(第1実施例)
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。本発明の遊技機をパチンコ遊技機(以下、単に遊技機という)に適用した実施例を図1〜図9に示す。
図1は、本実施例の遊技機1の正面図である。図1に示すように、遊技機1の前面部は、本体枠2、中枠3、前面枠4、上皿部5、下皿部6、施錠装置9、遊技盤20等を備えている。なお、図1では遊技盤20の詳細な図示を省略している。また、中枠3は前面枠4等が前面側に配置されているため、図1においては明示されていない。
本体枠2は木製の板状体を略長方形の枠状に組立てたものであり、遊技機1の外枠を構成している。中枠3はプラスチック製であり、本体枠2の内側にはめ込まれて設置されており、外枠2に対して開閉可能に左端で軸支されている。中枠3は、上側2/3程度を占める枠体部と下側1/3程度を占める下板部とから構成されている。枠体部の前面側には遊技盤20と前面枠4とが重なるように設けられており、下板部の前面側には上皿部5と下皿部6が設けられている。下板部には、遊技球を遊技盤20に発射する発射手段を構成する発射装置ユニット(図示略)、遊技球を発射装置ユニットに供給する球送り装置(図示略)が設けられている。
前面枠4は、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端で開閉可能に支持されている。前面枠4はプラスチック製であり、奥側に配置される遊技盤20の盤面を視認可能にするために、円形状の開口部4aが形成されている。前面枠4の裏面には、開口部4aに対応したガラス板等の透明板を備える略長方形状の透明板枠(図示略)が装着されている。前面枠4における遊技盤20の周囲には、LED等のランプ類(図示略)が設けられている。これらのランプ類は、遊技効果を高めるためにゲーム進行に応じて点灯・消灯あるいは点滅する。
上皿部5は、前面枠4の下側に設けられ、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。上皿部5は、皿外縁部5aと、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口5bと、上皿部5の遊技球を下皿部6に排出する球抜きボタン5cとを備えている。皿外縁部5aの上面には、演出ボタン5dや球貸ボタン5e等が設けられている。
下皿部6は、上皿部5の下方に設けられている。下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から下皿部6に遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。下皿部6の左端には灰皿7が設けられている。下皿部6の右端には、遊技者が発射装置ユニット(図示略)を操作するための発射ハンドル8が設けられている。発射ハンドル8には、遊技者が触れていることを検出する接触検知手段としてのタッチスイッチ8aが設けられている。発射ハンドル8の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ8bが配置されている。
施錠装置9は、中枠3の右端中央に設けられており、前面枠4を閉じた場合にこれを施錠するためのものである。
また、遊技機1には、遊技状態に応じた効果音等を発生させるためのスピーカ10a〜10dが設けられている。スピーカ10a〜10dは、遊技機1の上部に設けられた上部スピーカ10a、10bと遊技機1の下部に設けられた下部スピーカ10c、10dとからなる。さらに、遊技機1の左側には、プリペイドカードユニット13(CRユニット)が装着されている。
次に、本実施例の遊技盤20の表面構造について説明する。図2は遊技盤20の正面図である。遊技盤20は、略長方形の木製の板状体であって中枠3に着脱可能に取り付けられているとともに、裏機構盤(図示略)によりその背面側が覆われている。
図2に示すように、遊技盤20には、遊技盤20の表面(盤面)に設けられた外レール22と内レール23とにより略円形状の遊技領域21が形成されている。遊技領域21内には、中央装置24、普通図柄作動ゲート27、始動口28、大入賞装置(特別電動役物)33、左入賞口34、35、右入賞口36、37、第1装飾部材50、第2装飾部材60等の遊技装置が配設されている。また、遊技領域21には各遊技装置との位置バランスを考慮して多数の障害釘が配設されている。
中央装置(センター役物)24は遊技領域21の略中央部に配置され、演出表示装置25を備えている。本実施例では、演出表示装置25として大型の液晶表示装置を用いており、演出表示装置25の表示領域では各種演出表示が行われる。
大入賞装置33は遊技領域21における中央装置24の下方に配置されている。第1装飾装置50は遊技領域21における大入賞装置33の左側に配置され、第2装飾装置60は遊技領域21における大入賞装置33の右側に配置されており、装飾装置50、60はいわゆるサイド飾りを構成している。また、第1装飾装置50には左入賞口34、35が一体化されており、第2装飾装置60には右入賞口36、37が一体化されている。
普通図柄作動ゲート27は、中央装置24の左側に設けられている。普通図柄作動ゲート27の内部には、遊技球の通過を検知する普通図柄作動ゲート検知スイッチ27s(図4参照)が設けられている。遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過することで、普通図柄が変動開始する。
始動口28は、中央装置24の中央位置の下方に設けられている。始動口28は、遊技盤20の盤面上を流下する遊技球を受け入れる遊技球受入口が形成された2つの入球口を上下方向に並べて配置したもので、上側始動口28a(上始動口)と下側始動口28b(下始動口)とから構成されている。上側始動口28a(上始動口)は、遊技球受入口の大きさが変化せず遊技球の入球可能性が一定とされた固定式の入球口によって構成されており、遊技球の入球が常時可能となっている。一方、下側始動口28b(下始動口)はいわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部28cを備えており、この一対の翼片部28cの上端間隙が遊技球受入口となっている。この一対の翼片部28cは、各々左右方向に傾動することで開閉動作を行うものとされており、この開閉動作により、一対の翼片部28cの遊技球受入口の大きさが変化する。普通図柄が当り図柄の組合せで停止表示された場合には、一対の翼片部28cが開動作して下側始動口28bの遊技球受入口が拡大され、下側始動口28bは普通電動役物として機能する。
始動口28の内部には、遊技球の入球を検知する始動口入球検知スイッチ(図示略)と、翼片部28cを作動させるための始動口ソレノイド(図示略)とが備えられている。この一対の翼片部28cが左右に開動作した場合には、
下側始動口28bの遊技球受入口の大きさが通常時より拡大され、下側始動口28bは遊技球の入球が容易な状態(以下、「開放状態」ともいう)状態となる。一方、一対の翼片部28cが立設された場合には、下側始動口28bの遊技球受入口の大きさが遊技球の直径より僅かに大きい(遊技球1個が通過可能な)通常の大きさとされ、下側始動口28bは遊技球の入球が困難な状態(以下、「通常状態」ともいう)状態となる。よって、下側始動口28bが通常状態にあるときは、下側始動口28bへの遊技球の入球可能性が低くなり、下側始動口28bが開放状態にあるときは、下側始動口28bへの遊技球の入球可能性が高くなる。なお、遊技球が始動口28に入球することで、後述の特別図柄が変動開始する。
大入賞装置33は、始動口28の下方に配設されている。ここで、大入賞装置33は、帯状に開口された大入賞口33aと、この大入賞口33aを開放・閉鎖する開閉板33bと、この開閉板33bを開閉するための大入賞口ソレノイド(図示略)と、遊技球の入球を検知する入球検知スイッチ(図示略)とから主に構成されている。
大入賞装置33の左斜め上方には、左入賞口34、35が設けられている。大入賞装置33の右斜め上方には、右入賞口36、37が設けられている。これらの入賞口34〜37の内部には、右入賞口入球検知スイッチ(図示略)が設けられている。
第1装飾部材50には、複数のLEDが設けられており、これらのLEDの組合せにより、普図保留表示部51、特図保留表示部52、遊技状態表示部53、普通図柄表示部54が構成されている。同様に第2装飾部材60には、複数のLEDが設けられており、これらのLEDの組合せにより、特別図柄表示部61が構成されている。
普図保留表示部51は、普通図柄変動中に普通図柄作動ゲート27を通過した遊技球の数を最大保留数(本実施例では4個)まで保留可能として普通図柄保留数を表示するものである。次回の普通図柄当否判定が行われ普通図柄の変動表示が開始する毎に未始動回数(保留数)が消化され、普通図柄保留数が1個ずつ減少する。特図保留表示部52は、特別図柄変動中に始動口28に入球した遊技球の数を最大保留数(本実施例では4個)まで保留可能として特別図柄保留数を表示するものである。特別図柄保留数は、次回の特別図柄当否判定が行われ特別図柄の変動表示が開始する毎に未始動回数(保留数)が消化され、特別図柄保留数が1個ずつ減少する。普図保留表示部51と特図保留表示部52は、それぞれ2つのLEDからなる。これらの保留表示部51、52は、2個のLEDの消灯、点灯、および点滅を組み合わせることで、4個を上限として保留数を表示することができる。
遊技状態表示部53は、2個のLEDから構成されている。遊技状態表示部53では、現在の特別図柄当否判定確率が高確率と通常確率(低確率)のどちらであるか、つまり、確率変動機能が作動しているか否かを表示するとともに、下側始動口(普通電動役物)28bを開放状態とする時間が延長される開放時間延長機能が作動しているか否かを表示する。
普通図柄表示部54は、1個のLEDから構成されており、このLEDにより普通図柄の表示が行われる。普通図柄表示部54では、普通図柄の変動表示及び停止表示が行われる。普通図柄表示部54では、普通図柄作動ゲート27を遊技球が通過することにより普通図柄が変動開始し、所定時間経過後に普通図柄が当り普通図柄の表示態様あるいは外れ普通図柄の表示態様で停止表示される。そして、普通図柄が予め設定された当り普通図柄の表示態様で停止表示すると、下側始動口28b(普通電動役物)が所定時間(例えば0.1秒)だけ開放される。
本実施例では、普通図柄当否判定用乱数が用意されており、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過した際に、下側始動口(普通電動役物)28bを作動させるか否かの普通図柄当否判定に用いられる。普通図柄当否判定用乱数には、予め当り値が設定されており、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過したタイミングで取得された普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に当りと判定される。そして、当りと判定された場合には、普通図柄表示部54で停止表示される普通図柄は、当り普通図柄の表示態様に決定される。一方、外れと判定された場合には、普通図柄表示部54で停止表示される普通図柄は外れ普通図柄の表示態様に決定される。なお、普通図柄当否判定および普通図柄の停止図柄の決定は、後述の主制御基板200のCPUによって行われる。
特別図柄表示部61は、7個のLEDから構成されており、これらのLEDにより特別図柄の表示が行われる。特別図柄表示部61では、特別図柄の変動表示及び停止表示が行われる。
本実施例の特別図柄は、第2装飾部材60の特別図柄表示部61で表示される本特別図柄(以下、「本図柄」ともいう。)と演出表示装置25で表示される疑似特別図柄(以下、「疑似図柄」ともいう。)とからなる。本図柄は、特別図柄当否判定の判定結果を表示する抽選図柄として機能し、疑似図柄は、本図柄の表示に連動して演出表示を行う演出図柄として機能する。なお、特別図柄表示部61が本発明の抽選図柄表示手段に相当し、演出表示装置25が本発明の演出図柄表示手段に相当している。演出表示装置25における疑似図柄の表示については後述する。
特別図柄表示部61では、始動口28に遊技球が入球することにより本図柄が変動表示を開始し、所定の変動表示時間経過後に本図柄が大当り図柄の組合せあるいは外れ図柄の組合せで所定の停止表示時間だけ停止表示される。本実施例では、長さの異なる複数の停止表示時間が用意されており、遊技状態に基づいて特定の停止表示時間が選択される。具体的には、第1停止表示時間(5秒)と、第1停止表示間より短い第2停止表示時間(0.5秒)が用意されており、後述の開放時間延長機能が作動していない場合(通常状態)には、第1停止表示時間が選択され、開放時間延長機能が作動している場合(時短状態)には、第2停止表示時間が選択される。
本実施例では、特別図柄当否判定用乱数が用意されている。特別図柄当否判定用乱数は、遊技球が始動口28に入球した際に取得され、特別遊技状態を発生させるか否かの特別図柄当否判定に用いられる。具体的には、特別図柄当否判定用乱数には、予め当否判定用の当り値が設定されており、遊技球が始動口28に入球したタイミングで取得された特別図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に当りと判定される。そして、当りと判定された場合には、特別図柄表示部61で停止表示される本図柄は、大当り図柄の組合せのいずれかに決定される。一方、外れと判定された場合には、特別図柄表示部61で停止表示される本図柄は、外れ図柄の組合せに決定される。特別図柄当否判定乱数の取得、特別図柄当否判定、本図柄の変動態様(変動表示時間)の決定、本図柄の停止図柄の決定、停止表示時間の決定は、後述の主制御基板200のCPUによって行われるように構成されている。なお、主制御基板200のCPUが本発明の停止表示時間設定手段に相当している。
特別図柄表示部61で停止表示された本図柄の組合せが大当り図柄の組合せであった場合には、主制御基板200のCPUは遊技者に相対的に有利な特別遊技状態を発生させる。特別遊技状態発生中は、大入賞装置33が作動し、大入賞口33aへの遊技球の入球に関して遊技者に利益が付与される。具体的には、特別遊技状態の発生により、大入賞装置(特別電動役物)33を連続して作動させ、大入賞口33aを連続して開放状態とする。大入賞装置33の作動開始(特別遊技状態の開始)により、大入賞口33aが開放して遊技球受入状態となる。この遊技球受入状態は、所定の終了条件成立により終了し、開放していた大入賞口33aが閉鎖状態となる。所定の終了条件として、遊技球受入状態の開始後における大入賞口33aの開放時間が所定時間(本実施例では30秒)に達したとき、もしくは遊技球受入状態の開始後、大入賞口33aに入球した遊技球数が所定数(本実施例では10個)に達したときとすることができる。
この遊技球受入状態の開始から終了までを1ラウンドとした場合、特別遊技状態は、所定ラウンドが終了したときに終了する。大入賞装置33では、遊技球受入状態が終了してから所定時間(例えば2秒)が経過した後に、大入賞口33aが開放して再び遊技球受入状態となり、次のラウンドが開始する。このような開始から終了までを1ラウンドとする遊技球受入状態は、所定の最高継続ラウンド数(本実施例では15ラウンド)が終了するまで繰り返し継続される。
本実施例の遊技機では、特別遊技状態の終了後、変動時間短縮機能や開放時間延長機能、確率変動機能が作動する特定遊技(いわゆる時短遊技および確変遊技)が開始される。
本図柄が通常大当り図柄で停止表示した場合には、特別遊技状態の終了後、変動時間短縮機能および下側始動口28bの開放時間を延長させる開放時間延長機能が作動する時短状態となる。変動時間短縮機能および開放時間延長機能は、主制御基板200のCPUの制御により作動または停止されるものであり、変動時間短縮機能には、普通図柄変動時間を短縮させる普通図柄変動時間短縮機能と、特別図柄変動時間を短縮させる特別図柄変動時間短縮機能とが含まれている。変動時間短縮機能および開放時間延長機能は、特別遊技状態の終了後、次回特別遊技状態が発生するまでの間、または本図柄の変動回数が所定回数(本例では100回)に到達するまで作動する。なお、主制御基板200のCPUは、開放延長機能を作動させるための延長手段としての機能を有している。
本図柄が確変大当り図柄で停止表示した場合には、特別遊技状態の終了後、確率変動機能が作動して確率変動状態となる。確率変動状態は、主制御基板200のCPUの制御により実現されるものであり、この確率変動状態では、上記変動時間短縮機能および開放時間延長機能に加え、特別図柄当否判定の確率、すなわち特別図柄が大当り図柄で停止表示する確率を変更(向上)させる確率変動機能が作動する。確率変動機能は、特別遊技状態終了後、次回特別遊技状態が発生するまでの間、または本図柄の変動回数が所定回数(本例では10000回)に到達するまで作動する。なお、主制御基板200のCPUは、確率変動機能を作動させるための確率変動手段としての機能を有している。
次に、演出表示装置25で表示される疑似図柄(演出図柄)について説明する。図3は、演出表示装置25の画面表示例を示している。図3に示すように、演出表示装置25の画面には、疑似図柄が表示される疑似図柄表示領域25aが設けられている。疑似図柄表示領域25aには、左図柄が表示される左図柄表示領域、中図柄が表示される中図柄表示領域、右図柄が表示される右図柄表示領域からなる3つの図柄表示領域が設けられている。また、演出表示装置25の表示画面のうち、疑似特別図柄表示領域25aを除く部位は、文字、図形、記号、キャラクタ等を含む種々の背景図柄が表示される背景表示領域となっている。
疑似図柄表示領域25aの各図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する向き、この場合、上下方向(縦方向)に図柄変動方向が設定されている。疑似図柄表示領域25aの各図柄表示領域は、「1」〜「9」からなる数字図柄をそれぞれ表示可能となっており、疑似図柄は3桁の数字図柄として構成されている。本実施例の疑似図柄は、3桁同一の偶数図柄の組合せが本図柄の通常大当り図柄に対応し、3桁同一の奇数図柄の組合せが本図柄の確変大当り図柄に対応し、それら以外の図柄の組合せが本図柄の外れ図柄に対応している。
疑似図柄表示領域25aでは、疑似図柄を用い、本図柄の表示に連動した演出表示が行われる。疑似図柄は、上記本図柄の変動表示に連動して変動表示し、本図柄の停止表示に連動して停止表示する。疑似図柄の演出表示時間は、本図柄の変動表示時間に停止表示時間を加算した値に設定される。上述のように、本図柄の停止表示時間は遊技状態によって変化するため、疑似図柄の演出表示時間は遊技状態によって変化する。本実施例では、開放時間延長機能が作動していない場合(通常状態)より、開放時間延長機能が作動している場合(時短状態)の方が、疑似図柄の演出表示時間が短く設定される。
疑似図柄の演出態様および停止図柄の決定は、主制御基板200のCPUから送信されるコマンドに基づいてサブ制御基板260のCPUによって行われるように構成されている。なお、サブ制御基板260のCPUが本発明の演出表示時間設定手段に相当している。
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置について、図4に基づいて説明する。図4は、電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図4に示すように、電子制御装置は、主制御基板200と、その主制御基板200に接続された副制御基板230、260、280とを含んで構成されている。副制御基板は、払出制御基板(賞球制御基板)230、サブ制御基板260及び演出表示制御基板280から構成される。
主制御基板200は、遊技の進行を司る主制御手段を構成するものであり、各副制御基板230、260に処理内容を指示する指令信号(コマンドデータ)を送信し、各副制御基板230、260、280は指令信号に基づいて各種制御を行うように構成されている。
例えば、主制御基板200から払出制御基板230には、賞球払出を指示する賞球指示信号、遊技開始許可を指示する遊技開始許可信号、各種発射制御コマンド等のコマンドが送信される。各種発射制御コマンドには、球送り許可・禁止、発射許可・禁止、遊技開始許可等が含まれている。また、主制御基板200からサブ制御基板260には、各種ランプ制御コマンド及び各種音声制御コマンドが送信される。主制御基板200から演出表示制御基板280には、サブ制御基板260を介して、特別図柄(疑似図柄)の表示制御を指示する各種図柄制御制御コマンドが送信される。サブ制御基板260から演出表示制御基板280には、演出表示制御を指示する各種演出表示制御コマンドが同時に送信される。
各制御基板200、230、260、280には、主電源129と接続された電源受電基板128から電源基板127と電源中継基板121とを介して電源が供給されている。また、電源立上げ時には、システムリセット信号が電源基板127および電源中継基板121を介して各制御基板200、230、260、280に送信される。なお、本実施例の遊技機1は、電源断時に主制御基板200及び払出制御基板230に作動電圧を供給する図示しないバックアップ電源部(図示略)を備えており、電源断時にも主制御基板200及び払出制御基板230のRAMデータが保持される。
主制御基板200のCPUは、CPUコア、内蔵RAM(以下、単にRAMともいう)、内蔵ROM(以下、単にROMともいう)等を備えており、ROMに格納された制御プログラムにより、RAMをワークエリアとして遊技機1全体の作動制御(遊技の基本進行制御)を司る。また、主制御基板200は、CPUが主体となって、ROMに格納された当否判定プログラムにより特別図柄の当否判定を行う当否判定手段を構成している。また、主制御基板200のCPUは、特別図柄当否判定を実行する際に、ROMに格納された特別図柄の変動パターンテーブルから特定の変動パターンを決定する。なお、本実施例の主制御基板200のCPU400の制御周期は4msに設定されている。
主制御基板200には、盤用外部端子基板201、始動口入賞検知スイッチ28s、普通図柄作動ゲート検知スイッチ27s、盤面中継基板210及び遊技枠中継基板220が接続されている。盤面中継基板210は、遊技盤20盤面に設けられた表示装置やスイッチ等と主制御基板200との間で、表示制御信号やスイッチ信号等を中継するものである。遊技枠中継基板220は、主に中枠3に設けられた各種スイッチ等と主制御基板200との間で、スイッチ信号等を中継するものである。始動口入賞検知スイッチ28sは、始動口28に遊技球が入球したことを検知するものである。普通図柄作動ゲート検知スイッチ27sは、普通図柄作動ゲート26を遊技球が通過したことを検知するものである。
次に、払出制御基板230について説明する。払出制御基板230は、主制御基板200のCPUと同様の構成を有するCPUを備えている。払出制御基板230には、枠用外部端子基板122、スイッチ中継端子基板231、CR接続基板234、発射制御基板250等が接続されている。スイッチ中継端子基板231には、賞球タンク105内の遊技球の球切れを検知するタンク球切れスイッチ232、下皿部6の下受け皿の満タン状態を検知する下皿満タンスイッチ233が接続されている。
次に、サブ制御基板260について説明する。サブ制御基板260には、CPU、ROM、RAM、入出力ポート等を有する演算回路構成要素(図示略)とサウンドジェネレータ(図示略)が設けられており、入出力ポートにおいて主制御基板200に接続されている。サブ制御基板260は、演出表示装置25による図柄表示、各種ランプ類による装飾表示、スピーカ10a〜10dから出力される効果音などを用いた演出制御を司るように構成されている。
サブ制御基板260には、演出表示制御基板280が接続されている。演出表示制御基板280には、CPU、RAM、ROM、入出力ポート、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)等を有する演算回路構成要素(図示略)が設けられ、入出力ポートにおいてサブ制御基板260に接続されている。演出表示制御基板280には演出表示装置25が接続されている。演出表示制御基板280は、CPUがROMに格納された制御プログラムに従ってRAMをワークエリアとして演出表示装置25の表示制御を行うように構成されている。演出表示制御基板280のROMには、演出表示装置25で表示される演出用の図柄画像データが格納されている。
次に、本実施例の遊技機1の作動を図5〜図7のフローチャートに基づいて説明する。図5は、主制御基板200のCPUがROMに格納されたプログラムに基づいてCPU400が実行するメインジョブの一例を示している。図5に示すメインジョブは、電源投入処理S100を実行した後、遊技開始処理S200、普通図柄遊技処理S300、普通電動役物遊技処理S400、特別図柄遊技処理S500、特別電動役物遊技処理S600の各ステップが、タイマリセットされる毎に繰り返し実行される。電源断発生処理S700は、停電等によって電源断が発生した場合に、使用レジスタやスタックポインタの保存、払出モータの停止等が行われ、システムリセットが発生した場合に電源投入処理S100に移るようになっている。
電源投入処理S100は、電源投入時と電源断発生後の復電時に行われるものであり、電源投入時にはRAM初期化処理等が行われ、電源断復帰時には電源断時の遊技状態に復帰させるための復帰設定等が行われ。遊技開始処理S200では、各種スイッチ状態の検出、各種乱数の更新、賞球制御等が行われる。
普通図柄遊技処理S300では、まず、普通図柄の当否判定を行って、普通図柄表示部50c(図2参照)にて普通図柄を当り図柄で停止表示させるか、外れ図柄で停止表示させるかを決定する。次に、普通図柄の変動表示時間を設定した後、普通図柄の変動表示を開始する。そして、変動表示時間が経過すると、決定しておいた図柄で普通図柄を停止表示させ、普通図柄の当り図柄が停止表示された場合には、普通電動役物の作動を開始させる。普通図柄遊技処理では、以上のようにして、普通図柄の変動表示および停止表示を行い、普通図柄が当り図柄で停止表示された場合には、下側始動口28bを作動させる処理を行う。下側始動口28bが作動すると、一対の翼片部28cが左右に開動作して、下側始動口28bが開放状態となる。
普通電動役物遊技処理S400では、下側始動口28bを開放状態に維持する開放時間が経過したか否かを判定し、開放時間が経過していない場合には、下側始動口28bに規定入賞数の入賞があったか否かを判定する。開放状態にある下側始動口28bに規定入賞数の入賞があったと判定されるか、開放状態にある下側始動口28bの開放時間が経過していると判定された場合には、一対の翼片部28cが閉動作して、下側始動口28bは通常状態となる。
次に、特別図柄遊技処理S500を図6のフローチャートに基づいて説明する。なお、特別図柄遊技処理S500における「特別図柄」は、「本図柄(抽選図柄)」を意味している。
まず、始動口28に遊技球が入賞したか否かを判定し(S501)、始動口28に遊技球が入賞したと判定された場合には(S501:YES)、特別図柄表示部61(図2参照)の作動保留数が4未満であるか否かを判定する(S502)。この結果、特別図柄保留数が4未満であると判定された場合には(S502:YES)、特別図柄当否判定用の乱数を取得して記憶する(S503)。
次に、特別遊技状態が発生中であるか否かを判定する(S504)。この結果、特別遊技状態発生中であると判定された場合には(S504:YES)、そのままリターンし、特別遊技状態発生中でないと判定された場合には(S504:NO)、特別図柄が変動中であるか否かを判定する(S505)。この結果、特別図柄が変動中であると判定された場合には(S505:YES)、後述のS513の処理に移行し、特別図柄が変動中でないと判定された場合には(S505:NO)、特別図柄の停止表示時間中であるか否かを判定する(S506)。特別図柄の停止表示時間中であると判定された場合には(S506:YES)、後述のS516の処理に移行し、特別図柄の停止表示時間中でないと判定された場合には(S506:NO)、特別図柄保留数がゼロであるか否かを判定する(S507)。
この結果、特別図柄保留数がゼロであると判定された場合には(S507:YES)、そのままリターンし、特別図柄保留数がゼロでないと判定された場合には(S507:NO)、確率変動機能が作動中であるか否かを判定する(S508)。この結果、確率変動機能が作動中であると判定された場合には(S508:YES)、確率変動時の当否判定を行い(S509)、確率変動機能が作動中でないと判定された場合には(S508:NO)、非確率変動時の当否判定を行う(S510)。
次に、特別図柄の変動パターンの決定処理を行う(S511)。この特別図柄変動パターンは、特別図柄の変動時間や、その変動におけるリーチ演出の有無を規定するものであり、主制御基板200のCPUがROMに記憶されている特別図柄の変動パターンテーブルから特定の変動パターンを決定する。特別図柄当否判定の結果が確変大当りである場合には、確変大当り用の停止図柄と変動パターンを決定し、特別図柄当否判定の結果が通常大当りである場合には、通常大当り用の停止図柄と変動パターンを決定する。それら以外の場合には、特別図柄当否判定の結果が外れであり、リーチ演出の有無に応じて外れ停止図柄とその変動パターンを決定する。
次に、特別図柄の停止表示時間を設定する(S512)。ここで、特別図柄の停止表示時間設定処理について図7のフローチャートに基づいて説明する。まず、現在の遊技状態を取得する(S512a)。ここでは、開放時間延長機能の作動状態を取得する。次に、開放時間延長機能が作動中であるか否かを判定する(S512b)。この結果、開放時間延長機能が作動中でない、すなわち通常状態であると判定された場合には(S512b:NO)、停止表示時間を第1停止表示時間(5秒)に設定する(S512c)。一方、開放時間延長機能が作動中である、すなわち時短状態であると判定された場合には(S512b:YES)、停止表示時間を第2停止表示時間(0.5秒)に設定する(S512d)。
次に、図6に戻り、特別図柄表示部61で特別図柄の変動表示を開始させるとともに、サブ制御基板260のCPUに演出パターン指定コマンドを出力し、演出表示装置25における疑似図柄の変動表示を開始させる(S513)。演出パターン指定コマンドは、S511で決定された変動パターンを指定するコマンドである。
上記S505で特別図柄が変動中であると判定された場合には(S505:YES)、特別図柄の変動時間が経過しているか否かを判定する(S514)。この結果、特別図柄の変動時間が経過していないと判定された場合には(S514:NO)、そのままリターンし、特別図柄の変動時間が経過していると判定された場合には(S514:YES)、特別図柄の変動を停止して、特別図柄当否判定結果に応じた停止図柄で停止表示させる(S515)。
次に、S512の処理で設定された特別図柄の停止表示時間が経過したか否かを判定する(S516)。この結果、特別図柄の停止表示時間が経過していないと判定された場合には(S516:NO)、そのままリターンし、特別図柄の停止表示時間が経過していると判定された場合には(S516:YES)、特別図柄の停止図柄が大当り図柄の組合せであるか否かを判定する(S517)。この結果、特別図柄の停止図柄が大当り図柄の組合せであると判定された場合には(S517:YES)、特別遊技状態を開始させる(S518)。
次に、確率変動機能が作動中であるか否かを判定し(S520)、確率変動機能が作動中であると判定された場合は(S520:YES)、特別遊技状態の開始に伴って、確率変動機能、変動時間短縮機能、開放時間延長機能を作動停止させる(S521〜S523)。
上記S517で特別図柄の停止図柄が大当り図柄の組合せでないと判定された場合には(S517:NO)、変動時間短縮機能が作動中であるか否かを判定する(S524)。この結果、変動時間短縮機能作動中でないと判定された場合は(S524:NO)、そのままリターンし、変動時間短縮機能作動中であると判定された場合は(S524:YES)、特別図柄の変動回数を計数し(S525)、変動回数が予め設定された変動回数(本例では100回)に到達したか否かを判定する(S526)。この結果、変動回数が予め設定された変動回数に到達していないと判定された場合には(S526:NO)、そのままリターンし、変動回数が予め設定された変動回数に到達したと判定された場合には(S526:YES)、変動時間短縮機能を作動停止させるとともに(S522)、開放時間延長機能を作動停止させる(S523)。
上記S520で確率変動機能が作動中でないと判定された場合は(S520:NO)、変動時間短縮機能が作動中であるか否かを判定する(S527)。この結果、変動時間短縮機能作動中でないと判定された場合は(S527:NO)、そのままリターンし、変動時間短縮機能作動中であると判定された場合は(S527:YES)、特別遊技状態の開始に伴って変動時間短縮機能を作動停止させるとともに(S522)、開放時間延長機能を作動停止させる(S523)。
次に、特別電動役物遊技処理S600について図8のフローチャートに基づいて説明する。まず、特別遊技状態発生中であるか否かを判定し(S601)、特別遊技状態発生中でないと判定された場合には(S601:NO)、そのままリターンし、特別遊技状態発生中であると判定された場合には(S601:YES)、大入賞口33aが開放中であるか否かを判定する(S602)。この結果、大入賞口33aが開放中であると判定された場合には(S602:YES)、大入賞口33aの開放時間が経過したか否かを判定し(S603)、大入賞口33aの開放時間が経過していないと判定された場合には(S603:NO)、大入賞口33aに最大入賞数の遊技球が入賞したか否かを判定する(S604)。
この結果、大入賞口33aに最大入賞数の遊技球が入賞していないと判定された場合には(S604:NO)、そのままリターンし、大入賞口33aに最大入賞数の遊技球が入賞していると判定された場合と(S604:YES)、大入賞口33aの開放時間が経過していると判定された場合には(S603:YES)、大入賞口33aを閉鎖する(S605)。
上記S602で、大入賞口33aが開放中でないと判定された場合には(S602:NO)、特別遊技状態のラウンド数が所定回数に達したか否かを判定する(S606)。この結果、特別遊技状態のラウンド数が所定回数に達していないと判定された場合には(S606:YES)、大入賞口33aの閉鎖時間(インターバル時間)が経過しているか否かを判定し(S607)、大入賞口33aの閉鎖時間が経過していないと判定された場合には(S607:NO)、そのままリターンし、大入賞口33aの閉鎖時間が経過していると判定された場合には(S607:YES)、大入賞口33aを開放させる(S608)。
上記S606で、特別遊技状態のラウンド数が所定回数に達していると判定された場合には(S606:NO)、特別遊技状態を終了する(S609)。そして、特別遊技状態発生の契機となった特別図柄の停止図柄が確率変動機能を作動させる確変大当り図柄の組合せか否かを判定する(S610)。この結果、特別図柄の停止図柄が確変大当り図柄であると判定された場合には(S610:YES)、確率変動機能を作動開始させ(S611)、変動時間短縮機能を作動開始させ(S612)、開放時間延長機能を作動開始させる(S613)。
上記S610で、特別図柄の停止図柄が確変大当り図柄でないと判定された場合には(S610:NO)、変動時間短縮機能を作動開始させ(S612)、開放時間延長機能を作動開始させる(S613)。
次に、疑似図柄(演出図柄)の演出表示時間を設定する演出表示時間設定処理について説明する。図9は、サブ制御基板260のCPUがROMに格納された制御プログラムにしたがって実行する演出表示時間設定処理の流れを示すフローチャートである。図9に示す演出表示時間設定処理は、サブ制御基板260のCPUが実行する図示しないメインルーチンのサブルーチンとして実行される。
図9に示すように、まず、演出パターン指定コマンドが受信されたか否かを判定する(S800)。演出パターン指定コマンドは、上述の特別図柄変動パターン決定処理S511で設定された特別図柄(本図柄)の変動パターンを指定するコマンドであり、特別図柄(本図柄)の変動パターン(変動表示時間)に関する情報を含んでいる。演出パターン指定コマンドは、特別図柄遊技処理S500の中で主制御基板200からサブ制御基板260に送信される。サブ制御基板260のCPUは、演出パターン指定コマンドから本図柄の変動表示時間や停止表示時間や本図柄が変動開始されることを認識することができ、特図情報指定コマンドから特別図柄当否判定の結果を認識することができる。
S800の処理の結果、演出パターン指定コマンドを受信していない場合には(S800:NO)、そのままリターンし、演出パターン指定コマンドを受信している場合には(S800:YES)、受信した演出パターン指定コマンドの情報に基づき本図柄の変動表示時間を取得し(S801)、S512の処理(図6,図7参照)で設定された本図柄の停止表示時間を取得する(S802)。そして、本図柄の変動表示時間に停止表示時間を加算して得られた値(合計時間)を疑似図柄の演出表示時間として設定する(S803)。
ここで、S802の処理における本図柄の停止表示時間の取得は、次のようにして行うことができる。すなわち、本図柄の変動表示開始時に、主制御基板200からサブ制御基板260に向けて本図柄の停止表示時間を指定する停止表示時間指定コマンドを送信する構成とすれば、サブ制御基板260のCPUは、その停止表示時間指定コマンドの情報に基づき本図柄の停止表示時間を取得することができる。あるいは、主制御基板200にて本図柄の停止表示時間が現在の遊技状態に基づき設定されることから(図6のS512,図7参照)、サブ制御基板260においても、S802の処理にて現在の遊技状態を判断することで、主制御基板200にて設定される本図柄の停止表示時間を取得することができる。
次に、疑似図柄の演出表示時間の具体例について図10に基づいて説明する。図10は、本図柄の変動時間と疑似図柄の演出表示時間との関係を示す時系列的に示す説明図である。図10(a)は開放時間延長機能が作動していない通常状態を示し、図10(b)は開放時間延長機能が作動していている時短状態を示している。
図10は、本図柄の変動パターンA1〜A5が停止表示時間を挟んで順に実行される例を示している。変動パターンA1は変動時間10秒、変動パターンA2は変動時間13秒、変動パターンA3は変動時間23秒、変動パターンA4は変動時間7秒、変動パターンA5は変動時間15秒に設定されている。
疑似図柄の演出パターンB1〜B5は、本図柄の変動パターンA1〜A5にそれぞれ対応して設定されている。疑似図柄の演出パターンB1〜B5は、対応する本図柄の変動パターンA1〜A5の変動表示時間に本図柄の停止表示時間を付加して設定される。
図10(a)、図10(b)に示すように、例えば本図柄の変動パターンA1(変動表示時間10秒)に対して、疑似図柄の変動パターンB1の演出表示時間は、通常状態は15秒(=変動表示時間10秒+停止表示時間5秒)となり、時短状態は10.5秒(=変動表示時間10秒+停止表示時間0.5秒)となる。このように、遊技状態に応じて複数の停止表示時間を変化させることで、本図柄の1つの変動パターンに対し、疑似図柄の複数の演出パターンを設定することができる。この結果、本図柄の変動表示時間を変更することなく、時短状態における疑似図柄の演出表示時間を通常状態に比べて短くすることができ、この結果、時短用の本図柄の変動パターンを用意する必要がなくなる。
以上のように、本実施例の構成によれば、遊技状態に応じて本図柄の停止表示時間を変化させることで、本図柄の変動表示時間を変化させることなく、疑似図柄の演出表示時間を変化させることができる。この結果、本図柄の変動パターンを遊技状態に応じて設ける必要がなくなり、疑似図柄の演出表示時間の僅かな違いに対応して本図柄の変動パターンを用意する必要もなくなる。つまり、遊技状態に関係なく本図柄の変動パターンを共通化することができ、本図柄の変動パターン数を増加させることなく(演出パターン指定コマンドを増加させることなく)、演出表示時間が異なる疑似図柄の演出パターン数を増加させることができる。また、本図柄の変動パターン数を増加させないことは、演出パターン指定コマンドの数を増加させないこととなるので、疑似図柄による演出表示態様の多様化を図りつつ、主制御基板200のROMが記憶するデータ量の削減を図ることができる。
(第2実施例)
次に、本発明の第2実施例について説明する。以下、上記第1実施例と異なる部分についてのみ説明する。
本実施例の遊技機1では、特別図柄の大当り図柄の種類により2種類の特別遊技状態が用意されている。大当り図柄が通常大当り図柄または確変大当り図柄だった場合、すなわち特別図柄当否判定の結果が通常大当りまたは確変大当りだった場合には、第1特別遊技状態が発生する。そして、大当り図柄が特定大当り図柄だった場合、すなわち特別図柄当否判定の結果が特定大当りだった場合には、第2特別遊技状態が発生する。第2特別遊技状態は、第1特別遊技状態より大入賞口33aの開放回数(最高継続ラウンド数)が少なく、かつ、大入賞口33aの開放時間が短く設定されている。つまり、第1特別遊技状態は、大入賞口33aに多量の遊技球が入球することで多量の賞球払い出しを伴う特別遊技状態であり、第2特別遊技状態は、大入賞口33aに遊技球が入球する可能性が極めて低く賞球払い出しを実質的に伴わない特別遊技状態である。
本実施例では、第1特別遊技状態の最高継続ラウンド数が15ラウンドで大入賞口33aの開放時間が例えば30秒に設定され、第2特別遊技状態の最高継続ラウンド数が2ラウンドで大入賞口33aの開放時間が例えば0.2秒に設定されている。第2特別遊技状態が発生した場合には、第2特別遊技状態は短時間で終了するので、ほとんど賞球が得られないまま確率変動状態が発生する。
次に、本実施例の遊技機1の遊技モードについて説明する。本実施例の遊技機1は、上述の特別遊技状態が発生していない場合の遊技モードとして、低確率通常モード(1)、高確率通常モード(2)、低確率時短モード(3)、高確率時短モード(4)からなる4種類の遊技モードが用意されている。これらの遊技モードは、変動時間短縮機能、開放時間延長機能、確率変動機能の作動の有無によって区別される。
低確率通常モード(1)は、上記各機能のいずれも作動していない遊技モード(通常状態)である。高確率通常モード(2)は、上記各機能のうち確率変動機能のみが作動している遊技モード(開放延長無し確変状態、いわゆる潜伏確変状態)である。低確率時短モード(3)は、上記各機能のうち開放時間延長機能と変動時間短縮機能が作動している遊技モード(時短状態)である。高確率時短モード(4)は、上記各機能のうち開放時間延長機能と変動時間短縮機能と確率変動機能が作動している遊技モード(開放延長有り確変状態)である。
図11は、各遊技モードが切り替わる状態を示す説明図である。図11では、各遊技モードを開放時間延長機能と確率変動機能の作動状態で分類している。図11に示すように、各遊技モードは開放時間延長機能に着目すると、開放時間延長機能が作動しない低確率通常モード(1)および高確率通常モード(2)と、開放時間延長機能が作動する低確率時短モード(3)および高確率時短モード(4)に分類できる。また、各遊技モードは確率変動機能に着目すると、確率変動機能が作動しない低確率通常モード(1)および低確率時短モード(3)と、確率変動機能が作動する高確率通常モード(2)および高確率時短モード(4)に分類できる。高確率通常モード(2)、低確率時短モード(3)、高確率時短モード(4)の各遊技モードは、大当り図柄が停止表示されたときの遊技モード(遊技状態)と、その大当り図柄の種類によって選択される。
低確率通常モード(1)において、大当り図柄が通常当り図柄の場合には、第1特別遊技状態終了後に低確率時短モード(3)に移行し、大当り図柄が確変当り図柄の場合には、第1特別遊技状態終了後に高確率時短モード(4)に移行し、大当り図柄が特定当り図柄の場合には、第2特別遊技状態終了後に高確率通常モード(2)に移行する。
高確率通常モード(2)において、大当り図柄が通常当り図柄の場合には、第1特別遊技状態終了後に低確率時短モード(3)に移行し、大当り図柄が確変当り図柄の場合には、第1特別遊技状態終了後に高確率時短モード(4)に移行し、大当り図柄が特定当り図柄の場合には、第2特別遊技状態終了後に高確率通常モード(2)に移行する。
低確率時短モード(3)において、大当り図柄が通常当り図柄の場合には、第1特別遊技状態終了後に低確率時短モード(3)に移行し、大当り図柄が確変当り図柄の場合には、第1特別遊技状態終了後に高確率時短モード(4)に移行し、大当り図柄が特定当り図柄の場合には、第2特別遊技状態終了後に高確率時短モード(4)に移行する。
高確率時短モード(4)において、大当り図柄が通常当り図柄の場合には、第1特別遊技状態終了後に低確率時短モード(3)に移行し、大当り図柄が確変当り図柄の場合には、第1特別遊技状態終了後に高確率時短モード(4)に移行し、大当り図柄が特定当り図柄の場合には、第2特別遊技状態終了後に高確率時短モード(4)に移行する。
このように、特定当り図柄で特別遊技状態が発生した場合には、大入賞口33aの作動時間が短く作動回数が少ない第2特別遊技状態終了後、確率変動機能が作動するとともに、特別遊技状態が発生した際の開放時間延長機能の作動状態が維持される。この場合、遊技者が視認可能な始動口28(下側始動口28b)の作動状態が変化しないまま確率変動機能が作動開始するので、遊技者が確率変動機能の作動開始を認識することを困難にすることができる。このように、確率変動機能が作動していることを遊技者が認識困難とした状態を「潜伏確変」または「内部確変」という。
低確率時短モード(3)は、特別遊技状態終了後、所定の時短終了条件が成立するまで継続し、高確率通常モード(2)および高確率時短モード(4)は、所定の確変終了条件が成立するまで継続する。そして、確率変動機能と変動時間短縮機能と開放時間延長機能の各機能のいずれもが作動開始していない場合あるいはこれら各機能のすべてが作動終了した場合は、低確率通常モード(1)となる。
ここで、本実施例の特別電動役物遊技処理S600について説明する。図12は、本実施例の特別電動役物遊技処理S600の流れを示すフローチャートであり、上記第1実施例の図8に対応している。S600〜S609の処理は、上記第1実施例と同様であるので、説明を省略する。
本実施例のS610の判定処理では、今回の特別遊技状態発生の契機となった特別図柄当否判定の結果が確変大当りまたは特定大当りか否かを判定する(S610)。この結果、特別図柄当否判定の結果が確変大当りまたは特定大当りであると判定された場合には(S610:YES)、確率変動機能を作動開始させる(S611)。
次に、今回の特別遊技状態発生の契機となった特別図柄当否判定の結果が特定大当りか否かを判定し(S612)、特定大当りであると判定された場合には(S612:YES)、特別遊技状態開始時に開放延長機能が作動していたか、すなわち遊技モードが低確率時短モード(3)または高確率時短モード(4)であったか否かを判定する(S613)。
この結果、開放延長機能が作動していたと判定された場合には(S613:YES)、変動時間短縮機能を作動開始させるとともに(S614)、開放延長機能を作動開始させ(S615)、これにより遊技モードは高確率時短モード(4)となる。一方、開放延長機能が作動していないと判定された場合には(S613:NO)、そのままリターンして、遊技モードは高確率通常モード(2)となる。このように、特定大当り発生時には、特別遊技状態開始前の変動時間短縮機能と開放延長機能の作動状態が維持される。
S610の判定処理で特別図柄当否判定が確変当りまたは特定大当りでないと判定された場合と(S610:NO)、S612の判定処理で特別図柄当否判定の結果が特定大当りでないと判定された場合には(S612:NO)、変動時間短縮機能を作動開始させるとともに(S614)、開放延長機能を作動開始させる(S615)。これにより、遊技モードが低確率時短モード(3)となる。
次に、本図柄の停止表示時間について説明する。本実施例では、本図柄の停止表示時間として、第1停止表示時間(5秒)と第2停止表示時間(0.5秒)に加えて、第1停止表示時間より長い第3停止表示時間(8秒)が用意されている。
ここで、本実施例の特別図柄の停止表示時間設定処理S512について説明する。図13は、本実施例の特別図柄の停止表示時間設定処理S512の流れを示すフローチャートであり、上記第1実施例の図7に対応している。
図13に示すように、まず、現在の遊技状態を取得する(S512a)。ここでは、開放時間延長機能の作動状態と確率変動機能の作動状態を取得する。次に、開放時間延長機能が作動中であるか否かを判定し(S512b)、開放時間延長機能が作動中である、すなわち低確率時短モード(3)または高確率時短モード(4)であると判定された場合には(S512b:YES)、停止表示時間を第2停止表示時間(0.5秒)に設定する(S512d)。
一方、開放時間延長機能が作動中でないと判定された場合には(S512b:NO)、確率変動機能が作動しているか否かを判定する(S512e)。この結果、確率変動機能が作動していない、すなわち低確率通常モード(1)であると判定された場合には(S512e:NO)、停止表示時間を第1停止表示時間(5秒)に設定する(S512c)。一方、確率変動機能が作動している、すなわち高確率通常モード(2)であると判定された場合には(S512e:YES)、停止表示時間を第3停止表示時間(8秒)に設定する(S512f)。
次に、疑似図柄(演出図柄)の演出表示時間の具体例について図14に基づいて説明する。図14は、本実施例における本図柄の変動時間と疑似図柄の演出表示時間との関係を示す時系列的に示す説明図であり、上記第1実施例の図10に対応している。図14(a)は開放時間延長機能および確率変動機能が作動していない通常状態(低確率通常モード(1))を示し、図14(b)は開放時間延長機能が作動している時短状態(低確率時短モード(3)または高確率時短モード(4))を示し、図14(c)は開放時間延長機能が作動しておらず、かつ、確率変動機能が作動している潜伏確変状態(高確率通常モード(2))を示している。
図14(a),図14(b),図14(c)に示すように、例えば本図柄の変動パターンA1(変動表示時間10秒)に対して、疑似図柄の変動パターンB1の演出表示時間は、通常状態は15秒(=変動表示時間10秒+停止表示時間5秒)となり、時短状態は10.5秒(=変動表示時間10秒+停止表示時間0.5秒)となり、潜伏確変状態は18秒(=変動表示時間10秒+停止表示時間8秒)となる。
このように、潜伏確変状態の場合に、通常状態で選択される第1停止表示時間(5秒)より長い第3停止表示時間(8秒)が選択されるようにすることで、本図柄の変動表示時間を変化させることなく、潜伏確変状態における疑似図柄の演出表示時間を長くすることができる。
上述のように、潜伏確変状態は、確率変動機能が作動していることを遊技者が認識困難な遊技状態である。このため、本実施例のように、潜伏確変状態における疑似図柄の演出表示時間を長くすることで、演出表示時間が長い演出図柄の演出パターンと確率変動機能の作動とを関連付けて遊技者に認識させることができる。これにより、演出表示時間が長い演出パターンが続いたときに、確率変動機能が作動している可能性が高いことを遊技者に認識させることができるという新たな遊技性を創出することができる。
(他の実施形態)
なお、上記実施例では、疑似図柄を3桁の数字図柄から構成したが、これに限らず、疑似図柄を他の態様とすることができる。例えば、図15に示す演出表示装置25の画面表示例のように、疑似図柄表示領域25aに表示される疑似図柄をキャラクタ図柄として構成することができる。図15に示す疑似図柄は、左側に表示される味方キャラクタと、右側に表示される敵キャラクタとから構成されており、本図柄の変動表示に連動して疑似図柄を構成する味方キャラクタと敵キャラクタが互いに攻撃する格闘の場面が演出表示される。この疑似図柄を用いた演出により、本図柄の複数回の変動表示にまたがった一連のストーリー演出を行うように構成できる。このような構成では、疑似図柄を用いた演出が本図柄の複数回の変動表示にまたがって連続的に行われるので、本図柄の停止表示時間を利用した疑似図柄の演出表示時間の設定をより効果的に行うことができる。
また、上記各実施例では、本発明を特別図柄に適用した例について説明したが、これに限らず、例えば普通図柄が抽選図柄と疑似図柄とから構成される場合には、本発明を普通図柄にも適用することができる。
また、上記各実施例における本図柄(抽選図柄)の停止表示時間設定処理S512は、本図柄の変動表示開始時に行われるものとして説明したが(図6のS512参照)、この処理を、本図柄の変動表示終了時(停止表示時:図6(b)のS514とS515との間)に行うこととしても良い。この場合、疑似図柄(演出図柄)の演出表示は、本図柄の変動表示と連動して開始されるので、サブ制御基板260で行われる疑似図柄の演出表示時間設定処理(図9参照)における、本図柄の停止表示時間の取得(S802)は、主制御基板200で本図柄の停止表示時間が実際に設定される前に行われることとなる。この場合、主制御基板200で行われる本図柄の停止表示時間の設定は、上述したように、現在の遊技状態に基づき行われることから(図7のS512a参照)、サブ制御基板260が、疑似図柄の演出表示開始時(本図柄の変動表示開始時)に、上記S802の処理にて現在の遊技状態を判断することで、主制御基板200で本図柄の停止表示時間が実際に設定されるよりも前に、主制御基板200で設定される本図柄の停止表示時間を取得することができる。よって、本図柄の停止表示時間設定処理S512が、本図柄の変動表示終了時(停止表示時:図6(b)のS514とS515との間)に行われる場合にも、疑似図柄の演出表示時間設定処理を、疑似図柄の演出表示開始時(本図柄の変動表示開始時)に正常に行うことができ、上記各実施例と同様の作用効果を得ることができる。
1…遊技機、25…演出表示装置(演出図柄表示手段)、28…始動口、33…大入賞装置、33a…大入賞口(可変入球口)、61…特別図柄表示部(抽選図柄表示手段)、200…主制御基板(当否判定手段、延長手段、確率変動手段)、260…サブ制御基板(演出表示時間設定手段)。