以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9では、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示(変動)が行われる。よって、演出表示装置9は、識別情報としての演出図柄(飾り図柄)の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄)の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、合算保留記憶表示部18cという。)が設けられている。合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられているので、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bのみを設けるようにし、演出表示装置9の表示画面上には合算保留記憶表示部18cを設けないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(例えば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯する表示器を1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。すなわち、遊技球が始動入賞しやすくなる(つまり、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、この実施の形態では、時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)においても、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当りとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。また、左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号(図示せず)が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cなどの枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27R,27Lに出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。なお、この実施の形態では、CPU56は、ステップS43の処理において、バックアップRAMに保存されていた合算保留記憶数カウンタの値を設定した合算保留記憶数指定コマンドも演出制御基板80に対して送信する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄(飾り図柄)を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図6は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図6に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図6に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が2回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が2回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が4回行われる。
また、図6に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンが用意されている。なお、図6において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、突然確変大当りまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンである。また、図6に示すように、突然確変大当りまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が2回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が4回行われる。また、突然確変大当りまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3の変動パターンについては、再変動が2回行われる。
なお、この実施の形態では、図6に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回未満の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動4回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
なお、この実施の形態では、後述するように、通常大当りや確変大当りである場合には、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、小当りや突然確変大当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リートを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、はずれである場合には、リーチも特定演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチも特定演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチを伴わないが特定演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−3と、ノーマルリーチおよび再変動3回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、ノーマルリーチおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−6とに種別分けされている。
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図8(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図8(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図8(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図8(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図8(B)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。また、図8(B)に記載されている数値が小当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図8(B)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図8(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図8(B)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図8(C),(D)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図8(C)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図8(D)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図8(C),(D)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」の全てに対して判定値が割り当てられているのに対して、大当り種別判定テーブル131bには「通常大当り」と「確変大当り」にのみ判定値が割り当てられている場合を説明する。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである。また、「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行されない(この実施の形態では、時短状態にのみ移行される)大当りである。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図9(A)〜(C)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、特殊CA4−1、特殊CA4−2の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
例えば、大当り種別が「通常大当り」である場合に用いられる図9(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aと、大当り種別が「確変大当り」である場合に用いられる図9(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bとで、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3の変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。
このように、大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して判定値が割り当てられている。よって、大当り種別を複数種類のうちのいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができ、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
なお、図9(A),(B)に示すように、この実施の形態では、通常大当りまたは確変大当りである場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が150〜251であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、大当り種別が「突然確変大当り」である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定テーブル132Cでは、例えば、特殊CA4−1、特殊CA4−2といった大当り種別が「突然確変大当り」以外である場合には判定値が割り当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割り当てられている。よって、可変表示結果が「大当り」となり大当り種別が「突然確変大当り」となることに応じて2ラウンド大当り状態に制御する場合には、15ラウンド大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
また、図9(D)は、小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dを示す説明図である。小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図9(D)に示すように、小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として特殊CA4−1が決定される場合が示されている。
図10(A),(B)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Bを示す説明図である。このうち、図10(A)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aを示している。また、図10(B)は、遊技状態が確変状態または時短状態であるか、または合算保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bを示している。はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Bは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
なお、この実施の形態では、合算保留記憶数が3未満である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Aと、合算保留記憶数が3以上である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Bとの2種類のテーブルのみを用いる場合を示しているが、はずれ変動パターン種別判定テーブルの分け方は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、合算保留記憶数の値ごとに別々のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ備えてもよい(すなわち、合算保留記憶数0個用、合算保留記憶数1個用、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用、合算保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、合算保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、合算保留記憶数0〜2用、合算保留記憶数3用、合算保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、合算保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備える場合を示しているが、第1保留記憶数や第2保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備えるようにしてもよい。例えば、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数の値ごとに別々に用意されたはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい(すなわち、第1保留記憶数0個用、第1保留記憶数1個用、第1保留記憶数2個用、第1保留記憶数3個用、第1保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、第1保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、第1保留記憶数0〜2用、第1保留記憶数3用、第1保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合であっても、第1保留記憶数や第2保留記憶数が多い場合(例えば3以上)には、変動時間が短い変動パターンを含む変動パターン種別が選択されやすいように構成すればよい。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−3〜ノーマルCA2−5、スーパーCA2−6の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、図10(A),(B)に示すように、この実施の形態では、はずれである場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が230〜251であれば、遊技状態や合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
なお、この実施の形態では、図9および図10に示すように、現在の遊技状態にかかわらず、共通の大当り用変動パターン種別判定テーブルやはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いる場合を示したが、現在の遊技状態が確変状態であるか時短状態であるか通常状態であるかに応じて、それぞれ別々に用意された大当り用変動パターン種別判定テーブルやはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。また、この実施の形態では、合算保留記憶数が3以上である場合に、図10(B)に示す短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるように構成する場合を示しているが、現在の遊技状態に応じて短縮変動の変動パターンが選択されうる場合の合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)の閾値を異ならせてもよい。例えば、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3である場合に(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数が2である場合に)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにし、遊技状態が時短状態や確変状態である場合には、合算保留記憶数がより少ない1や2の場合でも(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数がより少ない0や1の場合でも)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにしてもよい。
図11(A),(B)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
なお、図11(A)に示す例では、変動パターン種別として、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う(スーパーリートとともに擬似連を伴う場合もある)変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている場合が示されている。また、図11(B)に示す例では、変動パターン種別として、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている場合が示されている。なお、図11(B)において、リーチの有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、擬似連や滑り演出などの特定演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。この場合、例えば、特殊CA4−1は、特定演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1と特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2は、特定演出を伴う特殊PG1−2、特殊PG1−3および特殊PG2−2を含むように構成してもよい。
図12は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138Aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
図13は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図13に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9500(H)は、入賞時判定結果の内容(その後、開始条件が成立して変動表示が実行されるときにスーパーリーチとなるか否かの判定結果)を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、入賞判定時にスーパーリーチとなると判定したことにもとづいて、大当りであるか否かにかかわらず、共通の入賞時判定結果指定コマンドを送信する場合を示しているが、大当りのときとはずれのときとで異なる判定結果指定コマンドを送信するようにしてもよい。この場合、例えば、大当りであるか否かに応じてEXTデータの値が異なる入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにすればよい。例えば、大当りである場合にはEXTデータとして「01」を含むコマンド(すなわち、コマンド9501(H))を送信するようにし、はずれである場合にはEXTデータとして「02」を含むコマンド(すなわち、コマンド9502(H))を送信するようにすればよい。そして、スーパーリーチの予告を行うだけでなく、大当り時の判定結果指定コマンドを受信した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100側において大当りの予告の演出を行えるようにしてもよい。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始指定2指定コマンドおよび小当り/突然確変大当り開始指定コマンドがある。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、通常大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(確変状態を含む)であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を合算保留記憶数指定コマンドで指定するようにしてもよい。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図13に示された内容に応じて画像表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図13に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う画像表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図14は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aまたは第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図15および図16は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとのうちの少なくとも一方がオン状態の場合に実行される始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、オンしたのが第1始動口スイッチ13aであるか否かを確認する(ステップS211)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否かを確認する(ステップS212)。第1保留記憶数カウンタの値が4であれば、ステップS221に移行する。
第1保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213)。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(ステップS214)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図17は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図17に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215)。なお、ステップS215の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS216)。また、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合算保留記憶数を示す合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS217)。そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値にもとづいて、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS218)。なお、合算保留記憶数指定コマンドを、第1始動入賞指定コマンドの前に送信してもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において演出制御コマンドを送信する。
次いで、CPU56は、ステップS215で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(A)に示す大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS219A)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、始動口スイッチ通過処理においてステップS219A〜S219HやステップS229A〜S229Hを実行することによって、あらかじめ演出図柄の変動表示中にスーパーリーチとなるか否かを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめスーパーリーチとなることを予測し、後述するように、演出制御用マイクロコンピュータ100によってスーパーリーチとなる旨の予告演出を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致する場合には(ステップS219AのY)、CPU56は、図8(C)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する(ステップS219B)。そして、CPU56は、ステップS215で抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)と、選択した第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブルとにもとづいて、大当り種別を判定する(ステップS219C)。
大当り種別が通常大当りまたは確変大当りである場合には(ステップS219DのY)、CPU56は、ステップS215で抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が150〜251の範囲であるか否かを確認する(ステップS219E)。この実施の形態では、図9(A),(B)に示すように、15ラウンドの大当りとなる場合には、大当り種別が通常大当りであるか確変大当りであるかにかかわらず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が150〜251の範囲であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行される。変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が150〜251の範囲であれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して入賞時判定結果指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS219H)。
大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致しなければ(ステップS219AのN)、CPU56は、ステップS215で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(B)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS219F)。大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致しなければ(ステップS219FのN)、すなわち、はずれであれば、CPU56は、ステップS215で抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が230〜251の範囲であるか否かを確認する(ステップS219G)。この実施の形態では、図10(A),(B)に示すように、はずれとなる場合には、遊技状態や合算保留記憶数にかかわらず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が230〜251の範囲であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行される。例えば、始動入賞時における合算保留記憶数と実際に変動表示が開始されるときの合算保留記憶数とは必ずしも一致するとはかぎらない(通常、始動入賞後に増減する)ので、始動入賞時の判定と変動開始時の変動パターン種別の決定とで、選択するはずれ変動パターン種別判定テーブルが一致するとはかぎらず、一般に、始動入賞時に前もってスーパーリーチとなるか否かを判定して予測することは難しい。しかし、この実施の形態では、図10(A),(B)に示すように、合算保留記憶数3未満で用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aと、合算保留記憶数3以上で用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bとで、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−6に割り当てられている判定値の範囲が同じ(230〜251)であるので、いずれのテーブルを選択したとしても、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が230〜251の範囲であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)となると判定することができる。変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が230〜251の範囲であれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して入賞時判定結果指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS219H)。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述するように、ステップS219Hで送信された入賞時判定結果指定コマンドを受信したことにもとづいて、スーパーリーチを予告する予告演出を実行するのであるが、現在の合算保留記憶数に応じた演出態様で予告演出を実行する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS218で送信された合算保留記憶数指定コマンドにもとづいて、現在の合算保留記憶数を把握する。なお、CPU56は、入賞時判定結果指定コマンドとして、現在の合算保留記憶数を指定したコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、現在の合算保留記憶数の値をEXTデータとして指定して入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにしてもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータを確認することによって、現在の合算保留記憶数を把握するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(ステップS221)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否かを確認する(ステップS222)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。なお、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、再度第1始動口スイッチ13aがオンしているか否かを確認する(ステップS211参照)処理を行うようにしてもよい。
第2保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS223)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(ステップS224)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS225)。なお、ステップS225の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS226)。また、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS227)。そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値にもとづいて合算保留記憶数指定コマンドを送信する(ステップS228)。なお、合算保留記憶数指定コマンドを、第2始動入賞指定コマンドの前に送信してもよい。
次いで、CPU56は、ステップS225で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(A)に示す大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS229A)。大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致する場合には(ステップS229AのY)、CPU56は、ステップS225で抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が150〜251の範囲であるか否かを確認する(ステップS229E)。この実施の形態では、図9(A),(B)に示すように、15ラウンドの大当りとなる場合には、大当り種別が通常大当りであるか確変大当りであるかにかかわらず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が150〜251の範囲であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行される。変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が150〜251の範囲であれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して入賞時判定結果指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS229H)。
なお、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示結果として突然確変大当りが含まれない場合(図8(D)参照)を示しているが、第2特別図柄の変動表示結果として突然確変大当りも決定されるように構成する場合には、ステップS229Aで大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致すると判定したときに、ステップS219B〜S219Dと同様の処理を実行するようにすればよい。この場合、ステップS219Bと同様の処理を実行する場合には、第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択し、大当り種別を判定するようにすればよい。そして、ステップS219Dと同様の処理に従って、大当り種別が通常大当りまたは確変大当りであると判定した場合にステップS229Eの処理に移行するようにすればよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致しなければ(ステップS229AのN)、CPU56は、ステップS225で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(B)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS229F)。大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致しなければ(ステップS229FのN)、すなわち、はずれであれば、CPU56は、ステップS225で抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が230〜251の範囲であるか否かを確認する(ステップS229G)。この実施の形態では、図10(A),(B)に示すように、はずれとなる場合には、遊技状態や合算保留記憶数にかかわらず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が230〜251の範囲であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行される。例えば、始動入賞時における合算保留記憶数と実際に変動表示が開始されるときの合算保留記憶数とは必ずしも一致するとはかぎらない(通常、始動入賞後に増減する)ので、始動入賞時の判定と変動開始時の変動パターン種別の決定とで、選択するはずれ変動パターン種別判定テーブルが一致するとはかぎらず、一般に、始動入賞時に前もってスーパーリーチとなるか否かを判定して予測することは難しい。しかし、この実施の形態では、図10(A),(B)に示すように、合算保留記憶数3未満で用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aと、合算保留記憶数3以上で用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bとで、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−6に割り当てられている判定値の範囲が同じ(230〜251)であるので、いずれのテーブルを選択したとしても、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が230〜251の範囲であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)となると判定することができる。変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が230〜251の範囲であれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して入賞時判定結果指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS229H)。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述するように、ステップS229Hで送信された入賞時判定結果指定コマンドを受信したことにもとづいて、スーパーリーチを予告する予告演出を実行するのであるが、現在の合算保留記憶数に応じた演出態様で予告演出を実行する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS228で送信された合算保留記憶数指定コマンドにもとづいて、現在の合算保留記憶数を把握する。なお、CPU56は、入賞時判定結果指定コマンドとして、現在の合算保留記憶数を指定したコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、現在の合算保留記憶数の値をEXTデータとして指定して入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにしてもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータを確認することによって、現在の合算保留記憶数を把握するようにしてもよい。
なお、ステップS213〜218,S219A〜S219Hの処理とステップS223〜228,S229A〜S229Hの処理とを、1つの共通ルーチンで実現してもよい。その場合、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態になったことを検出した場合に「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態になったことを検出した場合に「第2」を示すデータをセットし、共通ルーチンで、セットされているデータに応じて、保留記憶数バッファ(第1保留記憶数バッファまたは第2保留記憶数バッファ)を選択したり始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)を選択する。なお、ステップS213〜218,S219A〜S219Hの処理とステップS223〜228,S229A〜S229Hの処理とを1つの共通ルーチンで実現する場合であっても、第1保留記憶バッファと第2保留記憶バッファとを、それぞれRAM55の別々の領域に、同じバッファ構造で用意しておく。
なお、この実施の形態では、大当りとなる場合であっても、はずれとなる場合であっても、始動入賞時にスーパーリーチとなるか否かを判定し、スーパーリーチとなると判定したことを示す入賞時判定結果指定コマンドを送信する場合を示したが、大当りと判定したときに、大当りとなると判定したことを示す判定コマンド(以下、入賞時大当り判定結果指定コマンドという)を送信するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS219DでYのときに、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して入賞時大当り判定結果指定コマンドを送信するようにしてもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入賞時大当り判定結果指定コマンドを受信したことにもとづいて、演出表示装置9において「大当りになるかも」などの文字列を表示させて大当りとなることを予告する演出を実行するようにしてもよい。さらに、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りの種類に応じて異なる判定コマンド(入賞時確変大当り判定結果指定コマンドや、入賞時通常大当り判定結果指定コマンド)を送信するようにしてもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した判定コマンドの種類に応じて、演出表示装置9において「確変大当りになるかも」、「大当りになるかも」などの文字列を表示させて予告する演出を実行するようにてもよい。
また、上記の場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS219DでYのときに、入賞時判定結果指定コマンドを送信するか、または入賞時大当り判定結果指定コマンドを送信するかを、乱数を用いた抽選処理によって決定し、スーパーリーチとなる場合であって入賞時判定結果指定コマンドを送信すると決定した場合であれば、入賞時判定結果指定コマンドを送信する制御を行い、入賞時大当り判定結果指定コマンドを送信すると決定した場合であれば、入賞時大当り判定結果指定コマンドを送信する制御を行ってもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入賞時判定結果指定コマンドを受信した場合には、スーパーリーチの予告演出を実行し、入賞時大当り判定結果指定コマンドを受信した場合には、大当りの予告演出を実行するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図15および図16に示すように、始動口スイッチ通過処理において、始動入賞の検出時にあらかじめスーパーリーチとなるか否かを乱数値を先読みして判定し予告演出を実行する場合を説明するが、始動入賞の検出時にスーパーリーチとなるか否かの入賞時判定処理を実行しないようにしてもよい。
図18および図19は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域の最初に設定されているデータが「第1」を示すデータであるか否かを確認する(ステップS52)。保留特定領域の最初に設定されているデータが「第1」を示すデータであれば、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第1」を示すデータを設定する(ステップS53)。保留特定領域の最初に設定されているデータが「第1」を示すデータでなければ(すなわち、「第2」を示すデータであれば)、CPU66は、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14に始動入賞した順番に、対応する特別図柄の変動表示が実行される(すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞に対応して第1特別図柄の変動表示が実行され、第2始動入賞口14への始動入賞に対応して第2特別図柄の変動表示が実行される)。
なお、始動入賞順ではなく、例えば、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。この場合、CPU56は、ステップS52において、保留特定領域に1つでも「第2」を示すデータがあるか否かを確認する。そして、1つでも「第2」を示すデータがあれば、ステップS54に移行し、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する。一方、「第2」を示すデータが1つもなければ(すなわち、「第1」を示すデータのみが設定されていれば)、CPU56は、ステップS53に移行し、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する。また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する場合、保留特定領域を設けなくてもよい。この場合、まず、第2保留記憶バッファに保留記憶があるか否か(ランダムRやランダム1、ランダム2などの値が格納されているか否か)を確認し、保留記憶があれば、ステップS54に移行し、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定すればよい。一方、第2保留記憶バッファに保留記憶がなければ(この場合、第1保留記憶バッファにのみ保留記憶があることになる)、ステップS53に移行し、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定すればよい。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、保留特定領域の最初に設定されている「第1」を示すデータを削除し、以降の保留特定領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、保留特定領域の最初に設定されている「第2」を示すデータを削除し、以降の保留特定領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタのカウント値をRAM55の所定の領域に保存した後(ステップS57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS215やS225で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊技状態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図8(B)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(B)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図8(C)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図8(D)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS215やS225で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図8(C),(D)に示すように、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、確変大当りが選択される割合が高い。また、この実施の形態では、図8(C),(D)に示すように、第1の特別図柄の変動表示が実行される場合にのみ、突然確変大当りが選択される場合がある。なお、例えば、第2の特別図柄の変動表示が実行される場合においても、突然確変大当りが選択されるようにしてもよく、第1の特別図柄の変動表示が実行される場合と第2の特別図柄の変動表示が実行される場合とで、各大当り種別の選択割合を同じにしてもよい。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図20は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132C(図9(A)〜(C)参照)のいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS102に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブル132D(図9(D)参照)を選択する(ステップS94)。そして、ステップS102に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS95)。なお、時短フラグは、遊技状態を時短状態に移行するとき(確変状態に移行するときを含む)にセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、時短回数を消化したタイミングや、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。時短フラグがセットされていれば(ステップS95のY)、CPU56は、ステップS98に移行する。
時短フラグがセットされていなければ(ステップS95のN)、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS96)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS96のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図10(A)参照)を選択する(ステップS97)。そして、ステップS102に移行する。
時短フラグがセットされている場合(ステップS95のY)または合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS96のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135B(図10(B)参照)を選択する(ステップS98)。そして、ステップS102に移行する。
この実施の形態では、ステップS95〜S98の処理が実行されることによって、遊技状態が時短状態である場合(確変状態である場合を含む)または合算保留記憶数が3以上である場合には、図10(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが選択される。この場合、後述するステップS102の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−2が決定される場合があり、非リーチCA2−2の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS105の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される(図12参照)。従って、この実施の形態では、遊技状態が時短状態である場合(確変状態である場合を含む)または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。
なお、この実施の形態では、遊技状態が時短状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS95でYと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図10(A)参照)を選択するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S94、S97またはS98の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。
次いで、CPU56は、ステップS102の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A、137B(図11参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138A(図12参照)のうちのいずれかを選択する(ステップS103)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS103の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS105)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS106)。
また、特別図柄の変動を開始する(ステップS107)。例えば、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS109)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS95〜S98,S102の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図10に示す非リーチCA2−1〜非リーチCA2−2の変動パターン種別を含むもの)と、リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図10に示すノーマルCA2−3〜ノーマルCA2−5、スーパーCA2−6の変動パターン種別を含むもの)とを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。この場合、CPU56は、例えば、始動口スイッチ通過処理における始動入賞時の判定において、リーチの選択割合が低い方のリーチ判定テーブルを用いてリーチとなるか否かをあらかじめ判定するようにしてもよい。なお、予告演出の実行割合が低下してしまうことを考慮すると、この実施の形態で示したように、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理を行うことなく、変動パターン種別によってスーパーリーチとなるか否かを事前判定して予告演出を行うように構成することが好ましい。
図21は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図13参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が確変大当りであるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。なお、確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が突然確変大当りであるときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。なお、突然確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「03」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、確変大当りおよびおよび突然確変大当りのいずれでもないときには(すなわち、通常大当りであるときには)、CPU56は、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS110のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS116)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS117)。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS116のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。
そして、合算保留記憶数を1減算することを指定する合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する(ステップS119)。なお、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信せずに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信してもよい。
その後、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS120)。
図22は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS126)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS127)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図23は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、ステップS139Aに移行する(ステップS133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短状態であることを示す時短フラグをリセットし(ステップS134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、大当りの種別が通常大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りのいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS136)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、通常大当りまたは確変大当りの場合には15回。突然確変大当りの場合には2回。)をセットする(ステップS137)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS138)。
ステップS139Aでは、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する。確変フラグがセットされていなければ、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(ステップS139B)。時短フラグがセットされている場合には(すなわち、確変状態をともなわず、時短状態にのみ制御されている場合には)、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS140)。また、CPU56は、時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS141)、時短フラグをリセットする(ステップS142)。また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して通常状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS142A)。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS143)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する(ステップS144)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS145)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(ステップS146)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS147)。
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS143のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS148)。
図24は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS150)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS154に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS151)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS152)。ここで、通常大当りであった場合には大当り終了1指定コマンドを送信し、確変大当りであった場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、突然確変大当りであった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、画像表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS153)、処理を終了する。
ステップS154では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS155)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS155のY)、CPU56は、大当りの種別が確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かを確認する(ステップS156)。なお、確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」〜「03」であるか否かを確認することによって判定できる。確変大当りおよび突然確変大当りのいずれでもなければ(すなわち、通常大当りであれば)、CPU56は、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS157)。また、CPU56は、時短回数をカウントするための時短回数カウンタに所定回数(例えば100回)をセットする(ステップS158)。そして、ステップS161に移行する。
確変大当りまたは突然確変大当りであれば、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS159)。また、CPU56は、時短フラグをセットする(ステップS160)。そして、ステップS161に移行する。
なお、この実施の形態では、ステップS157,S160でセットした時短フラグは、可変入賞球装置15の開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。この場合、具体的には、CPU56は、普通図柄プロセス処理(ステップS27参照)において、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに、時短フラグがセットされているか否かを確認し、セットされていれば、開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりして可変入賞球装置15を開放する制御を行う。また、ステップS157,S160でセットした時短フラグは、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられる。
ステップS161では、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して時短状態指定コマンドを送信する制御を行う。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS166)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図25は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。また、合算保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図26は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図13参照)であるのか解析する。
図27〜図29は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、その表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り開始指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(ステップS625)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(ステップS627)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS632)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行い(ステップS634)、停電復旧フラグをセットする(ステップS635)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了1指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。受信した演出制御コマンドが大当り終了2指定コマンドであれば(ステップS643)、演出制御用CPU101は、大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS644)。受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り終了指定コマンドであれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS646)。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、その合算保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を合算保留記憶数保存領域に格納する(ステップS652)。
受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば(ステップS653)、演出制御用CPU101は、第1始動入賞フラグをセットする(ステップS654)。受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば(ステップS655)、演出制御用CPU101は、第2始動入賞フラグをセットする(ステップS656)。受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS657)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS658)。
受信した演出制御コマンドが通常状態指定コマンドであれば(ステップS659)、演出制御用CPU101は、遊技状態が時短状態であることを示す時短状態フラグをリセットする(ステップS660)。また、受信した演出制御コマンドが時短状態指定コマンドであれば(ステップS661)、演出制御用CPU101は、時短状態フラグをセットする(ステップS662)。
受信した演出制御コマンドが入賞時判定結果指定コマンドであれば(ステップS663)、演出制御用CPU101は、スーパーリーチとなることを予告する予告演出を実行する旨のスーパーリーチ予告フラグをセットする(ステップS664)。また、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数保存領域に現在記憶されている合算保留記憶数を変動回数カウンタにセットする(ステップS665)。なお、変動回数カウンタは、入賞時判定結果指定コマンドで指定されたスーパーリーチとなるまでに実行される変動表示の回数をカウントするためのカウンタである。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS666)。そして、ステップS611に移行する。
図30は、図25に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄(飾り図柄)の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄(飾り図柄)の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄(飾り図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS805):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(ステップS806):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図31は、図25に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図32は、図30に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、セットされていれば、変動回数カウンタの値を1減算する(ステップS820A)。また、演出制御用CPU101は、減算後の変動回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS820B)。そして、変動回数カウンタの値が0になっていれば、演出制御用CPU101は、スーパーリーチ予告フラグをリセットする(ステップS820C)。そのような処理が実行されることによって、この実施の形態では、スーパーリーチとなる変動表示の1つ前の変動表示まで予告演出が実行されて、そのスーパーリーチとなる変動表示の開始時にスーパーリーチ予告フラグがリセットされる(そのスーパーリーチとなる変動表示中には予告演出は行われない)。なお、そのスーパーリートとなる変動表示中においても、スーパーリーチの予告演出を実行するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS820)。次いで、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄(飾り図柄)の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS821)。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
図33は、演出表示装置9における演出図柄(飾り図柄)の停止図柄の一例を示す説明図である。図33に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが通常大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが確変大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が奇数図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。そして、はずれの場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。なお、受信した表示結果指定コマンドが突然確変大当りや小当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドや表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄(飾り図柄)の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、確変大当りを想起させるような停止図柄を確変大当り図柄といい、通常大当りを想起させるような停止図柄を通常大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS822)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS823)。
図34は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図34に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27R,27L)の制御を実行する(ステップS824)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27R,27Lからの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS825)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS826)。
図35は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS841)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS842)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS843)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS844)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS845)。
次いで、演出制御用CPU101は、時短状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS845A)。時短状態フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、スーパーリーチを予告する予告画面を既に重畳表示していることを示す予告画面表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS845B)。予告画面表示フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、スーパーリーチ予告フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS845C)。スーパーリーチ予告フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、変動時間タイマの値が所定値(例えば2秒)未満であるか否かを確認する(ステップS845D)。
変動時間タイマの値が所定値未満でなければ、演出制御用CPU101は、変動回数カウンタの値が3以上であるか否かを確認する(ステップS845E)。変動回数カウンタの値が3以上であれば、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示中である演出表示装置9の表示画面に、スーパーリーチを予告するスーパーリーチ予告画面1を重畳表示する(ステップS845F)。この場合、例えば、演出制御用CPU101は、図36(A)に示すように、演出表示装置9に所定のキャラクタを表示するとともに、キャラクタのセリフとして「スーパーリーチかも」などのスーパーリーチの発生を予告する文字列を表示する。そして、ステップS845Jに移行する。
変動回数カウンタの値が3以上でなければ、演出制御用CPU101は、変動回数カウンタの値が2であるか否かを確認する(ステップS845G)。変動回数カウンタの値が2であれば、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示中である演出表示装置9の表示画面に、スーパーリーチを予告するスーパーリーチ予告画面2を重畳表示する(ステップS845H)。この場合、例えば、演出制御用CPU101は、図36(B)に示すように、演出表示装置9に所定のキャラクタを表示するとともに、キャラクタのセリフとして「もうすぐスーパーリーチかも」などの文字列を表示して、スーパーリーチ予告画面1よりも、よりスーパーリーチが近いことを示唆する予告演出を行う。そして、ステップS845Jに移行する。
変動回数カウンタの値が2でもなければ、変動回数カウンタの値が1である場合である。この場合、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示中である演出表示装置9の表示画面に、スーパーリーチを予告するスーパーリーチ予告画面3を重畳表示する(ステップS845I)。この場合、例えば、演出制御用CPU101は、図36(C)に示すように、演出表示装置9に所定のキャラクタを表示するとともに、キャラクタのセリフとして「次回スーパーリーチになりそう」などの文字列を表示して、スーパーリーチ予告画面2よりも、さらにスーパーリーチが近いことを示唆する予告演出を行う。そして、ステップS845Jに移行する。
そして、ステップS845Jでは、演出制御用CPU101は、ステップS845F,S845H,S845Iでスーパーリーチ予告画面を表示したことにもとづいて、予告画面表示フラグをセットする。なお、ステップS845F,S845H,S845Iで表示されたスーパーリーチ予告画面は、表示開始後、例えば、プロセスデータが更新されるごとに表示が更新される。
なお、この実施の形態では、時短状態フラグがセットされている場合には(ステップS845AのY参照)、ステップS845B〜S845Jの処理を実行しないようにして、スーパーリーチの予告演出を行わないように制御する。すなわち、遊技状態が時短状態(確変状態を含む)に制御されている場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合があるのであるから、このように短縮変動が行われる場合に予告演出を行ってしまうと、極めて短い時間しか予告演出が行われず演出が不自然である。そこで、不自然な予告演出が実行されてしまうことを防止するため、遊技状態が時短状態に制御されている場合には、スーパーリーチの予告演出を実行しないように制御する。
また、この実施の形態では、スーパーリーチ予告フラグがセットされた場合であっても(ステップS845CのY参照)、変動時間タイマの値が所定値(例えば2秒)未満である場合には、ステップS845E〜S845Jの処理を実行しないようにして、スーパーリーチの予告演出を行わないように制御する。具体的には、この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動表示中に新たな始動入賞を検出し、その始動入賞に対してスーパーリーチとなることを入賞時判定した場合にも、残りの変動時間を利用してスーパーリーチの予告演出を実行することが可能であるが、実行中の変動表示の残りの変動時間が極めて短い場合には、極めて短い時間しか予告演出が行われず演出が不自然である。そこで、不自然な予告演出が実行されてしまうことを防止するため、変動時間タイマの値が所定値未満である場合(残りの変動時間が短い場合)には、スーパーリーチの予告演出を実行しないように制御する。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS846)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS848)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS847)、ステップS848に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
なお、この実施の形態では、スーパーリーチの予告演出として、図36に示すように、演出表示装置9においてスーパーリーチ予告画面を重畳表示させる場合を示したが、スーパーリーチの予告演出の演出態様は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、合算保留記憶表示部18cに表示する保留記憶の表示(スーパーリーチとなる変動に対応する保留記憶の表示)の表示態様を変えることによって、スーパーリーチとなることを予告してもよい。この場合、例えば、合算保留記憶表示部18cに表示する保留記憶の表示の表示色を変えたり(例えば、青色から赤色に変えたり)、表示の形状を変えたり(例えば、丸形表示から星形表示に変えたり)することによって予告してもよい。また、例えば、ランプ28a,28b,28cを点灯させたり、スピーカ27L,27Rから所定の音声や警告音を音声出力したり、演出表示装置9に所定の予告画面を表示したりすることのいずれかによって予告してもよく、これらのうちのいずれか複数の組合せまたは全てによって予告してもよい。なお、この場合、特に、演出表示装置9への予告画面の表示以外の方法により予告を行う方が、演出時間に影響されることなく予告を行うことができ、予告方法として望ましいといえる。
図37は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS851)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS852)、演出図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS853)。また、演出制御用CPU101は、予告画面表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS854A)。予告画面表示フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、表示中のスーパーリーチ予告画面(図36に示すスーパーリーチ予告画面1〜スーパーリーチ予告画面3のいずれか)を消去し(ステップS854B)、予告画面表示フラグをリセットする(ステップS854C)。そして、演出制御用CPU101は、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認する(ステップS855)。大当りまたは小当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドによって確認される。なお、この実施の形態では、決定されている停止図柄によって、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。
なお、この実施の形態では、スーパーリーチの予告演出を行う場合には、ほぼ演出図柄の変動を開始すると同時にスーパーリーチ予告画面1〜3のいずれかの重畳表示が開始され(変動表示中に始動入賞がありスーパーリーチとなると判定された場合には、そのタイミングから)、演出図柄の変動表示を終了するときにステップS854Bでスーパーリーチ予告画面1〜3が消去され予告演出を終了する。なお、演出図柄の変動表示中のうちの所定期間中のみスーパーリーチの予告演出を実行するようにしてもよい。例えば、演出図柄の変動表示開始後、所定の予告開始時間となったことにもとづいて、スーパーリーチ予告画面1〜3のいずれかを所定期間(例えば1秒)重畳表示するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、あらかじめ始動入賞時にスーパーリーチと判定されたことにもとづいて、図36に示すような予告演出を実行する場合を示したが、例えば、スーパーリーチとならない場合であっても低い確率で図36と同様の態様の予告演出を実行するようにしてもよい。
大当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS856)。
大当りとしないことに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS857)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信したことを条件に、演出図柄(飾り図柄)の変動(可変表示)を終了させる(ステップS851,S853参照)。しかし、受信した変動パターンコマンドにもとづく変動時間タイマがタイムアウトしたら、図柄確定指定コマンドを受信しなくても、演出図柄(飾り図柄)の変動を終了させるように制御してもよい。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示の終了を指定する図柄確定指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
図38は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、いずれかの大当り開始指定コマンド受信フラグ(大当り開始1指定コマンドを受信したことを示す大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンドを受信したことを示す大当り開始2指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを受信したことを示す小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否か確認する(ステップS871)。いずれかの大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされているフラグに応じた遊技開始画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS872)。また、セットされているフラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグ)をリセットする(ステップS873)。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS805)に応じた値に更新する(ステップS874)。
なお、大当り表示用のプロセス処理とは別に小当り表示用のプロセス処理を設けるようにし、小当りである場合には、例えば、所定期間(大入賞口が0.1秒間2回開放するのに十分な時間。例えば0.5秒間)、突然確変大当り時と同様の態様の演出を行うようにしてもよい。
また、小当りや突然確変大当りである場合に、小当り/突然確変大当り開始指定コマンドの受信にもとづいて演出を実行するのではなく、演出制御用CPU101は、例えば、小当り/突然確変大当り用の変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて、小当りまたは突然確変大当りであることを示唆するような演出を所定期間実行するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU101は、小当りまたは突然確変大当りであることを示唆するような演出を行うためのプロセスデータをプロセス時間ごとに切り替え、切り替えたプロセスデータに従って演出を行う。
なお、ステップS872では、演出制御用CPU101は、大当り遊技の開始を報知する画面を演出表示装置9に表示する制御を行う。
図39は、演出制御プロセス処理における大当り終了処理(ステップS806)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマが設定されているか否か確認する(ステップS880)。大当り終了演出タイマが設定されている場合には、ステップS885に移行する。大当り終了演出タイマが設定されていない場合には、大当り終了指定コマンドを受信したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1指定コマンド受信フラグ、大当り終了2指定コマンド受信フラグ、小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否か確認する(ステップS881)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1指定コマンド受信フラグ、大当り終了2指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグ)をリセットし(ステップS882)、大当り終了演出タイマに大当り終了表示時間に相当する値を設定して(ステップS883)、演出表示装置9に、大当り終了画面(大当り遊技の終了を報知する画面)を表示する制御を行う(ステップS884)。具体的には、VDP109に、大当り終了画面を表示させるための指示を与える。
ステップS885では、大当り終了演出タイマの値を1減算する。そして、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了演出時間が経過したか否か確認する(ステップS886)。経過していなければ処理を終了する。大当り終了演出時間が経過している場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS892)。
なお、この実施の形態において、スーパーリーチの予告演出(スーパーリーチとなる変動の前の複数回の変動にわたって連続して行われる連続予告演出)の設定は、例えば、演出図柄プロセス処理のステップS800〜S806の各プロセス処理が実行される直前にサブルーチンとして実行されるようにしてもよい。また、例えば、演出図柄の変動開始時のタイミングで、スーパーリーチの予告演出の設定処理を行うように構成してもよい。後者の場合、変動表示中に始動入賞が発生してスーパーリーチと判定した場合には、その変動表示の途中から予告演出を開始することはできないものの、演出図柄の変動表示中に予告演出の設定処理のために処理時間がかかり、処理落ちなどの事態が発生してしまうことを確実に防止することができる。
また、スーパーリーチの予告演出(連続予告演出)だけでなく、演出図柄の変動開始時に他の予告演出(今回実行される変動表示の表示結果が大当りとなるか否かにもとづいて、変動表示中に実行される予告の演出)も実行するか否かを決定し実行するようにしてもよい。例えば、演出図柄の変動開始時に演出図柄変動開始処理においてステップアップ予告演出やミニキャラ予告演出、ボタン操作を伴うボタン予告演出などを実行するか否かを決定し、それらのいずれかや複数の組合せ、または全てを演出図柄の変動表示中に実行するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、スーパーリーチとなるまでの残り変動回数に応じてスーパーリーチの予告演出(連続予告演出)の態様を異ならせる場合を示したが(図36参照)、スーパーリーチとなるまでの残り変動回数にかかわらず、毎回の変動で同じ態様の予告演出を実行するようにしてもよい。
次に、スーパーリーチの予告演出の実行タイミングについて説明する。図40は、スーパーリーチの予告演出の実行タイミングを示す説明図である。図40に示す例では、特別図柄および演出図柄の変動表示中に新たな始動入賞が発生した場合を示している。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への新たな始動入賞を検出すると(ステップS211,S221参照)、合算保留記憶数を1加算し(ステップS217,S227参照)、合算保留記憶数指定コマンドを送信する(ステップS218,S228参照)。図40に示す例では、1加算後の合算保留記憶数が4となり、合算保留記憶数4を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合が示されている。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、抽出した各乱数値にもとづいて、その始動入賞に対応する変動表示においてスーパーリーチとなるか否か入賞時判定を行う(ステップS219A〜S219G,S229A〜S229G参照)。そして、スーパーリーチになると判定すると、入賞時判定結果指定コマンドを送信する(ステップS219H,S229H参照)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、入賞時判定結果指定コマンドを受信すると、現在の合算保留記憶数(図40に示す例では4)を変動回数カウンタにセットする(ステップS665参照)。また、図40に示す例では、演出図柄の変動中であるので、変動回数カウンタの値が3以上であることにもとづいて、残りの変動時間を利用してスーパーリーチ予告画面1(図36(A)参照)を演出表示装置9に重畳表示する(ステップS845E,S845F参照)。なお、図40に示す例では、変動時間の残り時間が所定時間(例えば2秒)以上である場合が示されているが、変動時間の残り時間が所定時間未満である場合には、スーパーリーチ予告画面1を表示しない(ステップS845D参照)。
次いで、次の変動表示を開始するときに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動回数カウンタの値を1減算する(ステップS820A参照)。そして、変動回数カウンタの値が3以上であることにもとづいて、スーパーリーチ予告画面1(図36(A)参照)を演出表示装置9に重畳表示する(ステップS845E,S845F参照)。
さらに次の変動表示を開始するときに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動回数カウンタの値を1減算する(ステップS820A参照)。そして、変動回数カウンタの値が2であることにもとづいて、スーパーリーチ予告画面2(図36(B)参照)を演出表示装置9に重畳表示する(ステップS845G,S845H参照)。
さらに次の変動表示を開始するときに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動回数カウンタの値を1減算する(ステップS820A参照)。そして、変動回数カウンタの値が1であることにもとづいて、スーパーリーチ予告画面3(図36(C)参照)を演出表示装置9に重畳表示する(ステップS845I参照)。
そして、次の変動表示(予告されたスーパーリーチが実行される変動表示)を開始するときに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動回数カウンタの値を1減算し(ステップS820A参照)、変動回数カウンタの値が0になったことにもとづいて、スーパーリーチ予告フラグをリセットする(ステップS820B,S802C)。そして、演出表示装置9においてスーパーリーチを伴う演出図柄の変動表示が実行される(ステップS824,S845参照)。
なお、この実施の形態では、図40に示すように、スーパーリーチが出現する変動表示の1つ前の変動表示までにおいて、その変動表示中にスーパーリーチの予告演出を行う場合を示しているが、スーパーリーチが出現する変動表示中においてもスーパーリーチの予告演出を実行するようにしてもよい。なお、この実施の形態では、スーパーリーチが出現する変動表示においては予告演出を実行しないようにしているので、1つの変動表示中に予告演出とスーパーリーチの演出との両方が実行されて、演出が慌ただしく不自然になることを防止している(特に、変動表示の終了間際に演出が慌ただしくなることを確実に防止している)。なお、スーパーリーチが出現する変動表示中においてもスーパーリーチの予告演出を実行する場合には、その変動表示中のスーパーリーチの演出が実行される前に予告演出を実行し、予告演出が終了した後にスーパーリーチの演出を実行するようにすればよい。
また、この実施の形態では、図40に示すように、変動表示中に始動入賞が発生してスーパーリーチとなると判定した場合、変動時間の残り時間が所定時間以上であれば、その変動表示中の変動においても直ちに予告演出を実行する場合を示しているが、始動入賞時に変動表示中であった場合に、その変動表示中には予告演出を実行しないようにしてもよい。そのように構成すれば、演出制御用マイクロコンピュータ100側の処理負担の増加を防止するとともに、処理が煩雑となって処理の実行もれなどが発生してしまう事態を防止することができる。また、変動表示の途中からスーパーリーチの演出が実行されて、演出が慌ただしく煩雑になることを防止することができる。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いて、演出図柄の変動パターン種別を、スーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターンを含まない変動パターン種別とを含む複数種類の変動パターン種別のいずれかに決定する。そして、決定した変動パターン種別に含まれる変動パターンの中から演出図柄の変動パターンを決定する。この場合、はずれ用変動パターン種別判定テーブルは、スーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別に対しては、合算保留記憶数にかかわらず、共通の判定値(230〜251)が割り当てられている。また、はずれ用変動パターン種別判定テーブルは、スーパーリーチ以外の変動パターン(ノーマルリーチや非リーチ)を含む変動パターン種別に対しては、合算保留記憶数に応じて異なる判定値が割り当てられている。そのため、スーパーリーチを伴う変動パターンが複数の変動パターン種別間で共通に存在しないようにすることができる。従って、スーパーリーチを伴う変動パターンとそれ以外の変動パターンとの振り分けを設計段階で容易に変更することができる。
例えば、この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動開始時に変動パターンを決定し、決定した変動パターンに従って変動表示を行うことが前提であるが、始動入賞を検出したタイミングで保留バッファに読み込んだ変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)中に、大当りに対する信頼度の高いスーパーリーチに対応する乱数値が含まれる場合には、そのスーパーリーチとなる変動表示が実行される以前の変動表示中にスーパーリーチの予告演出を実行する。この場合に、この実施の形態のようにはずれ用変動パターン種別判定テーブルを設計しておけば、スーパーリーチの予告演出を実行した場合には、必ずその予告した変動パターン種別に対応するスーパーリーチを伴う変動表示が実行されるので、その変動パターン種別に対応する予告演出を事前に実行することができる。
例えば、特開2005−278663号公報に記載された遊技機では、まず変動パターン種別を決定して、変動パターン種別に含まれる変動パターンのいずれかの変動パターンに決定することが記載されているが、複数の変動パターン種別間に重複して含まれる変動パターンが存在する。そのため、スーパーリーチの予告演出を事前に実行した場合であっても、ノーマルリーチなど他の演出が実行されてしまう可能性があり、遊技者に対して不信感を与える可能性がある。遊技者に対して不信感を与えないようにしようとすると、せいぜいリーチが発生する旨の予告演出しか実行することができず(スーパーリーチなどより信頼度の高い演出の予告を行うことができず)、予告演出の効果が著しく減退してしまう。これに対して、この実施の形態によれば、スーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別に対しては、合算保留記憶数にかかわらず、共通の判定値が割り当てられているように構成されているので、より信頼度の高いスーパーリーチの予告演出を確実に実行することができ、遊技者に対して不信感を与えることなく、予告演出の効果を高めることができる。
また、特開2005−278663号公報に記載された遊技機では、変動パターン種別間で共通に存在する変動パターンが含まれる。そのため、スーパーリーチの変動パターンなど特定の変動パターンとそれ以外の変動パターンとの振り分けを設計段階で行う場合の作業が繁雑となる。すなわち、変動パターン種別に含まれる各変動パターンの変動パターン種別内における選択割合を変えることなく、特定の変動パターンの選択割合のみを変更したい場合であっても、複数の変動パターン種別内の選択割合を変更しなければならず、変動パターン種別間で変動パターンの出現率が異なってしまうことになる。これに対して、この実施の形態によれば、スーパーリーチの変動パターンなど特定の変動パターンとそれ以外の変動パターンとが複数の変動パターン種別間で共通に存在しないように構成されているので、変動パターンの出現率を容易に変更することができる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄を可変表示するときと第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄を可変表示するときとで、共通の処理に従って変動パターン種別を決定する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄を可変表示するときと第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄を可変表示するときとで、共通の処理に従って、決定した変動パターン種別に含まれる変動パターンの中から演出図柄の変動パターンを決定する。そのため、複数の特別図柄表示器を備えた遊技機において、変動パターンを決定するためのプログラムやデータを格納する記憶領域の容量を削減することができる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りとするか否かとともに、15ラウンド大当りである通常大当りや確変大当りと2ラウンド大当りである突然確変大当りとのいずれとするかを、表示結果の導出表示以前に決定する。そして、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄を可変表示するときと第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄を可変表示するときとで、異なる割合で15ラウンド大当りと2ラウンド大当りとのいずれに移行させるかを決定する。そのため、いずれの特別図柄の可変表示が実行されるかによって、移行される遊技状態の遊技価値を異ならせることができ、遊技の進行を多様化することができる。
また、この実施の形態によれば、変動開始前の始動入賞時のタイミングで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出図柄の変動パターンがスーパーリーチを伴う変動パターンとなるか否かをあらかじめ判定する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、スーパーリーチとなると入賞時判定されたことにもとづいて、そのスーパーリーチとなると判定された演出図柄の可変表示が開始される以前に、スーパーリーチとなることを報知する演出を実行可能である。そのため、その始動入賞に対応した可変表示よりも以前に、スーパーリーチとなることを報知することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いて変動パターン種別を決定して変動パターンを決定する。この場合、はずれ用変動パターン種別判定テーブルは、スーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別に対しては、合算保留記憶数にかかわらず、共通の判定値(230〜251)が割り当てられている。また、はずれ用変動パターン種別判定テーブルは、スーパーリーチ以外の変動パターン(ノーマルリーチや非リーチ)を含む変動パターン種別に対しては、合算保留記憶数に応じて異なる判定値が割り当てられている。そのため、合算保留記憶数が多くなるに従って可変表示時間の短い変動パターンを含む変動パターン種別に対する判定値の割合が多くなるように割り当てを行うことによって、可変表示の作動率が低下してしまう事態を極力防止することができる。
図41は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける判定値の割り当て状態を示す説明図である。この実施の形態では、合算保留記憶数が3以上である場合には、図10(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが用いられ、合算保留記憶数が0〜2(3以下)である場合には、図10(A)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aが用いられる(ステップS96〜S98参照)。図40に示すように、合算保留記憶数が3以上である場合には、合算保留記憶数が0〜2である場合に比較して、リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ)となり割合が少ない。また、合算保留記憶数が3以上である場合には、図10(B)に示すように、非リーチCA2−2の変動パターン種別が選択されて短縮変動の変動パターンである非リーチPA1−2が選択されうるので、合算保留記憶数が多くなるに従って平均的な変動時間を短くすることによって、可変表示の作動率が低下してしまう事態を極力防止することができる。
また、この実施の形態では、図41に示すように、合算保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動パターン種別に対して、共通の判定値(230〜251)が割り当てられている。そのため、始動入賞時において、抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値さえ確認すれば、スーパーリーチとなるか否かをあらかじめ容易に判定することができる。従って、その始動入賞に対応した可変表示よりも以前に、スーパーリーチとなることを報知することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、合算保留記憶数が0〜2であるか3以上であるかの2種類について、はずれ用変動パターン種別判定テーブルの判定値の振り分けを異ならせる場合を示したが、はずれ用変動パターン種別判定テーブルの判定値の振り分けの異ならせ方は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、合算保留記憶数に応じてさらに細かく段階的に振り分けを異ならせてもよい。この場合、例えば、合算保留記憶数が0,1用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルと、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用および合算保留記憶数4個用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとをあらかじめ用意しておき、リーチを伴う変動パターン種別や短縮変動の変動パターン種別の振り分けをさらに段階的に異ならせるようにしてもよい。また、このような例にかぎらず、あらかじめ用意しておくはずれ用変動パターン種別判定テーブルの組合せは、様々なものが考えられる。例えば、合算保留記憶数の値ごとに別々のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ備えてもよい(すなわち、合算保留記憶数0個用、合算保留記憶数1個用、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用、合算保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、合算保留記憶数0〜2用、合算保留記憶数3用、合算保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、合算保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動パターン種別に対して、全く共通の判定値(230〜251)が割り当てられている場合を示したが、一方のはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおけるスーパーリーチに対する判定値が、他方のはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおけるスーパーリーチに対する判定値を包含しているものであってもよい。図42は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける判定値の割り当て状態の他の例を示す説明図である。
図42に示す変形例では、合算保留記憶数3以上の場合には、スーパーリーチを伴う変動パターン種別に対して判定値230〜251が割り当てられているのに対して、合算保留記憶数0〜2の場合には、スーパーリーチを伴う変動パターン種別に対して判定値200〜251が割り当てられている。しかし、このような場合であっても、始動入賞時において、抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が少なくとも230〜251の範囲であれば、スーパーリーチとなることをあらかじめ容易に判定することができる。従って、その始動入賞に対応した可変表示よりも以前に、スーパーリーチとなることを報知することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
具体的には、図42に示すように、合算保留記憶数が3以上である場合における非リーチの変動パターン種別に割り当てられている判定値0〜199のうち、判定値100〜199の範囲については、合算保留記憶数が0〜2である場合における非リーチの変動パターン種別に割り当てられている判定値の範囲0〜99には含まれていない。これに対して、合算保留記憶数が3以上である場合におけるスーパーリーチを伴う変動パターン種別に割り当てられている判定値の範囲230〜251は、合算保留記憶数が0〜2である場合におけるスーパーリーチを伴う変動パターン種別に割り当てられている判定値の範囲200〜251にすべて含まれている。そのため、始動入賞時において、抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が少なくとも230〜251の範囲であれば、スーパーリーチとなることをあらかじめ容易に判定することができる。
なお、図42に示す変形例では、合算保留記憶数0〜2の場合には、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別に対して判定値100〜199が割り当てられ、合算保留記憶数3以上の場合には、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別に対して判定値200〜229が割り当てられ、ノーマルリーチを伴う変動パターンに対して判定値が割り当てられている範囲が重複していないが、合算保留記憶数0〜2の場合と3以上の場合とで、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別に対して割り当てられている判定値の範囲が重複するようにしてもよい。例えば、合算保留記憶数0〜2の場合には、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別に対して判定値100〜199が割り当てられ、合算保留記憶数3以上の場合には、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別に対して判定値180〜229が割り当てられるように構成してもよい。なお、このように構成した場合であっても、合算保留記憶数が3以上である場合におけるノーマルリーチを伴う変動パターン種別に割り当てられている判定値180〜229のうちの一部の判定値180〜199の範囲のみが、合算保留記憶数が0〜2である場合におけるノーマルリーチを伴う変動パターン種別に割り当てられている判定値の範囲100〜199に含まれていることになる。
また、この実施の形態では、スーパーリーチを伴う変動パターンを一括りの変動パターン種別としてはずれ用変動パターン種別判定テーブルを構成する場合を示したが、スーパーリーチの種類ごと(例えば、スーパーリーチAとスーパーリーチB)に変動パターン種別を分けてもよい。図43は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける判定値の割り当て状態のさらに他の例を示す説明図である。
図43に示す変形例では、合算保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチAを伴う変動パターン種別に対して判定値230〜237が割り当てられているとともに、スーパーリーチBを伴う変動パターン種別に対して判定値237〜251が割り当てられている。しかし、このような場合であっても、始動入賞時において、抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が230〜251の範囲であれば、スーパーリーチとなることをあらかじめ容易に判定することができる。従って、その始動入賞に対応した可変表示よりも以前に、スーパーリーチとなることを報知することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、はずれ用変動パターン種別判定テーブルを図43に示すように構成する場合であっても、スーパーリーチAとスーパーリーチBとの判定値の振り分けはテーブルごとに異なるようにしてもよく、図42に示した変形例と同様に、例えば、一方のはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおけるスーパーリーチA,Bに対する判定値が、他方のはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおけるスーパーリーチA,Bに対する判定値を包含しているものであってもよい。また、テーブル間でスーパーリーチAとスーパーリーチBに対する判定値の振り分けが一部重複するように構成してもよい。このことは、この実施の形態およびこの実施の形態で示す各変形例のいずれにおいても、同様に当てはめて考えることができる。
また、この実施の形態によれば、スーパーリーチを伴う変動パターン以外の変動パターンとして、擬似連を伴う変動パターンを含む。そのため、スーパーリーチとなることを報知する演出が実行されない場合であっても、擬似連を伴う可変表示が行われることによって、大当り遊技状態となることに対する期待感を高めることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、スーパーリーチを伴う変動パターン以外の変動パターンとして擬似連を伴う変動パターンを決定するときには、合算保留記憶数が少ない場合には、合算保留記憶数が多い場合と比較して、擬似連の再変動の実行回数が多い変動パターンを決定する。そのため、合算保留記憶数が多いとき(保留記憶が溜まっているとき)に再変動の実行回数が多い擬似連を伴う可変表示が頻繁に行われる事態を防止することができ、可変表示の作動率が低下してしまう事態をより防止することができる。
図44は、スーパーリーチを伴う変動パターン以外の変動パターンとして、擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別にも着目して見た場合のはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける判定値の割り当て状態を示す説明図である。この実施の形態では、合算保留記憶数が3以上である場合には、スーパーリーチを伴う変動パターン以外の変動パターンを含む変動パターン種別として、判定値が215〜229の範囲であることにもとづいて、ノーマルCA2−5の変動パターン種別が選択される(図10(B)参照)。そして、図44に示すように、再変動回数2回の擬似連を伴うノーマルPB2−1の変動パターンが選択される(図12、図6参照)。一方、合算保留記憶数が0〜2である場合には、スーパーリーチを伴う変動パターン以外の変動パターンを含む変動パターン種別として、判定値が170〜229の範囲であることにもとづいて、ノーマルCA2−4の変動パターン種別が選択される(図10(A)参照)。そして、図44に示すように、再変動回数3回の擬似連を伴うノーマルPB2−2の変動パターンが選択される(図12、図6参照)。
図44に示すように、スーパーリーチとなることを報知する演出が実行されない場合であっても、擬似連を伴う可変表示が行われる場合があるので、大当り遊技状態となることに対する期待感を高めることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。また、図44に示すように、擬似連を伴う可変表示が行われる場合には、合算保留記憶数が0〜2と少ないときには、再変動3回の擬似連を伴う可変表示が実行され、合算保留記憶数が3以上と多い場合には、再変動回数が2回と少ない擬似連を伴う可変表示が実行される。そのようにすることによって、合算保留記憶数が多いとき(保留記憶が溜まっているとき)に再変動の実行回数が多い擬似連を伴う可変表示が頻繁に行われる事態を防止することができ、可変表示の作動率が低下してしまう事態をより防止することができる。
なお、この実施の形態では、判定値230〜251の範囲に割り当てられているスーパーリーチを伴う変動パターン種別には、特定の可変表示パターンとして、擬似連を伴う変動パターンと擬似連を伴わない変動パターンとが含まれているのであるが(図6および図12のスーパーCA2−6参照)、判定値230〜251の範囲に割り当てられているスーパーリーチを伴う変動パターン種別は、スーパーリーチを伴うのみで擬似連を伴わない変動パターンが含まれるものであってもよい。さらに、スーパーリーチとともに擬似連を伴う変動パターンが用いられる場合であっても、判定値230〜251の範囲には、特定の可変表示パターンとして、スーパーリーチを伴うのみで擬似連を伴わない変動パターンのみを含む変動パターン種別が割り当てられるようにし、スーパーリーチとともに擬似連も伴う変動パターンを含む変動パターン種別や、ノーマルリーチで擬似連を伴う変動パターン種別や、非リーチで擬似連を伴う変動パターン種別については、判定値230〜251以外の範囲に、特定の可変表示パターン以外の可変表示パターンを含む変動パターン種別として割り当てられるようにしてもよい。
また、この実施の形態によれば、スーパーリーチを伴う変動パターンとして擬似連を伴う変動パターンを決定する場合には、再変動の実行回数が所定回数以上(この実施の形態では4回)である擬似連を伴う変動パターンを決定可能である。また、スーパーリーチを伴う変動パターン以外の変動パターンとして擬似連を伴う変動パターンを決定する場合には、再変動の実行回数が所定回数未満(この実施の形態では2回または3回)である擬似連を伴う変動パターンを決定可能である。そのため、再変動回数が所定回数(例えば4回)以上である擬似連が実行されることによって、スーパーリーチになるかもしれないとの期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
図45は、擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別にも着目して見た場合のはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける判定値の割り当て状態を示す説明図である。この実施の形態では、合算保留記憶数にかかわらず、判定値が230〜251の範囲であることにもとづいて、スーパーリーチを伴うスーパーCA2−6の変動パターン種別が選択される(図10参照)。そして、図44に示すように、再変動回数4回の擬似連を伴う変動パターンであるスーパーPA3−1〜スーパーPA3−2が選択されることがある(図12、図6参照)。一方、合算保留記憶数が3以上である場合には、判定値が215〜229の範囲であることにもとづいて、スーパーリーチとならないノーマルCA2−5の変動パターン種別が選択される(図10(B)参照)。そして、図44に示すように、再変動回数2回の擬似連を伴う変動パターンであるノーマルPB2−1が選択されることがある(図12、図6参照)。また、合算保留記憶数が0〜2である場合には、判定値が170〜229の範囲であることにもとづいて、スーパーリーチとならないノーマルCA2−4の変動パターン種別が選択される(図10(A)参照)。そして、図44に示すように、再変動回数3回の擬似連を伴う変動パターンであるノーマルPB2−2が選択されることがある(図12、図6参照)。
図45に示すように、再変動回数が4回以上である擬似連が実行されることによって、スーパーリーチになるかもしれないとの期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、図45に示すように、判定値230〜251の範囲に割り当てられているスーパーリーチを伴う変動パターン種別には、特定の可変表示パターンとして、再変動4回の擬似連を伴う変動パターンが含まれ、それ以外の範囲に、特定の可変表示パターン以外の可変表示パターンとして、再変動2回または3回の擬似連を伴う変動パターンが含まれており、特定の可変表示パターンと特定の可変表示パターン以外の可変表示パターンとで、再変動回数が重複しない擬似連を伴う変動パターンが含まれている場合を示しているが、擬似連の再変動回数が重複していてもよい。例えば、判定値230〜251の範囲に割り当てられているスーパーリーチを伴う変動パターン種別には、特定の可変表示パターンとして、再変動3回〜5回の擬似連を伴う変動パターンが含まれ、それ以外の範囲に、特定の可変表示パターン以外の可変表示パターンとして、再変動1回〜3回の擬似連を伴う変動パターンが含まれるように構成されていてもよい。
なお、はずれ用変動パターン種別判定テーブルにおけるスーパーリーチを伴う変動パターン種別が割り当てられている範囲(判定値230〜251が割り当てられている範囲)内において、いずれの種類のスーパーリーチを伴う変動パターンを割り当てるようにするかや、擬似連を伴う変動パターンをどの程度の割合で割り当てるようにするかは、この実施の形態で示したものにかぎられない。図46は、スーパーリーチを伴う変動パターン種別が割り当てられている範囲における割り当て例を示す説明図である。
例えば、図46(A)に示すように、全ての種類のリーチを割り当てるのではなく、一部の大当りに対する信頼度が高いリーチ(例えば、スーパーリーチA〜Cの中のスーパーリーチC)のうち、擬似連を伴うものであって、その擬似連回数が多いもの(例えば4回)を、まとめて判定値230〜251の範囲に割り当てるようにしてもよい。また、例えば、図46(B)に示すように、リーチの種類にかかわらず、全てのリーチ(例えば、スーパーリーチA〜スーパーリーチC)について、擬似連を伴うものであって、その擬似連回数が多いものを、まとめて判定値230〜251の範囲に割り当てるようにしてもよい。さらに、例えば、図46(C)に示すように、スーパーリーチのみ(例えば、スーパーリーチAで擬似連を伴わない)の変動パターンとは別に、擬似連を伴うものであってその擬似連回数が多い変動パターンを、特定の変動パターンとして判定値230〜251の範囲に割り当てるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、スーパーリーチとしてスーパーリーチAとスーパーリーチBの2種類のリーチを用いる場合を示しているが、実行可能なスーパーリーチの種類は2種類にかぎらず、3種類以上のスーパーリーチを実行可能に構成してもよい。例えば、図46に示すようにスーパーリーチA,Bに加えてスーパーリーチCを実行可能に構成する場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、この実施の形態と同様の処理に従って、まず図9(A),(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブルや図10(A),(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルから、スーパーリーチ用の変動パターン種別であるスーパーCA3−3やスーパーCA2−6を決定する。そして、スーパーリーチ用の変動パターン種別であるスーパーCA3−3やスーパーCA2−6にそれぞれスーパーリーチA〜Cを伴う変動パターンが含まれるように構成し、決定した変動パターン種別にもとづいて、スーパーリーチA〜Cのいずれかを伴う変動パターンを決定するようにすればよい。
また、この実施の形態によれば、大当りとすることに決定した場合には、大当りとしないことに決定した場合と比較して、高い割合でスーパーリーチを伴う変動パターンとする。例えば、図10に示すように、はずれと決定した場合には、スーパーリーチに対して230〜251の狭い範囲にしか判定値が割り当てられていないのに対して、図9(A),(B)に示すように、大当りと決定した場合には、スーパーリーチに対して150〜251または80〜251の広い範囲にわたって判定値が割り当てられている。そのため、スーパーリーチを伴う可変表示が行われるときの大当り遊技状態への期待感を高めることができ、遊技に対する興趣をさらに向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、スーパーリーチを伴う変動パターン以外の変動パターンとして、ノーマルリーチを伴う変動パターンまたは非リーチの変動パターンとすることに決定する。そのため、スーパーリーチを伴う可変表示が行われないときであっても、ノーマルリーチを伴う可変表示が実行されて、大当り遊技状態になるかもしれないとの期待感を与えることができ、遊技に対する興趣をさらに向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターン種別として、スーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別、またはスーパーリーチを伴う変動パターンを含まない変動パターン種別とすることに決定する。そして、演出図柄の可変表示パターン種別がスーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別となると判定したときに、演出図柄の変動パターンがスーパーリーチを伴う変動パターンとなると判定する。そのため、変動パターン種別の振り分けを変更するだけで、スーパーリーチを伴う変動パターンとそれ以外の変動パターンとの振り分けを設計段階で容易に変更することができる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、時短状態(確変状態を含む)に移行されているときに、可変表示時間が短い短縮変動の変動パターンを決定可能である。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、スーパーリーチとなることを報知する予告演出を、複数回の演出図柄の可変表示にわたって連続して実行可能である。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、時短状態(確変状態を含む)に移行されているときには、スーパーリーチとなることを報知する予告演出を実行しないように制御する。そのため、時短状態に移行されているときに、スーパーリーチとなることを報知する予告演出が終了する前に可変表示が終了してしまう事態を防止することができ、不自然な演出が実行されてしまう事態を防止することができる。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、時短状態(確変状態を含む)に移行されているときであっても、低い割合でスーパーリーチとなることを報知する予告演出を実行するようにしてもよい。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって入賞時判定結果指定コマンドが送信されたことにもとづいて、スーパーリーチとなることを報知する予告演出を実行可能である。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって入賞時判定結果指定コマンドが送信された場合であっても、時短状態(確変状態を含む)に移行されているときには、スーパーリーチとなることを報知する予告演出を実行しないように制御する。そのため、不自然な演出が実行されてしまう事態を防止することができるとともに、遊技制御用マイクロコンピュータ560側の制御負担を軽減することができる。
なお、時短状態に移行されているときにスーパーリーチの予告演出を実行しないように制御する処理を演出制御用マイクロコンピュータ100側で行うのではなく、時短状態に移行されているときに、遊技制御用マイクロコンピュータ560が入賞時判定結果指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
図47および図48は、遊技状態に応じて入賞時判定結果指定コマンドを送信しないように構成する場合の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。なお、ステップS211〜S218,S219A〜S219H,S221〜S228,S229A〜S229Hの処理は、図15および図16に示したそれらの処理と同様である。
ステップS218Aでは、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かを確認する。セットされていなければ、ステップS219Aに移行し、ステップS219A〜S219Hの入賞時判定処理を実行する。時短フラグがセットされていれば、ステップS219A〜S219Hの入賞時判定処理を実行を実行することなく、ステップS221に移行する。すなわち、遊技状態が時短状態である場合には、ステップS219A〜S219Hの入賞時判定処理を行わず、入賞時判定結果指定コマンドを送信する処理も行わないように制御する。
ステップS228Aでは、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かを確認する。セットされていなければ、ステップS229Aに移行し、ステップS229A〜S229Hの入賞時判定処理を実行する。時短フラグがセットされていれば、ステップS229A〜S229Hの入賞時判定処理を実行を実行することなく、処理を終了する。すなわち、遊技状態が時短状態である場合には、ステップS229A〜S229Hの入賞時判定処理を行わず、入賞時判定結果指定コマンドを送信する処理も行わないように制御する。
なお、遊技状態が時短状態であっても、ステップS219A〜S219Gまでの判定処理やステップS229A〜S229Gまでの判定処理は行うようにし、ステップS219H,S229Hの入賞時判定結果指定コマンドを送信する処理のみ行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS219H,S229Hの前段において、時短フラグがセットされているか否かを確認し、セットされていない場合にのみステップS219H,S229Hの処理に移行するようにすればよい。
図49は、遊技状態に応じて入賞時判定結果指定コマンドを送信しないように構成する場合の演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。図49に示す例では、演出制御用CPU101は、図35で示したステップS845Aの処理を行わない。すなわち、演出制御用CPU101は、遊技状態が時短状態であるか否かを判定することなく、ステップS845B〜S845Jの処理を実行して、スーパーリーチ予告画面を演出表示装置9に重畳表示する処理を実行する。なお、ステップS841〜S845,S845B〜S845J,S846〜S848の処理は、図35に示したそれらの処理と同様である。
図47〜図49に示す構成によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって入賞時判定結果指定コマンドが送信されたことにもとづいて、スーパーリーチとなることを報知する予告演出を実行可能である。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スーパーリーチとなる場合であっても、時短状態に移行されているときには、入賞時判定結果指定コマンドを送信しないように制御する。そのため、演出制御用マイクロコンピュータ100が現在の遊技状態の認識を誤って時短状態ではないと認識してしまった場合であっても、スーパーリーチとなることを報知する予告演出が実行されないようにすることができ、不自然な演出が実行されてしまう事態を防止することができる。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、スーパーリートとなると判定された演出図柄の可変表示までに実行される演出図柄の可変表示の残り回数を変動回数カウンタに記憶し管理する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動回数カウンタが記憶する演出図柄の可変表示の残り回数に応じて、異なる演出態様でスーパーリーチとなることを報知する予告演出(例えば、図36(A)〜(C)に示すスーパーリーチ予告画面1〜スーパーリーチ予告画面3のいずれかを重畳表示する演出)を実行可能である。そのため、スーパーリーチとなるまでの可変表示の残り回数に応じて、スーパーリーチの予告演出の演出態様を異ならせることができ、スーパーリーチの予告演出の演出態様のバリエーションを多様化することができる。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27Lなど)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。