以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示されることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかに応じて、その表示態様(例えば表示色や形状)を異ならせる。この実施の形態では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の青色表示とする。なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示と、の表示態様を異ならせてもよい。
図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄は通常開放ラウンド大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は短期開放ラウンド大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。なお、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放大当り状態では、大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御されればよく、それ以外の制御は通常開放大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放大当り状態では、ラウンドの実行回数が、通常開放大当り状態における第1ラウンド数(例えば「15」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしてもよい。
このような短期開放大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば15個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間は第2期間(0.1秒間など)であって、非常に短い。そのため、短期開放大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。
また、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態に比べて、大入賞口の開放期間が短いものに限定されず、例えば大入賞口の開放期間(上限時間)は短期開放ラウンド特定遊技状態と通常開放ラウンド特定遊技状態とで同一である一方で、短期開放ラウンド特定遊技状態では大入賞口を開放状態とする上限回数(例えば2回)が通常開放ラウンド特定遊技状態での上限回数(例えば15回)に比べて少なくなるものであってもよい。すなわち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として導出された後には、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が繰り返し実行される。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチαやスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知する(示唆する)ための可変表示演出が実行されることがあるようにしてもよい。そのための演出として、例えば「擬似連演出(擬似連の可変表示演出)」を実行可能である。「擬似連演出」は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。
「擬似連演出」では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rに飾り図柄を一旦仮停止表示させるとともに、「中」の飾り図柄表示エリア5Cに擬似連図柄(キャラクタやマークなど、通常の飾り図柄とは異なる態様の図柄)を一旦仮停止表示させる。その後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄および擬似連図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄および擬似連図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄および擬似連図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄および擬似連図柄が再変動する回数である。
「擬似連」の可変表示演出では、「左」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて、複数の飾り図柄の中から特定の飾り図柄を一旦仮停止させるとともに、「中」の飾り図柄表示エリア5Cに擬似連図柄を一旦仮停止させる。その後に、擬似連変動(再可変表示)が行われる。この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば4回や5回といった、1回〜3回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。
本実施の形態では、たとえば、擬似連の実行回数が多いほど、その擬似連を経て導出表示される表示結果が大当りとなる信頼度が高くなるように、擬似連回数が決定される。すなわち、擬似連は、その実行回数によって、表示結果が大当りになることを示唆する機能を備える。ここで、「示唆する」とは、100%あるいは100%未満の割合である結果を遊技者に予告するという意味である。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
予告演出のうちには、先読み予告演出となるものが含まれていればよい。先読み予告演出は、可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象となる可変表示を開始するより前に、特図ゲームの保留情報などに基づいて実行可能となる予告演出である。たとえば、4番目に消化される保留記憶が大当りであるときに、1番目から3番目に消化される保留記憶に基づいた各々の可変表示において、後に大当りが発生する可能性のあることを所定の演出態様で予告するといった類の演出が先読み予告演出である。なお、以下の説明においては、このような予告の対象となる(今の例でいえば4番目に消化される保留記憶に基づく可変表示)可変表示を“ターゲットの可変表示”などとも称する。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される飾り図柄の可変表示にわたり、後の保留情報に基づく可変表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する先読み予告演出は、連続予告演出(連続演出)とも称される。
この実施の形態では、先読み予告演出として、予告の対象となる可変表示が実行されるまでの複数回の可変表示に亘って画像表示装置5に予め定められた連続演出用のチャンス目を構成する飾り図柄(例えば、1つずれの数字の組合せであるズレ目や並び数字の組合せである順目など)が停止する第1予告演出と、予告の対象となる可変表示が実行されるより前の可変表示中に、チャンス目を構成する飾り図柄が停止するとともに、画像表示装置5における背景画像が通常の背景画像から特殊な背景画像に変化し、予告の対象となる可変表示が実行されるまでその特殊な背景画像となる第2予告演出と、を少なくとも実行可能になっている。
また、この実施の形態では、このような連続した先読み予告演出(連続予告演出)が実行されている最中の複数回の可変表示において、当該可変表示の結果が「大当り」となる可能性などが予告される連続予告演出中の予告演出(例えば、キャラクタ予告、ステップアップ予告、操作予告など)が実行されるようになっている。また、この予告演出は、当該予告演出が実行されている今回の可変表示の結果を所定の信頼度で予告する機能を備えているとともに、先読み予告演出のパターンが第1予告演出から第2予告演出に切り替わることを所定の信頼度で予告する機能を備えている。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄といった通常大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が停止表示される。通常大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「非確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、飾り図柄の可変表示結果として、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定飾り図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に可変表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。なお、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。なお、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「5」の数字を示す特別図柄といった短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合や、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、開放出目として予め定められた複数種類の確定飾り図柄の組合せのいずれかが停止表示されることがある。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄(短期開放ラウンド大当り状態に対応した出目となる確定飾り図柄)が停止表示されることもある。
特図ゲームにおける確定特別図柄が短期開放ラウンド大当り図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「突確」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確変制御が行われればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「小当り」となったことに基づいて、小当り遊技状態に制御され、その終了後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。
飾り図柄の可変表示結果として開放出目を構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となる場合には、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときと、可変表示結果が「小当り」であることに基づき小当り遊技状態に制御されたときとがある。一方、飾り図柄の可変表示結果としてリーチ組合せを構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となるのは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときのみである。したがって、開放出目を構成する確定飾り図柄は、短期開放大当り状態および小当り遊技状態のいずれに制御されることにも対応している一方で、リーチ組合せの確定飾り図柄は、短期開放大当り状態に制御されることに対応している。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに通常大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる飾り図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定飾り図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、画像表示装置5の表示領域にて飾り図柄を可変表示させて通常図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは、飾り図柄の可変表示とは異なる演出画像の表示を行うことなどにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
図3(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C03Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C04Hは、可変表示結果が「小当り」となる旨の事前決定結果を示す第5可変表示結果通知コマンドである。
コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで飾り図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド9502Hを確変制御が行われる一方で時短制御は行われない遊技状態(高確低ベース状態、時短なし確変状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態、時短付確変状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。また、第2保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。
この実施の形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれに始動入賞したかを指定する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを送信するとともに、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定する第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを送信する。なお、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドC4XXHおよびコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、可変表示結果が「大当り」となるか否かや「小当り」となるか否か、大当り種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動パターン種別決定用の乱数値MR3がいずれの決定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動カテゴリコマンドである。
この実施の形態では、入賞時乱数値判定処理(図14(A)参照)において、始動入賞の発生に基づき、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かや「小当り」に決定されるか否か、大当りの種別、変動パターン種別決定用の乱数値MR3がいずれの決定値の範囲になるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されることを指定する値や、大当り種別を指定する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての乱数値MR3が含まれる決定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されるか否か、大当り種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドに設定されている値に基づいて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3が所定範囲の決定値に含まれる場合には変動パターン種別を認識できる。
図柄指定コマンドの一例として、コマンドC400Hを可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた第1図柄指定コマンドとし、コマンドC401Hを可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる場合に応じた第2図柄指定コマンドとし、コマンドC402Hを可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる場合に応じた第3図柄指定コマンドとし、コマンドC403Hを可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合に応じた第4図柄指定コマンドとし、コマンドC404Hを可変表示結果が「小当り」となる場合に応じた第5図柄指定コマンドとする。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、可変表示結果通知コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3、普図表示結果決定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR4の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図8に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR4の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。普図表示結果決定用の乱数値MR4は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。
図5は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチαまたはスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。大当り変動パターンと小当り変動パターンは、可変表示結果が「大当り」または「小当り」となる場合に対応した当り変動パターンに含まれる。
「非リーチ」である場合に対応した変動パターンには、変動時間が短縮されない短縮なしの変動パターンや、合計保留記憶数が「2」〜「4」または「5」〜「8」である場合に対応して変動時間が短縮される変動パターンが用意されている。さらに、遊技状態が確変状態や時短状態といった時短制御が実行される場合に対応した変動パターンも用意されている。合計保留記憶数や遊技状態に応じて、これらのいずれかの変動パターンが選択されることで、合計保留記憶数や遊技状態に応じて、変動時間を短縮する制御が可能になる。
なお、図5に示す各変動パターンは、複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれるようにしてもよい。即ち、各変動パターン種別は、例えば飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作の態様などに基づいて分類(グループ化)された単一または複数の変動パターンを含むように構成されていてもよい。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図5に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図6は、ROM101に記憶される特図表示結果決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、特図表示結果決定テーブルとして、図6(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル130Aと、図6(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル130Bとが、予め用意されている。第1特図表示結果決定テーブル130Aは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果決定テーブル130Bは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
第1特図表示結果決定テーブル130Aでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される決定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる決定用データとなっている。第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの決定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。すなわち、第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、決定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aの設定例では、所定範囲の決定値(「30000」〜「30099」の範囲の値)が「小当り」の特図表示結果に割り当てられている。その一方で、第2特図表示結果決定テーブル130Bの設定例では、「小当り」の特図表示結果に決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合とで、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される割合を、異ならせることができる。
特に、第2特図を用いた特図ゲームでは特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短状態(低確高ベース状態)や確変状態(高確高ベース状態)といった、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な小当り遊技状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいても、第1特図表示結果決定テーブル130Aにおける設定とは異なる所定範囲の決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられるようにしてもよい。例えば、第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、第1特図表示結果決定テーブル130Aに比べて少ない決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられてもよい。こうして、時短状態や確変状態といった高ベース状態であるときには、通常状態や時短なし確変状態といった低ベース状態であるときよりも、小当り遊技状態に制御すると決定される割合が低くなるようにしてもよい。あるいは、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかにかかわらず、共通の特図表示結果決定テーブルを参照して、特図表示結果の決定を行うようにしてもよい。
図7は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、特図ゲームにおいて可変表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
大当り種別決定テーブル131の設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「突確」の大当り種別に対する決定値の割当てが異なっている。すなわち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の決定値(「82」〜「99」の範囲の値)が「突確」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「突確」の大当り種別に対して決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別を「突確」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「突確」として短期開放大当り状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な短期開放大当り状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。
なお、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
また、ROM101には、特図表示結果の決定結果や、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターンを、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照される変動パターン決定テーブルが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図8に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図8に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
また、詳細は後述するが、第1特図保留記憶部151Aと第2特図保留記憶部151Bとに記憶された第1始動入賞口の保留データと第2始動入賞口の保留データとでは、第2始動入賞口の保留データの方が先に読み出される処理が行われる(図15のステップS231)。つまり、第2特図を用いたゲームは、第1特図を用いたゲームより優先して実行が開始されることになる。なお、第1特図保留記憶部151Aと第2特図保留記憶部151Bとの記憶の消化順の優先順位を逆転させるようにしてもよいし、あるいは、保留記憶が第1特図保留記憶部151Aであるか第2特図保留記憶部151Bであるかに限らず、先に保留記憶が発生した順で保留記憶を消化するようにしてもよい。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR1〜MR4を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
図9(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。特図変動時演出制御パターンや各種演出制御パターンといった、それぞれの演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域の内部または外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データなどが、含まれていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用マイクロコンピュータ120に内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用マイクロコンピュータ120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。操作検出制御データには、例えば操作ボタン30といった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。すなわち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
図9(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
図9(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中における一部の期間(例えば擬似連演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)をセットする。また、演出制御用CPU120は、例えば予告演出といった所定演出の実行を開始するときなどに、対応する演出制御パターン(予告演出制御パターン)をセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。このように、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体、演出用模型が備える可動部材など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図10(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図10(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
この実施の形態では、図10(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、合計保留記憶数の最大値(例えば「8」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)や図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドを1セットして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、これらの始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの空き領域における先頭から格納していく。始動入賞時には、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順にコマンド送信が行われる。したがって、コマンド受信が正常に行われれば、図10(B)に示すように、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。なお、図10(B)では、バッファ番号「1」〜「5」に対応する格納領域にてコマンドが格納されている。
図10(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドは、飾り図柄の可変表示を開始するごとに、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。例えば図10(B)に示す格納状態において新たな飾り図柄の可変表示が開始された場合には、バッファ番号「1」に格納されている各コマンドが削除され、バッファ番号「2」に対応した領域にて格納されている各コマンドがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされ、バッファ番号「3」〜「5」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドが、バッファ番号「2」〜「4」に対応した領域にシフトされる。図10(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aのうち、バッファ番号「2」に対応した領域については、コマンド受信を正常に行えず、保留記憶数通知コマンドを取りこぼした場合の例が示されている。そのため、図10(B)に示す例では、バッファ番号「2」に対応して、本来、保留記憶数通知コマンドが格納されるべき4つ目の記憶領域における内容が「0000(H)」のままとなっている。
始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納される始動入賞時のコマンド(始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび保留記憶数通知コマンド)に基づいて、先読み予告演出を実行するか否かや、実行する場合における先読み予告パターンが決定される。このとき、始動入賞時のコマンドに取りこぼしや不整合が発生した場合には、それらのコマンドに対応する保留情報の可変表示が実行(消化)されるまで、先読み予告演出の設定が行われないように制限される。こうした先読み予告演出の設定が制限される期間(先読み予告制限中)に始動入賞時のコマンドを受信した場合に、その受信タイミングで先読み予告演出の設定が行われなかったものに対応して、未判定情報が「1」(あるいはオン状態)にセットされる。なお、先読み予告演出の実行を制限する場合には、所定期間内に発生した始動入賞に対応する可変表示を対象とする先読み予告演出について、全部の態様の先読み予告演出を実行しないようにしてもよいし、一部の態様の先読み予告演出を実行しないようにしてもよい。
次に、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図11のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図11に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図12は、特別図柄プロセス処理として、図11に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図13は、始動入賞判定処理として、図12のステップS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図13に示す始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(ステップS208)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる。
特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否か、さらには可変表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を決定するために用いられる。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンを決定するために用いられる。CPU103は、ステップS209の処理を実行することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果や可変表示時間を含む可変表示態様の決定に用いられる乱数値のうち、一部または全部を示す数値データを抽出する。
ステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図11に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS211の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS212)。その後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS213)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図11に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS213の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS214)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS214;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS214;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS216)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図14(A)は、入賞時乱数値判定処理として、図13のステップS212にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、保留記憶の先読み制御を示すものであるから、始動入賞の発生が検出されて乱数が抽出された時点で実行される。
この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図12のステップS110、図15)により、特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」や「小当り」として大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図12のステップS111)において、飾り図柄の可変表示態様を具体的に規定する変動パターンの決定などが行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がステップS212の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄や小当り図柄を導出表示すると決定される乱数値MR1であるか否かの判定や、飾り図柄の可変表示態様がスーパーリーチを伴う所定表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」や「小当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様が所定表示態様となることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、先読み予告演出を実行するか否かを、決定することができる。
図14(A)に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
ステップS401の処理に続いて、第1特図表示結果決定テーブル130Aまたは第2特図表示結果決定テーブル130Bを構成するテーブルデータから、始動口バッファ値(「1」または「2」)や現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられる特図表示結果決定用テーブルデータを選択する(ステップS402)。その後、図13のステップS209にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS403)。大当り判定範囲には、ステップS402の処理により選択された特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の決定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく可変表示結果が「大当り」に決定されると判定(大当り始動判定)できる。
ステップS403にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS403;No)、その乱数値MR1を示す数値データが所定の小当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS404)。CPU103は、ステップS402の処理により選択された特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「小当り」の特図表示結果に割り当てられた決定値について、大当り判定範囲の場合と同様の処理を実行することにより、乱数値MR1が小当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。ステップS404にて小当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS404;No)、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS405)。一例として、CPU103は、図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「00H」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。
ステップS405の処理に続いて、ステップS401の処理により特定された現在の遊技状態における時短制御の有無に応じて、ハズレ用の変動パターン種別判定閾値を設定する(ステップS406)。
ステップS404にて小当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS404;Yes)、可変表示結果が「小当り」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS407)。一例として、CPU103は、図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「04H」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。
ステップS403にて大当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS403;Yes)、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(ステップS409)。このとき、CPU103は、始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」または「2」に対応する「第2特図」)に応じて、大当り種別決定テーブル131を構成するテーブルデータから大当り種別決定用テーブルデータを選択する。そして、選択した大当り種別決定用テーブルデータを参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに決定されるかを判定する。こうしたステップS409の処理による判定結果に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる(ステップS410)。一例として、ステップS409にて大当り種別が「確変」に決定されると判定した場合には図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「01H」とし、大当り種別が「非確変」に決定されると判定した場合には図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「02H」とし、大当り種別が「突確」に決定されると判定した場合には図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「03H」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。
ステップS405、S407、S410の処理のいずれかを実行した後には、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データと、ROM101に記憶される変動パターン決定テーブルと、を用いて乱数値MR3が含まれる決定値の範囲に応じた変動カテゴリを判定する(ステップS412)。
ステップS412では、例えば、変動パターン決定テーブルを設定して、変動カテゴリとしていずれの変動パターンに決定されるかの判定を行う。そして、その変動パターンがPA1−1〜PA1−5のいずれかである場合には、非リーチハズレの変動カテゴリであると判定する。また、変動パターンがPA2−1〜PA2−3のいずれかである場合には、リーチハズレの変動カテゴリであると判定する。また、変動パターンがPB1−1〜PB1−3のいずれかである場合には、リーチ大当りの変動カテゴリであると判定する。また、変動パターンがPC1−1、PC1−2のいずれかである場合には、突確・小当りの変動カテゴリであると判定する。なお、ステップS412では、変動カテゴリが非リーチハズレ、リーチハズレ、リーチ大当り、突確・小当り、のいずれの変動カテゴリに含まれるかを判定しているが、より細かい判定を行ってもよい。例えば、リーチを伴う変動パターンである場合には、ノーマルリーチとなるかスーパーリーチとなるかによって異なる変動カテゴリと判定するようにしてもよい。
その後、ステップS412の処理による判定結果に応じて、図14(B)に示す変動カテゴリコマンドのいずれかを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS413)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
図13に示す始動入賞判定処理や図14(A)に示す入賞時乱数値判定処理では、図13におけるステップS211の処理を実行した後に、ステップS212にて図14(A)に示す入賞時乱数値判定処理が実行されることで、図14(A)におけるステップS405、S407、S410、S413の処理を実行し、さらに図13におけるステップS214の処理を実行する。これらの処理が実行されてから、図11に示すステップS17のコマンド制御処理を実行することにより、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件や第2始動条件が成立したときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドが1セットとして、1タイマ割込内に一括して送信される。なお、1タイマ割込内に一括して送信されるものに限定されず、タイマ割込毎にステップS17のコマンド制御処理により1つずつコマンドが順次に送信されてもよい。
図12のステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果や合計保留記憶数、遊技状態などに基づき、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを図5に示す複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の可変表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS110の特別図柄通常処理やステップS111の変動パターン設定処理により、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や飾り図柄の可変表示態様を決定する処理を含んでいる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、小当りフラグがオンである場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、大当りフラグと小当りフラグがともにオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。一例として、可変表示結果が「小当り」となったときには、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対する駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図15は、特別図柄通常処理として、図12のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、保留記憶に基づいて特別図柄の変動を開始する際に実行されるものであり、これによって当該変動の表示結果が決定される。
図15に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS231の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかが決定できればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、変動特図指定バッファ値に対応する特図表示結果決定テーブルを選択してセットする(ステップS239)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合には第1特図表示結果決定テーブル130Aを使用テーブルにセットする。一方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合には第2特図表示結果決定テーブル130Bを使用テーブルにセットする。また、CPU103は、図14(A)に示すステップS402の処理と同様に、現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータを選択すればよい。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。
ステップS239では現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータが選択されていることから、ステップS240の処理では、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、異なる決定用データを用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定される。例えば、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が通常状態又は時短状態であるときには、第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて遊技状態が通常状態又は時短状態の場合に対応するテーブルデータが、通常決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。これに対して、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるときには、第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて遊技状態が確変状態の場合に対応するテーブルデータが、特別決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。
ステップS240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。こうしてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、「非確変」、「確変」、「突確」の各大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(ステップS244)。
ステップS244の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時短状態と、時短状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、可変表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「確変」であれば「1」とし、「突確」であれば「2」とすればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合には(ステップS241;No)、その特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップS246)。そして、「小当り」であると判定されたときには(ステップS246;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS247)。
ステップS246にて「小当り」ではないと判定された場合や(ステップS246;No)、ステップS245、S247の処理のいずれかを実行した後には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS248)。一例として、ステップS246にて特図表示結果が「小当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS246にて特図表示結果が「小当り」であると判定された場合には、特図表示結果を「小当り」とする旨の事前決定結果に対応して、小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち通常大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変」とする決定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「突確」とする決定結果に応じて、短期開放大当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS248にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS249)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS250)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図16のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図16に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
図17は、コマンド解析処理として、図16のステップS74にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図17に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認することなどにより、中継基板15を介して伝送された主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS501)。このとき、受信コマンドがなければ(ステップS501;No)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS501にて受信コマンドがある場合には(ステップS501;Yes)、例えば受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、その受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS502)。そして、第1始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS502;Yes)、第1保留記憶数通知待ち時間を設定する(ステップS503)。例えば、ステップS503の処理では、第1保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、演出制御タイマ設定部192に設けられたコマンド受信制御タイマにセットされればよい。
ステップS502にて受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS502;No)、その受信コマンドは第2始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS504)。そして、第2始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS504;Yes)、第2保留記憶数通知待ち時間を設定する(ステップS505)。例えば、ステップS505の処理では、第2保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、コマンド受信制御タイマにセットされればよい。
ステップS504にて受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS504;No)、その受信コマンドは図柄指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS506)。ステップS506にて受信コマンドが図柄指定コマンドではない場合には(ステップS506;No)、その受信コマンドは変動カテゴリコマンドであるか否かを判定する(ステップS507)。ステップS507にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドではない場合には(ステップS507;No)、その受信コマンドは第1保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS508)。そして、第1保留記憶数通知コマンドであるときには(ステップS508;Yes)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第1保留記憶数通知待ち時間をクリアする(ステップS509)。
ステップS508にて受信コマンドが第1保留記憶数通知コマンドではない場合には(ステップS508;No)、その受信コマンドは第2保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS510)。そして、第2保留記憶数通知コマンドであるときには(ステップS510;Yes)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第2保留記憶数通知待ち時間をクリアする(ステップS511)。
ステップS506にて受信コマンドが図柄指定コマンドである場合や(ステップS506;Yes)、ステップS507にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドである場合(ステップS507;Yes)、あるいはステップS503、S505、S509、S511の処理のいずれかを実行した後には、受信コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭に格納してから(ステップS512)、ステップS501の処理に戻る。
なお、変動開始コマンド(第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド)とともに保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)を受信した場合には、保留記憶数通知コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納しないようにしてもよい。すなわち、始動入賞の発生に対応して受信した演出制御コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭から順次に格納することができればよい。
ステップS510にて受信コマンドが第2保留記憶数通知コマンドではない場合には(ステップS510;No)、その他の受信コマンドに応じた設定を行ってから(ステップS513)、ステップS501の処理に戻る。
始動口入賞指定コマンドや図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドのように、始動入賞が発生したときに主基板11から受信する演出制御コマンドは、始動入賞時のコマンドともいう。また、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数が増加したことを認識可能に指定する演出制御コマンドである第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、保留記憶情報ともいう。保留記憶情報には、始動口入賞指定コマンドも含まれる。始動入賞が発生したときに、乱数値MR1〜MR3などを示す数値データに基づいて、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されるか否かの判定結果、大当り種別の判定結果、変動カテゴリの判定結果を指定する演出制御コマンドである図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドは、判定結果情報ともいう。なお、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭から順次に受信コマンドを格納するときには、受信コマンドが始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドのいずれであるかを区別せずに格納してもよいし、各受信コマンドを区別して、対応する格納領域における空き領域の先頭に格納してもよい。各受信コマンドを区別して受信する場合には、取りこぼした受信コマンドの格納領域が空欄となり、1セットとして受信すべき一部の演出制御コマンドのみが過剰に格納されることになる。
具体的な一例として、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドのいずれかを受信したときには、第1保留記憶数通知待ち時間や第2保留記憶数通知待ち時間が経過しているか否かを判定する。このとき、これらの待ち時間が経過していなければ、始動口入賞指定コマンドに対応するコマンドとして正常な受信期間内に受信できたとして、既に始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに記憶されている始動口入賞指定コマンドと対応付けて、受信コマンドを格納する。一方、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドのいずれかを受信したときに、第1保留記憶数通知待ち時間や第2保留記憶数通知待ち時間が経過していれば、始動口入賞指定コマンドが欠落しているとして、あるいは、正常な受信期間内に受信できなかったとして、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにて新たなバッファ番号と対応付けて、受信コマンドを格納すればよい。
図18は、演出制御プロセス処理として、図16のステップS75にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読み予告演出の有無や演出態様を決定する先読み予告決定処理を実行する(ステップS161)。
図19は、図18のステップS161にて実行される先読み予告決定処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す先読み予告決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける記憶内容をチェックする(ステップS701)。そして、始動入賞時のコマンドのうち、少なくともいずれかとなる新たな受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS702)。例えば、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに少なくとも始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドまたは保留記憶数通知コマンドのうち、いずれかが新たに格納されているか否かを確認することにより受信コマンドの有無を判定できる。いずれのコマンドも新たに受信していなければ(ステップS702;No)、そのまま先読み予告決定処理を終了する。
ステップS702にて受信コマンドがあると判定された場合には(ステップS702;Yes)、既に先読み予告演出を実行中であるか否かを判定する(ステップS703)。例えば、ステップS703の処理では、演出制御フラグ設定部191に設けられた先読み予告実行中フラグがオンであるときに、先読み予告演出を実行中であると判定すればよい。先読み予告実行中フラグは、先読み予告演出が実行されるときにオン状態にセットされる。
この実施の形態では、既に先読み予告演出を実行中であるときには、さらに先読み予告演出を実行するための処理が行われないようにして、既に決定した演出態様で先読み予告演出が実行される。一方、可変表示態様が「非リーチ」に決定される旨の入賞時判定結果に基づき先読み予告演出が実行されているときに、可変表示結果が「大当り」に決定される旨の入賞時判定結果やリーチを伴う変動パターンに決定される旨の入賞時判定結果が得られたときには、実行中の先読み予告演出からスーパーリーチや大当りの予告演出へと切り替えてもよい。なお、既に実行されている先読み予告演出の演出態様にかかわらず、さらに先読み予告演出を実行可能にしてもよい。
ステップS703にて先読み予告演出が実行中ではない場合には(ステップS703;No)、先読み予告演出の実行が制限される先読み予告制限中であるか否かを判定する(ステップS704)。ステップS704にて先読み予告制限中ではない場合には(ステップS704;No)、始動入賞の発生に基づく受信コマンドの順序と内容をチェックして(ステップS706)、正常に受信できたか否かを判定する(ステップS707)。ステップS707の処理では、例えば始動入賞時の受信コマンドが順番通りであるか否か、欠落なくすべて受信できたか否か、図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合しているか否か、始動口入賞指定コマンドと保留記憶数通知コマンドとの内容が整合しているか否かなどの確認を行い、いずれか1つでも否定された場合には、正常に受信できなかったと判定すればよい。なお、いずれか1つでも否定された場合に異常が発生したと判定するものに限定されず、例えばいずれか2つが否定された場合に異常が発生したと判定するようにしてもよい。あるいは、すべてが否定された場合に異常が発生したと判定するようにしてもよい。
ステップS707にて正常に受信できたと判定された場合には(ステップS707;Yes)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されている前回までの変動カテゴリコマンドをチェックして(ステップS708)、現在の保留記憶数が「3」または「4」であり、かつ、前回までの変動カテゴリが非リーチハズレとなるもののみであるか否かを判定する(ステップS709)。即ち、この実施の形態では、可変表示結果が「非リーチハズレ」となる保留データが2つまたは3つある場合には、その保留データを利用して連続予告演出を実行するようにしている。
なお、保留記憶数が連続予告演出を実行するのに十分な数であれば(例えば2以上であれば)、連続予告演出を実行できるようにしてもよい。例えば、後述する先読み予告パターンである移行パターンの連続予告演出(先読み予告演出)のように、演出態様が変化する予告パターン以外では、一連の演出であることを報知できる保留記憶数である場合に連続予告演出を実行するようにしてもよい。このようにすることで、連続予告演出の総合的な実行頻度を向上させることができる。
また、停止図柄予告以外の先読み予告演出を実行する場合には、可変表示結果が「非リーチハズレ」となる保留データが含まれている場合にも、連続予告演出を実行するようにしてもよい。このようにした場合、連続予告演出の実行途中でリーチが発生したり、「大当り」となることがあるので、意外性のある演出を実行できる。可変表示結果が「非リーチハズレ」となる保留データが含まれている場合に連続予告演出を実行するようにする場合に、例えば、リーチを伴う可変表示においては、停止図柄予告以外の演出態様の連続予告演出が選択されるようにすればよい。このようにすることで、先読みの対象となる可変表示が実行される前の表示結果に関わらず連続予告演出を実行することができる。
例えば、ステップS708の処理では、最新の変動カテゴリコマンドよりも1つ前までに受信して始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているデータの数、及び、変動カテゴリコマンドにより指定された変動カテゴリを読み取る。ステップS709の処理では、ステップS708における読取結果により、データの数が「3」または「4」であるか、非リーチハズレに対応した変動カテゴリを指定するもの(変動カテゴリコマンドC600)のみであるか否かを判定する。
ステップS709にて、現在の保留記憶数が「3」または「4」であり、かつ、り、かつ、前回までの変動カテゴリが非リーチハズレとなるもののみであると判定された場合には、(ステップS709;Yes)、先読み予告演出を実行するか否かと、先読み予告演出を実行する場合における先読み予告演出の演出態様に対応した先読み予告パターンとを決定する(ステップS710)。
一例として、ステップS710の処理では、先読み予告演出の有無と先読み予告パターンとを決定するための使用テーブルとして、予め用意された先読み予告決定テーブルを選択してセットする。先読み予告決定テーブルでは、予告対象となる可変表示に対応する始動入賞の発生に基づいて送信された変動カテゴリコマンドの指定内容などに応じて、先読み予告種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、先読み予告演出を実行しない場合に対応する「実行なし」の決定結果や、先読み予告演出を実行する場合における複数の先読み予告パターンなどに、割り当てられていればよい。その後、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した先読み予告決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、先読み予告決定テーブルを参照することにより、先読み予告演出の有無と先読み予告パターンとを決定すればよい。
ステップS710の処理では、例えば図20に示すような決定割合で、先読み予告演出の有無と先読み予告パターンとが決定されればよい。図20に示す決定割合の設定例では、変動カテゴリに応じて、先読み予告演出の有無や先読み予告パターンの決定割合を異ならせている。
図20に示されるように、この実施の形態では、先読み予告パターンとして、「チャンス目パターン」、「チャンス目+背景パターン」、「移行パターン」の3種類が設けられている。先読み予告パターンの内、「チャンス目パターン」は、予告の対象となる可変表示が実行されるまでの複数回の可変表示に亘って画像表示装置5に予め定められた連続演出用のチャンス目を構成する飾り図柄が停止する停止図柄予告に対応した先読み予告パターンである。
先読み予告パターンの内、「チャンス目+背景パターン」は、予告の対象となる可変表示が実行されるまでの複数回の可変表示に亘って画像表示装置5に予め定められた連続演出用のチャンス目を構成する飾り図柄を停止させるとともに、画像表示装置5における背景画像が通常の背景画像から特殊な背景画像に変化し、予告の対象となる可変表示が実行されるまでその特殊な背景画像となる背景変化予告を実行することに対応した先読み予告パターンである。
先読み予告パターンの内、「移行パターン」に基づく停止図柄予告では、チャンス目が停止する停止図柄予告が実行された後に、チャンス目+背景変化予告に変化する先読み予告演出を実行することに対応した先読み予告パターンである。この移行パターンを実行した場合には、「チャンス目パターン」が途中で「チャンス目+背景パターン」に切り換ったかのように遊技者に感じさせることができる。
図20に示すように、この実施の形態では、変動カテゴリが「非リーチハズレ」、「リーチハズレ」、「突確・小当り」、「大当り」のいずれであるかによって先読み予告演出が実行される割合、先読み予告パターンの決定割合が異なっている。なお、ここでの「変動カテゴリ」は、将来に行われる先読みのターゲットの可変表示の結果である。
具体的には、変動カテゴリが「リーチハズレ」である場合には、「非リーチハズレ」である場合よりも、先読み予告演出が実行される割合が高くなっており、変動カテゴリが「大当り」である場合には、「非リーチハズレ」、「リーチハズレ」、「突確・小当り」である場合よりも、先読み予告演出が実行される割合が高くなっている。このような設定により、先読み予告演出を実行することで、可変表示結果が「大当り」となることやリーチが実行されることを予告することができる。なお、変動カテゴリが「突確・小当り」である場合には、先読み予告演出が実行されたにも関わらず、実質的には出玉(賞球)が得られない「突確」や実質的には出玉(賞球)が得られないことに加えて遊技状態も変化しない「小当り」となって遊技者を落胆させてしまうことを防止するため、先読み予告演出を実行しないようにしてもよい。
また、先読み予告パターンの内、チャンス目が停止する「チャンス目パターン」の停止図柄予告の先読み予告演出が実行された場合よりも、「チャンス目+背景パターン」の先読み予告演出が実行された場合の方が、大当り信頼度やリーチ信頼度が高くなっている。
また、先読み予告パターンの内、チャンス目が停止する「チャンス目パターン」の停止図柄予告の先読み予告演出が実行された場合よりも、チャンス目の停止図柄予告からチャンス目が停止するとともに背景が変化する「移行パターン」の先読み予告演出が実行された場合の方が、大当り信頼度やリーチ信頼度が高くなっている。
このように、大当り信頼度やリーチ信頼度が低い停止図柄予告の先読み予告演出が実行された場合であっても、大当り信頼度やリーチ信頼度が高いチャンス目停止+背景変化予告に変化する場合(「移行パターン」が選択された場合)があるので、大当り信頼度やリーチ信頼度が低いチャンス目が停止される停止図柄予告が実行された場合であっても、遊技者は通常の背景から特殊な背景へと背景画像が変化することを期待するようになり、遊技者の期待感を維持することができ、遊技の興趣が向上する。
また、「移行パターン」の先読み予告演出が実行された場合よりも、「チャンス目+背景パターン」の先読み予告演出が実行された場合の方が、大当り信頼度やリーチ信頼度が高くなっている。このような設定により、遊技者はチャンス目が停止することで背景も同時に変化することを期待でき、チャンス目が停止するとともに背景が変化した際には、大当りやリーチの期待を抱くことができるので、チャンス目の停止に対し大きな期待を持つことができる。また、チャンス目のみが停止した場合にも次回の変動で背景が変化することが期待できるので、遊技者の期待感をより維持することができ、遊技の興趣が向上する。
なお、遊技状態が大当り遊技状態や小当り遊技状態であるときには、先読み予告演出を実行しないように制限してもよい。大当り遊技状態であるか否かは、例えば演出プロセスフラグの値が「6」または「7」のいずれかであるか否かに対応して、判定することができる。また、小当り遊技状態であるか否かは、例えば演出プロセスフラグの値が「4」または「5」のいずれかであるか否かに対応して、判定することができる。
一方、遊技状態が大当り遊技状態や小当り遊技状態であるときでも、先読み予告演出を実行可能にしてもよい。例えば始動入賞の発生に基づいて始動入賞時のコマンドを受信した後、大当り遊技状態におけるラウンドの実行回数が所定回数(例えば「10」)となったときに、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されている図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドを読み出して先読み予告演出を実行するか否かを決定し、そのラウンドを実行中に先読み予告演出を実行するようにしてもよい。この場合、先読み予告演出として、連続した態様の演出ではなく、例えば、今回の大当り遊技状態の終了後に可変表示結果が「大当り」となることを確定的に報知する一発告知態様の演出を実行してもよい。
図19に示すステップS710の処理による決定に基づいて、先読み予告演出を実行しない「実行なし」であるか否かを判定する(ステップS711)。このとき、「実行なし」以外であれば(ステップS711;No)、決定した先読み予告パターンに応じた先読み予告演出の実行を開始するための設定を行う(ステップS712)。ステップS712では、先読み予告演出を実行する可変表示の回数を示す先読み予告実行回数カウンタに特図保留記憶数をカウント初期値として設定し、例えば先読み予告実行中フラグをオン状態にセットするといった、先読み予告演出が実行中であることに対応した設定を行う。また、ステップS710にて決定された先読み予告パターンや、現在の特図保留記憶数に対応した先読み予告演出制御パターンをセットする。
図21は、先読み予告演出制御パターンの一覧を示す図である。すでに説明したように、先読み予告演出制御パターンには、「チャンス目パターン」と「チャンス目+背景パターン」と「移行パターン」とがある。これらのパターンは、図21に示すように、さらに細かく分類して規定されている。
「チャンス目パターン」には、先読み予告有と決定したときの特図保留記憶数が3であることに対応した先読み予告演出制御パターンSCP1−1と、先読み予告有と決定したときの特図保留記憶数が4であることに対応した先読み予告演出制御パターンSCP1−2とが規定されている。
「チャンス目+背景パターン」には、先読み予告有と決定したときの特図保留記憶数が3であることに対応した先読み予告演出制御パターンSCP2−1と、先読み予告有と決定したときの特図保留記憶数が4であることに対応した先読み予告演出制御パターンSCP2−2とが規定されている。
「移行パターン」には、先読み予告有と決定したときの特図保留記憶数が3であることに対応した先読み予告演出制御パターンSCP3−1と、先読み予告有と決定したときの特図保留記憶数が4であることに対応した先読み予告演出制御パターンSCP3−2とが規定され、さらに、同じく特図保留記憶数が4であることに対応した先読み予告演出制御パターンとして、SCP3−3が規定されている。ここで、SCP3−2とSCP3−3との違いは、背景変化が2変動目か3変動目のいずれかで行わるかということである。各先読み予告演出制御パターンは、図21に示すように、先読み予告演出を開始してからの各変動において実行する演出内容に対応した制御データから構成されている。
また、図21に示すように、「チャンス目パターン」と「チャンス目+背景パターン」および、「移行パターン」とでは、先読み予告演出後の始動入賞であるターゲットの可変表示において実行される擬似連演出の演出態様が異なっている。具体的には、「チャンス目パターン」の場合は「にわとり」のキャラクタが擬似連図柄として表示され、「チャンス目+背景パターン」および、「移行パターン」の場合には、「ペリカン」のキャラクタが擬似連図柄として表示されるようになる。このようにチャンス目停止+背景変化が行われる場合に、チャンス目停止の場合と異なる擬似連図柄を表示することで、遊技者は背景変化により一層の期待感を持つことが可能となる。なお、「チャンス目+背景パターン」と「移行パターン」とで擬似連図柄の種類を異ならせてもよい。
さらに、本実施の形態の場合には、図21に示した先読み予告演出制御パターンのテーブルが遊技機(たとえば、演出制御基板12)に予め記憶されており、このテーブルを用いて先読み予告演出制御パターンが決定される。しかしながら、このようなテーブルを用いるのではなく、ターゲットの変動に至るまでの各変動の回において、チャンス目を停止しかつ背景変化しないパターンとするか、チャンス目を停止しかつ背景変化するパターンとするかを決定(たとえば、乱数抽選により決定)するようにしてもよい。また、ターゲットの変動における擬似連図柄の種類についてもターゲットに達するまでの間に決定(たとえば、乱数抽選)してもよく、あるいは、ターゲットの変動の開始の際に決定(たとえば、乱数抽選)してもよい。
ステップS712の処理を実行した後や、ステップS703にて先読み予告演出が実行中であると判定されたとき(ステップS703;Yes)、ステップS704にて先読み予告制限中であると判定されたとき(ステップS704;Yes)、ステップS709にて現在の保留記憶数が「3」または「4」でないと判定されたとき、または、前回までの変動カテゴリが非リーチハズレとなるもののみでないと判定されたとき(ステップS709;No)、あるいは、ステップS711にて「実行なし」と判定されたときには(ステップS711;Yes)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されている最新の始動口入賞指定コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS713)。
ステップS713にて第1始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS713;Yes)、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示として、第1特図を用いた特図ゲームが新たに保留されたことに対応する表示部位を更新する制御を行う(ステップS714)。ステップS714では、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示を通常の表示態様(例えば丸型の白色表示)で更新する制御を行う。その後、先読み予告決定処理を終了する。
一方、ステップS713にて第1始動口入賞指定コマンドではないと判定された場合には(ステップS713;No)、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示として、第2特図を用いた特図ゲームが新たに保留されたことに対応する表示部位を更新する制御を行う(ステップS715)。ステップS715では、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示を通常の表示態様(例えば丸型の青色表示)で更新する制御を行う。その後、先読み予告決定処理を終了する。
ステップS707にて始動入賞時のコマンドを正常に受信できなかったと判定されたときには(ステップS707;No)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける最新のコマンドに対応して、未判定情報をセットする(ステップS731)。例えば、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおけるバッファ番号ごとに、未判定情報の格納領域を設け、最新のコマンドに対応するバッファ番号の未判定情報を「1」(またはオン状態)にセットすればよい。
ステップS731の処理を実行した後には、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示として、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を示す表示部位をそれぞれ、共通の非正常時の表示態様(例えば丸型の灰色表示)に変更して、新たに保留されたことに対応する表示部位も共通の非正常時の表示態様で表示する(ステップS732)。なお、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)を正常に受信できなかった場合でも、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)を正常に受信できていれば、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを特定することができるので、通常の表示態様で保留表示を更新してもよい。非正常時の表示態様は、通常の表示態様や特別な表示態様であるときとは表示部位の表示色や表示形状、表示キャラクタなどの一部または全部を異ならせることにより、始動入賞時のコマンドに取りこぼしが生じたことを認識可能に報知できればよい。なお、新たに保留されたことに対応する表示部位のみを非正常時の表示態様とする一方で、その他の表示部位における表示態様は変更しなくてもよい。
ステップS732の処理を実行した後には、例えば演出制御フラグ設定部191などに設けられた先読み予告制限フラグをオン状態にセットするといった、先読み予告制限中の設定を行ってから(ステップS733)、先読み予告決定処理を終了する。
こうした先読み予告決定処理では、ステップS707にて始動入賞時のコマンドを正常に受信できなかったと判定したときに、ステップS710の処理を実行しないことで、先読み予告演出を実行しないように制限される。これにより、例えば第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数が増加したことを認識可能に指定する保留記憶情報としての保留記憶数通知コマンドを正常に受信することができなかったときには、先読み予告演出の実行を制限することができる。
なお、始動口入賞指定コマンドのみが欠落している場合や、保留記憶数通知コマンドのみが欠落している場合、あるいは、始動口入賞指定コマンドと保留記憶数通知コマンドとが整合しない場合にも、先読み予告演出を実行しないように制限されてもよい。すなわち、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のいずれが増加したかを認識可能に指定する保留記憶情報を取りこぼしたときには、先読み予告演出の実行を制限できればよい。これにより、信憑性の低い情報に基づいて先読み予告演出が実行されることを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすることができる。
例えば始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドといった、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のいずれが増加したかを認識可能に指定する保留記憶情報の一部または全部を取りこぼしたときには、その保留記憶に対応する可変表示の実行が終了するまで、先読み予告演出を実行しないように制限してもよい。これにより、先読み予告演出と可変表示結果との整合がとれなくなることを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすることができる。
例えば図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドといった、始動入賞の発生時における判定結果を認識可能に指定する判定結果情報の一部または全部を取りこぼしたときには、その保留記憶に対応する可変表示の実行が終了するまで、先読み予告演出を実行しないように制限してもよい。これにより、先読み予告演出と可変表示結果との整合が取れなくなることを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすることができる。
例えば図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドといった判定結果情報の一部を取りこぼした場合に、その他の判定結果情報によって判定結果を認識可能な場合であっても、その判定結果に基づく先読み予告演出を実行しないように制限してもよい。これにより、信憑性の低い情報に基づいて先読み予告演出が実行されることを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすることができる。
例えば図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドといった複数の判定結果情報から認識可能な判定結果が整合しない場合に、いずれかの判定結果情報によって認識可能な判定結果に基づく先読み予告演出を実行しないように制限してもよい。これにより、信憑性の低い情報に基づいて先読み予告演出が実行されることを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすることができる。
第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される場合に、時短制御に伴う高開放制御が行われる高ベース状態であるときには、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる始動入賞(第1始動入賞)の発生に基づく先読み予告演出を実行しないように制限してもよい。高開放制御が行われているときには、第2始動入賞口に遊技球を通過(進入)させて優先的に実行される第2特図を用いた特図ゲームを実行し続けることが可能になる。
そのため、大当り遊技状態の終了前から第1特図を用いた特図ゲームの保留データに基づいて先読み予告演出の実行を開始して、大当り遊技状態の終了後にも継続して先読み予告演出を実行すると、可変表示結果が「大当り」となる保留データなどを保持した状態で多数回の可変表示を継続して実行することができ、第2特図を用いた特図ゲームを実行することで可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態へと繰り返し制御されることになってパチンコ遊技機1の射幸性が著しく高められるおそれがある。
さらに、遊技者が第1特図を用いた特図ゲームで可変表示結果が「大当り」となることを認識しながら、第2始動入賞口に遊技球を繰り返し通過(進入)させて第2特図を用いた特図ゲームを繰り返し実行するか、第2始動入賞口に遊技球を通過(進入)させずに第1特図を用いた特図ゲームを実行するかにより、可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態へと制御されるタイミングを、遊技者の技量によって大きく変化させられるおそれがある。
そこで、高ベース状態であるときには第1始動入賞の発生に基づく先読み予告演出の実行を制限することにより、第1特図を用いた特図ゲームに対応して可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを遊技者が認識できないようにして、健全な遊技性を確保することができる。
これに加えて、例えば高ベース状態であるときに始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドといった保留記憶情報の一部または全部を取りこぼした場合には、たとえ図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドといった判定結果情報を正常に受信したとしても、先読み予告演出を実行しないように制限してもよい。これにより、第1特図を用いた特図ゲームに対応して可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを遊技者が認識できてしまうことを防止して、健全な遊技性を確保することができる。
一方、例えば始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドといった保留記憶情報の一部を取りこぼした場合に、先読み予告演出の少なくとも一部(例えば、信頼度の最も低い先読み予告演出など)を実行することは許可してもよい。これにより、正常に受信できたコマンドを可能な限り利用して先読み予告演出を実行することができ、先読み予告演出の実行頻度が過度に低下してしまうことを防止できる。
また、例えば図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドといった判定結果情報の一部を取りこぼした場合に、先読み予告演出の少なくとも一部(例えば、信頼度の最も低い先読み予告演出など)を実行することは許可してもよい。これにより、正常に受信できたコマンドを可能な限り利用して先読み予告演出を実行することができ、先読み予告演出の実行頻度が過度に低下してしまうことを防止できる。
あるいは、例えば図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドといった複数の判定結果情報から認識可能な判定結果が整合しない場合に、先読み予告演出の少なくとも一部(例えば、信頼度の最も低い先読み予告演出など)を実行することは許可してもよい。これにより、正常に受信できたコマンドを可能な限り利用して先読み予告演出を実行することができ、先読み予告演出の実行頻度が過度に低下してしまうことを防止できる。
図18に示すステップS161にて先読み予告決定処理を実行した後には、先読み予告制限解除設定処理を実行する(ステップS162)。先読み予告制限解除設定処理では、先読み予告演出を実行しないように制限される先読み予告制限中であるときに、所定条件の成立に基づき制限を解除するための処理や、実行中の先読み予告演出が終了したことに応じて、新たな先読み予告演出を実行可能とするための処理が実行される。例えば、先読み予告実行中フラグがオン状態である場合には、変動が開始されるごとに、予告残回数カウンタの値を1減算していき、予告残回数カウンタの値が0になったときに、先読み予告実行中フラグをオフ状態にリセットする。また、先読み予告制限フラグがオン状態である場合には、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおいてバッファ番号が「1」〜「8」のそれぞれに対応して有効に格納された始動入賞時のコマンドについて、すべての順序と内容が正しくなるように受信できたことを条件に、例えば先読み予告制限フラグをクリアするなどして、先読み予告演出が実行されないようにした制限を解除すればよい。なお、コマンドの取りこぼしや判定結果の不整合が生じた保留記憶が消化されたことを条件に、先読み予告演出が実行されないようにした制限を解除するようにしてもよい。
図18に示すステップS162にて先読み予告制限解除設定処理を実行した後には、例えば演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図22は、可変表示開始設定処理として、図18のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、演出制御用CPU120が可変表示を開始する際に実行する処理である。
図22に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS522)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS522;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS523)。
ステップS523にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS523;Yes)、先読み実行中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS523a)。先読み実行中フラグは、先読み予告の実行有と決定したときに演出制御用CPU120がオンに設定するフラグである。先読み予告実行中フラグがオフ状態であれば(ステップS523a;No)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。なお、ステップS524の処理では、変動図柄予告を実行中である場合に対応して、所定のチャンス目図柄となる非リーチ組合せの確定飾り図柄を決定すればよい。
ステップS523にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS523;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS525)。一例として、ステップS525の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS522にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS522;No)、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合、または、特図表示結果が「小当り」である場合であるか、これら以外の場合であるかを判定する(ステップS526)。「突確」または「小当り」であると判定されたときには(ステップS526;Yes)、例えば開放出目といった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS527)。一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−1〜PC1−2のいずれかが指定された場合に対応して、複数種類の出目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合には、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される出目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の出目決定テーブルを参照することなどにより、出目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。また、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−4または変動パターンPC1−5のいずれかが指定された場合には、例えばステップS525と同様の処理を実行することにより、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS526にて「突確」または「小当り」以外の「非確変」または「確変」であると判定されたときには(ステップS526;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS528)。一例として、ステップS528の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM121などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかや、大当り中における昇格演出の有無などに応じて、異なる飾り図柄を確定飾り図柄とする決定が行われるようにしてもよい。
具体的な一例として、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうちいずれか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。また、大当り種別が「確変」である場合には、複数種類の通常図柄または確変図柄のうちからいずれか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せまたは確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。このとき、非確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において確変状態に制御される旨の報知が行われず、大当り遊技状態に対応して実行される大当り中昇格演出などにより確変状態に制御される旨が報知されればよい。他方、確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において、あるいは再抽選演出を実行することなく、確変状態に制御される旨の報知が行われる。
ステップS523aのYes、S524、S525、S527、S528の処理のいずれかを実行した後には、先読み予告実行設定処理を実行する(ステップS535)。図23は、先読み予告実行設定処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す先読み予告実行設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読み予告実行中フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS601)。先読み予告実行中フラグがオフ状態であれば(ステップS601;No)、先読み予告実行設定処理を終了する。
先読み予告実行中フラグがオン状態であれば(ステップS601;Yes)、先読み予告実行回数カウンタの値を1減算する(ステップS602)。そして、先読み予告実行回数カウンタの値とセットされている先読み予告演出制御パターンに基づいて、先読み予告演出を実行するための設定を行う(ステップS603)。ステップS603の処理では、図21に示す演出内容に対応した先読み予告演出を実行するための設定が行われればよい。また、チャンス目を停止させる先読み予告演出制御パターンであれば、図24に示すチャンス目のいずれを停止させるかを決定する処理を実行すればよい。なお、図22においてステップ523aの処理を設けず、ステップS524で決定された非リーチ組合せに代えてチャンス目をステップ603の処理で決定するようにしてもよい。このような場合は、停止図柄を決定する処理を重複することとなる。
続いて、先読み予告実行回数カウンタの値が0であるか否かを判定する(ステップS604)。先読み予告実行回数カウンタの値が0でなければ(ステップS604;No)、先読み予告実行設定処理を終了する。
先読み予告実行回数カウンタの値が0であれば(ステップS604;Yes)、先読み予告実行中フラグをオフ状態にクリアする(ステップS605)。先読み予告実行回数カウンタの値が0である場合とは、今回の変動が先読み予告演出の対象となる変動であって、先読み予告演出が終了する場合である。その後、先読み予告実行設定処理を終了する。
ここで、S603の処理について詳細に説明する。連続演出用のチャンス目としてS603で決定されるチャンス目には、図24(A)に示すチャンス目CA1〜CA8(ズレ目)のいずれかがある。ズレ目は、図24(A)に示すように、左図柄と中図柄が同じ数字であり、右図柄のみが1つずれた数字の組合せとなっている。また、連続演出用のチャンス目としてS603で決定されるチャンス目には、図24(B)に示すチャンス目CB1〜CB6(順目)のいずれかがある。順目は、図24(B)に示すように、並び数字の組合せとなっている。
図25はズレ目・順目における先読み予告パターンと大当り信頼度を示す図である。図25(A)に示すようにズレ目の出現率は、先読み予告パターンが「チャンス目パターン」である場合に比べ、「チャンス目+背景パターン」や「移行パターン」である場合に高くなっている。また、図25(B)に示すように順目の出現率は、「チャンス目+背景パターン」や「移行パターン」である場合に比べ、「チャンス目パターン」である場合に高くなっている。また、ズレ目が停止する停止図柄予告が実行された場合よりも、順目が停止する停止図柄予告が実行された場合の方が、大当りとなる可能性(大当り信頼度)が高くなっている。
また、先読み予告パターンが「移行パターン」である場合に注目すると、大当り信頼度の低いズレ目の方が、大当り信頼度の高い順目に比べ「移行パターン」での出現率が高くなっている。つまり、先読み連続予告演出中に大当り信頼度の低いズレ目が停止した場合でも、「移行パターン」が選択される場合が多いということになる。このように、ズレ目と順目とで、移行パターンに変化を持たせることで、停止図柄予告が実行される度にいずれのチャンス目が停止したかを遊技者に注目させることができ、遊技の興趣が向上する。さらに、大当り信頼度の低いズレ目が停止した場合でも、背景変化を伴う移行パターンとなる割合が高いので、期待度の低い場合でも次の先読み予告に期待を持つことができる。
なお、ズレ目や順目などのチャンス目は、図24(A)、(B)に示すようなものに限定されず、それぞれが区別可能な予め定められた組合せであればよい。例えば図24(A)のチャンス目を通常図柄(非確変図柄)である偶数の数字の任意の組合せとしたり、図24(B)のチャンス目を確変図柄である奇数の数字の任意の組合せとしてもよい。このようにすることで、遊技者がいずれのチャンス目であるかを認識しやすくなる。
ステップS535で先読み予告実行設定処理を実行した後には、特別演出の実行の有無と、実行する場合における特別演出の演出態様に対応した特別演出パターンとを決定する(ステップS529)。
このステップS529で実行される複数の処理の具体例を図26および図28に示している。図26は、特別演出パターン決定処理を示すフローチャートであり、図28は、擬似連予告決定処理を示すフローチャートである。
図26に示す特別演出パターン決定処理により、特別演出の有無と種類が決定される。特別演出パターン決定処理では、まず、連続予告演出を実行するか否かを判定する(ステップSA10)。連続予告演出が実行される場合(ステップSA10;Yes)、図27(B)に示す連続予告ありの時の先読み予告パターンに対応した特別演出パターン決定テーブルを使用して、特別演出の有無と種類が決定される。また、連続予告演出が実行されない場合(ステップSA10;No)は、図27(A)に示す連続予告演出無しの時の可変表示結果に対応した特別演出パターン決定テーブルを使用して、特別演出の有無と種類が決定される。
特別演出パターン決定テーブルでは、可変表示結果通知コマンドから特定される可変表示結果や、変動パターン指定コマンドから特定される変動パターンなどに応じて、特別演出種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、特別演出を実行しない場合に対応する「実行なし」の決定結果や、特別演出を実行する場合における複数の特別演出パターンなどに、割り当てられていればよい。その後、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した特別演出決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、特別演出パターン決定テーブルを参照することにより、特別演出の有無と特別演出パターンとを決定すればよい。
ステップS529の処理では、例えば図27(A)に示すような決定割合で、特別演出の有無と特別演出パターンとが決定されればよい。図27(A)に示す決定割合の設定例では、特別演出パターンが「非リーチハズレ」、「リーチハズレ」、「大当り」、「小当り」のいずれに対応したものであるかに応じて、特別演出の有無や特別演出パターンの決定割合を異ならせている。
具体的には、変動パターンが「リーチハズレ」である場合には、「非リーチハズレ」である場合よりも、特別演出が実行される割合(「予告実行なし」以外に決定される割合)が高くなっており、変動パターンが「大当り」である場合には、「非リーチハズレ」、「リーチハズレ」、「小当り」である場合よりも、特別演出が実行される割合が高くなっている。また、各特別演出パターンでは、「キャラクタ予告」、「ステップアップ予告」、「操作予告」の順番で、可変表示結果が「大当り」となる割合が高くなっている。このような設定により、特別演出を実行することで、可変表示結果が「大当り」となることやリーチが実行されることを予告・示唆することができる。
また、この実施の形態では、連続予告演出が実行される時には、図27(B)に示すような決定割合で、特別演出の有無と特別演出パターンとが決定されるようになっている。具体的には、先読み予告パターンが「移行パターン」である場合、「キャラクタ予告」や「ステップアップ予告」に比べ「操作予告」の特別演出が選択される割合が高くなっている。また、「操作予告」の特別演出は、先読み予告パターンが「チャンス目パターン」の場合に比べ、「チャンス目+背景パターン」や「移行パターン」の場合に選択される割合が高くなっている。このような場合、遊技者は特別演出の態様によって背景変化を伴う特別な先読み予告演出への移行の可能性を容易に認識することができるので、特別演出が発生したときはその態様に注目することとなり、遊技の興趣が向上する。また、連続予告演出の最初の変動でチャンス目のみが停止した場合でも操作予告の特別演出が実行された場合には、その後に大当り信頼度の高い「移行パターン」の先読み予告演出が選択される可能性が高くなるので、その後の表示結果に期待できるようになり、遊技者の期待感を維持することができ、遊技の興趣が向上する。
「キャラクタ予告」の特別演出では、飾り図柄の可変表示中に、例えば画像表示装置5の表示画面にて、所定位置に予め用意されたキャラクタ画像を表示させる演出表示が行われる。
「ステップアップ予告」の特別演出では、飾り図柄の可変表示中に、例えば画像表示装置5の表示画面にて、予め用意された複数種類の演出画像を所定の順番に従って切り換えて表示させる演出表示により、演出態様が複数段階に変化(ステップアップ)するような演出動作が行われることがある。なお、「ステップアップ予告」の特別演出では、予め用意された複数種類の演出画像のうちいずれか1つ(例えば所定の順番において最初に表示される演出画像など)が表示された後、演出画像が切り換えられることなく、特別演出における演出表示を終了させることがあるようにしてもよい。また、「ステップアップ予告」の特別演出では、飾り図柄の可変表示中に、例えば可動部材を所定の順番に従って複数種類の動作態様で動作させる演出動作により、演出態様が複数段階に変化(ステップアップ)するような演出動作が行われてもよい。なお、「ステップアップ予告」の変動中予告演出では、可動部材が1種類の動作態様で演出動作を行った後、2段階目の演出動作に切り換えられることなく、予告演出における演出動作を終了させることがあるようにしてもよい。
「操作予告」の特別演出では、飾り図柄の可変表示中に、遊技者によりプッシュボタン31Bが押下操作されたことに応じて、例えば画像表示装置5の表示画面における演出画像の表示を変更することや、スピーカ8L、8Rから出力させる音声などを変更することにより、演出動作を変化させる。一例として、「操作予告」の特別演出では、飾り図柄の可変表示中に、操作促進演出となる所定の演出動作が行われる。操作促進演出は、例えば画像表示装置5の表示画面における所定位置に、予め用意されたキャラクタ画像やメッセージ画像といった演出画像を表示させることなどにより、遊技者にプッシュボタン31Bの押下操作を促すような演出動作を行えばよい。なお、「操作予告」の特別演出はプッシュボタン31Bの押下操作に限定されず、スティックコントローラ31Aを操作する動作等でもよい。スティックコントローラ31Aを操作する場合、遊技者による所定の操作態様でのスティックコントローラ31Aの操作を促す操作促進演出を表示させるようにすればよい。
また、ステップS529の処理では、図28に示す擬似連予告決定処理により、擬似連の有無、回数、種類が決定される。擬似連予告決定処理では、まず、全ての先読み予告が終了した後の変動開始時か否かを判定する(ステップSA20)。全ての先読み予告が終了した後の変動開始時でない場合(ステップSA20;No)は、擬似連予告決定処理を終了する。全ての先読み予告が終了した後の変動開始時である場合(ステップSA20;Yes)は、図29に示す先読み予告パターンに対応した擬似連予告決定テーブルを用いて、擬似連予告の有無、回数、種類が決定される。
図29に示すように、全ての先読み予告が終了した後のターゲットの変動では、先読み予告パターンに対応して、擬似連回数の有無、回数の選択割合が異なる。例えば、「チャンス目パターン」では、擬似連回数が0回、つまり擬似連無しの選択割合が「チャンス目+背景パターン」、「移行パターン」に比べ高くなっている。逆に「チャンス目+背景パターン」や「移行パターン」では、擬似連回数が3回の選択率が高くなっている。また、擬似連図柄の種類については、先読み予告パターンに基づいて決定されるようになっており、「チャンス目パターン」が選択された際には「にわとり」の図柄に決定され、「チャンス目+背景パターン」、「移行パターン」が選択された場合には「ペリカン」の図柄に決定される。
また、図29に示すように、本実施の形態では、ターゲットの変動の前の変動で先読み予告がされない場合(先読み予告なし)にも、所定の割合で擬似連を発生させることが決定される。このような決定は、今回、開始されようとする変動がすべての先読み予告を終えた後のターゲットの変動ではなく、かつ、ターゲットに向けての先読み予告の変動ではないと演出制御用CPU120が判定した場合に実行される。
図29に示すとおり、このような変動において擬似連が1回発生する割合は15%であり、2回発生する割合は8%であり、3回発生する割合は2%である。このように、先読み演出の変動がなく、いきなりターゲットの変動で擬似連が発生する場合もあるために、事前に先読み予告がなかった変動においても大当り等に対する遊技者の期待感を損なうことがない。
また、図示のとおり、ターゲットの変動の前の変動で先読み予告がされない場合に擬似連が発生したときの擬似連図柄(仮停止図柄)は、にわとりやペリカンではなく、表示結果として導出表示される通常図柄である。このため、遊技者は擬似連図柄によって今回の変動が先読み予告を経た大当り期待度の高い変動であるか否かを判別できる。
さらに、図30に示すように、擬似連回数が多くなるほど大当り信頼度が高くなっており、擬似連回数が3回で最も高くなっている。つまり、「チャンス目+背景パターン」や「移行パターン」が先読み予告で表示されると、ターゲットの変動において擬似連の回数が多くなりやすく、擬似連の回数が多いほど、大当りの可能性が高くなるように、遊技者に感じさせることができる。また、「移行パターン」は、「チャンス目パターン」が「チャンス目+背景パターン」に切り換ったように遊技者に感じさせるパターンであるから、先読み予告の開始当初は「チャンス目パターン」で始まることで遊技者を落胆させながら、途中で「チャンス目+背景パターン」に切り換えて遊技者の期待感をその途中から向上させることが可能となる。また、擬似連無しの割合が高い「チャンス目パターン」が選択された場合であっても、遊技者はチャンス目停止の先読み予告から、チャンス目停止+背景変化の先読み予告の可能性が残されているので、チャンス目の停止に期待を持つことができる。さらに、「チャンス目パターン」が選択された際にも、擬似連回数が多くなれば大当りの信頼度は高くなるので、遊技者を擬似連に注目させることができ、遊技の興趣が向上する。
ステップS529の処理を実行した後には、その他の可変表示中における演出の実行設定を行う(ステップS530)。一例として、ステップS530の処理では、先読み予告演出や変動中予告演出とは異なる演出を実行するための設定が行われてもよい。そのような演出としては、例えば可変表示の開始時や実行中における所定のタイミングにて、スピーカ8L、8Rから所定の効果音(例えばアラーム音やチャイム音、サイレン音など)が出力されるような態様の演出や、遊技効果ランプ9などに含まれるフラッシュランプが光るような態様の演出のうち、一部または全部を含む所定態様の演出を実行することにより、可変表示結果が「大当り」となることを直ちに告知(確定的に報知)する一発告知態様の演出が実行されてもよい。あるいは、そのような演出として、可変表示結果が「大当り」となることに対応した特別な演出画像(プレミアム画像)を表示する演出が実行されてもよい。
他の一例として、ステップS530の処理では、可変表示結果が「大当り」となる可能性などにはかかわらず、例えば賑やかしのために所定態様の演出を実行するための設定が行われてもよい。より具体的には、遊技効果ランプ9に含まれる所定のランプが光るような態様の演出といった、所定態様の演出を実行できればよい。
その後、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS531)。このとき、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、例えばキャラクタ予告の特別演出を実行するための設定がなされた場合には、その設定に対応した予告演出制御パターンが選択されてもよい。
ステップS531の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS532)。続いて、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS533)。このときには、例えばステップS531にて使用パターンとして決定された特図変動時演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS534)、可変表示開始設定処理を終了する。
次に図31により各先読み予告パターンでのタイムチャートについて説明する。ここでは、図29に示した「チャンス目パターン」、「チャンス目+背景パターン」、「移行パターン」の3パターンをそれぞれ、図31(a)の「通常の連続演出」、図31(b)の「特別な連続演出」、図31(c)の「移行パターン」として説明する。
最初に、図31(a)を用いて、「チャンス目パターン」を説明する。図31(a)に示すように、通常の連続演出(「チャンス目パターン」)として、チャンス目停止の先読みパターンが繰り返された後に擬似連図柄が停止する予告が行われる場合、可変表示(飾り図柄)の変動と停止とは、保留記憶数に従って以下のように行われる。
まず、保留記憶数が4個から3個に減少するとき、通常の連続演出の最初の変動が開始され、可変表示が停止する際に合わせてチャンス目が停止する。その後、保留記憶数が3個から2個に減少するとき、2回目の変動が開始され、可変表示が停止する際に合わせて2回目のチャンス目が停止する。さらに、保留記憶数が2個から1個に減少するとき、3回目の変動が開始され、可変表示が停止する際に合わせて3回目のチャンス目が停止する。その後、保留記憶数が1個から0個に減少してターゲットの変動の回に達すると、擬似連演出が実行され、このターゲットの可変変動中に擬似連図柄が所定回数停止される。この図では擬似連で2回仮停止する例が示されている。なお、2回の仮停止の擬似連演出の後にはリーチ演出が行われる。
次に、図31(b)を用いて、「チャンス目+背景パターン」を説明する。図31(b)に示すように、特別な連続演出(「チャンス目+背景パターン」)として、チャンス目停止+背景変化の先読みパターンが繰り返された後に擬似連図柄が停止する予告が行われる場合、可変表示(飾り図柄)の変動と停止とは、保留記憶数に従って以下のように行われる。まず、保留記憶数が4個から3個に減少するとき、特別な連続演出の最初の変動が開始され、可変表示が停止する際に合わせてチャンス目が停止するとともに背景が変化する。その後、保留記憶数が3個から2個に減少するとき、2回目の変動が開始され、可変表示が停止する際に合わせて2回目のチャンス目が停止するとともに背景変化が継続される。さらに、保留記憶数が2個から1個に減少するとき、3回目の変動が開始され、可変表示が停止する際に合わせて3回目のチャンス目が停止するとともに背景変化が継続される。その後、保留記憶数が1個から0個に減少してターゲットの変動の回に達すると、擬似連演出が実行され、このターゲットの可変変動中に擬似連図柄が所定回数停止される。ターゲットの変動の回でも背景変化は継続される。この図では擬似連で2回仮停止する例が示されている。なお、2回の仮停止の擬似連演出の後にはリーチ演出が行われる。
次に、図31(c)を用いて、「移行パターン」を説明する。図31(c)に示すように、先読み予告パターンとして移行パターンが実行される場合、チャンス目が停止する通常の連続演出から、チャンス目停止+背景変化を伴う特別な連続演出に移行する。具体的には、保留記憶数が4個から3個に減少するとき、通常の連続演出の最初の変動が開始され、可変表示が停止する際に合わせてチャンス目が停止する。その後、保留記憶数が3個から2個に減少するとき、2回目の変動が開始され、可変表示が停止する際に合わせて2回目のチャンス目が停止する。そして、保留記憶数が2個から1個に減少するとき、3回目の変動が開始される。
このとき、図31(c)に示すようなt1〜t4のいずれかのタイミングで背景が変化する。本実施の形態では、この背景の変化タイミングにより、ターゲットの変動が大当りになる大当り信頼度が異なる。この点は図32を用いて後述する。その後、保留記憶数が1個から0個に減少してターゲットの変動の回に達すると、擬似連演出が実行され、このターゲットの可変変動中に擬似連図柄が所定回数停止される。この図では擬似連で2回仮停止する例が示されている。なお、2回の仮停止の擬似連演出の後にはリーチ演出が行われる。
なお、この例では、移行パターンのときのみ、背景変化のタイミングが複数あるようにしているが、図31(b)に示される特別な連続演出の場合にも同様に景変化のタイミングが複数あるようにしてもよい。
図32は、移行パターンにおける背景変化タイミングと大当り信頼度との関係を説明するための図である。この図に示されるように、大当り信頼度は変動開始時のタイミングt1より変動中のタイミングt2の方が高く、変動中のタイミングt2より変動停止時のタイミングt3の方が高く、さらに、動中のタイミングt3より変動停止時のタイミングt4の方が高くなるように、背景変化タイミングが選択される。この選択は、主基板11からコマンドによって通知される可変表示の表示結果に応じて演出制御用CPU120が行なう。特に、変動停止後に背景変化を伴うタイミングt4では、大当り信頼度が100%であるので、大当りが確定となる。
このように、背景変化のタイミングが複数容易されていることで、遊技者はチャンス目停止以降の変動で、背景変化が起こるかもしれないと期待することができ、さらにその期待感は背景変化タイミングが遅いほど長い間保つことができる。なお、通常の連続演出と特別な連続演出の違いは、背景変化を伴うかどうかであり、連続演出とは擬似連演出までを含めた演出としている。
次に、図33を用いて、先読み予告パターンと遊技状態との関係を説明する。既に説明したように、本実施の形態に係るパチンコ機では、時短制御と高開放制御がともに行われる高ベース状態とそれらの制御が行われない低ベース状態(通常状態)とに変化する。演出制御用CPU120は、先読み予告パターンを決定する際、遊技状態が通常状態と低ベース状態とのいずれにあるかを判定し、その判定結果に基づいて、先読み予告パターンを図33に示すテーブルの振り分け率となるように選択する。
図33に示されるように、「チャンス目パターン」の選択率は、通常時(通常状態)では10%、高ベース時(高ベース状態)では70%である。「チャンス目+背景パターン」の選択率は、通常時(通常状態)では30%、高ベース時(高ベース状態)では20%である。「移行パターン」の選択率は、通常時(通常状態)では60%、高ベース時(高ベース状態)では10%である。
このように、通常時(低ベース時)は高ベース時に比べ、「移行パターン」が選択される割合が高くなっている。このような振り分け率とすることで、高ベース時に「移行パターン」が選択され、チャンス目停止からチャンス目停止+背景変化を伴う演出が雑然となって、背景変化の演出が遊技者に認識されにくくなることを防ぐことができる。
図34は、チャンス目パターン予告の先読み予告演出が実行される場合の画像表示装置5における表示動作例を示す図である。図34(A)は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動が実行されている画像表示装置5を示している。ここで、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて、図19に示す先読み予告決定処理が実行され、ステップS710において、先読み予告パターンの内、チャンス目パターンを実行することに決定されたものとする。なお、このときの入賞により、保留記憶数は3になっているので、ステップS712の処理では、図21に示す先読み予告演出制御パターンSCP1−1がセットされる。
その後、図34(B)に示すように、その時点での変動が終了すると、次回の変動時から先読み予告演出が開始されることになる。先読み予告演出が開始される1回目の変動では、図34(C)、(D)に示すように、例えばチャンス目CB1(「1・2・3」)が停止する。ここで停止するチャンス目Bをいずれとするかは、図22のステップS535において決定される。
そして、先読み予告演出が開始されてから2回目の変動では、図34(E)、(F)に示すように、例えばチャンス目CB2(「2・3・4」)が停止する。
その後、先読み予告演出が開始されてから3回目の変動(ターゲットとなる変動)は、図34(G)で開始され、その後、図34(H)に示すように、「中」の飾り図柄表示エリア5Cに、「にわとり」の擬似連図柄5GAが仮停止する。この擬似連予告は図28のSA21において決定されている。この例では、先読み予告パターンが「チャンス目パターン」のときに、擬似連回数が1回と決定されている。
続いて、擬似連演出終了後の変動では、決定された変動パターンに応じた変動が実行される。ここでは、大当りの変動パターンであることに対応して、図34(I)〜(K)に示すように、変動が開始されてからリーチとなって、大当り組合せを構成する飾り図柄が停止する。
以上のように、「チャンス目パターン」の先読み予告演出では、複数回の変動に亘って予め定められたチャンス目が停止することによって、大当りとなる可能性やリーチとなる可能性を予告することができる。
また、図35は、「チャンス目+背景パターン」の先読み予告演出が実行される場合の画像表示装置5における表示動作例を示す図である。図35(A)は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動が実行されている画像表示装置5を示している。ここで、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて、図19に示す先読み予告決定処理が実行され、ステップS710において、先読み予告パターンの内、「チャンス目+背景パターン」を実行することに決定されたものとする。なお、このときの入賞により、保留記憶数は3になっているので、ステップS712の処理では、図21に示す先読み予告演出制御パターンSCP2−1がセットされる。
その後、図35(B)に示すように、その時点での変動が終了すると、次回の変動時から先読み予告演出が開始されることになる。先読み予告演出が開始される1回目の変動は、図35(C)に示すように開始され、その後、図35(D)に示すように、例えばチャンス目CB1(「1・2・3」)が停止する。と同時に、あるいは所定のタイミングだけ遅れて、画像表示装置5における背景画像が昼をモチーフとした画像(通常の背景画像)から夜をモチーフとした背景画像(特殊な背景画像)に変化する。ここで停止するチャンス目CB1をいずれとするかは、図22のステップS535において決定される(チャンス目の種類については、図24を参照)。また、背景変化時の変動中である図35(C)の状態で、何らかの背景変化を予告する演出(例えば、キャラクタ予告やボタン予告等)が行われるようにしてもよい。
そして、先読み予告演出が開始されてから2回目の変動は、図35(E)に示すように開始される。その後、図35(F)に示すように、例えばチャンス目CB2(「2・3・4」)が停止する。このときも引き続き通常の背景である昼の背景とは異なる夜の背景変化が継続される。
その後、先読み予告演出が開始されてから3回目の変動(ターゲットとなる変動)では、図35(G)に示すように開始される。その後、図35(H)に示すように、「中」の飾り図柄表示エリア5Cに、「ペリカン」の擬似連図柄5GBが仮停止する。この擬似連予告は図28のSA21において決定されている。この例では、先読み予告パターンが「チャンス目+背景パターン」のときに、擬似連回数が1回と決定されている。
続いて、擬似連演出終了後の変動では、ターゲットの変動が実行される。ここでは、ターゲットが大当りの変動パターンであることに対応して、図35(I)〜(K)に示すように、変動が開始されてからリーチとなって、大当り組合せを構成する飾り図柄が停止する。
以上のように、「チャンス目+背景パターン」の先読み予告演出では、複数回の変動に亘って予め定められたチャンス目が停止するとともに、通常とは異なる特殊な背景画像となることで、大当りとなる可能性やリーチとなる可能性を予告することができる。
図36は、「移行パターン」の先読み予告演出が実行される場合の画像表示装置5における表示動作例を示す図である。図36(A)は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動が実行されている画像表示装置5を示している。ここで、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて、図19に示す先読み予告決定処理が実行され、ステップS710において、先読み予告パターンの内、「移行パターン」を実行することに決定されたものとする。なお、このときの入賞により、保留記憶数は4になっているので、ステップS712の処理では、図21に示す先読み予告演出制御パターンSCP3−3がセットされる。
その後、図36(B)に示すように、その時点での変動が終了すると、次回の変動時から先読み予告演出が開始されることになる。先読み予告演出が開始される1回目の変動では、図36(C)、(D)に示すように、例えばチャンス目CB1(「1・2・3」)が停止する。さらに、2回目の変動では、図36(E)、(F)に示すように、例えばチャンス目CB1(「1・2・3」)が停止するとともに、画像表示装置5における背景画像が昼をモチーフとした画像(通常の背景画像)から夜をモチーフとした背景画像(特殊な背景画像)に変化する。ここで停止するチャンス目をいずれとするかは、図22のステップS535において決定される。また、背景変化時の変動中である図36(E)の状態で、何らかの背景変化を予告する演出(例えば、キャラクタ予告やボタン予告等)が行われるようにしてもよい。また、1回目に停止するチャンス目をCA1(「1・1・2」)のようなズレ目とし、2回目に停止するチャンス目をCB1(「1・2・3」)のような順目としてもよい。また、ズレ目が2回続くようにしてもよい。
さらに、ターゲットまでに停止するチャンス目の種類(ズレ目、順目)の組み合わせ(たとえば、「ズレ目→ズレ目→順目」と、「ズレ目→順目→順目」と、「順目→順目→順目」との違い)に応じて、大当りあるいは確変大当りなどが発生することに対する期待度が異なるように、ターゲットまでに停止するチャンス目の種類(ズレ目、順目)の組み合わせを予め決定するようにしてもよい。
そして、先読み予告演出が開始されてから3回目の変動では、図36(G)、(H)に示すように、例えばチャンス目CB2(「2・3・4」)が停止する。このときも引き続き通常の背景である昼の背景とは異なる夜の背景変化が継続される。
その後、先読み予告演出が開始されてから4回目の変動(ターゲットとなる変動)では、図36(I)、(J)に示すように、「中」の飾り図柄表示エリア5Cに、「ペリカン」の擬似連図柄5GBが仮停止する。この擬似連予告は図28のSA21において決定されている。この例では、先読み予告パターンが「移行パターン」のときに、擬似連回数が1回と決定されている。
続いて、擬似連演出終了後の変動では、決定された変動パターンに応じた変動が実行される。ここでは、大当りの変動パターンであることに対応して、図36(K)〜(M)に示すように、変動が開始されてからリーチとなって、大当り組合せを構成する飾り図柄が停止する。
図34〜図36に示したように、擬似連図柄は、通常の飾り図柄の変動には無い特殊な図柄であり、本実施の形態では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの内、中央の5Cに擬似連図柄が仮停止するようになっている。このように、擬似連図柄を通常の飾り図柄とは区別することで、遊技者に擬似連の発生を容易に認識させることが可能となる。また、擬似連図柄は、「チャンス目パターン」と「チャンス目+背景パターン」および「移行パターン」とでは異なっている。つまり、背景変化が行われる変動パターンでは、擬似連図柄が特殊なものとなり、遊技者は擬似連回数の継続に期待を持つことができる。
なお、本実施の形態では先読み予告演出の後のターゲットの可変変動で擬似連の発生が行われるような場合を想定しているが、先読み予告が無くいきなりターゲットの可変変動が行われるような場合にも、擬似連演出が開始されるようにしてもよい。このような場合は、先読み予告がある場合の擬似連図柄と異なった図柄を表示してもよく、通常の図柄を使用するようにしてもよい。このように、先読み予告がある場合と無い場合で、擬似連図柄の態様を変えることで、先読み予告がある場合の遊技者の期待度をさらに向上させることができる。
また、「擬似連」の可変表示演出は、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、例えば3回まで行うことができるものを示したが、擬似連回数を4回以上としてもよい。また、本実施の形態では、ターゲットの可変表示において擬似連演出が実行された後にリーチ演出が行われる。このリーチ演出として、大当り期待度に応じた複数種類のリーチ演出を予め用意してもよい。さらに、ターゲットの可変表示での擬似連回数が多くなるほど、大当り期待度の高いリーチ演出が選択されるようにしてもよい。このようなリーチ演出の選択は、たとえば、演出制御用CPU120が行うようにすることが考えられる。このようにすると、擬似連回数が多いほど高信頼度のリーチ演出が行われることになる。その結果、遊技者を擬似連演出に注目させることができ、遊技の興趣が向上する。
以上のように、「移行パターン」の先読み予告演出では、チャンス目が停止する先読み予告から、チャンス目が停止するとともに通常とは異なる特殊な背景画像の先読み予告へと移行するので、その演出の態様から大当りとなる可能性やリーチとなる可能性を予告することができる。
なお、チャンス目が停止する停止図柄予告が実行された後にチャンス目+背景変化予告が実行されなかった場合には、先読み予告演出の中で最も大当り信頼度は低いものとなるが、チャンス目が停止する停止図柄予告が実行された後にチャンス目+背景変化予告が実行された場合には、大当り信頼度が高くなる。このように、信頼度が低いことを示す演出態様から信頼度の高いことを示す演出態様に変化する「移行パターン」を設けることで、信頼度の低いパターンの先読み予告演出が実行された場合であっても、遊技者の期待感を維持することができ、遊技の興趣が向上する。
また、本実施の形態では、先読み予告演出の態様は入賞の発生時(始動入賞時)に決定されており、擬似連演出の態様は変動の開始時に決定されている。つまり、先読み予告パターンの演出は、図19に示す先読み予告決定処理の中で行われるステップS710の先読み予告の有無と先読み予告パターンを決定する処理において決定されているが、擬似連演出の態様は、図22に示す可変表示開始設定処理の中で行われるステップS529の変動中予告演出決定処理の中(図28の擬似連予告決定処理)で決定される。
ここで、擬似連演出の態様の決定を始動入賞時に行うと、ターゲットの可変表示の順番が来るまで、擬似連演出の情報を保持しておかなければならなくなり、管理が煩わしくなるおそれがある。
よって、本実施の形態では、擬似連演出の態様をターゲットの変動開始時に行うことにより、背景変化を伴っているかどうか(通常の背景画像か特殊な背景画像かどうか)、つまり、先読み予告パターンの種類によって、変動開始時に判断できるので(図29の先読み予告パターンに対応した擬似連予告決定テーブル)、処理を持ち越さなくて良くなり、管理が煩わしくなることを防止できる。
また、このように、先読み予告演出の態様の決定と擬似連演出の態様の決定との処理タイミングが異なっているので、両処理が重なって処理が実行されなくなるような処理落ちの可能性を低減することができる。
なお、擬似連演出の態様は、図28に示す擬似連予告決定処理において決定され、そのときに図29の先読み予告パターンに対応した擬似連予告決定テーブルが使用される。ここで、擬似連図柄の種類は先読み予告パターンにより一義的に決まっている場合を示したが、ある一定の割合で必ずしも100%とならないようにしてもよい。例えば「チャンス目パターン」のとき95%はにわとりの図柄になるが、5%は「ペリカン」の図柄になるようにしてもよい。また、擬似連図柄の種類を複数に増やし、擬似連回数、先読み予告パターンによって、複数種類の中から擬似連図柄が選ばれるようにしてもよい。
以上説明したように、上記実施の形態のパチンコ遊技機1では、大当り信頼度の低い通常の連続演出が開始された場合でも、連続演出中の態様によって、大当り信頼度が高い特別な連続演出に移行する場合があるので、遊技者に次回の変動に対して期待を抱かせることができ、遊技の興趣が向上する。
また、擬似連図柄は通常の演出には含まれない図柄であるので、遊技者は擬似連演出の実行を容易に認識することが可能となる。
また、先読み予告演出の態様は入賞の発生時に決定されており、擬似連演出の態様は変動の開始時に行われており、先読み予告演出の態様の決定と擬似連演出の態様の決定との処理タイミングが異なっているので、両処理が重なって処理が実行されなくなるような処理落ちの可能性を低減することができる。
また、この実施の形態では、キャラクタ予告やステップアップ予告に比べ操作予告の特別演出が実行される場合に移行パターンが選択される割合が高くなっている。このような場合、遊技者は特別演出の態様によって背景変化を伴う特別な先読み予告演出への移行の可能性を容易に認識することができる。
また、チャンス目が、ズレ目と順目とで、移行パターンに変化する割合が異なる。よって、いずれのチャンス目が停止したかを遊技者に注目させることができ、遊技の興趣が向上する。さらに、大当り信頼度の低いズレ目が停止した場合でも、背景変化を伴う移行パターンとなる割合が高いので、期待度の低い場合でも次の先読み予告に期待を持つことができる。
また、背景変化タイミングが複数種類あり、大当り信頼度は、変動開始時より、変動終了時の方が高くなっている。このように、背景変化のタイミングが複数容易されていることで、遊技者はチャンス目停止以降の変動で、背景変化が起こるかもしれないと期待することができ、さらにその期待感は背景変化タイミングが遅いほど長い間保つことができる。
また、先読み予告決定処理では、ステップS707にて始動入賞時のコマンドを正常に受信できなかったと判定したときに、ステップS710の処理を実行しないことで、先読み予告演出を実行しないように制限される。これにより、例えば第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数が増加したことを認識可能に指定する保留記憶情報としての保留記憶数通知コマンドを正常に受信することができなかったときには、先読み予告演出の実行を制限することができ、信憑性の低い情報に基づいて先読み予告演出が実行されてしまうことを防止できる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 本実施の形態に係る遊技機は、遊技状態を制御する遊技状態制御手段と、前記遊技状態制御手段から送信されるコマンドに基づいて前記可変表示装置を表示制御する可変表示制御手段とを含む。前記遊技制御手段は、始動領域への玉の進入を条件として前記可変表示装置の表示結果を特定するための乱数抽選に用いる抽選情報を取得して保留情報として記憶する。前記遊技制御手段は、前記保留情報に基づいた前記可変表示装置の表示結果に関する情報を前記コマンドとして前記可変表示制御手段へ送信する。
前記可変表示制御手段は、前記保留情報に基づく可変表示が実行される前の複数回の可変表示に亘って、連続した予告演出を実行する予告演出実行手段と、前記保留情報に基づく可変表示において結果を導出表示させる前に前記識別情報を仮停止させてから可変表示を再開させる再可変表示を所定回実行する再可変表示実行手段とを含む。前記再可変表示実行手段は、前記可変表示装置の表示結果が前記特定表示結果であるか否かに応じて異なる割合で再可変表示の回数を決定する再可変表示回数決定手段を含む。さらに、前記再可変表示実行手段は、前記可変表示装置の表示結果が前記特定表示結果であるか否かに応じて異なる割合で再可変表示の再に仮停止する仮停止態様を決定する仮停止態様決定手段を含む。
(2) この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、上記実施の形態では、図20に示すように、先読み予告演出のパターン(先読み予告パターン)として、複数回の可変表示に亘って画像表示装置5に画像表示装置5に予め定められたチャンス目が停止する先読み予告パターンである「チャンス目パターン」と、表示装置5における背景画像が通常の背景画像から特殊な背景画像に変化し、予告の対象となる可変表示が実行されるまでその特殊な背景画像となるとともにチャンス目が停止される先読み予告パターンである「チャンス目+背景パターン」と、画像表示装置5に予め定められたチャンス目が停止した後に、表示装置5における背景画像が通常の背景画像から特殊な背景画像に変化し、予告の対象となる可変表示が実行されるまでその特殊な背景画像となるとともにチャンス目が停止される先読み予告パターンである「移行パターン」と、が設けられていた。
先読み予告演出のパターンはこれらに限定されず、これら以外の先読み予告演出のパターンが設けられていてもよい。例えば、4回の変動に亘って実行される先読み予告演出の先読み予告パターンとして、1回目の変動においてズレ目が停止し、2回目の変動において順目が停止し、3回目の変動において順目が停止するとともに背景画像が特殊な背景画像に変化し、4回目の変動においては継続して特殊な背景画像において変動が実行されるものがあってもよい。このような先読み予告パターンを設けることで、大当り信頼度が段階的にステップアップしていくような演出が可能になり、演出態様の変化に遊技者を注目させることができ、遊技の興趣が向上する。
(3) 上記実施の形態では、先読み予告パターンを決定することで、複数回の変動に亘って実行される先読み予告演出の演出態様を決定するようにしていたが、結果として上記実施の形態と同様の先読み予告演出を実行する制御が行われていればよく、先読み予告演出の演出態様の決定方法は上記実施の形態の方法に限定されない。
例えば、先読み予告演出の対象となる変動(ターゲットの変動)が実行されるまでの複数回の変動において、先読み予告演出の対象となる変動の表示結果や変動カテゴリに基づいて、いずれの演出態様の先読み予告演出を実行するかを変動毎に決定するようにしてもよい。具体的には、先読み予告演出の対象となる変動の表示結果が「大当り」となる場合には、より大当り信頼度の高い演出態様の先読み予告演出が実行されやすくなっていればよい。この場合においては、前回の変動における演出態様を記憶しておき、前回の変動の演出態様より大当り信頼度が低い演出態様の先読み予告演出が実行されないようにすることが好ましい。このようにすることで、先読み予告演出(連続演出)が進むにつれて、大当り信頼度が低下するような演出が実行されることを防止できる。
また、先読み予告パターンが「移行パターン」である場合に、先読み予告演出の対象となるターゲットの変動カテゴリが「非リーチハズレ」、「リーチハズレ」、「突確・小当り」、「大当り」のいずれであるかに応じて異なる割合で背景の変化タイミング(たとえば、図31に示したt1〜t4)を決定するようにしてもよい。
また、ターゲットの変動カテゴリが「大当り」である場合に先読み予告パターンとして移行パターンが選択された場合には、背景の変化タイミングが図31のt1〜t4のうち、t3の「変動終了時」と決定されやすくしてもよい。このような設定により、「チャンス目+背景パターン」の先読み予告において背景画像が変化するタイミングが変動終了時である場合の大当り信頼度を、それ以外、たとえば、変動開始時である場合の大当り信頼度よりも高くすることができる。その結果、変動開始時に背景画像が変化しなかった場合でも、遊技者は変動終了時に背景画像が変化して、大当り信頼度が高くなることを期待できるようになるので、遊技者の期待感をより高めることができる。
あるいは、逆に、ターゲットの変動カテゴリが「大当り」である場合に先読み予告パターンとして移行パターンが選択された場合には、背景の変化タイミングが図31のt1〜t4のうち、t1の「変動開始時」と決定されやすくしてもよい。このようにすることで、遊技者に早い段階で大当りに対する期待感を抱かせることができ、変動の開始時に遊技者を注目させることができる。
または、ターゲットの変動カテゴリに関わらず、先読み予告パターンとして移行パターンが選択された場合には、背景の変化タイミングが図31のt1〜t4のうち、t1の「変動開始時」と決定されやすくしてもよい。
なお、先読み予告パターンが移行パターンの場合にのみ、背景画像の変化タイミングを決定しているようにしているが、先読み予告が「チャンス目+背景パターン」の場合にも背景画像の変化タイミングを図31のt1〜t4のうちから決定するようにしてもよい。
(4) また、上記実施の形態では、先読み予告演出の場合にチャンス目として、ズレ目と順目を用いて説明したが、偶数目の組み合わせ(2、2、4)や、“ム・サ・シ“などのゴロの組み合わせ(6、3、4)等のそれぞれが区別可能な予め定められた組合せ目をチャンス目としてもよい。また、ズレ目と順目とで、「移行パターン」への移行割合が異なるものを説明したが、ズレ目と順目とで、ターゲットの変動の後に確率変動制御が行われる可能性(確変期待度)を異ならせたり、潜伏確変の期待度が異なるようなものでもよい。
なお、ここでいう潜伏確変とは、確率変動制御が行われていることを遊技者が特定できないあるいは特定し難いような遊技状態である。たとえば、大当り確率のみを向上させ、時間短縮制御(時短制御)を行わないように遊技状態を制御することによって潜伏確変を発生させることができる。
(5) また、ターゲットの可変表示結果が「リーチハズレ」、「大当り」のいずれに決定されているかによって、ターゲットの可変表示で擬似連が実行されるか否かの割合が異なるようにしてもよい。さらに、ターゲットの可変表示結果が「リーチハズレ」、「大当り」のいずれに決定されているかによって、ターゲットの可変表示で擬似連を実行する際の仮停止回数が異なるようにしてもよく、あるいは、仮停止回数の選択率が異なるようにしてもよい。
具体的には、ターゲットの可変表示結果が「大当り」である場合には、ターゲットの可変表示結果が「リーチハズレ」である場合よりも、擬似連が実行される割合が高くするようにすることが考えられる。このようにすることにより、擬似連演出を実行することで、可変表示結果が「大当り」となることを予告・示唆することができる。
(6) また、「キャラクタ予告」、「ステップアップ予告」、「操作予告」の各特別演出は、変動開始から変動終了までのそれぞれ異なるタイミングで実行されるようにしてもよい。具体的には、「操作予告」の実行タイミングが最も早く、「キャラクタ予告」の実行タイミングが最も遅くなるようにしてもよい。このような場合、特別演出の演出態様のみならず、その実行タイミングによっても大当り信頼度が異なるようにすることができる。また、「チャンス目パターン」の先読み予告演出が実行されているときには、特別演出の実行タイミングによって、背景変化予告が実行されることを遊技者に示唆することができ、遊技の興趣が向上する。
また、先読み予告演出における順目とズレ目とで期待度を異ならせる対象を大当りの中でも確率変動を伴う確変大当りとする一方、先読み予告演出としての特別演出パターンがキャラクタ予告であるかステップアップ予告であるか操作予告であるかによって期待度を異ならせる対象を大当り(確変大当りと通常大当りとを含む)としてもよい。
(7) なお、上記実施の形態では、擬似連予告中に仮停止する中図柄はペリカンとにわとりの2種類であり、いずれか一方が各仮停止段階で連続して停止する。しかしながら、擬似連予告中の仮停止の毎に仮停止図柄が変化するようにしてもよい。この場合、仮停止する擬似連図柄はペリカンとにわとりの2種類ではなく、3種類以上としてもよく、それらの3種類以上の図柄の中から仮停止図柄が決定されるようにしてもよい。この場合、擬似連図柄の種類と大当り期待度とが関連するように、仮停止させる擬似連図柄の種類を決定してもよい。
(8) また、上記実施の形態の停止図柄予告は、画像表示装置5の「中」の飾り図柄表示エリア5Cに、「にわとり」や「ペリカン」などのキャラクタ画像が停止するものであったが、飾り図柄表示エリアの少なくとも一部に、通常使用される飾り図柄とは異なる、連続予告演出用の特殊な図柄が停止するものであればよく、その位置は「中」には限られない。例えば、3回の再変動で1回目は「左」、2回目は「中」、3回目は「右」という組み合わせであってもよい。
(9) また、キャラクタ画像が停止するものではなく、予め定められた飾り図柄の組合せが停止するものであってもよい。この場合、先読み予告で停止するチャンス目図柄とは異なる組み合わせであることが好ましい。そして、先読み予告演出と擬似連演出とで、音声を出力する演出、ランプを点灯させる演出、飾り図柄に特殊な動作をさせる演出、飾り図柄に特殊なエフェクトを付加する演出、飾り図柄以外の表示による演出、遊技領域に設けられた演出用可動物を動作させる演出、停止した図柄の前をキャラクタが通過するなどの演出や、これらを組み合わせた演出等を異なるようにしてもよい。
(10) また、上記実施の形態では、ターゲットの可変表示の前の先読み予告中に停止するチャンス目が順目の場合の方がズレ目の場合よりも、ターゲットの可変表示結果が大当りとなる信頼度が高い。一方、チャンス目が停止するものの背景変化がないパターンから、チャンス目が停止しかつ背景変化も生じるパターンへと移行する割合は、前者のパターンにおいて停止するチャンス目がズレ目の場合の方が順目の場合よりも高い。
しかしながら、これとは逆に、大当り信頼度の高い図柄(順目)がチャンス目として停止した場合の方が、大当り信頼度の低い図柄(ズレ目)がチャンス目として停止した場合よりも、その後に背景変化を伴うパターンに移行する割合が高くなるようにしてもよい。このようにすることで、遊技者は信頼度の高い態様の図柄(順目)が停止した場合には、さらに信頼度の高い背景変化を伴う演出に発展することを期待できるようになり、遊技の興趣が向上する。
(11) また、上記実施の形態では、先読み予告パターンが「移行パターン」よりも「チャンス目+背景パターン」の方が、大当り信頼度が高くなっていたが(図20参照)、これとは逆に「移行パターン」の方が、「チャンス目+背景パターン」よりも大当り信頼度が高くなるようにしてもよい。このようにすることで、先読み予告最初の変動でチャンス目のみが停止した場合から背景変化を伴う演出へ移行した場合の遊技者の期待感を向上させることが可能となる。
(12) また、上記実施の形態では、図31に例示したように、背景変化の移行タイミングとして、変動開始時、変動中、変動停止時、変動停止後の場合を想定したが、移行タイミングはこれらの場合に限られない。また、移行タイミングは図31に示したt1〜t4の4つに限られない。たとえば、左、右、中の第1〜第3図柄が順次停止(たとえば、左、右、中の順で停止)するような場合において、第1図柄が停止したとき、あるいは第2図柄が停止したときに背景変化を生じさせるようにしてもよい。あるいは、変動開始時、変動終了時などの2つのタイミングのみで行われるようにしてもよい。
(13) また、本実施の形態では先読み予告中の背景変化によってターゲットの可変表示結果が大当りとなる信頼度を異ならせるようにした。しかしながら、これに代えて、先読み予告中の背景変化によってターゲットの可変表示結果が確変となる期待度を異ならせるようにしてもよく、あるいは、大当りが発生したときの大当り状態で付与されるラウンド数の違いを示唆するようにしてもよい。または、大当り後の時短の回数の違いを示唆するようにしてもよい。その他、先読み予告中の背景変化によって潜伏確変の期待度が向上したり、大当り信頼度の高いリーチの発生率が向上するようにしてもよい。
また、先読み予告中の背景変化によってターゲットの可変表示において発生するリーチの信頼度(リーチ種別毎の信頼度)やターゲットの可変表示において発生する当り種別(大当り、小当たり、確変大当り、通常大当り)となるかを予告・示唆することができる。
(14) また、背景変化は先読み予告では生じさせずにターゲットの可変表示において生じさせるようにしてもよい。つまり、先読み予告演出においてチャンス目パターン(背景変化なし)を実行し、ターゲットの可変表示中の擬似連演出において背景変化に発展させるようにしてもよい。このようにすると、背景変化に対する遊技者の期待をターゲットの変動まで維持することが可能となる。
(15) また、本実施の形態では、識別情報の表示結果を示唆する特別演出の種類として、キャラクタ予告と、ステップアップ予告と、操作予告とを例示した。しかしながら、特別演出のパターンは、上記実施の形態のものに限定されず、同様の特別演出に複数のパターンがあるようなものにしてもよい。例えば、同様のステップアップ予告であっても複数のパターンがあるようにすることが考えられる。複数のパターンとは、たとえば、「第1態様から第2態様にステップアップし、さらに第2態様から第3態様にステップアップするパターン」と、「第1態様から第2態様にステップアップし、第2態様から第3態様にステップアップしないパターン」と、「第1態様のままで第2態様にステップアップしないパターン」である。また、このような複数のパターンの中でターゲットの大当り信頼度が変わるようなものとしてもよい。また、操作予告として、プッシュボタン31B、スティックコントローラ31A以外のものがあってもよいし、それぞれで先読み予告パターンを変更させたり、大当り信頼度が変わるようにしてもよい。
(16) また、先読み予告演出として、メモリ予告を行うようにしてもよい。メモリ予告とは、ターゲットの可変表示結果が大当りである可能性を保留記憶表示を用いて遊技者に示唆する予告である。たとえば、4つの保留記憶のうちの4番目がターゲットであれば、横並びにした4つの保留記憶画像のうちの4番目の保留記憶に対応する画像を通常とは異なる態様で表示することによって、その保留記憶が大当りである可能性を示唆する。具体的には、通常の保留記憶画像は通常表示態様(○形状)とし、大当りを示唆するターゲットの保留記憶画像は大当り信頼度の違いに応じた強予告表示態様(☆形状)または弱予告表示態様(△形状)で表示する。
先読み予告演出として、このようなメモリ予告を採用した場合には、上記の実施の形態として説明したチャンス目を併せて採用してもよく、あるいは、チャンス目は採用しないようにしてもよい。チャンス目を採用しないようにした場合には、上記実施の形態で説明したチャンス目の機能をメモリ予告としてのターゲットの保留記憶画像で発揮させるとよい。つまり、順目の代わりに強予告表示態様(☆形状)を採用し、ズレ目の代わりに弱予告表示態様(△形状)を採用すればよい。
この場合、複数種類の第1予告演出のうちの第1態様(弱予告表示態様(△形状))が表示された場合よりも第2態様(強予告表示態様(☆形状))が表示された場合の方が前記可変表示の結果が前記特定表示結果となる割合(大当り信頼度)が高くなり、かつ、前記第2態様(強予告表示態様(☆形状))が表示された場合よりも前記第1態様(弱予告表示態様(△形状))が表示された場合の方が前記第1予告演出の後に前記第2予告演出に移行する(「移行パターン」、通常の連続演出から特別な連続演出に移行)割合が高くなるように、第1予告演出を実行することになる。
また、先読み予告演出として、メモリ予告とチャンス目との双方を併せて採用した場合の上記第1態様および第2態様として、メモリ予告の態様とチャンス目の態様との組合せとすることが考えられる。たとえば、チャンス目としてズレ目を停止するとともにそのズレ目を停止した可変表示においてメモリ予告としてたとえば強予告表示態様(☆形状)を表示する第1態様と、チャンス目として順目を停止するとともにその順目を停止した可変表示においてメモリ予告としてたとえば強予告表示態様(☆形状)を表示する第2態様とを採用することが考えられる。
あるいは、チャンス目としてズレ目を停止するとともにそのズレ目を停止した可変表示においてメモリ予告としてたとえば弱予告表示態様(△形状)を表示する第1態様と、チャンス目として順目を停止するとともにその順目を停止した可変表示においてメモリ予告としてたとえば弱予告表示態様(△形状)を表示する第2態様とを採用することが考えられる。その他、これらチャンス目とメモリ予告との様々な組合せによって上記第1態様、第2態様等の複数種類の態様を構成可能である。
このように、チャンス目予告、メモリ予告といった系統の異なる複数の連続演出を組み合わせて通常の連続演出としてもよい。このように、系統の異なる予告を複数設けることによって、演出の幅を広げることができる。
(17) また、上記実施の形態では、「操作予告」としてプッシュボタン31B、スティックコントローラ31Aを想定したが、「操作予告」はこれらに限定されず、たとえば回転型セレクタのような回転操作が可能なものであってもよいし、タッチパネルのように接触操作や押圧操作が可能なものであってもよい。また、プッシュボタン31Bに代えて、たとえば赤外線センサやCCDセンサ、CMOSセンサのように、遊技者による所定の操作行為を検出できるセンサを用いてもよい。すなわち、プッシュボタン31Bは、遊技者による所定の操作行為を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるものであればよい。
(18) 通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後、大当り遊技状態におけるラウンドの実行中など、大当り遊技状態であるときに、確変状態に制御するか否かを報知する大当り中昇格演出を実行する場合において、当該大当り中昇格演出として、大当り遊技状態中に画像表示装置5において飾り図柄と同様の図柄を可変表示させて、同一の図柄が有効ライン上に揃った場合、確変大当りとなる演出を実行するようにしてもよい。
このようにすることで、大当り中昇格演出を飾り図柄の可変表示ゲームと同様の態様で実行することができ、遊技者が遊技の進行を認識しやすくなる。この場合、そのような大当り中昇格演出は、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでのインターバル期間に実行するか、ラウンド中に実行する場合に遊技球の発射を継続する旨の報知を併せて行うことが好ましい。これにより、遊技者が大当り遊技状態が終了したものと誤認して、遊技球の発射を止めてしまって、時間経過によりラウンドが終了してしまうなど、遊技者への不利益が生じることを防止できる。
(19) 上記実施の形態では、現在の遊技状態によらず、先読み予告演出が実行され得るようになっていたが、時短制御中(高ベース状態)である場合には先読み予告演出を実行しないようにしてもよい。例えば、上記実施の形態では、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるため、高ベース状態において第1始動入賞の発生に基づく先読み予告演出した場合、可変表示結果が「大当り」となる保留データなどを保持した状態で多数回の可変表示を継続して実行することができてしまう可能性があるので、高ベース状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の発生に基づく先読み予告演出のみを実行し、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動入賞の発生に基づく先読み予告演出を実行しないように制限してもよい。
(20) 保留記憶情報としての保留記憶数通知コマンドを正常に受信することができなかったときに先読み予告演出の実行を制限することに代えて、あるいはこれとともに、始動入賞の発生に基づいて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを用いて可変表示結果が「大当り」に決定されると判定されたときには、その判定の対象となった可変表示における表示結果に基づき制御された大当り遊技状態が終了するまでの期間内に発生した始動入賞に基づく先読み予告演出の実行を制限してもよい。これにより、始動入賞が発生したときの遊技状態に応じて可変表示結果や変動カテゴリを判定した結果に基づいて先読み予告演出が実行される場合に、その演出内容の整合性を保ちつつ、遊技興趣を向上させることができる。
(21) 図29に示したように、本実施の形態では、ターゲットの変動の前の変動で先読み予告がされない場合に擬似連が発生したときの擬似連図柄(仮停止図柄)を通常図柄としたが、ある確率で、にわとりあるいはペリカンの図柄も出ることがあるようにしてもよい。その場合には表示結果が大当りに事前決定されている場合、あるいは表示結果が確変大当りに事前決定されている場合に、表示結果が外れに決定されている場合よりも高い確率でにわとりあるいはペリカンの図柄が選択されるようにすることが考えられる。
(22) 図29に示したように、本実施の形態では、先読み予告パターンの有無およびそのパターン別に擬似連回数がある確率で決定される。これは、たとえば、先読み予告パターンの有無およびそのパターン別に定められた当選範囲を有するテーブルを記憶しておき、抽選により得られた乱数と当選範囲とを比較する制御によって実現される。
しかしながら、このような制御に代えて、先読み予告パターンの有無およびそのパターン別に擬似連回数を対応させたテーブルを記憶しておき、先読み予告パターンの有無およびそのパターンが決定されると、擬似連回数が一義的に定まるような制御としてもよい。このような制御をする場合には、擬似連図柄を次のように決定してもよい。すなわち、ターゲットの変動を開始する前までに背景が切り替わっているか否かを判定し、背景が切り替わっている場合には擬似連図柄をペリカンに決定し、背景が切り替わっていない場合には擬似連図柄をにわとりに決定する。あるいは、背景が切り替わっている場合には擬似連図柄を高確率(たとえば、80%)でペリカンに決定する一方、低確率(たとえば、20%)でにわとりに決定する。これに対して、背景が切り替わっていない場合には擬似連図柄を高確率(たとえば、80%)でにわとりに決定する一方、低確率(たとえば、20%)ペリカンに決定する。
(23) また、図14に示すステップS403の処理では、ステップS402の処理にて選択された特図表示結果決定用テーブルデータを用いた判定を行う。このように、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かの判定に用いられる大当り判定範囲を示す大当り判定用データとして、遊技状態が確変状態(高確状態)ではないときに所定数の大当り判定値を含んだ通常判定用データと、遊技状態が確変状態であるときに所定数よりも多数の大当り判定値を含んだ特別判定用データとが設けられ、始動入賞が発生したときの遊技状態が確変状態ではないときに通常判定用データを用いて可変表示結果を判定する一方、始動入賞が発生したときの遊技状態が確変状態であるときには特別判定用データを用いて可変表示結果を判定する。ここで、遊技状態が確変状態であるときに、始動入賞の発生に基づいて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを用いて可変表示結果が「大当り」に決定されると判定するとともに、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを用いて大当り種別が「非確変」に決定されて大当り遊技状態の終了後には確変制御が行われないと判定したときには、その判定の対象となった可変表示における表示結果に基づき確変制御が終了するまでの期間内に発生した始動入賞に基づく先読み予告演出の実行を制限してもよい。これにより、確変制御が終了するにもかかわらず、確変状態に対応した特別判定用データを用いて可変表示結果が「大当り」に決定される旨の判定結果に基づく先読み予告演出が実行されてしまうことを防止して、演出内容の整合性を保つことができる。
(24) 上記実施の形態では、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第1特図を用いた特図ゲームが実行され、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第2特図を用いた特図ゲームが実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかにかかわらず共通の特別図柄を用いた特図ゲームが実行されるものであってもよい。
(25) その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
(26) 加えて、本発明の遊技機は、遊技者に景品として遊技球が払い出され、遊技者は払い出された遊技球(貸し球の場合もある)を遊技領域に発射して遊技が行われる遊技機であったが、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点または遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
即ち、遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示手段を備え、当該可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技が行われ、遊技球の打ち込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用できる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読み出しを行う遊技用記録媒体処理手段を備えていてもよい。
(27) 本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。