以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。なお、本実施形態では、遊技機として、パチンコ機1について説明するが、本発明の遊技機はこれに限らず、「ぱちんこ遊技機」、「回動式遊技機」、「アレンジボール遊技機」、「じやん球遊技機」等であってもよい。図1および図2は、一実施形態となるパチンコ機1の構成を具体的に示している。パチンコ機1は枠体および遊技盤4から構成され、枠体には外枠2をはじめ本体枠3、前面枠5等が含まれている。このうち外枠2は、上下左右の木枠材を矩形に組み合わせて構成されており、その前側下部には、本体枠3の下面を受けるための下受板6が備えられている。外枠2の左側縁部には、ヒンジ機構7を介して本体枠3の左側端部が連結されており、図2に示されているように、本体枠3は外枠2の手前側にて開閉可能となっている。この本体枠3は、前枠体8と遊技盤装着枠9、機構装着枠10を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。このうち前枠体8は、本体枠3の前面側に位置して形成されており、その外形は、下受板6を除く外枠2の外郭形状に合致する大きさを有している。
遊技盤装着枠9は前枠体8の後部に一体的に形成されており、この遊技盤装着枠9には遊技盤4が前方から嵌め込むようにして装着されている。遊技盤4もまたヒンジ機構25を介して本体枠3より前面側へ開閉可能となっており、この開閉動作に伴って遊技盤4は本体枠3に対して着脱可能となっている。遊技盤装着枠9のうち、遊技盤4が嵌め込まれる部位の下開口縁部にキャッチロック9a(いわゆる「パチン錠」)が設けられている。図示のように、遊技盤装着枠9に遊技盤4が嵌め込まれた状態でキャッチロック9aが締め付けられると、遊技盤4が下方に強く押し付けられるようにして遊技盤装着枠9に固定される。
また、遊技盤4の右上隅部と右下隅部にはそれぞれロック部材4cが取り付けられている。ロック部材4cは遊技盤4の幅方向に細長く延びたプレート形状をなしており、その先端部は遊技盤4から右側方に突き出た状態で遊技盤4を遊技盤装着枠9に対して係止する爪の働きをする。すなわち、ロック部材4cはその先端部分が遊技盤4の右側端から側方に突出した突出位置か、もしくは遊技盤4の右側端から内側(中心方向)に引っ込んだ引込位置のいずれかで遊技盤4に係止される。
一方、図2には示されていないが、遊技盤装着枠9の内縁には上下のロック部材4cにそれぞれ対応する位置に係止穴が形成されている。このため遊技盤4を遊技盤装着枠9に嵌め込んだ状態で、上下のロック部材4cをそれぞれ突出位置で係止させれば、その先端部が係止穴に入り込んだ状態で遊技盤4を遊技盤装着枠9に係止し、その前方への脱落を防止する。逆に、上下のロック部材4cを突出位置から退出させて遊技盤装着枠9との係止を解除すれば、遊技盤4を遊技盤装着枠9から容易に取り外すことができる。
遊技盤4の盤面(前面)には、環状に成形された案内レール11が設けられており、この案内レール11は外レールと内レールとから構成されている。そして遊技盤4の盤面には、案内レール11の内側にほぼ円形状の遊技領域12が区画して形成されている。なお、遊技領域12内の構成(盤面構成)については後述する。
前枠体8の左下隅の位置には、装着板13を介して低音用スピーカ14が内蔵されている。また、前枠体8の右下隅の位置には発射レール15が設けられており、この発射レール15は遊技盤4の発射通路に向けて遊技球を導く役割を果たしている。そして前枠体8には、発射レール15や低音用スピーカ14よりも下方の位置に下前面部材16が装着されている。この下前面部材16のほぼ中央位置に下皿17が形成されており、さらにその右側位置に発射ハンドル18が設けられている。
図2に一部が示されているように、本体枠3(前枠体8)の右側端部には、その裏面側に施錠装置19が装着されている。この施錠装置19は、外枠2に対して本体枠3全体を施錠したり、あるいは、本体枠3に対して前面枠5を施錠したりする機能を備えている。施錠装置19は2種類の枠施錠ラッチ21および扉施錠ラッチ23を有しており、このうち一方の枠施錠ラッチ21は外枠2の閉止具20に対応している。例えば、図2に示されている状態から本体枠3を外枠2に対して押し込むと、上下で2つの枠施錠ラッチ21がそれぞれ対応する閉止具20に係合し、これにより本体枠3が外枠2に施錠された状態で固定される。
もう一方の扉施錠ラッチ23は、前面枠5の後面に設けられた閉止具22に対応しており、例えば図2に示されている状態から前面枠5を本体枠3に対して押し込むと、上下で3つの扉施錠ラッチ23がそれぞれ対応する閉止具22に係合し、これにより前面枠5が本体枠3に施錠された状態で固定される。
施錠装置19はまたシリンダー錠24を有しており、本体枠3および前面枠5が閉止された状態で、例えばホールの管理者・従業員がシリンダー錠24の鍵穴に専用の鍵を挿入して一方向に回すと、枠施錠ラッチ21と外枠2の閉止具20との係合が解除されて本体枠3が解錠される。また、これとは逆方向に鍵を回すと、扉施錠ラッチ23と前面枠5の閉止具22との係合が解除されて前面枠5が解錠されるようになっている。なお、シリンダー錠24の前端部は、前枠体8および下前面部材16を貫通して下前面部材16の前面に露出しているため、パチンコ機1の前方から鍵を挿入して解錠操作を容易に行うことができるものとなっている。
なお、本実施形態では、時計回り方向に鍵を回動操作(捻り操作)することで外枠2に対して本体枠3が解錠され、反時計回り方向に鍵を回動操作(捻り操作)することで本体枠3に対して前面枠5が解錠される。このように、鍵の回動操作の方向を異ならせるだけで、本体枠3または前面枠5のいずれかを解錠させることができる。また、施錠装置19は、本体枠3が閉塞状態にて施錠されたときに、鍵以外のものを用いた外部操作によって枠施錠ラッチ21と外枠2の閉止具20との係合が解除されないように枠施錠ラッチ21の変位をロックするロック機構をさらに備えている。
これにより、本体枠3が閉塞状態で施錠されたときは、ロック機構により枠施錠ラッチ21がロックされる。また本体枠3(全面枠8)には、枠施錠ラッチ21よりも外枠2と本体枠3(前面枠8)との間隙に近い側(図2でみて右側方)にリブが突設して形成されており、不正行為を意図した遊技者等が外枠2と本体枠3(前面枠8)との間隙から針金等を差し込んで直接枠施錠ラッチ21を操作しようとしても、その針金等はリブに当接し、それ以上の進入を阻まれる。したがって、外枠2と本体枠3(前面枠3)との間隙から針金等を用いて本体枠3を不正に解錠するような行為を抑止することができる。
前面枠5はガラス枠やガラス扉とも称され、この前面枠5はヒンジ機構25を介して本体枠3の前面側に開閉可能に装着されている。前面枠5は、その裏側に扉本体フレーム26を有するほか、前側に枠ランプ27(サイド装飾装置)や上皿28、音響電飾装置29を備えている。扉本体フレーム26は、プレス加工された金属製フレーム部材によって構成されており、この扉本体フレーム26は前枠体8の上端から下前面部材16の上縁に亘る部分を覆う大きさに形成されている。前面枠5を閉じると、遊技盤4を含む前枠体8の前面側が前面枠5によって覆われることとなるが、扉本体フレーム26の中央にはほぼ円形の開口窓30が形成されており、この開口窓30を通じて遊技盤4の遊技領域12を前方から視認することができる。また、扉本体フレーム26の後側には、開口窓30よりも大きい矩形枠状をなす窓枠31が設けられており、この窓枠31には透明な2枚のガラス板32が前後に間隔をおいて嵌め込まれている。
なお本実施形態の構成では、遊技盤4の右方ではなく下方にシリンダー錠24を配置し、合わせて遊技盤4の右方に配置された施錠装置19を薄型化することで、遊技盤4に形成された遊技領域12の面積を従来よりも大きく確保することができる。これにより遊技者の見る目を大いに引きつけ、その視認に対する興趣を高めることができる。また本実施形態の構成では、遊技領域12の拡大に合わせて前面枠8の開口窓30が拡大されているため、その部分では前面枠8の剛性が低下することとなるが、本実施形態では前面枠8の下部に上皿28が一体的に形成されているため、この上皿28の部分が補強となって前面枠8全体としての剛性の低下を抑制している。
図1に示されているように、前面枠5には開口窓30の周囲において、左右両側部に枠ランプ27が配設されているほか、その下部に上皿28が配設されており、さらには上部に音響電飾装置29が配設されている。これら枠ランプ27や音響電飾装置29、上皿28等は全体として前面枠5の外形を構成するべく一体をなし、相互に外観上の一体感を想起させるデザインが施されている。
このうち枠ランプ27は、ランプ基板を内蔵したサイド装飾体33を主体として構成されており、サイド装飾体33はちょうど開口窓30の左右で一対をなしている。サイド装飾体33には、横長に延びるスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、個々の開口孔には、ランプ基板に実装されたランプ(LED:発光ダイオード)に対応するレンズ34が組み込まれている。
また音響電飾装置29は、高音用に2つのスピーカ36を内蔵しており、これらスピーカ36の前面側はスピーカカバー37で覆われている。スピーカ36は前面枠5の左右に一対をなして配置されており、左右のスピーカ36をつなぐようにして透明カバー体35が設置されている。透明カバー体35は前面枠5の幅一杯に拡がっており、その奥には装飾用のLEDを有したランプ基板やリフレクタ体等が設置されている。音響電飾装置29は、これらスピーカ36やスピーカカバー37、透明カバー体35、ランプ基板、リフレクタ体等の構成部材が相互に組み付けられた状態でユニット化されている。
扉本体フレーム26の前側には、開口窓30の周囲において、下部に上皿28が前面枠8と一体的に設けられているほか、左右の両側部に枠ランプ27が装着されており、また上部に上部スピーカ36が装着されている。なお枠ランプ27については、各種遊技内容に応じてその点灯・消灯制御が実行されており、上部スピーカ36および下部スピーカ14については、各種遊技内容に応じて複数種類の音出力態様により音出力制御が実行される。このように本実施形態のパチンコ機1では、各種遊技内容に応じて枠ランプ27の点灯・消灯制御や、上部スピーカ29および下部スピーカ14の音出力制御を実行することで演出効果を高め、遊技者の興趣を向上するようになっている。また、上部スピーカ29および下部スピーカ14では、不正行為が実行されたことを報知する警告音や、遊技に関するエラーが発生したことを報知する情報音等の出力も行われる。
パチンコ機1の構造上、上記の枠体(外枠2、本体枠3、前面枠5)が本体を構成する部分であり、遊技盤4の板材、つまり遊技板は本体に着脱可能に支持された部分となっている。外枠2は遊技場(ホール)の島設備にパチンコ機1を固定する役割を担い、また本体枠3は遊技板を含めた遊技盤4全体を着脱可能に支持する役割を担う。遊技板はベニヤ板等の強度部材からなり、その前面および背面には各種構成要素(障害釘、役物、入賞装置、装飾品類、電子機器・制御基板類)が取り付けられている。
図3は、遊技盤4を単独で示している。上記のように遊技盤4は矩形状に成型された遊技板4aを強度部材として構成されており、その前面に遊技領域12が円形状に形成されている。遊技領域12内には、所定の配列で多数の障害釘が打ち付けられているほか、その適宜の位置に球誘導用の風車40が設けられている。遊技領域12内の上半分には、ひときわ大きく目を引く演出装置42が配置されており、この演出装置42にはパチンコ機1の機種やゲームコンセプト等を象徴したデザインがあしらわれている。
演出装置42は、その全体が縦方向に扁平した楕円形状の外形をなしているが、そのところどころに角張った部分を有する。特に正面からみて演出装置42の頂部は山形状に突出し、その山頂に相当する部分から左右に延びる上縁部は、緩やかな下り傾斜を有している。また、演出装置42の左側縁部は縦方向にゴツゴツと切り立ったような形状をなしており、このため左側縁部の上端と下端がそれぞれ角張った外形をなしている。一方、演出装置42の右側縁部は遊技領域12の外縁に沿って円弧状に湾曲しており、その輪郭線は左側縁部と対照的に滑らかなカーブを描いている。また、演出装置42の下側縁部は中央に向かって直線的に絞り込まれたような下り傾斜を有しており、そして中央の位置では水平方向に屈曲されている。
演出装置42の内側には液晶表示装置50が設置されており、この液晶表示装置50は比較的大型の表示画面を有している。また演出装置42の内側には、液晶表示装置50の表示画面を取り囲むようにして各種の装飾体43a,43b,43cや可動装飾体44a,44b,44cが配置されているほか、可動装飾体44a〜44cの外側には演出装置42の周縁部に沿って別の装飾体43d,43e等が配置されている。
また、正面からみて可動装飾体44a,44b,44cよりも奥の位置には、それぞれ固定装飾体45a,45b,45cが設置されており、これら固定装飾体45a,45b,45cの周囲の領域にはさらに別の装飾部材46が設置されている。装飾部材46は、液晶表示装置50の左右の両側方および上方の領域に拡がるようにして敷設されており、それゆえ演出装置42を前面側からみたとき、装飾部材46は装飾体43a,43b,43cや可動装飾体44a,44b,44cの背景領域としての位置付けとなる。
上記のように演出装置42には、視覚的にパチンコ機1のゲームコンセプトを象徴するデザインが付されており、それゆえ個々の装飾体43a〜43eや可動装飾体44a〜44c、固定装飾体45a〜45c、装飾部材46には独特の造形が施されている。
すなわち、本実施形態のパチンコ機1におけるゲームコンセプトは、原始時代の地球を背景として、この時代の地球に生きる人類(原始人)や原始動物の生き様や行動をコミカルに表現した創作的ストーリーの上に成り立っている。ただし、ここでいう「原始時代」は考古学上の正確な時代区分に基づくものではなく、社会一般に定着しているイメージとしての「原始時代」を背景としている。したがって、そこに登場するキャラクタの風貌はあくまで現代の人類を原始人らしくコミカルに表現したものであり、また、原始哺乳動物として登場する「マンモス」や「類人猿」、「サーベルタイガー」、「モグラ」等の風貌は、いずれも原始時代の動物らしく見えるようにコミカルにアレンジされたキャラクタとして表現されている。
先ず演出装置42の全体を見ると、その外観には原始地球の表面らしく土色のゴツゴツとした岩肌をモチーフとした造形が施されている。そして、演出装置42の上縁部に目をやると、そこには「マンモス」をイメージしてデザインされた装飾体43aが配置されており、この装飾体43aは、ちょうど「マンモス」が頭にたん瘤をつくってひっくり返った様子を表現している。また、これに対応するようにして、装飾体43aの右側には「石斧」をデザインした装飾体43dが配置されており、この装飾体43dは、原始人であるキャラクタが狩りをする道具としての「石斧(=棒切れに石をくくりつけた道具)」をデザイン的に表現したものとなっている。したがって、装飾体43a,43dの造形を目にした遊技者は、そこから「原始人が石斧を使ってマンモスを仕留めた」というストーリーを感じ取ることができる。
また演出装置42の右側縁部に目をやると、そこには「マンモスの牙」をイメージしてデザインされた装飾体43eが配置されている。このため遊技者が装飾体43eの造形に接すると、そこから「原始人が狩りで仕留めたマンモスの牙を装飾品として利用している」というストーリーを感じ取ることができる。なお装飾体43eは、その外面(前部ユニット42aの側面に相当する面)がそのまま遊技球の流下を案内する案内面にもなっている。
一方、演出装置42の下縁部に目をやると、そこには「マンモスの頭部と牙」をデザインした装飾体43cが左右で一対をなすようにして配置されている。また、装飾体43cの近傍には、原始地球に生い茂った「草むら」をイメージした装飾が施されていることから、この装飾体43cを目にした遊技者は、「草むらからマンモスの頭がのぞいている」というイメージを抱くことになる。
また本実施形態では、「マンモスの頭部と牙」や「草むら」をイメージした装飾体が遊技領域12内で演出装置42内のステージ部(転動部)よりも高い位置に配置されているため、遊技領域12を流下する遊技球が必要以上にステージ部に進入することを防止することができる。これにより、演出装置42のステージ部において安定したステージ性能(上始動口52へ遊技球を放出する性能)を発揮することが可能となる。要するに、遊技球がステージ部に導かれるということは、単に遊技領域12を流下していくよりも上始動口52に入賞する確率が高くなるということである。このため、流下中の遊技球があまり過度にステージ部に進入すると、製品の開発段階で計画された遊技性能に狂いが生じてくることになるが、本実施形態では、装飾体が遊技球の不所望な進入を堰き止める防波堤の役割を果たすので、遊技性能を保証しつつ装飾性を高めることができるという2重のメリットが生じる。
また演出装置42の左側縁部に目をやると、そこには片仮名文字で「ゴ」と「ン」を象った装飾体43bが配置されている。さらにこれら装飾体43bは、仮名文字である「ゴ」や「ン」を立体的な形状で表現したものとしてデザインされており、その外形には岩を切り出してできたかのようにゴツゴツとした造形が施されている。なお、装飾体43bで表される「ゴ」と「ン」は、これらを続けて「ゴン」と読ませるためのものであり、「ゴン」は、上記の創作的ストーリーに登場するキャラクタ(主人公)の名前となっている。
次に演出装置42の上縁部から右側縁部に目をやると、そこには片仮名文字で「ギ」や「オ」を象った可動装飾体44a,44b,44cが配置されている。また、これら装飾体44a,44b,44cは、仮名文字である「ギ」や「オ」を立体的な形状で表現したものとしてデザインされており、その外形には岩を切り出してできたかのようにゴツゴツとした造形が施されている。
このうち、上縁部に位置する可動装飾体44aの近傍には、片仮名の小文字である「ャ」とともに長音符号である「ー」を象った装飾体45aが配置されている。この装飾体45aで表される「ャ」,「ー」の文字は、可動装飾体44aで表される「ギ」からつづけて「ギャー」と拗音を長くのばして読ませるためのものである。同様に、右側縁部に上下に並んで位置する可動装飾体44b,44cの近傍には、それぞれ長音符号である「ー」を象った装飾体45b,45cが配置されている。これら装飾体45b,45cで表される「ー」は、各可動装飾体44b,44cで表される「オ」からつづけて「オー」と長音に読ませるためのものである。なお、可動装飾体44a〜44cおよび装飾体45a〜45cで表される「ギャー」や「オー」は、上記の創作的ストーリーに登場するキャラクタ等の叫び声を表すものとなっている。
演出装置42よりも下方の遊技領域12には上始動口52が配置されており、その直下の位置には、入球装置56と一体化された下始動口54が配置されている。入球装置56には左右一対の開閉部材56aが付属しており、図中に示されているように開閉部材56aが左右に拡開した状態に変位すると下始動口54に遊技球が入賞可能となり、逆に開閉部材56aが閉じた状態に変位すると遊技球は下始動口54に入賞しなくなる。なお入球装置56にも、演出装置42と同様にパチンコ機1のゲームコンセプトを象徴したデザインが施されている。
入球装置56の左右の離れた位置にはゲート58が一対をなして配置されている。また、入球装置56の下方の位置にはアタッカ装置60が配置されている。このアタッカ装置60は大入賞口62を開閉するための開閉部材60aを有している。図示のように開閉部材60aが手前側へ倒れ込むようにして開いた状態に変位すると、上方から流下してくる遊技球が開閉部材60aに案内されて大入賞口62に入賞可能となり、逆に開閉部材60aが盤面に沿う位置まで変位すると、大入賞口62が閉じられて遊技球は入賞しなくなる。
その他、アタッカ装置60の左右の位置には一般入賞口66が一対をなして配置されている。また、遊技領域12の下縁部に沿って左右一対のサイド装飾部材64が配置されており、これらサイド装飾部材64にもそれぞれ一般入賞口66が形成されている。これらサイド装飾部材64もまた、演出装置42と同様にパチンコ機1のゲームコンセプトを象徴したデザインを有し、その造形には演出装置42との視覚的な統一感が与えられている。
サイド装飾部材64では、遊技の進行に伴い各種情報の表示が行われるものとなっており、各種情報の表示は、各サイド装飾部材64に内蔵されたLEDの点灯・点滅により表示することができる。このため、例えば右側のサイド装飾部材64には、4つの発光領域64aが形成されており、これら発光領域64aはいずれも小円形状をなし、そして4つが菱形を描くようにして配列されている。さらに発光領域64aの上方には2つの発光領域64b,64cが形成されており、これら発光領域64b,64cにはそれぞれ動物の骨(大腿骨のように棒状で、両端に関節部となる膨らみがあるもの)をかたどったデザインが施されている。また、左側のサイド装飾部材64にも合計で4つの発光領域64d,64eが形成されている。これら発光領域64d,64eはいずれも小円形状をなし、縦方向に1列を描くようにして配列されている。以下、発光領域64a〜64eについて概略を説明する。
先ず右側に4つ配列された発光領域64aは、特別図柄表示器(抽選情報表示器)として機能する。特別図柄は、パチンコ機1において特別図柄抽選(大当り判定)が行われ、その当落の結果が出たということを外部に向けて表示するためのもの(抽選情報)である。例えば、パチンコ機1における通常遊技状態(大当り遊技でない状態)で上始動口52または下始動口54への入賞があると、それを契機に4つの発光領域64aがいろいろなパターンで点滅動作を開始し、特別図柄の変動状態が表示される。このような特別図柄の変動開始(いわゆる「始動」)により、遊技者は大当り判定が行われたこと(あるいは、これから抽選の結果が出ること)を認識することができる。この後、ある程度の時間が経過すると発光領域64aの点滅動作が停止し、そのときの抽選結果(当落結果)を表示する態様で特別図柄が停止表示される。特別図柄の停止表示の態様について、簡易な例では4つの発光領域64aが全て点灯していれば当選(大当り)を表し、4つの発光領域64aのいずれか1つでも消灯していれば落選を表すといった態様が挙げられる(ただし、これら以外の態様もある。)。これにより、遊技者は大当り判定に当選したか否かを視覚的に認識することができる。なお本実施形態では、4つの発光領域64aの他に液晶表示装置50を用いて装飾的な図柄(例えば「0」〜「9」の数字をデザインしたもの)を変動・停止表示させることで、特別図柄の変動表示と停止表示に関連した各種の演出を行うことが可能である。
また、特別図柄表示器に関連して演出装置42の下縁部に4つの発光領域48が形成されており、これら4つの発光領域48は特別図柄の始動記憶ランプ(入賞表示器)として機能する。すなわち、4つの発光領域48には個々に数字の「1」,「2」,「3」,「4」をかたどったデザインが施されており、4つの発光領域48は左から右へ「1」〜「4」を表すようにして順番に並んでいる。これら4つの発光領域48は、「1」〜「4」の発光(点灯)態様によって特別図柄の始動記憶数(1〜4)を表すことができる。
具体的には、遊技中に上始動口52または下始動口54への入賞があると、これを契機として特別図柄の始動条件が記憶され、この状態で特別図柄が変動表示中であれば、「1」に対応する発光領域48が発光(点灯)して始動記憶数が1であることが表示される。一方、始動条件が記憶されている状態で、特別図柄が変動していなければ(変動状態から停止表示状態になった場合を含む)、記憶された始動条件に基づいて特別図柄の変動表示が開始される。この場合、始動条件の記憶は消去され、あわせて始動記憶数「1」に対応する発光領域48の発光が停止(消灯)される。なお、本実施形態では始動記憶数の上限が4であるため、上限に達した場合、それ以上の始動条件は記憶されない。
次に、発光領域64aの上方に配置された2つの発光領域64b,64cのうち、右側に位置する発光領域64cはその点灯・点滅により普通図柄表示器として機能することができる。普通図柄は、パチンコ機1において普通図柄当り判定が行われ、その当落の結果が出たということを表すためのものである。例えば、パチンコ機1における通常遊技状態(大当り遊技でない状態)でゲート58を遊技球が通過すると、それを契機に発光領域64cが点灯または点滅動作を開始し、これにより普通図柄の変動状態が表示される。一方、左側の発光領域64bは、その点灯または消灯によって内部的な遊技様態(大当り確率が比較的高い高確率遊技様態であるか、あるいは大当り確率が比較的低い低確率遊技様態であるかの様態)を表示することができる。
そして、左側のサイド装飾部材64に4つ縦に並んで配置された発光領域64d,64eのうち、下2つの発光領域64eは、点灯・点滅によって普通図柄の始動記憶数(1〜4)を表示することができる。また、上2つの発光領域64dは、大当りになった場合にいずれか1つが点灯し、それによって大当りの種類を表示することができる。なお、大当りの種類については、パチンコ機1の制御に関する構成と合わせて後述する。
図4は、遊技板4aに対する演出装置42の具体的な取付態様を示している。演出装置42は大きく分けて、遊技板4aを挟んで前後に分割された2つのユニットから構成される。具体的には、遊技板4aの前面側に前部ユニット42aが位置し、この前部ユニット42aは遊技板4aに対してその前面側から取り付けられる。逆に遊技板4aの背面側には後部ユニット42bが位置し、この後部ユニット42bは遊技板4aに対してその背面側から取り付けられる。また液晶表示装置50は、後部ユニット42bに対してその背面側から取り付けられる。
遊技板4aには、その合板材を厚み方向(前後方向)に貫通して形成された貫通穴4bが形成されている。この貫通穴4bは、遊技領域12の中央からやや上よりの範囲にかけて大きく開口しており、その開口形状は、前部ユニット42aの外形にほぼ合致している。
前部ユニット42aは、演出装置42の外周部分を構成するようにして環状に成形されており、それゆえ前部ユニット42aの内側部分は大きく開口した状態にある。前部ユニット42aは、その前後方向でみると遊技板4aに対向する後半分の部位42rが貫通穴4b内にぴったり嵌り込む形状に成形されており、この後半分の部位42rを貫通穴4b内に嵌め込んだ状態で前部ユニット42aが遊技板4aに取り付けられる。なお本実施形態では、前部ユニット4aに電気的な動作を行う部品(例えばソレノイド、LED、基板等)が何も取り付けられていない。このため前部ユニット42aの取り付けに際し、貫通穴4bを通じて何らかの電気配線を接続する必要がないことから、前部ユニット42aは特に他の構成要素との電気的な接続関係を気にすることなく、それ単体で遊技板4aに対して着脱可能となっている。
また前部ユニット42aには、外周を取り巻くようにしてフランジ部42nが形成されており、このフランジ部42nは遊技板4aの前面と平行に拡がっている。それゆえ前部ユニット42aは、その後半分の部位42rを貫通穴4b内に嵌め込んだ状態でフランジ部42nを遊技板4aの前面(化粧シート面)に密着させることができる。フランジ部42nには、適宜の位置にねじ孔が形成されており、前部ユニット42aを遊技板4aに取り付ける際は、フランジ部42nのねじ孔を通じて前部ユニット42aがねじ留めされるものとなっている。
さらに前部ユニット42aには、後半分の部位42rから後方に向けて突出する係合片(第1または第2の係合片)42sが形成されている。係合片42sは前部ユニット42aの上縁部に1本と、下縁部に2本(図4には1本のみ示されている)の合計3本が形成されており、いずれも貫通穴4bを通じて遊技板4aの前面側から挿入されると、遊技板4aの背面からさらに後方に突出する。
一方、前部ユニット42aが遊技板4aに取り付けられた状態で、その前半分の部位42fや装飾体43b,43d,43e等はいずれも遊技板4aの前面側に位置する。逆に、下縁部に位置する2つの装飾体43cは、後半分の部位42rとともに貫通穴4b内に位置する。前部ユニット42aの前半分の部位42fおよび装飾体43b,43d,43eは、その厚みが例えば案内レール11やパネル飾り4cとほぼ同じに設定されている。このため、前部ユニット42aが遊技板4aに取り付けられると、その前半分の部位4fおよび装飾体43b,43d,43eは遊技領域12内で盤面から手前に突出し、それによって遊技球の流下を誘導・案内する部材としても機能する。
これに対して後部ユニット42bは、特に貫通穴4bとの間に嵌め合わせの関係を構成することなく遊技板4aの背面に取り付けられる。後部ユニット42bも同様に、フランジ部(図4には示されていない)のねじ孔を通じて遊技板4aにねじ留めされる。
後部ユニット42bは、その取付状態において大部分が遊技板4aの背面側に位置しており、特に上記の固定装飾体45a,45b,45cおよび装飾部材46は、いずれも遊技板4aの背面よりわずかに後方に位置する。このため遊技者が遊技盤4に相対すると、貫通穴4bからさらに奥まった位置に固定装飾体45a,45b,45cおよび装飾部材46が配置されている様子が視認されるため、そこに視覚的な奥行きを感じることができる。
ただし、後部ユニット42bには上記の装飾体43aや可動装飾体44a,44b,44cが取り付けられており、これら装飾体43aおよび可動装飾体44a,44b,44cはいずれも後部ユニット42b(特に装飾部材46)から前面側に突出している。したがって、後部ユニット42bが遊技板4aに取り付けられる際、装飾体43aおよび可動装飾体44a,44b,44cは背面側から貫通穴4b内に進入した状態となる。
なお後部ユニット42bは、遊技板4aの背面において貫通穴4bよりも広い範囲にわたって配置されている。つまり、後部ユニット42bは貫通穴4bの開口面積よりも大きい外形を有しており、前面側からは、貫通穴4bを通じて後部ユニット42bの一部のみが視認されている。このため本実施形態では、遊技板4aの前面側から貫通穴4bをくぐらせて後部ユニット42bを着脱することはできない構造となっている。
さらに後部ユニット42bには、前部ユニット42aの係合片42sに対応して3箇所に係合孔42hが形成されており(図3には下側の2箇所のみ示されている)、係合孔42hは、後部ユニット42bの係合片(第1または第2の係合片)68a,68b等に形成されている。前部ユニット42aおよび後部ユニット42bが遊技板4aに対して前後から取り付けられると、3本の係合片42sは貫通穴4bを通じて後部ユニット42bにまで達し、それぞれ対応する係合孔42hに差し込まれる。またこの状態で、個々の係合片42sが係合孔42h(係合片68a,68b等)に係合するので、これにより前部ユニット42aおよび後部ユニット42bが相互に位置決めされる。なお、ここでいう「係合」は、前後方向への拘束力を発揮するものではなく、前部ユニット42aまたは後部ユニット42bの上下・左右・斜め方向(盤面に沿う方向)への位置ずれを拘束するものである。
演出装置42の下縁部、つまり液晶表示装置50の画面より下方の部位には球誘導部材70,72が配置されている。球誘導部材70,72は、その上面にて遊技球を案内し、その転動方向にいろいろな変化を与えることができる。図4中に2点鎖線で示されているように、球誘導部材72は前部ユニット42aとともに手前側へ分離可能な構造となっている。なお、球誘導部材70,72については後に詳述する。
遊技盤4には、演出装置42とともに表示ユニットが取り付けられている。上記の液晶表示装置50は、表示制御基板と一体化された表示ユニットとして構成されており、この表示ユニットの状態で後部ユニット42bに対し背面側から取り付けられている。液晶表示装置50は、その画面上で演出的な画像を表示することができ、遊技盤4の完成状態で、液晶表示装置50の画面は貫通穴4bを通じて前面側から視認される。また本実施形態では、液晶表示装置50の背面に表示制御基板(120)が一体的に取り付けられている。なお、表示制御基板(120)の構成については図11を参照しながら後述する。
図5は、演出装置42を構成要素に分解した状態で示している。既に説明したように、演出装置42は大きく分けて前部ユニット42aおよび後部ユニット42bから構成されており、これらは相互に着脱可能な構造となっているが、後部ユニット42bにはさらに2つの球誘導部材70,72および内部装飾体74が着脱可能に取り付けられている。
図5に示されているように、後部ユニット42bには、液晶表示装置50の表示画面よりも下方の部位に奥壁68が形成されており、この奥壁68は後部ユニット42bが遊技板4aに取り付けられた状態では、盤面に対してほぼ平行に位置する。奥壁68は後部ユニット42bの左右側縁部の間をつなぐようにして拡がり、正面からみてほぼ逆台形状をなしている。
奥壁68の両側端部には、それぞれ係合片68a,68bが形成されており、これら係合片68a,68bはいずれも奥壁68から前面側に向けて突出している。また、左右の係合片68a,68bは扁平した円筒形状をなし、このうち正面からみて左側の係合片68aは縦方向に扁平しており、右側の係合片68bは横方向に扁平している。そして、これら係合片68a,68bの内部にそれぞれ上記の係合孔42hが形成されている。なお図5に示されているように、後部ユニット42bの上部位置には、3つ目の係合孔42hを形成するための係合片68sが形成されている。
左右の係合片68a,68bの上方には、それぞれねじ用のボス部68cが形成されており、このボス部68cもまた前面側に突出している(図5には左側のボス部68cのみが示されている)。また奥壁68の下端部には、その中心から左右対称となる位置に2つのボス部68dが形成されている。これらボス部68dもまた、奥壁68から前面側に突出している。そして2つのボス部68dより上方の位置には、それぞれねじ用の貫通孔68eが形成されている。
球誘導部材70,72および内部装飾体74は、いずれも前面側から奥壁68に対して着脱可能となっている。図5に示されている状態から取付順にみると、内部装飾体74が最初に奥壁68に取り付けられ、その前面側から奥側の球誘導部材72が取り付けられ、そして最後に手前側の球誘導部材70が取り付けられる。
このうち、内部装飾体74の下縁部にはU字形状の切欠部74aが形成されており、内部装飾体74が奥壁68に密着されたとき、これら切欠部74aによって下側にある2つのボス部68dとの干渉が避けられるものとなっている。また図5には示されていないが、内部装飾体74の背面側には2つのねじ穴が形成されており、これらねじ穴は奥壁68の貫通孔68eにそれぞれ対応している。
奥側と手前側の球誘導部材70,72には、それぞれ両端部に係合孔部(係合部)70a,72aが形成されている。これら係合孔部70a,72aはいずれも球誘導部材70,72を前後方向に貫通して形成されており、その開口形状は係合片68a,68bの外形よりわずかに大きい。また球誘導部材70,72には、それぞれボス部68c,68dに対応する位置にねじ孔が形成されている。なお、図5には奥側の球誘導部材72についてのみ、ねじ孔72b,72cが示されているが、手前側の球誘導部材70にも同様のねじ孔(符号を70b,70cとして区別する)が形成されている。
図5に示されている状態から内部装飾体74が奥壁68に押しつけられるようにして密着すると、内部装飾体74は係合片68a,68bの間に位置付けられる。この状態で、内部装飾体74は後部ユニット42bの背面側から2つの貫通孔68eを通じてねじ留めされる。内部装飾体74の前後方向の厚み寸法は、左右の係合片68a,68bやボス部68c,68dの突出寸法よりも小さく設定されている。それゆえ、最初に内部装飾体74が取り付けられた状態では、左右の係合片68a,68bおよびボス部68c,68dが依然として前面側に突出した格好となる。
この状態で、次に奥側の球誘導部材72が内部装飾体74の前面側に重ね合わせられると、左右の係合片68a,68bがそれぞれ対応する係合孔部72aに嵌り込み、これらの嵌め合わせによって球誘導部材72が後部ユニット42bに対して位置決めされる。またこの状態で、球誘導部材72のねじ孔72b,72cが位置する部位は、それぞれ対応するボス部68c,68dの前端に密着する。この場合、左右の係合片68a,68bは依然として前面側に突出しているが、ボス部68c,68dは球誘導部材72の背後に隠れた状態となる。
そして、最後に手前側の球誘導部材70が奥側の球誘導部材72の前面側に重ね合わされると、同様に左右の係合片68a,68bがそれぞれ対応する係合孔部70a,70bに嵌り込み、これらの嵌め合わせによって球誘導部材70が後部ユニット42bに対して位置決めされる。この状態で手前側の球誘導部材70のねじ孔は、奥側の球誘導部材72のねじ孔72b,72cの前面側に正確に位置付けられる。
この後、手前側の球誘導部材70のねじ孔を通じて固定用のねじを締め込むことにより、2つの球誘導部材70,72をともに後部ユニット42bに対して固定することができる。
遊技盤4の製造工程において、遊技板4aに対して最初に後部ユニット42bを取り付ける際は、上記の手順により内部装飾体74および球誘導部材70,72が先に後部ユニット42bに装着されている。したがって通常、遊技板4aに対する演出装置42の取付作業は、後部ユニット42bと前部ユニット42aの2つについてだけとなる。
図6は、演出装置42の左側縁部の一部と下縁部を示している。上記のように前部ユニット42aおよび後部ユニット42bがそれぞれ遊技板4aに取り付けられると、前部ユニット42aは後部ユニット42bの前面側に位置付けられる。このとき、前部ユニット42aは手前側の球誘導部材70のねじ孔70b,70cの前面側に密着し、この状態でねじ孔70b,70cを遮蔽することで、これらを前面側から視認できなくしている。また本実施形態では、上記の係合片68a,68bもまた前部ユニット42aの下側縁部に遮蔽されており、これにより球誘導部材70の着脱や位置決めに関する全ての構成が前面側から視認されなくなっている。なお、上部位置にある係合片68sについても、前部ユニット42aの上縁部によって前面側から視認不能に遮蔽されている。
図6に示されているように、前部ユニット42aの左側面、つまり装飾体43bの左側面には、側方の遊技領域12に向けて開口する球導入口76が形成されている。そして前部ユニット42aには、球導入口76から内部に延びる上ワープ通路78aが形成されている。上ワープ通路78aは、球導入口76から右下方へ緩やかに傾斜した後、ちょうど装飾体43bの中心あたりから奥方向に折れ曲がり、緩やかに下り傾斜している。
この後、上ワープ通路78aは前部ユニット42aの後端位置で終了し、そこから奥の位置で下ワープ通路78bに引き継がれるようにして連結されている。下ワープ通路78bは、後部ユニットの左側縁部の内部を延びるようにして形成されており、上ワープ通路78aから続く最奥部で下ワープ通路78bが突き当りになると、そこから下ワープ通路78bは下方に折れ曲がるようにして一気に下っている。そして、下ワープ通路78bは後部ユニット42bの左側縁部の下端位置で右方向へ折れ曲がり、終端位置で右方向に開放されている。下ワープ通路78bの終端にはワープ出口78c(球出口)が形成されており、このワープ出口78cは奥側の球誘導部材72の上面に通じている。
したがって、遊技領域12を流下する遊技球が球導入口76に飛び込むと、上ワープ通路78aおよび下ワープ通路78bを通って演出装置42の内側に導かれ、そしてワープ出口78cから奥側の球誘導部材72上に放出される。
この後、遊技球は奥側の球誘導部材72から手前側の球誘導部材70に順次乗り移るようにして転動し、最終的に球誘導部材70から前部ユニット42aの下縁部を介して下方にこぼれ落ちるか、もしくは放出通路72dに入り込んで下側の放出口72eから真下に放出されることとなる。このとき、放出口72eから放出された遊技球は、その直下に配置されている2本の障害釘(命釘)の間を真下に通り抜け、比較的高い確率で上始動口52に入賞することができる。これに対し前部ユニット42aの上縁部を介してこぼれ落ちる遊技球の大部分は、障害釘に跳ね返されて落下方向がランダムに変化するので、比較的低い確率でしか上始動口52に入賞しなくなる。以下、球誘導部材70,72による遊技球の誘導態様について説明する。
図7から図9は、球誘導部材70,72による遊技球の誘導態様と、合わせて前部ユニット42aからの遊技球の放出態様を示している。上記のように、上ワープ通路78aおよび下ワープ通路78bを通って案内された遊技球は、ワープ出口78cから奥側の球誘導部材72(第1の球誘導部材)上に送出される。奥側の球誘導部材72には、正面からみて最も奥(液晶表示装置50の画面寄り)の位置に上段ステージ80(上段球転動部)が形成されており、そして上段ステージ80の手前側に中段ステージ82(中段球転動部)が形成されている。
このうち上段ステージ80は谷形状に中央が低くなっているが、反対に中段ステージ82は山形状に中央が高くなっている。また、上段ステージ80の中央位置には、手前側へ傾斜する窪み部80a(送出部)が形成されている。このため遊技球は、上段ステージ80上を左右に転動しながら減速し、やがて中央の窪み部80aに入り込み、ここから中段ステージ82上へ移動することとなる。このとき、中央の窪み部80a内に入り込んだ遊技球のなかには、すぐに中段ステージ82上へ移動せず、この窪み部80a内にて僅かに左右方向に揺れ動くようにして転動するものもある。
中段ステージ82は左右で対称の形状をなしており、遊技球が中段ステージ82上に移動すると、中央の振分部81a(山形状に形成された部分)において左右いずれかへ転動方向が振り分けられ、そのまま遊技球は傾斜に沿って転動する。中段ステージ82は中央に振分部81aを有するほか、振分部81aの両側に奥側傾斜面81bを有し、そして左右の両端部に放出傾斜面81cを有する(図7,8には左側のみ参照符号が付されている)。
奥側傾斜面81bは振分部81aから僅かに一段下がった位置に形成されており、この奥側傾斜面81bは左右方向への下り傾斜を有するだけでなく、前後方向でみて後方、つまり奥側へも僅かに下り傾斜を有している。このため奥側傾斜面81bは、遊技球を左右の下り傾斜方向に転動させるだけでなく、遊技球を奥側の壁面に沿わせるようにして転動させることができる。これにより、奥側傾斜面81bでは遊技球が前後にふらつくような挙動を示すことがなく、その転動態様を安定させることができる。
また、両側端部にある放出傾斜面81cは奥側傾斜面81bから僅かに一段下がった位置に形成されており、この放出傾斜面81cは、奥側傾斜面81bに比べると、僅かに左右方向への下り傾斜が緩くなっている。さらに、放出傾斜面81cは手前側(前方)へも僅かに下り傾斜を有している。一方、中段ステージ82の両側端部では、側壁82aが両側端へ近づくにつれて手前側へ湾曲するようにして成形されている。このため遊技球は、中段ステージ82の両側端に近づくと、湾曲した側壁82aに沿って手前側へ案内され、放出傾斜面81cを介して手前側の球誘導部材70上へこぼれ落ちる。
手前側の球誘導部材70(第2の球誘導部材)には、その上面に下段ステージ84(下段球転動部)が形成されているほか、その両端部には、それぞれ中段ステージ82の側壁82aに連なる案内壁84aが形成されている。これら案内壁84aは、側壁82aとは反対に下段ステージ84の両側方から前面側へ回り込むようにして湾曲して成形されている。このため、上記のように中段ステージ82の側壁82aに案内されて手前側へこぼれ落ちた遊技球は、今度は案内壁84aに沿ってUターンするようにして案内される。
下段ステージ84は、上面が波打つようにして成形されており、その中央部分がわずかに盛り上がっているほか、中央部分から左右の部分が緩やかなカーブを描くようにして窪んでいる。また、中央部分とその左右の部分には、それぞれ窪み部84b,84cが形成されており、このうち中央部分の窪み部84bは奥側へ向けて下り傾斜を有し、その左右の部分の窪み部84cは、反対に手前側へ向けて下り傾斜を有する。
図9に示されているように、上記の放出通路72dは下段ステージ84の後方を下り、そして下段ステージ84よりも下方の位置から前方へ屈曲されて緩やかに傾斜している。放出通路72dは前部ユニット42aの内部にまで通じ、そして上記の放出口72eにて前面側へ開放している。
したがって、下段ステージ84上に転動してきた遊技球のうち、左右の部分の窪み部84cを通り過ぎて中央部分の窪み部84bまで到達し、そして窪み部84b(第1の誘導経路)から放出通路72dに入り込んだ遊技球は、上記のように放出口72eから真下方向へ放出されるため、比較的高い確率で上始動口52に入賞する態様で誘導される(図7,図9)。
これに対し、左右の部分の窪み部84c(第2の誘導経路)は、遊技球を下段ステージ84から前部ユニット42aの下縁部に送出するための誘導経路となっている。このため、下段ステージ84上に転動してきた遊技球のうち、その中央部分まで到達する勢いがなかったか、もしくは中央部分まで到達する勢いはあったが、窪み部84bを通り過ぎて左右いずれかに下ってしまった遊技球は、左右の部分の窪み部84c内に入り込み、ここから手前側にこぼれ落ちる。なお、窪み部84c内に入り込んだ遊技球のなかには、ここで僅かに左右に揺れ動くようにして転動するものもある。いずれにしても、窪み部84c内に入り込んだ遊技球は、やがてその傾斜に沿って手前側へ誘導され、前部ユニット42aの下縁部の上面を介して下方の遊技領域12に送出されることとなる。
前部ユニット42aの下縁部は、その中央の部分が低くなった谷形状に形成されている。また、この中央の部分(放出口72eより上方の部分)は手前側へ僅かに傾斜しており、さらには遊技球が左右方向に転動できるだけの幅を有している。したがって、下段ステージ84の窪み部84cから前部ユニット42aの下縁部へ移動した遊技球は、その中央の部分に集められ、ここで左右方向に転動しながらその位置を変え、やがて下方にこぼれ落ちる。この場合、遊技球は左右方向でみるといろいろな位置から落下するので、比較的低い確率でしか上始動口52に入賞しない態様で誘導される(図8,図9)。
以上が下段ステージ84、つまり、手前側の球誘導部材70による2通りの誘導態様であるが、遊技球が放出通路72dを通る態様で誘導される割合は、下段ステージ84の曲面形状や窪み部84b,84cの面形状によって変わってくる。例えば、中央部分の窪み部84bが周囲の下段ステージ84の上面から極端に大きく落ちくぼんでいれば、それだけ遊技球が窪み部84bに入りやすくなり、その結果、遊技球が放出通路72dを通る態様で誘導される割合が相対的に高くなる。反対に、中央部分の窪み部84bが周囲の下段ステージ84の上面と比較してそれほど落ちくぼんでいなければ、それだけ遊技球が窪み部84bに入りにくくなり、その結果、遊技球が放出通路72dを通る態様で誘導される割合が相対的に低くなる(その他の各種要因も考えられるが、ここでは割愛する)。
上記のような遊技球が放出通路72dを通る態様で誘導される割合は、パチンコ機1の開発過程で行われる球誘導部材70の性能評価に関係してくる。すなわち、パチンコ機1の開発過程では、試作段階で制作されたパチンコ機1について遊技球の試射による性能試験が行われており、この中で球誘導部材70の性能(放出通路72dへの誘導割合)が検証される。そして、性能評価の結果、見直しが必要であれば球誘導部材70の具体的な形状を変更して改めて試射を行い、性能評価を繰り返すといった作業が日常的に行われている。あるいは、曲面形状の異なる複数の球誘導部材70を1つずつ順番に付け替えて試射を行い、個々の球誘導性能を比較・検討するといった性能評価も行われる。このような性能評価に際して、本実施形態では球誘導部材70の着脱作業に関する有利な構造を採用しており、以下にその具体的な内容を説明する。
図10は、パチンコ機1の組み立て後における球誘導部材70の着脱の態様を具体的に示している。なお、ここでいう「組み立て後」は、パチンコ機1が作動できる状態、つまり遊技球を発射して遊技を行ったり、賞球を払い出したり、演出動作を行ったりできる状態に組み立てられた後を意味する。したがって、ここでは上記の前部ユニット42aおよび後部ユニット42bは既に遊技板4aに取り付け済みであり、また、遊技盤4には必要な構成要素が全て取り付けられた状態で遊技盤装着枠9に装着されている。
図10に示されているように、パチンコ機1が組み立てられた後であっても、その前面枠5を開放することで、演出装置42の前部ユニット42aだけを遊技板4aから取り外すことが可能である。すなわち、前部ユニット42aは、そのフランジ部42nを介して遊技板4aに複数箇所でねじ留めされていることから、これらねじを緩めて抜き取れば、あとは前部ユニット42aを手前側へ引っ張るだけで、これを容易に遊技板4aから離脱させることができる。なお、図10では本体枠3までもが外枠2から前面側へ開かれた状態で示されているが、ここでは本体枠3を開放することが必須ではない。したがって、以下の説明では前面枠5だけが開放されている場合にも該当するものとする。
前部ユニット42aが取り外されると、それまで前部ユニット42aが嵌め込まれていた貫通穴4bが前面側に露出する。そして、このとき貫通穴4bの下側部分には、球誘導部材70の着脱空間86が形成(開通)された状態で存在することとなる。この着脱空間86は、手前側の球誘導部材70を後部ユニット42bに対して遊技板4aの前面側から着脱するための作業経路・空間としての位置付けであり、前面側からみて球誘導部材70の外形寸法とほとんど同じか、それより大きい投影面積を有する経路・空間として規定される。
したがって、通常の完成状態で前部ユニット42aが遊技板4aに装着されていると、球誘導部材70の前面側の一部(係合片68a,68b、ねじ孔70b,70cを含む部分)は前部ユニット42aの下縁部によって遮蔽されているため、この状態で着脱空間86は形成されていない(閉鎖されている)ことになる。
一方、図10に示されているように、前面枠5を開放した状態でさらに遊技板4aから前部ユニット42aが取り外されると、着脱空間86が形成(開通)された状態となる。この状態で、パチンコ機1の開発者・設計者は既存の球誘導部材70を取り外し、そして新たに用意した別の球誘導部材70に付け替える作業を行うことができる。このとき開発者・設計者は、先ず着脱空間86を通じて前面側に露出されたねじの頭に工具を突き立て、そのまま工具を回してねじを緩めることで2箇所の締結を解除することができる。そして開発者・設計者が着脱空間86を通じて球誘導部材70を手前側へ引っ張れば、その係合孔部70aと後部ユニット42bの係合片68a,68bとの嵌め合わせが外れるので、その後は容易に球誘導部材70だけを取り外すことができる。なお、このとき奥側の球誘導部材72の締結も一緒に解除されているが、奥側の球誘導部材72はその係合孔部72aを係合片68a,68bに嵌め合わせた状態にあるので、手前側の球誘導部材70と一緒に奥側の球誘導部材72が脱落してしまうことはない。
上記のようにして既存の球誘導部材70が取り外されると、後部ユニット42bには奥側の球誘導部材72が残された状態となる。次に設計者・開発者は、交換品として用意された別の球誘導部材70を着脱空間86内に位置付け、そして、左右の係合孔部70aを後部ユニット42bの係合片68a,68bに嵌め合わせるようにして球誘導部材70を押し込んでいく。係合孔部70a,70bが係合片68a,68bに正確に嵌め合わせられていれば、後はそのまま球誘導部材70を押し込んでいくだけで球誘導部材70が後部ユニット42bに対して正確に位置決めされる。これにより、奥側の球誘導部材72に対して手前側の球誘導部材70が重ね合わせられるようにして位置付けられる。そして開発者・設計者は、着脱空間86を通じて球誘導部材70,72をともにねじ留めし、後部ユニット42bへの取り付けを完了する。
このようにして球誘導部材70の付け替えが終わると、開発者・設計者は図10に示される状態から前部ユニット42aを元通りに遊技板4aに装着し、後は前面枠5を閉じるだけでパチンコ機1の試射による性能試験を行うことができる。
パチンコ機1の開発過程では1作業日あたりに高頻度で球誘導部材70を付け替えし、性能評価を行うことが繰り返し行われているが、本実施形態では、このような性能評価の結果に応じて球誘導部材70の具体的な形状を変更しながら試行錯誤を繰り返していくような場合においても、作業性を大幅に向上することで、パチンコ機1の開発工数を大幅に削減することができる。
その一方で、通常、パチンコ機1の組み立て状態では、前部ユニット42aによって着脱空間86が形成されていない(閉鎖されている)ため、球誘導部材70が不用意に脱落してしまうことはない。したがって、長期間にわたる性能試験や実際の遊技場での稼働に充分に耐えることができるので、パチンコ機1の信頼性や耐久性、品質向上等に大きく寄与できる。
また、前部ユニット42aの取付状態では、球誘導部材70を固定するねじ等の固定部材(締結具)が前面側からは視認されないので、遊技者からは球誘導部材70が着脱可能であることが意識されなくなる。このため、パチンコ機1の構造に何らかの改変を加えることを意図した不正遊技者がいたとしても、球誘導部材70を別のもの(極端に上始動口52に入賞する割合を高く改造した不正パーツ)に入れ替えようとする発想にまでは至らず、不正行為を未然に防止できるという効果を奏する。
本実施形態では、球誘導部材70を固定するねじ等の固定部材(締結具)が前部ユニット42aの装飾体43cによって覆い隠されているため、演出装置42の外観を損なうことがない。
図11は、パチンコ機1の動作を制御するための構成を概略的に示している。パチンコ機1の制御は、大きく分けて主基板のグループと周辺基板のグループとで分担されており、このうち主基板のグループが遊技動作(入賞検出や当り判定、特別図柄表示、賞球払出等)を制御しており、周辺基板のグループが演出動作(発光装飾や音響出力、液晶表示等)を制御している。これら基板類は、いずれもパチンコ機1の背面側に設置されており、通常、本体枠3の施錠を解除した上で本体枠3を開放しない限り前面側から視認されたり、操作されたりすることはない。この他にも、パチンコ機1には電源基板や発射制御基板、インタフェース基板(CR機の場合)等が装備されているが、いずれも公知のものを適用できるため、ここでは図示とともに詳細な説明を省略する。
主基板グループは、主基板101と払出基板105とから構成されている。主基板101は、中央演算装置としてのCPU102をはじめ、読み出し専用メモリとしてのROM103や読み書き可能メモリとしてのRAM104等を備えている。このうちCPU102は、ROM103に格納されている遊技制御プログラムを実行し、この実行に伴いパチンコ機1で行われる各種遊技を制御する。またCPU102は、周辺基板グループや払出基板105に送信するコマンド(演出コマンド、払出コマンド等)を作成する。また、RAM104には、主基板101で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。
なお、主基板101には、ゲートスイッチ174a、始動口スイッチ170a,170b、カウントスイッチ175a、一般入賞口スイッチ113a等が接続されており、主基板101には、これらスイッチ類から検出信号が入力される。具体的には、ゲートスイッチ174aは遊技領域12内のゲート58に対応して設置されており、遊技球が流下する過程でゲート58を通過すると、その通過がゲートスイッチ174aにより検出され、そして検出信号が主基板101に入力される。また、始動口スイッチ170aは上始動口52に対応して設置されており、また始動口スイッチ170bは、下始動口54に対応して設置されている。したがって、遊技球が上始動口52または下始動口54に入賞すると、対応する始動口スイッチ170a,170bから主基板101に検出信号が入力される。またカウントスイッチ175aは大入賞口62に対応して設置されており、大当り遊技中に大入賞口62に遊技球が入賞すると、カウントスイッチ175aから主基板101に検出信号が入力される。そして、一般入賞口スイッチ113aは一般入賞口66に対応して配置されており、遊技球が一般入賞口66に入賞すると、一般入賞口スイッチ113aから主基板101に検出信号が入力される。
そして、CPU102は、これら入力された検出信号に応じた処理を実行する。すなわちCPU102は、入力された検出信号に基づいてソレノイド171a,176a、特別図柄表示器141、普通図柄表示器144、特図始動記憶ランプ147(発光体)、普図始動記憶LED148、状態表示LED145、大当り種類表示LED146等に対し、それぞれの駆動信号を出力する。さらにCPU102は、入賞に応じた遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを払出基板105に対して出力する。
なお、上記の特図始動記憶ランプ147は、前部ユニット42aの発光領域48aを発光させるための発光体(LED)であるが、この特図始動記憶ランプ147は基板とともに後部ユニット42bに取り付けられている。このため本実施形態では、特図始動記憶ランプ147の電気配線や基板類が前部ユニット42aには全く取り付けられていない。
払出基板105もまた、中央演算装置としての払出CPU106をはじめ読み出し専用メモリとしての払出ROM107や読み書き可能メモリとしての払出RAM108等を備えている。なお、上述した始動口スイッチ170a,170bやカウントスイッチ175a、一般入賞口スイッチ113a等により遊技球の入賞が検出されると、各スイッチから検出信号が主基板101に入力される。そして主基板101では、入力された検出信号に基づいてCPU102から払出基板105に対して規定個数の遊技球の払い出しを指示する払出コマンドが送信される。そして、払出基板105は、主基板101から受けとった払出コマンドを処理し、規定個数分の遊技球の払い出しを実行するべく払出装置109(払出モータ)に対して駆動信号を出力する。この結果、実際に払出装置109によって規定個数分の遊技球の払い出しが行われる。
また払出基板105には、発射モータを備えた発射装置135が接続されており、発射装置135は、発射モータの動力を用いて遊技球を遊技領域12に向けて発射する動作を行うことができる。遊技者が操作ハンドル18を操作(捻り操作)すると、発射装置135の発射モータが駆動され、これにより遊技球が打ち出される。
図11には示されてないが、発射装置135には、遊技者の身体が操作ハンドル18に触れていることを検知するためのタッチセンサが内蔵されている。発射装置135は、遊技者が操作ハンドル18に触れていることが検知されている場合に発射モータを駆動可能な状態となる。そして、この状態で操作ハンドル18が初期の位置から時計回り方向に捻り操作されると、発射装置135は実際に発射モータを駆動して遊技球を発射する。
あるいは、下皿17が満タン、つまり、払い出された遊技球で下皿17が満杯になったことを検出する下皿満タンスイッチを設け、この下皿満タンスイッチからの検出信号が入力されたときに操作ハンドル18の操作を受付不能な状態とする制御を行い、これにより発射装置135による発射モータの駆動を不可能な状態にすることもできる。すなわち、払出装置109から払い出された遊技球はひとまず上皿28に貯留されるが、上皿28に貯留しきれない数の遊技球が払い出された場合には、その貯留しきれない分の遊技球は上皿28と連通した下皿17に貯留される。この状態でさらに払出装置109により遊技球が払い出され、いよいよ下皿17が満タンになると、上記の下皿満タンスイッチから検出信号が出力されるので、これにより操作ハンドル18の操作が受付不能な状態に制御される。またこの場合、下皿満タンスイッチからの検出信号が出力されなくなると、操作ハンドル18の操作を受付可能な状態に復帰する制御が行われる構成としてもよい。
周辺基板グループは、サブ統合基板111やランプ駆動基板119、役物制御基板115、表示制御基板120等から構成されている。このうちサブ統合基板111は、統合CPU112をはじめ統合ROM113、統合RAM114を備えている。また、サブ統合基板111は、音出力に関する制御を行う音源IC128を備えるほか、音出力に関する読み出し専用メモリとしての音ROM127をも備えている。統合CPU112は、統合ROM113に格納されている演出制御プログラムを実行することにより主基板101から受信された演出コマンドに基づく処理を実行する。また、統合RAM114には、サブ統合基板111で実行される種々の処理において生成される各種データや入出力信号、主基板101から受信した演出コマンド等の情報が一時的に記憶される。そして、統合CPU112は、RAM114に記憶されている演出コマンドを読み出すと、この読み出した演出コマンドに基づいて表示制御基板120に対して表示コマンドを送信したり、ランプ駆動基板119にランプ点灯信号やソレノイド駆動信号を送信したり、あるいは、枠ランプ27に駆動信号を出力したりする。またサブ統合基板111は、音源IC128によって演出コマンドに基づく音出力態様を音ROM127から読み出し、この読み出した音出力態様に応じた駆動信号を上部スピーカ29および下部スピーカ14に出力する。
ランプ駆動基板119は、サブ統合基板111から受信したランプ点灯信号を遊技盤ランプに送信し、また、サブ統合基板11から受信したソレノイド駆動信号をソレノイドに送信する。遊技盤ランプおよびソレノイドは、演出装置42に装備されているものであり、このうち遊技盤ランプは演出装置42において発光演出に用いられ、またソレノイドは、可動装飾体44a,44b,44cの駆動に用いられる。なお、ランプ駆動基板119は、サブ統合基板111から送信されるランプ点灯信号を各ランプ(LED)別に振り分けて遊技盤ランプに受け渡すほか、サブ統合基板111から送信されるソレノイド駆動信号をソレノイドにそのまま受け渡すものであり、実質的な遊技盤ランプおよびソレノイドの制御はサブ統合基板111が行っている。以下、ランプ駆動基板119を省略して説明する場合がある。
表示制御基板120は、中央演算装置としての表示CPU121を備えるほか、読み出し専用メモリとしての表示ROM122や読み書き可能メモリとしての表示RAM123を備えている。このうち表示CPU121は、サブ統合基板111からの表示コマンドに基づいて液晶表示装置50を制御する。
次に、上述した各種の構成部材や装置等が設けられた遊技盤4にて実現される遊技について説明する。先ず、遊技者が操作ハンドル18を捻り操作することにより、パチンコ機1の裏面側に設けられた発射装置135によって遊技球が打ち出される。発射装置135から打ち出された遊技球は、発射レール15および案内レール11に沿って上昇すると遊技領域12の上部に放出され、この後は遊技領域12内を障害釘等に衝突しながら流下する。
遊技領域12を流下する遊技球がゲート58を通過すると、ゲートスイッチ174aによって遊技球の通過が検出され、この検出信号に基づいて普通図柄表示器144(表示領域64c)では普通図柄の変動表示(LEDが緑色と赤色とで交互に点灯する表示態様)が開始される。
すなわちゲートスイッチ174aにより遊技球が検出されると、主基板101のCPU102は所定範囲の普通図柄当り判定乱数を更新するカウンタから普通図柄当り判定乱数を抽出する。そしてCPU102は、普通図柄表示器144による普通図柄の変動開始時に普通図柄当り判定乱数に基づいて当りとするか否かの判定を行い、この判定結果に応じた態様(本実施形態では、当りであれば赤色の点灯表示、はずれであれば緑色の点灯表示)で最終的に普通図柄を停止表示させる。
また、普通図柄表示器144において普通図柄の変動表示中に遊技球がゲート58を通過すると、CPU102にて抽出された普通図柄当り判定乱数は、所定個数(本実施形態では4個)までRAM104に記憶される。このとき、記憶された普通図柄当り判定乱数の個数は普図始動記憶LED148(発光領域64e)の点灯態様によって表示される。具体的には、ゲート58の通過が有効である間(普通図柄の始動記憶数が4未満のとき)にゲートスイッチ174aにより遊技球の通過が検出されると、その都度、普図始動記憶LED148の点灯態様を切り替える。
本実施形態では、例えば普図始動記憶数が1である場合に下側の普図始動記憶LED148(発光領域64e)が1つだけ点灯し、次に普図始動記憶数が2に増えると、下側に加えて上側の普図始動記憶LED148(発光領域64e)がともに点灯する(2つ点灯する態様)。さらに普図始動記憶数が3に増えると、それまで単純点灯していた上側の普図始動記憶LED148が点滅状態に切り替わり、下側の普図始動記憶LED148は単純点灯状態のままとなる。そして、普図始動記憶数が最大の4に達すると、2つの普図始動記憶LED148がともに点滅状態になる。反対に、普通図柄表示器144にて普通図柄の変動表示が開始されると、その都度、普図始動記憶数が1つずつ減っていくので、この場合は上記と逆の態様により普図始動記憶LED148が点灯・点滅することになる。
本実施形態では、普通図柄の変動開始時にCPU102において普通図柄当り判定乱数に基づいて当りとする判定がなされた場合には、所定期間経過後に普通図柄表示器144(発光領域64c)が赤色に点灯した状態で停止表示される。そしてこの後、ソレノイド171aを作動状態(通電状態)に切り替えることで左右の開閉部材56aを拡開させ、入球装置56を所定期間(例えば0.5秒間)にわたり開放状態にする制御が行われる。これにより、下始動口54への入賞が可能な状態となる。またこの後、所定期間が経過するとソレノイド171aを非作動状態(非通電状態)に戻すことで開閉部材56aを初期位置に復帰させ、入球装置56を閉塞状態に戻す制御が行われる。
これに対し、普通図柄の変動開始時にCPU102において普通図柄当り判定乱数に基づいてはずれとする判定がなされた場合、所定期間経過後に普通図柄表示器144(発光領域64c)が緑色に点灯した状態で停止表示されるだけであり、特に入球装置56は開放状態に制御されない。したがって、この場合は依然として下始動口54には入賞できない状態であるが、上始動口52への入賞は引き続き可能となっている。
遊技領域12内を流下する遊技球が上始動口52または下始動口54に入賞すると、始動口スイッチ170aまたは始動口スイッチ170bにより遊技球の入賞が検出される。この場合、特別図柄の変動表示が開始可能な状態(例えば、大当り遊技中でない状態であるか、または特別図柄・装飾図柄の変動表示中でない状態)であれば、特別図柄表示器141(4つの発光領域64a)にて特別図柄の変動表示が開始されるとともに、液晶表示装置50で装飾図柄(例えば数字の「0」〜「9」をデザインしたもの)の変動表示が開始される。本実施形態では、特別図柄が4つの発光領域64aの点灯の組み合わせで表される。また装飾図柄は、液晶表示装置50画面上には、左装飾図柄、中装飾図柄および右装飾図柄の3つが表示され、これらはいずれも装飾図柄の列が画面上を一定方向へ順送り(スクロール)されるようにして変動表示される。
特別図柄や装飾図柄の変動表示は所定期間経過後に停止され、その停止時に特別図柄が特定の態様(大当りとなる複数の発光領域64aの点灯の組み合わせ:大当り図柄)で表示されると、これに合わせて装飾図柄の停止図柄(左・中・右の装飾図柄全てが停止した状態)も特定の態様(同一の装飾図柄の組み合わせ:大当り図柄)で表示される。この場合、主基板101のCPU102は「大当り遊技状態」の制御を開始する。なお、変動表示が行われる期間は、大当り判定乱数やその他の乱数に応じて数秒〜数十秒の範囲内で決定される。
大当り遊技状態では、CPU102はソレノイド176aを作動させてアタッカ装置60を開放させる制御を行う。すなわち、ソレノイド176aが作動すると、開閉部材60aがその下縁部を支点としてパチンコ機1の手前方向に倒れ込むようにして回動し、これにより大入賞口62への入賞を可能とする。このようなアタッカ装置60の開放制御は、所定時間(例えば、30秒)が経過するか、もしくは所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口62に入賞したことがカウントスイッチ175aにより検出されるかのいずれかの条件が満たされるまで継続して行われる。
上記のいずれかの条件が満たされると、CPU102はソレノイド176aを非作動(非通電)の状態に戻し、それまで手前方向へ倒れていた開閉部材60aを盤面に沿って起立させる。これにより大入賞口62が閉じた状態となり、アタッカ装置60は閉塞状態に制御されることになる。大当り遊技状態において、CPU102はアタッカ装置60を開放状態にしてから閉塞状態に戻すまでを1回の開閉サイクル(以下、これをラウンドともいう)とする制御を繰り返し実行し、この制御を所定回数(15ラウンド)まで繰り返すと、そこで大当り遊技状態を終了させる。このように、大当り遊技状態に移行すると大入賞口62が開放されるので、この開放された大入賞口62に遊技球を入賞させることで、上始動口52や下始動口54、一般入賞口66等に遊技球を入賞させるよりも短時間で多量の遊技球を獲得可能であることから、遊技者の興趣を高めることができる。
また本実施形態では、左・中・右の装飾図柄は、左装飾図柄→右装飾図柄→中装飾図柄の順に停止するように制御される。装飾図柄の停止図柄とは、左・中・右の装飾図柄の変動表示を開始して中装飾図柄が停止表示されることにより左・中・右の装飾図柄全てが停止表示された状態の図柄の組み合わせをいう。
また本実施形態では、特別図柄の停止時に表示される特定の態様には、さらに特別態様(確変大当りとなる複数の発光領域64aの点灯の組み合わせ)があり、停止時の特別図柄が特別態様で表示された場合には、装飾図柄の停止図柄も特別態様(確変大当り図柄:本実施形態では、同一の奇数図柄の組み合わせ)となる。この場合、いわゆる「確変大当り」となり、大当り遊技状態の終了後、次に大当り遊技状態となる確率(当選確率)が高くなる(本実施形態では、確率変動状態では70分の1の確率であり、確率変動状態以外では490分の1の確率である。)。すなわち、停止時の特別図柄が特別態様であった場合は、大当り遊技の終了後に「確率変動状態」という遊技者にさらに有利な状態になる。
大当り遊技の終了後に確率変動状態になると、以下の内容でいわゆる時短制御が行われる。すなわち、確率変動状態では、特別図柄表示器141(4つの発光領域64a)にて特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄を停止表示するまでの変動時間と、普通図柄表示器144(発光領域64c)にて普通図柄の変動表示を開始してから普通図柄を停止表示するまでの変動時間とを通常状態よりも短縮する制御が行われる。また、あわせて普通図柄表示器144(発光領域64c)における普通図柄の変動表示の結果が「当り」となる確率を高める制御が行われる。さらに、普通図柄の変動表示の結果「当り」となった場合に開閉部材56aの開放時間を通常状態よりも延長する制御(本実施形態では、通常状態で0.5秒間、時短状態および確率変動状態で0.8秒)が行われるとともに、入球装置56の開放回数を通常状態よりも増加させる制御(本実施形態では、通常状態で1回、時短状態および確率変動状態で3回)も行われる。
一方、停止時の特別図柄が特定の態様で表示された場合であっても、上記の特別態様とは異なる非特別態様(非確変大当りとなる複数の発光体の点灯の組み合わせ)であれば、装飾図柄の停止図柄も非特別態様(非確変大当り図柄:本実施形態では、同一の偶数図柄の組み合わせ)となり、以下の内容で時短制御が行われる。すなわち、大当り遊技状態の終了後、特別図柄表示器141(4つの発光領域64a)にて特別図柄の変動表示が実行される回数が所定の回数(本実施形態では100回)に達するまでの間、特別図柄の変動時間と普通図柄の変動時間とを通常状態よりも短縮する制御が行われる。また、普通図柄の変動表示の結果「当り」となった場合に開閉部材56aの開放時間を通常状態よりも延長する制御とともに、あわせて開閉部材56aの開放回数を通常状態よりも増加させる制御が実行される。これら時短状態では、特別図柄表示器141にて実行される特別図柄の変動表示の実行回数が所定の回数に達するまでの間、下始動口54への入賞確率が増加して、一定期間内での特別図柄の変動表示の実行回数を増加させることができる(つまり、大当りの抽選機会が増える)ため、それだけ遊技者にとって有利な状態となる。また、上述した確率変動状態では、時短制御に加えて、普通図柄表示器144にて普通図柄の変動表示の結果が「当り」となる確率が高められるため、時短状態よりもさらに遊技者に有利な状態となる。なお、通常状態とは、上述した確率変動状態または時短状態ではない状態を意味する。
なお本実施形態では、上始動口52に遊技球が入賞し、始動口スイッチ170aによって検出されたときに規定個数として3個の遊技球が払い出され、また、下始動口54に遊技球が入賞し、始動口スイッチ170bによって検出されたときに規定個数として4個の遊技球が払い出される。このように、上始動口52と下始動口54とで払出個数に差が設けられているのは以下の理由による。
すなわち、下始動口54は通常、開閉部材56aによって閉塞されており、普通図柄の変動表示の結果が「当り」とならない限り入賞の機会がない構造であるのに対し、上始動口52は、常に上方から遊技球を受け入れ可能な構造であることから、上始動口52への遊技球1個の入賞に対する払出個数が多すぎると、遊技場運営者に比較して遊技者が有利になりすぎる。そうすると、遊技場運営者の不利益解消策として始動口(上始動口52および下始動口54)への入賞が抑制されてしまい、結果的に抽選遊技(大当り遊技状態とするか否かの判定)の期待が減ることで遊技者に不快感を与えてしまいかねない。反対に、上始動口52への入賞に対する払出個数が少なすぎると、それだけ抽選遊技に必要とする遊技球の数が増大してしまい、結果的に過度の投資が必要となって遊技者に不利益を与えてしまうことになる。
一方の下始動口54は、時短状態および確率変動状態においては遊技者に有利な遊技を提供するものであり、開閉部材56aの開放時間と開放回数の延長制御を行うことで、下始動口54への入賞確率を増加させている。しかし、遊技球の入賞に対する払出個数が少なすぎると、発射球の数に対して払い出しの数が少なくなり、結果的に有利な遊技状態であるにも関わらず、遊技球の残数が次第に減っていくことで遊技者に不快感を与えてしまうことになる。これらの事象を考慮し、本実施形態では上始動口52および下始動口54それぞれの払出個数(3,4個)が設定されている。
また、特別図柄表示器141における特別図柄の表示結果と、液晶表示装置50における装飾図柄の表示結果とは対応している。すなわち、特別図柄の変動開始時に大当りとしない判定がなされた場合には、上記の特定の態様とは異なる態様、つまり、はずれの態様によりLED(4つの発光領域64a)を点灯させて特別図柄を停止表示するとともに、液晶表示装置50では、はずれの態様(はずれ図柄:大当り図柄以外の図柄、本実施形態では少なくとも2種類以上の識別情報(図柄)の組み合わせ)により装飾図柄の画像が表示される。
また装飾図柄は、特別図柄とは異なる演出用の図柄であり、特別図柄の変動表示(4つの発光領域64aの点滅)の内容を演出用の装飾図柄の変動表示によって演出的に表現することで、見た目上の演出効果を高めるものである。つまり、特別図柄表示器141のLEDが特定の態様で点灯表示されると大当り遊技状態に移行する制御が行われるが、万が一、液晶表示装置50において装飾図柄の表示結果が特定の態様となったとしても、特別図柄表示器141におけるLEDが特定の態様で点灯表示されていない場合、大当り遊技状態に移行する制御が行われることはない。
また本実施形態では、大当り遊技状態で実行されるラウンド数として「15回」が設定された1種類の大当り遊技状態に制御可能であるが、大当り遊技状態として遊技者に付与される利益が異なる複数種類の大当り遊技状態に制御可能に構成してもよい。例えば、大当り遊技状態にて実行されるラウンド数が異なる複数種類の大当り遊技状態に制御するように構成してもよい。この場合には、大当り判定乱数に基づいて大当りとする判定がなされた後、大当り遊技状態にて実行するラウンド数を決定するようにしてもよいし、大当り判定乱数に基づいて異なるラウンド数が設定された複数種類の大当り遊技状態のうちいずれかに制御するか否かの判定を行うようにしてもよい。
また、本実施形態では、状態表示LED145(発光領域64b)が上述した確率変動状態で赤色に点灯制御され、一方、時短状態では緑色に点灯制御される。そして、時短状態または確率変動状態が終了して通常状態になるか、あるいは大当り遊技状態に移行すると状態表示LED145(発光領域64b)が消灯される。
また本実施形態では、大当り遊技中に上述した大当り種類表示LED146(2つの発光領域64d)が点灯する。具体的には、大当り遊技状態の種類に応じて、大当り種類表示LED146となる上下2つの発光領域64dのいずれか一方か、もしくは両方が点灯する。本実施形態では、1種類の大当り遊技状態にのみ制御可能であるため、大当り種類表示LED146を点灯させる必要はないが、複数種類の大当り遊技状態に制御可能に構成した場合には、複数種類の大当り遊技状態に対応して大当り種類表示LED146を点灯・消灯制御することにより、大当り遊技状態の種類を外部から容易に把握することができる。
例えば、複数種類の大当り遊技状態として、大当り遊技状態にて実行されるラウンド数として「2回」が設定された第1大当り遊技状態と、大当り遊技状態にて実行されるラウンド数として「15回」が設定された第2大当り遊技状態とを実行可能な構成とした場合を想定する。この場合、第1大当り遊技状態の実行中に大当り種類表示LED146の上側の発光領域64dに対応するLEDを点灯させ、第2大当り遊技状態の実行中に下側の発光領域64dに対応するLEDを点灯させる制御を実行するようにしてもよい。このように、本実施形態のパチンコ機1は、複数種類の大当り遊技状態に制御可能な構成にも対応可能であることが理解される。
図12は、演出装置42を単独(遊技板4aから取り外した状態)で示している。図12では、前部ユニット42aと後部ユニット42bとが相互に組み合わせられた状態、つまり、相互に位置決めされた状態で示されており、それゆえ図12では遊技板4aの前後でみた前部ユニット42aと後部ユニット42bとの相対的な位置関係が明らかとなっている。
図12から明らかなように、前部ユニット42aと後部ユニット42bとが相互に位置決めされると、前部ユニット42aは後部ユニット42bの前面側に重なるようにして配置される。概して後部ユニット42bは、前面側からみて前部ユニット42aよりも大きな外形を有しており、それゆえ後部ユニット42bは前部ユニット42aの周囲にはみ出すようにして配置される。ただし、実際には前部ユニット42aと後部ユニット42bとの間に遊技板4aが位置しているため、図12に示される後部ユニット42bの外形が遊技者から視認されることはない。
また図12では、前部ユニット42aの一部(下縁部の左半分と左側縁部の下半分)が破断された状態で示されており、それゆえこの破断箇所では後部ユニット42bの表面が前面側に露出するようにして示されている。
図12中、前部ユニット42aの破断箇所に示されているように、手前側の球誘導部材70にはランプ基板147aが取り付けられており、このランプ基板147aに特図始動記憶ランプ147としてのLED(発光体)が実装されている。ランプ基板147aは放出口72eを挟んで左右両側に1枚ずつ設けられており、各ランプ基板147aに2つずつ特図始動記憶ランプ147(LED)が実装されている。また図12中、前部ユニット42aの下縁部の右半分(破断箇所でない部分)に示されているように、個々の特図始動記憶ランプ147(LED)は、前面側からみて発光領域48の背後に位置付けられている。
図12には示されていないが、各ランプ基板147aの裏面にはコネクタを介してハーネスが接続されており、このハーネスは後部ユニット42bの内部を通って上記のランプ駆動基板119に接続されている。
図13は、特図始動記憶ランプ147から発光領域48につながる導光通路88の構成を詳細に示している。上記のように、特図始動記憶ランプ147(ランプ基板147a)は球誘導部材70、つまり後部ユニット42bに取り付けられていることから、前後方向でみると、特図始動記憶ランプ147(ランプ基板147a)は遊技板4aの背面側で前部ユニット42aよりも奥まったところに位置する。
一方、発光領域48は前部ユニット42aの表面に形成されていることから、発光領域48と特図始動記憶ランプ147との間には一定の間隔(本実施形態では遊技板4aの板厚程度)が存在することになる。このため前部ユニット42aには、発光領域48と特図始動記憶ランプ147との間を埋めるようにして導光部材90が設けられており、さらにこの導光部材90の内部に導光通路88が形成されている。
導光通路88は、導光部材90の内部を前後方向に貫通して延び、その前端および後端がいずれも開放されている。導光通路88の前端は発光領域48の直ぐ背面側に位置し、また後端はランプ基板147aの実装面に対向するようにして位置している。この状態で、特図始動記憶ランプ147は導光通路88の後端から僅かに内部に進入している。このため特図始動記憶ランプ147が発光すると、この光は導光通路88を通じて前面側に導かれ、そして発光領域48を透過して前面側から視認可能となる。
また前部ユニット42aには、導光部材90とともに光拡散部材48aが取り付けられており、この光拡散部材48aの表面に発光領域48が形成されている。このとき、特図始動記憶ランプ147の発する光は光拡散部材48aにより拡散されるので、発光領域48の全体がほぼ均一な輝度で面発光することになる。これにより、遊技者からは数字の「1」〜「4」が点灯したり、消灯したりする様子が視認されることとなる。
導光部材90は、例えば黒色・暗褐色等の暗色系の樹脂材料から成型されており、それゆえ導光通路88の内壁は、比較的高い遮光性を有する。これにより、導光通路88から周囲への光の漏洩が効果的に防止されるので、特図始動記憶ランプ147の発する光によって対応する発光領域48をくっきりと発光させることができる。
なお図13では、1つの発光領域48に通じる導光通路88が示されているが、導光部材90には、4つの発光領域48全てにそれぞれ対応して4つの導光通路88が形成されている。また、互いに隣り合う導光通路88の間は仕切壁90aによって仕切られており、特に本実施形態では、仕切壁90aが複重(2枚)構造となっている。それゆえ、互いに隣り合う2つの発光領域48(例えば記憶数「1」と「2」を表すもの同士、記憶数「3」と「4」を表すもの同士)との間での光漏れが強固に防止されている。
上記のように前部ユニット42aには、特別図柄の始動記憶数を表示するための発光領域48が形成されているにもかかわらず、特段の電気的な部品・配線・基板等が全く装備されておらず、発光動作を行うための電気的な構成要素(LED、基板、コネクタ、ハーネス類)は全て後部ユニット42bに設けられている。このためパチンコ機1の製造工程(特に遊技盤4の組み立て工程)では、前部ユニット42aを遊技板4aに組み付ける際、前部ユニット42aに対して電気的な構成要素を取り付ける作業を行う必要がないことから、それだけ作業工数を低減し、パチンコ機1の製造効率を大幅に向上することができる。
また本実施形態では前部ユニット42aに電気的な構成要素(LED、基板、コネクタ、ハーネス類)が設けられていないことから、パチンコ機1の組み立て後においても、前部ユニット42aのねじ留めを外すだけでこれを容易に取り外すことができる。したがって、パチンコ機1の組み立て後における球誘導部材70の交換作業に際して、前部ユニット42aを着脱する度にその電気的な配線作業を一々やり直す必要がないことから、球誘導部材70の交換作業を迅速かつ容易に行うことができる。
さらに本実施形態では、パチンコ機1の組み立て後に球誘導部材70の取り替え作業を行う場合、前面枠5を開放し、演出装置42の前部ユニット42aを取り外すだけでよいので、いちいち遊技盤4を遊技盤装着枠9から取り外し、さらにその背面側の制御基板ボックスや後部ユニット42bをも遊技板4aから取り外すような手間が必要なくなる。特に本実施形態では、後部ユニット42bの外形が貫通穴4bの開口面積よりも大きく、後部ユニット42bそのものを遊技板4aの前面側から着脱することができない構造であるが、前面側から貫通穴4bを通じて球誘導部材70の着脱作業を行うことができるところに多大な有用性がある。
球誘導部材70,72による遊技球の誘導態様については既に説明したが、本実施形態では、奥側の球誘導部材72(第1の球誘導部材)に形成された上段ステージ80および中段ステージ82の機能に特徴を有する。以下、上段ステージ80および中段ステージ82の特徴について説明する。
図14は、上段ステージ80および中段ステージ82での遊技球の転動経路を示している。本実施形態の場合、ワープ通路(78b)および放出口78cが上段ステージ80の左側にしか設けられていないため、上段ステージ80への遊技球のアプローチは左側からしか行われないが、遊技球が上段ステージ80から中段ステージ82に乗り移ると、ここで転動方向が左右の二手に分かれるようにして振り分けられる。したがって、最終的に下段ステージ84へのアプローチは左右の両側から行われることになる。
これにより下段ステージ84では、中段ステージ82を右方向へ下って、その終端でUターンしてきた遊技球が勢いよく右側から進入してくる態様と、反対に、中段ステージ82を左方向へ下って、終端でUターンしてきた遊技球が勢いよく左側から進入してくる態様の両方が実現されることになる。この結果、下段ステージ84では中央の放出通路72dに対して左右いずれの方向からも遊技球が進入できる転動態様が実現されるため、前部ユニット42aの左側縁部にしかワープ通路(78a,78b)が形成されていないにもかかわらず転動態様がワンパターンにならず、多様な転動態様による面白みを持たせることができる。
上記のように本実施形態では、左側から上段ステージ80に流入してきた遊技球の転動経路を中段ステージ82にて左右方向に振り分け、下段ステージ84に対する2通りのアプローチを設けることで多様な転動態様を実現するところに特徴がある。このため、上段ステージ80上で遊技球を左右方向に長々と転動させる必要はなく、できるだけ速やかに遊技球を中段ステージ82へ移行させることが望ましい。このため本実施形態では、上段ステージ80から中段ステージ82への遊技球のスムーズな移行を実現するための工夫が凝らされている。
先ず奥側の球誘導部材72には、上段ステージ80に沿って遊技球の転動を案内するガイドリブ72f,72gが形成されており、これらガイドリブ72f,72gは上段ステージ80の上面からわずかに上方に突出している。このうち、前面側からみて奥側のガイドリブ72fは上段ステージ80の全長とほぼ同じ長さを有しているが、手前側のガイドリブ72gは中央の窪み部80aにて部分的に途切れている。
そして上記のガイドリブ72fには、部分的に上段ステージ80の通路幅を絞り込むようにして前方に突出した部分が形成されており、この突出部分が制動部80bとして機能するものとなっている。なお制動部80bは、中央の窪み部80aから左右に等間隔を存して1つずつ配置されている。すなわち、放出口78cから上段ステージ80に流入してきた遊技球は、その中央に向けて傾斜を下りながら転動する過程で、先ず左側の制動部80bに衝突し、その勢いを落とされる。ここで勢いを落とされた遊技球には、中央の窪み部80aを通り越してわずかに右側の上り傾斜に差し掛かったあたりで失速し、そのまま左方向へ引き返してしまうものもあれば、ある程度の勢いを保ったまま右側の傾斜を駆け上がり、そして右側の制動部80bに衝突するものもある。さらに右側の制動部80bに衝突した遊技球には、これを通り越して上段ステージ80の右端に向かって転動するものもあれば、制動部80bに跳ね返されて左側へ下っていくものもある。
いずれにしても、上段ステージ80に流入した遊技球は、その転動過程で制動部80bに衝突することで制動力を与えられ、比較的早期に中央の窪み部80aに集まり、そして中央の窪み部80aから中段ステージ82へスムーズに移行することとなる。このため本実施形態では、上段ステージ80上で遊技球がいつまでも左右方向に揺れ動き、なかなか中段ステージ82に移行しないといった転動ロスが生じることはない。
次に、球誘導部材72の内側に設けられている内部装飾体74について説明する。図15は、内部装飾体74とその配置を具体的に示している。図5では、内部装飾体74の形態が簡略化された状態で示されているが、図15中(a)に示されているように、実際の内部装飾体74には、全体として「草むら」をイメージしたデザインが施されており、その「草むら」の中に原始人であるキャラクタと、原始哺乳動物である「サーベルタイガー」のキャラクタを模したキャラクタ装飾部74b,74cが一体的に形成されている。
上記の創作的ストーリーの中で、「マンモス」や「サーベルタイガー」は猛獣としての位置付けがなされており、原始人にとっては狩りの獲物であると同時に、日常的にその存在が恐れられている。このようなストーリー上の背景から、キャラクタ装飾部74b,74cは、「草むら」の中で獲物を探していた原始人(主人公の父親)が偶然に「サーベルタイガー」と鉢合わせし、一気に緊張感が高まっている情景を描写したものとなっている。なお内部装飾体74は、「草むら」のイメージに合致するべく全体として緑色で光透過性の樹脂材料から成形されているが、キャラクタ装飾部74b,74cには、それぞれに固有の肌色、体毛色等が付されている。
本実施形態では、球誘導部材70,72が透明材料から成形されており、それゆえ図15中(b)に示されているように、球誘導部材72の内側に内部装飾体74が設置された状態で、前面側から内部装飾体74を透視することができるものとなっている。なお、図15(b)では手前側の球誘導部材70が省略されているが、手前側の球誘導部材70も透明材料から成形されているため、手前側の球誘導部材70が取り付けられた状態で内部装飾体74の視認性が損なわれることはない。
このように、球誘導部材70,72を透明材料から成形し、その奥の位置に内部装飾体74が配置されている態様であれば、球誘導部材70,72を着色材料で成形した場合よりも装飾性を高めることができるという利点がある。しかもこの場合、たとえ内部装飾体74の表面に凹凸形状からなる造形が施されていたとしても、内部装飾体74に対して直接的に遊技球が接触することがないため、遊技球の転動態様に悪影響を及ぼすことがないという2重のメリットが生じる。
次に図16は、奥側の球誘導部材72に施された装飾領域と内部装飾体74との位置関係を示している。図16中、ハッチングが施された部分は球誘導部材72に形成された装飾領域(参照符号A)を示し、この装飾領域A内には、球誘導部材72の透明材料を部分的に磨りガラス状とする表面処理層が形成されている。このような表面処理層は、例えば球誘導部材72の表面(本実施形態では前面側からみて内表面である)に微細な凹凸を付することで形成することができる。あるいは、装飾領域の形状に合わせて切り出された磨りガラス状の半透明シートを球誘導部材72の表面(内表面)に貼着してもよい。
図16中(a)から明らかなように、装飾領域Aには全体として「草むら」が波立つようなイメージの輪郭線が与えられている。そして図16中(b)に示されているように、このような装飾領域Aは内部装飾体74の前面側に位置付けられているため、遊技者の視点からは、手前側の装飾領域Aの模様と内部装飾体74の造形とが前後に距離を置いて重なり合うようにして視認される。このため遊技者が球誘導部材72を透過して内部装飾体74を視認すると、そこに立体的な奥行きを感じることになる。
さらに本実施形態では、上記のように内部装飾体74が光透過性を有するため、その背後から光を照射して内部装飾体74を装飾的に発光させることが可能となっている。このとき装飾領域Aは、内部装飾体74を透過した光を拡散させることで自身の模様(波立つ形状)をくっきりと際立たせることができるので、遊技者に視覚的な変化をもたらしつつ、発光による装飾性を高めることができる。
また装飾領域Aは、前面側からみて中段ステージ82の後方に位置する壁部と、下段ステージ84(2点鎖線)の後方に位置する壁部に配置されている。つまり装飾領域Aは、中段ステージ82および下段ステージ84でそれぞれ規定される遊技球の転動経路に沿う位置に形成されている。一方、パチンコ機1の使用に伴い遊技球が繰り返し球誘導部材70,72(中段ステージ82、下段ステージ84)にて転動すると、球誘導部材72の外表面には遊技球の接触による摩耗痕が生じてくると考えられる。特に本実施形態では、球誘導部材72が透明樹脂材料から成型されているため、その外表面に摩耗痕(または擦過痕)が生じると、その部分で材料の透明性が失われやすい傾向にある。
しかしながら本実施形態では、ちょうど摩耗痕の生じやすい位置(転動経路に沿う位置)にもともと磨りガラス状の装飾領域Aが形成されているため、球誘導部材72の外表面に摩耗痕が生じたとしても、その存在が目立ちにくくなる。一方、装飾領域Aは新品の状態から磨りガラス状の装飾模様として存在しているため、球誘導部材72の外表面に擦過痕が生じたとしても、装飾領域Aそのものの見栄えが極端に劣化するわけではない。したがって本実施形態では、長期間にわたって球誘導部材72の外観上の品質が低下しにくいだけでなく、装飾性を長期間にわたって維持することができるという利点がある。
本実施形態では、演出装置42の大型化に伴い、遊技領域12から遊技球を流入させるワープ通路(78a,78b)を左側にしか設けていないにもかかわらず、放出通路72に通じる下段ステージ84での遊技球の転動態様を多様化することができ、それによって遊技の面白さを大きく向上させることができる。逆に、左側(または右側)に1つのワープ通路(78a,78b)を設けるだけでも遊技球の転動態様の面白さを充分に確保できることから、左右両側にワープ通路を確保することにとらわれることなく、自由に演出装置42の大型化を図ったり、形状を決める際の自由度を高めたりできるという利点がある。したがって、演出装置42による演出の多様化を大幅に向上することができ、遊技者の視覚に訴える興趣を大きく高めることができる。
また、球誘導部材72の奥に内部装飾体74を配置することで装飾性を高めるとともに、その外観上の品質劣化を長期間にわたって抑えることができる。
また本実施形態では、上記のように後部ユニット42bに対して内部装飾体74が着脱可能な構成となっている。その一方で、内部装飾体74は演出装置42内でも比較的大きく目を引く存在であることから、同型のパチンコ機1であっても、内部装飾体74の造形・デザインが違っていると、外観上は別タイプのパチンコ機1として認識されやすい。このため、前部ユニット42aや後部ユニット42bの大部分を共通パーツとしつつ、内部装飾体74に様々なデザインのバリエーションを設定することで、同系列のシリーズ機(例えば、大当り確率、確変突入率、確変転落確率、賞球数等の仕様が異なるもの)を容易に市場に供給することができる。
次に、演出装置42の配置・構造による視覚的な効果について説明する。図17は、遊技盤4の上側部分を示し、この図17では、遊技板4aから前部ユニット42aが取り外された状態で示されている。このため図17では、遊技板4aの貫通穴4bと後部ユニット42bとの大小関係がより明らかとなっている。
上記のように、後部ユニット42bは遊技板4aの背面側において貫通穴4bの開口面積よりも大きい範囲に拡がって配置されている。このため前部ユニット42aが遊技板4aから取り外された状態であっても、真正面からみて貫通穴4bの奥に後部ユニット42bの全体を視認することはできないものとなっている。
また既に説明したように、後部ユニット42bの構成要素のうち装飾体42aや可動装飾体44a〜44c、固定装飾体45a〜45cは真正面からみて貫通穴4b内に位置付けられている。これに対し、これらの背後に敷設されている装飾部材46は、その大部分が貫通穴4bの内側に位置しているが、図17中に破線で示されているように、残りの部分は貫通穴4bの外側にまで拡がっており、この部分は真正面からみた場合に遊技板4aの背後に隠れている。なお、図17では装飾部材を表す参照符号「46」が1本の引出線を伴って1箇所(左側縁部)にだけ示されているが、本実施形態でいう「装飾部材46」は、後部ユニット42bの左側縁部から上縁部および右側縁部までの広範囲に拡がって敷設された部材を意味する。
次に図18は、遊技板4aに対する演出装置42の取り付けを具体的に示している。演出装置42の前部ユニット42aは、そのフランジ部42nが貫通穴4bの周囲に張り出すとともに、後半分の部位42rが貫通穴4b内に嵌め込まれることで、貫通穴4bの周縁部を装飾している。
一方の後部ユニット42bは、上記のように貫通穴4bの開口面積よりも広い範囲に拡がって配置されている。そして図18に示されているように、装飾部材46は遊技板4aの後方にて、上下方向でみた貫通穴4bの開口範囲Pよりも上方に位置する外側領域Sにまで拡がって配置されていることが理解される。なお、図18では上下方向でみた貫通穴4bの開口範囲のみが示されているが、左右方向についても貫通穴4bの開口範囲と後部ユニット42bおよび装飾部材46の位置関係は同様である。すなわち装飾部材46は、遊技板4aの後方にて、左右方向でみた貫通穴4bの開口範囲よりも側方に位置する外側領域にまで拡がって配置されている。
また本実施形態では、後部ユニット42bに遊技盤ランプとして多数のLED92が配置されており、これらLED92は装飾部材46の背後に設置されている。装飾部材46は光透過性の材料から成型されており、それゆえLED92が発光すると、その光を前方へ透過させて発光動作を行うことができるものとなっている。
ここで図18に示されているように、前部ユニット42aそのものは遊技板4aの背面に密着するようにして取り付けられているが、後部ユニット42bにおいて、遊技板4aの背面と装飾部材46の表面との間には、ある程度の間隙Hが確保されている。このため装飾部材46のうち、外側領域Sに位置する部分は遊技板4aの背面に接しているわけではなく、背面から間隙Hだけ後方に位置した状態にあることが理解される。
次に図19および図20は、遊技盤4を左右の斜め下方から見上げた状態で示している。なお、図19,20では遊技盤4が単独で示されているが、実際のパチンコ機1では遊技盤4が本体枠3に支持されていることから、遊技盤4は前面枠5の開口窓30を通じて視認される。
これら図19,20に示されているように、遊技盤4をその斜め下方の角度から見上げた状態では、遊技板4aの背面と装飾部材46の表面との間に上記の間隙Hが確保されていることから、この間隙Hから貫通穴4bを通じて、装飾部材46のうち遊技板4aの背面側に隠れた部分が視認可能となる。例えば図19に示されているように、遊技盤4をその左斜め下方から見上げた状態では、前部ユニット42aの右上縁部に位置する装飾体43dの奥に装飾部材46の存在がはっきりと視認されている。また図20に示されているように、遊技盤4をその右斜め下方から見上げた状態では、前部ユニット42aの左上縁部に位置する装飾体43aの奥に装飾部材46の存在がはっきりと視認されている。
このため本実施形態では、遊技者がいろいろな角度から遊技盤4を視認することで、通常正面からみた状態では遊技板4aの背後に隠れているはずの装飾部材46の存在を視認することができる。また、このとき装飾部材46は遊技板4aの貫通穴4bの外側領域にまで拡がって配置されていることから、遊技者に前後方向への奥行きを感じさせるとともに、遊技板4aの背面側で上下・左右方向への空間的な拡がりや開放感を生じさせることができる。
また、装飾部材46において発光動作が行われる場合、通常正面からみて遊技板4aの背後に隠れた装飾部材46から透過光が照射されるため、それまで遊技者が装飾部材46の存在に気付いていなかったとしても、発光動作によって装飾部材46の存在に気付きやすくなり、視覚的な奥行き感や空間的な拡がり感による効果を充分に発揮させることができる。
本実施形態では、装飾部材46について以下の構造を有する。図19,20等に示されているように、装飾部材46についは、全体的にゴツゴツとした立体的な造形が施されており、それによって視覚的な立体感が生み出されている。さらに装飾部材46は、2種類の部材を前後に重ね合わせた多層構造を有している。具体的には、装飾部材46は透明材料から成型された背後装飾体と、その前面側に重ね合わせて取り付けられた前面装飾体とから構成されており、前面装飾体は、赤色に着色された光透過性の材料から成型されている。また、背後装飾体には光拡散用のレンズカット(ダイヤカット等)が形成されており、背後のLED92からの発光がそこで良好に拡散される。
図19,20等で前面側に露出されている大部分は前面装飾体であるが、前面装飾体は、そのところどころが欠落した状態、つまり、部分的に破断されたような形態を有している。そして、前面装飾体が部分的に欠落した領域では、その背後にある透明な背後装飾体が前面側に露出している。
以上のような構成により、装飾部材46において発光動作が行われると、その大部分では赤色の透過光が前面側から視認されることとなるが、ところどころ部分的に白色光(LEDの発光色)が視認される領域が存在する。本実施形態では、このように白色光が視認される領域(前面装飾体が欠落している領域)が「稲妻」を模した形状にデザインされているため、遊技者が前面側から装飾部材46の発光動作をみると、あたかも雷が落ちたかのように感じ、そこに「原始地球の荒れた天候」を想起して演出的な効果を満喫することができる。
次に、可動装飾体44a,44b,44cの構成について詳細に説明する。図21は、演出装置42における可動装飾体44a,44b,44cの作動態様を示している。図21中の矢印で示されているように、可動装飾体44a,44b,44cは、いずれも作動時において左右方向に往復回動することができる。このうち上縁部に位置する可動装飾体44a(片仮名文字の「ギ」を象ったもの)と、その右隣に位置する可動装飾体44b(片仮名文字の「オ」を象ったもの)とは、いずれも初期位置から時計回り方向に回動し、そして残りの可動装飾体44c(片仮名文字の「オ」を象ったもの)は、その初期位置から反時計回り方向に回動する。なお、図21では3つの可動装飾体44a,44b,44cが初期位置から最も大きく変位したときの状態が示されており、この最大変位の状態において、各可動装飾体44a,44b,44cと前部ユニット42aとの間には適度なクリアランスが確保されている。
次に図22は、後部ユニット42bを背面側から示し、ここでは特に可動装飾体44a,44b,44cを作動させるための機構要素が示されている。なお図22には、後部ユニット42bの一部をなすインナケーシングのみが示されており、実際にはインナケーシングの外側にアウタカバー(図示されていない)が組み合わされて後部ユニット42bが構成されている。前面側から視認される装飾体43aや可動装飾体44a〜44c、固定装飾体45a〜45c、装飾部材46、球誘導部材70,72、内部装飾体74等はいずれもインナケーシングに組み付けられている。一方、上記のフランジ部42nはアウタカバーに形成されているため、図22には示されていない。
後部ユニット42bの背面側、つまりインナケーシングには、各可動装飾体44a,44b,44cに対応して3つのソレノイド(直動式)94a,94b,94cが装備されている。また、これらソレノイド94a,94b,94cにはそれぞれ、駆動レバー95a,95b,95cが連結されている。各駆動レバー95a,95b,95cは、その先端部がスライドピンを介して対応するソレノイド94a,94b,94cにピン接合されており、そして基端部が回動軸96a,96b,96cに固定されている。回動軸96a,96b,96cは後部ユニット42bのインナケーシングにて回動自在に支持されており、それゆえ駆動レバー95a,95b,95cは、対応する回動軸96a,96b,96cを中心として上下方向に回動(揺動)自在となっている。また駆動軸96a,96b,96cは、インナケーシングを前後方向に貫通して延びており、その後端部にて各駆動レバー95a,95b,95cに連結されているとともに、その前端部にて各可動装飾体44a,44b,44cに連結されている。
また各駆動レバー95a,95b,95cには、対応する回動軸96a,96b,96cの回動範囲(回動角度)を規定するためのストッパ部97a,97b,97cが一体的に形成されている。またインナケーシングには、各ストッパ部97a,97b,97cに対応してストッパハウジング98a,98b,98cが形成されており、各ストッパ部97a,97b,97cは、対応するストッパハウジング98a,98b,98c内に収容された状態にある。
上記の構成において、いずれかのソレノイド94a,94b,94cが通電(励磁)状態になると、直動ロッド(アーマチュア)の引き上げ動作に伴い、対応する駆動レバー95a,95b,95cが上方へ引き上げられるようにして変位する。逆にソレノイド94a,94b,94cが非通電(非励磁)の状態になると、リターンスプリングによって直動ロッドが初期位置に復帰し、この復帰動作に伴い、対応する駆動レバー95a,95b,95cが下方へ押し下げられるようにして変位する。なお本実施形態では、このときの駆動レバー95a,95b,95cの変位角度が30°程度に設定されている。
上記のようなソレノイド94a,94b,94cの通電・非通電の切り替えにより、対応する駆動レバー95a,95b,95cが上下に揺動するようにして変位し、これにより駆動軸96a,96b,96cが往復回動される。そして、このような駆動軸96a,96b,96cの往復回動により、図21に示されるような可動装飾体44a,44b,44cの動作が実現されるものとなっている。
なお後部ユニット42bのインナケーシングには、その他の構成としてLED基板92a,92b,92c,92d(遊技盤ランプ)が設置されている。このうち、図22でみてインナケーシングの上縁部の右側(前面側からみると左側)に配置されたLED基板92aは、上記の装飾体43aに対応するものであり、このLED基板92aには、その前面側に多数のLED(92)が実装されている。本実施形態では、これらLED(92)の発光により装飾体43aの発光演出が行われる。
また、図22でみてLED基板92aの左側に位置するLED基板92bはインナケーシングの左半分(前面側からみると右半分)の部位に拡がる大きさを有し、全体としてLED基板92bは、インナケーシングの上縁部から3つのソレノイド94a,94b,94cが設置されている部位を全てカバーするようにして鈎形状に敷設されている。この大型のLED基板92bにも同様に多数のLEDが実装されており、これらLEDの発光により装飾部材46の発光動作が行われるものとなっている。さらに図22でみてインナケーシングの右側縁部(前面側からみると左側縁部)に位置するLED基板92cもまた、装飾部材46の発光動作を行うためのものである。また、インナケーシングの下縁部に位置するLED基板92dは、上記の内部装飾体74の発光動作を行うためのものである。
図23および図24は、可動装飾体44aを構成要素に分解した状態で示している。なお、これら図23および図24では1つの可動装飾体44aを例に挙げているが、その他の可動装飾体44b,44cについても基本的に同じ構造が採用されている。したがって、以下では1つの可動装飾体44aについて説明しているが、その内容は他の可動装飾体44b,44cについても実質的に同様に当てはまる。
図23,24に示されているように、可動装飾体44aは大きく分けてアウタシェル200、フロントレンズ202、内蔵LED基板204、そしてリヤカバー206の4つのパーツから構成されている。このうち、アウタシェル202は可動装飾体44aの外表面を構成するものであり、その外形には片仮名文字の「ギ」を象った立体的なデザインが施されている。またアウタシェル200は文字通り薄肉中空のシェル構造をなし、図24に示されているように、その後端部は全体的に大きく開放されている。一方、アウタシェル200の前端部には、ちょうど片仮名文字の「ギ」を型抜きしたような文字型開口200aが形成されている。
フロントレンズ202は、光透過性または光拡散性を有した板状の半透明材料から成形されており、その表面および裏面には、それぞれ稲妻をイメージしたような立体的な造形が施されている。フロントレンズ202は、アウタシェル200の後端開口から嵌め込むようにして取り付けられ、上記の文字型開口200aを塞ぐようにしてアウタシェル200の内側に収容される。このためフロントレンズ202の外形は、アウタシェル200の内縁の形状にほぼ合致している。またフロントレンズ202は、その前端面にて浮き彫り状に成形された文字型凸部202aを有しており、この文字型凸部202aはアウタシェル200の文字型開口200aに合致する形状を有している。したがって、フロントレンズ202がアウタシェル200に収容された状態では、文字型開口200aにフロントレンズ202の文字型凸部202aがぴったり嵌り込んでアウタシェル200の前端部に位置付けられる。そしてこの状態で、文字型凸部202aはアウタシェル200の前端部とともに可動装飾体44aの前面を形成する。
内蔵LED基板204もまた、アウタシェル200の後端開口から嵌め込むようにして取り付けられる。このため内蔵LED基板204の外形は、アウタシェル200の内縁の形状にほぼ合致している。ただし、内蔵LED基板204はフロントレンズ202のようにアウタシェル200の前端部まで深く進入せず、フロントレンズ202の背面から一定間隔を存して後端開口の近傍に位置付けられる。
内蔵LED基板204には、上記の遊技盤ランプの一部として多数のフルカラーLEDチップ204a(電装品)が実装されており、これらLEDチップ204aは、内蔵LED基板204の実装面に分布するようにして配置されている。LEDチップ204aは個々に赤色・緑色・青色(RGB)のLEDを有しており、それによりフルカラー発光が可能となっている。また本実施形態では内蔵LED基板204の実装面が白色塗装されており、それゆえ実装面にて高い光反射性を有している。一方、内蔵LED基板204の背面には、ハーネス線束(電気配線)を接続するための雌コネクタ204bが実装されている。
リヤカバー206は、アウタシェル200の後端開口を塞ぐようにして取り付けられる。このためリヤカバー206の外形は、アウタシェル200の後端開口の形状に合致している。図24に示されているように、アウタシェル200の内側には2本のねじ留め用のボス部200bが形成されており、これらボス部200bはアウタシェル200の前端部から後端開口に向けて延びている。リヤカバー206はアウタシェル200の後端開口に嵌め込まれた状態でボス部200bに接触し、それ以上の進入を規制される。
一方、リヤカバー206には、その前面側に2本の抑えロッド206aが形成されており、これら抑えロッド206aはリヤカバー206の前面から前方に突き出すようにして一体的に形成されている。リヤカバー206がアウタシェル200の後端開口に嵌め込まれると、これら抑えロッド206aの先端がフロントレンズ202の背面にぴったり当接し、これによりアウタシェル200内にてフロントレンズ202の配置が固定されるものとなっている。そしてこの状態で、リヤカバー206はアウタシェル200に対してねじ留めされる。
なお、フロントレンズ202および内蔵LED基板204にはそれぞれ、2本のボス部200bに対応する位置に挿通孔202c,204cが形成されており、これらフロントレンズ202および内蔵LED基板204がアウタシェル200に取り付けられる際、それぞれの挿通孔202c,204cにボス部200bが挿通される。また内蔵LED基板204には、抑えロッド206aに対応する位置にも挿通孔204dが形成されており、内蔵LED基板204がリヤカバー206に取り付けられる際、2本の抑えロッド206aは対応する挿通孔204dに挿通される。
内蔵LED基板204はリヤカバー206の直ぐ奥に寄り添うようにして配置され、この状態で内蔵LED基板204がリヤカバー206にねじ留めされるものとなっている。リヤカバー206には、内蔵LED基板204の雌コネクタ204cに対応する位置に矩形の挿通穴206cが形成されており、それゆえ内蔵LED基板204がリヤカバー206に取り付けられた状態で、その雌コネクタ204cに対してリヤカバー206の背面側から雄コネクタを接続することが可能となっている。
上記の駆動軸96aは、その前端部にてリヤカバー206にねじ留めされるものとなっている。この状態でリヤカバー206に対して駆動軸96aが強固に固定されるので、駆動軸96aの回動は、そのままリヤカバー206を介して可動装飾体44aの全体に伝達される。なおリヤカバー206には、駆動軸96aの取付部に適宜、補強のためのリブが放射状に形成されている。
図25および図26は、可動装飾体44aをその完成状態で示している。図25中(b)に示されているように、アウタシェル200にリヤカバー206が取り付けられた状態で、内蔵LED基板204の雌コネクタ204cに雄型のコネクタ208が接続されている。コネクタ208には複数の電気配線からなるハーネス線束208が接続されており、このハーネス線束208は、コネクタ208から離れた位置で、粘着テープ片210(配線固定部材)によりリヤカバー206の背面に固定(貼着)されている。
また図26から明らかなように、本実施形態では、可動装飾体44aの前後方向の仮想的な中心線と駆動軸96aの軸線とが互いに平行ではない。したがって、遊技者が駆動軸96aの軸線方向(水平方向)から可動装飾体44aを視認していたとしても、可動装飾体44aの前面の他に、その上面が一定の角度を存して遊技者に視認される。さらにこの状態で、駆動軸96aの軸線周りに可動装飾体44aが回動すると、その仮想的な中心線は「みそすり運動」をするようにして変位する。この場合、駆動軸96aの軸線に対して可動装飾体44aの外側面が様々な角度に変位するため、遊技者が可動装飾体44aの動きを一定の角度(例えば真正面)から視認していても、遊技者の視線方向に対して可動装飾体44aの外側面が様々な角度に変位し、それによって視覚的な変化を生じさせることができる。
図27は、後部ユニット42bから可動装飾体44a,44b,44cが取り外された状態を示している。図25中(b)に例示されているように、各可動装飾体44a,44b,44cには、内蔵LED基板204につながるハーネス線束208が接続されているが、これに対応して後部ユニット42bの前面(装飾部材46の表面)には3つの配線孔212a,212b,212cが形成されており、これら配線孔212a,212b,212cを通じて各ハーネス線束208が後部ユニット42bの内部(インナケーシング)に挿通されるものとなっている。
このとき、配線孔212a,212b,212cは、いずれも前面側からみて対応する可動装飾体44aの可動範囲内に隠れるようにして位置付けられている。したがって、可動装飾体44a,44b,44cが作動しても、配線孔212a,212b,212cの存在は可動装飾体44a,44b,44cによって隠されたままとなる。また本実施形態では、ハーネス線束208が可動装飾体44a,44b,44cの表面色と同系色であるため、ハーネス線束208そのものの存在が目立たなくなっている。
このように、本実施形態では可動装飾体44a,44b,44cが内蔵LED基板204のような電装品を有し、かつ、ソレノイド94a,94b,94cによって作動される態様であるが、その作動時・非作動時を通じてハーネス線束208の存在が前面側から視認されなくなっているので、演出時の見栄えを損なわず、興趣を大きく向上させることができる。
本実施形態では、可動装飾体44a,44b,44cをそれぞれ単独で作動させることもできるし、2つ以上(2つまたは3つ全て)を同時または同時期に作動させることもできる。特に本実施形態では、3つある可動装飾体44a,44b,44cのうち、一番下に位置する可動装飾体44c(「オ」を象ったもの)の作動方向が他の2つと反対に設定されているため、一番下の可動装飾体44cだけを単独で作動させると、この可動装飾体44cの左側部分は、その上の可動装飾体44bから相対的に下方へ離れていく方向へ作動することになる。これにより、演出装置42内での可動装飾体44b,44cの相互干渉が効果的に排除されるため、部品の破損や機械的なトラブルの発生が防止され、演出動作の確実性を保証することができる。
また本実施形態において、前部ユニット42aの内周面の形状は、可動表示体44a,44b,44cとの干渉を避けるためのクリアランスを考慮して決定されているが、上記の「石斧」型の装飾体43dや「マンモスの牙」型の装飾体43eは、このようなクリアランスを確保できる位置に効果的に配置されている。これにより、遊技領域12や演出装置42の限られたスペースを最大限に有効に活用しながら装飾性を高めるとともに、可動表示体44a,44b,44cの可動範囲を大きく確保することに成功している。
次に、可動装飾体44a,44b,44cの制御について説明する。可動装飾体44a,44b,44cの制御には、大きく分けて駆動機構の制御と、LEDチップ204aの発光制御の2種類が含まれている。このうち駆動機構の制御については、駆動機構を構成するソレノイド94a,94b、94cの駆動制御として行われる。また発光制御は、LEDチップ204aの発光・発光色・階調制御として行われる。
上記の駆動制御および発光制御は、既に説明したサブ統合基板111により行われる(適宜、図11を参照)。すなわちサブ統合基板111は、ランプ駆動基板119を介してソレノイド94a,94b,94cにそれぞれ駆動信号を入力し、それによって各ソレノイド94a,94b,94cを個別に駆動することができる。この結果、対応する可動装飾体44a,44b,44cが個別に作動し、前面側から視認可能な位置で「文字が動く」という態様で演出動作が実行される。
また、サブ統合基板111からランプ点灯信号が出力されると、このランプ点灯信号がランプ駆動基板119にて分配され、対応するLEDチップ204aに入力される。これにより、サブ統合基板11は各LEDチップ204aの点灯・点滅・消灯の制御をはじめ、発光色の制御やその発光輝度の階調制御を実行することができる。この結果、対応する可動装飾体44a,44b,44cが個別に発光動作を行い、前面側から視認可能な位置で「文字が発光する」という態様で演出動作が実行される。
上記のように本実施形態では、可動表示体44a,44b,44cの駆動制御・発光制御をサブ統合基板111により行うことができるが、サブ統合基板111においてどのような動作パターンを採用するかは、主基板101から送信される演出コマンドに基づいて決定される。そしてサブ統合基板111は、主基板101から送信された演出コマンドから抽選の結果(当落結果のみならず、特別図柄の変動・停止表示態様、確率変動の有無等)を解釈し、可動表示体44a,44b,44cの駆動制御・発光制御を実行する(装飾制御手段)。
サブ統合基板111の統合ROM113には、予め演出コマンドに対応した演出パターンデータが記憶されており、サブ統合基板111は、主基板101から受信した演出コマンドに基づき、対応する演出パターンデータを読み出す。
演出パターンデータには、予め可動表示体44a,44b,44cの駆動制御・発光制御についての具体的な制御内容が記録されている。例えば、3つの可動表示体44a,44b,44cのいずれを作動させるか(作動対象)、どのような態様で作動させるか(作動態様)、3つの可動表示体44a,44b,44cのいずれについて発光動作を行うか(発光対象)、LEDチップ204aによる発光動作をどのような態様で行うか(発光パターン)等についての情報が細かく設定されている。
サブ統合基板111において演出パターンデータが選択されると、当該演出パターンデータにおいて作動対象に設定された可動表示体44a,44b,44cに対応するソレノイド駆動信号がサブ統合基板111から出力される。これにより、作動対象となる可動表示体44a,44b,44cが可動範囲内で作動する。また、当該演出パターンデータにおいて複数種類の作動態様が用意されていれば、例えば可動表示体44a,44b,44cを小刻みにふるえるように作動させたり、ゆっくりと往復的に作動させたりすることもできる。
また同様に、当該演出パターンデータにおいて発光対象に設定された可動表示体44a,44b,44cに対応するランプ点灯信号がサブ統合基板111から出力される。これにより、発光対象となる可動表示体44a,44b,44cにおいて発光動作が実行される。また、当該演出パターンデータにおいて複数種類の発光態様が用意されていれば、例えば可動表示体44a,44b,44cの発光輝度を多階調に変化させたり、発光色を段階的に変化させたり、点灯・点滅パターンを変化させたりすることができる。
このとき、例えば大当り判定の結果が当選であれば、3つの可動表示体44a,44b,44cを一斉に激しく作動させる演出パターンを採用したり、3つの可動表示体44a,44b,44cを順番に作動させるといった演出パターンを採用したりすることで、いわゆる「大当り信頼度が高い」ということを演出的に表現することができる。
あるいは、主基板101において大当り乱数値からはずれリーチ変動の変動表示パターンが選ばれた場合、上記の演出パターンに近似した内容で3つの可動表示体44a,44b,44cを作動させることで、遊技者にリーチ演出を提供することもできる。
さらにLEDチップ204aの発光態様についても、大当り変動やリーチ変動等の変動表示パターンの違いによって発光態様を様々に設定することで、抽選結果に基づく多様な演出を実行することが可能となる。
本発明は上記の一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することが可能である。
(1)一実施形態では、前部ユニット42aに導光部材90が設けられているが、前部ユニット42aではなく後部ユニット42bに導光部材を設置することもできるし、前部ユニット42aおよび後部ユニット42bの両方に導光部材を設置することもできる。
(2)一実施形態では前部ユニット42aの発光領域として、特別図柄の始動記憶数を表示するものを挙げているが、前部ユニット42aの発光領域は、特別図柄そのものを表示するものであってもよいし、普通図柄または普通図柄の始動記憶数を表示するものであってもよい。あるいは、発光領域は図柄抽選に直接関係するものではなく、演出的な動作を行う性質のものであってもよい。
(3)上記の一実施形態では、性能評価の対象となる手前側の球誘導部材70に加えて、奥側の球誘導部材72までが後部ユニット42bに対して着脱可能な構造となっているが、奥側の球誘導部材72は後部ユニット42bと一体に成形された構造であってもよい。すなわち、奥側の球誘導部材72は、手前側の球誘導部材70と違って球誘導性能の評価には直接関係していないため、後部ユニット42bと一体の構造であっても本発明の実施に支障はないからである。
(4)一実施形態では、球誘導部材70により放出通路72dに誘導されなかった遊技球が前部ユニット42aの下縁部に移動すると、その中央の部分(放出口72eの上方)に集められてから落下するものとなっているが(図8)、さらに中央の部分から左右に離れた位置から遊技球が落下する態様であってもよい。この場合、放出通路72dに遊技球が誘導された場合の入賞確率を相対的に高めることができるため、球誘導部材70上での遊技球の動きに対する遊技者の期待感を高める効果が増す。
(5)一実施形態では、交換対象となる球誘導部材70とともに奥側の球誘導部材72が後部ユニット42bにねじ留めされているが、これらは別々に固定される態様であってもよい。
(6)また一実施形態では、前部ユニット42aの方に突出した係合片42sが形成されており、これを受け入れる係合孔42hが後部ユニット42bの方に形成されているが、これらの位置関係は逆であってもよい。
(7)一実施形態では、演出装置42の左側部にワープ通路(78a,78b)が形成されているが、右側部にワープ通路が形成されている態様であってもよい。
(8)一実施形態では、可動装飾体や固定の装飾体で表される片仮名文字として「ギ」,「ャ」,「オ」,「ー」を挙げているが、その他の種類の文字を用いて言語的に別の意味を持つ文字列を構成してもよい。
(9)また一実施形態では、可動装飾体が片仮名文字を象った形態を有しているが、可動装飾体は平仮名文字や漢字の他、外国文字等の各種の言語用文字を象ったデザインが施されたものでもよい。
(10)可動装飾体の配置について、一実施形態ではパチンコ機の遊技盤を例に挙げているが、可動表示体は例えば、回胴式遊技機(スロットマシン)の前面扉の内側に配置されていてもよい。
(11)その他、一実施形態で挙げた前部ユニット42aや後部ユニット42bの具体的な形態はあくまで一例であり、これらは適宜変形可能であることはいうまでもない。
次に、パチンコ機1の遊技進行に応じて主基板101で実行される種々の制御処理について図28乃至図35を参照して説明する。図28は、主基板101に搭載されるCPU102が実行するメイン処理の一例を示すフローチャートである。図29は、電源断発生時処理の一例を示すフローチャートである。図30は、タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。図31は、主基板101で更新される乱数を示す一覧表図である。図32は、遊技処理の一例を示すフローチャートである。図33は、変動開始処理を示すフローチャートである。図34は、大当り判定処理の一例を示すフローチャートである。図35は、変動表示パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図36は、変動表示パターンテーブルの一例を示す一覧表図である。なお、タイマ割込処理は、主基板101に搭載されるCPU102により所定のタイミング(本実施形態では、4ms毎)で実行される。
図28に示すように、パチンコ機1へ電力の供給が開始されると、CPU102は、電源投入時処理を実行する(ステップS1)。この電源投入時処理では、RAM104に記憶されているバックアップデータが正常であるか(停電発生時の設定値となっているか)否か判別し、正常であればRAM104に記憶されているバックアップデータに従って停電発生時の状態に戻す処理(復電時処理)を実行し、バックアップデータが異常であればRAM104をクリアしてCPU周辺のデバイス設定(通常の初期設定:割込タイミングの設定等)を行う。なお、遊技途中でパチンコ機1への電力供給が停止すると、RAM104に現在の遊技状態がバックアップデータとして記憶される。また、電源投入時処理にてRAM104に記憶されているバックアップデータのクリアを指示するRAM消去スイッチがオンであれば、RAM104をクリアし、通常の初期設定を行う。また、電源投入時処理にて主基板101に搭載されるRAM104にバックアップデータが保存されていない場合には、RAM104をクリアし、通常の初期設定を行う。また、電源投入時処理では、通常の初期設定を実行したときにサブ統合基板111に主基板101が起動したことを示す電源投入コマンドを送信可能な状態にセットする処理も実行される。電源投入コマンドは、主基板101が起動したことをサブ統合基板111に通知するものである。なお、遊技店の閉店時等にパチンコ機1への電力供給を停止した場合(電源を落とした場合)にもRAM104にバックアップデータが記憶され、再びパチンコ機1への電力供給を開始したときには電源投入時処理が実行される。
電源投入時処理が終了すると、CPU102は、遊技用の各処理を繰り返し実行するループ処理を開始する。このループ処理の開始時には、CPU102は、まず、停電予告信号が検知されているか否かを判定する(ステップS2)。なお、この実施の形態では、パチンコ機1にて使用する電源電圧は、電源基板(図示しない)によって生成する。すなわち、パチンコ機1に搭載される複数種類の装置はそれぞれ異なる電源電圧で動作するため、外部電源からパチンコ機1に供給される電源電圧を電源基板にて所定の電源電圧に変換した後、各装置に供給している。しかして、停電が発生し、外部電源から電源基板に供給される電源電圧が所定の電源電圧以下となると、電源基板から主基板101に電源電圧の供給が停止することを示す停電予告信号が送信される。そして、ステップS2で主基板101に搭載されるCPU102により停電予告信号を検知すると、電源断発生時処理を実行する(ステップS4)。この電源断発生時処理は、停電後に電源基板に供給される電源電圧が(この実施の形態では、24V)復旧した場合に(以下、復電と呼ぶ)、遊技機の動作を停電前の状態から開始するために停電発生時の状態をRAM104にバックアップデータとして記憶する処理である。処理内容は後述するが、本実施例においては、図示する通り、電源断発生時処理は、割込処理ではなく、ループの開始直後に停電予告信号の検知有無に応じて実行される分岐処理としてメイン処理(主制御処理)内に組み込まれている。
ステップS2で停電予告信号が検知されていない場合、すなわち外部電源からの電力が正常に供給されている場合には、遊技にて用いられる各種乱数を更新する乱数更新処理2を行う(ステップS3)。なお、乱数更新処理2にて更新される乱数については後述する。
図29は、電源断発生時処理(ステップS4)の一例を示すフローチャートである。上述したように、電源断発生時処理は、メイン処理において、停電予告信号が検出された時に実行される処理である。CPU102は、まず、割込処理が実行されないように割込禁止設定を行う(ステップS4a)。そして、RAM104のチェックサムを算出し、RAM104の所定領域に保存する(ステップS4b)。このチェックサムは、復電時に停電前のRAM104の内容が保持されているか否かをチェックするのに使用される。
次いで、CPU102は、RAM104の所定領域に設けられたバックアップフラグに、電源断発生時処理が行われたことを示す規定値を設定する(ステップS4c)。以上の処理を終えると、CPU102は、RAM104へのアクセスを禁止し(ステップS4d)、無限ループに入って電力供給の停止に備える。なお、この処理では、ごく短時間の停電等(以下、「瞬停」と呼ぶ)によって、電源電圧が不安定となることによって、電源断発生時処理が開始されてしまった場合、実際には電源電圧は停止されないため、上記処理では、無限ループから復帰することができなくなるおそれがある。かかる弊害を回避するため、本実施例のCPU102には、ウォッチドックタイマが設けられており、所定時間、ウォッチドックタイマが更新されないとリセットがかかるように構成されている。ウォッチドックタイマは、正常に処理が行われている間は定期的に更新されるが、電源断発生時処理に入り、更新が行われなくなる。この結果、瞬停によって、電源断発生時処理に入り、図29の無限ループに入った場合でも、所定期間経過後にリセットがかかり、電源投入時と同じプロセスでCPU102が起動することになる。
図30は、タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。上述したように、この実施の形態では、メイン処理の実行中に主基板101に搭載されるCPU102により4ms毎にタイマ割込処理が実行される。タイマ割込処理において、CPU102は、レジスタの退避処理を実行した後(ステップS10)、ステップS11からステップS19の処理を実行する。ステップS11のスイッチ入力処理では、上述したスイッチ(ゲートスイッチ174a、始動口スイッチ170a,170b、カウントスイッチ175a、一般入賞スイッチ113a等)の検出信号を監視する処理を実行する。ステップS12の払出動作処理では、スイッチ入力処理(ステップS11)にて検出された信号にもとづいて払出基板105に遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを送信する。ステップS13の乱数更新処理1では、遊技にて用いられる各種乱数を更新する処理を実行する。なお、この実施の形態では、乱数更新処理1にて更新される乱数と、上述した乱数更新処理2にて更新される乱数と、は異なる。乱数については後述するが、乱数更新処理2にて更新される乱数を乱数更新処理1でも更新するようにしてもよい。
また、ステップS14の遊技処理では、遊技の進行状態に応じてパチンコ機1を制御する処理が実行される。ステップS15の普通図柄遊技では、普通図柄表示器144に関わる制御処理を実行する。ステップS16の普通電動役物遊技では、開閉部材56aの開閉制御するための処理を実行する。ステップS17の特別図柄遊技では、遊技処理(ステップS14)の処理の結果にもとづいて特別図柄表示器141を変動表示する制御を実行する。ステップS18の特別電動役物遊技では、ソレノイド176aを可動制御して開閉部材60aの開閉制御を実行する。ステップS19のコマンド伝送出力処理では、遊技処理(ステップS14)でセットされた演出コマンドをサブ統合基板111に送信する処理を実行する。また、コマンド伝送出力処理(ステップS19)では、パチンコ機1への電力供給が開始されたときに電源投入時処理(ステップS1)でセットされた電源投入コマンドをサブ統合基板111に送信する処理も行われる。ステップS20のI/Oポート出力処理では、パチンコ機1の外部(例えば、管理コンピュータ等)に遊技状態を示す状態信号を出力する処理、特図始動記憶ランプ147に駆動信号を出力する処理、等を実行する。ステップS11からステップS20の処理を実行すると、レジスタの復帰処理(ステップS21)を実行して、処理を終了する。
ここで、上述した乱数更新処理1(ステップS13)および乱数更新処理2(ステップS3)で主基板101に搭載されるCPU102により更新される各種乱数について図31を参照して説明する。図31に示すように、この実施の形態では、遊技にて用いられる各種乱数として、大当り遊技状態を発生させるか否かの判定(大当り判定)に用いられる大当り判定乱数、大当り判定において大当り遊技状態を発生させると判定されたときに確変大当りとするか否かの判定(確変判定)に用いられる確変判定乱数、大当り判定にて大当り遊技状態を発生させないと判定されたときにリーチ態様を伴うはずれとするか否かの判定(リーチ判定)に用いられるリーチ判定乱数、特別図柄表示器141に表示されている特別図柄の変動表示パターンを決定するために用いられる変動表示パターン乱数、入球装置56の開閉部材56aを開放状態に制御するか否かの判定(普通図柄当り判定)に用いられる普通図柄当り判定乱数、等がある。なお、リーチ判定用乱数を用いて特別図柄の変動表示パターンを決定するとともに、液晶表示装置50にて表示制御される装飾図柄の変動表示パターンを決定するようにしてもよい。
これらの乱数のうち、乱数更新処理1では、大当り遊技状態の発生に関わる大当り判定乱数、確変判定乱数、および入球装置56の開閉部材56aを開放状態に制御するか否かに関わる普通図柄当り判定乱数の更新を行う。すなわち、大当り遊技状態の発生および入球装置56の開閉部材56aを開放状態に制御するか否かに関わる判定に用いられる乱数は所定のタイミングとして4ms毎に更新される。このようにすることにより、それぞれの乱数における所定期間における確率(大当り遊技状態を発生させると判定する確率、入球装置56の開閉部材56aを開放状態に制御すると判定する確率)を一定にすることができ、遊技者不利な状態となることを防止できる。一方、乱数更新処理2では、大当り遊技状態の発生および普通図柄の表示結果に関わらないリーチ判定乱数および変動表示パターン乱数の更新を行う。なお、主基板101で更新される乱数は、上記したものに限られず、乱数更新処理2では、大当り判定乱数を更新するカウンタが1周したときに次にカウントを開始させる大当り判定乱数の初期値を決定するための初期値決定乱数等の更新も行う。
図32は、遊技処理(ステップS14)の一例を示すフローチャートである。遊技制御処理において、CPU102は、まず、上始動口52および下始動口54に遊技球が入賞したか否かを判別する(ステップS30)。具体的には、始動口スイッチ170a,170bから検出信号が出力されたか否かを判別し、始動口スイッチ170a,170bから検出信号が出力された場合には上始動口52または下始動口54に遊技球が入賞した(ステップS30にてYES)と判別し、始動口スイッチ170a,170bからの検出信号が出力されていなければ上始動口52および下始動口54に遊技球が入賞していない(ステップS30にてNO)と判別する。ステップS30にて上始動口52または下始動口54に遊技球が入賞したと判別したときには、各種乱数(大当り判定乱数、確変判定乱数、等)を取得し、RAM104に設けられている保留球数カウンタの値が上限値となる4未満であるか否かを判別する(ステップS31)。そして、ステップS31で保留球数カウンタが4未満であれば、始動記憶格納処理を行う(ステップS32)。なお、ステップS30で始動口スイッチ170a,170bがオンしていない場合、およびステップS31で保留球数カウンタの値が4である場合、には、始動記憶格納処理を実行しない。その後、CPU102は、遊技の進行状態を示す処理選択フラグの値を参照してステップS40〜ステップS44のうちいずれかの処理を行う。
始動記憶格納処理では、保留球数カウンタに「1」を加算する処理と、保留球数カウンタの加算に伴って特図始動記憶ランプ147の点灯表示態様(点灯表示させるランプの個数)を変更する処理と、取得した乱数値(この実施の形態では、大当り判定乱数、確変判定乱数)をRAM104に設けられた始動記憶の保存領域に保留球数カウンタのカウント値に対応させて記憶する処理と、を行う。このように、保留球数カウンタは、始動記憶の保存領域に記憶される乱数値の数を示すカウンタである。また、ステップS31において保留球数カウンタの値が上限値である場合にはステップS30で取得した乱数値を破棄する。なお、ステップS30で上始動口52または下始動口54に遊技球が入賞したと判別したときには、ステップS30〜ステップS32の間で各種乱数を取得すればよく、例えば、ステップS30で各種乱数を取得せずに、ステップS31で保留球数カウンタが上限値未満であることを判別した後に、各種乱数を取得してもよいし、始動記憶格納処理(ステップS32)で取得するようにしてもよい。
処理選択フラグが「0」のときに実行される変動開始処理(ステップS40)では、始動記憶数を確認し、始動記憶数が0でなければ、特別図柄の変動表示を開始するための設定を行う。具体的には、大当り遊技状態を発生させるか否かの判定を行い、大当り遊技状態を発生させる場合には、確変大当りとするか否かを判定する。処理選択フラグが「1」のときに実行される変動表示パターン設定処理(ステップS41)では、特別図柄および装飾図柄の変動表示に関わる設定を行う。具体的には、特別図柄の変動表示パターンを決定し、当該変動表示パターンに対応して設定される変動時間(特別図柄表示器141にて特別図柄の変動表示を開始してから停止表示するまでの時間)をタイマにセットする。処理選択フラグが「2」のときに実行される変動中処理(ステップS42)では、変動表示パターン設定処理(ステップS41)で変動時間が設定されたタイマを監視し、タイマがタイムアウトしたことにもとづいて特別図柄表示器141における特別図柄の変動表示を停止させる処理を行う。このとき、変動開始処理(ステップS40)にて大当り遊技状態とする判定がなされていれば、処理選択フラグを「3」に更新し、大当り遊技状態とする判定がなされていなければ処理選択フラグを「0」に更新する。
また、処理選択フラグが「3」のときに実行される大当り遊技開始処理(ステップS43)では、大当り遊技状態を開始するための設定を行う。具体的には、サブ統合基板111に大当り遊技状態の開始表示の実行を指示する大当り開始コマンドを送信するとともに、アタッカ装置60の開放回数等の設定を行う。
処理選択フラグが「4」のときに実行される大当り遊技中処理(ステップS44)では、大当り遊技状態が開始された場合に、カウントスイッチ175aによって検出された遊技球の個数を判別し、所定個数(この実施の形態では、10個)の遊技球が大入賞口62に入賞したとき、または、所定期間(この実施の形態では、30秒)が経過したときアタッカ装置60を閉塞状態にするための処理を行うとともに、サブ統合基板111に大当り遊技状態中の表示(例えば、ラウンド表示等)の実行を指示する大当り中コマンドを送信する。また、大当り遊技状態におけるラウンド回数が所定回数(この実施の形態では、15回)に達していなければ、再び、アタッカ装置60を開放状態にするための処理を行い、大当り遊技状態におけるラウンド回数が所定回数に達したときには、サブ統合基板111に大当り遊技状態の終了表示の実行を指示する大当り終了コマンドを送信するとともに処理選択フラグを「0」に更新する。
図33は、変動開始処理(ステップS40)の一例を示すフローチャートである。変動開始処理において、CPU102は、保留球数カウンタの値が0であるか否か判別する(ステップS401)。上述したように、保留球数カウンタの値は、始動記憶の保存領域に格納される乱数値の数を示すものであるため、ステップS401で保留球数カウンタの値が0であれば、始動記憶がないと判別されて処理を終了する。
一方、ステップS401で保留球数カウンタの値が0でなければ、始動記憶移行処理を実行する(ステップS402)。始動記憶移行処理では、保留球数カウンタを1減算する処理と、RAM104に設けられた始動記憶の保存領域に記憶される各種乱数をシフトした後、始動記憶の保存領域のうち保留球数カウンタの0に対応する保存領域に保存される各種乱数(大当り判定乱数等)を読み出す処理と、を行う。具体的には、始動記憶の保存領域にて保留球数カウンタのn(n=1、2、3、4)に対応する保存領域に記憶されている各種乱数を始動記憶の保存領域における保留球数カウンタのn−1(n=0、1、2、3)に対応する保存領域に記憶させる。
次いで、ステップS402で保留記憶の保存領域のうち保留球数カウンタの0に対応する保存領域から読み出した大当り判定乱数を用いて大当り遊技状態を発生させるか否かの判定を行い、大当り遊技状態を発生させる場合には、確変大当りとするか否かを判定する大当り判定処理を行った後(ステップS403)、処理選択フラグを「1」に更新する(ステップS404)。処理選択フラグを「1」に更新することにより、次にタイマ割込処理が発生し、遊技処理(ステップS14)が実行されたときに変動表示パターン設定処理(ステップS41)が実行可能となる。
図34は、大当り判定処理(ステップS404)の一例を示すフローチャートである。大当り判定処理において、CPU102は、大当り遊技中処理(ステップS44)でセットされる確変フラグがON状態であるか(セットされているか)否かを判別する(ステップS51)。確変フラグがON状態であれば、確変状態時大当り判定テーブル(図示しない)を選択し(ステップS52)、確変状態フラグがON状態でなければ(OFF状態であれば)、通常・時短状態時大当り判定テーブル(図示しない)を選択する(ステップS53)。なお、確変状態時大当り判定テーブルでは、0〜979までの980個の大当り判定乱数のうち大当り判定乱数と一致することにより大当り遊技状態を発生させることが決定される大当り判定値が14個設定され、大当りとなる確率である大当り確率が1/70となっている。一方、通常・時短状態時大当り判定テーブルでは、0〜979までの980個の大当り判定乱数のうち大当り判定値が2個設定され、大当り確率が1/490となっている。
そして、ステップS52,S53で選択した確変状態時大当り判定テーブル、または、通常・時短状態時大当り判定テーブルに設定されている判定値と、ステップS402の始動記憶移行処理で読み出した大当り判定乱数の値と、が一致するか否かによって、大当り遊技状態を発生させるか否か判定する(ステップS54)。ステップS52,S53で選択した確変状態時大当り判定テーブル、または、通常・時短状態時大当り判定テーブルに設定されている判定値と、ステップS402の始動記憶移行処理で読み出した大当り判定乱数の値(保留球数カウンタの0に対応する保存領域に保存される大当り判定乱数の値)と、が一致することにもとづいて大当り遊技状態を発生させると判定したときには、大当りフラグをON状態(セット)とした後に(ステップS55)、所定の判定値が設定された確変判定テーブル(図示しない)にもとづいて確変大当りとするか否かを判定する(ステップS56)。具体的には、ステップS402の始動記憶移行処理で読み出した確変判定乱数の値(保留球数カウンタの0に対応する保存領域に保存される確変判定乱数の値)と、確変判定テーブルに設定されている判定値と、が一致するか否かにもとづいて確変大当りとするか否か判定する。なお、本実施形態では、確変突入率(大当りのうち確変大当りとする割合)が2/3となるように、すなわち、0〜8までの9個の確変判定乱数のうち確変大当りとすることに決定される6個の判定値が確変判定テーブルに設定されている。
ステップS56で、確変判定テーブルに設定されている判定値と、ステップS402の始動記憶移行処理で読み出した確変判定乱数の値と、が一致したことにもとづいて確変大当りと判定されたときには、確変状態フラグをON状態(セット)とする(ステップS57)。一方、ステップS54で大当りとしない(はずれとする)と判定されたとき、および、ステップS56で確変大当りとしない(非確変大当りとする)と判定されたとき、には、以下の処理を実行することなく処理を終了する。なお、大当りフラグおよび確変状態フラグのON/OFF状態(セット状態、リセット状態)は、RAM104に記憶される。また、大当りフラグおよび確変状態フラグのOFF状態(リセット状態)とは「0」の値がセットされることであり、大当りフラグおよび確変状態フラグのON状態(セット状態)とは「1」の値がセットされることである。
なお、大当りフラグは、大当り遊技状態への移行制御を示すフラグであり、大当り遊技開始処理(ステップS43)にて大当りフラグがセットされていれば、大当り遊技状態を発生させる。また、確変状態フラグは、大当り遊技状態終了後に確率変動状態への移行制御を示すフラグであり、大当り遊技中処理(ステップS44)にて大当り遊技状態を終了するときに確変状態フラグがセットされていれば、確変状態フラグをリセットし、確変状態を示す確変フラグをセットする処理が実行される。確変フラグがセットされた状態では、上述した確率変動状態に制御され、例えば、上述したステップS52の確変状態時大当り判定テーブルが選択されて確率変動状態以外の状態(通常状態、時短状態)よりも大当り遊技状態を発生させると判定される確率が高まる。また、大当り遊技開始処理(ステップS43)にて確変フラグがセットされている場合には、確変フラグをリセットする処理が実行される。
図35は、変動表示パターン設定処理(ステップS41)の一例を示すフローチャートである。変動表示パターン設定処理において、CPU102は、今回の変動表示の結果、大当りとするか否か、すなわち、大当りフラグがセットされているか否かを判別し(ステップS410)、大当りフラグがセットされていれば(ON状態であれば)、遊技状態に応じた、すなわち、現在の遊技状態が確率変動状態または時短状態であれば、確変・時短時大当り変動表示パターンテーブル(図37参照)を選択し、現在の遊技状態が通常状態であれば、通常時大当り変動表示パターンテーブル(図36参照)を選択する(ステップS412)。なお、確変・時短時大当り変動表示パターンテーブルおよび通常時大当り変動表示パターンテーブルは、大当りとなる場合に用いられる変動表示パターンが設定されたテーブルである。
また、大当りフラグがセットされていなければ(OFF状態であれば)、リーチ判定乱数を取得し、RAM104の所定の保存領域に記憶するとともに、所定の判定値が設定されたリーチ判定テーブルに設定されている判定値と、取得したリーチ判定乱数の値と、が一致するか否かによって、リーチとするか否かを判定する(ステップS411)。リーチ態様とすると判定されたときには、遊技状態に応じた、すなわち、現在の遊技状態が確率変動状態または時短状態であれば、確変・時短時リーチ変動表示パターンテーブル(図37参照)を選択し、現在の遊技状態が通常状態であれば、通常時リーチ変動表示パターンテーブル(図36参照)を選択する(ステップS413)。一方、リーチ態様としないと判定されたときには、遊技状態に応じた、すなわち、現在の遊技状態が確率変動状態または時短状態であれば、確変・時短時はずれ変動表示パターンテーブル(図37参照)を選択し、現在の遊技状態が通常状態であれば、通常時はずれ変動表示パターンテーブル(図36参照)を選択する(ステップS414)。なお、確変・時短時リーチ変動表示パターンテーブルおよび通常時リーチ変動表示パターンテーブルは、リーチ態様を伴う変動表示を行ってはずれ図柄を導出(停止表示)する場合に用いられる変動表示パターンが設定されたテーブルであり、確変・時短時はずれ変動表示パターンテーブルおよび通常時はずれ変動表示パターンテーブルは、変動表示を行ってリーチ態様を伴うことなくはずれ図柄を導出(停止表示)する場合に用いられる変動表示パターンが設定されたテーブルである。また、この実施の形態におけるリーチ判定テーブルは、リーチ確率(リーチ態様とする割合)が1/12.5となるように、すなわち、0〜24までの25個のリーチ判定乱数のうち2個の判定値がリーチ判定テーブルに設定されている。
なお、この実施の形態では、いずれの遊技状態においてもリーチ確率が一定の1/12.5となっているが、遊技状態に応じてリーチ確率を変更するように構成してもよい。例えば、通常状態におけるリーチ確率を1/12.5とし、時短状態および確率変動状態におけるリーチ確率を1/25としてもよい。この場合には、時短状態および確率変動状態にて変動時間が長いリーチ態様を伴うはずれとなる変動表示を実行する割合が減少するため、通常状態に比べて所定期間内における変動表示の実行回数を増加させることができ、通常状態よりも遊技者に有利な状態とすることができる。
そして、変動表示パターン乱数を取得し、RAM104の所定の保存領域に記憶するとともに、ステップS411,S413,S414で選択された確変・時短時大当り変動表示パターンテーブル、通常時大当り変動表示パターンテーブル、確変・時短時リーチ変動表示パターンテーブル、通常時リーチ変動表示パターンテーブル、確変・時短時はずれ変動表示パターンテーブル、通常時はずれ変動表示パターンテーブル、のいずれか1つの変動表示パターンテーブルに設定されている判定値と、取得した変動表示パターン乱数の値と、が一致する変動表示パターンに決定する(ステップS415)。
次いで、ステップS415で決定した変動表示パターンを指定する演出コマンドとして変動表示パターンコマンドをセットし(ステップS416)、当該変動表示パターンに応じた変動時間を主基板101に搭載されるRAM104に設けられたタイマ(この実施の形態では、有効期間タイマ)にセットする(ステップS417)。ステップS417では、ステップS415で決定した変動表示パターンに設定されている変動時間を有効期間タイマにセットする。なお、ステップS416でセットされた変動表示パターンコマンドは、コマンド伝送出力処理(ステップS19)にてサブ統合基板111に送信される。また、変動表示パターンコマンドをコマンド伝送出力処理でサブ統合基板111に送信するときには、特別図柄遊技にて特別図柄表示器41に駆動信号を出力し、特別図柄の変動表示を開始させる。
このように、この実施の形態では、遊技状態に応じて、ずなわち、現在の遊技状態が確率変動状態であるか、時短状態であるか、通常状態であるか、に応じて選択する変動表示パターンテーブルを異ならせている。従って、各々の遊技状態に応じた特別図柄の変動表示を実行できる。なお、現在の遊技状態が確率変動状態または時短状態であるときに選択される確変・時短時はずれ変動表示パターンテーブルでは、現在の遊技状態が通常状態であるときに選択される通常時はずれ変動表示パターンテーブルに比べて実行される変動表示の実行時間(変動時間)が短くなるように設定されている。
すなわち、図36に示す通常時はずれ変動表示パターンテーブルでは、変動時間が「12秒」に設定され、図37に示す確変・時短時はずれ変動表示パターンテーブルでは、変動時間が「4秒」に設定されるため、確率変動状態および時短状態においては、通常状態に比べてリーチ態様を伴わないはずれとなるときの変動時間が短くなるように制御される。なお、この実施の形態では、現在の遊技状態が確率変動状態または時短状態であるときに選択される確変・時短時リーチ変動表示パターンテーブルには、現在の遊技状態が通常状態であるときに選択される通常時リーチ変動表示パターンテーブルと同一の変動表示パターンが設定され、その変動時間は同一である。例えば、通常時リーチ変動表示パターンテーブルの変動番号2の「ノーマルリーチ」に対応した変動表示パターンとして、確変・時短時リーチ変動表示パターンテーブルに変動番号25の「ノーマルリーチ」が設定され、これらの変動時間は同一となっている。
また、現在の遊技状態が確率変動状態または時短状態であるときに選択される確変・時短時大当り変動表示パターンテーブルには、現在の遊技状態が通常状態であるときに選択される通常時大当り変動表示パターンテーブルと同一の変動表示パターンに加えて、確変・時短時大当り変動表示パターンテーブルにのみ設定されて短い変動時間の変動表示を行う変動番号47の「カウントダウン当り」の変動表示パターンが設定されている。例えば、通常時大当り変動表示パターンテーブルの変動番号3の「ノーマルリーチ当り」に対応した変動表示パターンとして、確変・時短時大当り変動表示パターンテーブルに変動番号26の「ノーマルリーチ当り」が設定され、これらの変動時間は同一となっている。また、変動番号47の変動表示パターンでは、変動時間が「7秒」に設定され、変動番号24の「短縮変動」の変動時間(4秒)や変動番号1の「通常変動」の変動時間(12秒)と略同等の変動時間となっている。
このように、確率変動状態および時短状態に制御された場合には、通常時はずれ変動表示パターンテーブルの変動時間が短縮された確変・時短時はずれ変動表示パターンテーブルが設定されるが、確変・時短時リーチ変動表示パターンテーブルおよび確変・時短時大当り変動表示パターンテーブルの変動時間は、通常時リーチ変動表示パターンテーブルおよび通常時大当り変動表示パターンテーブルに比べて短縮されない。
また、通常時リーチ変動表示パターンテーブルおよび通常時大当り変動表示パターンテーブルに設定される変動表示パターンの変動時間は、通常時はずれ変動表示パターンテーブルおよび確変・時短時変動表示パターンテーブルに設定される変動表示パターンの変動時間に比べて変動時間が長い。この実施の形態では、確変・通常時大当り変動表示パターンテーブルに「短縮変動」の変動時間および「通常変動」の変動時間と略同等の変動時間の変動表示パターンを設定することで、確率変動状態および時短状態であっても短い変動時間の変動表示を実行可能にしている。
なお、この実施の形態では、確率変動状態および時短状態にてはずれとする場合に限って通常時はずれ変動表示パターンテーブルの変動時間が短縮された確変・時短時はずれ変動表示パターンテーブルを選択するように構成しているが、変動表示パターン設定処理のステップS414で保留球数カウンタのカウント値を判別し、始動記憶数が所定個数(例えば、3個)以上であれば、すなわち、保留球数カウンタのカウント値が所定カウント(例えば、3)以上であれば、確変・時短時はずれ変動表示パターンテーブルを選択するように構成することにより、始動記憶数が所定個数以上となったときに変動時間の短い変動表示パターンが選択されるようにしてもよい。また、通常時はずれ変動表示パターンテーブルに変動番号1の「通常変動」よりも変動時間が短い変動表示パターンを設定し、変動表示パターン設定処理のステップS414で保留球数カウンタのカウント値を判別して始動記憶数が所定個数(例えば、3個)未満であれば、変動番号1の「通常変動」を選択し、始動記憶数が所定個数(例えば、3個)以上であれば、変動番号1の「通常変動」よりも変動時間が短い変動表示パターンを選択するようにしてもよい。
次に、サブ統合基板111に搭載される統合CPU112によって実行される処理について説明する。図38はサブメイン処理の一例を示すフローチャートであり、図39は16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。
図38に示すように、パチンコ機1への電力供給が開始されると、統合CPU112は、初期設定処理を行う(ステップS71)。この初期設定処理は、サブ統合基板111に搭載される統合RAM114をクリアする処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割込禁止となっており、初期設定処理のあと割込許可となる。初期設定処理(ステップS71)が終了すると、16ms経過フラグTがセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS72)。
この実施の形態では、統合CPU112は、2ms経過毎に割込を発生させ、2ms定常処理を実行する。2ms定常処理では、16ms経過監視カウンタをカウントアップする(16ms経過監視カウンタを1加算する)処理が実行され、16ms経過監視カウンタの値が8になったとき、すなわち、16ms経過したときに16ms経過フラグTをセットするとともに、16ms経過監視カウンタをリセット(0にする)処理が実行される。このように、16ms経過フラグTは、2ms定常処理にて16ms毎に「1」に設定(セット)され、通常は「0」に設定(リセット)されている。ステップS72で16ms経過フラグがセットされている(16ms経過フラグTが「1」)ときには、16ms経過フラグをリセットした後(ステップS73)、16ms定常処理を行う(ステップS74)。
この16ms定常処理では、主基板101から受信した演出コマンドにもとづいて液晶表示装置50、枠ランプ27,遊技盤ランプ、スピーカ14,29、回転ユニット60等を制御する処理が実行される。16ms定常処理が終了すると、再びステップS72に戻り、16ms経過フラグTがセットされる毎に、つまり16ms毎に上述したステップS73〜ステップS74を繰り返し行う。一方、ステップS72で16ms経過フラグTがセットされていない(16ms経過フラグTが「0」)ときには、16ms経過フラグTがセットされるまでループ処理を行う。
図39は、サブメイン処理にて16ms毎に実行される16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。16ms定常処理において、サブ統合CPU112は、ステップS91〜ステップS95の処理を実行する。ステップS91のコマンド解析処理では、主基板101から受信した演出コマンドを解析する。ステップS92の演出制御処理では、変動表示パターンコマンドにもとづいて液晶表示装置50に関わる制御処理を実行する。具体的には、後述する予告演出の設定、装飾図柄の停止図柄の決定、等を行う。
また、ステップS93の音制御処理では、スピーカ14,29に関わる制御処理を実行する。ステップS94のランプ制御処理では、遊技盤ランプ、枠ランプ27に関わる制御処理を実行する。ステップS95の情報出力処理では、表示制御基板120に表示コマンドを送信するとともに、ランプ中継基板119にソレノイド駆動信号およびランプ点灯信号を送信する。ステップS96の乱数更新処理では、演出制御処理(ステップS92)で各種設定に用いられる乱数を更新する処理を実行する。
なお、16ms定常処理におけるステップS91〜ステップS96の処理は16ms以内に終了する。仮に、16ms定常処理を開始してから当該16ms定常処理の終了までに16ms以上かかったとしても、16ms定常処理を開始してから16ms経過したときに直ぐに16ms定常処理を最初から(後述するステップS91のコマンド解析処理から)実行しない。すなわち、16ms定常処理の実行中に16ms経過したときには、16ms経過フラグのセットのみを行い、当該16ms定常処理の終了後にステップS72で16ms経過フラグがセットされていると判定されたときに16ms定常処理を開始する。
また、この実施の形態では、16ms定常処理にて乱数更新処理(ステップS96)を実行して各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)はこれに限られるものではない。例えば、サブメイン処理におけるループ処理および16ms定常処理のいずれか一方または両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
図40は、演出制御処理(ステップS92)の一例を示すフローチャートである。演出制御処理において、統合CPU112は、遊技の進行状態を示す処理選択フラグの値を参照してステップS700〜ステップS702のうちいずれかの処理を行う。
処理選択フラグが「0」のときに実行される装飾図柄変動開始処理(ステップS700)では、上述したコマンド解析処理にて解析された演出コマンドが変動表示パターンコマンドであれば、すなわち、主基板101から変動表示パターンコマンドを受信していれば装飾図柄の変動表示を開始させるための設定を行う。具体的には、変動表示パターンコマンドおよび確変大当りコマンドに応じて装飾図柄の停止図柄を決定するとともに、予告演出等の設定を行い、変動表示パターンと装飾図柄の停止図柄と予告演出とにもとづく表示コマンドをセットするとともに、変動表示パターンと予告演出とにもとづくスケジューラを選択して処理選択フラグを「1」に更新する。なお、スケジューラは、統合ROM113に記憶され、変動表示を開始してからの経過時間に応じた処理(例えば、音出力、可動装飾体44a,44b,44cの駆動、遊技盤ランプおよび枠ランプ27の点灯)を示すものである。
処理選択フラグが「1」のときに実行される装飾図柄変動処理(ステップS701)では、変動表示を開始してからの経過時間を計測して装飾図柄変動開始処理にて選択したスケジューラにもとづいて経過時間に応じた処理を実行し、主基板101から変動時間が経過したことを示す変動停止コマンドを受信したときに表示制御基板120に表示コマンドを送信して装飾図柄の変動表示を停止させる制御を行う。このとき、主基板101から大当り開始コマンドを受信していれば処理選択フラグを「2」に更新し、主基板101から大当り開始コマンドを受信していなければ処理選択フラグを「0」に更新する。
処理選択フラグが「2」のときに実行される大当り表示処理(ステップS702)では、主基板101から送信される大当り開始コマンドに応じて液晶表示装置50に大当り遊技状態の開始を示す表示を行うとともに、主基板101から送信される大当り中コマンドに応じて大当り遊技状態中の表示(例えば、ラウンド表示等)を行うための制御を実行し、大当り終了コマンドを受信していれば大当り遊技状態の終了表示を行い、処理選択フラグを「0」に更新する。
なお、表示制御基板120に搭載される表示ROM122には、サブ統合基板111から受信した表示コマンドにより指示される変動表示パターンと予告演出とにもとづく変動態様を示すプロセスデータが記憶されている。表示制御基板120に搭載される表示CPU121は、サブ統合基板111から表示コマンドを受信したときに表示ROM122から表示コマンドにより指示された変動表示パターンと予告演出とに応じたプロセスデータを選択し、当該プロセスデータにもとづいて液晶表示装置50の表示制御を開始する。プロセスデータは、経過時間に応じた液晶表示装置50の演出態様(装飾図柄、キャラクタ画像等の態様)を示すものである。
また、プロセスデータに設定される演出態様と統合CPU112により選択されるスケジューラの経過時間に応じた処理とは、同期して実行されるように設定されている。すなわち、プロセスデータにもとづいて液晶表示装置50にて所定の演出態様を表示制御したときに、当該演出態様に対応した処理がなされるようにプロセスデータおよびスケジューラを構成している。そのため、液晶表示装置50の表示内容に同期してスピーカ(低音用スピーカ14および/またはスピーカ36)の音出力制御、可動装飾体44a,44b,44cの駆動制御、遊技盤ランプおよび/または枠ランプ27の点灯・消灯制御、等を実行できる。このように、液晶表示装置50の表示内容に同期してスピーカ(低音用スピーカ14および/またはスピーカ36)の音出力制御、可動装飾体44a,44b,44cの駆動制御、遊技盤ランプおよび/または枠ランプ27の点灯・消灯制御、等を実行するため、液晶表示装置50の演出効果を向上させることができる。
このように構成されるパチンコ機1においては、上述したように確率変動状態および時短状態に制御されたときに大当り(大当り遊技状態)およびリーチ態様としないと判定された場合には確変・時短時はずれ変動表示パターンテーブルを選択することにより通常変動よりも変動時間が短い変動表示を実行する。また、本実施形態のパチンコ機1は、確率変動状態においては大当り遊技状態とする判定がなされる確率が70分の1であり、通常状態および時短状態においては大当り遊技状態とする判定がなされる確率は490分の1であるため、遊技状態に関わらず大当り遊技状態となる確率は大当り遊技状態とならない(はずれとなる)確率よりも低く、殆どが大当り遊技状態とならないと判定される。
さらに、各遊技状態において、大当り遊技状態としない判定がなされたときに、リーチ態様を伴うはずれとする判定がなされる割合は12.5分の1であるため、遊技状態に関わらずリーチ態様を伴うはずれとなる確率はリーチ態様を伴わないはずれとなる確率よりも低く、殆どがリーチ態様を伴わないはずれとする判定がなされる。換言すると、変動表示パターン設定処理においては、遊技状態に関わらずはずれ変動表示パターンテーブルが選択される割合が高く、殆どの場合に変動番号1の「通常変動」または変動番号24の「短縮変動」が実行されることとなる。
そして、時短状態または確率変動状態において、変動番号24の「短縮変動」が連続して実行されることとなるが、稀にリーチ態様を伴う変動表示が実行されると変動番号24の「短縮変動」に比べて変動時間が長く、短縮変動にて実行される装飾図柄の変動表示とは異なる態様(例えば、装飾図柄の変動速度等)で装飾図柄の変動表示が実行されるため、遊技者が液晶表示装置50の演出態様を視認することで今回の変動表示がリーチ態様を伴う変動表示であるか否かを判別できてしまう。また、一般的にリーチ態様を形成しない場合には大当り図柄が導出されないため、今回の変動表示がリーチ態様を伴う変動表示でないと判別したときには、大当り遊技状態とならないと把握し、液晶表示装置50にて実行される装飾図柄の変動表示に対する興味が低下してしまっていた。本実施形態では、時短状態および確率変動状態にて変動時間が短い変動表示が連続して実行される場合であっても当該変動表示に対する期待感を低下させないように構成している。
以下、具体例について図41を参照して説明する。図41は、変動番号47の「カウントダウン当り」の変動表示パターンにもとづいて液晶表示装置50にて実行される演出態様の一例を示す説明図である。
なお、本実施形態の液晶表示装置50では、複数の画像を所定の優先順序で合成したレイヤ(層)表示が行われる。具体的には、図41(A)にて液晶表示装置50では、確率変動状態報知51bの優先順位を上位に、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cの優先順位を中位に、背景画像51aの優先順位を下位にして合成して表示するレイヤ表示を行っている。
また、この実施の形態では、液晶表示装置50にて変動表示される左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cを高速で変動表示させる。そのため、遊技者は、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cの態様(どの図柄(数字)であるか)を識別不能である。また、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cを高速で変動表示させることにより、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cよりも優先順位が下位の態様(この場合には、背景画像51a)を透視でき、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cの下位にて、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cと重なって所定の演出表示を実行した場合であっても当該演出表示を視認可能である。
なお、この実施の形態では、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cを高速で変動表示させることにより遊技者に左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cの態様を識別不能にしているが、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cを半透明表示、すなわち、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cよりも優先順位が下位の表示が透視できるような態様で左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cを変動表示させ、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cを停止表示したときに左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cを不透明表示、すなわち、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cよりも優先順位が下位の表示が透視できない態様とすることにより、少なくとも変動表示している間は左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cの態様を識別不能となるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、一部の変動表示パターンを除き、液晶表示装置50にて変動表示される左・中・右の装飾図柄50a,50b,50c各々を高速で変動表示した後、遊技者が左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cの態様を識別可能となる程度の低速で変動表示して左・中・右の装飾図柄50a,50b,50c各々を停止表示させる。低速の変動表示に切り換えて実行した場合には、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50c各々にて低速の変動表示に切り換えてからの装飾図柄の移動量が予め定められたコマ数(例えば、3コマ)となったときに装飾図柄を停止表示させる。なお、1コマとは、装飾図柄の移動量が装飾図柄の1個分であるため、低速の変動表示に切り換えてからの装飾図柄の移動量が予め定められたコマ数となったときとは、低速の変動表示に切り換えてから装飾図柄が表示される個数と同意である。そのため、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50c各々が停止表示されるときに停止表示される装飾図柄を予測可能であり、ひいては表示結果が予測可能となる。
上述したように、サブ統合基板111に搭載される統合CPU112は、変動表示パターンコマンドを受信したことにもとづいて装飾図柄の変動表示を開始させるための処理(具体的には、装飾図柄変動開始処理)を実行し、変動表示パターンと装飾図柄の停止図柄と予告演出とにもとづく表示コマンドをセットするとともに、変動表示パターンと予告演出とにもとづくスケジューラを選択する。
表示制御基板120に搭載される表示CPU121は、サブ統合基板111から表示コマンドを受信したことにもとづいて表示ROM122から表示コマンドにより指示された変動表示パターンと予告演出とに応じたプロセスデータを選択し、当該プロセスデータにもとづいて液晶表示装置50の表示制御を開始する(図41(A)〜図41(B))。
表示CPU121は、変動表示を開始すると背景画像51aとして表示される大空、大地、山を示す態様の大地に左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cを没し、地中に没した装飾図柄50a,50b,50cの次に表示される装飾図柄50a,50b,50cが大空から落ちてくる態様を繰り返し表示制御する。そして、プロセスデータにもとづいて経過時間に応じた液晶表示装置50の演出態様を表示制御する。
なお、この実施の形態では、確率変動状態では、液晶表示装置50に確率変動状態報知51bとしての「確変中」を表示制御する。確率変動状態報知51bは、確率変動状態であることを遊技者に報知するものであり、当該表示により遊技者は確率変動状態に制御されていることを把握することができる。なお、背景画像51aの態様を通常状態および時短状態とは異なる態様とすることにより確率変動状態に制御されていることを報知するようにしてもよいし、背景画像51aの態様および確率変動状態報知51bを組み合わせて実行することにより確率変動状態に制御されていることを報知するようにしてもよい。
しかして、表示CPU121は、プロセスデータにもとづき、液晶表示装置50にて装飾図柄50a,50b,50cの変動表示を開始してからの経過時間が所定期間(例えば、1秒)となったときに、停止時機報知画像51cとして「3」を所定期間に亘って表示制御する(図41(C))。停止時機報知画像51cを表示制御するときには、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cの変動表示を継続して実行する。また、停止時機報知画像51cの表示制御に同期して統合CPU112は、スケジューラにもとづきスピーカ(低音用スピーカ14および/またはスピーカ36)にて所定期間(例えば、0.1秒や、0.3秒以下等)に亘って所定の音出力(例えば「ピッ」)を実行させる。具体的には、音源IC128によってスケジューラに応じた音出力態様を音ROM127から読み出し、読み出した音出力態様に応じた駆動信号を低音用スピーカ14および/またはスピーカ36に出力する。このとき、停止時機報知画像51cとしての「3」に対応した音出力として、例えば、「参」や「THREE」等の音出力を実行するように構成してもよい。この場合、遊技者が液晶表示装置50に注目していなくても、音出力される態様によって停止時機報知画像51cによりいずれの態様(この実施形態では、数値を模した画像)が表示されているかを把握させることができるため、液晶表示装置50の表示内容に注目させることができる。
次いで、表示CPU121は、プロセスデータにもとづき、停止時機報知画像51cとしての「3」の表示制御を終了し、所定期間、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cの変動表示を実行した後(図41(D))、停止時機報知画像51cとしての「2」を表示制御する(図41(E))。また、停止時機報知画像51cの表示制御に同期して統合CPU112は、スケジューラにもとづきスピーカ(低音用スピーカ14および/またはスピーカ36)にて所定期間(例えば、0.1秒)に亘って所定の音出力(例えば、「ピッ」)を実行する。このとき、停止時機報知画像51cとしての「2」に対応した音出力として、例えば、「弐」や「TWO」等の音出力を実行するように構成してもよい。そして、表示CPU121は、プロセスデータにもとづき、停止時機報知画像51cとしての「2」の表示制御を終了し、所定期間、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cの変動表示を実行した後(図41(F))、停止時機報知画像51cとしての「1」を表示制御する(図41(G))。また、停止時機報知画像51cの表示制御に同期して統合CPU112は、スケジューラにもとづきスピーカ(低音用スピーカ14および/またはスピーカ36)にて所定期間(例えば、0.1秒)に亘って所定の音出力(例えば「ピッ」)を実行する。このとき、停止時機報知画像51cとしての「1」に対応した音出力として、例えば、「壱」や「ONE」等の音出力を実行するように構成してもよい。
なお、停止時機報知画像51cは、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50c全てを停止表示させるタイミング(停止表示タイミング:停止表示される時機)を示すものであり、プロセスデータにもとづき、装飾図柄50a,50b,50cの変動表示を開始してからの経過時間に応じて「3」、「2」、「1」のいずれかが停止時機報知画像51cとして順次表示される(図41(C)、図41(E)、図41(G))。停止時機報知画像51cとして「3」を表示した場合には、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cの全てを停止表示させる3歩手前である(停止表示されるまでに最も遠い)こと、停止時機報知画像51cとして「2」を表示した場合には、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cの全てを停止表示させる2歩手前である(停止表示されるまであと少しである)こと、停止時機報知画像51cとして「1」を表示した場合には、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cの全てを停止表示させる1歩手前である(停止表示される直前である)ことを示している。
そして、表示CPU121は、プロセスデータにもとづき、停止時機報知画像51cとしての「1」の表示制御を終了し、所定期間、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cの変動表示を実行した後、変動表示している左・中・右の装飾図柄50a,50b,50c各々を略同時に停止表示して大当り図柄(この例では、「333」)を導出する(図41(H))。また、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cの停止表示に同期して統合CPU112は、スケジューラにもとづきスピーカ(低音用スピーカ14および/またはスピーカ36)にて所定期間(例えば、3秒)に亘って所定の音出力(例えば、「ドーン」)を実行する。
このように、変動表示している左・中・右の装飾図柄50a,50b,50c各々を略同時に停止表示することにより、意外性のある演出を実行でき、遊技者にインパクトを与えることができる。また、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cの停止表示に同期して所定の音出力を実行することにより、さらに遊技者にインパクトを与えることができ、停止表示された左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cにより大当り図柄が導出されるため、至福感を抱かせることができる。
なお、上述し態様に、液晶表示装置50における変動表示では、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cの態様(どの図柄(数字)であるか)が識別不能であるため、図41(H)で左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cが停止表示されたときに突然左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cが視認可能となり、初めて停止図柄の態様を把握できるため、インパクトを与えることができる。
また、この実施の形態では、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cの変動表示を開始してから最初に停止時機報知表示51cを表示するとき(この例では、停止時機報知表示51cとして「3」を表示するとき)に背景画像51aの山が噴火する直前であるかの態様を表示制御し、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cを停止表示する直前まで継続して表示制御する。そして、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cを停止表示するときに同期して背景画像51aの山が噴火した態様を表示制御する。このように、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cの変動表示を開始してから最初に停止時機報知表示51cを表示するときに、背景画像51aの山が噴火する直前であるかの態様を表示制御することで、遊技者に「何かが起こる」と推測させるため、液晶表示装置50の表示内容に期待させることができる。また、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50c各々を略同時に停止表示させるとともに、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cの停止表示に同期して背景画像51aの山が噴火した態様を表示制御することにより、遊技者に更なるインパクトを与えることができる。
また、この実施の形態では、停止時機報知画像51cとして「3」を表示した後、略一定間隔で停止時機報知画像51cとして「2」、「1」それぞれを表示するとともに、略一定間隔で左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cの全てを停止表示させる(図41(C)〜図41(H))。換言すると、停止時機報知画像51cとして「3」を表示した後、停止時機報知画像51cとして「2」を表示するまでの期間と、停止時機報知画像51cとして「2」を表示した後、停止時機報知画像51cとして「1」を表示するまでの期間と、停止時機報知画像51cとして「1」を表示した後、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cの全てを停止表示させるまでの期間と、が略同一期間である。この実施の形態では、前記同一期間が任意の秒数に設定され、この場合に、前記同一期間を「1秒」とすることで、停止時機報知画像51cにより左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cの全てを停止表示させるまでの正確な残り時間を報知するようにしてもよい。この場合には、1秒未満の秒数をリアルタイムに表示するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、停止時機報知画像51cとして「3」、「2」、「1」と順次表示制御することによりカウントダウンし、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cが停止表示されるタイミングを報知する構成としているが、これに限らず、停止時機報知画像51cとして「1」、「2」、「3」を順次表示制御することによりカウントアップし、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cが停止表示されるタイミングを報知する構成としてもよい。また、この実施の形態では、停止時機報知画像51cとして数字を示す態様を表示することにより左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cが停止表示されるタイミングを報知する構成としているが、停止時機報知画像51cは、視認することにより左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cが停止表示されるタイミングを把握可能な態様であれば何でもよい。例えば、停止時機報知画像51cとして、導火線を備えた爆弾を液晶表示装置50に表示制御し、導火線に火を付けてから爆弾が爆発するまでの態様を表示制御するようにしてもよく、この場合には、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cを停止表示するときに爆弾を爆発させるようにしてもよい。
上述したように、変動番号47の「カウントダウン当り」は、確率変動状態または時短状態にて大当りとする判定がなされた場合に使用される変動表示パターンである。換言すると、変動番号47にもとづく変動表示が実行されたときには、大当り遊技状態となることが確定している。また、確率変動状態および時短状態においては、リーチ態様を伴わないはずれとする判定がなされた場合には、変動時間が短い変動番号24の「短縮変動」にもとづく変動表示が実行される。上述したように、確率変動状態において大当り遊技状態となる確率は490分の1、時短状態および通常状態において大当り遊技状態となる確率は70分の1、である。そのため、液晶表示装置50にて実行される変動表示の殆どが大当り遊技状態とならない変動表示である。また、上述したように、大当り遊技状態とならないと判定されたときに、リーチ態様を伴うはずれとする判定がなされる確率は12.5分の1であるため、液晶表示装置50にて実行される変動表示の殆どがリーチ態様を伴わないはずれとなる変動表示である。また、時短状態および確率変動状態にて通常状態よりもリーチ確率を低確率にした場合には、時短状態および確率変動状態にて大当り遊技状態とならないと判定されたときに、短縮変動が実行される割合が高まり、液晶表示装置50にて実行される変動表示の殆どが短縮変動である。
すなわち、各遊技状態にて、液晶表示装置50にて実行される変動表示の殆どがリーチ態様を伴わないはずれとなる変動表示(この実施の形態では、通常状態における変動番号1の「通常変動」、確率変動状態および時短状態における変動番号24の「短縮変動」)である。そのため、確率変動状態および時短状態では、変動番号24の「短縮変動」にもとづく短い変動時間の変動表示が連続して実行される。また、上述したリーチ態様を伴う変動表示パターンでは、変動時間が比較的長く設定され、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50c各々を停止表示させる態様(停止表示させるときの変動速度の減速態様等)が変動番号24の「短縮変動」とは異なる。そのため、遊技者は、左装飾図柄50aが停止表示する態様を視認してリーチ態様を伴う変動表示でないと判別した場合には、液晶表示装置50にて実行される変動表示に対する興味が失われる虞がある。
また、リーチ態様を伴う変動表示パターンにて左・中・右の装飾図柄50a,50b,50c各々を停止表示させる態様(停止表示させるときの変動速度の減速態様等)が変動番号24の「短縮変動」とは異ならない場合であっても、最初に停止表示させる装飾図柄(この実施の形態では、左装飾図柄50a)と残り1つの装飾図柄が変動表示している状態を発生させるときに停止表示させる装飾図柄(この実施の形態では、右装飾図柄50c)とが同一の図柄(同一情報の図柄)でない場合には、液晶表示装置50にて実行される変動表示に対する興味が失われる虞がある。
この実施の形態では、変動番号24の「短縮変動」と略同様の変動表示を実行して左・中・右の装飾図柄50a,50b,50c各々を略同時に停止表示して大当り図柄を導出するため、確率変動状態および時短状態にて最も多く実行される変動番号24の「短縮変動」が実行された場合にも大当り遊技状態に対する期待を抱かせることができる。
図42(A)は、変動番号47の「カウントダウン当り」にもとづく変動表示のタイムチャートであり、図42(B)は、変動番号24の「短縮変動」にもとづく変動表示のタイムチャートである。
図42(A)に示すように、変動番号47の「カウントダウン当り」にもとづく変動表示では、変動表示を開始してからの経過時間が所定期間になったときに左・中・右の装飾図柄50a,50b,50c各々を略同時に停止表示する。そして、所定期間揺れ変動(上下および/または左右に小刻みに揺れて完全には停止表示していない状態)を実行した後、確定表示(全ての装飾図柄を完全に停止表示した状態:変動時間が経過した状態)する。なお、変動番号47の「カウントダウン当り」にもとづく変動表示にて揺れ変動を実行している期間では、背景画像51aの山が噴火した態様が表示制御される。
一方、変動番号24の「短縮変動」にもとづく変動表示では、図42(B)に示すように、変動表示を開始してからの経過時間が所定期間になったときに左装飾図柄50a、右装飾図柄50c、中装飾図柄50bを順次停止表示する。そして、中装飾図柄50bを停止表示したときに確定表示する。
ここで、変動番号47の「カウントダウン当り」にもとづく変動表示を実行して左・中・右の装飾図柄50a,50b,50c各々を停止表示(確定表示ではない)するタイミング(左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cの変動表示を開始してからの経過時間)と、変動番号24の「短縮変動」にもとづく変動表示を実行して左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cを確定表示するタイミングと、は一致(完全に一致していなくてもよい)している。そのため、遊技者は、変動番号47の「カウントダウン当り」にもとづく変動表示が実行されているか、変動番号24の「短縮変動」にもとづく変動表示が実行されているか、を判別することが困難である。
これらは、上述した停止時機報知画像51cが表示制御されるか否かにより判別可能となる。そのため、短い変動時間の変動表示が実行された場合にも液晶表示装置50の表示内容に注目させることができる。また、従来のパチンコ機1では、左装飾図柄50aが停止表示する態様を視認してリーチ態様ではないと判別した時点で大当り遊技状態に対する期待感が失われることになるが、本発明では、停止時機報知画像51cが表示制御されるタイミングを正確に把握することが困難であるとともに、遊技者が識別可能な状態でリーチ態様を形成することなく停止表示させ、さらに、変動番号24の「短縮変動」により4秒(図37参照)という短い変動時間で変動表示を実行するため、停止時機報知画像51cが表示制御されるか否かおよび/またはリーチ態様が形成されるか否かに注目して液晶表示装置50を視認している間に変動表示が終了する。これにより、確率変動状態および時短状態にてリーチ態様を伴わないはずれとなる場合に実行される変動番号24の「短縮変動」が実行されたときにも大当り遊技状態に対する期待感を抱かせることができ、液晶表示装置50の表示内容に注目させることができる。
なお、この実施の形態では、変動番号47の「カウントダウン当り」にもとづく変動表示では、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cを略同時(完全に同時でもよいし、完全に同時でなくてもよい)に停止表示させるが、所定の順序(この実施の形態では、左装飾図柄50a→右装飾図柄50c→中装飾図柄50bの順序)で短期間(例えば、0.5秒以下)に連続して順次停止表示させるようにしてもよい。例えば、図42(B)に示す変動番号24の「短縮変動」と完全に同一の変動表示を実行して左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cを順次停止表示させた後、所定期間に亘って揺れ変動表示して確定表示するように構成してもよい。
このように、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cを略同時に停止表示させることにより、高速で変動表示する左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cが停止表示されるまでは装飾図柄を識別不能となるため、リーチ態様となったか否かも識別不能となる。そのため、液晶表示装置50にて変動表示する左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cによりリーチ態様が形成されなかったことが把握されたときに、その時点で装飾図柄の変動表示に対する興味が失われることを防止できる。すなわち、実施形態では、変動番号47の変動表示パターンにより大当りとなる場合にのみ停止時機報知表示50cを表示制御して左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cを略同時に停止表示させるが、リーチはずれ表示結果とならないはずれとなる「カウントダウンはずれ」の変動表示パターンやリーチはずれ表示結果となるとなる「カウントダウンリーチはずれ」の変動表示パターンを設け、停止時機報知表示50cを表示制御した後に、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cを略同時に停止表示させるように構成してもよく、この場合にも左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cの停止図柄を予測不能であるため、少なくとも左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cが停止表示されるまでは興趣を維持させることができる。なお、リーチはずれ表示結果とは、上述したリーチ態様にて変動表示している残りの装飾図柄が他の装飾図柄とは異なる装飾図柄で停止表示した状態の停止図柄の組み合わせである。具体的には、この実施の形態では、左装飾図柄50aおよび右装飾図柄50cが同一の装飾図柄で停止表示し、中装飾図柄50bが左装飾図柄50aおよび右装飾図柄50cとは異なる装飾図柄で停止表示した停止図柄をリーチはずれ表示結果という。
また、この実施の形態では、停止時機報知画像51cを表示制御した後、変動表示している左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cを大当り図柄で停止表示させる。すなわち、停止時機報知画像51cが表示制御されたときには大当り遊技状態となることが決定されている。そのため、停止時機報知画像51cは大当り図柄で停止表示されることを告知する大当り図柄停止告知画像でもある。例えば、大当り図柄停止告知画像として、「大当りゲット!」や「大当り確定!」等の視覚情報を表示制御するように構成してもよい。この場合には、大当り図柄停止告知画像を視認することにより大当り図柄が導出されることを把握可能であるため、大当り図柄停止告知画像が表示制御されたときに至福感をもたらすことができる。また、大当りとなる場合に確変大当り図柄を導出する場合には、「確変ゲット!」や「確変大当り確定!」等の特別な大当り図柄停止告知画像を表示制御するようにしてもよい。この場合には、大当り遊技状態終了後に通常状態よりも遊技者にとって有利な確率変動状態に制御されることを把握できるため、特別な大当り図柄停止告知画像が表示制御されたときに至上の至福感をもたらすことができる。
なお、この実施の形態では、大当り遊技状態に制御するときにのみ左・中・右の装飾図柄50a,50b,50c各々の変動表示を開始して、停止時機報知画像51cを表示制御した後、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50c各々を大当り図柄で略同時に停止表示させるが、大当り遊技状態に制御しないときにも停止時機報知画像51cを表示制御した後、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50c各々をはずれ図柄で略同時に停止表示させるようにしてもよい。この場合には、確率変動状態および時短状態にて短縮変動が実行されたときに停止時機報知画像51cが表示制御されるか否かに注目させることができるだけでなく、停止時機報知画像51cが表示制御されたときにもいずれの停止図柄で停止表示されるかを把握することが困難になるため、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cが停止表示するまで液晶表示装置50に注目させることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制できる。
また、この実施の形態では、遊技者が各々の装飾図柄を識別不能な変動表示を実行して停止時機報知画像50cを表示した後に、遊技者が各々の装飾図柄を識別可能な変動表示を実行することなく左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cを略同時に停止表示させることにより、変動時間を短縮させることが可能である。すなわち、遊技者が各々の装飾図柄を識別可能な変動表示を実行する期間を省くことができるため、短い変動時間で変動表示を実行する場合に有効であり、さらに、短縮変動と略同等の期間で左・中・右の装飾図柄各々を停止表示させるため、所定期間内にて装飾図柄および特別図柄の変動表示の実行回数を増加させることにより遊技者に所定の利益価値を付与する時短状態および確率変動状態において装飾図柄および特別図柄の変動表示の実行回数を減少させることなく変動表示を実行可能であり、時短状態および確率変動状態にて遊技者の利益価値の低下を抑止可能である。なお、本発明では、遊技者が各々の装飾図柄を識別不能な変動表示を実行して停止時機報知画像50cを表示した後に、遊技者が各々の装飾図柄を識別可能な変動表示を実行することなく左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cを略同時に停止表示させることにより、意外性のある演出を実行できるとともに遊技者にインパクトを与えることができる。また、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cを停止表示させるまでは装飾図柄が識別不能であるため、停止図柄を予測することが困難になり、少なくとも左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cを停止表示させるまでは興趣を維持できるという効果がある。ゆえに、短い変動時間で変動表示が実行される確率変動状態および時短状態以外の状態である通常状態においても有効である。具体的には、変動番号1の「通常変動」と同様の変動表示を実行して停止時機報知画像50cを表示した後に、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cを略同時に停止表示させるようにしてもよい。この場合には、通常変動にて左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cが停止表示される時間と略同時期に左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cを停止表示させればよく、確定表示(変動時間が経過した状態)でなくてもよい。このように構成することにより、通常状態にて通常変動が実行された場合であっても大当り遊技状態への期待感を抱かせることができ、液晶表示装置50に注目させることができるため、興趣の低下を抑制できる。
以上、本発明では、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cの態様が識別不能に変動表示して、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cが停止表示されるタイミングを報知するとともに、左・中・右の装飾図柄50a,50b,50cを停止表示するときに略同時に停止表示させるため、意外性のある演出を実行でき、遊技者にインパクトを与えることができる。また、確率変動状態および時短状態にてリーチ態様を伴わないはずれとなるときに実行される短縮変動と略同様の変動表示を実行して、大当り図柄を導出するため、確率変動状態および時短状態にて短縮変動が実行された場合にも大当り遊技状態に対する期待感を抱かせることができ、遊技に対する興趣の低下を抑止できる。