変化先読み抽選に同時に当選した場合には、キャラクタ保留変化先読み演出を優先して実行する(丸形保留変化先読み演出は実行しない)。なお、いずれの保留変化先読み抽選にも当選しなかった場合には、保留発生時に通常表示態様(白色)の丸形保留画像を表示し、保留消化されるまでの間、1回の保留変化も生じず、該丸形保留画像が表示されている全期間を通じて通常表示態様(白色)を維持する。
≪丸形保留変化先読み演出≫
丸形保留変化先読み演出は、丸形保留画像の表示態様を変化させて、大当り期待度を示唆する演出である。丸形保留変化先読み演出は、先読み抽選の対象となるトリガ保留が生起されたときの変動表示から該トリガ保留が消化されたときの当該変動表示(対象変動表示)までの各変動表示において丸形保留画像が変化し得るように構成されている。
丸形保留変化先読み抽選は、予め定められた所定の抽選タイミングにおいて実行される。所定の抽選タイミングとは、新たな作動保留球が生起されたとき(始動入賞時)である。丸形保留変化先読み抽選では、丸形保留変化先読み演出を実行するか否かを決定し、丸形保留変化先読み演出を実行すると決定した場合に、保留変化パターンを決定する。
丸形保留変化先読み抽選の対象となる作動保留球(トリガ保留)は、新たな入賞により発生した作動保留球である。そのため、一以上の作動保留球が既に存在する場合であっても、新たに発生した作動保留球が先読み抽選の対象(トリガ保留)となる。丸形保留変化先読み抽選の実行条件としては、トリガ保留の事前判定結果が「大当り」、「Nリーチ種別のはずれ」及び「SPリーチ種別のはずれ」のうちのいずれかに該当することを条件とする。本例では、第1特別図柄抽選が主に実施される通常状態(非開放延長状態)では、「第1特別図柄の作動保留球」が先読み抽選の対象となり、第2特別図柄抽選が主に実施される時短状態又は確変状態(開放延長状態)では、「第2特別図柄の作動保留球」が先読み抽選の対象となる。
図135(A)は、丸形保留変化先読み抽選テーブルの一例を示す模式図である。丸形保留変化先読み抽選テーブルには、丸形保留変化先読み演出の実行の可否が定められている。図中には、便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には、取得した抽選乱数値に応じて、丸形保留変化先読み演出の実行可否を決定するための判定置数(抽選乱数値の範囲)が設定されており、その抽選乱数値がいずれの判定置数に属するかに基づき、丸形保留変化先読み演出の実行可否が決定されるようになっている。図中には、先読み抽選の対象となるトリガ保留の事前判定結果(大当り、はずれ)に対して、「実行」、「非実行」のいずれかを選択可能なように選択率(判定置数)が割り振られており、丸形保留変化先読み演出が「非実行」となる場合よりも「実行」となる場合の方が大当り期待度が高くなるように設定されている。丸形保留変化先読み抽選にて、該保留変化演出を実行することが決定された場合には、その演出パターン(丸形保留変化パターン)が抽選で決定される。なお、丸形保留変化パターンは、保留変化先読み抽選が実行された直後に行われる。ここで、変形例としては、現存する作動保留球の個数が多いほど、丸形保留変化先読み演出の当選確率が高くなるように構成してもよい。
図136〜図139は、丸形保留変化パターンテーブルの一例を示す模式図である。図136はトリガ保留が保留1として発生した場合、図137はトリガ保留が保留2として発生した場合、図138はトリガ保留が保留3として発生した場合、図139はトリガ保留が保留4として発生した場合に設定される各丸形保留変化パターンテーブルである。図中では、便宜上、抽選に供する数値が省略されているが、実際には、取得した事前判定情報(当否事前判定情報や変動パターン事前判定情報)に対応したテーブルを有し、抽選乱数値に対して、各テーブル毎に、丸形保留変化パターンを決定するための判定置数(抽選乱数値の範囲)が設定されており、その抽選乱数値がいずれの判定置数に属するかに基づき、丸形保留変化パターンが決定されるようになっている。
丸形保留変化パターンテーブルには、複数の丸形保留変化パターン(ID番号)が設定されている。丸形保留変化パターンとは、先読み抽選の対象となったトリガ保留(丸形保留画像)の保留変化のルートが規定されたシナリオである。この丸形保留変化パターンに基づき、丸形保留画像の表示態様(保留変化後の表示態様)が、トリガ保留発生時から対象変動までの変動ごとに特定されることになる。丸形保留画像の保留変化は、各変動表示の開始のタイミング(少なくとも前回の変動表示の停止時から今回の変動表示の開始時までの期間)にて発生する。具体的には、丸形保留画像が1個消化されて残りの丸形保留画像が1つ下位の表示領域にシフトする直前又はシフトした直後のタイミングである。
ここで、図中、「保留発生時」は、先読み抽選の対象となったトリガ保留の発生時(始
動入賞時)を意味する。そのため「保留発生時」の欄には、トリガ保留の発生時に表示される丸形保留画像の表示態様(初期表示態様)が設定されている。図中、「保留3変動」は、トリガ保留が保留3(3個目の保留)のときの変動表示、「保留2変動」は、トリガ保留が保留2(2個目の保留)のときの変動表示、「保留1変動」は、トリガ保留が保留1(1個目の保留)のときの変動表示、「対象変動」は、トリガ保留が消化されたときの当該変動表示を意味する。そのため、「保留3変動」の欄には、トリガ保留が保留3のときの変動表示において表示される丸形保留画像の表示態様、「保留2変動」の欄には、トリガ保留が保留2のときの変動表示において表示される丸形保留画像の表示態様、「保留1変動」の欄には、トリガ保留が保留1のときの変動表示において表示される丸形保留画像の表示態様、「対象変動」の欄には、トリガ保留が消化されたときの当該変動表示において表示される丸形保留画像の表示態様が設定されている。このように各丸形保留変化パターンには、丸形保留画像の保留変化のルート(丸形保留画像の状態変化の推移)が、トリガ保留の発生時から該トリガ保留が消化される対象変動までの変動表示ごとに、時系列的に定められている。なお、本例における保留変化とは、昇格(ランクアップ)のみを意味し、基本的に降格(ランクダウン)は含まれない。「昇格」には、丸形保留画像の表示態様が1回の変化につき1段階昇格する場合と、1回の変化につき2段階昇格する場合とが設定されている。
丸形保留変化パターンテーブルは、図136〜図139では省略しているが、事前判定の結果が大当り、はずれの場合で、丸形保留変化パターンの選択率が異なるように設定されている。まず、原則として、丸形保留変化パターンは、保留画像の最終的な表示態様に応じて選択率が(判定置数)が割り振られており、事前判定の結果が大当りである場合、又は大当りが発生しやすい長時間の変動パターンを示す情報である場合ほど、最終の表示態様が「青色」、「緑色」、「赤色」、「金色」の順に選択率が高くないように設定されているのに対して、事前判定の結果がはずれである場合、又は大当りが発生し難い短時間の変動パターンを示す情報である場合ほど、最終の表示態様が「青色」、「緑色」、「赤色」、「金色」の順に選択率が低くないように設定されている。なお、「虹色」の表示態様が出現した場合は、該トリガ保留(丸形保留画像)が消化された変動表示にて大当り当選することが確約される。従って、丸形保留画像の上記5種類の表示態様(最終の表示態様)は、当否判定の結果が大当りとなる期待度(大当り期待度)と密接に関係しており、「青色」<「緑色」<「赤色」<「金色」<「虹色」の順に1段階ずつ大当り期待度が高くなる。
また、丸形保留画像の最終的な表示態様が同じである場合であっても、上記の1段階昇格にて最終の表示態様に変化した場合よりも、上記の2段階昇格にて最終の表示態様に変化した場合の方が、大当り期待度が高くなるように設定されている。すなわち、丸形保留画像の最終的な表示態様が同一であっても、保留変化の昇格幅(昇格の段階数)が大きくなるほど、大当り期待度が高くなる。
さらに、丸形保留画像の表示態様の昇格幅が同じである場合には、複数回の変動表示において保留変化のタイミングが遅くなるほど、大当り期待度が高くなるように設定されている。すなわち、通常の表示態(デフォルト表示)から特殊の表示態様に変化するタイミング、或いは、特殊の表示態様(下位の表示態様)から特殊の表示態様(上位の表示態様)に変化するタイミングが遅くなるほど、大当り期待度が高くなる。そのため、例えば、特殊表示態様の丸形保留画像が最初に出現するタイミングが保留3のときよりは保留2のとき、保留2のときよりは保留1のときの方が、大当り期待度が高いといえる。そのため、複数回の変動表示において、早期のタイミングで保留変化が生じなくても、遊技者の期待感を維持することができる。
なお、本例では、1回の昇格幅を最大で2段階に設定しているが、これに限定されるも
のではなく、昇格幅を3段階以上の複数段階に設定してもよく、反対に1回の昇格幅を1段階のみに限定してもよい。また、本例では、1回の変動表示にて保留変化は1回のみであったが、1回の変動表示にて保留変化を複数回行うようにしてもよい。特に、トリガ保留が消化された対象変動(当該変動)にて、複数回の保留変化を発生させることが好適である。また、丸形保留画像の表示態様として、トリガ保留が消化された対象変動(当該変動)においてのみ出現する特別な表示態様(保留発生時又は保留n変動では出現することのない表示態様)を設定してもよい。
≪キャラクタ保留変化先読み演出≫
キャラクタ保留変化先読み演出は、キャラクタ保留画像の表示態様を変化させて、大当り期待度を示唆する演出である。キャラクタ保留変化先読み演出は、先読み抽選の対象となるトリガ保留が消化されたときの当該変動表示(対象変動表示)において、キャラクタ保留画像が保留変化し得るように構成されている。
キャラクタ保留変化先読み抽選は、予め定められた所定の抽選タイミングにおいて実行される。所定の抽選タイミングとは、新たな作動保留球が生起されたとき(始動入賞時)である。キャラクタ保留変化先読み抽選では、キャラクタ保留変化先読み演出を実行するか否かを決定し、キャラクタ保留変化先読み演出を実行すると決定した場合には、該保留発生時(始動入賞時)ではなく、先読み抽選の対象となったトリガ保留が消化されたとき、すなわち、当該変動表示(対象変動表示)の開始時に保留変化パターンを決定する。
キャラクタ保留変化先読み抽選の対象となる作動保留球(トリガ保留)は、新たな入賞により発生した作動保留球である。そのため、一以上の作動保留球が既に存在する場合であっても、新たに発生した作動保留球が先読み抽選の対象(トリガ保留)となる。キャラクタ保留変化先読み抽選の実行条件としては、トリガ保留の事前判定結果が「SPリーチ種別(擬似連あり)の大当り」又は「SPリーチ種別(擬似連あり)のはずれ」であることを条件とする。すなわち、変動パターン種別として、SPリーチ(擬似1)、SPリーチ(擬似2)又はSPリーチ(擬似3)が選択されていることが実行条件となる。その理由としては、本例では、当該変動表示において一又は複数回の保留変化を発生させるために、擬似連続変動演出及びSPリーチ演出の演出尺を利用して、キャラクタ保留変化先読み演出を実行するからである。また、本例では、上記の丸形保留変化先読み抽選と同様に、第1特別図柄抽選が主に実施される通常状態(非開放延長状態)では、「第1特別図柄の作動保留球」が先読み抽選の対象となり、第2特別図柄抽選が主に実施される時短状態又は確変状態(開放延長状態)では、「第2特別図柄の作動保留球」が先読み抽選の対象となる。
図135(B)は、キャラクタ保留変化先読み抽選テーブルの一例を示す模式図である。キャラクタ保留変化先読み抽選テーブルには、キャラクタ保留変化先読み演出の実行の可否が定められている。図中には、便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には、取得した抽選乱数値に応じて、キャラクタ保留変化先読み演出の実行可否を決定するための判定置数(抽選乱数値の範囲)が設定されており、その抽選乱数値がいずれの判定置数に属するかに基づき、キャラクタ保留変化先読み演出の実行可否が決定されるようになっている。図中には、先読み抽選の対象となるトリガ保留の事前判定結果(大当り、はずれ)に対して、「実行」、「非実行」のいずれかを選択可能なように選択率(判定置数)が割り振られており、キャラクタ保留変化先読み演出が「非実行」となる場合よりも「実行」となる場合の方が大当り期待度が高くなるように設定されている。キャラクタ保留変化先読み抽選にて、該保留変化演出を実行することが決定された場合には、その演出パターン(キャラクタ保留変化パターン)を決定する。なお、キャラクタ保留変化パターンは、前述したように、先読み抽選の対象となったトリガ保留が消化されたときの当該変動表示(対象変動表示)の開始時に行われる。なお、本例では、丸形保留変化先読み演出が実行さ
れる場合よりも、キャラクタ保留変化先読み演出が実行される場合の方が、大当り期待度が高くなるように設定されている。
図140〜図142は、キャラクタ保留変化パターンテーブルの一例を示す模式図である。図140はトリガ保留に係る変動表示が1回の擬似連を伴うSPリーチである場合、図141はトリガ保留に係る変動表示が2回の擬似連を伴うSPリーチである場合、図142はトリガ保留に係る変動表示が3回の擬似連を伴うSPリーチである場合に設定される各キャラクタ保留変化パターンテーブルである。図中では、便宜上、抽選に供する数値が省略されているが、実際には、取得した事前判定情報(当否事前判定情報や変動パターン事前判定情報)に対応したテーブルを有し、抽選乱数値に対して、テーブル毎に、キャラクタ保留変化パターンを決定するための判定置数(抽選乱数値の範囲)が設定されており、その抽選乱数値がいずれの判定置数に属するかに基づき、キャラクタ保留変化パターンが決定されるようになっている。
キャラクタ保留変化パターンテーブルには、複数のキャラクタ保留変化パターン(ID番号)が設定されている。キャラクタ保留変化パターンとは、先読み抽選の対象となったトリガ保留(キャラクタ保留画像)の保留変化のルートが規定されたシナリオである。このキャラクタ保留変化パターンに基づき、当該変動表示の過程におけるキャラクタ保留画像の表示態様(保留変化後の表示態様)が特定されることになる。
図140〜図142には、キャラクタ保留画像の保留変化のシナリオが左から右へ順に、時系列的に示されている。図中に示されるように、具体的には、キャラクタ保留変化は、通常変動時、擬似連1回目、擬似連2回目、擬似連3回目、SPリーチにおいて発生し得るように設定されている。このキャラクタ保留変化のシナリオには、通常変動時において表示される導入演出と、擬似連の開始時からSPリーチの終了時(変動停止時)までの間に表示される主演出とが含まれる。
導入演出は、保留変化演出の概要を遊技者に説明するための解説演出である。すなわち、この導入演出は、キャラクタ保留画像の表示態様がどのような過程を経て保留変化するのかを解説する演出内容となっている。本例では、当該変動表示中において予め定められた保留変化実行条件を充足するたびに、保留変化が発生するように構成されている。なお、保留変化実行条件とは、キャラクタ保留画像の近傍に配されたメータ画像が規定のレベルに達したときに充足する条件である。そのため、保留変化実行条件の達成状況は、メータ画像のレベル(メータ数)によって報知される。本例では、メータ数が規定数「3」まで達したときに、保留変化実行条件が充足されて、1回の保留変化が発生する。そのため、導入演出では、保留変化実行条件を充足する過程を経て、保留変化が発生するまでの過程を模擬的に表示して解説するものとなっている。ここで、キャラクタ保留画像の初期表示態様としては、通常表示態様(白色)が設定されており、保留発生時から当該変動表示の開始時まで、キャラクタ保留画像の表示態様は常に通常表示態様(白色)となる。そのため、導入演出による保留変化では、キャラクタ保留画像が通常表示態様(白色)から特殊表示態様へ変化するものとなっている。このとき、前述したように、導入演出では必ず1回の保留変化が発生するのであるが、この導入演出にて発生した保留変化は、その演出結果として有効な保留変化として扱われ、この保留変化後の表示態様を基準として以降の主演出が展開されることとなる。
ここで、図中、「最終表示」の欄には、実行対象のキャラクタ保留変化パターン(シナリオ)におけるキャラクタ保留画像の最終的な表示態様が設定されている。本例では、詳細は後述するが、キャラクタ保留画像の最終的な表示態様が同じであっても、この最終表示態様に至るまでの保留変化の過程に応じて大当り期待度が異なるように設定されている。
図中、「解説演出」の欄には、該解説演出にてキャラクタ保留画像が保留変化した後の表示態様が設定されている。ここでの保留変化後の表示態様としては、主として「青色」又は「緑色」が設定されている。但し、解説演出にて大当り当選を告知するシナリオでは、ここでの保留変化後の表示態様としてプレミア的な「虹色」が設定されている。なお、いずれのキャラクタ保留変化パターンにおいても、この解説演出での保留変化が、1回目の保留変化となる。
図中、「擬似連1」〜「擬似連3」の欄において、「開始」は各擬似連の開始時を意味し、「変動中」は各擬似連の変動中(再変動中)を意味し、「仮停止」は各擬似連の仮停止時を意味する。そのため、「開始」の欄には、各擬似連の開始時に表示されるキャラクタ保留画像の表示態様、又は、メータ画像のレベル数が設定されている。また、「変動中」の欄には、各擬似連の変動中に表示されるキャラクタ保留画像の表示態様、又は、メータ画像のレベル数が設定されている。また、「仮停止」の欄には、各擬似連の仮停止時に表示されるキャラクタ保留画像の表示態様、又は、メータ画像のレベル数が設定されている。
図中、「SPリーチ」の欄において、「SP1」はSPリーチ1への発展時を意味し、「SP2」はSPリーチ1からSPリーチ2への発展時を意味し、「SPリーチ3」はSPリーチ2からSPリーチ3への発展時を意味する。そのため、「SP1」の欄には、SPリーチ1への発展時に表示されるキャラクタ保留画像の表示態様、又は、メータ画像のレベル数が設定されている。また、「SP2」の欄には、SPリーチ2への発展時に表示されるキャラクタ保留画像の表示態様、又は、メータ画像のレベル数が設定されている。また、「SP3」の欄には、SPリーチ3への発展時に表示されるキャラクタ保留画像の表示態様、又は、メータ画像のレベル数が設定されている。
なお、以降では、各欄に規定された「通常変動」、「擬似連1(仮停止)」、「擬似連2(開始)」、「擬似連2(変動中)」、「擬似連2(仮停止)」、「擬似連3(開始)」、「擬似連3(変動中)」、「擬似連3(仮停止)」、「SP1」、「SP2」、「SP3」の各タイミングを「規定タイミング」と称する場合がある。
図中の各欄において、「青」はキャラクタ保留画像の表示態様が青色に変化すること、「緑」はキャラクタ保留画像の表示態様が緑色に変化すること、「赤」はキャラクタ保留画像の表示態様が赤色に変化すること、「金」はキャラクタ保留画像の表示態様が金色に変化すること、「虹」はキャラクタ保留画像の表示態様が虹色に変化することを意味する。また、各欄において、「1」はメータ数が1に増加すること、「2」はメータ数が2に増加することを意味する。なお、各欄において、いずれかの表示色(青、緑、赤、金、虹)が設定されている場合は、メータ数が3に到達して(すなわち保留変化実行条件が充足して)、当該表示色に保留変化することを意味する。本例では、1回の規定タイミングでメータ数が「1」だけ増加して保留変化が発生する場合と、1回の規定タイミングでメータ数が「2」又は「3」だけ増加して保留変化が発生する場合とがある。すなわち、本例では、例えば「2」→「赤」というように、メータ数が「2」から1段階増加することで、キャラクタ保留画像の表示態様が「赤」に変化する場合がほとんどである。但し、本例では、例えば「1」から「赤」というように、メータ数がその間に「2」を介在することなく「1」から2段階増加することで、キャラクタ保留画像の表示態様が「赤」に変化する場合や、例えば「緑」から「赤」というように、メータ数がその間に「1」及び「2」を介在することなく「緑」から3段階上昇することで、キャラクタ保留画像の表示態様が「赤」に変化する場合も設定されている。
図140〜図142に示すように、保留変化実行条件を充足するタイミングは、擬似連
1〜擬似連3までのリーチ前のタイミングだけでなく、SP1〜SP3までのリーチ後(SPリーチ発展後)のタイミングにも設定されている。そのため、変動表示中のいずれのタイミングにおいても保留変化が発生する可能性があり、変動表示の開始から停止までの全期間を通じて保留変化に対する遊技者の関心を持続させることができる。
また、各キャラクタ保留変化のシナリオにおいて、キャラクタ保留画像の表示態様は、リーチ前に変化する表示態様よりも、リーチ後に変化する表示態様の方が、相対的に高期待度となる表示態様が設定されている。すなわち、キャラクタ保留画像が当該変動表示においてリーチ前とリーチ後との両方で変化する場合、リーチ前に変化する表示態様よりも、リーチ後に変化する表示態様の方が高期待度の表示態様となる。
このように各保留変化パターンには、キャラクタ保留画像の保留変化のルート(保留画像の状態変化の推移)が、当該変動表示における規定タイミングごとに、時系列的に定められている。なお、本例におけるキャラクタ保留変化とは、昇格(ランクアップ)のみを意味し、基本的に降格(ランクダウン)が含まれない。本例における「昇格」では、キャラクタ保留画像の表示態様が1回の変化につき1段階昇格する場合のみを設定しているが、これに限定されるものではなく、キャラクタ保留画像の1回の変化につき2段階以上の複数段階昇格する場合を設定してもよい。
キャラクタ保留変化パターンテーブルは、図140〜図142では省略しているが、事前判定の結果が大当り、はずれの場合で、キャラクタ保留変化パターンの選択率が異なるように設定されている。まず、原則として、キャラクタ保留変化パターンは、キャラクタ保留画像の最終的な表示態様に応じて選択率(判定置数)が割り振られており、事前判定の結果が大当りである場合、又は大当りが発生しやすい長時間の変動パターンを示す情報であるほど、最終の表示態様が「青色」、「緑色」、「赤色」、「金色」の順に選択率が高くなるように設定されているのに対して、事前判定の結果がはずれである場合、又は大当りが発生し難い短時間の変動パターンを示す情報である場合ほど、最終の表示態様が「青色」、「緑色」、「赤色」、「金色」の順に選択率が低くなるように設定されている。なお、「虹色」の表示態様が出現した場合は、当該変動表示(対象変動表示)にて大当り当選することが確約される。従って、キャラクタ保留画像の上記5種類の表示態様(最終の表示態様)は、当否判定の結果が大当りとなる期待度(大当り期待度)と密接に関係しており、「青色」<「緑色」<「赤色」<「金色」<「虹色」の順に1段階ずつ大当り期待度が高くなる。
また、キャラクタ保留画像の最終的な表示態様が同じである場合であっても、該最終的な表示態様に変化するタイミングが遅くなるほど、大当り期待度が高くなるように設定されている。そのため、例えば、最終的な表示態様が出現するタイミング又は最終的な表示態様に変化するタイミングが、通常変動時よりは擬似連続変動時、擬似連続変動時よりはSPリーチ時の方が、大当り期待度が高いといえる。そのため、最終的な表示態様が出現するタイミング又は最終的な表示態様に変化するタイミングが、リーチ前のタイミングよりはリーチ後のタイミング方が、基本的には、大当り期待度が高くなる。そのため、当該変動表示において、早期のタイミングで保留変化が生じなくても、遊技者の期待感を維持することができる。
また、キャラクタ保留画像の最終的な表示態様が同じであり、且つ、最終的な表示態様が出現又は最終的な表示態様に変化するタイミングが同じである場合には、導入演出での保留変化後の表示態様が下位の表示態様(低いランク)であるほど、大当り期待度が高くなるように設定されている。つまり、最終的な表示態様が同じであるならば、開始時の表示態様が下位の表示態様であるほど、当該変動表示において保留変化の発生する回数が多くなり、それに応じて大当り期待度が高くなるようになっている。
なお、前述したように、導入演出での保留変化後の表示態様としては、主として「青色」又は「緑色」が設定されている。本例では、導入演出での保留変化後の表示態様(青、緑)に応じて、保留変化の傾向が異なるようになっている。具体的には、導入演出での保留変化後の表示態様が「青色」である場合は、それに続く主演出において保留変化するか否か、又は、いずれの特殊表示態様に保留変化するのか不確定である。なお、導入演出での保留変化後の表示態様が「青色」である場合にのみ、それに続く主演出において最終的な表示態様として「虹色」に変化するシナリオが用意されている。一方、導入演出での保留変化後の表示態様が「緑色」である場合は、それに続く主演出において「赤色」以上の表示態様に保留変化することが確定的となる。
また、本例では、画面上にキャラクタ保留画像が出現した場合、途中で遊技状態が変化する場合又は限定期間が終了する場合を除き、該キャラクタ保留画像が保留消化領域703に到達するまでに、演出モード又は演出ステージが変化することはない。具体的には、通常演出モードに滞在しているときに、キャラクタ保留画像が出現した場合、このキャラクタ保留画像が消化されるまで、通常演出モードから先読み演出モードへの移行が禁止されている。同様に、通常モードにおける第1ステージに滞在しているときに、キャラクタ保留画像が出現した場合、このキャラクタ保留画像が消化されるまで、第1ステージから第2ステージ又第3ステージへの移行が禁止されている。変形例としては、保留変化先読み演出全般を実行するに際して、(通常演出ステージの)ステージチェンジを許容しても良い。更には、演出ステージに応じて保留画像の形態(形状)が相違しても良い。一例としては、ステージAでは「○」、ステージBでは「△」といったように、演出ステージごとに異なる形態(形状)を採用してもよい。そして、保留変化先読み演出が実行済みであるときにステージチェンジを行う場合(保留変化した後にステージチェンジする場合)には、該保留変化済みの保留画像は、移行先(移行後)の演出ステージに対応した形態(形状)となる。つまり、ステージAで青色の「○」だったものが、ステージBに移行すると青色の「△」に変化する。
なお、本例では、キャラクタ保留画像の最終的な表示態様として、擬似連1回のSPリーチの場合は「赤色」以下の表示態様、擬似連2回のSPリーチの場合は「金色」以下の表示態様、擬似連3回のSPリーチの場合は「虹色以下」の表示態様が設定されているが、これに限定されるものではない。例えば、キャラクタ保留画像の最終的な表示態様として、擬似連1回のSPリーチの場合にも「金色」の表示態様を設定したり、擬似連1回又は2回のSPリーチの場合にも「虹色」の表示態様を設定したりしてもよい。
また、本例では、導入演出において発生する保留変化も有効な保留変化として設定しているが、これに限定されるものではなく、導入演出において発生する保留変化は、あくまでも解説用のデモンストレーションとして位置づけ、無効な保留変化として扱ってもよい。
また、本例では、丸形保留画像及びキャラクタ保留画像の表示態様(表示色)を全6色の同一色に設定しているが、これに限定されるものではなく、丸形保留画像及びキャラクタ保留画像のうちの一方の表示態様(表示色)に、別の表示態様(例えばキリン柄)を追加したり、逆に、一部の表示態様を減じたりしてもよい。
また、本例では、新たな作動保留球が発生したときに保留変化先読み抽選を実行しているが、これに限定されるものではなく、作動保留球の保留順序が変化したとき(最先の作動保留球が消化されたとき)である保留消化時に再抽選を実行するように構成してもよい。
続いて、キャラクタ保留変化先読み演出の演出例について説明する。図143は、キャラクタ保留変化先読み演出の演出例を示す模式図である。本例では、遊技状態が通常状態であり、第1特別図柄の作動保留球が先読み抽選の対象であるものとする。なお、紙面の都合上、図中(A)〜(B)は画面の全体を表し、図中(C)〜(F)は画面の一部として主に保留消化表示領域703を表している。
図中(A)に示すように、始動入賞により新たな作動保留球が発生し、この作動保留球(トリガ保留)を対象としたキャラクタ保留変化先読み抽選に当選することで、その保留順序に対応した4個目の保留画像としてキャラクタ保留画像(「味方キャラクタ」とも称する)が表示される。この保留発生時におけるキャラクタ保留画像の表示態様は、通常表示態様の「白色」である。なお、図中には、この時点における第1特別図柄の作動保留球の入球順に従って、1個目の保留画像を「H1」、2個目の保留画像を「H2」、3個目の保留画像を「H3」、4個目の保留画像を「H4」で表すとともに、変動表示の対象となる保留画像(今回消化された保留画像)を「H0」で表している。また、キャラクタ保留画像H4が表示されるのと同時に、保留消化表示領域703に別のキャラクタ画像(「敵キャラクタ」とも称する)が出現する。このように保留発生時にキャラクタ保留画像が表示されることで、該先読み抽選の対象となったトリガ保留(キャラクタ保留画像)が消化されたときの変動表示(対象変動表示)にてキャラクタ保留変化演出(導入演出、主演出)が発生することが予告される。なお、先行する1個目から3個目の保留画像H0〜H3としては、全て丸形保留画像(白色)が表示されている。
図中(B)に示すように、先行の作動保留球(保留画像H1〜H3)が全て消化されてそれに対応する変動表示が全て終了すると、キャラクタ保留画像が保留消化表示領域703に到達して、当該変動表示が開始される。なお、キャラクタ保留画像は、保留消化表示領域703に到達するまで一度も保留変化せず、通常表示態様(白色)のままである。
図中(C)に示すように、キャラクタ保留画像が保留消化表示領域703に到達すると(当該変動表示が開始されると)、まず、キャラクタ保留変化先読み演出の概要を解説するための導入演出が開始される。なお、当該変動開始時において、キャラクタ保留画像の表示態様は、通常表示態様(白色)である。このとき、保留消化表示領域703の中央には「3回怒られる毎に変化する」旨のテロップ(遊技説明)が表示される。すなわち、味方キャラクタ(キャラクタ保留画像)が敵キャラクタに3回怒られる毎に、キャラクタ保留画像の保留変化が発生することが報知される。なお、本例では、味方キャラクタ(キャラクタ保留画像)の近傍にメータ画像が表示されており、味方キャラクタが怒られた回数だけメータ数が増加するものとなっている。
図中(D)に示すように、導入演出が開始されると、まず始めに、味方キャラクタに対して敵キャラクタが怒りだす演出が実行される。このように味方キャラクタが敵キャラクタに怒られることで(怒られた回数:1回目)、メータ数が「1」に増加する。
図中(E)に示すように、味方キャラクタAが再度怒られることで(怒られた回数:2回目)、メータ数が「2」に増加する。
図中(F)に示すように、味方キャラクタが再々度怒られることで(怒られた回数:3回目)、メータ数が「3」まで到達して、保留変化実行条件が充足される。
図中(G)に示すように、メータ数が「3」に到達して保留変化実行条件が充足されることで(敵キャラクタに3回怒られることで)、味方キャラクタの怒りが爆発して、該キャラクタ保留画像の表示態様が通常表示態様(白色)から特殊表示態様(青色)へと変化する。このようなキャラクタ保留変化の一連の過程が適宜音声などを交えながら遊技者に
対して解説される。なお、キャラクタ保留変化が発生する毎に、メータ数は初期値「0」に戻ることになる。
図中(H)に示すように、導入演出が終了すると、続いて主演出が開始される。ここで、主演出におけるキャラクタ保留変化の流れは、基本的には、導入演出にて解説されたキャラクタ保留変化の流れと同一又は略同一であるので、以降の説明は省略する。なお、前述のとおり、先の導入演出での保留変化は、そのシナリオ上、有効な保留変化として扱われる。そのため、この主演出の開始時において、キャラクタ保留画像は、特殊表示態様(青色)である。そして、主演出では、この表示態様(青色)を基準として、以降、保留変化実行条件が充足する毎に、保留変化が発生する。
続いて、図144を追加参照して、キャラクタ保留変化先読み演出の変形例について説明する。本変形例では、キャラクタ保留画像が所定の表示形態となった時間に応じて保留変化が発生する。すなわち、キャラクタ保留画像が所定の表示形態となる時間に対応した所定の指標値(後述の期待値又はメータ値)が、予め定められた所定のレベルに達したときに保留変化実行条件が成立する。
本変形例においても、キャラクタ保留変化先読み演出は、当該変動表示の開始時に実行される導入演出と、この導入演出に続く主演出とから構成される。
導入演出は、保留変化演出の概要を遊技者に説明するための解説演出である。すなわち、この導入演出は、キャラクタ保留画像の表示態様がどのような過程を経て保留変化するのかを解説する演出内容となっている。本例では、当該変動表示中において予め定められた保留変化実行条件を充足するたびに、保留変化が発生するように構成されている。ここで、本変形例における保留変化実行条件とは、キャラクタ保留画像が所定の表示形態(睡眠中の表示状態)となった時間値に対応して変化する所定のメータ値(「期待値」と称する)が規定レベルに到達する毎に成立するようになっている。つまり、本変形例では、キャラクタ保留画像が睡眠中となった時間に対応して、期待値(メータ値)が変化して、その期待値の大きさに応じて保留変化実行条件が成立するようになっている。つまり、キャラクタ保留画像が所定の表示形態(睡眠中の表示状態)となった時間値が長ければ長いほど(睡眠から目覚めるまでの時間値が長ければ長いほど)、当該変動表示が高期待度であり、消化時画像の表示態様が高期待度の表示態様に変化する。なお、本変形例では、この導入演出中に保留変化は発生しない。
一方、主演出は、上記の導入演出を受けて、キャラクタ保留画像が保留変化する演出内容である。具体的には、キャラクタ保留画像の睡眠中の時間に対応して、大当り期待度を示唆する数値(メータ値)が増加して、この数値の大きさに対応してキャラクタ保留画像の表示態様が変化する演出内容となっている。
本変形例において、キャラクタ保留画像の表示態様は、期待値が「0」〜「9」までのときは「白色」、期待値が「10」〜「19」までのときは「青色」、期待値が「20」〜「39」までのときは「緑色」、期待値が「40」〜「59」までのときは「赤色」、期待値が「60」〜「99」までのときは「金色」、期待値が「100」に達したときは「虹色」に変化する。つまり、当該期待値は大当り期待度の高さに対応して上昇し、それにリンクして、キャラクタ保留画像の表示態様が変化するものである。
ここで、前述したように、大当り期待度の高さを示唆する期待値(メータ値)は、キャラクタ保留画像が寝ている状態であるときに変化する一方で、キャラクタ保留画像が目を覚ました状態になると当該期待値(メータ値)は変化を停止する。但し、キャラクタ保留画像が再度寝ている状態(二度寝、三度寝)となれば、期待値(メータ値)の変化が再開
されることとなる。本変形例でも、各保留変化パターンの大当り期待度の高低は、原則として、キャラクタ保留画像の最終的な表示態様(表示色)に応じて設定されているが、当該最終的な表示態様が同じである場合には、一度寝よりも二度寝、二度寝よりも三度寝のパターンの方が、大当り期待度は高くなる。
続いて、変形例に係るキャラクタ保留変化先読み演出の演出例について説明する。図144は、変形例に係るキャラクタ保留変化先読み演出の演出例を示す模式図である。本変形例では、遊技状態が通常状態であり、第1特別図柄の作動保留球が先読み抽選の対象であるものとする。なお、紙面の都合上、図中(A)〜(B)は画面の全体を表し、図中(C)〜(F)は画面の一部として主に保留消化表示領域703を表している。
図中(A)に示すように、始動入賞により新たな作動保留球が発生し、この作動保留球(トリガ保留)を対象としたキャラクタ保留変化先読み抽選に当選することで、その保留順序に対応した4個目の保留画像としてキャラクタ保留画像(「主人公キャラクタ」とも称する)が表示される。この保留発生時におけるキャラクタ保留画像の表示態様は、通常表示態様の「白色」である。なお、図中には、この時点における第1特別図柄の作動保留球の入球順に従って、1個目の保留画像を「H1」、2個目の保留画像を「H2」、3個目の保留画像を「H3」、4個目の保留画像を「H4」で表すとともに、変動表示の対象となる保留画像(今回消化された保留画像)を「H0」で表している。また、キャラクタ保留画像H4が表示されるのと同時に、保留消化表示領域703には、布団を模した画像が出現する。このように保留発生時にキャラクタ保留画像が表示されることで、該先読み抽選の対象となったトリガ保留(キャラクタ保留画像)が消化されたときの変動表示(対象変動表示)にてキャラクタ保留変化演出(導入演出、主演出)が発生することが予告される。なお、先行する1個目から3個目の保留画像H0〜H3としては、全て丸形保留画像(白色)が表示されている。
図中(B)に示すように、先行の作動保留球(保留画像H1〜H3)が全て消化されてそれに対応する変動表示が全て終了すると、キャラクタ保留画像が保留消化表示領域703に到達して、当該変動表示が開始される。なお、本変形例においても、キャラクタ保留画像は、保留消化表示領域703に到達するまで一度も保留変化せず、通常表示態様(白色)のままである。
図中(C)に示すように、キャラクタ保留画像が保留消化表示領域703に到達すると(当該変動表示が開始されると)、まず、キャラクタ保留変化先読み演出の概要を解説するための導入演出が開始される。なお、当該変動開始時において、キャラクタ保留画像の表示態様は、通常表示態様(白色)である。このとき、保留消化表示領域703の中央には「寝れば寝るほど期待値UP!」と記載されたテロップ(遊技説明)が表示される。すなわち、主人公キャラクタ(キャラクタ保留画像)が寝続けている時間が長いほど、期待値(大当り期待度)が上昇し、それにリンクしてキャラクタ保留画像の保留変化が発生することが報知される。なお、本例では、主人公キャラクタ(キャラクタ保留画像)の近傍に期待値(メータ値)が表示され、主人公キャラクタが寝ている時間に対応して当該期待値が変化するものとなっている。
図中(D)に示すように、導入演出(解説演出)が終了して、主演出が開始される。主演出が開始されると、主人公キャラクタが布団に入って寝ている状態となる。なお、主演出の開始時は、期待値は初期値「0」を示している。
図中(E)に示すように、主人公キャラクタが寝続けている時間とリンクして期待値が上昇する。図示例では、期待値が「12」まで上昇する。このとき、期待値が「10」以上となることで、キャラクタ保留画像の表示態様が初期表示態様の「白色」から、当該期
待値の大きさに対応した特殊表示態様の「青色」へ保留変化する。
図中(F)に示すように、目覚まし時計(不図示)が鳴り、主人公キャラクタが目を覚ますと、メータ(期待値)が「12」で停止する。
図中(G)に示すように、主人公キャラクタが再度寝始めると(つまり二度寝をすると)、再び期待値が上昇を始める。図示例では、期待値が「25」まで上昇する。このとき、期待値が「20」以上となることで、キャラクタ保留画像の表示態様が当該期待値の大きさに対応した特殊表示態様の「緑色」へ保留変化する。
図中(H)に示すように、再度、目覚まし時計(不図示)が鳴り、主人公キャラクタが目を覚ますと、メータ(期待値)が「25」で停止する。以降、当該変動表示が終了するまでの間、当該保留変化演出が展開される。
なお、キャラクタ保留画像(第1キャラクタ保留画像)が怒られることで保留変化する第1キャラクタ保留変化先読み演出と、キャラクタ保留画像(第2キャラクタ保留画像)が寝ることで保留変化する第2キャラクタ保留変化先読み演出とのいずれかを抽選で実行するように構成してもよい。その場合には、作動保留球が発生したときに画面に表示されるキャラクタ保留画像の種類(第1キャラクタ保留画像、第2キャラクタ保留画像)に応じて、当該変動表示(対象変動表示)にて実行される保留変化演出が異なるため、保留発生時にいずれのキャラクタ保留画像が出現するのか、遊技者の興味を惹き付けることができる。また、第1キャラクタ保留画像と第2キャラクタ保留画像とを同じキャラクタ保留画像にて構成してもよく、そのような構成によれば、保留発生時(キャラクタ保留画像の出現時)には、いずれの保留変化演出が実行されるのかが分からず、当該変動表示(対象変動表示)が開始されるまでの間、保留変化演出に対する遊技者の期待感を持続させることができる。なお、本例では、保留変化演出全般について、その保留変化のシナリオ(保留発生時から消化時までの全過程)をシナリオテーブルから決定する構成であったが、その変形例として、始動入賞時(保留生起時)と消化時の表示態様(又は消化直前の表示態様)だけを予め決定しておき、その間の変化態様は各変動表示の開始時に毎回決定するよう構成しても良い。その場合、前回の表示態様以上の表示態様であり、且つ、最終表示態様(消化時の表示態様又は消化直前の表示態様)を超えない表示態様を決定するようにすることが望ましい。
以上、第13実施形態において達成される主要な効果を整理すれば、下記のようになる。
(1)例えば特別遊技状態や確変状態、時短状態など遊技者にとって有利度の高い状態が終了して、遊技者にとって有利度の低い通常状態に移行した場合でっても、希少性の高いプレミア演出の実行確率が向上された特殊演出状態に移行することで、その演出状態に滞在している期間内に、稀にしか見ることのできないプレミア演出の発生という演出上の特典を提供できるため、遊技演出の単調性を解消して遊技の持続性を高めることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
(2)遊技者に対して演出ボタンの操作入力を指示することなく秘匿した状態において、特定変動表示の開始時に演出ボタンが操作されていた場合に特定演出を発生させることで、特定変動表示が発生したときの付加価値を高めることができるとともに、遊技者の操作を遊技演出に一層柔軟に反映させて遊技者参加型の演出効果を高めることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
(3)変動表示中に所定の演出(ナビ対象演出)が発生したときに、このナビ対象演出
の内容(大当り期待度等)を特定可能な情報を、それに対応して発生するナビゲート予告演出の属性等に応じて遊技者に明確に教示することで、遊技の展開状況やナビ対象演出の期待度の高低を遊技者に適切に認識させることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
(4)特別遊技において、特定ラウンドが長開放ラウンド遊技として実行されるとき、当該特定ラウンドが開始してから所定時間経過しても遊技球が特定領域に入賞しなかった場合には非入賞時警告演出を発生させて遊技者に注意を促し、その残り時間内にて遊技球を特定領域に入賞させる可能性を顕著に高めることで、V入賞を逃すことによる遊技者の不利益を未然に防止できるとともに、遊技機(いわゆる玉確仕様)の信頼性を向上させることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
(5)大当り中演出として、昇格分岐演出パターンAは所定ラウンド終了後のラウンド終了デモ中に実行する一方で、昇格分岐演出パターンBは最終ラウンド終了後の大当り終了デモ中に実行する構成としながらも、いずれの昇格分岐演出パターンA,Bにおいても、昇格分岐演出が実行される直前のラウンド(第4ラウンド又は第5ラウンド)において大入賞口が閉鎖してから所定時間が経過した後に実行を開始することで、見た目上において、その実行タイミングを略一致させて、いずれの大当り種別に当選しているのか判別つき難くできるため、特別遊技中の大当り中演出を先バレせずに実行して、大当り中演出の演出効果を高めることができるようになり、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
(6)特殊保留画像(キャラクタ保留画像)が出現した場合、該特殊保留画像が消化されたときの当該変動表示において、該特殊保留画像の状態変化を利用した専用演出を実行し、所定条件を充足する毎に該特殊保留画像の表示態様が変化することで、保留変化先読み演出の流れや規則性、保留変化の発生タイミングが明瞭化するため、当該先読み演出の期待度の高低を遊技者に一層認識しやすくでき、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
なお、上述の第13実施形態では、特別図柄の作動保留球の消化順序として、第1特別図柄の作動保留球よりも第2特別図柄の作動保留球を優先的に消化する優先消化を採用しているが、この構成に限定されるものではない。例えば、第1特別図柄の作動保留球数と第2特別図柄の作動保留球数とを併存させて、第1始動口61および第2始動口62への入球順序に従って第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球を消化するように構成してもよい。このように作動保留球の消化順序を始動口61,62への入球順とした場合には、当然ながら、特別図柄の変動開始条件は優先消化の場合と異なる。すなわち、入球順の場合には、特別図柄の変動開始条件として、(1)大当り又は小当り中ではないこと、(2)第1特別図柄および第2特別図柄のいずれも変動待機中であること、(3)第1特別図柄および第2特別図柄の少なくとも一方に作動保留球数が存在すること、(4)今回消化される作動保留球の消化順序が入球順と整合していること、の全ての条件を満足したときに、変動開始可能と判断する。また、作動保留球の消化順序を始動口61,62への入球順とした場合には、作動保留球を更新するとき、すなわち、作動保留球を獲得又は消化するときに、当該作動保留球の更新だけではなく、第1特別図柄および第2特別図柄の合計作動保留球数の更新、入球順序の更新を行う必要がある点で、優先消化を採用した場合と異なる。
また、上述の第13実施形態では、主として、遊技状態が通常状態であるときの第1特別図柄の作動保留球を対象とした保留変化について説明したが、この構成に限定されるものではなく、遊技状態が確変状態であるときの第2特別図柄の作動保留球を対象とした保留変化、或いは、いずれの遊技状態であっても第1特別図柄及び第2特別図柄の双方の作
動保留球を対象とした保留変化を適用してもよい。
また、上述の第13実施形態では、第1特別図柄および第2特別図柄の双方に作動保留球が存在する場合でも、作動保留球数が消化されるのはいずれか一方の特別図柄であり、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に当否抽選や図柄変動等が行われることのない、いわゆる直列の機種になっている。一方、第1特別図柄と第2特別図柄とが独立して当否抽選や図柄変動等が行われる、いわゆる並列の機種を採用してもよい。この並列の機種によれば、特別図柄の変動開始条件に、相手側の特別図柄の動作状態(つまり変動待機中であること)を条件にいれる必要がなくなるため、制御に関する処理負担が軽減される。
また、上述の第13実施形態では、第1始動口61と第2始動口62とを遊技領域PAの略中央に上下に並べて配置した構成を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、遊技領域における相対的に左側の領域に第1始動口61を配置し、相対的に右側の領域に第2始動口62を配置することにより、二つの始動口61,62への入球を打ち分け可能な構成としてもよい。また、実測値として左打ちした方が右打ちするよりも第1始動口61に入球しやすく、右打ちした方が左打ちするよりも第2始動口62に入球しやすい盤面構成(釘配置)であってもよい。また、遊技盤の盤面構成は、左右対称盤面であっても、左右非対称盤面であってもよい。
また、上述の第13実施形態では、遊技領域に大入賞口(アタッカー)を1つのみ搭載した機種を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、特定領域(V領域)を備えた大入賞口と、特定領域を備えていない大入賞口との、二以上の大入賞口(アタッカー)を搭載した機種を採用してもよい。
また、上述の第13実施形態では、特別遊技の終了後は、次の大当り発生まで確変状態(高確率状態)が継続するノーマル確変タイプの遊技機を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、確変状態が所定の変動表示回数だけ継続するST機と称される遊技機を採用してもよい。
なお、上述の第13実施形態の技術的意義をより明瞭に把握し易くするために、最後に、第13実施形態の課題について概説しておく。
従来機種のぱちんこ遊技機では、演出表示装置における図柄の変動表示と連動して、特別遊技への移行期待度(大当り期待度)の高さを予告的に示唆する予告演出などによって遊技者の期待感を高めている。このような予告演出の一種には、例えば相対的に低い確率で出現する希少性の高い予告演出として「プレミア演出」と称されるものがある(例えば、特開2010−125091号公報を参照)。
また、従来機種のぱちんこ遊技機には、ほとんどの機種で、遊技者が操作可能なボタンやスイッチ等の操作手段が搭載されて遊技演出に供されている(例えば、特開2009−172216号公報を参照)。このような操作手段を用いた遊技演出では、例えば図柄の変動表示中に、操作手段の操作を促す画像を表示して、遊技者を積極的に遊技に参加させるようにしている。
また、従来機種のぱちんこ遊技機では、演出表示装置における図柄の変動表示と連動して、特別遊技への移行期待度(大当り期待度)の高さを予告的に示唆する予告演出などによって遊技者の期待感を高めている(例えば、特開2015−16106号公報を参照)。近年では、このような演出のバリエーションが益々豊富になる傾向である。
また、従来機種のぱちんこ遊技機では、大入賞口の内部に特定領域を設け、特別遊技中の特定ラウンドにおいて、大入賞口内に入球した遊技球が特定領域を通過することにより、その特別遊技の終了後に遊技者にとって有利な遊技状態へ移行させる機種も知られている(例えば、特開2014−104204号公報を参照)。
また、従来機種のぱちんこ遊技機では、特別遊技の実行中に、大当りの種類に応じた内
容の大当り演出が実行されるようになっている(例えば、特開2007−21272号公報を参照)。
また、従来機種のぱちんこ遊技機では、当否判定が実行される以前に、未消化の作動保留球に対する事前判定を行い、この事前判定の結果に基づく保留画像を表示させ、この保留画像の表示態様に応じて大当りする可能性を示唆する、いわゆる保留変化先読み演出と称されるものがある(例えば、特開2014−213021号公報を参照)。
しかしながら、このような構成を採用するぱちんこ遊技機は、従来機種として既に多数存在しているため、従来機種との差別化を図るためには、更なる遊技の興趣性の向上が求められている。
そこで、第13実施形態に係るぱちんこ遊技機では、遊技の興趣性の向上を図ることを目的として、上記のような構成を採用し、上記のような作用効果(1)〜(6)を達成している。
[共通変形例]
次に、第1実施形態〜第13実施形態の共通変形例に係る遊技機について説明する。この共通変形例に係る遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態〜第13実施形態のうちのいずれかの遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
(共通変形例1)
本変形例1では、非確変状態(時短状態、入球容易状態)において第2特別図柄で大当りする場合は、確変状態において第2特別図柄で大当りする場合よりも、保留内連荘演出の実行確率が低くなるよう構成、又は、保留内連荘演出を実行しないよう構成する。前述したように、非確変状態と確変状態とでは、互いに異なる演出モードに遷移するため、図柄変動中の演出の傾向が相違する。そのため、非確変状態において第2特別図柄で大当りとなり、その特別遊技の終了後に、確変状態に移行する場合を考えると、保留内連荘(二つの大当りの発生)という事象を介して、非確変状態時の図柄変動演出と、先の特別遊技と、確変状態時の図柄変動演出と、後の特別遊技と、をシームレスに繋いで一連の連続演出(一貫したストーリー性のある演出)として組み立てるのが困難である。そのため、非確変状態において第2特別図柄で大当りとなり、保留内連荘が確定する状況であっても、保留内連荘演出の演出効果を十分に発揮できないおそれが高いため、保留内連荘演出の実行確率を低くし、又は、実行させない。その一例としては、確変状態における演出モード(バトルモード)のとき、該演出モード専用の特定の大当り図柄(大当り図柄「拳・拳・拳」)を設定し、この特定の大当り図柄の停止表示で保留内連荘が確定となることを契機として、特殊連続演出(バトル系の特殊連続演出)が開始される場合を考えると、時短状態における演出モード(非バトルモード)のとき、保留内連荘が発生し得る状況下であっても、該特定の大当り図柄を出現させることはせず、また、特殊連続演出を発生させない方が、前後の大当りの繋がりや演出の整合性をとることができるからである。
(共通変形例2)
前述の第1実施形態では、複数種の大当り(16R大当り、8R大当り、2R大当り)のうち、いずれの大当りに該当する場合であっても、その特別遊技の終了直後の一定期間(第2特別図柄の作動保留球の最大数(4個)に対応した図柄変動回数(4回転)の変動表示に亘る限定期間)のみ、限定頻度状態(高確率特殊変動状態γ)に移行し、限定頻度テーブル(特殊変動パターンテーブル)を参照して、特別図柄の変動パターンが選択されるように構成されている。これに対して、本変形例2では、複数種の大当り(16R大当り、8R大当り、2R大当り)のうち、特定の大当り(高利益大当り:16R大当り)に該当する場合だけ、その特別遊技の終了直後の一定期間(4回転)のみ限定頻度状態に移行し、限定頻度テーブルを参照して、特別図柄の変動パターンが選択されるように構成されている。なお、限定頻度状態では、当否判定の結果が特定の大当りである場合は、短縮
変動の変動パターン(例えば、変動時間=2秒)が選択されるようになっている。このとき、前述のように、第1特別図柄で大当りとなった場合よりも、第2特別図柄で大当りとなった場合の方が、複数種の大当りのうち、特定の大当り(高利益大当り)となる確率は高くなっている。そのため、基本的には、第1特別図柄で大当りとなった場合(初当りの場合)よりも、第2特別図柄で大当りとなった場合(連荘の場合)の方が、その特別遊技の終了直後に限定頻度状態に移行しやすいと言える。そして、この限定頻度状態では、主制御基板100側では、短縮変動パターン(例えば、変動時間=2秒)が選択され、演出制御基板200側では、この短縮変動パターンに対応した各種の図柄変動演出が選択されるようになっている。
ここで、第2特別図柄の作動保留球(特に、大当り後(特別遊技の終了後)の図柄変動4回分を消化予定となる第2特別図柄の作動保留球)は、大当り開始前に生起する場合と、大当り開始後(又は大当り終了後)に生起する場合とがある。具体的には、図柄の変動表示中に遊技球が第2始動口に入球して第2特別図柄の作動保留球が生起する場合と、第2特別図柄の作動保留球が4個(最大保留数)未満である状況下で特別遊技の実行中に遊技球が第2始動口に入球して第2特別図柄の作動保留球が生起する場合とがある。なお、それ以外にも、特別遊技の終了時に第2特別図柄の作動保留球数が4個(最大保留数)未満の状況下において、該特別遊技の終了後であって第2特別図柄の変動中に遊技球が第2始動口62に入球することで第2特別図柄の作動保留球が生起する場合がある。このとき、前述のように、保留内連荘演出(特殊連続演出)の実行可否は、大当り開始時に判定されるため、保留内連荘演出(特殊連続演出)を発生させるためには、少なくとも大当り開始時に特定保留が存在することが前提となる。そのため、大当り開始時を基準として、大当り開始前に特定保留が生起された場合は、保留内連荘演出B(特殊連続演出)を発生させることができるが、大当り開始後(又は大当り終了後)に特定保留が生起された場合は、保留内連荘演出B(特殊連続演出)を発生させることができない。これにより、大当り開始前に特定保留が生起した場合は、特殊連続演出の実行に伴い、その特別遊技の終了直後における限定期間(4回転)内で、特殊図柄変動演出が発生する一方で、大当り開始後(又は大当り終了後)に特定保留が生起した場合は、その特別遊技の終了直後における限定期間(4回転)内では、特殊図柄変動演出は発生しないことになる。おな、限定期間である4回転は、前述したように、第2特別図柄の作動保留球数の最大数(4個)に対応させたものである。
従って、大当り開始前に特定保留が生起されることで保留内連荘が成立する場合は、該特定保留に係る図柄変動では、限定頻度状態における短縮変動(例えば、変動時間=2秒)に対応した特殊図柄変動演出(例えば、一連のムービー画像を展開するとともに図柄変動および大当りの発生を目立たなくした態様)を発生させて、先の特別遊技と図柄変動演出と後の特別遊技とを一貫したストーリー性のある演出でシームレスに繋げる。一方、大当り開始後に特定保留が生起されて保留内連荘が成立する場合は、該特定保留に係る図柄変動では、特殊図柄変動演出(特殊連続演出)は発生しないが、限定頻度状態における短縮変動(例えば、変動時間=2秒)に対応した即当り演出(大当りの発生を強調した態様)を発生させることで、大当り発生までの間延びを防止する。すなわち、本変形例2では、特定保留の生起したタイミングが大当り開始の前・後のいずれであっても、特定の大当り図柄で大当りとなった場合は、その特別遊技後の変動パターン選択状態は限定頻度状態に遷移するため、この限定頻度状態における短縮変動の発生に伴い、特定保留の生起のタイミングに応じて、後の大当り変動演出の内容を異ならしめることができる。なお、本変形例では、保留内連荘演出(特殊連続演出)の実行可否の判断時は、大当り開始時に設定していたが、これに限定されるものではなく、大当り中(特別遊技の実行中)の所定タイミングとしてもよい。
(共通変形例3)
また、上述の第1〜第12実施形態では、特別図柄の停止図柄として、1種類のはずれ図柄のみ設けた構成を例示したが、これに限定されるものではなく、複数種のはずれ図柄を設けてもよい。このとき、例えば、事前判定結果として特定のはずれ図柄が選択された場合にのみ、保留内連荘演出(ガセ演出)を発生させるようにしてもよい。また、上述の第7〜第12実施形態では、遊技領域PA内に特定領域を有した単一の大入賞口65のみを備えた構成(1個アタッカー形式)を採用しているが、これに限定されるものではなく、上述の第2実施形態等のように、特定領域を有しない大入賞口64と特定領域を有した大入賞口65とを備えた構成(2個アタッカー形式)を採用してもよい。
なお、本発明は、上記実施形態および変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。また、上記実施形態および変形例に記載された各構成要素を適宜組み合わせたもの、あるいは、上記実施形態および変形例に記載された各構成要素のうち一部を削除又は周知・慣用技術等で転換したものについても、本発明の範囲に含まれるものである。更に、上記実施形態において、発生時期を異にする二種類の保留内連荘演出A,Bを例示して説明したが、保留内連荘演出Aの発生時点で保留内連荘が確定する仕様でもよいし、保留内連荘演出Aの発生だけでは足りず所定の条件が成立することで保留内連荘が確定する仕様でもよく、同様に、保留内連荘演出Bの発生時点で保留内連荘が確定する仕様でもよいし、保留内連荘演出Bの発生だけでは足りず所定の条件が成立することで保留内連荘Bが確定する仕様でもよい。また、上記実施形態において、保留内連荘演出は、後続の作動保留球内に一以上の特定保留が存在する場合にのみ実行する構成であっても、後続の作動保留球内に特定保留が存在しない場合にも(いわゆるガセ演出として)実行する構成であってもよい。また、本発明および上記実施形態において、「実行されない」とは、実行確率(発生頻度)が低いことが含まれていてもよく、「実行確率が低い」とは、実行されないことが含まれていてもよい。