以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、特別図柄の可変表示に同期した飾り図柄の可変表示を行う飾り図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。飾り図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の識別情報を、例えば上から下に移動するように可変表示する。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L,9C,9Rがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、特別図柄表示器8で特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、特別図柄表示器8は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。
演出表示装置9の下方には、始動入賞口に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、特別図柄表示器8での可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。なお、保留記憶数が上限数(例えば4)に達しているときに始動入賞口に遊技球が入賞しても、その始動入賞は無効始動入賞になる。すなわち、その始動入賞は、可変表示の実行条件である始動条件を成立させない。
また、演出表示装置9の表示画面には、保留記憶数を表示する領域(以下、保留記憶表示部18cという。)が設けられている。なお、特別図柄保留記憶表示器18が設けられているので、保留記憶表示部18cは、設けられていなくてもよい。
特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間が経過すると表示結果(停止図柄)を停止表示する。
特別図柄表示器8において、特別図柄の可変表示が開始された後、所定時間(変動時間)が経過すると、特別図柄の可変表示結果である停止図柄を停止表示する。大当りにすることに決定されている場合には、特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示される。小当りにすることに決定されている場合には、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示される。はずれにすることに決定されている場合には、大当り図柄や小当り図柄以外の特別図柄が停止表示される。大当り図柄が停止表示された場合には、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、小当り図柄が停止表示された場合には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。この実施の形態では、一例として、「1」、「3」、「7」を示す数字を大当り図柄とし、「5」を示す数字を小当り図柄とし、「−」を示す記号をはずれ図柄にする。
この実施の形態では、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄を15ラウンド大当り図柄にする。「1」の数字を示す特別図柄を2ラウンド大当り図柄にする。特別図柄表示器8に15ラウンド大当り図柄が停止表示された場合には、可変入賞球装置20における開閉板が、所定期間(例えば、29秒間)または所定個数(例えば、10個)の入賞球が発生するまでの期間、開放状態になって、可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが開始される。15ラウンド大当り状態では、ラウンドの回数は第1回数(例えば、15)である。以下、ラウンドの回数が第1回数である大当り遊技状態を15ラウンド大当り状態ともいう。
また、特別図柄表示器8に2ラウンド大当り図柄が停止表示された場合には、ラウンドの回数が第2回数(例えば、「2」)である大当り遊技状態(2ラウンド大当り状態)に移行する。また、2ラウンド大当り状態では、各ラウンドの期間は、15ラウンド大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば、0.5秒間)になる。また、2ラウンド大当り状態では、ラウンドの実行回数が、15ラウンド大当り状態における第1回数よりも少ない第2回数(例えば、「2」)である。なお、2ラウンド大当り状態では、各ラウンドで大入賞口を開放状態とする期間が第2期間となることと、ラウンドの実行回数が第2回数となることのうち、少なくともいずれか一方が行われるように制御されればよい。なお、2ラウンド大当り状態では、各ラウンドで可変入賞球装置20とは別個に設けられた所定の入賞球装置を、遊技者にとって不利な第2状態から遊技者にとって有利な第1状態に変化させ、所定期間(第1期間または第2期間)が経過した後に第2状態へと戻すようにしてもよい。
また、大当り遊技状態が終了した後、時短状態に制御される。時短状態では、通常状態(確変状態や時短状態ではない状態)に比べて特別図柄の可変表示における特別図柄の変動時間が短縮される。時短状態は、例えば、所定回数(例えば、100回)の特別図柄の可変表示が実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了する。なお、大当り状態が終了した後に、時短状態にせずに通常状態になるようにしてもよい。
確率状態を確変状態に制御することに決定されている場合には、大当り遊技状態が終了した後、確率状態が確変状態に制御される。確変状態は、例えば、次に可変表示結果として大当り図柄が停止表示されるまで継続する。大当り遊技状態に制御することに決定されている場合に停止表示される特別図柄の停止図柄を、大当り図柄という。そして、大当り状態に制御しないことに決定されている場合に停止表示される特別図柄の停止図柄を、はずれ図柄という。
2ラウンド大当り状態が終了した後にも、確率状態が確変状態(高確率状態)に制御される。2ラウンド大当り状態が終了した後に制御される確変状態を、突然確変(突確)状態ともいう。
特別図柄表示器8に小当り図柄が停止表示された場合には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。小当り遊技状態では、2ラウンド大当り状態と同様に、可変入賞球装置20における開閉板が第2期間(例えば、0.5秒間)開放状態になって大入賞口が開放される。開放回数は第2回数(例えば、2)である。ただし、2ラウンド大当り状態とは異なり、確率状態は変更されない。すなわち、小当り遊技状態に制御される前の確率状態が継続する。ただし、時短状態の終了条件が成立する場合には、確率状態は低確率状態に制御される。なお、2ラウンド大当り状態における各ラウンドで可変入賞球装置20とは別個に設けられた入賞球装置を第1状態に変化させる場合には、小当り遊技状態でも、2ラウンド大当り状態の場合と同様に、その入賞球装置を第1状態に変化させる。
また、確変状態では、低確率状態(通常状態)に比べて、大当りに決定される確率が高くなっている。例えば、10倍になっている。具体的には、確変状態では、大当り判定用乱数の値と一致すると大当りにすることに決定される判定値の数が、低確率状態に比べて10倍になっている。また、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率が高められている。すなわち、第2始動入賞口14が開放しやすくなって、始動入賞が生じやすくなっている。具体的には、確変状態は、普通図柄当り判定用乱数の値と一致すると当りにすることに決定される判定値の数が、低確率状態に比べて多い。また、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めることに加えて、可変入賞球装置15の開放回数または開放時間を多くしたり、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間を多くしたりしてもよい。また、時短状態でも、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めたり、可変入賞球装置15の開放回数または開放時間を多くしたり、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間を多くしたりしてもよい。
演出表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄(演出図柄)の可変表示を行う。特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。特別図柄表示器8において大当り図柄が停止表示されるときと、演出表示装置9において大当りを想起させるような飾り図柄の組合せが停止表示される。
演出表示装置9の表示領域では、開始条件が成立したことにもとづいて、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動が開始され、例えば、「左」→「右」→「中」の順序で飾り図柄の停止図柄が停止表示される。なお、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアにおいて所定順序で飾り図柄を停止表示してもよいし、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアにおいて同時に停止図柄を停止表示してもよい。
飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアにおいて停止図柄が停止表示されるまでの期間(可変表示期間=変動時間)で、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。
また、飾り図柄の変動中に、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が大当り図柄になる可能性があることを、飾り図柄の可変表示態様などによって遊技者に報知するための特定演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」、「擬似連」といった特定演出が実行可能である。
擬似連演出では、特別図柄の可変表示の開始条件が1回成立したことにもとづいて、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて飾り図柄を変動させてから、全ての図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて飾り図柄を仮停止表示させた後、全ての図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて飾り図柄を再び変動(再変動または擬似連変動という。)させる演出表示を、所定回(例えば、最大4回まで)行う。
演出表示装置9の周囲の飾り部において、右側には、3つの右演出LED85Rが設けられ、左側には、3つの左演出LED85Lが設けられている。右演出LED85Rおよび左演出LED85Lは、特定演出としての擬似連の演出(1回の変動期間中におけるそれぞれの再変動期間(初回変動の期間も含む。)において関連する表示演出が実行されるような演出)が実行される場合に点灯したり点滅したりする。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、特別図柄表示器8に特定表示結果(大当り図柄)が停止表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
演出表示装置9の上側には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、低確率状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(演出表示装置9等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている演出装置としての装飾発光体の一例である。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入り第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aで検出されると、特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、開始条件が成立したこと)、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、特別図柄および飾り図柄の可変表示は、始動入賞口への入賞に対応する。特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、保留記憶数を1増やす。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示(変動表示)する特別図柄表示器8、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾LED25や枠側に設けられている枠LED(天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28c)等の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出制御プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28(具体的には、天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28c)などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25、右演出LED85Rおよび左演出LED85Lに電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAM55をアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを演出制御基板80に送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次RAM55における作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)を演出制御基板80に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。なお、初期化処理において、CPU56は、客待ちデモンストレーション指定(デモ指定)コマンドも送信する。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう(ステップS15)。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターン等を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄の当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている可変表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通当り図柄決定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、特別図柄表示器8および大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示を実行する。
なお、ステップS32の処理で、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄の変動を開始するのではなく、特別図柄プロセスフラグの値が変動パターン決定後の特別図柄変動中処理を示す値(具体的には3)となった(または、表示結果特定コマンド送信処理を示す値(具体的には2)となった)ことにもとづいて、特別図柄の変動を開始するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄停止処理を示す値(具体的には4)となったことにもとづいて、特別図柄の変動を停止するようにしてもよい。そのようにすれば、開始フラグおよび終了フラグを不要とすることができ、RAM55の必要容量を低減することができる。
さらに、CPU56は、普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
なお、ステップS33の処理で、開始フラグがセットされたことにもとづいて普通図柄の変動を開始するのではなく、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄変動中処理を示す値となったことにもとづいて、普通図柄の変動を開始するようにしてもよい。そして、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄停止処理を示す値となったことにもとづいて、普通図柄の変動を停止するようにしてもよい。そのようにすれば、開始フラグおよび終了フラグを不要とすることができ、RAM55の必要容量を低減することができる。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
特別図柄表示器8および演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
特別図柄表示器8および演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、特別図柄表示器8に大当り図柄(例えば、「33」や「77」)が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
特別図柄表示器8に小当り図柄(例えば、「55」)が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。特別図柄表示器8に小当り図柄である「55」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、確率状態は変化しない。すなわち、確変状態から低確率状態に移行したり低確率状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の確率状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図6は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図6に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図6に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が2回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が2回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が4回行われる。
また、図6に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンが用意されている。なお、図6において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、突然確変大当りまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンである。また、図6に示すように、突然確変大当りまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が2回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が4回行われる。また、突然確変大当りまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3の変動パターンについては、再変動が2回行われる。
なお、この実施の形態では、図6に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2:変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3:変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5:ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
この実施の形態では、ランダム1の値は、図5に示すタイマ割込処理のステップS23の処理で、0〜39の範囲で1ずつカウントアップする。この実施の形態では、2ms毎にタイマ割込がかかるように構成されているので、ランダム1の値は、2ms毎に0〜39の範囲で1ずつカウントアップする。ランダム2の値は、図5に示すタイマ割込処理のステップS25の処理で、1〜251の範囲で1ずつカウントアップする。この実施の形態では、2ms毎にタイマ割込がかかるように構成されているので、ランダム2の値は、2ms毎に1〜251の範囲で1ずつカウントアップする。また、ランダム2の値は、図4に示すステップS17の処理でも1〜251の範囲で1ずつカウントアップする。つまり、ランダム2の値は、タイマ割込処理の余り時間(次のタイマ割込処理が発生するまでの時間)にも1〜251の範囲で1ずつカウントアップする。
この実施の形態では、ランダム3の値は、図5に示すタイマ割込処理のステップS25の処理で、1〜997の範囲で1ずつカウントアップする。この実施の形態では、2ms毎にタイマ割込がかかるように構成されているので、ランダム3の値は、2ms毎に1〜997の範囲で1ずつカウントアップする。また、ランダム3の値は、図4に示すステップS17の処理でも1〜997の範囲で1ずつカウントアップする。つまり、ランダム3の値は、タイマ割込処理の余り時間(次のタイマ割込処理が発生するまでの時間)にも1〜997の範囲で1ずつカウントアップする。ランダム4の値は、図5に示すタイマ割込処理のステップS23の処理で、3〜13の範囲で1ずつカウントアップする。この実施の形態では、2ms毎にタイマ割込がかかるように構成されているので、ランダム4の値は、2ms毎に3〜13の範囲で1ずつカウントアップする。
この実施の形態では、ランダム5の値は、図5に示すタイマ割込処理のステップS24の処理で、3〜13の範囲で1ずつカウントアップする。この実施の形態では、2ms毎にタイマ割込がかかるように構成されているので、ランダム5の値は、2ms毎に3〜13の範囲で1ずつカウントアップする。また、ランダム5の値は、図4に示すステップS18の処理でも3〜13の範囲で1ずつカウントアップする。つまり、ランダム5の値は、タイマ割込処理の余り時間(次のタイマ割込処理が発生するまでの時間)にも3〜13の範囲で1ずつカウントアップする。
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回未満の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動4回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
なお、この実施の形態では、後述するように、通常大当りや確変大当りである場合には、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、小当りや突然確変大当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、はずれである場合には、リーチも特定演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチも特定演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチを伴わないが特定演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−3と、ノーマルリーチおよび再変動3回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、ノーマルリーチおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−6とに種別分けされている。
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図8(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、低確率状態(確変状態でない確率状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図8(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図8(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図8(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図8(B)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。また、図8(B)に記載されている数値が小当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図8(B)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図8(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図8(B)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器8における停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器8における停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図8(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131を示す説明図である。具体的には、図8(C)は、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル131である。
大当り種別判定テーブル131は、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである。また、「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行されない(この実施の形態では、時短状態にのみ移行される)大当りである。
大当り種別判定テーブル131には、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図9(A)〜(C)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、特殊CA4−1、特殊CA4−2の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
例えば、大当り種別が「通常大当り」である場合に用いられる図9(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aと、大当り種別が「確変大当り」である場合に用いられる図9(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bとで、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3の変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。
このように、大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して判定値が割り当てられている。よって、大当り種別を複数種類のうちのいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができ、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
なお、図9(A),(B)に示すように、この実施の形態では、通常大当りまたは確変大当りである場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が150〜251であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、大当り種別が「突然確変大当り」である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定テーブル132Cでは、例えば、特殊CA4−1、特殊CA4−2といった大当り種別が「突然確変大当り」以外である場合には判定値が割り当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割り当てられている。よって、可変表示結果が「大当り」となり大当り種別が「突然確変大当り」となることに応じて2ラウンド大当り状態に制御する場合には、15ラウンド大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
また、図9(D)は、小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dを示す説明図である。小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図9(D)に示すように、小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として特殊CA4−1が決定される場合が示されている。
図10(A),(B)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A,135Bを示す説明図である。このうち、図10(A)は、確率状態が低確率状態であるとともに保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aを示している。また、図10(B)は、確率状態が確変状態または時短状態であるか、または保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bを示している。はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A,135Bは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
なお、この実施の形態では、保留記憶数が3未満である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Aと、保留記憶数が3以上である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Bとの2種類のテーブルのみを用いる場合を示しているが、はずれ変動パターン種別判定テーブルの分け方は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、保留記憶数の値ごとに別々のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ備えてもよい(すなわち、保留記憶数0個用、保留記憶数1個用、保留記憶数2個用、保留記憶数3個用、保留記憶数4個用のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、保留記憶数0〜2用、保留記憶数3用、保留記憶数4用のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A,135Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−3〜ノーマルCA2−5、スーパーCA2−6の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、図10(A),(B)に示すように、この実施の形態では、はずれである場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が230〜251であれば、確率状態や保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。つまり、この実施の形態では、保留記憶数にかかわらず、特定の変動パターン(この実施の形態では、スーパーリーチの変動パターン)とするか否かを入賞時に判定することができる。また、保留記憶数に応じて、他の変動パターン(例えば、非リーチの変動パターンや、ノーマルリーチの変動パターン)には、設定されている判定値が異なるので、各変動パターンの発生率や、変動時間を調整することもできる。
なお、この実施の形態では、図9および図10に示すように、現在の確率状態にかかわらず、共通の大当り用変動パターン種別判定テーブルやはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いる場合を示したが、現在の確率状態が確変状態であるか低確率状態であるかや、時短状態であるかに応じて、それぞれ別々に用意された大当り用変動パターン種別判定テーブルやはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。また、この実施の形態では、保留記憶数が3以上である場合に、図10(B)に示す短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるように構成する場合を示しているが、現在の確率状態に応じて短縮変動の変動パターンが選択されうる場合の保留記憶数の閾値を異ならせてもよい。例えば、確率状態が低確率状態である場合には、保留記憶数が3である場合に、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにし、確率状態が確変状態である場合や、時短状態である場合には、保留記憶数がより少ない1や2の場合でも、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにしてもよい。
図11(A),(B)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
なお、図11(A)に示す例では、変動パターン種別として、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う(スーパーリートとともに擬似連を伴う場合もある)変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている場合が示されている。また、図11(B)に示す例では、変動パターン種別として、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている場合が示されている。なお、図11(B)において、リーチの有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、擬似連や滑り演出などの特定演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。この場合、例えば、特殊CA4−1は、特定演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1と特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2は、特定演出を伴う特殊PG1−2、特殊PG1−3および特殊PG2−2を含むように構成してもよい。
図12は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138Aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
図13は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図13に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を停止表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を停止表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。
コマンド9501〜9504(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。入賞時判定結果指定コマンドには、入賞時判定結果がスーパーリーチ当りであったときに送信される入賞時判定結果1指定コマンド(コマンド9501(H))、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれであったときに送信される入賞時判定結果2指定コマンド(コマンド9502(H))、入賞時判定結果がノーマルリーチはずれであったときに送信される入賞時判定結果3指定コマンド(コマンド9503(H))、入賞時判定結果が非リーチはずれであったときに送信される入賞時判定結果4指定コマンド(コマンド9504(H)、および)、入賞時判定結果が非スーパーリーチ当りであったときに送信される入賞時判定結果5指定コマンド(コマンド9505(H))がある。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始指定2指定コマンドおよび小当り/突然確変大当り開始指定コマンドがある。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、通常大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、確率状態が低確率状態であることを指定する演出制御コマンド(低確率状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、時短状態(確変状態を含む)であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(始動入賞指定コマンド)である。
コマンドC1XX(H)は、保留記憶数を指定する演出制御コマンド(保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)における「XX」が、保留記憶数を示す。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図13に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり特別図柄表示器8において特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図14は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8および大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aまたは第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を停止表示するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。特別図柄表示器8における可変表示を停止して停止図柄を停止表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、確率状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図15は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理では、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aまたは第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち始動入賞が発生していたら、所定の乱数を抽出して記憶する処理等を行う。
始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、保留記憶数をカウントするための保留記憶数カウンタの値が上限値(この実施の形態では4)であるか否かを確認する(ステップS211)。保留記憶数カウンタの値が上限値であれば、処理を終了する。
保留記憶数カウンタの値が上限値になっていない場合には、CPU56は、第1始動口スイッチ13aがオンしたか否か確認する(ステップS212A)。すなわち、第1始動口スイッチ13aから検出信号が出力されているか否か確認する。第1始動口スイッチ13aがオンしていない場合には、ステップS212Bに移行する。第1始動口スイッチ13aがオンしている場合には、保留記憶数を示す保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213A)。また、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数(大当り種別判定用乱数(ランダム1),変動パターン種別判定用乱数(ランダム2):図7参照)を生成するためのカウンタから値を抽出し、抽出した乱数値として保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS214A)。保留記憶バッファにおいて、保存領域は、保留記憶数の上限値と同数確保されている。なお、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)も抽出して、保存領域に格納するようにしてもよい。また、ソフトウェア乱数を生成するためのカウンタや保留記憶バッファおよび保留記憶数カウンタは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
次いで、CPU56は、特別図柄保留記憶表示器18における表示数を1増やし(ステップS215A)、保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS216A)。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。
また、CPU56は、入賞時判定処理を実行する(ステップS217A)。そして、保留記憶数カウンタの値が上限値(この実施の形態では4)でなければ、ステップS212Bに移行する。
ステップS212Bでは、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否か確認する(ステップS212B)。すなわち、第2始動口スイッチ14aから検出信号が出力されているか否か確認する。第2始動口スイッチ14aがオンしていない場合には、処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオンしている場合には、保留記憶数を示す保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213B)。また、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数(大当り種別判定用乱数(ランダム1),変動パターン種別判定用乱数(ランダム2):図7参照)を生成するためのカウンタから値を抽出し、抽出した乱数値として保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS214B)。
次いで、CPU56は、特別図柄保留記憶表示器18における表示数を1増やし(ステップS215B)、保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS216B)。さらに、入賞時判定処理を実行する(ステップS217B)。
図16は、ステップS217A,S217Bの入賞時判定処理を示すフローチャートである。入賞時判定処理は、始動入賞について、その始動入賞にもとづく特別図柄および飾り図柄の変動が実際に開始される前に、大当りが生ずるか否か判定するとともに大当りの種別や変動パターン種別を判定する処理である。
入賞時判定処理において、CPU56は、ステップS214A,S214Bの処理で保存領域に記憶されたランダムRの値を読み出す(ステップS219A)。そして、ランダムRの値が大当り判定値(図8(A)参照)のいずれかと一致するか否か確認することによって、発生した始動入賞にもとづいて将来実行される可変表示において大当り図柄が停止表示されるか否か(すなわち、大当りになるか否か)判定する(ステップS219B)。ランダムRの値がいずれの判定値とも一致しない場合には(ステップS219BのN)、ステップS219Jの処理に移行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致する場合には(ステップS219BのY)、CPU56は、ステップS214A,S214Bで抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)を読み出し(ステップS219C)、大当り種別判定用テーブルにもとづいて、大当り種別を判定する(ステップS219D)。
大当り種別が通常大当りまたは確変大当りである場合には(ステップS219EのY)、CPU56は、ステップS214A,S214Bで抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を読み出し(ステップS219F)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が150〜251の範囲であるか否かを確認する(ステップS219G)。この実施の形態では、図9(A),(B),(C)に示すように、15ラウンドの大当りとならない場合(つまり、突然確変大当りとなる場合)には、スーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されず(スーパーCA3−3の変動種別と判定されず)、15ラウンドの大当りとなる場合(つまり、突然確変大当りとならない場合)には、大当り種別が通常大当りであるか確変大当りであるかにかかわらず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が150〜251の範囲であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行される。CPU56は、大当り種別が通常大当りまたは確変大当りであり(ステップS219EのY)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が150〜251の範囲であれば(ステップS219GのY)、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して入賞時判定結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS219H)。また、大当り種別が通常大当りおよび確変大当りでない(つまり、突然確変大当りである)場合(ステップS219EのN)、またはステップS214A,S214Bで抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が150〜251の範囲でない場合に(ステップS219GのN)、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して入賞時判定結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS219I)。従って、入賞時判定結果1指定コマンドは、大当りであって、スーパーリーチを伴う変動表示が実行されると判定された場合に送信され、入賞時判定結果5指定コマンドは、大当りであって、スーパーリーチを伴わない変動表示が実行されると判定された場合に送信される。
大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致しなければ(ステップS219BのN)、CPU56は、ステップS214A,S214Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(B)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS219J)。大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致しなければ(ステップS219JのN)、すなわち、はずれであれば、CPU56は、ステップS214A,S214Bで抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を読み出し(ステップS219K)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が230〜251の範囲であるか否かを確認する(ステップS219L)。この実施の形態では、図10(A),(B)に示すように、はずれとなる場合には、確率状態や保留記憶数にかかわらず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が230〜251の範囲であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行される。例えば、始動入賞時における保留記憶数と実際に変動表示が開始されるときの保留記憶数とは必ずしも一致するとはかぎらない(通常、始動入賞後に増減する)ので、始動入賞時の判定と変動開始時の変動パターン種別の決定とで、選択するはずれ変動パターン種別判定テーブルが一致するとはかぎらず、一般に、始動入賞時に前もってスーパーリーチとなるか否かを判定して予測することは難しい。しかし、この実施の形態では、図10(A),(B)に示すように、保留記憶数3未満で用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aと、保留記憶数3以上で用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bとで、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−6に割り当てられている判定値の範囲が同じ(230〜251)であるので、いずれのテーブルを選択したとしても、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が230〜251の範囲であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)となると判定することができる。変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が230〜251の範囲であれば(ステップS219LのY)、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して入賞時判定結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS219M)。
この実施の形態では、図10(A),(B)に示すように、保留記憶数3未満で用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135A、および保留記憶数3以上で用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bにおいて、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が200〜229の範囲であれば、少なくともノーマルリーチを伴う変動表示が実行される。そこで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が200〜229の範囲であれば(ステップS219NのY)、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して入賞時判定結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS219O)。また、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が200〜229の範囲でもない場合(ステップS219NのN)、非リーチの変動表示が実行される。そこで、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して入賞時判定結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS219P)。
図17は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、CPU56は、保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。保留記憶数が0であれば処理を終了する。
保留記憶数が0でなければ、CPU56は、RAM55の保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS52)。そして、保留記憶数の値を1減らし(保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS53)。すなわち、RAM55の保留記憶数バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、乱数バッファ領域に格納されているランダムRの値が大当り判定値(図8(A),(B)参照)のいずれかと一致するか否か確認する。一致した場合には、ステップS71に移行する(ステップS54)。なお、ステップS54の処理が実際の大当り判定の処理(実際に大当りにするか否か決定する処理)である。
大当り判定の処理では、確率状態が確変状態(高確率状態)の場合は、確率状態が非確変状態(低確率状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、確率状態が確変状態であるか否かを確認し、確率状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、確率状態が低確率状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当りまたは通常大当り)とすることに決定する。
なお、現在の確率状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、確率状態を確変状態に移行するときにセットされ、確率状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りとすることに決定されている場合に、大当り遊技を開始するときにリセットされる。
ランダムRの値が大当り判定値のいずれにも一致しない場合には、ランダムRの値が小当り判定値のいずれかと一致するか否か確認する(ステップS55)。一致しない場合には、ステップS74の処理に移行する。一致した場合には、小当りフラグをセットした後(ステップS60)、ステップS74の処理に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図8(C)に示す大当り種別判定テーブル131を用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常」、「確変」または「突確」)を大当りの種別に決定する(ステップS72)。また、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS73)。なお、例えば、大当り種別が「通常」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突確」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS74)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−−」を特別図柄の停止図柄に決定する。小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「55」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされて場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「11」、「33」、「77」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定し、大当り種別を「突確」に決定した場合には、「55」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当り種別を「通常」または「確変」に決定した場合には、「33」または「77」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS75)。
図18は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132C(図9(A)〜(C)参照)のいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS102の処理に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブル132D(図9(D)参照)を選択する(ステップS94)。そして、ステップS102の処理に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS95)。なお、時短フラグは、時短状態に移行するとき(確変状態に移行するときを含む)にセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、時短回数を消化したタイミングや、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。時短フラグがセットされていれば(ステップS95のY)、CPU56は、ステップS98の処理に移行する。
時短フラグがセットされていなければ(ステップS95のN)、CPU56は、保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS96)。保留記憶数が3未満であれば(ステップS96のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図10(A)参照)を選択する(ステップS97)。そして、ステップS102の処理に移行する。
時短フラグがセットされている場合(ステップS95のY)または保留記憶数が3以上である場合(ステップS96のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135B(図10(B)参照)を選択する(ステップS98)。そして、ステップS102の処理に移行する。
この実施の形態では、ステップS95〜S98の処理が実行されることによって、時短状態である場合(確変状態である場合を含む)または保留記憶数が3以上である場合には、図10(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが選択される。この場合、後述するステップS102の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−2が決定される場合があり、非リーチCA2−2の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS105の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される(図12参照)。従って、この実施の形態では、時短状態である場合(確変状態である場合を含む)または保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。
なお、この実施の形態では、時短状態である場合であっても、保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS95でYと判定したときに、保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、保留記憶数がほぼ0であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図10(A)参照)を選択するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S94、S97またはS98の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。
次いで、CPU56は、ステップS102の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A、137B(図11参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138A(図12参照)のうちのいずれかを選択する(ステップS103)。また、乱数バッファ領域(保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS103の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS105)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS106)。
また、特別図柄の変動を開始する(ステップS107)。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS109)。
図19は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図13参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が確変大当りであるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。なお、確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が突然確変大当りであるときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。なお、突然確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「03」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、確変大当りおよびおよび突然確変大当りのいずれでもないときには(すなわち、通常大当りであるときには)、CPU56は、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS110のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS116)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS117)。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS116のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。
その後、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS120)。
図20は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS126)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS127)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図21は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、特別図柄表示器8に停止図柄を停止表示する制御を行う(ステップS131)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、ステップS139Aに移行する(ステップS133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短状態であることを示す時短フラグをリセットし(ステップS134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、大当りの種別が通常大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りのいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。そして、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に低確率状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135A)。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS136)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、通常大当りまたは確変大当りの場合には15回。突然確変大当りの場合には2回。)をセットする(ステップS137)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS138)。
ステップS139Aでは、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する。確変フラグがセットされていなければ、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(ステップS139B)。時短フラグがセットされている場合には(すなわち、確変状態をともなわず、時短状態にのみ制御されている場合には)、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS140)。また、CPU56は、時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS141)、時短フラグをリセットする(ステップS142)。また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して低確率状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS142A)。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS143)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する(ステップS144)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS145)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(ステップS146)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS147)。
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS143のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS148)。
図22は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS150)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS154に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS151)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS152)。ここで、通常大当りであった場合には大当り終了1指定コマンドを送信し、確変大当りであった場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、突然確変大当りであった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS153)、処理を終了する。
ステップS154では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS155)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS155のY)、CPU56は、大当りの種別が確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かを確認する(ステップS156)。なお、確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」〜「03」であるか否かを確認することによって判定できる。確変大当りおよび突然確変大当りのいずれでもなければ(すなわち、通常大当りであれば)、CPU56は、時短フラグをセットして時短状態に移行させる(ステップS157)。また、CPU56は、時短回数をカウントするための時短回数カウンタに所定回数(例えば100回)をセットする(ステップS158)。そして、ステップS161に移行する。
確変大当りまたは突然確変大当りであれば、CPU56は、確変フラグをセットして確率状態を確変状態に移行させる(ステップS159)。また、CPU56は、時短フラグをセットする(ステップS160)。そして、ステップS161に移行する。
なお、この実施の形態では、ステップS157,S160でセットした時短フラグは、可変入賞球装置15の開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。この場合、具体的には、CPU56は、普通図柄プロセス処理(ステップS27参照)において、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに、時短フラグがセットされているか否かを確認し、セットされていれば、開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりして可変入賞球装置15を開放する制御を行う。また、ステップS157,S160でセットした時短フラグは、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられる。
ステップS161では、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して時短状態指定コマンドを送信する制御を行う。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS166)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図23は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、チャンス目予告決定用乱数や、チャンス目予告演出種類決定用乱数、準チャンス目判定用乱数、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。また、保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図26は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図13参照)であるのか解析する。
図25および図26は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、その表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り開始指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが始動入賞指定コマンドであれば(ステップS625)、始動入賞指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。
受信した演出制御コマンドが保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS627)、演出制御用CPU101は、その保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を保留記憶数保存領域に格納する(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1または2指定コマンドであれば(ステップS629)、演出制御用CPU101は、大当り終了1または2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS630)。
受信した演出制御コマンドが入賞時判定結果指定コマンドであれば(ステップS631)、受信した入賞時判定結果指定コマンドに対応するフラグをセットする(ステップS632)。具体的には、入賞時判定結果1指定コマンドを受信した場合には入賞時判定結果1指定コマンド受信フラグをセットし、入賞時判定結果2指定コマンドを受信した場合には入賞時判定結果2指定コマンド受信フラグをセットし、入賞時判定結果3指定コマンドを受信した場合には入賞時判定結果3指定コマンド受信フラグをセットし、入賞時判定結果4指定コマンドを受信した場合には入賞時判定結果4指定コマンド受信フラグをセットし、入賞時判定結果5指定コマンドを受信した場合には入賞時判定結果5指定コマンド受信フラグをセットする。
そして、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果1指定コマンドまたは入賞時判定結果2指定コマンドを受信した場合(つまり、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行される場合)に(ステップS633のY)、スーパーリーチとなることを予告する予告画面を表示する旨のスーパーリーチ予告(キャラクタ予告)フラグをセットする(ステップS634)。また、演出制御用CPU101は、保留記憶数保存領域に現在記憶されている保留記憶数を変動回数カウンタにセットする(ステップS665)。なお、変動回数カウンタは、入賞時判定結果指定コマンドで指定されたスーパーリーチとなるまでに実行される変動表示の回数をカウントするためのカウンタである。
受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り終了指定コマンドであれば(ステップS636)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS637)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS638)。そして、ステップS611に移行する。
図27は、図23に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、チャンス目予告判定処理を実行するとともに(ステップS810)、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄(飾り図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を停止表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS805):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(ステップS806):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図28は、ステップS810のチャンス目予告判定処理を示すフローチャートである。チャンス目予告判定処理において、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果コマンド(入賞時判定結果1指定コマンド、入賞時判定結果2指定コマンド、入賞時判定結果3指定コマンド、入賞時判定結果4指定コマンド、または入賞時判定結果5指定コマンド)を受信したことを示す入賞時判定結果コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS671)。
入賞時判定結果コマンド受信フラグがセットされていない場合には処理を終了する。
演出制御用CPU101は、入賞時判定結果コマンド受信フラグがセットされている場合には(ステップS671のY)、保留記憶数が2以上であるか否か確認する(ステップS672)。保留記憶数は、ステップS628の処理で保留記憶数保存領域に格納された保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)によって確認することができる。なお、保留記憶数が2以上でなければ(ステップS672のN)、処理を終了する。保留記憶数が2以上であるか否かを確認するのは、1個目の保留記憶に対応する可変表示時にチャンス目予告演出を実行し、その後、チャンス目予告演出の対象となる2個目の保留記憶に対応する可変表示を実行するためである。
演出制御用CPU101は、チャンス目予告禁止フラグがセットされていない場合には(ステップS673のN)、チャンス目予告決定用乱数(SR2−1)を抽出し(ステップS674)、チャンス目予告決定テーブルを用いてチャンス目予告演出を実行するか否か決定する(ステップS675)。なお、チャンス目予告禁止フラグは、チャンス目予告演出の実行開始を禁止することを示すフラグであり、後述するステップS685の処理でセットされ、ステップS821Dの処理でリセットされる。
図29は、チャンス目予告決定テーブルを示す説明図である。図29(A)に示すチャンス目予告決定テーブルは、入賞時判定結果が非リーチはずれであった場合に用いられるチャンス目予告決定テーブルである。演出制御用CPU101は、入賞時判定結果4指定コマンド受信フラグがセットされている場合に、図29(A)に示すチャンス目予告決定テーブルを用いてステップS675の処理を行う。
図29(B)に示すチャンス目予告決定テーブルは、入賞時判定結果がノーマルリーチはずれであった場合に用いられるチャンス目予告決定テーブルである。演出制御用CPU101は、入賞時判定結果3指定コマンド受信フラグがセットされている場合に、図29(B)に示すチャンス目予告決定テーブルを用いてステップS675の処理を行う。
図29(C)に示すチャンス目予告決定テーブルは、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれであった場合に用いられるチャンス目予告決定テーブルである。演出制御用CPU101は、入賞時判定結果2指定コマンド受信フラグがセットされている場合に、図29(C)に示すチャンス目予告決定テーブルを用いてステップS675の処理を行う。
図29(D)に示すチャンス目予告決定テーブルは、入賞時判定結果がスーパーリーチ当りであった場合に用いられるチャンス目予告決定テーブルである。演出制御用CPU101は、入賞時判定結果1指定コマンド受信フラグがセットされている場合に、図29(D)に示すチャンス目予告決定テーブルを用いてステップS675の処理を行う。
図29(E)に示すチャンス目予告決定テーブルは、入賞時判定結果が非スーパーリーチ当りであった場合に用いられるチャンス目予告決定テーブルである。演出制御用CPU101は、入賞時判定結果5指定コマンド受信フラグがセットされている場合に、図29(E)に示すチャンス目予告決定テーブルを用いてステップS675の処理を行う。
図29には、判定値そのものではなく、チャンス目予告演出ありと判定する判定値の数が記載されているが、各チャンス目予告決定テーブルには、図29に記載した判定値の数だけチャンス目予告演出ありと判定する判定値が設定されている。本実施の形態では、非リーチはずれ時のチャンス目予告決定テーブルに3個の判定値が設定され、ノーマルリーチはずれ時のチャンス目予告決定テーブルに6個の判定値が設定され、スーパーリーチはずれ時のチャンス目予告決定テーブルに21個の判定値が設定され、スーパーリーチ当り時のチャンス目予告決定テーブルに27個の判定値が設定され、非スーパーリーチ当り時のチャンス目予告決定テーブルには判定値が設定されていない。つまり、スーパーリーチ当り(15ラウンド大当りと判定されたことにもとづいて実行されるが、突然確変大当りと判定されたことにもとづいては実行されない)時には、はずれ時よりもチャンス目予告演出が実行される割合が高いように構成されている。また、はずれ時であっても、リーチはずれ時には、非リーチはずれ時よりもチャンス目予告演出が実行される割合が高いように構成されている。リーチはずれ時であっても、スーパーリーチはずれ時には、ノーマルリーチはずれ時よりもチャンス目予告演出が実行される割合が高いように構成されている。非スーパーリーチ当り(突然確変大当りにもとづいて発生する)時には、判定値が設定されておらず、突然確変大当りを予告するチャンス目予告演出は実行されない。そのように構成されていることによって、チャンス目予告演出の信頼度を高めている。なお、チャンス目予告決定用乱数の値は、1〜31のいずれかである。
演出制御用CPU101は、ステップS674で抽出したチャンス目予告決定用乱数の値が、セットされている入賞時判定結果指定コマンド受信フラグに応じたチャンス目予告決定テーブルに設定されている判定値に合致した場合に、チャンス目予告演出を実行すると決定する(ステップS675)。
演出制御用CPU101は、チャンス目予告演出を実行すると決定した場合に(ステップS676のY)、チャンス目予告演出決定処理(ステップS2600)に移行する。チャンス目予告演出を実行しないと決定した場合に(ステップS676のN)、ステップS683の処理に移行する。
図30は、予告演出決定処理を示す説明図である。図30(A)は、予告演出決定処理を示すフローチャートである。予告演出決定処理において、演出制御用CPU101は、予告回数および予告待ち回数を決定し、予告回数カウンタに決定した予告回数の値をセットし、予告待ちカウンタに決定した予告待ち回数の値をセットする(ステップS901)。具体的には、演出制御用CPU101は、予告演出回数決定用乱数値(範囲:1〜31)を抽出し、図30(B)に示す予告回数決定テーブルのうち、保留記憶数に対応するテーブルにおいて抽出した乱数値に合致する判定値が設定されている予告回数および予告待ち回数に決定する。そして、決定した予告回数の値を予告回数カウンタにセットし、決定した予告待ち回数の値を予告待ちカウンタにセットする。演出制御用CPU101は、予告待ちカウンタにセットされた値(回数)だけ可変表示を実行した後、予告回数カウンタにセットされた値(回数)だけ連続予告を実行する。なお、決定された予告回数が連続予告回数の最大値でない場合には、連続予告回数の最大値と決定された予告回数との差の回数が予告待ちカウンタにセットされる。図30(B)は、予告回数テーブルを示す説明図である。図30(B)に示すように、保留記憶数が2である場合には、大当り時およびはずれ時のいずれであっても、全ての判定値が予告回数1回に設定されている。また、保留記憶数が3である場合には、大当り時には予告回数1回に3個、予告回数2回に28個の判定値が設定されているのに対して、はずれ時には予告回数1回に25個、予告回数2回に6個の判定値が設定されている。また、保留記憶数が4である場合には、大当り時には予告回数1回に3個、予告回数2回に3個、予告回数3回に25個の判定値が設定されているのに対して、はずれ時には予告回数1回に25個、予告回数2回に3個、予告回数3回に3個の判定値が設定されている。つまり、図30(B)に示す予告回数決定テーブルには、大当り時には、はずれ時よりも連続予告の実行回数が多くなるように設定されている。なお、連続予告回数の最大値が、保留記憶数から−1した値であり、決定された予告回数が連続予告回数の最大値でない場合には、連続予告回数の最大値と決定された予告回数との差の回数が予告待ちカウンタにセットされるのは、チャンス目予告演出の実行直後の可変表示時に、チャンス目予告演出の予告対象となる保留記憶に応じた演出を実行するためであり、連続予告回数の最大値と決定された予告回数とに差がある場合には、チャンス目予告演出の実行直後の可変表示時に予告対象に応じた演出を実行するように(予告対象に応じた演出の実行直前の可変表示時にチャンス目予告演出が実行されるように)、連続予告の実行開始を待つためである。つまり、チャンス目予告演出は、予告対象となる保留記憶が発生してから、その保留記憶にもとづく演出図柄の可変表示の直前に行われる1回または複数回の演出図柄の可変表示中に行われる。なお、大当り時とは入賞時判定結果1,5指定コマンド受信フラグがセットされている場合であり、はずれ時とは入賞時判定結果2〜4指定コマンド受信フラグのいずれかがセットされている場合である。
演出制御用CPU101は、チャンス目予告演出種類決定用乱数(SR2−2)を抽出し(ステップS902)、抽出したチャンス目予告演出種類決定用乱数(SR2−2)の値とチャンス目予告演出種類決定テーブルとにより予告種類を決定する(ステップS903)。
演出制御用CPU101は、ステップS903の処理で、抽出したチャンス目予告演出種類決定用乱数(SR2−2)の値とチャンス目予告演出種類決定テーブルとにより決定した予告種類と、チャンス目予告演出の実行回数(予告回数)とをRAMに形成されているバッファ領域に保存する(ステップS904)。
演出制御用CPU101は、連続予告実行フラグをセットし、処理を終了する(ステップS905)。
図31は、チャンス目予告演出種類決定テーブルを示す説明図である。図31(A)は、連続予告回数が1回である場合(ステップS901で予告回数カウンタにセットされた値が1である場合)に用いられるテーブルである。図31(B)は、連続予告回数が2回である場合(ステップS901で予告回数カウンタにセットされた値が2である場合)に用いられるテーブルである。図31(C)は、連続予告回数が3回である場合(ステップS901で予告回数カウンタにセットされた値が3である場合)に用いられるテーブルである。
図31(A)に示す例では、連続予告回数が1回である場合に、チャンス目予告演出として、チャンス目が演出図柄の停止図柄として停止表示される(演出パターン番号1)。図31(B)に示す例では、連続予告回数が2回である場合に、チャンス目予告演出として、チャンス目が演出図柄の停止図柄として停止表示された後の演出図柄の停止図柄として、単にチャンス目が停止表示される場合(演出パターン番号2)と、演出図柄の可変表示開始時に背景画像が変化し、停止図柄としてチャンス目が停止表示される場合(演出パターン番号3)とがある。つまり、演出パターン番号2は、1回目のチャンス目予告演出として演出図柄の停止図柄としてチャンス目が停止表示され、2回目のチャンス目予告演出として演出図柄の停止図柄としてチャンス目が停止表示される演出パターンである。演出パターン番号3は、1回目のチャンス目予告演出として演出図柄の停止図柄としてチャンス目が停止表示され、2回目のチャンス目予告演出として演出図柄の可変表示開始時に背景画像が変化し、その後演出図柄の停止図柄としてチャンス目が停止表示される演出パターンである。
図31(B)に示すように、演出パターン番号3には、大当り時に多くの判定値が設定されている。従って、2回目のチャンス目予告演出として演出図柄の可変表示開始時に背景画像が変化した場合に、遊技者の期待感を煽り、遊技興趣を向上させることができる。また、大当り時には、演出パターン番号2にも演出パターン番号3と同程度の判定値が設定されているので(演出パターン番号2には15個の判定値が設定され、演出パターン番号3には16個の判定値が設定されているので)、演出図柄の可変表示開始時に背景画像が変化しなかった場合にも、遊技者の期待感を維持させることができる。
また、連続予告回数が3回である場合には、チャンス目予告演出として、演出パターン番号4〜9が用意されている。演出パターン番号4は、1回目のチャンス目予告演出として演出図柄の停止図柄としてチャンス目が停止表示され、2回目のチャンス目予告演出として演出図柄の停止図柄としてチャンス目が停止表示され、3回目のチャンス目予告演出として演出図柄の停止図柄としてチャンス目が停止表示される演出パターンである。演出パターン番号5は、1回目のチャンス目予告演出として演出図柄の停止図柄としてチャンス目が停止表示され、2回目のチャンス目予告演出として演出図柄の停止図柄としてチャンス目が停止表示され、3回目のチャンス目予告演出として演出図柄の可変表示開始時に背景画像が変化し、その後演出図柄の停止図柄としてチャンス目が停止表示される演出パターンである。
演出パターン番号6は、1回目のチャンス目予告演出として演出図柄の停止図柄としてチャンス目が停止表示され、2回目のチャンス目予告演出として演出図柄の可変表示開始時に背景画像が変化し、その後演出図柄の停止図柄としてチャンス目が停止表示され、3回目のチャンス目予告演出として演出図柄の停止図柄としてチャンス目が停止表示される演出パターンである。演出パターン番号7は、1回目のチャンス目予告演出として演出図柄の停止図柄としてチャンス目が停止表示され、2回目のチャンス目予告演出として演出図柄の可変表示開始時に背景画像が変化し、その後演出図柄の停止図柄としてチャンス目が停止表示され、3回目のチャンス目予告演出として演出図柄の可変表示開始時に背景画像が変化し、その後演出図柄の停止図柄としてチャンス目が停止表示される演出パターンである。
演出パターン番号8は、1回目のチャンス目予告演出として演出図柄の停止図柄としてチャンス目が停止表示され、2回目のチャンス目予告演出として演出図柄の停止図柄として準チャンス目が停止表示され、3回目のチャンス目予告演出として演出図柄の停止図柄としてチャンス目が停止表示される演出パターンである。演出パターン番号9は、1回目のチャンス目予告演出として演出図柄の停止図柄としてチャンス目が停止表示され、2回目のチャンス目予告演出として演出図柄の停止図柄として準チャンス目が停止表示され、3回目のチャンス目予告演出として演出図柄の可変表示開始時に背景画像が変化し、その後演出図柄の停止図柄としてチャンス目が停止表示される演出パターンである。
図31(C)に示すように、特定の組合せパターンとしての演出パターン番号5,6,7,9には、大当り時に多くの判定値が設定されているので、チャンス目予告演出として演出図柄の可変表示開始時に背景画像が変化した場合に、遊技者の期待感を煽り、遊技興趣を向上させることができる。また、演出パターン番号5,7,9では(演出パターン番号3を含む)、背景画像の変化とチャンス目の停止表示とが異なるタイミングで重複して実行されるので、意外性のある演出により遊技者の遊技興趣を向上させることができる。また、演出パターン番号8,9の演出(特定予告演出)には、大当り時に多くの判定値が設定されているので、2回目のチャンス目予告演出として演出図柄の停止図柄として準チャンス目が停止表示された後、2回目のチャンス目予告演出として演出図柄の停止図柄としてチャンス目が停止表示され、その後大当りとなる場合があり、2回目のチャンス目予告演出として演出図柄の停止図柄としてチャンス目が停止表示された場合であっても、遊技者の期待感を維持させることができる。また、準チャンス目が停止表示されたことにより、遊技者にチャンス目予告演出が終了したように認識させてからもチャンス目予告演出が継続している場合があるので、準チャンス目が停止表示されてからも遊技者の大当り遊技への期待感を維持させることができる。なお、演出パターン番号8,9の演出(特定予告演出)を大当り時のみ実行するように判定値が設定されていてもよい。つまり、準チャンス目が停止表示されてからチャンス目が停止表示された後は必ず大当りとなるように構成されていてもよい。そのように構成された場合には、準チャンス目を停止表示することがより効果的な演出となる。また、各演出パターンに対する判定値の個数が異なるので、複数の可変表示に亘るチャンス目予告演出中において実行される各演出により遊技者の大当り遊技への期待感を異ならせ、遊技興趣を向上させることができる。なお、チャンス目、準チャンス目、背景画像については後述する。
この実施の形態では、ステップS901の処理で予告回数を決定した後に、ステップS903の処理で、図31に示すチャンス目予告演出種類決定テーブルを参照して、決定された予告回数に応じて異なる割合で演出パターン(組合せパターン)を決定するように構成されているので、遊技者に、連続予告の演出パターン(組合せパターン)に応じて、連続予告の継続可能性(連続回数)が異なるように認識させることができる。また、図30(B)に示すように、連続予告の予告回数が多いほど大当りの期待度が高くなるように構成されているので、遊技者に、連続予告の演出パターン(組合せパターン)に注目させ、遊技興趣を向上させることができる。
なお、特定の組合せパターンは、同じ演出が連続して実行される演出パターン(例えば、演出パターン番号4のように、チャンス目が停止表示される演出が連続して実行される演出パターン)であってもよい。また、特定の組合せパターンは、同じ演出が連続して実行される演出パターンに限られず、可変表示毎に演出が異なる態様に変化する演出パターン(例えば、可変表示が実行される毎に、演出表示装置9に表示される画像の大きさや、色等が変化したり、出力される音声やその大きさが変化したりする演出パターン)であってもよい。
この実施の形態では、図31に示すように、予告演出の連続実行回数がN回(例えば、3)以上の場合には、N回未満の場合(例えば、連続予告回数が2回である場合)と比較して、連続して実行される予告演出の組合せパターンとして特定の組合せパターン(例えば、チャンス目を停止表示するとともに、背景画像を変更する予告演出を含むパターン)が実行される割合が高くなるように設定されたチャンス目予告演出種類決定テーブル(例えば、図31に示すように、連続予告回数が2回である場合に、チャンス目を停止表示するとともに、背景画像を変更する予告演出を含むパターン(演出パターン番号3)に16個の判定値が設定されているのに対して、連続予告回数が3回である場合に、チャンス目を停止表示するとともに、背景画像を変更する予告演出を含むパターン(演出パターン番号5,6,7,9)に23個の判定値が設定されている)を用いて演出パターン(組合せパターン)を決定するように構成されているが、Nは3に限定されず、他の自然数(2や、4,5,6,7等)であってもよい。例えば、予告演出の連続実行回数が4回以上の場合には、4回未満の場合(例えば、連続予告回数が2回や3回である場合)と比較して、連続して実行される予告演出の組合せパターンとして特定の組合せパターン(例えば、チャンス目を停止表示するとともに、背景画像を変更する予告演出を含むパターン)が実行される割合が高くなるように設定されたチャンス目予告演出種類決定テーブルを用いて演出パターン(組合せパターン)を決定するように構成されていてもよい。
CPU101は、チャンス目予告演出を実行しないと決定した後(ステップS676のN)のステップS683の処理で、入賞時判定結果1〜3,5指定コマンド受信フラグがセットされている場合に(ステップS683のY)、チャンス目予告禁止カウンタに保留記憶数の値をセットし(ステップS684)、チャンス目予告禁止フラグをセットする(ステップS685)。ここで、入賞時判定結果1,5指定コマンド受信フラグがセットされている場合とは、演出図柄の停止図柄に大当り図柄を停止表示させる場合である。また、入賞時判定結果2,3指定コマンド受信フラグがセットされている場合とは、演出図柄の停止図柄にリーチ図柄を停止表示させる場合である。そのような場合に、その後に発生した始動入賞に応じた保留記憶にもとづくチャンス目予告演出で、停止図柄をチャンス目や準チャンス目とされるのを防ぐためである。また、チャンス目予告演出を実行すると決定し(ステップS676のY)、チャンス目予告演出決定処理を実行した後も、ステップS684,S685の処理を実行して、チャンス目予告演出の重複を防ぐ。そして、CPU101は、チャンス目予告判定処理を終了する。
図32は、変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図33〜図35は、演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、セットされていれば、変動回数カウンタの値を1減算する(ステップS820A)。また、演出制御用CPU101は、減算後の変動回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS820B)。そして、変動回数カウンタの値が0になっていれば、演出制御用CPU101は、スーパーリーチ予告(キャラクタ予告)フラグをリセットする(ステップS820C)。そのような処理が実行されることによって、この実施の形態では、スーパーリーチとなる変動表示の1つ前の変動表示までスーパーリーチの予告画面(キャラクタ予告画面)が表示されて、そのスーパーリーチとなる変動表示の開始時にスーパーリーチ予告(キャラクタ予告)フラグがリセットされる(そのスーパーリーチとなる変動表示中には予告画面の表示は行われない)。なお、そのスーパーリーチとなる変動表示中においても、スーパーリーチの予告画面(キャラクタ予告画面)を表示するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、チャンス目予告禁止フラグがセットされている場合に(ステップS821AのY)、チャンス目予告禁止カウンタを1減算し(ステップS821B)、減算後のチャンス目予告禁止カウンタの値が0である場合に(ステップS821CのY)、チャンス目予告禁止フラグをリセットする(ステップS821D)。チャンス目予告禁止の対象となる保留記憶に応じた可変表示が終了するからである。
演出制御用CPU101は、ステップS615の処理で変動パターンコマンド格納領域に格納した変動パターンコマンドを読み出す(ステップS821E)。そして、予告待ちカウンタの値が0である場合にステップS822Bの処理に移行し、予告待ちカウンタの値が0でない場合に予告待ちカウンタの値を1減算し(ステップS822A)、ステップS822Jの処理に移行する。演出制御用CPU101は、ステップS822Bの処理で、連続予告実行フラグがセットされているか否か確認する(ステップS822B)。連続予告実行フラグがセットされていない場合に(ステップS822BのN)、ステップS822Iの処理に移行する。
演出制御用CPU101は、連続予告実行フラグがセットされている場合に(ステップS822BのY)、予告回数カウンタの値を1減算する(ステップS822C)。そして、減算後の予告回数カウンタの値が0である場合に(ステップS822DのY)、連続予告実行フラグをリセットし(ステップS822E)、保留記憶数が0でない場合に(ステップS822FのN)、連続予告終了フラグをセットする(ステップS822G)。連続予告終了フラグは、連続予告の終了時にセットされるフラグであり、演出図柄の次回の可変表示開始時に、後述するステップS822Jの処理でセットされているか否か確認される。そして、ステップS822Jの処理で連続予告終了フラグがセットされていると判定され、後述するステップS822Lの処理でYと判定され、後述するステップS822Oの処理でYと判定された場合に、準チャンス目を停止図柄に決定される。つまり、連続予告終了フラグは、連続予告終了後の次回の可変表示結果として、準チャンス目を停止図柄とするためのフラグである。
そして、演出制御用CPU101は、ステップS904の処理でバッファ領域に保存されたチャンス目予告演出の予告種類を読み出し、読み出したチャンス目予告演出の予告種類に応じて演出図柄の停止図柄を決定する(ステップS822H)。また、演出制御用CPU101は、読み出したチャンス目予告演出の予告種類に応じて背景画像を変更する(ステップS822I)。例えば、バッファ領域に演出パターン番号9が保存され、予告回数カウンタの値が3である場合に、演出制御用CPU101は、1回目のチャンス目予告演出としてチャンス目を演出図柄の停止図柄に決定する。また、予告回数カウンタの値が2である場合に、演出制御用CPU101は、2回目のチャンス目予告演出として準チャンス目を演出図柄の停止図柄に決定する。また、予告回数カウンタの値が1である場合に、演出制御用CPU101は、3回目のチャンス目予告演出としてチャンス目を演出図柄の停止図柄に決定し、演出表示装置9に表示させる背景画像を変更する。そして、ステップS823の処理に移行する。
演出制御用CPU101は、ステップS822Jの処理で、連続予告終了フラグがセットされているか否か確認する(ステップS822J)。連続予告終了フラグがセットされている場合に(ステップS822JのY)、連続予告終了フラグをリセットする(ステップS822K)。さらに、ステップ822Aの処理で読み出した変動パターンコマンドが非リーチはずれの変動パターンの変動パターンコマンドである場合に(ステップS822LのY)、準チャンス目判定用乱数(SR2−3)を抽出し(ステップS822M)、準チャンス目を停止図柄にするか否か決定する(ステップS822N)。従って、例えば、変動パターンコマンドがリーチはずれの変動パターンの変動パターンコマンドである場合には、準チャンス目は停止図柄に決定されず、後述するステップS822Qの処理で、リーチはずれ図柄(左右図柄が同じで中図柄のみが異なる)が停止図柄に決定され、変動パターン(リーチはずれの変動パターン)と停止図柄(リーチはずれ図柄)とを整合させることができる。
図36は、準チャンス目判定用テーブルを示す説明図である。図36に示すように、準チャンス目判定用テーブルには、準チャンス目を表示する場合と、準チャンス目を表示しない場合とに、準チャンス目判定用乱数(SR2−3)の値と比較するための判定値が設定されている。演出制御用CPU101は、準チャンス目判定用乱数(SR2−3)の値が準チャンス目を表示する場合の判定値と合致した場合に(ステップS822OのY)、準チャンス目を表示すると決定する(ステップS822P)。図36に示すように、準チャンス目は、毎回ではなく、所定の確率(この実施の形態では約50%)で表示すると決定される。また、準チャンス目は、演出パターン番号8,9にもとづいても表示される。従って、準チャンス目が表示された場合であっても、遊技者に、特定遊技状態への期待感を維持させることができる。
演出制御用CPU101は、連続予告終了フラグがセットされていない場合(ステップS822JのN)、変動パターンコマンドが非リーチはずれの変動パターンの変動パターンコマンドでない場合(ステップS822LのN)、または準チャンス目判定用乱数(SR2−3)の値が準チャンス目を表示しない場合の判定値と合致した場合に(ステップS822OのN)、次いで、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄(飾り図柄)の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS822Q)。なお、演出制御用CPU101は、ステップS822Qの処理で、チャンス目および準チャンス目を除外して演出図柄の停止図柄を決定する。そして、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
演出制御用CPU101は、ステップS823の処理で、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS823)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS824)。また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS825)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプの点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS826)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS827)。
図37は、演出図柄の配列を示す説明図である。図37(A)に示すように、演出図柄のうち左図柄は、「1」〜「8」まで昇順に配列されている。また、図37(B)に示すように、演出図柄のうち中図柄は、「1」〜「8」まで昇順に配列されている。また、図37(C)に示すように、演出図柄のうち右図柄は、「1」〜「8」まで降順に配列されている。そして、演出表示装置9には、左図柄が昇順で可変表示され(1→2→3→・・・)、右図柄が降順で可変表示され(8→7→6→・・・)、中図柄が昇順で可変表示される(1→2→3→・・・)。
図38は、チャンス目および準チャンス目を示す説明図である。この実施の形態では、左中右の演出図柄の特殊な組合せを停止表示し、その後に大当りとしない場合でも大当りとするかのように思わせるチャンス目予告演出を実行する。このような左中右の演出図柄の特殊な組合せ(特殊組合せ)を、チャンス目という。なお、大当りとしない場合に、チャンス目を停止表示し、その後に大当りとするかのように思わせる演出を偽予告演出ともいう。また、チャンス目と最終停止図柄(この実施の形態では中図柄)のみが異なる演出図柄の組合せを特殊な組合せ(特殊組合せ)に準ずる組合せ(準特殊組合せ)としての準チャンス目という。例えば、停止図柄にチャンス目が決定された場合には、演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて、図38(A)に示すチャンス目GC1〜GC6のいずれかを構成する演出図柄が停止表示される。また、停止図柄に準チャンス目が決定された場合には、演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて、図38(B)に示すチャンス目HC1〜HC6のいずれかを構成する演出図柄が停止表示される。なお、「左図柄」は「左」の図柄表示エリア9Lに停止表示される演出図柄であり、「中図柄」は「中」の図柄表示エリア9Cに停止表示される演出図柄であり、「右図柄」は「右」の図柄表示エリア9Rに停止表示される演出図柄である。なお、「中図柄」が最終停止図柄である。
図38(A),(B)に示すように、図38(B)に示す各準チャンス目HC1〜HC6は、図38(A)に示す各チャンス目GC1〜GC6と左図柄および右図柄が同じ図柄であり、中図柄が、図37(B)に示す配列上、1つ昇順にずれた、チャンス目に対する近接識別情報である。従って、演出表示装置9に各準チャンス目HC1〜HC6が表示される場合、右図柄および左図柄が停止表示された段階では、遊技者はチャンス目が停止表示されるのか準チャンス目が停止表示されるのか認識することができない。そして、最終停止図柄としての中図柄が、チャンス目の中図柄から配列上1つ昇順にずれたとき(つまりチャンス目の中図柄が通過したとき)に、準チャンス目が停止表示されたと認識する。よって、遊技者に、最終停止図柄としての中図柄が、チャンス目の中図柄から配列上1つ昇順にずれるまで(つまりチャンス目の中図柄が通過するまで)、チャンス目が停止表示されることへの期待感を維持させることができる。この実施の形態のように、最終停止図柄をチャンス目と準チャンス目との異なる図柄とすることで、遊技者のチャンス目に対する期待感をより長く維持することができる。
なお、準チャンス目は、図38(B)に示す例に限られず、最終停止図柄以外にチャンス目と共通の図柄がある組合せであればよい。具体的には、例えば、チャンス目「123」に対して「153」も準チャンス目としてもよいし、チャンス目「123456」に対して「123555」(最終停止図柄は右端の図柄)も準チャンス目としてもよい。
なお、チャンス目または準チャンス目を停止図柄に決定する場合に、演出制御用CPU101は、例えば、各チャンス目および準チャンス目にそれぞれ判定値が設定されたテーブルと、チャンス目および準チャンス目を決定するための乱数とを用いて、当該乱数の値に合致する判定値のチャンス目または準チャンス目を停止図柄に決定する。
図39は、演出表示装置9に表示される背景画像の例を示す説明図である。図39(A)に示す第1の背景画像は、晴れている様子の背景画像である。図39(B)に示す第2の背景画像は、曇っている様子の背景画像である。図39(C)に示す第3の背景画像は、雨が降っている様子の背景画像である。演出制御用CPU101は、例えば、ステップS822Iの処理で、図39(A)〜(C)に示す背景画像のいずれかを演出表示装置9に表示させた場合に、表示させた背景画像に応じた値のフラグをセットする。そして、次回のステップS822Iの処理で、背景画像を変更する場合には、セットされているフラグと異なる値に応じた背景画像を演出表示装置9に表示させ、表示させた背景画像に応じた値のフラグをセットする。ここで、「セットされているフラグと異なる値」は、1→2→3→1→・・・の順に遷移し、フラグの値「1」には第1の背景画像が対応し、フラグの値「2」には第2の背景画像が対応し、フラグの値「3」には第3の背景画像が対応するとする。なお、各背景画像は、演出図柄の変動開始時の処理としてのステップS822Iで、予告演出として変更される。また、チャンス目予告演出としてのチャンス目の停止表示は、演出図柄の変動停止時である。従って、演出図柄の変動開始時に背景画像が変更されることにより、遊技者の変動開始時に大当り遊技への期待感を煽ることができる。また、演出図柄の変動開始時に背景画像が変更されなくても、演出図柄の変動停止時にチャンス目が停止表示されることがあるので、遊技者の大当り遊技への期待感を維持することができる。
図40は、演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS841)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS842)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS843)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS844)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS845)。
次いで、演出制御用CPU101は、時短状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS845A)。時短状態フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、スーパーリーチを予告する予告画面を既に重畳表示していることを示す予告画面表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS845B)。予告画面表示フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、スーパーリーチ予告(キャラクタ予告)フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS845C)。スーパーリーチ予告(キャラクタ予告)フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、変動時間タイマの値が所定値(例えば2秒)未満であるか否かを確認する(ステップS845D)。
変動時間タイマの値が所定値未満でなければ、演出制御用CPU101は、変動回数カウンタの値が3以上であるか否かを確認する(ステップS845E)。変動回数カウンタの値が3以上であれば、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示中である演出表示装置9の表示画面に、スーパーリーチを予告するスーパーリーチ予告画面(キャラクタ予告画面)1を重畳表示する(ステップS845F)。この場合、例えば、演出制御用CPU101は、後述する図41(A)に示すように、演出表示装置9に所定のキャラクタを表示するとともに、キャラクタのセリフとして「スーパーリーチかも」などのスーパーリーチの発生を予告する文字列を表示する。そして、ステップS845Jに移行する。
変動回数カウンタの値が3以上でなければ、演出制御用CPU101は、変動回数カウンタの値が2であるか否かを確認する(ステップS845G)。変動回数カウンタの値が2であれば、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示中である演出表示装置9の表示画面に、スーパーリーチを予告するスーパーリーチ予告画面(キャラクタ予告画面)2を重畳表示する(ステップS845H)。この場合、例えば、演出制御用CPU101は、後述する図41(B)に示すように、演出表示装置9に所定のキャラクタを表示するとともに、キャラクタのセリフとして「もうすぐスーパーリーチかも」などの文字列を表示して、スーパーリーチ予告画面(キャラクタ予告画面)1よりも、よりスーパーリーチが近いことを示唆する予告画面を表示する。そして、ステップS845Jに移行する。
変動回数カウンタの値が2でもなければ、変動回数カウンタの値が1である場合である。この場合、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示中である演出表示装置9の表示画面に、スーパーリーチを予告するスーパーリーチ予告画面(キャラクタ予告画面)3を重畳表示する(ステップS845I)。この場合、例えば、演出制御用CPU101は、後述する図41(C)に示すように、演出表示装置9に所定のキャラクタを表示するとともに、キャラクタのセリフとして「次回スーパーリーチになりそう」などの文字列を表示して、スーパーリーチ予告画面(キャラクタ予告画面)2よりも、さらにスーパーリーチが近いことを示唆する予告画面を表示する。そして、ステップS845Jに移行する。
そして、ステップS845Jでは、演出制御用CPU101は、ステップS845F,S845H,S845Iでスーパーリーチ予告画面(キャラクタ予告画面)を表示したことにもとづいて、予告画面表示フラグをセットする。なお、ステップS845F,S845H,S845Iで表示されたスーパーリーチ予告画面(キャラクタ予告画面)は、表示開始後、例えば、プロセスデータが更新されるごとに表示が更新される。
なお、この実施の形態では、時短状態フラグがセットされている場合には(ステップS845AのY参照)、ステップS845B〜S845Jの処理を実行しないようにして、スーパーリーチの予告画面(キャラクタ予告画面)を表示しないように制御する。すなわち、時短状態(確変状態を含む)に制御されている場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合があるのであるから、このように短縮変動が行われる場合に予告画面を表示してしまうと、極めて短い時間しか予告画面が表示されず演出が不自然である。そこで、不自然な予告画面が表示されてしまうことを防止するため、時短状態に制御されている場合には、スーパーリーチの予告画面(キャラクタ予告画面)を表示しないように制御する。
また、この実施の形態では、スーパーリーチ予告(キャラクタ予告)フラグがセットされた場合であっても(ステップS845CのY参照)、変動時間タイマの値が所定値(例えば2秒)未満である場合には、ステップS845E〜S845Jの処理を実行しないようにして、スーパーリーチの予告画面(キャラクタ予告画面)を表示しないように制御する。具体的には、この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動表示中に新たな始動入賞を検出し、その始動入賞に対してスーパーリーチとなることを入賞時判定した場合にも、残りの変動時間を利用してスーパーリーチの予告画面(キャラクタ予告画面)を表示することが可能であるが、実行中の変動表示の残りの変動時間が極めて短い場合には、極めて短い時間しか予告画面が表示されず演出が不自然である。そこで、不自然な予告画面が表示されてしまうことを防止するため、変動時間タイマの値が所定値未満である場合(残りの変動時間が短い場合)には、スーパーリーチの予告画面(キャラクタ予告画面)を表示しないように制御する。
なお、この実施の形態では、スーパーリーチの予告画面(キャラクタ予告画面)は、チャンス目予告演出を実行する場合にも演出表示装置9に表示されるように構成されている。しかし、チャンス目予告演出を実行する場合にはステップS845B〜S845Jの処理を実行しないようにして、スーパーリーチの予告画面(キャラクタ予告画面)を表示しないように構成されていてもよい。また、チャンス目予告演出を実行しない場合にも、スーパーリーチの予告画面(キャラクタ予告画面)を表示しない場合(つまり、ステップS845E〜S845Jの処理を実行しない場合)があるように構成されていてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS846)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS848)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS847)、ステップS848に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
なお、この実施の形態では、スーパーリーチの予告(キャラクタ予告)として、後述する図41に示すように、演出表示装置9においてスーパーリーチ予告画面(キャラクタ予告画面)を重畳表示させる場合を示したが、スーパーリーチの予告(キャラクタ予告)の演出態様は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、保留記憶表示部18cに表示する保留記憶の表示(スーパーリーチとなる変動に対応する保留記憶の表示)の表示態様を変えることによって、スーパーリーチとなることを予告してもよい。この場合、例えば、保留記憶表示部18cに表示する保留記憶の表示の表示色を変えたり(例えば、青色から赤色に変えたり)、表示の形状を変えたり(例えば、丸形表示から星形表示に変えたり)することによって予告してもよい。また、例えば、ランプ28a,28b,28cを点灯させたり、スピーカ27から所定の音声や警告音を音声出力したり、演出表示装置9に所定の予告画面を表示したりすることのいずれかによって予告してもよく、これらのうちのいずれか複数の組合せまたは全てによって予告してもよい。なお、この場合、特に、演出表示装置9への予告画面の表示以外の方法により予告を行う方が、演出時間に影響されることなく予告を行うことができ、予告方法として望ましいといえる。
図41は、スーパーリーチ予告画面(キャラクタ予告画面)を示す説明図である。図41(A)は、変動回数カウンタの値が3以上である場合に演出表示装置9の表示画面に表示されるスーパーリーチを予告するスーパーリーチ予告画面(キャラクタ予告画面)1を示す説明図である。図41(A)に示すように、変動回数カウンタの値が3以上である場合に演出表示装置9の表示画面には、所定のキャラクタを表示するとともに、キャラクタのセリフとして「スーパーリーチかも」などのスーパーリーチの発生を予告する文字列を表示される。
図41(B)は、変動回数カウンタの値が2である場合に演出表示装置9の表示画面に表示されるスーパーリーチを予告するスーパーリーチ予告画面(キャラクタ予告画面)2を示す説明図である。図41(B)に示すように、変動回数カウンタの値が2である場合に演出表示装置9の表示画面には、所定のキャラクタを表示するとともに、キャラクタのセリフとして「もうすぐスーパーリーチかも」などの文字列を表示して、スーパーリーチ予告画面(キャラクタ予告画面)1よりも、よりスーパーリーチが近いことを示唆される。
図41(C)は、変動回数カウンタの値が1である場合に演出表示装置9の表示画面に表示されるスーパーリーチを予告するスーパーリーチ予告画面(キャラクタ予告画面)3を示す説明図である。図41(C)に示すように、変動回数カウンタの値が1である場合に演出表示装置9の表示画面には、所定のキャラクタを表示するとともに、キャラクタのセリフとして「次回スーパーリーチになりそう」などの文字列を表示して、スーパーリーチ予告画面(キャラクタ予告画面)2よりも、さらにスーパーリーチが近いことを示唆される。
図42は、演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS851)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS852)、ステップS822H,S822P,S822Qで決定された停止図柄を停止表示する制御を行う(ステップS853)。また、演出制御用CPU101は、予告画面表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS854A)。予告画面表示フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、表示中のスーパーリーチ予告画面(図41に示すスーパーリーチ予告画面1(キャラクタ予告画面1)〜スーパーリーチ予告画面3(キャラクタ予告画面3)のいずれか)を消去し(ステップS854B)、予告画面表示フラグをリセットする(ステップS854C)。そして、演出制御用CPU101は、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認する(ステップS855)。大当りまたは小当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドによって確認される。なお、この実施の形態では、決定されている停止図柄によって、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。
なお、この実施の形態では、スーパーリーチの予告画面(キャラクタ予告画面)を表示する場合には、ほぼ演出図柄の変動を開始すると同時にスーパーリーチ予告画面(キャラクタ予告画面)1〜3のいずれかの重畳表示が開始され(変動表示中に始動入賞がありスーパーリーチとなると判定された場合には、そのタイミングから)、演出図柄の変動表示を終了するときにステップS854Bでスーパーリーチ予告画面(キャラクタ予告画面)1〜3が消去され予告画面の表示を終了する。なお、演出図柄の変動表示中のうちの所定期間中のみスーパーリーチの予告画面(キャラクタ予告画面)を表示するようにしてもよい。例えば、演出図柄の変動表示開始後、所定の予告開始時間となったことにもとづいて、スーパーリーチ予告画面(キャラクタ予告画面)1〜3のいずれかを所定期間(例えば1秒)重畳表示するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、あらかじめ始動入賞時にスーパーリーチと判定されたことにもとづいて、図41に示すような予告画面を表示する場合を示したが、例えば、スーパーリーチとならない場合であっても低い確率で図36と同様の態様の予告画面を表示するようにしてもよい。
大当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS856)。
大当りとしないことに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS857)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信したことを条件に、演出図柄(飾り図柄)の変動(可変表示)を終了させる(ステップS851,S853参照)。しかし、受信した変動パターンコマンドにもとづく変動時間タイマがタイムアウトしたら、図柄確定指定コマンドを受信しなくても、演出図柄(飾り図柄)の変動を終了させるように制御してもよい。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示の終了を指定する図柄確定指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
次に、スーパーリーチの予告画面(キャラクタ予告画面)の表示タイミングについて説明する。図43は、スーパーリーチの予告画面(キャラクタ予告画面)の表示タイミングを示す説明図である。図43に示す例では、特別図柄および演出図柄の変動表示中に新たな始動入賞が発生した場合を示している。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への新たな始動入賞を検出すると(ステップS212A,S212B参照)、保留記憶数を1加算し(ステップS213A,S213B参照)、保留記憶数指定コマンドを送信する(ステップS216A,S216B参照)。図43に示す例では、1加算後の保留記憶数が4となり、保留記憶数4を指定する保留記憶数指定コマンドを送信する場合が示されている。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、抽出した各乱数値にもとづいて、その始動入賞に対応する変動表示においてスーパーリーチとなるか否か入賞時判定を行う(ステップS219A〜S219G,S219J〜S219L参照)。そして、スーパーリーチになると判定すると、入賞時判定結果1または2指定コマンドを送信する(ステップS219H,S219M参照)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、入賞時判定結果1または2指定コマンドを受信すると、現在の保留記憶数(図42に示す例では4)を変動回数カウンタにセットする(ステップS635参照)。また、図43に示す例では、演出図柄の変動中であるので、変動回数カウンタの値が3以上であることにもとづいて、残りの変動時間を利用してスーパーリーチ予告画面(キャラクタ予告画面)1(図41(A)参照)を演出表示装置9に重畳表示する(ステップS845E,S845F参照)。なお、図43に示す例では、変動時間の残り時間が所定時間(例えば2秒)以上である場合が示されているが、変動時間の残り時間が所定時間未満である場合には、スーパーリーチ予告画面(キャラクタ予告画面)1を表示しない(ステップS845D参照)。
次いで、次の変動表示を開始するときに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動回数カウンタの値を1減算する(ステップS820A参照)。そして、変動回数カウンタの値が3以上であることにもとづいて、スーパーリーチ予告画面(キャラクタ予告画面)1(図41(A)参照)を演出表示装置9に重畳表示する(ステップS845E,S845F参照)。
さらに次の変動表示を開始するときに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動回数カウンタの値を1減算する(ステップS820A参照)。そして、変動回数カウンタの値が2であることにもとづいて、スーパーリーチ予告画面(キャラクタ予告画面)2(図41(B)参照)を演出表示装置9に重畳表示する(ステップS845G,S845H参照)。
さらに次の変動表示を開始するときに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動回数カウンタの値を1減算する(ステップS820A参照)。そして、変動回数カウンタの値が1であることにもとづいて、スーパーリーチ予告画面(キャラクタ予告画面)3(図41(C)参照)を演出表示装置9に重畳表示する(ステップS845I参照)。
そして、次の変動表示(予告されたスーパーリーチが実行される変動表示)を開始するときに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動回数カウンタの値を1減算し(ステップS820A参照)、変動回数カウンタの値が0になったことにもとづいて、スーパーリーチ予告(キャラクタ予告)フラグをリセットする(ステップS820B,S802C)。そして、演出表示装置9においてスーパーリーチを伴う演出図柄の変動表示が実行される(ステップS824,S845参照)。
なお、この実施の形態では、図43に示すように、スーパーリーチが出現する変動表示の1つ前の変動表示までにおいて、その変動表示中にスーパーリーチの予告画面(キャラクタ予告画面)の表示を行う場合を示しているが、スーパーリーチが出現する変動表示中においてもスーパーリーチの予告画面(キャラクタ予告画面)を表示するようにしてもよい。なお、この実施の形態では、スーパーリーチが出現する変動表示においては予告画面を表示しないようにしているので、1つの変動表示中に予告画面の表示とスーパーリーチの演出との両方が実行されて、演出が慌ただしく不自然になることを防止している(特に、変動表示の終了間際に演出が慌ただしくなることを確実に防止している)。なお、スーパーリーチが出現する変動表示中においてもスーパーリーチの予告画面(キャラクタ予告画面)を表示する場合には、その変動表示中のスーパーリーチの演出が実行される前に予告画面を表示し、予告画面の表示が終了した後にスーパーリーチの演出を実行するようにすればよい。
また、この実施の形態では、図43に示すように、変動表示中に始動入賞が発生してスーパーリーチとなると判定した場合、変動時間の残り時間が所定時間以上であれば、その変動表示中の変動においても直ちに予告画面を表示する場合を示しているが、始動入賞時に変動表示中であった場合に、その変動表示中には予告画面を表示しないようにしてもよい。そのように構成すれば、演出制御用マイクロコンピュータ100側の処理負担の増加を防止するとともに、処理が煩雑となって処理の実行もれなどが発生してしまう事態を防止することができる。また、変動表示の途中からスーパーリーチの演出が実行されて、演出が慌ただしく煩雑になることを防止することができる。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、変動開始前の始動入賞時のタイミングで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出図柄の変動パターンがスーパーリーチを伴う変動パターンとなるか否かをあらかじめ判定する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、スーパーリーチとなると入賞時判定されたことにもとづいて、そのスーパーリーチとなると判定された演出図柄の可変表示が開始される以前に、スーパーリーチとなることを報知する演出を実行可能である。そのため、その始動入賞に対応した可変表示よりも以前に、スーパーリーチとなることを報知することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いて変動パターン種別を決定して変動パターンを決定する。この場合、はずれ用変動パターン種別判定テーブルは、スーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別に対しては、保留記憶数にかかわらず、共通の判定値(230〜251)が割り当てられている。また、はずれ用変動パターン種別判定テーブルは、スーパーリーチ以外の変動パターン(ノーマルリーチや非リーチ)を含む変動パターン種別に対しては、保留記憶数に応じて異なる判定値が割り当てられている。そのため、保留記憶数が多くなるに従って可変表示時間の短い変動パターンを含む変動パターン種別に対する判定値の割合が多くなるように割り当てを行うことによって、可変表示の作動率が低下してしまう事態を極力防止することができる。
図44は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける判定値の割り当て状態を示す説明図である。この実施の形態では、保留記憶数が3以上である場合には、図10(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが用いられ、保留記憶数が0〜2(3以下)である場合には、図10(A)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aが用いられる(ステップS96〜S98参照)。図44に示すように、保留記憶数が3以上である場合には、保留記憶数が0〜2である場合に比較して、リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ)となる割合が少ない。また、保留記憶数が3以上である場合には、図10(B)に示すように、非リーチCA2−2の変動パターン種別が選択されて短縮変動の変動パターンである非リーチPA1−2が選択されうるので、保留記憶数が多くなるに従って平均的な変動時間を短くすることによって、可変表示の作動率が低下してしまう事態を極力防止することができる。
また、この実施の形態では、図44に示すように、保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動パターン種別に対して、共通の判定値(230〜251)が割り当てられている。そのため、始動入賞時において、抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値さえ確認すれば、スーパーリーチとなるか否かをあらかじめ容易に判定することができる。従って、その始動入賞に対応した可変表示よりも以前に、スーパーリーチとなることを報知することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、保留記憶数が0〜2であるか3以上であるかの2種類について、はずれ用変動パターン種別判定テーブルの判定値の振り分けを異ならせる場合を示したが、はずれ用変動パターン種別判定テーブルの判定値の振り分けの異ならせ方は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、保留記憶数に応じてさらに細かく段階的に振り分けを異ならせてもよい。この場合、例えば、保留記憶数が0,1用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルと、保留記憶数2個用、保留記憶数3個用および保留記憶数4個用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとをあらかじめ用意しておき、リーチを伴う変動パターン種別や短縮変動の変動パターン種別の振り分けをさらに段階的に異ならせるようにしてもよい。また、このような例にかぎらず、あらかじめ用意しておくはずれ用変動パターン種別判定テーブルの組合せは、様々なものが考えられる。例えば、保留記憶数の値ごとに別々のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ備えてもよい(すなわち、保留記憶数0個用、保留記憶数1個用、保留記憶数2個用、保留記憶数3個用、保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、保留記憶数0〜2用、保留記憶数3用、保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
(変形例1)
図45は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける判定値の割り当て状態の変形例1を示す説明図である。図44に示す例では、合算保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動パターン種別に対して、全く共通の判定値(230〜251)が割り当てられていた。変形例1では、図45に示すように、一方のはずれ用変動パターン種別判定テーブル(保留記憶数0〜2の場合のはずれ用変動パターン種別判定テーブル)におけるスーパーリーチに対する判定値が、他方のはずれ用変動パターン種別判定テーブル(保留記憶数3以上の場合のはずれ用変動パターン種別判定テーブル)におけるスーパーリーチに対する判定値を包含している。
図45に示す例では、保留記憶数3以上の場合には、スーパーリーチを伴う変動パターン種別に対して判定値230〜251が割り当てられているのに対して、保留記憶数0〜2の場合には、スーパーリーチを伴う変動パターン種別に対して判定値200〜251が割り当てられている。しかし、このような場合であっても、始動入賞時において、抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が少なくとも230〜251の範囲であれば、スーパーリーチとなることをあらかじめ容易に判定することができる。従って、その始動入賞に対応した可変表示よりも以前に、スーパーリーチとなることを報知することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
具体的には、図45に示すように、保留記憶数が3以上である場合における非リーチの変動パターン種別に割り当てられている判定値0〜199のうち、判定値100〜199の範囲については、保留記憶数が0〜2である場合における非リーチの変動パターン種別に割り当てられている判定値の範囲0〜99には含まれていない。これに対して、保留記憶数が3以上である場合におけるスーパーリーチを伴う変動パターン種別に割り当てられている判定値の範囲230〜251は、保留記憶数が0〜2である場合におけるスーパーリーチを伴う変動パターン種別に割り当てられている判定値の範囲200〜251にすべて含まれている。そのため、始動入賞時において、抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が少なくとも230〜251の範囲であれば、スーパーリーチとなることをあらかじめ容易に判定することができる。
なお、図45に示す例では、保留記憶数0〜2の場合には、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別に対して判定値100〜199が割り当てられ、保留記憶数3以上の場合には、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別に対して判定値200〜229が割り当てられ、ノーマルリーチを伴う変動パターンに対して判定値が割り当てられている範囲が重複していないが、保留記憶数0〜2の場合と3以上の場合とで、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別に対して割り当てられている判定値の範囲が重複するようにしてもよい。例えば、保留記憶数0〜2の場合には、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別に対して判定値100〜199が割り当てられ、保留記憶数3以上の場合には、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別に対して判定値180〜229が割り当てられるように構成してもよい。なお、このように構成した場合であっても、保留記憶数が3以上である場合におけるノーマルリーチを伴う変動パターン種別に割り当てられている判定値180〜229のうちの一部の判定値180〜199の範囲のみが、保留記憶数が0〜2である場合におけるノーマルリーチを伴う変動パターン種別に割り当てられている判定値の範囲100〜199に含まれていることになる。
また、この実施の形態では、スーパーリーチを伴う変動パターンを一括りの変動パターン種別としてはずれ用変動パターン種別判定テーブルを構成する場合を示したが、スーパーリーチの種類ごと(例えば、スーパーリーチAとスーパーリーチB)に変動パターン種別を分けてもよい。
図46は、時短状態で入賞時判定結果指定コマンドを送信しないように構成する場合の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。なお、ステップS211〜S216A,S217A,S218,S212B〜S216B,S227Bの処理は、図15に示したそれらの処理と同様である。
ステップS216Cの処理では、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かを確認する。セットされていなければ(ステップS216CのN)、ステップS217Aの処理に移行し、入賞時判定処理を実行する。時短フラグがセットされていれば(ステップS216CのY)、入賞時判定処理を実行することなく、ステップS218の処理に移行する。すなわち、時短状態である場合には、入賞時判定処理を行わず、入賞時判定結果指定コマンドを送信する処理も行わないように制御する。
ステップS216Dの処理では、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かを確認する。セットされていなければ(ステップS216DのN)、ステップS217Bの処理に移行し、入賞時判定処理を実行する。時短フラグがセットされていれば(ステップS216DのY)、入賞時判定処理を実行することなく、処理を終了する。すなわち、時短状態である場合には、入賞時判定処理を行わず、入賞時判定結果指定コマンドを送信する処理も行わないように制御する。
図47は、時短状態で入賞時判定結果指定コマンドを送信しないように構成する場合の演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。図47に示す例では、演出制御用CPU101は、図40で示したステップS845Aの処理を行わない。すなわち、演出制御用CPU101は、時短状態であるか否かを判定することなく、ステップS845B〜S845Jの処理を実行して、スーパーリーチ予告画面(キャラクタ予告画面)を演出表示装置9に重畳表示する処理を実行する。なお、ステップS841〜S845,S845B〜S845J,S846〜S848の処理は、図40に示したそれらの処理と同様である。
図46および図47に示す構成によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって入賞時判定結果指定コマンドが送信されたことにもとづいて、スーパーリーチとなることを報知する予告画面を表示可能である。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スーパーリーチとなる場合であっても、時短状態に移行されているときには、入賞時判定結果指定コマンドを送信しないように制御する。そのため、演出制御用マイクロコンピュータ100が誤って時短状態ではないと認識してしまった場合であっても、スーパーリーチとなることを報知する予告画面が表示されないようにすることができ、不自然な演出が実行されてしまう事態を防止することができる。
(変形例2)
以上に述べた実施の形態では、変動パターン種別判定テーブルを用いて変動パターン種別を決定してから、変動パターン判定テーブルを用いて当該変動パターン種別に応じた変動パターンに決定するように構成されていた。それに対して、本変形例では、変動パターン種別判定テーブルを用いることなく(変動パターン種別を決定することなく)、変動パターン種別乱数(ランダム2)を変動パターンを決定するための乱数として用いて、変動パターン判定テーブルにもとづいて変動パターンを決定する。
図48(A)〜(C)は、大当り用変動パターン判定テーブル232A〜232Cを示す説明図である。大当り用変動パターン判定テーブル232A〜232Cは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターンを、ランダム2にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各大当り用変動パターン判定テーブル232A〜232Cには、ランダム2の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルPA2−3、ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3、ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3、スーパーPA3−4、スーパーPB3−3、スーパーPB3−4、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1、特殊PG2−2の変動パターンのいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、図48(A),(B)に示すように、図9(A),(B)に示す変動パターン種別を用いる場合と同様に、変形例2では、通常大当りまたは確変大当りである場合には、ランダム2の値が150〜251であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、大当り種別が「突然確変大当り」である場合に用いられる大当り用変動パターン判定テーブル232Cでは、例えば、特殊PG1−1、特殊PG1−2といった大当り種別が「突然確変大当り」以外である場合には判定値が割り当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割り当てられている。よって、変形例2においても、可変表示結果が「大当り」となり大当り種別が「突然確変大当り」となることに応じて2ラウンド大当り状態に制御する場合には、15ラウンド大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターンに決定することができる。
また、図48(D)は、小当り用変動パターン判定テーブル232Dを示す説明図である。小当り用変動パターン判定テーブル232Dは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターンを、ランダム2にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図49(A),(B)は、はずれ用変動パターン判定テーブル235A,235Bを示す説明図である。このうち、図49(A)は、確率状態が低確率状態であるとともに保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン判定テーブル235Aを示している。また、図49(B)は、確率状態が確変状態または時短状態であるか、または保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン判定テーブル235Bを示している。はずれ用変動パターン判定テーブル235A,235Bは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターンを、ランダム2にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
なお、変形例2では、保留記憶数が3未満である場合に用いるはずれ変動パターン判定テーブル235Aと、保留記憶数が3以上である場合に用いるはずれ変動パターン判定テーブル235Bとの2種類のテーブルのみを用いる場合を示しているが、はずれ変動パターン判定テーブルの分け方は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、保留記憶数の値ごとに別々のはずれ変動パターン判定テーブルをそれぞれ備えてもよい(すなわち、保留記憶数0個用、保留記憶数1個用、保留記憶数2個用、保留記憶数3個用、保留記憶数4個用のはずれ変動パターン判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、保留記憶数0〜2用、保留記憶数3用、保留記憶数4用のはずれ変動パターン判定テーブルを用いるようにしてもよい。
各はずれ用変動パターン判定テーブル235A,235Bには、ランダム2の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4、ノーマルPA2−1、ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1、ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1、スーパーPA3−2、スーパーPB3−1、スーパーPB3−2の変動パターンのいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、図49(A),(B)に示すように、図10(A),(B)に示す変動パターン種別を用いる場合と同様に、確率状態や保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチの変動パターンに対して一定の値が設定されている。具体的には、変形例2では、はずれである場合には、ランダム2の値が230〜251であれば、確率状態や保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。つまり、230〜251の判定値は、確率状態や保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチの変動パターンに対して設定された共通の判定値である。
なお、保留記憶数3以上の場合には、スーパーリーチを伴う変動パターンに対して判定値230〜251が割り当てられているのに対して、保留記憶数0〜2の場合には、スーパーリーチを伴う変動パターンに対して判定値200〜251が割り当てられるように構成されていてもよい。そのような場合であっても、始動入賞時において、抽出したランダム2の値が少なくとも230〜251の範囲であれば、スーパーリーチとなることをあらかじめ容易に判定することができる。従って、その始動入賞に対応した可変表示よりも以前に、スーパーリーチとなることを報知することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
従って、変形例2における入賞時判定処理は、図10(A),(B)に示す変動パターン種別を用いる場合と同様に、図16に示す処理と同様の処理を行うことにより、入賞時に、スーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されるか否かがわかる。
図50は、変形例2の変動パターン設定処理を示すフローチャートである。図50に示す変形例2の変動パターン設定処理は、図18に示す変動パターン設定処理におけるステップS92,S94の処理に代えてステップS92A,S94Aの処理を含み、ステップS97,S98の処理に代えてステップS97A,S98Aの処理を含み、ステップS102〜S105に代えてステップS102Aの処理を含む。
図50に示す変形例2の変動パターン設定処理のステップS92Aの処理で、CPU56は、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン判定テーブル232A〜232C(図48(A)〜(C)参照)のいずれかを選択する(ステップS92A)。そして、ステップS102Aの処理に移行する。
また、図50に示す変形例2の変動パターン設定処理のステップS94Aの処理で、CPU56は、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン判定テーブル232D(図48(D)参照)を選択する(ステップS94A)。そして、ステップS102Aの処理に移行する。
また、図50に示す変形例2の変動パターン設定処理のステップS97Aの処理で、CPU56は、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン判定テーブル235A(図49(A)参照)を選択する(ステップS97A)。そして、ステップS102Aの処理に移行する。
また、図50に示す変形例2の変動パターン設定処理のステップS98Aの処理で、CPU56は、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン判定テーブル235B(図49(B)参照)を選択する(ステップS97B)。そして、ステップS102Aの処理に移行する。
また、図50に示す変形例2の変動パターン設定処理のステップS98Aの処理で、CPU56は、乱数バッファ領域(保留記憶バッファ)からランダム2を読み出し、ステップS92A、S94A、S97AまたはS98Aの処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102A)。
変形例2では、図48および図49に示すように、現在の確率状態にかかわらず、共通の大当り用変動パターン判定テーブルやはずれ用変動パターン判定テーブルを用いる場合を示したが、現在の確率状態が確変状態であるか低確率状態であるかや、時短状態であるかに応じて、それぞれ別々に用意された大当り用変動パターン判定テーブルやはずれ用変動パターン判定テーブルを用いるようにしてもよい。また、この実施の形態では、保留記憶数が3以上である場合に、図10(B)に示す短縮用のはずれ用変動パターン判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるように構成する場合を示しているが、現在の確率状態に応じて短縮変動の変動パターンが選択されうる場合の保留記憶数の閾値を異ならせてもよい。例えば、確率状態が低確率状態である場合には、保留記憶数が3である場合に、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにし、確率状態が確変状態である場合や、時短状態である場合には、保留記憶数がより少ない1や2の場合でも、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにしてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、リーチ態様を伴う変動パターンとするか否かを決定するためのリーチ決定用乱数を用いて、変動パターンを決定するように構成されていてもよい。具体的には、リーチ態様を伴う変動パターンを実行するための変動パターン種別判定テーブルと、リーチ態様を伴わない変動パターンを実行するための変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき、リーチ決定用乱数を用いて、リーチ態様を伴う変動パターンとすると決定した場合にはリーチ態様を伴う変動パターンを実行するための変動パターン種別判定テーブルを参照して変動パターン種別を決定し、リーチ態様を伴わない変動パターンとすると決定した場合にはリーチ態様を伴わない変動パターンを実行するための変動パターン種別判定テーブルを参照して変動パターン種別を決定する。また、変形例2で前述したように、変動パターン種別判定テーブルを用いることなく(変動パターン種別を決定することなく)、変動パターン判定テーブルにもとづいて変動パターンを決定するように構成されている場合には、リーチ態様を伴う変動パターンを実行するための変動パターン判定テーブルと、リーチ態様を伴わない変動パターンを実行するための変動パターン判定テーブルとを用意しておき、リーチ決定用乱数を用いて、リーチ態様を伴う変動パターンとすると決定した場合にはリーチ態様を伴う変動パターンを実行するための変動パターン判定テーブルを参照して変動パターンを決定し、リーチ態様を伴わない変動パターンとすると決定した場合にはリーチ態様を伴わない変動パターンを実行するための変動パターン判定テーブルを参照して変動パターンを決定する。リーチ決定用乱数を用いて、変動パターンを決定するように構成されている場合には、リーチ態様を伴うか否かに応じて多様な変動パターンに決定することができる。
以上に述べた実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS903の処理で、図31を参照して、連続して実行する予告演出を一括して決定するように構成されているが、実行する予告演出を各回毎に決定するように構成されていてもよい。そのように構成された場合には、各回毎にきめ細かく予告演出を決定することができる。