以下、本発明のパチンコ機の一実施形態を説明する。ここでの説明において、パチンコ機の各部の左右方向は、そのパチンコ機に対面する遊技者にとっての左右方向であり、「特図」は特別図柄の略称であり、「普図」は普通図柄の略称である。
図1,図2に示すように、本実施形態はパチンコ機1であり、遊技場の島設備に設置され、長方形状の枠体から成る機枠2と、この機枠2に開き戸状に開閉自在に取り付けられた枠体から成る本体枠3と、この本体枠3の内側に装着された遊技盤30(図2参照)と、本体枠3に開き戸状に開閉自在に取り付けられ、ガラス窓4aが中央に大きく設けられた扉ユニット4と、この扉ユニット4の下部に設けられた遊技球の受皿6(図1参照)と、本体枠3の下部の内側に設けられた遊技球の発射装置10(図2参照)と、扉ユニット4の右下部に回動操作が可能に設けられたハンドル7(図1参照)と、扉ユニット4の左上部および右上部のそれぞれに設けられたスピーカ8と、本体枠3の左下部の内側に設けられたスピーカ9とを備える。
図3に示すように、パチンコ機1の背面側には主制御処理部100と、払出・発射制御処理部400と、賞球払出装置401と、サブ制御処理部500と、電源ユニット600とが設けられている。主制御処理部100、払出・発射制御処理部400、サブ制御処理部500は何れも、CPU(Central Processing Unit)と、コンピュータプログラムおよびデータを格納したROM(Read Only Memory)と、このROMに格納されたコンピュータプログラムに従ってCPUが処理を行うための一時記憶領域であるRAM(Random Access Memory)とを含むマイクロコンピュータを備える。
続いて、パチンコ機1の各部の構成について詳しく説明していく。
図2に示すように、遊技盤30は、遊技球が流下する遊技領域31を盤面に備える。この遊技領域31は、発射装置10から発射された遊技球を遊技領域31に向かって滑走させるガイドレール32と、遊技領域31から発射装置10側に遊技球が戻るのを規制する遊技球規制レール33とによって略円形状に区画形成されている。遊技者は遊技領域31を、ガラス窓4aを通じて観察しながら遊技を行う。
受皿6から発射装置10には遊技球が1個ずつ供給されるようになっている。払出・発射制御処理部400は、ハンドル7の回動操作に伴って発射ボリューム11(図5にブロックで示す)から出力される発射強度指令信号(電気信号)に基づいて遊技球の発射強度を設定し、その発射強度で遊技球が発射されるよう発射装置10を制御するものである。発射装置10は、発射モータ(図示してない)で打撃鎚(図示してない)を駆動し、この打撃鎚で遊技球を打撃することにより遊技球を発射させるものであり、1分間に100個の遊技球を連射可能である。発射装置10により発射された遊技球は、ガイドレール32を滑走して遊技領域31の左上部から遊技領域31内に到達した後、遊技領域31内を流下することになる。なお、発射装置10は、発射モータの替わりにロータリソレノイドで打撃鎚を駆動するものであってもよい。
図4に示すように、遊技盤30の右下部には、特図表示装置40と、普図表示装置41とが設けられている。遊技領域31内には、演出表示装置50と、ステージ56と、第1始動入賞口61(特図始動領域)と、第2始動入賞口62(特図始動領域)と、電動チューリップ63(普通電動役物)と、大入賞口64と、アタッカー装置65(特別電動役物)と、ゲート70(普図始動領域)と、一般入賞口67と、アウト口68とが設けられている。
第1始動入賞口61、第2始動入賞口62、大入賞口64、一般入賞口67、ゲート70のそれぞれには、遊技球の通過を検知する第1始動入賞口検知センサ91、第2始動入賞口検知センサ92、大入賞口検知センサ93、一般入賞口検知センサ94、ゲート検知センサ95のそれぞれが付設されている(図5にブロックで示す)。これらの検知センサ91〜95は、遊技球の通過に伴い遊技球検知信号(電気信号)を出力する磁気センサであり、その遊技球検知信号は主制御処理部100に入力されるようになっている。
第1,第2始動入賞口61,62は、遊技球の入賞が可能に形成されたものであり、特図に係る当否の抽選(以下、適宜「特図抽選」という)の契機を生じさせるためのものである。第1始動入賞口61への遊技球の入賞に基づく特図抽選(以下、適宜「第1特図抽選」という)の結果の種類、および、第2始動入賞口62への遊技球の入賞に基づく特図抽選(以下、適宜「第2特図抽選」という)の結果の種類は何れも、大当たり、特図ハズレの2種類である。第1,第2特図抽選での大当たりの当選確率には、特図低確率と、この特図低確率よりも高い特図高確率との2種類が予め用意されている。以下、大当たりの当選確率が特図低確率に設定された遊技状態を「特図低確」といい、大当たりの当選確率が特図高確率に設定された遊技状態を「特図高確」という。これら「特図低確」および「特図高確」については後に詳述する。
ゲート70は、遊技球の通過が可能に上下方向に貫通して形成されたものであり、普図に係る当否の抽選(以下、適宜「普図抽選」という)の契機を生じさせるためのものである。普図抽選の結果の種類は普図当たりと普図ハズレの2種類である。普図抽選での普図当たりの当選確率には、普図低確率と、この普図低確率よりも高く設定された普図高確率との2種類が予め用意されている。以下、普図当たりの当選確率が普図低確率に設定された遊技状態を「普図低確」といい、普図当たりの当選確率が普図高確率に設定された遊技状態を「普図高確」という。これら「普図低確」および「普図高確」については後に詳述する。
また、「特図低確&普図低確」から構成された遊技状態を、以下「低確」と略していう場合もある。また、「特図高確&普図高確」から構成された遊技状態、および、「特図高確&普図低確」から構成された遊技状態を、すなわち大当たりの当選確率が特図高確に設定された遊技状態を、以下「確変」という場合もある。また、「確変」のうち「特図高確&普図低確」とで構成される遊技状態を「特図高確&普図高確」との区別のため以下「潜確」という場合もある。また、「特図低確&普図高確」から構成された遊技状態を以下「時短」という場合もある。
特図表示装置40は、特図抽選の結果に対応する特図を、変動した後に停止するという態様で表示するよう主制御処理部100により制御されるものである。停止した状態の特図、すなわち特図の停止図柄が、特図抽選の結果に対応するものである。特図の停止図柄には、特図抽選で大当たりに当選した場合に限って表示される大当たり図柄と、特図抽選で特図ハズレとなった場合に限って表示される特図ハズレ図柄とがある。大当たり図柄には、特図抽選で大当たり当選した場合に表示される4R低確時短有図柄、4R高確時短有図柄、16R高確時短有図柄とがある。特図ハズレ図柄は1種類のみである。大当たり図柄の種類は、大当たり遊技のラウンド数、大当たり遊技終了後の大当たりの当選確率および普図当たりの当選確率等を規定するものであり、このことについては後に詳述する。
特図表示装置40は、具体的には、複数の発光部(図示省略)を備える表示装置から成る。この特図表示装置40において、複数の発光部の何れかが点滅している状態は特図が変動している状態であり、その点滅が終了し何れかの発光部の点灯が維持された状態は特図の変動が停止した状態である。特図表示装置40において複数の発光部の何れかが点滅している時間は特図の変動時間である。特図表示装置40において発光部の点滅が終了してから特図の変動の停止が確定するまでの時間は0.5秒に設定されている。
普図表示装置41は、普図抽選の結果に対応する普図を、変動した後に停止するという態様で表示するよう主制御処理部100により制御されるものである。停止した状態の普通図柄、すなわち普図の停止図柄が、普図抽選の結果に対応するものである。普図の停止図柄には、普図当たりの場合に限って表示される普図当たり図柄と、普図ハズレの場合に限って表示される普図ハズレ図柄とが何れも1種類ずつある。
普図表示装置41は、具体的には、複数の発光部(図示省略)を備える表示装置から成り、特図表示装置40に隣接して位置する。この普図表示装置41において、複数の発光部の何れかが点滅している状態は普図が変動している状態であり、その点滅が終了し何れかの発光部の点灯が維持された状態は普図の変動が停止した状態である。普図表示装置41において複数の発光部の何れかが点滅している時間は普図の変動時間である。普図表示装置41において発光部の点滅が終了してから普図の変動の停止が確定するまでの時間は0.5秒に設定されている。
大入賞口64は左右方向に長い長方形状の開口である。アタッカー装置65は、大入賞口64の開閉が可能となるよう前後方向にフラップ状に回動自在に設けられた蓋部材と、この蓋部材を駆動するソレノイドとを備え、そのソレノイドの励磁により蓋部材が前方向に回動して大入賞口64を開放し、そのソレノイドの消磁により蓋部材が後方向に復帰して大入賞口64を閉鎖するものである。アタッカー装置65の蓋部材が開いた状態は大入賞口64への遊技球の入賞が可能な状態であり、アタッカー装置65の蓋部材が閉じた状態は大入賞口64への遊技球の入賞が不可能な状態である。特図抽選の結果が大当たりである場合には、特図の変動の停止が大当たり図柄で確定した時点から所定時間経過した後に、アタッカー装置65が、その大当たり図柄に予め対応付けられた開閉動作の態様で主制御処理部100により制御されることで、蓋部材を開閉して大当たり遊技を遊技者に提供する。アタッカー装置65の開閉動作の態様は、開閉動作の回数、連続する開閉動作のインターバル、1回の開閉動作による大入賞口64の開放時間等の組合せから構成され、大当たり遊技中に獲得可能な賞球数を規定する。アタッカー装置65の開閉動作の態様については後に詳述する。
電動チューリップ63は、第2始動入賞口62の入口を、遊技球が1個だけ通過可能な大きさから拡大する方向に開くことが可能に設けられた1対の羽根部材と、これら1対の羽根部材を駆動するソレノイドとを備え、そのソレノイドが励磁されることで1対の羽根部材は開いて第2始動入賞口62の入口を拡大し、そのソレノイドが消磁されることで1対の羽根部材は閉じて第2始動入賞口62の入口を遊技球が1個だけ通過可能に縮小するものである。電動チューリップ63の1対の羽根部材が閉じた状態においては、第2始動入賞口62の入口は遊技球が1個だけ通過可能に開放されてはいるものの、遊技釘69と1対の羽根部材との位置関係によって、第2始動入賞口62への遊技球の入賞が不可能となっている。つまり、電動チューリップ63の1対の羽根部材が開いた状態であるときに限って、第2始動入賞口62への遊技球の入賞が可能になる。なお、電動チューリップ63は、1対の羽根部材と遊技釘69との位置関係によって、第2始動入賞口62への遊技球の入賞が可能な状態と不可能な状態とに変化可能なものに限定されず、遊技釘69を利用せずに単独で第2始動入賞口62への遊技球の入賞が可能な状態と不可能な状態とに変化可能なものであってもよい。
普図の停止時点から停止が確定するまでの時間0.5秒が経過した後に、さらに0.5秒が経過したタイミングで、すなわち、普図の停止時点から所定時間である1秒が経過したタイミングで、電動チューリップ63は、その普図当たり図柄に予め対応付けられた開閉動作の態様で第2始動入賞口62の入口に対する開閉動作を行うよう主制御処理部100によって制御される。電動チューリップ63の開閉動作の態様は、開閉動作の回数、連続する開閉動作のインターバル、1回の開閉動作による第2始動入賞口62の入口の開放時間の組合せから構成されるものである。電動チューリップ63の開閉動作の態様については後に詳述する。
前述の大当たり図柄の名称、すなわち、4R低確時短有図柄、4R高確時短有図柄、16R高確時短有図柄において、「4R」、「16R」はそれぞれ「4ラウンド」、「16ラウンド」の略であり、大当たり図柄に基づく大当たり遊技のラウンド数を意味する。名称に「高確」を含む大当たり図柄は、その図柄に基づく大当たり遊技終了後の遊技状態が「特図高確」に設定される図柄であることを意味する。名称に「低確」を含む大当たり図柄は、その図柄に基づく大当たり遊技終了後の遊技状態が「特図低確」に設定される図柄であることを意味する。名称に「時短有」を含む大当たり図柄は、その大当たり図柄に基づく大当たり遊技終了後の遊技状態が「普図高確」に設定される図柄であることを意味する。
演出表示装置50は液晶表示装置から成り、遊技領域31の略中央部に映像を表示する画面50aが位置するよう遊技盤30に設けられている。この演出表示装置50は、特図抽選の演出、大当たり遊技の演出が行われるよう主制御処理部100とサブ制御処理部500とによって制御される。
特図抽選の演出の際、演出表示装置50には、特図の変動の開始と停止に同期して、変動した後に停止するという態様で演出図柄53が表示される。前述の特図表示装置40は、演出図柄53を見ている遊技者の視界に入らないように、すなわち、演出表示装置50による演出を見て遊技者がパチンコ機1での遊技を楽しむように、演出表示装置50から離れた位置に、例えば前述のように遊技盤30の右下部に設けられている。
演出表示装置50により表示される演出図柄53は、例えば左右方向に並んだ3つの数字から構成される。演出図柄53を構成する3つの数字の少なくとも1つが「1→2→3・・・」のように変化することが、演出図柄53の変動である。図4において、演出図柄53は、左右両側の数字が「7」で停止した状態で、中央の数字が変化している状態である。演出図柄53の中央に描いた下向きの矢印は、数字が変化している状態であることを示すものであり、演出表示装置50に実際に表示されるものではない。なお、演出図柄53は左右方向に並ぶものに限定されるものではなく、上下方向または斜め方向に並ぶものであってもよい。
演出図柄53を構成する3つの数字は、特図抽選で大当たりに当選した場合に「222」、「777」等のゾロ目の並び目で停止し、特図抽選で特図ハズレとなった場合には大当たりを示す並び目以外の並び目で停止する。演出図柄53が大当たりを示す並び目で停止する場合、演出図柄53は停止の前に、3つの数字のうちの2つの数字が同じ数字で停止したリーチ目で、残りの1つの数字が変動を続けるリーチ変動を行う。演出図柄53が特図ハズレを示す並び目で停止する前には、リーチ変動を行う場合もあるが、リーチ目を成さないハズレ変動を主に行う。
リーチ変動の種類としては、演出図柄53の変動が演出のメインとして表示されるノーマル系リーチおよびロング系リーチと、演出図柄53の変動が画面の隅に小さく表示されつつアニメーション等の動画が演出のメインとして表示されるストーリー系リーチおよびバトル系リーチとが予め用意されている。バトル系リーチは、主役キャラクタが敵役キャラクタとバトルを行う動画を含む演出である。特図抽選での大当たりの当選に対するバトル系リーチは、主役キャラクタが敵役キャラクタに勝利するもの(以下「バトル勝利リーチ」という)であり、特図抽選での特図ハズレに対するバトル系リーチは、主役キャラクタが敵役キャラクタに敗北するもの(以下「バトル敗北リーチ」という)である。バトル系リーチが、本発明における特殊演出に相当する。バトル系リーチについては後に詳述する。
第1始動入賞口61または第2始動入賞口62に1個の遊技球が入賞した場合、その入賞に基づき、特図抽選と、その特図抽選に対する演出(リーチ変動またはハズレ変動)とを含む特図遊技が行われることになる。そして、その特図遊技で大当たりを示す演出が行われた場合に、その演出の終了後に大当たり遊技が遊技者に提供されることになる。
また、演出表示装置50は、第1特図抽選で用いられる第1特図保留球乱数(後述)の個数、および、第2特図抽選で用いられる第2特図保留球乱数(後述)の個数を表示するよう主制御処理部100とサブ制御処理部500とによって制御される。第1特図保留球乱数は、特図の変動中または大当たり遊技中に第1始動入賞口61に遊技球が入賞したことに基づいて発生するものであり、第2特図保留球乱数は、特図の変動中または大当たり遊技中に第2始動入賞口62に遊技球が入賞したことに基づいて発生するものである。第1特図保留球乱数の個数は、画面50aの左下部に位置する第1保留表示領域51において表示される。この第1保留表示領域51は左右方向に並んだ円形領域51a〜51dから構成されていて、背景色と異なる色で点灯(発色)した円形領域の個数が、第1特図保留球乱数の現在の個数(保留数)を示す。第2特図保留球乱数の個数は、画面50aの右下部に位置する第2保留表示領域52に表示される。この第2保留表示領域52は左右方向に並んだ円形領域52a〜52dから構成されていて、背景色と異なる色で点灯(発色)した円形領域の個数が、第2特図保留球乱数の現在の個数(保留数)を示す。
図4は、点灯した状態の円形領域を黒色で塗り潰して示し、消灯した状態の円形領域を破線で示す。つまり、図4において、第1保留表示領域51は円形領域51aが点灯し、円形領域51a以外の円形領域51b〜51dが消灯した状態であり、第1特図保留球乱数が1個であることを示した状態である。これと同様に、第2保留表示領域52も、第2特図保留球乱数が1個であることを示した状態である。なお、円形領域の輪郭を示す破線は画面50aに実際に表示されるものではなく、消灯した状態の円形領域内の色は画面50aの背景色と一体化される。
また、演出表示装置50は、電サポ回数(後述)を表示するよう主制御処理部100とサブ制御処理部500とによって制御される。電サポ回数は、画面50aの左上に位置する電サポ回数表示領域54に「あと○回」(「○」は回数を示す数字を意味する)という形で、例えば図4に示すように「あと2回」というように表示される。電サポ回数が1回消化される毎に、電サポ回数表示領域54での表示回数は1減少して表示される。
ステージ56は、演出表示装置50の下部の前方に設けられた構造物である。演出表示装置50の周囲を覆う装飾部材57の左側部には、その装飾部材57の左側方に位置する遊技領域31の部分とステージ56とを連通させるワープ通路58が設けられている。ステージ56は、ワープ通路58から流下してきた遊技球を転動させながら一時的に滞在させた後、その遊技球を下方に落下させる。ステージ56の中央には前方向に下り傾斜を成した溝56aが設けられている。この溝56aの真下の位置には第1始動入賞口61が位置するので、溝56aから落下した遊技球は、その溝56a以外のステージ56の箇所から落下した遊技球よりも高い確率で第1始動入賞口61に入賞する。
賞球払出装置401は、受皿6に賞球を払い出す装置である。賞球の払出個数は、第1始動入賞口61、第2始動入賞口62、大入賞口64および一般入賞口67のそれぞれに予め対応付けられている。主制御処理部100は、第1始動入賞口検知センサ91、第2始動入賞口検知センサ92、大入賞口検知センサ93および一般入賞口検知センサ94のそれぞれからの遊技球検知信号に基づき、すなわち、第1始動入賞口61、第2始動入賞口62、大入賞口64および一般入賞口67のそれぞれへの遊技球の入賞に基づき、その入賞口に予め対応付けられた賞球の払出個数を、払出・発射制御処理部400に指令するよう設定されている。払出・発射制御処理部400は主制御処理部100からの指令に基づいて賞球払出装置401の払出モータ(図示省略)を制御し、賞球払出装置401に賞球を払い出させるよう設定されている。第1,第2始動入賞口61,62に予め対応付けられた賞球個数は例えば4個であり、大入賞口64に予め対応付けられた賞球個数は例えば15個であり、一般入賞口67に予め対応付けられた賞球個数は例えば10個である。ゲート70を遊技球が通過したことに基づく賞球の払出しは行われない。
第1始動入賞口61、第2始動入賞口62、大入賞口64、一般入賞口67の何れかに入賞した遊技球は、その入賞口からパチンコ機1の外部に排出されて回収され、何れにも入賞しなかった遊技球は、遊技領域31の最下部に位置するアウト口68からパチンコ機1の外部に排出されて回収される。
次に、遊技領域31における第1,第2始動入賞口61,62、大入賞口64、ゲート70のそれぞれの位置について詳細に説明する。
第1始動入賞口61は、前述のようにステージ56の下方であって、遊技領域31の左右方向の中央に位置する。この第1始動入賞口61への遊技球の入賞は、遊技球の左打ちが行われた場合に、すなわち、装飾部材57の左側方に位置する遊技領域31の部分を流下するよう遊技球が発射された場合に、可能であり、基本的には、装飾部材57の右側方に位置する遊技領域31の部分を流下するよう遊技球が発射された場合(右打ちが行われた場合)には、第1始動入賞口61に遊技球は入賞しない。ゲート70は装飾部材57の右側方に位置する。このゲート70には、遊技球の右打ちが行われた場合に可能であり、基本的には、左打ちが行われた場合にはゲート70を遊技球は通過しない。第2始動入賞口62は、ゲート70よりも下方であって、装飾部材57の右下方に位置する。第2始動入賞口62への遊技球の入賞は右打ちが行われた場合に可能であり、基本的には、左打ちが行われた場合には第2始動入賞口62に遊技球は入賞しない。大入賞口64も、右打ちが行われた場合に遊技球が入賞可能となるよう位置し、基本的には、左打ちが行われた場合には大入賞口64に遊技球は入賞しない。
次に、電源ユニット600に係る構成について説明する。
電源ユニット600は、外部電源からAC24Vとの接続と遮断を切り換える電源SW601(SWはスイッチの略)を備え、外部電源から供給された電力を主制御処理部100、払出・発射制御処理部400、サブ制御処理部500等のパチンコ機1の各電気機器に対応した電力に変換して、それらの電気機器に供給するものであるとともに、電源SW601のオフ操作による電源断時、および、停電等の電源SW601のオフ操作以外での電源断時にパチンコ機1の電源となるバックアップ電源602を備える。また、電源ユニット600は、外部電源からの電力の供給を監視し、電源断の発生時に電源断検出信号を主制御処理部100に送信するよう設定されているとともに、電源断からの復帰による電源投入時に電源復帰信号を主制御処理部100に送信するよう設定されている。主制御処理部100は、電源断検出信号を入力した場合に、電源復帰後に必要となるデータのバックアップを行うよう設定されている。また、主制御処理部100は、電源復帰信号を入力した場合に、バックアップデータが正常か否かを判断し、バックアップデータが正常である場合には電源復帰に予め対応付けられた初期設定をRAMに対して行い、バックアップデータが正常でない場合にはRAMクリア処理を行った後に、RAMクリア処理に予め対応付けられた初期設定をRAMに対して行うよう設定されている。
電源ユニット600は、RAMクリアSW603を備える。電源ユニット600は、RAMクリアSW603がオン操作された場合に、主制御処理部100にRAMクリア信号を出力するよう設定されている。主制御処理部100は、RAMクリア信号を受信した場合に、RAMクリア処理を行った後、RAMクリア処理に予め対応付けられた初期設定をRAMに対して行うよう設定されている。主制御処理部100は、RAMクリア信号によるRAMクリア処理を電源投入時点からの所定期間のみ行うことができるように設定されている。
主制御処理部100は、上述のようにバックアップデータが正常でない場合またはRAMクリアSW603のオン操作に基づくRAMクリア信号を受信した場合にRAMクリア処理を行う。その後、RAMクリア処理に予め対応付けられた初期設定をRAMに対して行った後に、サブ制御処理部500にRAMクリアコマンドを送信するよう設定されている。また、主制御処理部100は、上述のようにバックアップデータが正常である場合またはRAMクリアSW603のオン操作に基づくRAMクリア信号を受信しない場合に、電源復帰に予め対応付けられた初期設定をRAMに対して行い、その後、サブ制御処理部500に電源復帰コマンドを送信するよう設定されている。
次に主制御処理部100について詳細に説明する。
主制御処理部100は、第1始動入賞口61に遊技球が入賞した場合と、第2始動入賞口62に遊技球が入賞した場合とに、その入賞に基づき、特図に係る当否の抽選(特図抽選)を行う特図抽選処理部110を備える。この特図抽選処理部110は特図抽選を行うための構成要素として、図6に示すように、特図当否判定用乱数発生部111と、第1特図抽選部112a(特図抽選手段)と、第2特図抽選部112b(特図抽選手段)と、第1,第2特図低確率判定テーブル116a,116bと、第1,第2特図高確率判定テーブル117a,117bとを備える。これらの構成要素について説明していく。
特図当否判定用乱数発生部111は、所定範囲(例えば0〜65535の整数の範囲)のカウンタの値を、クロック回路の1クロックに1回更新させることにより、ハードウェア乱数である特図当否乱数(0〜65535までの65536通りの乱数)を発生させるものである。
第1特図抽選部112aは、特図当否判定用乱数発生部111により発生された特図当否乱数を第1始動入賞口61(特図始動領域)への遊技球の入賞を契機に取得し、その特図当否乱数を用いて特図に係る当否の抽選(第1特図抽選)を行うものである。具体的には、第1特図抽選部112aは、特図当否判定用乱数発生部111により発生された特図当否乱数を、第1始動入賞口61に遊技球が入賞したタイミングで、言い換えると、第1始動入賞口検知センサ91からの遊技球検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで、取得(ラッチ)する第1特図当否判定用乱数取得部113aと、この第1特図当否判定用乱数取得部113aにより取得された特図当否乱数が大当たり、特図ハズレの何れであるかを、第1特図低確率判定テーブル116aまたは第1特図高確率判定テーブル117aを参照して判定する第1特図当否判定部114aと、第1特図当否判定用乱数取得部113aにより特図当否乱数が取得された場合に、その特図当否乱数を第1特図保留球乱数として主制御処理部100のRAMを利用して記憶し、特図の変動中または大当たり遊技中等の特図の変動を開始できない状態である場合に所定の上限個数(例えば4個)まで記憶可能な第1特図抽選用保留記憶部115aとを備える。
第2特図抽選部112bは、第1特図抽選部112aと同様に構成されたものであり、特図当否判定用乱数発生部111により発生された特図当否乱数を第2始動入賞口62(特図始動領域)への遊技球の入賞を契機に取得し、その特図当否乱数を用いて特図に係る当否の抽選(第2特図抽選)を行うものである。具体的には、第2特図抽選部112bは、特図当否判定用乱数発生部111により発生された特図当否乱数を、第2始動入賞口61に遊技球が入賞したタイミングで、言い換えると、第2始動入賞口検知センサ92からの遊技球検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで、取得(ラッチ)する第2特図当否判定用乱数取得部113bと、この第2特図当否判定用乱数取得部113bにより取得された特図当否乱数が大当たり、特図ハズレの何れであるかを、第2特図低確率判定テーブル116bまたは第2特図高確率判定テーブル117bを参照して判定する第2特図当否判定部114bと、第2特図当否判定用乱数取得部113bにより特図当否乱数が取得された場合に、その特図当否乱数を第2特図保留球乱数として主制御処理部100のRAMを利用して記憶し、特図の変動中または大当たり遊技中等の特図の変動を開始できない状態である場合に所定の上限個数(例えば4個)まで記憶可能な第2特図抽選用保留記憶部115bとを備える。
第1特図抽選部112aは、第1特図抽選用保留記憶部115aに第1特図保留球乱数が記憶された状態である場合に、その第1特図保留球乱数に基づく第1特図抽選を、特図の変動を開始できる状態であることを条件に、その第1特図保留球乱数の記憶の契機となった第1始動入賞口61への遊技球の入賞の順番(入賞順)で行うよう設定されている。また、第2特図抽選部112bは、第2特図抽選用保留記憶部115bに第2特図保留球乱数が記憶された状態である場合に、その第2特図保留球乱数に基づく第2特図抽選を、特図の変動を開始できる状態であることを条件に、その第2特図保留球乱数の記憶の契機となった第2始動入賞口62への遊技球の入賞の順番(入賞順)で行うよう設定されている。また、特図抽選処理部110は、第1特図抽選用保留記憶部115aに第1特図保留球乱数が記憶された状態であり、かつ、第2特図抽選用保留記憶部115に第2特図保留球乱数が記憶された状態において、第1特図抽選部112aによる第1特図保留球乱数の消化よりも、第2特図抽選部112bによる第2特図保留球乱数の消化を優先するよう設定されている。
第1特図低確率判定テーブル116aおよび第1特図高確率判定テーブル117aは、特図当否乱数(0〜65535までの65536通りの乱数)と、大当たりと、特図ハズレとの対応関係、すなわち、第1特図抽選での大当たりの当選確率を規定したものである。第2特図低確率判定テーブル116bおよび第2特図高確率判定テーブル117bも、特図当否乱数(0〜65535までの65536通りの乱数)と、大当たりと、特図ハズレとの対応関係、すなわち、第2特図抽選での大当たりの当選確率を規定したものである。これら第1,第2特図低確率判定テーブル116a,116bおよび第1,第2特図高確率判定テーブル117a,117bの具体的内容を、図7を用いて次に説明する。
図7(a)に示す第1,第2特図低確率判定テーブル116a,117aは何れも、特図当否乱数0〜65535のうち、特図当否乱数0〜217に大当たりを対応付けていて、特図当否乱数218〜〜65535に特図ハズレを対応付けている。つまり、第1,第2特図低確率判定テーブル116a,117aを用いた特図抽選での大当たりの当選確率は、0〜65535までの65536個の特図当否乱数のうちの0〜217までの218個の特図当否乱数が大当たりに対応付けられているので、略1/300(=218/65536)である。
図7(b)に示す第1,第2特図高確率判定テーブル117a,117bは何れも、特図当否乱数0〜65535のうち、特図当否乱数0〜2170に大当たりを対応付けていて、特図当否乱数2771〜65535に特図ハズレを対応付けている。つまり、第1,第2特図高確率判定テーブル117a,117bを用いた特図抽選での大当たりの当選確率は、0〜65535までの65536個の特図当否乱数のうちの0〜2170までの2171個の特図当否乱数が大当たりに対応付けられているので、略1/30(=2171/65536)である。特図抽選での大当たりの当選確率は、第1,第2特図低確率判定テーブル116a,117aを用いた場合よりも、第1,第2特図低確率判定テーブル117a,117bを用いた方が略10倍高い。
前述の「特図低確」は、第1特図抽選部112aが第1特図低確率判定テーブル116aを用いて第1特図抽選を行うよう設定され、かつ、第2特図抽選部112bが第2特図低確率判定テーブル116bを用いて第2特図抽選を行うよう設定された遊技状態、すなわち、第1,第2特図抽選の何れの大当たりの当選確率も特図低確率(略1/300)に設定された遊技状態である。また、前述の「特図高確」は、特図抽選処理部110において第1特図抽選部112aが第1特図高確率判定テーブル117aを用いて第1特図抽選を行うよう設定され、かつ、第2特図抽選部112bが第2特図高確率判定テーブル117bを用いて第2特図抽選を行うよう設定された遊技状態、すなわち、大当たりの当選確率が特図高確率(略1/30)に設定された遊技状態である。
図5に戻り、主制御処理部100は、特図表示装置40に停止させて表示させる特図(特図の停止図柄)を、第1特図抽選部112aによる第1特図抽選の結果、または、第2特図抽選部112bによる第2特図抽選の結果に基づいて複数種類の特別図柄のうちから選択して決定する特図種類決定処理部120を備える。この特図種類決定処理部120は特図の大当たり図柄を決定するための構成要素として、図8に示すように、特図種類選択用乱数発生部121と、第1特図種類決定部122aと、第2特図種類決定部122bと、第1特図種類選択テーブル126と、第2特図種類選択テーブル127とを備える。これらの構成要素について説明していく。
特図種類選択用乱数発生部121は、1ループである所定範囲(例えば0〜399の整数の範囲)のカウンタの値を、乱数発生用のコンピュータプログラムを実行して4ミリ秒に1回更新させることにより、ソフトウェア乱数である特図種類乱数(0〜399までの400通りの乱数)を発生させるものである。なお、特図種類選択用乱数発生部121はにおいて、カウンタは1ループのカウントが終了したらカウントを開始したスタート値に戻るよう設定されているが、1ループ毎にランダムにスタート値を更新するよう設定してもよい。
第1特図種類決定部122aは、特図種類選択用乱数発生部121により発生された特図種類乱数を第1始動入賞口61への遊技球の入賞を契機に取得し、その特図種類乱数を用いて大当たり図柄を、複数種類の大当たり図柄のうちから選択するための抽選(以下「第1特図種類抽選」という)を行い、第1特図抽選の結果が大当たりである場合に第1特図種類抽選で選択された大当たり図柄を特図の停止図柄に決定し、第1特図抽選の結果が特図ハズレである場合に特図の停止図柄を特図ハズレ図柄(1種類のみ)に決定するものである。具体的には、第1特図種類決定部122aは、特図種類選択用乱数発生部121により発生された特図種類乱数を、第1始動入賞口61に遊技球が入賞したタイミング(第1始動入賞口検知センサ91からの遊技球検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミング)で取得(ラッチ)する第1特図種類選択用乱数取得部123aと、この第1特図種類選択用乱数取得部123aにより取得された特図種類乱数に基づき第1特図種類選択テーブル126を参照して特図の大当たり図柄を選択する第1特図種類選択部124aと、第1特図種類選択用乱数取得部123aにより特図種類乱数が取得された場合に、その特図種類乱数を主制御処理部100のRAMを利用して記憶し、特図の変動中または大当たり遊技中等の特図の変動を開始できない状態である場合に、第1特図抽選用保留記憶部115aでの第1特図保留球乱数の上限個数と同じく4個まで特図種類乱数を記憶可能な第1特図種類用保留記憶部125aとを備える。そして、第1特図種類決定部122aは、第1特図抽選の結果が大当たりである場合に第1特図種類抽選で選択された大当たり図柄を特図の停止図柄に決定し、第1特図抽選の結果が特図ハズレである場合には、特図の停止図柄を特図ハズレ図柄に決定する。
第2特図種類決定部122bは、第1特図種類決定部122aと同様に構成されたものであり、特図種類選択用乱数発生部121により発生された特図種類乱数を第2始動入賞口62への遊技球の入賞を契機に取得し、その特図種類乱数を用いて特図の大当たり図柄の種類を、複数種類の特図の大当たり図柄のうちから選択するための抽選(以下「第2特図種類抽選」という)を行い、第2特図抽選の結果が大当たりである場合に第2特図種類抽選で選択された大当たり図柄を特図の停止図柄に決定し、第2特図抽選の結果が特図ハズレである場合に特図の停止図柄を特図ハズレ図柄(1種類のみ)に決定するものである。具体的には、第2特図種類決定部122bは、特図種類選択用乱数発生部121により発生された特図種類乱数を、第2始動入賞口62に遊技球が入賞したタイミング(第2始動入賞口検知センサ92からの遊技球検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミング)で取得(ラッチ)する第2特図種類選択用乱数取得部123bと、この第2特図種類選択用乱数取得部123bにより取得された特図種類乱数に基づき第2特図種類選択テーブル127を参照して特図の大当たり図柄の種類を選択する第2特図種類選択部124bと、第2特図種類選択用乱数取得部123bにより特図種類乱数が取得された場合に、その特図種類乱数を主制御処理部100のRAMを利用して記憶し、特図の変動中または大当たり遊技中等の特図の変動を開始できない状態である場合に、第2特図抽選用保留記憶部115bでの第2特図保留球乱数の上限個数と同じく4個まで特図種類乱数を記憶可能な第2特図種類用保留記憶部125bとを備える。そして、第2特図種類決定部122bは、第2特図抽選の結果が大当たりである場合に第2特図種類抽選で選択された大当たり図柄を特図の停止図柄に決定し、第2特図抽選の結果が特図ハズレである場合には、特図の停止図柄を特図ハズレ図柄に決定する。
第1特図種類決定部122aは、第1特図種類用保留記憶部125aに記憶された特図種類乱数に基づく第1特図種類抽選を、特図の変動を開始できる状態であることを条件に、その特図種類乱数の記憶の契機となった第1始動入賞口61への遊技球の入賞の順番(入賞順)で行うよう設定されている。第2特図種類決定部122bは、第2特図種類用保留記憶部125bに記憶された特図種類乱数に基づく第2特図種類抽選を、特図の変動を開始できる状態であることを条件に、その特図種類乱数の記憶の契機となった第2始動入賞口62への遊技球の入賞の順番(入賞順)で行うよう設定されている。また、特図種類決定処理部120は、第1特図種類用保留記憶部125aに特図種類乱数が記憶された状態であり、かつ、第2特図種類用保留記憶部125bに特図種類乱数が記憶された状態において、第1特図種類用保留記憶部125aに記憶された特図種類乱数を第1特図種類決定部122aによって消化することよりも、第2特図種類用保留記憶部125bに記憶された特図種類乱数を第2特図種類決定部122bによって消化することを優先するよう予め設定されている。
なお、以下では、第1特図種類決定部122aにより決定される特図を適宜「第1特図」といい、第2特図種類決定部122bにより決定される特図を適宜「第2特図」という。
第1,第2特図種類選択テーブル126,127は、特図種類乱数(0〜399までの400通りの乱数)と特図の大当たり図柄との対応関係を規定したものである。これら第1,第2特図種類選択テーブル126,127の具体的内容を、図9を用いて次に説明する。
図9(a)に示すように、第1特図種類選択テーブル126は、特図種類乱数0〜399のうち、特図種類乱数0〜39に4R低確時短有図柄を対応付けていて、特図種類乱数40〜319に4R高確時短有図柄を対応付けていて、特図種類乱数320〜399に16R高確時短有図柄を対応付けている。つまり、第1特図種類選択テーブル126は、図9(a)中に括弧書きで示すように、第1特図種類抽選での4R低確時短有図柄の選択確率を10%に規定していて、同じく第1特図種類抽選での4R高確時短有図柄の選択確率を70%に規定していて、同じく第1特図種類抽選での16R高確時短有図柄の選択確率を20%に規定している。これら括弧書きの選択確率は、第1特図種類選択テーブル126に含まれるものではなく、参考のために記載したものである。第1特図に関して、4R低確時短有図柄は低確時短有図柄A1〜A3の3種類であり、4R高確時短有図柄は高確時短有図柄B1〜B6の6種類であり、16R高確時短有図柄は高確時短有図柄C1〜C6の6種類である。そして、4R低確時短有図柄、4R高確時短有図柄および16R高確時短有図柄のそれぞれの選択確率が前述の10%、70%、20%に規定されるよう、特図種類乱数0〜39が低確時短有図柄A1〜A3に振り分けられていて、特図種類乱数40〜319が高確時短有図柄B1〜B6に振り分けられていて、特図種類乱数320〜399が高確時短有図柄C1〜C6に振り分けられている(図示省略)。
図9(b)に示すように、第2特図種類選択テーブル127は、特図種類乱数0〜399のうち、特図種類乱数0〜39に4R低確時短有図柄を対応付けていて、特図種類乱数40〜79に4R高確時短有図柄を対応付けていて、特図種類乱数80〜399に16R高確時短有図柄を対応付けている。つまり、第2特図種類選択テーブル127は、図9(b)中に括弧書きで示すように、第2特図種類抽選での4R低確時短有図柄の選択確率を10%に規定していて、同じく第2特図種類抽選での4R高確時短有図柄の選択確率を10%に規定していて、同じく第2特図種類抽選での16R高確時短有図柄の選択確率を80%に規定している。これら括弧書きの選択確率は、第2特図種類選択テーブル127に含まれるものではなく、参考のために記載したものである。第2特図に関して、4R低確時短有図柄は低確時短有図柄D1〜D3の3種類であり、4R高確時短有図柄は高確時短有図柄E1〜E3の3種類であり、16R高確時短有図柄は高確時短有図柄F1〜F4の4種類である。そして、4R低確時短有図柄、4R高確時短有図柄および16R高確時短有図柄のそれぞれの選択確率が前述の10%、10%、80%に規定されるよう、特図種類乱数0〜39が低確時短有図柄D1〜D3に振り分けられていて、特図種類乱数40〜79が高確時短有図柄E1〜E3に振り分けられていて、特図種類乱数80〜399が高確時短有図柄F1〜F4に振り分けられている(図示省略)。
図5に戻り、主制御処理部100は、特図種類決定処理部120により決定された大当たり図柄に基づきアタッカー装置65を制御するアタッカー作動制御部150(特別電動役物作動制御手段)を備える。このアタッカー作動制御部150は、特図の変動の停止が大当たり図柄に確定した後に、その大当たり図柄に予め対応付けられた開閉動作の態様でアタッカー装置65の蓋部材を開閉させて大当たり遊技を遊技者に提供するものである。
図10に示すように、第1特図の停止図柄が低確時短有図柄A1〜A3、高確時短有図柄B1〜B6の何れか1つに確定した場合、4ラウンドの大当たり遊技が遊技者に提供される。また、第1特図の停止図柄が高確時短有図柄C1〜C6の何れか1つに確定した場合、16ラウンドの大当たり遊技が遊技者に提供される。
図11に示すように、第2特図の停止図柄が低確時短有図柄D1〜D3、高確時短有図柄E1〜E3の何れか1つに確定した場合、4ラウンドの大当たり遊技が遊技者に提供される。また、第2特図の停止図柄が高確時短有図柄F1〜F4の何れか1つに確定した場合、16ラウンドの大当たり遊技が遊技者に提供される。
4ラウンドの大当たり遊技および16ラウンドの大当たり遊技において、各ラウンド遊技中のアタッカー装置65の蓋部材の開閉動作の回数(大入賞口64の開放回数)は、例えば1回に設定されている。さらに、それらの大当たり遊技において、各ラウンド遊技の終了の条件、すなわち、大入賞口64を閉鎖する条件は、大入賞口64の開放時間が30秒に達すること、および、大入賞口64への遊技球の入賞個数が10個に達することの何れか一方が満たされることに設定されている。これにより、図10に示すように、低確時短有図柄A1〜A3、高確時短有図柄B1〜B6の何れか1つに基づく4ラウンドの大当たり遊技において遊技者は約600個の賞球を獲得することができ、高確時短有図柄C1〜C6の何れか1つに基づく16ラウンドの大当たり遊技において遊技者は約2400個の賞球を獲得することができる。また、図11に示すように、低確時短有図柄D1〜D3、高確時短有図柄E1〜E3の何れか1つに基づく4ラウンドの大当たり遊技において遊技者は約600個の賞球を獲得することができ、高確時短有図柄F1〜F4の何れか1つに基づく16ラウンドの大当たり遊技において遊技者は約2400個の賞球を獲得することができる。
図5に戻り、主制御処理部100は、特図抽選処理部110による特図抽選の結果と、特図種類決定処理部120により決定された特図に基づき、特図と演出図柄との変動パターンを、複数種類の変動パターンのうちから抽選(以下「変動パターン抽選」という)により決定する変動パターン決定部130を備える。この変動パターン決定部130は、変動パターン抽選を行ための構成要素として、図12に示すように、変動パターン決定用乱数発生部131と、第1変動パターン抽選部132aと、第2変動パターン抽選部132bと、通常変動パターンテーブル136と、短縮変動パターンテーブル137とを備える。これらの構成要素について説明していく。
変動パターン決定用乱数発生部131は、1ループである所定範囲(例えば0〜99の整数の範囲)のカウンタの値を、乱数発生用のコンピュータプログラムを実行して4ミリ秒に1回更新させることにより、ソフトウェア乱数である変動パターン乱数(0〜99までの100通りの乱数)を発生させるものである。なお、変動パターン決定用乱数発生部131において、カウンタは1ループのカウントが終了したらカウントを開始したスタート値に戻るよう設定されているが、1ループ毎にランダムにスタート値を更新するよう設定してもよい。
第1変動パターン抽選部132aは、特図抽選処理部110での第1特図抽選部112aによる第1特図抽選の結果(大当たりまたは特図ハズレ)と、特図種類決定処理部120の第1特図種類決定部122aでの第1特図種類抽選により決定された特図とに基づいて、変動パターンを複数種類の変動パターンのうちから決定するための抽選(以下「第1変動パターン抽選」という)を行うものである。具体的には、第1変動パターン抽選部132aは、変動パターン決定用乱数発生部131により発生された変動パターン乱数を、第1始動入賞口61に遊技球が入賞したタイミング(第1始動入賞口検知センサ91からの遊技球検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミング)で取得(ラッチ)する第1変動パターン決定用乱数取得部133aと、この第1変動パターン決定用乱数取得部133aにより取得された変動パターン乱数に基づき、通常変動パターンテーブル136または短縮変動パターンテーブル137を参照して変動パターンを選択する第1変動パターン選択部134aと、第1変動パターン決定用乱数取得部133aにより変動パターン乱数が取得された場合に、その変動パターン乱数を主制御処理部100のRAMを利用して記憶し、特図の変動中または大当たり遊技中等の特図の変動を開始できない状態である場合に、第1特図抽選用保留記憶部115aでの特図保留球乱数の上限個数と同じく4個まで変動パターン乱数を記憶可能な第1変動パターン用保留記憶部135aとを備える。
第2変動パターン抽選部132bは、特図抽選処理部110の第2特図抽選部112bによる第2特図抽選の結果(大当たりまたは特図ハズレ)と、特図種類決定処理部120の第2特図種類決定部122bでの第2特図種類抽選により決定された特図とに基づいて、変動パターンを複数種類の変動パターンのうちから決定するための抽選(以下「第2変動パターン抽選」という)を行うものである。具体的には、第2変動パターン抽選部132bは、変動パターン決定用乱数発生部131により発生された変動パターン乱数を、第2始動入賞口62に遊技球が入賞したタイミング(第2始動入賞口検知センサ92からの遊技球検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミング)で取得(ラッチ)する第2変動パターン決定用乱数取得部133bと、この第2変動パターン決定用乱数取得部133bにより取得された変動パターン乱数に基づき、通常変動パターンテーブル136または短縮変動パターンテーブル137を参照して変動パターンを選択する第2変動パターン選択部134bと、第2変動パターン決定用乱数取得部133bにより変動パターン乱数が取得された場合に、その変動パターン乱数を主制御処理部100のRAMを利用して記憶し、特図の変動中または大当たり遊技中等の特図の変動を開始できない状態である場合に、第2特図抽選用保留記憶部115bでの特図保留球乱数の上限個数と同じく4個まで変動パターン乱数を記憶可能な第2変動パターン用保留記憶部135bとを備える。
第1変動パターン抽選部132aは、第1変動パターン用保留記憶部135aに記憶された変動パターン乱数に基づく第1変動パターン抽選を、特図の変動を開始できる状態であることを条件に、その変動パターン乱数の記憶の契機となった第1始動入賞口61への遊技球の入賞の順番(入賞順)で行うよう設定されている。第2変動パターン選択部132bは、第2変動パターン用保留記憶部135bに記憶された変動パターン乱数に基づく第2変動パターン抽選を、特図の変動を開始できる状態であることを条件に、その変動パターン乱数の記憶の契機となった第2始動入賞口62への遊技球の入賞の順番(入賞順)で行うよう設定されている。また、変動パターン決定部130は、第1変動パターン用保留記憶部135aに変動パターン乱数が記憶された状態であり、かつ、第2変動パターン用保留記憶部135bに変動パターン乱数が記憶された状態において、第1変動パターン用保留記憶部135aに記憶された変動パターン乱数を第1変動パターン抽選部132aによって消化することよりも、第2変動パターン用保留記憶部135bに記憶された変動パターン乱数を第2変動パターン抽選部132bによって消化することを優先するよう設定されている。
通常変動パターンテーブル136および短縮変動パターンテーブル137の具体的内容の概略を、図13を用いて説明する。
通常変動パターンテーブル136は、遊技状態が低確(特図低確&普図低確)である場合と潜確(特図高確&普図低確)である場合とに、第1変動パターン抽選および第2変動パターン抽選で用いられるものであり、第1特図保留球乱数の個数(保留数)および第2特図保留球乱数の個数(保留数)と、第1特図抽選または第2特図抽選で特図ハズレとなってリーチ変動が行われない場合の特図の変動時間(主要変動時間)との対応関係、および、リーチ変動が行われる場合の特図の変動時間(リーチ時変動時間)を規定している。具体的には、通常変動パターンテーブル136は、第1,第2特図の何れに関しても、保留数0個,1個および2個に主要変動時間12.5秒を対応付けていて、保留数3個に主要変動時間7秒を対応付けていて、保留数4個に主要変動時間4秒を対応付けている。つまり、保留数が多くなると、主要変動時間が短くなるよう設定されている。また、通常変動パターンテーブル136は、第1特図のリーチ時変動時間を20〜90秒に規定していて、第2特図のリーチ時変動時間を90秒に規定している。なお、図13には示してないが、通常変動パターンテーブル136は、大当たりに当選した場合に、特図の変動内容として必ずリーチ変動が選択されるよう規定されている。
短縮変動パターンテーブル137は、遊技状態が時短(特図低確&普図高確)である場合と確変(特図高確&普図高確)である場合に、第1変動パターン抽選または第2変動パターン抽選で用いられるものであり、第1特図保留球乱数の保留数および第2特図保留球乱数の保留数と主要変動時間との対応関係、および、リーチ時変動時間を規定している。具体的には、短縮変動パターンテーブル137は、第1,第2特図の何れに関しても、保留数0個および1個に主要変動時間7秒を対応付けていて、保留数2個に主要変動時間4秒を対応付けていて、保留数3個および4個に主要変動時間2秒を対応付けている。つまり、短縮変動パターンテーブル137において、主要変動時間の種類は、通常変動パターンテーブル136において最長の主要変動時間12.5秒よりも短い主要変動時間で構成されているとともに、保留数が多くなると、主要変動時間が短くなるよう設定されている。また、短縮変動パターンテーブル137は、第1,第2特図の何れに関しても、リーチ時変動時間を90秒に規定している。短縮変動パターンテーブル137も通常変動パターンテーブル136と同様に、大当たりに当選した場合には特図の変動内容として必ずリーチ変動となるよう規定されている。
なお、「短縮変動パターンテーブル」というテーブルの名称中の「短縮」は、短縮変動パターンテーブル137における主要変動時間の種類が、通常変動パターンテーブル136において最長の主要変動時間12.5秒よりも短い主要変動時間で構成されていることで、通常変動パターンテーブル136を用いて主要変動時間を決定する場合よりも短縮変動パターンテーブル137を用いて変動時間を決定する場合の方が特図ハズレ時の変動時間(主要変動時間)が短縮されることを意味する。そして、短縮変動パターンテーブル137が用いられる遊技状態である時短(特図低確&普図高確)は、通常変動パターンテーブル136が用いられる低確(特図低確&普図低確)および潜確(特図高確&普図低確)よりも主要変動時間が短縮される遊技状態であることを意味するとともに、確変(特図高確&普図高確)ではないことを意味する。
通常変動パターンテーブル136および短縮変動パターンテーブル137の具体的内容の詳細について、図14〜図17を用いて説明する。
通常変動パターンテーブル136は、図14に示す通常変動パターンテーブル136a−1〜136a−5と、図15,図16に示す通常変動パターンテーブル136b−1〜136b−6とから構成されている。短縮変動パターンテーブル137は、図17に示す短縮変動パターンテーブル137a−1と、図18に示す短縮変動パターンテーブル137b−1〜137b−3とから構成されている。これら通常変動パターンテーブル136および短縮変動パターンテーブル137は何れも、変動パターン乱数(0〜99までの100通りの乱数)と、変動パターンとの対応関係を規定するものである。変動パターンは、演出図柄53の変動内容と、特図および演出図柄53に共通の変動時間から構成されるものである。これら変動内容および変動時間は、第1変動パターン抽選または第2変動パターン抽選により、複数種類の組合せのうちから選択されるものである。複数種類の組合せとしては、図14〜図18に示すように、ノーマル系リーチと20秒との組合せ、ロング系リーチと30秒との組合せ、ストーリー系リーチと60秒との組合せ、バトル系リーチと90秒との組合せ、ハズレ(リーチ無)と12.5秒との組合せ、ハズレ(リーチ無)と7秒との組合せ、ハズレ(リーチ無)と4秒との組合せ、および、ハズレ(リーチ無)と2秒との組合せが予め用意されている。
図14に示す通常変動パターンテーブル136a−1〜136a−5は低確中または潜確中の特図抽選で大当たりに当選した場合に使用されるものである。より詳細には、図14(a)に示す通常変動パターンテーブル136a−1は、低確中または潜確中に第1特図抽選で大当たり当選した場合であって、大当たり図柄が低確時短有図柄A1〜A3(第1特図の4R低確時短有図柄)の何れか1に決定された場合に第1変動パターン抽選で使用されるものである。図14(b)に示す通常変動パターンテーブル136a−2は、低確中または潜確中に第1特図抽選または第2特図抽選で大当たり当選した場合であって、大当たり図柄が高確時短有図柄C1〜C6(第1特図の16R高確時短有図柄)、高確時短有図柄F1〜F4(第2特図の16R高確時短有図柄)の何れか1に決定された場合に第1変動パターン抽選または第2変動パターン抽選で使用されるものである。図14(c)に示す通常変動パターンテーブル136a−3は、低確中または潜確中に第2特図抽選で大当たりに当選した場合であって、大当たり図柄が低確時短有図柄D1〜D3(第2特図の4R低確時短有図柄)、高確時短有図柄E1〜E3(第2特図の4R高確時短有図柄)の何れか1に決定された場合に第2変動パターン抽選で使用されるものである。図14(d)に示す通常変動パターンテーブル136a−4は、低確中の第1特図抽選で大当たりに当選した場合であって、大当たり図が高確時短有図柄B4〜B6(第1特図の4R高確時短有図柄)の何れか1に決定された場合に第1変動パターン抽選で使用されるものである。図14(e)に示す通常変動パターンテーブル136a−5は、潜確中の第1特図抽選で大当たりに当選した場合であって、大当たり図柄が高確時短有図柄B4〜B6(第1特図の4R高確時短有図柄)の何れか1に決定された場合に第1変動パターン抽選で使用されるものである。
図15に示す通常変動パターンテーブル136b−1〜136b−4は、低確中または潜確中の第1特図抽選で特図ハズレとなった場合に使用されるものである。より詳細には、図15(a)に示す通常変動パターンテーブル136b−1は、低確中または潜確中の第1特図抽選で特図ハズレとなった場合であって、第1特図保留球乱数の保留数が0〜2個の何れか1であった場合に第1変動パターン抽選で使用されるものである。図15(b)に示す通常変動パターンテーブル136b−2は、低確中または潜確中の第1特図抽選で特図ハズレとなった場合であって、第1特図保留球乱数の保留数が3個であった場合に第1変動パターン抽選で使用されるものである。図15(c)に示す通常変動パターンテーブル136b−3は、低確中または潜確中の第1特図抽選で特図ハズレとなった場合であって、第1特図保留球乱数の保留数が4個であった場合に第1変動パターン抽選で使用されるものである。
図16(a)に示す通常変動パターンテーブル136b−4は、低確中または潜確中の第2特図抽選で特図ハズレとなった場合であって、第2特図保留球乱数の保留数が0〜2個であった場合に第2変動パターン抽選で使用されるものである。図16(b)に示す通常変動パターンテーブル136b−5は、低確中または潜確中の第2特図抽選で特図ハズレとなった場合であって、第2特図保留球乱数の保留数が3個であった場合に第2変動パターン抽選で使用されるものである。図16(c)に示す通常変動パターンテーブル136b−6は、低確中または潜確中の第2特図抽選で特図ハズレとなった場合であって、第2特図保留球乱数の保留数が4個であった場合に第2変動パターン抽選で使用されるものである。
図17に示す短縮変動パターンテーブル137a−1は、時短中または確変中に第1特図抽選または第2特図抽選で大当たり当選した場合であって、大当たり図柄が全大当たり図柄の何れか1に決定された場合に第1変動パターン抽選または第2変動パターン抽選で使用されるものである。
図18に示す短縮変動パターンテーブル137b−1〜137b−3は、時短中または確変中の第1特図抽選または第2特図抽選で特図ハズレとなった場合に使用されるものである。より詳細には、図18(a)に示す短縮変動パターンテーブル137b−1は、時短中または確変中の第1特図抽選または第2特図抽選で特図ハズレとなった場合であって、第1特図保留球乱数の保留数または第2特図保留球乱数の保留数が0個または1個であった場合に第1変動パターン抽選または第2変動パターン抽選で使用されるものである。図18(b)に示す短縮変動パターンテーブル137b−2は、時短中または確変中の第1特図抽選または第2特図抽選で特図ハズレとなった場合であって、第1特図保留球乱数の保留数または第2特図保留球乱数の保留数が2個であった場合に第1変動パターン抽選または第2変動パターン抽選で使用されるものである。図18(c)に示す短縮変動パターンテーブル137b−3は、時短中または確変中の第1特図抽選または第2特図抽選で特図ハズレとなった場合であって、第1特図保留球乱数の保留数または第2特図保留球乱数の保留数が3個または4個である場合に第1変動パターン抽選または第2変動パターン抽選で使用されるものである。
図5に戻り、主制御処理部100は、変動パターン決定部130により決定された変動時間だけ特図が変動した後に、特図種類決定処理部120により決定された特図の停止図柄で特図が停止するよう特図表示装置40を制御する特図表示制御部140(特図表示制御手段)を備える。
なお、主制御処理部100は、第1始動入賞口61に遊技球が入賞したことに基づいて、その入賞した分も含め、保留数の増加を指定する第1特図保留数コマンドをサブ制御処理部500に送信するよう設定されているとともに、第1特図の変動開始時に、第1特図抽選部112aの第1特図抽選用保留記憶部115aに現在記憶されている第1特図保留球乱数の個数の表示数を指定する第1特図保留数コマンド(保留数の減少を指定するコマンド)をサブ制御処理部500に送信するよう設定されている。また、主制御処理部100は、第2始動入賞口62に遊技球が入賞したことに基づいて、その入賞した分も含め、保留数の増加を示す第2特図保留数コマンドをサブ制御処理部500に送信するよう設定されているとともに、第2特図の変動開始時に、第2特図抽選部112bの第2特図抽選用保留記憶部115bに現在記憶されている第2特図保留球乱数の個数の表示数を指定する第2特図保留数コマンド(保留数の減少を指定するコマンド)を、サブ制御処理部500に送信するよう設定されている。
また、主制御処理部100は、第1特図種類抽選により決定された第1特図を指定する第1特図種類コマンド、または、第2特図種類抽選により決定された第2特図を指定する第2特図種類コマンドを、第1特図または第2特図の変動開始時にサブ制御処理部500に送信するよう設定されている。
また、主制御処理部100は、第1変動パターン抽選により決定された変動パターンを指定する第1変動パターンコマンド、または、第2変動パターン抽選により決定された変動パターンを指定する第2変動パターンコマンドを、第1特図または第2特図の変動開始時にサブ制御処理部500に送信するよう設定されている。
図5に戻り、主制御処理部100は、ゲート70を遊技球が通過したことに基づき、普図に係る当否の抽選(普図抽選)を行う普図抽選処理部210を備える。この普図抽選処理部210は、普図抽選を行うための構成要素として、図19に示すように、普図当否判定用乱数発生部211と、普図抽選部212(普図抽選手段)と、普図低確率判定テーブル216と、普図高確率判定テーブル217とを備える。
普図当否判定用乱数発生部211は、特図当否判定用乱数発生部111と同じく、所定範囲(0〜65535の整数の範囲)のカウンタの値を、クロック回路の1クロックに1回更新させることにより、ハードウェア乱数である普図当否乱数(0〜65535までの65536通りの乱数)を発生させるものである。
普図抽選部212は、普図当否判定用乱数発生部211により発生された普図当否乱数を、ゲート70を遊技球が通過したことに基づいて取得し、その普図当否乱数を用いて普図抽選を行うものである。具体的には、普図抽選部212は前述の第1特図抽選部112aと同様に構成されたものであり、普図当否判定用乱数発生部211により発生された普図当否乱数を、ゲート70を遊技球が通過したタイミング(ゲート検知センサ95からの遊技球検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミング)で取得(ラッチ)する普図当否判定用乱数取得部213と、この普図当否判定用乱数取得部213により取得された普図当否乱数が普図当たり、普図ハズレの何れであるかを、普図低確率判定テーブル216または普図高確率判定テーブル217を参照して判定する普図当否判定部214と、普図当否判定用乱数取得部213により普図当否乱数が取得された場合に、その普図当否乱数を普図保留球乱数として主制御処理部100のRAMを利用して記憶し、普図の変動中または電動チューリップ63の開閉動作中等の普図の変動を開始できない状態である場合に、所定の上限個数(例えば4個)まで普図保留球乱数を記憶可能な普図抽選用保留記憶部215とを備える。
図20に示すように普図低確率判定テーブル216および普図高確率判定テーブル217は何れも、普図当否乱数と普図当たりと普図ハズレとの対応関係を規定したものである。普図低確率判定テーブル216は、普図当否乱数0〜65535のうち、普図当否乱数0〜13107に普図当たりを対応付けていて、普図当否乱数13108〜65535に普図ハズレを対応付けていることにより、普図当たりの当選確率を略20%(=13108/65536)に設定している。普図高確率判定テーブル217は、普図当否乱数0〜65535のうち、普図当否乱数0〜65534に普図当たりを対応付けていて、普図当否乱数65535に普図ハズレを対応付けていることにより、普図当たりの当選確率を略100%(=65535/65536)に設定している。
前述の普図低確は、普図抽選処理部210の普図抽選部212が普図低確率判定テーブル216を用いて普図抽選を行うよう設定された遊技状態、すなわち、普図当たりの当選確率が略20%に設定された遊技状態である。また、前述の普図高確は、普図抽選処理部210の普図抽選部212が普図高確率判定テーブル217を用いて普図抽選を行うよう設定された遊技状態、すなわち、普図当たりの当選確率が略100%に設定された遊技状態である。
図5に戻り、主制御処理部100は、普図表示装置41に停止させて表示させる普図(普図の停止図柄)を、普図抽選の結果が普図当たりである場合に普図当たり図柄に決定し、普図抽選の結果が普図ハズレである場合に普図ハズレに決定する普図種類決定処理部220を備える。
同図5に示すように、主制御処理部100は、普図の変動時間を決定する普図変動時間決定部230と、普図表示装置41を制御する普図表示制御部250と、電動チューリップ63を制御する電動チューリップ作動制御部240(普通電動役物作動制御手段)とを備える。これらについて説明していく。
普図変動時間決定部230は普図の変動の開始の際に、普図に係る遊技状態が普図低確か普図高確かの判定を行い、この判定の結果に基づいて、普図低確中の普通図柄の変動時間よりも普図高確中の普通図柄の変動時間の方が短くなるよう決定するものである。具体的には、普図変動時間決定部230は、普図低確中の普図の変動時間を30秒に決定し、普図高確中の普図の変動時間を1秒に決定する。
普図表示制御部250は、普図種類決定処理部220により決定された普図の停止図柄と、普図変動時間決定部230により決定された普図の変動時間とに基づいて、普図表示装置40を制御するものである。この普図表示制御部250は、普図種類決定処理部220により普図の停止図柄が普図ハズレ図柄に決定され、かつ、普図変動時間決定部230により普図の変動時間が30秒に決定されていた場合に、普図表示装置41に普図を30秒間変動させた後に普図ハズレ図柄で停止させる。また、普図表示制御部250は、普図種類決定処理部220により普図の停止図柄が普図当たり図柄に決定され、かつ、普図変動時間決定部230により普図の変動時間が30秒に決定されていた場合に、普図表示装置41に普図を30秒間変動させた後に普図当たり図柄で停止させる。また、普図表示制御部250は、普図種類決定処理部220により普図の停止図柄が普図ハズレ図柄に決定され、かつ、普図変動時間決定部230により普図の変動時間が1秒に設定されていた場合に、普図表示制御部250は普図表示装置41に普図を1秒間変動させた後に普図ハズレ図柄で停止させる。また、普図表示制御部250は、普図変動時間決定部230により普図の停止図柄が普図当たり図柄に決定され、かつ、普図の変動時間が1秒に決定された場合に、普図表示制御部250は普図表示装置41に普図を1秒間変動させた後に普図当たり図柄で停止させる。
電動チューリップ作動制御部240は、普図抽選で普図当たりに当選した場合に、普図の変動の停止が普図当たり図柄で確定してから0.5秒が経過したタイミングで、電動チューリップ63が予め設定された態様の開閉動作を行うよう電動チューリップ63のソレノイドを制御するものである。電動チューリップ63の開閉動作の態様としては、普図低確に予め対応付けられた第1開閉態様と、普図高確に予め対応付けられた第2開閉態様との2種類がある。第1開閉態様において、開閉動作の回数は1回であり、その1回の開閉動作による第2始動入賞口62の入口の開放時間は0.2秒である。第2開閉態様において、開閉動作の回数は3回であり、連続する開閉動作のインターバルは0.8秒であり、1回の開閉動作による第2始動入賞口62の入口の開放時間は2.5秒である。
前述のように普図低確は普図抽選での普図当たりの当選確率が略20%に設定された遊技状態であり、普図低確中の普図の変動時間は30秒であり、普図低確中の電動チューリップ63の開閉動作の態様は第1開閉態様(0.2秒間開放×1回)である。これに対し、前述のように普図高確は普図抽選での普図当たりの当選確率が略100%に設定された遊技状態であり、普図高確中の普図の変動時間は1秒であり、普図高確中の電動チューリップ63の開閉動作の態様は第2開閉態様(2.5秒間開放×3回)である。つまり、普図低確を含む遊技状態(低確、潜確)よりも普図高確を含む遊技状態(時短、確変)の方が、普図抽選での普図当たりの当選確率、普図の変動時間、普図当たりに対応付けられた電動チューリップ63の開閉動作の態様の何れについても遊技者にとって有利に設定される。これにより、普図高確を含む遊技状態(時短、確変)は、第1始動入賞口62への遊技球の入賞を、電動チューリップ63の作動によってサポートする電サポ状態となっている。電サポ状態は、大当たりに当選しない限り、特図遊技が所定回数、すなわち電サポ回数に達するまでの期間維持される。
潜確が「特図高確&普図低確」であることは前述したが、この潜確は普図低確であり、電サポ状態ではないことから、電動チューリップ63の作動の様子からは確変(特図高確)であることを把握できない遊技状態、すなわち、確変が潜んだ遊技状態である。
パチンコ機1においては、電サポ状態ではない遊技状態(低確、潜確)が、本発明における通常状態に相当し、電サポ状態(時短、確変)が本発明における有利状態に相当する。つまり、本実施形態における有利状態と通常状態との区別は、遊技者にとっての第2特図抽選の機会の得やすさの観点でなされ、これによって、有利状態は、第2特図抽選の機会を得やすいという点で、第2特図抽選に関して遊技者にとって通常状態よりも有利な遊技状態となっている。以下、「電サポ状態ではない遊技状態」を「非電サポ状態」という。
図5に戻り、主制御処理部100は、大当たり遊技終了後の遊技状態を設定する遊技状態設定部300を備える。この遊技状態設定部300は、より詳細には、大当たり遊技の契機となった第1特図の大当たり図柄または第2特図の大当たり図柄と、その大当たり図柄が決定されることとなった大当たり当選時の遊技状態とに基づいて、大当たり遊技終了後の遊技状態を設定するものである。
遊技状態設定部300は、遊技状態を特図高確に設定する際、大当たりに当選しない限り、特図高確が維持される特図遊技の回数、すなわちST回数を設定する(「ST」はスペシャルタイムの略称)する。ST回数の種類としては、例えば43回、56回、69回、50回、70回、90回、10000回の7種類が予め用意されている。また、遊技状態設定部300は、遊技状態を特図低確に設定する際、ST回数を0回に設定する。特図高確においては大当たりの当選確率が略1/30であって、10000回のST回数を全て消化する前には確実に大当たりに当選することになるので、ST回数が10000回に設定された場合、遊技者は次回の大当たりの当選まで特図高確を保障されることになる。
また、遊技状態設定部300は、遊技状態を普図高確に設定する際、大当たりに当選しない限り、電サポ状態を維持する特図遊技の回数、すなわち電サポ回数を設定する。電サポ回数の種類としては、例えば13回、26回、39回、20回、40回、60回、10000回が予め用意されている。また、遊技状態設定部300は、遊技状態を非電サポ状態に設定する際、電サポ回数を0回に設定する。
10000回の電サポ回数は10000回のST回数と同時に設定されるものであり、特図高確においては大当たりの当選確率が略1/30であるから、10000回のST回数と同時に電サポ回数が10000回に設定されることによって、遊技者は次回の大当りの当選まで電サポ状態の維持を保障されることになる。
第1特図の大当たり図柄に基づく大当たり遊技の終了後は、図10に示すように遊技状態(ST回数、電サポ回数)が設定され、第2特図の大当たり図柄に基づく大当たり遊技の終了後は、図11に示すように遊技状態(ST回数、電サポ回数)が設定される。
図10に示すように、特図1に関して、低確時短有図柄A1〜A3(4R低確時短有図柄)の何れの大当たり種別も通常であるので、それら低確時短有図柄A1〜A3のそれぞれに基づく大当たり遊技終了後の遊技状態は何れも特図低確に設定される。大当たり当選時の遊技状態が低確である場合と潜確である場合、低確時短有図柄A1に基づいてST回数は0回に設定されるとともに電サポ回数は13回に設定され、高確時短有図柄A2に基づいてST回数は0回に設定されるとともに電サポ回数は26回に設定され、低確時短有図柄A3に基づいてST回数は0回に設定されるとともに電サポ回数は39回に設定される。また、大当たり当選時の遊技状態が時短である場合と確変である場合には、低確時短有図柄A1〜A3のそれぞれに基づいてST回数は0回に設定されるとともに電サポ回数は60回に設定される。
同図10に示すように、第1特図に関して、高確時短有図柄B1〜B6(4R高確時短有図柄)の何れの大当たり種別も確変であるので、それら高確時短有図柄B1〜B6のそれぞれに基づく大当たり遊技終了後の遊技状態は何れも特図高確に設定される。大当たり当選時の遊技状態が低確である場合、高確時短有図柄B1に基づいてST回数は43回に設定されるとともに電サポ回数は13回に設定され、高確時短有図柄B2に基づいてST回数は56回に設定されるとともに電サポ回数は26回に設定され、高確時短有図柄B3に基づいてST回数は69回に設定されるとともに電サポ回数は39回に設定され、高確時短有図柄B4に基づいてST回数は43回に設定されるとともに電サポ回数は13回に設定され、高確時短有図柄B5に基づいてST回数は56回に設定されるとともに電サポ回数は26回に設定され、高確時短有図柄B6に基づいてST回数は69回に設定されるとともに電サポ回数は39回に設定される。
大当たり当選時の遊技状態が潜確である場合、高確時短有図柄B1〜B3のそれぞれに基づいて設定されるST回数と電サポ回数の組合せは、大当たり当選時の遊技状態が低確である場合と同じであるが、高確時短有図柄B4〜B6のそれぞれに基づいて設定されるST回数と電サポ回数の組合せは何れも、大当たり当選時の遊技状態が低確である場合と異なり、何れの組合せにおいてもST回数および電サポ回数は両方とも10000回である。
同図10に示すように、第1特図1に関して、高確時短有図柄C1〜C6(16R高確時短有図柄)の何れの大当たり種別も確変であるので、それら高確時短有図柄C1〜C6のそれぞれに基づく大当たり遊技終了後の遊技状態は何れも特図高確に設定される。大当たり当選時の遊技状態が低確、潜確、時短、確変の何れである場合も、高確時短有図柄C1〜C6のそれぞれに基づいて設定されるST回数および電サポ回数の組合せにおいて、ST回数および電サポ回数は両方とも10000回である。
図11に示すように、第2特図に関して、低確時短有図柄D1〜D3(4R低確時短有図柄)の何れの大当たり種別も通常であるので、それら低確時短有図柄D1〜D3のそれぞれに基づく大当たり遊技終了後の遊技状態は何れも特図低確に設定される。大当たり当選時の遊技状態が低確、潜確、時短、確変の何れである場合も、低確時短有図柄D1に基づいてST回数は0回に設定されるとともに電サポ回数は20回に設定され、低確時短有図柄D2に基づいてST回数は0回に設定されるとともに電サポ回数は40回に設定され、低確時短有図柄D3に基づいてST回数は0回に設定されるとともに電サポ回数は60回に設定される。
同図11に示すように、第2特図に関して、高確時短有図柄E1〜E3(4R高確時短有図柄)の何れの大当たり種別も確変であるので、それら高確時短有図柄E1〜E3のそれぞれに基づく大当たり遊技終了後の遊技状態は何れも特図高確に設定される。大当たり当選時の遊技状態が低確、潜確、時短、確変の何れである場合も、高確時短有図柄E1に基づいてST回数は50回に設定されるとともに電サポ回数は20回に設定され、高確時短有図柄E2に基づいてST回数は70回に設定されるとともに電サポ回数は40回に設定され、高確時短有図柄E3に基づいてST回数は90回に設定されるとともに電サポ回数は60回に設定される。
同図11に示すように、第2特図に関して、高確時短有図柄F1〜F4(16R高確時短有図柄)の何れの大当たり種別も確変であるので、それら高確時短有図柄F1〜F4のそれぞれに基づく大当たり遊技終了後の遊技状態は何れも特図高確に設定される。大当たり当選時の遊技状態が低確、潜確、時短、確変の何れである場合も、高確時短有図柄F1〜F4のそれぞれに基づいて設定されるST回数と電サポ回数の組合せにおいて、ST回数および電サポ回数は両方とも10000回である。
遊技状態設定部300は、ST回数の設定後に特図遊技が行われる度に、ST回数を1回減算することにより、残りのST回数をカウントするよう設定されていて、残りのST回数が全て消化された場合に、特図に係る遊技状態を特図高確から特図低確に移行させるよう設定されている。また、遊技状態設定部300は、電サポ回数の設定後に特図遊技が行われる度に、電サポ回数を1回減算することにより、残りの電サポ回数をカウントするよう設定されていて、残りの電サポ回数が全て消化された場合に、普図に係る遊技状態を普図高確から普図低確に移行させるよう設定されている。ST回数と電サポ回数は同時に設定されるから、遊技状態が確変(特図高確&電サポ状態(普図高確))、電サポ回数<ST回数)に設定された後、その電サポ回数が全て消化された場合に、遊技状態は確変(特図高確&電サポ状態(普図高確))から潜確(特図高確&非電サポ状態(普図低確))に移行することになる。また、時短(特図低確&電サポ状態(普図高確))に設定された後に電サポ回数が全て消化された場合、遊技状態は時短(特図低確&電サポ状態(普図高確))から低確(特図低確&非電サポ状態(普図低確))に移行することになる。
なお、主制御処理部100は、遊技状態設定部300により特図の大当たり図柄に基づき設定されたST回数を指定するST回数コマンドを、大当たり遊技終了後にサブ制御処理部500に送信するよう設定されているとともに、特図の停止が確定する度に、残りのST回数を指定するST回数コマンドを、サブ制御処理部500に送信するよう設定されている。また、主制御処理部100は、遊技状態設定部300により特図の大当たり図柄に基づき設定された電サポ回数を指定する電サポ回数コマンドを、大当たり遊技終了後にサブ制御処理部500に送信するよう設定されているとともに、特図の停止が確定する度に、残りの電サポ回数を指定する電サポ回数コマンドを、サブ制御処理部500に送信するよう設定されている。また、主制御処理部100は、特図の停止が確定する度に、特図および普図に係る遊技状態を指定する遊技状態コマンドを、サブ制御処理部500に送信するよう設定されている。
ここまでは主制御処理部100について詳細に説明してきたが、次に図5に示すサブ制御処理部500の詳細について説明する。
サブ制御処理部500は、主制御処理部100から送信されてくるコマンドに基づき遊技の演出に係る処理を行うものであり、図5に示すように、演出表示装置50に遊技の演出を行わせる演出制御処理部510(演出制御手段)と、扉ユニット4に設けられた枠ランプ12、遊技盤30の盤面に設けられた盤面ランプ13を制御することによって、電飾による遊技の演出を行わせるランプ制御処理部560と、サウンドプロセッサ(図示省略)を介してスピーカ8を制御することによって、スピーカ8に音声による遊技の演出を行わせる音声制御処理部570とを備える。
また、サブ制御処理部500は、主制御処理部100から電源復帰コマンドが送信されてきた場合に、遊技の演出に係る処理中に作成されたバックアップデータを用いてRAMの状態を復帰させることにより、遊技の演出に係る処理の途中から処理を再開するよう設定されている。また、サブ制御処理部は、主制御処理部100からRAMクリアコマンドが送信されてきた場合に遊技の演出に係る処理中に作成されたバックアップデータをクリアするとともに、そのRAMクリアコマンドに予め対応づけられた初期設定をRAMに対して行うよう設定されている。
次に、演出制御処理部510について詳細に説明する。
演出制御処理部510は、主制御処理部100から送信されてきたコマンドに基づき、演出表示装置50を制御することによって、演出表示装置50に遊技を演出する表示を行わせるものである。その制御に係る構成要素として、図21に示すように、演出態様決定部511と、演出表示制御部540とを備える。
演出態様決定部511は、遊技の演出に用いる種々の画像データを予め記憶していて、遊技の演出内容を決定するにあたって演出用テーブル520を参照することで、それら種々の画像データの何れを用いるかを決定するものである。演出用テーブル520は、通常モード用テーブル521、チャンスモード用テーブル522、スーパーチャンスモード用テーブル523、リベンジモード用テーブル524、演出図柄テーブル525を含んで構成されている。
通常モード用テーブル521は、非電サポ状態中(低確中および潜確中)に使用されるテーブルであり、チャンスモード用テーブル522は、電サポ回数が13回、26回および39回の何れか1つに設定された後の電サポ状態中(時短中および確変中)に使用されるテーブルであり、スーパーチャンスモード用テーブル523は、電サポ回数が10000回に設定された後の電サポ状態中(確変中)に使用されるテーブルであり、リベンジモード用テーブル524は、電サポ回数が20回、40回および60回のいずれか1つに設定された後の電サポ状態中(時短および確変中)に使用されるテーブルである。
通常モード用テーブル521、チャンスモード用テーブル522、スーパーチャンスモード用テーブル523、リベンジモード用テーブル524は何れも、第1,第2変動パターンコマンドと、演出図柄53の変動内容(リーチ変動、ハズレ変動)および演出図柄53の変動時間との対応関係を規定している(具体的内容の図示は省略する)。それらのテーブル521〜524において、演出図柄53の変動時間は、特図の変動時間と一致するよう規定されている。演出態様決定部510は、遊技状態コマンド、電サポ回数コマンドおよびST回数コマンドに基づき、通常モード用テーブル521、チャンスモード用テーブル522、スーパーチャンスモード用テーブル523、リベンジモード用テーブルのうちの何れを使用するかを判断した後、そのテーブルを変動パターンコマンドに基づき参照して、演出図柄53の変動内容および演出図柄の変動時間を決定する。
演出図柄用テーブル525は、第1,第2特図種類コマンドと、演出図柄53の停止図柄との対応関係を規定している(具体的内容の図示は省略する)。具体的には、演出図柄用テーブル525は、第1特図種類コマンドまたは第2特図種類コマンドにより4R低確時短有図柄または4R高確時短有図柄が指定された場合に、演出図柄53の停止図柄が「222」、「666」、「888」の何れか1に決定されるよう設定されていて、第1特図種類コマンドまたは第2特図種類コマンドにより16R高確時短有図柄が指定された場合に、演出図柄53の停止図柄が「333」、「555」、「777」の何れか1に決定されるよう設定されている。また、第1特図種類コマンドまたは第2特図種類コマンドにより、特図ハズレ図柄が指定された場合に、演出図柄53の停止図柄がゾロ目ではない図柄に決定されるよう設定されている。
演出態様決定部510は、変動パターンコマンドがバトル系リーチを指定するものである場合に、図22(a)に示す主役キャラクタ(LC)が、同図22(b)に示す7種類の敵役キャラクタ1〜7(EC1〜EC7)の何れか1種類とバトルを行うアニメーションを含むバトル系リーチを、演出図柄53の変動内容として選択するよう設定されている。バトル系リーチには、前述のようにバトル勝利リーチとバトル敗北リーチとがあり、主役キャラクタと対決する敵役キャラクタの種類で区別した場合に、バトル勝利リーチの種類およびバトル敗北リーチの種類はそれぞれ7種類である。本実施形態においては、7種類のバトル勝利リーチが、本発明における複数種類の特殊演出に相当する。
図23を用いてバトル系リーチの表示例を、キャラクタ1(EC1)が登場する場合を例に挙げて説明する。
キャラクタ1(EC1)が登場するバトル系リーチにおいては、図23(1)に示すように、キャラクタ1(EC1)が登場する前にリーチ目(例えば「7↓7」)が画面50aの中央に大きく表示される。その後、同図23(2)に示すように演出図柄53が画面50aの右上部に変動して表示された状態で、主役キャラクタ(LC)と、敵役キャラクタであるキャラクタ1(EC1)とが表示され、これら主役キャラクタ(LC)とキャラクタ1(EC)とがバトルを行うアニメーションが開始される。そして、同図23(3)に示すようにバトルが進行する。バトル系リーチが大当たりに基づくバトル勝利リーチである場合、主役キャラクタ(LC)がキャラクタ1(EC1)に勝利し、その後、同図23(4−1)に示すように勝利が報知されるとともに、演出図柄53が例えば「777」のゾロ目で停止する。一方、バトル系リーチが特図ハズレに基づくバトル敗北リーチである場合、同図23(4−2)に示すように敗北が報知されるとともに、演出図柄53がゾロ目ではない並び目、例えば「767」で停止する。
7種類のバトル勝利リーチの実行順序としては、図24に示すように、実行順序No.1〜No.30までの30種類が予め用意されている。例えば、実行順序No.1は、1番目のバトル勝利リーチにおける敵役キャラクタをキャラクタ1に規定し、2番目のバトル勝利リーチにおける敵役キャラクタをキャラクタ2に規定し、3番目のバトル勝利リーチにおける敵役キャラクタをキャラクタ3に規定し、4番目のバトル勝利リーチにおける敵役キャラクタをキャラクタ4に規定し、5番目のバトル勝利リーチにおける敵役キャラクタをキャラクタ6に規定し、7番目のバトル勝利リーチにおける敵役キャラクタをキャラクタ7に規定したものである。
図21に示すように、演出態様決定部510は、7種類のバトル勝利リーチの実行順序を、30種類の実行順序のうちから抽選により決定する実行順序設定処理を行う実行順序決定部530(実行順序決定手段)を備える。この実行順序決定部530は、実行順序を抽選するための構成要素として、実行順序決定用乱数発生部531と、実行順序決定用乱数取得部532と、実行順序選択部533と、実行順序テーブル534とを備える。これらの構成要素について次に詳細に説明する。
実行順序決定用乱数発生部531は、1ループである所定範囲(例えば0〜89の整数の範囲)のカウンタの値を、乱数発生用のコンピュータプログラムを実行して4ミリ秒に1回更新させることにより、ソフトウェア乱数である実行順序乱数(0〜89までの90通りの乱数)を発生させるものである。なお、実行順序決定用乱数発生部531において、カウンタは1ループのカウントが終了したらカウントを開始したスタート値に戻るよう設定されているが、1ループ毎にランダムにスタート値を更新するよう設定してもよい。
実行順序決定用乱数取得部532は、実行順序決定用乱数発生部531により発生された実行順序乱数を、所定のタイミング(後述)で取得(ラッチ)する実行順序決定用乱数取得部532と、この実行順序決定用乱数取得部532により取得された実行順序乱数に基づき、実行順序テーブル534を参照して実行順序を選択する実行順序選択部533とを備える。
実行順序テーブル534は、図24に示すように、実行順序乱数(0〜89までの90通りの乱数)と実行順序との対応関係を規定している。この実行順序テーブル534において、30種類の実行順序の選択確率は全て1/30(3/90)に設定されている。
実行順序決定用乱数取得部532が実行順序乱数を取得する所定のタイミングは、次の「(1)」〜「(3)」である。
(1) 電サポ状態(時短または確変)から非電サポ状態(低確または潜確)に移行するタイミング、すなわち、電サポ回数コマンドに基づき電サポ回数が全て消化されたと判定したタイミング
(2) 電源投入時であって、RAMクリアコマンドに基づき実行順序のデータを含むバックアップデータをクリアしたタイミング
(3) 電源投入時であって、バックアップデータが正常か否かの確認で正常でないと判定した場合に実行順序のデータを含むバックアップデータをクリアしたタイミング
つまり、実行順序決定部530は、「(1)」で述べたタイミングで実行順序乱数を取得して実行順序の抽選を行う第1実行順序設定処理と、「(2)」で述べたタイミングで実行順序乱数を取得して実行順序の抽選を行う第2実行順序設定処理と、「(3)」で述べたタイミングで実行順序乱数を取得して実行順序の抽選を行う第3実行順序設定処理とを行うよう設定されたものである。これら第1〜第3実行順序設定処理について図25〜図27を用いて次に説明する。
第1実行順序設定処理は図25に示すルーチンで行われる。
実行順序決定部530は、図25に示すように、サブ制御処理部500が電サポ回数コマンドを受信した場合に第1実行順序設定処理を開始し、はじめに、今回の電サポ回数コマンドと前回の電サポ残回数コマンドを比較して、電サポ回数が全て消化されたか否か、すなわち電サポ状態から非電サポ状態に移行したか否かの判定を行う(ステップS31)。つまり、実行順序決定部530は、実行順序の抽選を行うタイミングか否かの判定を行う。ステップS31において電サポ状態から非電サポ状態に移行したと判定した場合(ステップS31でYesの場合)、実行順序決定部530において、実行順序決定用乱数取得部532が実行順序乱数を取得し(ステップS32)、実行順序選択部533が、その実行順序乱数に予め対応付けられた実行順序を、実行順序テーブル534を参照して選択する(ステップS33)。つまり、実行順序決定部530は実行順序決定用乱数取得部532と実行順序選択部533とによって実行順序の抽選を行う。そして、実行順序選択部533は、ステップS33での実行順序の選択結果が前回の実行順序、すなわち、電サポ状態から非電サポ状態に移行する前に設定されていた実行順序と重複しているか否かの判定を行う(ステップS34)。その判定の結果、実行順序の選択結果が前回と重複していなかった場合(ステップS34でNoの場合)には、実行順序決定部530は、ステップS33での選択結果を実行順序に設定し(ステップS35)、第1実行順序設定処理を終了する。
ステップS34での判定の結果、実行順序の選択結果が前回と重複していた場合(ステップS34でYesの場合)には、実行順序決定部530は、実行順序の選択結果が前回と重複しなくなるまで、実行順序の抽選を繰り返す(ステップS32,S33を繰り返す)。なお、第1実行順序設定処理は、ステップS34の処理が省略されて、ステップS33の処理後にステップS35に移行するルーチンであってもよい。
ステップS31において、電サポ状態から非電サポ状態に移行してないと判定した場合(ステップS31でNoの場合)、第1実行順序設定処理を終了し、これにより、現在の実行順序が維持される。
なお、第1実行順序設定処理は、電サポ回数コマンドに基づき実行順序の抽選を行うタイミングか否かの判定を行う処理に限らず、遊技状態コマンドに基づき実行順序の抽選を行うタイミングか否かの判定を行う処理であってもよい。より詳細には、第1実行順序設定処理は、遊技状態コマンドが時短を指定するものから低確を指定するものに切り替わったタイミング、および、確変を指定するものから潜確を指定するものに切り替わったタイミングで、実行順序の抽選を開始する処理であってもよい。
第2実行順序設定処理は図26に示すルーチンで行われる。
実行順序決定部530は、図26に示すように、サブ制御処理部500がRAMクリアコマンドを受信した場合に第2実行順序設定処理を開始し、はじめに、実行順序を含むバックアップデータをクリアする(ステップS41)。次に、実行順序決定部530において、実行順序決定用乱数取得部532が実行順序乱数を取得し(ステップS42)、実行順序選択部533が、その実行順序乱数に予め対応付けられた実行順序を、実行順序テーブル534を参照して選択する(ステップS43)。つまり、実行順序決定部530は実行順序決定用乱数取得部532と実行順序選択部533とによって実行順序の抽選を行う。そして、実行順序決定部530は、ステップS43での実行順序の選択結果を実行順序に設定し(ステップS44)、第2実行順序設定処理を終了する。
第3実行順序設定処理は図27に示すルーチンで行われる。
実行順序決定部530は、図27に示すように、サブ制御処理部500が電源復帰コマンドを受信した場合に第3実行順序設定処理を開始し、はじめに、実行順序を含むバックアップデータを取得し(ステップS51)、次に、そのバックアップデータが正常か否かの判定を行う(ステップS52)。その判定の結果、実行順序のバックデータが正常でなかった場合(ステップS52でNoの場合)、そのバックアップデータをクリアする(ステップS53)。次に、実行順序決定部530において、実行順序決定用乱数取得部532が実行順序乱数を取得し(ステップS54)、実行順序選択部533が、その実行順序乱数に予め対応付けられた実行順序を、実行順序テーブル534を参照して選択する(ステップS55)。つまり、実行順序決定部530は実行順序決定用乱数取得部532と実行順序選択部533とによって実行順序の抽選を行う。そして、実行順序選択部533は、ステップS55での実行順序の選択結果を実行順序に設定し(ステップS56)、第3実行順序設定処理を終了する。
ステップS52において、実行順序のバックアップデータが正常であった場合(ステップS52でYesの場合)、そのバックアップデータを実行順序に設定し、第3実行順序設定処理を終了する。
演出制御処理部510の演出表示制御部540は、非電サポ状態中(低確中または潜確中)の特図遊技での大当たりの当選に対する演出として、バトル勝利リーチを演出表示装置50に行わせる場合に、実行順序決定部530により決定された実行順序の1番目のバトル勝利リーチを行わせるよう設定されているとともに、その1番目のバトル勝利リーチを行う契機となった大当たりの当選に基づく大当たり遊技の終了後に設定された電サポ状態(時短または確変)を含め、電サポ状態中の大当たりの当選が連続する場合に、すなわち大当たりが連荘する場合に、電サポ状態中の特図遊技での大当たりの当選毎に、その1番目に続く2番目以降のバトル勝利リーチを順次、演出表示装置50に行わせるよう設定されている。
例えば、演出表示制御部540が演出表示装置50に実行順序No.1(図24参照)に従ってバトル勝利リーチを3回行わせる場合、それら3回のバトル勝利リーチは、例えば図28に示すタイミングで行われる。
はじめに、非電サポ状態中(低確中または潜確中)の大当たりの当選(1回目の大当たりの当選)に対して実行順序の1番目のバトル勝利リーチが行われ、このバトル勝利リーチにおいて敵キャラクタとしてキャラクタ1が登場し、主役キャラクタがキャラクタ1に勝利して、1回目の大当たりの当選が報知される。次に、1回目の大当たり遊技が行われる。次に、遊技状態が電サポ状態(時短または確変)に設定され、その電サポ状態中の大当たりの当選(2回目(連荘1回目)の大当たりの当選)に対して実行順序の2番目のバトル勝利リーチが行われ、このバトル勝利リーチにおいて敵キャラクタとしてキャラクタ2が登場し、主役キャラクタがキャラクタ2に勝利して、2回目の大当たりの当選が報知される。次に、2回目の大当たり遊技が行われる。次に、遊技状態が電サポ状態に設定され、その電サポ状態中の大当たりの当選(3回目(連荘2回目)の大当たりの当選)に対して実行順序の3番目のバトル勝利リーチが行われ、このバトル勝利リーチにおいて敵キャラクタとしてキャラクタ3が登場し、主役キャラクタがキャラクタ3に勝利して、3回目の大当たりの当選が報知される。次に、3回目の大当たり遊技が行われる。
また、演出表示制御部540は、バトル敗北リーチを演出表示装置50に行わせる際、次回の大当たりの当選に対して行わせることになっているバトル勝利リーチでの敵役キャラクタを、そのバトル敗北リーチでの敵役キャラクタに採用するよう設定されている。
例えば、図28に示すように、非電サポ状態中においてバトル勝利リーチが行われる1回目の大当たりの当選の前において、特図ハズレに基づくバトル敗北リーチを何度行わせる場合であっても、バトル敗北リーチでの敵役キャラクタはキャラクタ1であり、1回目の大当たり遊技終了後の電サポ状態中において特図ハズレに基づくバトル敗北リーチを何度行わせる場合であっても、バトル敗北リーチでの敵役キャラクタはキャラクタ2であり、2回目の大当たり遊技終了後の電サポ状態中において特図ハズレに基づくバトル敗北リーチを何度行わせる場合であっても、バトル敗北リーチでの敵役キャラクタはキャラクタ3である。
また、演出表示制御部540は、実行順序の1番目〜7番目のバトル勝利リーチの全てを演出表示装置50に行わせた後は、再び1番目からバトル勝利リーチを演出表示装置50に行わせるよう設定されている。より詳細には、非電サポ状態中に大当たりに当選し、この大当たりに基づく大当たり遊技終了後の電サポ状態を含め、電サポ状態中の特図遊技での大当たりの当選が7回以上連続する場合であって、演出表示制御部540が、それら8回以上の大当たりの当選の全てに対してバトル勝利リーチが行われるよう演出表示装置50を制御する場合、非電サポ状態中の大当たりの当選(1回目の大当たりの当選)に対して実行順序の1番目のバトル勝利リーチを行わせた後、2回目〜7回目(連荘1回目〜6回目)の大当たりの当選に対して実行順序の2番目〜7番目のバトル勝利リーチを順次行わせ、さらに、8回目以降(連荘7回目以降)の大当たりの当選に対しては、再び実行順序の1番目からのバトル勝利リーチを順次行わせる。
演出制御処理部510は、第1特図保留数コマンド、および、第2保留数コマンドに基づき、第1,第2特図抽選用保留記憶部115a,115bのそれぞれにより現在記憶されている第1,第2特図保留球乱数のそれぞれの個数を、演出表示装置50に表示させる保留球表示制御部514を備える。この保留球表示制御部514は、具体的には、第1特図保留数コマンドにより保留数の増加を指定された場合に、第1保留表示領域51における円形領域の点灯数が左側の円形領域から順に増加するよう演出表示装置50を制御し、第2特図保留数コマンドにより保留数の増加を指定された場合に、第2保留表示領域52における円形領域の点灯数が左側の円形領域から順に増加するよう演出表示装置50を制御する。また、保留表示制御部550は、第1特図保留数コマンドにより保留数の減少を指定された場合に、第1保留表示領域51において点灯中の円形領域のうち最も右側の円形領域が消灯するよう演出表示装置50を制御し、第2特図保留数コマンドにより保留数の減少を指定された場合に、第2保留表示領域51において点灯中の円形領域のうち最も右側の円形領域が消灯するよう演出表示装置50を制御する。
演出制御処理部510は、電サポ回数コマンドに基づき、現在の残りの電サポ回数を、演出表示装置50に表示させる電サポ回数表示制御部560を備える。この電サポ回数表示制御部560は、具体的には、電サポ回数として10000回を除く、13回,29回,39回,20回,40回,60回のうちの何れか1つが電サポ回数コマンドにより指定された場合に限って、その電サポ回数が電サポ回数表示領域54に表示されるよう演出表示装置50を制御し、その後、電サポ回数表示領域54での表示回数が、電サポ回数コマンドにより指定された残りの電サポ回数に変更されるよう演出表示装置50を制御する。
また、演出表示制御部540は、電サポ状態中および大当たり遊技中において、遊技者に右打ちを案内する案内表示55を演出表示装置50に行わせるとともに、電サポ状態の終了後に遊技者に左打ちを案内する案内表示(図示省略)を演出表示装置50に行わせる。
パチンコ機1においては、第1始動入賞口61に遊技球が入賞した場合、および、第2始動入賞口62に遊技球が入賞した場合に、図29に示すルーチンの遊技処理が行われる。この遊技処理について第1始動入賞口61への遊技球の入賞に係る処理を例に挙げて説明する。
はじめに、主制御処理部100は、第1始動入賞口検知センサ91からの遊技球検知信号の有無に基づいて第1始動入賞口61への遊技球の入賞を検知すると(ステップS1でYES)、特図抽選処理部110において第1特図当否判定用乱数取得部113aは特図当否乱数を取得し、特図種類決定処理部120において第1特図種類選択用乱数取得部123aは特図種類乱数を取得し、変動パターン決定部130において第1変動パターン決定用乱数取得部133aは変動パターン乱数を取得する(ステップS2)。このとき、第1特図保留球乱数の保留数が3個以下であった場合(ステップS3でYesの場合)には、特図抽選処理部110において第1特図抽選用保留記憶部115aは、ステップS2で取得された特図当否乱数を第1特図保留球乱数として記憶し、特図種類決定処理部120において第1特図種類選択用保留記憶部125aは、ステップS2で取得された特図種類乱数を、これと並行して取得された特図当否乱数(第1特図保留球乱数)と関連付けて記憶し、変動パターン決定部130において第1変動パターン用保留記憶部135aは、ステップS2で取得された変動パターン乱数を、これと並行して取得された特図当否乱数(1特図保留球乱数)と関連付けて記憶する(ステップS4)。
そして、主制御処理部100からサブ制御処理部500に対して、保留数の1個増加を指定する第1特図保留数コマンドが送られ、このコマンドに基づき演出表示制御部514の保留表示制御部550は、保留数増加表示処理を行う(ステップS5)。つまり、保留表示制御部550は演出表示装置50に、第1保留表示領域51における円形領域の点灯数を1個増加させる。
ステップS1において第1始動入賞口61への入賞が検知されなかった場合(ステップS1でNoの場合)、主制御処理部100は遊技処理のルーチンをステップS6に進める。また、ステップS3において、第1特図保留球乱数の保留数が3個以下でなかった場合、すなわち、上限個数の4個であった場合、主制御処理部100は遊技処理のルーチンをステップS6に進める。また、ステップS5での保留数増加表示処理の後に、主制御処理部100は遊技処理のルーチンをステップS6に進める。ステップS6において主制御処理100は、現在の遊技状態が、特図および演出図柄53の変動を開始できる状態であるか否かの判定として、特図および演出図柄53が変動中か否かの判定を行う(ステップS6)。この判定の結果、特図および演出図柄53が変動中でない場合(ステップS6でNoの場合)、主制御処理部100は、遊技処理のルーチンをステップS7に進める。このステップS7において、特図および演出図柄53の変動を開始できる状態であるか否かの判定として、大当たり遊技中か否かの判定を行う。この判定の結果、大当たり遊技中でなかった場合(ステップS7でNoの場合)、主制御処理部100は、ルーチンをステップS8に進める。
ステップS6において特図および演出図柄が変動中であると判定した場合、主制御処理部100は遊技処理のルーチンをステップS15に進める。また、ステップS7において大当たり遊技中であると判定した場合、主制御処理部100は遊技処理のルーチンをステップS19に進める。
ステップS8において、特図抽選処理部110は、保留が有るか否かの判定、すなわち、第1特図抽選用保留記憶部115aに第1特図保留球乱数が記憶されているか否かの判定を行い、この判定の結果、第1特図保留球乱数が記憶されていた場合(ステップS8でYesの場合)、特図抽選処理部110はルーチンをステップS9に進める。一方、第1特図保留球乱数が記憶されていなかった場合(ステップS8でNoの場合)、特図抽選処理部110は遊技処理のルーチンを終了する。
ステップS9において、特図抽選処理部110は特図当否判定処理を行う。つまり、特図抽選処理部110において、第1特図当否判定部114aは、第1特図当否判定用乱数取得部113aにより取得された直近の特図当否乱数、または、現在記憶されている第1特図保留球乱数のうちの最も古い特図当否乱数に対して、大当たり、特図ハズレの何れであるかの判定を、現在の遊技状態が特図低確である場合に第1特図低確率判定テーブル116aを参照することによって行い、現在の遊技状態が特図高確である場合に第1特図高確率判定テーブル117aを参照することによって行う。
次に、特図種類決定処理部120は特図種類決定処理を行う(ステップS10)。つまり、特図種類決定処理部120において第1特図種類決定部122aは、ステップS9での特図当否判定処理の結果が大当たりであった場合に、そのステップS9での特図当否判定処理で用いられた特図当否乱数と並行して取得された特図種類乱数に対応する大当たり図柄を、第1特図種類選択テーブル126を参照して、低確時短有図柄A1〜A3(4R低確時短有図柄)、高確時短有図柄B1〜B6(4R高確時短有図柄)、高確時短有図柄C1〜C6(16R高確時短有図柄)のうちから選択し、第1特図の停止図柄に決定する。一方、特図種類決定処理部120は、ステップS9での特図当否判定処理の結果が特図ハズレであった場合に、第1特図の停止図柄を特図ハズレ図柄に決定する。ステップS10で決定された第1特図の停止図柄は、第1特図の変動開始時に第1特図種類コマンドとしてサブ制御処理部500に送信される。
次に、変動パターン決定部130は変動パターン決定処理を行う(ステップS11)。つまり、変動パターン決定部130において第1変動パターン抽選部132aは、ステップS9での特図当否判定処理で用いられた特図当否乱数と並行して取得された変動パターン乱数に対応する変動パターンを、そのステップS9での特図当否判定処理の結果と、ステップS10での特図種類決定処理の結果と、現在の第1特図保留球乱数の保留数と、遊技状態とに基づき、通常変動パターンテーブル136または短縮変動パターンテーブル137を参照して決定する。ステップS11で決定された変動パターンは、第1特図の変動開始時に第1変動パターンコマンドとしてサブ制御処理部500に送信される。
次に、サブ制御処理部500において演出制御処理部510は、演出態様決定処理を行う(ステップS12)。つまり、演出制御処理部510において演出態様決定部511は、主制御処理部100からの第1特図種類コマンドおよび第1変動パターンコマンドに基づき、演出用テーブル520を参照して、その第1変動パターンコマンドと対応関係にある変動パターンを今回の特図遊技での演出図柄53の変動パターンに決定し、その第1特図種類コマンドと対応関係にある停止図柄を今回の特図遊技での演出図柄53の停止図柄に決定する。
第1特図の変動開始時には、主制御処理部100からサブ制御処理部500に対して、保留数の1個減少を指定する第1特図保留数コマンドが送られる。サブ制御処理部500において演出制御処理部510の保留表示制御部550は、その第1特図保留数コマンドに基づき保留数減少表示処理を行う(ステップS13)。つまり、保留表示制御部550は演出表示装置50に、第1保留表示領域51における円形領域の点灯数を1個減少させる。
次に、主制御処理部100において特図表示制御部140は、ステップS11での変動パターン決定処理の結果に基づき、特図表示装置40に特図の変動を開始させ、これと並行して、サブ制御処理部500において演出制御処理部510の演出表示制御部540は、ステップS12での演出態様決定処理の結果に基づき、演出表示装置50に演出図柄53の変動を開始させる(ステップS14)。このステップS14において、第1特図の変動と演出図柄53の変動とは同期して開始される。その後、特図表示制御部140は、ステップS10で変動パターン決定処理により決定された変動パターンの変動時間が経過したか否かの判定を行う。(ステップS15)。変動の初期は、変動時間が経過してないので、主制御処理部100は遊技処理のルーチンを終了する(ステップS14でNo→終了)。その変動時間が経過するまでの間、ステップS1からのステップS15までのルーチンが繰り返される。そして、その変動時間が経過した場合(ステップS15でYesの場合)、主制御処理部100は、演出図柄53の停止を指定するコマンドをサブ制御処理部500に送信するとともに、主制御処理部100において特図表示制御部140は、ステップS10での特図種類決定処理の結果に基づいて特図表示装置40に第1特図の変動を大当たり図柄または特図ハズレ図柄で停止させ、これと並行して、サブ制御処理部500において演出制御処理部510の演出表示制御部540は、サブ制御処理部500により演出図柄53の停止を指定するコマンドが受信されたタイミングで、ステップS12での演出態様決定処理の結果に基づいて演出表示装置50に演出図柄53の変動を停止させる(ステップS16)。このステップS16において、特図の変動の停止と演出図柄53の変動の停止とは同期して行われる。
次に、主制御処理部100においてアタッカー作動制御部150は、ステップS16での第1特図の停止図柄が大当たり図柄であった場合(ステップS17で大当たり図柄の場合)、大当たり遊技を開始する。つまり、ステップS10での特図種類決定処理により決定された第1特図の大当たり図柄に予め対応付けられたラウンド数(4ラウンドまたは16ラウンド)に基づいて、アタッカー装置65の開閉動作を開始させる(ステップS18)。その後、アタッカー作動制御部150は、大当たり遊技の終了のタイミングとなったか否かの判定を行う(ステップS19)。大当たり遊技の初期は、大当たり遊技の終了のタイミングでなはないので、主制御処理部100は遊技処理のルーチンを終了する(ステップS19でNo→終了)。その大当たり遊技の終了のタイミングとなるまでの間、ステップS1からステップS16までのルーチンが繰り返される。そして、その大当たり遊技の終了のタイミングとなった場合(ステップS19でYesの場合)、大当たり遊技が終了する(ステップS20)。つまり、アタッカー作動制御部150は、アタッカー装置65に大入賞口63を閉鎖させた状態で、アタッカー装置65の開閉動作を終了させる。
大当たり遊技が終了すると、主制御処理部100において遊技状態設定部300は遊技状態設定処理を行う(ステップS21)。つまり、遊技状態設定部300は、ステップS9での特図当否判定処理の時点における特図および普図に係る遊技状態(低確、潜確、時短、確変の何れか1)と、ステップS10で特図種類決定処理により決定された大当たり図柄とに基づいて、大当たり遊技終了後の特図および普図に係る遊技状態を設定する(図10参照)。遊技状態設定部300により遊技状態が設定された後、主制御処理部100は、その遊技状態を指定する遊技状態コマンド、その遊技状態の開始時におけるST回数を示すST回数コマンド、その遊技状態の開始時における電サポ回数を示す電サポ回数コマンドをサブ制御処理部500に送信する。
一方、ステップS16での第1特図の停止図柄が特図ハズレ図柄であった場合(ステップS17で特図ハズレ図柄の場合)、ステップS18〜S20を経ることなく、遊技状態設定部300は遊技状態設定処理を行う(ステップS21)。つまり、遊技状態設定部300は、第1特図の停止が確定する前の遊技状態が低確(特図低確&普図低確)である場合には、第1特図の停止が確定した後の遊技状態として低確を維持する。また、遊技状態設定部300は、第1特図の停止が確定した時点(特図遊技の終了時点)で電サポ回数が残っている場合には、普図に係る遊技状態として普図高確を維持し、電サポ回数が全て消化された場合には普図に係る遊技状態を普図低確に設定する。また、第1特図の停止が確定した時点でST回数が残っている場合には特図に係る遊技状態として特図高確を維持し、ST回数が全て消化された場合には特図に係る遊技状態を特図低確に設定する。また、遊技状態設定部300は、電サポ回数10000回の確変中は、特図に係る遊技状態を常に(実際にはST回数10000回を全て消化するまで)特図高確に維持し、普図に係る遊技状態を常に(実際には電サポ回数10000回を全て消化するまで)普図高確に維持する。遊技状態設定部300により遊技状態が維持または設定された後、主制御処理部100は、その遊技状態を指定する遊技状態コマンド、残りのST回数を指定するST回数コマンド、残りの電サポ回数を指定する電サポ回数コマンドをサブ制御処理部500に送信する。
ステップS21での遊技状態設定処理の後、サブ制御処理部500において演出制御処理部510の実行順序決定部530は、第1実行順序設定処理を行う(ステップS22)。つまり、実行順序決定部530は、前述のように、電サポ回数コマンドに基づき、遊技状態が電サポ状態から非電サポ状態に移行したと判定した場合に、7種類のバトル勝利リーチの実行順序の抽選を行って実行順序を設定する(図25参照)。そして、ステップS22の終了後、主制御処理部100は遊技処理を終了する。
図29,図30に示す遊技処理と図4に示す遊技領域31の構成により実現される遊技モード移行の流れを、図31を用いて次に説明する。
通常モードにおいて、遊技状態は非電サポ状態であり、演出表示装置50による右打ちの案内表示55は行われていないから、遊技者は通常、右打ちにより第2始動入賞口62への遊技球の入賞を無理に狙うことはせずに、左打ちにより第1始動入賞口61への遊技球の入賞を狙う。これにより、通常モードからチャンスモードへのルートRa1に示すように、第1特図抽選で大当たりに当選し、大当たり図柄が第1特図である低確時短有図柄A1〜A3(4R低確時短有図柄)、高確時短有図柄B1〜B6(4R高確時短有図柄)の何れか1つに決定された場合、バトル勝利リーチまたはショート系リーチまたはロング系リーチまたはストーリー系リーチが行われて大当たりの当選が報知され、その後、4ラウンドの大当たり遊技(図示省略)を経て、遊技モードはチャンスモードに移行する。通常モードにおいて決定された大当たり図柄が低確時短有図柄A1〜A3のうちの1つである場合、チャンスモードにおける遊技状態は時短(特図低確&電サポ状態(普図高確))に設定され、電サポ回数は13回または26回または39回に設定される。一方、通常モードにおいて決定された大当たり図柄が第1特図である高確時短有図柄B1〜B6の何れか1つに決定された場合、チャンスモードにおける遊技状態は確変(特図高確&電サポ状態(普図高確))に設定され、電サポ回数は13回または26回または39回に設定され、ST回数は電サポ回数と同回数に30回を加算した回数、すなわち43回または56回または69回に設定される。チャンスモードにおいては、演出表示装置50によって遊技者に対し右打ちの案内表示55が行われるので、遊技者は通常、その案内表示55に従って右打ちを行うことにより、第2始動入賞口62への遊技球の入賞を狙う。
なお、通常モードにおいて大当たり図柄が高確時短有図柄B4〜B6(4R高確時短有図柄)の何れか1つに決定されたことに基づいて、遊技モードがチャンスモードに移行するのは、遊技状態が低確に設定された通常モードに限ってのことである。遊技状態が潜確に設定された通常モードにおいて、大当たり図柄が高確時短有図柄B4〜B6(4R高確時短有図柄)の何れか1つに決定された場合には、ルートRb1に示すように、バトル勝利リーチが行われて大当たりの当選が報知され、その後、4ラウンドの大当たり遊技(図示省略)を経て、遊技モードはスーパーチャンスモードに移行する。
チャンスモードからのルートRa2に示すように、チャンスモードにおいて電サポ回数13回または26回または39回が全て消化されて電サポ状態が終了すると、遊技状態は通常モードに戻る。チャンスモードにおいて遊技状態が時短(特図低確&電サポ状態(普図高確))に設定されていた場合、そのチャンスモードから移行した通常モードは、遊技状態が低確(特図低確&非電サポ状態(普図低確))に設定されたものとなる。チャンスモードにおいて遊技状態が確変(特図高確&電サポ状態(普図高確))に設定されていた場合、そのチャンスモードから移行した通常モードは、遊技状態が潜確(特図高確&非電サポ状態(普図低確))に設定されたものとなる。通常モードにおいて潜確の期間を規定するST回数は、チャンスモードにおいてST回数43回または56回または69回が、電サポ回数13回または26回または39回と同じ回数までしか消化されなかったことによって設定される回数、すなわち、チャンスモードにおけるST回数43回または56回または69回から電サポ回数13回または26回または39回と同回数を減算した30回である。
なお、電サポ状態が終了してチャンスモードから通常モードに移行したタイミングで、第1実行順序設定処理が行われ、7種類のバトル勝利リーチの実行順序が決定される。
チャンスモードにおいては、前述のように遊技者は通常右打ちを行って第1始動入賞口62への遊技球の入賞を狙う。これによって第2特図抽選で大当たりに当選し、ルートRa3に示すように大当たり図柄が第2特図である高確時短有図柄F1〜F4(16R高確時短有図柄)に決定された場合、バトル勝利リーチが行われて大当たりの当選が報知され、その後、16ラウンドの大当たり遊技(図示省略)を経て、遊技モードはスーパーチャンスモードに移行する。
また、チャンスモードにおいて第2特図抽選で大当たりに当選し、ルートRa4に示すように、大当たり図柄が第2特図である低確時短有図柄D1〜D3(4R低確時短有図柄)、高確時短有図柄E1〜E3(4R高確時短有図柄)の何れか1つに決定された場合、バトル勝利リーチが行われて大当たりの当選が報知され、その後、4ラウンドの大当たり遊技(図示省略)を経て、遊技モードはリベンジモードに移行する。チャンスモードにおいて決定された大当たり図柄が低確時短有図柄D1〜D3の何れか1つである場合、リベンジモードにおける遊技状態は時短(特図低確&電サポ状態(普図高確))に設定され、電サポ回数は20回または40回または60回に設定される。一方、チャンスモードにおいて決定された大当たり図柄が高確時短有図柄E1〜E3の何れか1つに決定された場合、リベンジモードにおける遊技状態は確変(特図高確&電サポ状態(普図高確))に設定され、電サポ回数は20回または40回または60回に設定され、ST回数は電サポ回数と同回数に30回を加算した回数、すなわち50回または70回または90回に設定される。リベンジモードにおいても、演出表示装置50により右打ちの案内表示55が行われるので、遊技者は通常、その右打ちの案内表示55に従って右打ちを行うことにより、第1始動入賞口62への遊技球の入賞を狙う。
チャンスモードにおいては、遊技者が通常右打ちにより第1始動入賞口62への遊技球の入賞を狙うので、第1,第2特図抽選のうち第2特図抽選が主に行われるが、チャンスモードへの移行前に蓄えられた第1特図保留球乱数に基づき第1特図抽選が行われたり、遊技者が誤って行った左打ちにより第1始動入賞口61に遊技球が入賞し、第1特図抽選が行われたりする可能性がある。チャンスモードにおいて第1特図抽選で大当たりに当選し、ルートRa3に示すように大当たり図柄が第1特図である高確時短有図柄B1〜B6(4R高確時短有図柄)、高確時短有図柄C1〜C6(16R高確時短有図柄)の何れか1つに決定された場合、バトル勝利リーチが行われて大当たりの当選が報知され、その後、4ラウンドまたは16ラウンドの大当たり遊技を経て、遊技モードはスーパーチャンスモードに移行する。また、チャンスモードにおいて第1特図抽選で大当たりに当選し、ルートRa4に示すように大当たり図柄が第1特図の低確時短有図柄A1〜A3(4R低確時短有図柄)に決定された場合、バトル勝利リーチが行われて大当たりの当選が報知され、その後、4ラウンドの大当たり遊技を経て、遊技モードはリベンジモードに移行する。
通常モードからスーパーチャンスモードへのルートRb1に示すように、第1特図抽選で大当たりに当選し、大当たり図柄が第1特図である高確時短有図柄C1〜C6(16R高確時短有図柄)の何れか1つに決定された場合、バトル勝利リーチが行われて大当たりの当選が報知され、その後、16ラウンドの大当たり遊技(図示省略)を経て、遊技モードはスーパーチャンスモードに移行する。この場合のスーパーチャンスモードにおいて、遊技状態は確変(特図高確&電サポ状態(普図高確))に設定され、電サポ回数は10000回(次回まで)に設定される。スーパーチャンスモードにおいても、演出表示装置50により右打ちの案内表示55が行われるので、遊技者は通常、その右打ちの案内表示55に従って右打ちを行うことにより、第2始動入賞口62への遊技球の入賞を狙う。
スーパーチャンスモードにおいては、前述のように遊技者は通常右打ちを行って第2始動入賞口62への遊技球の入賞を狙う。これによって第2特図抽選で大当たりに当選し、ルートRb2に示すように、大当たり図柄が第2特図である高確時短有図柄F1〜F4(16R高確時短有図柄)に決定された場合、バトル勝利リーチが行われて大当たりの当選が報知され、その後、16ラウンドの大当たり遊技を経て、遊技モードはスーパーチャンスモードに戻る。つまり、遊技モードがスーパーチャンスモードに移行した後は、第2特図抽選で大当たりに当選し、大当たり図柄が第2特図である高確時短有図柄F1〜F4の何れか1つに決定される限り、スーパーチャンスモードが繰り返されることになる。
また、スーパーチャンスモードにおいて、第2特図抽選で大当たりに当選し、ルートRb3に示すように、大当たり図柄が第2特図である低確時短有図柄D1〜D3(4R低確時短有図柄)、高確時短有図柄E1〜E3(4R高確時短有図柄)の何れか1つに決定された場合、バトル勝利リーチが行われて大当たりの当選が報知され、その後、4ラウンドの大当たり遊技(図示省略)を経て、遊技モードはリベンジモードに移行する。
また、スーパーチャンスモードにおいては、遊技者が通常右打ちにより第2始動入賞口62への遊技球の入賞を狙うので、第1,第2特図抽選のうち第2特図抽選が主に行われるが、スーパーモードへの移行前に蓄えられた第1特図保留球乱数に基づき第1特図抽選が行われたり、遊技者が誤って行った左打ちにより第1始動入賞口61に遊技球が入賞し、第1特図抽選が行われたりする可能性がある。スーパーチャンスモードにおいて第1特図抽選で大当たりに当選し、ルートRb2に示すように大当たり図柄が第1特図である高確時短有図柄B1〜B6(4R高確時短有図柄)、高確時短有図柄C1〜C6(16R高確時短有図柄)の何れか1つに決定された場合、バトル勝利リーチが行われて大当たりの当選が報知され、4ラウンドまたは16ラウンドの大当たり遊技を経て、遊技モードはスーパーチャンスモードに戻る。また、スーパーチャンスモードにおいて第1特図抽選で大当たりに当選し、ルートRa4に示すように大当たり図柄が第1特図の低確時短有図柄A1〜A3(4R低確時短有図柄)に決定された場合には、バトル勝利リーチが行われて大当たりの当選が報知され、その後、4ラウンドの大当たり遊技を経て、遊技モードはリベンジモードに移行する。
リベンジモードにおいては、前述のように遊技者が通常右打ちを行って第2始動入賞口62への遊技球の入賞を狙う。これによって第2特図抽選で大当たりに当選し、ルートRc3に示すように大当たり図柄が第2特図である高確時短有図柄F1〜F4(16R高確時短有図柄)に決定された場合には、バトル勝利リーチが行われて大当たりの当選が報知され、その後、16ラウンドの大当たり遊技(図示省略)を経て、遊技モードはスーパーチャンスモードに移行する。また、リベンジモードにおいて、第2特図抽選で大当たりに当選し、ルートRc4に示すように大当たり図柄が第2特図である低確時短有図柄D1〜D3、高確時短有図柄E1〜E3(4R高確時短有図柄)の何れか1つに決定された場合には、バトル勝利リーチが行われて大当たりの当選が報知され、その後、4ラウンドの大当たり遊技(図示省略)を経て、遊技モードはリベンジモードに戻る。つまり、遊技モードがリベンジモードに移行した後は、第2特図抽選で大当たりに当選し、大当たり図柄が第2特図である低確時短有図柄D1〜D3、高確時短有図柄E1〜E3の何れか1つに決定された場合に、リベンジモードが繰り返されることになる。
また、リベンジモードにおいては、遊技者が通常右打ちにより第2始動入賞口62への遊技球の入賞を狙うので、第1,第2特図抽選のうち第2特図抽選が主に行われるが、リベンジモードへの移行前に蓄えられた第1特図保留球乱数に基づき第1特図抽選が行われたり、遊技者が誤って行った左打ちにより第1始動入賞口61に遊技球が入賞し、第1特図抽選が行われたりする可能性がある。リベンジモードにおいて第1特図抽選で大当たりに当選し、ルートRc3に示すように大当たり図柄が第1特図である高確時短有図柄B1〜B6(4R高確時短有図柄)、高確時短有図柄C1〜C6(16R高確時短有図柄)の何れか1つに決定された場合、バトル勝利リーチが行われて大当たりの当選が報知され、その後、4ラウンドまたは16ラウンドの大当たり遊技を経て、遊技モードはスーパーチャンスモードに移行する。また、リベンジモードにおいて第1特図抽選で大当たりに当選し、ルートRc4に示すように大当たり図柄が第1特図の低確時短有図柄A1〜A3(4R低確時短有図柄)に決定された場合、バトル勝利リーチが行われて大当たりの当選が報知され、その後、4ラウンドの大当たり遊技を経て、遊技モードはリベンジモードに戻る。
リベンジモードからのルートRc2に示すように、リベンジモードにおいて電サポ回数20回または40回または60回が全て消化されて電サポ状態が終了すると、遊技状態は通常モードに戻る。通常モードが、リベンジモードにおいて遊技状態が時短(特図低確&電サポ状態(普図高確))に設定されていた場合、そのリベンジモードから移行した通常モードは、遊技状態が低確(特図低確&非電サポ状態(普図低確))に設定されたものとなる。リベンジモードにおいて遊技状態が確変(特図高確&電サポ状態(普図高確))に設定されていた場合、そのリベンジモードから移行した通常モードは、遊技状態が潜確(特図高確&非電サポ状態(普図低確))に設定されたものとなる。通常モードにおいて潜確の期間を規定するST回数は、リベンジモードにおいてST回数50回また70回または90回が、電サポ回数20回または40回または60回と同じ回数までしか消化されなかったことによって設定される回数、すなわち、リベンジモードにおけるST回数50回または70回または90回から電サポ回数20回または40回または60回と同回数を減算した30回である。
なお、電サポ状態が終了してリベンジモードから通常モードに移行したタイミングで、第1実行順序設定処理が行われ、7種類のバトル勝利リーチの実行順序が決定される。
通常モードにおいて遊技状態は非電サポ状態であり、遊技者が右打ちにより第2始動入賞口62に遊技球を入賞させることは非常に困難なことであるから、その通常モードにおいて第2始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づき、第2特図抽選で大当たりに当選することは、あり得ないといえる程に確率の低いできごとである。しかし、チャンスモードにおいて蓄えられた第2特図保留球乱数に基づき、または、リベンジモードにおいて蓄えられた第2特図保留球乱数に基づき、通常モードにおいて第2特図抽選が行われた場合、第2特図抽選で大当たりに当選する可能性があり、その通常モードの遊技状態が特に潜確中である場合には、その可能性は高くなる。通常モードにおいて第2特図抽選での大当たりに当選し、ルートRc1に示すように大当たり図柄が第2特図である低確時短有図柄D1〜D3(4R低確時短有図柄)、高確時短有図柄E1〜E3(4R高確時短有図柄)の何れか1つに決定された場合には、バトル勝利リーチが行われて大当たりの当選が報知され、その後、4ラウンドの大当たり遊技(図示省略)を経て、遊技モードはリベンジモードに移行する。また、通常モードにおいて、第2特図抽選で大当たりに当選し、大当たり図柄が第2特図である高確時短有図柄F1〜F4(16R高確時短有図柄)の何れか1つに決定された場合には、ルートRb1に示すように、バトル勝利リーチが行われて大当たりの当選が報知され、その後、16ラウンドの大当たり遊技を経て、遊技モードはスーパーチャレンジモードに移行する。
図36に示す遊技モードの移行の流れにおいて、バトル勝利リーチは、実行順序決定手段により決定された実行順序に従って行われる。例えば、遊技モードが通常モードからルートRb1またはRc1を経て、スーパーチャンスモードまたはリベンジモードに移行する場合に、そのルートRa1またはRc1におけるバトル勝利リーチとして、実行順序決定部530により決定された7種類のバトル勝利リーチの実行順序の1番目のバトル勝利リーチが行われ、その後、遊技モードが通常モードに戻るまでの期間において、バトル勝利リーチが1回以上行われる場合には、その1番目に続く2番目以降のバトル勝利リーチが順次行われる。
また例えば、遊技モードが通常モードからルートRa1を経て、チャンスモードに移行する場合に、そのルートRa1においてバトル勝利リーチが行われる場合には、そのバトル勝利リーチとして、実行順序決定部530により決定された7種類のバトル勝利リーチの実行順序の1番目のバトル勝利リーチが行われ、その後、遊技モードが通常モードに戻るまでの期間において、バトル勝利リーチが1回以上行われる場合には、その1番目に続く2番目以降のバトル勝利リーチが順次行われる。
また例えば、遊技モードが通常モードからルートRa1を経て、チャンスモードに移行する場合であって、そのルートRa1においてバトル勝利リーチ以外のリーチ(ノーマル系またはロング系またはストーリー系リーチ)が行われた場合には、チャンスモードからスーパーチャンスモードへのルートRa3、または、チャンスモードからリベンジモードへのルートRa4におけるバトル勝利リーチとして、実行順序決定部530により決定された実行順序の1番目のバトル勝利リーチが採用され、その後、遊技モードが通常モードに戻るまでの期間において、バトル勝利リーチが1回以上行われる場合には、その1番目に続く2番目以降のバトル勝利リーチが順次行われる。
本実施形態のパチンコ機1によれば次の効果を得られる。
パチンコ機1において、演出制御処理部510(演出制御手段)の実行順序決定部530(実行順序決定手段)は、第1実行順序設定処理を行う。つまり、実行順序決定部530は、遊技状態が電サポ状態(有利状態)から非電サポ状態(通常状態)に移行したタイミングで、すなわち、電サポ状態から移行した非電サポ状態において大当たりに当選するよりも前のタイミングで、7種類のバトル勝利リーチ(特殊演出)の実行順序を、30種類の実行順序のうちから抽選により決定する。その後、演出制御処理部510は、非電サポ状態中の特図遊技でバトル勝利リーチを演出表示装置50に行わせる場合、実行順序決定部530により決定された実行順序の1番目のバトル勝利リーチを行わせ、その1番目のバトル勝利リーチの契機となった大当たりの当選に基づく大当たり遊技の終了後に設定された電サポ状態を含め、電サポ状態中の大当たりの当選が連続する場合に、電サポ状態中の特図遊技での大当たりの当選毎に、その1番目に続く2番目以降のバトル勝利リーチを順次、演出表示装置50に行わせる。これにより、パチンコ機1は、非電サポ状態中の大当たりに基づく大当たり遊技終了後に設定された電サポ状態を含め、電サポ状態中の大当たりの当選が連続する場合に、その非電サポ状態中の大当たりの当選を含めた全ての大当りの当選に対してバトル勝利リーチを行うことができ、かつ、バトル勝利リーチの重複を低減することができ、かつ、7種類のバトル勝利リーチの実行順序に変化を持たせることができる。
パチンコ機1において、実行順序決定部530(実行順序決定手段)は、第2,第3実行順序設定処理を行う。つまり、実行順序決定部530は、電源投入時であってRAMクリアコマンドに基づき実行順序をクリアしたタイミングと、電源投入時であって、バックアップデータが正常か否かの確認で正常でないと判定した場合に実行順序のデータを含むバックアップデータをクリアしたタイミングで、7種類のバトル勝利リーチ(特殊演出)の実行順序を、30種類の実行順序のうちから抽選により決定する。これらにより、演出制御処理部510は、電源投入後の最初の大当たりの当選に対する演出から、実行順序決定部530により決定された実行順序に従ってバトル勝利リーチを行うことができる。
前述の実施形態のパチンコ機1は、バトル勝利リーチ(特殊演出)およびバトル敗北リーチが、電動チューリップ(普通電動役物)が付設されてない第1始動入賞口61(特図始動領域)への遊技球の入賞に基づく特図遊技と、電動チューリップ63が付設された第2始動入賞口62(特図始動領域)への遊技球の入賞に基づく特図遊技の両方に対して行われるよう設定されているが、本発明のパチンコ機は、電動チューリップ63が付設された第1始動入賞口62への遊技球の入賞に基づく特図遊技のみに対してバトル勝利リーチおよびバトル敗北リーチが行われるよう設定されていてもよい。このように設定されたものにおいて、遊技領域が図4に示す遊技領域31のように構成されたものである場合、非電サポ状態中(通常状態中)に第2始動入賞口62に遊技球の入賞させることが非常に困難なものであることから、非電サポ状態中におけるバトル勝利リーチの実行およびバトル敗北リーチの実行を、電サポ状態中(有利状態中)に蓄えられた第2特図保留球乱数に基づく第2特図抽選が、電サポ状態から非電サポ状態に移行した後に行われて大当たりに当選した場合に略限定することができる。
前述の実施形態のパチンコ機1は、始動入賞口(特図始動領域)として電動チューリップ(普通電動役物)が付設されていない第1始動入賞口61と、電動チューリップが付設された第1始動入賞口62との2つを備えるものであるが、本発明のパチンコ機は、始動入賞口として電動チューリップ63が付設された第1始動入賞口62のみを備え、その電動チューリップ63が、遊技球の入賞が可能な範囲で始動入賞口の入口を縮小した状態と、この状態よりも始動入賞口の入口を拡大して遊技球の入賞を容易した状態とに変化可能に設けられたものであってもよい。
前述の実施形態のパチンコ機1においては、7種類のバトル勝利リーチ(特殊演出)の30種類の実行順序を比較して分かるように、何れのバトル勝利リーチも順番が特定されないよう設定されているが、本発明のパチンコ機において、30種類の実行順序は、一部のバトル勝利リーチの順番が特定の順番に固定されるよう設定されていてもよい。例えば、最弱の敵役キャラクタが登場するバトル勝利リーチが常に1番目(最初)となり、かつ、最強の敵役キャラクタが登場するバトル勝利リーチが常に7番目(最後)となり、最弱と最強の間の強さの5種類の敵役キャラクタの順番が特定されないよう30種類の実行順序が設定されていてもよい。このように設定された実行順序を用いてバトル勝利リーチを8回以上連続で行う場合、1回目〜7回目までの大当たりの当選に対しては実行順序の1番目から7番目までのバトル勝利リーチを順次行い、8回目以降のバトル勝利リーチとしては常に7番目のバトル勝利リーチを行うよう設定することで、最強の敵キャラクタが登場した後に最弱の敵役キャラクタが登場するという登場の順番の矛盾を生じさせることなく、8回目以降のバトル勝利リーチをおこなうことができる。
前述の実施形態のパチンコ機1において、実行順序決定部530(実行順序決定手段)は第2,第3実行順序設定処理を行うよう、すなわち、電源投入時に実行順序の抽選を行うものであるが、本発明のパチンコ機において、実行順序決定部530は、電源投入時には常に実行順序を特定の実行順序に決定する、例えば、30種類の実行順序のうち実行順序No.1を、実行順序に決定するものであってもよい。
前述の実施形態のパチンコ機1において、非電サポ状態が本発明における通常状態に相当し、電サポ状態が本発明における有利状態に相当する。その電サポ状態は、普図抽選での普図当たりの当選確率、普通図柄の変動時間、普図当たりに対応付けられた電動チューリップ63の開閉動作の態様の全てが、遊技者にとって非電サポ状態よりも有利に設定された状態であるが、電サポ状態は、第2特図抽選の機会を非電サポ状態よりも得やすいという点で、第2特図抽選に関して遊技者にとって非電サポ状態よりも有利な遊技状態であればよく、したがって、普図当たりの当選確率、普通図柄の変動時間、普図当たりに対応付けられた電動チューリップ63の開閉動作の態様のうちの少なくとも1つが、遊技者にとって非電サポ状態よりも有利に設定されている状態であってもよい。
前述の実施形態のパチンコ機1においては、遊技状態として電サポ状態を備え、通常状態と有利状態は電サポ状態か否か、すなわち、第2特図抽選の機会の得やすさにより区別されていたが、本発明のパチンコ機において、通常状態と有利状態は特図抽選に関して遊技者にとって有利か否かが区別されていればよく、例えば特図高確は特図低確よりも特図抽選での大当たりの当選確率が高いという点で有利であるから、低確、潜確、時短、確変のうちの低確(特図低確&非電サポ状態)のみが通常状態として扱われ、潜確(特図高確&非電サポ状態)、時短(特図低確&電サポ状態)および確変(特図高確&電サポ状態)が有利状態として扱われてもよい。このように通常状態と有利状態とが区別されたものにおいて、実行順序決定部530は、遊技状態が電サポ状態から非電サポ状態に移行したタイミングで実行順序の抽選を行うことに加えて、遊技状態が特図高確から特図低確に移行したタイミングで、言い換えるとST回数が全て消化されたタイミングで、実行順序の抽選を行うものとなる。その際、ST回数と電サポ回数が異なる回数に設定されて確変(特図高確&電サポ状態)が開始された場合は、ST回数の設定回数および電サポ回数の設定回数のうちの多い方が全て消化されたタイミングが、実行順序の抽選を行うタイミングとなる。また、演出制御処理部510の演出表示制御部540は、特図低確中(低確中または時短中)の特図遊技での大当たりの当選に対する演出として、バトル勝利リーチを演出表示装置50に行わせる場合に、実行順序決定部530により決定された実行順序の1番目のバトル勝利リーチを行わせるよう設定されているとともに、その1番目のバトル勝利リーチを行う契機となった大当たりの当選に基づく大当たり遊技の終了後に設定された確変を含め、特図高確中(確変中または潜確中)の大当たりの当選が連続する場合に、特図高確中の特図遊技での大当たりの当選毎に、その1番目に続く2番目以降のバトル勝利リーチを順次、演出表示装置50に行わせるよう設定されているものとなる。
また、遊技状態として電サポ状態を備えないパチンコ機の場合には、特図抽選での大当たりの確率のみで、特図抽選に関して有利か否かの区別が設けられていてもよく、したがって、通常状態が特図低確として扱われ、有利状態が特図高確として扱われてもよい。このように通常状態と有利状態とが区別されたものにおいて、実行順序決定部530は、遊技状態が電サポ状態から非電サポ状態に移行したタイミングの替わりに、遊技状態が特図高確から特図低確に移行したタイミング(ST回数が全て消化されたタイミング)で実行順序の抽選を行うものとなる。また、演出制御処理部510の演出表示制御部540は、特図低確中の特図遊技での大当たりの当選に対する演出として、バトル勝利リーチを演出表示装置50に行わせる場合に、実行順序決定部530により決定された実行順序の1番目のバトル勝利リーチを行わせるよう設定されているとともに、その1番目のバトル勝利リーチを行う契機となった大当たりの当選に基づく大当たり遊技の終了後に設定されたST回数が設定された特図高確(潜確)を含め、特図高確中の大当たりの当選が連続する場合に、特図高確中の特図遊技での大当たりの当選毎に、その1番目に続く2番目以降のバトル勝利リーチを順次、演出表示装置50に行わせるよう設定されているものとなる。
前述の実施形態のパチンコ機1において、変動パターンテーブルは、電サポ状態中の大当たりの当選に対しては必ずバトル勝利リーチが行われるよう構成されたものであったが、電サポ状態中の大当たりの当選に対してバトル勝利リーチとは別のリーチが行われる可能性を有するよう構成されていてもよい。このように構成されたものにおいては、バトル勝利リーチの後に、大当たりの当選に対して別のリーチが1回以上行われ、その後、再びバトル勝利リーチが行われる場合がある。この場合に対しては、別のリーチ前のバトル勝系リーチと、別のリーチ後のバトル勝利リーチとが、実行順序決定部530(実行順序決定手段)により決定された実行順序に従って順次行われるよう設定されていることが必要である。
前述の本実施形態のパチンコ機1は、バトル勝利リーチを特殊演出として行うものであるが、本発明のパチンコ機において、特殊演出はバトル(戦闘)の動画によるものに限定されるものではなく、スポーツ、恋愛等のバトル以外の動画によるものであってもよい。また、特殊演出の種類は、登場するキャラクタの種別の違いにより区別されるものに限定されるものではなく、例えば登場するキャラクタの種類が同じであっても、そのキャラクタの色、形状、寸法、服装、髪型等の違いや、背景の違いにより区別されるものであってもよい。また、特殊演出に登場するキャラクタは、キャラクタと敵役キャラクタのように主役とその相手役という対で登場する形式のものに限定されるものではなく、また、登場するキャラクタの数も限定されるものではない。また、キャラクタはリーチ中に登場するもの限定されるものではなく、リーチ以外での変動中に登場する予告キャラクタや、変動時ではないときの演出中に登場するキャラクタであってもよい。
前述の実施形態のパチンコ機1は、600個や2400個のように遊技者にとって賞球を獲得できる大当たり遊技の終了後に、遊技状態を潜確または時短または確変に移行させるものであったが、本発明のパチンコ機は、遊技者にとって賞球の獲得が困難な大当たり遊技(例えば、2ラウンドの大当たり遊技であって1ラウンド中のアタッカー装置の開放時間が0.1秒)の終了後に、遊技状態を潜確または時短または確変に移行させるものであってもよい。