以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。先ず、図1乃至図2を参照して実施形態に係るパチンコ機の全体構成について説明する。図1は、パチンコ機を示す正面図である。図2は、本体枠及び前面枠を開放した状態のパチンコ機を示す斜視図である。
図1に示すように、遊技機としてのパチンコ機1は、外枠2、本体枠3、遊技盤4、前面枠5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面一側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。また、本体枠3は、前枠体8、遊技盤装着枠9、及び機構装着枠10を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前側に形成された前枠体8は、外枠2前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。なお、本実施形態では、パチンコ機1の正面を視認する視線方向を前側(前面側)とし、これとは反対側(例えば、前枠体8に対する本体枠3側)を後側(背面側)とする。
また、本体枠3は、合成樹脂材によって一体に形成されると共に、前面側に遊技盤装着枠9が背面側に機構装着枠10がそれぞれ形成されている。これによって、合成樹脂製の本体枠3は、従来の前枠(内枠、前面枠等と呼ばれることがある)と、機構板(裏機構板、裏セット板等と呼ばれることがある)との機能を兼ね備えている。
前枠体8の後部に一体的に形成された遊技盤装着枠9には、遊技盤4が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。また、遊技盤装着枠9の左側部には、係合突部33が上下に2つ形成され、遊技盤装着枠9の右側部には、係合凹部(図示しない)が上下に2つ形成されている。また、遊技盤4の盤面(前面)の左側部には係合突部33と対応する係止穴(図示しない)が上下に2つ形成され、遊技盤4の盤面の右側部にはと対応する係合フック4cが上下に2つ形成されている。係合フック4cは、遊技盤4と遊技盤装着枠9とを係脱可能に係止する。
さらに、遊技盤4の左下部には、係止フック9aが形成され、遊技盤装着枠9の左下部には係止フック9aと対応する付勢ロック部(図示しない)が設けられている。遊技盤4を遊技盤装着枠9に装着した場合には付勢ロック部が係止フック9aを下方に付勢して係止する。なお、付勢ロック部によって係止フック9aを下方に付勢することにより遊技盤4に下方への付勢力を作用しつつ係止することができる。これにより遊技盤4が遊技盤装着枠9の下縁部と密着して下方に押圧固定される。
また、遊技盤4の盤面には、外レールと内レールとを備えた案内レール11が設けられている。また、遊技盤装着枠9よりも下方に位置する前枠体8の前側下部の一側寄りには、下部スピーカ14が装着されている。また、前枠体8前面の下部領域内の上側部分には、遊技盤4の発射通路に向けて遊技球を導く発射レール15が傾斜状に装着されている。一方、前枠体8前面の下部領域内の下側部分には、下前面部材16が装着されている。下前面部材16前面のほぼ中央には、下皿17が設けられ、片側寄りには操作ハンドル18が設けられている。
また、図2に示すように、本体枠3(前枠体8)のヒンジ機構7が設けられる側とは反対側となる開放側の後面には、外枠2に対して本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対して前面枠5を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置19が装着されている。施錠装置19は、外枠2に設けられた閉止具20に係脱可能に係合して本体枠3を閉鎖状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック21と、前面枠5の開放側の後面に設けられた閉止具22に係脱可能に係合して前面枠5を閉鎖状態に施錠する上下複数の扉施錠フック23とを備えている。
しかして、シリンダー錠24の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで、本体枠施錠フック21と外枠2の閉止具20との係合が解除されて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に鍵が回動操作されることで、扉施錠フック23と前面枠5の閉止具22との係合が解除されて前面枠5が解錠されるようになっている。なお、シリンダー錠24の前端部は、パチンコ機1の前方から鍵を挿入して解錠操作が行えるように、前枠体8及び下前面部材16を貫通して下前面部材16の前面に露出して配置されている。
なお、本実施例では、時計回り方向に鍵を回動操作することで外枠2に対して本体枠3が解錠され、反時計回り方向に鍵を解錠操作することで本体枠3に対して前面枠5が解錠される。このように、回動操作の方向を異ならせるだけで、本体枠3又は前面枠5のいずれかを解錠させることができる。また、施錠装置19は、本体枠3を閉塞状態に施錠したときに、鍵以外の外部操作によって本体枠施錠フック21と外枠2の閉止具20との係合が解除されないように本体枠施錠フック21をロックするロック機構をさらに備えている。しかして、本体枠3を閉塞状態に施錠したときには、ロック機構により本体枠施錠フック21がロックされる。また、本体枠施錠フック21よりも外枠2と本体枠3(前面枠8)との間隙に近い側(図2において右側方)にリブが突設形成され、当該リブにより本体枠施錠フック21が外枠2と本体枠3(前面枠8)との間隙から針金等を差し込んで直接本体枠施錠フック21を操作しようとしてもリブに当接する。従って、外枠2と本体枠3(前面枠3)との間隙から針金等により本体枠3を不正に解錠する不正行為を防止することができる。
本体枠3前面の一側には、ヒンジ機構25によって前面枠5が前方に開閉可能に装着されている。前面枠5は、扉本体フレーム26、上皿28、及び操作ボタン18a(操作手段)を備えて構成されている。扉本体フレーム26は、プレス加工された金属製フレーム部材によって構成され、前枠体8の上端から下前面部材16の上縁に亘る部分を覆う大きさに形成されている。扉本体フレーム26のほぼ中央には、後述する遊技盤4の遊技領域12を前方から透視可能なほぼ円形状の開口窓30が形成されている。また、扉本体フレーム26の後側には、開口窓30よりも大きい矩形枠状をなす窓枠31が設けられ、該窓枠31には、透明板32が装着されている。
なお、本実施例では、遊技盤4の下方にシリンダー錠24を配置し、遊技盤4の右方に配置された施錠装置19を薄型化することで、遊技盤4に形成された遊技領域12の面積を従来よりも拡大することができ、遊技者の視認に対する興趣を高めることができる。また、遊技領域12を拡大することで、遊技領域12の中央部分に後述する演出装置42が配置されても、該演出装置42の下方に配置された入球装置56に遊技球を誘導し難いとの印象を与えることがない。また、遊技領域12の拡大に合わせて前面枠8の開口窓30も拡大され、該前面枠8の剛性が低下することとなるが、上皿28を一体的に構成する前面枠8とすることで、前面枠8の剛性の低下を抑制している。
扉本体フレーム26の前側には、開口窓30の周囲において、下部に上皿28が前面枠8と一体的に設けられ、左右両側部に枠ランプ27が、上部に上部スピーカ29が装着されている。また、上皿28の左片側寄りには、操作ボタン18aが配設されている。なお、枠ランプ27は、後述する液晶表示装置50(図柄表示手段、画像表示手段)にて実行される演出の演出態様に応じて点灯・消灯制御され、上部スピーカ29及び上述した下部スピーカ14は、液晶表示装置50にて実行される演出の演出態様に応じて複数種類の音出力態様の音出力制御が実行される。このように、液晶表示装置50にて実行される演出に同期して枠ランプ27の点灯・消灯制御、上部スピーカ29及び下部スピーカ14の音出力制御、を実行することにより演出効果を高め、遊技者の興趣を向上させるためのものである。また、上部スピーカ29及び下部スピーカ14では、不正行為が実行されたことを報知する警告音、遊技に関するエラー状態が発生したことを報知する情報音、等の出力も行われる。
図3は、遊技盤4を単独で示している。遊技盤4の前面には、遊技領域12が円形状に形成されている。遊技領域12内には、所定の配列で多数の障害釘が打ち付けられているほか、その適宜の位置に球誘導用の風車40が設けられている。遊技領域12内の上半分には、ひときわ大きく目を引く演出装置42が配置されており、この演出装置42にはパチンコ機1の機種やゲームコンセプト等を象徴したデザインがあしらわれている。
演出装置42は、その全体が縦方向に扁平した楕円形状の外形をなしているが、そのところどころに角張った部分を有する。特に正面からみて演出装置42の頂部は山形状に突出し、その山頂に相当する部分から左右に延びる上縁部は、緩やかな下り傾斜を有している。また、演出装置42の左側縁部は縦方向にゴツゴツと切り立ったような形状をなしており、このため左側縁部の上端と下端がそれぞれ角張った外形をなしている。一方、演出装置42の右側縁部は遊技領域12の外縁に沿って円弧状に湾曲しており、その輪郭線は左側縁部と対照的に滑らかなカーブを描いている。また、演出装置42の下側縁部は中央に向かって直線的に絞り込まれたような下り傾斜を有しており、そして中央の位置では水平方向に屈曲されている。
演出装置42の内側には液晶表示装置50が設置されており、この液晶表示装置50は比較的大型の表示画面を有している。また演出装置42の内側には、液晶表示装置50の表示画面を取り囲むようにして各種の装飾体43a,43b,43cや可動装飾体44a,44b,44cが配置されているほか、可動装飾体44a〜44cの外側には演出装置42の周縁部に沿って別の装飾体43d,43e等が配置されている。
また、正面からみて可動装飾体44a,44b,44cよりも奥の位置には、それぞれ固定装飾体45a,45b,45cが設置されており、これら固定装飾体45a,45b,45cの周囲の領域にはさらに別の装飾部材46が設置されている。装飾部材46は、液晶表示装置50の左右の両側方および上方の領域に拡がるようにして敷設されており、装飾体43a,43b,43cや可動装飾体44a,44b,44cの背景領域として構成されている。
上記のように演出装置42には、視覚的にパチンコ機1のゲームコンセプトを象徴するデザインが付されており、それゆえ個々の装飾体43a〜43eや可動装飾体44a〜44c、固定装飾体45a〜45c、装飾部材46には独特の造形が施されている。
すなわち、本実施形態のパチンコ機1におけるゲームコンセプトは、原始時代の地球を背景として、この時代の地球に生きる人類(原始人)や原始動物の生き様や行動をコミカルに表現した創作的ストーリーの上に成り立っている。ただし、ここでいう「原始時代」は考古学上の正確な時代区分に基づくものではなく、社会一般に定着しているイメージとしての「原始時代」を背景としている。したがって、そこに登場するキャラクタの風貌はあくまで現代の人類を原始人らしくコミカルに表現したものであり、また、原始哺乳動物として登場する「マンモス」や「類人猿」、「サーベルタイガー」、「モグラ」等の風貌は、いずれも原始時代の動物らしく見えるようにコミカルにアレンジされたキャラクタとして表現されている。
先ず演出装置42の全体を見ると、その外観には原始地球の表面らしく土色のゴツゴツとした岩肌をモチーフとした造形が施されている。そして、演出装置42の上縁部に目をやると、そこには「マンモス」をイメージしてデザインされた装飾体43aが配置されており、この装飾体43aは、「マンモス」が頭にたん瘤をつくってひっくり返った様子を表現している。また、これに対応するようにして、装飾体43aの右側には「石斧」をデザインした装飾体43dが配置されており、この装飾体43dは、原始人であるキャラクタが狩りをする道具としての「石斧(=棒切れに石をくくりつけた道具)」をデザイン的に表現したものとなっている。したがって、装飾体43a,43dの造形を目にした遊技者は、そこから「原始人が石斧を使ってマンモスを仕留めた」というストーリーを感じ取ることができる。
また演出装置42の右側縁部に目をやると、そこには「マンモスの牙」をイメージしてデザインされた装飾体43eが配置されている。このため遊技者が装飾体43eの造形に接すると、そこから「原始人が狩りで仕留めたマンモスの牙を装飾品として利用している」というストーリーを感じ取ることができる。なお装飾体43eは、その外面(前部ユニット42aの側面に相当する面)がそのまま遊技球の流下を案内する案内面にもなっている。
一方、演出装置42の下縁部に目をやると、そこには「マンモスの頭部と牙」をデザインした装飾体43cが左右で一対をなすようにして配置されている。また、装飾体43cの近傍には、原始地球に生い茂った「草むら」をイメージした装飾が施されていることから、この装飾体43cを目にした遊技者は、「草むらからマンモスの頭がのぞいている」というイメージを抱くことになる。
また本実施形態では、「マンモスの頭部と牙」や「草むら」をイメージした装飾体が演出装置42のステージ部の前面側(遊技盤面に側して)に配置されている。これにより、演出装置42の装飾が高められるとともに、遊技領域12を流下する遊技球の遊技盤4側からステージ部(転動部)への進入が適度に抑制されることで、演出装置42のステージ部において安定したステージ性能(上始動口52へ遊技球を放出する性能)を発揮することが可能となる。すなわち、装飾体は、遊技者から見易い(近い)位置に設けられることで、演出装置42の装飾性が高まるとともに、ステージ部内に多量の遊技球の進入を抑制することで、遊技球同士が混雑することがなくステージ部内をスムーズに転動することができる。
また演出装置42の左側縁部に目をやると、そこには片仮名文字で「ゴ」と「ン」を象った装飾体43bが配置されている。さらにこれら装飾体43bは、仮名文字である「ゴ」や「ン」を立体的な形状で表現したものとしてデザインされており、その外形には岩を切り出してできたかのようにデコボコとした造形が施されている。なお、装飾体43bで表される「ゴ」と「ン」は、これらを続けて「ゴン」と読ませるためのものであり、「ゴン」は、上記の創作的ストーリーに登場するキャラクタ(主人公)の名前となっている。
次に演出装置42の上縁部から右側縁部に目をやると、そこには片仮名文字で「ギ」や「オ」を象った可動装飾体44a,44b,44cが配置されている。また、これら装飾体44a,44b,44cも、仮名文字である「ギ」や「オ」を立体的な形状で表現したものとしてデザインされており、その外形には岩を切り出してできたかのようにデコボコとした造形が施されている。
このうち、上縁部に位置する可動装飾体44aの近傍には、片仮名の小文字である「ャ」とともに長音符号である「ー」を象った装飾体45aが配置されている。この装飾体45aで表される「ャ」,「ー」の文字は、可動装飾体44aで表される「ギ」からつづけて「ギャー」と拗音を長くのばして読ませるためのものである。同様に、右側縁部に上下に並んで位置する可動装飾体44b,44cの近傍には、それぞれ長音符号である「ー」を象った装飾体45b,45cが配置されている。これら装飾体45b,45cで表される「ー」は、各可動装飾体44b,44cで表される「オ」からつづけて「オー」と長音に読ませるためのものである。なお、可動装飾体44a〜44cおよび装飾体45a〜45cで表される「ギャー」や「オー」は、上記の創作的ストーリーに登場するキャラクタ等の迫力のある叫び声を表すものとなっている。
演出装置42よりも下方の遊技領域12には上始動口52が配置されており、その直下の位置には、入球装置56と一体化された下始動口54が配置されている。入球装置56には左右一対の開閉部材56aが付属しており、図中に示されているように開閉部材56aが左右に拡開した状態に変位すると下始動口54に遊技球が入賞可能となり、逆に開閉部材56aが閉じた状態に変位すると遊技球は下始動口54に入賞しなくなる。なお入球装置56にも、演出装置42と同様にパチンコ機1のゲームコンセプトを象徴したデザインが施されている。
入球装置56の左右の離れた位置にはゲート58が一対をなして配置されている。また、入球装置56の下方の位置には大入賞口開閉装置60が配置されている。この大入賞口開閉装置60は大入賞口62を開閉するための開閉部材60aを有している。図示のように開閉部材60aが手前側へ倒れ込むようにして開いた状態に変位すると、上方から流下してくる遊技球が開閉部材60aに案内されて大入賞口62に入賞可能となり、逆に開閉部材60aが盤面に沿う位置まで変位すると、大入賞口62が閉じられて遊技球は入賞しなくなる。
その他、大入賞口開閉装置60の左右の位置には一般入賞口66が一対をなして配置されている。また、遊技領域12の下縁部に沿って左右一対のサイド装飾部材64が配置されており、これらサイド装飾部材64にもそれぞれ一般入賞口66が形成されている。これらサイド装飾部材64もまた、演出装置42と同様にパチンコ機1のゲームコンセプトを象徴したデザインを有し、その造形には演出装置42との視覚的な統一感が与えられている。
サイド装飾部材64では、遊技の進行に伴い各種情報の表示が行われるものとなっており、各種情報の表示は、各サイド装飾部材64に内蔵されたLEDの点灯・点滅により表示することができる。このため、例えば右側のサイド装飾部材64には、4つの発光領域64aが形成されており、これら発光領域64aはいずれも小円形状をなし、そして4つが菱形を描くようにして配列されている。さらに発光領域64aの上方には2つの発光領域64b,64cが形成されており、これら発光領域64b,64cにはそれぞれ動物の骨(大腿骨のように棒状で、両端に関節部となる膨らみがあるもの)をかたどったデザインが施されている。また、左側のサイド装飾部材64にも合計で4つの発光領域64d,64eが形成されている。これら発光領域64d,64eはいずれも小円形状をなし、縦方向に1列を描くようにして配列されている。以下、発光領域64a〜64eについて概略を説明する。
先ず右側に4つ配列された発光領域64aは、特別図柄表示器(抽選情報表示器)として機能する。特別図柄は、パチンコ機1において特別図柄抽選(大当り判定)が行われ、その当落の結果が出たということを外部に向けて表示するためのもの(抽選情報)である。例えば、パチンコ機1における通常遊技状態(大当り遊技でない状態)で上始動口52または下始動口54への入賞があると、それを契機に4つの発光領域64aがいろいろなパターンで点滅動作を開始し、特別図柄の変動状態が表示される。このような特別図柄の変動開始(いわゆる「始動」)により、遊技者は大当り判定が行われたこと(あるいは、これから抽選の結果が出ること)を認識することができる。この後、ある程度の時間が経過すると発光領域64aの点滅動作が停止し、そのときの抽選結果(当落結果)を表示する態様で特別図柄が停止表示される。特別図柄の停止表示の態様について、簡易な例では4つの発光領域64aが全て点灯していれば当選(大当り)を表し、4つの発光領域64aのいずれか1つでも消灯していれば落選を表すといった態様が挙げられる(ただし、これら以外の態様もある。)。なお本実施形態では、4つの発光領域64aの他に液晶表示装置50を用いて装飾的な図柄(例えば「0」〜「9」の数字をデザインしたもの)を変動・停止表示させることで、特別図柄の変動表示と停止表示に関連した各種の演出を行うことが可能である。
また、特別図柄表示器に関連して演出装置42の下縁部に4つの発光領域48が形成されており、これら4つの発光領域48は特別図柄の始動記憶ランプ(入賞表示器)として機能する。すなわち、4つの発光領域48には個々に数字の「1」,「2」,「3」,「4」をかたどったデザインが施されており、4つの発光領域48は左から右へ「1」〜「4」を表すようにして順番に並んでいる。これら4つの発光領域48は、「1」〜「4」の発光(点灯)態様によって特別図柄の始動記憶数(1〜4)を表すことができる。
次に、発光領域64aの上方に配置された2つの発光領域64b,64cのうち、右側に位置する発光領域64cはその点灯・点滅により普通図柄表示器として機能することができる。例えば、ゲート58を遊技球が通過すると、それを契機に発光領域64cが点灯または点滅動作を開始し、これにより普通図柄の変動状態が表示される。一方、左側の発光領域64bは、その点灯または消灯によって内部的な遊技様態(大当り確率が比較的高い高確率遊技様態であるか、あるいは大当り確率が比較的低い低確率遊技様態であるかの様態)を表示することができる。
そして、左側のサイド装飾部材64に4つ縦に並んで配置された発光領域64d,64eのうち、下2つの発光領域64eは、点灯・点滅によって普通図柄の始動記憶数(1〜4)を表示することができる。また、上2つの発光領域64dは、大当りになった場合にいずれか1つが点灯し、それによって大当りの種類を表示することができる。なお、大当りの種類については、パチンコ機1の制御に関する構成と合わせて後述する。
図4は、遊技板4aに対する演出装置42の具体的な取付態様を示している。演出装置42は大きく分けて、遊技板4aを挟んで前後に分割された2つのユニットから構成される。具体的には、遊技板4aの前面側に前部ユニット42aが位置し、この前部ユニット42aは遊技板4aに対してその前面側から取り付けられる。逆に遊技板4aの背面側には後部ユニット42bが位置し、この後部ユニット42bは遊技板4aに対してその背面側から取り付けられる。また液晶表示装置50は、後部ユニット42bに対してその背面側から取り付けられる。
遊技板4aには、その合板材を厚み方向(前後方向)に貫通して形成された貫通穴4bが形成されている。この貫通穴4bは、遊技領域12の中央からやや上よりの範囲にかけて大きく開口しており、その開口形状は、前部ユニット42aの外形にほぼ合致している。
前部ユニット42aは、演出装置42の外周部分を構成するようにして環状に成形されており、それゆえ前部ユニット42aの内側部分は大きく開口した状態にある。前部ユニット42aは、その前後方向でみると遊技板4aに対向する後半分の部位42rが貫通穴4b内にぴったり嵌り込む形状に成形されており、この後半分の部位42rを貫通穴4b内に嵌め込んだ状態で前部ユニット42aが遊技板4aに取り付けられる。なお本実施形態では、前部ユニット4aに電気的な動作を行う部品(例えばソレノイド、LED、基板等)が何も取り付けられていない。このため前部ユニット42aの取り付けに際し、貫通穴4bを通じて何らかの電気配線を接続する必要がないことから、前部ユニット42aは特に他の構成要素との電気的な接続関係を気にすることなく、それ単体で遊技板4aに対して着脱可能となっている。
また前部ユニット42aには、外周を取り巻くようにしてフランジ部42nが形成されており、このフランジ部42nは遊技板4aの前面と平行に拡がっている。それゆえ前部ユニット42aは、その後半分の部位42rを貫通穴4b内に嵌め込んだ状態でフランジ部42nを遊技板4aの前面(化粧シート面)に密着させることができる。フランジ部42nには、適宜の位置にねじ孔が形成されており、前部ユニット42aを遊技板4aに取り付ける際は、フランジ部42nのねじ孔を通じて前部ユニット42aがねじ留めされるものとなっている。
さらに前部ユニット42aには、後半分の部位42rから後方に向けて突出する係合片(第1または第2の係合片)42sが形成されている。係合片42sは前部ユニット42aの上縁部に1本と、下縁部に2本(図4には1本のみ示されている)の合計3本が形成されており、いずれも貫通穴4bを通じて遊技板4aの前面側から挿入されると、遊技板4aの背面からさらに後方に突出する。
一方、前部ユニット42aが遊技板4aに取り付けられた状態で、その前半分の部位42fや装飾体43b,43d,43e等はいずれも遊技板4aの前面側に位置する。逆に、下縁部に位置する2つの装飾体43cは、後半分の部位42rとともに貫通穴4b内に位置する。前部ユニット42aの前半分の部位42fおよび装飾体43b,43d,43eは、その厚みが例えば案内レール11やパネル飾り4cとほぼ同じに設定されている。このため、前部ユニット42aが遊技板4aに取り付けられると、その前半分の部位4fおよび装飾体43b,43d,43eは遊技領域12内で盤面から手前に突出し、それによって遊技球の流下を誘導・案内する部材としても機能する。
これに対して後部ユニット42bは、特に貫通穴4bとの間に嵌め合わせの関係を構成することなく遊技板4aの背面に取り付けられる。後部ユニット42bも同様に、フランジ部(図4には示されていない)のねじ孔を通じて遊技板4aにねじ留めされる。
後部ユニット42bは、その取付状態において大部分が遊技板4aの背面側に位置しており、特に上記の固定装飾体45a,45b,45cおよび装飾部材46は、いずれも遊技板4aの背面よりわずかに後方に位置する。このため遊技者が遊技盤4に相対すると、貫通穴4bからさらに奥まった位置に固定装飾体45a,45b,45cおよび装飾部材46が配置されている様子が視認されるため、そこに視覚的な奥行きを感じることができる。
ただし、後部ユニット42bには上記の装飾体43aや可動装飾体44a,44b,44cが取り付けられており、これら装飾体43aおよび可動装飾体44a,44b,44cはいずれも後部ユニット42b(特に装飾部材46)から前面側に突出している。したがって、後部ユニット42bが遊技板4aに取り付けられる際、装飾体43aおよび可動装飾体44a,44b,44cは背面側から貫通穴4b内に進入した状態となる。
なお後部ユニット42bは、遊技板4aの背面において貫通穴4bよりも広い範囲にわたって配置されている。つまり、後部ユニット42bは貫通穴4bの開口面積よりも大きい外形を有しており、前面側からは、貫通穴4bを通じて後部ユニット42bの一部のみが視認されている。このため本実施形態では、遊技板4aの前面側から貫通穴4bをくぐらせて後部ユニット42bを着脱することはできない構造となっている。
さらに後部ユニット42bには、前部ユニット42aの係合片42sに対応して3箇所に係合孔42hが形成されており(図3には下側の2箇所のみ示されている)、係合孔42hは、後部ユニット42bの係合片(第1または第2の係合片)68a,68b等に形成されている。前部ユニット42aおよび後部ユニット42bが遊技板4aに対して前後から取り付けられると、3本の係合片42sは貫通穴4bを通じて後部ユニット42bにまで達し、それぞれ対応する係合孔42hに差し込まれる。またこの状態で、個々の係合片42sが係合孔42h(係合片68a,68b等)に係合するので、これにより前部ユニット42aおよび後部ユニット42bが相互に位置決めされる。なお、ここでいう「係合」は、前後方向への拘束力を発揮するものではなく、前部ユニット42aまたは後部ユニット42bの上下・左右・斜め方向(盤面に沿う方向)への位置ずれを拘束するものである。
演出装置42の下縁部、つまり液晶表示装置50の画面より下方の部位には球誘導部材70,72が配置されている。球誘導部材70,72は、その上面にて遊技球を案内し、その転動方向にいろいろな変化を与えることができる。図4中に2点鎖線で示されているように、球誘導部材72は前部ユニット42aとともに手前側へ分離可能な構造となっている。なお、球誘導部材70,72については後に詳述する。
遊技盤4には、演出装置42とともに表示ユニットが取り付けられている。上記の液晶表示装置50は、表示制御基板と一体化された表示ユニットとして構成されており、この表示ユニットの状態で後部ユニット42bに対し背面側から取り付けられている。液晶表示装置50は、その画面上で演出的な画像を表示することができ、遊技盤4の完成状態で、液晶表示装置50の画面は貫通穴4bを通じて前面側から視認される。また本実施形態では、液晶表示装置50の背面に表示制御基板(120)が一体的に取り付けられている。なお、表示制御基板(120)の構成については図11を参照しながら後述する。
図5は、演出装置42を構成要素に分解した状態で示している。既に説明したように、演出装置42は大きく分けて前部ユニット42aおよび後部ユニット42bから構成されており、これらは相互に着脱可能な構造となっているが、後部ユニット42bにはさらに2つの球誘導部材70,72および内部装飾体74が着脱可能に取り付けられている。
図5に示されているように、後部ユニット42bには、液晶表示装置50の表示画面よりも下方の部位に奥壁68が形成されており、この奥壁68は後部ユニット42bが遊技板4aに取り付けられた状態では、盤面に対してほぼ平行に位置する。奥壁68は後部ユニット42bの左右側縁部の間をつなぐようにして拡がり、正面からみてほぼ逆台形状をなしている。
奥壁68の両側端部には、それぞれ係合片68a,68bが形成されており、これら係合片68a,68bはいずれも奥壁68から前面側に向けて突出している。また、左右の係合片68a,68bは扁平した円筒形状をなし、このうち正面からみて左側の係合片68aは縦方向に扁平しており、右側の係合片68bは横方向に扁平している。そして、これら係合片68a,68bの内部にそれぞれ上記の係合孔42hが形成されている。なお図5に示されているように、後部ユニット42bの上部位置には、3つ目の係合孔42hを形成するための係合片68sが形成されている。
左右の係合片68a,68bの上方には、それぞれねじ用のボス部68cが形成されており、このボス部68cもまた前面側に突出している(図5には左側のボス部68cのみが示されている)。また奥壁68の下端部には、その中心から左右対称となる位置に2つのボス部68dが形成されている。これらボス部68dもまた、奥壁68から前面側に突出している。そして2つのボス部68dより上方の位置には、それぞれねじ用の貫通孔68eが形成されている。
球誘導部材70,72および内部装飾体74は、いずれも前面側から奥壁68に対して着脱可能となっている。図5に示されている状態から取付順にみると、内部装飾体74が最初に奥壁68に取り付けられ、その前面側から奥側の球誘導部材72が取り付けられ、そして最後に手前側の球誘導部材70が取り付けられる。
このうち、内部装飾体74の下縁部にはU字形状の切欠部74aが形成されており、内部装飾体74が奥壁68に密着されたとき、これら切欠部74aによって下側にある2つのボス部68dとの干渉が避けられるものとなっている。また図5には示されていないが、内部装飾体74の背面側には2つのねじ穴が形成されており、これらねじ穴は奥壁68の貫通孔68eにそれぞれ対応している。
奥側と手前側の球誘導部材70,72には、それぞれ両端部に係合孔部(係合部)70a,72aが形成されている。これら係合孔部70a,72aはいずれも球誘導部材70,72を前後方向に貫通して形成されており、その開口形状は係合片68a,68bの外形よりわずかに大きい。また球誘導部材70,72には、それぞれボス部68c,68dに対応する位置にねじ孔が形成されている。なお、図5には奥側の球誘導部材72についてのみ、ねじ孔72b,72cが示されているが、手前側の球誘導部材70にも同様のねじ孔(符号を70b,70cとして区別する)が形成されている。
図5に示されている状態から内部装飾体74が奥壁68に押しつけられるようにして密着すると、内部装飾体74は係合片68a,68bの間に位置付けられる。この状態で、内部装飾体74は後部ユニット42bの背面側から2つの貫通孔68eを通じてねじ留めされる。内部装飾体74の前後方向の厚み寸法は、左右の係合片68a,68bやボス部68c,68dの突出寸法よりも小さく設定されている。それゆえ、最初に内部装飾体74が取り付けられた状態では、左右の係合片68a,68bおよびボス部68c,68dが依然として前面側に突出した格好となる。
この状態で、次に奥側の球誘導部材72が内部装飾体74の前面側に重ね合わせられると、左右の係合片68a,68bがそれぞれ対応する係合孔部72aに嵌り込み、これらの嵌め合わせによって球誘導部材72が後部ユニット42bに対して位置決めされる。またこの状態で、球誘導部材72のねじ孔72b,72cが位置する部位は、それぞれ対応するボス部68c,68dの前端に密着する。この場合、左右の係合片68a,68bは依然として前面側に突出しているが、ボス部68c,68dは球誘導部材72の背後に隠れた状態となる。
そして、最後に手前側の球誘導部材70が奥側の球誘導部材72の前面側に重ね合わされると、同様に左右の係合片68a,68bがそれぞれ対応する係合孔部70a,70bに嵌り込み、これらの嵌め合わせによって球誘導部材70が後部ユニット42bに対して位置決めされる。この状態で手前側の球誘導部材70のねじ孔は、奥側の球誘導部材72のねじ孔72b,72cの前面側に正確に位置付けられる。
この後、手前側の球誘導部材70のねじ孔を通じて固定用のねじを締め込むことにより、2つの球誘導部材70,72をともに後部ユニット42bに対して固定することができる。
遊技盤4の製造工程において、遊技板4aに対して最初に後部ユニット42bを取り付ける際は、上記の手順により内部装飾体74および球誘導部材70,72が先に後部ユニット42bに装着されている。したがって通常、遊技板4aに対する演出装置42の取付作業は、後部ユニット42bと前部ユニット42aの2つについてだけとなる。
図6は、演出装置42の左側縁部の一部と下縁部を示している。上記のように前部ユニット42aおよび後部ユニット42bがそれぞれ遊技板4aに取り付けられると、前部ユニット42aは後部ユニット42bの前面側に位置付けられる。このとき、前部ユニット42aは手前側の球誘導部材70のねじ孔70b,70cの前面側に密着し、この状態でねじ孔70b,70cを遮蔽することで、これらを前面側から視認できなくしている。また本実施形態では、上記の係合片68a,68bもまた前部ユニット42aの下側縁部に遮蔽されており、これにより球誘導部材70の着脱や位置決めに関する全ての構成が前面側から視認されなくなっている。なお、上部位置にある係合片68sについても、前部ユニット42aの上縁部によって前面側から視認不能に遮蔽されている。
図6に示されているように、前部ユニット42aの左側面、つまり装飾体43bの左側面には、側方の遊技領域12に向けて開口する球導入口76が形成されている。そして前部ユニット42aには、球導入口76から内部に延びる上ワープ通路78aが形成されている。上ワープ通路78aは、球導入口76から右下方へ緩やかに傾斜した後、ちょうど装飾体43bの中心あたりから奥方向に折れ曲がり、緩やかに下り傾斜している。
この後、上ワープ通路78aは前部ユニット42aの後端位置で終了し、そこから奥の位置で下ワープ通路78bに引き継がれるようにして連結されている。下ワープ通路78bは、後部ユニットの左側縁部の内部を延びるようにして形成されており、上ワープ通路78aから続く最奥部で下ワープ通路78bが突き当たりになると、そこから下ワープ通路78bは下方に折れ曲がるようにして一気に下っている。そして、下ワープ通路78bは後部ユニット42bの左側縁部の下端位置で右方向へ折れ曲がり、終端位置で右方向に開放されている。下ワープ通路78bの終端にはワープ出口78c(球出口)が形成されており、このワープ出口78cは奥側の球誘導部材72の上面に通じている。
したがって、遊技領域12を流下する遊技球が球導入口76に飛び込むと、上ワープ通路78aおよび下ワープ通路78bを通って演出装置42の内側に導かれ、そしてワープ出口78cから奥側の球誘導部材72上に放出される。
この後、遊技球は奥側の球誘導部材72から手前側の球誘導部材70に順次乗り移るようにして転動し、最終的に球誘導部材70から前部ユニット42aの下縁部を介して下方にこぼれ落ちるか、もしくは放出通路72dに入り込んで下側の放出口72eから真下に放出されることとなる。このとき、放出口72eから放出された遊技球は、その直下に配置されている2本の障害釘(命釘)の間を真下に通り抜け、比較的高い確率で上始動口52に入賞することができる。これに対し前部ユニット42aの上縁部を介してこぼれ落ちる遊技球の大部分は、障害釘に跳ね返されて落下方向がランダムに変化するので、比較的低い確率でしか上始動口52に入賞しなくなる。以下、球誘導部材70,72による遊技球の誘導態様について説明する。
図7から図9は、球誘導部材70,72による遊技球の誘導態様と、合わせて前部ユニット42aからの遊技球の放出態様を示している。上記のように、上ワープ通路78aおよび下ワープ通路78bを通って案内された遊技球は、ワープ出口78cから奥側の球誘導部材72(第1の球誘導部材)上に送出される。奥側の球誘導部材72には、正面からみて最も奥(液晶表示装置50の画面寄り)の位置に上段ステージ80(上段球転動部)が形成されており、そして上段ステージ80の手前側に中段ステージ82(中段球転動部)が形成されている。
このうち上段ステージ80は谷形状に中央が低くなっているが、反対に中段ステージ82は山形状に中央が高くなっている。また、上段ステージ80の中央位置には、手前側へ傾斜する窪み部80a(送出部)が形成されている。このため遊技球は、上段ステージ80上を左右に転動しながら減速し、やがて中央の窪み部80aに入り込み、ここから中段ステージ82上へ移動することとなる。このとき、中央の窪み部80a内に入り込んだ遊技球のなかには、すぐに中段ステージ82上へ移動せず、この窪み部80a内にて僅かに左右方向に揺れ動くようにして転動するものもある。
中段ステージ82は左右で対称の形状をなしており、遊技球が中段ステージ82上に移動すると、中央の振分部81a(山形状に形成された部分)において左右いずれかへ転動方向が振り分けられ、そのまま遊技球は傾斜に沿って転動する。中段ステージ82は中央に振分部81aを有するほか、振分部81aの両側に奥側傾斜面81bを有し、そして左右の両端部に放出傾斜面81cを有する(図7,8には左側のみ参照符号が付されている)。
奥側傾斜面81bは振分部81aから僅かに一段下がった位置に形成されており、この奥側傾斜面81bは左右方向への下り傾斜を有するだけでなく、前後方向でみて後方、つまり奥側へも僅かに下り傾斜を有している。このため奥側傾斜面81bは、遊技球を左右の下り傾斜方向に転動させるだけでなく、遊技球を奥側の壁面に沿わせるようにして転動させることができる。これにより、奥側傾斜面81bでは遊技球が前後にふらつくような挙動を示すことがなく、その転動態様を安定させることができる。
また、両側端部にある放出傾斜面81cは奥側傾斜面81bから僅かに一段下がった位置に形成されており、この放出傾斜面81cは、奥側傾斜面81bに比べると、僅かに左右方向への下り傾斜が緩くなっている。さらに、放出傾斜面81cは手前側(前方)へも僅かに下り傾斜を有している。一方、中段ステージ82の両側端部では、側壁82aが両側端へ近づくにつれて手前側へ湾曲するようにして成形されている。このため遊技球は、中段ステージ82の両側端に近づくと、湾曲した側壁82aに沿って手前側へ案内され、放出傾斜面81cを介して手前側の球誘導部材70上へこぼれ落ちる。
手前側の球誘導部材70(第2の球誘導部材)には、その上面に下段ステージ84(下段球転動部)が形成されているほか、その両端部には、それぞれ中段ステージ82の側壁82aに連なる案内壁84aが形成されている。これら案内壁84aは、側壁82aとは反対に下段ステージ84の両側方から前面側へ回り込むようにして湾曲して成形されている。このため、上記のように中段ステージ82の側壁82aに案内されて手前側へこぼれ落ちた遊技球は、今度は案内壁84aに沿ってUターンするようにして案内される。
下段ステージ84は、上面が波打つようにして成形されており、その中央部分がわずかに盛り上がっているほか、中央部分から左右の部分が緩やかなカーブを描くようにして窪んでいる。また、中央部分とその左右の部分には、それぞれ窪み部84b,84cが形成されており、このうち中央部分の窪み部84bは奥側へ向けて下り傾斜を有し、その左右の部分の窪み部84cは、反対に手前側へ向けて下り傾斜を有する。
図9に示されているように、上記の放出通路72dは下段ステージ84の後方を下り、そして下段ステージ84よりも下方の位置から前方へ屈曲されて緩やかに傾斜している。放出通路72dは前部ユニット42aの内部にまで通じ、そして上記の放出口72eにて前面側へ開放している。
したがって、下段ステージ84上に転動してきた遊技球のうち、左右の部分の窪み部84cを通り過ぎて中央部分の窪み部84bまで到達し、そして窪み部84b(第1の誘導経路)から放出通路72dに入り込んだ遊技球は、上記のように放出口72eから真下方向へ放出されるため、比較的高い確率で上始動口52に入賞する態様で誘導される(図7,図9)。
これに対し、左右の部分の窪み部84c(第2の誘導経路)は、遊技球を下段ステージ84から前部ユニット42aの下縁部に送出するための誘導経路となっている。このため、下段ステージ84上に転動してきた遊技球のうち、その中央部分まで到達する勢いがなかったか、もしくは中央部分まで到達する勢いはあったが、窪み部84bを通り過ぎて左右いずれかに下ってしまった遊技球は、左右の部分の窪み部84c内に入り込み、ここから手前側にこぼれ落ちる。なお、窪み部84c内に入り込んだ遊技球のなかには、ここで僅かに左右に揺れ動くようにして転動するものもある。いずれにしても、窪み部84c内に入り込んだ遊技球は、やがてその傾斜に沿って手前側へ誘導され、前部ユニット42aの下縁部の上面を介して下方の遊技領域12に送出されることとなる。
前部ユニット42aの下縁部は、その中央の部分が低くなった谷形状に形成されている。また、この中央の部分(放出口72eより上方の部分)は手前側へ僅かに傾斜しており、さらには遊技球が左右方向に転動できるだけの幅を有している。したがって、下段ステージ84の窪み部84cから前部ユニット42aの下縁部へ移動した遊技球は、その中央の部分に集められ、ここで左右方向に転動しながらその位置を変え、やがて下方にこぼれ落ちる。この場合、遊技球は左右方向でみるといろいろな位置から落下するので、比較的低い確率でしか上始動口52に入賞しない態様で誘導される(図8,図9)。
以上が下段ステージ84、つまり、手前側の球誘導部材70による2通りの誘導態様であるが、遊技球が放出通路72dを通る態様で誘導される割合は、下段ステージ84の曲面形状や窪み部84b,84cの面形状によって変わってくる。例えば、中央部分の窪み部84bが周囲の下段ステージ84の上面から極端に大きく落ちくぼんでいれば、それだけ遊技球が窪み部84bに入りやすくなり、その結果、遊技球が放出通路72dを通る態様で誘導される割合が相対的に高くなる。反対に、中央部分の窪み部84bが周囲の下段ステージ84の上面と比較してそれほど落ちくぼんでいなければ、それだけ遊技球が窪み部84bに入りにくくなり、その結果、遊技球が放出通路72dを通る態様で誘導される割合が相対的に低くなる(その他の各種要因も考えられるが、ここでは割愛する)。
上記のような遊技球が放出通路72dを通る態様で誘導される割合は、パチンコ機1の開発過程で行われる球誘導部材70の性能評価に関係してくる。すなわち、パチンコ機1の開発過程では、試作段階で制作されたパチンコ機1について遊技球の試射による性能試験が行われており、この中で球誘導部材70の性能(放出通路72dへの誘導割合)が検証される。そして、性能評価の結果、見直しが必要であれば球誘導部材70の具体的な形状を変更して改めて試射を行い、性能評価を繰り返すといった作業が日常的に行われている。あるいは、曲面形状の異なる複数の球誘導部材70を1つずつ順番に付け替えて試射を行い、個々の球誘導性能を比較・検討するといった性能評価も行われる。このような性能評価に際して、本実施形態では球誘導部材70の着脱作業に関する有利な構造を採用しており、以下にその具体的な内容を説明する。
図10は、パチンコ機1の組み立て後における球誘導部材70の着脱の態様を具体的に示している。なお、ここでいう「組み立て後」は、パチンコ機1が作動できる状態、つまり遊技球を発射して遊技を行ったり、賞球を払い出したり、演出動作を行ったりできる状態に組み立てられた後を意味する。したがって、ここでは上記の前部ユニット42aおよび後部ユニット42bは既に遊技板4aに取り付け済みであり、また、遊技盤4には必要な構成要素が全て取り付けられた状態で遊技盤装着枠9に装着されている。
図10に示されているように、パチンコ機1が組み立てられた後であっても、その前面枠5を開放することで、演出装置42の前部ユニット42aだけを遊技板4aから取り外すことが可能である。すなわち、前部ユニット42aは、そのフランジ部42nを介して遊技板4aに複数箇所でねじ留めされていることから、これらねじを緩めて抜き取れば、あとは前部ユニット42aを手前側へ引っ張るだけで、これを容易に遊技板4aから離脱させることができる。なお、図10では本体枠3までもが外枠2から前面側へ開かれた状態で示されているが、ここでは本体枠3を開放することが必須ではない。したがって、以下の説明では前面枠5だけが開放されている場合にも該当するものとする。
前部ユニット42aが取り外されると、それまで前部ユニット42aが嵌め込まれていた貫通穴4bが前面側に露出する。そして、このとき貫通穴4bの下側部分には、球誘導部材70の着脱空間86が形成(開通)された状態で存在することとなる。この着脱空間86は、手前側の球誘導部材70を後部ユニット42bに対して遊技板4aの前面側から着脱するための作業経路・空間としての位置付けであり、前面側からみて球誘導部材70の外形寸法とほとんど同じか、それより大きい投影面積を有する経路・空間として規定される。
したがって、通常の完成状態で前部ユニット42aが遊技板4aに装着されていると、球誘導部材70の前面側の一部(係合片68a,68b、ねじ孔70b,70cを含む部分)は前部ユニット42aの下縁部によって遮蔽されているため、この状態で着脱空間86は形成されていない(閉鎖されている)ことになる。
一方、図10に示されているように、前面枠5を開放した状態でさらに遊技板4aから前部ユニット42aが取り外されると、着脱空間86が形成(開通)された状態となる。この状態で、パチンコ機1の開発者・設計者は既存の球誘導部材70を取り外し、そして新たに用意した別の球誘導部材70に付け替える作業を行うことができる。このとき開発者・設計者は、先ず着脱空間86を通じて前面側に露出されたねじの頭に工具を突き立て、そのまま工具を回してねじを緩めることで2箇所の締結を解除することができる。そして開発者・設計者が着脱空間86を通じて球誘導部材70を手前側へ引っ張れば、その係合孔部70aと後部ユニット42bの係合片68a,68bとの嵌め合わせが外れるので、その後は容易に球誘導部材70だけを取り外すことができる。なお、このとき奥側の球誘導部材72の締結も一緒に解除されているが、奥側の球誘導部材72はその係合孔部72aを係合片68a,68bに嵌め合わせた状態にあるので、手前側の球誘導部材70と一緒に奥側の球誘導部材72が脱落してしまうことはない。
上記のようにして既存の球誘導部材70が取り外されると、後部ユニット42bには奥側の球誘導部材72が残された状態となる。次に設計者・開発者は、交換品として用意された別の球誘導部材70を着脱空間86内に位置付け、そして、左右の係合孔部70aを後部ユニット42bの係合片68a,68bに嵌め合わせるようにして球誘導部材70を押し込んでいく。係合孔部70a,70bが係合片68a,68bに正確に嵌め合わせられていれば、後はそのまま球誘導部材70を押し込んでいくだけで球誘導部材70が後部ユニット42bに対して正確に位置決めされる。これにより、奥側の球誘導部材72に対して手前側の球誘導部材70が重ね合わせられるようにして位置付けられる。そして開発者・設計者は、着脱空間86を通じて球誘導部材70,72をともにねじ留めし、後部ユニット42bへの取り付けを完了する。
このようにして球誘導部材70の付け替えが終わると、開発者・設計者は図10に示される状態から前部ユニット42aを元通りに遊技板4aに装着し、後は前面枠5を閉じるだけでパチンコ機1の試射による性能試験を行うことができる。
パチンコ機1の開発過程では1作業日あたりに高頻度で球誘導部材70を付け替えし、性能評価を行うことが繰り返し行われているが、本実施形態では、このような性能評価の結果に応じて球誘導部材70の具体的な形状を変更しながら試行錯誤を繰り返していくような場合においても、作業性を大幅に向上することで、パチンコ機1の開発工数を大幅に削減することができる。
その一方で、通常、パチンコ機1の組み立て状態では、前部ユニット42aによって着脱空間86が形成されていない(閉鎖されている)ため、球誘導部材70が不用意に脱落してしまうことはない。したがって、長期間にわたる性能試験や実際の遊技場での稼働に充分に耐えることができるので、パチンコ機1の信頼性や耐久性、品質向上等に大きく寄与できる。
また、前部ユニット42aの取付状態では、球誘導部材70を固定するねじ等の固定部材(締結具)が前面側からは視認されないので、遊技者からは球誘導部材70が着脱可能であることが意識されなくなる。このため、パチンコ機1の構造に何らかの改変を加えることを意図した不正遊技者がいたとしても、球誘導部材70を別のもの(極端に上始動口52に入賞する割合を高く改造した不正パーツ)に入れ替えようとする発想にまでは至らず、不正行為を未然に防止できるという効果を奏する。
本実施形態では、球誘導部材70を固定するねじ等の固定部材(締結具)が前部ユニット42aの装飾体43cによって覆い隠されているため、演出装置42の外観を損なうことがない。
図11は、パチンコ機1の動作を制御するための構成を概略的に示している。パチンコ機1の制御は、大きく分けて主基板のグループと周辺基板のグループとで分担されており、このうち主基板のグループが遊技動作(入賞検出や当り判定、特別図柄表示、賞球払出等)を制御しており、周辺基板のグループが演出動作(発光装飾や音響出力、液晶表示等)を制御している。これら基板類は、いずれもパチンコ機1の背面側に設置されており、通常、本体枠3の施錠を解除した上で本体枠3を開放しない限り前面側から視認されたり、操作されたりすることはない。この他にも、パチンコ機1には電源基板や発射制御基板、インタフェース基板(CR機の場合)等が装備されているが、いずれも公知のものを適用できるため、ここでは図示とともに詳細な説明を省略する。
主基板グループは、主基板101と払出基板105とから構成されている。主基板101は、中央演算装置としてのCPU102をはじめ、読み出し専用メモリとしてのROM103や読み書き可能メモリとしてのRAM104等を備えている。このうちCPU102は、ROM103に格納されている遊技制御プログラムを実行し、この実行に伴いパチンコ機1で行われる各種遊技を制御する。またCPU102は、周辺基板グループや払出基板105に送信するコマンド(演出コマンド、払出コマンド等)を作成する。また、RAM104には、主基板101で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。
なお、主基板101には、ゲートスイッチ174a、始動口スイッチ170a,170b、カウントスイッチ175a、一般入賞口スイッチ113a等が接続されており、主基板101には、これらスイッチ類から検出信号が入力される。具体的には、ゲートスイッチ174aは遊技領域12内のゲート58に対応して設置されており、遊技球が流下する過程でゲート58を通過すると、その通過がゲートスイッチ174aにより検出され、そして検出信号が主基板101に入力される。また、始動口スイッチ170aは上始動口52に対応して設置されており、また始動口スイッチ170bは、下始動口54に対応して設置されている。したがって、遊技球が上始動口52または下始動口54に入賞すると、対応する始動口スイッチ170a,170bから主基板101に検出信号が入力される。またカウントスイッチ175aは大入賞口62に対応して設置されており、大当り遊技中に大入賞口62に遊技球が入賞すると、カウントスイッチ175aから主基板101に検出信号が入力される。そして、一般入賞口スイッチ113aは一般入賞口66に対応して配置されており、遊技球が一般入賞口66に入賞すると、一般入賞口スイッチ113aから主基板101に検出信号が入力される。
そして、CPU102は、これら入力された検出信号に応じた処理を実行する。すなわちCPU102は、入力された検出信号に基づいてソレノイド171a,176a、特別図柄表示器141、普通図柄表示器144、特図始動記憶ランプ147(発光体)、普図始動記憶LED148、状態表示LED145、大当り種類表示LED146等に対し、それぞれの駆動信号を出力する。さらにCPU102は、入賞に応じた遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを払出基板105に対して出力する。
なお、上記の特図始動記憶ランプ147は、前部ユニット42aの発光領域48aを発光させるための発光体(LED)であるが、この特図始動記憶ランプ147は基板とともに後部ユニット42bに取り付けられている。このため本実施形態では、特図始動記憶ランプ147の電気配線や基板類が前部ユニット42aには全く取り付けられていない。
払出基板105もまた、中央演算装置としての払出CPU106をはじめ読み出し専用メモリとしての払出ROM107や読み書き可能メモリとしての払出RAM108等を備えている。なお、上述した始動口スイッチ170a,170bやカウントスイッチ175a、一般入賞口スイッチ113a等により遊技球の入賞が検出されると、各スイッチから検出信号が主基板101に入力される。そして主基板101では、入力された検出信号に基づいてCPU102から払出基板105に対して規定個数の遊技球の払い出しを指示する払出コマンドが送信される。そして、払出基板105は、主基板101から受けとった払出コマンドを処理し、規定個数分の遊技球の払い出しを実行するべく払出装置109(払出モータ)に対して駆動信号を出力する。この結果、実際に払出装置109によって規定個数分の遊技球の払い出しが行われる。
また払出基板105には、発射モータを備えた発射装置135が接続されており、発射装置135は、発射モータの動力を用いて遊技球を遊技領域12に向けて発射する動作を行うことができる。遊技者が操作ハンドル18を操作(捻り操作)すると、発射装置135の発射モータが駆動され、これにより遊技球が打ち出される。
図11には示されてないが、発射装置135には、遊技者の身体が操作ハンドル18に触れていることを検知するためのタッチセンサが内蔵されている。発射装置135は、遊技者が操作ハンドル18に触れていることが検知されている場合に発射モータを駆動可能な状態となる。そして、この状態で操作ハンドル18が初期の位置から時計回り方向に捻り操作されると、発射装置135は実際に発射モータを駆動して遊技球を発射する。
あるいは、下皿17が満タン、つまり、払い出された遊技球で下皿17が満杯になったことを検出する下皿満タンスイッチを設け、この下皿満タンスイッチからの検出信号が入力されたときに操作ハンドル18の操作を受付不能な状態とする制御を行い、これにより発射装置135による発射モータの駆動を不可能な状態にすることもできる。すなわち、払出装置109から払い出された遊技球はひとまず上皿28に貯留されるが、上皿28に貯留しきれない数の遊技球が払い出された場合には、その貯留しきれない分の遊技球は上皿28と連通した下皿17に貯留される。この状態でさらに払出装置109により遊技球が払い出され、いよいよ下皿17が満タンになると、上記の下皿満タンスイッチから検出信号が出力されるので、これにより操作ハンドル18の操作が受付不能な状態に制御される。またこの場合、下皿満タンスイッチからの検出信号が出力されなくなると、操作ハンドル18の操作を受付可能な状態に復帰する制御が行われる構成としてもよい。
周辺基板グループは、サブ統合基板111やランプ駆動基板119、役物制御基板115、表示制御基板120等から構成されている。このうちサブ統合基板111は、統合CPU112をはじめ統合ROM113、統合RAM114を備えている。また、サブ統合基板111は、音出力に関する制御を行う音源IC128を備えるほか、音出力に関する読み出し専用メモリとしての音ROM127をも備えている。統合CPU112は、統合ROM113に格納されている演出制御プログラムを実行することにより主基板101から受信された演出コマンドに基づく処理を実行する。また、統合RAM114には、サブ統合基板111で実行される種々の処理において生成される各種データや入出力信号、主基板101から受信された演出コマンド等の情報が一時的に記憶される。そして、統合CPU112は、RAM114に記憶されている演出コマンドを読み出すと、この読み出した演出コマンドに基づいて表示制御基板120に対して表示コマンドを送信したり、ランプ駆動基板119にランプ点灯信号やソレノイド駆動信号を送信したり、あるいは、枠ランプ27に駆動信号を出力したりする。またサブ統合基板111は、音源IC128によって演出コマンドに基づく音出力態様を音ROM127から読み出し、この読み出した音出力態様に応じた駆動信号を上部スピーカ29および下部スピーカ14に出力する。また、統合CPU112には、操作ボタン18aの操作に応じて操作信号が入力される。
ランプ駆動基板119は、サブ統合基板111から受信したランプ点灯信号を遊技盤ランプに送信し、また、サブ統合基板111から受信したソレノイド駆動信号をソレノイドに送信する。遊技盤ランプおよびソレノイドは、演出装置42に装備されているものであり、このうち遊技盤ランプは演出装置42において発光演出に用いられ、またソレノイドは、可動装飾体44a,44b,44cの駆動に用いられる。なお、ランプ駆動基板119は、サブ統合基板111から送信されるランプ点灯信号を各ランプ(LED)別に振り分けて遊技盤ランプに受け渡すほか、サブ統合基板111から送信されるソレノイド駆動信号をソレノイドにそのまま受け渡すものであり、実質的な遊技盤ランプおよびソレノイドの制御はサブ統合基板111が行っている。以下、ランプ駆動基板119を省略して説明する場合がある。
表示制御基板120は、中央演算装置としての表示CPU121を備えるほか、読み出し専用メモリとしての表示ROM122や読み書き可能メモリとしての表示RAM123を備えている。このうち表示CPU121は、サブ統合基板111からの表示コマンドに基づいて液晶表示装置50を制御する。
次に、上述した各種の構成部材や装置等が設けられた遊技盤4にて実現される遊技について説明する。先ず、遊技者が操作ハンドル18を捻り操作することにより、パチンコ機1の裏面側に設けられた発射装置135によって遊技球が打ち出される。発射装置135から打ち出された遊技球は、発射レール15および案内レール11に沿って上昇すると遊技領域12の上部に放出され、この後は遊技領域12内を障害釘等に衝突しながら流下する。
遊技領域12を流下する遊技球がゲート58を通過すると、ゲートスイッチ174aによって遊技球の通過が検出され、この検出信号に基づいて普通図柄表示器144(表示領域64c)では普通図柄の変動表示(LEDが緑色と赤色とで交互に点灯する表示態様)が開始される。
すなわちゲートスイッチ174aにより遊技球が検出されると、主基板101のCPU102は所定範囲の普通図柄当り判定乱数を更新するカウンタから普通図柄当り判定乱数を抽出する。そしてCPU102は、普通図柄表示器144による普通図柄の変動開始時に普通図柄当り判定乱数に基づいて当りとするか否かの判定を行い、この判定結果に応じた態様(本実施形態では、当りであれば赤色の点灯表示、はずれであれば緑色の点灯表示)で最終的に普通図柄を停止表示させる。
また、普通図柄表示器144において普通図柄の変動表示中に遊技球がゲート58を通過すると、CPU102にて抽出された普通図柄当り判定乱数は、所定個数(本実施形態では4個)までRAM104に記憶される。このとき、記憶された普通図柄当り判定乱数の個数は普図始動記憶LED148(発光領域64e)の点灯態様によって表示される。具体的には、ゲート58の通過が有効である間(普通図柄の始動記憶数が4未満のとき)にゲートスイッチ174aにより遊技球の通過が検出されると、その都度、普図始動記憶LED148の点灯態様を切り替える。
本実施形態では、例えば普図始動記憶数が1である場合に下側の普図始動記憶LED148(発光領域64e)が1つだけ点灯し、次に普図始動記憶数が2に増えると、下側に加えて上側の普図始動記憶LED148(発光領域64e)がともに点灯する(2つ点灯する態様)。さらに普図始動記憶数が3に増えると、それまで単純点灯していた上側の普図始動記憶LED148が点滅状態に切り替わり、下側の普図始動記憶LED148は単純点灯状態のままとなる。そして、普図始動記憶数が最大の4に達すると、2つの普図始動記憶LED148がともに点滅状態になる。反対に、普通図柄表示器144にて普通図柄の変動表示が開始されると、その都度、普図始動記憶数が1つずつ減っていくので、この場合は上記と逆の態様により普図始動記憶LED148が点灯・点滅することになる。
本実施形態では、普通図柄の変動開始時にCPU102において普通図柄当り判定乱数に基づいて当りとする判定がなされた場合には、所定期間経過後に普通図柄表示器144(発光領域64c)が赤色に点灯した状態で停止表示される。そしてこの後、ソレノイド171aを作動状態(通電状態)に切り替えることで左右の開閉部材56aを拡開させ、入球装置56を所定期間(例えば0.5秒間)にわたり開放状態にする制御が行われる。これにより、下始動口54への入賞が可能な状態となる。またこの後、所定期間が経過するとソレノイド171aを非作動状態(非通電状態)に戻すことで開閉部材56aを初期位置に復帰させ、入球装置56を閉塞状態に戻す制御が行われる。
これに対し、普通図柄の変動開始時にCPU102において普通図柄当り判定乱数に基づいてはずれとする判定がなされた場合、所定期間経過後に普通図柄表示器144(発光領域64c)が緑色に点灯した状態で停止表示されるだけであり、特に入球装置56は開放状態に制御されない。したがって、この場合は依然として下始動口54には入賞できない状態であるが、上始動口52への入賞は引き続き可能となっている。
遊技領域12内を流下する遊技球が上始動口52または下始動口54に入賞すると、始動口スイッチ170aまたは始動口スイッチ170bにより遊技球の入賞が検出される。この場合、特別図柄の変動表示が開始可能な状態(例えば、大当り遊技中でない状態であるか、または特別図柄・装飾図柄の変動表示中でない状態)であれば、特別図柄表示器141(4つの発光領域64a)にて特別図柄の変動表示が開始されるとともに、液晶表示装置50で装飾図柄(例えば数字の「0」〜「9」をデザインしたもの)の変動表示が開始される。本実施形態では、特別図柄が4つの発光領域64aの点灯の組み合わせで表される。また装飾図柄は、液晶表示装置50画面上にて左装飾図柄、中装飾図柄および右装飾図柄の3つが表され、これらはいずれも装飾図柄の列が画面上を一定方向へ順送り(スクロール)されるようにして変動表示される。
特別図柄や装飾図柄の変動表示は所定期間経過後に停止され、その停止時に特別図柄が特定の態様(大当りとなる複数の発光領域64aの点灯の組み合わせ:大当り図柄)で表示されると、これに合わせて装飾図柄の停止図柄(左・中・右の装飾図柄全てが停止した状態)も特定の態様(同一の装飾図柄の組み合わせ:大当り図柄)で表示される。この場合、主基板101のCPU102は「大当り遊技状態」の制御を開始する。なお、変動表示が行われる期間は、大当り判定乱数やその他の乱数に応じて数秒〜数十秒の範囲内で決定される。
大当り遊技状態では、CPU102はソレノイド176aを作動させて大入賞口開閉装置60を開放させる制御を行う。すなわち、ソレノイド176aが作動すると、開閉部材60aがその下縁部を支点としてパチンコ機1の手前方向に倒れ込むようにして回動し、これにより大入賞口62への入賞を可能とする。このような大入賞口開閉装置60の開放制御は、所定時間(例えば、30秒)が経過するか、もしくは所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口62に入賞したことがカウントスイッチ175aにより検出されるかのいずれかの条件が満たされるまで継続して行われる。
上記のいずれかの条件が満たされると、CPU102はソレノイド176aを非作動(非通電)の状態に戻し、それまで手前方向へ倒れていた開閉部材60aを盤面に沿って起立させる。これにより大入賞口62が閉じた状態となり、大入賞口開閉装置60は閉塞状態に制御されることになる。大当り遊技状態において、CPU102は大入賞口開閉装置60を開放状態にしてから閉塞状態に戻すまでを1回の開閉サイクル(以下、これをラウンドともいう)とする制御を繰り返し実行し、この制御を所定回数(15ラウンド)まで繰り返すと、そこで大当り遊技状態を終了させる。このように、大当り遊技状態に移行すると大入賞口62が開放されるので、この開放された大入賞口62に遊技球を入賞させることで、上始動口52や下始動口54、一般入賞口66等に遊技球を入賞させるよりも短時間で多量の遊技球を獲得可能であることから、遊技者の興趣を高めることができる。
また本実施形態では、左・中・右の装飾図柄は、左装飾図柄→右装飾図柄→中装飾図柄の順に停止するように制御される。装飾図柄の停止図柄とは、左・中・右の装飾図柄の変動表示を開始して中装飾図柄が停止表示されることにより左・中・右の装飾図柄全てが停止表示された状態の図柄の組み合わせをいう。
また本実施形態では、特別図柄の停止時に表示される特定の態様には、さらに特別態様(確変大当りとなる複数の発光領域64aの点灯の組み合わせ)があり、停止時の特別図柄が特別態様で表示された場合には、装飾図柄の停止図柄も特別態様(確変大当り図柄:本実施形態では、同一の奇数図柄の組み合わせ)となる。この場合、いわゆる「確変大当り」となり、大当り遊技状態の終了後、次に大当り遊技状態となる確率(当選確率、大当り確率)が高くなる(本実施形態では、確率変動状態では70分の1の確率であり、確率変動状態以外では490分の1の確率である。)。すなわち、停止時の特別図柄が特別態様であった場合は、大当り遊技の終了後に「確率変動状態」という遊技者にさらに有利な状態になる。
この実施の形態では、大当り遊技の終了後に確率変動状態になると、上記大当り確率が高くなることに加えて時短制御が行われる。すなわち、確率変動状態では、特別図柄表示器141(4つの発光領域64a)にて特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄を停止表示するまでの変動時間と、普通図柄表示器144(発光領域64c)にて普通図柄の変動表示を開始してから普通図柄を停止表示するまでの変動時間とを通常状態よりも短縮する制御が行われる。また、あわせて普通図柄表示器144(発光領域64c)における普通図柄の変動表示の結果が「当り」となる確率を高める制御が行われる。さらに、普通図柄の変動表示の結果「当り」となった場合に開閉部材56aの開放時間を通常状態よりも延長する制御(本実施形態では、通常状態で0.5秒間、時短状態および確率変動状態で0.8秒)が行われるとともに、入球装置56の開放回数を通常状態よりも増加させる制御(本実施形態では、通常状態で1回、時短状態および確率変動状態で3回)も行われる。
一方、大当り遊技の終了後に確率変動状態にならない場合、特別図柄の変動表示が実行される回数が所定の回数(本実施形態では100回)に達するまでの間、時短状態が行われる。すなわち、大当り遊技状態の終了後、特別図柄表示器141(4つの発光領域64a)にて特別図柄の変動表示が実行される回数が所定の回数(本実施形態では100回)に達するまでの間、特別図柄の変動時間と普通図柄の変動時間とを通常状態よりも短縮する制御が行われる。また、普通図柄の変動表示の結果「当り」となった場合に開閉部材56aの開放時間を通常状態よりも延長する制御とともに、あわせて開閉部材56aの開放回数を通常状態よりも増加させる制御が実行される。これら時短状態では、特別図柄表示器141にて実行される特別図柄の変動表示の回数が所定の回数に達するまでの間、下始動口54への入賞確率が増加して、一定期間内での特別図柄の変動表示の実行回数を増加させることができる(つまり、大当りの抽選機会が増える)ため、それだけ遊技者にとって有利な状態となる。なお、通常状態とは、上述した確率変動状態または時短状態ではない状態を意味する。
なお本実施形態では、上始動口52に遊技球が入賞し、始動口スイッチ170aによって検出されたときに規定個数として3個の遊技球が払い出され、また、下始動口54に遊技球が入賞し、始動口スイッチ170bによって検出されたときに規定個数として4個の遊技球が払い出される。このように、上始動口52と下始動口54とで払出個数に差を設けることで、以下の効果を奏する。
すなわち、下始動口54は通常、開閉部材56aによって閉塞されており、普通図柄の変動表示の結果が「当り」とならない限り入賞の機会がない構造であるのに対し、上始動口52は、常に上方から遊技球を受け入れ可能な構造であることから、上始動口52への遊技球1個の入賞に対する払出個数が多すぎると、遊技場運営者に比較して遊技者が有利になりすぎる。そうすると、遊技場運営者の不利益解消策として始動口(上始動口52および下始動口54)への入賞が抑制されてしまい、結果的に抽選遊技(大当り遊技状態とするか否かの判定)の期待が減ることで遊技者に不快感を与えてしまいかねない。反対に、上始動口52への入賞に対する払出個数が少なすぎると、それだけ抽選遊技に必要とする遊技球の数が増大してしまい、結果的に過度の投資が必要となって遊技者に不利益を与えてしまうことになる。
一方の下始動口54は、時短状態および確率変動状態においては遊技者に有利な遊技を提供するものであり、開閉部材56aの開放時間と開放回数の延長制御を行うことで、下始動口54への入賞確率を増加させている。しかし、遊技球の入賞に対する払出個数が少なすぎると、発射球の数に対して払い出しの数が少なくなり、結果的に有利な遊技状態であるにも関わらず、遊技球の残数が次第に減っていくことで遊技者に不快感を与えてしまうことになる。これらの事象を考慮し、本実施形態では上始動口52および下始動口54それぞれの払出個数(3,4個)が設定されている。
また、特別図柄表示器141における特別図柄の表示結果と、液晶表示装置50における装飾図柄の表示結果とは対応している。すなわち、特別図柄の変動開始時に大当りとしない判定がなされた場合には、上記の特定の態様とは異なる態様、つまり、はずれの態様によりLED(4つの発光領域64a)を点灯させて特別図柄を停止表示するとともに、液晶表示装置50では、はずれの態様(はずれ図柄:大当り図柄以外の図柄、本実施形態では少なくとも2種類以上の識別情報(図柄)の組み合わせ)により装飾図柄の画像が表示される。
また装飾図柄は、特別図柄とは異なる演出用の図柄であり、特別図柄の変動表示(4つの発光領域64aの点滅)の内容を演出用の装飾図柄の変動表示によって演出的に表現することで、見た目上の演出効果を高めるものである。つまり、特別図柄表示器141のLEDが特定の態様で点灯表示されると大当り遊技状態に移行する制御が行われるが、万が一、液晶表示装置50において装飾図柄の表示結果が特定の態様となったとしても、特別図柄表示器141におけるLEDが特定の態様で点灯表示されていない場合、大当り遊技状態に移行する制御が行われることはない。
また本実施形態では、大当り遊技状態で実行されるラウンド数として「15回」が設定された1種類の大当り遊技状態に制御可能であるが、大当り遊技状態として遊技者に付与される利益が異なる複数種類の大当り遊技状態に制御可能に構成してもよい。例えば、大当り遊技状態にて実行されるラウンド数が異なる複数種類の大当り遊技状態に制御するように構成してもよい。この場合には、大当り判定乱数に基づいて大当りとする判定がなされた後、大当り遊技状態にて実行するラウンド数を決定するようにしてもよいし、大当り判定乱数に基づいて異なるラウンド数が設定された複数種類の大当り遊技状態のうちいずれかに制御するか否かの判定を行うようにしてもよい。
また、本実施形態では、状態表示LED145(発光領域64b)が上述した確率変動状態で赤色に点灯制御され、一方、時短状態では緑色に点灯制御される。そして、時短状態または確率変動状態が終了して通常状態になるか、あるいは大当り遊技状態に移行すると状態表示LED145(発光領域64b)が消灯される。
また本実施形態では、大当り遊技中に上述した大当り種類表示LED146(2つの発光領域64d)が点灯する。具体的には、大当り遊技状態の種類に応じて、大当り種類表示LED146となる上下2つの発光領域64dのいずれか一方か、もしくは両方が点灯する。本実施形態では、1種類の大当り遊技状態にのみ制御可能であるため、大当り種類表示LED146を点灯させる必要はないが、複数種類の大当り遊技状態に制御可能に構成した場合には、複数種類の大当り遊技状態に対応して大当り種類表示LED146を点灯・消灯制御することにより、大当り遊技状態の種類を外部から容易に把握することができる。
例えば、複数種類の大当り遊技状態として、大当り遊技状態にて実行されるラウンド数として「2回」が設定された第1大当り遊技状態と、大当り遊技状態にて実行されるラウンド数として「15回」が設定された第2大当り遊技状態とを実行可能な構成とした場合を想定する。この場合、第1大当り遊技状態の実行中に大当り種類表示LED146の上側の発光領域64dに対応するLEDを点灯させ、第2大当り遊技状態の実行中に下側の発光領域64dに対応するLEDを点灯させる制御を実行するようにしてもよい。このように、本実施形態のパチンコ機1は、複数種類の大当り遊技状態に制御可能な構成にも対応可能であることが理解される。
図12は、演出装置42を単独(遊技板4aから取り外した状態)で示している。図12では、前部ユニット42aと後部ユニット42bとが相互に組み合わせられた状態、つまり、相互に位置決めされた状態で示されており、それゆえ図12では遊技板4aの前後でみた前部ユニット42aと後部ユニット42bとの相対的な位置関係が明らかとなっている。
図12から明らかなように、前部ユニット42aと後部ユニット42bとが相互に位置決めされると、前部ユニット42aは後部ユニット42bの前面側に重なるようにして配置される。概して後部ユニット42bは、前面側からみて前部ユニット42aよりも大きな外形を有しており、それゆえ後部ユニット42bは前部ユニット42aの周囲にはみ出すようにして配置される。ただし、実際には前部ユニット42aと後部ユニット42bとの間に遊技板4aが位置しているため、図12に示される後部ユニット42bの外形が遊技者から視認されることはない。
また図12では、前部ユニット42aの一部(下縁部の左半分と左側縁部の下半分)が破断された状態で示されており、それゆえこの破断箇所では後部ユニット42bの表面が前面側に露出するようにして示されている。
図12中、前部ユニット42aの破断箇所に示されているように、手前側の球誘導部材70にはランプ基板147aが取り付けられており、このランプ基板147aに特図始動記憶ランプ147としてのLED(発光体)が実装されている。ランプ基板147aは放出口72eを挟んで左右両側に1枚ずつ設けられており、各ランプ基板147aに2つずつ特図始動記憶ランプ147(LED)が実装されている。また図12中、前部ユニット42aの下縁部の右半分(破断箇所でない部分)に示されているように、個々の特図始動記憶ランプ147(LED)は、前面側からみて発光領域48の背後に位置付けられている。
図12には示されていないが、各ランプ基板147aの裏面にはコネクタを介してハーネスが接続されており、このハーネスは後部ユニット42bの内部を通って上記のランプ駆動基板119に接続されている。
図13は、特図始動記憶ランプ147から発光領域48につながる導光通路88の構成を詳細に示している。上記のように、特図始動記憶ランプ147(ランプ基板147a)は球誘導部材70、つまり後部ユニット42bに取り付けられていることから、前後方向でみると、特図始動記憶ランプ147(ランプ基板147a)は遊技板4aの背面側で前部ユニット42aよりも奥まったところに位置する。
一方、発光領域48は前部ユニット42aの表面に形成されていることから、発光領域48と特図始動記憶ランプ147との間には一定の間隔(本実施形態では遊技板4aの板厚程度)が存在することになる。このため前部ユニット42aには、発光領域48と特図始動記憶ランプ147との間を埋めるようにして導光部材90が設けられており、さらにこの導光部材90の内部に導光通路88が形成されている。
導光通路88は、導光部材90の内部を前後方向に貫通して延び、その前端および後端がいずれも開放されている。導光通路88の前端は発光領域48の直ぐ背面側に位置し、また後端はランプ基板147aの実装面に対向するようにして位置している。この状態で、特図始動記憶ランプ147は導光通路88の後端から僅かに内部に進入している。このため特図始動記憶ランプ147が発光すると、この光は導光通路88を通じて前面側に導かれ、そして発光領域48を透過して前面側から視認可能となる。
また前部ユニット42aには、導光部材90とともに光拡散部材48aが取り付けられており、この光拡散部材48aの表面に発光領域48が形成されている。このとき、特図始動記憶ランプ147の発する光は光拡散部材48aにより拡散されるので、発光領域48の全体がほぼ均一な輝度で面発光することになる。これにより、遊技者からは数字の「1」〜「4」が点灯したり、消灯したりする様子が視認されることとなる。
導光部材90は、例えば黒色・暗褐色等の暗色系の樹脂材料から成型されており、それゆえ導光通路88の内壁は、比較的高い遮光性を有する。これにより、導光通路88から周囲への光の漏洩が効果的に防止されるので、特図始動記憶ランプ147の発する光によって対応する発光領域48をくっきりと発光させることができる。
なお図13では、1つの発光領域48に通じる導光通路88が示されているが、導光部材90には、4つの発光領域48全てにそれぞれ対応して4つの導光通路88が形成されている。また、互いに隣り合う導光通路88の間は仕切壁90aによって仕切られており、特に本実施形態では、仕切壁90aが複重(2枚)構造となっている。それゆえ、互いに隣り合う2つの発光領域48(例えば記憶数「1」と「2」を表すもの同士、記憶数「3」と「4」を表すもの同士)との間での光漏れが強固に防止されている。
上記のように前部ユニット42aには、特別図柄の始動記憶数を表示するための発光領域48が形成されているにもかかわらず、特段の電気的な部品・配線・基板等が全く装備されておらず、発光動作を行うための電気的な構成要素(LED、基板、コネクタ、ハーネス類)は全て後部ユニット42bに設けられている。このためパチンコ機1の製造工程(特に遊技盤4の組み立て工程)では、前部ユニット42aを遊技板4aに組み付ける際、前部ユニット42aに対して電気的な構成要素を取り付ける作業を行う必要がないことから、それだけ作業工数を低減し、パチンコ機1の製造効率を大幅に向上することができる。
また本実施形態では前部ユニット42aに電気的な構成要素(LED、基板、コネクタ、ハーネス類)が設けられていないことから、パチンコ機1の組み立て後においても、前部ユニット42aのねじ留めを外すだけでこれを容易に取り外すことができる。したがって、パチンコ機1の組み立て後における球誘導部材70の交換作業に際して、前部ユニット42aを着脱する度にその電気的な配線作業を一々やり直す必要がないことから、球誘導部材70の交換作業を迅速かつ容易に行うことができる。
さらに本実施形態では、パチンコ機1の組み立て後に球誘導部材70の取り替え作業を行う場合、前面枠5を開放し、演出装置42の前部ユニット42aを取り外すだけでよいので、いちいち遊技盤4を遊技盤装着枠9から取り外し、さらにその背面側の制御基板ボックスや後部ユニット42bをも遊技板4aから取り外すような手間が必要なくなる。特に本実施形態では、後部ユニット42bの外形が貫通穴4bの開口面積よりも大きく、後部ユニット42bそのものを遊技板4aの前面側から着脱することができない構造であるが、前面側から貫通穴4bを通じて球誘導部材70の着脱作業を行うことができるところに多大な有用性がある。
球誘導部材70,72による遊技球の誘導態様については既に説明したが、本実施形態では、奥側の球誘導部材72(第1の球誘導部材)に形成された上段ステージ80および中段ステージ82の機能に特徴を有する。以下、上段ステージ80および中段ステージ82の特徴について説明する。
図14は、上段ステージ80および中段ステージ82での遊技球の転動経路を示している。本実施形態の場合、ワープ通路(78b)および放出口78cが上段ステージ80の左側にしか設けられていないため、上段ステージ80への遊技球のアプローチは左側からしか行われないが、遊技球が上段ステージ80から中段ステージ82に乗り移ると、ここで転動方向が左右の二手に分かれるようにして振り分けられる。したがって、最終的に下段ステージ84へのアプローチは左右の両側から行われることになる。
これにより下段ステージ84では、中段ステージ82を右方向へ下って、その終端でUターンしてきた遊技球が勢いよく右側から進入してくる態様と、反対に、中段ステージ82を左方向へ下って、終端でUターンしてきた遊技球が勢いよく左側から進入してくる態様の両方が実現されることになる。この結果、下段ステージ84では中央の放出通路72dに対して左右いずれの方向からも遊技球が進入できる転動態様が実現されるため、前部ユニット42aの左側縁部にしかワープ通路(78a,78b)が形成されていないにもかかわらず転動態様がワンパターンにならず、多様な転動態様による面白みを持たせることができる。
上記のように本実施形態では、左側から上段ステージ80に流入してきた遊技球の転動経路を中段ステージ82にて左右方向に振り分け、下段ステージ84に対する2通りのアプローチを設けることで多様な転動態様を実現するところに特徴がある。このため、上段ステージ80上で遊技球を左右方向に長々と転動させる必要はなく、できるだけ速やかに遊技球を中段ステージ82へ移行させることが望ましい。このため本実施形態では、上段ステージ80から中段ステージ82への遊技球のスムーズな移行を実現するための工夫が凝らされている。
先ず奥側の球誘導部材72には、上段ステージ80に沿って遊技球の転動を案内するガイドリブ72f,72gが形成されており、これらガイドリブ72f,72gは上段ステージ80の上面からわずかに上方に突出している。このうち、前面側からみて奥側のガイドリブ72fは上段ステージ80の全長とほぼ同じ長さを有しているが、手前側のガイドリブ72gは中央の窪み部80aにて部分的に途切れている。
そして上記のガイドリブ72fには、部分的に上段ステージ80の通路幅を絞り込むようにして前方に突出した部分が形成されており、この突出部分が制動部80bとして機能するものとなっている。なお制動部80bは、中央の窪み部80aから左右に等間隔を存して1つずつ配置されている。すなわち、放出口78cから上段ステージ80に流入してきた遊技球は、その中央に向けて傾斜を下りながら転動する過程で、先ず左側の制動部80bに衝突し、その勢いを落とされる。ここで勢いを落とされた遊技球には、中央の窪み部80aを通り越してわずかに右側の上り傾斜に差し掛かったあたりで失速し、そのまま左方向へ引き返してしまうものもあれば、ある程度の勢いを保ったまま右側の傾斜を駆け上がり、そして右側の制動部80bに衝突するものもある。さらに右側の制動部80bに衝突した遊技球には、これを通り越して上段ステージ80の右端に向かって転動するものもあれば、制動部80bに跳ね返されて左側へ下っていくものもある。
いずれにしても、上段ステージ80に流入した遊技球は、その転動過程で制動部80bに衝突することで制動力を与えられ、比較的早期に中央の窪み部80aに集まり、そして中央の窪み部80aから中段ステージ82へスムーズに移行することとなる。このため本実施形態では、上段ステージ80上で遊技球がいつまでも左右方向に揺れ動き、なかなか中段ステージ82に移行しないといった転動ロスが生じることはない。
次に、球誘導部材72の内側に設けられている内部装飾体74について説明する。図15は、内部装飾体74とその配置を具体的に示している。図5では、内部装飾体74の形態が簡略化された状態で示されているが、図15中(a)に示されているように、実際の内部装飾体74には、全体として「草むら」をイメージしたデザインが施されており、その「草むら」の中に原始人であるキャラクタと、原始哺乳動物である「サーベルタイガー」のキャラクタを模したキャラクタ装飾部74b,74cが一体的に形成されている。
上記の創作的ストーリーの中で、「マンモス」や「サーベルタイガー」は猛獣としての位置付けがなされており、原始人にとっては狩りの獲物であると同時に、日常的にその存在が恐れられている。このようなストーリー上の背景から、キャラクタ装飾部74b,74cは、「草むら」の中で獲物を探していた原始人(主人公の父親)が偶然に「サーベルタイガー」と鉢合わせし、一気に緊張感が高まっている情景を描写したものとなっている。なお内部装飾体74は、「草むら」のイメージに合致するべく全体として緑色で光透過性の樹脂材料から成形されているが、キャラクタ装飾部74b,74cには、それぞれに固有の肌色、体毛色等が付されている。
本実施形態では、球誘導部材70,72が透明材料から成形されており、それゆえ図15中(b)に示されているように、球誘導部材72の内側に内部装飾体74が設置された状態で、前面側から内部装飾体74を透視することができるものとなっている。なお、図15(b)では手前側の球誘導部材70が省略されているが、手前側の球誘導部材70も透明材料から成形されているため、手前側の球誘導部材70が取り付けられた状態で内部装飾体74の視認性が損なわれることはない。
このように、球誘導部材70,72を透明材料から成形し、その奥の位置に内部装飾体74が配置されている態様であれば、球誘導部材70,72を着色材料で成形した場合よりも装飾性を高めることができるという利点がある。しかもこの場合、たとえ内部装飾体74の表面に凹凸形状からなる造形が施されていたとしても、内部装飾体74に対して直接的に遊技球が接触することがないため、遊技球の転動態様に悪影響を及ぼすことがないという2重のメリットが生じる。
次に図16は、奥側の球誘導部材72に施された装飾領域と内部装飾体74との位置関係を示している。図16中、ハッチングが施された部分は球誘導部材72に形成された装飾領域(参照符号A)を示し、この装飾領域A内には、球誘導部材72の透明材料を部分的に磨りガラス状とする表面処理層が形成されている。このような表面処理層は、例えば球誘導部材72の表面(本実施形態では前面側からみて内表面である)に微細な凹凸を付することで形成することができる。あるいは、装飾領域の形状に合わせて切り出された磨りガラス状の半透明シートを球誘導部材72の表面(内表面)に貼着してもよい。
図16中(a)から明らかなように、装飾領域Aには全体として「草むら」が波立つようなイメージの輪郭線が与えられている。そして図16中(b)に示されているように、このような装飾領域Aは内部装飾体74の前面側に位置付けられているため、遊技者の視点からは、手前側の装飾領域Aの模様と内部装飾体74の造形とが前後に距離を置いて重なり合うようにして視認される。このため遊技者が球誘導部材72を透過して内部装飾体74を視認すると、そこに立体的な奥行きを感じることになる。
さらに本実施形態では、上記のように内部装飾体74が光透過性を有するため、その背後から光を照射して内部装飾体74を装飾的に発光させることが可能となっている。このとき装飾領域Aは、内部装飾体74を透過した光を拡散させることで自身の模様(波立つ形状)をくっきりと際立たせることができるので、遊技者に視覚的な変化をもたらしつつ、発光による装飾性を高めることができる。
また装飾領域Aは、前面側からみて中段ステージ82の後方に位置する壁部と、下段ステージ84(2点鎖線)の後方に位置する壁部に配置されている。つまり装飾領域Aは、中段ステージ82および下段ステージ84でそれぞれ規定される遊技球の転動経路に沿う位置に形成されている。一方、パチンコ機1の使用に伴い遊技球が繰り返し球誘導部材70,72(中段ステージ82、下段ステージ84)にて転動すると、球誘導部材72の外表面には遊技球の接触による摩耗痕が生じてくると考えられる。特に本実施形態では、球誘導部材72が透明樹脂材料から成型されているため、その外表面に摩耗痕(または擦過痕)が生じると、その部分で材料の透明性が失われやすい傾向にある。
しかしながら本実施形態では、ちょうど摩耗痕の生じやすい位置(転動経路に沿う位置)にもともと磨りガラス状の装飾領域Aが形成されているため、球誘導部材72の外表面に摩耗痕が生じたとしても、その存在が目立ちにくくなる。一方、装飾領域Aは新品の状態から磨りガラス状の装飾模様として存在しているため、球誘導部材72の外表面に擦過痕が生じたとしても、装飾領域Aそのものの見栄えが極端に劣化するわけではない。したがって本実施形態では、長期間にわたって球誘導部材72の外観上の品質が低下しにくいだけでなく、装飾性を長期間にわたって維持することができるという利点がある。
本実施形態では、演出装置42の大型化に伴い、遊技領域12から遊技球を流入させるワープ通路(78a,78b)を左側にしか設けていないにもかかわらず、放出通路72に通じる下段ステージ84での遊技球の転動態様を多様化することができ、それによって遊技の面白さを大きく向上させることができる。逆に、左側(または右側)に1つのワープ通路(78a,78b)を設けるだけでも遊技球の転動態様の面白さを充分に確保できることから、左右両側にワープ通路を確保することにとらわれることなく、自由に演出装置42の大型化を図ったり、形状を決める際の自由度を高めたりできるという利点がある。したがって、演出装置42による演出の多様化を大幅に向上することができ、遊技者の視覚に訴える興趣を大きく高めることができる。
また、球誘導部材72の奥に内部装飾体74を配置することで装飾性を高めるとともに、その外観上の品質劣化を長期間にわたって抑えることができる。
また本実施形態では、上記のように後部ユニット42bに対して内部装飾体74が着脱可能な構成となっている。その一方で、内部装飾体74は演出装置42内でも比較的大きく目を引く存在であることから、同型のパチンコ機1であっても、内部装飾体74の造形・デザインが違っていると、外観上は別タイプのパチンコ機1として認識されやすい。このため、前部ユニット42aや後部ユニット42bの大部分を共通パーツとしつつ、内部装飾体74に様々なデザインのバリエーションを設定することで、同系列のシリーズ機(例えば、大当り確率、確変突入率、確変転落確率、賞球数等の仕様が異なるもの)を容易に市場に供給することができる。
次に、演出装置42の配置・構造による視覚的な効果について説明する。図17は、遊技盤4の上側部分を示し、この図17では、遊技板4aから前部ユニット42aが取り外された状態で示されている。このため図17では、遊技板4aの貫通穴4bと後部ユニット42bとの大小関係がより明らかとなっている。
上記のように、後部ユニット42bは遊技板4aの背面側において貫通穴4bの開口面積よりも大きい範囲に拡がって配置されている。このため前部ユニット42aが遊技板4aから取り外された状態であっても、真正面からみて貫通穴4bの奥に後部ユニット42bの全体を視認することはできないものとなっている。
また既に説明したように、後部ユニット42bの構成要素のうち装飾体42aや可動装飾体44a〜44c、固定装飾体45a〜45cは真正面からみて貫通穴4b内に位置付けられている。これに対し、これらの背後に敷設されている装飾部材46は、その大部分が貫通穴4bの内側に位置しているが、図17中に破線で示されているように、残りの部分は貫通穴4bの外側にまで拡がっており、この部分は真正面からみた場合に遊技板4aの背後に隠れている。なお、図17では装飾部材を表す参照符号「46」が1本の引出線を伴って1箇所(左側縁部)にだけ示されているが、本実施形態でいう「装飾部材46」は、後部ユニット42bの左側縁部から上縁部および右側縁部までの広範囲に拡がって敷設された部材を意味する。
次に図18は、遊技板4aに対する演出装置42の取り付けを具体的に示している。演出装置42の前部ユニット42aは、そのフランジ部42nが貫通穴4bの周囲に張り出すとともに、後半分の部位42rが貫通穴4b内に嵌め込まれることで、貫通穴4bの周縁部を装飾している。
一方の後部ユニット42bは、上記のように貫通穴4bの開口面積よりも広い範囲に拡がって配置されている。そして図18に示されているように、装飾部材46は遊技板4aの後方にて、上下方向でみた貫通穴4bの開口範囲Pよりも上方に位置する外側領域Sにまで拡がって配置されていることが理解される。なお、図18では上下方向でみた貫通穴4bの開口範囲のみが示されているが、左右方向についても貫通穴4bの開口範囲と後部ユニット42bおよび装飾部材46の位置関係は同様である。すなわち装飾部材46は、遊技板4aの後方にて、左右方向でみた貫通穴4bの開口範囲よりも側方に位置する外側領域にまで拡がって配置されている。
また本実施形態では、後部ユニット42bに遊技盤ランプとして多数のLED92が配置されており、これらLED92は装飾部材46の背後に設置されている。装飾部材46は光透過性の材料から成型されており、それゆえLED92が発光すると、その光を前方へ透過させて発光動作を行うことができるものとなっている。
ここで図18に示されているように、前部ユニット42aそのものは遊技板4aの背面に密着するようにして取り付けられているが、後部ユニット42bにおいて、遊技板4aの背面と装飾部材46の表面との間には、ある程度の間隙Hが確保されている。このため装飾部材46のうち、外側領域Sに位置する部分は遊技板4aの背面に接しているわけではなく、背面から間隙Hだけ後方に位置した状態にあることが理解される。
次に図19および図20は、遊技盤4を左右の斜め下方から見上げた状態で示している。なお、図19,20では遊技盤4が単独で示されているが、実際のパチンコ機1では遊技盤4が本体枠3に支持されていることから、遊技盤4は前面枠5の開口窓30を通じて視認される。
これら図19,20に示されているように、遊技盤4をその斜め下方の角度から見上げた状態では、遊技板4aの背面と装飾部材46の表面との間に上記の間隙Hが確保されていることから、この間隙Hから貫通穴4bを通じて、装飾部材46のうち遊技板4aの背面側に隠れた部分が視認可能となる。例えば図19に示されているように、遊技盤4をその左斜め下方から見上げた状態では、前部ユニット42aの右上縁部に位置する装飾体43dの奥に装飾部材46の存在がはっきりと視認されている。また図20に示されているように、遊技盤4をその右斜め下方から見上げた状態では、前部ユニット42aの左上縁部に位置する装飾体43aの奥に装飾部材46の存在がはっきりと視認されている。
このため本実施形態では、遊技者がいろいろな角度から遊技盤4を視認することで、通常正面からみた状態では遊技板4aの背後に隠れているはずの装飾部材46の存在を視認することができる。また、このとき装飾部材46は遊技板4aの貫通穴4bの外側領域にまで拡がって配置されていることから、遊技者に前後方向への奥行きを感じさせるとともに、遊技板4aの背面側で上下・左右方向への空間的な拡がりや開放感を生じさせることができる。
また、装飾部材46において発光動作が行われる場合、通常正面からみて遊技板4aの背後に隠れた装飾部材46から透過光が照射されるため、それまで遊技者が装飾部材46の存在に気付いていなかったとしても、発光動作によって装飾部材46の存在に気付きやすくなり、視覚的な奥行き感や空間的な拡がり感による効果を充分に発揮させることができる。
本実施形態では、装飾部材46について以下の構造を有する。図19,20等に示されているように、装飾部材46についは、全体的にゴツゴツとした立体的な造形が施されており、それによって視覚的な立体感が生み出されている。さらに装飾部材46は、2種類の部材を前後に重ね合わせた多層構造を有している。具体的には、装飾部材46は透明材料から成型された背後装飾体と、その前面側に重ね合わせて取り付けられた前面装飾体とから構成されており、前面装飾体は、赤色に着色された光透過性の材料から成型されている。また、背後装飾体には光拡散用のレンズカット(ダイヤカット等)が形成されており、背後のLED92からの発光がそこで良好に拡散される。
図19,20等で前面側に露出されている大部分は前面装飾体であるが、前面装飾体は、そのところどころが欠落した状態、つまり、部分的に破断されたような形態を有している。そして、前面装飾体が部分的に欠落した領域では、その背後にある透明な背後装飾体が前面側に露出している。
以上のような構成により、装飾部材46において発光動作が行われると、その大部分では赤色の透過光が前面側から視認されることとなるが、ところどころ部分的に白色光(LEDの発光色)が視認される領域が存在する。本実施形態では、このように白色光が視認される領域(前面装飾体が欠落している領域)が「稲妻」を模した形状にデザインされているため、遊技者が前面側から装飾部材46の発光動作をみると、あたかも雷が落ちたかのように感じ、そこに「原始地球の荒れた天候」を想起して演出的な効果を満喫することができる。
次に、可動装飾体44a,44b,44cの構成について詳細に説明する。図21は、演出装置42における可動装飾体44a,44b,44cの作動態様を示している。図21中の矢印で示されているように、可動装飾体44a,44b,44cは、いずれも作動時において左右方向に往復回動することができる。このうち上縁部に位置する可動装飾体44a(片仮名文字の「ギ」を象ったもの)と、その右隣に位置する可動装飾体44b(片仮名文字の「オ」を象ったもの)とは、いずれも初期位置から時計回り方向に回動し、そして残りの可動装飾体44c(片仮名文字の「オ」を象ったもの)は、その初期位置から反時計回り方向に回動する。なお、図21では3つの可動装飾体44a,44b,44cが初期位置から最も大きく変位したときの状態が示されており、この最大変位の状態において、各可動装飾体44a,44b,44cと前部ユニット42aとの間には適度なクリアランスが確保されている。
次に図22は、後部ユニット42bを背面側から示し、ここでは特に可動装飾体44a,44b,44cを作動させるための機構要素が示されている。なお図22には、後部ユニット42bの一部をなすインナケーシングのみが示されており、実際にはインナケーシングの外側にアウタカバー(図示されていない)が組み合わされて後部ユニット42bが構成されている。前面側から視認される装飾体43aや可動装飾体44a〜44c、固定装飾体45a〜45c、装飾部材46、球誘導部材70,72、内部装飾体74等はいずれもインナケーシングに組み付けられている。一方、上記のフランジ部42nはアウタカバーに形成されているため、図22には示されていない。
後部ユニット42bの背面側、つまりインナケーシングには、各可動装飾体44a,44b,44cに対応して3つのソレノイド(直動式)94a,94b,94cが装備されている。また、これらソレノイド94a,94b,94cにはそれぞれ、駆動レバー95a,95b,95cが連結されている。各駆動レバー95a,95b,95cは、その先端部がスライドピンを介して対応するソレノイド94a,94b,94cにピン接合されており、そして基端部が回動軸96a,96b,96cに固定されている。回動軸96a,96b,96cは後部ユニット42bのインナケーシングにて回動自在に支持されており、それゆえ駆動レバー95a,95b,95cは、対応する回動軸96a,96b,96cを中心として上下方向に回動(揺動)自在となっている。また駆動軸96a,96b,96cは、インナケーシングを前後方向に貫通して延びており、その後端部にて各駆動レバー95a,95b,95cに連結されているとともに、その前端部にて各可動装飾体44a,44b,44cに連結されている。
また各駆動レバー95a,95b,95cには、対応する回動軸96a,96b,96cの回動範囲(回動角度)を規定するためのストッパ部97a,97b,97cが一体的に形成されている。またインナケーシングには、各ストッパ部97a,97b,97cに対応してストッパハウジング98a,98b,98cが形成されており、各ストッパ部97a,97b,97cは、対応するストッパハウジング98a,98b,98c内に収容された状態にある。
上記の構成において、いずれかのソレノイド94a,94b,94cが通電(励磁)状態になると、直動ロッド(アーマチュア)の引き上げ動作に伴い、対応する駆動レバー95a,95b,95cが上方へ引き上げられるようにして変位する。逆にソレノイド94a,94b,94cが非通電(非励磁)の状態になると、リターンスプリングによって直動ロッドが初期位置に復帰し、この復帰動作に伴い、対応する駆動レバー95a,95b,95cが下方へ押し下げられるようにして変位する。なお本実施形態では、このときの駆動レバー95a,95b,95cの変位角度が30°程度に設定されている。
上記のようなソレノイド94a,94b,94cの通電・非通電の切り替えにより、対応する駆動レバー95a,95b,95cが上下に揺動するようにして変位し、これにより駆動軸96a,96b,96cが往復回動される。そして、このような駆動軸96a,96b,96cの往復回動により、図21に示されるような可動装飾体44a,44b,44cの動作が実現されるものとなっている。
なお後部ユニット42bのインナケーシングには、その他の構成としてLED基板92a,92b,92c,92d(遊技盤ランプ)が設置されている。このうち、図22でみてインナケーシングの上縁部の右側(前面側からみると左側)に配置されたLED基板92aは、上記の装飾体43aに対応するものであり、このLED基板92aには、その前面側に多数のLED(92)が実装されている。本実施形態では、これらLED(92)の発光により装飾体43aの発光演出が行われる。
また、図22でみてLED基板92aの左側に位置するLED基板92bはインナケーシングの左半分(前面側からみると右半分)の部位に拡がる大きさを有し、全体としてLED基板92bは、インナケーシングの上縁部から3つのソレノイド94a,94b,94cが設置されている部位を全てカバーするようにして鈎形状に敷設されている。この大型のLED基板92bにも同様に多数のLEDが実装されており、これらLEDの発光により装飾部材46の発光動作が行われるものとなっている。さらに図22でみてインナケーシングの右側縁部(前面側からみると左側縁部)に位置するLED基板92cもまた、装飾部材46の発光動作を行うためのものである。また、インナケーシングの下縁部に位置するLED基板92dは、上記の内部装飾体74の発光動作を行うためのものである。
図23および図24は、可動装飾体44aを構成要素に分解した状態で示している。なお、これら図23および図24では1つの可動装飾体44aを例に挙げているが、その他の可動装飾体44b,44cについても基本的に同じ構造が採用されている。したがって、以下では1つの可動装飾体44aについて説明しているが、その内容は他の可動装飾体44b,44cについても実質的に同様に当てはまる。
図23,24に示されているように、可動装飾体44aは大きく分けてアウタシェル200、フロントレンズ202、内蔵LED基板204、そしてリヤカバー206の4つのパーツから構成されている。このうち、アウタシェル202は可動装飾体44aの外表面を構成するものであり、その外形には片仮名文字の「ギ」を象った立体的なデザインが施されている。またアウタシェル200は文字通り薄肉中空のシェル構造をなし、図24に示されているように、その後端部は全体的に大きく開放されている。一方、アウタシェル200の前端部には、ちょうど片仮名文字の「ギ」を型抜きしたような文字型開口200aが形成されている。
フロントレンズ202は、光透過性または光拡散性を有した板状の半透明材料から成形されており、その表面および裏面には、それぞれ稲妻をイメージしたような立体的な造形が施されている。フロントレンズ202は、アウタシェル200の後端開口から嵌め込むようにして取り付けられ、上記の文字型開口200aを塞ぐようにしてアウタシェル200の内側に収容される。このためフロントレンズ202の外形は、アウタシェル200の内縁の形状にほぼ合致している。またフロントレンズ202は、その前端面にて浮き彫り状に成形された文字型凸部202aを有しており、この文字型凸部202aはアウタシェル200の文字型開口200aに合致する形状を有している。したがって、フロントレンズ202がアウタシェル200に収容された状態では、文字型開口200aにフロントレンズ202の文字型凸部202aがぴったり嵌り込んでアウタシェル200の前端部に位置付けられる。そしてこの状態で、文字型凸部202aはアウタシェル200の前端部とともに可動装飾体44aの前面を形成する。
内蔵LED基板204もまた、アウタシェル200の後端開口から嵌め込むようにして取り付けられる。このため内蔵LED基板204の外形は、アウタシェル200の内縁の形状にほぼ合致している。ただし、内蔵LED基板204はフロントレンズ202のようにアウタシェル200の前端部まで深く進入せず、フロントレンズ202の背面から一定間隔を存して後端開口の近傍に位置付けられる。
内蔵LED基板204には、上記の遊技盤ランプの一部として多数のフルカラーLEDチップ204a(電装品)が実装されており、これらLEDチップ204aは、内蔵LED基板204の実装面に分布するようにして配置されている。LEDチップ204aは個々に赤色・緑色・青色(RGB)のLEDを有しており、それによりフルカラー発光が可能となっている。また本実施形態では内蔵LED基板204の実装面が白色塗装されており、それゆえ実装面にて高い光反射性を有している。一方、内蔵LED基板204の背面には、ハーネス線束(電気配線)を接続するための雌コネクタ204bが実装されている。
リヤカバー206は、アウタシェル200の後端開口を塞ぐようにして取り付けられる。このためリヤカバー206の外形は、アウタシェル200の後端開口の形状に合致している。図24に示されているように、アウタシェル200の内側には2本のねじ留め用のボス部200bが形成されており、これらボス部200bはアウタシェル200の前端部から後端開口に向けて延びている。リヤカバー206はアウタシェル200の後端開口に嵌め込まれた状態でボス部200bに接触し、それ以上の進入を規制される。
一方、リヤカバー206には、その前面側に2本の抑えロッド206aが形成されており、これら抑えロッド206aはリヤカバー206の前面から前方に突き出すようにして一体的に形成されている。リヤカバー206がアウタシェル200の後端開口に嵌め込まれると、これら抑えロッド206aの先端がフロントレンズ202の背面にぴったり当接し、これによりアウタシェル200内にてフロントレンズ202の配置が固定されるものとなっている。そしてこの状態で、リヤカバー206はアウタシェル200に対してねじ留めされる。
なお、フロントレンズ202および内蔵LED基板204にはそれぞれ、2本のボス部200bに対応する位置に挿通孔202c,204cが形成されており、これらフロントレンズ202および内蔵LED基板204がアウタシェル200に取り付けられる際、それぞれの挿通孔202c,204cにボス部200bが挿通される。また内蔵LED基板204には、抑えロッド206aに対応する位置にも挿通孔204dが形成されており、内蔵LED基板204がリヤカバー206に取り付けられる際、2本の抑えロッド206aは対応する挿通孔204dに挿通される。
内蔵LED基板204はリヤカバー206の直ぐ奥に寄り添うようにして配置され、この状態で内蔵LED基板204がリヤカバー206にねじ留めされるものとなっている。リヤカバー206には、内蔵LED基板204の雌コネクタ204cに対応する位置に矩形の挿通穴206cが形成されており、それゆえ内蔵LED基板204がリヤカバー206に取り付けられた状態で、その雌コネクタ204cに対してリヤカバー206の背面側から雄コネクタを接続することが可能となっている。
上記の駆動軸96aは、その前端部にてリヤカバー206にねじ留めされるものとなっている。この状態でリヤカバー206に対して駆動軸96aが強固に固定されるので、駆動軸96aの回動は、そのままリヤカバー206を介して可動装飾体44aの全体に伝達される。なおリヤカバー206には、駆動軸96aの取付部に適宜、補強のためのリブが放射状に形成されている。
図25および図26は、可動装飾体44aをその完成状態で示している。図25中(b)に示されているように、アウタシェル200にリヤカバー206が取り付けられた状態で、内蔵LED基板204の雌コネクタ204cに雄型のコネクタ208が接続されている。コネクタ208には複数の電気配線からなるハーネス線束208が接続されており、このハーネス線束208は、コネクタ208から離れた位置で、粘着テープ片210(配線固定部材)によりリヤカバー206の背面に固定(貼着)されている。
また図26から明らかなように、本実施形態では、可動装飾体44aの前後方向の仮想的な中心線と駆動軸96aの軸線とが互いに平行ではない。したがって、遊技者が駆動軸96aの軸線方向(水平方向)から可動装飾体44aを視認していたとしても、可動装飾体44aの前面の他に、その上面が一定の角度を存して遊技者に視認される。さらにこの状態で、駆動軸96aの軸線周りに可動装飾体44aが回動すると、その仮想的な中心線は「みそすり運動」をするようにして変位する。この場合、駆動軸96aの軸線に対して可動装飾体44aの外側面が様々な角度に変位するため、遊技者が可動装飾体44aの動きを一定の角度(例えば真正面)から視認していても、遊技者の視線方向に対して可動装飾体44aの外側面が様々な角度に変位し、それによって視覚的な変化を生じさせることができる。
図27は、後部ユニット42bから可動装飾体44a,44b,44cが取り外された状態を示している。図25中(b)に例示されているように、各可動装飾体44a,44b,44cには、内蔵LED基板204につながるハーネス線束208が接続されているが、これに対応して後部ユニット42bの前面(装飾部材46の表面)には3つの配線孔212a,212b,212cが形成されており、これら配線孔212a,212b,212cを通じて各ハーネス線束208が後部ユニット42bの内部(インナケーシング)に挿通されるものとなっている。
このとき、配線孔212a,212b,212cは、いずれも前面側からみて対応する可動装飾体44aの可動範囲内に隠れるようにして位置付けられている。したがって、可動装飾体44a,44b,44cが作動しても、配線孔212a,212b,212cの存在は可動装飾体44a,44b,44cによって隠されたままとなる。また本実施形態では、ハーネス線束208が可動装飾体44a,44b,44cの表面色と同系色であるため、ハーネス線束208そのものの存在が目立たなくなっている。
このように、本実施形態では可動装飾体44a,44b,44cが内蔵LED基板204のような電装品を有し、かつ、ソレノイド94a,94b,94cによって作動される態様であるが、その作動時・非作動時を通じてハーネス線束208の存在が前面側から視認されなくなっているので、演出時の見栄えを損なわず、興趣を大きく向上させることができる。
本実施形態では、可動装飾体44a,44b,44cをそれぞれ単独で作動させることもできるし、2つ以上(2つまたは3つ全て)を同時または同時期に作動させることもできる。特に本実施形態では、3つある可動装飾体44a,44b,44cのうち、一番下に位置する可動装飾体44c(「オ」を象ったもの)の作動方向が他の2つと反対に設定されているため、一番下の可動装飾体44cだけを単独で作動させると、この可動装飾体44cの左側部分は、その上の可動装飾体44bから相対的に下方へ離れていく方向へ作動することになる。これにより、演出装置42内での可動装飾体44b,44cの相互干渉が効果的に排除されるため、部品の破損や機械的なトラブルの発生が防止され、演出動作の確実性を保証することができる。
また本実施形態において、前部ユニット42aの内周面の形状は、可動表示体44a,44b,44cとの干渉を避けるためのクリアランスを考慮して決定されているが、上記の「石斧」型の装飾体43dや「マンモスの牙」型の装飾体43eは、このようなクリアランスを確保できる位置に効果的に配置されている。これにより、遊技領域12や演出装置42の限られたスペースを最大限に有効に活用しながら装飾性を高めるとともに、可動表示体44a,44b,44cの可動範囲を大きく確保することに成功している。
次に、可動装飾体44a,44b,44cの制御について説明する。可動装飾体44a,44b,44cの制御には、大きく分けて駆動機構の制御と、LEDチップ204aの発光制御の2種類が含まれている。このうち駆動機構の制御については、駆動機構を構成するソレノイド94a,94b、94cの駆動制御として行われる。また発光制御は、LEDチップ204aの発光・発光色・階調制御として行われる。
上記の駆動制御および発光制御は、既に説明したサブ統合基板111により行われる(適宜、図11を参照)。すなわちサブ統合基板111は、ランプ駆動基板119を介してソレノイド94a,94b,94cにそれぞれ駆動信号を入力し、それによって各ソレノイド94a,94b,94cを個別に駆動することができる。この結果、対応する可動装飾体44a,44b,44cが個別に作動し、前面側から視認可能な位置で「文字が動く」という態様で演出動作が実行される。
また、サブ統合基板111からランプ点灯信号が出力されると、このランプ点灯信号がランプ駆動基板119にて分配され、対応するLEDチップ204aに入力される。これにより、サブ統合基板11は各LEDチップ204aの点灯・点滅・消灯の制御をはじめ、発光色の制御やその発光輝度の階調制御を実行することができる。この結果、対応する可動装飾体44a,44b,44cが個別に発光動作を行い、前面側から視認可能な位置で「文字が発光する」という態様で演出動作が実行される。
上記のように本実施形態では、可動表示体44a,44b,44cの駆動制御・発光制御をサブ統合基板111により行うことができるが、サブ統合基板111においてどのような動作パターンを採用するかは、主基板101から送信される演出コマンドに基づいて決定される。そしてサブ統合基板111は、主基板101から送信された演出コマンドから抽選の結果(当落結果のみならず、特別図柄の変動・停止表示態様、確率変動の有無等)を解釈し、可動表示体44a,44b,44cの駆動制御・発光制御を実行する(装飾制御手段)。
サブ統合基板111の統合ROM113には、予め演出コマンドに対応した演出パターンデータが記憶されており、サブ統合基板111は、主基板101から受信した演出コマンドに基づき、対応する演出パターンデータを読み出す。
演出パターンデータには、予め可動表示体44a,44b,44cの駆動制御・発光制御についての具体的な制御内容が記録されている。例えば、3つの可動表示体44a,44b,44cのいずれを作動させるか(作動対象)、どのような態様で作動させるか(作動態様)、3つの可動表示体44a,44b,44cのいずれについて発光動作を行うか(発光対象)、LEDチップ204aによる発光動作をどのような態様で行うか(発光パターン)等についての情報が細かく設定されている。
サブ統合基板111において演出パターンデータが選択されると、当該演出パターンデータにおいて作動対象に設定された可動表示体44a,44b,44cに対応するソレノイド駆動信号がサブ統合基板111から出力される。これにより、作動対象となる可動表示体44a,44b,44cが可動範囲内で作動する。また、当該演出パターンデータにおいて複数種類の作動態様が用意されていれば、例えば可動表示体44a,44b,44cを小刻みにふるえるように作動させたり、ゆっくりと往復的に作動させたりすることもできる。
また同様に、当該演出パターンデータにおいて発光対象に設定された可動表示体44a,44b,44cに対応するランプ点灯信号がサブ統合基板111から出力される。これにより、発光対象となる可動表示体44a,44b,44cにおいて発光動作が実行される。また、当該演出パターンデータにおいて複数種類の発光態様が用意されていれば、例えば可動表示体44a,44b,44cの発光輝度を多階調に変化させたり、発光色を段階的に変化させたり、点灯・点滅パターンを変化させたりすることができる。
このとき、例えば大当り判定の結果が当選であれば、3つの可動表示体44a,44b,44cを一斉に激しく作動させる演出パターンを採用したり、3つの可動表示体44a,44b,44cを順番に作動させるといった演出パターンを採用したりすることで、いわゆる「大当り信頼度が高い」ということを演出的に表現することができる。
あるいは、主基板101において大当り乱数値からはずれリーチ変動の変動表示パターンが選ばれた場合、上記の演出パターンに近似した内容で3つの可動表示体44a,44b,44cを作動させることで、遊技者にリーチ演出を提供することもできる。
さらにLEDチップ204aの発光態様についても、大当り変動やリーチ変動等の変動表示パターンの違いによって発光態様を様々に設定することで、抽選結果に基づく多様な演出を実行することが可能となる。
本発明は上記の一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することが可能である。
(1)一実施形態では、前部ユニット42aに導光部材90が設けられているが、前部ユニット42aではなく後部ユニット42bに導光部材を設置することもできるし、前部ユニット42aおよび後部ユニット42bの両方に導光部材を設置することもできる。
(2)一実施形態では前部ユニット42aの発光領域として、特別図柄の始動記憶数を表示するものを挙げているが、前部ユニット42aの発光領域は、特別図柄そのものを表示するものであってもよいし、普通図柄または普通図柄の始動記憶数を表示するものであってもよい。あるいは、発光領域は図柄抽選に直接関係するものではなく、演出的な動作を行う性質のものであってもよい。
(3)上記の一実施形態では、性能評価の対象となる手前側の球誘導部材70に加えて、奥側の球誘導部材72までが後部ユニット42bに対して着脱可能な構造となっているが、奥側の球誘導部材72は後部ユニット42bと一体に成形された構造であってもよい。すなわち、奥側の球誘導部材72は、手前側の球誘導部材70と違って球誘導性能の評価には直接関係していないため、後部ユニット42bと一体の構造であっても本発明の実施に支障はないからである。
(4)一実施形態では、球誘導部材70により放出通路72dに誘導されなかった遊技球が前部ユニット42aの下縁部に移動すると、その中央の部分(放出口72eの上方)に集められてから落下するものとなっているが(図8)、さらに中央の部分から左右に離れた位置から遊技球が落下する態様であってもよい。この場合、放出通路72dに遊技球が誘導された場合の入賞確率を相対的に高めることができるため、球誘導部材70上での遊技球の動きに対する遊技者の期待感を高める効果が増す。
(5)一実施形態では、交換対象となる球誘導部材70とともに奥側の球誘導部材72が後部ユニット42bにねじ留めされているが、これらは別々に固定される態様であってもよい。
(6)また一実施形態では、前部ユニット42aの方に突出した係合片42sが形成されており、これを受け入れる係合孔42hが後部ユニット42bの方に形成されているが、これらの位置関係は逆であってもよい。
(7)一実施形態では、演出装置42の左側部にワープ通路(78a,78b)が形成されているが、右側部にワープ通路が形成されている態様であってもよい。
(8)一実施形態では、可動装飾体や固定の装飾体で表される片仮名文字として「ギ」,「ャ」,「オ」,「ー」を挙げているが、その他の種類の文字を用いて言語的に別の意味を持つ文字列を構成してもよい。
(9)また一実施形態では、可動装飾体が片仮名文字を象った形態を有しているが、可動装飾体は平仮名文字や漢字の他、外国文字等の各種の言語用文字を象ったデザインが施されたものでもよい。
(10)可動装飾体の配置について、一実施形態ではパチンコ機の遊技盤を例に挙げているが、可動表示体は例えば、回胴式遊技機(スロットマシン)の前面扉の内側に配置されていてもよい。
(11)その他、一実施形態で挙げた前部ユニット42aや後部ユニット42bの具体的な形態はあくまで一例であり、これらは適宜変形可能であることはいうまでもない。
次に、パチンコ機1の遊技進行に応じて主基板101で実行される種々の制御処理について図28乃至図36を参照して説明する。図28は、主基板101に搭載されるCPU102が実行するメイン処理の一例を示すフローチャートである。図29は、電源断発生時処理の一例を示すフローチャートである。図30は、タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。図31は、主基板101で更新される乱数を示す一覧表図である。図32は、遊技処理の一例を示すフローチャートである。図33は、変動開始処理を示すフローチャートである。図34は、大当り判定処理の一例を示すフローチャートである。図35は、変動表示パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図36は、変動表示パターンテーブルの一例を示す一覧表図である。なお、タイマ割込処理は、主基板101に搭載されるCPU102により所定のタイミング(本実施形態では、4ms毎)で実行される。
図28に示すように、パチンコ機1へ電力の供給が開始されると、CPU102は、電源投入時処理を実行する(ステップS1)。この電源投入時処理では、RAM104に記憶されているバックアップデータが正常であるか(停電発生時の設定値となっているか)否か判別し、正常であればRAM104に記憶されているバックアップデータに従って停電発生時の状態に戻す処理(復電時処理)を実行し、バックアップデータが異常であればRAM104をクリアしてCPU周辺のデバイス設定(通常の初期設定:割込タイミングの設定等)を行う。なお、遊技途中でパチンコ機1への電力供給が停止すると、RAM104に現在の遊技状態がバックアップデータとして記憶される。また、電源投入時処理にてRAM104に記憶されているバックアップデータのクリアを指示するRAM消去スイッチがオンであれば、RAM104をクリアし、通常の初期設定を行う。また、電源投入時処理にて主基板101に搭載されるRAM104にバックアップデータが保存されていない場合には、RAM104をクリアし、通常の初期設定を行う。また、電源投入時処理では、通常の初期設定を実行したときにサブ統合基板111に主基板101が起動したことを示す電源投入コマンドを送信可能な状態にセットする処理も実行される。電源投入コマンドは、主基板101が起動したことをサブ統合基板111に通知するものである。なお、遊技店の閉店時等にパチンコ機1への電力供給を停止した場合(電源を落とした場合)にもRAM104にバックアップデータが記憶され、再びパチンコ機1への電力供給を開始したときには電源投入時処理が実行される。
電源投入時処理が終了すると、CPU102は、遊技用の各処理を繰り返し実行するループ処理を開始する。このループ処理の開始時には、CPU102は、まず、停電予告信号が検知されているか否かを判定する(ステップS2)。なお、この実施の形態では、パチンコ機1にて使用する電源電圧は、電源基板(図示しない)によって生成する。すなわち、パチンコ機1に搭載される複数種類の装置はそれぞれ異なる電源電圧で動作するため、外部電源からパチンコ機1に供給される電源電圧を電源基板にて所定の電源電圧に変換した後、各装置に供給している。しかして、停電が発生し、外部電源から電源基板に供給される電源電圧が所定の電源電圧以下となると、電源基板から主基板101に電源電圧の供給が停止することを示す停電予告信号が送信される。そして、ステップS2で主基板101に搭載されるCPU102により停電予告信号を検知すると、電源断発生時処理を実行する(ステップS4)。この電源断発生時処理は、停電後に電源基板に供給される電源電圧が(この実施の形態では、24V)復旧した場合に(以下、復電と呼ぶ)、遊技機の動作を停電前の状態から開始するために停電発生時の状態をRAM104にバックアップデータとして記憶する処理である。処理内容は後述するが、本実施例においては、図示する通り、電源断発生時処理は、割込処理ではなく、ループの開始直後に停電予告信号の検知有無に応じて実行される分岐処理としてメイン処理(主制御処理)内に組み込まれている。
ステップS2で停電予告信号が検知されていない場合、すなわち外部電源からの電力が正常に供給されている場合には、遊技にて用いられる各種乱数を更新する乱数更新処理2を行う(ステップS3)。なお、乱数更新処理2にて更新される乱数については後述する。
図29は、電源断発生時処理(ステップS4)の一例を示すフローチャートである。上述したように、電源断発生時処理は、メイン処理において、停電予告信号が検出された時に実行される処理である。CPU102は、まず、割込処理が実行されないように割込禁止設定を行う(ステップS4a)。そして、RAM104のチェックサムを算出し、RAM104の所定領域に保存する(ステップS4b)。このチェックサムは、復電時に停電前のRAM104の内容が保持されているか否かをチェックするのに使用される。
次いで、CPU102は、RAM104の所定領域に設けられたバックアップフラグに、電源断発生時処理が行われたことを示す規定値を設定する(ステップS4c)。以上の処理を終えると、CPU102は、RAM104へのアクセスを禁止し(ステップS4d)、無限ループに入って電力供給の停止に備える。なお、この処理では、ごく短時間の停電等(以下、「瞬停」と呼ぶ)によって、電源電圧が不安定となることによって、電源断発生時処理が開始されてしまった場合、実際には電源電圧は停止されないため、上記処理では、無限ループから復帰することができなくなるおそれがある。かかる弊害を回避するため、本実施例のCPU102には、ウォッチドックタイマが設けられており、所定時間、ウォッチドックタイマが更新されないとリセットがかかるように構成されている。ウォッチドックタイマは、正常に処理が行われている間は定期的に更新されるが、電源断発生時処理に入り、更新が行われなくなる。この結果、瞬停によって、電源断発生時処理に入り、図29の無限ループに入った場合でも、所定期間経過後にリセットがかかり、電源投入時と同じプロセスでCPU102が起動することになる。
図30は、タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。上述したように、この実施の形態では、メイン処理の実行中に主基板101に搭載されるCPU102により4ms毎にタイマ割込処理が実行される。タイマ割込処理において、CPU102は、レジスタの退避処理を実行した後(ステップS10)、ステップS11からステップS19の処理を実行する。ステップS11のスイッチ入力処理では、上述したスイッチ(ゲートスイッチ174a、始動口スイッチ170a,170b、カウントスイッチ175a、一般入賞スイッチ113a等)の検出信号を監視する処理を実行する。ステップS12の払出動作処理では、スイッチ入力処理(ステップS11)にて検出された信号にもとづいて払出基板105に遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを送信する。ステップS13の乱数更新処理1では、遊技にて用いられる各種乱数を更新する処理を実行する。なお、この実施の形態では、乱数更新処理1にて更新される乱数と、上述した乱数更新処理2にて更新される乱数と、は異なる。乱数については後述するが、乱数更新処理2にて更新される乱数を乱数更新処理1でも更新するようにしてもよい。
また、ステップS14の遊技処理では、遊技の進行状態に応じてパチンコ機1を制御する処理が実行される。ステップS15の普通図柄遊技では、普通図柄表示器144に関わる制御処理を実行する。ステップS16の普通電動役物遊技では、開閉部材56aの開閉制御するための処理を実行する。ステップS17の特別図柄遊技では、遊技処理(ステップS14)の処理の結果にもとづいて特別図柄表示器141を変動表示する制御を実行する。ステップS18の特別電動役物遊技では、ソレノイド176aを可動制御して開閉部材60aの開閉制御を実行する。ステップS19のコマンド伝送出力処理では、遊技処理(ステップS14)でセットされた演出コマンドをサブ統合基板111に送信する処理を実行する。また、コマンド伝送出力処理(ステップS19)では、パチンコ機1への電力供給が開始されたときに電源投入時処理(ステップS1)でセットされた電源投入コマンドをサブ統合基板111に送信する処理も行われる。ステップS20のI/Oポート出力処理では、パチンコ機1の外部(例えば、管理コンピュータ等)に遊技状態を示す状態信号を出力する処理、特図始動記憶ランプ147に駆動信号を出力する処理、等を実行する。ステップS11からステップS20の処理を実行すると、レジスタの復帰処理(ステップS21)を実行して、処理を終了する。
ここで、上述した乱数更新処理1(ステップS13)および乱数更新処理2(ステップS3)で主基板101に搭載されるCPU102により更新される各種乱数について図31を参照して説明する。図31に示すように、この実施の形態では、遊技にて用いられる各種乱数として、大当り遊技状態を発生させるか否かの判定(大当り判定)に用いられる大当り判定乱数、大当り判定において大当り遊技状態を発生させると判定されたときに確変大当りとするか否かの判定(確変判定)に用いられる確変判定乱数、大当り判定にて大当り遊技状態を発生させないと判定されたときにリーチ態様を伴うはずれとするか否かの判定(リーチ判定)に用いられるリーチ判定乱数、特別図柄表示器141に表示されている特別図柄の変動表示パターンを決定するために用いられる変動表示パターン乱数、入球装置56の開閉部材56aを開放状態に制御するか否かの判定(普通図柄当り判定)に用いられる普通図柄当り判定乱数、等がある。なお、変動表示パターン乱数を用いて特別図柄の変動表示パターンを決定するとともに、液晶表示装置50にて表示制御される装飾図柄の変動表示パターンを決定するようにしてもよい。
これらの乱数のうち、乱数更新処理1では、大当り遊技状態の発生に関わる大当り判定乱数、確変判定乱数、および入球装置56の開閉部材56aを開放状態に制御するか否かに関わる普通図柄当り判定乱数の更新を行う。すなわち、大当り遊技状態の発生および入球装置56の開閉部材56aを開放状態に制御するか否かに関わる判定に用いられる乱数は所定のタイミングとして4ms毎に更新される。このようにすることにより、それぞれの乱数における所定期間における確率(大当り遊技状態を発生させると判定する確率、入球装置56の開閉部材56aを開放状態に制御すると判定する確率)を一定にすることができ、遊技者不利な状態となることを防止できる。一方、乱数更新処理2では、大当り遊技状態の発生および普通図柄の表示結果に関わらないリーチ判定乱数および変動表示パターン乱数の更新を行う。なお、主基板101で更新される乱数は、上記したものに限られず、乱数更新処理2では、大当り判定乱数を更新するカウンタが1周したときに次にカウントを開始させる大当り判定乱数の初期値を決定するための初期値決定乱数等の更新も行う。
図32は、遊技処理(ステップS14)の一例を示すフローチャートである。遊技制御処理において、CPU102は、まず、上始動口52および下始動口54に遊技球が入賞したか否かを判別する(ステップS30)。具体的には、始動口スイッチ170a,170bから検出信号が出力されたか否かを判別し、始動口スイッチ170a,170bから検出信号が出力された場合には上始動口52または下始動口54に遊技球が入賞した(ステップS30にてYES)と判別し、始動口スイッチ170a,170bからの検出信号が出力されていなければ上始動口52および下始動口54に遊技球が入賞していない(ステップS30にてNO)と判別する。ステップS30にて上始動口52または下始動口54に遊技球が入賞したと判別したときには、各種乱数(大当り判定乱数、確変判定乱数、等)を取得し、RAM104に設けられている保留球数カウンタの値が上限値となる4未満であるか否かを判別する(ステップS31)。そして、ステップS31で保留球数カウンタが4未満であれば、始動記憶格納処理を行う(ステップS32)。なお、ステップS30で始動口スイッチ170a,170bがオンしていない場合、およびステップS31で保留球数カウンタの値が4である場合、には、始動記憶格納処理を実行しない。その後、CPU102は、遊技の進行状態を示す処理選択フラグの値を参照してステップS40〜ステップS44のうちいずれかの処理を行う。
始動記憶格納処理では、保留球数カウンタに「1」を加算する処理と、保留球数カウンタの加算に伴って特図始動記憶ランプ147の点灯表示態様(点灯表示させるランプの個数)を変更する処理と、取得した乱数値(この実施の形態では、大当り判定乱数、確変判定乱数)をRAM104に設けられた始動記憶の保存領域に保留球数カウンタのカウント値に対応させて記憶する処理と、を行う。このように、保留球数カウンタは、始動記憶の保存領域に記憶される乱数値の数を示すカウンタである。また、ステップS31において保留球数カウンタの値が上限値である場合にはステップS30で取得した乱数値を破棄する。なお、ステップS30で上始動口52または下始動口54に遊技球が入賞したと判別したときには、ステップS30〜ステップS32の間で各種乱数を取得すればよく、例えば、ステップS30で各種乱数を取得せずに、ステップS31で保留球数カウンタが上限値未満であることを判別した後に、各種乱数を取得してもよいし、始動記憶格納処理(ステップS32)で取得するようにしてもよい。
処理選択フラグが「0」のときに実行される変動開始処理(ステップS40)では、始動記憶数を確認し、始動記憶数が0でなければ、特別図柄の変動表示を開始するための設定を行う。詳しくは後述するが具体的には、大当り遊技状態を発生させるか否かの判定を行い、大当り遊技状態を発生させる場合には、確変大当りとするか否かを判定する。処理選択フラグが「1」のときに実行される変動表示パターン設定処理(ステップS41)では、特別図柄および装飾図柄の変動表示に関わる設定を行う。詳しくは後述するが具体的には、特別図柄の変動表示パターンを決定し、当該変動表示パターンに対応して設定される変動時間(特別図柄表示器141にて特別図柄の変動表示を開始してから停止表示するまでの時間)をタイマにセットする。処理選択フラグが「2」のときに実行される変動中処理(ステップS42)では、変動表示パターン設定処理(ステップS41)で変動時間が設定されたタイマを監視し、タイマがタイムアウトしたことにもとづいて特別図柄表示器141における特別図柄の変動表示を停止させる処理を行う。このとき、変動開始処理(ステップS40)にて大当り遊技状態とする判定がなされていれば、処理選択フラグを「3」に更新し、大当り遊技状態とする判定がなされていなければ処理選択フラグを「0」に更新する。
また、処理選択フラグが「3」のときに実行される大当り遊技開始処理(ステップS43)では、大当り遊技状態を開始するための設定を行う。具体的には、サブ統合基板111に大当り遊技状態の開始表示の実行を指示する大当り開始コマンドを送信するとともに、大入賞口開閉装置60の開放回数等の設定を行う。
処理選択フラグが「4」のときに実行される大当り遊技中処理(ステップS44)では、大当り遊技状態が開始された場合に、カウントスイッチ175aによって検出された遊技球の個数を判別し、所定個数(この実施の形態では、10個)の遊技球が大入賞口62に入賞したとき、または、所定期間(この実施の形態では、30秒)が経過したとき大入賞口開閉装置60を閉塞状態にするための処理を行うとともに、サブ統合基板111に大当り遊技状態中の表示(例えば、ラウンド表示等)の実行を指示する大当り中コマンドを送信する。また、大当り遊技状態におけるラウンド回数が所定回数(この実施の形態では、15回)に達していなければ、再び、大入賞口開閉装置60を開放状態にするための処理を行い、大当り遊技状態におけるラウンド回数が所定回数に達したときには、サブ統合基板111に大当り遊技状態の終了表示の実行を指示する大当り終了コマンドを送信するとともに処理選択フラグを「0」に更新する。
図33は、変動開始処理(ステップS40)の一例を示すフローチャートである。変動開始処理において、CPU102は、保留球数カウンタの値が0であるか否か判別する(ステップS401)。上述したように、保留球数カウンタの値は、始動記憶の保存領域に格納される乱数値の数を示すものであるため、ステップS401で保留球数カウンタの値が0であれば、始動記憶がないと判別されて処理を終了する。
一方、ステップS401で保留球数カウンタの値が0でなければ、始動記憶移行処理を実行する(ステップS402)。始動記憶移行処理では、保留球数カウンタを1減算する処理と、RAM104に設けられた始動記憶の保存領域に記憶される各種乱数をシフトした後、始動記憶の保存領域のうち保留球数カウンタの0に対応する保存領域に保存される各種乱数(大当り判定乱数等)を読み出す処理と、を行う。具体的には、始動記憶の保存領域にて保留球数カウンタのn(n=1、2、3、4)に対応する保存領域に記憶されている各種乱数を始動記憶の保存領域における保留球数カウンタのn−1(n=0、1、2、3)に対応する保存領域に記憶させる。
次いで、ステップS402で保留記憶の保存領域のうち保留球数カウンタの0に対応する保存領域から読み出した大当り判定乱数を用いて大当り遊技状態を発生させるか否かの判定を行い、大当り遊技状態を発生させる場合には、確変大当りとするか否かを判定する大当り判定処理を行った後(ステップS403)、処理選択フラグを「1」に更新する(ステップS404)。処理選択フラグを「1」に更新することにより、次にタイマ割込処理が発生し、遊技処理(ステップS14)が実行されたときに変動表示パターン設定処理(ステップS41)が実行可能となる。
図34は、大当り判定処理(ステップS404)の一例を示すフローチャートである。大当り判定処理において、CPU102は、大当り遊技中処理(ステップS44)でセットされる確変フラグがON状態であるか(セットされているか)否かを判別する(ステップS51)。確変フラグがON状態であれば、確変状態時大当り判定テーブル(図示しない)を選択し(ステップS52)、確変状態フラグがON状態でなければ(OFF状態であれば)、通常・時短状態時大当り判定テーブル(図示しない)を選択する(ステップS53)。なお、確変状態時大当り判定テーブルでは、0〜979までの980個の大当り判定乱数のうち大当り判定乱数と一致することにより大当り遊技状態を発生させることが決定される大当り判定値が14個設定され、大当りとなる確率である大当り確率が1/70となっている。一方、通常・時短状態時大当り判定テーブルでは、0〜979までの980個の大当り判定乱数のうち大当り判定値が2個設定され、大当り確率が1/490となっている。
そして、ステップS52,S53で選択した確変状態時大当り判定テーブル、または、通常・時短状態時大当り判定テーブルに設定されている判定値と、ステップS402の始動記憶移行処理で読み出した大当り判定乱数の値と、が一致するか否かによって、大当り遊技状態を発生させるか否か判定する(ステップS54)。ステップS52,S53で選択した確変状態時大当り判定テーブル、または、通常・時短状態時大当り判定テーブルに設定されている判定値と、ステップS402の始動記憶移行処理で読み出した大当り判定乱数の値(保留球数カウンタの0に対応する保存領域に保存される大当り判定乱数の値)と、が一致することにもとづいて大当り遊技状態を発生させると判定したときには、大当りフラグをON状態(セット)とした後に(ステップS55)、所定の判定値が設定された確変判定テーブル(図示しない)にもとづいて確変大当りとするか否かを判定する(ステップS56)。具体的には、ステップS402の始動記憶移行処理で読み出した確変判定乱数の値(保留球数カウンタの0に対応する保存領域に保存される確変判定乱数の値)と、確変判定テーブルに設定されている判定値と、が一致するか否かにもとづいて確変大当りとするか否か判定する。なお、本実施形態では、確変突入率(大当りのうち確変大当りとする割合)が2/3となるように、すなわち、0〜8までの9個の確変判定乱数のうち確変大当りとすることに決定される6個の判定値が確変判定テーブルに設定されている。
ステップS56で、確変判定テーブルに設定されている判定値と、ステップS402の始動記憶移行処理で読み出した確変判定乱数の値と、が一致したことにもとづいて確変大当りと判定されたときには、確変状態フラグをON状態(セット)とする(ステップS57)。一方、ステップS54で大当りとしない(はずれとする)と判定されたとき、および、ステップS56で確変大当りとしない(非確変大当りとする)と判定されたとき、には、以下の処理を実行することなく処理を終了する。なお、大当りフラグおよび確変状態フラグのON/OFF状態(セット状態、リセット状態)は、RAM104に記憶される。また、大当りフラグおよび確変状態フラグのOFF状態(リセット状態)とは「0」の値がセットされることであり、大当りフラグおよび確変状態フラグのON状態(セット状態)とは「1」の値がセットされることである。
なお、大当りフラグは、大当り遊技状態への移行制御を示すフラグであり、大当り遊技開始処理(ステップS43)にて大当りフラグがセットされていれば、大当り遊技状態を発生させる。また、確変状態フラグは、大当り遊技状態終了後に確率変動状態への移行制御を示すフラグであり、大当り遊技中処理(ステップS44)にて大当り遊技状態を終了するときに確変状態フラグがセットされていれば、確変状態フラグをリセットし、確変状態を示す確変フラグをセットする処理が実行される。確変フラグがセットされた状態では、上述した確率変動状態に制御され、例えば、上述したステップS52の確変状態時大当り判定テーブルが選択されて確率変動状態以外の状態(通常状態、時短状態)よりも大当り遊技状態を発生させると判定される確率が高まる。また、大当り遊技開始処理(ステップS43)にて確変フラグがセットされている場合には、確変フラグをリセットする処理が実行される。
図35は、変動表示パターン設定処理(ステップS41)の一例を示すフローチャートである。変動表示パターン設定処理において、CPU102は、今回の変動表示の結果、大当りとするか否か、すなわち、大当りフラグがセットされているか否かを判別し(ステップS410)、大当りフラグがセットされていれば(ON状態であれば)、大当りとなる場合に用いられる変動表示パターンが設定された大当り時変動表示パターンテーブル(図36参照)を選択する(ステップS412)。また、大当りフラグがセットされていなければ(OFF状態であれば)、リーチ判定乱数を取得し、RAM104の所定の保存領域に記憶するとともに、所定の判定値が設定されたリーチ判定テーブルに設定されている判定値と、取得したリーチ判定乱数の値と、が一致するか否かによって、リーチとするか否かを判定する(ステップS411)。リーチ態様とすると判定されたときには、リーチ態様を伴うはずれ図柄を導出する態様が示された変動表示パターンが設定されたリーチ時変動表示パターンテーブル(図36参照)を選択し(ステップS413)、リーチ態様としないと判定されたときには、リーチ態様を伴わないはずれ図柄を導出する態様が示された変動表示パターンが設定されたはずれ時変動表示パターンテーブル(図36参照)を選択する(ステップS414)。なお、リーチ判定テーブルでは、リーチ確率(リーチ態様とする割合)が1/12.5となるように、すなわち、0〜24までの25個のリーチ判定乱数のうち2個の判定値がリーチ判定テーブルに設定されている。
そして、変動表示パターン乱数を取得し、RAM104の所定の保存領域に記憶するとともに、ステップS411,S413,S414で選択された大当り時変動表示パターンテーブル、リーチ時変動表示パターンテーブル、はずれ時変動表示パターンテーブル、のいずれか1つの変動表示パターンテーブルに設定されている判定値と、取得した変動表示パターン乱数の値と、が一致する変動表示パターンに決定する(ステップS415)。
なお、はずれ時変動表示パターンテーブルは、後述する変動番号1の「通常変動」の変動表示パターンおよび変動番号25の「すべりはずれ」の変動表示パターンのみ設定されるテーブルと、変動番号2の「短縮変動」の変動表示パターンのみ設定されるテーブルと、を有し、上述した時短制御が実行されていない場合には、変動番号1の「通常変動」の変動表示パターンおよび変動番号25の「すべりはずれ」の変動表示パターンのみ設定されるテーブルが選択され、時短制御が実行されている場合には、変動番号2の「短縮変動」の変動表示パターンのみ設定されるテーブルが選択される。すなわち、時短制御が実行されていない場合には、変動番号1の「通常変動」の変動表示パターンまたは変動番号25の「すべりはずれ」の変動表示パターンに決定され、時短制御が実行されている場合には、変動番号2の「短縮変動」の変動表示パターンに決定される。また、変動番号2の「短縮変動」の変動表示パターン(テーブル)は、時短制御が実行されていない場合であっても、始動口スイッチ170a,170bにより検出されたことにもとづいて抽出された大当り判定乱数の記憶数を示す保留球数カウンタの値が上限値、確率変動状態、等の条件のうちいずれかが成立したときに選択され得る。
次いで、ステップS415で決定した変動表示パターンを指定する演出コマンドとして変動表示パターンコマンドをセットし(ステップS416)、当該変動表示パターンに応じた変動時間を主基板101に搭載されるRAM104に設けられたタイマ(この実施の形態では、有効期間タイマ)にセットする(ステップS417)。ステップS417では、ステップS415で決定した変動表示パターンに設定されている変動時間を有効期間タイマにセットする。なお、ステップS416でセットされた変動表示パターンコマンドは、コマンド伝送出力処理(ステップS19)にてサブ統合基板111に送信される。また、変動表示パターンコマンドをコマンド伝送出力処理でサブ統合基板111に送信するときには、特別図柄遊技にて特別図柄表示器41に駆動信号を出力し、特別図柄の変動表示を開始させる。
ここで、変動表示パターンコマンドは、2バイト構成のデータであり、各変動表示パターンコマンドには、特別図柄表示器41にて特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄の変動表示が停止表示されるまでの変動時間やリーチ演出を特定するためのデータが含まれる。この2バイト構成の変動表示パターンコマンドのうち、1バイト目は、変動表示パターンであることを特定可能なデータであり、2バイト目は、変動番号(変動表示パターン)を特定可能なデータである。すなわち、サブ統合基板111に搭載される統合CPU112は、1バイト目のデータにもとづいて変動表示パターンであることを認識可能であり、さらに、2バイト目のデータにもとづいて変動表示パターンを特定する。
なお、ステップS415で決定される変動表示パターンを図36を参照して説明する。図36は、変動表示パターンの一例を示す一覧表図である。液晶表示装置50には、特別図柄の変動時間(特別図柄表示器141にて特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄の変動表示が停止表示されるまでの時間)に、変動表示パターンに従った演出態様が画像表示される。ここでは、本実施形態のパチンコ機1におけるゲームコンセプトに沿って、創作的ストーリーに登場するキャラクタである「ゴン」(ゴンキャラクタGC)を主人公とし、彼を取り巻く「ゴン父」(ゴン父キャラクタTC:主人公の父親)、「ピーコ」(ピーコキャラクタPC:主人公の女友達)、「類人猿」(類人猿キャラクタRC)、「モグラ」(モグラキャラクタMOC)、「マンモス」(マンモスキャラクタMC)、「サーベルタイガー」等の行動を原始時代の地球を背景としてコミカルに表現し、当落の結果に対する期待感を向上させ、遊技の興趣の低下を抑制している。
変動番号1の「通常変動」とは、リーチ態様を伴わない変動表示パターンである。変動番号2の「短縮変動」とは、特別図柄および装飾図柄の変動時間が「通常変動」よりも短い変動表示パターンである。変動番号3,4の「ノーマルリーチ」とは、リーチ態様を伴ってノーマルリーチ演出の実行後にスーパーリーチ演出を実行しない変動表示パターンである。
また、変動番号5,6の「ゴン父リーチ」とは、ノーマルリーチ演出の実行後のスーパーリーチ演出として、ゴン父キャラクタTCが石斧を、一方向に並べられた複数の装飾図柄に向かって勢いよく投げ飛ばすことで装飾図柄を粉砕し、粉砕できずに残った装飾図柄を停止図柄とするゴン父リーチ演出を実行する変動表示パターンである。
また、変動番号9,10の「類人猿リーチ」とは、ノーマルリーチ演出の実行後のスーパーリーチ演出として、類人猿キャラクタRCが一方向に積み上げられた複数の装飾図柄を、素手によって下方の装飾図柄から順に粉砕し、粉砕できずに残った装飾図柄を停止図柄とする類人猿リーチ演出を実行する変動表示パターンである。なお、積み上げられた複数の装飾図柄の上には、類人猿キャラクタRCの好物であるバナナが載っている。
また、変動番号13,14の「ゴンリーチ」とは、ノーマルリーチ演出の実行後のスーパーリーチ演出として、ゴンキャラクタGCおよびピーコキャラクタPCがサーベルタイガーキャラクタ(図示しない)に崖に追い詰められ、複数の装飾図柄とともに崖下に落下し、最後に崖下に落下してきた装飾図柄を停止図柄とするゴンリーチ演出を実行する変動表示パターンである。
また、変動番号7,8,11,12,15,16の「崖崩れリーチ」とは、ゴン父リーチ演出、類人猿リーチ演出またはゴンリーチ演出のいずれかのスーパーリーチ演出の実行後の発展演出として、ゴン父キャラクタTC、類人猿キャラクタRCおよびゴンキャラクタGCの3人組が崖上から次々と落下してくる装飾図柄に右往左往し、もう逃げられないといった場面で3人組が協力して装飾図柄を崖上に持ち上げ、持ち上がれば当該装飾図柄を停止図柄とし、持ち上げられなければ当該装飾図柄以外の装飾図柄を停止図柄とする崖崩れリーチ演出を実行する変動表示パターンである。この崖崩れリーチ演出は、ゴン父リーチ演出、類人猿リーチ演出またはゴンリーチ演出のいずれのスーパーリーチ演出を経由してもよく、それぞれゴン父キャラクタTC、類人猿キャラクタRCまたはゴンキャラクタGCが「ギャー」と発声したことを契機に実行される共通の発展演出である。
また、変動番号17,18の「玉乗りリーチ」とは、ノーマルリーチ演出の実行後のスーパーリーチ演出として、それぞれゴン父キャラクタTC、類人猿キャラクタRCおよびゴンキャラクタGCが一方向に各々回転している装飾図柄に玉乗りの如く乗せられ、次々に迫り来る装飾図柄に乗り換えながら停止図柄を決定する玉乗りリーチ演出を実行する変動表示パターンである。
また、変動番号19,20の「石文字リーチ」とは、玉乗りリーチ演出の実行後の発展演出として、ゴンキャラクタGCが回転している装飾図柄に弾き飛ばされることで火山の入口に放り込まれ、装飾図柄とともに地球から飛び出すほど爆発的な噴火を繰り返しながら停止図柄を決定する石文字リーチ演出を実行する変動表示パターンである。
また、変動番号21,22の「マンモスリーチ」とは、ノーマルリーチ演出の実行後のスーパーリーチ演出として、類人猿キャラクタRCおよびゴンキャラクタGCの2人組がマンモスキャラクタMCに崖に追い詰められるが、2人組とマンモスキャラクタMCとの間には装飾図柄が邪魔しており、巨体をなすマンモスキャラクタMCが足の裏で装飾図柄を砕こうとする一方、これを2人組が阻止しようとする駆け引きにより停止図柄を決定するマンモスリーチ演出を実行する変動表示パターンである。
また、変動番号23,24の「マンモスリーチ発展」とは、マンモスリーチ演出の実行後の発展演出として、マンモスキャラクタMCが鼻先で装飾図柄を転がし、類人猿キャラクタRCおよびゴンキャラクタGCの2人組を追い詰めようとする一方、それを2人組が阻止しようとする駆け引きにより停止図柄を決定するマンモスリーチ発展演出を実行する変動表示パターンである。
また、変動番号25の「すべりはずれ」とは、停止表示されそうになった装飾図柄(この実施の形態では、右装飾図柄)が別の装飾図柄まで移行して停止表示されるすべり変動を伴う変動表示パターンである。この実施の形態では、すべり変動は、リーチ態様を形成するか否かを判別するための装飾図柄が高速変動から低速変動に移行した後、一旦、停止するかのように表示されるが、ゴン父キャラクタTCまたは類人猿キャラクタRCが登場し、ゴン父キャラクタTCのもつ石斧または類人猿キャラクタRCの素手によって一旦停止された装飾図柄を砕くことで、別の装飾図柄を出現させて停止表示する態様である。
また、変動番号26〜47の各々は、すべり変動を伴い、且つ、すべり変動を伴わない変動番号3〜24の変動表示パターンと同一のリーチ演出(ノーマルリーチ演出、スーパーリーチ演出、発展演出等)が実行される変動表示パターンである。すなわち、各々のリーチ演出は、リーチ演出を導出する過程において、すべり変動を伴わない変動表示パターン(変動番号3〜24の変動表示パターン)と、すべり変動を伴う変動表示パターン(変動番号26〜47の変動表示パターン)と、のいずれかにより実行される。
また、各々の変動表示パターンには、特別図柄の変動時間(特別図柄表示器141にて特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄の変動表示が停止表示されるまでの時間)が設定されている。特別図柄の変動時間は、サブ統合基板111に送信される変動表示パターンコマンドによって指定される装飾図柄の変動時間とほぼ一致して設定されており、ステップS415では特別図柄の変動時間に応じた装飾図柄の変動時間を有する変動表示パターンに決定される。すなわち、特別図柄の変動時間と装飾図柄の変動時間とは、完全に一致していなくてもよい。
また、各々の変動表示パターンには、リーチ態様とした後にリーチ演出が多く実行されるほど演出の実行時間が長くなることに伴って、特別図柄および装飾図柄の変動時間が長く設定されている。具体的には、特別図柄および装飾図柄の変動時間は、ノーマルリーチ演出のみを実行する変動表示パターン(例えば、変動番号3,4)よりも、ノーマルリーチ演出の実行後にスーパーリーチ演出を実行する変動表示パターン(例えば、変動番号5,6,9,10,13,14,17,18,21,22)の方が長く設定され、さらにスーパーリーチ演出の実行後に発展演出を実行する変動表示パターン(例えば、変動番号7,8,11,12,15,16,19,20,23,24)の方が長く設定されている。
また、変動番号26〜47の変動表示パターンでは、すべり変動を伴い、すべり変動を伴わない変動番号3〜24の変動表示パターンと同一のリーチ演出が実行される変動表示パターンであっても、すべり変動が実行される時間(この実施の形態では、4秒程度)だけ特別図柄および装飾図柄の変動時間が長く設定されている。これは、すべり変動を伴う場合には、すべり変動を伴わない場合に装飾図柄が停止表示されるタイミングで停止表示されそうになり、このタイミングから別の装飾図柄に移行して停止表示されるまでの時間だけ装飾図柄の停止表示が遅くなるためである。
また、変動番号3〜24,26〜47の変動表示パターンでは、当落の結果に応じて大当り時とはずれ時とで同一または類似した演出態様でリーチ演出が実行され、また、該リーチ演出に応じた特別図柄および装飾図柄の変動時間がほぼ一致して設定されていることから、演出を見るだけでは当否の認識が困難となり、遊技者をハラハラドキドキさせることができ、遊技の興趣を低下させることがない。
この実施の形態では、ステップS411で選択される大当り時変動表示パターンテーブルには、変動番号3〜24,26〜47の変動表示パターンのうち当落の結果が大当りとなる変動表示パターン(図36に示す変動表示パターンテーブルの当落にて○が付されている変動表示パターン)が設定され、これらの変動表示パターンに判定値が振り分けられている。また、ステップS413で選択されるリーチ時変動表示パターンテーブルには、変動番号3〜24,26〜47の変動表示パターンのうち当落の結果がはずれとなる変動表示パターン(図36に示す変動表示パターンテーブルの当落にて×が付されている変動表示パターン)が設定され、これらの変動表示パターンに判定値が振り分けられている。
また、はずれ時変動表示パターンテーブルのうち上述した時短制御が実行されていない場合に選択されるテーブルには、当落の結果がはずれとなる変動番号1の「通常変動」の変動表示パターンおよび変動番号25の「すべりはずれ」の変動表示パターンに判定値が振り分けられ、はずれ時変動表示パターンテーブルのうち時短制御が実行されている場合に選択されるテーブルには、当落の結果がはずれとなる変動番号2の「短縮変動」の変動表示パターンに全ての判定値が振り分けられている。
また、大当り時変動表示パターンテーブルおよびリーチはずれ時変動表示パターンテーブルでは、リーチ演出の種別に応じて大当り期待度が異なるように各々の変動表示パターンに対して判定値が振り分けられている。具体的には、ノーマルリーチ演出のみを実行する変動表示パターンよりもスーパーリーチ演出を実行する変動表示パターンの方が大当り期待度が高くなるように設定され、さらにスーパーリーチ演出の実行後に発展演出を実行する変動表示パターンの方が大当り期待度が高くなるように設定されている。なお、スーパーリーチ演出を実行する変動表示パターンにおいては、ゴン父リーチ演出(変動番号5,6,28,29)、類人猿リーチ演出(変動番号9,10,32,33)、ゴンリーチ演出(変動番号13,14,36,37)を実行する変動表示パターンの大当り期待度が同程度に設定されている一方、玉乗りリーチ演出(変動番号17,18,40,41)、マンモスリーチ演出(変動番号21,22,44,45)を実行する変動表示パターンの大当り期待度が順に高くなるように設定されている。また、発展演出を実行する変動表示パターンにおいては、崖崩れリーチ演出(変動番号7,8,11,12,15,16,30,31,34,35,38,39)、石文字リーチ演出(変動番号19,20,42,43)、マンモスリーチ発展演出(変動番号23,24,46,47)の変動表示パターンの大当り期待度が順に高くなるように設定されている。
次いで、CPU102は、確変状態フラグがセットされているか否か確認し(ステップS418)、確変状態フラグがセットされているときには、確変大当りであることを示す演出コマンドである確変大当りコマンドをセットする(ステップS419)。そして、処理選択フラグを「2」に更新する(ステップS420)。なお、ステップS419にてセットされた確変大当りコマンドは、変動表示パターンコマンドとともにコマンド伝送出力処理(ステップS19)にてサブ統合基板111に送信される。これによりサブ統合基板111に搭載される統合CPU112に今回の変動表示の結果、確変大当りとなることを認識させることが可能となる。
なお、変動表示パターン設定処理では、当落の結果を示す演出コマンドとして確変大当りコマンド以外にも、大当りフラグおよび確変状態フラグがセットされているか否かを確認し、大当りフラグがセットされているが確変状態フラグがセットされていないときに非確変大当りを示す当落コマンドや、大当りフラグがセットされていないときにはずれを示す当落コマンドをセットする処理が実行される。サブ統合基板111に搭載される統合CPU112は、変動表示パターンコマンドとともに送信された当落コマンドにより今回の変動表示の結果、非確変大当りとなることを認識することができる。この実施の形態では、変動表示パターンコマンドにも当落の結果を示す情報が含まれており、統合CPU112は、変動表示パターンコマンドと当落コマンドとの示す当落の結果が一致するか否かを判別している。これにより、統合CPU112に今回の変動表示の結果を確実に認識させることができ、外部ノイズの影響等が原因でコマンド受信に失敗し、間違った変動表示の結果を表示するといった誤動作を防止することができる。
また、変動表示パターン設定処理では、遊技状態を示す演出コマンドとして、確変フラグまたは時短フラグがセットされているか否かを確認し、確変フラグがセットされているときに遊技状態が確変状態であることを示す遊技状態コマンドや、時短フラグがセットされているときに遊技状態が時短状態であることを示す遊技状態コマンドをセットする処理が実行される。遊技状態コマンドは、変動表示パターンコマンドおよび当落コマンドとともにコマンド伝送出力処理(ステップS19)にてサブ統合基板111に送信される。サブ統合基板111に搭載される統合CPU112は、遊技状態コマンドが確変状態を示すことで遊技状態が確変状態であることを認識することができ、時短状態を示すことで遊技状態が時短状態であることを認識することができる。
なお、時短フラグは、大当り判定処理のステップS56で確変大当りとしない(非確変大当りとする)と判定されたときにセットされるフラグであり、大当り遊技中処理(ステップS44)にて大当り遊技状態を終了するときにセットする処理が実行される。時短フラグがセットされている場合には、時短状態に制御され、例えば、ステップS414ではずれ時変動表示パターンテーブルから特別図柄の変動時間を通常状態よりも短縮した変動番号2の「短縮変動」の変動表示パターンが選択される。また、大当り遊技状態終了後に所定回数の特別図柄の変動表示が実行されるまでに大当り判定処理のステップS54で次回の大当り遊技状態を発生させると判定された場合、または、大当り遊技状態終了後に所定回数の特別図柄の変動表示が実行された場合、には、時短フラグをリセットする処理が実行される。なお、時短フラグのON/OFF状態(セット状態、リセット状態)は、RAM104に記憶される。また、時短フラグのOFF状態(リセット状態)とは「0」の値がセットされることであり、時短フラグのON状態(セット状態)とは「1」の値がセットされることである。
また、ステップS417で変動時間がセットされた有効期間タイマは、コマンド伝送出力処理(ステップS19)で変動表示パターンコマンドをサブ統合基板111に送信するときにスタートし、変動中処理(ステップS42)で有効期間タイマがタイムアウトしたときに特別図柄表示器141に駆動信号を出力して特別図柄の変動表示をCPU102により停止制御させるとともに、サブ統合基板111に装飾図柄の変動表示停止を指示する演出コマンド(変動停止コマンド)を送信する。なお、サブ統合基板111では、変動停止コマンドを受信したことにもとづいて装飾図柄の停止を確定表示するための制御を行う。
また、表示装置に複数の表示領域を設け、それぞれの表示領域にて図柄を変動表示する場合には、上述した大当り判定処理にて大当りとする判定がなされたときに、特定の表示結果で停止表示する表示ラインを複数有する場合には、いずれかの表示ラインにて未だ停止していない図柄が所定の図柄で停止することにより当該表示ラインに停止表示される図柄が特定の表示結果となる状態、または、いずれかの表示ラインにて全ての図柄が特定の表示結果となるような組み合わせで同期して変動表示している状態、をリーチ態様という。すなわち、リーチ態様とは、特定の表示結果(大当り表示)の一歩手前を表す態様(大当りとなる直前の態様)である。この実施の形態では、上述した表示ラインを1つだけ有し、液晶表示装置50に表示される左・中・右の装飾図柄のうち左装飾図柄と右装飾図柄と(任意の2つの装飾図柄の組み合わせでもよい)が同一の図柄で停止し、中装飾図柄(任意の2つの装飾図柄の組み合わせが停止した状態では残りの装飾図柄)については変動表示している状態、または、液晶表示装置50に表示される全ての装飾図柄が同一の図柄の組み合わせで同期して変動表示している状態(例えば、左・中・右の装飾図柄が常に同一の図柄となるように同期して変動表示している状態)をリーチ態様といい、リーチ態様となった後、枠ランプ27、遊技盤ランプ92,204a、液晶表示装置50、上部スピーカ29、および下部スピーカ14等により実行される演出(例えば、枠ランプ27を所定の態様で点灯・点滅、液晶表示装置50にて所定の画像表示、上部スピーカ29および下部スピーカ14にて所定の音声出力)をリーチ演出という。
次に、サブ統合基板111に搭載される統合CPU112によって実行される処理について説明する。図37はサブメイン処理の一例を示すフローチャートであり、図38は16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。
図37に示すように、パチンコ機1への電力供給が開始されると、統合CPU112は、初期設定処理を行う(ステップS71)。この初期設定処理は、サブ統合基板111に搭載される統合RAM114をクリアする処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割込禁止となっており、初期設定処理のあと割込許可となる。初期設定処理(ステップS71)が終了すると、16ms経過フラグTがセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS72)。
この実施の形態では、統合CPU112は、2ms経過毎に割込を発生させ、2ms定常処理を実行する。2ms定常処理では、16ms経過監視カウンタをカウントアップする(16ms経過監視カウンタを1加算する)処理が実行され、16ms経過監視カウンタの値が8になったとき、すなわち、16ms経過したときに16ms経過フラグTをセットするとともに、16ms経過監視カウンタをリセット(0にする)処理が実行される。このように、16ms経過フラグTは、2ms定常処理にて16ms毎に「1」に設定(セット)され、通常は「0」に設定(リセット)されている。ステップS72で16ms経過フラグがセットされている(16ms経過フラグTが「1」)ときには、16ms経過フラグをリセットした後(ステップS73)、16ms定常処理を行う(ステップS74)。
この16ms定常処理では、主基板101から受信した演出コマンドにもとづいて液晶表示装置50、枠ランプ27,遊技盤ランプ、スピーカ14,29等を制御する処理が実行される。16ms定常処理が終了すると、再びステップS72に戻り、16ms経過フラグTがセットされる毎に、つまり16ms毎に上述したステップS73〜ステップS74を繰り返し行う。一方、ステップS72で16ms経過フラグTがセットされていない(16ms経過フラグTが「0」)ときには、16ms経過フラグTがセットされるまでループ処理を行う。
図38は、サブメイン処理にて16ms毎に実行される16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。16ms定常処理において、サブ統合CPU112は、ステップS91〜ステップS95の処理を実行する。ステップS91のコマンド解析処理では、主基板101から受信した演出コマンドを解析する。ステップS92の演出制御処理では、変動表示パターンコマンドにもとづいて液晶表示装置50に関わる制御処理を実行する。具体的には、後述する予告演出の設定、装飾図柄の停止図柄の決定、等を行う。
また、ステップS93の音制御処理では、スピーカ14,29に関わる制御処理を実行する。ステップS94のランプ制御処理では、遊技盤ランプ92,204a、枠ランプ27に関わる制御処理を実行する。ステップS95の情報出力処理では、表示制御基板120に表示コマンドを送信するとともに、ランプ駆動基板119にソレノイド駆動信号およびランプ点灯信号を送信する。ステップS96の乱数更新処理では、演出制御処理(ステップS92)で各種設定に用いられる乱数を更新する処理を実行する。
ここで、上述した乱数更新処理(ステップS96)でサブ統合基板111に搭載される統合CPU112により更新される各種乱数について図39を参照して説明する。図39に示すように、この実施の形態では、装飾図柄の停止図柄として確変大当り図柄の決定に用いられる確変大当り図柄乱数、装飾図柄の停止図柄として非確変大当り図柄の決定に用いられる非確変大当り図柄乱数、装飾図柄の停止図柄としてはずれ図柄の決定に用いられるはずれ図柄乱数、発展予告を実行するか否かを判定するとともに、発展予告を実行すると判定されたときに発展予告パターンの決定に用いられる発展予告パターン乱数、特定の発展予告パターンに決定され、発展予告の一部としてボタン予告を実行するときにボタン予告パターンの決定に用いられるボタン予告パターン乱数、等がある。
なお、各種乱数(確変大当り図柄乱数、非確変大当り図柄乱数、はずれ図柄乱数、発展予告パターン乱数、等)は、コマンド解析処理(ステップS91)にて主基板101から受信した演出コマンドが変動表示パターンであるときに取得されるが、ボタン予告パターン乱数に限っては、所定のボタン入力有効期間内に操作ボタン18aから操作信号が入力されたときに取得される。
また、16ms定常処理におけるステップS91〜ステップS96の処理は16ms以内に終了する。仮に、16ms定常処理を開始してから当該16ms定常処理の終了までに16ms以上かかったとしても、16ms定常処理を開始してから16ms経過したときに直ぐに16ms定常処理を最初から(後述するステップS91のコマンド解析処理から)実行しない。すなわち、16ms定常処理の実行中に16ms経過したときには、16ms経過フラグのセットのみを行い、当該16ms定常処理の終了後にステップS72で16ms経過フラグがセットされていると判定されたときに16ms定常処理を開始する。
また、この実施の形態では、16ms定常処理にて乱数更新処理(ステップS96)を実行して各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)はこれに限られるものではない。例えば、サブメイン処理におけるループ処理および16ms定常処理のいずれか一方または両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
図40は、コマンド解析処理(ステップS91)の一例を示すフローチャートである。コマンド解析処理において、統合CPU112は、まず、主基板101から演出コマンドを受信したか否かを判別する(ステップS601)。この実施の形態では、主基板101から演出コマンドを受信すると、16ms定常処理等の他の処理を中断してコマンド受信割込処理を発生させ、受信したコマンドを、サブ統合基板111に搭載される統合RAM114における受信コマンド格納領域に保存する。なお、受信コマンド格納領域は、演出コマンドの受信順に対応して複数の領域が設けられ、コマンド受信割込処理では、演出コマンドの受信順に対応して各領域に保存する。ステップS601では、受信コマンド格納領域の内容を確認し、受信コマンドが記憶されていれば、受信コマンド格納領域の受信順が先の演出コマンドを読み出す(ステップS602)。
そして、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドであるか判別し(ステップS603)、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドであれば(ステップS603にてYES)、変動表示パターン受信フラグをセットするとともに、サブ統合基板111に搭載される統合RAM114における変動表示パターン格納領域に格納する(ステップS604)。
一方、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドでなければ(ステップS603にてNO)、読み出した演出コマンドが確変大当りコマンドであるか判別し(ステップS605)、読み出した演出コマンドが確変大当りコマンドであれば(ステップS605にてYES)、確変大当りフラグをセットする(ステップS606)。また、読み出した演出コマンドが確変大当りコマンドでなければ(ステップS605にてNO)、受信した演出コマンド(確変大当りコマンド以外の当落コマンド、遊技状態コマンド、変動停止コマンド、大当り開始コマンド等)に対応したフラグをセットする(ステップS607)。
図41は、演出制御処理(ステップS92)の一例を示すフローチャートである。演出制御処理において、統合CPU112は、遊技の進行状態を示す処理選択フラグの値を参照してステップS700〜ステップS702のうちいずれかの処理を行う。
処理選択フラグが「0」のときに実行される装飾図柄変動開始処理(ステップS700)では、変動表示パターンコマンドを受信していれば装飾図柄の変動表示を開始させるための設定を行う。具体的には、変動表示パターンコマンドおよび確変大当りコマンドに応じて装飾図柄の停止図柄を決定するとともに、予告演出等の設定を行い、処理選択フラグを「1」に更新する。
処理選択フラグが「1」のときに実行される装飾図柄変動処理(ステップS701)では、変動停止コマンドを受信したときに表示制御基板120に表示コマンドを送信して装飾図柄の変動表示を停止させる制御を行い、主基板101から大当り開始コマンドを受信していれば処理選択フラグを「2」に更新し、主基板101から大当り開始コマンドを受信していなければ処理選択フラグを「0」に更新する。また、特定の発展予告パターンが実行されていれば操作ボタン18aのボタン入力有効期間の設定を行った後、ボタン入力有効期間であるか否かを監視し、該ボタン入力有効期間中に操作ボタン18aから入力された操作信号に応じてボタン予告演出の設定を行う。
処理選択フラグが「2」のときに実行される大当り表示処理(ステップS702)では、主基板101から送信される大当り開始コマンドに応じて液晶表示装置50に大当り遊技状態の開始を示す表示を行うとともに、主基板101から送信される大当り中コマンドに応じて大当り遊技状態中の表示(例えば、ラウンド表示等)を行うための制御を実行し、大当り終了コマンドを受信していれば大当り遊技状態の終了表示を行い、処理選択フラグを「0」に更新する。
図42は、装飾図柄変動開始処理(ステップS700)の一例を示すフローチャートである。装飾図柄変動開始処理において、統合CPU112は、まず、変動表示パターン受信フラグがセットされているか判別する(ステップS710)。変動表示パターン受信フラグは、上述したコマンド解析処理(ステップS91)のステップS604でセットされ、主基板101から変動表示パターンコマンドを受信したことを示すフラグである。すなわち、ステップS710で変動表示パターン受信フラグがセットされていなければ(ステップS710にてNO)、変動表示パターンコマンドを受信していないと判別して処理を終了する。
一方、変動表示パターン受信フラグがセットされていれば(ステップS710にてYES)、変動表示パターン受信フラグをリセットし(ステップS711)、受信した変動表示パターンコマンドにもとづく変動表示パターンが大当りを発生させる変動表示パターンであるか(当りパターンであるか)判別する(ステップS712)。当りパターンであるか否かは、変動表示パターンコマンドの2バイト目のデータを参照することにより確認できる。
変動表示パターンが当りパターンでなければ(ステップS712にてNO)、はずれ図柄の停止図柄を決定する(ステップS713)。また、変動表示パターンが当りパターンであれば(ステップS712にてYES)、確変大当りフラグがセットされているか判別し(ステップS714)、確変大当りフラグがセットされていれば(ステップS714にてYES)、確変大当り図柄の停止図柄を決定し(ステップS715)、確変大当りフラグがセットされていなければ(ステップS714にてNO)、非確変大当り図柄の停止図柄を決定する(ステップS716)。また、確変大当りフラグは、大当り表示処理(ステップS702)にて大当り遊技状態を開始するときにリセットされる。なお、確変大当りフラグがリセットされる時期はこれに限らず、例えば、装飾図柄変動処理(ステップS701)で装飾図柄の変動表示を停止させるとき、具体的には、変動停止コマンドを受信したときにリセットするようにしてもよいし、大当り表示処理(ステップS702)で大当り遊技状態を終了するときにリセットするようにしてもよい。
この実施の形態では、装飾図柄の確変大当り図柄として同一の奇数図柄(特定図柄)の組み合わせのうちいずれかの組み合わせの図柄を停止図柄として決定し、装飾図柄の非確変大当り図柄として同一の偶数図柄(非特定図柄)の組み合わせのうちいずれかの組み合わせの図柄を停止図柄として決定する。また、ステップS713ではずれ図柄の停止図柄を決定するときに、リーチ態様を伴う変動表示パターンであるかを判別し、リーチ態様を伴う変動表示パターンであれば、左・中・右の装飾図柄のうち左および右の装飾図柄が同一図柄であり、中の装飾図柄は左および右の装飾図柄とは異なる図柄となる停止図柄に決定する。一方、リーチ態様を伴わない変動表示パターンであれば、左・中・右の装飾図柄のそれぞれが異なる図柄となる停止図柄に決定する。
次いで、統合CPU112は、予告判定乱数にもとづいて予告演出を実行するか否かの判定を行う予告選択処理を実行した後(ステップS717)、変動表示パターンと後述する予告種類格納領域に記憶される予告パターンとステップS713,S715,S716で決定した装飾図柄の停止図柄とに応じた表示コマンドをセットする(ステップS718)。そして、処理選択フラグを「1」に更新して処理を終了する(ステップS719)。なお、ステップS718でセットされた表示コマンドは、情報出力処理(ステップS95)にて表示制御基板120に送信され、表示制御基板120に搭載される表示CPU121により当該表示コマンドを受信したことにもとづいて液晶表示装置50にて装飾図柄の変動表示の実行を開始する。また、ステップS718で予告種類格納領域に記憶される予告パターンを読み出したときには、当該予告パターンを読み出した後、予告種類格納領域の内容をクリアする。これにより、次回の装飾図柄の変動表示にて誤って以前の装飾図柄の変動表示を開始するときに決定した予告パターンの予告演出が実行されることを防止できる。
図43は、装飾図柄変動開始処理(ステップS700)で実行される予告選択処理(ステップS717)の一例を示すフローチャートである。予告選択処理において、統合CPU112は、まず、この処理で用いられる発展予告パターン乱数を抽出し(ステップ731)、統合RAM114の所定の保存領域に記憶する。なお、発展予告パターン乱数は、乱数更新処理(ステップS96)にて更新されている。そして、発展予告パターンテーブル(図44,45参照)を選択し(ステップS732)、当該発展予告パターンテーブルに設定されている判定値と、抽出した発展予告パターン乱数の値と、が一致する発展予告パターンに決定する(ステップS733)。
次いで、発展予告を実行することが決定されている場合には(ステップS734)、ステップS733で決定した発展予告パターンをサブ統合基板111に搭載される統合RAM114の予告種類格納領域に記憶する(ステップS735)。そして、ステップS733で発展予告パターン番号7,8,16,17の発展予告パターンに決定されている場合には(ステップS736)、ボタン予告実行フラグをセットする(ステップS737)。
なお、発展予告パターンテーブルを図44および図45に示す。この発展予告パターンテーブルには、発展予告パターンとして発展予告パターン番号0〜17の18種類が用意されている。また、発展予告パターン番号0に決定した場合には、発展予告を実行しない。すなわち、発展予告パターンテーブルにおいては、発展予告パターン乱数にもとづいて発展予告を実行するか否かを決定するとともに、発展予告を実行することが決定されたときには発展予告のいずれを実行するかを決定する。なお、発展予告を実行するか否かを判定する乱数を別に設け、この乱数にもとづいて発展予告を実行する判定がなされたときに発展予告パターン乱数にもとづいて発展予告パターン番号1〜18のいずれか1つの発展予告パターンに決定してもよい。また、後述する発展予告におけるステップ5を実行するか否かを判定する乱数を別に設け、ステップ1〜ステップ4を実行するか否かに関わらず、この乱数にもとづいてステップ5を実行するか否かを決定してもよい。
また、この実施の形態では、発展予告パターンにてステップ1〜ステップ5のうち所定のステップが設定されており、決定された発展予告パターンにもとづいたステップを発展予告演出として順次実行しているが、ステップ1から順に、そのステップを実行するか否かを個々に決定してもよい。例えば、まずステップ1を実行するか否かを判定し、ステップ1を実行すると判定したときにステップ2を実行するか否かを判定するように、ステップ5まで実行するか否かの判定を繰り返す。この場合、ステップ毎に実行するか否かを判定する乱数は、上述した発展予告パターン乱数のみを用いてもよいし、ステップ毎に異なる乱数を用いてもよい。
また、図46に示すように、発展予告パターン番号1は、装飾図柄の変動表示を開始するとともに、平坦な土壌中を何かが動いているかのように土壌表面がモコモコと盛り上がり、該土盛りが画面内前方に向かってくるが、モグラキャラクタMOCが出現しない演出表示(ステップ1−1)を実行する発展予告パターンである。また、発展予告パターン番号2は、装飾図柄の変動表示を開始するとともに、平坦な土壌中を何かが動いているかのように土壌表面がモコモコと盛り上がり、該土盛りが画面内前方に向かってきた後、モグラキャラクタMOCが土盛りの先端から出現する演出表示(ステップ1−2)を実行する発展予告パターンである。
発展予告パターン番号3は、発展予告パターン番号2の発展予告パターンと同様にモグラキャラクタMOCの演出表示(ステップ1−2)を実行し、所定期間経過後にゴン父キャラクタTCを出現(ステップ2−1)させることにより段階的な演出表示を実行する発展予告パターンである。また、発展予告パターン番号4は、発展予告パターン番号3の発展予告パターンと同様にモグラキャラクタMOCの演出表示(ステップ1−2)、ゴン父キャラクタTCの演出表示(ステップ2−1)を順次実行し、所定期間経過後に類人猿キャラクタRCを出現(ステップ3−1)させることにより段階的な演出表示を実行する発展予告パターンである。
発展予告パターン番号5は、発展予告パターン番号4の発展予告パターンと同様にモグラキャラクタMOCの演出表示(ステップ1−2)、ゴン父キャラクタTCの演出表示(ステップ2−1)、類人猿キャラクタRCの演出表示(ステップ3−1)を順次実行し、所定期間経過後にゴンキャラクタGCを出現(ステップ4−1)させることにより段階的な演出表示を実行する発展予告パターンである。また、発展予告パターン番号6は、発展予告パターン番号4の発展予告パターンと同様にモグラキャラクタMOCの演出表示(ステップ1−2)、ゴン父キャラクタTCの演出表示(ステップ2−1)、類人猿キャラクタRCの演出表示(ステップ3−1)を順次実行し、所定期間経過後にゴンキャラクタGCおよびピーコキャラクタPCの二人組のキャラクタを出現(ステップ4−2)させることにより段階的な演出表示を実行する発展予告パターンである。
発展予告パターン番号7は、発展予告パターン番号2の発展予告パターンと同様にモグラキャラクタMOCの演出表示(ステップ1−2)を実行し、所定期間経過後にたぬきキャラクタTACを出現(ステップ2−2)させ、たぬきキャラクタTACの出現期間内に設定された所定のボタン入力有効期間に操作ボタン18aが操作されたとき(操作ボタン18aからサブ統合基板111に操作信号が入力されたとき)に、たぬきキャラクタTACが変化した態様を出現(ステップ3−2)させることにより段階的な演出表示を実行する発展予告パターンである。なお、ボタン入力有効期間に操作ボタン18aが操作されないとき(操作ボタン18aからサブ統合基板111に操作信号が入力されないとき)には、たぬきキャラクタTACが変化した態様を出現させることがない。また、たぬきキャラクタTACが1段変化した態様として、後述するボタン予告選択処理で決定されたボタン予告パターンにもとづく内容が演出表示される。
発展予告パターン番号8は、発展予告パターン番号7の発展予告パターンと同様にモグラキャラクタMOCの演出表示(ステップ1−2)、たぬきキャラクタTACの演出表示(ステップ2−2)を順次実行し、たぬきキャラクタTACの出現期間内に設定された所定のボタン入力有効期間に操作ボタン18aが操作されたとき(操作ボタン18aからサブ統合基板111に操作信号が入力されたとき)に、たぬきキャラクタTACが変化した1段目の態様を出現(ステップ3−2)させた後、さらにもう1段変化させた2段目の態様を出現(ステップ4−3)させることにより段階的な演出表示を実行する発展予告パターンである。なお、ボタン入力有効期間に操作ボタン18aが操作されないとき(操作ボタン18aからサブ統合基板111に操作信号が入力されないとき)には、発展予告パターン番号7の発展予告パターンと同様にたぬきキャラクタTACが変化した1段目および2段目のいずれの態様も出現させることがない。また、たぬきキャラクタTACが変化した1段目および2段目の態様として、後述するボタン予告選択処理で決定されたボタン予告パターンにもとづく内容が演出表示される。
発展予告パターン番号9〜17は、発展予告パターン番号0〜8のそれぞれと同様の演出表示を実行した後、装飾図柄の組み合わせとしてリーチ態様を表示し、その後にリーチ演出が実行されることを遊技者に認識させる演出表示の実行期間にマンモスキャラクタMCを出現(ステップ5)させることにより段階的な演出表示を実行する発展予告パターンである。
この実施の形態で実行される発展予告演出では、複数段階に設定された演出を低い段階に設定される演出から高い段階に設定される演出に向けて順次実行される。具体的には、最も低い1段階(ステップ1)に土盛りからモグラキャラクタMOCが出現しない演出(ステップ1−1)、土盛りからモグラキャラクタMOCが出現する演出(ステップ1−2)を各々設定し、2段階(ステップ2)にゴン父キャラクタTCが出現する演出(ステップ2−1)、たぬきキャラクタTACが出現する演出(ステップ2−2)を設定し、3段階(ステップ3)に類人猿キャラクタRCが出現する演出(ステップ3−1)、たぬきキャラクタTACが変化した1段目の態様が出現する演出(ステップ3−2)を各々設定し、4段階(ステップ4)にゴンキャラクタGCのみが出現する演出(ステップ4−1)、ゴンキャラクタGCとともにピーコキャラクタPCが出現する演出(ステップ4−2)、たぬきキャラクタTACが変化した2段目の態様が出現する演出(ステップ4−3)を各々設定し、最も高い5段階(ステップ5)にマンモスキャラクタMCを設定している。
ここで、1段階(ステップ1−1およびステップ1−2)では、土盛りが画面内前方に向かうまでが同一の演出態様であり、その後にモグラキャラクタMOCが出現するか否かが異なる。そして、土盛り後にモグラキャラクタMOCが出現する演出(ステップ1−2)が実行された場合にのみ、2段階(ステップ2)に継続可能となる。また、2段階(ステップ2−1およびステップ2−2)では、ゴン父キャラクタTCまたはたぬきキャラクタTACのいずれが出現するかによって、その後の3段階および4段階において出現され得るキャラクタ等の演出態様が異なる。具体的には、ゴン父キャラクタTCが出現する演出(ステップ2−1)が実行された場合には、3段階における類人猿キャラクタRCが出現する演出(ステップ3−1)、4段階におけるゴンキャラクタGCのみが出現する演出(ステップ4−1)、4段階におけるゴンキャラクタGCとともにピーコキャラクタPCが出現する演出(ステップ4−2)に順次、継続可能となる一方、たぬきキャラクタTACが出現する演出(ステップ2−2)が実行された場合には、3段階におけるたぬきキャラクタTACが変化した1段目の態様が出現する演出(ステップ3−2)、4段階におけるたぬきキャラクタTACが変化した2段目の態様が出現する演出(ステップ4−3)に順次、継続可能となる。
また、ゴン父キャラクタTCが出現する演出(ステップ3−1)が実行された後の4段階(ステップ4−1およびステップ4−2)では、少なくともゴンキャラクタGCが出現する類似した演出態様であり、ゴンキャラクタGCとともにピーコキャラクタPCが出現するか否かが異なる。この場合、ゴンキャラクタGCのみが出現する演出(ステップ4−1)、ゴンキャラクタGCとともにピーコキャラクタPCが出現する演出(ステップ4−2)のいずれが実行された場合にも、5段階(ステップ5)に継続可能となる。
なお、5段階(ステップ5)は、1段階(ステップ1)〜4段階(ステップ4)の演出の一部または全部が実行されることなく、順次実行される演出とは無関係に実行されることがある(発展予告パターン番号9〜14,16の発展予告パターン)。同様に、5段階(ステップ5)は、ボタン入力有効期間に操作ボタン18aが操作されるか否か(操作ボタン18aからサブ統合基板111に操作信号が入力されるか否か)、すなわち、たぬきキャラクタTACが変化した1段目および2段目の態様が演出表示されるか否かに関わらず実行されることがある(発展予告パターン番号7,8,16,17の発展予告パターン)。すなわち、4段階(ステップ4)以前に段階的な演出が終了してしまっても、5段階(ステップ5)の演出が実行されることがあり、当該演出に最後まで注目させることができる。
発展予告パターンテーブルは、図44および図45に示すように、ステップS733で発展予告パターン乱数にもとづいて発展予告パターンを決定するためのテーブルである。発展予告パターンテーブルでは、変動表示パターンコマンドの各々に対応して発展予告パターン番号0〜17の18種類の発展予告パターンに発展予告パターン乱数の値が振り分けられている。
なお、発展予告パターンテーブルでは、変動番号1,2,25の変動表示パターンに対して、発展予告パターン番号9〜17の発展予告パターンに発展予告パターン乱数の値が振り分けられていない。これは、発展予告パターン番号9〜17の発展予告パターンに組み込まれたステップ5の演出がリーチ態様の表示後にリーチ演出が実行されることを遊技者に認識させる演出表示(リーチ態様確定画面)の実行期間に実行される演出であり、変動番号1,2,25の変動表示パターンが実行された場合には、当該演出表示(リーチ態様確定画面)が実行されないためである。
また、発展予告パターンテーブルでは、変動番号2の変動表示パターンに対して、発展予告パターン番号1〜17の発展予告パターンに発展予告パターン乱数の値が振り分けられていない。これは、変動番号2の変動表示パターンが特別図柄および装飾図柄の変動時間を短くした変動表示パターンであり、発展予告パターンに組み込まれた演出を実行するのに必要な実行時間が用意されていないためである。ただし、上記のように時短制御が実行されている場合に選択される変動表示パターンであっても、1段階(ステップ1)〜4段階(ステップ4)の演出の少なくとも一部を実行するのに必要な実行時間(例えば、1段階(ステップ1)から2段階(ステップ2)までを実行可能とする実行時間)を用意し、当該演出を実行する発展予告パターンに発展予告パターン乱数の値を振り分けてもよい。
また、発展予告パターンテーブルでは、変動番号3〜24,26〜47の当り時変動表示パターンに対してのみ、発展予告パターン番号15の発展予告パターンに発展予告パターン乱数の値が振り分けられている。すなわち、発展予告パターン番号15の発展予告パターンに組み込まれたステップ1−2、ステップ2−1、ステップ3−1、ステップ4−2、ステップ5の演出が順次実行されたときには、今回の変動表示の結果、大当りが導出される。
また、発展予告パターンテーブルでは、発展予告の進行状況に応じて大当り期待度が異なるように設定されている。具体的には、発展予告で最終的に表示される演出が先のステップ(例えば、ステップ1よりもステップ2、ステップ2よりもステップ3)であるに連れて、大当り期待度が高くなるように設定されている。すなわち、ステップ5の演出が組み込まれた発展予告パターン番号14,15,17の発展予告パターンの大当り期待度が最も高い。なお、ステップ1〜ステップ4の演出の一部または全部が順次実行されないにも関わらずステップ5の演出が実行される発展予告パターン番号9〜13,16の発展予告パターンも、発展予告パターン番号14,15,17の発展予告パターンと同程度に大当り期待度が設定されている。
また、発展予告で最終的に表示される演出が同一の1段階(ステップ1)であっても、ステップ1−1の演出が実行される発展予告パターン番号1の発展予告パターンよりもステップ1−2の演出が実行される発展予告パターン番号2の発展予告パターンのほうが、大当り期待度が高くなるように設定されている。また、発展予告で表示される演出が同一の4段階(ステップ4)であっても、ステップ4−1の演出が実行される発展予告パターン番号5,12の発展予告パターンよりもステップ4−2の演出が実行される発展予告パターン番号6,13のほうが、それぞれ大当り期待度が高くなるように設定されている。
図47は、装飾図柄変動処理(ステップS701)の一例を示すフローチャートである。装飾図柄変動処理において、統合CPU112は、まず、ボタン入力有効期間に操作ボタン18aから操作信号が入力されたか否かを監視し、操作信号が入力された場合にボタン予告パターン乱数にもとづいていずれのボタン予告演出を実行するかを決定するボタン入力処理を実行した後(ステップS751)、変動停止コマンド受信フラグがセットされているか判別する(ステップS755)。変動停止コマンド受信フラグは、上述したコマンド解析処理(ステップS91)のステップS604でセットされ、主基板101から変動停止コマンドを受信したことを示すフラグである。すなわち、ステップS755で変動停止コマンド受信フラグがセットされていなければ(ステップS755にてNO)、変動停止コマンドを受信していないと判別して処理を終了する。
一方、変動停止コマンド受信フラグがセットされていれば(ステップS755にてYES)、変動停止コマンド受信フラグをリセットし(ステップ756)、装飾図柄の停止を指示する表示コマンドをセットする(ステップS757)。なお、ステップS757でセットされた表示コマンドは、情報出力処理(ステップS95)にて表示制御基板120に送信され、表示制御基板120に搭載される表示CPU121により当該表示コマンドを受信したことにもとづいて液晶表示装置50にて装飾図柄の変動表示停止を確定表示する。
次いで、統合CPU112は、大当り開始コマンド受信フラグがセットされているか判別する(ステップS758)。大当り開始コマンド受信フラグは、上述したコマンド解析処理(ステップS91)のステップS604でセットされ、主基板101から大当り開始コマンドを受信したことを示すフラグである。すなわち、ステップS758で大当り開始コマンド受信フラグがセットされていなければ(ステップS758にてNO)、大当り開始コマンドを受信していないと判別し、処理選択フラグを「0」に更新して処理を終了する(ステップS759)。一方、大当り開始コマンド受信フラグがセットされていれば(ステップS758にてYES)、大当り開始コマンド受信フラグをリセットし(ステップS760)、処理選択フラグを「2」に更新して処理を終了する(ステップS761)。
図48は、装飾図柄変動処理(ステップS701)で実行されるボタン入力処理(ステップS751)の一例を示すフローチャートである。ボタン入力処理において、統合CPU112は、まず、ボタン予告実行フラグがセットされているか判別する(ステップS771)。ボタン予告実行フラグは、上述した予告選択処理(ステップS717)のステップS737でセットされ、ステップS733で発展予告パターン番号7,8,16,17の発展予告パターンに決定されたことを示すフラグである。これら発展予告パターン番号7,8,16,17の発展予告パターンは、ステップ3−2および/またはステップ4−3の演出が組み込まれ、ボタン予告演出を実行する発展予告パターンである。すなわち、ステップS771でボタン予告実行フラグがセットされていなければ(ステップS771にてNO)、ステップS733でそれ以外のボタン予告演出を実行しない発展予告パターンに決定されていると判別して処理を終了する。
一方、ボタン予告実行フラグがセットされていれば(ステップS771でYES)、操作ボタン18aからの操作信号の入力が許可されるボタン入力有効期間であるか判別する(ステップS772)。すなわち、ステップS772でボタン入力有効期間でなければ(ステップS772でNO)、操作ボタン18aからの操作信号の入力が許可されていないと判別して処理を終了する。なお、ボタン入力有効期間は、発展予告パターン番号7,8,16,17の発展予告パターンに各々設定されており、ステップS733で発展予告パターン番号7,8,16,17の発展予告パターンのいずれかに決定された場合に、ステップS737でボタン予告実行フラグとともにセットされている。この実施の形態では、ボタン入力有効期間は、発展予告パターン番号7,8,16,17の発展予告パターンに対して同一であるとともに、2段階(ステップ2−2)におけるたぬきキャラクタTACの出現期間内に設定されている。
一方、ボタン入力有効期間であれば(ステップS772でYES)、操作ボタン18aから操作信号が入力されたか判別する(ステップS773)。そして、操作ボタン18aから操作信号が入力されていれば(ステップS774にてYES)、操作ボタン18aが遊技者によって操作されたと判別して、ボタン予告パターン乱数にもとづいていずれのボタン予告演出を実行するかを決定するボタン予告選択処理(ステップS774)を実行するとともに、ボタン予告実行フラグをリセット(ステップS775)して処理を終了する。ここで、ボタン入力有効期間中に操作ボタン18aから操作信号が入力されたときには、ボタン予告実行フラグをリセットすることで、それ以降のボタン入力有効期間の余り時間における操作ボタン18aからの操作信号の入力を不許可としている。
図49は、ボタン入力処理(ステップS751)で実行されるボタン予告選択処理(ステップS774)の一例を示すフローチャートである。ボタン予告選択処理において、統合CPU112は、まず、この処理で用いられるボタン予告パターン乱数を抽出し(ステップS781)、統合RAM114の所定の保存領域に記憶する。なお、ボタン予告パターン乱数は、乱数更新処理(ステップS96)にて更新されている。そして、予告選択処理のステップS733で決定された発展予告パターンが発展予告パターン番号7,16であるか判別する(ステップS782)。発展予告パターンが発展予告パターン番号7,16であれば(ステップS782でYES)、1段変化ボタン予告パターンテーブル(図50参照)を選択し(ステップS783)、発展予告パターンが発展予告パターン番号8,12であれば(ステップS782でNO)、2段変化ボタン予告パターンテーブル(図52,53参照)を選択する(ステップS784)。
次いで、統合CPU112は、ステップS783で選択された1段変化ボタン予告パターンテーブルに設定されている判定値と、ステップS781で抽出したボタン予告パターン乱数の値と、が一致する1段変化ボタン予告パターン、または、ステップS784で選択された2段変化ボタン予告パターンテーブルに設定されている判定値と、ステップ781で抽出したボタン予告パターン乱数の値と、が一致する2段変化ボタン予告パターンに決定する(ステップS785)。なお、ステップS785で決定されたボタン予告パターンの内容は、1段変化ボタン予告パターンの場合に発展予告演出の3段階(ステップ3−2)で実行され、2段変化ボタン予告パターンの場合に発展予告演出の3段階(ステップ3−2)および4段階(ステップ4−3)で実行される。また、この実施の形態では、1段変化ボタン予告パターンまたは2段変化ボタン予告パターンを決定する際に共通のボタン予告パターン乱数を用いているが、各々異なる乱数を用いてもよい。
この実施の形態では、ボタン予告演出が組み込まれた発展予告パターン(発展予告パターン番号7,8,16,17の発展予告パターン)を、コマンド解析処理(ステップS91)にて主基板101から受信した演出コマンドが変動表示パターンであるとき(装飾図柄の変動表示の開始時)に決定している一方で、ボタン予告演出にて実行される1段変化ボタン予告パターンまたは2段変化ボタン予告パターンを、操作ボタン18aからの操作信号の入力時に決定している。このように、ボタン予告演出を実行するか否か、および、ボタン予告演出において1段変化または2段変化のいずれの変化とするかを発展予告パターンの決定時に決定することで、発展予告演出における段階(ステップ)の進行度合いの導出バランスを崩すことなく、発展予告演出の一部としてボタン予告演出を実行することができる。
次いで、統合CPU112は、ステップS786で決定した1段変化ボタン予告パターンまたは2段変化ボタン予告パターンに応じた表示コマンドをセットする(ステップS786)。なお、ステップS786でセットされた表示コマンドは、情報出力処理(ステップS95)にて表示制御基板120に送信され、表示制御基板120に搭載される表示CPU121により当該表示コマンドを受信したことにもとづいて液晶表示装置50にてたぬきキャラクタTACが変化した1段目および2段目の態様を所定のタイミングで変化させる。
なお、1段変化ボタン予告パターンテーブルを図50に示す。この1段変化ボタン予告パターンテーブルには、1段変化ボタン予告パターンとして1段変化ボタン予告パターン番号0〜8の9種類が用意されている。また、1段変化ボタン予告パターン番号0に決定した場合には、ボタン予告を実行しない。
また、図51に示すように、1段変化ボタン予告パターン番号1〜8は、操作ボタン18aからの操作信号の入力を契機にたぬきキャラクタTACが1段変化した態様として、「葉っぱ」、「バナナ」、「パイナップル」、「ひょうたん」、「ゴン父キャラクタTC」、「類人猿キャラクタRC」、「ゴンキャラクタGC」、「ギ文字」(仮名文字である「ギ」を描写したもの)の演出表示を各々、発展予告演出の3段階(ステップ3−2)で実行する1段変化ボタン予告パターンである。
1段変化ボタン予告パターンテーブルは、図50に示すように、発展予告パターン番号7,16の発展予告パターンに決定したときに、ステップS785でボタン予告パターン乱数にもとづいて1段変化ボタン予告パターンを決定するためのテーブルである。1段変化ボタン予告パターンテーブルでは、変動表示パターンに対応して1段変化ボタン予告パターン番号0〜8の9種類の1段変化ボタン予告パターンにボタン予告パターン乱数の値が振り分けられている。ただし、変動番号1,3〜47の変動表示パターンに対しては、既にボタン予告演出の実行が組み込まれた発展予告パターンに決定されているため、1段変化ボタン予告パターン番号0にボタン予告パターン乱数の値が振り分けられていない一方、変動番号2の変動表示パターンに対しては、ボタン予告演出の実行が組み込まれた発展予告パターンを実行することがなく、1段変化ボタン予告パターン番号0に全ての1段変化ボタン予告パターン乱数の値が振り分けられている。
また、1段変化ボタン予告パターンテーブルでは、変動番号25〜47のすべり変動を伴う変動表示パターンに対して、1段変化ボタン予告パターン番号2の1段変化ボタン予告パターンにボタン予告パターン乱数の値が振り分けられている。すなわち、1段変化ボタン予告パターン番号2の1段変化ボタン予告パターンにもとづく演出表示が実行されると、たぬきキャラクタTACが1段変化した1段目の態様として「バナナ」が表示され、少なくともリーチ態様を形成するか否かを判別するための装飾図柄が停止表示される過程においてすべり変動を伴う。また、変動番号25〜47の変動表示パターンの中でも「類人猿キャラクタRC」が登場する類人猿リーチ演出が実行される変動番号32〜35の変動表示パターンに対して、1段変化ボタン予告パターン番号2の1段変化ボタン予告パターンにボタン予告パターン乱数の値が多く振り分けられている。すなわち、1段変化ボタン予告パターン番号2の1段変化ボタン予告パターンにもとづく演出表示が実行されると、たぬきキャラクタTACが1段変化した1段目の態様として「バナナ」が表示され、リーチ態様の形成後、「バナナ」が出現する類人猿リーチ演出が導出される割合が高くなる。
ただし、上記した変動表示パターン以外にも、変動番号3〜24のすべり変動を伴わない当り時変動表示パターンに対して、1段変化ボタン予告パターン番号2の1段変化ボタン予告パターンにボタン予告パターン乱数の値が振り分けられている。このように、たぬきキャラクタTACが1段変化した1段目の態様として「バナナ」が表示されたにも関わらず、リーチ態様を形成する過程においてすべり変動を伴わなかったときには、今回の変動表示の結果、大当りが導出される。
また、1段変化ボタン予告パターンテーブルでは、変動番号3〜24,26〜47の変動表示パターンに対して、1段変化ボタン予告パターン番号3の1段変化ボタン予告パターンにボタン予告パターン乱数の値が振り分けられている。すなわち、1段変化ボタン予告パターン番号3の1段変化ボタン予告パターンにもとづく演出表示が実行されると、たぬきキャラクタTACが1段変化した1段目の態様として「パイナップル」が表示され、少なくともリーチ態様の表示が導出される。
また、1段変化ボタン予告パターンテーブルでは、変動番号3〜24,26〜47の当り時変動表示パターンに対してのみ、1段変化ボタン予告パターン番号4の1段変化ボタン予告パターンにボタン予告パターン乱数の値が振り分けられている。すなわち、1段変化ボタン予告パターン番号4の1段変化ボタン予告パターンにもとづく演出表示が実行されると、たぬきキャラクタTACが1段変化した1段目の態様として「ひょうたん」が表示され、今回の変動表示の結果、大当りが導出される。
また、1段変化ボタン予告パターンテーブルでは、たぬきキャラクタTACが1段変化した1段目の態様として出現されるキャラクタの種別に応じて大当り期待度が異なるように、1段変化ボタン予告パターン番号5〜7の1段変化ボタン予告パターンにボタン予告パターン乱数の値が振り分けられている。具体的には、1段変化ボタン予告パターン番号5の1段変化ボタン予告パターンにもとづく「ゴン父キャラクタTC」の演出表示、1段変化ボタン予告パターン番号6の1段変化ボタン予告パターンにもとづく「類人猿キャラクタRC」の演出表示、1段変化ボタン予告パターンにもとづく「ゴンキャラクタGC」の演出表示の順で大当り期待度が高くなるように設定されている。すなわち、「ゴンキャラクタGC」が出現される1段変化ボタン予告パターン番号7の1段変化ボタン予告パターンの大当り期待度が最も高い。なお、1段変化ボタン予告パターンにもとづくキャラクタの種別に応じた大当り期待度の順序は、発展予告パターンにもとづいて出現する「ゴン父キャラクタTC」(ステップ2−1)、「類人猿キャラクタRC」(ステップ3−1)、「ゴンキャラクタGC」(ステップ4−1またはステップ4−2)の大当り期待度の順序と同一である。これにより、遊技者は、1段変化ボタン予告パターンにもとづくキャラクタに応じた大当り期待度の順序を把握していなくても、発展予告パターンにもとづくキャラクタに応じた大当り期待度の順序を把握していればよく、発展予告パターンにもとづくキャラクタよりも稀に出現する1段変化ボタン予告パターンにもとづくキャラクタに応じた大当り期待度の順序を容易に把握することができる。
また、1段変化ボタン予告パターンテーブルでは、変動番号3〜24,26〜47の当り時変動表示パターンに対してのみ、1段変化ボタン予告パターン番号8の1段変化ボタン予告パターンにボタン予告パターン乱数の値が振り分けられている。すなわち、1段変化ボタン予告パターン番号8の1段変化ボタン予告パターンにもとづく演出表示が実行されると、たぬきキャラクタTACが1段変化した1段目の態様として「ギ文字」が表示され、今回の変動表示の結果、大当りが導出される。
また、2段変化ボタン予告パターンテーブルを図52および図53に示す。この2段変化ボタン予告パターンテーブルには、2段変化ボタン予告パターンとして2段変化ボタン予告パターン番号0〜22の23種類が用意されている。また、2段変化ボタン予告パターン番号0に決定した場合には、ボタン予告を予告を実行しない。
また、図54に示すように、2段変化ボタン予告パターン番号1〜22は、操作ボタン18aからの操作信号の入力を契機にたぬきキャラクタTACが1段変化した1段目の態様として、「葉っぱ」、「バナナ」、「パイナップル」、「ひょうたん」、「ゴン父キャラクタTC」、「類人猿キャラクタRC」、「ゴンキャラクタGC」の演出表示を各々、発展予告演出の3段階(ステップ3−2)で実行した後、たぬきキャラクタTACがさらに1段変化した2段目の態様として、「ゴン父キャラクタTC」、「類人猿キャラクタRC」、「ゴンキャラクタGC」、「ギ文字」(仮名文字である「ギ」を描写したもの)の演出表示を各々、発展予告演出の4段階(ステップ4−3)で実行する2段変化ボタン予告パターンである。ここで、たぬきキャラクタTACが変化した1段目および2段目の態様として演出表示される態様がいずれもキャラクタである場合、2段目の態様として演出表示されるキャラクタは、1段目の態様として演出表示されるキャラクタよりも上位のキャラクタに設定されており、発展予告演出の進行と同様に、ボタン予告演出が進行されるに連れて下位のキャラクタや同一のキャラクタが演出表示されることがない。
2段変化ボタン予告パターンテーブルは、図52および図53に示すように、発展予告パターン番号8,17の発展予告パターンに決定したときに、ステップS785でボタン予告パターン乱数にもとづいて2段変化ボタン予告パターンを決定するためのテーブルである。2段変化ボタン予告パターンテーブルでは、変動表示パターンに対応して2段変化ボタン予告パターン番号0〜22の23種類の2段変化ボタン予告パターンにボタン予告パターン乱数の値が振り分けられている。ただし、変動番号1,3〜47の変動表示パターンに対しては、既にボタン予告演出の実行が組み込まれた発展予告パターンに決定されているため、2段変化ボタン予告パターン番号0にボタン予告パターン乱数の値が振り分けられていない一方、変動番号2の変動表示パターンに対しては、ボタン予告演出の実行が組み込まれた発展予告パターンを実行することがなく、2段変化ボタン予告パターン番号0に全ての2段変化ボタン予告パターン乱数の値が振り分けられている。
また、2段変化ボタン予告パターンテーブルでは、変動番号25〜47のすべり変動を伴う変動表示パターンに対して、2段変化ボタン予告パターン番号2,6,11,17の2段変化ボタン予告パターンにボタン予告パターン乱数の値が振り分けられている。すなわち、1段変化ボタン予告パターン番号2の1段変化ボタン予告パターンと同様に、2段変化ボタン予告パターン番号2,6,11,17の2段変化ボタン予告パターンにもとづく演出表示が実行されると、たぬきキャラクタTACが1段変化した1段目の態様として「バナナ」が表示され、たぬきキャラクタTACがさらに1段変化した2段目の態様に関わらず、少なくともリーチ態様を形成するか否かを判別するための装飾図柄が停止表示される過程においてすべり変動を伴う。また、上記した変動表示パターン以外にも、変動番号3〜24のすべり変動を伴わない当り時変動表示パターンに対して、2段変化ボタン予告パターン番号2,6,11,17の2段変化ボタン予告パターンにボタン予告パターン乱数の値が振り分けられている。このように、たぬきキャラクタTACが1段変化した1段目の態様として「バナナ」が表示されたにも関わらず、リーチ態様を形成する過程においてすべり変動を伴わなかったときには、今回の変動表示の結果、大当りが導出される。
また、2段変化ボタン予告パターンテーブルでは、変動番号3〜24,26〜47の当り時変動表示パターンに対して、2段変化ボタン予告パターン番号3,7,12,18の2段変化ボタン予告パターンにボタン予告パターン乱数の値が振り分けられている。すなわち、2段変化ボタン予告パターン番号3,7,12,18の2段変化ボタン予告パターンにもとづく演出表示が実行されると、たぬきキャラクタTACが1段変化した1段目の態様として「パイナップル」が表示され、たぬきキャラクタTACがさらに1段変化した2段目の態様に関わらず、今回の変動表示の結果、大当りが導出される。
ここで、1段変化ボタン予告パターン番号3の1段変化ボタン予告パターンにもとづく演出表示が実行され、たぬきキャラクタTACが1段変化した1段目の態様として「パイナップル」が表示された場合には、少なくともリーチ態様の表示が導出される一方、2段変化ボタン予告パターン番号3,7,12,18の2段変化ボタン予告パターンにもとづく演出表示が実行され、たぬきキャラクタTACが1段変化した1段目の態様として「パイナップル」が表示された後にさらに1段変化した2段目の態様が表示された場合には、今回の変動表示の結果、大当りが導出される。このように、たぬきキャラクタTACが1段変化した1段目の態様として「パイナップル」が表示された場合には、「少なくともリーチ態様の表示が導出される」よりも「今回の変動表示の結果、大当りが導出される」のほうが遊技者にとって有益な情報であり、たぬきキャラクタTACがさらに1段変化した2段目の態様が表示されることを期待し、1段目から2段目の態様の変化に注目させることができる。
しかしながら、1段変化ボタン予告パターン番号4の1段変化ボタン予告パターンにもとづく演出表示が実行され、たぬきキャラクタTACが1段変化した1段目の態様として「ひょうたん」が表示された場合には、今回の変動表示の結果、大当りが導出される一方、2段変化ボタン予告パターン番号4,8,13,19の2段変化ボタン予告パターンにもとづく演出表示が実行され、たぬきキャラクタTACが1段変化した1段目の態様として「ひょうたん」が表示された後にさらに1段変化した2段目の態様が表示された場合には、大当りが導出されないことがある。このように、たぬきキャラクタTACが1段変化した1段目の態様として「ひょうたん」が表示された場合には、「今回の変動表示の結果、大当りが導出される」よりも「今回の変動表示の結果、大当りが導出されないことがある」のほうが遊技者にとって不利な情報であり、たぬきキャラクタTACがさらに1段変化した2段目の態様が表示されないことを期待し、たぬきキャラクタTACが1段変化した1段目の態様として「パイナップル」が表示された場合と同様に、1段目から2段目の態様に変化されるか否かに注目させることができる。従って、ボタン予告演出における1段目から2段目の態様の変化に注目させることで、発展予告演出の一部であるボタン予告演出に対して飽きさせることがなく、またボタン予告演出が実行された場合に操作ボタン18aを操作する意欲を増大させることができ、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、2段変化ボタン予告パターンテーブルでは、たぬきキャラクタTACが1段変化した1段目の態様としてキャラクタが出現する場合よりも、該キャラクタからさらに1段変化して2段目の態様でもキャラクタが出現する場合のほうが大当り期待度が高くなるように、2段変化ボタン予告パターン番号9,14,15の2段変化ボタン予告パターンにボタン予告パターン乱数の値が振り分けられている。具体的には、1段変化ボタン予告パターン番号5の1段変化ボタン予告パターンにもとづく「ゴン父キャラクタTC」の演出表示よりも2段変化ボタン予告パターン番号4,9の2段変化ボタン予告パターンにもとづく「ゴン父キャラクタTC」→「類人猿キャラクタRC」または「ゴンキャラクタGC」の演出表示のほうが、1段変化ボタン予告パターン番号6の1段変化ボタン予告パターンにもとづく「類人猿キャラクタRC」の演出表示よりも2段変化ボタン予告パターン番号15の2段変化ボタン予告パターンにもとづく「類人猿キャラクタRC」→「ゴンキャラクタGC」の演出表示のほうが、大当り期待度が高くなるように設定されている。このように、たぬきキャラクタTACが1段変化した1段目の態様として下位のキャラクタが出現した場合であっても、さらに1段変化した2段目の態様として上位のキャラクタが出現することを期待でき、1段目から2段目の態様の変化に注目させることができる。
また、2段変化ボタン予告パターンテーブルでは、変動番号3〜24,26〜47の当り時変動表示パターンに対してのみ、2段変化ボタン予告パターン番号16〜22の2段変化ボタン予告パターンにボタン予告パターン乱数の値が振り分けられている。すなわち、1段変化ボタン予告パターン番号8の1段変化ボタン予告パターンと同様に、2段変化ボタン予告パターン番号16〜22の2段変化ボタン予告パターンにもとづく演出表示が実行されると、たぬきキャラクタTACが1段変化した1段目の態様に関わらず、たぬきキャラクタTACがさらに1段変化した2段目の態様として「ギ文字」が表示され、今回の変動表示の結果、大当りが導出される。
次に、発展予告演出の一例について図55を参照して説明する。図55は、発展予告パターン番号13の発展予告パターンにもとづく発展予告演出の一例を示す説明図である。サブ統合基板111にて変動表示パターンコマンドを受信すると、装飾図柄変動開始処理のステップS718で当該変動表示パターンと停止図柄とに応じた表示コマンドとともに、当該変動表示パターンにもとづいて決定された各種予告パターン(ここでは、発展予告パターン番号9の発展予告パターン)に応じた表示コマンドをセットし、情報出力処理(ステップS95)で表示制御基板120に送信する。表示制御基板120に搭載される表示CPU121は、受信した表示コマンドにもとづいて表示ROM122からプロセスデータを読み出し、当該プロセスデータにもとづいてタイマ(表示画像の切替タイミング等を示す)を設定するとともに、液晶表示装置50に駆動信号を出力して装飾図柄50a〜50cの変動表示を開始する(図55(A))。
なお、装飾図柄50a〜50cは、変動表示の開始時に液晶表示装置50の画面内上方から下方に向けて低速変動から高速変動に移行して変動表示している。また、装飾図柄50a〜50cは、不透明の態様で変動表示しているが、高速変動させることで当該装飾図柄50a〜50cの変動表示領域の背面にある背景画像を見通すことができる。なお、装飾図柄50a〜50cの各々が停止表示される以前に、再び高速変動から低速変動へと移行させることで、装飾図柄50a〜50cが停止表示されることを遊技者が認識することができるとともに、いずれの図柄で停止表示されそうであるかも容易に認識することができる。また、この実施の形態では、装飾図柄50a〜50cを常に不透明の態様で変動表示しているが、低速変動から高速変動に移行する過程において背景画像を見通すことを阻害しない半透明の態様で変動表示し、高速変動から低速変動に移行する過程において再び不透明の態様で変動表示してもよい。
この実施の形態では、装飾図柄50a〜50cとして「0」〜「9」の10種類の図柄が用いられている。また、装飾図柄50a〜50cは、「1」,「3」,「5」,「7」,「9」の5種類の奇数図柄である特定図柄と、「0」,「2」,「4」,「6」,「8」の5種類の偶数図柄である非特定図柄と、から構成され、表示制御基板120の表示ROM122に記憶されている。そして、上述した装飾図柄変動開始処理のステップS715で決定する確変大当り図柄の停止図柄として特定図柄の組み合わせのうちいずれかの組み合わせに決定し、ステップS716で決定する非確変大当り図柄の停止図柄として非特定図柄の組み合わせのうちいずれかの組み合わせに決定する。
また、装飾図柄50a〜50cの形態は、各種数字が立体的に視認されるように肉厚をもった態様であり、その表面部は巨大な岩石を切り出したようにゴツゴツとし、所々がヒビ割れていることで、強い力を加えたりすれば崩れ落ちそうなイメージを醸し出している。また、特定図柄となる装飾図柄50a〜50cは、配色を赤色とするとともに、遊技者の図柄(数字)の認識を妨げない程度に数字面側を若干、左方向に回転された態様とする一方、非特定図柄となる装飾図柄50a〜50cは、配色を青色とするとともに、数字面側を若干、右方向に回転された態様とすることで、遊技者が一見しただけでも特定図柄または非特定図柄のいずれの図柄であるかを簡単に区別することができる。
図55(A)に示すように、プロセスデータにもとづいて装飾図柄50a〜50cの変動表示を開始するときには、平坦な土壌中を何かが動いているかのように土壌表面がモコモコと盛り上がり、該土盛りが液晶表示装置50の画面内前方に向かってくる演出態様を表示制御する。
図55(A)で土盛りが画面内前方に向かってくる演出態様を表示制御した後、さらにプロセスデータにもとづく処理を実行し、所定時間経過後にモグラキャラクタMOCが土盛りの先端からひょっこりと顔を出す演出態様を表示制御する(図55(B))。なお、上述した1段階のステップ1−2とは、平坦な土壌が表示制御された段階から土盛り後にモグラキャラクタMOCが出現する演出態様が表示制御される1段階へと段階を発展させた状態である。
図55(B)でモグラキャラクタMOCが出現する演出態様を表示制御した後、さらにプロセスデータにもとづく処理を実行し、所定時間経過後にモグラキャラクタMOCが土壌へと戻るのと入れ替わりに、ゴン父キャラクタTCが画面内右方から中央付近へと足早に現れ、石斧を振り上げて存在をアピールする演出態様を表示制御する(図55(C))。なお、上述した2段階のステップ2−1とは、モグラキャラクタMOCが出現する演出態様が表示制御された1段階からゴン父キャラクタTCが出現する演出態様が表示制御される2段階へと段階を発展させた状態である。
図55(C)でゴン父キャラクタTCが出現する演出態様を表示制御した後、さらにプロセスデータにもとづく処理を実行し、所定時間経過後にゴン父キャラクタTCが画面内中央付近から後方へと走り去るのと入れ替わりに、類人猿キャラクタRCが画面内右方から中央付近へと足早に現れる演出態様を表示制御する(図55(D))。なお、上述した3段階のステップ3−1とは、ゴン父キャラクタTCが出現する演出態様が表示制御された2段階から類人猿キャラクタRCが出現する演出態様が表示制御される3段階へと段階を発展させた状態である。
図55(D)で類人猿キャラクタRCが出現する演出態様を表示制御した後、さらにプロセスデータにもとづく処理を実行し、所定時間経過後に類人猿キャラクタRCが画面内中央付近から後方へと走り去るのと入れ替わりに、ゴンキャラクタGCおよびピーコキャラクタPCの二人組が画面内右方から中央付近へと歩いて現れる演出態様を表示制御する(図55(E))。なお、上述した4段階のステップ4−2とは、類人猿キャラクタRCが出現する演出態様が表示制御された3段階からゴンキャラクタGCおよびピーコキャラクタPCの二人組が出現する演出態様が表示制御される4段階へと段階を発展させた状態である。また、左装飾図柄50aは、ゴンキャラクタGCおよびピーコキャラクタPCの二人組が画面内右方から出現した後のタイミングで、高速変動から低速変動に移行して変動表示している。
図55(E)で左装飾図柄50aが低速変動に移行した後、さらにプロセスデータにもとづく処理を実行し、所定時間経過後に左装飾図柄50aが指定された停止図柄の1図柄手前(同図中では、「6」を例示)で一旦、停止表示されるかのように表示されるが、ゴンキャラクタGCが画面内右方から左方へと移動して左装飾図柄50aの前方を横切る過程において、当該1図柄手前の図柄を次の図柄(停止図柄:同図中では、「7」を例示)が押し潰して粉砕する演出態様を表示制御し、左装飾図柄50aを停止表示する(図55(F))。このとき、ゴンキャラクタGCがもっている石斧で当該1図柄手前の図柄を叩き割る仕草をする演出態様も表示制御するため、ゴンキャラクタGCによって指定された停止図柄が出現したかのように見せることができる。
この実施の形態では、左装飾図柄50aとゴンキャラクタGCとが重なり合う、すなわち左装飾図柄50aの変動表示領域とゴンキャラクタGCの通過表示領域とが交差するタイミングで、左装飾図柄50aが停止表示される。これにより、発展予告演出として順次表示されるキャラクタを注視している遊技者にとっても、左装飾図柄50aの停止表示に気付かせることができ、またゴンキャラクタGCと左装飾図柄50aとの間で視点の移動も必要ないことから、自然に左装飾図柄50aを注視させることができる。換言すると、左装飾図柄50aの停止図柄が特定図柄または非特定図柄のいずれの図柄であるかを早く認識したい遊技者にとっても、発展予告演出として順次表示されるキャラクタを安心して注視することができる。
図55(F)で左装飾図柄50aが停止表示された後、さらにプロセスデータにもとづく処理を実行し、所定時間経過後にゴンキャラクタGCおよびピーコキャラクタPCの二人組が画面内左方へと立ち去り、さらに左装飾図柄の変動表示と同様に、右装飾図柄50cが指定された停止図柄の1図柄手前で一旦、停止表示されるかのように表示されるが、当該1図柄手前の図柄を次の図柄(停止図柄)が押し潰して粉砕する演出態様を表示制御する。ここで、右装飾図柄50cは、プロセスデータにもとづいて左装飾図柄50aと同一の停止図柄(同図中では、「7」を例示)で停止表示される(図55(G))。すなわち、未だ中装飾図柄50bが変動表示しているが左右装飾図柄50a,50cが停止表示されることで、リーチ態様が形成される。
次いで、リーチ態様を形成し、その後にリーチ演出が実行開始されることを認識させる「リーチ」の文字が画面内後方から画面内前方に向かってくる演出態様をリーチ態様確定画面51aとして表示制御する(図55(H))。また、リーチ態様確定画面51aでは、「リーチ」の文字とともに3匹のマンモスキャラクタMCが土煙を上げながら画面内後方から画面内前方に向かってくる演出態様も表示制御される。なお、上述した5段階のステップ5とは、ゴンキャラクタGCおよびピーコキャラクタPCの二人組が出現する4段階からマンモスキャラクタMCが出現する演出態様が表示制御される5段階へと段階を発展させた状態である。
この実施の形態では、キャラクタを段階毎に切り替えて出現させることにより、各段階にて各々のキャラクタを遊技者に確実に認識させ、発展予告演出の段階を把握させることができる。なお、段階を発展させる場合に、キャラクタを継続して出現させる(例えば、2段階においては、モグラキャラクタMOCおよびゴン父キャラクタTCを出現させる)ことにより、各段階にて複数のキャラクタが出現する演出態様を表示制御してもよい。この場合、遊技者は、出現しているキャラクタの個数によって発展型予告演出の段階を把握することができ、さらに発展予告演出の段階が発展することによって大当り期待度が高くなるため、出現しているキャラクタの個数に応じて大当りが導出される期待感を高めることができる。
次に、発展予告演出と装飾図柄50a〜50cの変動表示の停止タイミングとの関係について図56を参照して説明する。図56は、発展予告演出のタイミングチャートの一例を示す説明図である。
図56に示すように、変動表示パターンに設定された演出態様は、変動時間(演出時間)が経過するにつれて「通常変動」、「リーチ演出」(ノーマルリーチ、スーパーリーチ、発展演出を含む。)の順で実行される。なお、リーチ態様が形成されるか否かまでの「通常変動」の演出時間には、変動表示パターンにもとづいて発展予告パターンテーブル(図44,45参照)から決定された発展予告パターンに応じて、ステップ1(1段階)〜ステップ4(4段階)の所定の演出表示が実行される。この実施の形態では、「通常変動」の演出時間として約11秒が設定されており、当該「通常変動」にて実行されるステップ1からステップ3の各段階において約2秒、ステップ4においてステップ1からステップ3の各段階よりも若干長い約3秒がそれぞれ設定されている。これにより、キャラクタを約2秒(ステップ4の場合には、約3秒)毎で切り替えて出現させることにより、各段階にて各々のキャラクタを遊技者が認識するための時間を十分に確保でき、発展予告演出の段階を把握させることができる。
なお、この実施の形態では、リーチ態様が形成されない場合、すなわち変動番号1の変動表示パターンにもとづいて、発展予告パターンテーブル(図44参照)から発展予告パターン番号4〜6の発展予告パターンが決定されることがなく、ステップ3およびステップ4の演出表示が実行されることがないが、発展予告パターン番号4〜6の発展予告パターンを決定可能とし、ステップ3およびステップ4の演出表示を実行してもよい。この場合にも、リーチ態様が形成される場合と同様に、「通常変動」の所定の演出時間内にステップ1(1段階)〜ステップ4(4段階)の所定の演出表示が実行される。
また、上述したように、装飾図柄50a〜50cの変動表示は、変動表示の開始時に低速変動から高速変動に移行し、所定時間経過後に左装飾図柄50a、右装飾図柄50cの順序で高速変動から低速変動に移行し、各々の装飾図柄50a,50cを指定された停止図柄で順次停止表示する。詳細には、発展予告演出におけるステップ4の開始時にゴンキャラクタGCを出現させた後、装飾図柄50a〜50cのうち最初に停止表示される左装飾図柄50a(第一停止図柄)を高速変動から低速変動に移行する過程を経て、指定された停止図柄で停止表示する。そして、左装飾図柄50aが停止表示されるタイミングと略同時期に、左装飾図柄50aの次に停止表示される右装飾図柄50c(第二停止図柄)を高速変動から低速変動に移行した後、指定された停止図柄で停止表示する。
この実施の形態では、左装飾図柄50aを指定された停止図柄で停止表示するまでに、発展予告演出におけるステップ4のゴンキャラクタGCを出現させている。一般に、変動表示の結果、大当りが導出される場合には、大当り図柄として同一図柄の組み合わせを表示することになり、中装飾図柄50b、右装飾図柄50c(第一停止図柄以外の図柄)が左装飾図柄50a(第一停止図柄)の停止図柄と同一図柄で停止表示されるため、左装飾図柄50aが特定図柄または非特定図柄のいずれかで停止表示された時点で、確変大当り図柄または非確変大当り図柄のいずれとなるか(特定図柄または非特定図柄のいずれの組み合わせとなるか)を判別することができる。この確変大当り図柄または非確変大当り図柄のいずれとなるかは、大当り遊技状態の終了後に得られる遊技者の利益(確率変動状態となるか否か)に直接的に関わるため、左装飾図柄50aの変動表示の行方に注目することになる。
例えば、発展予告演出におけるキャラクタの出現と、左装飾図柄50a(第一停止図柄)の停止表示と、が同時期に実行された場合、左装飾図柄50aの変動表示の行方に注目している遊技者にとっては、発展予告演出が実行されたにも関わらずキャラクタの出現に注目することができず、キャラクタの出現を見逃すことがあった。しかしながら、左装飾図柄50aを指定された停止図柄で停止表示するまでに、発展予告演出におけるステップ4のゴンキャラクタGCを出現させることで、ゴンキャラクタGCの出現から左装飾図柄50aの停止表示に自然に遊技者の意識を移行させることができる。従って、発展予告演出におけるキャラクタの出現と、左装飾図柄50a(第一停止図柄)の停止表示と、を共に見逃すことがなく、発展予告演出による演出効果を存分に発揮することができ、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
さらに、この実施の形態では、左装飾図柄50aを停止表示する前段階である低速変動に移行するまでに、発展予告演出におけるステップ4のゴンキャラクタGCを出現させている。これにより、左装飾図柄50a(第一停止図柄)が低速変動に移行し、左装飾図柄50aがいずれの図柄で停止表示されそうであるかに遊技者の意識が向かい始める時期には、既にステップ4のキャラクタが出現しており新たなキャラクタが出現することがなく、発展予告演出におけるキャラクタの出現を見逃すことがなく、発展予告演出による演出効果を存分に発揮することができ、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
なお、この実施の形態では、左装飾図柄50aを指定された停止図柄で停止表示するまでに、発展予告演出におけるステップ4のゴンキャラクタGCを出現させているが、ステップ4の終了(ゴンキャラクタGCが画面内から立ち去るまで)には至っていない。しかしながら、左装飾図柄50aを指定された停止図柄で停止表示するまでに、少なくとも発展予告演出におけるステップ4のゴンキャラクタGCを出現させればよく、図60に示すように、左装飾図柄50aを指定された停止図柄で停止表示するまでに、発展予告演出におけるステップ4を終了させてもよい。
具体的には、発展予告演出におけるステップ4を終了させた(ゴンキャラクタGCを画面内から立ち去らせた)後、装飾図柄50a〜50cのうち最初に停止表示される左装飾図柄50a(第一停止図柄)を高速変動から低速変動に移行する過程を経て、指定された停止図柄で停止表示する。そして、左装飾図柄50aが停止表示されるタイミングと略同時期に、左装飾図柄50aの次に停止表示される右装飾図柄50c(第二停止図柄)を高速変動から低速変動に移行した後、指定された停止図柄で停止表示する。この場合、発展予告演出におけるキャラクタの出現と、左装飾図柄50a(第一停止図柄)の停止表示と、を共に見逃すことがなく、さらに発展予告演出のステップ4にてゴンキャラクタGCを遊技者が認識するための時間を十分に確保することで発展予告演出の段階を容易に把握させることができ、発展予告演出による演出効果を存分に発揮することができ、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、図56に示すように、リーチ態様が形成された後の「リーチ演出」の開始態様である「リーチ態様確定画面51a」の演出時間には、変動表示パターンにもとづいて発展予告パターンテーブル(図44,45参照)から決定された発展予告パターンに応じて、ステップ5(5段階)の演出表示が実行される。この実施の形態では、「リーチ態様確定画面51a」の演出時間として約2秒が設定されている。
この実施の形態では、左装飾図柄50aおよび右装飾図柄50cを指定された停止図柄で停止表示した後に、発展予告演出におけるステップ5のマンモスキャラクタMCを出現させている。一般に、右装飾図柄50c(第二停止図柄)が停止表示されるタイミングでは、左装飾図柄50a(第一停止図柄)の停止図柄と同一図柄で停止表示されるか否か、すなわちリーチ態様が形成されるか否かを判別することができ、その後の変動表示の結果(中装飾図柄50bの停止図柄によっては)、大当りが導出される可能性があるか否かに関わるため、左装飾図柄50aの変動表示の行方と同様に、右装飾図柄50cの変動表示の行方にも注目している。
しかしながら、この実施の形態では、左装飾図柄50a(第一停止図柄)および右装飾図柄50c(第二停止図柄)が停止表示されるタイミングでは、発展予告演出によりキャラクタが出現することがなく、左装飾図柄50aおよび右装飾図柄50cの停止表示に注目することを妨げることがない。これにより、左装飾図柄50aが停止表示される前の発展予告演出(ステップ1〜ステップ4)、左装飾図柄50aおよび右装飾図柄50cの停止表示、リーチ態様確定画面における発展予告演出(ステップ5)、リーチ態様確定画面後のリーチ演出という流れで、それぞれを自然に遊技者の意識を移行させることができる。従って、発展予告演出におけるキャラクタの出現と、左装飾図柄50a(第一停止図柄)および右装飾図柄50c(第二停止図柄)の停止表示と、を共に見逃すことがなく、発展予告演出による演出効果を存分に発揮することができ、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、この実施の形態では、左装飾図柄50aを指定された停止図柄で停止表示するまでに、発展予告演出におけるステップ4のゴンキャラクタGCを出現させている一方で、左装飾図柄50aおよび右装飾図柄50cを指定された停止図柄で停止表示した後に、発展予告演出におけるステップ5のマンモスキャラクタMCを出現させている。ここで、左装飾図柄50aを指定された停止図柄で停止表示するまでに、発展予告演出におけるステップ5のマンモスキャラクタMCを出現させようとすると、各段階にて各々のキャラクタを遊技者が認識するための時間を十分に確保できず、発展予告演出の段階を把握させることが困難となる。しかしながら、「リーチ態様確定画面51a」にてキャラクタを出現させることで、左装飾図柄50aおよび右装飾図柄50cの停止表示に注目することを妨げることがなく、且つ、5段階のキャラクタを遊技者が認識するための時間を十分に確保することができ、発展予告演出の段階を把握させることを容易とする。
次に、発展予告演出の一部として実行されるボタン予告演出の一例について図58を参照して説明する。図58は、発展予告パターン番号7,8,16,17のいずれかの発展予告パターンにもとづく発展予告演出の一部として実行されるボタン予告演出の一例を示す説明図である。サブ統合基板111にて変動表示パターンコマンドを受信すると、装飾図柄変動開始処理のステップS718で当該変動表示パターンと停止図柄とに応じた表示コマンドとともに、当該変動表示パターンにもとづいて決定された各種予告パターン(ここでは、発展予告パターン番号7,8,16,17のいずれかの発展予告パターン)に応じた表示コマンドをセットし、情報出力処理(ステップS95)で表示制御基板120に送信する。表示制御基板120に搭載される表示CPU121は、受信した表示コマンドにもとづいて表示ROM122からプロセスデータを読み出し、当該プロセスデータにもとづいてタイマ(表示画像の切替タイミング等を示す)を設定するとともに、液晶表示装置50に駆動信号を出力して装飾図柄50a〜50cの変動表示を開始する(図58(A))。なお、装飾図柄50a〜50cは、図55に示した不透明の態様ではなく、低速変動から高速変動に移行する過程において半透明の態様で変動表示する場合を例示している。
図58(A)に示すように、プロセスデータにもとづいて装飾図柄50a〜50cの変動表示を開始するときには、平坦な土壌中を何かが動いているかのように土壌表面がモコモコと盛り上がり、該土盛りが液晶表示装置50の画面内前方に向かってくる演出態様を表示制御する。
図58(A)で土盛りが画面内前方に向かってくる演出態様を表示制御した後、さらにプロセスデータにもとづく処理を実行し、所定時間経過後にモグラキャラクタMOCが土盛りの先端からひょっこりと顔を出す演出態様を表示制御する(図58(B))。なお、上述した1段階のステップ1−2とは、平坦な土壌が表示制御された段階から土盛り後にモグラキャラクタMOCが出現する演出態様が表示制御される1段階へと段階を発展させた状態である。
図58(B)でモグラキャラクタMOCが出現する演出態様を表示制御した後、さらにプロセスデータにもとづく処理を実行し、所定時間経過後にモグラキャラクタMOCが土壌へと戻るのと入れ替わりに、葉っぱを右手に取ったたぬきキャラクタTACが画面内右方から中央付近へと現れる演出態様を表示制御する(図58(C))。なお、上述した2段階のステップ2−2とは、モグラキャラクタMOCが出現する演出態様が表示制御された1段階からたぬきキャラクタTACが出現する演出態様が表示制御される2段階へと段階を発展させた状態である。
図58(C)でたぬきキャラクタTACが出現する演出態様を表示制御した後、さらにプロセスデータにもとづく処理を実行し、ボタン入力有効期間の開始タイミングにたぬきキャラクタTACが葉っぱを頭上に乗せるとともに、吹き出しを用いて変化するための呪文をブツブツと唱え始める演出態様を表示制御する(図58(D))。このとき、画面内左上方には、操作ボタン18aを模写した画像51bとともに、「PUSH!!」の文字を表示制御することで、操作ボタン18aから操作信号の入力が許可されるボタン入力有効期間であることを遊技者に報知し、操作ボタン18aの操作を促している。
図58(D)でボタン入力有効期間を開始するが、操作ボタン18aが操作されることなく(操作ボタン18aから操作信号が入力されることなく)ボタン入力有効期間を終了する場合には、さらにプロセスデータにもとづく処理を実行し、ボタン入力有効期間の終了後にたぬきキャラクタTACが画面内左方へと立ち去る演出態様を表示制御する(図58(E))。
上記した発展予告演出の一部として実行されるボタン予告演出の一例では、ボタン入力有効期間にて操作ボタン18aが操作されず、発展予告パターン(ボタン予告パターン)にもとづく3段階以降の演出表示が実行されなかった場合を説明したが、次に、ボタン入力有効期間にて操作ボタン18aが操作され、発展予告パターン(ボタン予告パターン)にもとづく3段階以降の演出表示が実行されるボタン予告演出の一例について図59を参照して説明する。
図59は、発展予告パターン番号8,17のいずれかの発展予告パターンおよび2段変化ボタン予告パターン番号14の2段変化ボタン予告パターンにもとづく発展予告演出の一部として実行されるボタン予告演出の一例を示す説明図である。サブ統合基板111にて変動表示パターンコマンドを受信すると、装飾図柄変動開始処理のステップS718で当該変動表示パターンと停止図柄とに応じた表示コマンドとともに、当該変動表示パターンにもとづいて決定された各種予告パターン(ここでは、発展予告パターン番号8,17のいずれかの発展予告パターン)に応じた表示コマンドをセットし、情報出力処理(ステップS95)で表示制御基板120に送信する。表示制御基板120に搭載される表示CPU121は、受信した表示コマンドにもとづいて表示ROM122からプロセスデータを読み出し、当該プロセスデータにもとづいてタイマ(表示画像の切替タイミング等を示す)を設定するとともに、液晶表示装置50に駆動信号を出力して装飾図柄50a〜50cの変動表示を開始する(図59(A))。
図59(A)で土盛りが画面内前方に向かってくる演出態様を表示制御した後、図59(D)でたぬきキャラクタTACが呪文をブツブツと唱え始める演出態様が表示制御されるまでは、図58(A)〜図58(D)の演出態様の表示制御と同様である。
図59(D)でボタン入力有効期間の開始後、ボタン入力有効期間を終了するまでに、遊技者が操作ボタン18aを操作し、サブ統合基板111にて操作ボタン18aから操作信号が入力されると、当該変動表示パターンと当該発展予告パターンとにもとづいて決定されたボタン予告パターン(ここでは、2段変化ボタン予告パターン番号14の2段変化ボタン予告パターン)に応じた表示コマンドをセットし、情報出力処理(ステップS95)で表示制御基板120に送信する。表示制御基板120に搭載される表示CPU121は、受信した表示コマンドにもとづいて表示ROM122からプロセスデータを新たに読み出し、当該プロセスデータにもとづいてタイマ(表示画像の切替タイミング等を示す)を設定するとともに、液晶表示装置50に駆動信号を出力してたぬきキャラクタTACを1段目および2段目の態様に次々と変化させる。なお、操作ボタン18aの操作タイミングでは、たぬきキャラクタTACを1段目の態様に変化させず、本来のボタン入力有効期間が終了するまでは、図58(D)の演出態様を継続して表示制御している。
図59(D)でボタン入力有効期間の終了後、さらにプロセスデータにもとづく処理を実行し、たぬきキャラクタTACが煙幕51cによって包まれ、煙幕51cが晴れたときには、たぬきキャラクタTACが1段変化した1段目の態様としてゴン父キャラクタTCが出現する演出態様を表示制御する(図59(E),(F))。ここでは、たぬきキャラクタTACによる変化の名残として、ゴン父キャラクタTCにたぬきキャラクタTACの尻尾を残した演出態様を表示制御している。なお、上述した3段階のステップ3−2とは、たぬきキャラクタTACが出現する演出態様が表示制御された2段階からたぬきキャラクタTACが1段変化して1段目の態様が出現する演出態様が表示制御される3段階へと段階を発展させた状態である。
図59(F)でたぬきキャラクタTACが1段変化したゴン父キャラクタTCが出現する演出態様を表示制御した後、さらにプロセスデータにもとづく処理を実行し、ゴン父キャラクタTCが再び煙幕51cによって包まれ、煙幕が晴れたときには、さらに1段変化した2段目の態様としてゴンキャラクタGCが出現する演出態様を表示制御する(図59(H),(G))。ここでも、たぬきキャラクタTACによる変化の名残として、ゴンキャラクタGCにたぬきキャラクタTACの尻尾を残した演出態様を表示制御している。なお、上述した4段階のステップ4−3とは、たぬきキャラクタTACが1段変化して1段目の態様が出現する演出態様が表示制御された3段階からさらに1段変化して2段目の態様が出現する演出態様が表示制御される4段階へと段階を発展させた状態である。
そして、左装飾図柄50aは、ボタン予告演出が実行されない発展型予告における4段階と同様に、たぬきキャラクタTACが変化した2段目の態様としてゴンキャラクタGCが出現した後、高速変動から低速変動に移行し、指定された停止図柄で停止表示される。
次に、発展予告演出と該発展予告演出の一部として実行されるボタン予告演出との関係について図60を参照して説明する。図60は、発展予告演出の一部として実行されるボタン予告演出のタイミングチャートの一例を示す説明図である。
図60に示すように、変動表示パターンに設定された演出態様は、変動時間(演出時間)が経過するにつれて「通常変動」、「リーチ演出」(ノーマルリーチ、スーパーリーチ、発展演出を含む。)の順で実行される。なお、リーチ態様が形成されるか否かまでの「通常変動」の演出時間には、変動表示パターンにもとづいて発展予告パターンテーブル(図44,45参照)から決定された発展予告パターンに応じて、ステップ1(1段階)〜ステップ4(4段階)の所定の演出表示が実行される。
先ず、ボタン予告演出が組み込まれた発展予告パターン番号7,8,16,17の発展予告パターンに決定されるが、当該発展予告パターンに設定されたボタン入力有効期間に操作ボタン18aが操作されなかった場合について図60(A)を参照して説明する。発展予告パターン番号7,8,16,17の発展予告パターンに決定された場合、「モグラキャラクタMOC」の演出表示、「たぬきキャラクタTAC」の演出表示が順次実行される。ボタン入力有効期間は、「通常変動」におけるステップ2の演出時間内に設定されており、具体的には、液晶表示装置50の画面内にたぬきキャラクタTACが出現した後から消去される(立ち去る)までに設定されている。そして、ボタン入力有効期間に操作ボタン18aが操作されなかった場合には、発展予告パターンにもとづくステップ3以降の段階に移行することがない。
このように、ボタン入力有効期間に操作ボタン18aが操作されなければ発展予告演出における次の段階に進行することがなく、発展予告演出に興味のない、または、不要に思う遊技者にとっては操作ボタン18aを操作しなければよい。一方で、発展予告演出による楽しみを享受したい遊技者にとっては操作ボタン18aを操作すればよく、発展予告演出における次の段階に進行させるか否かを、遊技者の意思に委ねることができる。従って、遊技者の意思に反して発展予告演出における次の段階に進行することがなく、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
この実施の形態では、ボタン入力有効期間が「通常変動」におけるステップ2の演出時間内に設定されているが、それ以外のステップの演出時間内に設定されてもよい。例えば、ボタン入力有効期間がステップ1の演出時間内に設定された場合には、該ボタン入力有効期間に操作ボタン18aを操作しなければステップ2以降の段階に移行することがなく、発展予告演出に興味のない、または、不要に思う遊技者にとっては操作ボタン18aを操作しないことで、発展予告演出を1段階も進行させることなく終了させることができる。
また、この実施の形態では、ボタン入力有効期間が「通常変動」における限られたステップ2の演出時間内に設定されているが、複数のステップに亘った演出時間内に設定されてもよい。ボタン入力有効期間が限られたステップ2の演出時間内に設定された場合には、該ボタン入力有効期間が約2秒と短く、発展予告演出における次の段階に進行させたい遊技者にとっても操作ボタン18aの操作タイミングを逃してしまう虞があったが、例えば、ボタン入力有効期間がステップ2からステップ3に亘った演出時間内に設定することで、該ボタン入力有効期間を長くすることができ、遊技者が慌てることなく、余裕をもって操作ボタン18aを操作することができる。
次に、ボタン予告演出が組み込まれた発展予告パターン番号7,16の発展予告パターンが実行され、当該発展予告パターンに設定されたボタン入力有効期間に操作ボタン18aが操作された場合について図60(B)を参照して説明する。発展予告パターン番号7,16の発展予告パターンに決定された場合、「モグラキャラクタMOC」の演出表示、「たぬきキャラクタTAC」の演出表示が順次実行される。そして、ボタン入力有効期間に操作ボタン18aが操作されることで、発展予告パターンにもとづくステップ3の段階に移行することができる。ステップ3の演出時間には、変動表示パターンにもとづいて1段変化ボタン予告パターンテーブル(図50参照)から決定された1段変化ボタン予告パターンに応じて、たぬきキャラクタTACが変化した1段目の態様の演出表示が実行される。
この実施の形態では、ボタン入力有効期間に操作ボタン18aが操作されても、ボタン入力有効期間の終了後、ステップ3の演出時間の開始時にたぬきキャラクタTACが変化した1段目の態様の演出表示を実行しているが、操作ボタン18aが操作された直後からたぬきキャラクタTACが変化した1段目の態様の演出表示を実行してもよい。この場合、操作ボタン18aが操作された直後にたぬきキャラクタTACが変化した1段目の態様の演出表示を実行することで、遊技者がたぬきキャラクタTACを変化させたとより実行することができ、また、ボタン入力有効期間に操作ボタン18aを操作しても、実際に操作ボタン18aから操作信号が入力されて発展予告演出における次の段階に進行するか否かを不安に感じることもない。
また、この実施の形態では、ステップ3の演出時間の終了とともに、たぬきキャラクタTACが変化した1段目の態様の演出表示を消去する(立ち去る)よう設定しているが、ステップ3の次のステップ4の演出時間まで1段目の態様の演出表示を継続して実行してもよい。ステップ3の演出時間の終了とともに1段目の態様の演出表示を消去する場合には、消去された時点で、たぬきキャラクタTACがさらに変化した2段目の態様の演出表示が実行されないことを遊技者が判別できてしまうが、例えば、ステップ4の演出時間まで1段目の態様の演出表示を継続することで、いつ2段目の演出表示が実行されるかを判別することを困難とし、2段目の態様が演出表示されるのではないかという遊技者の期待感を持続させることができる。
次に、ボタン予告演出が組み込まれた発展予告パターン番号8,17の発展予告パターンが実行され、当該発展予告パターンに設定されたボタン入力有効期間に操作ボタン18aが操作された場合について図60(C)を参照して説明する。発展予告パターン番号8,17の発展予告パターンに決定された場合、「モグラキャラクタMOC」の演出表示、「たぬきキャラクタTAC」の演出表示が順次実行される。そして、ボタン入力有効期間に操作ボタン18aが操作されることで、発展予告パターンにもとづくステップ3およびステップ4の段階に移行することができる。ステップ3およびステップ4の演出時間には、変動表示パターンにもとづいて2段変化ボタン予告パターンテーブル(図52,53参照)から決定された2段変化ボタン予告パターンに応じて、たぬきキャラクタTACが変化した1段目および2段目の態様の演出表示が順次実行される。
このように、発展予告パターンにもとづいてたぬきキャラクタTACの演出表示が実行されたとしても、ボタン入力有効期間に操作ボタン18aが操作されなければ、発展予告パターン番号7,16の発展予告パターンにもとづいてステップ3の段階まで移行するか、または、発展予告パターン番号8,17の発展予告パターンにもとづいてステップ4の段階まで移行するかを判別することができない。従って、発展予告演出に興味のある遊技者に対しては、ステップ3またはステップ4のいずれの段階まで移行するかに期待させることができ、操作ボタン18aの操作を促することができる。
この実施の形態では、ボタン入力有効期間に操作ボタン18aが操作されることで、ボタン入力有効期間の終了後、たぬきキャラクタTACが変化した1段目の態様の演出表示、2段目の態様の演出表示が順次実行されるが、2段目の態様の演出表示を実行する契機を、1段目の態様の演出表示を実行する契機とは別に設けてもよい。例えば、たぬきキャラクタTACが変化した1段目の態様が演出表示されているステップ4の演出時間内に第2のボタン入力有効期間を設定し、該第2のボタン入力有効期間に操作ボタン18aを操作したか否か(操作ボタン18aから操作信号が入力されたか否か)によって、2段目の態様の演出表示を実行するか否かを決定してもよい。また、第2のボタン入力有効期間に操作ボタン18aから操作信号が入力されたときに、再びボタン予告パターン乱数(ボタン予告パターン乱数とは別の乱数でもよい。)を抽出し、抽出したボタン予告パターン乱数にもとづいて2段目の態様の種別を決定してもよい。
また、この実施の形態では、たぬきキャラクタTACが変化した1段目の態様の演出表示を実行する契機、すなわち、発展予告演出における次の段階に進行させる契機を、遊技者による操作ボタン18aの1回の操作としているが、遊技者の操作により条件が満たされる所定の契機であればよく、例えば、操作ボタン18aの複数回の操作やスイッチの類の操作であってもよいし、操作ハンドル18の操作により入賞口(例えば、一般入賞口66等)を狙わせ、この入賞口への入賞を契機としてもよい。この場合にも、発展予告演出における次の段階に進行させるか否かを遊技者の意思に委ねることができ、遊技の興趣の低下を抑制することができる。