図1及び図2は、一実施形態となるパチンコ機1(遊技機)の構成を具体的に示している。パチンコ機1は枠体及び遊技盤4から構成され、枠体には外枠2をはじめ本体枠3、前面枠5等が含まれている。このうち外枠2は、上下左右の木枠材を矩形に組み合わせて構成されており、その前側下部には、本体枠3の下面を受けるための下受板6が備えられている。外枠2の左側縁部には、ヒンジ機構7を介して本体枠3の左側端部が連結されており、図2に示されているように、本体枠3は外枠2の手前側にて開閉可能となっている。この本体枠3は、前枠体8と遊技盤装着枠9、機構装着枠10を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。このうち前枠体8は、本体枠3の前面側に位置して形成されており、その外形は、下受板6を除く外枠2の外郭形状に合致する大きさを有している。
遊技盤装着枠9は前枠体8の後部に一体的に形成されており、この遊技盤装着枠9には遊技盤4が前方から嵌め込むようにして装着されている。遊技盤4もまたヒンジ機構25を介して本体枠3より前面側へ開閉可能となっており、この開閉動作に伴って遊技盤4は本体枠3に対して着脱可能となっている。遊技盤装着枠9のうち、遊技盤4が嵌め込まれる部位の下開口縁部にキャッチロック9a(いわゆる「パチン錠」)が設けられている。図示のように、遊技盤装着枠9に遊技盤4が嵌め込まれた状態でキャッチロック9aが締め付けられると、遊技盤4が下方に強く押し付けられるようにして遊技盤装着枠9に固定される。
また、遊技盤4の右上隅部と右下隅部にはそれぞれロック部材4cが取り付けられている。ロック部材4cは遊技盤4の幅方向に細長く延びたプレート形状をなしており、その先端部は遊技盤4から右側方に突き出た状態で遊技盤4を遊技盤装着枠9に対して係止する爪の働きをする。即ち、ロック部材4cはその先端部分が遊技盤4の右側端から側方に突出した突出位置か、もしくは遊技盤4の右側端から内側(中心方向)に引っ込んだ引込位置のいずれかで遊技盤4に係止される。
一方、図2には示されていないが、遊技盤装着枠9の内縁には上下のロック部材4cにそれぞれ対応する位置に係止穴が形成されている。このため遊技盤4を遊技盤装着枠9に嵌め込んだ状態で、上下のロック部材4cをそれぞれ突出位置で係止させれば、その先端部が係止穴に入り込んだ状態で遊技盤4を遊技盤装着枠9に係止し、その前方への脱落を防止する。逆に、上下のロック部材4cを突出位置から退出させて遊技盤装着枠9との係止を解除すれば、遊技盤4を遊技盤装着枠9から容易に取り外すことができる。
遊技盤4の盤面(前面)には、環状に成形された案内レール11が設けられており、この案内レール11は外レールと内レールとから構成されている。そして遊技盤4の盤面には、案内レール11の内側にほぼ円形状の遊技領域12が区画して形成されている。なお、遊技領域12内の構成(盤面構成)については後述する。
前枠体8の左下隅の位置には、装着板13を介して低音用スピーカ14(以下、これを下部スピーカともいう:音発生手段)が内蔵されている。また、前枠体8の右下隅の位置には発射レール15が設けられており、この発射レール15は遊技盤4の発射通路に向けて遊技球を導く役割を果たしている。そして前枠体8には、発射レール15や低音用スピーカ14よりも下方の位置に下前面部材16が装着されている。この下前面部材16のほぼ中央位置に下皿17が形成されており、さらにその右側位置に発射ハンドル18が設けられている。
図2に一部が示されているように、本体枠3(前枠体8)の右側端部には、その裏面側に施錠装置19が装着されている。この施錠装置19は、外枠2に対して本体枠3全体を施錠したり、あるいは、本体枠3に対して前面枠5を施錠したりする機能を備えている。施錠装置19は2種類の枠施錠ラッチ21及び扉施錠ラッチ23を有しており、このうち一方の枠施錠ラッチ21は外枠2の閉止具20に対応している。例えば、図2に示されている状態から本体枠3を外枠2に対して押し込むと、上下で2つの枠施錠ラッチ21がそれぞれ対応する閉止具20に係合し、これにより本体枠3が外枠2に施錠された状態で固定される。
もう一方の扉施錠ラッチ23は、前面枠5の後面に設けられた閉止具22に対応しており、例えば図2に示されている状態から前面枠5を本体枠3に対して押し込むと、上下で3つの扉施錠ラッチ23がそれぞれ対応する閉止具22に係合し、これにより前面枠5が本体枠3に施錠された状態で固定される。
施錠装置19はまたシリンダー錠24を有しており、本体枠3及び前面枠5が閉止された状態で、例えばホールの管理者・従業員がシリンダー錠24の鍵穴に専用の鍵を挿入して一方向に回すと、枠施錠ラッチ21と外枠2の閉止具20との係合が解除されて本体枠3が解錠される。また、これとは逆方向に鍵を回すと、扉施錠ラッチ23と前面枠5の閉止具22との係合が解除されて前面枠5が解錠されるようになっている。なお、シリンダー錠24の前端部は、前枠体8及び下前面部材16を貫通して下前面部材16の前面に露出しているため、パチンコ機1の前方から鍵を挿入して解錠操作を容易に行うことができるものとなっている。
なお、本実施形態では、時計回り方向に鍵を回動操作(捻り操作)することで外枠2に対して本体枠3が解錠され、反時計回り方向に鍵を回動操作(捻り操作)することで本体枠3に対して前面枠5が解錠される。このように、鍵の回動操作の方向を異ならせるだけで、本体枠3または前面枠5のいずれかを解錠させることができる。また、施錠装置19は、本体枠3が閉塞状態にて施錠されたときに、鍵以外のものを用いた外部操作によって枠施錠ラッチ21と外枠2の閉止具20との係合が解除されないように枠施錠ラッチ21の変位をロックするロック機構をさらに備えている。
これにより、本体枠3が閉塞状態で施錠されたときは、ロック機構により枠施錠ラッチ21がロックされる。また本体枠3(全面枠8)には、枠施錠ラッチ21よりも外枠2と本体枠3(前面枠8)との間隙に近い側(図2でみて右側方)にリブが突設して形成されており、不正行為を意図した遊技者等が外枠2と本体枠3(前面枠8)との間隙から針金等を差し込んで直接枠施錠ラッチ21を操作しようとしても、その針金等はリブに当接し、それ以上の進入を阻まれる。したがって、外枠2と本体枠3(前面枠3)との間隙から針金等を用いて本体枠3を不正に解錠するような行為を抑止することができる。
前面枠5はガラス枠やガラス扉とも称され、この前面枠5はヒンジ機構25を介して本体枠3の前面側に開閉可能に装着されている。前面枠5は、その裏側に扉本体フレーム26を有するほか、前側に枠ランプ27(サイド装飾装置)や上皿28、音響電飾装置29、操作ボタン18a(操作手段)を備えている。扉本体フレーム26は、プレス加工された金属製フレーム部材によって構成されており、この扉本体フレーム26は前枠体8の上端から下前面部材16の上縁に亘る部分を覆う大きさに形成されている。前面枠5を閉じると、遊技盤4を含む前枠体8の前面側が前面枠5によって覆われることとなるが、扉本体フレーム26の中央にはほぼ円形の開口窓30が形成されており、この開口窓30を通じて遊技盤4の遊技領域12を前方から視認することができる。また、扉本体フレーム26の後側には、開口窓30よりも大きい矩形枠状をなす窓枠31が設けられており、この窓枠31には透明な2枚のガラス板32が前後に間隔をおいて嵌め込まれている。
なお本実施形態の構成では、遊技盤4の右方ではなく下方にシリンダー錠24を配置し、合わせて遊技盤4の右方に配置された施錠装置19を薄型化することで、遊技盤4に形成された遊技領域12の面積を従来よりも大きく確保することができる。これにより遊技者の見る目を大いに引きつけ、その視認に対する興趣を高めることができる。また本実施形態の構成では、遊技領域12の拡大に合わせて前面枠8の開口窓30が拡大されているため、その部分では前面枠8の剛性が低下することとなるが、本実施形態では前面枠8の下部に上皿28が一体的に形成されているため、この上皿28の部分が補強となって前面枠8全体としての剛性の低下を抑制している。
図1に示されているように、前面枠5には開口窓30の周囲において、左右両側部に枠ランプ27が配設されているほか、その下部に上皿28が配設されており、さらには上部に音響電飾装置29が配設されている。また、上皿28の左片側寄りには、操作ボタン18aが配設されている。これら枠ランプ27や音響電飾装置29、上皿28等は全体として前面枠5の外形を構成するべく一体をなし、相互に外観上の一体感を想起させるデザインが施されている。
このうち枠ランプ27は、ランプ基板を内蔵したサイド装飾体33を主体として構成されており、サイド装飾体33はちょうど開口窓30の左右で一対をなしている。サイド装飾体33には、横長に延びるスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、個々の開口孔には、ランプ基板に実装されたランプ(LED:発光ダイオード)に対応するレンズ34が組み込まれている。
また音響電飾装置29は、高音用に2つのスピーカ36(以下、これを上部スピーカともいう:音発生手段)を内蔵しており、これらスピーカ36の前面側はスピーカカバー37で覆われている。スピーカ36は前面枠5の左右に一対をなして配置されており、左右のスピーカ36をつなぐようにして透明カバー体35が設置されている。透明カバー体35は前面枠5の幅一杯に拡がっており、その奥には装飾用のLEDを有したランプ基板やリフレクタ体等が設置されている。音響電飾装置29は、これらスピーカ36やスピーカカバー37、透明カバー体35、ランプ基板、リフレクタ体等の構成部材が相互に組み付けられた状態でユニット化されている。
扉本体フレーム26の前側には、開口窓30の周囲において、下部に上皿28が前面枠8と一体的に設けられているほか、左右の両側部に枠ランプ27が装着されており、また上部に上部スピーカ36が装着されている。なお枠ランプ27については、各種遊技内容に応じてその点灯・消灯制御が実行されており、上部スピーカ36及び下部スピーカ14については、各種遊技内容に応じて複数種類の音出力態様により音出力制御が実行される。このように本実施形態のパチンコ機1では、各種遊技内容に応じて枠ランプ27の点灯・消灯制御や、上部スピーカ36及び下部スピーカ14の音出力制御を実行することで演出効果を高め、遊技者の興趣を向上するようになっている。また、上部スピーカ36及び下部スピーカ14では、不正行為が実行されたことを報知する警告音や、遊技に関するエラーが発生したことを報知する情報音等の出力も行われる。
パチンコ機1の構造上、上記の枠体(外枠2、本体枠3、前面枠5)が本体を構成する部分であり、遊技盤4の板材、つまり遊技板は本体に着脱可能に支持された部分となっている。外枠2は遊技場(ホール)の島設備にパチンコ機1を固定する役割を担い、また本体枠3は遊技板を含めた遊技盤4全体を着脱可能に支持する役割を担う。遊技板はベニヤ板等の強度部材からなり、その前面及び背面には各種構成要素(障害釘、役物、入賞装置、装飾品類、電子機器・制御基板類)が取り付けられている。
図3は、遊技盤4を単独で示している。上記のように遊技盤4は矩形状に成型された遊技板4aを強度部材として構成されており、その前面に遊技領域12が円形状に形成されている。遊技領域12内には、所定の配列で多数の障害釘が打ち付けられているほか、その適宜の位置に球誘導用の風車40が設けられている。遊技領域12内の上半分には、ひときわ大きく目を引く演出装置42が配置されており、この演出装置42にはパチンコ機1の機種やゲームコンセプト等を象徴したデザインがあしらわれている。
演出装置42は、その全体が縦方向に扁平した楕円形状の外形をなしているが、そのところどころに角張った部分を有する。特に正面からみて演出装置42の頂部は山形状に突出し、その山頂に相当する部分から左右に延びる上縁部は、緩やかな下り傾斜を有している。また、演出装置42の左側縁部は縦方向にゴツゴツと切り立ったような形状をなしており、このため左側縁部の上端と下端がそれぞれ角張った外形をなしている。一方、演出装置42の右側縁部は遊技領域12の外縁に沿って円弧状に湾曲しており、その輪郭線は左側縁部と対照的に滑らかなカーブを描いている。また、演出装置42の下側縁部は中央に向かって直線的に絞り込まれたような下り傾斜を有しており、そして中央の位置では水平方向に屈曲されている。
演出装置42の内側には液晶表示装置50(表示手段)が設置されており、この液晶表示装置50は比較的大型の表示画面を有している。また演出装置42の内側には、液晶表示装置50の表示画面を取り囲むようにして各種の装飾体43a,43b,43cや可動装飾体44a,44b,44cが配置されているほか、可動装飾体44a〜44cの外側には演出装置42の周縁部に沿って別の装飾体43d,43e等が配置されている。
また、正面からみて可動装飾体44a,44b,44cよりも奥の位置には、それぞれ固定装飾体45a,45b,45cが設置されており、これら固定装飾体45a,45b,45cの周囲の領域にはさらに別の装飾部材46が設置されている。装飾部材46は、液晶表示装置50の左右の両側方及び上方の領域に拡がるようにして敷設されており、それゆえ演出装置42を前面側からみたとき、装飾部材46は装飾体43a,43b,43cや可動装飾体44a,44b,44cの背景領域としての位置付けとなる。
上記のように演出装置42には、視覚的にパチンコ機1のゲームコンセプトを象徴するデザインが付されており、それゆえ個々の装飾体43a〜43eや可動装飾体44a〜44c、固定装飾体45a〜45c、装飾部材46には独特の造形が施されている。
即ち、本実施形態のパチンコ機1におけるゲームコンセプトは、原始時代の地球を背景として、この時代の地球に生きる人類(原始人)や原始動物の生き様や行動をコミカルに表現した創作的ストーリーの上に成り立っている。但し、ここでいう「原始時代」は考古学上の正確な時代区分に基づくものではなく、社会一般に定着しているイメージとしての「原始時代」を背景としている。したがって、そこに登場するキャラクタの風貌はあくまで現代の人類を原始人らしくコミカルに表現したものであり、また、原始哺乳動物として登場する「マンモス」や「類人猿」、「サーベルタイガー」、「モグラ」等の風貌は、いずれも原始時代の動物らしく見えるようにコミカルにアレンジされたキャラクタとして表現されている。
先ず演出装置42の全体を見ると、その外観には原始地球の表面らしく土色のゴツゴツとした岩肌をモチーフとした造形が施されている。そして、演出装置42の上縁部に目をやると、そこには「マンモス」をイメージしてデザインされた装飾体43aが配置されており、この装飾体43aは、ちょうど「マンモス」が頭にたん瘤をつくってひっくり返った様子を表現している。また、これに対応するようにして、装飾体43aの右側には「石斧」をデザインした装飾体43dが配置されており、この装飾体43dは、原始人であるキャラクタが狩りをする道具としての「石斧(=棒切れに石をくくりつけた道具)」をデザイン的に表現したものとなっている。したがって、装飾体43a,43dの造形を目にした遊技者は、そこから「原始人が石斧を使ってマンモスを仕留めた」というストーリーを感じ取ることができる。
また演出装置42の右側縁部に目をやると、そこには「マンモスの牙」をイメージしてデザインされた装飾体43eが配置されている。このため遊技者が装飾体43eの造形に接すると、そこから「原始人が狩りで仕留めたマンモスの牙を装飾品として利用している」というストーリーを感じ取ることができる。なお装飾体43eは、その外面(前部ユニット42aの側面に相当する面)がそのまま遊技球の流下を案内する案内面にもなっている。
一方、演出装置42の下縁部に目をやると、そこには「マンモスの頭部と牙」をデザインした装飾体43cが左右で一対をなすようにして配置されている。また、装飾体43cの近傍には、原始地球に生い茂った「草むら」をイメージした装飾が施されていることから、この装飾体43cを目にした遊技者は、「草むらからマンモスの頭がのぞいている」というイメージを抱くことになる。
また本実施形態では、「マンモスの頭部と牙」や「草むら」をイメージした装飾体が遊技領域12内で演出装置42内のステージ部(転動部)よりも高い位置に配置されているため、遊技領域12を流下する遊技球が必要以上にステージ部に進入することを防止することができる。これにより、演出装置42のステージ部において安定したステージ性能(上始動口52へ遊技球を放出する性能)を発揮することが可能となる。要するに、遊技球がステージ部に導かれるということは、単に遊技領域12を流下していくよりも上始動口52に入賞する確率が高くなるということである。このため、流下中の遊技球があまり過度にステージ部に進入すると、製品の開発段階で計画された遊技性能に狂いが生じてくることになるが、本実施形態では、装飾体が遊技球の不所望な進入を堰き止める防波堤の役割を果たすので、遊技性能を保証しつつ装飾性を高めることができるという2重のメリットが生じる。
また演出装置42の左側縁部に目をやると、そこには片仮名文字で「ゴ」と「ン」を象った装飾体43bが配置されている。さらにこれら装飾体43bは、仮名文字である「ゴ」や「ン」を立体的な形状で表現したものとしてデザインされており、その外形には岩を切り出してできたかのようにゴツゴツとした造形が施されている。なお、装飾体43bで表される「ゴ」と「ン」は、これらを続けて「ゴン」と読ませるためのものであり、「ゴン」は、上記の創作的ストーリーに登場するキャラクタ(主人公)の名前となっている。
次に演出装置42の上縁部から右側縁部に目をやると、そこには片仮名文字で「ギ」や「オ」を象った可動装飾体44a,44b,44cが配置されている。また、これら装飾体44a,44b,44cは、仮名文字である「ギ」や「オ」を立体的な形状で表現したものとしてデザインされており、その外形には岩を切り出してできたかのようにゴツゴツとした造形が施されている。
このうち、上縁部に位置する可動装飾体44aの近傍には、片仮名の小文字である「ャ」と共に長音符号である「ー」を象った装飾体45aが配置されている。この装飾体45aで表される「ャ」,「ー」の文字は、可動装飾体44aで表される「ギ」からつづけて「ギャー」と拗音を長くのばして読ませるためのものである。同様に、右側縁部に上下に並んで位置する可動装飾体44b,44cの近傍には、それぞれ長音符号である「ー」を象った装飾体45b,45cが配置されている。これら装飾体45b,45cで表される「ー」は、各可動装飾体44b,44cで表される「オ」からつづけて「オー」と長音に読ませるためのものである。なお、可動装飾体44a〜44c及び装飾体45a〜45cで表される「ギャー」や「オー」は、上記の創作的ストーリーに登場するキャラクタ等の叫び声を表すものとなっている。
演出装置42よりも下方の遊技領域12には上始動口52が配置されており、その直下の位置には、入球装置56と一体化された下始動口54が配置されている。入球装置56には左右一対の開閉部材56aが付属しており、図中に示されているように開閉部材56aが左右に拡開した状態に変位すると下始動口54に遊技球が入賞可能となり、逆に開閉部材56aが閉じた状態に変位すると遊技球は下始動口54に入賞しなくなる。なお入球装置56にも、演出装置42と同様にパチンコ機1のゲームコンセプトを象徴したデザインが施されている。
入球装置56の左右の離れた位置にはゲート58が一対をなして配置されている。また、入球装置56の下方の位置にはアタッカ装置60(大入賞口装置)が配置されている。このアタッカ装置60は大入賞口62を開閉するための開閉部材60aを有している。図示のように開閉部材60aが手前側へ倒れ込むようにして開いた状態に変位すると、上方から流下してくる遊技球が開閉部材60aに案内されて大入賞口62に入賞可能となり、逆に開閉部材60aが盤面に沿う位置まで変位すると、大入賞口62が閉じられて遊技球は入賞しなくなる。
その他、アタッカ装置60の左右の位置には一般入賞口66が一対をなして配置されている。また、遊技領域12の下縁部に沿って左右一対のサイド装飾部材64が配置されており、これらサイド装飾部材64にもそれぞれ一般入賞口66が形成されている。これらサイド装飾部材64もまた、演出装置42と同様にパチンコ機1のゲームコンセプトを象徴したデザインを有し、その造形には演出装置42との視覚的な統一感が与えられている。
サイド装飾部材64では、遊技の進行に伴い各種情報の表示が行われるものとなっており、各種情報の表示は、各サイド装飾部材64に内蔵されたLEDの点灯・点滅により表示することができる。このため、例えば右側のサイド装飾部材64には、4つの発光領域64aが形成されており、これら発光領域64aはいずれも小円形状をなし、そして4つが菱形を描くようにして配列されている。さらに発光領域64aの上方には2つの発光領域64b,64cが形成されており、これら発光領域64b,64cにはそれぞれ動物の骨(大腿骨のように棒状で、両端に関節部となる膨らみがあるもの)をかたどったデザインが施されている。また、左側のサイド装飾部材64にも合計で4つの発光領域64d,64eが形成されている。これら発光領域64d,64eはいずれも小円形状をなし、縦方向に1列を描くようにして配列されている。以下、発光領域64a〜64eについて概略を説明する。
先ず右側に4つ配列された発光領域64aは、特別図柄表示器(抽選情報表示器)として機能する。特別図柄は、パチンコ機1において特別図柄抽選(大当り判定)が行われ、その当落の結果が出たということを外部に向けて表示するためのもの(抽選情報)である。例えば、パチンコ機1における通常遊技状態(大当り遊技でない状態)で上始動口52または下始動口54(始動入賞口)への入賞があると(所定の判定条件)、それを契機に4つの発光領域64aがいろいろなパターンで点滅動作を開始し、特別図柄の変動状態が表示される。このような特別図柄の変動開始(いわゆる「始動」)により、遊技者は大当り判定が行われたこと(あるいは、これから抽選の結果が出ること)を認識することができる。この後、ある程度の時間が経過すると発光領域64aの点滅動作が停止し、そのときの抽選結果(当落結果)を表示する態様で特別図柄が停止表示される。特別図柄の停止表示の態様について、簡易な例では4つの発光領域64aが全て点灯していれば当選(大当り)を表し、4つの発光領域64aのいずれか1つでも消灯していれば落選を表すといった態様が挙げられる(但し、これら以外の態様もある。)。これにより、遊技者は大当り判定に当選したか否かを視覚的に認識することができる。なお本実施形態では、4つの発光領域64aの他に液晶表示装置50を用いて装飾的な図柄(例えば「0」〜「9」の数字をデザインしたもの)を変動・停止表示させることで、特別図柄の変動表示と停止表示に関連した各種の演出を行うことが可能である。
また、特別図柄表示器に関連して演出装置42の下縁部に4つの発光領域48が形成されており、これら4つの発光領域48は特別図柄の始動記憶ランプ(入賞表示器)として機能する。即ち、4つの発光領域48には個々に数字の「1」,「2」,「3」,「4」をかたどったデザインが施されており、4つの発光領域48は左から右へ「1」〜「4」を表すようにして順番に並んでいる。これら4つの発光領域48は、「1」〜「4」の発光(点灯)態様によって特別図柄の始動記憶数(1〜4)を表すことができる。
具体的には、遊技中に上始動口52または下始動口54への入賞があると、これを契機として特別図柄の始動条件が記憶され、この状態で特別図柄が変動表示中であれば、「1」に対応する発光領域48が発光(点灯)して始動記憶数が1であることが表示される。一方、始動条件が記憶されている状態で、特別図柄が変動していなければ(変動状態から停止表示状態になった場合を含む)、記憶された始動条件に基づいて特別図柄の変動表示が開始される。この場合、始動条件の記憶は消去され、あわせて始動記憶数「1」に対応する発光領域48の発光が停止(消灯)される。なお、本実施形態では始動記憶数の上限が4であるため、上限に達した場合、それ以上の始動条件は記憶されない。
次に、発光領域64aの上方に配置された2つの発光領域64b,64cのうち、右側に位置する発光領域64cはその点灯・点滅により普通図柄表示器として機能することができる。普通図柄は、パチンコ機1において普通図柄当り判定が行われ、その当落の結果が出たということを表すためのものである。例えば、パチンコ機1における通常遊技状態(大当り遊技でない状態)でゲート58を遊技球が通過すると、それを契機に発光領域64cが点灯または点滅動作を開始し、これにより普通図柄の変動状態が表示される。一方、左側の発光領域64bは、その点灯または消灯によって内部的な遊技様態(大当り確率が比較的高い高確率遊技様態であるか、あるいは大当り確率が比較的低い低確率遊技様態であるかの様態)を表示することができる。
そして、左側のサイド装飾部材64に4つ縦に並んで配置された発光領域64d,64eのうち、下2つの発光領域64eは、点灯・点滅によって普通図柄の始動記憶数(1〜4)を表示することができる。また、上2つの発光領域64dは、大当りになった場合にいずれか1つが点灯し、それによって大当りの種類を表示することができる。なお、大当りの種類については、パチンコ機1の制御に関する構成と合わせて後述する。
図4は、遊技板4aに対する演出装置42の具体的な取付態様を示している。演出装置42は大きく分けて、遊技板4aを挟んで前後に分割された2つのユニットから構成される。具体的には、遊技板4aの前面側に前部ユニット42aが位置し、この前部ユニット42aは遊技板4aに対してその前面側から取り付けられる。逆に遊技板4aの背面側には後部ユニット42bが位置し、この後部ユニット42bは遊技板4aに対してその背面側から取り付けられる。また液晶表示装置50は、後部ユニット42bに対してその背面側から取り付けられる。
遊技板4aには、その合板材を厚み方向(前後方向)に貫通して形成された貫通穴4bが形成されている。この貫通穴4bは、遊技領域12の中央からやや上よりの範囲にかけて大きく開口しており、その開口形状は、前部ユニット42aの外形にほぼ合致している。
前部ユニット42aは、演出装置42の外周部分を構成するようにして環状に成形されており、それゆえ前部ユニット42aの内側部分は大きく開口した状態にある。前部ユニット42aは、その前後方向でみると遊技板4aに対向する後半分の部位42rが貫通穴4b内にぴったり嵌り込む形状に成形されており、この後半分の部位42rを貫通穴4b内に嵌め込んだ状態で前部ユニット42aが遊技板4aに取り付けられる。なお本実施形態では、前部ユニット4aに電気的な動作を行う部品(例えばソレノイド、LED、基板等)が何も取り付けられていない。このため前部ユニット42aの取り付けに際し、貫通穴4bを通じて何らかの電気配線を接続する必要がないことから、前部ユニット42aは特に他の構成要素との電気的な接続関係を気にすることなく、それ単体で遊技板4aに対して着脱可能となっている。
また前部ユニット42aには、外周を取り巻くようにしてフランジ部42nが形成されており、このフランジ部42nは遊技板4aの前面と平行に拡がっている。それゆえ前部ユニット42aは、その後半分の部位42rを貫通穴4b内に嵌め込んだ状態でフランジ部42nを遊技板4aの前面(化粧シート面)に密着させることができる。フランジ部42nには、適宜の位置にねじ孔が形成されており、前部ユニット42aを遊技板4aに取り付ける際は、フランジ部42nのねじ孔を通じて前部ユニット42aがねじ留めされるものとなっている。
さらに前部ユニット42aには、後半分の部位42rから後方に向けて突出する係合片(第1または第2の係合片)42sが形成されている。係合片42sは前部ユニット42aの上縁部に1本と、下縁部に2本(図4には1本のみ示されている)の合計3本が形成されており、いずれも貫通穴4bを通じて遊技板4aの前面側から挿入されると、遊技板4aの背面からさらに後方に突出する。
一方、前部ユニット42aが遊技板4aに取り付けられた状態で、その前半分の部位42fや装飾体43b,43d,43e等はいずれも遊技板4aの前面側に位置する。逆に、下縁部に位置する2つの装飾体43cは、後半分の部位42rと共に貫通穴4b内に位置する。前部ユニット42aの前半分の部位42f及び装飾体43b,43d,43eは、その厚みが例えば案内レール11やパネル飾り4cとほぼ同じに設定されている。このため、前部ユニット42aが遊技板4aに取り付けられると、その前半分の部位4f及び装飾体43b,43d,43eは遊技領域12内で盤面から手前に突出し、それによって遊技球の流下を誘導・案内する部材としても機能する。
これに対して後部ユニット42bは、特に貫通穴4bとの間に嵌め合わせの関係を構成することなく遊技板4aの背面に取り付けられる。後部ユニット42bも同様に、フランジ部(図4には示されていない)のねじ孔を通じて遊技板4aにねじ留めされる。
後部ユニット42bは、その取付状態において大部分が遊技板4aの背面側に位置しており、特に上記の固定装飾体45a,45b,45c及び装飾部材46は、いずれも遊技板4aの背面よりわずかに後方に位置する。このため遊技者が遊技盤4に相対すると、貫通穴4bからさらに奥まった位置に固定装飾体45a,45b,45c及び装飾部材46が配置されている様子が視認されるため、そこに視覚的な奥行きを感じることができる。
但し、後部ユニット42bには上記の装飾体43aや可動装飾体44a,44b,44cが取り付けられており、これら装飾体43a及び可動装飾体44a,44b,44cはいずれも後部ユニット42b(特に装飾部材46)から前面側に突出している。したがって、後部ユニット42bが遊技板4aに取り付けられる際、装飾体43a及び可動装飾体44a,44b,44cは背面側から貫通穴4b内に進入した状態となる。
なお後部ユニット42bは、遊技板4aの背面において貫通穴4bよりも広い範囲にわたって配置されている。つまり、後部ユニット42bは貫通穴4bの開口面積よりも大きい外形を有しており、前面側からは、貫通穴4bを通じて後部ユニット42bの一部のみが視認されている。このため本実施形態では、遊技板4aの前面側から貫通穴4bをくぐらせて後部ユニット42bを着脱することはできない構造となっている。
さらに後部ユニット42bには、前部ユニット42aの係合片42sに対応して3箇所に係合孔42hが形成されており(図3には下側の2箇所のみ示されている)、係合孔42hは、後部ユニット42bの係合片(第1または第2の係合片)68a,68b等に形成されている。前部ユニット42a及び後部ユニット42bが遊技板4aに対して前後から取り付けられると、3本の係合片42sは貫通穴4bを通じて後部ユニット42bにまで達し、それぞれ対応する係合孔42hに差し込まれる。またこの状態で、個々の係合片42sが係合孔42h(係合片68a,68b等)に係合するので、これにより前部ユニット42a及び後部ユニット42bが相互に位置決めされる。なお、ここでいう「係合」は、前後方向への拘束力を発揮するものではなく、前部ユニット42aまたは後部ユニット42bの上下・左右・斜め方向(盤面に沿う方向)への位置ずれを拘束するものである。
演出装置42の下縁部、つまり液晶表示装置50の画面より下方の部位には球誘導部材70,72が配置されている。球誘導部材70,72は、その上面にて遊技球を案内し、その転動方向にいろいろな変化を与えることができる。図4中に2点鎖線で示されているように、球誘導部材72は前部ユニット42aと共に手前側へ分離可能な構造となっている。なお、球誘導部材70,72については後に詳述する。
遊技盤4には、演出装置42と共に表示ユニットが取り付けられている。上記の液晶表示装置50は、表示制御基板と一体化された表示ユニットとして構成されており、この表示ユニットの状態で後部ユニット42bに対し背面側から取り付けられている。液晶表示装置50は、その画面上で演出的な画像を表示することができ、遊技盤4の完成状態で、液晶表示装置50の画面は貫通穴4bを通じて前面側から視認される。また本実施形態では、液晶表示装置50の背面に表示制御基板(120)が一体的に取り付けられている。なお、表示制御基板(120)の構成については図11を参照しながら後述する。
図5は、演出装置42を構成要素に分解した状態で示している。既に説明したように、演出装置42は大きく分けて前部ユニット42a及び後部ユニット42bから構成されており、これらは相互に着脱可能な構造となっているが、後部ユニット42bにはさらに2つの球誘導部材70,72及び内部装飾体74が着脱可能に取り付けられている。
図5に示されているように、後部ユニット42bには、液晶表示装置50の表示画面よりも下方の部位に奥壁68が形成されており、この奥壁68は後部ユニット42bが遊技板4aに取り付けられた状態では、盤面に対してほぼ平行に位置する。奥壁68は後部ユニット42bの左右側縁部の間をつなぐようにして拡がり、正面からみてほぼ逆台形状をなしている。
奥壁68の両側端部には、それぞれ係合片68a,68bが形成されており、これら係合片68a,68bはいずれも奥壁68から前面側に向けて突出している。また、左右の係合片68a,68bは扁平した円筒形状をなし、このうち正面からみて左側の係合片68aは縦方向に扁平しており、右側の係合片68bは横方向に扁平している。そして、これら係合片68a,68bの内部にそれぞれ上記の係合孔42hが形成されている。なお図5に示されているように、後部ユニット42bの上部位置には、3つ目の係合孔42hを形成するための係合片68sが形成されている。
左右の係合片68a,68bの上方には、それぞれねじ用のボス部68cが形成されており、このボス部68cもまた前面側に突出している(図5には左側のボス部68cのみが示されている)。また奥壁68の下端部には、その中心から左右対称となる位置に2つのボス部68dが形成されている。これらボス部68dもまた、奥壁68から前面側に突出している。そして2つのボス部68dより上方の位置には、それぞれねじ用の貫通孔68eが形成されている。
球誘導部材70,72及び内部装飾体74は、いずれも前面側から奥壁68に対して着脱可能となっている。図5に示されている状態から取付順にみると、内部装飾体74が最初に奥壁68に取り付けられ、その前面側から奥側の球誘導部材72が取り付けられ、そして最後に手前側の球誘導部材70が取り付けられる。
このうち、内部装飾体74の下縁部にはU字形状の切欠部74aが形成されており、内部装飾体74が奥壁68に密着されたとき、これら切欠部74aによって下側にある2つのボス部68dとの干渉が避けられるものとなっている。また図5には示されていないが、内部装飾体74の背面側には2つのねじ穴が形成されており、これらねじ穴は奥壁68の貫通孔68eにそれぞれ対応している。
奥側と手前側の球誘導部材70,72には、それぞれ両端部に係合孔部(係合部)70a,72aが形成されている。これら係合孔部70a,72aはいずれも球誘導部材70,72を前後方向に貫通して形成されており、その開口形状は係合片68a,68bの外形よりわずかに大きい。また球誘導部材70,72には、それぞれボス部68c,68dに対応する位置にねじ孔が形成されている。なお、図5には奥側の球誘導部材72についてのみ、ねじ孔72b,72cが示されているが、手前側の球誘導部材70にも同様のねじ孔(符号を70b,70cとして区別する)が形成されている。
図5に示されている状態から内部装飾体74が奥壁68に押しつけられるようにして密着すると、内部装飾体74は係合片68a,68bの間に位置付けられる。この状態で、内部装飾体74は後部ユニット42bの背面側から2つの貫通孔68eを通じてねじ留めされる。内部装飾体74の前後方向の厚み寸法は、左右の係合片68a,68bやボス部68c,68dの突出寸法よりも小さく設定されている。それゆえ、最初に内部装飾体74が取り付けられた状態では、左右の係合片68a,68b及びボス部68c,68dが依然として前面側に突出した格好となる。
この状態で、次に奥側の球誘導部材72が内部装飾体74の前面側に重ね合わせられると、左右の係合片68a,68bがそれぞれ対応する係合孔部72aに嵌り込み、これらの嵌め合わせによって球誘導部材72が後部ユニット42bに対して位置決めされる。またこの状態で、球誘導部材72のねじ孔72b,72cが位置する部位は、それぞれ対応するボス部68c,68dの前端に密着する。この場合、左右の係合片68a,68bは依然として前面側に突出しているが、ボス部68c,68dは球誘導部材72の背後に隠れた状態となる。
そして、最後に手前側の球誘導部材70が奥側の球誘導部材72の前面側に重ね合わされると、同様に左右の係合片68a,68bがそれぞれ対応する係合孔部70a,70bに嵌り込み、これらの嵌め合わせによって球誘導部材70が後部ユニット42bに対して位置決めされる。この状態で手前側の球誘導部材70のねじ孔は、奥側の球誘導部材72のねじ孔72b,72cの前面側に正確に位置付けられる。
この後、手前側の球誘導部材70のねじ孔を通じて固定用のねじを締め込むことにより、2つの球誘導部材70,72を共に後部ユニット42bに対して固定することができる。
遊技盤4の製造工程において、遊技板4aに対して最初に後部ユニット42bを取り付ける際は、上記の手順により内部装飾体74及び球誘導部材70,72が先に後部ユニット42bに装着されている。したがって通常、遊技板4aに対する演出装置42の取付作業は、後部ユニット42bと前部ユニット42aの2つについてだけとなる。
図6は、演出装置42の左側縁部の一部と下縁部を示している。上記のように前部ユニット42a及び後部ユニット42bがそれぞれ遊技板4aに取り付けられると、前部ユニット42aは後部ユニット42bの前面側に位置付けられる。このとき、前部ユニット42aは手前側の球誘導部材70のねじ孔70b,70cの前面側に密着し、この状態でねじ孔70b,70cを遮蔽することで、これらを前面側から視認できなくしている。また本実施形態では、上記の係合片68a,68bもまた前部ユニット42aの下側縁部に遮蔽されており、これにより球誘導部材70の着脱や位置決めに関する全ての構成が前面側から視認されなくなっている。なお、上部位置にある係合片68sについても、前部ユニット42aの上縁部によって前面側から視認不能に遮蔽されている。
図6に示されているように、前部ユニット42aの左側面、つまり装飾体43bの左側面には、側方の遊技領域12に向けて開口する球導入口76が形成されている。そして前部ユニット42aには、球導入口76から内部に延びる上ワープ通路78aが形成されている。上ワープ通路78aは、球導入口76から右下方へ緩やかに傾斜した後、ちょうど装飾体43bの中心あたりから奥方向に折れ曲がり、緩やかに下り傾斜している。
この後、上ワープ通路78aは前部ユニット42aの後端位置で終了し、そこから奥の位置で下ワープ通路78bに引き継がれるようにして連結されている。下ワープ通路78bは、後部ユニットの左側縁部の内部を延びるようにして形成されており、上ワープ通路78aから続く最奥部で下ワープ通路78bが突き当たりになると、そこから下ワープ通路78bは下方に折れ曲がるようにして一気に下っている。そして、下ワープ通路78bは後部ユニット42bの左側縁部の下端位置で右方向へ折れ曲がり、終端位置で右方向に開放されている。下ワープ通路78bの終端にはワープ出口78c(球出口)が形成されており、このワープ出口78cは奥側の球誘導部材72の上面に通じている。
したがって、遊技領域12を流下する遊技球が球導入口76に飛び込むと、上ワープ通路78a及び下ワープ通路78bを通って演出装置42の内側に導かれ、そしてワープ出口78cから奥側の球誘導部材72上に放出される。
この後、遊技球は奥側の球誘導部材72から手前側の球誘導部材70に順次乗り移るようにして転動し、最終的に球誘導部材70から前部ユニット42aの下縁部を介して下方にこぼれ落ちるか、もしくは放出通路72dに入り込んで下側の放出口72eから真下に放出されることとなる。このとき、放出口72eから放出された遊技球は、その直下に配置されている2本の障害釘(命釘)の間を真下に通り抜け、比較的高い確率で上始動口52に入賞することができる。これに対し前部ユニット42aの上縁部を介してこぼれ落ちる遊技球の大部分は、障害釘に跳ね返されて落下方向がランダムに変化するので、比較的低い確率でしか上始動口52に入賞しなくなる。以下、球誘導部材70,72による遊技球の誘導態様について説明する。
図7から図9は、球誘導部材70,72による遊技球の誘導態様と、合わせて前部ユニット42aからの遊技球の放出態様を示している。上記のように、上ワープ通路78a及び下ワープ通路78bを通って案内された遊技球は、ワープ出口78cから奥側の球誘導部材72(第1の球誘導部材)上に送出される。奥側の球誘導部材72には、正面からみて最も奥(液晶表示装置50の画面寄り)の位置に上段ステージ80(上段球転動部)が形成されており、そして上段ステージ80の手前側に中段ステージ82(中段球転動部)が形成されている。
このうち上段ステージ80は谷形状に中央が低くなっているが、反対に中段ステージ82は山形状に中央が高くなっている。また、上段ステージ80の中央位置には、手前側へ傾斜する窪み部80a(送出部)が形成されている。このため遊技球は、上段ステージ80上を左右に転動しながら減速し、やがて中央の窪み部80aに入り込み、ここから中段ステージ82上へ移動することとなる。このとき、中央の窪み部80a内に入り込んだ遊技球のなかには、すぐに中段ステージ82上へ移動せず、この窪み部80a内にて僅かに左右方向に揺れ動くようにして転動するものもある。
中段ステージ82は左右で対称の形状をなしており、遊技球が中段ステージ82上に移動すると、中央の振分部81a(山形状に形成された部分)において左右いずれかへ転動方向が振り分けられ、そのまま遊技球は傾斜に沿って転動する。中段ステージ82は中央に振分部81aを有するほか、振分部81aの両側に奥側傾斜面81bを有し、そして左右の両端部に放出傾斜面81cを有する(図7,8には左側のみ参照符号が付されている)。
奥側傾斜面81bは振分部81aから僅かに一段下がった位置に形成されており、この奥側傾斜面81bは左右方向への下り傾斜を有するだけでなく、前後方向でみて後方、つまり奥側へも僅かに下り傾斜を有している。このため奥側傾斜面81bは、遊技球を左右の下り傾斜方向に転動させるだけでなく、遊技球を奥側の壁面に沿わせるようにして転動させることができる。これにより、奥側傾斜面81bでは遊技球が前後にふらつくような挙動を示すことがなく、その転動態様を安定させることができる。
また、両側端部にある放出傾斜面81cは奥側傾斜面81bから僅かに一段下がった位置に形成されており、この放出傾斜面81cは、奥側傾斜面81bに比べると、僅かに左右方向への下り傾斜が緩くなっている。さらに、放出傾斜面81cは手前側(前方)へも僅かに下り傾斜を有している。一方、中段ステージ82の両側端部では、側壁82aが両側端へ近づくにつれて手前側へ湾曲するようにして成形されている。このため遊技球は、中段ステージ82の両側端に近づくと、湾曲した側壁82aに沿って手前側へ案内され、放出傾斜面81cを介して手前側の球誘導部材70上へこぼれ落ちる。
手前側の球誘導部材70(第2の球誘導部材)には、その上面に下段ステージ84(下段球転動部)が形成されているほか、その両端部には、それぞれ中段ステージ82の側壁82aに連なる案内壁84aが形成されている。これら案内壁84aは、側壁82aとは反対に下段ステージ84の両側方から前面側へ回り込むようにして湾曲して成形されている。このため、上記のように中段ステージ82の側壁82aに案内されて手前側へこぼれ落ちた遊技球は、今度は案内壁84aに沿ってUターンするようにして案内される。
下段ステージ84は、上面が波打つようにして成形されており、その中央部分がわずかに盛り上がっているほか、中央部分から左右の部分が緩やかなカーブを描くようにして窪んでいる。また、中央部分とその左右の部分には、それぞれ窪み部84b,84cが形成されており、このうち中央部分の窪み部84bは奥側へ向けて下り傾斜を有し、その左右の部分の窪み部84cは、反対に手前側へ向けて下り傾斜を有する。
図9に示されているように、上記の放出通路72dは下段ステージ84の後方を下り、そして下段ステージ84よりも下方の位置から前方へ屈曲されて緩やかに傾斜している。放出通路72dは前部ユニット42aの内部にまで通じ、そして上記の放出口72eにて前面側へ開放している。
したがって、下段ステージ84上に転動してきた遊技球のうち、左右の部分の窪み部84cを通り過ぎて中央部分の窪み部84bまで到達し、そして窪み部84b(第1の誘導経路)から放出通路72dに入り込んだ遊技球は、上記のように放出口72eから真下方向へ放出されるため、比較的高い確率で上始動口52に入賞する態様で誘導される(図7,図9)。
これに対し、左右の部分の窪み部84c(第2の誘導経路)は、遊技球を下段ステージ84から前部ユニット42aの下縁部に送出するための誘導経路となっている。このため、下段ステージ84上に転動してきた遊技球のうち、その中央部分まで到達する勢いがなかったか、もしくは中央部分まで到達する勢いはあったが、窪み部84bを通り過ぎて左右いずれかに下ってしまった遊技球は、左右の部分の窪み部84c内に入り込み、ここから手前側にこぼれ落ちる。なお、窪み部84c内に入り込んだ遊技球のなかには、ここで僅かに左右に揺れ動くようにして転動するものもある。いずれにしても、窪み部84c内に入り込んだ遊技球は、やがてその傾斜に沿って手前側へ誘導され、前部ユニット42aの下縁部の上面を介して下方の遊技領域12に送出されることとなる。
前部ユニット42aの下縁部は、その中央の部分が低くなった谷形状に形成されている。また、この中央の部分(放出口72eより上方の部分)は手前側へ僅かに傾斜しており、さらには遊技球が左右方向に転動できるだけの幅を有している。したがって、下段ステージ84の窪み部84cから前部ユニット42aの下縁部へ移動した遊技球は、その中央の部分に集められ、ここで左右方向に転動しながらその位置を変え、やがて下方にこぼれ落ちる。この場合、遊技球は左右方向でみるといろいろな位置から落下するので、比較的低い確率でしか上始動口52に入賞しない態様で誘導される(図8,図9)。
以上が下段ステージ84、つまり、手前側の球誘導部材70による2通りの誘導態様であるが、遊技球が放出通路72dを通る態様で誘導される割合は、下段ステージ84の曲面形状や窪み部84b,84cの面形状によって変わってくる。例えば、中央部分の窪み部84bが周囲の下段ステージ84の上面から極端に大きく落ちくぼんでいれば、それだけ遊技球が窪み部84bに入りやすくなり、その結果、遊技球が放出通路72dを通る態様で誘導される割合が相対的に高くなる。反対に、中央部分の窪み部84bが周囲の下段ステージ84の上面と比較してそれほど落ちくぼんでいなければ、それだけ遊技球が窪み部84bに入りにくくなり、その結果、遊技球が放出通路72dを通る態様で誘導される割合が相対的に低くなる(その他の各種要因も考えられるが、ここでは割愛する)。
上記のような遊技球が放出通路72dを通る態様で誘導される割合は、パチンコ機1の開発過程で行われる球誘導部材70の性能評価に関係してくる。即ち、パチンコ機1の開発過程では、試作段階で制作されたパチンコ機1について遊技球の試射による性能試験が行われており、この中で球誘導部材70の性能(放出通路72dへの誘導割合)が検証される。そして、性能評価の結果、見直しが必要であれば球誘導部材70の具体的な形状を変更して改めて試射を行い、性能評価を繰り返すといった作業が日常的に行われている。あるいは、曲面形状の異なる複数の球誘導部材70を1つずつ順番に付け替えて試射を行い、個々の球誘導性能を比較・検討するといった性能評価も行われる。このような性能評価に際して、本実施形態では球誘導部材70の着脱作業に関する有利な構造を採用しており、以下にその具体的な内容を説明する。
図10は、パチンコ機1の組み立て後における球誘導部材70の着脱の態様を具体的に示している。なお、ここでいう「組み立て後」は、パチンコ機1が作動できる状態、つまり遊技球を発射して遊技を行ったり、賞球を払い出したり、演出動作を行ったりできる状態に組み立てられた後を意味する。したがって、ここでは上記の前部ユニット42a及び後部ユニット42bは既に遊技板4aに取り付け済みであり、また、遊技盤4には必要な構成要素が全て取り付けられた状態で遊技盤装着枠9に装着されている。
図10に示されているように、パチンコ機1が組み立てられた後であっても、その前面枠5を開放することで、演出装置42の前部ユニット42aだけを遊技板4aから取り外すことが可能である。即ち、前部ユニット42aは、そのフランジ部42nを介して遊技板4aに複数箇所でねじ留めされていることから、これらねじを緩めて抜き取れば、あとは前部ユニット42aを手前側へ引っ張るだけで、これを容易に遊技板4aから離脱させることができる。なお、図10では本体枠3までもが外枠2から前面側へ開かれた状態で示されているが、ここでは本体枠3を開放することが必須ではない。したがって、以下の説明では前面枠5だけが開放されている場合にも該当するものとする。
前部ユニット42aが取り外されると、それまで前部ユニット42aが嵌め込まれていた貫通穴4bが前面側に露出する。そして、このとき貫通穴4bの下側部分には、球誘導部材70の着脱空間86が形成(開通)された状態で存在することとなる。この着脱空間86は、手前側の球誘導部材70を後部ユニット42bに対して遊技板4aの前面側から着脱するための作業経路・空間としての位置付けであり、前面側からみて球誘導部材70の外形寸法とほとんど同じか、それより大きい投影面積を有する経路・空間として規定される。
したがって、通常の完成状態で前部ユニット42aが遊技板4aに装着されていると、球誘導部材70の前面側の一部(係合片68a,68b、ねじ孔70b,70cを含む部分)は前部ユニット42aの下縁部によって遮蔽されているため、この状態で着脱空間86は形成されていない(閉鎖されている)ことになる。
一方、図10に示されているように、前面枠5を開放した状態でさらに遊技板4aから前部ユニット42aが取り外されると、着脱空間86が形成(開通)された状態となる。この状態で、パチンコ機1の開発者・設計者は既存の球誘導部材70を取り外し、そして新たに用意した別の球誘導部材70に付け替える作業を行うことができる。このとき開発者・設計者は、先ず着脱空間86を通じて前面側に露出されたねじの頭に工具を突き立て、そのまま工具を回してねじを緩めることで2箇所の締結を解除することができる。そして開発者・設計者が着脱空間86を通じて球誘導部材70を手前側へ引っ張れば、その係合孔部70aと後部ユニット42bの係合片68a,68bとの嵌め合わせが外れるので、その後は容易に球誘導部材70だけを取り外すことができる。なお、このとき奥側の球誘導部材72の締結も一緒に解除されているが、奥側の球誘導部材72はその係合孔部72aを係合片68a,68bに嵌め合わせた状態にあるので、手前側の球誘導部材70と一緒に奥側の球誘導部材72が脱落してしまうことはない。
上記のようにして既存の球誘導部材70が取り外されると、後部ユニット42bには奥側の球誘導部材72が残された状態となる。次に設計者・開発者は、交換品として用意された別の球誘導部材70を着脱空間86内に位置付け、そして、左右の係合孔部70aを後部ユニット42bの係合片68a,68bに嵌め合わせるようにして球誘導部材70を押し込んでいく。係合孔部70a,70bが係合片68a,68bに正確に嵌め合わせられていれば、後はそのまま球誘導部材70を押し込んでいくだけで球誘導部材70が後部ユニット42bに対して正確に位置決めされる。これにより、奥側の球誘導部材72に対して手前側の球誘導部材70が重ね合わせられるようにして位置付けられる。そして開発者・設計者は、着脱空間86を通じて球誘導部材70,72を共にねじ留めし、後部ユニット42bへの取り付けを完了する。
このようにして球誘導部材70の付け替えが終わると、開発者・設計者は図10に示される状態から前部ユニット42aを元通りに遊技板4aに装着し、後は前面枠5を閉じるだけでパチンコ機1の試射による性能試験を行うことができる。
パチンコ機1の開発過程では1作業日あたりに高頻度で球誘導部材70を付け替えし、性能評価を行うことが繰り返し行われているが、本実施形態では、このような性能評価の結果に応じて球誘導部材70の具体的な形状を変更しながら試行錯誤を繰り返していくような場合においても、作業性を大幅に向上することで、パチンコ機1の開発工数を大幅に削減することができる。
その一方で、通常、パチンコ機1の組み立て状態では、前部ユニット42aによって着脱空間86が形成されていない(閉鎖されている)ため、球誘導部材70が不用意に脱落してしまうことはない。したがって、長期間にわたる性能試験や実際の遊技場での稼働に充分に耐えることができるので、パチンコ機1の信頼性や耐久性、品質向上等に大きく寄与できる。
また、前部ユニット42aの取付状態では、球誘導部材70を固定するねじ等の固定部材(締結具)が前面側からは視認されないので、遊技者からは球誘導部材70が着脱可能であることが意識されなくなる。このため、パチンコ機1の構造に何らかの改変を加えることを意図した不正遊技者がいたとしても、球誘導部材70を別のもの(極端に上始動口52に入賞する割合を高く改造した不正パーツ)に入れ替えようとする発想にまでは至らず、不正行為を未然に防止できるという効果を奏する。
本実施形態では、球誘導部材70を固定するねじ等の固定部材(締結具)が前部ユニット42aの装飾体43cによって覆い隠されているため、演出装置42の外観を損なうことがない。
図11は、パチンコ機1の動作を制御するための構成を概略的に示している。パチンコ機1の制御は、大きく分けて主基板のグループと周辺基板のグループとで分担されており、このうち主基板のグループが遊技動作(入賞検出や当り判定、特別図柄表示、賞球払出等)を制御しており、周辺基板のグループが演出動作(発光装飾や音響出力、液晶表示等)を制御している。これら基板類は、いずれもパチンコ機1の背面側に設置されており、通常、本体枠3の施錠を解除した上で本体枠3を開放しない限り前面側から視認されたり、操作されたりすることはない。この他にも、パチンコ機1には電源基板や発射制御基板、インタフェース基板(CR機の場合)等が装備されているが、いずれも公知のものを適用できるため、ここでは図示と共に詳細な説明を省略する。
主基板グループは、主基板101と払出基板105とから構成されている。主基板101は、中央演算装置としてのCPU102をはじめ、読み出し専用メモリとしてのROM103(図柄変動態様記憶手段)や読み書き可能メモリとしてのRAM104等を備えている。このうちCPU102は、ROM103に格納されている遊技制御プログラムを実行し、この実行に伴いパチンコ機1で行われる各種遊技を制御する。またCPU102は、周辺基板グループや払出基板105に送信するコマンド(演出コマンド、払出コマンド等)を作成する。また、RAM104には、主基板101で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。
なお、主基板101には、ゲートスイッチ174a、始動口スイッチ170a,170b(入賞検出手段)、カウントスイッチ175a、一般入賞口スイッチ113a等が接続されており、主基板101には、これらスイッチ類から検出信号が入力される。具体的には、ゲートスイッチ174aは遊技領域12内のゲート58に対応して設置されており、遊技球が流下する過程でゲート58を通過すると、その通過がゲートスイッチ174aにより検出され、そして検出信号が主基板101に入力される。また、始動口スイッチ170aは上始動口52に対応して設置されており、また始動口スイッチ170bは、下始動口54に対応して設置されている。したがって、遊技球が上始動口52または下始動口54に入賞すると、対応する始動口スイッチ170a,170bから主基板101に検出信号が入力される。またカウントスイッチ175aは大入賞口62に対応して設置されており、大当り遊技中に大入賞口62に遊技球が入賞すると、カウントスイッチ175aから主基板101に検出信号が入力される。そして、一般入賞口スイッチ113aは一般入賞口66に対応して配置されており、遊技球が一般入賞口66に入賞すると、一般入賞口スイッチ113aから主基板101に検出信号が入力される。
そして、CPU102は、これら入力された検出信号に応じた処理を実行する。即ちCPU102は、入力された検出信号に基づいてソレノイド171a,176a、特別図柄表示器141、普通図柄表示器144、特図始動記憶ランプ147(発光体)、普図始動記憶LED148、状態表示LED145、大当り種類表示LED146等に対し、それぞれの駆動信号を出力する。さらにCPU102は、入賞に応じた遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを払出基板105に対して出力する。
なお、上記の特図始動記憶ランプ147は、前部ユニット42aの発光領域48aを発光させるための発光体(LED)であるが、この特図始動記憶ランプ147は基板と共に後部ユニット42bに取り付けられている。このため本実施形態では、特図始動記憶ランプ147の電気配線や基板類が前部ユニット42aには全く取り付けられていない。
払出基板105もまた、中央演算装置としての払出CPU106をはじめ読み出し専用メモリとしての払出ROM107や読み書き可能メモリとしての払出RAM108等を備えている。なお、上述した始動口スイッチ170a,170bやカウントスイッチ175a、一般入賞口スイッチ113a等により遊技球の入賞が検出されると、各スイッチから検出信号が主基板101に入力される。そして主基板101では、入力された検出信号に基づいてCPU102から払出基板105に対して規定個数の遊技球の払い出しを指示する払出コマンドが送信される。そして、払出基板105は、主基板101から受けとった払出コマンドを処理し、規定個数分の遊技球の払い出しを実行するべく払出装置109(払出モータ:球払出手段)に対して駆動信号を出力する。この結果、実際に払出装置109によって規定個数分の遊技球の払い出しが行われる。
また払出基板105には、発射モータを備えた発射装置135が接続されており、発射装置135は、発射モータの動力を用いて遊技球を遊技領域12に向けて発射する動作を行うことができる。遊技者が操作ハンドル18を操作(捻り操作)すると、発射装置135の発射モータが駆動され、これにより遊技球が打ち出される。
図11には示されてないが、発射装置135には、遊技者の身体が操作ハンドル18に触れていることを検知するためのタッチセンサが内蔵されている。発射装置135は、遊技者が操作ハンドル18に触れていることが検知されている場合に発射モータを駆動可能な状態となる。そして、この状態で操作ハンドル18が初期の位置から時計回り方向に捻り操作されると、発射装置135は実際に発射モータを駆動して遊技球を発射する。
あるいは、下皿17が満タン、つまり、払い出された遊技球で下皿17が満杯になったことを検出する下皿満タンスイッチを設け、この下皿満タンスイッチからの検出信号が入力されたときに操作ハンドル18の操作を受付不能な状態とする制御を行い、これにより発射装置135による発射モータの駆動を不可能な状態にすることもできる。即ち、払出装置109から払い出された遊技球はひと先ず上皿28に貯留されるが、上皿28に貯留しきれない数の遊技球が払い出された場合には、その貯留しきれない分の遊技球は上皿28と連通した下皿17に貯留される。この状態でさらに払出装置109により遊技球が払い出され、いよいよ下皿17が満タンになると、上記の下皿満タンスイッチから検出信号が出力されるので、これにより操作ハンドル18の操作が受付不能な状態に制御される。またこの場合、下皿満タンスイッチからの検出信号が出力されなくなると、操作ハンドル18の操作を受付可能な状態に復帰する制御が行われる構成としてもよい。
周辺基板グループは、サブ統合基板111やランプ駆動基板119、役物制御基板115、表示制御基板120等から構成されている。このうちサブ統合基板111は、統合CPU112をはじめ統合ROM113、統合RAM114を備えている。また、サブ統合基板111は、音出力に関する制御を行う音源IC128を備えるほか、音出力に関する読み出し専用メモリとしての音ROM127をも備えている(楽曲発生制御手段)。統合CPU112は、統合ROM113に格納されている演出制御プログラムを実行することにより主基板101から受信された演出コマンドに基づく処理を実行する。また、統合RAM114には、サブ統合基板111で実行される種々の処理において生成される各種データや入出力信号、主基板101から受信した演出コマンド等の情報が一時的に記憶される。そして、統合CPU112は、RAM114に記憶されている演出コマンドを読み出すと、この読み出した演出コマンドに基づいて表示制御基板120に対して表示コマンドを送信したり、ランプ駆動基板119にランプ点灯信号やソレノイド駆動信号を送信したり、あるいは、枠ランプ27に駆動信号を出力したりする。またサブ統合基板111は、音源IC128によって演出コマンドに基づく音出力態様を音ROM127から読み出し、この読み出した音出力態様に応じた駆動信号を上部スピーカ36及び下部スピーカ14に出力する。また、統合CPU112(操作検出手段)には、操作ボタン18aの操作に応じて操作信号が入力される。
ランプ駆動基板119は、サブ統合基板111から受信したランプ点灯信号を遊技盤ランプに送信し、また、サブ統合基板11から受信したソレノイド駆動信号をソレノイドに送信する。遊技盤ランプ及びソレノイドは、演出装置42に装備されているものであり、このうち遊技盤ランプは演出装置42において発光演出に用いられ、またソレノイドは、可動装飾体44a,44b,44cの駆動に用いられる。なお、ランプ駆動基板119は、サブ統合基板111から送信されるランプ点灯信号を各ランプ(LED)別に振り分けて遊技盤ランプに受け渡すほか、サブ統合基板111から送信されるソレノイド駆動信号をソレノイドにそのまま受け渡すものであり、実質的な遊技盤ランプ及びソレノイドの制御はサブ統合基板111が行っている。以下、ランプ駆動基板119を省略して説明する場合がある。
表示制御基板120は、中央演算装置としての表示CPU121を備えるほか、読み出し専用メモリとしての表示ROM122(第2当落演出態様記憶手段、第1当落演出態様記憶手段)や読み書き可能メモリとしての表示RAM123を備えている。このうち表示CPU121は、サブ統合基板111からの表示コマンドに基づいて液晶表示装置50を制御する。
次に、上述した各種の構成部材や装置等が設けられた遊技盤4にて実現される遊技について説明する。先ず、遊技者が操作ハンドル18を捻り操作することにより、パチンコ機1の裏面側に設けられた発射装置135によって遊技球が打ち出される。発射装置135から打ち出された遊技球は、発射レール15及び案内レール11に沿って上昇すると遊技領域12の上部に放出され、この後は遊技領域12内を障害釘等に衝突しながら流下する。
遊技領域12を流下する遊技球がゲート58を通過すると、ゲートスイッチ174aによって遊技球の通過が検出され、この検出信号に基づいて普通図柄表示器144(表示領域64c)では普通図柄の変動表示(LEDが緑色と赤色とで交互に点灯する表示態様)が開始される。
即ちゲートスイッチ174aにより遊技球が検出されると、主基板101のCPU102は所定範囲の普通図柄当り判定乱数を更新するカウンタから普通図柄当り判定乱数を抽出する。そしてCPU102は、普通図柄表示器144による普通図柄の変動開始時に普通図柄当り判定乱数に基づいて当りとするか否かの判定を行い、この判定結果に応じた態様(本実施形態では、当りであれば赤色の点灯表示、はずれであれば緑色の点灯表示)で最終的に普通図柄を停止表示させる。
また、普通図柄表示器144において普通図柄の変動表示中に遊技球がゲート58を通過すると、CPU102にて抽出された普通図柄当り判定乱数は、所定個数(本実施形態では4個)までRAM104に記憶される。このとき、記憶された普通図柄当り判定乱数の個数は普図始動記憶LED148(発光領域64e)の点灯態様によって表示される。具体的には、ゲート58の通過が有効である間(普通図柄の始動記憶数が4未満のとき)にゲートスイッチ174aにより遊技球の通過が検出されると、その都度、普図始動記憶LED148の点灯態様を切り替える。
本実施形態では、例えば普図始動記憶数が1である場合に下側の普図始動記憶LED148(発光領域64e)が1つだけ点灯し、次に普図始動記憶数が2に増えると、下側に加えて上側の普図始動記憶LED148(発光領域64e)が共に点灯する(2つ点灯する態様)。さらに普図始動記憶数が3に増えると、それまで単純点灯していた上側の普図始動記憶LED148が点滅状態に切り替わり、下側の普図始動記憶LED148は単純点灯状態のままとなる。そして、普図始動記憶数が最大の4に達すると、2つの普図始動記憶LED148が共に点滅状態になる。反対に、普通図柄表示器144にて普通図柄の変動表示が開始されると、その都度、普図始動記憶数が1つずつ減っていくので、この場合は上記と逆の態様により普図始動記憶LED148が点灯・点滅することになる。
本実施形態では、普通図柄の変動開始時にCPU102において普通図柄当り判定乱数に基づいて当りとする判定がなされた場合には、所定期間経過後に普通図柄表示器144(発光領域64c)が赤色に点灯した状態で停止表示される。そしてこの後、ソレノイド171aを作動状態(通電状態)に切り替えることで左右の開閉部材56aを拡開させ、入球装置56を所定期間(例えば0.5秒間)にわたり開放状態にする制御が行われる。これにより、下始動口54への入賞が可能な状態となる。またこの後、所定期間が経過するとソレノイド171aを非作動状態(非通電状態)に戻すことで開閉部材56aを初期位置に復帰させ、入球装置56を閉塞状態に戻す制御が行われる。
これに対し、普通図柄の変動開始時にCPU102において普通図柄当り判定乱数に基づいてはずれとする判定がなされた場合、所定期間経過後に普通図柄表示器144(発光領域64c)が緑色に点灯した状態で停止表示されるだけであり、特に入球装置56は開放状態に制御されない。したがって、この場合は依然として下始動口54には入賞できない状態であるが、上始動口52への入賞は引き続き可能となっている。
遊技領域12内を流下する遊技球が上始動口52または下始動口54に入賞すると、始動口スイッチ170aまたは始動口スイッチ170bにより遊技球の入賞が検出される。この場合、特別図柄の変動表示が開始可能な状態(例えば、大当り遊技中でない状態であるか、または特別図柄・装飾図柄の変動表示中でない状態)であれば、特別図柄表示器141(4つの発光領域64a)にて特別図柄の変動表示が開始されると共に、液晶表示装置50で装飾図柄(例えば数字の「0」〜「9」をデザインしたもの:識別情報)の変動表示が開始される。本実施形態では、特別図柄が4つの発光領域64aの点灯の組み合わせで表される。また装飾図柄は、液晶表示装置50画面上にて左装飾図柄、中装飾図柄及び右装飾図柄の3つが表され、これらはいずれも装飾図柄の列が画面上を一定方向へ順送り(スクロール)されるようにして変動表示される。
特別図柄や装飾図柄の変動表示は所定期間経過後に停止され、その停止時に特別図柄が特定の態様(大当りとなる複数の発光領域64aの点灯の組み合わせ:大当り図柄)で表示されると、これに合わせて装飾図柄の停止図柄(左・中・右の装飾図柄全てが停止した状態)も特定の態様(同一の装飾図柄の組み合わせ:大当り図柄(特定表示結果))で表示される。この場合、主基板101のCPU102は「大当り遊技状態(利益付与状態)」の制御を開始する(利益付与状態制御手段、結果表示後制御手段)。なお、変動表示が行われる期間は、大当り判定乱数やその他の乱数に応じて数秒〜数十秒の範囲内で決定される。
大当り遊技状態では、CPU102はソレノイド176aを作動させてアタッカ装置60を開放させる制御を行う。即ち、ソレノイド176aが作動すると、開閉部材60aがその下縁部を支点としてパチンコ機1の手前方向に倒れ込むようにして回動し、これにより大入賞口62への入賞を可能とする。このようなアタッカ装置60の開放制御は、所定時間(例えば、30秒)が経過するか、もしくは所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口62に入賞したことがカウントスイッチ175aにより検出されるかのいずれかの条件が満たされるまで継続して行われる。
上記のいずれかの条件が満たされると、CPU102はソレノイド176aを非作動(非通電)の状態に戻し、それまで手前方向へ倒れていた開閉部材60aを盤面に沿って起立させる。これにより大入賞口62が閉じた状態となり、アタッカ装置60は閉塞状態に制御されることになる。大当り遊技状態において、CPU102はアタッカ装置60を開放状態にしてから閉塞状態に戻すまでを1回の開閉サイクル(以下、これをラウンドともいう)とする制御を繰り返し実行し、この制御を所定回数(15ラウンド)まで繰り返すと、そこで大当り遊技状態を終了させる。このように、大当り遊技状態に移行すると大入賞口62が開放されるので、この開放された大入賞口62に遊技球を入賞させることで、上始動口52や下始動口54、一般入賞口66等に遊技球を入賞させるよりも短時間で多量の遊技球を獲得可能であることから、遊技者の興趣を高めることができる。
また本実施形態では、左・中・右の装飾図柄は、左装飾図柄→右装飾図柄→中装飾図柄の順に停止するように制御される。装飾図柄の停止図柄とは、左・中・右の装飾図柄の変動表示を開始して中装飾図柄が停止表示されることにより左・中・右の装飾図柄全てが停止表示された状態の図柄の組み合わせをいう。
また本実施形態では、特別図柄の停止時に表示される特定の態様には、さらに特別態様(確変大当りとなる複数の発光領域64aの点灯の組み合わせ)があり、停止時の特別図柄が特別態様で表示された場合には、装飾図柄の停止図柄も特別態様(確変大当り図柄:本実施形態では、同一の奇数図柄の組み合わせ)となる。この場合、いわゆる「確変大当り」となり、大当り遊技状態の終了後、次に大当り遊技状態となる確率(当選確率)が高くなる(本実施形態では、確率変動状態では70分の1の確率であり、確率変動状態以外では490分の1の確率である。)。即ち、停止時の特別図柄が特別態様であった場合は、大当り遊技の終了後に「確率変動状態」という遊技者にさらに有利な状態になる。
大当り遊技の終了後に確率変動状態になると、以下の内容でいわゆる時短制御が行われる。即ち、確率変動状態では、特別図柄表示器141(4つの発光領域64a)にて特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄を停止表示するまでの変動時間と、普通図柄表示器144(発光領域64c)にて普通図柄の変動表示を開始してから普通図柄を停止表示するまでの変動時間とを通常状態よりも短縮する制御が行われる。また、あわせて普通図柄表示器144(発光領域64c)における普通図柄の変動表示の結果が「当り」となる確率を高める制御が行われる。さらに、普通図柄の変動表示の結果「当り」となった場合に開閉部材56aの開放時間を通常状態よりも延長する制御(本実施形態では、通常状態で0.5秒間、時短状態及び確率変動状態で0.8秒)が行われると共に、入球装置56の開放回数を通常状態よりも増加させる制御(本実施形態では、通常状態で1回、時短状態及び確率変動状態で3回)も行われる。
一方、停止時の特別図柄が特定の態様で表示された場合であっても、上記の特別態様とは異なる非特別態様(非確変大当りとなる複数の発光体の点灯の組み合わせ)であれば、装飾図柄の停止図柄も非特別態様(非確変大当り図柄:本実施形態では、同一の偶数図柄の組み合わせ)となり、以下の内容で時短制御が行われる。即ち、大当り遊技状態の終了後、特別図柄表示器141(4つの発光領域64a)にて特別図柄の変動表示が実行される回数が所定の回数(本実施形態では100回)に達するまでの間、特別図柄の変動時間と普通図柄の変動時間とを通常状態よりも短縮する制御が行われる。また、普通図柄の変動表示の結果「当り」となった場合に開閉部材56aの開放時間を通常状態よりも延長する制御と共に、あわせて開閉部材56aの開放回数を通常状態よりも増加させる制御が実行される。これら時短状態では、特別図柄表示器141にて実行される特別図柄の変動表示の回数が所定の回数に達するまでの間、下始動口54への入賞確率が増加して、一定期間内での特別図柄の変動表示の実行回数を増加させることができる(つまり、大当りの抽選機会が増える)ため、それだけ遊技者にとって有利な状態となる。また、上述した確率変動状態では、時短制御に加えて、普通図柄表示器144にて普通図柄の変動表示の結果が「当り」となる確率が高められるため、時短状態よりもさらに遊技者に有利な状態となる。なお、通常状態とは、上述した確率変動状態または時短状態ではない状態を意味する。
なお本実施形態では、上始動口52に遊技球が入賞し、始動口スイッチ170aによって検出されたときに規定個数として3個の遊技球が払い出され、また、下始動口54に遊技球が入賞し、始動口スイッチ170bによって検出されたときに規定個数として4個の遊技球が払い出される。このように、上始動口52と下始動口54とで払出個数に差が設けられているのは以下の理由による。
即ち、下始動口54は通常、開閉部材56aによって閉塞されており、普通図柄の変動表示の結果が「当り」とならない限り入賞の機会がない構造であるのに対し、上始動口52は、常に上方から遊技球を受け入れ可能な構造であることから、上始動口52への遊技球1個の入賞に対する払出個数が多すぎると、遊技場運営者に比較して遊技者が有利になりすぎる。そうすると、遊技場運営者の不利益解消策として始動口(上始動口52及び下始動口54)への入賞が抑制されてしまい、結果的に抽選遊技(大当り遊技状態とするか否かの判定)の期待が減ることで遊技者に不快感を与えてしまいかねない。反対に、上始動口52への入賞に対する払出個数が少なすぎると、それだけ抽選遊技に必要とする遊技球の数が増大してしまい、結果的に過度の投資が必要となって遊技者に不利益を与えてしまうことになる。
一方の下始動口54は、時短状態及び確率変動状態においては遊技者に有利な遊技を提供するものであり、開閉部材56aの開放時間と開放回数の延長制御を行うことで、下始動口54への入賞確率を増加させている。しかし、遊技球の入賞に対する払出個数が少なすぎると、発射球の数に対して払い出しの数が少なくなり、結果的に有利な遊技状態であるにも関わらず、遊技球の残数が次第に減っていくことで遊技者に不快感を与えてしまうことになる。これらの事象を考慮し、本実施形態では上始動口52及び下始動口54それぞれの払出個数(3,4個)が設定されている。
また、特別図柄表示器141における特別図柄の表示結果と、液晶表示装置50における装飾図柄の表示結果とは対応している。即ち、特別図柄の変動開始時に大当りとしない判定がなされた場合には、上記の特定の態様とは異なる態様、つまり、はずれの態様によりLED(4つの発光領域64a)を点灯させて特別図柄を停止表示すると共に、液晶表示装置50では、はずれの態様(はずれ図柄:大当り図柄以外の図柄、本実施形態では少なくとも2種類以上の識別情報(図柄)の組み合わせ)により装飾図柄の画像が表示される。
また装飾図柄は、特別図柄とは異なる演出用の図柄であり、特別図柄の変動表示(4つの発光領域64aの点滅)の内容を演出用の装飾図柄の変動表示によって演出的に表現することで、見た目上の演出効果を高めるものである。つまり、特別図柄表示器141のLEDが特定の態様で点灯表示されると大当り遊技状態に移行する制御が行われるが、万が一、液晶表示装置50において装飾図柄の表示結果が特定の態様となったとしても、特別図柄表示器141におけるLEDが特定の態様で点灯表示されていない場合、大当り遊技状態に移行する制御が行われることはない。
また本実施形態では、大当り遊技状態で実行されるラウンド数として「15回」が設定された1種類の大当り遊技状態に制御可能であるが、大当り遊技状態として遊技者に付与される利益が異なる複数種類の大当り遊技状態に制御可能に構成してもよい。例えば、大当り遊技状態にて実行されるラウンド数が異なる複数種類の大当り遊技状態に制御するように構成してもよい。この場合には、大当り判定乱数に基づいて大当りとする判定がなされた後、大当り遊技状態にて実行するラウンド数を決定するようにしてもよいし、大当り判定乱数に基づいて異なるラウンド数が設定された複数種類の大当り遊技状態のうちいずれかに制御するか否かの判定を行うようにしてもよい。
また、本実施形態では、状態表示LED145(発光領域64b)が上述した確率変動状態で赤色に点灯制御され、一方、時短状態では緑色に点灯制御される。そして、時短状態または確率変動状態が終了して通常状態になるか、あるいは大当り遊技状態に移行すると状態表示LED145(発光領域64b)が消灯される。
また本実施形態では、大当り遊技中に上述した大当り種類表示LED146(2つの発光領域64d)が点灯する。具体的には、大当り遊技状態の種類に応じて、大当り種類表示LED146となる上下2つの発光領域64dのいずれか一方か、もしくは両方が点灯する。本実施形態では、1種類の大当り遊技状態にのみ制御可能であるため、大当り種類表示LED146を点灯させる必要はないが、複数種類の大当り遊技状態に制御可能に構成した場合には、複数種類の大当り遊技状態に対応して大当り種類表示LED146を点灯・消灯制御することにより、大当り遊技状態の種類を外部から容易に把握することができる。
例えば、複数種類の大当り遊技状態として、大当り遊技状態にて実行されるラウンド数として「2回」が設定された第1大当り遊技状態と、大当り遊技状態にて実行されるラウンド数として「15回」が設定された第2大当り遊技状態とを実行可能な構成とした場合を想定する。この場合、第1大当り遊技状態の実行中に大当り種類表示LED146の上側の発光領域64dに対応するLEDを点灯させ、第2大当り遊技状態の実行中に下側の発光領域64dに対応するLEDを点灯させる制御を実行するようにしてもよい。このように、本実施形態のパチンコ機1は、複数種類の大当り遊技状態に制御可能な構成にも対応可能であることが理解される。
図12は、演出装置42を単独(遊技板4aから取り外した状態)で示している。図12では、前部ユニット42aと後部ユニット42bとが相互に組み合わせられた状態、つまり、相互に位置決めされた状態で示されており、それゆえ図12では遊技板4aの前後でみた前部ユニット42aと後部ユニット42bとの相対的な位置関係が明らかとなっている。
図12から明らかなように、前部ユニット42aと後部ユニット42bとが相互に位置決めされると、前部ユニット42aは後部ユニット42bの前面側に重なるようにして配置される。概して後部ユニット42bは、前面側からみて前部ユニット42aよりも大きな外形を有しており、それゆえ後部ユニット42bは前部ユニット42aの周囲にはみ出すようにして配置される。但し、実際には前部ユニット42aと後部ユニット42bとの間に遊技板4aが位置しているため、図12に示される後部ユニット42bの外形が遊技者から視認されることはない。
また図12では、前部ユニット42aの一部(下縁部の左半分と左側縁部の下半分)が破断された状態で示されており、それゆえこの破断箇所では後部ユニット42bの表面が前面側に露出するようにして示されている。
図12中、前部ユニット42aの破断箇所に示されているように、手前側の球誘導部材70にはランプ基板147aが取り付けられており、このランプ基板147aに特図始動記憶ランプ147としてのLED(発光体)が実装されている。ランプ基板147aは放出口72eを挟んで左右両側に1枚ずつ設けられており、各ランプ基板147aに2つずつ特図始動記憶ランプ147(LED)が実装されている。また図12中、前部ユニット42aの下縁部の右半分(破断箇所でない部分)に示されているように、個々の特図始動記憶ランプ147(LED)は、前面側からみて発光領域48の背後に位置付けられている。
図12には示されていないが、各ランプ基板147aの裏面にはコネクタを介してハーネスが接続されており、このハーネスは後部ユニット42bの内部を通って上記のランプ駆動基板119に接続されている。
図13は、特図始動記憶ランプ147から発光領域48につながる導光通路88の構成を詳細に示している。上記のように、特図始動記憶ランプ147(ランプ基板147a)は球誘導部材70、つまり後部ユニット42bに取り付けられていることから、前後方向でみると、特図始動記憶ランプ147(ランプ基板147a)は遊技板4aの背面側で前部ユニット42aよりも奥まったところに位置する。
一方、発光領域48は前部ユニット42aの表面に形成されていることから、発光領域48と特図始動記憶ランプ147との間には一定の間隔(本実施形態では遊技板4aの板厚程度)が存在することになる。このため前部ユニット42aには、発光領域48と特図始動記憶ランプ147との間を埋めるようにして導光部材90が設けられており、さらにこの導光部材90の内部に導光通路88が形成されている。
導光通路88は、導光部材90の内部を前後方向に貫通して延び、その前端及び後端がいずれも開放されている。導光通路88の前端は発光領域48の直ぐ背面側に位置し、また後端はランプ基板147aの実装面に対向するようにして位置している。この状態で、特図始動記憶ランプ147は導光通路88の後端から僅かに内部に進入している。このため特図始動記憶ランプ147が発光すると、この光は導光通路88を通じて前面側に導かれ、そして発光領域48を透過して前面側から視認可能となる。
また前部ユニット42aには、導光部材90と共に光拡散部材48aが取り付けられており、この光拡散部材48aの表面に発光領域48が形成されている。このとき、特図始動記憶ランプ147の発する光は光拡散部材48aにより拡散されるので、発光領域48の全体がほぼ均一な輝度で面発光することになる。これにより、遊技者からは数字の「1」〜「4」が点灯したり、消灯したりする様子が視認されることとなる。
導光部材90は、例えば黒色・暗褐色等の暗色系の樹脂材料から成型されており、それゆえ導光通路88の内壁は、比較的高い遮光性を有する。これにより、導光通路88から周囲への光の漏洩が効果的に防止されるので、特図始動記憶ランプ147の発する光によって対応する発光領域48をくっきりと発光させることができる。
なお図13では、1つの発光領域48に通じる導光通路88が示されているが、導光部材90には、4つの発光領域48全てにそれぞれ対応して4つの導光通路88が形成されている。また、互いに隣り合う導光通路88の間は仕切壁90aによって仕切られており、特に本実施形態では、仕切壁90aが複重(2枚)構造となっている。それゆえ、互いに隣り合う2つの発光領域48(例えば記憶数「1」と「2」を表すもの同士、記憶数「3」と「4」を表すもの同士)との間での光漏れが強固に防止されている。
上記のように前部ユニット42aには、特別図柄の始動記憶数を表示するための発光領域48が形成されているにもかかわらず、特段の電気的な部品・配線・基板等が全く装備されておらず、発光動作を行うための電気的な構成要素(LED、基板、コネクタ、ハーネス類)は全て後部ユニット42bに設けられている。このためパチンコ機1の製造工程(特に遊技盤4の組み立て工程)では、前部ユニット42aを遊技板4aに組み付ける際、前部ユニット42aに対して電気的な構成要素を取り付ける作業を行う必要がないことから、それだけ作業工数を低減し、パチンコ機1の製造効率を大幅に向上することができる。
また本実施形態では前部ユニット42aに電気的な構成要素(LED、基板、コネクタ、ハーネス類)が設けられていないことから、パチンコ機1の組み立て後においても、前部ユニット42aのねじ留めを外すだけでこれを容易に取り外すことができる。したがって、パチンコ機1の組み立て後における球誘導部材70の交換作業に際して、前部ユニット42aを着脱する度にその電気的な配線作業を一々やり直す必要がないことから、球誘導部材70の交換作業を迅速かつ容易に行うことができる。
さらに本実施形態では、パチンコ機1の組み立て後に球誘導部材70の取り替え作業を行う場合、前面枠5を開放し、演出装置42の前部ユニット42aを取り外すだけでよいので、いちいち遊技盤4を遊技盤装着枠9から取り外し、さらにその背面側の制御基板ボックスや後部ユニット42bをも遊技板4aから取り外すような手間が必要なくなる。特に本実施形態では、後部ユニット42bの外形が貫通穴4bの開口面積よりも大きく、後部ユニット42bそのものを遊技板4aの前面側から着脱することができない構造であるが、前面側から貫通穴4bを通じて球誘導部材70の着脱作業を行うことができるところに多大な有用性がある。
球誘導部材70,72による遊技球の誘導態様については既に説明したが、本実施形態では、奥側の球誘導部材72(第1の球誘導部材)に形成された上段ステージ80及び中段ステージ82の機能に特徴を有する。以下、上段ステージ80及び中段ステージ82の特徴について説明する。
図14は、上段ステージ80及び中段ステージ82での遊技球の転動経路を示している。本実施形態の場合、ワープ通路(78b)及び放出口78cが上段ステージ80の左側にしか設けられていないため、上段ステージ80への遊技球のアプローチは左側からしか行われないが、遊技球が上段ステージ80から中段ステージ82に乗り移ると、ここで転動方向が左右の二手に分かれるようにして振り分けられる。したがって、最終的に下段ステージ84へのアプローチは左右の両側から行われることになる。
これにより下段ステージ84では、中段ステージ82を右方向へ下って、その終端でUターンしてきた遊技球が勢いよく右側から進入してくる態様と、反対に、中段ステージ82を左方向へ下って、終端でUターンしてきた遊技球が勢いよく左側から進入してくる態様の両方が実現されることになる。この結果、下段ステージ84では中央の放出通路72dに対して左右いずれの方向からも遊技球が進入できる転動態様が実現されるため、前部ユニット42aの左側縁部にしかワープ通路(78a,78b)が形成されていないにもかかわらず転動態様がワンパターンにならず、多様な転動態様による面白みを持たせることができる。
上記のように本実施形態では、左側から上段ステージ80に流入してきた遊技球の転動経路を中段ステージ82にて左右方向に振り分け、下段ステージ84に対する2通りのアプローチを設けることで多様な転動態様を実現するところに特徴がある。このため、上段ステージ80上で遊技球を左右方向に長々と転動させる必要はなく、できるだけ速やかに遊技球を中段ステージ82へ移行させることが望ましい。このため本実施形態では、上段ステージ80から中段ステージ82への遊技球のスムーズな移行を実現するための工夫が凝らされている。
先ず奥側の球誘導部材72には、上段ステージ80に沿って遊技球の転動を案内するガイドリブ72f,72gが形成されており、これらガイドリブ72f,72gは上段ステージ80の上面からわずかに上方に突出している。このうち、前面側からみて奥側のガイドリブ72fは上段ステージ80の全長とほぼ同じ長さを有しているが、手前側のガイドリブ72gは中央の窪み部80aにて部分的に途切れている。
そして上記のガイドリブ72fには、部分的に上段ステージ80の通路幅を絞り込むようにして前方に突出した部分が形成されており、この突出部分が制動部80bとして機能するものとなっている。なお制動部80bは、中央の窪み部80aから左右に等間隔を存して1つずつ配置されている。即ち、放出口78cから上段ステージ80に流入してきた遊技球は、その中央に向けて傾斜を下りながら転動する過程で、先ず左側の制動部80bに衝突し、その勢いを落とされる。ここで勢いを落とされた遊技球には、中央の窪み部80aを通り越してわずかに右側の上り傾斜に差し掛かったあたりで失速し、そのまま左方向へ引き返してしまうものもあれば、ある程度の勢いを保ったまま右側の傾斜を駆け上がり、そして右側の制動部80bに衝突するものもある。さらに右側の制動部80bに衝突した遊技球には、これを通り越して上段ステージ80の右端に向かって転動するものもあれば、制動部80bに跳ね返されて左側へ下っていくものもある。
いずれにしても、上段ステージ80に流入した遊技球は、その転動過程で制動部80bに衝突することで制動力を与えられ、比較的早期に中央の窪み部80aに集まり、そして中央の窪み部80aから中段ステージ82へスムーズに移行することとなる。このため本実施形態では、上段ステージ80上で遊技球がいつまでも左右方向に揺れ動き、なかなか中段ステージ82に移行しないといった転動ロスが生じることはない。
次に、球誘導部材72の内側に設けられている内部装飾体74について説明する。図15は、内部装飾体74とその配置を具体的に示している。図5では、内部装飾体74の形態が簡略化された状態で示されているが、図15中(a)に示されているように、実際の内部装飾体74には、全体として「草むら」をイメージしたデザインが施されており、その「草むら」の中に原始人であるキャラクタと、原始哺乳動物である「サーベルタイガー」のキャラクタを模したキャラクタ装飾部74b,74cが一体的に形成されている。
上記の創作的ストーリーの中で、「マンモス」や「サーベルタイガー」は猛獣としての位置付けがなされており、原始人にとっては狩りの獲物であると同時に、日常的にその存在が恐れられている。このようなストーリー上の背景から、キャラクタ装飾部74b,74cは、「草むら」の中で獲物を探していた原始人(主人公の父親)が偶然に「サーベルタイガー」と鉢合わせし、一気に緊張感が高まっている情景を描写したものとなっている。なお内部装飾体74は、「草むら」のイメージに合致するべく全体として緑色で光透過性の樹脂材料から成形されているが、キャラクタ装飾部74b,74cには、それぞれに固有の肌色、体毛色等が付されている。
本実施形態では、球誘導部材70,72が透明材料から成形されており、それゆえ図15中(b)に示されているように、球誘導部材72の内側に内部装飾体74が設置された状態で、前面側から内部装飾体74を透視することができるものとなっている。なお、図15(b)では手前側の球誘導部材70が省略されているが、手前側の球誘導部材70も透明材料から成形されているため、手前側の球誘導部材70が取り付けられた状態で内部装飾体74の視認性が損なわれることはない。
このように、球誘導部材70,72を透明材料から成形し、その奥の位置に内部装飾体74が配置されている態様であれば、球誘導部材70,72を着色材料で成形した場合よりも装飾性を高めることができるという利点がある。しかもこの場合、たとえ内部装飾体74の表面に凹凸形状からなる造形が施されていたとしても、内部装飾体74に対して直接的に遊技球が接触することがないため、遊技球の転動態様に悪影響を及ぼすことがないという2重のメリットが生じる。
次に図16は、奥側の球誘導部材72に施された装飾領域と内部装飾体74との位置関係を示している。図16中、ハッチングが施された部分は球誘導部材72に形成された装飾領域(参照符号A)を示し、この装飾領域A内には、球誘導部材72の透明材料を部分的に磨りガラス状とする表面処理層が形成されている。このような表面処理層は、例えば球誘導部材72の表面(本実施形態では前面側からみて内表面である)に微細な凹凸を付することで形成することができる。あるいは、装飾領域の形状に合わせて切り出された磨りガラス状の半透明シートを球誘導部材72の表面(内表面)に貼着してもよい。
図16中(a)から明らかなように、装飾領域Aには全体として「草むら」が波立つようなイメージの輪郭線が与えられている。そして図16中(b)に示されているように、このような装飾領域Aは内部装飾体74の前面側に位置付けられているため、遊技者の視点からは、手前側の装飾領域Aの模様と内部装飾体74の造形とが前後に距離を置いて重なり合うようにして視認される。このため遊技者が球誘導部材72を透過して内部装飾体74を視認すると、そこに立体的な奥行きを感じることになる。
さらに本実施形態では、上記のように内部装飾体74が光透過性を有するため、その背後から光を照射して内部装飾体74を装飾的に発光させることが可能となっている。このとき装飾領域Aは、内部装飾体74を透過した光を拡散させることで自身の模様(波立つ形状)をくっきりと際立たせることができるので、遊技者に視覚的な変化をもたらしつつ、発光による装飾性を高めることができる。
また装飾領域Aは、前面側からみて中段ステージ82の後方に位置する壁部と、下段ステージ84(2点鎖線)の後方に位置する壁部に配置されている。つまり装飾領域Aは、中段ステージ82及び下段ステージ84でそれぞれ規定される遊技球の転動経路に沿う位置に形成されている。一方、パチンコ機1の使用に伴い遊技球が繰り返し球誘導部材70,72(中段ステージ82、下段ステージ84)にて転動すると、球誘導部材72の外表面には遊技球の接触による摩耗痕が生じてくると考えられる。特に本実施形態では、球誘導部材72が透明樹脂材料から成型されているため、その外表面に摩耗痕(または擦過痕)が生じると、その部分で材料の透明性が失われやすい傾向にある。
しかしながら本実施形態では、ちょうど摩耗痕の生じやすい位置(転動経路に沿う位置)にもともと磨りガラス状の装飾領域Aが形成されているため、球誘導部材72の外表面に摩耗痕が生じたとしても、その存在が目立ちにくくなる。一方、装飾領域Aは新品の状態から磨りガラス状の装飾模様として存在しているため、球誘導部材72の外表面に擦過痕が生じたとしても、装飾領域Aそのものの見栄えが極端に劣化するわけではない。したがって本実施形態では、長期間にわたって球誘導部材72の外観上の品質が低下しにくいだけでなく、装飾性を長期間にわたって維持することができるという利点がある。
本実施形態では、演出装置42の大型化に伴い、遊技領域12から遊技球を流入させるワープ通路(78a,78b)を左側にしか設けていないにもかかわらず、放出通路72に通じる下段ステージ84での遊技球の転動態様を多様化することができ、それによって遊技の面白さを大きく向上させることができる。逆に、左側(または右側)に1つのワープ通路(78a,78b)を設けるだけでも遊技球の転動態様の面白さを充分に確保できることから、左右両側にワープ通路を確保することにとらわれることなく、自由に演出装置42の大型化を図ったり、形状を決める際の自由度を高めたりできるという利点がある。したがって、演出装置42による演出の多様化を大幅に向上することができ、遊技者の視覚に訴える興趣を大きく高めることができる。
また、球誘導部材72の奥に内部装飾体74を配置することで装飾性を高めると共に、その外観上の品質劣化を長期間にわたって抑えることができる。
また本実施形態では、上記のように後部ユニット42bに対して内部装飾体74が着脱可能な構成となっている。その一方で、内部装飾体74は演出装置42内でも比較的大きく目を引く存在であることから、同型のパチンコ機1であっても、内部装飾体74の造形・デザインが違っていると、外観上は別タイプのパチンコ機1として認識されやすい。このため、前部ユニット42aや後部ユニット42bの大部分を共通パーツとしつつ、内部装飾体74に様々なデザインのバリエーションを設定することで、同系列のシリーズ機(例えば、大当り確率、確変突入率、確変転落確率、賞球数等の仕様が異なるもの)を容易に市場に供給することができる。
次に、演出装置42の配置・構造による視覚的な効果について説明する。図17は、遊技盤4の上側部分を示し、この図17では、遊技板4aから前部ユニット42aが取り外された状態で示されている。このため図17では、遊技板4aの貫通穴4bと後部ユニット42bとの大小関係がより明らかとなっている。
上記のように、後部ユニット42bは遊技板4aの背面側において貫通穴4bの開口面積よりも大きい範囲に拡がって配置されている。このため前部ユニット42aが遊技板4aから取り外された状態であっても、真正面からみて貫通穴4bの奥に後部ユニット42bの全体を視認することはできないものとなっている。
また既に説明したように、後部ユニット42bの構成要素のうち装飾体42aや可動装飾体44a〜44c、固定装飾体45a〜45cは真正面からみて貫通穴4b内に位置付けられている。これに対し、これらの背後に敷設されている装飾部材46は、その大部分が貫通穴4bの内側に位置しているが、図17中に破線で示されているように、残りの部分は貫通穴4bの外側にまで拡がっており、この部分は真正面からみた場合に遊技板4aの背後に隠れている。なお、図17では装飾部材を表す参照符号「46」が1本の引出線を伴って1箇所(左側縁部)にだけ示されているが、本実施形態でいう「装飾部材46」は、後部ユニット42bの左側縁部から上縁部及び右側縁部までの広範囲に拡がって敷設された部材を意味する。
次に図18は、遊技板4aに対する演出装置42の取り付けを具体的に示している。演出装置42の前部ユニット42aは、そのフランジ部42nが貫通穴4bの周囲に張り出すと共に、後半分の部位42rが貫通穴4b内に嵌め込まれることで、貫通穴4bの周縁部を装飾している。
一方の後部ユニット42bは、上記のように貫通穴4bの開口面積よりも広い範囲に拡がって配置されている。そして図18に示されているように、装飾部材46は遊技板4aの後方にて、上下方向でみた貫通穴4bの開口範囲Pよりも上方に位置する外側領域Sにまで拡がって配置されていることが理解される。なお、図18では上下方向でみた貫通穴4bの開口範囲のみが示されているが、左右方向についても貫通穴4bの開口範囲と後部ユニット42b及び装飾部材46の位置関係は同様である。即ち装飾部材46は、遊技板4aの後方にて、左右方向でみた貫通穴4bの開口範囲よりも側方に位置する外側領域にまで拡がって配置されている。
また本実施形態では、後部ユニット42bに遊技盤ランプとして多数のLED92が配置されており、これらLED92は装飾部材46の背後に設置されている。装飾部材46は光透過性の材料から成型されており、それゆえLED92が発光すると、その光を前方へ透過させて発光動作を行うことができるものとなっている。
ここで図18に示されているように、前部ユニット42aそのものは遊技板4aの背面に密着するようにして取り付けられているが、後部ユニット42bにおいて、遊技板4aの背面と装飾部材46の表面との間には、ある程度の間隙Hが確保されている。このため装飾部材46のうち、外側領域Sに位置する部分は遊技板4aの背面に接しているわけではなく、背面から間隙Hだけ後方に位置した状態にあることが理解される。
次に図19及び図20は、遊技盤4を左右の斜め下方から見上げた状態で示している。なお、図19,20では遊技盤4が単独で示されているが、実際のパチンコ機1では遊技盤4が本体枠3に支持されていることから、遊技盤4は前面枠5の開口窓30を通じて視認される。
これら図19,20に示されているように、遊技盤4をその斜め下方の角度から見上げた状態では、遊技板4aの背面と装飾部材46の表面との間に上記の間隙Hが確保されていることから、この間隙Hから貫通穴4bを通じて、装飾部材46のうち遊技板4aの背面側に隠れた部分が視認可能となる。例えば図19に示されているように、遊技盤4をその左斜め下方から見上げた状態では、前部ユニット42aの右上縁部に位置する装飾体43dの奥に装飾部材46の存在がはっきりと視認されている。また図20に示されているように、遊技盤4をその右斜め下方から見上げた状態では、前部ユニット42aの左上縁部に位置する装飾体43aの奥に装飾部材46の存在がはっきりと視認されている。
このため本実施形態では、遊技者がいろいろな角度から遊技盤4を視認することで、通常正面からみた状態では遊技板4aの背後に隠れているはずの装飾部材46の存在を視認することができる。また、このとき装飾部材46は遊技板4aの貫通穴4bの外側領域にまで拡がって配置されていることから、遊技者に前後方向への奥行きを感じさせると共に、遊技板4aの背面側で上下・左右方向への空間的な拡がりや開放感を生じさせることができる。
また、装飾部材46において発光動作が行われる場合、通常正面からみて遊技板4aの背後に隠れた装飾部材46から透過光が照射されるため、それまで遊技者が装飾部材46の存在に気付いていなかったとしても、発光動作によって装飾部材46の存在に気付きやすくなり、視覚的な奥行き感や空間的な拡がり感による効果を充分に発揮させることができる。
本実施形態では、装飾部材46について以下の構造を有する。図19,20等に示されているように、装飾部材46についは、全体的にゴツゴツとした立体的な造形が施されており、それによって視覚的な立体感が生み出されている。さらに装飾部材46は、2種類の部材を前後に重ね合わせた多層構造を有している。具体的には、装飾部材46は透明材料から成型された背後装飾体と、その前面側に重ね合わせて取り付けられた前面装飾体とから構成されており、前面装飾体は、赤色に着色された光透過性の材料から成型されている。また、背後装飾体には光拡散用のレンズカット(ダイヤカット等)が形成されており、背後のLED92からの発光がそこで良好に拡散される。
図19,20等で前面側に露出されている大部分は前面装飾体であるが、前面装飾体は、そのところどころが欠落した状態、つまり、部分的に破断されたような形態を有している。そして、前面装飾体が部分的に欠落した領域では、その背後にある透明な背後装飾体が前面側に露出している。
以上のような構成により、装飾部材46において発光動作が行われると、その大部分では赤色の透過光が前面側から視認されることとなるが、ところどころ部分的に白色光(LEDの発光色)が視認される領域が存在する。本実施形態では、このように白色光が視認される領域(前面装飾体が欠落している領域)が「稲妻」を模した形状にデザインされているため、遊技者が前面側から装飾部材46の発光動作をみると、あたかも雷が落ちたかのように感じ、そこに「原始地球の荒れた天候」を想起して演出的な効果を満喫することができる。
次に、可動装飾体44a,44b,44cの構成について詳細に説明する。図21は、演出装置42における可動装飾体44a,44b,44cの作動態様を示している。図21中の矢印で示されているように、可動装飾体44a,44b,44cは、いずれも作動時において左右方向に往復回動することができる。このうち上縁部に位置する可動装飾体44a(片仮名文字の「ギ」を象ったもの)と、その右隣に位置する可動装飾体44b(片仮名文字の「オ」を象ったもの)とは、いずれも初期位置から時計回り方向に回動し、そして残りの可動装飾体44c(片仮名文字の「オ」を象ったもの)は、その初期位置から反時計回り方向に回動する。なお、図21では3つの可動装飾体44a,44b,44cが初期位置から最も大きく変位したときの状態が示されており、この最大変位の状態において、各可動装飾体44a,44b,44cと前部ユニット42aとの間には適度なクリアランスが確保されている。
次に図22は、後部ユニット42bを背面側から示し、ここでは特に可動装飾体44a,44b,44cを作動させるための機構要素が示されている。なお図22には、後部ユニット42bの一部をなすインナケーシングのみが示されており、実際にはインナケーシングの外側にアウタカバー(図示されていない)が組み合わされて後部ユニット42bが構成されている。前面側から視認される装飾体43aや可動装飾体44a〜44c、固定装飾体45a〜45c、装飾部材46、球誘導部材70,72、内部装飾体74等はいずれもインナケーシングに組み付けられている。一方、上記のフランジ部42nはアウタカバーに形成されているため、図22には示されていない。
後部ユニット42bの背面側、つまりインナケーシングには、各可動装飾体44a,44b,44cに対応して3つのソレノイド(直動式)94a,94b,94cが装備されている。また、これらソレノイド94a,94b,94cにはそれぞれ、駆動レバー95a,95b,95cが連結されている。各駆動レバー95a,95b,95cは、その先端部がスライドピンを介して対応するソレノイド94a,94b,94cにピン接合されており、そして基端部が回動軸96a,96b,96cに固定されている。回動軸96a,96b,96cは後部ユニット42bのインナケーシングにて回動自在に支持されており、それゆえ駆動レバー95a,95b,95cは、対応する回動軸96a,96b,96cを中心として上下方向に回動(揺動)自在となっている。また駆動軸96a,96b,96cは、インナケーシングを前後方向に貫通して延びており、その後端部にて各駆動レバー95a,95b,95cに連結されていると共に、その前端部にて各可動装飾体44a,44b,44cに連結されている。
また各駆動レバー95a,95b,95cには、対応する回動軸96a,96b,96cの回動範囲(回動角度)を規定するためのストッパ部97a,97b,97cが一体的に形成されている。またインナケーシングには、各ストッパ部97a,97b,97cに対応してストッパハウジング98a,98b,98cが形成されており、各ストッパ部97a,97b,97cは、対応するストッパハウジング98a,98b,98c内に収容された状態にある。
上記の構成において、いずれかのソレノイド94a,94b,94cが通電(励磁)状態になると、直動ロッド(アーマチュア)の引き上げ動作に伴い、対応する駆動レバー95a,95b,95cが上方へ引き上げられるようにして変位する。逆にソレノイド94a,94b,94cが非通電(非励磁)の状態になると、リターンスプリングによって直動ロッドが初期位置に復帰し、この復帰動作に伴い、対応する駆動レバー95a,95b,95cが下方へ押し下げられるようにして変位する。なお本実施形態では、このときの駆動レバー95a,95b,95cの変位角度が30°程度に設定されている。
上記のようなソレノイド94a,94b,94cの通電・非通電の切り替えにより、対応する駆動レバー95a,95b,95cが上下に揺動するようにして変位し、これにより駆動軸96a,96b,96cが往復回動される。そして、このような駆動軸96a,96b,96cの往復回動により、図21に示されるような可動装飾体44a,44b,44cの動作が実現されるものとなっている。
なお後部ユニット42bのインナケーシングには、その他の構成としてLED基板92a,92b,92c,92d(遊技盤ランプ)が設置されている。このうち、図22でみてインナケーシングの上縁部の右側(前面側からみると左側)に配置されたLED基板92aは、上記の装飾体43aに対応するものであり、このLED基板92aには、その前面側に多数のLED(92)が実装されている。本実施形態では、これらLED(92)の発光により装飾体43aの発光演出が行われる。
また、図22でみてLED基板92aの左側に位置するLED基板92bはインナケーシングの左半分(前面側からみると右半分)の部位に拡がる大きさを有し、全体としてLED基板92bは、インナケーシングの上縁部から3つのソレノイド94a,94b,94cが設置されている部位を全てカバーするようにして鈎形状に敷設されている。この大型のLED基板92bにも同様に多数のLEDが実装されており、これらLEDの発光により装飾部材46の発光動作が行われるものとなっている。さらに図22でみてインナケーシングの右側縁部(前面側からみると左側縁部)に位置するLED基板92cもまた、装飾部材46の発光動作を行うためのものである。また、インナケーシングの下縁部に位置するLED基板92dは、上記の内部装飾体74の発光動作を行うためのものである。
図23及び図24は、可動装飾体44aを構成要素に分解した状態で示している。なお、これら図23及び図24では1つの可動装飾体44aを例に挙げているが、その他の可動装飾体44b,44cについても基本的に同じ構造が採用されている。したがって、以下では1つの可動装飾体44aについて説明しているが、その内容は他の可動装飾体44b,44cについても実質的に同様に当てはまる。
図23,24に示されているように、可動装飾体44aは大きく分けてアウタシェル200、フロントレンズ202、内蔵LED基板204、そしてリヤカバー206の4つのパーツから構成されている。このうち、アウタシェル202は可動装飾体44aの外表面を構成するものであり、その外形には片仮名文字の「ギ」を象った立体的なデザインが施されている。またアウタシェル200は文字通り薄肉中空のシェル構造をなし、図24に示されているように、その後端部は全体的に大きく開放されている。一方、アウタシェル200の前端部には、ちょうど片仮名文字の「ギ」を型抜きしたような文字型開口200aが形成されている。
フロントレンズ202は、光透過性または光拡散性を有した板状の半透明材料から成形されており、その表面及び裏面には、それぞれ稲妻をイメージしたような立体的な造形が施されている。フロントレンズ202は、アウタシェル200の後端開口から嵌め込むようにして取り付けられ、上記の文字型開口200aを塞ぐようにしてアウタシェル200の内側に収容される。このためフロントレンズ202の外形は、アウタシェル200の内縁の形状にほぼ合致している。またフロントレンズ202は、その前端面にて浮き彫り状に成形された文字型凸部202aを有しており、この文字型凸部202aはアウタシェル200の文字型開口200aに合致する形状を有している。したがって、フロントレンズ202がアウタシェル200に収容された状態では、文字型開口200aにフロントレンズ202の文字型凸部202aがぴったり嵌り込んでアウタシェル200の前端部に位置付けられる。そしてこの状態で、文字型凸部202aはアウタシェル200の前端部と共に可動装飾体44aの前面を形成する。
内蔵LED基板204もまた、アウタシェル200の後端開口から嵌め込むようにして取り付けられる。このため内蔵LED基板204の外形は、アウタシェル200の内縁の形状にほぼ合致している。但し、内蔵LED基板204はフロントレンズ202のようにアウタシェル200の前端部まで深く進入せず、フロントレンズ202の背面から一定間隔を存して後端開口の近傍に位置付けられる。
内蔵LED基板204には、上記の遊技盤ランプの一部として多数のフルカラーLEDチップ204a(電装品)が実装されており、これらLEDチップ204aは、内蔵LED基板204の実装面に分布するようにして配置されている。LEDチップ204aは個々に赤色・緑色・青色(RGB)のLEDを有しており、それによりフルカラー発光が可能となっている。また本実施形態では内蔵LED基板204の実装面が白色塗装されており、それゆえ実装面にて高い光反射性を有している。一方、内蔵LED基板204の背面には、ハーネス線束(電気配線)を接続するための雌コネクタ204bが実装されている。
リヤカバー206は、アウタシェル200の後端開口を塞ぐようにして取り付けられる。このためリヤカバー206の外形は、アウタシェル200の後端開口の形状に合致している。図24に示されているように、アウタシェル200の内側には2本のねじ留め用のボス部200bが形成されており、これらボス部200bはアウタシェル200の前端部から後端開口に向けて延びている。リヤカバー206はアウタシェル200の後端開口に嵌め込まれた状態でボス部200bに接触し、それ以上の進入を規制される。
一方、リヤカバー206には、その前面側に2本の抑えロッド206aが形成されており、これら抑えロッド206aはリヤカバー206の前面から前方に突き出すようにして一体的に形成されている。リヤカバー206がアウタシェル200の後端開口に嵌め込まれると、これら抑えロッド206aの先端がフロントレンズ202の背面にぴったり当接し、これによりアウタシェル200内にてフロントレンズ202の配置が固定されるものとなっている。そしてこの状態で、リヤカバー206はアウタシェル200に対してねじ留めされる。
なお、フロントレンズ202及び内蔵LED基板204にはそれぞれ、2本のボス部200bに対応する位置に挿通孔202c,204cが形成されており、これらフロントレンズ202及び内蔵LED基板204がアウタシェル200に取り付けられる際、それぞれの挿通孔202c,204cにボス部200bが挿通される。また内蔵LED基板204には、抑えロッド206aに対応する位置にも挿通孔204dが形成されており、内蔵LED基板204がリヤカバー206に取り付けられる際、2本の抑えロッド206aは対応する挿通孔204dに挿通される。
内蔵LED基板204はリヤカバー206の直ぐ奥に寄り添うようにして配置され、この状態で内蔵LED基板204がリヤカバー206にねじ留めされるものとなっている。リヤカバー206には、内蔵LED基板204の雌コネクタ204cに対応する位置に矩形の挿通穴206cが形成されており、それゆえ内蔵LED基板204がリヤカバー206に取り付けられた状態で、その雌コネクタ204cに対してリヤカバー206の背面側から雄コネクタを接続することが可能となっている。
上記の駆動軸96aは、その前端部にてリヤカバー206にねじ留めされるものとなっている。この状態でリヤカバー206に対して駆動軸96aが強固に固定されるので、駆動軸96aの回動は、そのままリヤカバー206を介して可動装飾体44aの全体に伝達される。なおリヤカバー206には、駆動軸96aの取付部に適宜、補強のためのリブが放射状に形成されている。
図25及び図26は、可動装飾体44aをその完成状態で示している。図25中(b)に示されているように、アウタシェル200にリヤカバー206が取り付けられた状態で、内蔵LED基板204の雌コネクタ204cに雄型のコネクタ208が接続されている。コネクタ208には複数の電気配線からなるハーネス線束208が接続されており、このハーネス線束208は、コネクタ208から離れた位置で、粘着テープ片210(配線固定部材)によりリヤカバー206の背面に固定(貼着)されている。
また図26から明らかなように、本実施形態では、可動装飾体44aの前後方向の仮想的な中心線と駆動軸96aの軸線とが互いに平行ではない。したがって、遊技者が駆動軸96aの軸線方向(水平方向)から可動装飾体44aを視認していたとしても、可動装飾体44aの前面の他に、その上面が一定の角度を存して遊技者に視認される。さらにこの状態で、駆動軸96aの軸線周りに可動装飾体44aが回動すると、その仮想的な中心線は「みそすり運動」をするようにして変位する。この場合、駆動軸96aの軸線に対して可動装飾体44aの外側面が様々な角度に変位するため、遊技者が可動装飾体44aの動きを一定の角度(例えば真正面)から視認していても、遊技者の視線方向に対して可動装飾体44aの外側面が様々な角度に変位し、それによって視覚的な変化を生じさせることができる。
図27は、後部ユニット42bから可動装飾体44a,44b,44cが取り外された状態を示している。図25中(b)に例示されているように、各可動装飾体44a,44b,44cには、内蔵LED基板204につながるハーネス線束208が接続されているが、これに対応して後部ユニット42bの前面(装飾部材46の表面)には3つの配線孔212a,212b,212cが形成されており、これら配線孔212a,212b,212cを通じて各ハーネス線束208が後部ユニット42bの内部(インナケーシング)に挿通されるものとなっている。
このとき、配線孔212a,212b,212cは、いずれも前面側からみて対応する可動装飾体44aの可動範囲内に隠れるようにして位置付けられている。したがって、可動装飾体44a,44b,44cが作動しても、配線孔212a,212b,212cの存在は可動装飾体44a,44b,44cによって隠されたままとなる。また本実施形態では、ハーネス線束208が可動装飾体44a,44b,44cの表面色と同系色であるため、ハーネス線束208そのものの存在が目立たなくなっている。
このように、本実施形態では可動装飾体44a,44b,44cが内蔵LED基板204のような電装品を有し、かつ、ソレノイド94a,94b,94cによって作動される態様であるが、その作動時・非作動時を通じてハーネス線束208の存在が前面側から視認されなくなっているので、演出時の見栄えを損なわず、興趣を大きく向上させることができる。
本実施形態では、可動装飾体44a,44b,44cをそれぞれ単独で作動させることもできるし、2つ以上(2つまたは3つ全て)を同時または同時期に作動させることもできる。特に本実施形態では、3つある可動装飾体44a,44b,44cのうち、一番下に位置する可動装飾体44c(「オ」を象ったもの)の作動方向が他の2つと反対に設定されているため、一番下の可動装飾体44cだけを単独で作動させると、この可動装飾体44cの左側部分は、その上の可動装飾体44bから相対的に下方へ離れていく方向へ作動することになる。これにより、演出装置42内での可動装飾体44b,44cの相互干渉が効果的に排除されるため、部品の破損や機械的なトラブルの発生が防止され、演出動作の確実性を保証することができる。
また本実施形態において、前部ユニット42aの内周面の形状は、可動表示体44a,44b,44cとの干渉を避けるためのクリアランスを考慮して決定されているが、上記の「石斧」型の装飾体43dや「マンモスの牙」型の装飾体43eは、このようなクリアランスを確保できる位置に効果的に配置されている。これにより、遊技領域12や演出装置42の限られたスペースを最大限に有効に活用しながら装飾性を高めると共に、可動表示体44a,44b,44cの可動範囲を大きく確保することに成功している。
次に、可動装飾体44a,44b,44cの制御について説明する。可動装飾体44a,44b,44cの制御には、大きく分けて駆動機構の制御と、LEDチップ204aの発光制御の2種類が含まれている。このうち駆動機構の制御については、駆動機構を構成するソレノイド94a,94b、94cの駆動制御として行われる。また発光制御は、LEDチップ204aの発光・発光色・階調制御として行われる。
上記の駆動制御及び発光制御は、既に説明したサブ統合基板111により行われる(適宜、図11を参照)。即ちサブ統合基板111は、ランプ駆動基板119を介してソレノイド94a,94b,94cにそれぞれ駆動信号を入力し、それによって各ソレノイド94a,94b,94cを個別に駆動することができる。この結果、対応する可動装飾体44a,44b,44cが個別に作動し、前面側から視認可能な位置で「文字が動く」という態様で演出動作が実行される。
また、サブ統合基板111からランプ点灯信号が出力されると、このランプ点灯信号がランプ駆動基板119にて分配され、対応するLEDチップ204aに入力される。これにより、サブ統合基板11は各LEDチップ204aの点灯・点滅・消灯の制御をはじめ、発光色の制御やその発光輝度の階調制御を実行することができる。この結果、対応する可動装飾体44a,44b,44cが個別に発光動作を行い、前面側から視認可能な位置で「文字が発光する」という態様で演出動作が実行される。
上記のように本実施形態では、可動表示体44a,44b,44cの駆動制御・発光制御をサブ統合基板111により行うことができるが、サブ統合基板111においてどのような動作パターンを採用するかは、主基板101から送信される演出コマンドに基づいて決定される。そしてサブ統合基板111は、主基板101から送信された演出コマンドから抽選の結果(当落結果のみならず、特別図柄の変動・停止表示態様、確率変動の有無等)を解釈し、可動表示体44a,44b,44cの駆動制御・発光制御を実行する(装飾制御手段)。
サブ統合基板111の統合ROM113には、予め演出コマンドに対応した演出パターンデータが記憶されており、サブ統合基板111は、主基板101から受信した演出コマンドに基づき、対応する演出パターンデータを読み出す。
演出パターンデータには、予め可動表示体44a,44b,44cの駆動制御・発光制御についての具体的な制御内容が記録されている。例えば、3つの可動表示体44a,44b,44cのいずれを作動させるか(作動対象)、どのような態様で作動させるか(作動態様)、3つの可動表示体44a,44b,44cのいずれについて発光動作を行うか(発光対象)、LEDチップ204aによる発光動作をどのような態様で行うか(発光パターン)等についての情報が細かく設定されている。
サブ統合基板111において演出パターンデータが選択されると、当該演出パターンデータにおいて作動対象に設定された可動表示体44a,44b,44cに対応するソレノイド駆動信号がサブ統合基板111から出力される。これにより、作動対象となる可動表示体44a,44b,44cが可動範囲内で作動する。また、当該演出パターンデータにおいて複数種類の作動態様が用意されていれば、例えば可動表示体44a,44b,44cを小刻みにふるえるように作動させたり、ゆっくりと往復的に作動させたりすることもできる。
また同様に、当該演出パターンデータにおいて発光対象に設定された可動表示体44a,44b,44cに対応するランプ点灯信号がサブ統合基板111から出力される。これにより、発光対象となる可動表示体44a,44b,44cにおいて発光動作が実行される。また、当該演出パターンデータにおいて複数種類の発光態様が用意されていれば、例えば可動表示体44a,44b,44cの発光輝度を多階調に変化させたり、発光色を段階的に変化させたり、点灯・点滅パターンを変化させたりすることができる。
このとき、例えば大当り判定の結果が当選であれば、3つの可動表示体44a,44b,44cを一斉に激しく作動させる演出パターンを採用したり、3つの可動表示体44a,44b,44cを順番に作動させるといった演出パターンを採用したりすることで、いわゆる「大当り信頼度が高い」ということを演出的に表現することができる。
あるいは、主基板101において大当り乱数値からはずれリーチ変動の変動表示パターンが選ばれた場合、上記の演出パターンに近似した内容で3つの可動表示体44a,44b,44cを作動させることで、遊技者にリーチ演出を提供することもできる。
さらにLEDチップ204aの発光態様についても、大当り変動やリーチ変動等の変動表示パターンの違いによって発光態様を様々に設定することで、抽選結果に基づく多様な演出を実行することが可能となる。
本発明は上記の一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することが可能である。
(1)一実施形態では、前部ユニット42aに導光部材90が設けられているが、前部ユニット42aではなく後部ユニット42bに導光部材を設置することもできるし、前部ユニット42a及び後部ユニット42bの両方に導光部材を設置することもできる。
(2)一実施形態では前部ユニット42aの発光領域として、特別図柄の始動記憶数を表示するものを挙げているが、前部ユニット42aの発光領域は、特別図柄そのものを表示するものであってもよいし、普通図柄または普通図柄の始動記憶数を表示するものであってもよい。あるいは、発光領域は図柄抽選に直接関係するものではなく、演出的な動作を行う性質のものであってもよい。
(3)上記の一実施形態では、性能評価の対象となる手前側の球誘導部材70に加えて、奥側の球誘導部材72までが後部ユニット42bに対して着脱可能な構造となっているが、奥側の球誘導部材72は後部ユニット42bと一体に成形された構造であってもよい。即ち、奥側の球誘導部材72は、手前側の球誘導部材70と違って球誘導性能の評価には直接関係していないため、後部ユニット42bと一体の構造であっても本発明の実施に支障はないからである。
(4)一実施形態では、球誘導部材70により放出通路72dに誘導されなかった遊技球が前部ユニット42aの下縁部に移動すると、その中央の部分(放出口72eの上方)に集められてから落下するものとなっているが(図8)、さらに中央の部分から左右に離れた位置から遊技球が落下する態様であってもよい。この場合、放出通路72dに遊技球が誘導された場合の入賞確率を相対的に高めることができるため、球誘導部材70上での遊技球の動きに対する遊技者の期待感を高める効果が増す。
(5)一実施形態では、交換対象となる球誘導部材70と共に奥側の球誘導部材72が後部ユニット42bにねじ留めされているが、これらは別々に固定される態様であってもよい。
(6)また一実施形態では、前部ユニット42aの方に突出した係合片42sが形成されており、これを受け入れる係合孔42hが後部ユニット42bの方に形成されているが、これらの位置関係は逆であってもよい。
(7)一実施形態では、演出装置42の左側部にワープ通路(78a,78b)が形成されているが、右側部にワープ通路が形成されている態様であってもよい。
(8)一実施形態では、可動装飾体や固定の装飾体で表される片仮名文字として「ギ」,「ャ」,「オ」,「ー」を挙げているが、その他の種類の文字を用いて言語的に別の意味を持つ文字列を構成してもよい。
(9)また一実施形態では、可動装飾体が片仮名文字を象った形態を有しているが、可動装飾体は平仮名文字や漢字の他、外国文字等の各種の言語用文字を象ったデザインが施されたものでもよい。
(10)可動装飾体の配置について、一実施形態ではパチンコ機の遊技盤を例に挙げているが、可動表示体は例えば、回胴式遊技機(スロットマシン)の前面扉の内側に配置されていてもよい。
(11)その他、一実施形態で挙げた前部ユニット42aや後部ユニット42bの具体的な形態はあくまで一例であり、これらは適宜変形可能であることはいうまでもない。
次に、パチンコ機1の遊技進行に応じて主基板101で実行される種々の制御処理について図28乃至図36を参照して説明する。図28は、主基板101に搭載されるCPU102が実行するメイン処理の一例を示すフローチャートである。図29は、電源断発生時処理の一例を示すフローチャートである。図30は、タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。図31は、主基板101で更新される乱数を示す一覧表図である。図32は、遊技処理の一例を示すフローチャートである。図33は、変動開始処理を示すフローチャートである。図34は、大当り判定処理の一例を示すフローチャートである。図35は、変動表示パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図36は、変動表示パターンテーブルの一例を示す一覧表図である。なお、タイマ割込処理は、主基板101に搭載されるCPU102により所定のタイミング(本実施形態では、4ms毎)で実行される。
図28に示すように、パチンコ機1へ電力の供給が開始されると、CPU102は、電源投入時処理を実行する(ステップS1)。この電源投入時処理では、RAM104に記憶されているバックアップデータが正常であるか(停電発生時の設定値となっているか)否か判別し、正常であればRAM104に記憶されているバックアップデータに従って停電発生時の状態に戻す処理(復電時処理)を実行し、バックアップデータが異常であればRAM104をクリアしてCPU周辺のデバイス設定(通常の初期設定:割込タイミングの設定等)を行う。なお、遊技途中でパチンコ機1への電力供給が停止すると、RAM104に現在の遊技状態がバックアップデータとして記憶される。また、電源投入時処理にてRAM104に記憶されているバックアップデータのクリアを指示するRAM消去スイッチがオンであれば、RAM104をクリアし、通常の初期設定を行う。また、電源投入時処理にて主基板101に搭載されるRAM104にバックアップデータが保存されていない場合には、RAM104をクリアし、通常の初期設定を行う。また、電源投入時処理では、通常の初期設定を実行したときにサブ統合基板111に主基板101が起動したことを示す電源投入コマンドを送信可能な状態にセットする処理も実行される。電源投入コマンドは、主基板101が起動したことをサブ統合基板111に通知するものである。なお、遊技店の閉店時等にパチンコ機1への電力供給を停止した場合(電源を落とした場合)にもRAM104にバックアップデータが記憶され、再びパチンコ機1への電力供給を開始したときには電源投入時処理が実行される。
電源投入時処理が終了すると、CPU102は、遊技用の各処理を繰り返し実行するループ処理を開始する。このループ処理の開始時には、CPU102は、先ず、停電予告信号が検知されているか否かを判定する(ステップS2)。なお、この実施の形態では、パチンコ機1にて使用する電源電圧は、電源基板(図示しない)によって生成する。即ち、パチンコ機1に搭載される複数種類の装置はそれぞれ異なる電源電圧で動作するため、外部電源からパチンコ機1に供給される電源電圧を電源基板にて所定の電源電圧に変換した後、各装置に供給している。しかして、停電が発生し、外部電源から電源基板に供給される電源電圧が所定の電源電圧以下となると、電源基板から主基板101に電源電圧の供給が停止することを示す停電予告信号が送信される。そして、ステップS2で主基板101に搭載されるCPU102により停電予告信号を検知すると、電源断発生時処理を実行する(ステップS4)。この電源断発生時処理は、停電後に電源基板に供給される電源電圧が(この実施の形態では、24V)復旧した場合に(以下、復電と呼ぶ)、遊技機の動作を停電前の状態から開始するために停電発生時の状態をRAM104にバックアップデータとして記憶する処理である。処理内容は後述するが、本実施例においては、図示する通り、電源断発生時処理は、割込処理ではなく、ループの開始直後に停電予告信号の検知有無に応じて実行される分岐処理としてメイン処理(主制御処理)内に組み込まれている。
ステップS2で停電予告信号が検知されていない場合、即ち外部電源からの電力が正常に供給されている場合には、遊技にて用いられる各種乱数を更新する乱数更新処理2を行う(ステップS3)。なお、乱数更新処理2にて更新される乱数については後述する。
図29は、電源断発生時処理(ステップS4)の一例を示すフローチャートである。上述したように、電源断発生時処理は、メイン処理において、停電予告信号が検出された時に実行される処理である。CPU102は、先ず、割込処理が実行されないように割込禁止設定を行う(ステップS4a)。そして、RAM104のチェックサムを算出し、RAM104の所定領域に保存する(ステップS4b)。このチェックサムは、復電時に停電前のRAM104の内容が保持されているか否かをチェックするのに使用される。
次いで、CPU102は、RAM104の所定領域に設けられたバックアップフラグに、電源断発生時処理が行われたことを示す規定値を設定する(ステップS4c)。以上の処理を終えると、CPU102は、RAM104へのアクセスを禁止し(ステップS4d)、無限ループに入って電力供給の停止に備える。なお、この処理では、ごく短時間の停電等(以下、「瞬停」と呼ぶ)によって、電源電圧が不安定となることによって、電源断発生時処理が開始されてしまった場合、実際には電源電圧は停止されないため、上記処理では、無限ループから復帰することができなくなるおそれがある。かかる弊害を回避するため、本実施例のCPU102には、ウォッチドックタイマが設けられており、所定時間、ウォッチドックタイマが更新されないとリセットがかかるように構成されている。ウォッチドックタイマは、正常に処理が行われている間は定期的に更新されるが、電源断発生時処理に入り、更新が行われなくなる。この結果、瞬停によって、電源断発生時処理に入り、図29の無限ループに入った場合でも、所定期間経過後にリセットがかかり、電源投入時と同じプロセスでCPU102が起動することになる。
図30は、タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。上述したように、この実施の形態では、メイン処理の実行中に主基板101に搭載されるCPU102により4ms毎にタイマ割込処理が実行される。タイマ割込処理において、CPU102は、レジスタの退避処理を実行した後(ステップS10)、ステップS11からステップS19の処理を実行する。ステップS11のスイッチ入力処理では、上述したスイッチ(ゲートスイッチ174a、始動口スイッチ170a,170b、カウントスイッチ175a、一般入賞スイッチ113a等)の検出信号を監視する処理を実行する。ステップS12の払出動作処理では、スイッチ入力処理(ステップS11)にて検出された信号に基づいて払出基板105に遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを送信する。ステップS13の乱数更新処理1では、遊技にて用いられる各種乱数を更新する処理を実行する。なお、この実施の形態では、乱数更新処理1にて更新される乱数と、上述した乱数更新処理2にて更新される乱数と、は異なる。乱数については後述するが、乱数更新処理2にて更新される乱数を乱数更新処理1でも更新するようにしてもよい。
また、ステップS14の遊技処理では、遊技の進行状態に応じてパチンコ機1を制御する処理が実行される。ステップS15の普通図柄遊技では、普通図柄表示器144に関わる制御処理を実行する。ステップS16の普通電動役物遊技では、開閉部材56aの開閉制御するための処理を実行する。ステップS17の特別図柄遊技では、遊技処理(ステップS14)の処理の結果に基づいて特別図柄表示器141を変動表示する制御を実行する。ステップS18の特別電動役物遊技では、ソレノイド176aを可動制御して開閉部材60aの開閉制御を実行する。ステップS19のコマンド伝送出力処理では、遊技処理(ステップS14)でセットされた演出コマンドをサブ統合基板111に送信する処理を実行する。また、コマンド伝送出力処理(ステップS19)では、パチンコ機1への電力供給が開始されたときに電源投入時処理(ステップS1)でセットされた電源投入コマンドをサブ統合基板111に送信する処理も行われる。ステップS20のI/Oポート出力処理では、パチンコ機1の外部(例えば、管理コンピュータ等)に遊技状態を示す状態信号を出力する処理、特図始動記憶ランプ147に駆動信号を出力する処理、等を実行する。ステップS11からステップS20の処理を実行すると、レジスタの復帰処理(ステップS21)を実行して、処理を終了する。
ここで、上述した乱数更新処理1(ステップS13)及び乱数更新処理2(ステップS3)で主基板101に搭載されるCPU102により更新される各種乱数について図31を参照して説明する。図31に示すように、この実施の形態では、遊技にて用いられる各種乱数として、大当り遊技状態を発生させるか否かの判定(大当り判定)に用いられる大当り判定乱数、大当り判定において大当り遊技状態を発生させると判定されたときに確変大当りとするか否かの判定(確変判定)に用いられる確変判定乱数、大当り判定にて大当り遊技状態を発生させないと判定されたときにリーチ態様(特定状態)を伴うはずれとするか否かの判定(リーチ判定)に用いられるリーチ判定乱数、特別図柄表示器141に表示されている特別図柄の変動表示パターンを決定するために用いられる変動表示パターン乱数、入球装置56の開閉部材56aを開放状態に制御するか否かの判定(普通図柄当り判定)に用いられる普通図柄当り判定乱数、等がある。なお、リーチ判定用乱数を用いて特別図柄の変動表示パターンを決定すると共に、画像表示装置42にて表示制御される装飾図柄の変動表示パターンを決定するようにしてもよい。
これらの乱数のうち、乱数更新処理1では、大当り遊技状態の発生に関わる大当り判定乱数、確変判定乱数、及び入球装置56の開閉部材56aを開放状態に制御するか否かに関わる普通図柄当り判定乱数の更新を行う。即ち、大当り遊技状態の発生及び入球装置56の開閉部材56aを開放状態に制御するか否かに関わる判定に用いられる乱数は所定のタイミングとして4ms毎に更新される。このようにすることにより、それぞれの乱数における所定期間における確率(大当り遊技状態を発生させると判定する確率、入球装置56の開閉部材56aを開放状態に制御すると判定する確率)を一定にすることができ、遊技者不利な状態となることを防止できる。一方、乱数更新処理2では、大当り遊技状態の発生及び普通図柄の表示結果に関わらないリーチ判定乱数及び変動表示パターン乱数の更新を行う。なお、主基板101で更新される乱数は、上記したものに限られず、乱数更新処理2では、大当り判定乱数を更新するカウンタが1周したときに次にカウントを開始させる大当り判定乱数の初期値を決定するための初期値決定乱数等の更新も行う。
図32は、遊技処理(ステップS14)の一例を示すフローチャートである。遊技制御処理において、CPU102は、先ず、上始動口52及び下始動口54に遊技球が入賞したか否かを判別する(ステップS30)。具体的には、始動口スイッチ170a,170bから検出信号が出力されたか否かを判別し、始動口スイッチ170a,170bから検出信号が出力された場合には上始動口52または下始動口54に遊技球が入賞した(ステップS30にてYES)と判別し、始動口スイッチ170a,170bからの検出信号が出力されていなければ上始動口52及び下始動口54に遊技球が入賞していない(ステップS30にてNO)と判別する。ステップS30にて上始動口52または下始動口54に遊技球が入賞したと判別したときには、各種乱数(大当り判定乱数、確変判定乱数、等)を取得し、RAM104に設けられている保留球数カウンタの値が上限値となる4未満であるか否かを判別する(ステップS31)。そして、ステップS31で保留球数カウンタが4未満であれば、始動記憶格納処理を行う(ステップS32)。なお、ステップS30で始動口スイッチ170a,170bがオンしていない場合、及びステップS31で保留球数カウンタの値が4である場合、には、始動記憶格納処理を実行しない。その後、CPU102は、遊技の進行状態を示す処理選択フラグの値を参照してステップS40〜ステップS44のうちいずれかの処理を行う。
始動記憶格納処理では、保留球数カウンタに「1」を加算する処理と、保留球数カウンタの加算に伴って特図始動記憶ランプ147の点灯表示態様(点灯表示させるランプの個数)を変更する処理と、取得した乱数値(この実施の形態では、大当り判定乱数、確変判定乱数)をRAM104に設けられた始動記憶の保存領域に保留球数カウンタのカウント値に対応させて記憶する処理と、を行う。このように、保留球数カウンタは、始動記憶の保存領域に記憶される乱数値の数を示すカウンタである。また、ステップS31において保留球数カウンタの値が上限値である場合にはステップS30で取得した乱数値を破棄する。なお、ステップS30で上始動口52または下始動口54に遊技球が入賞したと判別したときには、ステップS30〜ステップS32の間で各種乱数を取得すればよく、例えば、ステップS30で各種乱数を取得せずに、ステップS31で保留球数カウンタが上限値未満であることを判別した後に、各種乱数を取得してもよいし、始動記憶格納処理(ステップS32)で取得するようにしてもよい。
処理選択フラグが「0」のときに実行される変動開始処理(ステップS40)では、始動記憶数を確認し、始動記憶数が0でなければ、特別図柄の変動表示を開始するための設定を行う。詳しくは後述するが具体的には、大当り遊技状態を発生させるか否かの判定を行い、大当り遊技状態を発生させる場合には、確変大当りとするか否かを判定する。処理選択フラグが「1」のときに実行される変動表示パターン設定処理(ステップS41:図柄変動態様決定手段)では、特別図柄及び装飾図柄の変動表示に関わる設定を行う。詳しくは後述するが具体的には、特別図柄の変動表示パターンを決定し、当該変動表示パターンに対応して設定される変動時間(特別図柄表示器141にて特別図柄の変動表示を開始してから停止表示するまでの時間)をタイマにセットする。処理選択フラグが「2」のときに実行される変動中処理(ステップS42)では、変動表示パターン設定処理(ステップS41)で変動時間が設定されたタイマを監視し、タイマがタイムアウトしたことに基づいて特別図柄表示器141における特別図柄の変動表示を停止させる処理を行う。このとき、変動開始処理(ステップS40)にて大当り遊技状態とする判定がなされていれば、処理選択フラグを「3」に更新し、大当り遊技状態とする判定がなされていなければ処理選択フラグを「0」に更新する。
また、処理選択フラグが「3」のときに実行される大当り遊技開始処理(ステップS43)では、大当り遊技状態を開始するための設定を行う。具体的には、サブ統合基板111に大当り遊技状態の開始表示の実行を指示する大当り開始コマンドを送信すると共に、アタッカ装置60の開放回数等の設定を行う。
処理選択フラグが「4」のときに実行される大当り遊技中処理(ステップS44)では、大当り遊技状態が開始された場合に、カウントスイッチ175aによって検出された遊技球の個数を判別し、所定個数(この実施の形態では、10個)の遊技球が大入賞口62に入賞したとき、または、所定期間(この実施の形態では、30秒)が経過したときアタッカ装置60を閉塞状態にするための処理を行うと共に、サブ統合基板111に大当り遊技状態中の表示(例えば、ラウンド表示等)の実行を指示する大当り中コマンドを送信する。また、大当り遊技状態におけるラウンド回数が所定回数(この実施の形態では、15回)に達していなければ、再び、アタッカ装置60を開放状態にするための処理を行い、大当り遊技状態におけるラウンド回数が所定回数に達したときには、サブ統合基板111に大当り遊技状態の終了表示の実行を指示する大当り終了コマンドを送信すると共に処理選択フラグを「0」に更新する。
図33は、変動開始処理(ステップS40)の一例を示すフローチャートである。変動開始処理において、CPU102は、保留球数カウンタの値が0であるか否か判別する(ステップS401)。上述したように、保留球数カウンタの値は、始動記憶の保存領域に格納される乱数値の数を示すものであるため、ステップS401で保留球数カウンタの値が0であれば、始動記憶がないと判別されて処理を終了する。
一方、ステップS401で保留球数カウンタの値が0でなければ、始動記憶移行処理を実行する(ステップS402)。始動記憶移行処理では、保留球数カウンタを1減算する処理と、RAM104に設けられた始動記憶の保存領域に記憶される各種乱数をシフトした後、始動記憶の保存領域のうち保留球数カウンタの0に対応する保存領域に保存される各種乱数(大当り判定乱数等)を読み出す処理と、を行う。具体的には、始動記憶の保存領域にて保留球数カウンタのn(n=1、2、3、4)に対応する保存領域に記憶されている各種乱数を始動記憶の保存領域における保留球数カウンタのn−1(n=0、1、2、3)に対応する保存領域に記憶させる。
次いで、ステップS402で保留記憶の保存領域のうち保留球数カウンタの0に対応する保存領域から読み出した大当り判定乱数を用いて大当り遊技状態を発生させるか否かの判定を行い、大当り遊技状態を発生させる場合には、確変大当りとするか否かを判定する大当り判定処理を行った後(ステップS403:当落判定手段)、処理選択フラグを「1」に更新する(ステップS404)。処理選択フラグを「1」に更新することにより、次にタイマ割込処理が発生し、遊技処理(ステップS14)が実行されたときに変動表示パターン設定処理(ステップS41)が実行可能となる。
図34は、大当り判定処理(ステップS404)の一例を示すフローチャートである。大当り判定処理において、CPU102は、大当り遊技中処理(ステップS44)でセットされる確変フラグがON状態であるか(セットされているか)否かを判別する(ステップS51)。確変フラグがON状態であれば、確変状態時大当り判定テーブル(図示しない)を選択し(ステップS52:高確率状態制御手段)、確変状態フラグがON状態でなければ(OFF状態であれば)、通常・時短状態時大当り判定テーブル(図示しない)を選択する(ステップS53:通常状態制御手段)。なお、確変状態時大当り判定テーブルでは、0〜979までの980個の大当り判定乱数のうち大当り判定乱数と一致することにより大当り遊技状態を発生させることが決定される大当り判定値が14個設定され、大当りとなる確率である大当り確率が1/70となっている。一方、通常・時短状態時大当り判定テーブルでは、0〜979までの980個の大当り判定乱数のうち大当り判定値が2個設定され、大当り確率が1/490となっている。
そして、ステップS52,S53で選択した確変状態時大当り判定テーブル、または、通常・時短状態時大当り判定テーブルに設定されている判定値と、ステップS402の始動記憶移行処理で読み出した大当り判定乱数の値と、が一致するか否かによって、大当り遊技状態を発生させるか否か判定する(ステップS54)。ステップS52,S53で選択した確変状態時大当り判定テーブル、または、通常・時短状態時大当り判定テーブルに設定されている判定値と、ステップS402の始動記憶移行処理で読み出した大当り判定乱数の値(保留球数カウンタの0に対応する保存領域に保存される大当り判定乱数の値)と、が一致することに基づいて大当り遊技状態を発生させると判定したときには、大当りフラグをON状態(セット)とした後に(ステップS55)、所定の判定値が設定された確変判定テーブル(図示しない)に基づいて確変大当りとするか否かを判定する(ステップS56:高確率状態判定手段)。具体的には、ステップS402の始動記憶移行処理で読み出した確変判定乱数の値(保留球数カウンタの0に対応する保存領域に保存される確変判定乱数の値)と、確変判定テーブルに設定されている判定値と、が一致するか否かに基づいて確変大当りとするか否か判定する。なお、本実施形態では、確変突入率(大当りのうち確変大当りとする割合)が2/3となるように、即ち、0〜8までの9個の確変判定乱数のうち確変大当りとすることに決定される6個の判定値が確変判定テーブルに設定されている。
ステップS56で、確変判定テーブルに設定されている判定値と、ステップS402の始動記憶移行処理で読み出した確変判定乱数の値と、が一致したことに基づいて確変大当りと判定されたときには、確変状態フラグをON状態(セット)とする(ステップS57)。一方、ステップS54で大当りとしない(はずれとする)と判定されたとき、及び、ステップS56で確変大当りとしない(非確変大当りとする)と判定されたとき、には、以下の処理を実行することなく処理を終了する。なお、大当りフラグ及び確変状態フラグのON/OFF状態(セット状態、リセット状態)は、RAM104に記憶される。また、大当りフラグ及び確変状態フラグのOFF状態(リセット状態)とは「0」の値がセットされることであり、大当りフラグ及び確変状態フラグのON状態(セット状態)とは「1」の値がセットされることである。
なお、大当りフラグは、大当り遊技状態への移行制御を示すフラグであり、大当り遊技開始処理(ステップS43)にて大当りフラグがセットされていれば、大当り遊技状態を発生させる。また、確変状態フラグは、大当り遊技状態終了後に確率変動状態への移行制御を示すフラグであり、大当り遊技中処理(ステップS44)にて大当り遊技状態を終了するときに確変状態フラグがセットされていれば、確変状態フラグをリセットし、確変状態を示す確変フラグをセットする処理が実行される。確変フラグがセットされた状態では、上述した確率変動状態に制御され、例えば、上述したステップS52の確変状態時大当り判定テーブルが選択されて確率変動状態以外の状態(通常状態、時短状態)よりも大当り遊技状態を発生させると判定される確率が高まる。また、大当り遊技開始処理(ステップS43)にて確変フラグがセットされている場合には、確変フラグをリセットする処理が実行される。
図35は、変動表示パターン設定処理(ステップS41)の一例を示すフローチャートである。変動表示パターン設定処理において、CPU102は、今回の変動表示の結果、大当りとするか否か、即ち、大当りフラグがセットされているか否かを判別し(ステップS410)、大当りフラグがセットされていれば(ON状態であれば)、大当りとなる場合に用いられる変動表示パターンが設定された大当り時変動表示パターンテーブル(図36参照)を選択する(ステップS412)。また、大当りフラグがセットされていなければ(OFF状態であれば)、リーチ判定乱数を取得し、RAM104の所定の保存領域に記憶すると共に、所定の判定値が設定されたリーチ判定テーブルに設定されている判定値と、取得したリーチ判定乱数の値と、が一致するか否かによって、リーチとするか否かを判定する(ステップS411)。リーチ態様とすると判定されたときには、リーチ態様を伴うはずれ図柄を導出する態様が示された変動表示パターンが設定されたリーチ時変動表示パターンテーブル(図36参照)を選択し(ステップS413)、リーチ態様としないと判定されたときには、リーチ態様を伴わないはずれ図柄を導出する態様が示された変動表示パターンが設定されたはずれ時変動表示パターンテーブル(図36参照)を選択する(ステップS414)。なお、リーチ判定テーブルでは、リーチ確率(リーチ態様とする割合)が1/12.5となるように、即ち、0〜24までの25個のリーチ判定乱数のうち2個の判定値がリーチ判定テーブルに設定されている。
そして、変動表示パターン乱数を取得し、RAM104の所定の保存領域に記憶すると共に、ステップS411,S413,S414で選択された大当り時変動表示パターンテーブル、リーチ時変動表示パターンテーブル、はずれ時変動表示パターンテーブル、のいずれか1つの変動表示パターンテーブルに設定されている判定値と、取得した変動表示パターン乱数の値と、が一致する変動表示パターンに決定する(ステップS415)。
なお、はずれ時変動表示パターンテーブルは、後述する変動番号1の「通常変動」の変動表示パターンのみ設定されるテーブルと、変動番号2の「短縮変動」の変動表示パターンのみ設定されるテーブルと、を有し、上述した時短制御が実行されていない場合には、変動番号1の「通常変動」の変動表示パターンのみ設定されるテーブルが選択され、時短制御が実行されている場合には、変動番号2の「短縮変動」の変動表示パターンのみ設定されるテーブルが選択される。即ち、時短制御が実行されていない場合には、変動番号1の「通常変動」の変動表示パターンに決定され、時短制御が実行されている場合には、変動番号2の「短縮変動」の変動表示パターンに決定される。また、変動番号2の「短縮変動」の変動表示パターン(テーブル)は、時短制御が実行されていない場合であっても、始動口スイッチ170a,170bにより検出されたことに基づいて抽出された大当り判定乱数の記憶数を示す保留球数カウンタの値が上限値、確率変動状態、等の条件のうちいずれかが成立したときに選択され得る。
次いで、ステップS415で決定した変動表示パターンを指定する演出コマンドとして変動表示パターンコマンドをセットし(ステップS416)、当該変動表示パターンに応じた変動時間を主基板101に搭載されるRAM104に設けられたタイマ(この実施の形態では、有効期間タイマ)にセットする(ステップS417)。ステップS417では、ステップS415で決定した変動表示パターンに設定されている変動時間を有効期間タイマにセットする。なお、ステップS416でセットされた変動表示パターンコマンドは、コマンド伝送出力処理(ステップS19)にてサブ統合基板111に送信される。また、変動表示パターンコマンドをコマンド伝送出力処理でサブ統合基板111に送信するときには、特別図柄遊技にて特別図柄表示器41に駆動信号を出力し、特別図柄の変動表示を開始させる。
ここで、変動表示パターンコマンドは、2バイト構成のデータであり、各変動表示パターンコマンドには、特別図柄表示器41にて特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄の変動表示が停止表示されるまでの変動時間やリーチ演出(当落演出)を特定するためのデータが含まれる。この2バイト構成の変動表示パターンコマンドのうち、1バイト目は、変動表示パターンであることを特定可能なデータであり、2バイト目は、変動番号(変動表示パターン)を特定可能なデータである。即ち、サブ統合基板111に搭載される統合CPU112は、1バイト目のデータに基づいて変動表示パターンであることを認識可能であり、さらに、2バイト目のデータに基づいて変動表示パターンを特定する。
なお、ステップS415で決定される変動表示パターンを図36を参照して説明する。図36は、変動表示パターンの一例を示す一覧表図である。液晶表示装置50には、特別図柄の変動時間(特別図柄表示器141にて特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄の変動表示が停止表示されるまでの時間)に、変動表示パターンに従った演出態様が画像表示される。ここでは、本実施形態のパチンコ機1におけるゲームコンセプトに沿って、創作的ストーリーに登場するキャラクタである「ゴン」(ゴンキャラクタGC)を主人公とし、彼を取り巻く「ゴン父」(ゴン父キャラクタTC:主人公の父親)、「ピーコ」(ピーコキャラクタPC:主人公の女友達)、「類人猿」(類人猿キャラクタRC)、「モグラ」(モグラキャラクタMOC)、「マンモス」(マンモスキャラクタMC)、「サーベルタイガー」(サーベルタイガーSC)等の行動を原始時代の地球を背景としてコミカルに表現し、当落の結果に対する期待感を向上させ、遊技の興趣の低下を抑制している。
変動番号1の「通常変動」とは、リーチ態様を伴わない変動表示パターンである。変動番号2の「短縮変動」とは、特別図柄及び装飾図柄の変動時間が「通常変動」よりも短い変動表示パターンである。変動番号3,4の「ノーマルリーチ」とは、リーチ態様を伴ってノーマルリーチ演出の実行後にスーパーリーチ演出を実行しない変動表示パターンである。なお、スーパーリーチ演出は、ノーマルリーチ演出の実行後に後述する第1乃至第3の段階演出が実行され、当該第1乃至第3の段階演出から継続して行われるリーチ演出のことである。
また、変動番号5,6の「ゴン父リーチ」とは、ノーマルリーチ演出の実行後のスーパーリーチ演出として、ゴン父キャラクタTCが石斧を、一方向に並べられた複数の装飾図柄に向かって勢いよく投げ飛ばすことで装飾図柄を粉砕し、粉砕できずに残った装飾図柄を停止図柄とするゴン父リーチ演出を実行する変動表示パターンである。
また、変動番号9,10の「類人猿リーチ」とは、ノーマルリーチ演出の実行後のスーパーリーチ演出として、類人猿キャラクタRCが一方向に積み上げられた複数の装飾図柄を、素手によって下方の装飾図柄から順に粉砕し、粉砕できずに残った装飾図柄を停止図柄とする類人猿リーチ演出を実行する変動表示パターンである。
また、変動番号13,14の「ゴンリーチ」とは、ノーマルリーチ演出の実行後のスーパーリーチ演出として、ゴンキャラクタGC及びピーコキャラクタPCがサーベルタイガーキャラクタSCに崖に追い詰められ、複数の装飾図柄と共に崖下に落下し、最後に崖下に落下してきた装飾図柄を停止図柄とするゴンリーチ演出を実行する変動表示パターンである。
また、変動番号7,8,11,12,15,16の「崖崩れリーチ」とは、ゴン父リーチ演出、類人猿リーチ演出またはゴンリーチ演出のいずれかのスーパーリーチ演出の実行後の発展演出として、ゴン父キャラクタTC、類人猿キャラクタRC及びゴンキャラクタGCの3人組が崖上から次々と落下してくる装飾図柄に右往左往し、もう逃げられないといった場面で3人組が協力して装飾図柄を崖上に持ち上げ、持ち上がれば当該装飾図柄を停止図柄とし、持ち上げられなければ当該装飾図柄以外の装飾図柄を停止図柄とする崖崩れリーチ演出を実行する変動表示パターンである。この崖崩れリーチ演出は、ゴン父リーチ演出、類人猿リーチ演出またはゴンリーチ演出のいずれのスーパーリーチ演出を経由してもよく、それぞれゴン父キャラクタTC、類人猿キャラクタRCまたはゴンキャラクタGCが「ギャー」と発声したことを契機に実行される共通の発展演出である。
また、変動番号17,18の「玉乗りリーチ」とは、ノーマルリーチ演出の実行後のスーパーリーチ演出として、それぞれゴン父キャラクタTC、類人猿キャラクタRC及びゴンキャラクタGCが一方向に各々回転している装飾図柄に玉乗りの如く乗せられ、次々に迫り来る装飾図柄に乗り換えながら停止図柄を決定する玉乗りリーチ演出を実行する変動表示パターンである。
また、変動番号19,20の「石文字リーチ」とは、玉乗りリーチ演出の実行後の発展演出として、ゴンキャラクタGCが回転している装飾図柄に弾き飛ばされることで火山の入口に放り込まれ、装飾図柄と共に地球から飛び出すほど爆発的な噴火を繰り返しながら停止図柄を決定する石文字リーチ演出を実行する変動表示パターンである。
また、変動番号21〜26の「歌リーチ」とは、ノーマルリーチ演出の実行後のスーパーリーチ演出として、装飾図柄と対応する対応図柄が夜空に星座群として表示され(対応図柄表示制御手段)、当該歌リーチ中に流れる曲の各楽句に応じて対応図柄の表示態様が順次変化しながら停止図柄を決定する歌リーチ演出(所定のリーチ演出)を実行する変動表示パターンである。なお、「歌リーチ」は、変動番号21〜23の「歌ショートリーチ(短縮当落演出)」と、該「歌ショートリーチ」に比べて演出期間が長く設定された変動番号24〜26の「歌ロングリーチ(特定当落演出)」とに分類される。また、「歌ショートリーチ」のうち表示結果が当りとなる変動表示パターンは、変動番号22の「歌ショートリーチA」と変動番号23の「歌ショートリーチB」の2種類あり、「歌ロングリーチ」のうち表示結果が当りとなる変動表示パターンは、変動番号25の「歌ロングリーチA」と変動番号26の「歌ロングリーチB」の2種類ある。
また、変動番号27,28の「マンモスリーチ」とは、ノーマルリーチ演出の実行後のスーパーリーチ演出として、類人猿キャラクタRC及びゴンキャラクタGCの2人組がマンモスキャラクタMCに崖に追い詰められるが、2人組とマンモスキャラクタMCとの間には装飾図柄が邪魔しており、巨体をなすマンモスキャラクタMCが足の裏で装飾図柄を砕こうとする一方、これを2人組が阻止しようとする駆け引きにより停止図柄を決定するマンモスリーチ演出を実行する変動表示パターンである。
また、変動番号29,30の「マンモスリーチ発展」とは、マンモスリーチ演出の実行後の発展演出として、マンモスキャラクタMCが鼻先で装飾図柄を転がし、類人猿キャラクタRC及びゴンキャラクタGCの2人組を一方、れを2人組が阻止しようとする駆け引きにより停止図柄を決定するマンモスリーチ発展演出を実行する変動表示パターンである。
また、変動番号31,32の「死神リーチ」とは、ノーマルリーチ演出を実行しないスーパーリーチ演出として、死神キャラクタ(図示しない)が停止図柄を決定する死神リーチ演出を実行する変動表示パターンである。また、変動番号33の「全回転リーチ」とは、ノーマルリーチ演出を実行しない大当り確定演出として、大当り図柄の組み合わせとなった装飾図柄を同期変動する全回転リーチ演出を実行する変動表示パターンである。
また、各々の変動表示パターンには、特別図柄の変動時間(特別図柄表示器141にて特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄の変動表示が停止表示されるまでの時間)が設定されている。特別図柄の変動時間は、サブ統合基板111に送信される変動表示パターンコマンドによって指定される装飾図柄の変動時間とほぼ一致して設定されており、ステップS415では特別図柄の変動時間に応じた装飾図柄の変動時間を有する変動表示パターンに決定される。即ち、特別図柄の変動時間と装飾図柄の変動時間とは、完全に一致していなくてもよい。
また、各々の変動表示パターンには、リーチ態様とした後にリーチ演出が多く実行されるほど演出の実行時間が長くなることに伴って、特別図柄及び装飾図柄の変動時間が長く設定されている。具体的には、特別図柄及び装飾図柄の変動時間は、ノーマルリーチ演出のみを実行する変動表示パターン(例えば、変動番号3,4)よりも、ノーマルリーチ演出の実行後にスーパーリーチ演出を実行する変動表示パターン(例えば、変動番号5,6,9,10,13,14,17,18,27,28)の方が長く設定され、さらにスーパーリーチ演出の実行後に発展演出を実行する変動表示パターン(例えば、変動番号7,8,11,12,15,16,19,20,29,30)の方が長く設定されている。
また、変動番号3〜32の変動表示パターンでは、当落の結果に応じて大当り時とはずれ時とで同一または類似した演出態様でリーチ演出が実行され、また、該リーチ演出に応じた特別図柄及び装飾図柄の変動時間がほぼ一致して設定されていることから、演出を見るだけでは当否の認識が困難となり、遊技者をハラハラドキドキさせることができ、遊技の興趣を低下させることがない。
この実施の形態では、ステップS411で選択される大当り時変動表示パターンテーブルには、変動番号3〜33の変動表示パターンのうち当落の結果が大当りとなる変動表示パターン(図36に示す変動表示パターンテーブルの当落にて○が付されている変動表示パターン)が設定され、これらの変動表示パターンに判定値が振り分けられている。また、ステップS413で選択されるリーチ時変動表示パターンテーブルには、変動番号3〜33の変動表示パターンのうち当落の結果がはずれとなる変動表示パターン(図36に示す変動表示パターンテーブルの当落にて×が付されている変動表示パターン)が設定され、これらの変動表示パターンに判定値が振り分けられている。
また、はずれ時変動表示パターンテーブルのうち上述した時短制御が実行されていない場合に選択されるテーブルには、当落の結果がはずれとなる変動番号1の「通常変動」の変動表示パターンに全ての判定値が振り分けられ、はずれ時変動表示パターンテーブルのうち時短制御が実行されている場合に選択されるテーブルには、当落の結果がはずれとなる変動番号2の「短縮変動」の変動表示パターンに全ての判定値が振り分けられている。
また、大当り時変動表示パターンテーブル及びリーチはずれ時変動表示パターンテーブルでは、リーチ演出の種別に応じて大当り期待度が異なるように各々の変動表示パターンに対して判定値が振り分けられている。具体的には、ノーマルリーチ演出のみを実行する変動表示パターンよりもスーパーリーチ演出を実行する変動表示パターンの方が大当り期待度が高くなるように設定され、さらにスーパーリーチ演出の実行後に発展演出を実行する変動表示パターンの方が大当り期待度が高くなるように設定されている。なお、スーパーリーチ演出を実行する変動表示パターンにおいては、ゴン父リーチ演出(変動番号5,6)、類人猿リーチ演出(変動番号9,10)、ゴンリーチ演出(変動番号13,14)を実行する変動表示パターンの大当り期待度が同程度に設定され、次いで、玉乗りリーチ演出(変動番号17,18)、マンモスリーチ演出(変動番号27,28)、崖崩れリーチ演出(変動番号7,8,11,12,15,16)、石文字リーチ演出(変動番号19,20)、歌リーチ演出(変動番号21〜26)、マンモスリーチ発展演出(変動番号29,30)、死神リーチ演出(変動番号31,32)、全回転リーチ演出(変動番号33)の変動表示パターンの大当り期待度が順に高くなるように設定されている。
次いで、CPU102は、確変状態フラグがセットされているか否か確認し(ステップS418)、確変状態フラグがセットされているときには、確変大当りであることを示す演出コマンドである確変大当りコマンドをセットする(ステップS419)。そして、処理選択フラグを「2」に更新する(ステップS420)。なお、ステップS419にてセットされた確変大当りコマンドは、変動表示パターンコマンドと共にコマンド伝送出力処理(ステップS19)にてサブ統合基板111に送信される。これによりサブ統合基板111に搭載される統合CPU112に今回の変動表示の結果、確変大当りとなることを認識させることが可能となる。
なお、変動表示パターン設定処理では、当落の結果を示す演出コマンドとして確変大当りコマンド以外にも、大当りフラグ及び確変状態フラグがセットされているか否かを確認し、大当りフラグがセットされているが確変状態フラグがセットされていないときに非確変大当りを示す当落コマンドや、大当りフラグがセットされていないときにはずれを示す当落コマンドをセットする処理が実行される。サブ統合基板111に搭載される統合CPU112は、変動表示パターンコマンドと共に送信された当落コマンドにより今回の変動表示の結果、非確変大当りとなることを認識することができる。この実施の形態では、変動表示パターンコマンドにも当落の結果を示す情報が含まれており、統合CPU112は、変動表示パターンコマンドと当落コマンドとの示す当落の結果が一致するか否かを判別している。これにより、統合CPU112に今回の変動表示の結果を確実に認識させることができ、外部ノイズの影響等が原因でコマンド受信に失敗し、間違った変動表示の結果を表示するといった誤動作を防止することができる。
また、変動表示パターン設定処理では、遊技状態を示す演出コマンドとして、確変フラグまたは時短フラグがセットされているか否かを確認し、確変フラグがセットされているときに遊技状態が確変状態であることを示す遊技状態コマンドや、時短フラグがセットされているときに遊技状態が時短状態であることを示す遊技状態コマンドをセットする処理が実行される。遊技状態コマンドは、変動表示パターンコマンド及び当落コマンドと共にコマンド伝送出力処理(ステップS19)にてサブ統合基板111に送信される。サブ統合基板111に搭載される統合CPU112は、遊技状態コマンドが確変状態を示すことで遊技状態が確変状態であることを認識することができ、時短状態を示すことで遊技状態が時短状態であることを認識することができる。
なお、時短フラグは、大当り判定処理のステップS56で確変大当りとしない(非確変大当りとする)と判定されたときにセットされるフラグであり、大当り遊技中処理(ステップS44)にて大当り遊技状態を終了するときにセットする処理が実行される。時短フラグがセットされている場合には、時短状態に制御され、例えば、ステップS414ではずれ時変動表示パターンテーブルから特別図柄の変動時間を通常状態よりも短縮した変動番号2の「短縮変動」の変動表示パターンが選択される。また、大当り遊技状態終了後に所定回数の特別図柄の変動表示が実行されるまでに大当り判定処理のステップS54で次回の大当り遊技状態を発生させると判定された場合、または、大当り遊技状態終了後に所定回数の特別図柄の変動表示が実行された場合、には、時短フラグをリセットする処理が実行される。なお、時短フラグのON/OFF状態(セット状態、リセット状態)は、RAM104に記憶される。また、時短フラグのOFF状態(リセット状態)とは「0」の値がセットされることであり、時短フラグのON状態(セット状態)とは「1」の値がセットされることである。
また、ステップS417で変動時間がセットされた有効期間タイマは、コマンド伝送出力処理(ステップS19)で変動表示パターンコマンドをサブ統合基板111に送信するときにスタートし、変動中処理(ステップS42)で有効期間タイマがタイムアウトしたときに特別図柄表示器141に駆動信号を出力して特別図柄の変動表示をCPU102により停止制御させると共に、サブ統合基板111に装飾図柄の変動表示停止を指示する演出コマンド(変動停止コマンド)を送信する。なお、サブ統合基板111では、変動停止コマンドを受信したことに基づいて装飾図柄の停止を確定表示するための制御を行う。
また、表示装置に複数の表示領域を設け、それぞれの表示領域にて図柄を変動表示する場合には、上述した大当り判定処理にて大当りとする判定がなされたときに、特定表示結果で停止表示する表示ラインを複数有する場合には、いずれかの表示ラインにて未だ停止していない図柄が所定の図柄で停止することにより当該表示ラインに停止表示される図柄が特定表示結果となる状態、または、いずれかの表示ラインにて全ての図柄が特定表示結果となるような組み合わせで同期して変動表示している状態、をリーチ態様という。即ち、リーチ態様とは、特定表示結果(大当り表示)の一歩手前を表す態様(大当りとなる直前の態様)である。この実施の形態では、上述した表示ラインを1つだけ有し、液晶表示装置50に表示される左・中・右の装飾図柄のうち左装飾図柄と右装飾図柄と(任意の2つの装飾図柄の組み合わせでもよい)が同一の図柄で停止し、中装飾図柄(任意の2つの装飾図柄の組み合わせが停止した状態では残りの装飾図柄)については変動表示している状態、または、液晶表示装置50に表示される全ての装飾図柄が同一の図柄の組み合わせで同期して変動表示している状態(例えば、左・中・右の装飾図柄が常に同一の図柄となるように同期して変動表示している状態)をリーチ態様といい、リーチ態様となった後、枠ランプ27、遊技盤ランプ92,204a、液晶表示装置50、上部スピーカ36、及び下部スピーカ14等により実行される演出(例えば、枠ランプ27を所定の態様で点灯・点滅、液晶表示装置50にて所定の画像表示、上部スピーカ36及び下部スピーカ14にて所定の音声出力)をリーチ演出という。
次に、サブ統合基板111に搭載される統合CPU112によって実行される処理について説明する。図37はサブメイン処理の一例を示すフローチャートであり、図38は16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。
図37に示すように、パチンコ機1への電力供給が開始されると、統合CPU112は、初期設定処理を行う(ステップS71)。この初期設定処理は、サブ統合基板111に搭載される統合RAM114をクリアする処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割込禁止となっており、初期設定処理のあと割込許可となる。初期設定処理(ステップS71)が終了すると、16ms経過フラグTがセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS72)。
この実施の形態では、統合CPU112は、2ms経過毎に割込を発生させ、2ms定常処理を実行する。2ms定常処理では、16ms経過監視カウンタをカウントアップする(16ms経過監視カウンタを1加算する)処理が実行され、16ms経過監視カウンタの値が8になったとき、即ち、16ms経過したときに16ms経過フラグTをセットすると共に、16ms経過監視カウンタをリセット(0にする)処理が実行される。このように、16ms経過フラグTは、2ms定常処理にて16ms毎に「1」に設定(セット)され、通常は「0」に設定(リセット)されている。ステップS72で16ms経過フラグがセットされている(16ms経過フラグTが「1」)ときには、16ms経過フラグをリセットした後(ステップS73)、16ms定常処理を行う(ステップS74)。
この16ms定常処理では、主基板101から受信した演出コマンドに基づいて画像表示装置42、枠ランプ27,遊技盤ランプ、スピーカ14,36、回転ユニット60等を制御する処理が実行される。16ms定常処理が終了すると、再びステップS72に戻り、16ms経過フラグTがセットされる毎に、つまり16ms毎に上述したステップS73〜ステップS74を繰り返し行う。一方、ステップS72で16ms経過フラグTがセットされていない(16ms経過フラグTが「0」)ときには、16ms経過フラグTがセットされるまでループ処理を行う。
図38は、サブメイン処理にて16ms毎に実行される16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。16ms定常処理において、サブ統合CPU112は、ステップS91〜ステップS95の処理を実行する。ステップS91のコマンド解析処理では、主基板101から受信した演出コマンドを解析する。ステップS92の演出制御処理(表示制御手段、リーチ演出実行手段、特定当落演出実行手段、短縮当落演出実行手段では、変動表示パターンコマンドに基づいて液晶表示装置50に関わる制御処理を実行する。具体的には、後述する予告演出の設定、装飾図柄の停止図柄の決定、等を行う。
また、ステップS93の音制御処理では、スピーカ14,36に関わる制御処理を実行する。ステップS94のランプ制御処理では、遊技盤ランプ92,204a、枠ランプ27に関わる制御処理を実行する。ステップS95の情報出力処理では、表示制御基板120に表示コマンドを送信すると共に、ランプ駆動基板119にソレノイド駆動信号及びランプ点灯信号を送信する。ステップS96の乱数更新処理では、演出制御処理(ステップS92)で各種設定に用いられる乱数を更新する処理を実行する。
ここで、上述した乱数更新処理(ステップS96)でサブ統合基板111に搭載される統合CPU112により更新される各種乱数について図39を参照して説明する。図39に示すように、この実施の形態では、装飾図柄の停止図柄として確変大当り図柄の決定に用いられる確変大当り図柄乱数、装飾図柄の停止図柄として非確変大当り図柄の決定に用いられる非確変大当り図柄乱数、装飾図柄の停止図柄としてはずれ図柄の決定に用いられるはずれ図柄乱数、発展式予告を実行するか否かを判定すると共に、発展式予告を実行すると判定されたときに発展式予告パターンの決定に用いられる発展式予告パターン乱数、変動表示パターンが歌リーチ演出の変動表示パターンに決定されて、該歌リーチ演出に伴うボタン演出のパターンの決定に用いられるボタン演出パターン乱数、ボタン演出時のキャラクタの決定に用いられるキャラクタ選択乱数、等がある。
なお、各種乱数(確変大当り図柄乱数、非確変大当り図柄乱数、はずれ図柄乱数、発展予告パターン乱数、等)は、コマンド解析処理(ステップS91)にて主基板101から受信した演出コマンドが変動表示パターンであるときに取得されるが、ボタン演出パターン乱数は、後述する装飾図柄変動処理(ステップS701)のボタン演出処理(ステップS751)にて変動表示パターンが歌リーチ演出であると判定された場合に取得され、キャラクタ選択乱数は、ボタン演出処理(ステップS751)における所定のボタン入力有効期間内に操作ボタン18aから操作信号が入力されたときに取得される。
また、16ms定常処理におけるステップS91〜ステップS96の処理は16ms以内に終了する。仮に、16ms定常処理を開始してから当該16ms定常処理の終了までに16ms以上かかったとしても、16ms定常処理を開始してから16ms経過したときに直ぐに16ms定常処理を最初から(後述するステップS91のコマンド解析処理から)実行しない。即ち、16ms定常処理の実行中に16ms経過したときには、16ms経過フラグのセットのみを行い、当該16ms定常処理の終了後にステップS72で16ms経過フラグがセットされていると判定されたときに16ms定常処理を開始する。
また、この実施の形態では、16ms定常処理にて乱数更新処理(ステップS96)を実行して各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)はこれに限られるものではない。例えば、サブメイン処理におけるループ処理及び16ms定常処理のいずれか一方または両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
図40は、コマンド解析処理(ステップS91)の一例を示すフローチャートである。コマンド解析処理において、統合CPU112は、先ず、主基板101から演出コマンドを受信したか否かを判別する(ステップS601)。この実施の形態では、主基板101から演出コマンドを受信すると、16ms定常処理等の他の処理を中断してコマンド受信割込処理を発生させ、受信したコマンドを、サブ統合基板111に搭載される統合RAM114における受信コマンド格納領域に保存する。なお、受信コマンド格納領域は、演出コマンドの受信順に対応して複数の領域が設けられ、コマンド受信割込処理では、演出コマンドの受信順に対応して各領域に保存する。ステップS601では、受信コマンド格納領域の内容を確認し、受信コマンドが記憶されていれば、受信コマンド格納領域の受信順が先の演出コマンドを読み出す(ステップS602)。
そして、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドであるか判別し(ステップS603)、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドであれば(ステップS603にてYES)、変動表示パターン受信フラグをセットすると共に、サブ統合基板111に搭載される統合RAM114における変動表示パターン格納領域に格納する(ステップS604)。
一方、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドでなければ(ステップS603にてNO)、読み出した演出コマンドが確変大当りコマンドであるか判別し(ステップS605)、読み出した演出コマンドが確変大当りコマンドであれば(ステップS605にてYES)、確変大当りフラグをセットする(ステップS606)。また、読み出した演出コマンドが確変大当りコマンドでなければ(ステップS605にてNO)、受信した演出コマンド(確変大当りコマンド以外の当落コマンド、遊技状態コマンド等)に対応したフラグをセットする(ステップS607)。
図41は、演出制御処理(ステップS92)の一例を示すフローチャートである。演出制御処理において、統合CPU112は、遊技の進行状態を示す処理選択フラグの値を参照してステップS700〜ステップS702のうちいずれかの処理を行う。
処理選択フラグが「0」のときに実行される装飾図柄変動開始処理(ステップS700:停止識別情報決定手段)では、変動表示パターンコマンドを受信していれば装飾図柄の変動表示を開始させるための設定を行う。具体的には、変動表示パターンコマンド及び確変大当りコマンドに応じて装飾図柄の停止図柄を決定すると共に、予告演出等の設定を行い、処理選択フラグを「1」に更新する。
処理選択フラグが「1」のときに実行される装飾図柄変動処理(ステップS701)では、歌リーチ演出が実行されていれば操作ボタン18aのボタン入力有効期間の設定を行った後、ボタン入力有効期間であるか否かを監視し、該ボタン入力有効期間中に操作ボタン18aから入力された操作信号に応じてボタン演出の設定を行う。また、変動停止コマンドを受信したときに表示制御基板120に表示コマンドを送信して装飾図柄の変動表示を停止させる制御を行い、主基板101から大当り開始コマンドを受信していれば処理選択フラグを「2」に更新し、主基板101から大当り開始コマンドを受信していなければ処理選択フラグを「0」に更新する。
処理選択フラグが「2」のときに実行される大当り表示処理(ステップS702)では、主基板101から送信される大当り開始コマンドに応じて画像表示装置42に大当り遊技状態の開始を示す表示を行うと共に、主基板101から送信される大当り中コマンドに応じて大当り遊技状態中の表示(例えば、ラウンド表示等)を行うための制御を実行し、大当り終了コマンドを受信していれば大当り遊技状態の終了表示を行い、処理選択フラグを「0」に更新する。
図42は、装飾図柄変動開始処理(ステップS700)の一例を示すフローチャートである。装飾図柄変動開始処理において、統合CPU112は、先ず、変動表示パターン受信フラグがセットされているか判別する(ステップS710)。変動表示パターン受信フラグは、上述したコマンド解析処理(ステップS91)のステップS604でセットされ、主基板101から変動表示パターンコマンドを受信したことを示すフラグである。即ち、ステップS710で変動表示パターン受信フラグがセットされていなければ(ステップS710にてNO)、変動表示パターンコマンドを受信していないと判別して処理を終了する。
一方、変動表示パターン受信フラグがセットされていれば(ステップS710にてYES)、変動表示パターン受信フラグをリセットし(ステップS711)、受信した変動表示パターンコマンドに基づく変動表示パターンが大当りを発生させる変動表示パターンであるか(当りパターンであるか)判別する(ステップS712)。当りパターンであるか否かは、変動表示パターンコマンドの2バイト目のデータを参照することにより確認できる。
変動表示パターンが当りパターンでなければ(ステップS712にてNO)、はずれ図柄の停止図柄を決定する(ステップS713)。また、変動表示パターンが当りパターンであれば(ステップS712にてYES)、確変大当りフラグがセットされているか判別し(ステップS714)、確変大当りフラグがセットされていれば(ステップS714にてYES)、確変大当り図柄の停止図柄を決定し(ステップS715)、受信した変動表示パターンコマンドが上述した再抽選演出を実行する再抽選パターンであれば(ステップS715にてYES)、再抽選演出を実行する前に液晶表示装置50に表示する仮停止図柄を決定する(ステップS715b)。なお、ステップS715bで決定する仮停止図柄は、高い割合で非確変大当り図柄となるように決定される。このように構成することで、再抽選演出にて非確変大当り図柄が確変大当り図柄に変わり、再抽選演出を実行する以前に確変大当り図柄が停止表示されたときよりも遊技者の興趣を向上させることができる。
一方、ステップS714で確変大当りフラグがセットされていなければ(ステップS714にてNO)、非確変大当り図柄の停止図柄を決定する(ステップS716)。また、確変大当りフラグは、大当り表示処理(ステップS702)にて大当り遊技状態を開始するときにリセットされる。なお、確変大当りフラグがリセットされる時期はこれに限らず、例えば、装飾図柄変動処理(ステップS701)で装飾図柄の変動表示を停止させるとき、具体的には、変動停止コマンドを受信したときにリセットするようにしてもよいし、大当り表示処理(ステップS702)で大当り遊技状態を終了するときにリセットするようにしてもよい。このように、この実施の形態では、受信した変動表示パターンコマンドが再抽選パターンであるときに、確変大当りとなる場合にのみ仮停止図柄を決定する。一方、受信した変動表示パターンコマンドが再抽選パターンであるときに、確変大当りとならない場合には、ステップS716で決定した停止図柄を仮停止図柄と共通して用いる。なお、受信した変動表示パターンコマンドが再抽選パターンであるときに、確変大当りとならない場合にも仮停止図柄を決定するようにしてもよく、この場合には、非確変大当り図柄を仮停止図柄に決定してもよい。即ち、確変大当りとならない場合に、仮停止図柄として確変大当り図柄が表示された後、再抽選演出を実行して非確変大当り図柄が確定表示されると遊技者の興趣が極端に低下するおそれがあるため、仮停止図柄を非確変大当り図柄とすることで興趣の低下を防止することが可能となる。なお、遊技者の興趣を極端に低下させたい場合には、受信した変動表示パターンコマンドが再抽選パターンであるときに、確変大当りとならない場合に非確変大当り図柄を仮停止図柄に決定してもよい。
この実施の形態では、装飾図柄の確変大当り図柄として同一の奇数図柄の組み合わせのうちいずれかの組み合わせの図柄を停止図柄として決定し、装飾図柄の非確変大当り図柄として同一の偶数図柄の組み合わせのうちいずれかの組み合わせの図柄を停止図柄として決定する。また、ステップS713ではずれ図柄の停止図柄を決定するときに、リーチ態様を伴う変動表示パターンであるかを判別し、リーチ態様を伴う変動表示パターンであれば、左・中・右の装飾図柄のうち左および右の装飾図柄が同一図柄であり、中の装飾図柄は左および右の装飾図柄とは異なる図柄となる停止図柄に決定する。一方、リーチ態様を伴わない変動表示パターンであれば、左・中・右の装飾図柄のそれぞれが異なる図柄となる停止図柄に決定する。
次いで、統合CPU112は、予告判定乱数に基づいて予告演出を実行するか否かの判定を行う予告選択処理を実行した後(ステップS717)、変動表示パターンと予告種類格納領域に記憶される予告パターンとステップS713,S715,S716で決定した装飾図柄の停止図柄とに応じた表示コマンドをセットする(ステップS718)。そして、処理選択フラグを「1」に更新して処理を終了する(ステップS719)。なお、ステップS718でセットされた表示コマンドは、情報出力処理(ステップS95)にて表示制御基板120に送信され、表示制御基板120に搭載される表示CPU121により当該表示コマンドを受信したことに基づいて液晶表示装置50にて装飾図柄の変動表示の実行を開始する。また、ステップS718で予告種類格納領域に記憶される予告パターンを読み出したときには、当該予告パターンを読み出した後、予告種類格納領域の内容をクリアする。これにより、次回の装飾図柄の変動表示にて誤って以前の装飾図柄の変動表示を開始するときに決定した予告パターンに基づく予告演出が実行されることを防止できる。
なお、装飾図柄50a〜50cは、変動表示の開始時に液晶表示装置50の画面内上方から下方に向けて低速変動から高速変動に移行して変動表示している。また、装飾図柄50a〜50cは、不透明の態様で変動表示しているが、高速変動させることで当該装飾図柄50a〜50cの変動表示領域の背面にある背景画像を見通すことができる。なお、装飾図柄50a〜50cの各々が停止表示される以前に、再び高速変動から低速変動へと移行させることで、装飾図柄50a〜50cが停止表示されることを遊技者が認識することができると共に、いずれの図柄で停止表示されそうであるかも容易に認識することができる。また、この実施の形態では、装飾図柄50a〜50cを常に不透明の態様で変動表示しているが、低速変動から高速変動に移行する過程において背景画像を見通すことを阻害しない半透明の態様で変動表示し、高速変動から低速変動に移行する過程において再び不透明の態様で変動表示してもよい。
この実施の形態では、装飾図柄50a〜50cとして「0」〜「9」の10種類の図柄が用いられている。また、装飾図柄50a〜50cは、「1」,「3」,「5」,「7」,「9」の5種類の奇数図柄である特定図柄と、「0」,「2」,「4」,「6」,「8」の5種類の偶数図柄である非特定図柄と、から構成され、表示制御基板120の表示ROM122に記憶されている。そして、上述した装飾図柄変動開始処理のステップS715で決定する確変大当り図柄の停止図柄として特定図柄の組み合わせのうちいずれかの組み合わせに決定し、ステップS716で決定する非確変大当り図柄の停止図柄として非特定図柄の組み合わせのうちいずれかの組み合わせに決定する。
また、装飾図柄50a〜50cの形態は、各種数字が立体的に視認されるように肉厚をもった態様であり、その表面部は巨大な岩石を切り出したようにゴツゴツとし、所々がヒビ割れていることで、強い力を加えたりすれば崩れ落ちそうなイメージを醸し出している。また、特定図柄となる装飾図柄50a〜50cは、配色を赤色とすると共に、遊技者の図柄(数字)の認識を妨げない程度に数字面側を若干、左方向に回転された態様とする一方、非特定図柄となる装飾図柄50a〜50cは、配色を青色とすると共に、数字面側を若干、右方向に回転された態様とすることで、遊技者が一見しただけでも特定図柄または非特定図柄のいずれの図柄であるかを簡単に区別することができる。
次に、液晶表示装置50による装飾図柄のリーチ演出について図43乃至図49を参照して説明する。図43は、リーチ演出の流れを示す説明図である。図44乃至図49は、リーチ演出の一例を示す説明図である。
図43に示すように、特別図柄及び装飾図柄の変動表示が開始可能となることによって、液晶表示装置50で装飾図柄の通常変動が行われる。一方、通常変動とは異なるリーチ演出が行われることが決定されている場合には、リーチ態様が形成された後、リーチ態様を表示した状態でノーマルリーチ演出が行われる。そして、リーチ態様が形成された後、装飾図柄が停止するまでに行われるリーチ演出としては、第1乃至第3の段階演出が行われる(段階演出実行手段)。第2乃至第3の段階演出に進展することなく第1段階演出が行われることが決定されている場合には、ゴン父キャラクタTCが活躍することで未だ停止していない装飾図柄(中図柄)を大当り図柄の組み合わせで停止させようとするゴン父リーチ演出、類人猿キャラクタRCが活躍することで未だ停止していない装飾図柄(中図柄)を大当り図柄の組み合わせで停止させようとする類人猿リーチ演出、及びゴンキャラクタGCが活躍することで未だ停止していない装飾図柄(中図柄)を大当り図柄の組み合わせで停止させようとするゴンリーチ演出のうちいずれかの第1段階スーパーリーチ演出(第2リーチ演出)が行われる。
次いで、リーチ演出として、第1段階スーパーリーチ演出の発展演出が行われることが決定されている場合には、上記した第1段階スーパーリーチ演出(ゴン父リーチ演出、類人猿リーチ演出、又はゴンリーチ演出)から継続して、ゴン父キャラクタTC、類人猿キャラクタRC、及びゴンキャラクタGCが活躍することで未だ停止していない装飾図柄(中図柄)を大当り図柄の組み合わせで停止させようとする崖崩れリーチ演出(第3リーチ演出)が行われる。
第1段階演出を行った後に第3段階演出に進展することなく第2段階演出が行われることが決定されている場合には、ゴン父キャラクタTC、類人猿キャラクタRC及びゴンキャラクタGCが装飾図柄に玉乗りの如く乗せられて未だ停止していない装飾図柄(中図柄)を大当り図柄の組み合わせで停止させようとする玉乗りリーチ演出(第1リーチ演出)、及び曲の各楽句に応じて対応図柄の表示態様を順次変化させることで未だ停止していない装飾図柄(中図柄)の停止図柄を決定する歌リーチ演出のうちいずれかの第2段階スーパーリーチ演出が行われる。次いで、リーチ演出として、第2段階スーパーリーチ演出である玉乗りリーチ演出の発展演出が行われることが決定されている場合には、第2段階スーパーリーチ演出(玉乗りリーチ演出)から継続して、火山が噴火を繰り返すことで未だ停止していない装飾図柄(中図柄)の停止図柄を決定する石文字リーチ演出(第4リーチ演出)が行われる。なお、第2段階スーパーリーチ演出である歌リーチ演出は、歌ショートリーチ演出と、該歌ショートリーチ演出に比べて演出期間が長く設定された歌ロングリーチ演出との2種類があり、第2段階スーパーリーチ演出の特殊演出として設定されている。
第1段階演出及び第2段階演出を順次行った後に第3段階演出が行われることが決定されている場合には、マンモスキャラクタMCが装飾図柄を砕こうとすることを類人猿キャラクタRC及びゴンキャラクタGCの2人組が阻止しようと活躍することで未だ停止していない装飾図柄(中図柄)を大当り図柄の組み合わせで停止させようとするマンモスリーチ演出が第3段階スーパーリーチ演出として行われる。次いで、リーチ演出として、第3段階スーパーリーチ演出の発展演出が行われることが決定されている場合には、第3段階スーパーリーチ演出(マンモスリーチ演出)から継続して、マンモスキャラクタMCが類人猿キャラクタRC及びゴンキャラクタGCの2人組を追い詰めようとすることを阻止しようと活躍することで未だ停止していない装飾図柄(中図柄)を大当り図柄の組み合わせで停止させようとするマンモスリーチ発展演出が行われる。
また、リーチ演出として、ノーマルリーチ演出を経由した場合には行われることのない演出であって、死神キャラクタが未だ停止していない装飾図柄(中図柄)を決定する死神リーチ演出が行われることがある。即ち、死神リーチ演出は、ノーマルリーチ演出、第1段階演出乃至第3段階演出を経由しない特別スーパーリーチ演出として設定されている。さらには、ノーマルリーチ演出を経由した場合には行われることのない演出であって、リーチ態様の形成を経由することなく大当り図柄の組み合わせで全図柄が同期して変動表示することにより、特定大当り図柄の組み合わせ又は非特定大当り図柄の組み合わせのいずれかで停止させる全回転リーチ演出が大当り確定演出として行われることがある。
なお、上述したリーチ演出が行われたときに装飾図柄の停止図柄が大当り図柄の組み合わせとなる確率(大当りの信頼度:大当りとなるときに当該リーチ演出が実行される割合/大当り及びはずれとなるときに当該リーチ演出が行われる割合)は、前記図36に示した変動表示パターンテーブルにおける変動表示パターン乱数の振り分け設定に基づいて、ノーマルリーチ演出、第1段階スーパーリーチ演出(ゴン父、類人猿、及びゴンの各リーチ演出)、第2段階スーパーリーチ演出(玉乗りリーチ演出)、第3段階スーパーリーチ演出(マンモスリーチ演出)、第1段階スーパーリーチ演出の発展演出(崖崩れリーチ演出)、第2段階スーパーリーチ演出の発展演出(石文字リーチ演出)、第2段階スーパーリーチ演出の特殊演出(歌リーチ演出)、第3段階スーパーリーチ演出の発展演出(マンモスリーチ発展演出)、特別スーパーリーチ演出(死神リーチ演出)、大当り確定演出(全回転リーチ演出)の順序で高くなるように設定されている。
先ず、発展予告演出を伴うノーマルリーチ演出の具体的な演出内容について図44及び図45(A),(B)を参照して説明する。図44(A)に示すように、プロセスデータに基づいて装飾図柄50a〜50cの変動表示を開始するときには、平坦な土壌中を何かが動いているかのように土壌表面がモコモコと盛り上がり、該土盛りが液晶表示装置50の画面内前方に向かってくる演出態様を表示制御する。
図44(A)で土盛りが画面内前方に向かってくる演出態様を表示制御した後、さらにプロセスデータに基づく処理を実行し、所定時間経過後にモグラキャラクタMOCが土盛りの先端からひょっこりと顔を出す演出態様を表示制御する(図44(B))。なお、モグラキャラクタMOCが出現する演出態様は、1段階目の発展予告演出である。
図44(B)でモグラキャラクタMOCが出現する演出態様を表示制御した後、さらにプロセスデータに基づく処理を実行し、所定時間経過後にモグラキャラクタMOCが土壌へと戻るのと入れ替わりに、ゴン父キャラクタTCが画面内右方から中央付近へと足早に現れ、石斧を振り上げて存在をアピールする演出態様を表示制御する(図44(C))。なお、ゴン父キャラクタTCが出現する演出態様は、2段階目の発展予告演出である。
図44(C)でゴン父キャラクタTCが出現する演出態様を表示制御した後、さらにプロセスデータに基づく処理を実行し、所定時間経過後にゴン父キャラクタTCが画面内中央付近から後方へと走り去るのと入れ替わりに、類人猿キャラクタRCが画面内右方から中央付近へと足早に現れる演出態様を表示制御する(図44(D))。なお、類人猿キャラクタRCが出現する演出態様は、3段階目の発展予告演出である。
図44(D)で類人猿キャラクタRCが出現する演出態様を表示制御した後、さらにプロセスデータに基づく処理を実行し、所定時間経過後に類人猿キャラクタRCが画面内中央付近から後方へと走り去るのと入れ替わりに、ゴンキャラクタGC及びピーコキャラクタPCの二人組が画面内右方から中央付近へと歩いて現れる演出態様を表示制御する(図44(E))。なお、ゴンキャラクタGC及びピーコキャラクタPCの二人組が出現する演出態様は、3段階目の発展予告演出である。また、左装飾図柄50aは、ゴンキャラクタGC及びピーコキャラクタPCの二人組が画面内右方から出現した後のタイミングで、高速変動から低速変動に移行して変動表示している。
図44(E)で左装飾図柄50aが低速変動に移行した後、さらにプロセスデータに基づく処理を実行し、所定時間経過後に左装飾図柄50aが指定された停止図柄の1図柄手前(同図中では、「6」を例示)で一旦、停止表示されるかのように表示されるが、ゴンキャラクタGCが画面内右方から左方へと移動して左装飾図柄50aの前方を横切る過程において、当該1図柄手前の図柄を次の図柄(停止図柄:同図中では、「7」を例示)が押し潰して粉砕する演出態様を表示制御し、左装飾図柄50aを停止表示する(図44(F))。このとき、ゴンキャラクタGCがもっている石斧で当該1図柄手前の図柄を叩き割る仕草をする演出態様も表示制御するため、ゴンキャラクタGCによって指定された停止図柄が出現したかのように見せることができる。
この実施の形態では、左装飾図柄50aとゴンキャラクタGCとが重なり合う、即ち左装飾図柄50aの変動表示領域とゴンキャラクタGCの通過表示領域とが交差するタイミングで、左装飾図柄50aが停止表示される。これにより、発展予告演出として順次表示されるキャラクタを注視している遊技者にとっても、左装飾図柄50aの停止表示に気付かせることができ、またゴンキャラクタGCと左装飾図柄50aとの間で視点の移動も必要ないことから、自然に左装飾図柄50aを注視させることができる。換言すると、左装飾図柄50aの停止図柄が特定図柄または非特定図柄のいずれの図柄であるかを早く認識したい遊技者にとっても、発展予告演出として順次表示されるキャラクタを安心して注視することができる。
図44(F)で左装飾図柄50aが停止表示された後、さらにプロセスデータに基づく処理を実行し、所定時間経過後にゴンキャラクタGC及びピーコキャラクタPCの二人組が画面内左方へと立ち去り、さらに左装飾図柄の変動表示と同様に、右装飾図柄50cが指定された停止図柄の1図柄手前で一旦、停止表示されるかのように表示されるが、当該1図柄手前の図柄を次の図柄(停止図柄)が押し潰して粉砕する演出態様を表示制御する。ここで、右装飾図柄50cは、プロセスデータに基づいて左装飾図柄50aと同一の停止図柄(同図中では、「7」を例示)で停止表示される(図44(G))。即ち、未だ中装飾図柄50bが変動表示しているが左右装飾図柄50a,50cが停止表示されることで、リーチ態様が形成される。
次いで、リーチ態様を形成し、その後にリーチ演出が実行開始されることを認識させる「リーチ」の文字51が画面内後方から画面内前方に向かってくる演出態様をリーチ態様確定画面として表示制御する(図44(H))。また、リーチ態様確定画面では、「リーチ」の文字51と共に3匹のマンモスキャラクタMCが土煙を上げながら画面内後方から画面内前方に向かってくる演出態様も表示制御される。なお、マンモスキャラクタMCが出現する演出態様は、5段階目の発展予告演出である。
この実施の形態では、キャラクタを段階毎に切り替えて出現させることにより、各段階にて各々のキャラクタを遊技者に確実に認識させ、発展予告演出の段階を把握させることができる。なお、段階を発展させる場合に、キャラクタを継続して出現させる(例えば、2段階においては、モグラキャラクタMOC及びゴン父キャラクタTCを出現させる)ことにより、各段階にて複数のキャラクタが出現する演出態様を表示制御してもよい。この場合、遊技者は、出現しているキャラクタの個数によって発展型予告演出の段階を把握することができ、さらに発展予告演出の段階が発展することによって大当り期待度が高くなるため、出現しているキャラクタの個数に応じて大当りが導出される期待感を高めることができる。
そして、前記図44(H)に示した「リーチ」の文字51が表示されたリーチ態様確定画面から、図45(A)に示すように、左右装飾図柄50a,50cが同一の停止図柄で停止表示されたリーチ態様に切り替え、この表示態様でハゲタカキャラクタHCが配列順の中装飾図柄50bを順次地上に落下させる演出表示をノーマルリーチ演出として実行する。第1段階演出乃至第3段階演出に進展することなく、ノーマルリーチ演出で終了する場合は、図45(B)に示すように、ハゲタカキャラクタHCが最後に落下させた中装飾図柄50bが停止図柄となって表示結果が導出される(同図中では、中装飾図柄50bの停止図柄が「3」となって「7、3、7」のはずれ図柄が導出された場合を例示)。
次に、第1段階演出乃至第3段階演出を経由したスーパーリーチ演出の具体的な演出内容について図45(C)〜(G)乃至図49を参照して説明する。前述したノーマルリーチ演出を経由してスーパーリーチ演出に発展する場合には、前記図45(B)に示したノーマルリーチ演出終了後のはずれ図柄の表示態様から、図45(C),(D)に示すように、はずれ図柄を決定した中装飾図柄50bの次位の中装飾図柄50b(同図中では、「4」の中装飾図柄を例示)が落下してくると共に、当該次位の中装飾図柄50bをハゲタカキャラクタHCが地上寸前で持ち去る演出表示が行われる。
その後は、図45(E)に示すように、ハゲタカキャラクタHCがゴン父キャラクタTC、類人猿キャラクタRC、及びゴンキャラクタGCの3人組を追いかける演出表示が第1段階演出の表示として行われる(予期演出実行手段)。第1段階演出から第2段階演出に進展する場合には、図45(F)に示すように、逃げる3人組(ゴン父キャラクタTC、類人猿キャラクタRC、及びゴンキャラクタGC)がその前方に砂煙を発見する演出表示が第2段階演出として行われる。第2段階演出から第3段階演出に進展する場合には、図45(G)に示すように、前方の砂煙の中からマンモスキャラクタMCが現れて3人組(ゴン父キャラクタTC、類人猿キャラクタRC、及びゴンキャラクタGC)が驚く演出表示が第3段階演出として行われる。なお、第1段階演出乃至第3段階演出の表示態様では、液晶表示装置50の表示画面における左右下端にそれぞれ左右装飾図柄50a,50cの停止図柄(同図中では、「7」の左右装飾図柄を例示)が表示され、いずれの図柄でリーチ態様が形成されたかを遊技者に認識させるようになっている。
なお、上記した予期演出実行手段の構成は、第1段階演出としてゴン父キャラクタTC、類人猿キャラクタRC、及びゴンキャラクタGCの3人組を表示することで、その後、3人組のうちゴン父キャラクタTC、類人猿キャラクタRC、又はゴンキャラクタGCのいずれかのキャラクタを主人公とした3種類のリーチ演出(ゴン父リーチ演出、類人猿リーチ演出、ゴンリーチ演出)のいずれかに分岐することを事前に遊技者に予期させることができるので、当該3種類のリーチ演出のいずれかに移行した場合には、スムーズにリーチ演出を移行させることができる。一方、第1段階演出から第2段階演出に進展する場合には、3人組(ゴン父キャラクタTC、類人猿キャラクタRC、ゴンキャラクタGC)のいずれかのキャラクタを主人公としたリーチ演出(ゴン父リーチ演出、類人猿リーチ演出、ゴンリーチ演出)に分岐することなく、3人組がその前方に砂煙を発見する演出表示を第2段階演出として実行することで、演出表示において遊技者に意外性を持たせた上でリーチ演出を発展させることができる。
次に、第1段階スーパーリーチ演出となるゴン父リーチ演出の具体的な演出内容について図46(A)〜(D)を参照して説明する。ゴン父リーチ演出では、前記図45(E)に示した表示態様(第1段階演出)から前記図45(F)に示した表示態様(第2段階演出)に進展することなく、ハゲタカキャラクタHCに追いかけられた3人組(ゴン父キャラクタTC、類人猿キャラクタRC、及びゴンキャラクタGC)のうち類人猿キャラクタRCとゴンキャラクタGCとが転んでしまい、一人残ったゴン父キャラクタTCが液晶表示装置50の表示画面いっぱいに表示される演出表示が第1段階スーパーリーチ演出の分岐決定演出として行われる(図46(A)参照:分岐演出実行手段)。即ち、図46(A)のゴン父キャラクタTCを表示することで、第1段階スーパーリーチ演出(ゴン父リーチ演出、類人猿リーチ演出、及びゴンリーチ演出)のうちゴン父リーチ演出に決定された旨を遊技者に認識させる。
その後は、図46(B),(C)に示すように、ゴン父キャラクタTCが石斧を、配列順に並べられた複数の中装飾図柄50bに向かって勢いよく投げ飛ばすことで中装飾図柄50bを次々と粉砕していく演出表示がゴン父リーチ演出として行われる。そして、ゴン父リーチ演出が発展しない場合は、粉砕されずに残った最前列の中装飾図柄50bが停止図柄となって表示結果が導出される。ゴン父リーチ演出の発展演出として崖崩れリーチ演出が行われる場合には、ゴン父リーチ演出終了後のはずれ図柄の表示態様から、はずれ図柄を決定した中装飾図柄50bがゴン父キャラクタTCに向って転がり出し、当該中装飾図柄50bがゴン父キャラクタTCを押し潰す演出表示が行われ、その後、叫び声を上げるゴン父キャラクタTCと「ギャアー」の文字52が液晶表示装置50の表示画面いっぱいに表示される演出表示が第1段階スーパーリーチ演出の発展決定演出として行われる(図46(D)参照)。
次に、第1段階スーパーリーチ演出となる類人猿リーチ演出の具体的な演出内容について図46(E)〜(H)を参照して説明する。類人猿リーチ演出では、前記図45(E)に示した表示態様(第1段階演出)から前記図45(F)に示した表示態様(第2段階演出)に進展することなく、ハゲタカキャラクタHCに追いかけられた3人組(ゴン父キャラクタTC、類人猿キャラクタRC、及びゴンキャラクタGC)のうちゴン父キャラクタTCとゴンキャラクタGCとが転んでしまい、一人残った類人猿キャラクタRCが液晶表示装置50の表示画面いっぱいに表示される演出表示が第1段階スーパーリーチ演出の分岐決定演出として行われる(図46(E)参照:分岐演出実行手段)。即ち、図46(E)の類人猿キャラクタRCを表示することで、第1段階スーパーリーチ演出(ゴン父リーチ演出、類人猿リーチ演出、及びゴンリーチ演出)のうち類人猿リーチ演出に決定された旨を遊技者に認識させる。
その後は、図46(F),(G)に示すように、類人猿キャラクタRCが配列順に積み上げられた複数の中装飾図柄50bを素手で次々と粉砕していく演出表示が類人猿リーチ演出として行われる。そして、類人猿リーチ演出が発展しない場合は、粉砕されずに残った最下端の中装飾図柄50bが停止図柄となって表示結果が導出される。類人猿リーチ演出の発展演出として崖崩れリーチ演出が行われる場合には、類人猿リーチ演出終了後のはずれ図柄の表示態様から、素手を腫れ上がらせた類人猿キャラクタRCが痛み悶える演出表示が行われ、その後、叫び声を上げる類人猿キャラクタRCと「ギャアー」の文字52が液晶表示装置50の表示画面いっぱいに表示される演出表示が第1段階スーパーリーチ演出の発展決定演出として行われる(図46(H)参照)。
次に、第1段階スーパーリーチ演出となるゴンリーチ演出の具体的な演出内容について図47(A)〜(D)を参照して説明する。ゴンリーチ演出では、前記図45(E)に示した表示態様(第1段階演出)から前記図45(F)に示した表示態様(第2段階演出)に進展することなく、ハゲタカキャラクタHCに追いかけられた3人組(ゴン父キャラクタTC、類人猿キャラクタRC、及びゴンキャラクタGC)のうちゴン父キャラクタTCと類人猿キャラクタRCとが転んでしまい、一人残ったゴンキャラクタGCが液晶表示装置50の表示画面いっぱいに表示される演出表示が第1段階スーパーリーチ演出の分岐決定演出として行われる(図47(A)参照:分岐演出実行手段)。即ち、図47(A)のゴンキャラクタGCを表示することで、第1段階スーパーリーチ演出(ゴン父リーチ演出、類人猿リーチ演出、及びゴンリーチ演出)のうちゴンリーチ演出に決定された旨を遊技者に認識させる。
その後は、図47(B),(C)に示すように、サーベルタイガーキャラクタSCに追い詰められたゴンキャラクタGC及びピーコキャラクタPCが、配列順に積み上げられた複数の中装飾図柄50bの上端に載り、当該複数の中装飾図柄50bが次々と崖下に落下していく演出表示がゴンリーチ演出として行われる。そして、ゴンリーチ演出が発展しない場合は、落下した最後の中装飾図柄50bが停止図柄となって表示結果が導出される。ゴンリーチ演出の発展演出として崖崩れリーチ演出が行われる場合には、ゴンリーチ演出終了後のはずれ図柄の表示態様から、はずれ図柄を決定した中装飾図柄50bが倒れてゴンキャラクタGCを押し潰す演出表示が行われ、その後、叫び声を上げるゴンキャラクタGCと「ギャアー」の文字52が液晶表示装置50の表示画面いっぱいに表示される演出表示が第1段階スーパーリーチ演出の発展決定演出として行われる(図46(D)参照)。
次に、第1段階スーパーリーチ演出の発展演出となる崖崩れリーチ演出の具体的な演出内容について図47(E)〜(H)を参照して説明する。崖崩れリーチ演出では、前記図46(D),(H)及び図47(D)のうちいずれかの発展決定演出が行われた後、図47(E)に示すように、崖の上に配列順に並べられた複数の中装飾図柄50bが次々と崖下の3人組(ゴン父キャラクタTC、類人猿キャラクタRC、及びゴンキャラクタGC)目掛けて落下してくる演出表示が崖崩れリーチ演出として行われる。その後、大当りを決定する中装飾図柄50b(同図中では、「7」の中装飾図柄を例示)が落下しそうになると、図47(G)に示すように、3人組(ゴン父キャラクタTC、類人猿キャラクタRC、及びゴンキャラクタGC)が肩車によって当該中装飾図柄50bを持ち上げようとする演出表示が行われる。そして、表示結果がはずれとなる場合は、図47(G)に示すように、3人組が中装飾図柄50bを崖上に持ち上げることができず、大当りを決定する中装飾図柄50b(「7」の中装飾図柄)と共に次位の中装飾図柄50b(「8」の中装飾図柄)が崖下に落下してはずれ図柄が導出される(同図中では、中装飾図柄50bの停止図柄が「8」となって「7、8、7」のはずれ図柄が導出された場合を例示)。一方、表示結果が大当りとなる場合は、図47(H)に示すように、3人組が中装飾図柄50bを崖上に持ち上げることで大当り図柄が導出される(同図中では、中装飾図柄50bの停止図柄が「7」となって「7、7、7」の大当り図柄が導出された場合を例示)。
なお、上記した第1段階スーパーリーチ演出(発展演出を含む)の表示態様では、液晶表示装置50の表示画面における左右両端にそれぞれ左右装飾図柄50a,50cの停止図柄(実施形態中では、「7」の左右装飾図柄を例示)が表示され、いずれの図柄でリーチ態様が形成されたかを遊技者に認識させるようになっている。
次に、第2段階スーパーリーチ演出となる玉乗りリーチ演出の具体的な演出内容について図48(A)〜(D)を参照して説明する。玉乗りリーチ演出では、前記図45(E)に示した表示態様(第1段階演出)から前記図45(F)に示した表示態様(第2段階演出)に進展する演出表示が行われる。即ち、ハゲタカキャラクタHCに追いかけられた3人組(ゴン父キャラクタTC、類人猿キャラクタRC、及びゴンキャラクタGC)は、一人も転ぶことなくハゲタカキャラクタHCから逃げ切って前方に砂煙を発見する。その後は、前記図45(G)に示した表示態様(第3段階演出)に進展することなく、徐々に砂煙が遠ざかっていき、立ち止まった3人組(ゴン父キャラクタTC、類人猿キャラクタRC、及びゴンキャラクタGC)が液晶表示装置50の表示画面いっぱいに表示される演出表示が第2段階スーパーリーチ演出の分岐決定演出として行われる(図48(A)参照)。即ち、図48(A)の3人組(ゴン父キャラクタTC、類人猿キャラクタRC、及びゴンキャラクタGC)を表示することで、第2段階スーパーリーチ演出に決定された旨を遊技者に認識させる。なお、図48(A)に示す第2段階スーパーリーチ演出の分岐決定演出の表示態様では、液晶表示装置50の表示画面における左右下端にそれぞれ左右装飾図柄50a,50cの停止図柄(実施形態中では、「7」の左右装飾図柄を例示)が表示され、いずれの図柄でリーチ態様が形成されたかを遊技者に認識させるようになっている。
その後は、図48(B),(C)に示すように、類人猿キャラクタRC、ゴンキャラクタGC及びゴン父キャラクタTCが各々回転している左中右の装飾図柄50a〜50cに玉乗りの如く乗り、後方から迫る左右装飾図柄50a,50cとの衝突によって類人猿キャラクタRC及びゴン父キャラクタTCが乗る左右装飾図柄50a,50cが次々と切り替わる演出表示が玉乗りリーチ演出として行われる。そして、玉乗りリーチ演出が発展しない場合は、後方から迫る左右装飾図柄50a,50cとの衝突後に粉砕されずに残った左中右の装飾図柄50a〜50cが停止図柄となって表示結果が導出される(同図中では、「6、7、6」のはずれ図柄が導出された場合を例示)。
一方、玉乗りリーチ演出の発展演出として石文字リーチ演出が行われる場合には、玉乗りリーチ演出終了後のはずれ図柄の表示態様から、図48(E)に示すように、火山が突然噴火する演出表示が行われ、次いで、図48(F),(G)に示すように、当該火山の噴火口から石柱形状の左中右の装飾図柄50a〜50cに乗ったゴンキャラクタGCが宇宙に向けて飛び出す演出表示が石文字リーチ演出として行われる。そして、石柱形状の装飾図柄50a〜50cとゴンキャラクタGCが噴火口に引き戻された後、再度、石柱形状の装飾図柄50a〜50cに乗ったゴンキャラクタGCが噴火口から宇宙に向けて飛び出す演出が繰り返し行われる毎に、装飾図柄50a〜50cの組み合わせが組み替えられ(装飾図柄50a〜50cの変動表示が行われ)、最終的には、図48(H)に示すように、石柱形状の装飾図柄50a〜50cだけが宇宙に向けて飛び出す演出表示が行われた時点で当該組み合わせの装飾図柄50a〜50cが停止図柄となって表示結果が導出される(同図中では、「8、7、8」のはずれ図柄が導出された場合を例示)。
次に、第3段階スーパーリーチ演出となるマンモスリーチ演出の具体的な演出内容について図49(A)〜(D)を参照して説明する。マンモスリーチ演出では、前記図45(E)に示した表示態様(第1段階演出)から前記図45(F)に示した表示態様(第2段階演出)に進展する演出表示が行われ、その後、続いて前記図45(F)に示した表示態様(第2段階演出)から前記図45(G)に示した表示態様(第3段階演出)に進展する演出表示が行われる。即ち、ハゲタカキャラクタHCに追いかけられた3人組(ゴン父キャラクタTC、類人猿キャラクタRC、及びゴンキャラクタGC)は、一人も転ぶことなくハゲタカキャラクタHCから逃げ切って前方に砂煙を発見し、その後、砂煙の中からマンモスキャラクタMCが現れて3人組(ゴン父キャラクタTC、類人猿キャラクタRC、及びゴンキャラクタGC)が驚く演出表示が行われる。その後は、砂煙の中から現れたマンモスキャラクタMCが液晶表示装置50の表示画面いっぱいに表示される演出表示が第3段階スーパーリーチ演出の分岐決定演出として行われる(図49(A)参照)。即ち、図49(A)のマンモスキャラクタMCを表示することで、第3段階スーパーリーチ演出に決定された旨を遊技者に認識させる。なお、図49(A)に示す第3段階スーパーリーチ演出の分岐決定演出の表示態様では、液晶表示装置50の表示画面における左右下端にそれぞれ左右装飾図柄50a,50cの停止図柄(実施形態中では、「7」の左右装飾図柄を例示)が表示され、いずれの図柄でリーチ態様が形成されたかを遊技者に認識させるようになっている。
その後は、図49(B),(C)に示すように、類人猿キャラクタRC及びゴンキャラクタGCの2人組がマンモスキャラクタMCに崖に追い詰められ、マンモスキャラクタMCが2人組との間で壁となる中装飾図柄50bを砕こうとする演出表示がマンモスリーチ演出として行われる。なお、このとき、リーチ態様を形成する左右装飾図柄50a,50cは、前記図49(A)に示した1組のリーチ態様(同図中では、「7、7」のリーチ態様)から3組のリーチ態様(同図中では、「5、5」「6、6」「7、7」のリーチ態様)に増加される。即ち、大当りを決定する有効ラインが1ラインから3ラインに増加される。ちなみに、図49(B)の表示態様は、「5、5」「6、6」「7、7」の3組の有効ラインが形成され、マンモスキャラクタMCが「5、5」の有効ラインで大当りを決定する「5」の中装飾図柄50bを砕こうとしている態様である。一方、図49(C)の表示態様は、図49(B)の表示態様から「5」の中装飾図柄50bが砕かれると共に「5、5」の有効ラインも砕け(消滅し)、同様にして「6」の中装飾図柄50bが砕かれると共に「6、6」の有効ラインも砕け(消滅し)た後に、「7、7」の有効ラインだけが残ってマンモスキャラクタMCが大当りを決定する「7」の中装飾図柄50bを砕こうとしている態様である。そして、マンモスリーチ演出が発展しない場合は、図49(D)に示すように、マンモスキャラクタMCによって砕かれずに残った左中右の装飾図柄50a〜50cが停止図柄となって表示結果が導出される(同図中では、「7、8、7」のはずれ図柄が導出された場合を例示)。このとき、2人組(類人猿キャラクタRC及びゴンキャラクタGC)は、崖にぶら下がった状態となる。
一方、マンモスリーチ演出の発展演出としてマンモスリーチ発展演出が行われる場合には、マンモスリーチ演出終了後のはずれ図柄の表示態様から、図49(E)に示すように、2人組(類人猿キャラクタRC及びゴンキャラクタGC)が崖下に落下する演出表示が行われる。このとき、液晶表示装置50の表示画面における左右両端には、それぞれ左右装飾図柄50a,50cが3組表示される。言い換えれば、3組のリーチ態様(同図中では、「5、5」「6、6」「7、7」のリーチ態様)が再び表示されて、マンモスリーチ演出の発展演出(マンモスリーチ発展演出)が行われる旨を遊技者に認識させるようになっている。
マンモスリーチ発展演出では、図49(F),(G)に示すように、マンモスキャラクタMCが鼻先で複数の中装飾図柄50bを転がしながら類人猿キャラクタRC及びゴンキャラクタGCの2人組を追いかけ、これに伴って中装飾図柄50bを砕いていく演出表示がマンモスリーチ発展演出として行われる。そして、図49(H)に示すように、マンモスキャラクタMCによって砕かれずに残った左中右の装飾図柄50a〜50cが停止図柄となって表示結果が導出される(同図中では、「7、7、7」の大当り図柄が導出された場合を例示)。なお、図49(F)の表示態様は、「5、5」「6、6」「7、7」の3組の有効ラインが形成され、マンモスキャラクタMCが「5、5」の有効ラインで大当りを決定する「5」の中装飾図柄50bを砕こうとしている態様である。一方、図49(G)の表示態様は、図49(F)の表示態様から「5」の中装飾図柄50bが砕かれると共に「5、5」の有効ラインも砕け(消滅し)、同様にして「6」の中装飾図柄50bが砕かれると共に「6、6」の有効ラインも砕け(消滅し)た後に、「7、7」の有効ラインだけが残ってマンモスキャラクタMCが大当りを決定する「7」の中装飾図柄50bを砕こうとしている態様である。
図50は、装飾図柄変動処理(ステップS701)の一例を示すフローチャートである。装飾図柄変動処理において、統合CPU112は、先ず、歌リーチ演出を実行する変動表示パターンであるか否かを判定し、歌リーチ演出を実行する変動表示パターンである場合に歌リーチ演出に伴うボタン演出を実行するボタン演出処理を実行した後(ステップS751)、変動停止コマンド受信フラグがセットされているか判別する(ステップS755)。変動停止コマンド受信フラグは、上述したコマンド解析処理(ステップS91)のステップS604でセットされ、主基板101から変動停止コマンドを受信したことを示すフラグである。即ち、ステップS755で変動停止コマンド受信フラグがセットされていなければ(ステップS755にてNO)、変動停止コマンドを受信していないと判別して処理を終了する。
一方、変動停止コマンド受信フラグがセットされていれば(ステップS755にてYES)、変動停止コマンド受信フラグをリセットし、装飾図柄の停止を指示する表示コマンドをセットする(ステップS756)。なお、ステップS756でセットされた表示コマンドは、情報出力処理(ステップS95)にて表示制御基板120に送信され、表示制御基板120に搭載される表示CPU121により当該表示コマンドを受信したことに基づいて液晶表示装置50にて装飾図柄の変動表示停止を確定表示する。
次いで、統合CPU112は、大当り開始コマンド受信フラグがセットされているか判別する(ステップS757)。大当り開始コマンド受信フラグは、上述したコマンド解析処理(ステップS91)のステップS604でセットされ、主基板101から大当り開始コマンドを受信したことを示すフラグである。即ち、ステップS757で大当り開始コマンド受信フラグがセットされていなければ(ステップS757にてNO)、大当り開始コマンドを受信していないと判別し、処理選択フラグを「0」に更新して処理を終了する(ステップS759)。一方、大当り開始コマンド受信フラグがセットされていれば(ステップS757にてYES)、大当り開始コマンド受信フラグをリセットし、処理選択フラグを「2」に更新して処理を終了する(ステップS758)。
図51は、装飾図柄変動処理(ステップS701)で実行されるボタン演出処理(ステップS751)の一例を示すフローチャートである。ボタン演出処理において、統合CPU112は、先ず、ボタン演出パターン決定フラグがセットされているか否かを判別する(ステップS801)。ボタン演出パターン決定フラグは、ボタン演出パターンが決定されているか否かを示すフラグであり、後述のステップS805でセットされる。ステップS801でボタン演出パターンフラグがセットされているときは(ステップS801にてYES)、後述のステップS806に移行する。ステップS801でボタン演出パターンフラグがセットされていないときは(ステップS801にてNO)、コマンド解析処理(ステップS91)のステップS603で受信を判別した変動表示パターンコマンドが歌リーチ演出の変動表示パターンであるか否か、言い換えれば変動表示パターンの番号が変動番号21乃至変動番号26のいずれかであるか否かを判別する(ステップS802)。ステップS802で歌リーチ演出の変動表示パターンでなければ(ステップS802にてNO)、そのままボタン演出処理を終了する。
一方、ステップS802で歌リーチ演出の変動表示パターンであれば(ステップS802にてYES)、この処理で用いられるボタン演出パターン乱数(「0〜511」の計512個の乱数)を抽出し(ステップS781)、統合RAM114の所定の保存領域に記憶する。なお、ボタン演出パターン乱数は、乱数更新処理(ステップS96)にて更新されている。そして、図53(A)に示すボタン演出パターンテーブルを参照してステップS803で抽出したボタン演出パターン乱数の値からボタン演出パターンを決定する(ステップS804)。その後は、ボタン演出パターン決定フラグをセットし(ステップS805)、キャラクタ選択処理を実行して(ステップS806)ボタン演出処理を終了する。
図53(A)に示すボタン演出パターンテーブルには、パターン1〜5の5種類のボタン演出パターンが用意されており、これらの各パターン1〜5に対する判定値が変動番号21〜26毎に振り分けられている。具体的に、変動番号21となる歌ショートリーチ(はずれ)においては、パターン1に384個の判定値が振り分けられ、パターン2に128個の判定値が振り分けられ、その他のパターン3〜5に対しては判定値が振り分けられていない。変動番号22となる歌ショートリーチA(当り)においては、パターン1に128個の判定値が振り分けられ、パターン2に384個の判定値が振り分けられ、その他のパターン3〜5に対しては判定値が振り分けられていない。変動番号23となる歌ショートリーチB(当り)においては、パターン1に128個の判定値が振り分けられ、パターン2に384個の判定値が振り分けられ、その他のパターン3〜5に対しては判定値が振り分けられていない。即ち、歌ショートリーチ演出では、パターン1又はパターン2のいずれか一方が選択される。そして、表示結果がはずれとなる場合(歌ショートリーチ(はずれ)の場合)には、高い割合でパターン1が選択され、表示結果が当りとなる場合(歌ショートリーチA・B(当り)の場合)には、高い割合でパターン2が選択されるようになっている。言い換えれば、ボタン演出パターン1は、歌ショートリーチ演出において大当り信頼度の低い演出パターンとなり、ボタン演出パターン2は、歌ショートリーチ演出において大当り信頼度の高い演出パターンとなる。
また、変動番号24となる歌ロングリーチ(はずれ)においては、パターン3に384個の判定値が振り分けられ、パターン4に128個の判定値が振り分けられ、その他のパターン1,2,5に対しては判定値が振り分けられていない。変動番号25となる歌ロングリーチA(当り)においては、パターン3に192個の判定値が振り分けられ、パターン4に272個の判定値が振り分けられ、パターン5に48個の判定値が振り分けられ、その他のパターン1,2に対しては判定値が振り分けられていない。変動番号26となる歌ロングリーチB(当り)においては、パターン3に192個の判定値が振り分けられ、パターン4に272個の判定値が振り分けられ、パターン5に48個の判定値が振り分けられ、その他のパターン1,2に対しては判定値が振り分けられていない。即ち、歌ロングリーチ演出では、パターン3乃至パターン5のいずれかが選択される。そして、表示結果がはずれとなる場合(歌ロングリーチ(はずれ)の場合)には、高い割合でパターン3が選択され、表示結果が当りとなる場合(歌ロングリーチA・B(当り)の場合)には、高い割合でパターン4が選択されるようになっている。言い換えれば、ボタン演出パターン3は、歌ロングリーチ演出において大当り信頼度の低い演出パターンとなり、ボタン演出パターン4は、歌ロングリーチ演出において大当り信頼度の高い演出パターンとなる。但し、ボタン演出パターン5に対しては、振り分けられる判定値の数は少ないものの、変動番号25,26の歌ロングリーチA・B(当り)に対してのみ判定値の振り分けが行われている。このため、ボタン演出パターン5は、歌ロングリーチ演出時にのみ実行されて、大当り図柄の導出以前に大当りとなることを確定する演出パターンとなっている。
ところで、上記した歌ショートリーチB及び歌ロングリーチBの各リーチ演出では、それぞれ表示結果の停止表示タイミングが3種類設定されており、3種類のタイミングからいずれかが選択されて表示結果を停止表示するようになっている。但し、歌ショートリーチB及び歌ロングリーチBの演出実行期間は、個々に予め定められた一定期間で行われ、表示結果の停止表示タイミングだけが各々3種類のうちいずれかのタイミングで行われるようになっている。なお、このような表示結果の停止表示タイミングを決定する処理は、図示しないがサブ統合基板111の統合CPU112によって上記したボタン演出処理(ステップS51)で実行される。具体的に、統合CPU112は、受信を判別した変動表示パターンコマンドが歌ショートリーチB又は歌ロングリーチBのいずれかであると判定すると、これに伴って表示結果の停止表示タイミングを決定するタイミング決定乱数を抽出し、統合RAM114の所定の保存領域に記憶する。タイミング決定乱数は、「0〜2」の計3個の乱数からなると共に、乱数更新処理(ステップS96)にて更新され、それぞれの抽出値によって後で詳述するタイミング(1)〜(3)(図54参照)のいずれかの停止表示タイミングを決定する(タイミング決定手段)。
また、上記したようなタイミング(1)〜(3)は、いずれもリーチ演出(歌ショートリーチB及び歌ロングリーチB)に伴って演奏される楽曲のうち終止感を有するフレーズ(小節:特定フレーズ)の終了タイミングとなっている。このため、楽曲が終止しそうなタイミングで切れ目よく表示結果を停止表示することができるので、楽曲演奏を伴うリーチ演出において違和感なく表示結果を停止表示することができる。また、タイミング(1)〜(3)で演奏される特定フレーズは、それぞれ同一のフレーズから構成され、楽曲の後半で繰り返し演奏されるようになっている。このため、表示結果を停止表示するタイミングを、楽曲の後半、言い換えればリーチ演出(歌ショートリーチB及び歌ロングリーチB)の後半に繰り返しで複数設定することができるので、リーチ演出の後半を盛り上げることができ、ひいてはリーチ演出の興趣を高めることができる。
図52は、ボタン演出処理(ステップS751)で実行されるキャラクタ選択処理(ステップS806)の一例を示すフローチャートである。キャラクタ選択処理において、統合CPU112は、先ず、操作ボタン18aからの操作信号の入力が許可されるボタン入力有効期間であるか判別する(ステップS811)。即ち、ステップS811でボタン入力有効期間でなければ(ステップS811でNO)、操作ボタン18aからの操作信号の入力が許可されていないと判別して処理を終了する。なお、ボタン入力有効期間は、変動番号21〜26の歌リーチ演出に各々設定されており、ステップS804で各種歌リーチ演出(変動番号21〜26)においてボタン演出パターン1〜5のいずれかが決定された際にセットされている。具体的に、変動番号21〜23の歌ショートリーチ演出では、当該リーチ演出中に所定のタイミングでボタン入力有効期間が1回設定される。言い換えれば、歌ショートリーチ演出では、遊技者に操作ボタン18aを押圧操作させるボタン演出を1回だけ行う。一方、変動番号24〜26の歌ロングリーチ演出では、当該リーチ演出中に所定のタイミングでボタン入力有効期間が7回設定される。言い換えれば、歌ロングリーチ演出では、遊技者に操作ボタン18aを押圧操作させるボタン演出を7回行う。
一方、ボタン入力有効期間であれば(ステップS811でYES)、操作ボタン18aから操作信号が入力されたか判別する(ステップS812)。そして、操作ボタン18aから操作信号が入力されていれば(ステップS812にてYES)、操作ボタン18aが遊技者によって操作されたと判別して、この処理で用いられるキャラクタ選択乱数(「0〜99」の計100個の乱数)を抽出し(ステップS813)、統合RAM114の所定の保存領域に記憶する。なお、キャラクタ選択乱数は、乱数更新処理(ステップS96)にて更新されている。ここで、ボタン入力有効期間中に操作ボタン18aから操作信号が入力されたときには、ステップS812でセットされたボタン入力有効期間を終了させ、それ以降のボタン入力有効期間の余り時間における操作ボタン18aからの操作信号の入力を不許可とする。
次いで、統合CPU112は、図53(B)に示すキャラクタ選択テーブルを参照してステップS813で抽出したキャラクタ選択乱数の値からキャラクタを決定する(ステップS814)。そして、ステップS814で決定したキャラクタに応じた表示コマンドをセットして(ステップS815)キャラクタ選択処理を終了する。なお、ステップS815でセットされた表示コマンドは、情報出力処理(ステップS95)にて表示制御基板120に送信され、表示制御基板120に搭載される表示CPU121により当該表示コマンドを受信したことに基づいて液晶表示装置50にて後述する中装飾図柄と対応する対応図柄を所定のタイミングでキャラクタ表示態様に変化させる。
図53(B)に示すキャラクタ選択テーブルには、ゴンキャラクタ(図55(D)参照)、ガイコツキャラクタ(図55(E)参照)、マンモスキャラクタ(図55(F)参照)の3種類のキャラクタが用意されており、これらの各キャラクタに対する判定値がボタン演出パターン1〜5毎に振り分けられている。具体的に、ボタン演出パターン1においては、ゴンキャラクタに80個の判定値が振り分けられ、ガイコツキャラクタに20個の判定値が振り分けられ、マンモスキャラクタに対しては判定値が振り分けられていない。ボタン演出パターン2においては、ゴンキャラクタに45個の判定値が振り分けられ、ガイコツキャラクタに45個の判定値が振り分けられ、マンモスキャラクタに10個の判定値が振り分けられている。ボタン演出パターン3においては、ゴンキャラクタに80個の判定値が振り分けられ、ガイコツキャラクタに10個の判定値が振り分けられ、マンモスキャラクタに10個の判定値が振り分けられている。ボタン演出パターン4においては、ゴンキャラクタに40個の判定値が振り分けられ、ガイコツキャラクタに30個の判定値が振り分けられ、マンモスキャラクタに30個の判定値が振り分けられている。ボタン演出パターン5においては、マンモスキャラクタに100個の判定値が振り分けられ、ゴンキャラクタ及びガイコツキャラクタに対しては判定値が振り分けられていない。
即ち、歌ショートリーチ演出において大当り信頼度の低い演出パターンとなるボタン演出パターン1では、ゴンキャラクタを出現し易くすると共にマンモスキャラクタを出現させない設定となっている。一方、歌ショートリーチ演出において大当り信頼度の高い演出パターンとなるボタン演出パターン2では、ゴンキャラクタとガイコツキャラクタを同等に出現し易くすると共にマンモスキャラクタを出現し難くする設定となっている。また、歌ロングリーチ演出において大当り信頼度の低い演出パターンとなるボタン演出パターン3では、ゴンキャラクタを出現し易くすると共にガイコツキャラクタ及びマンモスキャラクタを出現し難くする設定となっている。一方、歌ロングリーチ演出において大当り信頼度の高い演出パターンとなるボタン演出パターン4では、ゴンキャラクタ、ガイコツキャラクタ、及びマンモスキャラクタを均等に出現させる設定となっている。また、歌ロングリーチ演出において大当り確定の演出パターンとなるボタン演出パターン5では、マンモスキャラクタだけを出現させる設定となっている。このことから、歌リーチ演出中のボタン演出では、出現する割合の高いキャラクタによって遊技者に大当りし易いか否かを予告するようになっている。具体的には、マンモスキャラクタが出現する割合が高いほど大当り信頼度が高く、ゴンキャラクタが出現する割合が高いほど大当り信頼度が低くなっている。
なお、統合CPU112は、上記したキャラクタ選択処理において、歌ロングリーチ演出のはずれの変動表示パターン(変動番号24)が選択され、7回とも同一のキャラクタが選択された場合には、図53(C)に示すキャラクタ切替テーブルを参照して7回目に出現させるキャラクタを強制的に切り替える制御を行うようになっている。具体的に、ゴンキャラクタが7回連続して選択された場合は、7回目を強制的にガイコツキャラクタに切り替えて出現させる。ガイコツキャラクタが7回連続して選択された場合は、7回目を強制的にゴンキャラクタに切り替えて出現させる。マンモスキャラクタが7回連続して選択された場合は、7回目を強制的にゴンキャラクタに切り替えて出現させる。また、キャラクタ選択処理では、ボタン演出の終了時点(歌ショートリーチ演出では1回のボタン入力有効期間の終了時点、また、歌ロングリーチ演出では7回目のボタン入力有効期間の終了時点)で前記ステップS805でセットされたボタン演出パターン決定フラグをリセットする処理を行うようになっている。
次に、ボタン演出を伴う歌リーチ演出(第2段階スーパーリーチ演出の特殊演出)の演出内容について図54及び図55を参照して説明する。図54は、歌リーチ演出の一例を示すタイムチャートである。図55は、歌リーチ演出の一例を示す説明図である。なお、以下の説明では、左右装飾図柄50a,50cがそれぞれ「7」の図柄で停止表示されて「7、7」のリーチ態様が形成された状態から歌リーチ演出が開始され、中装飾図柄50bの変動表示において「1」の図柄が最初に表示される場合について例示する。但し、歌リーチ演出では、中装飾図柄50bの変動表示として、操作ボタン18aの押圧操作に基づいて表示態様が変化し得る対応図柄50d(図55参照)が中装飾図柄50bに対応して変動表示されるようになっている。
図54に示すように、歌リーチ演出(歌ロングリーチA・B及び歌ショートリーチA・B)では、当該リーチ演出中に第1楽句乃至第9楽句から構成される楽曲が各スピーカ14,36から流れ、これに伴った演出表示が液晶表示装置50で行われる。なお、歌ロングリーチAでは、第1楽句から第8楽句の2小節目までが全楽曲として演奏され、歌ロングリーチBでは、第1楽句から第9楽句の4小節目までが全楽曲として演奏される(特定対応楽曲発生制御手段)。一方、歌ショートリーチAでは、歌ロングリーチAの楽曲(第1楽句から第8楽句の2小節目)から第2楽句〜第6楽句が省略されたものが全楽曲として演奏され、歌ショートリーチBでは、歌ロングリーチBの楽曲(第1楽句から第9楽句の4小節目)から第2楽句〜第6楽句が省略されたものが全楽曲として演奏される(短縮対応楽曲発生制御手段)。また、歌リーチ演出(歌ロングリーチA・B及び歌ショートリーチA・B)では、当該歌リーチ演出中に演奏される楽曲の切れ目(具体的には、楽曲演奏に合わせて流れる歌詞の切れ目)に合わせて図柄(実施形態中では、対応図柄)を順次切り替えて変動表示するようになっている(楽曲対応変動表示制御手段)。
先ず、歌ロングリーチAでは、楽曲の演奏(第1楽句)開始(具体的には、「何にもない何にもない全く何にもない」の歌詞が第1楽句の歌詞として流れ始める)と同時に「1」の中装飾図柄50bに対応する対応図柄50dが表示される。そして、この「1」図柄の表示期間内における操作ボタン18aの有効期間中に操作ボタン18aの押圧操作があると、第1楽句の3小節目の開始と同時に対応図柄50dの表示態様がキャラクタ(図55(D)〜(F)参照)を表示するキャラクタ表示態様に切り替わって(変化して)表示される(対応図柄変化表示制御手段)。なお、操作ボタン18aの有効期間は、各楽句における1小節目の開始時点から2小節目の終了直前時点までの期間に設定されている(有効期間設定手段)。
その後、第2楽句の開始と同時に、対応図柄50dが「2」の中装飾図柄50bに対応する表示態様に切り替わる。そして、この「2」図柄の表示期間内における操作ボタン18aの有効期間中に操作ボタン18aの押圧操作がないと、キャラクタ表示態様に変化することなく「2」図柄が第2楽句の終了直前まで表示され、第3楽句のの開始と同時に、対応図柄50dが「3」の中装飾図柄50bに対応する表示態様に切り替わる。その後は、同様にして、第3乃至第7の各楽句において、中装飾図柄50bを1図柄ずつ順次変動表示するように対応図柄50dの表示態様が切り替わると共に、各楽句内における操作ボタン18aの有効期間中に操作ボタン18aの押圧操作がある毎に、対応図柄50dの表示態様がキャラクタ表示態様に切り替わって表示される。
その後、第7楽句の開始と同時に「7」の中装飾図柄50bに対応する対応図柄50dが表示され、この「7」図柄の表示期間内における操作ボタン18aの有効期間中に操作ボタン18aの押圧操作があると、第7楽句の3小節目の開始と同時に対応図柄50dがキャラクタ表示態様に切り替わって表示される。そして、第8楽句が開始されると、再度、対応図柄50dが中装飾図柄50bに対応する表示態様で表示されることで、当該対応図柄50dの表示態様が最終的な中装飾図柄50bの停止図柄となって第8楽句の2小節目の終了時点で確定する。なお、歌ロングリーチAの最終楽句となる第8楽句では、1小節目の開始時点から2小節目の終了直前時点までの期間は、操作ボタン18aの有効期間として設定されていない。また、図54中の歌ロングリーチAでは、第8楽句で「7」の中装飾図柄50bに対応する対応図柄50dが表示されて大当りが確定した場合を例示している。
また、歌ロングリーチBでは、前記歌ロングリーチAと同様に、第1乃至第7の各楽句において、中装飾図柄50bを1図柄ずつ順次変動表示するように対応図柄50dの表示態様が切り替わると共に、各楽句内における操作ボタン18aの有効期間中に操作ボタン18aの押圧操作がある毎に、対応図柄50dの表示態様がキャラクタ表示態様に切り替わって表示される。その後、第8楽句の開始と同時に「8」の中装飾図柄50bに対応する対応図柄50dが表示され、第8楽句の2小節目の終了直前に一旦、対応図柄50dの切替表示が行われる。そして、3小節目の開始と同時に再度、「8」の中装飾図柄50bに対応する対応図柄50dが表示され、第9楽句の開始と同時に、最終的な中装飾図柄50bの停止図柄と対応する表示態様で対応図柄50dが表示され、第9楽句の4小節目の終了時点で表示結果が確定する。なお、歌ロングリーチBの最終楽句となる第9楽句及びその1楽句前となる第8楽句では、それぞれ1小節目の開始時点から2小節目の終了直前時点までの期間は、操作ボタン18aの有効期間として設定されていない。
また、図54中の歌ロングリーチBでは、前述したタイミング決定乱数の抽出に基づいてタイミング(3)、即ち第9楽句の1小節目の開始時点(特定フレーズとなる第8楽句の4小節目の終了タイミング)で「7」の中装飾図柄50bに対応する対応図柄50dが停止表示されて(フレーズ対応停止表示制御手段)大当りが確定した場合を例示している。タイミング決定乱数の抽出に基づいてタイミング(1)が決定した場合には、第8楽句の1小節目の開始時点(特定フレーズとなる第7楽句の4小節目の終了タイミング)で表示結果を停止表示し(フレーズ対応停止表示制御手段)、タイミング決定乱数の抽出に基づいてタイミング(2)が決定した場合には、第8楽句の3小節目の開始時点(特定フレーズとなる第8楽句の2小節目の終了タイミング)で表示結果を停止表示するようになっている(フレーズ対応停止表示制御手段)。但し、いずれのタイミング(1)〜(3)で表示結果を停止表示した場合でも、歌ロングリーチBの演出としては、第9楽句の4小節目の終了時点まで継続して行われるようになっている(リーチ演出継続手段)。
また、歌ショートリーチAでは、楽曲の演奏(第1楽句)開始と同時に「1」の中装飾図柄50bに対応する対応図柄50dが表示される。そして、この「1」図柄の表示期間内における操作ボタン18aの有効期間中に操作ボタン18aの押圧操作があると、第1楽句の3小節目の開始と同時に対応図柄50dの表示態様がキャラクタ表示態様に切り替わって表示される。その後、歌ショートリーチAでは、前記歌ロングリーチA・Bで行った第2楽句乃至第6楽句の演出が省略(削除)されて次に第7楽句の演出が行われる。即ち、各スピーカ14,36から流れる楽曲は、第1楽句、第2楽句〜第6楽句、第7楽句の順で行われるのではなく、第1楽句、第7楽句の順で行われる。これに伴い、液晶表示装置50での演出表示は、第7楽句の開始(具体的には、「何にもない大地に〜」の歌詞が流れ始める)と同時に、対応図柄50dが「4」の中装飾図柄50bに対応する表示態様に切り替わる。言い換えれば、「2」図柄及び「3」図柄の変動表示を行うことなく、「1」図柄から「4」図柄に跳んだ図柄の変動表示を行う(配列跳び変動表示制御手段)。このため、楽曲演奏としては、第1楽句の「何にもない何にもない全く何にもない」の歌詞の次に、第7楽句の「何にもない大地に〜」が続いて演奏され、途中の楽句演奏(歌詞)が省略されているにも拘わらず、違和感のない演奏が実行される。また、このような図柄跳ばしを行った後に最初に表示する図柄(実施形態中では「4」図柄)は、ランダムに選択されるようになっている(ランダム識別情報選択手段)。これにより、配列順を跳ばした図柄の変動表示が行われた際も、遊技者が図柄の停止位置を容易に推測できなくなるため、停止表示される図柄を予測されないようにでき、ひいては遊技の興趣低下を抑止することができる。
その後、第7楽句の2小節目の開始と同時に、対応図柄50dが「5」の中装飾図柄50bに対応する表示態様に切り替わり、次いで第7楽句の3小節目の開始と同時に、対応図柄50dが「6」の中装飾図柄50bに対応する表示態様に切り替わり、次いで第7楽句の4小節目の開始と同時に、対応図柄50dが「7」の中装飾図柄50bに対応する表示態様に切り替わる。言い換えれば、第7楽句の期間中に、「4」図柄から「7」図柄への変動表示が1図柄ずつ順次行われる。即ち、配列順を跳ばした後の図柄変動を行う場合は、図柄を通常よりも速いテンポで順次切り替えて変動表示するようになっている(跳ばし対応変動表示制御手段)。なお、「4」図柄から「7」図柄への3図柄変動を行う第7楽句では、1小節目の開始時点から2小節目の終了直前時点までの期間は、操作ボタン18aの有効期間として設定されていない。
そして、第8楽句の開始と同時に、最終的な中装飾図柄50bの停止図柄と対応する表示態様で対応図柄50dが表示され、第8楽句の2小節目の終了時点で表示結果が確定する。なお、歌ショートリーチAの最終楽句となる第8楽句では、1小節目の開始時点から2小節目の終了直前時点までの期間は、操作ボタン18aの有効期間として設定されていない。即ち、歌ショートリーチAでは、歌リーチ演出における最初の楽句(第1楽句)でのみボタン演出を可能(操作ボタン18aを有効)にしている。また、図54中の歌ショートリーチAでは、第8楽句で「7」の中装飾図柄50bに対応する対応図柄50dが表示されて大当りが確定した場合を例示している。
また、歌ショートリーチBでは、前記歌ショートリーチAと同様に、楽曲の演奏(第1楽句)開始と同時に「1」の中装飾図柄50bに対応する対応図柄50dが表示され、この「1」図柄の表示期間内における操作ボタン18aの有効期間中に操作ボタン18aの押圧操作があると、第1楽句の3小節目の開始と同時に対応図柄50dの表示態様がキャラクタ表示態様に切り替わって表示され、その後、第2楽句乃至第6楽句の演出が省略(削除)されて第7楽句の演出が行われる。即ち、第7楽句の開始と同時に、対応図柄50dが「4」の中装飾図柄50bに対応する表示態様に切り替わり(配列跳び変動表示制御手段)、第7楽句の期間中に、「4」図柄から「7」図柄への変動表示が1図柄ずつ順次行われる。また、歌ショートリーチBにおいても、歌ショートリーチAと同様に、「4」図柄から「7」図柄への3図柄変動を行う第7楽句では、1小節目の開始時点から2小節目の終了直前時点までの期間は、操作ボタン18aの有効期間として設定されていない。
その後、第8楽句の開始と同時に「8」の中装飾図柄50bに対応する対応図柄50dが表示され、第8楽句の2小節目の終了直前に一旦、対応図柄50dの切替表示が行われる。そして、3小節目の開始と同時に再度、「8」の中装飾図柄50bに対応する対応図柄50dが表示され、第9楽句の開始と同時に、最終的な中装飾図柄50bの停止図柄と対応する表示態様で対応図柄50dが表示され、第9楽句の4小節目の終了時点で表示結果が確定する。なお、歌ショートリーチBの最終楽句となる第9楽句及びその1楽句前となる第8楽句では、それぞれ1小節目の開始時点から2小節目の終了直前時点までの期間は、操作ボタン18aの有効期間として設定されていない。
また、図54中の歌ショートリーチBでは、前述したタイミング決定乱数の抽出に基づいてタイミング(3)、即ち第9楽句の1小節目の開始時点(特定フレーズとなる第8楽句の4小節目の終了タイミング)で「7」の中装飾図柄50bに対応する対応図柄50dが表示されて(フレーズ対応停止表示制御手段)大当りが確定した場合を例示している。タイミング決定乱数の抽出に基づいてタイミング(1)が決定した場合には、前記歌ロングリーチBと同様に、第8楽句の1小節目の開始時点(特定フレーズとなる第7楽句の4小節目の終了タイミング)で表示結果を停止表示し(フレーズ対応停止表示制御手段)、タイミング決定乱数の抽出に基づいてタイミング(2)が決定した場合には、第8楽句の3小節目の開始時点(特定フレーズとなる第8楽句の2小節目の終了タイミング)で表示結果を停止表示するようになっている(フレーズ対応停止表示制御手段)。但し、いずれのタイミング(1)〜(3)で表示結果を停止表示した場合でも、歌ショートリーチBの演出としては、第9楽句の4小節目の終了時点まで継続して行われるようになっている(リーチ演出継続手段)。
次に、歌リーチ演出の具体的な演出内容について図55を参照して説明する。歌リーチ演出では、前記図45(E)に示した表示態様(第1段階演出)から前記図45(F)に示した表示態様(第2段階演出)に進展する演出表示が行われる。即ち、ハゲタカキャラクタHCに追いかけられた3人組(ゴン父キャラクタTC、類人猿キャラクタRC、及びゴンキャラクタGC)は、一人も転ぶことなくハゲタカキャラクタHCから逃げ切って前方に砂煙を発見する。その後は、前記図45(G)に示した表示態様(第3段階演出)に進展することなく、徐々に砂煙が遠ざかっていき、図55(A)に示すように、3人組(ゴン父キャラクタTC、類人猿キャラクタRC、及びゴンキャラクタGC)の前に流れ星NBが落下する演出表示が行われる。即ち、図55(A)の3人組(ゴン父キャラクタTC、類人猿キャラクタRC、及びゴンキャラクタGC)の前に流れ星NBが落下する演出表示を行うことで、第2段階スーパーリーチ演出の特殊演出に決定された旨を遊技者に認識させる。
その後、図55(B)に示すように、背景全体が夜空の背景画像に切り替わると共に、ピーコキャラクタPCと「流れ星が出たらボタンを押してみよう!」の文字53が表示され、歌リーチ演出に伴って遊技者に操作ボタン18aの押圧操作を促す演出表示が行われる(変化促進表示制御手段)。次いで、図55(C)に示すように、液晶表示装置50の表示画面中央に中装飾図柄50bに対応する対応図柄50dが星座群の表示態様で表示され(同図中には「1」の中装飾図柄50bを模った星座群の対応図柄50dを例示)、これと同時に流れ星NBが流れる演出表示が行われる。また、このような対応図柄50dの表示が開始されるのと同時に各スピーカ14,36からは、前述した楽曲が流れ、液晶表示装置50の表示画面下端には、楽曲に応じた歌詞の文字54が表示される。
なお、流れ星NBは、前述した操作ボタン18aの有効期間(楽曲の各楽句における1小節目の開始時点から2小節目の終了直前時点までの期間)と対応して液晶表示装置50に表示されるようになっている。即ち、流れ星NBの表示が開始された時点(中装飾図柄50bに対応する対応図柄50dの表示が開始されるのと同時に流れ星NBが流れ始めた時点)で操作ボタン18aの有効期間が開始され、流れ星NBの表示が終了した時点(流れ星NBが消えた時点)で操作ボタン18aの有効期間が終了するようになっている(期間認識表示制御手段)。
その後、上記した流れ星NBの表示期間内(操作ボタン18aの有効期間内)に操作ボタン18aの押圧操作があると、これに伴って中装飾図柄50bを模った星座群の対応図柄50dが、図55(D)に示すゴンキャラクタを模った星座群、図55(E)に示すガイコツキャラクタを模った星座群、あるいは図55(F)に示すマンモスキャラクタを模った星座群、のいずれかのキャラクタ表示態様に変化する。その後、図55(G)に示すように、対応図柄50dが次位の中装飾図柄50bと対応する星座群の表示態様(同図中には「2」の中装飾図柄50bを模った星座群の対応図柄50dを例示)に変化して表示されることで中装飾図柄50bの変動表示が行われ、これと同時に流れ星NBが流れる演出表示が行われる。但し、このように対応図柄50dが次位の中装飾図柄50bと対応する星座群の表示態様に変化した状態で流れ星NBが流れる演出表示が行われる、言い換えれば操作ボタン18aの押圧操作が有効となるのは、前述したように歌ロングリーチ演出(歌ロングリーチA・B)が実行される場合であり、歌ショートリーチ演出(歌ショートリーチA・B)が実行される場合には、楽曲の第1楽句が演奏される期間内でのみ流れ星NBが流れる演出表示が行われる(操作ボタン18aの押圧操作が有効となる)。
その後は、同様にして、流れ星NBの表示期間内(操作ボタン18aの有効期間内)に操作ボタン18aの押圧操作があると、これに伴って中装飾図柄50bを模った星座群の対応図柄50dが、図55(D)に示すゴンキャラクタを模った星座群、図55(E)に示すガイコツキャラクタを模った星座群、あるいは図55(F)に示すマンモスキャラクタを模った星座群、のいずれかのキャラクタ表示態様に変化する。そして、このようなキャラクタ表示態様への変化を伴った中装飾図柄50bの変動表示(実際には、中装飾図柄50bに対応する対応図柄50dが次位の表示態様に変化する表示)が繰り返し行われた後、楽曲の最終楽句で、図55(H)に示すように、中装飾図柄50bの停止図柄と対応する表示態様で対応図柄50dが表示されて表示結果が確定する。なお、図55(H)中では、「7」の中装飾図柄50bと対応する対応図柄50dが停止表示されて、「7、7、7」の大当り図柄が導出された場合を例示している。また、図55(A)〜(H)に示す第2段階スーパーリーチ演出の表示態様では、液晶表示装置50の表示画面における左右両端にそれぞれ左右装飾図柄50a,50cの停止図柄(実施形態中では、「7」の左右装飾図柄を例示)が表示され、いずれの図柄でリーチ態様が形成されたかを遊技者に認識させるようになっている。
なお、以上説明した歌リーチ演出では、当該リーチ演出の実行に合わせてサブ統合基板111(作動制御手段、発光制御手段)による制御によって可動装飾体44a,44b,44c(可動部材)が作動制御(ソレノイド94a,94b,94c(電気的駆動源)が駆動制御)されると共に、遊技盤4に設けられたLED92及びLEDチップ204a(発光手段)が点灯制御されることで、歌リーチ演出を盛り上げるようになっている。
次に、再抽選演出の具体的な演出内容について図56を参照して説明する。なお、本実施形態のパチンコ機1では、再抽選演出として、大当り遊技状態が開始される以前に実行される再抽選演出Aと、大当り遊技状態中に実行される再抽選演出Bとの2種類が設定されている。但し、再抽選演出Aによって非確変大当り図柄が確変大当り図柄に変更(昇確)された場合、再抽選演出Bは実行されない。即ち、再抽選演出Bは、大当り遊技状態の開始以前に実行される再抽選演出Aで確変大当り図柄に昇確されなかった場合、大当り遊技状態中に再度昇確するチャンスを遊技者に与えるための演出となっている。また、再抽選演出Bについては、液晶表示装置50に表示する演出内容が個々に異なる3種類が設定されている。
先ず、再抽選演出Aでは、仮停止図柄となる非確変大当り図柄が停止表示された後、図56(A)に示すように、液晶表示装置50の表示画面いっぱいに非確変大当り図柄(同図中には「4、4、4」の非確変大当り図柄を例示)を表示すると共に、表示画面の左上部分に「PUSH!!」の文字55を表示する再抽選演出の表示態様が表示される。「PUSH!!」の文字55は、遊技者に操作ボタン18aの押圧操作を促すための表示である。
そして、岩石形態の左中右装飾図柄50a〜50cの組み合わせからなる大当り図柄が徐々に粉砕されていき、次位の大当り図柄が表示画面いっぱいに表示され、次いで次位の大当り図柄が徐々に粉砕されていく演出が繰り返し行われることで、大当り図柄が順次コマ送り変化していく演出表示が行われる。具体的には、「4、4、4」の非確変大当り図柄が粉砕されて次に「5、5、5」の確変大当り図柄が表示され、続いて「5、5、5」の確変大当り図柄が粉砕されて次に「6、6、6」の非確変大当り図柄が表示されるような演出表示が繰り返し行われる。その後、大当り図柄(岩石形態の左中右装飾図柄50a〜50c)の粉砕が停止して大当り図柄のコマ送り変化が終了すると最終的な表示結果が停止表示されて再抽選演出Aが終了する。最終的な表示結果(大当り図柄)が確変大当り図柄となった場合は昇確が確定する。一方、最終的な表示結果(大当り図柄)が非確変大当り図柄となった場合は昇確しないことが確定する。
なお、上記した再抽選演出Aにおいて、昇確することが事前決定されていることを条件に、所定のボタン入力有効期間内に操作ボタン18aからの操作信号が所定数以上サブ統合基板111に入力されると、図56(B)に示すように、表示画面にマンモスキャラクタMCを表示することで、最終的な表示結果が停止表示される以前に昇確する旨を遊技者に報知するようになっている。
一方、再抽選演出Bでは、大当り遊技状態中において12ラウンド目が開始されると、図56(C)に示すように、液晶表示装置50の表示画面に「ゴンゴンチャンス!!」の文字57が表示される。なお、大当り遊技状態中の表示画面では、現在進行中のラウンド回数を示すラウンド表示部56a(図56(A)中には「12ROUND」の文字を例示)と、大当り遊技状態の発生を決定した大当り図柄の種類を示す図柄表示部56b(図56(A)中には「6」の図柄を例示)と、現在のラウンド中におけるアタッカ装置60への入賞球数を示す入賞球数表示部56c(図56(A)中には「2COUNT」の文字を例示)とが表示される。
その後、12ラウンド目の表示画面において、図56(D)に示すように、3種類の再抽選演出Bのうちいずれの演出が実行されるかを遊技者に認識させる文字58(同図中には「大物を釣り上げろ!の巻」の文字を例示)が表示され、次いで、図56(E)に示すように、ゴン父キャラクタTCが海で釣りをする演出表示が行われる。なお、「大物を釣り上げろ!の巻」以外となる再抽選演出Bとしては、「狩に行くぞ!の巻」「果物を採るぞ!の巻」の2種類が設定されている。そして、「狩に行くぞ!の巻」の再抽選演出Bが選択された場合には、「狩に行くぞ!の巻」の文字58が表示された後に、キャラクタが狩りを行う演出表示が行われ、「果物を採るぞ!の巻」の再抽選演出Bが選択された場合には、「果物を採るぞ!の巻」の文字58が表示された後に、キャラクタが果物を採る演出表示が行われる。
また、図56(E)中には、ゴン父キャラクタTCが釣りをする演出表示を例示しているが、これに限らず、ゴン父キャラクタTC、ゴンキャラクタGC、類人猿キャラクタRCのうちいずれかのキャラクタが選択されて釣りを行う演出表示が行われるようになっている。「狩に行くぞ!の巻」「果物を採るぞ!の巻」の再抽選演出Bについても同様に、ゴン父キャラクタTC、ゴンキャラクタGC、類人猿キャラクタRCのうちいずれかのキャラクタが選択されて各動作を行う演出表示が行われる。
その後、13ラウンド目の表示画面において、図56(F)に示すように、ゴン父キャラクタTCが釣りで様々なもの(同図中には魚やバナナ等を例示)を釣り上げる演出表示が行われ、14ラウンド目の表示画面では、図56(G)に示すように、釣竿が引っ張られてゴン父キャラクタTCが海に落ちそうになる演出表示が行われる。そして、最終ラウンドとなる15ラウンド目の表示画面において、図56(H)に示すように、ゴン父キャラクタTCが「確変」の文字が刻まれた石版KSを釣り上げようと必死に格闘する演出表示が行われ、最終的に「確変」の文字が刻まれた石版KSを釣り上げた演出表示が行われると昇確が確定する。一方、図示しないが最終ラウンドとなる15ラウンド目の表示画面で、「確変」の文字が刻まれた石版KSを釣り上げることなく、ゴン父キャラクタTCが引っ張られて海に落ちてしまう演出表示が行われることで昇確しないことが確定する。
なお、「狩に行くぞ!の巻」の再抽選演出Bでは、12ラウンド目の表示画面で「狩に行くぞ!の巻」の文字58が表示された後、キャラクタ(ゴン父キャラクタTC、ゴンキャラクタGC、類人猿キャラクタRCのいずれか)が12ラウンド目から14ラウンド目までの表示画面で狩りを行う演出表示が行われる。そして、最終ラウンドとなる15ラウンド目の表示画面において、狩りに成功した演出表示が行われると昇確が確定する一方、狩りに失敗した演出表示が行われると昇確しないことが確定する。また、「果物を採るぞ!の巻」の再抽選演出Bでは、12ラウンド目の表示画面で「果物を採るぞ!の巻」の文字58が表示された後、キャラクタ(ゴン父キャラクタTC、ゴンキャラクタGC、類人猿キャラクタRCのいずれか)が12ラウンド目から14ラウンド目までの表示画面でヤシの木からヤシの実を採ろうと格闘する演出表示が行われる。そして、最終ラウンドとなる15ラウンド目の表示画面において、ヤシの実採りに成功した演出表示が行われると昇確が確定する一方、ヤシの実採りに失敗した演出表示が行われると昇確しないことが確定する。
以上のように、本実施形態の構成によれば、歌ロングリーチ(特定当落演出)が実行されるときに、第1楽句から最終楽句(歌ロングリーチAでは第8楽句の2小節目、歌ロングリーチBでは第9楽句の4小節目)までの全楽句から構成される楽曲を発生させる一方、歌ショートリーチ(短縮当落演出)が実行されるときに、第1楽句から最終楽句までの全楽句のうち一部の楽句(第2楽句〜第6楽句)を省略した楽曲を発生させる。これにより、楽曲演奏を伴うリーチ演出(短縮当落演出)自体を冗長にすることなく実行することができる。また、この構成によれば、楽曲の最初(第1楽句)から最後(最終楽句)までを完全に演奏するリーチ演出(特定当落演出)を設けることで、メインテーマをモチーフとした主題歌等の楽曲に思い入れを持つ遊技者に対して満足感を持たせることができる。
なお、実施形態中では、本発明に係る識別情報を装飾図柄とすると共に、大当り一歩手前となる識別情報の特定状態をリーチ態様としているが、これに限定するものではない。例えば、キャラクタを識別情報として表示すると共に、大当り一歩手前となる識別情報の特定状態を当該キャラクタが特定の動作を行うこと等としてもよい。
また、本実施形態の構成によれば、歌リーチ演出の実行が決定されると(所定条件が成立すると)、装飾図柄と対応する図柄表示態様とキャラクタを表示するキャラクタ表示態様との間で表示態様が変化し得る対応図柄を装飾図柄に替えて表示し、操作ボタン18aの操作が検出されたことに基づいて、対応図柄を次位の図柄表示態様に切り替わるまでの期間内でキャラクタ表示態様に変化させる。これにより、操作ボタン18aが操作されない場合でも、識別情報に替えて対応図柄を表示する演出内容とすることで、遊技者に不快感を与えることがない。また、図柄変動を不連続的に行うことができ、ひいては従来にない斬新な趣で識別情報の変動表示を行うことができる。
また、本実施形態の構成によれば、リーチ演出の実行に合わせて楽曲が発生されることを条件に(本実施形態では、歌ロングリーチB又は歌ショートリーチBの実行が決定されることを条件に)、表示結果を停止表示するタイミングを、楽曲の所定の楽句における特定フレーズの終了タイミングに合った複数種類のタイミング(1)〜(3)の中から選択的に決定し、決定したタイミングで表示結果を停止表示する。これにより、リーチ演出に合わせて楽曲を流す構成において、表示結果を停止表示するタイミングを楽曲の所定の楽句における特定フレーズの終了タイミングに合った複数種類(本実施形態では、タイミング(1)〜(3)の3種類)設定することで、楽曲演奏のいずれのタイミングで表示結果が停止表示されるかを遊技者に分からせなくできるので、リーチ演出の実行期間中、継続的に遊技者に緊張感を持たせることができる。なお、このような構成としては、識別情報の表示結果を停止表示した後、表示結果を繰り返し表示する全回転リーチ演出があるが、この全回転リーチ演出は、一旦、大当り図柄となる表示結果を停止表示することで、その時点で大当りを確定させるプレミアム的な演出であり、本発明のような大当りとなるか否かの表示結果を複数種類のタイミングのうちいずれかで停止表示する構成とは、明らかに趣きが異なった演出となっている。
なお、実施形態中では、タイミング(1),(2)において、大当りを決定する図柄を停止した後でも、所定の切り替えタイミングで再度同一の図柄(大当りを決定する図柄)に切り替える演出を行う構成としているが、これに限定するものではなく、一旦、大当りを決定する図柄を停止表示した後は、途中の切り替え表示を行うことなく、最後まで継続的に図柄を停止表示するようにしてもよい。こうすることで、途中の図柄表示切り替えをすることがないので、一旦、大当りを決定する図柄が停止表示された時点で、はずれを決定する図柄に切り替わることがなくなり、遊技者を安心させることができる。
また、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1を示したが、パチンコ機以外の遊技機、例えば、スロットマシーンや、パチンコ機とスロットマシーンとを融合させてなる遊技機等であっても本発明を適用することができる。