(第1実施例)
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。本発明の遊技機をパチンコ遊技機(以下、単に遊技機という)に適用した実施例を図に示す。
図1は、本実施例の遊技機1の正面図である。図1に示すように、遊技機1の前面部は、本体枠2、中枠3、前面枠4、上皿部5、下皿部6、施錠装置9、遊技盤20等を備えている。なお、図1では遊技盤20の詳細な図示を省略している。また、中枠3は前面枠4等が前面側に配置されているため、図1においては明示されていない。
本体枠2は木製の板状体を略長方形の枠状に組立てたものであり、遊技機1の外枠を構成している。中枠3はプラスチック製であり、本体枠2の内側にはめ込まれて設置されており、外枠2に対して開閉可能に左端で軸支されている。中枠3は、上側2/3程度を占める枠体部と下側1/3程度を占める下板部とから構成されている。枠体部の前面側には遊技盤20と前面枠4とが重なるように設けられており、下板部の前面側には上皿部5と下皿部6が設けられている。下板部には、遊技球を遊技盤20に発射する発射手段を構成する発射装置ユニット(図示略)、遊技球を発射装置ユニットに供給する球送り装置(図示略)が設けられている。
前面枠4は、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端で開閉可能に支持されている。前面枠4はプラスチック製であり、奥側に配置される遊技盤20の盤面を視認可能にするために、円形状の開口部4aが形成されている。前面枠4の裏面には、開口部4aに対応したガラス板等の透明板を備える略長方形状の透明板枠(図示略)が装着されている。前面枠4における遊技盤20の周囲には、LED等のランプ類(図示略)が設けられている。これらのランプ類は、遊技効果を高めるためにゲーム進行に応じて点灯・消灯あるいは点滅する。
上皿部5は、前面枠4の下側に設けられ、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。上皿部5は、皿外縁部5aと、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口5bと、上皿部5の遊技球を下皿部6に排出する球抜きボタン5cとを備えている。皿外縁部5aの上面には、演出ボタン5dや球貸ボタン5e等が設けられている。
下皿部6は、上皿部5の下方に設けられている。下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から下皿部6に遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。下皿部6の左端には灰皿7が設けられている。下皿部6の右端には、遊技者が発射装置ユニット(図示略)を操作するための発射ハンドル8が設けられている。発射ハンドル8には、遊技者が触れていることを検出する接触検知手段としてのタッチスイッチ8aが設けられている。発射ハンドル8の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ8bが配置されている。
施錠装置9は、中枠3の右端中央に設けられており、前面枠4を閉じた場合にこれを施錠するためのものである。
また、遊技機1には、遊技状態に応じた効果音等を発生させるためのスピーカ10a〜10dが設けられている。スピーカ10a〜10dは、遊技機1の上部に設けられた上部スピーカ10a、10bと遊技機1の下部に設けられた下部スピーカ10c、10dとからなる。さらに、遊技機1の左側には、プリペイドカードユニット13(CRユニット)が装着されている。
次に、本実施例の遊技盤20の表面構造について説明する。図2は遊技盤20の正面図である。遊技盤20は、略長方形の木製の板状体であって中枠3に着脱可能に取り付けられているとともに、裏機構盤(図示略)によりその背面側が覆われている。
図2に示すように、遊技盤20には、遊技盤20の表面(盤面)に設けられた外レール22と内レール23とにより、略円形状の遊技領域21が形成されている。遊技領域21内には、中央装置24、普通図柄作動ゲート27、大入賞装置(特別電動役物)33、始動口28、左入賞口34,35、右入賞口36,37、第1装飾部材50、第2装飾部材60等の遊技装置が配設されている。また、遊技領域21には各遊技装置との位置バランスを考慮して多数の障害釘が配設されている。
中央装置(センター役物)24は遊技領域21の略中央部に配置され、演出表示装置25を備えている。本実施例では、演出表示装置25として大型の液晶表示装置を用いており、演出表示装置25の表示領域では各種演出表示が行われる。
大入賞装置33は遊技領域21における中央装置24の下方に配置されている。第1装飾装置50は遊技領域21における大入賞装置33の左側に配置され、第2装飾装置60は遊技領域21における大入賞装置33の右側に配置されており、装飾装置50,60はいわゆるサイド飾りを構成している。また、第1装飾装置50には左入賞口34,35が一体化されており、第2装飾装置60には右入賞口36,37が一体化されている。
普通図柄作動ゲート27は、中央装置24の左側に設けられている。普通図柄作動ゲート27の内部には、遊技球の通過を検知する普通図柄作動ゲート検知スイッチ27s(図3参照)が設けられている。遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過することで、普通図柄が変動開始する。
始動口28は、中央装置24の中央位置の下方に設けられている。始動口28は、遊技盤20の盤面上を流下する遊技球を受け入れる遊技球受入口が形成された2つの入球口を上下方向に並べて配置したもので、上側に設けられた第1始動口28aと下側に設けられた第2始動口28bとから構成されている。
第1始動口28aは、遊技球受入口の大きさが変化せず遊技球の入球可能性が一定の固定始動口として構成された通常始動口となっており、遊技球の入球が常時可能となっている。一方、第2始動口28bはいわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部を備えており、この一対の翼片部の上端間隙が遊技球受入口となっている。この一対の翼片部は、各々左右方向に傾動することで開閉動作を行うものとされており、この開閉動作により、第2始動口28bは一対の翼片部の遊技球受入口の大きさが変化する可変始動口として構成されている。第2始動口28bは、一対の翼片部が開動作することで入球可能性が高い状態となり、一対の翼片部が閉動作することで入球可能性が低い状態(入球不能な状態を含む)となる。普通図柄が当り図柄の組合せで停止表示された場合には、一対の翼片部が開動作して第2始動口28bの遊技球受入口が拡大され、第2始動口28bは普通電動役物として機能する。
始動口28の内部には、遊技球の入球を検知する始動口入球検知スイッチ28s(図3参照)と、一対の翼片部を作動させるための始動口ソレノイド28c(図3参照)とが備えられている。この一対の翼片部が左右に開動作した場合には、第2始動口28bの遊技球受入口の大きさが通常時より拡大され、第2始動口28bは遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となる。一方、一対の翼片部が立設された場合には、第2始動口28bの遊技球受入口の大きさが遊技球の直径より僅かに大きい(遊技球1個が通過可能な)通常の大きさとされ、第2始動口28bは遊技球の入球可能性が小さくなる(または入球不能となる)通常状態(閉鎖状態)となる。遊技球が始動口28a、28bに入球することで、後述の特別図柄が変動開始する。
大入賞装置33は、始動口28の下方に配設されている。ここで、大入賞装置33は、帯状に開口された大入賞口33aと、この大入賞口33aを開放・閉鎖する開閉板33bと、この開閉板33bを作動させるための大入賞口ソレノイド33c(図3参照)と、遊技球の入球を検知する入球検知スイッチ33s(図3参照)とから主に構成されている。
大入賞装置33の左斜め上方と右斜め上方には、左入賞口34,35と右入賞口36,37が設けられている。これら入賞口の内部には、それぞれ入賞口入球検知スイッチ(図示せず)が設けられている。
第1装飾部材50には、複数のLEDが設けられており、これらのLEDの組合せにより、普通図柄表示部51、普図保留表示部52、特別図柄保留表示部53が構成されている。同様に第2装飾部材60には、複数のLEDが設けられており、これらのLEDの組合せにより特別図柄表示部61が構成されている。
普通図柄表示部51は、1個のLEDから構成されており、このLEDにより普通図柄の表示が行われる。普通図柄表示部51では、普通図柄の変動表示及び停止表示が行われる。普通図柄表示部51では、普通図柄作動ゲート27を遊技球が通過することにより普通図柄が変動開始し、所定時間経過後に普通図柄が当り普通図柄の表示態様あるいは外れ普通図柄の表示態様で停止表示される。そして、普通図柄が予め設定された当り普通図柄の表示態様で停止表示すると、第2始動口28bが所定時間(例えば0.1秒)だけ開放される。
本実施例では、普通図柄当否判定用乱数(普通図柄抽選用乱数)が設けられており、この普通図柄当否判定用乱数は、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過した際に取得され、第2始動口28bを作動させるか否かの普通図柄当否判定(普通図柄抽選)に用いられる。普通図柄当否判定用乱数には、予め当り値が設定されており、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過したタイミングで取得された普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に当りと判定される。そして、当りと判定された場合には、普通図柄表示部51で停止表示される普通図柄は、当り普通図柄の表示態様に決定される。一方、外れと判定された場合(取得された普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致しない場合)には、普通図柄表示部51で停止表示される普通図柄は外れ普通図柄の表示態様に決定される。なお、普通図柄当否判定および普通図柄の停止図柄の決定は、後述の主制御基板200のCPU200aによって行われる。
ここで、普通図柄の保留について説明する。普図保留表示部52には普通図柄保留数が表示され、普通図柄作動ゲート27を通過した遊技球の数を最大保留数(本実施例では4個)まで保留可能となっている。そして、次回の普通図柄当否判定が行われ普通図柄の変動表示が開始する毎に、未始動回数(保留数)が消化され、普通図柄保留数が1個ずつ減少する。普図保留表示部52は2つのLEDからなり、2個のLEDの消灯、点灯、および点滅を組み合わせることで、4個を上限として保留数を表示することができる。普通図柄の保留および保留消化は、後述の主制御基板200のCPU200aによって行われる。普通図柄の保留に伴って、普通図柄当否判定用乱数が主制御基板200のRAMの所定領域に記憶される。
次に、特別図柄について説明する。特別図柄表示部61は、7個のLEDから構成されており、これらのLEDにより特別図柄が表示される。特別図柄表示部61を構成する各LEDは、点灯および消灯が可能となっており、これら各LEDの点灯および消灯の組合せにより特別図柄の複数の表示態様を表示できる。そして、7個のLEDで表示される特別図柄の組合わせのうち、特定の組合せが当り図柄(大当り図柄または小当り図柄)として設定されており、当り特別図柄以外が外れ図柄と設定されている。本実施例では、特別図柄の変動表示を各LEDが点灯と消灯を繰り返す点滅表示で行うものとしている。特別図柄表示部61では、始動口28に遊技球が入球することにより特別図柄が変動開始し、所定時間経過後に特別図柄が当り図柄あるいは外れ図柄で停止表示される。ここで、「始動口28に遊技球が入球すること」が本発明の第1の所定条件に相当し、特別図柄表示部61が本発明の図柄表示部に相当している。なお、特別図柄の変動態様を規定する変動パターンとしては、後述する遊技状態に応じて確変用変動パターン、時短用変動パターン、通常用変動パターンが設けられている。
本実施例では、遊技球が始動口28に入球した際に取得され、大当り遊技(特別遊技)を発生させるか否かの特別図柄当否判定(大当り抽選)に用いられる特別図柄当否判定用乱数(大当り抽選乱数)が設けられている。また、小当り遊技を発生させるか否かの小当り抽選に用いられる小当り抽選用乱数が設けられている。さらに、特別図柄の停止図柄を決定するための図柄決定用乱数が設けられている。始動口28の遊技球入球に伴って、特別図柄当否判定用乱数と小当り抽選用乱数と図柄決定用乱数が取得され、この取得された各種乱数は、主制御基板200のRAMの所定領域に記憶される。
ここで、特別図柄の保留について説明する。特別図柄保留表示部53は2つのLEDからなり、2個のLEDの消灯、点灯、および点滅を組み合わせることで、4個を上限として保留数を表示することができる。
始動口28に入球した遊技球数は、特別図柄保留数として最大保留数(本実施例では4個)に達するまで保留可能となっている。特別図柄保留数は、始動口28への遊技球の入球が発生する度に取得されて主制御基板200のRAMの所定領域に記憶される乱数の個数(記憶数)に相当する。そして、特別図柄保留数は、特別図柄当否判定(大当り抽選)が行われ特別図柄の変動表示が開始される毎に消化され、1個ずつ減少する。なお、特別図柄の保留および保留消化は、後述の主制御基板200のCPU200aによって行われる。
特別図柄当否判定(大当り抽選)は、特別図柄が変動表示を開始する際に行われる。特別図柄当否判定用乱数には、予め当否判定用の当り値が設定されており、特別図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に大当りと判定され(大当り抽選に当選)、特別図柄表示部61で停止表示される特別図柄が大当り図柄(確変大当り図柄または通常大当り図柄)に決定される。特別図柄当否判定用乱数が当り値と一致しない場合には、小当り遊技を発生させるか否かの小当り抽選が行われ、抽選の結果が小当りとなった場合(小当り抽選に当選した場合)には、特別図柄表示部61で停止表示される特別図柄が小当り図柄に決定される。一方、特別図柄当否判定の結果が大当りでなく(大当り抽選に落選)、かつ、小当り抽選の結果が小当りでない場合(小当り抽選に落選)には、外れであり、特別図柄表示部61で停止表示される特別図柄が外れ図柄に決定される。なお、特別図柄当否判定、特別図柄の変動パターンの決定、特別図柄の停止図柄の決定は、後述の主制御基板200のCPU200aによって行われる。主制御基板200のCPU200aが本発明の図柄表示制御手段に相当している。
次に、特別遊技の一形態である大当り遊技について説明する。特別図柄表示部61で停止表示された特別図柄が大当り図柄であった場合(特別図柄当否判定の結果が大当りだった場合)に、主制御基板200のCPU200aは遊技者に相対的に有利な大当り遊技を開始させる。大当り遊技は、大当り遊技フラグをONにセットすることで開始する。大当り遊技は、大入賞装置33を作動させる、換言すると大入賞口33aを複数回開閉させることで、大入賞口33aへの遊技球の入球に関して遊技者に利益を付与するものである。
大当り遊技中は、大入賞装置33が作動し、大入賞口33aへの遊技球の入球に応じて、所定数の賞球(例えば、1個の入球に対して15個の賞球)が払い出される。具体的には、大当り遊技の開始により、大入賞装置(特別電動役物)33を連続して作動させ、大入賞口33aを開放状態と閉鎖状態とに切り替える大入賞口開閉動作が複数回連続して行われる。大入賞装置33の作動開始により、閉鎖状態にある大入賞口33aが開放状態となる。この開放状態は、所定の終了条件成立により終了し、開放していた大入賞口33aが閉鎖状態となる。所定の終了条件として、大入賞口33aの開放時間が所定時間(本実施例では30秒または0.2秒)に達したとき、もしくは開放状態の大入賞口33aに入球した遊技球数が所定数(本実施例では10個)に達したときとすることができる。
この大入賞口33aの開放状態の開始から終了までを1ラウンドとした場合、大当り遊技は、所定数のラウンドが行われることで終了する。大入賞装置33では、大入賞口33aの開放が終了、すなわち大入賞口33aが閉鎖状態となってから所定時間(例えば2秒)が経過した後に、大入賞口33aは再び開放状態となり、次のラウンドが開始する。このような大入賞口33aの開放開始から終了までを1ラウンドとする大入賞口33aの開閉動作は、所定の最高継続ラウンド数(本実施例では15ラウンドまたは2ラウンド)が終了するまで繰り返し継続される。
本実施例の遊技機1では、大当り図柄の種類により2種類の大当り遊技が設けられている。大当り図柄が通常大当り図柄または確変大当り図柄だった場合、すなわち特別図柄当否判定の結果が通常大当りまたは確変大当りだった場合には、第1大当り遊技が発生する。そして、大当り図柄が特定大当り図柄だった場合、すなわち特別図柄当否判定の結果が特定大当りだった場合には、第2大当り遊技が発生する。第2大当り遊技は、第1大当り遊技より大入賞口33aの開放回数(最高継続ラウンド数)が少なく、かつ、大入賞口33aの開放時間が短く設定されている。つまり、第1大当り遊技は、大入賞口33aに多量の遊技球が入球することで多量の賞球払い出しを伴う遊技状態であり、第2大当り遊技は、大入賞口33aに遊技球が入球する可能性が極めて低く賞球払い出しを実質的に伴わない遊技状態である。なお、本実施例では、第1大当り遊技の最高継続ラウンド数が15ラウンドで大入賞口33aの開放時間が30秒に設定され、第2大当り遊技の最高継続ラウンド数が2ラウンドで大入賞口33aの開放時間が0.2秒に設定されている。以後、第1大当り遊技を15R大当り遊技ともいい、第2大当り遊技を2R大当り遊技ともいう。
本実施例の遊技機では、大当り遊技の終了後、変動時間短縮機能や開放時間延長機能、確率変動機能が作動する特定遊技(いわゆる時短遊技および確変遊技)が開始される。特別図柄当否判定には、複数種類の大当りが設定されており、特別図柄当否判定の結果が通常大当り(特別図柄の停止図柄が通常大当り図柄)の場合には、大当り遊技終了後、時短遊技が開始され、特別図柄当否判定の結果が確変大当り(特別図柄の停止図柄が確変大当り図柄)の場合には、大当り遊技終了後、確変遊技が開始される。なお、変動時間短縮機能、開放時間延長機能、確率変動機能の各機能は、それぞれ変動短縮フラグ、開放延長フラグ、確変フラグをONにセットすることで作動する。
特別図柄当否判定が通常大当り(特別図柄の停止図柄が通常大当り図柄)の場合には、大当り遊技の終了後、変動時間短縮機能および第2始動口28bの開放時間を延長させる開放時間延長機能が作動開始し、時短遊技が開始される。変動時間短縮機能および開放時間延長機能は、主制御基板200のCPU200aの制御により作動または停止されるものであり、変動時間短縮機能には、普通図柄変動時間を短縮させる普通図柄変動時間短縮機能と、特別図柄変動時間を短縮させる特別図柄変動時間短縮機能とが含まれている。変動時間短縮機能および開放時間延長機能は、大当り遊技終了後、次回の大当り遊技が開始されるまでの間、または特別図柄の変動回数が所定回数(本例では100回)に到達するまで作動する。
特別図柄当否判定が確変大当り(特別図柄の停止図柄が確変大当り図柄または特定大当り図柄)の場合には、大当り遊技の終了後、確率変動機能が作動開始し、確変遊技が開始される。確変遊技は、主制御基板200のCPU200aの制御により実現されるものであり、この確変遊技では、上記変動時間短縮機能および開放時間延長機能に加え、特別図柄当否判定の確率、すなわち特別図柄が大当り図柄で停止表示する確率を変更(向上)させる確率変動機能が作動する。確率変動機能は、大当り遊技終了後、次回の大当り遊技が開始されるまで作動する。
特別図柄当否判定が特定大当り(特別図柄の停止図柄が特定大当り図柄)の場合には、大当り遊技開始時(特定大当り図柄が停止表示されたとき)の変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動状態が維持される。つまり、大当り遊技開始時に変動時間短縮機能および開放時間延長機能が作動していた場合には、当該大当り遊技終了後も変動時間短縮機能および開放時間延長機能を作動させる。一方、大当り遊技開始時に変動時間短縮機能および開放時間延長機能が作動していなかった場合には、当該大当り遊技終了後も変動時間短縮機能および開放時間延長機能を作動させない。
このように、特定当り図柄で大当り遊技が発生した場合には、大入賞口33aの作動時間が短く作動回数が少ない2R大当り遊技終了後、確率変動機能が作動するとともに、大当り遊技が発生した際の開放時間延長機能の作動状態が維持される。この場合、遊技者が視認可能な始動口28(下側始動口28b)の作動状態が変化しないまま確率変動機能が作動開始するので、遊技者が確率変動機能の作動開始を認識することを困難にすることができる。このように、確率変動機能が作動していることを遊技者が認識困難とした状態を「潜伏確変」または「内部確変」という。また、潜伏確変を発生させる第2大当り遊技を「潜確大当り遊技」ともいう。
次に、小当り遊技について説明する。特別図柄表示部61で停止表示された特別図柄が小当り図柄であった場合(小当り抽選の結果が小当りだった場合)に、主制御基板200のCPU200aは小当り遊技を開始させる。小当り遊技は、小当り遊技フラグをONにセットすることで開始する。小当り遊技は、大入賞装置33を作動させるものである。小当り遊技では、大入賞装置33が上述の第2大当り遊技と同じ態様で作動をする。つまり、小当り遊技では、大入賞口33aが0.2秒間ずつ2回開放するように構成されており、大入賞口33aに遊技球が入球する可能性が極めて低く賞球払い出しを実質的に伴わない遊技状態となっている。また、小当り遊技終了後は、小当り遊技が発生した際(小当り図柄が停止表示されたとき)の開放時間延長機能の作動状態が維持される。
小当り遊技では、第2大当り遊技と大入賞装置33の作動を同一態様としているので、遊技者は大入賞口33aの短時間での2回の開閉(第2大当り遊技における大入賞口開閉パターン)を認識したとしても、第2大当り遊技が発生したのか小当り遊技が発生したのか区別することができない。このため、大入賞装置33の作動終了後(第2大当り遊技または小当り遊技終了後)における確率変動機能の作動の有無の認識をより困難なものとすることができる。このように、小当り遊技の存在により、潜伏確変をより効果的なものにすることができる。
次に、特別図柄の変動表示に伴って演出表示装置25にて行われる変動演出について説明する。本実施例の遊技機1における変動演出としては、例えば特別図柄の変動表示に連動して数字図柄からなる演出図柄を変動表示させる変動表示演出や演出図柄の変動表示中に行われるリーチ演出、さらにリーチ演出の発生、大当り発生、潜伏確変発生の可能性を遊技者に予告する予告演出、リーチ演出の演出内容を発展させた発展演出などが挙げられる。これらの変動演出の演出内容としては、例えば、『演出図柄の変動表示に関連させてキャラクタ動画を表示する』などが該当する。なお、これらの演出内容は複数種類存在し、演出表示制御基板280のROMに記憶されている。
演出表示装置25の表示領域には、演出図柄を表示する演出図柄表示部25aが設けられている。演出図柄表示部25aの演出図柄は、特別図柄表示部61の特別図柄に連動して表示される。また、演出表示装置25の表示画面のうち、演出図柄表示領域25aを除く部位は、文字、図形、記号、キャラクタ等を含む種々の背景図柄が表示される背景表示領域となっている。
本実施例では、演出図柄として「1」〜「9」からなる3桁の数字図柄を用いており、演出図柄表示部25aは、右図柄が表示される右図柄表示領域、中図柄が表示される中図柄表示領域、左図柄が表示される左図柄表示領域からなる3つの図柄表示領域から構成される。各図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する向き、この場合、上下方向(縦方向)に図柄変動方向が設定されている。
演出図柄は、特別図柄の変動表示開始により変動表示を開始し、特別図柄が何れかの図柄で停止表示されると、演出図柄は特別図柄の停止図柄に応じた図柄で停止表示される。演出図柄では、3桁同一の偶数図柄の組合せが特別図柄の通常大当り図柄に対応し、3桁同一の奇数図柄の組合せが特別図柄の確変大当り図柄に対応し、「1・2・3」などの順並びの組合せや「1・3・5」などの奇数数字の順並びといった、当り図柄以外の予め定められた特定の外れ図柄であるチャンス図柄(所謂チャンス目)が特別図柄の特定大当り図柄または小当り図柄に対応し、それら以外の図柄の組合せが特別図柄の外れ図柄に対応している。
次に、前述したリーチ演出について説明する。本実施例のリーチ演出は、演出図柄の変動表示中であって、最終停止図柄となる演出図柄以外の演出図柄が、大当り図柄の組合せと一致した状態で停止している状態(リーチ状態)において、演出表示装置25上で行われる演出表示のことを指す。例えば、演出図柄が左図柄、右図柄、中図柄の順に停止し、これら表示図柄がすべて同一図柄で揃った場合に大当りとなるものとする。このとき、最終停止図柄である中図柄以外の左図柄及び右図柄が同一図柄(リーチ図柄)で停止している状態が前述のリーチ状態である。このリーチ状態中に、最終停止図柄の停止態様に関連する表示を、キャラクタ画像等を用いて行うものがリーチ演出である。なお、リーチ演出は、特別図柄当否判定で当り判定となった場合(当りリーチ)と、特別図柄当否判定で外れ判定となった場合においてリーチ演出を行うと決定された場合(外れリーチ)に行われる。
演出図柄の変動表示演出、リーチ演出、予告演出、発展演出等は、サブ制御基板260のCPU260aの制御によって行われるように構成されている。つまり、変動演出で行われる演出内容の設定および変動演出の実行はサブ制御基板260のCPU260aによって行われる。また、変動演出の演出内容は、特別図柄の当否判定結果に基づいて変動演出開始時に設定される。
また、本実施例の遊技機1では、所定条件(第2の所定条件)の成立を契機として特殊演出モードに移行し、特殊演出が開始される。本実施例では、「潜伏確変(特定当り図柄に基づく2R大当り遊技)の発生」、「小当り遊技の発生」、「モード移行乱数抽選に当選」のいずれかの場合に、「所定条件」が成立するものとしている。特殊演出モードは、特別図柄の複数回の変動にまたがるように予め設定される特殊演出実行期間が経過するまで行われる。本実施例では、特殊演出実行期間を特別図柄の変動回数が30回に達するまでとしている。
本実施例では、特殊演出モード中に種々の予告演出を行うように構成されている。本実施例の予告演出は、キャラクタを用いて一連のストーリを進行させ、「潜伏確変」が発生した可能性があることを示唆するものである。なお、特殊演出モード(特殊演出)や予告演出の実行は、後述のサブ制御基板260のCPU260aの制御により行われ、サブ制御基板260のCPU260aが本発明の特殊演出実行手段に相当している。
また、本実施例では、特殊演出モード中に予告演出が発生すると、その予告演出の実行中に、演出ボタン5dを用いるボタン演出が複数回行われる。ボタン演出としては、演出ボタン5dの操作によりキャラクタの進行方向選択を行う演出や、演出ボタン5dの操作により敵キャラクタに対する攻撃を行う演出等が挙げられる。通常時は演出ボタン5dの操作が無効となっているが、ボタン演出中は演出ボタン5dの操作が有効となるボタン操作有効期間となっている。ボタン操作有効期間は、予め設定された一定時間となっている。また、ボタン操作有効期間中は、演出ボタン5dの操作が有効となっている旨を報知するボタン操作促進演出が行われる。このボタン操作促進演出は、例えば演出表示装置25の表示領域における表示により実施でき、あるいはランプ内蔵型の演出ボタン5dであれば、ランプを点灯させることで実施できる。なお、演出ボタン5dが本発明の操作手段に相当している。
特殊演出モード中において、ボタン演出中(ボタン操作有効期間中)に演出ボタン5dの操作が行われないことが所定回数になった場合には、特殊演出モードの終了時期を早める特殊演出モード早期終了処理が行われる。本実施例では、ボタン演出(又はボタン操作促進演出)を行ったにもかかわらず演出ボタン5dの操作が適切に行われないという状況が2回生じた場合に、その時点で特殊演出モードを強制終了するように構成されている。具体的には、例えば、演出ボタン5dの操作により敵キャラクタに対する攻撃するといったボタン演出が2回行われたにもかかわらず、その2回のボタン演出の何れにおいても演出ボタン5dが適切に操作されなかった場合に、その2回目のボタン演出が終了(ボタン操作有効期間が終了)した時点で、特殊演出モードを強制終了する。特殊演出モード早期終了処理はサブ制御基板260のCPU260aによる制御により実行され、サブ制御基板260のCPU260aが本発明の早期終了手段に相当している。
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置について、図3に基づいて説明する。図3は、電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図3に示すように、電子制御装置は、主制御基板200と、その主制御基板200に接続された副制御基板230、260、280とを含んで構成されている。副制御基板は、払出制御基板(賞球制御基板)230、サブ制御基板260及び演出表示制御基板280から構成される。
各制御基板200、230、260、280には、図示しない主電源から電源が供給されている。また、電源立上げ時には、システムリセット信号が各制御基板200、230、260、280に送信される。なお、本実施例の遊技機1は、電源断時に主制御基板200及び払出制御基板230に作動電圧を供給する図示しないバックアップ電源部(図示略)を備えており、電源断時にも主制御基板200及び払出制御基板230のRAMデータが保持される。
主制御基板200は、遊技の進行を司る主制御手段を構成するものであり、各副制御基板230、260に処理内容を指示する指令信号(コマンドデータ)を送信し、各副制御基板230、260、280は指令信号に基づいて各種制御を行うように構成されている。
主制御基板200のCPU200aは、CPUコア、内蔵RAM(以下、単にRAMともいう)、内蔵ROM(以下、単にROMともいう)等を備えており、ROMに格納された制御プログラムにより、RAMをワークエリアとして遊技機1全体の作動制御(遊技の基本進行制御)を司る。また、主制御基板200は、CPU200aが主体となって、ROMに格納された当否判定プログラムにより特別図柄の当否判定を行う当否判定手段を構成している。また、主制御基板200のCPU200aは、特別図柄当否判定を実行する際に、ROMに格納された特別図柄の変動パターンテーブルから特定の変動パターンを決定する。なお、本実施例の主制御基板200のCPU200aの制御周期は4msに設定されている。
主制御基板200には、盤面入力中継基板201と盤面出力中継基板202とが接続されている。盤面入力中継基板201には、普通図柄作動ゲート検知スイッチ27s、始動口入賞検知スイッチ28s、大入賞口入球検知スイッチ33sが接続されており、これらの信号が主制御基板200に入力するように構成されている。盤面出力中継基板202には、図柄表示装置51、61、始動口ソレノイド28c、大入賞口ソレノイド33cが接続されており、主制御基板200からの制御信号が出力される。
払出制御基板230は、主制御基板200のCPU200aと同様の構成を有するCPUを備えている。払出制御基板230には、発射制御基板250、CRユニット13等が接続されている。主制御基板200から払出制御基板230には、賞球払出を指示する賞球指示信号、遊技開始許可を指示する遊技開始許可信号、各種発射制御コマンド等のコマンドが送信される。各種発射制御コマンドには、球送り許可・禁止、発射許可・禁止、遊技開始許可等が含まれている。
サブ制御基板260は、遊技の進行に伴って実行される各種演出を制御するサブ制御手段を構成しており、CPU260aや図示しないROM、RAM、入出力ポート等を有する演算回路構成要素とサウンドジェネレータが設けられており、入出力ポートにおいて主制御基板200に接続されている。サブ制御基板260は、各種ランプ類による装飾表示、スピーカ10a〜10dから出力される効果音、演出表示装置25による図柄表示等を用いた演出制御を司るように構成されている。
主制御基板200からサブ制御基板260には、各種ランプ制御コマンド及び各種音声制御コマンドが送信される。主制御基板200から演出表示制御基板280には、サブ制御基板260を介して、演出図柄の表示制御を指示する各種図柄制御制御コマンドが送信される。サブ制御基板260から演出表示制御基板280には、演出表示制御を指示する各種演出表示制御コマンドが同時に送信される。
サブ制御基板260には、演出表示制御基板280が接続されている。演出表示制御基板280には、CPU、RAM、ROM、入出力ポート、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)等を有する演算回路構成要素(図示略)が設けられ、入出力ポートにおいてサブ制御基板260に接続されている。演出表示制御基板280には演出表示装置25が接続されている。演出表示制御基板280は、CPUがROMに格納された制御プログラムに従ってRAMをワークエリアとして演出表示装置25の表示制御を行うように構成されている。演出表示制御基板280のROMには、演出表示装置25で表示される演出用図柄の画像データ(前述した変動演出に関する画像データなど)が複数格納されている。
サブ制御基板260には、装飾駆動基板261を介して各種LED・ランプ262が接続されている。各種LED・ランプ262は、遊技効果を高めるためのものであり、これらのランプ類はゲームの進行に対応して点灯・消灯又は点滅し、遊技効果を高めている。また、サブ制御基板260にはアンプ基板263が接続されている。アンプ基板263にはスピーカ10a〜10dが接続されている。スピーカ10a〜10dからは、遊技の進行に対応して各種サウンド、音声等が出力される。さらに、サブ制御基板260には、演出ボタン基板264を介して演出ボタン5dが接続されている。サブ制御基板260のCPUは、主制御基板200や演出ボタン5dからの各種指令(演出パターン指定コマンドの受信、演出ボタン操作信号の入力など)に基づいて、各種LED・ランプの点灯・点滅パターンの選択・実行処理や、スピーカ10a〜10dから出力される効果音データの選択・出力処理や、演出表示装置25での演出表示のパターンの選択・実行処理等を行う。なお、サブ制御基板260のCPUが、演出ボタン操作信号の入力に応じて実行する演出が、本発明の操作演出に相当する。
次に、本実施例の遊技機1の作動をフローチャートに基づいて説明する。図4は、主制御基板200のCPUがROMに格納されたプログラムに基づいてCPU200aが実行するメインジョブの一例を示している。図4に示すメインジョブは、電源投入処理S100を実行した後、遊技開始処理S200、普通図柄遊技処理S300、普通電動役物遊技処理S400、特別図柄遊技処理S500、特別電動役物遊技処理S600の各ステップが、タイマリセットされる毎に繰り返し実行される。電源断発生処理S50は、停電等によって電源断が発生した場合に、使用レジスタやスタックポインタの保存、払出モータの停止等が行われ、システムリセットが発生した場合に電源投入処理S100に移るようになっている。
電源投入処理S100は、電源投入時と電源断発生後の復電時に行われるものであり、電源投入時にはRAM初期化処理等が行われ、電源断復帰時には電源断時の遊技状態に復帰させるための復帰設定等が行われ。遊技開始処理S200では、各種スイッチ状態の検出、各種乱数の更新、賞球制御等が行われる。
普通図柄遊技処理S300では、まず、普通図柄の当否判定を行って、普通図柄表示部51(図2参照)にて普通図柄を当り図柄で停止表示させるか、外れ図柄で停止表示させるかを決定する。次に、普通図柄の変動表示時間を設定した後、普通図柄の変動表示を開始する。そして、変動表示時間が経過すると、決定しておいた図柄で普通図柄を停止表示させ、普通図柄の当り図柄が停止表示された場合には、普通電動役物の作動を開始させる。普通図柄遊技処理では、以上のようにして、普通図柄の変動表示および停止表示を行い、普通図柄が当り図柄で停止表示された場合には、第2始動口28bを作動させる処理を行う。第2始動口28bが作動すると、一対の翼片部が左右に開動作して、第2始動口28bが開放状態となる。
普通電動役物遊技処理S400では、第2始動口28bを開放状態に維持する開放時間が経過したか否かを判定し、開放時間が経過していない場合には、第2始動口28bに規定入賞数の入賞があったか否かを判定する。開放状態にある第2始動口28bに規定入賞数の入賞があったと判定されるか、開放状態にある第2始動口28bの開放時間が経過していると判定された場合には、一対の翼片部が閉動作して、第2始動口28bは通常状態となる。
次に、特別図柄遊技処理S500を図5のフローチャートに基づいて説明する。まず、始動口28に入賞したか否かを判定し(S501)、始動口28に入賞したと判定された場合には(S501:YES)、特別図柄表示部61(図2参照)の作動保留数が4未満であるか否かを判定する(S502)。この結果、特別図柄保留数が4未満であると判定された場合には(S502:YES)、特別図柄当否判定用乱数および図柄決定用乱数を取得して、主制御基板200のRAMの所定領域に記憶する(S503)。
次に、大当り遊技または小当り遊技中であるか否かを判定する(S504)。この結果、大当り遊技または小当り遊技中であると判定された場合には(S504:YES)、そのまま特別図柄遊技処理を終了し、大当り遊技または小当り遊技中でないと判定された場合には(S504:NO)、特別図柄が変動中であるか否かを判定する(S505)。この結果、特別図柄が変動中であると判定された場合には(S505:YES)、後述のS511の処理に移行し、特別図柄が変動中でないと判定された場合には(S505:NO)、特別図柄の停止表示時間中であるか否かを判定する(S506)。特別図柄の停止表示時間中であると判定された場合には(S506:YES)、後述のS515の処理に移行し、特別図柄の停止表示時間中でないと判定された場合には(S506:NO)、特別図柄保留数がゼロであるか否かを判定する(S507)。
この結果、特別図柄保留数がゼロであると判定された場合には(S507:YES)、そのまま特別図柄遊技処理を終了し、特別図柄保留数がゼロでないと判定された場合には(S507:NO)、最先にRAMに記憶された特別図柄当否判定用乱数を読み出す(S508)。
次に、特別図柄当否判定処理(大当り抽選処理)を行う(S509)。ここで、図6のフローチャートに基づいて特別図柄当否判定処理を説明する。
まず、確変フラグがONであるか否かを判定し(S509a)、確変フラグがONである場合には(S509a:YES)、確変遊技用当否判定テーブルを選択し(S509b)、確変フラグがOFFである場合には(S509a:NO)、通常遊技用当否判定テーブルを選択する(S509c)。
次に、S508で読み出した特別図柄当否判定用乱数とS509bまたはS509cで選択した当否判定テーブルを用いて行われる大当り当否判定(大当り抽選)の結果が大当りか否かを判定する(S509d)。この結果、大当り当否判定の結果が大当りであると判定された場合(大当り抽選に当選した場合)には(S509d:YES)、RAMに記憶された図柄決定用乱数を読み出し(S509e)、図柄決定用乱数を用いて大当り図柄を決定する(S509f)。
一方、大当り当否判定の結果が大当りでないと判定された場合(大当り抽選に落選した場合)には(S509d:NO)、小当り抽選を実施し(S509g)、抽選結果が小当りか否かを判定する(S509d)。この小当り抽選は、上述した小当り抽選用乱数を用いて行われるもので、特別図柄の当否判定(大当り抽選)と同じ要領で行われる。この抽選結果が小当りであると判定された場合(小当り抽選に当選した場合)には(S509:YES)、小当り図柄を決定し(S509i)、抽選結果が小当りでないと判定された場合(小当り抽選に落選した場合)には(S509:NO)、外れ図柄を決定する(S509j)。なお、本実施例では、小当り図柄および外れ図柄を予め定められた図柄に決定しているが、これらを乱数抽選により決定するようにしてもよい。
次に、図5(a)の特別図柄遊技処理に戻り、図柄変動開始処理を行う(S510)。ここで、図柄変動開始処理S510を図7のフローチャートに基づいて説明する。
まず、S509の当否判定処理における当否判定結果が大当りである場合には(S510a:YES)、大当り時変動パターンテーブルをセットし(S510b)、小当りである場合には(S510c:YES)、小当り時変動パターンテーブルをセットし(S510d)、大当りでも小当りでない、つまり外れである場合には(S510c:NO)、外れ時変動パターンテーブルをセットする(S510e)。
次に、変動パターン決定用乱数を取得し(S510f)、S510b、S510d、S510eの何れかでセットされた変動パターンテーブルを用いて特別図柄の変動パターンを決定する(S510g)。そして、特別図柄表示部61における特別図柄の変動表示を開始し(S510h)、変動パターン指定コマンドと特別図柄停止情報指定コマンドをサブ制御基板260に送信する(S510i)。これらのコマンドを受け取ったサブ制御基板260は、演出表示装置25における演出図柄の変動表示(演出表示)を開始させる。
次に、図5(a)の特別図柄遊技処理に戻り、上記S505で特別図柄が変動中であると判定された場合には(S505:YES)、特別図柄の変動時間が経過しているか否かを判定する(S511)。この結果、特別図柄の変動時間が経過していないと判定された場合には(S511:NO)、そのまま特別図柄遊技処理を終了し、特別図柄の変動時間が経過していると判定された場合には(S511:YES)、特別図柄の変動を停止し(S512)、図柄停止コマンドをサブ制御基板260に送信し(S513)、特別図柄の停止図柄表示時間を設定する(S514)。図柄停止コマンドを受け取ったサブ制御基板260は、演出表示装置25における演出図柄の変動表示を停止させる。
次に、特別図柄の停止表示時間が経過したか否かを判定する(S515)。この結果、特別図柄の停止表示時間が経過していないと判定された場合には(S515:NO)、そのまま特別図柄遊技処理を終了し、特別図柄の停止表示時間が経過していると判定された場合には(S515:YES)、特別図柄の停止図柄が大当り図柄であるか否かを判定する(図5(b)のS516)。この結果、特別図柄の停止図柄が大当り図柄であると判定された場合には(S516:YES)、特定大当り図柄であるか否かを判定する(S517)。
この結果、特定大当り図柄でない場合には(S517:NO)、15R用大入賞口開放パターンをセットし(S518)、特定大当り図柄である場合には(S517:YES)、2R用大入賞口開放パターンをセットする(S519)。そして、大当り遊技フラグをONにセットし、大当り遊技を開始させる(S520)。なお、15R用大入賞口開放パターンは、第1大当り遊技用の大入賞口33aの開放パターンであり、2R用大入賞口開放パターンは、第2大当り遊技用の大入賞口33aの開放パターンである。
次に、確変フラグがONであるか否かを判定する(S521)。この結果、確変フラグがONであると判定された場合、つまり確変遊技中であった場合は(S521:YES)、確変フラグをOFFに設定し(S522)、変動短縮フラグをOFFに設定し(S523)、開放延長フラグをOFFに設定する(S523)。これにより、大当り遊技の開始に伴って、確率変動機能、変動時間短縮機能、開放時間延長機能が作動停止する。
一方、S521の判定処理で、確変フラグがONでないと判定された場合は(S521:NO)、変動短縮フラグがONであるか否かを判定する(S525)。この結果、変動短縮フラグがONであると判定された場合、つまり時短遊技中であった場合は(S525:YES)、変動短縮フラグをOFFに設定し(S523)、開放延長フラグをOFFに設定する(S523)。これにより、大当り遊技の開始に伴って、変動時間短縮機能、開放時間延長機能が作動停止する。変動短縮フラグがONでないと判定された場合、つまり通常遊技中であった場合は(S525:NO)、そのまま特別図柄遊技処理を終了する。
次に、S516の判定処理で、特別図柄の停止図柄が大当り図柄でないと判定された場合には(S516:NO)、特別図柄の停止図柄が小当り図柄であるか否かを判定する(S526)。この結果、特別図柄の停止図柄が小当り図柄でないと判定された場合には(S526:NO)、S529の処理に移行し、特別図柄の停止図柄が小当り図柄であると判定された場合には(S526:YES)、小当り用大入賞口開放パターンをセットし(S527)、小当り遊技フラグをONし、小当り遊技を開始させる(S528)。なお、小当り用大入賞口開放パターンは、小当り遊技用の大入賞口33aの開放パターンであり、第2大当り遊技と同一態様となっている。
次に、変動短縮フラグがONであるか否かを判定する(S529)。この結果、変動短縮フラグがONでないと判定された場合は(S529:NO)、そのまま特別図柄遊技処理を終了し、変動短縮フラグがONであると判定された場合は(S529:NO)、変動短縮カウンタを1減算し(S530)、変動短縮カウンタがゼロになったか否かを判定する(S531)。変動短縮カウンタは、変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動期間をカウントするためのものであり、通常大当り図柄に起因して発生した大当り遊技の終了後に後述のS609mでセットされる。
この結果、変動短縮カウンタがゼロではないと判定された場合には(S531:NO)、そのまま特別図柄遊技処理を終了し、変動短縮カウンタがゼロであると判定された場合には(S531:YES)、変動短縮フラグをOFFにし(S532)、開放延長フラグをOFFにする(S533)。これにより、時短遊技が開始してから特別図柄の変動回数が100回に達した場合に、変動時間短縮機能と開放時間延長機能が作動停止する。
次に、特別電動役物遊技処理S600について図8のフローチャートに基づいて説明する。まず、当り遊技中(大当り中または小当り遊技中)であるか否かを判定する(S601)。当り遊技中であるか否かの判定は、大当り遊技フラグまたは小当り遊技フラグの何れかがONであるか否かで判定することができる。この結果、当り遊技中でないと判定された場合には(S601:NO)、そのまま特別電動役物遊技処理を終了し、当り遊技中であると判定された場合には(S601:YES)、大入賞口33aが開放中であるか否かを判定する(S602)。この結果、大入賞口33aが開放中であると判定された場合には(S602:YES)、大入賞口33aの開放時間が経過したか否かを判定し(S603)、大入賞口33aの開放時間が経過していないと判定された場合には(S603:NO)、大入賞口33aに最大入賞数の遊技球が入賞したか否かを判定する(S604)。
この結果、大入賞口33aに最大入賞数の遊技球が入賞していないと判定された場合には(S604:NO)、そのまま特別電動役物遊技処理を終了し、大入賞口33aに最大入賞数の遊技球が入賞していると判定された場合(S604:YES)または大入賞口33aの開放時間が経過していると判定された場合には(S603:YES)、大入賞口33aを閉鎖する(S605)。
上記S602で、大入賞口33aが開放中でないと判定された場合には(S602:NO)、当り遊技の終了条件が成立したか否かを判定する(S606)。当り遊技の終了条件は、第1大当り遊技であれば15回のラウンドが終了していること、第2大当り遊技であれば2回のラウンドが終了していること、小当り遊技であれば大入賞口33aが2回開閉したことである。
この結果、当り遊技の終了条件が成立していないと判定された場合には(S606:NO)、大入賞口33aの閉鎖時間(インターバル時間)が経過しているか否かを判定する(S607)。この結果、大入賞口33aの閉鎖時間が経過していないと判定された場合には(S607:NO)、そのまま特別電動役物遊技処理を終了し、大入賞口33aの閉鎖時間が経過していると判定された場合には(S607:YES)、大入賞口33aを開放させる(S608)。
上記S606で、当り遊技の終了条件が成立していると判定された場合には(S606:YES)、当り遊技終了処理を行う(S609)。ここで、当り遊技終了処理を図9のフローチャートに基づいて説明する。
まず、当り遊技フラグ(大当り遊技フラグまたは小当り遊技フラグ)をOFFにする(S609a)。そして、当り図柄が小当り図柄であるか否かを判定する(S609b)。この結果、当り図柄が小当り図柄でない場合には(S609b:NO)、当り図柄が確変大当り図柄または特定大当り図柄であるか否かを判定する(S609c)。
この結果、当り図柄が確変大当り図柄または特定大当り図柄である場合には(S609c:YES)、確変フラグをONにセットする(S609d)。そして、当り図柄が特定大当り図柄であるか否かを判定する(S609e)。この結果、当り図柄が特定大当り図柄でない場合、すなわち確変大当り図柄である場合には(S609e:NO)、変動短縮フラグをONにセットし(S609f)、開放延長フラグをONにセットする(S609g)。これにより、変動時間短縮機能と開放時間延長機能が作動開始する。
一方、当り図柄が特定大当り図柄である場合には(S609e:YES)、当り遊技フラグがONになった時に開放延長フラグがONになっていたか否か、つまり今回終了する当り遊技(大当り遊技または小当り遊技)の開始時に開放時間延長機能が作動していたか否かを判定する(S609j)。この結果、当り遊技フラグがONになった時に開放延長フラグがONになっていた場合には(S609j:YES)、変動短縮フラグをONにセットし(S609f)、開放延長フラグをONにセットする(S609g)。一方、当り遊技フラグがONになった時に開放延長フラグがONになっていなかった場合には(S609j:NO)、そのまま当り遊技終了処理を終了する。これにより、特定大当り図柄に起因する第2大当り遊技終了後は、当該第2大当り遊技開始時における変動時間短縮機能と開放時間延長機能の作動状態が維持される。
次に、S609bの判定処理で、当り図柄が小当り図柄であると判定された場合には(S609b:YES)、当り遊技フラグがONになった時に開放延長フラグがONになっていたか否かを判定する(S609j)。そして、S609jの判定が肯定結果の場合には、変動短縮フラグをONにセットし(S609f)、開放延長フラグをONにセットして(S609g)、変動時間短縮機能と開放時間延長機能の作動状態を維持する。一方、S609jの判定が否定結果の場合には、そのまま当り遊技終了処理を終了する。
次に、S609cの判定処理で、当り図柄が確変大当り図柄または特定大当り図柄でない、つまり通常大当り図柄あると判定された場合には(S609c:NO)、変動短縮フラグをONにセットし(S609k)、開放延長フラグをONセットする(S609l)。これにより、変動時間短縮機能と開放時間延長機能の作動が開始される。そして、変動短縮カウンタを所定値にセットする(S609m)。変動短縮カウンタは、変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動期間をカウントするためのものであり、本実施例では特別図柄の変動回数100回にセットされる。これにより、特別電動役物遊技処理が終了する。
次に、特殊演出モード処理を図10に基づいて説明する。特殊演出モード処理は、サブ制御基板260のCPU260aが主体となって演出表示制御基板280のCPUとともに実行する。図10は、特殊演出モード処理の流れを示すフローチャートであり、特殊演出モード処理はサブ制御基板260のCPU260aがROMに格納された制御プログラムにしたがって実行する演出制御処理のメインルーチン(図示せず)のサブルーチンとして実行される。
まず、特殊演出モードの開始条件が成立したか否かを判定する(S701)。ここで、本実施例における特殊演出モードの開始条件は、上述したように「潜伏確変(特定当り図柄に基づく2R大当り遊技)の発生」、「小当り遊技の発生」、「モード移行乱数抽選に当選」のいずれかが成立することである。
そして、特殊演出モードの開始条件が成立していないと判定された場合には(S701:NO)、特殊演出モード処理を終了する。一方、特殊演出モードの開始条件が成立したと判定された場合には(S701:YES)、特殊演出モードの実行期間を設定する(S702)。本実施例では、特殊演出モードの実行期間を特別図柄の変動回数が30回に達するまでの期間としている。そして、特殊演出モードを開始する(S703)。具体的には、演出表示装置25の表示領域にキャラクタを表示させ、予告演出を開始する。
次に、演出ボタン5dの操作タイミングになったか否かを判定する(S704)。演出ボタン5dの操作タイミングは、特殊演出モード中における予告演出の進行状況(発生状況)に基づいて判断することができる。この結果、演出ボタン5dの操作タイミングになっていないと判定された場合には(S704:NO)、S713の処理に移行する。一方、演出ボタン5dの操作タイミングになったと判定された場合には(S704:YES)、予告演出の一環としてボタン演出(キャラクタの進行方向選択を行う演出や、敵キャラクタに対する攻撃を行う演出など)を実行するとともに、演出ボタン5dの操作を有効化する(S705)。また、演出ボタン5dの操作を有効化に伴って、演出ボタン5dの操作が有効であることを遊技者に報知するボタン操作促進演出を実行する。ボタン操作促進演出は、サブ制御基板260のCPU260aが演出表示制御基板280のCPUにボタン操作促進演出開始コマンドを送信し、演出表示制御基板280のCPUが、例えば演出表示装置25の表示領域における表示により実行することができ、あるいはランプ内蔵型の演出ボタン5dであれば、ランプを点灯させることで実施できる。そして、タイマ(有効期間計測用タイマ)によりボタン操作有効期間の計時を開始する(S706)。
次に、演出ボタン5dが操作されたか否かを判定する(S707)。この結果、演出ボタン5dが操作されたと判定された場合には(S707:YES)、演出ボタン5dの操作に基づく演出(操作演出)を実行する(S708)。具体的には、例えば、S705にてボタン演出として「敵キャラクタに対する攻撃を行う演出」を実行する場合、演出ボタン5dの操作に応じて敵キャラクタを攻撃して、この攻撃により敵キャラクタが倒れる演出又は敵キャラクタが倒れることなく逃げる演出を行う。この敵キャラクタに対する攻撃演出の結果により、例えば「敵キャラクタが倒れれば潜伏確変の可能性大」、「敵キャラクタが逃げれば潜伏確変の可能性小」というように、現在の遊技状態が確変状態(潜伏確変)である可能性を遊技者に示唆することができる。このように、予告演出の一環としてボタン演出を実行し、このボタン演出の実行中における演出ボタン5dの操作に基づき行われる演出(例えば、上記の攻撃演出)が、操作演出に該当する。
次に、演出ボタン5dの操作終了条件(操作条件)が成立したか否かを判定する(S709)。本実施例の操作終了条件(操作条件)は、ボタン操作有効期間中に演出ボタン5dが10回操作されること(敵キャラクタを10回攻撃すること)としている。この結果、演出ボタン5dの操作終了条件が成立した(操作条件を満足する演出ボタン5dの操作が行われた)と判定された場合には(S709:YES)、演出ボタン5dの操作を無効化する(S710)。このとき、サブ制御基板260のCPU260aが演出表示制御基板280のCPUにボタン操作促進演出終了コマンドを送信し、演出表示制御基板280のCPUがボタン演出促進演出を終了する。また、サブ制御基板260のCPU260aは、ボタン操作有効期間の計時を終了する(有効期間計測用タイマリセット)。
一方、演出ボタン5dの操作終了条件(操作条件)が成立していないと判定された場合(S709:NO)、もしくは、上記S707の判定処理で演出ボタン5dが操作されていないと判定された場合には(S707:NO)、S706でタイマ(有効時間計測用タイマ)による計時を開始したボタン操作有効期間が終了したか否かを判定する(S711)。この結果、ボタン操作有効期間が終了していないと判定された場合には(S711:NO)、S707の判定処理に戻る。一方、ボタン操作有効期間が終了したと判定された場合、つまりボタン操作有効期間内に演出ボタン5dが1回も操作されなかったり、あるいは、ボタン操作有効期間内に演出ボタン5dが操作されたものの、その操作回数が「10回」に到達しなかったりした場合には(S711:YES)、サブ制御基板260のCPU260aは、ボタン操作有効期間内に演出ボタン5dの操作が適切に行われなかった(操作条件を満足する演出ボタン5dの操作が行われなかった)とみなし、これに応じて、演出ボタン5dの操作を無効化し(S712)、強制終了カウンタを1増加させる(S713)。「強制終了カウンタ」は、演出ボタン操作期間内に演出ボタン5dの操作が適切に行われなかった回数(無効操作回数)を計数するためのカウンタであり、初期値は「0」になっている。
次に、特殊演出実行期間が終了したか否か、つまり特別図柄の変動回数が30回に達したか否かを判定する(S714)。この結果、特殊演出実行期間が終了していないと判定された場合には(S714:NO)、強制終了カウンタが「2」であるか否かを判定する(S715)。この結果、強制終了カウンタが「2」でない、つまり強制終了カウンタが「0」または「1」であると判定された場合には(S715:NO)、S704の判定処理に戻る。一方、強制終了カウンタが「2」であると判定された場合には(S715:YES)、強制終了カウンタを初期化し(S716)、強制的に特殊演出モードを終了する(S717)。
S714の判定処理で特殊演出実行期間が終了したと判定された場合には(S714:YES)、特殊演出モードを終了する(S717)。
以上説明した本実施例では、特殊演出モード中に潜伏確変の発生可能性を示唆する予告演出を行うとともに、その予告演出の一環としてボタン演出を行い、そのボタン演出におけるボタン操作有効期間内に演出ボタン5dが適切に操作されない場合に、特殊演出モードを早期に終了させるように構成されている。このため、特殊演出モードが発生して潜伏確変の発生可能性を示唆する予告演出が行われたにもかかわらず、大当り遊技がなかなか開始されないことで(実際には潜伏確変が発生していないことで)特殊演出モードを煩わしく思っている遊技者や、遊技を止めようとしている遊技者等、特殊演出モードによる遊技を望まない遊技者にとっては、ボタン操作有効期間内に操作手段の適切な操作を意図的に行わないことで、遊技者自身の意思で特殊演出モードを早期に終了させることができる。一方、ボタン操作有効期間内に演出ボタン5dの操作を適切に行わないと、特殊演出モードが早期に終了してしまうため、特殊演出モードによる遊技を望む遊技者に対しては、特殊演出モード中に積極的なボタン操作が期待でき、遊技者参加型の演出を効果的に行うことができる。
さらに、本実施例では、特殊演出モード中におけるボタン操作有効期間内に演出ボタン5dの操作が適切に行われない回数が所定回数以上となった場合に、その時点で特殊演出モードを強制的に終了させるので、特殊演出モードによる遊技を望まない遊技者とっては、より早期に特殊演出モードを終了させることができる。
(第2実施例)
次に、本発明の第2実施例について説明する。以下、上記第1実施例と異なる部分についてのみ説明する。
図11は本実施例の特殊演出モード処理を示すフローチャートであり、上記第1実施例の図10に対応している。図11に示すように、S711の判定処理でボタン操作有効期間が終了したと判定された場合、つまり、演出ボタン5dが適切に操作されることなく(1回も操作されることなく、あるいは操作されたものの操作回数が規定回数に到達することなく)ボタン操作有効期間が終了した場合には(S711:YES)、演出ボタン5dの操作を無効化し(S712)、特殊演出モードの残り実行期間を短縮する(S718)。この特殊演出モード残り実行期間短縮処理では、ボタン操作有効期間内に演出ボタン5dが適切に操作されない毎に、特殊演出モードの残り実行期間を特別図柄の所定変動回数分(本実施例では5回)だけ短縮することができる。例えば、特殊演出モードの残り実行期間が特別図柄の変動回数30回であるとすると、ボタン操作有効期間に演出ボタン5dが適切に操作されない毎に特殊演出モードの残り実行期間が25回、20回、15回…となる。
あるいは、特殊演出モード残り実行期間短縮処理で、ボタン操作有効期間に演出ボタン5dが適切に操作されない不適切な操作(無効操作)の発生毎に特殊演出モードの残り実行期間の短縮幅を大きくしてもよい。例えば、演出ボタン5dの無効操作1回目には、特殊演出モードの残り実行期間を特別図柄の変動回数5回分だけ短縮し、演出ボタン5dの無効操作2回目には、特殊演出モードの残り実行期間を特別図柄の変動回数10回分だけ短縮するように構成してもよい。
次に、S714の判定処理で特殊演出実行期間が終了していないと判定された場合には(S714:NO)、上記第1実施例のように強制終了カウンタの数値を確認することなく、S704の判定処理に戻る。
以上説明した本第2実施例の構成によっても、上記第1実施例と同様、特殊演出モードによる遊技を望まない遊技者にとっては、操作有効期間内に操作手段の適切な操作を意図的に行わないことで、遊技者自身の意思で特殊演出モードを早期に終了させることができ、特殊演出モードによる遊技を望む遊技者に対しては、特殊演出モード中に積極的なボタン操作が期待でき、遊技者参加型の演出を効果的に行うことができる。
さらに、本実施例では、特殊演出モード中におけるボタン操作有効期間内に演出ボタン5dの操作が適切に行われない回数の増加に応じて、特殊演出モードの残り実行回数を減少させるので、特殊演出モードを強制的に終了させる場合に比較して、遊技者に与える違和感が少ない。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、上記実施例では、特殊演出モード実行中に潜伏確変の発生可能性を示唆する予告演出を行い、その予告演出の一環として演出ボタン5dの操作を反映したボタン演出(操作演出)を行うように構成したが、これに限らず、特殊演出モードは特別図柄の複数回の変動にまたがって行われるとともに演出ボタン5dの操作を伴う演出であればよく、例えば特殊演出モードとしてミッション演出を行い、このミッション演出にて演出ボタン5dの操作を反映したボタン演出(操作演出)を行うようにしてもよい。ここで、ミッション演出とは、達成すべき特定条件(ミッション内容)を遊技者に報知(提示)し、特定条件が達成された場合に、大当り遊技の開始等の遊技上の特典を遊技者に付与する演出である。ミッション演出で提示される特定条件は、例えば本実施例の遊技機1で発生し得る変動演出(前述した予告演出、リーチ演出、発展演出など)に関連する内容とすることができる。例えば、リーチ図柄を指定する条件(例えば「10ゲーム以内に『7』でリーチをかけろ!」)、演出図柄の停止図柄を指定する条件(例えば「10ゲーム以内に右図柄を『3』で止めろ!」)、リーチ演出の種類を指定する条件(「10ゲーム以内に○○リーチを出せ」)、リーチ演出や予告演出にて特定のキャラクタの出現を指定する条件(例えば「10ゲーム以内に○○キャラを出せ!」)等が挙げられる。ミッション演出においても、遊技者が演出ボタン5dにより特定条件を選択する機会を複数設け、これに対応してボタン操作有効期間を複数回設ければよい。
例えば、1番目の特定条件の選択は、複数種類の特定条件から1種類の特定条件を選択するものとすることができる。この場合には、演出表示装置25の表示領域に異なる種類の複数の特定条件(例えば「10ゲーム以内に『7』でリーチをかけろ!」、「10ゲーム以内に右図柄を『3』で止めろ!」、「10ゲーム以内に○○リーチを出せ」など)を表示し、演出ボタン5dを操作することで所望の種類の特定条件を選択できるようにすればよい。2番目の特定条件の選択は、1種類の特定条件に含まれる条件を選択するものとすることができる。この場合には、演出表示装置25の表示領域に1種類の特定条件(例えば「10ゲーム以内に『1』でリーチをかけろ!」)を表示し、演出ボタン5dを操作する毎にリーチ図柄を『1』→『2』→…→『9』の順に切り替え、所望のリーチ図柄を選択できるようにすればよい。そして、特定条件の選択が所定回数(この例では、1回又は2回)行われない場合、つまりボタン操作有効期間内に演出ボタン5dの操作が適切に行われないことが所定回数あった場合に、ミッション演出の終了時期を早めるミッション演出早期終了処理が行われるようにすればよい。
このように、演出ボタン5dの操作を伴うミッション演出を行うこととし、このミッション演出にて演出ボタン5dの操作が適切に行われない場合に、ミッション演出を早期に終了させるようにすることで、ミッション演出による遊技を望まない遊技者にとっては、遊技者の意思でミッション演出を早期に終了させることができる。
1…遊技機、5d…演出ボタン(操作手段)、28…始動口、33a…大入賞口、61…特別図柄表示部(図柄表示部)、200…主制御基板(図柄表示制御手段)、260…サブ制御基板(特殊演出実行手段、早期終了手段)。