以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施形態例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
図1に示すように、弾球遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
前枠52の上側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、該発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
上皿55の上部ほぼ中央には、遊技者が操作可能な演出ボタンA67と演出ボタンB68とを配置している。所定の擬似演出の実施中に報知された条件(演出ボタンA67の操作回数)を、所定期間中に達成することで有効期間Aが有効期間Bに変化し、有効期間A又は有効期間B中に演出ボタンB68を操作することで、各有効期間に応じた予告演出が後述する演出図柄表示装置6に表示される。
このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50は、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置を備えている。また、本機は機外に賞球を払出す構成となっているが、所定数の遊技球を機内に封入し、発射した遊技球を遊技機内で回収して循環的に使用することで遊技を行う封入式遊技機としても何ら問題ない。さらに封入式遊技機とした場合は、後述する有効期限Aから有効期限Bに変更する条件を、遊技球の発射球数とすれば、検出スイッチの追加をしなくても実施可能となる。
図2は、本実施例のパチンコ機の遊技盤1の正面図である。図2に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。この遊技領域3には多数の遊技釘4が植設されている。
遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり演出図柄を表示する。)の画面を臨ませる窓等を備えている。センターケース5の下には、第1始動口11と第2始動口12とが配置され、センターケース5の左方には、ゲート17が配置されている。第2始動口12は開閉可能な翼片を供えた普通電動役物を備えており、この翼片が開放しないと遊技球は第2始動口12に入球できない構成となっている。
遊技領域の右下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、普通図柄保留数表示装置8と、第1特別図柄保留数表示装置18と、第2特別図柄保留数表示装置19と、7セグメント表示装置からなる第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10とが配置されている。
第2始動口12の下方にはアタッカー式の大入賞口14が配置されている。また、第1始動口11の左方には、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33及び第4左入賞口34が設けられている。なお、この第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34は、入球率が変化しない普通入賞口である。
上記のように遊技盤1を構成することによって、普通図柄作動ゲート17に遊技球が入球(普通図柄作動スイッチ17a(図3参照)が遊技球を検出)すると、普通図柄表示装置で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄の態様に応じて、後述する普通電役ソレノイド12b(図3参照)を駆動させる。普通電役ソレノイド12bが駆動すると、ほぼ同期して普通電動役物の羽根部材が開放して、第2始動口12への入球(第2始動口スイッチ12a(図3参照)の検出)が可能となるように構成されている。尚、本実施形態におけるパチンコ機では、普通電動役物の羽根部材が駆動する開放時間は、通常時は0.2秒(1回)、時短状態(開放延長状態)では1.8秒(2回)である。また、第2始動口12は、普通電動役物の羽根部材が駆動しなければ遊技球が入球不可能な構成となっている。
第1始動口11に遊技球が入球(第1始動口スイッチ11a(図3参照)が遊技球を検出)すると、第1特図表示装置において第1特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。また、第2始動口12である普通電動役物に遊技球が入球(第2特図始動スイッチ12a(図3参照)が遊技球を検出)すると、第2特図表示装置において第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
第1特別図柄及び第2特別図柄の変動中は、演出図柄表示装置6において各々の特別図柄の変動に連動した演出態様を表示する。また、第1特別図柄と第2特別図柄は、第1始動口と第2始動口への入球順に関係なく、第2特別図柄の変動停止を優先して実施する。具体的には、第1特別図柄の保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動が停止し且つ第2特別図柄保留記憶が無い状態となって、第1特別図柄保留記憶分の変動を開始する。
第1特別図柄及び第2特別図柄の確定表示した態様に応じて後述する大入賞口ソレノイド14b(図3参照)が駆動する。大入賞口ソレノイド14bが駆動すると、ほぼ同期して大入賞口14の扉部材が開放し、大入賞口14への遊技球の入球(カウントスイッチ14a(図3参照)が遊技球を検出)が可能となるように構成されている。
また、第1始動口11、第2始動口12に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したときに取得する当否乱数等の種々の乱数を、保留記憶として主制御装置50に格納(記憶)するとともに、第1始動口11及び第2始動口12への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置83(図3参照)に送信する処理を行う。以後、第1始動口11に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第1保留記憶、第2始動口12に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第2保留記憶、普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したときに格納される保留記憶を普図保留記憶として説明する。
本実施形態においては、普図保留数表示装置、第1特図保留数表示装置、第2特図保留数表示装置による各々の点灯数の最大個数は4個(最大保留記憶数が4個)となっている。また、それぞれの保留記憶数が0であっても、第1始動口11、第2始動口12に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したときに取得される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に主制御装置50に格納される。
第1特図始動スイッチ11a又は第2特図始動スイッチ12aが遊技球を検出し、その場合の第1保留記憶又は第2保留記憶の数が4個未満であれば、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第1又は第2保留記憶として記憶領域に格納する。
保留記憶された各種乱数は、当否判定処理(大当り判定)によって予め設定されている値との比較判定(本発明の判定に該当)が行われ、大当り判定用乱数の当否判定結果が大当り図柄決定用乱数の値に基づいて第1特図表示装置、第2特図表示装置、演出図柄表示装置6に表示される。
尚、本実施形態におけるパチンコ機は確率変動機として構成されている。具体的に説明すると、本実施形態のパチンコ機による遊技は、大入賞口14を閉鎖した遊技と大入賞口14を開放する大当たり遊技とに大別され、大入賞口14を閉鎖した遊技には、大きく分類して、通常確率状態(以下、通常状態)と、該通常状態に比べて遊技者にとって有利な状態(大当りとなる確率が高く、大当りし易い)となる高確率状態(以下、確率変動状態とも記載)とが存在する。
特別図柄は、確率変動図柄及び非確率変動図柄とからなり、確率変動状態は確率変動図柄での大当たり遊技終了後に移行可能に設定され、通常状態、確率変動状態のうち、いずれの遊技状態でも確率変動図柄で大当りすれば、大当り遊技終了後、確率変動状態に移行する。同様に通常状態は、非確率変動図柄での大当たり遊技終了後に移行可能に設定され、通常状態、確率変動状態のうち、いずれの遊技状態でも非確率変動図柄で大当たりすれば、大当たり遊技終了後、通常状態に移行する。
通常状態に移行後は、規定回数(例えば、100回)だけ特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、かつ普通電動役物の開放延長機能が作動する時短状態となる。特別図柄及び普通図柄の変動時間(変動開始から結果が表示されるまでの時間)が短縮されると、一定時間内に変動表示が行なわれる回数が増大される。
具体的には、本実施形態の時短状態では、特別図柄の変動時間の短縮とともに、普通図柄表示装置に表示される普通図柄の時間短縮も行われるが、この普通図柄の変動表示を短縮させることで、一定時間内で多数回普通図柄の確定表示を行う。従って、一定時間内での普通図柄が当りとなる回数が増大し、これにより普通電動役物の作動回数も増大する。また、普通電動役物の開放時間が長くなるように設定されている(開放延長機能)ので、多数の遊技球が入賞し易くなる。このように多数の遊技球が入賞し易くなることにより、特別図柄の変動表示回数が更に増大されるとともに、普通電動役物入賞で得る賞球により、遊技者の持ち玉が減り難くなり、有利な遊技を行うことができる。
尚、確率変動状態では、時短状態と同様に特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、普通電動役物の開放延長機能が作動する。各種図柄の短縮と普通電動役物開放延長機能に関わる設定は時短状態と同一であるが、確率変動状態は時短状態に加えて特別図柄の大当り確率が高くなる(大当りし易い状態)ため、更に遊技者に有利な遊技状態となる。
図3は、パチンコ機50の裏面を示し、前述した遊技盤1を脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球が入球すれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。また、パチンコ機50の裏側には、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置、電源基板85が設けられている。なお、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83が、本発明のサブ制御装置に相当する。
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、図3では、発射制御装置が描かれていないが、発射制御装置は払出制御装置81の下(裏側)に設けられている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子78には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子78を介してホールコンピュータへ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
図4は、パチンコ機50の電気的構成を示すブロック図となり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させるゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34に入球した遊技球を検出する左入賞口スイッチ31a等の検出信号が入力される。
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンド(本発明の主制御装置から送信される信号に相当)を生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10及び普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄保留数表示装置8の点灯を制御する。
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド(図4では普電役物ソレノイドと表記)12bを制御することで第2始動口12となる普通電動役物の開閉動作を制御する。主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールコンピュータ87に送られる。
主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が行われ、払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を制御して賞球を払い出す。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してプリペイドカードユニットと交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。なお本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルを触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。
本願発明のサブ制御装置に該当するサブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカからの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。
また、サブ統合制御装置83には、演出ボタンA67の操作を検出する演出ボタンAスイッチ67a、演出ボタンB68の操作を検出する演出ボタンBスイッチ68aが接続されており、遊技者が演出ボタンA67、演出ボタンB68を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。なお、演出ボタンA67は本発明の有効期間変更手段の一部、演出ボタンB68が操作手段に相当する。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が主制御装置80からの入力及び演出ボタンA67、演出ボタンB68の入力に基づいて生成したものとがある)に基づく制御を行い、擬似図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面6aに表示させる。尚、サブ統合制御装置83と主制御装置80とは間に演出中継端子板65を介した主制御装置80からサブ統合制御装置83への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とはサブ統合制御装置83から演出図柄制御装置82への一方向通信回路として構成されている。
次に、図5を用いて、主制御装置80が実行するメインルーチンを説明する。メインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施形態では、S10〜S65までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS70の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、ほとんどが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
S10が否定判定、即ち、正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S70)に移行する。
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理が実行される(S20)。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「3966」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。
S20に続く大当り決定用乱数更新処理(S25)は、初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、最大値である「3966」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。なお、大当り決定用乱数の最初の値は、初期値乱数設定処理で設定された値となる。例えば、この値が250であったとすると、大当り決定用乱数は「250」「251」「252」・・・「3966」「0」「1」・・・と更新されていく。
なお、大当り決定用乱数が1巡(3967回、更新されること)すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にし、大当り決定用乱数は、その初期値から+1するインクリメント処理を行う。そして、再び大当り決定用乱数が1巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前述の例では大当り決定用乱数が「249」になると1巡であるから、「249」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「249」「87」「88」・・・「3966」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。
大当り図柄決定用乱数1更新処理(S30)は「0」〜「99」の100個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。大当り図柄決定用乱数2更新処理(S31)は「0」〜「49」の50個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。小当り図柄判定用乱数更新処理(S33)は「0」〜「149」の150個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
S33に続く当り決定用乱数更新処理(S35)は、「0」〜「996」の997個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、当選することとなる値は通常確率状態では31〜40、高確率状態では31〜996である。なお、この当り決定用乱数更新処理は普通図柄の抽選に使用し、その他の初期値乱数、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、小当り図柄判定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は特別図柄の抽選に使用する。
リーチ判定用乱数更新処理(S40)は、「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、通常確率状態時で変動時間短縮機能未作動時にリーチとなる値の数は21で、値は「0」〜「20」であり、通常確率状態時で変動時間短縮機能作動時にリーチとなる値の数は5で、値は「0」〜「4」であり、高確率状態時にリーチとなる値の数は6で、値は「0」〜「5」である。
変動パターン決定用乱数更新処理(S45)は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
続く入賞確認処理(S50)では、第1始動口11、第2始動口12の入賞の確認及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。本実施例では、遊技球が第1始動口11、第2始動口12に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得されるのだが、保留記憶できる数を第1始動口11と第2始動口12でそれぞれ4個までとしており、保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が第1始動口11又は第2始動口12に入賞しても賞球が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。
続いて、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての当否判定処理(S55)を行う。この当否判定処理(S55)が終了すると、続いて画像出力処理等の各出力処理(S60)が実行される。各出力処理(S60)では、遊技の進行に応じて主制御装置80は演出図柄制御装置82、払出制御装置81、発射制御装置84、サブ統合制御装置83、大入賞口ソレノイド14b等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S50)により遊技盤1上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには、賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置81に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置83に出力する処理を、パチンコ機50に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置82にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
続く不正監視処理(S65)は、普通入賞口(第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34)に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。つまり、不正判断手段は、主制御装置80に設けている。
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数更新処理(S70)から構成されるが、前述したS20と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10〜S65までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、図7に示された割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。大当り決定用乱数が1巡したときの、初期値乱数の値(0〜3966の3967通り)が、同程度に発生するとすれば、同期する確率はわずか1/3967である。また、前述した当り決定用乱数更新処理(S35)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
次に図6に示したフローチャートを用いて、主制御装置80が実行する始動入賞処理を説明する。始動入賞処理は、第1始動口11、第2始動口12に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したときに取得する当否乱数等の種々の乱数を、保留記憶として主制御装置80に格納(記憶)するとともに、記憶した乱数が予め設定された値か否かを後述する当否判定を実施する以前に確認する処理を行い、第1始動口11及び第2始動口12への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理となる。以後、第1始動口11に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第1保留記憶、第2始動口12に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第2保留記憶、普通図柄始動ゲート17を遊技球が通過したときに格納される保留記憶を普図保留記憶として説明する。
本実施形態においては、普通図柄保留数表示装置8、第1特図保留数表示装置18、第2特図保留数表示装置19による各々の点灯数の最大個数は4個(最大保留記憶数が4個)となっているが、これに限るわけではなく、例えばそれぞれの最大記憶個数が8個であってもよい。また、それぞれの保留記憶数が0であっても、第1始動口11、第2始動口12に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したときに取得される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に主制御装置80に格納される。
始動入賞処理を開始すると、第1始動口スイッチ11aが遊技球を検出したか否か判定する(S100)。否定判定なら(S100:no)S130に進み、肯定判定なら(S100:yes)、主制御装置80に格納されている第1保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S105)。否定判定なら(S105:no)S130に進み、肯定判定であれば(S105:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第1保留記憶として記憶し第1保留記憶の数を示す第1保留記憶カウンタに1を加算する(S110)。
S110に続いては、記憶した第1保留記憶の先読判定を行う(S115)。具体的には、大当り判定用乱数の値が大当りを生起する値か否かを確認し、大当り値なら大当り図柄の種類を確認する。大当り判定がハズレなら、小当りを生起する値か否かを確認し、ハズレならリーチ決定用乱数がスーパーリーチとなる値か否かを確認する。スーパーリーチでなければ、リーチとなる値か否かを確認し、変動パターン決定用乱数の値から変動時間を確認する。上記判定を行うことによって、記憶した乱数値が、遊技者が大当りの期待が持てる特定の値か否か(はずれでも大当りを期待させる演出が可能な否か)を判定する。
続いて、S115の判定結果から第1先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置53に送信し(S120)、S110で加算した第1保留記憶カウンタの値を示す第1保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S125)。
S125の処理、又はS100、S105の否定判定(S100:no、S105:no)に続いては、第2始動口スイッチ12aが遊技球を検出したか否か判定する(S130)。否定判定なら(S130:no)S160に進み、肯定判定なら(S130:yes)、主制御装置80に格納されている第2保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S135)。否定判定なら(S135:no)S160に進み、肯定判定であれば(S135:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第2保留記憶として記憶し第2保留記憶数を示す第2保留記憶カウンタに1を加算し(S140)、S110と同様に記憶した第2保留記憶の先読判定を行う(S145)。
続いて、S145の判定結果から第2先読判定コマンドを生成しサブ統合制御装置53に送信し(S150)、S140で加算した第2保留記憶カウンタの値を示す第2保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信して(S155)、S160に進む。
S160では、普通図柄作動スイッチ17aが遊技球を検出したか否か判定する(S160)。否定判定なら(S160:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S160:yes)、主制御装置80に格納されている普図保留記憶数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S165)。否定判定なら(S165:no)リターンに抜け、肯定判定であれば(S165:yes)、抽出した当り判定用乱数と当り図柄決定用乱数とを普図保留記憶として記憶し、普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウンタに1を加算し(S170)、加算した普図保留記憶カウンタの値を示す普図保留記憶数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S175)、リターンする。
サブ統合制御装置83は第1及び第2保留記憶数指示コマンドを受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置6上で表示する各保留記憶数を変化させる指示信号を演出図柄制御装置82に送信する。また、本実施例では、演出図柄表示装置6上では普通図柄の保留記憶数表示は行わないが、普図保留記憶数指示コマンドの受信に応じて表示する構成としてもよいし、普図保留記憶数指示コマンド自体を送信しない構成としてもよい。また、普図の先読判定を実施し判定結果をサブ統合制御装置に送信する構成も考えられる。これにより、普通電動役物(第2始動口12)の開放を期待させる先読予告の実施が可能となる。
次に、図7に示したフローチャートを用いて主制御装置80が行う当否判定処理を説明する。この処理は、第1始動口スイッチ11a又は第2始動口スイッチ12aでの遊技球の検出に起因して抽出された乱数値に基づいて特別遊技を実行するか否かを判定(始動口への遊技球の入球に起因して抽出した乱数値に基づいて遊技者に有利な大当り遊技を発生させるか否かを判定)する処理となる。
当否判定処理を開始すると、特図の始動条件が成立しているか否か判定する(S200)。この判定処理では、大当り遊技中でないこと、第1特別図柄及び第2特別図柄が変動中又は確定表示中でないことを確認する。否定判定なら(S200:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S200:yes)、第2保留記憶が有るか否か判定する(S205)。肯定判定なら(S205:yes)、S215に進み、否定判定なら(S205:no)第1保留記憶が有るか否か判定する(S210)。否定判定なら(S210:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S210:yes)、S215に進む。S205とS210の判定順により、第2保留記憶の当否判定を優先して実施する構成となっている。尚、本実施例では、特別図柄が複数(第1特別図柄と第2特別図柄)の構成となっているが、特別図柄を1つとした構成であってもその効果に何ら変わりはない。
S215では確変フラグの値が0か否か判定する(S215)。確変フラグは、主制御装置80が記憶する値であり、値が「0」のときは、大当り確率が通常遊技状態中(通常確率)であることを、値が「1」のときは、確変遊技状態中(高確率)であることを主制御装置80が判断するための値である。肯定判定なら(S215:yes)S220に進み、否定判定なら(S215:no)高確率中の処理に進む。高確率中の処理は、大当り確率のみが異なる処理となるため説明は割愛する。
S220では、保留記憶のシフト処理を行い(S220)、これにより最も古い保留記憶を当否判定の対象とするとともに、保留記憶数を示す保留記憶カウンタから1を減算する。
続く、大当り判定用乱数比較処理(S225)では、当否判定の対象とした保留記憶の大当り判定用乱数値と予め設定された当否判定テーブルとを比較して、判定対象の乱数値が当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する。当否判定テーブルは通常確率(低確率1/300)用と高確率(1/30)用の2種類のテーブルが設定してあり、当否判定時の遊技状態が通常遊技(確変フラグ「0」)であれば通常確率用の当否判定テーブルを用いて比較し、高確率の遊技状態(確変フラグ「1」)であれば高確率用の当否判定テーブルを用いて比較する。
続くS230の処理では、大当り判定用乱数の比較処理(S225)の結果が大当り(判定値と同一)であるか否か判定する(本実施例では1/300)。肯定判定なら(S230:yes)、図柄モード設定処理を行う(S235)。図柄モード設定処理では、当否判定の対象とした保留記憶の種類(第1保留記憶又は第2保留記憶)と、判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数1に基づいて、大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態を決定する図柄モードを設定する(S235)。続いて、設定した図柄モードの種類と判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数2に基づいて大当り図柄選択処理を行う(S240)。これは、図柄モードの設定によって決定した大当りの種類(大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態)を大当り図柄によって報知するために、図柄モードの種類毎に設定された図柄郡の中から表示する図柄を決定する処理となる。
次にS235で設定した図柄モードに基づいてモードバッファ設定処理を行う(S245)。モードバッファは当否判定時に決定した大当り遊技終了後の遊技状態の内容を、該遊技状態を設定する大当り遊技終了時まで記憶する装置である(大当り遊技中は遊技状態を設定する確変フラグ及び時短フラグをクリアする必要があるため)。モードバッファとしては、具体的な遊技内容(確変機能および開放延長機能(時短機能)の作動とその作動回数)は記憶せず、複数種類の具体的な遊技内容のそれぞれに対応した値を記憶する構成となっている。
次に、S235で設定した図柄モードに基づいて大当り遊技の内容となる大入賞口の開放パターン設定処理を行い(S250)、当否判定の対象とした保留記憶のリーチ決定用乱数および変動パターン決定用乱数に基づいて、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10、及び演出図柄表示装置6に表示する図柄の変動時間となる変動パターンを、変動パターン選択テーブルから選択する(S255)。
次に、選択した大当り図柄および変動パターンの情報を、変動指示信号(変動指示コマンド)(本発明の信号に相当)としてサブ統合制御装置83へ送信する(S260)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づいて、演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、大当り図柄および変動パターンの情報に対応する図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
S230が否定判定、即ちハズレなら(S230:no)、大当り判定用乱数の比較処理(S225)の結果が小当りであるか否か判定し(1/150)(S265)、肯定判定なら(S265:yes)、小当り図柄を選択し(S270)、続いて小当り遊技の開放パターン設定処理を行い(S250)、小当り図柄に対応する変動パターン選択処理を行い(S255)、小当り図柄および変動パターンの情報となる変動指示信号(変動指示コマンド)をサブ統合制御装置83へ送信する(S260)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づき演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、小当り図柄および変動パターンの情報に対応する図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第1特図表示装置9又は第2特図表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
S265が否定判定なら(S265:no)、ハズレ図柄を選択し(S275)、続いてハズレ図柄に対応する変動パターン設定処理を行い(S255)、ハズレに関する図柄及び変動パターンの情報となる変動指示信号(変動指示コマンド)をサブ統合制御装置53へ送信する(S260)。この情報を受信したササブ統合制御装置83からの指示に基づき演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、ハズレ図柄および変動パターンの情報に対応する図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に主制御装置80は、第1特図表示装置9又は第2特図表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
以上が当否判定処理の説明となる。本実施例では、図6に示したように、始動入賞処理時に当否判定結果を報知する図柄の種類と変動パターンを選択する乱数(大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数)を取得したが、これらの乱数を当否判定処理時に取得する構成であってもよい。
次に、図8に示したフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する変動指示コマンド受信処理を説明する。この処理は、主制御装置80から受信する変動指示コマンドの種類と、該受信時にサブ統合制御装置83が抽出する乱数値とに応じて、演出図柄表示装置6上に表示する変動表示態様を選択し変動表示の開始を指示する処理を主とし、演出ボタンB68(本発明の操作手段に相当)の操作が可能な演出態様(有効期間Aが発生する演出態様)が選択された場合は、選択した変動態様、当否判定結果、及び抽出した振分乱数の値に基づいて特定演出の種類を選択する処理を行う。従って本処理は、本発明の擬似演出選択手段と、予告演出態様選択手段とを含む処理となる。
まず、本実施例における演出ボタン(A67、B68)の操作が有効となる場合の演出構成ついて、その概要を説明する。演出ボタン(A67、B68)の操作が有効となる擬似図柄の変動演出が開始されると、後述する有効期間を有効期間A(演出ボタンB68の操作に応じて特定演出Aを表示する期間)から有効期間B(演出ボタンB68の操作に応じて特定演出Bを表示する期間)に変化させるための条件を演出図柄表示装置6上で報知し(本発明の有効期間変更手段に相当)、その後、該条件を達成するための判定期間(演出ボタンA67の操作が可能となる操作期間)と、演出ボタンB68の操作が有効となる有効期間とを同時に開始する。
この場合に開始される有効期間は、実施中の変動演出態様の種類等(詳細は後述)に応じて設定され、有効期間開始時は演出ボタンB68の操作に応じて特定演出Aを表示する有効期間Aとして開始され、判定期間中に演出ボタンA67の操作によって操作条件が達成されれば有効期間Aが有効期間Bに変化する。但し、有効期間Bに変化した場合でも、最初に設定された有効期間の終了時が有効期間Bの終了時となり、最初に設定された有効期間内のみ演出ボタンB68の操作は有効となる。なお、特定演出Aと特定演出Bとは、どちらも変動中の図柄の確定表示図柄(抽選結果(大当り期待度))を示唆する演出表示であり、特定演出Aよりも特定演出Bの表示演出の方が、確定表示される図柄内容(当否判定結果)が予想し易い内容で実施される(図を用いて後述)。
サブ統合制御装置83が、図8に示した変動指示コマンド受信処理を開始すると、主制御装置80から変動指示コマンドを受信したか否か判定する(S300)。否定判定なら(S300:no)リターンし、肯定判定なら(S300:yes)、振分乱数を抽出し(S305)、受信した変動指示コマンドの種類とS305で抽出した振分乱数とに応じて、サブ統合制御装置6が記憶する受信した変動指示コマンドに対応した複数種類の演出変動態様の中から、演出図柄表示装置6に表示する1つの演出変動態様と確定表示する演出図柄とを選択する(S310)。
S310に続いては、S310で選択した演出態様が演出ボタンB68の操作に応じて特定演出(本発明の特定演出A又は特定演出B)態様を表示するものでないか否か判定する(S315)。肯定判定、即ち、演出ボタンA67、B68を用いない演出態様が選択されていたなら(S315:yes)、S310で選択した疑似図柄の演出変動態様及び確定図柄を演出図柄表示装置6に表示する指示信号を演出図柄制御装置82に送信し(S320)リターンする。
S315が否定判定、即ち、S310で選択した疑似図柄の演出変動態様(リーチ演出の種類)が、その実施中に演出ボタンB68の操作が可能となる有効期間が発生(及び演出ボタンA67の操作が可能となる判定期間が発生)するものであれば(S315:no)、S310で選択した疑似図柄のリーチ演出の種類と、確定表示内容(当否判定結果)と、S305で抽出した振分乱数の値とに応じて、有効期間が開始されるまでの待機時間と、有効期間A中に演出ボタンB68が操作された場合に表示する特定演出Aの種類と、有効期間B中に演出ボタンB68が操作された場合に表示する特定演出Bの種類と、を選択し、選択した特定演出Bとリーチ演出の種類との組合せに応じて、有効期間Aを有効期間Bに変化させるための判定条件(判定期間(判定時間)と演出ボタンA67の操作条件(操作回数))とを選択する(S325)。
S325に続いては、ボタン演出フラグに1をセットする(S330)。ボタン演出フラグは、サブ統合制御装置83が記憶する値であり、値が1なら、演出ボタンB68の操作が有効となる有効期間又は有効期間となるまでの待機期間であることを、値が0なら、演出ボタンB68の操作が有効となる有効期間及び有効期間となるまでの待機期間ではないことをサブ統合制御装置83が判断する。
S330に続いては、S325での選択結果に基づいて有効期間になるまでの待機タイマ(本実施例では、判定期間は有効期間の開始と同時に開始されるため、判定期間になるまでの待機時間ともなる)と、有効期間の時間と、判定期間の時間と、有効期間Bに変化させるための操作条件(演出ボタンA68の操作回数)とをセットし(S335、S337、S340、S345)、上述したS320に進む。
以上がサブ統合制御装置83が実行する変動指示コマンド受信処理となる。疑似図柄が演出変動表示を開始して約3秒経過すると、S325で選択した演出ボタンA67の操作条件が演出図柄表示装置6に表示される(本発明の変更条件報知手段に相当)構成となっており、具体的な表示内容は図を用いて後述する。
また、本実施例では、有効期間Aが有効期間Bに変化してもS337で設定した有効期間が終了すると有効期間Bは終了する構成としたが、有効期間Bに変化した時点で新たに有効期間B用のタイマーをセットする構成としてもよく、これにより、S337で設定した時間よりも有効期間の長さが長くなってもよいし、短くなってもよい。但し、この構成とした場合は、タイマ設定が複数に及ぶため制御自体が複雑になるが、本実施例の構成だとタイマ設定がシンプルであるため制御が複雑化することはない。
次に、図9に示したフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行するボタン演出処理を説明する。本処理は、演出ボタンB68操作時の有効期間が有効期間Aであるか有効期間Bであるかを確認し、確認した結果に応じていずれかの有効期間に応じた特定演出(A又はB)を演出図柄表示装置6に表示する指示を演出図柄制御装置82に行う処理となる。
サブ統合制御装置83がボタン演出処理を開始すると、ボタン演出フラグが1か否か判定する(S350)。否定判定なら(S350:no)リターンし、肯定判定なら(S350:yes)、有効期間フラグが1か否か判定する(S355)。有効期間フラグはサブ統合制御装置83が記憶する値であり、値が0なら、有効期間A中でも有効期間B中でもないことを、値が1なら有効期間A中であることを、値が2なら有効期間B中であることをサブ統合制御装置83が判断する。
S355が否定判定なら(S355:no)、有効期間フラグが2か否か判定し(S410)、否定判定なら(S410:no)、変動を開始してから有効期間に至るまでの待機時間と判断して待機タイマカウンタに+1し(S425)、待機タイマカウンタの値がS335でセットした待機タイマ値の値に達したか否か判定し(S430)、否定判定なら(S430)リターンし、肯定判定なら(S430:yes)、有効期間フラグに1をセットし(S435)、判定フラグに1をセットし(S440)、レベルの高い予告演出(特定演出B)を出現させる有効期間(B)に変化させるための判定期間であることの報知を開始する指示信号を演出図柄制御装置82に送信し(S445)演出ボタンB68の操作が有効(レベルの低い予告演出(特定演出A)が可能)であることを報知する指示信号を演出図柄制御装置82に送信し(S450)、リターンする。
判定フラグは、サブ統合制御装置83が記憶する値であり、値が1なら、S445の指示によって報知を開始した操作条件の判定を行う条件期間であることを、値が0なら、操作条件の判定を行う期間ではないことをサブ統合制御装置83が判断する。
S355が肯定判定、即ち、有効期間A中なら(S355:yes)、演出ボタンB68の操作を検出する演出ボタンBスイッチ68a信号を受信したか否か判定し(S360)、肯定判定なら(S360:yes)、S325で選択した特定演出Aを演出図柄表示装置6に表示する指示信号を演出図柄制御装置82に送信し(S365)、判定フラグが1か否か、即ち、未だ条件期間か否か判定する(S370)。
S370が肯定判定、即ち、判定期間中に演出ボタンB68が操作されたなら(S370:yes)、判定期間であることの報知を終了する指示信号を演出図柄制御装置82に送信し(S375)、判定フラグに0をセットする(S380)。S380、又はS370の否定判定(S370:no)に続いては、演出ボタンB68の操作が有効であることの報知を終了する指示信号を演出図柄制御装置82に送信し(S385)、有効期間フラグに0をセットし(S390)、演出ボタンフラグに0をセットし(S395)リターンする。
S360が否定判定、即ち、有効期間A中で演出ボタンB68が操作されていないなら(S360:no)、有効期間タイマとなるカウンタに+1し(S400)、有効期間タイマカウンタがS337でセットした値に達したか否か判定する(S405)。否定判定なら(S405:no)リターンし、肯定判定、即ち、有効期間Aが有効期間Bに変化しないまま演出ボタンB68も操作されずに有効期間が終了したなら(S405:yes)、S385に進み、上述したボタン演出を終了させるための一連の処理(S385、S390、S395)を行いリターンする。
S410が肯定判定、即ち、有効期間B中なら(S410:yes)、演出ボタンB68の操作を検出する演出ボタンBスイッチ68a信号を受信したか否か判定し(S415)、否定判定なら(S415:no)S400に進み、肯定判定なら(S415:yes)、S325で選択した特定演出Bを演出図柄表示装置6に表示する指示信号を演出図柄制御装置82に送信し(S420)、S385に進み、上述したボタン演出を終了させるための一連の処理(S385、S390、S395)を行いリターンする。このように本実施例では、有効期間中に演出ボタンB68の操作が1回行われると有効期間を終了する。また、有効期間がA(有効期間フラグ=1)であってもB(有効期間フラグ=2)であってもその時間は一つのタイマで計時(S400、S405)する構成となっている。
次に、図10のフローチャートを用いてサブ統合制御装置83が実行する条件判定処理を説明する。本処理は、S440で設定した判定フラグ=1を受けて起動する演出ボタンA67の操作回数を判定する処理と、判定結果に応じて有効期間フラグに2を設定する処理、即ち、有効期間Aを有効期間Bに変更する処理とを行い、本発明の成否判定手段と有効期間変更手段とを含む処理となる。
サブ統合制御装置83が条件判定処理を開始すると、判定フラグが1か否か判定する(S500)。否定判定なら(S500:no)リターンし、肯定判定なら(S500:yes)、演出ボタンA67の操作を検出する演出ボタンAスイッチ67a信号を受信したか否か判定する(S505)。肯定判定なら(S505:yes)、操作回数(演出ボタンAスイッチ67a信号受信回数)を計数する判定カウンタに+1し(S510)、判定カウンタの値がS345でセットされた値に達したか否か判定し(S515)、肯定判定、即ち、有効期間Aを有効期間Bに変化させるための条件を達成したら(S515:yes)、判定フラグに0をセットし(S517)、判定カウンタをクリアし(S520)、有効期間フラグに2をセットし(S525)、S450で指示したレベルの低い予告演出(特定演出A)が可能であることの報知を、レベルの高い予告態様に変化したことを報知する内容に変更する指示信号と判定期間報知を終了する指示信号とを演出図柄制御装置82に送信し(S530、S535)リターンする。
S505、又はS515が否定判定なら(S505:no、S515:no)、判定期間タイマカウンタに+1し(S540)、判定期間タイマカウンタの値がリーチ演出の種類等に基づいてS340でセットした判定期間タイマ値に達したか否か判定し(S545)、否定判定なら(S545)リターンし、肯定判定なら(S545:yes)、判定フラグに0をセットすることで条件判定処理を終了させ(S550)リターンする。
以上が条件判定処理となる。この処理構成により、条件判定処理は、報知された条件が所定期間中に達成できたか否かを判定する成否判定手段に相当する(操作回数の判定はS515で実施)。また、有効期間フラグに2をセットするS525は有効期間変更手段の一部に相当し、厳密にはS525は有効期間切替部(手段)となる。
S515で判定する演出ボタンA67の操作回数条件(S345でセット)と、S545で判定する判定期間の長さ条件(S340でセット)とは、実施中のリーチ演出(S310で選択された演出態様)とS325で選択した特定演出Bとの組合せに応じて異なるものとなり、この組合せの種類によって遊技者が条件を達成するための難易度が異なるように設定されている。
具体的には、S310で大当りの期待度が高いリーチ演出(例えば、変動演出時間が長いスーパーリーチなど)が選択され、S325で当否判定結果が予測しやすい予告態様(例えば、大当りorハズレをはっきり予告、又は期待度を数値で予告)が選択された場合ほど、難易度の高い条件(操作期間がより短く、操作回数がより多い)が設定される。
この設定は、条件の難易度が高いほど達成した場合の見返りが大きい(知りたい情報がより明確に提供される)構成となり、遊技者の演出ボタンA67の操作意向を高めることになる。また、条件報知期間に報知される条件の難易度が高ければ高いほど、より明確な内容を予告する特定演出Bの出現を予告することにもなる。
図11を用いて、本実施例における演出ボタンA、B(67、68)の操作が有効となる疑似図柄のリーチ演出の種類と、特定演出A、Bの種類と、有効期間Aから有効期間Bに変更するための操作条件との関係を説明する。(1)は、演出ボタンA、B(67、68)の操作が有効となるリーチ演出の種類と特定演出A、Bの種類との関係と、演出ボタンB68の有効時間との関係を示している。リーチ演出の種類は1から5の5種類となり、数字が大きなリーチ演出ほど大当り期待度が高い演出となる。また、特定演出Bは特定演出Aよりも実施中の図柄変動の当否判定結果を明確に予告する演出となっている(表示内容は図を用いて後述)。
S337でセットされる有効期間は、リーチ演出の種類に対応してその時間が異なり、リーチ演出の種類の数字が大きくなるほど、即ち、期待度の大きな演出ほど有効期間は短くなっている。特定演出Aと特定演出Bとは、各リーチ演出に対してそれぞれ3種類の中から選択される。また、各リーチ演出の3種類の特定演出Bは、予告演出としての内容の明確さが段階的に異なる構成(例えば、B11<B12<b13の順に大当りの期待度がわかり易い)となっている。
図11(2)は、特定演出Bの種類に対応した判定期間と操作条件の関係を示し、本発明の変更条件決定手段に相当する。上述したように、期待度の高いリーチ演出で大当り期待度又は判定結果がよりわかり易い(より明確)な特定演出Bが選択された場合は、有効期間Aから有効期間Bに変化させるための条件は厳しくなる。例えば、最も期待度の高いリーチ演出5が選択された場合に、さらに最も明確な特定演出BであるB53が選択されると、操作を判定する判定期間は最も短い2.5秒が設定され、操作回数には最も多い7回が設定される。一方、期待度が最も低いリーチ演出1が選択された場合に明確度が最も低いB11が選択されると、操作を判定する判定期間は最も長い5.0秒が設定され、操作回数には最も少ない3回が設定される。
設定内容はこれに限るわけではなく、一つのリーチ演出の種類に対して、有効期間を複数種類の中から選択する構成としてもよいし、リーチ演出の種類によって設定可能な特定演出A、Bの数は異なる構成(例えば、リーチ演出1は2種類の中から一つが選択され、リーチ演出5は5種類の中から一つが選択されるなど)としてもよい。
図12は、判定期間中の操作条件(演出ボタンA67の操作回数)達成状況に応じた有効期間の変化を示すタイミングチャート例となる。(1)のタイミングチャートは、判定期間を開始してから終了するまでに、演出ボタンA67の操作条件が達成されず、演出ボタンB68の操作も行われなかった場合(特定演出Aが表示されない)を示している。この場合、判定期間と有効期間を同時に開始すると、判定期間はS340でセットした判定時間が経過すると判定期間を終了し、有効期間はS337でセットした時間が経過すると、有効期間Bに変化することなく有効期間Aのまま有効期間を終了する。
(2)のタイミングチャートは、判定期間を開始してから終了するまでの間に、演出ボタンB68を操作(特定演出Aを表示)した場合を示している。この場合、演出ボタンB68が操作された時点で有効期間Aである有効期間と判定期間とを終了し、有効期間A中の演出ボタンB68の操作に応じて特定演出Aを演出図柄表示装置6に表示する。
(3)のタイミングチャートは、判定期間を開始してから終了するまでの間に、演出ボタンA67の条件操作(特定演出Aを表示)が達成され、該達成時に有効期間が有効期間Aから有効期間Bに変化し有効期間Bの状態で演出ボタンB68が操作されないまま有効期間の終了時間に達した場合を示している。この場合、有効期間が有効期間Aから有効期間Bに変化していても、S337でセットした有効時間が経過すると、有効時間Bを終了している((1)で有効期間Aを終了するのと同じタイミングで終了)。
(4)のタイミングチャートは、判定期間を開始してから終了するまでの間に、演出ボタンA67の条件操作(特定演出Aを表示)が達成され、有効期間が有効期間Aから有効期間Bに変化し、有効期間Bの状態で演出ボタンB68が操作された場合を示している。この場合、有効期間の有効期間Aから有効期間Bへの変化と同時に判定期間は終了し、演出ボタンB68の操作検出時に有効期間を終了するとともに、特定演出Bを演出図柄表示装置6に表示する。
次に図13を用いて、実施例1における演出図柄表示装置6に表示される、条件報知期間中の表示態様例を説明する。図13は、図12のタイミングチャートに示した条件報知期間の表示内容となる。具体的な表示内容は、画面のほぼ上半分は、左中右の疑似図柄表示部となりその下部が条件報知部となる。
条件報知部に表示される内容は、チャンスタイム(判定期間を含む演出ボタンB68の有効期間)中に行う演出ボタンB68操作時に特定演出Bを表示させるために必要な操作条件となる。具体的には、条件報知部に「チャンスタイムになったらAボタンを3回押せば予告内容レベルアップ」の文字列を表示し、その文字列の下に、操作する演出ボタンA67(及びチャンスタイム中に操作が有効となる演出ボタンB68)を示す模式図を表示する。
図例では「3回押せば」となっているが、この回数は図11(2)の図表に示したように、リーチの種類及び、その時に選択されている特定演出Bの種類に応じて変化する。実施中の変動が期待度の高い演出を行い、さらに選択されている特定演出Bの内容が明確度の高い予告演出の場合ほど操作回数は多くなる(難易度が上がる)。従って、この条件報知部に、難易度が高い操作条件が表示されると、おのずと期待度の高いリーチ演出が出現することを予告したことになる。
次に、図14を用いて、演出図柄表示装置6に表示される有効期間中の表示態様例を説明する。(1)は、図12(1)(2)(3)(4)の有効期間(A)及び判定期間に表示する表示内容例となる。具体的な表示内容は、図13を用いて説明した条件報知部が、演出ボタンA67の操作に対応した条件操作指示部と、有効期間A中の演出ボタンB68の操作に対応した予告A操作指示部に分割され、表示例の条件操作指示部には、「Aボタンあと2回で予告レベルアップ」「現在1回」の文字列と、演出ボタンA67を示す模式図とその操作を促す矢印とを表示する。なお、「現在1回」の表示は、既に演出ボタンA67が1回操作されたことを示す。また、判定期間の残り時間を示す図形(メーター)又は数値を表示する構成としてもよい。
予告A操作指示部には、「Bボタン今操作するとレベル1の予告」と、演出ボタンB68を示す模式図とその操作を促す矢印とを表示する。また、条件操作指示部と予告A操作指示部とにまたがって「チャンスタイム」の文字列が表示される。
(2)は、判定期間中に演出ボタンA67の操作条件が達成された場合に表示される内容を示している。この場合、(1)の条件操作指示部が条件操作完了報知部に変化し、予告A操作指示部が予告B操作指示部に変化する。条件操作完了報知部の具体的な表示内容は、「予告レベルUP」「操作完了」の文字列が表示され、操作の必要がなくなった演出ボタンA67の操作を促す模式図は表示しない。予告B操作指示部の具体的な表示内容は、「BボタンレベルUP予告」の文字列と、引き続き演出ボタンB68を示す模式図とその操作を促す矢印とを表示する。それぞれに表示した文字列が(1)から(2)のように変化したことにより、演出ボタンB68を操作した場合に表示される予告内容がより遊技者が知りたい情報(明確)に変化したことが認識可能となる。
(3)は、判定期間中に演出ボタンA67の操作条件が達成されなかった場合に表示される内容を示している。この場合、(1)の条件操作指示部が操作期間終了報知部に変化し、(1)の予告A操作指示部の表示内容が変化し、操作期間終了報知部には「Aボタン操作期間終了」「操作未完了」の文字列を表示し、操作の判定期間が終了した演出ボタンA67の操作を促す模式図と矢印の表示は消す。また、予告A操作指示部の表示内容は文字列が「Bボタンレベル1予告」に変化し、演出ボタンB68の操作を促す模式図と矢印の表示は継続する。本実施例では、上記した内容で判定期間及び有効期間の報知を行うがもちろんこれに限るわけではなく、演出ボタンA67が有効かどうか、演出ボタンBの操作に応じてどの予告が出現するのかがが認識可能に報知されればよい。
次に、図15、16を用いて演出図柄表示装置6に表示する特定演出Aと特定演出Bの表示例を説明する。図15(1)は、図14(1)又は(3)の状態である有効期間Aにおいて、演出ボタンB68が操作された場合に表示される特定演出Aの表示例1となる。この特定演出Aは、遊技者にとってはレベル1の予告演出であり漠然とした当否判定結果を報知する予告演出(明確度が低い予告演出)となる。具体的な表示例1の表示内容は、条件操作指示部と予告A操作指示部とが特定演出表示部となり、その特定演出表示部内の左位置にキャラクタ(熊の達吉)が表示され、その右側に達吉のコメントとして「あたるかな」の文字列が表示される。表示例1の特定演出Aはコメント系の予告演出であり、他に「あついよ」「もうちょっと」「がんばれ」等があるが、どれも当否判定結果に対する予告としては曖昧であり、遊技者は漠然としたイメージしか受け取れない内容となっている。
図15(2)も、図14(1)又は(3)の状態である有効期間Aにおいて、演出ボタンB68が操作された場合に表示される特定演出Aの表示例2となる。(1)がコメントの内容が予告であったのに対して、(2)はキャラクタ及びキャラクタ周りの色の変化によって予告するものとなっている。具体的には、出現した達吉又は達吉の周辺が青色なら期待度小、黄色なら期待度中、赤色なら期待度大を予告する。この場合も期待度が大中小の3種類で報知されるに留まり、遊技者に対しては漠然とした期待感しか与えられない。
図16(1)は、図14(2)の状態である有効期間Bにおいて、演出ボタンB68が操作された場合に表示される特定演出Bの表示例1となる。この特定演出Bは、遊技者にとっては有効期間Aの時に表示されるレベル1の予告演出(漠然とした予告演出)からレベルアップした予告演出(特定演出Aよりも明確に当否判定結果または期待度を計ることができる)となる。特定演出Bの表示例1の具体的な表示は、上述した特定演出表示部の左位置に「熊の達吉」が表示され、その右側に達吉のコメントとして「大当り」の文字列が表示される。特定演出Bのコメント系の予告としては、他に「ハズレ」「当たれば確変」「○図柄で大当り」等があり、特定演出Aの予告演出に対して、どの予告も実施中の変動表示結果を明確に示唆する内容となっている。
図16(2)は、有効期間B(図14(2)の状態)において、演出ボタンB68が操作された場合に表示される特定演出Bの表示例2となる。(1)がコメントの内容によって当否結果や期待度を示唆するのに対して、(2)は数値%を表示して当否結果を示唆する内容となっている。具体的な表示例2の表示内容は、キャラクタ(熊の達吉)の右に「大当り期待度80%」を表示する。数値表示系の予告としては表示される数値が100%、90%、70%、60%、50%であったり、「確変期待度○○%」(○○には数値が入る)といった内容を表示する。
また、特定演出Bは特定演出Aと比べ、予告の種類が多い構成となっている。どちらの特定演出も同じ種類の表示演出を実施する場合は、表示する種類が多いほうが、より明確な抽選結果を示唆することが可能な構成といえる。
また、特定演出Aが大当り期待度を小、中、大の3種類の文字を用いるのに対して、特定演出Bが10%、30%、50%、80%、100%と、%表示を用いて大当り期待度を予告した場合、表示態様の精度及びその表示数の多様性から明らかに特定演出Bがより明確な抽選結果を示唆する演出といえる。