以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。本発明の遊技機をパチンコ遊技機(以下、単に遊技機という)に適用した実施例を図に示す。
図1は、本実施例の遊技機1の正面図である。図1に示すように、遊技機1の前面部は、本体枠2、中枠3、前面枠4、上皿部5、下皿部6、施錠装置9、遊技盤20等を備えている。なお、図1では遊技盤20の詳細な図示を省略している。また、中枠3は前面枠4等が前面側に配置されているため、図1においては明示されていない。
本体枠2は木製の板状体を略長方形の枠状に組立てたものであり、遊技機1の外枠を構成している。中枠3はプラスチック製であり、本体枠2の内側にはめ込まれて設置されており、外枠2に対して開閉可能に左端で軸支されている。中枠3は、上側2/3程度を占める枠体部と下側1/3程度を占める下板部とから構成されている。枠体部の前面側には遊技盤20と前面枠4とが重なるように設けられており、下板部の前面側には上皿部5と下皿部6が設けられている。下板部には、遊技球を遊技盤20に発射する発射手段を構成する発射装置ユニット(図示略)、遊技球を発射装置ユニットに供給する球送り装置(図示略)が設けられている。
前面枠4は、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端で開閉可能に支持されている。前面枠4はプラスチック製であり、奥側に配置される遊技盤20の盤面を視認可能にするために、円形状の開口部4aが形成されている。前面枠4の裏面には、開口部4aに対応したガラス板等の透明板を備える略長方形状の透明板枠(図示略)が装着されている。前面枠4における遊技盤20の周囲には、LED等のランプ類(図示略)が設けられている。これらのランプ類は、遊技効果を高めるためにゲーム進行に応じて点灯・消灯あるいは点滅する。
上皿部5は、前面枠4の下側に設けられ、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。上皿部5は、皿外縁部5aと、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口5bと、上皿部5の遊技球を下皿部6に排出する球抜きボタン5cとを備えている。皿外縁部5aの上面には、遊技者が操作可能な演出ボタン5d、球貸スイッチ5e、返却スイッチ5f等が設けられている。演出ボタン5dは、演出表示装置25等を用いて行われる演出に変化を与えるためのものであり、球貸スイッチ5eは、後述のCRユニット13にプリペイドカードを挿入した状態で遊技球の貸し出しを要求するためのものであり、返却スイッチ5fはCRユニット13からプリペイドカードの返却を要求するためのものである。なお、球貸スイッチ5eが本発明の球貸操作手段に相当している。
下皿部6は、上皿部5の下方に設けられている。下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から下皿部6に遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。下皿部6の左端には灰皿7が設けられている。下皿部6の右端には、遊技者が発射装置ユニット(図示略)を操作するための発射ハンドル8が設けられている。発射ハンドル8には、遊技者が触れていることを検出する接触検知手段としてのタッチスイッチ8aが設けられている。発射ハンドル8の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ8bが配置されている。
施錠装置9は、中枠3の右端中央に設けられており、前面枠4を閉じた場合にこれを施錠するためのものである。
また、遊技機1には、遊技状態に応じた効果音等を発生させるためのスピーカ10a〜10dが設けられている。スピーカ10a〜10dは、遊技機1の上部に設けられた上部スピーカ10a、10bと遊技機1の下部に設けられた下部スピーカ10c、10dとからなる。さらに、遊技機1の左側には、CRユニット13(プリペイドカードユニット)が装着されている。
図2に示すように、遊技盤20には、遊技盤20の表面(盤面)に設けられた外レール22と内レール23とにより、略円形状の遊技領域21が形成されている。遊技領域21内には、中央装置24、普通図柄作動ゲート27、大入賞装置(特別電動役物)33、始動口28、左入賞口34,35、右入賞口36,37、第1装飾部材50、第2装飾部材60等の遊技装置が配設されている。また、遊技領域21には各遊技装置との位置バランスを考慮して多数の障害釘が配設されている。
中央装置(センター役物)24は遊技領域21の略中央部に配置され、演出表示装置25を備えている。本実施例では、演出表示装置25として大型の液晶表示装置を用いており、演出表示装置25の表示領域では各種演出表示が行われる。
大入賞装置33は遊技領域21における中央装置24の下方に配置されている。第1装飾装置50は遊技領域21における大入賞装置33の左側に配置され、第2装飾装置60は遊技領域21における大入賞装置33の右側に配置されており、装飾装置50,60はいわゆるサイド飾りを構成している。また、第1装飾装置50には左入賞口34,35が一体化されており、第2装飾装置60には右入賞口36,37が一体化されている。
普通図柄作動ゲート27は、中央装置24の左側に設けられている。普通図柄作動ゲート27の内部には、遊技球の通過を検知する普通図柄作動ゲート検知スイッチ27s(図2参照)が設けられている。遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過することで、普通図柄が変動開始する。
始動口28は、中央装置24の中央位置の下方に設けられている。始動口28は、遊技盤20の盤面上を流下する遊技球を受け入れる遊技球受入口が形成された2つの入球口を上下方向に並べて配置したもので、上側に設けられた第1始動口28aと下側に設けられた第2始動口28bとから構成されている。
第1始動口28aは、遊技球受入口の大きさが変化せず遊技球の入球可能性が一定の固定始動口として構成された通常始動口となっており、遊技球の入球が常時可能となっている。一方、第2始動口28bはいわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部を備えており、この一対の翼片部の上端間隙が遊技球受入口となっている。この一対の翼片部は、各々左右方向に傾動することで開閉動作を行うものとされており、この開閉動作により、第2始動口28bは一対の翼片部の遊技球受入口の大きさが変化する可変始動口として構成されている。第2始動口28bは、一対の翼片部が開動作することで入球可能性が高い状態となり、一対の翼片部が閉動作することで入球可能性が低い状態(入球不能な状態を含む)となる。普通図柄が当り図柄の組合せで停止表示された場合には、一対の翼片部が開動作して第2始動口28bの遊技球受入口が拡大され、第2始動口28bは普通電動役物として機能する。
始動口28の内部には、遊技球の入球を検知する始動口入球検知スイッチ28s(図2参照)と、一対の翼片部を作動させるための始動口ソレノイド28c(図2参照)とが備えられている。この一対の翼片部が左右に開動作した場合には、第2始動口28bの遊技球受入口の大きさが通常時より拡大され、第2始動口28bは遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となる。一方、一対の翼片部が立設された場合には、第2始動口28bの遊技球受入口の大きさが遊技球の直径より僅かに大きい(遊技球1個が通過可能な)通常の大きさとされ、第2始動口28bは遊技球の入球可能性が小さくなる(または入球不能となる)通常状態(閉鎖状態)となる。遊技球が始動口28a、28bに入球することで、後述の特別図柄が変動開始する。
大入賞装置33は、始動口28の下方に配設されている。ここで、大入賞装置33は、帯状に開口された大入賞口33aと、この大入賞口33aを開放・閉鎖する開閉板33bと、この開閉板33bを作動させるための大入賞口ソレノイド33c(図2参照)と、遊技球の入球を検知する入球検知スイッチ33s(図2参照)とから主に構成されている。
大入賞装置33の左斜め上方と右斜め上方には、左入賞口34,35と右入賞口36,37が設けられている。これら入賞口の内部には、それぞれ入賞口入球検知スイッチ(図示せず)が設けられている。
大入賞装置33の左側には、大入賞口33aの開放時間を表示する開放時間表示装置38が設けられている。開放時間表示装置38は、二桁の数字を表示可能となっており、例えば7セグ表示装置から構成することができる。開放時間表示装置38では、大入賞口33aの開放開始に伴って大入賞口開放時間の初期値として「00」秒を表示し、開放時間の経過に伴って大入賞口開放時間を「01」秒→「02」秒→「03」秒・・・と増加させるカウントアップ表示を行う。開放時間表示装置38の表示制御は後述の主制御部200によって行われる。なお、開放時間表示装置38が本発明の開放時間表示手段に相当している。
第1装飾部材50には、複数のLEDが設けられており、これらのLEDの組合せにより、普通図柄表示部51、普図保留表示部52、特別図柄保留表示部53が構成されている。同様に第2装飾部材60には、複数のLEDが設けられており、これらのLEDの組合せにより特別図柄表示部61が構成されている。
普通図柄表示部51は、1個のLEDから構成されており、このLEDにより普通図柄の表示が行われる。普通図柄表示部51では、普通図柄の変動表示及び停止表示が行われる。普通図柄表示部51では、普通図柄作動ゲート27を遊技球が通過することにより普通図柄が変動開始し、所定時間経過後に普通図柄が当り普通図柄の表示態様あるいは外れ普通図柄の表示態様で停止表示される。そして、普通図柄が予め設定された当り普通図柄の表示態様で停止表示すると、第2始動口28bが所定時間(例えば0.1秒)だけ開放される。
本実施例では、普通図柄当否判定用乱数(普通図柄抽選用乱数)が設けられており、この普通図柄当否判定用乱数は、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過した際に取得され、第2始動口28bを作動させるか否かの普通図柄当否判定(普通図柄抽選)に用いられる。普通図柄当否判定用乱数には、予め当り値が設定されており、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過したタイミングで取得された普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に当りと判定される。そして、当りと判定された場合には、普通図柄表示部51で停止表示される普通図柄は、当り普通図柄の表示態様に決定される。一方、外れと判定された場合(取得された普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致しない場合)には、普通図柄表示部51で停止表示される普通図柄は外れ普通図柄の表示態様に決定される。なお、普通図柄当否判定および普通図柄の停止図柄の決定は、後述の主制御部200の制御によって行われる。
ここで、普通図柄の保留について説明する。普図保留表示部52には普通図柄保留数が表示され、普通図柄作動ゲート27を通過した遊技球の数を最大保留数(本実施例では4個)まで保留可能となっている。そして、次回の普通図柄当否判定が行われ普通図柄の変動表示が開始する毎に、未始動回数(保留数)が消化され、普通図柄保留数が1個ずつ減少する。普図保留表示部52は2つのLEDからなり、2個のLEDの消灯、点灯、および点滅を組み合わせることで、4個を上限として保留数を表示することができる。普通図柄の保留および保留消化は、後述の主制御部200の制御によって行われる。普通図柄の保留に伴って、普通図柄当否判定用乱数が主制御部200の所定領域(RAM)に記憶される。
次に、特別図柄について説明する。特別図柄表示部61は、7個のLEDから構成されており、これらのLEDにより特別図柄が表示される。特別図柄表示部61を構成する各LEDは、点灯および消灯が可能となっており、これら各LEDの点灯および消灯の組合せにより特別図柄の複数の表示態様を表示できる。そして、7個のLEDで表示される特別図柄の組合わせのうち、特定の組合せが当り図柄(大当り図柄または小当り図柄)として設定されており、当り特別図柄以外が外れ図柄と設定されている。本実施例では、特別図柄の変動表示を各LEDが点灯と消灯を繰り返す点滅表示で行うものとしている。特別図柄表示部61では、始動口28に遊技球が入球することにより特別図柄が変動開始し、所定時間経過後に特別図柄が当り図柄あるいは外れ図柄で停止表示される。
本実施例では、遊技球が始動口28に入球した際に取得され、大当り遊技(特別遊技)を発生させるか否かの特別図柄当否判定(大当り抽選)に用いられる特別図柄当否判定用乱数(大当り抽選乱数)が設けられている。また、小当り遊技を発生させるか否かの小当り抽選に用いられる小当り抽選用乱数が設けられている。さらに、特別図柄の停止図柄を決定するための図柄決定用乱数が設けられている。始動口28の遊技球入球に伴って、特別図柄当否判定用乱数と小当り抽選用乱数と図柄決定用乱数が取得され、この取得された各種乱数は、主制御部200の所定領域(RAM)に記憶される。
ここで、特別図柄の保留について説明する。特別図柄保留表示部53は2つのLEDからなり、2個のLEDの消灯、点灯、および点滅を組み合わせることで、4個を上限として保留数を表示することができる。
始動口28に入球した遊技球数は、特別図柄保留数として最大保留数(本実施例では4個)に達するまで保留可能となっている。特別図柄保留数は、始動口28への遊技球の入球が発生する度に取得されて主制御部200の所定領域(RAM)に記憶される乱数の個数(記憶数)に相当する。そして、特別図柄保留数は、特別図柄当否判定(大当り抽選)が行われ特別図柄の変動表示が開始される毎に消化され、1個ずつ減少する。なお、特別図柄の保留および保留消化は、後述の主制御部200の制御によって行われる。
特別図柄当否判定(大当り抽選)は、特別図柄が変動表示を開始する際に行われる。特別図柄当否判定用乱数には、予め当否判定用の当り値が設定されており、特別図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に大当りと判定され(大当り抽選に当選)、特別図柄表示部61で停止表示される特別図柄が大当り図柄(確変大当り図柄または通常大当り図柄)に決定される。特別図柄当否判定用乱数が当り値と一致しない場合には、小当り遊技を発生させるか否かの小当り抽選が行われ、抽選の結果が小当りとなった場合(小当り抽選に当選した場合)には、特別図柄表示部61で停止表示される特別図柄が小当り図柄に決定される。一方、特別図柄当否判定の結果が大当りでなく(大当り抽選に落選)、かつ、小当り抽選の結果が小当りでない場合(小当り抽選に落選)には、外れであり、特別図柄表示部61で停止表示される特別図柄が外れ図柄に決定される。なお、特別図柄当否判定、特別図柄の変動パターンの決定、特別図柄の停止図柄の決定は、後述の主制御部200の制御によって行われる。
次に、特別遊技の一形態である大当り遊技について説明する。特別図柄表示部61で停止表示された特別図柄が大当り図柄であった場合(特別図柄当否判定の結果が大当りだった場合)に、主制御部200は遊技者に相対的に有利な大当り遊技を開始させる。大当り遊技は、大当り遊技フラグをONにセットすることで開始する。大当り遊技は、大入賞装置33を作動させる、換言すると大入賞口33aを複数回開閉させることで、大入賞口33aへの遊技球の入球に関して遊技者に利益を付与するものである。なお、主制御部200の制御により実現されるものであり、主制御部200が本発明の大当り遊技実行手段に相当している。
大当り遊技中は、大入賞装置33が作動し、大入賞口33aへの遊技球の入球に応じて、所定数の賞球(例えば、1個の入球に対して15個の賞球)が払い出される。具体的には、大当り遊技の開始により、大入賞装置(特別電動役物)33を連続して作動させ、大入賞口33aを開放状態と閉鎖状態とに切り替える大入賞口開閉動作が複数回連続して行われる。大入賞装置33の作動開始により、閉鎖状態にある大入賞口33aが開放状態となる。この開放状態は、所定の終了条件成立により終了し、開放していた大入賞口33aが閉鎖状態となる。所定の終了条件として、大入賞口33aの開放時間が所定時間に達したとき、もしくは開放状態の大入賞口33aに入球した遊技球数が所定数(本実施例では10個)に達したときとすることができる。
この大入賞口33aの開放状態の開始から終了までを1ラウンドとした場合、大当り遊技は、所定数のラウンドが行われることで終了する。大入賞装置33では、大入賞口33aの開放が終了、すなわち大入賞口33aが閉鎖状態となってから所定時間(例えば2秒)が経過した後に、大入賞口33aは再び開放状態となり、次のラウンドが開始する。このような大入賞口33aの開放開始から終了までを1ラウンドとする大入賞口33aの開閉動作は、所定の最高継続ラウンド数(本実施例では15ラウンドまたは2ラウンド)が終了するまで繰り返し継続される。
本実施例では、大入賞口33aの開放時間が異なる複数の大当り遊技が設定されている。具体的には、大入賞口33aを第1開放時間だけ開放させる第1大当り遊技と、大入賞口33aを第1開放時間より短い第2開放時間だけ開放させる第2大当り遊技と、大入賞口33aを第1開放時間より短く第2開放時間より長い第3開放時間だけ開放させる第3大当り遊技が設定されている。
第1開放時間(第1大当り遊技の大入賞口開放時間)は、大入賞口33aへの入球およびこれに伴う賞球払出の実行可能性が極めて高くなる時間として設定されており、本実施例では30秒に設定されている。第2開放時間(第2大当り遊技の大入賞口開放時間)は、大入賞口33aへの入賞およびこれに伴う賞球払出の実行可能性が第1大当り遊技より低くなる時間として設定されており、本実施例では9秒に設定されている。第3開放時間(第3大当り遊技の大入賞口時間)は、大入賞口33aへの若干数の入球およびこれに伴う賞球払出の実行可能性が第2大当り遊技より低くなる時間として設定されており、本実施例では6秒に設定されている。つまり、各大当り遊技における大入賞口33aの開放時間は、第1大当り遊技(30秒)>第2大当り遊技(9秒)>第3大当り遊技(6秒)となっている。大入賞口33aの開放時間が長いほど多くの賞球払出が期待できるため、大入賞口33aの開放時間の面で、第1大当り遊技が遊技者が得られる利益が最も大きく、次いで第2大当り遊技、第3大当り遊技の順になっている。また、第1大当り遊技の最大継続ラウンド数は15ラウンド、第2大当り遊技と第3大当り遊技の最大継続ラウンド数は2ラウンドに設定されている。このため、最大継続ラウンド数の面でも第1大当り遊技が第2、第3大当り遊技より有利な遊技状態となっている。
本実施例の遊技機では、大当り遊技の終了後、変動時間短縮機能や開放時間延長機能、確率変動機能が作動する特定遊技(いわゆる時短遊技および確変遊技)が開始される。変動時間短縮機能、開放時間延長機能、確率変動機能の各機能は、それぞれ変動短縮フラグ、開放延長フラグ、確変フラグをONに設定することで作動する。
特別図柄当否判定の結果が通常大当り(特別図柄の停止図柄が通常大当り図柄)の場合には、大当り遊技の終了後に、時短遊技が開始され、変動時間短縮機能および第2始動口28bの開放時間を延長させる開放時間延長機能が作動開始して、時短遊技が開始される。変動時間短縮機能および開放時間延長機能は、主制御部200の制御により作動または停止されるものであり、変動時間短縮機能(変動時間短縮手段)には、普通図柄変動時間を短縮させる普通図柄変動時間短縮機能と、特別図柄変動時間を短縮させる特別図柄変動時間短縮機能とが含まれている。開放時間延長機能の作動により、第2始動口28bの開放時間が、例えば、通常時「0.1秒」であったのが「4.5秒(1.5秒×3回開放あるいは4.5秒×1回開放など)」に延長される。これにより、第2始動口28bへの遊技球入球頻度が、通常時(開放時間延長機能未作動時)に比べて高くなる。
特別図柄当否判定の結果が確変大当り(特別図柄の停止図柄が確変大当り図柄)の場合には、大当り遊技の終了後、確率変動機能が作動開始し、確変遊技が開始される。確変遊技は、主制御部200の制御により実現されるものであり、この確変遊技では、特別図柄当否判定の確率、すなわち特別図柄が大当り図柄で停止表示する確率を変更(向上)させる確率変動機能(確率変動手段)が作動する。確変遊技には、確率変動機能に加え、上記変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動が伴う場合と伴わない場合とがある。確率変動機能作動中は、当否判定用の当り値が増加することで、特別図柄当否判定の結果が大当りとなる確率が向上する。この主制御部200により実行される確率変動機能が本発明の確率変動手段に相当している。
本実施例の大当りは、(1)第1大当り遊技を実行するとともに、第1大当り遊技終了後に確率変動機能を作動開始させず、開放時間延長機能を作動開始させる第1通常大当り、(2)第1大当り遊技を実行するとともに、第1大当り遊技終了後に確率変動機能及び開放時間延長機能を作動開始させる第1確変大当り、(3)第2大当り遊技を実行するとともに、第2大当り遊技終了後に確率変動機能を作動開始させ、開放時間延長機能を作動開始させない第2確変大当り、(4)第3大当り遊技を実行するとともに、第3大当り遊技終了後に確率変動機能を作動開始させない第2通常大当りの4種類が設けられている。
第1通常大当りの発生により開始した第1大当り遊技の終了後と第2通常大当りの発生により開始した第3大当り遊技の終了後は、変動時間短縮機能と開放時間延長機能を作動させる時短遊技が開始し、時短遊技は特別図柄の変動回数が最大100回に達するまで実行される。第1確変大当りにより開始した第1大当り遊技の終了後は、変動時間短縮機能と開放時間延長機能と確率変動機能が作動する確変遊技が開始し、確変遊技は次回の大当りまで実行される。第2確変大当りにより開始した第2大当り遊技の終了後は、変動時間短縮機能と開放時間延長機能が作動せず、確率変動機能が作動する確変遊技が開始し、確変遊技は次回の大当りまで実行される。本実施例では、確変遊技の最大実行期間を、第1大当り遊技または第2大当り遊技終了後の特別図柄の変動回数が10000回に到達するまでに設定し、実質的に次回の大当り遊技が開始されるまでとしている。
上述の各大当りを、ラウンド数と大当り遊技終了後の確率変動機能の作動状態によって、第1通常大当り遊技を「15R通常大当り」ともいい、第1確変大当り遊技を「15R確変大当り」ともいい、第2確変大当りを「2R確変大当り」ともいい、第2通常大当りを「2R通常大当り」ともいう。これらの大当りの種類は、特別図柄の停止図柄の種類によって決定される。停止図柄が15R通常大当り図柄の場合に15R通常大当りが発生し、15R確変大当り図柄の場合に15R確変大当りが発生し、2R通常大当り図柄の場合に2R通常大当りが発生し、2R確変大当り図柄の場合に2R確変大当りが発生する。
次に、小当り遊技について説明する。特別図柄表示部61で停止表示された特別図柄が小当り図柄であった場合(小当り抽選の結果が小当りだった場合)に、主制御部200は小当り遊技を開始させる。なお、小当り遊技は主制御部200の制御により実現されるものであり、主制御部200が小当り遊技実行手段に相当している。
小当り遊技は、大入賞装置33を所定態様で作動させるものであり、小当り遊技は、小当り遊技フラグをONにセットすることで開始する。小当り遊技では、大入賞装置33の開放時間が上述の第3大当り遊技の開放時間より短い第4開放時間に設定されており、本実施例では1.8秒に設定されている。つまり、各当り遊技における大入賞口33aの開放時間は、第1大当り遊技(30秒)>第2大当り遊技(9秒)>第3大当り遊技(6秒)>小当り遊技(1.8秒)となっている。
また、小当り遊技では、第2大当り遊技および第3大当り遊技と違い、大入賞装置33の開閉回数は1回となっている。つまり、小当り遊技では、大入賞口33aが1.8秒間、1回開放するように構成されており、大入賞口33aに遊技球が入球する可能性が極めて低い遊技状態となっている。
このように、小当り遊技は、大当り遊技に比べて大入賞口33aの開放時間が短く設定されている点で遊技者が得られる利益が少なくなっている。また、上記確率変動機能が作動していても、小当り抽選の結果が小当りとなる確率は向上しない点でも、小当り遊技は大当り遊技より遊技者が得られる利益が少なくなっている。さらに、大当り遊技後は開放時間延長機能が作動開始するのに対し、小当り遊技の終了後は開放時間延長機能が作動開始しない点でも小当り遊技は大当り遊技より遊技者が得られる利益が少なくなっている。
また、大当り遊技においても、2R通常大当りより確率変動機能の作動を伴う2R確変大当りの方が遊技者が得られる利益が大きい。さらに、2R確変大当りよりラウンド数が多く多数の賞球が得られる15R大当り(特に確率変動機能の作動を伴う15R確変大当り)の方が遊技者が得られる利益が大きい。このように、本実施例の当り遊技は、大入賞口33aの開放時間、ラウンド数、確率変動機能の作動の有無、開放時間延長機能の作動の有無によって、遊技者が得られる利益が異なるという遊技性となっている。
そして、大入賞口の開放時間が6秒だった第3大当りでは、第3大当り遊技終了後、確率変動機能が作動開始しない。しかし、大入賞口の開放時間が9秒だった第2大当りでは、第2大当り遊技終了後、開放時間延長機能が作動しないものの確率変動機能が作動開始する。つまり、大当り後の遊技状態は、第3大当りよりも第2大当りのほうが遊技者に利益が大きい。さらに、大入賞口の開放時間が30秒だった第1確変大当りでは、第1大当り遊技終了後、開放時間延長機能および確率変動機能が作動開始する。つまり、大当りの遊技状態は、第2大当りよりも第1確変大当りのほうが遊技者に利益が大きい。これにより、大入賞口の開放時間が長ければ長いほど、大当り後の遊技状態が遊技者に有利な遊技状態になるという、理解しやすい遊技性を得ることができる。
次に、特別図柄の変動表示に伴って演出表示装置25にて行われる変動演出について説明する。本実施例の遊技機1における変動演出としては、例えば特別図柄の変動表示に連動して数字図柄からなる演出図柄を変動表示させる変動表示演出が挙げられる。演出表示装置25の表示領域には、演出図柄を表示する演出図柄表示部25aが設けられている。演出図柄表示部25aの演出図柄は、特別図柄表示部61の特別図柄に連動して表示される。また、演出表示装置25の表示画面のうち、演出図柄表示領域25aを除く部位は、文字、図形、記号、キャラクタ等を含む種々の背景図柄が表示される背景表示領域となっている。
本実施例では、演出図柄として「1」〜「9」からなる3桁の数字図柄を用いており、演出図柄表示部25aは、右図柄が表示される右図柄表示領域、中図柄が表示される中図柄表示領域、左図柄が表示される左図柄表示領域からなる3つの図柄表示領域から構成される。各図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する向き、この場合、上下方向(縦方向)に図柄変動方向が設定されている。
演出図柄は、特別図柄の変動表示開始により変動表示を開始し、特別図柄が何れかの図柄で停止表示されると、演出図柄は特別図柄の停止図柄に応じた図柄で停止表示される。演出図柄では、3桁同一の偶数図柄の組合せが特別図柄の第1通常大当り図柄(15R通常大当り図柄)に対応し、3桁同一の奇数図柄の組合せが特別図柄の第1確変大当り図柄(15R確変大当り図柄)に対応している。また、3桁同一の図柄組合せを除く特定の図柄組合せが、特別図柄の第2通常大当り図柄(2R通常大当り図柄)、第2確変大当り図柄(2R確変大当り図柄)に対応している。特定の図柄組合せとしては、例えば、「7・6・7」や「3・2・3」といった「リーチ外れ目」や、「1・2・3」や「7・6・5」といった「特定の順目」や、「1・3・5」や「2・4・6」といった「特定のバラケ目」等が例示できる。そして、以上の大当り図柄以外の組合せが、特別図柄の外れ図柄に対応している。
演出図柄の変動態様(変動パターン)および停止図柄の決定は、主制御部200から送信される変動パターン指定コマンドに基づいてサブ制御部260によって行われるように構成されている。ここで、主制御部200から送信される変動パターン指定コマンドは、特別図柄の変動パターンを示すもので、具体的には、特別図柄の変動時間や、リーチ演出の有無等の演出内容を示している。主制御部200は、特別図柄の当否判定結果に応じて特別図柄の変動パターンをランダムに(乱数抽選により)決定する。そして、主制御部200により決定された特別図柄の変動パターンに基づき、サブ制御部260が、演出図柄表示部25aで表示される演出図柄の演出パターンを決定する。なお、主制御部200とサブ制御部260が本発明の図柄表示制御手段に相当している。
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置について、図3に基づいて説明する。図3は、電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図3に示すように、電子制御装置は、主制御部200と、その主制御部200に接続された副制御部230、260、280とを含んで構成されている。副制御部は、払出制御部(賞球制御部)230、サブ制御部260及び演出表示制御部280から構成される。主制御部200は主制御基板200aを備え、副制御部230、260及び280は周辺制御基板として払出制御基板230a、サブ制御基板260a及び演出表示制御基板280aをそれぞれ備えている。
各制御部200、230、260、280には、図示しない主電源から電源が供給されている。また、電源立上げ時には、システムリセット信号が各制御部200、230、260、280に送信される。なお、本実施例の遊技機1は、電源断時に主制御部200及び払出制御部230に作動電圧を供給する図示しないバックアップ電源部(図示略)を備えており、電源断時にも主制御部200及び払出制御部230のRAMデータが保持される。
主制御部200は、遊技の進行を司る主制御手段を構成するものであり、各副制御部230、260に処理内容を指示する指令信号(コマンドデータ)を送信し、各副制御部230、260、280は指令信号に基づいて各種制御を行うように構成されている。
主制御部200を構成する主制御基板200aのCPU200bは、CPUコア、内蔵RAM(以下、単にRAMともいう)、内蔵ROM(以下、単にROMともいう)等を備えており、ROMに格納された制御プログラムにより、RAMをワークエリアとして遊技機1全体の作動制御(遊技の基本進行制御)を司る。また、主制御部200は、CPU200bが主体となって、ROMに格納された当否判定プログラムにより特別図柄の当否判定を行う当否判定手段を構成している。また、主制御部200のCPU200bは、特別図柄当否判定を実行する際に、ROMに格納された特別図柄の変動パターンテーブルから特定の変動パターンを決定する。なお、本実施例の主制御部200のCPU200bの制御周期は4msに設定されている。
主制御部200には、盤面入力中継基板201と盤面出力中継基板202とが接続されている。盤面入力中継基板201には、普通図柄作動ゲート検知スイッチ27s、始動口入賞検知スイッチ28s、大入賞口入球検知スイッチ33sが接続されており、これらの信号が主制御部200に入力するように構成されている。盤面出力中継基板202には、開放時間表示装置38、普通図柄表示装置51、特別図柄表示装置61、始動口ソレノイド28c、大入賞口ソレノイド33cが接続されており、主制御部200からの制御信号が出力される。
払出制御部230を構成する払出制御基板230aは、主制御基板200のCPU200bと同様の構成を有するCPU230bを備えている。払出制御部230には、発射制御部250、CRユニット13等が接続されている。主制御部200から払出制御部230には、賞球払出を指示する賞球指示信号、遊技開始許可を指示する遊技開始許可信号、各種発射制御コマンド等のコマンドが送信される。各種発射制御コマンドには、球送り許可・禁止、発射許可・禁止、遊技開始許可等が含まれている。なお、払出制御部230が本発明の払出制御手段に相当している。払出制御部230については、後で詳細に説明する。
サブ制御部260は、遊技の進行に伴って実行される各種演出を制御するサブ制御手段を構成しており、サブ制御基板260aにはCPU260bや図示しないROM、RAM、入出力ポート等を有する演算回路構成要素とサウンドジェネレータが設けられており、入出力ポートにおいて主制御部200に接続されている。サブ制御部260は、各種ランプ類による装飾表示、スピーカ10a〜10dから出力される効果音、演出表示装置25による図柄表示等を用いた演出制御を司るように構成されている。
主制御部200からサブ制御部260には、各種ランプ制御コマンド及び各種音声制御コマンドが送信される。主制御部200から演出表示制御部280には、サブ制御部260を介して、演出図柄の表示制御を指示する各種図柄制御制御コマンドが送信される。サブ制御部260から演出表示制御部280には、演出表示制御を指示する各種演出表示制御コマンドが同時に送信される。
サブ制御部260には、演出表示制御部280が接続されている。演出表示制御基板280aには、CPU280b、RAM、ROM、入出力ポート、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)等を有する演算回路構成要素(図示略)が設けられ、入出力ポートにおいてサブ制御基板260に接続されている。演出表示制御部280には演出表示装置25が接続されている。演出表示制御部280は、CPU280bがROMに格納された制御プログラムに従ってRAMをワークエリアとして演出表示装置25の表示制御を行うように構成されている。演出表示制御部280のROMには、演出表示装置25で表示される演出用図柄の画像データ(前述した変動演出に関する画像データなど)が複数格納されている。
サブ制御基板260には、装飾駆動基板261を介して各種LED・ランプ262が接続されている。各種LED・ランプ262は、遊技効果を高めるためのものであり、これらのランプ類はゲームの進行に対応して点灯・消灯又は点滅し、遊技効果を高めている。また、サブ制御部260にはアンプ基板263が接続されている。アンプ基板263にはスピーカ10a〜10dが接続されている。スピーカ10a〜10dからは、遊技の進行に対応して各種サウンド、音声等が出力される。さらに、サブ制御部260には、演出ボタン基板264を介して演出ボタン5dが接続されている。サブ制御部260は、主制御部200や演出ボタン5dからの各種指令(演出パターン指定コマンドの受信、演出ボタン操作信号の入力など)に基づいて、各種LED・ランプの点灯・点滅パターンの選択・実行処理や、スピーカ10a〜10dから出力される効果音データの選択・出力処理や、演出表示装置25での演出表示のパターンの選択・実行処理等を行う。
次に、本実施例の遊技機1の作動をフローチャートに基づいて説明する。図4は、主制御部200(主制御基板200aのCPU200b)がROMに格納されたプログラムに基づいて実行するメインジョブの一例を示している。図4に示すメインジョブは、電源投入処理S100を実行した後、遊技開始処理S200、普通図柄遊技処理S300、普通電動役物遊技処理S400、特別図柄遊技処理S500、特別電動役物遊技処理S600の各ステップが、タイマリセットされる毎に繰り返し実行される。電源断発生処理S50は、停電等によって電源断が発生した場合に、使用レジスタやスタックポインタの保存、払出モータの停止等が行われ、システムリセットが発生した場合に電源投入処理S100に移るようになっている。
電源投入処理S100は、電源投入時と電源断発生後の復電時に行われるものであり、電源投入時にはRAM初期化処理等が行われ、電源断復帰時には電源断時の遊技状態に復帰させるための復帰設定等が行われる。遊技開始処理S200では、各種スイッチ状態の検出、各種乱数の更新、賞球制御等が行われる。
普通図柄遊技処理S300では、まず、普通図柄の当否判定を行って、普通図柄表示部51(図2参照)にて普通図柄を当り図柄で停止表示させるか、外れ図柄で停止表示させるかを決定する。次に、普通図柄の変動表示時間を設定した後、普通図柄の変動表示を開始する。そして、変動表示時間が経過すると、決定しておいた図柄で普通図柄を停止表示させ、普通図柄の当り図柄が停止表示された場合には、普通電動役物の作動を開始させる。普通図柄遊技処理では、以上のようにして、普通図柄の変動表示および停止表示を行い、普通図柄が当り図柄で停止表示された場合には、第2始動口28bを作動させる処理を行う。第2始動口28bが作動すると、一対の翼片部が左右に開動作して、第2始動口28bが開放状態となる。
普通電動役物遊技処理S400では、第2始動口28bを開放状態に維持する開放時間が経過したか否かを判定し、開放時間が経過していない場合には、第2始動口28bに規定入賞数の入賞があったか否かを判定する。開放状態にある第2始動口28bに規定入賞数の入賞があったと判定されるか、開放状態にある第2始動口28bの開放時間が経過していると判定された場合には、一対の翼片部が閉動作して、第2始動口28bは通常状態となる。
次に、特別図柄遊技処理S500を図5のフローチャートに基づいて説明する。まず、始動口28に入賞したか否かを判定し(S501)、始動口28に入賞したと判定された場合には(S501:YES)、特別図柄表示部61(図2参照)の作動保留数が4未満であるか否かを判定する(S502)。この結果、特別図柄保留数が4未満であると判定された場合には(S502:YES)、特別図柄当否判定用乱数および図柄決定用乱数を取得して、主制御基板200のRAMの所定領域に記憶する(S503)。
次に、大当り遊技または小当り遊技中であるか否かを判定する(S504)。この結果、大当り遊技または小当り遊技中であると判定された場合には(S504:YES)、そのまま特別図柄遊技処理を終了し、大当り遊技または小当り遊技中でないと判定された場合には(S504:NO)、特別図柄が変動中であるか否かを判定する(S505)。この結果、特別図柄が変動中であると判定された場合には(S505:YES)、後述のS511の処理に移行し、特別図柄が変動中でないと判定された場合には(S505:NO)、特別図柄の停止表示時間中であるか否かを判定する(S506)。特別図柄の停止表示時間中であると判定された場合には(S506:YES)、後述のS515の処理に移行し、特別図柄の停止表示時間中でないと判定された場合には(S506:NO)、特別図柄保留数がゼロであるか否かを判定する(S507)。
この結果、特別図柄保留数がゼロであると判定された場合には(S507:YES)、そのまま特別図柄遊技処理を終了し、特別図柄保留数がゼロでないと判定された場合には(S507:NO)、最先にRAMに記憶された特別図柄当否判定用乱数を読み出す(S508)。
次に、特別図柄当否判定処理(大当り抽選処理)を行う(S509)。ここで、図6のフローチャートに基づいて特別図柄当否判定処理を説明する。
まず、確変フラグがONであるか否かを判定し(S509a)、確変フラグがONである場合には(S509a:YES)、確変遊技用当否判定テーブルを選択し(S509b)、確変フラグがOFFである場合には(S509a:NO)、通常遊技用当否判定テーブルを選択する(S509c)。
次に、S508で読み出した特別図柄当否判定用乱数とS509bまたはS509cで選択した当否判定テーブルを用いて行われる大当り当否判定(大当り抽選)の結果が大当りか否かを判定する(S509d)。この結果、大当り当否判定の結果が大当りであると判定された場合(大当り抽選に当選した場合)には(S509d:YES)、RAMに記憶された図柄決定用乱数を読み出し(S509e)、図柄決定用乱数を用いて大当り図柄を決定する(S509f)。
一方、大当り当否判定の結果が大当りでないと判定された場合(大当り抽選に落選した場合)には(S509d:NO)、小当り抽選を実施し(S509g)、抽選結果が小当りか否かを判定する(S509d)。この小当り抽選は、上述した小当り抽選用乱数を用いて行われるもので、特別図柄の当否判定(大当り抽選)と同じ要領で行われる。この抽選結果が小当りであると判定された場合(小当り抽選に当選した場合)には(S509:YES)、小当り図柄を決定し(S509i)、抽選結果が小当りでないと判定された場合(小当り抽選に落選した場合)には(S509:NO)、外れ図柄を決定する(S509j)。なお、本実施例では、小当り図柄および外れ図柄を予め定められた図柄に決定しているが、これらを乱数抽選により決定するようにしてもよい。
次に、図5(a)の特別図柄遊技処理に戻り、図柄変動開始処理を行う(S510)。ここで、図柄変動開始処理S510を図7のフローチャートに基づいて説明する。
まず、S509の当否判定処理における当否判定結果が大当りである場合には(S510a:YES)、大当り時変動パターンテーブルをセットし(S510b)、小当りである場合には(S510c:YES)、小当り時変動パターンテーブルをセットし(S510d)、大当りでも小当りでない、つまり外れである場合には(S510c:NO)、外れ時変動パターンテーブルをセットする(S510e)。
次に、変動パターン決定用乱数を取得し(S510f)、S510b、S510d、S510eの何れかでセットされた変動パターンテーブルを用いて特別図柄の変動パターンを決定する(S510g)。そして、特別図柄表示部61における特別図柄の変動表示を開始し(S510h)、変動パターン指定コマンドと特別図柄停止情報指定コマンドをサブ制御部260に送信する(S510i)。これらのコマンドを受け取ったサブ制御部260は、演出表示装置25における演出図柄の変動表示(演出表示)を開始させる。
次に、図5(a)の特別図柄遊技処理に戻り、上記S505で特別図柄が変動中であると判定された場合には(S505:YES)、特別図柄の変動時間が経過しているか否かを判定する(S511)。この結果、特別図柄の変動時間が経過していないと判定された場合には(S511:NO)、そのまま特別図柄遊技処理を終了し、特別図柄の変動時間が経過していると判定された場合には(S511:YES)、特別図柄の変動を停止し(S512)、図柄停止コマンドをサブ制御部260に送信し(S513)、特別図柄の停止図柄表示時間を設定する(S514)。図柄停止コマンドを受け取ったサブ制御基板260は、演出表示装置25における演出図柄の変動表示を停止させる。
次に、特別図柄の停止表示時間が経過したか否かを判定する(S515)。この結果、特別図柄の停止表示時間が経過していないと判定された場合には(S515:NO)、そのまま特別図柄遊技処理を終了し、特別図柄の停止表示時間が経過していると判定された場合には(S515:YES)、特別図柄の停止図柄が大当り図柄であるか否かを判定する(図5(b)のS516)。この結果、特別図柄の停止図柄が大当り図柄であると判定された場合には(S516:YES)、大当り遊技フラグをONにセットする(S520)。これにより、大当り遊技が開始する。
次に、確変フラグがONであるか否かを判定する(S521)。この結果、確変フラグがONであると判定された場合、つまり確変遊技中であった場合は(S521:YES)、確変フラグをOFFに設定し(S522)、変動短縮フラグをOFFに設定し(S523)、開放延長フラグをOFFに設定する(S524)。これにより、大当り遊技の開始に伴って、確率変動機能、変動時間短縮機能、開放時間延長機能が作動停止する。
一方、S521の判定処理で、確変フラグがONでないと判定された場合は(S521:NO)、変動短縮フラグがONであるか否かを判定する(S525)。この結果、変動短縮フラグがONであると判定された場合、つまり時短遊技中であった場合は(S525:YES)、変動短縮フラグをOFFに設定し(S523)、開放延長フラグをOFFに設定する(S524)。これにより、大当り遊技の開始に伴って、変動時間短縮機能、開放時間延長機能が作動停止する。変動短縮フラグがONでないと判定された場合、つまり通常遊技中であった場合は(S525:NO)、そのまま特別図柄遊技処理を終了する。
次に、S516の判定処理で、特別図柄の停止図柄が大当り図柄でないと判定された場合には(S516:NO)、特別図柄の停止図柄が小当り図柄であるか否かを判定する(S526)。この結果、特別図柄の停止図柄が小当り図柄でないと判定された場合には(S526:NO)、S529の処理に移行する。一方、特別図柄の停止図柄が小当り図柄であると判定された場合には(S526:YES)、小当り遊技フラグをONする(S528)。これにより、小当り遊技が開始する。
次に、変動短縮フラグがONであるか否かを判定する(S529)。この結果、変動短縮フラグがONでないと判定された場合は(S529:NO)、そのまま特別図柄遊技処理を終了し、変動短縮フラグがONであると判定された場合は(S529:NO)、変動短縮カウンタを1減算し(S530)、変動短縮カウンタがゼロになったか否かを判定する(S531)。変動短縮カウンタは、変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動期間をカウントするためのものであり、当り遊技の終了後に後述のS616で設定される。
この結果、変動短縮カウンタがゼロではないと判定された場合には(S531:NO)、そのまま特別図柄遊技処理を終了し、変動短縮カウンタがゼロであると判定された場合には(S5351:YES)、変動短縮フラグをOFFにし(S532)、開放延長フラグをOFFにする(S533)。これにより、時短遊技が開始してから特別図柄の変動回数が100回に達した場合に、変動時間短縮機能と開放時間延長機能が作動停止する。
次に、特別電動役物遊技処理S600について図8のフローチャートに基づいて説明する。まず、当り遊技中(大当り中または小当り遊技中)であるか否かを判定する(S601)。当り遊技中であるか否かの判定は、大当り遊技フラグまたは小当り遊技フラグの何れかがONであるか否かで判定することができる。この結果、当り遊技中でないと判定された場合には(S601:NO)、そのまま特別電動役物遊技処理を終了し、当り遊技中であると判定された場合には(S601:YES)、大入賞口33aが開放中であるか否かを判定する(S602)。
この結果、大入賞口33aが開放中であると判定された場合には(S602:YES)、大入賞口33aの開放時間が経過したか否かを判定する(S603)。S603の判定処理では、第1大当り遊技の場合には、第1開放時間(30秒)が経過したか否かを判定し、第2大当り遊技の場合には、第2開放時間(9秒)が経過したか否かを判定し、第3大当り遊技の場合には、第3開放時間(6秒)が経過したか否かを判定し、小当り遊技の場合には、第4開放時間(1.8秒)が経過したか否かを判定する。そして、大入賞口33aの開放時間が経過していないと判定された場合には(S603:NO)、大入賞口33aに最大入賞数の遊技球が入賞したか否かを判定する(S604)。
この結果、大入賞口33aに最大入賞数の遊技球が入賞していないと判定された場合には(S604:NO)、そのまま特別電動役物遊技処理を終了し、大入賞口33aに最大入賞数の遊技球が入賞していると判定された場合(S604:YES)または大入賞口33aの開放時間が経過していると判定された場合には(S603:YES)、大入賞口33aを閉鎖する(S605)。
上記S602で、大入賞口33aが開放中でないと判定された場合には(S602:NO)、当り遊技の終了条件が成立したか否かを判定する(S606)。当り遊技の終了条件は、第1大当り遊技であれば15回のラウンドが終了していること、第2大当り遊技または第3大当り遊技であれば2回のラウンドが終了していること、小当り遊技であれば大入賞口33aが2回開閉したことである。
この結果、当り遊技の終了条件が成立していないと判定された場合には(S606:NO)、大入賞口33aの閉鎖時間(インターバル時間)が経過しているか否かを判定する(S607)。この結果、大入賞口33aの閉鎖時間が経過していないと判定された場合には(S607:NO)、そのまま特別電動役物遊技処理を終了し、大入賞口33aの閉鎖時間が経過していると判定された場合には(S607:YES)、大入賞口33aを開放させ(S608)、大入賞口開放時間表示処理を行う(S609)。
ここで、大入賞口開放時間表示処理について図9のフローチャートに基づいて説明する。まず、当り図柄の種類が小当り図柄であるか否かを判定する(S609a)。この結果、小当り図柄であると判定された場合には(S609a:YES)、開放時間表示装置38にて大入賞口開放時間が第4開放時間(1.8秒)に到達するまでカウントアップ表示する(S609b)。一方、小当り図柄でないと判定された場合には(S609a:NO)、当り図柄の種類が2R通常大当り図柄であるか否かを判定する(S609c)。
この結果、2R通常大当り図柄であると判定された場合には(S609c:YES)、開放時間表示装置38にて大入賞口開放時間が第3開放時間(6秒)に到達するまでカウントアップ表示する(S609d)。一方、2R通常大当り図柄でないと判定された場合には(S609c:NO)、当り図柄の種類が2R確変大当り図柄であるか否かを判定する(S609e)。
この結果、2R確変大当り図柄であると判定された場合には(S609e:YES)、開放時間表示装置38にて大入賞口開放時間が第2開放時間(9秒)に到達するまでカウントアップ表示する(S609f)。一方、2R確変大当り図柄でないと判定された場合には(S609f:NO)、大当り図柄が15R通常大当り図柄または15R確変大当り図柄であると判断できるので、開放時間表示装置38にて大入賞口開放時間が第1開放時間(30秒)に到達するまでカウントアップ表示する(S609g)。
次に、図8の特別電動役物遊技処理に戻り、上記S606で、当り遊技の終了条件が成立していると判定された場合には(S606:YES)、当り遊技フラグをOFF(大当り遊技フラグまたは小当り遊技フラグ)にセットする(S610)。
次に、当り図柄が確変大当り図柄(15R確変大当り図柄または2R確変大当り図柄)であるか否かを判定する(S611)。この結果、当り図柄が確変大当り図柄でない場合には(S611:NO)、S613の処理に移行し、当り図柄が確変大当り図柄である場合には(S611:YES)、確変フラグをONにセットする(S612)。これにより、確率変動機能が作動開始する。
次に、今回の当り遊技の開始契機となった当りの種類が、開放時間延長機能の作動開始を伴うか否かを判定する(S613)。本実施例では、大当り(15R通常大当り、15R確変大当り、2R通常大当り、2R確変大当り)の場合に、開放時間延長機能の作動開始を伴い、小当りの場合に開放時間延長機能の作動開始を伴わない。このため、S613の判定処理では、当りの種類が大当りまたは小当りかを判定すればよい。
この結果、開放時間延長機能の作動開始を伴わない場合には(S613:NO)、特別図柄遊技処理を終了し、開放時間延長機能の作動開始を伴う場合には(S613:YES)、変動短縮フラグをONにセットし(S614)、開放延長フラグをONにセットする(S615)。これにより、変動時間短縮機能、開放時間延長機能が作動開始する。
そして、変動短縮フラグおよび開放延長フラグをONにセットしたら、変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動期間を設定する(S616)。変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動期間は、大当りの種類に応じて特別図柄の変動回数100回に到達するまで、または次回の大当りまで(特別図柄の変動回数が10000回に到達するまで)に設定される。変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動期間は、上述の変動短縮カウンタとして設定される。
以上説明した本実施例の遊技機では、大入賞口開放時間が第1開放時間(30秒)である第1大当り遊技、第2開放時間(9秒)である第2大当り遊技、第3開放時間(6秒)である第3大当り遊技、第4開放時間(1.8秒)である小当り遊技を設け、大入賞口33aの開放時間が長い当り遊技の方が遊技者が得られる利益を大きくしている。この結果、遊技者は大入賞口33aの開放時間に注目していれば発生した当り遊技の内容を容易に把握することができ、遊技内容を理解しやすい遊技性を持つ遊技機を提供することができる。本実施例では、大当り開始後から大入賞口が開放してから閉鎖するまでの大入賞口33aの開放時間を表示する開放時間表示装置38を設けているので、遊技者は開放時間表示装置38を見ることで、大入賞口33aの開放時間を容易に認識することができる。
例えば、大当り遊技終了後には開放時間延長機能が作動開始するので、大入賞口33aの開放時間が2秒を超えた場合には、遊技者は、発生した当りが小当りではなく、大当り(2R通常大当り、2R確変大当りまたは15R大当り)であると判断することができる。遊技者は、まず、大入賞口の開放時間が2秒を越えるか否かを知ろうと開放時間表示装置に注目する。さらに、入賞口33aの開放時間が6秒を超えた場合には、遊技者は、発生した当りが確率変動機能の作動を伴う2R確変大当り、またはラウンド数が長い15R大当り(特に15R確変大当り)であると判断することができる。さらに、入賞口33aの開放時間が9秒を超えた場合には、遊技者は、発生した当りがラウンド数が長い15R大当り(特に15R確変大当り)であると判断することができる。このように、本実施例の遊技機では、各当り遊技の大当り開始後大入賞口が開放してから閉鎖するまでの大入賞口開放時間が、1.8秒、6秒、9秒を超える毎に、遊技者の期待感を向上させることができる。そして、開放時間が長ければ長いほど遊技者の獲得できる利益(大当り遊技中の利益、大当り遊技後の遊技状態による利益)も大きくなるという、遊技者にゲーム性がわかりやすい、画期的な遊技機を提供できる。なお、開放時間表示手段は、一度、大入賞口が閉鎖すると開放時間を「0」にリセットする。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、上記実施例では、大入賞装置33の横に大入賞口33aの開放時間を表示する開放時間表示装置38を設けたが、これに限らず、他の手段により大入賞口33aの開放時間を遊技者に報知するようにしてもよい。例えば、演出表示装置25の表示領域を用いて大入賞口33aの開放時間を表示するように構成してもよい。この場合は、主制御部200からサブ制御部260に大入賞口33aの開放時間表示を指示する信号を送信し、この信号に基づいてサブ制御部260が演出表示装置25での大入賞口開放時間表示制御を行うようにすればよい。また、演出表示装置25ではなく、可動役物に開放時間の表示装置を搭載し表示させてもよい。
また、1秒単位で表示する例を示したが、0.1秒単位で表示してもよい。この場合、最初「00.0」秒から表示を開始し,0.1秒毎にカウントアップ表示していく。
また、15R大当り(15R通常大当りまたは15R確変大当り)が発生した場合に、演出図柄を特別図柄の15R大当り図柄(15R通常大当り図柄または15R確変大当り図柄)に対応する3桁同一図柄の組合せで停止表示させることで、第2開放時間経過前に15R大当りが発生したことを遊技者が認識し、遊技興趣が低下することが考えられる。このため、15R大当りが発生した場合に、演出図柄を特別図柄の15R大当り図柄に対応する3桁同一図柄の組合せで停止表示させることを、1ラウンド目の大入賞口33aの開放時間が第2開放時間(9秒)を超えるまで遅延させる図柄停止表示遅延処理を行うことで、第2開放時間経過前に15R大当り発生を遊技者が認識することを防止できる。あるいは、15R大当りが発生した場合に、15R大当り図柄とは異なる大当り図柄に対応する特定の図柄組合せ(例えば「リーチ外れ目」、「特定の順目」、「特定のバラケ目」等)で演出図柄を一旦停止表示させ、その後、演出図柄の変動表示を再開し、1ラウンド目の大入賞口33aの開放時間が第2開放時間(9秒)を超えた後に、演出図柄を特別図柄の15R大当り図柄に対応する3桁同一図柄の組合せで停止表示させることで図柄停止表示遅延処理を行うようにしてもよい。これらの場合、主制御部200は特別図柄当否判定の結果が第1大当りとなったときに、大当りの種類を示す信号をサブ制御部260に送信し、この信号を受け取ったサブ制御部260が図柄停止表示遅延処理を実行するようにすればよい。
また、上記実施例では、第1大当りとして、第1大当り遊技終了後に確率変動機能を作動開始させない第1通常大当りと、第1大当り遊技終了後に確率変動機能を作動開始させる第1確変大当りの2種類を設けたが、これに限らず、第1確変大当りの1種類のみを設けるようにしてもよい。これにより、第1大当り遊技終了後に確率変動機能が必ず作動開始するので、大入賞口33aの開放時間が第2開放時間(上記実施例では9秒)である第2大当りより、大入賞口33aの開放時間が第1開放時間(上記実施例では30秒)である第1大当りを遊技者にとって確実に有利な当りとすることができる。なお、この場合、確率変動遊技に移行した場合は、特別図柄の変動回数が10000回よりも短い所定の回数(例えば、77回)で確変遊技が終了する。つまり、時間の大当りが実施される前に確変状態が終了することがありえる。
また、上記実施例では、第3大当りとして、第3大当り遊技終了後に開放時間延長機能の作動が伴うものとしたが、開放時間延長機能の作動が伴わないものとしてもよい。