以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施形態例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
図1は、本実施例におけるパチンコ機の遊技盤1の正面図である。図1に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が、第1遊技領域3aと第2遊技領域3bとに分けられており、ほぼ中央部に配置されたセンターケース5の左側が第1遊技領域3a、右側が第2遊技領域3bとなり、第1遊技領域3aは本発明の「第1遊技領域」に相当し、第2遊技領域3bは「第1遊技領域に遊技球を流下させるための発射強度とは異なる発射強度で発射した遊技球が流下する第2遊技領域」に相当する。
従って、第1遊技領域に遊技球を流下させるための所定の発射強度よりも大きな発射強度で発射された遊技球が第2遊技領域3bに到達することになり、図に示したA部まで到達した遊技球が、第2遊技領域誘導路A1を転動し、第2遊技領域3b(センターケース5の右側)に至り、Aに到達しない遊技球が第1遊技領域3a(センターケース5の左側)を流下することになる。また、この第1遊技領域3a,第2遊技領域3bには多数の遊技釘が植設されている。
センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ5a、演出図柄表示装置6の画面を臨ませる窓等を備えている。
センターケース5の下には、第1始動口A11(本発明の第1始動口Aに相当)が配置され、その下には、大入賞口14が配置されている。大入賞口14内には特定領域110が設けられており、大当り遊技中にこの特定領域110に遊技球が入球すると、当該大当り遊技終了後に確変状態(高確率遊技状態)に移行する構成となっている(詳細については後述)。第1始動口A11の左方には4個の一般入賞口31,32,33,34が設けられている。なお、この一般入賞口31から34は、入球率が変化しない普通入賞口である。
第1始動口A11と大入賞口14とは、第1遊技領域3aを流下した遊技球が入球可能な配置となるが、第1始動口A11は、センターケース5の成形形状及び遊技釘の配列から第1遊技領域3aを流下した遊技球のみが入球可能となり(本発明の、前記第1遊技領域に前記第1始動口Aを配置し、に相当)、大入賞口14は遊技領域3の最下部付近に配置されていることにより、第2遊技領域3bを流下した遊技球も入球可能な構成となっている。
センターケース5右側の第2遊技領域3bには、普通図柄作動ゲート17(本発明の普通図柄作動ゲートに相当)が配置され、その下には第1始動口B12(本発明の普通電動役物の作動により入口が開く、又は拡大する第1始動口B、及び特定の入賞口に相当)が配置され、その左下には、特定の入賞口、即ち第1始動口B12への入球によって作動する第2種非電動役物により閉鎖状態から開放状態に変化する機械式チューリップ役物の第2始動口13(本発明の第2始動口に相当)が配置されている。
第1始動口B12へ入球すると遊技球の自重を用いた内部の機械的な連動によって機械式のチューリップ役物である第2始動口B13が開放するが、その仕組みの概要を、図2を用いて説明する。
上記した第2種非電動役物は、図2に示す部材から構成されている。具体的には、変換部材fと変換部材gからなる変換機構は、機械式チューリップ(第2始動口13)の左羽部材aと右羽部材bとが閉鎖状態のときは、右羽部材bの下端部に当接支持することにより該閉鎖状態を保持(ロック)し、第1始動口B12に遊技球が入球すると、入球した遊技球の自重(矢印方向の力)により押圧されて変換部材gが揺動し、変換部材gの一方の先端と歯部で噛み合った変換部材fが連動して揺動すると、変換部材fの他方の先端が機械式チューリップ(第2始動口13)の連結棒eを押圧して閉鎖状態のロックが外れ左羽部材aと右羽部材bとが開放状態に変位する。
また、本実施例の機械式チューリップ(第2始動口13)は、第2種非電動役物の作動により開放状態に変化すると、2個の遊技球の入球によって閉鎖状態に変化するがこの個数に限るわけではない。
図1に戻り、第1始動口B12と第2始動口13とは、どちらも閉鎖状態にある時は遊技球の入球が不可となっている。また、普通図柄作動ゲート17,第1始動口B12,第2始動口13,大入賞口14が第2遊技領域3bを流下する遊技球が入球可能な位置に配置され、普通図柄作動ゲート17,第1始動口B12,第2始動口13は第2遊技領域3bを流下する遊技球のみが入球可能な配置となる(本発明の、前記第2遊技領域に前記普通図柄作動ゲートと前記第1始動口Bと第2始動口とを配置した、に相当)。
第2遊技領域3bの下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7(本発明の普通図柄表示装置に相当)、普通図柄保留数表示装置8と、7セグメント表示装置からなる第1特別図柄表示装置9(本発明の第1特別図柄表示装置の一つに相当)、第2特別図柄表示装置10(本発明の第2特別図柄表示装置の一つに相当)と、複数個のLEDからなる第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19とが配置されている。この位置に配置した各種表示装置の表示内容を遊技者が確実に認識することは困難となり、遊技中の遊技者はセンターケース5の窓部にあたる演出図柄表示装置6の表示内容に注目して遊技を行う。
上記のように遊技盤1を構成することによって、第1遊技領域3aに遊技球を流下させた場合に限り遊技球が第1始動口A11へ入球(第1始動口スイッチ11a(図3参照)が遊技球を検出)し、第1特別図柄表示装置9において第1特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。
第2遊技領域3bに遊技球を流下させると、普通図柄作動ゲート17に遊技球が入球(普通図柄作動スイッチ17a(図3参照)が遊技球を検出)し、普通図柄表示装置7で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄の態様に応じて、後述する普電役物ソレノイド12b(図3参照)を駆動させる。普電役物ソレノイド12bの駆動により普通電動役物が作動し第1始動口B12の羽根部材が開放状態に変化すると、第1始動口B12への入球(第1始動口スイッチB12a(図3参照)の検出)が可能となるように構成されている。第1始動口B12に遊技球が入球(第1始動口Bスイッチ12a(図3参照)が遊技球を検出)すると、第1特別図柄表示装置9において第1特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
また、第2始動口13が閉状態の場合に第1始動口B12に遊技球が入球すると、入球した遊技球の自重によって図2を用いて説明した動作が行われ、第2始動口13が開放状態に変化し第2始動口13への遊技球の入球が可能となる。第2始動口13に遊技球が入球(第2始動口スイッチ13a(図3参照)が遊技球を検出)すると、第2特別図柄表示装置10において第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。開放状態に変化した第2始動口13は2個の遊技球が入球すると閉状態に変化する。
第1特別図柄(以降、第1特図ともいう)及び第2特別図柄(以降、第2特図ともいう)の変動中は、演出図柄表示装置6において各々の特別図柄の変動に連動した演出態様を表示する。また、第1特別図柄と第2特別図柄は、同時に変動することが可能な構成となっており、第1始動口と第2始動口とへの入球に応じてそれぞれの特別図柄が独自に入球順に変動表示を実施するが、どちらか一方の特別図柄の大当りが確定した場合に他方の特別図柄が変動表示中であった場合は、他方の特別図柄の変動表示を強制的に終了して当否結果を表示する。但し、この場合は、実際の当否判定結果に拘らず必ずハズレを示す当否判定結果を表示する。大当り遊技を終了すると新たに同時変動を開始する。
第1特別図柄及び第2特別図柄の確定表示した態様に応じて、後述する大入賞口ソレノイド14b(図3参照)が駆動する。大入賞口ソレノイド14bが駆動すると、ほぼ同期して大入賞口14の扉部材が開放し、大入賞口14への遊技球の入球(カウントスイッチ14a(図3参照)が遊技球を検出)が可能となるように構成されている。
尚、本実施形態におけるパチンコ機は確率変動機として構成されている。具体的に説明すると、本実施形態のパチンコ機による遊技は、大入賞口14を閉鎖した遊技と大入賞口14を開放する大当たり遊技とに大別され、大入賞口14を閉鎖した遊技には、大きく分類して、通常確率状態(以下、通常状態)と、該通常状態に比べて遊技者にとって有利な状態(大当りとなる確率が高く、大当りし易い)となる確変状態 (以下、高確率状態とも記載)とが存在する。
確変状態へは、大当り遊技中に大入賞口14内の特定領域110に遊技球が入球することにより、当該大当り遊技終了後に移行するように設定され、大当り遊技中に大入賞口14内の特定領域110に遊技球が入球しなければ、当該大当り遊技終了後は通常状態(低確率状態)に移行する。
通常状態に移行後は、規定回数(例えば、100回)だけ特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、かつ普通電動役物の開放延長機能が作動する時短状態となる。特別図柄及び普通図柄の変動時間(変動開始から結果が表示されるまでの時間)が短縮されると、一定時間内に変動表示が行なわれる回数が増大される。
具体的には、本実施形態の時短状態では、特別図柄の変動時間の短縮とともに、普通図柄表示装置7に表示される普通図柄の時間短縮も行われるが、この普通図柄の変動表示を短縮させることで、一定時間内で多数回普通図柄の確定表示を行う。従って、一定時間内での普通図柄が当りとなる回数が増大し、これにより普通電動役物の作動回数も増大する。また、普通電動役物の開放時間が長くなるように設定されている(開放延長状態)ので、多数の遊技球が入賞し易くなる。このように多数の遊技球が入賞し易くなることにより、特別図柄の変動表示回数が更に増大されるとともに、普通電動役物入賞で得る賞球により、遊技者の持ち玉が減り難くなり、有利な遊技を行うことができる。
尚、本実施例においては、確率変動状態に移行する場合は必ず時短状態(開放延長状態)となり、この状態は、上記した時短状態に加え特別図柄の大当り確率が高くなる(大当りし易い状態)ため、更に遊技者に有利な遊技状態となる。
本実施例のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とで何れの特別図柄が大当りした場合でも大入賞口14が12回の開放動作(12ラウンドの大当り遊技)を行うが、確変状態への移行を左右する特定領域110への入球を判定(特定領域11に遊技球が入球すると、大当り遊技終了後に確変状態に移行する)するのは最終の12ランドのみとなり、この最終12ラウンドの大入賞口14の開放秒数の設定が、第1特別図柄の大当り図柄と第2特別図柄の大当り図柄とで異なる構成となっている。詳細は後述するが、第1特別図柄が大当りとなると、最終12ラウンドにおいて特定領域110に遊技球が入球し難い状況が発生する場合があるのに対して、第2特別図柄では、全ての大当りで特定領域110に容易に遊技球が入球するように設定されている。この構成により、遊技者にとっては第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも有利な特別図柄となっている。
図3は、パチンコ機50の電気的構成を示すブロック図となり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
主制御装置80には、第1始動口A11に入球した遊技球を検出する第1始動口Aスイッチ11a、第1始動口B12に入球した遊技球を検出する第1始動口Bスイッチ12a、第2始動口13に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ13a、普通図柄を作動させるゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、大入賞口14内の特定領域110に入球した遊技球を検出する特定領域スイッチ110a、第2種非電動役物の作動により開状態に変化する第2始動口13の開状態を検出する状態検出スイッチ13b(状態検出手段)、一般入賞口31,32,33,34に入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ31a等の検出信号が入力される。特定領域スイッチ110aが検出した遊技球は、該検出後にカウントスイッチ14aも検出する構成となっている。状態検出スイッチ13bは開状態又は閉状態の何れかを検出可能であればよく、例えば、所謂マイクロスイッチを用いてもよいし、フォトセンサを用いてもよい。状態検出スイッチ13bを演出のみに用いるなら、サブ統合制御装置83に接続する構成としてもよい。
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10及び普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄保留数表示装置8の点灯を制御する。
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普電役物(普通電動役物)ソレノイド12bを制御することで第1始動口B12となる普通電動役物の扉部材の開閉動作を制御する。主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールコンピュータ87に送られる。
主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が行われ、払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を制御して賞球を払い出す。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してプリペイドカードユニットと交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。なお、本実施例のパチンコ遊技機は、遊技球を機外に払い出す構成としているが、所定数の遊技球を機内に封入し、入賞等に応じて発生した賞球を機外に払い出さずに遊技機自体が持球数を演算しながら記憶する封入式遊技機の構成としても良い。
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルを触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカからの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。
また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67の操作を検出する演出ボタンスイッチ67aが接続されており、遊技者が演出ボタン67を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が主制御装置80からの入力及び演出ボタン67の入力に基づいて生成したものとがある)に基づく制御を行い、擬似図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面に表示させる。尚、サブ統合制御装置83と主制御装置80とは間に演出中継端子板65を介した主制御装置80からサブ統合制御装置83への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とはサブ統合制御装置83から演出図柄制御装置82への一方向通信回路として構成されている。
次に、図4を用いて、主制御装置80が実行するメインルーチンを説明する。メインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施形態では、S10〜S75までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS80の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、ほとんどが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
S10が否定判定、即ち、正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S80)に移行する。
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理(S20)、大当り決定用乱数更新処理(S25)、大当り図柄決定用乱数1更新処理(S30)、大当り図柄決定用乱数2更新処理(S35)、小当り図柄判定用乱数更新処理(S40)、当り決定用乱数更新処理(S45)、リーチ判定用乱数更新処理(S50)、変動パターン決定用乱数更新処理(S55)、続く入賞確認処理(S60)、当否判定処理(S65)、画像出力処理等の各出力処理(S70)、不正監視処理(S75)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内には初期乱数更新処理(S80)をループ処理する。
次に、図5に示したフローチャートを用いて、主制御装置80が実行する始動入賞確認処理を説明する。本処理は、第1始動口A11、第1始動口B12、第2始動口13に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したときに取得する当否乱数等の種々の乱数を、保留記憶として主制御装置80に格納(記憶)するとともに、記憶した乱数が予め設定された値か否かを後述する当否判定を実施する以前に確認する処理を行い、第1始動口A11、第1始動口B12及び第2始動口13への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理となる。以後、第1始動口A11及び第1始動口B12に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第1保留記憶、第2始動口13に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第2保留記憶、普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したときに格納される保留記憶を普図保留記憶として説明する。
本実施形態においては、普通図柄保留数表示装置8、第1特図保留数表示装置18、第2特図保留数表示装置19による各々の点灯数の最大個数は4個(最大保留記憶数が4個)となっているが、これに限るわけではなく、例えばそれぞれの最大記憶個数が8個であってもよい。また、それぞれの保留記憶数が0であっても、第1始動口A11、第1始動口B12及び第2始動口13に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したときに取得される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に主制御装置80に格納される。
始動入賞処理を開始すると、第1始動口Aスイッチ11aが遊技球を検出したか否か判定する(S100)。否定判定なら(S100:no)、第1始動口Bスイッチ12aが遊技球を検出したか否か判定し(S105)、否定判定なら(S105:no)、S135に進む。S100の肯定判定(S100:yes)又は、S105の肯定判定(S105:yes)に続いては、主制御装置80に格納されている第1保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S110)。否定判定なら(S110:no)S135に進み、肯定判定であれば(S110:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第1保留記憶として記憶し第1保留記憶の数を示す第1保留記憶カウンタに1を加算する第1抽出乱数保留記憶処理(S115)を行う。
S115に続いては、記憶した第1保留記憶の先読判定を行う(S120)。具体的には、大当り判定用乱数の値が大当りを生起する値か否かを確認し、大当り値なら大当り図柄の種類を確認する。大当り判定がハズレなら、リーチ決定用乱数がスーパーリーチとなる値か否かを確認する。スーパーリーチでなければ、リーチとなる値か否かを確認し、変動パターン決定用乱数の値から変動時間を確認する。上記判定を行うことによって、記憶した乱数値が、遊技者が大当りの期待が持てる特定の値か否か(はずれでも大当りを期待させる演出が可能な否か)を判定する。
続いて、S120の判定結果から第1先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置83に送信し(S125)、S115で加算した第1保留記憶カウンタの値を示す第1保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S130)。
S130の処理、又はS105、S110の否定判定(S105:no、S110:no)に続いては、機械式チューリップ役物内の第2始動口スイッチ13aが遊技球を検出したか否か判定する(S135)。否定判定なら(S135:no)S165に進み、肯定判定なら(S135:yes)、主制御装置80に格納されている第2保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S140)。否定判定なら(S140:no)S165に進み、肯定判定であれば(S140:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第2保留記憶として記憶し第2保留記憶数を示す第2保留記憶カウンタに1を加算する第2抽出乱数保留記憶処理1(S145)を行い、S120と同様に記憶した第2保留記憶の先読判定を行う(S150)。
続いて、S150の判定結果から第2先読判定コマンドを生成しサブ統合制御装置53に送信し(S155)、S145で加算した第2保留記憶カウンタの値を示す第2保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信して(S160)、S165に進む。
S165では、普通図柄作動スイッチ17aが遊技球を検出したか否か判定する(S165)。否定判定なら(S165:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S165:yes)、主制御装置80に格納されている普図保留記憶数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S170)。否定判定なら(S170:no)リターンに抜け、肯定判定であれば(S170:yes)、抽出した当り判定用乱数と当り図柄決定用乱数とを普図保留記憶として記憶し、普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウンタに1を加算し(S175)、加算した普図保留記憶カウンタの値を示す普図保留記憶数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S180)、リターンする。
サブ統合制御装置83は第1及び第2保留記憶数指示コマンドを受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置6上で表示する各保留記憶数を変化させる指示信号を演出図柄制御装置82に送信する。また、本実施例では、演出図柄表示装置6上では普通図柄の保留記憶数表示は行わないが、普図保留記憶数指示コマンドの受信に応じて表示する構成としてもよいし、普図保留記憶数指示コマンド自体を送信しない構成としてもよい。また、普図の先読判定を実施し判定結果をサブ統合制御装置に送信する構成も考えられる。これにより、普通電動役物(第1始動口B12)の開放を期待させる先読予告の実施が可能となる。本実施例では、始動入賞確認処理時に当否判定結果を報知する図柄の種類と変動パターンを選択する乱数(大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数)を取得したが、これらの乱数を特図当否判定処理時に取得する構成であってもよい。
次に、図6から図9に示したフローチャートを用いて主制御装置80が実行する当否判定処理を説明する。本処理は、第1始動口Aスイッチ11a、第1始動口Bスイッチ12a又は第2始動口スイッチ13aでの遊技球の検出に起因して抽出された乱数値に基づいて大当り遊技(特別遊技)を実行するか否かを判定する処理(本発明の大当り判定手段に相当)となり、第1特図と第2特図とが同時に変動を行うために、第1特図と第2特図とにおいて個別に実施される処理となる。以下は、第1特図の処理を行う場合を説明し、第2特図については援用とする。
本処理を開始すると、役物連続作動装置の作動を確認して大当り遊技中であるか否か判定し(S200)、肯定判定なら(S200:yes)、後述する特別遊技処理に移行し、否定判定、即ち、大当り遊技中でなければ(S200:no)、第1特図(第2特図)が変動中であるか否かを確認し(S205)、変動中でなければ(S205:no)、特図の確定図柄が確定表示中であるか否かを確認し(S210)、確定表示中でなければ(S210:no)、第1保留記憶があるか否か判定する(S215)。否定判定、即ち、始動開始条件が成立していたなら(S215:no)、後述する特別遊技処理に移行し、肯定判定なら(S215:yes)、保留記憶のシフト処理を行い(S220)、これにより第1保留記憶の最も古い保留記憶を当否判定の対象とするとともに、第1保留記憶数を示す第1保留記憶カウンタから1を減算し、第1保留記憶数の減算後の値を示すコマンドをサブ統合制御装置83に送信する。
次に確変フラグが0か否か判定する(S225)。確変フラグは主制御装置80が記憶する値であり、値が1なら高確率遊技状態であることを、値が0なら通常確率(低確率)遊技状態であることを判断する。S225が否定判定、即ち、高確率遊技状態なら(S225:no)、当否判定の対象とした保留記憶の大当り判定用乱数値と予め設定された高確率時に用いる確変テーブルとを比較して、判定対象の乱数値が確変テーブル内の判定値と一致するか比較する(S235)。S225が肯定判定なら(S225:yes)当否判定の対象とした保留記憶の大当り判定用乱数値と予め設定された通常確率(低確率)の通常テーブルとを比較して、判定対象の乱数値が通常テーブル内の判定値と一致するか比較する(S230)。なお、本実施例では、確変テーブルは大当り確率が1/30、通常テーブルは1/300の設定となっている。
続くS240では、S230又はS235の結果が大当り(判定値と同一)であるか否か判定する。肯定判定なら(S240:yes)、図柄モード設定処理を行う(S245)。図柄モード設定処理では、当否判定の対象とした保留記憶の種類(第1保留記憶又は第2保留記憶)と、判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数1に基づいて、大当り遊技の内容を決定する図柄モードを設定する(S245)。
大当り遊技の内容は、図13に示すように、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらの特別図柄がどの大当り図柄で大当りした場合でも、大入賞口14が12回の開放動作を行う。加えて、最終12ラウンドで大入賞口14内に設けられた特定領域110に遊技球が入球すると、次回の大当りが生起するまで確変状態が付与される。この場合、確変状態に移行すると同時に時短状態(開放延長状態)にも移行し、大当り遊技以外では最も遊技者に有利な遊技状態が次回の大当りが生起するまで付与されることになる。一方、最終12ラウンドで特定領域110に遊技球が入球しなかった場合は、大当り遊技終了後は通常(低確率)の時短状態に移行し、この時短状態は、該時短状態中に大当りが生起するか、又は特別図柄が100回(第1特図と第2特図との合計)の変動表示を行うと終了する。
また、図13に示すように、全ての大当り遊技で大入賞口14は12回の開放動作を行うが、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、大当り図柄の種類に応じた大入賞口14の開放態様が異なる構成となっている。詳しくは、第1特別図柄が大当り図柄1,2(2/10の割合)で大当りとなった場合は、大当り遊技の1ラウンドから最終12ラウンドまでにおいて、29.0秒間又は9個カウントするまで大入賞口14が開放動作を行うが、第1特別図柄が大当り図柄3から10(8/10の割合)で大当りとなった場合は、大当り遊技の1ラウンドから11ラウンドまでは、29.0秒間又は9個カウントするまでの大入賞口14の開放動作を行い、特定領域110の入球判定を行う最終の12ラウンドは、0.2秒間又は9個カウントするまでの大入賞口14の開放動作を行う。一方第2特別図柄が大当りした場合は、全ての大当り図柄において、29.0秒間又は9個カウントするまでの大入賞口14の開放動作を行う。
大入賞口14が0.2秒の開放動作を行った場合、大入賞口14に遊技球が入球する確率は極めて低く、よって特定領域110に遊技球が入球する確率は更に低くなるため、第1特別図柄が大当り図柄3から10(8/10の割合)で大当りとなった場合は、当該大当り遊技終了後に確変状態が付与されることはほとんどない。対して、大入賞口14が29.0秒又は9カウントするまで開放した場合は、通常の遊技球発射を行えば、ほぼ間違いなく特定領域110に遊技球が入球する。
上記した大当り遊技の構成により、本実施例では、第1始動口A11と第1始動口B12への遊技球への入球に基づく当否判定処理(第1保留記憶の当否判定処理)から大当りが生起した場合よりも、機械式チューリップ内の第2始動口13への遊技球の入球に基づく当否判定処理(第2保留記憶の当否判定処理)から生起した大当りの方が遊技者に有利(より多くの遊技球を獲得する期待値が高い)となる。なお、第2特別図柄の大当りの方が遊技者に有利な構成であるならばこの内容に限るわけではない。
図6に戻り、S245に続いては、設定した図柄モードの種類と判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数2に基づいて大当り図柄選択処理を行う(S250)。これは、図柄モードの設定によって決定した大当りの種類(大当り遊技の内容)を大当り図柄によって報知するために、図柄モードの種類毎に設定された図柄郡の中から表示する図柄を決定する処理となる。
次に、S245で設定した図柄モードに基づいて大当り遊技の内容となる大入賞口の開放パターン設定処理を行い(S260)、当否判定の対象とした保留記憶のリーチ決定用乱数および変動パターン決定用乱数に基づいて、第1特別図柄表示装置9(第2特別図柄表示装置10)、及び演出図柄表示装置6に表示する図柄の変動時間となる変動パターンを、変動パターン選択テーブルから選択する(S265)。
次に、選択した大当り図柄および変動パターンの情報を、変動指示コマンドとしてサブ統合制御装置83へ送信する(S270)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づいて、演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、大当り図柄および変動パターンの情報に対応する演出図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9(又は第2特別図柄表示装置10)を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
S240が否定判定、即ちハズレなら(S240:no)、S230又はS235の比較処理の結果が小当りであるか否か判定し(S275)、肯定判定なら(S275:yes)、小当り図柄を選択し(S280)、続いて小当り遊技の開放パターン設定処理を行い(S260)、小当り図柄に対応する変動パターン選択処理を行い(S265)、小当り図柄および変動パターンの情報となる変動指示コマンドをサブ統合制御装置83へ送信する(S270)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づき演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、小当り図柄および変動パターンの情報に対応する演出図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9(又は第2特別図柄表示装置10)を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
S275が否定判定なら(S275:no)、ハズレ図柄を選択し(S285)、続いてハズレ図柄に対応する変動パターン設定処理を行い(S265)、ハズレに関する図柄及び変動パターンの情報となる変動指示コマンドをサブ統合制御装置53へ送信する(S260)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づき演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、ハズレ図柄および変動パターンの情報に対応する演出図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9(又は第2特別図柄表示装置10)を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
S270に続いては、図7のフローチャートに進み、確変フラグが1か否か判定する(S300)。肯定判定なら(S300:yes)、高確率遊技状態への移行期間を規制するための確変カウンタ(第1特別図柄と第2特別図柄とで共通の確変カウンタを使用する)からデクリメントを行い(S305)、確変カウンタの値が0か否か判定する(S310)。肯定判定なら(S310:yes)、確変フラグに0をセットする(S315)。この処理により高確率遊技状態から通常遊技状態に移行する。なお、大当り遊技終了後に確変が付与される場合は、確変カウンタに10000がセットされ、ほぼ次回の大当りが生起するまで確変状態が継続する。
S315、S300の否定判定(S300:no)、又はS310の否定判定(SS310:no)に続いては、時短フラグが1か否か判定する(S320)。時短フラグは主制御装置80が記憶する値であり、値が1なら時短状態及び開放延長状態であることを、値が0なら時短状態及び開放延長状態ではないことを判断する。肯定判定なら(S320:yes)、時短状態(及び開放延長状態)の付与期間を制限するための時短カウンタ(第1特別図柄と第2特別図柄とで共通の時短カウンタを使用する)からデクリメントを行い(S325)、時短カウンタの値が0か否か判定する(S330)。肯定判定なら(S330:yes)、時短フラグに0をセットする(S315)。この処理により時短状態及び開放延長状態が終了する。なお、時短カウンタには大当り遊技終了時に100がセットされている。
S335、S320の否定判定(S320:no)、S330の否定判定(S330:no)に続いては、遊技状態を示す確変フラグや時短フラグの情報等を含む状態指定コマンドを、サブ統合制御装置83へ送信し(S340)、後述する「特別遊技処理」に移行する。
図6に戻り、S205が肯定判定、即ち、第1特別図柄(第2特別図柄)が変動中なら(S205:yes)、図8のフローチャートに進み、図柄の変動時間が終了したか否か判定し(S350)、肯定判定なら(S350:yes)、第1特図表示装置9(又は第2特図表示装置10)の図柄の変動表示を終了させる制御を行い、サブ統合制御装置83へ演出図柄の変動表示を終了させる図柄確定コマンドを送信する確定図柄表示処理を行う(S355)。S355、又はS350の否定判定(S350:no)に続いては、特別遊技処理に移行する。
図6に戻り、S210が肯定判定、即ち、第1特別図柄(又は第2特別図柄)の確定図柄の表示中なら(S210:yes)、図9のフローチャートに進み、確定図柄の表示時間が終了したか否か判定する(S400)。肯定判定なら(S400:yes)、第1特別図柄(又は第2特別図柄)の確定図柄表示を終了させる処理を行い、サブ統合制御装置83へ演出図柄の確定表示を終了指示するコマンドを送信する確定図柄表示終了処理を行う(S405)。
S405、又はS400の否定判定(S400:no)に続いては、確定図柄表示を行った第1特別図柄(又は第2特別図柄)が大当り図柄か否か判定する(S410)。否定判定なら(S410:no)、特別遊技処理に移行し、肯定判定なら(S410:yes)、当該処理中に他方の特別図柄(第2特別図柄が)変動しているか否かを確認し(第2特別図柄の当該処理(当否判定処理)中であれば第1特別図柄が変動しているか否かを確認する)、変動中であれば第2特別図柄(又は第1特別図柄)の変動を強制的に終了する(S415)。本実施例では、一方の特別図柄が大当り図柄で停止すると他方の特図の変動を強制的に終了するが、変動中の他方の特別図柄(この場合は第2特別図柄)の当否判定結果が大当りであっても、当否結果を破棄して強制的に終了する構成となっている。しかしながら、他方の変動を中断(他方の変動時間の計時を中断)し、一方の大当り遊技終了後、他方の中段を終了し特図の変動を再開する構成も考えられる。この構成では、他方の特別図柄の抽選によって得た特典が無駄にならず遊技者が不利益を被ることがない。
S415に続いては、確変フラグが1か否か判定し(S420)、肯定判定なら(S420:yes)、確変フラグに0をセットする(S425)。S425、又はS420の否定判定(S420:no)に続いては、時短フラグが1か否か判定し(S430)、肯定判定なら(S430:yes)、時短フラグに0をセットする(S435)。これらの処理により大当り遊技(特別遊技)中での遊技状態を通常状態にリセットする。
S435、又はS430の否定判定(S430:no)に続いては、条件装置の作動を開始する処理を行い(S440)、役物連続作動装置の作動を開始する処理を行い(S445)、サブ統合制御装置83へ大当り開始演出を指示するコマンドを送信し(S450)、特別遊技処理に移行する。尚、条件装置は大当り遊技で役物連続作動装置の作動に必要な装置であり、役物連続作動装置は大入賞口14の特別電動役物を連続して作動させる装置である。
次に、図10から図12を用いて、主制御装置80が大当り遊技中に実行する特別遊技処理を説明する。本処理では、大当り遊技の最終12ラウンドが実施されると特定領域110への遊技球の入球を判定し、該判定結果を大当り遊技終了時まで記憶し、大当り遊技終了後の遊技状態を該判定結果に応じて設定する処理を行う。本処理を開始すると、役物連続作動装置が作動中か否か判定する(S500)。否定判定なら(S500:no)リターンし、肯定判定なら(S500:yes)、大入賞口14が開放中か否か判定する(S505)。否定判定なら(S505:no)、インターバル中か否か判定し(S510)、インターバル中でなければ(S510:no)、大当り終了演出中か否か判定し(S515)、大当り終了演出中でなければ(S515:no)、大当り開始演出時間が終了したか否か判定し(S520)、大当り開始演出時間が終了していなければ(S520:no)リターンし、終了していれば(S520:yes)、大入賞口14を開放させる処理を行い(S525)リターンする。
S505が肯定判定、即ち、大入賞口14が開放中なら(S505:yes)、図11のS550に進み、開放中の大当り遊技が最終12ラウンド中か否か判定し(S550)、肯定判定なら(S550:yes)、確変移行フラグが0か否か判定する(S553)。確変移行フラグは主制御装置80が記憶する値であり、値が1なら最終ラウンドで遊技球が特定領域110に入球したことを、値が0なら特定領域110に遊技球が入球していないことを判断する。
S553が肯定判定、即ち、未だ特定領域110に遊技球が入球していないなら(S553:yes)、特定領域スイッチ110aが遊技球を検出したか否か判定し(S555)、肯定判定なら(S555:yes)、確変移行フラグに1をセットする(S560)。S560、S550の否定判定(S550:no)、S553の否定判定(S553:no)、又はS555の否定判定(S555:no)に続いては、大入賞口14に規定入賞数(9個)の入賞があったか否か判定し(S565)、否定判定なら(S565:no)、大入賞口14の開放時間が終了したか否か判定し(S570)、S570が否定判定なら(S570:no)リターンする。S565、又はS570が肯定判定なら(S565:yes、S570、yes)、大入賞口14を閉鎖する処理を行い(S575)、サブ統合制御装置83へ大当りインターバル演出の開始を指示するコマンドを送信する大当りインターバル処理を行って(S580)リターンする。
図10の戻り、S510が肯定判定、即ち、インターバル中なら(S510:yes)、図11のS585に進み、大当りインターバル時間が終了したか否か判定し(S585)、否定判定なら(S585:no)リターンする。肯定判定なら(S585:yes)、大当り遊技の最終ラウンドが終了したか否か判定し(S590)、肯定判定なら(S590:yes)、サブ統合制御装置83に大当り終了演出を指示するコマンドを送信して大当り遊技を終了し(S595)リターンする。否定判定なら(S590:no)、大入賞口14の開放処理を行って(S598)リターンする。
図10の戻り、S515が肯定判定、即ち、大当り終了演出中なら(S515:yes)、図12のS600に進み大当り終了演出の時間が終了したか否か判定する(S600)。否定判定なら(S600:no)リターンし、肯定判定なら(S600:yes)、役物連続作動装置の作動を停止する処理を行い(S605)、条件装置の作動を停止する処理を行う(S610)。
続いて、確変移行フラグが1か否か判定する(S615)、肯定判定、即ち、大当り遊技の最終12ラウンドで特定領域110に遊技球が入球していたなら(S615:yes)、確変フラグに1を設定し(S620)、確変カウンタ(確変状態を保持する特図の変動回数)に10000をセットし(S630)、時短フラグに1を設定し(S635)、時短カウンタ(確変状態を保持する特図の変動回数)に10000をセットし(S640)、各確変移フラグに1を設定する(S645)。
S615が否定判定、即ち、大当り遊技の最終12ラウンドで特定領域110に遊技球が入球していなければ(S615:no)、時短フラグに1を設定し(S665)、時短カウンタに100をセットする(S670)。S645又はS670に続いては、サブ統合制御装置83へ大当り終了コマンドと、S620の時短フラグとS630の確変フラグとの設定によって決定した大当り遊技終了後の遊技状態を示す状態指定コマンドを送信し(S650、655)、大当りフラグをクリアして(S660)リターンする。
以上が実施例1となる。上述したように、本実施例では、第1始動口B(特定の入賞口)への入球に基づく第2非電動役物の作動によって第2始動口13が閉状態から開放状態に変化し、第2始動口13への入賞によって当否判定を行う第2特別図柄の大当りを第1特別図柄の大当りよりも遊技者に有利な設定(言い換えれば第1特別図柄を遊技者に不利な設定)とすることで、従来にない遊技性を創出している。
具体的には、通常の遊技(遊技開始時)では第1遊技領域3aに配置された第1始動口A11への入球を狙って遊技球を発射し、第1始動口A11に入球した際に抽出した乱数値が大当りと判定され、該大当り遊技終了後に時短状態(確変状態含む)に移行すると、開放延長機能によって第1始動口B12への入賞が可能となり、当該第1始動口B12へ遊技球が入賞すると第1特図が変動を開始するとともに第2種非電動役物の作動により機械式チューリップ役物が閉状態から開状態に変化し第2始動口13への入賞が可能となる。第2始動口13へ遊技球が入賞すると、第1特図よりも遊技者に有利な第2特図が変動を開始する。この遊技の流れでは、第2特図を変動させるための条件は第1特図の変動となり、尚且つ第1特図と第2特図とは同時に変動を行う(それぞれの特別図柄が独自に入球順に変動表示を行う)。
大当り遊技終了後の開放延長状態時は、遊技者としては必ず確変状態が付与され尚且つ大当り出球の多い第2特図が大当りすることを願いながら遊技を進行するが、同時に変動している第1特図が大当りしてしまうと、確変が付与されない割合が高いため、時短は付与されるにしても最も有利な状況からは外れてしまい、通常の遊技状況に戻ってしまう確率が高くなる。
有利な第2特図を変動させるために不利な第1特図を変動させざるを得ないこのような状況は、遊技者にとってはスリルのある状況であり、リスクを負いながら有利な状態を狙う遊技期間は遊技者に対して従来にない遊技性を提供している。